JP2022029150A - 暴露ユニット、観察装置及び暴露方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる暴露ユニット、観察装置及び暴露方法及び暴露方法を提供する。【解決手段】暴露ユニット1は、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させるために用いられる。暴露ユニット1は、基体2を備える。基体2は、外部に露出するように基体2に形成され、細胞がバッファ液と共に留められる溝11と、溝11の一端11bに接続され、溝11に供給されるバッファ液を貯留する第1貯留部31と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、暴露ユニット、観察装置及び暴露方法に関する。
特許文献1には、気液界面培養法が記載されている。特許文献1に記載の気液界面培養法では、支持体の裏側から支持体を介して培養液を供給しつつ、支持体上に細胞を培養する。支持体上の細胞は、薄い培養液の層により覆われる。この液層は極めて薄いため、液層を介して気相中の物質を細胞に接触させることができる。このような方法によれば、気相中の物質が細胞に与える影響を評価することができる。
特開2002-101897号公報
上述したような方法を用いて気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる場合、物質をバッファ液を介して細胞に良好に接触させるためには、細胞を覆う液層を薄く保つ必要がある。一方、細胞の乾燥を防ぐためには、細胞がバッファ液により確実に覆われる必要がある。つまり、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際には、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことが求められる。
本発明は、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる暴露ユニット、観察装置及び暴露方法を提供することを目的とする。
本発明の暴露ユニットは、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させるために用いられる暴露ユニットであって、基体を備え、基体は、外部に露出するように基体に形成され、細胞がバッファ液と共に留められる溝と、溝の一端に接続され、溝に供給されるバッファ液を貯留する第1貯留部と、を有する。
この暴露ユニットでは、細胞とバッファ液の懸濁液を溝に配置すると、細胞がバッファ液と共に溝に留められ、細胞を覆うバッファ液の液層が形成される。この液層の厚さは、溝の構成(例えば寸法、親水性)に従った一定の厚さとなる。したがって、この暴露ユニットでは、液層を薄く保つことが可能となる。また、基体が、溝の一端に接続され、溝に供給されるバッファ液を貯留する第1貯留部を有している。これにより、第1貯留部から溝にバッファ液を供給することができ、細胞が乾燥するのを防ぐことができる。よって、この暴露ユニットによれば、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる。
基体は、溝が形成された表面を有する第1部材と、表面上に配置された第2部材と、を有し、第2部材には、第1開口及び第2開口が形成されており、溝は、第1開口を介して外部に露出しており、第1貯留部の少なくとも一部は、第2開口によって構成されていてもよい。この場合、溝が第1開口を介して外部に露出していることで、細胞とバッファ液の懸濁液を容易に溝に配置することができる。また、第1貯留部の少なくとも一部が第2開口によって構成されていることで、第1貯留部におけるバッファ液の貯留量を大きく確保することができる。
第2部材には、第1開口が複数形成されていてもよい。この場合、溝の露出面積を増加させることができ、暴露流量を増加させることができる。また、溝における一の第1開口に対応する部分に配置する細胞と、溝における他の第1開口に対応する部分に配置する細胞とを異ならせることができ、一度に複数種の細胞についての暴露を行うことが可能となる。
基体における溝が形成された部分は、溝に留められた細胞からの光に対して透明に構成されていてもよい。この場合、細胞からの光を基体を介して観察することが可能となる。
基体は、溝の他端に接続され、溝から排出されたバッファ液を貯留する第2貯留部を更に有してもよい。この場合、溝から排出されたバッファ液を第2貯留部で貯留することができる。
溝の内面の親水性は、基体における溝に隣接する部分の親水性よりも高くてもよい。この場合、細胞を溝に留め易くすることができる。
溝は、蛇行して延在する部分を含んでいてもよい。この場合、溝の面積を増加させることができ、暴露流量を増加させることができる。
第1貯留部は、基体に形成された凹部によって構成されていてもよい。この場合、構成を簡易化することができる。
