JP2022081718A - 薬物含有ファイバー、その製造方法、およびそのファイバーからなる経口製剤 - Google Patents

薬物含有ファイバー、その製造方法、およびそのファイバーからなる経口製剤 Download PDF

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耕平 田原
Kohei Tahara
貴斗 柴田
Takato Shibata
文香 小林
Fumika Kobayashi
延能 吉村
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Abstract

【課題】薬物、特に難溶性薬物の溶解性が向上した薬物含有ファイバーであり、紡糸した際のファイバーの安定性が改善した薬物含有ファイバー、その製造方法、およびそのファイバーからなる経口製剤を提供する。【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂と界面活性剤と薬物を含有するファイバーであり、含有された薬物がナノ結晶状態であることを特徴とした薬物含有ファイバー、その製造方法、およびそのファイバーからなる経口製剤。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノ結晶状態の薬物を含有する薬物含有ファイバー、およびその製造方法に関する。
経口投与用などの各種製剤の設計において、薬物の生物学的利用能(Bioavailability)を十分高く設計することが、薬物の有効性、安全性の面から重要視されている。
医薬品の生物学的利用能に影響を与える重要な因子の1つとして、薬物の溶解性が挙げられ、これまでにも溶解性と消化管吸収性との関係について多くの研究が行われている。特に難溶性薬物では、その溶解速度が吸収の律速段階となることが知られている。
難溶性薬物の溶解性を改善するための製剤方法としては種々の方法が知られており、特に注目されるものとして固体分散体を用いた方法がある(例えば特許文献1)。固体分散体は、難溶性薬物を固体分散体用基剤(不活性担体)に固体状態で分散させたものであり、その製造方法としては、溶媒法、溶融法及び混合粉砕法(メカノケミカル法)等があるが、近年はナノファイバー化した製剤が提案されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、薬物の溶出率に改善の余地があり、生物学的利用能を十分高く設計できてはいなかった。さらに、ナノファイバー化した際のファイバーの安定性も不十分であった。
特開2014-55119号公報
本発明は、上記課題に鑑み、薬物、特に難溶性薬物の溶出率を向上させた薬物含有ファイバー、その製造方法、およびそのファイバーからなる経口製剤の提供を目的とする。
しかるに本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂と界面活性剤、及び薬物を含有する混合物をファイバー化することにより、薬物がナノ結晶状態となり、溶出率が向上することを見出した。特に、界面活性剤およびポリビニルアルコール系樹脂を含む溶液を分散剤とし、薬物を含有する溶液を分散質としたエマルジョンを紡糸することにより、薬物の溶出率に優れ、安定したナノファイバーの製剤が得られることを見出した。
すなわち本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂と界面活性剤、及びナノ結晶状態の薬物とを含有することを特徴とする薬物含有ファイバーである。
また本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂と界面活性剤、及び薬物とを含有する薬物含有ファイバーを製造する方法であって、前記界面活性剤を含むポリビニルアルコール系樹脂を分散剤とし、前記薬物を含有する溶液を分散質として得られた分散液をエレクトロスピニング法またはメルトブロー法によりファイバーを製造する工程を有する方法である。
本発明の薬物含有ファイバーによれば、薬物の溶出率に優れ、かつ安定したファイバーからなる製剤が得られる。
実施例1~3、比較例1のDSCの結果を示すチャートである。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
本発明の薬物含有ファイバーは、ポリビニルアルコール系樹脂と界面活性剤、及びナノ結晶状態の薬物とを含有する。まず、ポリビニルアルコール系樹脂(以下「PVA系樹脂」ともいう。)について説明する。
<PVA系樹脂>
本発明のPVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるポリビニルエステル系重合体をケン化して得られる樹脂であり、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位とケン化されずに残ったビニルエステル構造単位から構成される。
本発明に使用されるPVA系樹脂のケン化度の下限は、好ましくは75モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは83モル%以上、特に好ましくは85モル%以上である。上限としては、95モル%以下であり、より好ましくは93モル%以下、更に好ましくは90モル%以下、特に好ましくは90モル%以下である。PVA系樹脂のケン化度が高すぎても低すぎても、本発明の効果が得られ難くなる傾向がある。
なお、本発明において、PVA系樹脂のケン化度は、JIS K 6726に準拠する方法で求められた値とする。
本発明に使用されるPVA系樹脂の平均重合度の下限は、好ましくは300以上であり、より好ましくは400以上、更に好ましくは500以上、特に好ましくは600以上である。上限としては、4000以下であり、より好ましくは3500以下、更に好ましくは3000以下である。
PVA系樹脂の平均重合度が低すぎると、ファイバーの強度が不足し使用時の安定性が低下する傾向があり、平均重合度が高すぎると、水溶液粘度が高くなりファイバーが形成し難い傾向がある。
なお、本発明において、PVA系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠する方法で求めた平均重合度を用いるものとする。
PVA系樹脂としてブロック性の高いPVA系樹脂を用いることが、分散性の点から好ましい。かかるブロック性とは、ビニルアルコール構造単位とビニルエステル構造単位の連続性を示すものである。
