JP2022043408A - 二液混合システム、及び、二液混合キット - Google Patents

二液混合システム、及び、二液混合キット Download PDF

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哲志 田口
Tetsushi Taguchi
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Abstract

Figure 2022043408000001
【課題】優れた混合性を有する二液混合システムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る二液混合システムは、シリンジホルダーと、プランジャーホルダーと、ノズルベースと、ノズルとを備え;前記シリンジホルダーは、基底部と、軸部と、第1ツメ部及び第2ツメ部と、第1シリンジ受け部及び第2シリンジ受け部を有し;前記プランジャーホルダーは、シリンジのプランジャーのヨークが装着される第1凹部及び第2凹部を有し;前記ノズルベースは、係合部と、通液部と、第1部材及び第2部材と、第1連結板及び第2連結板を有し;前記ノズルは、ノズルハウジングと、ミキシング部材を有し;前記ノズルと前記ノズルベースが係合した状態において、前記ノズルベースの前記通液部の上端と前記ノズルの前記ミキシング部材の下端との間に間隙部が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、二液混合システム、及び、二液混合キットに関し、特に、2本のシリンジから供給される2種の液体が混合された混合物を吐出する二液混合システム、及び、二液混合キットに関する。
医療分野において、組織や臓器の縫合部や切断面を接着したり被膜したりして血液や空気の漏れを防ぐことなどを目的として、液状の生体組織接着剤が利用されている。代表的な生体組織接着剤としては、例えば、フィブリノゲン含有溶液とトロンビン含有溶液を混合することで調製される液状接着剤が挙げられる。
このような2種の液体の混合物(以下、「二液混合物」ともいう。)を調製する装置として、特許文献1には、「2本のシリンジからプランジャーで異なる二液を所望の体積比で注出するダブルシリンジ」が記載されている。特許文献1に記載のダブルシリンジは、2本のシリンジと、シリンジカバーと、ミキシングエレメントと、ノズルと、係止部材とからなり、シリンジカバーに設けられた突起片に係止部材の係止部を係止することで、シリンジ、ミキシングエレメント、ノズル及びシリンジカバーを密着連結する。
特開2013-27599号公報
本発明者らは、特許文献1に記載されるような従来のダブルシリンジを用いて二液混合物からなる生体組織接着剤を調製すると、当該接着剤が本来有し得る組織接着性が十分に得られない場合があり、その原因のひとつが、ダブルシリンジから吐出される混合物における二液の混合が不十分である、ということであることを知見している。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑み、優れた混合性を有する二液混合システムを提供することを課題とする。
また、本発明は、二液混合キットを提供することも課題とする。
特許文献1に記載のダブルシリンジにおいては、ミキシングエレメントは、2本のシリンジの先端部を挿通する2つのシリンジ受けと、これらのシリンジ受けを一体とする連結部と、この連結部の中央に垂設されたミキシング部材とからなり、ミキシングエレメントとノズルは、上記2つのシリンジ受け及び連結部(ミキシング部材を含む)を、ノズルの接合部に挿入することで連結される。
また、上記連結部の上面には溝が形成されており、この溝は上記2つのシリンジ受けの注出孔と連通している。
そして、ノズルとミキシングエレメントが連結した状態において、上記溝の上部のミキシング部材が垂設された部分以外は、ノズルの接合部の内壁面により塞がれた状態となっている。
このような構成により、特許文献1に記載のダブルシリンジにおいては、上記注出孔から抽出される二液が溝内を通り、ミキシング部材が挿入されたノズルの注出部内で二液が接触する。すなわち、2本のシリンジから抽出される液体は、ノズルの注出部内を通過する際にミキシング部材により混ぜ合わされて混合液となり、ノズルの先端部から抽出される。
このように、従来のダブルシリンジにおいては、混合を行う部材でのみ二液が接触する構成が採用されており、このことは、成分の異なる二液を混合注出するという目的に照らして当然のことであると考えられていた。
しかしながら、本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、上述した従来の技術常識とは異なり、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 2本のシリンジから供給される2種の液体が混合された混合物を吐出する二液混合システムであって、
シリンジホルダーと、
プランジャーホルダーと、
ノズルベースと、
ノズルとを備え、
上記シリンジホルダーは、基底部と、上記基底部の中央に立設された軸部と、上記軸部の端部に設けられた第1ツメ部及び第2ツメ部と、上記基底部の長辺側に上記軸部に沿って立設された第1シリンジ受け部及び第2シリンジ受け部を有し、
上記第1ツメ部及び上記第2ツメ部は、互いに反対方向に突設された係止部を有し、
上記第1シリンジ受け部及び上記第2シリンジ受け部は、互いに反対方向に開口し、
