JP2022082503A - 装置、グリッパ装置およびソフトロボットグリッパシステム - Google Patents

装置、グリッパ装置およびソフトロボットグリッパシステム Download PDF

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Abstract

【課題】動作性能レベル量が改善されたソフトロボットグリッパを提供すること。【解決手段】ソフトグリッパは触手を含み、各触手はコネクタによって接続された上側部材と下側部材とを含む。各部材はガイドディスクを含み、各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサがこのリングのドーナツ穴の中に位置し、これらの通し穴が合わさってケーブル経路を画定する。コネクタは、中心貫通穴と伝達チャネルとを含む。ケーブルが、アクチュエータに結合された近位端を有し、下側部材の近位端に位置するベースプレートの開口を通って延在する。一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在し遠位下側ガイドディスクに結合する。一組の上側ケーブルが、下側スペーサの通し穴を通り、伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが上側部材の遠位端に装着される。【選択図】図1A

Description

分野
本開示は、ソフトロボット触手システムに関し、より具体的には、伝送システムによって独立して作動させる触手に関し、この伝送システムの上側ケーブルが、下側スペーサ経路を通り、伝達チャネルを通って上側リング経路へと延在することで、最小のケーブル伝送摩擦を独自に提供し、触手は作業空間内で物体を移動させる準完全または完全作動機構を含む。
背景
従来のソフトロボットグリッパおよび/またはエンドポイントエフェクタは、空気圧グリッパ、油圧グリッパ、電磁モータグリッパ、および吸着・真空グリッパに分類することができる。従来の各ソフトロボットグリッパは、いくつかの利点を示すが、数多くの問題も伴う。たとえば、従来のソフトロボットグリッパが有する問題のいくつかは、総重量および設計が大きすぎること、耐久性が低いこと、長期にわたって動作摩耗および引裂きが生じること、グリッパが物体を握る時間という観点からグリップ作業が遅いことであり、制御性に限界がある、または、場合によっては巧妙な操作について制御不能である。その他のいくつかの問題は、応用分野を限定する、高いメンテナンス要件を含む。
従来の油圧グリッパに関して、これらの装置は、指を合わせておよび離してスライドまたは旋回させる油圧シリンダを含む。従来の油圧グリッパのいくつかの局面は、車体パネルなどの薄鋼板を曲げてクランプするのに強力な強いグリップ力(10,000Nt以上)を含む。しかしながら、従来の油圧グリッパは油圧電源を必要とする。さらに、従来の油圧グリッパのいくつかの問題は、グリッパの後退を操作する取り込み時間が遅く、またその総重量が非常に重いことである。他の問題は、柔軟性のない2000~6000PSIホースを含む。典型的な漏出が原因で、漏出後の洗浄時に事実上のEPA問題が生じるため、従来の油圧グリッパを使用すると環境上の懸念もある。
従来の電磁モータグリッパに関して、これらの装置は、典型的には歯車列を介して配置された指を作動させる電磁モータ(サーボ、ステッパ、または同様のモータ)を含む。従来の電磁モータグリッパは、動作するための電気および制御CPUを必要とする。しかしながら、従来の電磁モータグリッパのいくつかの問題は、同じ重量の従来の空気駆動ユニットと比較して、歯車式ユニットの取り込み時間が非常に遅く、グリップが弱いことである。他の問題は、グリップ強度対グリッパ重量比が非常に悪いこと、および総重量が重いことを含む。さらなる問題は、モータへ放熱が原因で全体的な強度が制限されることを含む。
従来の吸着・真空グリッパに関して、これらの装置は、低圧領域を生成する真空ポンプまたは真空ベンチュリを含み、握った物体をノズルに吸着し、ノズルが物体を保持する。従来の吸着・真空グリッパは、真空を発生させるために電気または圧縮空気を必要とする。従来の吸着・真空グリッパのいくつかの問題は、取り込み時間が非常に遅く(3秒超)、グリッパ強度が弱いことである。他の問題は、「位置決め」をせず、把持した物体の姿勢が制御されない(すなわちグリッパ内の位置が不明である)ことを含み、他の問題は、真空領域では把持した物体の周囲に近づくことができないことである。
従来の生体模倣/擬人グリッパに関して、これらの装置は、操作の動物または人間の器官の類似体であることを試みるグリッパを含む。たとえば、「触手」グリッパは、空気圧で駆動されるアームおよびグリッパを用いて、タコの足の動きを多数の頭足動物の真空吸盤と組み合わせることを試みる。
グリッパ産業のますます増えている多様な作業用途に応えるために、動作性能レベル量が改善されたソフトロボットグリッパを開発することが、差し迫って必要とされている。たとえば、グリッパの改善された動作性能のいくつかは、グリッパ総重量の軽量化、グリップ力の増大、グリップ速度の増大、および、グリッパ制御量の増大であり、これは実際、従来のグリッパが提供する動作性能レベルと比較して、巧妙な操作をもたらす。また、グリッパ動作移動空間内での移動の自由度(DoF:degree of freedom)が増し(すなわち筆記体で書くときの人間の指の動きと同様)、位置把握量が増し(すなわち生物学的に固有受容性感覚と同様)、高レベルのフォースフィードバック(生物学的に筋肉運動と同様)を与えるグリッパを提供するための、ソフトロボットグリッパ技術も必要である。
概要
本開示は、ソフトロボット触手システムに関し、より具体的には、伝送システムによって独立して作動させる触手に関し、この伝送システムの上側ケーブルが、下側スペーサ経路を通り、伝達チャネルを通って上側リング経路へと延在することで、最小のケーブル伝送摩擦を独自に提供し、触手は作業空間内で物体を移動させる準完全または完全作動機構を含む。
本開示のいくつかの実施形態は、安全かつ制御可能な、正確で巧妙な操作で、対象物をグリップ/把持するために、12自由度(DoF)の調和した触手グリップ動作を提供する機械構造設計の、ソフトロボットグリッパを含む。実験から得られる少なくとも1つの認識は、多触手システムは、軽量設計で、長期にわたる動作摩耗および引裂きに対する耐性がある強い耐久性を持つことにより、今日の産業用途のグリッパ性能レベルを満たす必要がある、ということである。
たとえば、産業用途等において、空気圧グリッパ、油圧グリッパ、電磁モーターグリッパなどを含む、さまざまな種類の実験用の従来のグリッパ設計が、構築されテストされた。わかったことは、これらのテストグリッパは、今日のグリッパ用途の多くに見合う性能レベルが欠落していることであった。グリッパのいくつかの問題が、特定され、克服する必要があり、それらの問題は、特に、(a)グリッパが重すぎること、(b)長期にわたる動作摩耗および引裂きに対する耐性が低いこと、(c)グリッパが対象物を握る時間の長さという観点からグリップ作業時間が遅いこと、および(d)メンテナンスコストが高いこと、を含む。このため、これらの種類の実験用の従来のグリッパ構成についてはそれ以上のテストは続けられなかった。その後、より実験的なテストが、上記問題を克服しその他の利点を備えるべく設計された新たなテストグリッパに対して行われた。
本開示の実施形態のうちのいくつかはグリッパまたは触手を含み、これは、各触手が、弾性コネクタによって接続された下側弾性チューブまたは部材と上側弾性チューブまたは部材とで構成されるように設計されている。下側弾性チューブおよび上側弾性チューブは、長さと直径とが同一であってもよく、ガイドディスクが、各チューブの内側に、これらのガイドディスク間の間隔を保つように長さに沿って装着されている。これらのガイドディスクは同一構成であってもよく、各ガイドディスクは、通し穴を有する外側リングと、これも通し穴を有する、上記リングのドーナツ穴の中に配置されたスペーサとを含む。リングおよびスペーサの通し穴が合わさって、ケーブル経路を画定する。フィレットが、伝達チャネルの入口開口および出口開口、下側および上側のコネクタ中心貫通穴、下側および上側のリング通し穴、下側および上側のスペーサ通し穴、ならびにガイドリングの貫通穴に、構成されている。さらに、1つ以上のガイドディスクは、凸状の底面および上面と、丸い周縁部または凸状縁部を含んでいてもよい。ガイドリングの別の局面として、いくつかのガイドリングが、これらのガイドリングを形成する材料の剛性がスペーサを形成する材料の剛性と異なるように構成されてもよい。
意図されているのは、下側弾性チューブの長さおよび直径が上側弾性チューブの長さおよび直径と異なっていてもよく(図1A~図1E参照)、ガイドディスクの厚みおよび直径が異なり得る(図2D~図2I参照)ことであるが、これらはすべて、ユーザの動作要求および性能要求に応じて決まる。
弾性コネクタは、当該コネクタの全長にわたる中心貫通穴を有するように構成され、伝達チャネルが当該コネクタの中心部分に設けられるように設計される(図1F参照)。各伝達チャネルは、上記中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を備えた入口開口と、上記コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を備えた出口開口とを有する幾何学的特徴を含み得る。したがって、この幾何学的特徴の入口開口および出口開口は、上側弾性チューブの上側リングの通し穴と、下側弾性チューブの下側スペーサ通し穴とに対して概ね位置合わせされている。
上記幾何学的特徴(図2A~図2C参照)は、中心貫通穴を有する伝達チャネル構成を最適化する数式に基づいており、結果として、ケーブルの動作移動から生じたケーブルに対する側方負荷量を最小にし、触手グリッパの動作中の伝送摩擦量とケーブル屈曲疲労量とを同時に最小にする。本開示のコネクタを構成するためのテスト中、得られた少なくとも1つの認識は、下側弾性チューブのスペーサ通し穴を、コネクタの幾何学的特徴の伝達チャネルの入口開口と整列するように設計し、伝達チャネルの出口開口を、上側リングの通し穴と位置合わせする必要がある、ということである。その結果、ケーブル入口経路のさらなるコネクタテストに基づいて、ケーブル入口経路を、鋭角で弾性コネクタの底面から上面まで延在するように構成し、ケーブル出口経路を、鋭角で上面から底面へと延在するように構成する。
触手を動かすために、ケーブルがモータまたはアクチュエータによって駆動される。ケーブルは、下側および上側の弾性チューブまたは部材の外部にあるモータまたはアクチュエータに結合された近位端を有し、アクチュエータから、下側弾性チューブの近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在する。一組の下側ケーブルが、下側弾性チューブの下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合する。一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、コネクタの伝達チャネルを通って、上側リングの貫通穴まで延在し、遠位上側ガイドリングに結合する。エンドキャップが上側部材の遠位端に装着される。
12の自由度(DoF)を有する本開示の革新的な触手設計は、多岐にわたるグリップスタイルを提供し、結果として、さまざまなサイズ、重量、および形状の物体を把持する能力が高くなる。本開示のグリッパシステムと関連するいくつかの仕様は、(a)外径が約40~95mmまたは35~75mmの物体を、対向する指の隙間を約63.5mmにして把持すること、(b)閉じるために88msec、開くために166msecのサイクルタイム、(c)1指当たり約2.5lbのグリップ力を含み、(d)ほとんどの実施形態は、食品に接触する材料についてFDA-CFR第21章の要件を満たし、定格IP67保護等級であり、85dB未満のデシベルで動作する。上記特定の触手グリッパ性能仕様は、現代のグリッパ産業用途のうちのいくつかにおけるグリッパ性能仕様テストの、従来のテストグリッパのレベルと比較して、現代のグリッパ産業の性能の予想を超える、実質的により高い性能レベルを提供する。
たとえば、この新たな触手設計を他の触手とを組み合わせることにより、無機不規則形状の物体(岩石、人工物)および有機不規則形状の物体(未加工の生の果物、加工食品、焼成食品、非焼成食品、畜産物(肉、卵、チーズ))を含む不規則形状の物体を、把持することができる。この革新的な複数の触手が搬送できるさまざまな種類の形状の物体は、非限定的な例として、3次元(3D)形状を含み、この3D形状は、(a)平坦面を有する形状である多面体、(a)卵形である楕円体、(c)球形の物体、(d)円筒、および(e)円錐と、同一または同様の形状を含む。形状は、色、テクスチャまたは材料の種類等のその他の特性とは対照的な、ある物体または複数の物体の外側の境界、輪郭、または外面の形であると理解することができる。従来のテストグリッパのほとんどは、上記不規則形状の物体を把持することができず、および/または上記物体を把持できた場合は物体に損傷を与えたまたは頻繁に物体を落とした。
本開示の実施形態は、自然界で見出されることが多い有機形状を把持して移動させるように設計される。たとえば、把持できるこれらの有機形状は、葉の形状、岩石の形状、および雲の形状等の、流動性がより高く対称性がより低い物体であってもよい。この革新的な触手が把持するその他の物体は、立方体、円筒、三角形を含む抽象形状、および、岩石、果物、スポンジ等の有機形状を含み得るものであり、点群等の一般化された形状方法で表すことができる。この革新的な触手の把持機能のさまざまな特色のうちのいくつかは、既存の従来のソフトロボット技術による、変形可能な物体と関連する多目的グリップ動作のレベルと比較した場合の、(a)小型の物体、すなわちボルト、グロメットなどが入った袋、(b)包装された腐敗し易い商品、(c)スシ、焼成品等の壊れやすい商品またはその他の壊れやすい商品を含み得る、屈曲可能かつ変形可能な物体等の非剛体物体を把持するレベルを含む。この革新的な触手の実験は、工業生産環境において人間とロボットの相互作用タスクを完成する際に、保護されていない未熟な人間とともに動作する場合の性能レベルが高められた、より高いレベルの正確で巧妙な操作を示した、すなわち、これは、人間との、傷を伴わない産業用途を示す。
後に、ある実験後にわかったのは、このような巧妙な操作を伴う革新的な複数の触手は、無線制御(RC)サーボ等のモータ、および、集中制御システムを介して操作できる、触手セクション当たりの屈曲範囲が+/-120°のケーブルとともに、使用できることである。いくつかの実施形態のRCサーボおよび張力ケーブルの構成は、100Nを超える軸方向リフト強さ(すなわち10kgよりも大きなリフト強さ)を含む。これらの軸方向リフト強さにおいて、グリップ強さのレベルは、総重量がより軽い触手と比較して、より高い、重量に対する触手グリップ強さの比率に変換される、すなわち、触手構成は、同一サイズの従来のグリッパと比較して、より軽い。重量に対する触手グリップ強さの比率が高いので、触手グリップ強さの能力がより高くなり、重量に対する触手グリップ強さの比率が低い同一サイズの従来のグリッパと比較して、より重い物体をより短時間で動かすことができる。
各種グリッパ産業用途において触手を動作させる多数の長い動作テスト期間の後に観察されたのは、触手には、RCモータの放熱の問題がなかったことである。実験用の従来のグリッパシステムに対する同様の長い動作テスト期間では、RCモータの放熱の問題が観察され、その結果、総グリップ強さが制限されることになった。
長い動作テスト期間の後に観察された少なくとも1つの驚くべき属性は、対象物をスタート位置から最終位置まで移動させるための把持時間が、従来のグリッパが同一の物体を把持して同一のスタート位置から同一の最終位置まで移動させるための把持時間と比較して、短縮されたことであった。また、従来の電磁モータグリッパと比較して、RCサーボモータおよび張力ケーブルが力を作動させるために要した時間が、1秒未満であることも、観察された。従来のグリッパが非常に遅い少なくとも1つの理由は、ギア装置の取り込み時間にあると考えられる。観察されたその他の問題領域は、従来の電磁モータグリッパの弱いグリップ強さを含んでいたが、これは、先のテスト実験について述べたように、RCモータの放熱の結果であった可能性がある。
テスト用の人間とロボットの共同タスク完成という用途から観察されてわかったもう1つのことは、触手の操作が非常に巧妙なので、保護されていない未熟な人間は、工業生産環境において人間とロボットの相互作用タスクを完成しようとしているときに、自信を持つので、触手が人間を負傷させることをほとんど心配しなくてよいという報告が、人間の作業者からあったことである。これに対し、同じ人間の作業者が、従来のグリッパを使用する同一のテスト用の人間とロボットの共同タスク完成という用途に従事した場合、人間の作業者のほとんどは、安全と感じなかったと報告し、いつかは従来のグリッパで負傷すると考えたが、その理由の一部として、グリッパには準完全または完全作動機構がなく操作が巧妙ではないことが挙げられる。過去に同一の工業用途に適用されたこれらの種類の従来のグリッパは、傷害を起こす傾向があり、人間の安全と人間の作業者の信頼を損なうことがわかった。
これらの従来の安全性の問題を解決するために、本開示の実施形態は、人間に害を与えるピンチポイントを回避するための弾性材料で構成された触手を含む。これらの実施形態のための上記予防的手段には、先に述べた、下側弾性チューブと上側弾性チューブとを接続する弾性コネクタの幾何学的形状が含まれる。この幾何学的形状は、動作中に動いているケーブルから発生するケーブルの側方負荷の量を最小にし、同時に、触手グリッパの動作中の伝送摩擦量とケーブル屈曲疲労量とを最小にする。しかしながら、それと同様に重要なのは、この幾何学的特徴が、触手の非常に巧妙な操作を支援し、先端に埋め込まれた先端センサーとともに、遠位関節センサすなわち分散された形状センサまたは線形変位センサが、人間の作業者のための、傷害がほぼ100%生じない作業環境をもたらすレベルの触手制御を提供することである。「人間とロボットのコラボレーションは、人間とロボットが作業し一緒にタスクを実行することができる空間である未来の工場の開発において、重要な要素である。安全はこの人間とロボットのコラボレーションモデルにおいて最も重要な特色のうちの1つである。」と述べているMaurtua氏その他による論文「Human-robot collaboration in industrial applications: Safety, interaction and trust」(2017年7月7日に発表された研究論文:https://doi.org/10.1177/1729881417716010)に記載されているように、現代の工業生産者の最優良管理者は、研究者と協力してこのような傷害を起こさないロボットグリッパを実現する。
本開示の実施形態の別の利点は、多触手グリッパのベースプレートと、ロボットの外部に配置されて支持されるサーボモータパッケージとの間に、自転車ブレーキケーブルのような柔軟なシース付きケーブルを介してケーブルの延長部を挿入することによって、ロボットアーム質量負荷を減少できることである。柔軟なシースケーブルは、屈曲して触手を屈曲させなくてもよいため、柔軟なシースに柔軟性がなくても多触手グリッパの巧妙性に影響を与えない。サーボモータパッケージの質量をロボットアームから離して配置することによって、各自由度ごとの原動力はロボットによって担持されず、柔軟なシース付きケーブルによって担持される力および力フィードバックで遠隔にあるので、グリッパの質量衝撃は、その力および速度に関して非常に低い。
