JP2022072742A - 状態センサ、監視装置及び監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】環境電波と自己発振電波との散乱合成に伴う周波数シフトを活用することで、消費電力を抑制しつつ精度の高い状況変化の認識を可能にする。【解決手段】状態センサ30は、所定周波数fcの環境電波を散乱させるアンテナ32と、所定周波数fcに対して低周波の発振周波数fiで発振する発振器31と、発振器31からの発振周波数でアンテナ32の特性を反射と吸収とに切り替えるRFスイッチ33と、外部の状態変化に応じて物理的にオンオフする物理スイッチ34とを備える。そして、物理スイッチ34のオンオフのうちの所定の一方で発振器31を動作させて、発振周波数で環境電波の反射と吸収とが繰り返される変動を生じることで散乱電波に周波数シフトを発生させる。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名 一般社団法人電子情報通信学会 刊行物名 電子情報通信学会技術研究報告,vol.119,no.436,pp.185-190. 発行年月日 令和2年2月24日
本発明は、環境電波及び自己発振による電波を利用して人の行動やモノの状況認識(以下、まとめて状況認識という)を行う技術に関する。
近年、見守りなどの目的で、人の行動やモノの状況認識に関する研究が盛んに行われている。例えば、離床検知により介護者の負担を軽減したり、ドアの開閉を検知することで、空調制御や侵入検知に利用するといった用途がある。また、ポットやリモコンなど、日々使用するモノが実際に使用されている頻度や時間を把握することで、遠隔での見守りサービスに役立てることができている。これまでにウェアラブル端末も含め、様々なセンサを利用した状況認識の手法が多数提案されている。
しかし、多くのセンサは充電や電池交換が必要であり、恒常的に使用することが想定されるアプリケーションにとって、維持管理のコストは大きな課題である。このような課題を解決するため、センサの省電力化と環境発電を組み合わせた取り組みが多数なされており、いくつかの製品も入手できるようになっている。
一方、環境発電ではわずかな電力しか得られないため、動作や通信の頻度などの機能を制限するアプローチが中心である。このため、頻繁な動きを伴う行動のセンシングなど、機能制限が本質的に困難なアプリケーションを実現できない。
これに対して、カメラに代表されるように、設備側でセンシングを行う方式は少数の設備で広範囲をセンシングでき、設備に電源供給が可能な場合も多いため、維持管理の観点ではコストが低い。しかし、カメラにはプライバシーの問題もあり、適用できない場合がある。LiDARなどの測距デバイスやRFID、Wi-Fi CSI (Channel State Information)などの電波変動を利用した方式は、プライバシーのリスクが低い方式として注目されている。一方、新たな設備の導入や環境ごとの学習データ収集が必要であったり、認識可能な状況が限られたりする課題も存在する。
ところで、周囲の端末から発信されるWi-FiやBluetooth(登録商標)などの電波の反射/吸収の状態を切り替えることで通信を行うBackscatterが知られているが、送信側で搬送波を生成する必要がないため、超低消費電力でのデータ送信が可能であることから、RFIDの通信方式として採用されている。近年では、Wi-Fi,Bluetooth(登録商標),LoRa,TVなどの既存の電波を環境電波として利用して、Backscatter通信が可能なことが知られている。このような技術を用いて、センサデータをBackscatter通信により送信し、状況認識を実現することは可能である。しかし、センサやマイクロコントローラの消費電力も考慮した設計が求められるため、その実現は容易でない。
また、非特許文献1には、アンテナと振動スイッチで構成されたWi-Fi Backscatterセンサを、腕などの人体や名札などの身に付けるモノに装着することが記載されている。このWi-Fi Backscatterセンサは、人の動きによって生じる振動によりスイッチのオンオフが切り替わることで、アンテナ特性を変化させるものである。従って、Wi-Fi電波がアンテナに到達し、反射される電波には人の動きに応じた変化が生じる。そして、この変化を、Wi-Fi基地局などの環境に設置された受信機で観測することによって、バッテリレスでありながら、人の行動認識の実現を試みたものである。
前田 透 内山 彰、東野 輝夫、"バッテリレス行動認識のためのWi-Fi Backscatterセンサの基本性能評価"P91-P96、Information Processing Society ofJapan、第27回マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集、令和元年11月
非特許文献1に記載の技術は、人の動きによって生じる振動によって、すなわち物理的にアンテナの特性を切り替えるものであるため、オンオフの周波数を高くすることが容易でなく、その分、人の動きに対する検出精度を維持することが容易でなく、汎用性で一定の制限がある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、環境電波と自己発振の電波との散乱合成に伴う周波数シフトを活用することで、消費電力を抑制しつつ精度の高い状況変化の認識が可能な状態センサ、監視装置及び監視システムを提供するものである。