上記プランジャーホルダーは、シリンジのプランジャーのヨークが装着される第1凹部及び第2凹部を有し、
上記ノズルベースは、内周面の周方向に沿って配設された係合凹部を有する係合部と、上記係合部の下端から上記係合部の内部を延び上記係合部の上端から突出する通液部と、上記係合部の下端から上記通液部とは反対方向に所定の角度をなして延びる第1部材及び第2部材と、上記第1部材の下端と上記第2部材の下端とを連結する第1連結板及び第2連結板を有し、
上記第1部材は、シリンジのバレルの先端が嵌合される嵌合凹部を下端に有し、上記嵌合凹部の上面の供給口から上記第1部材の内部を延びて上記通液部の第1通液路に連通する第1流路を有し、
上記第2部材は、シリンジのバレルの先端が嵌合される嵌合凹部を下端に有し、上記嵌合凹部の上面の供給口から上記第2部材の内部を延びて上記通液部の第2通液路に連通する第2流路を有し、
上記第1連結板は、中央に上記シリンジホルダーの上記第1ツメ部の係止部が差し込まれる差込部を有し、
上記第2連結板は、中央に上記シリンジホルダーの上記第2ツメ部の係止部が差し込まれる差込部を有し、
上記ノズルは、ノズルハウジングと、上記ノズルハウジング内に収容されたミキシング部材を有し、
上記ノズルハウジングは、2種の液体が混合された混合物を吐出する吐出口を一端に有し、他端の外周部に係合凸部を有し、
上記ノズルと上記ノズルベースが係合した状態において、上記ノズルベースの上記通液部の上端と上記ノズルの上記ミキシング部材の下端との間に間隙部が形成される、
二液混合システム。
[2] 上記ノズルベースの上記通液部の上面が平坦形状であり、
上記ノズルと上記ノズルベースが係合した状態において、上記ノズルベースの上記通液部の上端と上記ノズルの上記ミキシング部材の下端とが接点を有しない、[1]に記載の二液混合システム。
[3] 上記ノズルベースの上記通液部の上端の幅(w)と上記間隙部の高さ(G)との比(w:G)が、w:G=1:0.2~1:5の範囲内である、[1]または[2]に記載の二液混合システム。
[4] 上記ノズルベースの上記通液部の上面の供給口の直径(d)と上記間隙部の高さ(G)との比(d:G)が、d:G=1:0.8~1:20の範囲内である、[1]または[2]に記載の二液混合システム。
[5] 上記ノズルベースの上記第1連結板の差込部と上記第2連結板の差込部の大きさ及び/又は形状が互いに異なる、[1]から[4]のいずれかに記載の二液混合システム。
[6] 上記混合物が生体組織接着剤である、[1]から[5]のいずれかに記載の二液混合システム。
[7] 上記生体組織接着剤がゼラチン、ゼラチン誘導体、及び/又は、これらの架橋物を含有する、[6]に記載の二液混合システム。
[8] [1]から[7]のいずれかに記載の二液混合システムを含む、二液混合キット。
本発明によれば、優れた混合性を有する二液混合システムを提供できる。また、本発明によれば、二液混合キットも提供できる。
本発明の一実施形態に係る二液混合システムの斜視図 図1に示す二液混合システムのシリンジホルダーを示す図:(a)斜視図、(b)正面図、(c)側面図、(d)(b)の点線で囲んだ部分の拡大図 図1に示す二液混合システムのプランジャーホルダーの斜視図 図1に示す二液混合システムのノズルベースを示す図:(a)斜視図、(b)側面図、(c)(b)におけるA-A断面図 図1に示す二液混合システムのノズルベースを示す図:(d)平面図(上面図)、(e)(d)におけるB-B断面図、(f)(d)におけるC-C断面図 (a)図1に示す二液混合システムのノズルの斜視図、(b)ノズルのノズルハウジングの正面図、(c)(b)におけるA-A断面図 図1に示す二液混合システムのノズルのミキシング部材を示す図:(d)斜視図、(e)正面図 図1に示す二液混合システムにおける、ノズルベースの通液部とノズルのミキシング部材の位置関係を示す図
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施の形態を説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
[二液混合システム]
本発明の二液混合システムは、2本のシリンジから供給される2種の液体が混合された混合物(二液混合物)を吐出するシステムである。
図1は、本発明の一実施形態に係る二液混合システムの斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の二液混合システム1は、シリンジホルダー2と、プランジャーホルダー3と、ノズルベース4と、ノズル5とを備える。
なお、図1では、二液混合システム1に2本のシリンジS1、S2が取り付けられた状態を示しているが、本発明においてシリンジは構成要件ではない点に留意されたい。すなわち、本発明において、シリンジS1、S2は、一般に入手可能なシリンジを用いることができ、従来のダブルシリンジのように専用のシリンジに目的の液体を充填する必要はない。そのため、本発明の二液混合システムは利便性に優れている。
<シリンジホルダー>
図2(a)~(d)は、二液混合システム1のシリンジホルダー2を示す図である。
図2(a)~(c)は、それぞれ、シリンジホルダー2の斜視図、正面図、側面図であり、図2(d)は、図2(b)の点線で囲んだ部分の拡大図である。
図2(a)に示すように、シリンジホルダー2は、基底部21と、基底部21の中央に立設された軸部22と、軸部22の端部に設けられた第1ツメ部23及び第2ツメ部24と、基底部21の長辺側に軸部22に沿って立設された第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26を有する。
