JP2022054088A - 使い捨て着用物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】トップシートに親水性ローションを付与した場合の効果を向上させる。【解決手段】上記課題は、装着者の肌に接する肌接触領域を含むトップシート30及びトップシート30の裏側に隣接する裏側部材を有し、トップシート30が交絡により一体化された複数の繊維層を有する積層不織布から形成され、表面に位置する第1層30aはセルロース系繊維である1~15重量%のコットンを含み、第1層30aより裏側に位置する第2層30bは疎水性繊維からなり、肌接触領域には親水性ローションが付与されていることを特徴とする使い捨て着用物品により解決される。【選択図】図8

Description

本発明は、使い捨ておむつ又は生理用ナプキンなどの使い捨て着用物品に関するものである。
使い捨て着用物品、特に使い捨ておむつにおいては、着用者の肌が荒れる、特にかぶれがしばしば問題となる。この要因として、着用者の肌への物理的刺激(摩擦や硬さ、排泄物)、肌の乾燥を挙げることができる。
このような問題を解決するものとして、20℃で半固体もしくは固体であり、35℃の融点で着用者の肌に部分的に移行するスキンケア組成分が液体透過性トップシートに適用され、着用者の肌状態を改善することが提案されている(特許文献1参照)。
また、摩擦軽減等のため、不織布からなるトップシートに親水性ローションを塗布することも知られている(特許文献2参照)。親水性ローションは、ワックス状物質の硬さや、液透過性の低下を防止できる点で好ましい。特に、肌の乾燥を防ぐために水を含む親水性ローションは好ましい。
しかし、短繊維不織布からなるトップシートに水を含む親水性ローションを用いた場合、予想よりも効果が増加しないという問題点があった。
特開2003-500115号公報 特表2010-526630号公報
そこで、本発明の主たる課題は、トップシートに親水性ローションを付与した場合の効果を向上させること等にある。
本発明者は、水を含む親水性ローションが含有された不織布からなるトップシートを研究する中で、次のような知見を得た。すなわち、水を含む親水性ローションを短繊維不織布からなるトップシートに塗布した場合、製造後において親水性ローションがトップシートの裏側に配置された部材に移行しやすく、予想よりもトップシートに親水性ローションが保持されにくいため、親水性ローションによる効果が予想よりも低下することが考えられた。以下に述べる使い捨て着用物品は、このような知見に基づくものである。
<第1の態様>
装着者の肌に接する肌接触領域を含むトップシートと、
前記トップシートの裏側に隣接する裏側部材とを有し、
前記トップシートは、液透過性を有し、セルロース系繊維を含む不織布であり、
前記肌接触領域は、水を含む親水性ローションが含有されたローション含有領域を有する、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
(作用効果)
本使い捨て着用物品では、トップシートにセルロース系繊維が含まれることで、トップシートに付与された親水性ローションが裏側部材に移行しにくく、トップシートに残留しやすいものとなる。よって、トップシートに親水性ローションを付与した場合の効果、例えば肌触りや装着者の肌の保湿効果を従来よりも向上させることができる。換言すると、同じ効果を得る場合、親水性ローションの付与量を節約することができる。
<第2の態様>
前記トップシートの前記不織布は、前記セルロース系繊維として、1~15重量%のコットン繊維を含む、
第1の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
トップシートに含まれるセルロース系繊維としては、肌触りのよさ、親水性ローションの保持性等の観点からコットンであることが好ましく、その含有量は適宜定めることが出来るが、本態様の範囲内であると好ましい。
<第3の態様>
前記トップシートの不織布は、交絡により一体化された複数の繊維層を有し、
前記複数の繊維層は、表面に位置する第1層と、この表面層よりも裏側に位置する第2層とを含み、
前記第1層は前記セルロース系繊維を含み、
前記第2層は、疎水性繊維のみからなる、
第1又は2の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
本態様のように、トップシートを複数の繊維層を有する積層不織布とし、第1層にはセルロース系繊維を含有させ、それよりも裏側の第2層にはセルロース系繊維を含有させず、疎水性繊維のみで構成すると、第1層に保持された親水性ローションが第2層に移行しにくいものとなり、トップシートにおける親水性ローションの保持性がより一層向上するため好ましい。
<第4の態様>
前記親水性ローションは、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含むものであり、
前記ローション含有領域は、単位面積当たりの前記親水性ローションの含有量が5~15g/m2である、
第1~3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
親水性ローションの組成及びローション含有領域におけるローション含有量は適宜定めることができるが、本態様の範囲内であることが好ましい。
<第5の態様>
前記親水性ローションの温度20度での粘度が150~400mPa・sである、
第1~4のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
親水性ローションの粘度は適宜定めることができるが、本態様の範囲内であることが好ましい。
<第6の態様>
前記トップシートの裏面には、表側に窪む窪み部が間隔を空けて配列され、
前記窪み部の上面と前記裏側部材との間が空隙となっており、
前記ローション含有領域は、前記窪み部と重なる部分を有している、
第1~5のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
本態様では、トップシートのローション含有領域の裏面に、表側に窪む窪み部が間隔を空けて配列され、これら窪み部の上面と裏側部材との間が空隙となっており、ローション含有領域は、窪み部と重なる部分を有しているため、トップシートと裏側部材との接触面積が低減し、トップシートに付与された親水性ローションが、裏側部材により一層移行しにくくなり、トップシートに残留しやすいものとなる。
本発明によれば、トップシートに親水性ローションを付与した場合の効果が向上する、等の利点がもたらされる。
