JP2022081433A - 組み立てライン製造及び航空機の翼の組み立て - Google Patents

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Abstract

【課題】輪郭が生じさせられている間において、リブ及び/又はスパーを翼パネルに設置するシステム及び方法を提供する。【解決手段】翼パネル550を、輪郭544を生じさせるシャトル540の下に吊り下げることと、シャトル540を介して、作業ステーション520を通して翼パネル550を前進させることと、輪郭544が生じさせられている間において、作業ステーション520においてリブ572又はスパー580(又は他の翼パネル550)を設置することとを含み得る。他の方法は、シャトルの下方の航空機の翼パネルを位置特定することと、長さ調整可能なポゴを、例えばリブ又はスパーのための設置位置に対応する位置から離れた位置において翼パネルに連結することと、輪郭を翼パネルに生じさせるために、ポゴの長さを制御することとを含む。【選択図】図5C

Description

本開示は、航空機の分野に関し、具体的には、航空機の翼の製造及び組み立てに関する。
機体は、航空機の機械的構造を規定する。機体は、所望の構造的特性を付与する複数の構成要素から構成される。例えば、航空機の翼のための機体部分は、設計パラメータに従って(例えば、共接合、共硬化、又はファスナを介して)機械的に共に連結された複数の構成要素を含み得る。具体的には、翼アセンブリは、概して、上部翼パネルと下部翼パネルを備えており、上部及び下部翼パネルは、それぞれ、一連のストリンガによって安定化した翼外板を含む。上部及び下部翼パネルは、翼パネルの翼幅に沿って延在する前スパー及び後スパーから構成された支持構造体を挟持し、かつ、翼パネルにわたって翼弦方向に延在する一連の平行なリブによって共に接続される。現在実施されているように、機体の構成要素は、製造現場の予め規定されたセルで製造され、組み立てられる。例えば、構成要素は、1つのセルでレイアップ、硬化、又はさもなければ製造され得る。次いで、その全体が、作業が行われる新しいセルに運ばれ得る。
US2014090252A1の要約には、次のように記載されている。「民間航空機によって利用されているような、翼パネルの組み立てを自動化するシステム及び方法が提供される。システムに関連して、1つ又は複数のストリンガを外板プランクにタック留めするように構成されたタック留めセルが提供される。当該システムは、タック留めセルからタック留めされたプランクを受け入れ、1つ又は複数のストリンガを外板プランクにリベット留めするように構成されたリベット留めセルをさらに含む。当該システムは、リベット留めセルから複数のリベット留めされたプランクを受け入れ、1つ又は複数のスプライスストリンガを複数のリベット留めされたプランクに取り付けるように構成されたスプライシングセルをさらに含む。さらに、当該システムは、スプライシングセルからスプライシングされたパネルを受け入れ、それに本体翼弦の側面を取り付け、翼パネルを製造するように構成された本体側面セルを含む。
WO99/46079A12の要約には、次のように記載されている。「可撓性の固定システム(40)及び方法であって、単一の固定システム(40)が、複数の異なるワークピース(42)、すなわち、翼(10)の種々の飛行翼面を備えた様々なワークピースを収容かつ保持することができる、可撓性の固定システム(40)及び方法。可撓性の固定システム(40)は、複数のポスト(46)を備え、これらのポストはそれぞれ、複数の異なる輪郭付けされた形成機(80、82、84、86)を備え、可撓性の固定システム(40)によって収容かつ保持される種々のワークピース(42)のそれぞれに対して1つの形成機(80、82、84、86)が当てられる。どのワークピース(42)が固定システム(40)によって保持されるかに応じて各ポスト(46)上の必要な形成機(80、82、84、86)が自動的に選択され、ワークピース(42)との動作的関係のために所定位置まで動かされる。輪郭付けされた形成機(80、82、84、86)は、ワークピース(42)に固定されるディテールを保持するための電動クランプ(150)を含む。可撓性の固定システム(40)の各ポスト(46)は、ワークピース(42)を保持し、その湾曲を維持するように所定位置に動かされる吸引カップ型デバイス(92)のような複数の保持デバイス(90)をさらに含む。
上述の製造プロセスは信頼性を有するが、構成要素の特定の部分における作業の完了が予定より遅れた場合、プロセスの遅延が生じる。例えば、翼のある部分が、レイアップや固定に予定より時間が長くかかった場合、翼アセンブリ全体が、遅れたすべての作業が終わるまでセルに留まることになる。さらに、構成要素を移動させた後、構成要素の構成を分類するのにかなりの時間がかかる。この時間は付加価値をもたらさない。さらに、セル間の頻繁な移動は、付加価値のない時間量を実質的に増やしてしまう。つまり、セル(すなわち、製造プロセスで使用される各セル)間の構成要素を移動させるごとに段取りの時間が必要となる。この段取りの時間は、効率を向上させるために最小限にするべきである。現在の設計では、自動化光学検査技法及び/又はプローブを使用して、部品の位置を、その部品の寸法にわたって、6自由度に沿って検査するが、これは特に時間がかかり、費用のかさむプロセスである。
したがって、上述の課題のうちの少なくとも幾つかと、他の想定される課題とを考慮した方法及び装置を有することが望ましいであろう。
本開示は、翼を組み立てるための方法を提供し、当該方法は、
航空機の翼パネルを、翼パネルに輪郭を生じさせるシャトルの下に吊り下げることと、
輪郭が生じさせられている間において、シャトルを介して、組み立てラインの少なくとも1つの作業ステーションを通して、翼パネルを処理方向に前進させることと、
シャトルによって輪郭が生じさせられている間において、少なくとも1つの作業ステーションにおいて翼パネルに構造的構成要素を設置することと
を含み、構造的構成要素は、リブ、スパー、及び第2の翼パネルからなる群から選択され、翼パネルを吊り下げることは、シャトルを翼パネルのインデックス付けフィーチャとインデックス付けすることを含み、少なくとも1つの作業ステーションを通して翼パネルを搬送している間、翼パネルが、シャトルにインデックス付けされた状態に留まる。
好適には、翼パネルは、複数の作業ステーションを通して、より好適には、組み立てラインを通して、シャトルにインデックス付けされたままの状態に留まる。これにより、作業ステーションをシャトル、翼パネル、又はその両方に迅速にインデックス付けすることが可能となり、個々の各作業ステーションでインデックス付けにかかる時間の消費を防ぐか、少なくとも減少させる。
これにより、より効率的な翼の組み立てが可能となる。さらに、翼パネルをシャトルの下に吊り下げることにより、翼パネルへのより大きな及びより人間工学的なアクセスが可能となる。これらの効果は、前述の方法に関連する、翼を組み立てるためのシステムによっても達成され、当該システムは、
トラック、
トラックに沿って配置された作業ステーションであって、それぞれ翼パネルに対して作業を行うように構成されている、作業ステーション、
翼パネルをシャトルの下に吊り下げたまま、トラックに沿って前進し、輪郭を翼パネルに生じさせながら翼パネルをそれぞれの作業ステーションへ運搬するように構成されたシャトル、及び
シャトルが、翼パネルのインデックス付けフィーチャとインデックス付けされるよう構成されるように、翼パネルのインデックス付けフィーチャとの連結のために構成された、シャトルのインデックス付けユニット
を備えている。
本明細書に記載された実施形態は、組み立てラインを介して、航空機の翼の製造及び組み立てを容易にする強化されたシステム及び技法を提供する。これらの実施形態によれば、翼パネルなどの大型構成要素は、律動的に搬送されたり、又は継続的に動かされたりする。組み立てラインに沿って配置された別々の作業ステーションが、(例えば、パルス間の休止の間、又は構成要素が継続的に動かされている間に)構成要素に対して様々な作業タスクを行う。以下でさらに詳細に説明するように、本明細書の実施形態では、組み立てラインを通して、他の構成要素(例えば、リブやスパー、及び別の翼パネル)が徐々に設置される翼パネルの進展を追跡することによって、翼アセンブリを組み立てることに焦点を当てている。幾つかの実施形態では、構成要素(例えば、翼パネル)を作業ステーションのうちの1つ又は複数にインデックス付けするためのインデックス付けフィーチャが、構成要素に形成される。構成要素が翼パネルである実施形態では、インデックス付けフィーチャが、翼パネルの製造過剰領域に形成される。製造過剰領域は、翼パネルの形成の過程でいずれは削ぎ落とされる。翼パネルは、これらのインデックス付けフィーチャによって、作業ステーションにインデックス付けされ得る。幾つかの実施形態では、翼パネルが、そのサイズの故に、同時に複数の作業ステーションに接することができるように、作業ステーションは互いに十分に近付くよう配置される。例えば、組み立てラインは、処理方向に配置された一連のステーションを含み得る。これにより、翼パネルの前方部は、処理方向に沿って移動するにつれて、最初に検査ステーション(例えば、非破壊検査、すなわち、NDIステーション)に遭遇し、次いで、カットアウトステーション、それからリブ設置ステーションに遭遇する。これらのステーションは、互いに十分に近く配置され得る。これにより、例えば、前方部がリブ設置ステーションに遭遇したとき、翼パネルの中間部がカットアウトステーションに遭遇し、後方部がNDIステーションに遭遇して、2つ以上のステーション、又は3つのステーションすべてが、例えば、同時に又は時間的に重なり合って、それぞれのステーションの範囲内にある同一の翼パネルの一部に対して作業タスクを行うことができる。この組み立て技法は、組み立てプロセスに搬送プロセスを組み込むことによって、かつ、大型構成要素が移動させられるたびに、その構成要素に対して行われる作業量を減らすことによって、技術的利点を提供する。
幾つかの実施形態は、翼を組み立てるための方法であり、当該方法は、航空機の翼パネルを、翼パネルに輪郭を生じさせるシャトルの下に吊り下げることと、輪郭が生じさせられている間において、シャトルを介して、組み立てラインの少なくとも1つの作業ステーションを通して、翼パネルを処理方向に前進させることと、輪郭が生じさせられている間において、少なくとも1つの作業ステーションにおいて翼パネルに構造的構成要素を設置することとを含み、構造的構成要素は、リブ、スパー、及び第2の翼パネルからなる群から選択される。幾つかの方法では、翼パネルを吊り下げることは、シャトルを翼パネルのインデックス付けフィーチャとインデックス付けすることを含む。幾つかの方法では、輪郭を翼パネルに生じさせることは、長さ調整可能なポゴを翼パネルの表面の所定の位置において連結すること、及び/又はその長さを調節することを含む。幾つかの方法は、スパーをリブに接合すること、スパーを翼パネルに接合すること、リブを翼パネルに接合すること、アクセスポートを設置すること、再作業を行うこと、及び翼パネルを検査することなどの作業を行うように、少なくとも1つの作業ステーションを動作させることをさらに含む。
幾つかの実施形態は、翼を組み立てるための方法であり、当該方法は、シャトルの下方の航空機の翼パネルを位置特定することと、シャトルの長さ調整可能なポゴを、構造的構成要素のための設置位置に対応する位置から離れた、翼パネルの表面の位置において翼パネルに連結することと、輪郭を翼パネルに生じさせるために、ポゴのうちの少なくとも1つの長さを制御することとを含み、構造的構成要素は、リブ及びスパーからなる群から選択される。幾つかの方法では、ポゴを翼パネルに連結することが、翼パネルをシャトルの下に吊り下げる。幾つかの方法では、翼パネルを位置特定することは、シャトルを翼パネルのインデックス付けフィーチャとインデックス付けすることを含む。幾つかの方法では、シャトルを翼パネルとインデックス付けすることは、シャトルのインデックス付けユニットをインデックス付けフィーチャに物理的に連結することを含み、かつ/又はインデックス付けフィーチャは、翼パネルの過剰製造部分に配置される。幾つかの方法では、インデックス付けフィーチャは、可読識別手段を含み、シャトルをインデックス付けすることは、識別手段を読み取ることを含む。幾つかの方法では、可読識別手段(126)は、RFIDタグ及びバーコードからなる群から選択される。幾つかの方法では、当該方法には、翼パネルを走査して、翼パネルの輪郭を決定することが伴う。任意選択的に、走査することは、翼パネルの初期輪郭を決定するためにポゴの長さを制御することの前に行われる。
幾つかの実施形態は、指令を具現化する非一時的コンピュータ可読媒体であり、当該指令は、プロセッサによって実行されると、以上で簡潔に記載された方法を実施するように動作可能である。
幾つかの実施形態は、翼を組み立てるためのシステムであり、当該システムは、トラック、トラックに沿って配置された作業ステーションであって、それぞれ翼パネルに対して作業を行うように構成されている、作業ステーション、及びトラックに沿って前進し、輪郭を翼パネルに生じさせながら翼パネルをそれぞれの作業ステーションへ運搬するように構成されたシャトルを含む。幾つかのシステムでは、シャトルは、翼パネルのインデックス付けフィーチャとインデックス付けされるよう構成されている。幾つかのシステムでは、少なくとも1つの作業ステーションは、翼パネルとインデックス付けされるように構成されている。
幾つかの実施形態は、装置の形態をとり、当該装置は、ストロングバックであって、長さ調節可能なポゴと、ポゴの長さを個別に制御するアクチュエータと、それぞれのポゴに配置された真空連結器とをさらに含むストロングバックを含む。幾つかの装置では、ポゴは、ストロングバックの下方に延在し、ストロングバックは、真空連結器を介して、複合部品の表面への真空付着を形成するという手段によって、複合部品をその下に吊り下げるように構成されている。幾つかの装置では、ストロングバックは、少なくとも1つのポゴの長さを制御することによって、その下に吊り下げられた複合部品に輪郭を生じさせるように構成されている。
他の例示的な実施形態(例えば、上述の実施形態に関連する、方法、コンピュータ可読媒体、システム等)が、以下で説明され得る。上述の特徴、機能、及び利点は、様々な実施形態において単独で実現することが可能であり、又は、さらに別の実施形態において組み合わせることが可能である。これらの実施形態のさらなる詳細は、以下の説明及び添付図面を参照することによって確認することができる。
本開示の幾つかの実施形態は、例示のためだけに、添付図面を参照して説明される。すべての図面で、同じ参照番号は、同じ要素又は同じ種類の要素を表わす。
例示的な実施形態では、複合部品となるよう硬化されるプリフォームの過剰製造部分に対してインデックス付けフィーチャを施すレイアップシステムのブロック図である。 例示的な実施形態における、レイアップのために待機するレイアップマンドレルを例示する。 例示的な実施形態における、複合部品によって覆われたレイアップマンドレルを例示する。 例示的な実施形態における、複合部品となるよう硬化されるプリフォームの過剰製造部分に対してインデックス付けフィーチャを施す方法のフロー図を示す。 例示的な実施形態における、複合部品のための供給ラインのタクトタイミングを示す。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの図である。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの図である。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの図である。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの図である。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの図である。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの図である。 例示的な実施形態の翼のための組み立てラインの代替的な構成の図である。 例示的な実施形態における、翼パネルに輪郭を生じさせる方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、翼パネルの非破壊検査の方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、翼パネルの非破壊検査の方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、翼パネルにリブ及びスパーを設置する方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、翼パネルに輪郭を生じさせるさらなる方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにおけるリブの設置を示す。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにおけるリブの設置を示す。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにおけるリブの設置を示す。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにおけるリブの設置を示す。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにリブを取り付けるための方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにリブ及びスパーを設置する方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにリブ及びスパーを設置する方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、上部翼パネルにリブ及びスパーを設置する方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、リブと翼パネルとの間へのシムの自動設置を示す図である。 例示的な実施形態における、リブと翼パネルとの間へのシムの自動設置を示す図である。 例示的な実施形態における、リブと翼パネルとの間へのシムの自動設置を示す図である。 例示的な実施形態における、リブと翼パネルとの間への自動検査及びシムの自動設置を実行するロボットアームのさらなる図である。 例示的な実施形態における、リブと翼パネルとの間への自動検査及びシムの自動設置を実行するロボットアームのさらなる図である。 例示的な実施形態における、リブと翼パネルとの間への自動検査及びシムの自動設置を実行するロボットアームのさらなる図である。 例示的な実施形態における、ロボットアームを使用してシムを設置する方法を示すフロー図である。 例示的な実施形態における、完全に組み立てられた翼を含む航空機の斜視図である。 例示的な実施形態における、本明細書に記載された様々な構成要素及びシステムのブロック図である。 例示的な実施形態における、超音波検査を実行する製造システムの制御構成要素を広範囲に示す。 例示的な実施形態における組み立てラインを示す。 例示的な実施形態における、航空機の製造及び保守方法のフロー図である。 例示的な一実施形態における、航空機のブロック図である。
図面及び以下の説明により、本開示の具体的かつ例示的な実施形態が提供される。したがって、当業者は、本明細書に明示的に記載又は図示されていない様々な装置を考案して本開示の原理を具体的に実現することができるが、それらは本開示の範囲に含まれることを理解されたい。さらに、本明細書に記載された任意の実施例は、本開示の原理の理解を助けるためのものであり、具体的に記載された実施例や諸条件に限定されないと理解するべきである。結果として、本開示は、下記の具体的な実施形態又は実施例に限定されず、特許請求項の範囲及びその均等物によって限定される。
便宜上、本記載は、航空機用翼が組み立てラインで構成部品から組み立てられるにあたって、航空機用翼の製造において起こり得る動作のシーケンスとして提示されている。具体的には、本記載は、プリフォームから翼パネルを形成するところから始まり、翼パネル上で行われる様々な工程に言及する。この様々な工程には、リブやスパーなどの構造的構成要素を翼パネル(上部翼パネルであり得る)に追加することや、別の翼パネル(例えば、下部翼パネル)を接合して、翼アセンブリを形成することが含まれる。「翼アセンブリ」という用語は、本明細書では、概して、1つ又は複数の主要な構造的構成要素(例えば、リブ及びスパー)が取り付け又は設置された翼パネルのことを指しており、したがって、完成された翼を含む。しかしながら、本記載は、翼パネルの形成と、翼パネルに主要な構造的構成要素を追加することに主に言及しており、通常完成した翼に組み込まれるようなケーブルや機械的及び電気的システムの包含には必ずしも言及していない。本明細書に記載されたすべての動作、プロセス、ステップ、及び他の作業が、必ずしも本明細書に記載されたすべての実施形態(例えば、翼アセンブリの実施形態、その構造的構成要素の実施形態、その組み立てに関する方法の実施形態等)、又は本開示と調和している他の実施形態において行われるわけではない。さらに、記載された動作、又はそこに含まれる特定の作業は、説明された順序とは異なる順序で行われる場合があり、他の作業と同時に又は時間的に重なり合って行われる場合があり、種々の翼パネル(例えば、下部翼パネルに対する上部翼パネル等)の代替的動作を表す場合があり、等々である。
本明細書に記載された翼及び翼アセンブリは、金属部品及び/又は複合部品を含み得る。炭素繊維強化ポリマー(CFRP)部品などの複合部品は、最初に、プリフォームと総称される多重層にレイアップされる。プリフォームの各層内の個々の繊維は互いに平行に揃えられるが、種々の層は、結果的に得られる複合部品の種々の寸法に沿って強度を高めるために、種々の繊維配向を示す。プリフォームを硬化して、(例えば、航空機で使用される)複合部品にするために、プリフォームは、凝固する粘性樹脂を含む。未硬化の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂で含浸された炭素繊維は、「プリプレグ」と呼ばれる。他の種類の炭素繊維には、熱硬化性樹脂で含浸されていないが、粘着付与剤又は結合剤(binder)を含み得る「乾燥繊維」が含まれる。乾燥繊維は、硬化前に樹脂が注入される。熱硬化性樹脂において固化は硬化と呼ばれる一方向プロセスであるが、熱可塑性樹脂に関しては、樹脂は再加熱されると粘性形態に至る。
図1は、例示的な実施形態において、複合部品となるよう硬化されるプリフォームの過剰製造部分(過剰製造部分)に対してインデックス付けフィーチャを施すレイアップシステム100のブロック図である。従来のシステムでは、複合部品の最終的な寸法又は境界(例えば、最終的な外周)を越えるような材料である複合部品の過剰製造部分は、脱型された後にトリミングされる。例えば、これには、翼パネルを専用セル内に配置することと、特徴付けのために翼パネルを走査することと、次いで、最終的な外周寸法が実現するまで部品の外周に沿って(例えば、カッターを用いて)翼パネルをトリミングすることとが含まれ得る。胴体の過剰製造部分をトリミングするときにも同様のプロセスが適用される。本明細書でさらに詳細に説明されるように、レイアップシステム100は、脱型された後の複合部品から従来は即座にトリミングされる材料を利用するという点において独特である。具体的には、様々なインデックス付けフィーチャが、プリフォームの過剰製造部分に形成される。このインデックス付けフィーチャは、組み立てライン又は他の製造プロセスにおいて、1つ又は複数のステーションなどにおけるさらなる工程のために硬化された複合部品をインデックス付け(例えば、位置付け、配向、識別等)するために使用可能である。レイアップシステム100は、プリフォームにインデックス付けフィーチャを施すように動作可能な任意のシステム、装置、又は構成要素を備えている。このプリフォームは、硬化されて複合部品となる。本実施形態では、レイアップシステム100は、輪郭112(例えば、湾曲した輪郭、平坦な輪郭、又はその他の形状の輪郭)又は翼パネルなどの複合部品となるよう硬化されるプリフォームを画定するレイアップマンドレル110(例えば、剛性金属マンドレル)を含む。プリフォーム200は、レイアップマンドレル上に配置されるように示されている。
レイアップマンドレル110の簡易的な等角図を示す図2A及び2Bを参照して確認できるように、マンドレルには、凹み、突出部、隆起部、溝、ノッチ、貫通孔、止り穴、ダムなどの表面フィーチャ114がある。プリフォームに対して対応する輪郭を付与する輪郭112のように、表面フィーチャ114は、210で示される対応するインデックス付けフィーチャをプリフォームに直接配置するために使用可能である。他は、レイアップマンドレル110における過剰製造部分のトリミング、又はレイアップマンドレル110における硬化された複合部品の穿孔に対応する。言い換えると、表面フィーチャ114は、インデックス付けフィーチャ210をプリフォーム及び/又は硬化された複合部品に配置するために、プリフォーム200の形状を局所的に変化させる。様々な種類の表面フィーチャ114によって、インデックス付けフィーチャを複合部品に形成する様々な方法がもたらされる。1つの方法は、プリフォームを表面フィーチャ(例えば、硬化後に複合部品の一部となるプリフォームの対応する凹みを形成する突出部)の上にレイアップすることであり、別の方法は、(例えば、穿孔によって)インデックス付けフィーチャ(例えば、貫通孔)を硬化後の複合部品に機械加工することである。例えば、図1では、表面フィーチャ114は、ポッティング化合物で埋められ、輪郭112を補完するように表面輪郭として仕上げられる凹部118を含むように示されており、この凹部により、マンドレル110から部品を取り出す前に、貫通孔などのインデックス付けフィーチャを、プリフォーム200を硬化して作った複合部品に穿孔することができる。穿孔作業中の行過ぎ量(overshoot)は、レイアップマンドレルの表面を損傷せずに、ポッティング化合物を幾らか取り除くだけである。表面フィーチャ114は、レイアップマンドレル110にレイアップされたプリフォーム200の表面に(及び/又はその中に)インデックス付けフィーチャを成形し又は生じさせるように使用される。
硬化した後のレイアップマンドレル110における機械加工(例えば、穿孔又はトリミング)の間にオーバーシュートがあると、次にレイアップマンドレル110を使用する前に、ポッティングされた1つ又は複数の表面を再加工する必要がある。プリフォーム200は、レイアップマンドレル110の上に、輪郭112及び表面フィーチャ114の上にレイアップされる。
図1に示されるように、かつ、レイアップマンドレル110がレイアップのために待機しているところを示す図2Aでも視認できるように、レイアップマンドレルは、輪郭112を含む、プリフォーム200のためのレイアップ領域120を含む。レイアップ領域120は、過剰製造領域122に囲まれており、過剰製造領域122内に表面フィーチャ114が配置されている。同様に、図1では、プリフォーム200は、最終トリミング境界又は最終的な外周202又は結果として得られた複合部品を超えて延在するように示されている。最終的な外周202を越えて延在するプリフォームの領域は、過剰製造端部206によって画定される、204で示される過剰製造部分である。したがって、表面フィーチャ114は、プリフォーム200においてインデックス付けフィーチャ210を相補的に形成するように位置付けされる。より具体的には、過剰製造領域122に配置された表面フィーチャ114は、硬化前のプリフォーム200の過剰製造部分204においてインデックス付けフィーチャ210を形成し、これは、上述のように、プリフォーム200が硬化されて複合部品250となった後に利用され得る。浅い凹状の表面として示された輪郭112の湾曲が、結果として得られた複合部品の最終的な外周202を越えてレイアップマンドレル110上で延在しているように示されているが、これはすべての実施形態において必要であるというわけではない。なぜなら、輪郭112は、最終的な外周202の範囲内の結果として得られる複合部品の一部にのみ必要とされているからである。さらに、凹状のレイアップマンドレル110が示されているが、任意の適切な形状のレイアップマンドレルが利用されてもよい。例えば、凸状のレイアップマンドレルや、複雑な湾曲形状を画定するレイアップマンドレルも使用可能である。さらに、外側モールド線のレイアップマンドレル110が示されているが、内側モールド線のレイアップマンドレルも別の実施形態で利用されてもよい。