基底部21は、外形が略オーバル形状であり、長辺側の、第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26の下端に対応する位置に、シリンジのフランジ部が装着される第1溝部211及び第2溝部212を有する。
基底部21において、軸部22、第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26が設けられていない部分213、214は、二液混合システム1のフランジ部1A、1Bを構成し、フランジ部1A、1Bは、二液混合システム1を使用する際にフィンガーグリップ(主に使用者の人差し指及び中指を乗せるための部材)として機能する。そのため、基底部21の形状はオーバル形状に限定されず、二液混合システム1の操作性等を考慮して、所望の形状とすることができる。また、フランジ部1A、1Bの上面は平坦形状であってもよく、使用者の指の形状に適合するような曲面部を有していてもよい。
軸部22は、断面矩形の柱状体であり、その高さ(図2(c)の紙面上下方向の長さ)は、シリンジのバレルの長さに適合するように調節されている。また、軸部22の幅(図2(c)の紙面左右方向の長さ)及び奥行(図2(c)の紙面貫通方向の長さ)は、それぞれ、シリンジのバレルの長さや外径等の寸法、第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26にシリンジを装着したときの安定性、二液混合システム1を使用して二液混合物を吐出させるときの安定性や操作性等を考慮して、適宜調節することができる。
第1ツメ部23及び第2ツメ部24は、図2(d)に示すように、互いに反対方向に突設された係止部231、241を有する。係止部231、241は、それぞれ、後述するノズルベースの第1連結板及び第2連結板の差込部に差し込まれる。そのため、係止部231を含む第1ツメ部23の形状及び係止部241を含む第2ツメ部24の形状は図2(d)に示される態様に限定されず、シリンジホルダー2とノズルベース4との連結を容易かつ確実にする観点等から、上記差込部の形状とともに設計される。
第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26は、互いに反対方向に開口し、それぞれ、曲面形状の保持面251、261と、シリンジを保持する一対の保持片252、262を有している。すなわち、本実施形態では、2本のシリンジは、互いに反対方向から第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26にそれぞれ装着される。換言すると、シリンジホルダー2に装着された状態において、2本のシリンジが整列する方向は、基底部21の短軸方向(図2(c)の紙面左右方向)に一致し、基底部21の長軸方向(図2(c)の紙面貫通方向)と直交する方向とされている。
保持片252、262の下端から基底部21の上面にかけては切り欠き部が形成されており、これにより、シリンジの装着及び脱着をスムーズに行うことができる。第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26の形状はシリンジのバレルの形状や寸法等に応じて設計され、保持片252、262及び上記切り欠き部の形状や長さ(図2(b)、(c)の紙面上下方向の長さ)も、適宜調節することができる。
<プランジャーホルダー>
図3は、二液混合システム1のプランジャーホルダー3の斜視図である。
図3に示すように、プランジャーホルダー3は、外形が略楕円形状であり、長辺側の一方に第1凹部31及び第2凹部32を有する。より具体的には、プランジャーホルダー3は、下部材33と上部材34を有し、上部材34の長辺側の一方に2つの凹部が形成されている。また、下部材33と上部材34の間には中部材(図示せず)が設けられており、中部材を介して下部材33と上部材34が一体とされている。これにより、下部材33の上面の、上部材34の2つの凹部に対応する位置に、第1凹部31及び第2凹部32が形成されている。
第1凹部31及び第2凹部32は、それぞれ、シリンジホルダー2に装着された2本のシリンジのプランジャーのヨークが装着される。そのため、第1凹部31及び第2凹部32の形状は図3に示される態様に限定されず、シリンジのヨークの外径等の寸法、ヨークを装着したときの安定性、二液混合システム1を使用して二液混合物を吐出させるときの安定性や操作性等を考慮して、適宜調節することができる。
プランジャーホルダー3の底面(下部材33の底面)は、二液混合システム1を使用する際にフィンガーグリップ(主に使用者の親指を乗せるための部材)として機能する。そのため、プランジャーホルダー3の形状は楕円形状に限定されず、二液混合システム1の操作性等を考慮して、所望の形状とすることができる。また、プランジャーホルダー3の底面は平坦形状であってもよく、使用者の指(例えば親指)の形状に適合するような曲面部を有していてもよい。