展開状態のテープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のテープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、平面図である。 図1の6-6断面図である。 図1の7-7断面図である。 (a)図1の8-8断面図、(b)図1の9-9断面図、及び(c)図1の10-10断面図である。 展開状態のテープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 展開状態のテープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、平面図である。 トップシート及びセカンドシートの断面図である。 トップシート及びセカンドシートの断面図である。 図13(b)の1-1断面、2-2断面、3-3断面を示す断面図である。 トップシート及びセカンドシートの平面図である。 トップシート接合部の接合パターンの拡大平面図である。 トップシート接合部の接合パターンの拡大平面図である。 トップシートにおけるグリセリン残存率のグラフである。 供試体を説明するための平面図である。
図1~図7は、使い捨て着用物品の一例としてのテープタイプ使い捨ておむつを示している。図中の符号Xは連結テープを除いたおむつの全幅を示しており、符号Lはおむつの全長を示している。また、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示している。ホットメルト接着剤は、スロット塗布、連続線状又は点線状のビード塗布、スパイラル状、Z状、波状等のスプレー塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)等、公知の手法により塗布することができる。これに代えて又はこれとともに、弾性部材の固定部分では、ホットメルト接着剤を弾性部材の外周面に塗布し、弾性部材を隣接部材に固定することができる。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
また、以下の説明における不織布としては、部位や目的に応じて公知の不織布を適宜使用することができる。不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となったものを含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(同一又は類似の不織布層が積層されたSSS不織布等の他、異なる不織布層が積層された、スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。積層不織布は、すべての層を含む一体の不織布として製造され、すべての層にわたる繊維結合加工がなされたものを意味し、別々に製造された複数の不織布をホットメルト接着剤等の接合手段により貼り合わせたものは含まない。
本テープタイプ使い捨ておむつは、前後方向LDの中央より前側に延びる腹側部分Fと、前後方向LDの中央より後側に延びる背側部分Bとを有している。また、本テープタイプ使い捨ておむつの形状は、製品の前後方向の中央よりも前側から、製品の前後方向中央よりも後側まで延びる股間部分Mと、製品の前後方向の中央よりも前側に離れた位置で、左右両側に突出する前ウイング80と、製品の前後方向の中央よりも後側に離れた位置で、左右両側に突出する後ウイング81とを有するものとなっている。さらに、本テープタイプ使い捨ておむつは、股間部を含む範囲に内蔵された吸収体56と、吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11と、液不透過性シート11の裏側を覆い、製品外面を構成する外装不織布12とを有するものである。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(吸収体)
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。
吸収体56の平面形状は適宜定めることができ、長方形とする他、前後方向LDの中間が脚周りに沿うように括れた形状とすることもできる。図1では、吸収体56を有するが、本発明の吸収性物品は吸収体を有さないものでもよい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー(SAP)粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん-アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん-アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、通常の場合、50~350g/m2とすることができる。
(包装シート)
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
この包装シート58は、図3に示すように、一枚で吸収体56の全体を包む構造とするほか、上下2枚等の複数枚のシートで吸収体56の全体を包むようにしてもよい。包装シート58は省略することもできる。
(トップシート)
トップシート30は、装着者の肌に接する肌接触領域を有するものである。図示例のトップシート30は、前後方向では製品前端から後端まで延び、幅方向WDでは吸収体56よりも側方に延びているが、例えば後述する起き上がりギャザー60の起点が吸収体56の側縁よりも幅方向WDの中央側に位置する場合等、必要に応じて、トップシート30の幅を吸収体56の全幅より短くする等、適宜の変形が可能である。
トップシート30としては、親水性のセルロース系繊維を含む不織布(以下、セルロース系繊維含有不織布ともいう)が用いられる。親水性のセルロース系繊維としては、コットン繊維(綿繊維)やパルプ繊維などの天然由来のものや、レーヨン繊維、アセテート繊維、リヨセル繊維などの人工セルロース系繊維が挙げられる。コットン繊維としては、木綿の原綿、精錬・漂白した綿繊維あるいは精錬・漂白後、染色を施した綿繊維、精錬・漂白した脱脂綿繊維、さらには糸又は布帛になったものを解繊した反毛等、あらゆるコットン繊維を使用できるが、特にコットン繊維の表面に付着しているコットンワックスの天然油脂を脱脂した脱脂コットン繊維を使用するのが好ましい。
トップシート30の目付け及び厚みは適宜定めることができるが、柔軟性等の観点から、目付けは10~30g/m2程度、厚みは0.5~2.0mm程度であることが好ましい。コットン繊維を含有する不織布をトップシート30に用いる場合、トップシート30におけるコットン繊維の含有量は適宜定めることができ、例えば100重量%(トップシート30全体がコットン繊維のみからなる)こともできるが、コストが嵩むため1~15重量%程度とすることが好ましい。なお、コットン繊維に代えて、他のセルロース系繊維を含有させる場合にも、その含有量は1~15重量%程度とすることができる。