本開示の実施形態のさらに別の利点は、触手が電子機器を含む必要がなく、実際、金属または導体についての要件が全くないことである。本開示に係るグリッパは、ナイロン、アラミド(ケブラー)または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE、UHMW)、(ダイニーマ(商標)もしくはスペクトラ(商標))ケーブルおよびデルリン(商標)、ナイロン、PEEK、ウルテム(商標)(ポリエーテルイミド)またはガラス繊維強化エポキシのスペーサおよびリングを用いて、かつ、減摩ブッシング(ナイロン、デルリン(商標)、テフロン(商標)製)をスペーサおよびリングに用いて、純粋にポリウレタン、合成ゴム、またはその他の弾性プラスチックで作ることができた。したがって、本開示の実施形態は、磁界強度または電界強度が極めて高い環境で、かつ高RF環境で使用することができた。さらに、触手内には電子機器が全く不要であるため、半導体を破壊する強電離放射線の領域内にグリッパを使用することができた。本開示の付加的な要素は、末節骨と同じくらいのサイズの正確な、好ましくは硬化したブロックで構成され、軸力ゲージを装備し、システムの基準系における既知の位置に剛性的に位置決めされ、任意にビデオカメラを有する、単純な較正ステーションとすることができる。
本開示のある実施形態に従うと、装置は触手を備え、各触手は弾性コネクタによって接続された下側弾性部材と上側弾性部材とを含む。各弾性部材はガイドディスクを含み、各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが上記リングのドーナツ穴の中に位置し、リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定する。弾性コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含む。ケーブルが下側弾性部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、アクチュエータから、下側弾性部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在する。一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合する。一組の上側ケーブルが、下側スペーサの通し穴を通り、伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが上側部材の遠位端に装着される。
本開示の別の実施形態に従うと、グリッパ装置は触手を備え、各触手はコネクタによって接続された下側部材と上側部材とを含む。各部材はガイドディスクを有し、ガイドディスクは部材に沿って装着されガイドディスク間の間隔を維持する。各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが上記リングのドーナツ穴の中に位置し、リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定する。コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、各伝達チャネルは、中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含む。ケーブルが、下側部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、アクチュエータから、下側部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在する。一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合する。一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合する。エンドキャップが上側部材の遠位端に装着される。
本開示の別の実施形態に従うと、ソフトロボットグリッパシステムは触手を備え、各触手はコネクタによって接続された下側部材と上側部材とを含む。各部材はガイドディスクを有し、ガイドディスクは部材に沿って装着されガイドディスク間の間隔を維持する。各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが上記リングのドーナツ穴の中に位置し、リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定する。コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、各伝達チャネルは、中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含む。ケーブルが、下側部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、アクチュエータから、下側部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在する。一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合する。一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが上側部材の遠位端に装着される。集中制御システムが、トランシーバから触手データとセンサデータとを受けるように構成される。センサデータを用いて、格納された物体構成を比較することにより、対応する、格納された物体構成を取得する。格納されたコマンドを比較することにより、格納された物体構成に対応する格納されたコマンドのセットを取得する。受けた触手データを用いて、格納された物体構成と関連する格納された触手アクションを比較することにより、対応する、格納された触手アクションのセットを取得する。格納されたコマンドのセットを比較することにより、対応するコマンドの第1セットを取得し、触手データからの触手アクションが格納された物体構成に対応しない場合は、コマンドの第2セットを選択する。対象物を動かすために、触手のうちの各触手のためのモータが、関連する、選択したコマンドのセットに従い一連の張力を各触手への伝送システムに与えるようにするための、一連の制御信号を生成する。
本開示の別の実施形態に従うと、ソフトロボットグリッパシステムは触手を備え、各触手はコネクタによって接続された下側部材と上側部材とを含む。各部材はガイドディスクを有し、ガイドディスクは部材に沿って装着されガイドディスク間の間隔を維持する。各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが上記リングのドーナツ穴の中に位置し、リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定する。コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、各伝達チャネルは、中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含む。ケーブルが、下側部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、アクチュエータから、下側部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在する。一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合する。一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが上側部材の遠位端に装着される。集中制御システムが、トランシーバから触手データとセンサデータとを受けるように構成される。センサデータを用いて、格納された物体構成を比較することにより、対応する、格納された物体構成を取得する。格納されたコマンドを比較することにより、格納された物体構成に対応する格納されたコマンドのセットを取得する。受けた触手データを用いて、格納された物体構成と関連する格納された触手アクションを比較することにより、対応する、格納された触手アクションのセットを取得する。格納されたコマンドのセットを比較することにより、対応するコマンドの第1セットを取得し、触手データからの触手アクションが格納された物体構成に対応しない場合は、コマンドの第2セットを選択する。選択したコマンドのセットは一連の予め定められたトルクを含み、トルクは、対応する張力とともに、1つ以上の関節部または屈曲関節部に与えられ、触手のうちの各触手の複数の伝送システムに与えられる。各伝送システムは、モータに接続された第1端と関節部または屈曲関節部に接続された第2端とを有する。対象物を動かすために、触手のうちの各触手のためのモータが、関連する、選択したコマンドのセットに従い一連の張力を各触手への伝送システムに与えるようにする、一連の制御信号を生成する。選択したコマンドのセットは一連の予め定められたトルクを含み、トルクは、対応する張力とともに、1つ以上の関節部または屈曲関節部に与えられて触手のうちの各触手の複数の伝送システムに与えられる。伝送システムは、モータに接続された第1端と関節部または屈曲関節部に接続された第2端とを有する。
ここで開示されている実施形態を、添付の図面を参照しながらさらに説明する。示されている図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに、ここで開示されている実施形態の原理を示すにあたり全体的に強調が加えられている。
本開示のある実施形態に係る、ソフトロボットグリッパの触手を示す写真の図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aのソフトロボットグリッパの触手を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aのソフトロボットグリッパのいくつかの構成要素を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aおよび図1Bのソフトロボットグリッパの下側チューブのリングおよびスペーサのケーブル構成を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aおよび図1Bのソフトロボットグリッパの上側チューブのリングおよびスペーサのケーブル構成を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ケーブル構成を示す概略図であり、図1Bの制御可能な掌べースプレートから図1Bの先端に向かって延びるケーブル構成は、最初に遠位ガイドディスクの下側チューブスペーサに入り(C1~C4)、下側チューブのスペーサ経路から出て、中心貫通穴(D1~D4)を介してチューブコネクタに入り、チューブコネクタの伝達チャネルを通り、伝達チャネルから出て上側チューブのリングの経路(E1~E4)に入り、上側チューブのリング経路から出る(F1~F4)。 本開示の実施形態に係る、ケーブル摩擦およびケーブル材料疲労を最小にする弾性コネクタの最適化を示す概略図であり、ケーブル経路の側面図を示す。 本開示の実施形態に係る、ケーブル摩擦およびケーブル材料疲労を最小にする弾性コネクタの最適化を示す概略図であり、図2Aの斜視図を示す。 本開示の実施形態に係る、ケーブル摩擦およびケーブル材料疲労を最小にする弾性コネクタの最適化を示す概略図であり、図2Aの上面図を示す。 本開示のいくつかの実施形態に係る、弾性チューブへの摩擦および摩耗を最小にするための、丸い周縁または凸状縁を有する経路および貫通中心穴を有するガイドディスクの上面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ケーブルが動いている間のケーブル摩擦および材料疲労を最小にするためのフィレットと、弾性チューブへの摩擦および摩耗を最小にするための丸い周縁または凸状縁とを有する経路および貫通中心穴を有するガイドディスクの斜視図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、弾性チューブへの摩擦および摩耗を最小にするための、丸い周縁または凸状縁を有する経路および貫通中心穴を有するガイドディスクの側面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、弾性チューブへの摩擦および摩耗を最小にするための、丸い周縁または凸状縁を有する経路および貫通中心穴を有するガイドディスクの側面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、弾性チューブへの摩擦および摩耗を最小にするための、丸い周縁または凸状縁を有する経路および貫通中心穴を有するガイドディスクの側面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、弾性チューブの中に位置決めされた、経路および貫通中心穴および丸い周縁または凸状縁を有するさまざまなサイズのガイドディスクの側面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボット触手グリッパシステムを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、掌ベースプレートの構成を示す概略図であり、複数の触手の各触手は、X軸に沿ったX方向およびY軸に沿ったY方向に、他の残りの触手から独立して動くことができる。 本開示のいくつかの実施形態に係る、掌ベースプレートの別の構成を示す概略図であり、掌ベースプレートの外縁は、掌ベースプレートの水平面B(HP-B)に沿ってまたは垂直面A(VP-A)の程度に沿って内または外のいずれかに調整可能とすることができる。 本開示のいくつかの実施形態に係る、掌ベースプレートが、触手に向かってまたは触手から離れるように傾斜可能となるようにY軸に沿って調整可能であり、かつ、X軸に沿って左右方向に調整可能であることを示す、概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、着脱可能な部分グラブ装置の側面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、着脱可能な部分グラブの側面図を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図3Aのソフトロボットグリッパシステムの集中コントローラシステムのいくつかの構成要素を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、掌ベースプレート上にエラストマーセンサとともにソフトロボットグリッパシステムを組み込むことを含むロボットアセンブリの実施形態を示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、小型部品のための製造(MFG)パッケージング用途、またはビンピッキング、商品分類のためのサプライチェーン用途など、産業環境で使用され得る成形物についての複数の触手によるグリップまたは把持の種類を示す写真の図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、小型部品のための製造(MFG)パッケージング用途、またはビンピッキング、商品分類のためのサプライチェーン用途など、産業環境で使用され得る成形物についての複数の触手によるグリップまたは把持の種類を示す写真の図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、小型部品のための製造(MFG)パッケージング用途、またはビンピッキング、商品分類のためのサプライチェーン用途など、産業環境で使用され得る成形物についての複数の触手によるグリップまたは把持の種類を示す写真の図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、小型部品のための製造(MFG)パッケージング用途、またはビンピッキング、商品分類のためのサプライチェーン用途など、産業環境で使用され得る成形物についての複数の触手によるグリップまたは把持の種類を示す写真の図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、スラグハンマー1610などの重量物のための複数の触手による別のグリップまたは把持の種類を示す写真の図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、テストグリッパのグリップ強度テスト結果の表を示す概略図であり、テストグリッパは、3本の触手と、1本の触手当たり2つの区間とを有しており、1触手区間当たり完全作動された(12DoF)、+/-120°の屈曲、および30mmの最小内部屈曲半径を有しており、テストしたグリップ強度は、把持負荷容量と、当初のおよび最大の電流引き込みと、いくつかの把持について求めた失敗モードとを含む。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ディスクリート製造プロセスの組立ラインでチームとして協力して作業を実行する、掌ベースプレート上にエラストマーセンサを有するソフトロボットグリッパシステムと、人間作業者とを組み込むことを含むロボットシステムを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、物体を動かすために、物体の各姿勢に特有の動作命令のセットを作成するために使用される、人間が着用する「教示グラブ」に取り付けられた触手の実施形態を示す図であり、動作命令のセットは動作命令データベースに格納することができ、各物体は複数の姿勢を含み得る。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図8Aの人間が着用する「教示グラブ」を用いて物体の各姿勢ごとに動作命令のセットを作成するいくつかの方法ステップを示すブロック図であり、各姿勢は動作命令の関連セットを有する。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボットグリッパシステムと関連するいくつかの方法を実行するために使用できる、または、図10の集中制御システムと組み合わせることができる、および/または図3Eの集中コントローラシステムと組み合わせることができる、代替の集中コントローラシステムを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボットグリッパシステムと関連するいくつかの方法を実行するために使用できる、または、図9の集中制御システムと組み合わせることができる、および/または図3Eの集中コントローラシステムと組み合わせることができる、代替の集中コントローラシステムを示す概略図である。
上記図面はここで開示されている実施形態を示しているが、本明細書で述べるようにその他の実施形態も意図されている。本開示は、説明のための実施形態を、限定のためではなく代表として示す。当業者は、ここで開示されている実施形態の原理の範囲および精神に含まれるその他数多くの改良形および実施形態に想到することが可能である。
詳細な説明
本開示は、ロボットマニピュレータに関し、より具体的には、独立して作動させる複数の触手グリッパを有するソフトロボットグリッパに関し、物体を移動させるための準完全または完全作動機構を有する複数の触手が集中制御によって調整される。
図1Aは、本開示のある実施形態に係る、ソフトロボットグリッパの複数の触手111を示す写真である。各触手111は、下側チューブ118と、上側チューブ119と、先端116とを含む。意図されているのは、各触手111が、個々の長さ、幅(半径)、またはこれらの双方を有することにより、ユーザがある用途のためにこのような触手構成を必要とした場合に、固有の把持タイプを提供できることである。
意図されているのは、触手111の1つ以上の部分または外面OS(outer surface)全体を、少なくとも1つの、ポリマー等の低摩擦材料を含むように構成することで、触手111の外面OSと把持される物体との間の摩擦係数のレベルを小さくすることにより、グリッパの最大摩擦グリップ強さを減じるようにすることである。後に実験から教えられたのは、触手111の外面OSの1つ以上の部分を、互換材料、とりわけ高摩擦エラストマー材料、すなわちTool DipTMでコーティングすると、グリップ面上で望ましい高摩擦係数が復活するということであった。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aのソフトロボットグリッパの触手111を示す概略図である。掌ベースプレート102が触手111の触手ベース113に位置しており、掌ベースプレート102は下側チューブ118の触手ベース113に接触し、上側チューブ119は先端116を含む。