本発明の観察装置は、暴露ユニットと、溝に留められた細胞からの光が通過する光学系と、光学系を通過した光を検出する光検出器と、を備える。この観察装置によれば、上述した理由により、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる。その結果、観察を良好に行うことができる。
本発明の暴露ユニットは、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させるために用いられる暴露ユニットであって、基体を備え、基体の表面は、親水性領域と、親水性領域よりも親水性が低い疎水性領域と、を有し、基体の表面が親水性領域と疎水性領域とに区画されていることにより、親水性領域は、細胞がバッファ液と共に留められる細胞保持部と、細胞保持部に接続され、細胞保持部に供給されるバッファ液を貯留する貯留部と、を有している。
この暴露ユニットでは、細胞とバッファ液の懸濁液を細胞保持部に配置すると、細胞がバッファ液と共に細胞保持部に留められ、細胞を覆うバッファ液の液層が形成される。この液層の厚さは、細胞保持部の構成(例えば寸法、親水性)に従った一定の厚さとなる。したがって、この暴露ユニットでは、液層を薄く保つことが可能となる。また、親水性領域が、細胞保持部に接続され、細胞保持部に供給されるバッファ液を貯留する貯留部を有している。これにより、貯留部から細胞保持部にバッファ液を供給することができ、細胞が乾燥するのを防ぐことができる。よって、この暴露ユニットによれば、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる。
本発明の暴露方法は、上記暴露ユニットを用い、細胞がバッファ液と共に溝に留められ、且つ溝に供給されるバッファ液が第1貯留部に貯留された状態で、気相中の物質を溝に留められた細胞に暴露させる。この暴露方法によれば、上述した理由により、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる。
本発明の暴露方法は、上記暴露ユニットを用い、細胞がバッファ液と共に細胞保持部に留められ、且つ細胞保持部に供給されるバッファ液が貯留部に貯留された状態で、気相中の物質を細胞保持部に留められた細胞に暴露させる。この暴露方法によれば、上述した理由により、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる。
本発明によれば、気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させる際に、細胞を覆うバッファ液の液層を好適な厚さに保つことができる暴露ユニット、観察装置及び暴露方法を提供することが可能となる。
実施形態の暴露ユニットの斜視図である。 暴露ユニットの分解斜視図である。 (a)は、ガラス基板の平面図であり、(b)は、(a)に示されるB-B線に沿っての断面図である。 (a)は、バッファ液が灌流される様子を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示されるB-B線に沿っての断面図である。 (a)~(c)は、細胞が播種される様子を示す断面図である。 バッファ液が供給される様子を示す断面図である。 (a)及び(b)は、暴露ユニット上にガス試料室が配置された状態を示す図である。 蛍光観察時の様子を示す図である。 匂い分子が細胞に接触する様子を示す断面図である。 第1変形例の暴露ユニットの分解斜視図である。 (a)は、第1変形例のガラス基板の平面図であり、(b)は、第1変形例のゴムシートの平面図である。 (a)は、第2変形例のガラス基板の平面図であり、(b)は、(a)に示されるB-B線に沿っての断面図であり、(c)は、(a)に示されるC-C線に沿っての断面図である。 (a)~(c)は、第2変形例において細胞が播種される様子を示す断面図である。 (a)及び(b)は、第2変形例においてバッファ液が供給される様子を示す断面図である。 (a)及び(b)は、第2変形例の暴露ユニットがガス試料室内に配置された状態を示す図である。 (a)は、第2実施形態の暴露ユニットの平面図であり、(b)は、(a)に示されるB-B線に沿っての断面図である。 (a)~(c)は、第2実施形態において細胞が播種される様子を示す断面図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態においてバッファ液が供給される様子を示す断面図である。 第2実施形態の暴露ユニットを用いた蛍光観察時の様子を示す図である。 図19に示されるXX-XX線に沿っての断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1~図3に示される暴露ユニット1は、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させるために用いられる(図4~図9)。暴露ユニット1の使用方法については後述する。暴露ユニット1は、後述する観察装置50の一部を構成する。以下ではまず、暴露ユニット1の構成を説明する。
[暴露ユニット]
