以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図71を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されるており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は後述する背面ケース510の開口511aを埋めるように背面ケース510に締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部を縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図示せず)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図11参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ631,731,782,861が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、可変入賞装置65周辺の構造について説明する。図5は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面斜視図であり、図6(a)及び図6(b)は、可変入賞装置65の正面斜視図である。図6(a)では、特定入賞口65aへの球の流下を規制するように開閉板65bが閉鎖される開閉板65bの閉鎖状態が図示され、図6(b)では、特定入賞口65aへの球の流下を許容するように開閉板65bが開放される開閉板65bの開放状態が図示される。なお、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
可変入賞装置65は、開閉板65bの開放状態(図6(b)参照)において、開閉板65bに着地する球を受け入れ、特定入賞口65aへ案内可能となるように、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの板上面が背面側へ向けて下降傾斜するように形成される。
開閉板65bの左右中央部の上方には電動役物140aが配置されているので(図2参照)、開閉板65bに着地する球は、電動役物140aから逸れて流下する球に限定される。即ち、開閉板65bへの球の着地は、左右中央部では生じず、主に、電動役物140aよりも左右外側の部分において生じる。換言すれば、開閉板65bに着地する球の配置は、開閉板65bの左右外側寄りの位置に限定される。
なお、開閉板65bに着地した後の球の配置についてはこの限りではない。即ち、開閉板65bに着地した後の球の流れ方によっては、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置されることは生じ得る。
特に、本実施形態では、電動役物140aを前側から覆う前意匠部材141(図2参照)が、開閉板65b側の空間を確保するように湾曲形成されている(ガラスユニット16(図1参照)と対向配置される前端部下端から背面側へ向かうにつれて下側に張り出す態様の湾曲面として形成されている)ので、開閉板65bの左右中央位置寄りにおいて跳ねた球が前意匠部材141と衝突して勢いを落とされる程度を低くすることができる。これにより、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置される可能性を高めることができる。
なお、前意匠部材141の下部の湾曲形状の曲率半径の中心は、前後どちらに配置されるものでも良い。本実施形態では、横面視における曲率半径が前側下方に配置されるよう形成することで、開閉板65b側の空間をより大きく確保できるようにしている。また、前意匠部材141が左右端部において下側へ向かう程に左右幅が小さくなる形状とされることで、左右側において開閉板65bとの間に空間を確保し易くすることができる。
開閉板65bの開放状態においては、開閉板65bに着地した球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。検出センサSE1の球通過孔163bの手前側には、後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1が球を球通過孔163bに案内可能な上下位置で配設されている。
傾斜流下面163a1は、下面部163aにより左右外側に転動された球が抵抗少なく乗り移れるように下面部163aの左右端部よりも一段下がって形成されている。この傾斜流下面163a1よりも左右外側において開閉板65bに着地した球の流下抵抗を低減するため、傾斜流下面163a1の左右外側において案内板部163a2が形成されている。
案内板部163a2は、受入部材163の後壁部と左右内壁部とから、前側かつ左右内側へ延設される板状部であって、前端面が左右内側ほど後方へ配置がずれる傾斜面として形成される。
これにより、開閉板65bに乗り転動する球が案内板部163a2の前端面に当接した場合に、傾斜面の傾斜に沿って球の流下を案内することができるので、球を傾斜流下面163a1に抵抗少なく案内することができる。そのため、開閉板65bに球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖動作を開始した場合において、その球が傾斜流下面163a1よりも左右外側に配置されていたとしても、開閉板65bの閉鎖動作が阻害される程度を低減することができる。
即ち、例えば、球の流れが悪くなり開閉板65bの閉鎖が滞ったり、開閉板65bの閉鎖動作により後方に流された球が受入部材163の後壁部で跳ね返って開閉板65bに再び当たり、開閉板65bを開放させる方向(前側)の負荷を与えることで開閉板65bが意図せず開いたり、等という動作不良が生じる可能性を低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bは起き上がり動作で閉じる。即ち、開閉板65bに着地した球は、開閉板65bの動作により特定入賞口65aに案内される(飲み込まれる)ので、開閉板65bに乗っている球の左右位置に寄らず、開閉板65bに乗っている球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。
この際、開閉板65bにおける球の配置が左右外側に寄っていたり、球の個数が多かったりすると、開閉板65bの閉鎖動作が遅れる可能性がある。これに対し、本実施形態では、受入部材163の下面部163a、傾斜流下面163a1及び案内板部163a2の形状を工夫しているので、特定入賞口65aに案内された球の流れを滞留させることなく、開閉板65bの閉鎖動作の迅速性を保つことができる。
また、受入部材163の形状を工夫する代わりに、開放状態において球が乗る開閉板65bの転動面は、平面状に形成される(図6(b)参照)。そのため、開閉板65bの開放状態において開閉板65bに着地した球は、一旦後方に流れてから、受入部材163の形状の作用により左右方向へ流され検出センサSE1の球通過孔163bに案内されることになるので、開閉板65b上で球の衝突が生じることを回避し易くすることができる。
即ち、開閉板65bに複数の球が同時に着地しても、その球が一旦後方に平行移動することになるので、開閉板65b上で球が互いに衝突することを回避することができる。従って、開閉板65bの転動面が下面部163aのように左右方向の傾斜面を有する形状とされ転動球に左右方向の流れが形成される場合に比較して、開閉板65b上での球の動きが不規則になる可能性を低くすることができるので、意図せぬ動作不良を未然に防ぐことができる。
受入部材163には、開閉板65bの閉鎖状態において、開閉板65bの左右両端部における回動先端部と当接し、開閉板65bの配置の再現性を高めるための当接面部163a3が形成されている。当接面部163a3は左右一対で形成されており、且つ、開閉板65bの形状に合わせた形状設計により点接触ではなく面接触可能に形成されているので、開閉板65bの配置を安定させ易く、且つ、当接時の負荷を面で受けることにより応力集中を避けることができるので耐久性を向上させることができる。
また、当接面部163a3の下側には、対向配置される開閉板65bと若干の隙間を空け略平行となる面形状で形成される補助当接面163a4が形成されている。補助当接面163a4は、何らかの理由で当接面部163a3と開閉板65bとの当接が不良となった場合のフェールセーフとして設けられている。
本実施形態では、当接面部163a3の手前側において球の流下を制限する被固定部材161が配置されており、基本的には球は当接面部163a3と衝突しないように構成されている。しかし、例えば、当接面部163a3と当接する開閉板65bの回動先端部が欠けた場合、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を保てなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、開閉板65bと当接面部163a3との正常な当接が保てなくなった場合には、開閉板65bの左右端部における前後幅間部と補助当接面163a4との面当接を生じさせ、開閉板65bの配置の安定性を保てるように図っている。これにより、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を向上することができる。
なお、補助当接面163a4を、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bと当接するように構成しても良い。この場合、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bとの当接が生じるので負荷が蓄積され易いという不利益が生じ得るものの、負荷を分散させる面積を拡大できるので、開閉板65bとの当接により当接面部163a3が受ける局所的な負荷の大きさを低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bへ受け入れられる途中の遊技球を、上述した前意匠部材141の形状によって開閉板65bへ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。
即ち、受け入れられる途中の状態(例えば、開閉板65bの回動先端と特定入賞口65aの開口枠部とに挟まれて横滑りしている状態)で、球が前意匠部材141の下部形状と当接した場合に、その湾曲形状に案内させることで特定入賞口65aの内側へ流下させることができる。これにより、開閉板65bから逸れた球が第3流路構成部336の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができるので、第3流路構成部336への視界を確保し易くすることができる。
開閉板65bの閉鎖状態においては、開閉板65bへの球の着地が生じないので、開閉板65bの閉鎖状態において開閉板65bの正面側を流下する球の配置は電動役物140aよりも左右外側に限定される。
従って、本実施形態の構成によれば、開閉板65bの閉鎖状態において特定入賞口65aに案内されずに流下する球の配置を、電動役物140aよりも左右外側位置に限定することができる。これにより、電動役物140aの下側において、電動役物140aの左右端部よりも左右内側位置における視界を確保することができる。
次いで、特定入賞口65aの下流側(特定入賞口65aを通過した球が流れる側)の構成について説明する。図7は、遊技盤13の正面斜視図であり、図8は、遊技盤13の背面斜視図である。なお、図7及び図8では、ベース板60に配設される構成の内、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65以外の構成が取り外された状態が図示される。
図8に示すように、ベース板60の背面側における可変入賞装置65の後方位置には、第1入賞口64、第2入賞口140及び一般入賞口63(図2参照)に入球した球を球排出路(図示せず)へ流すための経路が形成される集合樋150が配設される。
集合樋150は、流路を形成する溝状部分を備え、溝状部分においてベース板60と対面する前側部が開放される。この開放部分がベース板60に閉じられることで、球排出路へ球を流すための経路が完成する。
集合樋150は、第1入賞口64に入球した球の流路を形成する第1流路部151と、第2入賞口140に入球した球の経路を形成する第2流路部152と、左右両側に配置される一般入賞口63に入球した球の流路を左右それぞれに形成する複数の第3流路部153と、を備える。
第1流路部151は、第1入賞口64の後方位置から左下方向へ傾斜する流路として構成され、第2流路部152は、第2入賞口140の後方位置から右下方向へ傾斜する流路として構成される。第3流路部153は、一般入賞口63の下方へ延びる流路として構成される。
従って、正面視では、第1入賞口64及び第2入賞口140が遊技領域の左右中央位置に配置される構成ながら、第1入賞口64及び第2入賞口140に入球した球の流れは、集合樋150によって左右中央位置から左右外側に寄せられる。これにより、第1入賞口64及び第2入賞口140の下方に空間を設けることができ、この空間を利用して可変入賞装置65及び後述する振分装置300を配設することができる。
図9は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解正面斜視図であり、図10は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解背面斜視図である。なお、図9及び図10では、ベース板60の下半部のみが図示され、その他の部分の図示が省略されており、且つ、ベース板60に組み付けられる他の構成についての図示が省略され、ベース板60の地が視認可能となっている。また、図9では、説明の便宜上、センターフレーム86がベース板60に組み付けられた状態で図示される。
可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の固定について説明する。可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。集合樋150は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の背面側からタッピングネジ等により固定されている。
そして、振分装置300は、上部において挿通孔311が可変入賞装置65に締結固定され、左右部において挿通孔331が集合樋150に締結固定される。即ち、ベース板60に直接的に固定される可変入賞装置65や、集合樋150とは異なり、振分装置300の有無は、遊技盤13の完成に影響するものではない。
換言すれば、本実施形態における可変入賞装置65及び集合樋150は、振分装置300を配設する場合と、振分装置300を配設しない場合とで、そのまま流用することができる。これにより、振分装置300の有無に関わらず、可変入賞装置65と集合樋150との共通化を図ることができる。
次いで、可変入賞装置65及び振分装置300の詳細について説明する。可変入賞装置65は、特定入賞口65aを通して遊技領域から球を受け入れ可能に構成されており、振分装置300は、可変入賞装置65に受け入れられた球の流れる流下経路を構成している。本実施形態では、振分装置300の流下経路を流れる球の検出結果に基づいて遊技者が得られる利益が変化するように制御されるが、詳細は後述する。
図11は、可変入賞装置65の分解正面斜視図であり、図12は、可変入賞装置65の分解背面斜視図である。図11及び図12に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定される被固定部材161と、その被固定部材161の正面側に配置され被固定部材161に締結固定される前意匠部材162と、被固定部材161の背面側に配置され、被固定部材161に締結固定され、特定入賞口65aを通った球を受け入れ可能に構成される受入部材163と、その受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、振分装置300との連結部分として介在する介在部材164と、受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、開閉板65bの開閉状態を通電の有無によって切り替え可能に構成される状態切替装置165と、を備える。
被固定部材161は光透過性の樹脂材料から形成され、その正面側の形状は、ネジ挿通用の貫通孔、前意匠部材162との締結位置および特定入賞口65aを除き平坦面で形成される。一方、被固定部材161の背面側の形状は、外周部においてベース板60に面で当接される薄肉部の内側において背面側に張り出す立体的な形状となっている。
特に、薄肉部との境界部161aは横長略楕円の枠状に形成されており、この境界部161aを配設可能な大きさの貫通孔がベース板60に貫通形成される。即ち、境界部161aは、ベース板60の貫通孔に挿通される部分である。
境界部161aの内側では、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの下縁よりも若干下側において特定入賞口65aの下縁と平行な横長板状で後方へ延設される横長板状部およびその横長板状部の途中位置において下方に延設される縦長板状部を備えて左右一対の略T字形状で構成される延設支持板161bと、が形成される。
延設支持板161bは、特定入賞口65aの後方の範囲と、後述する振分装置300の流下経路と、の双方を支持するよう機能する。延設支持板161bの横長板状部から突設される突設支持部161cと、延設支持板161bの縦長板状部から突設される突設支持部161dと、境界部161aの下縁部上面から突設される突設支持部161eと、は振分装置300を支持する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
境界部161aの内側において、特定入賞口65aの左右中央位置下方において左右対称形状で突設される対称突設部161fは、振分装置300を流下する球と当接して球の流下を案内する機能を有する。
前意匠部材162に螺入する締結ネジを挿通するための複数の貫通孔161gは、境界部161aの内側および外側に配置される。受入部材163に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する複数の被締結部161hは、境界部161aの内側に配置される。
介在部材164に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する被締結部161iは、境界部161aの切れ目(左右中央位置)において境界部161aの外側に配置される。即ち、ベース板60に形成される貫通孔の内、境界部161aを挿通するための貫通孔と第2入賞口140及び電動役物140aを挿通するための貫通孔との連結部分(図9参照)に、被締結部161iは配設される。
前意匠部材162は、光透過性の樹脂材料から形成され、正面側は、ガラスユニット16(図1参照)との距離を均一とするべく平坦形状で形成される。前意匠部材162の背面側かつ被固定部材161の正面側の範囲において、球は流下可能とされる。
前意匠部材162の背面側には、被固定部材161の貫通孔161gと合う位置に配設され、貫通孔161gに挿通された締結ネジを螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部162aと、その被締結部162aを上側から覆うような形状で背面側に延設される複数の延設部162b,162cと、を備える。
延設部162b,162cにより、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球が被締結部162aに直接衝突することを回避することができるので、被締結部162aの耐久性を向上することができる。
更に、延設部162b,162cの上面が傾斜面として形成されることにより、球の流下経路を制限することができる。即ち、特定入賞口65aの左右縁部付近で延設される延設部162b(左右中央側の2箇所)の上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162bに乗った球が特定入賞口65a側に流れることを抑制することができる。即ち、延設部162bに乗った球は、延設部162bの左右外側を下方へ落下した後、内レール61(図2参照)に沿ってアウト口71へ向けて流下することになる。
また、左右両端に延設される延設部162c(左右両端の2箇所)の上面が左右内側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162cに乗って流れる球の流下経路を延設部162bに乗った球の流下経路とまとめることができる。これにより、流下する球の個数に比較して、流下する球が配置される範囲を狭めることができ(球の配置密度を高めることができ)、球に視認性を阻害されない部分(流下経路が構成されない空間)を確保することができる。
なお、図11に図示される前意匠部材162は無地で記載され、背面側の視認性が良好とされているが、前意匠部材162を無地で構成する必要はない。例えば、前意匠部材162の正面側に模様やキャラクターが図示されたシールを貼り付けて装飾するようにしても良いし、前意匠部材162に幾何学模様で溝を掘り、その溝に光が照射されることで幾何学模様が浮かび上がって視認されるようにしても良い。また、無地や、上述のような装飾が加えられた上で、前意匠部材162が非透過性となるように構成しても良い。
受入部材163は、光透過性の樹脂材料から正面側が開放された横長の枠状(または箱状)に形成され、上述した案内板部163a2と、当接面部163a3と、補助当接面163a4と、枠内側において流下面を形成する下面部163aと、下面部163aを流下した球が通過可能な貫通孔として配設される球通過孔163bと、被固定部材161の被締結部161hに合う位置に配置され被締結部161hに締結固定される締結ネジが背面側から挿通される複数の挿通孔163cと、介在部材164に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部であって左右中央側に配設される一対の被締結部163dと、状態切替装置165に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有する複数の被締結部163eと、を備える。
下面部163aは、左右中央部を頂点として左右外側へ向けて下降傾斜する左右傾斜面として形成され、その左右傾斜面の左右外端部から一段下がった位置において後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1を備えていることで、傾斜流下面163a1の後端部を流下する球が球通過孔163bを抵抗小さく通過できるように配設される。
球通過孔163bは、受入部材163の背面側に係合される検出センサSE1に形成される検出用孔である。即ち、球通過孔163bを球が通過したことは検出センサSE1により検出される。
介在部材164は、光透過性の樹脂材料から形成され、後方へ向けて下降傾斜する光屈折面を有する本体部164aと、その本体部164aの上側部において貫通形成され受入部材163の被締結部163dに螺入される締結ネジを挿通可能な一対の挿通孔164bと、その挿通孔164bよりも上側に配置されLEDが配設される発光基板164cと、本体部164aの下端側左右両端部において振分装置300に挿通される締結ネジを螺入可能な雌ネジ部を有して形成される一対の被締結部164dと、本体部164aの上側部において貫通形成され被固定部材161の被締結部161iに螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔164eと、を備える。
発光基板164cは、LEDが配置される面が斜め前上方向を向く姿勢で配設され、組立状態において、正面視で特定入賞口65aの真上位置(図6参照)、且つ、第2入賞口140の真下位置に配置される。このような配置から、発光基板164cからの光は、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球を望みその箇所を斜め後下方向の視線で見つめる遊技者の視界に容易に入る。
従って、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が検出された際に発光基板164cのLEDを点灯させるよう制御することで、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が生じたか否かを遊技者に容易に把握させることができる。
上述の構成から、介在部材164は、被固定部材161及び受入部材163の双方に締結固定される。これにより、被固定部材161と受入部材163との締結固定のみで構成する場合に比較して、被固定部材161と受入部材163とを強固に固定することができる。また、介在部材164を介して被固定部材161及び受入部材163と連結固定される振分装置300の配置を安定させることができるので、被固定部材161及び受入部材163と振分装置300との相対的な位置ずれを抑制することができる。
状態切替装置165は、受入部材163の被締結部163eに螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通部165aを有し、配線通し用、兼、放熱用の複数の開口を有して上側が開放される深底の箱状に形成される下ケース部165bと、その下ケース部165bに収容される電磁ソレノイド165cと、その電磁ソレノイド165cのプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部165dと、下ケース部165bの前端部から回動先端部がはみ出すような配置で下ケース部165bに回動可能に支持され、スライド部165dのスライド変位に伴い回動する回動部165eと、複数の挿通孔165fに挿通される締結ネジにより下ケース部165bに締結固定される上蓋部165gと、を備える。
回動部165eの回動先端は、棒状部が係合可能に凹設されており、この凹設部に開閉板65bの右側端部から右方に突設される伝達突部65cが入り込み、係合される。伝達突部65cは、開閉板65bの開閉動作の回転軸を形成する金属製の軸棒部65dから偏心した位置に配置されている。このように構成することで、回動部165eの回動に伴って、開閉板65bの開閉動作を生じさせることができる。
図13及び図14は、振分装置300の分解正面斜視図である。図13では、振分装置300を上方から見た斜視図が図示され、図14では、振分装置300を下方から見た斜視図が図示される。
図13及び図14に示すように、振分装置300は、介在部材164の被締結部164dに螺入される締結ネジが挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔311を有する上部材310と、その上部材310に上下方向で締結固定されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔331を有する中部材330と、その中部材330と上部材310との間に収容され正面側にLED等の発光手段351が配設される基板350と、中部材330と上部材310との間の位置に収容され通電の有無によって状態を切り替え可能に構成される状態切替装置360と、中部材330の下方に配置され状態切替装置360の状態の切り替えに伴い前側位置と後側位置とで前後にスライド変位するスライド変位部材370と、中部材330との間にスライド変位部材370を挟むように中部材330の下方に配設されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔381を有する下部材380と、を備える。
各部の構成の詳細を説明する前に、振分装置300の機能の概要について説明する。振分装置300は、検出センサSE1の球通過孔163b(図12参照)を通過した球が流下する流下経路を構成する装置である。
球通過孔163bを通過した球は、上部材310の内部、上部材310と中部材330との間に形成される流路構成部334,335,336、下部材380の内部、という順で流下し、下部材380から流下した球は球排出路(図示せず)へ排出される。
振分装置300の内部を流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、その流下態様により、遊技者の目を楽しませる単なる演出的効果のみでは無く、遊技者が得られる利益に変化を生じさせるといった遊技利益に関わる効果を奏する。
振分装置300の内部を流下する球の流下態様の違いは、主に、スライド変位部材370の配置により生じる。即ち、球が中部材330から下部材380へ向けて流下する時におけるスライド変位部材370の配置により、球が下部材380のどの箇所を通過するかに違いが生じる。
従って、遊技者の視線は、自ずと中部材330から下部材380へ向けて球が流下する箇所(後述するように、スライド変位部材370の配置箇所)に集まり易くなるので、本実施形態では、視線の集中を前提とした工夫が施されている。
次いで、振分装置300の各部の構成の詳細について説明する。上部材310は、光透過性の樹脂材料から形成される上面視コ字状の薄肉部材であり、上述の挿通孔311と、球を受け入れ可能に貫通形成される一対の開口部312と、目印として貼り付けられる有色(本実施形態では、赤色)透明の一対のシール部材313と、開口部312の下縁から外周部に沿って正面側に延設される一対の上面部314と、中部材330に螺入される締結ネジが挿通可能な貫通孔が形成される複数の挿通筒部315と、中部材330に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジを有する被締結部316と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される前後方向に長尺の部分であって左右に並べて配設される一対の前後長突設部317と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の間に配設される一対の左右内突設部318と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の左右外側に配設される一対の左右外突設部319と、基板350の上部を配置可能な大きさの凹部として形成される収容凹部320と、を備える。
開口部312は、可変入賞装置65の球通過孔163bを通過した球を受け入れ、下方へ流す役割を果たす通路状部(トンネル状部)であり、上前縁部は傾斜姿勢の検出センサSE1(図12参照)の板背面と面一となるように傾斜面で切断したような形状とされる。これにより、開口部312の上前縁部を検出センサSE1の板背面に接触させることができる。
また、開口部312は、球通過孔163bの開口方向視で球通過孔163bの開口内側に侵入しない程度の開口度合いで形成される。これにより、球通過孔163bを通過した球を開口部312に案内する際の流下抵抗を低減することができる。
シール部材313は、基板350の発光手段351から照射される光を受けて煌びやかに視認されることで、遊技者の注目を集める部材として機能するが、詳細は後述する。
上面部314は、上部材310の下方における球の流下経路に合わせて傾斜が形成される薄板部である。開口部312の正面側に配置される第1上面部314aは正面側へ向かうほど下降傾斜するように形成され、第1上面部314aの前端部と連結され左右内側に配置される第2上面部314bは左右内側へ向かうほど下降傾斜するように形成される。そして、左右の第2上面部314bの左右間隔が手前側ほど長くなるように構成されることで、第2上面部314bの間を通して球を視認する遊技者の視界の確保を図ることができる。
挿通筒部315は、締結ネジのネジ頭を受ける座グリが上面側に形成される。そのため、締結ネジを上側から挿通するという構成ながら、遊技者に締結ネジのネジ頭が視認されることを回避し易くすることができる。
挿通筒部315は、中部材330に形成される雌ネジ部を有する被締結部332dに合う位置に配置される。特に、左側の挿通筒部315に対応する被締結部332dは、回動部363を支持する支持部を兼ねるが、詳細は後述する。
被締結部316に螺入される締結ネジは、ネジ部が上向き、ネジ頭が下向きの姿勢で配置される。そのため、被締結部316を手前側に配置する構成ながら、斜め上から視認する遊技者に対してネジ頭が目立ちにくいようにされている。これにより、上部材310と中部材330とを強度に固定しながらも、締結ネジにより振分装置300の見映えが悪くなることを回避することができる。
被締結部316が右側にしか形成されていないのは、既に後側において挿通筒部315が2箇所に配設されているので前側における締結位置は1箇所で十分な点や、ネジ頭が下向きにされ目立ちにくいとはいえ不要であれば配設を省略した方が振分装置300の見栄えが良くなる点等が、理由である。なお、被締結部316の配置はこれに限定されるものではない。例えば、左側に配設されても良いし、左右一対で配設されても良い。
被締結部316の配置は、球の流下経路を避け、且つ、振分装置300の見映えの低下を最低限に抑えられる位置として設定されているが、詳細は後述する。
各一対で形成される前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319の下面部は、それぞれ同一の箇所を基準として、その箇所から遠ざかるほど配置が下がるような湾曲面として形成される。この湾曲面は、前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319で異なる形状とされており、この形状の違いにより球の流下態様を制御する意図がある。
中部材330は、上述の一対の挿通孔331と、後側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される後側枠状部332と、前側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される一対の前側枠状部333と、その前側枠状部333の左右外側において凹設され球の流下経路を構成する一対の第1流路構成部334と、その第1流路構成部334の前端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の前側において凹設される一対の第2流路構成部335と、その第2流路構成部335の左右内側端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の左右内側において凹設される一対の第3流路構成部336と、を備える。
また、中部材330は、第3流路構成部336の後端部の後ろ側において左右長尺形状で下底に貫通形成され球の排出路として機能する排出孔337と、その排出孔337及び第3流路構成部336を左右に仕切るよう前後方向に長尺の板状に形成される仕切り板部338と、第3流路構成部336の後方端部における下側面から左右長尺の矩形状凸部として突設される一対の位置合わせ突設部339と、を備える。
後側枠状部332は、球の流下経路を構成する前側部とは異なり球の流下経路を構成せず、主に基板350や状態切替装置360を支持する部分として構成される。後側枠状部332は、左右中央部の正面側端部において上下方向に貫通形成されスライド変位部材370を配置可能に構成される配置用貫通孔332aと、左右方向に長尺の貫通孔として下底部に貫通形成され状態切替装置360の被案内部362cのスライド変位を案内する案内孔332bと、下部材380に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部332cと、上部材310の挿通筒部315に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジ部を上先端に有する円柱形状の被締結部332dと、を備える。
前側枠状部333は、枠内側および下底部表裏面に光拡散加工が施されていることで、前側枠状部333の奥側の視認性が低下することになる。前側枠状部333は、上面視略正方形状の枠状に形成されており、上部材310の被締結部316に螺入される締結ネジを挿通可能な座グリ孔として形成される挿通孔333aを備える。
第1流路構成部334、第2流路構成部335及び第3流路構成部336は、それぞれ球の流下経路を構成する部分であり、球の流下方向や、傾斜角度等が異なるように設計されているが、詳細は後述する。
なお、第2流路構成部335と第3流路構成部336との連結位置において正面側が開放される開放部335aは、可変入賞装置65の対称突設部161f(図12参照)が進入可能とするための空隙である。即ち、対称突設部161fは、振分装置300を流下する球に当接可能となるように、開放部335aを通して流路内側に進入するように配置される。
排出孔337は、仕切り板部338に仕切られる形で、左右一対で構成され、球が少なくとも2経路で排出可能な大きさで形成される。即ち、少なくとも、球の直径の2倍以上の左右長さで構成される。なお、本実施形態では、排出孔337の下側に配置される下部材380に複数の検出センサSE1が横並びにされているので、その検出センサSE1の球貫通孔の配置に合わせて排出孔337の形状を設計するようにすれば良い。
仕切り板部338は、上述のように第3流路構成部336を仕切る機能に加え、スライド変位部材370の変位を案内する案内部としての機能を奏するが、詳細は後述する。位置合わせ突設部339は、下部材380の突設部383aと嵌め合わされ、中部材330と下部材380との位置ずれを回避するための部分であるが、詳細は後述する。
基板350は、下側部353の方が上側部352に比較して左右長尺となる逆T字形状で形成されており、下側部353の左端側における下端部に位置合わせ用の凹設部354を備える。
凹設部354が、中部材330の内部形状として対応する部分と係合することで左右方向の位置決めがされ、左右長尺の下側部353が中部材330の後側枠状部332に前後から挟まれるように支持されることで前後方向の位置決めがされ、上部材310の収容凹部320に上側部352が収容されることで上方への脱落が防止されることで配置が固定されるよう構成されるが、発光手段351の配置の意図と共に詳細は後述する。
状態切替装置360は、中部材330の後側枠状部332に収容される装置であって、電磁ソレノイド361と、その電磁ソレノイド361に左右方向に直動変位するよう支持されるプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部362と、左側の被締結部332dに挿通されることで回動可能に支持され、スライド部362のスライド変位に伴い回動する回動部363と、を備える。
スライド部362は、電磁ソレノイド361のプランジャーの先端の円板部361aを上側から受け入れ可能に凹設される凹設部362aと、右側面から右方に張り出す張出部362bと、下側面の前後中央部から下方に突設され左右方向に長尺の長円形状の断面で形成される被案内部362cと、を備える。
凹設部362aの形成方向から、円板部361aがスライド部362を上側から支える構成となるので、スライド部362が上方へ脱落することを防止することができる。そのため、円板部361aにスライド部362を接着剤等で固着せずとも、スライド部362の配置を円板部361aと中部材330の下底部との間で維持することができる。
被案内部362cは、中部材330の案内孔332bに挿通されることで、スライド部362の変位方向が左右方向からずれることを回避するための部分である。特に、本実施形態では左右方向に長尺に形成されるので、被案内部362cと案内孔332bとの係合により、スライド部362の姿勢維持を図ることができる。なお、被案内部362cの断面形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、円形でも良いし、矩形でも良い。
回動部363は、上面視で略L字状に形成され、L字の接続部において上下方向に長尺の筒状に形成され中部材330の被締結部332dを挿通可能な大きさの貫通孔を有する支持筒部363aと、L字の短手側先端部から上方へ向けて円柱状に突設され張出部362bが有する貫通孔に挿通される上円柱部363bと、L字の長手側先端部から下方へ向けて円柱状に突設されスライド変位部材370の凹設部378に挿通される下円柱部363cと、を備える。
上述の構成により、回動部363は、支持筒部363aを中心軸として回動可能に構成される。この回動部363の変位は電磁ソレノイド361の状態の変化によって生じる。即ち、電磁ソレノイド361に通電されることでプランジャーがスライド変位しスライド部362が左右方向に変位すると、張出部362bの貫通孔に挿通されている上円柱部363bが変位し、これに伴い下円柱部363cが変位し、結果としてスライド変位部材370を変位させる。
スライド変位部材370は、中部材330と下部材380との上下間位置において前後方向にスライド変位するよう支持される部材であって、中部材330の後側枠状部332の下底部と下部材380とに上下から挟み込まれて支持される薄板部371と、その薄板部371から左右一対で上方に突設される上突設部376と、その上突設部376よりも後側において左右中央部で上方に突設される突設部の突設端部で凹設され回動部363の下円柱部363cを受け入れ可能に形成される凹設部378と、を備える。
薄板部371は、後側半部において左右一対で貫通形成される被支持孔371aと、左右中央部における正面側端部から上突設部376の配置間隔よりも短い左右幅で前後長尺に凹設される凹設部372と、その凹設部372の縁部に沿う突条形状で下方に突設される一対の下突条部373と、後側半部における左右縁部に沿う突条形状で上下両方向に突設される複数の上下突条部374と、後端部から下方に円柱状で突設され下部材380の案内長孔386に挿通される円柱突部375と、を備える。
下突条部373及び上下突条部374は、上下側に配置される中部材330又は下部材380と対面し摺動することを想定した部分であり、平面での接触に比較して、中部材330及び下部材380との接触面積を低減するための突条である。接触面積を低減することで、スライド変位部材370の変位抵抗を低減することができるので、スライド変位部材370の変位速度が遅くなることを防止することができる。
上突設部376は、正面視略台形状の柱状部であり、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように配置される。上突設部376の左右内側の隙間の幅長さは、中部材330の仕切り板部338の左右厚みよりも若干長く設計される。この構成により、仕切り板部338により、上突設部376の変位を案内することができる。
換言すれば、上突設部376は、左右内側の隙間に仕切り板部338を挟むように配置され、仕切り板部338との当接により左右方向の位置ずれが抑制されるよう構成される。これにより、スライド変位部材370の変位を良好に案内することができ、スライド変位部材370の変位方向を前後方向に維持することができる。
凹設部378は、スライド変位部材370の前後方向変位を生じさせるのに必要となる回動部363の下円柱部363cの変位に対応できるように、左右方向に長尺の長孔として形成される。
凹設部378が形成される突設部は、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように構成されることで、回動部363の下円柱部363cを容易に凹設部378に挿通することができる。
このように、配置用貫通孔332aの形状は、挿通を予定される上突設部376と、凹設部378が形成される突設部と、が配置される全範囲を内側に含む形状の貫通孔として設計される。
下部材380は、上述の挿通孔381と、左右に長尺の薄板状に形成される板状部382と、その板状部382の下側において複数(本実施形態では4個)の検出センサSE1を左右に並べて配置可能とする枠状に形成されるセンサ保持枠部389と、を備える。
センサ保持枠部389は、検出センサSE1を挿入する背面側面と、検出センサSE1の貫通孔を通る球が通過する上下側面と、が開口形成されており、その他の部分が閉鎖されてなる枠状に形成される。
板状部382は、センサ保持枠部389に上下方向の貫通孔が形成されたことと同様に、検出センサSE1の貫通孔と合う位置に貫通孔が形成され、左右内側の2個の検出センサSE1の中間位置において前後方向に長尺の突条形状で上方へ突設される突条部383と、その突条部383の前側端部から左右に離れた位置で突設される一対の突設部383aと、突条部383よりも後側の位置においてスライド変位部材370の被支持孔371aに挿通可能な位置で突設される一対の案内突設部384と、その案内突設部384よりも左右外側の両位置において前後方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条385と、上面視において突条部383と同一直線上に延びる長孔状の案内長孔386と、前側面において後方に突の湾曲面形状で形成される湾曲面部387と、中部材330の被締結部332cに螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔388と、を備える。
突条部383は、スライド変位部材370の凹設部372の左右隙間幅よりも若干短い左右厚みの突条として形成され、スライド変位部材370は凹設部372で突条部383を挟むように配置される。即ち、突条部383は、スライド変位部材370の前後方向変位を案内する案内部として機能する。
突設部383aは、左右内側端部が、中部材330の位置合わせ突設部339の左右外側端部と同等の位置となるように設計される。即ち、一対の突設部383aの左右内側端部に、位置合わせ突設部339の左右外側端部が当接する形で、嵌め合わされることにより、下部材380を基準とした中部材330の左右方向の位置を適切に定めることができる。それと共に、下部材380の枠前部(突条部383を突設部383aとを前端側でつなぐ部分)の背側面と位置合わせ突設部339の前側面とを当接させることで、下部材380を基準とした中部材330の前後方向の位置を適切に定めることができる。
これにより、中部材330の構成としての第3流路構成部336と、下部材380の構成としての検出センサSE1と、の間に位置ずれが生じることを回避し易くすることができる。
案内突設部384は、左右長尺の長円形状に形成されており、スライド変位部材370の被支持孔371aに挿通され、スライド変位部材370の変位を制限する。即ち、スライド変位部材370の変位は、被支持孔371aの内部に案内突設部384が配置される範囲での変位に制限される。
これにより、スライド変位部材370と突条部383との衝突を生じさせないようにすることができるので、例えば、前方向の変位終端がスライド変位部材370と突条部383との衝突した位置で定まる構成に比較して、突条部383の耐久性を向上することができる。そのため、突条部383による案内効果を長く奏し続けることができる。
なお、案内突設部384は、破損したとしてもスライド変位部材370の動作に即座に影響が生じる部分では無く、突条部383への衝突を防止するための部分として機能する。そのため、通常は案内突設部384の破損が生じない状態で設定期間(例えば、3年)において使用を維持できる強度で設計するところ、案内突設部384が破損した後は突条部383とスライド変位部材370とが衝突する状態で使用をすることを見込んで、案内突設部384及び突条部383の強度を設計するようにしても良い。即ち、案内突設部384の寿命を設定期間未満として(例えば、2年)として、残りの期間を突条部383の強度で耐えるように設計しても良い。この場合、下部材380に使用する樹脂材料の設定自由度や、形状の自由度を向上することができる。
案内突条385は、スライド変位部材370の薄板部371の左右幅よりも若干長い隙間幅で配置され、薄板部371を隙間に配置可能に形成される。スライド変位部材370の変位は、案内突条385の左右内側における変位に制限される。これにより、スライド変位部材370の前後方向変位を、左右方向の位置ずれ小さく生じさせることができる。
案内長孔386は、スライド変位部材370の円柱突部375を挿通可能な左右幅で形成される長孔である。スライド変位部材370の変位の方向は、円柱突部375が案内長孔386に案内されることで前後方向に制限される。
湾曲面部387は、中部材330よりも下側を流下する球の流下を案内するための当接面である。本実施形態では、アウト口71に入球した球の流下を案内することになるが、詳細は後述する。
挿通孔388には、締結ネジがネジ頭を下側に向けた姿勢で挿通される。これにより、締結ネジが目立って視認されることを回避することができる。また、挿通孔388の配置は、複数の検出センサSE1が配置される範囲よりも左右外側かつ背面側とされる。これにより、挿通孔388に挿通される締結ネジが、検出センサSE1付近または検出センサSE1の貫通孔を通過する球を見る視界を遮る可能性を低くすることができる。
上述のように、スライド変位部材370は、複数の部分、即ち、薄板部371に対する案内突条385や、被支持孔371aに対する案内突設部384や、凹設部372及び下突条部373に対する突条部383や、円柱突部375に対する案内長孔386や、上突設部376に対する仕切り板部338等、に案内されて前後方向へ変位する。これにより、案内時の負荷を複数位置に分担させることができるので、負荷が局所的にかかることを回避でき、スライド変位部材370及びスライド変位部材370を案内する案内用部分の破損を回避することができる。
ここからも分かるように、スライド変位部材370は、単一の部材に案内されるものではなく、少なくとも、中部材330と、下部材380と、の複数部材に案内される。即ち、スライド変位部材370は、少なくとも、中部材330の仕切り板部338に一対の上突設部376が案内され、且つ、下部材380の突条部383に凹設部372が案内される。
そのため、中部材330と、下部材380との組み付けが不良で、配置ずれが大きいと、スライド変位部材370の動きが阻害される。ここで、中部材330と下部材380とは、球の流下経路を連続的に構成する部分として配置ずれを小さく抑えることが好ましい所、スライド変位部材370の変位が良好とされていることにより、配置ずれが小さいことを保証することができる。
換言すれば、中部材330に対する下部材380の配置ずれが過度に大きくなると、スライド変位部材370の変位が良好に行われないので、スライド変位部材370の変位が不良であることを検出することにより、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良となっている可能性があるとしてエラー報知を実行するよう制御することができる。
従って、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良な状態のままの遊技が継続されることを防止できるので、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低くすることができる。
次いで、振分装置300の内部構造の詳細について説明する。なお、ここでは、振分装置300の内部における球の流下に関わる構成と、球の流下経路側に進入する構成と、について主に説明する。
図15は、受入部材163及び振分装置300の正面図であり、図16は、図15のXVI-XVI線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図17は、図15のXVII-XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図18は、図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。
なお、図15から図18では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は前側位置に配置された状態で図示される。まず、振分装置300の内部を流下する球の流下経路の詳細について説明する。
開閉板65bが開放状態(図6(b)参照)の時に開閉板65bに着地した球は、受入部材163の下面部163aを転動し球通過孔163bに案内される。球通過孔163bを通過した球は上部材310の開口部312を通過し、中部材330の第1流路構成部334に案内される。第1流路構成部334と、続く第2流路構成部335と、その先に続く第3流路構成部336とは、全て下降傾斜する傾斜流路として構成され、接続される流路同士が上面視で90度の角度を成す渦巻き状に形成される。
即ち、第1流路構成部334は前後方向正面側に球を流下させる傾斜流路として形成され、第2流路構成部335は第1流路構成部334を流下する球の流下方向を基準として90度回転した左右方向に球を流下させる傾斜流路として形成され、第3流路構成部336は第2流路構成部335を流下する球の流下方向を基準として先の回転方向と同方向に90度回転した前後方向背面側に球を流下させる傾斜流路として形成される。
このように、流下経路を屈曲角度が直角の渦巻き状に形成することで、球の流下速度が下流側に向かうにつれて増加する程度を低減することができる。詳述すると、第1流路構成部334を流下する球は正面側へ向けて加速するところ、続く第2流路構成部335での流下方向は前後方向成分を持たないので、第1流路構成部334での加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。更に、第2流路構成部335に続く第3流路構成部336では、第1流路構成部334での加速方向とは逆の後方へ向けた流下となるので、前後方向の加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。
従って、例えば、終始一貫して同方向(例えば、左方向)へ向けて流下する流下態様と異なり、下流側において球の流下速度が過大となることを回避し易くすることができる。換言すれば、流路全体において球の流下速度を均一にしやすくすることができ、球に対する遊技者の注目力を高く維持することができ、球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができるという効果を奏する。
また、例えば、第2流路構成部335を形成しないことも可能だが、第2流路構成部335を形成した方が、球の詰まりや、逆流を防止し易くすることができる。第2流路構成部335が形成されない場合(第2流路構成部335の左右方向長さが0である場合)、即ち、第1流路構成部334と第3流路構成部336とが連結される場合、その連結箇所において、球の流下方向を手前側の流れから後方への流れに180度反転する必要が生じる。この場合、球の流下方向の切り替え角度が大きく、特に速度方向を前後に反転させる必要があるので、球を滑らかに流下させることが困難であり、球の滞留や詰まり、逆流が生じ易く、不具合が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、流下方向の切り替え角度が90度以下であれば(本実施形態では、90度)、球の速度方向の反転が生じないので、球を滑らかに流下させることができ、球の滞留や詰まり、逆流を回避し易くすることができる。
各流路構成部334~336の接続端部における流路形状について説明する。第2流路構成部335と第3流路構成部336との接続端部においては、上述の対称突設部161fが球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として配設される。
対称突設部161fは、球の上流側に配置される部分よりも下流側に配置される部分の方が球の経路から退くよう形成される。例えば、隣り合って配置される仕切り板部338の左右幅よりも、対向配置される対称突設部161fの左右幅の方が長く形成される。また、開放部335a付近の第2流路構成部335の流路側面よりも、対向配置される対称突設部161fの左右端側の後端部の方が正面側に配置される(図17参照)。
これにより、球が対称突設部161fに衝突した場合に、球が過度に減速されたり、球の逆流が生じたり、することを防止することができる。
また、第2流路構成部335と第1流路構成部334との接続端部においては、中部材330の前側左右端部において湾曲形成される側壁部334aが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
また、第1流路構成部334の上流側端部においては、正面側へ向かうほど配置が下がる湾曲面形状(図16参照)で第1流路構成部334の流下面部から上方へ突設される湾曲突部334bが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
即ち、開口部312を通過した球は、湾曲突部334bを転動し、第1流路構成部334を流下し、流下中に側壁部334aに当接することで流下方向を切り替えられ、第2流路構成部335を流下し、流下中に対称突設部161fに当接することで流下方向を切り替えられ、第3流路構成部336を流下し、排出孔337に到達する。
側壁部334aは、被固定部材161の突設支持部161dと係合し、位置合わせ可能な形状から形成される。即ち、側壁部334aが左右の突設支持部161dに挟み込まれるように支持され、左右方向への位置ずれが規制されることで、可変入賞装置65と振分装置300との左右方向の位置合わせを行うことができる。
各流路構成部334~336の長手方向の傾斜角度および長さの比について説明する。長手方向の傾斜角度については、第1流路構成部334は、水平に対する傾斜角度が約7度とされ、第2流路構成部335は、水平に対する傾斜角度が約5度とされ、第3流路構成部336は、水平に対する傾斜角度が約5度とされる。即ち、第1流路構成部334において傾斜角度が最大に設定され、第2流路構成部335及び第3流路構成部336では若干緩い共通の傾斜角度に設定される。
長さについては、各流路構成部334~336は、上面視において外形正方形状に形成される前側枠状部333を内側側面とし、その前側枠状部333のなす正方形の中心と同じ中心を有する大きな正方形を外側側面とするように形成される。ここで、本実施形態では、前側枠状部333の一辺の長さが21mmとされており、上述の大きな正方形の一辺の長さが45mmとされることにより、周囲に幅12mmの流路が形成される。
そのため、通常使用される直径11mmの球に対して、流路とのクリアランスが球の両側の合計で1mmとされているので、球は幅方向の位置ずれがほとんどない状態で流下することになる。これは、ベース板60(図2参照)とガラスユニット16(図1参照)との間隔が19mm程度で規定されることから考えても、小さなクリアランスであるといえ、流下する球の位置ずれを抑制することができる。
正方形状の前側枠状部333の周囲を取り巻く正方形上に配置される各流路構成部334~336の端部を構成する部分の内、第1流路構成部334の上流側の端部を構成する湾曲突部334bのみが正方形の頂点よりも内側(正面側)に配置されているので、第1流路構成部334は、第2流路構成部335及び第3流路構成部336に比べて短い。
上面視における実測値から言えば、第2流路構成部335及び第3流路構成部336により形成される流路は略同等の長さとされ(球中心間隔で33mm)、その長さは、第1流路構成部材334により形成される流路の長さ(球中心間隔で22mm)の約1.5倍とされる。
上述した各流路構成部334~336の長手方向の傾斜角度および長さの比から、各流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間は一定では無いことが説明できる。即ち、傾斜角度が最大で且つ流路長さが最短の第1流路構成部334を通過する時間は、傾斜角度が緩められ且つ経路長さが1.5倍の第2流路構成部335及び第3流路構成部336を通過する時間よりも短い。
本実施形態では、このように構成することで、検出センサSE1の球通過孔163bを通過する際に配置が背面側へ移り、且つ検出センサSE1の非透過の樹脂部分に一部が隠されることで球の視認性が悪くなる状態から、球を早期に正面側に変位させることができ、遊技者に近く、球の視認性が高い状態へと状態を切り替えることができる。これにより、球通過孔163bを通過した球を遊技者が見失う事態が生じることを回避し易くすることができる。
更に、球の視認性が高い状態においては、球の流下速度を緩めることにより、球へ向けた視線を遊技者が素早く動かすことを不要とし、球に注目する遊技者の遊技負担(眼球の移動による目の疲れ)を低減することができる。
このように視認性が高くなる第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球に注目する際に、第2流路構成部335に沿って左右方向に球が流下する場合に比較して、第3流路構成部336に沿って前後方向に球が流下する場合の方が、正面視における球の変位量が小さくなるので、球に注目する遊技者の遊技負担を、第3流路構成部336を流下する球に注目する際に最小とすることができる。
換言すれば、長さ及び傾斜角度が同等であることから、第2流路構成部335を球が通過するのに要する時間と、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間と、は同等とされるところ、正面視における球の変位量が異なるので、結果として見かけ上の球の流下速度(正面視での球の変位速度)は、第3流路構成部336を流下する球の方が第2流路構成部335を流下する球よりも遅くなる。
遊技負担が最小とされ球に注目させ易い第3流路構成部336の後端部において球の流下経路は唯一変化し、それ以外の部分では球の流下経路は各流路構成部334~336において共通とされる。従って、遊技者の視線は第3流路構成部336の後端部に自ずと集中し易いところ、このように視線を集中させる遊技者の遊技負担を有効に低減することができる。
また、第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者の視界を確保するために、本実施形態では、第2流路構成部335の前側面に開放部335aが形成されるので(図17参照)、第3流路構成部336へ向かう視線を第2流路構成部335の肉部が妨げることを回避することができる。
更に、開放部335aの内側に配設される対称突設部161fは、流下する球との当接、案内のために必要な部分のみが形成され、その上下側においては形状部の形成が省略される。換言すれば、対称突設部161fは上下に薄肉の板状部として形成され、その上下側には空間が確保される(図18参照)。そのため、対称突設部161fが上下に厚みを持って形成される場合に比較して、第3流路構成部336の後端部へ向けた視線が対称突設部161fに妨げられる可能性を低くすることができ、視認性を向上することができる。
また、第3流路構成部336の後端部を中心とする視界側へ、開閉板65bから逸れてアウト口71へ向かう球が集まってくるように構成される(図5参照)。特に、本実施形態では、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の下方を流下し、下部材380の湾曲面部387に当接し下方へ排出される。
従って、第3流路構成部336を流下する球を斜め上前側から視認する視線を前提とすると、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の奥側を流下する。そのため、第3流路構成部336を流下する球と、アウト口71に入球する球とが前後で被って視認されることになるので、第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む球の総数が多くなる。
換言すれば、特定入賞口65aに入球して第3流路構成部336を流下する球か、特定入賞口65aには入球せずアウト口71に入球する球かに寄らず、球が第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む。
従って、特定入賞口65aへの球の向かい易さ、即ち、ベース板60に植設される釘構成(所謂ゲージの良し悪し)に関わりなく、発射された球の多く(他の入賞口63,64,140に入球した球を除く球)が集まる位置と前後方向で被る位置に、第3流路構成部336の後端部(遊技者の注目が集まる部分)が配置される。これにより、流下する球により、視線を効率的に第3流路構成部336の後端部に誘導することができる。
上述のように、正面側寄りの位置における視認性を向上したが、その上で、本実施形態では、背面側寄りの位置における視認性を、第3流路構成部336の後端部を除いて低下させるよう構成している。
例えば、中部材330の前側枠状部333の内側面には、プリズムに倣った形状で光拡散の作用を生じさせるための光拡散加工面333bが形成される。図17において、鋸歯状に視認される箇所が光拡散加工面333bであり、内側面のほぼ全内周、且つ、上下に亘って形成される。
光拡散の作用が生じると、光が複数方向に拡散されることで、面全体が光っているように視認されるので、表面を煌びやかに光らせ演出することができる一方で、光に視線が遮られ、その奥側の視認性が悪くなる。本実施形態によれば、基板350の発光手段351から光が照射される状態では視認性が悪くなり、逆に、光が照射されていない場合には、少なくとも光が照射される状態に比較して視認性を良くすることができる。
一方、光との間に遮蔽物があると、その遮蔽物の影が黒点として視認されることになり、その位置を判別し易くなる。
光拡散加工面333bと同様の加工面が他の部分にも形成されている。例えば、左右外突設部319の背側面に形成される光拡散加工面319aや、後側枠状部332の枠前部の背側面に形成される光拡散加工面332e等である(図17参照)。
また、同様の形状で形成される加工面としては、上部材310の第2上面部314bの背面側に延設される板状部であって組立状態において中部材330の前側枠状部333に蓋をする部分の上面側において形成される光拡散加工面314cや、中部材330の後側枠状部332よりも前側の部分の下側面全体に亘り形成される光拡散加工面340等が例示される。
これらの構成により、本実施形態では、各流路構成部334~336から渦状に形成される流路の、背面側、下面側、渦の内側面および、その渦の上側面に、それぞれ光拡散加工面が形成されており、光照射による視認性の変化の効果を図っている。
光拡散加工面に光が照射されていない状態において、正面側から第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者目線で、第3流路構成部336から左右方向に方向転換した球を前側枠状部333で隠して、即座に見え難くすることができる。
更に、斜め上からの方向視で第3流路構成部336を流下する球を視認する遊技者目線で、センサ保持枠部389に保持される検出センサSE1を通過し落下した後の球を見ようとしても、その視線は光拡散加工面340を通過することになるので、光拡散加工面340に光が照射されることにより、検出センサSE1を通過し落下した後の球の識別は困難となる。
本実施形態では、後述するように、第3流路構成部336の後端部を球がどのように流下するかによって、遊技者が得られる利益が変化するよう制御される。
従って、第3流路構成部336の後端部から球がどのように流下したのかを把握するために、第3流路構成部336の後端部における球の挙動を確認する必要が生じるので、第3流路構成部336の後端部への注目力をより一層向上することができる。
一方、発光手段351から光が照射されれば、球の影を黒点として視認し易い状態を構成することができる。このように、光の照射の有無を状況に応じて切り替えることで、球の視認性の良し悪しを切り替えることができる。また、黒点よりも正面側における球の配置の有無により、その黒点が球で隠される状況と、黒点が球に隠されずに見える状況を構成することもできる。
上述のように、各流路構成部334~336の付近において光拡散加工面319a,332e,333b,340が形成されるが、一貫して、各流路構成部334~336により形成される流路を流下する球と当接しない側の側面に形成される。
これにより、光拡散加工面319a,332e,333b,340が球との当接により削られることを避けることができるので、光拡散加工面319a,332e,333b,340の形状を長期間に亘り維持することができ、光拡散の作用を維持することができる。
更に、光拡散加工面319a,332e,333b,340に球が当接することで、球の流下が阻害されたり、球が減速の作用を受けたりすることを回避することができる。加えて、流路内部の視認性は確保できるようにすることで、球が各流路構成部334~336により形成される流路を流下している最中にまで球の視認性が低下することを回避することができる。
なお、敢えて光拡散加工面319a,332e,333b,340を流路側に形成するようにしても良い。この場合、プリズムの大きさの設定次第では、光拡散の作用を生じさせる効果と、球との衝突により球を減速させる効果と、を生じさせるように図ることができる。
中部材330の前側枠状部333では、被締結部316との締結位置においては加工の難易度から光拡散加工面333bの形成が省略されており、対策なしでは視認性が高いまま維持される可能性がある。そこで、本実施形態では、締結ネジによる視認性の低下を図っている。
即ち、被締結部316に螺入される締結ネジが金属製であり、非透過性であることを利用して、光拡散加工面333bの形成が困難となる箇所における目隠しとすることができる。前側枠状部333に光が照射されると、光拡散加工面333bは煌びやかに光り、光拡散加工面333bの形成が省略されている部分では締結ネジが光を反射して光るので、光拡散加工面333bの形成が省略されている箇所も含めて、正面側からの視線における前側枠状部333の奥側の視認性を低下させることができる。
中部材330の光拡散加工面332eは、各流路構成部334~336の背面側に形成されているが、この目的として、煌びやかに光らせることの他に、背面側に配設される基板350及び状態切替装置360の目隠しとしての機能を生じさせることが挙げられる。特に、状態切替装置360は基板350の背面側に配置されるので(図17参照)、基板350が目隠しとなり、状態切替装置360が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
基板350は、中部材330の後側枠状部332に下支えされる形で収容されるが、左右中央部において後側枠状部332の下底部と隙間を空けて配置され、その隙間にスライド変位部材370が配置される(図18参照)。即ち、基板350は、スライド変位部材370を後側枠状部332の下底部との間で挟む位置に配置される。
詳述すると、基板350は、下側部353が左右端部において後側枠状部332に前後から挟まれるように支持される(図17参照)。この支持箇所において、後側枠状部332の下底部は肉厚とされる肉厚部332fを備えており(図16参照)、左右中央位置付近では、この肉厚分が無いことで隙間が生まれ、その隙間にスライド変位部材370を配置することができる(図18参照)。
図18に示すように、基板350の上側部352は、上部材310の収容凹部320の内側に進入し、介在部材164に形成される光拡散加工面164fと前後に対向配置される。
そのため、上側部352に配置される発光手段351から光が照射されることにより、介在部材164の光拡散加工面164fが煌びやかに光る演出効果を奏することができ、更に、介在部材164の背面側の範囲の視認性を低下させることができる。
ここで、上側部352に配置される発光手段351は光拡散加工面164fの下端部付近に光を照射するところ、光拡散加工面164fは、プリズムに倣った断面形状部が、表面に沿って上下方向全体に形成されるので、発光手段351から照射された光は上下幅の広い光として視認される。そのため、遊技者目線で、特定入賞口65aの上下に亘って発光しているように見せることができる。
なお、正面側からの視界において、光拡散加工面164fは、受入部材163の左右中央側位置に配置されるが、検出センサSE1の背面側に配置したとしても検出センサSE1が視界の妨げとなり良好に視認できないので、少なくとも一対の検出センサSE1の配置隙間内において形成されていれば、十分な効果を奏することができる。
なお、基板350の下側部353は、シール部材313や、その下側に配設され球が流下する部分へ向けて光を照射するよう配置されるが、詳細は後述する。
次いで、図19及び図20を参照して、第3流路構成部336の後端部を通過した球の流下経路の切り替えと、その意義について説明する。なお、図19及び図20の説明においては、図15から図18を適宜参照する。
図19は、図15のXVII-XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図20は、図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図19及び図20では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は後側位置に配置された状態で図示される。
ここで、センサ保持枠部389に支持される左右4個の検出センサSE1と、各検出センサSE1への球の流下と、各検出センサSE1の機能について説明する。
4個の検出センサSE1は、2組が左右対称に配設されるものであり、機能を共通とする確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12と、を備える。確変検出センサSE11は、左右方向内側に配設され、通常検出センサSE12は、左右方向外側に配設される。
この4個の検出センサSE1の機能は、開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1とは異なる。開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる入球センサである。即ち、特定入賞口65aに入球した球が背後の検出センサSE1に入球したと検出されると、所定個数(本実施形態では、1個の検出に対して10個)の賞球が払出制御装置111(図4参照)により遊技者側に払い出される。
一方、センサ保持枠部389に支持される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる検出センサではなく、入球を検出することで、大当たり遊技終了後の遊技状態を変化させるための検出センサとして機能する。
なお、後述するように、本実施形態では、センサ保持枠部389に配設される検出センサSE1を確変状態への移行の有無の切替のために利用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサSE1を次回大当たり獲得の有無の切替のための入球センサとして機能させても良い。
スライド変位部材370が前側位置に配置される場合(図17及び図18参照)、確変検出センサSE11の上側に薄板部371が被さるようにスライド変位部材370が配置され、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が防止される。そのため、第3流路構成部336の後端部を通過する球は、スライド変位部材の上突設部376に案内されるようにして、通常検出センサSE12の貫通孔へ案内される。
上突設部376は、球と対向する前側面376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに通常検出センサSE12の貫通孔へ向けて流すことができる。
一方、スライド変位部材370が後側位置に配置される場合(図19及び図20参照)、確変検出センサSE11の上方からスライド変位部材370が後方に退避し、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が許容される。
即ち、球がいずれの検出センサSE1を通過するかは、スライド変位部材370の配置(前側位置または後側位置)と対応する。そして、大当たり遊技中に球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したことが検出された場合に、その大当たり遊技後の遊技状態を確変状態とするように制御される。換言すれば、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したと検出されず、通常検出センサSE12の貫通孔のみを通過した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常状態(又は時短状態)とするように制御される。
ここで、本実施形態において、大当たり種別として、確変大当たりと、通常大当たりとが用意されていることについて上述した。これを実現するために、本実施形態では、大当たり種別ごとにスライド変位部材370の動作パターンとして異なる動作パターンが用意されている。
換言すれば、スライド変位部材370は、確変大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御され、通常大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し難く、通常検出センサSE12の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御されるが、制御の詳細については後述する。
このように、スライド変位部材370の配置は、遊技者が得られる利益に直結するものであり、その配置に自ずと遊技者の注目が集まることになる。一方、スライド変位部材370の配置を不正に切り替えようとする不正行為は少なからず発見されており、それに対する対策が重要視される。
前提として、スライド変位部材370の配置は、状態切替装置360の電磁ソレノイド361への通電の有無によって切り替えられる。即ち、電磁ソレノイド361に通電がされていない時は、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が付勢バネ(図示せず)によって右側に配置され、回動部363の下円柱部363cが正面側に配置されることで、スライド変位部材370は前側位置に維持される。
一方、電磁ソレノイド361が通電されると、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が電磁力によって左側に移動され、回動部363の下円柱部363c(図13参照、スライド変位部材370の凹設部378に挿入される部分)が背面側に変位することで、スライド変位部材370は後側位置に維持される。これが通常の動作態様であり、電磁ソレノイド361への通電と、スライド変位部材370の配置とが一対一で対応する。
上述した不正行為を行う者は、例えば、球払い出し開口や、外枠11と正面枠14(図1参照)との隙間等からピアノ線などの金属細線を振分装置300の内部に差し入れて、その金属細線をスライド変位部材370に押し当てて、スライド変位部材370を奥側へ押し込むようにして、確変検出センサSE11への球の入球が可能となる状態を不正に作り出そうとする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド変位部材370の配置として、薄板部371が第3流路構成部336の下底部よりも下側に配置されているので(図18参照)、第3流路構成部336に金属細線を通してスライド変位部材370に押し当てる場合に、薄板部371の前端部に押し当てるのは困難であり、上突設部376に押し当てることになる。上突設部376の前側面376aは、上述のように負荷を左右外側へ逃がすような湾曲面形状とされるので、金属細線を押し当てられたとしても、その負荷を左右外側に逃がすことができ、スライド変位部材370が不正に後側位置に変位させられる事態を回避し易くすることができる。
また、スライド変位部材370に到達するまでの経路が、一直線では無く渦状に巻いていることに加え、スライド変位部材370自体の配置もガラスユニット16(図1参照)の前側面から背面側に遠く(約10cm程度)離れているので、そもそも、金属細線をスライド変位部材370に到達させることを困難とすることができる。
これらの構成から、状態切替装置360の構成の設計自由度を向上することができるという効果も奏する。即ち、従来では、上述のような不正行為に対して、駆動力を伝達する機構の機械的な工夫(変位規制)によりスライド変位部材370の配置を維持するよう構成する場合が多く、その場合には、状態切替装置360の構成が制限されていた。これに対し、本実施形態では、そもそもスライド変位部材370に負荷がかけられ難く構成することにより、状態切替装置360に要求される条件を部分的に省くことができ、状態切替装置360の設計自由度を高めることができる。
また、第3流路構成部336を通して這わせた金属細線でスライド変位部材370に押し付け負荷を加える場合には、この金属細線自体が、第3流路構成部336を流下しようとする球の流下を阻害することになるので、球を確変検出センサSE11に到達させることを困難とすることができる。
上述のように、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過するか、通常検出センサSE12の貫通孔を通過するかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化することから、誤入球は極力避けることが望ましい。
従来の機種では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態においては通常検出センサSE12への入球を規制するように構成することが通常であったが、本実施形態では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態(図19及び図20参照)において通常検出センサSE12への入球を規制するような可動部材は用意されておらず、通常検出センサSE12へも入球させることが可能な構成である。
このように構成しても、10個の球が流下した場合に少なくとも1個が確変検出センサSE11の貫通孔を通過すれば、大当たり遊技後の確変状態は確保されることになる。本実施形態では、このような考え方から、通常検出センサSE12の開閉を行う可動部材の配置を省略することにより、材料コストの低減を図ることができ、製品コストを低減することができる。また、可動部材を配置しない結果、その可動部材の故障や動作不良に伴うメンテナンスが不要になったり、可動部材の寿命以上にパチンコ機の使用年数を延ばすことができたりという良い効果を奏する。
一方で、可動部材とは別の工夫として、適切な側の検出センサSE1に球が案内されるようにするための工夫として、流路形状と、固定の突設部317,318,319の配置や形状とが工夫されている。即ち、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で想定以上の球が通常検出センサSE12へ流れることを防止するような仕組みを、流路内部に固定配置される部分(即ち、突設部317,318,319)の形状により実現するように図っている。このことについて、以下で説明する。
まず、流路形状の工夫について説明する。第3流路構成部336の下底面336aは、短手方向において、左右方向中央側(仕切り板部338側)に向かうにつれて水平に対して5度の角度で下降傾斜する傾斜面として形成される(図15参照)。
この傾斜角度は、第2流路構成部335の長手方向の傾斜と、角度および方向が同様となるように設定されているので、第2流路構成部335から第3流路構成部336に球が流入する際の球の跳ね(仕切り板部338から離れる方向の跳ね)を低減することができる。
この短手方向の傾斜によって、第3流路構成部336を流下する球の配置を仕切り板部338側に寄せることができる。そのため、第3流路構成部336の後端部から検出センサSE1側へ流下する際の球を仕切り板部338に近接する側に配置することができるので、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
また、下底面336aの短手方向の傾斜に関わらず、各流路構成部334~336により構成される流路は、左右方向経路が第2流路構成部335によってのみ形成されており、その傾斜方向は左右中心側(仕切り板部338側)なので、左右方向の速度は左右内向きに生じることになる。これによっても、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
次に、固定の突設部317,318,319の配置や形状の工夫について、説明する。第3流路構成部336を流下した球が最初に近接配置されるのは、左右内突設部318である。左右内突設部318は、突設部317,318,319の内で最も小さな突設部でありながら、検出センサSE1の中心よりも正面側、且つ、スライド変位部材370の上突設部376よりも正面側に配置されているので、仕切り板部338に摺動しながら第3流路構成部336の後端部を通過する球と漏れなく当接する。
左右内突設部318の突設先端面は、正面視では下に凹の湾曲面として構成され(図15参照)、且つ、突設部後端側の方が突設部前端側よりも左右外側および下側に拡がって形成され前後端部が凹形の湾曲面でつながるように形成される(図17参照)。従って、第3流路構成部336の後端部を通過し左右内突設部318に当接した球は、左右外向き成分と、下向き成分とが混合された方向の負荷を受け、流下する。
一方で、左右内突設部318は小型に形成されていることから、左右内突設部318から受けた負荷のみで球の流下方向が下方か左右外方向かに定まるものでは無く、あくまで勢い付けとして機能する。そして、左右内突設部318がスライド変位部材370よりも上流側に配置されることから、上述の勢い付けは、スライド変位部材370の配置に関わらず生じる。
左右内突設部318に当接した後の球の流下について場合を分けて説明する。スライド変位部材370が前側位置に配置された状態では、球は、上突設部376や、前後長突設部317(図18参照)に当接しながら、スライド変位部材370の薄板部371を転動し、通常検出センサSE12側へ流れる。
前後長突設部317の突設端部は、上突設部376と同様の用途を有する。即ち、球の流下方向を切り替えるための湾曲面として形成されるので、その湾曲面の曲率半径は、上突設部376の前側面376aの曲率半径とほぼ同じとされる。目安として、上突設部376は左右内側を始点とし、上面視で確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の後方位置を終点とする湾曲面を構成し(図17参照)、一方で、前後長突設部317は流路の天井面を始点とし、左右方向視で、スライド変位部材370の前側位置における前側面376aの終点位置(後端位置)と近接する位置を終点とする湾曲面を構成している(図18参照)。
ここで、薄板部371の上側面が左右外側へ下降傾斜する傾斜面として形成されており、左右内突設部318との当接により左右外側へ勢い付けされた球は、その勢いを活かして左右外方向へ流下することになるので、球の流下を滑らかに形成することができる。
更に、左右外方向へ流下する球の上方において左右外突設部319が形成されており、球跳ねが抑制されることによっても、球の流下を滑らかに形成することができる。左右外突設部319の目的が球の流下方向の切り替えでは無く球跳ねの抑制であることから、その形状は前後長突設部317とは大きく異なり、その突設端部は、確変検出センサSE11の上方から通常検出センサSE12の上方に亘って形成される大きな曲率半径の湾曲面として形成される。
特に、本実施形態では、左右外突設部319が検出センサSE1の開口の中心(即ち、流路の中心)よりも正面側に配設されていることから(図19参照)、左右外突設部319と球とが上下方向で当接する場合に、球の中心が左右外突設部319の厚み中心よりも後方側に配置され易い。そのため、左右外突設部319と球とが上下方向で当接した際に、球に対して後方向成分を有する負荷がかかり易いようにすることができるので、球が正面側に逆流することを防止することができる。
これらの構成から、複数の球が流下する場合に球詰まりが生じたり、球の逆流が生じたりすることを防止し易くすることができる。
スライド変位部材370が後側位置に配置された状態では、薄板部371や上突設部376が前後長突設部317よりも後方に退避しているので、球は、前後長突設部317に当接して流れる。
前後長突設部317は、突設端部(湾曲面)の面形状が、法線が第3流路構成部336の中心を通る形状とされており、確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の真後ろに厚み中心が配置されるので、当接した球に対して左右方向の成分が抑制された負荷を与えやすい。この負荷は、前後長突設部317の突設先端が凹状の湾曲面形状とされることから(図20参照)、球を前斜め下方に流す負荷として機能する。
そのため、左右内突設部318からの勢い付けでは右方に行き切らなかった球は、前後長突設部317からの負荷により前斜め下方への負荷を受け確変検出センサSE11側へ流れる。
ここで、前後長突設部317との衝突時の当たり所によっては、球が正面側に跳ね返る(逆流が生じる)可能性が危惧されるが、本実施形態では、上述のように、左右内突設部318との当接により左右外斜め下方に勢い付けされているので、球が正面側に跳ね返ったとしても、球は第3流路構成部336の下底部後端(図20参照)や、前側枠状部333の後側面(図19参照)に衝突するに留まり、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避し易くすることができる。
本実施形態で独特なのは、スライド変位部材370が後側位置に配置され球が確変検出センサSE11側へ流れる際にも、スライド変位部材370が前側位置に配置され球が通常検出センサSE12側へ流れる場合と同様に、左右内突設部318から負荷による左右外側へ向けた変位が球に生じることである。この用途については、後述する。
スライド変位部材370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されるところ、球がスライド変位部材370に向かって第3流路構成部336を流下している最中にスライド変位部材370が閉鎖動作(後側位置から前側位置へ向けた動作)をすると、球に前向きの負荷を与える可能性があり、球に第3流路構成部336を逆流させる方向(前向き)の負荷が与えられる可能性がある。
これを防ぐために、スライド変位部材370の変位動作を制御することが好ましい。例えば、球がスライド変位部材370に到達する前に閉鎖動作を完了させておくように制御すれば、動作中のスライド変位部材370に球が衝突する可能性を排除できるので、球が逆流する可能性を低くすることができる。
また、スライド変位部材370の上突設部376の前面が左右外側を向く湾曲面として形成されていたり、左右内突設部318が球にもれなく衝突するように配置されたりすることにより、第3流路構成部336の後端部に到達した球を左右外側に案内する作用を生じさせることができる。これにより、球の逆流が生じにくくすることができる。
また、スライド変位部材370の開放動作(前側位置から後側位置へ向けた動作)は球と対抗する方向の動作ではなく、球から離れる側への動作なので、例えば、球がスライド変位部材370の薄板部371に乗っている時に動作が実行されても、その球を正面側に押し返す負荷は生じにくい。従って、開放動作については、球の配置を考慮せず任意のタイミングで実行する制御としても、球の逆流が生じ易くすることは無いと考えられる。
球がスライド変位部材370の上面で前転回転しながら薄板部371を転動する(まだ左右外側に流れる前段階の)場合、スライド変位部材370の開放動作は、球に対して、回転を抑える方向(後転させる方向)の負荷を与えるので、球の回転を留めることができ、球の流れを停止させ自由落下に移し易い。
そのため、球が薄板部371を転動中にスライド変位部材370が開放動作した場合に、球がそれまでの転動の勢いで通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができ、球を確変検出センサSE11に案内し易くすることができる。
上述した振分装置300を備える本実施形態におけるパチンコ機10における、振分装置300の遊技者目線での見え方について説明する。以下では、一例として、水平方向に対する視線の角度が異なる状態で場合を分けて説明する。
図21は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図であり、図22は、図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図23は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図である。
前提として、パチンコ機10を操作する遊技者は、操作ハンドル51(図1参照)を握り回転させることを除き、好みの姿勢で遊技を行うことができる。例えば、パチンコ機10から頭を十分に離して、水平または水平から5度程度下降傾斜する方向の視線(図22参照)でガラスユニット16(図1参照)の内側を見るようにして遊技を行っても良いし、パチンコ機10に頭を近づけて、水平から30度程度下降傾斜する方向の視線(図23参照)でガラスユニット16の内側を見るようにして遊技を行っても良い。一般的には、前者の方が広い視界を確保できるが、細かな部分には気付きにくい一方で、後者は視界が狭くなるが、その視界における細かな部分には気付き易い。
図21は、基準として図示するものであり、以下では主に、図22及び図23を対比しながら説明を行う。なお、図21から図23では、便宜上、開閉板65bの開放状態が図示される。
図21には、発光手段351が想像線で図示される。なお、発光手段351は左右対称に配設されているが(図13参照)、理解を容易とするために左半部のみが図示される。最上部に配置される発光手段351の機能については上述した通りであるので、ここでは下側部353に配置される左半部における3個の発光手段351について説明する。
まず、上側の発光手段351は、シール部材313に向けて光を照射する。シール部材313は上述のように、赤色透明に形成されているので、発光手段351から光が照射された場合、シール部材313の周辺が赤く照らされる。これにより、シール部材313及びその周辺に対する遊技者の注目力を向上することができる。シール部材313は第3流路構成部336の真上に配設されているので(図18参照)、第3流路構成部336に注目させることができる。
なお、上側の発光手段351の正面側においては、光拡散加工面332eの形成が省略されている(図18参照)。これにより、発光手段351からの光が光拡散加工面332eにより上下方向に引き延ばされるように視認されることを回避し、シール部材313周辺を集中的に光らせることができる。
なお、発光制御については何ら限定されるものではないが、例えば、大当たり遊技中に、第3流路構成部336を流下する球に注目させたい状況においてシール部材313に光を照射するように制御することで、シール部材313に注目させ、その下側に配置される第3流路構成部336の後端部に自然と視線を誘導することができる。
次に、下側において左右に並んで配置される発光手段351は、それぞれ、確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12の真上位置に対応する。即ち、この発光手段351の制御を、球が確変検出センサSE11に入球した場合には確変検出センサSE11の真上位置に配置される発光手段351を発光させる一方、球が通常検出センサSE12に入球した場合には通常検出センサSE12の真上位置に配置される発光手段351を発光させるように制御することで、遊技者に対して、球の通過箇所を報知することができる。
これらの、下側において左右に並んで配置される発光手段351から照射される光は、光拡散加工面に向けられる。即ち、左右中央側の発光手段351は、光拡散加工面332eと対向配置されており(図18参照)、左右外側の発光手段351は、光拡散加工面319a(図17参照)と対向配置されている。光拡散加工面319a,332eは、各部の上下に亘って形成される。
従って、発光手段351からの光が視認される位置は、発光手段351のLEDの高さ位置に限定されるものではなく、上下に広がりがある範囲として形成される(上下に延びる帯状の光として視認される)。そのため、図21から図23に示すように、遊技者の視線の角度が変わったとしても、発光手段351からの光の視認性を向上することができる。
図22における水平からの下降傾斜の角度(5度)は、第3流路構成部336の傾斜角度と同じである。そのため、図22では、第3流路構成部336の後端部に配置されるスライド変位部材370の外形を視認することができる。但し、スライド変位部材370は前後方向に変位するため、この視界では、スライド変位部材370の変位による変化を把握し難い。
一方、図23に示すように、水平から30度の角度の方向視では、第3流路構成部336の後端部における視界の上下幅が狭まっているので、図22の方向視に比較して、第3流路構成部336の後端部における球の流下態様の切り替わりの確認の難易度が高くなる。但し、この視界では、スライド変位部材370が前後方向に変位する際の上突設部376の変位を把握し易い。
なお、中部材330の配置用貫通孔332aがスライド変位部材370の上突設部376を通すのに十分な最低限の大きさの開口として形成されているので、後側枠状部332の内部に配置される状態切替装置360(図17参照)を視認し難いように隠すことができている。
実際の大当たり遊技中には、ラウンド遊技中に特定入賞口65aに複数個の球が案内され、各流路構成部334~336を順に流下する。各流路構成部334~336に複数個の球が同時に配置される場合、奥側の球へ向けた視線が、手前側の球により妨げられる可能性がある。
例えば、第3流路構成部336に複数の球が配置される場合、それらの球は、図22では、同位置に配置される。従って、手前側の球によって、奥側の球が隠される。
また、球が通常検出センサSE12側へ流れる場合、第3流路構成部336の後端部から左右外方向へ流れることになる。第3流路構成部336から左右方向へ外れた後は前側枠状部333の光拡散加工面333bにより視認性が落ちるので、第3流路構成部336から左右方向へ外れる過程の球の動きを把握することが好ましいところ、第2流路構成部335の下流側端部位置(球P1の位置)から第3流路構成部336の上流側端部位置(球P2の位置)へ流入する球(第3流路構成部336から左右方向に若干ずれる球)があると、その球により、第3流路構成部336の後端部から左右方向へ外れる過程の球が隠される。
換言すれば、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの把握は、第3流路構成部336の後端部で球の流下方向が左右外側へ切り替わったか、否かを視認すれば可能であり、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺に注目していれば良い。これに対し、本実施形態では、その視線の方向上の上流側における第3流路構成部336と第2流路構成部335との連結位置において、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺を含む経路で球が流下し得るように構成される(球P1の位置から球P2の位置への移動)。そのため、上流側を流下する球の配置によっては、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかを把握し損なう事態が生じ得る。
また、図23の視線では、第3流路構成部336の後端部を流れる球と、第2流路構成部335を流れる球とが、上下方向の配置で明確に分けられるので、上流側の球が目隠しとなる事態を回避し易い。一方で、第3流路構成部336の後端部において視認される流路の上下幅が狭い分、方向視で視認できる球の面積が小さくなる。
特に、第3流路構成部336の後端部を通過した球は、上述したように、スライド変位部材370の配置によらず、一旦右斜め下方へ流下した後において、確変検出センサSE11へ向かう流下経路か、通常検出センサSE12へ向かう流下経路か、が切り替わる。そのため、球の流下経路として、球が真下に流下するか、球の流下方向が右方へ切り替わるかで切り替えられる場合に比較して、切替位置において視認される球の面積が小さくなる。
切り替わりの態様としては、他に、球の流下経路が真下に流下するか、右方へ切り替わるかで切り替わるかという場合のように、切替位置がより上流側に配置される場合が想定される。例えば、左右内突設部318が形成されず、確変検出センサSE11へ向かう球は第3流路構成部336の後端部から真下へ流下する場合には、切替位置は、少なくとも第3流路構成部336の中心線後方の位置となる。
これに対し、本実施形態のように切替位置が第3流路構成部336の中心線後方よりも右側に変位している場合、球が第3流路構成部336の下底部よりも下方に落ちる(第3流路構成部336の下底部上面とスライド変位部材370の薄板部371の上側面との上下差分だけ落ちる、図18参照)ことで、第3流路構成部336自体に球の一部が隠される作用に加え、球が第3流路構成部336を通して視認される範囲よりも左右外側に変位することで、前側枠状部333に球の一部が隠される。
従って、第3流路構成部336の後端部を通過した球の、遊技者目線で視認可能な面積が小さくなるので、球がいずれの流下経路で流下したかの把握を行うことが困難となる。これにより、第3流路構成部336の後端部付近を流下する球に対する注目力を更に向上することができる。
このように、本実施形態によれば、第3流路構成部336の後端部を流下する球の流下方向を識別する方向視として説明した複数の方向視(図22及び図23参照)において、いずれにも長所および短所が設定される。これにより、振分装置300の視認の仕方をとっても、遊技者に一辺倒の遊技を要求するのではなく、遊技者に好みの視認方法を調整および選択させることができ、遊技態様に幅を持たせることができるので、遊技者が遊技に飽きる事態が生じることを回避することができる。
遊技者の視界の確保は種々の方法で実現することができるが、本実施形態では、特に、上部材310の第2上面部314b間に空隙が形成されることで、第3流路構成部336の屋根部が取り外されたような状態とすることができるので、第3流路構成部336を視認し易くすることができる。
図22及び図23の方向視について、振分装置300よりも正面側における視認性について説明する。図22及び図23では図示を省略しているが、振分装置300よりも正面側には、被固定部材161及び前意匠部材162(図5参照)が配置されるので、部材の厚みにより透過する光が少なくなることから、視界が遮られることになる。
前意匠部材162により視界が遮られる範囲が狭くなる分、図23の方向視の方が、図22の方向視に比較して、振分装置300の内部を流下する球を視認し易くなる可能性がある。
被固定部材161及び前意匠部材162は、基本的には、上述のように平坦形状とされおり、光の屈折が生じ難いように構成されている(図12参照)。これにより、振分装置300の視認性が悪くなることを回避することができる。
機能上、平坦形状とできない部分についても、視認性に与える影響が小さくなるように形成している。例えば、振分装置300を位置決め、係合するための突設支持部161c~161eは、斜め下方向へ向く遊技者の視線を遮ることが無いよう、流路構成部334~336を見る遊技者の視線の外方(上側後方、左右外側、左右側下方、)に配設されている。
また、例えば、対称突設部161fは、球の中心高さに形成され、強度上必要最低限の厚さで肉薄に形成されている(図18参照)。これにより、対称突設部161fが球と遊技者の目との間に配置されたとしても、球全体が隠されることを防止することができるので、流路構成部334~336を流下する球の視認性を確保することができる。
被固定部材161と前意匠部材162との間には、特定入賞口65aから逸れた球が流下し、アウト口71へ向けて流下する。アウト口71へ向けて流下する球による視界への影響について説明する。
図22及び図23では、開閉板65bの開放状態でアウト口71へ向けて流下する球の配置の一例が図示される。開閉板65bの開放中は、開閉板65bの上方から流下した球は開閉板65bに乗り特定入賞口65a側へ案内されることになるので、アウト口71へ向けて流下する球は、開閉板65bの左右に逸れた球となる。これらの球は、延設部162bと延設部162cとの間を流下し、内レール61に案内されてアウト口71へ向けて流下する。
図22及び図23に示すように、遊技者目線では、内レール61を流れる球の配置は、各流路構成部334~336よりも下方となるので、内レール61を流れる球により各流路構成部334~336を流下する球の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
一方で、内レール61を流下する球の流下は、第2流路構成部335を流下する球の流下と同様に、緩やかな角度で遊技領域の左右方向中央側へ向けて流れる態様であるので、第2流路構成部335を流下する球と同様に、遊技者の視線を遊技領域の左右中央位置に誘導する効果を奏する。この効果は、遊技者の視線をアウト口71に誘導すると共に、第3流路構成部336に誘導する。即ち、アウト口71及び第3流路構成部336の左右方向位置が同様の位置(左右中央位置)とされるので、遊技者が上下に視線を動かすことで、アウト口71及び第3流路構成部336の両方を視認可能となるような状態に視線を誘導する。
従って、遊技領域へ向けて打ち出した球が、効率的に特定入賞口65aに入球し易いか(大当たり遊技中の無駄球が少なくて済む状態か)、逸れて延設部162bと延設部162cとの間を流下する球が頻発するか(大当たり遊技中の無駄球が頻発する状態か)に関わらず、流下する球により遊技者の視線を第3流路構成部336に誘導するという効果を奏することができる。
即ち、球が特定入賞口65aに入球した場合には、第2流路構成部335を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導でき、球が特定入賞口65aを逸れる場合には、内レール61を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導することができる。
アウト口71へ向かう球は、無駄球として遊技において何ら作用を生じないことが通常であるが、本実施形態では上述のように構成することで、アウト口71へ向かう球に、遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導させる役割を持たせることができる。
なお、開閉板65bの閉鎖状態においては、球が開閉板65bの正面側を流れ第2流路構成部335の正面側を通過することで、第2流路構成部335の視界を低下させる可能性がある。
一方で、特定入賞口65aの左右中央位置上方に第2入賞口140及び電動役物140aが配設され、特定入賞口65aの左右中央位置下方に第3流路構成部336が配設されるという本実施形態の構成によれば、第2入賞口140及び電動役物140aにより球の流下を防止することができるので、球が第3流路構成部336の正面側を流下することを防止することができる。従って、開閉板65bの正面側を流下する球により第3流路構成部336及びその後端部周辺の視認性が低下する事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、特定入賞口65aに入球した球がスライド変位部材370に到達するまでの時間を流路構成部334~336の形成長さにより確保できているが、この弊害として生じやすい配置スペースの増大の回避を図っている。即ち、図22及び図23に示すように、遊技者目線において、可変入賞装置65の特定入賞口65aと、第3流路構成部336の配置の目安としてのスライド変位部材370と、の配置間隔を短く形成している。
そればかりか、スライド変位部材370が特定入賞口65aの下側後方に配置されているので(図18参照)、図23に示すように遊技者目線として高頻度で生じる後側斜め下方へ向く視線において、特定入賞口65aの外形にスライド変位部材370の外形が食い込むほどに近接配置しているように視認される。
加えて、左右長尺に構成した特定入賞口65aに入球し、その左右両端部に配置される検出センサSE1の球通過孔163bを通過した球の流下経路は、左右対称の各流路構成部334~336を経由して特定入賞口65aの左右中央側下方に集められる。これにより、特定入賞口65aの左右幅を球が左右方向に流下する場合に比較して、スライド変位部材370に球が到達するまでの時間を短くすることができる。加えて、球の流下経路として必要とされる構造を、下側ほど左右長さが短くなる構造とすることができるので、湾曲形状の内レール61の下縁部付近に配置し易くすることができる。
特に、本実施形態では、特定入賞口65aがアウト口71に近接配置させる設計思想であるところ、第2流路構成部335の左右内側端部から真下に球を流下させる構造では無く、第2流路構成部335の左右内側端部から第3流路構成部336により球を後方へ流下させる構造を採用することで、アウト口71(湾曲面部387の正面側(上流側)に配設される開口)を第2流路構成部335の真下位置に形成することができる。これにより、特定入賞口65aとアウト口71との上下間隔の短縮化を図っている。
このように、遊技者目線における特定入賞口65a及びスライド変位部材370の上下配置幅および左右幅を短くできることで、一定の規格に正面視での大きさが制限される遊技領域の設計において、特定入賞口65a及びスライド変位部材370が占める範囲の上下幅を短縮化できるので、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
例えば、本実施形態のように、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下端付近に配置することができるので、可変入賞装置65を左右対称の遊技領域に有効に利用することができる。
次いで、振分装置300に入球後の球の流下と、その流下を考慮した可動役物(可変入賞装置65、スライド変位部材370)の作動パターンの一例について説明する。
まず、前提として、開口部312を通った球は、第1流路構成部334、第2流路構成部335、第3流路構成部336を順に流下する(図16及び図17参照)。各流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間は任意に設定可能であるが、本実施形態では、各流路構成部334~336を約0.3秒で通過するように設計されている。
即ち、特定入賞口65aに入球してから第1流路構成部334を通過するのに0.3秒、第2流路構成部335を通過するのに0.3秒、第3流路構成部336を通過するのに0.3秒を要するように構成される。
従って、可変入賞装置65の開閉板65bが開放状態となった直後に球が特定入賞口65aに入球したとしても、0.9秒間は、第3流路構成部336の後方端部に配置される検出センサSE1に球が到達することは無いように構成される。これにより、開閉板65bが開放状態となった後の0.9秒間は、スライド変位部材370の位置に寄らず、球が確変検出センサSE11にも、通常検出センサSE12にも通過し得ないので、球の誤入賞を危惧せずにスライド変位部材370の作動パターンを設計することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
また、上記例におけるV確変アタッカーを備えるパチンコ機では、V確変アタッカーの開放直後に入球する球が誤入賞を生じやすかったが、本件の可変入賞装置65では、後述するように、開放直後に入球する球によって、逆に好ましい効果(例えば、スライド変位部材370の動作を球で隠す効果)が生じるので、開放直後の球の入球を生じさせないようにする工夫を不要とすることができる。
なお、球の通過に要する時間は、各流路構成部334~336の長さや傾斜、流路内壁部の形状など(平滑か、凹凸形状かなど)により任意に設定可能である。
図24を参照して、第1実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図24(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図24(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図24(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図24(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図24(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、大当たりA1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b1参照)。
大当たりA1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10~19」の範囲には、大当たりA2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b2参照)。
大当たりA2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~39」の範囲には、大当たりB1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b3参照)。
大当たりB1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「40~49」の範囲には、大当たりB2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b4参照)。
大当たりB2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、大当たりC1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b5参照)。
大当たりC1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、大当たりC2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b6参照)。
大当たりC2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、4ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、後述する特別図柄2の抽選で大当たりとなる場合に比較して大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図24(b)の202b7参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、15ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、特別図柄2の抽選での大当たりを獲得した方が、特別図柄1の抽選での大当たりを獲得する場合に比較して大量の払い出し賞球を得ることができるので、遊技者が、特別図柄2の抽選を行うための遊技(第2入賞口140へ入球させるように球を発射するような遊技)を行うことのモチベーションを高めることができる。
また、スライド変位部材370の作動パターンが作動パターンXで固定となるので、スライド変位部材370の視認性を確保しないでも、遊技者に生じる不利益が大きくなる可能性が少ない。そのため、スライド変位部材370への視認性が若干悪くなるという短所があるが特定入賞口65aへの入球が生じ易い長所がある作動パターンとして第3の作動パターンがある時に、特別図柄2の抽選での大当たりの可変入賞装置65の作動パターンを第3の作動パターンで設定することで、短所の影響を低下させ、大当たり遊技に要する時間を短くすることができるという長所のみを際立たせることができる。
即ち、特別図柄2の抽選での大当たり遊技が間延びする可能性を低くすることができるので、遊技者にとって気持ちの良い(賞球の払い出しの時間効率が良い)大当たり遊技を実現することができる。
なお、特別図柄2の大当たり種別の設定は、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄2の大当たり種別として、スライド変位部材370が作動パターンYで変位制御される大当たり種別を設けても良い。また、この大当たり種別は、少ない割合(例えば、20%程度)で設けるようにしても良い。
これにより、スライド変位部材370に対する遊技者の注目力を向上させることができるので、遊技者が大当たり遊技を漫然と遊技することを防止することができる。即ち、スライド変位部材370の変位動作を遊技者に視認させ、変位動作のタイミングで遊技者を一喜一憂させ、遊技者の興趣を高めることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物140aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口140へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図24(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~28」が規定されている(図24(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図24(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図25は、各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置65の開閉板65bの作動パターンと、振分装置300のスライド変位部材370の作動パターンと、の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる可変入賞装置65の開閉板65bと、振分装置300のスライド変位部材370と、の作動制御について説明する。なお、図25の説明では、図24を適宜参照する。
なお、本制御例では、大当たり種別の違いで駆動態様が異なるのは1ラウンド目のみであり、2ラウンド目以降は共通の駆動態様とされる。そのため、大当たり種別ごとの1ラウンド目の駆動態様についてそれぞれ説明する。
大当たりA1又は大当たりA2の場合には、第1の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は0.2秒間維持される。第1の作動パターンでは、この0.2秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の作動パターンにおける0.2秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に入球する球の個数を1個に制限するために設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを防止するための開放時間の設定であり、特定入賞口65aへの入球個数を1個に限定する意図では無い。即ち、0.2秒の開放時間であっても、特定入賞口65aの左右両側に各1球ずつ球が到達し、一度に特定入賞口65aに入球することは生じ得ることである。
大当たりA1の場合には、作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334~336(図19参照)を通過し、スライド変位部材370の前側を通り確変検出センサSE11(図20参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
大当たりA2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御され、0.8秒経過後にスライド変位部材370が後側位置から前側位置へ変位するよう駆動制御される。
上述の通り、各流路構成部334~336(図17参照)を球が通過するのに要する時間は約0.9秒で設定されているので、球がスライド変位部材370に到達する前にスライド変位部材370は前側位置に変位される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334~336(図17参照)を通過し、スライド変位部材370の上側を通り通常検出センサSE12(図17参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が通常検出センサSE12を通過する状況を容易に視認することができる。
スライド変位部材370の変位開始時間としての0.8秒は、球が各流路構成部334~336を通過するのに要する時間よりも短い時間としての思想と、球が第3流路構成部336に到達するのに要する時間よりも長い時間としての思想から、設定される。
即ち、本実施形態によれば、球が特定入賞口65aに入球してから約0.6秒で第2流路構成部335を通過し、第3流路構成部336に到達するので、開閉板65bの開放時間としての0.2秒の終了間際に球が特定入賞口65aに入球した場合であっても、その球が第3流路構成部336に到達してからスライド変位部材370を変位動作させることができる。
従って、特定入賞口65aへの入球が生じさえすれば、球の入球タイミングに寄らず、第3流路構成部336に配置される球によりスライド変位部材370の動作を隠すことができる(図22参照)。これにより、スライド変位部材370の変位動作が目立つことを回避することができ、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12へ入球する球として各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
なお、スライド変位部材370の変位開始時間は、0.8秒に限定されるものではない。例えば、0.4秒に設定しても良い。この場合、球が第3流路構成部336に到達するよりも前にスライド変位部材370の変位を生じさせることができるので、球に視線が遮られる可能性は低く、スライド変位部材370の変位を遊技者に視認させることができる。
但し、この場合であっても、第2流路構成部335が被固定部材161の前板部に近接配置され、スライド変位部材370よりも手前側に配置されていることから、遊技者の目線は第2流路構成部335を流下する球に集まり易い。即ち、第2流路構成部335を流下する球に注目させることで(例えば、第3図柄表示装置81で「流れる球に注目!」等の表示をすることで)、スライド変位部材370の変位が遊技者に視認されることを回避し易くすることができる。
なお、一方で、本実施形態では各流路構成部334~336が左右中央で区切られるように構成されているので、特定入賞口65aへの入球が左右片側であれば、入球が生じていない側の第3流路構成部336の後方に注目することで、流下する球に遮られることなくスライド変位部材370の変位を視認することができる(図22参照)。
このように、大当たりA1,A2の場合は、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球の個数が1個に限定されることにより、その球への注目力の向上を図ることができると共に、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するか、を容易に遊技者に視認させることができる。
大当たりB1又は大当たりB2の場合には、第2の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は1.0秒間維持される。第2の作動パターンでは、この1.0秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の作動パターンにおける1.0秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に複数の球が入球可能となる時間として設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを許容するための開放時間の設定である。
本制御例では、球の発射間隔は0.6秒間隔とされるので、球の流下間隔が発射時と変化していない場合であっても、開閉板65bが1.0秒間で1回開放する間に、2個の球が特定入賞口65aに入球し得る。一方で、開閉板65bの開放間隔は1.0秒おきに制限されているので、2個の球が各流路構成部334~336を通過する前に次の球が各流路構成部334~336に入球することは規制することができる。
大当たりB1の場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりB2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりB1の場合に各流路構成部334~336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりB2の場合に各流路構成部334~336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合と、2個(以上)の場合とで各流路構成部334~336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が2個(以上)の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
大当たりC1、大当たりC2又は大当たりaの場合には、第3の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とし、第1の作動時間T1を限度に開閉板65bに長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本制御例では、1ラウンド目のラウンド遊技R中において開閉板65bが開放状態を維持するので、特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連球で入球する状況が生じ得る。一方で、開閉板65bの開放間隔が制限されているわけでは無いので、第2の作動パターンと異なり、2個の球が各流路構成部334~336を通過する前に次の球が各流路構成部334~336に入球することも生じ得る。従って、第2の作動パターンに比較して、第3の作動パターンの方が、各流路構成部334~336の下流側に配置された球の視認性が、上流側に配置される球により低下する状況が生じ易い。
大当たりC1又は大当たりaの場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりC2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりC1又は大当たりaの場合に各流路構成部334~336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりC2の場合に各流路構成部334~336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
このように、確変検出センサSE11に球を通すか、通常検出センサSE12に球を通すかに関わらず、開閉板65bを開放状態のまま維持する制御態様としているが、スライド変位部材370に球が到達するのに要する時間を構造から管理しているので、球噛みによるスライド変位部材370の誤動作の可能性は排除することができる。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合と、2個の場合とで各流路構成部334~336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が2個の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
第3の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いので、第2の作動パターンに比較して、各流路構成部334~336の球の配置が無秩序になり易い。そのため、検出センサSE1の視認性は低下し易い。
一方で、特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いことは、ラウンド遊技Rの進行を早期に行わせることができる効果がある。即ち、ラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)としての規定個数の球の入賞を早期に満たしやすく、大当たり遊技が間延びすることを回避することができる。
特に、特別図柄2の大当たりは、100%の確率でスライド変位部材370が作動パターンXで駆動制御されるため、特定入賞口65aに入球させれば、確変検出センサSE11を球が通過することが約束されている。この場合、検出センサSE及びスライド変位部材370への遊技者の注目力はそもそも低い。
従って、検出センサSE1の視認性が悪くなることを許容しても遊技者が感じる不利益は小さい。第3の作動パターンでは、検出センサSE1の視認性が悪くなることは敢えて許容しながら、大当たり遊技が間延びすることを回避することを優先することで、大当たり遊技の短時間での進行の実現を図り、大当たり遊技に対する遊技者の興趣の向上を図ることができるようにしている。
大当たり種別に関わらず、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から開放状態へ変位させて特定入賞口65aを開放するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。2ラウンド目以降は、スライド変位部材370は前側位置で常時維持されるので、特定入賞口65aに入球した球は通常検出センサSE12を通過して排出される(図17参照)。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は、2ラウンド目と同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~最終ラウンド(4ラウンド目)のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板65bが閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本制御例では、開閉板65bの短開放の変位動作や、スライド変位部材370の駆動制御を、1ラウンド目のみで実行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ラウンドで実行するようにしても良いし、1ラウンド目以外のラウンド(例えば、3ラウンド目や、8ラウンド目や、12ラウンド目等)で実行するようにしても良い。
このように、本制御例によれば、開閉板65bの開放パターン(第1の作動パターン~第3の作動パターン)の違いによって、開閉板65bへの球の入球態様を変化させ、各流路構成部334~336及び第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の視認性を異ならせることができる。これにより、第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の球の通過に注目する遊技者に球の発射態様を工夫する意欲を生じさせることができる。
例えば、検出センサSE1の視認性の低下は、複数の球が各流路構成部334~336に同時に配置されることにより生じる場合があるので、必要に応じて(例えば、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの大当たり種別において)意図的に球の発射間隔を広げることで、検出センサSE1の視認性の低下を抑制することができる。なお、第1の作動パターンでは、特定入賞口65aへの入球が制限されることから、発射態様によらず、検出センサSE1の視認性の低下を回避することができる。
一方で、球の発射間隔を広げると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、スライド変位部材370の変位を視認するために、ラウンド遊技Rの開始後、若干の期間(例えば、1.0秒間)を空けて、特定入賞口65aへの入球を生じさせるようにしても良い。この場合、スライド変位部材370の変位が生じるタイミング(作動パターンYの場合においてラウンド遊技R開始から0.8秒経過したタイミング)で第3流路構成部336に球が配置される状況を回避することができるので、スライド変位部材370の変位動作が球で遮られることを回避することができる。
一方で、球発射までの期間を空けるようにすると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、本実施形態によれば、各流路構成部334~336及びスライド変位部材370が左右対称に構成され、左右のどちら側からも、特定入賞口65aを通して球を入球させることができる。
即ち、例えば、上述した球の発射間隔を広げる発射態様や、球発射までの期間を空ける発射態様については左側での入球において維持し、右側での入球については任意の発射態様で球を発射するように遊技しても、上述と同様の効果を図ることができる。
具体的には、特定入賞口65aへ向けた球の発射を左右に打ち分けるような発射態様として、少なくとも1発目の球を右側へ発射し、何発目か(例えば2発目)の球を左側へ発射し、残りの球を右側へ発射するように打ち分ければ良い。
この場合、各流路構成部334~336としての右側流路を流下する球には注目せず、左側流路を流下する球に注目することで、他の球に視線が遮られることを回避しながら、左側流路を流下する球が確変検出センサSE11を通過するか否かを視認することができる。加えて、この場合は、特定入賞口65aの右側部分へ向けて絶えず球を発射し続けているので、特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びることを回避でき、ラウンド遊技Rが間延びすることを回避することができる。
なお、この左右への球の発射の打ち分けは、左側流路への入球を1個にすることが目的ではない。特に、左側流路を何発目の球が通過しきるまでの約0.9秒間において左側の各流路構成部334~336に配置される球の個数を1個に制限できれば良く、その他の期間においては左右流路に任意に球を入球させるように打ち分ければ良い。
これにより、本実施形態のように特定入賞口65aの上方の開放幅が長くは無い場合(例えば、電動役物140aの配置や釘配置(図2参照)から球の入球経路が少数の経路に限定される場合)においても、特定入賞口65aへ向かう球同士が衝突して一方が特定入賞口65aの左右外側に零れる事態の発生を抑制することができる。なお、図2では釘配置を左右非対称としたが、左右対称の釘配置としても良い。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定されるユニットである。
図26は、動作ユニット500の正面斜視図であり、図27は、動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図27では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図26及び図27の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側右部に配設される第1動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される第2動作ユニット700と、背面ケース510の内側上部に配設される第3動作ユニット800と、を備える。なお、背面ケース510の内側左部には、LED等の発光手段を有する基板と、その基板を前側から覆うように配設され光透過性材料から形成されると共に全体に亘って光拡散加工が形成される拡散装飾板LB1とが配設される。
具体的には、第1動作ユニット600は、開口511aの右方位置において、第2動作ユニット700は、開口511aの下方位置において、第3動作ユニット800は、開口511aの上方位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図28から図35は、動作ユニット500の動作の一例を示す動作ユニット500の正面図である。図28では、演出待機状態の各動作ユニット600~800が図示され、図29では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第1動作ユニット600が張出状態に変化した状態が図示され、図30では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第2動作ユニット700が張出状態に変化した状態が図示される。
なお、図30では、第2動作ユニット700が、図29に図示される第2動作ユニット700とは覆設部材787の前側を向く面が異なる状態で図示される。
図28から図35では、センターフレーム86の内側形状が想像線で図示される。この内側においては背面側に配置される第3図柄表示装置81が良好に視認可能となるが、センターフレーム86の外方においては、ベース板60が透明な樹脂部材から構成されているとはいえ、ベース板60に配設される釘や各種入賞口63,64,65a,140等やスルーゲート67等(図2参照)に視界が遮られ易い。そのため、例えば、図28に示すようにセンターフレーム86の外方に配置されている状態において、各動作ユニット600~800の正面視における視認性が下がり易い。
なお、動作ユニット500の構成に合わせる関係上、センターフレーム86の枠形状が図2に示すセンターフレーム86とは異なるが、その役割は同様である。また、第3動作ユニット800の手前側においてセンターフレーム86の内枠形状が下に張り出す湾曲形状となっているが、センターフレーム86の外枠まで下方に湾曲しているものではなく、センターフレーム86の内枠側において、第3動作ユニット800を前側から覆うように円形の透明な装飾薄板が張出形成されるものである。従って、センターフレーム86の上側に乗った球を左右両側へ転動させるという役割も、図2で示すものと同様であり、実際のセンターフレーム86の枠上部(外枠上部)は、第3動作ユニット800の上側を左右に跨ぐように配設される。
図31及び図32では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第3動作ユニット800が張出状態に変化した状態が図示される。図31では、第1装飾部材870が前側を向いており第3動作ユニット800の個別合体状態が図示され、図32では、第2装飾部材880が前側を向いており第3動作ユニット800の一連合体状態が図示される。
図31の状態と図32の状態とが切り替えられる変位は、直動変位と回転変位とを組み合わせた変位態様で生じるので、第3動作ユニット800の演出待機状態において実行すると、周囲の装飾部材と装飾部材870,880とが衝突して不具合が生じることから、第3動作ユニット800の張出状態において実行される。
換言すれば、本実施形態では、第3動作ユニット800が張出状態(又は、演出待機状態から装飾部材870,880の衝突を回避するのに十分な程度で下降変位した状態)となり、装飾部材870,880の変位を仮想円800F(図32参照)において許容する状態となっていることを前提に、反転変位(切替回転動作)を実行するように音声ランプ制御装置113(図4参照)で制御されるが、詳細は後述する。
図33では、張出状態の第3動作ユニット800と、張出状態よりも若干下降変位した中間演出状態における第2動作ユニット700が図示され、図34では、図33の状態から第1動作ユニット600が中間演出状態に変位した状態が図示され、図35では、図33の状態から、第3動作ユニット800が演出待機状態へ変位し、第1動作ユニット600が張出状態に変位した状態が図示される。
図28から図35に図示されるように、第3動作ユニット800の変位軌跡と、第1動作ユニット600の変位軌跡または第2動作ユニット700の変位軌跡と、は正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第3動作ユニット800が張出状態(図31参照)の時に、第1動作ユニット600又は第2動作ユニット700が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニット600と第3動作ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
更に、本実施形態では、第2動作ユニット700の張出状態への状態変化を、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800が張出状態である場合の第2動作ユニット700の配置を中間演出状態(図33参照)にしたりすることで、第2動作ユニット700が他の動作ユニット600,800と正面視で重なることを避けることができる。従って、各動作ユニット600~800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
特に、第2動作ユニット700の視認状態として、開口511aにより近い張出状態で視認させる場合と、開口511aから若干退くものの第3動作ユニット800と近接配置した状態で視認させる場合と、の複数の状態を構成することで、第2動作ユニット700の演出装置としての機能の向上を図っている。
図28から図35に示すように、第1動作ユニット600は、第3図柄表示装置81の右側において変位動作する。第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は略直方体形状の箱状部材661を備え、箱状部材661は、演出待機状態において斜め左方向へ向く第1演出面661aと、その第1演出面661aの裏面側に形成される第2演出面661bと、第1演出面661a及び第2演出面661bに隣設する面としての第3演出面661cと、を備えている。各演出面661a~661cには、任意で図形、模様、文字等による装飾が施されている。
第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の右側という、センターフレーム86の配置によって正面側からの視認性が低下し易い箇所に配置されているものの、第1演出面661aを遊技者側に斜めに向けた姿勢(矢印F-Bを基準として手前側の面が矢印L側に45度傾いた姿勢)とされているので、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86の開口の枠内側から、そのセンターフレーム86と第3図柄表示装置81との隙間を通る斜め方向視で第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第1演出面661aの視認性を向上することができる。
一方、第1動作ユニット600の張出状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の正面に張り出すことで、センターフレーム86の枠内側を視認する遊技者に対して正対する。この場合には、第2装飾回転部材660は第2演出面661bを真正面に向けた姿勢とされているので、第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第2演出面661bの視認性を向上することができる。
このように、第2装飾回転部材660は、配置に応じて遊技者に視認させる演出面661a~661cを切り替え可能に構成され、且つ、遊技者に視認させる各演出面661a~661cの視認性を向上する目的で、配置に応じて姿勢を切り替え可能に構成される。
換言すれば、ガラスユニット16(図1参照)と平行な平面的な姿勢変化に限らず、遊技者の視線との関係を意図した角度変化を付けるよう設計されている。即ち、センターフレーム86の枠中央側の配置となるほど遊技者の視線が前後方向となり正対し易いので、演出面が前方向(矢印F方向)を向く方が視認性を良くすることができ、一方でセンターフレーム86の枠付近の配置となるほど遊技者の視線が斜めになり易いので、演出面をその視線と正対させるために斜めにした方が視認性を良くすることができる。
第2装飾回転部材660の変位に伴い、張出装飾部652bが連動して変位する。張出装飾部652bは、板正面に図形や絵柄等の装飾がされており、第1動作ユニット600の演出待機状態(図28参照)及び中間演出状態(図34参照)では、背面ケース510の右上隅に配置されることで遊技者から視認されないように隠される。
一方、張出装飾部652bは、第1動作ユニット600の張出状態(図28参照)では、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域の右縁と前後で重なるようにセンターフレーム86の枠内側に配置されることで遊技者が視認可能となるよう構成されている。
この状態において、張出装飾部652bの外形右端部は、第3図柄表示装置81の右縁よりも右側に位置する。そのため、張出装飾部652bの板正面の装飾を利用して、あたかも第3図柄表示装置81の表示領域が拡大しているように遊技者に錯覚させる表示演出を行うことができる。
詳述すれば、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の右縁は第1動作ユニット600に規定されており、第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660の第1演出面661aの左縁と、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の領域右端RE1とが概ね一致する。
これに対し、第1動作ユニット600の張出状態においては、領域右端RE1を右側に超えるようにして張出装飾部652bが配置される。そのため、第3図柄表示装置81の表示と、張出装飾部652bの板正面の装飾とを関連させたり、一致させたりすることで、あたかも、第3図柄表示装置81の表示領域が領域右端RE1を超えて拡大しているかのように、遊技者に視認させることができる。これにより、意外性のある演出を実現することができる。
上述の表示と装飾とを一致させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に水玉模様を表示し、且つ、張出装飾部652bの板正面の装飾を同様の水玉模様にする例や、第3図柄表示装置81に変動表示される数字(例えば、抽選の当否を報知するための数字)の書体と同様の書体で、張出装飾部652bの板正面に、とある数字が記載されるようにする例が例示される。
上述の表示と装飾とを関連させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に虹色を構成する7色の内の6色が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面が残りの一色で着色される例や、第3図柄表示装置81に領域右端RE1に右端を合わせるようにして配置される木の棒が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面に炎を模した装飾がされることで、第1動作ユニット600の張出状態において着火を連想させる例が例示される。
なお、張出装飾部652bの演出態様は一種類に限定されるものでは無く、張出装飾部652bの明るさを制御することで複数種類の演出態様を構成することができるが、張出装飾部652bの明るさを変える発光手段については後述する。
また、張出装飾部652bの代わりに正面側に表示面を有する小型の液晶装置を配設することで、その液晶装置の表示を複数種類で変化させることができるので、領域右端RE1を超えて表示領域を拡大する際の第3図柄表示装置81の表示態様が制限されることを回避することができる。
また、張出装飾部652bの装飾と関連させる対象は、表示に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、張出装飾部652bの装飾と、第2動作ユニット700の部材(例えば、覆設部材787)に形成される装飾(第1装飾、第2装飾)とを関連させるようにしても良いし、張出装飾部652bの装飾と、第3動作ユニット800の部材(例えば、第1装飾部材870、第2装飾部材880)に形成される装飾(第1覆設部875の装飾、第2覆設部885の装飾)とを関連させるようにしても良い。
図36は、第1動作ユニット600の正面斜視図であり、図37は、第1動作ユニット600の背面斜視図である。第1動作ユニット600は、第2装飾回転部材660が姿勢変化しながら回転するという複雑な変位態様で構成され、併せて第1装飾回転部材650の張出装飾部652bが第2装飾回転部材660を基準に相対変位することで、変位の前後で異なった外観を遊技者に視認させることができるよう構成される。
図38は、第1動作ユニット600の分解正面斜視図であり、図39は、第1動作ユニット600の分解背面斜視図である。
図38及び図39に示すように、第1動作ユニット600は、背面ケース510に締結固定される被固定手段610と、その被固定手段610に回動可能に支持される回動部材620と、その回動部材620を回動させるための駆動力を伝達する駆動伝達装置630と、回動部材620の回動先端部に一側の端部が回動可能に支持される被支持部材640と、その被支持部材640の他側の端部に回転可能に配設される第1装飾回転部材650と、その第1装飾回転部材650に回転可能に支持される第2装飾回転部材660と、被固定手段610の下半部の正面側に固定される装飾固定部材670と、を備える。
被固定手段610は、背面ケース510の底壁部511に前後に対向配置されるベース部材611と、そのベース部材611の正面側に配置されベース部材611との間に空間を作りながらベース部材611に締結固定される前蓋部材612と、を備える。
前蓋部材612は、駆動伝達装置630を配置するための伝達用配置部613と、その伝達用配置部613の正面側において装飾固定部材670を固定するための固定用部614と、その固定用部614よりも内側において回動部材620を回転可能に支持するための支持締結部615と、被支持部材640の他側の端部を案内する長孔として形成される案内長孔616と、を備える。
案内長孔616は、直線部と曲線部とが混在する独自の形状から形成されるが、その詳細および作用については後述する。
回動部材620は、長尺板状に形成される本体部621と、その本体部621の一端部(下側端部)に配設され被固定手段610の支持締結部615に外嵌支持される筒状部622と、直線方向に延びる長孔として本体部621の中間部に形成される伝達長孔623と、本体部621の他端部(上側端部)に筒状部622の軸方向と平行な穿設方向で円形孔として穿設される円形貫通孔624と、その円形貫通孔624を中心とした円の一部に沿ってギア歯状に形成されるギア歯部625と、を備える。
筒状部622の周りにはトーションばねSP1が巻き付けられている。トーションばねSP1は、一方の腕部が本体部621の側壁に当接され、他方の腕部が前蓋部材612の突片に当接されるよう構成され、回動部材620を起こす方向(正面視時計回り方向)に付勢力が生じるよう構成されている。
なお、筒状部622の軸支においては、支持締結部615が筒状部622に挿通された状態で、支持締結部615の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620は支持締結部615に脱落不能に軸支される。
伝達長孔623は、駆動伝達装置630の円筒部634aが挿通される案内孔として機能し、円形貫通孔624は被支持部材640の筒状部642が回転可能に挿通固定される挿通孔として機能するが、詳細は後述する。
駆動伝達装置630は、前蓋部材612の正面側に締結固定される駆動モータ631と、前蓋部材612の貫通孔613aを通して背面側へ突き出される駆動軸に固着される駆動ギア632と、その駆動ギア632に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613bに軸支される伝達ギア633と、その伝達ギア633に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613cに軸支される伝達ギアカム634と、を備える。
なお、伝達ギア633及び伝達ギアカム634に筒状部613b,613cが挿通された状態で、筒状部613b,613cの先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、伝達ギア633及び伝達ギアカム634は前蓋部材612に脱落不能に軸支される。
前蓋部材612には、筒状部613cを中心とした円弧に沿って貫通形成される円弧状孔613dが形成されており、その円弧状孔613dには、伝達ギアカム634の偏心位置において正面側に円筒状に突設される円筒部634aが挿通される。
伝達ギアカム634は、伝達ギア633と歯合するギア部を備える回転部材であって、上述の円筒部634aと、その円筒部634aを含む角度位置から外径方向へ板状に延設される延設部634bと、を備える。
円筒部634aは、円弧状孔613dに挿通され、その正面側において回動部材620の伝達長孔623に挿通される。ここで、円弧状孔613d及び伝達長孔623の幅長さは、円筒部634aの外径よりも、若干長くなるように設計される。これにより、円筒部634aが円弧状孔613d及び伝達長孔623を摺動する際の摺動抵抗を低減することができる。
延設部634bは、前蓋部材612に締結固定されるフォトカプラ式の検出センサKS1の検出溝に進入可能に構成されている。これにより、検出センサKS1の出力の変化を読み取ることで、音声ランプ制御装置113(図4参照)が伝達ギアカム634の姿勢を把握可能に構成される。