本発明に係る状態センサは、所定周波数の環境電波を散乱させるアンテナと、前記所定周波数に対して低周波の発振周波数で発振する発振器と、前記発振器からの発振周波数で前記アンテナの特性を反射と吸収とに切り替えるRFスイッチと、外部の状態変化に応じて物理的にオンオフする物理スイッチとを備え、前記物理スイッチのオンオフのうちの所定の一方で前記発振器を動作させるものである。
本発明によれば、人の行動やモノの状況変化、すなわち外部の状況変化に応じて物理スイッチがオンオフに切り替わり、この切り替わりを受けて発振器の動作が切り替えられる。RFスイッチは、発振器の動作が停止している間、アンテナの特性をインピーダンス調整によって反射に切り替えて環境電波を散乱させる。一方、RFスイッチは、発振器が動作している間、発振周波数でインピーダンスの切り替えを行ってアンテナの特性を反射と吸収とに繰り返し切り替え、その結果、環境電波の反射と吸収とが繰り返される変動を生じさることで散乱電波に周波数シフトを発生し、受信器側で受信される。なお、アンテナ特性は、理想的にはマッチングの取れた、すなわち最も効率良く反射を行う状態と、最も効率良く吸収する状態とに切り替えることが望ましいが、反射と吸収とは、常に高い効率である必要はなく、用途その他に応じて所期の目的が達成できる程度のマッチングレベルを含めてもよい。
ここで、状態センサは、例えばBackscatterタグが採用可能であり、特に低消費電力で動作する周波数シフト型Backscatterタグが利用可能である。Backscatterタグは、Backscatterと呼ばれる周囲の電波(環境電波)を散乱することで通信を行う技術を利用する。外部の状況変化によって物理的にスイッチが切り替わることで、Backscatterタグから散乱される電波には、三角法の原理より発振周波数に応じた周波数シフトが発生する。この周波数シフトの有無やその時間変化を観測することによって、外部の状況変化が認識可能となる。このように、Backscatterタグを利用したセンシングでは、周波数シフトの有無を観測するだけでセンシングが可能なため、学習データの収集が不要であり、異なる環境でも容易に動作する。
Backscatterタグは、アンテナ、発振器および物理スイッチから構成され、センサやマイクロコントローラを使用しない分、省電力化が図れる。また、周波数シフトの有無が物理スイッチのオンオフに直結しているため、機械学習によるモデル構築などは不要となる。また、発振器は物理スイッチのオンオフの一方で駆動される。オンオフいずれの側とするかは用途などに応じて適宜設定可能である。
また、前記発振器を駆動する電源を備え、前記電源は、前記物理スイッチがオンオフの前記所定の一方で前記発振器に電力供給を行うものである。この構成によれば、発振器の駆動電源の省電力化が図れる。電源としては、ボタン(コイン)電池などを含む小型の電池、または光、電波、熱などを利用した環境発電蓄電部と併用でもよい。
また、前記所定周波数は、GHz帯の高周波であり、前記発振周波数は、数百KHzより低い周波数であることが好ましい。例えば2.48GHzを環境電波として利用することができ、また、シフト周波数を所定周波数に比して数百KHzシフトさせ得ることで、状況変化の認識に際してノイズとなり得る人の動きなどによるインピーダンス変化帯の影響を受けることがなくなり、検出精度が高まる。また、発信周波数が低い分、発振器の電力消費が抑制される。なお、実験の結果から、発振周波数は好ましくはKHz帯以上が適用可能である。
また、本発明に係る監視装置は、前記状態センサから散乱された電波を受信器で受信し、受信された信号中に前記所定周波数に対して前記発振周波数だけシフトされたシフト周波数の成分信号があるか否かを検出する信号検出手段と、前記シフト周波数の成分信号が検出された場合、状態の変化を認識する認識手段とを備えたものである。本発明によれば、状態センサのアンテナから散乱された所定周波数と発振周波数の信号の合成によるシフト周波数の信号が検出されると、状態の変化を認識することが可能となる。なお、監視装置は、受信器を一体的に備える態様の他、受信器とは別体で無線又は有線で接続されたパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの情報処理装置でもよい。
また、本監視装置において、前記信号検出手段は、前記所定周波数に対して前記発振周波数だけシフトされたシフト周波数のうち、低周波側のシフト周波数と高周波側のシフト周波数の一方について成分信号が合成されているか否かを検出するものである。この構成によれば、シフト周波数の成分信号は、所定周波数の高低側に一対で現れ得ることから、その一方に対して検出すれば足りる。いずれ側のシフト周波数を検出するかは、例えば用途などによって設定される。
また、本発明に係る監視システムは、前記状態センサと前記監視装置とを備えたものである。この発明によれば、監視対象の空間に状態センサと、監視装置の受信器とが少なくとも配置される。状態センサは、対象となる人あるいはモノに、その状況変化に応じて物理的にオンオフ変化するように装着される。例えば、人のスリッパの底面などに装着されて歩行の監視を行う。椅子の座面又は背もたれ部に装着されて着座・起立の監視を行う。あるいは、ドアの開閉を検出可能に配置されてドアが開くとオン(又はオフ)することでドアの開閉を監視することが想定される。状態センサを監視対象に装着し、物理スイッチの変化を、環境電波と自己発振の電波との合成に伴うシフト周波数の成分信号の有無を監視装置で検出することで、監視が可能となる。
