JP2022054985A - 列車位置判別装置 - Google Patents

列車位置判別装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022054985A
JP2022054985A JP2020162307A JP2020162307A JP2022054985A JP 2022054985 A JP2022054985 A JP 2022054985A JP 2020162307 A JP2020162307 A JP 2020162307A JP 2020162307 A JP2020162307 A JP 2020162307A JP 2022054985 A JP2022054985 A JP 2022054985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
train
sign
light
determined
reference point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020162307A
Other languages
English (en)
Inventor
憲幸 篠田
Noriyuki Shinoda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinoda Giken Co Ltd
Original Assignee
Shinoda Giken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinoda Giken Co Ltd filed Critical Shinoda Giken Co Ltd
Priority to JP2020162307A priority Critical patent/JP2022054985A/ja
Publication of JP2022054985A publication Critical patent/JP2022054985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)

Abstract

【課題】列車の位置を安価に、確実に判別することができる技術を提供する。【解決手段】軌道100に沿って複数の標識が設けられている。列車装置10の処理手段20は、光照射手段40から照射された光の照射角度、受光手段50で受光した反射光の明度、光照射手段40から光を照射してから受光手段50で反射光を受光するまでの反射時間tnを判別する。受光手段50で受光した反射光の明度に基づいて、列車進行方向前方に存在する物体の形状を判別する。判別した物体の形状が、標識情報データベース61に記憶されている標識の形状のいずれかと一致する場合には、判別した物体の形状と一致する形状を有する標識の基準点に基づいて、判別した物体の、基準点に対応する位置の方向および距離を判別する。判別した物体の形状の、基準点に対応する位置の方向および距離と、位置参照情報データベース62に、位置情報に対応して記憶されている位置参照情報とに基づいて、列車200の位置を判別する。【選択図】図1

Description

本発明は、軌道に沿って走行する列車の位置を判別する列車位置判別装置に関する。
旅客や貨物等を運ぶ列車をレール等の軌道に沿って走行させる交通システムでは、列車の衝突を防止するために列車の位置を判別する列車位置判別装置が設けられている。例えば、特開2010-235003号公報(特許文献1)には、軌道回路を用いた列車位置判別装置、GPS受信機を用いた列車位置判別装置、軌道に沿った所定箇所に設けられ、車上無線機と通信可能な地上無線機を用いた列車位置判別装置が開示されている。また、特開2008-247154号公報(特許文献2)には、撮像装置を用いた列車位置判別装置が開示されている。
特開2010-235003号公報 特開2008-247154号公報
軌道回路を用いて列車の位置を判別する場合には、軌道回路内のレールに信号電流を供給する電流供給回路やレールに流れている信号電流を検出する電流検出回路等を設ける必要がある。このため、軌道回路を構成する装置の設置コストや保守点検コストが高い。
また、GPS受信機により受信したGPS電波を用いて列車の位置を判別する場合には、トンネル内等のGPS電波の受信が困難な箇所では列車の位置を判別することができず、また、位置判別精度にばらつきがある。
また、車上無線機と通信可能な地上無線機を用いて列車の位置を判別する場合には、軌道に沿った所定箇所に地上無線機を設ける必要がある。このため、地上無線機の設置コストや保守点検コストが高い。
また、カメラ等の撮像装置を用いて列車の位置を判別する場合には、撮像装置から出力される撮像情報を処理する必要がある。このため、画像処理を高速で実行可能な処理装置を用いる必要があり、コストが高い。
ここで、近年、自動車の安全性を高めるために、自動車の前方に光を照射するとともに、照射した光が物体で反射した反射光を受光することによって、自動車の前方に存在する物体を判別する光レーダーが開発されている。例えば、特開2007-214564号公報に、ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)を用いた物体判別装置が開示されている。ライダーは、自動車の前方に、照射角度を変えながらパルス状のレーザー光を照射し、照射したレーザー光が物体で反射した反射光を受光する。そして、レーザー光の照射角度およびレーザー光を照射してから反射光を受光するまでの時間(反射時間)に基づいて、自動車の前方に存在する物体の方向および距離を判別する。
本発明は、このような光レーダーを用いて列車位置判別装置を構成することにより、列車の位置を安価に、確実に判別できるようにすることを目的とする。
本発明の列車位置判別装置は、以下のような構成を備えている。なお、本発明において、「列車」という記載は、旅客や貨物等を運ぶ移動体を示している。列車の駆動機構としては、公知の種々の駆動機構を用いることができる。また、「軌道」という記載は、列車の走行経路を規定する構造物を示している。軌道としては、列車の車輪が転動するレールや、列車進行方向をガイドするガイドウェイを有する走行路等が対応する。
本発明の列車位置判別装置は、軌道に沿って設けられている複数の標識と、列車側に設けられている列車装置を備えている。列車装置は、列車側処理手段と、光照射手段と、受光手段と、列車側記憶手段とを有している。
標識としては、好適には、標識で反射した反射光の明度が高くなる反射特性を有する標識が用いられる。なお、列車に対して運転条件を示す標識(「線路標識」と呼ばれている)を、本発明の標識として用いることもできる。
光照射手段は、列車進行方向前方に規定されている光照射領域に光を照射可能に構成される。光照射領域は、列車進行方向に対して左右方向および上下方向に延在し、光照射手段は、列車進行方向に対して左右方向の照射角度および上下方向の照射角度を変更可能に構成される。また、受光手段は、光照射手段から照射された光が物体で反射した反射光を受光可能に構成されている。好適には、光照射手段は、パルス状のレーザー光を照射し、受光手段は、物体で反射したレーザー光を受光する。光の照射角度を変える方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、発光器から発生された光を回転ミラーで反射させる方法、発光器を回転させる方法等を用いることができる。光照射手段および受光手段の配置位置(左右方向の位置、上下方向の位置)は、適宜選択可能である。
列車側記憶手段は、標識情報データベースと位置参照情報データベースを有している。