図1Aおよび図1Bを参照して、意図されているのは、複数の触手111の図1Aの外面OSおよび掌ベースプレート102はユーザ用途ごとに独自に設計され得ることである。たとえば、物体は、不均一または均一形状、異なる変形性、異なる柔軟性、異なる強度、サイズ、センサ積出、耐薬品性、摩擦特性、テクスチャなどのうちの1つまたは組み合わせを含み得る。これらの異なる種類の物体は、物体を把持するまたは動かす従来のグリッパシステムに課題を提示し、この結果、これらの課題を克服する新たな触手構造を見つけ出す必要性が生じる。本開示のいくつかの実施形態は、触手111の外面OSおよび掌べースプレート102が、従来のグリッパシステムでは克服されなかったこれらの課題を克服するように、設計されている。この革新的な触手111および掌べースプレート102の各々の設計は、特に、上記課題のさまざまな種類の物体を把持するレベルおよび移動させるレベルを、同じ物体を従来のグリッパが把持するレベルと比較して高めるための、固有のグリップ面を提供するように、構成される。いくつかの固有のグリップ面は、窪みおよび突起のうちの一方またはこれらの組み合わせを有する外面、ある程度の粗い面および平滑面を有する表面部分、成形された延長部分(ロッド、水平面など)、設計された2Dまたは3D構成、窪みまたは突起またはこれらの双方のさまざまな設計パターンを、含み得る。さらに、いくつかの外面設計は、隆起、粗い面、形状が異なる隆起/出っ張り/凹みなどのうちの1つまたはそのパターンを有し得るものであり、これらは、把持力/パワー、把持グリップなどのレベルのうちの1つまたはその組み合わせを高めるように構成できる。
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aのソフトロボットグリッパのいくつかの構成要素を示す概略図である。たとえば、スペーサ112がリング114の中心に位置決めされることにより、ガイドリング116が得られる。下側チューブ118および上側チューブ119は両方とも、中心軸CAに沿ってガイドリング116を含む。下側チューブ118と上側チューブ119はチューブコネクタ141によって連結され、上側チューブ119は上側チューブ119の遠位端に締結された先端116を有する。
各触手の一局面は、センサ(図示せず)が下側チューブ118、チューブコネクタ141、上側チューブ119および先端116に沿って実現され得ることである。たとえば、意図されているのは、スペーサ112、リング114および先端116は埋め込みセンサ(図示せず)を有し得ることである。いくつかの種類のセンサは、非限定的な例として、リアルタイムセンサも含むことができ、当該センサは、(a)ケーブル張力、(b)ケーブルの移動性、(c)ケーブル、ほつれたまたは破断したケーブル撚り線などのための動作可能な摩耗センサ、(d)角回転測定、(e)圧力センサ、(f)力センサ、(g)温度、(h)水分、(i)摩擦係数センサ、(j)表面導電率センサを含むことができ、すなわち、肉汁、名目上冷凍された物体からの溶融流体、または作業空間環境からのその他の流体(すなわち、水、油、油脂、溶媒、煤塵からの堆積物など)などの流体が物体から漏出しているかを判断することができる。これらのセンサは、図3Gのシステム300Gまたはグリッパシステムが統合され得る任意の構成要素もしくは他のシステムに関連する動作、管理、保守または他の何らかの懸念事項に関連する局面について、測定された感度をソフトロボットグリッパシステム(すなわち、図3Eのロボット制御コンピュータ362、制御モジュール360、センサ制御373、触手センサ366など)に戻すためのデータを提供することができる。さらに、センサは、触手の状態を判断するために触手状態関数に適用され得るセンサデータを生成するように構成され得る。また、先端116は、慣性センサ、マイクロ電気機械システムデバイス、加速度計、磁力計、触覚センサ、および電磁位置追跡装置、のうちの1つのセンサを含み得る。
いくつかの実施形態は、各触手の関節または各触手の遠位関節の中に実現される遠位関節センサを用いて構成されてもよい。「関節」という用語は、ヒンジ型関節、ボールソケット関節、摺動レール関節、回転ホイール型関節、ならびに柔軟な下側チューブ118および上側チューブ119などのエラストマー柔軟関節を含み得る。関節センサはデータを生成するように構成することができ、このデータは遠位関節の状態を判断するために関節状態関数に適用することができ、遠位関節センサは分布形状センサまたは直線変位センサである種類であってもよい。直線変位センサは、遠位関節に関連するケーブルについてのデータを提供し、各直線変位センサは、ケーブル伝送の移動距離を求めるためのデータを提供し、直線変位センサを介してすべてのケーブルの距離を求めると、すべてのケーブルの距離は遠位関節の移動を示すことになる。さらに、各直線変位センサは、線形電圧差動変圧器、ホール効果センサおよび磁石、スライドポテンショメータ、基準点においてケーブル伝送に結合された基準要素、うちの1つを含むことができ、それによって、ケーブル伝送の移動の指標として基準要素の移動を測定する。意図されているのは、グリッパが物体を握っていないときに、アクチュエータケーブル摩耗検知センサが、アクチュエータケーブルの電気抵抗の測定値を用いてアクチュエータケーブルの摩耗を検出し、物体を握っているときに、同じアクチュエータケーブルの抵抗測定センサが、ケーブルを歪みゲージ抵抗素子として用いてグリップ力を測定することである。さらに、センサデータは、触手に近接して位置する環境センサ、または、カメラ、ビデオカメラ、速度センサ、光センサ、距離センサもしくは深さセンサなどのセンサとすることができる。
図1Dは、本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aおよび図1Bのソフトロボットグリッパの図1Cの下側チューブスペーサおよびリング116のケーブル構成を示す概略図である。
図1Cおよび図1Dを参照して、図1Cの下側チューブリング114は、図1Cの下側チューブ118の屈曲を制御する図4Dのケーブル経路およびケーブルA1、A2、A3、A4を含み、図1Cの下側チューブスペーサ112は、図1Cの下側チューブ118の屈曲を変化させないが図1Cの遠位上側チューブ119の屈曲を提供する図12Dのケーブル経路およびケーブルD1、D2、D3、D4を含む。図1Dの経路D9および図1EのE9は、図1Cの上側チューブ119、図1Cの下側チューブ118およびエンドキャップ116内のセンサに関連する中央配線に使用することができる。
図1Eは、本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Aおよび図1Bのソフトロボットグリッパの上側チューブガイドリングのケーブル構成を示す概略図である。図1Cおよび図1Eを参照して、図1Cの上側チューブ119は、図1Cの上側チューブ119の屈曲を制御するケーブルのためのケーブル経路F1、F2、F3、F4を有するガイドリング116を有する(すなわち、ケーブルは、上側触手区間を作動させ、ケーブル経路F1、F2、F3、F4の近くの上側チューブの遠位ガイドリングで終端する)。上側チューブスペーサ112は、第3のチューブ区間に取り付けられた第2のコネクタのへの経路を提供し得るケーブル経路E1、E2、E3、E4を含み得る。さらに、中心穴E9を、センサの配線のために、または図1Cのエンドキャップ116に関連するデータを提供し得るその他の動作装置の配線のために、利用することができる。
図1Fは、本開示のいくつかの実施形態に係る、下側チューブスペーサ112(C1~C4)の遠位ガイドリングから出るケーブル構成を示す概略図であって、ケーブルは図3AのアクチュエータA~Lに固定され、図3Aの掌ベースプレートの開口から下側チューブスペーサ112の経路を通ってチューブコネクタ141(D1~D4)に入り、チューブコネクタ141(E1~E4)を出て、上側チューブガイドリング部分114(E1~E4)に入り、上側チューブガイドリングのリング区間114(F1~F4)を出る。
少なくとも1つの認識は、下側チューブケーブル制御式伝送システムを上側チューブケーブル制御式伝送システムから分離することであった。実験から観察されたのは、下側および上側ケーブル制御式伝送システムでは、触手のケーブル伝送機構の動作摩擦がほとんどなかったことである。下側チューブ118および上側チューブ119区間ならびにチューブコネクタ141は、最小曲げ半径を有し、ねじれまたはその他の拘束された動きが観察されなかった。しかしながら、上記認識に至るためには、それよりも前に多くのテスト実験が失敗しており、そこから多くの態様を学習した。たとえば、失敗したあるテスト設計では、下側および上側ケーブルを1つのチャネルまたは穴の中に一緒に位置決めした結果、摩擦が非常に高くなり、曲げ性能が非常に悪化した。失敗した別のテスト設計では、下側ケーブルを下側チューブの1つの穴に入れ、上側ケーブルを下側チューブの別の1つの穴の中に位置決めし、上側ケーブルをコネクタの中心貫通穴から、上側チューブ用の各上側ケーブルの個々の通し穴を含む上側ガイドリングに入れた。しかしながら、これらの失敗したテスト設計は、非常に高い摩擦および非常に悪い曲げ性能も示した。したがって、これらの失敗したテスト設計から分かったことは、本開示の実施形態を開発するにあたり克服すべき少なくとも1つの課題は、下側ケーブル伝送システムを上側ケーブル伝送システムからどのように分離するかを解明しなければならないことである。
引き続き図1Fを参照して、最終的に後で明らかになったことは、ケーブルが一緒に延在するのに十分な物理的空間が穴の中にあっても、ケーブルに張力がかけられて触手が屈曲した途端に、ケーブル張力がすべてのケーブルの穴の片側に引張るので、ケーブルが互いに擦れるという悪影響が生じたことである。ケーブルをナイロンで被覆していても被覆していなくても、または滑らかなスチールケーブルを使用しても、観察されたことは、ケーブル同士が事実上くっついてしまう非常に高い摩擦係数によって、摩擦により生じる許容できない負荷がサーボモータにかかる結果、性能不良およびテストシステムへのその他の悪影響が生じたことである。さらに観察されたことは、一部のケーブルが弛み、その後、第2のケーブルの下で輪状になり、その後第2のケーブルに張力がかけられると、第1のケーブルの位置が固定されることにより、触手への悪影響が生じ、場合によってはグリッパ動作が失敗したことである。
後で得られたその他の認識は、ガイドリング116のスペーサ112およびリング114の両方における各ケーブルについて経路穴を設計することにより、高速作動、最小摩擦、およびサーボモータに対する最小負荷で触手性能を改善することができたことである。いくつかの実施形態についての革新的なガイドリングに組み込まれる別の革新的な特徴は、被覆されていないまたは被覆されているケーブルに近接して配置された場合に、スペーサおよびリングに低摩擦係数材料を使用すること、すなわち、摩擦係数が非常に低い材料を使用することを含む。非常に窮屈な触手湾曲位置/用途における性能の向上および触手グリップ強度の増加が、テスト実験から観察された。耐えられるグリップ強度が向上した少なくとも1つの理由は、同じサイズの従来のグリッパシステムについての従来のケーブル設計および構成と比較して、スペーサおよびリングケーブル経路によって摩擦係数が低減したためであると考えられる。意図されているのは、スペーサおよびリングの材料種類は、より高い摩擦係数の種類の材料、より高い耐摩擦性の種類の材料、より高い強度の種類の材料、低重量の種類の材料、のうちの1つ以上を必要とする用途ごとに選択され得ることである。さらに意図されているのは、小さいまたは最小のサイズのブッシングまたはベアリングを、スペーサまたはリングとケーブルとの間のインサートとして使用することができ、ブッシング/ベアリングは、オペレータの意図する必要な動作目標によって決まり得る特定の摩擦係数材料を有するように設計することができることである。
引き続き図1Fを参照して、実験からさらに分かったことは、自転車ブレーキケーブルなどのシースに包まれたテストケーブルは、不十分な柔軟性、性能不良が観察され、本開示の柔軟な性能目標を満たすことができなかったことである。
図2A、図2Bおよび図2Cは、本開示の実施形態に係る、ケーブル摩擦およびケーブル材料疲労を最小にする弾性コネクタ241のための最適化伝達チャネルが得られた伝達チャネル構成のテスト実験を示す概略図である。図2Aは、失敗したテスト経路のテストケーブル経路204および206の側面図と、弾性コネクタ241のために本開示の実施形態208に使用された革新的なケーブル経路の側面とを示し、図2Bは失敗したケーブル経路および革新的な経路の図2Aの斜視図を示し、図2Cは図2Aの上面図を示す。
弾性コネクタ241の製造に関して、テストケースA1およびA2は単純なドリルビットで製造可能であるが、そのようなチャネル構成の結果、図2Aおよび図2Bの鋭角の角部204、214が生じ、ケーブル摩擦が増加した結果、ケーブル動作中にケーブル材料が損傷した。高いケーブル摩擦およびケーブル材料の損傷のため、テストケースA1およびA2は触手グリッパ設計に望ましいものではなかったので、さらにテストは行わなかった。
引き続き図2A~図2Cを参照して、テストケースB1およびB2では、伝達チャネルの入口および出口開口に、図2Aおよび図2Bの半径湾曲206、216を組み込んだ。テストから分かったことは、この半径湾曲を有する追加により、ケーブル動作時のケーブル摩擦が減少してケーブル材料疲労が少なくなったことである。しかしながら、半径湾曲を組み込むためには、好ましい伝達チャネルの設計形状の3D曲線を生成するための3次元(3D)プリンティング、または切欠きを使用する射出成形など、高度な製造技術が必要であった。さらにテストすることにより後で分かったことは、半径湾曲の追加によってケーブル摩擦およびケーブル材料の損傷は少なくなったが、観察されたケーブル摩擦およびケーブル材料の損傷、ならびにケーブル材料疲労は、本開示の実施形態に期待される所望の目標、性能局面および要求を満たすための持続可能なケーブル摩擦およびケーブル材料性能を提供できないレベルであったことである。テストケースB1およびB2から認識したことは、半径湾曲は、触手運動時のケーブル屈曲およびケーブル摩耗を実質的に減少させるように最適化しなければならなかったことである。それによって、触手グリッパの動作中のケーブル材料疲労が最小になる。
最適化された伝達チャネルの入口/出口開口のケーブル経路
引き続き図2A~図2Cを参照して、本開示の実施形態は、各伝達チャネルの入口/出口開口用の構造的なケーブル経路設計の図2Aおよび図2Bの半径208、218をさらに増大した、数学的に構築した公式に基づいて最適化された伝達チャネルを含む。この公式は、ガイドディスクの通し穴、すなわちケーブルが出入りする通し穴と、弾性コネクタ241の入口/出口伝達チャネル開口との間の測定距離を得ることを含む。この距離を測定する理由は、この測定距離を、一定かつ等しい半径の一対の円弧とともに用いて、入口/出口伝達チャネル開口のための最適なケーブル経路を構築することである。測定距離内の一対の円弧の半径を最大にすると、ケーブルの動作から生じるケーブルの側方負荷が最小になり、同時に、触手グリッパの動作中の伝送摩擦およびケーブル屈曲疲労が最小になる。
最適なケーブル経路の公式
最適なケーブル経路を構築するための公式は、触手に沿って長手方向に測定される入口/出口開口間の図2Aの軸方向距離(AD)と、触手の長軸に平行に測定される入口/出口開口間の図2Aの径方向距離(RD)とによって決まる。最適なケーブル経路は、入口開口位置で始まり、円弧に沿って、当初の入口開口から触手の遠位端に向かって位置AD/2に進み、当初の入口開口からRD/2だけ横方向にずれ、((AD/2)÷(RD/2))の逆正接に等しい角度でその位置に達する。最適なケーブル経路は、この位置から出口開口まで円弧に沿って続き、角度ゼロで出口開口に達する。ケーブル経路の直径は、潤滑剤を可能にする最小直径を加えたケーブル直径よりもわずかに大きくすることができる。
引き続き図2A~図2Cの208および218を参照して、この公式は、伝達チャネル設計において2つの円弧の半径を最大にする入口/出口伝達チャネル開口における最適化された半径湾曲を作成するように数学的に構成され、この結果、ケーブルが動いている間のまたは触手の運動中のケーブル経路のケーブル屈曲およびケーブル摩耗が最小になる。それによって、触手グリッパ動作中のケーブル材料疲労が最小になり、また同時に、伝達チャネルの入口/出口の伝達チャネル開口を通るケーブル動作によって生じるケーブルの側方負荷が最小になる。また同時に、触手グリッパ動作中の伝送摩擦も最小になり、ケーブルの動作寿命、したがって触手グリッパの動作寿命が延びることになる。
通し穴-伝達開口(PH-TA)ケーブル経路
最適化された伝達チャネルの入口/出口開口ケーブル経路の開発にあたり、実験から分かったことは、ガイドディスクの通し穴、すなわちリング通し穴またはスペーサ通し穴と、入口/出口伝達チャネル開口との間に、最小のケーブル摩擦および最小の屈曲経路を有するケーブル経路を設計する観点から、克服しなければならない問題/課題がさらに見つかったことである。加えて、下側および上側ケーブルが弾性コネクタ241の中心通し穴の中で交差しない場合は、ケーブル摩擦が少なくなることを認識した。これは、弾性コネクタ241の中心通し穴に入る、触手ベース、すなわち掌ベースプレートの近位にある4つの開口を、弾性コネクタ241の遠位端の出口開口に確実に接続することと、弾性コネクタの中心貫通穴に入る、触手ベース、すなわち掌ベースプレートの遠位にある4つの開口を、弾性コネクタの近位端の出口開口に確実に接続することとによって達成することができる。したがって、最適化設計では、スペーサ通し穴を通るケーブルのための入口開口が、出口通し開口よりも触手ベースに近い中心通し穴に入るべきであるように、配置される。
引き続き図2A~図2Cの208および218を参照して、実質的なテスト実験から得られた認識は、弾性コネクタ241は同じ長さの下部および上部を含む必要があったことである。その理由は、弾性コネクタの下部および上部が下側および上側弾性部材の中に延在し、各ガイドディスク、すなわち下側弾性部材の遠位ガイドディスクおよび上側弾性部材の近位ガイドディスクに接触し得るからである。それによって、それぞれのガイドディスクと弾性コネクタの下部および上部との間のケーブル経路距離が最小になる。したがって、このケーブル経路は、ガイドディスクの通し穴、すなわちリング通し穴またはスペーサ通し穴の中心を弾性コネクタの下部および上部と位置合わせするように構成される通し穴-伝達開口(passthrough hole-transfer aperture)(PH-TA)ケーブル経路と呼ぶ。このケーブル経路は、最小のケーブル経路距離を有するとともに、伝達チャネルのケーブル経路開口の実施形態と組み合わせてテストすると低いケーブル摩擦および最小の屈曲経路を示す。
図2Dは、本開示のいくつかの実施形態に係る、弾性チューブへの摩擦および摩耗を最小にするための、丸い周縁または凸状縁を有する経路および貫通中心穴を有するガイドディスクの上面図を示す概略図である。
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボット触手グリッパシステム340Aを示す概略図である。たとえば、グリッパシステム300Aは、180°の運動範囲を有する12個のサーボモータA~Lを用いて作動される3本の触手311A、311B、311Cを含む。12個のサーボモータA~Lの各々は、その制御線がArduino Mega上の別個のデジタルI/Oピンに接続されているので、各サーボモータの位置を0°~180°の任意の値に独立して設定することができる。各サーボモータA~Lは、ベルクランクの両端に取り付けられた、直径0.92mmの2本の柔軟なナイロン被覆ステンレス鋼ケーブルまたはケーブル329A、329Bを保持する。各サーボモータケーブル対は、同じ触手区間を反対方向に屈曲させ、サーボモータA~L上の角度90°は、その触手311A、311B、311C上のその自由度について名目上「ゼロ曲率」であり、サーボモータシャフトを0°に向かって回転させると、その触手区間は一方向に屈曲し、シャフトを180°に向かって回転させると、その同じ触手区間は反対方向に屈曲する。グリッパシステム300Aのその他の構成要素は、サーボモータ(アクチュエータ)A~Lを接続する配線331、制御可能な掌ベースプレート302A、およびコントローラ350を含み得る。コントローラ350は、集中制御システム(図3Gの300G参照)に接続することができ、または構成および用途の観点でユーザ要求に応じて、集中制御システムはコントローラ350の同じ場所に組み込まれてもよく、または他の何らかの場所に配置されてもよく、または集中コントローラ350と一体とすることができる。
