JP2022075374A - ベッセルビーム発生装置及びそれを用いた光走査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 設計の自由度を向上させ得る。【解決手段】本発明は、一の光源から出射されたレーザ光を分割し、同一円上に配置された光ファイバーからドーナツ状に発散光を内側へ向けて出射させることにより、中心近傍で合焦する円盤照射ビームを出射するベッセルビーム発生装置を実現できる。これにより、光量の多い中心部分をけることなく、光量を減少させないで円盤照射ビームを生成することが可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば大きな焦点深度を有するベッセルビーム発生装置及びそれを用いた光走査装置に好適に適用することができる。
従来、アキシコンレンズを使用してベッセルビームを発生させたOCT(Optical Coherence Tomography)装置などが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2017-124055号
ところで、かかる構成のOCT装置では、アキシコンレンズを用いるため、アキシコンレンズから焦点までの焦点距離が短く制限されてしまい、照射対象物までの距離を短く設定する必要があるなど、設計に制限が加えられるという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、設計の自由度を向上させ得るベッセルビーム発生装置及びそれを用いた光走査装置を提供するものである。
かかる課題を解決するため、本発明のベッセルビーム発生装置は、
同一の円上に先端である光ファイバー先端が等間隔で配置され、各前記光ファイバー先端が前記円の直径方向に対して同一角度を保持した状態で配置された少なくとも4本以上の光ファイバーからなる光ファイバー群と、
一の光源から出射されたレーザ光が分割された分割ビームを、各前記光ファイバーに対して入射する入射部と、
各前記光ファイバーから出射される照射ビームの光束を調整することにより、円の中心が抜けたドーナツ状の断面形状を有し前記円の内側へむけて進行する発散光を、前記光ファイバー群から出射される円盤照射ビームとして出射させるレンズと
を有することを特徴とする。
また、本発明の光走査装置は、
レーザ光を発射する光源と、
一の光源から出射されたレーザ光が分割された分割ビームを生成するビーム分割部と、
同一の円上に先端である光ファイバー先端が等間隔で配置され、各前記光ファイバー先端が前記円の直径方向に対して同一角度を保持した状態で配置された少なくとも4本以上の光ファイバーからなる光ファイバー群と、
前記分割ビームを、各前記光ファイバーに対して入射する入射部と、
各前記光ファイバーから出射される照射ビームの光束を調整することにより、円の中心が抜けたドーナツ状の断面形状を有し前記円の内側へむけて進行する発散光を、前記光ファイバー群から出射される円盤照射ビームとして出射させるレンズと、
前記円盤照射ビームが反射された戻り光ビームを受光して電気信号に変換する受光部と、
前記電気信号を解析することにより、測定対象物の反射点の位置を算出する解析部と
を有することを特徴とする。
さらに、本発明のベッセルビーム発生装置は、
入射されたレーザ光を光軸から外側へ向けて反射する反射レンズと、
前記反射レンズを覆うように配置され、前記外側へ進行するレーザ光を内側へ向けて反射する反射カバー部と
を有することを特徴とする。
本発明の光走査装置は、レーザ光を発射する光源と、
前記レーザ光が入射され、前記レーザ光を光軸から外側へ向けて反射する反射レンズと、
前記反射レンズを覆うように配置され、前記外側へ進行するレーザ光を内側へ向けて反射する反射カバー部と
前記円盤照射ビームが反射された戻り光ビームを受光して電気信号に変換する受光部と、
前記電気信号を解析することにより、測定対象物の反射点の位置を算出する解析部と
を有することを特徴とする。
本発明は、設計の自由度を向上させ得るベッセルビーム発生装置及びそれを用いた光走査装置を実現できる。
