JP2022034544A - 有機ハイドライド用脱水素触媒及び有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法 - Google Patents

有機ハイドライド用脱水素触媒及び有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法 Download PDF

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Masahiro Kishida
剛 山本
Takeshi Yamamoto
大弥 伊藤
Hiroya Ito
亜珠香 大橋
Asuka OHASHI
讓 加藤
Yuzuru Kato
健太郎 森田
Kentaro Morita
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Abstract

【課題】高活性かつ高耐久性を有しながら安価で製造可能な有機ハイドライド用脱水素触媒及び有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、酸化チタンを含む担体と、前記担体に担持された白金を含む第一担持金属と、前記担体に担持されたセレンを含む第二担持物質と、を含むことを特徴とする。また、本発明に係る有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法は、酸化チタンを含む担体に、白金を含む第一担持金属を担持させる工程と、酸化チタンを含む前記担体に、セレンを含む第二担持物質を担持させる工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、有機ハイドライド用脱水素触媒及び有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法に関する。
地球温暖化問題を受け、近年、GHG(温室効果ガス)を排出しないクリーンなエネルギー源の創出が強く求められている。中でも水素は太陽光や化石燃料、バイオマスなど様々な資源から生成することができ、さらにエネルギー転換時にCOを排出しないため、生成方法から利用方法に至るまで多方面で研究が進められている。
有機ハイドライド法とは、常温常圧で気体である水素を簡便にハンドリングするための方法の一つである。有機ハイドライドはハンドリング媒体の名称の一つであり、その他のハンドリング媒体である液体水素や水素貯蔵合金に比べて質量貯蔵密度・体積貯蔵密度ともに優れているという特徴を持つ。有機ハイドライドの中でも特にメチルシクロヘキサン-トルエン系は、輸送・貯蔵についての技術が既に確立されており、さらに他の有機ハイドライドに比べて低融点かつ高沸点であることから、実用面において最も汎用性が高い。
メチルシクロヘキサン-トルエン系において、トルエンに水素を付加する水素化反応に係る触媒は古くから研究されており、すでに商用化されている。しかしながらメチルシクロヘキサンから水素を取り出す脱水素触媒は、未だ耐久性向上や反応温度低減などの課題が残されており、実用化段階には至っていない。
高い活性を長時間維持できる有機ハイドライド用脱水素触媒として、特許文献1は、アナターゼ型酸化チタンを含む担体と、該担体に担持された白金及びレニウムを含む触媒金属と、を含み、前記レニウムの前記白金に対する質量割合が0.7以下である触媒を開示している。
特許第6583735号公報
しかしながらレニウムはレアメタルの一種であり、その流通価格は非常に高価である。そのため、レニウムの添加は大量生産において触媒製造コストを大幅に増大させる要因となる可能性が高く、特許文献1に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の商用化のためにはコスト面での課題を解決しなければならない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高活性かつ高耐久性を有する有機ハイドライド用脱水素触媒及び高活性かつ高耐久性を有する有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法を安価で提供することを目的とする。
(1)酸化チタンを含む担体と、
前記担体に担持された白金を含む第一担持金属と、
前記担体に担持されたセレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む第二担持物質と、を含むことを特徴とする有機ハイドライド用脱水素触媒。
(2)酸化チタンの結晶構造がルチル型である、(1)に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
(3)前記第一担持金属における白金の担持量は、前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して0.1~5.0質量部であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
(4)前記第一担持金属における白金に対する第二担持物質のモル比が0.001~1.0であることを特徴とする(1)~(3)のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