図1~図3に示されるように、暴露ユニット1は基体2を備えている。基体2は、ガラス基板(第1部材)10及びゴムシート(第2部材)20を有している。ガラス基板10は、例えば、ガラスにより矩形板状に形成されており、光透過性を有している。ガラス基板10は、平坦な表面10aを有している。
ガラス基板10の表面10aには、複数の溝11が形成されている。各溝11は、第1方向D1に沿って直線状に延在している。複数の溝11は、第1方向D1に直交する第2方向D2に等間隔で並んでいる。複数の溝11は、互いに同一の形状を有している。延在方向(第1方向D1)における溝11の長さは、例えば20mmである。
溝11は、延在方向に垂直な断面において矩形状(この例では正方形状)を呈している。溝11の幅及び深さは、例えばそれぞれ20μmである。溝11の幅及び深さは、細胞7が溝11内に十分に収容可能となり、かつ細胞7が溝11内に収容された際に細胞7がバッファ液6の液層によって十分に覆われるように、設定されている。溝11の幅は、例えば10μm~200μmに設定され、溝11の深さは、例えば10μm~100μmに設定される。溝11は、例えば、エッチング等の微細加工技術を用いて形成される。
ガラス基板10の表面10aにおける溝11に隣接する部分には、疎水処理が施されている。この例では、図3(a)に示される領域R内に、疎水処理が施されている。領域Rは、複数の溝11を囲むように設定されている。この例では、領域R内における表面10a上には、疎水コーティングからなる層状の疎水パターン12が形成されている。疎水パターン12は、溝11の内面11aには形成されていない。これにより、溝11の内面11aの親水性は、ガラス基板10における溝11に隣接する部分(疎水処理が施された部分)の親水性よりも高くなっている。換言すれば、ガラス基板10における溝11に隣接する部分の疎水性(撥水性)は、溝11の内面11aの疎水性(撥水性)よりも高い。
ゴムシート20は、例えば、シリコーンゴムにより矩形板状に形成されている。ゴムシート20は、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)により構成されている。ゴムシート20は、ガラス基板10の表面10a上に配置されており、表面10aに密着している。
ゴムシート20には、第1開口21、第2開口22及び第3開口23が形成されている。各開口21,22,23は、ゴムシート20を厚さ方向に沿って貫通している。第1開口21は、矩形状に形成されており、ゴムシート20の中央部に配置されている。第2開口22及び第3開口23は、互いに同一の矩形状に形成されており、第1方向D1における第1開口21の両側に配置されている。第1方向D1に沿っての第2開口22及び第3開口23の各々の長さは、第1方向D1に沿っての第1開口21の長さよりも短い。第2方向D2に沿っての第2開口22及び第3開口23の各々の長さは、第2方向D2に沿っての第1開口21の長さと等しい。
ゴムシート20は、第1開口21が各溝11の中央部と重なるように、ガラス基板10上に配置されている。これにより、各溝11の中央部は、第1開口21を介して外部に露出している。また、ゴムシート20がガラス基板10上に配置された状態においては、第2開口22が各溝11の一端11bと重なり、第3開口23が各溝11の他端11cと重なっている。
第2開口22は、溝11に供給されるバッファ液6を貯留するための第1貯留部31を構成している。第1貯留部31は、第2開口22の内面とガラス基板10の表面10aの一部とによって画定される第2開口22内の空間により構成されている。第1貯留部31は、各溝11の一端11bに接続されている。第3開口23は、溝11から排出されたバッファ液6を貯留するための第2貯留部32を構成している。第2貯留部32は、第3開口23の内面とガラス基板10の表面10aの一部とによって画定される第3開口23内の空間により構成されている。第2貯留部32は、各溝11の他端11cに接続されている。
[観察装置]
上述したとおり、暴露ユニット1は観察装置50の一部を構成する(図8)。この例では、観察装置50は、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させつつ、細胞7から発せられる蛍光を観察するための蛍光観察装置である。バッファ液6は、細胞7が溶かし込まれる水溶液である。細胞7を動作させるためには、細胞7は水溶液中に溶かし込まれる必要がある。
細胞7は、例えば、匂い物質に暴露されることで蛍光強度が上昇する匂い検出細胞である。この場合、物質5は匂い物質である。匂い検出細胞は、細胞膜(細胞表面)に昆虫嗅覚受容体を発現し、細胞質(細胞内)に緑色性蛍光タンパク質であるGCaMP6sを発現している昆虫培養細胞である。ある低分子化合物、例えばカビ臭物質であるゲオスミンが昆虫嗅覚受容体に結合すると、この昆虫嗅覚受容体を通して細胞外から細胞内へカルシウムイオンが流入する。流入したカルシウムイオンがGCaMP6sと結合すると、GCaMP6sの蛍光強度が上昇する。したがって、匂い検出細胞から発せられる蛍光の強度をモニタリングすることで、ゲオスミン(匂い物質)を検出することが可能となる。このように、観察装置50は、微量化学物質検出装置として用いられ得る。