図2Aは、レイアップを待っているレイアップマンドレル110を示しているが、図2Bは、参照番号250で示された複合部品を示す。この複合部品は、レイアップマンドレル110から脱型されるために待機しているプリフォーム200を硬化して作られている。プリフォーム200のインデックス付けフィーチャ210は、複合部品250のインデックス付けフィーチャ210となった。
幾つかの実施形態では、表面フィーチャ114は、隣接する表面フィーチャから所定の距離(例えば、数センチや数メートル等)で離間されており、プリフォーム200及び結果として得られる複合部品250において、均等に離間されたインデックス付けフィーチャ210を実現する。別の実施形態では、表面フィーチャ114は、互いから均等に離間されている。インデックス付けフィーチャ間の位置及び/又は所定の距離は、部分的には、組み立てライン上の作業ステーションの配置などの要因に左右され得る。
レイアップマンドレル110における表面フィーチャ114の位置は、精密に(例えば、ミリメートルまで)許容誤差内に調節され、これにより、プリフォーム200が硬化されて複合部品250となり、レイアップマンドレル110から脱型された後でも、結果的に、プリフォーム200における対応するインデックス付けフィーチャ210の位置の精密な許容誤差まで知ることができる。その後、組み立てラインにおけるステーションによって、インデックス付けフィーチャ210を利用して、結果として得られる複合部品を望ましい態様に方向付けかつ位置付けし、複合部品に対して作業を行うことができる。さらに、レイアップマンドレル110は再利用可能であるので、インデックス付けフィーチャをプリフォームに施すための別のプロセスは必要とされない。許容誤差の範囲内のレイアップマンドレルにおいてこのプロセスを実行すると、インデックス付けフィーチャも許容誤差の範囲内にあるという結果となる。ポッティング領域とも呼ばれる凹部118は、ポッティング化合物で充填され、上述のように、複合部品250への硬化が完了した後にインデックス付けフィーチャ(例えば、貫通孔)を設置するために、穿孔作業などの機械加工のオーバーシュートを収容するように配置され、かつ/又は次のプリフォームのための準備を行うため、機械加工及び脱型した後に必要に応じて、再充填及び/又は表面仕上げされる。
幾つかの実施形態は、プリフォームにおいて、無線識別子(RFID)チップのような可読識別手段(図1では概して126で示される)を設置することを含む。このような実施形態では、1つ又は複数のRFIDチップが、プリフォーム200の過剰製造部分204に連結され、取付けられ、又は組み込まれる。RFIDチップなどの可読識別手段は、それが連結される、結果として得られる複合部品の態様を特徴付ける情報を報告することにより、インデックス付けプロセスを促進することができる。例えば、RFIDチップは、特定の作業ステーションの範囲内の構造体の一部に関する指令を作業ステーションに提供することができる。1つ又は複数のRFIDチップが、指令を1つの作業ステーション又は複数の作業ステーションに提供することができるので、1RFIDチップと1作業ステーションという一対一の関係は必要ない。別の実施例では、RFIDチップは、構造体/翼の種類(右若しくは左、又は上部若しくは下部、又はさらにはモデル番号を含む)を作業ステーションへ報告する。
さらに、図面では示されていないが、RFIDチップに加えて、又RFIDチップの代わりに、1つ又は複数の他の可読識別手段126が、プリフォーム200又はプリフォーム200から形成された複合部品250に設けられてもよい。例えば、組み立てラインにおける1つ又は複数の作業ステーションで適切なリーダーによって走査又は読み取り可能なバーコード又は他の標識が、脱型の前に、プリフォーム又は結果として得られる複合部品に刻み込まれたり、又は適用されたりしてもよい。本開示のために、特定の種類の可読識別手段126(例えば、RFIDチップ又はバーコード)についての本明細書の記載(及び図面の説明)は、このようないずれかの可読識別手段を広範囲に包含することが意図されている。
図1に示すレイアップシステムは、ブレード132(例えば、往復刃又は丸刃)を有するカッター130、及びガイド116に近接する複合部品の部分を切削するブレード132を駆動するアクチュエータ134をさらに含み、これらは、レイアップマンドレル110における過剰製造領域122を包含する隣接する溝の形態で示されている。つまり、ガイド116は、カッター130を受け入れるか、かつ/又はカッター130の経路を画定する。さらに、図1に示すように、ガイド116は、ポッティング化合物で充填され、カッターのブレードを収容し得る(かつ、凹部領域118のように、使用後に充填される)。図2Bでは、例えば、明瞭性のためにガイド116を集合的に形成する溝が長方形の外周として示されているが、複合部品250は、レイアップ領域120内の部分252、及び表面フィーチャ114に適合される過剰製造領域122内の部分254を含むように示される。図2Bでは、過剰な材料のバリ端部256が、過剰製造領域122を越えて延在しているように示されている。レイアップマンドレル110から複合部品250を脱型する前に行われる切削作業は、バリ端部256を取り除いて、過剰製造端部206を画定し、組み立てラインにおけるステーションによって使用するためのインデックス付けフィーチャ210を含むように、十分な量の過剰製造部分204を残す。端部を最終的な外周(すなわち、最終的な外周202)までトリミングする前に、製造工程の間、粗切りによって一貫した端部(すなわち、過剰製造端部206)が部分に設けられる。これは、過剰製造部分に関連して固定した一貫した外周がない部分に対して作業を行うことに比べて、望ましいことである。カッター130の作業は、コントローラ140によって管理される。コントローラ140は、例えば、カスタム回路、プログラムされた指令を実行するハードウェアプロセッサ、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。
レイアップシステム100の動作の例示的な詳細は、図3、及び図3に示される方法300で説明される。本実施形態では、複合部品がレイアップマンドレル110から脱型された後、レイアップマンドレル110が洗浄されて、組み立てラインの開始点に戻されたと想定する。したがって、レイアップマンドレル110は、次の複合部品250のために、プリフォーム200などのプリフォームのレイアップを待つ。
図3は、例示的な実施形態における、複合部品250となるよう硬化されるプリフォーム200の過剰製造部分204に対してインデックス付けフィーチャを施す方法300のフロー図である。方法300のステップは、図1、図2A、及び図2Bに示すレイアップシステム100の構成要素を参照して説明されるが、当業者であれば、方法300を他のシステムで実施できることを理解するであろう。本開示で例示かつ説明されたすべての方法の場合のように、本明細書に記載されたフロー図に示されたステップは、すべてが包括的であるか又は排他的であるというわけではない。さらに、本明細書のフロー図(例えば、図3)は、特定の方法(例えば、方法300)の特定の実施形態のみを例示しており、本開示と一致しかつ本開示によって包括される方法の他の実施形態は、図示されているよりも少ない又は多い数のステップを含み、図示されているのとは異なる順序で行われるステップを含み、かつ/又は図示されている以外の(例えば、追加の、より少ない、及び/又は代替的な)作業を含むことを理解されよう。さらに、本開示から明らかになるように、本明細書で図示されかつ説明される様々な方法は、翼パネルが形成されて翼アセンブリに組み立てられるにつれて実行され得る様々な異なる工程及びシーケンスに関連しており、本開示に係る方法は、例示された様々な方法のうちの2つ以上の方法の様々なステップ及び工程を組み合わせるか、又はさもなければ含み得る。さらに、上述の構成要素の参照番号が方法300の説明の中で使用されているが、この方法(及び本明細書に記載された他の方法)は、以上で例示かつ説明された構成と異なる構成を有し得る構成要素にも適用可能であることを理解されよう。
方法300に焦点を当てると、ステップ302では、プリフォーム200が、レイアップマンドレル110上に、例えば、レイアップ領域120上にレイアップされ、さらに複合部品250の最終トリミング境界(すなわち、最終的な外周202)を越えて位置するレイアップマンドレル110の部分(例えば、過剰製造領域122)上にレイアップされる。レイアップマンドレル110の過剰製造領域122は、プリフォーム200においてインデックス付けフィーチャ210を相補的に形成するように構成された表面フィーチャ114を含む。レイアップマンドレル110は、少なくともレイアップ領域において、複合部品のための輪郭112を画定し、プリフォーム200は、複合部品のための最終的な外周を越えて延在する過剰製造部分204を含む。レイアップマンドレル110自体が組み立てラインを通してパルス移動させられるか又は継続的に動かされるにつれて、レイアップは実行することができ、このレイアップは、(例えば、レイアップマンドレルの継続的運動の間に、レイアップマンドレルの運動間の停止中に)一度での複数の積層機の同期した動作を含み得る。レイアップの間、単方向繊維補強材料の複数のプライが連続的に加えられ、所望のサイズ及び強度のプリフォーム200が構築される。レイアッププロセスにより、プリフォーム200が、最終的なトリミング(例えば、アセンブリサイズの)境界を越えて(例えば、最終的な外周202を越えて)延在し、これは、プリフォーム200の一部が表面フィーチャ114に跨がって延在することを意味する。本実施形態では、プリフォーム200は、複数の層/プライを有する翼パネル550のためのプリフォームである。
ステップ304では、プリフォーム200が、レイアップマンドレル110における表面フィーチャ114に適合させられる。表面フィーチャ114は、複合部品250の最終トリミング境界を越えたところに位置しており、プリフォーム200にフィーチャ部を相補的に形成し/生じさせ、このフィーチャ部は、硬化されてインデックス付けフィーチャ210となる。これは、一実施形態では、プリフォームを真空バギングし、圧密圧力を加えることによって、プリフォーム200を強化することを含む。さらなる実施形態では、ステップ302においてレイアップ中に加えられた繊維強化材料のトウは、ローラ又は他のデバイスによって圧縮され、プリフォーム200が表面フィーチャ114に適合させられる。
例示的な方法では、ステップ302及び304は、通常、クリーンルーム環境で実行され、例えば、レイアップ中に異物デブリ及び他の汚染物質がプリフォーム200に接触する可能性を最小限に抑える。次いで、レイアップマンドレル110は、オートクレーブに移動させられる。オートクレーブは、熱及び/又は圧力を加えることにより、プリフォーム200を硬化させて複合部品250にする。ステップ306では、プリフォーム200が硬化されて、インデックス付けフィーチャ210が相補的に形成された複合部品250となる。インデックス付けフィーチャ210は、表面フィーチャ114に対して相補的であり、表面フィーチャ114に配置される。硬化中、プリフォーム200は、プリフォーム200内の熱硬化性樹脂の硬化温度まで加熱され、又は、プリフォーム200は、熱可塑性樹脂の溶融温度まで加熱されて、次いで、熱可塑性樹脂が固化するまで冷却され得る。これにより、結果として得られる複合部品250が、インデックス付けフィーチャ210がレイアップマンドレル110上の表面フィーチャ114に配置されることになる。
さらなる実施形態では、過剰製造部分をミリング加工又は穿孔すること(例えば、過剰製造部分から材料を取り除く、孔、ノッチ、チャネル、及び/又は溝を設置すること)によって、追加のインデックス付けフィーチャ210が追加される。さらなる実施形態では、ピン、クリップ、リングなどの追加のインデックス付けフィーチャ210が利用かつ/又は設置される。
幾つかの実施形態は、可読識別手段126(例えば、RFIDチップやバーコード等)をプリフォーム200又は複合部品250のいずれかの過剰製造部分204に設置することを含む。言い換えると、RFIDチップ及び/又は他の可読識別手段126は、プリフォームを硬化して複合部品250にする前後のいずれかに過剰製造部分204に配置される。
ステップ308では、インデックス付けフィーチャ210を含む過剰製造部分204を保持しながら、複合部品250から材料が取り除かれる(例えば、切削又はさもなければ分離される)。ステップ308の切削動作が、過剰製造部分122の一貫した外周/境界を作り出す。一実施形態では、これは、複合部品250の樹脂バリ(又はバリ端部256)を切り落とすために、ガイド116に沿ってカッター130を作動させることを含み、結果的に過剰製造端部206が生じる。一実施形態では、複合部品250のバリ端部256の切り落としは、結果として得られる複合部品250をレイアップマンドレル110から脱型させる前に行われる。複合部品250は、インデックス付けフィーチャ210を有する過剰製造部分204を保持する。インデックス付けフィーチャ210は、複合部品が組み立てラインにおける作業ステーションによって加工されるにあたって、複合部品をインデックス付けするために使用される複合部品250は、例えば、翼アクセスドア又は翼パネルの他の部分を収容するために切り落とされる領域におけるインデックス付けフィーチャ210、及び/又は翼パネル最終的な外周を超えた過剰製造部分をさらに含み得る。次いで、プロセスの後半に残りの過剰製造部分をトリミングすることにより、最終的な外周202を達成することができる。つまり、組み立て中に1つ又は複数の構成要素の追加に対応するため、インデックス付けフィーチャのうちの1つ又は複数が除去の対象となり得る。例えば、作業ステーションは、過剰製造部分又はその一部をトリミングし、リブ又はスパーなどの構成要素を設置し、翼パネルなどの複数の構成要素を共に接合する等のために設計され得る。さらなる実施形態では、孔、ノッチ、チャネル、溝等の追加のインデックス付けフィーチャ210が、穿孔、ミリング加工、又は他の動作を通して、複合部品250に設置又は形成される。さらなる実施形態では、複合部品250から材料を取り除くことは、このような追加のインデックス付けフィーチャ210を設置することを含む。
ステップ310では、複合部品250から材料を取り除き(例えば、バリ端部256を分離し)、及び/又は1つ又は複数のインデックス付けフィーチャ210を配置かつインデックス付けした後、複合部品がレイアップマンドレル110から脱型される。次いで、複合部品250は、さらなる製造及び組み立てのために、組み立てラインへと進む(図示されず)。その一方で、レイアップマンドレル110は、洗浄及び複合部品用の別のプリフォームの受け入れのために戻る。一実施形態では、レイアップマンドレル110は、再加工(例えば、脱型や修理等の前にポッティング領域118にオーバーシュートを穿孔又は切削した後、必要に応じてポッティング化合物で再充填され、レイアップ輪郭112を回復する)され、翼パネルレイアップライン上などのレイアップ開始位置で開始するために搬送される。
次いで、方法は継続し得る。例えば、本明細書により詳細に説明されているように、インデックス付けフィーチャ210を介して、結果として得られる複合部品250が、組み立てラインにおける作業ステーションにインデックス付けされ、複合部品が作業ステーションにインデックス付けされている間において、作業が作業ステーションにおける複合部品に対して行われ得る。幾つかの実施形態では、複合部品250は、吊り下げられ、又はさもなければ、ストロングバックなどのシャトルによって、組み立てラインを通して運ばれる。複合部品250は、ストロングバック上の対応するインデックス付けユニットなどによって、シャトルにインデックス付けされ得る。次いで、ストロングバックが、作業ステーションにインデックス付けされる。この場合、複合部品は、ストロングバックを介して作業ステーションにインデックス付けされたといえる。いずれの場合でも、インデックス付けは、作業ステーションの範囲内の複合部品250(及び/又はストロングバック)の少なくとも一部を作業ステーションに対して特徴付ける。さらなる実施形態では、複数のインデックス付けフィーチャが、複数の作業ステーション及び/又はストロングバックと相互作用する。最終的に過剰製造部分204が複合部品250からトリミングされるまで(例えば、過剰製造部分に位置付けされたインデックス付けフィーチャがもはや組み立てのために使用されなくなるまで)、インデックス付けが1つ又は複数の作業ステーションに対して行われ得る。トリミング後、複合部品250は、最終的な外周202内にあり、過剰製造部分におけるインデックス付けフィーチャ210は取り除かれる。次いで、複合部品250は、航空機の翼アセンブリに組み込まれる。
方法300は、精密に許容誤差内に調節されたマンドレル110上の表面フィーチャ114を参照しながら、レイアップの間にインデックス付けフィーチャ210を複合部品250に設置することを可能にするので、従来技術に比較して実質的な利点を実現する。これにより、表面フィーチャの配置、及びレイアップマンドレル110に対する配置によって、インデックス付けフィーチャが既に正確に知られた位置に配置されているので、インデックス付けフィーチャ210を設置するためにプリフォーム200を精密に測定する必要がなくなる。したがって、下流の輪郭走査及びインデックス付けの必要性を避けるために、レイアップマンドレル110及びレイアッププロセスの精密さが活用される。したがって、レイアップマンドレル110の精度は、単なるレイアッププロセスを越えて拡大/活用され、これにより、複合部品250を脱型させる前にインデックス付けフィーチャを追加するための、トリミング、ミリング加工、又は穿孔などのポスト硬化プロセスが含まれる。したがって、複数の表面フィーチャ114と、レイアップマンドレル110を使用することにより複合部品250に配置される、対応して形成されるインデックス付けフィーチャ210との間の精度の関係性が、複合部品が前進するにつれて引き継がれ、これにより、同じ部分に製造処理ステップを同時に行うことが可能となる。
図4は、例えば、翼アセンブリを組み立てるために、様々な供給ラインとアセンブリライン又はレイアップラインをどのように連携させることができるかを示している。図4は、図式例を示すフロー図であり、例示的な実施形態における供給ライン490及びアセンブリ/レイアップライン491の図式480として示されている。図式480は、供給ライン及びタクトタイムに関連する翼の製造の詳細な例示的フロー図を提供する。特定の実施形態のために、レイアップ材料供給ラインから、翼を胴体部に統合する接合工程までのすべての供給ラインが示されている。さらに、矢印によって示されている各ステップは、供給する構成要素のタクトタイムに基づき、所望のタクトタイムに従って行われる。
本実施形態では、各供給ラインには、異なる参照番号490(例えば、490-1、490-2等)が指定され、各アセンブリ又はレイアップラインには、異なる参照番号491(例えば、491-1、491-2等)が指定される。より具体的には、供給ライン490-1は、レイアップ材料を翼パネルレイアップライン491-1に供給する。供給ライン490-2は、レイアップ材料をスパーレイアップライン491-5に供給する。供給ライン490-3は、レイアップ材料をリブレイアップライン491-3に供給し、供給ライン490-4は、レイアップ材料をストリンガレイアップライン491-2に供給する。さらに、レイアップラインは、他のレイアップラインに接続する。リブレイアップライン491-3は、リブ製造後ライン491-7に接続し、翼パネルレイアップライン491-1は、翼ストリンガ配置ライン491-4に接続し、スパーレイアップライン491-5は、スパー製造後ライン491-6に接続する。
各供給ラインは、それぞれが製造する構成要素の製造を容易にするタクトタイムが示されている。供給ラインのタクトタイムと組み立てラインのタクトタイムを同期させて、1つ又は複数の対応する作業ステーション520への構成要素のジャストインタイム(JIT:just in time)供給を実現する。1つ又は複数の作業ステーション520では、これらの構成要素が(例えば、消耗品や、製造中の製品へのインプットとして)使用される。結果として得られた構成要素は、作業ステーション520を備えた組み立てライン500に沿って移動し、さらにタクトタイムに従って前進する。供給ライン490-1から490-9の各ライン、及び/又はライン491-1から491-9の各ラインのタクトタイムは、同一であってもよく、一部が同一であってもよく、又はすべてが異なっていてもよい。供給ライン490-1から490-9の各ラインは、その特定のラインについて共通のタクトタイムで進行する。
各供給ラインのタクトタイムは、供給ラインの供給先の組み立てラインの所望の生産率に左右され得る。例えば、リブが1時間に1個という率で取り付けられ、200個のファスナによって取り付けられる場合、供給ラインは1時間に200個のファスナをリブ設置ステーションに供給するべきであり、結果的にファスナのタクトタイムが、1分ごとに3+3分の1個となる。
本実施形態では、例えば、リブレイアップライン491-3は、タクト7タイムで進行し、リブ製造後ライン491-7に接続する。翼パネルレイアップライン491-1は、タクト3タイムで進行し、翼ストリンガ配置ライン491-4に接続する。スパーレイアップライン491-5は、タクト5タイムで進行し、スパー製造後ライン491-6に接続する。
リブ製造後ライン491-7は、タクト6タイムで進行し、翼ストリンガ配置ライン491-4は、タクト2タイムで進行し、及びスパー製造後ライン491-6は、タクト4タイムで進行する。すべての供給が翼アセンブリライン491-8に流れ込む。翼アセンブリライン491-8は、タクト1タイムで進行し、アクセスポートカバー供給ライン490-5からアクセスポートカバーを受け取り、種々雑多な材料供給ライン490-6からを受け取り、ファスナ供給ライン490-7からファスナを受け取り、密封剤供給ライン490-8から密封剤を受け取る。翼パネル550は、ライン490-10においてオートクレーブ内で硬化される。次いで、複合部品250がトリミングされ、(幾つかの実施形態では)ライン490-11において、例えば、脱型ステーションでマンドレル110から分離される前にインデックス付けフィーチャ210が追加される。トリミングされた過剰な材料は、ダウンシュート(下方落し口)490-9を介して、翼アセンブリライン491-8から取り除かれる。翼の製造が完成した後、ライン491-9は、翼を接合のために胴体へ移動させる。上述の様々なラインはそれぞれ、求められ得るどんな率ででも、接続するラインへ材料及び/又は構成要素をジャストインタイムで供給することができる。下流ラインのタクトタイムは、接続する1つ又は複数のラインと同一であってもよく、又は異なっていてもよい。各ラインは、固有のタクトタイムを有し得る。
供給ラインを含むいずれの組み立てラインも、製造プロセスが(図式480において)左から右へ進行する状態で、マイクロパルスライン、フルパルスライン、及び/又は継続的ラインとして動作可能であり、様々なタクトタイムが、下流の次のラインにおいて構成要素及び/又は材料をジャストインタイム供給するために同期される。本明細書で用いられている「パルス移動させる(pulse)」とは、構成要素が組み立てラインを通して処理方向に前進してその後停止することを指している。構成要素を、「マイクロパルス移動させる(micro pulsed)」(ここでは、構成要素をその長さより短い距離だけ処理方向に前進させることを指す用語)ことができ、又は「フルパルス移動させる(full pulsed)」(構成要素をその長さ以上の距離だけ前進させる)ことができる。パルス状の製造の一部として、組み立てラインにおける複数の構成要素が、同期的にパルス移動させられ、複数の作業ステーションが、パルス間の同一の停止の間、又はパルス自体の間に、構成要素の種々の部分に対して作業を行うことができる。言い換えると、複数のステーションは、それぞれ翼パネルの一部に対して同時に作業を行い、これにより、各ステーションは、トラックに沿った翼パネルの前進における停止の間に異なる部分に対して作業を行う。
この並行処理によって、工場の中の作業密度が著しく向上する。マイクロパルス移動された又はフルパルス移動された各々の構成要素のタクトは、同一であってもよく、異なっていてもよく、又は構成要素を受け入れる別の組み立てラインのタクトタイムの規定された比率であってもよい。例えば、スパーのためのレイアップ材料の供給ライン490-2におけるタクトタイムは、翼パネルのためのレイアップ材料の供給ライン490-1におけるタクトタイムと異なっていてもよく、供給ライン490-1におけるタクトタイムは、密封剤供給ライン490-8を介して供給される密封剤のタクトタイムと異なり得る。一実施形態では、それぞれの例示されたセグメントについてタクトタイムは一貫している。
上述のように、本明細書に記載された個々の供給ラインは、パルス稼働されるか、又は継続的に動作し得る。パルス稼働されたラインは、マイクロパルスを実施し得る。製造中の構成要素は、停止の間、作業ステーションから作業される前に、その長さより短い距離だけ前進するか、又はフルパルス稼働され得る。フルパルス稼働の場合、構成要素は、その長さに等しい距離だけ前進する。さらに、様々な構成要素(例えば、翼アセンブリ、翼パネル、リブ、スパー等)は、複合部品から、又は金属のための付加製造又は除去加工技術を用いて、製造することができる。例えば、一実施形態では、リブは、リブ製造後ライン491-7において金属構成要素の除去加工を用いて製造されるが、翼パネルは、翼パネルレイアップライン491-1において複合部品(例えば、プリフォーム)として製造される。
図4に例示されかつ上述された図式の様々な態様は、例えば、組み立てのタイミング、動き(例えば、パルス移動させられた動き及び/又は継続的な動き)、及び/若しくは構成要素と供給品の供給、並びに/又はその他の動作をジャストインタイムで調整するため、或いはその他の目的のため、任意の製造環境(例えば、製造現場及び/又は翼のための組み立てライン)において実施され得る。これと調和するように、図5Aー5Fに示され、以下で説明される組み立てライン500などの組み立てラインの例示的な実施形態は、組み立てライン491-8に対応する。しかしながら、実施形態の説明で具体的に言及されていなくても、本開示と一致する他の組み立てライン及び製造プロセスは、このような図式、又はその任意の態様を実施し得る。
図5A-5Fは、例示的な実施形態における翼のための例示的な組み立てライン500の様々な態様を示す。組み立てライン500を利用して、図1から図4で示された技術及びシステムを通して、翼パネル550などの翼パネルに対して作業を行うことができる。図5A-5Fの描写、及びこれらの図面に例示されている構造、構成要素、及び動作の説明は、翼パネルに関連して提供されているが、任意の複合部品にも適用可能である。翼パネル550は、幾らか一般的に説明されており、上部若しくは下部翼パネル、又は右側若しくは左側翼パネルであってもよい。特定の種類の翼パネル550(例えば、上部翼パネル)に固有の動作又は特徴が説明されている場合、翼パネルはそのように示される。図5Aで概略的に示されている組み立てライン500の上面図は、トラック510を示しており、このトラック510に沿って、3つのストロングバック540の群という形態で示されているシャトルが、(例えば、ステーションからステーションへとパルス状に、又は継続的に)処理方向541に移動する。トラック510は、それに沿ったシャトルの運動(例えば、転動又は滑動)を容易にする1つ又は複数のレール、ローラ、又は他の要素を備えている。トラック510は、使用される特定の環境に応じて、床に設置されたり、上から吊り下げられたりすることなどが可能である。例示的な実施形態では、トラック510は、様々なステーションの上方に配置され、シャトル(ストロングバック540)は、翼パネル550を処理方向に運ぶ。具体的には、図5Dで確認できるように、ストロングバック540は、アダプター543を含むように示されている。アダプター543は、トラック510と嵌合し、トラック510を介した移動を可能にする。例えば、アダプター543は、トラック510に沿ってストロングバック540を駆動させることができ、又はトラック510がストロングバック540を駆動させることを可能にすることができる。いずれにしても、この構成は、翼パネル550を処理方向541に運ぶように設計された構造体の任意の適切な態様を広く包含することが意図されている。さらなる実施形態では、トラック510は、ストロングバック540を処理方向541に動かすことが可能なチェーントライブ、電動カート、又は他の動力システム(図示されず)を含む。