(5)前記第一担持金属における白金は粒子であり、粒子径が0.1~20nmであることを特徴とする(1)~(4)のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。(6)前記第一担持金属および前記第二担持物質がレニウムを含まないことを特徴とする(1)~(5)のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
(7)(1)~(6)のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法であって、
酸化チタンを含む担体に、白金を含む第一担持金属を担持させる工程と、
酸化チタンを含む前記担体に、セレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む第二担持物質を担持させる工程と、を含むことを特徴とする有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法。
(8)酸化チタンを含む前記担体に、セレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む前記第二担持物質を担持させる工程において、NaMO、または(NHMOの何れかの形態の前駆体を形成することを特徴とする(7)に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法。ここで、Mは第二担持物質であり、xは自然数である。
(9)酸化チタンを含む前記担体に、セレンを含む前記第二担持物質を担持させた後に、白金を含む前記第一担持金属を担持させることを特徴とする(7)または(8)に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法。
本発明によれば、高活性かつ高耐久性を有する有機ハイドライド用脱水素触媒及び高活性かつ高耐久性を有する有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法を安価で提供することができる。
触媒No.1、2、3およびNo.4のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.5~7のX線回折による測定結果を示す図である。 触媒No.5~7のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.4及び触媒No.8~10のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.4’及び触媒No.9’、23のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.4’及び触媒No.9’、22のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.2及び触媒No.11のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.2及び触媒No.11’、13、14のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.1及び触媒No.12のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.1’及び触媒No.12’、19のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.1’及び触媒No.20、21のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.2及び触媒No.15、16のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.2及び触媒No.17、18のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.2及び触媒No.11’、24のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。 触媒No.2及び触媒No.13、25のメチルシクロヘキサン転化率と反応時間との関係を示す図である。
有機ハイドライドの一種であるメチルシクロヘキサンの脱水素反応において触媒が高活性かつ高耐久性を発揮するためには、脱水素後に生成されるトルエンが金属上でさらに分解されて炭素化物となり、この炭素化物が金属表面を覆う、コーキングと呼ばれる現象を抑制することが重要である。SMSI(Strong Metal-Support Interaction)は、触媒へのコーキングを抑制することができる手段の一つとして知られている。
SMSIとは、特定の担体と担持金属の組み合わせからなる触媒が高温還元処理されることにより、金属のシンタリングが生じていないにも関わらずHやCOの吸着能が著しく低下する現象を指す。SMSIが発現している状態では、高温還元処理によって部分的に還元された担体が金属表面の一部を覆い、金属へ電子供与を行うことで金属が電子リッチな状態になっていると考えられている。
これによりメチルシクロヘキサン脱水素反応においては、生成したトルエンを炭素化物化するよりも早く金属から脱離させることができる。その結果、コーキングを防ぐことができ、触媒の活性および耐久性が向上すると考えられている。
