JP2022032025A - 炉心溶融事故を軽減するための専用の安全装置を含む一体型高速中性子原子炉 - Google Patents

炉心溶融事故を軽減するための専用の安全装置を含む一体型高速中性子原子炉 Download PDF

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Abstract

【課題】完全炉心溶融事故の場合のFNR-Na原子炉の炉心の挙動を改善する。【解決手段】本発明の主な対象は一体型高速中性子原子炉であり、当該原子炉は、炉心および一次ポンプ含む一体型一次回路を含むメインタンクと、中間熱交換器および余剰エネルギーを排出するための熱交換器と、熱伝達流体をホットコレクター(12)とコールドコレクターとに分離するレダンとを含み、炉心は、移送管(40)と、ダイアグリッド(30)およびストロングバック(31)を貫通して配置されタンクの底部に開口する貫通管(42)とを含む、炉心溶融事故の軽減専用の少なくとも一つの基本安全装置(45)から構成される安全装置を含み、移送管(40)は、一つ以上の注入ノズルと、炉心溶融事故の場合に貫通速度を高めるための薄肉ゾーンとを備え、溶融燃料を回収するための装置(41)はタンクの底部に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、高速中性子原子炉(FNR)の分野に関し、特に、一体型の原子炉に関する。そうした原子炉は、典型的には、液体金属の形態の伝熱流体、より具体的にはナトリウムによって冷却することができる。したがって、これはナトリウム冷却高速中性子原子炉(FNR‐Na)またはSodium-cooled Fast ReactorにちなんでSFR型原子炉と呼ばれる。このタイプのナトリウム冷却高速中性子原子炉は、「第4世代」原子炉のファミリーの一部である。
したがって、本発明は、炉心溶融事故を軽減するための専用の安全装置を含む一体型高速中性子原子炉を提案する。
高速中性子原子炉の動作原理は、ここ数年で知られるようになった。したがって、高速中性子原子炉は、熱中性子(その運動エネルギーが0.025eV未満である)とは対照的に、高速中性子(その運動エネルギーが0.907MeVより大きい)を使用する原子炉である。また、従来の原子炉とは異なり、高速中性子原子炉の炉心は減速がなされない (中性子の減速や熱化はない)。
さらに、その他の技術が研究されてきたが、高速中性子原子炉の大多数は、それが特に高い沸点を有するために液体ナトリウムを冷却材として使用している。
ナトリウム冷却型原子炉は、通常、その中に炉心が設置されるタンクを含み、炉心の上に炉心制御プラグが存在する。炉心は、一般に増殖器集合体に囲まれた、かなりの数の燃料集合体と、使用済み燃料集合体を含む内部貯蔵ゾーンと、中性子シールドとして機能する反射体および吸収材集合体とで構成されている。熱の抽出は、ポンプシステムを介して炉心にナトリウムを循環させることによって行われる。この熱は、蒸気発生器(VG)内で水蒸気を生成するために使用される前に、一つ以上の中間交換器(IE)を介して中間回路に伝達される。この蒸気は、その後、タービンを通過して機械的エネルギーに変換され、これが今度は電気エネルギーに変換される。
中間回路にはナトリウムが含まれている。蒸気発生器の管が破裂した場合に発生する可能性のあるナトリウムと水蒸気との間の激しい反応のため、この回路の目的は、蒸気発生器内に含まれる水蒸気から(タンク内の)一次ナトリウムを絶縁することである。このアーキテクチャは二つのナトリウム回路を明るみに出す。一つは一次と呼ばれ、炉心と中間熱交換器との間で熱を伝達する役割を担い、もう一つは二次と呼ばれ、中間交換器から蒸気発生器に熱を伝達する役割を担う。
全てのナトリウム原子炉には共通の技術的特徴がある。一次ナトリウムが外気と接触しないようにタンクは屋根スラブで密閉されている。全てのコンポーネント(交換器、ポンプ、パイプなど)は、それらを持ち上げ装置で垂直に持ち上げることで分解できるようにするために、このスラブを垂直に通過する。このスラブの通路孔の寸法は、コンポーネントのサイズおよび数に依存する。(寸法および数に関して)孔が大きいほど、タンクの直径は大きくなる。
一次回路は、二つの主要なファミリーに従って配置することができる。したがって、高速中性子原子炉には「一体型」の原子炉と、「ループ型」の原子炉とが存在する。本発明は、好ましくは、一体型の高速中性子原子炉に関するものであることに注意すべきである。
ループ型原子炉の特徴は、中間交換器と一次ナトリウムを圧送するための装置とがタンクの外側に置かれていることである。図1は、軸方向の断面で、「ループ型」ナトリウム冷却高速中性子原子炉の設計原理を示している。
図1のループ型原子炉Rでは、ナトリウムが炉心1を通過して、生成された熱を運び去る。炉心1の出口で、それは原子炉Rのタンク3のゾーン2に入る。このゾーン2は、通常、「ホットコレクター」と呼ばれる。ループを介して、パイプ4がホットコレクター 2内に延びており、一次ナトリウムを吸い上げ、このナトリウムを図には示されていない中間交換器に導き、そこで熱を二次ナトリウムに渡する。中間交換器の出口では、一次ナトリウムがポンプに取り込まれ、パイプ5を介して炉心の入口に直接送られる。
ループ設計の主な利点は、所与の出力に関して、コンポーネントが少ないために、一体型原子炉のそれよりも小さな直径のタンクが得られることである。したがって、タンクは製造が容易であり、したがってコストがかからない。だが、ループの概念には、一次ナトリウムがタンクから排出されるという欠点がある。これは、一次回路のアーキテクチャの観点からより複雑であり、重大な安全上の問題を提起する。したがって、サイズの縮小とタンクの製造の容易化に関連する利益は、ループの設計に関連する装置、そして一次ナトリウムの生じ得る漏れを管理するための特別な手段の追加によって生じる追加のコストによって相殺される。
一体型概念の原子炉に関しては、中間交換器と一次ナトリウムを圧送する手段とがタンク内に配置されているという特徴があり、これによって、一次回路がタンクから出ることを回避することができ、したがって安全性の観点からループを備える解決策のファミリーに関して、この解決策のファミリーの重要な利点を構成する。図2は、「一体型」ナトリウム冷却高速中性子原子炉の設計原理を軸方向の断面で示している。
図2の一体型原子炉では、ナトリウムは炉心11を通過して、生成された熱を運び去る。炉心11の出口で、それは、屋根スラブ24によって密閉された原子炉のタンク13のゾーン12に入る。このゾーン12は、通常、「ホットコレクター」と呼ばれる。このホットコレクター12は、「レダン」と呼ばれる全体的に円筒円錐形の壁15によって、「コールドコレクター」と呼ばれる別のゾーン14から分離されている。図には示されていない管束で構成される中間交換器16はレダン15を通過する。一次ナトリウムは、ホットコレクター12に置かれた入口ウィンドウ17を介して中間交換器16に入る。管に沿って移動する間に、それはその熱を二次ナトリウムに与え、低温交換器14内に置かれた中間交換器16の下部にあるウィンドウ18によって中間交換器16を出る。二次ナトリウムはパイプ28によって中間交換器16に入り、パイプ29によってそこから出る。コールドコレクター14において、ナトリウムはポンプ装置19によって取り込まれ、アセンブリに供給するために使用されるダイアグリッド30を介して炉心11の入口に直接送り返される。ダイアグリッド30は、その中に、アセンブリ、燃料、増殖器、内部ストレージが取り付けられ、あるいは中性子シールドとして機能する加圧ボックスである。ダイアグリッド30は、ストロングバックと呼ばれる機械的な支持構造体31によって支持されている。