被支持部材640は、長尺の本体部641と、その本体部641の背面側から回動部材620の円形貫通孔624に挿通可能な円筒形断面で突設される筒状部642と、その筒状部642と平行に突設される筒状部643と、その筒状部643に軸支された状態で回動部材620のギア歯部625と歯合可能に形成される中間ギア644と、その中間ギア644よりも背面側に穴あきの底部を有する大径の筒状に形成される有底筒状部645と、その有底筒状部645が配置される端部の反対側の端部において正面側に延設される延設支持部646と、を備える。
上述の構成により、回動部材620の回動変位に伴い、ギア歯部625と、中間ギア644との間で歯合による駆動力伝達を生じさせることができる。
なお、回動部材620及び中間ギア644に筒状部642,643が挿通された状態で、筒状部642,643の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620及び中間ギア644は被支持部材640の本体部641に脱落不能に軸支される。
有底筒状部645は、底部の背面側が前蓋部材612の正面側縁部に近接配置され、底部の正面側において中間ギア644と第1装飾回転部材650のギア歯654aとが歯合可能となるように周面部に形成される開口645aと、筒状中心を中心とした円形で貫通形成され円筒支持部651aを挿通可能とされる挿通孔645bと、を備える。なお、形状の詳細については後述する。
延設支持部646は、第2装飾回転部材660を回転可能に軸支するための支持部として機能するが、詳細は後述する。
第1装飾回転部材650は、直交する回転軸を形成する本体部材651と、その本体部材651と有底筒状部645との間に軸支される前側回転部材652と、その前側回転部材652の装飾部652bの背面側に固定され正面側にLED等の発光手段が配設される電飾基板653と、前側回転部材652と同軸で後側に締結固定される後側回転部材654と、本体部材651に正面側から締結固定され配線通しとしての円筒状空間を形成する配線受部材655と、その配線受部材655の正面側に配置され本体部材651に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定される前側装飾部656と、配線受部材655と本体部材651とにより形成される円筒状部に外嵌軸支される軸直角回転部材657と、を備える。
本体部材651は、背面側に筒状に延設される円筒支持部651aを備えており、その円筒支持部651aは、先端部の直径位置に一対の雌ネジ部651bが形成され、その雌ネジ部651bを通る平面の片側において壁部を削減するように切りかかれる切り欠き部651cを備える。
円筒支持部651aは、内部に電気配線を挿通可能な太さで形成されており、切り欠き部651cは、電気配線の入口を確保するための開口部としての機能を有する。
円筒支持部651aは、基端側から順に、前側回転部材652の中心孔、後側回転部材654の中心孔、有底筒状部645の挿通孔645b、段付きリング状のカラーC1及び前蓋部材612の案内長孔616に挿通され、その先端部の雌ネジ部651bに皿状蓋部C2に挿通された締結ネジが螺入されることで締結固定される。
即ち、上述した円筒支持部651a、前側回転部材652、後側回転部材654、有底筒状部645、カラーC1及び皿状蓋部C2は、前後方向に延びる軸線O1に同軸で支持され、案内長孔616に沿って変位可能に構成される。
皿状蓋部C2は、円周部の一部に開口C2aが形成されており、この開口C2aは組立状態において、本体部材651の切欠き部651cと対向配置されることで、電気配線の通り道を形成する。
この電気配線は、一部の配線は軸直角回転部材657の内部を通り、第2装飾回転部材660の内部に案内され、電飾基板662に配設されるコネクタに端子が接続される。また、その他の配線は、本体部材651と配線受部材655との間に形成される隙間(上側、即ち半筒形状部655aの上下反対側において本体部材651と対向配置される側に形成される隙間)を通り、張出装飾部652bの背後に案内され、電飾基板653のコネクタに端子が接続される。
後側回転部材654は、背面側端部の円周部に沿ってギア歯654aが形成されており、このギア歯654aと中間ギア644とが歯合可能に形成される。なお、ギア歯654aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
前側回転部材652は、傘歯車として形成されるギア歯652aと、径外方に張り出す張出装飾部652bと、を備える。張出装飾部652bの背面側には電飾基板653が締結固定され、電飾基板653に配置される発光手段からの光により張出装飾部652bを点灯させたり、点滅させたりする演出を実行可能とされる。
前側回転部材652は、後側回転部材654に締結固定されているので、後側回転部材654と前側回転部材652とは一体的に回転動作する。
軸直角回転部材657は、本体部材651の半筒形状部651dと、配線受部材655の半筒形状部655aとにより形成される円形筒状部に回転可能に支持され、前側回転部材652のギア歯652aと歯合可能な傘歯車として形成されるギア歯657aを備える。
このように構成することで、前側回転部材652の回転と連動して軸直角回転部材657が回転する。即ち、前側回転部材652、後側回転部材654及び軸直角回転部材657は、連動するが、動作の詳細については後述する。なお、ギア歯652a,657aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
第2装飾回転部材660は、軸直角回転部材657に締結固定される箱状部材661と、その箱状部材661の内部において箱状部材661に固定される電飾基板662と、箱状部材661と軸直角回転部材657との間に配設され半筒形状部651d,655aの先端部に締結固定される配線留め板663と、を備える。
本実施形態では、後述する箱状部材661の回転に伴って、電飾基板662も回転変位することになるので、電飾基板662のコネクタに案内される際に半筒形状部651d,655aの間を通過している電気配線が捻じれたり、配置が無秩序になったりする可能性があるところ、配線を仮留めする貫通孔を有する配線留め板663の機能により、配線の捻じれや、無秩序に配置されることからの回避を図っている。
なお、本実施形態では、電気配線が電飾基板662に固定されていることから、電気配線に捻じれが生じることは避けられない。一方で、第2装飾回転部材660の回転変位は、1回転以上の回転で生じるものでは無く、135度の回転角度で反転する回転変位であるので、電気配線に過度な負担がかかったり、電気配線がねじ切れたりする事態を回避することができる。
第2装飾回転部材660は、略直方体形状から形成され、最長辺を有する長方形側面の最長辺と平行な回転軸(半筒形状部651d,655aにより形成される回転軸)で回転可能に構成される。
軸直角回転部材657は、配線留め板663が抜け止めとして機能し、半筒形状部651d,655aに脱落不能に支持される。第2装飾回転部材660は軸直角回転部材657に締結固定されるので、第2装飾回転部材660が半筒形状部651d,655aから抜ける事態が発生することを回避することができる。
電飾基板662は、板の厚み方向と箱状部材661の厚み方向とが一致するよう配設されている。電飾基板662の厚み方向の側面において、表側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第1演出面661aが照らされ、裏側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第2演出面661bが照らされ、裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設され幅方向に光軸が向くLED等の発光手段により第3演出面661cが照らされる。
このように、電飾基板662に配設される発光手段は、各演出面661a~661cを個別に照らすように機能するが、第3演出面661cを照らすLEDが裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設されていることで、第2演出面661bが正面側に配置される状態(第1動作ユニット600の張出状態)において第3演出面661c(上側を向く面)を照らすLEDを発光させた場合に、そのLEDの光軸から角度をつけて進行する光により第2演出面661bを照らすことができる。
即ち、電飾基板662の背後にLEDが配置される場合と異なり、光が電飾基板662に隠されることを回避することができるので、第3演出面661cを照らす光により第2演出面661bも照らすことができる。これにより、第2演出面661bを照らす演出態様の種類を増加させることができたり、発光演出時の第2演出面661bの明るさを向上させたりすることができる。
装飾固定部材670は、光透過性の樹脂材料から、装飾用の文字や図形が遊技者に視認可能に形成され、その背面側から斜め左前方に光を照射する電飾基板671を備えている。装飾固定部材670の配置は第3図柄表示装置81の右側で固定であり、装飾固定部材670に対する遊技者の視線は、常に斜め右側に傾斜した視線となる。即ち、電飾基板671から照射される光の方向を左側に傾斜させることで、遊技者の目が配置され易い側に光を照射することができる。
装飾固定部材670は、下縁部および右縁部が背面側に嵩上げ形成されており、上縁部および左縁部と前蓋部材612との間に前後隙間が形成される。この前後隙間は、回動部材620が傾倒変位する際に通る隙間として機能する。
図40は、演出待機状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図41は、演出待機状態における第1動作ユニット600の背面図であり、図42は、図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニット600の側面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611(図38参照)及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態において、駆動伝達装置630の円筒部634aの変位開始方向SD1は、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように構成される。これにより、円筒部634aが伝達長孔623に摺動しながら変位開始する際の変位抵抗を低減することができる。即ち、変位開始時は、変位途中に比較して慣性の補助を得られず、駆動モータ631で発生させる必要のある駆動力が大きくなり易いところ、本実施形態のように変位抵抗を低減するように構成することで、変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
また、同様のことが、張出状態(図45参照)における円筒部634aの変位開始方向SD2についても成立するように構成される。即ち、本実施形態では、回動部材620の両終端位置(演出待機状態の位置、張出状態の位置)における伝達長孔623に配置される円筒部634aの変位方向が、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように円筒部634aの変位(即ち、伝達ギアカム634の形状)が設計される。これにより、回動部材620の両終端位置からの変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
図41に示すように、中間ギア644に両側から、回動部材620のギア歯部625と、第1装飾回転部材650のギア歯654aと、が噛み合う。本実施形態では、ギア歯部625の半径R1と、ギア歯654aの半径R2とが同じ長さで設計されているので、中間ギア644に対するギア歯部625の回転角度と、中間ギア644に対する後側回転部材654の回転角度と、は同角度とされる。
従って、後側回転部材654の回転角度を、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度(角度θ)の設計次第で、変化可能に構成することができる。
図42に示すように、前側回転部材652のギア歯652aと、軸直角回転部材657のギア歯657aとが噛み合っており、前側回転部材652に伝達された回転駆動力が、回転軸の直交する第2装飾回転部材660に伝達される。
第2装飾回転部材660の回転角度はギア歯657aの回転角度と同様であり、ギア歯657aの回転角度は前側回転部材652のギア歯652aの回転角度に比例する。即ち、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625(図41参照)との間で生じる回転角度に比例する。
なお、本実施形態では、ギア歯657aの回転角度と、ギア歯652aの回転角度とが同じ(ギア比が1)となるように構成されるので、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度と同じとなる。
次いで、第1動作ユニット600の演出待機状態からの変位について、時系列で説明する。図43は、中間演出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図44は、中間演出状態における第1動作ユニット600の背面図である。また、図45は、張出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図46は、張出状態における第1動作ユニット600の背面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態と中間演出状態との間で、回動部材620の回動角度は19度に設定され、中間演出状態と張出状態との間で、回動部材620の回動角度は26度に設定されている。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、第2装飾回転部材660の箱状部材661が、幅の狭い第3演出面661cを正面側に向けた姿勢とされる。第1動作ユニット600の張出状態では、第2演出面661bが正面側を向くように構成される(図45参照)。
図44に示すように、案内長孔616は、上端部から上下方向に延びる直線上に形成される直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される曲線状部616bと、を備える。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと曲線状部616bとの連結部分に配置されている。一方で、図46に示すように、第1動作ユニット600の張出状態では、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置されている。
従って、演出待機状態と中間演出状態との間における軸線O1の変位は、直線状部616aに沿う直線状変位となり、中間演出状態と張出状態との間における軸線O1の変位は、曲線状部616bに沿う曲線状変位となるように構成される。
第1動作ユニット600は、上述のように状態変化可能に構成されており、その状態変化の基端側に配置されるのは回動部材620である。即ち、回動部材620が駆動伝達装置630からの駆動力を受けて変位し、その回動部材620の変位に被支持部材640、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660が従動する。
そのため、対策なしでは、案内長孔616に案内される部分の摺動変位によって案内長孔616との間で生じる変位抵抗が大きくなる可能性があるが、本実施形態では、回動部材620の変位方向に案内長孔616の長手方向が沿うように構成されることで、その抑制を図っている。
例えば、演出待機状態(図41)からの回動部材620のギア歯部625の変位は、下方へ傾動する変位であるところ、案内長孔616も下方に延びるように形成されている。また、例えば、張出状態(図46参照)からの回動部材620のギア歯部625の変位は右斜め上方向に起き上がる変位であるところ、案内長孔616も右斜め上に延びるように形成されている。
このように、回動部材620の変位方向と、案内長孔616の長手方向と、を沿わせるようにすることで、案内長孔616の内部を変位する部分(及び軸線O1)の変位抵抗を抑制することができる。
次いで、図47を参照して、案内長孔616の形状が及ぼす効果について他の効果も含めて説明する。図47は、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の変位量および変位角度を模式的に示す模式図であり、図48(a)及び図48(b)は、回動部材620が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材640の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。なお、数値の正負は、正が下方への変位量、負が上方への変位量として図示され、図48(b)では、図48(a)の数値が棒グラフとして図示される。
図47では、回動部材620の回動に伴う被支持部材640の支持位置の配置が、回動部材620の回動角度として10度間隔で図示されるており、第1動作ユニット600の張出状態における姿勢の回動部材620が実線で図示される。
図47において、角度θは、軸線O1及び円形貫通孔624の中心を結ぶ線分と、円形貫通孔624の中心および筒状部622の中心を結ぶ線分と、の間の角度として図示されている。
案内長孔616は、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を案内する長孔として機能する。案内長孔616における変位は、回動部材620の円形貫通孔624に連結される被支持部材640の筒状部642が回動部材620の回動に伴って変位することにより生じる変位であるので、以下において、被支持部材640の筒状部642を被支持部材640の主動側とも称し、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を被支持部材640の従動側とも称する。
回動部材620を中心とする動作の概要について説明する。回動部材620に支持される被支持部材640の上下変位は、回動部材620の回動による回動先端(被支持部材640の主動側)の上下変位と、被支持部材640の姿勢変位に伴う被支持部材640の従動側の上下変位とが合算された結果として生じる。
演出待機状態においては、被支持部材640が縦姿勢であることに加え、回動部材620の変位の速度成分が上下に比較して左右方向が大きい(回動腕の配置が鉛直から左右45度の範囲)。即ち、上下方向の変位としては、小さくなる条件が2重に揃っている。
これらは共に、張出状態においては逆になり、上下方向の変位が大きくなる条件が2重に揃うことになる。従って、下降変位開始時は速度が小であり、下降変位終端において速度が大という状況が生じ易い構成となっている。
次いで、回動部材620を中心とする動作の詳細について説明する。演出待機状態から張出状態へ向けた回動部材620の変位(傾倒変位)について説明する。回動部材620が傾倒変位する場合、被支持部材640の従動側は主に自重により変位する。
そのため、案内長孔616が鉛直方向に形成される場合、被支持部材640の従動側は勢いよく落下する可能性がある。一方で、本実施形態では、第1動作ユニット600を中間演出状態(傾倒変位の途中位置、図44参照)で停止させられる方が好ましい。
そこで、本実施形態では、案内長孔616の形状として、直線状部616aの下方に曲線状部616bを組み合わせる態様を採用している。これにより、直線状部616aを自重により被支持部材640の従動側が変位し曲線状部616bに進入する際に、被支持部材640の従動側にかかる変位抵抗の増加を図ることができる。これにより、被支持部材640の従動側が中間演出状態における配置を超えて勢いよく落下することを防止し易くすることができる。
直線状部616aにおける被支持部材640の従動側の変位について説明する。被支持部材640の従動側が直線状部616aを変位する際、被支持部材640の主動側が直線状部616aの延長線を跨ぐ。即ち、演出待機状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも右側に配置され(図41参照)、中間演出状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも左側に配置される(図44参照)。そのため、回動部材620が方向転換せずに傾倒変位する間に、被支持部材640の従動側は上下方向に往復変位する。
これにより、回動部材620の回動角度の大きさに比較して、被支持部材640の従動側の上下方向の変位を小さく維持することができるので、被支持部材640の従動側が直線状部616aに配置されている間において、被支持部材640が、あたかも被支持部材640の従動側を中心として回動変位しているような変位態様で遊技者に見せることができる。
この変位態様によれば、被支持部材640の従動側を中心とした回動変位による助走を利用して左右方向のスライド変位を生じさせることができるので、変位開始時から被支持部材640全体を左右方向にスライド変位させる場合に比較して、変位に要する負荷を低く抑えることができる。そのため、被支持部材640の動作開始時に要する負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
一方で、被支持部材640の従動側の変位が小さく抑えられていながら、回動部材620の回動変位に伴い被支持部材640の主動部の変位は十分に確保されており、被支持部材640の主動部を基準とした被支持部材640の従動側の回転方向は背面視反時計回り方向に維持される(方向が切り替えられることが無い)。これにより、上述のように、被支持部材640の姿勢変化の方向および第2装飾回転部材660の回転方向は切り替えられることなく(反転することなく)維持される。
これにより、遊技者に対して、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が往復動作(戻り動作)しているような印象を与えることを回避することができ、第2装飾回転部材660の変位態様を勢いのある変位態様とすることができる。
また、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の主動部の変位が十分に確保されている状況下においても、被支持部材640の主動部の変位方向は水平方向成分が大きく、且つ、重力方向に沿う方向(下方)向きの変位であるので、回動部材620を変位開始させるために要求される負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
曲線状部616bにより生じる作用について説明する。直線状部616aと曲線状部616bとの連結部に被支持部材640の従動側が配置される状態が第1動作ユニット600の中間演出状態として規定されている。上述のように、演出待機状態から中間演出状態までの回動部材620の回動角度は19度である。そのため、被支持部材640の従動側が曲線状部616bに配置される状態は、おおよそ、図48の角度幅20度~45度の範囲に対応する。
まず、前提として、案内長孔616に曲線状部を採用する必然性は無い。即ち、上述のように中間演出状態において変位抵抗を増加させるために屈曲するような箇所の採用の有無に関わらず、案内長孔616を直線状の部分のみで構成しても良い。
一方、本実施形態では、敢えて曲線状部616bを採用することにより、変位終端において被支持部材640の従動側の速度が過大となることの防止を図っている。これについて、以下で説明する。
直線状部616aに案内される場合も、曲線状部616bに案内される場合も、回動部材620に連結される被支持部材640の主動側が下方変位する際に、被支持部材640の従動側が下方変位することは同じである。
違いとして、曲線状部616bに案内される場合において、曲線状部616bの上半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)と相反する向き(右向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成され、曲線状部616bの下半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)に沿う向き(左向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成される。
これにより、被支持部材640の主動側の下方への変位量が大きくなる前(傾倒開始側)においても、被支持部材640の従動側の変位が左右に振られていることで、被支持部材640の従動側の変位速度を大きく確保することができる。
これにより、回動部材620の傾倒変位の変位終端において被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを防止することができる。即ち、被支持部材640の従動側を特定の初期位置から終端位置まで任意の経路で上下変位させる場合、変位に要する時間が同じであれば、上下方向の速度を積分した結果は等しくなるので、変位開始時にゆっくりと変位する場合には、終盤に変位速度が大きくなる。
図47に比較として図示する上下方向に延びる直線上に案内される仮想軸線OE1に被支持部材640の従動側が配置される場合、回動部材620の傾倒変位開始側から、変位速度が漸増することになり、被支持部材640の変位終端(変位下端)において最大となる。換言すれば、回動部材620が10度回転して変位下端に到達する間の案内長孔616に案内される軸線O1の上下変位量UX1に比較して、同じ間の仮想軸線OE1の上下変位量UE1は大きくなる。
そのため、仮想軸線OE1の変位態様では、被支持部材640の従動側が跳ね戻る動作をする可能性があり、被支持部材640を変位下端で停止させる演出を行う場合には、第1動作ユニット600の演出に悪影響を与える。
これに対し、本実施形態では、案内長孔616に曲線状部616bを採用することで、被支持部材640の従動側の変位速度が大きくなる範囲を回動部材620の傾倒変位の変位開始側にも割り振るよう図っており、被支持部材640の従動側の変位速度の均一化を図っている。
この場合の均一化とは、変位の全範囲に亘って速度を同一となるように寄せることを意味するものばかりでは無く、速度の大小幅を抑制することを含む意味で用いられる。特に、本実施形態では、回動部材620の傾倒変位において、曲線状部616bへの進入開始側において被支持部材640の従動側の変位速度が漸増し、曲線状部616bの下半部に進入開始してから被支持部材640の従動側の変位速度が漸減するよう構成されている。
即ち、曲線状部616bに被支持部材640の従動側が案内されている場合において、被支持部材640の従動側の変位速度に速度差を設けることで、被支持部材640の変位が単調となることを回避することができる。
更に、曲線状部616bの下端側部において被支持部材640の従動側に要求される速度、即ち、単位時間に要求される変位量を小さくすることにより、回動部材620を上方へ動作(起き上がり動作)させる場合の駆動開始時に、単位時間に被支持部材640の従動側を持ち上げる変位量を小さくすることができるので、駆動モータ631にかかる負担を軽減させることができる。
次いで、図49を参照して、回動部材620の回動変位に伴う第2装飾回転部材660の回転について説明する。図49は、回動部材620の回転に伴う角度θ[度]の変化を示す模式図である。
角度θは、円形貫通孔624を中心とする回動部材620と被支持部材640との相対回転角度と同一視でき、第2装飾回転部材660の回転に直結する。即ち、角度θの大小に対応して、第2装飾回転部材660の回転角度の大小が規定される。
なお、本実施形態では、回動部材620のギア歯部625と第1装飾回転部材650のギア歯654a(図39参照)との回転伝達比、及びギア歯652aと軸直角回転部材657のギア歯657a(図38参照)との回転伝達比、が共に1に設定されている。そのため、角度θと、軸直角回転部材657との回転角度とは同一となることから、角度θの変化を、第2装飾回転部材660の姿勢の変化として把握することができる。
角度θの変化は、第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)から第1動作ユニット600の中間演出状態(図44参照)までが45度であり、第1動作ユニット600の中間演出状態から第1動作ユニット600の張出状態(図46参照)までが90度である。
演出待機状態では、第2装飾回転部材660は第1演出面661aを45度だけ左方(第3演出面661cを45度だけ右方)に傾けた姿勢とされているので、角度θの変化に従って、状態が中間演出状態、張出状態と順に切り替えられるごとに、第2装飾回転部材660が45度回転することで第3演出面661cが正面側に向き(図43参照)、次いで第2演出面661bが正面側を向く(図45参照)。
角度θの設定は、被支持部材640の姿勢を規定するための案内長孔616の設計により実現されている。即ち、本実施形態では、第2装飾回転部材660の配置および角度θに応じた第2装飾回転部材660の姿勢の両方を満たすように案内長孔616が設計されている。
これにより、本実施形態のように、検出センサKS1として回動部材620の配置を検出するセンサしか配設しない場合であっても、検出センサKS1の出力を基にして第2装飾回転部材660の配置および姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が判定することができる。
即ち、検出センサKS1の検出溝に伝達ギアカム634の延設部634bが配置されていれば第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)であると判定でき、その状態からの駆動モータ631の回転角度から回動部材620の回動角度、第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定することができる。
ここで、角度θの変化量は、回動部材620の回動角度量に比例するものではない。そのため、駆動モータ631の回転角度から第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定する際には、駆動モータ631の回転角度から比例計算で数値を求めれば良いわけではない。また、これにより、回動部材620を一定速度で回動する場合にあっても、第2装飾回転部材660の回転速度が一定となることを避けることができる。以下、このことについて説明する。
角度θの変化は、被支持部材640の従動側の変位速度の変化量の大小変化と概ね同様である。即ち、演出待機状態から中間演出状態までの角度変化(回動部材620が5度回動する間に約13度)に比較して、中間演出状態から張出状態までの角度変化の方が概ね大きい(被支持部材640の従動側が曲線状部616bの上半部に配置される間において、回動部材620が5度回動する間に約20度)。
一方で、中間演出状態から張出状態までの角度変化は、被支持部材640の従動側が曲線状部616bの下半部への進入位置程度から漸減し、最終的には演出待機状態から中間演出状態までの角度変化の水準以下になる(約7度まで低下する)。
このように、回動部材620の単位角度あたりの回動に対する角度θの数値が大小で変化するように構成されることで、同様に第2装飾回転部材660の回転角度の大小が変化するように構成することができる。即ち、角度θの数値が小さい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が小さくなり易く、その姿勢を維持し易い状態とできる一方で、角度θの数値が大きい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が大きくなり易く、遊技者側に向ける面(演出面661a~661c)を迅速に変化させ易い状態とすることができる。
上述の構成から、第2装飾回転部材660の変位動作に緩急を形成することができる。第2装飾回転部材660の変位動作では、上述の通り、被支持部材640の変位に伴う配置変更および姿勢変更と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心に形成される回転軸を中心とした回転変位と、が同時に実行される。
半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部を中心とした回転変位の回転角度(角速度)は、被支持部材640の従動側が案内長孔616の直線状部616aから曲線状部616bに進入するタイミングで目立って大きくなる。
即ち、傾倒変位において、中間演出状態に到達するまでは第2装飾回転部材660の回転角度は抑えられており、中間演出状態における被支持部材640の従動側の配置から多少上下(跳ね戻り)したとしても、第2装飾回転部材660が第3演出面661cを正面側に向ける状態(図43参照)での維持を図ることができる。
一方、中間演出状態から被支持部材640の従動側が下方へ変位すると、回動部材620が一定速度で回動する場合の第2装飾回転部材660の回転速度は増大し、回転方向の姿勢変化が目立って視認される。即ち、遊技者に対して、第2装飾回転部材660が瞬時に回転変位しているように視認させることができる。
なお、本実施形態では、回動部材620の回動終端(変位下端)において第2装飾回転部材660の第2演出面661bが正面側に向けられ、装飾固定部材670と近接配置された状態で一体的に視認される関係上(図28参照)、回動部材620が変位下端に配置された状態から被支持部材640の従動側が上方へ跳ね戻ることを防止できることが望ましい。
これに対し、本実施形態では、上述のように案内長孔616の曲線状部616bbを構成することで、被支持部材640の従動側の変位速度を均一化しているので、回動部材620が変位下端に配置された状態における被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを予め防止することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
このように変位速度が均一化されていることに加え、回動部材620の下降変位終端における被支持部材640及び第2装飾回転部材660の中心部の配置(例えば、筒状部643の配置)が、回動部材620の回転軸としての支持締結部615に最接近するよう構成されている。これにより、回動部材620の回動先端側に支持される被支持部材640や第2装飾回転部材660の重量により回動部材620の回動先端が暴れることを回避でき、回動部材620の回動変位を安定させることができる。
加えて、曲線状部616bの下半部は、回動部材620の変位下端において被支持部材640の従動側の、回動部材620の円形貫通孔624を中心として跳ね戻る方向(左上方向)への変位を好適に妨害するように構成される。即ち、曲線状部616bの下半部は、左上方向に傾斜する方向が短手方向となっており、この方向への被支持部材640の従動側の変位を抑制することができるので、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
換言すれば、本実施形態では、被支持部材640の主動側の変位に追従して被支持部材640の従動側が変位する際の変位方向と、被支持部材640の主動側が変位終端で停止した場合における被支持部材640の従動側の変位方向と、が異なる。
前者は、案内が無ければ被支持部材640の主動側の変位方向(回動部材620の回動方向)に沿って左下方への変位となると想定されるが、本実施形態では、案内長孔616に案内されることで、案内長孔616に沿う方向として左右方向に若干振られ、下方へ変位する。
一方、後者は、被支持部材640の主動側を中心とした円上の軌道となるので、案内長孔616を沿う方向ではなく、案内長孔616の短手方向に沿う変位方向となる。これにより、被支持部材640の従動側の変位を抑制することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の特徴について説明する。第1動作ユニット600の張出状態から演出待機状態への状態変化において、回動部材620は起き上がり方向に変位する。
回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷(即ち、駆動モータ631で生じる駆動力)は、主に、回動部材620、被支持部材640及び被支持部材640に配設される第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660を上昇変位させることと、第2装飾回転部材660を回転させることとに利用される。
即ち、第2装飾回転部材660の回転角度が小さいほど、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷を低減することができる。
ここで、図49に示すように、本実施形態では、第1動作ユニット600の張出状態から回動部材620が回動変位を開始する時点において、第2装飾回転部材660の回転角度に比例する角度θの値が最低となるように設計されている。そのため、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷の低減を図ることができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の上昇変位終端において、被支持部材640の延設支持部646を中心とした第2装飾回転部材660の回転軸が、回動部材620の長手方向と沿う姿勢(上下方向を向く姿勢)で配置される。
そのため、回動部材620の上昇変位終端において第2装飾回転部材660の回転変位が停止される際に第2装飾回転部材660の回転方向の慣性力として回動部材620に与えられる負荷を、回動部材620が長手方向を軸としてねじられる態様の負荷として生じさせることができ、回動部材620はその負荷を長手方向に分散させることで局所的には僅かな弾性変位で耐えることができる。
そのため、第2装飾回転部材660の回転軸が回動部材620の長手方向と正面視で直交する場合に比較して、回動部材620が折れるように破損する事態を回避し易くすることができる。加えて、回動部材620の過度な弾性変位は、前蓋部材612との当接により抑制され、回動部材620で受けきれない負荷に関しては前蓋部材612が弾性変形することにより耐えるよう構成できるので、回動部材620の破損を防止することができる。
張出装飾部652bの変位について説明する。張出装飾部652bは軸線O1を中心に回転変位する部材であって、その回転角度は上述の角度θに対応する。従って、演出待機状態から張出状態への変化のように、被支持部材640の従動側の配置変化が小さい場合であっても、角度θが変化していれば張出装飾部652bは回転する。
演出待機状態から張出状態までの角度θの変化は約135度であり、張出装飾部652bは約45度で回転している。ここで、演出待機状態から張出装飾部652bが45度も反時計回りに回転すると、組立状態(図28参照)において他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)と衝突するように感じるが、本実施形態では、張出装飾部652bの回転の基準となる被支持部材640自体が時計回りに回転する態様で姿勢変化しているので、他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)に衝突することを回避することができる。
換言すれば、張出装飾部652bが被支持部材640を基準として変位可能に構成されることで、張出装飾部652bの変位に要するスペースを削減することができる。
例えば、張出装飾部652bが第1動作ユニット600の張出状態において被支持部材640を基準として固定配置される部分である場合、被支持部材640が張出状態の配置から演出待機状態の配置に変化すると、張出装飾部652bは被支持部材640の左上側に張り出し、他の動作ユニット800に衝突したり、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に張り出し表示を部分的に隠したり、という演出に対する悪影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、本実施形態では、被支持部材640の従動側を基準として、被支持部材640の主動側の回転方向とは逆方向に、張出装飾部652bが回転変位するので、被支持部材640が第3図柄表示装置81側に張り出す際には連動して張り出し、被支持部材640が第3図柄表示装置81から退避する側に変位する際には連動して退避する。そのため、退避した状態における張出装飾部652bの配置を、第3図柄表示装置81から離れる側に形成することができる。
遊技者目線における、被支持部材640を基準とした張出装飾部652bの回転角度は、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差によって求めることができる。即ち、角度θの変化幅である約135度と、被支持部材640の姿勢変化角度である約90度の差としての45度となる。
ここで、本実施形態では、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差が、回動部材620の配置に関わらず等しいよう構成される。即ち、図47に示すように、角度θを、水平線の下側の角度a1,a2と、水平線の上側の角度b1,b2と、で分けた場合に、角度θと、被支持部材640の姿勢変化と、の差は、((a1+b1)-(a2+b2))-(b1-b2)=(a1-a2)と求められ、これは回動部材620の回動角度に等しい。
従って、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転角度が、回動部材620の回動角度と等しくなるので、回動部材620を角速度一定で回動変位させると、被支持部材640の変位速度は一定ではないにも関わらず、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転の角速度が一定となる。
そのため、遊技者に対して、被支持部材640に配設される張出装飾部652bが回動部材620を駆動させる駆動モータ631とは別の駆動手段で、一定角速度で駆動されているかのように視認させることができる。
このように構成することで、張出装飾部652bの被支持部材640を基準とした変位が、遊技者目線で、スライド移動である区間があったり、回転移動がある区間があったりするように見せることができ、張出装飾部652bの変位態様を、あたかも機械では無いような柔らかい変位態様として視認させることができる。
この作用は、被支持部材640の変位として、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間と、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間とを切り分けて設計することで実現することができる。即ち、張出装飾部652bは、回動部材620の回動角度に応じて被支持部材640に対して回転するところ、遊技者目線では、張出装飾部652bの変位が被支持部材640の変位として支配的となる側に影響される。
従って、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間では張出装飾部652bが回転変位しているように視認させることができ、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間では張出装飾部652bがスライド変位しているように視認させることができる。
上述したように、回動部材620は、演出待機状態、中間演出状態および張出状態を構成するように回動変位可能とされ、一方の変位終端から他方の変位終端へ変位する場合について説明したが、変位範囲の途中位置で逆方向へ変位するように駆動方向を切り替えても良い。
例えば、演出待機状態から中間演出状態まで回動部材620を回動変位させた後で、駆動モータ631の駆動方向を反転させることで、演出待機状態に戻すように制御しても良い。この場合、回動部材620を下降途中で停止させる必要があるので、停止位置を正確にするためには、回動部材620の回動速度を低めに設定させる必要が生じる可能性がある。
一方で、本実施形態では、演出待機状態に比較して、中間演出状態付近において角度θ(図49参照)の数値が増大傾向に変化する。角度θの大小は、上述のように、第2装飾回転部材660の回転の大小に対応する。
従って、第2装飾回転部材660の回転量が増大する中間演出状態付近において、駆動力の内で第2装飾回転部材660に振り分けられる分が多くなることから、相対的に、回動部材620の回動変位に振り分けられる分を少なくすることができ、自動的に回動部材620の回動変位を抑制することができる。
換言すれば、第2装飾回転部材660の回転量が増大することに伴って、回動部材620の回動速度を低下させることができるので、予め回動部材620の回動速度を低めに設定しておかなくとも、中間演出状態付近において回動部材620を停止させ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700について説明する。第2動作ユニット700は、背面ケース510の開口511aよりも下側において底壁部511に締結固定される動作ユニットであって、第3図柄表示装置81(図28参照)を見る遊技者の視界を確保するために開口511aよりも下側に退避する演出待機状態(図28参照)と、第3図柄表示装置81の正面側に配置され注目を集める張出状態(図30参照)と、その間の状態としての中間演出状態(図35参照)とで、主に状態が切り替えられる。
図50は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図51は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。図50及び図51では、主に昇降反転演出装置770の周辺の部材が分解された状態で図示され、昇降反転演出装置770については非分解の状態で図示される。
図50及び図51に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース510の右下隅部に締結固定される右側前板部材710と、その右側前板部材710と背面ケース510との間に配置され背面ケース510の円筒状突設部511bを中心に回動可能とされる回動アーム部材720と、その回動アーム部材720に駆動力を伝達可能に構成される駆動伝達装置730と、回動アーム部材720の先端部が案内可能に連結され昇降変位可能に構成される昇降板部材740と、その昇降板部材740の背面側において背面ケース510の左下隅部に締結固定される左側後板部材750と、左右一組で構成され右側前板部材710及び左側後板部材750の前側に締結固定される一組の前側支持部材760と、金属棒702の前側において背面ケース510に締結固定される目隠し装飾部材768と、昇降板部材740及び前側支持部材760に昇降変位と前後方向変位とを組み合わせた態様で変位可能に構成される昇降反転演出装置770と、を備える。
右側前板部材710は、駆動伝達装置730の各構成を支持する伝達支持部711と、左縁部において背面側から凹設され背面ケース510との間に隙間を形成する隙間形成部712と、駆動伝達装置730の被検出部735の配置を検出するために配設される複数(本実施形態では3個)の検出センサ713と、左側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部714と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部718と、を備える。
検出センサ713は、フォトカプラ式の複数のセンサが、被検出部735が進入可能となる位置に検出溝を配置するようにして、間隔を空けて配設されている。各検出センサ713は、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の中間演出状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の張出状態における被検出部735の位置、に合致するように配設される。
即ち、検出センサ713は、第2動作ユニット700が演出待機状態か、中間演出状態か、張出状態か、により出力を切替可能に構成されており、その出力結果から音声ランプ制御装置113(図4参照)が第2動作ユニット700の状態を把握可能に構成される。
回動アーム部材720は、背面ケース510の底壁部511から正面側に円筒形状に突設される円筒状突設部511bに軸支され、正面視くの字形状の長尺板状に形成される本体部721と、その本体部721の屈曲部において後方へ向けて円筒状に突設され内周側形状が円筒状突設部511bを挿通可能な大きさで形成される支持筒部722と、本体部721の右側端部において長尺方向に沿って長孔状に穿設される長孔部723と、本体部721の左側端部において前方(円筒状突設部711aの突設方向と平行な方向)へ向けて円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部724と、その円筒状被締結部724と支持筒部722との中間位置において後方へ円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部725と、支持筒部722の周囲に巻き付けられ背面ケース510との間で本体部721に上昇方向(左側部を持ち上げる方向)の付勢力を与えるトーションばねSP2と、を備える。
本体部721の左側部は、支持筒部722の基端側部に比較して正面側に配置がずれるように段が形成されており、その段により背面側に形成される隙間部に支持板701が配設される。
支持板701は、背面ケース510の底壁部511に締結固定される板状部であり、円筒状被締結部725を案内可能に穿設される円弧状の長孔部701aを備える。長孔部701aにリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部725に螺入されることで、円筒状被締結部725を介して回動アーム部材720は支持板701に脱落不能に支持される。
支持板701は背面ケース510の底壁部511に締結固定されるので、回動アーム部材720の左側部は背面ケース510から正面側へ離間変位することが制限される。これにより、回動アーム部材720の左側にかけられる荷重により回動アーム部材720が正面側に傾倒する変位が生じることを防止することができるので、回動アーム部材720の変位を安定的に支持することができる。
本体部721の右側部は、背面ケース510と隙間形成部712との間の隙間に配置される。即ち、本体部721の右側部の前後方向の変位は、背面ケース510と隙間形成部712とにより制限される。
長孔部723は、幅中心を通り長尺方向に延びる直線が支持筒部722の中心を通る形状で形成される。従って、長孔部723に与えられる負荷が長孔部723の長尺方向を向く場合には、その負荷の回動アーム部材720の回動方向成分は0となる。
駆動伝達装置730は、回動アーム部材720の長孔部723を介して駆動力を伝達する装置であって、右側前板部材710に前側から締結固定される駆動モータ731と、その駆動モータ731の駆動軸に固定される駆動ギア732と、その駆動ギア732に歯合される伝達ギア733と、その伝達ギア733に歯合されるギアカム部材734と、を備える。
伝達ギア733及びギアカム部材734は、対応する位置において右側前板部材710の背面側に円筒状に突設される複数の円筒状突設部711aにそれぞれ軸支される。円筒状突設部711aの内周側には雌ネジが形成されており、伝達ギア733やギアカム部材734の軸孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。これらの締結ネジが螺入固定されることで、伝達ギア733やギアカム部材734が円筒状突設部711aに脱落不能に軸支される。
伝達支持部711は、上述の円筒状突設部711aと、ギアカム部材734を軸支する円筒状突設部711aを中心とした円弧状に穿設される円弧状孔711bと、を備える。
ギアカム部材734は、回転軸部を中心とした円弧形状で正面側へ突設され円弧状孔711bに挿通可能に形成される被検出部735と、ギア部よりも長径となるように延設される延設部736と、その延設部736の先端部から背面側へ円筒状に突設される円筒状突設部736aと、を備える。
被検出部735は、右側前板部材710の検出センサ713の検出溝に配置可能に形成されており、検出センサ713からの出力によってギアカム部材734の姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が検出可能にするための部分として構成される。
円筒状突設部736aは、回動アーム部材720の長孔部723に挿通可能に形成されており、円筒状突設部736aの変位が長孔部723を介して回動アーム部材720に伝達される。
円筒状突設部736aの内周側には雌ネジが形成されており、リング状のカラーC3の中心孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。この締結ネジが螺入固定されることで、回動アーム部材720が円筒状突設部736aに脱落不能に連結される。
昇降板部材740は、回動アーム部材720の回動に伴い昇降変位する部材であって、左端側に配置され上下方向に案内される被案内部材741と、その被案内部材741の下端側に締結固定される左右に長尺の横長部材742と、を備える。
被案内部材741は、背面ケース510に長尺方向を上下方向に揃えた姿勢で固定される金属棒702が挿通可能に形成され、金属棒702に沿った上下方向変位が可能とされる。被案内部材741の左右両側から背面側へ突設される突条部の先端が背面ケース510の底壁部511と当接することで、被案内部材741の軸回転が規制されることになり、被案内部材741の姿勢の安定化が図られている。
被案内部材741の姿勢が安定化されることに伴い、その被案内部材741に締結固定されている横長部材742の姿勢の安定化が図られている。
横長部材742は、回動アーム部材720の円筒状被締結部724が挿通可能な上下幅で左右に長尺の長円形状で穿設される長孔部743と、その長孔部743の上側において正面側に円筒状に突設される円筒状部744と、その円筒状部744を基準として左右に等距離だけ離れた位置における底部の下方に配設される一対の案内部745と、を備える。
長孔部743にリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部724に螺入されることで、円筒状被締結部724を介して昇降板部材740は回動アーム部材720に脱落不能に支持される。
円筒状部744は、昇降反転演出装置770の挿通筒状部773が挿通され、昇降反転演出装置770を前後変位可能な状態で支持する部分である。即ち、昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に固定されるのではなく、昇降板部材740を基準とした前後変位が可能な態様で昇降板部材740の正面側に配設される。
円筒状部744及び挿通筒状部773の周囲を巻くようにコイルスプリングCS2が配設される。コイルスプリングCS2の付勢力は、昇降板部材740と昇降反転演出装置770とを引き離す方向に作用する。
案内部745は、左右一対で構成されており、前後に長尺の板部745aと、その板部745aから左右外側へ突設される前後一対の軸部に回転可能に軸支される回転筒部745bと、を備える。
回転筒部745bは、上述した昇降反転演出装置770が前後変位する際に回転し、前後方向変位を案内する部分として機能するが、詳細は後述する。
左側後板部材750は、右側前板部材710の前上傾斜部714と同様に、右側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部751と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部752と、を備える。
目隠し装飾部材768は、光透過性の樹脂材料から立体形状に形成される立体装飾部768aを備え、その立体装飾部768aの背面側にはLEDが正面側に固定される基板が配置されており、LEDから照射される光で立体装飾部768aを光らせることができるよう構成される。
前側支持部材760は、それぞれ、締結ネジが挿通される挿通孔を有して構成される固定用板部761と、その固定用板部761の左右内側に隣設配置され板背面が上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成される受傾斜部762と、を備える。
固定用板部761は、挿通孔に正面側から挿通される締結ネジが、対応する雌ネジ部に螺入されることで右側前板部材710又は左側後板部材750の正面側に締結固定される板部である。
この固定位置において、受傾斜部762は、前上傾斜部714,751の前方に配置される。即ち、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751により案内経路が形成され、この案内経路に昇降反転演出装置770の回転筒部774eが案内されることで、昇降反転演出装置770は前後方向に変位しながら昇降変位するよう構成されている。以下、この昇降変位について説明する。
図52(a)は、図28のLIIa-LIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図52(b)は、図28のLIIb-LIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図52(a)及び図52(b)では、第2動作ユニット700の演出待機状態が図示される。
図53(a)は、図33のLIIIa-LIIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図53(b)は、図33のLIIIb-LIIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図53(a)及び図53(b)では、第2動作ユニット700の中間演出状態が図示される。
図54(a)は、図30のLIVa-LIVa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図54(b)は、図30のLIVb-LIVb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図54(a)及び図54(b)では、第2動作ユニット700の張出状態が図示される。
図52から図54に示す第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の昇降変位は、駆動伝達装置730の駆動力が回動アーム部材720に伝達されることで生じる。昇降反転演出装置770の昇降変位の際の駆動力伝達について説明する。なお、この説明では、図28、図30及び図33を適宜参照する。
演出待機状態(図28参照)からの駆動力伝達開始時において、ギアカム部材734の円筒状突設部736a(図51参照)の変位方向は、回動アーム部材720の長孔部723の長尺方向と平行になるように設計されているので、ギアカム部材734の回転開始時に生じる変位抵抗を抑制することができる。また、同様のことが、張出状態においても成立する。
一方、中間演出状態(図30参照)では、円筒状突設部736aの変位方向が長孔部723の長尺方向と直交することから、ギアカム部材734が回動アーム部材720から回転方向に受ける変位抵抗が極大化することで、ギアカム部材734の回転変位を停止させ易くすることができる。
図52から図54に示すように、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770は、センターフレーム86の下側においては背面側に配置され、センターフレーム86の内側へ向けて上昇変位することに伴って、前後方向においては正面側に変位するよう構成される。
この変位の変位抵抗は、昇降反転演出装置770の回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に案内される構成と、昇降反転演出装置770の第1横板774b及び第2横板774cが昇降板部材740の回転筒部745bに案内される構成と、により、低減される。
即ち、一対の回転筒部774eは、左右対称な位置に配置される受傾斜部762及び前上傾斜部714,751(前上傾斜部751は、図52には図示されない左側に配置、図56参照)の傾斜角度と平行に並ぶよう設計されており、回転筒部774eが筒状部774d中心に転動することで、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に沿った変位を行う本体部材771の変位抵抗を低減することができる。
更に、前後に整列される回転筒部745bの配置として、前側の回転筒部745bを若干上側に配置する設計とすることで、本体部材771の傾倒変位の抑制を図ることができ、これにより回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に過大な負荷を与えることを回避している。
即ち、本実施形態では、演出装置780の重心位置(回転軸位置)が本体部材771の前後中心よりも若干前側に位置するような設計とされており、本体部材771は常時、重力により前傾方向に付勢されている。この付勢力の影響から、第1横板774b及び第2横板774cには、前側が下がり、後側が上がるような変位が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、第1横板774bの前側が下がる時に近接配置される前側の回転筒部745bが若干上方に配置されており、第2横板774cの後側が上がる時に近接配置される後側の回転筒部745bが若干下方に配置されている。従って、本体部材771の前傾変位を効果的に抑制することができる。
更に、この構成によれば、前側の回転筒部745bは、第2横板774cとの間に隙間が生じていることから第1横板774bとの間での転動を安定的に生じさせ、後側の回転筒部745bは、第1横板774bとの間に隙間が生じていることから第2横板774cとの間での転動を安定的に生じさせることができる。これにより、回転筒部745bの転動を正常に生じさせることができ、本体部材771が前後方向に変位する際の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の正面側への変位は、上述の形状的な案内のほかに、コイルスプリングCS2の付勢力により生じる。そのため、昇降反転演出装置770が正面側へ変位する上昇変位時の方が、下降変位時に比較して、前後方向変位の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の上下変位は、駆動モータ731の駆動力により行われるところ、その駆動力は、鉛直方向の変位と、前後方向の変位とに振り分けられる。鉛直方向の変位において、重力に対抗する必要性から、上昇方向の変位の負担が比較的大きくなるが、この場合における前後方向の変位をコイルスプリングCS2の付勢力により補助することができる。従って、昇降反転演出装置770を上昇変位させる際に要する駆動力が過大なることを回避することができる。
コイルスプリングCS2は、第2動作ユニット700の中間演出状態(図53参照)において自然長となるように長さが設定される。即ち、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも下側に配置されている場合にはコイルスプリングCS2の付勢力が駆動モータ731の駆動力による昇降反転演出装置770の前後方向の変位を補助する方向に作用する一方、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも上側に配置されている場合には、コイルスプリングCS2の付勢力は昇降反転演出装置770の前後変位に作用しない。
これにより、昇降反転演出装置770の配置を中間演出状態で維持し易くすることができる。例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干早くなったとしても、コイルスプリングCS2の付勢力で第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せるように変位させることができる。
また、例えば、同様に停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干遅くなったとしても、第2動作ユニット700が自重で下降し、且つ、その自重による下降がコイルスプリングCS2の付勢力で抑制されることにより、第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せて配置を維持することができる。
また、例えば、第2動作ユニット700の張出状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御する場合に、昇降反転演出装置770が中間演出状態を下方へ過ぎるとコイルスプリングCS2の付勢力が変位抵抗として作用することから、中間演出状態よりも大きく下方変位することを防止し易くすることができる。そして、駆動モータ731を停止制御した後も、コイルスプリングCS2の付勢力が負荷されることで第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せることができる。
ここで、昇降反転演出装置770について、昇降変位に伴い前後方向に変位させることによる作用について説明する。前提として、センターフレーム86により縁取られる枠の内外に変位して遊技者の注目を集める状態と遊技者の視界から退避する状態とで切り替えられる可動役物が知られている。
このような可動役物では、センターフレーム86の内側に配置されている時の見映えについて重視した設計のものがほとんどであり、センターフレーム86の外側に退避する状態においては、遊技者から注目はされないという仮定のもとで、見映えについて考慮しないことが多かった。
しかし、最近では、第3図柄表示装置81からセンターフレーム86までの前後距離が長く構成されており、センターフレーム86の内側を通り第3図柄表示装置81の表示領域を見るような視界の端において、センターフレーム86の後側外方位置(遊技領域の背後位置)にまで視線が届くので、センターフレーム86の後側外方位置に退避した状態の可動役物の見栄えが悪いと、遊技者の興趣を低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787の正面側(図52における第1主装飾面787a1)だけでは無く、背面側(図52における第2主装飾面787b1)および上下面(図52における第1副装飾面787a2及び第2副装飾面787b2)に装飾面を形成した上で、昇降反転演出装置770の変位方向を、遊技者側(正面側)を基端として背面側へ向かう程に広がる(後方へ向かう程に下降傾斜する)線、即ち、遊技者の視界の端における視線の方向に沿った変位方向とすることで、各装飾面が遊技者の視界に容易に収まるように構成している。
これにより、覆設部材787の各装飾面を遊技者の視界に無理なく入れることができる。覆設部材787の各装飾面の詳細については後述するが、張出状態(図54参照)において遊技者が視認可能となる前側面(第1主装飾面787a1又は第2主装飾面787b1、図54では第1主装飾面787a1)と、演出待機状態(図52参照)において遊技者が視認可能となる上側面(第1副装飾面787a2又は第2副装飾面787b2、図52では第1副装飾面787a2)と、に形成される装飾(図形、模様、文字または絵柄など)が、互いに関連する装飾として形成される。
換言すれば、第1主装飾面787a1と第1副装飾面787a2とが互いに関連する第1装飾として形成され、第2主装飾面787b1と第2副装飾面787b2とが互いに関連する第2装飾として形成され、且つ、第1装飾と第2装飾とは互いに異なる装飾として形成される。
上側面に形成される装飾は、第2動作ユニット700の演出待機状態においてセンターフレーム86と、その奥側に配置される第3図柄表示装置81(図26参照)との前後隙間に配置されているので、センターフレーム86(図2参照)の外側に形成される遊技領域を流下する球に注目する状態と、第3図柄表示装置81で展開される表示演出に注目する状態と、を切り替えるように遊技者が目線を動かす際に視界に入り易い。
そのため、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能となった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)を、演出待機状態においても覆設部材787の上側面を通して遊技者が視認可能とすることができる。
これにより、第3図柄表示装置81を視認し易いように演出待機状態の配置に変位し、目立たないよう配置された覆設部材787に、遊技者の注目を継続して集めさせることができる。
また、後述するように、覆設部材787は遊技者側に向ける装飾面を切り替えるように回転変位可能に構成されているので、張出状態において遊技者が視認可能となる装飾面の内容が異なる場合を生じさせることができる。
例えば、張出状態における覆設部材787の外観を遊技者が確認する前に昇降反転演出装置770が演出待機状態に配置された場合(見逃した場合や、動作速度が過度に速い場合)、前側面からしか装飾面の内容を把握できない構成だと、演出待機状態ではその前側面の大部分が遊技盤13に隠されてしまうので、遊技者は第3図柄表示装置81の表示面で展開される液晶演出に注目せざるを得ず、覆設部材787に対する注目力は低下する。
一方、本実施形態のように、上側面からも装飾面の内容を把握できる構成を採用する場合、遊技者は、演出待機状態における昇降反転演出装置770を視認することで、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能であった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)について把握することができる。
これにより、張出状態における覆設部材787の外観を見逃した遊技者に対して、覆設部材787の状態により報知される内容を、演出待機状態でも覆設部材787の視認可能な装飾面で継続して報知することができる。これにより、演出待機状態か、張出状態か、等の各状態に関わらず、覆設部材787の注目力を高く維持することができる。
本実施形態では、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の前後方向の変位は、遊技領域の後端面の背面側に配置されている状態から、遊技領域の後端面よりも前方に進入するような変位として構成されることについて説明する。
図52に示すように、第2動作ユニット700の演出待機状態において、覆設部材787の正面と、センターフレーム86の板背面とは対向配置されており、センターフレーム86は、覆設部材787側に突設形成される流路形成部86aを備える。
流路形成部86aは、センターフレーム86の左右入口からセンターフレーム86の内側に形成されるワープ流路(転動経路)に飛び込んだ球がセンターフレーム86の下縁部に到達した後、そのセンターフレーム86の下側転動面を流下した球を一旦後方に振り、再び前方に流して、遊技領域に配設される第1入賞口64へ向けて案内するための案内流路の後側部を形成する部分である(図9参照)。即ち、流路形成部86aにより、遊技領域の後端面BE1が、ベース板60(図2参照)の板前面よりも後方側に配置される。
流路形成部86aを流下した球は高確率で第1入賞口64に入球することから、流路形成部86aに対する注目力は高く、特に球がセンターフレーム86の内側に飛び込んだ際には、流路形成部86aに遊技者の視線が集まり易い。演出待機状態において(図52参照)、流路形成部86aの真後ろに演出装置780が配設されることから、演出待機状態における演出装置780が遊技者の視界に入り込む状態を構成し易くすることができる。
第2動作ユニット700の演出待機状態では、覆設部材787は後端面BE1の背面側に配置され(図52(a)参照)、第2動作ユニット700の中間演出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1上に配置され(図53(a)参照)、第2動作ユニット700の張出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1の正面側に配置される。
即ち、覆設部材787は、センターフレーム86の内側に向けて上昇変位すると同時に、遊技領域の前後位置と同じ前後位置に進入するように、正面側へ向けて変位する。従って、遊技者に対して、覆設部材787がセンターフレーム86に乗り上げて正面側へ移動してきている(遊技者側に迫ってきている)ように見せることができる。
なお、第2動作ユニット700は昇降変位に伴って演出装置780が前後方向の変位するところ、その前端面の前後位置は、張出状態において、第1動作ユニット600の張出状態における第2装飾回転部材660の第2演出面661bの前後位置と合う(一致する)ように構成される。
これにより、張出状態において正面視で近接配置される第1動作ユニット600の第2演出面661b(図29参照)と、第2動作ユニット700の演出装置780(図30)と、の前後位置が合うことになり、これらを一体的に視認させ易くすることができる。
一方で、演出装置780の前後方向の配置は、中間演出状態や演出待機状態では張出状態における配置よりも後方に下がるので、張出状態に比較して、第1動作ユニット600の箱状部材661と演出装置780とを分けて(独立で)視認させ易くすることができる。
昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に連結支持される本体部材771と、その本体部材771を基準として変位可能に構成される演出装置780と、を備える。次いで、図55及び図56を参照して昇降反転演出装置770の詳細について説明する。
図55は、昇降反転演出装置770の分解正面斜視図であり、図56は、昇降反転演出装置770の分解背面斜視図である。なお、図55及び図56の説明では、図50及び図51を適宜参照する。
本体部材771は、左右方向に長尺に形成される下側長尺部772と、その下側長尺部772の左右中央位置から背面側へ円筒状で突設される挿通筒状部773と、下側長尺部772の左右両端部から背面側に延設される一対の案内延設部774と、上下に延びる連結部により下側長尺部772の左右中央位置と一体的に形成され左右方向に長尺に形成される上側長尺部775と、その上側長尺部775の左右両側部から背面側に配設され演出装置780の直動板部材784を左右方向に案内可能に構成される複数の案内部776と、上側長尺部775の左右中央に背面側から締結固定され駆動伝達装置を支持可能とされる伝達装置保持板777と、下側長尺部772及び上側長尺部775の正面側に締結固定される発光演出手段778と、を備える。
挿通筒状部773は、昇降板部材740の円筒状部744の内周側に挿通される部分であり、円筒状部744の内周に摺動可能な寸法関係で形成され、摺動により本体部材771は前後方向に変位する。即ち、挿通筒状部773が円筒状部744に挿通されることで、昇降板部材740を基準とする本体部材771の前後方向の傾倒変位を抑制することができる。
案内延設部774は、幅が上下方向を向く縦板774aと、その縦板774aの上端部に連結され幅方向が左右方向を向く第1横板774bと、その第1横板774bよりも下側において縦板774aに連結され幅方向が左右方向を向く(第1横板774bの幅と平行となる)第2横板774cと、縦板774aの左右外側面から左右外側へ向けて突設される上下一対の筒状部774dと、その筒状部774dに回転可能に軸支される回転筒部774eと、を備える。
第2横板774cは、第1横板774bの幅方向端部よりも左右内側に延びる態様で幅長さが長くされている。この幅方向の拡張部は、組立状態において昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置され、互いに当接することで、案内延設部774が前倒れする傾倒変位が抑制される。即ち、第2横板774cを昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置される程度に幅長さを確保することにより、昇降板部材740を基準として本体部材771が前倒れする傾倒変位を抑制することができる。
筒状部774dは、一対が鉛直方向に並ぶのではなく、上側の筒状部774dの方が、下側の筒状部774dに比較して前側にずれて配置される。このずれは、前上傾斜部714,751の傾斜と、一対の筒状部774dの中心を結ぶ直線の方向と、が平行になるように設定される(図52(a)参照)。即ち、前上傾斜部714,751の傾斜と平行に一対の筒状部774dが配置されることにより、上下一対の回転筒部774eを前上傾斜部714,751又は受傾斜部762に同時に当接させることができる。これにより、上下一対の回転筒部774eを安定して転動させることができ、局所的な負荷が生じることを回避し易くすることができる。
案内部776は、左右一対が上下に並ぶ態様で左右両側に配設され内周側に雌ネジが形成される複数の筒状部776aと、左右一対の筒状部776aを繋ぐように締結固定される複数の脱落防止板部776bと、を備える。
脱落防止板部776bは、複数の筒状部776aに対応する位置に穿設される挿通孔を備え、その挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが筒状部776aに螺入されることで筒状部776aに締結固定される部分であり、直動板部材784の脱落を防止するための部分として機能するが、詳細は後述する。
伝達装置保持板777は、駆動モータ782を支持するためのモータ支持板部777aと、駆動モータ782の駆動軸を挿通可能な位置においてモータ支持板部777aに穿設される挿通孔777bと、その挿通孔777bの下側において正面側に円筒状に突設される円筒状突設部777cと、上下両端位置において締結ネジを挿通可能に穿設される一対の挿通孔777dと、背面側に締結固定される配線留め部材777eと、を備える。
円筒状突設部777cは、内周側に雌ネジが形成されており、伝達ギア781bに挿通された状態で締結ネジが螺入されることで、上下反転部材781を脱落不能に軸支する部分である。
挿通孔777dは、上側長尺部775の対応する部分に形成される雌ネジ部775aに螺入される締結ネジが挿通可能とされ、その締結ネジにより伝達装置保持板777が上側長尺部775に締結固定される。
配線留め部材777eは、駆動モータ782に接続される電気配線を伝達装置保持板777との間の隙間に保持し、留めるための部分であるが、伝達装置保持板777の外枠に沿った形状に形成することで、伝達装置保持板777の全体的な剛性の向上をも図ることができる。
発光演出手段778は、LED等の発光部材が正面側に配設される左右長尺板状の上下2枚の電飾基板778aと、その電飾基板778aの正面側に配設される光透過性の樹脂材料から形成される板部材であって光拡散加工が形成される光拡散部材778bと、を備える。
上側の電飾基板778aは、背面側に上下一対で配設される検出センサ778dを備える。検出センサ778dは、フォトカプラ形式の検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが配置されることで演出装置780の上下反転部材781の姿勢を検出可能に構成されるが、詳細は後述する。
下側の光拡散部材778bは、背面側に複数の被締結部が形成され、その被締結部に、対応する位置において下側長尺部772に穿設される挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定されることで、締結ネジが目立たないようにしている。
一方、上側の光拡散部材778bには、左右両側に締結ネジを挿通するための挿通孔778cが形成され、その挿通孔778cに正面側から挿通された締結ネジが上側長尺部775の雌ネジ部775bに螺入されることで、上側の光拡散部材778bが締結固定される。
この場合、締結ネジの頭部が正面側を向いており、対策なしでは目立ってしまう可能性があるが、本実施形態では、後述するように、常に覆設部材787が挿通孔778cの正面側を覆うような配置とされるので、挿通孔778cに固定される締結ネジの頭部を覆設部材787により隠すことができる。
そのため、締結ネジの頭部が正面側に向くような設計であっても、その締結ネジの頭部が目立つことで演出に悪影響を与える事態が生じることを回避することができる。換言すれば、覆設部材787が締結ネジを隠すように配置する設計とすることで、締結ネジの挿通方向の設計自由度を高めることができる。
演出装置780は、上側長尺部775の周囲に外形部が配置され変位可能に構成される装置であって、伝達装置保持板777の円筒状突設部777cに軸支される上下反転部材781と、その上下反転部材781の伝達ギア781bに駆動力を伝達する駆動ギア782aが駆動軸に固着される駆動モータ782と、上下反転部材781の長尺方向両端部のそれぞれに一側の端部が軸支される一対の中間腕部材783と、その中間腕部材783の他側の端部が軸支され案内部776に左右方向に変位を案内される一対の直動板部材784と、その直動板部材784と中間腕部材783との間に配設され左右方向に延びる回転軸で回転(反転)可能に構成される一対の軸回転部材785と、その軸回転部材785を直動板部材784と共同で軸支する一対の軸支部材786と、軸回転部材785の左右外側先端部に位相が固定された状態で脱落不能に嵌合固定される一対の端板部材785dと、その端板部材785dの前後に配置され、上側長尺部775の左右側部を覆う左右長さで形成される覆設部材787と、を備える。
上下反転部材781は、長尺板状に形成される本体板部781aと、その本体板部781aの中心部の背面側にギア状で突設される伝達ギア781bと、本体板部781aの長尺方向両端部から背面側へ円筒状に突設される一対の円筒状突設部781cと、伝達ギア781bの中心軸を中心とする円弧状に本体板部781aの正面側に突設される円弧状突設部781dと、を備える。
伝達ギア781bは、中心に前後方向に延びる円形孔を有し、この円形孔に伝達装置保持板777の円筒状突設部777cが挿通され、先端側から締結ネジが螺入されることで、伝達ギア781bを介して上下反転部材781が伝達装置保持板777に脱落不能に軸支される。
伝達ギア781bは、駆動ギア782aと歯合しており、駆動モータ782に通電され駆動ギア782aが回転すると、伝達ギア781bも連動して回転することで、上下反転部材781が回転する。即ち、上下反転部材781は駆動モータ782を通電することで回転駆動可能とされる。
円筒状突設部781cは、中間腕部材783を軸支する。即ち、中間腕部材783の一側支持孔783aが形成される端部は、上下反転部材781が回転変位することに伴い変位する円筒状突設部781cに追従して変位する。
円弧状突設部781dは、発光演出手段778の検出センサ778dの検出溝に配置可能に形成される。即ち、上下一対の検出センサ778dのどちらかに円弧状突設部781dが配置可能とされている。
そのため、検出センサ778dの出力を読み取ることで、上下反転部材781の姿勢を、円弧状突設部781dが検出センサ778dの検出溝に配置される2姿勢と、その間の姿勢(一対の検出センサ778dの検出溝の双方に円弧状突設部781dが配置されていない姿勢)と、で判定可能となっている。
中間腕部材783は、長尺棒状(幅狭板状)に形成されており、一側の端部で穿設され円筒状突設部781cに軸支される一側支持孔783aと、一側支持孔783aの反対側である他側の端部で内周側が貫通形成される円筒状の他側円筒状部783bと、その他側円筒状部783bを中心とする傘状のギア歯(傘歯車)として形成される傘歯部783cと、を備える。
円筒状突設部781cの内周側には雌ネジが形成されており、その雌ネジに一側支持孔783aに背面側から挿通される締結ネジが螺入される。これにより、中間腕部材783は、上下反転部材781に脱落不能に軸支される。
直動板部材784は、左右方向に長尺な方形板状に形成され、中間腕部材783の他側円筒状部783bに挿通される円筒状に突設される円筒状突設部784aと、その円筒状突設部784aの中心軸を中心とした円弧状で突設される円弧状板部784bと、円筒状突設部784aの上下両側において左右方向に平行に延びる長円状に穿設される一対の長孔部784cと、その長孔部784cの間の位置において上下一対で平行配置され背面側に突設される一対の支持板部784dと、その支持板部784dの中間部において互いに対向される側に突設され前後方向に延びる突条として形成される一対の突条部784eと、支持板部784dの端部に背面側に開口される筒状に配設され内周側に雌ネジが形成される一対の被締結部784fと、円筒状突設部784aと支持板部784dとの間で貫通形成される配置用孔784gと、軸支部材786との間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部784hと、軸支部材786との間で磁石Mgを保持可能となるように方形箱状に形成される磁石保持半部784iと、を備える。
円筒状突設部784aは、中間腕部材783の他側円筒状部783bの内周径よりも若干短い外周径で形成され、他側円筒状部783bの軸方向長さよりも若干長い突設長さとされ、内周側に雌ネジが形成されている。即ち、他側円筒状部783bに背面側から挿通される締結ネジが円筒状突設部784aの雌ネジに螺入されることで、中間腕部材783は、円筒状突設部784aに脱落不能に軸支される。
円弧状板部784bは、他側円筒状部783bの外周径よりも若干長い内周径の円弧形状で形成される。これにより、円弧状板部784bが組立状態で他側円筒状部783bと径方向で対向するように近接配置され、他側円筒状部783bの回転軸に対する傾斜変位を制限している。これにより、他側円筒状部783bを中心とした中間腕部材783の回動変位を安定させることができる。
長孔部784cは、本体部材771の筒状部776aが挿通される開口であり、筒状部776aに形成される雌ネジに、脱落防止板部776bの挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、直動板部材784が本体部材771に脱落不能に支持される。
その支持状態(組立状態)において、直動板部材784は長孔部784cの形成方向に沿ってスライド変位可能とされる。即ち、直動板部材784は左右方向にスライド変位可能に構成される。
支持板部784dは、軸回転部材785の金属棒785aの上下変位を抑制するように保持するための板状部であり、突条部784eは、金属棒785aの左右方向の配置を規定するための突条として機能するが、詳細は後述する。
配置用孔784gは、軸回転部材785の傘歯部材785cとの干渉を避けるための開口であるが詳細は後述する。
軸回転部材785は、左右一組で配設され直動板部材784に軸支される部材であって、金属材料から略円柱状に形成される金属棒785aと、その金属棒785aの長さ方向の中央位置において周方向に形成される凹設溝部785bと、金属棒785aの左右内側端部に配設され金属棒785aに固定される部材であって中間腕部材783の傘歯部783cと歯合する傘歯(傘歯車)が形成される傘歯部材785cと、金属棒785aの左右外側端部に配設され金属棒785aに固定される端板部材785dと、その端板部材785dの金属棒785aの周りに端板部材785dから嵩上げされる態様で配置されるリング状金属部材785eと、端板部材785dの左右内側部に突設される部分であって内部に形成される雌ネジ部に金属製ネジが螺入固定される回転位置安定用部785fと、を備える。
金属棒785aは、直動板部材784の一対の支持板部784dの間に配置され、凹設溝部785bに突条部784eが進入配置される。ここで、凹設溝部785bは、突条部784eと摺動可能となる寸法関係で構成されると共に、突条部784eに対して左右方向の変位が規制される寸法関係で構成される。
即ち、凹設溝部785bの溝幅は突条部784eの左右幅よりも若干長く設定され、凹設溝部785bの溝深部の直径は突条部784e間の隙間長さよりも短く設定され、凹設溝部785bが形成されていない部分の直径は突条部784e間の隙間長さよりも長く設定される。
これにより、金属棒785aを、直動板部材784の背面側において、軸回転可能かつ左右方向への変位が抑制される態様で支持することができる。
傘歯部材785cは、直動板部材784の配置用孔784gに進入するように配置される。傘歯部材785cが配置用孔784gに部分的に進入した状態において、直動板部材784の反対側(背面側)から中間腕部材783が傘歯部783cを傘歯部材785cと歯合させるように組み付けられる。
このように組み付けられた状態において、傘歯部材785cは、配置用孔784gに進入配置されているものの、金属棒785aが直動板部材784に支持されていることから正面側へは脱落不能とされ、背面側への変位は中間腕部材783により規制される。従って、傘歯部材785cは、直動板部材784及び中間腕部材783に脱落不能に支持される。
端板部材785dの筒状部785d1は、金属棒785aの先端部としての非円形状(例えば、D字断面形状)に対応する内周側形状で形成され、その内周側形状と金属棒785aの先端部とが締りばめの寸法関係で形成されることで、嵌合固定されている。
なお、端板部材785dを金属棒785aに固定する方法は、これに限られるものではない。例えば、接着剤などを利用して固着させる方法でも良いし、金属棒785aの先端部に雌ネジを形成し、その雌ネジに端板部材785dに挿通される締結ネジを螺入することで、金属棒785aに端板部材785dを締結固定する方法でも良いし、その他の方法でも良い。
リング状金属部材785eは、直動板部材784のリング保持半部784hに内嵌されるように保持される。リング状金属部材785eが保持され、リング状金属部材785eの内周側に金属棒785aを支持する端板部材785dの筒状部785d1が摺接するよう構成することで、端板部材785dの回転中心を傘歯部材785cの回転中心を通る軸線と一致し易くすることができ、金属棒785aの軸径方向に生じる負荷を低減することができる。
回転位置安定用部785fは、配設される金属ネジが、磁石Mgに吸着する部分としての機能を奏する。
軸支部材786は、方形板状に形成される部材であって、被締結部784fに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔786aと、直動板部材784のリング保持半部784hとの間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部786bと、直動板部材784の磁石保持半部784iとの間で磁石Mgを保持可能な方形箱状に形成される磁石保持半部786cと、を備える。
挿通孔786aに背面側から挿通される締結ネジが被締結部784fに螺入され直動板部材784及び軸支部材786が組み立てられると、軸支部材786の板部に金属棒785aの背面側への脱落が規制され、リング状金属部材785eはリング保持半部784h,786bに保持され、磁石Mgは磁石保持半部784i,786cに保持される。
覆設部材787は、前後一組で左右内側が開口される箱状に形成される左右一対の部材であって、軸回転部材785の端板部材785dに締結固定され、逆側の面に異なる意味で読み取れる図形、模様、文字または絵柄などからなる装飾が形成される。
即ち、覆設部材787は、張出状態(図54参照)において遊技者に視認させる装飾面として形成される第1主装飾面787a1と、その裏面に形成される第2主装飾面787b1と、第1主装飾面787a1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される第1副装飾面787a2と、その裏面に形成される第2副装飾面787b2と、を備える。なお、第2副装飾面787b2は、第2主装飾面787b1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される。
覆設部材787は、端板部材785dに締結固定される前後2枚の部材から形成され組立状態(図26参照)において左右内側が開放された略箱状に形成される左右一対の部材であって、左右の各部材に向けて延設される複数の延設部787cと、その延設部787cの間の部分において左右外側へ退避するように凹設される凹設部787dと、を備える。
延設部787cは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、端部が互いに当接または近接配置されるよう形成される。これにより、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができる。
凹設部787dは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、発光演出手段778の光拡散部材778bの中央に配置される円形状部や、上側長尺部775の左右中央上側の円弧板部等を視認可能に開放するための部分であり、これらの部分との干渉を少なくとも避ける形状で凹設形成される。
覆設部材787は、演出装置780の動作に伴い、第1主装飾面787a1を正面側に向けると共に第1副装飾面787a2を上側に向ける状態(図29、図52参照)と、第2主装飾面787b1を正面側に向けると共に第2副装飾面787b2を上側に向ける状態(図30参照)と、で状態を切り替え可能に形成される。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位を構成する機構について説明する。
図57(a)及び図57(b)は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図57(a)では、一対の円筒状突設部781cが同一の鉛直線上に配置される上下反転部材781の縦配置状態(正立の縦配置状態とも称す)が図示され、図57(b)では、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が円筒状突設部777cを中心に正面視反時計回りに約24度回転した状態が図示される。なお、図57(a)及び図57(b)では、理解を容易とするために、左側の軸回転部材785の端板部材785d及び右側の軸回転部材785の図示が省略される。
正立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、上側の検出センサ778d(図56参照)の検出溝に進入した状態で配置される。また、正立の縦配置状態から上下反転部材781を180度回転させた倒立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、下側の検出センサ778dの検出溝に進入した状態で配置される。
即ち、検出センサ778d(図56参照)の出力は、上下反転部材781が正立の縦配置状態か倒立の縦配置状態かで切り替わるように構成されており、検出センサ778dの出力から音声ランプ制御装置113(図4参照)は演出装置780の状態を判定することができる。
図57(a)及び図57(b)に示すように、上下反転部材781が回転変位されると、中間腕部材783が姿勢変化しながら左右方向に変位する。この姿勢変化の角度が、軸回転部材785の回転角度に対応し(比例し)、他側円筒状部783bの左右方向変位量が、直動板部材784及び軸回転部材785の左右方向変位量に対応する。
ここで、回転変位と左右方向変位(直動変位)とが生じる順序について説明する。これらの変位は、同時に同程度で生じるものではなく、回転変位の程度の方が大きくなる配置や、直動変位の程度の方が大きくなる配置等がある。
まず、概要の説明をすると、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784の構成は、周知のスライダクランク機構となっている。即ち、円筒状突設部777cを中心に上下反転部材781が回転すると、上下反転部材781の円筒状突設部781cに軸支されている中間腕部材783の他側円筒状部783bが、正面視で円筒状突設部777cの中心部を通る移動軸HL1に沿って平行移動するように、他側円筒状部783bに連結される直動板部材784の変位方向が規制されている。左右の一対の直動板部材784は、移動軸HL1に沿って左右逆方向に同時に変位する。
図57(b)に示すように、図57(a)に示す縦配置状態から約24度回転するまでに、他側円筒状部783bは左右方向に長さL1変位している。長さL1は、下側長尺部772と上側長尺部775との連結部分(図55参照)の幅長さの半分の長さ(左右中心と左右幅端部との間の長さ)として図示される。
また、図57(a)から図57(b)への状態変化により、中間腕部材783の他側円筒状部783bを中心とした姿勢変化は、正面視時計回りに5度となっており、傘歯部783cの隣り合う歯の配置間隔としての角度である15度の半分以下の角度に抑えられている。
傘歯部材785cが中間腕部材783の手前側に配置されていることから、傘歯部783cと傘歯部材785cとの負荷の伝達(歯合伝達)は、互いの前後方向の対向位置、即ち、正面視における移動軸HL1上で生じる。
図58(a)は、図57(a)のLVIIIa-LVIIIa線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図であり、図58(b)は、図57(b)のLVIIIb-LVIIIb線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図である。
図58(b)に示すように、中間腕部材783の傘歯部783cは、軸回転部材785の傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位する(図58(b)においては、上方へ変位する)。なお、図58(b)では、理解を容易とするために、傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯とが重なって配置されるよう図示されており、この重なり幅が傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯との弾性変形により吸収される。
傘歯部783cが傘歯部材785cと歯合し、駆動力が伝達されることにより、軸回転部材785が回転変位する。図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。
なお、上下反転部材781が180度回転する間に、中間腕部材783の傘歯部783cは他側円筒状部783bを中心に90度回転し、それに伴い軸回転部材785の傘歯部材785cは180度回転する。即ち、傘歯部材785cが金属棒785aを中心として回転する角度は、傘歯部783cの他側円筒状部783bを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、図58(a)の状態から図58(b)の状態までの変位による押圧に伴い生じ得る傘歯部材785cの変位量は、ギア歯の周方向の厚みに満たず、傘歯部材785cのギア歯を確実に回転させる量には満たない。即ち、当接する代表歯が隣設する歯の配置まで回転するまでの変位量(傘歯部材785cのギア歯が12等分で配置されていることによれば、角度30度の回転に要する変位量)よりは小さい。
傘歯部783cのギア歯は傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位するが、本実施形態では中間腕部材783及び傘歯部材785cが樹脂材料から形成されていることから、押圧を伴う変位が中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形により吸収されることにより、軸回転部材785の傘歯部材785cの回転方向の姿勢は、図57(a)の状態から図57(b)の状態まで維持される。
中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形は、上下反転部材781を介して中間腕部材783に伝達される駆動力に対して、磁石Mgから軸回転部材785の回転位置安定用部785f(図54参照)に生じる吸着力が対抗することにより生じる。
即ち、右側の軸回転部材785が後転方向に回転変位するのを制限するように、磁石Mgの磁力が下側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、右側の軸回転部材785は磁石Mgから前転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、右側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
また、左側の軸回転部材785に対しては、回転位置安定用部785fの配置が右側と同様に端板部材785dの前側とされている一方で、磁石Mgの配置が右側と逆の上側とされている(図55参照)。そのため、磁石Mgの磁力が上側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、左側の軸回転部材785は磁石Mgから後転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、左側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
本実施形態では、磁石Mgの吸着力は、図57(a)に示す状態から他側円筒状部783bが左右方向に長さL1変位するまでの間に傘歯部材785cに負荷される駆動力を超える負荷を発生可能となるように設計される。
これにより、図58(b)に示す傘歯部783cの変位量を吸収するように、中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形が生じることになる。そして、図57(b)に示す状態を超えて変位が継続されると、磁石Mgの吸着力を超えて傘歯部材785cが回転し、磁石Mgと回転位置安定用部785fの金属ネジとの配置が離れることで磁力が極端に低下することになり、磁石Mgの吸着力から開放された中間腕部材783及び傘歯部材785cが弾性回復しつつ回転変位する。
そのため、回転開始時においては、弾性回復分が軸回転部材785の回転方向の勢いを増すことになるので、回転開始時における回転速度を瞬間的に向上させることができる。この回転速度の向上は、軸回転部材785だけでなく、軸回転部材785に締結固定される覆設部材787(図55参照)でも同様に生じる。
これにより、駆動モータ782の駆動速度の変更を行うことなく、覆設部材787の動作の緩急をつけることができるので、駆動モータ782の制御設計の負担を低減しながら、覆設部材787の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、磁石Mgの吸着力により、軸回転部材785の回転変位が生じるタイミングを、中間腕部材783の傘歯部783cが回転開始するタイミングよりも遅らせることができる。
磁石Mgの吸着力を受ける回転位置安定用部785fは、上下一対で構成されており、覆設部材787の第1主装飾面787a1が正面側を向いている時には一方の回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受け(図52(b)参照)、向きが反転し覆設部材787の第2主装飾面787b1が正面側を向いている時には他方の(図52(b)参照、上側の)回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受ける。
即ち、正面側を向いている面が第1主装飾面787a1か第2主装飾面787b1かに関わらず、少なくとも近接配置状態(図29及び図30参照)において、磁石Mgの磁力は軸回転部材785の回転変位を制限する目的で有効に作用する。従って、近接配置状態からの変位において、軸回転部材785の回転変位が磁力により遅れる作用を回転変位の方向によらず(両方向で)生じさせることができる。
即ち、図58(a)に示す状態から図58(b)に示す状態までの間は、左右方向の直動変位の程度の方が、回転変位の程度に比較して大きい。そして、上下反転部材781が図57(b)を超えて正面視反時計回りに回転が継続されると、左右方向の直動変位の程度が落ち着き、回転変位が生じる。
本実施形態によれば、上述のようにスライダクランク機構を採用していることから、同様の作用が生じる。即ち、縦配置状態付近においては、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に大きく上下方向に小さいので、中間腕部材783の左右方向変位は大きく回転量は小さい。そのため、直動板部材784の左右方向変位は大きく、軸回転部材785の回転変位は小さくなる。
一方、上下反転部材781の長尺方向が左右方向に近づくように倒れるほど、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に小さく上下方向に大きくなるので、中間腕部材783の左右方向変位は小さく回転量は大きくなる。そのため、直動板部材784の左右方向変位は小さく、軸回転部材785の回転変位は大きくなる。
従って、縦配置状態から開始され縦配置状態で終了する上下反転部材781の回転動作において、まず直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなり、次いで軸回転部材785の回転変位の程度が大きくなり、再び直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなる。
このような順序で直動変位と、回転変位とが生じることで、上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分(図55参照)に覆設部材787の延設部787cが衝突することを回避することができる。次いで、覆設部材787の外観の変化について説明する。
図59(a)から図59(c)は、演出装置780の正面図である。図59(a)から図59(c)では、昇降反転演出装置770の反転動作が時系列で図示される。図59(a)では、上下反転部材781の正立の縦配置状態における演出装置780が図示され、図59(b)では、上下反転部材781が縦配置状態から90度回転した時における演出装置780が図示され、図59(c)では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態における演出装置780が図示される。
上下反転部材781は、正立の縦配置状態(図57(a)参照)から正面視反時計回りに180度回転することで、倒立の縦配置状態に状態が変化する。倒立の縦配置状態では、正立の縦配置状態(図59(a)参照)を基準として、覆設部材787の姿勢が180度反転する。これにより、遊技者が視認可能な装飾面が切り替えられることになる(図59(c)参照)。
倒立の縦配置状態から上下反転部材781が正面視時計回り(反対回り)に180度回転変位することで、正立の縦配置状態(図57(a)参照)に戻る。従って、反転動作は、上下反転部材781を180度回転変位させるように方向を反転させて駆動モータ782(図56参照)を駆動する度に、図59(a)に示す状態と図59(c)に示す状態とで、状態を繰り返し切り替えることができる。
上述したように、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、傘歯部783cと噛み合うことで軸回転部材785が180度回転変位する。ここで、傘歯部783cの回転方向から、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。即ち、左右に配置される一対の軸回転部材785及び端板部材785dに締結固定される覆設部材787は、逆方向に回転する。
そのため、途中位置では、右側の覆設部材787は第2副装飾面787b2を正面側に向け、左側の覆設部材787は第1副装飾面787a2を正面側に向ける(図59(b)参照)。
これにより、覆設部材787の回転変位中に、左側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)と右側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)とが揃って視認されることを回避することができる。
従って、回転変位中の覆設部材787の装飾面を、敢えて左右で内容のずれたものとすることができ、装飾面の内容を遊技者に認識し難いように構成できるので、回転変位中の覆設部材787が遊技者に与える情報量を低くすることができる。
これにより、回転変位中の覆設部材787に対する遊技者の注目力を低減させることができる。また、回転変位が停止した時に左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃うことから、覆設部材787の回転が停止するまで遊技者の視線を覆設部材787に維持し易いという効果も奏し得る。
回転変位は第2動作ユニット700の張出状態(図54参照)で実行されるが、この回転変位が停止し、左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃った状態では、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域の上下中央付近にまで上昇してきており(図30参照)、この状態で第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)に注目力が集まる可能性は低い。
特に、第3動作ユニット800が第2動作ユニット700と近接変位されるよう制御される場合などには特に、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)への視界が第3動作ユニット800に遮られることになる。
一方で、第2動作ユニット700が演出待機状態となり(図52参照)、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域よりも下側に配置されると、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)が遊技者の視界に入り易くなる。
このように、第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)を、張出状態においては回転変位中に揃って視認されることを防止したり遊技者側に面が向くことを防止したりすることで注目させず、演出待機状態においては遊技者に注目され得る側面として形成している。
これにより、第2動作ユニット700の見え方を配置に応じて変化させることができるので、第2動作ユニット700を配置するコスト(場所の占有、上手に隠す負担)に対する演出性能が過度に低くなる状態が生じることを回避し易くすることができる。
軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位後において、回転位置安定用部785fが磁石Mg(図54(b)参照)に吸着することで軸回転部材785及び覆設部材787の姿勢の安定化を図ることができる。
本実施形態では、磁石Mgに吸着する金属部材が金属製ネジで構成されるので、専用の金属部材を設計する場合に比較して、部材コストの削減や、メンテナンス性の向上を図ることができる。
上述したように、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位には左右方向の直動変位が伴うので、回転変位を実行可能な演出装置780の配置は制限されることになる。即ち、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や中間演出状態(図33参照)では、回転変位を実行することで、左右に配置される右側前板部材710、左側後板部材750及び前側支持部材760や、その正面側に固定配置される立体装飾部768a等の装飾部材が覆設部材787に衝突することになる。
一方、第2動作ユニット700の張出状態(図30参照)では、左右方向に空間が確保されることで、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を実行可能となる。
従って、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を生じさせる駆動モータ731の駆動制御は、検出センサ713の出力から第2動作ユニット700が張出状態になっていると判定されていることを前提に実行可能に制御される。これにより、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を正常に生じさせることができる。
延設部787cは、上下反転部材781の縦配置状態において互いに近接配置され、この状態において上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分と前後で対向配置される。そのため、この配置から覆設部材787を左右方向に延びる回転軸で回転変位させると、延設部787cが上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分に衝突することになり、不具合が生じる。
一方で、延設部787cが近接配置される構成は、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができるという効果を生じさせるものであり、演出上必要となる構成であるので、維持できることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787が、回転変位の前に、予め左右方向に長さL1だけ直動変位するよう構成される(図57参照)。長さL1の直動変位により、延設部787cを上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分の前後位置から退避させることができ、延設部787cと上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分とが衝突する不具合を回避することができる。
また、このように回転変位を構成することで、覆設部材787が左右方向に変位する間において長さL1では回転変位が生じず(又は制限され)、残りの長さL2において回転変位を生じさせることになるので、覆設部材787の回転中における左右方向の変位量を小さく抑えることができる。
これにより、回転中に覆設部材787の配置が大きく変化する場合に比較して、覆設部材787の注目力を低く抑えることができ、回転変位を目立たせなくすることができるので、各装飾面787a1~787b2の設計として、回転変位中の見映えを無視した設計を行うことができるので、設計自由度を向上することができる。
なお、覆設部材787が回転開始するタイミングは、磁石Mgの吸着力の設計により任意に設定可能である。そのため、例えば、本体部材771の下側長尺部772と上側長尺部775との連結部の左右幅を長くする設計変更が生じたとしても、演出装置780の構成は同じとしながら、磁石Mgを吸着力の大きな磁石に変更することで、本実施形態と同様に、上述の連結部と延設部787cとの衝突を回避することができる。
図59において想像線で図示するように、挿通孔778cは、常に覆設部材787に隠されるよう配置される。これにより、挿通孔778cに挿通される締結ネジが遊技者に視認されることを防止することができ、締結ネジにより演出効果が低くなることを回避することができる。
本実施形態では、左右一対の覆設部材787に形成される各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾(図形、模様または絵柄など)が、左右の覆設部材787で同一では無いことから、左右の装飾に合わせて挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
即ち、挿通孔778cは締結ネジが挿通される部分であるので、その位置で電飾基板787aにLEDを配置することができなくなる(図55参照)。また、締結ネジは金属製であり光を透過しないので、発光演出時に暗く視認され易い。
従って、左右の装飾において、明るく光らせて目立たせる箇所を避けて挿通孔778cを配置することが望ましく、そのようにした結果、挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
なお、挿通孔778cの配置を左右対称にすることは当然に許容される。特に、左右の覆設部材787で各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾が同一の場合には、挿通孔778cを左右対称に配置することによる不利益は生じず、且つ、電飾基板778aの設計を容易とすることができる。
図59(b)に示すように、本実施形態では、昇降反転演出装置770の反転動作中に覆設部材787が左右に直動変位し、光拡散部材778bの中央部付近が延設部787cに囲まれていない状態においても、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784等の機構部が視認されないように隠される。
即ち、正面視において、本体部材771の上側長尺部775の外形が、前側に配置される光拡散部材778bの外形に収まる形状に設計されており、直動板部材784の上下幅が、前側に配置される上側長尺部775の左右長尺部の上下幅に収まる形状に設計されている。また、上下反転部材781は前側に配置される上側長尺部775の円板部の外形に収まる形状に設計されており、中間腕部材783は変位軌跡が光拡散部材778bの外形に収まるように設計される。
これにより、演出装置780の変位を実現するための機構部を光拡散部材778bの背後に隠し、視認不能とすることができるので、反転動作中における演出装置780の外観による演出効果が低下することを回避することができる。
図26に戻って説明する。第3動作ユニット800は、演出待機状態において第3図柄表示装置81の表示領域の上側に配置され、背面ケース510に支持される左右一対の昇降アーム部材801(図31参照)の先端部に支持され、昇降アーム部材801が上下方向に駆動されることに伴って昇降変位可能に構成されるユニットである。
図60は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図61は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図60及び図61では、第3動作ユニット800の変位を構成する部分が図示されており、外側に配設される装飾部分としての装飾部材870,880の図示が省略されている。
図60及び図61に示すように、第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801に保持される被保持部材810と、その被保持部材810の中心部に円筒部821が締結固定される固定円筒部材820と、円筒部821が内周側に挿通された状態で円筒部821に軸支される内側回転部材830と、その内側回転部材830が内周側に挿通された状態で本体部831に軸支される外側回転部材840と、その外側回転部材840の円筒状部842aに回動可能に連結される複数(本実施形態では5本)の中間腕部材850と、被保持部材810に収容される複数のギア部材を有し内側回転部材830、外側回転部材840及び中間腕部材850を変位させる駆動力を伝達するための駆動伝達装置860と、を備える。
被保持部材810は、円板形状の本体部材811と、その本体部材811に正面側から蓋をする孔空き蓋部材817と、を備える。
本体部材811は、中心部において固定円筒部材820の円筒部821を保持するために凹設され固定用の締結ネジを挿通する挿通孔や電気配線を挿通する貫通孔が形成される筒固定部812と、フォトカプラ式のセンサであって外側回転部材840の被検出部844を受け入れ可能な側に検出溝を向けて固定される検出センサ813と、駆動モータ861を保持するモータ保持部814と、伝達ギア863を脱落不能に軸支する円筒部として正面側に突設される複数の円筒状突設部815と、負荷応答ギア865を脱落不能に軸支する二重の円筒部として正面側に突設される複数の二重円筒突設部816と、を備える。
孔空き蓋部材817は、中央部に前後方向に穿設される円形孔818を備える。円形孔818は、開口方向視において、その内周縁部から、伝達ギア863及び負荷応答ギア865が内側に張り出すような寸法で設計される。
固定円筒部材820は、上述の円筒部821と、その円筒部821の正面側端部に形成される円形板部822と、その円形板部822に締結固定され正面側にLED等の発光手段が配設される円板状の電飾基板823と、その電飾基板823を正面側から覆うことができるような傘状(又は、お椀状)で光透過性の樹脂材料から形成される透光装飾部材824と、円筒部821の円形板部822側の外径よりも若干長い内径の円環状に形成され円筒部821と摺動可能に構成される摺動部材825と、を備える。
円筒部821は、背面側先端部に雌ネジが形成されており、その雌ネジに被保持部材810の筒固定部812の挿通孔に挿通された締結ネジが螺入されることで、固定円筒部材820が被保持部材810に回転不能に締結固定される。
円筒部821は内周側において軸方向に貫通形成されており、この貫通部分を通して筒固定部812の貫通孔に挿通された電気配線が正面側へ這わされ、電飾基板823の背後に配設されるコネクタに接続される。
電飾基板823は、LEDとして、五角形の頂点およびそれらの頂点から等距離離れた中心位置に配置される内側発光部823aと、円周上に等間隔で15箇所に配置される外側発光部823bと、を備える。内側発光部823aは、光軸が正面側(前方)を向くLEDから構成され、外側発光部823bは、光軸が径方向外側(直径方向)を向くLEDから構成される。
外側発光部823bは、円周上に等間隔に配置される15個のLEDから構成される。後述するように、外側発光部823bから照射される光は、円周上に等間隔で互いに密接して配置される第1装飾部材870の鍍金部871aに照射されることから、各第1装飾部材870に、3個のLEDからの光が照射されることになる。
外側発光部823bは電飾基板823に固定配置されており、第1装飾部材870は円の中心を軸として回転変位するように構成されるが、外側発光部823b及び第1装飾部材870は同軸の円上にそれぞれ等間隔で配置されるので、第1装飾部材870の回転方向の姿勢に関わらず、常に同数(本実施形態では、3個)のLEDからの光を各第1装飾部材870に照射することができる。
これにより、回転動作中に第1装飾部材870に照射される光LD1の光量の変化を抑制することができる。
摺動部材825は、内径側部が固定円筒部材820の円筒部821に摺動可能に構成される一方、外径側部が内側回転部材830の円形フランジ状部831aに摺動可能となるように形成される。
摺動部材825は、正面側にフランジ状部が形成されており、そのフランジ状部の内径側端部から後方に筒状で突設される筒状部を有するが、この筒状部の外径が、円形フランジ状部831aの内径よりも若干短く形成されることで、内側回転部材830に摺動可能に内嵌される。
摺動部材825を間に介在させることにより、固定円筒部材820と、その周りを回転可能に構成される内側回転部材830とが直接接触することを防止するようにしている。また、円筒部821の円形板部822側であり、同様に本体部831の円形フランジ状部831a側という強度的に有利な側に摺動部材825が配設されることで、摺動時や摺動不良時(意図せず変位抵抗が過大となった時)に生じる負荷によって固定円筒部材820や内側回転部材830が損傷したり変形したりする可能性を低減することができる。
内側回転部材830は、正面側端部に円形フランジ状部831aを有する円筒状の本体部831と、その本体部831の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向に長尺方向を沿わせた姿勢で円形フランジ状部831aに締結固定される複数の金属棒832と、その金属棒832が挿通可能に形成され金属棒832に案内される形で直動変位可能に構成される複数の直動部材833と、その直動部材833の径方向外側部において回転可能に軸支される複数の回転部材834と、を備える。
本体部831は、上述の円形フランジ状部831aと、隣り合う金属棒832の中間の角度位置(5箇所)において円形フランジ状部831aを基端として突条状に後方に延びる複数の摺動突条部831bと、円形フランジ状部831aの反対側の端部において円周方向に間隔を空けて凹設形成される複数の凹設部831cと、を備える。
摺動突条部831bは、外側回転部材840の本体部841の内周側曲面と摺動可能に構成される部分であって、外側回転部材840との接触面積を減らし接触摩擦を低減するために突設先端が断面半円状に形成される。
摺動突条部831bの配置は、上述のように隣り合う金属棒832の中間の角度位置とされるが、換言すれば、外側回転部材840の中心軸を基準として金属棒832の反対側の位置(180度ずれた位置)とされる。
これにより、後述する切替回転動作において中間腕部材850が金属棒832に沿って径外方向に変位され、その中間腕部材850が軸支される外側回転部材840が径外方向に変位するよう負荷を受けたとしても、その外側回転部材840の変位を摺動突条部831bで受けることができるので、外側回転部材840の内側円周面と内側回転部材830の外側円周面との接触面積を低い状態で維持することができる。
凹設部831cは、中央円環ギア864の伝達突部864aが進入配置される部分であって、凹設部831cに伝達突部864aが配置されることで、互いの相対回転を不能として、中央円環ギア864の回転角度と内側回転部材830の回転角度とを一致させることができる。
直動部材833は、直動変位方向に並ぶように間隔を空けて配置され後方へ向けて円筒状に突設される一対の円筒状突設部833a,833bと、その円筒状突設部833a,833bを基準として本体部831の中心軸から離れた側に形成され回転部材834に挿通される円筒状の円筒状軸部833cと、その円筒状軸部833cの先端部において周方向に沿って凹設される凹設溝833dと、を備える。
凹設溝833dは、組立状態(図28参照)において回転部材834から突き出た側に配置されており、回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の張出部873,883が摺動可能に外嵌されることで、回転部材834の径外方向への脱落を防止する変位規制用の溝として機能するが、詳細は後述する。
回転部材834は、傘歯車状に形成される傘歯部834aと、直動方向と平行に円筒状に突設される複数の円筒状突設部834bと、を備える。傘歯部834aは、全周に亘って形成されるものではなく、動作に必要となる3/4周(約270度)に亘って形成されている。
円筒状突設部834bは、内周側に雌ネジが形成されており、装飾部材870,880の挿通孔874,884に挿通された締結ネジを螺入することで、装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するように機能するが、詳細は後述する。
外側回転部材840は、円筒状の本体部841と、その本体部841の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5本)の延設腕部842と、本体部841の後側端部の円周に沿って外周側に形成されるギア歯843と、検出センサ813の検出溝に進入可能な配置で本体部841の径外方向に延設される被検出部844と、を備える。
延設腕部842は、本体部841の中心軸と平行に延びる円筒状部842aを備え、その円筒状部842aの内周側には雌ネジが形成されており、中間腕部材850の基端側棒部851に円筒状部842aを挿通した状態で雌ネジに締結ネジを螺入することで、中間腕部材850が延設腕部842に脱落不能に軸支される。
ギア歯843は、駆動伝達装置860の負荷応答ギア865と歯合可能に配設されることで、外側回転部材840の回転変位の有無を切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
中間腕部材850は、長尺に形成される部材であって、一端側が外側回転部材840の円筒状部842aに軸支される基端側棒部851と、その基端側棒部851の他端側において正面側に増厚される増厚部852と、その増厚部852の正面側端部から基端側棒部851の長尺方向と平行に延設される先端側棒部853と、その先端側棒部853の端部にギア歯を有して形成される回転伝達部854と、を備える。
回転伝達部854は、直動部材833及び回転部材834と連動する部分であって、円筒状突設部833aを挿通した状態で互いに回動可能な寸法関係で形成される被支持孔854aと、その被支持孔854aを中心とした円弧状に穿設される長孔であって円筒状突設部833bを挿通した状態で案内する案内孔854bと、被支持孔854aを中心軸とする傘歯車状に形成され回転部材834の傘歯部834aと歯合することで傘歯車を形成する傘歯部854cと、を備える。
駆動伝達装置860は、モータ保持部814に締結固定される駆動モータ861と、その駆動モータ861の駆動軸に固着される駆動ギア862と、円筒状突設部815に脱落不能に軸支され駆動ギア862を介して駆動力を伝達可能に歯合される複数の伝達ギア863と、その伝達ギア863に歯合される中央円環ギア864と、その中央円環ギア864の配置よりも前側にずれて配置され二重円筒突設部816に脱落不能に軸支される一対の負荷応答ギア865と、その負荷応答ギア865の背面側において二重円筒突設部816の二重筒に支持され負荷応答ギア865にかけられる回転方向の負荷に応じた抵抗が可変とされるトルクリミッタ866と、を備える。
中央円環ギア864は、環状に形成され、その内周側に固定円筒部材820の円筒部821を挿通可能に設計され、内側回転部材830の凹設部831cに進入配置可能となるように凹設部831cに対応する配置および形状で底板部から正面側に突設される伝達突部864aと、その伝達突部864aの内径側および外径側に配置される同軸二重円環形状で底板部から正面側に突設される支持円環状部864bと、を備える。
組立状態では、伝達突部864aが凹設部831cに進入配置された状態において、支持円環状部864bの間の隙間に内側回転部材830の本体部831の後方端部が中間ばめの寸法関係または締りばめの寸法関係で嵌合される。これにより、中央円環ギア864と内側回転部材830とを一体的に回転させることができる。
なお、凹設部831c及び伝達突部864aの配置については何ら限定されるものではない。例えば、円周方向に等間隔で配置されるようにしても良いし、円周方向に不等間隔で配置されるようにしても良い。
等間隔であれば、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢を考慮せずとも、伝達突部864aと凹設部831cとの配置を合わせれば組み付けることができるので、組み付けを迅速に行うことが可能となる。本実施形態にように、内側回転部材830及び中央円環ギア864の形状が回転方向で対称(72度間隔で同じ)とされる場合には、内側回転部材830及び中央円環ギア864の姿勢が組み付け時にずれることによる影響は少ないと考えられるので、等間隔とすることは有効である。
不等間隔であれば、組み付け作業時において、内側回転部材830に対して中央円環ギア864の姿勢を合わせてから組み付けるという工数が1個増えるが、凹設部831cへの伝達突部864aの配置を利用して、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢合わせを行うことができる。
負荷応答ギア865は、外側回転部材840のギア歯843と歯合可能に配設される。負荷応答ギア865にトルクリミッタ866が係合していることにより、内側回転部材830及び中央円環ギア864と、外側回転部材840と、の間の回転抵抗の大小に起因して、負荷応答ギア865の回転が許容される状態と、規制(制限)される状態と、が切り替えられるよう構成されている。
即ち、トルクリミッタ866は、所謂安全クラッチとして機能するものであり、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、駆動力の伝達を解除するよう構成される。本実施形態では、一方向の駆動力を伝達する装置(ワンウェイのトルクリミッタ)が、伝達方向を逆とする一組で構成され、トルクリミッタ866による駆動伝達の切り替えを双方向で応答性良く行えるように構成している。
図62は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図63は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図62及び図63では、第3動作ユニット800の装飾部分が図示されており、変位を構成するための部分の図示が省略されている。
図62及び図63に示すように、第3動作ユニット800は、上述した内側回転部材830と、その内側回転部材830の円筒状突設部834bに締結固定され円筒状突設部834bの一方の側面を覆う第1装飾部材870と、円筒状突設部834bに締結固定されると共に第1装飾部材870の反対側の側面から円筒状突設部834bを覆う第2装飾部材880と、を備える。
第1装飾部材870は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第1骨格部871と、その第1骨格部871の一側を覆うよう形成される第1覆設部875と、を備える。
第1骨格部871には、全体に鍍金処理がされており、光を反射し易いよう構成されている。
第1覆設部875は、枠の内側が無色で光透過性の樹脂材料で形成されており、その表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(5個)の第1覆設部875に、それぞれ独立した絵柄等が描かれている。そのため、電飾基板823による発光制御で強発光させる第1覆設部875を変更したり、第1覆設部875の配置を変更したりすることで、遊技者の注目を集める絵柄等を異ならせることができる。
例えば、遊技者目線で、第3図柄表示装置81側にいずれの第1覆設部875が停止するかに注目させるような表示演出を第3図柄表示装置81で実行すると同時に、内側回転部材830を回転させるように制御すれば、その回転に伴い第3図柄表示装置81側の第1覆設部875を継続的に変更することができるので、回転が停止するまでの期間に亘り、遊技者の視線を第1覆設部875に集めることができる。
第2装飾部材880は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第2骨格部881と、その第2骨格部881の他側を覆うよう形成される第2覆設部885と、を備える。
第2骨格部881は、第2覆設部885に収容される磁石Mg2を脱落不能に保持するための保持片881aを備える。
第2覆設部885は、隣設される第2覆設部885に収容される磁石Mg2の吸着力が作用する位置(近接位置)に金属製ネジが螺入固定されており、この金属製ネジに磁石Mg2が吸着することで、合体状態(特に、一連合体状態、図32参照)における第2覆設部885の一体性が確保できるように図っている。
第2覆設部885は、表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(本実施形態では、5個)の第2覆設部885に描かれる絵柄等は、複数(少なくとも2個、最大で5個)の第2覆設部885が組となるよう絵柄等が構成されており、5個の第2覆設部885が合体状態を構成した時に正面視で「円状体」として視認されるように各第2覆設部885をその円状体の一部を構成するように装飾している。
第2覆設部885に描かれる絵柄等は特に限定されるものではないが、本実施形態では、一連合体状態において第2覆設部885から把握される内容が第2装飾部材880の回転方向の配置が異なっても大きな違いが生じない絵柄として設計している。即ち、絵柄として明確な上下左右があるものではなく、回転させても外形の変化が目立たない(本実施形態では、円形状)を構成する設計としている。
そのため、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができる。この点で、本実施形態では、合体状態において磁石Mg2の吸着力により第2覆設部885側が強固に一体化されるので、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
なお、各第2覆設部885において、幅方向の片側に磁石Mg2が配設され、逆側に金属製ネジが螺入固定されている。後述する切替回転動作により第2覆設部885の向きが前後で反転した場合には、それに伴い正面視での磁石Mg2と金属製ネジとの配置も反転することになる。
この場合でも、各磁石Mg2が吸着する金属製ネジが、逆側に隣設される第2覆設部885に螺入固定される金属製ネジに入れ替わるだけであり、5個の第2覆設部885が円環状に配設されていることから一体化した際の吸着度合いに変化はない。
一方、本実施形態では、第1覆設部875には、磁石を収容していない。これにより、第1覆設部875側における一体化の強度は、若干弱くなっているが、これにより演出性能が低下することを回避するようにしている。
即ち、第1覆設部875には、それぞれ独立した絵柄等が描かれているので、合体状態における一体化の程度が弱く、第1装飾部材870の配置が多少ずれることがあっても、遊技者に視認させる絵柄等を認識できなくなる可能性は無い。従って、第1覆設部875に描かれる絵柄等を利用した演出の演出性能が低下することを回避することができる。
更に、第1覆設部875側の一体化の強度が弱くなっていることにより、昇降変位(からの停止)に伴い生じる振動や、一体回転動作や切替回転動作としての回転変位(からの停止)に伴い生じる振動により、合体している第1覆設部875同士の配置をずらすことができる。これにより、第1覆設部875が分割体ではなく、単一の円形部材から構成される従来機では実現不可能な変位態様で第1覆設部875を変位させることができるので、第1覆設部875による演出の演出効果を向上させることができる。
上述の事情から、複数の装飾部材870,880が近接配置される合体状態において、第1装飾部材870が前側を向く状態を個別合体状態とも称し(図31参照)、第2装飾部材880が前側を向く状態を一連合体状態とも称す(図32参照)。次いで、個別合体状態と一連合体状態とを切り替えるための動作について説明する。
図64(a)、図64(b)、図65(a)及び図65(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図66(a)、図66(b)、図67(a)及び図67(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。
図64から図67では、駆動モータ861(図60参照)の駆動力が伝達され、内側回転部材830が外側回転部材840に対して相対的に回転動作することにより変位する中間腕部材850の変位が時系列で図示される。
即ち、背面視および正面視において時系列で図示されており、個別合体状態(図64(a)、図66(a))から、内側回転部材830が45度ずつ回転する様子が図示されている。
なお、図64から図67では、金属棒832の軸線が仮想位置線832Fとして記載されており、この仮想位置線832Fの配置の角度変化が、内側回転部材830の回転角度に対応する。なお、個別合体状態(図64(a)、図66(a))からの内側回転部材830の回転角度が角度θ31で図示される。
図64から図67に示すように、個別合体状態から内側回転部材830が正面視(図66参照)反時計回りに回転すると(この回転動作を、以下において「切替回転動作」とも称する)、中間腕部材850の回動が許容されることから、内側回転部材830の外側回転部材840に対する相対的な回転が許容される。本実施形態では、外側回転部材840はトルクリミッタ866(図60参照)の抵抗により配置が維持され、内側回転部材830のみが回転動作する。
従って、図64から図67において、円筒状部842aの配置は維持されており、中間腕部材850は、外側回転部材840の円筒状部842aを中心に回動変位する。
上述の部材間の構成から、仮想位置線832Fは、被支持孔854aの中心を通る直線であり、被支持孔854aに直動部材833の円筒状突設部833aが締結固定されることから、被支持孔854aの配置変化は、直動部材833の配置変化に対応する。
図64及び図65に示すように、回転伝達部854が内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位するので、回転伝達部854に支持される回転部材834も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。即ち、切替回転動作において、直動部材833は、径方向の変位を伴いながら、周方向に180度変位する。
切替回転動作に周方向の変位が含まれることから、径方向終端位置においても直動部材833、回転部材834及びそれに締結固定される装飾部材870,880の配置が固定されることなく、周方向への変位を保つことができるので、径方向の直動変位のみで変位が完結する場合(例えば、第2動作ユニット700で上述した反転動作)に比較して、切替回転動作中における演出効果を高く維持することができる。
なお、これに対し、第2動作ユニット700で上述した反転動作においては、傘歯部783c及び傘歯部材785c(図58参照)の弾性回復力を利用した加速度の高い回転動作を生じさせることで、直動方向外側変位終端(図59(b)参照)における覆設部材787の配置が固定されている印象を弱めるよう図っている。
即ち、覆設部材787の回転始期を遅らせ、且つ回転終期を遅らせないことにより、覆設部材787の回転速度の向上を図っており、左右方向外側変位終端において左右位置の変化幅が小さい期間(スライダクランクの死点付近の期間)が継続する状況にあっても、覆設部材787の回転速度を上昇させることで覆設部材787の動作による演出効果を高く維持するよう図っている。
切替回転動作に径方向の変位が含まれることから、中間腕部材850から外側回転部材840に径方向の負荷が生じ易く外側回転部材840の回転軸のずれが生じる可能性が考えられるが、本実施形態では、中間腕部材850の径方向の負荷が回転軸を中心として等間隔(72度間隔)で同様に生じるので、各負荷が互いに相殺し合うことになる。これにより、外側回転部材840の回転軸のずれを抑えることができるので、切替回転動作を正常に実行させ易くすることができる。
このように、第3動作ユニット800の回転動作における径方向変位(拡大縮小変位)は、円周方向の回転を伴いながら生じる。そのため、周囲の装飾部材との衝突を避けるために、第3動作ユニット800の切替回転動作は、第3動作ユニット800が張出状態となっていることが昇降アーム部材801の姿勢を判定する検出センサの出力により判定されている状態において実行可能となるように制御される。
また、回転伝達部854の上述の変位に伴い、回転部材834に締結固定される第1装飾部材870及び第2装飾部材880も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。
中間腕部材850が回動変位することにより、傘歯部854c(図66及び図67参照)と、回転部材834の傘歯部834a(図60参照)とが歯合し、回転部材834及び回転部材834に締結固定される装飾部材870,880が金属棒832を軸として回転変位する。
この回転変位の角度は、仮想位置線832Fを基準とした中間腕部材850の回転角度としての角度θ32に比例する。また、その回転方向は、角度θ32が仮想位置線832Fから正面視反時計回り方向に離れるよう増大しており、回転部材834が中間腕部材850の正面側に配置されることから(図60参照)、仮想位置線832Fの径外方向側から見て反時計回り方向に設定される。
回転部材834は、一体回転状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれかが正面側を向く姿勢となるので、角度θ31の最大値としての最大角度θ31E(本実施形態では、180度)の回転によって、中間腕部材850の回転角度が最大値としての最大角度θ32E(本実施形態では、90度)となる場合に、回転部材834の傘歯部834aが半周回転(180度回転)するよう構成される。
即ち、回転部材834が金属棒832を中心として回転する角度は、傘歯部854cの被支持孔854aを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、上述の第2動作ユニット700の磁石Mgの作用として説明したものとは異なり、磁石Mg2(図62参照)の吸着力は、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用を生じさせるものではない。
即ち、磁石Mg2は、隣設する第2装飾部材880との間で吸着力を生じるものであり、中間腕部材850の回動に伴い装飾部材880が金属棒832に沿って径外方向に変位することに伴い、隣設される第2装飾部材880の間に隙間が生じることで吸着力は失われ得る。
従って、金属棒832を中心とする回転変位が開始される前において、磁石Mg2の吸着力は失われることになり、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用は生じない。
そのため、装飾部材870,880を回転変位させるために必要となる駆動力を低減することができる。即ち、駆動モータ861に要求される駆動力を低減することができるので、駆動モータ861の小形化を図ることができる。
更に、装飾部材870,880の回転変位を迅速に開始し、早期に終了させることができるので、金属棒832を中心とする回転変位に対する遊技者の注目度合いを低くすることができる。
装飾部材870,880の回転変位の開始時の迅速性は、内側回転部材830の回転角度に対する装飾部材870,880の回転角度を一定ではないように構成することでも保たれている。
例えば、中間腕部材850の回動の過程において、中間腕部材850が縮径配置され一体回転動作が可能な状態からの仮想位置線832Fの回転角度(内側回転部材830の回転角度)が45度である場合には角度θ32が18度であり(図66(b)参照)、更に45度の角度で仮想位置線832Fが回転した場合における角度θ32が27度とされる(図67(a)参照)。
即ち、角度θ32は、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始側の方が、回転途中に比較して小さくなるように設計されている。これにより、内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転変位の程度を抑制することができる。
駆動モータ861の駆動力は、内側回転部材830の回転、中間腕部材850の回動および装飾部材870,880の回転に利用されることになるが、上述のような構成から、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転に要する駆動力を低減することができるので、内側回転部材830の回転開始時に駆動モータ861にかけられる負担が過度に大きくなることを回避することができる。
また、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位は、正面視で円周方向に位置ずれしながら生じるので、回転変位中の装飾部材870,880の視認性を低く抑えることができる。これにより、装飾部材870,880の側面部(例えば、第1覆設部875と第2覆設部885との連結面)が視認される可能性を低くすることができ、装飾部材870,880の側面部の設計自由度を向上することができる。
切替回転動作の際、正面視において、中間腕部材850は、隣設される中間腕部材850と配置が重なる。また、自らが軸支される円筒状部842aが配設される延設腕部842に隣設される延設腕部842とも配置が重なる。そのため、対策なしでは、中間腕部材850が周辺の部分と衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中間腕部材850の構成を部位ごとに前後にずらすことで衝突の回避を図っている。即ち、中間腕部材850の基端側棒部851よりも、先端側棒部853及び回転伝達部854の方が後側に配置されるようにすることで、基端側棒部851と先端側棒部853及び回転伝達部854とが前後で重なるようにでき、切替回転動作の際に衝突することを回避することができる。
また、基端側棒部851は延設腕部842の前側に、先端側棒部853及び回転伝達部854は延設腕部842の後側に配置するようにすることで、切替回転動作の際に中間腕部材850が延設腕部842の前後に配置されるようにすることができ、中間腕部材850と延設腕部842との衝突を回避することができる。
図64から図67では、外側回転部材840を基準とした内側回転部材830の回転方向が、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向、図66参照)である場合を説明した。この場合、トルクリミッタ866を介して抵抗を生じる負荷応答ギア865にギア歯843が歯合されることで抵抗を受け、外側回転部材840の回転変位は制限される。
一方、内側回転部材830の回転方向が上述の逆方向(個別合体状態における正面視時計回り方向)である場合や、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向)での回転により中間腕部材850が回動を規制される状態に到達(例えば、個別合体状態から一連合体状態に到達)してからも同方向で回転を継続した場合には、外側回転部材840の回転を規制するトルクリミッタ866の許容値を超える負荷が負荷応答ギア865に負荷され、トルクリミッタ866による負荷応答ギア865の姿勢維持が解除され、内側回転部材830と外側回転部材840とが同期回転する。
換言すれば、回転方向に関わらず、中間腕部材850の回動が規制される状態において、中間腕部材850の回動の規制を継続する方向に内側回転部材830を回転させるように駆動した場合、内側回転部材830及び外側回転部材840が同期回転し、中間腕部材850、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が合体状態を維持したまま一体回転する(この回転動作を、以下において「一体回転動作」とも称する)。
一体回転動作は、中間腕部材850の回動が規制される状態で生じるものであり、本実施形態では、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が互いに近接配置された合体状態で生じる。
そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向の変位が生じる切替回転動作と異なり、周囲の装飾部材との衝突を考慮する必要が無いので、第3動作ユニット800の演出待機状態において一体回転動作を実行することができる。従って、本実施形態では、一体回転動作は、第3動作ユニット800の配置に関わらず、実行可能に制御される。
本実施形態では、上述のように、単一の駆動モータ861(図60参照)の駆動力により、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向変位を伴う切替回転動作と、拡径方向変位を伴わない第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作と、を実行可能とされており、両駆動方向でいずれの動作も実行可能であるが、動作に優先順位があり、任意の回転方向で即座に任意の動作を実行可能なわけではない。
例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態からは、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させることで切替回転動作を実行可能であり、そのまま回転を継続すれば一体回転動作を実行可能であり、また、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させることで一体回転動作を実行可能とされるが、即座には、正面視反時計回りの回転で一体回転動作を実行することはできない。
また、例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態から、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させ、中間腕部材850が回動を規制される状態に到達した後で、内側回転部材830を正面視時計回り(逆回り)に回転させた場合には、再び切替回転動作が実行されてしまい、即座には、正面視時計回りに一体回転動作を実行することはできない。
このように、本実施形態の第3動作ユニット800の動作態様は、駆動モータ861の回転方向に対して、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、によって、内側回転部材830及び外側回転部材840の相対的変位が変化する。