本発明者らは、高活性かつ高耐久性を有しながら安価で製造可能な有機ハイドライド用脱水素触媒を得るために様々な検討を行った結果、本発明に係る有機ハイドライド用脱水素触媒及びその製造方法を見出した。
以下に、本発明に係る実施形態について、特徴とする技術要件の限定理由や好ましい態様について順次説明する。まず、本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒について説明する。なお、以下では有機ハイドライドのうち一例としてメチルシクロヘキサン-トルエン系を取り上げて説明するが、本発明の効果はメチルシクロヘキサン-トルエン系のみに限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、酸化チタンを含む担体と、前記担体に担持された白金を含む第一担持金属と、前記担体に担持されたセレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質と、を含むことを特徴とする。
(担体)
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、酸化チタンを含む担体を含む。担体は酸化チタンからなることが好ましい。
酸化チタンの結晶構造はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型、又は、アナターゼ・ルチル混合型、アナターゼ・ブルッカイト混合型、ルチル・ブルッカイト混合型であってもよい。酸化チタンの結晶構造はアナターゼ型、ルチル型もしくはアナターゼ及びルチルの混合型であることが好ましい。酸化チタンの結晶構造がアナターゼ型、ルチル型もしくはアナターゼ及びルチルの混合型である場合、後述する酸化チタンを含む担体に担持される担持金属はメチルシクロヘキサン脱水素反応中にコーキングされにくい。その結果、有機ハイドライド用脱水素触媒を長時間使用しても活性が低下しにくい。
酸化チタンの結晶構造の測定方法は、X線回折法(X-ray diffractometric analysis)を使用してもよい。ここで、X線回折法はJIS K 0131:1996に準ずるものとする。
酸化チタン及び白金を含む触媒の活性向上要因は、SMSIの発現による酸化チタンから白金への電子移動であると考えられている。
一般的に、アナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チタンよりもバンドギャップが大きいため、アナターゼ型酸化チタンの方が還元能力は高い。この性質を利用し、光触媒にはアナターゼ型酸化チタンがよく用いられている。
メチルシクロヘキサンの脱水素反応においても、アナターゼ型酸化チタンの方がルチル型酸化チタンに比べて白金へ供与できる電子量が多いと考えられる。従って、アナターゼ型酸化チタンを使用した触媒の方がルチル型酸化チタンを使用した触媒よりもSMSIが発現しやすくなり、アナターゼ型酸化チタンを使用した触媒の方がルチル型酸化チタンを使用した触媒よりも活性が低下しにくいと考えられてきた。
しかしながら、本発明者らは、様々な検討の結果、ルチル型酸化チタンを使用した触媒の方がアナターゼ型酸化チタンを使用した触媒よりもさらに活性が低下しにくいことを見出した。
酸化チタンを含む担体は、凝集した多数の一次粒子から構成される多孔質体であってもよい。酸化チタンを含む担体の粒径(二次粒径)は、100~1000μmであってもよい。
担体は、酸化チタン以外の金属酸化物等の微量成分を含んでもよい。担体の全質量のうち80質量%以上が酸化チタンであることが好ましい。90質量%以上が酸化チタンであることがより好ましい。93質量%以上が酸化チタンであることがさらに好ましい。
(第一担持金属)
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、前記担体に担持された白金を含む第一担持金属を含むことを特徴とする。
前記担体に担持される第一担持金属における白金の担持量は、前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して0.1~5.0質量部であることが好ましい。
担持量が前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して0.1質量部未満の場合、有機ハイドライド用脱水素触媒の活性が不十分になる可能性がある。担持量が前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して0.5質量部以上であることがより好ましい。
一方、担持量が前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して5.0質量部超の場合、白金の粒子径が増大することによる活性低下の恐れ及び白金使用量増加による製造コスト増加の恐れがある。担持量が前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して3質量部以下であることがより好ましい。
第一担持金属における白金の形状は特に限定されないが、粒子であることが好ましい。また、第一担持金属における白金の形状が粒子である場合、第一担持金属における白金の粒子径が0.1nm以上であることが好ましい。さらに、1.0nm以上であることが好ましい。
