JP2022065901A - 堆肥、および堆肥製造方法 - Google Patents

堆肥、および堆肥製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022065901000001
【課題】悪臭が著しく低減されるとともに育成効果が良好である堆肥とその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明が適用された一実施形態である堆肥は、家畜または家禽の糞を含有する第1有機性廃棄物と、第1有機性廃棄物とは異なる繊維状の有機性廃棄物を含有する第2有機性廃棄物と、鉄化合物を含有する第1添加物と、ホウ素化合物を含有する第2添加物と、を混ぜ合わせて発酵させてなる発酵物に対して、ケイ素化合物を含有する第3添加物を混ぜ合わせてなることを特徴とする。このような実施形態の堆肥であれば、従来の堆肥に比べて、悪臭を著しく低減させた堆肥であるとともに、作物に対する育成効果が良好である堆肥でもある。
【選択図】図2

Description

本発明は、家畜または家禽の糞やコーヒー粕等の有機性廃棄物を含む堆肥、およびその堆肥製造方法に関する。
従来、家畜や家禽の糞は、窒素、リン酸、カリウム等の成分の他に多量の有機物が含まれている有機性廃棄物となって、発酵処理された堆肥の原料として利用されている。しかし、家畜等の糞を原料とした堆肥においては、発酵処理中や処理後に悪臭が発生するために、発酵処理の場所や堆肥としての使用場所が限られてしまう、という問題があった。そのため、悪臭の発生を低減させるために、家畜等の糞に木片チップ等を混合して発酵処理を促進させる、といった堆肥製造方法があった(例えば、特許文献1を参照。)。
また、従来、家畜等の糞とは異なる有機性廃棄物であって、堆肥等の原料として利用されるものとして、飲料品メーカから排出されるコーヒー粕や茶殻等があった。特に、コーヒー粕は、可溶性無窒素物(52~54%)を含んでおり、農業用の肥料として利用する試みがなされていた。しかし、コーヒー粕は、炭素と窒素の含有量比率(以下、C/N比と称する。)が約30で高いことから、直接土壌に使用した場合には、土壌中の微生物の急激な増殖に伴い無機能窒素が減少して農作物の成長が妨げられる、という問題があった。そこで、コーヒー粕を堆肥等の原料として利用する場合に、90日以上といった長期間での好気性発酵を行うことによってC/N比を下げて堆肥化する、といった堆肥製造方法があった。
特開2008-13380号公報
しかしながら、上述のような家畜等の糞である有機性廃棄物を利用した堆肥製造方法や製造された堆肥については、悪臭が十分に低減されていないため、悪臭をより低減する余地があった。また、上述のようなコーヒー粕等の有機性廃棄物を利用した堆肥製造方法や製造された堆肥については、コーヒー粕等に多量の窒素や水分が含まれているため、発酵処理におけるカビの発生や腐敗による悪臭が発生する、といった問題もあった。さらに、上述のような堆肥製造方法や製造された堆肥においては、堆肥中に含まれる好気性細菌や嫌気性細菌によって保存中や運搬中等の発酵の進行による悪臭が発生する、といった問題もあった。つまり、家畜等の糞やコーヒー粕等である有機性廃棄物を利用した堆肥製造方法や製造された堆肥においては、悪臭をより低減させることが望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
本発明を適用した例の一つである適用例1の堆肥は、家畜または家禽の糞を含有する第1有機性廃棄物と、第1有機性廃棄物とは異なる繊維状の有機性廃棄物を含有する第2有機性廃棄物と、鉄化合物を含有する第1添加物と、ホウ素化合物を含有する第2添加物と、を混ぜ合わせて発酵させてなる発酵物に対して、ケイ素化合物を含有する第3添加物を混ぜ合わせてなることを要旨とする。
また、適用例1の堆肥において、第2有機性廃棄物は、繊維状の有機性廃棄物としてのコーヒー粕を含有しており、100質量部の第1有機性廃棄物に対して20~28質量部であり、第1添加物は、100質量部の第2有機性廃棄物に対して3~5質量部であり、第2添加物は、100質量部の第2有機性廃棄物に対して3~25質量部であり、第3添加物は、100質量部の発酵物に対して8~15質量部であることを要旨とする。
さらに、適用例1又は適用例2の堆肥における堆肥製造方法は、第2有機性廃棄物と、第1添加物と、第2添加物と、が混合された第1混合物を生成する第1混合物生成工程と、第1混合物生成工程で生成された第1混合物と、第1有機性廃棄物と、を混ぜ合わせて好気性発酵させて発酵物を生成する発酵物生成工程と、発酵物生成工程で生成された発酵物と、第3添加物と、が混合された第2混合物を生成する第2混合物生成工程と、を実行することを要旨とする。