また、本監視システムにおいて、前記状態センサは、第1、第2の状態センサを含み、前記第1の状態センサは、前記所定周波数とは異なる低周波の第1の発振周波数で発振する第1の発振器を備え、前記第2の状態センサは、前記所定周波数とは異なる低周波の第2の発振周波数で発振する第2の発振器を備え、前記監視装置は、第1、第2の信号検出手段を含み、前記第1の信号検出手段は、受信された信号中に前記所定周波数に対して前記第1の発振周波数だけシフトされた第1のシフト周波数の成分信号が合成されているか否かを検出し、前記第2の信号検出手段は、受信された信号中に前記所定周波数に対して前記第2の発振周波数だけシフトされた第2のシフト周波数の成分信号が合成されているか否かを検出し、前記監視装置は、前記第1、第2の状態センサと前記第1、第2のシフト周波数とを対応付けたデータベースを備え、前記認識手段は、前記データベースおよび前記第1、第2のシフト周波数に基づいて、前記第1のシフト周波数の成分信号が検出された場合、前記第1の状態センサにおける状態の変化を認識し、前記第2のシフト周波数の成分信号が検出された場合、前記第2の状態センサにおける状態の変化を認識することを特徴とするものである。この構成によれば、状態センサの発振器にそれぞれ個別の発振周波数、例えば第1、第2の発振周波数のように設定することで、シフト周波数が異なる結果、各状態センサにおける状況変化の認識が可能となる。なお、予め発振周波数とそれに対応する状態センサの組(対応関係)をデータベースに登録しておけば、シフト周波数に応じた状況対象の識別も可能となる。
本発明によれば、環境電波と自己発振の電波との散乱合成に伴う周波数シフトを活用することで、消費電力を抑制しつつ精度の高い状況変化の認識を可能にする。
本発明に係る監視システムの一例を示す概要図である。 周波数シフト型のBackscatterタグの一例を示す回路構成図である。 監視装置の一例を示す回路構成図である。 平滑化後の周波数スペクトラムの一例を示す波形図である。 BLEのチャネル割り当てを説明する図である。 チャネル39で生成した搬送波のスペクトラムを示す図である。 exciterと受信器の間に10個のBackscatterタグを配置を示す図である。 図7において複数タグ設置時のスペクトラム図で、(A)はタグ間距離20cm、(B)はタグ間距離30cmの場合である。 複数タグ設置時の距離と正解率とを示す図表で、(A)はタグ間距離20cm、(B)はタグ間距離30cmの場合である。 シフト周波数の信号レベルのウ遺跡度数分布(20cm間隔)を示す図で、(A)は1m(450KHz)、(B)は1.6m(480KHz)の場合である。 シフト周波数の信号レベルのウ遺跡度数分布(30cm間隔)を示す図で、(A)は0.9m(430KHz)、(B)は2.1(470KHz)の場合である。 垂直方向実験の正解率を示す図表である。 UDP通信時の信号レベル変動を表す図である。 ストリーミング時のWi-Fi信号レベルを示す波形図である。 人体遮蔽が正解率に与える影響を示す図である。 着座センサ実験レイアウトを示す平面視図である。 着座センサの検出正解率を示す図である。 物理スイッチの他の実施形態を示す図である。
図1は、本発明に係る監視システムの一例を示す概要図である。監視対象空間の一例としての屋内環境には、環境電波としての搬送波を送信する送信器10(exciter)と受信器20とが適宜の箇所に配置されており、一方、状態センサとしての、例えばBackscatterタグ30(1)、30(2)、30(3)がドアや靴、椅子などに取り付けられている。複数のBackscatterタグ30のうち、Backscatterタグ30(1)は、ドアの開閉部に取り付けられ、後述する物理スイッチがドアの開閉に連動して機械的にオンオフする。Backscatterタグ30(2)は、スリッパの底面などに装着されて床面との接触時に物理スイッチがオン(又はオフ)することで歩行の監視に供される。Backscatterタグ30(3)は、座面や背もたれ部に配設されて、着座時に物理スイッチがオン(又はオフ)することで着座・起立の監視に供される。なお、Backscatterタグ一般をいうときは、単にBackscatterタグ30という。Backscatterタグ30は、周波数シフト型のBackscatterタグであってもよい。送信器10としては、電源供給されたWi-Fi基地局やノートパソコン、スマートフォンなどの、十分な容量のバッテリを持つ、所定周波数の信号を少なくとも送信して無線通信可能な端末が利用される。
受信器20は、送信器10から送信された搬送波であって、Backscatterタグ30(1)、30(2)、30(3)によって散乱された電波を受信して観測するものであり、送信器10と同様の端末が利用できる。受信器20の出力側には監視装置40が接続されている。なお、監視装置40と受信器20とは一体的であっても別体であってもよい。
データベース401は、監視装置40と通信可能にネットワークを介して接続されている。データベース401は、Backscatterタグ30(1)、30(2)、30(3)と後述する発振周波数とを対応付けて記憶しており、監視時に読み出されて利用される。
