JP2022036822A - Electric vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電動車両に関する。 The present invention relates to an electric vehicle.
特許文献1には、電動機を動力源とする電動車両において、変速感を演出するために、車速、アクセル開度、ブレーキ踏み込み量に応じて、電動機のトルクを変動させる制御を実行することが開示されている。
特許文献1に記載された構成では、運転席にクラッチペダルやシフトレバーが存在しないため、運転者自身による変速操作が介在しない疑似的な変速制御となる。そのため、MT車両を操作するような運転の楽しさを求める運転者に対しては違和感を与えてしまう。そこで、運転者が求める運転感覚を実現するために、クラッチペダルとシフトレバーとを電動車両に設けることが考えられる。さらに、この電動車両では、クラッチペダルおよびシフトレバーの操作に応じて変速制御を実行する手動変速走行モードを、運転者自らの切り替え操作によって選択することが可能である。
In the configuration described in
しかしながら、手動変速走行モードで走行中、何らかの異常が生じてクラッチペダルやシフトレバーの機能を喪失した場合、運転者は手動変速走行モードを解除するために走行モードを切り替えるための操作を行わなければならず、ドライバビリティが悪化する虞がある。 However, if the clutch pedal or shift lever loses its function due to some abnormality while driving in the manual shifting driving mode, the driver must perform an operation to switch the driving mode in order to cancel the manual shifting driving mode. However, there is a risk that drivability will deteriorate.
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、運転者が求める運転感覚を実現しつつ、ドライバビリティの悪化を抑制することができる電動車両を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide an electric vehicle capable of suppressing deterioration of drivability while realizing the driving sensation required by the driver.
本発明は、走行用の電動機と、前記電動機のトルクを制御する制御装置と、前記電動機の回転速度に対するトルク特性が段階的に異なる複数の変速段モードのうちのいずれか一つの変速段モードを選択するシフト装置と、運転者により操作されるクラッチ装置と、前記運転者による前記シフト装置および前記クラッチ装置の操作により選択された変速段モードにおける前記トルク特性に基づいて前記電動機のトルクが制御される手動変速走行モードと、前記運転者による前記シフト装置および前記クラッチ装置の操作を必要とせずに前記電動機のトルクが制御される走行モードとを、前記運転者の操作により切り替え可能な走行モード切替部と、を備えた電動車両であって、前記制御装置は、前記手動変速走行モードで走行中に、前記シフト装置と前記クラッチ装置とのうちの少なくとも一方に異常が生じたと判定した場合、前記運転者による前記シフト装置および前記クラッチ装置の操作を必要としない走行モードに自動的に切り替えることを特徴とする。 The present invention comprises a traveling electric motor, a control device for controlling the torque of the electric motor, and one of a plurality of gear shift modes in which the torque characteristics with respect to the rotational speed of the electric motor are stepwise different. The torque of the electric motor is controlled based on the selected shift device, the clutch device operated by the driver, and the torque characteristics in the shift stage mode selected by the driver's operation of the shift device and the clutch device. The driving mode can be switched between the manual shifting driving mode and the driving mode in which the torque of the electric motor is controlled without the driver's operation of the shift device and the clutch device. When the control device determines that an abnormality has occurred in at least one of the shift device and the clutch device while traveling in the manual shift traveling mode, the control device is an electric vehicle including the unit and the clutch device. It is characterized by automatically switching to a traveling mode that does not require the driver to operate the shift device and the clutch device.
本発明では、手動変速走行モードで走行中にシフト装置やクラッチ装置に異常が生じたと判定した場合に、制御装置によって走行モードが、シフト装置およびクラッチ装置の操作を必要としない走行モードに自動的に切り替わる。そのため、運転者は手動変速走行モードを解除するために走行モード切替部を操作しなくてもよくなる。これにより、運転者が求める運転感覚を実現しつつ、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。 In the present invention, when it is determined that an abnormality has occurred in the shift device or the clutch device while traveling in the manual shift drive mode, the drive mode is automatically changed to the drive mode that does not require the operation of the shift device and the clutch device by the control device. Switch to. Therefore, the driver does not have to operate the traveling mode switching unit in order to cancel the manual shifting traveling mode. As a result, it is possible to suppress deterioration of drivability while realizing the driving sensation required by the driver.