本発明であれば、家畜等の糞やコーヒー粕等である有機性廃棄物を利用しても、悪臭が著しく低減されるとともに作物に対する育成効果が良好である堆肥、および堆肥製造方法を提供することができる。
本実施形態の堆肥の製造方法を示したフローチャートである。 実施例1の堆肥における原料成分の質量および質量比を説明する表を示した図である。 従来の鶏糞堆肥、実施例1の堆肥、比較例1の堆肥、および比較例2の堆肥の各々における原料成分の質量と、各々における雰囲気臭および成熟度に関する分析の結果と、を説明する表を示した図である。 鶏糞堆肥(推奨値)、実施例1の堆肥、および比較例3の堆肥におけるMQI分析の分析結果を説明する表を示した図である。 (a)は実施例1の堆肥を内包した包装体10を説明する概略図であり、(b)は包装体10を構成する帯状体15を説明する概略図である。 マルチング資材として利用した包装体10を説明する概略図である。
以下、本発明が適用された実施形態について説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
<本実施形態の堆肥の製造方法について>
図1を参照して、以下に、本実施形態の堆肥の製造方法について説明する。図1は、本実施形態の堆肥の製造方法のフローチャートである。本実施形態の堆肥の製造方法では、第1有機性廃棄物としての家畜等の糞と、第2有機性廃棄物としての繊維状の有機性廃棄物と、第1添加物としての鉄化合物と、第2添加物としてのホウ酸を含有するものと、第3添加物としてのケイ酸を含有するものと、を堆肥の原料として使用する。
図1に示すように、本実施形態の堆肥の製造方法では、まず、第2有機性廃棄物と、第1添加物及び第2添加物とを撹拌装置にて混合させて第1混合物を生成する第1混合物生成工程を実行する。次に、第1有機性廃棄物と、第1混合物生成工程で生成された第1混合物と、発酵材と、を発酵装置にて混合するとともに約30日間の発酵処理を行って発酵物を生成する発酵物生成工程を実行する。なお、この発酵物生成工程においては、処理の対象物の含水率(例えば、発酵処理前では約60~70%である。)が約40~45%となるまで好気性発酵処理を実行することで発酵物を生成する。次に、発酵物生成工程で生成された発酵物と、第3添加物と、を撹拌機にて混合させて第2混合物を生成する第2混合物生成工程を実行する。そして、第2混合物生成工程で生成された第2混合物を乾燥機や天日乾燥等にて乾燥させる乾燥工程を実行し、含水率が15~35%となるまで乾燥させることによって、本実施形態の堆肥が製造されることとなる。
本実施形態の第1有機性廃棄物としては、家畜等の糞であって、例えば、牛、豚、鶏、羊、山羊、馬等の畜舎から排出されるものである。なお、この家畜等の糞は、第1有機性廃棄物として使用するときに、そのまま使用してもよいが、乾燥工程等を経て含水率を低減させた状態にして利用してもよい。
本実施形態の第2有機性廃棄物としては、繊維状の有機性廃棄物であって、例えば、飲料品メーカ等から廃棄されるコーヒー粕、茶殻、果実や野菜の搾り粕(柑橘類の残渣等)等といった繊維状のものである。ここで、特に、コーヒー粕としては、コーヒーの抽出後に廃棄されるコーヒー粕が好ましいが、コーヒー豆(アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等のコーヒーノキの種子)自体や、コーヒー豆を焙煎したもの、粉砕したもの、乾燥したもの、粉末化したもの等であってもよい。なお、飲料品メーカ等から廃棄されるコーヒー粕等は、第2有機性廃棄物として使用するときに、そのまま使用してもよいが、乾燥工程等を経て含水率を低減させた状態にして利用してもよい。また、コーヒー豆を焙煎したものとは、例えば、自家焙煎、熱風焙煎、赤外線焙煎、マイクロ波焙煎、過熱水蒸気焙煎、低温焙煎等といった種々の方法によって焙煎したコーヒー豆が含まれるものとする。さらに、コーヒー豆を粉砕したものとは、コーヒーミル、グラインダー、石臼等といった種々の装置によって挽かれたコーヒー豆が含まれ、粗挽き状態や粉末状態のものも含まれるものとする。なお、第2有機性廃棄物としては、後述する第1添加物や第2添加物との発酵の効率の観点から、粒子径の小さい粉末化したものが好ましい。