図4に示されるように、観察装置50は、暴露ユニット1に加えて、バッファ液6を第1貯留部31に供給する供給部51と、バッファ液6を第2貯留部32から排出する排出部55と、を備えている。供給部51は、容器52、流路部材53及びポンプ54を有している。容器52は、バッファ液6を貯留する。流路部材53は、バッファ液6が流れる部材であり、例えばチューブにより構成されている。ポンプ54は、流路部材53を介して容器52から第1貯留部31に向けてバッファ液6を圧送する。
排出部55は、容器56、流路部材57及びポンプ58を有している。容器56は、第2貯留部32から排出されたバッファ液6を貯留する。流路部材57は、バッファ液6が流れる部材であり、例えばチューブにより構成されている。ポンプ58は、流路部材57を介して第2貯留部32から容器56に向けてバッファ液6を圧送する。供給部51及び排出部55により、溝11に対してバッファ液6が供給及び排出される。
図8に示されるように、観察装置50は、細胞7からの光Lが通過する光学系60を更に備えている。この例では、光Lは細胞7から発せられる蛍光である。光学系60は、対物レンズ61を含んで構成されている。対物レンズ61は、顕微鏡ステージ62上に配置された暴露ユニット1と向かい合うように配置される。また、観察装置50は、光学系60を通過した光Lを検出する光検出器(図示省略)を更に備えている。
[観察方法]
図5~図8を参照しつつ、観察装置50を用い、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させ、細胞7からの光Lを観察する方法の例を説明する。この例では、細胞7は、嗅覚受容体及びGCaMP6sを発現しているSf21細胞である。バッファ液6は、リンガー溶液(140mM NaCl,5.6mM KCl,4.5mM CaCL,11.26mM MgCl,10mM HEPES及び9.4mM D-グルコース、PH7.2)である。
まず、図5(a)に示されるように、バッファ液6と細胞7の懸濁液をピペットPにより第1開口21に滴下する。続いて、図5(b)に示されるように、滴化された懸濁液をピペットPにより吸い出して除去する。このとき、図5(c)に示されるように、懸濁液の一部は表面張力により溝11内に残存する。各溝11内において細胞7が沈降し、各溝11における第1開口21に対応する位置において細胞7が播種される。沈降した細胞7は、バッファ液6により覆われる。すなわち、細胞7がバッファ液6と共に溝11に留められ、細胞7を覆うバッファ液6の液層が形成される。なお、懸濁液を吸い出す代わりに、細胞7が沈降するのを待った後にバッファ液6のみを吸い出してもよい。
続いて、図6に示されるように、バッファ液6を第1貯留部31に滴下する。第1貯留部31は溝11に接続されているため、バッファ液6は第1貯留部31から溝11を伝って移動し、各溝11における第1開口21に対応する位置に留まっている細胞7にバッファ液6が供給される。バッファ液6の一部は、溝11を伝って移動して第2貯留部32に至ってもよい。
続いて、図7(a)及び図7(b)に示されるように暴露ユニット1上にガス試料室70を配置する。ガス試料室70の底面には開口70aが形成されている。ガス試料室70は、開口70aが第1開口21に接続されるように、暴露ユニット1と密着させられる。ガス試料室70の一の側面には、ガスを流入させるための流入管71が接続されており、ガス試料室70の他の側面には、ガスを排出するための排出管72が接続されている。流入管71及び排出管72は、例えばチューブにより構成されている。ガス試料室70の上面(底面とは反対側の面)は、透明に構成されており、照明光を透過可能となっている。
続いて、図8及び図9に示されるように、暴露ユニット1を顕微鏡ステージ62上に設置し、観察を開始する。図9では、図8に示される部分Aが拡大して示されている。観察開始時には、供給部51のポンプ54及び排出部55のポンプ58を駆動させ、第1貯留部31から溝11へのバッファ液6の供給、及び溝11から第2貯留部32へのバッファ液6の排出を開始させる。細胞7から発せされる光Lの検出を開始し、観察開始時点における光Lの強度をベースラインとして測定する。細胞7からの光Lは、対物レンズ61を介して上述した光検出器により検出される。溝11に留められた細胞7からの光Lは、ガラス基板10を透過して対物レンズ61に入射する。すなわち、観察装置50では、ガラス基板10がガラスにより形成されて光Lに対して透明に構成されており、ガラス基板10を介して光Lが観察される。
続いて、匂い物質である物質5を含むガスを流入管71を介してガス試料室70内に流入させる。物質5を含むガスは、排出管72を介してガス試料室70から排出される。物質5を含んだガスが第1開口21に到達すると、各溝11においてバッファ液6の液層を介して物質5が細胞7に接触し、物質5が細胞7に暴露される。これにより、細胞7の蛍光強度が上昇する。検出された蛍光強度を上述したベースラインとして測定された強度と比較することで、細胞7の蛍光強度が上昇した度合いを把握することができる。