中間交換器16内のナトリウムの循環は、ホットコレクター12とコールドコレクター14との間で重力によって行われる。中間交換器16の寸法および幾何学的なかさのために、二つのコレクター間のこのナトリウム推進ヘッドは、ホットコレクター12のレベル20とコールドコレクター14のレベル21の差に対応する約2mに設定されている。最大効率の理由から、レダン15、中間交換器16およびポンプ手段を通過するコンポーネントは、一次ナトリウムによる中間交換器16のバイパスを回避するために、これらの通路22および23に可能な限り多くのシーリングを有している必要がある。
レダン15は、このタイプの原子炉の必須コンポーネントである。大きなコンポーネント(中間交換器およびポンプ)は、レダン15の下部にある円錐部分を通過している。円筒部分は、レダン15の上部にある垂直シュラウドである。レダン15は、以下の理由から、すなわち約15メートルのその形状およびサイズ、それが二つのコレクター間で受ける圧力の差(約2メートルのナトリウムコラム)、ホットコレクターとコールドコレクターとの間の温度差によって引き起こされる熱機械的応力(現在の原子炉では約150°C)、中間交換器および圧送システムによるレダン15をその円錐部分において通過する通路でのシーリング応力から、設計が困難である、一般に機械溶接によって製造されるスチール製の部品である。中間交換器16のバイパスを避けなければならないので、レダン15は密封されなければならず、シーリングシステムは、その保守のためにコンポーネントの分解が可能でなければならない。しかしながら、レダン15を介した熱漏れと組み合わされたアセンブリでのわずかなバイパスは、ホットコレクター12の底部における低温流体の存在につながり、これは、構造体に沿って運ばれ、フロースレッドの不安定化によってそれに熱機械的応力を引き起こす。
実際、レダンの設計は一度決めてしまうと、後からそれを簡単に修正することはできない。さらに、通常の運転に加えて、原子炉の設計者は、原子炉の停止の状況を考慮に入れなければならない。したがって、全ての原子炉には、炉心の残留エネルギーを排出するための利用可能なシステムがなければならない(フランスにおいてEPuR)。この残留エネルギーは、原子炉が作動させられた際、核反応中に生成された核分裂生成物の放射性崩壊に由来する。安全上の理由と、可能な限り最大の冗長性を確保するために、これらの回路は、原子炉が作動させられているときに熱エネルギーを排出するための通常の回路とは、できる限り異なっている必要がある。つまり蒸気発生器を使用してはならない。残留エネルギーを排出するためのシステムの全体的なアーキテクチャはさらに原子炉の通常運転に適合していなければならない。一般に、これらの残留エネルギーを排出する手段は、原子炉が停止させられたときにのみ作動させられる。
ほとんどの実施形態またはプロジェクトに共通の残留エネルギーを排出する手段は、残留エネルギーを排出する機能に特化した、いくつかの特定の交換器からなる。これらの交換器25(図2参照)は垂直で、屋根スラブ24を通過する。その使命のために、これらの交換器25は中間熱交換器16よりもサイズが小さくなっている。効率的であるために、特に圧送手段19が故障した場合、一次ナトリウムは、残留エネルギーを排出するために、炉心11と交換器25との間の自然対流によって循環できなければならない。
一般に、自然対流の信頼性と有効性には、次の推奨事項を尊重しながら得られる可能な限り最も単純な流体経路の確定を必要とする。すなわち、熱源(ここでは原子炉の炉心) は下部に配置する必要がある。低温源(ここでは残留エネルギーを排出する専用の交換器)は上部に配置する必要がある。熱源の出口と低温源の入口との間に位置するホットコラムを形成する流体経路は可能な限り単調でなければならない(非単調な高度変化はない。高温ナトリウムは常に上昇している必要がある)。低温源の出口と熱源の入口との間に位置するコールドコラムを形成する流体経路は可能な限り単調でなければならない(非単調な高度変化はない。冷ナトリウムは常に下降している必要がある)。二つのコラム間での熱伝達流体の混合を避けるために、ホットコラムとコールドコラムとを分離する必要がある。
一体型設計のナトリウム冷却炉では、残留エネルギーの排出専用の交換器がホットコレクターまたはコールドコレクターのいずれかに配置されている。その場所に関係なく、一次ナトリウムの流体経路は、ホットおよび/またはコールドコラムでの高度変化を伴って中間交換器を通過するため、自然対流の流体性能が低下する。したがって、図2では、残留エネルギーを排出するための交換器26がホットコレクター12に配置されている。流体経路は、ホットコラム26およびコールドコラム27から構成されている。ホットコラム26は規則的に上昇しており、高度変化は単調である。しかしながら、コールドコラム27は単調でない高度変化を含む。実際、交換器25の出口でのナトリウムは、ポンプシステム19を通過した後に炉心11に到達するために中間交換器16に入る前に、ホットコレクターの上部に位置する入口ウィンドウ17に向かって戻る必要がある。ホットコレクター12において、ホットコラムとコールドコラムとは物理的に分離されておらず、これは自然対流に関する最適な概念に対応していない。なぜなら、熱交換器25を出る低温ナトリウムが、この同じ交換機に入る高温ナトリウムとホットコレクター内で混合する可能性があるからである。
当業者にとって、考えられる改善の一つは、中間交換器の場合のように、レダンを通過する際に、ホットコレクターとコールドコレクターとの間に、残留エネルギー(EPuR)を排出する専用の交換器を配置することである。これは、通常の運転中に、EPuR 交換器による中間交換器のバイパスを形成し、原子炉の通常の運転の性能を低下させることを意味するために行われない。したがって、熱を排出するための回路には固有の技術的矛盾があり、通常の状況での動作を最適化する技術的解決策は、残留エネルギーの排出状況での動作を低下させ、逆もまた同様である。
一体型の概念を持つ原子炉の最後の欠点は、その内部にその正しい動作に必要な全てのコンポーネントを配置するという制約に関連している。したがって、タンクはループ原子炉よりもサイズが大きく、レダンはポンプおよび交換器の通路によって大きな負担がかかる。これは、交換器による残留エネルギーの排出状況中に自然対流による動作を優先するために、レダンに追加できる受動装置の寸法を制限する結果となる。