一方、活性を維持できるようであれば、第一担持金属における白金の粒子径の上限は特に定める必要が無い。例えば、第一担持金属の粒子径の上限は20nm以下であってもよく、9nm以下であってもよい。
粒子径は、H化学吸着法にて算出した。ここで、H化学吸着法はJIS Z8830:2013(ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法)の記載に準ずる。
(第二担持物質)
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、前記担体に担持されたセレンを含む第二担持物質を含む。これにより、白金を含む第一担持金属と、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質との界面に新たな活性点を作り出し、有機ハイドライドの脱水素反応を促進することができ、その結果、触媒の活性が向上すると推察される。
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、前記第一担持金属における白金に対する前記第二担持物質Mのモル比(M/Pt)が0.001~1.0であることが好ましい。一例として、第二担持物質がセレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上である場合、上述のMはセレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上の合計モル量と表示できる。
上述のモル比(M/Pt)が0.001未満の場合、白金を含む第一担持金属と、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質との界面に作られる活性点の量が不足すると推定され、そのため、十分な活性向上効果が得られない恐れがある。
一方、上述のモル比(M/Pt)が1.0超の場合、有機ハイドライド用脱水素触媒の活性が不十分となる恐れがある。
第二担持物質の形状は特に限定されないが、第一担持金属の一部もしくは全部の表面上に薄く広がっていることが好ましい。これにより、白金を含む第一担持金属と、セレンを含む第二担持物質との間に充分な量の活性点を作り出すことができ、その結果、触媒の活性が向上すると推察される。
さらに、本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含有するので、レニウムの添加量を減らすことができる。セレン、硫黄、ヒ素はレニウムよりも安価であるので、有機ハイドライド用脱水素触媒をより安価で製造することが可能である。本実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、第一担持金属および第二担持物質がレニウムを含有しないことが好ましい。
また、本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒は、セレンを含有しない触媒に比べて高い活性を有することが出来る。
これは、セレンを担持することにより白金と、セレンとの間に新たな活性点が生じると推定され、メチルシクロヘキサンからの脱水素反応をより促進することができるためと考えられる。したがって、セレンなどの物質の担持により、メチルシクロヘキサンからより多くの水素を取り出すことができる。
本発明の他の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒について、セレンと類似した性質を有するものに硫黄、ヒ素があることから、セレンを含む第二担持物質に代えて硫黄又はヒ素を含む第二担持物質を担持してもよい。あるいは、セレンを含む第二担持物質と硫黄を含む第二担持物質と、ヒ素を含む第二担持物質のうち、1種又は2種以上を混合して担持してもよい。
これらにより、前述の実施形態と同様の活性向上効果が得られると考えられる。
また、上述以外の構成や好ましい範囲は前述の実施形態と同じものを採用することができる。
次に、本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法は、酸化チタンを含む担体に、白金を含む第一担持金属を担持させる工程と、酸化チタンを含む前記担体に、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質を担持させる工程と、を含む。
(白金を含む第一担持金属を担持させる工程)
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法は、酸化チタンを含む担体に、白金を含む第一担持金属を担持させる工程を含む。酸化チタンを含む担体に、白金を含む第一担持金属を担持させる方法は特に限定されないが、例えば、含浸法又はアルコキシド法を用いてもよい。
(セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質を担持させる工程)
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法は、酸化チタンを含む担体に、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質を担持させる工程を含む。酸化チタンを含む担体に、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む第二担持物質を担持させる方法は特に限定されないが、例えば、含浸法又はアルコキシド法を用いてもよい。