このように、観察装置50を用いた観察方法(暴露方法)では、細胞7がバッファ液6と共に溝11に留められ、且つ溝11に供給されるバッファ液6が第1貯留部31に貯留された状態で、気相中の物質5を溝11に留められた細胞7に暴露させる。溝11に保持されるバッファ液6の量は少ないため細胞7は乾燥し易いが、第1貯留部31からバッファ液6が継続的に供給されることで、細胞7が乾燥するのを防いで細胞7の活性を維持しつつ、物質5に対する細胞7の応答を継続的に観察することができる。
なお、供給部51及び排出部55による溝11に対するバッファ液6の灌流(供給及び排出)に代えて、第1貯留部31と第2貯留部32との間の水頭差に起因する圧力によりバッファ液6を灌流させてもよい。或いは、第1貯留部31から第2貯留部32に向けてバッファ液6が流れるように暴露ユニット1を水平方向に対して傾けて配置することにより、バッファ液6を灌流させてもよい。スポンジ等の吸収体を溝11の出口側の端部(他端11c)に配置することにより、バッファ液6を灌流させてもよい。これらの場合、供給部51及び排出部55は設けられなくてもよい。限られた時間だけ観察を行う場合、乾燥した分のバッファ液6は第1貯留部31から供給されるため、供給部51により第1貯留部31にバッファ液6を供給しなくても、細胞7を覆うバッファ液6の液層は保たれる。これらの点は後述する変形例及び第2実施形態についても同様である。
[作用及び効果]
以上説明したように、暴露ユニット1では、細胞7とバッファ液6の懸濁液を溝11に配置すると、細胞7がバッファ液6と共に溝11に留められ、細胞7を覆うバッファ液6の液層が形成される。この液層の厚さは、溝11の構成(例えば寸法、親水性)に従った一定の厚さとなる。したがって、暴露ユニット1では、液層を薄く保つことが可能となる。換言すれば、暴露ユニット1では、細胞7とバッファ液6の懸濁液を溝11に配置した際に細胞7を覆うバッファ液6の液層が所望の厚さとなるように、溝11の寸法(幅、深さ)及び親水性(表面10aの親水性、溝11の内面11aの親水性)が設定されている。細胞7を覆うバッファ液6の液層の厚さは、例えば5μm~300μm程度に調整される。また、基体2が、溝11の一端11bに接続され、溝11に供給されるバッファ液6を貯留する第1貯留部31を有している。これにより、第1貯留部31から溝11にバッファ液6を供給することができ、細胞7が乾燥するのを防ぐことができる。よって、暴露ユニット1によれば、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させる際に、細胞7を覆うバッファ液6の液層を好適な厚さに保つことができる。また、暴露ユニット1によれば、物質5の細胞7への暴露を容易化することができる。すなわち、物質5を細胞7に暴露させる方法としては、物質5が溶かされた水溶液を細胞7に接触させる方法が考えられるが、物質5を水溶液に溶かす手間がかかる。この点、暴露ユニット1を用いた暴露方法では、そのような手間を省略することができ、物質5の細胞7への暴露を容易化することができる。また、細胞の乾燥が適切に防がれていない従来の方法では、細胞の乾燥を回避するために短時間しか暴露を行うことができない場合があったが、暴露ユニット1によれば、上述したとおり細胞7の乾燥が適切に防がれているため、そのような事態を抑制することができる。
暴露ユニット1では、溝11が第1開口21を介して外部に露出していることで、細胞7とバッファ液6の懸濁液を容易に溝11に配置することができる。また、第1貯留部31が第2開口22によって構成されていることで、第1貯留部31におけるバッファ液6の貯留量を大きく確保することができる。
ガラス基板10が、溝11に留められた細胞7からの光Lに対して透明に構成されている。これにより、光Lをガラス基板10を介して観察することが可能となる。
基体2が、溝11の他端11cに接続され、溝11から排出されたバッファ液6を貯留する第2貯留部32を有している。これにより、溝11から排出されたバッファ液6を第2貯留部32で貯留することができる。
溝11の内面11aの親水性が、ガラス基板10における溝11に隣接する部分の親水性よりも高い。これにより、細胞7を溝11に留め易くすることができる。すなわち、疎水パターン12によってバッファ液6を堰き止めることができる。
[変形例]
図10及び図11に示される第1変形例の暴露ユニット1Aでは、ガラス基板10の表面10aには、一対の溝11が形成されている。各溝11は、複数(この例では2つ)の蛇行部分11dと、複数(この例では3つ)の直線状部分11eを含んでいる。各蛇行部分11dは、蛇行して延在している。各溝11において、2つの蛇行部分11dは、一の直線状部分11eにより接続されている。残りの2つの直線状部分11eは、溝11の一端11b及び他端11cをそれぞれ構成している。