本発明でのブロック性は、ヨード呈色度によって評価するものである。具体的に、ヨウ化カリウムとヨウ素を溶かした溶液で、PVA水溶液と混合して呈色させ、分光光度計を用いて波長490nmでの吸光度を読み取る。このヨード呈色度が高いほど、ビニルエステル単位の平均連鎖長が長いことを示す。本発明において、ヨード呈色度0.5未満をブロック性「低」、0.5以上0.7未満をブロック性「中」、0.7以上をブロック性「高」としたとき、ブロック性は「中」以上(すなわち、「中」又は「高」の評価)であることが好ましい。
PVA系樹脂は、2種以上を併用することも可能である。併用する際には、ケン化度や平均重合度、ブロック性の異なるPVA系樹脂を併用することができる。
本発明に使用されるPVA系樹脂の製造方法を詳しく説明する。
PVA系樹脂は、例えば、ビニルエステル系モノマーを重合して得られたポリビニルエステル系重合体をケン化することにより得られる。
かかるビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられ、実用的に酢酸ビニルが好適である。
また、本発明の効果を阻害しない程度に、上記ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーを共重合させることもできる。このような共重合モノマーとしては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α-オクテン、α-ドデセン、α-オクタデセン等のオレフィン類;3-ブテン-1-オール、4-ペンテン-1-オール、5-ヘキセン-1-オール、3,4-ジヒドロキシ-1-ブテン等のヒドロキシ基含有α-オレフィン類及びそのアシル化物などの誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類及びその塩;モノ
エステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類;ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類及びその塩;アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2-ジアルキル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル等のビニル化合物;酢酸イソプロペニル、1-メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類;塩化ビニリデン
、1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、ビニレンカーボネート、1,3-ジアセトキシ-2-メチレンプロパン、1,3-ジプロピオニルオキシ-2-メチレンプロパン、1,3-ジブチロニルオキシ-2-メチレンプロパン等のヒドロキシメチルビニリデンジアセテート等が挙げられる。かかる共重合モノマーの含有量は、重合体全量を基準として、通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下、特に好ましくは1モル%以下である。
上記ビニルエステル系モノマー及び共重合モノマーを重合する方法としては特に制限はなく、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、又は乳化重合などの公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
かかる重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロパノール、ブタノール等の炭素数1~4の脂肪族アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的にはメタノールが好適に使用される。
また、重合反応は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒や公知の各種低温活性触媒を用いて行われる。また、反応温度は35℃~沸点程度の範囲から選択される。
得られたポリビニルエステル系重合体は、次いで連続式又はバッチ式にてケン化される。かかるケン化にあたっては、アルカリケン化又は酸ケン化のいずれも採用できるが、工業的には重合体をアルコールに溶解してアルカリ触媒の存在下で行うことが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の重合体の濃度は20~60質量%の範囲から選ばれる。また、必要に応じて、0.3~10質量%程度の水を加えてもよく、更には、酢酸メチル等の各種エステル類やベンゼン、ヘキサン、DMSO(ジメチルスルホキシド)等の各種溶剤類を添加してもよ
い。
ケン化触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を具体的に挙げることができる。かかる触媒の使用量はモノマーに対して1~100ミリモル当量にすることが好ましい。
PVA系樹脂のケン化度は、ケン化触媒量、ケン化時間、ケン化溶媒、ケン化温度により調整することができる。
ブロック性の高いPVA系樹脂を得る方法としては、例えば、PVA系樹脂の製造過程において、ケン化時の溶媒の誘電率をコントロールするなどの方法が挙げられる。具体的には、ポリビニルエステル系重合体をケン化する際に、誘電率が32c.g.s.e.s.u.以下の溶媒を用いればよい。
誘電率が32c.g.s.e.s.u.以下の溶媒としては、例えば、メタノール(31.2c.g.s.e.s.u.)、酢酸メチル/メタノール=1/3(質量比)の混合溶媒(25.2c.g.s.e.s.u.)、酢酸メチル/メタノール=1/1(質量比)の混合溶媒(19.1c.g.s.e.s.u.)、酢酸メチル/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒(13.1c.g.s.e.s.u.)、酢酸メチル(7.03c.g.s.e.s.u.)、イソプロピルアセテート(6.3c.g.s.e.s.u.)、トリクロロエチレン(3.42c.g.s.e.s.u.)、キシレン(2.37c.g.s.e.s.u.)、トルエン(2.38c.g.s.e.s.u.)、ベンゼン(2.28c.g.s.e.s.u.)及びアセトン(21.4c.g.s.e.s.u.)などが挙げられる。また、水(86.4c.g.s.e.s.u.)を添加することによっても、ケン化時の溶媒の誘電率を調整することができる。