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における電動車両について具体的に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。 Hereinafter, the electric vehicle according to the embodiment of the present invention will be specifically described with reference to the drawings. The present invention is not limited to the embodiments described below.
図1は、実施形態における電動車両を模式的に示すスケルトン図である。図1に示すように、電動車両10は、走行用の動力源として、モータ2を備えている。モータ2は、例えば三相交流モータである。モータ2の出力軸3は、ギヤ機構4を介してプロペラシャフト5の一端に接続されている。プロペラシャフト5の他端は、デファレンシャルギヤ6を介して、車両前方のドライブシャフト7に接続されている。電動車両10は、前車輪としての駆動輪8と後車輪としての従動輪12を備えている。駆動輪8は、ドライブシャフト7の両端にそれぞれ設けられる。プロペラシャフト5には、シャフト回転速度Npを検出するための回転速度センサ40が配置されている。
FIG. 1 is a skeleton diagram schematically showing an electric vehicle according to an embodiment. As shown in FIG. 1, the
電動車両10は、バッテリ14と、インバータ16と、制御装置50と、を備えている。バッテリ14は、モータ2の駆動に利用する電気エネルギを蓄える。インバータ16は、例えばパルス幅変調処理(PWM:Pulse Width Modulation)を行うことによってバッテリ14に蓄えられている直流電流を三相交流電流に変換する。このインバータ16は、制御装置50から入力される目標駆動トルクに基づいて、モータ2の駆動トルクを制御する機能を有している。つまり、電動車両10のモータ2は、制御装置50によって制御される。
The
また、電動車両10は、運転者が電動車両10に対する動作要求を入力するための動作要求入力装置(操作系)として、加速要求を入力するためのアクセルペダル22と、制動要求を入力するためのブレーキペダル24と、を備えている。アクセルペダル22には、アクセル開度Pap(%)を検出するためのアクセルポジションセンサ32が設けられている。また、ブレーキペダル24には、ペダル踏込量を検知するブレーキポジションセンサ34が設けられている。アクセルポジションセンサ32およびブレーキポジションセンサ34により検知された信号は、それぞれ制御装置50に出力される。
Further, the
さらに、電動車両10は、変速用の動作要求入力装置として、シフトレバー26と、クラッチペダル28とを備えている。ただし、この電動車両10は、モータ2により駆動される車両であり、動力源としてのエンジンを備えていないため、MT車両が備える変速機およびクラッチ機構を備えていない。そのため、シフトレバー26およびクラッチペダル28には、実際の変速機およびクラッチ機構を機械的に操作する機能に換えて、以下の機能が与えられている。
Further, the
シフトレバー26は、モータ2の回転速度に対するトルク特性が段階的に規定された複数の変速段モードの中から運転者が1つのモード(変速段モード)を選択するためのシフト装置として機能する。ここでの複数の変速段モードは、MT車両のギヤ段を模擬したシフトモードであり、例えば1速(1st),2速(2nd),3速(3rd),4速(4th),5速(5th),6速(6th),およびニュートラル(N)の各変速段モードを含んでいる。各変速段モードのトルク特性は、例えば図7に示すように、MT車両のギヤ段を模擬したトルク特性にプリセットされている。ただし、これらの各変速段モードは、あくまでもMT車両のギヤ段を模擬的に再現したものであるため、実際の固定ギヤ比に対応させるためのトルク特性の制約はない。つまり、複数の変速段モードのそれぞれのトルク特性は、モータ2の出力範囲内であれば自由にプリセットすることができる。
The shift lever 26 functions as a shift device for the driver to select one mode (shift mode) from a plurality of shift modes in which the torque characteristics with respect to the rotation speed of the
シフトレバー26は、MT車両が備えるシフトレバーを模擬した構造を有している。シフトレバー26の配置および操作感は、実際のMT車両と同等である。シフトレバー26は、トルク特性の異なる複数の変速段モードに対応した各ポジションが設けられている。シフトレバー26には、変速段モードの位置を表すシフトポジションGpを検知するシフトポジションセンサ36が設けられている。シフトポジションセンサ36により検知された信号は、制御装置50に出力される。
The