そのため、本実施形態において、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、駆動モータ861の回転方向毎に、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、を判定可能に制御され、その判定結果から、適切な駆動方向で駆動モータ861を駆動制御可能とされる。以下において、駆動モータ861の駆動制御の一例について説明する。
図68は、昇降アーム部材801の配置、駆動モータ861の駆動態様および検出センサ813の出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。図68に示すように、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、第3動作ユニット800の演出制御として通常演出と反転演出とを交互に繰り返すよう制御される。
反転演出時には、切替回転動作を含む動作を実行し、通常演出時には、切替回転動作を含まない動作を実行する。これは、切替回転動作において装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突することを避けるためである。
同様の目的から、突然停電が生じた場合等から再度電源を投入した場合や、朝一に電源投入した場合には、第3動作ユニット800を張出状態としてから駆動モータ861の回転制御を実行し、検出センサ813の出力から可動部分の状態を把握した後において、通常演出時の制御を実行するように制御される。これにより、電源投入時において検出センサ813の出力結果から可動部分の状態が把握できない場合であっても、誤って装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突する事態を回避することができる。
駆動モータ861の駆動方向として、正回転と、逆回転とを記載している。図68における正回転は、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態(図66(a)参照)において一体回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応し、図68における逆回転は、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態において、切替回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応する。
まず、反転演出時に至る前における、通常演出時の駆動制御について説明する。この通常演出時には、第3動作ユニット800は個別合体状態とされており、駆動モータ861は停止するか、又は正回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。
切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。例えば、昇降アーム部材801の上下動作により被保持部材810を昇降変位させている最中に駆動モータ861を駆動することで、昇降変位と同時に第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせることもできるよう、制御される。
当然、昇降アーム部材801の配置が固定している状態において第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせても良いし、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を停止した状態で昇降アーム部材801の昇降動作を行うようにしても良い。
駆動モータ861の駆動の方向が正回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に検出センサ813の出力が切り替わり、この出力の切り替わりを判定することで音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を初期位置として判定することができ、この初期位置からの駆動時間を複数種類で設定することで、外側回転部材840を任意の姿勢で停止するよう制御することができる。
次いで、反転演出時における駆動制御について説明する。まず、反転演出時には、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで正回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を逆回転で駆動する。逆回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
そのままの回転方向で駆動モータ861の駆動を継続すると、一連合体状態に到達し、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840も内側回転部材830と連動して回転開始するので、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後は、駆動モータ861は停止するか、又は逆回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。
駆動モータ861の駆動の方向が逆回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に、検出センサ813の出力が切り替わり、音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を判定することができる。
反転演出時から通常演出時に切り替わる際には、事前に、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで逆回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を正回転で駆動する。正回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
次いで、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840が回転を開始することで、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後で、再び通常演出時に移行する。この通常演出時の駆動制御についての制限は、上述の反転演出時の前に配置されていた通常演出時において説明した駆動制御についての制限と同様である。
このように、本実施形態によれば、単一の検出センサ813を、第3動作ユニット800の回転態様の切り替えの判定(一体回転動作または切替回転動作)と、外側回転部材840の回転角度の基準の判定と、に兼用することができる。従って、各判定に個別の検出センサを利用する場合に比較して、検出センサ813の必要個数を削減することができる。
上述のように、一体回転動作を継続する状態または回転を停止している状態から、駆動モータ861の駆動方向を逆方向に切り替えることにより、切替回転動作を実行することができる。即ち、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、切替回転動作を実行し一連合体状態に切り替えることができる。
そのため、動作演出において、大当たり告知のタイミングで一連合体状態に切り替えるように制御する場合において、第1装飾部材870の姿勢から大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
更に、一連合体状態における装飾は、上述のように、遊技者に把握される内容が、第2装飾部材880の回転方向の配置によって大きく違わないように設計されている。即ち、切替回転動作の開始時における装飾部材870,880の回転方向の配置が異なる場合であっても、切替回転動作の終了時において一連合体状態として遊技者に把握される内容を同様のものとすることができる。
そのため、一連合体状態における絵柄が回転方向の配置で異なる場合と異なり、一連合体状態に到達した後において姿勢を合わせるための一体回転動作を省略することができるので、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、大当たり告知までの駆動制御を同一とすることができる。
このように、本実施形態では、駆動モータ861の駆動方向としての正回転と逆回転との双方で、切替回転動作および一体回転動作の双方の動作態様を実現することができる。従って、正回転と逆回転とで動作態様が固定されている場合に比較して、単一の駆動モータ861で多種多様な演出態様を実現することができる。
図69は、図28のLXIX-LXIX線における第3動作ユニット800の断面図である。図69に示すように、固定円筒部材820の円筒部821の開口は、被保持部材810の筒固定部812が配置される後端部から、電飾基板823が配置される前端部まで貫通しており、この開口を後端部から前端部まで電気配線が案内され、電飾基板823に配設されるコネクタに端子が接続される。この電気配線を通して電気が導通され、電飾基板823に配置されるLEDを発光制御可能に構成している。
電飾基板823の内側発光部823aから照射される光LH1は、透光装飾部材824の中央部側において正面側に膨出する膨出部824aを照らすように作用する。膨出部824aは、装飾部材870,880の合体状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880が円周上に配置される円の中央部において遊技者に視認可能とされる部分として機能する。
電飾基板823の外側発光部823bから照射される光LD1は、前側に配置される装飾部材870,880(図69においては第1装飾部材870)の内部に照射され、装飾部材870,880を内部から照らすように作用する。
本実施形態では、装飾部材870が前側に配置される個別合体状態(図69参照)と、装飾部材880が前側に配置される一連合体状態(図32参照)と、を切り替え可能とされているので、光LD1により、装飾部材870を照らす場合と、装飾部材880を照らす場合とを切り替えることができる。
個別合体状態(図69参照)では、第1骨格部871の鍍金処理されている鍍金部871aで正面側に反射することで、光LD1の向きを正面側に切り替えるよう構成している。これにより、光LD1の大部分が第1覆設部875に向かうように照射することができ、光LD1の照射時における第1覆設部875の明るさを良好に高めることができる。
ここで、本実施形態では、電飾基板823は固定配置されており、その周囲を装飾部材870,880が回転するように構成されているので、光LD1の照射方向と装飾部材870,880の配置との関係は装飾部材870,880の回転により変化し得る。例えば、回転中において、鍍金部871aの中心部に光LD1が照射される場合があれば、同じLEDから照射される光LD1が鍍金部871aの中心部からずれた位置に照射される場合も生じ得る。そのため、対策なしでは、光LD1による第1覆設部875の明るさの程度が装飾部材870,880の回転により変化し易くなり、一定明るさで発光させながら装飾部材870,880を一体回転動作させる演出を実行することが困難となる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、光LD1を反射可能に構成される鍍金部871aの形状が凹面形状とされ、この凹面形状の曲率半径は、電飾基板823の半径よりも小さくなるように形成され、且つ、その中心が正面視で第1覆設部875の中心部付近に配置されるよう設計される。
光LD1は外側発光部823bが配置される円の外径方向に光軸を向けるように配置されるので、光LD1は、鍍金部871aの凹面形状に反射されることで、その曲率半径の中心側へ向けて進行することになり、第1装飾部材870の各第1覆設部875の中央付近を照らす。
従って、外側発光部823bを基準とした鍍金部871aの配置によらず、複数の光LD1を、第1覆設部875の中央付近を照らすように反射することができる。これにより、第1覆設部875の前板部の中央付近に光を安定的に照射することができるので、一体回転動作中においても、第1覆設部875を均一な明るさで視認させることができる。
更に、第1骨格部871は、鍍金部871aへの鍍金処理と同様に鍍金処理が行われる部分であって、正面視で第1覆設部875の外方に配置される外鍍金部871bを備える。光LD1は、鍍金部871aと同様に外鍍金部871bでも反射されることになるが、鍍金部871aの配置に比較して外鍍金部871bが後方に配置されていることから、外鍍金部871bの光方の程度を弱めることができる。
これにより、第1覆設部875の外方において視認される光の強度が強すぎて、遊技者が眩しく感じ、第1覆設部875の枠の内側の視認性を低下させる事態を回避することができる。
電飾基板823は第1装飾部材870及び第2装飾部材880に前後から挟まれているが、つなぎ目において完全に閉塞されているものではないので、外側発光部823bからの光の全てがその内側に照射されるものではない。
まず、第1覆設部875の部材縁部875aと、その部材縁部875aに対向配置される第2覆設部885の部材縁部885aとの間には、図69において内部構造が視認可能な程度の隙間VA1が形成されている。この隙間VA1を通って外鍍金部871bが第1覆設部875の枠外方へ張り出しているので、隙間VA1を通った光LD1を外鍍金部871bで反射させることができる。
その上、金属棒832と対向配置される第1覆設部875の部材外端部875bと、第2覆設部885の部材外端部885bとの間には、金属棒832との部材干渉を避けるために要する領域を超える大きな隙間VA2が形成される。
隙間VA2は、第1に、金属棒832と装飾部材870,880との衝突を回避することで、金属棒832の長さを十分に確保できるようにし、金属棒832により直動部材833及び回転部材834の直動変位を案内する機能を確保できるようにする目的で形成される。
隙間VA2は、第2に、骨格部871,881に挿通される締結ネジであって、回転部材834の円筒状突設部834bに螺入されることにより装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するための締結ネジの組み付け経路を確保できるようにする目的で形成される。
更に、隙間VA2は、第3に、骨格部871,881の透明部分を通過した光を進行させるための、光の通り道を確保できるようにする目的で形成される。装飾部材870,880は円周上に等間隔で配置されていることから、隙間VAを通り外方へ進行する光は、円周上の等間隔位置を通り、その円の中心から放射状に進行する光として視認される。
そのため、装飾部材870,880の一体回転動作を実行することで、隙間VA2を通過する光も同じように回転させることができる。これにより、外側発光部823bからの光の点灯態様を制御することを不要としながら(例えば、全点灯を継続したままで)、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光が回転する発光態様で視認される発光演出を実行することができる。
一連合体状態(図32参照)では、第2骨格部881の全体が透光性の樹脂材料から形成されていることにより、第2骨格部881による光LD1の反射作用を抑えている。
これにより、第2覆設部885の枠内に照射されるのは、光LD1の内、光軸から離れた光(弱い光)とすることができるので、第2覆設部885の光らせ方の度合いを弱くすることができる。一方で、光LD1の光軸方向の光は、隙間VA2を抜けるので、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光の強度を向上させることができる。
第2覆設部885の枠内には、有色(本実施形態では、円状体の色味として任意の色で設定)で光透過性の樹脂材料から形成され、内側に光拡散加工が形成される光拡散装飾部885cが円周方向に亘って配設される。そのため、光LD1の内、光拡散装飾部885cに入射した光は屈折され、光拡散装飾部885cの全体を面発光させるように作用する。
この面発光により、円周方向に亘って配設される光拡散装飾部885cを介して視認される光の均一化を図ることができ、5個の第2装飾部材880の各光拡散装飾部885cが遊技者に一体的に視認される効果を生じさせることができる。
ここで、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができることは上述した通りであり、この一体化を、光拡散装飾部885cが円周方向に亘って連続的に繋がっているように視認させることで行うことができる。従って、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
第2覆設部885の部材外端部885bは、金属棒832と対向する凹形状に形成されており、第1覆設部875の部材外端部875bと近接(当接)する端面885b1は、金属棒832が配設される平面を基準として第1装飾部材870側に張り出している。
これにより、一連合体状態(図32参照)において第3動作ユニット800を斜め方向から視た際に、背面側に配置される第1装飾部材870の第1覆設部875が遊技者の視界に入る程度を下げることができ、演出に与える影響を低減することができる。
これにより、第1覆設部875の枠部と、第2覆設部885の枠部とが、異なる色味で着色されている場合に、第2覆設部885が前側に配置されている時に、第1覆設部875の色味が視界に入ることを防止し易くすることができる。
特に、一連合体状態で、第3動作ユニット800を単独で張出状態とする場合には(図32参照)、他の動作ユニット600,700を共に張出状態とする場合に比較して(図33,F9参照)、第3動作ユニット800の周りに隙間が多く、第3動作ユニット800を斜め方向から視る視線が通り易い。そのため、対策なしでは、第3動作ユニット800の側面が視認されることで、演出効果を低下させ易い。
これに対し、本実施形態によれば、一連合体状態において、第2覆設部885の端面885b1を側面の前後幅の中央よりも後方寄りに配置しているので、斜め方向視で第3動作ユニット800の側面が視認されたとしても、側面の大部分を第2覆設部885の部分として視認させることができ、第1覆設部875が視認される程度を低くすることができる。これにより、一連合体状態において、第1覆設部875よりも、第2覆設部885を見せ易くすることができ、演出効果を向上することができる。
個別合体状態と一連合体状態とを切り替える切替回転動作では、駆動モータ861の駆動力が内側回転部材830に伝達されることで内側回転部材830は回転動作する一方で、外側回転部材840はトルクリミッタ866からの負荷により回転が止められる。
摺動突条部831bで接触面積の低減を図ってはいるが、内側回転部材830自体の回転抵抗が大きい場合には、外側回転部材840へ伝達される負荷は大きくなってしまい、トルクリミッタ866の負荷伝達の許容値を大きくせざるを得ず、トルクリミッタ866の小形化を阻害し易い。
そのため、内側回転部材830の回転抵抗を抑制できることが好ましい。そのために、本実施形態では、以下のような特徴を備えている。例えば、内側回転部材830の回転に係る固定円筒部材820との間の支持箇所は、摺動部材825と接触する前側端部と、中央円環ギア864に支持される後側端部のみであり、その他の部分では隙間を空けるように構成している。これにより、固定円筒部材820と内側回転部材830との間の接触面積を低減することができ、変位抵抗を低減し易く構成できる。
例えば、内側回転部材830は、中央円環ギア864に締結固定されているわけでは無いので、中央円環ギア864を基準とした前側への変位を抑制するためのストッパが必要と考えられるところ、摺動部材825がこのストッパの機能を果たしている。即ち、摺動部材825には内側回転部材830から前側へ押進する方向の負荷を受け得るが、摺動部材825は、その板前面が円形板部822の短径環状部822aと前後で当接する。
短径環状部822aは、外径が摺動部材825の外径と同程度の円環状突部として円形板部822の背面側に配設され、その最外径部において断面半円形状で背面側に突設される突条部822bが円環状に形成される。
この突条部822bが、摺動部材825の前面と前後方向で当接するので、短径環状部822aの背面全体と摺動部材825とが接触する場合に比較して、接触面積を低減することができる。これにより、内側回転部材830の回転方向の変位抵抗を低減することができる。
なお、内側回転部材830及び中央円環ギア864の間で締結ネジを用いていないので、その分、締結ネジの重量増加があった場合に想定される内側回転部材830の変位抵抗を削減することができる。
回転部材834に対する第1装飾部材870及び第2装飾部材880の固定について説明する。この固定の説明に当たっては、図62及び図63を適宜参照する。
第1装飾部材870の回転部材834への固定は、第1骨格部871の挿通孔872に挿通される締結ネジを第1覆設部875の枠後部に形成される被締結部876の雌ネジに螺入することで第1覆設部875を第1骨格部871に締結固定した状態とした後、第1骨格部871の半円状凹設部の端部から張り出す張出部873を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔874に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
第2装飾部材880の回転部材834への固定は、第2骨格部881の挿通孔882に挿通される締結ネジを第2覆設部885の枠後部に形成される被締結部886の雌ネジに螺入することで第2覆設部885を第2骨格部881に締結固定した状態とした後、第2骨格部881の半円状凹設部の端部から張り出す張出部883を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔884に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
このようにして、第1装飾部材870及び第2装飾部材880を回転部材834に締結固定することができ、回転部材834の直動変位または回転変位に伴い、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が直動変位または回転変位するように構成することができる。
固定の過程において、張出部873,883が直動部材833の凹設溝833dに進入することで、骨格部871,881の直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、骨格部871,881が直動部材833から脱落することを防止することができる。
そして、骨格部871,881は回転部材834に締結固定されているので、回転部材834についても同様に、直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、回転部材834が直動部材833から脱落することを防止することができる。
このように、本実施形態では、回転部材834の直動部材833への組み付けにおいて、直動部材833上の回転部材834の配置を規定する部分が回転部材834に固定される骨格部871,881に形成されるので、直動部材833上の配置を規定する部分が回転部材834自体に形成される場合と異なり、組み付けや分解の工数を減らすことができる。
即ち、例えば分解時においては、骨格部871,881を回転部材834に締結固定している締結ネジを取り外せば、骨格部871,881の直動部材833上の配置の規定を解除することができるだけでなく、回転部材834についても直動部材833上の配置の規定を解除することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
図70及び図71を参照して、各動作ユニット600~800の組み合わせ動作について説明する。図70(a)から図70(d)、図71(a)から図71(d)は、各動作ユニット600~800の組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニット500の正面模式図である。なお、図70及び図71の説明では、図33から図35を適宜参照する。
図70及び図71では、第1動作ユニット600の各演出面661a~661c、第2動作ユニット700の各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2及び第3動作ユニット800の各覆設部875,885における装飾が、文字などで識別可能に模式的に図示される。
即ち、第1演出面661aには、縦書きで「ノーマル」との文字が、第2演出面661bには、横書きで「発動」との文字が、第3演出面661cには、長手方向に沿って「!」の記号が、それぞれ図示されている。
また、第1主装飾面787a1には、「開戦」との文字が、第1副装飾面787a2には、「ピンチはチャンス」との文字が、第2主装飾面787b1には、「攻撃」との文字が、第2副装飾面787b2には、「忍耐!?」との文字が、それぞれ図示されている。
また、第1覆設部875の枠の内側には異なるキャラクターに対応する異なる英数字(「I」~「V」)が図示され、第2覆設部885には5個で一体の「○」記号が図示されている。
図70(a)では、各動作ユニット600~800が、それぞれ演出待機状態に配置されている(図28参照)。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第1副装飾面787a2が想像線で図示される。
また、図70(b)では、第1動作ユニット600が中間演出状態とされ、第2動作ユニット700が中間演出状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされている。
第3動作ユニット800の一体回転動作を実行することで、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870の第1覆設部875を次々に入れ替えることができる。また、一体回転動作の継続中や、停止後に、第1動作ユニット600を中間演出状態とすることで、センターフレーム86の枠内部に第3演出面661cを張り出させ、動作ユニット600~800の動きを賑やかにすることができる。
例えば、第3演出面661cが視認可能な場合に、抽選の大当たり期待度が上昇するよう演出を制御することにより、第1動作ユニット600の動作を視認した遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一体回転動作が停止された際には、第2動作ユニット700の第1主装飾面787a1に形成される装飾と、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に形成される装飾とを、一体的に視認させることができる。
これにより、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に対する注目力を向上させることができ、その第1装飾部材870に形成される装飾に関連する表示演出を第3図柄表示装置81で開始しながら第3動作ユニット800を演出待機状態に戻すことにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置81へスムーズに誘導することができる。
注目させる第1装飾部材870としては、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に限定されるものではない。例えば、第1装飾部材870に光を照射可能に配設される外側発光部823b(図60参照)の点灯パターンを制御することにより、注目させる第1装飾部材870側へ光LD1を照射するLEDを点灯させ、その他のLEDを消灯させることで、任意の第1装飾部材870に注目させることが可能である。
この時、第1装飾部材870の一体回転動作を停止させた状態でLEDの点灯パターンを切り替えても良いし、第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替えても良い。
第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替える場合には、点灯させるLEDを回転方向で順次切り替えるようにして、光および第1装飾部材870が同軸円に沿って回転変位しているように遊技者に視認させても良い。また、点灯させるLEDは固定しておき、そのLEDから光を照射される位置に各第1装飾部材870が一体回転動作により順番に到達することを利用して、光が照射される第1装飾部材870を切り替えるようにしても良い。
図70(a)に示す状態では、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660及び装飾固定部材670が、共に縦長に形成される装飾を備えており一体的に視認させることができる。特に、装飾固定部材670の前側面が、演出待機状態における第1演出面661aと同様に、斜め方向を向く面として形成されていることにより、一体的に視認される作用が高められている。
一方、図71(a)に示す状態になると、図70(b)に示す途中経過で第2装飾回転部材660の下端部が装飾固定部材670と離れるように変位することに加え、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は横長に形成される装飾となることから装飾固定部材670との一体感が低下し、今度は、同様に横長に形成される装飾を備える第2動作ユニット700の覆設部材787と一体的に視認させることができる。
図35では第2動作ユニット700の中間演出状態が図示されているが、図71(a)に図示されるように、第2動作ユニット700を張出状態とすれば、覆設部材787と第2装飾回転部材660との上下間隔が更に縮まり、一体的に視認される作用を高めることができる。
この時、張出装飾部652bが視認可能な位置に張り出しており、第3図柄表示装置81の右縁が領域右端RE1よりも右方に拡大しているように視認させる上述の作用により、第2演出面661bの配置が右縁寄りであっても窮屈な印象を遊技者に与えることを防止できる。
また、これにより、第2主装飾面787b1と同様に、第2演出面661bも第3図柄表示装置81の中央側に配置されているように遊技者に視認させることができ、第2主装飾面787b1と第2演出面661bとが一体的に視認される作用を高めることができる。
この場合において、張出装飾部652bの装飾を、第2演出面661bの装飾や、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)の装飾と関連する内容で形成することで、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)、第2演出面661b及び張出装飾部652bが一体的に視認される作用を高めることができる。
図70(c)及び図70(d)では、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態とされ、第2動作ユニット700が張出状態とされている。第2動作ユニット700の反転動作について図70(d)に図示するが、第1動作ユニット600の張出状態において第2装飾回転部材660は、第2動作ユニット700の覆設部材787の左右外側に配置されるものでは無いので、第1動作ユニット600を張出状態としたままでも、覆設部材787の反転動作(図59参照)を実行することができる。
覆設部材787の反転動作においては、左右が異なる副装飾面787a2,787b2を正面側に向けることになるので、識別力を有しない状態とできることについて上述したが、図70(d)に示すように、異なる副装飾面787a2,787b2が組み合わさることで遊技者が内容を識別可能に構成しても良い。
図70(d)によれば、「ピンチ!?」との内容を遊技者が識別でき、この状態で第2動作ユニット700の駆動を停止させることで第2動作ユニット700のその後の動きに注目させることができるので、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
例えば、抽選がはずれであることを報知する場合に、図70(d)の状態から図70(c)に戻すように制御し、抽選結果について未だ報知しない場合や抽選が大当たりであることを報知する場合に、図70(d)の状態から反転を継続し図71(a)に示す状態とするような制御を行うことで、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
図71(a)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が張出状態とされ、第3動作ユニット800が演出待機状態とされる。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第2副装飾面787b2が想像線で図示される。
図71(a)に示す状態では、第2演出面661bと、第2主装飾面787b1とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に横書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「攻撃発動」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
第1動作ユニット600は、演出待機状態(図70(a)参照)においては、第1演出面661aと、装飾固定部材670とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に縦書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「ノーマルタイム」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
このように、本実施形態では、第1動作ユニット600の各演出面661a,661bを、異なる部材の側面(例えば、第2主装飾面787b1又は装飾固定部材670の前面)と一体視させるように構成している。これにより、演出効果を向上することができる。
図71(b)から図71(d)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が演出待機状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされる。図71(b)に示す状態と、図71(c)に示す状態とは、第3動作ユニット800が一体回転動作を実行されることにより、第1装飾部材870の配置が異なる。一方で、いずれの状態から切替回転動作が実行されたとしても、遊技者に対して同一の一連合体状態として視認させることができる(図71(d)参照)。
即ち、第2装飾部材880が正面側を向く状態では、第1装飾部材870の配置の違いを遊技者が認識することはできないように構成されている。これにより、第3動作ユニット800の動作制御として、図柄変動中に第3図柄表示装置81で表示される表示演出の終盤に切替回転動作が実行されることで大当たりの当否を報知するよう設定される場合において、第1装飾部材870の配置から大当たりの当否の報知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
換言すれば、表示演出の終盤における第1装飾部材870の配置に寄らず(図71(b)に示す状態であっても図71(c)に示す状態であっても)、大当たり当否の遊技者の期待感を、同様に保つことができる。従って、第3動作ユニット800に対する遊技者の注目力を高い状態で維持し続けることができる。
上述のように、各動作ユニット600~800は、装飾を単独で視認される場合と、組み合わせで一体的に視認される場合とを形成可能とされる。そのため、各動作ユニット600~800に形成される装飾は、各動作ユニット600~800のみで完結するのではなく、各動作ユニット600~800同士で互いに関連する装飾として設計される。
各動作ユニット600~800の駆動制御は、その実行の可否が互いの配置に影響される。即ち、不適切なタイミングで各動作ユニット600~800の駆動を実行すると、部材動作が衝突し故障する可能性があるので、駆動制御に当たっては、他のユニットの部材の配置を判定した上で行うように制御される。
例えば、第1動作ユニット600の張出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第1動作ユニット600の中間演出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の張出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の中間演出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、回転は実行されないか一体回転動作のみが生じる制御は、第1動作ユニット600が中間演出状態または演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が中間演出状態または演出待機状態と判定される場合に実行される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、切替回転動作が生じる制御は、第1動作ユニット600が演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が演出待機状態と判定される場合に実行される。
上述のように、各動作ユニット600~800の駆動制御は、任意のタイミングで可能とされるものではなく、他のユニットの部材の配置を判定した上で実行されるよう制御される。
次いで、第1実施形態における振分装置300の細部について、説明する。なお、振分装置300の細部の説明では、図1から図25を適宜参照する。まず、前意匠部材162に施される装飾の一例について説明する。
図72は、振分装置300の正面斜視図である。図72では、上記の図5で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図72に示すように、振分装置300の正面側に配設される前意匠部材162は、前板が光透過性の樹脂材料で形成され、その前板の中央側範囲において周辺範囲よりも光透過性の高い範囲としての窓部162dが形成される。
本実施形態では、窓部162dの形状に合わせて中央側範囲が切り抜かれた光透過性のシール部材SL1が前意匠部材162の前板に貼り付けられている。この構成により、窓部162dの前後厚みが、その周囲においてシール部材SL1が貼り付けられている範囲の前後厚みに比較して薄くなり、前意匠部材162を光が透過する度合いに差を持たせることができるので、窓部162dの光透過性を高くすることができる。
窓部162dは、遊技者が振分装置300を見る際、視線が前意匠部材162の板部を通ることを考慮して、振分装置300の視認性を向上することを第1の目的として形成され、特に、振分装置300の内部を流下する球の流下態様が把握できないという遊技者からの不満を解消することを第2の目的として形成される。即ち、窓部162dは、振分装置300の形状を考慮した形状および大きさで形成される。
なお、周辺範囲よりも光透過性の高い部分としての窓部162dの形成手段は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、前意匠部材162の板部に導光板を配置したり、導光板と同様の機能を奏するよう複数の溝パターンを形成したりして、LED等の発光手段の発光のパターンごとに前意匠部材162の見え方を変化させるようにしても良いし、前意匠部材162に模様や絵柄を直接描いても良いし、前意匠部材162の窓部162dに相当する範囲を開口として形成しても良い。
また、窓部162dの形状は、図72に示す形状に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、同一の上下幅で左右に延びる帯形状としても良いし、左右幅が上方に張り出す範囲の左右幅と同等となるように、左右外方に延設されている部分を省略した形状(ホームベースのような5角形形状)としても良いし、前意匠部材162の前板縁部の形状に沿った形状としても良い。
また、窓部162dは単一の範囲として形成されているが、これに限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、光透過性の高い範囲が、格子状部や梯子状部で仕切られる複数箇所の組み合わせで形成されても良いし、小窓が複数個整列する態様で範囲が区画されても良いし、窓部が無秩序に配列される態様で範囲が区画されても良い。また、窓部の形状が可変に構成されても良い。
また、シール部材SL1の表面形状は何ら限定されるものではない。例えば、シボ加工による表面形状のように多数の凹凸が形成させる表面形状でも良いし、表面に多数の溝形状や突条が形成されても良いし、平滑表面として形成されても良い。
なお、窓部162dの表面形状は、平滑面として形成されることが好ましいが、周囲(シール部材SL1の形成範囲に相当)よりも高い光透過性が確保できる態様であれば良く、上述のシール部材SL1の表面形状と同様の形状の他、種々の態様を採用することができる。
図73は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図である。図73では、上記の図21で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図73に示すように、窓部162dは、左右対称形状で形成され、上下に短く左右に長い主窓部162d1と、その主窓部162d1の左右中央部の上方に連なって形成される副窓部162d2と、を備える。
本実施形態では、主窓部162d1及び副窓部162d2は、無色透明の樹脂材料から形成され、光透過性が高い状態で維持される。各部の形状について、以下で詳述する。
主窓部162d1は、正面視における外縁形状が、第2流路構成部335及び第3流路構成部336の視認性を確保するために十分な形状で設計される。即ち、図73に示すように、第2流路構成部335及び第3流路構成部336の球通路の上下幅と同等の上下幅で形成されると共に、第2流路構成部335の傾斜に合わせて左右外側へ向かう程上昇傾斜するV字形状とされる。
これにより、第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球を、正面視で主窓部162d1の内側に収めることができることから、第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球の視認性を向上することができる。
主窓部162d1の左右端は、球通過孔163bと同様の左右位置で形成される第1流路構成部334(図17参照)の左右幅の中央付近に設定される。即ち、主窓部162d1を通して第1流路構成部334の外壁の全体が見えるわけではなく、特に、側壁部334aの視認性は低くされる。
これにより、見栄えの良い形状とすることが要求される場合のように遊技者に視認されることを前提として設計する場合に比較して、側壁部334aの形状設計において、設計の自由度を向上することができる。
副窓部162d2は、正面視における外縁形状が、発光手段351からの光で照らされるシール部材313の視認性を確保するために十分な形状で設計される。即ち、図73に示すように、シール部材313を覆う矩形状に形成される。
これにより、第3流路構成部336を流下する球の視認性に加え、球の流下態様に基づいて点灯タイミングが制御される発光手段351により照らされるシール部材313の状態を遊技者が把握し易いように構成できるので、遊技者に快適な遊技を提供することができる。
図74は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図75は、図73のLXXV-LXXV線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図74及び図75では、上記の図23及び図18で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図74に示すように、振分装置300を見下げる方向視(角度付きの方向視)で視認する場合、前側位置に配置されるスライド変位部材370の上突設部376の一部が開閉板65bの下側で視認される。
これに対し、スライド変位部材370が後側位置に移動すると、図74の方向視において上突設部376は開閉板65bの奥側に隠されることになる。従って、遊技者は、上突設部376が見えてさえいれば、第3流路構成部336を流下した球が確変検出センサSE11を通るのか、通常検出センサSE12を通るのかについて、容易に予想することができる。
上突設部376へ向けた視界は、上部材310の第2上面部314bの内側面314b1が正面側へ向かう程に左右外側へ向かって傾斜する傾斜面として形成されていることによっても、良好に確保されている。
即ち、第2上面部314bは、第2流路構成部335を流下する球の跳ね上がりを防止する天井面としての機能を果たしながら、内側面314b1を傾斜面として構成することで上突設部376への視界が不要に遮られることを回避している。
また、内側面314b1が傾斜面として構成されていることは、上面部314が前方へ向かう程に下降傾斜する傾斜面として構成されていることの短所を補っている。上面部314を上述のような傾斜面として構成する場合、図74に示すような見下げる方向視(角度付きの方向視)における上面部314の投影面積を大きくすることができることから、上面部314の光拡散加工面314cを介して光を視認させる演出の演出効果を向上し易いという長所がある一方で、上面部314の投影面積が大きくなることから、その下を流下する球を遊技者の視界から隠す範囲が広がる場合があるという短所がある。
換言すれば、上面部314が前方に向かう程に下降傾斜する傾斜面として構成されることは、光演出には有利に働く一方で、流下する球の視認性には不利に働く可能性がある。
これに対し、本実施形態では、内側面314b1が左右外側へ向かって傾斜する傾斜面として形成されていることにより、第2流路構成部335から第3流路構成部336へ球が進入する箇所において上面部314の投影面積を減らすことができ、上面部314の下を流下する球の視認性を向上することができる。
図74に示すように、振分装置300を見下げる方向視(角度付きの方向視)で視認する場合、シール部材313が副窓部162d2の内側には視認されないことから、対策なしでは、シール部材313の状態を視認するためにシール部材313が見えるように目の位置や視線角度を調整することを遊技者に強いることになり、快適な遊技を阻害する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、シール部材313に光を向ける発光手段351の光軸としての直線LL1は、シール部材313を通り、副窓部162d2を通ることから、発光手段351から照射された光の一部はシール部材313を通った後で副窓部162d2に到達する。そのため、直線LL1上の発光手段351が点灯しているか否かを、副窓部162d2を見ることで把握することが可能である。
シール部材313には光拡散加工がされていないので、発光手段351からの光の進行を留める作用は弱く、光を十分に副窓部162d2まで到達させることができる。これにより、発光手段351の点灯時には、シール部材313の色である赤色の光が副窓部162d2に到達することで、副窓部162d2を赤色に光らせることができる。
これにより、光が到達する前における副窓部162d2の無色透明の状態との違いが分かり易くされるので、遊技者は、発光手段351の点灯の有無を把握し易くなる。なお、シール部材313(又はシール部材313が配設される壁部)に光拡散加工を設けるようにしても良い。この場合、シール部材313を均一に発光させ易くすることができる。
図75に示すように、直線LL1は、第3流路構成部336を流下する球と重ならない位置(高さ位置)に配置される。即ち、第3流路構成部336を流下する球が配置され得る範囲よりも上側において直線LL1が配置される。
加えて、直線LL1は、特定入賞口65aに入球する球と重ならない位置に配置される。即ち、特定入賞口65aに入球した球が乗る下面部163aよりも下側において直線LL1が配置される。
更に、被固定部材161と前意匠部材162との間においては、上述のように、前意匠部材141(図7参照)により球の流下が阻害されることにより、球の流下範囲は前意匠部材141の左右幅よりも左右外側に寄せられる。そのため、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球についても、直線LL1と重なることは避けられる。
従って、直線LL1上に、ベース板60の正面側(例えば、遊技領域)を流下する球や、特定入賞口65aに入球した球や、振分装置300(例えば、第3流路構成部336)を流下する球が配置されることで、光が球で反射して屈折する事態を回避することができる。これにより、球の流下態様に寄らず、発光手段351から照射された光を副窓部162d2に安定的に到達させることができる。
なお、本実施形態におけるシール部材313の配置は、遊技者が目線を変えなければシール部材313を視認し難い状態を継続できることが遊技者にとっての利益につながる場合がある。
例えば、常時シール部材313が視界に入る構成では、発光手段351が発光する度に光が遊技者の目に入るので、遊技者によっては眩しく感じるところ、本実施形態のように発光手段351を見え難く配置することで、遊技者の感じる眩しさを弱めることができる。
なお、本実施形態では発光手段351からの光が副窓部162d2に到達する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線LL1と交差する範囲において、被固定部材161に光拡散加工を形成することで、光が副窓部162d2まで到達し難いように構成しても良い。
この場合、図74に示す状態から視線を変えてシール部材313を直接見られるようにしなければ、シール部材313に向けて発光手段351が点灯しているか否かを把握し難いように構成することができる。そのため、遊技者が、遊技の好みとして、球が確変検出センサSE11に入球したか否かを知りたくない場合であっても、図74に示す視線を維持していれば目的を達成することができるので、このような遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、本実施形態では副窓部162d2が平滑な面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副窓部162d2の表裏面の少なくとも一方に光拡散加工を施したり、光が拡散し易いように内部に気泡部を設けたりするように形成しても良い。
この場合、副窓部162d2に到達した光が拡散することで、副窓部162d2を通して視認される光の面積を大きくすることができる。これにより、副窓部162d2が照らされていることを遊技者が気付き易くすることができる。
ここまでは、発光手段351を構成するLEDの内、シール部材313に光を向ける発光手段351、即ち、直線LL1上に配置されるLEDから照射される光について説明した。次いで、発光手段351を構成するLEDの内、最下段で左右4箇所に配置される複数のLEDから照射される光について説明する。
図76は、図75のLXXVI-LXXVI線における振分装置300の中部材330、スライド変位部材370、下部材380及び検出センサSE1の断面図である。図76では、発光手段351の配置が、想像線で図示される。
以下の説明では、発光手段351の内、最下段で左右内側に配置されるLEDを内側発光手段351cとし、最下段で左右外側に配置されるLEDを外側発光手段351dとして、改めて称して説明する。
まず、図76に示すように、内側発光手段351cの光軸(前後方向に延びる直線)は、光拡散加工面332eの内側に配置される。そのため、内側発光手段351cから光が照射される場合、左右に亘る範囲で形成される光拡散加工面332eが照らされる発光演出が実行される。
この発光演出は、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とで球の流れが分岐する分岐箇所BP1(図75参照、第3流路構成部336の後端部から連続的に繋がる左右に長い空間)の背面側で実行される。
そのため、内側発光手段351cが点灯している状況において、分岐箇所BP1を球が流れる場合、左右に亘る範囲で発光する光拡散加工面332eの手前側を流れる球が配置される箇所が影として視認されるので、遊技者は、影の変位を視認することで球がどのように流れたかを容易に把握することができる。
内側発光手段351cの光軸は、前後長突設部317を通る(図75参照)。また、左右内突設部318には光軸は通らないものの、光軸付近の光が通り得る配置とされており、左右内突設部318の突設端部は前後方向視および上下方向視で湾曲形成されている。
そのため、内側発光手段351から照射された光の一部は、前後長突設部317及び左右内突設部318の湾曲形状によって屈折することで、前斜め下方へ向けて進むようになり、この光は光拡散加工面340(図75参照)に到達し得る。
光拡散加工面340は、第3流路構成部336の下側面の全範囲に形成されているので(図14参照)、光拡散加工面340に光を到達させることで、第3流路構成部336の下底面の下側の空間の視認性を低下させることができる。従って、第3流路構成部336の内側を流下する球と、アウト口71(図75参照)を通過して第3流路構成部336の下側を流下するアウト球との区別をし易くすることができる。
一方、図76に示すように、外側発光手段351dの光軸(前後方向に延びる直線)は、光拡散加工面332eの外側(上側)であり、且つ、光拡散加工面319a,333bの内側に配置される。そのため、外側発光手段351dから光が照射される場合、光拡散加工面319a,333bが照らされる発光演出が実行される。
この発光演出は、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とで球の流れが分岐する分岐箇所BP1(図75参照、第3流路構成部336の後端部から連続的に繋がる左右に長い空間)の上側および正面側で実行される。
そのため、外側発光手段351dが点灯している状況において、分岐箇所BP1を球が流れる場合、その球の上側や手前側において光拡散加工面319a,333bが発光することになり、分岐箇所BP1を流れる球が光拡散加工面333bに隠されることになるので(図17参照)、遊技者は、分岐箇所BP1を球がどのように流れたかの把握がし難くなる。
加えて、光拡散加工面333bは上下に亘って形成されており、その上側には上面部314の光拡散加工面314cが配設される(図73参照)。そのため、分岐箇所BP1を前後方向視で視認し難くする作用に加えて、光拡散加工面333bを上側から覗き込むような角度の視線(図74参照)に対しても、光拡散加工面314cの発光により分岐箇所BP1を視認し難くすることができる。
また、光拡散加工面333bは上下に亘って形成されており、その下側には光拡散加工面340が配設されており、この光拡散加工面340は第2流路構成部335の下側裏面にまで形成される(図14参照)。そのため、分岐箇所BP1を前後方向視で視認し難くする作用とは別に、第2流路構成部335の下側面を発光させ、第2流路構成部335を球が流下する際に、その球が光(光拡散加工面340で拡散された光)を遮ることによる影を生じさせることで、球が流下していることを遊技者が把握し易くすることができる。
ここで、光拡散加工面333bは、分岐箇所BP1の前側に配設される(図17及び図75参照)。そのため、外側発光手段351dと光拡散加工面333bとの位置関係によっては、球で光が隠される事態が発生し得るところ、本実施形態では、外側発光手段351dの光軸(前後方向に延びる直線)が、分岐箇所BP1を球が流下する範囲の外側(上側)に配置されるので(図76参照)、分岐箇所BP1に配置される球により光が遮られる事態を回避することができる。
そのため、振分装置300内の球の流下態様によらず、外側発光手段351dを発光させることで、光拡散加工面333bを明るく照らすことができる。光拡散加工面333bが照らされた場合、その前側に配置される第2流路構成部335(図17参照)を流下する球が光を遮ることで影が生じるので、遊技者は、第2流路構成部335を流下する球の流下態様を把握し易くなる。
本実施形態では、分岐箇所BP1に配置される球により光が遮られる事態を回避するための工夫として、球の流下を滑らかにするための構成が採用されている。その構成について説明する。
分岐箇所BP1に到達し流下する球は、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態では(図20参照)、真下に流下して確変検出センサSE11を通過し、スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態では(図18参照)、球案内部371bの傾斜に沿って左右外側へ流下して通常検出センサSE12を通過する。
スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態における球の流下において、スライド変位部材370の左右外側端部を支持する板状部382の貫通孔縁部382aは、確変検出センサSE11の左右外側縁部と通常検出センサSE12の左右内側縁部とをつなぐように配設され、上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成される。そのため、貫通孔縁部382aの上面に到達した球は、左右方向外側へ流下し易い構成とされる。
これにより、球案内部371bの傾斜に沿って左右外側へ流下開始した球が、貫通孔縁部382aに橋渡しされた後において左右方向内側に逆流したり、跳ねたりする事態を回避し易くすることができ、球の流下を滑らかにすることができる。
なお、光拡散加工面319aは、分岐箇所BP1の前後幅の内側に配設される。そのため、光拡散加工面319aの背面側に球が配置される状況が生じ得ないので、外側発光手段351dと光拡散加工面319aとの位置関係に寄らず、球で光が隠されるという事態は発生し難い。
このように、内側発光手段351cと外側発光手段351dとは、単純に左右にずれて配置されているだけではなく、その前側において異なる前後位置で配置される光拡散加工面332e,319a,333bと各発光手段351c,351dの光軸との配置関係に意図的に差を設けて設計し、発光手段351c,351dからの光が到達する光拡散加工面332e,319a,333bを異ならせることで、光が到達し拡散され視認される前後位置を異ならせることができる。
上述の説明では、内側発光手段351cを発光させる場合と、外側発光手段351dを発光させる場合と、を別々に説明し、逆側の発光手段351c,351dは消灯している前提で説明したが、実際の各発光手段351c,351dの発光制御は片側ずつではなく、両点灯や、両消灯などの制御態様も生じ得る。以下、発光制御のパターンと、その際の振分装置300の内部流路の見え方について説明する。
図77(a)から図77(d)は、振分装置300の中部材330の正面斜視図である。図77(a)から図77(d)では、理解を容易とするために光拡散加工面の形状線としての筋の図示が省略されており、それぞれ、発光手段351c,351dの点灯および消灯の組み合わせが異なる場合について図示されており、発光手段351c,351dからの光により明るく光る範囲が網掛け模様で図示される。
即ち、図77(a)では、発光手段351c,351dが共に消灯されている両消灯状態が図示され、図77(b)では、内側発光手段351cが点灯し外側発光手段351dが消灯されている内点灯状態が図示され、図77(c)では、内側発光手段351cが消灯し外側発光手段351dが点灯されている外点灯状態が図示され、図77(d)では、発光手段351c,351dが共に点灯されている両点灯状態が図示される。
両消灯状態では、図77(a)に示すように、各光拡散加工面332e,319a,333bが照らされておらず、その奥側の視認性が確保されるものの、メリハリのない印象を遊技者に与える。特に、第3流路構成部336の上側を流れる球と、第3流路構成部336の奥側(下側)を流下するアウト球との区別がつき難い状態となる。
内点灯状態では、図77(b)に示すように、第3流路構成部336の下側の光拡散加工面340が照らされることで、第3流路構成部336の上側を流れる球の視認性を高く維持し、且つ、第3流路構成部336の奥側(下側)を流下するアウト球の視認性が低くなる。
更に、分岐箇所BP1の背面側において光拡散加工面332eが照らされることから、分岐箇所BP1における球の流れの視認性を向上することができる。その上、光拡散加工面332eの手前側に配置される光拡散加工面319a,333bは照らされない状態で維持されるので、分岐箇所BP1が光で目隠しされる事態を回避することができる。
即ち、内点灯状態では、第3流路構成部336から分岐箇所BP1へ至る範囲が光で照らされ、前側枠状部333を介して分岐箇所BP1を見ようとする視線も通ることから、分岐箇所BP1における球の流下態様を遊技者が把握し易くすることができる。また、球の流下態様を把握する上で注目すべき箇所に光が照らされているので、注目箇所を遊技者が見逃す可能性を低くすることができ、遊技者の遊技ストレスを低減することができる。
前側枠状部333の内側面には、全範囲に亘り光拡散加工面333bが形成されており(図13参照)、遊技者目線で前側枠状部333を透かして背後を視認することが困難となるように構成される。
前側枠状部333を透かして背後を視認する場合、前後方向視では、前側枠状部333の内側面の内、前後で対向配置される2側面を透かして背後を視認することになるので、透かして見る必要がある板が多い分、尚更、背面側を視認することが困難である。
同様のことが、前側枠状部333を、左右内側から斜め左右外側方向に傾斜する視線(正面側左右中央位置から、通常検出センサSE12へ向かう傾斜した視線)で奥側を透かして視ようとする遊技者にとっても言える。
即ち、本実施形態では、光拡散加工面333bが矩形筒形状の内側に亘って形成されるところ、この傾斜する視線上には、前側枠状部333の後側面と、左右内側面(仕切り板部338と対向配置される側面)とが配置される。そのため、透かして見る必要がある板が多い分、尚更、背面側を視認することが困難である。
このように、前側枠状部333によれば、前後方向視だけでなく、斜め方向視であっても、前側枠状部333の後側を透かして見ることを困難にすることができる。
外点灯状態では、図77(c)に示すように、光拡散加工面319a,333bが照らされることから、分岐箇所BP1において左右外側に流れた球が光で隠されることになるので、流下球の視認性が低くなる。
一方で、第2流路構成部335の奥側(下側)に形成される光拡散加工面340が照らされることから、第2流路構成部335を流下する球の視認性を向上することができる。即ち、外点灯状態では、手前側を流れる球の視認性を向上することで遊技者の注目力を向上する効果はあるが、分岐箇所BP1自体の視認性が低くなる。
両点灯状態では、図77(d)に示すように、光拡散加工面332e,319a,333bが広範囲で照らされる。光で照らされる状況としては、内点灯状態および外点灯状態の組み合わせであり、双方の効果を生じ得るが、有利な効果で補助し合うばかりではない。
例えば、光拡散加工面333bが照らされていることから、分岐箇所BP1を左右外側に流れる球が光に隠されるという特徴は、外点灯状態から引き継がれることになる。そのため、分岐箇所BP1の視認性を高める目的からすれば、内点灯状態で維持することが最適である。
発光手段351c,351dの点灯消灯に係る制御態様は、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技において、確変検出センサSE11(図76参照)に球が入球する可能性があるラウンド遊技においては、分岐箇所BP1に遊技者が注目し易いように内点灯状態を構成するよう制御し、それ以外のラウンド遊技では、外点灯状態や両点灯状態を構成することで全体的に明るくするように制御しても良い。
また、例えば、ラウンド遊技の種類によらず両点灯状態と両消灯状態とを交互に切り替える態様で制御するようにしても良い。
また、発光手段351c,351dを点灯させるタイミングはラウンド遊技に限るものではなく、種々の態様が例示される。例えば、図柄変動中のリーチ正立後に発光手段351c,351dを点灯させるように制御しても良いし、入賞口63,64,140,65aやスルーゲート67に球が入球したことが検出されたら、発光手段を351c,351dを点灯させるように制御しても良い。
図73から図75に戻って、特定入賞口65a付近において球の流下を適正化するための構成について、改めて詳述する。図73に示すように、開閉板65bの左右外側に配置される延設部162bの上側面は左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されている。
そのため、開閉板65bが開放状態であるか閉鎖状態であるかに関わらず、開閉板65bの左右外側へ逸れた球であって延設部162bの上側面に乗った球を左右外側(開閉板65bが配置される側の反対側)へ流すことができるので、延設部162bに乗った球が特定入賞口65aの手前側を通り流下することを避けることができる。
従って、アウト口71へ流下する大部分の球の流下態様を、内レール61を転動する流下態様とすることができるので、アウト口71付近において球が跳ね上がる(高くバウンドする)事態の発生を回避することができる。これにより、跳ね上がった球により、主窓部162d1や、その奥側に配置される第3流路構成部336が隠され、視認性が低下することを回避することができる。
図74に示すように、開閉状態における開閉板65bの上側面は左右方向に延びる平面状に形成されている。一方で、第2流路構成部335は、左右中央側(仕切り板部338側)へ向かう程に下降傾斜している。
そのため、左右中央側に近づく程、開閉板65bと第2流路構成部335との上下間隔が長くなるので、開閉板65bの上側面を転動する球と、第2流路構成部335から第3流路構成部336へ向かって流れる球と、を区別し易くすることができる。
図74に示すように、開閉板65bは、上側面に乗った球を漏れなく特定入賞口65aへ流し込むような形状とされるが、球の流れが遅滞しないように種々の形状的な工夫がされている。
例えば、第1に、受入部材163の案内板部163a2は、開閉板65bの左右端部の上側面から後方に流れる球と当接し、その球を左右内側に案内するための板状部である。案内板部163a2は水平方向に延びる板状ではなく、開閉板65bから受入部材163へ向けて流れる球の上下位置変位に合わせて、左右内側に下降傾斜する方向に延びる板状に形成される。
即ち、案内板部163a2の前側端部は左右内側ほど後方に配置されるような傾斜面として形成されているところ、開閉板65bに乗る球が当接する左右外側端部付近よりも、開閉板65bよりも床面が低い受入部材163に受け渡される球が当接する左右内側部の方が、位置が下側になるように傾斜する方向に延びる。
これにより、案内板部163a2に当接する球の当接位置(球の全長における当接高さ)を安定させることができ、球をスムーズに案内することができる。なお、本実施形態では、球の全長における中心高さ位置で球と当接可能となるように、開閉板65bや受入部材163の床面との相対関係から案内板部163a2の配置が設計される。
例えば、第2に、開閉板65bの上側面後端部(回動基端側部)と、受入部材163の下面部163aとの高さ関係は、途中で逆転するように構成されている。即ち、下面部163aの高さ位置が最も高い左右中央位置においては開閉板65bの高さ位置の方が下であるが、下面部163aが左右側へ向かう程に下降傾斜しており、左右幅方向外側における一対の切替位置EP1でその上下が反転するよう構成されている。
本実施形態では、切替位置EP1は、開閉板65bと受入部材163との間における球の流下態様を切り替える位置としての性質を持っており、前側枠状部333の左右内側面(仕切り板部338と対向配置する側面)と同一平面上の位置(図74で前側枠状部333の真上位置)として設計される。
切替位置EP1の左右内側範囲(左右一対の切替位置EP1の間の範囲)では、球の転動面の上下位置の関係から、開閉板65bから受入部材163への球の転動が抑制される一方、受入部材163から開閉板65bへの球の転動は抵抗少なく生じ得る。
例えば、開閉板65bの左右中央位置付近で後方に跳ねた球が受入部材163(の内側後面)に衝突して再度前方に跳ねたとしても、球跳ねが収まって転動し始めた後では、球が開閉板65bから受入部材163に乗り上げることを抑制することができる。
なお、開閉板65bから受入部材163側に転動する球は、受入部材163に乗り上げるのではなく、球が下面部163aと当接し始めると、下面部163aの左右傾斜に沿って球が左右外側に流されることになる。
なお、開閉板65bの左右中央位置付近への球の落下は、前意匠部材141(図7参照)が球の落下を規制していることから生じにくいため、球跳ねも生じにくい構成であるといえる。但し、球同士の衝突などにより球跳ねは生じ得る。
切替位置EP1の左右外側範囲(左右一対の切替位置EP1よりも左右外側(球通過孔163bが配置される側)の範囲)では、球の転動面の上下位置の関係から、受入部材163から開閉板65bへの球の転動が抑制される一方、開閉板65bから受入部材163への球の転動は抵抗少なく生じ得る。例えば、他の球との衝突や遊技機の振動等により、下面部163aを転動している球に前側への速度が生じたとしても、球が開閉板65b側に逆流することを回避することができる。
切替位置EP1についての記載をまとめると、受入部材163側から球が前側に転動できる範囲を、一対の切替位置EP1の間の範囲に限定することで、球通過孔163b付近での球の逆流を回避して球の流下をスムーズにすることで、球が滞留する事態の回避を図っている。
加えて、一対の切替位置EP1の間の範囲からの球の後方への転動は、後方への流れが済んでから、左右方向の流れに切り替わるという転動態様ではなく、一対の切替位置EP1の間の範囲と球通過孔163bとを結ぶ斜めの直線方向に沿う転動態様となる。
換言すれば、前後方向および左右方向のように直角に交差する経路での流れではなく、一端が同位置に配置される前後方向直線と左右方向直線の他端同士を結ぶ斜辺に沿う流れとすることができるので、球の転動経路を短縮することができる(直角三角形において、斜辺の長さが、他の2辺の長さの合計よりも短いことに相当)。
更に、開閉板65bの左右位置に亘って球が後方に流れ易い場合に比較して、本実施形態のように、一対の切替位置EP1の間の範囲では球が前方に流れ易いよう構成することで、受入部材163に多数の球が同時に入球した場合でも、球の流れが停滞する事態を回避し易くすることができる。
図75に示すように、受入部材163は、一対の切替位置EP1の左右外側の範囲には形成されておらず(図16参照)、一対の切替位置EP1の左右中央側の範囲において前側に空間を空けるよう上昇傾斜する板状に形成される上面部163fを備えている。
上面部163fは、下面部163aの位置が高くなることで一対の切替位置EP1の間の範囲において球が詰まる可能性を低くするための工夫であり、上面部163fにより、球を配置する空間の上下幅を確保することができる。
これにより、一対の切替位置EP1の間の範囲における球詰まりを防いだり、球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖変位する場合に開閉板65bと受入部材163との間で球が噛み込むことを回避したりすることができる。
対称突設部161fは、左右に延びる方向が、第2流路構成部335の傾斜角度に沿う方向(水平を基準として5度傾斜する方向)とされ、第2流路構成部335を転動する球の全長における中心高さ位置で球と当接する位置(第2流路構成部335の床底から5.5mm高い位置)に配設される。
これにより、分岐箇所BP1の視認性を確保する目的から対称突設部161fの形成厚みを最小限とする場合において、球の中心高さから外れた位置で球が対称突設部161fに当接することで、球を持ち上げる方向の負荷や球を床に押し付ける方向の負荷が対称突設部161fから球に生じる場合に比較して、球の転動をスムーズにすることができる。
なお、分岐箇所BP1の視認性が低下することを許容するのであれば、対称突設部161fの厚みを球の全長程度の厚みで形成することで、球の中心高さから外れた位置で対称突設部161fが球に当接する事態を回避することができる。
次いで、スライド変位部材370及びその周辺構造について、改めて詳述する。図78は、中部材330、状態切替装置360、スライド変位部材370及び下部材380の上面図である。図78では、理解を容易とするために、中部材330が想像線で透明視され、中部材330の下側に配設されるスライド変位部材370が透けて見えている。
スライド変位部材370は、分岐箇所BP1において前後方向にスライド変位する部材であるが、その前端部は、前側位置(図78参照)においても対向配置される排出孔337の側面と当接せず、隙間が維持される。隙間は、球が確変検出センサSE11に入球することを阻害するのに十分に短い寸法の隙間として形成される。
これにより、球の確変検出センサSE11への入球を防止する目的を達成しながら、スライド変位部材370の前端部が排出孔337の側面との当接により削れたり、変形したりする事態を回避することができる。
また、スライド変位部材370の前端部、即ち、薄板部371の前端部は、左右外側へ向かう程に配置が後方にずれる態様で傾斜形成される。これにより、薄板部371の前端部と排出孔337の側面との間に球が挟まれて滞留することを回避し易くすることができる。
即ち、薄板部371の前端部と排出孔337の側面との間に球が挟まれた場合であっても、薄板部371の前端部が傾斜面として形成されていることから、球に対して生じる負荷は左右外側へ向けた方向成分を有するので、球を左右外側に押し出すことができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
次いで、図79を参照して、スライド変位部材370の変位の案内についての工夫を説明する。スライド変位部材370の配置によって遊技者の利益が変わり得るので、スライド変位部材370の変位には、再現性(安定性)と、スムーズさと、が要求される。
図79(a)は、図78のLXXIXa-LXXIXa線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図であり、図79(b)は、図78のLXXIXb-LXXIXb線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図であり、図79(c)は、図78のLXXIXc-LXXIXc線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図である。なお、図79の説明においては、図13及び図14を適宜参照する。
図79(a)に示すように、上突設部376の正面側における薄板部371の上側面は左右外側ほど下側に位置する傾斜面として形成されており、この傾斜に沿って球が流れ得る。本実施形態では、この傾斜面を転動する球の流れを安定させるために、傾斜面の傾斜が変化するようなスライド変位部材370の姿勢変化を抑制するよう構成されている。
即ち、図79(a)に示すように、スライド変位部材370の薄板部371は、左右両端部だけでなく、下突条部373が下部材380の板状部382に当接支持される。これにより、凹設部372で左右に分けられる一対の球案内部371bのそれぞれを左右両側で下支えする(両持ちで支持する)ことができるので、スライド変位部材370の姿勢変化を抑制することができる。
換言すれば、左右一対の球案内部371bに球から与えられる負荷が異なる場合であっても(球がバランス悪い個数で乗ったとしても)、各球案内部371bについて左右両端部で下支えされていることから、球案内部371b及びスライド変位部材370の左右への傾き(前後方向に延びる軸を中心とした回動方向の変位)を抑制することができる。
また、凹設部372の縁部は、上側に仕切り板部338が配設されていることにより、上方への変位が規制される。即ち、スライド変位部材370の浮き上がり動作や、後傾方向の傾斜変位を抑制することができる。
これにより、スライド変位部材370の姿勢を適正な状態に維持し易くなり、前後方向変位の変位抵抗を抑制することができ、スライド変位部材370の動作不良を防止することができる。
球案内部371bは、上突設部376の突設基端側において前側に張り出し形成される板状部であって、球が転動可能とされる上側面が左右外側へ向かう程に下がる傾斜面として形成される。
球案内部371bと突条部383との接触は、点接触となるように構成されている。即ち、本実施形態では、凹設部372から突条部383側へ一対の半球状突設部372aが突設されており、間隔が埋まる際には、半球状突設部372aと突条部383とが点接触するよう構成される。
ここで、上述したように、球案内部371bは球が転動し得る上側面が左右方向に傾斜する傾斜面として形成されているので、球の自重により球案内部371bにかけられる負荷は、上下方向成分と左右方向成分とに分解されることになり、左右方向成分によりスライド変位部材370は左右方向(スライド変位部材370の変位方向である前後方向と交差する方向)に変位し得る。
この時、スライド変位部材370の凹設部372と突条部383との左右方向隙間を小さくした方が球案内部371bの左右位置が安定し易く好ましい一方で、接触摩擦が生じ易くなることから、機能上の問題が生じる可能性がある。
例えば、球が球案内部371bに乗った状態でスライド変位部材370を前後方向変位させる場合に、接触摩擦が過度に大きくなると前後方向変位が不良となる(例えば、変位が生じない)事態が発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、半球状突設部372aと突条部383との接触が点接触となるように構成されているので、摩擦力が生じる面積を低減することができ、接触摩擦を小さく抑えることができる。これにより、球が球案内部371bに乗った状態であっても、スライド変位部材370の前後方向変位を良好に実行することができる。
特に、球案内部371bに球が乗っている状態でのスライド変位部材370の前後方向変位は、確変検出センサSE11に球が入球し得ない状態から、確変検出センサSE11に球が入球可能な状態へ状態を切り替える変位動作であるので、この変位動作を良好に実行することで、遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
尚且つ、この変位動作の変位速度を高速とすることで、スライド変位部材370の前後方向変位の時に球案内部371bに乗っている球の回転を変化させる作用を生じさせることができる。
図80(a)及び図80(b)は、スライド変位部材370と球案内部371bの上側面に乗る球との側面図である。図80(a)では、前側位置のスライド変位部材370に球が乗っている状態が図示され、図80(b)では、スライド変位部材370が後側位置に変位した状態が図示される。図80(a)及び図80(b)では、球の回転方向の例が矢印で図示される。
図80(a)に示すように、後方へ向けて転動しスライド変位部材370に到達した球の回転方向は前転方向である。その球がスライド変位部材370に乗っている状態でスライド変位部材370が後側位置へ前後変位するよう電磁ソレノイド361(図13参照)が駆動されると、スライド変位部材370から球に与えられる負荷は、球の回転方向(案内方向)を逆方向(後転方向)とするように作用する。
これにより、球の回転を抑制することができるので、重力の作用を球が受けやすい状態とすることができ、球を真下に落下させ易くなる。従って、スライド変位部材370に球が乗っている状態でスライド変位部材370が駆動された場合に、球が確変検出センサSE11に流下し易い構成とすることができる。
前後長突設部317は、分岐箇所BP1へ到達した球をスライド変位部材370側へ案内する機能を有する。換言すれば、前後長突設部317は、確変検出センサSE11へ球を案内する機能に留まるものではなく、確変検出センサSE11の上流側に配置されるスライド変位部材370の配置によらず球を適切に案内可能な形状部として構成される。
スライド変位部材370が後側位置に配置されている場合には、経路構成上、前後長突設部317に当接した球は確変検出センサSE11を通過する。このとき、前後長突設部317の端部の曲線が、上下方向幅に比較して前後方向幅が長い略円弧形状とされるので(図18参照)、当接した球に対して、前方向成分よりも下方向成分の方が大となる負荷を与えることになる。これにより、前後長突設部317に当接した球が前後方向に跳ね返り、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避することができる。
一方、スライド変位部材370が前側位置に配置されている場合には、球の流下方向はスライド変位部材370の形状に委ねられる。本実施形態では、スライド変位部材370の上突設部376の前側面376aが左右外側へ向かって湾曲する湾曲面を形成しているので、球はこの湾曲に沿って左右外側へ案内される。
ここで、スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態において、前後方向に流れる球が勢いのままにスライド変位部材370に衝突すると、その衝突時の負荷によりスライド変位部材370が後方に押しのけられ、確変検出センサSE11への球の通過が可能な状態に切り替わる可能性が考えられる。
これに対し、本実施形態では、球がスライド変位部材370の上突設部376に衝突する前に前後長突設部317に当接することで、球の速度方向が下方寄りに修正される。そのため、球からの負荷によるスライド変位部材370の変位方向は主に下方向となるので、スライド変位部材370が後方に押しのけられる事態の発生を回避し易くすることができる。
また、球から与えられる、スライド変位部材370を後方に変位させる方向の負荷が小さくなることから、スライド変位部材370を前側位置に維持するための付勢力(電磁ソレノイド361(図13参照)が有する戻りバネの付勢力)を小さくできると共に、その付勢力に抗してプランジャーを駆動する電磁力を小さくすることができるので、結果として、電磁ソレノイド361の設計自由度を向上することができる。
分岐箇所BP1に球が配置されている状態でスライド変位部材370が後側位置から前側位置に変位した場合にも、球の逆流が生じることを回避し易くすることができる。
左右内突設部318は上突設部376の前側変位終端位置よりも前側において球と当接し、球の勢いが左右外側下方向へ向けられる。尚且つ、前後長突設部317により球の勢いが下方向へ向けられる。これにより、球の前後方向の速度が収まるので、自重による慣性で配置が安定し、スライド変位部材370から与えられる負荷程度では球の逆流が生じ難い状態とすることができる。
更に、球と上突設部376との当接は前後長突設部317と当接する高さ位置よりも球が下がった状態で生じるが、球が上突設部376と当接可能な程度に下がった状態では(図80(a)参照)、球と当接する箇所は球案内部371bであり、第3流路構成部336の下底面336aのよりも低い位置に配置される。これにより、上突設部376から前後方向の負荷を受けて球が手前側に変位したとしても、球案内部371bの上側面から下底面336aに乗り上がるために相当のエネルギーを必要とするので、球の逆流の程度を低くすることができる。
また、上突設部376は仕切り板部338側の前側端部が鋭角形状に形成されており、平面が球と前後方向で正面衝突する衝突態様ではない(図78参照)。即ち、上突設部376から球に対して与えられる負荷は、左右方向の負荷が大きく、前後方向の負荷は小さい。
これにより、上突設部376に当接した球を左右外側方向にスムーズに流すことができるので、分岐箇所BP1に球が配置された状態でスライド変位部材370が後側位置から前側位置に変位する制御態様とした場合に、上突設部376と排出孔337の前側面との間に球が噛み込んでしまい動作不良を生じる事態を回避し易くすることができる。
図78、図79(b)及び図79(c)に戻って説明する。スライド変位部材370を分岐箇所BP1側(前側)に張り出すよう構成している関係上、球案内部371bに乗った球の自重によりスライド変位部材370が前倒れ方向に変位する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上突設部376よりも後側に形成される部分、即ち、上下突条部374が左右両側において前後に亘って形成される部分の、前後幅長さを十分に確保し、その前後幅に亘って後側枠状部332の下底部と当接可能に構成されている。これにより、スライド変位部材370の前傾方向に傾倒変位を防止することができる。
加えて、上下突条部374が前後に長く形成されていることから、スライド変位部材370を前傾方向に傾倒変位させる負荷がかけられた場合に後側枠状部332に与えられる負荷が一点に集中することを避けることができる。これにより、スライド変位部材370の変形を抑制(剛性を高める)することができる。
また、球案内部371bに球が乗り得る前側位置にスライド変位部材370が配置された状態では、凹設部378が形成される突設部(以下、突設部378aとも称する)の前側面が仕切り板部338の後側面と当接する。
換言すれば、スライド変位部材370は、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に当接する位置として前側位置が設定されている。この目的から、仕切り板部338の後側面には光拡散加工面が形成されず、突設部378aと前後で対向配置され互いに当接可能とされる面が平坦面で形成される。これにより、前側位置におけるスライド変位部材370の配置を安定させることができる。
回動部363の下円柱部363cは凹設部378の内側に配置されているので、下円柱部363cを介して伝達される電磁ソレノイド361の駆動力は、突設部378aの前側肉部を介して仕切り板部338の後側面にかけられる。
このように、駆動力が伝達される位置がスライド変位部材370の左右中央部であることから、スライド変位部材370にバランスよく駆動力を伝達することができる。即ち、前後方向変位時に、スライド変位部材370に上下方向軸を中心とする回転方向の姿勢ずれが生じることを回避し易くすることができる。
更に、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面で押し付けられることにより、スライド変位部材370の姿勢を、上下方向軸を中心とする回転方向で修正し易くすることができる。
ここで、スライド変位部材370の姿勢維持や姿勢復帰を仕切り板部338と半球状突設部372aとの当接により実行する場合、仕切り板部338と半球状突設部372aとの当接面積が小さいことから、負荷が局所的にかかってしまい、半球状突設部372aの耐久性が劣化する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面で押し付けられる前段階において、スライド変位部材370に上下方向軸を中心とする回転方向の姿勢ずれが生じていたとしても、駆動力の伝達により、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面接触する過程でスライド変位部材370の姿勢ずれを解消することができ、適正な姿勢に修正することができる。
突設部378aに対する仕切り板部338は、前後方向変位時に当接することでスライド変位部材370の位置合わせをする目的の他、スライド変位部材370に与えられる前傾方向の負荷を受ける部分としての機能を有する。
即ち、スライド変位部材370が前側位置に配置される状態において、球案内部371bに乗った球の自重により、スライド変位部材370を前傾方向に姿勢変化させる方向の負荷が生じた場合において、スライド変位部材370に許容される隙間内で突設部378aが変位(前傾方向に変位)しかけると、突設部378aは仕切り板部338の後側面に押し付けられる。
この場合、仕切り板部338の後側面から突設部378aに対して反対方向の抵抗がかけられることで、突設部378aの変位が抑制されることから、スライド変位部材370の姿勢変化を抑制することができる。
次いで、各動作ユニット600,700,800の詳細について説明が不足していた部分について、改めて説明する。まず、第1動作ユニット600の詳細の説明として、回動部材620について説明する。
図81(a)は、回動部材620の正面図であり、図81(b)は、回動部材620の背面図であり、図81(c)は、図81(a)の矢印LXXXIc方向視における回動部材620の側面図である。
また、図82は、第1動作ユニット600の正面図であり、図83は、第1動作ユニット600の背面図である。図82及び図83では、案内長孔616に沿って変位する皿状蓋部C2が変位範囲の右端に配置された状態が図示される。
図81(a)から図81(c)に示すように、動作の実行の際に回動部材620に与えられる負荷との関係から、回動部材620は非対称形状で設計されている。以下、回動部材620の詳細と、回動部材620への作用とについて説明する。
回動部材620の本体部621は、停止時に負荷を受ける平らな側面として、第1側面621aと、第2側面621bと、第3側面621cと、を備える。筒状部622から近い順に、第1側面621a、第2側面621b、第3側面621cが形成されている。
第1側面621aは、回動部材620の傾倒変位側に形成される側面であって、前蓋部材612から正面側に断面コ字状で突設される基端側突設部617aに面で当接可能となる形状で形成される(基端側突設部617aとの関係で形状が設計される)。第1側面621aが基端側突設部617aに変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図45参照)。
第2側面621bは、回動部材620の起き上がり変位側に形成される側面であって、前蓋部材612から正面側に断面コ字状で突設される先端側突設部617bに面で当接可能となる形状で形成される(先端側突設部617bとの関係で形状が設計される)。第2側面621bが先端側突設部617bに変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図40参照)。
第3側面621cは、回動部材620の起き上がり変位側に形成される側面であって、前蓋部材612の正面側に外形略矩形の箱状に形成される矩形状箱部618に面で当接可能となる形状で形成される(矩形状箱部618との関係で形状が設計される)。第3側面621cが矩形状箱部618に変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図40参照)。
このように、回動部材620の変位終端では、回動部材620の各側面621a~621cが、対応した前蓋部材612の部分に当接し、変位を規制される。特に、回動部材620の起き上がり側の変位終端において当接箇所が複数形成されている。
このように当接箇所を複数形成させることの目的として、当接時に受ける回動方向の負荷を複数箇所で分散させる目的と、回動部材620に生じ得る前後方向の負荷を複数箇所で分散させることで回動部材620の前後方向の変形を抑える目的と、がある。
回動部材620に生じ得る前後方向の負荷としては、例えば、第2装飾回転部材660の重みを受けることによる前倒れ方向の負荷や、第2装飾回転部材660の回転停止時の慣性による捻じれ方向の負荷(回動部材620の長手方向を軸とする回転方向の負荷)等が例示される。
特に、前倒れ方向の負荷は、筒状部622を支点とする前傾方向の負荷であるので、力のモーメントを考慮することにより、負荷を受ける当接位置が筒状部622から離れるほど、当接位置に生じる負荷は小さくなる。当接位置に生じる負荷を小さくすることを一つの目的として、第2側面621b及び第3側面621cが筒状部622から離れた位置に形成されている。
回動部材620の本体部621は、駆動モータ631との干渉を避けるために駆動モータ631から退避する方向に凹設形成される凹設部621dと、その凹設部621dを含む範囲であって、筒状部622を中心とする回動部分として基端側突設部617aと当接する範囲を含んで増厚形成される増厚部621eと、を備える。
回動部材620の回動基端側は、凹設部621dが形成されることで細幅となっているので、対策なしでは衝撃負荷による折損が生じる可能性が考えられるが、増厚部621eが形成されていることで、強度面での凹設部621dの影響を相殺することができる。これにより、回動部材620の折損を回避し易くすることができる。
更に、増厚部621eが基端側突設部617aと当接し得る箇所を含む範囲に形成されていることで、回動部材620と基端側突設部617aとの間で生じ得る衝撃負荷に対する回動部材620の耐久性を向上することができる。
図84は、第1動作ユニット600の正面図であり、図85は、第1動作ユニット600の背面図である。図84及び図85では、伝達ギアカム634の延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態が図示される。
延設部634bは、検出センサKS1の背面視での幅長さに比較して、3倍以上に長い幅長さ(周方向長さ)で形成される。ここで、延設部634bの幅長さを十分長く形成することは、検出に利用する目的の他に、構造的な目的がある。
即ち、本実施形態では、回動部材620の回動先端部の前側に被支持部材640が連結されており、その被支持部材640の前側に第2装飾回転部材660が配設されているので、回動部材620に前倒れ方向の負荷が与えられ得るところ、対策なしでは、回動部材620が前後方向に撓み変形し、動作不良を生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、回動部材620に連結される円筒部634aの背後において、被固定手段610の背面と対向配置する延設部634bを幅広形状で形成することで、円筒部634aを介して延設部634bから被固定手段610に、回動部材620の前倒れ方向で与えられる負荷を、円弧状孔613dの広い角度範囲で受けることができる(負荷が生じる面積を大きく確保することができる)。これにより、単位面積当たりで受ける負荷を低減することができるので、延設部634bが破損することを回避しつつ、回動部材620の前傾変位を抑制することができる。
本実施形態では、延設部634bの幅長さを長く確保することで構造的に有利な効果を奏することができる一方で、延設部634bの端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図84参照)で回動部材620の起き上がり方向の駆動を停止させる制御態様であっても、慣性等の負荷により、回動部材620が初期位置側の終端位置(図40参照)まで到達するように構造が工夫されている。
例えば、第1に、各部材の慣性力が、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向で生じる。回動部材620自体の回動変位に伴う慣性力だけでなく、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が軸線O1を中心として背面視時計回りに回動される回動変位に伴う慣性力も、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向(回動部材620を背面視反時計回りに回動させる方向)で生じる。
例えば、第2に、中間ギア644を介して回動部材620のギア歯部625と歯車機構を構成するギア歯654aと一体動作するように配設される前側回転部材652の重心(本実施形態では、張出装飾部652bの中心と同じ)は、ギア歯654aの回転軸としての軸線O1の上下位置から左右に離れた位置に配置される。
そのため、前側回転部材652に生じる自重は、ギア歯654aを回転させる方向で生じる。本実施形態では、ギア歯654aが、前側回転部材652の自重により、背面視反時計回りに回転する方向に負荷を受ける。
この負荷が中間ギア644、ギア歯部625と順に伝達されることにより、ギア歯部625を介して、回動部材620に背面視反時計回りに回転する方向の負荷が与えられる。即ち、回動部材620の回動変位の慣性とは異なる負荷として、前側回転部材652の自重による回転方向の負荷が、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向で生じる。
このように、回動部材620に対して生じる慣性負荷や、前側回転部材652の自重による回転方向の負荷により、駆動モータ631の通電を切断した後においても回動部材620を回動させる負荷が生じるよう構成される。
そのため、図85に示すような、延設部634bが検出センサKS1の検出溝に配置されており、且つ、回動部材620が変位終端位置に到達していない状態で、駆動モータ631の通電を切断するように制御したとしても、上述の負荷により回動部材620の回動変位が継続され、回動部材620を初期位置側の変位終端位置(図40参照)に到達させることができる。
図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)及び図88は、案内長孔616、皿状蓋部C2、検出センサKS1及び伝達ギアカム634の延設部634bの背面図である。
図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)及び図88では、第1動作ユニット600の演出待機状態から開始される伝達ギアカム634の回転動作が時系列で図示される。
なお、図86(a)は、第1動作ユニット600の演出待機状態に対応し、図86(b)は、図85に図示される状態に対応し、図87(a)は、第1動作ユニット600の中間演出状態に対応し、図87(b)は、図83に図示される状態に対応し、図88は、第1動作ユニット600の張出状態に対応する。
皿状蓋部C2の開口C2aを通る電気配線の配置について説明する。矩形状箱部618に収容される基板に配設されているコネクタ618cに端部が固定される電気配線618dが開口C2aを通り第2装飾回転部材660に進入するように配設される。
電気配線618dは、ベース部材611(図39参照)へ向けて前蓋部材612から突設形成される仕切り部619の下側を迂回し、開口C2aに進入するように配設される。電気配線618bは、開口C2aを備える皿状蓋部C2の移動軌跡を考慮した長さで構成され、コネクタ618cと開口C2aとの間で、自重で撓むようにして配置される。
仕切り部619は、上下両端部に形成される柱状部619aと、その柱状部619aの間を連結するように長尺板状に突設される板状部619bと、を備える。柱状部619a及び板上部619bは、ベース部材611の前側面に当接する。
柱状部619aの内側には雌ネジが形成されており、柱状部619aと対応する配置でベース部材611に穿設される開口を通る締結ネジが螺入されることで、ベース部材611及び前蓋部材612が締結固定される。即ち、仕切り部619により、電気配線618dの配設位置を制限する作用だけでなく、ベース部材611及び前蓋部材612の剛性を確保する作用も生じさせることができる。
次いで、特に開口C2aの動きに注目して、電気配線618dの配置に対する工夫について説明する。まず、図86(a)から開始される皿状蓋部C2の下降変位に着目して説明する。皿状蓋部C2は、図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)、図88の時系列で下降変位する。
演出待機状態(図86(a)参照)から、延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図86(b)参照)までの動作では、皿状蓋部C2の上下配置は大きくは変わらない一方で、開口C2aの配置が背面視反時計回りに回転変位する。
これにより、皿状蓋部C2が本格的な下降変位を開始する前に、開口C2a付近の電気配線618dの配置を仕切り部619から離れる方向に寄せることができ、皿状蓋部C2が下降変位する過程で電気配線618dが皿状蓋部C2と仕切り部619との間に挟まることを防止することができる。
特に、皿状蓋部C2と仕切り部619とが最接近するタイミング(図87(b)参照)では、開口C2aは仕切り部619から電気配線618dを退避させる側(下側)を向く姿勢となっている。
これにより、電気配線618dを仕切り部619との間で挟む事態を回避することができるので、皿状蓋部C2を、仕切り部619に近接配置させるよう設計しても、電気配線618dが断線する等の不具合が生じることを回避することができる。
図86(a)から図88に示すように、皿状蓋部C2の下降変位中に、開口C2aの姿勢は、背面視反時計回りに継続的に回転変位している。皿状蓋部C2の下側変位終端では、開口C2aがコネクタ618cの反対側(下側)を向いており、敢えて電気配線618dに下向きの弛みが生じるように構成している。これにより、電気配線618d自体の長さを確保しながら、変位終端位置における電気配線の不要な弛み(例えば、前後方向へ弛むことによるばたつき)を回避することができる。
更に、電気配線618dの長さは、第1動作ユニット600の動作中において延設部634bと当接しない程度の長さで設計される。これにより、延設部634bと電気配線618dとの間に仕切りを設けなくとも、電気配線618dが延設部634bに接触し負荷を受ける事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、皿状蓋部C2が伝達ギアカム634に最接近する状態(図88参照)において、延設部634bは、コネクタ618cから離れて配置(伝達ギアカム634の回転軸を基準としてコネクタ618cの反対側に配置)されることから、延設部634bとの接触を避けながら電気配線618dを配置する範囲を大きく確保することができるので、電気配線618dの長さの設計自由度を向上することができる。
次いで、図88から開始される皿状蓋部C2の上昇変位に着目して説明する。皿状蓋部C2は、図88、図87(b)、図87(a)、図86(b)、図86(a)の時系列で上昇変位する。
皿状蓋部C2の上昇変位では、変位下端位置(図88参照)から、皿状蓋部C2が仕切り部619に最接近するまで、開口C2aは仕切り部619側を向くことは無く、下側を向いている。これにより、電気配線618dの下方への弛みを確保しつつ皿状蓋部C2を上昇変位させることができる。
開口C2aの向きは、皿状蓋部C2が仕切り部619の下端を通過した後においても、徐々に回転しながらも、下側を向いた状態(開口C2a付近の電気配線618dを仕切り部619の長手方向に沿って配置させる状態)が維持される(図87(a)参照)。
そして、皿状蓋部C2が仕切り部619から十分離れた状態において、開口C2aが仕切り部619側を向く姿勢まで回転され(図86(a)及び図86(b)参照)、電気配線618dが仕切り部619と皿状蓋部C2との間に進入する(収容される)ように配置される。
これにより、電気配線618dを皿状蓋部C2と仕切り部619との間に挟むことにより断線を生じさせる事態の発生を回避することができ、皿状蓋部C2の上下変位に伴い電気配線618dに与えられる負荷の抑制を図ることができる。
換言すれば、仕切り部619と皿状蓋部C2との配置関係に対応して、開口C2aの配置を変化させることで電気配線618dの配置を制限し、皿状蓋部C2と仕切り部619との間隔が狭くなる時に電気配線618dが皿状蓋部C2と仕切り部619との間に配置されることを回避していることから、電気配線618dに与えられる負荷の抑制を図ることができる。
従って、電気配線618dが任意位置で配置される場合に比較して、電気配線618d及び皿状蓋部C2を近接配置するよう設計することができるので、電気配線618d及び皿状蓋部C2の配置の自由度を向上することができる。
また、電気配線618dの配置の制限を結束バンド等の別部材を利用してではなく、皿状蓋部C2の開口C2aにより実現している。皿状蓋部C2は、上述したように、第1装飾回転部材650の本体部材651との締結固定に利用される部材であるが、これを電気配線618dの配置制限に兼用している。
これにより、結束バンド等の電気配線618dを束ねるのに専用の部材を不要とすることができる。更に、結束バンドと異なり、皿状蓋部C2の配置に対応した適切な側に電気配線618dを配置できるように開口C2aの向きを変えることができるので、電気配線618dが突っ張ったり、屈曲したりする事態を回避し易くすることができる。
本実施形態では、開口C2aは、中心角度が約110の扇形状の開口として形成される。開口C2aが幅広の開口として形成されているので、開口C2aを通過させる電気配線618dの部分(接続端子等)として採用される形状の自由度を向上することができる。
次いで、開口C2aよりも正面側に配置される電気配線618dの配設構造について説明する。図89は、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660の正面斜視図である。
図89では、説明に必要な部分のみが図示され、その他の部分の図示が省略されている。即ち、第1装飾回転部材650の本体部材651及び配線受部材655、第2装飾回転部材660の電飾基板662及び配線留め板663が実線で図示されており、理解を容易とするために箱状部材661を想像線で図示し内部を視認可能としている。
また、図89では、電気配線618dの配設例が図示され、その電気配線618dが挿通される開口C2aを備える皿状蓋部C2が図示される。電気配線618dは、電飾基板653(図41参照)の端子に接続される配線と、電飾基板662の端子に接続される配線と、が本体部材651と配線受部材655との間で分岐する様子が図示される。
図89に示すように、配線留め板663は、半筒形状部651d,655aの外径よりも大きな直径の円板状部材であって、電気配線618dを挿通可能な長孔形状で穿設される配線挿通長孔663aと、その挿通長孔663aの両側に締結ネジを挿通可能な貫通孔として穿設される一対の挿通孔663bと、を備える。
配線留め板663の直径が半筒形状部651d,655aの外径よりも大きく形成されていることから、軸直角回転部材657(図39参照)が半筒形状部651d,655aから脱落することを配線留め板663により防止することができる。
配線留め板663の挿通孔663bを通る締結ネジは、半筒形状部651d,655aにそれぞれ形成される雌ネジに螺入される。これにより、配線留め板663及び半筒形状部651d,655aが一体的に固定される。
このように、配線留め板663は、軸直角回転部材657の脱落を防止する機能と、半筒形状部651d,655aを一体的に固定する機能と、を兼ね備えている。これに加えて、配線留め板663は、電気配線618dを仮留めする機能を備えている。
図89に示すように、電気配線618dは、配線留め板663の配線挿通長孔663aの内側を通り、挟まれることで変位が抑制される態様で仮保持されている。本実施形態では、第2装飾回転部材660の回転動作が、1回転以上の動作では無く、半回転未満の回転動作(約135度の回転動作)が往復方向に実行される回転動作とされるので、第2装飾回転部材660が複数回回転して電気配線618dが捻じ切られるという事態が生じることは無いように構成される。
第2装飾回転部材660が回転動作する際に電気配線618dに与えられる負荷(捻じれ方向の負荷)は、捻じれが生じ易い配線挿通長孔663a付近において大きくなると考えられるが、本実施形態では、配線挿通長孔663aが長孔状に形成され、電気配線618dは配線挿通長孔663aに挟まれて仮保持される態様とされるので、長孔形状内における電気配線618dの変位は許容されている。
そのため、電気配線618dに捻じれ方向の過負荷が生じたとしても、電気配線618dを配線挿通長孔663a内で変位させることで、負荷を逃がすことができる。これにより、電気配線618dの耐久性を向上することができる。
本体部材651の内部に配置される電気配線618dの捻じれ方向と、皿状蓋部C2の開口C2aの方向との関係について説明する。図86(a)から図88に示す皿状蓋部C2の回転動作と一体的に本体部材651は回転動作するので、本体部材651の内部に配置される電気配線618dには、本体部材651の回転方向の捻じれが生じる。即ち、回動部材620の傾倒方向の回動変位に伴って、背面視反時計回り方向の捻じれが生じる。
回動部材620の傾倒方向の回動変位に伴い、皿状蓋部C2の開口C2aも背面視反時計回りに変位するので、捻じれによって電気配線618dに与えられる負荷を低減することができる(電気配線618dの耐久性を向上させることができる)。
皿状蓋部C2は、案内長孔616に沿って上下方向に変位しながら回転動作している。ここで、図86(a)から図88までの時系列で、電気配線618dは、コネクタ618cと皿状蓋部C2との間における弛みが大きな状態から弛みが小さな状態へ変化する。
これに対応して、電飾基板662の回転動作は、電気配線618dの電飾基板662側の端子が背面側(本体部材651側)に配置される状態(図89参照)から、同端子が正面側(配線受部材655側)に配置される状態へ状態変化する動作として構成される。従って、電気配線618dを正面側に引っ張る態様の状態変化とすることができる。
即ち、図86(a)から図88までの時系列で、電気配線618dは、本体部材651内部における電気配線618dの弛みが大きな状態(電飾基板662側の端子が背面側に配置される状態)から弛みが小さな状態(電飾基板662側の端子が正面側に配置される状態)に状態が変化する。
従って、本実施形態では、弛みの大小関係が、コネクタ618cと皿状蓋部C2との間における関係と、本体部材651内部における関係とで、反転している(バランスしている)。これにより、第1動作ユニット600の動作に伴って電気配線618dに加えられる負荷を低減することができる。
本体部材651の内部に配置される部分の電気配線618dの捻じれ方向と、本体部材651と配線受部材655との間に配置される部分の電気配線618dの捻じれ方向と、の関係について説明する。
図86(a)から図88に示す時系列の動作において、本体部材651の内部に配置される電気配線618dは背面視反時計回りに捻じれる一方で、本体部材651と配線受部材655との間に配置される部分の電気配線618dは電飾基板662の回転方向(図89における下面視(電飾基板662側から挿通孔663bを見る方向視)で反時計回り)で捻じれる。即ち、互いに反対方向に捻じれる。
本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態における電気配線618dの捻じれを最小化するように設計しており、張出状態において、電気配線618dの捻じれが最大となるようにしている。
これにより、コネクタ618cと開口C2aとの間における電気配線618dの弛みが大きくても問題が生じ難い状態(演出待機状態、図86(a)を参照)においては敢えて弛ませて、電気配線618dに生じる負荷を低減する一方、コネクタ618cと開口C2aとの間における電気配線618dの弛みを小さくすることが好ましい状態(張出状態、図88参照)においては、本体部材651、配線受部材655及び電飾基板662の回転動作による捻じれを最大に生じさせ電気配線618dの弛みを抑制する(電気配線618dの変位を抑制する)ことができる。
このように、電気配線618dの耐久性向上の手段として、捻じれを最小とし、十分な弛みを生じさせる状態と、捻じれにより弛みを低減して周囲部材(例えば、延設部634b)と電気配線618dとの接触を回避する状態と、を切り替えるように構成される。
なお、別の実施形態として、図86(a)から図88に示す時系列の動作において、電飾基板662の回転方向を逆方向(図89における下面視(電飾基板662側から挿通孔663bを見る方向視)で時計回り)で構成しても良い。この場合、本体部材651の内部に配置される電気配線618dの捻じれ方向と、電飾基板662の回転動作による電気配線618dの捻じれ方向とが、同方向になるので、電気配線618dの捻じれ変形を相殺することができる。
次いで、第1動作ユニット600の動作における、張出装飾部652bの特徴について説明する。図90(a)、図90(b)、図91(a)、図91(b)及び図92は、案内長孔616、矩形状箱部618及び張出装飾部652bを模式的に示す正面模式図である。
図90(a)、図90(b)、図91(a)、図91(b)及び図92では、案内長孔616及び矩形状箱部618の外形が模式的に図示され、理解を容易とするために前側回転部材652のギア歯652aの図示が省略された状態で、第1動作ユニット600の演出待機状態からの張出装飾部652bの変位が時系列で図示される。
図90(a)では、第1動作ユニット600の演出待機状態(図40参照)に相当する配置が図示され、図90(b)では、伝達ギアカム634の延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図84参照)に相当する配置が図示され、図91(a)では、第1動作ユニット600の中間演出状態(図43参照)に相当する配置が図示され、図91(b)では、案内長孔616に沿って変位する皿状蓋部C2が変位範囲の右端に配置された状態(図82参照)に相当する配置が図示され、図92では、第1動作ユニット600の張出状態(図45参照)に相当する配置が図示される。
演出待機状態(図90(a)参照)では、張出装飾部652bが上面視で矩形状箱部618と重なる程度に右に寄せて配置されている。これにより、張出装飾部652bを遊技者の視界の外側に配置することができる(図28参照)。更に、本実施形態では、演出待機状態において張出装飾部652bは外縁部材73(図2参照)の後方に配置されることで、外縁部材73により視線が遮られ易いので、張出装飾部652bの視認性を下げることができる。
一方で、張出装飾部652bが上面視で矩形状箱部618と重なる程度に右に寄せて配置されている状態のまま張出装飾部652bが下降変位する場合、張出装飾部652bと矩形状箱部618とは衝突してしまい不具合を生じることになる。
これに対し、本実施形態では、張出装飾部652bの下降変位に先立ち、又は、張出装飾部652bの下降変位に伴って、張出装飾部652bの姿勢が変化するように構成される(図90(b)及び図91(a)参照)。この姿勢変化は、矩形状箱部618から退避する方向(正面視斜め左上方向、軸線O1を中心とした回転方向)への回転動作として生じるので、張出装飾部652bと矩形状箱部618との衝突を避け易くすることができる。
本実施形態では、この姿勢変化により、張出装飾部652bが矩形状箱部618の上方位置から退避した後で(図91(a)参照)、本格的な皿状蓋部C2及び張出装飾部652bの下降変位が開始される。
張出装飾部652bの下降変位は、軸線O1の下降変位に伴って生じるところ、下降変位においては、案内長孔616の形状に沿って軸線O1が矩形状箱部618に接近する方向(右方)に変位するため(図91(b)参照)、張出装飾部652bが矩形状箱部618に衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、矩形状箱部618が、左側面に、案内長孔616の形状に沿って凹設形成される凹設部618aを備えている。特に、凹設部618aは、案内長孔616と矩形状箱部618が最も接近する箇所、即ち、案内長孔616の右端部の右方位置に凹設形成されている。このように、矩形状箱部618の形状の設計は、前側回転部材652と矩形状箱部618との衝突を避けることを一つの目的として検討される。
更に、軸線O1の下降変位に伴って、張出装飾部652bの姿勢変化が継続されるので、張出装飾部652bを矩形状箱部618から退避する方向に変位させることができる。本実施形態では、図91(a)から図91(b)への変位において、張出装飾部652bの左方向への変位寸法XL1(退避距離)が、軸線O1の右方向への変位寸法XR1以上(同等または超過)となるように、設計されている。これにより、張出装飾部652bと矩形状箱部618との衝突を避けることができる。
図91(a)から図91(b)までに示す状態では、軸線O1の左右方向変位と、張出装飾部652bの姿勢変化に伴う左右方向変位とが左右反対方向とされ、相殺するので、張出装飾部652bの左右方向変位が小さく抑えられていた。
これに対し、図91(b)から図92までに示す状態では、軸線O1の左右方向変位と、張出装飾部652bの姿勢変化に伴う左右方向変位とが左右同方向とされるので、変位が重ね合わされることにより、張出装飾部652bの左右方向変位量が大きくなる。
これにより、張出装飾部652bの姿勢変化としては常に軸線O1を中心とする回転動作が行われているにも関わらず、遊技者には、張出装飾部652bが、図90(a)から図91(b)までは小さな左右方向変位(細幅の変位軌跡)で上下方向に変位し、図91(b)から図92までは、左右方向に大きく変位するように案内されているように見せることができる。
従って、張出装飾部652bの変位を案内する構造(部材形状)と、遊技者が見る張出装飾部652bの変位により想定される構造と、の間に差を設けることができる。これにより、意外性のある演出を実行することができる。
即ち、張出装飾部652bの変位は、あたかも張出装飾部652bが矩形状箱部618の右側から左方へ飛び出すような変位として、遊技者に見せることができる。そのため、センターフレーム86(図30参照)の左右という、幅が狭く左右方向の変位が十分に確保できないであろう範囲において、左右方向に飛び出すという意外性のある変位を遊技者に見せることができることから、張出装飾部652bへの注目力を向上させることができる。
なお、便宜上、軸線O1の左右変位と張出装飾部652bの左右変位とを比較したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1は第1動作ユニット600の構成の一部の回転軸なので、この回転軸を中心として回転動作可能に構成される皿状蓋部C2の左右変位と、軸線O1の左右変位との意味は同じである。そのため、上述の説明を、皿状蓋部C2の左右変位と張出装飾部652bの左右変位との比較として理解しても良い。
図93は、図85のXCIII-XCIII線における第1動作ユニット600の断面図である。図93では、軸線O1と中間ギア644の回転軸とが通る平面における断面図が図示される。図93に示すように、後側回転部材654は有底筒状部645に正面側から配置される一方、中間ギア644は本体部641に背面側から配置され、開口645aが形成され連通される箇所でギア歯654aと中間ギア644とが歯合している。
図93に示すように、配線留め板663の直径が、半筒形状部651d,655aの外径よりも大きく形成されており、軸直角回転部材657の内径が配線留め板663の直径よりも小さくされていることから、配線留め板663により軸直角回転部材657の軸方向の変位を規制することができる。
本実施形態では、軸方向基端側(図93上側)において半筒形状部651d,655aに形成される段部と、配線留め板663と、の間に軸直角回転部材657が若干の隙間を空けて配置されている。これにより、軸直角回転部材657の脱落防止と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心軸方向における軸直角回転部材657の配置の安定化を図ることができる。
配線留め板663の挿通孔663bを通る締結ネジは、半筒形状部651d,655aにそれぞれ形成される雌ネジに螺入される。これにより、配線留め板663及び半筒形状部651d,655aが一体的に固定される。
図93に示すように、張出装飾部652bの配置は、第2装飾回転部材660に比較して後側とされることから、第2装飾回転部材660に比較して第3図柄表示装置81(図2参照)と前後方向で近接配置される。換言すれば、第3図柄表示装置81が配置される開口511a(図26参照)に前後方向で近接配置される。
これにより、第3図柄表示装置81と張出装飾部652bとが離れて配置される場合に比較して、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1に重なるように張出装飾部652bが配置され(図29参照)、表示領域が右側に拡大されているように遊技者に見せる(錯覚させる)作用を生じさせ易くすることができる。
特に、張出装飾部652bと第2装飾回転部材660とを同時に視認する場合(例えば、図29参照)には、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81から手前側に離れて配置され、第3図柄表示装置の表示とは独立して視認し易いことから、逆に、第3図柄表示装置81に正面側から近接配置される張出装飾部652bを表示の一部として遊技者に見せる(錯覚させる)作用を際立たせることができる。
換言すれば、特に目立つ対象(第2装飾回転部材660に相当)を一つ用意することによって、それ以外の構成(第3図柄表示装置81の表示や、張出装飾部652bに相当)の判別度合いが低くなるように図っている。これにより、第3図柄表示装置81の表示と張出装飾部652bとを区別し難くすることができる。
張出装飾部652bは、硬質樹脂から形成される部分であって、途中で形状を変化させることはできないが、電飾基板653に配設されるLED等の発光手段の発光態様(色や明るさ等)を変化させるように制御することで、張出装飾部652bの見え方(色や明るさ等)を変化させることはできる。
そのため、第3図柄表示装置81の表示領域で表示される動画に合うように、電飾基板653に配設されるLED等の発光手段の発光態様を変化させることで、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1に重なるように張出装飾部652bが配置され(図29参照)、表示領域が右側に拡大されているように遊技者に見せる(錯覚させる)作用を生じさせ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700の詳細の説明を改めて行う。図94は、張出状態における第2動作ユニット700の正面図であり、図95は、図94のXCV-XCV線における第2動作ユニット700の断面図である。
第2動作ユニット700では、上述のように、スライド変位において、昇降変位と前後方向変位とが同期して生じる(斜めに傾倒した前後方向にスライド変位する)ように構成されているところ、前後方向変位が過度に目立たないように、変位が滑らかに生じるように工夫されている。
例えば、第2動作ユニット700のスライド変位において、斜めに傾倒した前後方向への変位は単一の変位から構成されているのではなく、上下方向の変位と、前後方向の変位と、の組み合わせで構成されている。
即ち、まず、回動アーム部材720に連結される昇降板部材740は、金属棒702の長尺方向(上下方向)に昇降変位するように左端部において金属棒702に案内されている。左端部では、その他に、左側後板部材750や目隠し装飾部材768が昇降板部材740の前後に配置されており、昇降板部材740が前後方向に自由に変位することを防止している。これにより、昇降板部材740の変位方向を、上下方向に制限することができる。
昇降板部材740の右側部は、回動アーム部材720に支持されている。昇降板部材740の右端部は、固定の部材(背面ケース510に固定される部材)に支持されてはいないが、演出装置780を介して間接的に固定の部材(前上傾斜部714,751及び受傾斜部762)に支持される(図54参照)。これにより、昇降板部材740の右端部が前後方向に自由に変位することを防止しており、昇降板部材740の変位方向を上下方向に制限することができる。
そして、昇降板部材740に支持される演出装置780は、前後方向に変位するように円筒状部744(図50参照)に案内される。このように、斜めに傾倒した前後方向へのスライド変位を実現するにあたって、構成部材としての昇降板部材740や演出装置780の変位の案内が、重力方向と、水平方向と、でそれぞれ分けて構成されている。
これにより、斜めに傾倒した前後方向に案内する構成に比較して、変位抵抗を低く維持するように構成することを容易とすることができる。
図94及び図95で図示される第2動作ユニット700の張出状態は、覆設部材787の状態を切り替える変位(図57参照)を実行するよう制御可能な状態である。即ち、本実施形態では、張出状態の他の状態(例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や第2動作ユニット700の中間演出状態(図33参照))では、覆設部材787の状態を切り替える変位を生じないように第2動作ユニット700が制御される。
このように制御することで、覆設部材787の状態を切り替える変位の実行時に覆設部材787の左右端部が到達する左右位置と重なる位置に、右側前板部材710や左側後板部材750を配設するように構成しても、覆設部材787が右側前板部材710や左側後板部材750と衝突する事態が生じることを回避することができる。従って、右側前板部材710や左側後板部材750の配置自由度を向上することができる。
覆設部材787の状態を切り替える変位に対する、演出装置780の構成の工夫について説明する。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位の駆動力を生じる駆動モータ782(図56参照)は、演出装置780の左右中心位置(円筒状部744に挿通される挿通筒状部773の中心の真上に中心が配置される位置)に配置される。
これにより、駆動モータ782の自重により演出装置780の姿勢が左右に傾くことを回避するだけでなく、駆動モータ782から生じる駆動力の左右バランスを安定させることができる。
更に、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行可能な第2動作ユニット700の張出状態(図95参照)において、昇降板部材740を支持する回動アーム部材720の円筒状被締結部724の左右位置は、演出装置780の左右中心位置と同等か、右側位置とされる。
このように、昇降板部材740の右側部分の支持を、支持位置としての円筒状被締結部724が左右方向に変位し得る回動アーム部材720のみで構成しつつも、特に演出装置780の配置や姿勢の変動が生じ易いと想定される時、即ち覆設部材787の状態を切り替える変位の実行時における円筒状被締結部724の配置を演出装置780の左右中心位置と同等か、右側位置に設定することにより、演出装置780の配置や姿勢の安定化を図ることができる。
なお、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行する制御は、第2動作ユニット700が張出状態の時に限定して行われるが、覆設部材787の状態が切り替えられた後においては、第2動作ユニット700の状態を演出待機状態や、中間演出状態に変化させるよう制御することは可能である。
即ち、例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から、覆設部材787の状態を切り替え、且つ、第2動作ユニット700を中間演出状態とするためには、第2動作ユニット700を一旦、張出状態として、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行してから、第2動作ユニット700を中間演出状態に変化させるよう下降変位させるよう制御される。
図95に図示されるように、光拡散部材778bは、一組の前側支持部材760の内側端部と前後方向視で重なる程度に左右方向に長く形成されている。これにより、前側支持部材760に支持される回転筒部774e(図54参照)が遊技者に見られないように隠すことができるので、回転筒部774eの配置や形状が遊技者に把握されることで演出装置780が前後方向に変位していることを遊技者に把握される事態を回避することができる。
更に、光拡散部材778bは、第2動作ユニット700の張出状態において、固定配置の立体装飾部768aと、正面視で左右一列に重なって視認される(図94参照)。この状態における光拡散部材778b及び立体装飾部768aの配置は、正面視における第3図柄表示装置81の下縁部に沿い、下縁部の左右長さに亘って配置される。
光拡散部材778b及び立体装飾部768aの背面側には、それぞれ正面側にLEDが固定される基板が配設されており、対応するLEDから照射される光により光拡散部材778b及び立体装飾部768aの発光演出を実行することができる。この発光演出により、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁が光で区切られているように見せる演出をしたり、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁を光で明るくするように演出したりすることができる。
従って、本実施形態によれば、光拡散部材778bを、回転筒部774e(図54参照)を隠す部材としての機能と、立体装飾部768aと合同で発光演出を行う部材としての機能と、を兼ね備えるように構成することができる。
図95に示すように、横長部材742は、立体装飾部768aの後方であって、光拡散部材778bの後方から外れている範囲(左側の範囲)において正面側間隔を空けて覆設される覆設カバー742aを備える。
覆設カバー742aは、横長部材742の上下幅に亘って形成される目隠し用の部材であって、横長部材742との間の隙間で電気配線を通すことができるように配設される。即ち、演出装置780に通電するための電気配線は、目隠し装飾部材768の後方から、覆設カバー742aと横長部材742との間の隙間を通って、演出装置780側に案内され、駆動モータ782や、電飾基板778aや、検出センサ778d(図56参照)等に接続される。
この時、電気配線の前方には、覆設カバー742aだけではなく、光拡散部材778bや立体装飾部768aが折り重なって配置されているので、遊技者の視線を遮り易い構成であり、電気配線が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
換言すれば、本来は光演出のために配設される光拡散部材778bや立体装飾部768aを、電気配線の目隠しとして機能させるために電気配線の通り道の前方に配置することで、電気配線の目隠しのために必要となる覆設カバー742aの大きさを、最低限の大きさに抑えることができる。
なお、立体装飾部768aは、配置が固定されているので、演出待機状態(図31参照)や中間演出状態(図33参照)では横長部材742と前後に重ならず、電気配線の目隠しには使えない。
これを考慮して、本実施形態では、横長部材742の形成範囲を、正面視における光拡散部材778bの外方の範囲にしている。これにより、横長部材742及び光拡散部材778によって電気配線の目隠しを達成することができるので、第2動作ユニット700の状態(演出待機状態、中間演出状態、張出状態)に関わらず、電気配線が遊技者に視認されることを防止することができる。
図96及び図97は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図96では、一対の円筒状突設部781cが左右方向に延びる同一直線上に配置される上下反転部材781の横配置状態が図示され、図97では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態(図59(c)参照)が図示される。
一対の中間腕部材783は、同一形状で形成されるものではなく、上下反転部材781の横配置状態における下側面から上方へ向けて湾曲形成される湾曲形成部783dを備える。湾曲形成部783dは、上下反転部材781の縦配置状態において中間腕部材783と駆動ギア782aとの衝突を避けるため、駆動ギア782aから退避する方向に張り出すように湾曲形成される。
図98は、昇降反転演出装置770の正面斜視図である。図98では、覆設部材787を透過して内側を視認可能とするために、覆設部材の外形が模式的に想像線で図示される。
図98に図示されるように、磁石Mgは一対の覆設部材787が互いに近接配置される側ではなく、左右両端部付近に配置されている。従って、磁石Mgの磁力は、覆設部材787同士を直接的に合体させるように作用するのではなく、一対の覆設部材787にそれぞれ独立して作用する。
これにより、例えば、一方の覆設部材787の動作が不良となった場合に、それにつられて他方の覆設部材787の動作も不良となることを避けることができる。
また、例えば、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時において、左右方向変位の逆方向に磁力が作用することを回避することができる。即ち、上下反転部材781が正立の縦配置状態から回転動作を開始する場合に、磁力が作用するタイミングを遅らせることができる。
これにより、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時において、磁石Mgにより覆設部材787に与えられる負荷の変化を抑制することができるので、左右方向に離れ始める変位開始時に磁石の吸着を剥す必要がある場合に比較して、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時に、急激な磁力の変化に伴い覆設部材787が振動したり、変位が不安定となり動作不良を起こしたりする事態を回避し易くすることができる。
図98に示すように、磁石Mgは、左右で上下反対側に配置されているが、この効果について説明する。磁石Mgと当接して磁力が負荷される金属ネジが固定される回転位置安定用部785fは、前後方向同じ側に配置される(上下反転部材781が正立の縦配置状態において正面側、図55参照)。そのため、磁石Mgに金属ネジとの関係で生じる負荷の方向は、左右両側において前後同方向となる。
詳述すると、例えば、上下反転部材781が正立の縦配置状態(図59(a)参照)から倒立の縦配置状態(図59(c)参照)に変化する場合、正面視左側の覆設部材787は前転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(上側に配置されている)金属ネジの前方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての前方向の負荷が生じる一方、正面視右側の覆設部材787は後転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(下側に配置されている)金属ネジの前方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての前方向の負荷が生じる。
また、例えば、上下反転部材781が倒立の縦配置状態(図59(c)参照)から正立の縦配置状態(図59(a)参照)に変化する場合、正面視左側の覆設部材787は後転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(上側に配置されている)金属ネジの後方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての後方向の負荷が生じる一方、正面視右側の覆設部材787は前転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(下側に配置されている)金属ネジの後方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての後方向の負荷が生じる。
このように、回転動作する覆設部材787と、姿勢を維持して覆設部材787を支持する本体部材771や直動板部材784と、の間で磁石Mgによって生じる負荷の方向が、左右両側において前後同方向となるように構成される。
ここで、左右両側において前後逆方向の負荷が生じる場合(例えば、左側の磁石Mgが下位置に配置されることで左右両側の磁石Mgの配置が下位置とされ、左側の軸回転部材785の回転位置安定用部785fの配置が正立の縦配置状態において磁石Mgの背面側に配置されるよう設計変更する場合)、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に与えられる変位のモードが、昇降反転演出装置770を上下方向に延びる回転軸で回転させる態様となる。
この場合、昇降反転演出装置770に上下方向に延びる回転軸での回転方向の振動が生じ易くなる。特に、本実施形態のように、磁石Mgの吸着を剥す過程で傘歯部材785c(図96参照)が弾性変形し、磁石Mgの吸着が剥がれた後で傘歯部材785cの弾性回復を利用して覆設部材787を勢いよく回転動作させる構成では、昇降反転演出装置770に、上下方向に延びる回転軸での回転方向の振動が生じ易くなることが想定される。
更に、昇降反転演出装置770から負荷を逃がすことが困難となり、昇降反転演出装置770が破損したり、昇降反転演出装置770の耐久性が低下したりする可能性がある。そのため、長期で、昇降反転演出装置770の変位を安定させるという目的からすると、対策が必要となると考えられる。
これに対し、本実施形態では、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に、回転動作する覆設部材787と、姿勢を維持して覆設部材787を支持する本体部材771や直動板部材784と、の間で生じる負荷の方向が、左右両側において前後同方向となるように構成されるので、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に与えられる変位のモードを、昇降反転演出装置770を前後方向に変位させる態様とすることができる。
そのため、昇降反転演出装置770の変位(前後方向成分を有する変位)により容易に相殺することができ、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に破損が生じることを回避することができる。
第2動作ユニット700では、演出装置780のスライド変位の方向(上下方向成分と前後方向成分を有する方向、即ち、左右方向と直交する平面内での方向)と、覆設部材787が互いに近接配置される状態(上下反転部材781の縦配置状態)からの変位開始方向(左右方向)と、が直交する。
そのため、一方の変位が、他方の変位の慣性により生じることを回避し易くすることができる。例えば、演出装置780のスライド変位が実行される場合に、意図せず、覆設部材787が互いに近接配置される状態からの変位(互いに離れる方向の変位)が開始される事態を回避し易くすることができる。
次いで、第3動作ユニット800の詳細の説明を改めて行う。まず、中間腕部材850の詳細について説明する。図99(a)は、中間腕部材850の正面斜視図であり、図99(b)は、中間腕部材850の背面斜視図である。
図99(a)及び図99(b)に示すように、中間腕部材850は、長尺の棒部の軸方向位置が、増厚部852において切り替わるという特徴的な形状をしている。
図99(a)に示すように、増厚部852は、隣合う回動部材850の先端側棒部853と対向配置され、先端側棒部853と対向配置される基端側補強部852aと、軸方向に沿って正面側から肉抜き形成される凹設部852bと、を備えている。
基端側補強部852aは、凹設部852bと同様に肉抜きされているが、相対的な肉抜き量が小さくされ、変形抵抗が大きくなるように設計している。これにより、回動腕部材850の回転先端側という、回転における慣性力が大きくなり易い側に形成される先端側棒部853と当接することになっても、変形量が過大となることを回避することができる。
凹設部852bは、増厚部852の弾性変形の変形抵抗を弱めるよう作用する。これにより、増厚部852の可撓性を確保することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
増厚部852の短手方向の両側面には、湾曲形状で凹設形成される湾曲形状部852cが形成される。湾曲形状部852cは、合体状態において隣合う中間腕部材850の先端側棒部853の端部に形成される回転伝達部854の回転基端側に形成される湾曲形状部854dを滑らかに受け入れ可能な形状から形成される。
本実施形態では、個別合体状態(図66(a)参照)と一連合体状態とで、隣合う中間腕部材850同士が回動して近接配置される際の中間腕部材850の回動方向が逆転することになるので、中間腕部材850の短手方向側面のどちらの側面が湾曲形状部854dと近接配置されるかは、どちらの合体状態を構成するかで異なる。
この前提において、湾曲形状部852cが両側面に形成されていることから、いずれの合体状態においても湾曲形状部854dを滑らかに受け入れることができる。これにより、合体状態への状態変化をスムーズに実行することができる。
また、湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとが面で当接可能となるように設計されることで、合体状態において湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとの間で局所的に過大な負荷が生じることを抑制することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801により昇降変位可能に構成されているが、その昇降変位の方向と、装飾部材870,880の合体状態からの直動部材833や回転部材834の変位開始方向と、が必ずしも直交する関係にはない。
例えば、図66(a)に示すように、回転部材834の変位開始方向として認められる仮想位置線832Fが72度間隔で異なる方向として設定されているので、全ての回転部材834の変位開始方向と、昇降変位の方向と、が直交することは生じ得ない。
そのため、第3動作ユニット800の昇降変位時に生じる負荷や慣性によって、意図せず、回転動作(一体回転動作や切替回転動作)が生じる可能性がある。この誤動作への対策についての工夫を説明する。
図100は、金属棒832と中間腕部材850との変位を模式的に示す第3動作ユニット800の模式図である。
図100では、金属棒832の仮想位置線832Fの内、個別合体状態において下方に延びる仮想位置線832Fと、仮想位置線832Fと中間腕部材850の長尺方向との角度とが0.5度変化するまで正面視反時計回りに回転した仮想位置線832Fと、が図示される。
即ち、図100において、角度θ51は45度であり、角度θ52は44.5度である状態が図示されている。
図100に示すように、中間腕部材850は、切替回転動作の開始時において、回転部材834の回転動作を抑制した状態で、金属棒832の長手方向に沿って回転部材834をスライド移動させることができるよう構成される。
図100における角度θ51,θ52の変化量は、金属棒832に対する中間腕部材850の回転角度を意味しており、傘歯部834a,854c(図61参照)の歯合回転が生じる角度に対応する。
ここで、ギア歯の噛み合いを正立させるためにはバックラッシュ(隙間)が不可欠であり、この隙間の大小の設定で回転の応答性の良し悪しが変わる。バックラッシュの設定には種々の態様を選択可能であるが、本実施形態では、バックラッシュを0.5度で設定している。
即ち、合体状態における角度θ51が、角度θ52に変化するまでの間には、バックラッシュ(隙間)が埋まるに留まり、歯合回転は開始されない。一方で、中間腕部材850の回動先端側部は仮想位置線832Fに沿って第3動作ユニット800の径方向外側にスライド移動している。
即ち、合体状態(個別合体状態)からの切替回転動作の開始時には、回動部材834の回転動作が抑制され、主に、金属棒832に沿ったスライド移動が生じるように構成される。
図101は、第3動作ユニット800の正面模式図である。図101の説明では、図100を適宜参照する。図101では、一連合体状態における第3動作ユニット800が図示され、第3動作ユニット800の変位に対する抵抗力を生じるトルクリミッタ866及び磁石Mg2が図示される。
ここで、内側回転部材830が外側回転部材840に対して僅かに回転動作(例えば、約5度(図100参照)の回転動作)する程度では、回転部材834に回転が生じないように構成されている。
これにより、本実施形態のように、複数の第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態を維持するために磁石Mg2を採用し、周方向で吸着力を発生さえる構成であっても、合体状態からの第1装飾部材870及び第2装飾部材880の変位を直動変位に限定できることから、磁石Mg2の磁力による合体を維持し易くすることができる。
換言すれば、合体状態からの変位開始時において、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が金属棒832を中心として回転動作する場合には、磁力の方向に直交する方向で第1装飾部材870及び第2装飾部材880が変位することから、磁力が消失し易いと考えられる。これに対し、本実施形態における、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態からの変位開始時の変位は、あくまで5個の磁石Mg2が配置される平面に沿う変位(金属棒832に沿うスライド方向の変位)であることから、磁力による合体状態を維持し易い。
これにより、意図しない負荷の影響などにより、内側回転部材830が意図せず僅かに回転動作(例えば、約5度回転動作)した場合であっても、複数の第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態を維持し易くすることができる。
図101に示すように、トルクリミッタ866は、正方向への回転では、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、抵抗を低減する(空転する)ように切替回転DR1が生じるように構成され、逆方向への回転では、抵抗が低減される(空転する)ように空転回転AR1が生じるように構成される。この正逆の回転が反対で構成される一組で、トルクリミッタ866は構成されている。
詳述すると、本実施形態では、左側のトルクリミッタ866は、正面視時計回りの回転では、かけられる負荷が許容値に達するまでは抵抗を生じ、許容値を超えると空転するという切替回転DR1が生じるように構成される一方、正面視反時計回りの回転方向では、空転するという空転回転AR1が生じるように構成される。
また、右側のトルクリミッタ866は、正面視時計回りの回転方向では、空転するという空転回転AR1が生じるように構成される一方、正面視反時計回りの回転方向では、かけられる負荷が許容値に達するまでは抵抗を生じ、許容値を超えると空転するという切替回転DR1が生じるように構成される。
このように、一組のトルクリミッタ866が、それぞれ異なる回転方向で安全クラッチとして機能することで、上述のように、両方向で切替回転動作を実行することが可能に構成されている。
更に、回転方向での許容値を超える負荷が生じない状態においては、トルクリミッタ866に組み付けられる負荷応答ギア865(図61参照)を介して外側回転部材840に正逆両方向の抵抗がかけられるので、意図しない負荷(昇降変位の慣性力や、扉開閉時の衝撃力)に起因して生じ得る外側回転部材840の回転動作を抑制することができる。従って、一組のトルクリミッタ866によって、外側回転部材840の姿勢維持を図ることができる。
図101に示すように、磁石Mg2は、第2覆設部885の幅方向片側に固定され、5個の第2覆設部885が円環状に合体した状態において、同心円状に配置される。磁石Mg2は、隣合って近接配置される第2覆設部885に固定される金属ネジNj2との間で吸着力を生じる。
このように構成することで、特定の第2覆設部885の幅方向両側に磁石Mg2が配設される場合(即ち、特定の第2覆設部885に両隣りで近接配置される第2覆設部885の双方が、その特定の第2覆設部885に接近する方向の付勢力を磁石Mg2から受ける場合)に比較して、合体状態において特定の第2覆設部885から離れた位置で第2覆設部885間に生じる隙間が大きくなることを回避し、全ての隣合う第2覆設部885間の隙間を均一化することができる。
また、上述のように、第2装飾部材880の合体状態からの変位は径方向外側へのスライド移動として構成され、金属棒832を中心とする回転動作が開始されるまでには磁力による合体が解除される程度にまで離れるところ(図100参照)、磁石Mg2の磁力が、第2装飾部材880が整列される同心円の円周を短縮する方向(同心円の中心を向く方向)に作用するので、第2装飾部材880の径方向外側へのスライド移動の抵抗力となる。
また、この抵抗力が、360度を5等分した各方向から同等の大きさで生じるので、第3動作ユニット800が磁石Mg2から受ける負荷のバランスをとることができる。即ち、磁力Mg2が不均一に作用する場合に比較して、第3動作ユニット800の配置を安定させ易くすることができる。
第2装飾部材880の形状は5個とも共通とされ、磁石Mg2の配置も共通なので、各磁石Mg2の前後位置は同等とされる。これにより、磁石Mg2の磁力により、第2装飾部材880に前後方向成分を有する負荷が与えられることを回避することができるので、合体状態からの変位開始時または合体状態への到達直前時において磁力が前後方向に生じ、第2装飾部材880が前後方向に振動する事態を回避し易くすることができる。
図102は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。図102では、装飾部材870,880の個別合体状態に対応する配置状態が図示され、理解を容易とするために、中間腕部材850を想像線で図示し、後側に配置される外側回転部材840を視認可能としている。
図102に示すように、本実施形態では、中間腕部材850の一方向(図102では、正面視時計回り方向)への回転を規制する部分が少なくとも一箇所確保可能となるように構成され、多くは二箇所で中間腕部材850の回転を規制している。この中間腕部材850の回転を規制する構成について説明する。
まず、第1に、外側回転部材840の本体部841の外周面から径方向外側に突設される当接突設部845が挙げられる。当接突設部845は、隣合う延設腕部842の中間角度位置において、径方向外側へ向けて先細りする形状から形成され、内部が本体部841の軸方向と平行な方向に肉抜きされている。
この当接突設部845が、中間腕部材850の回転方向で中間腕部材850と対向配置され、中間腕部材850の増厚部852の湾曲形状部852cと当接可能に配置されることで、中間腕部材850の過回転を防止するよう構成している。
増厚部852は、凹設部852bにより弾性変形の変形抵抗が弱められている(図99(a)参照)。同様に、当接突設部845は肉抜きされている。これにより、中間腕部材850が高速で変位し、増厚部852の湾曲形状部852cと当接突設部845とが衝突した場合であっても、その際に生じる負荷を当接突設部845や増厚部852の弾性変形により吸収することができるので、当接突設部845や増厚部852の破損を回避することができる。
当接突設部845は、延設腕部842の中間角度位置としての全位置に配設されるのではなく、被検出部844が形成される角度位置においては形成が省略される。これにより、軸方向視における当接突設部845と被検出部844との配置をずらしており、外側回転部材840の成形金型の抜き方向を本体部841の軸方向に設定することができる。よって、成形金型の設計の容易化を図ることができる。
このように、本実施形態では、成形金型の設計の容易化の代償として当接突設部845の形成が省略されているが、本実施形態では、回動腕部材850の回転を規制する第2の構成として、増厚部852に基端側補強部852aが形成される。
基端側補強部852aは、隣合う回動部材850の回転方向で先端側棒部853(図99(a)参照)と対向配置され、先端側棒部853が過回転する際に当接可能に配置されることで、中間腕部材850の過回転を防止するよう構成している。
基端側補強部852aは、凹設部852bと同様に肉抜きされているが、相対的な肉抜き量が小さくされ、変形抵抗が大きくなるように設計している。これにより、回動腕部材850の回転先端側という回転における慣性力が大きくなり易い側と当接することになっても、変形量が過大となることを回避することができる。
湾曲形状部852cは、湾曲形状部854dと面で当接可能となるように設計されており、合体状態において湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとの間で局所的に過大な負荷が生じることを抑制することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
このように、回動腕部材850の変位は、当接突設部845が対向配置される場合には、当接突設部845との当接に加えて、隣合う回動腕部材850の湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとを当接させたり、隣合う回動腕部材850の基端側補強部852aと先端側棒部853とを当接させたりすることができるような構成により、回動腕部材850の過回転が規制される。
一方、当接突設部845の配置が省略される場合であっても、隣合う回動腕部材850の湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとを当接させたり、隣合う回動腕部材850の基端側補強部852aと先端側棒部853とを当接させたりすることができるような構成により、回動腕部材850の過回転を規制することができる。
これらの当接の構成は、5個の回動腕部材850で互いに関連するように構成している(循環配置されている)。そのため、一見、一箇所の当接突設部845の形成が省略され、その省略箇所に対応する回動腕部材850についてのみ回転を規制する構成が少ないので、当接時の負荷が集中するかのように思えるが、実際は、5個の回動腕部材850の相互作用により、当接時の負荷の分散を図ることができる。
これにより、単一の回動腕部材850(当接突設部845の形成が省略された箇所に対応する回動腕部材850)の耐久性が極端に低下することを防止することができる。