図2は、周波数シフト型のBackscatterタグの一例を示す回路構成図である。Backscatterタグ30は、発振器31、アンテナ32、RFスイッチ33、物理スイッチ34及び電源である電池35を備える。送信器10は、通信用の所定周波数fcの電波を送信する。Backscatterタグ30は、送信器10から送信される電波を以下のように環境電波として利用する。
発振器31は、Backscatterタグ30に対応した所定の発振周波数fiで発振するものである。なお、発振周波数fiは所定周波数fcより低周波であることが好ましい。監視空間で複数のBackscatterタグ30が使用される態様では、各Backscatterタグ30を識別するために、それぞれ固有の発振周波数が設定されている。アンテナ32は、例えば無指向性のモノポールアンテナで構成され、前記した所定の環境電波を反射(散乱)する。アンテナ32は、インピーダンス切り換えのための切換部321を有する。RFスイッチ33は、発振器31からの発振周波数でアンテナ32の特性を反射と吸収とに切り替えるものである。RFスイッチ33は、発振器31の発振動作が停止している間、アンテナ32の特性をインピーダンス調整によって「反射」に切り替えて環境電波を散乱させる。一方、RFスイッチ33は、発振器31が動作している間、発振周波数でインピーダンスの切り替えを行ってアンテナの特性を「反射」と「吸収」とに繰り返し切り替え、その結果、環境電波の「反射」と「吸収」とが繰り返される変動を生じさることで、散乱電波に周波数シフトを発生させる。
物理スイッチ34は、例えばモーションスイッチで、監視対象の状況変化を機械的を含む物理的な変化で検出する。例えば、対象のモーションなどを受けて、押し込み量が変位したり、厚さや長さが変化したり、切片を接離したりすることが想定される。電池35は、光、環境電波、熱などを電気に変換して充電する環境電源、またボタン電池などの小型電源を含む。物理スイッチ34は、対象のモーションを受けてオンオフすることで、切換回路341を介して発振器31に電池35からの駆動電力の供給と停止とを行う。発振器31は、電源供給を受けた間、駆動することで、電池35の電力消費を抑制している。また、物理スイッチ34は、切換回路341を介してRFスイッチ33の切り替えを、発振器31の起動・停止と同期して行う。
かかる構成により、Backscatterタグ30は、物理スイッチ34が例えばオンになれば、発振器31からの発振周波数fiをアンテナ32を介して散乱させることで、送信器10から送出された周波数fcの搬送波に対して固有の周波数シフトを発生させる。対象環境に存在するBackscatterタグi(識別情報ID)と物理スイッチ34に対応する人の行動やモノの状況ciとの組は予めデータベース401(図1,3参照)に登録されている。受信器20側の監視装置40は、周波数スペクトラムに対してピーク検出を行い、周波数シフトした信号の有無を判別する。これによって、対応するBackscatterタグiの物理スイッチ34のオンオフ状態をセンシングすることができ、それに対応する人の行動やモノの状況を認識する。なお、図2に示す電波波形図は、説明の便宜上のもので、周波数fc,fiを必ずしも正確には表していない。
次に、図3は、監視装置40の一例を示す回路構成図である。監視装置40は、情報処理部41と記憶部400、例えばネットワーク上のデータベース401、及び表示部42と操作部43とを備えている。情報処理部41は、後述するように受信したシフト周波数に対し種々の処理を行って監視対象の状況認識を実行する。
まず、周波数シフトについて説明する。Backscatterタグ30において発振器31から発振周波数信号がアンテナ32から放射されると、環境電波である散乱波に周波数fiの電波が合成されて、周波数シフトが発生する。これは、三角法の基礎において、式(1)で、
Figure 2022072742000002
であることから説明される。式(1)は、周波数fc,fiを有する2つの正弦波の積をとることで、周波数fc + fi, fc - fiの余弦波(位相がπ/2遅れた正弦波)となることを示している。搬送波に対するfiまたは-fiのいずれか一方の周波数シフトの有無を観測することで、状況認識を実現する。
受信器20側で受信した信号から周波数シフトを検出するために、情報処理部41は、FFTなどの高速フーリエ変換部、ここではSTFT411(Short-Time Fourier Transform:短時間フーリエ変換)を適用して、信号のパワースペクトラムの時系列データを取得する。STFT411は、所定幅のウィンドウが設定され、このウィンドウを順次ずらしながらフーリエ変換を行う。さらに、移動平均フィルタ412は、時間軸と周波数軸に対して平滑化を行う。移動平均フィルタ412のウィンドウ幅は、時間軸に対しては、8192/1.2*106秒ごとに得られるサンプルに対して、10サンプルとした。周波数軸に対しては、STFTにより、1.2*106/8192 Hzごとに得られる周波数スペクトラムの隣接するサンプルに対して2サンプルとした。
図4は、平滑化後の周波数スペクトラムの一例を示す。ここでは、搬送波の周波数fcは、2480MHzであり、500kHzの周波数シフトを発生させている。±500kHzに周波数シフトによるピークが発生するはずであるが、搬送波成分の隆起によって+500kHzのピークは観測が難しい状態になっている。このような場合でも、周波数シフトのうち、高低両側(正負)のいずれか一方が検出できれば十分なことから、より高いノイズ耐性を有する。