セルロース系繊維含有不織布は、単層の不織布であってもよいが、交絡により一体化された複数の繊維層を有していてもよい。この場合、複数の繊維層のうち、どの繊維層にセルロース系繊維が含まれていてもよく、また、複数の繊維層にセルロース系繊維が含まれていてもよく、すべての繊維層にセルロース系繊維が含まれていてもよい。
セルロース系繊維含有不織布におけるセルロース系繊維以外の繊維としては、一種又は複数種の適宜の合成繊維を用いることができる。セルロース系繊維以外の繊維としては、長繊維不織布を含有させることもできるが、通常の場合、繊度1~10dtex、繊維長20~100mm程度の短繊維が好適である。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、親水性の中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。本例の中間シート40は、トップシート30の裏側に隣接する裏側部材に相当するものであるが、中間シート40は省略することもでき、その場合には包装シート58が裏側部材となり、包装シート58も省略されている場合には吸収体56が裏側部材となる。
中間シート40としては、不織布等の液透過性のシートを用いることができる。中間シート40としては、特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。これらのような疎水性合繊繊維の不織布を用いる場合、公知の親水化剤を用いることにより、親水性不織布とすることができる。不織布の目付けは17~80g/m2が好ましく、18~60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0~10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示例の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。また、中間シート40は、おむつの全長にわたり設けてもよいが、図示例のように排泄位置を含む前後方向LDの中間部分にのみ設けてもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11は、特に限定されるものではないが、透湿性を有するものが好ましい。液不透過性シート11としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。また、液不透過性シート11としては、不織布を基材として防水性を高めたものも用いることができる。
液不透過性シート11は、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56と同じか又はより広範囲にわたり延びていることが望ましいが、他の遮水手段が存在する場合等、必要に応じて、前後方向LD及び幅方向WDにおいて吸収体56の端部を覆わない構造とすることもできる。
(外装不織布)
外装不織布12は液不透過性シート11の裏側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。外装不織布12の繊維目付けは10~50g/m2、特に15~30g/m2であると好ましいが、これに限定されるものではない。外装不織布12は省略することもでき、その場合には液不透過性シート11を製品の側縁まで延ばすことができる。
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、表面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
起き上がりギャザー60を採用する場合、その構造は特に限定されず、公知のあらゆる構造を採用できる。図示例の起き上がりギャザー60は、実質的に幅方向WDに連続するギャザーシート62と、このギャザーシート62に前後方向LDに沿って伸長状態で固定された細長状のギャザー弾性部材63とにより構成されている。このギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等を用いることができる。弾性部材は、図1及び図2に示すように各複数本設ける他、各1本設けることができる。
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向WDの接合始端を有し、この接合始端から幅方向の外側の部分は各サイドフラップSFの内面、つまり図示例では液不透過性シート11の側部及びその幅方向の外側に位置する外装不織布12の側部にホットメルト接着剤などにより接合されている。
脚周りにおいては、起き上がりギャザー60の接合始端より幅方向の中央側は、製品前後方向両端部ではトップシート30上に固定されているものの、その間の部分は非固定の自由部分であり、この自由部分が弾性部材63の収縮力により立ち上がり、身体表面に密着するようになる。
(エンドフラップ、サイドフラップ)
図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップEFと、吸収体56の両方の側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップSFとを有している。サイドフラップSFは、図示例のように、吸収体56を有する部分から連続する本体シート(外装不織布12等)からなるものであっても、他の素材を取り付けて形成してもよい。
(平面ギャザー)
各サイドフラップSFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップSFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向の外側において、ギャザーシート62と液不透過性シート11との間に設けるほか、サイドフラップSFにおける液不透過性シート11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。もちろん、脚周り弾性部材64(平面ギャザー)は省略することもできる。
平面ギャザーは、サイド弾性部材64の収縮力が作用する部分(図中ではサイド弾性部材64が図示された部分)である。よって、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64が存在する形態の他、平面ギャザーよりも前側、後側又はその両側にわたりサイド弾性部材64が存在しているが、平面ギャザーの部位以外ではサイド弾性部材が一か所又は多数個所で細かく切断されていたり、サイド弾性部材64を挟むシートに固定されていなかったり、あるいはその両方であったりすることにより、平面ギャザー以外の部位に収縮力が作用せず(実質的には、弾性部材を設けないことに等しい)に、平面ギャザーの部位にのみサイド弾性部材64の収縮力が作用する構造も含まれる。