ケン化後、得られたPVA系樹脂を洗浄液で洗浄することが好ましい。洗浄液としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類が挙げられ、洗浄効率と乾燥効率の観点からメタノールが好ましい。
洗浄方法としては、連続式(回転円筒型、向流接触型、遠心分離ふりかけ洗浄など)でもよいが、通常はバッチ式が採用される。洗浄時の撹拌方式(装置)としては、スクリュー翼、リボンブレンダー、ニーダー等が挙げられる。浴比(洗浄液の質量/ポリビニルエステル系重合体粒子の質量)は、通常、1以上であり特に2以上、30以下であり特に20以下が好ましい。浴比が大きすぎると、大きな洗浄装置が必要となり、コスト増につながる傾向があり、浴比が小さすぎると、洗浄効果が低下し、洗浄回数を増加させる傾向がある。
洗浄時の温度は、通常下限としては10℃以上であり、特に20℃以上が好ましい。上限としては80℃以下であり、特に70℃以下が好ましい。温度が高すぎると、洗浄液の揮発量が多くなり、還流設備を必要とする傾向がある。また温度が低すぎると、洗浄効率が低下する傾向がある。洗浄時間は、通常、下限としては5分以上であり、特に30分以上が好ましい。上限としては、12時間以下であり、特に4時間以下が好ましい。洗浄時間が長すぎると、生産効率が低下する傾向があり、洗浄時間が短すぎると、洗浄が不十分となる傾向がある。また、洗浄回数は、通常、下限としては1回以上である。上限としては、10回以下、特に5回以下が好ましい。洗浄回数が多すぎると、生産性が低下し、コストがかかる傾向がある。
洗浄されたPVA系樹脂の粒子を連続式又はバッチ式にて熱風などで乾燥し、本発明で用いられるPVA系樹脂を粉末状で得る。乾燥温度は、通常、下限としては50℃以上であり、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。上限としては、150℃以下であり、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下である。乾燥温度が高すぎると、PVA系樹脂が熱劣化する傾向があり、乾燥温度が低すぎると、乾燥に長時間を要する傾向がある。乾燥時間は、通常、下限としては1時間以上であり、好ましくは2時間以上である。上限としては、48時間以下であり、好ましくは36時間以下である。乾燥時間が長すぎると、PVA系樹脂が熱劣化する傾向があり、乾燥時間が短すぎると、乾燥が不十分となったり、高温乾燥を要したりする傾向がある。
乾燥後のPVA系樹脂中に含まれる溶媒の含有量は、通常、下限としては0質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。上限としては、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
なお、PVA系樹脂には、ケン化時に用いるアルカリ触媒に由来する酢酸のアルカリ金属塩が通常は含まれている。アルカリ金属塩の含有量は、PVA系樹脂粉末に対して通常、下限としては0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上である。上限としては、2質量%以下、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。
アルカリ金属塩の含有量の調整方法としては、例えば、ケン化で用いる時のアルカリ触媒の量を調節する方法や、エタノールやメタノールなどのアルコールでPVA系樹脂を洗浄する方法が挙げられる。
本発明で用いるアルカリ金属塩の定量法としては、PVA系樹脂粉末を水に溶かして、メチルオレンジを指示薬とし、塩酸にて中和滴定を行い求める方法が挙げられる。
<界面活性剤>
本発明のナノファイバーは、界面活性剤を含むことで薬物の溶出率が向上する。界面活性剤は特に限定されず、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、いずれを使用してもよい。
また、本発発明のナノファイバーは、界面活性剤を含むことで、エマルジョンの液滴の安定性が向上し、ナノファイバー中に薬物がより均一に存在するため、薬物の溶出率が向上すると考えられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、ポリヒドロキシステアリン酸ジグリセリル、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド類、ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
なかでもポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類が好ましく、より具体的には、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(ポリソルベート65)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)などのポリオキシエチレンソルビタンエステル類が好ましい。
前記アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、アルキルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキル又はアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、及びアルギニン誘導体が例示される。塩としてはナトリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。なかでも飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル硫酸塩が好ましく、より具体的には、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
前記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、及びベンジルアンモニウム塩が挙げられる。なかでも臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムが好ましい。
