JP2022038127A - ロボットの異常推定方法、ロボットシステム、及び、コンピュータープログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ロボットの異常を正しく推定できる技術を提供する。【解決手段】異常推定方法は、(a)M個の診断用動作をロボットに実行させて振動を検出可能なセンサーの計測結果を取得する工程と、(b)その計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して第1特徴量群を求める工程と、(c)第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する工程と、(d)その類似度に応じて、1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された第2特徴量群に関連づけられた異常状態をロボットの異常状態として推定する工程と、を含む。【選択図】図7
Description
本開示は、ロボットの異常推定方法、ロボットシステム、及び、コンピュータープログラムに関する。
特許文献1には、センサーによって検出された振動に基づいて、機器の異常診断を行う方法が記載されている。
しかしながら、ロボットが行う作業および使用環境はユーザーにより異なるため、ロボトの異常を正しく推定することは困難であった。
本開示の第1の形態によれば、振動を検出可能なセンサーが設置されたロボットの異常推定方法が提供される。この異常推定方法は、(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する工程と、(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める工程と、(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する工程であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、工程と、(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する工程と、を含む。
本開示の第2の形態によれば、ロボットシステムが提供される。このロボットシステムは、ロボットと、前記ロボットに設置され、前記ロボットの振動を検出可能なセンサーと、前記ロボットを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する処理と、(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める処理と、(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する処理であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、処理と、(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する処理と、を実行する。
本開示の第3の形態によれば、振動を検出可能なセンサーが設置されたロボットの異常推定をプロセッサーに実行させるコンピュータープログラムが提供される。このコンピュータープログラムは、(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する処理と、(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める処理と、(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する処理であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、処理と、(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する処理と、を前記プロセッサーに実行させる。
A.第1実施形態
図1は、一実施形態におけるロボットシステムの一例を示す説明図である。このロボットシステムは、ロボット100と、ロボット100を制御する制御装置200と、情報処理装置300と、を備える。情報処理装置300は、例えばパーソナルコンピューターである。
図1は、一実施形態におけるロボットシステムの一例を示す説明図である。このロボットシステムは、ロボット100と、ロボット100を制御する制御装置200と、情報処理装置300と、を備える。情報処理装置300は、例えばパーソナルコンピューターである。
ロボット100は、基台110と、アーム120と、を備えている。アーム120は、6つの関節で順次接続されている。アーム120の先端部であるアームエンド122には、エンドエフェクター150が装着されている。また、ロボット100の手先には、振動を検出可能なセンサー140が設置されている。本開示において、「ロボット100の手先」とは、アームエンド122からエンドエフェクター150までの部分を意味する。なお、ロボット100の手先以外の位置にセンサー140を設置してもよい。