第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の構成(1)を示す略線図である。 第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の構成(2)を示す略線図である。 光ファイバーから出射されるレーザ光の説明に供する略線図である。 第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の構成(3)を示す略線図である。 第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の合焦(1)の説明に供する略線図である。 第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の焦点の平面方向への移動の説明に供する略線図である。 第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の合焦(2)の説明に供する略線図である。 第1の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の焦点の深度方向への移動の説明に供する略線図である。 第1の実施の形態におけるOCT装置の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態における測定部の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態におけるベッセルビーム発生装置の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態におけるOCT装置の構成を示す略線図である。
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
<円盤形ベッセルビーム発生装置の構成>
図1における10は、円盤形ベッセルビーム発生装置を示している。円盤形ベッセルビーム発生装置10では、図2に示すように、ファイバー先端15Aが同一円周上に並べられた光ファイバー15に対して分割された分割ビームを入射し、ファイバー先端15Aから円の中心部分が抜けたドーナツ状の断面形状を有する照射ビームを円盤形ベッセルビームとして出射するようになされている。
ここでは、一つの光源から32本に分割された分割ビームが32本の光ファイバー15に入射される場合について説明するが、分割ビームの数に制限は無い。均一な円盤形ベッセルビームを生成するために、8本、さらには16本以上であることが好ましい。
光源(図示しない)から発射されるレーザ光は、レーザ光を発光するレーザ光源である。レーザ光の波長に制限はなく、照射対象に応じて適宜選択される。例えば照射対象が人体である場合には、近赤外線(780nm~2500nm)が好適に使用される。
入射部14は、分割ビームの光束径を調整して効率良く光ファイバー15に入射するために設けられており、例えば結合レンズや、球レンズ、ロッドレンズなどが単体、若しくは適宜組み合わされている。
光ファイバー15は、その先端であるファイバー先端15Aから分割ビームを出射する。ここで、図2に示すように、ファイバー先端15Aは、一つの円(破線で示す)上に等間隔で並んでいる。
図3に示すように、光ファイバー15に入射された分割ビームは、光ファイバーの屈折率に応じた発散角θを有する発散光でなる照射ビームとしてファイバー先端15Aから出射される。なお図3では、ファイバー先端15Aは、円の直径に対して垂直に配置されているが、例えば内側に向けて(円の直径に対して90°より大きい角度に傾斜させて)配置させても良い。この傾斜角度(円の内側からみた円の直径方向と光ファイバー15との角度)は、32本の光ファイバー15で同一に設定されている。
図4に示すように、ファイバー先端15Aの先端には、レンズ16が取り付けられている。レンズ16は、照射ビームの進行方向と発散角度を調整する。具体的には、焦点深度に応じて円の直径方向における発散角度が調整され、焦点深度を大きくしたいときには発散角が大きく、焦点深度を小さくしたいときには発散角が小さく設定される。各照射ビームの進行方向は、焦点距離に応じて設定され、焦点距離が小さいときには円の直径方向に対する傾斜角度が小さくなり、焦点距離が大きいときには円の直径方向に対する傾斜角度が大きくなる。
レンズ16としては、入射面又は出射面、若しくは入射面及び出射面の組み合わせの形状により照射ビームの発散角度が調整される。例えば、光ファイバー15から出射される光ビームのNA(開口数)を大きくしたい場合には、出射面が膨らむ凸レンズを、NAを小さくしたい場合には出射面が凹む凹レンズが好適に使用される。