上述したように、高速中性子原子炉は全炉心溶融事故を起こす可能性がある。したがって、このような炉心溶融事故の影響を軽減するために、これらの原子炉のための軽減安全手順が存在する。
したがって、炉心溶融事故の状況を考慮することは、そのような事故の結果を制限するための軽減装置の存在によって、原子炉の設計に統合されている。炉心が物理的に劣化した場合の反応度過渡現象の軽減は、コリウムキャッチャーに関連付けられた、劣化した燃料用の抽出装置、特に移送管を追加することによって実行される。
これら二つの装置の目的は複数ある。事故の初期には、燃料および溶融した構造材料、すなわちコリウムは、移送管を利用して、核分裂性炉心の領域外に短期間(約数秒間)移動する。したがって、コリウムのこの移動は、中性子束のゾーンから下方に導かれる。炉心の大規模な圧縮により再臨界の大きな可能性がある大規模な湯(溶融金属)の形成前にコリウムを抽出する必要があるため、コリウムの排出の動特性は重要な要素である。
第2の目的は、他の集合体への、あるいは使用済み燃料集合体を含む炉心周辺のゾーンである内部ストレージへの溶融の伝播を引き起こさないように、炉心の劣化領域を半径方向に制限することである。
さらに、第3の目的は、炉心の下の一次タンクの底部にあるキャッチャープレート上にコリウムを長時間、または数分以上のオーダーで移動させることである。キャッチャーは、コリウムの拡散による臨界のリスクを低減し、コリウムの冷却および閉じ込めも可能にする。
実際には、上述した目的を達成するために通常選択される構造的配置は、コリウムを抽出して回収するための特定の装置の炉心への実装である。これらの装置は、移送管を介したコリウムの排出の原理を示す図3に示すように、コリウムキャッチャー41に関連付けられた、炉心11の核分裂性ゾーンZFから来るコリウムCを移送するための管40である。炉心11はいくつかの移送管40を含み、そのレイアウトはコリウムの排出のために最適化されている。
炉心11が完全に溶融する事故の場合、これらの管40は、溶融した炉心をタンク13の底部にあるコリウムキャッチャー41に迅速に降ろすことを可能にしなければならない。これらの安全装置は炉心溶融事故の軽減機能しか持たず、原子炉の他の運転状況においては可能な限りトランスペアレントでなければならない。
構造上の観点から、移送管40は中空構造であり、コリウムがダイアグリッド30およびストロングバック31を通って流れるためのチャネルを提供する。
炉心溶融事故時の運転に関連して、いくつかの問題が発生している。実際、イニシエーターが炉心溶融事故の状況を引き起こしているにもかかわらず、燃料集合体は、燃料の溶融後に少なくとも一つのピンの劣化を経験する(燃料集合体は、通常、ナトリウムの供給のためのベース、六角管(HT)内のピンのバンドル、ピンを固定するための部品、上部中性子シールド(UNS)および保持ヘッドを備える)。スチール製のピンの構造体(クラッディング、ワイヤ、プラグ)はすぐに溶け、第1の閉じ込めバリア、すなわちクラッディングのシーリングが失われる。欠陥は、集合体の規模で燃料ピンのバンドル全体に急速に広がる。燃料と溶融した構造材料からなる約2700℃のコリウムは、厚さ4~5mmのスチール製の六角形管の内壁に接触し、数秒でそれを溶かして通過する。したがって、コリウム湯は炉心内で他の燃料集合体に伝播し、完全な溶融事故につながる。
移送管は、炉心内のコリウムに外接して、その半径方向の伝播を制限することを可能にする。各移送管は溶融して、中性子束のゾーンから重力によって内部を流れるコリウムへの排出経路を開くことを目的としており、これは反応度の低下に寄与する。したがって、コリウムの軌道は、ダイアグリッドを、続いてストロングバックを通り、タンクの底部にあるコリウムキャッチャープレートと整列して垂直に到達する。
事故シーケンスの観点から、事故の結果を制限するために、フラックスゾーンからのコリウムの排出が十分に迅速に行われることが重要である。キャッチャーへのコリウムの正しい軌道を可能とするためには、移送管内に存在する障害物を制限することもまた必要である。
原子炉の通常運転に関連して、いくつかの問題も発生している。実際、コリウムの移送用の管は炉心溶融事故時にのみ機能する必要があるため、それらは原子炉の通常運転中は可能な限りトランスペアレントでなければならない。特に、それらは、機械的挙動、中性子挙動および熱流体的挙動の点で動作に影響を与えてはならない。
機械的な観点から見ると、コリウムを移送するための管は、他のアセンブリと同様に、製造、輸送、保守、照射などのさまざまなライフステージ中に機械的ストレスにさらされる炉心の構造体である。さらに、移送管の機械的構造体は照射を受け、したがって燃料集合体と同じくらい高い損傷を受ける(100dpaまで)。移送管の構造体が抵抗しなければならない主要な機械的負荷は炉心内のアセンブリ間の接触応力である。これらは、六角形管に圧縮、曲げ、ねじれの力として現れ、通常の動作中および地震時に発生する。
中性子の観点からは、移送管は核分裂性炉心内に配置される中空構造体である。炉心の中性子性能に対する、これらの潜在的に空の要素の存在の影響は許容できるものでなければならない。これは、特に、核分裂性体積の減少による炉心の臨界の基準および炉心内の「ホール」の存在による出力分布の平坦化を意味する。
熱流体の観点から、提示された移送管の概念は、ホットコレクターをコールドコレクターに直接接続することにつながってはならない。したがって、これらの二者間の約150 ミリバールの圧力差により、過圧にさらされたホットコレクターから来る、管の内部でコールドコレクターに向かって下降する高温のナトリウムの流れが生じる。しかしながら、低温ナトリウム(400°C)内に置かれた構造体(ダイアグリッド、ストロングバックなど)に高温のナトリウム(550°C)を注入することは、機械的強度および劣化の観点から望ましくない(温度勾配によって熱機械的応力が生じる)。特に、上記構造体に関してプラントの耐用年数と等しい耐用年数を正当化できることが必要である。さらに、ホットコレクター内のナトリウムの自由表面が、ホットコレクター内でのガス放出の主な原因の一つであることが知られている。これらの気泡は、高温の影響により高温のコレクターのナトリウムに溶解し、このガスが低温のコレクターに通過すると、このガスが核を再生成(核生成現象)しかつ気泡を再形成するリスクがある。しかしながら、ガスがアセンブリ内に侵入するリスク、燃料ピンの冷却の失敗や出力変動のリスクにつながる可能性がある現象を回避するために、コールドコレクター内のガスの存在を制限する必要がある。要約すると、移送管は、構造体の機械的損傷を制限したり、コールドコレクター内のガスの放出を促進したりするために、コレクター間でのナトリウム注入を生じてはならない。
その結果、次の要件と制約機能が現れる。炉心溶融事故のシーケンスでは、中性子束のゾーンからコリウムを迅速に排出し、続いてコリウムキャッチャーに移動できるようにする必要がある。原子炉の通常の動作では、ホットコレクターとコールドコレクターとの間にシーリングを確保する必要がある。二つの制約機能は、さまざまなライフステージで機械的負荷に耐えること、そして炉心の中性子性能を低下させないことである。
