JP2022072769A - 情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents

情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、吸収性物品を着用している利用者の介護を効率的且つ適切に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、情報処理システムであって、吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置と、着用者を介護する介護者が用いる、無線識別装置の電波を検知すると、着用者の介護に関する情報を出力する介護者用端末と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
近年、通信技術やセンシング技術の向上により、使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品においても、尿等を電気的に検知することが試みられている(例えば、特許文献1-6を参照)。また、介護施設等においても、コンピュータを介護に用いることが提案されている(例えば、特許文献7-9を参照)。
特開2019-130243号公報 特開2019-130244号公報 特開2019-141278号公報 特開2019-146721号公報 特開2019-141279号公報 特開2019-141280号公報 特開2007-25737号公報 特開2008-20976号公報 特開2019-139693号公報
介護施設では、介護者が限られた時間内で効果的な介護を行うことが求められる。しかし、介護施設の利用者の状態は様々であるため、各利用者の状態に応じた適切な介護を行う必要がある。このため、介護者は、限られた時間内で、各利用者の介護に関する情報を適切に把握しながら作業を行う必要がある。
そこで、本発明は、吸収性物品を着用している利用者の介護を効率的且つ適切に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知すると、着用者の介護に関する情報を出力する介護者用端末が出力することにした。
詳細には、本発明は、情報処理システムであって、吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置と、着用者を介護する介護者が用いる、無線識別装置の電波を検知すると、着用者の介護に関する情報を出力する介護者用端末と、を備える。
なお、吸収性物品内に排泄された排泄物に関する情報である排泄情報が記憶される記憶部を有しており、排泄情報から着用者が着用している吸収性物品の交換に関する作業予定を作成するサーバを更に備え、介護者用端末は、無線識別装置の電波を検知するとサーバへ照会し、着用者が着用している吸収性物品の交換作業に関する情報をサーバから取得して出力してもよい。
また、記憶部には、吸収性物品の交換作業と共に行う付帯作業に関する情報が記憶されており、介護者用端末は、無線識別装置の電波を検知すると、交換作業と付帯作業に関する情報を出力してもよい。
また、付帯作業に関する情報には、吸収性物品が着用される陰部の洗浄に関する情報、褥瘡ケアに関する情報、体位変換に関する情報のうち少なくとも何れかが含まれていてもよい。
また、本発明は、情報処理装置であって、吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知する検知部と、無線識別装置の電波を検知すると、着用者の介護に関する情報を出力する処理部と、を備えるものであってもよい。
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、情報処理方法であって、吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知すると、着用者の介護に関する情報を出力してもよい。
また、本発明は、プログラムの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、情報処理プログラムであって、情報処理装置に、吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知すると、着用者の介護に関する情報を出力させてもよい。
本発明によれば、吸収性物品を着用している利用者の介護を効率的且つ適切に行うことが可能である。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの全体構成図である。 図2は、各機器の機能ブロック図である。 図3は、情報処理システムを使って介護を行う際の処理の流れの一例を示した図である。 図4は、排泄予測機能が参照するデータの一例を示した図である。 図5は、現場用端末に表示される画面の一例を示した図である。 図6は、尿量のデータを修正する画面の一例を示した図である。 図7は、便量と便の性状を入力する画面の一例を示した図である。 図8は、排尿量の修正と回帰係数の変化との関係を解説した図である。 図9は、計画立案機能に関する処理フローの一例を示した図である。 図10は、交換スケジュールのプランを比較表示した画面の一例である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの全体構成図である。情報処理システム1は、図1に示すように、ネットワークNや無線アンテナ4経由で双方向通信可能なサーバ2、現場用端末5、管理用端末6、排泄センサー8、空調センサー9を備える。情報処理システム1は、人の助けを必要とする人や動物が利用する施設に好適なシステムであり、例えば、介護施設、病棟、飼育施設、その他各種の施設に適用可能である。
本実施形態では、職員3の助けを必要とする高齢者等の利用者7が利用する介護施設に情報処理システム1を適用し、主に吸収性物品(おむつやパッド)の交換作業を中心とした介護に適用する場合について例示する。しかし、情報処理システム1は、このような介
護施設への適用や、吸収性物品の交換作業への適用に限定されるものではない。また、情報処理システム1は、介護施設の建物内で介護が行われる形態に限定されるものでなく、例えば、利用者7の自宅へ訪問する訪問型の介護施設においても適用可能である。
ネットワークNは、情報機器同士を繋ぐ通信回線であり、例えば、介護施設内に敷設されるLAN(Local Area Network)ケーブルやハブ、無線LAN、或いは、インターネット等の公衆通信回線等を用いて構築される。
サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)
、入出力インターフェース、SSD(Solid State Drive)等を備える情報処理装置であ
る。サーバ2は、現場用端末5や管理用端末6からアクセス可能であり、各種リクエストの処理やその他各種の演算処理を行う。サーバ2は、インターネット上に形成されたクラウドであってもよい。
現場用端末5は、職員3が利用者7を介護する際に利用する情報処理装置である。現場用端末5は、職員3が携帯可能で且つ画面確認容易なタブレット型コンピュータが好適であるが、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブル端末、職員3が利用する移動式カートに搭載されたコンピュータ等、各種の情報処理装置を適用可能である。現場用端末5は、職員3が利用者7を介護する際に必要な情報の表示や各種入力の受付を行う。
管理用端末6は、職員3の詰所等に設置される情報処理装置である。管理用端末6は、デスクトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、その他各種の情報処理装置を適用可能である。管理用端末6は、職員3がスケジュールの確認や各種の設定操作等を行う際に利用される。
排泄センサー8は、利用者7が着用する吸水パッドやおむつ等の吸収性物品に内蔵されるセンサーである。例えば、大人用紙おむつの場合、テープタイプまたはパンツタイプを利用者7が装着し、おむつの内側に尿パッドを入れることで、主な吸収は尿パッドが担う。そして、尿パッドが汚れたら交換する。テープタイプまたはパンツタイプのおむつは、通常、1日~2日に1度交換する。交換スケジュールによっては、尿パッドを併用しない場合もある。このような紙おむつ交換の際には、交換時に陰部洗浄を合わせて行うことがある。陰部洗浄の際には、紙おむつを下に敷いたまま処置し、洗浄液は紙おむつに吸収させて廃棄する。従って、センサーを具備させるのは、尿パッド、テープタイプまたはパンツタイプの紙おむつである。一方、子供用紙おむつの場合、テープタイプまたはパンツタイプを1枚だけ使うのがほとんどで、まれに洗濯できるおむつカバーに尿パッドを併用する場合がある。したがって、従って、子供用紙おむつの場合、テープタイプとパンツタイプの紙おむつや、尿パッドが排泄センサー8の取り付け対象になる。紙おむつに具備させる排泄センサー8の位置は、紙おむつの股下部に相当する位置で、吸収体の下側が好適であるが、吸収体の上側でもよい。これは、排泄センサー8の形態に依存する。
排泄センサー8は、利用者7から排泄された尿を検知するセンサーの他に、当該センサーで得た情報をサーバ2へ送るための通信回路も備えている。排泄センサー8は、センサーで得た情報を無線通信でサーバ2へ送るものが好適であるが、有線通信でサーバ2へ送るものであってもよい。また、排泄センサー8は、尿に接触すると発電するデバイス(例えば、バイオ燃料電池やアルミイオン電池)を使い、通信回路の電力も当該デバイスから給電する形態が好適であるが、充電池等の二次電池を使うものであってもよい。二次電池等の電源を用いる場合であれば、尿を検知するセンサーとして、例えば、尿が接触すると通電する素子、或いは尿が接触すると通電しない素子を使い、通電する素子数の多寡によって尿量を検知することが可能となる。
また、排泄センサー8は、尿に接触すると発電するデバイスを使う場合、当該デバイスの発電電力の大きさに応じて尿量を検知してもよい。
例えば、当該デバイスが、尿が素子に接触する部位の多寡に応じて電力を増減するものである場合、当該電力の大きさに関する情報をサーバ2へ送ることにより、尿量に関する情報をサーバ2が取得可能となる。当該デバイスが、尿に接触する電極の面積が大きいほど発電電力が増すものである場合、電力の大きさを尿量の情報として利用できる。
また、例えば、当該デバイスが、尿が素子に接触する部位の多寡や電力の大きさに応じて、発信する電波の周波数の種類が増減ものである場合、発信された電波の種類に基づいて尿量を取得可能となる。互いに周波数の異なる3つの周波数を周波数A,B,Cと仮定し、当該デバイスが、尿が接触した場合に周波数Aの電波を発信する素子、尿が接触した場合に周波数Bの電波を発信する素子、尿が接触した場合に周波数Cの電波を発信する素子、の3つの素子を有するものであれば、無線アンテナ4や現場用端末5等において受信された電波の周波数の数により、例えば、周波数A,B,Cの何れかの電波のみ受信された場合は尿量「少」、2つの電波が受信された場合は尿量「中」、3つ全ての電波が受信された場合は尿量「多」といった判定が可能となる。この場合、特定の周波数の電波を受信してから、他の特定の周波数の電波を受信するまでの経過時間に応じて、排尿量を予測してもよい。例えば、特定の周波数の電波を受信してから、他の特定の周波数の電波を受信するまでの経過時間が、比較的短ければ排尿量が多く、比較的長ければ排尿量が少ない、といった予測が可能である。このような予測を行う場合、機械学習を用いると予測精度が高まる。
また、当該デバイスが、尿の接触状態に応じて発電電力を増減するものである場合、排尿の繰り返しによる電気的な挙動の変化を、発電電力の大きさを基にした排尿量の推定に反映させてもよい。例えば、1回目の排尿があった後、吸収体中の尿は高分子吸収材に吸収され、電極を濡らす尿が減るため、当該デバイスが出力する電圧は、尿が接触した直後から徐々に低下し得る。よって、排尿時の尿量が少なければデバイスの素子を濡らし続けることができないので、デバイスの出力電圧が速やかに低下する。一方、排尿時の尿量が多ければデバイスの素子を濡らし続けることができるので、デバイスの出力電圧が低下するのに長時間を要する。吸収体は1回目の排尿により、吸水可能な量が低下するため、2回目の排尿時の吸水能力は1回目より低い。よって、当該デバイスによって検出される2回目の排尿では、1回目の排尿時よりも出力電圧の低下が遅くなる。このため、例えば、排尿回数を機械学習の入力データに含めれば、排尿の繰り返しに伴う排尿量と電圧低下との相関関係の変化を考慮した排尿量の推定も可能となる。このように、発電電力のみならず、排尿回数も用いた排尿量の推定が行われれば、排尿量を高精度に推定可能となる。