標識情報データベースには、軌道に沿って設けられている標識の形状および基準点を含む標識情報が、標識を示す標識識別情報に対応して記憶されている。標識の基準点としては、標識の形状内の適宜の位置が設定される。例えば、重心位置や中心位置、多角形の頂点が設定される。
位置参照情報データベースには、軌道に沿った位置における、列車進行方向前方に設けられている標識の基準点の方向および基準点までの距離を含む位置参照情報が、位置を示す位置情報に対応して記憶されている。位置情報としては、好適には、地図上の東西方向(経度)をx軸、南北方向(緯度)をy軸とするx-y座標が用いられるが、出発地点からの走行距離等を用いることもできる。位置参照情報データベースには、位置情報に対応させて1つの標識の位置参照情報を記憶させてもよいし、複数の標識の位置参照情報を記憶させてもよい。
列車側処理手段は、光照射手段から照射された光の照射角度、光照射手段から光を照射してから受光手段で反射光を受光するまでの反射時間、受光手段で受光した反射光の明度を判別する。なお、列車と物体の反射点との間の距離は、[反射時間*光の速度/2]で表される。
次に、受光手段で受光した反射光の明度に基づいて、列車進行方向前方に存在する物体の形状を判別する。反射光の明度に基づいて物体の形状を判別する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、受光手段の受光面上の各受光位置における反射光の中から明度が高い反射光を抽出し、抽出した反射光の受光位置をまとめた受光位置集合(反射光集合)の外周形状を判別する方法を用いることができる。明度が高い反射光を抽出する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、明度が設定値以上である反射光を抽出する方法、明度が平均値以上である反射光を抽出する方法を用いることができる。
次に、標識情報データベースに記憶されている標識の中に、判別した物体の形状と一致する形状を有する標識が存在するか否かを判別する。判別した物体の形状と標識情報データベースに記憶されている標識の形状とが一致しているか否かを判別する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、形状の類似度が設定値以上であるか否かを判別する方法を用いることができる。そして、判別した物体の形状と一致する形状を有する標識が標識情報データベースに記憶されている場合には、判別した物体の形状と一致する形状を有する標識の基準点に基づいて、判別した物体の形状の、基準点に対応する位置の方向および距離を判別する。
次に、判別した物体の形状の、基準点に対応する位置の方向および距離と、位置参照情報データベースに位置情報に対応して記憶されている位置参照情報(標識の基準点の位置の方向および距離)とに基づいて、列車の位置を判別する。
本発明では、列車の位置を安価に、確実に判別することができる。
本発明の異なる形態では、標識の反射面は、光照射手段から照射される光の反射率を高めるように構成されている。標識の反射面は、光照射手段から照射される光の照射方向に対して交差するように配置される。光の反射率を高める方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、光の反射率を高めるシートを貼り付ける方法等を用いることができる。
本形態では、受光手段で受光した反射光の明度に基づいた標識の判別精度を高めることができる。
本発明の異なる形態では、列車進行方向に隣接する標識の形状が異なるように形成されている。「列車進行方向に隣接する標識」は、列車の進行にともなって順に判別される2つの標識を意味する。
本形態では、軌道に沿って設けられている標識の判別精度を高めることができる。
本発明の異なる形態では、地上側に設けられている中央管理装置を備えている。中央管理装置は、管理装置側処理手段と表示手段を有している。表示手段としては、好適には、列車の運行を監視、制御する連動装置に設けられている表示盤が用いられる
列車側処理手段は、判別した列車の位置を示す列車位置情報を管理装置側処理手段に送信する。列車位置情報を送信する方法としては、公知の種々の送信方法を用いることができる。
そして、管理装置側処理手段は、列車側処理手段から送信された列車位置情報に基づいて、列車の位置を表示手段に表示する。
本形態では、各列車の位置を中央管理装置に設けられている表示手段により目視で確認することができる。
本発明の異なる形態では、位置情報データベースには、位置参照情報が、閉塞区間の境界位置を示す位置情報に対応して記憶されている。
列車が走行する軌道は、列車の衝突を防止するために閉塞区間に区分される。そして、閉塞区間内に列車が存在する場合には、後続の列車が当該閉塞区間内に侵入しないように信号機等が制御される。
本形態では、列車が閉塞区間の境界位置に位置することを容易に判別することができる。
本発明では、列車の位置を安価に、確実に判別することができる。
列車を正面から見た図である。 本発明の列車位置判別装置の一実施形態のブロック図である。 光レーダーの動作を説明する図である。 標識の形状を判別する動作を説明する図である。 異なる位置における光レーダーと標識の基準点との関係を示す図である。 複線区間を走行する時の列車位置判別動作の一例を説明する図である。 複線区間の駅構内を走行する時の列車位置判別動作の一例を説明する図である。 単線区間の駅構内を走行する時の列車位置判別動作の一例を説明する図である。 標識情報データベースの一例を示す図である。 位置参照情報データベースの一例を示す図である。 列車情報データベースの一例を示す図である。 一実施形態の列車位置判別装置における列車装置の処理手段(列車装置側処理手段)の動作の一例を説明するフローチャートである。 単線区間における閉塞区間の一例を示す図である。 単線区間に対応する表示手段の一表示例を示す図である。
以下に、本発明の列車位置判別装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、本明細書では、「列車」という記載は、旅客や貨物等を運ぶ移動体を示す。列車の駆動機構としては、公知の種々の駆動機構を用いることができる。また、「軌道」という記載は、列車の走行経路を規定する構造物を示す。すなわち、列車は、軌道によって規定される走行経路を走行する。軌道としては、レールや、列車の進行方向をガイドするガイドウェイを有する走行路等が対応する。
本発明の列車位置判別装置の一実施形態を、図1および図2を参照して説明する。
図1には、列車200の、進行方向前面が示されている。図1に示されている列車200は、軌道100上を転動する車輪210を有している。
本実施形態の列車位置判別装置は、軌道100に沿って設けられている複数の標識、列車200側に設けられている列車装置10、地上側に設けられている中央管理装置300により構成されている。
列車装置10は、処理手段20、光レーダー30、記憶手段60を有している。
なお、光レーダー30を用いた列車の位置判別機構に加えて、補助的な列車の位置判別機構を選択的に用いることができる。例えば、図2に示されているGPS受信手段70や車輪回転検出手段80を用いた補助的な列車の位置判別別機構を選択的に用いることができる。
処理手段20は、CPUにより構成され、標識判別処理や列車位置判別処理等を実行する。
光レーダー30は、光を照射可能な光照射手段40と、光照射手段40から照射した光が物体で反射した反射光を受光可能な受光手段50を有している。