本実施形態の第1添加物としては、鉄化合物を含有するものであって、例えば、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)等の水溶性の鉄化合物、酸化鉄(III)、硝酸鉄(III)、水酸化鉄(III)等の不溶性の鉄化合物、又はこれらの鉄化合物のうちの複数種類を組合わせたものである。また、鉄化合物に代えて、赤玉土、鹿沼土、ロームなどアロフェン質の鉄分を多く含む土壌、非結晶質の鉱物(特に、ゲータイト)を含む土壌、ヘム鉄、貝殻などの天然物等を第1添加物として利用してもよい。さらに、上述のような固体の物質だけでなく、鉄鉱石(黄鉄鉱、白鉄鉱、菱鉄鉱、磁鉄鉱、針鉄鉱等の天然の鉄鉱石)、鉄材(金属鉄)、赤土(ラテライトなど酸化鉄(III)を多く含む土)を酸性溶液に溶解させた溶液や、水溶性の鉄化合物を溶解させた三価の鉄イオンを含む水溶液等を第1添加物として利用してもよい。
本実施形態の第2添加物としては、ホウ素化合物を含有するものであって、例えば、ホウ砂、ホウ酸、酸化ホウ素ナトリウム、ホウ酸亜鉛、八ホウ酸二ナトリウム四水和物、又はこれらのうちの複数種類を組合わせたものである。また、その他にも、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等を用いることができ、これらホウ酸塩の水和物を用いてもよく、より具体的には、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等を用いてもよい。
本実施形態の第3添加物としては、ケイ素化合物を含有するものであって、例えば、ケイ酸及びその塩、オルトケイ酸及びその塩、メタケイ酸及びその塩、ジケイ酸及びその塩、トリケイ酸及びその塩、ポリケイ酸及びその塩、二酸化ケイ素、又はこれらの無機ケイ素化合物のうちの複数種類を組合わせたものである。特に、アルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム及びこれらの水和物や、メタケイ酸ナトリウム9水和物が好ましい。その他にも、オルトケイ酸ナトリウムや、二酸化ケイ素と酸化ナトリウムとの混合物(一般的にNaO・nSiOで表されるもの)や、二酸化ケイ素と酸化カリウムとの混合物(一般的にKO・mSiOで表されるもの)等を用いてもよい。
ここで、上述の堆肥の製造方法において、第1有機性廃棄物として鶏糞を使用し、第2有機性廃棄物としてコーヒー粕を使用し、第1添加物として酸化鉄(II)を使用し、第2添加物としてホウ酸を使用し、第3添加物としてメタケイ酸ナトリウム9水和物を使用した場合の各原料の使用量について説明する。第1混合物生成工程で生成される第1混合物は、絶乾状体において、100質量部の第2有機性廃棄物に対して、0.1~50質量部の第1添加物と、0.01~50質量部の第2添加物と、が混合されることによって生成されるものとし、特に、絶乾状態において、100質量部の第2有機性廃棄物に対して、3~5質量部の第1添加物と、となり、3~25質量部の第2添加物と、が混合されることによって生成されているとより好ましい。また、発酵物生成工程における第1有機性廃棄物と第1混合物との質量比(水分を含有した状態(非絶乾状態)での質量比)は、100質量部の第1有機性廃棄物に対して、40質量部以下の第1混合物を混合するものとし、特に、絶乾状態において、100質量部の第1有機性廃棄物に対して、20~28質量部の第1混合物を混合するとより好ましい。さらに、第2混合物生成工程における発酵物と第3添加物との質量比は、100質量部の発酵物(含水率が30%の非絶乾状態)に対して、15質量部以下の第3添加物を混合するものとし、特に、絶乾状態において、100質量部の発酵物に対して、8~15質量部の第3添加物を混合するとより好ましい。
本実施形態の発酵材とは、好気性発酵菌を含有するものや、酵母、乳酸菌、納豆菌からなる複合微生物を含有するものであり、例えば、「えひめAI-1(登録商標)」等である。なお、上述の発酵物生成工程にて配合される発酵材の絶乾状態での質量比においては、100質量部の第1有機性廃棄物に対して、1~5質量部となるように配合されるものとする。
本実施形態の発酵物生成工程において利用する発酵装置は、発酵レーンに撹拌機やブロア等が設けられており、撹拌機は、空気が入り込む空隙を生成するように発酵処理の対象物を撹拌し、ブロアは、好気性発酵を促進させるために発酵処理中の温度が60℃以上となるように作動する。
<実施例1の堆肥について>