またレンズ16は、必要に応じて照射ビームの偏光方向を調整する。なお、レンズ16は一つのレンズでも良く、2つ以上のレンズが組み合わされていても良い。ここで、全ての照射ビームに対して同じ発散角度、傾斜角度が同一に設定されているため、32本の照射ビームが重なり合って合成され、発散しながら円の中心方向へ向かって進む(円周に対して直角に進行する)一つのドーナツ状の円盤照射ビームとなる。
光ファイバー15には、一つの光源から出射された光路長が同一の分割ビームが入射されているため、図5に示すように、中心線上で円盤照射ビームの焦点が一致する。このとき、発散光である円盤照射ビームの中心線上での重なりに応じた焦点(太線で示す)ができるため、焦点深度を大きくすることが可能となる。
また、光ファイバー15の先端手前において、電圧を印加する電圧印加部21を設けることも可能である。電圧を印加すると、電圧を印加した部分の波長を一時的に変化させることができ、波面を早めたり遅らせたりすることができる。具体的には、焦点をずらしたい方向に位置する光ファイバー15に設けられた電圧印加部21が最も高い電圧になり、遠ざかるにつれて徐々に低くなるように、半分の光ファイバー15に対して電圧を印加する。
図6では、X方向右側(図ではX(R)と表示)において波面を遅らせたことにより、焦点の位置が紙面右側へ移動した状態を示している。すなわち、焦点位置をX方向右側へずらす場合には、X方向右側(14A-1~14A-17)に対して電圧を印加する。具体的には、最も右側に位置する14A-9に対して最も大きな電圧をかけ、左側へ行くに従って小さくなるように電圧を印加する。
また、図7に示すように、レンズ駆動部22を設けることもできる。図8に示すように、レンズ駆動部22は、ファイバー先端15Aに対するレンズ16の入射角度をへ変化させるようにレンズ16を変位させる。これにより、円盤照射ビームの進行方向であるZ方向に対する焦点位置を変位させることができる。
<光走査装置の構成>
次に、円盤形ベッセルビーム発生装置10が光走査装置であるOCT(Optical Coherence Tomography)装置として使用されるときの構成について説明する。
図9に示すように、OCT装置1は、外部装置2と、測定部4とがライン36によって接続されている。ライン36としては制限は無く、電気通信が可能な公知の有線ラインを使用可能である。また、ライン36の代わりに無線ネットワークを利用しても良い。
外部装置2は、図示しないMPU(Micro Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成される制御部31が外部装置2の全体を統括的に制御するようになされている。
制御部31は、ユーザの操作入力に応じて表示部33及び測定部4を制御し、測定部4によって得られた測定結果を表示部33に表示する。
具体的に、操作入力部32から測定を開始する旨の要求信号が供給されると、制御部31は、測定処理を開始し、外部インターフェース34(図では外部I/Fと表示)及びライン36を介して測定部4に開始信号を供給する。
測定部4は、底面側が露出するハウジング35の内部に測定部4を有しており、開始信号は測定部4に対して供給される。
図10に示すように、測定部4は、図示しないMPU、ROM及びRAMから構成される制御部19が測定部4の全体を統括的に制御するようになされている。
制御部19は、開始信号が供給されると、光発生部11が有する光源(図示しない)からレーザ光を出射させる。光発生部11は、連続光として出射されたレーザ光を光コムを用いて周波数変調されたパルス光に変換して出射する。このとき、光発生部11は、必要に応じて位相変調や周波数変換などを行っても良い。また、図示しないが、光発生部11は、測定対象に照射される測定光ビームの戻り光と光路長がほぼ同一(焦点の範囲内であればよい)になるように光路長が変更された基準光ビームに基づく受光信号を信号処理部41に供給する。
光発生部11から出射されたレーザ光はコリメート部12によって平行光に変換された後、ビーム分割部13に入射される。ビーム分割部13は、平行光を、光路長が同一にな32本の分割ビームに分割する。ビーム分割部13は、アレイ導波路グレーティング(AWG: Arrayed-Waveguide Grating)などのシリコンや石英基板上で光配線を可能にする光導波路や、複数の光学素子の組み合わせ(例えば複数のビームスプリッタの組み合わせや複数のカップラー(アイソレータ)の組み合わせなど。なお、これらに対し、光路長の調整用の反射素子(ミラーなど)が適宜使用される。)などから構成されている。