ゴムシート20には、複数(この例では4つ)の第1開口21が形成されている。複数の第1開口21は、互いに同一の矩形状に形成されており、各々が蛇行部分11dと重なっている。第1開口21同士の間はゴムシート20により隔てられている。
第1変形例によっても、上記第1実施形態と同様に、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させる際に、細胞7を覆うバッファ液6の液層を好適な厚さに保つことができる。また、ゴムシート20に複数の第1開口21が形成されている。これにより、溝11の露出面積を増加させることができ、暴露流量を増加させることができる。また、一の蛇行部分11dに配置する細胞7と、他の蛇行部分11dに配置する細胞7とを異ならせることができ、一度に複数種の細胞7についての暴露を行うことが可能となる。また、溝11が蛇行して延在する蛇行部分11dを含んでいるため、溝11の面積を増加させることができ、暴露流量を増加させることができる。
図12に示される第2変形例の暴露ユニット1Bでは、基体2は、ガラス基板10のみを有し、ゴムシート20を有していない。ガラス基板10の表面10aには、複数の溝11に加えて、第1凹部13及び第2凹部14が形成されている。
第1凹部13及び第2凹部14の各々は、例えば、平面視において(表面10aに垂直な方向から見た場合に)、長軸が第2方向D2に沿った楕円形状を呈している。第1凹部13及び第2凹部14の各々は、例えば、溝11と同一の深さを有している。第1凹部13及び第2凹部14の各々は、各溝11に接続されている。
第2変形例では、第1凹部13により第1貯留部31が構成されており、第2凹部14により第2貯留部32が構成されている。ガラス基板10の表面10aの全面に、疎水パターン12が形成されている。これにより、溝11の内面11aの親水性は、ガラス基板10における溝11に隣接する部分の親水性よりも高くなっている。
暴露ユニット1Bを用いた観察方法では、図13(a)に示されるように、バッファ液6と細胞7の懸濁液をピペットPにより溝11の周辺に滴下する。続いて、図13(b)に示されるように、滴化された懸濁液をピペットPにより吸い出して除去する。このとき、図13(c)に示されるように、懸濁液の一部は表面張力により溝11内に残存する。各溝11内において細胞7が沈降し、各溝11に細胞7が播種される。沈降した細胞7は、バッファ液6により覆われる。すなわち、細胞7がバッファ液6と共に溝11に留められ、細胞7を覆うバッファ液6の液層が形成される。
続いて、図14(a)及び図14(b)に示されるように、バッファ液6を第1貯留部31(第1凹部13)に滴下する。第1貯留部31は溝11に接続されているため、バッファ液6は第1貯留部31から溝11を伝って移動し、各溝11に留まっている細胞7にバッファ液6が供給される。バッファ液6の一部は、溝11を伝って移動して第2貯留部32(第2凹部14)に至ってもよい。
続いて、図15(a)及び図15(b)に示されるようにガス試料室70B内に暴露ユニット1Bを配置する。ガス試料室70Bの底面には開口70Baが形成されている。暴露ユニット1は、開口70Baを塞ぐようにガス試料室70B内に配置される。ガス試料室70Bには開口70Baが形成されていなくてもよく、この場合、開口70Baに対応する部分が透明に構成されていてもよい。続いて、上記第1実施形態の場合と同様に観察が開始される。
第2変形例によっても、上記第1実施形態と同様に、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させる際に、細胞7を覆うバッファ液6の液層を好適な厚さに保つことができる。また、基体2がガラス基板10のみによって構成されているため、構成を簡易化することができる。また、基体2に形成された第1凹部13により第1貯留部31が構成されていることによっても、構成を簡易化することができる。
[第2実施形態]
図16に示される第2実施形態の暴露ユニット1Cでは、基体2は、ガラス基板10のみを有し、ゴムシート20を有していない。ガラス基板10の表面10aには溝11が形成されていない。ガラス基板10の表面10aは、親水性領域81と、親水性領域81よりも親水性が低い疎水性領域82と、を有している。この例では、表面10aの一部に疎水処理が施されていることにより、親水性領域81及び疎水性領域82が形成されている。すなわち、疎水処理が施された領域が疎水性領域82であり、疎水処理が施されていない領域が親水性領域81である。例えば、疎水性領域82には、疎水処理として、疎水コーティングからなる層状の疎水パターンが形成されている。
平面視における親水性領域81の形状は、例えば、平面視における上述した第2変形例の溝11、第1凹部13及び第2凹部14の形状と同一となっている。親水性領域81は、複数の直線状部分83と、第1楕円状部分84と、第2楕円状部分85と、を有している。各直線状部分83は、第1方向D1に沿って直線状に延在している。複数の直線状部分83は、第1方向D1に直交する第2方向D2に等間隔で並んでいる。複数の直線状部分83は、互いに同一の形状を有している。