図2を参照して、次に、本実施形態の堆肥の一つの実施例であって、実施例1の堆肥について説明する。図2は、実施例1の堆肥における各原料成分の質量および質量比を説明する表を示した図である。図2に示すように、実施例1の堆肥は、第1有機性廃棄物としての鶏糞を1500kg(絶乾状態では450kgである。)と、第2有機性廃棄物としてのコーヒー粕を300kg(絶乾状態では234kgである。)と、第1添加物としての鉄粉(例えば、粉末状の酸化鉄(III)である。)を10kg(絶乾状態では10kgである。)と、第2添加物としてのホウ酸を10kg(絶乾状態では10kgである。)と、第3添加物としてのメタケイ酸ナトリウム9水和物を5.8kgと、を原料として上述の製造方法にて製造されたものである。また、実施例1の堆肥における製造方法の発酵物生成工程では、発酵材としての10Lの「えひめAI-1(登録商標)」(溶液であって、絶乾状態では0.04kgである。)が混合される。このような実施例1の堆肥においては、目視にてカビの発生が認められなかったとともに、従来に比べて悪臭も著しく低減されたものとなっていた。なお、各原料成分の絶乾状態における質量比は、100質量部の第1有機性廃棄物の鶏糞に対して、第2有機性廃棄物のコーヒー粕が66.7質量部となり、第1添加物の鉄粉が2.22質量部となり、第2添加物のホウ酸が2.22質量部となり、第3添加物のメタケイ酸ナトリウム9水和物が1.3質量部となっている。
<雰囲気臭と成熟度に関する分析の分析結果について>
図3を参照して、次に、実施例1の堆肥における雰囲気臭と成熟度に関する分析の分析結果について説明する。図3は、従来の鶏糞堆肥、実施例1の堆肥、比較例1の堆肥、および比較例2の堆肥の各原料成分の質量と、各々における雰囲気臭および成熟度に関する分析の分析結果と、を説明する表を示した図である。
ここで、雰囲気臭および成熟度の分析方法について説明する。まず、雰囲気臭の分析方法は、3点比較式匂袋法による濃度測定である臭気官能検査を3名の社内パネルにより実施する方法である。具体的に、臭気可能検査の試料としては、堆肥10gを3Lの密閉袋に入れたものに、無臭気空気を充満させて24時間室温で静置したものを使用した。なお、図3に示した雰囲気臭に関する分析の結果は、臭気官能検査において感知できた希釈倍率の対数平均から算出した数値である測定値について、基準とする従来の鶏糞堆肥の数値を100として、実施例1の堆肥、比較例1の堆肥、および比較例2の堆肥の各々の数値を比として算出した値である。また、成熟度の分析方法は、二酸化炭素放出速度の簡易判定による堆肥の成熟度判定法に基づいた方法である。これは、堆肥における成熟度(腐熟度)と二酸化炭素放出速度に高い相関関係があることが明らかであり、二酸化炭素放出速度から成熟度(腐熟度)が判定可能であることに基づいた分析方法である。この成熟度の分析方法とは、具体的に、10gの堆肥を入れた密閉容器に封入された試験紙(フェノールフタレイン液を加えた水酸化ナトリウム溶液に浸されたろ紙である。)における40分の静置後の変色度について、3名の社内パネルにより判定する方法である。なお、図3に示した成熟度に関する分析の結果は、試験紙における二酸化炭素の吸収により水酸化ナトリウムによるpHが低下するとフェノールフタレイン(赤色)が脱色されることに基づき、堆肥における成熟度が高くなるほど試験紙の赤味が強いものとなることで、白色(成熟度0)~桃色(成熟度5)~赤色(成熟度10)、といった試験紙における色の変化に関する10段階評価の評価値である。
図3に示すように、従来の鶏糞堆肥は、鶏糞(1500kg)を原料とした堆肥であって、実施例1の堆肥のように第2有機性廃棄物(コーヒー粕等)、第1添加物(鉄化合物等)、第2添加物(ホウ素化合物等)、および第3添加物(ケイ素化合物等)を原料としていないものである。また、比較例1の堆肥は、第1有機性廃棄物としての鶏糞(1500kg)と、第2有機性廃棄物としてのコーヒー粕(300kg)と、を原料として製造されたものである。さらに、比較例2堆肥は、第1有機性廃棄物としての鶏糞(1500kg)と、第1添加物としての鉄粉(10kg)と、第2添加物としてのホウ酸(10kg)と、を原料として製造されたものである。なお、比較例1および比較例2の堆肥においても、実施例1の堆肥と同様に、発酵物生成工程で発酵材としての10Lの「えひめAI-1(登録商標)」が混合されるものとする。つまり、比較例1の堆肥は、実施例1の堆肥とは異なり、第1添加物としての鉄粉と第2添加物としてのホウ酸とを原料としていない堆肥であり、比較例2の堆肥は、実施例1の堆肥とは異なり、第2有機性廃棄物としてのコーヒー粕を原料としていない堆肥である。
図3に示すように、各々の堆肥を比較した雰囲気臭および成熟度に関する分析の分析結果に基づくと、実施例1の堆肥は、従来の鶏糞堆肥と比べて、成熟度は同じであるものの、雰囲気臭は90%以上低減されたものとなった。また、実施例1の堆肥は、比較例1の堆肥および比較例2の堆肥と比べても、雰囲気臭が低減されたものとなった。なお、比較例1の堆肥においては、実施例1の堆肥とは異なり、発酵物生成工程の発酵処理で温度が60℃以上とならないで嫌気性発酵での発酵処理が実行され、発酵処理中および発酵処理後のアンモニア臭は従来の堆肥に比べて低減されたものの、実施例1の堆肥に比べて味噌臭が強いものであった。また、比較例2の堆肥においては、実施例1の堆肥と同様に、発酵物生成工程の発酵処理で温度が60℃以上となって好気性発酵での発酵処理が実行されたものの、実施例1の堆肥等に比べて成熟度の低い堆肥となり、発酵処理中および発酵処理後の悪臭は従来の堆肥に比べて低減されたものであった。