アーム120は、6つの関節J1~J6で順次接続されている。これらの関節J1~J6のうち、3つの関節J2,J3,J5は曲げ関節であり、他の3つの関節J1,J4,J6はねじり関節である。本実施形態では6軸ロボットを例示しているが、1個以上の関節を有する任意のアーム機構を有するロボットを用いることが可能である。また、本実施形態のロボット100は、垂直多関節ロボットであるが、水平多関節ロボットを使用してもよい。
センサー140は、ロボット100の振動を検出可能なセンサーである。一般に、振動は、位置と速度と加速度のいずれかの時系列的な変化を測定することによって検出することができる。センサー140としては、例えば、位置センサーや、ジャイロセンサー、加速度センサー、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)などを使用することができる。
図2は、情報処理装置300の機能を示すブロック図である。情報処理装置300は、プロセッサー310と、メモリー320と、インターフェイス回路330と、インターフェイス回路330に接続された入力デバイス340及び表示部350と、を有している。インターフェイス回路330は、制御装置200と接続されている。制御装置200には、センサー140が接続されている。本実施形態では、センサー140の計測結果は、制御装置200を介して情報処理装置300に供給される。
プロセッサー310は、ロボット100の異常を推定する異常推定部312として機能する。異常推定部312は、メモリー320に格納されたコンピュータープログラムをプロセッサー310が実行することによって実現される。但し、異常推定部312をハードウェア回路で実現してもよい。メモリー320には、異常状態データセットADSが格納されている。異常状態データセットADSには、ロボット100の各種の異常状態におけるデータが登録されている。異常状態データセットADSの内容については後述する。プロセッサー310は、本開示の「制御部」に相当する。
図3は、ロボット100の軸Jnを構成する軸構成部品400の説明図である。ここで、nは軸を区別する序数であり、図1の例ではnは1~6である。この例では、軸構成部品400は、モーター410と、ブレーキ420と、減速機430とを含む。軸構成部品400のいずれかに異常が発生すると、軸Jnの動作に不具合が生じる。このような軸構成部品400の異常が、ロボット100の異常の典型例である。本実施形態で推定する異常状態は、いずれの軸Jnが異常か、及び、複数の軸構成部品400のいずれが異常か、を特定した状態とすることが好ましい。更に、異常状態は、軸構成部品400のどのような異常かを特定した状態であることが更に好ましい。具体的には、例えば、減速機430の異常としては、摩耗異常と、割れ異常とが存在する。摩耗異常とは、減速機430を構成する特定の部品の摩耗による異常である。割れ異常とは、減速機430を構成する特定の部品の割れによる異常である。軸構成部品400の異常状態を区別して推定するようにすれば、その軸構成部品のメンテナンスを的確に行うことができる。なお、軸構成部品400のうち、ブレーキ420及び減速機430は省略可能である。また、軸構成部品400としては、図3に示したもの以外の部品を含むものとしてもよい。
図4は、異常状態データセットADSの内容を示す説明図である。異常状態データセットADSは、P個の異常状態に関連付けられたP組の特徴量群VGpを含む。ここで、Pは2以上の整数である。また、pは、P個の異常状態を区別する序数である。これらの特徴量群VGpを、「異常状態の特徴量群VGp」又は「第2特徴量群VGp」と呼ぶ。
図4の例において、p=1の異常状態である「J1_減速機_摩耗異常」は、軸J1の減速機に摩耗異常が発生している状態を意味する。P個の異常状態としては、ロボット100の複数の軸のいずれの軸が異常か、及び、複数の軸構成部品400のいずれが異常か、を特定した状態とすることが好ましい。また、個々の異常状態は、単一の部品が異常した状態とすることが好ましい。更に、個々の異常状態は、いずれの部品のどのような異常かを特定した状態であることが更に好ましい。
本実施形態で推定する異常状態は、ロボット100の使用を継続できる程度の軽度の異常を含むものとすることが好ましい。このような軽度の異常を推定できるようにすれば、ロボット100のメンテナンスを早期に実行できるので、ロボット100を利用した作業を円滑に行うことが可能となる。
図4に示したp=1の異常状態に対する特徴量群VG1は、M個の動作iのそれぞれに関連付けられたN個の特徴量V1(i,j)を含む。ここで、Mは2以上の整数、Nは1以上の整数である。但し、Nは2以上とすることが好ましい。iは、M個の動作を区別する序数であり、jはN個の特徴量を区別する序数である。