前記両性界面活性剤としては、イミダゾリン型、アミドベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アルキルスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、カルボベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸型、及びアミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。具体的には、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、及び2-ココイル-2-イミタゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ-2-ナトリウム塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びミリスチルベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、硬化牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びオレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン等のアルキルスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシホスホベタイン等のホスホベタイン型両性界面活性剤;N-ラウロイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-オレオイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ココイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ラウロイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N-オレオイル-N’-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N-ラウロイル-N-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-オレオイル-N-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N-ラウロイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N-オレオイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N-ラウロイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N-オレオイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、及びN-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N’,N’-ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム等のアミドアミノ酸型両性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は、公知の方法により合成して使用しても、市販品を入手して使用してもよい。界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
本発明における界面活性剤の含有量については、界面活性剤の種類、他の成分の種類や量に応じて適宜設定できる。
ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対する界面活性剤の含有量の下限としては、通常0.1重量部以上であり、好ましくは0.5重量部以上であり、さらに好ましくは1.0重量部以上であり、特に好ましくは1.5重量部以上である。上限としては、通常40重量部以下であり、好ましくは30重量部以下であり、さらに好ましくは20重量部以下であり、特に好ましくは15重量部以下である。
かかる界面活性剤の含有量が少なすぎた場合、乳化液の安定性が十分でないため、薬剤の存在が不均一になり溶解性が低下する傾向にあり、多すぎた場合、乳化液の粘度が上昇し、ファイバーの製造安定性が低下する傾向にある。
ナノファイバー全体に対する界面活性剤の含有量としては、特に限定されないが、下限としては、通常0.1重量部以上であり、好ましくは0.5重量部以上であり、さらに好ましくは1.0重量部以上であり、特に好ましくは1.5重量部以上である。上限としては、通常40重量部以下であり、好ましくは30重量部以下であり、さらに好ましくは20重量部以下であり、特に好ましくは15重量部以下である。
<薬物>
本発明における薬物としては、医薬品の有効成分として使用されるものであれば特に限定されないが、本発明の効果をより明白なものとするためには、難溶性薬物が好ましい。
難溶性薬物とは、第十七改正日本薬局方に記載された水に「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」、「ほとんど溶けない」に当てはまる薬物をいう。具体的には、固形の医薬品1g又は1mLをビーカーにとり、水を投入し20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、「溶けにくい」とは、100mL以上1000mL未満で30分以内に溶ける度合いをいう。「極めて溶けにくい」とは、同様に1000mL以上10000mL未満で30分以内に溶ける度合いをいう。「ほとんど溶けない」とは、同様に30分以内に溶けるために10000mL以上要するものをいう。