以下、ピーク検出手法の詳細を述べる。周波数fの信号レベルをP(f)とする。ここでは、低い方向の周波数シフトに対する検出方法について説明するが、高い方向の場合も同様である。また、スペクトラムのノイズフロアPfloorを以下の式(2)で定義する。
Figure 2022072742000003
ここで、αは周波数シフトにより表れるピークの幅であり、経験的に6[kHz]とした。図4で示すように、ピーク検出部413は、Pfloorを基準とした時のシフト周波数fc - fiの、式(3)で示す信号レベルの高さ
Figure 2022072742000004
が閾値THを超える場合に、ピーク検出部413で、fc- fi におけるピークを検出する。Fc - fiのピークが検出された場合、Backscatterタグ30のiに対応づけられた状況ciが発生しているものとする。ただし、実際には人やモノ、送信器10、受信器20の動きによって、ドップラーシフトが発生する可能性がある。このため、ピーク検出部413は、ドップラーシフトの許容幅fδを導入し、[fc - fi - fδ, fc - fi+fδ]の範囲内に存在する高さ最大のピークをΔP(fc - fi)としている。ΔP(fc - fi)が閾値THを超える場合に、Backscatterタグ30に対応する状況ciを検出する。周波数シフトによるピークの高さは、送信器、Backscatterタグ、受信器に応じて変化する。なお、閾値THの設定に影響する要因については後述する。
図3に戻って、判定部414は、検出されたシフト周波数の信号が閾値THを超えたことが検出されると、対応するBackscatterタグ30の物理スイッチ34の状況変化を認識したと判断する。
状況認識部415は、判定部414が状況変化を認識したと判断すると、記憶部400内の、監視対象に対する監視蓄積情報を更新する。例えば、スリッパの底面に物理スイッチ34が取り付けられており、歩行をモニタリングしている態様では、歩数情報をインクリメントするなどである。
記憶部400は、情報処理部41がハードウエアとプロセッサを含む構成部分とからなる態様では、プロセッサを動作させる情報処理プログラム、及び必要なデータ類を記憶するメモリエリアと、情報処理を実行し、また及び監視蓄積情報を更新書き込みするワークエリアとを有する。
表示部42、操作部43は必要に応じて設けられるもので、モニタリング情報の画像表示、及び必要な設定指示などを行う。
次に、搬送波の生成の一例について説明する。多くの端末で利用可能なWi-FiやBluetooth(登録商標)では、チャネルごとに数MHzから数十MHzの帯域幅を割り当てている。例えば、IEEE 802.11axでは、転送レートに応じて20MHzから80MHzのチャネル幅が定められている。BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)のチャネル幅は2MHzである。Backscatterタグ30による散乱波の到達距離を伸ばすためには、送信器10から発信される搬送波との干渉を避けることが望ましい。このためには、できるだけ狭い帯域幅で搬送波を送出すること好ましい。そこで、以下のように、Interscatter「Iyer, V., Talla, V., Kellogg, B.,Gollakota, S. and Smith, J.: Inter-Technology Backscatter: Towards InternetConnectivity for Implanted Devices, Proceedings of the 2016 ACM SIGCOMM Conference, ACM, p.356-369 (online), DOI:10.1145/2934872.2934894(2016). 参照」で提案されている手法を利用し、BLEによる擬似的な搬送波の生成を実現する。
図5に、BLEのチャネル割り当てを示す。BLEは、2.4GHz帯に40個のチャネルを持ち、チャネル幅は2MHzである。変調方式にはGFSK(Gaussian Frequency-Shift Keying:ガウス型周波数偏移変調)を用いており、チャネルの中心周波数から±250kHzシフトした周波数がそれぞれビットの’1’と’0’に対応する。なお、40チャネルの内、37,38,39の3つのチャネルはアドバタイジング・チャネルと呼ばれ、デバイス間の接続確立に使用される。接続確立後は、残りの37個のデータチャネルを使用して、周波数ホッピングにより通信を行う。以上のBLEの仕組みから、Interscatterでは、1つのアドバタイジング・チャネルで、常に’0’または’1’を送り続けることで、擬似的に搬送波を生成している。これに基づき、BLEによる搬送波の生成を行った。実装には、Texas Instruments 社のBLE評価ボードLAUNCHXLCC1352P2を利用した。