光レーダー30としては、自動車等の車両の前方に存在する物体を検出する光レーダーを用いることができる。例えば、特開2007-214564号公報に開示されているようなライダー(LiDAR)を用いることができる。ライダーは、パルス状のレーザー光を、照射角度を変えながらレーザー光照射手段から照射し、照射したレーザー光が物体で反射した反射レーザー光をレーザー光受光手段で受光する。そして、レーザー光の照射角度およびレーザー光を照射してから反射レーザー光を受光するまでの時間(反射時間)に基づいて、車両前方に存在する物体の方向および物体までの距離を判別する。例えば、車両進行方向に対して照射角度θnでレーザー光を照射してから反射レーザー光を受光するまでの反射時間をtnとした場合、車両進行方向に対して角度θnの方向に、車両から距離Ln[=tn×レーザー光の速度v/2)離れた位置に物体が存在することを判別する。なお、レーザー光照射手段とレーザー光受光手段との間の距離は、レーザー光照射手段と物体との間の距離および物体とレーザー光受光手段との間の距離に比べて十分小さいため、レーザー光の照射角度θnに基づいて物体の存在方向および物体との間の距離を判別することができる。
レーザー光照射手段が、本発明の「光照射手段」に対応し、レーザー光受光手段が、本発明の「受光手段」に対応する。
本実施形態では、光レーダー30は、列車200の進行方向前面に設けられている。光レーダー30の光照射手段40は、光41を、列車200の進行方向前方(以下、「列車前方」という)の光照射領域31に照射可能に構成されている。
光照射領域31は、列車進行方向(図1では、紙面に直交する前後方向)に直交する左右方向(図1では、左右方向)の角度範囲Θ、上下方向(図1では、上下方向)の角度範囲Φにより規定される。なお、判別精度の観点から、光照射手段40から距離Mの範囲が、物体判別可能領域(標識判別可能領域)として規定される。角度(左右の照射角度範囲)Θ、角度(上下の照射角度範囲)Φ、距離(物体判別可能距離)Mは、使用する光レーダー30によって異なる。
光照射手段40は、照射角度(左右の照射角度θ、上下の照射角度φ)を変えながら、光41を光照射領域31に照射可能に構成されている。
本実施形態では、左右の照射角度θは、列車進行方向Fに対する角度として規定されている。例えば、列車進行方向Fと平行な方向を0度、列車進行方向Fに対して右側を正の角度、左側を負の角度に規定している。勿論、左右の照射角度θは、列車進行方向F以外の方向に対する角度として規定することもできる。例えば、列車進行方向Fに対して右側から左側に向けて0度から正の角度に規定し、あるいは、列車進行方向Fに対して左側から右側に向けて0度から正の角度に規定することができる。照射角度θを列車進行方向F以外の方向に対する角度として規定することは、照射角度θを列車進行方向Fに対する角度として規定することと等価である。また、上下の照射角度φは、列車進行方向Fに平行な面に対する角度として規定されている。例えば、列車進行方向Fと平行な面に沿った方向を0度、列車進行方向Fと平行な面に対して上側を正の角度、下側を負の角度に規定している。勿論、上下の照射角度φは、列車進行方向Fに平行な面以外の面に対する角度として規定することもできる。照射角度φを列車進行方向Fに平行な面に対する角度として規定することは、照射角度φを列車進行方向Fに平行な面に対する角度として規定することと等価である。
光照射手段40を配置する左右方向の位置や上下方向の高さは、軌道100に沿って設けられている標識の判別に適切な位置や高さに設定される。
光照射手段40から照射する光41の照射角度を変える方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、発光器から発生された光を、回転角度を変更可能な回転ミラーで反射させる方法や、発光器を回転させる方法等を用いることができる。
受光手段50は、光照射手段40から照射した光41が、列車進行方向前方に存在する物体で反射した反射光51を受光可能に構成されている。受光手段50としては、公知の種々の構成の受光手段が用いられる。例えば、受光面上の各位置に受光素子が配置されている受光手段が用いられる。このような受光手段を用いる場合、受光した反射光の位置は、受光面上の座標で表される。
記憶手段60は、標識情報データベース61と位置参照情報データベース62を有している。標識情報データベース61、位置参照情報データベース62については後述する。
処理手段20が、本発明の「列車側処理手段」に対応し、記憶手段60が、本発明の「列車側記憶手段」に対応する。
中央管理装置300は、処理手段310、記憶手段320、表示手段330を有している。
処理手段310は、CPU等により構成され、列車管理処理等を実行する。
記憶手段320は、列車情報データベース321を有している。列車情報データベース321については後述する。
表示手段330は、列車の位置等の列車運行管理情報を表示する。
好適には、列車の運行を監視、管理する連動装置が中央管理装置300として用いられ、連動装置の表示盤が表示手段330として用いられる。
処理手段310が、本発明の「管理装置側処理手段」に対応し、記憶手段320が、本発明の「管理装置側記憶手段」に対応する。
先ず、列車200の前方に存在する標識を、光レーダー30を用いて判別する動作を、図3を参照して説明する。
本実施形態では、標識として、光照射手段40から照射された光41を反射可能な反射面を有し、受光手段50で受光した反射光に基づいて標識の反射面の形状を判別可能な標識を用いている。標識の反射面は、光照射手段40から照射される光の照射方向と交差するように配置される。
また、標識の反射面は、光照射手段40から照射された光41の反射率が高くなるように、すなわち、標識の反射面で反射した反射光の明度が高くなるように形成されている。これにより、受光手段50で受光した、標識の反射面で反射した反射光を、他の物体で反射した反射光と区別して判別することができ、標識の判別精度を高めることができる。
標識の反射面における光の反射率を高める方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、光の反射率を高めるシート(反射シート)を貼り付ける方法、光の反射率を高める塗料(反射塗料)を塗布する方法、光の反射率を高める加工を施す方法等を用いることができる。
なお、列車に対して運転条件を示す標識(「線路標識」)を、本発明の標識として用いることもできる。
標識の、軌道100に対して左右方向の配置位置や上下方向の配置位置は、適宜設定可能である。なお、標識の、軌道100に対する左右方向の配置位置や上下方向の配置位置を所定領域内に設定することもできる。この場合、光照射手段40からの光の照射範囲を狭くすることができ、また、受光手段50で受光した反射光の中から標識の反射面で反射した反射光を抽出する処理が容易となる。例えば、受光手段50の受光面の所定領域内の反射光の中から標識の反射面で反射した反射光を抽出することができる。
光照射手段40は、光41を、列車進行方向前方の光照射領域31に、列車進行方向Fに対する照射角度(左右方向の照射角度θ、上下方向の照射角度φ)を変えながら照射する。光照射手段40から照射した光41が列車前方に存在する標識Aに当たると、標識Aで反射した反射光51が受光手段50で受光される。
列車200の列車進行方向Fと光41が標識Aに当たった箇所(反射点)との間の角度(列車200から見た反射点の方向)は、光照射手段40から照射した光41の照射角度(θ、φ)で表される。また、列車200と反射点との間の距離mは、光照射手段40から光41を照射してから、標識Aの反射点で反射した反射光51を受光手段50で受光するまでの反射時間tnで表される(m=tn×光41の速度v/2)。
図3には、辺a1~a3、頂点A1~A3により形成される正三角の反射面を有する標識Aが示されている。
光照射手段40から、光41を、光照射領域31に照射角度を変えながら照射することによって、標識Aの反射面で反射した反射光が受光手段50で受光される。そして、受光手段50で受光した反射光に基づいて、標識Aの反射面の各反射点の方向(θ、φ)および各反射点と列車200との間の距離mを判別することができる。