また、本体部841の外周面から、当接突設部845の背面側端部に沿う一平面上に円環板状に延設される円環板状部846の形成も、当接突設部845と同様に、軸方向視で被検出部844と重なる箇所において省略されている。
円環板状部846の形成の省略は、上述の当接突設部845の形成の省略と同様に、成形金型の設計の容易化の代償として説明することができるが、円環板状部846の奏する効果は、円環板状部846の形成が省略されている箇所においても、隣合う回動腕部材850(を支持する構成)により実現される。
即ち、円環板状部846の効果は、回動腕部材850の前後位置のずれの修正として説明することができる。即ち、合体状態(図64(a)参照)から、回動腕部材850が径方向外側へ変位し(図65(a)参照)、再び合体状態へ向かう際に、回動腕部材850の先端の配置が意図せず前後に位置ずれした場合であっても、基端側棒部851(図99(b)参照)の背面側側面が円環板状部846と対向配置され当接可能とされていることで、その当接により回動腕部材850の前後位置を修正することができる。
この作用は、円環板状部846が省略されている場合には、円環板状部846との当接が生じないことから奏することができない。一方で、本実施形成では、回動腕部材850の先端側棒部853の背面側側面が延設腕部842の正面側側面と対向配置されるので、回動腕部材850の先端の配置が前後に位置ずれした場合であっても、先端側棒部853の背面側側面が延設腕部842の正面側側面と対向配置され当接可能とされていることで、その当接により回動腕部材850の前後位置を修正することができる。
このように、本実施形態では、円環板状部846と同様の作用を、延設腕部842によって生じさせるように構成している。これにより、円環板状部846の形成を一部省略しながらも、回動腕部材850の前後配置を修正する効果を、全回動腕部材850に生じさせることができる。
図103(a)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図103(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。図103(a)及び図103(b)では、一連合体状態における外側回転部材840及び中間腕部材850の相対配置で図示される。
図103(a)で図示される状態は、図65(b)の状態から仮想位置線832Fが最大角度θ31E(本実施形態では、180度)まで回転した状態(切替回転動作が完了した状態)に対応し、図103(b)で図示される状態は、図67(b)の状態から仮想位置線832Fが最大角度θ31E(本実施形態では、180度)まで回転した状態(切替回転動作が完了した状態)に対応する。
一連合体状態と、個別合体状態(図64(a)、図66(a)参照)とを比較すると、中間腕部材850の外側回転部材840に近接する短手方向の側が逆転するため、当接突設部845に当接する湾曲形状部852cが反対側になったり、湾曲形状部854dに当接する湾曲形状部852cが逆になったりという違いがある。
この違いに対応することを目的として、当接突設部845は、本体部841の径方向を基準として正面視で線対称形状とされており、一対の湾曲形状部852c及び湾曲形状部854dは、中間腕部材850の長手方向線(回動基端と被支持孔854aとを結ぶ直線)を基準として正面視で線対称形状とされている。
更に、湾曲形状部852cの形状に合わせて、当接突設部845の湾曲形状と、湾曲形状部854dの湾曲形状とを、同様の湾曲形状として設計している。これにより、個別合体状態においても、一連合体状態においても、同様の係合関係で合体状態を構成することができる。
また、合体状態では、中間腕部材850の増厚部852が当接突設部845と湾曲形状部854dとに両側から挟まれる位置関係で構成される。これにより、中間腕部材850の増厚部852が、いずれの回動方向に変位することも抑制することができるので、中間腕部材850の状態を維持し易くすることができ、合体状態を保持し易くすることができる。
図104及び図105は、第3動作ユニット800の正面図である。図104では、装飾部材870,880が最外径位置に配置された状態(個別合体状態と一連合体状態との中間の状態)が図示され、図105では、一連合体状態が図示される。
図106は、図105のCVI-CVI線における第3動作ユニット800の断面図であり、図107は、図104のCVII-CVII線における第3動作ユニット800の断面図である。第3動作ユニット800の構成として、金属棒832と中間腕部材850との前後配置は任意に設定可能である。
中間腕部材850を金属棒832の正面側に配置すれば、遊技者は中間腕部材850越しに金属棒832を視認することになるので、金属棒832の視認性を下げることができる。これに対して、本実施形態では、図106及び図107に示すように、金属棒832が中間腕部材850の正面側に配置されている。
この配置により、支持部材としての金属棒832が中間腕部材850を部分的に隠す遮蔽部材として機能する。これにより、装飾部材ではなく機能部材としての中間腕部材850が目立つことを避けることができ、第3動作ユニット800の見栄えをよくすることができる。
金属棒832は、露出した状態(図104参照)においては、表面の光沢により光を反射する演出部材としても機能するので、外側発光部823b(図107参照)から照射される光による光演出の演出効果を向上することができる。即ち、金属棒832を光演出用の反射部材として利用することができる。
中間腕部材850が金属棒832の正面側に配置される場合には遊技者の目に入る光が中間腕部材850により遮られる可能性があるが、本実施形態では中間腕部材850が金属棒832の背面側に配置されるので、中間腕部材850により光が遮られ、見栄えが悪くなることを回避することができる。
このように、本実施形態では、金属棒832が露出する状態としての切替回転動作の途中の状態(図104及び図107参照)において、金属棒832を介して光を反射可能に構成することで、光演出を実行する範囲を拡張することができる。即ち、電飾基板823(図60参照)が配設される透光装飾部材824の後方の範囲のみならず、正面視で透光装飾部材824の径方向外側に張り出すように配設される金属棒832が露出して視認される範囲ER1(図104参照)においても、反射光を遊技者に視認させることができる。
なお、光を受ける部分として、膨出部824aは、内周面に、光拡散形状が円環状に形成される光拡散形状部824b(図106及び図107参照)を備える。内側発光部823aから照射された光は光拡散形状部824bに照射可能とされ、その光を受けた光拡散形状部824bは円環状に明るく光る。
これにより、装飾部材870,880の合体状態のみならず、装飾部材870,880の円環配置が解除される切替回転動作の最中においても、光拡散形状部824bが円環状に明るく視認されることにより、第3動作ユニット800の円環形状を利用した演出効果を維持し易くすることができる。
図104及び図105に示すように、透光装飾部材824は、合体状態において視認される膨出部824aだけでなく、その膨出部824aよりも正面視で径方向外方に延びる延設部824cを備えている。
延設部824cは、合体状態においては装飾部材870,880に隠されることになり装飾部としての機能が低いが、図104に示す切替回転動作の途中において、機構部分の目隠しをする効果を奏する。
即ち、図104及び図107に示すように、延設部824cは、内側回転部材830の本体部831や、外側回転部材840の延設腕部842等(図61参照)、演出に利用し難い機構部分を遮蔽して目隠しできる程度の大きさで形成される。
そして、膨出部824aだけでなく、延設部824cの正面側にも装飾模様が施されているので、機構部分を遮蔽して目隠ししている範囲について装飾模様を視認させることができ、演出効果を向上することができる。
第3動作ユニット800の駆動制御の一例について説明する。まず、昇降アーム部材801が駆動制御されることによる第3動作ユニット800の昇降変位と、駆動モータ861が駆動制御されることによる第3動作ユニット800の回転変位との関係について説明する。
本実施形態によれば、第3動作ユニット800の昇降変位と、回転変位とは、独立して実行可能に構成されているが、例えば、第3動作ユニット800の昇降変位時の慣性負荷により、連動して第3動作ユニット800に回転変位が生じる可能性がある。この場合、第3動作ユニット800が姿勢変化したり、第3動作ユニット800の合体状態が解除されたりする(磁石Mg2の吸着力に対抗して装飾部材870,880が径方向外側へ変位する)ことにより、演出効果が低下する可能性がある。
これを回避するために、例えば、第3動作ユニット800の昇降変位と、第3動作ユニット800の回転変位(特に、一体回転動作)と、を同時に実行するように制御しても良い。
これにより、第3動作ユニット800の昇降変位時の回転変位を演出動作として遊技者に見せることができるので、演出効果の低下を防ぐことができる。更に、一体回転動作の継続中には、装飾部材870,880を径方向内側へ変位させる方向に負荷がかかり続けるので(図101参照)、第3動作ユニット800の合体状態が解除されることを回避することができる。
また、昇降変位と回転変位とを同時に実行する制御を行わないまでも、第3動作ユニット800の姿勢を、昇降変位により回動腕部材850が変位し難い姿勢となるように、予め第3動作ユニット800の回転方向の姿勢を調整するように制御しても良い。
検出センサ813による外側回転部材840の被検出部844の検出態様が変化することは(図68参照)、本実施形態では、内側回転部材830の回転態様が一体回転動作で実行されていることを意味する。そのため、これを前提に検出センサ813の検出態様と、第3動作ユニット800の制御とを関連付けて設計することが想定される。
この前提は、切替回転動作が、外側回転部材840の姿勢を維持した状態(内側回転部材830と外側回転部材840とが連動しない状態)で行われることに基づくものである。そのため、この前提が崩れる可能性がある状態は回避することが好ましい。
本実施形態では、内側回転部材830が駆動モータ861の駆動力で回転制御される際に、トルクリミッタ866によりかけられる抵抗が外側回転部材840の回転を抑制するように作用することで外側回転部材840の姿勢が維持される。
そのため、例えば、切替回転動作の実行中に金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗が大きくなり、内側回転部材830と外側回転部材840との間の動作抵抗が大きくなり、トルクリミッタによりかけられる抵抗を超える場合には、外側回転部材840と内側回転部材830とが連動して、切替回転動作が適切に実行できなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗を低減するように構成している。
例えば、合体状態からの直動部材833及び回転部材834を変位させる中間腕部材850の回動先端の変位方向は、金属棒832の長手方向に沿う方向となる。即ち、金属棒832の回転方向と直交する方向に中間腕部材850が変位するので、金属棒832の回転の抵抗を生じ難くすることができ、金属棒832と、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850との間で生じる抵抗を小さく抑えることができる。
直動部材833及び回転部材834が径方向外方終端位置に配置される状態(図104参照)では、中間腕部材850の回動先端側(例えば、被支持孔854a)の変位方向が金属棒832の回転方向と沿うので、速度が不十分な場合等には特に、金属棒832と中間腕部材850とが平行移動する状態を構成し易い。この場合、切替回転動作が不良となる。
これに対し、本実施形態では、切替回転動作を開始したら合体状態に至るまで十分な速度で駆動を継続するという制御態様を採用しており、直動部材833及び回転部材834が径方向外終端位置に配置される状態(図104参照)では、装飾部材870,880が金属棒832を中心として回転動作するように慣性を受ける。
この慣性の影響で、装飾部材870,880に締結固定されている回転部材834が回転し、傘歯部834aと傘歯部854cとが歯合回転するので、中間腕部材850の回動先端側が径方向外方終端位置を通過して径方向内側へ回動する(図65(b)及び図67(b)参照)。
径方向外方終端位置を外れた状態では、中間腕部材850の回動先端側が金属棒832に沿う方向で変位し易くなり、金属棒832の回転動作に対する抵抗を小さく抑えやすくすることができる。
このように、本実施形態では、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗の低減を、部材間の関係や、駆動制御の設計によって実現するように図っている。
切替回転動作中においては外側回転部材840の姿勢が維持され、被検出部844の配置が変化しないことから、切替回転動作の終了タイミングを、検出センサ813による被検出部844の検出態様の変化で判定することはできない。
例えば、合体状態に到達したタイミングで駆動モータ861を停止させる制御は、切替回転動作に必要十分な駆動時間を予め設定しておき、その駆動時間で駆動を停止するよう制御することで実現可能となるが、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗の程度によっては、駆動時間が同じであっても変位量が異なる場合があり、合体状態となる前に駆動停止する可能性がある。この場合、演出効果が低くなる可能性がある。
これに対し、合体状態に到達したタイミングで駆動モータ861を停止させる制御態様ではなく、検出センサ813による被検出部844の検出態様が変化したことで、切替回転動作が終了して一体回転動作が始まったことを判定し(図68参照)、この判定後に駆動モータ861を停止させるよう制御しても良い。この制御により、切替回転動作の実行後に、装飾部材870,880が合体状態に到達していない状態で駆動モータ861の駆動が停止される事態を回避することができる。
駆動制御として、切替回転動作は第3動作ユニット800の張出状態において実行されることは上述の通りであるが、一体回転動作については、第3動作ユニット800の状態に左右されずに実行可能である。
駆動制御として、第3動作ユニット800の回転方向の配置に左右されず、切替回転動作を実行可能であるので、図68で上述したように、大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。即ち、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されている状態(図66(a)参照)からに限定されず、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されていない状態からでも切替回転動作を実行することができる。
一方で、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されている状態で切替回転動作を実行する場合と異なり、切替回転動作の終了後から被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するまでは、検出センサ813の出力が変化しないので、制御態様を工夫する必要がある。
例えば、検出センサ813の出力によらず、切替回転動作に必要十分な駆動期間として予め設定される駆動期間で切替回転動作を実行するようにしても良いし、被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するまで駆動モータ861の駆動を継続するよう制御するようにしても良い。
後者の場合、切替回転動作の終了後は一体回転動作に動作態様が移行して、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入することにより、既に切替回転動作が終了し装飾部材870,880が合体状態となっていることを判定することができる。
一方で、駆動モータ861の駆動を、切替回転動作から一体回転動作に移行して被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するのに十分な時間長さで実行しているにも関わらず、検出センサ813の出力が変化しない場合には、その検出センサ813の出力に基づいて、第3動作ユニット800に動作不良が生じていると判定することができる。
また、後者の場合、第3動作ユニット800の任意の回転配置から、切替回転動作が実行され、一連合体状態(図32参照)が維持されている状態において、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入するまで駆動が継続される。
第3動作ユニット800の一連合体状態では、上述のように、回転配置が異なっても見映えが異なりにくい。そのため、一連合体状態で検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入するまで第3動作ユニット800の回転変位を継続しても、演出効果が低下することを回避し易くすることができる。
更に、図68に示す反転演出時から通常演出時に復帰させる制御をする場合には、被検出部844が検出センサ813の検出溝に既に配置されていることから、切替回転動作の終了後に検出センサ813の出力が変化するまでの期間を最短化することができる。換言すれば、検出センサ813の検出溝に配置されている被検出部844が検出溝から退避する程度の短い駆動期間で十分であるので、反転演出時から通常演出時に復帰させる制御に要する長さを最短化することができる。
このように、本実施形態によれば、通常演出時から反転演出時に切り替える切替回転動作を開始する第3動作ユニット800の回転配置の自由度の向上を図っており、通常は復帰動作が長期化する場合があるところ、復帰動作としての反転演出時から通常演出時への切替回転動作の短縮化を図っている。
即ち、第3動作ユニット800の回転配置の違いを戻すための復帰動作の一部(被検出部844を検出センサ813の検出溝に配置するまでの回転変位)を、回転配置が異なっても見映えが変わり難い一連合体状態において行うことで、復帰動作中の第3動作ユニット800の演出効果の低下を回避することができる。
更に、予め復帰動作の一部を行っておくことで、残りの復帰動作としての切替回転動作に要する期間の短縮化を図ることができる。
各動作ユニット600,700,800の内、複数の動作ユニット600,700,800で共通して採用されている構成について、その採用態様の違いの理由も含めて横断的な説明を行う。
まず、第1の横断的な説明として、各動作ユニット600,700,800で共通して採用されている検出センサKS1,713,778d,813について構成を確認し、その採用態様(センサの個数、被検出片の形状等)の違いの理由について説明する。
第1動作ユニット600の検出センサKS1は、第1動作ユニット600の配置を検出するための検出装置であって、検出溝に延設部634bが進入可能とされる。第1動作ユニット600が備える検出装置は1個の検出センサKS1のみである(図41参照)。回動部材620、被支持部材640、張出装飾部652b及び第2装飾回転部材660という複数の変位部材について、回動部材620の姿勢が定まれば他の変位部材の配置や姿勢が定まるように構成していることから、1個の検出センサKS1での検出結果により、複数の変位部材の配置や姿勢を判定することができる。これにより、検出装置の配設個数を低減することができる。
第2動作ユニット700の検出センサ713は、第2動作ユニット700のギアカム部材734の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に被検出部735が進入可能とされる。第2動作ユニット700がギアカム部材734の姿勢を検出するための検出装置は3個であり(図50参照)、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応する。
演出待機状態を判定する検出センサ713は、初期位置への復帰を判定するために必要となる。張出状態を判定する検出センサ713は、上昇変位終端位置への到達を判定するために必要となる他、昇降反転演出装置770の反転動作や、意図しない負荷の影響による位置ずれの判定のために必要となる。中間演出状態を判定する検出センサ713は、中間演出状態での上下位置への到達を判定するために必要となる他、意図しない負荷の影響による位置ずれの判定のために必要となる。以下、反転動作と、意図しない負荷の影響とについて、順に説明する。
まず、反転動作について説明する。第2動作ユニット700では、ギアカム部材734の回転動作に連動して生じる昇降反転演出装置770の上下変位の他、昇降反転演出装置770の反転動作(図59参照)が可能に構成される。
反転動作により昇降反転演出装置770が上下方向に変位する可能性があるので、例えば、単一の検出センサ713(演出待機状態を判定する検出装置)のみを採用する場合には、張出状態や中間演出状態における上下方向の位置ずれを判定することができず、適正な演出動作が実行できない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応した検出センサ713を備えている。そのため、例えば、張出状態で昇降反転演出装置770を反転動作させたことで昇降反転演出装置770が上下方向に変位したことを判定でき、この判定結果を基にギアカム部材734の姿勢を適正に(張出状態となるように)修正する方向に駆動モータ731を回転させることで、昇降反転演出装置770の配置を適正に保つことができる。
なお、本実施形態では、反転動作は第2動作ユニット700が張出状態の時(ギアカム部材734が動作終端側の時)にのみ許容されるので、反転動作時の位置ずれの修正は、ギアカム部材734を動作終端側に回転させれば良く、容易である。
次に、意図しない負荷の影響について説明する。第2動作ユニット700では、ギアカム部材734の回転動作により回動する回動アーム部材720に連動して生じる昇降板部材740の上下変位の他、その昇降板部材740の上下位置に対応した前後位置に変位するための昇降板部材740を基準とした昇降反転演出装置770の前後変位が生じる(図52から図54参照)。
そのため、遊技機の前後幅方向にかけられる負荷で昇降反転演出装置770が前後方向に変位することに伴って、昇降反転演出装置770及び昇降板部材740の上下位置が変動し、これに伴ってギアカム部材734の姿勢が変化する可能性がある。遊技機の前後幅方向にかけられる負荷としては、遊技者が遊技機を叩くなどする場合の衝撃負荷や、正面枠14を開閉する際の負荷等が例示される。
前後幅方向の負荷により昇降反転演出装置770が上下方向に変位する可能性があるので、例えば、単一の検出センサ713(演出待機状態を判定する検出装置)のみを採用する場合には、張出状態や中間演出状態における上下方向の位置ずれを判定することができず、昇降反転演出装置770が適正な配置に維持できない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応した検出センサ713を備えている。そのため、例えば、中間演出状態で前後幅方向の負荷が遊技機にかけられ、昇降反転演出装置770及び昇降板部材740の上下位置が変動した場合に、連動してギアカム部材734の姿勢が変化するので、昇降反転演出装置770が上下方向に変位したことを判定でき、この判定結果を基にギアカム部材734の姿勢を適正に(中間演出状態となるように)修正する方向に駆動モータ731を回転させることで、昇降反転演出装置770の配置を適正に保つことができる。
なお、中間演出状態に対応した検出センサ713にギアカム部材734の被検出部735が配置されている状態から、意図しない負荷により被検出部735が検出センサ713から外れたと判定された場合、本実施形態では、被検出部735がいずれの方向に外れたのかの判定まではできないが、先に演出装置780を下降変位させる方向に駆動モータ731を駆動するように制御している。これにより、第2動作ユニット700と第3動作ユニット800とが衝突する事態を未然に回避することができる。
本実施形態では、この駆動により、被検出部735が再度、中間演出状態に対応した検出センサ713に進入した場合には、意図しない負荷による被検出部735の変位は、演出装置780を上昇変位させる側に生じていたことが分かり、その時点で駆動を停止するようにすれば、意図しない負荷によって生じた影響を相殺することができる。
また、この駆動により、被検出部735が中間演出状態に対応した検出センサ713に進入することなく、演出待機状態に対応した検出センサ713に進入した場合には、意図しない負荷による被検出部735の変位は、演出装置780を下降変位させる側に生じていたことが分かり、再度上昇変位させるように駆動を継続して中間演出状態に対応した検出センサ713に被検出部735が進入した時点で駆動を停止するようにすれば、意図しない負荷によって生じた影響を相殺することができる。
なお、検出センサ713の検出溝に進入する被検出部735については、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ713の検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、ギアカム部材734の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
検出センサ778dは、第2動作ユニット700の上下反転部材781の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが進入可能とされる。第2動作ユニット700が上下反転部材781の姿勢を検出するための検出装置は2個であり(図56参照)、それぞれ、上下反転部材781の正立の縦配置状態と、倒立の縦配置状態と、に対応する。
第2動作ユニット700は、上下反転部材781の正立の縦配置状態(図59(a)参照)と、倒立の縦配置状態(図59(c)参照)とにおいて、左右一対で配設される覆設部材787が近接する合体状態とされる。
例えば、単一の検出センサ778d(上下反転部材781の正立の縦配置状態を反転する検出装置)のみを採用する場合には、正立の縦配置状態からの上下反転部材781の姿勢ずれは判定できるので、判定結果に基づいて覆設部材787の合体状態を維持するように駆動モータ782を駆動制御することは可能である。一方で、倒立の縦配置状態からの上下反転部材781の姿勢ずれを判定することはできないので、倒立の縦配置状態における覆設部材787の合体状態が、意図しない負荷や、制御不良等により状態変化した場合であっても、その状態変化を検出センサ778dで判定することはできず、合体状態が解除された状態が継続することになり、演出上好ましくない。
これに対し、本実施形態によれば、上下反転部材781の正立の縦配置状態と、上下反転部材781の倒立の縦配置状態と、に対応した検出センサ778dを備えている。そのため、正立の縦配置状態か、倒立の縦配置状態かに関わらず、合体状態からの状態変化が生じたことを検出センサ778dにより判定することができ、その判定結果を基に合体状態に戻す側に駆動モータ782を駆動制御することで、覆設部材787を合体状態に戻すことができる。これにより、第2動作ユニット700の演出効果を向上することができる。
なお、検出センサ778dの検出溝に進入する円弧状突設部781dについては、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ778dの検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、上下反転部材781の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
第3動作ユニット800の検出センサ813は、第3動作ユニット800の外側回転部材840の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に被検出部844が進入可能とされる(図60参照)。第3動作ユニット800が外側回転部材840の姿勢を検出するための検出装置は1個であり、この単一の検出装置が、外側回転部材840自体の回転と、外側回転部材840の回転が停止した状態における内側回転部材830の回転(切替回転動作)と、の判定に利用(兼用)される。
なお、検出センサ813の検出溝に進入する被検出部844については、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ813の検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、外側回転部材840の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
検出センサ813は、外側回転部材840の姿勢を検出する目的から配設され、個数も1個と少ないので、装飾部材870,880の合体状態からのずれを判定するには不十分である。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない姿勢で外側回転部材840が維持されている時に合体状態が解除されるような変位が生じても、それを検出センサ813で判定することはできない。
そのため、合体状態からのずれを判定してから、合体状態に復帰させるという制御よりは、一定の時間間隔で、装飾部材870,880を合体状態へ復帰させる方向(個別合体状態(図66(a)参照)では正面視で内側回転部材830を時計回りに回転させる方向、一連合体状態(図103(b)参照)では正面視で内側回転部材830を反時計回りに回転させる方向)に駆動モータ861を一定時間(例えば、短時間)回転させるよう駆動する制御が好ましいと考えられる。
この制御により、装飾部材870,880の合体状態が予期せず解除された場合であっても、一定の時間間隔での駆動モータ861の駆動により装飾部材870,880を合体状態に復帰させることができるので、装飾部材870,880の合体状態が解除されたまま長期に亘り維持されることを回避することができる。
第2の横断的説明として、磁石Mg,Mg2の作用について説明する。上述のように、第2動作ユニット700では磁石Mgが覆設部材787の姿勢維持に機能しており、第3動作ユニット800では磁石Mg2が装飾部材870,880の合体状態の維持に機能しているように、類似の技術を採用しているが、それぞれ、磁石Mg,Mg2が生じる負荷の方向の設計思想が異なるので、ここで説明する。
第2動作ユニット700では、左右にそれぞれ配設される磁石Mgと金属ネジとの間で生じる磁力の方向が、左右両位置において、前後方向で揃うよう設計されている。換言すれば、磁力の作用線が、覆設部材787の回転動作の回転軸としての金属棒785aと直交する平面に平行となるように設計されている。
この場合、磁石Mgの磁力が金属棒785aの軸方向に生じる場合と比較して、覆設部材787が互いに近接離反するスライド変位の抵抗として生じる磁力の程度(大きさ)を下げることができる。これにより、覆設部材787の動作開始時の動作抵抗を下げることができる。
一方、第3動作ユニット800では、装飾部材880に配設される磁石Mg2と金属ネジNj2との間で生じる磁力の作用線の方向が、装飾部材880の回転動作の回転軸としての5本の金属棒832が配置される平面(内側回転部材830の回転軸に直交する平面)と、平行な一平面上に配置されるよう設計されている。
この場合、磁石Mg2の磁力により装飾部材870,880に回転動作方向の負荷がかけられる程度を下げることができるので、磁力により、装飾部材870,880が回転動作方向にぐらつく誤動作を回避し易くすることができる。
第3の横断的説明として、第3図柄表示装置81等の表示装置における表示と、動作ユニット600,700,800とを一体的に視認させる演出について説明する。
第1動作ユニット600では、張出装飾部652bが第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1と重なって見えるよう配置される(図29参照)。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1付近に、張出装飾部652bを配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と張出装飾部652bとをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2が、センターフレーム86の内側下縁部と、開口511aの下縁部と、の間において高さを合わせて配置される(図26及び図52参照)。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁付近に、第1副装飾面787a2を配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と第1副装飾面787a2とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
第3動作ユニット800では、個別合体状態で遊技者が視認可能となる各第1覆設部875には異なる装飾がされており、張出状態では、その周囲を正面視で囲むように第3図柄表示装置81の表示領域が配置される。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域における第1覆設部875と近接した範囲において、第1覆設部875を配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と第1覆設部875とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
また、第3動作ユニット800が一体回転動作するように駆動制御すれば、各第1覆設部875が回転するルーレット状の動作演出を実行可能となるが、その際にも、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域における第1覆設部875と近接した範囲において、第1覆設部875と並走するように表示を動かすことで、表示領域と第1覆設部875とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
次いで、図108を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、流路構成部334~336の内部形状が固定である場合を説明したが、第2実施形態の振分装置2300では、内部形状を可変とする第1流路構成部2334を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第1実施形態での第1流路構成部334の代替部として第1流路構成部2334を説明する際、右側に配設される構成について図示して説明するが、左側に配設される構成についても第1流路構成部2334とすることはできる。また、左右一方だけ第1流路構成部2334とし、他方は第1流路構成部334とするように、左右で構成を異なるようにしても良い。
図108は、図15のXVI-XVI線に対応する線における第2実施形態における振分装置2300の断面図である。図108に示すように、振分装置2300の第1流路構成部2334は、湾曲突部334bの下部において前後方向に穿設される貫通孔2410と、その貫通孔2410に沿って前後にスライド変位可能に案内されるスライド部材2420と、そのスライド部材2420をスライド変位させる駆動力を発生可能となるように後側枠状部332内部に配設されるソレノイド2430と、を備える。
図108では、ソレノイド2430の非励磁状態におけるスライド部材2420の前側配置FPが実線で図示されている。ソレノイド2430に通電されると、ソレノイド2430の駆動力によりスライド部材2420が後側配置RPまでスライド変位する。
本実施形態では、スライド部材2420の前側配置FPでは、スライド部材2420の上側面が、固定の流路の底面であって球が転動可能な底面2334cよりも内側(上側)に張り出し、後側配置RPでは、スライド部材2420の上側面が底面2334cよりも内側(上側)には張り出さない(没入する)ように構成される。
即ち、スライド部材2420の前側配置FPでは、スライド部材2420の上側面に球が当接し、スライド部材2420の後側配置RPでは、スライド部材2420と球とは当接しない。
スライド部材2420の上側面は、底面2334cと平行な平面として形成される。そのため、球が底面2334cを転動している際にスライド部材2420のスライド変位が生じても、球の流下態様に対する影響を小さく抑えることができる。
底面2334cを転動する球の流下方向は斜め前下方向であり、スライド部材2420のスライド変位の方向は前後方向であるので、スライド部材2420のスライド変位の方向が球の流下方向に沿う。そのため、スライド部材2420のスライド変位が、球の回転の強弱に影響する。
球は、底面2334cを前方へ向けて転動するので、進行方向(前方)へ向けて前転する方向の回転が生じることになる。ソレノイド2430が非励磁の状態(図108参照)から、ソレノイド2430に通電されることにより、スライド部材2420が前側配置FPから後側配置RPにスライド変位される場合、スライド部材2420の上側面を転動している球の下端に対して後方向への負荷(摩擦力)が生じる。そのため、球の前転方向の回転が加速され、球の回転の程度を大きくでき、球の転動速度を増速させることができる。
一方、ソレノイド2430が通電されている状態から、非励磁の状態(図108参照)へと変化されることで、スライド部材2420が後側配置RPから前側配置FPにスライド変位される場合、底面2334bを転動している球の下端に対してスライド部材2420の上側面を介して前方向への負荷(摩擦力)が生じる。そのため、球の前転方向の回転が減速され、球の回転の程度を小さくでき、球の転動速度を減速させることができる。
更に、底面2334bの上下位置よりも、前側配置FPにおけるスライド部材2420の上側面の上下位置の方が上側にあるので、スライド部材2420からの摩擦力に加えて、球を上側に押し上げる方向の負荷が生じる。そのため、下方へ向けて転動する球の上下方向の速度を低減させることができるので、球の流下速度を減速させることができる。
このように、本実施形態によれば、球が底面2334bを転動している時にスライド部材2420のスライド変位を生じさせる制御を実行することで、振分装置2300の内部を流下する球の流下速度を変化可能とすることができる。これにより、球が、球通過孔163bを通過してから分岐箇所BP1(図74参照)に到達するまでの時間を変化可能に制御することができる。
本実施形態では、スライド部材2420が第2流路構成部335よりも後方に配置されているので、スライド部材2420により球が影響を受けている最中の様子を、遊技者に把握され難くすることができる。
即ち、遊技者が視認し易く注目が集まり易い第2流路構成部335に球が導入される前段階でスライド部材2420と球との当接を生じさせることになるので、球に回転を付加したり、上下方向に変位させたりする様子を遊技者に把握され難くすることができる。これにより、第2流路構成部335を流下する球を視認する遊技者に与える違和感を小さくすることができる。
本実施形態では、球が底面2334cの上側に配置されている時にスライド部材2420が変位する場合には当接負荷が与えられる一方で、スライド部材2420の変位前後(停止時)に底面2334cの上側を通過する球にはスライド部材2420との当接負荷が与えられない。
従って、スライド部材2420の動作中に底面2334cの上側に配置される球と、スライド部材2420の停止中に底面2334cの上側に配置される球とで、流下態様(回転、回転の変化、流下速度、流下速度変化、等)を異ならせることができる。
次いで、図109を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が左右に並んで配置される場合を説明したが、第3実施形態の振分装置3300では、確変検出センサSE11の配置が通常検出センサSE12の後側に移動されることで、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が前後に並んで配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置の変更例として左右中央よりも右側において説明を行うが、左右よりも左側における構成は任意に設計可能である。例えば、左側においては、第1実施形態と同様に確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12を左右に並べて配置するようにして、振分装置3300の左右で確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置が異なるように構成しても良いし、左側においても、以下で詳述するように前後に並べて配置されるようにして、振分装置3300の左右で確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置が対称となるように構成しても良い。
図109(a)及び図109(b)は、図15のXVII-XVII線に対応する線における第3実施形態における振分装置3300の断面図である。図109(a)では、電磁ソレノイド361(図17参照)が非励磁とされ、スライド変位部材3370が前側位置に配置された状態が図示され、図109(b)では、電磁ソレノイド361に通電されスライド変位部材3370が後側位置に配置された状態が図示される。
また、図109(a)及び図109(b)では、第3流路構成部336を流れた後の球の案内経路が想像線で図示される。このように、スライド変位部材3370の配置によって、球の案内経路が変化される。
図109(a)及び図109(b)に示すように、振分装置3300の中部材3330には、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12への球案内経路を区画する後側枠状部3332が、左側から球を受入可能に開放される形状で構成されている。
スライド変位部材3370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されている。スライド変位部材3370の後側位置(図109(b)参照)は、上突設部376の前側面376aの右端部と、確変検出センサSE11へ球を案内する経路入口として後側枠状部3332に形成される開放部3332gの後側内面と、が左右で揃う(又は、前側面376aの右端部の方が若干前側に配置される)位置として設定される。
このようにスライド変位部材3370の位置を設定することで、スライド変位部材3370が前側位置に配置されていれば、第3流路構成部336を通過した球がスライド変位部材3370の前側面376aに当接しながら右側へ流され、通常検出センサSE12を通過する一方で、スライド変位部材3370が後側位置に配置されていれば、第3流路構成部336を通過した球がスライド変位部材3370の前側面376aに当接しながら右側へ流され、確変検出センサSE11を通過するように構成することができる。
即ち、通常検出センサSE12を通過する球の流下経路と、確変検出センサSE11を通過する球の流下経路とが、双方共に、第3流路構成部336を通過した後で右方に流れる流下経路で構成される。違いは、右方に流れる前後位置のみである。
そのため、正面側から第3流路構成部336を視認する遊技者目線で、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの判別を困難とすることができる。
スライド変位部材3370は、薄板部371の前端部から正面側に棒状に延設される一対の棒状案内部3371cと、上突設部376に一体的に形成される上前突設部3376bと、上突設部376に一体的に形成される上横突設部3376cと、を備える。
棒状案内部3371cは、上側面が球案内部371bの上面と面一とされ、第3流路構成部336を流下する球の球中心の左右両側に左右一対で形成されており、排出孔337の前側面を貫通して、第3流路構成部336の下面裏側に収容可能に構成される。
即ち、スライド変位部材3370が前側位置に配置される場合には、棒状案内部3371cは第3流路構成部336の下面裏側に配置されることで球とは当接せず、スライド変位部材3370が後側位置に配置される場合には、棒状案内部3371cは排出孔337の前側面と球案内部371bとの前後方向隙間に亘って配設される。
このように棒状案内部3371cを構成することで、スライド変位部材3370が後側位置に配置されている時に、球の下側左右部を棒状案内部3371cで支持することができ、球をスライド変位部材3370まで橋渡しすることができる。
これにより、スライド変位部材3370が後側位置に配置されている時に、球が通常検出センサSE12へ向けて流下する事態を回避し易くすることができる。即ち、棒状案内部3371cにより、流下球の誤案内を回避し易くすることができる。
また、第3流路構成部336を通過した球の配置が、球案内部371bの上面と面一で形成される棒状案内部3371cの上面に乗る配置とされることで、球と球案内部371bとが前後方向で正面衝突する事態を回避することができる。即ち、棒状案内部3371cにより、球と球案内部371bとが正面衝突して球が前方に逆流する事態や、球案内部371bの前側面と排出孔337の前側面との間に球が挟まって動作が不良となる事態を、回避し易くすることができる。
上前突設部3376bは、第1実施形態で上述した前後長突設部317(図18参照)と同様の形状部が、第1実施形態のスライド変位部材370の前側位置における相対位置と同様の位置関係で上突設部376と一体形成される形状部である。
上横突設部3376cは、第1実施形態で上述した左右内突設部318(図18参照)と同様の形状部が、第1実施形態のスライド変位部材370の前側位置における相対位置と同様の位置関係で上前突設部3376bと一体形成される形状部である。
これにより、上前突設部3376b及び上横突設部3376cが、当接した球に与える作用は、スライド変位部材3370の配置に関わらず、上突設部376付近を流下する球に対する作用として生じる。
換言すれば、前後長突設部317や左右内突設部318(図18参照)のように固定配置される場合と異なり、スライド変位部材3370が後側位置に配置される状態において、突設部3376b,3376cが、上突設部376の前方位置に到達した球を通常検出センサSE12側へ勢い付けする作用を排除することができる。
次いで、図110及び図111を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が左右に並んで配置される場合を説明したが、第4実施形態の振分装置4300では、通常検出センサSE12の配置が確変検出センサSE11の後側に移動されることで、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が前後に並んで配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図110(a)及び図110(b)は、第4実施形態における第3流路構成部336の下流側の構成を模式的に示す第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式上面図である。
図111(a)は、図110(a)のCXIa-CXIa線における第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式断面図であり、図111(b)は、図110(b)のCXIb-CXIb線における第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式断面図である。図111(b)では、分かり易さのために、上当接部4373の図示を省略している。
スライド変位部材4370は、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12の一方を球が通過不能に塞ぎ、他方を開放して球の通過を可能とするよう構成されており、確変検出センサSE11の上方で左右にスライド移動する前側スライド部材4371と、通常検出センサSE12の上方で左右にスライド移動する後側スライド部材4375と、を備える。
前側スライド部材4371と後側スライド部材4375とは、ソレノイドの駆動力により、互いに左右反対方向にスライド変位する。即ち、図110(a)及び図111(a)に示す前開放状態から、図110(b)及び図111(b)に示す後開放状態に状態変化する際に、前側スライド部材4371は左方にスライド移動し、後側スライド部材4375は右方にスライド移動するよう構成される。
前側スライド部材4371は、確変検出センサSE11の上方に被さるように配置されるスライド板4372と、左右内突設部318(図17参照)の形状と同様の形状で形成される上当接部4373と、を備え、不図示の連結部により一体的に形成される。即ち、図110において、スライド板4372及び上当接部4373は一体的にスライド変位する。
スライド板4372の上側面4372aは、第3流路構成部336の下底面336aと面一とされ、前後方向の傾斜が同一傾斜の傾斜平面として形成される(図111(b)参照)。そのため、後開放状態(図111(b)参照)において、上側面4372aの傾斜によって、上側面4372aを転動する球を通常検出センサSE12側へ流すことができる。一方で、前開放状態(図111(a)参照)では、下底面336aを通過した球は上当接部4373と当接し負荷を受けることで、下方(右下方)に流される。
従って、前側スライド部材4371は、前開放状態と、後開放状態とが変化すると、異なる箇所で球と当接するようになり、異なる方向に球を案内する(流す)ように状態が変化するよう構成される。
後側スライド部材4375は、通常検出センサSE12の上方に被さるように配置されるスライド板4376と、前後長突設部317(図17参照)の形状と同様の形状で形成される上当接部4377と、を備え、不図示の連結部により一体的に形成される。即ち、図110において、スライド板4376及び上当接部4377は一体的にスライド変位する。
スライド板4376の上側面4376aは、上側面4372aと前後逆の形状から形成される傾斜平面とされる(図111(a)参照)。そのため、前開放状態(図111(a)参照)において、上側面4376aの傾斜によって、上側面4376aに配置されている球を確変検出センサSE11側へ流すことができる。一方で、後開放状態(図111(b)参照)では、下底面336a及び上側面6372aを通過した球は上当接部4377と当接し負荷を受けることで、下方に流される。
従って、後側スライド部材4375は、前開放状態と、後開放状態とが変化すると、異なる箇所で球と当接するようになり、異なる方向に球を案内する(流す)ように状態が変化するよう構成される。
このように構成することにより、確変検出センサSE11の上方を後方に通過した後の球が、再び確変検出センサSE11の上方に戻り確変検出センサSE11を通過するという事態が生じ得ることから、第3流路構成部336を通過した球に対する注目力を向上することができる。
再び確変検出センサSE11の上方に戻る態様としては、例えば、上側面4372aを後方に球が通過するタイミングで、後開放状態から前開放状態に状態変化するようにソレノイドが駆動される場合が想定される。この場合、球は通常検出センサSE12を通過する前に上側面4376aに乗り上げることになり、上側面4376aの傾斜に沿って手前側に逆流し、確変検出センサSE11側に戻る。
このように、球が第3流路構成部336を通過するタイミングと、スライド変位部材4370の駆動タイミングとが合うと、球は確変検出センサSE11側に戻り得るように構成される。従って、確変検出センサSE11の上方を下流側に通過した球が確変検出センサSE11を通過することは無いように構成される遊技機に比較して、第3流路構成部336を通過した後の球や、スライド変位部材4370の駆動タイミングに対する注目力を向上することができる。
次いで、図112を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、第3流路構成部336までは球の流路が共通であり、第3流路構成部336の後方に分岐箇所BP1が配置される場合を説明したが、第5実施形態の振分装置5300では、第3流路構成部336の上流側にスライド変位部材5370が配設され、第3流路構成部336の上流側で球の流路が変化する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図112(a)及び図112(b)は、図15のXVII-XVII線に対応する線における第5実施形態における振分装置5300の部分断面図である。図112(a)では、スライド変位部材5370が右側位置に配置され、スライド変位部材5370によって球が確変検出センサSE11へ案内される状態が図示され、図112(b)では、スライド変位部材5370が左側位置に配置され、スライド変位部材5370によって球が通常検出センサSE12へ案内される状態が図示される。
また、図112(a)及び図112(b)では、第1流路構成部334を流れた後の球の案内経路が想像線で図示される。このように、スライド変位部材5370の配置によって、球の案内経路が変化される。
スライド変位部材5370は、不図示の電磁ソレノイドにより左右方向にスライド変位可能に構成されており、球の転動面を構成する薄板部5371と、その薄板部5371の上面から上方に突設される上突設部5376と、を備える。
薄板部5371は、第1流路構成部334を通過した球が乗り上げ可能な程度に薄肉で形成される。上突設部5376は、球と対向する左側面5376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに後方へ向けて流すことができる。
本実施形態によれば、振分装置5300のように、球の流下経路の前後幅が長く形成され、後側を流下する球に比較して、手前側を流下する球の視認性が高くなる構成を採用しながら、スライド変位部材5370の配置を、球の視認性が高くなる手前側としていることから、球の流下態様(流下経路)を遊技者に判別させ易くすることができる。
本実施形態では、スライド変位部材5370が右側位置に配置される場合、通常検出センサSE11への経路入口は特に塞がれておらず、球の入球が生じ得る構造とされる。一方で、通常検出センサSE11への経路入口の上流側を流下する球は、第1流路構成部334を流下する間に正面側に向けて流れている。
そのため、第1流路構成部334を通過した直後において、真逆の後方側への速度が生じ難いため、通常検出センサSE11への経路入口への球の進入が生じ難い構成となっている。そこで、本実施形態では、敢えて通常検出センサSE11への経路入口を塞ぐための部材を設けることを省略し、部材コストの削減を図っている。
次いで、図113を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、左右の流路が仕切り板部338により分断され、流路同士が合流しない場合を説明したが、第6実施形態の振分装置6300では、右側の第3流路構成部336に、左側の湾曲突部334bの下流側から右方に延びる合流流路6341が連結される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図113は、図15のXVII-XVII線に対応する線における第6実施形態における振分装置6300の断面図である。図113に示すように、振分装置6300の右側の流路は、第1実施形態と同様に流路構成部334~336から形成されている。
一方、振分装置6300の左側の流路は、湾曲突部334bの正面側に球1個分のスペースを空けた箇所から右方に直線的に延びる合流流路6341から形成され、この合流流路6341は、右側の流路としての第3流路構成部336に接続される。従って、本実施形態では、右側流路を流下する球と、左側流路を流下する球とが、流路が接続される接続箇所JP1で合流するので、球同士が衝突し得る。
合流流路6341は、流路下端に上げ床部6342を備える。上げ床部6342は、第3流路構成部336の下底面336aよりも高い位置の床面として形成される。これにより、合流流路6341から接続箇所JP1に流入する球と、右側流路を流下し第3流路構成部336を流下する球のとの高さ位置に差をつけることができるので、球同士の衝突時に生じる逆流の度合いを低減することができる。
接続箇所JP1における球同士の接触により、球同士の接触が生じない場合と比較して、球の流下を遅延させることができる。これにより、球同士の接触が生じる場合と、接触が生じない場合とで、球通過孔163b(図16参照)を通過した球が分岐箇所BP1に到達するまでの時間を変化させることができる。
スライド変位部材370の動作タイミングは球の入球態様によらず、開閉板65bの開放タイミングから一定動作で設定されるので、球が分岐箇所BP1に到達するタイミングを変化させることにより、スライド変位部材370が異なる配置の時に球を分岐箇所BP1に到達させることができる可能性がある。
球同士の接触の前提は、球の合流が発生することであり、合流流路6341を流下する球が存在することである。遊技者は、球同士の接触を生じさせたい場合には、左右一対の球通過孔163b(図74参照)にそれぞれ球を入球させるように発射強度を調節して遊技すればよく、球同士の接触を避けたい場合には、片側(右側)の球通過孔163bにのみ球を入球させるように発射強度を調節して遊技すればいい。
本実施形態によれば、球の発射強度の調節が、接続箇所JP1における球の接触の有無に関与し、球が分岐箇所BP1に到達するタイミングでのスライド変位部材370の状態と関与することから、遊技者の利益に直接的に影響する。従って、遊技者の、球の発射強度を調節する意欲を向上することができる。
また、本実施形態によれば、接続箇所JP1での接触は、球の連球の形成と密接に関連する。即ち、接続箇所JP1で接触した2球を、近接配置した状態で分岐箇所BP1へ流下させることができる。
次いで、図114及び図115を参照して、第7実施形態について説明する。第1実施形態では、分岐箇所BP1への流下経路が、流路構成部334~336により構成される流路のみである場合を説明したが、第7実施形態の振分装置7300では、第1流路構成部334及び第2流路構成部335を経由せずに球が分岐箇所BP1へ流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図114は、第7実施形態における振分装置7300の正面斜視図であり、図115は、図114のCXV-CXV線における振分装置7300の断面図である。図114及び図115に示すように、振分装置7300は、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な経路として、球通過孔163bの他に、左右略中央位置において開口形成される球通過孔7163bを備える。
球通過孔7163bは、可変入賞装置65への入球を検出し、規定個数の入球の判定により開閉板65bを閉鎖状態に状態変化させるタイミングを検出するために利用される検出センサSE1と同様の機能を有する検出センサSE71の球通過開口として形成される。
球通過孔7163bの下流側には、後方に向けて下降傾斜する方向に矩形筒状断面で延設される筒状流路7164が配設される。筒状流路7164は、内部を球が流下可能となるように十分に大きく形成されており、その端部は、分岐箇所BP1の正面側上方まで延びている。即ち、球通過孔7163bを通過した球は、筒状流路7164の内部を流下して、分岐箇所BP1まで到達可能に構成される。
筒状流路7164を球が通過するのに要する時間長さは、流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間長さよりも短くなるように設定され、第1流路構成部334を球が通過するのに要する時間長さと同等となるように設定される。
そのため、例えば、振分装置7300が、上述した作動パターンY(図25参照)で駆動制御される場合において、上述のように、球通過孔163bを通過して流路構成部334~336を通過する球はスライド変位部材370が前側位置に復帰した後の状態でしか分岐箇所BP1に到達できないのに対し、球通過孔7163bを通過して筒状流路7164を流下した球はスライド変位部材370が後側位置に配置されている間に分岐箇所BP1に到達する可能性がある。
特に、開閉板65bが開放状態に状態変化した直後に球通過孔7163bを通過した球は、スライド変位部材370が後側位置に配置されている間に分岐箇所BP1に到達し易い。
即ち、スライド変位部材370の駆動制御のパターンが同じであっても、特定入賞口65aに入球した球が、球通過孔163bを通過するか、球通過孔7163bを通過するかで、確変検出センサSE11を球が通過するか否かが変化するように構成することができる。これにより、特定入賞口65aの内側における球の流下態様に対する遊技者の注目力を向上することができる。
図114に示すように、遊技中における一般的な方向視で見る場合に、筒状流路7164によって分岐箇所BP1やスライド変位部材370や流路構成部334~336の視認性が低下することを回避できるように筒状流路7164の配置を工夫している。
このように、本実施形態によれば、分岐箇所BP1の視認性は高く維持しながら、分岐箇所BP1へ球が案内される流路を増やしたことで、球が分岐箇所BP1へ到達するまでに要する時間長さの種類を増やすことができ、特定入賞口65aに対する遊技者の注目力を向上することができる。
次いで、図116を参照して、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニット600の案内長孔616が直線状部616aと曲線状部616bとが一箇所で連結され、その連結位置において軸線O1の経路が屈曲し軸線O1の変位方向が切り替えられる場合を説明したが、第8実施形態の第1動作ユニット8600では、案内長孔8616が、複数箇所(二箇所)で連結され、その連結位置において軸線O1の経路が屈曲し変位方向O1の変位方向が切り替えられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図116は、第8実施形態における案内長孔8616と回動部材620との関係を模式的に示す正面模式図である。図116に示すように、案内長孔8616は、直線状部616aの下側において、左右に2度屈曲する。
即ち、案内長孔8616は、直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される第1曲線状部8616bと、その第1曲線状部8616bの下端部と連結され、第1曲線状部8616bとは曲率半径の中心が左右逆となる曲線上(略円弧形状)に形成される第2曲線状部8616cと、を備える。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと第1曲線状部8616bとの連結部分に配置される場合、軸線O1の変位方向が切り替えられることから軸線O1の変位速度を低減する(落とす)ことができる。
加えて、軸線O1が第1曲線状部8616bの下端位置、即ち、第1曲線状部8616bと第2曲線状部8616cとの連結部分に配置される場合、軸線O1の変位方向が切り替えられることから軸線O1の変位速度を低減する(落とす)ことができる。
このように、軸線O1を停止させ易い途中位置を複数位置で構成することができるので、軸線O1を途中で止めて、途中で停止している第2装飾回転部材660(図43参照)の停止姿勢の種類(バリエーション)を増やすことができる。
次いで、図117を参照して、第9実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニット600の案内長孔616が単一の経路で構成される場合を説明したが、第9実施形態の第1動作ユニット9600では、案内長孔9616が、直線状部616a及び曲線状部616bで構成される第1の経路と、その第1の経路の右側に連結される第2の経路と、を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図117は、第9実施形態における案内長孔9616と回動部材620との関係を模式的に示す正面模式図である。図117に示すように、案内長孔9616は、第1実施形態の案内長孔616と同様に直線状部616a及び曲線状部616bを備えることに加え、直線状部616a及び曲線状部616bの連結箇所から右方に傾斜して延びる角度維持部9616cと、その角度維持部9616cの右端から曲線状部616b側へ延びて曲線状部616bの途中位置と連結される連結部9616dと、を備える。
角度維持部9616cは、軸線O1が直線状部616aと曲線状部616bとの連結箇所に配置された状態(図43及び図44参照)から、回動部材620を傾倒側に回動させる場合に角度θが維持された状態で軸線O1が変位すると仮定した場合の、軸線O1の変位軌跡と同方向に形成される。
このように、軸線O1が角度維持部9616cを変位する間は角度θが維持されるので、第2装飾回転部材660の箱状部材661の回転方向の姿勢は、第3演出面661cが正面を向く姿勢(図43参照)が維持される。
換言すれば、回動部材620が回動変位する際に軸線O1が角度維持部9616cを変位する場合、回動部材620が傾倒方向に回動することに連動して回転する箱状部材661の回転態様として、角度維持部9616cの形成長さ(形成角度幅)に亘り、第3演出面661cが正面を向いた姿勢を維持することができる。
連結部9616dを軸線O1が変位する場合は、回動部材620の回動に伴う角度θの変化は許容されるので、回動部材620の回動に連動して、箱状部材661は回転する。
一方で、回動部材620の傾倒角度が同じ場合であっても、軸線O1が曲線状部616bに配置される場合の角度θの大きさと、軸線O1が連結部9616dに配置される場合の角度θの大きさと、は異なるので、軸線O1が変位する経路を左右で異ならせることで、回動部材620の回動に連動する箱状部材661の途中姿勢を異ならせることができる。
また、軸線O1が変位する経路が左右いずれであろうと、軸線O1が変位可能範囲の上端に配置される場合の角度θや、下端に配置される場合の角度θは、それぞれ一種類なので、軸線O1が変位可能範囲の上端または下端に配置されている場合における箱状部材661の姿勢は維持することができる(図40及び図45参照)。
換言すれば、本実施形態では、軸線O1が変位可能範囲の端部間(途中位置)に配置された状態における、軸線O1の配置に関連する被支持部材640及び第2装飾回転部材660(図43及び図44参照)の配置と、軸線O1の変位速度に関連する被支持部材640の変位速度および第2装飾回転部材660の箱状部材661の回転速度と、を複数種類で生じさせることができる。
案内長孔9616は、複数の経路で構成されているに留まり、軸線O1が変位可能な経路を制限する機構は備えていない。これにより、経路を制限する機構の不良による動作不良の発生を回避したり、構成を簡素化することによる製品コストの低減を図ったりすることができる。
一方で、軸線O1の変位経路の分岐は、回動部材620を介して軸線O1にかけられる負荷の方向で制御することができる。以下、これについて説明する。まず、回動部材620が傾倒方向に回動変位する場合を説明する。
第1に、軸線O1を左側の経路(直線状部616a及び曲線状部616b)で変位させる場合、回動部材620の回動変位が途中で停止しないように駆動モータ631(図40参照)を駆動制御する。
この場合、軸線O1は、直線状部616aの延びる方向(上下方向)に沿う変位の慣性で曲線状部616bに進入し、そのまま案内長孔9616の下端位置まで変位する。
第2に、軸線O1を右側の経路(角度維持部9616c及び連結部9616d)で変位させる場合、直線状部616a及び曲線状部616bの連結箇所に軸線O1が配置された段階で回動部材620を途中停止または減速させるよう駆動モータ631(図40参照)を駆動制御し、その後で再度、駆動モータ631を同方向に駆動制御する。
この場合、直線状部616aの延びる方向(上下方向)に沿う変位の慣性が減少するので、軸線O1が左側の経路を変位するか、右側の経路を変位するかの選択は、変位抵抗が少ない側が選ばれる。
ここで、角度維持部9616cへ軸線O1が進入する場合、角度θの大きさが維持されることから、回動部材620と歯合回転する中間ギア644(図44参照)や、中間ギア644よりも駆動力の伝達下流側の部材に駆動力を伝達する必要がない。即ち、その分だけ変位抵抗が少ないので、軸線O1を角度維持部9616b側に進入させることができる。
このように、本実施形態では、回動部材620の傾倒方向の駆動制御において、駆動モータ631を途中で停止制御させるか、停止させないかにより、軸線O1が変位する経路を選択するように制御することができる。
なお、回動部材620の起き上がり方向の変位では、軸線O1が回動部材620から斜め右上方向へ向けた負荷を受けるので、軸線O1が連結部9616dに進入するように変位する事態は生じ難くされ、曲線状部616bに沿って軸線O1を上昇変位させることができる。
本実施形態では、連結部9616dと曲線状部616bとの連結箇所は、曲線状部616bの途中位置に設定されているので、曲線状部616bの右側面が、曲線状部616bの下端位置に配置された軸線O1の右上側に配置される左上傾斜の面として形成される。
そのため、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置された状態で、円形貫通孔624を中心とする円に沿って軸線O1が上方変位(跳ね戻り)することを防止することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300により球が一旦手前側に流下した後で、後方に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、手前側に流下する部分を構成することなく、複数回の経路屈曲や、球を減速させる減速凸部を形成することにより、球の流下に要する時間の確保を図っても良い。
上記第1実施形態では、第2入賞口140の前意匠部材141の下底面が湾曲面形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接により球の流下を遮ることができる形状であれば良い。例えば、傾斜平面形状で構成しても良いし、平面から細かな凸部が多数突設されるよう形成され、衝突した球に不規則な負荷を与えられるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球が振分装置300を流下する際、専ら流路構成部334~336を順に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、特定入賞口65aの左右中央部に下方へ貫通する開口が形成され、この開口を通り第3流路構成部336に球が直接流入可能に形成しても良い。
例えば、球が1球ずつ入球する場合には開口を球が通過することは無いが、複数球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合に球が開口を通過し得るよう構成しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球が開口を通過する場合と、開口を通過しない場合とで、球がスライド変位部材370に到達するまでに要する時間を変化させることができる。
上記第1実施形態では、検出センサSE11,SE12が特定入賞口65aよりも後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2流路構成部335の下流側端部の真下に検出センサSE11,SE12が配設されるようにしても良い。また、この場合において、第1流路構成部334と第2流路構成部335との順番を逆転させても良い。即ち、検出センサSE11,SE12への入球において、左右方向への流下の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良いし、前後方向流下(手前側へ向けた流下)の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300単体での特徴として、各流路構成部334~336の流路方向や傾斜について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の島への設置の際に、日常的に行われる「ねかせ」を考慮して、この流路方向や傾斜について設計するようにしても良い。
ねかせとは、パチンコ機10を垂直な姿勢で設置するのではなく、前後方向に傾斜させた状態で設置することを言う。通常、パチンコ機は、約1度(四分五厘)後方に倒れた姿勢(ねかせ)で設置される。上述の振分装置300単体(ねかせが無い状態状態)での説明に比較して、約1度という設置角度を考慮すると、前後方向の傾斜を有する第1流路構成部334及び第2流路構成部336の傾斜の意味が変わってくる。
即ち、振分装置300単体では、上述のように、第1流路構成部334が前側へ水平から7度だけ下降傾斜し、第3流路構成部336が後側へ水平から5度だけ下降傾斜するように設計されているが、設置角度を合わせて検討すると、第1流路構成部334も第3流路構成部336も同様に6度だけ下降傾斜する流路を構成することになる。一方で、第2流路構成部335は、左右方向の傾斜であるので設置角度の影響を受けにくく、上述と同様に約5度の傾斜とみなすことができる。
この場合、振分装置300内の球の流下について、第1流路構成部334及び第3流路構成部336での球の加速度は同様とされ、第2流路構成部335において若干加速度が小さくなる。そのため、左右方向の球の流下速度を落とすことができるので、第2流路構成部335を流下する球を遊技者に視認させ易くすることができる。また、第1流路構成部334の方が第3流路構成部336よりも短いことは変わらないので、第1流路構成部334を、第3流路構成部336を通過するよりも短期間で通過させることができる。
このように、振分装置300の内部での球の流下は、前後方向の流路を有していることからパチンコ機10のねかせの影響を受ける。そのため、各流路構成部334,336の傾斜角度をねかせの角度(約1度)よりも小さくすると、ねかせの良し悪し(角度設定)により流路構成部334,336における球の流下方向が変わって(反転して)しまうので、傾斜角度はねかせの角度よりも大きな角度として設定する必要がある。
また、振分装置300の内部での球の流下が前後方向の流路を有しており、その流路が視認可能な構成では、その流路を流下する球の流速の僅かな違いから、パチンコ機10のねかせの程度を把握される可能性がある。敢えて、ねかせの程度を把握させたいなら、振分装置300の流路を視認し易い構成とすればいい。
一方、上記第1実施形態では、球の流下速度の僅かな違いから「ねかせ」の程度を把握されないように、各流路構成部334~336の、前側周囲において被固定部材161や前意匠部材162が囲むように配置され、上側において可変入賞装置65が覆うように配設され、下側において光拡散加工面340で視認性を悪くするように構成されるようにしている。
このように、各流路構成部334~336を流下する球の視認性を、通常の遊技者目線(正面視0度~約30度程度の範囲)を除き、悪くするようにしている。これにより、各流路構成部334~336を流下する球の流速を比較してパチンコ機10の「ねかせ」の程度を把握されることを回避することができる。
上記第1実施形態では、第1流路構成部334の傾斜の方が、第3流路構成部336の傾斜よりも大きい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、この傾斜の関係を逆転させても良いし、同様の傾斜で構成しても良い。
また、各流路構成部334~336は、それぞれ直線状の流路が屈曲して渦状の流路を構成するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路形状でも良いし、階段状に屈曲する流路形状でも良い。
また、各流路構成部334~336の接続箇所で流路が直角に曲げられるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続箇所で流路が鋭角で曲げられても良いし、鈍角で曲げられても良い。また、各流路構成部334~336としてクルーンを採用しても良い。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間が0.3秒となるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336を通過するのに要する時間が1秒(0.6秒以上)となるように設計しても良い。これにより、球が発射間隔(0.6秒)を維持したまま振分装置300に入球した場合であっても、第3流路構成部336を流下する上流側の球を、その下流側において第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、流路構成部334~336の経路長さを確保することで、球の流下時間を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位部材370までの経路の内側両壁から遊技球の流下方向と交差する方向に長尺で形成され、互い違いに突設される突条を設け、この突条を遊技球に衝突させることで球を減速させるように構成しても良い。これにより、経路長さを長くせずとも、球の流下時間の確保を図ることができる。
なお、減速用の突条は、スライド変位部材370までの経路の全範囲に均等に配置するようにしても良いし、配置を不均等にしても良い。例えば、第1流路構成部334及び第2流路構成部335については突条を形成せず、第3流路構成部336においてのみ突条を構成することで、第3流路構成部336までは迅速に球を到達させる一方、球が第3流路構成部336を緩やかに流下するように構成することができる。
また、突条の突設方向は、左右方向から球の流下経路に沿って経路内側へ互い違いに突設されるような方向でも良いし、所定間隔を空けて下側から上方へ突設されるような方向でも良い。
左右方向からの突設の場合、突条から球に与えられる負荷が左右方向の成分を有するので、この負荷により球が通常検出センサSE12に誤って案内されないように配置を考慮することが好ましい。例えば、スライド変位部材370に最も近接する位置においては、左右外側の壁部から左右内側に突設させることで、突条からの負荷が通常検出センサSE12側へ向かわず仕切り板部338側へ向かうようにすることで、球が誤って通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができる。
下側から上方への突設の場合、突条自体がスライド変位部材370の目隠しとして機能する可能性があるので、遊技者の視線を考慮して、形成高さや形成位置を設計することが好ましい。
なお、突条は、出没可動に形成しても良い。この場合、出状態では球の流下をせき止めて、没状態となった場合に球の流下を再開可能としても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の手前側を流下する球により目隠しがされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300の前に、可動の化粧部材が配置され、その化粧部材によって流路構成部334~336の目隠しがされるようにしても良い。この化粧部材は、駆動されても良いし、球の重みで動作するものでも良い。
また、球により目隠しがされる場合において、球が手前側に配置される場合に限られるものではない。例えば、スライド変位部材370の背面側に鏡が配設され、その鏡の反射を利用してスライド変位部材370の状態を視認させる場合には、球がスライド変位部材370と鏡との間に配置されれば、目隠し機能を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370に到達する球が目隠しされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64が、検出センサSE11,SE12のように遊技領域よりも後方に配置され、第1入賞口64が目隠しされるものでも良いし、他の一般入賞口63が目隠しされるものでも良い。
上記第1実施形態では、流路構成部334~336が直線的で球を1個ずつ案内可能な流路から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路として形成されても良いし、複数に枝分かれが生じる流路として形成されても良いし、流路幅の大小があり流路幅が大の箇所では球が滞留し易いよう構成されても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370へ向かう球により目隠しの効果が生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の入賞口63,64,65,140に入球した球を排出するための排出経路がスライド変位部材370の前側に配置され(例えば、手前側において交差するように配置され)、その排出経路および排出経路に配置される球によりスライド変位部材370が目隠しされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球は、専ら第1流路構成部334を通り第2流路構成部335側(手前側)に流れてくる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aの下流側に球を振り分けるシーソー状の振分機構が配設され、その振分機構により第2流路構成部335側に流れる球が選別されることで、一部の球が第2流路構成部335側に流れるようにしても良い。
振分機構は、球の自重で変位動作するものでも良いし、駆動装置で開閉板65bの開閉から一定動作するよう駆動されても良いし、パチンコ機の電源オンから一定のパターンで駆動されるように制御しても良い。
駆動制御する場合は、例えば、入球の種類が変化する場合において第2流路構成部335側に球が流れるように制御しても良い。例えば、特定入賞口65aへの入球において、カウント数(10個/ラウンド)を超える入球(超過入賞)があった場合に、第2流路構成部335側に球が流れるように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流下する球の個数と、超過賞球の払い出し個数とを照合でき、得られる追加利益を遊技者が早期に把握することができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
また、例えば、第1入賞口64に入球した球が振分装置300を流下するような構成においては、特別図柄1の保留個数が4個(満タン)の場合に入球があったら、その球は第2流路構成部335側に流すように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流れる球を視認することで、特別図柄1の保留個数が満タンであることを遊技者に気付かせることができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
球の自重で変位動作する場合は、球が到達する度に所定動作を繰り返すようにしても良いし、到達する球の個数によって異なる動作をするように構成しても良い。例えば、1個の球が特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へは流れず、2個以上の球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へ球が流れるようにしても良い。また、逆でも良い。
また、これらの動作態様は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される検出センサSE1の下流でいずれも同じでも良いし、左右で異なるように構成しても良い。
ここで、特定入賞口65aからスライド変位部材370までの球の流下時間が長い場合、球排出時間が長いことにより遊技が間延びする可能性がある。そのため、例えば、上述の振分機構を利用して、特定入賞口65aに入球した何球目までかの球を第2流路構成部335側へ流下させ、それ以降の球については第2流路構成部335を経ずに排出するように構成しても良い。これにより、カウント数目の球が流路構成部334~336を流下しきるのを待つ必要が無くなるので、ラウンド間長さを短く設定することができる。
上記第1実施形態では、第3図柄表示装置81の下側において振分装置300が配置され、遊技領域の下端部付近で球を手前側に流す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aが第3図柄表示装置81の下縁よりも上側に配置され、振分装置300の流路構成部334~336が、第3図柄表示装置81に近接配置または正面視で表示領域の手前側に配置されるよう構成しても良い。
この場合、振分装置300を流下する球を視認する視線を第3図柄表示装置81の表示領域側を向く視線にすることができる。この場合、振分装置300での球の流下により遊技者が得られる利益の大小と、液晶表示での報知の内容とを対応付けることで、遊技者は表示を確認することで大小いずれの利益を獲得できたのかを容易に把握することができる。
また、内レール61を転動する球が、第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で下側にずれた位置で視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内レール61を転動する球が第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で上下に位置ずれせず、重なって視認され得るような配置関係で構成しても良い。この場合、振分装置300に入球した球のみでなく、内レール61を転動する球を第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の作動パターンYとして、特定入賞口65aに入球した球が到達し得ない時間にスライド変位部材370を前側位置に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板65bの開放タイミングから、1.2秒経過後にスライド変位部材370が前側位置に切り替えられるように制御しても良い。
この場合、1.2秒が経過する前にスライド変位部材370に到達していた前流れ球については、確変検出センサSE11の貫通孔に入球させることができる。一方、その前流れ球を追うように流れ、1.2秒の経過後にスライド変位部材370に到達した後追い球は、通常検出センサSE12の貫通孔に入球することになる。
ここで、後追い球が、前流れ球の目隠しとして機能する位置関係であった場合、遊技者は、前流れ球の流れが確変検出センサSE11へ向けて(下方へ)切り替わるタイミングを、後追い球に隠されることで、視認することができない。その上、後追い球は通常検出センサSE12に入球するので、遊技者は、球が確変検出センサSE11に入球していないと思い込むと考えられる。
このように、あたかも確変検出センサSE11の貫通孔に球が入球していないように見せることができるので、時短状態と確変状態との表示演出を同様にして遊技者の期待感を維持させるような遊技機において、その表示演出の演出効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、左右内突設部318に衝突した球は、その衝突による負荷だけでは通常検出センサSE12側には流れない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右内突設部318に案内されるまでの球の速度や、回転が、複数種類で構成可能となるように左右内突設部318の上流側における流路を構成し(例えば、クルーンを配設したり、経路幅を広くしたりすることで球の流下方向の自由度を増加させ)、球の速度や、回転の違いによって、左右内突設部318との衝突による負荷だけで通常検出センサSE12に案内され得るように構成しても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370と、各突設部317~319とが別体として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各突設部317~319の少なくとも一つが、スライド変位部材370に一体的に形成されても良い。即ち、スライド変位部材370の上突設部376から各突設部317~319の少なくとも一つが突設されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作タイミングとして、球で隠される可能性を考慮した作動パターンYについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球で隠されるタイミングで発光手段351のLEDを発光させる制御を織り交ぜても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状により軸線O1の変位抵抗を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内長孔616の幅長さを変えて隙間の外相を形成することで変位抵抗を変えても良いし、磁力やコイルスプリングの付勢力を利用して変位抵抗を変化させても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状を途中位置で屈曲する形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数回屈曲する形状としても良い。この場合、軸線O1の上下方向変位の抵抗が増大する位置を複数位置で形成することができる。
また、案内長孔616の形状を、回動部材620の回動中における角度θの変化量の大小を変化させる目的から設計しても良い。例えば、回動部材620の回動中における角度θの大きさが維持できる範囲を部分的に形成できるように被支持部材640を案内可能な形状で案内長孔616を形成しても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1が移動可能な案内長孔616が複数形成され、所定の切替手段(例えば、他の駆動装置や、回動部材620に当接して切り替えられるボタン式の切替装置)によって軸線O1が案内される案内長孔616を切り替えられるように構成しても良いし、案内長孔616を形状変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81の右側に配置された状態で第1演出面661aを前斜め左側へ向ける構成について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の左側に配置された状態で演出面を前斜め右側へ向けるように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の下側(上側)に配置される場合に演出面を前斜め上側(下側)へ向けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、回動部材620を変位の基端側に配置するよう構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、直動変位する部材を変位の基端側に配置しても良い。一方で、直動の部材ではなく回動部材620を利用していることは、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度を確保することに好適に機能する。
例えば、横スライドする部材を被支持部材640の主動側に固定する場合、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度に影響する角度は、水平より上側の角度(角度a1等)に限定される。これに対し、回動部材620を利用する場合であれば、水平より上側の角度だけでなく、下側の角度(角度b1等)をも利用することができる。なお、この好適な効果に関わらず、被支持部材640の主動側に直動スライドする部材を連結するようにしても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が直方体で形成され、直角に交差する3側面に装飾が施される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660が断面五角形で形成され、各側面が前側を向く姿勢で停止制御可能に構成されても良い。
上記第1実施形態では、装飾固定部材670は固定の装飾部材としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、液晶表示装置が配設されても良い。この場合、第1動作ユニット600や第2動作ユニット700と一体視させ易い表示を容易に切り替えることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の回転軸と、第2装飾回転部材660とが直角に交差し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660の回転軸が前後方向の成分を軸として(斜めな回転軸として)構成されても良い。
上記第1実施形態では、コイルスプリングCS2の付勢力の設定から、第2動作ユニット700を中間演出状態で維持し易くなるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の長孔部723付近に磁石を配設し、この磁石が右側前板部材710に配設される磁石との間で吸着力を生じさせるよう構成し、この吸着力が第2動作ユニット700の中間演出状態において生じ易くなるようにしても良い。
また、例えば、傾斜部751,762を直線的に形成するのではなく、波形状や鋸歯形状など屈曲した形状から形成しても良い。また、コイルスプリングCS2を利用する場合についても、コイルスプリングCS2が圧縮される場合にのみ付勢力が生じるものに限らず、コイルスプリングCS2の伸長変位に対する付勢力が生じるよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、磁石Mgの吸着力を超えるまでは傘歯部783cと傘歯部材785cとが弾性変形することで軸回転部材785の姿勢が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギアの弾性変形ではなく、回転する軸棒と、その軸棒を支持する支持筒との間の摺動摩擦に許容値を設けることで構成しても良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787が下からせり上がり、遊技領域の後端部から前側に入り込む場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下降変位によって前側に張り出す態様でも良い。この場合において、センターフレーム86の上縁を下から前方へ越える態様でも良いし、遊技領域の上方(例えば、正面枠14の上方)から前側に張り出す態様でも良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787の回転が逆方向となることで副装飾面787a2,787b2が揃って視認されないことで識別力を低下させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副装飾面787a2,787b2を正面側に向けながら回転する態様ではなく、左右外側に向けながら回転する態様としても良い。また、同方向の回転であっても、回転角度をずらして回転させるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700及び第3動作ユニット800で共通して、リンク機構(中間腕部材783、中間腕部材850)の回転角度を利用して軸回転部材785や回転部材834を回転(反転)させるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材834を案内する金属棒832に一筆書き状に溝が掘られ、その溝に回転部材834から突設される突片が差し込まれるような構成では、溝の設計次第で、回転部材834の回転タイミングを規定することができる。
上記第1実施形態では、検出センサ813に被検出部844が配置された状態から、検出センサ813の出力が切り替わることで切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定するように制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない状態で駆動モータ861の駆動方向を反転した後、被検出部844が検出センサ813に進入したことを検出することで、切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定しても良い。
上記第1実施形態では、第1装飾部材870の構成と、第2装飾部材880の構成とが所々で異なるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、磁石Mg2が両装飾部材870,880に配設されるようにしても良いし、両装飾部材870,880に鍍金処理がされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866を配設することで切替回転動作と一体回転動作とを明確に分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、粘性抵抗を生じるオイルダンパを設けるようにしても良い。なお、オイルダンパの場合、動作態様の切り替えによらず、常時抵抗が生じ続けるので、トルクリミッタの方が、一体回転動作に動作態様が切り替えられた後の回転方向の変位抵抗を低減することができ、一体回転動作に切り替えられた後の高速回転を実現し易い。
上記第1実施形態では、光LD1が鍍金部871aで正面側に反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832で光を反射させても良い。一体回転動作中は、直動部材833が金属棒832の基端側(円の内径側)に配置されることで金属棒832が直動部材833に隠されるが、切替回転動作において直動部材833が金属棒832の先端側(円の外径側)に配置される場合には、金属棒832の基端側(円の内径側)が露出することで、光LD1を反射させることが可能である。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336の下底面が左右内側に下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1流路構成部334の転動面(底面)が左右方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良いし、左右内側に下降傾斜するように構成しても良い。前者の方が、後者に比較して、第2流路構成部335への球の勢いを低減することができる。
また、例えば、第2流路構成部335の転動面(底面)が前後方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良いし、後方へ向かうにつれて下降傾斜するように構成しても良い。前者の方が、後者に比較して、第3流路構成部336への球の勢いを低減することができる。
また、第3流路構成部336について、転動面(底面)が左右方向内側に下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336の転動面(底面)が左右方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良い。この場合、球が仕切り板部338側に付勢される度合いが下がるので、球との衝突や擦れによる仕切り板部338の損傷の度合いを低く維持することができる。
上記第1実施形態では、外側発光手段351dの光軸が、分岐箇所を通る球の軌跡の外側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外側発光手段351dの光軸が分岐箇所を通る球の軌跡の内側を通るように構成(配置位置を下げて構成)しても良い。この場合、外側発光手段351dを点灯している時に、分岐箇所を通る球が外側発光手段351dの光軸と重なることで、光を背面側に反射するように構成することができるので、光が光拡散加工面333bに到達しない状態(暗い状態)とすることができる。
即ち、外側発光手段351dの点灯は継続したままで、分岐箇所での球の流下態様と、光拡散加工面333b(及び光拡散加工面333bから拡散される光を受けて照らされる光拡散加工面314c,340)の明暗とを関連付けることができる。各光拡散加工面314c,333b,340は、球よりも遊技者目線での面積(投影される面積)が大きいので、分岐箇所での球の流下態様について遊技者に容易に把握させることができる。
上記第1実施形態では、発光手段351を点灯制御するタイミングとして、大当たり遊技中の説明をしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞口63,64,140等への入賞が検出されたことに起因して発光制御するようにしても良いし、枠ボタン22の入力操作があったことに起因して発光制御するようにしても良いし、規定個数(大当たり遊技のラウンド遊技の終了を規定する入賞個数、入賞口64,140の入球に基づく変動の最大保留回数)を超える入賞が生じたことに起因して発光制御するようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作が不良である場合には、中部材330と下部材380との組み付け位置が不良となっていることから、スライド変位部材370の動作を確認することで、中部材330と下部材380との組み付けの良し悪しを製造段階で判定することができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、スライド変位部材370の位置を検出する検出センサを備えるようにして、稼働時におけるスライド変位部材370の動作を検出するようにしても良い。この場合、製造段階では現れなかったものの、繰り返しの稼働や、何らかの外力の影響により、中部材330と下部材380との位置関係がずれた場合に、そのずれの発生をスライド変位部材370の動作不良により判定することができる。
上記第1実施形態では、分岐箇所BP1において球の流下方向を切り替えるスライド変位部材370の変位方向を前後方向の直動変位としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作(例えば、ルーレット形式)としても良いし、球の流下を不規則にする形状部(例えば、漏斗状のクルーン)を配設し球が複数の方向に流下し得るようにしても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300を、球が、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とのいずれかを通過するかを切り替えるための装置として採用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、始動入賞口(入賞口64,140)へ球を案内するための装置として採用しても良いし、特定入賞口65aへ球を案内する装置として採用しても良いし、その他の入賞口または入賞領域へ球を案内する装置として採用しても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300が遊技領域の下隅部に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300は、遊技領域の上隅部(例えば、センターフレーム86の上方)に配置されても良いし、左右隅部(センターフレーム86の左右縁部よりも左右外側)に配置されても良いし、遊技領域の中央側部に配置されても良い。例えば、遊技領域の上隅部に配置される場合、振分装置300を見る遊技者の目線は水平面に対して斜め上方向に傾斜するので、正面側へ向けて下降傾斜する流路部分において、下流側の球が上流側の球を隠すよう構成することができる。
また、流路構成部334~336の構造が前後逆の傾斜となるように構成し、確変検出センサSE11,通常検出センサSE12を被固定部材161付近に配設するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、窓部162dの形状を、正面視における流路構成部335,336の形状と、シール部材313の配置と、から設計する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者目線(斜め下方向視)でスライド変位部材370(だけ)を視認可能となる形状でも良いし、スライド変位部材370の視認性が低下するような形状でも良い。また、スライド変位部材370の前側位置または後側位置の一方では視認可能とされ、他方では視認不能となる形状でも良い。
また、第1実施形態では、流路構成部334~336を左右一対で構成し、合流しないようにすることで、一つの流路に入球する球の個数を少なくでき(入球を分散させることができ)、球詰まりを回避し易くすることができる作用を生じさせながら、それぞれの流路を通過した球のいずれの経路もスライド変位部材370で切り替えられるようにしている。
この点、窓部162dの形状を、スライド変位部材370の左右一対の構成(例えば、球案内部371b、上突設部376)の内、片方のみが視認できてもう片方は視認できなくなるような形状でも良い。この場合、視認できなくなっている側での球の流下経路を遊技者に予想させることができるので、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第1実施形態では、球案内部371bに球が乗り得る状態からのスライド変位部材370の変位方向を後ろ方向(第3流路構成部336を流下する球の進行方向の順方向)として、摺動により球の前転方向の回転を抑制し、球の落下直前の状態における回転量を抑えて、球が一時停止しているように遊技者に見せることができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、球案内部371bに球が乗り得る状態からのスライド変位部材370の変位方向を前方向(第3流路構成部336を流下する球の進行方向の逆方向)として構成しても良い。
即ち、球案内部371bを前方向に変位させて、球案内部371bが第3流路構成部336の下側に進入させることで、確変検出センサSE11を開放可能に構成する。上突設部376については、球案内部371bと別体で構成し、球案内部371bに球が乗り得る状態では分岐箇所BP1側に張り出すように配置する。球案内部371bに球が乗らない状態へ球案内部371bが変位する場合には、上突設部376が球案内部371bの変位と同じタイミングで前後逆方向に変位して、確変検出センサSE11への球の通路を確保するようにすれば良い。
この場合、球案内部371bのスライド変位時の球との摺動により、球の前転方向の回転を増速することができるので、球の落下直前の状態における回転量を増大させて、球が即座に落下(スムーズに落下)したように遊技者に見せることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の制御は、駆動モータ631の通電切断後に回動部材620に与えられる慣性負荷を考慮して、検出センサKS1の検出溝に延設部634bが配置されたことをもって駆動モータ631の通電を切断する制御態様としていたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサKS1の検出溝に延設部634bが配置されたことを検出センサKS1により検出したら、駆動モータ631の駆動電力を落として、短時間だけ弱めに回転させてから停止させるようにしても良い。これにより、回動部材620を変位終端位置(演出待機状態の位置)まで確実に到達させることができる。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700について、前上傾斜部714,751や受傾斜部762の溝を、真っすぐな傾斜溝から構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下端側で前側に湾曲するような、部分的なカーブを有する溝とすることで、演出装置780の変位を、上下スライド変位と、前後スライド変位と、前後方向の姿勢変位とを合わせた変位態様とすることができる。
なお、前上傾斜部714,751や受傾斜部762の溝の形状としては、種々の態様が例示される。例えば、左右方向視でくの字形状(又は逆くの字形状)としても良いし、S字に湾曲する形状としても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700の反転動作について、磁力により反転動作の開始タイミングを遅らせることで、部材同士(例えば、本体部材771と覆設部材787、駆動モータ782と覆設部材787)の衝突を避けるように変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、中間腕部材783の傘歯部783cと軸回転部材785の傘歯部材785cとのギア数の設定により、部材同士の衝突を避ける設計手法でも良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700では、上端位置としての張出状態で回動アーム部材720の回動先端が演出装置780の左右中央と一致する左右位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の回動先端が演出装置780の左右中央よりも右寄りに配置されることで、昇降板部材740の左側を支持する金属棒702と、昇降板部材740の右側を支持する回動アーム部材720との支持位置間隔を長く確保することができる。これにより、昇降板部材740を安定して支持することができる。
上記第3動作ユニット800では、膨出部824aは、装飾部材870,880が個別合体状態か、一連合体状態かに関わらず、形状不変で遊技者に視認される部分として構成し、個別合体状態も、一連合体状態も、膨出部824aを一部(中央部)として遊技者に視認させる状態としたことで、膨出部824a、第1覆設部875及び第2覆設部885を互いに違和感の抑えた形状となるように設計する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、膨出部824aの正面に表示部が配設される位置関係で表示装置(セグ表示装置や、液晶表示装置)を配設しても良い。この場合、内側発光部823aからの光の照射態様(明暗や色)の変化で膨出部824aの視認性を変化させる場合と異なり、膨出部824aで視認される対象を表示部の表示態様を切り替えることで変化させることができるので、演出自由度を向上することができる。
また、例えば、第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれか一方について、覆設部875,885の形状を、合体状態における円形状の中心側に延設するように設計変更し、その延設した部分によって膨出部824aを覆うように構成しても良い。この場合、個別合体状態または一連合体状態のいずれか一方において、膨出部824aが遊技者に視認されないように隠すことができるので、膨出部824a、第1覆設部875及び第2覆設部885の設計自由度の制限の程度を下げることができる。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800について複数の装飾部材870,880が磁力で吸着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹凸係合による負荷により合体状態を維持するものでも良いし、バネ部材による付勢力で合体状態を維持するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800の磁石Mg2の吸着力がトルクリミッタ866の抵抗力よりも小さくなるように設定することにより切替回転動作を実現しているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、勢いをつけるような動作態様を採用することで、磁石Mg2の吸着力がトルクリミッタ866の抵抗力以上または同等である場合にも、切替回転動作を実現することができる。
勢いをつけるような動作態様としては、例えば、準備動作(予備動作)として、逆方向へ回転制御するようにしても良い。この場合、装飾部材870,880の回転変位に反動をつけることができると共に、中間腕部材850を合体状態における配置から径方向外方へ放る方向の負荷を生じさせることができる。これにより、磁力による吸着を解除し易くすることができる。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800の切替回転動作時のぐらつき抑制のための工夫として、装飾部材870,880が反転動作の前に径方向変位が生じるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、反転動作の回転軸としての金属棒832が配置される平面上に磁力の作用線が書けるように磁石Mg2を配設するように構成する場合、合体状態からの装飾部材870,880の径方向変位の前に反転動作が生じたとしても、複数(5個)の装飾部材870,880間で生じる磁力は同一平面上で生じるので、切替回転動作時に第3動作ユニット800に生じるぐらつきを抑制することができる。
上記第1実施形態では、切替回転動作は、装飾部材870,880が180度反転動作する態様で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、120度の反転動作で再び合体するように構成しても良い。この場合、切替回転動作の前後において、装飾部材870,880の正面視で視認される側を同じとしながら、覆設部875,885の視認される角度を異ならせる(例えば、動作前は右向き60度、動作後は左向き60度)とする動作演出を実行することができる。
また、複数の中間腕部材850の構造について、例えば、長さを非共通に構成したり、傘歯部854cの形成範囲や形状を非共通に構成したりすることで、切替回転動作において、180度の反転動作で合体状態を再構成する装飾部材870,880と、120度の反転動作で合体状態を再構成する装飾部材870,880とを、共存させるように構成しても良い。例えば、5個の装飾部材870,880の内、一個の装飾部材870,880は切替回転動作で120度反転するように構成し、その他(四個)の装飾部材870,880は切替回転動作で180度反転するように構成しても良い。
なお、切替回転動作における反転動作の角度は任意に設定可能である。上述した180度や120度でも良いし、0度でも、360でも、0度から360度の任意の角度でも設定可能である。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866が、左右一対で、外側回転部材840の回転軸よりも上側で、左右非対称位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右対称位置に配置するようにしても良しい、外側回転部材840の左側、右側または下側に一対のトルクリミッタ866の双方を配置するようにしても良いし、外側回転部材840の回転軸を挟んで対向する側(正反対の側)に配置されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、複数(第1実施形態では、5個)の中間腕部材850が共通の形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832に沿ってスライド変位する直動部材833が配設される被支持孔854aや案内孔854bの形状を異ならせて、金属棒832に沿ったスライド変位の開始タイミングを直動部材833同士で差を生じさせるようにしても良い。
例えば、被支持孔854aを長孔または径の大きな孔として形成するよう設計変更し、対応して案内孔854bの形状を設計変更した中間腕部材850を混在させることで、切替回転動作における直動部材833の変位開始タイミングに差を設けることができる。
これにより、直動部材833に連結される回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の合体状態からの径方向外側への変位タイミングに、装飾部材870,880同士で差を持たせることができるので、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分をせん断方向(径方向)で離すことができる。
この場合、吸着を剥すための負荷を低減することができるので、駆動モータ862に要求される駆動力を低減することができると共に、第3動作ユニット800の配置の安定を図ることができる。
なお、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分にせん断方向(径方向)の変位を生じさせる変位態様は、毎回生じるようにする必要は無い。例えば、せん断方向の変位を生じさせる変位態様が、合体状態から切替回転動作を実行する場合(往路)に生じる一方で、切替回転動作により合体状態に至る場合(復路)では生じないように構成しても良い。
例えば、中間腕部材850の設計を、合体状態(回動先端が内側回転部材830の回転軸側に配置されている状態)から、装飾部材870,880が最外径位置に配置される状態へ中間腕部材850が回動する変位態様と、装飾部材870,880が最外径位置に配置される状態から、合体状態へ中間腕部i850が回動する変位態様と、で態様を異ならせるように構成することで、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分にせん断方向(径方向)の変位を生じさせる変位態様を選択的に生じさせることができる。
上記第1実施形態では、各動作ユニット600,700,800ごとに、検出センサKS1,713,778d,813の個数を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1個の検出センサKS1ではなく、複数の検出センサKS1が延設部634bを検出可能な位置に配置されるように構成しても良いし、3個の検出センサ713ではなく、2個以下または4個以上の検出センサ713を採用しても良い。なお、検出センサKS1の配置としては、第1動作ユニット600の中間演出状態または張出状態における延設部634bを検出可能な位置が例示される。
また、例えば、2個の検出センサ778dの内の片方のみを採用しても良いし、1個の検出センサ813ではなく、複数の検出センサ813が被検出部844を検出可能な位置に配置されるように構成しても良い。検出センサ813の配置としては、例えば、5個の検出センサ813を円周上等間隔で配置することにより、第3動作ユニット800の個別合体状態における第1装飾部材870の配置を5種類(回転方向で異なる5態様)で判定することができる。
上記第2実施形態では、スライド部材2420の配置によらず球の転動が継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前側配置FPにおけるスライド部材2420の上側面と、上部材310の上面部314の下側面との間隔が、球の直径と同等の長さとなるように構成しても良い。この場合、スライド部材2420が前側配置FPとなった場合には、球が、スライド部材2420の上側面と上面部314の下側面とに挟まれる状態を構成できるので、球の減速作用を強化し、球の滞留が生じ易くすることができる。
上記第2実施形態では、第1流路構成部2334の内側に突条を形成するという記載はしなかったが、第1流路構成部2334に球を減速させるための突条を突設するように構成しても良い。この場合において、突条の配設高さを、前側位置FPにおけるスライド部材2420に乗る球か、又は、スライド部材2420が後側配置BPの際に底面2334cに乗る球か、の一方と当接し、他方とは当接しない高さとして設定しても良い。この場合、突条による減速作用を、スライド部材2420が前側配置FPの状態か、後側配置BPの状態か、の何れかで生じさせることができる。
上記第3実施形態では、スライド変位部材3370は、薄板部371と上前突設部3376b及び上横突設部3376cとが一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、薄板部371が前側位置、後側位置に配置されるタイミングに合わせて、別部材としての上前突設部3376b及び上横突設部3376cが上下方向に出没し、球を当接する状態と、当接しない状態とを構成するようにしても良い。
なお、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の前後配置は何ら限定されるものではないが、本実施形態のように、後側を確変検出センサSE11とする方が、確変検出センサSE11への誤入賞を回避し易くすることができる。
上記第4実施形態では、スライド板4372及び上当接部4373や、スライド板4376及び上当接部4377が一体形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これらが別部材として構成されると共に、タイミングを合わせて同期動作(連動)するように構成しても良い。なお、前後方向にスライド変位するよう構成しても良い。
上記第4実施形態では、スライド板4372の上側面4372aを球が後方に通過したタイミングでスライド部材4371,4375がスライド変位すると、上側面4376aの傾斜によって球が前側に戻される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前開放状態におけるスライド板4372の後方に、追加の入球検出センサが配設されるように構成しても良い。
この場合、後開放状態から前開放状態に状態変化する際にスライド板4372に乗っていた球だけが追加の入球検出センサに案内されるよう構成することができる。追加の入球検出センサに球が入球することにより遊技者が得られる利益(例えば、確変検出センサSE11への入球により得られる権利よりも大きいものとして、複数回の大当たりの獲得や、上位の確変状態への移行の権利の獲得等)が大きいほど、第3流路構成部336を通過した球への注目力を向上することができる。
上記第6実施形態では、合流流路6341の下流側端部の上げ床部6342からの流路が左右方向に沿う流路として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上げ床部6342付近で、接続箇所JP1側が後方に向く湾曲流路として構成しても良い。これにより、上げ床部6342から接続箇所JP1に進入する球と、第2流路構成部335から接続箇所JP1に進入する球と、の双方共に後方への速度成分を有するようにでき、これらが衝突することによって、逆流が生じることを防止することができる。
なお、接続箇所JP1は、振分装置6300の左右中心位置に配置されるように構成しても良い。また、流路構成部334~336の構造が前後逆の傾斜となるように構成し、確変検出センサSE11,通常検出センサSE12を被固定部材161付近に配設するように構成しても良い。この場合、球が接続箇所JP1で集まってから手前側に流下する状況を生じ易くすることができ、振分装置6300の内部を流下する球に対する注目力を向上することができる。
上記第9実施形態では、案内長孔9616が分岐を有する長孔として構成され、軸線O1への負荷の与え方によって、軸線O1が案内長孔9616のどこを通るかを切り替えるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、案内長孔9616の形状を切り替えるよう構成しても良い。即ち、案内長孔9616において、常に長孔として構成されるのは直線状部616aのみとされ、曲線状部616bと、角度維持部9616c及び連結部9616dと、は、長孔として構成される場合と、その長孔が塞がれる場合とが、交互に切り替わるように構成しても良い。この場合、軸線O1が誤った経路で変位することを防止することができるので、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が意図しない態様で変位することを防止することができる。
例えば、分岐を有する案内長孔9616において、いずれかの経路を塞ぐことで軸線O1の変位経路を制限する切替弁を備えるように構成しても良い。この場合、案内長孔9616の形状は固定としながら、切替弁により軸線O1の変位経路を制限することができるので、軸線O1が誤った経路で変位することを防止することができるので、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が意図しない態様で変位することを防止することができる。
<第1制御例>
以下、本発明の制御例について、添付図面を参照して説明する。まず、図118から図87を参照し、第1制御例として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一制御例について説明する。図118は、第1制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図119はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図120はパチンコ機10の遊技盤13の正面視下領域に設けられた可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図121はパチンコ機10の後面図である。
図118に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図118参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図119参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図137参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図119を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図118参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図118参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図21参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図119参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図118参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図119参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。つまり、本制御例では、球を遊技盤13に形成された遊技領域へと発射させるための発射手段と、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に基づいて発射強度を可変させる発射強度可変手段と、を有している。これにより、遊技者は、操作ハンドル51を操作するだけで、発射手段を用いた球の発射行為と、球の発射強度を可変させる発射強度可変行為と、を実行することができる。よって、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、特定の遊技領域に向けて球を発射させる操作を片手で実行することができ、遊技者に過度な負担を強いること無く、遊技を実行させることができる。
本制御例では、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に基づいて発射強度を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が発射強度を選択可能な発射強度選択ボタンを設け、その発射強度選択ボタンの操作結果(選択結果)に対応する発射強度で発射手段が球を発射するように構成しても良い。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図119に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図118参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図118参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図119を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図118参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図137参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図119の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図119の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
返しゴム69の左上側には第1図柄表示装置37が設けられている。この第1図柄表示装置37は、透明の樹脂(例えば、ABS)にて形成されている遊技盤13の裏面(遊技領域を形成する面とは反対側の面)に覆われるように配設されており、発射された球が第1図柄表示装置37に衝突しないように構成している。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図20参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本制御例では、球が、第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球(入賞)した場合に第1図柄表示装置37が作動し得るように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第1入球口64に球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)、及び、第2入球口640に球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を示すための表示手段である。なお、本制御例では、特別図柄の種別を2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)有するパチンコ機10を用いているため、第1図柄表示装置37にて2種類の特別図柄抽選(特図抽選)の結果が表示されるが、例えば、特別図柄の種別を1種類(第1特別図柄)のみ有するパチンコ機10であれば、第1図柄表示装置37に1種類の特別図柄に応じた表示領域を設ければ良い。
また、第1図柄表示装置37は、LEDにより、現在のパチンコ機10の遊技状態(例えば、通常状態、時短状態、確変状態)が何れであるかを点灯状態により示したり、特別図柄(第1図柄)が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な大当たりに対応した図柄か不利な大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。また、特別図柄の変動を一時的に停止(中断)させている状態であることも点灯状態にて示すことが可能に構成している。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本制御例では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64、或いは第2入球口640への入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行う。ここで、大当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技状態となる大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。
このように、大当たり当選を示す特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に、オープニング期間が設定することにより、大当たり遊技中において特定入賞口65aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、複数種類の大当たり遊技を実行可能に構成しており、当選した大当たりの種別に応じて、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、が異なるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の抽選による大当たり当選の有無だけでは無く、当選した大当たり種別や、当選時における遊技状態にも興味を持たせることができる。
なお、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)の長さについても、大当たり当選した時点に設定されている遊技状態や、当選した大当たりの種別に応じて異なる長さを設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容として、大当たり当選時の遊技内容とは異なる遊技内容が設定される大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、10秒)が、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも長くなるように設定しておき、そのエンディング期間中に遊技者に対して大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を事前に案内する演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
一方、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とが同一となる大当たりに当選した場合には、その大当たりのエンディング期間(例えば、1秒)を、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも短くなるように設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。
また、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とを実際に判別する構成を用いること無く、例えば、当選した大当たりの種別と、大当たり当選した時点における遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予め規定しておき、その規定内容に応じて、各大当たり遊技のエンディング期間を予め設定しておけば良い。
具体的な説明は後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たり当選する確率が異なる2つの状態(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)と、後述する普通図柄の抽選で当たり当選する確率が異なる2つの状態(普通図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)と、を組み合わせ、3種類の遊技状態を設定可能に構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成している。特別図柄の抽選も、普通図柄の抽選も、高確率状態である場合のほうが、低確率状態である場合よりも当たり当選し易くなるように構成しているため、本制御例におけるパチンコ機10にて設定可能な複数の遊技状態のうち、確変状態が、それ以外の遊技状態よりも特別図柄抽選で大当たりに当選し易い遊技状態となり、確変状態と時短状態が、それ以外の遊技状態よりも普通図柄抽選で当たりに当選し易い遊技状態となる。
また、普通図柄抽選で当たり当選した場合には、特別図柄抽選が実行され易くなる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるように構成している。具体的には、第2入球口640に付設されている電動役物640aが開放し、第2入球口640に球を入球させ易い状態が提供される普図当たり遊技が実行されるように構成している。よって、確変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(動的表示期間)として、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、短い期間が設定され易くなるように構成している。よって、変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を短期間で実行させることができるため、新たな特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に、特定領域を設けており、大当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に限り、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している。そして、当選した大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い大当たり遊技(有利大当たり遊技)と、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い大当たり遊技(不利大当たり遊技)と、を実行可能に構成している。以後、有利大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い大当たり遊技のことを確変大当たり遊技と称し、確変大当たり遊技が実行される大当たりのことを確変大当たりと称す。また、不利大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い大当たり遊技のことを通常大当たり遊技と称し、通常大当たり遊技が実行される大当たりのことを通常大当たりと称す。
なお、本制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選しなかった場合は外れと判定され、遊技者に特典が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみ可変入賞装置65を開放させる特典)小当たり遊技が実行されるように構成しても良い。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
図119に戻り説明を続ける。遊技盤13の表面に形成される遊技領域の左下方側には、球が入球することにより10個の球が賞球として払い出される複数の左一般入球口63aが配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、或いは第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37にて実行される特別図柄の変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして普通図柄(第2図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(Z1~Z3)が表示される(図230(a)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。本制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図20参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
図122(b)に示した通り、本制御例のパチンコ機10では、主図柄szが数字を模した識別情報毎に異なる種類のキャラクタ(魚等)を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させたキャラクタを用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たり遊技が発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
主表示領域Dmは、上・中・下のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって左右方向へスクロールして変動表示が行われる。
具体的には、上図柄列Z1は右から左に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されており、中図柄列Z2と下図柄列Z3は左から右に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されている。さらに、各図柄列には、主図柄szの間に特別図柄の抽選結果を示さない副図柄(ブランク図柄)fzも形成されている。図122(b)では三角を模した図柄を用いてブランク図柄(副図柄)fzを表示している。
そして、図122(a)に示した通り、主表示領域Dmは、上下方向に形成される3つの有効ラインL1~L3、及び、斜め方向に形成される2つの有効ラインL4,L5を有しており、各図柄列Z1~Z3が停止表示された状態で、第3図柄(主図柄sz)が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
図122(a)に示した通り、本制御例では、各有効ライン(L1~L5)が、各図柄列Z1~Z3の図柄表示位置を含むように形成されているため、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される各図柄列Z1~Z3の全てが停止表示されるまで、対応する特別図柄の抽選結果を分かり難くすることができる。よって、最後の図柄列(本制御例では、中図柄列V2)が停止表示されるまでの間、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示に興味を持たせることができる。
なお、本制御例では、上述した3つの図柄列(Z1~Z3)のうち、特定の図柄列(図柄列Z2)、即ち、複数の図柄列のうち変動表示が最後に停止表示される図柄列に対して、他の図柄列よりも主図柄の数が多くなるように構成している。具体的には、特定の数字(例えば、「4」の数字)が付された主図柄の数を、他の図柄列よりも多くしている。これにより、特定の数字を模した識別情報がリーチ状態となった場合には、他の識別情報でリーチ状態となった場合よりも、有効ライン上を通過する大当たり図柄(特定の数字を模した識別情報)の数を増やすことができるため、遊技者に対して大当たり当選の期待度が高いのではと視覚的に予測させることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図122(b)を参照して説明をする。図122(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には小表示領域Dm1が形成され、正面視右上には小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
また、小表示領域Dm2は、普通図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための第4図柄(普図第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1,Dm2を設けることにより、特別図柄の抽選状況や普通図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本制御例のパチンコ機10では、第4図柄を、丸印とバツ印といった図形を模した表示態様で示しており、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を変動表示させることで(図122(b)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を停止表示させることで(図122(b)の小表示領域Dm2参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として数字を用いた表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本制御例では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図122(b)に示した通り、本制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1)を主表示領域Dmの左上側に、普通図柄の抽選状況を示すための普図第4図柄が表示される普図第4図柄表示領域(小表示領域Dm2)を主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域や普図第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域や普図第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
図122(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、獲得済みの特別図柄抽選の権利(保留記憶)の数に対応させた保留図柄が表示されるように構成している。上述した通り、本制御例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている場合や、当たり遊技が実行されている場合、即ち、新たな特別図柄抽選を実行することができない状態で、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球すると、その入球回数が各入球口に対して最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本実施形態では、第1入球口64への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個、第2入球口640への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄が最大8個表示される。
具体的には、図122(b)に示した通り、副表示領域Dsは、実行中領域Ds1aと、待機中領域Ds1bに区画形成される。待機中領域Ds1bは、特別図柄の保留球数に対応させた数の保留図柄を表示するための領域であって、保留記憶可能な上限数(8個)に対応した8つの台座hr1~hr8が左から順に表示されている。そして、特別図柄の保留球を獲得した場合には、8つの台座hr1~hr8のうち、保留図柄が表示されていない最も若い番号の台座に対して保留図柄が表示される。
図122(b)に示した例では、第1特別図柄の保留球を4つ保留記憶している状態であって、待機中領域Ds1bには、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)に対応した表示態様(白色の丸印)の保留図柄が4つ(hz1~hz4)、第1台座hr1~第4台座hr4に表示されている。
実行中領域Ds1aは、現在実行中の特別図柄変動に対応して表示されていた保留図柄がシフトして表示される表示領域であって、実行中台座hr0に、実行中保留図柄hz0が表示される。つまり、新たな特別図柄変動が開始される場合には、待機中領域Ds1bの台座hr1に表示されていた保留図柄hz1が、実行中領域Ds1aの台座hr0へとシフトして表示される。このように構成することにより、例えば、待機中領域Ds1bに表示されている保留図柄に対して大当たり当選の期待度を示す予告演出(例えば、保留図柄の表示態様を可変させる演出)を実行した場合に、その予告演出が実行された保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されていることを遊技者に容易に判別させることができる。
また、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄を表示可能とすることで、保留図柄の表示態様を可変させる演出を、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄に対しても実行することができるため、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄が表示されない場合よりも長い間、保留図柄の標示態様が可変されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
本制御例では、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bに表示される保留図柄の表示態様によって、表示されている保留図柄が第1特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図1保留図柄)であるか、第2特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図2保留図柄)であるかを遊技者が識別可能に構成しており、特図1保留図柄は白色の丸印(図122(b)参照)で、特図2保留図柄は黒色の丸印(図124(a)参照)で表示される。これにより、遊技者に対して現在の保留球数を特別図柄の種別毎に把握させることができるため、保留図柄の表示内容に基づいて第1入球口64へと球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。
なお、図122(b)に示した通り、本制御例では、各特別図柄に対応する保留球数の個数に対応する数の保留図柄を表示し、若い番号の台座(最も若い番号の台座は台座hr1)に表示されている保留図柄に対応する保留球を用いて特別図柄抽選を実行するように構成している。つまり、特別図柄抽選に用いられる順に保留図柄を表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、保留球を獲得した順に保留図柄を表示し、各保留図柄に対して特別図柄抽選に用いられる順番を示すための消化順情報を付すように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで獲得した保留球がどの保留図柄に対応しているかを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、本制御例では、図122(b)に示した通り、最大で8個の保留図柄を横並びで表示可能に構成しているが、これに限ること無く、特図1保留図柄の表示領域と、特図2保留図柄の表示領域と、を区分けして表示するように構成しても良い。この場合、例えば、特図2保留を獲得し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合は、特図1保留図柄の表示領域を特図2保留図柄の表示領域よりも目立たせて表示し、特図2保留を獲得し易い遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合は、特図2保留図柄の表示領域を特図1保留図柄の表示領域よりも目立たせて表示するように構成しても良い。
なお、本第10制御例では、図2を参照して説明をした通り、パチンコ機10の遊技盤13が左右対象に構成されており、右打ち遊技を行った場合と、左打ち遊技を行った場合とで、同様の遊技結果が付与されるように構成しているため、表示されることが無いが、例えば、設定されている遊技状態に応じて、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合と、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合とを設定可能にしたパチンコ機10であれば、第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
より詳細に説明をすると、案内表示領域として、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成すると良く、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、例えば、確変状態、時短状態中及び、大当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成すれば良い。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に、右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成すると良い。また、上述した各制御例において説明をした第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様を適宜表示可能に構成しても良い。