クラッチペダル28は、MT車両が備えるクラッチペダルを模擬した構造を有したクラッチ装置として機能する。クラッチペダル28は、運転者がシフトレバー26を操作する際に踏み込まれる。クラッチペダル28の配置および操作感は、実際のMT車両と同等である。クラッチペダル28には、クラッチペダル28の操作量であるクラッチペダル踏込量Pc(%)を検出するためのクラッチポジションセンサ38が設けられている。クラッチポジションセンサ38により検知された信号は、制御装置50に出力される。
The
また、電動車両10は、走行モードを切り替えるための動作要求入力装置として、走行モード切替部42を備えている。走行モード切替部42は、電動車両10において運転席に着座している運転者が、車両の自動運転モードと手動運転モードとを切り替える運転切替装置である。つまり、制御装置50は電動車両10を自動運転モードに制御することが可能である。そして、走行モード切替部42としては、例えば車両内部のインストルメントパネルに設置される切替ボタンを用いることができる。または、運転者の声を認識する音声認識装置を用いることもできる。このように、走行モード切替部42は運転者による走行モードの切り替え操作を受け付ける。そして、走行モード切替部42が運転者により操作されたことを検知すると、その検知信号は、制御装置50に出力される。
Further, the
この電動車両10では、制御装置50の制御によって複数の走行モードを実現することが可能である。複数の走行モードには、自動運転モードと手動運転モードとが含まれる。さらに、手動運転モードには、運転者によるシフトレバー26およびクラッチペダル28の操作に応じてモータ2の駆動トルクを制御する手動変速走行モードと、シフトレバー26とクラッチペダル28の操作によらずにモータ2の駆動トルクを制御する電動走行モードとが含まれる。電動走行モードは、AT車両のように、運転者によるシフトレバー26およびクラッチペダル28の操作を必要とせず、運転者によるアクセルペダル22およびブレーキペダル24の操作に応じてモータ2の駆動トルクを制御する。
In the
制御装置50はECU(Electronic Control Unit)である。制御装置(以下、ECUという)50の処理回路は、入出力インタフェース52と、メモリ54と、CPU56とを備えている。入出力インタフェース52は、電動車両10に取り付けられた各種センサからセンサ信号を取り込むとともに、電動車両10が備える各種アクチュエータに対して操作信号を出力する。ECU50が信号を取り込むセンサには、上述した各種センサのほか、電動車両10の制御に必要な各種のセンサが含まれる。ECU50が操作信号を出すアクチュエータには、上述したモータ2等の各種アクチュエータが含まれる。メモリ54には、電動車両10を制御するための各種の制御プログラム、最新のシフトポジションGp、マップ等が記憶されている。CPU56は、制御プログラム等をメモリ54から読み出して実行し、取り込んだセンサ信号に基づいて操作信号を生成する。
The
ECU50により行われる電動車両10の制御には、駆動輪8に伝達されるトルクを制御するトルク制御が含まれる。ここでのトルク制御では、プロペラシャフト5に伝達されるモータ駆動トルクTpがモータ要求駆動トルクTpreqとなるように、モータ2の駆動トルクを制御する。つまり、ECU50は、電動車両10が備えるトルク制御部として機能する。
The control of the
このECU50は、モータ2のトルク制御において、電動車両10の走行状態が仮想のエンジンおよび変速機を搭載したMT車両により実現されていると仮定した演算を行う。そして、ECU50は、変速機から出力される変速機出力トルクTgoutを算出し、算出された変速機出力トルクTgoutをモータ要求駆動トルクTpreqとして使用する。なお、以下の説明では、電動車両10に仮想的に搭載されたエンジンを「仮想エンジン」と記載し、仮想エンジンのエンジン出力トルクを「仮想エンジン出力トルクTeout」と記載し、仮想エンジンの回転速度を「仮想エンジン回転速度Ne」と記載する。
In the torque control of the
図2は、制御装置の構成を説明するための機能ブロック図である。ECU50は、モータ2のトルク制御に関連する機能ブロックとして、仮想エンジン回転速度算出部500と、仮想エンジン出力トルク算出部502と、トルク伝達ゲイン算出部504と、クラッチ出力トルク算出部506と、ギヤ比算出部508と、変速機出力トルク算出部510と、異常判定部512とを備えている。
FIG. 2 is a functional block diagram for explaining the configuration of the control device. The
例えば電動車両10の走行中、ECU50は、運転状態に基づいて仮想エンジン回転速度Neを動的に演算している。具体的には、ECU50は、プロペラシャフト5のシャフト回転速度Npと、シフトポジションGpに対応するギヤ比(変速比)rと、クラッチペダル踏込量Pc等から演算されるクラッチ機構のスリップ率slipとを用いた下式(1)から、走行中の仮想エンジン回転速度Neを逆算する。
Ne=Np×(1/r)×slip・・・(1)
For example, while the
Ne = Np × (1 / r) × slip ... (1)