図4の例では、i=1の「J1_等速動作」は軸J1の等速動作を意味し、i=2の「J1_加振動作」は軸J1の加振動作、i=Mの「J6_加振動作」は軸J6の加振動作を意味する。「等速動作」とは、1つの軸について一方向に一定の速度でロボット100を動作させる動作を意味する。「加振動作」とは、1つの軸について一方向にロボット100を動作させた後に1つの軸の関節トルクを調節して動作を停止させることによって、ロボット100に振動を加える動作を意味する。等速動作と加振動作は、いずれも1つの軸のみを動作させる単一軸動作である。M個の動作は、ロボット100の少なくとも一部の軸に関して、このような単一軸動作を含むことが好ましい。この理由は、単一軸動作では、その軸の異常がセンサー140の計測結果に反映され易いからである。なお、M個の動作には、単一軸動作以外の動作、すなわち、2つ以上の軸が動く動作を含むようにしてもよい。
個々の動作iには、N個の特徴量V1(i,j)、すなわち、V1(i,1)~V1(i,N)が関連付けられている。前述したように、Nは1以上の整数であるが、2以上とすることが好ましい。これらの特徴量V1(i,j)は、ロボット100が動作iを実行している間にセンサー140で得られた計測結果から演算される。個々の特徴量V1(i,j)は、0~1の範囲の値を取るように正規化されている好ましい。
特徴量V1(i,j)としては、ハンドクラフト特徴量や、オートエンコーダーで得られる特徴量を用いることが可能である。ハンドクラフト特徴量とは、予め定められた式に従って算出される特徴量であり、時系列的なセンサー出力の平均値、分散、ピーク周波数などの様々な特徴量を採用可能である。また、オートエンコーダーで得られる特徴量は、学習済みのニューラルネットワークにおいて、中間層のノードから出力される値である。
図5は、オートエンコーダーで得られる特徴量の説明図である。ニューラルネットワーク500は、入力層510と、中間層520と、出力層530とを含んでいる。入力層510には、センサー140の計測結果SSが入力される。中間層520は、入力層510や出力層530よりもノード数が少ない。従って、入力層510から中間層520への過程はエンコーダーの処理に相当し、オートエンコーダーと呼ばれている。中間層520から出力層530への過程はデコーダーの処理に相当する。このとき、中間層520の複数のノードの出力Vは、計測結果SSの特徴量として利用可能である。
p=1以外の他の異常状態に対しても、p=1の異常状態と同様に、M×N個の特徴量Vp(i,j)を含んでいる。M個の動作iの種類は、P個の異常状態で共通している。また、個々の動作iに関連づけられているN個の特徴量の種類も、P個の異常状態で共通している。
なお、P個の異常状態としては、ロボット100に異常のない正常な状態を含むことが好ましい。こうすれば、ロボット100の異常診断において、ロボット100が正常であるか異常があるかをより正しく推定できるという利点がある。
図6は、ロボット100の異常診断の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、異常推定部312によって実行される。この異常診断時におけるロボット100の状態を「診断状態」と呼ぶ。
ステップS10では、異常推定部312が、ロボット100に対して異常診断用動作を実行させる。この異常診断用動作は、図4に示したM個の動作iのうちの1つである。ステップS20では、異常診断用動作iの実行中に、センサー140による計測が行われ、その計測結果が異常推定部312に供給される。ステップS30では、M個の異常診断用動作iがすべて終了したか否かが判定される。終了していなければ、ステップS10に戻り、次の異常診断用動作iが選択されて実行される。一方、M個の異常診断用動作iがすべて終了した場合には、次のステップS40に進む。
ステップS40では、異常推定部312が、センサー140の計測結果から、診断状態に対する特徴量群である第1特徴量群を算出する。
図7は、ステップS40で得られる第1特徴量群VG0と、図5に示したP組の第2特徴量群VGpの例を示している。第1特徴量群VG0は、診断状態について、M個の診断用動作iのそれぞれに関するN個の特徴量を含むM×N個の特徴量V0(i,j)で構成されている。一方、P組の第2特徴量群VGpは、p=1~Pの互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、個々の第2特徴量群VGpが第1特徴量群VG0に対応するM×N個の特徴量Vp(i,j)で構成されている。なお、図7において、診断状態の第1特徴量群VG0についても異常状態を区別する序数pが使用されており、診断状態ではp=0である。