第1楕円状部分84及び第2楕円状部分85の各々は、例えば、平面視において、長軸が第2方向D2に沿った楕円形状を呈している。第1楕円状部分84及び第2楕円状部分85の各々は、各直線状部分83に接続されている。
ガラス基板10の表面10aが親水性領域81と疎水性領域82とに区画されていることにより、親水性領域81は、細胞7がバッファ液6と共に留められる細胞保持部86と、細胞保持部86に供給されるバッファ液6を貯留するための第1貯留部31と、細胞保持部86から排出されたバッファ液6を貯留するための第2貯留部32と、を有している。第2実施形態では、複数の直線状部分83により細胞保持部86が構成されている。第1楕円状部分84により第1貯留部31が構成されており、第2楕円状部分85により第2貯留部32が構成されている。
第2実施形態の観察方法では、図17(a)に示されるように、バッファ液6と細胞7の懸濁液をピペットPにより細胞保持部86の周辺に滴下する。続いて、図17(b)に示されるように、滴化された懸濁液をピペットPにより吸い出して除去する。このとき、図17(c)に示されるように、懸濁液の一部は表面張力により細胞保持部86上に残存する。これにより、細胞保持部86(各直線状部分83)に細胞7が播種される。細胞保持部86上の細胞7は、バッファ液6により覆われる。すなわち、細胞7がバッファ液6と共に細胞保持部86に留められ、細胞7を覆うバッファ液6の液層が形成される。
続いて、図18(a)及び図18(b)に示されるように、バッファ液6を第1貯留部31(第1楕円状部分84)に滴下する。第1貯留部31は細胞保持部86に接続されているため、バッファ液6は第1貯留部31から溝11を伝って移動し、細胞保持部86に留まっている細胞7にバッファ液6が供給される。バッファ液6の一部は、細胞保持部86を伝って移動して第2貯留部32(第2楕円状部分85)に至ってもよい。
続いて、図19及び図20に示されるようにガス試料室70C内に暴露ユニット1Cを配置する。ガス試料室70Cの一の側面には、ガスを流入させるための流入口73が形成されており、ガス試料室70Cの他の側面には、ガスを排出するための排出口74が形成されている。ガス試料室70Cの底面には、光Lを透過させる光学フィルタ75が配置されている。光学フィルタ75は、例えば蛍光を透過させる蛍光フィルタである。
第2実施形態の観察装置50Cは、ガス試料室70Cの上面側に配置された励起光学系90を備えている。励起光学系90は、光源91と、一対のレンズ92と、励起フィルタ93と、を有している。光源91は、細胞7を励起するための励起光を出力する。光源91から出力された励起光は、一方のレンズ92、励起フィルタ93、他方のレンズ92をこの順に通過し、ガス試料室70Cの上面を透過して暴露ユニット1Cに入射する。ガス試料室70C及び励起光学系90は、外光が進入しないように遮光されている。
第2実施形態の観察装置50Cは、ガス試料室70Cの底面側に配置された検出端末95を備えている。検出端末95は、例えばスマートフォン等の携帯端末である。検出端末95は、光検出部96と、表示部97と、を有している。光検出部96は、カメラレンズ96aを有し、細胞7からの光Lを検出する。表示部97には、測定結果等が表示される。検出端末95は、カメラレンズ96aが光学フィルタ75と向かい合うように配置される。続いて、上記第1実施形態の場合と同様に観察が開始される。観察時には、ガス試料室70Cに物質5を含むガスが流入する。ガスは拡散により流入させてもよいし、排出口74に取り付けられたファンにより流入させてもよい。このように、観察装置50Cを用いた観察方法(暴露方法)では、細胞7がバッファ液6と共に細胞保持部86に留められ、且つ細胞保持部86に供給されるバッファ液6が第1貯留部31に貯留された状態で、気相中の物質5を細胞保持部86に留められた細胞7に暴露させる。
第2実施形態の暴露ユニット1Cによっても、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させる際に、細胞7を覆うバッファ液6の液層を好適な厚さに保つことができる。すなわち、暴露ユニット1Cでは、細胞7とバッファ液6の懸濁液を細胞保持部86(直線状部分83)に配置すると、細胞7がバッファ液6と共に細胞保持部86に留められ、細胞7を覆うバッファ液6の液層が形成される。この液層の厚さは、細胞保持部86の構成(例えば寸法、親水性)に従った一定の厚さとなる。したがって、暴露ユニット1Cでは、液層を薄く保つことが可能となる。また、親水性領域81が、細胞保持部86に接続され、細胞保持部86に供給されるバッファ液6を貯留する第1貯留部31(第1楕円状部分84)を有している。これにより、第1貯留部31から細胞保持部86にバッファ液6を供給することができ、細胞7が乾燥するのを防ぐことができる。よって、暴露ユニット1Cによれば、気相中の物質5をバッファ液6中の細胞7に暴露させる際に、細胞7を覆うバッファ液6の液層を好適な厚さに保つことができる。