分割ビームは、光分岐部17を介して円盤形ベッセルビーム発生装置10へ入射される。なお、光分岐部17は32本の分割ビームごとに対応して32個設けられても良く、複数の分割ビームごと、全部の分割ビームに対応して設けられても良い。なお、光分岐部17としては、ハーフミラー型の無偏光ビームスプリッタ、若しくは偏光ビームスプリッタやアイソレータなど、出射光ビーム及び戻り光ビームの一方を直進させ、他方の方向を変える光学素子が使用される。光分岐部17として偏光ビームスプリッタを用いる場合には、光分岐部17からレンズ16までの間に、1/4波長板が設置される。
円盤形ベッセルビーム発生装置10は、測定対象に対して円盤形状のベッセルビームを円盤照射ビームとして照射する。
また、円盤形ベッセルビーム発生装置10は、測定対象からの戻り光ビームを偏光光分岐部17に入射する。光分岐部17は、戻り光ビームを受光部18へ入射する。
受光部18は、受光した基準光ビーム及び戻り光ビームに応じた電気信号である測定信号を生成し、信号処理部41に供給する。また信号処理部41には、光発生部11において光コムから生成された基準信号が供給される。この基準信号は、照射対象からの戻り光ビームから生成された電気信号と同期されたタイミングで供給される。信号処理部41は、測定信号と基準信号とを合成した測定合成信号を生成し、制御部19へ供給する。
制御部19は、外部インターフェース23を介して測定合成信号を外部装置2へ供給する。外部装置2の制御部31は、ライン36及び外部インターフェース34を介して測定合成信号が供給されると、測定合成信号を解析して測定対象における反射点の位置を算出して画像データを生成し、表示部33に表示する。
〔第2の実施の形態〕
<円盤形ベッセルビーム発生装置の構成>
次に、第2の実施の形態について、図11~図12を用いて説明する。上述した第1の実施の形態とは、照射ビームの形成の方法が相違している。第1の実施の形態と対応する箇所に100を加算した符号を附し、同一箇所についての説明を省略する。
図11における110は、円盤形ベッセルビーム発生装置を示している。円盤形ベッセルビーム発生装置110では、発散光として入射されたレーザ光を外側へ向けて反射した後、外側から内側へ向けてレーザ光を反射することにより、ドーナツ状の断面形状を有する照射ビームを出射するようになされている。
入射部115は、レーザ光を出射し、レンズ116へ入射する。入射部115は、例えば光源や、光ファイバー、その他光学素子などであり、レンズ116の前段に配置される素子又は部品を指す。
レンズ116は、レーザ光の発散角度を調整し、隣接して設けられている反射カバー部126へレーザ光を入射する。反射カバー部126は、例えば球形又は楕円球形の一部を切り取った形状を有しており、レンズ116と接触する箇所以外の全面において、反射膜が形成されている。なお以下、反射カバー部126に対してレーザ光が入射されるときの光軸の進行方向をレーザ光の進行方向ZP、戻り方向を戻り方向ZBと呼ぶ。
反射カバー部126は、内面が球、楕円球又は放物曲面(多次関数曲面)の一部を切り出した形状を有しており、入射されたレーザ光をそのまま透過させ、反射レンズ125に対して照射する。反射レンズ125は、先の尖った形状を有しており、XY方向断面が円形状(例えば円錐形状)を有している。反射レンズ125におけるレーザ光の入射側には反射膜が形成されている。
反射レンズ125は、入射されたレーザ光を外側(好ましくはレーザ光の進行方向ZPに対して80°~170°の角度)へ向けて反射する。反射カバー部126は、レーザ光を内側へ向けて反射する。
ここで、反射レンズ125による外側へ向けた反射と反射カバー部126による内側へ向けた反射によって、レーザ光は内側へ向かう照射ビームとなるが、このとき反射レンズ125に入射前には光軸近傍に位置する光が外側へ、反射レンズ125に入射前には外側に位置する光は内側へと反転する。
このため、強度の小さい光は近い距離で、強度の大きい光はより遠くで重なり合い、焦点を形成する。これにより、焦点手前における減衰をレーザ光の強度分布でカバーすることが可能となる。