(前ウイング)
本テープタイプ使い捨ておむつは、製品の前後方向の中央よりも前側に離れた位置で、左右両側に突出する前ウイング80を有している。前ウイングは省略する(つまり、製品の最も幅の狭い部分から製品の前端まで幅が変化しない形状とする)こともできる。
前ウイング80の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、例えば物品全長Lの5~20%(特に7~15%)とすることができる。前ウイング80の幅方向WDの寸法は、後述する後ウイング81の幅方向WDの寸法とほぼ同じにすることができる。
(後ウイング)
本テープタイプ使い捨ておむつは、製品の前後方向の中央よりも後側に離れた位置で、左右両側に突出する後ウイング81を有している。
後ウイング81の幅方向WDの寸法は適宜定めることができ、前ウイング80の幅方向の寸法と同じにするほか、前ウイング80の幅方向の寸法よりも小さく又は大きくすることもできる。
(中間部分)
前ウイング80と後ウイング81との間における製品の両方の側縁15は、例えば、前後方向LDに対する鋭角側交差角が±2度未満の方向を中心として、当該中心と直交する方向に±5mmの幅の範囲を通るほぼ直線状の部分を有することができる。前ウイング80と後ウイング81との間における製品の両方の側縁15は、波状や弧状をなしていてもよい(図示略)し、図示例のように直線状であってもよい。
(ウイングの形成)
図示例のように、サイドフラップSFの側部を凹状に切除することにより、前ウイング80の下縁から、前ウイング80と後ウイング81との間における製品の両方の側縁15を経て後ウイング81の下縁に至る凹状縁の全体を形成することができる。この場合、サイドフラップSFの積層構造により前ウイング80及び後ウイング81の積層構造が決まり、図示例ではギャザーシート62及び外装不織布12により前ウイング80及び後ウイング81が形成される。図示しないが、サイドフラップSFから側方に突出する前延長シートを設け、前ウイング80の全体又は先端側の一部を前延長シートにより形成してもよい。同様に、サイドフラップSFから側方に突出する後延長シートを設け、後ウイング81の全体又は先端側の一部を後延長シートにより形成してもよい。前延長シート及び後延長シートとしては各種の不織布を用いることができる。
(連結部)
後ウイング81には、着用時に腹側部分Fと着脱可能に連結される連結部13Aを備えている。すなわち、着用に際しては、後ウイング81の両側部を装着者の腹側に持込み、後ウイング81の連結部13Aを腹側部分Fの外面に連結する。連結部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設ける他、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、レ字状、J字状、マッシュルーム状、T字状、ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等、公知のあらゆる形状を採用することができる。
連結部13Aは、後ウイング81に直接的に取り付けることができるほか、図示例のように、連結部13Aを有する連結テープ13を後ウイング81に取り付けることもできる。連結テープ13の構造は特に限定されないが、図示例では、サイドフラップSFに固定されたテープ取付部13C、及びこのテープ取付部13Cから突出するテープ本体部13Bと、このテープ本体部13Bの幅方向WD中間部に設けられた連結部13Aとを有し、この連結部13Aより先端側が摘み部となっている。テープ取付部13Cからテープ本体部13Bまでを形成するシート材としては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材を用いることができる。
腹側部分Fの外面における連結部13Aの連結箇所は、適宜定めることができ、左右の前ウイング80の間に位置する本体部のみを連結個所とするものであってもよいし、本体部の側部から前ウイング80の基端側までの範囲を連結個所とするもであってもよい。これらの連結個所は、連結部13Aの連結が容易になっていることが好ましく、連結を容易にするためのターゲット有するターゲットシート24を設けてもよい。例えば、連結部13Aがメカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)である場合、腹側部分Fの外面における連結個所を、メカニカルファスナーのループ材(雌材)又は不織布で形成すればよい。ループ材としては、プラスチックフィルムにループ糸を縫い付けたものも知られているが、繊維の連続方向が幅方向WDの長繊維不織布(繊度2.0~4.0dtex、目付け20~50g/m2、厚み0.3~0.5mm程度のスパンボンド不織布等)に、少なくとも幅方向WDに間欠的に繊維相互を溶着した溶着部を設けたものが通気性、柔軟性の観点から好ましい。図示例のように腹側部分Fの外面における連結個所を含む領域が外装不織布12で形成されている場合、何も付加せずに、外装不織布12にフック材を連結することができる。必要に応じて、腹側部分Fの外面における連結個所にのみループ材を貼り付けてもよい。また、連結部13Aが粘着材層の場合には、粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムを、腹側部分Fの外面における連結個所に貼り付けることもできる。
(トップシートの固定)
トップシート30は、疎水性のホットメルト接着剤29を介して、トップシート30の裏側に配置された裏側の部材に接着されていると好ましい。これに代えて、又はこれとともに、トップシート30及びその裏側に配置された裏側の部材の少なくとも一方の溶着により、トップシート30がその裏側に配置された裏側の部材に接合されていてもよい。トップシート30固定領域は、トップシート30の全体に及んでいても、窪み部20以外のトップシート30と接触する領域のみとなっていてもよい。裏側の部材は、図示例の場合、中間シート40、包装シート58、及び液不透過性シート11となっているが、これに限定されるものではない。
疎水性のホットメルト接着剤29としては、EVA系、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系等を用いることができ、特に粘着ゴム系(エラストマー系)を好適に用いることができる。
疎水性ホットメルト接着剤29の塗布量は適宜定めることができるが、通常の場合、0.1~10g/m2程度とすることができる。特に、疎水性ホットメルト接着剤29の塗布量が0.5~5g/m2程度であると、ホットメルト接着剤29のはみ出しを抑制できるため好ましいが、後述する親水性ローションによる接着阻害が発生しやすくなるため親水性ローションの塗布パターンの工夫等と組み合わせることが望ましい。疎水性のホットメルト接着剤29の塗布パターンは適宜定めることができ、微小な非塗布部分が散在する緻密なパターン(スパイラル状、Z状、波状等のスプレー塗布)が好適であるが、スロット塗布のような連続面状の塗布パターンであってもよい。