図6のステップS50では、異常推定部312が、診断状態の第1特徴量群VG0と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群VGpのそれぞれとの間の類似度Mpを算出する。図7に示したように、この類似度Mpは、予め定められた関数f1によって算出される。類似度Mpを算出する関数f1としては、ユークリッド距離やマハラノビス距離などの距離を利用した関数や、コサイン類似度などの他の種々の類似度を算出する関数を利用できる。
距離を使用した関数f1は、例えば以下の式(1)で与えられる。
Mp=1-(D/Dmax) …(1)
D=[Σ{V0(i,j)-Vp(i,j)}2]1/2
ここで、Dは第1特徴量群VG0と第2特徴量群VGpのユークリッド距離、DmaxはDが取りうる最大値である。式(1)で与えられる類似度Mpは、0~1の値を取る。
Mp=1-(D/Dmax) …(1)
D=[Σ{V0(i,j)-Vp(i,j)}2]1/2
ここで、Dは第1特徴量群VG0と第2特徴量群VGpのユークリッド距離、DmaxはDが取りうる最大値である。式(1)で与えられる類似度Mpは、0~1の値を取る。
コサイン類似度を算出する関数f1は、以下の式(2)で与えられる。
Mp=cosθ
=VG0・VGp/|VG0||VGp| …(2)
ここで、VG0とVGpは、第1特徴量群VG0と第2特徴量群VGpをそれぞれM×N次元のベクトルと見なしたときの特徴量ベクトルであり、θはこれらの特徴量ベクトルVG0,VGpが成す角度である。式(2)で与えられる類似度Mpも、0~1の値を取る。
Mp=cosθ
=VG0・VGp/|VG0||VGp| …(2)
ここで、VG0とVGpは、第1特徴量群VG0と第2特徴量群VGpをそれぞれM×N次元のベクトルと見なしたときの特徴量ベクトルであり、θはこれらの特徴量ベクトルVG0,VGpが成す角度である。式(2)で与えられる類似度Mpも、0~1の値を取る。
p=1以外の他の異常状態に関連付けられた第2特徴量群VGpについても、同様に、第1特徴量群VG0との類似度Mpがそれぞれ算出される。
図6のステップS60では、異常推定部312が、ステップS50で得られた類似度Mpに応じて、ロボット100の異常状態を推定する。具体的には、例えば、P個の異常状態のうちで、類似度Mpが最も高い異常状態をロボット100の異常状態として推定する。或いは、類似度Mpが予め定められた閾値以上である異常状態を、ロボット100の異常状態として推定するようにしてもよい。この場合には、1つ以上の異常状態が推定され得る。他の例では、Qを2以上の整数として、類似度Mpの高い順にQ個の異常状態を、ロボット100の異常状態として推定するようにしてもよい。
ステップS70では、異常診断の診断結果がユーザーに通知される。具体的には、例えば、情報処理装置300の表示部350に、異常の有無、及び、異常状態の内容が表示される。この診断結果を見たユーザーは、必要に応じてロボット100のメンテナンスを実行することが可能である。
以上のように、第1実施形態では、M個の診断用動作iに対応するM×N個の特徴量Vp(i,j)で構成される第1特徴量群VG0と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群VGpのそれぞれとの間の類似度Mpに応じてロボット100の異常状態を推定するので、ロボット100が行う作業や使用環境に拘わらず、ロボット100の異常状態を正しく推定できる。
B.第2実施形態
図8は、第2実施形態における類似度MMpiの算出方法を示す説明図である。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、図6のステップS50における類似度の算出方法と、ステップS60における異常状態の推定方法と、の2点であり、他は第1実施形態とほぼ同じである。
図8は、第2実施形態における類似度MMpiの算出方法を示す説明図である。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、図6のステップS50における類似度の算出方法と、ステップS60における異常状態の推定方法と、の2点であり、他は第1実施形態とほぼ同じである。
図8に示した第1特徴量群VG0と第2特徴量群VGpの内容は第1実施形態と同じである。但し、第1特徴量群VG0は、個々の単一軸動作iに対応するN個の特徴量V0(i,1)~V0(i,N)をそれぞれ含むN次元の第1特徴量ベクトルVA01~VA0Mで構成されているものと見なしている。なお、本実施形態では、M個の動作iがすべて単一軸動作であるものとしている。但し、M個の動作iに複数軸が動く動作が含まれている場合も想定すると、第1特徴量群VG0は、mを1以上M以下の整数として、m個の単一軸動作iに対応するm個の第1特徴量ベクトルVA01~VA0mを含むものと考えることができる。p番目の異常状態に関連付けられた第2特徴量群VGpも、同様に、個々の単一軸動作iに対応するN個の特徴量Vp(i,1)~Vp(i,N)をそれぞれ含むN次元の第2特徴量ベクトルVBp1~VBpmを含むものと考えることができる。換言すれば、P組の第2特徴量群VGpは、P個の異常状態のそれぞれにおけるm個の単一軸動作に対応するP×m個の第2特徴量ベクトルVBp1~VBpmを含んでいる。