<第1制御例の演出内容について>
次に、図123~図131を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図123(a)を参照して、通常状態中におけるリーチ成立時の表示画面について説明をする。図123(a)は、通常時(通常状態)にてリーチ状態となった場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。本制御例では、変動表示される第3図柄が、上図柄列Z1、下図柄列Z2の順で停止表示され、有効ラインL1~L5(図122(a)参照)の何れかにて、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された場合にリーチ状態となり、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された有効ラインをリーチ有効ラインとして、中図柄列Z2が変動表示されるように構成している。そして、リーチ状態となってからは、中図柄列Z2が各識別情報(第3図柄)を遊技者が視認可能な低速度(主図柄(数字を模した第3図柄)が1つ移行するのに要する時間が約0.5秒の速度)で変動表示されるように構成している。
上述した通り、本制御例では、中図柄列が主図柄を10個(「1」~「3」,「5」~「9」の数字が付された主図柄が各1個、「4」の数字が付された主図柄が2個)有しているため、中図柄列Z2が低速度で変動表示されている場合には、1周するまでに要する時間が5秒(0.5×10)となる。そして、低速度で変動表示されている中図柄列Z2が、そのまま停止表示される。或いは、特定の移行条件が成立したことに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成している。
さらに、本制御例では、図123(a)に示した通り、どの第3図柄(図123(a)では、「9」を模した識別情報(カニを模した第3図柄))でリーチ状態となった場合であっても、リーチ中に変動表示される中図柄列Z2(図122(a)参照)が数字の「1」を模した識別情報(タコを模した第3図柄)が最初に視認可能となるように低速変動表示が実行されるように構成している。
加えて、本制御例では、リーチ状態となってからの中図柄列Z2の変動態様に応じて、変動演出の演出態様が可変するように構成しており、例えば、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミング(低速変動表示が実行されてから5秒経過後)や、2周したタイミング(低速変動表示が実行されてから10秒経過後)に異なる演出態様(リーチ態様)へと可変し得るように構成している。よって、本制御例のように、リーチ状態となってから最初に視認可能となる中図柄列Z2の識別情報を統一させることにより、遊技者に対して、どのタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するのかを分かり易くすることができる。
なお、本制御例では、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングをリーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミングや、2周したタイミングとしているがこれに限ること無く、例えば、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングや、大当たりを示す組合せとなる識別情報から一つずれた識別情報がリーチ有効ラインを通過するタイミングにて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成してもよい。このように、リーチ停止されている識別情報の種別に対応した特定の識別情報がリーチ有効ラインを通過することに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成することで、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとに関係性を持たせることができる。具体的には、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成した場合には、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとを重複させることができるため、大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインに接近する際に遊技者に大きな期待感を持たせながら変動演出を注視させることができる。
ここで、本制御例では、上述した通り、どの第3図柄でリーチ状態となった場合であっても、特定の識別状態(数字の「1」を模した第3図柄)が最初に視認可能となるように中図柄列Z2が低速変動表示されるように構成しているため、例えば、最終的に停止表示させる第3図柄の組合せを大当たりとなる第3図柄の組合せに対して1種類ずらした組合せ(リーチ1コマ外れ)とする場合(最終停止表示態様を予め決定する場合)には、リーチ状態となってから全ての第3図柄が停止表示されるまで(最終停止表示態様が停止表示されるまで)の期間が、リーチ状態となる第3図柄の種別によって異なってしまうという新たな問題が発生する。
具体的には、数字の「1」を模した第3図柄でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は数字の「1」を模した第3図柄を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから5.5秒(1周目)、10.5秒(2周目)を要し、数字の「6」を模した第3図柄でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は数字の「1」を模した第3図柄を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから8秒(1周目)、13秒(2周目)を要することになる。
よって、同一の変動時間が設定される変動パターンにて、異なる種別の第3図柄でリーチ状態を成立させるためには、第3図柄の停止表示タイミングからリーチ状態となるタイミングを逆算して設定する処理を実行する必要があった。つまり、変動開始タイミングからリーチ状態となるまでの期間がリーチ状態となる第3図柄の種別に応じて可変する統一性の無いリーチ演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、特別図柄の抽選の実行に伴って、特別図柄の抽選結果を示すための第1図柄の変動時間を主制御装置110において抽選により決定し、その決定した変動時間を、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。そして、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に適合する演出期間の変動表示演出を選択して、第1図柄の変動表示に同期させて、第3図柄の変動表示演出を実行する構成としている。そして、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドは、基本の変動時間を示す基本時間コマンドと、加算される変動時間を示す加算時間コマンドとで構成されており、加算時間コマンドに含まれる変動時間の長さに基づいてリーチ状態となる第3図柄の種別を可変させるように構成している。より具体的には、30秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として0秒に対応するコマンドが通知される。一方で、37秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として7秒に対応するコマンドが通知される。つまり、加算時間コマンドの通知内容により、基本時間よりも7秒長い変動種別であることを音声ランプ制御装置113側で識別可能に構成されている。これにより、加算時間コマンドの内容を確認するだけで、リーチ状態とする第3図柄の種別を設定することができる。
次に、図123(b)~図126を参照して、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄変動(抽選)に関する演出内容について説明をする。まず、図123(b)を参照して、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中における第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図123(b)は、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図123(b)に示した通り、普通図柄変動が実行されると、小表示領域Dm2に、普通図柄変動が実行されていることを示す変動表示態様(図では矢印で表示)が表示される。そして、主表示領域Dmの右下側に小表示領域Dm3が形成され、その中に普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640aを含む第2入球口640を模したアイコンが表示されると共に、小表示領域Dm3が形成されたことを遊技者に報知するための強調表示(図では、6本の線で表示)が実行される。なお、図123(b)で示した状況は、当たり当選している普通図柄変動の実行中であるため、小表示領域Dm3に表示されるアイコンは、閉鎖状態の電動役物640aを含む第2入球口640を模した表示態様となっている。このように構成することで、遊技者に対して、間もなく普図当たり遊技が実行されるのでは?と予測させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図123(b)では、当たり当選している普通図柄変動の実行中を一例に挙げて説明をしたが、抽選結果が外れである普通図柄変動の実行中の一部(例えば、外れ変動の1/100の確率)で小表示領域Dm3を形成し、電動役物640aを含む第2入球口640を模したアイコンを表示する演出(ガセ演出)を実行するように構成している。この場合、実行中の普通図柄変動(外れ変動)が停止表示するまでに、小表示領域Dm3が消滅する演出態様が設定される。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選していない場合にも小表示領域Dm3が形成される演出表示が実行されることになるため、遊技者に対して普図当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、図123(b)では、小表示領域Dm3にて電動役物640aを含む第2入球口640を模したアイコンを表示させることで普図当たり遊技の開始を示唆する演出について例示したが、これに限ること無く、例えば、副表示領域Dsや主表示領域Dmの一部にて普図当たり遊技の開始を示唆するコメントを表示するように構成しても良い。
また、主表示領域Dmにて実行中の第3図柄変動表示の表示態様を用いて普図当たり遊技の開始を示唆するように構成しても良い。この場合、普通図柄変動を実行させながら特別図柄変動も実行させている場合にのみ、普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出が実行されることになるため、例えば、特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64よりも球を入球させ易いスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選のみを実行している遊技者に対しては普通図柄抽選の結果を予め示唆することが無くなる。よって、特別図柄変動も普通図柄変動も共に実行させる正常な遊技を行っている遊技者に対して特典(普通図柄抽選の結果を事前に示唆する演出の実行)を付与することができる。同様に、本制御例で用いられる小表示領域Dm3を用いた演出を、特別図柄変動が実行されていること、或いは、球を発射する遊技が継続して実行されていることを実行条件として設定しても良い。
加えて、実行されている遊技内容に応じて、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出の期待度を異ならせるように構成しても良く、例えば、正常に遊技を行っている場合には、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出が実行された場合に、ほぼ100%の割合で普図当たり遊技が実行され、特別図柄抽選を実行させることなく普通図柄抽選のみを実行させる遊技(止め打ち遊技)を行っている場合、即ち、正常な遊技を行っていない場合には、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出が実行されたとしても約10%の割合でしか普図当たり遊技が実行されないように構成しても良い。このように構成することで、止め打ち遊技を実行している遊技者に対して、実行される示唆演出に基づいて普図当たり遊技の開始タイミングを把握され難くすることができ、ペナルティを科すことができる。
詳細は後述するが、本制御例では、普通図柄の抽選権利も最大で4個保留可能に構成しており、新たな抽選権利(普図保留)を獲得した場合に、獲得した抽選権利を用いた普通図柄抽選の結果を事前判別可能に構成している。そして、その事前判別結果を示すコマンド(情報)を、音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。よって、普図当たり遊技の実行を示唆する示唆演出を当たり当選している普通図柄変動が実行されるよりも前段階、即ち、事前判別結果が当たり当選である普図保留を獲得している段階から普図当たり遊技が間もなく実行されることを示唆する示唆演出を実行することができる。この場合、図123(b)に示した示唆演出よりも、遊技者に分かり難い演出態様で示唆演出を実行するように構成すると良く、例えば、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果、或いは、獲得している特図保留に対する事前判別結果、を示唆する演出と同一の演出態様で示唆演出を実行するように構成し、実行された示唆演出によって、遊技者に有利な状況が間もなく訪れることのみを遊技者に報知するように構成しても良い。
このように、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミングと、示唆演出の実行タイミングとが乖離するほど遊技者に普図当たり遊技が実行されることを示すための示唆演出の演出態様を分かり難く、ひいては、示唆演出の対象が普図当たり遊技であることを分かり難くすることにより、示唆演出が実行された場合における遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図124(a)を参照して、通常状態中に普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合の演出内容について説明をする。図124(a)は、通常時(通常状態中)において普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合に表示される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態中では、普通図柄抽選で当たり当選する確率が1/100に設計されており、普通図柄の低確率状態で実行される普通図柄変動の変動時間が10秒に設計されている。そして、図119を参照して上述した通り、右打ち遊技を実行した場合、左打ち遊技を実行した場合の何れにおいても発射した球の約1/2がスルーゲート67を通過するように構成している。また、普通図柄の抽選権利(普図保留)を最大で4個記憶可能に構成している。
つまり、通常状態にて遊技を継続している間は、継続して普通図柄抽選が実行され、約1000秒に1回の割合で普図当たりに当選するように構成している。さらに、通常状態で普図当たり当選した場合には、電動役物640aが5秒間開放される普図当たり遊技(ロング開放当たり)が実行されるように構成している。また、図119に示した通り、電動役物640aは第1入球口64の下方に設けられているため、第1入球口64を狙う遊技を継続するだけで発射された球が第2入球口640へと入球し得るように構成している。よって、低確率で発生する普通図柄の低確率状態中における普図当たり遊技にて遊技者が球を第2入球口640へと入球させることが出来ない事態が発生することを抑制している。
通常状態にて普通図柄抽選で当たり当選した場合には、図124(a)に示した通り、小表示領域Dm2にて、普通図柄抽選の結果が当たりであることを示す組合せ(図では2つの丸印)で、識別情報(図柄)が停止表示され、普図当たり遊技が実行される。そして、主表示領域Dmの上側にて「電チューを狙ってね」のコメントが表示され、小表示領域Dm3には開状態の電チュー(電動役物640aを含む第2入球口640)を模したアイコンが表示される。なお、普通図柄抽選と、特別図柄抽選とは並行して(重複して)実行可能に構成しているため、特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動表示、及び、小表示領域Dm1にて実行される第4図柄の変動表示は普図当たり遊技中も継続して実行される。
また、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bには、第2入球口640に球が入球したことに基づいて獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留球)の数を示す特図2保留図柄(図では、黒丸で表示)が、獲得している第1特別図柄の保留記憶(特図1保留球)の数を示す特図1保留図柄(図では、白丸で表示)よりも優先して(待機中領域Ds1bの左側に)表示される。つまり、図124(a)に示した状態では、普図当たり遊技中に第2入球口640に球を4個以上入球させた後の状態であって、特図2保留を上限数である4個獲得した後の状態を示したものである。
本制御例では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選を優先して実行するように構成しているため、後に獲得した特図2保留球のほうが先に獲得している特図1保留球よりも優先して特別図柄抽選が実行される。このように構成することで、通常状態中に普図当たり遊技が実行され、複数の特図2保留球を獲得した場合に、第2特別図柄抽選を優先的に連続して実行することが可能となるため、第2特別図柄の抽選が実行される1つの期間を遊技者に有利な有利期間(チャンスゾーン)として専用の演出を実行することができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本制御例では、待機中領域Ds1bに、獲得した特図1保留球と特図2保留球とを横並びに表示(最大で8個表示)するように構成しているが、例えば、特図1保留球のみを表示する特図1保留球表示領域と、特図2保留球のみを表示する特図2保留球表示領域と、を用いる場合であれば、優先して特別図柄抽選が実行される第2特別図柄の保留球を獲得していない場合は、特図1保留球表示領域を特図2保留球表示領域よりも目立たせるように表示し、第2特別図柄の保留球を獲得した場合に、特図1保留球表示領域よりも特図2保留球表示領域を目立たせるように切替表示すると良い。このように構成することで、遊技者に対して次に第1特別図柄の抽選が実行されるのか、第2特別図柄の抽選が実行されるのかを分かり易く報知することができる。
図124(a)に示した表示画面は、通常状態中における普図当たり遊技の終了タイミング、或いは、通常状態中における第2特別図柄変動の開始タイミングのうち何れかのタイミングとなるまで継続表示されるように構成している。つまり、普図当たり遊技中であっても、第2特別図柄変動が開始された場合には図124(b)を参照して後述するチャンスゾーン演出が実行される。一方、普図当たり遊技の終了タイミングを迎えても第2特別図柄変動が開始されない場合、例えば、長時間の変動時間(例えば60秒)が選択された第1特別図柄変動が実行されている間に普図当たり遊技(5秒)が実行された場合には、主表示領域Dmの上側に『チャンスゾーン待機中』の文字を表示し、現在実行中の第1特別図柄変動が終了すると、第2特別図柄変動が開始されることを遊技者に報知する待機画面が表示される。
なお、本制御例では、図124(a)に示した通り、第1特別図柄変動中に普図当たり遊技が実行された場合、実行中の第1特別図柄変動に対応して主表示領域Dmにて実行される第3図柄変動演出(図では、3本の矢印で表示)を継続表示しながら、主表示領域Dmの一部領域(図では右下に形成される小表示領域Dm3)にて普図当たり遊技中であることを報知しているが、この場合、実行中の第1特別図柄変動の抽選結果に基づいて普図当たり遊技が実行されたことを表示するために用いる表示領域の大きさを可変させるように構成すると良く、例えば、実行中の第1特別図柄変動が大当たり当選している場合は、小表示領域Dm3を図124(a)に示した例よりも小さく形成したり、小表示領域Dm3を形成しないように構成したりすると良い。このように構成することで、小表示領域Dm3が形成されることにより、大当たり当選を示す第3図柄変動演出の視認性が低下してしまうことを抑制することができる。また、小表示領域Dm3が形成されること無く普図当たり遊技が開始された場合に、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が大当たり変動であることを遊技者に報知することができるため、小表示領域Dm3にて普図当たり遊技が実行されたことが報知されていない状態であっても、遊技者に対して電動役物640aの作動状況を注視させることができる。このような構成を用いる場合には、実行中の特別図柄変動が大当たり変動で無い(外れ変動である)場合の一部においても、大当たり変動と同一の演出態様が実行されるように構成すると良い。
一方、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が外れ変動である場合や、特別図柄変動が実行されていない場合は、小表示領域Dm3を図124(a)に示した例よりも大きく形成したり、主表示領域Dmの全面を用いて普図当たり遊技が実行されたことを表示するように構成しても良い。
つまり、第3図柄表示装置81の表示領域という限られた領域内において、複数の情報(抽選結果や当たり遊技状況)を、重複して表示する必要がある場合に、遊技者に有利となる情報が優先して表示されるように構成していれば良く、その技術思想に基づいて様々な表示態様で表示すれば良い。この場合、遊技者によって有利となる情報が異なる場合があり、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す情報を有利な情報とする遊技者もいれば、特別図柄抽選の結果よりも、出現率の低い演出を有利な情報とする遊技者もいる。そこで、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種情報の有利度合いを遊技者が任意に選択可能な有利度合い選択手段と、を設け、有利度合い選択手段により選択された有利度合いに基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種情報に対応した表示態様を設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に不快感を与え難い表示態様で各種情報を表示させることができる。
次いで、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されるチャンスゾーン中の演出内容について、図124(b)から図126を参照して説明する。図124(b)は、チャンスゾーンが設定された場合に実行される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。図124(b)に示した通り、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されると、主表示領域Dmの上側に「チャンスゾーン突入」のコメントが表示される。このチャンスゾーンは通常状態中に獲得した全ての特図2保留を消化するまでの期間に設定される有利期間であって、基本的に最初の第2特別図柄抽選(変動)が開始されてから最後の第2特別図柄抽選(変動)が終了するまでの期間、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して現在が有利期間であることを分かり易く報知することができる。
また、副表示領域Dsには、チャンスゾーン中に大当たり当選した場合には、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。詳細な説明は後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで大当たり当選する確率は同一だが、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され易くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態中において、第2特別図柄抽選が実行されるチャンスゾーンの期間は、通常状態におけるチャンスゾーン以外の期間よりも確変状態となる大当たり当選を獲得し易い期間となるため、図124(b)に示したように、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。
なお、詳細な説明は後述するが、このチャンスゾーン中には、1回の特別図柄変動(第2特別図柄変動)中に、複数回の特別図柄変動が実行されたように見せる疑似変動演出を実行するように構成している。よって、副表示領域Dsにて表示されていた特別図柄の保留記憶数を示す表示態様(図124(a)参照)が非表示となり、主表示領域Dmの右上側に形成された小表示領域Ds11にて特図1保留数(図では特図1保留数が2個であることを示す「2」)が、小表示領域Ds12にて特図2保留数(図では、特図2保留数が3個であることを示す「3」)が表示される。
図124(b)に示した通り、小表示領域Ds11、及びDs12に表示される表示態様は、副表示領域Dsの待機中領域Ds1b(図124(a)参照)に表示される表示態様よりも遊技者が視認し難くなりように構成しているため、チャンスゾーン中は遊技者に特図保留数を把握させ難くすることができる。よって、チャンスゾーン中に疑似変動演出が実行された際に、実際に複数回の特別図柄抽選(変動)が実行されたのではと思わせることができ演出効果を高めることができる。なお、本制御例では、主表示領域Dmの一部領域(小表示領域Ds11、及びDs12)を用いて、特図保留数を表示するように構成しているが、これに限ること無く、チャンスゾーン中は特図保留数を遊技者に報知しないように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面以外の領域(例えば、可変表示ユニット80に設けられたLED)にて特図保留数を報知するように構成しても良い。さらに、遊技者に特図保留数を識別させ難く構成すれば良く、例えば、遊技者が容易に特図保留数を識別可能な数字を用いた表示態様から、各特図保留数に対応させて色を可変させる表示態様へと切替えても良い。このように構成した場合には、特図保留数を示すための表示態様を遊技者が容易に把握できたとしても、現在の特図保留数が容易に識別されてしまうことを抑制することができるため、本制御例と同様の効果を奏することができる。
また、図124(b)に示した通り、主表示領域Dmの右下側には、現在が第2特別図柄の変動中であることを示すウサギを模したキャラクタ1801が表示される。上述した通り、特別図柄抽選(変動)と、普通図柄抽選(変動)とは並行して(重複)して実行されるため、普図当たり遊技が実行されている期間が、第1特別図柄の変動期間中と重複する場合(図124(a)参照)と、重複しない場合とがある。第1特別図柄の変動期間中と重複して普図当たり遊技が実行された場合には、実行中の第1特別図柄変動が終了した後に第2特別図柄抽選が実行され、第1特別図柄の変動期間中と重複していない場合には、普図当たり遊技中に球が第2入球口640へと入球した直後(普図当たり遊技中)に第2特別図柄抽選が実行される。つまり、普図当たり遊技が実行された際の第1特別図柄の変動状況に応じて、第2特別図柄抽選の実行タイミングが異なることになり、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者が正確に判別し難くなるという問題は発生する。
これに対して本制御例では、第2特別図柄変動が実行されると、主表示領域Dmにてキャラクタ1801が表示されるように構成しているため、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図125(a)、及び、図126を参照して、チャンスゾーン中に実行される変動演出のうち、疑似変動演出(特殊変動演出)の演出内容について説明をする。図125(a)は、特殊変動演出中において第3図柄が仮停止した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図125(b)は、特図2保留球を獲得している状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図126は、特図2保留球を獲得していない状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
ここで、特殊変動演出(疑似変動演出)の演出内容について説明をする。この特殊変動演出は、1回の第2特別図柄変動の変動期間中に第3図柄を停止表示(仮停止表示)させ、その後再始動させる変動演出であり、遊技者に対して複数回の特別図柄変動が実行されたと思わせる疑似的な変動演出である。まず、特殊変動演出の前半期間(約10秒)を用いて、リーチ演出を実行し、前半期間の終了タイミングにて、図125(a)に示した通り、外れを示す組合せ(図では「353」で表示)で第3図柄を仮停止表示(図では、第3図柄に波線を付して表示)させる。このタイミング、即ち、特殊変動演出の前半期間の終了タイミングでは、副表示領域Dsに特別図柄抽選の結果が外れであることを示唆する「残念」の文字が表示され、遊技者に対して、チャンスゾーン中に実行された1の第2特別図柄抽選が外れであったと思わせるように構成している。つまり、特殊変動演出の前半期間では、大当たり当選に期待を持たせたリーチ演出が外れを示す演出結果で停止表示(仮停止表示)される特殊前半演出が実行される。
その後、特殊変動演出の後半期間(約30秒)にて、仮停止していた第3図柄を再始動させる変動演出(特殊後半演出)が実行される。この特殊後半演出は、獲得済みの特図2保留数に応じてその演出態様を異ならせるように構成しており、例えば、特図2保留球を確保している状態では、図125(b)に示した通り、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行され、特図2保留球を確保していない状態では、図126に示した通り、チャンスゾーンが終了した後に実行される第1特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される。つまり、本制御例では、特殊変動演出として、実行中の第2特別図柄変動が終了した後に実行される特別図柄変動の種別を特図保留数に基づいて判別し、その判別結果に対応した演出態様で特殊後半演出の演出態様を設定している。よって、遊技者に対して、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
さらに、本制御例では、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される場合(図125(b)参照)には、獲得済みの特図2保留数に対応させて後半期間中に第3図柄を仮停止させる回数を異ならせるように構成している。なお、詳細な説明は省略するが特殊変動演出が実行される際に、特図2保留球、及び特図1保留球の何れも確保していない場合は、図125(a)に示した第3図柄の仮停止表示を実行することなく、第2特別図柄変動の変動期間の全てを用いて1回の変動演出(第3図柄を一度も仮停止表示させることの無い変動演出)を実行するように構成している。これにより、特図保留数を確保している状態にのみ上述した特殊変動演出が実行されることになるため、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
加えて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合にのみ、後半期間中に実行される第3図柄の仮停止回数を、獲得済みの特図2保留数と異ならせた演出態様が設定されるように構成している。よって、例えば、第3図柄が5回以上仮停止した場合には実行中の第2特別図柄変動が大当たり当選しているのではと遊技者に期待を持たせることができる。なお、上述した通り、本制御例では、第3図柄が仮停止表示された場合と、停止表示された場合とを遊技者が識別困難に構成しているため、仮停止回数を正確に判別し難い。よって、仮停止表示回数と停止表示回数とを混在させて5回以上仮停止表示したと思わせたり、仮停止表示の一部を停止表示と思い込み、実際には5回以上仮停止表示されたにも関わらず、仮停止表示回数が5回に到達していない状態と思わせたりすることができ、遊技者に演出結果を予測する楽しみを提供することができる。
なお、特殊変動演出の演出態様としてこれ以外の構成を用いても良く、例えば、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数を遊技者に容易に把握させるための仮停止表示回数を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数に応じて特殊変動演出の演出態様の少なくとも一部(例えば、背景の色や、第3図柄のエフェクト等)が段階的に可変するように構成しても良い。また、仮停止している第3図柄を再表示させるタイミングにて一時的に仮停止表示された回数を示す表示態様(例えば、1回目、2回目)を表示するように構成しても良い。
図126に示した通り、特図2保留球を確保していない状態で特殊変動演出が実行された場合には、チャンスゾーンが終了したことを示す表示態様として「チャンスゾーン終了」の文字が副表示領域Dsに表示され、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示が第1特別図柄変動に対応する変動表示(水平方向へと第3図柄が変動する変動表示)となる演出態様が特殊後半演出として実行されるため、遊技者に対してチャンスゾーンが終了したと思わせた後に、特殊変動演出の演出結果、即ち、第2特別図柄の抽選結果が停止表示されることになる。よって、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、通常状態中における第2特別図柄変動のうち、一部において上述した特殊変動演出が実行され、それ以外は、1回の第2特別図柄変動に対して1回の変動演出が実行されるように構成している。よって、普図当たり遊技において複数個(最大で4個)の特図2保留球を獲得した場合に特殊変動演出が無用に長く実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図127を参照して、本制御例における大当たりエンディング期間中実行される演出内容について説明をする。図127(a)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図127(b)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図127(c)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図127(d)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図である。
本制御例では、通常状態中に大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技が、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)である場合は、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)である場合よりも、大当たりエンディング期間が長く設定されるように構成している。具体的には、確変大当たり遊技では大当たりエンディング期間として17秒が、通常大当たり遊技では大当たりエンディング期間として15秒が設定されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技を介して遊技内容が大きく変わる(通常状態から確変状態へと移行する)ことをエンディング期間中(確変状態が設定されるよりも前)に、遊技者に分かり易く報知することができる。また、大当たり遊技終了後に実行すべき遊技の内容を長いエンディング期間を用いて遊技者に告知することができる。
また、本制御例では、上述した通り、確変大当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置65に入賞した球を特定領域(Vゲート)65v(図120参照)へと流下させないと確変状態が設定されないように構成している。よって、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと流下させることができなかった場合には、確変大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることなく、通常大当たり遊技と同様に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。
この場合、確変大当たり遊技のエンディング期間において確変状態が設定されることを示す報知演出が実行されてしまうと、報知演出の演出内容と実際に設定される遊技状態とが相違してしまい遊技者に不満感を与えてしまうという問題があった。さらに、確変大当たり遊技のエンディング期間(17秒)において実行される報知演出の演出態様を、通常大当たり遊技のエンディング期間(15秒)において実行される報知演出の演出態様へと切り替えた場合には、実際のエンディング期間の長さと報知演出の演出期間の長さが異なってしまい、遊技者に違和感のある報知演出を実行することになるという問題があった。
そこで、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、さらに、後半期間の長さを大当たり遊技の種別に関わらず統一の期間(7秒間)とするように構成している。そして、後半期間に実行される報知演出の演出態様を大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に応じて決定するように構成している。
具体的には、図127に示した通り、通常大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(8秒)に対して、時短状態が設定されることを示唆する「チャンスモード100回」の文字が表示され(図127(a)参照)、その後、後半期間(7秒)に対して、時短状態中に大当たり当選すると(第2特別図柄抽選で大当たり当選すると)、確変状態が設定され易いことを示すための遊技案内態様として「チャンスモード中に当たりとスーパーチャンスGET」の文字が表示される報知演出(図127(c)参照)を実行するように構成している。
一方、確変大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(10秒)に対して、確変状態が設定されることを示唆する「スーパーチャンスモード100回」の文字が表示され(図127(b)参照)、その後、後半期間(7秒)に対して、遊技内容とは直接関係の無い注意喚起態様として「カードの取り忘れにご注意下さい」の文字が表示される報知演出(図127(d)参照)を実行するように構成している。
本制御例では、上述した大当たりエンディング期間中に実行される報知演出の演出態様が、大当たり遊技が実行されるタイミングにて予め設定されるように構成されている。これにより、様々な制御処理が実行される大当たり遊技中において、報知演出の演出態様を決定するための処理を毎回実行する必要が無くなるため、大当たり遊技中に実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
ここで、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を流下させることができなかった場合について説明をする。この場合、図127(b)に示した表示態様のうち、「スーパー」の文字を非表示にさせる処理と、大当たりエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出を、通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出(図127(c)参照)へと切り替える処理とが実行される。
より具体的には、図127(a)に示した表示態様として「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)と、「チャンスモード100回」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)とを異ならせており、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に基づいて「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)に対する表示指示の有無を切り替え可能に構成している。これにより、簡易的な制御処理によって、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に対応した報知演出を実行することが可能となる。さらに、大当たりエンディング期間の後半期間という同一の長さで設定される期間において、演出態様を切り替えるように構成しているため遊技者に違和感を与えること無く報知演出の演出態様を切り替えることができる。
なお、本制御例では、大当たり種別によって大当たりエンディング期間の長さを異ならせているが、これに限ること無く、全ての大当たり種別に対して大当たりエンディング期間の長さを統一しても良い。また、本制御例では、全ての大当たり種別に対して同一の長さとなる期間として大当たりエンディング期間の後半期間を設定しているが、これに限ること無く、大当たりエンディング期間の前半期間が全ての大当たり種別に対して同一の長さとなるように構成しても良い。さらに、大当たり種別が3以上ある場合には、その全ての大当たり種別に対して同一の期間を設定する必要は無く、例えば、大当たり種別Aと大当たり種別Bとでは大当たりの前半期間が同一の長さとなり、大当たり種別Bと大当たり種別Cとでは大当たりの後半期間が同一の長さとなるように構成しても良い。
また、本制御例では、当選した大当たり種別に応じて異なる長さのエンディング期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中の遊技結果に応じてエンディング期間の長さを異ならせるように構成しても良い。
次に、図128~図130を参照して、チャンスモード中に実行される演出内容について説明をする。本制御例のパチンコ機10は、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が100回設定されるように構成している。さらに、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が50回設定されるように構成している。さらに、詳細な説明は後述するが、大当たり遊技中の球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV報知演出を実行する場合と、V報知演出を実行しない場合とを設定可能に構成している。
そして、大当たり遊技中にV報知演出が実行された場合は、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されたことを遊技者に報知するための演出モード(スペシャルチャンスモード)が設定され、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかった場合、或いは、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されているか否かを遊技者が把握困難な演出モード(チャンスモード)が設定されるように構成している。
演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、主表示領域Dmの上側に「チャンスモード中」の文字が表示されると共に、副表示領域Dsの小表示領域Ds2に普通図柄の高確率状態が終了するまでの期間を示すための残期間報知態様が表示される(図128(a)参照)。図128(a)に示した例は、チャンスモードが設定されてから20回目の特別図柄変動が実行されている状態を示したものであり、残期間報知態様として、特別図柄変動があと80回実行された場合にチャンスモードが終了することを示す「80回」の文字が表示されている。
このように、演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様から、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に把握させ難くすることができるため、現在の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態)であることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合に限り、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合であっても演出モードとしてチャンスモードを設定可能に構成しているため、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したこと、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されてしまい、遊技者が戸惑ってしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したこと報知するV報知演出が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されていることを示すための演出モードとしてスーパーチャンスモードが設定されるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合には、大当たり遊技終了後の演出モードとしてチャンスモードが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合の一部において、スーパーチャンスモードが設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、大当たり遊技のエンディング時(今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させることが不可能(困難)となった後)に、今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したかの判別と、V報知演出が実行されたかの判別を実行し、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したとの判別結果と、V報知演出が実行されていないとの判別結果と、を得た場合の一部(所定の抽選で特定の抽選結果となった場合)において、大当たり遊技のエンディング期間中に、確変状態が設定されることを示す表示態様(図127(b)、及び図127(d))を表示するように構成し、大当たり遊技終了後の演出モードとしてスーパーチャンスモードを設定するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合であっても、スーパーチャンスモードが設定される可能性を残すことができるため、大当たり遊技が終了するまで遊技者に期待感を持たせて遊技を行わせることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技終了後に設定される演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、遊技状態として時短状態が設定されている場合と、確変状態が設定されている場合とが発生することになる。そして、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、普通図柄の高確率状態が継続する期間の残期間が表示される。つまり、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として、通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態として、第1有利遊技状態(確変状態)と、第2有利遊技状態(時短状態)と、を設定可能に構成し、第1有利遊技状態は、所定の第1期間(大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が50回実行されるまでの期間)継続し、第2有利遊技状態は、上述した第1期間よりも長い第2期間(大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)継続するように構成し、大当たり遊技終了後に第1有利遊技状態が設定された後、第1期間が経過した場合には、第2期間を経過するまで第2有利遊技状態が設定されるように構成し、第2期間が経過した場合に通常状態が設定されるように構成した遊技機において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるか否かに関わらず、有利遊技状態が終了するまでの期間(第2期間)の残期間を示すための残期間報知を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態が継続する期間を分かり易く報知することができる。さらに、本制御例では、第2期間の残期間(チャンスモードの残期間)が設定されている状態において、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出を、残期間報知の報知態様(表示態様)を用いて実行可能に構成している。
ここで、図128(b)を参照して、チャンスモード中に実行される遊技状態示唆演出の演出内容について説明をする。図128(b)は、チャンスモード中に実行される遊技状態示唆演出の表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図128(b)に示した通り、確変状態が設定されている状態でチャンスモードが設定された場合に所定の報知条件が成立すると、小表示領域Ds2に表示される残期間報知の表示態様が可変される遊技状態示唆演出(図128(b)では、白抜きの表示態様で表示)が実行される。そして、副表示領域Dsの小表示領域Ds1には、「大当たり期待度UP」のコメントが表示される。このように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態が終了するまでの期間を遊技者に報知しながら、有利遊技状態のうち、どの遊技状態が設定されているのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、図128(b)に示した表示態様と同一の表示態様を、実行中の特別図柄変動が大当たり変動である場合、或いは、獲得済みの特図2保留球に大当たり当選する情報が含まれている場合であって、チャンスモードのうち、確変状態が設定され得る期間内(大当たり遊技終了後、特別図柄変動が50回実行されるまでの期間内)において表示可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態が継続する期間示すチャンスモード中において、遊技者に対してより有利な様々な情報(確変状態が設定されていることを示す情報、大当たり当選に関する情報)を同一の表示態様を用いて表示することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、実際には時短状態が設定されている場合であっても、大当たり当選に基づいて確変状態が設定されている場合に表示され易い表示態様を表示することができるため、設計値よりも高い割合で確変状態が設定されていると遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、上述した本制御例の技術思想とは別の技術思想を用いてチャンスモード中の演出を実行するように構成しても良く、例えば、確変状態中にチャンスモードが設定されている状態で、大当たり当選、或いは、獲得済みの特図2保留球に大当たり当選する情報が含まれている場合に、現在設定されている遊技状態が時短状態であることを示唆するための示唆演出(例えば、残期間報知の表示態様を、図128(a),(b)とは異なる表示態様(漢数字表示にする表示態様)で表示する演出)を実行するように構成しても良い。これにより、有利遊技状態において、確変状態よりも遊技者に不利となる時短状態中に大当たり当選したと遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、遊技履歴として確変状態が設定された割合を実際よりも低く見せることができるため、次の大当たり遊技で確変状態が設定されることをより期待させながら遊技を行わせることができる。
以上、図128(a),(b)を参照して説明をした通り、本第1制御例では、チャンスモードが継続する期間(残期間)を示すための残期間報知態様の表示態様を可変させることにより、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆可能に構成することで、チャンスモードの残期間を注意深く見ている遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を示唆する遊技状態示唆演出を把握させ易くすることができるように構成しているが、遊技状態示唆演出を、残期間報知態様以外を用いて実行しても良く、例えば、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも表示され易い第1表示態様(例えば、「チャンス」の文字)や、時短状態が設定されている場合のほうが、確変状態が設定されている場合よりも表示され易い第2表示態様(例えば、「ピンチ」の文字)を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の表示態様を可変させることにより遊技状態示唆演出を実行するように構成しても良い。
なお、本第1制御例では、特別図柄の高確率状態も、普通図柄の高確率状態も、特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に終了するように構成しているため、図128(a),(b)に示した通り、チャンスモードが継続する残期間(特別図柄の高確率状態、或いは普通図柄の高確率状態が継続し得る残期間)を報知する残期間報知の表示態様を用いて、現在の遊技状態を示唆可能に構成しているが、例えば、特別図柄の高確率状態が、次に大当たり遊技が実行されるまで継続するように構成されたパチンコ機10にて、上述したチャンスモードの構成を用いても良い。この場合、チャンスモードの継続期間として、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、その普通図柄の高確率状態が終了するまでの残期間(時短状態が終了するまでの期間)を残期間報知によって報知するように構成し、その残期間報知によって報知された残期間を経過した場合において、時短状態が設定されている場合には、通常状態へと移行したことを報知する演出を実行し、確変状態が設定されている場合には、次に大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の高確率状態が継続することを示す表示態様、即ち、確変状態が継続する残期間が次回大当たりまでの期間であることを示す表示態様として「おめでとう」の文字が表示される演出を実行可能とし、チャンスモードが設定されている期間中において、所定の報知条件が成立した場合に、「おめでとう」の文字を表示させるように構成しても良い。
つまり、特別図柄抽選が実行される毎に更新されるチャンスモードの残期間に対応させて随時更新される残期間報知態様(図128(a)参照)に替えて、チャンスモードの残期間が存在していることを示すだけの表示態様、即ち、図128(a)に示した残期間報知態様のように、チャンスモード中に実行可能な特別図柄の残抽選回数を示さない残期間報知態様を用いても良いし、チャンスモードの残期間の長さに対応させて表示態様を可変(例えば、表示色を可変)させることにより、大まかにチャンスモードの残期間の長さを報知可能な残期間報知態様を用いても良い。さらに、残期間報知態様を複数表示可能に構成し、表示された複数の残期間報知態様の表示態様を組み合わせることにより、遊技者がチャンスモードの残期間の長さを把握可能となるように構成しても良い。
次に、図129及び図130を参照して、チャンスモード中において遊技者が操作手段を操作した場合に実行される演出内容について説明をする。本制御例では、遊技者が枠ボタン22(図119参照)に対して所定の操作を実行すると、その操作内容と、操作タイミングとに基づいて様々な演出(操作演出)を実行可能に構成している。詳細な説明は省略するが、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される背景画像を変更する操作演出や、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出の一部として遊技者に枠ボタン22を操作させるための案内報知を実行し、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、遊技者が枠ボタン22を操作しない場合とは異なる演出態様の演出を実行する操作演出や、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出を賑やかすための操作演出等が実行されるように構成している。これにより、遊技者に対して、球を発射させる行為以外の遊技を意欲的に行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、上述した操作演出のうち、チャンスモード中に実行される各種操作演出の内容について説明をする。詳細は、図18を参照して後述するが、本制御例では、有利遊技状態(時短状態、確変状態)が設定された場合に、有利遊技状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じて異なる変動時間が選択され得るように構成している。具体的には、有利遊技状態が設定されてから特別図柄変動回数が「1回目~20回目」の期間が、短い変動時間(例えば、5秒)が選択され易い第1期間(高速変動期間)となり、「21回目~49回目」の期間が、第1期間よりも長い変動時間(例えば、10~30秒)が設定され易い第2期間となり、「50回目」のみ、特定の変動時間(例えば、20秒)が設定される特定期間となり、「51回目~100回目」の期間が、第2期間と同程度の変動時間(例えば、10~30秒)が設定され易い第3期間となるように構成している。
つまり、チャンスモードが設定されてからの所定期間(第1期間)、即ち、大当たり遊技終了後の所定期間は、短い変動時間で特別図柄変動が実行され易くなるため、この第1期間中に大当たり当選した場合には、短い間隔で複数回の大当たり遊技を実行させ易くすることができる。これにより、前回実行された大当たり遊技の一環として次の大当たり遊技が実行されたのでは?と遊技者に思わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、上述した第2期間や第3期間では、通常状態が設定されている場合よりは短い変動時間の特別図柄変動が実行され易く、第1期間よりは長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成している。これにより、チャンスモード中において、1回の特別図柄変動中に現在設定されている遊技状態が時短状態であるか確変状態であるかを示唆するための示唆演出を実行する期間を確保することができる。また、特定期間(有利遊技状態が設定されてから50回目の特別図柄変動)では、必ず特定の変動時間(20秒)の特別図柄変動が実行され、遊技者に対して確変状態が設定されていた(されている)状態であるか否かを示唆するための20秒間の示唆演出が実行されるように構成している。
このように、特別図柄変動の実行回数に応じて異なる変動時間を選択可能に構成することで、各変動回数に応じた演出を適切な期間を用いて実行することができる。
図129(a)は、演出モードとしてチャンスモードが設定されている状態であって、内部的に通常状態が設定されており、高速変動期間以外の期間中(通常変動期間中)に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図であって、図129(b)は、図129(a)に表示された表示演出中に枠ボタン22を操作した場合の演出態様を模式的に示した模式図である。本制御例では、チャンスモード中における通常変動期間では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像を遊技者が任意に選択可能となり、枠ボタン22を遊技者が押下(操作)することで、海背景(海モード)と山背景(山モード)とを交互に切替表示されるように構成している。
図129(a)に示した通り、背景画像を切替可能な場合には、主表示領域Dmの右側下方に枠ボタン22を模したアイコンHR10が、操作可能な状態であることを示す表示態様(図では、ボタン押下方向に向けて矢印表示)で表示され、副表示領域Dsの小表示領域Ds1には、現在、海モードが設定されていることを示す「海モード」の文字が表示されている。この状態で遊技者が枠ボタン22を操作すると、図129(b)に示した通り、「海モード」から「山モード」へと切替表示される。
次に、図130を参照して、チャンスモードのうち、高速変動期間中における操作演出の内容について説明をする。本制御例では、高速変動期間(時短状態、確変状態が設定されてから20回目の特別図柄変動が終了するまでの期間)中に枠ボタン22を操作した場合に、背景画像が切替表示されない(難くなる)ように構成している。つまり、1回の特別図柄変動の変動時間として短い変動時間(5秒)が選択される高速変動期間において、背景画像を切替表示してしまうと、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様が頻繁に変化してしまい、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなるため、背景画像が切替表示されない(難く)なるように構成している。しかしながら、高速変動期間中における枠ボタン22に対する遊技者の操作を全て無効にしてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、高速変動期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合には、背景画像の切替表示では無く、別の演出が実行されるように構成している。具体的には、図130(a)に示した通り、チャンスモードにおける高速変動期間中は、副表示領域Dsの小表示領域Ds1に「スペシャルモード」の文字が表示され、現在が高速変動期間中であることが遊技者に報知される。この「スペシャルモード」中は、特別図柄抽選の結果に関わらず、5秒の変動時間が設定された特別図柄変動が実行され、第3図柄の変動演出も「スペシャルモード」専用の変動演出が実行される。そして、「スペシャルモード」中も主表示領域Dmの右側下方にアイコンHR10が表示され、遊技者が枠ボタン22を押下すると、図130(b)に示した通り、小表示領域Ds2に表示される残期間報知の表示態様が可変される遊技状態示唆演出が実行される。
このように、遊技者が同一の操作(枠ボタン22の押下)をした場合であっても、その操作タイミングによって、実行される操作演出の演出内容を異ならせることにより、遊技者に対して様々なタイミングで枠ボタン22を操作しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、本制御例では、図129(a)、或いは図130(a)に示した通り、遊技者に対して枠ボタン22に対する操作(押下)を案内するための案内表示(アイコンHR10)を同一にし、遊技者が同一の操作(枠ボタン22の押下)をした場合に、その操作タイミングによって、実行される操作演出の演出内容を異ならせている。よって、枠ボタン22を実際に操作(押下)するまでは、どのような操作演出が実行されるのかを遊技者に分かり難くすることができるため、より意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
なお、詳細は図18を参照して後述するが、本制御例では、高速変動期間に枠ボタン22を操作した場合に複数の操作演出を実行可能に構成しており、各操作演出が選択される割合を、設定されている遊技状態に応じて異ならせている。つまり、高速変動期間中に実行される各操作演出の出現割合によって、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを予測することができる。よって、高速変動期間中に同一の操作演出が繰り返し実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
さらに、本制御例では、高速変動期間中であっても所定条件が成立している場合にのみ、枠ボタン22を押下した際に背景画像の切替表示が行われるように構成している。具体的には、高速変動期間中に獲得した第2特別図柄の保留球(特図2保留球)内に大当たり当選する情報が含まれている場合に、その大当たり当選する情報が含まれる特図2保留球に対応する大当たり特別図柄変動と、その大当たり特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動(大当たり当選する情報が含まれている特図2保留球よりも前に獲得していた特図2保留球に対応する特別図柄変動)と、の変動時間を用いた特殊変動演出を実行可能に構成しており、その特殊変動演出を実行可能な条件を満たしている状態で遊技者が枠ボタン22を押下すると、現在表示されている背景画像(例えば、海モード)から専用の特殊背景画像(例えば、宇宙モード)へと背景画像の切替表示が行われるように構成している。つまり、高速変動期間中において遊技者が枠ボタン22を押下したことに基づいて背景画像の切替表示が実行された場合には、大当たり当選の期待度が高くなるやめ、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
加えて、高速変動期間中であっても、枠ボタン22に対して特殊操作(長押し)を行うことで、背景画像の切替表示を実行可能に構成している。この特殊操作(長押し)は、遊技者が枠ボタン22を2秒間継続して押下した場合に操作が実行されたと判別されるものであり、枠ボタン22に対する通常操作(押下)よりも、操作が行われたと判別されるまでの期間を長くしている。よって、通常操作(押下)に比べて頻繁に実行し難い操作となるため、背景画像の切替表示を実行可能に構成しても、背景画像の切替表示が頻繁に行われてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、通常操作よりも操作時間を長くした特殊操作として長押し操作を用いているが、これに限ること無く、例えば、操作手段として枠ボタン22に加えて、複数の操作部を有する操作手段(例えば、十字キー)を設け、複数の操作部を所定の順序で操作することにより行われる特殊操作を規定しても良い。
次に、図131を参照して、確変状態が設定されていることが遊技者に報知される「スーパーチャンスモード」中に実行される演出内容について説明をする。図131(a)は、「スーパーチャンスモード」中に第1特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図であって、図131(b)は、「スーパーチャンスモード」中に第2特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図である。
本制御例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合には、第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、高確率で確変状態が設定される(大当たり遊技中に特定ゲートへと容易に球を流下させることができる確変大当たり遊技が必ず実行される)ように構成している。そして、確変状態は特別図柄抽選が所定回数(50回)実行されるまで継続するように構成している。
つまり、一度確変状態が設定されると、所定回数(50回)の特別図柄抽選が実行されるまでに第2特別図柄抽選で大当たり当選(特別図柄の高確率状態での大当たり確率は1/50)に当選する限り、高確率で確変状態をループさせることができるように構成している。よって、確変状態中の遊技を実行している遊技者に対して、いち早く第2特別図柄抽選で大当たり当選するように意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、確変状態が設定されている状態であっても、例えば、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で確変大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に確変状態が設定された直後、即ち、確変状態が設定された状態において、特図2保留球を獲得しておらず、且つ、特図1保留球を獲得している状態では、第1特別図柄抽選が実行される。本制御例では、上述した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には100%の割合で確変大当たり遊技が実行されるのに対して、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には50%の割合で確変大当たり遊技が実行され、残りの50%では通常大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、確変状態が設定されている状態であっても、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、確変状態をループさせることが出来ない場合がある。
このように確変状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、当選した大当たりが通常大当たり遊技が実行される大当たり種別(通常大当たり)であることを遊技者に早期に判別されてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生するため、本制御例では、確変状態中に実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出として、確変大当たりに対応する第3図柄(奇数の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出が実行され易くなるように構成している。より具体的には、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合には、必ず上述したダブルリーチ演出が実行されるように構成している(図131(a)参照)。
これにより、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合において、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となるリーチ演出が実行されることを防止することができ、特別図柄の変動期間中に通常大当たりに当選することを遊技者に事前に予測されることを抑制することができる。
また、図131(a)に示した通り、本制御例では、「スーパーチャンスモード」中は、上述した「チャンスモード」中と同様に、小表示領域Ds11、及びDs12が形成され、遊技者に対して特図保留数が把握され難くなるように構成している。そして、主表示領域Dmの上側には現在が確変状態中であることを遊技者に報知するための表示態様として「スーパーチャンスモード中」の文字が表示される。
ここで、スーパーチャンスモード中において、図131(a)に示したダブルリーチ(確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(2の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出)が実行された場合には、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であることを遊技者に容易に把握されてしまう虞があるため、本制御例では、第2特別図柄変動に対応させて実行される変動演出においても、図131(a)に示したダブルリーチ演出を実行可能に構成している。即ち、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応させた変動演出にて、通常当たりに対応する第3図柄を用いたダブルリーチ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、図127(a)に示したダブルリーチ演出が実行されたとしても、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に容易に判別させ難くすることができる。
さらに、本制御例では、第2特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合には、中図柄列Z2が1周したタイミングでリーチ状態となる第3図柄の種別を図131(b)に示した通り、確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報と9の数字が付された識別情報)とに可変させる演出(確変ダブルリーチへの昇格演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選している場合に、必ず確変大当たり遊技が実行されることを遊技者に事前に報知することができる。また、第1特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合であっても、途中で確変ダブルリーチへと昇格するのではと遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、実行中のダブルリーチ演出を確変ダブルリーチ演出へと可変(昇格)させるための可変条件として、中図柄Z2の変動態様が所定態様(1周経過)となった場合に成立する可変条件を設定しているが、これに限ることなく、例えば、中図柄列Z2にて変動表示される第3図柄としてリーチ状態に対応する第3図柄(大当たりとなる組合せとなる第3図柄)がリーチ有効ラインを通過した場合に成立する可変条件を設定しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果が特定の操作結果である場合に成立する可変条件を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、可変条件が成立した場合にリーチ状態となっている第3図柄の種別を可変するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。より具体的には、図131(a)に示したダブルリーチ状態から、ブランク図柄(図では三角印で表示)を消去し、上図柄列Z1として左から順に「3.2.1」を表示させ、下図柄列Z3として左から順に「1.2.3」を表示させた、トリプルリーチ演出を実行するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、ダブルリーチ演出よりもトリプルリーチ演出のほうが、確変大当たりに対応した第3図柄のリーチ数を多くすることができるため、今回の特別図柄抽選にて確変大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に視覚的に報知することができる。
加えて、上述した技術思想を通常状態中に実行される変動演出に適用しても良く、例えば、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となる通常シングルリーチ演出中に可変条件が成立した場合に、リーチ状態である第3図柄の種別を確変大当たりに対応した第3図柄の種別へと切り替えても良いし、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。これにより、変動演出が終了するまで遊技者に対してより有利な演出結果が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図132を参照して、本制御例において選択される特別図柄の変動パターンと、実行される演出態様との関係について説明をする。図132(a)は、第3図柄の変動演出として、非リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図であって、図132(b)は、第3図柄の変動演出として、リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図である。
詳細な説明は、図25を参照して後述するが、本制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動パターン(変動時間)として、基本時間と加算時間とを合算させた変動パターンを規定している。そして、基本時間に該当する期間を共通変動パターンとし、加算時間に該当する期間を特有変動パターンとするように構成している。
つまり、本制御例では、特別図柄抽選の結果を示すために第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄変動の演出態様として、リーチ状態が表示されてから第3図柄が停止表示されるまでの期間を、リーチ状態となる第3図柄の種別に応じて異ならせるように構成している。そして、加算時間として設定された時間に応じた第3図柄をリーチ状態となる第3図柄として設定するように構成している。このように構成することで、第3図柄が変動を開始してからの所定期間の間に実行される第3図柄変動演出(基本時間に対応させて実行される第3図柄変動演出)を共通化させることができる。
具体的には、図132(a)に示した通り、非リーチ変動演出の場合は、加算時間が設定されないため、基本時間(8秒)に対応させた共通変動パターンが設定され、第3図柄変動演出が開始されてから所定期間が経過したタイミング(例えば、5秒経過タイミング)で上図柄列Z1が停止表示され、その1秒後に下図柄列Z3が有効ライン上にリーチ状態が発生しない停止表示態様で停止表示され、その2秒後に抽選結果が外れを示す停止表示態様で中図柄列Z2が停止表示される。その後、1秒間の停止表示期間(確定時間)を経て、特別図柄抽選の抽選結果が確定表示される。
図132(b)に示した通り、リーチ変動演出が実行される場合は、基本時間(30秒)が設定され、30秒間の共通変動パターンとして、リーチ状態となってから5秒が経過するまでの演出態様が設定される。つまり、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周するまでの演出態様が共通変動パターンとして設定される。その後、加算時間に応じた演出態様(リーチパターン、停止図柄)が設定される。
次に、図133を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に実行されるエンディング演出の演出態様について説明をする。図133(a)は、通常大当たり、図133(b)は、確変大当たりを対象としたエンディング期間の演出の流れを示したものであり、図133(c)は、確変大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)を流下しなかった場合の流れを示したものである。
図133に示した通り、本制御例では通常大当たりと確変大当たりとでエンディング期間(ED期間)を異ならせており、通常大当たりは15秒、確変大当たりでは17秒のED期間が設定されるように構成している。そして、それぞれ前半期間と後半期間とに区分けされたエンディング演出が実行されるように構成している(図127参照)。
本制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング期間における演出態様がセットされ、大当たり期間中にV入賞したか否か(特定ゲートへと球が流下したか否か)の判別をエンディング期間(ED期間)の開始タイミングで判別し、その判別結果に基づいてエンディング表示態様を切り替えるように構成している。
まず、図133(a)を参照して、通常大当たり遊技が実行された場合における大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。本制御例では、大当たり遊技中に実行される各種処理が煩雑化してしまい、大当たり遊技中における処理負荷が増大してしまうことを抑制するために、大当たり遊技中のラウンド遊技(賞球を獲得可能な遊技)が実行されるよりも前(大当たり遊技の開始前、或いは、大当たり遊技におけるオープニング期間中)に大当たり遊技のエンディング期間中に実行される演出(エンディング表示演出)の演出態様を決定するように構成している。
通常大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のオープニング期間が終了するまでに、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定される(時短状態が設定される)ことを遊技者に示すためのエンディング演出の表示態様(図127(a),(c)参照)を設定する。そして、通常大当たり遊技では、その大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過することが無いため、大当たり遊技のエンディング演出として、予め設定してあるエンディング演出が実行される。
次に、図133(b)、及び図133(c)を参照して、確変大当たり遊技が実行された場合における大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。確変大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のオープニング期間が終了するまでに、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを判定し、その判定結果に基づいてエンディング演出の演出態様を決定する。具体的には、特定領域(Vゲート)65vを球が通過し易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行される場合に、遊技者に対して特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることを案内する案内報知と、実際に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを遊技者に報知するV通過報知と、が実行されるV報知演出を実行するか否かを判定し、V報知演出を実行すると判定した場合は、エンディング演出として、大当たり遊技の終了後に「スーパーチャンスモード」が設定される(確変状態が設定される)ことを遊技者に示すための表示態様(図127(b),(d)参照)を設定する。一方、V報知演出を実行しないと判定した場合は、エンディング演出として、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されることを遊技者に示すための表示態様(図127(b)の表示態様に対して『スーパー』の表示を削除した表示態様と、図127(c)参照)を設定する。
V報知演出を実行する場合には、Vラウンド(1ラウンド目)遊技の開始に合わせて「Vを狙え」のコメント、及び、可変入賞装置65内の特定領域(Vゲート)65vの位置を模式的に示した模式図が第3図柄表示装置81の表示面に表示される案内報知が実行される。そして、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、「V獲得!!」のコメントが第3図柄表示装置81の表示面に表示されるV通過報知が実行される。一方で、案内報知が実行されたにも関わらず、所定期間の間(例えば、3秒間)、球が特定領域(Vゲート)65vを通過していない場合は、遊技者に対して特定領域(Vゲート)65vへの球通過をより強調して案内する強調案内報知が実行される。そして、Vラウンド遊技が終了するまでに球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、上述したV通過報知が実行され、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させること無くVラウンド遊技が終了した場合には、「V獲得ならず、残念!」の文字が表示される。
その後、大当たり遊技のエンディング期間が到来すると、実際のVラウンド遊技の遊技結果に基づいて、予め設定してあるエンディング演出の表示態様を差し替えるか否かの判別が実行される。ここで、上述した通り、大当たり遊技開始時において、V報知演出を実行すると判定した場合には、エンディング演出として「スーパーチャンスモード」が設定されることを示す表示態様(図127(b),(d)参照)が予め設定されているため、Vラウンド遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させている場合は、エンディング演出の表示態様を切り替えることなく、エンディング演出が実行される。一方、Vラウンド遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることになるため、エンディング演出の表示態様を「チャンスモード」が設定されることを示すための表示態様へと切り替える処理(差替処理)を実行し、差し替え後の表示態様(図127(b)の表示態様に対して『スーパー』の表示を削除した表示態様と、図127(c)参照)でエンディング演出が実行される。
また、V報知演出を実行しない場合には、通常大当たり遊技と同様に、大当たり遊技中にV報知演出が実行されず、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出表示からは、Vラウンド遊技が実行されていること、及び、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを把握することができない大当たり遊技が実行される。そして、Vラウンド遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したか否かに関わらず、予め設定された表示態様でエンディング演出が実行される。これにより、実際には確変状態が設定されているにも関わらず、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定される状態を提供することができる。
さらに、確変状態が設定されている状態で「チャンスモード」が設定される場合は、大当たり遊技中(確変大当たり遊技中)にV報知演出が実行されないため、大当たり遊技中の演出によって確変状態が設定されることを事前に把握され難くすることができる。なお、本制御例では、V報知演出が実行されない大当たり遊技において球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、実際には確変状態が設定されているにも関わらず、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、V報知演出が実行されている状態で球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらず、所定の割合でV通過報知を実行しないように構成し、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらず、V通過報知が実行されなかった場合に、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されるように構成しても良い。また、この場合、通常大当たり遊技が実行される場合にも、V報知演出を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、V報知演出が実行されたにも関わらず、V通過報知が実行されない事象を現出させ易くすることができるため、V報知演出が実行された大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
次に、図134を参照して、大当たり遊技終了後に設定される演出モードの流れについて説明をする。上述した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態が予め定められた第1特定期間(特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)設定される。そして、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が予め定められた第2特定期間(特別図柄変動が50回実行されるまでの期間)設定される。そして、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合は、演出モードとして「チャンスモード」が設定される(図134(b)参照)。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合は、大当たり遊技中の演出内容に応じて(V報知演出の有無に応じて)、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを異ならせており、図134(a)に示した通り、大当たり遊技中(大当たり遊技のエンディング期間中)に、確変状態が設定されることが報知された場合、即ち、エンディング演出として「スーパーチャンスモード」突入の表示態様(図127(b)参照)が表示された場合は、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定され(図134(a)の表示a参照)、大当たり遊技中(大当たり遊技のエンディング期間中)に、確変状態が設定されることが報知されなかった場合、即ち、エンディング演出として「チャンスモード」突入の表示態様(図127(a)参照)が表示された場合は、演出モードとして「チャンスモード」がされる(図134(a)の表示b参照)。
図134(a)の表示aに示した通り、大当たり遊技終了後に「スーパーチャンスモード」が設定された場合、その「スーパーチャンスモード」は、確変状態が終了するまで継続し、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行する場合に、「チャンスモード」へと切替表示される。この場合、「スーパーチャンスモード」が設定されている間は、図131(a)に示した通り、残期間態様として確変状態が終了するまでの期間(最大で50回)が小表示領域Ds2に表示される。これにより、遊技者に最も有利な遊技状態が継続する期間を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図131(a)に示した表示内容に加え、確変状態が終了した後に、時短状態が50回設定されることを遊技者に予め報知する事前報知演出を実行するように構成しても良く、例えば、小表示領域Ds2に表示されている確変状態の残期間を示す残期間態様(図131(a)では、白抜きで「49回」と表示)が、所定期間以下(例えば、「10回」以下)となった場合に、後に設定される時短状態が継続する回数(50回)を示す残期間態様を、確変状態の残期間を示す残期間態様とは異なる表示態様(例えば、黒抜きで「50回」と表示)で表示させるように構成すると良い。これにより、確変状態が終了した後にも、通常状態よりも有利な遊技状態(時短状態)が設定されることを遊技者に事前に報知することができる。
また、「スーパーチャンスモード」が設定された時点で、確変状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、時短状態の残期間を示す残期間態様(100回)と、を表示し、特別図柄変動が実行される毎に、各残期間態様を1ずつ減算させるように構成しても良いし、確変状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、確変状態が終了した後に設定される時短状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、を表示し、先に確変状態の残期間を示す残期間態様を減算していき、確変状態の残期間が0となり、時短状態へと移行した場合に、時短状態の残期間を示す残期間態様を減算していくように構成しても良い。このように構成した場合であっても、確変状態中の遊技を行っている遊技者に対して、確変状態が終了した後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態が設定されることを事前に報知することができる。
次に、図134(a)の表示bと、図134(b)とを用いて、チャンスモード中の演出について説明をする。本制御例では、確変状態が設定される場合の一部と、時短状態が設定される場合に、演出モードとしてチャンスモードが設定される。そして、チャンスモード中には、図128を参照して上述した通り、残期間報知の報知態様を可変させる遊技状態示唆演出を実行される。この遊技状態示唆演出は、確変状態中のチャンスモードのほうが、時短状態中のチャンスモードよりも出現率が高くなるように設定されている。
次に、図135を参照して、チャンスモード中における操作演出の内容について説明をする。本制御例では、チャンスモード中に実行される操作演出(遊技者による枠ボタン22(操作手段)への操作に基づいて実行される演出)の演出態様を、遊技者による枠ボタン22(操作手段)の操作タイミング、操作方法、及び、設定されている遊技状態と、に応じて可変させるように構成している。具体的には、図135(a)に示した通り、時短状態が設定されている場合におけるチャンスモード中は、操作方法としてボタンPUSH「通常押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中において、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する「リーチ示唆」、或いは、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が21回目以降)は、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。また、操作方法として、ボタン長押し「長押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中に、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成し、特別図柄変動の回数が21回~50回までの期間(第2期間中)に、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が51回目以降)は、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するため「過去状態示唆」の操作演出を実行可能に構成している。
また、図135(b)に示した通り、確変状態が設定されている場合におけるチャンスモード中は、操作方法としてボタンPUSH「通常押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中において、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する「リーチ示唆」、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」、或いは、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成し、特別図柄変動の回数が21回~50回までの期間(第2期間中)に、「背景モード移行」、或いは「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が51回目以降)は、「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。また、操作方法として、ボタン長押し「長押し」を実行した場合には、特別図柄変動の回数に関わらず、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。
以上、説明をした通り、本制御例では、時短状態が設定される場合、或いは、確変状態が設定される場合の一部において、演出モードとして「チャンスモード」を設定可能に構成しており、そのチャンスモード中に実行される特別図柄変動の回数に応じて、チャンスモードの継続期間(時短100回)を複数の期間に区分けし、設定されている遊技状態及び期間毎に、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に実行される操作演出の演出態様を異ならせるように構成している。これにより、チャンスモードが設定された場合において、操作演出により実行される操作演出の内容に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させる遊技を実行させることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技終了後の所定期間の間が高速変動期間となり、枠ボタン22に対して「通常押し」の操作を実行したとしても「背景モード移行」の操作演出が、他の期間よりも実行され難くなるように構成しているが、高速変動期間(背景モード移行され難い期間)を、他のタイミングで設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される1回の特別図柄変動が終了するまでの期間を、通常時短変動期間とし、大当たり遊技終了後の2回目の特別図柄変動が実行されてから20回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間が高速変動期間として設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、大当たり遊技終了後の1回目の特別図柄変動期間中において、高速変動期間が設定されることを予告する予告態様として、「次変動から背景モードを変更できないよ!今のうちに希望の背景を選択してね」のコメントを副表示領域Dsに表示することで、遊技者に対して、背景モードを変更できない期間(高速変動期間)が急に設定されてしまい、所望する背景モードで遊技を実行することができず、遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができる。さらに、大当たり遊技終了後の1回の特別図柄変動期間を用いて、「チャンスモード」の遊技内容を遊技者に説明するための案内態様として、「チャンスモードは、確変状態の可能性もあるよ!諦めないで!」のコメントや「残回数の表示態様が変わるとチャンス!」のコメントも併せて表示するように構成しても良い。
なお、本第1制御例のように、大当たり終了後の1回目の特別図柄変動から高速変動期間が設定される場合においては、高速変動期間が設定される前に実行された大当たり遊技の遊技期間中(例えば、大当たり遊技のエンディング期間中)に、「チャンスモード」中の背景モードを選択可能に構成すると共に、「チャンスモード」が設定されると、所定期間の間(高速変動期間中)、背景モードを変更できない旨を遊技者に報知するように構成すれば良い。
図2に戻り、説明を続ける。第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるよう構成している。
第2図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)は、設定されている普通図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に応じて異ならせており、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合は、普図変動時間として10秒が、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合は、普図変動時間として3秒が設定されるように構成されている。これにより、普通図柄の低確率状態において普図当たり遊技が実行される頻度と、普通図柄の高確率状態において普図当たり遊技が実行される頻度とを大きく乖離させることが可能となる。つまり、普通図柄の低確率状態に対して普通図柄の高確率状態のほうが、普図変動時間を短くすることで単位時間当たりに実行され得る普通図柄抽選(普図抽選)の回数を増加させることができ、さらに、実行される普図抽選にて当たり当選し易くすることができる。よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に普図当たり遊技を実行させ難くしながらも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に普図当たり遊技を実行させ易くすることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の低確率状態よりも、普通図柄の高確率状態のほうが、設定される普図変動時間も、当たり当選確率も遊技者に有利となるように構成しているが、これに限ること無く、何れか一方のみが遊技者に有利となるように構成してもよい。例えば、普通図柄の確率状態に関わらず、同一時間の普図変動時間(例えば、3秒)が設定されるように構成し、当たり当選確率のみに差を持たせても良い。これにより、例えば、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)に普図当たり遊技が実行され難くするために、普通図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)が時短状態中よりも通常状態中のほうが長くなるように構成したパチンコ機10において、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、普図当たり遊技が実行され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が移行する場合に、通常状態中に実行された長時間の普通図柄変動(時短状態中よりも遊技者に不利となる普図当たり遊技)の実行中に時短状態へと移行してしまい、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
図2を参照して上述した通り、本制御例におけるパチンコ機10は、遊技盤13の遊技領域に各種装置が配設されており、可変表示ユニット80の左側に形成される左側領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)を実行しても、右側領域に球を流下させる遊技(右打ち遊技)を実行しても、遊技者が得る遊技価値に差が生じ無い(生じ難い)ように遊技盤13が構成されている。具体的には、図2に示した通り、遊技盤13の中央部の垂線に対して左右対称に各種装置が配設されており、可変表示ユニット80の下側領域に、球が入球することにより第1特別図柄の抽選契機となり得る第1入球口64と、その第1入球口64の下方位置に設けられ、球が入球することにより第2特別図柄の抽選契機となり得る第2入球口640と、その第2入球口640に付設され、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640aと、その第2入球口640の下方位置に設けられ、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入賞装置65と、が配設されている。
左打ち遊技によって発射された球は、左側領域を流下し1/2の割合で左側領域に設けられたスルーゲート67を通過し、スルーゲート67を通過した球も、スルーゲート67を通過しなかった球も、遊技盤13に植設された釘によって、下側領域に設けられた第1入球口64に向けて流下する。ここで、釘の間から直下方向へと流下した球は、2つの一般入球口63へと入球する。なお、本制御例では、左側領域を流下する球の約1/50が2つの一般入球口63の何れかへと入球するように構成されており、一般入球口63へと球が入球した場合には、10個の賞球(特典)が付与されるように構成している。
第1入球口64には、15球に1球の割合で球が入球し得るように構成されており、球が入球した場合には、4個の球が賞球として払い出されるように構成している。第2入球口640は、電動役物640aが閉鎖している状態(図2にて白色で示した状態)では、殆ど球が入球せず、電動役物640aが開放している状態(図2にて黒色で示した状態)では、左打ち遊技にて発射され、左側領域を流下する球の約2球に1球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、1個の球が賞球として払い出されるように構成している。また、可変入賞装置65は、大当たり遊技が実行されていない状態では、殆ど球が入球せず、大当たり遊技中には約3球に2球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、15球の球が賞球として払い出されるように構成している。
ここで、可変入賞装置65について説明をする。この可変入賞装置65は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入球手段であって、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球が可変入賞装置65の内部領域に設けられた特定領域(Vゲート)を通過することによって、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定することができるように構成している。
また、当選した大当たりの種別に応じて、可変入賞装置65へと入賞した球が特定領域(Vゲート)を通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、本制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球が特定領域(Vゲート)を通過し易い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行えば特定領域(Vゲート)へと球を容易に流下させることが可能な大当たり(遊技)を確変大当たり(遊技)、可変入賞装置65へと入賞した球が特定ゲートを通過し難い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行ったとしても特定領域(Vゲート)へと球を通過させることが困難な大当たり(遊技)を通常大当たり(遊技)と称して説明をする。
なお、上述した通り、確変大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)へと球を通過させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されることが無い。つまり、本制御例では、大当たり遊技が実行されたタイミングでは、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定しないことになる。詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技の1ラウンド目に実行されるラウンド遊技にて、最も球を特定領域(Vゲート)へと通過させ易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成している。よって、このVラウンド遊技が終了するまで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を確定させることができない。このように大当たり遊技中の遊技結果によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定するように構成することで、遊技者は大当たり遊技にて様々な特典(賞球、特別図柄の高確率状態)を獲得するための遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方で、上述した構成を用いた場合、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための報知演出の演出態様(例えば、大当たりエンディング期間の演出態様)を予め(例えば、大当たり遊技開始時に)設定しておくことが出来ず、出球に関する制御処理や表示に関する制御処理が密に実行される大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定しなければならず、パチンコ機10の制御処理が煩雑になってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定領域(Vゲート)への球の通過結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定領域(Vゲート)を球が通過している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定領域(Vゲート)を球が通過していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。このように、大当たり遊技中に正常な遊技を行った場合、大当たり遊技終了後に設定され易い遊技状態を想定して予め報知態様の演出態様を設定しておき、想定外の遊技状態が設定されると判別された場合にのみ、報知態様の演出態様を切り替えるようにすることで、大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定するための制御処理が実行される頻度を低減することができる。
さらに、本制御例では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たり遊技のほうが通常大当たり遊技よりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に(大当たり遊技中に)遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とで異ならせてしまうと、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることができなかった場合に、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけでは、エンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定領域(Vゲート)へと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め用意してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さが大当たり種別(確変大当たり、通常大当たり)に関わらず共通の長さとなるように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、本制御例では、図2に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
図2に戻り、説明を続ける。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)、及び、可変表示装置ユニット80の右側の領域(右側領域)の何れにも組み付けられており、左側領域のスルーゲート67は、遊技盤13の左側領域を流下する球の1/2が通過可能に構成されている。また、右側領域のスルーゲート67は、遊技盤13の右側領域を流下する球の1/2が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。この第2図柄の当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大1回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の1つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は1回に限定されるものでなく、2回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の右方でも良い。また、本制御例では、左打ち遊技によって遊技盤13の左側領域を流下する球の殆どがスルーゲート67を通過するように構成しているが、これに限ること無く、一部の球のみがスルーゲート67を通過するように構成しても良い。
図2に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の下方(電動役物640aの下方)には、左打ち遊技によって発射され左側領域を流下する球も、右打ち遊技によって発射され右側領域を流下する球も入賞し得るように、開口幅が約50ミリの可変入賞装置65が配設されている。このように、広い開口幅を有する可変入賞装置65を設けることにより、左打ち遊技によって電動役物640aの左側を流下した球も、右打ち遊技によって電動役物640aの右側を流下した球も可変入賞装置65へと入賞させることができる。
ここで、図120を参照して、可変入賞装置65の具体的な構成について説明をする。図120(a)は、可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図120(b)は、可変入賞装置65に入賞した球の流下経路を模式的に示した模式図である。図120(a)に示した通り、可変入賞装置65の内部には、案内部材65dが設けられており、開状態である開閉扉65b上を流下し特定入賞口65aに入賞した球が左右方向へと流下するように構成されている。
具体的には、左側領域を流下し、可変入賞装置65の左側から特定入賞口65aに入賞した球は、案内部材65dの左側斜面上の左案内流路65d1を流下し、第1開口部65a1へと誘導される。また、右側領域を流下し、可変入賞装置65の右側から特定入賞口65aに入賞した球は、案内部材65dの右側斜面上の右案内流路65d2を流下し、第2開口部65a2へと誘導される。
そして、第1開口部65a1或いは第2開口部65a2の下方には、可変入賞装置65に入賞した球を検知するための球検知センサ(65s1,65s2)が設けられており、この球検知センサが球を検知した場合に、賞球として15個の球を払い出すための払出制御が実行される。このように、左側領域を流下し可変入賞装置65へと入賞した球が通過し得る開口部(第1開口部65a1)と、右側領域を流下し可変入賞装置65へと入賞した球が通過し得る開口部(第2開口部65b1)と、を設け、各開口部に対して球検知センサを設けることにより、遊技者が大当たり遊技中に左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても、差の無い遊技を実行させることができる。
次に、図120(b)を参照して、特定入賞口65aに入賞した球の球流れについて説明する。図120(b)に示した通り、第1開口部65a1を通過した球は、第1球検知センサ65s1を通過し、誘導路65e上の第1流路65e1、第2流路65e2を流下し、切替弁65yの切替状態に応じて第3流路65e3、或いは第4流路65e4の何れかを流下する。
第3流路65e3の下流端には排出口65h1が設けられており、第3流路65e3を流下した球は、排出口65hに入球し、パチンコ機10の外部へと排出される。なお、図示はしていないが排出口65h1に入球した球が流下する排出路には球検知センサが設けられており、排出口65h1に入球した球数をカウント可能に構成されている。
第4流路65e4には特定領域(Vゲート)65vが設けられており、下流端には特定領域(Vゲート)65vを通過した球が入球する排出口65h2が設けられている。特定領域(Vゲート)には、通過した球を検知するための検知センサが設けられており、大当たり遊技中の所定期間内に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことを検知した場合にその検知結果を記憶しておき、大当たり遊技が終了する場合に、記憶結果を参照して大当たり遊技終了後の遊技状態が設定されるように構成している。
ここで、大当たり遊技中における切替弁65yの動作内容について説明をする。切替弁65yは図示しないVソレノイド209a(図137参照)を駆動源とする可変部材であって、Vソレノイド209aが通電していない状態(オフ状態)では、第2流路65e2を流下した球を第3流路65e3へと流下させるための閉状態(図120(b)参照)を維持し、Vソレノイド209aが通電した状態(オン状態)では、第2流路65e2を流下した球を第4流路65e4へと流下させるための開状態を維持するように構成されている。
このVソレノイド209aは通常オフ状態であり、大当たり遊技中の所定期間のみオン状態となるように駆動制御されている。具体的には、大当たり遊技中に実行される複数回のラウンド遊技のうち、特定のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始された場合にオン状態となり、特定のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が終了した場合、或いは、特定のラウンド遊技の遊技時間が所定時間(例えば、20秒)を経過した場合にオフ状態となるように駆動制御されている。つまり、大当たり遊技中に実行される大当たり制御の一環として切替弁65yが切替動作されるように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技が実行されている場合(大当たり制御が実行されている場合)のみ、可変入賞装置65に球を入賞させることができると共に、可変入賞装置65へと入賞した球を特定領域(Vゲート)65vへと流下させることが可能となる。また、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことに基づいて付与される特典(特別図柄の高確率状態の設定)は、大当たり遊技の終了タイミング(大当たり遊技の終了時に実行される処理)にて付与されるように構成しているため、大当たり遊技中以外のタイミングにおいて球を特定領域(Vゲート)65vへ通過させる不正行為が行われたとしても、遊技者に特典が付与されることが無い。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり制御処理において、特定のラウンド遊技が開始されたタイミングに基づいて予め定められた規則に沿って切替弁65yを切り替えるための切替制御を実行するように構成しているが、それ以外の契機に基づいて切替制御を実行するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技が開始されたことを切替制御の実行契機としても良いし、大当たり遊技のオープニング期間が終了したことを切替制御の実行契機としても良いし、大当たり遊技中に可変入賞装置65に入賞した球数を計測し、その計測結果が特定数となったことを切替制御の実行契機としても良い。また、可変入賞装置65に入賞した球数が特定数となったことを切替制御の実行契機とする場合には、大当たり遊技全体における球数を判別対象としても良いし、ラウンド遊技単位における球数を判別対象としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中のどのタイミングで特定領域(Vゲート)へと球を通過させ易い状態が設定されるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
さらに、大当たり遊技が実行される場合に設定されるオープニング期間の長さや、開閉扉65bの開閉パターンを大当たり種別毎に異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり種別に関わらず切替弁65yに対して同一の切替制御を実行するように構成した場合であっても、特定領域(Vゲート)へと球を通過させ易い状態が設定される期間中に球を特定領域(Vゲート)65vへと到達させ易い大当たり遊技と、通過させ難い大当たり遊技と、を実行することができる。
次に、図121を参照して、本制御例におけるパチンコ機10の後面側の構成について説明をする。図121は、本第1制御例におけるパチンコ機10の背面図である。図121に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図21参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図137参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1制御例におけるパチンコ機の遊技の流れについて>
次に、図136を参照して、本制御例における遊技の流れについて説明をする。図136は、第1制御例のパチンコ機10における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本制御例のパチンコ機10は、図136に示した通り、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)との3種類の遊技状態を設定可能に構成しており、初期状態(パチンコ機10の出荷時の状態、或いは、RAM消去スイッチ122を操作(押下)した状態で電源を投入した後の状態)では、通常状態が設定されるように構成している。
そして、通常状態中は、第1入球口64に球を入球させることで実行される第1特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の低確率状態が設定される通常状態では、特別図柄の大当たり確率が1/200に設定されており、大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」(選択率1/2)と「大当たりB」(選択率1/2)との何れかが選択される。「大当たりA」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させ易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)が実行され、「大当たりB」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させ難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)が実行される。
そして、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される。この確変状態は、特別図柄抽選(変動)の実行回数が50回に到達した場合、或いは、大当たり当選した場合に終了条件が成立し、他の遊技状態へと移行する。具体的には、確変状態が設定されている状態で、特別図柄抽選の実行回数が50回に到達した場合には、51回目の特別図柄抽選が実行されるまでに、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行される。なお、本制御例では、確変状態から時短状態へと遊技状態を移行させる処理を、50回目の特別図柄抽選に対応する特別図柄変動が停止表示されたタイミングで実行するように構成しているが、51回目の特別図柄抽選が特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行されなければ良く、例えば、50回目の特別図柄抽選を実行した直後(50回目の特別図柄変動の開始時)に遊技状態を移行させても良いし、51回目の特別図柄抽選の実行直前(51回目の特別図柄抽選の実行条件は成立しているが、特別図柄抽選が実行されていないタイミング)に遊技状態を移行させても良い。
確変状態は普通図柄の高確率状態であるため、普通図柄の低確率状態である通常状態よりも普図当たり遊技により電動役物640aが開状態となり易く、第2特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の高確率状態が設定される確変状態では、特別図柄の大当たり確率が1/50に設定されており、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりC」(選択率3/10)、「大当たりD」(選択率4/10)、「大当たりE」(選択率3/10)の何れかが選択される。
「大当たりC」は、4ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であり、「大当たりD」は、7ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であり、「大当たりE」は、16ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別である。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、確変大当たり遊技が実行される。よって、確変大当たり遊技の実行確率の点では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選となる。
また、詳細は、図141を参照して後述するが、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず7ラウンド遊技が実行され、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、平均で8.8ラウンド(4ラウンドが30%、7ラウンドが40%、16ラウンドが30%)のラウンド遊技が実行される。よって、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の平均値の点でも第2特別図柄抽選のほうが第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。なお、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、4ラウンド遊技が実行される可能性があるため、大当たり遊技中に獲得し得る賞球数が最も少なくなり得るのは第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合となる。よって、大当たり遊技中に最低限獲得可能な賞球数の点では第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。
次に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)について説明をする。通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で「大当たりB」に当選した場合、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が50回を超えた場合、或いは、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと通過させることができなかった場合には、時短状態が設定される。この時短状態は、前回の大当たり遊技の終了後に実行された特別図柄抽選の回数が100回に到達するまで、或いは、100回に到達するまでに大当たり当選した場合に消滅するように構成している。つまり、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合(大当たりBに当選した場合)は、大当たり遊技終了後から特別図柄変動が100回実行されるまでの期間、時短状態が設定される(時短回数100回が設定される)。一方、確変状態に実行される特別図柄抽選の回数が50回を超えた場合には、確変状態終了後に、時短回数が50回設定される。
この時短状態中は、上述した確変状態と同様に普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、電動役物640aが開放されやすく、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態となる。また、時短状態中に実行される特別図柄抽選の抽選確率は、通常状態と同一である。よって、時短状態は、通常状態と比べて第2特別図柄抽選が実行され易く、通常状態と同一の大当たり確率で特別図柄抽選が実行される遊技状態となる。つまり、第2特別図柄抽選の実行のし易さの点から、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
一方、時短状態は、確変状態よりも低い大当たり確率で特別図柄抽選が実行され、第2特別図柄抽選の実行のし易さは確変状態と同一である。つまり、特別図柄抽選による大当たり当選確率の点から、時短状態は、確変状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。なお、本制御例では、確変状態と時短状態とで、第2特別図柄抽選の実行のし易さが同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、を異ならせ、例えば、確変状態中のほうが、通常状態中よりも短い変動時間で特別図柄変動を実行可能に構成しても良い。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図137を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図137は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図138を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図22は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図156参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図167参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を有しているを特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本実施形態のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図138を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図39参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図167参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図140(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図140(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図140(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「5~999」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~19」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「20~999」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202aの更新範囲は「0~999」の1000個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/200(1000個のうち5個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/50(1000個のうち20個)となる。
なお、本制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202cを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図141を参照して大当たり種別選択テーブル202dの内容について説明をする。
図141(a)は、大当たり種別選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図141(a)に示した通り、この大当たり種別選択テーブル202dは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202d1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202d2と、を有している。
まず、図141(b)を参照して、特図1大当たり用テーブル202d1の内容について説明をする。図141(b)は、特図1大当たり用テーブル202d1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用テーブル202d1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0~49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりA」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図241(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される大当たり種別である。さらに、「大当たりB」では、大当たり遊技のエンディング期間として「15秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vへの球の通過のさせ易さを異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりA」は、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。
次に、図241(c)を参照して、特図2大当たり用テーブル202d2に規定されている内容について説明をする。図241(c)は、特図2大当たり用テーブル202d2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図2大当たり用テーブル202d2は、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
図241(c)に示した通り、本第1制御例における特図2大当たり用テーブル202d2には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、「大当たりC」~「大当たりE」の3個の大当たり種別が規定されている。
具体的には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりC」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、図241(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりD」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が40個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。
また、図241(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりE」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は30%(30/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る3個の大当たり種別(大当たりC、大当たりD、大当たりE)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりE」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりA」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、50%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。また、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数、即ち、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面では、獲得し得る最大数は第2特別図柄抽選のほうが多く、獲得し得る最低数も第2特別図柄抽選のほうが少なくなるように規定している。また、平均的に獲得可能な賞球数では、第2特別図柄抽選のほうが多くなるように規定している。
よって、最低の条件において獲得可能な賞球数の面では、第1特別図柄抽選のほうが有利となり、それ以外の面では第2特別図柄抽選のほうが有利となる。なお、本制御例では、図241に示した大当たり種別を規定しているが、これに限ること無く、上述した各制御例にて設定され得る各大当たり種別と同一の技術思想に基づいて様々な大当たり種別を設定可能に構成しても良い。
なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで同一のラウンド数の大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、選択された大当たり種別に応じて異なる数のラウンド遊技を実行可能に構成しても良い。また、本制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで大当たり遊技終了後に時短状態を同一期間(時短回数100回)設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選の一部(設定される大当たり種別の一部)にて時短状態が設定されないように構成しても良いし、大当たり種別に応じて時短回数(時短終了条件)を異ならせるように構成しても良い。さらに、選択される大当たり種別に応じて大当たり遊技終了時に時短状態が設定される大当たり種別と、通常状態が設定される大当たり種別と、を設けても良い。
図138に戻り説明を続ける。動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図167参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図142参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図142を参照して変動パターン選択テーブル202bの内容について説明をする。図142(a)は変動パターン選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図142(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202bには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用テーブル202b1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・時短用テーブル202b2と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択テーブル202bに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図142(b)及び図143を参照して説明をする。図142(b)は通常用テーブル202b1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常用テーブル202b1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。
まず、図142(b)を参照して、通常用テーブル202b1について説明する。図142(b)は、この通常用テーブル202b1の規定内容を示した図である。この通常用テーブル202b1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒~42秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒~12秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。詳細な説明は省略するが、本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、例えば、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0」である場合には加算時間が「3秒」、「1」である場合には加算時間が「3.5秒」、「2」である場合には加算時間が「4秒」、「3」である場合には加算時間が「4.5秒」、「3」である場合には加算時間が「5秒」、「4」である場合には加算時間が「5.5秒」、「5」である場合には加算時間が「6秒」、「6」である場合には加算時間が「6.5秒」、「7」である場合には加算時間が「7秒」、「8」である場合には加算時間が「7.5秒」、「9~11」である場合には加算時間が「8秒」、「12」である場合には加算時間が「8.5秒」、「13」である場合には加算時間が「9秒」、「14」である場合には加算時間が「9.5秒」、「15」である場合には加算時間が「10秒」、「16」である場合には加算時間が「10.5秒」、「17」である場合には加算時間が「11秒」、「18」である場合には加算時間が「11.5秒」、「19」である場合には加算時間が「12秒」となるように規定されている。
そして選択された基本時間(30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)と、が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成している。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。
また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が43秒~52秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が13秒~22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。
ここで、本制御例では、加算コマンドに含まれる情報(秒数)に応じて、リーチ演出の演出態様を可変可能に構成しており、具体的には、加算コマンドに含まれる秒数が「3秒~12秒」の場合は、ノーマルリーチ演出(中図柄列Z2が1周程度変動した後に停止表示される演出)が、「13秒~22秒」の場合は、スーパーリーチ演出(中図柄列Z2が2周程度変動した後に停止表示される演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、例えば、最初の所定期間中は同一の演出態様で変動演出が実行され、その後、演出態様が分岐する変動演出を実行する場合において、同一の演出態様が実行される期間を基本コマンド(基本時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定し、分岐後の変動演出を加算コマンド(加算時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定することが可能となる。よって、例えば、全体の変動時間が同一の場合であっても、その変動時間のうち、基本時間が占める割合、加算時間が示す割合を変更するだけで、音声ランプ制御装置113側で容易に異なる変動演出を設定することができる。
なお、本制御例では、ノーマルリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、スーパーリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、を同一にし、加算時間として設定された変動時間の長さに応じて、リーチ演出の演出態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、ノーマルリーチ用の基本時間を30秒、スーパーリーチ用の基本時間を40秒に規定し、第3図柄の種別を決定するためだけに加算時間を「3~12秒」の範囲から選択するように構成しても良い。
次いで、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が90秒のSP(リーチ)が規定されている。このSPが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が55秒間、加算時間が35秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、SPが決定された場合には、一旦リーチ状態となった第3図柄の変動演出が別の変動演出へと切り替わる演出が実行されるため、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、遊技者に違和感を与えること無く、変動の途中で中図柄列Z2の第3図柄の表示順序を最終的に停止させる第3図柄に対応させて変更させることができるため、上述したノーマル、スーパーのように、加算時間を可変させてリーチ状態となる第3図柄の種別を設定する必要が無い。
また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。この外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間8秒、加算時間0秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、外れが決定された場合には、第3図柄の変動演出として、リーチ状態にならずに外れを示す組合せで第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。よって、加算時間を設定する必要が無い。
また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒~52秒のリーチ外れが規定されている。このリーチ外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒~22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。つまり、抽選結果が外れである場合にも、抽選結果が当たりである場合と同様の変動パターンコマンドが設定されるように構成している。なお、抽選結果が外れである場合には、最終的に停止表示される第3図柄が大当たりとなる組合せ以外となるように停止表示される第3図柄の種別を設定する必要があるため、音声ランプ制御装置113側では、当たり当選している場合に参照される加算コマンドに基づく第3図柄種別の設定内容から1つずらした第3図柄が設定されるように補正処理が実行される。これにより、リーチ外れ演出が実行されると、大当たりの組合せとなる第3図柄の近辺で第3図柄が停止表示(外れ停止表示)される演出態様を容易に設定することができる。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の場合は、変動パターンとして変動時間が40秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が30秒を示す組合せのコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「100~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が10秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が0秒を示す組合せのコマンドが出力される。
ここで、本制御例では、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行されると、図124(b)から図126を参照して上述したように、チャンスゾーン中の変動演出が実行されるように構成している。そして、音声ランプ制御装置113に対して基本時間(10秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間(30秒)を示すコマンド(加算コマンド)が通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(特殊変動)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいて特殊リーチを設定するように構成している。より具体的には、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄の変動パターンコマンドとして基本時間10秒を示す基本コマンドが通知された場合には、図124(b)に示した通り、上下方向に第3図柄が変動する特殊変動演出の演出態様が設定される。そして、基本時間の経過タイミングにて図125(a)に示したように第3図柄を停止表示(仮停止表示)させる演出態様が設定される。そして、加算時間0秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊外れである場合は)、そのまま第3図柄を確定表示し変動演出を終了する。
一方、加算時間30秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊リーチである場合は)、図125(b)や図126に示したように、仮停止している第3図柄が再始動する変動演出が設定される。
次に、図143を参照して、確変・時短用テーブル202b2の内容について説明をする。図143は、確変・時短用テーブル202b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用テーブル202b2は、確変状態、或いは時短状態が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の種別と、変動回数(大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に応じて異なる変動パターンが選択されるように各変動パターンが規定されている。
ここで、本制御例では、大当たり遊技終了後には必ず普通図柄の高確率状態(確変状態、又は時短状態)が設定されるように構成されている。そして、設定された普通図柄の高確率状態が、時短終了条件が成立するまで継続するように構成している。本制御例では、時短終了条件として、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行された特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に成立する第2時短終了条件と、を設けており、何れかの時短終了条件が成立した場合に、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
この普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)中は、普通図柄の低確率状態(通常状態)よりも短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように設定されている。よって、単位時間当たりに実行され得る特別図柄抽選の回数を増加させることができるため、遊技者に対して効率の良い遊技(特別図柄の抽選遊技)を提供することができる。