本発明における難溶性薬物としては、例えば、プロブコール、バルサルタン、シンバスタチン、ランソプラゾール、オランザピン、オメプラゾール、エゼチミブ、リスペリドン、ピオグリタゾン、アリピプラゾール、カンデサルタンシレキセチル、イルベサルタン、ドセタキセル、セレコキシブ、オルメサルタンメドキソミル、エファビレンツ、フェノフィブラート、シプロフロキサシン、テルミサルタン、タクロリムス、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ミコフェノール酸モフェチル、ラタノプロスト、レボチロキシンナトリウム、クラリスロマイシン、リトナビル、シクロスポリン、ニフェジピン、パクリタキセル、タダラフィル、デキサメタゾン、ビカルタミド、カルベジロール、ジプラシドン、フィナステリド、グリメピリド、レトロゾール、ロラタジン、ナプロキセン、デュタステリド、ジピリダモール、クロトリマゾール、オキシカルバゼピン、パリカルシトール、フェロジピン、カルシポトリオール、メロキシカム、セフィキシム、エンタカポン、イソトレチノイン、グリクラジド、ウルソデオキシコール酸、ジオスミン、フロセミド、オルリスタット、シロスタゾール、イトラコナゾール、グリベンクラミド、硝酸イソソルビド、ボセンタン、スピロノラクトン、セフジニル、ロラゼパム、メタキサロン、ケトコナゾール、メトトレキセート、エキセメスタン、ネビボロール、イミキモド、エトリコキシブ、レバミピド、アルファカルシドール、トレチノイン、ソラフェニブトシル酸塩、ジアゼパム、クロナゼパム、ロバスタチン、フェニトイン、ネビラピン、パリペリドン、プランルカスト、ビサコジル、カルシトリオール、シロリムス、アトバコン、ブロマゼパム、レフルノミド、アミスルプリド、ナテグリニド、ゾピクロン、ニセルゴリン、セフジトレンピボキシル、モサプリド、ヒドロキシジン、アプレピタント、メゲストロール、トラセミド、スルファサラジン、エプロサルタン、クロルタリドン、グリピジド、アセクロフェナク、ミコフェノール酸、エトドラク、フェルビナク、ピロキシカム、ルビプロストン、メフェナム酸、ジアセレイン、プログアニル、ハロペリドール、タモキシフェンクエン酸塩、ニモジピン、ツロブテロール、ノルフロキサシン、ピメクロリムス、エノキソロン、ロキシスロマイシン、エプラレスタット、ベザフィブラート、リファキシミン、スルピリド、アシトレチン、スピラマイシン、シルニジピン、ジドロゲステロン、ブロチゾラム、ニソルジピン、マニジピン、ノスカピン、ポサコナゾール、マキサカルシトール、ジフルコルトロン、ベルテポルフィン、スルファジアジン、ラバチニブ、ロルメタゼパム、エチゾラム、クレマスチン、ナブメトン、ロルノキシカム、エストリオール、シネパゼド、フルオロメトロン、ユビデカレノン、トリアゾラム、アルベンダゾール、レボカバスチン、コレスチラミン、ブロモクリプチン、ミトタン、イブプロフェン、インドメタシン、フルタミド、ゲフィチニブ、ラマトロバン、ラフチジン、ピモベンダン、セラトロダスト、アゼルニジピン、エベロリムス、メキタジン、ミトタン、ザフィルルカスト、アンピロキシカム、エバスチン、モサプリドクエン酸塩などが挙げられる。なお、難溶性薬物はこれらに限定されず、今後新規に見いだされる医薬合成物も含まれる。
本発明における難溶性薬物は、無水物、水和物、溶媒和物、医薬品に許容される塩の形態のいずれをも用いることができる。原料として用いる難溶性薬物の形態は特に限定されず、結晶、非晶質のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。結晶としては公知の結晶多形のうち、いずれでもよい。本発明の薬物含有ファイバーにおいては、PVA系樹脂および界面活性剤と混合する前の薬物が結晶か非晶質かに関わらず、ナノ結晶状態の薬物となる点が特徴である。難溶性薬物をナノサイズにして製剤化することで、結晶からの薬物の溶解速度が増加することで知られている。なお、ナノ結晶状態とは、一般的に示差走査熱量測定により、融解温度付近で結晶質の薬物で確認された吸熱のピークが低温にシフトして確認される状態のことである。
<薬物含有ファイバー>
本発明の薬物含有ファイバーは、PVA系樹脂とナノ結晶状態の薬物と界面活性剤を少なくとも含有する形成材料を紡糸して繊維状に成形した超極細ファイバーである。
本発明の薬物含有ファイバーは、単繊維の直径(繊維径)の下限が好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは10nm以上であり、上限が10μm以下、より好ましくは2000nm以下、特に好ましくは1000nm以下であり、殊に好ましくは700nm以下である。繊維径が太すぎると、薬物がナノ結晶状態となり難くなり、薬物の溶出率が低下する傾向がある。また、繊維径が細すぎると、十分な強度が発揮され難くなり、使用時のハンドリング等の問題が生じたり、生産効率が低下したりする傾向がある。繊維径を太く設定すれば、薬物の放出時間が長くなり、逆に細く設定すれば、放出時間を短くすることができるため、薬物の放出コントロールが可能である。なお、ファイバーの繊維径は電子顕微鏡を用いて測定される。
薬物含有ファイバーの平均繊維長は、特に限定されないが、取り扱い易さの点から、好ましくは直径の10倍以上、好ましくは100倍以上、より好ましくは1000倍以上である。また薬物含有ファイバーは連続繊維であることがより好ましい。
上記形成材料におけるPVA系樹脂と薬物との含有比率は、薬物の物性により異なるが、PVA系樹脂:薬物(重量比)の下限が好ましくは0.1:1以上であり、より好ましくは0.5:1以上であり、特に好ましくは1:1以上である。上限としては、100:1以下であり、より好ましくは100:1以下であり、特に好ましくは70:1以下である。
また、界面活性剤と薬物との含有比率は、薬物の物性により異なるが、界面活性剤:薬物(重量比)の下限が通常0.01:1以上であり、好ましくは0.15:1以上、より好ましくは0.02:1以上、特に好ましくは0.03:1以上である。上限としては、通常100:1以下であり、好ましくは70:1以下であり、更に好ましくは50:1以下である。
また形成材料を紡糸し易くするために、PVA水溶液の粘度を通常1mPa・s以上に調整することが好ましく、より好ましくは10mPa・s以上、特に好ましくは100mPa・s以上に調整するとよい。また、10000mPa・s以下に調整することが好ましく、より好ましくは5000mPa・s以下、特に好ましくは3000mPa・s以下に調整するとよい。
なお、PVA系樹脂水溶液の粘度はブルックフィールド粘度計により測定される。
上記形成材料は、上記PVA系樹脂に加えて、他の水溶性または水分散性樹脂を併用することも可能である。併用が可能な水溶性または水分散性樹脂としては、例えば、デンプン、酸化デンプン、カチオン変性デンプン等のデンプン誘導体;ゼラチン、カゼイン等の天然系たんぱく質類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸等の天然高分子多糖類;ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸塩等の水溶性樹脂;スチレン・ブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルゴム(N