図6に、チャネル39(中心周波数2480MHz)で生成した搬送波のスペクトラムを示す。信号の出力強度は最大の20dBmであり、’0’を送り続けることで負の方向に250kHzシフトした周波数に搬送波を生成した。この結果より、通常のBLE通信と比較して、狭帯域かつ高いピークを持つ搬送波が生成できていることがわかる。また、ピークより高い周波数側に強い信号強度が偏っていることが確認できる。これは、BLEチャネルの中心周波数から負の方向にシフトした搬送波を生成しているためである。したがって、Backscatterタグ30による周波数シフトのピーク検出を行う場合は、正負の方向に2つのシフトが発生するが、BLEチャネルの中心周波数からより遠い方の周波数シフトを観測することで、搬送波の影響をより低減することができる。
次いで、図7~図17を参照しつつ、実験結果から監視システムの性能評価について説明する。
(1)評価環境
Backscatterタグ30の性能を評価するため、シールドテントおよび実環境での実験を行った。シールドテントは、高さ2mで、幅2m、奥行き3mである。電波の観測には、ソフトウェア無線フロントエンドUSRP(Universal Software Radio Peripheral) B210を使用した。BLEで生成した搬送波は、スペクトラム上で中心周波数から片側約350kHzの隆起が発生するため、Backscatterタグによって発生させる周波数シフトは350kHz以上が望ましい。そのため、USRPのサンプリングレートは、1.2Mbytesに設定した、BLEにはパケットの送信インターバルが存在するため、FFTのウィンドウサイズはこの送信インターバルより十分に大きい8192サンプルに設定した。Backscatterタグ30、USRP、送信器10のアンテナは無指向性で、利得2dBiのモノポールアンテナを採用した。搬送波は、特に明示しない限り、BLEチャネル39(中心周波数2480MHz)を用いた。実験のため、発振器の代わりに、発振周波数を自由に設定できるKuman社の信号発生器FY6600を使用した。RFスイッチには、AnalogDevices社のEVAL-ADG902EBZを使用しており、バッテリにはコイン電池CR2032を使用した。
(2)検出距離と複数の周波数シフトの検出
周波数シフトを観測可能な距離、ならびに複数のBackscatterタグ30の存在を同時に区別できるかを調べるため、図7のように発振器と受信器の間に10個のBackscatterタグを設置し、実験を行った。各Backscatterタグ30と発振器、受信器の間隔を全て20cmまたは全て30cmの2通りで設置した。Backscatterタグ30の発振周波数は、最も発振器に近いタグを410kHzとし、順に10kHzずつ増加させた。物理スイッチは常にオンの状態で、発振器から搬送波を送信し続けて、受信器で10秒間取得した信号に対し、パワースペクトラムの平均を計算した。図8より、設定したシフト周波数付近に複数のピークが見られることが分かる。図9は各距離に設置したタグに対するピーク検出の正解率を表している。正解率(Accuracy)は、以下の式(4)で定義する。
Figure 2022072742000005
TPとFN(FPとTN)はそれぞれ、Backscatterタグ30を継続的に発生させた(オフにした)ときに、シフト周波数における信号レベルがピーク検出の閾値TH以上のサンプルと閾値TH未満のサンプルである。また、シフト周波数における信号レベルの特性から、正解率が取りうる範囲は、0.5から1の範囲となる。
図9(A)は、Backscatterタグ30の間隔が20cmの場合の結果である。送信器と受信器の距離は2.2mである。受信器で観測される信号の品質は、送信器とタグ、およびタグと受信器との距離に依存するため、単純に送信器から遠いほど正解率が低下するわけではない。1mと1.6mの地点で検出率の低下が見られる理由は、フェージングの影響を受けているためと考えられる。また、ピーク検出の閾値THは、3よりも2に設定した方が高い正解率となっており、どの地点でも正解率0.8以上を達成している。一方、図9(B)は、Backscatterタグ30の間隔が30cmの場合の結果である。この場合の送信器と受信器の距離は3.3mである。タグ間距離20cmの場合と比べて、大きく正解率が低下する地点があることが分かる。特に、0.9m,2.1mでは正解率が0.5となっており、周波数シフトが全く観測できていないことが分かる。これは、送信器と受信器との距離が離れていること、およびフェージングが原因と考えられる。
さらに詳細な分析をするため、図9において正解率の低い地点におけるピークレベルの累積度数分布を図10、図11に示す。グラフ中のw/o Backscatterは、タグによる周波数シフトが存在しない場合のノイズフロアのレベルを示す。一方、w/ Backscatterは、タグによる周波数シフトが存在する場合のピークのレベルを示す。w/o Backscatterでのノイズフロアのレベルは、w/ Backscatterで求められるP(fc - fi),Pfloorと同じ周波数ポイントのレベルの差から求められる。w/o Backscatterとw/ BackscatterとのCDF(累積分布関数)が離れているほど、ピーク検出性能が高いといえる。図10、図11を比較すると、明らかにタグ間隔30cmの場合はピーク検出性能が低く、0.9mの地点では周波数シフトが全く観測できないことが分かる。また、これらの結果より、閾値THを高くすると偽陰性の割合が増加する一方、閾値THを低くすると偽陽性の割合が増加することが分かる。
(3)送信器と受信器の位置関係の影響