先行技術に関して、Rapsodie and Phenixと呼ばれるフランスの最初のFNR‐Naは、炉心溶融事故の軽減専用の装置を炉心に備えていなかったと言える。FNR‐Na原子炉の安全性実証は、専用の実験によって、認定されたシミュレーションツールを介して研究された。
FNR‐Na SuperPhenixは、タンクの底部にコリウムキャッチャーを含んでいたが、炉心に軽減装置を含んでいなかった。
チェルノブイリとその後のフクシマの原子力事故の後、安全目標が強化され、新世代の原子炉、つまり第4世代が満たさなければならない一連の要件が創出された。
これらの新しい安全目標により、炉心溶融事故の軽減に特化した特定の装置が炉心に追加され、コリウムをキャッチャーに移送できるようになった。提案された最初のアイデア、つまり炉心に移送管を追加することは、ホットコレクターとコールドコレクターとの間のバイパスという熱流体問題を引き起こしたため、完全に満足のいくものではなかった。
完全にまたは部分的に閉鎖された移送管の提案についても同じことが言える。なぜなら、それらはコレクター間のシーリングの要件を満たしているが、炉心内でのガスの放出を助長し(上部を閉鎖すると移送管内のガス蓄積のリスクにつながる可能性がある)、あるいはコリウムの流れをブロックする(下部での「可融性」閉鎖の場合)危険性があるからである。実際、可融膜を備えた装置は、一連の炉心溶融事故の際の溶融の信頼性にリスクがあり、シミュレーションや適格性確認の難しさが積み上がっている。
さらに、特許文献1ないし4は、炉心溶融事故を軽減するための装置、特にコリウムの移送専用の装置を提案している。
例えば、特許文献1は、炉心溶融事故の軽減において役割を果たす吸収アセンブリ(制御棒)の概念に関する。六角形管には、隣接する燃料集合体によって画定される集合体間の空間に通じる開口が設けられている。アセンブリのベースもこのアセンブリ間の空間に開口し、したがって、通常の運転中に吸収棒を冷却することができる。ベースはその端が閉じている。燃料ピン溶融事故の際、コリウムは燃料集合体の六角管を溶融し、集合体間空間に侵入する。それは、続いて、重力によって吸収アセンブリのベースに流れ、そこで貯蔵される。この出願は、中性子束のゾーンからのコリウムの移動と反応性の低下を強調している。しかしながら、集合体間空間の小さな断面でコリウムの進行を大幅に遅らせることができるという事実に加えて、この概念は、コリウムを炉心の下に位置するキャッチャーに移送するための装置ではない。
さらに、特許文献2は、炉心溶融事故中のコリウムの排出および回収の機能を有する燃料集合体およびFNR原子炉の概念に関する。このアセンブリには、燃料ピンの下の部分に中実体が含まれており、この中実体には、アセンブリの内部にコリウムが存在する一連の炉心溶融事故の際に、六角形管の外側からの冷却を確実にする一連の孔が形成されている。燃料ピンは、炉心溶融事故時の挙動を改善するために変更されている。アセンブリベースの端は閉じられている。ダイアグリッドの下にアセンブリと垂直に配置された、吸収材を入れることができる密閉された容器がコリウムのキャッチャーとして機能する。この出願は、炉心内でのコリウムの再配置と、その後のその排出と、その放射状の非伝播を目的としている。しかしながら、いくつかの不利な点が存在する。すなわち、ベースの端部および容器の上部は可融性の壁であって、これはコリウムと接触すると必ず消滅し、可融性膜を備えた装置は信頼性が不十分であると判断される。加圧ナトリウムの流れが供給される燃料集合体にコリウムを排出する装置を統合した場合、一次ポンプが停止しないとコリウムの適切な流れが妨げられるリスクがある。アセンブリ体の下部が厚くなると、照射廃棄物の量を大幅に増加させ、しかも製造が複雑になる。さらに、一連の孔が運転中の熱流体特性を妨げないことを確認する必要がある。
さらに、日本原子力研究開発機構の(Fuel Assembly with Inner Duct Structureにちなんだ)FAIDUSアセンブリの原理を挙げることができる。したがって、(Core Disruptive Accidentにちなんだ)CDAシナリオで炉心溶融事故の状況の結果を制限するために、(Japanese Sodium-cooled Fast Reactorにちなんだ)JSFR原子炉は、FAIDUSと呼ばれる軽減装置を、その燃料集合体の設計に統合している。反応性に関するその特徴により、CDAからの熱とナトリウムの誘起沸騰により、JSFRアセンブリ内で出力の局所的なピーク(ナトリウムを排出する場合に正の反応性効果)が生じる。このように、JSFRの燃料集合体に統合されたFAIDUS設計は、CDA事象の発生中に過度の圧縮と過度の臨界状態に戻ることを避けるために、液体燃料を迅速に抽出することを目的としている。FAIDUSは特許を取得した概念ではないが、いくつかの国際コミュニケーションの対象であった。
FAIDUSアセンブリには二つの選択肢がある。高度な研究(計算と実験)の対象であった参照解決策は、六角形管の角に配置されたコリウムの流れのための小さなチャネルを提案する。溶融した燃料は、アセンブリで開始された最初の初期出力暴走の原動力(内部圧力)を介して、アセンブリの上部に向かってアンロードされる。JSFR炉心の上部には、放出された核分裂性物質を受け取るキャッチャープレートが存在する。第2の代替案では、コリウムを排出するためのチャネルは燃料ピンの束の中心に置かれる。溶融した燃料は、重力によってアセンブリの底部から排出されることになる。この選択肢は、一方では製造が困難であり、他方ではコリウムを下部構造に移すための技術的制約が大きいために強調されていない。
FAIDUSを介して排出された燃料の量は、炉心の残りの部分で、それ以外のものがその後臨界状態に戻ることを回避するのに十分ではないことに注意されたい。そして、上部位置に残っている吸収制御棒(Control Rod Guiding TubeにちなんでCRGT)の空の構造体を介して燃料をアンロードする第2のシナリオが必要である。さらに、真空発生システムの溶融した燃料がCRGTのベースの通路を塞いでいるため、正しい通路について疑問が生じる。最後に、たとえFAIDUSの概念が炉心の核特性をわずかに乱すという利点を持っていたとしても、加圧ナトリウムの流れが供給される燃料集合体にコリウムを排出するためのチャネルを統合すると、一次ポンプが停止させられない場合には、コリウムの適切な流れを妨げるリスクが生じる。
結論として、FAIDUS燃料集合体の上部から炉心溶融物を排出する方策は、JSFRの炉心の中性子および熱流体特性に依存する。この方策は、別のFNR‐Na炉心に直ちに適用することはできない。
特開平10‐227884号公報 米国特許出願公開第2012/201342号明細書 米国特許出願公開第2019/019585号明細書 仏国特許出願公開第3053827号明細書
本発明の一つの目標は、上述した必要性および先行技術の実施形態に関連する欠点を少なくとも部分的に克服することである。