(ローション含有領域)
トップシート30の肌接触領域は、図6及び図7で示すように水を含む親水性ローションが含有されたローション含有領域32を有する。ローション含有領域の寸法が小さ過ぎると、摩擦軽減効果が局所的になり、着用者の肌を保護する意義が少ないものとなるため、ローション含有領域32は、30mm以上のMD方向(図示例では前後方向LD)の寸法32L、及び5mm以上のCD方向(図示例では幅方向WD)の寸法32Wを有していることが好ましい。ローション含有領域32のMD方向の寸法32Lは、50mm以上であるとより好ましく、100mm以上であると特に好ましい。ローション含有領域32のMD方向の寸法32Lの上限は製品全長Lであるが、これよりも短くてもよい。ローション含有領域32のCD方向の寸法32Wは、10mm以上であるとより好ましい。ローション含有領域32のCD方向の寸法32Wの上限はトップシート30の幅方向WDの寸法であるが、これよりも短くてもよい。
ローション含有領域32は、ある程度大きな面積で一か所設けるだけでもよいし、複数個所に設けてもよい。ローション含有領域32は、図示例のように、縦縞状に設けるのは好ましいが、横縞状でもよい。これらの場合、隣り合うローション含有領域32の間隔32Xは適宜定めることができるが、例えば1.5~10mm程度であると好ましい。
このようにトップシート30に親水性ローションを含有させる場合、前述のようにトップシート30がセルロース系繊維含有不織布であることで、トップシート30に付与された親水性ローションが裏側部材(図示例では中間シート40等)に移行しにくく、トップシート30に残留しやすいものとなる。よって、トップシート30に親水性ローションを付与した場合の効果、例えば肌触り(摩擦軽減効果)や装着者の肌の保湿効果を従来よりも向上させることができる。
一つの好ましい例は、図8に示すように、トップシート30を2以上の繊維層で構成するとともに、表面に位置し、肌に接する第1層30aにはセルロース系繊維を含有させ、第1層30aよりも裏側に位置する第2層30bは、疎水性繊維のみで構成するものである。これにより、第1層30aに保持された親水性ローションが第2層30bに移行しにくいものとなり、トップシート30における親水性ローションの保持性がより一層向上する。図示例では、繊維層が2層となっているが、3層以上の場合、第2層30bは第1層30aよりも裏側に位置する限り、最も裏側の層でなくてもよい。また、第1層30aと第2層30bとの間に他の繊維層を有する場合、当該他の繊維層にもセルロース系繊維を含有させることが好ましいが、含有していなくてもよい。
セルロース系繊維以外の繊維としては、一種又は複数種の適宜の合成繊維を用いることができ、特に第1層においては疎水性合成繊維であってもよいが、親水化剤が塗布された合成繊維であるとより好ましい。各層におけるセルロース系繊維以外の繊維としては、繊度1~3dtex(より好ましくは1.5~2.5dtx)、繊維長20~150mmの細い短繊維が好適である(トップシート30を単層の不織布とする場合も同様)が、セルロース系繊維を含まない層においては長繊維であってもよい。
肌触りを良好なものとするために、上記セルロース系繊維含有不織布と親水性ローションとの組合せにより、トップシート30におけるローション含有領域の平均摩擦係数MIUが0.2~0.4となっていることが好ましい。また、ローション含有領域32の表面水分率は特に限定されるものではないが、3~10%、特に4~8%であると、着用者の肌を適度に潤して乾燥防止を図ることができるため好ましい。
親水性ローションは水を含む限り、水以外の成分組成は特に限定されるものではない。例えば、親水性ローションの水以外の成分としては、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体等の中から、一種又は複数種を選択することができる。また、添加剤として、乳化剤、リン酸エステル、パラフィン及び界面活性剤の群から選ばれた一種又は複数種の添加剤を含むことができる。界面活性剤としては、エーテル型非イオン系界面活性剤、EO/PO型を含む非イオン系界面活性剤が好ましい。商品の保存性を向上させるために、親水性ローションは防腐剤を含有していてもよいが、親水性ローションは肌に転写されて肌を潤すものであるため、防腐剤を含有しないことが望ましい。
特に好ましい親水性ローションは、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含むものである。このようにグリセリンを主体とし、適量の水を含む親水性ローションは、肌に転写されたときに保湿剤として好ましいだけでなく、水がグリセリン中に結合水として保持(グリセリンは水の保持性が極めて高い)され、腐りにくいため好ましい。すなわち、このような観点から、水を含む親水性ローションを用いる場合において、グリセリンを多量に含有させ、表面水分率を十分(例えば前述の3~10%)に確保しつつ、親水性ローションの水分活性値を低く、例えば0.8以下、より好ましくは0.3~0.7、特に好ましくは0.3~0.5に抑えると、防腐剤を含有せずとも微生物の繁殖が抑制され、保存性が良好となるとともに、肌に転写されたときの保湿効果も高いものとなる。
ローション含有領域32における親水性ローションの含有量は目的に応じて適宜定めればよい。一例として、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含む親水性ローションの場合、ローション含有領域32は、単位面積当たりの含有量が5~15g/m2であることが好ましい。図9の32a、32bで示すように、親水性ローションの含有量が異なる複数の領域を有する場合、又は親水性ローションの塗布量が連続的に変化する場合、親水性ローションの含有量はローション含有領域32全体として2~20g/m2であるか、5~15g/m2の部分がローション含有領域32の面積の20%以上であるか、又はその両方であると好ましい。
なお、グリセリンの含有量は、以下のグリセリン含有量測定方法で測定する。
(グリセリン含有量測定方法)
・同一製品を4枚用意し、そのうちの任意の一枚について、後述する方法により、ローション含有領域32の寸法を計測し、ローション含有領域32の面積(グリセリン含有領域が複数ある場合には総面積)を求める。
・同一製品4枚分のトップシート30からすべてのローション含有領域32を切り出して(縁に沿って正確に切り出す必要はなく、ローション含有領域32全体を含む限り、その周囲の部分を多少含んでいてもよい)それらすべてを試験片とするか、又は同一製品4枚分のトップシート30を取り外してそのまま試験片とする。