含浸法又はアルコキシド法において、第二担体物質を担持させるための前駆体物質として、NaMO、または(NHMOの何れかの形態の前駆体を生成する物質を適用できる。これらの化学式において、Mは第二担持物質を示す。より具体的に、第二担持物質がセレンの場合、NaSeO、(NHSeOなどを適用でき、硫黄の場合、NaSO、(NHSOなどを適用でき、ヒ素の場合、NaAsO、(NHAsOなどを適用できる。
本発明の実施形態に係る有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法は、酸化チタンを含む担体に、セレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を含む前記第二担持物質を担持させた後に、白金を含む前記第一担持金属を担持させることが好ましい。これにより、白金を含む第一担持金属の分散性が増して粒子径が小さくなる。その結果、有機ハイドライド用脱水素触媒の活性が更に向上する。
次に、実施例により本発明の一態様の効果を更に具体的に説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性および効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明はこの一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
なお、本発明における高活性とは、反応時間が5minの時および30minの時の平均転化率が、同じ種類の担体および金属の組み合わせからなる触媒と比較して同等以上である状態と定義した。なお、同じ種類の担体とは、酸化チタンの結晶構造が同じであり、担体の結晶構造が2種以上の場合、結晶構造の比率も同じであることを意味する。また、同じ種類の金属とは、第一担持金属が同じであることを意味する。
また、本発明における高耐久性とは、反応時間が240minの時の転化率に対する5minの時および30minの時の平均転化率の比である(240min転化率)/(5minおよび30min平均転化率)が0.9以上である状態と定義した。
(本発明による触媒の活性評価)
酸化チタンの結晶構造にはルチル型とアナターゼ型およびブルッカイト型がある。これらのうち実用に供せられるのはルチル型およびアナターゼ型であり、それぞれ異なる特徴を持つ。しかしながらメチルシクロヘキサンの脱水素用触媒にどちらがより適しているかは未だ確立されていない。
そこで、ルチル型およびアナターゼ型酸化チタンを担体に用い、酸化チタンの結晶構造の違いが白金を担持した酸化チタン担体触媒(以下、Pt/TiO系触媒とする)の活性に及ぼす影響を明らかにした上で、Pt/TiO系触媒にセレン、硫黄、ヒ素のうち、1種又は2種以上を担持した触媒の活性を評価した。
(酸化チタン担体の選定)
酸化チタン担体には市販品、もしくは独自で調製した、アナターゼ型単独、ルチル型単独、アナターゼ・ルチル混合型のもの、もしくは触媒学会の参照触媒であるJRC-TIO-16を用いた。市販品および参照触媒の一覧を表1に示した。
(触媒調製)
<触媒No.1~4>
触媒No.1~4を、下記の含浸法によって調製した。
白金源にはジニトロジアンミン白金硝酸溶液を用いた。ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に表1の酸化チタン担体を含浸した後、乾燥させた。その後、水素気流中で、450℃、2時間焼成を行って触媒No.1~4を得た。
<触媒No.5~7>
触媒No.5~7を、アルコキシド法を用いて酸化チタン担体のみ調製し、その後白金を含浸担持して調製した。触媒No.5の焼成温度は550℃とした。また、触媒No.6及び7の焼成温度は700℃とした。
<触媒No.8~12>
触媒No.8~12を、酸化チタン担体に白金及びセレンを担持して調製した。触媒No.8~10は、触媒No.1~4と同様の手順で酸化チタン担体に白金を担持させ、その後得られた触媒をセレン酸ナトリウム水溶液に含浸して蒸発、乾燥、焼成して調製した。触媒No.11及び12は、酸化チタン担体をセレン酸ナトリウム水溶液に含浸してセレンを担持させ、次に、得られた触媒をジニトロジアンミン白金硝酸溶液に含浸して蒸発、乾燥、焼成して調製した。
触媒No.8、触媒No.9、触媒No.10、触媒No.11、及び触媒No.12の焼成温度は400℃とした。
含浸法及びアルコキシド法によって調製した触媒の一覧を表2に示す。なお、白金粒子径はH化学吸着法により算出し、アルコキシド法で調製した酸化チタン担体の結晶構造はX線回折法により同定した。
また、後に記載する表2と表3に示すように上述の触媒No.1~12とは別に以下の触媒を作成し、後述する試験に供した。
<他の触媒>
触媒No.1’は触媒1と同じ条件で調整した触媒、触媒No.4’は触媒4と同じ条件で調整した触媒、触媒No.9’は触媒9と同じ条件で調整した触媒、触媒No.11’は触媒11と同じ条件で調整した触媒、触媒No.12’は触媒12と同じ条件で調整した触媒である。これらの触媒は、後に説明する他の触媒との対比試験において、対比試験の都度、上述の製造方法と同じ製造方法により作製した比較試験用の触媒である。