グリッパシステム300Aは、サーボモータA~Lを介して完全作動され、あらゆる自由度で独立して動作し、サーボモータシャフトの+/-90°の動作に対して、1触手区間当たり+/-120°を超える曲げを実現する(触手区間が162°に制限されているのに対してこの動作が120°に制限されているのは、ベルクランクのアーム長さが制限されているために利用可能なケーブル動作が減少することが原因であり、サーボトルクの欠如が原因ではない)。
所定の8個の把持がArduinoの電気的に消去可能およびプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)に一例としてプログラムされており、この中には、プログラムされるさらに多くの把持がある。これらの把持は、いくつかの種類のピンチおよび巻き付きグリップ(図5A~図6B参照)を含み得る。オペレータはポテンショメータを用いてこれらの保存された把持の中から選択することができ、シリアルオーバーUSBコマンドラインインターフェイスが、人間または制御ソフトウェアによる個々のサーボモータの完全独立制御を可能にする。各サーボモータ、アクチュエータA~Lの位置はアレイに保存され、オペレータ/ユーザが別の予めプログラムされた把持を生成したい場合は、単に現在のアレイを一意の名前で保存することによって行うことできる。ArduinoのEEPROMを使用して、保存されたすべてのアレイをいつでも呼び出し、編集し、再保存することができる。全電流引き込みおよびグリッパシステム300Aに送達される電圧は(名目上は一定の6.2ボルトで)8アンペア未満であり、電源(図10の1008、1029参照)において監視される。
ケーブル制御式伝送システム:実験では、本開示のいくつかの実施形態についてのケーブル制御式伝送システムのようないくつかの認識が見出された。すべての実験は、対向するケーブル329A、329Bのセット(たとえば、「ピッチ」を制御する1セットおよび「ヨー」を制御する直交セット)を用いる能動制御を含んでいた。
モータ/アクチュエータ:ソフトロボットアクチュエータまたはモータは、触手のケーブル伝送システムに接続することができ、触手の構成要素材料はモータ/アクチュエータの性能に影響を及ぼす場合がある。たとえば、触手構成要素は、ゴムなどのエラストマー材料、またはスペーサおよびチューブコネクタ構造などの内部構成要素を覆うように配置されたプラスチックの薄壁で形成されてもよく、アクチュエータによってケーブルに力が加えられると、触手構成要素はアクチュエータによって加えられた圧力を受けて伸びるおよび/または曲がる場合がある。他の種類の力発生装置と比べた場合のこのモータ/アクチュエータの少なくとも1つの動作上のメリットまたは利点は、ケーブル伝送システムのケーブルを動かすモータの位置をサーボ制御によってソフト固定することにより、ケーブルの位置を保持して下側または上側チューブの動きを防止できることである。この固定態様は、たとえば、下側チューブスペーサの位置を保持することにより、さらに高い触手の動作性能を提供する。
集中コントローラ:本開示の実施形態でテストされたいくつかの集中コントローラ実験が見出され、後でいくつかの実施形態に組み込まれた。そのうちのいくつかは、格納されたロジックでプログラムされた集中コントローラを含み、ロジックは命令を含んでいた。この命令は、(a)格納された構成物体に対応するコマンド命令の各セットを得るために、(b)センサを有する教示グラブ(teaching glove)を着用しているオペレータから、人間に似た特性を有する動作を検知するステップと、(c)センサによって動作の少なくとも一部を表す1つ以上の信号を生成するステップと、(d)その1つ以上の信号を、複数の触手を作動させる、または複数の触手およびロボット装置のネットワーク内の他の装置を作動させるコマンド命令の集合セットに変換するステップ(コマンド命令の集合セットは動作と機能的に同等である)と、(e)その命令の集合セットを集中制御システムおよびロボット装置のネットワークに通信するステップ(ロボット装置は、ロボットシステムとともに動作するように構成可能なロボットアセンブリ装置である)とを完了する命令であった。
引き続き図3Aを参照して、コマンドデータベースを決定するために使用されるデータに組み込まれる他の局面は、複数の触手によるさまざまな把持動作を含む。たとえば、いくつかの把持動作は、(a)尺骨または掌の把持(すなわち、物体を掌のような表面に当てて閉じ込める指状装置を用いる、かき集め動作である把持)と、かき集め把持(すなわち、指状装置は物体を把持するが、指状装置には親指がなく、指状装置がすべての保持を行う)とを含み得る。この実験に基づいて、異なる成形物体を動かすためにいくつかの動作命令のグリップシーケンスを開発した。
得られた別の認識は、ソフトロボットグリッパ用の集中コントローラは、基礎となるさまざまなグリッパ材料性質の違いに応じて変化して非常に異なり得るソフトグリッパ制御変動性を認識することによって、従来の制御グリッパ制御アーキテクチャの欠点を克服しなければならないことである。たとえば、従来の制御グリッパ制御アーキテクチャは、ソフトロボットグリッパ構造の構成に使用される材料の種類が原因で、大きな把持力を生成することができないため、グリップ力問題がある。従来の制御グリッパ制御アーキテクチャによるグリップ力問題のいくつかの理由は、物体を把持するグリッパによる各グリップに関連する異なるグリップ強度を識別する際に、定量的分析がないためであると考えられ得る。グリップ力問題のその他の理由は、多数の異なるグリップモードから各グリップモードの個々の利点を識別する際の定量的分析の失敗、および多数の異なる引張方向から各引張方向の個々の利点を識別する際の定量的分析の失敗であると考えられ得る。
引き続き図3Aを参照して、たとえば、コマンドデータベースは、協調した一連の制御コマンド命令の複数のセットまたは触手動作プログラムを含み、これらは、定量的に評価された触手性能と、あらゆるグリップ方式、グリップモード、グリップ強度を開発するために使用された触手の完全独立作動と、集中コントローラまたはその構成要素が後でアクセスできる、協調した一連の制御コマンド命令または多触手動作プログラムを構築するために使用された積載容量とに基づいて開発された。あらゆるグリップ方式は、内部把持および外部把持とすることができ、その各々は、摩擦(すなわち、ピンチもしくはクランプ)に基づいていてもよく、または運動学的制約(すなわち、摩擦がなくても把持を維持できる、野球バットの柄をつかむ人間の手のような包み込み把持またはパワー把持)に基づいていてもよい。外部把持は、物体の外部に位置決めされて内向きに押し込まれる触手を有し、内部把持は、物体の内部、すなわちオリフィス、穴などに挿入される触手のうちの1本を有し、その後、触手は屈曲または拡張(膨張)して物体を把持する。さらに、グリップモードは、ある触手が別の触手に対してまたは別の触手の上で筋交いすることにより、筋交いされた触手に対する力が増加し、したがってグリップ強度が増加するモードを含み得る。予め定められたテスト期間中に、テスト集中制御システムは、予め定められた把持閾値に基づいて予め定めることができる最大把持品質を保証しつつ、最小グリップ力の範囲を設定することができる。たとえば、予め定められた把持閾値のうちのいくつかは、リアルタイムのセンサデータから得られた、測定された量を含み得るものであり、これは、非限定的な例として、触手に対する、すなわち関節のようなポイントを含む触手に沿ったポイントに対する圧力量、触手の測定された角度および速度、圧力量の時間変化から得られた滑り量、ならびに、触手に対する力の量などである。
上述のように、集中コントローラは、各物体識別情報および物体姿勢の索引付けを含む物体データベースにアクセスし、所望の運動種類についてのコマンドデータベースにアクセスして、命令されたアクチュエータ位置およびトルクの時間シーケンス、ならびに予想されるアクチュエータ力および予想される関節トルクの範囲を取り出すことができる。所望の運動種類は、X、Y、Z、長さおよび軸回転を含む各触手の任意の軸に沿った屈曲とすることができる。予想されるアクチュエータ力および予想される関節トルクの範囲は、ケーブル張力要素を有するエラストマー触手によって達成可能な範囲内に十分ある。
引き続き図3Aを参照して、具体的には、定量的分析のいくつかの他の局面は、異なる成形物体を把持するための把持の種類と、各成形物体ごとに複数の姿勢の異なる物体姿勢を把持するための把持の種類とを含む。対象物の形状および姿勢の両方についての把持の種類は、(1)各触手が物体形状を保持するためのグリップ強度、およびすべての触手が物体形状を保持するための全体的なグリップ強度、(2)複数のグリップモードの各グリップモードごとのグリップ性能、ならびに(3)複数の引張方向の各引張方向ごとの引張性能、などの局面を含み得る。
コマンドデータベースを決定するために使用されるデータに組み込まれるいくつかの他の局面は、グリッパ材料性質の種類に基づく把持力制御変動性、特定の対象物構成を動かすための複数の触手によるグリップ性能、アクチュエータ位置を含む実行される一連の制御信号、それらのステップで経験することが予想される予想トルク、力および位置、一連のステップのステップ間のタイミング、ならびに、識別された当初のトルク、力、または位置、または他の何らかの測定値が予め設定された範囲内になかった場合に各ステップにおいて取るステップの代替セットを含む。把持品質は、物体に損傷を与えないようにするためにグリッパから与えることができる、把持された物体に対する分散力とモーメントとの関係を示す尺度となり得る。予め定められたあるテストは、予め定められた把持閾値に基づいて最高品質の把持を決定するために物体を移動させることを含んでいた。より高いレベルの妨害(disturbance)が可能であれば、把持の品質は高くなるであろう。たとえば、触手による総グリップ力は個々の力の合計とみなすことができる。考慮されるその他の力は、重力の方向に鑑みた静的力(すなわち重力方向の最大加速度を含み得る)、および、重力に対して垂直な方向の触手加速度(すなわち代わりに滑り量の測定の基づいて検出されてもよい)を含む。
センサデータを用いたセンサおよび用途の種類
引き続き図3Aを参照して、意図されているのは、移動させる物体の作業領域内に位置決めされた環境センサが環境データ(すなわち、水分、温度、塵など)を取得して、触手が超小型物体を握ることおよび放すことを補助できることである。たとえば、環境データは、測定された毛管力、静電力などの測定データを使用することを含み得る。作業領域内の空気から測定された水分は、触手が物体を移動させるために使用する予定の物体の表面上で凝縮して水の薄層になる。
実施形態の開発
引き続き図3Aを参照して、本開示の実施形態を開発するにあたり、いくつかの実験は、触手を含むいくつかの機械的構造、ならびにプロセッサおよびその他の構成要素を有するコントローラを介した制御能力を見つけ出すために、自然進化の着想、およびヒトの解剖学的調査の両方を含んでいた。いくつかの実験的局面では、イソギンチャク、タコ、イカおよび象を分析および調査した。これらはすべて、柔軟な操作器官の姿勢を含んでいたが、制御方法が根本的に異なっていた。人間が設計した触手実験のうちのいくつかは、数個のアクチュエータを有する単一の触手に基づく複数の駆動方法(空気圧、油圧、張力ケーブル)を含んでいた。しかしながら、これらの実験から得られた少なくとも別の認識は、数個のアクチュエータ構成を有する単一の触手は、多くの局面において制限的すぎることである。したがって、別の認識は、本開示のソフトグリッパは、すべての触手グリップ動作の動きを協調させる集中制御とともに、各触手が独立して作動される能力を有するように、単一の触手構成よりも触手の有用性を高める必要があったことである。
したがって、コマンドデータベースを使用して、物体形状、特定の物体形状の姿勢を識別したこと、および、オペレータを介して特定の種類の多触手移動動作を受信したことに基づいて、協調した一連の制御コマンド命令の関連セットまたは物体動作プログラムを識別することができる。たとえば、協調した一連の制御コマンド命令の格納された複数のセットまたは複数の物体動作プログラムのコマンドデータベースを使用するためには、対象物形状を識別する必要があり、対象物に特有の姿勢を識別する必要がある。しかしながら、物体形状が円形である場合は、円形の姿勢は1つしかないので、物体の姿勢を組み込む必要はない。複数の物体姿勢を有する物体形状については、協調した一連の制御コマンド命令のセットをコマンドデータベースから識別するために、次にその物体形状に関連する特定の物体姿勢を識別する必要もある。
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、固定可能または制御可能な掌ベースプレート302Bの構成を示す概略図であり、複数の触手の各触手は掌ベースプレート302B上で、X軸に沿ったX方向およびY軸に沿ったY方向に、他の残りの触手から独立して動くことができる。たとえば、各触手は、触手群の強度性能をさらに最適化するために、掌ベースプレート302BのX方向またはY方向に沿って、またはその両方に沿って、触手下側弾性チューブまたは近位端を並進させるネジ機構を用いて移動可能とすることができる。コマンドは集中制御システムによって生成され、ネジ機構を作動させるアクチュエータ(図示せず)によって実行される。
図3Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る、制御可能な掌ベースプレート302Cの別の構成を示す概略図であり、制御可能な掌ベースプレートは、制御可能な掌ベースプレートの水平面B(HP-B)に沿ったまたは垂直面A(VP-A)の程度に沿った方向内または方向外に調整可能な、制御可能な外縁1C、2C、3C、4Cを含む。たとえば、触手1、2、3、4、5は、掌ベースプレート302Cの制御可能部分1C、2C、3C、4Cのうちのいずれか1つを利用して、触手群の強度性能をさらに最適化するように制御することができる。
図3Dは、本開示のいくつかの実施形態に係る、制御可能な掌ベースプレートを示す概略図であり、この掌ベースプレートは、触手301D、302D、303Dに向かってまたはこれらの触手から離れるように傾斜可能であるようにY軸に沿って調整可能であり、X軸に沿って左右方向に調整可能であり、触手群の強度性能を最適化することができる。
図3Eは、本開示のいくつかの実施形態に係る、着脱可能な部分グラブ装置の側面図を示す概略図である。部分グラブ361Eは、触手が把持するための表面積を追加するとともに、物体の輪郭に密着することにより、安全な把持のレベルがより高く、確実で安定した把持の量が増し、壊れやすい物体に損傷を与えるまたは物体を落とす率が低い、最大把持品質をもたらす。部分グラブは、各触手および掌べースプレートに装着され、いくつかの下側部材ガイドリングに対して軸方向に整列する補強支持リブ部分を有する場合に、実質的に良好に機能したことが、テスト実験から観察された。また、グリップ実行量および部分グラブの弾性の量の双方を、特定の物体構成および関連する特徴/特色に対応する一組の予め定められた最適化された把持閾値に従ってカスタマイズする必要があることも、テスト実験から観察された。たとえば、部分グラブのカスタマイズの一部は、移動させる物体と接触する各触手間に位置する1つ以上のグリップ特徴を含んでいた。グリップ特徴は、たとえば、窪み、突起部などの量、窪み、突起部などのパターンの種類、1つ以上のテクスチャ化された材料の量、1つ以上のテクスチャ化された材料のパターン、粘着材料または非粘着材料またはパターンの量、メッシュ材料内の空間のサイズ、または、研磨材料の量などである。
テスト実験は、部分グラブが装着された本開示の触手を用いて、異なる作業エリア内の異なる作業環境の中でテスト物体を移動させるように、企画され、各部分グラブは、各テスト物体および従来のグリッパシステムの従来のグリッパに合わせてカスタマイズされた。触手、および部分グラブが装着された触手は、(a)ODが約30~95mmの物体を、対向する指の隙間を約63.5mmにして移動させること、(b)閉じるために88msec、開くために166msecのサイクルタイム、および、(c)1指当たり約2.5lbのグリップ力を含む、機能を有していた。1回のテスト実験に使用された各テスト物体は、テスト物体の構成および関連する特徴/特色に対応する、一組または複数組の、既知の予め定められた最適化された把持閾値を含む、格納された既知のデータを有していた。さらに、触手に装着された各部分グラブは、テスト実験ごとにテスト物体に合わせてカスタマイズされた。
物体を把持し動かす部分グラブ361Eをテストし本開示の触手および従来のグリッパシステムと比較した。物体は、長さ425mm×幅200mm×高さ200mmの範囲のサイズを有する物体、GS1-GPCリストの国際商品分類の中で分類された物体、開示されている、変形可能な物体、変形不能な物体、構成、特徴および特色が異なる物体を含む。テストは、環境センサおよび本開示のグリッパシステムと関連するセンサのリアルタイム検知によるリアルタイムセンサデータを得ることを含んでいた。さらに、テスト実施形態は、FDA-CFR第21章の要件を満たす食品接触材料を使用し、定格IP67保護等級であり、85dB未満のデシベルで動作した。テスト中にはいくつかの不均一な形状の物体、変形可能な物体などが、触手が把持について初期品質を獲得していないために触手から落ちることが予想された。
テスト実験から観察されたことは、すべての領域において、本開示の触手の性能が、同一サイズの従来のグリッパシステムと比較して優れていたことである。また、部分グラブ361Eが装着された触手の性能が優れていたことも観察され、いくつかのテスト実験において、信頼水準の増加を観察者に提供し、特定のテスト実験における本開示の触手の高品質の把持を保証し、また、部分グラブが装着された触手を同一サイズの従来のグリッパシステムと比較した場合、前者はすべての領域において性能が傑出していた。少なくとも1つの、部分グラブを使用する利点は、先に述べた確実性および把持品質性能のレベルの増加量を考慮したときに、部分グラブ361Eのカスタマイズされた構成が最小コストで作製される点にある。その他のさらなる利点は、高速化された触手動作時間を含み、これは、言い換えると、単位当たりの製造時間の短縮、メンテナンスコストの削減、および触手部品の材料疲労の減少である。意図されているのは、部分グラブ361Eは、着脱可能な部分を有するように構成できることであり、たとえば3触手グリッパの2つの触手のみに接触する一方で掌べースプレートに装着することができ、これらはすべて、物体の種類、特徴および特色に鑑みて、意図されている移動させる特定の物体に応じて決まるものであってもよい。
部分グラブ361Eは、剛性のレベル、可撓性のレベル、グリップ能力のレベル、耐久性のレベル、テクスチャのレベル、耐粘着性のレベル、部分グラブ構造の開放空間の量の変更、開放空間のパターン、透過性のレベル、温度定格のレベル、強度のレベル、耐薬品性のレベル、部分グラブ材料疲労のレベル、耐久性の量、厚さの量等の、1つ以上の特色を有する1種類以上の材料で構成することができる。部分グラブの材料のコストの量および重量は、ユーザの動作要求またはユーザ固有のその他いくつかのパラメータに応じて決まる可能性がある。部分グラブ361Eは、テスト物体を移動させるための予め定められた最適化されたテスト性能に基づく開放空間のパターンを含み得る。意図されているのは、オペレータが、オペレータデータをリアルタイムで触手が物体を動かす前に、提供し得ることであり、オペレータが提供するデータは、最適な性能の特色を得るために、カスタマイズされた部分グラブを触手に装着して特定の対象物を動かす必要があることを示す。オペレータデータは、触手に装着する、推奨されるオペレータによりカスタマイズされた部分グラブを有する、格納されたデータベースと比較することができ、集中制御システムは、対象物を動かす前に触手に装着するカスタマイズされた部分グラブを得るために一組のコマンドを生成することができる。