なお、入射部115に対してレンズ116を傾斜させるように回転動作可能に取り付けることにより、円盤照射ビームの照射方向を調整することも可能である。
<光走査装置の構成>
次に、円盤形ベッセルビーム発生装置110が光走査装置であるOCT(Optical Coherence Tomography)装置として使用されるときの構成について説明する。
図12に示すように、OCT装置101は、外部装置102と、光ファイバーである入射部115と、円盤形ベッセルビーム発生装置110とを有している。円盤形ベッセルビーム発生装置110は、光ファイバーである入射部115の先端に取り付けられている。
外部装置102は、図示しないMPU、ROM及びRAMから構成される制御部131が外部装置102の全体を統括的に制御するようになされている。
外部装置102は、操作入力部132、表示部133に加え、第1の実施の形態では測定部4に配置されていた光発生部111、光分岐部117、入射部114、受光部118、信号処理部119を有している。
このため、円盤形ベッセルビーム発生装置110を用いたOCT装置101は、部品点数が少ないため先端部分(測定装置104)の小型化(例えば1mm角程度)が可能であり、血管の内部を撮影するカテーテルなどの用途に利用することができる。
光発生部111は、光コムで変調されたパルス光を分割し、光路長を調整した状態で基準光ビームとして受光部118に供給する。受光部118は、戻り光ビームと基準光ビームとをそれぞれ受光し、測定信号と基準信号として信号処理部119へ供給する。
<動作及び効果>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
以上の構成によれば、本発明のベッセルビーム発生装置(円盤形ベッセルビーム発生装置10)は、
同一の円上に先端である光ファイバー先端(ファイバー先端15A)が等間隔で配置され、各前記光ファイバー先端が前記円の直径方向に対して同一角度を保持した状態で配置された少なくとも4本以上の光ファイバー(光ファイバー15)からなる光ファイバー群(32本の光ファイバー15)と、
一の光源から出射されたレーザ光が分割された分割ビームを、各前記光ファイバーに対して入射する入射部(入射部14)と、
各前記光ファイバーから出射される照射ビームの光束を調整することにより、円の中心が抜けたドーナツ状の断面形状を有し前記円の内側へむけて進行する発散光を、前記光ファイバー群から出射される円盤照射ビームとして出射させるレンズ(レンズ16)と
を有することを特徴とする。
従来のアキシコンレンズを用いたベッセルビーム発生装置では、焦点距離の調整を行うことが困難であった。また、中心部分をけるベッセルビーム発生装置では、中心の最も光量の大きい部分をける必要があり、光量の大幅な減少が避けられなかった。
本発明のベッセルビーム発生装置では、光量をほとんど減少させることなく、かつ自由な半径及び発散角でドーナツ状のベッセルビームを発生させることができるため、焦点距離や焦点深度を自由に設定できる。このベッセルビーム発生装置では、大きな光量によって減衰をカバーできるため、照射対象の物質表面から深い位置まで照射ビームを到達させることが可能となる。
ベッセルビーム発生装置において、前記レンズは、
前記円の円周方向と前記円の直径方向とにおいて、前記照射ビームの発散角が相違するように前記照射ビームを照射することを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、隣接する光ファイバー間の距離(すなわち円の半径)を自由に設定できるため、設計の自由度を向上させ得る。
ベッセルビーム発生装置において、光ファイバー先端は、
前記円の直径方向に対して内側へ向けて傾斜して配置されていることを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、光ファイバー先端の傾斜角度によって焦点距離を定めることができ、後は発散角度のみを調整すれば良いため、照射ビームが出射されるレンズの設計の自由度が向上する。
ベッセルビーム発生装置において、
各前記光ファイバーには、前記照射ビームの波面を時間的に前後させるための電圧印加装置(電圧印加部21)が取り付けられていることを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、円盤照射ビームの合焦位置を円盤照射ビームの光軸に対して垂直方向に移動させることができる。