BR)ラテックスのラテックス類;酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン-酢酸ビニル共重合体エマルジョン、(メタ)アクリルエステル樹脂系エマルジョン、塩化ビニル樹脂系エマルジョン、ウレタン樹脂系エマルジョン等のエマルジョン類などが挙げられる。
なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
また、上記形成材料には、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を配合することができる。このアルカリ金属塩としては、例えば、有機酸や無機酸のカリウム塩やナトリウム塩などが挙げられ、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸などが挙げられ、無機酸としては、例えば、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸などが挙げられる。またアルカリ土類金属塩としては、例えば、有機酸や無機酸のカルシウム塩やマグネシウムなどが挙げられ、有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸などが挙げられ、無機酸としては、例えば、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸などが挙げられる。
上記形成材料には、上記以外の成分としては、例えば、可塑剤、滑剤、顔料分散剤、増粘剤、膠着防止剤、流動性改良剤、消泡剤、離型剤、浸透剤、染料、顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、紙力増強剤、架橋剤等の周知の添加剤を適宜配合することができる。
〔薬物含有ファイバーの製造方法〕
本発明の薬物含有ファイバーは、取り扱い易さの点から、シート状に形成することが好ましく、例えば、薬物含有ファイバーから不織布を形成することが好ましい。以下、薬物含有ファイバーから不織布(以下「ファイバー不織布」ともいう。)を形成する方法について説明する。
(ファイバー不織布の製造)
ファイバー不織布は、PVA系樹脂及び界面活性剤を溶媒に溶解させた界面活性剤を含むPVA系樹脂溶解液を分散剤とし、薬物を含有する溶液を分散質として得られた分散液を形成材料として、この分散液をエレクトロスピニング法(静電紡糸法)またはメルトブロー法に適用することにより得られる。
含界面活性剤PVA系樹脂溶解液を調整する方法としては、特に限定されず、溶媒中にPVA系樹脂を溶解させた後に界面活性剤を添加し溶解させる方法、PVA系樹脂と界面活性剤を溶媒中に添加後溶解させる方法、溶媒に界面活性剤を溶解させた後にPVA系樹脂を添加し溶解させる方法などが挙げられる。
また、薬物が難溶性薬物の場合は、当該薬物が溶解する溶媒に溶解した後に含界面活性剤PVA系樹脂と混合することが好ましい。
この場合の溶媒は、薬物が溶解する必要があるが、エマルジョン状態とするために、水とは混和しない溶媒が好ましい。また、繊維状とする際に沸点が水と同程度又は水よりも低いほうが好ましい。
かかる溶媒としては、例えば、アニソール、1-ブタノール、酢酸n-ブチル、酢酸エチル、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、酢酸プロピルなどが挙げられる。
また、溶媒は使用する薬物に適した溶媒が用いられる。例えば、薬物としてプロブコールを用いる場合では、酢酸エチルで溶解することが好ましい。
PVA系樹脂または界面活性剤を溶解させる溶媒としては、例えば、水、アルコール類、その他の有機溶媒を用いることができる。これらの中でも製造環境上の問題を考慮すると、水を用いることが好ましい。
PVA系樹脂、界面活性剤と薬物を含有する分散液を調製するに際しては、ホモジナイザ-を用いることが好ましく、高圧式ホモジナイザ―、超音波ホモジナイザ―、超高速ホモジナイザーのいずれをも使用することができる。
本発明の薬物含有ファイバーの製造方法としては、「(イ)紡糸ノズルを使用するエレクトロスピニング法」と、「(ロ)紡糸ノズルを使用しないエレクトロスピニング法」、「(ハ)メルトブロー法」が挙げられ、以下に順次これらの方法を説明する。
(イ)紡糸ノズルを使用するエレクトロスピニング法
紡糸ノズルを使用するエレクトロスピニング法を用いて、例えば、次のようにしてファイバー不織布を得ることができる。上記ファイバー不織布は、上記分散液を紡糸ノズルから押し出す際に、紡糸ノズル側に高電圧を印加し、分散液に電界を作用させることにより延伸してファイバー化し、対向電極側にファイバーを堆積させることにより得られる。なお、紡糸ノズル側ではなく対向電極側に電圧を印加し、紡糸ノズルとの間に電界を作用させてもよい。
上記分散液におけるPVA系樹脂の濃度は特に限定されないが、下限としては、通常1重量%以上、好ましくは2重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。上限としては、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%であることが好ましい。
上記分散液における界面活性剤の濃度は特に限定されないが、下限としては、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、更に好ましくは0.1重量%以上である。上限としては、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%であることが好ましい。
この分散液の押し出し方向は、特に限定されないが、分散液の滴下が生じにくいように、ノズルからの押し出し方向と重力の作用方向とが一致しないことが好ましい。特には、重力の作用方向に対して反対方向または重力の作用方向に対して直角方向に分散液を押し出すことが好ましい。
この分散液を押し出す紡糸ノズルの直径(内径)は、繊維径によって変化するが、例えば繊維径1nm以上1000nm以下のナノファイバーを形成する場合には、紡糸ノズルの直径の下限が通常0.1mm以上、特には0.5mm以上であり、上限としては5mm以下、特には2mm以下であることが好ましい。直径が大きすぎると、液だれが多く、エレクトロスピニングが困難な傾向があり、逆に、直径が小さすぎると、分散液を押し出しにくく、生産性が低下する傾向がある。