・試験片を温度25度の水が入った300mlビーカーに入れ、ガラス棒で不規則に突いたり、かき混ぜたりを1分以上繰り返した後、60分間水に浸漬した状態で静置する。この静置の際、ビーカー内の試験片の高さが可能な限り低くなるように、試験片を折り畳んで錘を載せるか、又は予め折り畳んだ状態で接着又は縫製により固定しておく。また、水の量は試験片全体を水に浸けることが可能な最小量(例えば10ml)とする。この静置の後、ガラス棒で不規則に突いたり、かき混ぜたりを1分以上繰り返してから、試験片を持ち上げて十分に絞り、ビーカーに残ったグリセリン含有水のグリセリン濃度を、グリセリン濃度計で測定する。また、ビーカーに残ったグリセリン含有水の重量を測定する。そして、これらの測定結果に基づき、グリセリン含有水に含まれるグリセリン重量を求める。
・グリセリン含有水のグリセリン重量を、ローション含有領域32の面積を4倍した値(製品4枚分のため)で除算することにより、ローション含有領域32のグリセリン含有量(g/m2)を算出する。
トップシート30におけるセルロース系繊維以外の繊維としては、疎水性樹脂の繊維を用いたものが低コストであるため好ましいが、そのままでは、水を含む親水性ローションの保持性に乏しいものとなる。よって、親水性ローションは、温度20度での粘度が150~400mPa・sであると好ましい。これにより、トップシート30における親水性ローションの保持性を高めることが好ましい。
同様の理由により、トップシート30におけるセルロース系繊維以外の繊維として疎水性樹脂の繊維を用いる場合には、疎水性樹脂の繊維に親水化剤が塗布されていると好ましい。
親水化剤としては、人体への安全性、工程での安全性等を考慮して、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルフェノール等のエチレンオキサイドを付加した非イオン系活性剤、アルキルリン酸エステル塩(オクチル、ドデシル系)、アルキル硫酸塩等のアニオン系活性剤等の単独あるいは混合物等が好ましく用いられ、付与量は、要求される性能によって異なるが、通常は対象シートの乾燥重量に対して0.1~2.0重量%程度、特に0.2~1.0重量%程度とするのが望ましい。なお、この親水化剤は中間シートに同様に用いることができる。
(窪み部)
トップシート30の表面及び裏面は凹凸を有せず、平坦であってもよいが、図9及び図10に示すように、トップシート30の裏面には、表側に窪む窪み部20が間隔を空けて配列され、窪み部20の上面と裏側部材(図示例では中間シート40)との間が空隙となっており、ローション含有領域32は、窪み部20と重なる部分を有していると、トップシート30と裏側部材との接触面積が低減し、トップシート30に付与された親水性ローションが裏側部材に移行しにくく、トップシート30に残留しやすくなるため好ましい。
窪み部20の深さ20hは適宜定めることができるが、トップシート30と裏側部材との接触面積をより確実に低減する観点から、通常の場合、0.5mm~3mmであることが好ましい。
ローション含有領域32の寸法及び窪み部20の寸法・配列は適宜定めることができるが、例えばローション含有領域32が、30mm以上の前後方向LDの寸法、及び5mm以上の幅方向WDの寸法を有する場合、窪み部20は、3~8mmの前後方向LDの寸法20q、及び3~5mmの幅方向WDの寸法20wを有するとともに、ローション含有領域32の前後方向LDの寸法よりも短い前後方向LDの間隔、及びローション含有領域32の幅方向WDの寸法よりも短い幅方向WDの間隔で、トップシート30の肌接触領域全体にわたり配列されていると、製造誤差等によりローション含有領域32の位置が多少変化したとしても、ローション含有領域32が確実に窪み部20と重なる部分を有することとなるため好ましい。
また、窪み部20の前後方向LDの寸法20qが、前後方向LDに隣り合う窪み部20の最短間隔20pより長く(20q>20p)、窪み部20の幅方向WDの寸法20wが、幅方向WDに隣り合う窪み部20の最短間隔20iより長い(20w>20i)と、窪み部20の面積率(トップシートの単位面積あたりに占める窪み部の面積の割合)が窪み部20以外の部分よりも十分に高くなり、トップシート30における親水性ローションの保持性により一層優れたものとなるため好ましい。
窪み部20の平面形状は特に限定されるものではなく、図示例のような円形の他、楕円形、三角形、矩形、五角以上の多角形、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。
窪み部20の平面配列は特に限定されるものではなく、図11に示すように行列状とする他、図12及び図13に示すように千鳥状(隣接列で互い違いとなる配置)とする等、適宜変更することができる。
図示例では、トップシート30のほぼ全体にわたり窪み部20を設ける形態を想定しているが、ローション含有領域32と重なる部分を有する限り、トップシート30の一部にのみ設けることも可能であり、例えば中間シート40の寸法がトップシート30より短い場合には、トップシート30と中間シート40とが重なる領域のほぼ全体にのみ設けることもできる。
トップシート30の裏面に窪み部20がある限り、図8及び図7に示すように、トップシート30の表面に凹凸が存在せず、平坦であってもよいが、トップシート30表面の通気性や表面摩擦の軽減を図る場合には、図10~図13に示すように、トップシート30の表面に凹凸が形成されていると好ましい。このような凹凸はエンボス加工により形成することができる。特に図示例のように、エンボス加工を用いてトップシート30を裏側から表側に押し出し、窪み部20を形成すると、トップシート30の表面側から見た場合、トップシート30裏面の窪み部20と対応する(重なる)配列で凸部31が形成され、肌に接触しやすい凸部31における親水性ローションの保持性が高くなるため好ましい。なお、トップシート30にこのようなエンボス加工を施す場合、トップシート30が前述のような短繊維不織布であると、窪み部20及び凸部31がよりはっきりと形成されるとともに、親水性ローションの保持性が向上するため好ましい。なお符号33は隣接する凸部31間の部分、つまり表側から見た場合の凹部を示している。
一例として、図10~図13に示すように、トップシート30における、幅方向及び前後方向に隣接する凸部31の間の部分(裏側から見ると窪み部20の間の部分)が加圧溶着により中間シート40と接合されることにより、幅方向及び前後方向に間欠的な接合パターンで多数のトップシート接合部82が形成されているのは好ましい。トップシート接合部82は、凹部の底部を形成する部分でもある。また、このトップシート30及び中間シート40の接合パターンでは、MD方向に隣接する凸部31の間の領域では、トップシート接合部82がCD方向に間隔を空けて複数並んでなる列が当該領域のCD方向中央位置を横切るように形成されるとともに、そのトップシート接合部82のCD方向の間隔部分ではトップシート30及び中間シート40が溶着されずにトップシート30がそのMD方向両側よりも圧縮された圧縮部83とされている。このような構造は、特許文献3記載の方法により製造することができる。