図3Fは、本開示のいくつかの実施形態に係る、着脱可能な部分グラブの上面図を示す概略図である。着脱可能なまたは固定された部分グラブ361Fは、スナップ方式で掌べースプレート307Fに装着することができ、部分グラブ361Fは、従来の方法、ベルクロ(登録商標)、ストラップ、またはその他の方法で、触手301F、302F、303Fに装着することができる。部分グラブ361Fは、掌べースプレート361Fに装着され、各触手の長さに沿って長く延びている。先に述べたように、各部分グラブの長さは予め定められていてもよい。部分グラブ361Fは、形状およびサイズが異なる各物体の輪郭の周りに巻き付いて、移動させる物体を保持し覆う表面積を大きくする。たとえば、ピック&プレースタイプの用途は、カスタマイズされたグラブが装着された触手の利点を最も享受することができ、上記用途は、有機食品、壊れやすい物体などの種類の物を移動させることを含む用途を含む。部分グラブ361Fは、同一サイズの従来のグリッパシステムと比較して、把持制御量および把持品質を増し、物体の単位物体移動当たりの製造時間を短縮する。
技術的性質および実際の適用例
本開示の実施形態は、グリッパおよび非グリッパ業界におけるほとんどの市販ロボットコントローラと互換性があるように構成され、ターンキー統合を提供することにより、ユーザ/オペレータは、追加構成要素または制御ハードウェアがなくても、新規用途またはレトロフィット用途について革新的な多触手システムを迅速に設置して稼働させることができる。本開示の実施形態は、多種多様なグリッパおよび非グリッパ業界で動作するように構成される。たとえば、革新的な実施形態は、新たな触手設計およびコントローラ性質により、従来のグリッパシステムよりも速いペースで作業を実行可能である。革新的な実施形態が従来のグリッパシステムよりも優れた性能を発揮するグリッパ業界として、農作物収穫、果物および野菜の自動収穫およびパッケージングにおいて革新的な実施形態が人間と共同作業する協働型の人間/グリッパシステムを挙げることができる。革新的な実施形態は従来のグリッパシステムよりも優れている。その理由は、(a)複数の触手の高い巧妙性、(b)低コストで物理的な堅牢性および人に安全な動作を示し、高い生産性で作業を完了し、人に安全であること、(c)製品処理の製品損失がほとんどまたは全くなく、高度に衛生管理され、デリケートな操作を行うこと、(d)12DoFおよび任意の零空間を有する多触手把持により、リンゴまたは小さなチョコレートのようなデリケートな農産物および焼成食品、ならびに他の同様のデリケートな保存製品を伴う、分類およびパッケージング用途に高性能を提供すること、である。その他のグリッパ業界として、医療業界、ウェアハウスおよび製造業界を挙げることができ、革新的な多触手システムは、(a)高度の医療支援を提供することができ、(b)さまざまなサイズ、形状、重量および柔らかさ(すなわち、製品を詰めた袋)のパッケージを操作可能な高い巧妙性を必要とするグリッパを必要とする電子商取引用ウェアハウス、ならびに予測不能なサイズの物体を伴うウェアハウスロジスティック用途において優れた性能を発揮することができる。
従来のグリッパ設計およびシステムと比べた場合の、上記のグリッパシステム動作環境を操作する本開示の実施形態のいくつかの利点およびメリットとして、(a)動作する構成要素の部品が少なくなるので、塵、煙などの過酷な環境における一部のグリッパ業界において、ベアリング、シャフト、ならびに故障し得るおよび/または大規模な保守費用を必要とし得る他の機構がなくなる、(b)軽量化、軽量化による安全性の向上および高い巧妙性によって、衝突時の衝撃力が最小になる、(c)迅速な解放触手機構オプションによる、適応性、プラグおよび動作、繰り返し可能な高信頼性、(d)現在は多数の労働力を必要とする高度な組立作業を操作して完了するように構成されている、(e)パッケージング、食品飲料、および産業ロボットが、単一の使いやすい装置を用いてさまざまな物体を適応的に処理するので、ツール/触手の変更および複雑な視覚/センサ要件が不要になる、ならびに(f)ミリ秒応答の高速コントローラによって、繰り返し可能な高信頼性の動作が保証される、を挙げることができる。
図3Gは、本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボットグリッパシステムの集中コントローラシステム300Gのいくつかの構成要素を示す概略図である。たとえば、集中制御コンピュータ340は、環境(図示せず)内に位置した、集中制御コンピュータ340によって動かされる少なくとも1つの物体(図示せず)の検知距離内に位置決めされたセンサ330に接続され得る。その他のセンサは、1本以上の触手に埋め込まれたセンサ、またはロボットシステムに装着されたセンサ、または作業空間の領域に配置されたセンサであり得る。その他のセンサのうちのいくつかは、カメラ、ビデオカメラ、速度センサ、光センサ、環境関連センサ(すなわち、温度、湿度、火災、空気、水、気圧計センサなど)を含み得る。その他のセンサは、物体の外面を観察することに基づいて、サイズ、形状、位置、向き、外面テクスチャ、多孔性、および物体グリップ能力などの、物理的な物体の特色を求めることができる撮像または光学センサからのデータを含む対象物データを取得し得る。その他のセンサのうちのいくつかは、把持対象物の物理的側面を求めるなどのために、距離センサ、深さセンサ、力センシング、触覚センシング、圧力センシング、電圧センシング、伝導率センシング、超音波センシング、X線センシング、またはその他のセンシングを含み得る。その他のセンシングデータは、把持対象物の変形性および重量と関連付けて取得され得る。センサ330およびその他のセンサは、配線接続されてもよく、および/または無線であってもよく、センサ330およびその他のセンサの動作距離範囲内にあるネットワーク332に接続されてもよい。
集中制御コンピュータ340はバスシステム322に接続され、バスシステム322はストレージ342に接続する。ストレージ342は、物体データベース344およびその他のデータベース346を含み得る。メモリ348が、受信機インターフェイス351、受信機352および電源355とともに、バスシステム322に接続される。電源355は、バスシステム322に接続されてもよく、制御インターフェイス353に接続されてもよく、または多数のその他の構成を有するように構成されてもよく、これらはすべて、特定のユーザ/オペレータが意図する特有の動作必要性に応じて意図されている。電源は、電気的、再生可能エネルギー源、化学的であってもよく、ソフトロボットグリッパシステムに直接接続されてもよく、異なる種類の複数の外部電源を有してもよく、またはその両方であってもよい。バスシステム322には、送信機インターフェイス357および送信機359が接続される。また、ネットワークインターフェイスコントローラ350(NIC)(ネットワークインターフェイスカード、ネットワークアダプタ、LANアダプタ、または物理的なネットワークインターフェイスとしても知られており、同様の用語では、コンピュータをコンピュータネットワークに接続するコンピュータハードウェアコンポーネントである)がバスシステム322に接続され、ネットワーク332または他の異なる種類の無線ネットワーク(図示せず)と通信し得る。この場合もやはり、ユーザ/オペレータの使用目的のためにユーザ/オペレータが必要とする動作および感度についての特殊なニーズによって決まる。
引き続き図3Gを参照して、制御モジュール360はバスシステム322に接続され得る。制御モジュール360は、ロボット制御コンピュータ362に接続されてもよく、ロボット制御コンピュータ362は、ロボット制御コンピュータ362の構成要素に指示するのを助ける。いくつかの構成要素は、非限定的な例として、複数の触手364、触手センサ366、ロボットベースシステム368、および他のロボット関連の構成要素369を含むことができ、それらはすべて、371を介してロボット制御コンピュータ362および/または制御モジュール360に接続され得る。制御モジュール360は、多触手の力状態を1度確認し、折り返し報告することによって、物体(図示せず)のグリップを確認もしくは否定するように、または、多触手運動状態をフレームレートで連続的に監視し、多触手が良好なグリップまたは無効なグリップを示す場合にロボット制御を中断するように、ロボット制御コンピュータ362から構成されてもよい。意図されているのは、ロボット制御コンピュータはパワーモジュール374を有してもよく、パワーモジュール374は、ユーザ特有の要求に応じて、電力アダプタまたは充電式バッテリパックなどのロボットシステムに電力を供給する任意の電源を含み得ることである。
集中制御コンピュータ340は、メモリ348、ストレージ342に格納されている格納命令、またはネットワーク332を介したクラウドストレージからのアクセスを実現または実行することができ、特に、集中制御コンピュータ340は、物体データベース344、命令データベース346からのデータ、または上述のようなその他のデータベース(図示せず)からの他の格納データを含む、予め格納されたデータにアクセスすることができる。意図されているのは、本開示のいくつかの実施形態は、データベースに格納されて集中コントローラによって後でアクセスされ得るデータを取得および受信するための制御アーキテクチャで設計された集中コントローラを有し得ることである。データベースのためのデータは、サードパーティからの受信データ、過去の動作ソフトロボットグリッパデータ、物体の環境内のセンサから検知された検知データ、および、ソフトロボットグリッパの動作、保守、管理、性能に関連するその他のデータ、新たな概念などへの適応性方法に関連するデータ、またはソフトロボットグリッパに関連していないデータと関連していてもよい。
引き続き図3Gを参照して、ロボット制御コンピュータ362は、複数の触手364の各触手に、X軸、Y軸、またはZ軸425(図4参照)に沿って動いて複数の触手を開閉するように命令することができ、またはその他の動作を命令することができる。意図されているのは、集中コントローラシステム300Gは、触手364、触手センサ366、ロボットベースシステム368、および他の構成要素369に接続されたセンサ制御コンピュータ373を含み得ることである。センサ制御コンピュータ373は、格納されたソフトウェア(図示せず)ならびにラベルおよび表面力値を含む予め学習したXYセットデータベースを含むメモリ(図示せず)に接続されたハードウェアプロセッサ(図示せず)を含み得る。ハードウェアプロセッサ(図示せず)は、メモリ(図示せず)に格納されている格納命令を実現または実行し、任意のセンサデータが受信されると、受信データを格納データと比較して、警告メッセージ、1本またはすべての触手による把持/グリップの程度などのセンサデータ/信号を、ロボット制御コンピュータ362またはシステム1400のその他の構成要素に送信することができる。
意図されているのは、図3Gのセンサ制御373を使用して、図4のビン496の中の図4の対象物496の位置および向きを求めることができることである。図4のセンサ409A~Dはカメラとして構成されてもよく、このカメラは、触手が特定の種類の触手グリップを有するか否か、図4のビン496から1つ以上の対象物495を把持するか否か、またはその両方を判断するなどの、後の触手把持分析のための画像を、把持した対象物の位置および向きとともに生成する。意図されているのは、ビンの把持または他の何らかの関連動作に関連する多触手グリップシステムによる対象物の処理中に、その他の誤動作およびエラーが起こり得ることである。図3Eのセンサ制御373を利用している少なくとも1つの理由は、物体がくっつき合うまたは絡み合う可能性があり、早期に認識して取り除かなければ、そのような物体の絡み合いがエラーを引き起こすからである。たとえば、触手が複数の物体を把持した場合、これら複数の物体はグリップから落下する可能性があり、またはこれら複数の物体は他の構成要素に衝突する可能性があり、いずれのシナリオにおいても、単位コスト当たりの損失が発生する、製造時間が失われる、人間作業者への安全問題を引き起こす、などの可能性がある。センサ位置は、オペレータが意図している動作管理目標、懸念事項および機械システム要件に特有の、意図された目標または分析の監視種類に基づいて構成することができる。さらに、カメラからの画像を使用して、触手が図4のビン496から対象物を把持した後の触手内の対象物の位置および向きを検出することができるソフトウェアを、センサ制御システムに関連付けることができる。このソフトウェアは、図4のビン496の中の対象物の位置を検出するソフトウェアと同じであるように、またはそのソフトウェアとは別個であるように、などの多数の異なる方法で構成することができる。このソフトウェアは、コンピューティングデバイスを有するもしくはコンピューティングデバイスであるコントローラ内にあってもよく、または場合によっては別個のコンピューティングデバイス内にあってもよい。意図されているのは、このカメラはコンピューティングデバイスを内蔵しているスマートカメラであってもよいことである。
引き続き図3Eを参照して、制御またはコントローラモジュール360は、本開示の方法を実現するための異なるアプリケーションおよびプログラムを含み得る。たとえば、制御モジュール360は、ロボット制御コンピュータ362から受信された情報を処理するためのアプリケーション、たとえば、グラフ、ロボットシステムが配置される環境の3Dモデルを含む動作関連モデル、および物体特有のタイプのモデルを生成するアプリケーションを含み得る。制御モジュール360は、入力回路/インターフェイスモジュール380、ストレージモジュール382を介して受信された制御入力または入力信号を解釈し、ロボット制御コンピュータ362においてコマンド/アクションを作成するためのアプリケーションを含み得る。たとえば、ロボットシステムのいくつかの局面は、安定動作およびスケーリングされた動作、触手と掌ベース構造または他の構造との組み合わせに関連する制御、衝突検出および回避、コンプライアンス制御および制約動作などに関連する、さまざまな制御方法を含み得る。入力回路は、図9および図10に表されるようなディスプレイ特徴を統合することができる。ユーザディスプレイは、対象物のビューおよびモデルについて構成され得る。また、ディスプレイは、さまざまな入力装置(すなわち、音声および/またはオーディオ認識ソフトウェア、タッチスクリーン、およびジョイスティックコントローラ)から制御入力を受信するように動作するように構成され得る。人間との協働または共同作業に関連するその他の入力装置の例は、たとえば、神経および脳インプラント制御、ならびに動作および/またはジェスチャトラッキングシステムを含み得る。産業製造用途について効率的な集中コントローラアーキテクチャ設計を有することによって少なくともいくつかの利点が得られ、それらの用途はすべて、安定性、安全性、およびサービス性に影響を与える産業/製造問題に必須の操作理論および実務の知識を統合するために広範なエンジニアリングを必要とする。
格納されたデータベース344、346に関して、データベース344、346に格納されたデータは、触手グリッパ/物体操作を含むことができ、これらの操作は、所定の触手グリッパ/物体動作閾値に従って最適化された触手グリッパ/物体操作を識別することにより、異なる種類のテスト物体作業場内の異なる環境条件下で開始位置から最終位置にテスト物体を移動させるように、テスト期間中に予めテストされ、データベースに格納されている。
引き続き図3Eを参照して、まず物体構成(形状および姿勢)を用いて、グリッパシステムのリアルタイムセンサから得られた対象物データを使用して、物体構成の格納データベースから、格納された物体構成を識別する。しかしながら、各物体構成は、異なるサイズ、重量、位置、向きなどを含むその他の局面を、物体特性(すなわち、物体外面材料のテクスチャの種類、(b)物体の2次元(2D)もしくは3D形状、または(c)湿潤度、平滑度もしくは滑りやすさなどの物体のグリップ能力)と組み合わせて有している。
テスト期間中、上記の物体の特色と組み合わされた各物体構成(すなわち、異なるサイズ、重量、位置、向きなど)の各々は、異なるサイズ、重量、位置、向き、および物体特性(すなわち、表面平滑度/テクスチャ、剛性/変形性)の物体を把持するために、あらゆるグリップ方式、グリップモード、グリップ強度、積載容量でテストされ、また、異なる種類の環境条件下で、格納されている所定の触手グリッパ/物体動作閾値に従って最適化された触手グリッパ/物体操作を識別するために、各種類の物体作業場について、開始位置から最終位置にテスト物体を、すなわちビンの中のランダムなテスト物体、作業面に置かれたテスト物体などを動かすように、テストされる。
引き続き図3Eを参照して、テストデータは複数のデータベースに記録され、当該テストデータは、把持分類子、物体特性および特色、触手構成、環境条件、物体作業場、ならびにこれらの複数のデータベースに格納されるすべての組み合わせに対応するコマンドのセット(すなわち、1つ以上の物体特性および特色と組み合わされた異なる物体構成)である。各データベースにおける各分類は、その他のデータベースからのデータに対応する。たとえば、物体データベースには、物体特性(すなわち、第1のテスト物体の外面材料のテクスチャの種類など)とともに、特定の形状、姿勢、サイズ、重量、位置、向きなどを有する第1のテスト物体構成が格納され得る。第1のテスト物体は、物体作業場の種類ごとに、1つ以上の環境条件下で第1のテスト物体を把持して第1のテスト物体を開始位置から最終位置に物体を移動させるための、グリップ方式、グリップモード、グリップ強度、積載容量などの対応データを含むことができ、これらはすべて、格納されたコマンドのセット(すなわち、所定の触手グリッパ/物体動作閾値に従って最適化された触手グリッパ/物体操作)に対応する。コマンドデータベース内のコマンドの第1のテスト物体格納セットのうち、このコマンドのセットの中には、物体構成と1つ以上の第1のテスト物体構成との各々の異なる組み合わせに一意に対応するコマンドの個々のセットまたはサブセットがある。
したがって、リアルタイムセンサからオペレータデータおよび対象物データを受信すると、受信したオペレータデータを格納データと比較して、受信したデータが、受信したオペレータデータ内にあり得るピックアップ動作など、第1のテスト物体に対応するかどうかを識別する。ピックアップ動作が受信されて格納データベース内で確認された場合は、コマンドデータベースに格納されたピックアップ動作についてのコマンドの対応セットまたはサブセットが選択される。さらに、リアルタイムセンサから物体データを受信すると、受信した物体データを格納データと比較して、受信した物体データが、第1のテスト物体の外面材料のテクスチャの種類など、第1のテスト物体に対応するどうかを識別する。第1のテスト物体の外面材料のテクスチャの種類が格納データベース内にある場合は、コマンドデータベースに格納された第1のテスト物体の外面材料のテクスチャの種類についてのコマンドの対応セットまたはサブセットが選択される。なお、触手は、物体構成と物体特性および特色との異なる組み合わせについての各触手構成に関連するデータの別のセットを含む1つ以上の触手構成を有し得る。
引き続き図3Eを参照して、意図されているのは、データベースは、命令データベース、物体履歴データベース、命令履歴データベース、環境データベース、人間作業者データベース(各作業者は、作業者のプロフィールおよび能力の特性と関連するプロフィール(すなわち、作業者と関連する作業者速度、作業者の障害による制限、作業者の健康など)を含む)を含むことができ、その他のデータベースは、ソフトロボットグリッパシステムが使用可能な動作および情報に関するデータを有することである。この場合もやはり、各ユーザ/オペレータ特有の動作構成、必要な構造制限、特殊なニーズ、ソフトロボット触手グリッパシステムの使用目的の感度に応じて、多種多様な他の構成が意図されている。