上述したように、シリンジホルダー2に装着された2本のシリンジが整列する方向は基底部21の短軸方向に一致するので、第1凹部31及び第2凹部32に2本のシリンジのプランジャーのヨークが装着された状態において、プランジャーホルダー3の長軸方向は、シリンジホルダー2の基底部21の短軸方向に一致し、長軸方向と直交する方向となる(図1参照)。そのため、本実施形態の二液混合システム1は、フランジ部1A、1Bとプランジャーホルダー3の底面とをフィンガーグリップとして機能させるのに適している。より具体的には、フランジ部1A、1Bに人差し指及び中指を乗せ、プランジャーホルダー3の底面に親指を乗せた状態において、二液混合システム1は使用者の手に安定性よく保持される。また、親指からプランジャーホルダー3の底面に対する押圧の負荷をスムーズに行うことができるので、2本のシリンジのプランジャーに均等に力を加えることができ、一方のプランジャーに力が偏ることが抑制される。
<ノズルベース>
図4-1及び図4-2は、二液混合システム1のノズルベース4を示す図である。
図4-1(a)は、ノズルベース4の斜視図である。図4-1(b)は、ノズルベース4の側面図であり、図4-1(c)は、図4-1(b)におけるA-A断面図である。
図4-2(d)は、ノズルベース4の平面図(上面図)であり、図4-2(e)は、図4-2(d)におけるB-B断面図であり、図4-2(f)は、図4-2(d)におけるC-C断面図である。
図4(a)に示すように、ノズルベース4は、外形が略二等辺三角形形状であり、係合部41と、通液部42と、第1部材43及び第2部材44と、第1連結板45及び第2連結板46を有する。
係合部41は、内周面の周方向に沿って配設されたネジ状の係合凹部411を有し、後述するノズルの係合凸部が螺合可能とされている。
通液部42は、係合部41の下端から係合部41の内部を延び係合部41の上端から突出する。通液部42の上面は平坦形状であり、第1液体の供給口(第1供給口)421及び第2液体の供給口(第2供給口)422を有する。第1供給口421及び第2供給口422は、第1液体の通液路(第1通液路)423及び第2液体の通液路(第2通液路)424とそれぞれ連通する。また、第1通液路423及び第2通液路424は、後述する第1部材43の第1流路及び第2部材44の第2流路とそれぞれ連通する。
第1部材43及び第2部材44は、係合部41の下端から通液部42とは反対方向に所定の角度をなして延びる。当該角度の値は特に限定されないが、例えば、第1連結板及び第2連結板の伸長方向に対する第1部材43及び第2部材44のなす角度は、100°~110°の範囲内とすることができる。また、ノズルベース4の正面視における、第1部材及び第2部材の下端側の両端までの長さ(幅)は、シリンジホルダー2に装着される2本のシリンジのサイズ(容量)を考慮して調節されるので、当該角度は、2本のシリンジに充填された液体(第1液体及び第2液体)を通液部42の第1供給口421及び第2供給口422へ確実に送液する流路を設ける観点等から、適宜調節することができる。
図4-1(b)に示すように、第1部材43と第2部材44とは、側面視において互いにずれた位置関係にある。すなわち、図4-2(d)に示すように、第1部材43と第2部材44とは、平面視において互いにずれた位置関係にある。これにより、通液部42の上面において、第1供給口421及び第2供給口422のサイズを確保することが容易となる。
第1部材43は、シリンジのバレルの先端が嵌合される嵌合凹部431を下端に有し、嵌合凹部431の上面の供給口432から第1部材43の内部を延びて通液部42の第1通液路423に連通する第1流路433を有する。これにより、嵌合凹部431に嵌合されたシリンジに充填された液体(第1液体)は、シリンジのバレルの吐出口から供給口432を介して第1流路433及び第1通液路423を通って通液部42の上端まで流通し、第1供給口421を介して係合部41に係合されたノズル5に供給される。
第2部材44は、シリンジのバレルの先端が嵌合される嵌合凹部441を下端に有し、嵌合凹部441の上面の供給口442から第2部材44の内部を延びて通液部42の第2通液路424に連通する第2流路443を有する。これにより、嵌合凹部441に嵌合されたシリンジに充填された液体(第2液体)は、シリンジのバレルの吐出口から供給口442を介して第2流路443及び第2通液路424を通って通液部42の上端まで流通し、第2供給口422を介して係合部41に係合されたノズル5に供給される。
第1連結板45及び第2連結板46は、第1部材43の下端と第2部材44の下端とを連結する。
第1連結板45は、中央に差込部451を有し、差込部451は、シリンジホルダー2の第1ツメ部23の係止部231が差し込まれる。
第2連結板46は、中央に差込部461を有し、差込部461は、シリンジホルダー2の第2ツメ部24の係止部241が差し込まれる。
本実施形態では、シリンジホルダー2の第1ツメ部23及び第2ツメ部24が、ノズルベース4の下側から、第1連結板45と第2連結板46の間に挿入され、第1ツメ部23及び第2ツメ部24の係止部231、241が第1連結板45及び第2連結板46の差込部451、461にそれぞれ差し込まれることによって、シリンジホルダー2とノズルベース4が連結される。すなわち、二液混合システム1において、シリンジホルダー2とノズルベース4との連結様式はスナップフィット式とされている。
なお、図4-1(a)では、第1連結板45の差込部451及び第2連結板46の差込部461が同じ大きさの矩形形状である態様を示しており、シリンジホルダー2の第1ツメ部23及び第2ツメ部24の形状は、図2(d)に示すように左右対称である。そのため、本態様では、シリンジホルダー2の係止部231、241は、それぞれ、ノズルベース4の差込部451及び差込部461のどちらにも差し込むことができ、操作性に優れるという利点がある。