また、排泄センサー8は、利用者7から排泄された尿等の排泄情報を無線アンテナ4経由でサーバ2へリアルタイムで送信する形態に限定されるものではない。排泄センサー8は、例えば、現場用端末5を持った巡回中の職員3が排泄センサー8へ接近したことを無線で検知すると、排泄センサー8のメモリーに蓄積していた排泄情報を現場用端末5へ送信し、現場用端末5から無線アンテナ4経由でサーバ2へ送信するものであってもよい。この場合、排泄情報を時系列データとしてサーバ2へ提供するためには、排泄センサー8に時計を設け、排泄を検知した時刻の情報等も合わせてサーバ2へ提供することが好ましいが、情報処理システム1は、このような形態に限定されない。例えば、職員3が1時間毎に巡回するような介護施設において、後述の排泄予測において許容される排泄時刻の誤差が1~2時間程度許容されるような場合であれば、時計を有しない排泄センサー8が、巡回中の職員3が接近したタイミングで現場用端末5と無線アンテナ4経由でサーバ2へ排泄情報を送信する形態であっても、排泄予測に必要な排泄情報をサーバ2へ提供することができる。
排泄センサー8は、センサーで得た情報をサーバ2へ送信する際、利用者7を識別するための識別情報をセンサーの情報に付加する。この識別情報は、排泄センサー8が使用済みの吸収性物品と共に廃棄される使い捨てのセンサーである場合であれば、各排泄センサー8に個別に割り当てられた固有の情報である。また、排泄センサー8が、各利用者7に固有の情報を記録した媒体をスロットに差し込んで用いるタイプのものであれば、この識別情報は、各利用者7に個別に割り当てられた固有の情報である。後者の場合には、各利用者7に割り当てた固有の情報をサーバ2のデータベース24等で管理しておくことにより、サーバ2は、排泄センサー8から送られた情報が何れの利用者7のものであるかを特定することができる。一方、前者の場合には、各排泄センサー8に個別に割り当てられた固有の情報と各利用者7との対応関係をサーバ2側が把握しておく必要がある。そこで、前者の場合には、職員3が吸収性物品を利用者7へ装着させる際、装着させた吸収性物品に内蔵されている排泄センサー8の識別情報と利用者7との対応関係を記録する紐づけ作業が必要である。このような紐づけ作業は、例えば、職員3が吸収性物品を利用者7へ装着させる際に、現場用端末5の無線通信部53で排泄センサー8の識別情報を読み取ったり、排泄センサー8に表示されている識別情報を職員3が現場用端末5へ手動で入力したり、或いは、その他各種の方法で実現可能である。
また、排泄センサー8は、排尿のみならず、排便時刻や排便量といった排便に関わるデータついても取得可能なものであってもよい。一般に、排泄時点から排泄が終了するまでの間、吸収性物品の内部の湿度及び温度は急上昇し、その後、徐々に低下する傾向にある。また、尿便、経血や水様便といった流動体の排泄物(流動排泄物)と、糞便やおりものといった固形の排泄物(固形排泄物)とでは、排泄が終了した後の湿度及び温度の低下度合い、つまり、単位時間当たりの湿度及び温度の低下量が異なる傾向にある。例えば、流動排泄物は、固形排泄物よりも熱容量が小さい。また、流動排泄物は、拡散しやすい。よって、流動排泄物は、湿度及び温度が固形排泄物よりも低下しやすい。よって、例えば、吸収性物品の内部の湿度及び温度やその変化率を測定することにより、流動排泄物と固形排泄物とを判別することが可能である
空調センサー9は、情報処理システム1が用いられる介護施設の建物内の各所に設置され、温度や湿度といった環境の情報を測定するセンサーである。空調センサー9は、温度及び湿度の少なくとも何れかを含む環境の情報を測定するセンサーの他に、当該センサーで得た情報をサーバ2へ送るための通信回路も備えている。空調センサー9は、センサーで得た情報を無線通信でサーバ2へ送るものが好適であるが、有線通信でサーバ2へ送るものであってもよい。空調センサー9は、空調設備の制御回路から温度及び湿度のデータを出力するもので代用してもよい。また、空調センサー9からサーバ2へ提供されるデータには、空調設備の制御回路に設定されている温度や湿度の制御目標値が含まれていてもよいし、施設の窓側付近であるペリメータゾーンの日射量が含まれていてもよい。
無線アンテナ4は、上述した現場用端末5や排泄センサー8、空調センサー9と無線通信を行うためのアンテナであり、情報処理システム1が用いられる介護施設の建物内の各所に設置される。無線アンテナ4は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等のLAN用無線設備の規格に準拠したアンテナであってもよいし、ネットワークNが公衆通信回線であれば移動通信事業者が提供する4Gや5G等の移動通信事業者用基地局アンテナであってもよい。
図2は、各機器の機能ブロック図である。以下、各機器において実現される機能について説明する。
サーバ2は、RAMにロードされたコンピュータプログラムをCPUが実行すると、入
力処理部21、演算処理部22、出力処理部23を実現する。また、サーバ2は、各種の情報を格納したデータベース24をストレージに備えている。入力処理部21は、現場用端末5や管理用端末6、排泄センサー8、空調センサー9からネットワークN経由で届く情報を受け付ける。演算処理部22は、入力処理部21が受け付けた情報やデータベース24の情報に基づいて各種の演算処理を行う。出力処理部23は、現場用端末5や管理用端末6へネットワークN経由で各種情報を送る。
演算処理部22が演算処理する内容としては、例えば、利用者7が着用する吸収性物品の交換スケジュールの計画立案や、利用者7の排尿時刻の予測等が挙げられる。演算処理部22が演算処理する内容は多岐に渡るため、処理内容の詳細については後述する。
現場用端末5は、RAMにロードされたコンピュータプログラムをCPUが実行すると、入力処理部51や出力処理部52、無線通信部53を実現する。入力処理部51は、サーバ2からネットワークN経由で届く情報や、現場用端末5に設けられているタッチパネルや操作スイッチ類を通じて入力されるユーザ操作を受け付ける。出力処理部52は、入力処理部51が受け付けた情報やユーザ操作を契機に各種の情報をタッチパネル等へ出力する。無線通信部53は、無線アンテナ4やその他各種の電子機器と無線通信を行うための機能部であり、無線アンテナ4と現場用端末5との間の無線接続を確立したり、無線アンテナ4と現場用端末5との間で取り交わされる無線信号を変換したりする。
管理用端末6は、RAMにロードされたコンピュータプログラムをCPUが実行すると、入力処理部61や出力処理部62を実現する。入力処理部61は、サーバ2からネットワークN経由で届く情報や、管理用端末6に設けられているキーボード及びマウス等の入力手段を通じて入力されるユーザ操作を受け付ける。出力処理部62は、入力処理部61が受け付けた情報やユーザ操作を契機に各種の情報を液晶モニタ等へ出力する。