第2実施形態において、図6のステップS50における類似度の算出処理では、m個の単一軸動作iに関するm個の第1特徴量ベクトルVA01~VA0mのそれぞれと、P×m個の第2特徴量ベクトルVBp1~VBpmのそれぞれと、の間の類似度MMpiが算出される。類似度MMpiを算出する関数f2としては、第1実施形態で説明した関数f1と同様の関数を利用可能である。これらの類似度MMpiは、診断状態の単一軸動作i毎にソートされる。
図9は、第2実施形態においてステップS60で実行される異常状態の推定方法を示す説明図である。ここでは、診断状態のM個の単一軸動作iのそれぞれについて、P組の異常状態のM個の単一軸動作iが、類似度MMpiの高い順に縦方向に並べられている。例えば、診断状態におけるi=1のJ1_等速動作に関しては、p=10の異常状態であるJ5_ブレーキ異常が最も類似度が高い。したがって、図9の下端の「評価」の欄に示すように、i=1のJ1_等速動作に関しては、高類似度の軸J5と軸が不一致である。同様に、診断状態におけるi=2のJ1_加振動作に関しても、p=13の異常状態である正常状態が最も類似度が高いので、図9の下端の「評価」の欄に示すように高類似度の軸とは不一致である。
一方、診断状態のi=MのJ6_加振動作に関しては、p=11の異常状態であるJ6_減速機_摩耗異常が最も類似度が高いので、図9の下端の「評価」の欄に示すように、高類似度の軸J6と軸が一致する。従って、第2実施形態では、p=11の異常状態であるJ6_減速機_摩耗異常がロボット100の異常状態であると推定される。なお、i=MのJ6_加振動作に関して2番目に類似度が高いのは、p=12の異常状態であるJ6_減速機_割れ異常であり、これは、i=MのJ6_加振動作と軸J6が一致している。この場合には、このp=12の異常状態であるJ6_減速機_割れ異常もロボット100の異常状態として推定されるものとしてもよい。
なお、図8で説明したように、図9における異常状態の推定処理は、m個の単一軸動作iに関するm個の第1特徴量ベクトルVA01~VA0mのそれぞれと、P×m個の第2特徴量ベクトルVBp1~VBpmのそれぞれと、の間の類似度MMpiに応じて行われている。但し、図9の例ではm=Mである。この推定処理では、診断状態におけるm個の第1特徴量ベクトルVA01~VA0mのそれぞれについて、P×m個の第2特徴量ベクトルVBp1~VBpmの中で、当該第1特徴量ベクトルとの類似度が最も高い特定の第2特徴量ベクトルが、当該第1特徴量ベクトルと同一の軸に関する同一軸動作に対応する場合に、その特定の第2特徴量ベクトルに関連づけられた異常状態をロボット100の異常状態として推定するものと考えることができる。このような推定処理を実行すれば、ロボット100の異常をより正しく推定することが可能である。
なお、第1実施形態又は第2実施形態で実行する異常状態の推定を、異なる複数の時間で実行してもよい。具体的には、異なる複数の日において上述した類似度を算出して、異常状態の推定を行ってもよい。この場合には、異常推定部312は、時間経過に応じた類似度の変化から、対策が必要な異常状態に達する時間を予測することも可能である。こうすれば、軽微な異常状態が深刻化する前に、その異常を解消する対策を実行することができる点で好ましい。
・他の実施形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態(aspect)によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態(aspect)によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の第1の形態によれば、振動を検出可能なセンサーが設置されたロボットの異常推定方法が提供される。この異常推定方法は、(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する工程と、(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める工程と、(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する工程であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、工程と、(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する工程と、を含む。