触媒No.13は、触媒No.11における第二担持物質であるセレンを硫黄(S)に置き換えた触媒であり、触媒No.14は、触媒No.11における第二担持物質であるセレンをヒ素(As)に置き換えた触媒である。
触媒No.15~18は、触媒No.11のセレン担持について白金の担持後に行って製造した触媒である。触媒No.15はセレン/白金のモル比(M/Pt)を0.005に、触媒No.16はセレン/白金のモル比(M/Pt)を0.01に、触媒No.17はセレン/白金のモル比(M/Pt)を0.02に、触媒No.18はセレン/白金のモル比(M/Pt)を0.2とした触媒である。
触媒No.19は、触媒No.12のセレンを硫黄に置き換えた試料、触媒No.20は、触媒No.12におけるセレンの担持順序を入れ替えた触媒、触媒No.21は、触媒No.12におけるセレンを硫黄に置き換えつつ担持順序を入れ替えた触媒である。それぞれの触媒におけるモル比(M/Pt)は表2、表3に記載した。
触媒No.22は、触媒No.9のセレンを硫黄に置き換えた触媒、触媒No.23は、触媒No.10のセレン量を0.2に増量した触媒である。
触媒No.24は、前駆体の影響を見るために第二担持物質としてセレンを用、触媒No.11のNa塩前駆体に換えてNH塩前駆体を用いた触媒、触媒No.25は、第二担持物質として硫黄を用いた触媒No.13のNa塩前駆体に換えてNH塩前駆体を用いた触媒である。
触媒No.13、触媒No.14、触媒No.15、触媒No.16、触媒No.17、触媒No.18、触媒No.19、触媒No.20、触媒No.21、触媒No.22、触媒No.23、触媒No.24、及び触媒No.25の焼成温度は450℃である。
Figure 2022034544000002
Figure 2022034544000003
Figure 2022034544000004
(酸化チタン担体の結晶構造の影響)
調製した触媒No.1~25は、前処理として水素還元(17%-H、35ml/min、350℃、1h)され、固定床型流通式反応器を用いてメチルシクロヘキサン脱水素反応に供された。
実験手順は下記に示すとおりである。メチルシクロヘキサンを、キャリアーガスであるNと共に、攪拌したオイルバス内で気化させ、原料ガスを調整した。原料ガスを、電気炉内に設置した触媒層に流通させ、反応させた。反応後のガスはTCD(熱伝導度検出器)およびFID(水素炎イオン化型検出器)-ガスクロマトグラフィを用いて成分分析を行った。
触媒充填量は白金量で300μgとした。原料ガスの流量は40ml/min(うち、MCH2.0%、W/F=16.8g・min/mol)、反応温度は280℃とした。なお、実験において、検出された生成物はトルエンのみで、副生物は確認されなかった。
触媒No.1、2、3及びNo.4の活性の比較を図1及び表4に示す。触媒No.1は活性が急速に低下したが、触媒No.2、3及びNo.4は活性低下が緩やかであった。
触媒No.2、3及びNo.4の白金粒子径を調べると、触媒No.4は2.0nmと小さかったが、それ以外の触媒については白金粒子径と転化率との間にあまり相関が見られなかった。しかしながら触媒No.2及びNo.3はいずれもルチル型の酸化チタン担体であることから、酸化チタン担体の結晶構造が触媒の活性に何らかの影響を及ぼしている可能性が示唆された。
そこで、結晶構造の違いによる活性の差を調べるために、酸化チタン担体をアルコキシド法にて調製し、焼成温度を変更することで結晶構造を調整した上で、含浸法により白金を担持した触媒No.5~No.7の活性を比較した。
図2にX線回折法による酸化チタン担体の結晶構造の分析結果を示す。焼成温度が比較的低い触媒No.5はアナターゼ型、焼成温度が比較的高い触媒No.6、7はルチル型であることが分かった。
活性比較の結果を図3及び表5に示す。触媒No.5は、初期活性は比較的高かったものの、時間が経つにつれて転化率は徐々に低下した。触媒No.6は白金粒子径が最も大きく低活性であったが、No.7は初期活性も高く、かつ、活性低下も緩やかであった。 したがって、前述の結果により、ルチル型酸化チタン担体に白金を担持した触媒はメチルシクロヘキサン脱水素反応において、アナターゼ型酸化チタン担体に白金を担持した触媒よりも良好な活性および耐久性を持つことが示された。
Figure 2022034544000005
Figure 2022034544000006
(セレンの添加効果)
次にPt/TiO系触媒へのセレン添加の効果を調べた。まず、アナターゼ型酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒にセレンを少量添加し、白金粒子径と転化率を比較した(触媒No.4、8、9、10)。
表2に示すように、H吸着量から得られた見かけの白金粒子径は、セレンの添加により大きくなる傾向にあることが分かった。
図4及び表6に示すように、触媒の反応結果を見ると、白金に対しておおよそ0.01モル倍のセレンを添加した触媒No.9は、白金の表面積は小さくなったにもかかわらず、セレンを添加しない触媒No.4に比べて転化率がおよそ20~30%高くなった。
したがって、アナターゼ型酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒へセレンを添加すると活性の向上に大きく寄与し、高活性化することが示された。さらに、反応時間が経過しても高活性が維持されたことから、高耐久性を有することも示された。