なお、仮想エンジンから出力されたエネルギのうち、プロペラシャフト5へのトルク伝達に使用されない運動エネルギが、仮想エンジン回転速度Neの上昇に使用されたと仮定することができる。そこで、仮想エンジン回転速度Neは、運動エネルギをベースとした運動方程式に基づいて動的に算出する方法でもよい。
Of the energy output from the virtual engine, it can be assumed that the kinetic energy that is not used for torque transmission to the
また、MT車両を想定した際、MT車両のアイドリング中は、エンジン回転速度を一定回転速度に維持するアイドルスピードコントロール制御(ISC制御)が行われる。そこで、ECU50は、仮想エンジンでのISC制御を考慮して、例えばシャフト回転速度Npが0(ゼロ)であり、かつアクセル開度Papが0%であるときは、仮想エンジンがアイドリング中であることを想定して、仮想エンジン回転速度Neを所定のアイドリング回転速度(例えば1000rpm)として出力する。算出された仮想エンジン回転速度Neは、仮想エンジン出力トルク算出部502に出力される。
Further, assuming an MT vehicle, idle speed control control (ISC control) for maintaining the engine rotation speed at a constant rotation speed is performed while the MT vehicle is idling. Therefore, in consideration of ISC control in the virtual engine, the
仮想エンジン出力トルク算出部502は、仮想エンジン出力トルクTeoutを算出する処理を実行する。仮想エンジン出力トルク算出部502には、アクセル開度Papと仮想エンジン回転速度Neが入力される。ECU50のメモリ54は、仮想エンジン回転速度Neに対する仮想エンジン出力トルクTeoutがアクセル開度Pap毎に規定されたマップを記憶している。そのマップの一例が図3に示されている。仮想エンジン出力トルク算出部502では、図3に示すマップを用いて、入力されたアクセル開度Papと仮想エンジン回転速度Neに対応する仮想エンジン出力トルクTeoutが算出される。算出された仮想エンジン出力トルクTeoutは、クラッチ出力トルク算出部506に出力される。
The virtual engine output
トルク伝達ゲイン算出部504は、トルク伝達ゲインkを算出する処理を実行する。トルク伝達ゲインkは、仮想エンジンに接続されたクラッチ機構を操作するためのクラッチの踏込量に応じたトルク伝達度合を演算するためのゲインである。トルク伝達ゲイン算出部504には、クラッチペダル踏込量Pcが入力される。ECU50のメモリ54は、クラッチペダル踏込量Pcに対するトルク伝達ゲインkが規定されたマップを記憶している。そのマップの一例が図4に示されている。トルク伝達ゲインkは、図4に示すように、クラッチペダル踏込量Pcがpc0からpc1の範囲では1となり、クラッチペダル踏込量PcがPc1からPc2の範囲では、クラッチペダル踏込量Pcが増大するほど0に向かって徐々に減少し、クラッチペダル踏込量PcがPc1からPc2の範囲では0となるように規定されている。ここで、Pc0はクラッチペダル踏込量Pcが0%の位置に対応し、Pc1はPc0からの踏み込み時の遊び限界の位置に対応し、Pc3はクラッチペダル踏込量Pcが100%の位置に対応し、Pc2はPc3からの戻し時の遊び限界の位置に対応している。トルク伝達ゲイン算出部504では、図4に示すマップを用いて、入力されたクラッチペダル踏込量Pc対応するトルク伝達ゲインkが算出される。算出されたトルク伝達ゲインkは、クラッチ出力トルク算出部506に出力される。
The torque transmission
クラッチ出力トルク算出部506は、クラッチ出力トルクTcoutを算出する処理を実行する。クラッチ出力トルクTcoutは、仮想エンジンに接続されたクラッチ機構から出力されるトルクである。トルク伝達ゲイン算出部504には、仮想エンジン出力トルクTeoutとトルク伝達ゲインkが入力される。クラッチ出力トルク算出部506では、仮想エンジン出力トルクTeoutにトルク伝達ゲインkを乗算する下式(2)を用いて、クラッチ出力トルクTcoutが算出される。算出されたクラッチ出力トルクTcoutは、変速機出力トルク算出部510に出力される。
Tcout=Teout×k・・・(2)
なお、実際のクラッチ機構は、バネやダンパ等の減衰装置を含むことが多い。このため、クラッチ出力トルクTcoutは、各々の特性を加味して動的な伝達トルクを算出してもよい。
The clutch output
Tcout = Teu x k ... (2)
The actual clutch mechanism often includes a damping device such as a spring or a damper. Therefore, the clutch output torque Tcout may calculate the dynamic transmission torque in consideration of each characteristic.