本発明は、上記実施形態及び変形例に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。第1部材は、ガラス基板10に限られず、他の透明材料、又は遮光性材料により形成されてもよい。第2部材は、ゴムシート20に限られず、他の材料により形成されてもよい。
第1実施形態ではガラス基板10(第1部材)の全体が光Lに対して透明に構成されていたが、第1部材における溝11が形成された部分が光Lに対して透明に構成されていればよく、溝11が形成された部分以外は光Lに対して遮光性を有していてもよい。第1部材の全体が遮光性材料により形成されていてもよい。
第1実施形態において、疎水パターン12が省略されてもよい。上述した各例において、第2貯留部32は省略されてもよい。第1実施形態では第1貯留部31が第2開口22のみによって構成されていたが、第1貯留部31は、第2開口22と、ガラス基板10の表面10aに形成された凹部とによって構成されてもよい。同様に、第2貯留部32は、第3開口23と、表面10aに形成された凹部とによって構成されてもよい。上述した暴露ユニット1,1A,1B,1Cは、匂い物質を匂い検出細胞に暴露させる場合に限らず、例えば大気中の有害物質を細胞に暴露させる場合にも用いることができる。
1,1A,1B,1C…暴露ユニット、2…基体、5…物質、6…バッファ液、7…細胞、10…ガラス基板(第1部材)、10a…表面、11…溝、11a…内面、11b…一端、11c…他端、13…第1凹部、20…ゴムシート(第2部材)、21…第1開口、22…第2開口、31…第1貯留部、32…第2貯留部、50,50C…観察装置、60…光学系、81…親水性領域、82…疎水性領域、86…細胞保持部、L…細胞からの光。

Claims (12)

  1. 気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させるために用いられる暴露ユニットであって、基体を備え、前記基体は、
    外部に露出するように前記基体に形成され、前記細胞が前記バッファ液と共に留められる溝と、
    前記溝の一端に接続され、前記溝に供給される前記バッファ液を貯留する第1貯留部と、を有する、暴露ユニット。
  2. 前記基体は、前記溝が形成された表面を有する第1部材と、前記表面上に配置された第2部材と、を有し、
    前記第2部材には、第1開口及び第2開口が形成されており、
    前記溝は、前記第1開口を介して外部に露出しており、前記第1貯留部の少なくとも一部は、前記第2開口によって構成されている、請求項1に記載の暴露ユニット。
  3. 前記第2部材には、前記第1開口が複数形成されている、請求項2に記載の暴露ユニット。
  4. 前記基体における前記溝が形成された部分は、前記溝に留められた前記細胞からの光に対して透明に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の暴露ユニット。
  5. 前記基体は、前記溝の他端に接続され、前記溝から排出された前記バッファ液を貯留する第2貯留部を更に有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の暴露ユニット。
  6. 前記溝の内面の親水性は、前記基体における前記溝に隣接する部分の親水性よりも高い、請求項1~5のいずれか一項に記載の暴露ユニット。
  7. 前記溝は、蛇行して延在する部分を含んでいる、請求項1~6のいずれか一項に記載の暴露ユニット。
  8. 前記第1貯留部は、前記基体に形成された凹部によって構成されている、請求項1に記載の暴露ユニット。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の暴露ユニットと、
    前記溝に留められた前記細胞からの光が通過する光学系と、
    前記光学系を通過した前記光を検出する光検出器と、を備える観察装置。
  10. 気相中の物質をバッファ液中の細胞に暴露させるために用いられる暴露ユニットであって、基体を備え、前記基体の表面は、親水性領域と、前記親水性領域よりも親水性が低い疎水性領域と、を有し、
    前記基体の前記表面が前記親水性領域と前記疎水性領域とに区画されていることにより、前記親水性領域は、前記細胞が前記バッファ液と共に留められる細胞保持部と、前記細胞保持部に接続され、前記細胞保持部に供給される前記バッファ液を貯留する貯留部と、を有している、暴露ユニット。
  11. 請求項1~8のいずれか一項に記載の暴露ユニットを用い、前記細胞が前記バッファ液と共に前記溝に留められ、且つ前記溝に供給される前記バッファ液が前記第1貯留部に貯留された状態で、気相中の前記物質を前記溝に留められた前記細胞に暴露させる、暴露方法。
  12. 請求項10に記載の暴露ユニットを用い、前記細胞が前記バッファ液と共に前記細胞保持部に留められ、且つ前記細胞保持部に供給される前記バッファ液が前記貯留部に貯留された状態で、気相中の前記物質を前記細胞保持部に留められた前記細胞に暴露させる、暴露方法。
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