例えば、標識Aの頂点A1の方向(θA1、φA1)と距離m(A1)が判別され、頂点A2の方向(θA2、φA2)と距離m(A2)が判別され、頂点A3の方向(θA3、φA3)と距離m(A3)が判別される。
そして、受光手段50で受光した、標識の反射面の各反射点で反射した反射光に基づいて標識の反射面の形状を判別する。
本実施形態では、反射光の明度に基づいて、受光手段50で受光した反射光の中から、標識の反射面の各反射点で反射した反射光を抽出し、抽出した反射光の集合の外形を判別する方法を用いている。
標識の反射面の形状を判別する方法の一例を、図4を参照して説明する。図4は、受光手段50の受光面を示している。受光面には、左右方向の照射角度θに対応する左右方向の位置と、上下方向の照射角度φに対応する上下方向の位置で示される座標上に受光素子が配置されている。図4には、照射角度(θ,φ)に対応する受光素子の位置に、反射光の明度が示されている。図4において、黒丸は、標識Aの正三角形の反射面の各反射点の位置(θ、φ)を示し、白丸は、他の物体の各反射点の位置を示している。また、本実施形態では、標識Aの反射面は、反射率が高くなるように、すなわち、標識Aの反射面の各反射点で反射した反射光の明度が大きくなるように形成されている。このため、反射光の明度に基づいて、標識Aの反射面の各反射点で反射した反射光を、他の物体の各反射点で反射した反射光と識別することができる。図4の黒丸は、反射光の明度が大きいこと(標識Aの反射面で反射した反射光であること)を示し、白丸は、反射光の明度が小さいこと(他の物体で反射した反射光であること)を示している。
反射光の明度に基づいて、標識Aの反射面で反射した反射光あるいは他の物体で反射した反射光であるかを判別する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、反射光の明度が設定値以上である反射光を抽出する方法を用いることができる。あるいは、反射光の明度と反射光の明度の平均値とが所定の条件を満足する(例えば、差が設定値以上である、比が設定値以上である)反射光を抽出する方法を用いることができる。
なお、レーザー光を照射する場合には、周囲の明るさに影響されずに、明度が高い反射光を判別することができる。
さらに、抽出した反射光の集合(反射光集合)の外形を判別する。図4では、黒丸で示されている、明度が高い反射光を受光した受光素子の位置をまとめた受光位置集合(反射光集合)Sの外周Rの形状を判別する。
なお、本実施形態では、列車進行方向前方に存在する標識の方向と距離を判別する方法として、処理を簡単にするために、標識の基準点の方向と距離を判別する方法を用いている。
標識の基準点としては、標識の種々の位置を設定することができる。例えば、標識の反射面の重心、中心、多角形の頂点等を設定することができる。本実施形態では、標識の反射面の重心を、標識の基準点として設定している。
また、軌道100に沿って列車200が走行する場合、上下方向の高さの変化は、軌道100に沿った移動距離の変化に較べて非常に小さい。このため、本実施形態では、標識の基準点の方向は、光照射手段40から照射される光41の、列車進行方向Fに対する左右方向の照射角度θで表している。
図3では、標識Aの基準点として、標識Aの反射面の重心Agが設定されている。そして、列車200から見た標識Aの基準点の方向として、列車進行方向Fに対する標識Aの反射面の重心Agの左右方向の角度α(Ag)が判別され、列車200と標識Aの基準点との間の距離として、列車200と標識Aの反射面の重心Agとの間の距離L(Ag)が判別されている。
なお、標識の反射面の重心、中心、多角形の頂点等の、列車進行方向Fに対する方向αや、列車200(光照射手段40)との間の距離Lは、標識の反射面の各反射点等の、列車進行方向に対する方向θや、列車200(光照射手段40)との間の距離m、標識の反射面の形状等に基づいて判別することができる。
次に、軌道100に沿って走行する列車200の位置を検出する動作を、図5を参照して説明する。図5は、軌道100に沿った走行位置(1)~(3)における光レーダー30と標識Aとの配置関係を示している。
走行位置(1)では、列車進行方向Fに対する標識Aの重心Agの角度α(Ag1)、列車200と標識Aの重心Agとの間の距離L(Ag1)が判別される。
走行位置(2)では、列車進行方向Fに対する標識Aの重心Agの角度α(Ag2)、列車200と標識Aの重心Agとの間の距離L(Ag2)が判別される。
走行位置(3)では、列車進行方向Fに対する標識Aの重心Agの角度α(Ag3)、列車200と標識Aの重心Agとの間の距離L(Ag3)が判別される。
すなわち、軌道100に沿った各位置に対応して、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点の方向αおよび列車200と標識Aの基準点との間の距離Lを位置参照情報データベース62に記憶させておくことにより、軌道100に沿った各位置で判別した、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点の方向αおよび列車200と標識Aの基準点との間の距離Lにより、列車200の位置を判別することができる。
なお、以下では、標識の反射面の重心を、「標識の基準点」という。
複線区間を走行する時の列車位置判別動作を、図6を参照して説明する。図6では、列車200は、軌道100に沿って一方向(図6の下方から上方)に移動する。
また、図6では、軌道100に沿って、標識A~Eが設けられている。標識Aは、反射面が正三角形に形成されている。標識Bは、反射面が正方形に形成されている。標識Cは、反射面が菱形に形成されている。標識Dは、反射面が縦長の四角形に形成されている。標識Eは、反射面が円形に形成されている。
図6では、破線で示されている、軌道100の中心線110上の位置が、地図の東西方向をx軸、南北方向をy軸とするx-y座標上の位置(x,y)で示されている。なお、列車200が軌道100の曲線箇所、分岐箇所や合流箇所等を走行する際には、光レーダー30は、軌道100の中心線110から外れることがある。このため、このような箇所では、軌道100の中心線110に対する光レーダー30のずれを補正して列車200の位置を検出するのが好ましい。
後述する図7および図8においても、列車の位置は、同様のx-y座標上の位置(x,y)で示されている。
列車位置(11)では、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点Agの方向α(Ag11)および列車200と標識Aの基準点Agとの間の距離L(Ag11)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(11),y(11)]であることが判別される。
列車位置(12)では、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点Agの方向α(Ag12)および列車200と標識Aの基準点Agとの間の距離L(Ag12)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg12)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg12)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(12),y(12)]であることが判別される。