この異常推定方法によれば、M個の診断用動作に対応するM×N個の特徴量で構成される第1特徴量群と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度に応じてロボットの異常状態を推定するので、ロボットが行う作業や使用環境に拘わらず、ロボットの異常状態を正しく推定できる。
この異常推定方法によれば、M個の診断用動作に対応するM×N個の特徴量で構成される第1特徴量群と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度に応じてロボットの異常状態を推定するので、ロボットが行う作業や使用環境に拘わらず、ロボットの異常状態を正しく推定できる。
(2)上記異常推定方法において、前記P個の異常状態は、前記ロボットに異常のない正常な状態を含むものとしてもよい。
この異常推定方法によれば、P個の異常状態が異常の無い正常な状態を含むので、正常であるか異常があるかをより正しく推定できる。
この異常推定方法によれば、P個の異常状態が異常の無い正常な状態を含むので、正常であるか異常があるかをより正しく推定できる。
(3)上記異常推定方法において、前記ロボットは複数の軸を有し、mを2以上M以下の整数としたとき、前記M個の診断用動作は、前記複数の軸のうちの1つの軸のみをそれぞれ動作させるm個の単一軸動作を含むものとしてもよい。
この異常推定方法によれば、単一軸動作中に得られるセンサーの計測結果から特徴量を算出するので、その軸における異常状態を推定できる。
この異常推定方法によれば、単一軸動作中に得られるセンサーの計測結果から特徴量を算出するので、その軸における異常状態を推定できる。
(4)上記異常推定方法において、前記単一軸動作は、前記1つの軸について一方向に前記ロボットを動作させた後に前記1つの軸の関節トルクを調節して動作を停止させることによって、前記ロボットに振動を加える加振動作と、前記1つの軸について一方向に一定の速度で前記ロボットを動作させる等速動作と、を含むものとしてもよい。
この異常推定方法によれば、単一軸動作として加振動作と等速動作を実行するので、その軸で異常が発生しているか否かを推定できる。
この異常推定方法によれば、単一軸動作として加振動作と等速動作を実行するので、その軸で異常が発生しているか否かを推定できる。
(5)上記異常推定方法において、前記第1特徴量群は、前記m個の単一軸動作に対応するm個の第1特徴量ベクトルを含み、前記P組の第2特徴量群は、前記P個の異常状態のそれぞれにおける前記m個の単一軸動作に対応するP×m個の第2特徴量ベクトルを含み、前記工程(c)は、前記m個の第1特徴量ベクトルのそれぞれと、前記P×m個の第2特徴量ベクトルのそれぞれと、の間の類似度を算出する工程を含み、前記工程(d)は、前記m個の第1特徴量ベクトルのそれぞれについて、前記P×m個の第2特徴量ベクトルの中で、当該第1特徴量ベクトルとの類似度が最も高い特定第2特徴量ベクトルが、当該第1特徴量ベクトルと同一の軸に関する同一軸動作に対応する場合に、前記特定第2特徴量ベクトルに関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する工程を含むものとしてもよい。
この異常推定方法によれば、第2特徴量群のP×m個の第2特徴量ベクトルのうちで、第1特徴量ベクトルとの類似度が最も高い特定第2特徴量ベクトルがその第1特徴量ベクトルと同一の軸に関する同一軸動作によるものである場合に、その軸の異常状態をロボットの異常状態として推定するので、ロボットの異常をより正しく推定できる。
この異常推定方法によれば、第2特徴量群のP×m個の第2特徴量ベクトルのうちで、第1特徴量ベクトルとの類似度が最も高い特定第2特徴量ベクトルがその第1特徴量ベクトルと同一の軸に関する同一軸動作によるものである場合に、その軸の異常状態をロボットの異常状態として推定するので、ロボットの異常をより正しく推定できる。
(6)上記異常推定方法において、前記ロボットは複数の軸を有し、前記複数の軸のそれぞれは、複数の軸構成部品を含み、前記P個の異常状態のそれぞれは、前記複数の軸のいずれの軸が異常か、及び、前記複数の軸構成部品のいずれが異常か、を特定した状態であるものとしてもよい。
この異常推定方法によれば、異常が発生している軸と、異常が発生している軸構成部品を推定できる。
この異常推定方法によれば、異常が発生している軸と、異常が発生している軸構成部品を推定できる。
(7)上記異常推定方法において、前記複数の軸のうちの少なくとも一部の軸は、減速機とブレーキとを含み、前記少なくとも一部の軸に対する前記異常状態は、前記減速機の異常と、前記ブレーキの異常とを含むものとしてもよい。
この異常推定方法によれば、各軸の減速機の異常とブレーキの異常を区別して推定できる。
この異常推定方法によれば、各軸の減速機の異常とブレーキの異常を区別して推定できる。