より正確には、本発明は、全炉心溶融事故の場合のFNR-Na原子炉の炉心の挙動を改善することを目的とする。特に、それは、炉心溶融事故の結果を軽減することを目指している一方で、第2の障壁(原子炉タンク)の完全性と、第3の安全障壁(原子炉建屋とベースプレート)のシーリングを、事故の間に誘発される機械的影響(例えば、溶融した後に気化した物質の蒸気の膨張によって引き起こされるエネルギーの放出)、および事故の間に誘発された熱効果(例えばコリウムによる構造体の浸食)から保護する。本発明は、一般に、住民への放射能放出の限界を尊重し、事故後の安全な状態への復帰を目指している。
したがって、本発明の目的は、その態様の一つによれば、液体金属熱伝達流体によって冷却される一体型高速中性子原子炉であって、
‐熱伝達流体と原子炉の炉心とを含む、保護スラブから吊り下げられたメインタンクであって、炉心はストロングバックによって支持されたダイアグリッドに嵌め込まれた複数の燃料集合体を含むメインタンクと、
‐少なくとも一つの一次ポンプ、通常運転中に炉心によって生成されたエネルギーを排出するための少なくとも一つの中間熱交換器および余剰エネルギーを排出するための少なくとも一つの熱交換器を含む、メインタンクに統合された一次回路と、
‐レダンと呼ばれる内部構造体であって、熱伝達流体を、炉心の出口においてホットコレクターを、そして少なくとも一つの中間交換器の出口においてコールドコレクターを形成する、少なくとも二つのゾーンへと分離する内部構造体と、を含み、
原子炉の炉心は、炉心溶融事故の軽減専用の安全装置をさらに含み、当該安全装置は、溶融燃料をメインタンクの底部においてコールドコレクターに移送するための、炉心の少なくとも一つの燃料集合体の近くに配置された少なくとも一つの基本安全装置から構成され、
上記少なくとも一つの基本安全装置は、ダイアグリッドの第1の開口を経てダイアグリッドに嵌め込まれた、中空で取り外し可能な移送管と、この移送管と流体連通する中空貫通管とを具備し、
貫通管は、第1の開口から、ダイアグリッドとストロングバックとの間に配置された第2の開口までダイアグリッドを通って、かつ、第2の開口からメインタンクの底部にあるコールドコレクター内に開口するストロングバックの第3の開口までストロングバックを通って配置され、
移送管は、管の内部にありかつホットコレクターに向かって配向されながらダイアグリッド内に嵌め込まれた管の一部内に少なくとも部分的に配置された少なくとも一つの注入ノズルを備え、注入ノズルはダイアグリッドの熱伝達流体が供給されるように意図されており、
移送管は、炉心溶融事故の場合に外壁の貫通速度を増加させると共に少なくとも一つの燃料集合体から移送管への溶融燃料の流れを可能にするために、少なくとも一つの燃料集合体の核分裂性ゾーンに配置された、その外壁上の少なくとも一つの薄肉ゾーンを含み、
原子炉はさらに、メインタンクの底部においてコールドコレクター内に配置され、かつ、第3の開口と整列して配置される、溶融燃料を回収するための装置を含む、原子炉である。
本発明に係る高速中性子原子炉は、単独でまたは技術的に可能な任意の組み合わせに従って、以下の特徴の一つ以上をさらに含むことができる。
移送管は、通常の燃料集合体の外的特徴を備えることができる。
注入ノズルへのダイアグリッドの伝熱流体の供給は、従来の燃料集合体の場合と同様に行うのが有利である。さらに、移送管のダイアグリッドへの取り付けは、従来の燃料集合体の代わりに、その場所で行うのが有利である。従来の燃料集合体のように、それは排出や交換のために簡単に取り外し可能である。
移送管は、有利なことには、それが保持されることを可能にするヘッドと、ダイアグリッドに嵌合するベースと、ヘッドとベースとの間の六角形断面を有する中空本体とを含むことができる。
ベースは、中空本体の断面よりも小さな断面を有することができる。ベースの上部は、溶融燃料の通過を容易にする漏斗の形状を有することができる。ベースの下部は、溶融燃料が貫通管に向かって流れることを可能とするために開放することができる。
さらに、ヘッドは、ホットコレクターに向かう溶融燃料の放出のリスクを低減するための中空本体の断面よりも小さな断面を有する中央チャネルと、熱伝達流体に浸没している間、ガスの排出を促進するための、中空本体とのインターフェースにおける抜き勾配とをを含むことができる。
さらに、少なくとも一つの薄肉ゾーンは、移送管の外壁をフライス加工することにより得ることができる。
少なくとも一つの薄肉ゾーンは、移送管の中空本体に配置することができ、移送管の機械的剛性を維持するために、中空本体の六角形断面の角には存在しない。
さらに、注入ノズルは、移送管のベースに配置することができる。
移送管は、環形状を有する少なくとも一つの注入ノズル、特に環形状を有する単一の注入ノズルを含むことができる。
代替的に、移送管は、この移送管内に規則的に分配された複数の注入ノズル、特に正三角形の頂点を形成する三つの注入ノズルを含むことができる。
さらに、炉心は、炉心溶融事故の軽減専用の複数の基本安全装置から構成される安全装置を含むことができ、基本安全装置の一部は燃料集合体を含む炉心のゾーンの周辺に配置され、基本安全装置の他の部分は燃料集合体を含む炉心のゾーンの中央部分に配置される。
各基本安全装置は燃料集合体に全単射的に取り付けることができる。
本発明は、その非限定的な実施形態に関する以下の詳細な説明を読み、添付の概略図および部分図を検討することにより、よりよく理解することができる。
「ループ型」ナトリウム冷却高速中性子原子炉の設計原理を軸方向の断面で示す図である。 「一体型」ナトリウム冷却高速中性子原子炉の設計原理を軸方向の断面で示す図である。 高速中性子原子炉の炉心が完全に溶融する事故の場合に、燃料、特にコリウムを移送管を介して排出する原理を軸方向の断面で示す図である。 原子炉炉心の完全溶融事故の場合の本発明に係る原子炉の基本安全装置による燃料、特にコリウムの排出原理を軸方向の断面で示す図である。 本発明に係る原子炉の基本安全装置の移送管の中空本体の具体化の詳細を示す部分斜視図である。 図5のAAに沿った断面図である。 図5のBBに沿った断面図である。 本発明による原子炉の基本安全装置の実施形態を軸方向の断面で示す図である。 図6のAAに沿った断面図である。 図6のBBに沿った断面図である。 本発明による原子炉の基本安全装置の別の実施形態を軸方向の断面で示す図である。 図7のAAに沿った断面図である。 図7のBBに沿った断面図である。 本発明による原子炉の炉心の構成の一例を示す平面図である。
これら全ての図面において、同一の参照は同一または類似の要素を示すことがある。
さらに、図面をより見やすくするために、図面に示されるさまざまな部分は必ずしも同じ縮尺であるとは限らない。
図1から図3は、先行技術および本発明の一般的なコンテクストを参照して既に説明されている。
図4から図8を参照して、1セットの移送管40を介したタンク底部13のキャッチャー41へのコリウムの移送によって、高速中性子原子炉の炉心、特にナトリウム冷却型(FNR‐Na)の完全炉心溶融の仮説的な事故の結果を軽減することを可能にする本発明の特徴および構造的配置について説明する。