排泄センサー8は、吸収性物品に排泄された尿を検知するセンサーで構成される測定部81と、測定部81の測定値に関する情報を無線で送信する送信部82を備える。測定部81と送信部82は、何れも利用者7が着用する吸収性物品に内蔵される。排泄センサー8は、例えば、おむつに装着可能なパッドタイプの吸収性物品や、単体で使用可能なパンツ型あるいはテープ型のおむつ、その他、各種の吸収性物品に内蔵される。吸収性物品は、通常、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super Absorbent Polymer)等の粒状
の吸収性樹脂を保持させた吸収体を備える。そして、当該吸収体の肌面側には、透水性のトップシート等が配置される。よって、測定部81は、着用者の肛門等から排泄される尿が接触しやすい位置に配置される。着用者の肛門等から排泄される尿が接触しやすい位置としては、例えば、トップシートと吸収体との間や、トップシートの肌面側、その他、トップシートに隣接する様々な部位が挙げられる。そして、測定部81がトップシートにおいて占める面積は、測定部81に採用されている検出用の素子の種類や、測定部81に要求される検出性能、その他各種の条件に応じる。例えば、測定部81が尿の量を多、中、少の三段階程度の精度で検出することを目的とする場合であれば、測定部81は、着用者の腹部に対応する前身頃の部分から、着用者の股下を経由して、着用者の背部に対応する後身頃の部分へ至る広い領域へ設けられていることが好ましい。また、例えば、測定部81が尿の有無のみを検出することを目的とする場合であれば、測定部81は、着用者の股下に対応する部分のみに設けられていればよい。一方、送信部82は、測定部81の測定値に関する情報を無線で送信することを目的としているので、送信部82から無線アンテナ4へ送信される電波が遮られない部位に設けられることが好ましい。よって、送信部82の送信出力やアンテナの形状等にもよるが、吸収性物品に吸収された尿によって送信部
82の電波が遮られない部位として、例えば、吸収性物品の外装部分を形成するカバーシートに隣接する部位等が好ましい。
空調センサー9は、温度変化に応じて抵抗値が変化するサーミスタや、乾湿材の吸水率によって電気抵抗が変化する抵抗変化型センサー等の各種素子で構成される測定部91と、測定部91の測定値に関する情報を無線で送信する送信部92を備える。空調センサー9の情報は、利用者7の排尿時刻や排尿量等の排泄に関わる各種予測値を、利用者7が居る室内の温度等の情報を使って修正する目的で利用される。よって、空調センサー9は、情報処理システム1が用いられる介護施設の建物内のうち、主に利用者7が滞在する部屋や広間等に設置される。
次に、情報処理システム1を使って介護を行う際の処理の流れについて説明する。図3は、情報処理システム1を使って介護を行う際の処理の流れの一例を示した図である。情報処理システム1を用いる介護施設で職員3が介護業務を開始する場合、まず、当日の業務の予定の確認が行われる。職員3は、当日の業務の予定を確認したい場合、例えば、詰所で管理用端末6を操作し、予定の要求操作を行う(R101)。管理用端末6では、予定の要求操作を入力処理部61が受け付けると、予定に関する情報のデータを出力処理部62がサーバ2へ要求する(R102)。サーバ2では、管理用端末6から予定に関する情報のデータの要求を入力処理部21が受けると、演算処理部22がデータベース24に格納されているデータを照会する(R103)。そして、サーバ2では、演算処理部22がデータベース24に照会して取得した予定に関する情報のデータを、出力処理部23が管理用端末6へ提供する(R104)。管理用端末6では、サーバ2から提供された予定に関する情報のデータを入力処理部61が受け付けると、出力処理部62が当該データの情報を液晶モニタへ表示する(R105)。職員3は、管理用端末6に表示された予定を確認する(R106)。
管理用端末6に表示された予定を確認した職員3は、利用者7の介護を行うために利用者7の居室へ移動する準備を行う(R107)。準備作業としては、例えば、利用者7に新たに装着する新品の吸収性物品、使用済みの吸収性物品を廃棄するための廃棄物袋、吸収性物品の交換作業時に合わせて行う作業用の物品類の準備等が挙げられる。
移動の準備が完了した職員3は、用意した物品類や現場用端末5と共に利用者7の所へ移動する(R108)。そして、職員3は、利用者7の所へ到着したら現場用端末5を操作し、利用者7の介護に必要な情報を呼び出す。現場用端末5では、職員3の操作を入力処理部51が受け付けると、職員3の介護に必要な情報を出力処理部52がタッチパネルに表示する(R109)。出力処理部52がタッチパネルに表示する情報は、現場用端末5のストレージに予め格納された情報であってもよいし、或いは、入力処理部51が職員3の操作を受け付ける度に出力処理部52がサーバ2へ照会し、サーバ2から現場用端末5へ提供される情報であってもよい。
また、現場用端末5は、利用者7が身に着けているRFID等の無線識別装置の信号を読み取ることで利用者7への接近を検知し、吸収性物品の交換要否や体位変換の要否といった利用者7に関する介護用の情報を自動表示したり、或いは、利用者7が身に着けている識別表示のバーコードやQRコード(登録商標)を読み取る読み取り操作を行うと情報表示したりしてもよいし、利用者7を生体認証(顔、指紋、虹彩、静脈、耳形、体臭等)で判別して情報表示してもよい。この場合、現場用端末5の無線通信部53は、RFIDの電波を検知する検知部として機能する。そして、RFIDの電波に含まれる識別情報によって特定される利用者7の情報を現場用端末5がサーバ2へ照会し、当該情報がサーバ2から現場用端末5へ送られて表示される。RFIDは、利用者7の手首や足首等に装着されるバンド状のものであってもよいが、例えば、利用者7が着用する吸収性物品に備わ
る排泄センサー8に付属の機能として実現され、或いは、排泄センサー8と共に吸収性物品に埋め込まれたものであってもよい。RFIDは、各種の近距離無線通信技術を用いて読み取り可能である。RFIDを読み取る無線通信の規格としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)といっ
た各種規格が挙げられる。
職員3は、現場用端末5に表示された情報を確認し、本人確認を行う(R110)。本人確認とは、利用者7の取り違えを防止する重要な手順であり、利用者7に対し誤った介護を行うことを防止する目的で行われる確認である。