具体的には、図143に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動回数が「1回~20回」の期間は、特別図柄の種別、特別図柄抽選の結果、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択されるように規定している。つまり、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)は、他の期間よりも短い変動時間で特別図柄抽選が実行される高速変動期間(第1期間)となる。この高速変動期間を設定することで、大当たり遊技の終了後に短期間で次の大当たり遊技を実行させ易くすることができるため、遊技者に対して、一の大当たり遊技に関連して次の大当たり遊技が実行されたのではと思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この高速変動期間中は、変動時間が「5秒」の変動パターンが常に選択されるため、複数回の特別図柄抽選を跨ぐ演出(連続演出)の演出期間を設定し易くすることができる。
加えて、通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了時点では第2特別図柄の保留球(特図2保留球)を獲得していない可能性が高いため、獲得済みの第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を用いた特別図柄抽選(特図1抽選)が実行され易く、確変状態、或いは時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている常態で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了時点にて、特図2保留球を獲得している可能性が高いため、特図2保留球を用いた特別図柄抽選(特図2抽選)が実行され易くなる。
このように、普通図柄の高確率状態が設定された直後では、何れの図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)の特別図柄抽選も実行され得るため、図143に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)は、図柄種別に関わらず同一の変動パターンが選択されるように構成している。これにより、何れの図柄種別の特別図柄抽選が実行された場合であっても同一の特別図柄変動を実行することができ、複数回の特別図柄抽選を跨ぐ演出(連続演出)の演出期間を設定し易くすることができる。
なお、本制御例は、図119を参照して上述した通り、左打ち遊技によって発射された球も、右打ち遊技によって発射された球も、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、第2入球口640へと2球に1球の割合で到達するように構成しているため、普通図柄の高確率状態中に球を発射させる遊技を継続して実行するだけで、特別図柄抽選を途切れること無く実行することができるように構成している。よって、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、高速変動期間が終了するまでの期間、即ち、20回目の特別図柄変動が終了するまでの期間(5秒×20回)となる100秒を高速変動期間として予め設定しておき、20回の特別図柄抽選を跨ぐ連続演出として、100秒間の連続演出を容易に実行することができる。この場合、高速変動期間中に大当たり当選した場合にのみ、既に設定されている連続演出の演出態様を切り替える切替処理を実行すれば良く、高速変動期間中における演出を実行するための処理を簡素化することができる。
また、高速変動期間中において設定された100秒間の連続演出を一時的に停止するか否かの判別を行う判別手段を設け、例えば、実行中の特別図柄変動が停止表示されてから、次の特別図柄変動が実行されるまでの期間が所定期間(例えば、1秒)以上であると判別した場合、即ち、特別図柄変動が途切れたと判別した場合には、実行中の連続演出を一時的に停止させる処理を実行するように構成しても良い。これにより、高速変動期間中に遊技者が離席した場合であっても連続演出のみ先に進行してしまうことを抑制することができる。加えて、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)を設け、その操作手段に対して所定の操作を実行した場合に、実行中の連続演出を一時的に停止させる処理を実行するように構成しても良い。
なお、本制御例では、高速変動期間中に選択される変動パターン(変動時間)として、同一の変動時間(5秒)が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、5秒以外の変動時間が設定される変動パターンが選択されるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも5秒以上の変動時間が設定され易くすると良い。このように構成することで、予め設定されていた100秒間の連続演出の演出態様を切り替えてから大当たり当選を示す特別図柄が停止表示されるまでの期間を長くし易くすることができるため、遊技者が抽選結果を十分に把握可能な演出態様で大当たり当選を報知することができ、演出効果を高めることができる。
また、高速変動期間として想定される時間(100秒)に対して、一括で連続演出の演出態様を設定するのでは無く、高速変動期間(100秒)を複数の期間に区分けし、例えば、第1高速変動期間(50秒)中に実行する第1連続演出を高速変動期間(第1高速変動期間)の開始タイミングで設定し、第2高速変動期間(50秒)中に実行する第2連続演出を、第2高速変動期間の開始タイミングで設定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、高速変動期間の前半で大当たり当選した場合に実行されない演出態様(連続演出の後半期間の演出態様)を予め設定する事態が発生することを抑制することができる。
さらに、高速変動期間の全期間に対して連続演出を実行する必要は無く、高速変動期間のうち特定の第1期間(例えば、高速変動期間中に実行される特別図柄変動(計20回)のうち、10回目から20回目の変動期間)のみ連続演出を実行するように構成しても良い。
図143に戻り説明を続ける。特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「21回~49回(第2期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」、即ち、全範囲において、変動時間が「30秒」の変動パターン(当たり)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長外れ)が選択され、「180~198」の範囲に対して変動時間が「5秒」の変動パターン(短外れ)が選択されるように規定している。
本制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合には、主として第2特別図柄抽選が実行されるように構成されており、普通図柄の高確率状態が設定されてから21回以上の特別図柄変動が実行されている第2期間中は、継続して遊技を行っている限り第2特別図柄抽選が実行され易く構成されている。しかしながら、図119にて上述した通り、本制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても第1入球口64、及び第2入球口640へと球を入球させることが可能な遊技盤13の構成を有しているため、例えば、確変状態、或いは時短状態中に遊技を中断した場合は、遊技再開後に第1特別図柄抽選が実行される場合がある。
上述した通り、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合とは異なり、通常大当たり遊技が実行される可能性(大当たり当選の50%)があり、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(確変状態、時短状態)にて、第1特別図柄抽選で通常大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合には、大当たり当選した中では遊技者に不利な抽選結果となる。また、本制御例では、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出(第3図柄を用いた変動演出)にて、大当たり当選の有無に加え、大当たり種別も遊技者に示唆可能に構成しており、例えば、奇数の数字が付されている主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示された場合には、確変大当たり遊技が実行される大当たり当選を示唆し、偶数の数字が付されている主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示された場合には、通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示唆するように構成している。
よって、確変状態、或いは、時短状態中に実行される変動演出にて、偶数の数字が付されている主図柄szにてリーチ状態(通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示す組合せとなる主図柄szの一部が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)が創出された場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前の時点から不利な大当たりに当選したのではと遊技者に思わせてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(確変状態、時短状態)にて、第1特別図柄抽選で通常大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合には、図131(a)に示した通り、必ず、奇数の数字が付されている主図柄szと、偶数の数字が付されている主図柄szとの何れもがリーチ状態となる変動演出(ダブルリーチ演出)が実行されるように構成している。これにより、特別図柄変動が停止表示されるよりも前の時点から不利な大当たりに当選したのではと遊技者に思わせてしまうことを抑制することができる。
このダブルリーチ演出を実行するために、第2期間中における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、変動時間が「30秒」の変動パターンが選択される。なお、確変状態、或いは、時短状態中に実行される変動演出として上述したダブルリーチ演出が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ実行されてしまうと、ダブルリーチ演出が実行された時点で第1特別図柄の大当たり当選について遊技者に把握されてしまうため、本制御例では、第1特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部(約80%)と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部(約25%)と、第2特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部(約5%)とで、ダブルリーチ演出を実行するための変動パターン(30秒の変動時間)が選択されるように構成している。
このように構成することで、確変状態、或いは時短状態中にダブルリーチ演出が実行された場合に、該当する特別図柄抽選が第1特別図柄の抽選であるか第2特別図柄の抽選であるかを分かり難くすると共に、抽選結果が大当たりであるか否かも分かり難くすることができ、ダブルリーチ演出の演出結果が表示されるまで遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対しても、ダブルリーチ演出を実行するように構成しているため、ダブルリーチ演出全体に対して確変大当たり遊技が実行される大当たりに当選したことを示す演出結果(奇数の数字を付した主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示する演出結果)を、第1特別図柄抽選に対してのみダブルリーチ演出を実行する場合に比べて創出し易くすることができる。よって、ダブルリーチ演出が実行された場合における確変大当たり遊技に対する期待度を高めることができる。
図143に戻り、説明を続ける。特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「50回(特定期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(中変動)が選択されるように規定している。
本制御例では、大当たり遊技中に球が可変入賞装置65内の特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しており、特別図柄の高確率状態を終了させるための確変終了条件として、特別図柄変動の実行回数が50回に到達した場合に成立する第1確変終了条件と、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する第2確変終了条件と、を設けており、何れかの確変終了条件が成立した場合に、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
つまり、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に、特別図柄変動の実行回数が50回となるまで確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その後、特別図柄の実行回数が50回となるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合と、大当たり遊技終了後に特別図柄変動の実行回数が100回となるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合と、がある。
第3図柄表示装置81の表示面では、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出が実行されるように構成しており、例えば、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV報知演出が実行された場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する報知演出(スーパーチャンスモード演出)が実行され、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合であってもV報知演出が実行されないように大当たり遊技中の演出態様が設定されている場合には、現在の遊技状態が確変状態であるかを分かり難くする共通演出(チャンスモード演出)が実行される。
そして、スーパーチャンスモード演出が実行されている場合には、特別図柄変動の50回目(特定期間)にて、確変状態が終了することになるため、特別図柄変動50回目に設定される「20秒」の変動時間を用いて、確変状態が終了し、次いでチャンスモード(時短)が設定されることを示す演出が実行される。また、チャンスモードが実行されている場合には、特定期間にて、確変状態が設定されていたか否かを示唆する演出が実行される。
このように、特定期間における特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動期間を用いて、特別図柄の抽選結果以外の情報(遊技状態が移行することを案内するための情報や、過去に設定されていた遊技状態を示唆するための情報)を遊技者に報知する情報報知演出を実行する場合に、選択される特別図柄変動の変動時間を固定することで、特別図柄の抽選結果以外の情報を遊技者に報知するための情報報知演出の演出態様(演出時間も含む)のバリエーションを少なくすることが可能となる。
なお、本制御例では、確変状態が終了することとなる特別図柄変動(大当たり終了後50回目の特別図柄変動)の実行期間を特定期間とし、特別図柄変動の変動時間を「20秒」に固定しているが、これに限ること無く、確変状態が終了することとなる特別図柄変動の前後も含めて、例えば、大当たり終了後45回目~52回目の特別図柄変動の実行期間が特定期間(固定された変動時間が選択される期間)とし、その特定期間中に実行される特別図柄変動の変動時間を用いて、情報報知演出を実行可能に構成しても良い。
また、上述した特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて、情報報知演出の演出態様を可変させても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、確変状態が終了することを示す情報を報知しない演出態様へと可変させても良いし、実際に設定された遊技状態に関わらず、過去に設定された遊技状態(前回の大当たり遊技終了後に設定された遊技状態)が遊技者に不利な遊技状態(例えば、時短状態)であることを示す演出態様へと可変させても良い。
加えて、特定期間中において情報報知演出が実行されるタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させても良く、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも、情報報知演出の実行タイミングが遅くなり易くすると良い。これにより、情報報知演出の演出内容だけで無く、実行タイミングについても遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、上述した例のように、特定期間中において情報報知演出が実行されるタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させる場合には、予め特定タイミングで情報報知演出が実行されるように設定しておき、特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果が所定の結果(例えば、大当たり)である場合に、情報報知演出が実行されるタイミングを上述した特定タイミングから可変させるように構成しても良いし、情報報知演出が実行されるタイミングを予め設定すること無く、特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて複数の実行タイミングの中から一の実行タイミングを決定するように構成しても良い。
次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「51回~100回(第3期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」、即ち、全範囲において、変動時間が「30秒」の変動パターン(当たり)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~179」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長外れ)が選択され、「180~198」の範囲に対して変動時間が「60秒」の変動パターン(第2超変動)が選択されるように規定している。
この第3期間は、遊技状態が時短状態となる期間である。つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されていた場合であっても、確変終了条件が成立し時短状態が設定される期間である。この第3期間中も、上述した第2期間と同様に、第2特別図柄抽選が主として実行される期間ではあるが、実行される遊技方法によっては第1特別図柄抽選が実行される。時短状態中は第2特別図柄抽選を実行させたほうが、第1特別図柄抽選を実行させる場合よりも遊技者に有利な遊技となるため、この第3期間中に実行される第1特別図柄抽選は長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されている。これにより、万が一、時短状態の第3期間中に第1特別図柄抽選が実行された場合であっても、長い変動時間が設定される変動パターンで第1特別図柄変動が実行されるため、その間に、第2特別図柄の保留球を獲得し易くすることができる。よって、時短状態中に頻繁に第1特別図柄抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、この第3期間中も、上述した第2期間中と同様にダブルリーチ演出(図131参照)が実行されるように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合、外れ当選の一部、及び第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、外れ当選した場合の一部で、変動時間が「30秒」の変動パターンが選択されるように規定している。
次に、確変状態、或いは、時短状態が設定されている場合における第2特別図柄抽選に対して規定されている各種変動パターンの内容について説明をする。
図143に示した通り、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「1回~20回(第1期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択されるように規定している。即ち、第1期間中は、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで同一の変動パターン(5秒変動)が選択される。
次に、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「21回~49回(第2期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が、「150~198」の範囲に対して、変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~191」の範囲に対して変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が選択され、「192~198」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定している。
主として第2特別図柄抽選が実行される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)である第2期間中は、上述したダブルリーチ演出が実行される変動パターン(30秒の変動時間が設定される変動パターン)以外は、変動時間が「10秒」の変動パターンが選択される。つまり、第2入球口640へと容易に球を入球可能な状態において第2特別図柄変動が短期間で終了するようにし、第2特別図柄抽選が効率良く実行されるように構成している。これにより、特図2保留球が上限まで記憶されている状態で第2入球口640へと多量の球が入球してしまう事態が発生することを抑制することができ、遊技者に気持ちの良い遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、短時間の変動時間として「10秒」を規定しているが、この変動時間をさらに短く規定しても良く、この場合、遊技盤13へと発射された球が第2入球口640へと到達し得る間隔(約1.2秒)よりも長い時間(例えば、3秒)を規定すると良い。このように構成することで、遊技者が継続して球を発射しているにも関わらず、特図2保留球が減少していき、第2特別図柄抽選よりも非優先に設定してある第1特別図柄抽選が実行されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「50回(特定期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(中変動)が選択されるように規定している。この特定期間中に設定される変動パターンについては、上述した第1特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「51回~100回(第3期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が、「150~198」の範囲に対して、変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~191」の範囲に対して変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択され、「192~198」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定している。
以上、説明をした通り、本第1制御例では、変動パターン選択テーブル202bとして、通常用テーブル202b1と、確変・時短用テーブル202b2と、を有しており、設定されている遊技状態に応じて、変動パターンを選択する際に参照するデータテーブルを異ならせるように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じて選択される変動パターンの種類を異ならせることができ、遊技者に多様な変動パターンで特別図柄抽選の結果を示すことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、遊技状態として確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで同一のデータテーブル(確変・時短用テーブル202b2)を参照して変動パターンを選択するように構成している。よって、時短状態が設定されているか確変状態が設定されているかを遊技者に分かり難くする演出モードである「チャンスモード」が設定されている状態において、実行される特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンの種類によって、設定されている遊技状態が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、確変状態中の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルと、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルと、を同一としているが、これに限ること無く、異なるデータテーブルを参照させるように構成しても良い。
この場合、確変状態中の変動パターンを選択する際に参照される確変用データテーブルと、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照される時短用データテーブルと、を設け、僅かな確率(例えば、5%)で選択される変動パターンの種別として、一方のデータテーブルにのみ規定されている特定変動パターンを設けると良い。これにより、特定変動パターンが選択された場合にのみ、選択された変動パターンの種別に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者が把握することができる。
加えて、確変用データテーブルと、時短用データテーブルとで、各変動パターンが選択される割合を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、「チャンスモード」中に実行される特別図柄抽選に対して選択される変動パターンの偏りを分析することによって、遊技者に現在設定されている遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、上述した通り、本制御例では、設定される遊技状態に応じて、変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを異ならせるように構成しているが、遊技状態以外の条件によって参照するデータテーブルを選択するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合において、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態や、前回の大当たり当選時に設定された大当たり種別(特別図柄の停止表示態様)や、第3図柄表示装置81に停止表示された第3図柄の表示態様や、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65Vへと球が通過したか否か(V入賞したか否か)の結果等に基づいて、同一の時短状態中において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを異ならせるように構成しても良い。
この場合、選択された変動パターンを示すコマンド(変動パターンコマンド)を設定する際に、参照されたデータテーブル(変動パターン選択テーブル)の種別を示す情報が含まれるコマンドを設定するように構成すると良い。これにより、音声ランプ制御装置113側で、変動パターンコマンドを受信した場合に、今回設定された変動パターンの種別に加え、現在の遊技状態が設定された経緯も判別することが可能となる。よって、受信した変動パターンコマンドに基づいて、例えば、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、球をV入賞させることが出来ず時短状態が設定されたことを判別し、専用の演出モード(例えば、「残念モード」)を設定することができる。
図138に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図156参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容について、図140(b)を参照して説明をする。図140(b)は、第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図140(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(確変状態、時短状態)を容易に設定することができる。
さらに、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、第2入球口640へと球を複数個入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技を実行可能に構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図156参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図167参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図137に戻り説明を続ける。ROM202は、図138に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図139(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図139(a)は、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図139(a)に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202dを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202dについては、図138に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図137に戻り、説明を続ける。RAM203は、図138に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図167参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図166参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図165参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図139(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203i、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、確変設定フラグ203m、確変通過カウンタ203n、入賞個数カウンタ203o、残球タイマフラグ203p、残球タイマ203q、確変有効フラグ203r、確変有効タイマ203s、排出個数カウンタ203t、その他メモリエリア203zを有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本制御例では、4個)まで、第1入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本制御例では、4個)まで、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、特別図柄の変動表示を開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、特別図柄が変動停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは第2特別図柄保留球格納エリア203bに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。本制御例では、第1特別図柄抽選よりも優先して第2特別図柄抽選が実行されるように構成しているため、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bの何れにも各種カウンタ値が記憶されている場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている各種カウンタ値が特別図柄保留球実行エリアへとシフトして記憶される。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図138参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図156参照)の中で、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。また、球が第2入球口640へ入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1~C3,CS1の値を取得し、第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する。
MPU201は、特別図柄変動(抽選)の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203cはスルーゲート67への球の通過(始動入賞)検出に伴ってカウンタ用バッファ(図138参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図156参照)の中で、球がスルーゲート67を通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cに格納する。普通図柄保留球格納エリア203cは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図156参照)の中で検出される第1入球口64への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図166のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図156参照)の中で検出される第2入球口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図166のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1~C3,CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、特別図柄大当たり判定処理(図158のS301参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、特図変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図156参照)の中で検出されるスルーゲート67を球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第2図柄表示装置83で行われる変動表示の保留球数(待機回数)を最大1回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図166のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値まで1加算される(図164のS904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通図柄の変動表示が実行される毎に1減算される(図163のS805参照)。
遊技状態格納エリア203gは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短カウンタ203hの設定状況、確変カウンタ203iの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には、時短カウンタ203hの値が0で、且つ、確変カウンタ203iの値が0である場合に通常状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値で、確変カウンタ203iの値が0である場合に時短状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値で、確変カウンタ203iの値が0よりも大きい値である場合に確変状態が記憶される。
さらに、大当たり遊技が実行されている状態では、大当たり遊技が実行されている状態であることを示す当たり遊技状態(大当たり状態)と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されている。加えて、普図当たり遊技の実行中であることを示す普図当たり遊技中情報も記憶されるように構成されている。
そして、遊技状態格納エリア203gに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従状態設定エリア223gに一時的に記憶する。
この遊技状態格納エリア203gに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図166参照)において、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。
これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。
時短カウンタ203hは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203hには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される(図170のS2103参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203jの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203hの値が減算され、時短カウンタ203hの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、時短カウンタ203hの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件、時短カウンタ203hの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて時短カウンタ203hの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203hの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203hの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本実施形態では、時短カウンタ203hの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203hの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203hの値に関わらず、時短カウンタ203hの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
確変カウンタ203iは、特別図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、特別図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この確変カウンタ203iには、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことに基づいて、その大当たり遊技終了後に値が設定される(図170のS2102参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は特別図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されると、確変カウンタ203iの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、確変カウンタ203iの値が減算され、確変カウンタ203iの値が0となった場合に、特別図柄の高確率状態が終了し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、特別図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、確変カウンタ203iの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための条件、確変カウンタ203iの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203iの値を減算させるように構成しても良い。
さらに、当選した大当たり種別と、特定領域(Vゲート)65vへの球の通過状況とに基づいて確変カウンタ203iに設定される値を異ならせても良いし、上述した時短カウンタ203hの値を減算する内容と同様に、特別図柄の変動回数以外の条件によって確変カウンタ203iの値を減算可能に構成しても良いし、確変カウンタ203iの値を減算するための減算条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を一度に複数個減算可能に構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態がいつまで継続するのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、特別図柄の高確率状態中に実行される特別図柄抽選の結果を飽きること無く注視させることができる。
また、本制御例では、確変状態を終了させるための条件、即ち、確変カウンタ203iの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203iの値を減算させるように構成しても良いし、球が特定の入球口(例えば、第1入球口64、第2入球口640等)に入球したことに基づいて確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。
加えて、本制御例では、確変カウンタ203iの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、確変カウンタ203iの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の確変カウンタ203iの値に関わらず、確変カウンタ203iの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、確変状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、確変状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、確変状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、確変状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
大当たり開始フラグ203jは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203jがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203jは、大当たりを示す変動表示の終了タイミングとなった場合にオンに設定される。また、大当たり開始フラグ203jは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図168のS1903参照)。
大当たり中フラグ203kは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203kがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203kは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図168のS1903参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図170のS2105参照)。そして、特別図柄変動処理(図157参照)では、この大当たり中フラグ203kが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図157のS201参照)。
確変設定フラグ203mは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65v(図120参照))に球が入球(流下)したか否かにより決定される。ここで、この特定領域(Vゲート)65vへと球が入球(流下)したこと(特定領域(Vゲート)65vに設けられている確変スイッチの通過)を検出すると、確変設定フラグ203mがオンに設定される(図171のS2215参照)。一方、この確変設定フラグ203mは、大当たり遊技の終了時にオフに設定される(図170のS2105参照)。なお、この確変設定フラグ203mは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203mがオンに設定されている場合には、確変スイッチに電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203mを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチを通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203nが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203mのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203nは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチを通過した(特定領域を流下した)球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203nと後述する排出個数カウンタ203tとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203nは、確変スイッチを球が通過した(特定領域を流下した)場合に1ずつ加算されて更新される。また、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数が一致するか否かの判定処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203nは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203oは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタであり、特定入賞口65aへの入賞が検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203oの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203tと確変通過カウンタ203nとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203oの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203pは、1のラウンドが終了し、特定入賞口65aが閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203qが1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203qは、特定入賞口65aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203qは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の特定入賞口65aが閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203qの上限値として設定されている。この残球タイマ203qの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203mをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203rは、切替弁65yが球を特定領域(Vゲート)65vへと振り分け不可能な配置に切り替わった後に、遊技球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、その通過(入球)を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203rがオンに設定されている場合には、特定領域(Vゲート)65vを遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203sは、上述した確変有効フラグ203rがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203sにより切替弁65yが特定領域(Vゲート)65vを球が流下不可能な配置に切り替わった後に、確変スイッチを正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、切替弁65yに到達した遊技球が確変スイッチを通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203sの上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に特定領域(Vゲート)65vを通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に遊技球を特定領域(Vゲート)65v(V領域)に入球させて確変スイッチを通過させたり、確変スイッチの下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203tは、1のラウンドで可変入賞装置65から排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203tは、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図144(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aと、通常中特図2演出選択テーブル222bと、確変中演出選択テーブル222cと、連続予告実行選択テーブル222dと、V報知実行選択テーブル222eと、ボタン操作時演出選択テーブル222fと、が少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本制御例では、実行される特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が横スクロールで変動表示される変動演出(図123参照)が実行される。この変動演出では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンが決定されるため、遊技者は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出を視認することで今回の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを予測しながら遊技(特図遊技)を行うことができる。
通常中特図2演出選択テーブル222bは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。
本制御例では、通常状態が設定されている状態において普通図柄抽選で当たり当選すると、電動役物640aが5秒間開状態となる普図当たり遊技が実行される。そして、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行させることが可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選が実行され難い遊技状態(通常状態)において、所定の実行条件が成立した場合に(普図当たり当選した場合に)、所定期間の間(普図当たり遊技期間の間)、第2特別図柄抽選の抽選契機(特図2保留球)を獲得し易く(第2入球口640へと球を入球させ易く)することができるように構成している。
通常状態中に実行される第2特別図柄抽選では、通常用テーブル202b1(図142(b)参照)に示した通り、変動時間が「10秒」の変動パターンと、変動時間が「40秒」の変動パターンとが選択可能に構成されており、変動時間が「40秒」の変動パターンが設定されている第2特別図柄抽選が実行される場合に、通常中特図2演出選択テーブル222bを参照して変動演出の演出態様が設定される。
ここで、図145を参照して、通常中特図2演出選択テーブル222bの内容について説明をする。図145は、通常中特図2演出選択テーブル222bの内容を模式的に示した図である。この通常中特図2演出選択テーブル222bは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の変動演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。
通常用テーブル202b1(図142(b)参照)に示した通り、本制御例では、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されると、基本時間(10秒)に対応させて、共通の外れリーチ演出が実行され(図125(a)参照)、その後、通常中特図2演出選択テーブル222bを参照して選択された演出内容(演出態様)として疑似変動演出(図125(b)~126参照)が加算時間(30秒)の間に実行されるように構成している。
具体的には、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が、「80~99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似2演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、「90~99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似4演出」が規定されている。
また、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が0の場合は、特図1保留数が1~4の場合に「特殊終了演出」が、特図1保留数が0の場合に「疑似無し演出」が設定される。
抽選結果が外れである場合には、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、特図2保留数が0の場合は、「疑似無し演出」が規定されている。
以上、説明をした通り、本実施形態では、第2特別図柄の疑似変動演出の演出態様を設定する際に、特図2保留数及び特図1保留数の有無を判別し、次に実行される特別図柄抽選に対応する演出態様で疑似変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、1の特別図柄変動期間中に実行される疑似変動演出を、あたかも次の特別図柄変動に対応させた変動演出と思わせ易くすることができる。
さらに、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数(第3図柄の仮停止回数)が、獲得済みの特図2保留数に対応させた回数となるように構成しているため、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に獲得した特図2保留が全て使用されたと思わせることができる。よって、大当たり当選している疑似変動演出が実行された場合は、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に多くの特図2保留を獲得した結果として、大当たり当選したと遊技者に思わせることができる。また、外れ当選している疑似変動演出が実行された場合は、特図2保留を全て消化したと思わせた後に、次に特図2保留を用いた変動演出が実行されるため(チャンスゾーンが継続するため)、遊技者に以外性のある演出を提供することができる。
また、本制御例では、大当たり当選した場合にのみ設定される疑似変動演出(特殊疑似2演出、疑似4演出)を設けているため、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数と、特図2保留数とに対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図146を参照して、確変中演出選択テーブル222cの内容について説明をする。図146は、確変中演出選択テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。この確変中演出選択テーブル222cは、確変状態(時短状態)中、即ち、普通図柄の高確率状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして、基本時間が30秒の変動パターンが選択された場合における変動演出を設定する際に参照されるデータテーブルである。この確変中演出選択テーブル222cは、実行される特別図柄変動に対する変動演出の演出態様を設定する際に参照されるものであり、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて実行される特図1演出態様設定処理(図183のS4903参照)にて、確変状態であることを遊技者に報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中であって(図183のS5005:Yes)、今回実行される変動パターンの変動時間(基本変動時間)が「30秒」である場合(図183のS5007:Yes)、又は、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて実行される特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)にて、確変状態であることを遊技者に報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中であって(図184のS5112:Yes)、今回実行される変動パターンの変動時間(基本変動時間)が「30秒」である場合(図184のS5114:Yes)、に参照される。
本制御例では、普通図柄の高確率状態において第1特別図柄抽選が実行された場合に、第1特別図柄抽選でのみ当選し得る大当たり(通常大当たり遊技が実行される大当たり)に当選したことが、第1特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるよりも前に遊技者が把握してしまう事態が発生することを抑制するために、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示すための第3図柄(偶数の数字が付された第3図柄)と、確変大当たり遊技が実行される大当たり当選を示すための第3図柄(奇数の数字が付された第3図柄)と、が何れもリーチ状態となるダブルリーチ演出を実行するように構成している。
さらに、普通図柄の高確率状態である確変状態、或いは、時短状態において、上述したダブルリーチ演出が実行された場合に、実行中の特別図柄抽選が第1特別図柄抽選であることを遊技者に把握させ難くするために、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応する変動演出においても、上述したダブルリーチ演出を実行するように構成している。また、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とは、何れも変動時間が「30秒」の変動パターンを選択可能に構成しており、この「30秒」の変動パターンが選択された場合においてダブルリーチ演出が実行されるように構成している。このように、特別図柄の種別に関わらず、同一の変動時間(30秒)を設定し、同一の変動演出となるダブルリーチ演出を実行するように構成しているため、実行される変動演出によって実行中の特別図柄変動の図柄種別を遊技者に把握されてしまうことを抑制することが出来ると共に、変動演出に用いられる演出データを共通化することにより、パチンコ機10にて実行される各種演出に用いられる演出データの容量を抑えることができる。
図146に示した通り、確変中演出選択テーブル222cには、図柄種別(特別図柄の種別)と、抽選結果(特別図柄抽選の結果)と、演出カウンタ223fの値とに応じて異なる演出態様が規定されている。具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)である場合は、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に「確変シングルリーチ」が、「50~99」の範囲に「ダブルリーチ」が規定され、通常大当たり(大当たりB)である場合は「ダブルリーチ」が、外れの場合は「非リーチ」が規定されている。
また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、抽選結果が確変大当たりである場合は、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に「特殊ダブルリーチ」が、「50~99」の範囲に「確変ダブルリーチ」が規定され、外れの場合は、演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に「ダブルリーチ」が、「5~10」の範囲に「確変ダブルリーチ」が、「11~99」の範囲に「非リーチ」が規定されている。
このように構成することで、確変状態において第1特別図柄抽選が実行される場合も、第2特別図柄抽選が実行される場合も「ダブルリーチ」(図131(a)に示した、通常当たりに対応する第3図柄を含む2以上の第3図柄がリーチ状態となるリーチ演出)が実行されることになるため、遊技者に対して、「ダブルリーチ」が実行された場合に、何れの特別図柄抽選に対応する第3図柄変動演出が実行されているのかを分かり難くすることができる。
さらに、「特殊ダブルリーチ」が設定されると、最初に「ダブルリーチ」の演出態様が設定され、その後、図131(b)に示した「確変ダブルリーチ」へと演出態様が可変するリーチ演出が実行される。よって、第1特別図柄抽選に対応して「ダブルリーチ」が実行された場合であっても、途中で「確変ダブルリーチ」へと昇格することを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、この「特殊ダブルリーチ」において、リーチ演出の演出態様が可変するタイミングは、中図柄列Z2が1周、或いは2周したタイミングとしているが、これに限ること無く、遊技者が操作ボタン22を操作したタイミングに基づいて演出態様を可変しても良い。
なお、通常状態中に第2特別図柄変動が実行される場合において、変動時間が「10秒(基本時間10秒、加算時間0秒)」の変動パターン(特殊外れ)が選択された場合には、図125(a)に示した外れリーチ演出が実行された後、そのまま外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示される。一方、変動時間が「10秒(基本時間10秒、加算時間0秒)」の変動パターン(特殊当たり)が選択された場合には、10秒間の図柄変動の後、大当たり当選を示す表示態様(例えば、「777」)で第3図柄が停止表示される。
このように、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出として、1回の特別図柄変動期間中に疑似的に複数回の変動演出を実行する特殊変動パターンと、1回の特別図柄変動期間中に1回の変動演出を実行する通常変動パターンと、を設けることにより、どのタイミングで新たな第2特別図柄変動が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、チャンスゾーンが継続することを期待しながら遊技を行わせることができる。
また、チャンスゾーン中の実行される変動演出(疑似含む)の回数が多い程、大当たり当選の期待度を高めることができるため、チャンスゾーンが長時間継続することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
加えて、本制御例では、1回の特別図柄変動期間中に疑似的に複数回の変動演出を実行する特殊変動パターンにて実行される1回の疑似変動時間(10秒)と同一時間となるように通常変動パターンの変動時間(10秒)が規定されているため、例えば、特殊変動パターンで実行された第2特別図柄変動の後に、通常変動パターンで実行された第2特別図柄変動が実行された場合に、第3図柄表示装置81の表示面では、10秒間の変動演出が繰り返し実行されることになる。よって、特殊変動パターンとして疑似変動演出が繰り返し実行されているのか、特殊変動パターンと通常変動パターンとが連続して実行されているのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、どのタイミングで新たな第2特別図柄変動が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、チャンスゾーンが継続することを期待しながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、通常状態中の第2特別図柄変動として、変動時間が「40」秒の変動パターンが選択された場合に、特殊変動パターンの変動演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動時間として「40秒」以外の変動時間を選択可能に構成しても良い。また、本制御例では、特殊変動パターンの変動演出の一部である疑似変動時間を基本的に10秒で固定し、大当たり期待度が高い場合に、10秒以外の長さで疑似変動演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、1回の変動演出の実行期間が長くなることを、期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
図144(a)に戻り、説明を続ける。連続予告実行選択テーブル222dは、主制御装置110側から受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報(大当たり当選の有無)に基づいて、複数の特別図柄変動の期間を跨いで実行される連続予告演出の実行条件を成立させるか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。ここで連続予告演出の実行条件が成立すると、枠ボタン22への操作を有効に判別する特殊有効時間が設定される。そして、特殊有効時間内に枠ボタン22が操作された場合に、連続予告演出が実行される。
この連続予告演出が実行されると、通常の背景モード(海モード、山モード)とは異なる背景モード(空モード)へと移行し、実行条件の成立対象となった入賞情報に対応する特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間を用いた連続演出が実行される。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されている期間のうち、高速変動期間(普通図柄の高確率状態が設定されてから、20回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間)中は、他の期間に比べて枠ボタン22への操作に基づいて背景モードが移行し難くなるように構成している。そのような高速変動期間中であっても、枠ボタン22を操作することにより背景モードを移行させることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
また、通常の背景モード移行とは異なり、大当たり当選の期待度を高めた背景モード移行を実行させることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、高速変動期間中は、他の期間に比べて特別図柄変動の変動時間が短くなり易いため、他の期間のように背景モードを移行させてしまうと、肝心な特別図柄抽選の結果を見逃してしまう虞があることから、背景モード移行し難くなるように構成している。しかしながら、連続予告演出が実行されることに基づいて背景モード移行する場合には、複数回の特別図柄変動の変動時間を用いた連続予告演出が実行されるため、背景モード移行後に即座に連続予告演出の演出結果が表示されることが無い。よって、背景モード移行を実行したとしても、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本制御例では、高速変動期間中に枠ボタン22を操作した場合に、背景モード移行以外の演出(操作演出)を実行可能にし、高速変動期間中であっても、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることで遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するように構成している。その中で、連続予告演出の実行条件が成立したことに基づいて背景モード移行が実行されることにより、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、図147(a)を参照して、連続予告実行選択テーブル222dの内容について説明する。図147(a)は、連続予告実行選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。図147(a)に示した通り、連続予告実行選択テーブル222dには、受信した入賞情報に含まれる抽選結果(特別図柄の抽選結果)と、特図2保留数(第2特別図柄の保留球数)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応させて、連続予告演出の実行条件を成立させるか否かが規定されている。
具体的には、抽選結果が「大当たり」で、特図2保留数が「3」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が、「80~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が規定されている。また、特図2保留数が「4」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が、「150~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が規定されている。
一方、抽選結果が「外れ」で、特図2保留数が「3」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~194」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が、「195~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が規定されている。また、特図2保留数が「4」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~189」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が、「190~198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が規定されている。
上述した通り、本制御例では、特図2保留数が多いほど、連続予告演出の実行条件が成立し易く、さらに、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも連続予告演出の実行条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して連続予告演出を実行させようと意欲的に遊技(第2入球口640へと球を入球させる遊技)を行わせることができ、パチンコ機10の稼働を高めることができる。加えて、特図2保留数が多い程、連続予告演出の実行条件が成立した場合における大当たり期待度が高くなるように構成している。よって、大当たり期待度の高い連続予告演出を実行させるために、意欲的に遊技(第2入球口640へと球を入球させる遊技)を行わせることができ、パチンコ機10の稼働を高めることができる。
本制御例では、主制御装置110側から入賞情報コマンド(特別図柄に対する入賞情報コマンド)を受信した場合に、連続予告実行選択テーブル222dを参照して、連続予告演出の実行条件の成立の有無のみを判定(決定)するように構成しており、連続予告演出の実行条件が成立した場合であっても、その時点で連続予告演出が実行されず、実行条件が成立した後、特定の期間内にて枠ボタン22を操作した場合に連続予告演出が実行されるように構成している。これにより、1回の特別図柄変動期間中に第2入球口640へと球が複数入球し、複数の入賞情報コマンドを受信した場合には、実行条件の成立対象となる入賞情報を遊技者に分かり難くすることができる。よって、連続予告演出が実行された場合に、その連続予告演出がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、連続予告演出の演出内容が単調になることを抑制することができる。
なお、本制御例では、上述した通り、連続予告演出の実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)しないように構成しているが、これに限ること無く、実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するための報知(示唆)演出を実行するように構成しても良く、例えば、副表示領域Dsに「待機中」の文字を表示することで、連続予告演出の実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するように構成しても良い。このように構成することで報知(示唆)演出が実行された場合に、連続予告演出を実行させようと意欲的に枠ボタン22を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本制御例では、図129(a)に示した通り、遊技者による枠ボタン22への操作を有効に判別する有効期間が設定されていることを(有効期間中であることを)遊技者に報知可能な有効期間報知態様として、主表示領域Dmの右側下方に枠ボタン22を模したアイコンHR10を表示するように構成しているが、連続予告演出の実行条件が成立した場合に設定される特殊有効時間が設定されているのか、通常の有効時間が設定されているのかを、アイコンHR10の表示態様からは判別できない(し難い)ように構成している。このように構成することで、遊技者は、枠ボタン22を操作するまで連続予告演出が実行されるのか、通常の操作演出が実行されるのかが分からないため、連続予告演出を実行させようと枠ボタン22を意欲的に操作させることができる。
なお、本制御例の構成とは異なり、アイコンHR10の表示態様によって、現在設定されている有効期間が特殊有効時間であるか、通常有効時間であるかを遊技者が判別可能となるように構成しても良いし、アイコンHR10が第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示タイミングによって現在設定されている有効期間が特殊有効時間であるか、通常有効時間であるかを判別させるように構成しても良い。また、特殊有効時間が設定される期間を、通常有効時間が設定される期間(例えば、特別図柄変動が開始されてから3秒間)とは異ならせ、さらに、特殊有効時間が設定されていることを遊技者に報知(示唆)しないように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで枠ボタン22を操作したら連続予告演出が実行されるのかを分かり難くすることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。同様に、特殊有効時間が設定されていることを遊技者に報知(示唆)しないように構成した場合において、連続予告演出の実行条件が成立していることを報知(示唆)する演出(例えば、副表示領域Dsに「待機中」の文字を表示)のみ実行可能に構成しても良い。これにより、連続予告演出の実行条件が成立していない状態で無駄に枠ボタン22を操作させてしまうことを抑制することができる。加えて、連続予告演出の実行条件が成立している状態であって、特殊有効時間外に枠ボタン22を操作した場合に、現在が特殊有効時間外であることを遊技者に報知するための報知表示(例えば、副表示領域Dsに「今じゃない」の表示)を実行しても良いし、特殊有効時間を案内するための案内表示(例えば、副表示領域Dsに「2秒後にもう一度押してね」の表示)を実行しても良い。
また、本制御例では、第2特別図柄に対する入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、連続予告演出テーブル222dを参照して、連続予告演出の実行条件を成立させるための処理を実行するが、これに限ること無く、第1特別図柄に対する入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合にも連続予告演出の実行条件が成立するように構成しても良い。
図144に戻り説明をする。V報知実行選択テーブル222eは、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。本制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に特定領域(Vゲート)65vを設けており、可変入賞装置65内に入賞した球が特定領域(Vゲート)65vを通過すると、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成している。そして、実行される大当たり遊技の種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、その確変大当たり遊技よりも、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成している。
具体的には、図120(b)に示した通り、可変入賞装置65内に切替弁65yを設け、切替弁65yの配置状況によって可変入賞装置65内に流入した球が、特定領域(Vゲート)65vを通過不可能(困難)な第3流路65e3と、特定領域(Vゲート)65vを通過可能な第4流路65e4とに振り分けられるように構成している。この切替弁65yは、確変大当たり遊技が実行された場合の1ラウンド目のラウンド遊技中にのみ球を第4流路65e4へと振り分け可能な配置状況へと切り替わるように駆動制御される。
V報知演出は、大当たり遊技を実行している遊技者に対して、球が特定領域(Vゲート)65vを通過可能な期間(V期間)、及び、特定領域(Vゲート)65vを狙うための遊技方法を案内するV案内演出と、現在がV期間であることを報知するV期間演出と、V期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV成功演出と、V期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかったことを報知するV失敗演出と、を実行可能な演出である。このV報知演出を実行することにより、確変大当たり遊技が実行された場合において、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させるための遊技を容易に行わせることができると共に、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことが遊技者に報知されるため、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
ここで、本制御例では、通常大当たり遊技が実行された後には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成しており、時短状態が設定された場合には、演出モードとして「チャンスモード」が設定されるように構成している(図134参照)。さらに、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される場合の一部においても「チャンスモード」が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定された場合であっても、内部的には確変状態が設定されている可能性を残すことができるため、遊技者に確変状態であることを期待させながら遊技を行わせることができる。しかしながら、大当たり遊技中にV報知演出が実行されてしまうと、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したか否かを大当たり遊技中に容易に把握できてしまうため、ひいては、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらず、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定されてしまうと、確変状態が消滅したと不信感を持たれてしまうという問題があった。特に、本制御例のように確変状態を終了させるための確変終了条件として、特別図柄変動が50回実行された場合に成立する確変終了条件を有するパチンコ機10においては、特別図柄抽選で大当たり当選することなく確変状態が終了してしまうため、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらず、確変状態が設定されなかったと強く思われてしまう虞があった。
そこで、本制御例では、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する処理を実行し、その処理結果に基づいて大当たり遊技中のV報知演出の有無を決定する。そして、V報知演出を実行しない大当たり遊技中にて、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合)に、その大当たり遊技終了後に「チャンスモード」を設定するように構成している。このように構成することで、内部的に確変状態が設定されているか否かを遊技者が判別することが困難となるため、「チャンスモード」を遊技している遊技者に対して不信感を与えること無く、確変状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、図147(b)を参照して、V報知実行選択テーブル222eの内容について説明をする。図147(b)は、V報知実行選択テーブル222eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。このV報知実行選択テーブル222eは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行される大当たり関連処理(図180のS4218参照)において、確変大当たり遊技を開始するタイミングであると判別された場合に(図180のS4701:Yes)、今回の大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する際に参照される(図180のS4704)。
図147(b)に示した通り、V報知実行選択テーブル222eには、今回実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たり当選した大当たり種別)と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させてV報知有無(V報知演出を実行するか否かの判定結果)が規定されている。具体的には、大当たり種別が「大当たりA」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、V報知演出を実行することを示す「V報知有」が、「150~198」の範囲には、V報知演出を実行しないことを示す「V報知無」が規定されている。また、大当たり種別が「大当たりC,D,E」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~189」の範囲には、「V報知有」が、「190~198」の範囲には、「V報知無」が規定されている。
第1特別図柄抽選で大当たり当選し、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別「大当たりA」が設定された場合には、約75%の割合でV報知演出が実行される。ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、50%が確変大当たり遊技(「大当たりA」)となり、残りの50%が通常大当たり遊技(「大当たりB」)となるように構成されている。よって、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の約37.5%の割合で大当たり遊技中にV報知演出が実行され、約62.5%の割合で大当たり遊技中にV報知演出を実行報知演出が実行されないことになる。また、V報知演出が実行されなかった場合のうち、確変大当たり遊技が実行されている割合が約20%となるように構成されている。
一方、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別「大当たりC,D,E」が設定された場合には、約90%の割合でV報知演出が実行される。ここで、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、必ず確変大当たり遊技(「大当たりC,D,E」)となるように構成されている。よって、実際には第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の約10%の割合でV報知演出が実行されない大当たり遊技が実行されることになる。このように、必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選による大当たり当選に対してもV報知演出を実行しない場合を設けることにより、V報知演出が実行されなった場合、即ち、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定された場合において、遊技状態が確変状態である割合を高めることができる。
また、上述した通り、第1特別図柄抽選で確変大当たり遊技が実行される大当たり(「大当たりA」)に当選した場合と、第2特別図柄抽選で確変大当たり遊技が実行される大当たり(「大当たりC,D,E」)に当選した場合とで、V報知演出が実行される割合を異ならせている。具体的には、実際に確変大当たり遊技が実行され易い第2特別図柄抽選よりも、確変大当たり遊技が実行され難い第1特別図柄抽選のほうが、確変大当たり遊技が実行される場合において、V報知演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合に、その大当たり遊技中にV報知演出が実行されない頻度を高めることができるため、通常大当たり遊技が実行され得る第1特別図柄抽選に基づく大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定された場合にも遊技者に期待感を持たせ易くすることができる。
なお、本制御例では、図147(b)に示した通り、V報知演出の実行割合を、大当たり種別に応じて異ならせているが、それ以外の要素に応じてV報知演出の実行割合を異ならせても良く、例えば、大当たり当選した時点における遊技状態に応じてV報知演出の実行割合を異ならせたり、通常状態へ移行すること無く大当たり当選した回数(所謂、連荘回数)に応じてV報知演出の実行割合を異ならせたり、遊技者が枠ボタン22を操作した操作結果に応じてV報知演出の実行割合を異ならせても良い。このように様々な条件に応じてV報知演出の実行割合を異ならせることで、見た目上の確変割合(大当たり当選全体におけるV報知演出が実行される割合)を複数設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合、即ち、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることが可能な大当たり遊技が実行される場合にのみ、上述したV報知演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、通常大当たり遊技が実行される場合にもV報知演出を実行可能に構成しても良い。この場合、確変大当たり遊技にてV期間(特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることが可能な期間)が設定されるタイミング(1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるタイミング)に合わせてV報知演出を実行し、最終的にV期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかったことを報知するV失敗演出を実行するように構成すれば良い。さらに、大当たり遊技中に正常に遊技を行ったにも関わらず、V失敗演出が実行されるように構成した場合には、例えば、確変大当たり遊技にて特定領域(Vゲート)65vに球を通過させたにも関わらずV失敗演出を実行し、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行しないパターンを設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には必ずV報知演出を実行するように構成しても良い。
図144(a)に戻り、説明を続ける。ボタン操作時演出選択テーブル222fは、演出モードとして「チャンスモード」が設定されている場合に、遊技者が操作手段である枠ボタン22を操作したことに基づいて実行される操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行される枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107参照)にて、チャンスモード中に枠ボタン22に対して有効な操作が実行されたと判別された場合に(図186のS5314:Yes)、参照される(図186のS5315参照)。このように、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に実行される操作演出の演出態様を、ボタン操作時演出選択テーブル222fを参照して可変させることにより、遊技者に対してバリエーションに富んだ操作演出を提供することができる。
ここで、図148(a)を参照して、ボタン操作時演出選択テーブル222fの内容について説明をする。図148(a)は、ボタン操作時演出選択テーブル222fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図148(a)に示した通り、ボタン操作時演出選択テーブル222fには、時短状態が設定されている場合に参照される時短状態選択テーブル222f1と、確変状態が設定されている場合に参照される確変状態選択テーブル223f2と、が規定されている。
本制御例では、時短状態が設定される場合と、確変状態が設定される場合の一部において、演出モードとして「チャンスモード」が設定されるように構成されている。そして、設定されている遊技状態に関わらず、「チャンスモード」中は共通の変動演出が実行されるように構成されている。さらに、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、同一の変動パターンテーブル(確変・時短用テーブル202b2)を参照して変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。これにより、「チャンスモード」中に実行される特別図柄変動、及び、その特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動演出からは、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを把握し難くすることができるため、遊技者に対して現在が確変状態であることを期待させながら遊技を行わせることができる。
しかしながら、「チャンスモード」を遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を示唆可能な情報を提供しないと、「チャンスモード」中の遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。そこで、本制御例では、「チャンスモード」中に複数種類の操作演出を実行可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、各操作演出の実行割合を異ならせるように構成している。つまり、実行され得る操作演出の種類は同一だが、各操作演出が選択される割合を異ならせることにより、実際に実行される複数の操作演出に基づいて現在の遊技状態を予測することができるように構成している。これにより、遊技者に対して遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
なお、通常状態が設定されている場合に実行される操作演出の演出態様や、確変状態が設定されていることを報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中に実行される操作演出の演出態様や、変動演出の一環として実行される操作演出の演出態様についても同様に複数種類の演出態様のうち、何れかの演出態様を決定して実行するように構成しているが、その詳細な説明は省略する。
次に、図148(b)を参照して、操作時演出選択テーブル222fに規定されている時短状態選択テーブル223f1の内容について説明をする。図148(b)は、時短状態選択テーブル223f1の内容を模式的に示した模式図である。この時短状態選択テーブル223f1は、時短状態が設定されている「チャンスモード」中における操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22が操作されたタイミングと、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作方法の種別と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて異なる操作演出の演出態様が規定されている。
具体的には、図148(b)に示した通り、操作タイミングが高速変動期間(第1期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「150~189」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「190~198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。
ここで、本制御例では、遊技者が枠ボタン22に対して実行可能な操作方法が複数設定されており、枠ボタン22を押下した状態が2秒未満である場合に判定される「通常押し」と、枠ボタン22を押下した状態が2秒以上継続した場合に判定される「長押し」と、が設定されている。そして、遊技者の操作方法に応じて異なる操作演出が実行されるように構成している。これにより、遊技者が任意に操作方法を選択することで様々な操作演出を実行することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することが出来る。
なお、本制御例では、遊技者が操作可能な操作方法として、上述した2種類の操作方法を用いているが、これに限ること無く、例えば、パチンコ機10に枠ボタン22以外の操作手段(例えば、第2枠ボタン)を設け、遊技者が押下した枠ボタンの種類に応じて異なる操作演出が選択されるように構成しても良いし、所定期間(例えば、2秒間)の間に、複数の操作手段に対して実行された操作の順序に対応させて複数の操作方法を設定するように構成しても良い。さらに、遊技者が枠ボタン22を押下した時点で「通常押し」と判定し、その後、その押下状態が所定期間(例えば、2秒)継続した場合に、「長押し」と追加判定することで、「長押し」専用の操作演出を実行するように構成しても良い。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下可能な枠ボタン22の構成以外に、遊技者が上下左右方向に傾倒操作可能なレバー部材や、遊技者が回動操作可能な回動部材から成る操作手段を設けても良い。また、遊技者が部材を直接操作するのでは無く、所定の検知領域を有する近接センサを設け、その検知領域内に進入させた手を近接センサに検知させることで所定の操作を実行したと判定可能な操作手段(例えば、タッチセンサ等)を設けても良く、遊技者が任意に所定の操作を実行可能であって、その操作内容に応じて異なる操作方法を選択できるものであれば良い。
また、本制御例では、「通常押し」と、「長押し」の2種類の操作方法を有する構成について説明をしたが、これに限ること無く、3種類以上の操作方法を設けても良いし、操作方法を1種類しか設けなくても良い。ここで、操作方法を1種類しか設けない場合には、当該操作が実行される間隔に応じて異なる操作演出が実行されるように構成しても良い。これにより、操作方法自体は1種類であっても、様々な操作演出を遊技者に選択させることが可能となる。
図148(b)に戻り、時短状態選択テーブル223f1の内容の説明を続ける。操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。
そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
次に、図149を参照して、操作時演出選択テーブル222fに規定されている確変状態選択テーブル223f2の内容について説明をする。図149は、確変状態選択テーブル223f2の内容を模式的に示した模式図である。この確変状態選択テーブル223f2は、確変状態が設定されている「チャンスモード」中における操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22が操作されたタイミングと、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作方法の種別と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて異なる操作演出の演出態様が規定されている。
具体的には、図149に示した通り、操作タイミングが高速変動期間(第1期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~119」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「120~139」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「140~189」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」、「190~198」の範囲は、背景モードを移行することを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。
また、操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~169」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「170~198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。
そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
以上、説明をした通り、大当たり遊技終了後の演出モードとして「チャンスモード」が設定された場合には、時短状態である場合と、確変状態である場合と、で異なるデータテーブルを参照して操作演出の演出態様が選択されるように構成しており、設定されている遊技状態に応じて各演出態様が選択される割合を異ならせている。よって、実行される操作演出の演出態様に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
また、特定の操作タイミングにおいて、演出モードとして「チャンスモード」が設定され得る複数の遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合に実行され易い演出態様(有利演出態様)として、例えば、「第1期間」中の「通常押し」により実行される「状態示唆」の操作演出を設けているため、「第1期間」中の「通常押し」により「状態示唆」の操作演出が実行された場合に、有利遊技状態が設定されているのでは?と期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、「第1期間」中に操作演出を複数回実行可能に構成しているため、「第1期間」中に上述した有利演出態様で操作演出が実行された回数が増加すればするほど、有利遊技状態が設定されている期待度を高めることができるため、遊技者により意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
加えて、特定の操作タイミングにおいて、演出モードとして「チャンスモード」が設定され得る複数の遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合にのみ実行される演出態様(確定演出態様)として、例えば、「第1期間」中の「通常押し」により実行される「背景モード移行」の操作演出を設けているため、「第1期間」中の「通常押し」により「背景モード移行」の操作演出が実行された場合に、有利遊技状態が設定されていることを把握することができる。
また、上述した有利演出態様や、確定演出態様として、他の条件下(例えば、「第2期間」中の「通常押し」)において選択され得る演出態様を用いている。より詳細には、「状態示唆」の演出態様は、「第1期間」中の「通常押し」により実行された場合には、確変状態が設定されている期待度が高くなり、「第2期間」中の「通常押し」により実行された場合には、時短状態が設定されている期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、「チャンスモード」が設定されているどの期間中にどの演出態様で操作演出が実行されたのかを分析しながら遊技を行わせる楽しみを提供することができる。
以上、図148、及び図149を参照して、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に、選択され得る操作演出の演出態様の内容、及び、選択される際に参照されるデータテーブル(ボタン操作時演出選択テーブル222f)の内容について説明をしたが、本第1制御例では、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照するように構成している。そして、各データテーブルには、同一の演出態様が、選択割合を異ならせて規定されている。これにより、実行される操作演出の演出態様だけでは現在の遊技状態を遊技者に把握させ難くし、複数回の操作演出を実行することより、各演出態様の選択割合を把握することで現在の遊技状態を把握可能にすることができる。よって、遊技者に対して操作演出を複数回実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、現在設定されている遊技状態と、現在設定されている演出モードと、に基づいて、異なるデータテーブルを参照して操作演出の演出態様を選択するように構成しても良い。これにより、確変状態が設定されている場合において、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定されている場合と、「チャンスモード」が設定されている場合とで、異なる操作演出を実行することができる。
ここで、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定されている場合には、例えば、現在の遊技状態が設定されていることを示唆する演出態様である「状態示唆」を実行する必要が無いため、代わりに、「リーチ示唆」の演出態様や、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に特定の抽選結果(大当たり当選や、所定時間以上の変動時間が設定される変動パターン)を示す情報が含まれているか否かを示唆する「先読み示唆」の演出態様を規定すると良い。これにより、「スーパーチャンスモード」が設定されている状態においても、遊技者に操作演出を意欲的に実行させることができる。
さらに、操作演出の演出態様を選択するためのデータテーブル(ボタン操作時演出選択テーブル222f)の種別を、大当たり当選時の遊技状態や、大当たり種別(特別図柄の停止表示態様)、第3図柄表示装置81の表示面に表示された第3図柄の停止表示態様、或いは、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に応じて異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、遊技状態として時短状態が設定され、且つ、演出モードとして「チャンスモード」が設定される場合において、通常大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定される場合と、確変大当たり遊技中に球をV入賞させることができず、その大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定される場合と、で「チャンスモード」中に実行される操作演出の演出態様を異ならせることができる。具体的には、確変の大当たり遊技終了後に時短状態が設定された「チャンスモード」中には、前回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であったことを示唆する「過去大当たり種別示唆」の演出態様を規定すると良い。これにより、実際には時短状態が設定されているにも関わらず、確変状態が設定されているのではと遊技者に思わせることができる。また、前回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であったにも関わらず、V入賞させることができなかったことを報知する「過去遊技履歴報知」の演出態様を規定しても良い。これにより、今後実行する遊技の内容を改め易くすることができる。
次に、図144(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図144(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223h、特殊演出中フラグ223i、V入賞フラグ223j、V演出実行フラグ223k、V報知フラグ223m、時短中カウンタ223n、特殊連続予告フラグ223o、演出モード記憶エリア223p、連続予告実行中フラグ223q、SW有効時間カウンタ223r、特殊有効時間カウンタ223s、操作中カウンタ223t、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図61参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
本制御例では、第1特別図柄の保留球を最大で4個、第2特別図柄の保留球を最大で4個、それぞれ保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223bには、第1特別図柄用の4つの保留エリアと、第2特別図柄用の4つの保留エリアとが形成される。なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とは同時に実行されないように構成しており、第1特別図柄の保留球と、第2特別図柄の保留球とをともに有している状態で新たな特別図柄抽選を実行する場合には、第2特別図柄の保留エリアのうち、最古に記憶された入賞情報(第1エリアに記憶された入賞情報)が実行エリアへと移行するように構成されている。そして、第2エリア~第4エリアに格納されている各入賞情報が1つ若い番号の保留エリアへとシフトするように構成されている。即ち、本制御例のパチンコ機10は、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成されている。
なお、本制御例のパチンコ機10とは異なり、例えば、特別図柄の種別に関わらず、保留球を獲得した順番に応じて特別図柄抽選が実行されるパチンコ機10(所謂、入賞順消化のパチンコ機10)であれば、入賞情報格納エリア223bに8つの保留エリアを設け、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に記憶されるように構成すれば良い。また、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選と、を同時に(重複して)実行可能なパチンコ機10(所謂、同時変動タイプのパチンコ機10)であれば、本制御例の構成に対して、1つの実行エリアに替えて、第1特別図柄用の第1実行エリアと、第2特別図柄用の第2実行エリアと、を設け、各特別図柄に対応した保留エリアの第1エリアに記憶されている入賞情報が各特別図柄に対応した実行エリアへと移行するように構成すれば良い。
特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110から送信された保留球数コマンドに対応する値を計数するためのカウンタであって、第1特別図柄の保留球数を計数するための第1特別図柄保留球数カウンタ223c1と、第2特別図柄の保留球数を計数するための第2特別図柄保留球数カウンタ223c2と、を有している。即ち、特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて各特別図柄の保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって第1特別図柄の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において新たな第1特別図柄抽選を実行するために第1特別図柄の保留球数を減算した場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。また、第2入球口640への入球によって第2特別図柄の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において新たな第2特別図柄抽選を実行するために第2特別図柄の保留球数を減算した場合に、加算後または減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド、特図2保留球数コマンド)を受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223c(第1特別図柄保留球数カウンタ223c1、第2特別図柄保留球数カウンタ223c2)に格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、保留図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数を第3図柄表示装置81の副表示領域Ds1(図122(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、特別図柄抽選の実行が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図変動開始フラグ223dは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特別図柄の変動パターンを通知する特図変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。なお、特図変動開始フラグ223dは、第1特別図柄に対応する第1特図変動開始フラグ223d1と、第2特別図柄に対応する第2特図変動開始フラグ223d2と、を有しており、主制御装置110から送信された特図変動パターンコマンドが示す特別図柄の種別に対応させてオン、オフの設定がされる。
特図停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から出力される特別図柄の変動停止種別を通知する停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。なお、この特図停止種別選択フラグ223eは、第1特別図柄に対応する第1特図停止種別選択フラグ223e1と、第2特別図柄に対応する第2特図停止種別選択フラグ223e2と、を有しており、主制御装置110から送信された停止種別コマンド(特図停止種別コマンド)に含まれる特別図柄の種別に対応させてオン、オフの設定がされる。
演出カウンタ223fは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタであって、「0~198」の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。なお、詳細な説明は省略するが、この演出カウンタ223fは、複数のカウンタから構成されており、それぞれ更新規則が異なるように規定されている。何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)が実行される毎にカウンタの更新処理が実行されるように構成している。そして、メイン処理の実行間隔内において変動パターンの選択や、各種演出の選択処理を複数種類実行する場合には、演出カウンタ223fが有する異なるカウンタの値を取得して処理を実行するように構成している。これにより、同一タイミング(メイン処理の同一周期内)において演出カウンタ223fの値を用いる処理が複数回実行された場合であっても、演出カウンタ223fの同一値を用いて各種演出等を選択することを抑制することができる。
従状態設定エリア223gは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223gに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。さらに、従状態設定エリア223gには、現在設定されている遊技状態を記憶する現遊技状態記憶領域と、現在の遊技状態が設定される以前に設定されていた遊技状態を記憶する過去遊技状態記憶領域と、を有しており、現在の遊技状態がどのような過程を経て設定されたのかを算出可能に構成している。これにより、例えば、時短状態が設定されている場合において、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されたのか、それとも、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その後、確変終了条件が成立したことを契機に時短状態が設定されたのかを判別し、その判別結果に基づいた演出(過去の遊技状態を遊技者に示唆するための過去状態示唆演出)を実行することができる。また、従状態設定エリア223gは、通常状態、確変状態、時短状態の他に、大当たり遊技状態、普図当たり遊技状態、といった遊技状態も記憶することができるように構成している。
普通図柄保留球数カウンタ223hは、主制御装置110から送信された普図保留球数コマンドに対応する値を計数するためのカウンタであって、主制御装置110のMPU201のRAM203が有する普通図柄の保留球数を計数するための普通図柄保留球数カウンタ203fの値と同期してその値が加算、減算されるものである。なお、詳細な内容は、上述した特別図柄保留球数カウンタ223cに対して、対象を特別図柄から普通図柄へと変更した点で相違するだけでありそれ以外は同一であるため省略する。
特殊演出中フラグ223iは、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されることを示すためのフラグであって、通常状態中に第2特別図柄変動が実行される条件が成立した場合にオンに設定される。具体的には、通常状態において第2特別図柄変動が実行される場合、或いは、第1特別図柄変動が実行されている状態で特図2保留を獲得した場合にオンに設定される。そして、特殊演出中フラグ223iがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動が実行される場合、即ち、特図2保留が0の場合にオフに設定される。本制御例では、特殊演出中フラグ223iがオンに設定される期間を示すために、「チャンスゾーン」演出(図124(b)参照)が実行される。
V入賞フラグ223jは、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを示すためのフラグであって、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合にオンに設定される。具体的には、主制御装置110にてV入賞コマンドが設定された場合に(図171のS2216参照)、そのV入賞コマンドが送信される。そして、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図175のS4112参照)にて実行される入賞コマンド処理(図177のS4212参照)においてV入賞コマンドを受信したと判別した場合に(図177のS4407:Yes)、オンに設定される。
このV入賞フラグ112jは、大当たり関連処理(図180のS4218参照)において実行されるエンディング処理(図181のS4715参照)にて参照され(図181のS4801)、今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したか(V入賞したか)が判別される。そして、エンディング処理(図181のS4715参照)にてオンに設定されていると判別した場合に(図181のS4801:Yes)、オフに設定される。
本制御例では、大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させる(V入賞)ための演出としてV報知演出を実行可能に構成しており、V入賞の有無に応じて、V入賞時(Vラウンド終了時)と、大当たり遊技のエンディング時とに実行される演出の演出態様を可変させるように構成している。さらに、V報知演出が実行されているか否かに応じて、V入賞時の演出態様と、大当たり遊技のエンディング時の演出態様とを可変させるように構成している。このように、V入賞の有無に基づいて可変設定される演出を、V入賞時とは異なるタイミング(エンディング時)で実行可能とするために、V入賞の有無をV入賞フラグ112jの設定状況により判別可能に構成している。
V演出実行フラグ223kは、大当たり遊技中にV報知演出を実行することを示すためのフラグであって、大当たり遊技中にV報知演出を実行すると決定した場合にオンに設定されるものである。具体的には、大当たり関連処理(図180のS4218参照)において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合(図180のS4701:Yes)であって、今回の大当たりが確変大当たりである場合に(図180のS4703:No)、V報知実行選択テーブル222eを参照してV報知演出の実行の有無が決定される。そしてV報知演出を実行すると判別した場合に(図180のS4705:Yes)、オンに設定される(図180のS4706参照)。
そして、大当たり関連処理(図180のS4218参照)において実行されるエンディング処理(図181のS4715参照)にて、V入賞フラグ112jがオンに設定されていない場合、即ち、大当たり遊技中にV入賞が発生しなかった場合に参照され(図181のS4802)、オンに設定されていると判別した場合には(図181のS4802:Yes)、エンディング演出の演出態様を切り替えるための処理を実行し(図181のS4804)、その後、オフに設定される(図181のS1804)。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、その大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定し、V報知演出の実行を決定した場合には、その時点でエンディング期間中の演出態様として、確変状態が設定されることを示すための演出態様(図127(b),(d)参照)を設定するように構成している。つまり、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行する場合には、V入賞した時点で遊技者に対してその旨が報知されるため、エンディング期間に実行されるエンディング演出においても、遊技者に確変状態が設定されることを示すための演出態様(図127(b),(d)参照)が設定されるように構成している。よって、大当たり遊技中にV入賞しなかった場合には、エンディング演出の演出態様を、時短状態が設定されることを示すための演出態様(図127(a),(c)参照)へと切り替える処理を実行する。
一方、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行しない場合には、V入賞したとしてもその旨を遊技者に報知すること無く、エンディング演出の演出態様として、時短状態が設定されることを示すための演出態様(図127(a),(c)参照)が予め設定されるため、大当たり遊技中にV入賞しなかった場合であっても、エンディング演出の演出態様を切り替える処理を実行する必要が無い。
時短中カウンタ223nは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本制御例では「100」)が設定される。そして、時短中カウンタ223nの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223nの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223nの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
特殊連続予告フラグ223oは、演出モードとして「チャンスモード」が設定されている高速変動期間(第1期間)中に連続予告演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、連続予告演出の実行条件が成立した場合にオンに設定される。この特殊連続予告フラグ223oがオンに設定されると、操作手段に対する操作を有効に判別可能となる特殊有効期間が設定され、その特殊有効期間中に操作手段に対して特定の操作が行われた場合に、連続予告演出が実行される。
具体的には、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図175のS4112参照)の一部である入賞コマンド処理(図177のS4212参照)にて、特図用入賞情報コマンド(特別図柄に対応する入賞情報コマンド)を受信した場合に実行される特図用入賞情報コマンド処理(図178のS4406参照)において、現在が高速変動期間中である(時短中カウンタ223nの値が75よりも大きい)と判別された場合に(図178のS4502:Yes)、連続予告実行選択テーブル222dを参照して連続予告演出を実行すると判別した場合に(図178のS4506:Yes)、オンに設定される(図178のS4507)。
そして、第2特別図柄変動に対応する変動演出を選択するための特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)にて、「チャンスモード」が設定されている場合に実行されるチャンスモード中演出設定処理(図185のS5116参照)にて、特殊連続予告フラグ223oの設定状況が参照され(図185のS5210)、オンに設定されている場合に、枠ボタン22への操作を有効に判別可能な特殊有効期間として、特殊有効時間タイマ223sに3秒に対応する値が設定され(図181のS5211)、その後、オフに設定される。
このように、連続予告演出の実行条件が成立した場合にのみ、操作手段への操作が有効に判別される特殊有効期間を設定し、その特殊有効期間内に遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行した場合にのみ、連続予告演出を実行可能とすることで、連続予告演出を実行しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、連続予告演出を実行するための複数の情報(連続予告演出の実行条件が成立したか否かを示す情報や、特殊有効期間が設定される期間(設定されている期間)を示す情報や、連続予告演出を実行させために操作手段に対して行う操作内容を示す情報)を、遊技者に報知するための報知演出の報知態様を可変させることにより、連続予告演出の実行難易度を容易に可変調整することができる。
なお、この場合、特別図柄抽選で大当たり当選した場合(する場合)に、連続予告演出の実行条件が成立し易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して連続予告演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。加えて、連続予告演出の実行条件が成立している状態において、特殊有効期間外に遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行した場合に、特殊有効期間が設定されるタイミングを遊技者に案内する案内報知演出を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してより意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
演出モード記憶エリア223pは、普通図柄の高確率状態中に設定される各種演出モードが格納される記憶領域であって、時短中カウンタ223nの値に応じて異なる演出モードが記憶される。そして、現在の演出モードを判別する際に、格納されている演出モードが読み出される。具体的には、チャンスモード中演出設定処理(図185のS5012参照)にて、時短中カウンタ223nの値が読み出され(図185のS5201)、読み出した値に対応する演出モード(高速期間(高速変動期間)、通常第1期間(第1期間)、通常第2期間(第2期間))が設定され記憶される。そして、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行した場合に記憶されている情報がクリアされる。
連続予告実行中フラグ223qは、第3図柄の変動演出として連続予告演出が設定されていることを示すためのフラグであって、連続予告演出が実行されている場合にオンに設定される。そして、チャンスモード中演出設定処理(図185のS5012参照)にて、設定状況が判別され(図185のS5208)、オンに設定されている場合には(図185のS5208:Yes)、連続予告演出に対応する演出態様が決定される。そして、連続予告演出が終了した場合にオフに設定される。このように構成することで、連続予告演出中に実行される新たな変動演出において、連続予告演出に対応しない別の演出態様が設定されることを抑制することができる。
SW有効時間タイマ223rは、第3図柄の変動表示期間内に設定される枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間を計測するためのタイマであって、操作有効期間が設定される場合に、操作有効期間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、その値が0にクリアされる。このように、枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間を設定することにより、操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に実行される演出(操作演出)が過剰に実行されることを抑制することができる。
なお、本制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として枠ボタン22のみを設けているが、例えば、操作手段として、枠ボタン22(第1操作手段)以外に、第2操作手段等の複数の操作手段を設ける場合には、各操作手段に対して異なる操作有効期間を設定する場合がある。その場合は、各操作手段に対してSW有効時間タイマ223rを設けることで、各操作手段の操作有効期間を重複して設定することができる。
特殊有効時間タイマ223sは、特殊連続予告フラグ223oがオンに設定されている状態で、チャンスモード中演出設定処理(図185のS5012参照)が実行された場合にのみ設定される、枠ボタン22への操作を有効に判別する操作有効期間(特殊操作有効期間)を計測するためのタイマであって、特殊操作有効時間が設定される場合に、その特殊操作有効時間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107参照)において、特殊操作有効期間内であるか否かが判別され(図186のS5306)、有効時間内であると判別した場合に(図186のS5306:Yes)、枠ボタン22の操作が有効に取り扱われる。本制御例では、通常の操作有効期間(SW有効時間タイマ223rの値が0よりも大きい期間)内に枠ボタン22を操作した場合と、特殊操作有効期間(特殊有効時間タイマ223sの値が0よりも大きい期間)内に枠ボタン22を操作した場合とで異なる操作演出が実行されるように構成しており、具体的には、特殊操作有効期間内に枠ボタン22を操作した場合には、次に実行される特別図柄変動から対象となる特別図柄変動が終了するまでの複数の特別図柄変動期間を跨いだ連続予告演出が実行されるように構成している。そして、その連続予告演出が実行された場合には、背景モードが専用の背景モード(天国モード)へと移行するように構成している。よって、通常の枠ボタン22への操作により背景モード移行が抑制されている期間内においては、背景モード移行が実行されるだけで遊技者に対して大当たり当選の期待度を高めさせることができる。
操作中カウンタ223tは、遊技者が枠ボタン22を押下している期間を計測するためのカウンタであって、遊技者が枠ボタン22を計測して押下している場合に、時間経過に伴ってカウンタの値が更新されるものである。この操作中カウンタ223tが計測した値に基づいて、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作の種別が判別される(図186のS5313参照)。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
図137に戻り説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図121参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図121参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図150~図155を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図150は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図187のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図187のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図155参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図189(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、特図入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図187のS6003,S6004参照)。
ここで、図151を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図151は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図151(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図151(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図151(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図151(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図151(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、特図入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図151(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に特図入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図150に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図152を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図152は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図152(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図152(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B~Dに対してそれぞれ示したものである。
各背面A~Dに対応する背面画像は、図152に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A~Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、時間の経過とともに、(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、朝やけ示す背面画像に戻る繰り返し背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図152(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図152(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eに対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B~Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B~Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B~Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させている間に、残りの画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、画像データの範囲が設定されている。これにより、画像を表示させている間に残りの画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、残りの画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B~Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図150参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B~Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図150に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、特図入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
また、本制御例では、設定される背景モード(背面画像)に応じて表示態様が異なる第3図柄が表示されるように構成している。よって、第3図柄エリア235dには、背景モードが切り替わる毎に、切り替わり後の背景モードに対応する第3図柄の表示画像データが格納される。これにより、第3図柄エリア235dに全ての背景モードに対応する全ての第3図柄に対する画像データを格納する必要が無くなるため、記憶容量の削減を図ることができる。
なお、本制御例では、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することにより背景モードを切替可能に構成しているため、短期間の間に複数回の背景モード移行が実行される場合がある。そこで、本制御例では、背景モードを切り替えた後の所定期間(例えば、10秒間)は、切替前の背景モードに対応する画像データを第3図柄エリア235dから消去しないように構成している。これにより、頻繁に背景モードを切り替える事象が発生したとしても、第3図柄エリア235dへと画像データを格納する処理が煩雑に実行されることを抑制することができる。また、第3図柄記憶エリア235dに対して、予め、複数の背景モード毎に対応させた複数の第3図柄の画像データを格納するように構成しても良い。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図153を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図153は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A~Eのいずれかを表示させるか、背面A~Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A~Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A~Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A~Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A~Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図153の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図155参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図154を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図154は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図154のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図154のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図154の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図155参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図154の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図151(a)~(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図187参照)の中でオンに設定される(図187のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図199(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図189(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図189(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図189(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図190~図195参照)および表示設定処理(図196~図198参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図199(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図199(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図200参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図155参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図155参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図155参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図189(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図198のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図155参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図155を参照して、描画リストの詳細について説明する。図155は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図155に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図189(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図196のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図187のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図200参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図200のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図200のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図201のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図189(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図195(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図200のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図200のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図195(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図196参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図196のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図191(a)のS6505、図192(a)のS6705、図192(b)のS6805、図193のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図196参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図196のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図191(a)のS6505、図192(a)のS6705、図192(b)のS6805、図193のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図156から図172のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
本第1制御例では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している。また、大当たり遊技が実行されている間に、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vに球を通過させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している。さらに、遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、50回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している。
図156は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、999,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図157~図162を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図163および図164を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図157を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図157は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図157のS104参照)は、特別図柄を、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図157のS104参照)について説明する。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201)。具体的には、大当たり中フラグ203kがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S208の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、S203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S210)。
S210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S210:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S210:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S211)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S212)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S213)、処理をS208の処理へと移行する。S207、またはS213の処理後に実行されるS208の処理では、特別図柄大当たり判定処理を実行し(S208)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S209)、その後、本処理を終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S208)および特別図柄変動パターン選択処理(S209)の詳細については図158および図159を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215)、その後、本処理を終了する。S215の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S209)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S215の処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、S214の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、即ち、S215の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S209)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S209)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA~Eのいずれかが決定される。
尚、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定し(S218)、時短カウンタ203h、確変カウンタ203iの値をクリア(0に設定)し(S219)、S220の処理へと移行する。S218の処理によって、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理(図113のS1804参照)が実行された場合に、S1901:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1902)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、S218,S219の処理をスキップして、更新処理を実行し(S221)、その後、S220へと移行する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S220の処理では、特図確定コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。