列車位置(13)では、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg13)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg13)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg13)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg13)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(13),y(13)]であることが判別される。
列車位置(14)では、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg14)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg14)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Dの基準点Dgの方向α(Dg14)および列車200と標識Dの基準点Dgとの間の距離L(Dg14)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(14),y(14)]であることが判別される。
列車位置(15)では、列車進行方向Fに対する標識Dの基準点Dgの方向α(Dg15)および列車200と標識Dの基準点Dgとの間の距離L(Dg15)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Eの基準点Egの方向α(Eg15)および列車200と標識Eの基準点Egとの間の距離L(Eg15)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(15),y(15)]であることが判別される。
列車位置(16)では、列車進行方向Fに対する標識Eの基準点Egの方向α(Eg16)および列車200と標識Eの基準点Egとの間の距離L(Eg16)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(16),y(16)]であることが判別される。
複線区間の駅構内を走行する時の列車位置判別動作を、図7を参照して説明する。図7では、列車200は、軌道100に沿って一方向(図7の下方から上方)に移動する。
また、図7では、駅構内に、列車200を1番ホームに入線させる第1副本線と、列車200を2番ホームに入線させる第2副本線が設けられている。
また、図7では、軌道100に沿って、標識A~Eが設けられている。標識Aは、反射面が正三角形に形成されている。標識Bは、反射面が正方形に形成されている。標識Cは、反射面が円形に形成されている。標識Dは、反射面が縦長の長方形に形成されている。標識Eは、反射面が菱形に形成されている。
図7では、破線で示されている、本線の中心線110上の位置、一点鎖線で示されている、第1副本線の中央線110A上の位置、二点鎖線で示されている、第2副本線の中央線110B上の位置が示されている。
列車位置(21)では、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点Agの方向α(Ag21)および列車200と標識Aの基準点Agとの間の距離L(Ag21)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg21)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg21)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(21),y(21)]であること(分岐位置の手前)が判別される。
列車位置(22)では、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点Agの方向α(Ag22)および列車200と標識Aの基準点Agとの間の距離L(Ag22)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg22)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg22)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(22),y(22)]であること(第1副本線に進入)が判別される。
列車位置(23)では、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg23)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg23)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(23),y(23)]であることが判別される。
列車位置(24)では、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg24)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg24)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(24),y(24)]であること(第2副本線に進入)が判別される。
列車位置(25)では、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg25)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg25)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Dの基準点Dgの方向α(Dg25)および列車200と標識Dの基準点Dgとの間の距離L(Dg25)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(25),y(25)]であることが判別される。
列車位置(26)では、列車進行方向Fに対する標識Dの基準点Dgの方向α(Dg26)および列車200と標識Dの基準点Dgとの間の距離L(Dg26)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg26)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg26)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(26),y(26)]であることが判別される。
列車位置(27)では、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg27)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg27)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(27),y(27)]であることが判別される。
列車位置(28)では、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg28)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg27)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Eの基準点Egの方向α(Eg28)および列車200と標識Eの基準点Egとの間の距離L(Eg28)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(28),y(28)]であること(本線に合流)が判別される。