圧縮部83においてはトップシート30が圧縮される限り、中間シート40はトップシート30と一体的に圧縮されていても、圧縮されていなくても良い。また、トップシート接合部82及び圧縮部83以外の部分は、トップシート30及び中間シート40が溶着されずかつCD方向の間隔部分と同様に圧縮されていても良いが、トップシート30及び中間シート40が溶着されずかつCD方向の間隔部分よりもトップシート30が圧縮されていない(全く圧縮されない非圧縮も含む)ことが望ましい。つまり、トップシート30におけるトップシート接合部82の厚みをT1とし、圧縮部83の厚みをT2とし、トップシート接合部82及び圧縮部83以外の部分の厚みをT3としたとき、T1<T2=T3でも良いが、T1<T2<T3となるのが望ましい。
個々のトップシート接合部82の形状は特に限定されず、図示例のような円形の他、楕円形、多角形、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。
図9(c)に示すように、トップシート30における窪み部20を有する部位のみにローション含有領域32が設けられていてもよい。つまり、窪み部20の配列に対応してローション含有領域32を多数設けることができる。もちろん、図示しないが、図10~図13に示す例のように、トップシート30の裏面の窪み部20と対応させてトップシート30の表面に凸部31を設ける場合にも、トップシート30における窪み部20を有する部位のみ、つまり凸部31のみにローション含有領域32が設けられていてもよい。
(トップシートにおける親水性ローションの残存確認試験)
3種のトップシート(コットンを含まないトップシート、5重量%コットンを含むトップシート及び15重量%コットンを含むトップシート)を用いて、図1~5、図8に示される構造のテープタイプ使い捨ておむつ(ただし、トップシート30に凹凸を有しない)のサンプルをトップシート30以外は同一の仕様で必要数製作し、以下の方法により、トップシート30における親水性ローションの残存率を確認した。各部材の仕様は表1のとおりであった。なお、各サンプルは、全ての部材の組立(接合)を完了した後に、トップシート30表面に親水性ローションを塗布した。
各サンプルについて、親水性ローションを塗布してから30℃の環境下で、5時間静置した後、以下の方法により、トップシートにおける親水性ローションの残存量(重量)を測定し、トップシートに対する塗布量(表1参照)を100%として、5時間静置後のグリセリン残存率を計算した。
(親水性ローション残存量の測定方法)
(a) サンプルを展開状態で、かつトップシート30が上となる向きで机の上に固定した。
(b) 3M社製のあぶらとりフィルム(皮脂のみ吸収タイプ、寸法:縦85mm×横55mm、目付け24g/m2、材質:多孔質ポリオレフィンフィルム)を必要数準備した。
(c) 0.1mgまで測定可能な秤を使用し、あぶらとりフィルムの未使用時の重量を測定した。
(d) ゴム手袋を装着した手であぶらとりフィルムを掴み、サンプルのトップシートの表面に強く(ただし、トップシートやあぶらとりフィルムが伸びたり、破れたりしない程度に)擦り付けて、トップシートに含まれる親水性ローションを拭き取った。この際、あぶらとりフィルムの擦り付け個所が透明化する度に、あぶらとりフィルムの擦り付け個所を未使用箇所に変更しつつ、拭き取りを続けた。また、トップシートの全体にわたり均等に拭き取るために、トップシートにおける拭き取り個所を随時変更した。
(e) あぶらとりフィルムの80%程度が透明になったら、この使用済みあぶらとりフィルムの重量を上記秤で測定した後、新しいフィルムに交換し、再び上記(c)~(e)を行った。この作業は、直近2回の使用済みあぶらとりフィルムの重量増加率(n回目の重量をWnとし、n-1回目の重量をWn-1としたとき、(Wn-Wn-1)×100/Wn-1)が10%以下になるまで行った。
(f) 上記重量増加率が10%以下となったら、すべての使用済みあぶらとりフィルムの総重量から、すべての未使用あぶらとりフィルムの総重量を差し引いて得られる重量を、親水性ローションの残存量とした。
試験の結果、図14に示すように、コットン含有なしのトップシートではグリセリン残存率は66%であったのに対し、5重量%コットンを含むトップシートは83%、15重量%コットンを含むトップシートは97%となり、トップシートにおけるグリセリンの減少が、トップシートにおけるコットンの含有により抑えられることが分かった。このことから、トップシートに含まれるコットン量が多いほど、時間が経過しても、トップシートに含まれる親水性ローションがトップシート内に保持されることが分かった。
Figure 2022054088000002
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、製品の部分によっていずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とは着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは、着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えばカバー不織布)における対象部分(例えば孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。例えば、孔の面積率は、例えばKEYENCE社の商品名VHX-1000を使用し、測定条件を20倍として、以下の手順で測定することができる。
(1)20倍のレンズにセットし、ピントを調節する。穴が4×6入るように不織布の位置を調整する。
(2)孔の領域の明るさを指定し、孔の面積を計測する。
(3)「計測・コメント」の「面積計測」の色抽出をクリックする。孔の部分をクリックする。
(4)「一括計測」をクリックし、「計測結果ウィンドを表示」にチェックを入れ、CSVデータで保存をする。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿(尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したもの)49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter-MAX ME-500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。有孔不織布の厚みは、孔及びその周囲の突出部以外の部分で測定する。