1つ又は複数のストロングバック540は、様々な作業ステーションを通って翼パネル550を前進させる。作業ステーションは、概して520と指定され、翼パネル550に対して作業を実行する。図5Aでは、3つのストロングバック540が協働して、単一の翼パネル550を運ぶ。しかしながら、適切性に応じて、より多くの数又はより少ない数のストロングバック540を使用してもよい。便宜上、本明細書の「ストロングバック(strongback)」という用語は、概して、翼パネル550の横断面にわたって(例えば、翼幅に沿って)延在するように構成された単一構造体のことを指しているが、便宜上、この用語は、本明細書では概して複数のこのような構造体を含むシャトルを指すものとして使用され得る。2つ以上のストロングバック540が協働して翼パネル550などの構成要素を運ぶ場合、トラック510に沿って1つのストロングバック540だけが駆動されるように、2つ以上のストロングバック540が一定の相対的関係を保つような態様で互いに連結される(図示されず)。このようにして、翼パネル550の長さ全体を支持するために適切な数のストロングバック540を共に連結することなどによって、組み立てライン500を通して種々の長さの翼パネル550を運ぶことができる。
幾つかの実施形態では、例えば、過剰製造部分に配置された翼パネル550のインデックス付けフィーチャを使用して、翼パネル550を、それを支持するストロングバック540にインデックス付けすることができる。図5Aの矢印「5B」に対応する図5Bの断面では、ストロングバック540は、インデックス付けユニット542を含むように示されている。インデックス付けユニット542は、翼パネル550の過剰製造部分554(これは、上述の製造プロセスごとに硬化されて翼パネル550となったプリフォーム200の過剰製造部分204に対応し得る)に設置された対応するインデックス付けフィーチャとインターフェース接合するように構成されている。例示的な実施形態では、インデックス付けユニット542は、インデックス付けフィーチャと物理的に連結し、インデックス付けユニット542は、貫通孔として示されているインデックス付けフィーチャ210-1内に受け入れられるヘッド549を含んでいるように示されている。図5Bでは、インデックス付けユニット542が1つしか示されていないが、各ストロングバック540は、任意の適切な数のインデックス付けユニットを含み得る。インデックス付けユニットは、それぞれ、翼パネルとストロングバックとの初期的な位置合わせ及び/又は位置合わせの維持のために、翼パネル550のインデックス付けフィーチャ210と連結するよう構成されている。インデックス付けフィーチャ210と同様に、インデックス付けユニット542は、任意の適切な構成であってもよく、機械的連結以外の連結(例えば、磁石)を可能にする連結手段等を含んでもよい。例えば、必要に応じて、ストロングバック540が種々の翼パネルと連結することを可能にするために、インデックス付けユニットは、様々な異なるインデックス付けフィーチャ210、又は翼パネル550ごとに位置が異なり得るインデックス付けフィーチャと連結するように構成され得る。
図5Aでは、組み立てライン500の作業ステーション520は、非破壊検査(NDI:non-destructive inspection)ステーション524、カットアウトステーション526、リブ設置ステーション528、及びスパー設置ステーション530を含むように示されている。これらの作業ステーション、各ステーションで行われる作業、及び他の例示的な作業ステーションについては、以下でさらに詳細に説明する。他の実施形態には、図示されたものより異なる作業ステーション、異なる順序で配列された作業ステーション、1つ又は複数の種類の作業ステーションの集合等が含まれ得る。例えば、幾つかの実施形態では、ファスナ密封ステーションを利用して翼を密封し、かつ、作業ステーションは、電気構成要素、電気装備、及び/又は燃料タンク関連システムを設置するためにさらに含まれる。
図5Aで確認し、図5Bでより明瞭に確認できるように、NDIステーション524などの様々な作業ステーション520における作業の間、翼パネル550は、キャリア545(例えば、本明細書では、ポゴ(pogo)とも呼ばれる伸縮自在なキャリアのような個別に調整可能な構成要素)によって、ストロングバック540の下に吊り下げられたままの状態である。キャリア545は、翼パネルをストロングバック540の下方に取り付けるために、脱着可能な真空接続を翼パネルに適用する真空連結器548を含む。図5Bでは、4つのキャリア545が示されており、そのうちの3つは、その真空連結器548が、翼パネル550の上面574に対して位置付けされており、そのうちの1つは、その真空連結器548が翼パネルの上面から離間されるように、短縮した構成で示されている。図5Aを手短に参照すると、翼パネル550を集合的に支持する3つのストロングバック540の各々に対して、異なる数のキャリア545が使用されていることが示されており、キャリアは、翼パネルの幅に沿って線状に配置されている。しかしながら、任意の数及び/又は構成のキャリア545を使用してもよい。キャリア545は、翼パネル550の所定の位置及び高さで翼パネル550に接触するように位置合わせされる。一旦所望の長さに設定されると、各キャリアは剛性である。したがって、キャリア545、又はより具体的には、キャリア545の互いに対する位置合わせ、及び翼パネル550に対するその長さは、翼パネル550を通して伝達される力を付与し、翼パネル550に所望の輪郭544を生じさせるように配置され得る。したがって、ストロングバック540は、その下方に翼パネル550を吊り下げる一方で、翼パネルに輪郭544を生じさせる。この輪郭544は、レイアップマンドレル110によって翼パネルに付与される輪郭(例えば、図1に示す輪郭112)、又は特定の用途に必要とされる異なる輪郭であり得る。したがって、ストロングバック540が、トラック510に沿って処理方向541に前進する間、各キャリア545を所望の高さに保持することによって、輪郭544が生じ、翼パネル550においてこの輪郭544に対応する形状が生じる。
図5Bで確認できるように、例示的な実施形態に示す取り付け機構では、キャリア545が翼パネル550の上面574に係合して、キャリアの真空連結器548と翼パネル550との間に真空グリップを形成する。キャリア545の長さは、アクチュエータ546(油圧若しくは空圧アクチュエータ、又はリニアアクチュエータ等)によって制御される。例えば、矢印1000で示されるように、キャリア545のうちの1つが収縮する過程にある。例えば、キャリア545の長さは、(例えば、真空連結器548の初期的な位置合わせを容易にするために)真空付着が形成される前、及び/又は、(翼パネル550を所望の形状に屈曲させ、かつ/若しくは所望の輪郭を翼パネルに生じさせるために)真空付着が形成された後、調整することができる。幾つかの実施形態では、アクチュエータ546は、コントローラ620を介して制御される。
翼パネル550の形状(その輪郭及び湾曲を含む)は、レイアップ及び硬化の間に決定されるが、翼パネルが脱型された後に輪郭付与と調整を実施することができる。輪郭を付与することによって、翼パネル550は確実に所望の形状を維持し、それ自体の重量によって撓むなど、望ましくない形状になることはない。幾つかの実施形態では、ストロングバック540及びキャリア545によって生じた輪郭は、例えば、構成要素と、構成要素が設置される翼パネルの1つ又は複数の部分との間の適切な位置合わせを確実なものとすることにより、リブ及びスパーの翼パネルへの設置を容易にする。特に、キャリア545は、翼弦方向及び翼幅方向の両方の輪郭を所望のレベルの許容誤差に付勢する。一実施形態(図示されず)では、キャリア545は、様々な翼形状の輪郭を生じさせるために、ストロングバックに対して、所定の位置へと移動することが可能である。さらに、キャリア545が取り付けられる「上面」574は、ストロングバック540に対して「右上がり」に配向された翼パネル550外面であってもよく、又は輪郭付与(及び/又は翼パネル550が組み立てライン500を通って前進する際の他の動作)に好適ないずれかの配向に従って反転した翼パネルの内表面であってもよい。
組み立てライン500及び様々なステーション520によって実行される動作を説明する際には、構成要素及び図5Aから図5Gに示す動作に係る方法を例示する、図面(例えば、図6から図10)に提示された様々なフロー図を断続的に参照する。例えば、図6は、例示的な実施形態において翼パネル550を運ぶ方法800を示すフロー図である。方法800によれば、ステップ802は、翼パネル550の上でストロングバック540を位置合わせさせることを含む。幾つかの実施形態では、このステップは、ストロングバック540を、翼パネル550の所望の及び/又は所定の胴横部(例えば、翼弦部分)の上に位置付けされるまでトラック510に沿って駆動させることを含む。幾つかの実施形態では、このステップは、複数のストロングバック540を、翼パネル550の種々の所望の及び/又は所定の胴横面(例えば、翼弦)部分の上に位置付けされるまで駆動させることを含む。一実施例では、あるストロングバック540を、静止したままの別のストロングバック540とは異なる翼パネル550の部分の上に位置付けされるまでトラック510に沿って移動させてもよい。幾つかの実施形態では、ストロングバック540の位置合わせは、ストロングバック540を翼パネル550にインデックス付けすることによって行われるか、又はストロングバック540を翼パネル550にインデックス付けすることを含む。このような実施形態のうちの幾つかでは、このインデックス付けは、ストロングバック540を翼パネル550の1つ又は複数のインデックス付けフィーチャと連結すること(例えば、ストロングバック540のインデックス付けユニット542を翼パネル550の対応するインデックス付けフィーチャ210に物理的と連結すること)によって行われる。このようにストロングバック540を翼パネル550にインデックス付けすることは、例えば、方法の一連の動作を通して、ストロングバック及び翼パネルを適切な位置合わせに維持し得る。
ステップ804は、翼パネル550の上面574とストロングバック540の下方に延在するポゴ545の真空連結器548との間に真空付着を形成することにより、ポゴ545を翼パネル550の上面574に連結することを含む。一実施形態では、このステップは、ポゴの真空連結器548が翼パネル550の上面574に物理的に連結するまで、各ポゴ545を伸長させることを含む。さらなる実施形態では、ポゴは、翼パネル550の中間から(例えば、翼弦又は翼長に)整然と取り付けられてから外側に移動させられるか、翼パネル上の最も輪郭から離れた位置のポゴから最初に取り付けられるか、又はすべて一度に取り付けられる、等々である。
以下でより詳細に説明するように、翼パネル550の表面に沿ったポゴ545の位置は、様々な要因によって決定され得る。そのうちの1つは、ポゴと、ポゴによって付与される応力及び/又は歪力とが様々な可能な構成で協働して、所定の輪郭を翼パネルに生じさせる態様である。しかしながら、他の有力な要因もある。一例として、以下に詳述したように、非破壊検査(NDI)走査などを介した翼パネル550の検査では、NDI検査ヘッドを翼パネル550上の1つ又は複数の特定の位置に位置付けするか、又はそれらの位置上で移動させる必要があり得る。ポゴは選択的に引っ込めることができるので、このことは、ポゴ545を一時的に引っ込めて、真空連結器548が連結された翼パネル550上の位置へのNDI検査を可能にすること、又は、NDI検査に干渉しない位置にのみ最初にポゴを翼パネルに取り付けることのいずれかによって、対応することができる。別の例を挙げると、翼パネル550の下面576(例えば、内表面)へのリブ及びスパーの取り付けには、翼パネルの上面574の対応する位置における締付作業(例えば、穿孔)が伴い得る。したがって、このような作業に干渉しないようにポゴ545の位置が配置され得る。したがって、ポゴ545の位置が、こうした(及び/又は他の)検討事項のすべて又は一部を最適化することができる。
実現した連結は、真空連結器548と翼パネル550(より具体的には、上面574などのパネルの表面)との間の真空引きの結果もたらされたものである。翼パネル550の一部に加えられる真空力の量は、翼パネルを把持かつ保持するのに十分であり、さらに翼パネルを屈曲させ、所望の輪郭544に従って保持するのに十分である。特に、キャリア545と翼パネル550との間の空間は、真空連結器548の周りの気圧によってキャリア545が翼パネル550に取り外し可能に付着可能になる圧力まで排気される。パルス移動及び停止を含む搬送の間、キャリア545には真空が適用されたままである。
ステップ806は、(長さ調節可能な)ポゴ545の長さを調節して、翼パネル550に所定の輪郭を生じさせることを含む。つまり、真空付着が形成された後、(例えば、圧力やアクチュエータ等を介して)ポゴ545の長さを調節して、翼パネル550を所望の輪郭544に適合させる。例示的な実施形態では、ポゴ545は、個別に調節可能である。つまり、(例えば、手動プロセス又はレーザ支援プロセスによって決定される)翼パネル550の長さ及び幅に沿った各ポゴ545の位置に応じて、かつ所望の輪郭に応じて、ポゴが所望の長さに調節される。翼パネル550が既に所望の輪郭に適合している場合、1つ又は複数のポゴ545の長さに対して、調節が行われないか、又は最小限の調整しか行われないことがある。代替的に、翼パネル550が所望の輪郭に適合していない(例えば、許容誤差の範囲内にない)場合、翼パネルを所望の形状に保持するために、ポゴ545の長さを調節することにより、(例えば、所望の量及び方向の歪みを加えることによって)翼パネルが屈曲するか、又は輪郭付けされる。
幾つかの実施形態では、初期的な翼パネルの輪郭を決定するために走査が行われる。翼パネル全体にわたって、又は1つ又は複数の部分において、翼パネル550が初期状態で既に所望の(例えば、所定の)輪郭を有する場合、輪郭を変化させる必要はない可能性がある。こうした実施形態のうちの幾つかの実施形態では、ストロングバック540に対する各ポゴ545の長さの調節(すなわち、延長又は短縮)によって、翼パネル550が押されたり、引っ張られたりして、所望の輪郭となる。各ポゴ545の長さの調節は、少なくとも部分的に、翼パネル550と所望の輪郭との不一致の範囲を判定することに基づく。つまり、(例えば、翼パネル550の一部の部分だけが所定の輪郭と一致しない場合)、幾つかのポゴ545の長さは調節が必要であり得るが、他のポゴ545の長さは必要ではない場合がある。ポゴ545の真空連結器548の位置は、翼パネル550の上面574に対して正確に配置されるので、ポゴが所望の長さであるとき、ポゴによって生じた輪郭が確実に期待に沿うようになる。
ポゴ545の長さは、(例えば、長さを調節する空圧アクチュエータに加えられた空気を調節することによって、長さを制御する油圧アクチュエータを調節することなどによって)搬送中に調節することができ、第1フェーズでは、真空付着を確立するためにポゴを位置合わせし(例えば、ステップ804)、次いで、第2フェーズで輪郭を生じさせる(例えば、ステップ806)。これは、初期的な取り付けの間の長さ調節を容易にする。なぜなら、翼パネル550に期待する形状に基づいてポゴ545を厳格に特定の長さに設定すると、翼パネルが輪郭から外れている場合(すなわち、ポゴが長すぎるか、又は短すぎるために外れている場合)、真空連結器548が真空付着を形成できないことがある。
幾つかの実施形態では、翼パネル550が所定の輪郭にあるかどうかを判定するために走査が行われる。この作業は、ポゴ545の長さを調節している間に、又はすべてのポゴを調節した後に行ってもよい。
次いで、この方法を継続させて、例えば、ストロングバック540をトラック510に沿って処理方向541に移動させることによって、及び/又は例えば、様々なステーション520において、輪郭が付与されている間に翼パネルに対して作業を行うことによって、輪郭が付与されている間に翼パネル550を前進させる。走査が行われる実施形態では、この方法は、例えば、翼パネル550が確実に所望の輪郭に留まるように、言い換えると、作業動作の結果として翼パネルが所定の輪郭から確実に外れないように、作業動作の間又は後に輪郭走査することを含み得る。
図5Aに戻ると、トラック510に沿って配置されたステーション520は、翼パネル550に対して同時に(若しくは重複する時間において)作業を行ってもよく、又は、1つ若しくは複数の他のステーションと同期して、翼パネル550の異なる部分(例えば、翼付け根部分577、長さの中央部分578、翼先端部分579等)に対して異なるタスクを行ってもよい。本実施形態では、NDIステーション524が、翼パネル550の許容誤差状態(例えば、内部空洞、異物デブリ(FOD)、端部剥離、又は不整合等)を検査し、カットアウトステーション526が、翼パネル550(例えば、過剰製造部分549)にアクセスポートを形成し、リブ設置ステーション528が、リブを翼パネル550に取り付け、スパー設置ステーション530が、スパーを翼パネル550に設置する。
本実施形態では、以下でより詳細に説明するように、マイクロパルス前進の間にリブが翼パネル550に取り付けられる。これには、複数の作業ステーションが一度に各リブに対して作動するか、又は複数の作業ステーションが、同時期に異なるリブに対して作動することが含まれ得る。翼パネル550がフルパルス作業ステーション520で保持されている間において、スパーは後で取り付けられる。しかしながら、実施形態によっては、スパーは、リブの取り付け前に取り付けられるか、又はフルパルス若しくはマイクロパルスプロセスで設置されてもよい。リブは、マイクロパルス組み立て又はフルパルス組み立てのいずれかを用いて、翼パネル550及びスパーに取り付けられる。代替的に、翼パネル550がリブの上方の位置に下降させられて、リブが取り付けられ、スパーが翼パネル550へパルス移動させられる。
一実施形態では、リブ及びスパーの設置プロセスは、図4の図式480で示されているように、並列する供給ラインから(例えば、リブ供給ライン491-7及び継続的スパー供給ライン491-5にそれぞれ類似する供給ラインによって)、リブ及びスパーセグメントをジャストインタイムで供給することによって行われる。図5では供給ラインは個々に示されており、それぞれ異なる参照番号570(例えば、570-1、570-2等)が付いている。これらの供給ラインは、供給する材料又は構成要素や、供給ラインが材料又は構成要素等を供給するタクトタイムに関して、図式480に示す様々な供給ライン490と同一であるか、類似するか、又は異なる場合がある。一実施形態では、スパーを形成するために、幾つかのスパーセグメントを連結(例えば、端と端を連結)してもよい。さらなる実施形態では、1つ又は複数のファスナ密封ステーション及び複数のスパー設置ステーションと共に幾つかのリブ設置ステーションがある。別の実施形態では、各スパーは、リブの端部において共に接合された3つのセグメントを含む。
複数のステーション520が、トラック510に沿って配置され、翼パネル550の長さより短い距離で、又はその一部の距離で分離され得る。一実施形態では、このような配置により、複数のステーション、例えば、NDIステーション524、カットアウトステーション526、及びリブ設置ステーション528が、同時に又は時間的に重複して翼パネル550に対して作業を行うことが可能になる。さらなる実施形態では、ステーションは、1度に1つの作業ステーションだけが翼パネル550に対して作業を行うように、離間されるか、及び/又は構成される。
本明細書でさらに詳述されるように、図5Aに示す作業ステーション520を通った後、(リブ及びスパーが設置され得る上部翼パネルであり得る)翼パネル550は、図5Fでパネル接合ステーション599として示されるパネル接合段階に入る。パネル接合段階では、別の翼パネル(下部翼パネルであり得る)を取り付けて、機体の翼用の完全な部分(例えば、翼アセンブリ)を形成する。翼パネル550が締結のためにパネル接合ステーション599で停止した後、パネル接合段階は、単独で進行する(例えば、他のステーションが作動していない状態で翼全体に対して単独で進行する)。一実施形態では、パネル接合ステーション599における翼パネル550は、他の翼パネルが、作業ステーションを通してパルス移動させられている間に少なくともその全長の長さだけ前進するまで、継続的に停止する。
例示的な実施形態では、供給ライン570-1から570-6は、少なくとも部分的に、供給ライン491-7、491-4、及び491-5に対応する。供給ライン570-1から570-6は、リソース及び構成要素をジャストインタイムで上述の様々な作業ステーション520に供給する。これらの作業ステーションの動作は、所望のタクトタイムに従って、コントローラ560(又は追加のコントローラ560)によって制御及び/又は同期される。一実施形態では、供給ライン570-1は、少なくとも部分的にアクセスポートカバー供給ライン490-5に対応し、新しく製造されたアクセスホールカバーをカットアウトステーション526に供給する。供給ライン570-2は、ファスナをカットアウトステーション526に供給する。供給ライン570-3は、ファスナをスパー設置ステーション530に供給する。供給ライン570-4は、密封剤をスパー設置ステーション530に供給する。供給ライン570-5は、ファスナをリブ設置ステーション528に供給し、供給ライン570-6は、密封剤をリブ設置ステーション528に供給する。さらなる実施形態では、追加の/他の供給ラインは、新しく製造されたリブ、ファスナ、密封剤、スパー、下部パネル等を様々な作業ステーションに供給する。
一実施形態では、上部翼パネルは、図5Aに示す作業ステーション520を通って前進し、下部翼パネルが後から追う。以上で簡潔に記載したように、下部翼パネルは、リブ又はスパーを受け入れない(すなわち、これらの構成要素が既に上部翼パネルに設置されているので受け入れない)。より明白になるように、カットアウトステーション526などのカットアウトステーションは、下部翼パネルに対して主な作業を行うが、上部翼パネルに対する主な作業はリブとスパーの設置である。
組み立てライン500における各ステーション520は、翼パネル550におけるインデックス付けフィーチャ210、又はインデックス付けフィーチャ210に物理的に連結されたストロングバック540と物理的に連結し、イメージし、及び/又はさもなければ相互作用するように設計されている。インデックス付けフィーチャ210は、翼パネル550に沿って所望の位置に配置される。幾つかの実施形態では、インデックス付けフィーチャは、翼パネル550に沿って位置合わせされる。幾つかの実施形態では、インデックス付けフィーチャは、位置合わせされていない。幾つかの実施形態では、インデックス付けフィーチャは均等に離間され、幾つかの実施形態では、インデックス付けフィーチャは均等に離間されていない。幾つかの実施形態では、インデックス付けフィーチャの数は、組み立てラインにおける作業ステーションの数に等しい。幾つかの実施形態では、インデックス付けフィーチャ210は、組み立てラインにおける作業ステーションよりも多くてもよく、又は少なくてもよい。インデックス付けフィーチャ210は、翼パネル550の過剰製造部分554に配置される。過剰製造部分554は、翼が組み立てられて胴体用の機体となる前にトリミングされる。
本実施形態では、組み立てライン500における各ステーション520は、インデックス付けフィーチャ210に挿入されるか、インデックス付けフィーチャ210と連結、適合、又は位置合わせする。物理的(例えば、機械的)連結に加えて(又はその代わりに)、幾つかの実施形態におけるインデックス付けは、翼パネル上のRFIDチップ及び/又は他の可読識別手段126(例えば、バーコード等)の読み取りが伴うか、又はこの読み取りによって促進され得る。物理的連結の例示的な実施例は、図5Bに例示される。図5Bは、NDIステーション524内の翼パネル550のセクションを示す。NDIステーション524の様々な構造的構成要素には、上部フレーム614を備えた上部NDIユニット602がある。上部フレーム614は、インデックス付けユニット622を含むように示されている。ストロングバック540のインデックス付けユニット542について上述されたように、NDIステーション524のインデックス付けユニット622は、翼パネル550のインデックス付けフィーチャと物理的に連結され、具体的には、過剰製造部分554に配置されたインデックス付けフィーチャ210-2において受容されたヘッド624によって、貫通孔として示されるインデックス付けフィーチャ210-2と連結される。この場合も図5Bにはインデックス付けユニット622が1つしか示されていないが、各作業ステーション520は任意の適切な数のインデックス付けユニット622を含み得る。インデックス付けユニットは、それぞれ、翼パネルと作業ステーションとの初期的な位置合わせ及び/又は位置合わせの維持のために、翼パネル550のインデックス付けフィーチャと連結するよう構成され得る。インデックス付けフィーチャと同様に、インデックス付けユニット622は、任意の適切な構成であってもよく、機械的連結以外の連結(例えば、磁石)を可能にする連結手段等を含んでもよい。例えば、必要に応じて、1つ又は複数の作業ステーションが種々の翼パネルと連結することを可能にするために、インデックス付けユニットは、様々な異なるインデックス付けフィーチャ、又は翼パネルごとに位置が異なり得るインデックス付けフィーチャと連結するように構成され得る。
例示的な実施形態では、翼パネル550のインデックス付けフィーチャ210-1は、ストロングバック540のインデックス付けユニット542に連結されているように示されているが、インデックス付けフィーチャ210-2は、NDIステーション524のインデックス付けユニット622に連結されているように示されている。これは、すべての実施形態においてストロングバックと作業ステーションの両方に翼パネルを物理的連結によってインデクス付けすることを示すよりも、説明のために例示的なインデックス付け構成を示すことを意図している。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の作業ステーションは、翼パネルに直接インデックス付けされるよりも、翼パネルを支持するストロングバックにインデックス付けされる。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の作業ステーションは、ストロングバック540よりも翼パネル550にインデックス付けされる。幾つかの実施形態では、作業ステーションは、翼パネルとストロングバックの両方にインデックス付けされる。これらの実施形態のいずれかでも、ストロングバックは、さらに翼パネルにインデックス付けされ得る。