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係る、制御可能な掌ベースプレート403上にエラストマーセンサ409A、409Bとともにソフトロボットグリッパシステムを組み込むことを含むロボットアセンブリ400の実施形態を示す概略図である。たとえば、本開示のソフトロボットグリッパシステムはロボットアセンブリに組み込まれ、触手411および2つのエラストマーセンサ409A、409Bは掌ベースプレート402上に位置決めされる。ある用途では、少なくとも1つの目標は、物体形状および姿勢497に基づいてビン496の中のランダムな物体から物体495をピックアップすることであり得る。触手グリッパは、触手411による12自由度(DoF)および6DoFロボットアーム404を含み得る。3Dセンサ409A、409Bは、アーム404上に配置されて、物体495、触手411、ビン496、およびその他の物体、天気などを含むシーンのデータを取得することができ、このデータはロボット組立プロセスまたは製造プロセスを強化するために使用され得る。次いで、触手411は、ビン496からの物体495から対象物をピックアップすることができる。なお、ビン496は、異なるサイズおよび形状、ならびに異なる重量であり得る異なる物体を含むことができる。意図されているのは、ロボットは7個以上の関節を含むように設計され得ることであり、これは、ベースが固定されてグリッパ位置が固定されても、ロボットの関節位置には余分の1つ以上の自由度、すなわちロボットの「零空間」があることを意味する。零空間における動作はグリッパ位置を全く動かさないので、このように呼ばれる。零空間におけるこの動作によって、グリッパが物体495に到達するとともに、グリッパが、触れるべきでないまたは衝突すべきでない作業空間内の別の物体に触れないようにすることができる。たとえば、人間の腕を、鼻の高さ付近で人間の顔の前の約2フィートの点まで外側に伸ばすと、パイプ障害物などの障害物の上または下に伸びることによって、肩または手の動きを伴わずに上下に動く肘の零空間が生じる。少なくとも1つのさらなる革新は、多触手グリッパが零空間を含むことによって、触手411自体が、位置または把持中の物体495上の把持位置を変えずに動くことができることである。したがって、多触手グリッパは、触手411による物体495の把持を維持しながら、作業空間内の障害物を迂回または回避することができる。
引き続き図4を参照して、一例では、3Dセンサ409A、409Bは追加のセンサ409C、409Dを含んでもよく、センサ409A~409Dのうちの2つ以上のセンサはプロジェクタによって生成された構造化光を使用する。センサ409A~409Dのうちの2つ以上のセンサはステレオカメラおよび飛行時間範囲センサとすることができる。これらのセンサ409A~409Dは、3Dシーンデータ、たとえば点群を取得することができる。3Dセンサは、ロボットアーム404に対して較正することができる。したがって、ロボットアーム404の座標系に変換可能な3Dセンサの座標系において物体495の姿勢を推定することができるので、ロボット制御コンピュータ443を介してこの姿勢に従ってロボットアーム404を制御することによって物体495を把持して選ぶことができる。シーンデータは、センサ制御コンピュータ401において行われる決定された方法を実行し得る制御モジュール442によって処理され得る。センサ制御コンピュータ401は、当該技術で公知のメモリおよび入出力インターフェイスを含み得る。意図されているのは、センサ409A~409Dは、触手411の動作が意図した通りに進行中であることを特定して判断することを助けるように構成され得ることである。たとえば、触手411は、物体のビン496内に位置する開始位置で対象物495を把持するように多触手グリップシステムが命令されると、そのように対象物495を把持する。これは、多触手グリップシステムがビン496から対象物495を把持するように命令された後であり、多触手グリップシステムが最終位置に移動するように命令される前である。センサ409A~409Dは、集中制御システムがセンサデータを受信すると、グリップの種類、触手411が保持する物体の数、またはその両方を識別するデータを生成する。そのグリップの種類、触手411が把持する単一の対象物、またはその両方が、対象物の位置および/または向きがコマンド命令のセットに従う対象物の位置および/または向きについての所定の基準に対応すると判断された場合は、集中制御システムはコマンド命令の代替セットを生成しない。しかしながら、グリップの種類、触手411が把持する物体の数、またはその両方が、コマンド命令のセットに従う対象物の位置および/または向きについての所定の基準を満たさないと集中制御システムが判断した場合は、集中制御システムは、対象物または数個の物体を保持している触手411を開始位置に戻すまたは代替位置に動かすコマンド命令の代替セットを生成する。
引き続き図4を参照して、革新的な触手411は、上述のように高度に巧妙な操作をリアルタイムセンサ409A~409Dと組み合わせたこと、および各触手(図示せず)の先端(図1Cの116参照)に埋め込まれたリアルタイムの触覚センシングにより、柔軟な組立ラインに特にカスタマイズ可能である。たとえば、リアルタイムセンサデータを受信すると、柔軟な組立ラインで典型的に経験する異なる形状および姿勢の物体を触手によって高精度で容易に移動させることができる。触手は、ある期間中に連続して2種類以上の物体を握り、M6ソケットヘッドボルトを高精度で握り、連続して次に同一のボルトが螺合する鋳物を握り、かつM6六角ヘッドボルトを正確に把持するように動作可能であることが、テスト結果から分かった。一方、M6ソケットヘッドボルトを握る従来のグリッパは、典型的には、同一のボルトが螺合する鋳物を握ることができず、M6六角ヘッドボルト正確に把持することもできない。
従来のロボットアセンブリに対して区別される少なくとも1つの新規な要因は、先端(図1Cの116参照)が、上述のセンサ409A~409Dと組み合わされて触覚センシングを提供する埋め込み触覚センサを含み得ることである。組み合わされると、集中制御システム(図3Gの300G参照)に戻されるリアルタイムセンサデータは、動作中に、すなわち柔軟な組立ライン内で、数分の1秒で処理されて実行される。さらに、触手によって対象物をピックアップする際にエラーまたはグリップ問題が検出された場合、集中制御システム(図3Gの300G参照)はリアルタイムでその問題を即座に修正して、貴重な動作時間および生産コストを節約することができる。この新規な特徴は、今日の製造設備が、柔軟な組立ラインで動作するために能力が改善されたロボットを組み込む際の投資の増加に鑑みて、特に重要である。これは、セクタのさらなる成長ダイナミクスに関する洞察についてのマッキンゼー・アンド・カンパニー社のIndustrial Robotics Reportに記載されており、2019年7月発行のそのAdvanced Industriesには、「業界全体にわたる投資の増加は、主に生産コストの削減という目標によって引き起こされる。投資は、生産柔軟性を高めてロボットの能力を向上させるという必要性によっても動機付けられる(証拠5参照)。」と述べられている(https://www.mckinsey.com/~/media/McKinsey/Industries/Advanced%20Electronics/Our%20Insights/Growth%20dynamics%20in%20industrial%20robotics/Industrial-robotics-Insights-into-the-sectors-future-growth-dynamics.ashx参照)。一方、ほとんどの従来のロボットグリッパは、触覚センシングがほとんどまたは全くない、すなわち柔軟な組立ラインへのグリッパの使用が制限されている、などの問題がある。少なくとも1つの理由は、これらの従来の特化したグリッパ指の設計は高精度の部品把持および把持検証のために構成されているが、これらの従来の装置は2種類以上の物体を握るようには動作可能でないことである。
引き続き図4を参照して、1組の触手が支持動作構成要素とともに示されているが、本開示の実施形態によれば、ユーザ特有の要求に応じて、交換可能な数組の触手が意図されている。異なる種類の数組の触手は、異なる剛性、柔軟性、異なる外面材料、異なる触手長さなどを有することができ、そのすべてが本開示の局面に従って本出願の中に記載されている。
本実施形態のシステムおよび構成要素の別の局面は、ソフトウェアまたはハードウェアまたはそれらの何らかの組み合わせが、ローカライズされたストレージを介してまたはクラウドベースのシステムを通して実現可能なことである。いくつかの実施形態の局面によれば、触手、特に埋め込まれたセンサを用いて構成された触手によって作業柔軟性が導入され、これにより、予測されるか予測されないかにかかわらず、計画された元の作業から変更があった場合でもグリッパを使用し続けることができる。同様に、従来のロボットは、実際の組立動作が成功したか否かを判断する能力、すなわち、グリッパの把持が「グリップ成功」なのか「物体が見つからない」なのか「グリップがきつすぎる」なのか「グリップが少し緩い」なのか「グリップ感覚がおかしい」なのか等を判断する能力が低い。従来のロボットのこれら上記の問題を克服するために、本開示のいくつかの実施形態は、図12A~図12Cの機械的に堅牢な汎用のグリッパ先端1216を用いて構成されており、これにより、上述のように、圧力、並進、回転、剪断などにおいて完全な力セットが提供され、これは、非限定的な例として、柔軟な組立ラインに使用することができる。
図5A~図5Dは、本開示のいくつかの実施形態に係る、小型部品のための製造(MFG)パッケージング用途、またはビンピッキング、商品分類のためのサプライチェーン用途など、産業環境で使用され得る異なる成形物のための複数の触手によるグリップまたは把持の種類を示す写真である。
実験から分かったことは、剛性ケーブルガイド外側リングと、エラストマーのコアチューブと、楕円形の青色スペーサのスタックと、スチールケーブルとを組み合わせると、高異方性の機械的メタマテリアルが生成されることである。張力下では、これはスチールケーブルのために非常に非弾性であり、圧縮下では、これは従来とは異なって挙動し、すなわち軸方向に圧縮せず、長いカラムのオイラー座屈(典型的には1つの鋭い折り目またはねじれを作り出す)も受けないが、代わりに、180度曲げられても、本質的に円弧に曲がって完全に回復する。剪断下では、ケーブル張力がなければ、触手は自重で著しく撓むが、触手区間自体は、第2のより高次の湾曲(「S」曲線およびより多くの変曲点を有するその他の曲線)に耐える。異なる観点から言えば、エラストマーグリッパは、サーボケーブル設定および把持中の物体の境界条件を考慮して最小エラストマーエネルギー構成を見つけるアナログコンピュータである。この観点は、グリッパの制御アルゴリズムを改善することに直接つながった。また、実験性能結果は、グリッパシステムが、協調した中央制御および機械的メタマテリアルの使用によって優れたグリップ強度および適応性を提供することを示すことが認識された。その他の実験性能結果は、横方向において柔軟であり続けながら、高い引張および圧縮強度を示した。さらに、中央コントローラは、高強度の協調した触手把持を提供し、同じサイズおよび構成の同様の従来のグリッパと比較すると、本開示のグリッパの性能結果は、トラクションゴムグリップジョーを用いて構成された従来の平行グリッパよりも強く、最小の触手曲げ半径よりもはるかに小さい物体を把持するための把持の種類および数の面でより優れていることが分かった。たとえば、図5Aは、鉛筆510を把持している複数の触手を示す。図5Bは、ボルト514を把持している複数の触手を示す。図7Cは、第1の把持グリップを用いて車のエアフィルター518を把持している複数の触手を示す。図5Dは、第2の把持グリップを用いて車の別のエアフィルター519を把持している複数の触手を示す。
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、スラグハンマー610などの重量物のための複数の触手による別のグリップまたは把持の種類を示す写真である。
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、テストグリッパのグリップ強度テスト結果の表を示す概略図であり、テストグリッパは、3本の触手と、1本の触手当たり2つの区間とを有しており、1触手区間当たり完全作動された(12DoF)、+/-120°の屈曲、および30mmの最小内部屈曲半径を有しており、テストしたグリップ強度は、把持負荷容量と、当初のおよび最大の電流引き込みと、いくつかの把持について求めた失敗モードとを含む。たとえば、多触手グリッパは、(a)遠位巻き付き、(b)近位包み込み巻き付き、(c)逆遠位巻き付き、(d)内側からの拡張巻き付き、(e)内側からの拡張ピンチ、(f)遠位ピンチ(外側からの遠位ピンチ)、(g)近位ピンチを含む、同じ多触手についての多くの種類のグリップを含み得る。さらに、多触手グリッパは、6ミリメートル(M6)サイズのボルト(または1/4インチ未満のサイズのボルト)のような非常に小さな物体から、ショップバックの工業用掃除機フィルタ(または150mmもしくは約6インチのサイズの物体)のような非常に大きな物体まで、取り囲みグリップによって把持することができる。
いくつかの把持について求めた把持負荷容量、当初のおよび最大の電流引き込み、ならびに失敗モードを表1にまとめている。各種類の把持においてテスト物体を触手でつかんだ後、較正した力スケールを介して、グリッパからテスト物体を真っ直ぐ外に(軸方向)または真っ直ぐ下に(径方向)引き抜くことによって、テストを行った。遠位ピンチを除いて、引き抜き強度は4~18kg、36~160N(8~36lb)であった。比較のために、摩擦ゴムジョーを有する「典型的な」平行四辺形グリップロボットグリッパは、同じタイプのHS-805BBサーボの2つを用いて作動させると、このグリップ強度の約15%~25%、つまり同様のテスト物体に対して1~3kgのリフト、10~30N(2~6lb)の軸方向の引き抜き強度しか達成しない。なお、近位包み込み巻き付き、逆遠位巻き付き、および内側からの逆拡張巻き付きなどのいくつかの高性能把持は、触手の協調中央制御および「従来とは異なる」位置決めを必要とする。本質的に、いくつかの触手は、触手アレイのためのより強いグリップを得るためにより弱い把持を取り、これは、ある触手を別の触手に筋交いさせることを含む。これらの事例は、局所構成の最適グリップが全体の最適グリップではなく、集中型(分散型ではなく)の制御が必要であることを例示している。なお、非常に強いことが予想されるいくつかの把持モード(ボアコンストリクターの完全巻き付きなど)は、1区間当たりの曲げが+/-120°で最小半径が30mmである触手の2つの区間(直径10.3mmのテスト物体に巻き付く場合など)のみでは不可能であり、したがって、列挙している把持強度は下限とみなされるべきである。
図7は、本開示のいくつかの実施形態に係る、ディスクリート製造プロセスの組立ラインでチームとして協力して作業を実行する、多触手ベースプレートまたは掌ベースプレート上にエラストマーセンサを有するソフトロボットグリッパシステムと、人間作業者とを組み込むことを含むロボットシステムを示す概略図である。たとえば、このソフトロボット触手システムは、複数のステーションを含む組立ラインに組み込むことができ、いくつかのステーションは、少なくとも1つのソフトロボット触手システムによって完了される少なくとも1つの作業、および人間によって完了される少なくとも1つの作業、または人間とソフトロボット触手システムとが協力する組み合わせによって完了される少なくとも1つの作業を含むことができる。
引き続き図7を参照して、ロボットシステム790は、コントローラ791と、ロボット状態検出器、たとえば位置エンコーダ793とを含み、位置エンコーダ793はロボット状態信号792を生成し得る。ロボットシステム790はまた、物体状態検出器、たとえばカメラ794A、794Bを含むことができ、カメラ794A、794Bは、作業空間または作業台711のコンベア712においてロボットシステム790によって操作される物体795の物体状態信号を生成し得る。たとえば、予め定められたテスト期間中の把持品質を測定する場合、テスト集中制御システムはテストセンサデータを受け、これは、触手と物体の双方の状態をリアルタイムで判断することにより、把持された物体の品質を判断する。たとえば、リアルタイムのテストセンサデータが生成され、これは、触手に沿うポイント、すなわち関節のようなポイントの位置および速度のデータを含み得るものであり、これを使用することで状態フィードバックを求めることができ、これを使用して、予め定められたコマンドセットと比較する、または、把持を最適化することに関連する他の機能とともに取り入れることができる。それはすなわち特定方向の摩擦力であり、制御理論を安定化させ、トルクを計算する。なお、物体の袋を動かすことは、袋の寸法、サイズ、重量などからすると、さらなる考慮すなわち計算を含み得るものであり、触手は、袋の一部を把持しつつ、袋を特定の環境で開始位置から最終位置まで運ぶ。多くのテスト期間が終了すると、その後のある時点で、特定のテストパラメータ、すなわち物体の種類、物体の特徴および特色などに基づき予め定められた把持閾値が得られてもよい。
ロボットシステム790は、少なくとも1人の人間作業者713が作業台711で少なくとも1つの作業を完了するのを補助し、作業空間またはコンベアは、ロボットまたは人間作業者がその作業を完了するのを補助するために進行方向および反対方向に動くことができる。なお、これらの構成要素711~712および790~794はここでは一例として表されているが、本開示の実施形態はさまざまな用途に対して堅牢であるため、それらは異なる用途については異なる場合がある。加えて、ロボット動作データは、任意で、ユーザ特有の関心に応じて、ロボット学習プロセス701と無線で送受信することができる。
さらに、人間作業者713は、手首装置704と、移動モニタ702と、体上移動センサ706A、706Bと、時間装置708と、環境センサ709とを含む、データを収集するためのセンサを有し得る。これらの装置からのデータは、人間作業者に特有のモデルについての学習プロセスを容易にする。これらのセンサはすべてまとめて、人間状態検出器の一例である。人間状態は、操作対象物795の状態およびロボットシステム790の状態とともに考慮されて、ロボットの制御ポリシーが学習される。
実験用に設計された触手
実験用グリッパは、引張ばねと、4つの独立した2DoF区間を有する一定長さのクレビスジョイントロボットアームとを含むことにより、象の鼻のように巻き付いて把持する能力を含む、運動学的に予測可能かつ制御可能なロボットアームを達成した。しかし残念ながら、この単一触手アプローチ/設計は、内径がゼロに等しい最大曲率に駆動されても、触手自体の直径よりも小さい直径の物体を把持することができなかった。つまり、グリッパは、作業空間の表面からボルトを持ち上げることができず、または触手の直径よりも小さい球状の物体を把持することができなかった(270度未満のすべてのそのような把持は、運動学的に不安定な把持であることが証明され得る)。把持のために考えられた自動ソフトロボットおよび生体模倣把持の別の実験的設計は、物体認識に基づいて把持するように構成されたが、実際のグリップ要素は1DoFロボットペンチまたは1DoF空気圧ソフトフィンガーを有しており、これは十分に高いDoFの触手ではないことが後で分かった。したがって、分かったことは、本開示の実施形態にはより高いDoFが必要であることである。
別の実験用グリッパでは、単一の触手を前提として把持を向上させるために2列の真空吸着器を有する1DoF把持触手で終端する、3つの2DoF区間の生体模倣空気駆動式触手ロボットアームを構築した。しかしながら、分かったことは、これらの真空吸着器はいくつかのより大きい物体を把持できたが、依然として象の鼻のような制限があるため、鼻直径よりも小さい物体は把持できなかったことである。したがって、さらにテストしたところ、このアプローチは本開示の実施形態のうちのいくつかの動作性能閾値に設定された性能要件を満たすことができず、それ以上はテストしなかった。多指の単一リンクの棒状の指を有するグリッパ設計を用いていくつかの他の実験用装置を分析およびテストしたところ、この設計は、高度に劣駆動であるが、別個の指ごとのコンプライアンス要素を並列に(より直列な構成ではなく)配置することによって指間の弛みまたは張力交換を妨げ、それによって、指間クロストークおよびより安定したグリップの生成を妨げた。したがって、これらの結果に基づいて、そのような実験的設計は本開示については進展させなかった。