職員3は、本人確認を完了した後、現場用端末5を操作して必要な情報を呼び出し、利用者7に介護を行う際の注意事項や手順といった各種の指示内容を確認する(R111)。そして、職員3は、利用者7が着用している使用済みの吸収性物品の交換や、その他各種の介護に関する処置を行う(R112)。現場用端末5は、音声認識技術を使って職員3の音声を解析し、職員3が要求する情報を表示するようにしてもよい。
職員3は、介護に関する処置を行うと、現場用端末5に記録事項の入力を行う(R113)。現場用端末5に入力する記録事項としては、例えば、使用済みの吸収性物品に吸収されていた尿の量、利用者7の体位、吸収性物品の交換時に合わせて行った作業に関する情報等である。職員3が入力した記録事項に関する情報は、現場用端末5の入力処理部51が受け付ける(R114)。そして、現場用端末5では、入力処理部51が受け付けた情報を出力処理部52が無線通信部53を使ってサーバ2へ送信する。サーバ2は、現場用端末5から受信した情報を入力処理部21が受け付ける(R115)。そして、サーバ2では、演算処理部22がデータベース24にアクセスし、入力処理部21が受け付けた情報を基に、データベース24に格納されているデータを更新する処理が行われる(R116)。体位変換等の付帯作業に関する情報は、次回の付帯作業の内容決定に用いられる。
なお、上記一連の処理は、一人の利用者7毎に行われるものではない。すなわち、職員3は、詰所を出発すると、複数人の利用者7に対して介護を行った後、再び詰所へ戻ることになる。よって、上記一連の処理は、例えば、R101からR107までの処理が行われた後、R108からR114までの処理が複数回繰り返された後に、R115以降の処理が行われる場合がある。或いは、例えば、R101からR107までの処理が行われた後、R108からR116までの処理が複数回繰り返される場合がある。
本実施形態の情報処理システム1を用いる介護施設の職員3は、上述した現場用端末5や管理用端末6を使うことにより、介護に関する各種の情報を確認することができる。よって、例えば、利用者7が利用する寝台やその付近の什器に貼着した伝達事項や注意事項を確認しながら作業を行う場合に比べると、より多くの情報を容易に確認しながら作業を行うことができる。
以下、情報処理システム1が有する幾つかの機能の詳細について、個別に説明する。
<排泄予測機能>
上記実施形態の情報処理システム1には、利用者7の排泄予測機能が備わっている。排泄予測機能は、排尿時刻や排尿量、排便時刻等を予測する機能である。排泄予測機能は、主にサーバ2の演算処理部22が司る。排尿時刻や排尿量、排便時刻は、過去の排尿時刻や飲食、摂取した医薬品、居室の温湿度、居室の空調設定、その他各種の情報に基づいて予測することができる。
排泄予測は、サーバ2の演算処理部22によって定期的に実行され、予測結果がデータベース24に記憶される。よって、職員3は、任意のタイミングで現場用端末5の操作を行っても、利用者7が次に排尿する予測の時刻や排尿量を確認することができる。したがって、職員3は、排泄予測を踏まえた事前の準備行動を行うことができる。
図4は、排泄予測機能が参照するデータの一例を示した図である。本実施形態に係る情報処理システム1の排泄予測機能は、排泄センサー8によって自動的に取得された排尿量等のデータや、職員3によって手動で入力された排泄物に関するデータ、空調センサー9等によって取得された居室の環境等のデータ、飲食物の種類や量、摂取した医薬品等のデータを機械学習によって解析し、利用者7の排泄パターンの学習を行って各利用者7の予測モデルを作成し、そのモデルから利用者7の排尿時刻や排尿量等を予測する。医薬品の中には、利尿効果のある薬または抗利尿効果のある薬等があるため、それらの投与時刻や投与量は、利用者7の排泄パターンの予測に影響する。また、下剤の投与時刻や投与量は、排泄に直接関わるものなので、利用者7の排泄パターンの予測に影響する。このため、排泄予測機能が参照するデータには、このような医薬品の情報が含まれているが、医薬品の情報は省略することも可能である。
機械学習とは、入力データに対して予測値を出力するモデルを生成するための処理を意味する。機械学習では、学習データを用いて、モデルを定義するパラメータを更新する学習処理が複数回実行される。本実施形態では、排尿量や排尿時刻といった利用者7の介護に関わる様々なデータが学習データとして機械学習に用いられ、将来の排尿量や排尿時刻といった職員3の作業予定に関わる予測値を出力するためのモデルのパラメータが更新される。
本機能では、基本的に排泄が発生した時間を基準として、その直前の所定時間内における複数のデータから解析を行う。例えば、排尿時刻の予測であれば、データベース24に収録されたデータから排尿時刻を抽出する。そして、抽出した排尿時刻のデータを機械学習によって解析し、排尿時刻の特徴量を算出することにより、利用者7の排尿パターンを学習することができ、将来の排尿時刻の予測を行うことができる。機械学習のアルゴリズムとしては、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン(SVM)、線形判別分析、k近傍法、ナイーブベイズ分類法、決定木、ニューラルネットワーク、バギング法、ブースティング法等を用いることができる。
そして、本機能では、上述したように、空調センサー9等によって取得された居室の過去の環境等のデータも考慮することにより、現在の環境等のデータから排泄予測の予測精度を向上させている。具体的には、上記の機械学習において、例えば、排尿時刻や排尿量といった排尿そのものの特徴量のデータのみならず、利用者7の居室の過去の温度や湿度といった排尿に間接的に関わる特徴量のデータも学習データに含めることで、居室の現在の温度や湿度を考慮した予測が可能となる。温度や湿度といった環境の情報は、利用者7毎に個別のデータであってもよいし、或いは、介護施設全体の平均的なデータであってもよい。例えば、冬季から夏季への季節の変化によって気温が上昇すると、膀胱以外の箇所から汗として排出される水分量が増大するため、排尿量が減少する傾向になる。また、乾季から雨季への季節の変化によって湿度が上昇すると、肌表面から蒸散する水分量が減少するため、排尿量が増加する傾向になる。よって、上記の機械学習において、利用者7の居室の温度や湿度といった排尿に間接的に関わる特徴量のデータを学習データに含めることで、排泄予測の予測精度をより高めることができる。