図1から図3を参照して既に説明された高速中性子原子炉Rに特有の要素は、必ずしも再度説明されないことに留意されたい。したがって、同じ参照符号は同じ要素を意味する。さらに、以下で説明する例では、原子炉Rの液体金属熱伝達流体はナトリウムであるが、この選択は決して限定ではない。
さらに、本発明者らは、仏国特許出願公開第3053827号明細書に示された、ホットコレクターからコールドコレクターに向かって下降する直接的な流体経路を用いた自然対流によって炉心を冷却するための解決策に取り組んだことに留意すべきである。しかしながら、本発明は、空の移送管の流体ロックによる炉心溶融事故の軽減の論理に関連する、全く異なる技術的問題に関する。
炉心溶融事故時の激しい出力変動を避けるために、溶融燃料を炉心ゾーンから迅速に排出することを含む安全手順は、国際社会、特に日本人によって共有されている。しかしながら、それを達成するために選択される技術的計画は、炉心の中性子および熱流体特性、ならびに事故シナリオ中のその挙動に依存する。したがって、特にASTRID原子炉の炉心に関して開発された本発明の原理は、従来技術の解決策、特に上記のFAIDUS燃料集合体概念において日本人が採用した解決策とは異なる。
実際、ASTRID原子炉の特徴の一つは、そのCFV(ナトリウム排出の場合の反応度効果が低い炉心)不均質炉心の革新的な設計にある。したがって、事故の状況で燃料集合体のナトリウム排出によって発生する出力変動は、あまり起こりそうにない。このようなシナリオでは、ASTRID原子炉での軽減アプローチの目標は、劣化しつつある炉心に広がる燃料の著しい圧縮を回避し、これによって高すぎる即座の臨界を防ぐことである。この目的のためには、CFV炉心に補完的な安全装置を実装して、溶融燃料、すなわちコリウムを炉心外に、流路を介して十分に迅速に排出する必要がある。実際には、流路は既存の集合体(燃料、制御棒など)に統合されても、あるいは燃料集合体に隣接する完全に分離した集合体を形成してもよい。本発明は、第2の可能性、すなわち、他の集合体の性能に影響を与えず、コリウムを排出するためのチャネルの断面を最大にするために、専用の移送管40を使用することに基づいている。
さらに、これらの目標の特殊性は、原子炉の下部構造(ダイアグリッドおよびストロングバック)を通る液体燃料の重力による軸方向の移動を促進することである。したがって、炉心内の溶融燃料の一部または全部を、これらの装置のみを介して、タンク底部において、この目的専用のコリウムキャッチャー41上に集めることができる。
したがって、本発明は、従来の解決策の欠点(溶融壁、ホットコレクターとコールドコレクターとの間のバイパス、ガス放出のリスク、一次流の下でのコリウムの移送など)を持たない移送管における流体ロックシステムの使用に、そして他方では、軽減の目標に関して管の設計および炉心内でのその設置の最適化に基づいている。
図4は、原子炉炉心11の完全溶融事故の場合に、本発明に係る原子炉Rの少なくとも一つの基本安全装置45から構成される安全装置を介した、ここではコリウムの形態の燃料の排出の原理を軸方向の断面で示している。
本発明によれば、原子炉Rの炉心11は、起こり得る炉心溶融事故の軽減専用の少なくとも一つの基本安全装置45から構成される安全装置を含む。
この基本安全装置45は、炉心11の燃料集合体43に隣接しており、溶融したコリウムをメインタンク13の底部にあるコールドコレクター14に移送することができる。
基本安全装置45は、ダイアグリッド30の第1の開口50を通してダイアグリッド30上に配置または嵌合される組み立てタイプの取り外し可能な中空構造体に類似する移送管40を含む。
それはまた、移送管40の延長部に、移送管40と流体連通する中空の貫通管42を含む。この貫通管42は、第1の開口50からダイアグリッド30とストロングバック31との間に配置された第2の開口までダイアグリッド30を通って、そして第2の開口54からストロングバック31の第3の開口56までストロングバック31を通って配置され、メインタンク13の底部においてコールドコレクター14内に配置された、溶融したコリウムを回収するためのキャッチャープレートの形態の装置41と垂直方向に整列した低圧(約0bar)のコールドコレクター14内に開口する。
ダイアグリッド30の機能は、集合体に高圧、つまり約3バールの低温ナトリウムを供給することである。これを行うために、シュラウド管およびアセンブリのベースには互いに向き合う半径方向の開口が存在する。さらに、ストロングバック31の機能は、炉心11およびダイアグリッド30を支持することである。
移送管40は、コリウムの排出専用のアセンブリである。その外部アーキテクチャは、好ましくは、炉心11内の他のアセンブリのアーキテクチャと同一であり、同じインターフェースを有する。
移送管40は、それが保持されることを可能とする上部におけるヘッド60と、管がダイアグリッド30上で保持されることを可能とするベース62と、ヘッド60とベース62との間の六角形断面の中空本体61とを含む。
ベース62は、炉心11の他のアセンブリのそれとはわずかに異なる。それは、中空本体61の断面よりも小さい断面を有する。さらに、ベース62の上部62aは、より小さな断面を有するベース62内でコリウムの通過を容易にするために漏斗の形状を有することができる。さらに、ベース62の下部62bは開放されており、コリウムが貫通管42に向かって、したがってダイアグリッド30およびストロングバック31を通ってキャッチャープレート41に向かって流れることを可能にする。このベース62は、以下で説明する注入ノズル53をさらに含む。
さらに、ヘッド60は、一連の炉心溶融事故の開始時にコリウムが上端から排出されるリスクを低減するために、中空本体61の断面よりも小さい内部断面を有する中央チャネル60aを含む。さらに、ヘッド60の下部は、集合体がナトリウムに浸かっている間、ガスの排出を容易にするための抜き勾配60bを含む。スチール製のヘッド60の堅固な性質はまた、中性子の軸方向の漏れを制限することにより、中性子シールドとして機能する。
中空本体61は、内部構造体を備えておらず、通常の運転中はナトリウムで満たされている。炉心溶融事故の際、この中空本体61は溶融によって孔があけられ、第一に、ベース62に向かう重力によるコリウムの流れのためのチャネルを形成する。
中性子束のゾーンからのコリウムの迅速な排出を可能にするという上記の要件に関して、そして移送管40内のコリウムの流れの動特性に作用することができないことを考えると、隣接する燃料集合体43からのコリウムによる中空本体61の貫通を加速することにより、事故シナリオの開始時に時間の利得を得ることができる。中空本体61の温度の急速な上昇は、その厚さを低減することによりその熱慣性を低減することによって実現される。
したがって、図5、図5Aおよび図5Bを参照して分かるように、移送管40は、少なくとも一つの燃料集合体43の核分裂性ゾーンZFに面して位置する、その外壁66上に少なくとも一つの薄肉ゾーン65を含んでおり、炉心溶融事故の場合の外壁66の貫通速度を増大させ、少なくとも一つの燃料集合体43から移送管40へのコリウムの流動を可能にする。