ベッセルビーム発生装置において、
前記レンズを回転可能に動作させる可動部(レンズ駆動部22)を有することを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、円盤照射ビームの合焦位置を円盤照射ビームの光軸方向に移動させることができる。
本発明の光走査装置(OCT装置1)において、
レーザ光を発射する光源(光発生部11の光源)と、
一の光源から出射されたレーザ光が分割された分割ビームを生成するビーム分割部(ビーム分割部13)と、
同一の円上に先端である光ファイバー先端が等間隔で配置され、各前記光ファイバー先端(ファイバー先端15A)が前記円の直径方向に対して同一角度を保持した状態で配置された少なくとも4本以上の光ファイバー(光ファイバー15)からなる光ファイバー群(32本の光ファイバー15)と、
前記分割ビームを、各前記光ファイバーに対して入射する入射部(入射部14)と、
各前記光ファイバーから出射される照射ビームの光束を調整することにより、円の中心が抜けたドーナツ状の断面形状を有し前記円の内側へむけて進行する発散光を、前記光ファイバー群から出射される円盤照射ビームとして出射させるレンズ(レンズ16)と、
前記円盤照射ビームが反射された戻り光ビームを受光して電気信号に変換する受光部(受光部18)と、
前記電気信号を解析することにより、測定対象物の反射点の位置を算出する解析部(制御部31)とを有することを特徴とする。
これにより、光走査装置では、焦点距離及び焦点深度を大きく設定することができるため、表面からより深い位置を走査することができ、さらに焦点移動しなくても光軸方向の広い範囲で照射対象の形状などを確認することができる。
ベッセルビーム発生装置(円盤形ベッセルビーム発生装置110)において、
入射されたレーザ光を光軸から外側へ向けて反射する反射レンズ(反射レンズ125)と、
前記反射レンズを覆うように配置され、前記外側へ進行するレーザ光を内側へ向けて反射する反射カバー部(反射カバー部126)とを有することを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、レーザ光を一旦広げてから内側へ向けて反射することにより、光量をほとんど減少させることなく、かつ自由な半径及び発散角でドーナツ状のベッセルビームを発生させることができるため、焦点距離や焦点深度を自由に設定できる。
また、2回の反射によって光量の大きいレーザ光の中心部分を外側に、光量の小さいレーザ光の外側部分を中心部分に位置させることができ、光束における光量の関係性を反転させ、外側へ行くほど光量が強くなるドーナツ状のベッセルビームを発生させることができる。このベッセルビームでは、内側では合焦距離が近く、外側では合焦距離が遠くなるため、光量の減衰が大きい外側ほど光強度を増大させ、減衰に拘わらず遠くまで円盤照射光ビームを到達させることが可能となる。
ベッセルビーム発生装置において、
前記反射レンズは、
前記入射されるレーザ光の光束の外側に進行するように前記レーザ光を反射することを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、反射レンズによって反射されたレーザ光が戻り光ビームに混ざってしまうことがなく、光量の減少を最小限にすることができると共に、戻り光ビームに混入するノイズを極力低減させることができる。
ベッセルビーム発生装置において、
前記反射レンズは、頂角が90°の円錐形状を有することを特徴とする。
これにより、ベッセルビーム発生装置では、円盤照射ビームの光軸に対して最小で90°だけ折り曲げることができ、円盤照射ビームの光軸の戻り方向(進行方向の反対側)へレーザ光が反射されてしまうことを防止できる。また、円錐形状を有することにより、レーザ光の全ての余すことなく円盤照射ビームに変換することができる。
光走査装置(OCT装置)において、
レーザ光を発射する光源(光発生部111における光源)と、
前記レーザ光が入射され、前記レーザ光を光軸から外側へ向けて反射する反射レンズ(反射レンズ125)と、
前記反射レンズを覆うように配置され、前記外側へ進行するレーザ光を内側へ向けて反射する反射カバー部(反射カバー部126)と