列車位置(29)では、列車進行方向Fに対する標識Eの基準点Egの方向α(Eg29)および列車200と標識Eの基準点Egとの間の距離L(Eg29)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(29),y(29)]であることが判別される。
単線区間の駅構内を走行する時の列車位置判別動作を、図8を参照して説明する。図8では、列車200は、本線に沿って両方向(図8の下方から上方への上り方向、図8の上方から下方への下り方向)に移動する。
また、図8では、駅構内に、列車200を1番ホームに入線させる第1副本線と、列車200を2番ホームに入線させる第2副本線が設けられている。
また、図8では、軌道100に沿って、標識A~Gが存在する。標識Aは、反射面が正三角形に形成されている。標識Bは、反射面が正方形に形成されている。標識Cは、反射面が菱形に形成されている。標識Dは、反射面が正三角形に形成されている。標識Eは、反射面が正方形に形成されている。標識Fは、反射面が菱形に形成されている。標識Gは、反射面が縦長の長方形に形成されている。
図8では、破線で示されている、本線の中心線110上の位置、一点鎖線で示されている、第1副本線の中央線110A上の位置、二点鎖線で示されている、第2副本線の中央線110B上の位置が示されている。
列車位置(31)では、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点Agの方向α(Ag31)および列車200と標識Aの基準点Agとの間の距離L(Ag31)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(31),y(31)]であることが判別される。
列車位置(32)では、列車進行方向Fに対する標識Aの基準点Agの方向α(Ag32)および列車200と標識Aの基準点Agとの間の距離L(Ag32)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg32)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg32)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(32),y(32)]であること(第1副本線に進入)が判別される。
列車位置(33)では、列車進行方向Fに対する標識Bの基準点Bgの方向α(Bg33)および列車200と標識Bの基準点Bgとの間の距離L(Bg33)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg33)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg33)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(33),y(33)]であることが判別される。
列車位置(34)では、列車進行方向Fに対する標識Cの基準点Cgの方向α(Cg34)および列車200と標識Cの基準点Cgとの間の距離L(Cg34)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(34),y(34)]であることが判別される。
列車位置(41)では、列車進行方向Fに対する標識Dの基準点Dgの方向α(Dg41)および列車200と標識Dの基準点Dgとの間の距離L(Dg41)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Eの基準点Egの方向α(Eg41)および列車200と標識Eの基準点Egとの間の距離L(Eg41)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(41),y(41)]であることが判別される。
列車位置(42)では、列車進行方向Fに対する標識Eの基準点Egの方向α(Eg42)および列車200と標識Eの基準点Egとの間の距離L(Eg42)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Fの基準点Fgの方向α(Fg42)および列車200と標識Fの基準点Fgとの間の距離L(Fg42)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(42),y(42)]であることが判別される。
列車位置(43)では、列車進行方向Fに対する標識Fの基準点Fgの方向α(Fg43)および列車200と標識Fの基準点Fgとの間の距離L(Fg43)が判別されるとともに、列車進行方向Fに対する標識Gの基準点Ggの方向α(Gg43)および列車200と標識Gの基準点Ggとの間の距離L(Gg43)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(43),y(43)]であること(第2副本線に進入)が判別される。
列車位置(44)では、列車進行方向Fに対する標識Gの基準点Ggの方向α(Gg44)および列車200と標識Gの基準点Ggとの間の距離L(Gg44)が判別される。これにより、列車200の位置が[x(44),y(44)]であることが判別される。
標識情報データベース61の一例が図9に示されている。
図9に示されている標識情報データベースには、軌道100に沿って設けられている標識の形状(外形形状)、基準点および基準点の位置を含む標識情報が、標識を示す標識識別情報(標識ID)に対応して記憶されている。
標識情報データベース61に記憶する情報は、図9に示されている情報に限定されない。
位置参照情報データベース62の一例が図10に示されている。
図10に示されている位置参照情報データベースには、位置参照情報が、位置を示す位置情報に対応して記憶されている。
位置参照情報は、軌道100に沿った各位置における、列車200から見た、列車進行方向前方に存在する標識の標識識別情報(標識ID)、列車200と標識の基準点との間の距離L、列車進行方向Fに対する標識の基準点の方向αが含まれる。
位置情報としては、例えば、前述した、x-y座標上の位置(x,y)が用いられる。
なお、位置情報に対応して1つの位置参照情報を記憶させてもよいし、複数の位置参照情報を記憶させてもよい。例えば、曲線箇所、分岐箇所、合流箇所では、光レーダー30の向きが大きく変わる。このため、このような箇所の近傍では、位置情報に対応させて複数の位置参照情報を記憶させておくことにより、列車の位置判別精度を高めることができる。
位置参照情報データベース62に記憶する位置参照情報は、好適には、予め列車200を軌道100に沿って走行させて取得した位置参照情報が用いられる。
列車情報データベース321の一例が図11に示されている。
図11に示されている列車情報データベースには、列車200の位置を示す位置情報が、列車200を示す列車識別情報に対応して記憶されている。
列車装置10の処理手段20の動作の一例を、図12に示されているフローチャートを参照して説明する。
図12に示されているフローチャートの処理は、適宜の時期、例えば、列車の電源が投入された時点で開始される。
ステップs1では、光照射手段40から、光照射領域31に、光41を、照射角度(左右方向の照射角度θ、上下方向の照射角度φ)で照射する。
ステップs2では、光照射手段40から照射された光41が物体で反射した反射光51を受光手段50で受光したか否かを判断する。反射光51を受光した場合にはステップs3に進み、反射光51を受光しなかった場合にはステップs4に進む。反射光51を受光しなかったことは、例えば、光41を照射してから設定時間内に受光手段50が反射光51を受光しなかったことにより判断する。