実際、この構造的配置は、コリウムと最も接触しやすい移送管40のゾーン、すなわち核分裂性ゾーンZFに面する中空本体61にのみ適用される。もちろん、薄肉ゾーン65の中空本体61上での軸方向の位置決めは、適切な計算によって最適化することができる。
製造の観点から、薄肉ゾーン65は、移送管40の外壁66のフライス加工、特にその外面のフライス加工によって得ることができる。この解決策には、最初に完全に標準的な管を使用するので、フライス加工作業に技術的な問題が発生しないという利点がある。フライス加工は、良好な機械的剛性を維持し、したがって耐用年数の間、機械的負荷に抵抗する上記の機能を満たすように、中空本体61の六角形断面の角においてではなく、面においてのみ実施される。
フライス加工の解決策は、特に、例えば、薄肉管のセクションを製造し、次に溶接によってそれを標準的な厚さを有する管の別なセクションに接続することを含むであろう解決策よりも有利である。実際、そのような管の製造とその溶接の実施には多くの困難がある。
さらに、本発明によれば、そして図6から図7Bを参照すると、移送管40は、ベース62の内部でかつホットコレクター12に向かって配向されながらダイアグリッド30に嵌め込まれた管40の中空本体61内に少なくとも部分的に配置された一つ以上の注入ノズル53を備え、注入ノズル53は、ダイアグリッド30の熱伝達流体が供給されるように意図されている。
ここで、これらのノズル53には、燃料集合体43と同様の方法で、ダイアグリッド30から来る「高圧」ナトリウムが供給される。このノズル63の直径寸法および数は、この注入によって生成された反対圧力が、コレクター12,14間の圧力差を表す、作動中の中間交換器の水頭損失を可能な限り正確に補償するように規定される。したがって、移送管40の上部からホットコレクター12内に流出する流量は、ほとんどゼロであり、それは一次ポンプが停止した場合には相殺され、低減された圧力差はコレクター12,14間でゼロである。しかしながら、この移送管40の底部から出る流量は注入ノズル53の流量に対応する。この流出流量は、貫通管42、ダイアグリッド30およびストロングバック31を介してコールドコレクター14内に放出される。
一次ポンプによって提供される、ナトリウムの注入によって生成される反対圧力は、六角形の移送管40内を下降するナトリウムの流れを全ての圧送速度でロックする。したがって、原子炉Rの通常運転中は、コレクター12,14間に流体バイパスがなく、管の上部閉鎖(ガス放出無し)もないので、ホットコレクター12とコールドコレクター14との間のシールを保証するという上記要件は満たされる。
同様に、一連の炉心溶融事故の場合、そして一次ポンプがまだ作動している場合、得られる流体閉塞は、キャッチャープレート41に向かうコリウムの移送に対抗できる熱伝達流体の上昇流量を生じない。これは、中性子束のゾーンからのコリウムの迅速な排出を可能にするという上記の要件の尊重に寄与する。移送管40が開いたままであり、それはそのベースにおいて可融タイプの壁によって閉じられていないという事実もまた、キャッチャープレート41に向かうコリウムの流れを妨げたり減速させたりしないことによって、この要件に有利に働く。これはまた、ベース62内のコリウムの流れに対する障害を最小限に抑える図7から図7Bを参照して以下で説明する環状インジェクター53を備えた代替例の場合も同様である。
したがって、図6、図6Aおよび図6Bは、三つの注入ノズル53を備え、標準的な燃料集合体のようにベース62のための円形内側断面と中空本体61のための六角形外側形状とを備える移送管40の特定の実施形態を示している。これら三つの注入ノズル53は、正三角形の頂点を形成している。
さらに、図7、図7Aおよび図7Bは、正三角形の頂点に従って横断面に配置された三つの注入ノズル53がベース62の内壁と直接接触する環形状を有する単一の注入ノズル53によって置き換えられているという事実によって、図6、図6Aおよび図6Bのそれとは異なる別の実施形態を示している。注入ノズル53のこの環形状は、図7Aにおいて特に認識可能である。
さらに、図8は、本発明に係る原子炉Rの炉心11の構成の例を平面図で示している。
このように、炉心11は、炉心溶融事故の軽減専用の複数の基本安全装置45から構成される安全装置を含む。基本安全装置45の一部は、燃料集合体43を含む炉心11のゾーンの周辺に位置し、基本安全装置45の他の部分は、燃料集合体43を含む炉心11のゾーンの中央部分に位置する。
したがって、湯(溶融金属)の半径方向の伝播を制限するために、移送管40のほとんどは、燃料炉心の周囲に配置される。コリウムの一部をできるだけ早く排出するために、いくつかの移送管40もまた炉心の中央部に配置される。中央管40の設置は、吸収棒の数および間隔を規定すること、そして原子炉Rの制御および停止を目的とした中性子の研究に適合しなければならない。
燃料炉心内および燃料炉心周辺の移送管40の数および間隔の選択は、炉心溶融事故のシナリオを、炉心11内のコリウムの伝播をシミュレートするコードを用いて計算した結果である。十分な量のコリウムを短時間で排出することを可能としながら中性子の性能を低下させないようにするために、限られた数の管40の間で最良の妥協が求められる。
同じことが、中央管40の数の最適な決定(可能な限り早期の放出対中性子性能)、および炉心11の周辺の管40の数の最適決定(制限された数対コリウムの排出の空間的配置)にも当てはまる。
また、炉心11内の燃料集合体43の位置に代わりに、コリウムを移送するための管40を設置すると、燃料集合体43の出力が低下することにも留意すべきである。炉心11の中性子性能を低下させないために、燃料集合体43の数を増やして炉心11の直径を大きくすることにより、出力の損失を補償することができる。この選択肢は望ましくない。なぜなら、それは、燃料集合体43の製造、設置および分解のコストの増加に関連する、タンク13および原子炉建屋のサイズの増加に関連するコストの直接の増加につながるからである。
代替的に、燃料集合体43の数を増やすのではなく、使用される(U,Pu)O酸化物燃料のプルトニウム(Pu)または別の核分裂性物質の濃度を増加させることにより、出力を増加させることが可能である。だが、これは、放射フィードバックと製造能力によって設定されたPuの最大濃度の制限を守るために慎重に行う必要がある。中性子研究は、燃料ピンの最大線形出力の基準が守られていることを最終的に検証するために必要である。
もちろん、本発明は上記実施形態には限定されない。当業者であれば、それに対してさまざまな変更を加えることができる。
特に、熱伝達液体金属は、ナトリウム以外のもの、例えば、とりわけ鉛または鉛ビスるであってもよい。
R 原子炉
1 炉心
2 ホットコレクター
3 タンク
4 パイプ
5 パイプ
11 原子炉炉心
12 ホットコレクター
13 メインタンク
14 コールドコレクター
15 レダン
16 中間熱交換器
17 ウィンドウ
18 ウィンドウ
19 ポンプ装置
20 レベル
21 レベル
22 通路
23 通路
24 屋根スラブ(保護スラブ)
25 熱交換器