ギヤ比算出部508は、ギヤ比rを算出する処理を実行する。ギヤ比rは、複数の変速段モードに対応するモータ2のトルク特性であり、変速機のギヤ比を模擬したものである。ギヤ比算出部508には、シフトポジションGpが入力される。ECU50のメモリ54は、シフトポジションGpに対するギヤ比rが規定されたマップを記憶している。そのマップの一例が図5に示されている。ギヤ比rは、図5に示すように、シフトポジションGpがハイギヤであるほどギヤ比rが低くなるように規定されている。ギヤ比算出部508では、図5に示すマップを用いて、入力されたシフトポジションGp対応するギヤ比rが算出される。算出されたギヤ比rは、変速機出力トルク算出部510に出力される。
The gear
変速機出力トルク算出部510は、変速機出力トルクTgoutを算出する処理を実行する。変速機出力トルクTgoutは、変速機から出力されるトルクである。変速機出力トルク算出部510には、クラッチ出力トルクTcoutとギヤ比rが入力される。変速機出力トルク算出部510では、クラッチ出力トルクTcoutにギヤ比rを乗算する下式(3)を用いて、変速機出力トルクTgoutが算出される。
Tgout=Tcout×r・・・(3)
The transmission output
Tgout = Tcout × r ... (3)
このようにECU50は、トルク制御において、仮想エンジン出力トルク算出部502、トルク伝達ゲイン算出部504、クラッチ出力トルク算出部506、ギヤ比算出部508、および変速機出力トルク算出部510における処理を順に実行する。そして、算出された変速機出力トルクTgoutは、モータ要求駆動トルクTpreqとしてインバータ16へ出力される。インバータ16では、モータ駆動トルクTpが算出されたモータ要求駆動トルクTpreqに近づくように、モータ2への指令値を制御する。トルク制御では、このような処理が所定の制御周期で繰り返し実行されることにより、モータ駆動トルクTpがモータ要求駆動トルクTpreqに制御される。
As described above, in the torque control, the
電動車両10の運転者は、手動変速走行モードを選択した状態で、運転中の任意のタイミングで手動変速動作を行う。図6は、運転者によって実行される疑似的な手動変速動作の手順を示す動作フロー図である。図6に示すように、電動車両10において運転者が疑似的な手動変速動作を行う場合、運転者は、まずクラッチペダル28踏み込む(ステップS101)。クラッチペダル踏込量PcがPc1を超えると、クラッチペダル踏込量Pcが大きくなるにつれてクラッチ出力トルクTcoutが0に向かって変化する。そして、クラッチペダル踏込量PcがPc2を超えると、クラッチ出力トルクTcoutが0になる。このようなクラッチペダル28の踏み込み動作によれば、クラッチペダル28の踏み込み動作に対応してモータ駆動トルクTpが0に向かって変化するので、運転者は、MT車両のクラッチペダルを踏み込んだときにトルクが抜ける感覚を実感することができる。
The driver of the
次に、運転者は、クラッチペダル28を踏み込んだ状態でシフトレバー26を操作する(ステップS102)。例えば、シフトレバー26の変速段モードが1速から2速に操作される。このようなクラッチペダル28の踏み込みを伴うシフトレバー26の操作によれば、運転者は、MT車両の手動変速動作に近い感覚を得ることができる。
Next, the driver operates the
その後、運転者は、クラッチペダル28を戻す(ステップS103)。クラッチペダル踏込量PcがPc3を下回ると、クラッチペダル踏込量Pcが小さくなるにつれてクラッチ出力トルクTcoutが仮想エンジン出力トルクTeoutに向かって変化する。そして、クラッチペダル踏込量PcがPc1を下回ると、クラッチ出力トルクTcoutが仮想エンジン出力トルクTeoutになる。このようなクラッチペダル28の戻し動作によれば、クラッチペダル28の戻し動作に対応してモータ駆動トルクTpが現在のモードが反映されたモータ駆動トルクTpに向かって変化するので、運転者は、MT車両のクラッチペダルを戻したときのトルクが繋がる感覚を実感することができる。