ステップs3では、光照射手段40から照射した光41の照射角度(θ、φ)、光41お照射してから反射光51を受光するまでの反射時間tn、受光手段50で受光した反射光の明度を記憶する。なお、反射時間tnに代えて、列車200と物体の反射点との間の距離m[=tn×光の速度v/2]を記憶することもできる。「反射時間tnを記憶する」ことと、「距離mを記憶する」ことは、等価である。
ステップs4では、光照射領域31内への光41の照射を完了したか否かを判断する。光照射領域31内への光41の照射が完了していない場合にはステップs1に戻り、完了した場合にはs5に進む。
なお、ステップs4からステップs1に戻った場合には、異なる照射角度で光41を照射する。
ステップs5では、受光した反射光の中から、明度が大きい反射光を抽出する。
ステップs6では、抽出した反射光の集合の形状(図4に示されている反射光集合Sの外周形状R)の形状を判別する。
ステップs7では、標識情報データベース61に記憶されている標識情報で示される標識の形状の中に、ステップs6で判別した、抽出した反射光の集合の形状と一致する形状が存在するか否かを判断する。形状が一致するか否かは、例えば、形状の一致率が設定値以上であるか否かを判断する。抽出した反射光の集合の形状と一致する形状を有する標識が標識情報データベース61に記憶されている場合にはステップs8に進み、記憶されていない場合にはステップs1に戻る。
ステップs8では、反射光の集合の形状と一致した標識の基準点を、標識情報データベース61に記憶されている標識情報から読み出す。そして、反射光の集合の形状の、読み出した標識の基準点に対応する位置の方向αと距離Lを判別する。方向αは、列車進行方向Fに対する、標識の基準点に対応する位置の方向(角度)であり、距離Lは、標識の基準点に対応する位置と列車200との間の距離である。方向α、距離Lは、ステップs1で判別した照射角度(θ、φ)、ステップs3で判別した反射時間tn(距離m)に基づいて判別することができる。
本実施形態では、反射光の集合の形状の、基準点に対応する方向αは、光照射手段40から照射した光41の、列車進行方向Fに対する左右の照射角度θに基づいて判別した、列車進行方向Fに対する左右方向の角度を用いている。
ステップs9では、ステップs8で判別した、標識の基準点に対応する位置の方向αおよび距離Lと、位置参照情報データベース62に記憶されている位置参照情報に基づいて、列車の位置を判別する。
ステップs10では、ステップs9で判別した列車の位置および列車装置10が設けられている列車200を示す列車識別情報を含む列車位置情報を、中央管理装置300の処理手段310に送信する。列車位置情報を送信する方法としては、公知の送信方法を用いることができる。
中央管理装置300の処理手段310は、列車装置10の処理手段20から送信された列車位置情報を受信すると、列車位置情報に含まれている列車の位置および列車識別情報を表示手段330に表示するとともに、列車情報データベース321に記憶する。
列車200が軌道100に沿って走行する場合、列車200の衝突を防止するために閉塞区間が設定される。閉塞区間の設定例を、図13を参照して説明する。図13は、単線区間の閉塞区間を示している。
列車200は、主本線100A、100Dに沿って、上り方向(図13の左側から右側)および下り方向(図13の右側から左側)の両方向に走行する。
駅構内には、列車200を1番ホームに入線させる第1副本線100Bと、列車200を2番ホームに入線させる第2副本線100Cが設けられている。
主本線100Aと第1副本線100Bおよび第2副本線100Cの間には転轍機121が設けられている。また、主本線100Dと第1副本線100Bおよび第2副本線100Cの間には転轍機122が設けられている。
図13では、閉塞区間411~416が設定されている。閉塞区間411と412は、閉塞境界421で区切られ、閉塞区間412と413は、閉塞境界422で区切られ、閉塞区間412と414は、閉塞境界423で区切られ、閉塞区間413と415は、閉塞境界424で区切られ、閉塞区間414と415は、閉塞境界425で区切られ、閉塞区間415と416は、閉塞境界426で区切られている。
閉塞区間411と412の境界位置に、主本線100Aから第1副本線100Bへの入線信号機431が設けられ、閉塞区間413と415の境界位置に、第1副本線100Bから主本線100Dへの出発信号機432が設けられている。また、閉塞区間416と415の境界位置に、主本線100Dから第2副本線100Cへの入線信号機433が設けられ、閉塞区間414と412の境界位置に、第2副本線100Cから主本線100Aへの出発信号機432が設けられている。
閉塞区間内に列車が在線する場合には、後続の列車が当該閉塞区間内に侵入しないように信号機等が制御される。
列車が閉塞区間内に在線することは、本実施形態の列車位置判別装置で検出される列車の位置(x,y)により判別することができる。例えば、検出した列車の位置(x,y)が、閉塞区間の境界位置(侵入側の境界位置、進出側の境界位置)に達しているか否かを判断する。
なお、位置参照情報データベース62に、閉塞区間の境界位置を示す位置情報に対応させて位置参照情報を記憶させた場合には、列車の位置が閉塞区間の境界位置であることを容易に判断することができる。位置情報で示される閉塞区間の境界位置を適切に設定することにより、列車が閉塞区間内に在線しているか否かを容易に判断することができる。
図14に、中央管理装置300に設けられている表示手段330に列車の位置を表示する一例が示されている。図14では、図13に示されている閉塞区間411~416に対応する表示部511~516が設けられている。
表示部511~516は、対応する閉塞区間411~416内に列車が在線していない場合には、消灯状態あるいは白色に点灯制御され、対応する閉塞区間411~416内に列車が在線している場合には、点灯制御あるいは赤色に点灯制御される。
閉塞区間411~416内に列車が在線しているか否かは、例えば、検出した列車の位置が、閉塞区間411~416内の位置であるか否かによって判断する。
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施形態では、光レーダーの出力信号に基づいて列車の位置を判別したが、光レーダーの出力信号に基づいて列車の位置を検出する手法と、他の検出手段の出力信号に基づいて列車の位置を検出する手法を組み合わせることもできる。列車の位置を判別するための他の判別手段としては、公知の種々の判別手段を用いることができる。例えば、図1に示されている、列車の位置を判別するためのGPS電波を受信するGPS受信手段70や、列車の走行距離を判別するための車輪の回転を検出する車輪回転検出手段80等を用いることができる。この場合、例えば、駅構内、踏切の前後の領域、分岐箇所や合流箇所の前後の高い位置判別精度が要求される領域では光レーダーを用いて列車の位置を判別し、他の領域では他の検出手段を用いて列車の位置を判別するように構成することができる。
実施形態では、標識の反射面の重心を標識の基準点として設定したが、標識の基準点としては、標識の反射面の種々の位置、例えば、中心や、多角形の頂点等を設定することができる。
第1実施形態の列車位置判別装置では、列車装置と中央管理装置を設けたが、中央管理装置は省略することもできる。
実施形態では、列車側に設けられている列車装置の処理手段で列車位置判別処理を実行したが、列車位置判別処理を中央管理装置の処理手段で処理するように構成することもできる。
実施形態では、列車の位置を表示する表示手段を設けたが、表示手段は省略することもできる。また、列車の位置を出力する方法は、表示手段に表示する方法に限定されない。