26 ホットコラム
27 コールドコラム
28 パイプ
29 パイプ
30 ダイアグリッド
31 ストロングバック
40 移送管
41 コリウムキャッチャー(キャッチャープレート)
42 貫通管
43 燃料集合体
45 基本安全装置
50 第1の開口
53 注入ノズル
54 第2の開口
56 第3の開口
60 ヘッド
60a 中央チャネル
60b 抜き勾配
61 中空本体
62 ベース
62a 上部
62b 下部
63 ノズル
65 薄肉ゾーン
66 外壁

Claims (10)

  1. 液体金属熱伝達流体によって冷却される一体型高速中性子原子炉(R)であって、
    保護スラブ(24)から吊り下げられたメインタンク(13)であって、熱伝達流体と、前記原子炉(R)の炉心(11)とを含み、前記炉心(11)は、ストロングバック (31)によって支えられたダイアグリッド(30)内に嵌め込まれた複数の燃料集合体(43)を含む、メインタンク(13)と、
    前記メインタンク(13)内に統合された一次回路であって、少なくとも一つの一次 ポンプ(19)と、通常運転中に前記炉心(11)によって生成されるエネルギーをくみ出すための少なくとも一つの中間熱交換器(16)と、残留エネルギーをくみ出すための少なくとも一つの熱交換器(25)とを含む、一次回路と、
    レダンと呼ばれる内部構造体(15)であって、熱伝達流体を、前記炉心(11)の出口においてはホットコレクター(12)を、前記少なくとも一つの中間熱交換器(16)の出口においてはコールドコレクター(14)を形成する少なくとも二つのゾーンへと分割する、内部構造体(15)と
    を含み、
    前記原子炉(R)の前記炉心(11)が、炉心溶融事故の軽減専用の安全装置をさらに含み、前記安全装置は、溶融燃料を前記メインタンク(13)の底部にある前記コールドコレクター(14)に移送するための、前記炉心(11)の少なくとも一つの燃料集合体(43)の近傍に配置された少なくとも一つの基本安全装置(45)から構成され、
    前記少なくとも一つの基本安全装置(45)は、中空で取り外し可能であり、前記ダイアグリッド(30)の第1の開口(50)を経て前記ダイアグリッド(30)に嵌め込まれた移送管(40)と、前記移送管(40)と流体連通する中空の貫通管(42)と、を備え、
    前記貫通管(42)は、前記第1の開口(50)から、前記ダイアグリッド(30)と前記ストロングバック(31)との間に配置された第2の開口(54)まで前記ダイアグリッド(30)を通って、かつ、前記第2の開口(54)から、前記メインタンク(13)の底部にある前記コールドコレクター(14)内に開口する前記ストロングバック(31)の第3の開口(56)まで前記ストロングバック(31)を通って配置され、
    前記移送管(40)は、前記移送管(40)内に、前記ホットコレクター(12)に向かって配向されながら前記ダイアグリッド(30)内に嵌め込まれた前記移送管(40)の一部(40a)内に少なくとも部分的に配置された一つ以上の注入ノズル(53)を備え、前記注入ノズル(53)は、前記ダイアグリッド(30)の熱伝達流体が供給されるよう意図されており、
    前記移送管(40)は、炉心溶融事故の場合に、その外壁(66)の貫通速度を増加させると共に前記少なくとも一つの燃料集合体(43)から前記移送管(40)への溶融燃料の流れを可能にするために、少なくとも一つの燃料集合体(43)の核分裂性ゾーン(ZF)に配置された、前記外壁(66)上の少なくとも一つの薄肉ゾーン(65)を含み、
    前記原子炉(R)は、前記メインタンク(13)の底部にある前記コールドコレクター(14)内に配置されかつ前記第3の開口(56)と整列状態で配置された、溶融燃料を回収するための装置(41)をさらに含むことを特徴とする原子炉。
  2. 前記移送管(40)が、その保持を可能にするヘッド(60)と、前記ダイアグリッド(30)に嵌合させられたベース(62)と、前記ヘッド(60)と前記ベース(62)との間の六角形断面を有する中空本体(61)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の原子炉。
  3. 前記ベース(62)は前記中空本体(61)の断面よりも小さい断面を有し、前記ベース(62)の上部(62a)は、溶融燃料の通過を容易にする漏斗の形状を有し、前記ベース(62)の下部(62b)は、前記貫通管(42)に向かう溶融燃料の流動を可能とするために開放されていることを特徴とする請求項2に記載の原子炉。
  4. 前記ヘッド(60)が、前記ホットコレクター(12)に向かう溶融燃料の放出のリスクを低減するための、前記中空本体(61)の断面よりも小さい断面を有する中央チャネル(60a)と、熱伝達流体に浸没している間、ガスの排出を促進するための、前記中空本体(61)とのインターフェースにおける抜き勾配(60b)と、を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の原子炉。
  5. 前記少なくとも一つの薄肉ゾーン(65)は、前記移送管(40)の前記外壁(66)をフライス加工して得られたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の原子炉。
  6. 前記少なくとも一つの薄肉ゾーン(65)は、前記移送管(40)の前記中空本体(61)に配置され、かつ、前記移送管(40)の機械的剛性を維持するために前記中空本体(61)の六角形断面の角には存在しないことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の原子炉。
  7. 前記注入ノズル(53)は前記移送管(40)の前記ベース(62)に配置されることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の原子炉。
  8. 前記移送管(40)は、環形状を有する少なくとも一つの注入ノズル(53)、特に環形状を有する単一の注入ノズル(53)を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の原子炉。
  9. 前記移送管(40)は、前記移送管(40)内に規則的に分配された複数の注入ノズル(53)、特に正三角形の頂点を形成する三つの注入ノズル(53)を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の原子炉。
  10. 前記炉心(11)は、炉心溶融事故の軽減専用の複数の基本安全装置(45)から構成された安全装置を含み、前記基本安全装置(45)の一部は前記燃料集合体(43)を含む前記炉心(11)のゾーンの周辺に配置され、かつ、前記基本安全装置(45)の他の部分は前記燃料集合体(43)を含む前記炉心(11)のゾーンの中央部分に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の原子炉。
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