<堆肥品質指標に関する分析の分析結果について>
図4を参照して、次に、実施例1の堆肥におけるMQI(Manure Quality Index:堆肥品質指標)分析の分析結果について説明する。図4は、実施例1の堆肥、および比較例3におけるMQI分析の分析結果を説明する表を示した図である。なお、比較例3の堆肥とは、第1有機性廃棄物としての鶏糞を1500kg(絶乾状態では450kgである。)と、第2有機性廃棄物としてのコーヒー粕を300kg(絶乾状態では234kgである。)と、第1添加物としての鉄粉(例えば、粉末状の酸化鉄(III)である。)を10kg(絶乾状態では10kgである。)と、第2添加物としてのホウ酸を10kg(絶乾状態では10kgである。)と、を原料として上述の製造方法のうち第1混合物生成工程および発酵物生成工程を経て乾燥工程によって含水率が29%となるように製造されたものであり、実施例1の堆肥とは異なり、第3添加物が添加されていないものである。
ここで、MQI分析とは、分析対象の堆肥について、通常の化学分析(肥料成分分析、硝酸態窒素、水溶性リン酸、水溶性カリウム、アンモニア態窒素)、有機物量の分析(全炭素(TC)、全窒素(TN(N))、全リン(TP(P))、全カリウム(TK(K))、C/N比)、および堆肥中の微生物バイオマス量、といった10項目を測定することで堆肥の品質を評価するための分析である。なお、図4においては、全炭素(TC)、総細菌数(堆肥中の微生物バイオマス量)、全窒素(TN(N))、全リン(TP(P))、全カリウム(TK(K))、C/N比、含水率、の7項目の分析結果に基づいて説明する。
図4の鶏糞堆肥(推奨値)として示すように、高い品質の鶏糞堆肥と評価されるためには、全炭素(TC)が200,000(mg/kg)以上、総細菌数が10(億個/g-土壌)以上、全窒素(TN(N))が30,000(mg/kg)以上、全リン(TP(P))が13,000(mg/kg)以上、全カリウム(TK(K))が20,000(mg/kg)以上、C/N比が15未満、含水率が35(%)未満、といった各測定項目の推奨値を満たす必要がある。そこで、比較例3の堆肥においては、全炭素(TC)が210,000(mg/kg)であり、総細菌数が14.7(億個/g-土壌)であり、全窒素(TN(N))が31,000(mg/kg)であり、全リン(TP(P))が21,000(mg/kg)であり、全カリウム(TK(K))が28,000(mg/kg)であり、C/N比が8であり、含水率が29(%)である。したがって、比較例3の堆肥は、高い品質の堆肥であるといえる。一方で、実施例1の堆肥においては、全炭素(TC)が210,000(mg/kg)であり、全窒素(TN(N))が31,000(mg/kg)であり、全リン(TP(P))が24,000(mg/kg)であり、全カリウム(TK(K))が36,000(mg/kg)であり、C/N比が7であり、含水率が20(%)であるものの、総細菌数については数値が小さいために不検出(n.d.)となっている。したがって、実施例1の堆肥は、堆肥中の微生物バイオマス量以外の品質で高い評価の堆肥であるものといえる。
<実施例1の堆肥の包装体について>
図5-1および図5-2を参照して、実施例1の堆肥の包装体10について説明する。図5-1(a)は実施例1の堆肥を内包した状態の包装体10を説明する概略図であり、図5-1(b)は包装体10を構成する帯状体15を説明する概略図である。図5-2はマルチング資材として利用した包装体10を説明する概略図である。
図5-1(a)、(b)に示すように、まず、包装体10は、生分解性樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)から構成された白色のものであり、10kgの実施例1の堆肥を内包することができるものである。また、包装体10は、厚さ0.03mm、縦350mm、横1200mmの帯状の帯状体15から構成されるものである。さらに、帯状体15には、横方向の中央における長辺に対する垂線である折曲部21と、横方向の長辺の端部の第1溶着部26、第2溶着部27と、縦方向の短辺の端部の第3溶着部28と、が形成されている。そして、包装体10は、折曲部21にて折曲させた状態の帯状体15において、第1溶着部26、第2溶着部27、および第3溶着部28を熱溶着することによって成形される。つまり、第1溶着部26および第2溶着部27を熱溶着して350mm×600mmmの袋状にした帯状体15に10kgの実施例1の堆肥を入れた状態で、第3溶着部28を熱溶着することによって、堆肥を内包した包装体10が成形されることとなる。なお、包装体10には、内包されている堆肥に対する通気性を確保するための微細な通気孔が複数形成されていてもよい。