(8)本開示の第2の形態によれば、ロボットシステムが提供される。このロボットシステムは、ロボットと、前記ロボットに設置され、前記ロボットの振動を検出可能なセンサーと、前記ロボットを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する処理と、(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める処理と、(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する処理であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、処理と、(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する処理と、を実行する。
このロボットシステムによれば、M個の診断用動作に対応するM×N個の特徴量で構成される第1特徴量群と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度に応じてロボットの異常状態を推定するので、ロボットが行う作業や使用環境に拘わらず、ロボットの異常状態を正しく推定できる。
このロボットシステムによれば、M個の診断用動作に対応するM×N個の特徴量で構成される第1特徴量群と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度に応じてロボットの異常状態を推定するので、ロボットが行う作業や使用環境に拘わらず、ロボットの異常状態を正しく推定できる。
(9)本開示の第3の形態によれば、振動を検出可能なセンサーが設置されたロボットの異常推定をプロセッサーに実行させるコンピュータープログラムが提供される。このコンピュータープログラムは、(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する処理と、(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める処理と、(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する処理であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、処理と、(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する処理と、を前記プロセッサーに実行させる。
このコンピュータープログラムによれば、M個の診断用動作に対応するM×N個の特徴量で構成される第1特徴量群と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度に応じてロボットの異常状態を推定するので、ロボットが行う作業や使用環境に拘わらず、ロボットの異常状態を正しく推定できる。
このコンピュータープログラムによれば、M個の診断用動作に対応するM×N個の特徴量で構成される第1特徴量群と、P個の異常状態に関連づけられたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度に応じてロボットの異常状態を推定するので、ロボットが行う作業や使用環境に拘わらず、ロボットの異常状態を正しく推定できる。
本開示は、上記以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ロボットとロボット制御装置とを備えたロボットシステム、ロボット制御装置の機能を実現するためのコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体(non-transitory storage medium)等の形態で実現することができる。
100…ロボット、110…基台、120…アーム、122…アームエンド、140…センサー、150…エンドエフェクター、200…制御装置、300…情報処理装置、310…プロセッサー、312…異常推定部、320…メモリー、330…インターフェイス回路、350…表示部、400…軸構成部品、410…モーター、420…ブレーキ、430…減速機、500…ニューラルネットワーク、510…入力層、520…中間層、530…出力層
Claims (9)
- 振動を検出可能なセンサーが設置されたロボットの異常推定方法であって、
(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する工程と、
(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める工程と、
(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する工程であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、工程と、
