JP2022074430A - 非酸性アミノ酸含有酵母調味料 - Google Patents

非酸性アミノ酸含有酵母調味料 Download PDF

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雄典 福田
Yunori Fukuda
直人 梶
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Abstract

【課題】本願発明は、食品に添加した際、味のバランスを損なうことがない食品素材を提供することを課題とする。【解決手段】本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究の結果、旨味を呈する酸性アミノ酸を低減した酵母調味料が、食品本来の旨味のバランスを損なうことなく、食品の味を向上させる効果を見出した。

Description

この特許は、非酸性アミノ酸含有酵母調味料に関するものである。
酵母エキスには、アミノ酸や核酸などが豊富に含まれており、調味料として様々な食品に用いられている。特に、酵母エキスに含まれる酸性アミノ酸であるグルタミン酸やアスパラギン酸は旨味を呈するため、旨味付与の目的で、酵母エキスは用いられている。
また、酵母エキスは旨味だけではなく素材感や複雑味などの効果を期待して用いられることも多い。例えば特許文献1では、ペプチド、RNAを多く含む酵母エキスのコクやクリーミー感の増強に関して記載されている。また、特許文献2には、バリン、ロイシン、イソロイシンの異味改善効果について記載されている。
このように旨味以外のアミノ酸の効果を期待する場合、旨味を呈する事で本来の食品の味のバランスを損なう事が課題であった。特許文献1では、旨味を呈する遊離アミノ酸、呈味性核酸含量が少ない酵母エキスを用いることで、酵母エキスがもつ旨味を抑えるが、食品に添加したときは食品自体の味質を増強するという方法を採用している。
WO2018/043632 特開2020―115811
本願発明は、食品に添加した際、味のバランスを損なうことがない食品素材又は酵母素材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究の結果、旨味を呈する酸性アミノ酸を低減した酵母組成物が、食品本来の旨味のバランスを損なうことなく、食品の味を向上させる効果を見出した。
また、酵母組成物は食品本来の旨味のバランスを損なうことなく、食品の味を向上させる効果を見出した。
すなわち本発明は、
(1) 酸性アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸の含量が2%以下の酵母組成物
(2) イノシン酸、グアニル酸の含量が3%以下である、前記(1)酵母組成物
(3) 酸性アミノ酸ではないアミノ酸の含量が12%以上である、前記(1)又は(2)の酵母組成物
(4) 酵母菌体にAspergillus melleus由来の中性プロテアーゼ作用させる工程を含む、(1)~(3)に記載の酵母組成物の製造方法。
(5) 前記(1)~(3)に記載の酵母調味料を含む飲食品
に係るものである。
本発明によると、旨味を呈する酸性アミノ酸を低減した酵母調味料を製造することで、食品本来の旨味を損なうことなく、食品の味を向上させる効果がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の酵母調味料は、酸性アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸の含量が2%以下で、酸性アミノ酸ではないアミノ酸の含量が12%以上のものである。
本発明に用いる酵母エキスは、通常の酵母エキスの製造法を用いることができ、複数の方法を組み合わせることもできる。例えば、酵母を培養し、該酵母菌体を集菌、洗浄した後、熱水抽出法、酵素抽出法、又は、酸、若しくはアルカリ抽出法、さらには、これらの組み合わせにより酵母エキスの抽出方法などがある。得られた抽出物にプロテアーゼ等を作用させ、濃縮、殺菌、乾燥することにより製造することが出来る。さらに、本願では、酵母エキス抽出後の酵母残渣を用いることもできる。