ここで、包装体10を構成する生分解性樹脂としては、上述のようなポリビニルアルコール(PVA)以外にも、種々のものを用いることができる。例えば、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリエチレンテレフタレートサクシネートといった成分からなる樹脂を用いることができ、これら複数の樹脂を組合わせたものであってもよい。また、包装体10の彩色としては、上述のような白色以外にも、透明のものであってもよく、その他にも種々の色彩のものを用いることができる。例えば、黒色、緑色等、といった一つの色彩のものであったり、片面が白色で他面が黒色、といった複数種類の色彩のものであったりしてもよい。
図5-2に示すように、次に、内包されていた堆肥を使用して空となった包装体10をマルチング資材として利用することができる。具体的には、例えば、包装体10において、第3溶着部28を切断して内包されていた堆肥が使用された後に、第1溶着部26および第2溶着部27を切断して、厚さ0.03mm、縦約350mm、横約1200mmの帯状体に形成する。そして、この帯状体を畑の畝に被せることによって、畝を覆うようなマルチング資材として利用することができる。なお、この包装体10をマルチング資材として利用する場合には、上述のように帯状体に形成した後に、農作物の苗等を植え付けるための孔である植付孔30を形成してもよい。
<本実施形態の特徴について>
上述のような実施形態の実施例1の堆肥によれば、第1有機性廃棄物としての家畜等の糞と、第2有機性廃棄物としての繊維状の有機性廃棄物と、第1添加物としての鉄化合物を含有するものと、第2添加物としてのホウ素化合物を含有するものと、を混ぜ合わせて発酵させた発酵物に対して、第3添加物としてのケイ素化合物を含有するものを混ぜ合わせてなる堆肥とすることができる。このような実施形態の堆肥であれば、従来の堆肥に比べて、悪臭を著しく低減させた堆肥にすることができる。また、このような実施形態の堆肥であれば、鉄化合物の鉄分、ホウ素化合物のホウ素、およびケイ素化合物のケイ素が肥料として有効な成分となるため、作物に対する育成効果が良好である堆肥にすることができる。特に、第1添加物としての鉄化合物は、脱臭効果を有することが知られており、図3に示したように、本実施形態の堆肥は、第1添加物を含有することによってより悪臭が低減されたものと推考できる。また、第2添加物としてのホウ素化合物(例えば、ホウ酸等)および第3添加物としてのケイ素化合物(例えば、アルカリ金属ケイ酸塩等)は、防カビ効果および防腐効果を有することが知られており、図3に示したように、本実施形態の堆肥は、第2添加物を含有することによってより悪臭が低減されたものと推考できる。さらに、図4に示したように、本実施形態の堆肥は、第3添加物としてのケイ素化合物を添加することによって、堆肥中の微生物バイオマス量を少なくして保存中等における発酵の進行を抑制することができるため、より悪臭が低減されるものと推考できる。
また、上述のような実施形態の堆肥によれば、第2有機性廃棄物は、繊維状の有機性廃棄物としてのコーヒー粕を含有しており、100質量部の第1有機性廃棄物に対して20~28質量部であり、第1添加物は、100質量部の第2有機性廃棄物に対して3~5質量部であり、第2添加物は、100質量部の第2有機性廃棄物に対して3~25質量部であり、第3添加物は、100質量部の発酵物に対して8~15質量部であるような堆肥とすることができる。このような実施形態の堆肥であれば、従来の堆肥に比べて、悪臭を著しく低減させた堆肥にすることができる。特に、第2有機性廃棄物としての繊維状の有機性廃棄物であるコーヒー粕は、多孔性物質であって脱臭効果を有するため、図3に示したように、本実施形態の堆肥は、第1添加物であるコーヒー粕を含有することによって悪臭がより低減されたものと推考できる。また、多孔性物質のコーヒー粕は、好気性発酵のための空気および発酵菌を保持することができるため、発酵物生成工程における良好な好気性発酵を促進させる効果もある。さらに、本実施形態の堆肥は、防カビ効果および防腐効果を有することが知られている鉄化合物、ホウ素化合物(例えば、ホウ酸等)、ケイ素化合物(例えば、アルカリ金属ケイ酸塩等)を含有するため、第2有機性廃棄物であるコーヒー粕におけるカビの発生や腐敗を抑えることができ、悪臭をより低減することができるものである。そして、本実施形態の堆肥は、堆肥中の微生物バイオマス量が極端に少なくて保存中等における発酵の進行を抑制することができるため、悪臭をより低減することができるものでもある。