RFIDチップ(又は他の可読識別手段)が使用されると、例えば、別の種類のインデックス付けフィーチャに加えて、又はその代わりに、RFIDスキャナ(又は適切なリーダー)が連結されて、作業ステーションと通信状態となったときにインデックス付けを実現し得る。さらなる実施形態では、ストロングバック540自体が、インデックス付けフィーチャ210、RFIDチップ、及び/若しくはハードストップ又は他のフィーチャと物理的に連結され、ストロングバック540が作業ステーションにインデックス付けされる。組み立て中、ストロングバック540は、トラック510に沿った運動のために連結/取り付けされ、パルス移動させられる(例えば、他の組み立てラインと共有される又はされない場合があるタクトに従って、翼パネル550の長さより短い距離だけマイクロパルス移動させられる)。一実施形態では、タクトを制限する要因は、翼パネル550の一部が特定の作業ステーションの範囲内に留まる時間量と、それに加えてパルス時間である。この時間は、特定の作業ステーションの作業範囲を変えることによって、又は同じ作業を行うために追加の作業ステーションを追加する(例えば、リブ設置ステーション528を1つだけではなく複数設置する)ことなどによって、調節することができる。本明細書に記載されたパルスは、インデックス付けフィーチャ210間の最短距離(例えば、リブ間のピッチ距離、又は「リブピッチ」、又は複数のリブピッチ若しくはほんの僅かのリブピッチ等)、又は翼パネル550の全長若しくはわずかの長さに少なくとも等しい距離として適用され得る。リブ間のピッチ距離及び/又はリブピッチがパルス長のために使用される実施形態では、それはマイクロパルス長を確立するために使用され得る。翼パネル550を継続的に移動させて、作業ステーション520にインデックス付けすることができる。一旦インデックス付けされると、作業ステーション520によって作業が行われる。インデックス付けフィーチャ210(及び/又はRFIDチップ)とストロングバック540が嵌合されるか、又はさもなければ連通するといつでも、ストロングバック540が、作業ステーション520のうちの1つ又は複数にインデックス付けされ、翼パネル550の位置が、トラック510によって共有されかつ作業ステーションに知られた連携空間内の位置にインデックス付けされる。さらなる実施形態では、インデックス付けには、作業ステーションの範囲内の構造体の(例えば、輪郭544の)三次元特徴を伝達することがさらに含まれる。例えば、RFIDチップ又は他の識別手段126(例えば、バーコード)は、作業が行われている複合部品の形状を示す情報を伝達することができる。
一実施形態では、インデックス付けは、少なくともストロングバック540に運ばれた翼パネル550に応じて実行される。ストロングバック540は、作業ステーション520の上方に位置するレールシステムを備えたトラック510に沿って移動する。レールシステムは、ガントリ、天井などの作業ステーションの上方の構造体、床(例えば、床に組み込まれるか、床にボルト止めされる等)、又は工場の別の部分に連結され得る。翼パネル550は、上述の精密な寸法に従って、レイアップマンドレル110上で製造される。レイアップマンドレル110が細かく許容誤差内に調節された表面フィーチャを有し、翼パネル550のためのプリフォーム120がこれらの表面フィーチャの上にレイアップかつ適合されるので、翼パネル550は、過剰製造部分554において正確に配置されたインデックス付けフィーチャ210を含む。したがって、一度翼パネル550がインデックス付けされ、ストロングバック540の下に吊り下げられ、作業ステーション520へ前進すると、翼パネル550の三次元位置及び回転(輪郭544を含む)が、インデックス付けによって伝達され、作業ステーション520において正確に伝わる。したがって、インデックス付けは、各作業ステーション520において、プローブ又は堅牢な光学技術を介したフルスキャンの必要性を取り除く。この情報は、RFIDチップによって提供される情報を介して、インデックス付けの一部として、必要に応じて作業ステーション520に提供される。これにより、1つのラインが、航空機の種々の部分(例えば、右側及び左側の上部及び下部翼パネル、又はさらに異なる航空機モデルの異なる部分(例えば、翼パネル))に対して連続的に作業することが可能となる。したがって、作業ステーション520の範囲内の翼パネル550の特性が、各パルス又はマイクロパルスの一部として作業ステーションに伝達される。胴体パネルに比べて、翼パネルはパルス位置ごとにより多くの変化を有するので、翼パネルにおける過剰製造部分は、インデックス付けを容易にするためにより多くの数の表面フィーチャを含み得る。
精密なインデックス付けが実行されるので、作業ステーションにインデックス付けされた場合、翼パネル550に対する、各作業ステーション520におけるツールの位置が正確に知られることになる。幾つかの実施形態では、翼パネル550は、作業ステーション520の所定の位置に係止される。次いで、翼パネルの三次元位置及び配向が、確立されるか、又は任意の数値制御(NC)プログラミングシステム若しくは作業ステーションにおいて使用されている手動或いは自動システムにインデックス付けされる。したがって、翼パネルの各運動(例えば、パルス及び/又はマイクロパルス)の後、設定時間又は走査が必要とされない場合がある。さらに、変化を見付けるために翼パネルを走査する必要なく、以前の作業ステーション520において翼パネル550に追加された又は翼パネル550から取り除かれた構造体をシステム内のいずれの翼パネルモデル又は表示にも追加することが可能である。
作業ステーション520の動作は、図5Aでコントローラ560として概して示されるコントローラによって管理される。一実施形態では、コントローラ560は、(例えば、技術者の入力に基づいて)トラック510に沿ったストロングバック540の進行を決定し、この入力を用いて、NCプログラムに記憶された指令に従って作業ステーションの動作を管理する。コントローラ560は、例えば、カスタム回路、プログラムされた指令を実行するハードウェアプロセッサ、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。
以下の段落は、図5Aに示す様々な作業ステーション520の動作を説明する。図5Aに示すように、組み立てライン500において、3つの作業ステーション520、特に、NDIステーション524、カットアウトステーション526、及びリブ設置ステーション528が、十分な近接度をもってトラック510に沿って配置されることにより、翼パネル550は、処理方向541に進行する際に3つの作業ステーションすべてに遭遇することができる。より具体的には、翼パネル550の前縁から後縁への(例えば、例示された実施形態で配向されている翼端から翼付け根への)翼長590を前提として、翼パネルの種々の部分は、2つ以上の作業ステーション520を同時に通過することが可能である。例えば、翼パネル550は、翼先端部分579として知られる前縁部分がリブ設置ステーション528に遭遇し、中央部分578として示される中間部分が、カットアウトステーション526に遭遇するのと同時に、翼付け根部分577として示される翼パネルの後縁部分が、NDIステーション524に遭遇しするように位置付けされているよう示されている。したがって、これらの作業ステーション520のうちの1つ、2つ、又は3つ全てが、同時に、又は時間的に重複して、翼パネル550のそれぞれの部分に対して動作を行い得る。幾つかの実施形態では、翼パネル550の諸部分が各作業ステーション520に位置付けされていても、必ずしもこれらの動作のすべてが同時に行われるわけではない。一実施形態では、翼パネル550の部分が作業ステーションを通してパルス移動させられるにつれて、NDIがNDIステーション524で実行される。したがって、作業ステーション内の翼パネル550の当該部分に対してのみ、任意の1回に、NDIがNDIステーション524内で行われる。
図5Bは、NDIステーション524の前面図であり(及び、上述のように、図5Aの矢印「5B」に対応する)、例示的な実施形態における翼パネル550の検査プロセスが示され、翼パネル550の断面が示されている。図5Bは、例えば、リブ及びスパーを翼パネルに設置する前に実施され得る検査技法及びシステムを例示する。図5Bは、翼パネル550を下方に吊り下げるストロングバック540を示す。NDIステーション524は、トラック510に配置されており、翼パネル550がストロングバック540の下に吊り下げられている間において、翼パネル550を検査する。
図5Bに示すNDIステーション524は、上部NDIユニット602及び下部NDIユニット604を含む。上部NDIユニット602は、上部NDI検査ヘッド608として示される1つ又は複数のNDI検査ヘッド606を運ぶ支持体614及びフレーム612を含む。1つ又は複数のNDI検査ヘッド606は、翼パネル550に対して移動し、その上面574を検査するように構成されている。さらに、NDIステーション524の下部NDIユニット604は、検査ヘッドが翼パネル550の下面576を検査することを可能にするように、下部NDI検査ヘッド610として示される追加のNDI検査ヘッド606を運ぶフレーム614及び支持体616を含むように示されている。簡略化するために、NDI検査ヘッド606は、「検査ヘッド」とも呼ばれ、又は単に「ヘッド」と呼ばれる。 検査ヘッド606は、モバイル型であってもよい。つまり、検査ヘッド606は、上部NDIユニット602、下部NDIユニット604、及び/若しくは翼パネル550に対して移動するように構成されてもよく、又はその代わりに静止型若しくは固定型であってもよい。例えば、例示的な実施形態では、上部検査ヘッド608は、方向矢印1002によって、翼パネル550の上面574に対して移動する過程にあるように示されており、これは、トラック及び/若しくは駆動部又は上部NDIユニット602の任意の適切な機構(図示されず)によって可能になっている。さらに、下部検査ヘッド610の幾つか又はすべてが、モバイル型であってもよく、この場合、個別に移動可能であるか、アレイとして調和して移動するように構成されるか、及び類似の動きをするか、又は静止型であってもよい。さらなる実施形態は、図5Bに示す検査ヘッド以外に、任意の数又は構成の検査ヘッドを含み得る。モバイル型検査ヘッドは、例えば、翼パネル550の表面の別々の領域を個々に横断することによって、前進と前進との間の停止中、又はNDIステーション524に対する翼パネル550の他の運動間の停止中に表面検査するように使用することができる。固定型検査ヘッドは、翼パネル550がパルス移動するか、又はさもなければNDIステーション524に対して移動するにつれて、表面検査するように使用されてもよい。効率性のために、NDIステーション524対する検査ヘッド606の配置、及び/又は作業ステーション520を通って前進する際の翼パネル550の1つ又は複数の位置に対する検査ヘッド606の配置は、対象位置、例えば、許容誤差外の状態が見付かる可能性がより大きい位置(以前の翼パネルの検査及び/又は以前の翼パネルの分析が検査の必要性及び要望を示す位置など)に検査ヘッドを置いて、検査の必要性がより低い場所に置かないようなものであり得る。特定の用途のために、検査ヘッドの他の配置の仕方が所望により又は必要に応じて使用されてもよい。幾つかの実施形態は、例えば、透過検査技法を実施するために、翼パネル550の両側にペアとして配置された上部検査ヘッド及び下部検査ヘッドを含んでもよい。幾つかの実施形態では、検査ヘッド606は、翼パネル550の表面全体又は表面を検査するように配置される。例えば、さらなる実施形態では、固定型NDI検査ヘッドは、パルスの間に検査が行われるように配置され、検査ヘッドは、ヘッドが動く必要のない状態で表面全体を覆うように配置される。この設定は、上面及び下面の両方に対して利用することができ、モバイル型ヘッドを利用するシステムほど複雑さを伴わずに実装することができる。本明細書に記載された検査ヘッド606は、翼パネルの内部的特徴を特徴付けるために翼パネル550を通して超音波エネルギーを伝達する超音波トランスデューサを備え得る。検査ヘッド606(例えば、上部検査ヘッド608と下部検査ヘッド610の両方)の動作は、620で示されるコントローラによって管理される。コントローラは、検査ヘッドの作業を調整するためにNCプログラムを作動させ、パルスエコー又は透過モードでの翼パネル550の走査を促進する。コントローラ620は、コントローラ560とインターフェース接続し、かつコントローラ560とは別個のものであり得る。幾つかの実施形態では、コントローラ560は、コントローラ620の上述の機能を提供し得る。
上述のように、例示的な実施形態では、NDIステーション524は、NDIステーションのインデックス付けユニット622によって、翼パネル550に物理的にインデックス付けされているように示されている。そのヘッド624は、翼パネル550のインデックス付けフィーチャ210-2内に受け入れられる。
ストロングバック540は、伸縮自在な又は長さ調整可能なキャリア又はポゴ545を含む。キャリア又はポゴ545は、翼パネル550の上面574に取り外し可能に取り付けられるように構成された真空連結器548を含み、真空連結器548と翼パネル550との間に真空グリップが形成される。上述のように、例えば、輪郭を翼パネル550に付与する又は生じさせるキャリア545の長さは、アクチュエータ546(油圧若しくは空圧アクチュエータ、又はリニアアクチュエータ等)によって制御される。コントローラ620は、アクチュエータ546の制御を調整し得る。幾つかの実施形態では、コントローラ620は、NDIステーション524の動作とのアクチュエータ546の制御を調整し、例えば、翼表面に連結された真空連結器548を回避又は受け入れるような、翼パネル550の検査を可能にする。このような実施形態のうちの1つでは、コントローラ620は、ストロングバック540を誘導して、対応するキャリア545を短縮させることにより、真空連結器548のうちの1つ又は複数を選択的に引っ込めることにより、NDIステーション524の検査ヘッド608が、真空連結器630が取り付けられていた翼パネル550の上面574の部分(例えば、部分582)を検査することを可能にする。これは、図5Bに示されている。方向矢印1000によって示されているように、キャリア545のうちの1つが連携して短縮して、その真空連結器548が部分582から引っ込み、方向矢印1002によって示されているように、上部検査ヘッド608が部分582に向かって動いている。例えば、部分582のNDI検査が完了すると、対応するキャリア545が伸長して、その真空連結器548が翼パネル550の上面574に再び真空接続される。同様に、真空連結器548によって覆われている翼パネル550の上面574の他の部分を体系的に検査することができる。当然ながら、このような構成は、すべての実施形態に要求されるものではない。例えば、さらなる実施形態では、検査ヘッド606は、NDI検査の間に引っ込められなかったキャリア545及び真空連結器548を迂回する。さらなる実施形態では、翼パネル550の輪郭は、翼パネルの種類、又は翼パネルの種々のモデルによって変動し、したがって、キャリア545は、翼パネルの輪郭に応じて種々の位置/延長部へと伸長される。
ストロングバック540が使用されるさらなる実施形態では、NDIを介して、(例えば、ポゴ545及び真空連結器548によって)ストロングバックに接触する翼パネル550の位置を検査することは、翼パネルの下方にストロングバックを吊り下げる前に実行される。
図7は、方法820として指定される、翼パネルを検査する方法の実施形態を示すフロー図である。方法820は、図5B、並びに図1から4及び図5Bに示されている構成要素及び構造を参照して説明される動作を含む一連のステップにより進行する。方法820は、ステップ822で開始するように示されている。ステップ822は、ストロングバック540などのシャトルの下方に翼パネル550を吊り下げることを含む。一実施形態では、上述のように、伸縮自在な真空連結器548を介して吸引が行われ、翼パネル550を所定位置に保持し、所望の輪郭544を翼パネル550に生じさせる。特に、ストロングバック540の不撓性及びポゴ545の拡張性に沿った真空連結器548の真空連結によって、翼パネル550に対する輪郭付与が可能になる。翼パネル550を所望の輪郭へと成形するために、ポゴ545が翼パネル550に取り外し可能に連結される。
ステップ824は、シャトルを介して、翼パネル550をNDIステーション524を通して処理方向に前進させることを含む。シャトルがストロングバック540である実施形態では、このステップは、先の方法について説明したように、トラック510に沿ってストロングバック540を駆動させることを含み、パルス状の又は継続的な動作技法によって実行することができる。シャトルが別の形態(例えば、カート、自動誘導ビークル(AGV)、及び同等物)をとる実施形態では、このステップは、シャトルをレール又は適切な経路に沿って駆動させることを含む。
ステップ826は、翼パネル550がストロングバック540の下に吊り下げられている間において、NDIステーション524を介して、翼パネル550を検査することを含む。一実施形態では、このステップは、(例えば、1つ又は複数の個々の検査ヘッド606を介した)パルスエコー技法、又は(例えば、翼パネル550の両面に配置された検査ヘッド606のペアを介した)透過技法を実行することを含む。これらの配置によって、翼パネル550の厚さを通して超音波エネルギーが伝達されるにつれて、予期される値からタイミングの差が検出される。これは、NDIステーション524において検査ヘッド606のアレイを一度に作動させることを含み得る。検出されたタイミングの差がコントローラ620によって分析されて、翼パネル550の再作業を必要とする許容誤差状態が存在するかどうか判断される。再作業は、NDIステーション524の下流の専用作業ステーションにおいて行われ得る。つまり、コントローラ620は、NDIステーション524からの入力に基づいて、翼パネル550における許容誤差外状態を検出し、再作業のために、(例えば、技術者への通知を介して)許容誤差外状態を報告する。さらなる実施形態では、コントローラ620は、NDIステーション524を制御し、処理方向への翼パネル550の前進を制御し、NDIステーションからの入力を翼パネル550上の位置に関連付ける。
上述のように、幾つかの実施形態では、検査することには、1つ又は複数の検査ヘッド606が翼パネルの表面を検査する際に、例えば、ストロングバック540によって、1つ又は複数の真空連結器548を選択的に引っ込めて、他の状況では真空連結器によって塞がれる表面の対応する部分の検査を可能にすることが伴い得る。さらなる実施形態では、検査は、NDI検査が必要とされない翼パネル550の表面上の位置にキャリア545を配置すること及び/又はさもなければ真空連結器548を配置することによって、翼パネルをストロングバックの下に吊り下げる前に、NDIを介して、ストロングバック540に接触する翼パネル上の位置(例えば、真空連結器548が接続する上述の部分)を検査することによって、及び/又は単一の検査ヘッドの移動を必要とせずに、検査全体の実行を可能にするように、検査ヘッド606のアレイを作動させることによって、並びにその他の動作によって行われる。
さらに上述のように、NDIステーション524は、モバイル型、固定型、又はこれらの組み合わせのNDI検査ヘッド606を含み得る。幾つかの実施形態では、当該方法は、少なくとも幾つかの検査ヘッドを対象位置(例えば、以前の検査及び/又は分析が検査の必要性及び要望を示す位置)に配置することを含む。幾つかの実施形態では、検査ヘッドは、翼パネル550の所望の部分全体(例えば、その1つ又は複数の部分全体、又は翼パネル全体)の検査を可能にするように配置される。NDI検査ヘッドが固定される幾つかの実施形態では、翼パネル550を前進させることは、固定型検査ヘッドが翼パネルの部分を検査するにつれて、固定型検査ヘッドを通り過ぎるように翼パネルを前進させることを含む。このような実施形態では、ステップ824及びステップ826が、同時に行われるか、又は時間的に重複するということができる。NDI検査ヘッドがモバイル型である幾つかの実施形態では、翼パネル550を前進させることは、モバイル型検査ヘッドを通り過ぎるように翼パネルを前進させることを含む。翼パネル550を前進させることが翼パネルを処理方向にパルス移動させることを含むこのような実施形態のうちの幾つかでは、検査は、パルス間の停止中、及び/又はパルスの間に行われる。検査ヘッドのアレイを含む幾つかの実施形態では、当該方法は、アレイを動作させる間に検査ヘッドを翼パネル550に対して移動させることを含む。このような態様のいずかでは、NDIステーション524は、翼パネル550がNDIステーションを通って前進している間において、翼パネル550の部分を一度に検査する。
NDIステーション524に対する翼パネル550の部分は、幾つかの実施形態では、上述のように、例えば、様々なインデックス付けフィーチャ及び/又はRFIDチップによって、翼パネルをNDIステーションにインデックス付けすることによってモニターされる。幾つかの実施形態では、翼パネルを作業ステーションにインデックス付けすることは、直接的に又は翼パネルを支持するストロングバックを介してのいずれの手段であっても、翼パネルに関する情報をNDIステーションコントローラに伝達し、これにより、この情報に少なくとも部分的に基づいて、翼パネルのNDI検査が導かれ得る。インデックス付けフィーチャが翼パネルの過剰製造部分において位置する幾つかの実施形態では、過剰製造部分は通常検査されない。
幾つかの実施形態では、当該方法は、図7に示されない追加のステップで継続する。例えば、当該方法は、翼パネルを次の作業ステーション(例えば、カットアウトステーション526などのカットアウトステーション等)に前進させることで継続し得る。翼パネルがストロングバックの下に吊り下げられる実施形態では、このような方法は、翼パネルがストロングバックの下に吊り下げられたままの状態において、翼パネルを次の作業ステーションに前進させ得る。幾つかの実施形態は、検査のために複数のNDIステーションを利用し、幾つかの実施形態は、追加の構成要素のNDI検査のためにNDIステーション(又は1つより多くのNDIステーション)を利用する。例えば、このような実施形態のうちの幾つかでは、NDIステーションは、翼パネルを走査する間に、補強フランジを走査し、追加のNDIステーションは、翼パネルに取り付けられたストリンガを走査する。
以上では、幾つかの実施形態において、翼パネルがNDI検査ヘッドを通り過ぎる際にNDI検査が実行されることに留意されたい。これは、(例えば、ストロングバック又はその他の手段を介した)翼パネルの運搬の態様に関わらず行われ得る。図8は、例示的な実施形態において翼パネル550を検査する方法840をさらに示す。図8によれば、ステップ842は、NDIステーション524において翼パネル550を受け入れることを含む。ステップ844は、NDIステーションを通して翼パネルが移動している間において、NDIステーション524を介して翼パネル550の一部を検査することを含む。翼パネルは、NDIステーションを通してパルス移動させられるか、又は継続的に前進させられてもよく、NDIステーションを通して翼パネルが移動している間に検査が行われる。方法820のように、方法840では、NDIステーションは、モバイル型及び/又は固定型のNDI検査ヘッドを含み得る。一実施形態では、翼パネルがNDIステーションにある間、翼パネルはストロングバックの下に吊り下げられたままの状態である。さらなる実施形態では、NDIステーションのモバイル型検査ヘッドは、翼パネルの別々の領域を個々に横断する。この態様では、検査は、NDIステーションにおいて検査ヘッドのアレイが動作している間において、検査ヘッドを翼パネルに対して移動させることを含む。
図5Aを再び参照すると、翼パネル550の中央部分578は、カットアウトステーション526内にあるように示されている。広い意味では、カットアウトステーション526は、例えば、過剰製造部分554又はその他の部分内において翼パネル550から材料を取り除くように構成されている。幾つかの実施形態では、カットアウトステーション526は、翼パネル550の1つ又は複数の領域を切り出し、アクセスポートなどの開口を設置する。このアクセスポートは、下流の作業ステーションにおいて利用されることになり、例えば、翼パネルが接合ステーションで共に接合された後、翼パネル間の内部空間へのアクセスを設ける。すべての実施形態に必要ではないが、このようなアクセスポートは、通常、上部翼パネルではなく、下部翼パネルに設置される。シム調整(shimming)工程に関する説明からここで明らかになるように(例えば、図16Aから図16C、及び図17Aから図17Cに関連して図示かつ説明されているように)、幾つかの実施形態では、下部翼パネルには、ロボットアームによるシムの設置を容易にするために、隣接するリブ間のベイへのアクセスを実現する幾つかのアクセスポートが設けられている。したがって、このような実施形態では、カットアウトステーション526は、上部翼パネルよりも下部翼パネルに対して多くの作業を行い得る。いずれの場合でも、カットアウトステーション526は、アクセスポートカバー及び/又はドアを翼パネル550に設置する場合があり、それに伴って、翼パネルにとって適切であるように、端部の密封、塗装、及び穿孔とファスナの設置を行い得る。幾つかの実施形態では、過剰製造部分の端部トリミング、及びアクセスポートのトリミングは、異なる作業ステーションで実行される。
翼パネル550の「上面」及び「下面」という用語は、例示された実施形態では、便宜上、ストロングバック540の下に吊り下げられた翼パネルの両側の表面の相対的な向きを示すために使用されている。しかしながら、ここで明らかになるように、翼パネル550の上面576がポゴ545の真空連結器548によって保持され続けるので、翼アセンブリ600を製造するために、追加の構成要素(例えば、リブ及びスパー)は、翼パネル550の下面574に設置され得る。したがって、翼パネル550の下面として図5Aから図5Gに示される表面は、翼アセンブリ600の内表面としてみなされるものとなり得、翼パネル550上面として示される表面は、翼アセンブリ600の外表面としてみなされるものとなり得る。したがって、「上面」及び「下面」という用語は、限定的な意味に解釈するべきではない。
図5Cは、図5Aに示す組み立てライン500の上面図に対応するが、ストロングバック540が処理方向541に前進して、翼パネル550の翼付け根部分577がリブ設置ステーション528内にある態様を示している。図5Aの幾つかの態様(例えば、様々な供給ライン等)は、簡略化のために図5Cに示されていない。図5Dは、図5Cの図面矢印5Dと対応する簡略化された側面図を示しており、翼パネル550から翼アセンブリ600への進行中の構築/経過をより明瞭に例示するために、図5Cにおいて視認可能な幾つかの構成要素が省略されている。上述のように、リブ設置ステーション528は、リブ572を取り付ける(つまり、一時的に及び/又は恒久的に設置する)。説明を簡単にするために、これらの図面ではリブ572を簡略化した形態で示しているが、以下のセクションでより詳細に説明するように、構成及び外観はより複雑であることが多い。
図5Cは、スパー設置ステーション530において、スパー580が、供給ライン(図示されず)からステーション530へと前進したことをさらに示している。上述のように、スパー設置ステーション530へのスパー580の供給は、翼パネルへの設置のためのジャストインタイム供給として調整され得る。したがって、図5Cは、ステーションに供給されたばかりのスパー580を設置するために翼パネル550をスパー設置ステーション530に移動する直前の組み立てライン500の状態を示し得る。
図5Cは、モバイル型ステーション552(「フォロワー」とも呼ばれる)の使用をさらに示す。モバイル型ステーション552は、翼パネル550とストロングバック540を連結し、例えば、翼パネル550に取り外し可能に設置され得るモバイル型ステーショントラック551に沿って、翼パネル550にわたって横断することにより、作業(例えば、トリミング、ファスナ設置、密封剤塗布等)を行うように構成されている。すべての実施形態に必要とされているわけではないが、モバイル型ステーション552は、組み立てライン500を通って前進するにつれて、翼パネル550のパルス(例えば、マイクロパルス)、停止、(例えば、マイクロパルス間の停止)、又は継続的運動の間に作業を行い得る。設計に応じて、モバイル型ステーション552は、複数の作業ステーション520にわたって、複数のパルスにおいて翼パネル550と「共に駆動」(又は追跡)することができ、組み立てライン500の他の作業ステーションから独立して動作することが可能である。このプロセスの間、ストロングバック540間の間隙の位置及び寸法(例えば、間隔)によって、モバイル型ステーショントラック551及び/又はモバイル型ステーション552の配置が可能となり得る。さらなる実施形態では、シュート及び他の相補的要素が工場に配置され、これにより、製造工程の間において、モバイル型ステーション552が、これらの要素を通り過ぎるか、又はこれらの要素を通過する。モバイル型ステーション552は、図5Cでは547で示す戻り線に沿って取り除かれ、例えば、処理方向541の反対方向(例えば、組み立てライン500の上流)に送られ、要望に応じて次の翼パネルに設置されてもよい。さらなる実施形態では、ストロングバック540のうちの1つ又は複数は、モバイル型ステーション552の翼パネル550へのアクセスをより多く提供するために、翼パネル550に対して動的に動くことで「スマートブリッジ」を形成する。