このような酵母調味料の製造に用いられる酵母としては、パン酵母、ビール酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)、トルラ酵母(キャンディダ・ユティリス)などを挙げることができる。
本発明の酵母の培養方法、抽出方法は、一般的に採用されている方法で良いが、具体的な方法を以下の段落で例示する。
酵母の培養方法は、制限なく、通常の方法で培養したものを使用することができる。一般的には、酵母を培養する際の培地には、炭素源として、ブドウ糖、酢酸、エタノール、グリセロール、糖蜜、亜硫酸パルプ廃液等が用いられ、窒素源としては、尿素、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸塩などが使用される。リン酸、カリウム、マグネシウム源も過リン酸石灰、リン酸アンモニウム、塩化カリウム、水酸化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等の通常の工業用原料でよく、その他亜鉛、銅、マンガン、鉄イオン等の無機塩を添加する。その他は、ビタミン、アミノ酸、核酸関連物質等を使用しないでも培養可能であるが、これらを添加しても良い。コーンスチーブリカー、カゼイン、酵母エキス、肉エキス、ペプトン等の有機物を添加しても良い。また、市販されている乾燥酵母を使用してもよい。
培養温度やpH等の培養条件は、特に制限なく適用でき、使用する酵母菌株に合わせて設定すれば良い。一般的には、培養温度は21~37℃、好ましくは25~34℃が良く、pHは3.0~8.0、特に3.5~7.0が好ましい。
本発明の培養形式としては、バッチ培養、あるいは連続培養のいずれでも良いが、工業的には後者が望ましい。培養時の撹拌、通気等の条件は特に制限なく、一般的な方法でよい。
菌体培養後に酵母菌体に酵素処理を行う。菌体培養後の湿潤酵母菌体を蒸留水に懸濁して遠心分離を繰り返すことで洗浄した後に、酵素処理を行う。
本発明では、菌体培養後に直接酵素処理を行っても良いが、本発明では、熱水抽出法、酵素抽出法、又は、酸、若しくはアルカリ抽出法、さらには、これらの組み合わせにより酵母エキスを抽出した後の酵母菌体残渣を用いることもできる。酵母エキス抽出方法は、任意に採用できるが、本願発明では、酵母に多く含まれる、酸性アミノ酸を低減した酵母エキスであるため、予め、酸性アミノ酸が抽出された後の酵母菌体を用いることが、好ましい。熱水抽出であれば、pH7.0~8.5に調整し、50~90℃で10~60分間加熱撹拌してエキス抽出する。pH調整は、通常の方法でよい。洗浄後、再度遠心分離をする。遠心分離で得られた沈殿物(酵母菌体残渣)を再懸濁し、酵素処理をする。再懸濁は、菌体濃度が乾燥重量換算で、5~30%、好ましくは10~20%になるように蒸留水に再懸濁する。
本発明では、酵母菌体に、プロテアーゼのみを作用させるか、効率的に酵母を分解するためにプロテアーゼとグルカナーゼを併用しても良い。
プロテアーゼは、タンパク質に作用して、アミノ酸を生成させる。使用するプロテアーゼとしては、Aspergillus melleus由来の中性プロテアーゼが好ましい。このような酵素は、市販の酵素を使用しても良い、例えば、天野エンザイム社製のプロテアーゼ製剤「プロテアーゼP「アマノ」3SD」などを例示することができる。酵素処理の方法は、酵素の至適条件を採用して良いが、前記の市販酵素の場合は、酵母懸濁液をpH4~7、望ましくはpH5~6に調整し、25~75℃、望ましくは30~50℃で、酵母菌体重量に対して酵素を0.05~2%、望ましくは0.1~1%添加し、1~30時間、望ましくは10~15時間反応させる。
本発明では、プロテアーゼのみの使用でも良いが、さらに効率的に酵母を分解するために、酵母細胞壁溶解酵素を使用しても良い。酵母細胞壁溶解酵素としては、グルカナーゼを好適に採用することができる。さらに、本発明で使用する酵母細胞壁溶解酵素として、使用するのは、プロテアーゼを含まないグルカナーゼを使用することが特に好ましい。プロテアーゼを含まないグルカナーゼであれば、特に制限はないが、このような市販酵素としては、「デナチームGEL」(長瀬ケムテックス製)を例示することができる。反応条件は、使用する細胞壁溶解酵素の至適条件良い。また、細胞壁溶解酵素は、前段のAspergillus melleus由来の中性プロテアーゼと同時に使用することが好ましい。