さらに、上述のような実施形態の堆肥の製造方法によれば、第2有機性廃棄物と、第1添加物と、第2添加物と、が混合された第1混合物を生成する第1混合物生成工程と、第1混合物生成工程で生成された第1混合物と、第1有機性廃棄物と、を混ぜ合わせて好気性発酵させて発酵物を生成する発酵物生成工程と、発酵物生成工程で生成された発酵物と、第3添加物と、が混合された第2混合物を生成する第2混合物生成工程と、を実行するような堆肥製造方法とすることができる。このような堆肥製造方法であれば、カビの発生や腐敗しやすい第2有機性廃棄物(コーヒー粕等)に対して、鉄化合物、ホウ酸等を混合させた後で発酵させて発酵物を生成するため、第2有機性廃棄物における発酵中のカビの発生や腐敗をより抑えることができ、悪臭を著しく低減することができる。また、本実施形態の堆肥製造方法であれば、第2混合物生成工程で第3添加物としてのケイ素化合物を添加することによって、堆肥中の微生物バイオマス量を少なくして保存中等における発酵の進行を抑制することができるため、悪臭をより低減することができる。
ところで、従来の鶏糞堆肥においては、堆肥中の微生物バイオマス量が約10(億個/g-土壌)以上であったために、例えば、従来の堆肥の保存や運搬等における包装体は生分解しない樹脂製のもの等を使用する必要があった。そのため、従来の堆肥の包装体は、内包されている堆肥の使用後に焼却処分等をするほかなかった。この点で、本実施形態の実施例1の堆肥であれば、堆肥中の微生物バイオマス量が極端に少ないために、上述のような生分解性樹脂からなる包装体10を使用することができる。また、このような生分解性樹脂からなる包装体10において、上述のように、内包されている堆肥の使用後にマルチング資材として利用すると、設置されている土壌中の微生物等により生分解されることとなる。したがって、このように実施例1の堆肥の包装体として生分解可能の樹脂製のものを使用することができれば、本実施形態の堆肥を供給して空となった包装体をマルチング資材としても利用できるため、堆肥の包装体は土壌中の微生物等によって生分解され、堆肥の包装体の焼却処分等に関連する環境問題の発生を低減することができる。
<その他の実施形態について>
(1)上述の実施形態では、堆肥の製造方法の発酵物生成工程において、第1混合物生成工程にて生成された第1混合物を第1有機性廃棄物に混合するものとしたが、この第1混合物を所定量に小分けした状態で第1有機性廃棄物に混合するものとしてもよい。具体的には、生分解性フィルムの包装材に50~5000gの第1混合物を封入し、発酵物生成工程において第1混合物が封入された包装材を第1有機性廃棄物に混合するようにしてもよい。このような第1混合物が封入された包装材を利用した場合は、利用しない場合に比べて、第1有機性廃棄物に対して第1混合物が均一に混ざりやすくなるため、より悪臭を低減することができる。なお、包装材は生分解性フィルムからなるため、発酵物生成工程の発酵処理において分解されて、堆肥における作物の育成に関する有効成分の効果を損なうこともない。
(2-1)上述の実施形態では、第2混合物生成工程で発酵物に対して第3添加物としてのアルカリ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム9水和物)を添加するようにしていたが、第3添加物としては、アルカリ金属ケイ酸塩とその他の物質が含有されているものであってもよい。第3添加物として、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩とホウ砂との水溶液であってもよく、より具体的には、100質量部の水に対して、40~60質量部のメタケイ酸ナトリウム9水和物と、3~7質量部のホウ砂と、からなるものであってもよい。このような第3添加物を利用する場合には、例えば、堆肥の製造方法の発酵物生成工程において、含水率が約40~45%の発酵物に対し含水率が約15~35%となるまで乾燥処理を行って、その後の第2混合物生成工程で第3添加物を添加し、再度の乾燥工程にて含水率が約15~35%となるまで乾燥させるようにしてもよい。この場合、第3添加物は、100質量部の発酵物に対して、20~30質量部の第3添加物を添加するものとする。このような製造方法で製造された堆肥であれば、第3添加物は水分を含有しているため、水分を含有していないものに比べて、第2混合物生成工程にて発酵物に対して第3添加物をより均一に混ざりやすくさせることができ、悪臭をより低減させた堆肥を製造することができる。