一方、差込部451、461の形状は上記の態様に限定されない。すなわち、ノズルベース4の差込部451、461の大きさ及び/又は形状を互いに異なるものとし、かつ、シリンジホルダー2の係止部231、241の大きさ及び/又は形状をそれぞれ差込部451、461のいずれか一方のみと適合するようにした場合には、シリンジホルダー2とノズルベース4の連結態様を一通りに定めることができる。
また、差込部451、461の形状は矩形形状に限られず、シリンジホルダー2に関して上述したように、シリンジホルダー2とノズルベース4との連結を容易かつ確実にする観点等から、係止部231を含む第1ツメ部23の形状及び係止部241を含む第2ツメ部24の形状とともに設計することができる。
なお、本実施形態では、第1部材43と第2部材44の間には、その上端側から中央付近にかけて支持部材47が延設されており、支持部材47が第1部材43及び第2部材44を支持することによりノズルベース4全体の構造がより安定にされている。ただし、ノズルベース4において、支持部材47は必須の部材ではない。また、支持部材47を設ける場合において、支持部材47の大きさは、図4-1(a)に示される態様に限定されず、延設長さ等は適宜調節することができる。
<ノズル>
図5-1(a)は、二液混合システム1のノズル5の斜視図である。
図5-1(b)は、ノズル5のノズルハウジングの正面図であり、図5-1(c)は、図5-1(b)におけるA-A断面図である。
図5-2(d)及び図5-2(e)は、それぞれ、二液混合システム1のノズル5のミキシング部材の斜視図、正面図である。
図5-1(a)に示すように、ノズル5は、ノズルハウジング51と、ノズルハウジング51内に収容されたミキシング部材52(図5-2(d))を有する。
ノズルハウジング51は、外形が略円筒状の管状部材であり、略半球状をなす一端(上端)の中央に、二液混合物を吐出する吐出口511を有し、他端(下端)の外周部に一対の係合凸部512を有する。
係合凸部512は、上述したノズルベース4の係合部41の係合凹部411に螺合可能とされている。すなわち、二液混合システム1において、ノズル5とノズルベース4との係合様式(連結様式)はルアーロック式(ねじ込み式)とされている。
ノズルハウジング51の下端から一定の間隔を置いた位置には、二対の突起部513が形成されている。ノズルハウジング51において、突起部513は必須の要素ではないが、突起部513を設けることにより、突起部513を保持部として使用者が突起部513に指をかけてノズル5(ノズルハウジング51)を操作する(旋回させる)ことができるので、ノズルベース4に対するノズル5の脱着をより容易に行うことができる。
ノズルハウジング51の内径は、下端側においてノズルベース4の通液部42の幅(通液部42の横断面が円形である場合には外径)に適合するサイズとされており、突起部513の下端に対応する位置からやや細くなり、上端において吐出口511の手前でより細くなり、略半球状の形状となっている。
ミキシング部材52は、ノズルハウジング51の長手方向(伸長方向)に沿って板状部材が連続的に螺旋構造をなすように構成された部材である。ミキシング部材52を構成する板状部材の形状や螺旋構造は、当該分野において周知のものを採用することができる。
ミキシング部材52の長手方向の長さは、ノズルハウジング51の長手方向の長さよりも短く、ミキシング部材52がノズルハウジング51内に収容された状態において、ミキシング部材52の下端は、ノズルハウジング51の下端から所定の間隔が開くようにされている。
ここで、図6を参照して、二液混合システム1における、ノズルベース4の通液部42とノズル5のミキシング部材52の位置関係について説明すると、ノズル5とノズルベース4とが係合した状態、より具体的には、ノズル5の係合凸部512とノズルベース4の係合凹部411が螺合した状態において、ノズルベース4の通液部42の上端とノズル5のミキシング部材52の下端との間には間隙部Gが形成されている。
このように、本実施形態の二液混合システム1は、ノズル5の係合凸部512とノズルベース4の係合凹部411が螺合した状態において、間隙部Gが形成される構造を有している。これにより、本実施形態の二液混合システム1は、シリンジホルダー2に装着された2本のシリンジから供給される2種の液体の混合性に優れ、良好な混合状態の混合物を吐出させることができる。
また、本実施形態の二液混合システム1では、ノズルベース4の通液部42の上面は平坦形状であるので、図6に示すように、ノズルベース4の通液部42の上端とノズル5のミキシング部材52の下端とは接点を有さず、間隙部Gが形成されている。ただし、通液部42の上面が平坦形状ではない場合でも、間隙部Gが形成される構造を有する態様であれば、本発明の効果が得られる点に留意されたい。
このような本発明の優れた効果が得られる作用機序については必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
2本のシリンジから供給される2種の液体は、通液部42の供給口421、422からノズルハウジング51内のミキシング部材52に向かって一定の速度で押し出され、ノズルハウジング51内を通過しながらミキシング部材52との接触・衝突を繰り返すことで混合され、吐出口511から吐出される。
一方で、供給口421、422から押し出された2種の液体は、ノズルハウジング51の短手方向(図6の紙面左右方向)にも移動し、間隙部Gにおいて接触するが、その接触部では二液が混合した一相状態までは生じず、二相の液液界面が形成されていると思われる。