上述のように、図5Dは、組み立てライン500の一部の簡略化された側面図である。リブ572が取り付けられた翼パネル550が、3つのストロングバック540のセットの下に吊り下げられている間において、トラック510に沿って配置されているように示されている。以上で簡潔に述べたように、1つ又は複数のアダプター543は、トラック510に沿ったストロングバック540の運動を促進し得る。リブ572は、角度θとして示される適切な角度で翼パネル550の下面576に取り付けられる。以下で詳述するように、幾つかの実施形態では、リブ572は、垂直に整列し、翼パネル550(又はより具体的には、上部翼パネル)の下面576への取り付けのために所定位置へ持ち上げられる。したがって、翼パネルは、角度θに対応しかつ/又は角度θでのリブ設置を容易にする角度で1つ又は複数のストロングバックの下に吊り下げられてもよい。これは、図5Dに示されており、翼パネル550が、後縁部分577から前縁部分579へと僅かに上方に傾いている。
図5Dは、ポゴ545及び真空連結器548の例示的な構成の別の図をさらに提供する。例示的な実施形態では、真空連結器548は、ポゴ545及びストロングバック540に対する角度変位が可能である。角度変位は、真空連結器548がポゴ545に連結されている点及び/又はポゴ545がストロングバック540に連結されている点のいずれかにおいて、ユニバーサル型ジョイントによって促進され得る。翼パネルにおいて輪郭が変化する間、角度変位は、翼パネル550への連結に対応し、それにより、翼パネルが(図示されているように)所望の角度で吊り下げられる。ポゴを適切な長さに調節することにより、真空連結器の角度的な柔軟性の故に、翼パネルが任意の所望の角度で吊り下げられ得る。さらなる実施形態では、その他の構成を有するキャリア545は、(例えば、クランピング、締まり嵌め等を介して)翼パネル550の上面574を把持する。以上で詳細に説明されるように、ポゴ545を所定の長さに調節することにより、所望の輪郭を生じさせることができる。この所定の長さは、複数の翼弦及び翼長位置における輪郭の所望の垂直の持ち上げに対応する。
上述のように、幾つかの要因が、例えば、翼パネル550に輪郭を生じさせるための、翼パネル550の上面574に対するポゴ545及びその対応する真空連結器548の位置を決定する。幾つかの実施形態では、1つの要因は、リブ及びスパーが翼パネルに取り付けられている態様である。例えば、ポゴ545及び真空連結器548は、上面574の真空連結器548の位置が、(図5Dに示すように)リブ572が取り付けられる翼パネルの下面576の対応する位置から離間されるように、配置される。これは、例えば、リブ572設置領域への製造アクセスを可能にするために行われる場合があり、リブを翼パネルに接続する手動又は自動のいずれかの穿孔又はファスナ設置を容易にすることができる。
図5Dでは、1つのリブ572が、リブ設置ステーション528内の翼パネル550の部分に取り付けられるように示されている。リブ設置ステーション528を過ぎて前進した翼パネル550の部分に取り付けられているように示されてる他のリブ572は、リブ設置ステーション528内にあったときに設置されている。ここでリブは4つ示されているが、リブ572の数は、実際の翼アセンブリ600においてはより多い場合があり、より多いということがしばしばある。図5D及び他の図に示す翼パネル、リブ、スパー、及び他の構成要素は、例示のみを目的としており、必ずしも縮尺又は輪郭通りではない。例えば、この一連の図面では、リブ572は簡略化された概略形態で示される。この後の図、例えば、図11Aから図11D、及び図17Aから17Cは、より詳細に例示的なリブを示す。実際の翼アセンブリ600のリブ構成又はリブ572の数は、ここで示されたものと異なり得る。
図5Eは、図5A及び図5Cの組み立てラインに対応する組み立てライン500の上面図であり、翼パネル550が、ストロングバック540を介してスパー設置ステーション530へ搬送されたところを示しており、(例えば、フルパルスプロセスの一部として)スパー580が取り付けられている。本実施形態では、スパー580は、リブ572の後に設置されるが、幾つかの実施形態では、スパー580の前にリブ572が設置される。さらに、図5Eでは、概して580で示される各スパーが、数々の個別のスパーセグメントから組み立てられているように示され、それぞれ個々に580-1から580-7として示される(しかしながら、特に別途明記されていない限り、参照番号580は、スパー及びスパーセグメント又はスパーセクションを指し示すために使用される)。スパー設置ステーション530は、1つ又は複数の供給ライン570から、予め組み立てられたスパー580、若しくはスパー設置ステーションで組み立てられる個々のスパーセグメント或いはセクション(例えば、580-1から580-7)、又はその両方を受け入れ得る(そのうちの代表的なものが図5Eに示される)。スパーセグメントがスパー設置ステーション530に供給される実施形態では、例えば、スパーセグメントは、翼パネルに設置される前に互いに組み合わされて、その後翼パネルに設置される部分的な又は完全なスパーを形成するか、及び/又は、スパーセグメントは、翼パネルへのスパーセグメントとして設置され、別々に設置される過程でスパーを形成することができる。設置を容易にするために、ファスナや密封剤などの追加の構成要素もスパー設置ステーション530に供給される。設置後、ストロングバック540は、翼パネル550をトラック510へ戻し、翼パネル550は、追加の作業のためにさらに搬送される。例示的な実施形態では、ストロングバック540は、方向1004へのスパー設置ステーション530の運動を可能にするように構成されたリダイレクトトラック(図示されず)のような任意の適切な態様でスパー設置ステーション530へ前進する。設置後、ストロングバックは、例えば、トラック510に沿ったさらなる前進のために、(例えば、パネル接合ステーションに向かって)同じリダイレクトトラックを介して、トラック510に戻る方向1006に前進するか、又は別のトラックに誘導されるか、又はトラック510以外のトラックに沿って前進し得る。別の実施形態では、スパー設置ステーション530がトラック510に沿って配置されており、処理方向へのストロングバック540の前進が、翼パネルを、ステーション内に導き、ステーションを通過させ、ステーション外に導く。
例示された構成は、スパー設置ステーション530などの作業ステーション520を選択的にバイパスすることを可能にする構成例である。上述のように、幾つかの実施形態では、リブ及びスパーは、上部翼パネルのみに取り付けられ、下部翼パネルに取り付けられない。このような実施形態では、翼パネルを搬送しかつ/又は翼パネルに対して作業を行う上での効率性は、例えば、上部翼パネルがスパー設置ステーション530へと前進するが、下部翼パネルがステーションを通り過ぎて前進するなど、1つ又は複数の作業ステーション520を選択的にバイパスすることを可能にし得る構成において達成することができる。このような実施形態のうちの幾つかでは、下部翼パネルは、代わりに、下部翼パネルにアクセスポートを形成する作業ステーション(例えば、カットアウトステーション526などの作業ステーション)のような、上部翼パネルではなく特に下部翼パネルに対して作業するように構成された作業ステーションへ誘導され得る。これらの実施形態では、追加のスパー及び/又はスパーセグメントが、次いで、トラック510に沿って移動する次の翼パネル550への取り付けのためにスパー設置ステーション530に供給される。
図5Fは、スパー設置ステーション530での作業が完了した後、翼パネル550が、方向1006に移動してトラック510に戻り、トラック510に沿って処理方向541に(パルス移動して又継続的に)前進して、さらなる作業ステーション520(リブ-トゥ-スパー取り付けステーション598、並びにリブ及びスパーが取り付けられた上部翼パネルに下部翼パネルが接合されるパネル接合ステーション599として示される)至る準備が整った実施形態を示す。この動作により、結果的に、翼アセンブリ600が、例えば、さらなる構成要素、並びに/又は電気システム及び他のシステムの設置のために待機することになる。
図5Fでは、リブ-トゥ-スパー取り付けステーション598は、トラック510上に配置されているように示されているが、パネル接合ステーション599は、トラック510から外れて配置されているように示されており、翼パネル550が、方向1008に移動してパネル接合ステーション599に至る必要がある。これは、上部翼パネルのみが組み立てライン500の当該部分に沿って前進し、下部翼パネルが、別のトラック(図示されず)又はステーションにリダイレクトされる構成を表し得る。リダイレクトは、例えば、スパー設置ステーション530及びリブ-トゥ-スパー取り付けステーション598をバイパスし、その代わりに、上部翼パネルへの接合のために待機するように、パネル接合ステーション599へ供給されることによって行われる。或いは、下部翼パネルは、任意の作業工程が行われることなく、単純にリブ-トゥ-スパー取り付けステーション598を通るように搬送され、効率的にバイパスしてもよい。或いは、幾つかの実施形態では、1つ又は複数の作業ステーション520は、例えば、上部翼パネルに対して特定の作業工程を行い、下部翼パネルに対して他の作業工程を行うように、複数の目的を有するよう構成されてもよい。このような構成が、本開示の範囲内に含まれる。
図5Aから図5Fに関連して説明された概念、構成要素、システム、及び装置に従って、本開示と調和する組み立てライン500の他の実施形態が、具体的に例示かつ説明された実施形態とは別の構成をとり得ることが明らかである。例えば、幾つかの実施形態では、翼パネル、リブ、及びスパーを接合する動作を異なる順序で行って翼アセンブリを形成してもよい。したがって、幾つかの若しくはすべての様々な作業ステーション520を異なる順序で含んでもよく、又は図示されたものより他の作業ステーションを含んでもよく、又は複数の作業ステーション520を含んでもよく、又は他のタスクに加えて作業ステーション520の機能の幾つか若しくはすべてを行う作業ステーションを含んでもよく、又はその他の作業ステーションを含んでもよい。このような実施形態の幾つかでは、組み立てライン500の例示された実施形態のように、スパー及びリブを個々に(上部翼パネルなどの)翼パネルに設置する代わりに、スパーとリブを互いに取り付け、梯子状の構造(スパーが梯子のレールとなり、リブが段を形成する)を形成し、次いで、翼パネルに設置してもよい。したがって、このような実施形態は、スパーをリブに組み付ける1つ又は複数の作業ステーション(適切な供給ラインから、リブ、スパー若しくはスパーセクション、及びファスナが供給される先であり得る)、並びにリブ及びスパー構造体を翼パネルに設置するか、かつ/又は上部翼パネルと下部翼パネルとの間にリブ及びスパー構造体を設置する1つ又は複数の作業ステーションを含み得る。組み立てライン500の例示された実施形態のように、上述の作業ステーションに供給される様々な構成要素及び構造体は、適切な作業ステーションへのジャストインタイム供給のために構成され得る。
この例が図5Gに示されている。図5Gでは、組み立てライン500’として示される組み立てラインの代替的構成を示す。図5Gは、概して、図5C及び5Eに示す組み立てライン500の上面図に対応する。しかしながら、図5C及び5Eに示す組み立てライン構成は、リブ572及びスパー580がそれぞれ個別にかつ別々に翼パネル550に設置される、リブ設置ステーション528及びスパー設置ステーション530を含むが、図5Gに示す組み立てライン500’は、代わりに、異なる作業ステーション520、具体的には、支持構造体組み立てステーション532、及び支持構造体設置ステーション534を含むように示されている。支持構造体組み立てステーション530は、1つ又は複数の供給ライン570(図5Gに示す代表的なライン)からリブ572及びスパー580、並びに固定及び/又は密封用品が供給される。例えば、図4に示す491-6及び491-7に対応する供給ラインは、588で示す梯子状の支持構造体へ組み付けるために、スパー及びリブをそれぞれジャストインタイムで及び所望の順序で支持構造体組み立てステーション532に供給することができる。スパー580は、支持構造体組み立てステーション532に供給される前に、予め組み立てられたり、若しくは完成していてもよく、又はリブ572と共に支持構造体588へ組み付けられるために、別個のスパーセグメント又はセクション(個々に図示されない)の形態でステーション532に供給されてもよい。
組み立てが終わると、支持構造体588が、矢印1014で示されるように、支持構造体設置ステーション534へ(例えば、側方に)搬送され、翼パネル550に設置される。カート又はシャトルの他の態様が、支持構造体588を搬送することができる。次いで、支持構造体588は、設置のために翼パネルへと上方に持ち上げられ得る。代替的に又は追加的に、翼パネルは、支持構造体588へ下降させられてもよい。図5Gには示されていないが、ファスナ及び他の供給品が、支持構造体と共に、又は1つ若しくは複数の供給ライン若しくはサプライラインを介して別個に、支持構造体設置ステーション534に供給されてもよい。したがって、図5Gは、待機する翼パネル550への設置のために、完全に組み立てられた支持構造体588が支持構造体設置ステーション534へ供給される直前の組み立てライン500’の状態を示し得る。トラック510に沿ったストロングバック540を介した翼パネル550の運動を、組み立てられた支持構造体588の供給と調和させて、翼パネル550及び支持構造体588の両方を、同時に支持構造体設置ステーション534に供給するか、又は設置のためにどちらか一方をジャストインタイムで供給するか、及び類する動作を行うことができる。
翼パネル550は、リブ572及びスパー580の支持構造体588が設置された状態で、パネル接合ステーション(例えば、図5Fに示すパネル接合ステーション599)へ進行することができ、これにより、下部翼パネルなどの別の翼パネルがアセンブリに設置され得る。図5Gに関連して上述された代替的構成は、例えば、(図5Eに示すように)スパー設置を行うために翼パネルをトラック510に対して横方向に搬送することを含まないことによって、又はリブ及びスパーを別々にではなく一緒に設置することで効率性を達成することによって、及び同等の動作によって、組み立てライン500に示す構成に対する利点をもたらすことができる。
図9は、図5Aから図5Gに提示されかつ上述された組み立てライン500で具現化された概念及び動作の様々な構成要素を参照し、例示的な実施形態における、組み立てライン500などの組み立てラインを介して翼を製造する方法860を示すフロー図である。ステップ862では、輪郭544を翼パネル550に生じさせる、ストロングバック540などのシャトルの下方に翼パネル550が吊り下げられる。例えば、一実施形態では、真空連結器548を介して、キャリア545が翼パネル550に取り付けられ、垂直に位置付けされて輪郭を生じさせる。上述のように、幾つかの実施形態では、翼パネル550を吊り下げることは、ストロングバック540を翼パネルにインデックス付けすることを含む。インデックス付けは、ストロングバック540と、例えば、翼パネル550の過剰製造部分における、翼パネル550に設置された1つ又は複数のインデックス付けフィーチャとの間の物理的連結(例えば、物理的な取り付け、又はさもなければ係合の確立)であり得る。追加的に又は代替的に、インデックス付けフィーチャは、可読識別手段(例えば、RFIDチップ/タグ又はバーコード)から構成されるか、又は可読識別手段を含んでもよく、インデックス付けは、適切なリーダー(例えば、RFIDリーダー、スキャナ、又はバーコードリーダー等(図示されず))を用いて識別手段を読み取ることを含む。
ステップ864では、翼パネル550は、(例えば、図5Bの上面574によって画定された)輪郭544が付与されている間において、ストロングバック540を介して、組み立てライン500における少なくとも1つの作業ステーション520(及び通常は複数の作業ステーション520)を通って、処理方向541などの処理方向に前進する。例えば、翼パネル550へのキャリア545の真空連結器548が輪郭544に対応する垂直位置に配置されている間において、ストロングバック540が、トラック510に沿って前進させられ得る。上述のように、所望の輪郭を生じさせることは、翼パネル上の所定に位置においてそれぞれ翼パネルに接触するキャリア545を位置合わせすることによって行うことができ、このプロセスの間、翼パネル550は、翼パネルに対してNDIを実行するNDIステーション(例えば、NDIステーション524)を通って前進し得る。パルス間の停止中、又は継続的な運動の間において、翼パネル550は、様々な作業ステーション520にインデックス付けされる。これは、ストロングバック540を翼パネルにインデックス付けすることに関して上述したように、作業ステーション520を翼パネル550自体のインデックス付けフィーチャ210にインデックス付けすることによって、又は作業ステーション520を、翼パネル550を運ぶストロングバック540のインデックス付けフィーチャにインデックス付けすることによって、行うことができる。
ステップ866では、輪郭544が付与されている間において、(ストロングバック540、キャリア545、及び真空連結器の組み合わせによって)リブ572及びスパー580などの構造的構成要素が翼パネル550に設置される。これは、翼パネル550がストロングバック540から吊り下げられている間において、リブ572及びスパー580を翼パネル550に共接合及び/又は固定することを含み得る。或いは、これは、リブ572及びスパー580を組み立てて支持構造体588にすること含んでもよい。次いで、翼パネルがストロングバックから吊り下げられている間において、支持構造体588が翼パネル550に設置される。一実施形態では、翼パネル550を前進させることは、翼パネルを処理方向にパルス(例えば、フルパルス又はマイクロパルス)させることを含み、リブ572及びスパー580の設置は、パルス間の停止中に実行される。さらなる実施形態では、翼パネル550を前進させることは、翼パネルを処理方向に継続的に移動させることを含み、リブ572及びスパー580の設置は、翼パネルが継続的に移動している間に行われる。
図9では具体的に示されていないが、幾つかの実施形態では、方法860は、リブ及び/又はスパーの設置、リブ及び/若しくはスパーの相互接合並びに/又は翼パネルへの接合、再作業、翼パネルの検査、アクセスポートの切削/設置などの様々な異なる作業工程を行うために、処理方向に沿って配置された追加の稼働中の作業ステーション520をさらに含む。幾つかの実施形態では、同じ種類の動作を行うために、複数の作業ステーション520が設けられている。
方法860は、例えば、翼パネルが作業を受けるために複数の作業ステーション520を通って搬送されている間でも、翼パネル550又はその一部が、製造環境においてそれぞれの作業ステーション520にインデックス付けされた状態に留まることを可能にするので、従来に技法に比べて、1つ又は複数の技術的利点を提供することができる。つまり、搬送の間、翼パネル550はストロングバック540にインデックス付けされた状態に留まる。これは、作業ステーション520が、自らをストロングバック540、翼パネル550、又はその両方に迅速にインデックス付けさせることが可能であることを意味する。さらに、翼パネル550をストロングバック540の下に吊り下げる技法は、組み立て工程の間、(例えば、技術者による)翼パネル550のより多くのかつより人工工学的なアクセス及び検査を可能にする。
図10は、例示的な実施形態における、翼パネルに輪郭を生じさせる方法880を示すフロー図である。方法880によれば、ステップ882は、ストロングバックの下方の航空機用翼パネルの位置を特定することを含む。以上で詳細に説明されているように、このステップには、翼パネルの横断面にわたって延在するように構成されたストロングバック540の下方に翼パネル550を移動させること、翼パネルのインデックス付けフィーチャ(例えば、物理的インデックス付けフィーチャ及び/又は可読識別手段)を介して、翼パネルをストロングバックにインデックス付けすること、ハードストップ、視覚的技法、及び/又は他のプロセスが伴い得る。ステップ884は、リブ及びスパーなどの構造的構成要素が翼パネルに取り付けられる位置(例えば、翼パネルの下面の対応する位置)から離れた位置において、ストロングバックのポゴを翼パネルの上面に係合させることを含む。上述のように、これは、例えば、手動又は自動の穿孔やファスナ設置等を容易にし、リブ及びスパーを翼パネルに設置することを可能にするように、リブ又はスパー設置領域への製造アクセスを可能にするために実行される。リブは、金属材料又は複合材から作成され得る。リブがアルミニウムから作られている場合、繊維ガラス又は他の材料の1つ又は複数の層が、アルミニウムと炭素繊維との間の交差部に配置される。これは、リブが配置される領域(「リブ着地領域(rib land area)」と呼ばれることもある)で、翼パネルにおいて密封剤と共に繊維ガラス隔離プライによって達成することができる。一実施形態では、これは、ポゴを上面に物理的に係合させ、ポゴを介して吸引を翼パネルに加える真空システムを起動することを含む。
ステップ886は、翼パネルがストロングバックの下に吊り下げられている間において、ポゴの長さを制御して、翼パネルに輪郭を生じさせることを含む。ポゴは、個別に調節可能である。一実施形態では、ポゴの長さを調節することは、ポゴを所定の長さに設定することによって行われるが、さらなる実施形態では、これは、アクチュエータ又は空気圧を作動させて、各ポゴに特定の長さを生じさせることを含む。ポゴがすべて所定の長さに設定された場合、それぞれのポゴの真空連結器が特定の翼パネルに対して適切に配置されていれば、翼パネルは、リブが設置され得る所望の輪郭と適合するように保持される。
上述のように、幾つかの実施形態では、初期的な翼パネルの輪郭を決定するために走査が行われる。翼パネルが既に所望の輪郭である場合、輪郭に変化を生じさせる必要はない可能性がある。このような状況では、各ポゴによって加えられる把持力は、翼パネルの輪郭がポゴによって能動的に付与されるような状況よりも弱い可能性がある。例えば、所望の輪郭へと翼パネルを押圧するか、かつ/又は引っ張るための、ストロングバックに対する各ポゴの長さの調節(つまり、より長く又はより短く調節)は、翼パネルの設計パラメータによって決定される。ポゴの真空連結器の位置は、翼パネルの上面に対して正確に配置されるので、ポゴが所望の長さであるとき、ポゴによって生じた輪郭が確実に期待に沿うようになる。
上述のように、翼アセンブリのための組み立てライン500(又は500’)の様々な態様(翼パネル550が、組み立てラインに沿って配置された様々な作業ステーション520を通って前進するにつれて行われる動作を含む)を示す図5Aから図5Gでは、説明を簡単にするために、多くのシステム、動作、及び構成要素(例えば、リブ572)が、簡略化された形態でかつ/又は概略的に示されている。図11Aから図11Dは、翼アセンブリ600の製造において、追加の構成要素を翼パネル550に設置することをより詳細に例示する。具体的には、図11Aから図11Dは、リブ572を翼パネル550に設置することを示し、当該実施形態では、リブ設置ステーション528における上部翼パネル550-1が示されている。したがって、翼パネル550は、以下のセクションでは、便宜上、「上部翼パネル550-1」又は単純に「翼パネル550-1」と呼ばれ得る。「翼アセンブリ」という用語は、翼パネル、リブ、及び/又はスパーなどの翼の構成要素が共に組み立てられたときに作られる構造体のことを指す。以下で詳細に説明されるように、図11Aは、リブ572が、シャトルによって、上部翼パネル550-1の下方の位置に移動させられているところを示し、図11B及び図11Cは、リブが、上部翼パネルへの設置のために、上部翼パネルの下面に向けて上方に持ち上げられているところを示す。図11Dは、結果的に得られた翼アセンブリ600を示しており、リブ572が翼パネル550-1に設置され、スパー580のペアがリブ572の両端に設置されている。
図11A及び図11Bに示す図は、図5Cの図面矢印11と概して対応しており、以上の説明に従って、真空連結器548を介して、翼パネルの上面574に連結されたポゴ545によって、ストロングバック540の下に吊り下げられた翼パネル550-1の翼弦方向断面図を示す。翼パネル550-1、又は少なくとも図11Aに示す断面部分は、リブ設置ステーション528内に配置される。以上で詳述されるように、翼パネル550-1は、直接的に又はそれを支持するストロングバック540のうちの1つ又は複数を介して、作業ステーション520にインデックス付けされ得る。翼パネル550-1は、その下面576に幾つかのストリンガ640が設置されているように示されており、ストリンガ640は、T形状の断面を有するように示される。ここでは、6つのストリンガ640が示されているが、より多くの又はより少ない数のストリンガが、特定の上部翼パネル及び/若しくはリブ572、並びに/又は翼パネルの翼長方向の長さに沿った特定の位置に対して使用されてもよい。図5Aから図5Fに示す組み立てライン500(及び/又は図5Gに示す組み立てライン500’)などの組み立てラインとの関連においては、ストリンガ640は、リブを設置する前に設置されてもよく、例えば、リブ設置ステーション528の上流の任意のポイントにおいて、又はプリフォームから上部翼パネルを製造する初期的製造の間に設置されてもよい。
数々のリブの構成が可能であるが、本開示の範囲内では、図11Aから図11Dのリブ572は、補強材648(例えば、リブを翼パネル550に取り付ける前にリブに輪郭を生じさせるビーム又はブラケット)よって輪郭が保たれた、補強されたウェブ646を含む、細長い個体構造として示されている。リブ572の上端及び下端は、リブ572が設置される翼パネルのそれぞれの輪郭に適合するように成形されており、例えば、ストリンガ640、並びにケーブル及び設置され得る他の構造体(図示されず)を収容するように寸法形成かつ位置付けされた数々の開口又は「ネズミ穴」650が設けられる。ウェブ646は、同様の目的のために、リブの端部から内側に位置する数々のアクセス穴652をさらに含む。
図11Aでは、リブ572は、所定位置に前進させられ、一実施形態では、(570で示す)供給ラインからリブ設置ステーション528に入る。この供給ラインは、リブ572をリブ設置ステーション528へジャストインタイムで又はジャストインタイムタイミングスキームで供給するリブ供給ライン(リブ供給ライン491-7など)であり得る。より具体的には、図11Aでは、リブ572は、シャトル700(例えば、レール上で推進される手動カート又は自動カートや、自動誘導ビークル(AGV)等)を介して搬送されている間、垂直配向に保持される。上述のように、リブ572は、ジャストインタイム供給ラインを介して、シャトル700に供給され、パルス間の停止中に移動して、リブ設置ステーション528に入ることができる。図示の構成では、シャトル700は、翼パネル550の処理方向に対して直角方向に前進する。シャトル700は、床710にわたって、車輪702(例えば、電動式車輪)によって駆動されているように示されるが、代替的に、レール、又はトラック等の上に配置されてもよい。車輪702がシャーシ708を駆動させ、これにより、シャーシ708が水平に/横方向に、方向1008に移動して、リブ572を翼パネル550の直接下方の位置/場所まで搬送する。シャトル700は、リブ設置ステーション528に対するカートのインデックス付けを容易にするためにインデックス付けフィーチャ(図示されず)を含み得る。これにより、翼パネル550の下方の位置に前進する前に、リブ設置ステーションに対してシャトルを適切に位置付けすること、及び/又はシャトルが所定位置に前進したときに、上部翼パネル550-1に対してシャトル(ひいてはリブ)を適切に位置付けすることが確実に行われる。このようなインデックス付けフィーチャは、カップアンドコーン型インデックス付けシステムのカップ及びコーン、ハードストップ、並びに/又は他の構成の形態であってもよい。シャーシ708は、1つ又は複数のアクチュエータ704、及びアクチュエータ704に取り付けられた支持体706を保持する。支持体706は、リブ572を垂直方向に支えるように構成されている。アクチュエータ704(又は他の持ち上げ装置)は、支持体706を垂直に駆動して、例えば、翼パネル550の下面576に接触するようリブ572を持ち上げるように構成されている。