Figure 2022034544000007
図5及び表2、表3、表7に示すように、アナターゼ型(ST-01)TiOの担体にPtを担持させた後、Se/Pt=0.2となるようにSeを担持させた触媒No.23は、触媒No.4’に比較し、活性が低下した。図5に示す触媒No.9’は良好な転化率を示している。図4に示す触媒No.9が良好な転化率を示す結果と合わせてSe/Pt=0.01が最適なSe担持量であることが示された。
Figure 2022034544000008
図6及び表2、表3、表7に示すように、アナターゼ型(ST-01)TiOの担体にPtを担持させた後、Seで最もよかった担持量M/Pt=0.01となるようにS(硫黄)を担持させた触媒No.22は却って活性が低下し、転化率が低下した。
次に、ルチル型酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒にセレンを添加し(触媒No.11)、セレンを添加していない触媒No.2と比較した。
図7及び表2、表8に示すように、酸化チタンに先にセレンを含浸担持し、その後で白金を担持した触媒No.11は、セレンを添加しない触媒No.2に比べて著しく高い活性を示し、転化率はほぼ平衡値(EQUILIBRIUM)に近い値まで到達することが分かった。
したがって、ルチル型酸化チタンを担体とし、セレンを先行担持したPt/TiO系触媒は活性が大きく向上することが明らかになった。また、反応時間が経過しても高活性が維持されたことから、高耐久性を有することも示された。
白金粒子径は、酸化チタン担体上に担持された時は6.1nmであったが(触媒No.2)、Se/TiO上に担持されると3.5nmと小さくなったことから、担体上のセレンが白金の分散性を高めた可能性がある。また、セレン添加によって活性が向上したことにより、白金とセレンの界面が新たな活性点となっている可能性が考えられる。
Figure 2022034544000009
硫黄とヒ素を第二担持物質として用いた触媒について、活性を評価した。
表2に示すように、ルチル型酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒にセレンを添加した触媒No.11に対し、セレンを硫黄に置き換えた触媒No.13、14を用いて活性の評価を行った。また、触媒No.2と対比し、触媒No.11’と対比した。
図8及び表9に示すように、セレンを硫黄あるいはヒ素と置換しても触媒は高活性を示した。また、触媒No.2との対比から、触媒No.11’、13、14は、高耐久性を示した。
Figure 2022034544000010
表2に示すように、アナターゼ及びルチルの混合型酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒にセレンを添加した触媒No.12と、セレンを添加していない触媒No.1を比較した。
図9及び表10に示すように、アナターゼ及びルチル混合型の酸化チタンを担体とした場合でも、セレンの添加によって触媒の活性を向上させることが明らかになった。
Figure 2022034544000011
以上により、メチルシクロヘキサン脱水素反応においては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンもしくはアナターゼ及びルチルの混合型酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒へセレンを添加した触媒は、高活性および高耐久性を示した。さらに、ルチル型酸化チタンを担体とした場合においては、セレンの先行担持によりその触媒の活性を平衡値近傍まで高めることが明らかとなった。
また、第二担持物質としてセレンの代わりに硫黄あるいはヒ素を用いても、同様に、高活性と高耐久性を示す触媒を得られることが明らかになった。
ルチルとアナターゼ混合型P25を担体としたPt/TiO系触媒にセレンに換えて硫黄を担持させた触媒の活性について評価した。
反応温度は280℃、W/F=16.8g・min/mol、ガス流量49mL/min(MCH:2.0%)触媒充填量300μg(asPt)の条件とした。なお、この条件は以下に記載する活性評価の場合の共有条件としている。
表3に示すように、触媒No.12’のセレンを硫黄に置き換えた触媒No.19を作製し、触媒No.1'と比較した結果を図10及び表11に示す。
Figure 2022034544000012
ルチルとアナターゼ混合型P25のTiOにSeを担持させた後にPtを担持させると、Ptのみ担持した触媒No.1’に比べ、活性も安定性も大きく向上した。
同じTiOにSeの代わりにSを担持させた触媒No.19は、Ptのみ担持した触媒No.1’に比べ、初期活性が低いものの、安定性が向上しており、時間経過とともに劣化するPtのみ担持した触媒の活性を上回る結果となった。
表2に示す触媒No.12のセレン担持順序を入れ替えた表3に示す触媒No.20と、セレンを硫黄に置き換えつつ硫黄の担持順序を入れ替えた表3に示す触媒No.21を作製した。これらの触媒と触媒No.1'の活性を比較評価した結果を図11及び表11に示す。
ルチルとアナターゼ混合型P25のTiOにPtを担持させた後、Seを担持させた触媒No.20は、活性も安定性も向上したが、Ptの前にSeを担持させた図10に示す触媒No.19ほどの効果はなかった。