・吸水量は、JIS K7223-1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「展開状態」とは、収縮(弾性部材による収縮等、あらゆる収縮を含む)や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・「溶融粘度」は、JIS Z 8803に従い、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.027)を用いて、規定の温度で測定されるものである。
・孔の「最大寸法」とは、MD方向の寸法及びCD方向の寸法のうち長い方の寸法を意味する。
・「平均摩擦係数MIU」及び「平均摩擦係数の変動偏差MMD」は、カトーテック株式会社製の摩擦感テスターKES-SE(10mm角シリコーンセンサ、荷重50g)を用いて測定される、センサ移動距離20mmの値を意味する。センサの移動方向(摩擦方向)はトップシートのMD方向とする。製品を測定する場合、製品におけるトップシート以外の部材を、トップシート表面の摩擦試験に影響がない範囲で取り外し又は切除し(したがって、例えばトップシートに溶着された部材は取り外さない)、展開状態で試験を行う。
また、トップシートにおけるローション含有領域のCD方向の寸法がセンサの寸法(10mm)未満のときには、図15(a)に示すように、トップシート30をローション含有領域32の側縁に沿って切断して、ローション含有領域32のみの供試体300(センサ100よりも幅が狭い)を作成し、この供試体について図15(b)に示すようにセンサ100の中心を供試体300のCD方向の中心に合わせて測定を行う。なお、1回の測定の度に、センサ100の表面に付着した親水性ローションを十分に拭き取ってから次の測定を行う。
また、ローション含有領域を目視で特定できない場合、適宜の方法でローション含有領域を特定することができる。例えば、ローション含有領域32の位置が同一の供試体を必要数(測定用及び位置特定用)用意し、位置特定用の供試体のトップシート30におけるローション含有領域32を、適宜の着色剤で周囲と異なる色に着色し、着色位置を定規や適宜の画像測定装置を用いて特定した後、測定用の供試体において位置特定用の供試体で特定した着色位置と同一の位置をローション含有領域32として測定を実施することができる。親水性ローションの含有領域32を着色できるものとしては、株式会社タセトの水漏れ発色現像剤「モレミールW」を好適に用いることができる。ローション含有領域32のMD方向の寸法32L及びCD方向32Wの寸法を測定する場合、及び後述する表面水分率の測定等にも、この方法でローション含有領域32を特定することができる。
・「表面水分率」は、スカラ(Scalar)社製のモイスチャーチェッカー(MY-808S)を用いて、ローション含有領域32の任意の3か所を計測して算出される平均値とする。なお、1回の計測の度に、モイスチャーチェッカーの測定面に付着した親水性ローションを十分に拭き取ってから次の測定を行う。
・「水分活性値」は、フロイント産業株式会社製EZ-100ST(電気抵抗式)等の電気抵抗式水分活性測定装置により測定することができる。測定前には既飽和溶液を用いて校正する。測定は、食品衛生検査指針に基づく電気抵抗式試験に準じて行うことができる。すなわち、水分活性測定装置の検出器内空間容積の3%以上の容積となる量の試料を採取し、アルミ箔皿又は開放型平皿に乗せ、直ちに検出器に入れて密閉し、25±2度の条件に置き、10分間隔で数値を読み、数値の変動が認められない時点を検出器内の水蒸気圧が平衡状態になったとみなし、その時点の数値を当該試料の測定値とする。各試料について3回測定し、3回の測定値の平均値を水分活性値とする。
・「粘度」は、JIS Z 8803に従い、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.027)を用いて、所定の温度で測定されるものである。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、パンツタイプ使い捨ておむつやテープタイプ使い捨ておむつの他、パッドタイプ使い捨ておむつ、使い捨て水着、おむつカバー、生理用ナプキン等、使い捨て着用物品全般に利用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装不織布、20…窪み部、30…トップシート、30a…第1層、30b…第2層、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、LD…前後方向、WD…幅方向、29…疎水性のホットメルト接着剤、31…凸部、32…ローション含有領域。

Claims (6)

  1. 装着者の肌に接する肌接触領域を含むトップシートと、
    前記トップシートの裏側に隣接する裏側部材とを有し、
    前記トップシートは、液透過性を有し、セルロース系繊維を含む不織布であり、
    前記肌接触領域は、水を含む親水性ローションが含有されたローション含有領域を有する、
    ことを特徴とする使い捨て着用物品。
  2. 前記トップシートの前記不織布は、前記セルロース系繊維として、1~15重量%のコットン繊維を含む、
    請求項1に記載の使い捨て着用物品。
  3. 前記トップシートの不織布は、交絡により一体化された複数の繊維層を有し、
    前記複数の繊維層は、表面に位置する第1層と、この表面層よりも裏側に位置する第2層とを含み、
    前記第1層は前記セルロース系繊維を含み、
    前記第2層は、疎水性繊維のみからなる、
    請求項1又は2記載の使い捨て着用物品。
  4. 前記親水性ローションは、グリセリン70~90重量%、及び水10~30重量%を含むものであり、
    前記ローション含有領域は、単位面積当たりの前記親水性ローションの含有量が5~15g/m2である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
  5. 前記親水性ローションの温度20度での粘度が150~400mPa・sである、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
  6. 前記トップシートの裏面には、表側に窪む窪み部が間隔を空けて配列され、
    前記窪み部の上面と前記裏側部材との間が空隙となっており、
    前記ローション含有領域は、前記窪み部と重なる部分を有している、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
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