図11Bは、上部翼パネル550-1の下面576に(例えば、リブ着地領域に)接触するよう、方向1010に垂直上方に駆動された後のリブ572を示す。リブ572の上端に沿って配置されたネズミ穴650は、ここではより明瞭に、ストリンガ640を収容するように寸法形成かつ位置付けされていることが確認できる。ネズミ穴650におけるリブ572とストリンガ640との間のクリアランスは、図示されているより大きくてもよく、又は小さくてもよい。翼パネルへ連結される間、リブ572は、支持体706によって所望の配向及び位置に保持される。本開示では、以前の説明において「設置(installation)」という用語が用いられているが、この用語は一時的又は恒久的な取り付けを包含し得る。したがって、最初にリブ572を翼パネルと接触させたとき、例えば、リブ572を所定位置に固定及び/若しくはタッキングすることによって、連結が一時的であってもよく、又は(例えば、シャトル700を退避させる前及び/又は後の、自動的な又は手動の穿孔及びファスナ設置技法を介して)一時的若しくは恒久的ファスナを使用することによって、恒久的であってもよく、又はリブ572は、上部翼パネル550-1と位置合わせされつつ、恒久的に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態、例えば、図16Aから図16C及び図17Aから図17Cに関連して以下でさらに説明されている実施形態では、リブ572が一時的に翼パネルに固定された後、かつ翼パネルに恒久的に設置される前に、リブから翼パネルの界面への間隙を埋めるためにシムが設置されてもよい。いずれの場合であっても、一旦上部翼パネル550-1に連結されると、連結手段がリブ572を所望の位置に保持するので、シャトル700を退避させることができる。
他の実施形態では、1つ又は複数のストロングバック540は、翼パネルへの真空付着を形成するポゴ545を介して、上部翼パネルを下に吊り下げ、リブ572が翼パネルまで上昇するのではなく、ポゴの長さを調節する(及び/又はストロングバック540を下降させる)ことによって、下部翼パネルをリブ572に接触するように下降させる。さらに他の実施形態では、2つの構成要素を接触させるために、リブ572及び上部翼パネルの両方の運動の組み合わせを利用し得る。幾つかの実施形態では、リブ572は、スパー又はスパーセグメント(本図では図示されず)の設置の後に設置される。スパーは、輪郭(例えば、リブによって翼弦方向の輪郭が保持されている間の翼長方向の輪郭)を保持することを容易にする。具体的には、このような実施形態では、スパー580は、リブ572の側方(例えば、翼弦方向)変位、リブの互いに対する翼長方向の変位、翼長590軸の周りでのリブ572及び上部翼パネル550-1のねじれ等を防ぎ得る。さらに、幾つかの実施形態では、支持構造体(例えば、支持構造体588)は、リブ及びスパーから組み立てられ、次いで、翼パネルに設置される。このような実施形態では、支持構造体を翼パネルへ搬送及び/又は持ち上げるために、シャトル700ではなく、複数のシャトル及び/又は異なる構成のシャトルの使用が伴う場合がある。
図11Cは、図11Bの図面矢印11Cに対応し、シャトル700、リブ572、及び上部翼パネル550-1の間の関係性をさらに示す。図11Cは、本実施形態では、上部翼パネル550-1、及び具体的にはその下面576が、リブ572における相補的位置合わせフィーチャ586と位置合わせされるように構成された位置合わせフィーチャ584を含むことをさらに示す。位置合わせフィーチャ584及び586の構成は、カップアンドコーン型構成など、上部翼パネル550-1とリブとの重ね合わせを達成する任意の構成であってよい。各リブに対してインデックス付けフィーチャの複数の対応するペアが存在し得る。さらに、幾つかの実施形態では、位置合わせフィーチャ584は、インデックス付けフィーチャ210として、上部翼パネル550-1の製造の間に設置される。リブ572を上部翼パネル550-1に固定する前に、これらの位置合わせフィーチャがリブ572の位置合わせを容易にする。したがって、一実施形態では、リブ572を持ち上げることは、翼パネル550において、リブ572を位置合わせフィーチャ584に嵌合させることを含む。リブ572は、必要に応じて、並行する組み立てライン/供給ラインからジャストインタイムでリブ設置ステーション528に供給される。このようにして、必要に応じて、種々のリブが、パルス移動された環境において、翼アセンブリ600への配置のために連続的に作製される。
図11Dは、リブが取り付けられた翼パネル550(例えば、上部翼パネル550-1)を含む翼アセンブリ600の端面図であり、リブ572が視認可能である(つまり、リブ572は、その背後の他のリブを遮断して見えないようにしている)。例示的な実施形態では、上部翼パネル550-1が、組み立てラインに沿って搬送される。これは、例えば、(ここでは翼アセンブリ600の一部となった)上部翼パネル550-1をトラック510に沿って運ぶストロングバック540を介して行われる。翼アセンブリ600は、図5Cに図示されているように、リブ設置ステーション528内に少なくとも部分的に配置されてもよい。しかしながら、図11Dに示す実施形態では、スパー580が、リブ572の両側/両端に設置されているように示されている。したがって、例えば、スパー580及びリブ572が設置される順序に応じて、翼アセンブリ600が、図5Eに図示されているように、スパー設置ステーション530内に、又は、図5Fに図示されているように、リブ-トゥ-スパー取り付けステーション598内に少なくとも部分的に配置されてもよい。
上述の構成要素及び動作に従って、図12は、例示的な実施形態において、翼アセンブリを製造する過程でリブを上部翼パネルに設置する方法900を示すフロー図である。方法の説明では、以上で記載されかつ図面で示された構成要素及び概念が言及されるが、当該方法は様々な設定に適用可能である。ステップ902は、航空機の上部翼パネル550-1をストロングバック540などのシャトルの下に吊り下げることを含む。以上に記載された多くの方法に従って、このステップは、レイアップマンドレルから上部翼パネル550-1を脱型すること、上部翼パネルをストロングバック540にインデックス付けすること、及び/又は(例えば、ポゴ545の真空連結器548を介して)翼パネルをストロングバックに連結して、上部翼パネルに輪郭を生じさせながら、上部翼パネルを保持することを含み得る(及び/又はこれらの工程が先行する)。
ステップ904は、リブを上部翼パネルの下方の位置へ移動させることを含む。このステップは、翼パネルが、作業ステーションを通ってパルス間に停止している間に行われてもよい。幾つかの実施形態では、このステップは、リブを所望の位置に支持するシャトル(例えば、手動式カート、AGV、又は他の構成のビークルであり得るカート700)を駆動させることを含む。カートは、NCプログラムに従って制御されてもよく、かつ、所望の向きを実現するトラック/レールシステム、又はレーダー若しくはLIDARや視覚追跡等を介して、所望の配置位置を示す製造現場における印に基づいて位置付けされてもよい。例示的な実施形態では、リブの移動先の位置は、リブが設置される上部翼パネル上の位置の直接下方にある。
方法900は、リブ572を垂直に直立するよう配向するステップ906を含むように示されている。幾つかの実施形態では、脱型の後、リブ572は、直立位置にあるとき(例えば、ジグ又は同様のフレーム上にあるとき)、組み立てられるか、又は作業の対象となり、したがって、(例えば、配向を変えずにジグからカート700へと直接動かされた場合)、設置のために直立に配向される必要がない場合がある。所望の輪郭(例えば、平坦な輪郭)をリブに与えるか又は生じさせるために、ジグが使用され得る。上述のように、脱型の後、リブの長さほど延びる補強材が、リブに連結されてリブに輪郭を生じさせる。幾つかの実施形態では、リブは、組み立ての間又はリブ設置ステーションに供給されている間、垂直配向とは異なる配向に向けられる(又はそのような配向となる)場合があるので、設置前に垂直に直立な配向が必要とされる。幾つかの実施形態では、配向することは、リブ572をカート700に配置することによって行われ、次いで、支持体706によってリブが所望の垂直配向に保持される。方法900は、幾つかの実施形態では、例えば、ジャストインタイム供給のための適切なタクトタイムを有するように構成された供給ラインを介して、ジャストインタイムでリブを供給することを含む。
例示的な実施形態では、「配向する」ステップ906が、「移動させる」ステップ904の後に行われるように示されているが、これはすべての実施形態に必要とされているわけではない。幾つかの実施形態では、「配向する」ステップ(906)は、「移動させる」ステップ(904)の一部として、又は少なくとも部分的にステップ(904)の間に行われる。幾つかの実施形態では、配向するステップは、移動させるステップの前(例えば、リブ572をカート700に載せている間)に行われる。
ステップ908では、リブ572が上部翼パネルと接触するように配置される。上述のように、これは、リブを垂直に持ち上げることによって、例えば、カート900のアクチュエータ904を駆動させて、リブ572を上部翼パネル550-1の下面576と接触するように持ち上げることによって行われてもよい。幾つかの実施形態では、これは、例えば、ストロングバック540のポゴ545を用いて、上部翼パネルを下降させてリブと接触させることによって行われてもよい。幾つかの実施形態では、構成要素同士を接触させるために、リブの持ち上げと翼パネルの下降との組み合わせが行われる。幾つかの実施形態では、リブ572を上部翼パネル550-1に接触させることは、(例えば、図11Cに示すように、位置合わせフィーチャ584及び586を連結させることによって)リブを翼パネルの1つ又は複数のインデックス付けフィーチャに嵌合させることを含む。これにより、リブ572と上部翼パネル550-1との最終的な精密な位置合わせが確実なものとなり得る。
図示されているように、例えば、図5Dでは、幾つかの実施形態のリブ572が、設置角度θとして示される角度で翼パネル550又はその下面の少なくとも1つ又は複数の部分に固定され得る。したがって、リブ572が、垂直に、すなわち、トラック510及び/又はフロア面710に対して典型的に垂直な角度で配向されて、次いで、翼パネルの下面まで持ち上げられる製造方法では、リブを翼パネルに対する所望の設置角度θで設置することは、例えば、翼パネルの下面を設置角度θに対して相補的な角度に傾けるように翼パネルを配置することによって、翼パネルを適切な配向に配置することで容易となり得る。これは、最初に上部翼パネル550-1を適切な配向で1つ又は複数のストロングバックの下に吊り下げている間に行ってもよく、又は、リブを設置する手順の前に、翼パネルの配向をリブの設置に適切なものへと変えるように構成された態様でポゴの長さを調節してもよい。
ステップ910では、上部翼パネルがストロングバック540から吊り下げられている間において、リブ572が上部翼パネル550-1に取り付けられる。本明細書で使用されている取り付けという表現は、タック締結、クランピング、及び/又は他の技法により、一時的にリブを所定位置に保持すること、及び恒久的に設置することを包含する。幾つかの実施形態では、恒久的に設置する前に、リブ572が所定の位置で保持され、それにより、リブと翼パネルとの界面に間隙がある場合、そこにシムを選択的に設置することが可能となる。幾つかの実施形態では、設置することには、上部翼パネル550-1及びリブ572を通るようにファスナを打ち込むか、又はさもなければ設置することが含まれる。こうした動作は、ロックボルトを設置するエンドエフェクタを介して、又は他の手段によって実行され得る。幾つかの実施形態では、固定作業を遮ったり、又は妨げたりしないように、真空付着が真空連結器548によって行われる。真空連結器548は、リブを設置する位置と位置との間に配置されてもよく、いずれにしても、リブ設置位置から離間される。したがって、このような実施形態では、真空連結器528の位置が、技術者又は自動作業によって行われるタック締結及び/又はファスナによるリブ572の恒久的な設置などの作業を妨げないように、真空連結器528は翼パネル550上に配置される。
ステップ904(リブを移動させること)、908(リブを翼パネルと接触させること)、及び910(リブを翼パネルに取り付けること)は、すべて、翼パネル550が吊り下げられている間、及び/又はリブ572を垂直に直立するよう維持している間に行われる。方法900のステップのうちの1つ若しくは複数、又はそのすべては、リブ設置ステーションにおいて行われる。方法900、又はそのステップのシーケンスは、同一の翼パネル550に設置される複数のリブ572に対して反復的に行われる場合がある。
方法900は、従来のシステム及び技法に比べて技術的な利点を提供する。なぜなら、この方法は、翼パネル550に輪郭を生じさせ、輪郭が生じている間において、リブ572を翼パネルに迅速に設置することを可能にするからである。設置プロセス全体を通して、リブを垂直配向に維持することにより、方法900は、労力を節約し、製造現場及び/又は組み立てラインにおける効率性を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、少なくとも1つのリブが、取り付けられた後(例えば、上部翼パネル550-1に設置された後)、スパー580が、翼パネル/リブの前縁及び後縁部分を仕切るように、リブ及び翼パネルに取り付けられる。このような実施形態の幾つかでは、スパーのセクションは、リブにおいて互いに長さ方向に接合されてスパーを形成し、リブが、スパーセグメント間の接合部分の一部となる。このような実施形態の幾つかでは、スパー580は、図5E及び図5Fに示す組み立てライン500のスパー設置ステーション530のようなスパー設置ステーションなどの、リブ設置ステーションの下流のステーションにおいて取り付けられる。一実施形態では、スパー580は、3つのスパーセクションから構成されるので、2つのスパー/リブ接合部分がある。幾つかの実施形態では、スパー580及びリブ572は、例えば、2つの異なるステーションにおいて、及び/又は翼パネル550上の2つの異なる位置において、同時に翼パネル550に取り付けられる。
リブ及びスパーを翼パネルへ設置することと、リブ及びスパーを互いに対して設置することには、本明細書に開示された技法を含む任意の適切な技法が含まれ得る。方法900の幾つかの実施形態は、上部翼パネルに設置されたリブ及びスパーに下部翼パネルを接合することなどにより、継続する。このことが実行される一態様のより詳細な説明は、図16Aから図16Cを参照して以下で提供される。これらの図面は、翼アセンブリを組み立てる間にシムを設置する一態様を示す。
幾つかの実施形態では、スパー設置ステーションの上流に作業ステーションがある。ここでは、翼パネルが最終的な寸法(例えば、最終的な外周)へとトリミングされ、過剰製造部分におけるインデックス付けフィーチャが取り除かれる(すなわち、過剰製造部分と共に取り除かれる)。このトリミング作業の後、密封及び塗装がパルス状に又は継続的に行われる。幾つかの実施形態では、翼パネルを最終的な外周にトリミングすること(及び/又は密封及び塗装)は、リブ及び/又はスパーが設置された後に行われる。
図13は、例示的な実施形態において翼アセンブリを組み立てる方法920を示すフロー図であり、以上で詳述された構成要素、概念、及びプロセスが関わっているが、翼パネルがシャトルの下に吊り下げられている間において、リブ及びスパーを上部翼パネルに設置する態様に焦点を当てている。然るに、ステップ922は、航空機の上部翼パネル550をストロングバック(例えば、ストロングバック540)などのシャトルの下に吊り下げることを含む。ステップ924は、リブ572を上部翼パネル550-1に設置することを含む。ステップ926は、スパー580を上部翼パネル550-1に設置することを含む。ステップ928は、スパー580をリブ572に固定することを含む。最後に、ステップ930は、下部翼パネル550-2をスパー580及びリブ572に接合することを含む。
上述のように、様々な翼アセンブリ構成要素の接合は、例示された実施形態に示されたシーケンスとは異なるシーケンスで行われてもよい。幾つかの実施形態では、スパー(又はスパーセクション)を設置する前に、リブのうちの1つ又は複数が設置される。幾つかの実施形態では、スパー(又はスパーセクション)を設置する前に、すべてのリブが設置される。幾つかの実施形態では、リブ及びスパーは、例えば、組み立てラインの複数の作業ステーションにおいて、及び/又は翼パネル上の複数の位置において同時に又は時間的に重複して設置される。
さらに、幾つかの実施形態では、リブを翼パネル(例えば、上部翼パネル550-1)に取り付ける前に、スパー580(又はスパーセクション)がリブ572に接合され、上部及び下部翼パネル550が設置されることになる(図5Gで最もよく確認できる)支持構造体588のような、水平方向の開放的な梯子状構造を有する翼アセンブリが形成される。図14は、このような実施形態において翼アセンブリを組み立てるさらなる方法940を示すフロー図である。当該実施形態は、ステップ942においてスパー580をリブ572に接合することを含む。次いで、ステップ944では、上部翼パネル550は、スパー580及びリブ572、又は支持構造体588の片側に接合される。このプロセスには、他の例示的な方法のように、ストロングバックなどのシャトルの下方に上部翼パネル550-1を吊り下げることと、接合されたリブ及びスパーの支持構造体588を所定位置に持ち上げて、上部翼パネルに取り付けることが伴い得る。このような実施形態のうちの幾つかでは、すべてのリブ及びスパーが、上部翼パネルと接合する前に共に固定され、このような実施形態のうちの他の実施形態では、さらなるリブ及び/又はスパー若しくはスパーセクションが、支持構造体588が上部翼パネルと接合された後に、翼アセンブリに取り付けられる。ステップ946では、下部翼パネルが、最終的に、接合されたスパー580及びリブ572の支持構造体588の反対側に接合されて、翼アセンブリが完成する。
上述のように、翼アセンブリのための組み立てラインの一部の構成では、様々な作業ステーションは、翼パネルが組み立てラインに沿って処理方向に移動している間において、同時に又は時間的に重複して幾つかの作業を翼パネルに対して行うことを容易にするような態様で配置され得る。図5Aは、例えば、同一の翼パネル550の種々のセクションが、複数の作業ステーション520、具体的には、NDIステーション524、カットアウトステーション526、及びリブ設置ステーション528の内部に位置付けされている構成を示す。他の実施形態では、さらなる作業ステーション520、例えば、スパー設置ステーション530(図5E)、支持構造体組み立てステーション532及び/又は設置ステーション534(図5G)、並びにリブ-トゥ-スパー取り付けステーション598及び/又はパネル接合ステーション599(図5Fを参照)がこのように配置され得る。
図15は、同時に又は時間的に重複して翼パネルに対して行われる複数の作業の態様を例示するフロー図であり、例示的な実施形態において、例えば、リブ及びスパーを上部翼パネルに設置することによって、翼又は翼アセンブリを組み立てる方法960を示す。ステップ962は、航空機の上部翼パネル550-1をストロングバック(例えば、ストロングバック540)などのシャトルの下に吊り下げることを含む。ステップ964は、上部翼パネルが吊り下げられている間において、上部翼パネルにおいて配置されたステーション520を介して、同時に又は少なくとも時間的に重複して、1つ又は複数のリブ572及び1つ又は複数のスパー580(若しくはスパー580のセクション)を上部翼パネル550に設置することを含む。ステップ966は、作業ステーション520を通して、上部翼パネルを処理方向にパルス移動させることを含む。幾つかの実施形態では、追加の作業ステーション520は、これらの動作の間、翼パネルに対しても作業を行い、これには、(カットアウトステーションにおいて)アクセスポートを設置することや、(リブ-トゥ-スパー取り付けステーションにおいて)リブをスパーに取り付けることなどが含まれる。さらなる実施形態では、作業ステーションは、上部翼パネルのパルス間の停止のときにリブ及びスパーを設置する。さらなる実施形態では、当該方法は、下部翼パネルを、上部翼パネルに設置された1つ又は複数のリブ及び1つ又は複数のスパーに取り付けることをさらに含む。
翼パネルへのリブ及びスパーの設置などの翼アセンブリの様々な態様には、例えば、様々な構成要素間の任意の間隙が特定のサイズ(例えば、シム調整許容誤差閾値)を超える場合、翼パネルと、1つ若しくは複数のリブ及び/又はスパーとの間にシムを設置することが伴い得る。シムの設置は、例えば、リブ及びスパーが所定位置に固定及び/又は貼り付けされる前で、かつ図5Aの組み立てライン500においてリブ及びスパーが共に固定された後に、下部翼パネルが取り付けられる前又は後に、行われてもよい。一旦構成要素が互いに対して位置付けされ、所定位置に貼り付け/固定されると、シムが、様々な構成要素間の間隙(例えば、リブと上部又は下部翼パネルとの間、スパーと上部又は下部翼パネルとの間、リブとスパーとの間等)を充填する。
図16A及び図16Bは、例示的な実施形態において、具体的には、各リブの補強材に取り外し可能に連結され得るロボットアームのエンドエフェクタによって、リブと翼パネルとの間に自動的にシムを設置することを示す図である。より詳細には、図16A及び図16Bの両方に示されているように、翼アセンブリ600は、翼アセンブリの翼パネル550の上面574に連結された真空連結器548を含む長さ調整可能なポゴ545によって、ストロングバック(図示されず)の下に吊り下げられる。図16Aは、翼アセンブリ600が、上部翼パネル(550-1で示される)の形態で1つの翼パネル550を含む実施形態を示すが、図16Bは、翼アセンブリ600が、下部翼パネル(550-2で示す)の形態で第2の翼パネル550をさらに含む実施形態を示す。翼アセンブリ600は、数々のリブ572が上部翼パネル550-1の下面576に取り付けられているように示す。
幾つかの実施形態では、翼アセンブリ600の連結された構成要素間(例えば、リブ572とリブが設置される翼パネルの表面との間、スパー580と翼パネル550との間、リブ572とスパー580との間)に1つ又は複数の間隙があってもよい。間隙の1つ又は複数の寸法(例えば、幅、深さ、長さ等)が特定の閾値(ここでは、シム調整許容誤差閾値とも呼ばれる)を超えるという点において、間隙が特定のサイズを超えると判断された場合、適切なサイズ及び構成のシムが間隙に設置され、間隙を充填する。例示的な実施形態では、これはロボットアーム750によって行われ、より具体的に言うと、ロボットアームのエンドエフェクタ752によって行われる。図16Aでは、エンドエフェクタ752は、シム756を保持するように構成された把持デバイス754を含むように示されており、例えば、シム位置(758で示される)であると判断された間隙に設置する。幾つかの実施形態では、エンドエフェクタ752は、接合された構成要素間に沿った間隙を走査又はさもなければ視覚的に若しくは物理的に検出若しくは評価し、さらに間隙がシム調整許容誤差閾値を越えるか、ひいては、シム756の設置に適切な位置(すなわち、シム位置758)であるかという判断を行う又は可能にするために、カメラ、レーザ、超音波デバイス、プローブ、厚さ計などの検査用構成要素又はデバイス(図示されず)を含む。幾つかの実施形態では、ロボットアーム750は、複数のエンドエフェクタ752(例えば、一方の検査用エンドエフェクタと他方の設置用エンドエフェクタ)を含む。
他の構成も可能であるが、図16Aでは、ロボットアーム750は、キャリッジ764から延びるアクチュエータ760と剛性体762の連鎖として示される。それで、キャリッジ764はリブ572の補強材648に連結されている。補強材648は、ここでは「ブラケット」とも呼ばれる。幾つかの実施形態では、上述のように、リブを翼パネル550に設置する前に、ブラケット648が、補強材として機能するように、つまり、リブを安定させ、かつ/又は所望の(例えば、平坦な)輪郭をリブに生じさせるために、リブ572に設置される。したがって、幾つかの実施形態のブラケット648は、補強材及びロボットアームの接合点の両方として機能する。さらなる実施形態では、ブラケット648は、製造及び/又は組み立て作業の間において、リブを移動させる又はさもなければ扱うために使用される機械又は機器の一般的な接続点として機能することができる。幾つかの実施形態では、ブラケットは、例えば、ボルト又はその他の同様のファスナを用いて取り外し可能に取り付けられる。以下でより詳しく説明されるように、キャリッジ764をブラケットに取り外し可能に取り付けることによって、ロボットアームをブラケットに連結しかつブラケットから連結解除できるように、ロボットアーム750のキャリッジ764とリブ572のブラケット648との間の連結は解除可能である。さらに、例示的な実施形態では、ロボットアームが、間隙及び/又はリブ572の長さに沿ったシム位置758にアクセスすることを容易にするように、連結は、キャリッジ764がブラケットの長さに沿って独立して移動可能であるように行われる。
ロボットアーム750は、翼アセンブリ600に沿った種々の位置で作動するため、第1のブラケットから連結解除されてから、第2のブラケットに連結されるなど、一方のブラケットから別のブラケットに移動する(例えば、再配置させる)ことが可能である。図16Aに示す実施形態では、これはカート770によって行われる。カート770は、カート本体774に取り付けられ、かつフロア面などの表面に対してカート本体を支持するように構成された車輪772のセットを含む。1つ又は複数の車輪772は、モータ駆動であってもよく、又は他の方法で駆動されてもよい。それで、カート本体774は、伸縮自在なリフト776を支持する。リフト776は、キャリッジ764と係合し、キャリッジ764を上昇又は下降させるように構成されている。したがって、カート770は、例えば、リフト776の上昇又は下降の組み合わせ、及び車輪772による、フロア面(及び/又はリブ572)に対するカート本体の位置の移動などによって、キャリッジ764をブラケット648への連結のために位置付けするように、又はキャリッジを第1のリブ572のブラケットから係合解除した後に第2のリブのブラケットに連結され得る位置へ移動させるように構成されている。
図示されてるように、カート770は、コントローラ778をさらに含む。コントローラ778は、カート本体774及び/若しくはリフト776の運動、並びに/又はリブ572のブラケットに対するキャリッジ764の連結/連結解除を部分的又は完全に制御し得る。コントローラ778は、ロボットアーム750とそのエンドエフェクタ752の動作を全体的又は部分的に制御し得る。幾つかの実施形態では、ロボットアーム750は、コントローラ778によってNCプログラムに従って作動し、シム756が使われるかどうか、及びどのサイズのシムが使われるかを判断し、かつ/又はシムを設置するために、リブ572と翼パネル550との間の位置を視覚的に検査する。他の実施形態では、これらの運動の一部又はすべてが、例えば、オペレータ又はフロアコントローラ(図示されず)によって、遠隔制御される。したがって、図16Aが複数の動作を示すことを理解することができる。例えば、カート770及びリフト776が、キャリッジ764をリブ572のブラケット648と位置付けしているように示されている。さらに、キャリッジ764から延びるロボットアーム750のエンドエフェクタ752が、シム位置758へ設置するためにシム756を保持しているように示されている。説明を簡単にするため、カート770及びロボットアーム750の様々な構成要素が、簡略化された、部分的に概略的な形態で示されている。外部の又は組み込み型の電源(図示されず)から電力をロボットアーム750及び/又はカート770に供給するケーブルやワイヤ等は、この図面では例示されていない。