(2-2)さらに、第3添加物としては、上述のアルカリ金属ケイ酸塩とホウ砂との水溶液と、コーヒー粕又は/および酸化鉄との混合物であってもよい。より具体的には、100質量部の発酵物(含水率が30%の非絶乾状態)に対して、30~50質量部のコーヒー粕又は/および8~15質量部の酸化鉄(II)となるようなものであってもよい。このような製造方法で製造された堆肥であれば、第1混合物生成工程で添加されたものよりもさらにコーヒー粕又は/および酸化鉄(II)が添加されるため、悪臭をさらに低減させた堆肥を製造することができる。また、アルカリ金属ケイ酸塩とホウ砂との水溶液による水分とともにコーヒー粕又は/および酸化鉄(II)が添加されるため、水分を含有していないものに比べて、第2混合物生成工程にて発酵物に対してコーヒー粕又は/および酸化鉄(II)をより均一に混ざりやすくさせることができ、悪臭をより低減させた堆肥を製造することができる。
(2-3)さらに、第3添加物としては、上述のアルカリ金属ケイ酸塩とホウ砂との水溶液にゼラチンを含有するものであってもよく、より具体的には、100質量部の水に対して、7~10質量部のゼラチンを含有するものであってもよい。このような第3添加物を利用する場合には、例えば、堆肥の製造方法の乾燥工程において、第2混合物を所定のペレット状(例えば、直径2~10mmで長さ10mm以下の円柱形状)の成形型に嵌めて成形した後に乾燥処理を行うようにしてもよい。このように製造されたペレット状の堆肥であれば、従来のような粗粒状の堆肥に比べて、包装材にて梱包するときに個別梱包しやすく、さらには、堆肥を土壌に撒くときに使用しやすいものとすることができる。なお、第3添加物に含有させるゼラチンとしては、特に、水溶性の有機接着成分である膠が好ましい。
(3)上述の実施形態では、内包された堆肥の使用後の包装体10をマルチング資材として利用するために帯状体とするときに、第1溶着部26、第2溶着部27、第3溶着部28を切断していたが、切断し易いようなミシン線状の切込みが形成されていてもよい。このような包装体であれば、内包されている堆肥の使用後の包装体を帯状体にするときに、容易に帯状体にしてマルチング資材として利用することを簡便にすることができる。また、包装体にミシン線状の切込みが形成されていることによって、包装体に内包されている実施例1の堆肥に対する通気性をより向上させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
10…包装体、15…帯状体、21…折曲部、26…第1溶着部、27…第2溶着部、28…第3溶着部、30…植付孔。

Claims (3)

  1. 家畜または家禽の糞を含有する第1有機性廃棄物と、
    前記第1有機性廃棄物とは異なる繊維状の有機性廃棄物を含有する第2有機性廃棄物と、
    鉄化合物を含有する第1添加物と、
    ホウ素化合物を含有する第2添加物と、
    を混ぜ合わせて発酵させてなる発酵物に対して、
    ケイ素化合物を含有する第3添加物
    を混ぜ合わせてなることを特徴とする堆肥。
  2. 請求項1に記載の堆肥において、
    前記第2有機性廃棄物は、前記繊維状の有機性廃棄物としてのコーヒー粕を含有しており、100質量部の前記第1有機性廃棄物に対して20~28質量部であり、
    前記第1添加物は、100質量部の前記第2有機性廃棄物に対して3~5質量部であり、
    前記第2添加物は、100質量部の前記第2有機性廃棄物に対して3~25質量部であり、
    前記第3添加物は、100質量部の前記発酵物に対して8~15質量部である
    ことを特徴とする堆肥。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の堆肥における堆肥製造方法であって、
    前記第2有機性廃棄物と、前記第1添加物と、前記第2添加物と、が混合された第1混合物を生成する第1混合物生成工程と、
    前記第1混合物生成工程で生成された前記第1混合物と、前記第1有機性廃棄物と、を混ぜ合わせて好気性発酵させて発酵物を生成する発酵物生成工程と、
    前記発酵物生成工程で生成された前記発酵物と、前記第3添加物と、が混合された第2混合物を生成する第2混合物生成工程と、
    を実行することを特徴とする堆肥製造方法。
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