また、紡糸ノズルは金属製であっても、非金属製であってもよい。紡糸ノズルが金属製であれば紡糸ノズルを一方の電極として使用することができ、紡糸ノズルが非金属製である場合には、紡糸ノズルの内部に電極を設置することにより、分散液に電界を作用させることができる。
このような紡糸ノズルから分散液を押し出した後、押し出した分散液に電界を作用させることにより延伸して繊維化する。この電界は、ファイバーの繊維径、紡糸ノズルとファイバーを集積する捕集体との距離、分散液の粘度などによって変化するので特に限定されないが、本発明に係るファイバーとするには、0.2~5kV/cmであることが好ましい。印加する電界が大きければ、その電界値の増加に応じてファイバーの繊維径が細くなる傾向があるが、電界値が大きすぎると、空気の絶縁破壊が生じやすい傾向があり、逆に、小さすぎると、繊維形状となりにくい傾向がある。
このように押し出した分散液に電界を作用させることにより、分散液に静電荷が蓄積され、捕集体側の電極によって電気的に引っ張られ、引き伸ばされて繊維化する。電気的に引き伸ばしているため、繊維が捕集体に近づくにしたがって、電界により繊維の速度が加速され、繊維径のより小さいPVA系樹脂繊維となる。また、溶媒の蒸発によって細くなり、静電気密度が高まり、その電気的反発力によって分裂し、更に繊維径の小さいPVA系樹脂繊維になると考えられる。
このような電界は、例えば、紡糸ノズル(金属製ノズルの場合にはノズル自体、ガラスや樹脂などの非金属製ノズルの場合にはノズルの内部の電極)と捕集体との間に電位差を設けることによって、作用させることができる。例えば、紡糸ノズルに電圧を印加するとともに捕集体をアースすることによって電位差を設けることができるし、逆に、捕集体に電圧を印加するとともに紡糸ノズルをアースすることによって電位差を設けることもできる。
上記印加電圧は、前述のような電界強度とすることができれば特に限定されないが、下限としては、通常1kV以上、好ましくは5kV以上、より好ましくは10kV以上であり、上限としては、通常30kV以下、好ましくは20kV以下ある。電圧が高すぎると、スパークが発生し、紡糸が困難になる傾向があり、逆に、電圧が低すぎても、溶解液を電気的に引っ張る力が不足し、紡糸が困難となる傾向がある。電圧印加装置としては、特に限定されないが、直流高電圧発生装置を使用できるほか、ヴァン・デ・グラフ起電機を用いることもできる。
なお、印加電圧の極性は、プラスとマイナスのいずれであってもよい。しかしながら、繊維の広がりを抑制し、孔径が小さく、しかも孔径分布の狭い状態で集合できるように、紡糸ノズル側をプラス電位となるようにすることが好ましい。特に、電圧印加時のコロナ放電を抑制しやすいように、捕集体側の対向電極をアースし、紡糸ノズル側をプラスに印加して、紡糸ノズル側をプラス電位となるようにすることが好ましい。
ファイバーを補集し、堆積させるための捕集体としては、特に限定されず、例えば、ドラム、不織布、平板、またはベルト形状を有し、金属製や炭素などからなる導電性材料、有機高分子などからなる非導電性材料などが挙げられる。
捕集体は、上記のように導電性材料である必要はなく、捕集体よりも後方に対向電極を配置することができる。この場合、捕集体と対向電極とは接触していてもよいし、離間していてもよい。
なお、このエレクトロスピニング法は、相対湿度が通常30%以上、特に35%以上、通常80%以下、特には70%以下の雰囲気下で実施することが好ましい。相対湿度が低すぎると、紡糸ノズル出口での分散液の乾燥が速く、固化してノズルを閉塞してしまう傾向があり、相対湿度が高すぎると、逆に乾燥しにくくなり、繊維を形成しにくくなる傾向がある。
上記相対湿度を保つため、紡糸ノズル及び捕集体を密閉容器の中に設置するとともに、バルブ等を介して、調湿した空気を送り込み、密閉容器内の湿度を前記範囲内に調節できるようにすることが好ましい。また、密閉容器内の圧力を上昇させないように、また分散液から揮発した溶媒を排出できるように、排気装置が密閉容器に接続されていることが好ましい。
(ロ)紡糸ノズルを使用しないエレクトロスピニング法
紡糸ノズルを使用しないエレクトロスピニング法としては、例えば、磁性流体を電極として使用し、分散液表面から静電紡糸を行う方法(A.L.Yarin,E.Zussman,“Polymer”,45(2004)2977-2980参照)が挙げられる。また、エレクトロスピニング法としては、回転ロールを、分散液を満たした浴に浸漬し、ロール表面上に分散液を付着させ、この表面に高電圧を印加し、静電紡糸を行う方法(http://www.elmarco.com参照)が挙げられ、さらに、分散液に連続的に発生した泡に高電圧を印加することにより静電紡糸を行う方法等が挙げられる(“NONWOVENS REVIEW”,Vol.18,No.2(2007)17-20、特開2008-25057号公報、参照)。
(ハ)メルトブロー法
メルトブロー法では、上記分散液を紡糸ノズルより吐出し、分散液の吐出と同時に、加熱された空気を紡糸ノズルの両サイドから分散液の吐出方向に高速で吹き出し、分散液が糸状になって吹き出すことにより、糸を細化することができる。なお、一般に用いられるノズル孔径は0.2mm程度であり、1mm位の間隔で一列に配列されている。1ノズルあたり、1分間の吐出量は0.5g程度であり、より細い繊維を得るためには低い吐出量が採用される。
以上の方法により得られたファイバー不織布の厚みの下限としては、、通常0.1μm以上であり、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上であり。上限としては、通常500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下である。また、得られたファイバー不織布の目付けは、その用途に応じて適宜設定されるが、例えば、通常0.1g/m以上、好ましくは0.5g/m以上、より好ましくは1g/m以上であり、上限としては、通常40g/m以下、好ましくは20g/m以下、より好ましくは1~10g/m以下である。
<経口製剤>
本発明の経口製剤は上記薬物含有ファイバーからなり、好ましくはファイバー不織布の形態をなす。
ファイバー不織布は、上記の捕集体とともに、又は捕集体から剥離して製剤として投与することができる。投与経路としては、口腔内投与や舌下投与が好ましい。なお、ファイバー不織布は、捕集体や他の層を含む積層体でもよい。