また、本機能では、上述したように、利用者7が摂取した飲食物の種類や量のデータも考慮することにより、排尿時刻の予測精度を向上させている。具体的には、上記の機械学習において、排尿時刻や排尿量といった排尿そのものの特徴量のデータのみならず、利用
者7が摂取した飲食物の種類や量といった排尿に間接的に関わる特徴量のデータも学習データに含めることで、飲食物の種類や量を考慮した予測が可能となる。例えば、水分量の多い汁物を多く摂取すると、体内に入る水分量が増大するため、排尿量が増加する傾向になる。また、飲用する飲み物の量を減らすと、体内に入る水分量が減少するため、排尿量が減少する傾向になる。よって、上記の機械学習において、利用者7が摂取した飲食物の種類や量といった排尿に間接的に関わる特徴量のデータを学習データに含めることで、排泄予測の予測精度をより高めることができる。
上述したように、本排泄予測機能において、機械学習に用いるデータとして、このような環境や飲食物に関するデータの他に、摂取した医薬品のデータ、運動量に関するデータ、その他各種のデータを用いることで、排泄予測の予測精度を可及的に高めることが可能となる。そして、排泄予測の結果は、例えば、数時間後の排尿量や排尿時刻、排便量の発生確率を百分率で得ることができる。よって、例えば、最も確率が高い時間帯を排尿予測時刻として表示したり、百分率をグラフで表示したりすることにより、職員3は、各利用者7が着用している吸収性物品の交換時期を把握することが可能となる。
また、この機械学習では、排尿量を中核のデータとする吸収性物品の交換タイミングを提示するにあたり、職員3によって手動入力された利用者7の体位に関するデータを学習データに含めてもよい。吸収性物品内における尿等の液体の吸収分布は、排泄時の体位によっても大きく変化する。例えば、利用者7が仰向けの場合であれば、尿は利用者7の左右両側に概ね均等に拡散して吸収体へ吸収される。一方、利用者7が左右何れかの方を向いた姿勢の場合であれば、尿は利用者7が向いている方に片寄った状態で拡散するため、左右両側に拡散する場合に比べると、吸収体から漏れる可能性が高い。よって、この機械学習において、職員3によって手動入力された利用者7の体位に関するデータを学習データに含めると、体位による吸収体の拡散分布を考慮したより適切な交換タイミングの提示が可能となる。また、拡散分布を考慮した次の体位の算出も可能となる。
なお、本機能の解説においては、排泄センサー8等のセンサーデバイスを用いて自動取得したデータのみならず、職員3によって現場用端末5へ手動入力されたデータ等も用いた予測について解説したが、本機能はこのような形態に限定されるものではない。本機能は、例えば、排泄センサー8等のセンサーデバイスを用いて自動取得したデータのみを用いて排泄の予測を行ってもよいし、或いは、職員3によって現場用端末5へ手動入力されたデータのみを用いて排泄の予測を行ってもよい。
図5は、現場用端末5に表示される画面の一例を示した図である。職員3は、例えば、現場用端末5に表示される図5に示すような画面を上述したR109のステップで表示させ、本排泄予測機能によって得られる予測結果等を確認することができる。図5に示す画面には、職員3が利用者7の所で介護に関わる作業を行う際に必要な情報が表示される。この情報には、図5に示されるように、例えば、利用者7の氏名や番号、性別、生年月日、年齢が含まれており、上述したR110のステップで用いられる。この画面は、利用者7を特定するための情報が含まれているので、トップ画面として現場用端末5の操作開始初期に表示されると便利であるが、一乃至複数の操作を行った後に表示される画面であってもよい。
図5に示されるように、現場用端末5に表示される画面には、利用者7の氏名等の情報の他、尿や便等の排泄に関わる時系列の情報、体位、食事、水分摂取の状態、点滴、下痢の有無といった各種情報が含まれる(図5の「排泄記録」欄を参照)。また、利用者7に装着する吸収性物品の種類、陰部洗浄に用いる洗浄液の種類、褥瘡ケアの方法、体位変換の方法といった付帯作業に関する情報が含まれる。
排泄記録に関する情報の欄には、当日の朝8時から夜12時までの間の情報が表示される。よって、当日の日中に現場用端末5の画面を開くと、当日の朝8時から現在までの情報が実測データとして表示され、現在から夜12時までの情報については上述の予測結果のデータが表示される。排尿量といった排泄に関するデータは、利用者7が着用している吸収性物品に内蔵の排泄センサー8から送信されてデータベース24に収録されているため、尿量が0ccから500ccまでのレンジで棒グラフに時系列で表示される。棒グラフで表示される尿量の精度は、排泄センサー8の性能に応じるが、例えば、尿が接触すると通電する素子を複数本用いて測定部81を構成したような場合であれば、当該素子の本数に対応する分解能の尿量となるため、段階的な棒グラフが描画されることになる。
付帯作業については、作業手順の詳細を記した作業手順書が当該介護施設に各々予め用意されている。そこで、現場用端末5に表示される画面には、この作業手順書を表示させるための「手順書」ボタンも用意されている。よって、職員3は、各付帯作業の「手順書」ボタンをタッチすることにより、当該付帯作業の具体的な手順を確認することができる。したがって、近年の労働人口減少や介護業界の人材不足といった諸事情により、十分な経験を有しないものが介護施設の職員3となっているような場合であっても、適切な処置を利用者7に対し行うことが可能である。
また、現場用端末5に表示される画面には、利用者7の氏名や付帯作業に関する情報の他、吸収性物品の交換作業の実績を記録するための操作ボタン等が含まれる(図5の「おむつ交換後記録」欄を参照)。利用者7が着用している吸収性物品には排泄センサー8が内蔵されており、上述したように、排尿量といった排泄に関するデータはデータベース24に収録されている。よって、現場用端末5に表示される画面には、排泄センサー8から送信された直近の尿量がセンサー値として表示されている。しかし、職員3が利用者7の吸収性物品を交換する際、使用済みの吸収性物品を確認すると、排泄センサー8によって検出された尿量と実際の尿量とが相違する場合があり得る。そこで、現場用端末5に表示される画面には、排泄センサー8によって取得され、データベース24に記憶された尿量のデータを修正するための修正ボタン等が用意されている。また、排泄センサー8では検知できない便量や便の性状、漏れ量といった諸々の記録事項を入力するためのボタンが用意されている。