図16Aは、780で概略的に示されるシム供給ラインをさらに示す。シム供給ラインは、例示的な実施形態では、ロボットアーム750による設置のためにシム756を供給するよう構成されている。幾つかの実施形態では、シム供給ライン780は、例えば、分析中に遭遇する各間隙を測定又はさもなければ各間隙にアクセスするように構成されたエンドエフェクタ752から受信された入力に基づいて、オペレータ及び/又はコントローラ778によって供給される信号又は通信に応答して、設置用シム756を動的に製造するように構成されている。
したがって、翼アセンブリのための自動的なシム設置の例示的な動作は、翼アセンブリにおけるそれぞれの位置のシーケンス(例えば、事前の分析が、シム位置758が存在している(又は存在し得る)と示す一連の位置)、又は共に接合された構成要素間の各ジョイント全体等を評価することによって進行することがわかる。一実施例では、ロボットアーム750のキャリッジ764が、翼パネル550に設置された幾つかのリブ572のそれぞれのブラケット648に連続的に連結され、1つ又は2つの隣接するリブ572によって閉ざされた空間において、各間隙の検出及び分析、並びに/又は各シム位置758に対するシム設置が実行される。この空間は、ベイ790とも呼ばれる。上述のように、このような実施例では、キャリッジ764がブラケット648に沿って移動することにより、リブ572の全長、又はロボットアーム750が取り付けられた、ベイを画定する1つ若しくは複数のリブの少なくとも側面の検査及び/又は設置を可能することができる。図16Aに示す実施形態では、5つのリブ572(それぞれ個別に572-1、572-2、572-3、572-4、及び572-5としても示される)が、上部翼パネル550-1に設置されているように示され、6つのベイ790(790-1、790-2、790-3、790-4、790-5、及び790-6として個別に示されるのみ)を形成する。キャリッジ764は、リブ572-4のブラケット648に連結されているように示され、ロボットアーム750のエンドエフェクタ752が、ブラケット648が設置されたリブ572-4の側面だけではなく、次の隣接するリブ(つまり、リブ572-3)の片面、及びベイ790-4においてアクセス可能な任意の位置にも検査を行い、かつ/又はシム756を設置することを可能にする。したがって、ロボットアーム750のキャリッジ764を各リブ572のブラケット648に連結することにより、シムの設置を各ベイ790-1、790-2等において行うことができる。図16Aのベイ790-6など、キャリッジ764を連結できるブラケット648がないベイにおいては、カート本体774及び伸縮自在なリフト776でロボットアーム750を動かすことによって間隙検査及び/又はシム設置を行ってもよい。他の実施形態では、専らブラケットに取り付けられたロボットアーム750によって検査及び/又はシム設置することを可能にするため、追加のブラケットを設置してもよい。種々の翼アセンブリにおいて、より多くの又はより少ないリブ(及び対応してより多くの又はより少ないベイ)があってもよい。幾つかの実施形態では、リブが翼パネルに対して配置される前に、ロボットアーム750がリブ572のブラケット648と連結される。
場合によっては、リブ572の両側からシム位置758を検出及び/又は評価することができる。この場合、より効率的な作業を可能にする側からシム設置を行ってもよい。幾つかの実施形態では、複数のロボットアームが同一の翼アセンブリに展開し、これにより、どちら側からでも充填可能なシム位置に対してより効率的なシム設置が促進され得る。このような実施形態のうちの幾つかでは、単一のカートは、例えば、第1のロボットアームのキャリッジを第1のブラケットに取り付けるために所定位置に持ち上げ、次いで、ロボットアームを第1のブラケットに残すためにキャリッジからの係合を外し、次いで、キャリッジを第2のロボットアームに係合する((例えば、異なるベイにおける)第2のブラケットへ取り付けるために所定位置に移動させる)ために移動することなどによって、複数のロボットアームのそれぞれの位置付け(及び再位置付け)を容易にすることができる。
図16Bでは、上述のように、翼アセンブリ600は、さらに下部翼パネル550-2を含むように示される。さらに、例えば、キャリッジ764をブラケットに連結(又はブラケットから係合解除)するように、ブラケット648にアクセスするため、伸縮自在なリフト776が、下部翼パネル550-2におけるアクセスポート792を通って延在するように示されている。アクセスポート792は、図5Aに示すように、カットアウトステーション526などの上流の作業ステーション520において設置された可能性がある。アクセスポート792は、ロボットアーム750(キャリッジ764を含む)の挿入及びその後の取り外しを可能にするように寸法形成される。アクセスポート792のサイズを最小化するため、ロボットアーム750を、アクセスポートを介した挿入及び取り外しのための最小断面を有する構成まで伸長させるか、折り畳むか、又はさもなければ位置合わせすることができる。代替的に、特に所定のアクセスポートサイズを通って適合するようにロボットアーム750を寸法形成かつ/又は構成してもよい。下部翼パネル550-2は、幾つかのアクセスポート792(各ベイにつき1つのアクセスポート)を含むように示されている。これにより、各ベイにおいて検査及び/又はシム設置を実行するために、ロボットアーム750を挿入し、次いで連結することが可能になる。一実施形態では、ロボットアーム750は、ベイの中に置かれている間において、そのベイを画定する2つのリブの側面を検査かつ/又はシム加工し、これにより、ロボットアーム750を挿入又は取り外しのためにアクセスポート792と整列させる回数が減る。
幾つかの実施形態では、図16A及び図16Bは、連続的工程の2つのフェーズを示しており、最初に、(図16Aに示すように)シム756(例えば、上方のシム)が、リブ572と上部翼パネル550-1の下面との間のシム位置758に設置され、その後、(図16Bに示すように)下部翼パネル550-2が翼アセンブリ600に設置され、その後、シム(例えば、下方のシム)が、リブ572と下部翼パネル550-2の上面574との間のシム位置に設置される。言い換えると、このような実施形態では、上方のシムが設置された後に下部翼パネル550-2が設置される。他の実施形態では、図16A及び図16Bは、代替的な工程を示す。例えば、図16Aは、上述の連続的工程の第1段階を表す場合があり、図16Bは、任意の(上方又は下方の)シム756を設置する前に、下部翼パネル550-2を翼アセンブリ600に設置する工程を表す場合がある。いずれの場合であっても、各ベイにおいてシム設置を実行するため、カート770を用いて、ロボットアーム750が、翼アセンブリの長さに沿ってベイからベイへと移動させられ得る。上述のように、幾つかの実施形態では、シム位置の検出及び/若しくは分析、並びに/又はシムの設置のために、1つより多くのベイにおいて複数のロボットアームが同時に配置される。
図16Cは、ロボットアーム750のキャリッジ764が設置され、ひいては図16Aの図面矢印16Cと対応するリブ572、具体的には、図16Aに示すリブ572-4の図を示す。しかしながら、図16Cに示す構成要素は、例示的な実施形態における任意のリブ572に適用可能である。図16Cでは、明瞭性のためにロボットアームのキャリッジ764のみが示されており、ストロングバックの構成要素(例えば、ポゴ及び真空連結器)もこの図では示されていない。図16Cは、リブ572のウェブ646に対して設置されているように示されたブラケット又は補強材648の例示的な構成を提供している。より具体的には、ブラケット648は、リブ572においてインデックス付けフィーチャと嵌合しているように示されている。このインデックス付けフィーチャは、概してインデックス付けフィーチャ794として示されている。インデックス付けフィーチャは、ブラケット648をリブ572に設置する間において、ブラケット648とリブ572との位置合わせを容易にすることができ、ボルトなどのファスナを受け入れるように構成された、ウェブ646における貫通孔などの任意の適切な形態をとり得る。図16Cは、ブラケット648が、歯798を有するラック796を備えていることを示す。この歯798には、キャリッジ764が固定されるか、又はさもなければ取り外し可能に取り付けられる。キャリッジ764は、歯798を利用して、制御可能かつインデックス付けされた態様で、(例えば、歯に係合する駆動機構(例えば、ピニオンやウォームギヤ等)を介して)ブラケット648に沿って前後に移動するように構成されている。したがって、ブラケット648の(又はブラケット648に対する)位置、及びブラケット648に沿ったキャリッジ764の位置に基づいて、ロボットアームの位置が、リブ(例えば、ロボットアームのキャリッジが連結されたリブ)に対してインデックス付けされてもよい。すべての実施形態で必要とされるわけではないが、図16Cのブラケット648は、さらに中央付けフィーチャ654を含むように示されている。中央付けフィーチャ654は、例えば、既知の基準点に対してキャリッジの位置をより迅速に決定することを可能にすることによって、インデックス付けを容易にすることができる。
一実施形態では、キャリッジ764は、ブラケット648に沿って、歯798がラックを形成するラックアンドピニオンシステムを介して、ロボットアーム(図示されず)を駆動するように作動する。ブラケット648及び/又はキャリッジ764の他の実施形態は、ブラケットに沿ったキャリッジ764の運動を可能にする異なる構成を有する。例示的な実施形態では、ロボットアームの動作又はロボットアームによるアクセスを高めるため、キャリッジ764は、矢印1012によって示されるように、回転可能でもある。
図16Cは、リブ572の両側における、上部翼パネル550-1に設置されたスパー580の代表的なペアをさらに示す。スパー580は、簡略化された形態で示されており、したがって、例えば、翼パネルへのファスナの接続を容易にするような特殊な上部及び下部キャップ形状を含むようには示されていない。歯798は、ブラケット648の端部に向かって十分に延びているように示されている。この実施形態では、歯798は、それが設置されることになるリブ572と隣接しているように示されており、これにより、キャリッジ764が、スパーに十分に近付くよう移動し、スパーと1つ又は複数の翼パネルとの間の1つ又は複数のジョイントにおいて、及び/又はスパーとリブとの間にジョイントにおいて、ロボットアームが間隙評価及び/又はシム設置を行うことができる。さらなる実施形態では、ブラケット648は、カラー及び/又はナットインストーラ(nut installer)の軌道取り付けを容易にする。これは特に、下部翼パネルが既に設置され、アクセスポートを介してのみアクセスが可能であるような状況において有利であり得る。さらに、リブ572及び翼パネル550は、正確な縮尺又は寸法で示されていないが、図16Cは、代表的なシム位置758においてなどのリブ572と上部翼パネル550-1の下面576との間に幾つかの間隙が存在していることを示す。
上述のように、幾つかの実施形態では、ロボットアーム750は、シム設置に加えて、シム位置758の特定を容易にするために間隙の検出及び/又は検査などの動作を行う。幾つかの実施形態では、ロボットアームは、密封、密封剤検査、ファスナ設置、ファスナ上のカラー又はナット設置、カラー又はナット設置検査等を含む追加の動作を行う。ロボットアーム750は、このような動作を、交換可能なエンドエフェクタ752(エンドエフェクタ752は、例えば、ロボットアーム750のキャリッジ764がブラケット648に連結されている間において、アクセスポート792を介して交換され得る)の選択を介して、又は、多機能エンドエフェクタ752を用いて、若しくはそれぞれブラケットに設置されて配置され得る複数のロボットアーム750を用いて、場合によっては、このような1つより多くのブラケットに連結されたロボットアームを用いて行うことができる。ロボットアーム750は、技術者が(例えば、遠隔制御を介して)ロボットアームを走査することを可能にするフロア設置型コントローラを介して、自動的又は遠隔的に走査され得る。作業が完了した後、ロボットアーム750をカート770に再び取り付けて、取り外してもよい。
図17Aから17Cは、ロボットアーム750の斜視図であり、それぞれのロボットアームは、2つのリブ572の間に配置され、かつ例示的な翼アセンブリ600のスパー580によって片側に閉ざされたベイ790において、間隙の検査、シム位置758へのシム756の設置、密封剤又はカラー/ナットの設置などを行うよう動作する。これらの図面に示された実施形態では、ロボットアームのキャリッジ764をカート(図示されず)を介してブラケット648上に配置した後、技術者は、ロボットアーム750を設定、操作、かつ維持する。簡略化のために、以下の説明では、これらの一連の各図面でロボットアーム750が、同一の2つのリブ572(個々に572-1及び572-2と番号付けされている)の間の同一のベイ790において動作すると想定されている。図17Aでは、ロボットアーム750は、リブ572-1に対して設置されたブラケット648に取り付けられ、そのエンドエフェクタ752を操作し、上部翼パネル550に対して配置されたリブ572を検査し、特にリブ572-2と、リブ572-2が位置付けされた翼パネル550の表面との間の位置を検査する。この検査に基づいて、ロボットアーム750は、ベイ内のシム位置758においてシム756を選択的に設置することになる。図17Bでは、ロボットアーム750のキャリッジ764は、図17Aでのその位置に比べて、ブラケット648に沿ってブラケットの端部により近い位置へと前進し、そのエンドエフェクタ752を用いて、リブ572-2の底部に近い位置を検査しているように示されている。図17Cでは、ロボットアーム750は、そのエンドエフェクタ752を用いて、シム(図示されず)をブラケット648の上方のシム位置758に配置している。ここでは、リブ572-1が上部翼パネル550に取り付けられている。シムが所定の位置に配置されると、上部翼パネル550及びリブ572-1を通るようにファスナを設置して、翼パネルをリブ又はシムに近いリブの少なくとも一部に固定することができる。幾つかの実施形態では、シムが、1つ又は複数のファスナによって所定の位置に固定される。幾つかの実施形態では、代わりに、リブを翼パネルに固定したことにより、シムが、摩擦嵌合で所定位置に維持される。
上述の構成要素及び概念を念頭において、図18は、例示的な実施形態において、ロボットアーム(例えば、ロボットアーム750)を操作して、翼アセンブリ(例えば、翼アセンブリ600)に関連するタスクを行うための方法920を示すフロー図である。ステップ922は、ブラケット648をリブ572に取り付けることを含む。幾つかの実施形態では、このステップは、リブを翼パネル550に対して保持又は配置する前(例えば、リブの脱型の後、及び翼パネルへの設置のためのリブのその他の準備の間(又はその後))に行われる。幾つかの実施形態では、これは、リブを翼パネルに対して保持又は配置した後に行われる。ブラケット648の取り付けは、ブラケットをリブ572のインデックス付けフィーチャ(例えば、相補的なカップアンドコーン型フィーチャ、ボルトを受け入れるための貫通孔等)と位置合わせすることにより容易となり得る。一旦取り付けられると、ブラケット648は、平坦な輪郭などの所望の輪郭をリブ572に生じさせる。幾つかの実施形態では、ブラケットは、取り外し可能に取り付けられる。
ブラケット648がリブ572取り付けられた後、ステップ924は、ロボットアーム750をブラケットに連結することを含む。幾つかの実施形態では、このステップは、キャリッジ764をブラケット上に取り外し可能に取り付けることによって行われる。このような実施形態のうちの幾つかでは、例えば、ブラケットへの取り付けのためにキャリッジを適切な配向及び/又は位置に移動させるため、キャリッジを支持するように構成された伸縮自在なリフト776が搭載された車輪付きカート770が配備される。ロボットアーム750をブラケット648に連結することは、クランピング、吸引、磁石、ブラケット上のトラックとの機械的位置合わせなどによって実現することができる。幾つかの実施形態では、この連結は、ブラケットに沿った運動のために構成されたキャリッジ764などによって、ロボットアーム750をブラケット648に対して動かすことを可能にするよう構成されている。このような実施形態のうちの幾つかでは、ブラケットは、キャリッジとのラックアンドピニオンシステムを促進する歯を含む。キャリッジ764及び/又はロボットアーム750がブラケット648に連結された状態では、(例えば、翼アセンブリの1つ又は複数の構成要素(翼パネル、リブ、リブに取り付けられたブラケット、スパー等)に対する)翼アセンブリ600の基準システム内のロボットアーム750の位置が知られている。そういった意味では、ロボットアーム750をブラケット648に連結することは、ブラケットに対してロボットアームの位置をインデックス付けすることを含み得る。
一旦連結されると、ステップ926では、ロボットアーム750を操作して、(すなわち、ロボットアームが、キャリッジ764を介してブラケット648に連結されている間)リブと翼パネルとの界面において、リブと翼パネルとの間に1つ又は複数のシムを設置する。上述のように、このステップは、ロボットアーム750をリブおけるシム位置と位置合わせし、かつ/又はロボットアームを追加のシム位置の範囲内で移動させるために、(例えば、キャリッジ764を駆動させることにより)ロボットアーム750をブラケット648の長さに沿って移動させることを含み得る。
方法920の幾つかの実施形態では、リブと翼パネルとの界面を検査するために(例えば、構成要素間の間隙を検出、検査、及び/又は測定するために)、適切に構成されたエンドエフェクタを介して、ロボットアームが作動する。このような実施形態のうちの幾つかでは、例えば、測定結果が技術者又はコントローラに伝達され、ある特定の間隙がシム調整許容誤差閾値を超えるかの判断がなされる。この間隙は、許容誤差外状態を表す場合があり、したがって、シム位置(シムが設置される位置)であるとみなされる。このような実施形態のうちの幾つかでは、許容誤差外状態を正すために、測定結果を用いて、例えば、サイズ、寸法、テーパ、又はその他の特性において設置に適切なシムを選択する。
シム756は、任意の適切な態様でシム供給ラインを介して供給され得る。例えば、(例えば、種々のテーパ及び/又はサイズ等の)選択されたシムは、ロボットアームにアクセス可能な容器内に保管される。幾つかの実施形態では、間隙の検査及び/又は測定に基づいて、新しいシムが動的に製造されるか、又は予め製造されたシムが調整(例えば、トリミング)され、次いで、シム位置758への挿入のために供給され、配置のためにジャストインタイムで設けられる。
シム756が設置された後、当該方法は、ロボットアーム750を引っ込めることと、さらなるシム設置及び/又は他の動作のためにキャリッジ764をブラケット648に沿った新しい位置へと移動させることをさらに含み得る。ブラケット648からアクセス可能なシム位置758へのシム756設置が完了すると、キャリッジ764がブラケットから連結を外され、新しい位置(例えば、別のリブのブラケット)へ移動させられる。幾つかの実施形態では、これは、伸縮自在なリフトが搭載された車輪付きカートによって促進される。幾つかの実施形態では、これには、例えば、下部翼パネル550-2におけるアクセスギャップを介してロボットアーム750を取り除くことが伴う。
図16Aから図17Cの以上の説明に関連して理解できるように、方法900は、様々な構成要素及び構成を含む翼アセンブリ600において用いることができる。例えば、翼パネルに対して1つのリブが保持されている実施形態に関連して説明がなされているが、当該方法は、翼パネルに対して保持されたリブを複数含む翼アセンブリにおいて反復的に用いてもよい。言い換えると、一旦ステップ922、924、及び926を実行して、シムを第1のリブと翼パネルとの間のシム位置に設置したら、当該ステップを反復して、シムを第2のリブと翼パネルとの間のシム位置に設置することができる。方法900は、複数のリブ572の上端が上部翼パネル550-1などの翼パネルに対して保持され、かつ別の翼パネル(例えば、下部翼パネル550-2)がリブの反対側(又は下方の)端部に対して保持されている翼アセンブリ600において用いられてもよい。このようは構成では、シム設置作業の前に、又はその間に、下部翼パネル550-2が翼アセンブリに追加されてもよい。一実施例では、当該方法は、リブと上部翼パネルとの間の上方シム位置に対して最初にステップ922、924、及び926を実行し、その後に下部翼パネルを翼アセンブリに追加し、その後にリブと下部翼パネルとの間の下方シム位置に対してステップ922、924、及び926を実行することを含む。上述のように、リブと翼パネルとの間のシム設置の後、リブが翼パネルに固定(例えば、設置)され得る。別の実施例では、当該方法は、例えば、下部翼パネルが既に配置された構成において、上方シム位置及び下方シム位置の両方においてシム設置を実行することを含む。これらの実施例のいずれにおいても、当該方法は、翼パネル(例えば、下部翼パネル)のアクセスギャップを通るようにロボットアームを移動(例えば、退避及び挿入)させることにより、例えば、キャリッジを異なるリブのブラケットに連結するために、ロボットアームを再度位置付けすることを含む。
これより図19を参照すると、本開示の態様に従って製造された翼パネル及び/又は翼アセンブリの例示的な実施形態が実装され得る代表的な航空機1200が示される。言い換えると、航空機1200は、図1及び図2A-2Bに示された例示的な製造方法、図4に示された例示的な図式、図5Aから5Fに示された例示的な組み立てライン500、図11Aから11Dに示された例示的なリブ及びスパーの設置技法、図16Aから16C及び図17Aから17Cに示された例示的なシム設置技法、残りの図面に示された方法のうちの1つ若しくは複数、並びに/又は上述のいずれかの態様のうちの1つ若しくは複数に従って製造された複合部品、翼パネル、及び/若しくは翼アセンブリを使用して形成され得る。この例示的な実施例では、航空機1200は、胴体1204の両側に取り付けられ、その両側から延在する翼1202を有する。航空機1200は、各翼1202に取り付けられたエンジン1206を含む。胴体1204の後端には、尾部1208が配置されている。尾部1208は、水平安定板1210及び垂直安定板1212という相対するペアを含む。翼1202は、共に接合された上部翼パネル550及び下部翼パネル(図示されず)から形成され、翼の内部構造は、リブ及びスパー(図示されず)のアセンブリが少なくとも部分的に形成している。
図20は、例示的な実施形態における、本明細書に記載された様々な構成要素及びシステム(又は段階)のブロック図である。特に、図20は、1312で示されたクリーンルーム環境における第1の組み立てライン1310、及び非クリーンルーム環境1316における第2の組み立てライン1314を含む工場1300を示す。1318で示された境界(例えば、1つ又は複数の壁又は囲い)が、クリーンルーム1312と非クリーンルーム1316の環境を分ける。レイアップ1320では、インデックス付けフィーチャ(例えば、インデックス付けフィーチャ122)が、翼パネル用の積層板1322(例えば、プリフォーム200)に組み込まれる。積層板1322が、オートクレーブ1324において硬化され、複合部品1326となる。本明細書の実施形態に従って、複合部品1326は、翼パネル(例えば、翼パネル550)であり、より具体的には、上部翼パネルであるが、工場1300は、翼パネルの外に他の航空機構成要素の形態の複合部品を製造、処理し、及びさもなければこれらの複合部品に対して作業を行うように構成されてもよい。次いで、複合部品1326は、組み立てライン1314に移行させられる。例示的な実施形態では、複合部品1326が、上部翼パネルに適切なシステム及び段階に特有の様々なシステム及び段階を通して、処理方向1328に前進させられているように示されている。例えば、組み立てライン1314では、トリミング段階1330で過剰な材料が取り除かれ、及び/又は追加のインデックス付けフィーチャが複合部品1326に設置される。脱型1332では、複合部品1326が脱型され(例えば、レイアップマンドレルから取り外され)、その後、輪郭付与1334を介して、輪郭が複合部品1326に付与される。輪郭付与1334では、複合部品1326が、キャリア1338(例えば、真空連結器548を含む長さ調整可能なポゴ545)を含むシャトル1336(例えば、1つ又は複数のストロングバック540)に取り付けられる。複合部品が組み立てライン1314に沿って前進するにつれて、シャトル1336が、例えば、キャリア1338を介して、複合部品1326に輪郭を生じさせる。リブ及びスパーは、リブ設置1340及びスパー設置1342を通って前進するにつれて、複合部品1326に設置される。リブ及びスパーアセンブリの検査、並びにシム設置が、必要に応じてロボットアーム1344によって行われる。次いで、翼アセンブリ(例えば、翼アセンブリ600)を形成するように、下部翼パネル1346が取り付けられる。工場1300に関連して説明される様々なシステム及び段階は、上述の様々な作業ステーション520を組み込むか、又は作業ステーション520の形態であってもよい。さらに、組み立てライン1314は、1つ又は複数のNDIステーション524やカットアウトステーション526などのステーションを含み得るが、簡略化のため、図20では上述のすべての作業ステーション520が具体的に示されているわけではない。図20に関連して上述された他の工程は、図式480に示されかつ図4で示された1つ又は複数の供給機、レイアップ、又は組み立てラインを組み込んでもよく、又はこれらの形態であってもよい。例えば、トリミング1330及び脱型1332は、脱型工程490-11で行われてもよい。
これより図21を参照する。図21では、例示的な実施形態において(例えば、連続的に)積層及び/又は超音波検査を実行する製造システムの制御構成要素を広範囲に例示する。コントローラ1400は、積層機1420の動作、及びパワートレイン1462を有する移動ライン1460に沿った1つ又は複数のモバイル型プラットフォーム1470の運動を調整かつ制御する。コントローラ1400は、プログラム1414を記憶するメモリ1412に連結されたプロセッサ1410を備え得る。一実施例では、モバイル型プラットフォーム1470は、コントローラ1400によって制御されるパワートレイン1462によって連続的に駆動される移動ライン1460に沿って駆動される。本実施例では、モバイル型プラットフォーム1470は、設備接続部1472を含む。設備接続部1472は、モバイル型プラットフォーム1470を外部供給源設備1440に連結する電気式、空圧式、油圧式の着脱コネクタを含み得る。他の実施例では、上述のように、モバイル型プラットフォーム2470は、車載設備を含む自律誘導ビークル(AGV)、及びGPS/自動誘導システム1474などの自動運搬車上に、例えば、マンドレル及び/又は他のツール、パーツ、サプライなどを含み得る。さらなる実施例では、モバイル型プラットフォーム1470の運動は、レーザ追跡装置1450を使用して制御される。コントローラ1400に連結された位置及び/又は運動センサ1430を使用して、モバイル型プラットフォーム1470及びパワートレイン1462の位置が判断される。