標識情報データベースや位置参照情報データベースの構成は、実施形態で説明した構成に限定されない。
列車側処理手段や管理装置側処理手段の動作は、実施形態で説明した動作に限定されない。
10 列車装置
20 処理手段(列車側処理手段)
30 光レーダー
40 光照射手段
50 受光手段
60 記憶手段(列車側記憶手段))
61 標識情報データベース
62 位置参照情報データベース
70 GPS受信手段
800 車輪回転検出手段
100 軌道
200 列車
300中央管理装置
310 処理手段(管理装置側処理手段)
320 記憶手段(管理装置側記憶手段)
321 列車情報データベース
330 表示手段

Claims (5)

  1. 軌道に沿って走行する列車の位置を判別する列車位置判別装置であって、
    軌道に沿って設けられている複数の標識と、列車側に設けられている列車装置と、を備え、
    前記列車装置は、列車側処理手段と、光照射手段と、受光手段と、列車側記憶手段とを有し、
    前記光照射手段は、列車進行方向前方に規定されている光照射領域に光を照射可能に構成され、
    前記受光手段は、前記光照射手段から照射された光が物体で反射した反射光を受光可能に構成され、
    前記列車側記憶手段は、標識情報データベースと、位置参照情報データベースと、を有し、
    前記標識情報データベースには、標識の形状および基準点を含む標識情報が、標識を示す標識識別情報に対応して記憶され、
    前記位置参照情報データベースには、軌道に沿った位置における、列車進行方向前方に設けられている標識の基準点の方向および基準点までの距離を含む位置参照情報が、位置を示す位置情報に対応して記憶され、
    前記列車側処理手段は、
    前記光照射手段から照射された光の照射角度、前記光照射手段から光を照射してから前記受光手段で反射光を受光するまでの反射時間、前記受光手段で受光した反射光の明度を判別し、
    前記受光手段で受光した反射光の明度に基づいて、列車進行方向前方に存在する物体の形状を判別し、
    前記判別した物体の形状が、前記標識情報データベースに記憶されている標識の形状のいずれかと一致する場合には、前記判別した物体の形状と一致する形状を有する標識の基準点に基づいて、前記判別した物体の形状の、基準点に対応する位置の方向および距離を判別し、
    前記判別した物体の形状の、基準点に対応する位置の方向および距離と、前記位置参照情報データベースに位置情報に対応して記憶されている位置参照情報とに基づいて、列車の位置を判別することを特徴とする列車位置判別装置。
  2. 請求項1に記載の列車位置判別装置であって、
    前記標識の反射面は、前記光照射手段から照射される光の反射率を高めるように構成されていることを特徴とする列車位置判別装置。
  3. 請求項1または2に記載の列車位置判別装置であって、
    前記標識は、列車進行方向に隣接する標識の形状が異なるように形成されていることを特徴とする列車位置判別装置。
  4. 請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の列車位置判別装置であって、
    地上側に設けられている中央管理装置を備え、
    前記中央管理装置は、管理装置側処理手段と、表示手段と、を有し、
    前記列車側処理手段は、前記判別した列車の位置を示す列車位置情報を前記管理装置側処理手段に送信し、
    前記管理装置側処理手段は、前記列車側処理手段から送信された列車位置情報で示される列車の位置を、前記表示手段に表示することを特徴とする列車位置判別装置。
  5. 請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の列車位置判別装置であって、
    前記位置参照情報データベースには、位置参照情報が、閉塞区間の境界位置を示す位置情報に対応して記憶されていることを特徴とする列車位置判別装置。
JP2020162307A 2020-09-28 2020-09-28 列車位置判別装置 Pending JP2022054985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020162307A JP2022054985A (ja) 2020-09-28 2020-09-28 列車位置判別装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020162307A JP2022054985A (ja) 2020-09-28 2020-09-28 列車位置判別装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022054985A true JP2022054985A (ja) 2022-04-07

Family

ID=80997775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020162307A Pending JP2022054985A (ja) 2020-09-28 2020-09-28 列車位置判別装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022054985A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN113002396B (zh) 一种用于自动驾驶矿用车辆的环境感知系统及矿用车辆
CN102951062B (zh) 用于改变车辆的至少一个大灯的光发射的方法与设备
JP4466438B2 (ja) 経路案内システム
US9696177B2 (en) Vehicle driving guidance device and method
JP4791262B2 (ja) 運転支援装置
JP3603018B2 (ja) 電気自動車の制御装置
US8224522B2 (en) Driving operation support device for a vehicle
CN109484393B (zh) 车辆控制装置、车辆控制方法及存储介质
CN106340197A (zh) 一种车路协同辅助驾驶系统及方法
CN107615353A (zh) 汽车周边信息显示系统
US11591020B1 (en) Navigation infrastructure for motor vehicles
EP3806061A1 (en) Detection device and detection system
CN110471085A (zh) 一种轨道检测系统
CN109031302A (zh) 分析车辆环境的方法和装置以及装备有这种装置的车辆
CN103854502A (zh) 道路标志识别装置及方法
US11628764B2 (en) Lamp system for traffic lane indication using navigation link and method for traffic lane indication thereof
TW201919018A (zh) 用於緊急車輛之號誌控制系統
CN108922245B (zh) 一种公路视距不良路段预警方法及系统
WO2004006207A1 (ja) 交通機関自動案内装置
CN116052472A (zh) 基于道路感知信息融合的车载v2x碰撞预警方法
CN116434604A (zh) 一种智能交通锥桶安全警示系统及控制方法
CN112218786A (zh) 恶劣天气下的驾驶控制方法、装置、车辆及驾驶控制系统
JP2008046761A (ja) 移動体画像処理システム、装置及び方法
JP2022054985A (ja) 列車位置判別装置
JP2004046875A (ja) 交通機関自動案内装置