他の実験用グリッパは、2方向の曲げおよび長さの変更を可能にするために、3DoFをもたらすコイル圧縮ばねコア(擬似の漏水検出器)を有する一連のケーブル駆動式の連続的な触手ロボットアームの設計を含んでいた。しかしながら、これらの実験用グリッパから分かったことは、3自由度(DoF)を有する触手によって提供される連続的な均一の変形は、従来の1DoFグリッパシステムにはるかに類似した、比較的小さい1組の把持(取り囲みおよびピンチ把持)を有しており、12DoFシステムとはほど遠い柔軟性を有することである。たとえば、3DoF多触手グリッパシステムは、反曲遠位巻き付き(6B参照)、または内側からの逆拡張巻き付き(図6B参照)のような自己筋交い把持を行うことができない。
材料種類に基づく触手構成要素の柔軟性
実験からさらに分かったことは、触手の構成要素(すなわち、チューブ区間、チューブコネクタ、リングおよびスペーサ)の柔軟性の量または程度が、触手のケーブル伝送機構の性能に影響を及ぼし得ることである。触手構成要素の高い柔軟性は、他の局面の中でも特に、触手動作中の動作性能に関して、曲げ性、加えられるグリップ力などを低減させるように見えた。実験では、上側チューブ区間(上側チューブ、スペーサ付きリング)と、下側チューブ(下側チューブ、スペーサ付きリング)よりも柔軟性の高い触手のチューブコネクタとを用いて、いくつかのテスト実施形態をテストした。反対に、1組のテスト実施形態は、下側チューブ区間と、上側チューブ区間よりも柔軟性の高い触手のチューブコネクタとを含んでいた。別の1組のテスト実施形態は、下側および上側チューブ区間ならびにチューブコネクタの両方について高い柔軟性を含んでいた。本開示の触手設計者によって求められた所定の最適な触手性能閾値に基づいて最適な触手性能を特定するために、チューブ区間内の各構成要素(チューブ自体、リングおよびスペーサ)の材料を、異なる柔軟性、およびチューブコネクタ材料で置換した。いくつかのテスト実験は、ガイドリング設計におけるリング対スペーサのさまざまな剛性および柔軟性を含んでいた。いくつかのテスト結果は、リング材料の剛性を高くし、スペーサ材料の剛性を低くすると、性能向上が見られることを示した。さらに、いくつかのテスト結果は、リング材料の柔軟性を低くし、スペーサ材料の柔軟性を高くすると、性能向上が見られることを示した。図2D~図2Iに示すように、ガイドリングの幾何学的形状に基づく触手柔軟性は性能に影響を及ぼす可能性があり、テスト実験では、ガイドリングの幾何学的形状を変えて触手のさまざまな柔軟性を得ることによって触手性能をさらに最適化した。
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、物体を動かすために、物体の各姿勢に特有の動作命令のセットを作成するために使用される、人間が着用する「教示グラブ」に取り付けられた触手の実施形態を示す図であり、動作命令のセットは動作命令データベースに格納することができ、各物体は複数の姿勢を含み得る。たとえば、本開示のいくつかの実施形態によれば、人間が着用する「教示グラブ」810に取り付けられた触手821、822、823を用いて、多数の物体の各物体ごとに各所定の動作行為に特有の動作命令のセットを作成することができ、動作命令のセットは動作命令データベースに格納することができる。人間が着用する「教示グラブ」810において使用される複数の触手821、822、823のいくつかのメリット/利点は、「教示グラブ」810を着用している人間の複数の触手821、822、823の動きを、後のロボット組立動作中に与えるべき適切な力テンソルとともに記録できることである。
引き続き図8Aを参照して、任意で、本開示のロボットシステムは、ネットワークを介して他のロボット装置とともに使用することにより、動作命令データベースに格納されて後でアクセスおよび利用され得るさまざまな協調型の人間に似た作業を達成することができる。たとえば、他のロボット装置は、まとまって動作して作業を達成するように、本開示のロボットシステムを内部に実現可能な装置を含み得る(ロボット制御コンピュータ403と、ロボット制御モジュール402と、複数の触手408と協調したロボットアーム404とを有する本開示の図4のロボットアセンブリ装置を参照)。
上述のように、教示グラブ810は人間オペレータ301によって装着され、教示グラブ801に取り付けられた一組のセンサ821、822、823を操作することによって制御を提供することができる。教示グラブ810を介した人間オペレータ801の動きが検知されて信号のセットが提供され、これらの信号は作業を完了させる動作シーケンスまたは動作命令に変換される。ロボット装置のネットワーク内の本開示のロボットシステムは、特定の環境において人間に似た作業の一部を達成することができるのに対して、ロボット装置のネットワーク内の残りのロボット装置は、その特定の環境においてその人間に似た作業の残りの部分を達成してもよい。そのような構成では、動作シーケンスまたは動作命令は、ライブラリまたは動作命令データベースに格納される一連の動作命令のセットに変換され得る。次いで、本開示のロボットシステムは、格納された動作命令のセットまたはプログラムにアクセスすることによって、オペレータの動作と一致しているかのようにその動作を実行することができ、他のロボットシステムとともに作業する場合、ロボットシステムは、他のロボット装置と協調して働いて人間に似た作業を完了することができる。
たとえば、図3Gの集中ロボット制御システム300Gは、教示グラブ810を着用しているオペレータの手801からの動きを検知するために、図8Aの複数の制御センサ821、822、823を含み得る。オペレータの手801が動くと、制御センサ821、822、823はその動きを検知し、動きを表す出力信号を生成する。制御センサ821、822、823は、たとえば、加速度計、またはセンサ用の3次元座標を提供するデジタル位置決め装置であってもよい。別の例として、センサ821、822、823は、オペレータ801の関節の角回転または圧力または力を測定してもよい。複数の制御センサ821、822、823は、オペレータ801が着用している教示グラブ810に取り付けられる。たとえば、レーダもしくはライダ、またはその他の3D深さ検知装置が、オペレータから数フィート離れて配置され、動きの一部を検知するようにオペレータの方に向けられてもよい。さまざまな種類のセンサのさまざまな組み合わせを用いてオペレータ801の動きを検知することができる。図3Gの集中ロボット制御システム300Gは、複数の制御センサ821、822、823に通信可能に接続され、複数の制御センサ821、822、823によって検知された動きをコマンドの集合セットに変換することができる。コマンドの集合セットは、本開示のロボットシステムの複数の触手を作動させる。
図8Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、図8Aの人間が着用する「教示グラブ」を用いて物体の各姿勢ごとに動作命令のセットを作成するいくつかの方法ステップを示すブロック図であり、各姿勢は動作命令の関連セットを有する。図8Bのステップ831は、ロボットシステム構成要素を初期化してロボットシステムネットワークを確立することを含む。図8Bのステップ833は、物体を搬送するための各移動シーケンスごとに、グラブを着用しているオペレータから直接、物体を搬送する移動のシーケンスの人間に似た動きを検知するステップ、または、物体を搬送する移動のシーケンスを含む、触手を操作するためのオペレータによる制御装置の手動操作等の、オペレータが指示する人間に似た動きを検知するステップを含む。図8Bのステップ835は、人間に似た動きを表す信号を生成することを含む。図8Bのステップ837は、生成した信号を、物体を搬送するためにロボットシステムのネットワークを動かすコマンドシーケンスに変換することを含む。図8Bのステップ839は、物体を搬送するためにロボットシステムのネットワークを動かす各コマンドシーケンスを、各物体移動が、特定の形状、寸法などを有する物体と関連するように、物体移動ライブラリに格納することを含む。
任意で、教示グラブを着用しているオペレータからの動きを検知する教示グラブ方法を用いるいくつかの他のステップは、動きの少なくとも一部を表す1つ以上の信号を生成することを含み得る。この1つ以上の信号を、複数の触手を作動させる、または複数の触手およびロボット装置のネットワーク内のその他の装置を作動させるコマンドまたは動作命令の集合セットに変換し、コマンドまたは動作命令の集合セットは動作と機能的に同等である。命令の集合セットまたはプログラムを、集中制御システムに、およびロボットシステムとともに動作するように構成可能なロボットアセンブリ装置などのロボット装置のネットワークに通信する。意図されているのは、コマンドの集合セットを通信する場合、この通信は、ロボット装置のネットワーク内の各ロボット装置、すなわちロボットアセンブリ装置への、コマンドの集合セットからのコマンドのそれぞれのサブセットとすることができることである。特有のユーザ要求によって望まれる場合、ロボット装置のネットワークは、マスタロボット装置および1つ以上のスレーブロボット装置を有してもよく、マスタロボット装置はコマンドまたは動作命令の集合セットを受信し、次いで、コマンドまたは動作命令の集合セットをロボット装置のネットワーク、すなわちロボットアセンブリ装置(図3A参照)に分配することができる。
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボットグリッパシステムに関連するいくつかの方法を実行するために使用される別の集中コントローラシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。たとえば、集中コントローラシステム900は、環境973のデータを含むデータを収集する1つ以上のセンサ972と通信するハードウェアプロセッサ971を含み得る。センサデータは、ロボット、車両、機械などに関するデータおよび同様の種類のデータ、または非線形制約を有する動的システムのための軌道最適化技術に関連するデータを含み得る。さらに、センサ972は、ビデオまたはカメラ入力を信号データに変換することができる。ハードウェアプロセッサ971は、コンピュータストレージメモリ、すなわちメモリ979と通信することができ、メモリ979は、ハードウェアプロセッサ971によって実現され得るアルゴリズム、命令およびその他のデータを含む、格納されたデータを含む。たとえば、メモリに格納されるものは、マルチリンク動的モデル、非線形最適化プログラム、および目的関数を含み得る。
引き続き図9を参照して、有線接続または無線接続を介して環境内の少なくとも1つのセンサから取得され得るセンサデータをメモリ979に格納することができ、センサデータは、データを出力してデータを受信するように構成されたトランシーバを介してメモリに格納され、各時間間隔の後、センサデータはこの少なくとも1つのセンサによって更新される。また、メモリには、ロボットアームの動きのシミュレーションを可能にするロボットアームのモデルを含むロボットアーム情報を含み得るロボット、車両および機械の動作および動的データを、ロボットアームの各関節を動かすためにロボットドライブを介してモータによって加えられるトルクなどの動作制御入力とともに、格納することができる。ハードウェアプロセッサ971は、ロボット制御コンピュータ980に接続される制御モジュール978に接続することができる。ロボット制御コンピュータ980は、979を介して制御モジュールと折り返し通信することができる。ロボット制御コンピュータ980はソフトロボットグリッパシステム982に接続され、ソフトロボットグリッパシステム982は、ロボット制御コンピュータ980と通信し、ロボット制御コンピュータ980から情報を受信することができ、また任意で、ロボット制御コンピュータ980に直接接続し返すことができる。
任意で、ハードウェアプロセッサ971はネットワーク977に接続することができ、ネットワーク977は、データソース998、コンピュータデバイス984、移動電話デバイス985およびストレージデバイス986と通信する。また、任意で、ハードウェアプロセッサ971は、ネットワーク977を介して、クライアントデバイス(図示せず)に接続されるネットワーク対応サーバ(図示せず)に接続することができる。ハードウェアプロセッサ971は、任意で、外部メモリデバイス991、送信機992、コントローラ994に接続することができる。拡張バスインターフェイス995を介してハードウェアプロセッサ971にトランシーバを接続することができる。トランシーバ996によって受信されるいくつかの種類の出力は、経路に沿った計算された軌道(本開示の方法から得られる)についての要求(トランシーバ996によって受信される)に対する応答の受信に関心があるユーザの意図に関連していてもよく、これは、モニタもしくはスクリーンなどのユーザの1つ以上のディスプレイデバイスに表示することができ、および/または、さらなる分析などのためにその他のコンピュータ関連デバイスに入力することができる。
引き続き図9を参照して、意図されているのは、ハードウェアプロセッサ971は、特定の用途の必要に応じて2つ以上のハードウェアプロセッサを含むことができ、プロセッサは内部または外部のいずれかとすることができることである。当然ながら、ユーザ/オペレータ特有の操作必要性に応じてその他の構成要素が組み込まれてもよい。ネットワーク977は、非限定的な例として、1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)および/またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含むことが可能である。ネットワーキング環境は、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネットおよびインターネットと同様であり得る。言及した構成要素のすべてについて意図されているのは、本開示のシステム内で使用される任意の数のクライアントデバイス、ストレージコンポーネント、およびデータソースが存在し得ることである。各々が単一のデバイス、または分散環境において協働する複数のデバイスを含んでもよい。さらに、データソース983はネットワークを訓練するためのデータリソースを含み得る。たとえば、一実施形態では、訓練データをストレージ986に格納することができる。訓練データはまた、その他の環境の信号を含み得る。データソース983はまた、ネットワークを訓練するためのデータリソースを含み得る。データソース983によって提供されるデータは、環境、ロボットアームなどに対応するその他のセンサ関連データなど、その他のデータを含み得る。
引き続き図9を参照して、データソース983内の一部のデータは、1つ以上のフィードバックループによって提供され得る。データソースのその他の例は、限定ではなく例として、ストリーミングビデオ、ウェブクエリ、モバイルデバイスカメラまたはその他の情報、ウェブカメラのフィード、スマートグラスおよびスマートウォッチのフィード、顧客ケアシステム、防犯カメラのフィード、ウェブ文書、カタログ、ユーザフィード、SMSのログ、インスタントメッセージングのログ、話し言葉のトランスクリプト、音声コマンドまたはデータなどのゲーム機とユーザの対話を含む、さまざまなソースを含み得る(たとえば、データは、ロボット、車両、環境などの種類のデータ、または非線形制約を有する動的システムのための軌道最適化技術に関連するデータを含み得る)。使用される特定のデータソース983は、データが特定のクラスのデータ(たとえば、閾値、性能、安全性などに関するデータ、ロボット、車両、環境などに関連するデータ、非線形制約を有する動的システムのための軌道最適化技術に関連するデータの種類もしくはデータ)であるか、または一般的な性質である(クラス固有ではない)かを含む用途に基づいて求められ得る。
サードパーティデバイス984、985は、コンピュータデバイス984またはモバイルデバイス985を含む任意の種類のコンピューティングデバイスを含み得る。意図されているのは、ユーザデバイスは、携帯情報端末(PDA)、モバイルデバイス、たとえば、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス(またはその他のウェアラブルなスマートデバイス)、拡張現実ヘッドセット、仮想現実ヘッドセットとして具体化され得ることである。さらに、ユーザデバイスは、ラップトップ、たとえば、タブレット、リモートコントロール、エンターテイメントシステム、車両コンピュータシステム、組込み型システムコントローラ、電化製品、家庭用コンピュータシステム、防犯システム、家庭用電子機器、またはその他の同様の電子機器であってもよい。一実施形態において、クライアントデバイスは、本開示の方法およびシステムによって使用可能な音声および情報などの入力データを受信することができる。たとえば、サードパーティデバイスは、データ、すなわち、ロボット、車両、環境などに関連するデータもしくは同様の種類のデータ、または非線形制約を有する動的システムのための軌道最適化技術に関連するデータ、音声情報を受信するためのマイクもしくはライン入力端子、映像もしくは画像情報を受信するためのカメラ、またはインターネットもしくはデータソース3などの別のソースからそのような情報を受信するための通信コンポーネント(たとえばWi-Fi機能)であってもよい。
引き続き図9を参照して、ストレージ986に関して、ストレージ986は、データ、コンピュータ命令(たとえば、ソフトウェアプログラム命令、ルーチン、もしくはサービス)、および/または本明細書に記載の技術の実施形態において使用されるモデルを含む情報を格納することができる。たとえば、ストレージ986は、1つ以上のデータソース983からのデータ、1つ以上のディープニューラルネットワークモデル、ディープニューラルネットワークモデルを生成して訓練するための情報、および1つ以上のディープニューラルネットワークモデルによって出力されるコンピュータが使用可能な情報を格納することができる。
図10は、本開示のいくつかの実施形態に係る、ソフトロボットグリッパシステムに関連するいくつかの方法を実行するために使用され得る集中コントローラシステムを示す概略図である。たとえば、代替の集中コントローラシステムは、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、およびその他の適切なコンピュータなど、さまざまな形態のデジタルコンピュータを表すコンピューティングデバイスであってもよい。
集中コントローラシステム1000は、電源1008、プロセッサ1009、メモリ1010、ストレージデバイス1011を含むことができ、これらはすべてバス1050に接続される。さらに、高速インターフェイス1012、低速インターフェイス1013、高速拡張ポート1014および低速接続ポート1015がバス1050に接続され得る。また、低速拡張ポート1016がバス1050に接続している。特定の用途に応じて、非限定的な例としての共通のマザーボード1030に搭載され得るさまざまなコンポーネント構成が意図されている。さらに、入力インターフェイス1017がバス1150を介して外部受信機1006および出力インターフェイス1018に接続され得る。受信機1019がバス1050を介して外部送信機1007および送信機1010に接続され得る。バス1050には、外部メモリ1004、外部センサ1003、マシン1002、および環境1001も接続され得る。さらに、1つ以上の外部入出力デバイス1005がバス1050に接続され得る。ネットワークインターフェイスコントローラ(NIC)1021を、バス1050を通してネットワーク1022に接続するように適合させることができ、とりわけ、データまたは他のデータを、コンピュータデバイス1000の外部の、サードパーティディスプレイデバイス、サードパーティイメージングデバイス、および/またはサードパーティプリンティングデバイス上で、レンダリングすることができる。
意図されているのは、メモリ1010は、集中コントローラシステム1000が実行可能な命令、履歴データ、ならびに本開示の方法およびシステムが利用可能な任意のデータを格納し得ることである。メモリ1010は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、またはその他の適切なメモリシステムを含み得る。メモリ1010は1つもしくは複数の揮発性メモリユニット、および/または1つもしくは複数の不揮発性メモリユニットであってもよい。メモリ1010は、磁気または光ディスクなど、別の形態のコンピュータ読取可能媒体であってもよい。