発振器、受信器、Backscatterタグの配置による影響を調べるため、別の配置で実験を行った。すなわち、送信器と受信器の距離を1.5mに固定し、それらを結ぶ線分の中間地点から垂直の位置にBackscatterタグを配置して、ピーク検出の正解率を調べた。図12の結果に示すように、距離3m以下の場合、正解率は0.9以上となることが分かる。一方、3.5m以上の位置にBackscatterタグを設置した場合は、正解率が0.5程度まで低下している。これは距離の増加によって送信器からの搬送波とタグからの散乱波とが減衰したためである。距離3mの時、Backscatterタグと送信器/受信器の距離はどちらも約3mであることから、Backscatterタグによるピーク検出が高い精度で可能な範囲は、送信器、受信器双方から3m以内の範囲であることが分かった。
(4)Wi-Fi通信による干渉の影響
Wi-Fi通信が周波数シフトの性能に与える干渉の影響を調べるため、Wi-Fi送受信器とBackscatterタグの送信器、受信器、Backscatterタグを配置し、実験を行った。Backscatterタグにより発生するピーク周波数と重なるよう、Wi-Fiの通信チャネルを4(中心周波数2427MHz)に設定し、Wi-Fi送信器からUDP(User Datagram Protocol)パケットを送信し続けることで断続的なトラフィックを発生させた。送信器からの搬送波は、BLEのチャネル38(中心周波数2426MHz)に設定している。図13は、UDP通信時のWi-Fiチャネル内周波数(2425.3MHz)およびシフト周波数における信号レベルの変動を表している。Wi-Fiチャネル内の周波数では、およそ0.1秒の間隔でパケット送信に伴うピークが発生していることがわかる。一方、パケット送信のタイミングに合わせて、シフト周波数におけるピークレベルが低下していることが分かる。このことから、同一周波数でWi-Fi通信などの干渉が存在する場合には、ピーク検出が困難であることが分かった。
ただし、多くの通信において、パケットの送信インターバル中は周波数シフトを観測することが可能である。図14に、Youtube(登録商標)のライブ動画視聴時のWi-Fiチャネル内の周波数(2411.7MHz)における信号レベルを示す。観測されたトラフィックには、送信期間とインターバルがバースト的に表れている。このことから、例えば数秒に一度周波数シフトを観測できれば良いようなアプリケーションでは、他のトラフィックが発生している状況でもBackscatterタグを適用することが可能と考えられる。また、継続的な周波数シフトの監視が必要なアプリケーションにおいては、RTS/CTSの仕組みを利用して、一定期間Wi-Fi通信を行わないようにするといった方法も考えられる。
(5)人体による遮蔽の影響
人体により送信器、Backscatterタグ、受信器間の見通しが遮られた場合の影響を調べるため、実験を行った。送信器と受信器の距離を2mで固定し、その中間地点にBackscatterタグを配置した。そのうえで、受信器、Backscatterタグ、送信器の間で人が立つ位置を変えて実験を行った。図15に、その結果を示す。0.1mおよび1.1mに人がいる場合、正解率が0.8を下回っている。一方、他の4地点でも人体による見通しの遮蔽が存在するが、正解率はほぼ0.9を超えている。0.1m(1.1m)の地点は、他の地点と比べて、搬送波(散乱波)が、Backscatterタグ(受信器)方向に発信された直後に、人体による遮蔽が起こる。一方、他の地点では見通しが遮蔽されたとしても、周囲の壁や机などの物体に反射して搬送波や散乱波がBackscatterタグや受信器に到達する。このため、電波が発信されてから十分に拡散する前に遮蔽されると、大きな性能低下につながると考えられる。
(6)着座センサの実装と評価
Backscatterタグ30のコンセプトアプリケーションの一つとして、着座センサを作成した。物理スイッチ34は、例えば2層構造として構成され、椅子の座面又は背もたれの部分に配置されて、人が着座して荷重を受けると、2層構造が接触するなどして物理スイッチ34がオンに切り替わり、周波数シフトが発生する仕組みである。
オフィスなどでの使用を考慮して、図16のように機器を配置した。Backscatterタグ30は、この例では椅子の背もたれの部分に配置され、送信器はルータなどを想定した位置に設置している。Backscatterタグ30と送信器との距離は1.4mである。受信器はスマートフォンを想定し、左胸ポケット、ズボン右ポケット、机上(180°方向)の3つの配置で実験を行った。椅子に座っている人体の影響を評価するため、図16のように異なる向きに椅子を回転させて座り、0°から180°の範囲で30°刻みでデータを取得した。
図17に評価結果を示す。受信器をズボン右ポケットに入れた場合は、全ての角度でおよそ8割の正解率となった。これは、ズボンの位置とBackscatterタグの位置が近かったためであると考えられる。一方、受信器がシャツの胸ポケットにある場合は、180°の時を除き、8割未満の正解率となった。これはBackscatterタグと受信器の間に身体があり、散乱波が人体に遮られてしまったためだと考えられる。180°のときは、受信器、Backscatterタグ、身体の位置関係によって、散乱波に対する遮蔽効果が小さかったため、正解率が8割を超えたと考えられる。