前記円盤照射ビームが反射された戻り光ビームを受光して電気信号に変換する受光部(受光部118)と、前記電気信号を解析することにより、測定対象物の反射点の位置を算出する解析部(制御部131)とを有することを特徴とする。
これにより、光走査装置では、減衰に拘わらず遠くまで円盤照射光ビームを到達させることが可能な円盤照射ビームを用いることができるため、例えば血管の内部や、人体の内部などを深い位置まで走査することができ、これまでのOCT装置で観察できなかった測定対象をも観察することができる。
<他の実施の形態>
なお上述実施形態では詳細は述べていないが、レーザ光に対してM系列符号などのPN符号(Pseudo random Noise:疑似ランダム信号)化による周波数変調を行うことにより、ノイズを減少させることができ、測定の解像度を向上させることが可能である。具体的には、コヒーレントな連続光を光源によって発生させ、前記連続光を、隣接する波形間の干渉が低く周期的な光パルス列に変換し、光パルス列を、測定対象物の観察目標領域の深さ範囲よりパルス幅の空間長が小さい光パルス列であって、自己相関特性を有する符号(M系列などのPN符号)で2相位相変調し、2つに分光された光パルス列の一方の周波数を変換し、2つに分光された光パルス列のうち、一方を照射する測定光学系と、2つに分光された光パルス列のうち、他方の光路長を測定光学系と同一に変更する基準光学系と、前記基準光学系から出力される光パルス列と前記測定光学系から入力される戻り光とを受光する光検出部と、光検出部によって受光された光信号に基づき前記測定対象物からの後方散乱波の前記周波数シフタのシフト周波数を有する差信号をフィルタによって抽出し、前記フィルタが抽出した差信号と、前記周波数シフタのシフト周波数に同期した基準信号とを復調器によって合成して復調し、前記復調器が出力した信号を解析部によって解析し、測定対象物の反射点の位置を算出する。詳細な構成は、WO2019/017392号に記載されている。
上述第1の実施形態では、ビーム分割部13は、アレイ導波路グレーティングなどから構成されたが、本発明はこれに限られない。例えば、全体として円錐形状の凹部を有し、斜面が膨らんだ形状(すなわち、頂点へ向かって細くなるコニーデ形状と嵌合する)を有する逆アキシコンレンズを用いてドーナツ状のビームを形成し、ドーナツ状に配置された光ファイバー15に入射しても良い。すなわち、光ファイバー15に入射する段階で光ビームが分割されることになる。この場合、ビーム分割部13と入射部14としての役割を逆アキシコンレンズが担うことになる。
また上述第2の実施形態では、円盤形ベッセルビーム発生装置110のみを光ファイバー105の先端に取り付けたが、本発明はこれに限られない。例えば、光源及び受光部を円盤形ベッセルビーム発生装置110と一緒に先端装置として取り付け、電気信号のやりとりを外部装置間で行うようにすることもできる。
さらに上述実施形態では特に述べてないが、円盤形ベッセルビーム発生装置に加速度センサなど、移動距離を測定できる移動距離測定装置や、円盤形ベッセルビーム発生装置の位置が特定出来るような位置特定装置を付加することもできる。これにより、円盤形ベッセルビーム発生装置の位置が正確に特定でき、画像処理の精度を向上できる。また、これらの装置がない場合には、画像処理における同一箇所を特定したり、動きベクトルを算出することにより、円盤形ベッセルビーム発生装置が走査されたときの画像を合成することが可能である。
また上述実施の形態における円盤形ベッセルビーム発生装置を複数組み合わせて固定しことにより一つのプローブを構成したり、複数の円盤形ベッセルビーム発生装置を用いて複数の方向から同時に撮影することも可能である。これにより、一度の測定でより広範囲の測定が可能となり、精度の向上も期待できる。
本発明は、例えば塗装の傷などの欠陥検出や人間又は動物の体内を観察する医療用のOCT装置に使用することができる。
1、101 :OCT装置
2、102 :外部装置
4、104 :測定部
10、110 :円盤形ベッセルビーム発生装置
11、111 :光発生部
12 :コリメート部
13 :ビーム分割部
14、114 :入射部
15 :光ファイバー
15A :ファイバー先端
16 :レンズ
17 :光分岐部
18、118 :受光部
19、31、131 :制御部
21 :電圧印加部
22 :レンズ駆動部
23 :外部インターフェース
119 :信号処理部
125 :反射レンズ
126 :反射カバー部
131 :制御部