引き続き図10を参照して、ストレージデバイス1011は、コンピュータデバイス1000が使用する補足データおよび/またはソフトウェアモジュールを格納するように適合させることができる。たとえば、ストレージデバイス1011は、本開示に関して先に述べたような履歴データおよびその他の関連データを格納してもよい。これに加えてまたはこれに代えて、ストレージデバイス1011は、本開示に関して先に述べたようなデータと同様の履歴データを格納してもよい。ストレージデバイス1011は、ハードドライブ、光学ドライブ、サムドライブ、ドライブのアレイ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、ストレージデバイス1011は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の同様のソリッドステートメモリデバイス、またはストレージエリアネットワークもしくはその他の構成のデバイスを含むデバイスのアレイのようなコンピュータ読取可能媒体を含み得る。情報担体に命令を格納してもよい。当該命令は、1つ以上の処理装置(たとえばプロセッサ1009)によって実行されると、上述の方法のような1つ以上の方法を行う。このシステムは、任意で、当該システムをディスプレイデバイス1025およびキーボード1024に接続するように適合させたディスプレイインターフェイスまたはユーザインターフェイス(HMI)1023に、バス1050を通してリンクさせることができ、ディスプレイデバイス1025は、とりわけ、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、またはモバイルデバイスを含み得る。
引き続き図10を参照して、集中コントローラシステム1000はユーザ入力インターフェイス1017を含むことができ、ユーザ入力インターフェイス1017は、これもバス1050を通して接続してプリンティングデバイス(図示せず)に接続するように適合させることができるプリンタインターフェイス(図示せず)に適合され、プリンティングデバイスは、とりわけ、液体インクジェットプリンタ、固体インクプリンタ、大規模商用プリンタ、サーマルプリンタ、UVプリンタ、または染料昇華型プリンタを含み得る。高速インターフェイス1012はコンピューティングデバイス1000の帯域幅集約的な動作を管理するのに対して、低速インターフェイス1013はより低い帯域幅集約的な動作を管理する。このような機能の割り当ては例に過ぎない。いくつかの実現例では、高速インターフェイス1012を、(たとえばグラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通して)メモリ1010、ユーザインターフェイス(HMI)1023に、かつ、キーボード1024およびディスプレイ1025に結合することができ、また、バス1050を介してさまざまな拡張カード(図示せず)を受け付け得る高速拡張ポート1014に結合することができる。この実現例では、低速インターフェイス1013は、バス1050を介してストレージデバイス1011および低速拡張ポート1015に結合される。さまざまな通信ポート(たとえば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、無線イーサネット)を含み得る低速拡張ポート1015は、たとえばネットワークアダプタを通して、1つ以上の入出力デバイス1005、およびキーボード1024などのその他のデバイス、ポインティングデバイス(図示せず)、スキャナ(図示せず)、または、スイッチもしくはルータなどのネットワーキングデバイスに結合されてもよい。
引き続き図10を参照して、集中コントローラシステム1000は、図に示すように、多数の異なる形態で実現され得る。たとえば、それは、標準サーバ1026として、またはそのようなサーバのグループで複数回、実現されてもよい。加えて、それは、ラップトップコンピュータ1027などのパーソナルコンピュータにおいて実現されてもよい。それはまた、ラックサーバシステム1028、および外部電源1029の一部として実現されてもよい。これに代えて、コンピューティングデバイス1000からのコンポーネントは、モバイルデバイス用に配置された異なるコンポーネント構成を有するモバイルコンピューティングデバイスなどのモバイルデバイス(図示せず)内の他のコンポーネントと組み合わせられてもよい。
実施形態
以下の説明は、具体例としての実施形態を提供しているに過ぎず、本開示の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図していない。むしろ、具体例としての実施形態の以下の説明は、具体例としての1つ以上の実施形態を実現することを可能にする説明を当業者に提供するであろう。添付されている請求項に記載の、開示されている主題の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成に対して行い得る、さまざまな変更が意図されている。
実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が以下の説明で提供される。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細がなくても実施形態は実施され得ることを理解できる。たとえば、開示されている主題におけるシステム、プロセス、およびその他の要素は、実施形態を不必要な詳細で不明瞭にしないようにするために、ブロック図の形態で構成要素として示すことがある。他の例では、実施形態を不明瞭にすることを避けるために、周知のプロセス、構造、および技術を、不必要な詳細なしで示すことがある。さらに、各種図面における同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
特定の好ましい実施形態を参照しながら本開示を説明してきたが、その他さまざまな適合化および修正を本開示の精神および範囲の中で実施できることが理解されねばならない。したがって、本開示の真の精神および範囲に含まれるこのような変形および修正形をすべてカバーすることが以下の請求項の局面である。

Claims (21)

  1. 装置であって、
    前記装置は触手を備え、各触手は弾性コネクタによって接続された下側弾性部材と上側弾性部材とを含み、各弾性部材はガイドディスクを含み、各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが前記リングのドーナツ穴の中に位置し、前記リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定し、前記弾性コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、
    前記装置はケーブルをさらに備え、前記ケーブルは、前記下側弾性部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、前記アクチュエータから、前記下側弾性部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在し、一組の下側ケーブルが、前記下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合し、一組の上側ケーブルが、前記下側スペーサの通し穴を通り、前記伝達チャネルを通って前記上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが前記上側部材の遠位端に装着される、装置。
  2. 各伝達チャネルは、前記中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、前記コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ケーブル入口経路および前記ケーブル出口経路はともに、前記触手グリッパの動作中に前記ケーブルが動いている間の伝送摩擦の量を最小にしかつケーブル屈曲疲労の量を最小にする、請求項2に記載の装置。
  4. 前記幾何学的特徴は、ガイドディスクの通し穴から伝達チャネルまでの測定距離を取得し、前記測定距離と、半径が一定で等しい一対の円弧とを用いることにより、前記ケーブル入口経路と前記ケーブル出口経路とを構成して、最適伝達チャネル構成を決定することに、基づく、請求項2に記載の装置。
  5. 前記測定距離以内で前記一対の円弧の半径を最大にすることで、前記ケーブルの動きから発生した前記ケーブルの側方負荷の量を最小にし、同時に、前記触手グリッパの動作中の伝送摩擦の量およびケーブル屈曲疲労の量を最小にする、請求項4に記載の装置。
  6. 前記ケーブル入口経路は、鋭角をなして前記弾性コネクタの底面から上面まで延在し、前記ケーブル出口経路は、鋭角をなして前記上面から前記下面まで延在する、請求項2に記載の装置。
  7. 前記伝達チャネルの各入口開口は、遠位下側ガイドリングの前記下側スペーサの通し穴とほぼ整列し、前記伝達チャネルの各出口開口は、近位上側ガイドリングの上側リング通し穴とほぼ整列している、請求項2に記載の装置。
  8. 1つ以上のガイドディスクが、凸状の底面および上面と、丸い周縁部または凸状縁部とを含む、請求項1に記載の装置。
  9. 前記ガイドリングを形成する材料の、前記リングについての剛性は、前記スペーサを形成する材料の剛性と異なる、請求項1に記載の装置。
  10. 前記掌ベースプレートは、X軸に沿って左右方向およびY軸に沿って前後方向に制御可能である、請求項1に記載の装置。
  11. 前記下側弾性部材は、厚さが異なるガイドリングで構成され、厚さが小さいガイドリングの数は、中間厚さのガイドリングおよび厚さが大きいガイドリングの総数よりも多い、請求項1に記載の装置。
  12. 前記厚さが小さいガイドディスクは、触手の最大負荷機能を与える前記厚さが大きいガイドリング、および、触手の等しいレベルの可撓性および負荷機能を与える前記中間厚さのガイドディスクと比較して、前記触手の可撓性を最適化する、請求項11に記載の装置。
  13. 前記触手は、12の独立作動自由度を有する3つの触手を含み、張力ケーブルが、下側弾性部材および上側弾性部材の各々について120°の屈曲量範囲を有し、よって、触手は複数のグリップモードを提供し、前記複数のグリップモードは、内側から拡大する遠位ピンチグリップ、内側からの逆拡大巻き付き、近位包み込み巻き付き、および逆遠位巻き付きを含む、請求項1に記載の装置。
  14. 前記触手に嵌合され前記掌ベースプレートに装着された部分グラブ装置をさらに備え、前記部分グラブ装置は、いくつかの下側部材ガイドリングに対して軸方向に整列する補強支持リブ部分を含み、前記部分グラブ装置が対象物と接触する面は、各触手間に配置された1つ以上のグリップ特徴を含む、請求項1に記載の装置。
  15. グリッパ装置であって、
    前記グリッパ装置は触手を備え、各触手はコネクタによって接続された下側部材と上側部材とを含み、各部材はガイドディスクを有し、前記ガイドディスクは前記部材に沿って装着され前記ガイドディスク間の間隔を維持し、各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが前記リングのドーナツ穴の中に位置し、前記リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定し、各リングの前記通し穴は前記リングの周囲に沿って等間隔で配置され、前記コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、各伝達チャネルは、前記中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、前記コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含み、
    前記グリッパ装置はケーブルをさらに備え、前記ケーブルは、前記下側部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、前記アクチュエータから、前記下側部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在し、一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合し、一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、前記伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが前記上側部材の遠位端に装着される、グリッパ装置。
  16. 前記伝達チャネルの各入口開口は、遠位下側ガイドリングの下側スペーサの貫通穴と概ね整列しており、前記伝達チャネルの各出口開口は、近位上側ガイドリングの上側リングの通し穴と概ね整列しており、1つ以上のガイドディスクが、凸状の底面および上面と丸い周縁部または凸状縁部とを含み、前記ガイドディスクを形成する材料の可撓性は、前記スペーサを形成する材料の可撓性と異なる、請求項15に記載のグリッパ装置。
  17. 前記触手と前記掌べースプレートとに装着された部分グラブ装置をさらに備え、前記部分グラブ装置は、いくつかの下側部材ガイドリングに対して軸方向に整列する補強支持リブ部分を含み、前記部分グラブ装置は、作業領域内で対象物を動かすために選択された、弾性の量、剛性の量、またはこれら双方を有する材料から形成されている、請求項15に記載のグリッパ装置。
  18. ソフトロボットグリッパシステムであって、
    前記ソフトロボットグリッパシステムは触手を備え、各触手はコネクタによって接続された下側部材と上側部材とを含み、各部材はガイドディスクを有し、前記ガイドディスクは前記部材に沿って装着され前記ガイドディスク間の間隔を維持し、各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが前記リングのドーナツ穴の中に位置し、前記リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定し、前記コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、各伝達チャネルは、前記中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、前記コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含み、
    前記ソフトロボットグリッパシステムはケーブルをさらに備え、前記ケーブルは、前記下側部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、前記アクチュエータから、前記下側部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在し、一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合し、一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、前記伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが前記上側部材の遠位端に装着され、
    前記ソフトロボットグリッパシステムは集中制御システムをさらに備え、前記集中制御システムは、
    トランシーバから触手データとセンサデータとを受け、
    前記センサデータを用いて、格納された物体構成を比較することにより、対応する、格納された物体構成を取得し、格納されたコマンドを比較することにより、前記格納された物体構成に対応する格納されたコマンドのセットを取得し、
    受けた前記触手データを用いて、前記格納された物体構成と関連する格納された触手アクションを比較することにより、対応する、格納された触手アクションのセットを取得し、前記格納されたコマンドのセットを比較することにより、対応するコマンドの第1セットを取得し、前記触手データからの前記触手アクションが前記格納された物体構成に対応しない場合は、コマンドの第2セットを選択し、
    対象物を動かすために、前記触手のうちの各触手のためのモータが、関連する、前記選択したコマンドのセットに従い一連の張力を各触手への伝送システムに与えるようにするための、一連の制御信号を生成する
    ように、構成される、ソフトロボットグリッパシステム。
  19. 前記選択したコマンドのセットは一連の予め定められたトルクを含み、前記トルクは、対応する張力とともに、1つ以上の関節部または屈曲関節部に与えられて前記触手のうちの各触手の複数の伝送システムに与えられ、各伝送システムは、モータに接続された第1端と関節部または屈曲関節部に接続された第2端とを有する、請求項16に記載のソフトロボットグリッパシステム。
  20. 前記センサデータは、少なくとも1つの触手の少なくとも1つの先端に位置する遠位関節センサを含み、前記遠位関節センサは、分散された形状センサまたは線形変位センサを含む、請求項18に記載のソフトロボットグリッパシステム。
  21. ソフトロボットグリッパシステムであって、
    前記ソフトロボットグリッパシステムは触手を備え、各触手はコネクタによって接続された下側部材と上側部材とを含み、各部材はガイドディスクを有し、前記ガイドディスクは前記部材に沿って装着され前記ガイドディスク間の間隔を維持し、各ガイドディスクは通し穴を有するリングを含み、通し穴を有するスペーサが前記リングのドーナツ穴の中に位置し、前記リングおよびスペーサの通し穴が合わさってケーブル経路を画定し、
    コネクタは、中心貫通穴と、中心部分の伝達チャネルとを含み、各伝達チャネルは、前記中心貫通穴の内面と接線をなすケーブル入口経路を有する入口開口と、前記コネクタの中心軸に平行なケーブル出口経路を有する出口開口とを有する幾何学的特徴を含み、
    前記ソフトロボットグリッパシステムはケーブルをさらに備え、前記ケーブルは、前記下側部材の外部にあるアクチュエータに結合された近位端を有し、前記アクチュエータから、前記下側部材の近位端に位置する制御可能な掌ベースプレートの開口を通って延在し、一組の下側ケーブルが、下側リングの通し穴を通って延在して遠位下側ガイドディスクに結合し、一組の上側ケーブルが、下側ガイドリングの下側スペーサの通し穴を通り、前記伝達チャネルを通って上側リングの通し穴まで延在して遠位上側ガイドリングに結合し、エンドキャップが前記上側部材の遠位端に装着され、
    前記ソフトロボットグリッパシステムは集中制御システムをさらに備え、前記集中制御システムは、
    トランシーバから触手データとセンサデータとを受け、
    前記センサデータを用いて、格納された物体構成を比較することにより、対応する、格納された物体構成を取得し、格納されたコマンドを比較することにより、前記格納された物体構成に対応する格納されたコマンドのセットを取得し、
    受けた前記触手データを用いて、前記格納された物体構成と関連する格納された触手アクションを比較することにより、対応する、格納された触手アクションのセットを取得し、前記格納されたコマンドのセットを比較することにより、対応するコマンドの第1セットを取得し、前記触手データからの前記触手アクションが前記格納された物体構成に対応しない場合は、コマンドの第2セットを選択するように構成され、前記選択したコマンドのセットは一連の予め定められたトルクを含み、前記トルクは、対応する張力とともに、1つ以上の関節部または屈曲関節部に与えられ、前記触手のうちの各触手の複数の伝送システムに与えられ、各伝送システムは、モータに接続された第1端と関節部または屈曲関節部に接続された第2端とを有し、前記集中制御システムはさらに、
    対象物を動かすために、前記触手のうちの各触手のためのモータが、関連する、前記選択したコマンドのセットに従い一連の張力を各触手への伝送システムに与えるようにする、一連の制御信号を生成するように構成される、ソフトロボットグリッパシステム。
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