After that, the driver returns the clutch pedal 28 (step S103). When the clutch pedal depression amount Pc is less than Pc3, the clutch output torque Tcout changes toward the virtual engine output torque Teout as the clutch pedal depression amount Pc decreases. When the clutch pedal depression amount Pc is less than Pc1, the clutch output torque Tcout becomes the virtual engine output torque Teu. According to such a return operation of the
このように、電動車両10によれば、クラッチペダル28の操作に応じてトルクが変化するので、運転者は手動変速動作によるMT車両の独特の変速感を疑似的に体感することができる。
As described above, according to the
異常判定部512は、シフト装置およびクラッチ装置に何らかの異常が発生したか否かを判定する処理を実行する。この異常判定部512は、手動変速走行モードで走行中に、シフトレバー26とクラッチペダル28とのうちの少なくとも一方において、機能を喪失した異常状態が発生したか否かを判定する。
The
例えば、異常判定部512は、シフトポジションセンサ36から入力されるシフトポジションGpの有無等に基づいて、シフト装置における異常の発生有無を判定する。一例として、シフトレバー26を操作したにも拘らず、シフトポジションGpがECU50に入力されない場合に、異常判定部512はシフト装置に異常が生じていると判定する。具体的には、クラッチペダル28が踏み込まれたことを示すクラッチペダル踏込量PcをECU50で検出した後にシフトポジションGpの入力がないことを短時間のうちに繰り返し検知した場合、異常判定部512はシフト装置に異常が生じたものと判定する。
For example, the
また、異常判定部512は、クラッチペダル28の踏み込み動作を行っているにも拘わらずクラッチペダル踏込量Pcが変化しない場合、クラッチ装置に異常が生じていると判定する。一例として、ECU50がクラッチペダル踏込量Pcの変化を検知していない状態で、シフトレバー26が操作されたことを示すシフトポジションGpの入力を短時間のうちに繰り返し検知した場合、異常判定部512はクラッチ装置に異常が生じたものと判定する。
Further, the
図8は、手動変速走行モードで走行中に実施される異常判定フローを示すフローチャート図である。なお、図8に示す制御は、走行モードが手動変速走行モードに選択されている最中にECU50によって繰り返し実行される。
FIG. 8 is a flowchart showing an abnormality determination flow carried out during traveling in the manual speed change traveling mode. The control shown in FIG. 8 is repeatedly executed by the
ECU50は、クラッチペダル28とシフトレバー26とを含む変速用の操作系において異常が発生したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201では、シフトポジションセンサ36やクラッチポジションセンサ38からECU50に入力される信号の有無に基づいて、シフト装置およびクラッチ装置における異常発生の有無が判定される。
The
手動変速走行モード中に変速用の操作系についての異常を検知しない場合(ステップS201:No)、この制御ルーチンは終了する。 If no abnormality is detected in the operation system for shifting during the manual shifting traveling mode (step S201: No), this control routine ends.