Claims (10)

  1. 同一の円上に先端である光ファイバー先端が等間隔で配置され、各前記光ファイバー先端が前記円の直径方向に対して同一角度を保持した状態で配置された少なくとも4本以上の光ファイバーからなる光ファイバー群と、
    一の光源から出射されたレーザ光が分割された分割ビームを、各前記光ファイバーに対して入射する入射部と、
    各前記光ファイバーから出射される照射ビームの光束を調整することにより、円の中心が抜けたドーナツ状の断面形状を有し前記円の内側へむけて進行する発散光を、前記光ファイバー群から出射される円盤照射ビームとして出射させるレンズと
    を有することを特徴とするベッセルビーム発生装置。
  2. 前記レンズは、
    前記円の円周方向と前記円の直径方向とにおいて、前記照射ビームの発散角が相違するように前記照射ビームを照射する
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッセルビーム発生装置。
  3. 前記光ファイバー先端は、
    前記円の直径方向に対して内側へ向けて傾斜して配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッセルビーム発生装置。
  4. 各前記光ファイバーには、前記照射ビームの波面を時間的に前後させるための電圧印加装置が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のベッセルビーム発生装置。
  5. 前記レンズを回転可能に動作させる可動部
    を有することを特徴とする請求項1に記載のベッセルビーム発生装置。
  6. レーザ光を発射する光源と、
    一の光源から出射されたレーザ光が分割された分割ビームを生成するビーム分割部と、
    同一の円上に先端である光ファイバー先端が等間隔で配置され、各前記光ファイバー先端が前記円の直径方向に対して同一角度を保持した状態で配置された少なくとも4本以上の光ファイバーからなる光ファイバー群と、
    前記分割ビームを、各前記光ファイバーに対して入射する入射部と、
    各前記光ファイバーから出射される照射ビームの光束を調整することにより、円の中心が抜けたドーナツ状の断面形状を有し前記円の内側へむけて進行する発散光を、前記光ファイバー群から出射される円盤照射ビームとして出射させるレンズと、
    前記円盤照射ビームが反射された戻り光ビームを受光して電気信号に変換する受光部と、
    前記電気信号を解析することにより、測定対象物の反射点の位置を算出する解析部と
    を有することを特徴とする光走査装置。
  7. 入射されたレーザ光を光軸から外側へ向けて反射する反射レンズと、
    前記反射レンズを覆うように配置され、前記外側へ進行するレーザ光を内側へ向けて反射する反射カバー部と
    を有することを特徴とするベッセルビーム発生装置。
  8. 前記反射レンズは、
    前記入射されるレーザ光の光束の外側に進行するように前記レーザ光を反射する
    ことを特徴とする請求項7に記載のベッセルビーム発生装置。
  9. 前記反射レンズは、
    頂角が90°の円錐形状を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載のベッセルビーム発生装置。
  10. レーザ光を発射する光源と、
    前記レーザ光が入射され、前記レーザ光を光軸から外側へ向けて反射する反射レンズと、
    前記反射レンズを覆うように配置され、前記外側へ進行するレーザ光を内側へ向けて反射することにより、円盤照射ビームを照射する反射カバー部と
    前記円盤照射ビームが反射された戻り光ビームを受光して電気信号に変換する受光部と、
    前記電気信号を解析することにより、測定対象物の反射点の位置を算出する解析部と
    を有することを特徴とする光走査装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023210793A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 宏 小川 ベッセルビーム発生装置及びそれを用いた光走査装置

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