次に、図158を参照して、特別図柄変動処理(図157のS104)の一処理である特別図柄大当たり判定処理(S208)について説明する。図158は、この特別図柄大当たり判定処理(S208)を示すフローチャートである。
特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S301)。そして、第1当たり乱数テーブル202a(図140(a)参照)に基づいて、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S302)。
S302の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S303)、大当たりであると判別した場合は(S303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305)、本処理を終了する。一方、S303の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S306)、本処理を終了する。
次に、図159を参照して、特別図柄変動処理(図157のS104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S209)について説明する。図159はこの特別図柄変動パターン選択処理(S209)を示すフローチャートである。
特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)では、まず、特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401)。
S401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401:Yes)、大当たり種別選択テーブル202d(図141(a)~(c)参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dを読み出す(S404)。
そして、S403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dとに基づいて変動パターンを選択し(S405)、S405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図167のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S409)、本処理を終了する。S407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図167)の外部出力処理(図167のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S401:No)、S402の処理をスキップしてS403の処理へ移行する。
次に、図160を参照して、特別図柄変動処理(図15のS104参照)にて実行される更新処理(S221)の内容について説明をする。図160は、更新処理(S221)の内容を示したフローチャートである。この更新処理(S221)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新したりするための処理が実行される。
更新処理(S221)が実行されると、まず確変カウンタ203iの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S501)、確変カウンタ203iの値が0よりも大きいと判別した場合は(S501:Yes)、確変カウンタ203iの値を1減算(更新)し(S502)、次いで、更新後の確変カウンタ203iの値が0であるかを判別し(S503)、0であると判別した場合は(S503:Yes)、遊技状態格納エリア203gに時短状態を設定し(S504)、S505の処理へ移行する。また、S501の処理において確変カウンタ203iの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(S501:No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203iの値を更新するための上述したS502~S504の処理をスキップしてS505の処理へ移行する。
また、S503の処理において、確変カウンタ203iの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203iの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合も(S503:No)、S504の処理をスキップしてS505の処理へ移行する。
S505の処理では、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S505:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S506)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S507)。S507の処理において時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(S508)、確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509)、本処理を終了する。また、S505の処理において時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S505:No)、或いは、S507の処理において時短カウンタ203hの値が0では無いと判別した場合(S507:No)は、そのままS509の処理へ移行する。
次に、図161を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図156)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図161は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図161のS105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかにに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、第2入球口640に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図161のS105)について説明する。
始動入賞処理(図161のS105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別する(S601:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S602)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S603)。
つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S603:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算し(S604)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S605)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S606)、S607の処理へ移行する。
また、S601の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S601:No)、或いは、S603の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S603:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、S607の処理へ移行する。
次に、S607~S612までの各処理については、S601~S606までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
S601~S612までの各処理を実行後、先読み処理を実行し(S613)、本処理を終了する。
この先読み処理(S613)については、図162を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S613)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S603の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S603:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S613)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図162を参照して、始動入賞処理(図161のS105)の一処理である先読み処理(S613)について説明する。図107は、この先読み処理(S613)を示すフローチャートである。
先読み処理(図162のS613)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S701)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S704)、その後、本処理を終了する。
一方、S703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S703:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S705)、その後、本処理を終了する。
ここで、S704、或いはS705の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図167参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図163を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図163は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(図163のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S803)、その値が0よりも大きいかを判別する(S804)。
S804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S805)。つまり、S804の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S806)。S806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807)。
次に、時短カウンタ203hがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S808)、時短カウンタ203hがオンに設定されていると判別した場合は(S808:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図140(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S809)、S811の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hがオフであると判別した場合は(S808:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図140(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S810)、S811の処理へ移行する。
S811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S811)、当たりであると判別した場合は(S811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S812)、S814の処理へ移行する。一方、S811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S813)、S814の処理へ移行する。
S814の処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S814)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S814:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S815)、本処理を終了する。一方、S814の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S814:No)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(S816)、本処理を終了する。
なお、本制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
一方、S802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(S802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S817:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S818)。S818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS812、或いはS813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
S818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S812の処理、或いはS813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S823)、S822の処理へ移行する。
一方、S820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S821)、S822の処理へ移行する。
S822の処理では、S821、或いはS823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S822)、本処理を終了する。
次に、本制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S808~S811の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S817の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(図108のS106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図167参照)の外部出力処理(図167のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図164を参照してスルーゲート通過処理(S107)の内容について説明をする。図164は、スルーゲート通過処理(S164参照)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図156参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理(図163のS106参照)にて当否判定(S811参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S901)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S901:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S902)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S903)。
S903の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に1を加算し(S904)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203cに格納し(S905)、第2当たり乱数テーブル202c(図140(b)参照)に基づいて抽選結果を事前に取得し(S906)、普通当たり判定結果(S906の処理にて取得した事前判別結果)を含む普図用入賞情報コマンドを設定し(S907)、本処理を終了する。
S907の処理で設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各制御例にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
具体的には、チャンスゾーンが設定されている状態において、即ち、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたことに基づいて第2特別図柄抽選が実行されている状態において受信した普図用入賞情報コマンドに普通図柄の当たり当選を示す情報が含まれている場合には、次に普図当たり遊技が実行されるまでチャンスゾーンを継続させる演出を実行することができる。この場合、次に普図当たり遊技が実行されるまでの間に、第2特別図柄抽選が全て終了し、第1特別図柄抽選が実行される場合であっても、その第1特別図柄抽選に対応して実行される変動演出の演出態様として、第1特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図122(b)に示した水平方向に第3図柄を変動させる演出態様)では無く、第2特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図124(b)に示した垂直方向に第3図柄を変動させる演出態様)が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、通常状態において所定期間内に複数回の普図当たり遊技が実行される場合には、チャンスゾーンを長期間設定することができ演出効果を高めることができる。
また、チャンスゾーンが設定されてから所定回数の第2特別図柄抽選が実行されたにも関わらず、チャンスゾーンが終了しない場合には、間もなく次の普図当たり遊技が実行されることを遊技者が把握することができるため、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選の回数に対して遊技者に興味を持たせることができる。加えて、本制御例では、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選に対応した変動演出として、第3図柄を複数回仮停止させる疑似変動演出を実行するように構成している。つまり、遊技者に対して第2特別図柄抽選の実行回数を分かり難くすることができる。よって、チャンスゾーンがいつ終了するのか、或いは、チャンスゾーンが延長されている期間であるか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図165を参照して、NMI割込処理について説明をする。図165は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図166を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図166は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図166)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図121参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。RAMの初期化処理(S1713、S1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、割込みを許可し(S1711)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図167を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図167は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図167参照)においては、まず、タイマ割込処理(図156参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理(図156参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図157参照)や始動入賞処理(図161参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図167のS1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図158参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。
大当たり制御処理(S1804)の詳細な内容については、図168~図172を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図163参照)のS822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS821の処理、S823の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209参照)のS407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図163参照)のS815の処理、S816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808)では、普通図柄変動処理(図163参照)のS818の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図163参照)のS812の処理またはS813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810)、既に所定時間が経過していれば(S1810:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811,S1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。なお、このS1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1801~S1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図165のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1809の処理は、S1801~S1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811とS1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図166,S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図168を参照して、大当たり制御処理(S1804)の内容について説明をする。図168は、大当たり制御処理(S1804)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、主制御装置110のメイン処理(図167参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S1804)では、まず、大当たり開始フラグ203jがオンであるか否かを判別する(S1901)。大当たり開始フラグ203jがオンであると判別した場合は(S1901:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1902)、大当たり開始フラグ203jをオフ、大当たり中フラグ203kをオンにそれぞれ設定し(S1903)、本処理を終了する。一方、S1901の処理において、大当たり開始フラグ203jがオフであると判別した場合は(S1901:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるか(即ち、大当たり中フラグ203kがオンであるか)否かを判別する(S1904)。S1904の処理において、現在が大当たり中ではない(大当たり中フラグ203kがオフである)と判別した場合は(S1904:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1904の処理において、現在が大当たり中である(大当たり中フラグ203kがオンである)と判別した場合は(S1904:Yes)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1905)。
S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1905:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1906)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理の詳細については図114を参照して後述する。
一方、S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(S1905:No)、次に、現在実行されているラウンドのエンディング期間の開始タイミングであるかを判別する(S1907)。ここで、本制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了した場合に、エンディング期間の開始タイミングであると判別する。エンディング期間の開始タイミングであると判定した場合は(S1907:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1908)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
本第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別選択テーブル202d(図141(a)参照)を用いて大当たり種別を決定する処理を実行し(図159のS402)、決定された大当たり種別に対応するエンディング期間が設定されるように構成している。よって、S1908の処理では、大当たり種別に対応して決定されたエンディング期間の長さに対応した表示用エンディングコマンドが設定される。なお、本第1制御例のように、大当たり当選時にエンディング期間の長さを設定するのでは無く、大当たり遊技中におけるV入賞の有無(特定領域(Vゲート65V)への球の通過の有無)に応じて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良い。
具体的には、大当たり制御処理(図168のS1804参照)において、エンディング期間の開始タイミング(最終ラウンドの終了タイミング)と判別した場合に、今回の大当たり遊技中にV入賞したか(確変設定フラグ203mがオンに設定されているか)を判別し、確変設定フラグ203mがオンに設定されていると判別した場合は、確変状態が設定されることを示す17秒間のエンディング表示(図127(b),(d)参照)を行うために大当たり遊技のエンディング期間として17秒を設定し、確変設定フラグ203mがオンに設定されていないと判別した場合は、時短状態が設定されることを示す15秒間のエンディング表示(図127(a),(c)参照)を行うために大当たり遊技のエンディング期間として15秒を設定するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10において、実際に設定される遊技状態に応じたエンディング期間を設定することができる。
また、このように大当たり遊技中の遊技結果に応じて大当たり遊技のエンディング期間を異ならせる構成を用いる場合には、大当たり遊技中の遊技結果が確定してからエンディング期間が開始するまでの間の何れかのタイミングにて大当たり遊技のエンディング期間を決定するように構成すれば良く、例えば、本第1制御例のパチンコ機10であれば、1ラウンド目のラウンド遊技が終了した後に(球を特定領域(Vゲート65V)へと入賞させることが可能なラウンド遊技が終了した後に)、V入賞の有無を判別し、その判別結果に基づいて、2ラウンド目~最終ラウンド目のラウンド遊技が実行されている期間中に大当たり遊技のエンディング期間を設定するように構成しても良い。
さらに、上述した例では、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に基づいてエンディング期間の長さを設定するように構成しているが、これに替えて、例えば、本第1制御例のように当選した大当たり種別に基づいて、予め大当たり遊技のエンディング期間を設定しておき、具体的には、確変大当たりに当選した場合には17秒、通常大当たりに当選した場合には15秒のエンディング期間を予め設定しておき、大当たり遊技中の遊技結果に基づいてエンディング期間の長さを可変させる必要が生じた場合、即ち、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中にV入賞させることができなかった場合に、予め設定されているエンディング期間の長さを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にエンディング期間の長さを設定する頻度を抑制することができる。
一方、S1907の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1907:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1909)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S1909の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1909:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1910)、本処理を終了する。この大当たり終了処理の詳細については図170を参照して後述する。一方、S1909の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S1909:No)、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理を実行し(S1911)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行し(S1912)、その後、本処理を終了する。入賞処理および異常処理の詳細については図171および図172を参照して後述する。
次に、図169のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1906)の詳細について説明する。図169は、この大当たり動作設定処理(S1906)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1906)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図169参照)が開始されると、まず、1ラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S2001)。S2001の処理において、1ラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2001:Yes)、切替弁65y(Vソレノイド209a)の動作シナリオの開始を設定して(S2002)、大当たり種別に対応する特定入賞口65aの開放パターンを設定する(S2003)。
ここで、詳細な説明は省略するが、本制御例では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(1ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、1ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下させ易くなるように切替弁65yを動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
なお、本制御例では、確変大当たり遊技における1ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるV報知演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間に基づいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物として切替弁65yを設け、その切替弁65yの動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンで切替弁65yを動作させるように構成し、特定入賞口65aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、切替弁65yの動作パターンを共通化することができるため、切替弁65yの動作内容を把握されたとしても今回の大当たり遊技が球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い大当たり遊技であるか否かを遊技者に把握され難くすることができる。また、切替弁65yの動作内容を統一化することができるため、Vソレノイド209aに対する負荷を軽減することができ、V役物(切替弁65y)の故障を抑制することができる。
一方、S2001の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S2001:No)、S2002,S2003の処理をスキップして、通常の特定入賞口65aの開放を設定し(S2004)、処理をS2005へと移行する。S2005の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S2005)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
この大当たり動作設定処理(図169参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、1ラウンド目に特定領域(Vゲート65V)を球が通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA,C~Eでは、1ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定領域(Vゲート65V)を通過するので、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。
次に、図170のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1910)の詳細について説明する。図170は、この大当たり終了処理(S1910)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1910)は、大当たり制御処理(図168のS1804参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1910)では、まず、確変設定フラグ203mがオンであるかを判別する(S2101)。S2101の処理において、確変設定フラグ203mがオンであると判別した場合は(S2101:Yes)、大当たり中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203iの値に50を設定し(S2102)、S2103の処理へ移行する。一方、S2101の処理において、確変設定フラグ203mがオフであれば(S2101:No)、S2102の処理をスキップして、S2103の処理へ移行する。
S2103の処理では、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S2103)、次いで、時短カウンタ203hの値、確変カウンタ203iの値に基づいて、状態コマンドを設定する(S2104)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて従状態設定エリア223gを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203kおよび確変設定フラグ203mを共にオフに設定して(S2105)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図170参照)を実行することにより、大当たり遊技中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図171のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1911)の詳細について説明する。図171は、この入賞処理(S1911)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1911)は、大当たり制御処理(図168参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1911)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2201)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aの開放状態からインターバル期間が終了するまでの期間である。S2201の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2201:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S2202)、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S2202:Yes)、入賞個数カウンタ203oの値に1を加算して更新し(S2203)、特定入賞口65aへの入賞を検出したことを示す入賞コマンドを設定して(S2204)、S2205の処理へ移行する。これに対し、S2202の処理において、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S2202:No)、S2203,S2204の処理をスキップし、S2205の処理へ移行する。
S2205の処理では、入賞個数カウンタ203oの値が10以上であるかを判別し(S2205)、入賞個数カウンタ203oの値が10以上であれば(S2205:Yes)、S2207の処理へ移行する。一方、S2205の処理において、入賞個数カウンタ203oの値が9以下であると判別した場合は(S2205:No)、ラウンド時間(30秒)が経過したかを判別し(S2206)、ラウンド時間が経過していれば(S2206:Yes)、S2207の処理へと移行する。なお、このS2206の処理では、今回の大当たりの各ラウンド遊技の開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。なお、本制御例では、大当たり種別、ラウンド数に関わらず同一のラウンド時間経過及び個数入賞によってラウンド遊技の終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じてラウンド遊技の終了条件を異ならせても良いし、実行されるラウンド数によってラウンド遊技の終了条件を異ならせてもよい。
S2207の処理では、特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S2207)、特定入賞口65aの閉鎖が設定されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S2208)。次いで、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンドの終了に基づく閉鎖であるかを判別し(S2209)、1ラウンドの終了に基づく閉鎖であると判別した場合は(S2209:Yes)、Vソレノイド209aをオフに設定して(S2210)、処理をS2211へと移行する。一方、S2209の処理において、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンド以外のラウンドが終了したことによる閉鎖であると判別した場合は(S2209:No)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)2665kがオンに設定されていないので、S2210の処理をスキップして、処理をS2212へと移行する。
S2211の処理では、残球タイマフラグ203p、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203をオンに設定し(S2211)、処理をS2212へと移行する。また、S2205の処理において入賞個数カウンタ203oの値が9以下と判別され(S2205:No)、且つ、S2206の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S2206:No)、S2207~S2211の処理をスキップして、処理をS2212へと移行する。
S2212の処理では、ラウンド終了フラグ203がオンであるかを判定し(S2212)、ラウンド終了フラグ203がオフであれば(S2212:No)、S2213の処理へ移行する。一方、S2212の処理においてラウンド終了フラグ203がオンであると判定した場合は(S2212:Yes)、次いで、確変有効フラグ203rがオンであるかを判別する(S2217)。S2217の処理において、確変有効フラグ203rがオフであれば(S2217:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203rがオンであれば(S2217:No)、確変有効タイマ203sの値に1を加算し(S2218)、次いで、確変有効タイマ203sの値が上限値であるかを判別する(S2219)。そして、確変有効タイマ203sの値が上限値でなければ(S2219:No)、S2213の処理へ移行し、特定領域(Vゲート65V)への球の通過を監視して確変設定フラグ203mを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203sが上限値でないと、特定領域(Vゲート65V)を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に特定領域(Vゲート65V)に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203sの値が上限値であれば(S2219:Yes)、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203をオフに設定し(S2220)、確変有効タイマ203sの値をリセットして(S2221)、本処理を終了する。
また、S2213の処理では、球が特定領域(Vゲート65V)を通過したか否かを判別し(S2213)、球が特定領域(Vゲート65V)を通過していなければ(S2213:No)、本処理を終了する。一方、球が特定領域(Vゲート65V)を通過していれば(S2213:Yes)、確変通過カウンタ203nの値に1を加算し(S2214)、確変設定フラグ203mをオンに設定し(S2215)、V入賞コマンドを設定し(S2216)、本処理を終了する。
次に、図172のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1912)を説明する。図172は、この異常処理(S1912)を示すフローチャートである。この異常処理(S1912)は、大当たり制御処理(図168参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1912)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S2301)、ラウンド有効期間でなければ(S2301:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S2301:Yes)、次いで、球が排出口65h1を通過したかを判別する(S2302)。このS2302の処理では、排出口65h1(図120(b)参照)を通過した球を検知可能な球排出口スイッチ(図示せず)が球の通過を検知している否かで判別される。
S2302の処理において、球が排出口65h1を通過したと判別した場合は(S2302:Yes)、排出個数カウンタ203tの値に1を加算し(S2303)、S2304の処理へ移行する。一方、S2302の処理において、球が排出口65h1を通過していなければ(S2302:No)、S2303の処理をスキップしS2304の処理へ移行する。
S2304の処理では、残球タイマフラグ203pがオンであるかを判別する(S2304)。残球タイマフラグ203pがオフであると判別した場合は(S2304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203pがオンであれば(S2304:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203qの値に1を加算して更新する(S2305)。次に、残球タイマ203qの値が上限値であるかを判別し(S2306)、残球タイマ203qの値が上限値でなければ(S2306:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203qの値が上限値であると判別した場合は(S2306:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203nの値と、排出個数カウンタ203tの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203oの値)と一致しているかを判別する(S2307)。
S2307の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S2307:No)、エラーコマンドを設定し(S2308)、S2309の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第4流路65e4(図120(b)参照)が閉鎖されている期間(切替弁65yが閉状態となる期間)に、不正に球を第4流路65eへと流入させて特定領域(Vゲート65V)を通過させる不正行為を抑制できる。
一方、S2307の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S2307:Yes)、S2308の処理をスキップし、S2309の処理へと移行する。S2309の処理では、残球タイマフラグ203pをオフに設定し(S2309)、次いで、残球タイマ203qの値をリセットする(S2310)。その後、入賞個数カウンタ203o、排出個数カウンタ203t、確変通過カウンタ203nの値をそれぞれリセットし(S2311)、本処理を終了する。
この異常処理(図172参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第1制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図173から図186を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図173を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図173は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図174参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図174を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図174のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図119のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、割込み許可を設定して(S4011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図174を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図174は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102~S4111の処理を行わずにS4112の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102~S4111が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4112のコマンド判定処理やS4113の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103~S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)の詳細については、図186を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S4110)、次に、演出更新処理を実行する(S4111)。S4111の処理を実行後、S4112の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4111の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4112)が実行され、S4113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4112)の詳細については、図175を参照して後述する。
S4113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図182を参照して後述する。
S4113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図175を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図175は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4112)が実行されるとまず、状態コマンドを受信したかを判別し(S4201)、受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4202)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4202)は、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。例えば、確変状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図131に示したスーパーチャンスモードに対応する表示用コマンドが設定され、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図128に示すチャンスモードに対応する表示用コマンドが設定される。なお、実際に設定される遊技状態と、実行されるモード演出における演出態様の切替制御の詳細については後述する。この状態コマンド受信処理(S4202)の詳細については図176を参照して後述する。
S4201の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4201:No)、次に、特図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4203)、受信したと判別した場合は(S4203:Yes)、受信した特図変動パターンコマンドに対応する特図変動開始フラグ223dをオンに設定し(S4204)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S4205)。そして、本処理を終了する。
S4203の処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4203:No)、次に、特図停止種別コマンドを受信したかを判別し(S4206)、受信したと判別した場合は(S4206:Yes)、受信した特図停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ223e(第1特図停止種別フラグ223e1、第2特図停止種別フラグ223e2)をオンに設定し(S4207)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S4208)。そして、本処理を終了する。
S4206の処理において特図停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S4206:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4209)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S4209:Yes)、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ223hに格納する(S4210)。具体的には、特別図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新する。
また、普通図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた普通図柄保留球数カウンタ223hの値を更新する。
ここで、保留球数コマンドは、球が各種入球口(第1入球口64、第2入球口640、スルーゲート67)に入球(始動入賞)し、各種保留球数カウンタの値が加算された場合、或いは、各種変動開始処理を実行する際に、各種保留球数カウンタの値が減算されたときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞時や変動表示設定時毎に、S4210の処理によって、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ223hの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の各種保留球数カウンタ203d,203e,203dの値とずれてしまっても、始動入賞時、変動表示設定時、即ち、各種保留球数変更されることに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の各種保留球数カウンタ第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e,普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
また、S4209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4209:No)、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(S4211)。S4211の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S4211:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S4212)、本処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4212)は、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223b)に格納(記憶)する処理と、受信した入賞情報に基づいた演出(先読み演出)を実行するための処理を行うものである。なお、入賞コマンド処理(S4212)の詳細な内容については、図177を参照して後述する。
S4211の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、次に、図柄確定コマンドを受信したかを判別し(S4213)、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S4214)、本処理を終了する。停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S4213:No)、次いで、普図関連コマンドを受信したかを判別し(S4215)、受信したと判別した場合は(S4215:Yes)、普図関連処理を実行し(S4216)、その後、本処理を終了する。なお、普図関連処理を実行し(S4216)の詳細な説明は、図124を参照して後述する。
S4215の処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4215:No)、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4217)、受信したと判別した場合は(S4217:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4218)、その後、本処理を終了する。なお、大当たり関連処理(S4218)の詳細な説明は、図180を参照して後述する。一方、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4219)、本処理を終了する。
次に、図176を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4202)について説明する。図176は、この状態コマンド受信処理(S4202)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図175参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理(S4202)の詳細を説明する。
状態コマンド受信処理(S4202)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4301)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4302)。
S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4302:Yes)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4303)、S4304の処理へ移行する。
S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(S4302:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(S4306)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S4306:Yes)、時短中カウンタ223nの値に100を設定し(S4307)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4308)、S4304の処理へ移行する。
S4306の処理において、遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(S4306:No)、次いで、V報知フラグ223mがオンであるか否かを判別する(S4309)。V報知フラグ223mがオフの場合は(S4309:No)、上述したS4308の処理へ移行する。V報知フラグ223mがオンである場合は(S4309:Yes)、V報知フラグ223mをオフに設定し(S4310)、スーパーチャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4311)、S4304の処理へ移行する。
S4304の処理では、従状態設定エリア223gの現状態エリアに設定されている遊技状態を過去状態エリアに設定し(S4304)、従状態設定エリア223gの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(S4305)、本処理を終了する。
ここで、S4308およびS4311の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより通常状態中における変動演出表示が実行されることになる。このように、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本制御例では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。
次に、図177を参照して、コマンド判定処理(図175のS4112参照)にて実行される入賞コマンド処理(S4212参照)の内容を説明する。図177は、入賞コマンド処理(S4212)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S4212)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。
入賞コマンド処理(S4212)が実行されると、まず、受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223bの対応する領域に格納(設定)し(S4401)、今回受信したコマンドが普図用入賞情報コマンドであるかを判別し(S4402)、普図用入賞情報コマンドであると判別した場合は(S4402:Yes)、受信したコマンドの中に当たり情報(普図当たり当選している入賞情報)が含まれているかを判別し(S4403)当たり情報があると判別した場合は(S4403:Yes)、次いで、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4404)。
ここで、現在が普通図柄の高確率状態では無い、即ち、通常状態であると判別した場合は(S4404:No)、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した状態であって、チャンスゾーンが設定される可能性が高い場合であるため、電チューロング開放を示唆するための表示用コマンドを設定し(S4405)、S4406の処理へと移行する。S4405の処理で表示用コマンドが設定されると、他の音声ランプ制御装置での制御処理にて設定される各種表示用コマンドと同一の制御内容で表示制御装置114へと通知され、通常状態中に普図当たり遊技が実行され電動役物640aがロング開放(5秒間開放)することを示唆する示唆演出(例えば、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmに小表示領域Dm3が形成されるか否かを煽る演出)が実行される。
なお、本制御例では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合にのみ上述した示唆演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、普図用入賞情報コマンドに特定の外れ当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合にも、上述した示唆演出が実行されるように構成すると良い。これにより、示唆演出が実行された場合に普図当たり遊技が実行される場合と、実行されない場合とを設定することができるため、遊技者に今後実行される遊技内容を予測させながら遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に、示唆演出が実行されるように構成しているが、この構成に加え、実行中の特別図柄抽選、或いは、入賞情報格納エリア223bに格納されている特別図柄抽選の事前判別結果に基づいて、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミング、即ち、普図当たり当選を示す普図用入賞情報コマンドに対応する普通図柄抽選が実行されるタイミング(普図当たり遊技が実行されるタイミング)の遊技状態が通常状態であるか否かを判別する事前遊技状態処理を実行し、通常状態であると判別した場合に、上述した示唆演出を実行するように構成しても良い。これにより、チャンスゾーンが設定されることをより的確に示唆することが可能となる。
図177に戻り説明を続ける。S4402の処理で、普図用入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合(S4402:No)、S4403の処理で当たり情報が無いと判別した場合(S4403:No)、S4404の処理で時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合(S4404:Yes)もS4406の処理へ移行する。
S4406の処理では、特図用入賞情報コマンド処理を実行し(S4406)、S4407の処理へ移行する。この特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の詳細については図178を参照して後述する。
S4407の処理では、今回受信したコマンドがV入賞コマンド(入賞処理(図171のS1911参照)にて確変スイッチ(特定ゲート)へと球が流下した場合に設定されるコマンド(S2216参照))であるかを判別し(S4407)、V入賞コマンドである場合は(S4407:Yes)、V入賞フラグ223jをオンに設定し(S4408)、S4409の処理へ移行する。また、S4407の処理において、V入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4407:No)、S4413の処理へ移行する。
S4409の処理では、V演出実行フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4409)。V演出実行フラグ223kがオンである場合は(S4409:Yes)、V演出実行フラグ223kをオフに設定し(S4410)、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定し(S4411)、V報知フラグ223mをオンに設定し(S4412)、S4413の処理へ移行する。また、S4409の処理において、V演出実行フラグ223kがオフである場合も(S4409:No)、S4413の処理へ移行する。
S4413の処理では、その他の処理を実行し(S4413)、本処理を終了する。
次に、図178を参照して、入賞コマンド処理(図177のS4212)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の内容を説明する。図178は、特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の内容を示したフローチャートである。
特図用入賞情報コマンド処理(S4406)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(S4501)、時短中カウンタ223nの値が75より大きいか否かを判別する(S4502)。時短中カウンタ223nの値が75より大きいと判別した場合は(S4502:Yes)、次いで、特殊連続予告フラグ223oがオンであるか否かを判別する(S4503)。特殊連続予告フラグ223oがオフであると判別した場合は(S4503:No)、連続予告実行選択テーブル222d(図147(a))を用いて連続予告の有無を選択し(S4504)、次いで、連続予告の実行があるか否かを判別する(S4505)。連続予告の実行があると判別した場合は(S4505:Yes)、特殊連続予告フラグ223oをオンに設定し(S4506)、S4507の処理へ移行する。
また、S4502の処理において、時短中カウンタ223nの値が75以下であると判別した場合と(S4502:No)、S4503の処理において、特殊連続予告フラグ223oがオンであると判別した場合と(S4503:No)、S4505の処理において、連続予告の実行がないと判別した場合も(S4505:No)、S4507の処理へ移行する。
S4507の処理では、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(S4507)、本処理を終了する。
次に、図179を参照して、コマンド判定処理(図175のS4112参照)にて実行される普図関連処理(S4216)の内容を説明する。図179は、普図関連処理(S4216)の内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4216)は、主制御装置110から普通図柄抽選が実行されたことを示す普図変動パターンコマンドや、普図当たり遊技が開始されたことを示す普図当たり開始コマンドや、普図当たり遊技の終了を示す普図当たり終了コマンドを受信した場合に実行される処理である。
普図関連処理(S4216)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4601)、受信したと判別した場合は(S4601:Yes)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S4602)、次いで、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいか、即ち、普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4603)。時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4603:Yes)、そのまま本処理を終了し、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4603:No)、今回受信した普図変動パターンコマンドが普図当たりに当選している普通図柄抽選に対応する普図変動パターンコマンドであるかを判別し(S4604)、普図当たりに当選していないと判別した場合は(S4604:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、普図当たりに当選していると判別した場合は(S4604:Yes)、ロング開放当たりが実行される普図当たり変動であるため、ロング開放待機中を示す表示用コマンドを設定し(S4605)、本処理を終了する。S4605の処理で表示用コマンドが設定されることで、図123(b)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対して間もなくチャンスゾーンが設定される可能性が高い状態であることを容易に予測させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄変動が当たり変動であるか否かに基づいて図123(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させる処理を用いているが、これに限ること無く、特定の普図外れ変動(例えば、普図当たり変動と同一の変動時間が設定される普図外れ変動の一部)にて図123(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させるように構成しても良い。
また、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出(第3図柄変動演出)の内容に応じて小表示領域Dm3の表示領域の大きさを可変させるように構成しても良く、例えば、第3図柄変動演出にて大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されている場合は、大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されていない場合よりも小表示領域Dm3の表示領域が小さくなるように表示内容を可変させるように構成すると良い。このように、独立して実行される特別図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出と普通図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出とに関係性を持たせて表示内容を可変制御することにより、遊技者に対して無駄に多くの遊技情報が提供されてしまい遊技者が混乱してしまうことを抑制し、分かり易い遊技を提供することができる。
図179に戻り、説明を続ける。S4601の処理にて普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、次に、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S466)、普図当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4606:Yes)、次いで、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4607)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4607:No)、ロング開放中を示す表示用コマンドを設定し(S4608)、本処理を終了する。S4608の処理で表示用コマンドが設定されることで、図124(a)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対してロング開放当たりが実行されていることを容易に把握させることができる。また、S4607の処理にて、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4607:Yes)、S4608の処理をスキップして本処理を終了する。
S4606の処理で、普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4606:No)、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4609)、受信したと判別した場合は(S4609:Yes)、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4610)、時短中カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S4610:No)、次いで、普通図柄保留球数カウンタ223hの値が1以上であるかを判別し(S4611)、1以上であると判別した場合は(S4611:Yes)、特殊演出中フラグ223iがオンに設定されているかを判別し(S4612)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4612:No)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S4613)、特殊演出中フラグ223iをオフに設定し(S4614)、本処理を終了する。一方、S4610~S4612の処理において、上述した判別結果以外の判別結果であると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
次に、図180を参照して、大当たり関連処理(S4218)の内容について説明をする。図180は、大当たり関連処理(S4218)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理(S4218)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理(S4218)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S4701)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S4701:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S4702)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図174参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、今回の大当たり遊技が通常大当たり(遊技)であるかを判別し(S4703)、通常大当たりであると判別した場合は(S4703:Yes)、チャンスモード突入(時短状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4708)、本処理を終了する。一方、通常大当たりでは無いと判別した場合(S4703:No)、即ち、確変大当たりであると判別した場合は、V報知実行選択テーブル222e(図147(b))を用いてV報知演出の実行有無を選択し(S4704)、次いで、V報知演出があるか否かを判別する(S4705)。V報知演出があると判別した場合は(S4705:Yes)、V演出実行フラグ223kをオンに設定し(S4706)、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4707)、本処理を終了する。
一方、S4705の処理において、V報知演出がないと判別した場合は(S4705:No)、上述したS4708の処理へ移行する。
つまり、本制御例では、図141を参照して上述した通り、設定される大当たり種別(通常大当たり、確変大当たり)に応じて異なる長さのエンディング期間が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様(図133参照)を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
一方、S4701の処理にて、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4709)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S4709:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4710)、今回のラウンド数が1ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(S4711)。1ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(S4711:Yes)、V演出実行フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4712)。V演出実行フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4712:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(S4713)、本処理を終了する。また、S4711の処理で今回のラウンド数が1ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、1ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合と(S4711:No)、S4712の処理において、V演出実行フラグ223kがオフであると判別した場合も(S4712:No)、そのまま本処理を終了する。
S4709の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4709:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4714)、受信したと判別した場合は(S4714:Yes)、エンディング処理を実行し(S4715)、本処理を終了する。また、S4786の処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4714:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図181を参照して、エンディング処理(S4715)の処理について説明をする。図181は、エンディング処理(S4715)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理(S4715)は、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理(S4715)が実行されると、まず、V入賞フラグ223jがオンに設定されているかを判別し(S4801)、オンに設定されていると判別した場合は(S4801:Yes)、V入賞フラグ223jをオフに設定し(S4805)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(S4804)、本処理を終了する。また、S4801の処理においてV入賞フラグ223jがオンに設定されていないと判別した場合は(S4801:No)、V演出実行フラグ223kがオンであるかを判別し(S4802)、V演出実行フラグ223kがオフであると判別した場合は(S4802:No)、そのままS4804の処理へ移行する。
一方、S4802の処理において、V演出実行フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4802:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(S4803)、S4804の処理へ移行する。
S4803の処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予め確変状態が設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様(図236(d)参照)を、時短状態が設定されることに対応する表示態様(図236(c)参照)へと切り替える処理が実行される。本制御例では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。
次に、図182を参照して、変動表示設定処理(S4113)の内容について説明をする。図1827は、変動表示設定処理(S4113)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S4113)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223d1がオンかを判別する(S4901)。そして、特図1変動開始フラグ223d1がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4905の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223d1がオンであると判別した場合(S4901:Yes)、特図1変動開始フラグ223d1をオフに設定し(S4902)、次いで、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための特図1演出態様設定処理を実行し(S4903)、入賞情報格納エリア223bのうち第1特別図柄に対応するデータをシフトし(S4904)、S4905の処理へ移行する。特図1演出態様設定処理(S4903)の詳細については図183を参照して後述する。
S4905の処理では、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223d2がオンかを判別する(S4905)。そして、特図2変動開始フラグ223d2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4905:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4909の処理へ移行する。一方、特図2変動開始フラグ223d2がオンであると判別した場合(S4905:Yes)、特図2変動開始フラグ223d2をオフに設定し(S4906)、次いで、特図2演出態様設定処理を実行し(S4907)、入賞情報格納エリア223bのデータのうち第2特別図柄に対応するデータをシフトし(S4908)、S4909の処理へ移行する。特図2演出態様設定処理(S4907)の詳細については図184を参照して後述する。
S4909の処理では、RAM223に設けられた特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンかを判別する(S4909)。そして、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4909:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンであると判別した場合(S4909:Yes)、オンに設定されている特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2をオフに設定し(S4910)、次いで、コマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定し(S4911)、その後、本処理を終了する。
次に、図183を参照して、特図1演出態様設定処理(S4903)の内容について説明をする。図183は、特図1演出態様設定処理(S4903)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4903)は、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて、第1特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図1演出態様設定処理(S4903)が実行されると、まず、時短中カウンタ223nの値が0より大きいか否かを判別する(S5001)。時短中カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S5001:Yes)、時短中カウンタ223nの値を1減算し(S5002)、減算後の時短中カウンタ223nの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5003)、S5004の処理へ移行する。S5001の処理において、時短中カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S5001:No)、S5002およびS5003の処理をスキップし、S5004の処理へ移行する。
S5004の処理では、演出モード記憶エリア223pに記憶されている演出モードを読み出し(S5004)、次いで、スーパーチャンスモードであるか否かを判別する(S5005)。スーパーチャンスモードであると判別した場合は(S5005:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S5006)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S5007)。基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S5007:Yes)、確変中演出選択テーブル222c(図29参照)に基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S5008)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5009)、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S5007:No)、S5011の処理へ移行する。
一方、S5005の処理において、スーパーチャンスモードではないと判別した場合は(S5005:No)、次いで、チャンスモードであるか否かを判別する(S5010)。チャンスモードではないと判別した場合は(S5010:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5011)、上述したS5009の処理へ移行する。S5010の処理において、チャンスモードであると判別した場合は(S5010:Yes)、チャンスモード中演出設定処理を実行し(S5012)、S5009の処理へ移行する。チャンスモード中演出設定処理(S5012)の詳細については図185を参照して後述する。
次に、図184を参照して、特図2演出態様設定処理(S4907)の内容について説明をする。図184は特図2演出態様設定処理(S4907)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4907)は、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて、第2特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理(S4907)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S5101)、通常状態であると判別した場合は(S5101:Yes)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S5102)、次いで、特殊演出中フラグ223iをオンに設定し(S5103)、通常中特図2演出選択テーブル222b(図145参照)に基づいて演出態様を決定し(S5104)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5105)、本処理を終了する。
一方、S5101の処理において、通常状態では無いと判別した場合は(S5101:No)、次に、時短中カウンタ223nの値が0より大きいか否かを判別し(S5106)、時短中カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S5106:Yes)、時短中カウンタ223nの値を1減算し(S5107)、減算後の時短中カウンタ223nの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5108)、S5109の処理へ移行する。S5106の処理において、時短中カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S5106:No)、S5107およびS5108の処理をスキップし、S5109の処理へ移行する。
S5109の処理では、演出モード記憶エリア223pに記憶されている演出モードを読み出し(S5109)、次いで、スーパーチャンスモードであるか否かを判別する(S5110)。スーパーチャンスモードであると判別した場合は(S5110:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S5111)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S5112)。基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S5112:Yes)、確変中演出選択テーブル222c(図146参照)に基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S5113)、上述したS5105の処理を実行し、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S5112:No)、S5115の処理へ移行する。
一方、S5110の処理において、スーパーチャンスモードではないと判別した場合は(S5110:No)、チャンスモード中演出設定処理を実行し(S5114(S5012))、S5115の処理へ移行する。チャンスモード中演出設定処理(S5114(S5012))の詳細については図185を参照して後述する。
S5115の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5115)、上述したS5105の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図185を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるチャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))について説明する。図185は、この特図1演出態様設定処理(図183のS4903参照)および特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)にて実行されるチャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))を示したフローチャートである。
チャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))では、まず、時短中カウンタ223nの値を読み出し(S5201)、読み出した時短中カウンタ223nの値が99であるか否かを判別する(S5202)。時短中カウンタ223nの値が99であると判別した場合は(S5202:Yes)、演出モード記憶エリア223pに高速期間を設定し(S5203)、S5208の処理へ移行する。S5202の処理において、時短中カウンタ223nの値が99ではないと判別した場合は(S5202:No)、次いで、読み出した時短中カウンタ223nの値が79であるか否かを判別する(S5204)。時短中カウンタ223nの値が79であると判別した場合は(S5204:Yes)、演出モード記憶エリア223pに通常第1期間を設定し(S5205)、S5208の処理へ移行する。S5204の処理において、時短中カウンタ223nの値が79ではないと判別した場合は(S5204:No)、次いで、読み出した時短中カウンタ223nの値が49であるか否かを判別する(S5206)。時短中カウンタ223nの値が49であると判別した場合は(S5206:Yes)、演出モード記憶エリア223pに通常第2期間を設定し(S5207)、S5208の処理へ移行する。S5206の処理において、時短中カウンタ223nの値が49ではないと判別した場合は(S5206:No)、S5207の処理をスキップし、S5208の処理へ移行する。
S5208の処理では、連続予告実行中フラグ223qがオンであるか否かを判別する(S5208)。連続予告実行中フラグ223qがオンであると判別した場合は(S5208:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する連続演出態様を決定し(S5209)、S5214の処理へ移行する。S5208の処理において、連続予告実行中フラグ223qがオフであると判別した場合は(S5208:No)、特殊連続予告フラグ223oがオンであるか否かを判別する(S5210)。特殊連続予告フラグ223oがオンであると判別した場合は(S5210:Yes)、特殊有効時間タイマに3秒に対応する値を設定し(S5211)、特殊連続予告フラグ223oをオフに設定し(S5212)、S5213の処理へ移行する。S5210の処理において、特殊連続予告フラグ223oがオフであると判別した場合にも(S5210:No)、S5213の処理へ移行する。
S5213の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5213)、S5214の処理へ移行する。S5214の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5214)、本処理を終了する。
次に、図186を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)について説明する。図186は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出(操作演出)を実行させるために、枠ボタン22の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
本制御例では、遊技者が複数の操作方法で枠ボタン22を操作可能に構成しており、具体的には、枠ボタン22を短時間(2秒未満)押下する「通常押し」と、枠ボタン22を長時間(2秒以上)押下し続ける「長押し」と、を判別可能に構成している。そして、判別された操作内容に応じて異なる操作演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して様々な操作演出を実行しようと枠ボタン22を様々な操作方法で操作させることができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、判別可能な操作方法として2種類の操作方法を用いているが、これに限ること無く、操作方法を1種類にしても良いし、3種類以上設けても良い。また、本制御例では、遊技者が操作可能な操作手段を枠ボタン22の1種類としているが、これに限ること無く、遊技者が操作可能な操作手段を複数個設けても良い。そして、判別可能な操作方法を、個々の操作手段に対する操作だけで無く、複数の操作手段に対して実行された操作内容の組合せで判別するように構成しても良い。加えて、複数の操作手段を設けた場合には(例えば、第1操作手段と第2操作手段)、第1操作手段に対して第1操作を実行した場合と、第2操作手段に対して第2操作を実行した場合とで、同一の操作が実行されたと判別(同一の操作方法と判別)するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、第1操作手段の配置位置と、第2操作手段の配置位置とを離間させている場合において、遊技者が操作し易い操作手段を選択して操作を楽しむ行うことができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107)では、まず、SW有効時間が0より大きいか、即ち、SW有効時間が設定されているか(SW有効時間カウンタ223rの値が0よりも大きいか)を判別する(S5301)。なお、このSW有効時間は、枠ボタン22を使用する変動パターンの演出が選択されている場合に各変動パターンに対応して設定されるものである。SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S5301:Yes)、SW有効時間カウンタ223rの値を経過に対応する値を減算し(S5302)、S5303の処理へ移行する。一方、S5301の処理において、SW有効時間カウンタ223rの値が0であると判別した場合は(S5301:No)、S5302の処理をスキップし、S5303の処理へ移行する。
S5303の処理では、特殊有効時間タイマの値が0より大きいか否かを判別する(S5303)。特殊有効時間タイマの値が0より大きいと判別した場合は(S5303:Yes)、特殊有効時間タイマの値を減算し(S5304)、S5305の処理へ移行する。特殊有効時間タイマの値が0であると判別した場合は(S5303:No)、S5304の処理をスキップし、S5305の処理へ移行する。
S5305の処理では、操作中カウンタ223tの値が0より大きいか否かを判別する(S5305)。操作中カウンタ223tの値が0であると判別した場合は(S5305:No)、次いで、有効時間内であるか否かを判別する(S5306)。有効時間内であると判別した場合は(S5306:Yes)、次いで、枠ボタン22が押下されたか判別する(S5307)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S5307:Yes)、操作中カウンタ223tの値に2秒に対応する値を設定し(S5308)、S5309の処理へ移行する。)。S5306の処理において、有効時間内ではないと判別した場合と(S5306:No)、S5307の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S5307:No)、S5308の処理をスキップし、S5309の処理へ移行する。
一方、S5305の処理において、操作中カウンタ223tの値が1以上であると判別した場合は(S5305:Yes)、次いで、枠ボタン22を押下中であるか否かを判別する(S5310)。枠ボタン22を押下中であると判別した場合は(S5310:Yes)、操作中カウンタ223tの値を減算し(S5312)、減算した操作中カウンタ223tの値が0であるか否かを判別する(S5313)。減算した操作中カウンタ223tの値が0であると判別した場合は(S5313:Yes)、S5314の処理へ移行する。減算した操作中カウンタ223tの値が0ではないと判別した場合は(S5313:No)、S5309の処理へ移行する。
一方、S5310の処理において、枠ボタン22を押下中ではないと判別した場合は(S5310:No)、操作中カウンタ223tの値をクリアし(S5311)、S5314の処理へ移行する。
S5314の処理では、現在がチャンスモード中であるか否かを判別する(S5314)。現在がチャンスモード中であると判別した場合は(S5314:Yes)、ボタン操作時演出選択テーブル222f(図148参照)を用いて実行する演出を選択し(S5315)、S5309の処理へ移行する。
S5314の処理において、現在がチャンスモード中ではないと判別した場合は(S5314:No)、今回の操作方法と、実行中の演出内容と、に対応したボタン演出を設定し(S5316)、S5309の処理へ移行する。S5309の処理では、その他のボタン処理(背景変更等)が実行される。
図186を参照して上述した枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)では、省略したが、本制御例では、SW有効時間と特殊有効時間とは、枠ボタン22の操作を受け付けた時点で残期間が0になるように構成している。即ち、各有効時間が設定されている期間中に実行される操作演出の回数が1回となるように構成している。これにより、操作演出が過剰に実行されることを抑制することができる。
なお、SW有効時間と特殊有効時間の残期間に対する処理は、これに限ること無く、例えば、10秒間の有効時間が設定された場合において、有効時間が設定されてから所定期間内(例えば、1秒以内)に、枠ボタン22の操作を受け付けた場合(図186のS5310:No,S5313:Yes)に、当該特別図柄変動期間中に、新たな有効時間を設定するように構成しても良い。このように構成することにより、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングによって、1回の特別図柄変動期間中に実行される操作演出の回数を異ならせることができる。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図187から図201を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図187を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図187は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図188を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図188は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図187のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図187のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図188に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103~S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103~S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図187の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図199(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図199(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図189(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図189(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図189(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、特図入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図189(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図189(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図189(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図189(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図189(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図190~図195を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図196~図198を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図199および図200を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図155に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図201を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図190~図195を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図190は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図190に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図191(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図191(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図190の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図191(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図191(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA~G、小当たりA~C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図189(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図190に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図192(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図192(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図192(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図192(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図193を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図193は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図194(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図194(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4112参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)を示すものである。
変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻り、説明を続ける。S6414の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、表示用報知コマンドがあれば(S6416:Yes)、報知コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図194(b)を参照して、報知コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図194(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。
報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。
図190に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図195(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図195(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図190の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図195(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図195(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図190の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402~S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401~S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図189(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図191(a)参照)および停止種別コマンド処理(図191(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図191(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図196~図198を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図196は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図196に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202~S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203~S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図197を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図197は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図196の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図198を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図198は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図196に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図189(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図199及び図200を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図199(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図199(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図200を参照して後述する。
次いで、図199(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図199(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図189(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図189(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図189(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図190~図195参照)および表示設定処理(図196~図198参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図200参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図199(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図200を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図200は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図201を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図201は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図155)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図189(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第1制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが重複して(並行して)実行されることが無いように構成しており、第2特別図柄の抽選のほうが、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行されるように構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成している。さらに、設定されている遊技状態に応じて第2特別図柄の抽選の実行し易さを異ならせるように構成している。具体的には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合(通常状態)よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合(時短状態、確変状態)が設定されている場合のほうが、第2特別図柄の抽選権利を取得し易くなるように、普通図柄の当たり当選時に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開放動作される電動役物640aが付随する入球口(第2入球口640)に球が入球した場合に、第2特別図柄の抽選権利を取得し得るように構成している。つまり、初期の遊技状態である通常状態にて遊技を行う場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易く構成し、第1特別図柄の抽選にて大当たり当選したことを契機に、普通図柄の高確率状態を設定可能にし、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選よりも有利となる第2特別図柄の抽選を実行するように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができるため、遊技者に対して有利度合いの高い遊技状態が設定されることを期待しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行される普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、電動役物640aが5秒間開放される普図当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に不利な遊技状態である通常状態であっても、一時的に第2特別図柄抽選を実行させ易い期間を提供することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄抽選で当たり当選を目指す遊技と、を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図2変動演出の演出態様を、記憶している第2特別図柄の抽選権利数、即ち、特図2保留数に基づいて可変させるように構成している。具体的には、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に実行される特図2変動演出の演出態様として、変動演出の前半期間に抽選結果が外れであることを示す疑似外れ変動演出を実行し、後半期間において、疑似外れ変動演出にて停止(仮停止)された第3図柄を再始動させて抽選結果が大当たりであることを示す疑似当たり変動演出を実行するように構成し、その疑似当たり変動演出にて第3図柄が一時的に停止(仮停止)する回数を、特図2保留数に対応させて可変させるように構成している。このように構成することで、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるまでに、第3図柄を複数回疑似停止させる変動演出を実行することが可能となる。つまり、複数回の第2特別図柄抽選を経て大当たり当選したと思わせることができる。
これにより、普図当たり遊技中に獲得した複数の特図2保留のうち、最初に実行される第2特別図柄抽選に用いられた特図2保留で大当たり当選した場合であっても、遊技者に対して、複数の特図2保留を普図当たり遊技中に獲得したため大当たり当選したと思わせることができるため、普図当たり遊技中により意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
また、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合における特図2保留数が0の場合は、上述した疑似当たり変動演出として、第1特別図柄抽選が実行される場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出(第1特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図1変動演出の演出態様)を模した変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得していない状況で疑似的に特図2変動演出が繰り返されることを抑制することができるため、遊技者に対して疑似的な変動演出が実行されていることを識別させ難くすることができる。また、特図1変動演出を模した疑似的な変動演出が実行された後に、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるため、遊技者に対して意外性のある変動演出を実行することが可能となる。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定ゲートへの球の流下結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定ゲートを球が流下している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定ゲートを球が流下していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。
さらに、本制御例では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たりのほうが通常大当たりよりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせている場合において、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合には、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけではエンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め容易してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。
このV入賞装置2650は、上述した第8制御例のV入賞装置2650(図194~図196参照)と同一内容で構成されているため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、可変表示ユニット80の右側領域の構成、及び、右側領域を流下した球がスルーゲート67、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、V入賞装置2650へと入球する割合については、上述した左側領域と同一であるため、その詳細な説明は省略する。以上、説明をした通り、本制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、ひいては大当たり遊技が実行されているか否かに関わらず、遊技者が右打ち遊技を実行しても左打ち遊技を実行しても同様の特典が付与されるように構成している。よって、遊技者は自分の気分に合わせて任意の遊技方法で遊技を行うことができる。
なお、本制御例では、図230に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
上記各制御例では、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大1回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて異なる遊技盤13の狙う領域を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態の場合は遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行され、時短状態の場合は遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行されるように構成しても良い、また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
さらに、上述した各制御例では、何れの遊技状態が設定されている場合も、大当たり遊技が設定されている場合も、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、時短状態が設定されている場合と、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行させ、通常状態中のみ左打ち遊技を実行させるように構成しても良い。このように構成することで、実行させる遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)に応じて遊技者に有利な状態であるか否かを遊技者に分かり易く理解させることができる。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
さらに、上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合に、所定期間の間(特別図柄変動が20回実行されるまでの間)、短時間の変動時間が選択される高速変動期間を設定可能に構成し、その高速変動期間中は、枠ボタン22を操作した場合に背景モード移行演出が実行されない(され難い)ように構成している。これにより、短時間の変動時間が選択され易い期間中に、操作演出として背景モード移行演出が実行されてしまい、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の停止表示態様を遊技者が把握し難くなる事態が発生することを抑制することができる。
また、第1制御例では、高速変動期間中に枠ボタン22に対して第1操作、即ち、通常状態が設定されている状態においては、背景モード移行演出が実行される操作(「通常押し」)を行った場合に、背景モード移行演出とは異なる演出態様の操作演出が実行されるように構成している。これにより、高速変動期間中においても遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、本第1制御例では、高速変動期間中であっても、上述した第1操作(「通常押し」)以外の第2操作(「長押し」)を実行することで、背景モード移行演出を実行可能に構成している。このように構成することで、第3図柄の停止表示態様が把握し難くなることを承知した上で背景モード移行演出を実行させようとする遊技者に対して背景モード移行演出を提供することができる。本第1制御例では、第1操作が実行されたと判別するのに要する期間よりも第2操作が実行されたと判別するのに要する期間のほうが長くなるように構成している。これにより、背景モード移行演出が実行される頻度を抑えることができるため、過剰に第3図柄の停止表示態様が把握し難くなることを抑制することができる。
なお、本実施形態のように、所定条件が成立していない場合において、操作手段に対して第1操作を行うことで実行される第1操作処理を、所定条件が成立した場合においては、操作手段に対して第1操作を行ったとしても実行されないようにする(され難くする)技術思想を他の技術に用いても良く、例えば、パチンコ機10にて出力される音声の大きさ(音量)を調整する音量調整処理や、第3図柄表示装置81として液晶ディスプレイを用いた場合に、その液晶ディスプレイの輝度を調整する輝度調整処理を上述した第1操作処理として適用し、所定条件が成立していない場合(例えば、特別図柄変動が実行されていない場合)には第1操作処理を実行可能にし、所定条件が成立している場合(例えば、特別図柄変動が実行されている場合)には第1操作処理を実行困難にするように構成しても良い。
また、上述した所定条件として、特別図柄変動の有無だけでは無く、パチンコ機10において異常が発生した場合に成立する条件や、大当たり遊技中に成立する条件を設定可能に構成しても良い。
さらに、このように構成されたパチンコ機10において、所定条件が成立している場合に、上述した第1操作を実行した場合に、第1操作処理とは異なる第2操作処理(例えば、第1操作処理が実行されないことを報知する処理)を実行するように構成すると良い。これにより、第1操作処理が実行されないことを遊技者が容易に把握することができる。なお、これに限ること無く、第1操作処理とは関連しない別の操作演出を実行するように構成しても良い。
加えて、上述した所定条件が成立している場合においても、本制御例と同様に第1操作とは異なる第2操作を実行することにより、上述した第1操作処理が実行されるように構成すると良い。また、本第1制御例では、1の操作手段(枠ボタン22)に対する操作方法を異ならせることで第1操作と第2操作とを実行可能に構成しているが、これに限ること無く、複数の操作手段をパチンコ機10に設け、第1操作手段(例えば、枠ボタン22)を操作することで第1操作を実行可能にし、第2操作手段(例えば、枠ボタン22以外に設けられた枠ボタン)を操作することで第2操作を実行可能にするように構成しても良い。また、この場合、第1操作よりも第2操作のほうが実行し難くなるように構成すると良く、例えば、第1操作手段を遊技者が常時操作可能なパチンコ機10の前面側に配置し、第2操作手段を遊技者が操作困難なパチンコ機10の背面側(図121参照)に配置するように構成すると良い。
さらに、上述した第1操作手段と第2操作手段と、を設けた場合には、第1操作手段に対する操作を有効に判別する第1操作有効判別期間と、第2操作手段に対する操作を有効に判別する第2操作有効判別期間と、を統一して設定しても良いし、異なる期間を設定しても良い。各操作有効判別期間を統一した場合には、有効期間の判別処理を簡素化することができる。また、異なる期間を設定した場合には、操作する操作手段の種別に応じて、その操作を有効と判別する期間が異なるため、様々な操作手段を様々なタイミングで操作しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
以上、説明をした第1制御例では、通常状態と、その通常状態よりも遊技者に有利となる複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を設定可能に構成し、有利遊技状態のうち、何れかの遊技状態が設定された場合において、設定された遊技状態が終了するまでの期間では無く、次に通常状態が設定されるまでの期間(残期間)を、遊技者に報知可能に構成している。
ここで、従来より、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)が設定された場合に、その有利遊技状態が継続する期間(特別図柄変動回数)を遊技者に報知するものがある。具体的には、有利遊技状態が継続する期間を示す残期間表示態様として「100回」を表示し、特別図柄抽選が実行される毎に、残期間表示態様の値を1減算表示するものがある。これにより、現在設定されている有利遊技状態中にあと何回の特別図柄抽選を実行することができるのかを遊技者に容易に把握させることができるものであった。
また、近年の遊技機では、遊技者にとって有利となる有利遊技状態として複数の状態種別を設定可能なものがあり、有利遊技状態として、通常有利遊技状態(例えば、時短状態)と、その第1有利遊技状態よりもさらに有利な最有利遊技状態(例えば、確変状態)と、を設定可能なものがある。
このように構成されたパチンコ機10では、遊技状態が、最有利遊技状態から通常有利遊技状態へと移行する場合において、最有利遊技状態が継続する期間を示すための残期間表示態様を遊技者に報知し、その後、通常有利遊技状態が設定されると、通常有利遊技状態が継続する期間を示すための残期間表示態様を用いて遊技者に報知するものであった。
つまり、最有利遊技状態が設定されている状態において、最有利遊技状態が継続する期間(残期間)を遊技者に把握させることは可能であるが、最有利遊技状態が終了した後に設定される遊技状態がどのような遊技状態であるか、また、最有利遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が継続する期間がどの程度であるかを遊技者が把握することができないものであった。
よって、遊技者は最有利遊技状態が終了した場合に、最有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されるのか、それとも最有利遊技状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(例えば、通常状態)が設定されるのかを把握することができず、最有利遊技状態中において、何を目指して遊技を行えば良いのかを分かり難くしてしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、上述した通り、複数種類の有利遊技状態が連続して設定される場合において、その複数種類の有利遊技状態が終了するまでの期間、即ち、次に通常状態が設定されるまでの期間を対象として有利遊技状態残期間表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、異なる種別の有利遊技状態が連続して設定される場合には、連続して設定される有利遊技状態を跨ぐように有利状態残期間表示態様が表示されるため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
さらに、本第1制御例では、連続して設定される複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を跨いだ一つの有利遊技状態期間の残期間を報知している場合に、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が識別困難な演出を実行可能に構成している。よって、有利遊技状態期間中において設定されている遊技状態を分かり難くすることができるため、遊技者により有利な遊技状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
本第1制御例では、連続して設定される複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を跨いだ一つの有利遊技状態期間の残期間を報知している場合に、現在設定されている遊技状態や、過去に設定されていた遊技状態を示唆可能な示唆演出を実行可能に構成している。これにより、遊技状態期間中に実行される示唆演出の内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、第1制御例では、有利遊技状態期間に中に複数種類の演出態様で操作演出を実行可能に構成しており、設定されている遊技状態に応じて各演出態様の選択割合を異ならせている。よって、有利遊技状態期間中に実行される操作演出の演出態様に基づいて現在の遊技状態を遊技者に予測させることができるため演出効果を高めることができる。また、設定されている遊技状態に応じて各演出態様の選択割合を異ならせているだけであるため、有利遊技状態期間中に実行される操作演出の回数を増加させるほど予測精度を高めることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段(枠ボタン22)を操作させることができる。なお、本制御例では、図149を参照して上述した通り「チャンスモード」中に枠ボタン22が操作された場合であって、操作演出の演出態様として「リーチ示唆」が選択された場合には、実行中の特別図柄変動がリーチ状態となるか否か、リーチ状態となる場合にはそのリーチラインやリーチ図柄を遊技者に示唆する「リーチ示唆」演出が実行されるように構成していたが、これに限ること無く、例えば、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄に関する入賞情報の中にリーチ状態となる入賞情報があるかを判別し、その判別結果に基づいてリーチ状態となる第2特別図柄変動が実行される旨を当該第2特別図柄変動が実行されるよりも前に遊技者に報知するように構成しても良い。このように、操作演出の演出対象を、実行中の特別図柄変動だけでは無く、保留記憶されている特別図柄変動(今後実行される特別図柄変動)にまで広げることにより、より演出効果を高めることができる。
また、上述した第1制御例では、枠ボタン22を遊技者が操作することにより、背景モード移行や特別図柄抽選の結果を示すための演出が実行されるように構成していたが、遊技者が操作手段を操作することにより実行可能な機能として、例えば、パチンコ機10の音声出力装置226(図137参照)から出力される音量を調整する音量調整機能や、液晶ディスプレイで形成される第3図柄表示装置81の表示面における輝度を調整する輝度調整機能を用いても良い。この、音量調整機能や、輝度調整機能についても、上述した背景モード移行と同様に、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄の変動演出を見え難くする虞があるため、所定条件が成立した場合、具体的には、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い期間(高速変動期間)が設定された場合に、それ以外の期間が設定されている場合よりも実行され難くなるように構成しても良い。また、上述した第1制御例では、ループカウンタで構成される当たり乱数カウンタC1等の各種カウンタ値を、遊技機の状態によらず、電源が投入されている間、定期的に更新可能に構成していた。つまり、更新タイミングとなる毎に、値を1ずつ更新し、カウンタが一周したら新たな初期値に設定する構成としているが、この各種カウンタ値を更新する制御は、後述する第49制御例における第1制御手段および第2制御手段の別形態である。つまり、カウンタ値に所定の初期値を設定する第1制御手段と、カウンタ値を所定の更新規則に従って更新する第2制御手段と、の別形態である。
上述した第1制御例では、高速変動期間が設定されている間も、背景モード移行を実行し得る構成としているが、これに限ること無く、完全に背景モード移行が実行されないように構成しても良い。また、上述した第1制御例では、操作手段を操作することにより実行される操作演出として特定の演出態様(背景モード移行)が実行され易い第1期間と、その第1期間よりも実行され難い第2期間と、を設けているが、特定の演出態様で操作演出が実行される割合を異ならせた期間を3つ以上設定可能に構成しても良い。また、上述した第1制御例では、第2特別図柄の大当たりの平均ラウンド数の方が、第1特別図柄の大当たりの平均ラウンド数よりも多くなっているので、大当たりが開始されてから終了するまでの期間が、確変状態中の大当たりの方が通常状態中の大当たりよりも長くなり易くなっていた。これに対し、大当たり変動の変動時間を変形することで、大当たりに当選した場合に、大当たり変動が開始されてから大当たりが終了するまでの期間(特図抽選が実行されてから新たな抽選が可能となるまでの期間)の長さを、通常状態中よりも確変状態中に大当たりに当選した場合の方が長くなり易く構成してもよい。この変形例における通常状態および確変状態は、後述する第48制御例における第1状態、および第2状態の別形態である。
<第2制御例>
次に、図202から図210を参照して、第2制御例について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、第3図柄表示装置81の表示面に各種画像を表示するための構成、及び制御内容を異ならせている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、図122(b)を参照して上述した第3図柄表示装置81の表示面に表示される各図柄列Z1~Z3を一つの画層に表示させるように構成していた。これに対して、本第2制御例では各図柄列Z1~Z3を構成する主図柄szと、副図柄fzと、を異なる画層に表示させるように構成している点で相違している。そして、異なる画層に表示される主図柄szと、副図柄fzとを同期させて表示制御することにより、上述した第1制御例と同様に各図柄列Z1~Z3を変動表示させることを可能に構成している。
ここで、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。
ところで、一般的な遊技機として、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって形成される図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が停止表示された場合に、大当たり期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。しかしながら、従来の遊技機では、図柄列を形成する各図柄の順序を可変すること無く、変動表示の変動速度のみを可変させた変動表示が実行されている。よって、図柄列の変動表示を用いた変動演出の演出効果を高めることができないという問題があった。
また、1の図柄列に特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(主図柄)以外の識別情報(副図柄)を配置することで、変動表示のバリエーションを増加させるものも提案されているが、このような構成を用いたとしても、主図柄と副図柄とで形成される図柄列の変動表示速度を可変させるだけでは変動演出の演出効果を高めることができないという問題があった。
さらに、主図柄や副図柄の配置や種別を異ならせた複数の図柄列を予め容易しておき、特定の変動演出を実行する場合に、図柄列そのものを可変させることにより変動演出の演出効果を高めるものもあるが、実行される変動演出に応じて異なる図柄列を変動表示させる制御を実行する必要があるため、表示制御が煩雑になるという問題があった。
これに対して、本制御例では、図柄列表示を複数の画層(レイヤ)を用いて実行するように構成している。具体的には、図柄列を構成する主図柄と、副図柄と、を別の画層(レイヤ)に表示するように構成している。そして、通常時は、主図柄と副図柄とを同期させて変動表示させることにより、図柄列を形成する各種図柄を特定の配列(図122(b)参照)で変動表示させながら、主図柄の変動表示内容と、副図柄の変動表示内容と、を異ならせることにより、特定の図柄配列以外の態様で図柄列を変動表示可能に構成している。
このように構成することで、特定の図柄列を形成する第3図柄(主図柄、副図柄)の画像データを用いながら、特定の図配列以外の態様で第3図柄の変動表示を容易に行うことができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、図202を参照して、本第2制御例にて第3図柄表示装置81の表示面にて表示される表示内容について説明をする。図202(a)は、本第2制御例のパチンコ機10に形成される表示画層と、表示画面との関係を示した模式図であり、図202(b)は、主図柄画層srの表示がオフ、副図柄画層frの表示がオンに設定されている場合に実行される表示演出の一例を示した図であり、図202(c)は、図202(b)の表示演出の演出結果の一例を示した図である。
図202(a)に示した通り、本第2制御例では、主図柄szが表示される主図柄画層srと、副図柄fzが表示される副図柄画層frと、が重複形成されており、主図柄画層srが副図柄画層frよりも前面(遊技者目線で手前側)に配置されるように構成している。なお、図202(a)では、主図柄画層srと、副図柄fzのみを標記しているが、実際には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種画像を表示する各画層(レイヤ)が重畳されている。
具体的には、図155を参照して上述した描画リストに記載されているように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライトに対応させて各画層(レイヤ)が形成されている。そして、表示画像が重複している箇所については、手前側の画層(レイヤ)に表示される表示画像が優先して視認可能となる。
このように構成された本第2制御例では、主図柄画層srに表示される主図柄szと、副図柄画層frに表示される副図柄fzと、がともに変動表示された場合には、主図柄szが副図柄fzよりも優先して表示されるため、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(主図柄sz)が、特別図柄抽選の結果を示さない識別情報(副図柄fz)に隠れてしまい、遊技者が特別図柄抽選の結果を視認し難くなる事態が発生することを抑制することができる。また、特別図柄抽選の結果を遊技者に視認し易くするために主図柄szと副図柄fzとが重複しないように変動表示制御する必要が無いため、変動表示制御を簡素化することができると共に、第3図柄表示装置81の表示面という限られた表示領域を最大限に利用して主図柄szの変動表示を実行することができる。
なお、本制御例では、図202(a)に示した通り、主図柄画層srを副図柄画層frよりも手前側(優先的)に配置し、主図柄szが副図柄fzよりも優先して表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、副図柄fzが主図柄szよりも優先して表示されるように、副図柄画層frを主図柄画層srよりも手前側(優先的)に配置するように構成しても良い。このように構成することで、各図柄(主図柄sz、副図柄fz)を変動表示させている際中において、主図柄szの表示態様を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)変動が停止表示されるまで特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなるため、最後まで期待感を持たせた第3図柄の変動演出を実行することができる。
次に、図202(b)及び図202(c)を参照して、各図柄画層に対する表示制御により実行される変動演出について説明をする。上述した通り、本制御例では、図柄列を構成する主図柄szと、副図柄fzとを独立して表示させることが可能に構成している。さらに、各画層に対して表示設定される表示画像を、表示するか否かを設定可能に構成している。つまり、内部的には各画層に対する表示制御を実行しながら、その画層そのものを対象に表示の有無(オン、オフ)を設定可能に構成している。
図202(b)では、主図柄画層srの表示がオフに設定され、副図柄画層frの表示がオンに設定されている場合の表示画面の一例を示したものであって、第3図柄表示装置81の表示面には、各図柄列Z1~Z3のうち、副図柄fzのみが変動表示されている。そして、副表示領域Dsには、主図柄szが表示されるまでに副図柄fzが停止表示することで、今回の第3図柄変動において有効となるリーチラインを遊技者に予告するためのリーチライン予告演出が実行されたことを示す「リーチライン予告スタート」の文字が表示される。その後、副図柄fzが停止位置に応じた演出結果が表示される。
図202(c)に示した例では、副図柄fzが「ひし形状」に停止表示され、有効ラインL4、及び有効ラインL5(図122参照)においてリーチ状態となることを示す演出結果として、副表示領域Dsに「ダブルリーチ確定」の文字が表示される。そして、このリーチライン予告演出が終了すると、主図柄画層srの表示がオンに設定され、有効ラインL4、及び有効ラインL5(図122参照)においてリーチ状態となる主図柄szの種別が何になるのかを遊技者に示唆するための変動演出が実行され、その後、ダブルリーチ演出(図131参照)が実行される。
このように、本第2制御例では、主図柄szの変動表示と、副図柄fzの変動表示と、を異ならせて実行することが可能であるため、先に副図柄fzを変動表示させることにより、主図柄szが停止表示される箇所を遊技者に報知し、その後、主図柄szを変動表示させることにより、リーチ状態となる主図柄szの種別を報知することができる。よって、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄変動演出の演出結果を段階的に示すことができ、分かり易い演出を提供することができる。
なお、図202(b),(c)を参照して説明をしたリーチライン予告演出では、副図柄fzの停止表示位置によって、主図柄szの停止表示位置のみを遊技者に事前に報知しているが、これに加え、例えば、停止表示された副図柄fzの配置によって、停止表示される主図柄szの種別、即ち、特別図柄抽選の結果を示すように構成しても良い。具体的には、例えば、リーチライン予告演出の演出結果として、有効ラインL2(図122(a)参照)を形成する領域以外の全ての領域に副図柄fzが停止表示された場合には、有効ラインL2(図122(a)参照)に、特定の主図柄szの組合せ(例えば、上から「3.4.1」の組合せ)が停止表示されるように構成すると良い。
ここで、特定の主図柄szの組合せが停止表示された場合には、第3図柄の変動表示が再始動し大当たり当選の期待度が高まる変動演出(所謂、疑似連変動演出)が実行されたり、そのまま、当たり遊技(大当たり遊技や、小当たり遊技)が実行されたりするように構成すると良い。このように構成することで、リーチライン予告演出が実行された場合に、その演出結果に対して遊技者により興味を持たせることができる。
さらに、副図柄fzのみを先に変動表示させるリーチライン予告演出が実行される場合において、今回のリーチライン予告演出が主図柄szの停止表示位置のみを事前報知するものであるか、停止表示される主図柄szの種別も事前報知するものであるかを遊技者に分かり易くするために、例えば、副図柄fzが停止表示された後に(図202(c)参照)、停止表示された各副図柄fzを用いて形成される表示態様(例えば、各副図柄fzを線で繋いで表示される図形表示)の種別によって、今回のリーチライン予告演出の演出結果を報知するように構成すると良く、例えば、図202(c)に示した状態(副図柄fzがひし形に停止表示した状態)において、ひし形の図形が表示された場合は、今回のリーチライン予告演出の演出結果が主図柄szの停止位置を事前に示すものとなり、4つの副図柄fzを繋いだハート形の図形が表示された場合は、特定の主図柄szが停止表示されることを事前に示すものであることを遊技者に報知するように構成すると良い。
このように、副図柄fzが停止表示されてから、主図柄szが停止表示されるまでの間に、停止表示されている副図柄fzを用いた演出(演出結果事前報知)を実行することにより、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出(第3図柄を用いた変動演出)の結果をより段階的に遊技者に示すことができるため、実行される変動演出に対して継続して興味を持たせることができる。
次に、図203を参照して、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されている各種図柄の内容について説明をする。本制御例では、上述した第1制御例と同様に、背面画像として海背景用の背面画像と、山背景用の背面画像と、を設定可能に構成している。具体的には、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて背景モード移行が実行された場合に、現在設定されている背面画像(例えば、海背景)を、現在設定されていない背面画像(例えば、山背景)へと切り替えるように構成している。
さらに、本第2制御例は、設定されている(表示されている)背面画像の種別に応じて、第3図柄(主図柄sz)の表示態様を異ならせるように構成している。このように構成することで、背面画像の種別に応じた表示態様の主図柄szを変動表示させることが可能となるため、背面画像を切り替えた場合の演出効果を高めることができる。