手動変速走行モード中に変速用の操作系についての異常を検知した場合(ステップS201:Yes)、ECU50は、走行モードを手動変速走行モードから自動運転モードに切り替える(ステップS202)。ステップS202では、運転者による走行モード切替部42の操作なしに、ECU50の制御によって自動的に自動運転モードに切り替えられる。このステップS202の処理を実施すると、この制御ルーチンは終了する。
When an abnormality in the operation system for shifting is detected during the manual shifting traveling mode (step S201: Yes), the
以上説明した通り、実施形態によれば、手動変速走行モードで走行中に、クラッチ装置とシフト装置に異常が生じた場合には、運転者による走行モードの切り替え操作なしに、ECU50によって自動的に自動運転モードに切り替えられる。これにより、ドライバビリティが向上する。さらに、手動変速走行モードを選択することによって、MT車両のような運転感覚を運転者に与えることが可能になる。
As described above, according to the embodiment, if an abnormality occurs in the clutch device and the shift device while traveling in the manual shift driving mode, the
また、クラッチ装置やシフト装置に異常が生じた際に、自動的に自動運転モードに切り替わることにより、電動車両10を安全に停車させることが可能になる。これにより、電動車両10に乗車した者の安全を確保することができる。さらに、クラッチ装置とシフト装置とを含む変速用の操作系が機能を喪失したことにより運転者がパニックを起こすことを抑制することができる。
Further, when an abnormality occurs in the clutch device or the shift device, the
なお、上述した実施形態では、変速用の操作系に異常を検知した際、自動運転モードに切り替わる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、手動変速走行モードからの変更先は、自動運転モードに限らず、変速用の操作系の操作を必要としない手動運転モードであってもよい。つまり、ECU50は、手動変速走行モードで走行中に、シフト装置とクラッチ装置とのうちの少なくとも一方に異常が生じたと判定した場合、シフト装置およびクラッチ装置の操作を必要とせずにモータ2の駆動トルクを制御する走行モードに自動的に切り替える。要するに、自動運転モードも手動運転モードも、運転者によるシフトレバー26およびクラッチペダル28の操作を必要としない走行モードである。
In the above-described embodiment, an example of switching to the automatic operation mode when an abnormality is detected in the speed change operation system has been described, but the present invention is not limited to this. For example, the change destination from the manual shift traveling mode is not limited to the automatic operation mode, and may be a manual operation mode that does not require the operation of the operation system for shifting. That is, when the
2 モータ
10 電動車両
22 アクセルペダル
24 ブレーキペダル
26 シフトレバー(シフト装置)
28 クラッチペダル(クラッチ装置)
42 走行モード切替部
50 制御装置(ECU)
512 異常判定部
2
28 Clutch pedal (clutch device)
42 Driving
512 Abnormality judgment unit
Claims (1)
前記電動機のトルクを制御する制御装置と、
前記電動機の回転速度に対するトルク特性が段階的に異なる複数の変速段モードのうちのいずれか一つの変速段モードを選択するシフト装置と、
運転者により操作されるクラッチ装置と、
前記運転者による前記シフト装置および前記クラッチ装置の操作により選択された変速段モードにおける前記トルク特性に基づいて前記電動機のトルクが制御される手動変速走行モードと、前記運転者による前記シフト装置および前記クラッチ装置の操作を必要とせずに前記電動機のトルクが制御される走行モードとを、前記運転者の操作により切り替え可能な走行モード切替部と、
を備えた電動車両であって、
前記制御装置は、前記手動変速走行モードで走行中に、前記シフト装置と前記クラッチ装置とのうちの少なくとも一方に異常が生じたと判定した場合、前記運転者による前記シフト装置および前記クラッチ装置の操作を必要としない走行モードに自動的に切り替える
ことを特徴とする電動車両。 With a motor for driving
A control device that controls the torque of the motor and
A shift device that selects one of a plurality of shift modes in which the torque characteristics with respect to the rotation speed of the motor are gradually different, and a shift device that selects one of the shift modes.
A clutch device operated by the driver and
A manual shift traveling mode in which the torque of the motor is controlled based on the torque characteristics in the shift mode selected by the operation of the shift device and the clutch device by the driver, and the shift device and the shift device by the driver. A travel mode switching unit that can switch between a travel mode in which the torque of the motor is controlled without the need to operate the clutch device and a travel mode switching unit operated by the driver.
It is an electric vehicle equipped with
When the control device determines that an abnormality has occurred in at least one of the shift device and the clutch device while traveling in the manual shift traveling mode, the driver operates the shift device and the clutch device. An electric vehicle characterized by automatically switching to a driving mode that does not require a clutch.
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