ただし、通液部42の上端の幅(w)に対して間隙部Gの高さ(G:図6の紙面上下方向の長さ)が大き過ぎると、このような液液界面の形成・保持は難しくなると思われる。
従って、間隙部Gの高さGを調節することによって、二液混合システム1によって発揮される2液の優れた混合性をより確実にすることができると考えられる。
具体的には、本実施形態において、ノズルベース4の通液部42の上端の幅(w)と間隙部Gの高さ(G)との比(w:G)は、w:G=1:0.2~1:5の範囲内であることが好ましい。
また、別の指標として、間隙部Gの高さGは、通液部42の供給口421、422の直径(d)の大きさとの関係を考慮して設定することも可能である。この場合において、ノズルベース4の通液部42の供給口421、422の直径(d)と間隙部Gの高さ(G)との比(d:G)は、d:G=1:0.8~1:20の範囲内であることが好ましい。なお、本実施形態では、通液部42の供給口421、422の直径は同一であるが、当該供給口の直径を互いに異なるように構成した場合には、より大きい方の供給口の直径を用いて上記比の値を算出することとする。
本実施形態の二液混合システム1は、例えば以下のようにして組み立てることができる。ただし、組み立て手順はこれに限定されない。
・シリンジ(一般に入手可能なシリンジ、又は、後述する本発明の二液混合キットに付属のシリンジ)を2本用意し、2種の液体(第1液体及び第2液体)を充填する。
・上記2本のシリンジを、シリンジホルダー2の第1シリンジ受け部25及び第2シリンジ受け部26に装着する。
・シリンジホルダー2に装着した2本のシリンジのプランジャーのヨークを、プランジャーホルダー3の第1凹部31及び第2凹部32に装着する。
・ノズルベース4の係合凹部411に、ノズル5の係合凸部512を係合させる。
・ノズル5を係合したノズルベース4の差込部451、461に、シリンジホルダー2の係止部231、241を差し込んで、シリンジホルダー2とノズルベース4とを連結させ、二液混合システム1とする。
ここで、二液混合システム1において、シリンジホルダー2とノズルベース4との連結様式はスナップフィット式とされているので、シリンジホルダー2に2本のシリンジが装着された状態であっても、シリンジホルダー2とノズルベース4との連結をスムーズに行うことができ、誤ってプランジャーホルダー3の底面に力が加えられてシリンジのバレルの吐出口から液体が吐出されてしまうなどの誤動作を防止することができる。
本発明の二液混合システムの用途は特に限定されないが、二液混合物が生体組織接着剤である態様において好適に用いることができる。より具体的には、生体組織接着剤がゼラチン、ゼラチン誘導体、及び/又は、これらの架橋物を含有する態様において、本発明の二液混合システムを用いることによって、目的の二液が十分に混合された二液混合物が得られ、当該二液混合物からなる生体組織接着剤は、本来の組織接着性を十分に発揮し得る。
[二液混合キット]
本発明の一実施形態に係る二液混合キットは、上記二液混合システムを含む。
本実施形態のキットは、好ましくは、本発明の二液混合システムの使用方法、及び、使用上の注意事項等を記載する指示書を備える。
本明細書において、「指示書」は、パッケージ挿入物、パッケージラベル、又は、使用説明書を含み、特に限定されないが、例えば、添付文書、処方情報(Prescribing Information)、及び、リーフレット(Leaflet)等が挙げられる。指示書は、紙媒体で提供されてもよく、電子媒体(例えば、インターネットで提供されるホームページ、電子メール)のような形態でも提供され得る。
本実施形態のキットは、本発明の二液混合システムのシリンジホルダーに装着可能なシリンジを含んでいてもよい。この場合、本実施形態のキットの使用者は、市販のシリンジを別途準備することなく二液混合システムを使用して目的の二液混合物を調製することができるので、利便性により優れたキットが提供される。なお、シリンジの本数は2本、または、2本以上であることが好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す構成、及び、各部の仕様等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[二液混合システムの構成]
図1~図6を参照して説明した上記の実施形態の構成を有する二液混合システムを作製した。
本実施例における各部の主な仕様は以下の通りである。
<シリンジホルダー>
基底部の長辺:52.5mm
基底部の短辺:28.9mm
軸部、第1シリンジ受け部及び第2シリンジ受け部の高さ(基底部の上面から各部の上端までの長さ):50mm
第1ツメ部及び第2ツメ部の高さ(軸部の上端から各部の上端までの長さ):9.2mm
第1ツメ部及び第2ツメ部の幅:5mm
第1ツメ部及び第2ツメ部の係止部の突設高さ:2.4mm
<プランジャーホルダー>
長辺(下部材の長辺):40mm
短辺(下部材の短辺):23.2mm
底面(下部材の底面)には、親指の腹の形状に適合するような曲面部を形成した。
<ノズルベース>
正面視における、第1部材及び第2部材の下端から通液部の上端までの長さ(高さ):43.5mm
正面視における、第1部材及び第2部材の下端側の両端までの長さ(幅):28mm
第1連結板及び第2連結板の伸長方向に対する第1部材及び第2部材のなす角度:105°
第1連結板及び第2連結板の差込部の幅:6mm
通液部の上端の幅(外径)(w):3.98mm