酵素反応後、必要に応じて、酵素の失活処理を行う。通常は、90~100℃で10~60分間加熱することにより、酵素を失活させる。
酵素失活後、本発明では、固液分離は行わず、そのまま酵母調味料として使用することができる。必要に応じて、濃縮、乾燥により、粉末化しても良い。
本発明は、通常の酵母調味料として使用できる。使用できる飲食品としては、特に制限はないが、たれ、スープ、畜肉・水産食品など、様々な食品、飲料、又は加工飲食品が挙げられる。
飲食品に対する酵母調味料の量は、一般的に0.01~5重量%であり、好ましくは0.03~2重量%、更に好ましくは0.05~1重量%である。この範囲であれば、飲食品の風味を自然に増強することができる。0.01%より少ない添加量では呈味改質の効果を認めにくく、また、5%より多く含有させると、酵母調味料自体の風味が目立つようになり、また、コスト的にも好ましくない。
本発明において、アミノ酸はL-8900型高速アミノ酸分析計((株)日立ハイテク製)を用いて分析した。
以下、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の様態に限定されるものではない。
<実施例1>
キャンディダ・ユティリスCs7529株(FERMP-3340)10%菌体懸濁液1000mLを沸騰水中で15分間加熱した後、遠心分離により、エキス成分を除去し菌体を200g得た。その後菌体を、再び10%に懸濁し600gとして市販のプロテアーゼ製剤として「プロテアーゼP6SD」(天野エンザイム製)、グルカナーゼ製剤として「デナチームGEL」(長瀬ケムテックス製)をpH6.0、50℃、15時間作用させた。
その後、15分失活後に濃縮、噴霧乾燥を実施し酵母調味料粉末を51g取得した。得られた酵母調味料の酸性アミノ酸含量は1.5%、イノシン酸+グアニル酸含量は0%、非酸性アミノ酸含量は15%であった。
<実施例2>
市販のかつおだしを固形分1%とした100g重量溶液に対し、実施例1の酵母エキスを0.1g重量加え官能評価を実施した。
<比較例1>
実施例2と同様に、「酵味ET」(三菱商事ライフサイエンス製)の官能評価を実施した。酵味ETの酸性アミノ酸含量は1.5%、イノシン酸+グアニル酸含量は5.1%、非酸性アミノ酸の含量は8.5%であった。
<比較例2>
実施例2と同様に、「アジレックスNH」(三菱商事ライフサイエンス製)の官能評価を実施した。アジレックスNHの酸性アミノ酸含量は0%、イノシン酸+グアニル酸含量は0%、非酸性アミノ酸の含量は0.1%であった。
<比較例3>
実施例2と同様に、「バーテックスIG20」(富士食品工業製)の官能評価を実施した。バーテックスIG20のアミノ酸含量は5.1%、イノシン酸+グアニル酸含量は20.1%、非酸性アミノ酸の含量は3.5%であった。
官能評価の結果を表1に示した。
Figure 2022074430000001
本発明の製造方法により得られた調味料は、一般的なタンパク酵素分解物や酵母エキスと同様に用いることができ、たとえば醤油、つゆ、だし、タレの原料として、また加工食品の調味料として配合することができる。また、微生物発酵用の培地や肥料、飼料用途などにも使用することができる。

Claims (5)

  1. 酸性アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸の含量が2%以下の酵母組成物
  2. イノシン酸、グアニル酸の含量が3%以下である、請求項1の酵母組成物
  3. 酸性アミノ酸ではないアミノ酸の含量が12%以上である、請求項1又は2の酵母組成物
  4. 酵母菌体にAspergillus melleus由来の中性プロテアーゼ作用させる工程を含む、請求項1~3に記載の酵母組成物の製造方法。
  5. 請求項1~3に記載の酵母組成物を含む飲食品
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