図6は、尿量のデータを修正する画面の一例を示した図である。尿量のデータを修正するための修正ボタンを押すと、例えば、図6に示されるような、データ修正用のポップアップウィンドウが現場用端末5に表示される。尿量のデータは、図6に示されるように、センサー値を加算或いは減算するボタンを操作することにより修正可能である。図6に示すポップアップ画面の左下にある「OK」ボタンを押すと、修正した値がサーバ2のデータベース24へ送られ、尿量の修正内容が確定される。なお、排泄センサー8を内蔵した吸収性物品を用いない介護施設の場合には、排泄センサー8で検知する尿量のデータが入力されないので、これらの操作で尿量を手動入力することになる。そして、上述した排泄予測も、これらの操作で手動入力された情報に基づいて行われることになる。
図7は、便量と便の性状を入力する画面の一例を示した図である。便量や便の性状に関するデータを入力したい場合、対応するボタンを押すことにより、例えば、図7に示されるような入力用のポップアップウィンドウが現場用端末5に表示される。便量については、便を表す丸い図柄の個数で「少、中、多」をイメージした3種類のタッチ部分が用意されているので、職員3は、何れかの部位をタッチすることにより、便量を入力可能である。また、便の性状については、便の性状を文言で表現した7種類のボタンが用意されているので、職員3は、何れかのボタンをタッチすることにより、便の性状を入力可能である。現場用端末5に入力された便量、便の性状といった各種データは、ネットワークN経由でサーバ2へ送られ、データベース24に記憶される。そして、上述した排尿時刻等の予
測に用いられる。
なお、データベース24に記憶されていた尿量のデータが修正されると、上述した排泄予測機能の機械学習で用いられる説明変数の係数(回帰係数)も変化する。図8は、排尿量の修正と回帰係数の変化との関係を解説した図である。図8では、フローチャートが図示されているが、回帰係数は演算処理部22の機械学習で算出される。よって、図8に示すフローチャートは、演算処理部22が実行する処理内容を示したものではない。
例えば、利用者7から排出された尿量のデータが修正され、排尿量が修正前より増加したと仮定する(S101でYESの場合)。データベース24に記憶されていた排尿量が修正によって増加すると、修正前に実行されていた機械学習における回帰係数がその影響を受ける。すなわち、修正前に実行されていた機械学習における説明変数と目的変数との相関関係が、排尿量の修正によって変化する。このため、尿量の修正後に機械学習が再実行されると、回帰係数も加算されることになる(S102)。また、排尿量が修正前より減少したと仮定する(S103でYESの場合)。この場合、尿量の修正後に機械学習が実行されると、回帰係数も減算されることになる。(S104)。
データベース24に記憶されていた尿量のデータが職員3によって修正されると、このように、排泄予測機能の機械学習で用いられる説明変数の係数も変化することになる。このような排泄予測機能への影響は、排尿量の修正のみならず、例えば、便量の修正や便の性状の修正、その他各種の項目の修正においても同様に生じる。そして、このような排泄予測機能への影響は、例えば、後述する吸収性物品の交換スケジュールの計画立案機能にも影響を及ぼす。
<計画立案機能>
以下、吸収性物品の交換スケジュールの計画立案機能について説明する。図9は、計画立案機能に関する処理フローの一例を示した図である。本実施形態に係る情報処理システム1の計画立案機能は、例えば、介護施設の早朝等の始業時に実行され、職員3が勤務を開始する際に利用される。本実施形態に係る情報処理システム1の計画立案機能は、主に演算処理部22が実行する処理である。
演算処理部22は、利用者7のデータを参照する(S201)。演算処理部22が参照する利用者7のデータは、データベース24に記憶されているデータであり、上述した尿量の情報やその他各種の情報が含まれる。
また、演算処理部22は、各職員3のシフト(勤務予定)のデータを参照する(S202)。各職員3のシフトのデータは、介護施設で利用される人事管理用のサーバに記憶されているデータ、或いは、データベース24に記憶されているデータであり、各職員3を管理する管理者や各職員3自身が、管理用端末6または現場用端末5等に入力したデータである。
また、演算処理部22は、各利用者7の介護に関するデータを参照する(S203)。演算処理部22が参照する利用者7の介護に関するデータは、データベース24に記憶されているデータであり、利用者7が着用している吸収性物品の種類、利用者7に施す必要のある処置の内容(褥瘡ケア、陰部洗浄、体位変換の要否等)、利用者7が着用する吸収性物品の銘柄と吸収能力といった各種情報が含まれる。
演算処理部22は、参照した上記データを基に、吸収性物品の交換スケジュールのプランを作成する(S204)。より詳細には、演算処理部22は、優先順位が高い項目を互い違いにした複数のプランを作成する。演算処理部22が作成するプランとして、本実施
形態では、「延べ交換回数優先」(以下、「プラン1」という)、「紙おむつコスト優先」(以下、「プラン2」という)、「排泄介護担当者1人当たり最低負荷優先」(以下、「プラン3」という)、「定時交換優先」(以下、「プラン4」という)の4種類を例示する。しかし、情報処理システム1は、この4種類のプランを作成する形態に限定されるものではない。情報処理システム1は、その他各種のプランを作成してもよい。
プラン1は、職員3が行う吸収性物品の交換作業の回数が最も少なくなるプランである。プラン1は、例えば、職員3の人数が比較的少ない場合等に好適なプランである。このプランでは、例えば、吸収量の多い吸収性物品への交換が演算処理部22によって提案される。
プラン2は、交換する吸収性物品のトータルコストが最も小さくなるプランである。プラン2は、例えば、職員3の人数に比較的余裕があり、吸収能力の小さい安価な吸収性物品を頻繁に交換できる場合等に好適なプランである。
プラン3は、職員3の一人あたりの作業量が最も少なくなるプランである。プラン1が全職員3のトータルの交換回数が最も少なくなるプランであるのに対し、プラン3は、職員3一人あたりの作業が最も小さくなるプランであるため、例えば、日中の特定の時間帯だけ職員3の人数が少ないようなシフトである場合に、当該時間帯のトータルの交換作業が他の時間帯より少なくなる。これにより、当該時間帯以外の職員3が比較的大勢居る時間帯で、交換作業が多くなるため、特定の職員3への作業の集中が緩和される。