通液部の供給口の直径(d):1mm
<ノズル>
ノズルハウジングの下端から上端までの長さ:54mm
吐出口の直径:2mm
<間隙部>
ノズルとノズルベースとが係合した状態における、間隙部の高さ(G):1mm
[二液混合物の調製試験1]
上記の二液混合システムを用いて、以下の手順により2種の液体の混合物を調製し、混合性試験を行った。
シリコンオイル(動粘度10cst)を赤色絵具及び青色絵具でそれぞれ着色して、2種の試験液を調製した。
市販のシリンジ(容量2.5mL、テルモ社製)を2本用意し、上記の試験液を2.0mLずつ充填し、二液混合システムのシリンジホルダーに装着した。次に、シリンジホルダーに装着したシリンジのプランジャーのヨークにプランジャーホルダーを取り付けた。その後、ノズルを取り付けたノズルベースの差込部に、シリンジホルダーの係止部を差し込んで、シリンジホルダーとノズルベースとを連結させ、二液混合システムを組み立てた。
この二液混合システムを用いて、シリンジホルダーのフランジ部に人差し指及び中指を乗せ、プランジャーホルダーの底面に親指を乗せて押圧することにより、2本のシリンジに充填した赤色のシリコンオイル及び青色のシリコンオイルを供給し、ノズルの吐出口からシリコンオイルの混合物を受け皿上に一定量を吐出させた。
その結果、吐出された混合物は全体に紫色を呈しており、部分的な色味のムラや、赤色若しくは青色を呈する部分は見られず、二色のシリコンオイルが均等に混合されていることが確認された。
また、二液混合システムの組み立てに不具合はなく、操作性は良好であった。
なお、本発明者らは、動粘度が異なる(10~50cst)シリコンオイルを用いた場合にも同様の結果が得られることを確認している。
[二液混合物の調製試験2]
次に、上記の二液混合システムを用いて、以下の手順により第1剤と第2剤とを混合してなる生体組織接着剤を調製し、得られた接着材の耐圧強度試験を行った。
第1剤:タラ由来のゼラチン(タラゼラチン)の側鎖のアミノ酸の一部を疎水性基(デシル基)で置換して誘導体化したタラゼラチン誘導体を、15w/v%の割合でホウ酸緩衝液に溶解させて、0.075Mホウ酸緩衝液(pH9.5)を調製した。なお、TNBS法によって定量したタラゼラチン誘導体における疎水性基の導入率は、6.3モル%である。
第2剤:ペンタエリスリトール-ポリ(エチレングリコール)エーテル テトラスクシンイミジル グルタレート(略称:4S-PEG、分子量MW=20,000)をリン酸緩衝液に溶解させて、0.01Mリン酸緩衝液(pH4.0)を調製した。なお、第2剤における4S-PEGは、第1剤におけるタラゼラチン誘導体の架橋剤としての役割を果たし、タラゼラチン誘導体の反応性アミノ基(NH)に対する活性エステル基(NHS)の割合は、50mol%である。
市販のシリンジ(容量2.5mL、テルモ社製)を2本用意し、第1剤、及び、第2剤を2.0mLずつ充填し、二液混合システムのシリンジホルダーに装着した。次に、シリンジホルダーに装着したシリンジのプランジャーのヨークにプランジャーホルダーを取り付けた。その後、ノズルを取り付けたノズルベースの差込部に、シリンジホルダーの係止部を差し込んで、シリンジホルダーとノズルベースとを連結させ、二液混合システムを組み立てた。
この二液混合システムを用いて、シリンジホルダーのフランジ部に人差し指及び中指を乗せ、プランジャーホルダーの底面に親指を乗せて押圧することにより、2本のシリンジに充填した第1剤及び第2剤を供給し、ノズルの吐出口から第1剤と第2剤の混合物(タラゼラチン接着剤)を吐出させ、3枚のコラーゲンケーシング上に一定量を連続的に塗布した。
接着剤を塗布したコラーゲンケーシングを10分間静置した後、耐圧強度試験に供した。
具体的には、ASTM F2392-04(Standard Test Method for Burst Strength of Surgical Sealants)に従い、直径30mmに成型したコラーゲンケーシング(ニッピ社製)の中央に直径3mmの穴をあけ、そこに直径15mm、厚さ10mmになるように接着剤を塗布して、10分間静置させた後、テストチャンバーに設置した。テストチャンバー下部より、生理食塩水を流量2mL/minで流し、コラーゲンケーシングに貼付したタラゼラチン接着剤が破壊したときの圧力を圧力ゲージにより測定した。
同一の仕様を有する5本のノズルを用いて上記の耐圧強度試験を計5回行った結果、平均で約130cmHOの耐圧強度が得られた。
次に、ノズルの仕様を変更し、ノズルハウジングの下端から上端までの長さを63mmとし、間隙部の高さ(G)を10mmとしたこと以外は上記と同様の構成を有する二液混合システムを用いて、上記と同様の条件で耐圧強度試験を行った。その結果、計5回の試験の平均値として約150cmHOの耐圧強度が得られた。
一方、比較のために、本試験例で用いた二液混合システムと類似のミキシング部材を有し、かつ、シリンジから供給される二液がミキシング部材より手前側(下流側)で接触しない構造を有する従来のダブルシリンジを用いて、上記と同様の条件で耐圧強度試験を行った。その結果、得られた耐圧強度は最も高い場合で約100cmHOであり、複数回の試験結果の平均値は100cmHOを有意に下回った。
これに対して、本試験例で用いた二液混合システムの場合、間隙部の高さ(G)が1mm及び10mmのいずれにおいても、得られた耐圧強度は最も低い場合でも125cmHO以上であり、最も高い場合で約200cmHOであった。