受信器を机上に配置した場合、120°以下では、9割を超える正解率となったが、150°,180°のときは大きく正解率が低下した。これは、胸ポケットの場合と同様に、受信器とBackscatterタグの間に身体があり、散乱波を遮ったためと考えられる。以上の結果から、散乱波は人体遮蔽に弱く、人体に遮られにくい位置にBackscatterタグと受信器を配置することが重要であることが分かった。
図18は、物理スイッチ34の他の実施形態を示す図である。前記実施形態では、物理スイッチはオンオフを出力し、監視装置40側ではオンオフを検出して対象の状況変化を認識するものであるが、図18は、対象の状況に応じて、物理スイッチ34のオンオフ変化を周期的に変更して出力するものである。物理スイッチ340は、環境センサ端子3401と、環境センサ端子3401を回路部品の一部とするタイマ回路3402とを備える。環境センサ端子3401は、例えば金属端子で構成され、環境の水分量や水位などの環境空間に浸されており、これらの環境変化に基づいて抵抗値や静電容量のインピーダンスが変化するものである。タイマ回路3402は、環境センサ端子3401のインピーダンス変化に応じて時定数が変化し、タイマ期間すなわちオンオフの周期が変化する。
監視装置40の状況認識部415は、判定部414からのオンオフ信号の周期を計測し、周期情報から水分量又は水位を認識する。このような周期変化を利用した監視方法は、水分量変化などによる場合の他、温度、輝度、圧力、荷重などの各種の状況をインピーダンス変化として抽出することで周期変化に反映でき、状態検出が可能な、監視対象全般に適用可能である。
10 送信器、exciter
20 受信器,receiver
30 状態センサ、Backscatter
31 発振器
32 アンテナ
33 RFスイッチ
34 物理スイッチ
35 電池(電源)
40 監視装置
41 情報処理部
411 STFT(信号検出手段)
412 移動平均フィルタ(信号検出手段)
413 ピーク検出部(信号検出手段)
414 判定部(認識手段)
415 状況認識部(認識手段)
401 データベース

Claims (7)

  1. 所定周波数の環境電波を散乱させるアンテナと、
    前記所定周波数に対して低周波の発振周波数で発振する発振器と、
    前記発振器からの発振周波数で前記アンテナの特性を反射と吸収とに切り替えるRFスイッチと、
    外部の状態変化に応じて物理的にオンオフする物理スイッチとを備え、
    前記物理スイッチのオンオフのうちの所定の一方で前記発振器を動作させる状態センサ。
  2. 前記発振器を駆動する電源を備え、
    前記電源は、前記物理スイッチのオンオフのうちの前記所定の一方で前記発振器に電力供給を行う請求項1に記載の状態センサ。
  3. 前記所定周波数は、GHz帯の高周波であり、前記発振周波数は、数百KHzより低い周波数である請求項1又は2に記載の状態センサ。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の状態センサから散乱された電波を受信器で受信し、受信された信号中に前記所定周波数に対して前記発振周波数だけシフトされたシフト周波数の成分信号があるか否かを検出する信号検出手段と、
    前記シフト周波数の成分信号が検出された場合、状態の変化を認識する認識手段とを備えた監視装置。
  5. 前記信号検出手段は、前記所定周波数に対して前記発振周波数だけシフトされたシフト周波数のうち、低周波側のシフト周波数と高周波側のシフト周波数の一方について成分信号が合成されているか否かを検出する請求項4に記載の監視装置。
  6. 請求項1~3のいずれかに記載の状態センサと、請求項4又は5に記載の監視装置とを備えた監視システム。
  7. 前記状態センサは、第1、第2の状態センサを含み、
    前記第1の状態センサは、前記所定周波数とは異なる低周波の第1の発振周波数で発振する第1の発振器を備え、
    前記第2の状態センサは、前記所定周波数とは異なる低周波の第2の発振周波数で発振する第2の発振器を備え、
    前記監視装置は、第1、第2の信号検出手段を含み、
    前記第1の信号検出手段は、受信された信号中に前記所定周波数に対して前記第1の発振周波数だけシフトされた第1のシフト周波数の成分信号が合成されているか否かを検出し、
    前記第2の信号検出手段は、受信された信号中に前記所定周波数に対して前記第2の発振周波数だけシフトされた第2のシフト周波数の成分信号が合成されているか否かを検出し、
    前記監視装置は、前記第1、第2の状態センサと前記第1、第2のシフト周波数とを対応付けたデータベースを備え、
    前記認識手段は、前記データベースおよび前記第1、第2のシフト周波数に基づいて、前記第1のシフト周波数の成分信号が検出された場合、前記第1の状態センサにおける状態の変化を認識し、前記第2のシフト周波数の成分信号が検出された場合、前記第2の状態センサにおける状態の変化を認識することを特徴とする請求項6に記載の監視システム。
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CN117749293A (zh) * 2024-02-20 2024-03-22 中国铁塔股份有限公司 室分天线监测方法及装置、可读存储介质

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