投与されたファイバー不織布に含有される薬物はナノ結晶状態であるため、薬物の溶出率に優れ、生物学的利用能が十分高い。したがって、本発明の薬物含有ファイバーは、薬物の有効性や安全性の面で優れている。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中に「%」とあるのは、質量基準を意味する。
〔PVA系樹脂と界面活性剤と薬物とを含有する分散液の調製〕
<実施例1>
PVA水溶液(PVA3.5g、蒸留水36g、粘度約2000mPa・s) と界面活性剤(Tween80、キシダ化学(株)製)0.05g、薬物溶液(プロブコール(富士フィルム和光純薬(株)製)1.5g、酢酸エチル9g)とを混合し、KINEMATICA社のポリトロンホモジナイザPT10/35を用いて、8000rpm×5分×2回撹拌し乳化して、分散液を調製した。
<実施例2>
実施例1において、配合量を後記表1のとおりに変更した以外は同様にして分散液を調整した。
<実施例3>
実施例1において、配合量を後記表1のとおりに変更した以外は同様にして分散液を調整した。
<比較例1>
実施例1において、配合量を後記表1のとおりに変更した以外は同様にして分散液を調整した。
Figure 2022081718000002
〔PBC含有ファイバー不織布の調製〕
実施例1~3および比較例1の分散液を用いて、エレクトロスピニング法によりPBC含有ファイバー不織布を調製した。具体的には、使用したニードルの直径を22G、電極間の電圧を10kV、ニードル先端から捕集板までの距離を12cm、分散液の吐出速度を0.5ml/時とし、2時間の超極細ファイバー化を行い、捕集板上に不織布を形成してPBC含有ファイバー不織布を調製した。
〔結晶性の評価〕
実施例1~3および比較例1のファイバー不織布について、DSC(示差走査熱量測定)によりプロブコール(PBC)の結晶状態を確認した。その結果を図1に示す。
DSCの測定には、セイコーインスツル社製DSC6200を用い、測定レンジを25~250℃、昇温速度を10℃/minとした。
なお、比較対象として、PBC粉末についても結晶状態を確認し、図1に併記した。
図1に示す結果から、比較例1では、PBC粉末で認められる吸熱ピークが消失しており、PBCが非晶状態であることがわかる。一方で実施例1~3では、PBC粉末に見られる吸熱ピークが徐々にシフトしており、ナノ結晶状態であることがわかる。
〔溶出率の評価〕
実施例1~3および比較例1の分散液を用いて得られたPBC含有ファイバー不織布について、下記のとおり、溶出率を測定した。参考例として、PBC単体での溶出率を測定した。
第十七改正日本薬局方の溶出試験パドル法に準じ、0.1%Tween80水溶液900mlを溶出試験器用ガラスベッセルに仕込み37℃の温浴に浸した。続いて薬物5mg相当を含むファイバーを加え、回転速度50rpmで溶解させながら、経時的に水溶液を採取し、水溶液PBC濃度を測定した。なお、ファイバー不織布に含まれるPBC量は、ファイバー不織布1mg辺りに含まれるPBC量をHPLC測定することにより求めて算出している。採取した溶液を0.45μmのフィルターで篩過した後、表2に示す条件(ナカライテスク社製 COSMOSIL 5C18-MS-II 4.6 mmI.D. × 250使用)で、HPLC(日本分光社製)測定により定量して溶解濃度を求めた。また、溶出率の結果を表3に示す。
Figure 2022081718000003
Figure 2022081718000004
表3より、界面活性剤を含む実施例1~3は、界面活性剤を含まない比較例1よりも薬物の溶出率が優れる結果が得られた。
〔線形安定性の評価〕
実施例1~3および比較例1の分散液を用いて作成したナノファイバー不織布の線径安定性について、倍率10000倍の走査電子顕微鏡JSM-6510LV(日本電子(株)製)を用い観察後、Image Jソフトを用いて約2μm間隔で15箇所の繊維径測定を行い、平均繊維径及び標準偏差の算出を行った。標準偏差が小さい程、線径安定性に優れていることを意味する。線形安定性の結果を表4に示す。
Figure 2022081718000005
表4より、界面活性剤を含む実施例1~3は、界面活性剤を含まない比較例1よりも線形安定性が優れる結果が得られた。
本発明の薬物含有ファイバーは、薬物がナノ結晶状態であるから、薬物の溶出率の優れ生物学的利用能が高い。そのため、各種の製剤、特に口腔内投与や舌下投与などの経口製剤に好適に利用可能である。

Claims (9)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂と界面活性剤と薬物を含有するファイバーであり、含有された薬物がナノ結晶状態である薬物含有ファイバー。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対する界面活性剤の含有量が0.1重量部以上である請求項1に記載の薬物含有ファイバー。
  3. 前記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が75~95モル%である請求項1または2に記載の薬物含有ファイバー。
  4. 前記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度が300~4000である請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物含有ファイバー。
  5. 薬物含有ファイバーの単繊維の直径が1nm~10μmである請求項1~4いずれか一項に記載の薬物含有ファイバー。
  6. 前記薬物が難溶性薬物である請求項1~5いずれか1項に記載の薬物含有ファイバー。
  7. ポリビニルアルコール系樹脂と薬物と界面活性剤を含有する薬物含有ファイバーを製造する方法であって、前記ポリビニルアルコールおよび界面活性剤を分散剤とし、前記薬物を含有する溶液を分散質として得られた分散液をエレクトロスピニング法、またはメルトブロー法によりファイバーを製造する工程を有する方法。
  8. ポリビニルアルコールおよび界面活性剤を分散剤とし、薬物を含有する溶液を分散質として得られる前記分散液からなるエマルションの平均粒径が100nm~400nmである請求項7に記載のファイバー製造方法。
  9. 請求項1~6いずれか1項に記載の薬物含有ファイバーからなる経口製剤。
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