同じTiOにSeの代わりにSを担持させた場合、Seほどの効果は得られなかったものの、活性も安定性もPtのみ担持した触媒No.1’より向上した。
酸化チタンを担体としたPt/TiO系触媒にセレンを担持させる場合、担持順序の影響を調べた。
表3に示す触媒No.15~18は、表2に示す触媒No.11のセレン担持について白金の担持後に行って製造した触媒であり、それぞれセレン/白金のモル比が異なる触媒である。
図12と表12に触媒No.15、16と触媒No.2の評価結果を示し、図13と表13に触媒No.17、18と触媒No.2の評価結果を示す。
Figure 2022034544000013
Figure 2022034544000014
ルチル型STR-100NのTiO系触媒にPtを担持させた後、Seを担持させると図12に示すように、却って活性は低下した。図13に示す結果と合わせてSe担持量を振ってもPtのみ担持触媒より低活性となった。このことから、ルチル型TiO系触媒に対しては、Ptより前にSeを担持しなければ、良好な活性が得られないことがわかる。
(前駆体の影響)
前駆体の影響を見るために、表2に示す触媒No.11のNa塩前駆体に換えてNH塩前駆体を用いた表3に示す触媒No.24を作製した。また、第二担持物質として硫黄を用いた表2に示す触媒No.13のNa塩前駆体に換えてNH塩前駆体を用いた表3に示す触媒No.25を作製した。
触媒No.24は、表3に示すように前駆体として(NHSeOを用い、触媒No.25は、前駆体として(NHSOを用いた。
触媒No.24、25の活性評価結果を図14、図15と表14に示す。図14には、触媒No.2と触媒No.11’の活性評価結果を併記し、図15には、触媒No.2と触媒No.13の活性評価結果を併記した。
Figure 2022034544000015
図14に示すように、触媒No.11’と24の比較から、ルチル型STR-100NのTiO系の担体にPtを担持させる前にSeあるいはSを担持させる際、SeはNH塩「(NHSeO」の形態でもNa塩「NaSeO」の形態の前駆体でもSe添加の効果が得られ、良好な活性が得られた。
これらに対し、Sを担持させる場合、図15に示す触媒No.13、25の比較から、Na塩「NaSO」の形態の前駆体でも効果は出るが、NH塩「(NHSO」の前駆体を使うと(触媒No.25)、活性向上の面でなお良いことが分かった。
以上のことから、本発明によれば、高活性かつ高耐久性を有しながら安価で製造可能な有機ハイドライド用脱水素触媒及び有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 酸化チタンを含む担体と、
    前記担体に担持された白金を含む第一担持金属と、
    前記担体に担持されたセレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む第二担持物質と、を含むことを特徴とする有機ハイドライド用脱水素触媒。
  2. 酸化チタンの結晶構造がルチル型である、請求項1に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
  3. 前記第一担持金属における白金の担持量は、前記担体と前記第一担持金属との合計100質量部に対して0.1~5.0質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
  4. 前記第一担持金属における白金に対する前記第二担持物質のモル比が0.001~1.0であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
  5. 前記第一担持金属における白金は粒子であり、粒子径が0.1~20nmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
  6. 前記第一担持金属および前記第二担持物質がレニウムを含まないことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法であって、
    酸化チタンを含む担体に、白金を含む第一担持金属を担持させる工程と、
    酸化チタンを含む前記担体に、セレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む第二担持物質を担持させる工程と、を含むことを特徴とする有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法。
  8. 酸化チタンを含む前記担体に、セレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む前記第二担持物質を担持させる工程において、NaMO、または(NHMOの何れかの形態の前駆体を形成することを特徴とする請求項7に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法。ここで、Mは第二担持物質であり、xは自然数である。
  9. 酸化チタンを含む前記担体に、セレン、硫黄、ヒ素の何れか1種又は2種以上を含む前記第二担持物質を担持させた後に、白金を含む前記第一担持金属を担持させることを特徴とする請求項7または8に記載の有機ハイドライド用脱水素触媒の製造方法。
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