図22は、移動ラインに沿って配置され、かつ様々な動作を実行するように構成された作業ゾーン1502の進行に関して、例示的な実施形態における組み立てライン1500(例えば、連続的組み立てライン)を示す。作業ゾーンは、ツール1504(例えば、レイアップマンドレル110)の洗浄、ツール1504へのコーティング及び/若しくは埋込用樹脂の塗布、又はツール1504の修理が伴うツール準備1510のための作業ゾーンを含み、ツール1504は、プラットフォーム1506上で追加の作業ゾーン1502へ搬送されることになる。追加の作業ゾーンは、プリフォーム1522(例えば、プリフォーム200)を形成するために、(例えば、積層工程が行われる)材料塗布1520のための作業ゾーンを含む。プリフォーム1522は、次いで、組み立てライン1500を介して、デバルキング1530のための作業ゾーン、圧縮1540のための作業ゾーン、及び成形1550のための作業ゾーンを含む下流の作業ゾーンへ供給される。プリフォーム1522のデバルキング及び/又は圧縮は、真空バッグ1532を介して実行される真空圧縮を含み得る。プリフォーム1522の成形は、早期硬化成型を介して、及び/又はツール1504と当て板1542との間の成形の組み合わせを介して実行されてもよい。
プリフォーム1522は、オートクレーブ1562などにおいてプリフォーム1522を複合部品1564(例えば、翼パネル550の形態であり得る複合部品250)へ硬化1560するための作業ゾーン、複合部品1564を(例えば、カッター1572を介して)トリミング1570するための作業ゾーン、複合部品1564を(例えば、NDI機械1582を介して)検査1580するための作業ゾーン、再作業1590のための作業ゾーン、及び/又は表面処理1595のための作業ゾーンへさらに移動させられる。
一実施形態では、トリミング処理には、硬化前にプリフォーム1522の大量トリミングが伴う場合があり、その後、複合部品1564が形成された後により特定のトリミングが行われる。複合部品1564の検査には、視覚検査、及びNDI(非破壊検査)装置を用いた検査が含まれ得る。組み立てライン500に沿って複合部品1564に対して再作業を行うことは可能であるが、多くの場合、複合部品1564は再作業を必要としないことがある。複合部品1564は、次いで、組み立てライン500を通して、処理方向541に進行する。
実施例
以下の実施例では、追加の処理、システム、及び方法が、航空機用翼の製造及び組み立てシステムに関連して説明される。
より具体的に図面を参照すると、本開示の実施形態は、図23に示す航空機の製造及び保守方法1600、並びに図24に示す航空機1602に関連して説明され得る。製造前の段階では、方法1600は、航空機1602の仕様及び設計1604、並びに材料調達1606を含み得る。製造段階では、航空機1602の、構成要素及びサブアセンブリの製造1608、並びにシステム統合1610が行われる。したがって、航空機1602は、運航1614に供されるために、認可及び納品1612が行われる。顧客により運航される間に、航空機1602は、定期的な整備及び保守1616(改造、再設定、改修なども含み得る)が予定される。本明細書で具現化される装置及び方法は、方法1600で記載される製造及び保守のうちの1つ又は複数の任意の適切な段階(例えば、仕様及び設計1604、材料の調達1606、コ構成要素及びサブアセンブリの製造1608、システム統合1610、認可及び納品1612、運航1614、整備及び保守1616)、及び/又は航空機1602の任意の適切な構成要素(例えば、機体1618、システム1620、内装1622、推進システム1624、電気システム1626、液圧システム1628、環境システム1630)で採用され得る。
方法1600の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ(例えば、顧客)によって実施又は実行され得る。本明細書の目的のために、システムインテグレータとは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含んでもよく、第三者とは、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、オペレータとは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってもよい。
図24に示すように、方法1600によって製造された航空機1602は、複数のシステム1620及び内装1622を備えた機体1618を含み得る。システム1620の例には、推進システム1624、電気システム1626、液圧システム1628、及び環境システム1630のうちの1つ又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムも含まれてよい。ここでは航空宇宙の例が示されているが、本発明の原理は、自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
既に以上で述べられるように、本明細書で具現化される装置及び方法は、方法1600において記載される製造及び保守の1つ又は複数の任意の段階で採用され得る。例えば、構成要素及びサブアセンブリの製造1608に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機1602の運航中に製造される構成要素又はサブアセンブリと同様の態様で製作又は製造され得る。さらに、1つ又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、サブアセンブリの製造1608及びシステム統合1610の段階で、例えば、航空機1602の組み立てを実質的に効率化するか、又は航空機1602のコストを削減することにより、利用することができる。同様に、装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数は、航空機1602の運航中、例えば、限定しないが、整備及び保守1616の間に利用することができる。したがって、本発明は、本明細書に記載された任意の段階(例えば、仕様及び設計1604、材料の調達1606、構成要素及びサブアセンブリの製造1608、システム統合1610、認可及び納品1612、運航1614、整備及び保守1616)、若しくはこれらの任意の組み合わせ、及び/又は航空機1602の任意の適切な構成要素(例えば、機体1618、システム1620、内装1622、推進システム1624、電気システム1626、液圧システム1628、環境システム1630)で使用され得る。
一実施形態では、あるパーツは、機体1618の一部を含み、構成要素及びサブアセンブリの製造1608の間に製造される。このパーツは、次いで、システム統合1610において航空機に組み込まれ得るが、その後、摩耗により使用不能となるまで運航1614に利用される。その後、整備及び保守1616では、そのパーツが廃棄され、新たに製造されたパーツと交換され得る。新しいパーツを製造するために、構成要素及びサブアセンブリの製造1608の期間中にわたって、創意に富んだ構成要素及び方法が利用され得る。
図示され又は本明細書に記載された様々な制御要素(例えば、電気構成要素又は電子構成要素)のうちの任意のものは、ハードウェア、プロセッサにより実装されるソフトウェア、プロセッサにより実装されるファームウェア、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装され得る。例えば、ある要素は、専用ハードウェアとして実装され得る。専用ハードウェア要素は、「プロセッサ」、「コントローラ」、又は同様の何らかの専門用語で呼ばれてもよい。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、又は幾つかが共有となり得る複数の個別のプロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアの実行が可能なハードウェアのみを表わすと解釈するべきでなく、限定するものではないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)若しくはその他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェア格納用の読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置、ロジック、又は何らかの他の物理ハードウェア構成要素若しくはモジュールを暗黙に含み得る。
さらに、制御要素は、プロセッサ又はコンピュータによって実行可能な、その要素の機能を実行する指令として実装され得る。指令の幾つかの例として、ソフトウェア、プログラムコード、及びファームウェアが挙げられる。指令は、プロセッサによって実行されると作動可能となり、要素の機能を実行するようにプロセッサに指示する。指令は、プロセッサによって可読な記憶装置に記憶され得る。記憶装置の幾つかの例としては、デジタル若しくはソリッドステートメモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、又は光学的に読取可能なデジタルデータ記憶媒体が挙げられる。
例示的かつ非排他的な実施例は、本発明の理解に有用な背景技術を表しており、以下の段落に記載される。
本開示の態様によれば、翼を組み立てるための方法(860)が開示されており、当該方法は、
航空機の翼パネル(550)を、翼パネルに輪郭(544)を生じさせるシャトル(540)の下に吊り下げること(862)と、
輪郭が生じさせられている間において、シャトルを介して、組み立てライン(500)の少なくとも1つの作業ステーション(520)を通して、翼パネルを処理方向(541)に前進させること(864)と、
輪郭が生じさせられている間において、少なくとも1つの作業ステーションにおいて翼パネルに構造的構成要素を設置すること(866)と
を含み、
構造的構成要素が、リブ(572)、スパー(580)、及び第2の翼パネル(550)からなる群から選択される。
任意選択的に、翼パネル(550)を吊り下げること(862)は、シャトル(540)を翼パネルのインデックス付けフィーチャ(210)とインデックス付けすることを含む。任意選択的に、シャトル(540)を翼パネル(550)とインデックス付けすることは、シャトルのインデックス付けユニット(542)をインデックス付けフィーチャ(210)に物理的に連結することを含む。
任意選択的に、インデックス付けフィーチャ(210)は、翼パネル(550)の過剰製造(860)部分(554)に配置される。
任意選択的に、インデックス付けフィーチャ(210)は、可読識別手段(126)を含み、インデックス付けすることは、識別手段を読み取ることを含む。任意選択的に、可読識別手段(126)は、RFIDタグ及びバーコードからなる群から選択される。
任意選択的に、少なくとも1つの作業ステーション(520)を通して、翼パネル(550)を前進させること(864)は、作業ステーションを翼パネル及び/又はシャトル(540)とインデックス付けすることを含む。任意選択的に、作業ステーション(520)を翼パネル(550)とインデックス付けすることは、作業ステーションのインデックス付けユニット(542)を翼パネルのインデックス付けフィーチャ(210)に物理的に連結することを含む。
任意選択的に、輪郭(544)を翼パネル(550)に生じさせることは、長さ調整可能なポゴ(545)を翼パネルの表面(574、576)の所定の位置において翼パネルと連結することを含む。任意選択的に、輪郭(544)を翼パネル(550)に生じさせることは、ポゴ(545)が翼パネルに連結されている間、ポゴ(545)のうちの少なくとも1つの長さを調節することを含む。
任意選択的に、長さ調整可能なポゴ(545)を翼パネル(550)と連結することは、構造的構成要素のための設置位置に対応する位置から離れた、翼パネルの表面(574、576)の位置にポゴを位置付けすることを含む。
任意選択的に、当該方法は、輪郭(544)を翼パネルに生じさせるために、ポゴのうちの少なくとも1つの長さを制御すること(886)をさらに含む。
任意選択的に、ポゴ(545)を翼パネル(550)に連結すること(884)が、翼パネルをシャトル(540)の下に吊り下げる。
任意選択的に、当該方法は、作業ステーション(520)において翼パネル(550)の非破壊検査(NDI:Non-Destructive Inspection)を行うことをさらに含む。
任意選択的に、翼パネル(550)を前進させること(864)は、翼パネルを処理方向(541)にパルス移動させることを含み、構造的構成要素を設置すること(866)は、パルス間の停止中に行われる。任意選択的に、翼パネル(550)をパルス移動させることは、パルス中に翼パネルをその長さ未満の距離だけ前進させることによって行われる。任意選択的に、翼パネル(550)をパルス移動させることは、パルス中に翼パネルをその長さに等しいか又はそれより大きな距離だけ前進させることによって行われる。
任意選択的に、翼パネル(550)を前進させること(864)は、翼パネルを処理方向(541)に継続的に移動させることを含み、構造的構成要素を設置すること(866)は、翼パネルが継続的に移動している間に行われる。
任意選択的に、当該方法は、スパー(550)をリブ(572)に接合すること、スパーを翼パネルに接合すること、リブを翼パネルに接合すること、アクセスポートを設置すること、再作業を行うこと、及び翼パネルを検査することからなる群から選択された作業を行うように、少なくとも1つの作業ステーション(520)を動作させることをさらに含む。
任意選択的に、前記方法は、翼パネル(550)を走査して、翼パネルの輪郭を決定することをさらに含む。任意選択的に、走査することは、翼パネル(550)の初期輪郭を決定するために、ポゴ(545)の長さを制御すること(886)の前に行われる。
本開示の態様によれば、翼を組み立てるためのシステムが開示されており、当該システムは、
トラック(510)、
トラックに沿って配置された作業ステーション(520)であって、それぞれ翼パネル(550)に対して作業を行うように構成されている、作業ステーション(520)、及び
トラックに沿って前進し、輪郭(544)を翼パネルに生じさせながら翼パネルをそれぞれの作業ステーションへ運搬するように構成されたシャトル(540)
を備えている。
任意選択的に、シャトル(540)は、翼パネル(550)のインデックス付けフィーチャ(210)とインデックス付けされるよう構成されている。任意選択的に、シャトル(540)は、インデックス付けフィーチャ(210)と物理的に連結されるように構成されたインデックス付けユニット(542)を含む。
任意選択的に、インデックス付けフィーチャ(210)は、可読識別手段(126)を含み、シャトル(540)は、識別手段を読み取るように構成されている。
任意選択的に、少なくとも1つの作業ステーション(520)は、翼パネル(550)とインデックス付けされるように構成されている。任意選択的に、作業ステーション(520)は、シャトル(540)とインデックス付けすることにより、翼パネル(550)とインデックス付けされるように構成されている。
任意選択的に、作業ステーション(520)は、翼パネル(550)のインデックス付けフィーチャ(210)と物理的に連結されるように構成されたインデックス付けユニット(622)を含む。
任意選択的に、翼パネル(550)は、可読識別手段(126)を備えたインデックス付けフィーチャ(210)を含み、作業ステーション(520)は、識別手段を読み取るように構成されている。
任意選択的に、シャトル(540)は、翼パネル(550)をその下に吊り下げるように構成されている。任意選択的に、シャトル(540)は、翼パネル(550)への真空付着を形成するように構成された真空連結器(548)を有する、シャトルの下方に延在するキャリア(545)を備えている。任意選択的に、キャリア(545)は、長さ調整可能なポゴ(545)を備え、翼パネルに連結されたポゴのうちの少なくとも1つの長さを制御することによって、輪郭(544)が翼パネル(550)に生じさせられる。
任意選択的に、少なくとも1つの作業ステーション(520)は、リブ(572)又はスパー(580)を翼パネルに設置するように構成されている。任意選択的に、シャトル(540)は、シャトルの下方に延在しかつ翼パネル(550)の表面(574、576)と連結されるキャリア(545)という手段によって、翼パネルを吊り下げることによって、翼パネルを運搬するように構成され、
少なくとも1つの作業ステーション(520)は、翼パネルの前記表面の所定の位置において作業を行うことにより、リブ(572)又はスパー(580)を翼パネルに設置するように構成され、
キャリアは、所定の位置から離れた位置において翼パネルの表面と連結されるように配置される。
任意選択的に、翼パネル(550)は、その長さ未満の距離だけパルス移動することにより、又はその長さに等しいか若しくはそれより大きな距離だけパルス移動することにより、作業ステーション(520)を通して前進する。
任意選択的に、当該システムは、
ストロングバック(540)であって、
長さ調節可能なポゴ(545)、
ポゴの長さを個別に制御するアクチュエータ(546)、及び
それぞれのポゴに配置された真空連結器(548)
を備えたストロングバック(540)
を備えた装置をさらに備えている。任意選択的に、ポゴ(545)は、ストロングバック(540)の下方に延在し、ストロングバックは、真空連結器(548)を介して、複合部品(250)の表面(574、576)への真空付着を形成するという手段によって、複合部品をその下に吊り下げるように構成されている。
任意選択的に、ストロングバック(540)は、少なくとも1つのポゴ(545)の長さを制御することによって、その下に吊り下げられた複合部品(250)に輪郭(544)を生じさせるように構成されている。
本開示の態様によれば、前述のいずれかの実施例に係るシステムを使用して、前述の実施例のいずれかの方法に従って、航空機の一部を製造することが開示される。
本開示の態様によれば、プロセッサによって実行されると、前述の実施例のいずれかの方法に従って、翼を組み立てるするための方法(860)を実行するように動作可能であるプログラミングされた指令を具現化する、非一過性コンピュータ可読媒体が開示される。
特定の実施形態が本明細書に記載されたが、本開示の範囲は、これら特定の実施形態に限定されるものではない。本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲及びその任意の均等物によって規定されるものである。

Claims (15)

  1. 翼を組み立てるための方法(860)であって、
    航空機の翼パネル(550)を、前記翼パネルに輪郭(544)を生じさせるシャトル(540)の下に吊り下げること(862)と、
    前記輪郭が生じさせられている間において、前記シャトルを介して、組み立てライン(500)の少なくとも1つの作業ステーション(520)を通して、前記翼パネルを処理方向(541)に前進させること(864)と、
    前記シャトル(540)によって前記輪郭が生じさせられている間において、前記少なくとも1つの作業ステーションにおいて前記翼パネルに構造的構成要素を設置すること(866)と
    を含み、
    前記構造的構成要素が、リブ(572)、スパー(580)、及び第2の翼パネル(550)からなる群から選択され、
    前記翼パネル(550)を吊り下げること(862)が、前記シャトル(540)を前記翼パネルのインデックス付けフィーチャ(210)とインデックス付けすることを含み、
    前記少なくとも1つの作業ステーションを通して前記翼パネル(550)を搬送している間、前記翼パネル(550)が、前記シャトル(540)にインデックス付けされた状態に留まる、方法(860)。
  2. 前記シャトル(540)を前記翼パネル(550)とインデックス付けすることが、前記シャトルのインデックス付けユニット(542)を前記翼パネル(550)の前記インデックス付けフィーチャ(210)に物理的に連結することを含み、前記インデックス付けフィーチャ(210)が、好適には、前記翼パネル(550)の過剰製造(860)部分(554)に配置される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記インデックス付けフィーチャ(210)が、可読識別手段(126)を含み、
    インデックス付けすることが、前記識別手段を読み取ることを含み、
    前記可読識別手段(126)が、好適には、RFIDタグ及びバーコードからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの作業ステーション(520)を通して、前記翼パネル(550)を前進させること(864)が、前記作業ステーションを前記翼パネル及び/又は前記シャトル(540)とインデックス付けすることを含む、請求項1から3のいずれかに一項に記載の方法。
  5. 前記作業ステーション(520)を前記翼パネル(550)とインデックス付けすることが、前記作業ステーションのインデックス付けユニット(542)を前記翼パネルのインデックス付けフィーチャ(210)に物理的に連結することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記輪郭(544)を前記翼パネル(550)に生じさせることが、長さ調整可能なポゴ(545)を前記翼パネルの表面(574、576)の所定の位置において前記翼パネルと連結すること、及び前記翼パネルを前記シャトル(540)の下に吊り下げることを含み、前記輪郭(544)を前記翼パネル(550)に生じさせることが、好適には、前記ポゴ(545)が前記翼パネルに連結されている間、前記ポゴ(545)のうちの少なくとも1つの長さを調節することを含み、長さ調整可能なポゴ(545)を前記翼パネル(550)と連結することが、前記構造的構成要素のための設置位置に対応する位置から離れた、前記翼パネルの前記表面(574、576)の位置に前記ポゴを位置付けすること、及び/又は、好適には、輪郭(544)を前記翼パネルに生じさせるために、前記ポゴのうちの少なくとも1つの前記長さを制御すること(886)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 作業ステーション(520)において前記翼パネル(550)の非破壊検査(NDI:Non-Destructive Inspection)を行うことをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記翼パネル(550)を前進させること(864)が、前記翼パネルを処理方向(541)にパルス移動させることを含み、
    前記構造的構成要素を設置すること(866)が、パルス間の停止中に行われ、
    前記翼パネル(550)をパルス移動させることが、好適には、パルス中に前記翼パネルをその長さ未満の距離だけ前進させることによって行われ、又は前記翼パネル(550)をパルス移動させることが、好適には、パルス中に前記翼パネルをその長さに等しいか又はそれより大きな距離だけ前進させることによって行われる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記翼パネル(550)を前進させること(864)が、前記翼パネルを処理方向(541)に継続的に移動させることを含み、
    前記構造的構成要素を設置すること(866)が、前記翼パネルが継続的に移動している間に行われる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. スパー(580)をリブ(572)に接合すること、スパーを翼パネル(550)に接合すること、リブを翼パネルに接合すること、アクセスポートを設置すること、再作業を行うこと、及び前記翼パネルを検査することからなる群から選択された作業を行うように、前記少なくとも1つの作業ステーション(520)を動作させることをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記翼パネル(550)を走査して、前記翼パネルの輪郭を決定することをさらに含み、前記走査することが、好適には、前記翼パネル(550)の初期輪郭を決定するために、ポゴ(545)の長さを制御すること(886)の前に行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 翼を組み立てるためのシステムであって、
    トラック(510)、
    前記トラックに沿って配置された作業ステーション(520)であって、それぞれ翼パネル(550)に対して作業を行うように構成されている、作業ステーション(520)、
    シャトル(540)であって、翼パネル(550)を前記シャトル(540)の下に吊り下げたまま、前記トラックに沿って前進し、輪郭(544)を前記翼パネルに生じさせながら前記翼パネルをそれぞれの前記作業ステーションへ運搬するように構成されたシャトル(540)、及び
    前記シャトル(540)が、前記翼パネル(550)のインデックス付けフィーチャ(210)とインデックス付けされるよう構成されるように、前記翼パネル(550)のインデックス付けフィーチャとの連結のために構成された、前記シャトルのインデックス付けユニット(542)
    を備えているシステム。
  13. 前記シャトル(540)が、前記インデックス付けフィーチャ(210)と物理的に連結されるように構成されたインデックス付けユニット(542)を含み、かつ/又は前記インデックス付けフィーチャ(210)が、可読識別手段(126)を含み、前記シャトル(540)が、前記識別手段を読み取るように構成され、少なくとも1つの作業ステーション(520)が、好適には、前記翼パネル(550)とインデックス付けされるように構成され、かつ/又は前記作業ステーション(520)が、好適には、前記シャトル(540)とインデックス付けすることにより、前記翼パネル(550)とインデックス付けされるように構成され、前記作業ステーション(520)が、好適には、前記翼パネル(550)のインデックス付けフィーチャ(210)と物理的に連結されるように構成されたインデックス付けユニット(622)を含み、
    前記翼パネル(550)が、好適には、可読識別手段(126)を備えたインデックス付けフィーチャ(210)を含み、かつ
    前記作業ステーション(520)が、好適には、前記識別手段を読み取るように構成されている、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記シャトル(540)が、前記翼パネル(550)への真空付着を形成するように構成された真空連結器(548)を有する、前記シャトルの下方に延在するキャリア(545)を備え、
    前記キャリア(545)が、好適には、長さ調整可能なポゴ(545)を備え、前記翼パネルに連結された前記ポゴのうちの少なくとも1つの長さを制御することによって、前記輪郭(544)が前記翼パネル(550)に生じさせられ、
    前記シャトル(540)が、好適には、前記シャトルの下方に延在しかつ前記翼パネル(550)の表面(574、576)と連結されるキャリア(545)という手段によって、前記翼パネルを吊り下げることにより、前記翼パネルを運搬するように構成され、
    前記少なくとも1つの作業ステーション(520)が、前記翼パネルの前記表面の所定の位置において作業を行うことにより、リブ(572)又はスパー(580)を前記翼パネルに設置するように構成され、
    前記キャリアが、前記所定の位置から離れた位置において前記翼パネルの前記表面と連結されるように配置される、請求項12又は13に記載のシステム。
  15. ストロングバック(540)であって、
    長さ調節可能なポゴ(545)と、
    前記ポゴの長さを個別に制御するアクチュエータ(546)と、
    それぞれの前記ポゴに配置された真空連結器(548)と
    を備えたストロングバック(540)
    を備えた装置をさらに備え、
    前記ポゴ(545)が、好適には、前記ストロングバック(540)の下方に延在し、
    前記ストロングバックが、好適には、前記真空連結器(548)を介して、複合部品(250)の表面(574、576)への真空付着を形成するという手段によって、前記複合部品を前記ストロングバックの下に吊り下げるように構成され、かつ
    前記ストロングバック(540)が、好適には、少なくとも1つのポゴ(545)の長さを制御することによって、前記ストロングバック(540)の下に吊り下げられた複合部品(250)に輪郭(544)を生じさせるように構成されている、請求項12から14のいずれか一項に記載のシステム。
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