プラン4は、吸収性物品の交換が所定の時刻に行われるようにするプランである。例えば、利用者7に様々な予定が用意されており、吸収性物品を交換可能な時間帯が限られているような場合に好適なプランである。プラン4では、予め定められた時間帯に吸収性物品の交換作業が行われるように、交換すべき吸収性物品の種類や交換のタイミングが決定される。
演算処理部22は、例えば、ダイクストラ法を使い、吸収性物品の交換スケジュールや、装着すべき吸収性物品の種類等の探索を行う。ダイクストラ法を用いる場合、例えば、開始ノードから終了ノードまでの間にある多数のノードに、交換や付帯にかかる作業時間、吸収性物品のコスト、施設内の移動に要する所要時間、上述した予測の排尿量や排尿時刻等を重みとして設定し、最も重みが少なくなる経路を探索する。上述したプラン1~4のような複数のプランを探索する際、各プランに対応する重みが探索で優先されるように係数を加え、経路の探索を実行する。これにより、プラン1~4の様々なプランに対応する交換スケジュールの算出が完了する。なお、何れのプランであっても、職員3が吸収性物品の交換作業を行うことが可能な時間帯のプランが作成されることは言うまでもない。例えば、職員3が殆ど居ない深夜帯や、職員3の休憩時間帯などといった職員3の作業不能な時間帯は、上記何れのプランにおいても交換作業の候補の時間帯から除外される。
演算処理部22は、プランの作成が完了したら、現場用端末5または管理用端末6の画面に各プランを比較表示させる(S205)。図10は、交換スケジュールのプランを比較表示した画面の一例である。演算処理部22がプランの作成を完了すると、現場用端末5または管理用端末6には、演算処理部22が作成したプランを画面表示可能な状態になる。よって、職員3は、現場用端末5または管理用端末6を操作することにより、演算処理部22が作成した様々なプランを比較検討することができる。また、職員3が何れかのプランを選択すると(S206)、演算処理部22は、選択されたプランの詳細を職員3の操作する端末に表示させる(S207)。これにより、職員3は、選択したプランの詳細表示を確認することができる。
このような計画立案機能を用いれば、情報処理システム1を利用する介護施設では、利用者7の巡回ルートや各職員3のスケジュールの策定、職員3の配置の決定といった各種の作業が容易になる。このため、情報処理システム1を利用する介護施設では、限られた人数の職員3であっても、利用者7に適切な介護を行うことが可能となる。
実際の介護現場では、介護を担う人員が少ないため、排泄の度に紙おむつを交換することは現実的ではない。よって、利用者の排泄時刻が予測可能であっても、予測された時刻に紙おむつの交換作業を行うことができないのが現実である。この点、本計画立案機能であれば、予測される排尿量や排尿時刻のデータのみならず、職員3のシフト等の様々なデータも用いた計画立案が行われるため、1日の職員3のシフトや配置状況にあわせた吸収性物品の交換時刻の提案や選択が可能である。また、本計画立案機能を用いれば、吸収性物品の交換タイミング等から、職員3の必要人数を時間帯別等に割り出すことが可能であるため、情報処理システム1を、職員3の出勤スケジュールの検討に利用することも可能である。
また、本実施形態の情報処理システム1であれば、吸収性物品の交換といった排泄ケアのみならず、これと同時に施すスキンケア等の付帯作業についても、手順の閲覧や記録を排泄ケアの情報と共に参照、入力可能である。よって、本実施形態の情報処理システム1であれば、利用者7の介護に関わる諸々の作業を極めて合理的に行うことが可能となる。
<コンピュータ読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記憶媒体をいう。このような記憶媒体としては、例えば光ディスク、SSD、HDD、不揮発性メモリー等が挙げられる。
N・・ネットワーク
1・・情報処理システム
2・・サーバ
3・・職員
4・・無線アンテナ
5・・現場用端末
6・・管理用端末
7・・利用者
8・・排泄センサー
9・・空調センサー
21・・入力処理部
22・・演算処理部
23・・出力処理部
24・・データベース
51・・入力処理部
52・・出力処理部
53・・無線通信部
61・・入力処理部
62・・出力処理部
81・・測定部
82・・送信部
91・・測定部
92・・送信部

Claims (7)

  1. 吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置と、
    前記着用者を介護する介護者が用いる、前記無線識別装置の電波を検知すると、前記着用者の介護に関する情報を出力する介護者用端末と、を備える、
    情報処理システム。
  2. 吸収性物品内に排泄された排泄物に関する情報である排泄情報が記憶される記憶部を有しており、前記排泄情報から前記着用者が着用している吸収性物品の交換に関する作業予定を作成するサーバを更に備え、
    前記介護者用端末は、前記無線識別装置の電波を検知すると前記サーバへ照会し、前記着用者が着用している吸収性物品の交換作業に関する情報を前記サーバから取得して出力する、
    請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 前記記憶部には、前記吸収性物品の交換作業と共に行う付帯作業に関する情報が記憶されており、
    前記介護者用端末は、前記無線識別装置の電波を検知すると、前記交換作業と前記付帯作業に関する情報を出力する、
    請求項2に記載の情報処理システム。
  4. 前記付帯作業に関する情報には、前記吸収性物品が着用される陰部の洗浄に関する情報、褥瘡ケアに関する情報、体位変換に関する情報のうち少なくとも何れかが含まれる、
    請求項3に記載の情報処理システム。
  5. 吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知する検知部と、
    前記無線識別装置の電波を検知すると、前記着用者の介護に関する情報を出力する処理部と、を備える、
    情報処理装置。
  6. 吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知すると、前記着用者の介護に関する情報を出力する、
    情報処理方法。
  7. 情報処理装置に、
    吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置の電波を検知すると、前記着用者の介護に関する情報を出力させる、
    情報処理プログラム。
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