(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する工程と、
を含む、異常推定方法。 - 請求項1に記載の異常推定方法であって、
前記P個の異常状態は、前記ロボットに異常のない正常な状態を含む、異常推定方法。 - 請求項1又は2に記載の異常推定方法であって、
前記ロボットは複数の軸を有し、
mを2以上M以下の整数としたとき、前記M個の診断用動作は、前記複数の軸のうちの1つの軸のみをそれぞれ動作させるm個の単一軸動作を含む、異常推定方法。 - 請求項3に記載の異常推定方法であって、
前記単一軸動作は、
前記1つの軸について一方向に前記ロボットを動作させた後に前記1つの軸の関節トルクを調節して動作を停止させることによって、前記ロボットに振動を加える加振動作と、
前記1つの軸について一方向に一定の速度で前記ロボットを動作させる等速動作と、を含む、異常推定方法。 - 請求項3又は4に記載の異常推定方法であって、
前記第1特徴量群は、前記m個の単一軸動作に対応するm個の第1特徴量ベクトルを含み、
前記P組の第2特徴量群は、前記P個の異常状態のそれぞれにおける前記m個の単一軸動作に対応するP×m個の第2特徴量ベクトルを含み、
前記工程(c)は、前記m個の第1特徴量ベクトルのそれぞれと、前記P×m個の第2特徴量ベクトルのそれぞれと、の間の類似度を算出する工程を含み、
前記工程(d)は、前記m個の第1特徴量ベクトルのそれぞれについて、前記P×m個の第2特徴量ベクトルの中で、当該第1特徴量ベクトルとの類似度が最も高い特定第2特徴量ベクトルが、当該第1特徴量ベクトルと同一の軸に関する同一軸動作に対応する場合に、前記特定第2特徴量ベクトルに関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する工程を含む、異常推定方法。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の異常推定方法であって、
前記ロボットは複数の軸を有し、
前記複数の軸のそれぞれは、複数の軸構成部品を含み、
前記P個の異常状態のそれぞれは、前記複数の軸のいずれの軸が異常か、及び、前記複数の軸構成部品のいずれが異常か、を特定した状態である、異常推定方法。 - 請求項6に記載の異常推定方法であって、
前記複数の軸のうちの少なくとも一部の軸は、減速機とブレーキとを含み、
前記少なくとも一部の軸に対する前記異常状態は、前記減速機の異常と、前記ブレーキの異常とを含む、異常推定方法。 - ロボットシステムであって、
ロボットと、
前記ロボットに設置され、前記ロボットの振動を検出可能なセンサーと、
前記ロボットを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する処理と、
(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める処理と、
(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する処理であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、処理と、
(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する処理と、
を実行する、ロボットシステム。 - 振動を検出可能なセンサーが設置されたロボットの異常推定をプロセッサーに実行させるコンピュータープログラムであって、
(a)Mを2以上の整数としたとき、M個の診断用動作を前記ロボットに実行させて、各診断用動作中に前記センサーの計測結果を取得する処理と、
(b)Nを1以上の整数としたとき、前記計測結果から、各診断用動作に関するN個の特徴量を算出して、M×N個の特徴量で構成された第1特徴量群を求める処理と、
(c)Pを2以上の整数としたとき、前記第1特徴量群と、予め準備されたP組の第2特徴量群のそれぞれとの間の類似度を算出する処理であって、前記P組の第2特徴量群は、互いに異なるP個の異常状態に関連づけられていると共に、各第2特徴量群が前記第1特徴量群に対応するM×N個の特徴量で構成されている、処理と、
(d)前記類似度に応じて、前記P組の第2特徴量群の中から1組以上の第2特徴量群を選択し、選択された前記1組以上の第2特徴量群に関連づけられた異常状態を前記ロボットの異常状態として推定する処理と、
を前記プロセッサーに実行させる、コンピュータープログラム。
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JP2020142454A JP2022038127A (ja) | 2020-08-26 | 2020-08-26 | ロボットの異常推定方法、ロボットシステム、及び、コンピュータープログラム |
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