これらの結果から、本発明の二液混合システムは優れた混合性を有すること、また、本発明の二液混合システムによって調製された生体組織接着剤は、従来のダブルシリンジ等の混合システムによって調製された接着剤と比べて優れた接着性を示すことが実証された。
本発明の二液混合システムは、従来のダブルシリンジ等の混合システムを上回る優れた混合性を有する。そのため、2種の液体を混合することで調製される液状接着剤のための混合システムとして適しており、特に、医療分野における生体組織接着剤を調製するための混合システムとして適している。
1 二液混合システム
1A、1B フランジ部
2 シリンジホルダー
21 基底部
211 第1溝部
212 第2溝部
22 軸部
23 第1ツメ部
231 係止部
24 第2ツメ部
241 係止部
25 第1シリンジ受け部
251 保持面
252 保持片
26 第2シリンジ受け部
261 保持面
262 保持片
3 プランジャーホルダー
31 第1凹部
32 第2凹部
33 下部材
34 上部材
4 ノズルベース
41 係合部
411 係合凹部
42 通液部
421 第1供給口
422 第2供給口
423 第1通液路
424 第2通液路
43 第1部材
431 嵌合凹部
432 供給口
433 第1流路
44 第2部材
441 嵌合凹部
442 供給口
443 第2流路
45 第1連結板
451 差込部
46 第2連結板
461 差込部
47 支持部材
5 ノズル
51 ノズルハウジング
511 吐出口
512 係合凸部
513 突起部
52 ミキシング部材
G 間隙部
間隙部の高さ
w 通液部の上端の幅
S1、S2 シリンジ

Claims (8)

  1. 2本のシリンジから供給される2種の液体が混合された混合物を吐出する二液混合システムであって、
    シリンジホルダーと、
    プランジャーホルダーと、
    ノズルベースと、
    ノズルとを備え、
    前記シリンジホルダーは、基底部と、前記基底部の中央に立設された軸部と、前記軸部の端部に設けられた第1ツメ部及び第2ツメ部と、前記基底部の長辺側に前記軸部に沿って立設された第1シリンジ受け部及び第2シリンジ受け部を有し、
    前記第1ツメ部及び前記第2ツメ部は、互いに反対方向に突設された係止部を有し、
    前記第1シリンジ受け部及び前記第2シリンジ受け部は、互いに反対方向に開口し、
    前記プランジャーホルダーは、シリンジのプランジャーのヨークが装着される第1凹部及び第2凹部を有し、
    前記ノズルベースは、内周面の周方向に沿って配設された係合凹部を有する係合部と、前記係合部の下端から前記係合部の内部を延び前記係合部の上端から突出する通液部と、前記係合部の下端から前記通液部とは反対方向に所定の角度をなして延びる第1部材及び第2部材と、前記第1部材の下端と前記第2部材の下端とを連結する第1連結板及び第2連結板を有し、
    前記第1部材は、シリンジのバレルの先端が嵌合される嵌合凹部を下端に有し、前記嵌合凹部の上面の供給口から前記第1部材の内部を延びて前記通液部の第1通液路に連通する第1流路を有し、
    前記第2部材は、シリンジのバレルの先端が嵌合される嵌合凹部を下端に有し、前記嵌合凹部の上面の供給口から前記第2部材の内部を延びて前記通液部の第2通液路に連通する第2流路を有し、
    前記第1連結板は、中央に前記シリンジホルダーの前記第1ツメ部の係止部が差し込まれる差込部を有し、
    前記第2連結板は、中央に前記シリンジホルダーの前記第2ツメ部の係止部が差し込まれる差込部を有し、
    前記ノズルは、ノズルハウジングと、前記ノズルハウジング内に収容されたミキシング部材を有し、
    前記ノズルハウジングは、2種の液体が混合された混合物を吐出する吐出口を一端に有し、他端の外周部に係合凸部を有し、
    前記ノズルと前記ノズルベースが係合した状態において、前記ノズルベースの前記通液部の上端と前記ノズルの前記ミキシング部材の下端との間に間隙部が形成される、
    二液混合システム。
  2. 前記ノズルベースの前記通液部の上面が平坦形状であり、
    前記ノズルと前記ノズルベースが係合した状態において、前記ノズルベースの前記通液部の上端と前記ノズルの前記ミキシング部材の下端とが接点を有しない、請求項1に記載の二液混合システム。
  3. 前記ノズルベースの前記通液部の上端の幅(w)と前記間隙部の高さ(G)との比(w:G)が、w:G=1:0.2~1:5の範囲内である、請求項1または2に記載の二液混合システム。
  4. 前記ノズルベースの前記通液部の上面の供給口の直径(d)と前記間隙部の高さ(G)との比(d:G)が、d:G=1:0.8~1:20の範囲内である、請求項1または2に記載の二液混合システム。
  5. 前記ノズルベースの前記第1連結板の差込部と前記第2連結板の差込部の大きさ及び/又は形状が互いに異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の二液混合システム。
  6. 前記混合物が生体組織接着剤である、請求項1から5のいずれか一項に記載の二液混合システム。
  7. 前記生体組織接着剤がゼラチン、ゼラチン誘導体、及び/又は、これらの架橋物を含有する、請求項6に記載の二液混合システム。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の二液混合システムを含む、二液混合キット。
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