ここで、背面画像に対応して表示される主図柄szの画像データの内容について、図203(a)、及び、図203(b)を参照して説明をする。図203(a)は、海画像(海背景)が設定されている場合に用いられる海用主図柄の画像データを示す模式図であって、図203(b)は、山画像(山背景)が設定されている場合に用いられる山用主画像の画像データを示す模式図である。これら各画像データは、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されおり、パチンコ機10に電源が投入された場合、或いは、背景モード移行が実行された場合に、キャラクタ記憶エリア234a2から対応する画像データが読み出され、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235d、或いは、第3図柄列エリア235gに格納される。なお、各図柄に対応する画像データを読み出す処理や常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納する処理の内容については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図203(a)に示した通り、海用主図柄szに対応する画像データには、9種類(タコ、ハリセンボン、カメ、サメ、エビ、アンコウ、ジュゴン、エンゼルフィッシュ、カニ)の態様図柄に、それぞれ数字「1~9」が付された主図柄を示す画像データ(D1~D9)が記憶されている。この主図柄画像データD1~D9は、実際に変動表示される順序に対応させてキャラクタ記憶エリア234a2に予め格納されている。よって、主図柄に対応する画像データを読み出す際には、画像データD1から順番に読み出しで第3図柄エリア235dへと格納するだけで良い。
また、本第2制御例では、図柄列Z1と図柄列Z3(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態となった場合に停止表示されている図柄列を、9個の主図柄(画像データD1~D9に対応する主図柄)で形成しているのに対して、図柄列Z2(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態中に変動表示される図柄列を、10個の主図柄で形成するように構成している。具体的には、上述した図柄列Z1を形成する9個の主図柄(画像データD1~D9に対応する主図柄)に、サメの態様図柄に数字の4を付した変更用主図柄(画像データDAに対応する主図柄)を加えた10個の主図柄で、図柄列Z2を形成するように構成している。そして、図柄列Z2は、数字の9を付した主図柄szが通過した後に、数字の4を付した主図柄szが通過し、その後、数字の1を付した主図柄szが通過するように変動表示されるように構成している。これにより、図柄列の変動表示が1周するまでの間に、特定種別の主図柄sz(本制御例では数字の4を付した主図柄)を複数回通過させることができるため、その特定種別の主図柄szを対象にリーチ状態が成立した場合に、大当たり当選する可能性(リーチ状態の有効ライン上に、大当たりの組合せとなる主図柄szが停止表示される可能性)が高いことを遊技者に視覚的に示唆することができる。よって、遊技者に対して、どの種別の主図柄szでリーチ状態が成立するのかに対しても注目させることができ、演出効果を高めることができる。
同様に、図203(b)に示した通り、山用主図柄szに対応する画像データには、9種類(ゾウ、ライオン、ジュゴン、サイ、クジャク、クマ、イノシシ、ネズミ、ヘビ)の態様図柄に、それぞれ数字「1~9」が付された主図柄を示す画像データ(D1~D9)が記憶されている。この主図柄画像データD1~D9は、実際に変動表示される順序に対応させてキャラクタ記憶エリア234a2に予め格納されている。よって、主図柄に対応する画像データを読み出す際には、画像データD1から順番に読み出しで第3図柄エリア235dへと格納するだけで良い。
そして、海背景が表示されている場合と同様に、図柄列Z1と図柄列Z3(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態となった場合に停止表示されている図柄列を、9個の主図柄(画像データD1~D9に対応する主図柄)で形成しているのに対して、図柄列Z2(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態中に変動表示される図柄列を、10個の主図柄で形成するように構成している。具体的には、上述した図柄列Z1を形成する9個の主図柄(画像データD1~D9に対応する主図柄)に、サイの態様図柄に数字の4を付した変更用主図柄(画像データDAに対応する主図柄)を加えた10個の主図柄で、図柄列Z2を形成するように構成している。そして、図柄列Z2は、数字の9を付した主図柄szが通過した後に、数字の4を付した主図柄szが通過し、その後、数字の1を付した主図柄szが通過するように変動表示されるように構成している。これにより、図柄列の変動表示が1周するまでの間に、特定種別の主図柄sz(本制御例では数字の4を付した主図柄)を複数回通過させることができるため、その特定種別の主図柄szを対象にリーチ状態が成立した場合に、大当たり当選する可能性(リーチ状態の有効ライン上に、大当たりの組合せとなる主図柄szが停止表示される可能性)が高いことを遊技者に視覚的に示唆することができる。よって、遊技者に対して、どの種別の主図柄szでリーチ状態が成立するのかに対しても注目させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本第2制御例では、上述した主図柄szに対応する画像データを、キャラクタ記憶エリア234a2から読み出し、図柄列を表示させるための図柄列データとして第3図柄列エリア235gに格納するように構成している。つまり、図柄列Z1~Z3のうち、主図柄に対応する主図柄列画像データ(副図柄fzの表示位置を飛ばした間隔で各主図柄szが表示される画像データ)を、図柄列単位で生成し、第3図柄列エリア235gに格納するように構成している。そして、この主図柄列画像データを用いて、主図柄画層srに主図柄szを変動表示させるように構成している。このように構成することで、各図柄単位の画像データを変動表示させるよりも、表示制御に用いる画像データの数を削減することができるため、表示制御の処理負荷を軽減させることができる。
また、上述した通り、本第2制御例では、図柄列Z1~Z3を形成する各図柄のうち、主図柄szと、副図柄fzとを、独立させて変動表示させることが可能に構成しているため、各図柄列が有する複数の主図柄szを1つの画像データ(主図柄列画像データ)で形成し、変動表示させたとしても、副図柄fzの変動表示態様を可変させることにより様々な変動表示を実行することができる。よって、表示制御に用いる画像データの数を削減したとしても演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、各図柄列を形成する第3図柄のうち、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報である主図柄szに対しては、主図柄列画像データを用いて図柄列単位で変動表示を実行し、特別図柄の抽選結果を示さない識別情報である副図柄fzに対しては、図柄単位で変動表示を実行するように構成しているため、特別図柄の抽選結果を示す主図柄szの変動表示の内容を変えること無く、副図柄fzの変動表示の内容を可変させることで様々な変動演出を実行することができる。つまり、第3図柄の変動表示演出を多様化するにあたり、停止表示の表示態様が予め決定されている主図柄szは、予め定められた変動表示を実行したまま副図柄fzの変動表示の内容を可変させることで様々な変動演出を実行することができる。よって、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示演出を、確実に且つバリエーションの富んだ内容に容易にすることができる。
なお、本第2制御例では、図柄列を形成する全ての主図柄szを1の画像データ(主図柄列画像データ)が有するように構成しているが、これに限ること無く、全ての主図柄sz(1~9の数字が付された各主図柄sz)のうち、一部の主図柄sz(例えば、偶数の数字が付された通常主図柄sz)の図柄列のみを生成する通常主図柄列画像データと、残りの主図柄sz(例えば、奇数の数字が付された確変主図柄sz)の図柄列のみを生成する確変主図柄列画像データと、を第3図柄列エリア235gに格納し、格納された画像データを用いて主図柄szを主図柄画層srに変動表示させるように構成しても良い。
この場合、例えば、対象となる特別図柄抽選の抽選結果が確変大当たりである場合、即ち、奇数の数字が付された主図柄szを用いて大当たりとなることを示す組合せを停止表示させる場合において、確変主図柄列画像データを用いた変動表示のみ予め定められた変動表示を実行したまま、通常主図柄列画像データを用いる変動表示の内容を可変させることが可能となる。具体的には、通常主図柄列画像データを用いた変動表示を、確変主図柄列画像データを用いた変動表示よりも高速で実行し、遊技者が奇数の数字が付された確変主図柄szのみ視認可能となるように構成しても良い。これにより、今回の第3図柄変動が、確変主図柄szのみ変動表示されており、確変主図柄szしか停止表示されない状態、即ち、通常図柄(偶数の数字が付された主図柄)が停止表示されること無く、通常大当たり当選し得ない状態であることを遊技者に報知することができる。
また、主図柄szを形成する画像データを、通常主図柄列画像データと、確変主図柄列画像データとに分けて生成する構成を用いる場合には、通常主図柄列画像データを用いて通常主図柄を表示する通常主図柄画層(レイヤ)と、確変主図柄列画像データを用いて確変主図柄を表示する確変主図柄画層(レイヤ)と、異ならせるように構成し、特別図柄抽選の結果に応じて、通常主図柄画層、或いは、確変主図柄画層に表示される主図柄szを表示するか否か(各画層の表示を有効(オン)にするか否か)を決定するように構成しても良い。さらに、上述した第1制御例のように、図柄列を形成する図柄列画像データを生成すること無く、各図柄単位の画像データを用いた変動表示制御を実行するように構成しても良い。
次に、図203(c)を参照して、副図柄fzの画像データの内容について説明をする。図203(c)は、キャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されている副図柄fzの画像データを模式的に示した図である。この画像データは、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されおり、パチンコ機10に電源が投入された場合、或いは、背景モード移行が実行された場合に、キャラクタ記憶エリア234a2から対応する画像データが読み出され、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納される。なお、各図柄に対応する画像データを読み出す処理や常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納する処理の内容については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図203(c)に示した通り、本第2制御例のるキャラクタ記憶エリア234a2には、副図柄fzの画像データとして、三角印を模した通常の副図柄fz(図122(b)参照)の画像データSD1、泡を模した予告演出用の副図柄fzの画像データSD2、数字の16を模した特殊副図柄fzの画像データSD3が少なくとも格納されている。なお、図202(c)では省略しているが、予告演出用の副図柄fzは、設定されている背景モードに対応させた表示態様で表示されるものであり、図202(c)にて示した泡を模した予告演出用の副図柄fzは、海背景が設定されている場合に用いられる副図柄fzである。よって、キャラクタ記憶エリア234a2には、山背景が設定されている場合に用いられる副図柄fzとして木の葉を模した予告演出用の副図柄fz(図示せず)の画像データ(図示せず)も予め格納されている。
ここで、本第2制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に変動表示される第3図柄のうち、特別図柄抽選の結果を示さない副図柄fzのみを副図柄画層frに表示可能に構成しており、主図柄画層srにて予め定められた変動パターン(変動時間、停止表示位置)で変動表示される主図柄szとは独立させて副図柄fzを第3図柄表示装置81の表示面に変動表示させることができるように構成している。よって、副図柄fzを用いた様々な変動演出を主図柄szの変動表示内容を可変させること無く容易に実行することができる。また、副図柄fzを用いた様々な変動演出を実行した場合に、その一部が主図柄szと重複表示されたとしても、主図柄画層srのほうが副図柄画層frよりも優先表示されるように配置しているため、遊技者が主図柄szを視認し難くなる事態が発生することを抑制することができる。
本第2制御例では、副図柄fzを用いた変動演出として、図202(b)、及び図202(c)を参照して説明をしたリーチライン予告演出以外にも、様々な変動演出を実行可能に構成しており、例えば、副図柄fzを、画像データSD2を用いた予告演出用の表示態様に切り替え、第3図柄の変動表示開始時に、主図柄szの変動方向(例えば、左方向)に対して逆方向(右方向)へと変動表示させる変動開始時予告演出や、副図柄fzの一部を、画像データSD3を用いた特殊表示態様に切り替え、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の変動停止時に停止表示される特殊表示態様の副図柄fz(数字の16を模した副図柄fz)の個数や配列に応じて、大当たり種別を示唆する大当たり種別示唆演出を実行可能に構成している。
このように、特別図柄抽選の結果を示す識別情報(主図柄sz)とは異なる識別情報(副図柄fz)であって、且つ、特別図柄抽選の結果を示す識別情報(主図柄sz)が変動表示されている期間中に変動表示可能な識別情報(副図柄fz)を用いて様々な変動演出を実行可能にすることで、変動表示される副図柄fzに対しても遊技者を注視させることができる。
また、本第2制御例では、主図柄szの変動表示制御とは異なり、副図柄fzの変動表示制御を各図柄単位で実行するように構成しているため、各図柄列Z1~Z3に形成される複数の副図柄fzのうち、一部のみ(例えば、最終的に停止表示される主図柄szの近傍のみ)の表示態様を変動演出用の表示態様へと切り替える制御を容易に実行することができる。また、通常であれば、主図柄sz間に1つ表示される副図柄fzの個数が2個以上となるように表示することもできるし、一部の副図柄fzのみ表示させないようにすることができる。
また、副図柄fzの表示態様を可変させるタイミングは、特別図柄変動の開始タイミングでも良いし、大当たり当選したことを示す特別図柄が停止表示されるタイミングでも良い。
最後に図203(d)を参照して、本第2制御例における変動用主図柄に用いられる各画像データの内容について説明をする。図203(d)は、変動用主図柄に用いられる各種画像に対応する画像データの内容を模式的に示した模式図である。この変動用主図柄とは、図柄列Z2、即ち、リーチ状態中に変動表示される図柄列に設けられた10個目の主図柄のことであって、キャラクタ記憶エリア234a2に記憶される主図柄表示データのうち、画像データDAが用いられる主図柄のことである。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(第3図柄)を変動表示させ、特定の識別情報が停止表示した場合に、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示すものがある。この場合、遊技者に対して停止表示される識別情報が特定の識別情報となるか否かを煽るための変動演出が実行される。ここで、一般的には、複数種類の識別情報が特定の順序で形成される図柄列を複数用いた変動演出が実行される。具体的には、特定の順序で、1~9の各数字が付された複数の識別情報(例えば、主図柄sz)が形成される図柄列を複数用いた変動演出が実行される。
このように構成された遊技機では、第3図柄変動の演出効果を高めるために、変動表示中の第3図柄の表示態様を可変させる変動演出が実行されるが、変動表示中の識別情報(第3図柄)を可変させる場合において、識別情報に付されている1~9の数字、即ち、特別図柄抽選の結果を示すための具体的な情報を変更してしまうと、例えば、1~9の各数字が付された9個の第3図柄を用いて変動表示が実行されたにも関わらず、変動途中で5の数字が付された第3図柄を、6の数字が付された第3図柄へと切り替えた場合には、6の数字が付された第3図柄が消滅してしまうため、第3図柄の変動表示中に特別図柄抽選の結果を変更したのではと遊技者に不信感を与えてしまう虞があった。
また、例えば、1~9の各数字が付された9個の第3図柄を用いて変動表示を実行し、途中で新たに6の数字が付された第3図柄を追加し、計10個の第3図柄を用いた変動表示へと切り替えた場合には、変動表示される第3図柄の個数が途中で増加したことに対応するための表示制御を実行する必要があり、制御内容が難化してしまう虞があった。
これに対して、本制御例では、1~9の数字が付された各主図柄と、変更用主図柄と、により10個の主図柄によって図柄列Z2を形成するように構成している。よって、1~9の数字が付された各種図柄を残したまま、図柄列を形成する主図柄の数を可変させること無く、主図柄の表示態様を可変させることが可能となる。また、変更用主図柄の表示態様を様々な表示態様へと可変させたとしても、図柄列Z2を形成する主図柄の個数が変わることが無いため、図柄列Z2に対する表示制御を容易に実行することができる。
図203(d)に示した通り、本第2制御例のるキャラクタ記憶エリア234a2には、変更用主図柄の画像データとして、数字の4を付した通常主図柄szの画像データDA1、数字の7を付した通常主図柄szの画像データDA2、Vの文字を模したV主図柄szの画像データDA3、数字の16を模した特殊主図柄szの画像データDA4、バツ印を模した残念主図柄szの画像データDA4が少なくとも格納されている。なお、図202(d)では省略しているが、通常主図柄szは、設定されている背景モードに対応させた表示態様で表示されるものであり、図202(d)にて示した「サメ」を模した通常主図柄sz、及び、「ジュゴン」を模した通常主図柄szは、海背景が設定されている場合に用いられる主図柄szである。よって、キャラクタ記憶エリア234a2には、山背景が設定されている場合に用いられる通常主図柄szとして「サイ」、或いは「イノシシ」を模した通常主図柄sz(図示せず)の画像データ(図示せず)も予め格納されている。
ここで、通常時における第3図柄の変動表示演出においては、画像データDA1を用いた変更用主図柄が図柄列Z2に表示されるように構成されており、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、或いは、特別図柄抽選で外れ当選した場合のごく一部において、画像データDA2を用いた変更用主図柄が図柄列Z2に表示されるように構成されている。即ち、通常時は数字の4を付した「サメ」を模した変更用主図柄szが変動表示されることで、通常大当たり当選を示唆する主図柄(偶数の数字を付した主図柄)が5個、確変大当たり当選を示す主図柄(奇数の数字を付した主図柄)が5個、計10個の主図柄によって図柄列Z2が形成されるのに対して、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、或いは、特別図柄抽選で外れ当選いた場合のごく一部においては、数字の7を付した「ジュゴン」を模した変更用主図柄szが変動表示されることで、通常大当たり当選を示唆する主図柄(偶数の数字を付した主図柄)が4個、確変大当たり当選を示す主図柄(奇数の数字を付した主図柄)が6個、計10個の主図柄によって図柄列Z2が形成されることになる。
これにより、現在実行されている特別図柄抽選にて遊技者に有利な大当たり(確変大当たり)に当選したのでは?と遊技者に期待感を持たせることができる。なお、数字の7を付した「ジュゴン」を模した変更用主図柄szを用いる条件としては、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、それ以外(外れ)である場合よりも成立し易くなれば良く、特別図柄抽選の結果が外れである場合には用いられないように構成しても良い。また、特別図柄抽選で大当たり当選した場合のうち、通常大当たりに当選した場合よりも、確変大当たりに当選した場合のほうが用いられ易くなるように構成すると良い。これにより、見た目上の主図柄の各種別数(偶数、奇数の数)と、確変大当たり当選の割合とを対応付けることができ、分かり易い遊技を提供することができる。
また、画像データDA3に示したV主図柄szは、通常時は表示されていない表示態様であり、第3図柄(主図柄)の変動表示中に特殊条件が成立した場合に変更用主図柄として表示されるものである。このV主図柄szは、リーチ状態となる主図柄szの種別に関わらず、そのリーチ状態の有効ライン上に停止表示された場合に、大当たり当選を示す組合せとなる汎用主図柄として用いられる。このように汎用主図柄を用いることにより、例えば、大当たり当選する組合せとなる主図柄がリーチ状態の有効ライン上を通過した場合であっても、図柄列Z2がもう1周するのを待たずに、大当たり当選を示す組合せで第3図柄(主図柄)が停止表示することを期待させることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、第3図柄の変動表示演出において、通常主図柄(偶数の数字を付した主図柄sz)と確変主図柄(奇数の数字を付した主図柄sz)とでダブルリーチ状態となった場合に、重複する各リーチ状態の有効ライン上にV主図柄が停止表示した場合には、遊技者に有利となる側の主図柄にて大当たり当選したことを示すように構成すると良い。これにより、ダブルリーチ状態となった場合にV主図柄を変動表示させても遊技者に不信感を抱かせることを抑制することができる。さらに、本制御例では、V主図柄を汎用主図柄として用いているが、これに限ること無く、V主図柄を用いて大当たり当選を示す組合せが停止表示された場合には、今回実行される大当たり遊技に加え、少なくとも、後1回の大当たり遊技が実行される権利を既に獲得済みである(保留記憶されている特図保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある)ことを示す重複大当たり示唆図柄として用いても良いし、V主図柄が変動表示されるだけで大当たり遊技の実行権利を複数獲得済みであることを示唆するように構成しても良い。このように構成することで、V主図柄が変動表示された場合に、遊技者に対してより期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
次いで、画像データDA4に示した特殊主図柄sz、及び画像データDA5に示した残念主図柄szは、第3図柄の変動表示中に用いられるものでは無く、大当たり当選を示す組合せで主図柄szが停止表示された後に実行され得る昇格演出にて用いられる変更用主図柄である。ここで、本制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、遊技者に有利となる有利大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、その有利大当たり遊技よりも遊技者に不利となる不利大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、例えば、確変大当たりに当選した場合において、通常大当たり遊技が実行されることを示唆する通常主図柄sz(偶数の数字を付した主図柄sz)を用いた組合せで大当たり当選したことを停止表示した場合の一部(又は、全部)において、停止表示された主図柄szの種別を確変主図柄sz(奇数の数字を付した主図柄sz)へと可変させるための昇格演出を実行可能に構成している。
この昇格演出中は、主図柄szを用いて特別図柄抽選の結果(大当たり、外れ)を示唆する期間では無く、今回当選した大当たりが確変大当たりであるか通常大当たりであるかを示唆するための期間となるため、変更用主図柄として、確変大当たりであることを示す画像データDA4に示した特殊主図柄sz、或いは、通常大当たりであることを示す画像データDA5に示した残念主図柄szが設定される。このように、主図柄szを用いて遊技者に報知すべき内容が可変するタイミングに合わせて、変更用主図柄の表示態様を可変させることにより、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本第2制御例では、昇格演出によって大当たり当選を示す組合せで停止表示された主図柄szの種別を、通常主図柄szから確変主図柄szへと昇格させる演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)を、少ないラウンド数を示す主図柄から、そのラウンド数よりも多いラウンド数を示す主図柄へと昇格させる演出を実行するように構成しても良い。この場合、変更用主図柄として、実行され得るラウンド数を示唆する表示態様で複数の画像データを用意しておき、実際に当選した大当たり種別に応じて対応する画像データを用いて変更用主図柄の表示態様を決定するように構成しても良い。なお、本変形例の昇格演出は、後述する第49制御例の特定演出の別形態である。つまり、有利な特定状態が特定期間を超えて継続することが決定された場合に、決定されたタイミングとは異なるタイミングで実行され、特定期間を超えて継続することを報知する演出対応の特定演出の別形態である。
また、本制御例では、数字の1~9を付した9個の主図柄szと、上述した変更用主図柄szとを用いて図柄列Z2の主図柄列画像データを生成し第3図柄列エリア235gに格納するように構成しているが、これに限ること無く、変更用主図柄szを主図柄列画像データに含めずに、第3図柄エリア235dに格納しておき、副図柄fzと同様に図柄単位で変動表示制御を実行するように構成しても良い。このように構成することで、一度設定された図柄列Z2のうち、変更用主図柄szの表示態様を容易に可変させることができる。
また、主図柄szが表示される主図柄画層srとは別に、変更用主図柄szが表示される変更用主図柄画層sr1を配置し、この変更用主図柄画層sr1を用いて変更用主図柄szを表示するように構成しても良い。この場合、変更用主図柄szが表示されるのは、図柄列Z2のみであるため、変更用主図柄画層sr1の表示領域を図柄列Z2の表示領域のみとし、変更用主図柄画層sr1を主図柄画層srよりも非優先で且つ、副図柄画層frよりも優先して表示される位置に配置するように構成すると良い。これにより、副図柄fzにより変更用主図柄szが隠れてしまうことを抑制し、且つ、主図柄szの表示を邪魔すること無く変更用主図柄szを表示することができる。
図203(a)~(d)を参照して上述した各画像データは、キャラクタ記憶エリア234a2に格納されている第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を示す画像データのうちの一部であって、実際には他の画像データも格納されている。例えば、主図柄表示データとして格納されている各画像データのそれぞれには、異なるアクションを示す表示態様(例えば、対象となる生き物が驚いている表示態様や、喜んでいる表示態様)に対応する画像データが格納されており、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、大当たり)である場合に、画像データを差し替えることで、停止表示された第3図柄(主図柄sz)の表示態様を可変させることができる。
具体的には、大当たり当選したことを示す第3図柄が停止表示された場合(7の数字が付された「ジュゴン」が通常表示態様で停止表示された場合)に7の数字が付された「ジュゴン」が驚いた表情となる特殊表示態様へと切替表示されるように構成している。これにより、第3図柄の表示態様によっても遊技者に対して大当たり当選したことを報知することができる。また、この特殊表示態様に対応する画像データを第3図柄変動が開始してからの所定期間(例えば、0.2秒間)に用いるように構成し、第3図柄変動が開始された直後に、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選していることを示唆する演出を実行するように構成しても良い。
次に、図204を参照して、本第2制御例における第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の変動表示の流れについて説明をする。図204は、第3図柄の変動表示演出と第3図柄表示装置81の表示面に表示される図柄列の表示内容との関係を模式的に示した図である。図204では、第3図柄変動演出の一例として、大当たり当選を示す変動時間60秒の変動パターンを用いている。
図204に示した通り、特別図柄変動の開始を示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、今回受信した変動パターン(コマンド)に基づいて、主図柄szおよび副図柄fzの変動表示態様を決定する。具体的には、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行される変動表示設定処理(図182のS4113参照)において、予告演出の有無、リーチ演出の有無、停止図柄を決定し、対応する表示用コマンドを設定する。その後、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行されるコマンド出力処理(図174のS4102参照)にて、設定した表示用コマンドを表示制御装置114へと送信する。
変動表示設定処理(図182のS4113参照)において設定された表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、表示制御装置114のコマンド判定処理(図190のS6302参照)にて実行される変動パターンコマンド処理2(図209のS6455参照)にて、受信した表示用コマンド(変動パターンコマンド)を解析し、解析結果に基づいて変動表示テーブルを決定し、現在設定されている背景モードに対応する主図柄szを用いた主図柄列の画像データ(主図柄列画像データ)を第3図柄列エリア235gから読み出し、現在設定されている背景モードに対応する副図柄fzに対応する画像データを第3図柄列エリア235gから読み出し、表示画像を生成し、第3図柄表示装置81の表示面に表示する。
そして、第3図柄変動演出が実行されてから10秒間は、通常変動期間が設定される。この通常変動期間は、図柄列Z1~Z3が全て変動表示されている期間であって、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、背景モード移行を実行可能な期間として設定される。この通常変動期間中に背景モード移行が実行された場合には、主図柄szと、副図柄fzと、のうち、背景モードに対応した表示態様で表示されている各図柄が、移行後の背景モードに対応した表示態様へと切り替わる制御が実行される。
その後、図柄列Z1、及び図柄列Z3が停止表示されてリーチ状態となると、40秒間のリーチ変動期間が設定され、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるかを示唆する(煽る)リーチ演出が実行される。このリーチ変動期間中は、背景モード移行が実行されないように構成しており、枠ボタン22を操作した場合には、パチンコ機10に搭載されている装飾用の各種LEDの発光態様が可変する装飾演出が実行される。また、リーチ演出の一部において、枠ボタン22の操作を有効に判別する有効期間(SW有効期間)が設定される操作演出を実行するように構成しており、設定された有効期間内に枠ボタン22が操作されることにより、枠ボタン22が操作されない場合には実行されない演出が実行される。具体的には、枠ボタン22を操作した場合には、今回の特別図柄抽選が大当たり当選していることを報知する確定報知や、大当たり当選している可能性が高いことを示す示唆報知が実行可能に構成している。このように構成することで、特別図柄の抽選結果をいち早く把握しようとする遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。また、操作演出中に枠ボタン22を操作しないと見ることができない演出を設けているため、様々な演出を見たいと思う遊技者に対しても意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
上述した通り、リーチ変動期間中は、背景モード移行が実行されないように構成しているため、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるかを示唆する(煽る)リーチ演出の実行中に背景モードが切り替わってしまい、それに伴い第3図柄の表示態様も切り替わることにより、遊技者に分かり難いリーチ演出となることを抑制することができる。また、背景モード移行が実行されないリーチ変動期間中に操作演出を実行するように構成しているため、例えば、操作演出にて設定されるSW有効期間を遊技者に報知しない変動演出(所謂、隠れ操作演出)を設定可能に構成したとしても、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
なお、この場合、第3図柄表示装置81の表示面にて、背景モード移行が実行されない期間であることを遊技者に報知するための報知態様(例えば、「リーチ中は、ボタンを押しても背景モードが変わらないよ」のコメント表示)を設定したり、隠れ操作演出の実行中であることを遊技者に報知するための報知態様(例えば、「リーチ中のどこかのタイミングでボタンを押したら特別な演出が実行されるよ」のコメント表示)を設定したりすると良い。これにより、遊技者に対して安心して操作演出を実行させることができる。
そして、リーチ変動期間が終了するタイミングにて、大当たり当選を示す主図柄szの組合せのうち、通常主図柄sz(偶数の数字が付された主図柄sz)の組合せで第3図柄が停止表示され、その後、大当たり当選した通常主図柄szを、確変主図柄(奇数の数字が付された主図柄sz)へと昇格させるための昇格演出が実行される。この昇格演出が実行される際に、今回の大当たり当選が確変大当たりであるか否かを判別し、その判別結果に基づいて、副図柄fzの表示態様、及び、主図柄szのうち変更用主図柄szの表示態様を決定する。そして、昇格演出用の図柄列を用いた昇格演出を、昇格変動期間(10秒)を用いて実行する。
ここで、昇格演出用の図柄列として、例えば、変更用主図柄szの表示態様が画像データDA4を用いた表示態様(図203(d)参照)となり、副図柄fzの表示態様が画像データSD3を用いた表示態様(図203(c)参照)となっている場合は、通常の確変主図柄sz(奇数の数字が付された主図柄sz)に加えて、遊技者に有利な有利大当たりに当選していることを示す図柄を多く表示することができるため、遊技者に対して今回の昇格演出にて確変大当たりへと昇格する可能性が高いことを視覚的に報知することができる。
次に、図205を参照して、本第2制御例にて実行される変動演出の内容について説明をする。図205は、同一の変動パターンコマンドに対して実行される第3図柄の変動演出の演出例を示したものであって、図202(a)は、演出例に用いられる変動パターンの流れを模式的に示した図であり、図202(b)は、通常演出の流れを模式的に示した図であり、図202(c)は、リーチライン予告演出(図202(b)参照)の流れを模式的に示した図であり、図202(d)は、副図柄fzの変動方向を通常とは異ならせた予告演出の流れを模式的に示した図である。
図205(a)に示した通り、主制御装置110にて、60秒間の変動時間が設定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが設定された場合には、音声ランプ制御装置113にてリーチ演出が実行される表示用変動パターンコマンドが設定される。さらに、リーチ演出が実行されるまでの期間を用いて、副図柄fzを用いた様々な予告演出が実行される。本第2制御例では、上述した通り、各図柄列を形成する主図柄szと、副図柄fzと、を独立させて変動表示可能に構成しているため、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに応じて主図柄szを特定の変動パターンで変動表示させながら、副図柄fzの変動パターンのみ可変させることで様々な変動演出(予告演出)を実行することができる。
具体的には、図205(b)に示した演出Aでは、上述した第1制御例のパチンコ機10と同様に、主図柄szと副図柄fzとが同期した第3図柄変動表示(図202(a)参照)が実行され、リーチ状態となる通常パターンを示している。このように、独立して変動表示される主図柄szと、副図柄fzと、を同期させるように表示制御することにより、見た目上は主図柄szと副図柄fzとが一つの図柄列として変動表示されているように思わせることができる。
次に、図205(c)に示した演出Bでは、第3図柄の変動開始から所定期間(15秒間)の間、主図柄画層srの表示がオフに設定され(非表示に設定され)、その間に、副図柄fzの変動表示を停止表示させるリーチライン予告演出が実行される演出パターンを示している。つまり、主図柄szに対しては、上述した205(a)と同一の表示制御が実行されるが、通常変動期間の前半期間(15秒)にて主図柄画層srが非表示に設定されるため、遊技者が主図柄szの変動表示を視認できないように構成している。
そして、その通常変動期間の前半期間(15秒)を用いて、副図柄fzを変動表示させ(図202(b)参照)、通常変動期間の前半期間(15秒)の終了タイミングにて、副図柄fzを停止表示させることにより、今回の第3図柄変動表示にて主図柄szが停止表示される位置が表示される(図202(c)参照)。その後、通常変動期間の後半期間(15秒)になると、主図柄画層srの表示がオンに設定され(表示に設定され)、通常変動期間の後半期間(15秒)を用いて、主図柄szの変動表示が実行され、図205(b)と同様に、変動開始から30秒後にリーチ状態となる。
つまり、図205(c)に示した演出Bが実行された場合、即ち、リーチライン予告演出が実行された場合には、主図柄szが停止表示される前に、主図柄szが停止表示される位置のみを遊技者に報知することができるため、今回の第3図柄変動表示が、ダブルリーチになるのか、シングルリーチになるのか、リーチにならないのかを事前に(第3図柄の変動開始から15秒後に)把握することが可能となる。よって、リーチになるか否かを把握するのに30秒要する通常パターン(図205(b)参照)に対して、主図柄szがリーチ状態となり得ない位置に副図柄fzが停止表示された場合には、遊技者に対して過度な期待感を持たせる期間を短くすることができる。
また、主図柄szがリーチ状態となり得る位置に副図柄fzが停止表示された場合には、遊技者に対して、どの主図柄szによってリーチ状態となるのかを期待させながら残りの変動時間を楽しませることができる。なお、本第2制御例では、主図柄szがリーチ状態となり得る位置に副図柄fzが停止表示された場合には、必ず、リーチ状態となるように構成しているため、副図柄fzの停止表示タイミングにて、今回の第3図柄変動がリーチ状態となるか否かを遊技者に容易に判別させることができる。
最後に、図205(d)に示した演出Cでは、上述した演出Aと同様に主図柄szに対しては通常表示が実行され、副図柄fzに対しては、変動開始から所定期間(3秒)のみ演出Aとは異なる演出が実行される演出パターンを示している。具体的には、変動開始時に表示される副図柄fzの表示態様として画像データSD2(図203(c)参照)を用いた表示態様が設定され、主図柄の変動表示方向(左方向)とは逆方向(右方向)へと副図柄fzを変動表示させる副図柄逆変動表示が実行され、その後、通常の副図柄fzを用いた変動表示が主図柄szの変動表示と同期して実行される演出パターンである。
この演出Cに示した演出パターンのように、第3図柄変動表示が開始されたタイミングにて、主図柄szの変動表示方向と、副図柄fzの変動表示方向とを異ならせることにより、遊技者に対して意外性のある演出、即ち、主図柄szと副図柄fzとが同一の図柄列で形成されており、同一方向にしか変動表示しないと認識していた遊技者に対して、認識していない態様で副図柄fzが変動表示されるため意外性のある演出を提供することができる。
以上、説明をした通り、本第2制御例では、主図柄szと副図柄fzとを独立させて変動表示可能に構成し、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される変動パターンコマンドに対応させて主図柄szの変動表示態様を設定し、その主図柄szの変動表示態様を可変させること無く、副図柄fzの変動表示態様のみを可変させることで様々な変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、主図柄szの変動表示結果が、特別図柄の抽選結果とは異なる結果となる事態が発生し難くすることができる。
また、副図柄fzを先に変動表示させる場合において、例えば、副図柄fzを拡大表示し、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmを副図柄fzが覆うような変動表示を実行し、その間に、主図柄szの変動表示位置や、図柄種別を可変させるように構成しても良い。
<第2制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図206から図208を参照して、本第2制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明をする。図206は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。本第2制御例のパチンコ機10では、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、表示制御装置114のキャラクタROM234のキャラクタ記憶エリア234a2に格納されている画像データの内容を変更した点と、常駐用ビデオRAM235に第3図柄列エリア235gを追加した点で相違している。それ以外は、上述した第1制御例と同一である。同一の構成に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第2制御例のキャラクタ記憶エリア234a2には、図203を参照して上述した通り、各背景モードに対応した主図柄表示データの各画像データD1~D9、副図柄表示データの各画像データSD1~SD3等、変更用主図柄表示データの各画像データDA1~DA5等が格納されている点で上述した第1制御例のキャラクタ記憶エリア234a2と相違し、それ以外に格納されている画像データについて同一である。なお、本第2制御例にて新たに格納された各画像データの詳細については、図203を参照して上述したため、その説明を省略する。
第3図柄列エリア235gは、キャラクタ記憶エリア234a2に格納された主図柄szの画像データを複数読み出して予め図柄列として一つの画像データ(主図柄列画像データ)を生成し、その生成した主図柄列画像データを格納するための記憶領域である。主図柄画層srに主図柄szを変動表示させる場合には、この第3図柄列エリア235gに格納された主図柄列画像データを読み出し、表示データテーブルに規定されている描画内容に基づいて表示位置座標を可変設定することにより主図柄szを変動表示させる。このように構成することで、主図柄szを変動表示させる場合に用いる画像データの数を、主図柄sz単位で生成される画像データを用いる場合に比べて減少させることができるため、表示制御の処理負荷を軽減させることができる。
次に、図207を参照して、本第2制御例のパチンコ機10にて用いられる表示データテーブルの内容について説明をする。図207は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。本第2制御例のパチンコ機10では、上述した第1制御例のパチンコ機10における表示データテーブル(図153参照)に対して、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)に関する描画内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図207に示した通り、表示データテーブルの描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されている背景モード(「海モード」、「山モード」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
次に、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を第3図柄表示装置81に表示させるためのスプライトの種別について説明をする。まず、副図柄(副図柄1、副図柄2、・・・)は、1つ前の変動演出において停止表示された各副図柄fzの停止位置を示す表示位置座標が設定される。これにより、1つ前の変動演出における副図柄fzの停止位置から変動演出が開始される。なお、図202(a)に示した通り、主図柄szとは異なり、副図柄fzには固有の数字が付されておらず、全ての副図柄fzが共通の表示態様で表示されている。よって、1つ前の変動演出において停止表示された各副図柄fzの位置を示す表示位置座標を設定するだけで、容易に1つ前の変動演出における副図柄fzの停止位置から変動演出を開始することができる。
なお、詳細な説明は図208を参照して後述するが、本第2制御例では、副図柄fzの表示態様として複数の表示態様を設定可能に構成しており、第3図柄表示装置81に表示させる各副図柄fzの表示態様に応じて、描画リストにて表示に用いる画像データの格納先を指定することにより対応する表示態様で各副図柄fzを表示させるように構成している。ここで、1つ前の変動演出において停止表示されている各副図柄fzの表示態様と、今回の変動演出にて用いられる副図柄fzの表示態様が異なる場合は、変動演出の開始タイミング、即ち、表示データテーブルのアドレス「0001H」に対応する描画情報から副図柄fzの表示態様を異ならせるように構成しても良いし、1つ前の変動演出における副図柄fzの表示態様を用いて変動演出を開始し、副図柄fzの表示態様を遊技者が視認困難となる高速変動中に副図柄fzの表示態様を可変させるように構成しても良い。
前者の場合は、変動演出が開始される前、即ち、副図柄fzが停止しているタイミングで今回の変動演出にて用いられる表示態様で副図柄fzが表示されるため、これから実行される変動演出の演出内容を事前に遊技者に把握させることができ、演出効果を高めることができる。また、後者の場合は、遊技者が気付き難いタイミングで副図柄fzの表示態様を可変させることができるため、遊技者に違和感を与えること無く、スムーズに副図柄fzの表示態様を可変させることができる。
次に、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を第3図柄表示装置81に表示させるためのスプライトの種別のうち、主図柄szを表示させるためのスプライトについて説明をする。主図柄列(主図柄列1、主図柄列2、・・・)は、表示すべき第3図柄の主図柄szを特定するための図柄列種別情報として、図柄列種別オフセット情報が記憶されている。このオフセット情報は、各主図柄szに付された数字の差分を表す情報である。主図柄szの種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における主図柄szの表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各主図柄szには固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その主図柄szに付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各主図柄szに付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき主図柄szを特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、主図柄szが高速に変動表示されている時間となるように設定されている。主図柄szが高速に変動表示されている間は、その主図柄szが遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、主図柄szの数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
さらに、本第2制御例では、第3図柄表示装置81に表示される各主図柄szの画像データが、図柄列単位で1の画像データ(主図柄列画像データ)となるように構成している。例えば、図柄列Z1にて変動表示される数字の1~9が付された各主図柄szに対して、数字の3が付された主図柄szが画像データの先頭となり、次いで、主図柄szに付された数字が「3→2→1→9→8→7→6→5→4」の順となるように、所定の間隔(副図柄fzが表示される間隔)を開けた主図柄列画像データが生成され、第3図柄列エリア235gに格納されている。そして、主図柄列画像データの表示位置座標を時間経過に基づいて可変させることにより、図柄列Z1を形成する主図柄szのみが変動表示される画像が主図柄画層srに表示されるように構成している。なお、主図柄画層srに形成される表示領域の大きさ(座標範囲)は、主図柄列画像データに含まれる全ての画像を表示不可能な大きさに設定されており、図202(a)に示した通り、最大で3個の主図柄szが表示可能な大きさに設定されている。
よって、図柄列種別オフセット情報に含まれるオフセット情報に基づいて、主図柄画層srに表示すべき主図柄szの種別を特定し、その特定した主図柄szを表示させるべき位置に対応させて主図柄列画像データの表示範囲が決定され、その表示範囲にて各主図柄szの表示が実行される。このように、主図柄szの配置関係を可変させること無く、変動表示を実行する場合には、上述した第1制御例のように、個々の主図柄sz単位で画像データを設け、1つ前の変動演出における主図柄szの停止図柄のオフセット情報に基づいて、今回の変動演出を開始する際に表示される各主図柄szの図柄種別を特定し、その後、実行される変動演出の内容に応じて、各主図柄szの画像データの表示位置(表示位置座標)を同期させながら可変設定するよりも、所定の順序で且つ所定の間隔を設けながら複数の主図柄szが規定される図柄列画像データを生成し、その図柄列画像データを用いて変動演出を実行するように構成した場合のほうが、表示制御処理の負荷を軽減することができる。
なお、本第2制御例の表示制御方法を用いた場合には、主図柄szの配列を可変させたり、主図柄szの配置間隔を可変させたりすることが困難となるため、その場合は、上述した第1制御例のように各主図柄szに対応する画像データを用いて各主図柄szを変動表示させる表示制御を実行した方がよい。また、上述した第1制御例の構成と、本第2制御例の構成と、を融合させ、特定の主図柄szのみ図柄単位の画像データを用い、特定の主図柄以外の複数の主図柄に対しては主図柄列画像データを用いるように構成しても良い。この場合、特定の主図柄に対しては、用いる画像データを可変させたり、表示位置の変更具合(変動表示速度)を可変させたりする制御を容易に実行することができると共に、特殊な表示制御を実行することなく、常に同期した変動表示内容で表示される複数の主図柄szに対しては、その複数の主図柄szを変動表示させる際の表示制御の処理負荷を軽減することができる。
図柄列単位で1の画像データ(主図柄列画像データ)を生成している本第2制御例では、図柄列Z1、図柄列Z2、図柄列Z3のそれぞれに対して(各図柄列に対して)異なる描画内容が設定されるように構成しており、図柄列Z2に対しては、変動表示される数字の1~9が付された各主図柄szに対して、数字の4が付された主図柄szが画像データの先頭となり、次いで、主図柄szに付された数字が「4→5→6→7→8→9→1→2→3」の順となるように、所定の間隔(副図柄fzが表示される間隔)を開けた主図柄列画像データが生成され、第3図柄列エリア235gに格納されている。また、図柄列Z3に対しては、変動表示される数字の1~9が付された各主図柄szに対して、数字の1が付された主図柄szが画像データの先頭となり、次いで、主図柄szに付された数字が「1→2→3→4→5→6→7→8→9」の順となるように、所定の間隔(副図柄fzが表示される間隔)を開けた主図柄列画像データが生成され、第3図柄列エリア235gに格納されている。
このように構成された各図柄列Z1~Z3に対応する主図柄列画像データを用いて全ての図柄列Z1~Z3が左方向へと変動表示するように表示制御することにより、主図柄画層srには、各図柄列Z1~Z3にて表示される主図柄szのみが変動表示される。なお、上述した通り、図柄列Z1~Z3毎に、主図柄列画像データの先頭に位置する主図柄szの種別が異なるように構成している。これにより、パチンコ機10の電源をオンした状態(初期状態)において、第3図柄表示装置81の中央位置、即ち、有効ラインL2(図122(a)参照)上には、上から順に「3.4.1」の数字が付された主図柄szが停止表示される。つまり、各主図柄列画像データの先頭位置となる主図柄szに付された数字を異ならせるように構成することにより、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信していない初期状態においては、各図柄列Z1~Z3を形成する主図柄列画像データの先頭位置が有効ラインL2上となるように初期表示設定をするだけで、大当たりとなる組合せとは異なる主図柄szの組合せを停止表示することができ、初期状態における表示制御を簡素化することができる。
次に、図208を参照して、本第2制御例における描画リストの内容について説明をする。図208は、第2制御例におけるパチンコ機10の描画リストの内容を模式的に示した模式図である。この描画リストは、上述した第1制御例の描画リスト(図155参照)に対して、第3図柄を表示するためのすプライドの種別を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図208に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、副図柄(副図柄1,副図柄2,・・・)、主図柄列(主図柄列1,主図柄列2,・・・)エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。
つまり、副図柄fzの画像に対する描画指示内容としては、画像データが格納されているRAM種別として常駐用ビデオRAM235を示す情報と、第3図柄エリア235dに格納されている副図柄fzに対応する複数の画像データSD1~SD3(図203(c)参照)の中から、今回の描画指示に用いられる画像データを示すアドレスが記載されている。また、主図柄szの画像に対する描画指示内容としては、画像データが格納されているRAM種別として常駐用ビデオRAM235を示す情報と、第3図柄列エリア235gに格納されている主図柄列に対応する複数の画像データ(主図柄列画像データ)の中から、今回の描画指示に用いられる画像データを示すアドレスが記載されている。
<第2制御例における制御処理内容について>
次に、図209、及び図210を参照して、本第2制御例における制御処理内容について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、表示制御装置114にて実行される制御処理内容を異ならせている点で少なくとも異ならせている。また、音声ランプ制御装置113にて設定される変動演出の演出態様の種別内容も異ならせている。それ以外の内容については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、本第2制御例では、音声ランプ制御装置113にて設定される第3図柄の変動演出態様の内容を異ならせており、具体的には、図205を参照して上述した通り、第3図柄のうち、副図柄fzに対してのみ様々な変動演出を実行させるための表示用コマンドを設定可能に構成している。しかしながら、変動演出に対応する表示用コマンドの設定方法については、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図182のS4113参照)と同一であり、具体的な設定内容が異なるだけであるため、その詳細な説明を省略する。また、本第2制御例にて実行される副図柄fzに対して実行される各種変動演出の内容についても、図205を参照して上述したためその詳細な説明を省略する。
まず、本第2制御例における表示制御装置114にて実行される制御処理内容について説明をする。図209は、変動パターンコマンド処理2(S6455)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理2(S6455)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものであって、上述した第1制御例のパチンコ機10の表示制御装置114にて実行される変動パターンコマンド処理(図191のS6405参照)に対して、今回の変動演出中に用いられる変更用主図柄szおよび、副図柄fzの種別を決定し、常駐用ビデオRAM235の各種記憶エリアに格納するための処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動パターンコマンド処理2(S6455)では、まず、樹陰した変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)を解析し(S6501)、今回の変動パターンコマンドが大当たり当選を示すための変動パターンコマンド(主制御装置110にて実行された特別図柄抽選において大当たり当選した場合に選択される変動パターンコマンド)であるかを判別する(S6551)。そして、大当たり変動であると判別した場合は(S6551:Yes)、次いで、今回の表示用変動パターンコマンドに昇格演出の演出態様を示す情報が含まれているかを判別し(S6552)、昇格演出の演出態様を示す情報が含まれていると判別した場合は(S6552:Yes)、昇格専用図柄列の変動用主図柄にコマンドに対応した変更用主図柄を決定して、第3図柄列エリアに格納し、S6554へと移行する。また、S6551の処理において、今回の変動が大当たり変動ではない場合した場合、或いは、S6552の処理において昇格演出を実行しないと判別した場合は、次に、S6554へと移行し、S6501の処理で解析した情報に基づいて、今回受信した変動パターンの中に、副図柄fzを用いた予告演出(図205参照)を実行するための情報が含まれているかを判別し、副図柄fzの予告演出が実行されると判別した場合は(図209のS6554:Yes)、今回の副図柄予告演出にて用いられる副図柄fzの表示態様を決定し、その決定した表示態様に対応する画像データをキャラクタROM234のキャラクタ記憶エリア234a2から読み出し、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納する(S6555)。
その後、受信した変動パターンコマンドに対応した変動表示データテーブルを決定して、表示で0用の表示変動パターンを設定し、上述した第1制御例の表示制御装置114にて実行される変動パターンコマンド処理(図191のS6405参照)と同一のS6502~S6505の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図210を参照して、背面画像変更コマンド処理2(S6469)の内容について説明をする。図210は、背面画像変更コマンド処理2の内容を示したフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理2(S6469)は、上述した背面画像変更コマンド処理(図195(a)のS6419参照)に対して、背面画像変更フラグ233wがオンに設定された場合に、変更後の背面画像(背景モード)に対応する第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の種別を決定し、第3図柄エリア235d、第3図柄列エリア235gに格納する処理を追加した点で相違している。それ以外の処理は同一であるため、同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
背面画像変更コマンド処理2(S6469)が実行されると、まず、背面画像変更フラグ233wをオンに設定し(S7001)、変更後の背面画像(背景モード)に対応する第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の種別を決定して、第3図柄エリア235d、第3図柄列エリア235gに決定した種別に対応する画像データを格納する(S7002)。その後、変更後の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ223xをオンに設定し(S7051)、本処理を終了する。
<第2制御例の変形例について>
次に、図211を参照して、上述した第2制御例の変形例について説明をする。上述した第2制御例では、第3図柄を構成する主図柄szを主図柄画層srに表示(描画)し、副図柄fzを副図柄画層frに表示(描画)するように構成しており、主図柄画層srの表示内容と、副図柄画層frの表示内容とを同期させて表示制御することで、主図柄szと、副図柄fzとが特定の順列のまま規則的に変動表示されるようにし、さらに、副図柄fzに対する表示制御内容のみを可変設定することにより、特別図柄抽選の結果を示すための主図柄szに対する変動表示内容を可変させること無く、様々な変動演出を実行可能に構成していた。
これに対して、本変形例では、上述した第1制御例と同様に1の画層に対して、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を表示(描画)するように構成し、さらに、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を表示(描画)する画層を複数(2つ)設けるように構成している点で相違している。そして、その2つの画層(第3図柄画像A、第3図柄画像B)に対して表示される第3図柄の表示制御内容を可変させることにより、特殊な変動演出を実行可能に構成している点で相違している。それ以外の内容については、上述した第2制御例と同一であり、同一の内容についてその詳細な説明を省略する。
図211(a)は、本第2制御例の変形例のパチンコ機10に形成される表示画層と、表示画面との関係を示した模式図であり、図211(b)は、トリプルリーチ演出中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図202(c)は、トリプルリーチ演出によりトリプルリーチ状態となった場合の表示画面の一例を示した図である。
図211(a)に示した通り、本第2制御例の変形例では、第3図柄が表示される画層として第3図柄画層Aと、第3図柄画層Bと、が重複形成されており、第3図柄画層Aが第3図柄画層Bよりも前面(遊技者目線で手前側)に配置されるように構成している。なお、図211(a)では、第3図柄画層Aと、第3図柄画層Bのみを標記しているが、実際には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種画像を表示する各画層(レイヤ)が重畳されている。
そして、第3図柄画層Aと、第3図柄画層Bとに対して、第3図柄の変動表示を同期させて実行することにより、見た目上は、上述した第1制御例の図125(b)を参照して示した第3図柄の変動表示と同一の変動表示を実行可能に構成している。
このように構成された本変形例では、上述した第2制御例と同様に、第3図柄画層Aに表示される第3図柄と、第3図柄画層Bに表示される第3図柄と、を独立して変動表示制御することができるため、例えば、図211(b)に示した通り、第3図柄画層Bに表示される第3図柄にて「9」のシングルリーチとなった状態で、第3図柄画層Aの第3図柄変動を継続させることが可能となる。この状態では、第3図柄画層Aの第3図柄変動の結果次第では、リーチ状態となる第3図柄が増加するため、副表示領域Dsにて「リーチ!昇格チャンス」の文字が表示される。
そして、図211(c)に示した通り、第3図柄画層Aに表示される第3図柄にて「1」と「9」のダブルリーチが成立すると、見た目上は、3つの第3図柄がリーチ状態となる「トリプルリーチ」となる。このように、複数の画層を用いて第3図柄を重複して変動表示させることにより、1つの画層で第3図柄を変動表示させる場合には、各第3図柄の図柄列の順序を可変させる表示制御を必要とする変動演出を容易に実行することができ、演出効果を高めることができる。
なお、このように、複数の第3図柄画層に対して第3図柄の変動表示を異ならせる場合には、例えば、優先して表示される側の画層(第3図柄画層A)にて表示される第3図柄を、特別図柄抽選の結果を示すための真の第3図柄とし、非優先側の画層(第3図柄画層B)にて表示される第3図柄を、装飾用の第3図柄とし、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される変動パターン(主制御装置110にて設定される変動パターン)に基づいて、第3図柄画層Aの第3図柄の変動パターンを決定し、音声ランプ制御装置113側にて、決定された第3図柄画層Aの第3図柄の変動パターンに基づいて(大当たり当選の有無や、リーチの種別に基づいて)、第3図柄画層Bにて表示される第3図柄の変動演出内容を決定するように構成すると良い。そして、特別図柄抽選で大当たり当選している場合のほうが、していない場合よりも、第3図柄画層Aと第3図柄画層Bとで異なる変動表示制御が実行されるように構成すると良い。
また、本変形例では、第3図柄画層Aの変動表示と第3図柄画層Bの変動表示とを完全に異ならせた変動演出について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、変動開始タイミングを0.2秒ずらして実行し、その後、第3図柄変動の高速変動中に、変動表示内容を同期させる変動演出を実行するように構成しても良い。このように、変動演出の一部期間のみ第3図柄画層Aの変動表示と第3図柄画層Bの変動表示とを異ならせることで、遊技者に若干の違和感を与えることができるため、遊技者に対して変動表示をより抽選させることができる。
以上、説明をした通り、上述した第2制御例、及び第2制御例の変形例では、特別図柄抽選の抽選結果を示すための識別情報を有する主図柄szを含む図柄で構成される図柄列Z1~Z3の各第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)に対して様々な表示制御を実行するように構成しているが、第3図柄表示装置81の表示面において表示領域が重複するように動的表示される図柄であれば、図柄列Z1~Z3が有する図柄(第3図柄)以外の図柄を設けても良い。
例えば、第3図柄変動の実行中において、図柄列Z1~Z3が有さない特殊図柄が図柄列Z1~Z3の表示領域と重複する表示領域にて動的表示されるように構成しても良い。また、上述した特殊図柄は、第3図柄変動が実行されている期間中に動的表示されるものであれば良く、第3図柄変動の実行中に特殊図柄の動的表示を開始させたり、第3図柄変動の実行中に特殊図柄を停止表示、或いは、非表示にさせたりするように構成しても良い。
このように構成した場合においても、主図柄szの変動表示態様(変動パターン)を、特別図柄抽選の結果に基づいて決定しておけば良く、特殊図柄に対しては、上述した副図柄fzと同様に演出用の変動パターンを設定することが可能となる。また、上述した特殊図柄は、副図柄fzとは異なり図柄列Z1~Z3が有する図柄では無いため、第3図柄変動の開始タイミングや停止タイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示面に表示されていなくても遊技者に違和感を与えることが無い。よって、副図柄fzよりも設定可能な変動パターンの種別を多様化させることができ、演出効果をより高めることができる。
また、この特殊図柄の動的表示態様を、上述した第3図柄の動的表示態様と異ならせるように構成すると良く、例えば、第3図柄の動的表示方向が左方向(図202(a)の視点で左方向)である場合には、特殊図柄の動的表示方向が第3図柄の動的表示方向とは異なる方向(例えば、図202(a)の視点で右方向)となるように構成すると良い。これにより、第3図柄変動表示が実行されている期間中において、第3図柄変動表示の表示領域と重複した表示領域において特殊図柄を動的表示させたとしても、遊技者に特殊図柄の動的表示が実行されたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した例では、特殊図柄の動的表示方向を、第3図柄の動的表示方向とは異なる方向として真逆の方向としているが、動的表示方向を異ならせていれば良く、例えば、左右方向では無く、上下方向(図202(a)の視点で上下に移動する方向)や、前後方向(図202(a)の視点で奥側から手前側へと、或いは、手前側から奥側へと移動する方向)、斜め方向(移動方向を示す移動線を90度未満の角度でズラした斜め側へ移動する方向)としても良い。さらに、上述した例では、第3図柄変動中に特殊図柄の変動表示が実行されたことを分かり易く報知するために、第3図柄の動的表示方向と、特殊図柄の動的表示方向と、を異ならせたパターンを説明したがこれに限ること無く、動的表示される第3図柄の大きさと、特殊図柄の大きさを異ならせることで、第3図柄変動中に特殊図柄の変動表示が実行されたことを分かり易く報知するように構成しても良い。さらに、第3図柄変動が実行されるよりも前に、特殊図柄の動的表示を実行させたり、第3図柄変動が停止表示(遊技者が識別困難な程度揺動している表示状態も含む)された後に特殊図柄の動的表示を実行させたりするように構成しても良い。
一方、上述した例とは逆の技術思想として、第3図柄変動中に特殊図柄の変動表示が実行されたことを分かり難く報知するために、各図柄(第3図柄、特殊図柄)の動的表示方向や大きさが同一となるように構成しても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種変動表示を注視してないと特殊図柄の動的表示が実行されたことを把握することができないため、特殊図柄の動的表示が実行されたことを知りたい遊技者に対して、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種変動表示に継続して興味を持たせることができる。
なお、上述した通り、特殊図柄は第3図柄とは異なり常時表示させなくても良いため、第3図柄のように停止表示された場合の表示態様に応じて特別図柄の抽選結果を示すものでは無く、例えば、特殊図柄の動的表示が開始されたことにより、特別図柄の抽選結果が大当たり当選している可能性が高いことを遊技者に報知するように構成しても良い。このように、動的表示される図柄の種別に応じて、特別図柄の抽選結果を示すための情報が提供されるタイミング(動的表示開始タイミング、停止表示タイミング)を異ならせることにより、動的表示される各種図柄に応じて遊技者が注視すべきタイミングを異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
また、このように動的表示が開始されることで、特別図柄抽選で大当たり当選している可能性が高いことを示す特殊図柄を用いる場合には、動的表示が実行されることを示唆する待機表示態様として特殊図柄の少なくとも一部を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるように構成すると良い。例えば、特殊図柄として、複数の魚が群れを為している表示態様の特殊図柄を用いる場合には、その特殊図柄の変動方向側の先頭付近に表示される魚のみを表示させるように構成すると良い。このように構成することで、特殊図柄の動的表示が開始されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。この場合、特殊図柄を示す表示態様の全部では無く、一部を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるように構成すると良い。これにより、待機表示態様として特殊図柄が表示された場合に、既に、特殊図柄が動的表示されていると誤認されてしまうことを抑制することができる。
また、上述した第2制御例では、第3図柄を形成する主図柄szと、副図柄fzとを異なる画層に表示するように構成し、各画層に対して実行される表示制御内容を異ならせることにより、主図柄szの変動表示態様と、副図柄fzの変動表示態様と、を異ならせるように構成しているが、これに加え、例えば、副図柄fzを表示可能な画層として第1副図柄画層と、第2副図柄画層と、を設け、第1副図柄画層に表示される副図柄fzと、第2副図柄画層に表示される副図柄fzとが重複して表示されるように構成しても良いし、何れか一方のみが表示されるように構成しても良い。また、複数の表示画層に表示される副図柄fzの停止表示位置を異ならせるように表示制御した上で、図202(b)に示したリーチライン予告演出を実行することで、主図柄szが停止表示される位置をより限定するように構成しても良い。
以上、説明をした第2制御例では、各図柄列Z1~Z3を構成する1の図柄(主図柄sz)と、他の図柄(副図柄fz)と、を表示させる表示画層を異ならせ、各表示画層単位で表示制御を実行可能に構成することで様々な変動演出を実行可能に構成しているが、第3図柄表示装置81の表示面にて変動表示される第3図柄の図柄列を形成する各図柄の種別(主図柄sz、副図柄fz)に対して異なる表示制御を実行可能な構成であれば、同一の表示画層に対して表示される構成であっても良い。この場合、各表示制御の結果として表示される表示対象が重複した場合に、何れの表示対象を表示させるかを予め規定する必要がある分、表示制御処理が複雑になるが、上述した第2制御例にて説明をした各演出と同様の効果を奏することができる。
また、同一の表示画層に対して複数の表示制御の結果を表示させる構成を用いる場合であっても、図柄列Z1~Z3を構成する複数の図柄種別(主図柄sz、副図柄fz)以外の図柄、即ち、特別図柄の変動表示に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて動的表示される第3図柄以外の図柄(例えば、特別図柄抽選の結果が特定の結果(大当たり当選)である可能性が高いことを示すために、特別図柄変動中の所定期間に動的表示される装飾図柄)も含む各種図柄を対象として上述した第2制御例にて説明をした各種表示制御処理を実行しても良い。
上述した第2制御例では、操作演出として背景モード移行演出が実行された場合に、主図柄szの表示態様を、切り替え後の背景モードに対応する表示態様へと切り替えるように構成しているが、背景モード移行演出が実行された場合に、主図柄szの表示態様だけで無く、副図柄fzの表示態様も切り替えるように構成しても良い。この場合、キャラクタ記憶エリア234a2に格納される副図柄fzの画像データとして、各背景モードに対応する画像データを格納しておき、背景モードが切り替わる際に、切り替え後の背景モードに対応する画像データを読み出して、第3図柄エリア235dに格納すれば良い。
加えて、操作演出として背景モード移行演出が実行される場合に、実行中の特別図柄抽選の結果を判別し、その判別結果に基づいて背景モード切り替え後に表示される副図柄fzの種別を決定しても良い。具体的には、実行中の特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも決定されやすい副図柄fzの種別として、「数字の16」を模した表示態様や、「V」を模した表示態様を設けると良い。このように構成することで、背景モード移行演出を実行し、背景モードを切り替えることにより、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、特別図柄抽選の結果を予測し易くすることができるため、遊技者に対して積極的に操作演出を実行させることができる。
さらに、設定される背景モードと、表示される副図柄fzの種別と、の組合せによって特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性を異ならせても良く、例えば、第1の演出モード(海モード)においては通常用いられる副図柄fzの種別(海モード用の表示態様)が、第2の演出モード(山モード)において用いられた場合には、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選している可能性が高いことを示すように構成しても良い。このように、背景モードと副図柄fzの種別とを組み合わせた演出を実行することにより、副図柄fzの種別を増加させること無く、多様な演出を実行することができる。
また、本制御例では、操作演出として背景モード移行演出が実行される場合に、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の表示態様を可変させる処理を実行するように構成しているが、それ以外に、第3図柄表示装置81の表示面に形成される有効ラインL1~L5(図122(a)参照)の数や位置を可変させても良い。
さらに、図202(a),(b)で示したリーチライン予告演出が実行され、副図柄fzが停止表示された状態(図202(b)参照)にて、背景モード移行演出が実行された場合には、リーチライン予告演出にて報知された主図柄szの停止表示位置を可変させるように構成しても良く、この場合、実行中の特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のほうが、大当たり当選以外である場合よりも主図柄szの停止表示位置が可変し易くなるように構成しても良いし、反対に、大当たり当選の場合よりも、大当たり当選以外であるほうが主図柄szの停止表示位置が可変し易くなるように構成しても良い。
<第3制御例>
次に、第3制御例について、図212から図222を参照して、第3制御例について説明をする。上述した第1制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に特定領域(Vゲート65v)を形成し、大当たり遊技中に遊技球が特定領域(Vゲート65v)を通過すると、その大当たり遊技終了後に確変状態を設定するように構成していた。
そして、図120に示した通り、幅広(開口幅50ミリ)の大入賞口65aに入賞した球を、第1流路65e1及び第5流路65e5を用いて1箇所に集め、第2流路65e2を流下させることで、Vゲート65vへと到達し得るように構成していた。しかしながら、上述した第1制御例の可変入賞装置65の構成では、可変入賞装置65の左側(第1流路65e1の上流側)から入賞した球、即ち、左打ち遊技によって発射された球が左側領域を流下した後に可変入賞装置65へと入賞した場合と、可変入賞装置65の右側(第5流路65e5の上流側)から入賞した球、即ち、右打ち遊技によって発射された球が右側領域を流下した後に可変入賞装置65へと入賞した場合と、で可変入賞装置65に入賞したタイミングから、Vゲート65へと到達し得るタイミングが異なるため、確変大当たり遊技が実行される場合には、左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても、可変入賞装置65へと入賞した球がVゲート65vへと到達可能とするために、球が第4流路65e4を流下可能な状態に切替弁65yを長期間位置させる必要があった。また、可変入賞装置65に入賞した球がVゲート65vを通過可能な期間を長く設定することに伴い、Vゲート65v(特定領域)の球通過を有効に判別する期間(V有効期間)の長さも長く設定する必要があるため、大当たり遊技中の不正行為、即ち、不正な遊技によって球をVゲート65V(特定領域)に通過させる行為を発見し難くなるという問題もあった。
これに対して、本第3制御例におけるパチンコ機10では、左打ち遊技によって発射された球が左側領域を流下した後に可変入賞装置65に入賞する場合と、右打ち遊技によって発射された球が右側領域を流下した後に可変入賞装置65に入賞する場合と、で可変入賞装置65に入賞した球が特定領域を通過するまでの期間がほぼ同一となるように構成している。このように構成することで、特定領域への球通過を有効に判別する期間(V有効期間)の長さを短くすることが可能となり、大当たり遊技中の不正行為、即ち、不正な遊技によって球をVゲート65V(特定領域)に通過させる行為を発見し易くすることができる。
上述した通り、本第3制御例では、可変入賞装置65内の構成を変更した点と、可変入賞装置65内に設けられた切替弁65yの切替制御の内容を変更した点とで、上述した第1制御例と相違しており、それ以外の内容については同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図212を参照して、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図212は、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図212に示した通り、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図119参照)に対して、電動役物640aの下方領域に植設される釘部材の配置を異ならせている点で相違している。具体的には、上述した第1制御例におおけるパチンコ機10の遊技盤13では、左側領域を流下した球、或いは、右側領域を流下した球が可変入賞装置65の特定入賞口65aの開口幅方向に対して満遍なく入賞し得るように釘が植設されているのに対して、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13では、左側領域を流下した球は可変入賞装置65の特定入賞口65aの左端側に、右側領域を流下した球は可変入賞装置65の特定入賞口65aの右端側に入賞し易くなるように、電動役物640aの下方にハの字状に複数の釘部材が植設されている。
つまり、本第3制御例では、左打ち遊技によって左側領域を流下した球も、右打ち遊技によって右側領域を流下した球も入賞し得るように広い開口幅の特定入賞口65aを有する可変入賞装置65を設けた上で、特定入賞口65aの開口幅方向の中央部付近での球の入賞を抑制するために、可変入賞装置65の中央部上方に入賞阻害部材として電動役物640aを設け、さらに、特定入賞口65aの開口幅方向の両端部付近での球の入賞を誘導するための誘導部材としてハの字状に植設された複数の釘部材を設けている。
このように構成することで、大当たり遊技中に右打ち遊技を行った場合も、左打ち遊技を行った場合も、可変入賞装置65の特定入賞口65aにおける開口幅方向の両端部付近への球入賞を促進させることができる。詳細な説明は、図213を参照して後述するが、本第3制御例の可変入賞装置65は、その内部構造が左右対称(特定入賞口65aの開口幅方向を左右方向と見て左右対称)となるように構成しており、特定入賞口65aへの球の入賞位置を左右対称位置にすることで、特定入賞口65aへと入賞した球が可変入賞装置65内の各領域(例えば、特定領域)を通過するまでの期間に誤差が生じ難くすることができる。
次に、図213を参照して、第3制御例のパチンコ機10における可変入賞装置65の内部構造について説明をする。図213(a)は、可変入賞装置65のうち、特定入賞口65a付近の構造を模式的に示した模式図であり、図213(b)は、特定入賞口65aに入賞した球の流下経路を模式的に示した模式図である。
本第3制御例の可変入賞装置65も、上述した第1制御例の可変入賞装置65の構成(図120参照)と同様に、大当たり遊技状態中に開状態となる開閉扉65bで受け入れた球が、案内部材65dによって、特定入賞口65aの両端部側に設けられた第1開口部65a1、或いは、第2開口部65a2へと誘導されるように構成している。そして、第1開口部65a1を流下した球は、球検知センサ65s1(図213(b)参照)を通過し、賞球として15個の球が払い出される払出制御が実行される。同様に、第2開口部65a2を流下した球は、球検知センサ65s2(図213(b)参照)を通過し、賞球として15個の球が払い出される払出制御が実行される。
図212を参照して上述した通り、本第3制御例では、特定入賞口65aの中央部付近から球が入賞し難くなるように構成されているため、開状態の開閉扉65bで受け入れた球を円滑に第1開口部65a1、或いは、第2開口部65a2へと誘導することができる。よって、第1開口部65a1、或いは、第2開口部65a2を流下する前の入賞球が増加してしまい、球詰まりが発生することを抑制することができると共に、特定入賞口65aへと入賞したにも関わらず賞球が払い出されない(球検知センサ65s1,65s2を球が通過しない)事態が発生することを抑制することができる。
図213(b)に示した通り、本第3制御例の可変入賞装置65は、上述した第1実施形態にて用いられた可変入賞装置65(図120(b)参照)に対して、特定入賞口65aに入賞した球(球検知センサ65s1、或いは球検知センサ65s2を通過した球)が、排出口65へと誘導される経路が左右対称に構成されている点で大きく相違している。
まず、球検知センサ65s1を通過した球は、第1流路65r1を切替弁65yに向けて流下し、図213(b)に示した通り、切替弁65yが閉状態(Vゲート65Vが配設された流路を塞ぐように突出している状態)である場合には、切替弁65yの上面を流下し、第1排出口65h1へと誘導される。なお、第1流路65r1を球が流下するのに要する時間(ta)が約2秒となるように構成されている。同様に、球検知センサ65s2を通過した球は、第2流路65r2を切替弁65yに向けて流下し、図213(b)に示した通り、切替弁65yが閉状態(Vゲート65Vが配設された流路を塞ぐように突出している状態)である場合には、切替弁65yの上面を流下し、第2排出口65h2へと誘導される。なお、第2流路65r2を球が流下するのに要する時間(tb)も、上述した時間taと同じく約2秒となるように構成されている。
つまり、本第3制御例では、左打ち遊技によって特定入賞口65aの左側端部付近に入賞し、第1開口部65a1を通過した球も、右打ち遊技によって特定入賞口65aの右側端部付近に入賞し、第2開口部65a2を通過した球も、同位置の流下時間を経て切替弁65yに到達するように構成している。
そして、切替弁65yが閉状態(Vゲート65Vが配設された流路を、球が通過となるように埋没している状態)になると、図214に示した通り、第1流路65r1を流下した球が、埋没状態の切替弁65y(図214では点線で表示)を通過して、第1Vゲート65v1を通過して、第3排出口65h3へ流入する。また、第2流路65r2を流下した球も、埋没状態の切替弁65yを通過して、第2Vゲート65V2を通過して、第4排出口65h4へ流入するように構成されている。
本第3制御例では、球が可変入賞装置65に入賞した個数(球検知センサ65s1,65s2が検知した球の累計数)が所定個数に到達した場合に、切替弁65yが閉状態(図213(b)参照)から開状態(図214参照)へと切り替わるように構成しており、所定個数目の球が球検知センサ65s1、或いは球検知センサ65s2を通過してから切替弁65yに到達するまでの時間(約2秒)よりも、球が可変入賞装置65に入賞した個数が所定個数に到達し、切替弁65yが開状態となるのに要する時間(約0.5秒)のほうが短くなるように構成している。よって、上述した所定個数目の球がそのままVゲート65Vを通過可能に構成している。よって、切替弁65yが開状態となった場合に確実に球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させることができる。
なお、本第3制御例における可変入賞装置65の構造は、上述した第1実施形態における振分装置300(図13参照)の構造と同一であるが、説明の便宜上、図213、及び図214に示した通り簡素化した図で示している。よって、本第3制御例における可変入賞装置65の詳細な構成については、上述した第1実施形態の内容が勿論適用させるものであり、その説明を省略する。
<第3制御例における電気的構成について>
次に、図215、及び図216を参照して、本第3制御例における電気的構成について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技中に実行される大当たり制御の内容を異ならせている点、及び、その相違点に基づく各種処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。具体的には、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容を一部変更した点で相違し、それ以外の構成については同一である。
ここで、図215を参照して、本第3制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図215は、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図215に示した通り、本第3制御例のRAM203は、上述した第1制御例のRAM203の構成(図139(b)参照)に対して、V期間タイマ203caを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
V期間タイマ203caは、特定領域(Vゲート65v)に球を通過させることが可能となるように、切替弁65yを開状態に位置させる期間を計測するためのものであって、特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることが可能な条件が成立した場合に所定時間(5秒)が設定される。そして、主制御装置110のメイン処理(図167参照)の大当たり制御処理3(図217のS1854参照)にて実行される大当たり中更新処理(図220のS1954参照)において、V期間タイマ203caの値が更新され、V期間が経過した(V期間タイマ203caの値が0となった)場合に、切替弁65yが閉状態へと切り替わるように構成している。
本第3制御例では、確変大当たり遊技中の特定ラウンド数目のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)において、特定入賞口65aへの球の入賞数(球検知センサ65s1,65s2の検知した球数)が所定個数(2個)であると判別された場合に、特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることが可能なV条件が成立し、切替弁65yを所定期間(5秒間)開状態へと切り替えるように構成している。
つまり、大当たり遊技が開始されてからの時間経過に基づいて切替弁65yを切替制御するのでは無く、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球の個数に基づいて切替弁65yを切替制御するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に正常に遊技を行っているにも関わらず、球を可変入賞装置65へと入賞させることができなかった期間中に切替弁65yの開状態期間が終了してしまい、球を特定領域(Vゲート65v)へと通過させることができない事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第3制御例では、切替弁65yを開状態へと切り替えるV条件を成立させた球、即ち、所定個数(2個)目に球検知センサ65s1、或いは65s2を通過した球が切替弁65yに到達するまでに要する期間(約2秒)よりも、V条件が成立してから切替弁65yが開状態へと切り替わるのに要する期間(約0.5秒)のほうが短くなるように構成しており、少なくともV条件を成立させた球が特定領域(Vゲート65v)を通過可能に構成している。このように構成することで、V条件が成立した場合に確実に特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることができる。
なお、本制御例では、V条件が成立し、切替弁65yを開状態へと切り替えた状態を所定期間(5秒間)継続するように構成している。即ち、切替弁65yの開状態を終了させるための終了条件として、所定期間が経過した場合に成立する期間経過終了条件のみとしているが、これに限ること無く、例えば、球が特定領域(Vゲート65v)を通過した場合に成立するV通過終了条件を設けても良いし、Vラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)の終了条件が成立した場合、或いは、Vラウンド遊技の終了条件が成立してから所定期間(例えば、Vラウンド中に可変入賞装置65へと入賞した球が何れかの排出口65hに到達するまでに要する4秒間)経過した場合に成立するラウンド終了条件を設けても良い。このように様々な終了条件を設定しておき、先に何れかの終了条件が成立した場合に切替弁65yの開状態を閉状態へと切り替えるように構成しても良い。これにより、切替弁65yが開状態となる期間を極力短くすることができるため、球が特定領域(Vゲート65v)を無用に通過することを抑制することができる。よって、Vゲート65vに設けられている球検知センサに球が衝突してしまい、球検知センサが物理的に破壊されてしまう可能性を低くすることができる。
次に、図216を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図216は、第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図216に示した通り、本第3制御例のRAM223は、上述した第1制御例のRAM223の構成(図144(b)参照)に対して、Vタイマ223caを追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
Vタイマ223caは、特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることが可能な期間(V入賞可能な期間)が設定されてからの経過時間を計測するためのタイマであって、V入賞可能な期間となった場合に主制御装置110にて設定されるV期間コマンドを音声ランプ制御装置113にて受信した場合に、所定期間(3秒)に対応する値が設定される。そして、特定領域(Vゲート65v)を球が通過するまでVタイマ223caの値は更新(減算)され続け、値が0となった場合(所定期間が経過した場合)に、V入賞させる案内を強調した強調案内報知が実行される。
つまり、V入賞可能な期間が最大で5秒間設定されるのに対して、V入賞可能な期間が設定されてから3秒が経過した時点で強調案内報知が実行されるように構成している。ここで、上述した通り、通常であれば、V条件を成立させた球がそのままV入賞するように構成されており、そのV条件を成立した球がV入賞するまでに要する時間が約2秒となるように構成している。即ち、Vタイマ223caの値が0に到達した場合は、V条件を成立させた球がV入賞しなかった場合が考えられる。よって、追加の球を用いてV入賞を狙う必要があるため、強調案内報知が実行されるように構成している。これにより、V入賞可能な期間が設定されたにも関わらず、遊技者の遊技内容によって、V入賞させることができなかったという事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、V条件が成立してからの経過時間に基づいて強調案内報知を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、V条件を成立させた球が特定領域(Vゲート65v)を有さない領域(例えば、排出口65h1を有する流路(図213(b)参照))を通過したことを検知した場合に強調案内待機報知を実行するように構成しても良い。また、本制御例では、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となった球が特定領域(Vゲート65v)を通過していないことを検知した場合に、上述した強調案内報知を実行するように構成しているが、これに替えて、可変入賞装置65内の流路において異常(例えば、球詰まり)が発生したことを外部に報知するための異常報知を実行するように構成しても良い。
また、本制御例では、所定個数目(2個目)の球の入賞を球検知センサ65s1,65s2が検知した場合に、即座に切替弁65yを開状態へと切り替える切替制御を実行するように構成しているが、この場合、所定個数目(2個目)よりも前に可変入賞装置65へと入賞した球(1個目の入賞球)が、開状態である切替弁65yに誘導され、特定領域(Vゲート65V)を通過してしまう場合がある。そこで、所定個数目(2個目)の入賞を検知した場合に、その2個目の入賞球が切替弁65yに到達するまでの時間(約2秒)を考慮した待機時間(約1.5秒)を設定し、その待機時間経過後に切替弁65yを開状態へと切替制御するように構成しても良い。これにより、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となった球のみを特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くすることができる。
さらに、本制御例では、1回の大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート65v)を通過することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定するように構成しており、1回の大当たり遊技中に複数の球が特定領域(Vゲート65V)を通過しても遊技者に付与される特典(特別図柄の高確率状態の提供)が変わらないように構成しているが、それ以外に、例えば、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート65V)を通過した球数に応じて、遊技者に付与される特典の内容を異ならせたパチンコ機10を用いた場合には、上述した待機時間を設定することにより、過剰に球が特定領域(Vゲート65V)を通過してしまうことを抑制することができる。
なお、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート65V)を通過した球数に応じて、遊技者に付与される特典の内容を異ならせたパチンコ機10を用いた場合には、例えば、当選した大当たりの種別に応じて、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となる入賞数(V入賞条件)を異ならせたり、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となる入賞数の球が可変入賞装置65に入賞してから切替弁65yを開状態へと切り替えるまでの待機時間を異ならせたり、切替弁65yを開状態から閉状態へと切り替える条件(V終了条件)を異ならせたりすると良い。
具体的には、遊技者に有利となる大当たり遊技として、1回の大当たり遊技中に複数の球が特定領域(Vゲート65V)を通過し易くするために、V入賞条件として少ない球数を設定すると良い。これにより、大当たり遊技が実行されてからV入賞条件が成立するまでの期間を短くすることができるため、V入賞条件が成立している状態で長時間の大当たり遊技を実行させることができ、複数の球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くすることができる。また、待機時間を短くしても良い。これにより、V入賞条件を成立させた球よりも前に可変入賞装置65へと入賞した球(第1流路65r1、第2流路65r2を流下中の球)も特定領域(Vゲート65V)を通過し得るようにすることができる。さらに、V終了条件を、特定領域(Vゲート65V)への球の通過数に関わらず経過時間に基づいて成立させるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利となる大当たり遊技が実行された場合に、数多くの球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、遊技者に不利となる大当たり遊技に対しては、上述した有利となる大当たり遊技に対して、1回の大当たり遊技中に複数の球が特定領域(Vゲート65V)を通過し難くするために、V入賞条件として多い球数を設定したり、待機時間を長く設定したり、V終了条件を、特定領域(Vゲート65V)へ球が1個通過した場合に成立する条件としたり、球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させるのが困難な程度の時間経過(例えば、0.1秒経過)で成立する条件としたりすると良い。
このように構成することで、実行される大当たり遊技の種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート65V)を通過する期待度を大きく異ならせることができる。さらに、可変入賞装置65内の球流路として、通常流路と、その通常流路よりも短期間の間に球を切替弁65yに向けて流下させることが可能な特別流路と、を設けると良い。具体的には、特別流路内には球の流下を滞らせる遅滞手段(例えば、クルーン)を備え、通常流路から排出される球よりも特別流路から排出される球のほうが数珠つなぎで排出され易くなるように構成すると良い。
この場合、切替弁65yが開状態となるタイミングと、特別流路から球が排出されるタイミングとが合致した場合には多くの球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くすることができる。さらに、この場合、遊技者に対して、可変入賞装置65内に入賞した球が通常流路を流下させ易くするか、特別流路を流下させ易くするかを選択可能に構成すると良く、例えば、左打ち遊技を実行した場合には、可変入賞装置65に入賞した球が特別流路よりも通常流路を流下し易く、右打ち遊技を実行した場合には、通常流路よりも特別流路を流下し易くなるように構成すると良い。また、この場合、大当たり遊技中に第3図柄表示装置の表示面を用いて、左打ち遊技が、特定領域(Vゲート65V)へと1個の球を通過させ易い安定遊技である旨と、右打ち遊技が、特定領域(Vゲート65V)へと球を通過させ難いが、タイミングが合えば大量の球を特定領域(Vゲート65V)へと通過可能なチャレンジ遊技である旨を案内する遊技案内表示を実行すると良い。また、過去の大当たり遊技において、左打ち遊技を実行したか、右打ち遊技を実行したかを記憶、具体的には、大当たり遊技中に球検知センサ65s1,65s2の何れの球検知数が多いかを判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中の遊技方法を判定して結果を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている遊技方法と、大当たり遊技中の遊技結果(特定領域(Vゲート65V)への球の通過数)を過去履歴として表示する履歴表示を実行すると良い。
これにより、大当たり遊技中に実行する遊技方法を遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。なお、上述した制御例では、特定領域(Vゲート65V)を通過した場合に付与される特典を、特別図柄の高確率状態としているが、これに限ること無く、例えば、遊技者に有利となる抽選結果となり易い抽選の権利を付与したり、大当たり遊技とは異なる第2大当たり遊技を付与したりしても良い。この場合、上述した特典が付与される権利を所定数を上限として記憶可能な付与権利記憶手段を設けると良い。これにより、短期間で複数の付与権利を獲得した場合であっても、確実に所定数を条件に特典を付与することができる。また、本制御例では、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に入賞した球について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選で大当たり以外の抽選結果である場合の一部において、可変入賞装置65を短期間開放させる小当たり当選を設定しておき、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に可変入賞装置65内に入賞した球を対象に上述した構成を用いても良い。加えて、普通図柄の抽選で当たり当選した場合に実行される当たり遊技において、球が入賞可能となる可変入球手段(例えば、電動役物640a)に対して上述した構成を用いても良い。
また、本制御例では、開状態である切替弁65yを通過した球の全てが特定領域(Vゲート65V)を通過可能に構成しているが、これに限ること無く、開状態である切替弁65yを通過した球の一部が特定領域(Vゲート65V)を通過可能となるように、振分部材を設けても良い。また、本制御例では、球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い第1状態と、通過させ難い第2状態とに可変可能な可変手段として、複数の流路のうち、球が流下する流路を切り替える切替弁65yを用いているが、可変手段の構成はこれに限られること無く、例えば、球を所定期間の間、滞留させる滞留位置と、滞留させない開放位置とに可変可能な構成とし、所定期間の間球を滞留させることにより特定領域(Vゲート65V)への球の通過を有効に判別する期間内に球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くする可変手段を設けても良い。また、可変入賞装置65内に複数の可変手段を設けても良い。
<第3制御例における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図217から図220を参照して、本第3制御例における主制御装置の制御処理内容について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり制御処理(図168のS1804参照)に替えて大当たり制御処理3(図217のS1854参照)を、入賞処理(図171のS1911参照)に替えて入賞処理3(図218のS1953参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図217を参照して、大当たり制御処理3(S1854)の内容について説明をする。図217は、大当たり制御処理3(S1854)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理3(S1854)では、上述した大当たり制御処理(図168のS1804参照)に対して、大当たり開始時に実行される制御内容と、大当たり遊技中に球が可変入賞装置65に入賞した場合に実行される制御内容と、を変更し、さらに、大当たり遊技中にV期間タイマ203caの値を更新する制御内容を追加した点で相違している。それ以外の内容は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり制御処理3(S1854)が実行されると、まず、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されているかを判別し(S1901)、オンに設定されていると判別した場合は(S1901:Yes)、次いで、オープニングコマンドを設定し(S1902)、大当たり開始フラグ203jをオフに設定し、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S1903)、本処理を終了する。一方、S1901の処理において、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されていないと判別した場合は(S1901:No)、次に、現在が大当たり遊技中であるか(大当たり中フラグ203kがオンに設定されているか)を判別し(S1904)、大当たり遊技中では無いと判別した場合は(S1904:No)、そのまま本処理を終了する。
S1904の処理において、大当たり遊技中である(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S1904:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別し(S1905)、開始タイミングであるかと判別した場合は(S1905:Yes)、特定入賞口65aの開放を設定し(S1951)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1952)、本処理を終了する。
一方、S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1905:No)、上述した第1制御例の大当たり制御処理(図168のS1804参照)と同一のS1907~S1910の処理を実行し、本処理を終了する。また、S1909の処理において、大当たりの終了タイミングでは無いと判別した場合は(S1909:No)、入賞処理3を実行し(S1953)、その後、異常処理を実行し(S1912)、次いで大当たり中更新処理を実行し(S1954)、本処理を終了する。
次に、大当たり制御処理3(図217のS1854参照)にて実行される入賞処理3(S1953)の内容について、図218を参照して説明をする。図218は、入賞処理3(S1953)の内容を示したフローチャートである。この入賞処理3(S1953)は、上述した第1制御例の入賞処理(図171のS1911)に対して、切替弁65yが開状態となり得るVラウンド(1ラウンド)中の制御処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な内容の説明を省略する。
入賞処理3(S1953)が実行されると、まず、上述した第1制御例の入賞処理(図171のS1911)と同一のS2201~S2204の処理を実行し、S2204の処理を終えた場合、或いは、S2202の処理にて球が特定入賞口65aに入賞していないと判別した場合(S2202:No)に、Vラウンド処理を実行する(S2251)。このVラウンド処理(S2251)の詳細については図219を参照して後述するが、1ラウンド目のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行される場合において、切替弁65yの開閉制御を行うための処理が実行されるものである。
Vラウンド処理(S2251)を終えると、次に、上述した入賞処理(図171のS1911参照)と同一のS2205~S2208の処理、S2211~S2221の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、入賞処理3(図218のS1953参照)において実行されるVラウンド処理(S2251)の内容について、図219を参照して説明をする。図219は、Vラウンド処理(S2251)の内容を示したフローチャートである。
Vラウンド処理(S2251)が実行されると、まず、現在が1ラウンド中(Vラウンド中)であるかを判別し(S2401)、1ラウンド中では無いと判別した場合は(S2401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が1ラウンド中であると判別した場合は(S2401:Yes)、次に、入賞個数カウンタ203oの値が「2」であるか、即ち、1ラウンド目のラウンド遊技中における可変入賞装置65への球の入賞数が「2」であるかを判別し(S2402)、「2」であると判別した場合は(S2402:Yes)、Vソレノイド209aをオンに設定し(S2403)、V入賞可能な期間(特定領域(Vゲート65V)へと球を誘導することが可能な期間)を示すV期間コマンドを設定し(S2404)、V期間タイマ203caに5秒に対応する値を設定し(S2405)、本処理を終了する。一方、S2402の処理において、入賞個数カウンタ203oの値が「2」では無いと判別した場合は(S2402:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技中に実行される特定ラウンド遊技において、可変入賞装置65へと入賞した球の個数が所定条件を満たした場合に(入賞数が2個となった場合に)、球が特定領域(Vゲート65v)を通過し易くなるように切替弁65yを開状態へと切り替える制御処理を実行するように構成している。これにより、大当たり遊技中において、可変入賞装置65に球を入賞させていない状態で切替弁65yが開状態へと切り替わることを抑制することができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中の特定ラウンド(1ラウンド)目のみ切替弁65yを開状態へと切り替え可能なVラウンドとなるように構成しているが、これに限ること無く、複数のラウンドを、切替弁65yを開状態へと切替可能なVラウンドとして設定可能に構成しても良い。この場合、Vラウンド処理(S2251)において、新たに実行されるラウンド遊技のラウンド数を判別し、判別されたラウンド数のラウンド遊技がVラウンドであるかを判定する。
そして、Vラウンドと判定された場合に、当該Vラウンド中における入賞個数カウンタ203oの値に基づいて切替弁65yの状態を切替制御するように構成すれば良い。また、この場合、複数設定されるVラウンド毎にVソレノイド209aをオンに設定する条件(切替弁65yを開状態に切り替える条件)を異ならせても良い。
また、Vラウンド遊技が実行されている場合において、Vソレノイド209aをオンに設定する条件が成立するまでの遊技内容を第3図柄表示装置81の表示面に報知させる報知手段を設けても良く、例えば、Vラウンドが開始された場合に、今回のラウンド遊技がVラウンドであることを示すVラウンド報知と、Vソレノイド209aがオンに設定される条件を成立させるまでに必要な入賞数を示す必要入賞数報知と、を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して、特定領域に球を通過させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図220を参照して、大当たり中更新処理(S1954)の内容について説明をする。図220は、大当たり中更新処理(S1954)の内容を模式的に示したフローチャートである。この大当たり中更新処理(S1954)では、大当たり遊技中に設定されたV期間タイマ203caの値を更新するための処理が実行される。
大当たり中更新処理(S1954)が実行されると、まず、V期間タイマ203caの値が0よりも大きいか、即ち、Vソレノイド209aがオンに設定されている状態であるかを判別する(S1961)。そして、V期間タイマ203caの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S1961:No)、そのまま本処理を終了する。S1961の処理において、V期間タイマ203caの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1961:Yes)、次に、V期間タイマの値を更新し(S1962)、更新後のV期間タイマ203caの値が0であるかを判別し(S1963)、0では無いと判別した場合は(S1963:No)、ソレノイド209aをオフにするタイミングでは無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1963の処理において、V期間タイマ203caの値が0であると判別した場合は(S1963:Yes)、Vソレノイド209aをオフに設定し(S1964)、V期間終了を示すコマンドを設定し(S1965)、本処理を終了する。
<第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理内容について>
次に、図221、及び図222を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理内容について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり関連処理(図180のS4218参照)に替えて大当たり関連処理3(図221のS4258参照)を、演出更新処理(図174のS4111参照)に替えて演出更新処理3(図222のS4151参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図221を参照して、大当たり関連処理3(S4258)の内容について説明をする。この大当たり関連処理3(S4258)は、上述した第1制御例の大当たり関連処理(S4218)に対して、主制御装置110からV期間コマンドを受信した場合に実行される制御処理内容を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
大当たり関連処理3(S4258)が実行されると、まず、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)と同一のS4701~S1713の処理を実行する。そして、S4709の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4709:No)、次に、V期間コマンドを受信したかを判別し(S4751)、V期間コマンドを受信したと判別した場合は(S4752:Yes)、Vタイマ223caに3秒に対応する値を設定し、本処理を終了する。
また、S4751の処理においてV期間コマンドを受信していないと判別した場合は(S4751:No)、その後、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)と同一のS4714~S1715の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図222を参照して、演出更新処理3の内容について説明をする。図222は、演出更新処理3の内容を示したフローチャートである。この、演出更新処理3では、大当たり遊技中に設定されたVタイマ223caの値を更新する処理と、Vタイマ223caの値が0となった場合における演出態様を設定するための処理と、を実行可能に構成している。
図222に示した通り、演出更新処理3が実行されると、まず、Vタイマ223caの値が0よりも大きいかを判別し(S5401)、0よりも大きい値であると判別した場合は(S5401:Yes)、次いで、V期間タイマ203caの値を更新し(S5402)、更新後のV期間タイマ203caの値が0であるかを判別する(S5403)。
S5403の処理にてV期間タイマ203caの値が0であると判別した場合は(S5403:Yes)、次に、V演出実行フラグ223kがオンに設定されているかを判別し(S5404)、即ち、現在実行されている大当たり遊技中にV報知演出を実行している場合は、V入賞の案内を強調得する表示用コマンドを設定し(S5405)、その他各種カウンタ及び各種タイマの更新回数を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第3制御例では、右打ち遊技を行っても左打ち遊技を行っても入賞可能な箇所に可変入賞装置65を配置し、さらに、何れの遊技方法で球を発射させた場合であっても、球が入賞してから切替弁65yへと到達するまでの期間に大きな差が生じ無いように構成している。よって、大当たり遊技中において、球が特定領域(Vゲート65v)を通過したことを有効に検知する期間(V有効期間)を無用に長く設定することなく、円滑に大当たり遊技を実行させることができる。また、V有効期間を短くすることにより、不正遊技によって球を特定領域へと通過させる行為を監視し易くすることができる。
また、可変入賞装置65への入賞数に基づいて切替弁65yの切替制御を実行するように構成しているため、大当たり遊技中に発生した球詰まり等により、球を可変入賞装置65へと入賞させることが出来ない状態で切替弁65yが開状態になることを抑制することができる。なお、本制御例では、ラウンド遊技単位で球の入賞数を計測し、計測結果が所定の計測結果となった場合に、そのラウンド遊技期間内における所定期間の間、切替弁65yが開状態となるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が開始されてからの入賞数の累計値や、大当たり遊技中に所定の計測条件が成立してからの入賞数の累計値、或いは、複数の大当たり遊技における入賞数の累計値が所定の計測結果となった場合に、切替弁65yを開状態へと切り替える制御を実行するように構成しても良い。
また、切替弁65yが開状態となる期間の長さの最長期間を、ラウンド遊技が終了するまでの期間に限定すること無く、例えば、次に実行されるラウンド遊技に跨がって、切替弁65yが開状態を継続するように構成しても良い。
また、本第3制御例では、図213(b)に示した通り、一つの切替弁65yが、第1Vゲート65v1、第2Vゲート65V2の何れも塞ぐように構成しているが、これに限ること無く、各Vゲートを塞ぐように、2つの切替弁65yを設け、例えば、球検知センサ65s1が所定個数目の入賞を検知した場合には、第1Vゲート65V1を覆う側の切替弁のみを開状態とし、球検知センサ65s2が所定個数目の入賞を検知した場合には、第2Vゲート65V2を覆う側の切替弁のみを開状態とするように構成しても良い。これにより、開状態となる切替弁の範囲を縮小することができるため、無用にVゲート65Vを球が通過することを抑制することができる。
<第4制御例>
次に、図223から図231を参照して、第4制御例について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)或いは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成していた。そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、特別図柄抽選が50回実行されるまで確変状態が継続し、その後、50回の特別図柄抽選が実行されるまで、即ち、大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数が100回に到達するまで、時短状態が設定されるように構成していた。一方、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、特別図柄が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成していた。
つまり、上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に何れの有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合であっても、特別図柄抽選で大当たりに当選しない限り、特別図柄抽選が100回実行されるまでは有利遊技状態が継続するように構成していた。そして、大当たり遊技終了後に有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合には、有利遊技状態が終了するまでの期間、即ち、遊技者に不利となる通常状態が設定されるまでの期間を遊技者に報知するように構成していた(図128(a)参照)。
このように構成することで、通常状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態を複数有するパチンコ機10において、現在設定されている有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が終了するまでの期間では無く、遊技者に不利となる不利遊技状態(通常状態)が設定されるまでの期間を遊技者に把握させることができる。よって、現在設定されている有利遊技状態(例えば、確変状態)が終了するまでの期間、即ち、確変状態が終了して時短状態が終了するまでの期間を遊技者に報知する場合に比べて、遊技者に有利となる有利遊技状態が継続する期間を予め把握させることができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
さらに、上述した第1制御例では、複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、より有利となる確変状態が継続する期間が、特別図柄抽選が50回実行される期間となるように予め規定しており、大当たり遊技が終了してから50回の特別図柄抽選が実行されるまでの期間において、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に示唆可能な示唆演出を実行可能に構成していた(図128(b)参照)。これにより、有利遊技状態が設定されている状態で、次に不利遊技状態が設定されるまでの期間を報知するパチンコ機10において、現在設定されている遊技状態が、複数の有利遊技状態のうち何れかであるのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができるものであった。
これに対して、本第4制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されると、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための抽選(所謂、転落抽選)を実行可能に構成し、転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変状態から時短状態へと移行させるように構成している。つまり、上述した第1制御例では、確変状態が設定されると、特別図柄抽選が50回実行されるまでは確変状態が継続するように構成していたが、本第4制御例では、特別図柄抽選が50回実行されるまでに転落抽選に当選してしまうと、その時点で確変状態が終了してしまうように構成している。
このように構成することで、有利遊技状態が設定されている期間において実行される示唆演出によって確変状態が設定されていると把握した場合であっても、いつまで確変状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができるため、実行される示唆演出の内容をより注視させることができる。
また、本第4制御例では、有利遊技状態が設定されている期間に実行される示唆演出として、現在設定されている遊技状態の示唆だけでは無く、転落抽選に当選したことで確変状態が終了したタイミングも示唆可能に構成している。
<第4制御例の電気的構成について>
次に、図223から図226を参照して、本第4制御例の電気的構成について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例に対して、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる抽選(転落抽選)を実行可能に構成している点で大きく相違しており、転落抽選を実行するための構成を追加した点で相違している。
まず、図223を参照して、本第4制御例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図223は、第4制御例のパチンコ機10のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図223に示した通り、本第4制御例のROM202は、上述した第1制御例のROM202(図139(a)参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202dの内容の一部を変更した点と、新たに転落抽選テーブル202daを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、大当たり種別選択テーブル202dの内容について、第1制御例との相違点を主に説明をする。本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、第2特別図柄(特図2)の抽選で大当たり当選した場合に選択される大当たり種別の内容を異ならせており、詳細な内容については、図224(a)を参照して後述するが、大当たり当選時の遊技状態、及び、選択される大当たり種別に応じて時短カウンタ203hに設定される値、即ち、普通図柄の高確率状態が設定される期間を異ならせるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が継続する期間の長さを異ならせることができる。よって、大当たり遊技の終了後に有利遊技状態が設定された場合に、有利遊技状態が継続する期間の長さを遊技者に把握され難くすることができる。そのため、有利遊技状態が継続する期間(不利遊技状態が設定されるまでの残期間)を遊技者に報知するための報知演出に対して興味を持たせることができる。
ここで、図224(a)を参照して、本制御例において第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて大当たり当選した場合に大当たり種別を選択するための参照される特図2大当たり用2テーブル202ddの内容について説明をする。図224(a)は、特図2大当たり用2テーブル202dd2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図224(a)に示した通り、特図2大当たり用2テーブル202dd2には、取得した第1当たり種別カウンタc2の値と、当選時の遊技状態と、に応じて、大当たり遊技終了後に設定される時短カウンタ203hの値を異ならせた大当たり種別が規定されている。つまり、大当たり当選時に選択された大当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が継続する期間の長さを異ならせている。
具体的には、大当たり種別として、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、当選時の遊技状態が通常状態、或いは時短状態である場合には「50」が、確変状態である場合には「100」が時短カウンタ203hの値として設定され、確変カウンタ203iの値として「50」を設定可能な「大当たりC」が、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「30~69」の範囲には、当選時の遊技状態が通常状態、或いは時短状態である場合には「100」が、確変状態である場合には「90」が時短カウンタ203hの値として設定され、確変カウンタ203iの値として「50」を設定可能な「大当たりD」が、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲には、当選時の遊技状態が通常状態、或いは時短状態である場合には「100」が、確変状態である場合には「100」が時短カウンタ203hの値として設定され、確変カウンタ203iの値として「50」を設定可能な「大当たりD」が規定されている。
なお、各大当たり種別に対応して実行されるラウンド遊技の内容、及び、特図2大当たり用2テーブル202dd2に規定されている確変カウンタ203iに設定される値の説明、エンディング期間(S)については、上述した特図2大当たりテーブル202d2と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、大当たり当選時に選択された大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態とに応じて、時短状態が継続する期間を異ならせており、例えば、大当たり種別として大当たりDが選択された場合には、大当たり当選時が時短状態であれば「100」が、確変状態であれば「90」が時短カウンタ203hに設定されることになる。よって、大当たりDが選択された場合に実行される大当たり遊技終了後に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小表示領域Ds2に表示される残期間報知態様の表示態様に応じて、前回大当たり当選した時点の遊技状態が確変状態であったのか、時短状態であったのかを遊技者に把握させることができる。
このように構成することで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも遊技者に有利となる有利遊技状態を複数種類有するパチンコ機10であって、現在設定されている遊技状態を具体的に報知すること無く、有利遊技状態が設定されていることのみを報知可能な報知演出が実行されるパチンコ機10において、有利遊技状態中に大当たり当選した場合に、どの遊技状態が設定されている状態で大当たり当選したのかを、事後的に遊技者が把握することが可能となる。よって、過去の遊技結果を基に、今後の遊技を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、図224(a)に示した通り、大当たり当選時に設定されている遊技状態に応じて時短カウンタ203hに設定される値を異ならせることにより、大当たり遊技終了後に表示される残期間報知態様(有利遊技状態が終了するまでの残期間を報知する態様)の表示内容によって大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に予測させるように構成していたが、これに限ること無く、例えば、時短カウンタ203hに対して異なる値が設定された場合であっても、大当たり遊技終了後に表示される残期間報知態様の表示態様を共通化し(例えば「70」の表示)、有利遊技状態中における特別図柄抽選の実行回数が所定回数(例えば、10回)に到達した場合に、残期間報知態様の表示態様を、実際の時短カウンタ203hの値に対応させて可変表示するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技が終了してから所定期間が経過した後に、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に把握させることが可能となる。よって、有利遊技状態中において遊技者に対して、大当たり当選を目指す遊技と、過去に設定されていた遊技状態を把握する遊技と、を重複して実行させることができるため、遊技者に対して有利遊技状態中の遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本制御例では、大当たり当選時に設定されている遊技状態に応じて時短カウンタ203hに設定される値を異ならせることにより、大当たり遊技終了後に表示される残期間報知態様(有利遊技状態が終了するまでの残期間を報知する態様)の表示内容によって大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に予測させるように構成していたが、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を、遊技者に事後的に把握させることが可能なタイミングであれば、他のタイミングで示唆可能に構成しても良く、例えば、大当たり遊技中において実行される大当たり遊技演出によって、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を直接報知する演出を実行してもよいし、大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態の継続期間を示唆する演出を実行してもよい。
図223に戻り、説明を続ける。転落抽選テーブル202daは、後述する転落抽選カウンタCd1の判定値が記憶されているデータテーブルである。第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球した際(始動入賞の際)に取得された転落抽選カウンタCd1の値が、転落抽選テーブル202daに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の低確率状態へと移行するように(転落するように)設定される。
ここで、図224(b)を参照して、転落抽選テーブル202daの内容について説明をする。図224(b)は、転落抽選テーブル202daの内容を模式的に示した模式図である。図224(b)に示したとおり、転落抽選テーブル202daには、特別図柄の確変状態において転落と判定される判定値として、「0,1」の2つの判定値が規定されている。ここで、転落抽選カウンタCd1は、「0~999」の範囲で値が更新されるループカウンタである。転落抽選カウンタCd1の取り得る1000個の値のうち、転落と判定される判定値が2個存在するので、特別図柄の確変状態において、転落する(特別図柄の低確率状態へと移行する)確率は、1/500となる。
なお、本制御例における転落抽選テーブル202daには、特別図柄の確変状態において転落か否かを判定するための判定値(特別図柄の確変状態用の判定値)のみが規定されており、特別図柄の低確率状態用の判定値は規定されていない。既に特別図柄の低確率状態となっている場合において、特別図柄の低確率状態へと移行させるか否かを判定するのは処理の無駄だからである。
本制御例では、この転落抽選テーブル202daと、定期的に更新される転落抽選カウンタCd1とが比較されて、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行させる(転落させる)か否かが判定される。即ち、有利遊技状態のうち、最も遊技者に有利な有利状態である確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)から、有利遊技状態の1つではあるが、確変状態よりは遊技者に不利となる時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行するタイミングをランダムにすることができる。よって、遊技者に対して、確変状態がなるべく長く継続するように期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技終了後に、特別図柄の高確率状態の最大継続期間(50回)が確変カウンタ203iの値によって規定されており、その最大継続期間(50回)よりも、長い期間、普通図柄の高確率状態が継続するように構成している。つまり、転落抽選の抽選結果に基づいて、どのタイミングで特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行(転落)したとしても、普通図柄の高確率状態が設定されている状態となるように構成している。よって、遊技状態としては、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)から、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行することになるため、転落抽選に当選したタイミングを、普図当たり遊技の実行頻度によって遊技者に把握されることが無い。
このように構成されたパチンコ機10では、有利遊技状態中(普通図柄の高確率状態中)において、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が把握困難となるため、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を事後的に示唆する示唆演出の演出内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。
本制御例では、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)するか否かが抽選(判定)されていたが、他の状態へと移行することを抽選(判定)してもよい。例えば、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するか否かを、変動毎に実行される抽選により判別してもよい。これにより、有利遊技状態がいつまで続くのかをランダムとすることができるので、変動毎に有利遊技状態が継続することを願って遊技を行わせることができる。また、例えば、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行するか否かを抽選可能に構成してもよい。
さらに、本制御例では、上述した転落抽選を特別図柄抽選が行われる毎に実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選が実行される特別図柄の種別に応じて、転落抽選の実行のし易さを異ならせても良く、例えば、普通図柄の高確率状態中に主として実行される第2特別図柄抽選が行われる場合のほうが、第1特別図柄抽選が行われる場合よりも転落抽選が実行され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が行われることに基づいて実行された転落抽選によって特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行してしまい、遊技者に有利な遊技を行わせ難くなることを抑制することができる。
また、転落抽選の実行タイミングにて、転落抽選の実行回数を決定する回数決定手段を設け、転落抽選の実行契機が成立した場合に実行される転落抽選の回数を異ならせるように構成しても良い。この場合、回数決定手段により決定される回数の範囲を「0~5」とし、その平均値が1回となるように設計すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選が実行される回数と、転落抽選が実行される回数とを乖離させることができるため、どのタイミングで特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するのかをより分かり難くすることができる。なお、この場合、回数決定手段により決定された回数(転落抽選の実行回数)を、示唆可能な示唆手段を設け、遊技者に対して、転落し易い期間(回数決定手段により複数回が決定された期間)と、転落し難い期間(回数決定手段により0回が決定された期間)と、を示唆可能に構成すると良い。これにより、示唆手段による示唆内容に基づいて、転落の有無を予測しながら遊技を行うことができる。
さらに、本制御例では、特別図柄抽選の実行を転落抽選の実行契機としているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄抽選が実行される場合に転落抽選を実行するように構成しても良いし、遊技盤13に設けられた特定の入賞口(例えば、一般入球口63)に球が入球した場合に転落抽選を実行するように構成しても良い。
次に、図225を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の内容について説明をする。本第4制御例は、上述した通り、転落抽選の機能を有している点で上述した第1制御例と相違している。そして、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出内容についても、転落抽選の結果に基づいた演出を実行可能に構成している点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図225(a)は、第4制御例におけるパチンコ機10のROM222の内容を模式的に示した模式図であって、図225(b)は、第4制御例におけるパチンコ機10のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。
まず、図225(a)を参照して、ROM222の構成について説明をする。図2254(a)に示した通り、本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、ボタン操作時演出選択テーブル222f(図148参照)に替えてボタン操作時演出選択2テーブル222dfを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図226(a)を参照して、ボタン操作時演出選択2テーブル222dfの内容について説明をする。図226(a)は、ボタン操作時演出選択2テーブル222dfに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図226(a)に示した通り、本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合に参照されるデータテーブルを、確変状態選択テーブル223f2(図149参照)から確変状態選択2テーブル222df2に変更している点で相違し、それ以外は同一である。
ここで、図226(b)を参照して、確変状態選択2テーブル222df2に規定されている内容について説明をする。図226(b)は、確変状態選択2テーブル222df2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変状態選択2テーブル222df2は、上述した確変状態選択テーブル223f2(図149参照)と同様に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合において、操作演出として実行される演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、確変状態選択テーブル223f2(図149参照)に対して、操作演出の演出態様を選択する要因に転落抽選の抽選結果を追加した点、及び、転落抽選の抽選結果に基づく情報を示唆可能な演出態様を選択可能にした点、各演出態様の選択割合を一部変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
確変状態選択2テーブル222df2には、上述した確変状態選択テーブル223f2(図149参照)と同様に、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作したタイミング、操作方法と、取得した演出カウンタ223fの値に加え、転落抽選の抽選結果に基づいて設定される短転落フラグ223daの設定状況に対応させて、操作演出として実行される演出態様が規定されている。この短転落フラグ223daの詳細については後述するが、転落抽選に当選したことにより、確変状態の継続期間が所定期間(例えば、特別図柄抽選回数が20回以内)であったことを示すためのフラグであり、確変状態が短期間で終了した場合にオンに設定されるものである。
確変状態選択2テーブル222df2のうち、短転落フラグ223daがオフに設定されている場合に参照されるエリアには、上述した確変状態選択テーブル223f2(図149参照)と同一の内容が規定されているため、詳細な説明を省略する。ここでは、短転落フラグ223daがオンに設定されている場合に参照されるエリアの規定内容について具体的に説明をする。
短転落フラグ223daがオンに設定されている場合は、操作タイミングが高速変動期間である第1期間(特図変動回数が1回~20回の期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~149」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「150~189」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「140~189」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」、「190~198」の範囲は、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。
また、操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~189」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「190~198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。
そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0~189」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「190~198」の範囲には、前回の大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたが、早期に転落抽選に当選してしまい時短状態へと移行したことを報知するための演出を示す「早期転落報知」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
なお、本第4制御例における各種操作演出に対しても、上述した第1制御例同様に、今回実行される特別図柄変動に対する抽選結果だけでは無く、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に基づいた操作演出を実行しても良く、例えば、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報を用いて、転落抽選に当選するタイミングを事前に判別し、その判別結果に基づいた操作演出を実行可能に構成しても良い。具体的には、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報を特別図柄抽選の実行順に読み出し、各入賞情報に含まれている転落抽選カウンタcd1の値を示す情報が、転落抽選に当選する値を示しているかを判別する。なお、この場合、音声ランプ制御装置113のROM222に転落抽選に当選する転落抽選カウンタcd1の値に対応する情報を予め記憶させておき、その記憶されている情報と、入賞情報に含まれている転落抽選カウンタcd1の値を示す情報と、に基づいて判別を実行するように構成すれば良い。
そして、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報のうち、特別図柄抽選の実行順が確定している入賞情報、即ち、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行される本制御例においては、第2特別図柄抽選に対する入賞情報に、転落抽選に当選することになる入賞情報が存在しない場合は、現在実行中の特別図柄変動の残変動時間と、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄抽選の入賞情報のそれぞれに対応する特別図柄変動の変動時間と、を算出する処理を実行し、転落抽選に当選し得ない期間、即ち、確変状態が継続する期間(最有利期間)を決定する。そして決定された最有利期間を遊技者に報知する最有利期間示唆の演出態様を操作演出として実行すれば良い。
このように構成することで、転落抽選に当選し得ない期間を遊技者に示唆(報知)することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、この最有利期間示唆の表示態様としては、最有利期間として結果された各変動時間の合計時間のうち、少なくとも一部の時間を表示するように構成すると良い。これにより、最有利期間が少なくとも継続する時間を遊技者に把握させることができる。また、最有利期間を時間で表示することにより、最有利期間中に特別図柄抽選を何回実行させることができるのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、長い変動時間の変動パターンのほうが大当たり当選の可能性が高く設定されているパチンコ機10であっても、遊技者に対して、特別図柄変動の変動パターンとして短い変動時間が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、上述したように、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に基づいて操作演出を実行する場合には、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作した直後から操作演出を実行するように構成しても良いし、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作し、操作演出の演出態様が決定された状態において新たに特別図柄変動が開始されたタイミングで操作演出を実行するように構成しても良い。この場合、遊技者による枠ボタン22(操作手段)の操作を受け付けたことを遊技者に報知する報知手段と、操作演出が実行されるまでの待機期間中であることを報知するための報知手段と、を設けると良い。これにより、枠ボタン22を操作したにも関わらず、操作演出が実行されないことについて遊技者が不信感を覚えてしまうことを抑制することができる。なお、この最有利期間を報知する演出において、上述したように最有利期間を時間で表示するのでは無く、特別図柄変動の実行回数で表示するように構成しても良い。また、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報の中に、転落抽選に当選することを示す情報を有する入賞情報があると判別された場合には、転落抽選に当選し、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するまでの期間を算出し、転落抽選に当選することを示唆する演出や、特別図柄の高確率状態が終了するまでの残期間を示唆する演出を実行するように構成しても良い。
<第4制御例における制御処理内容について>
次に、図227から図229を参照して、本第4制御例における主制御装置110のMPU201が実行する制御処理内容のうち、上述した第1制御例とは異なる点について説明をする。本第4制御例のパチンコ機10は、上述した通り転落抽選の機能を有している点と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の継続期間を変更した点と、で上述した第1制御例のパチンコ機10とは相違しており、この相違点に関する制御内容が相違している。具体的には、上述した第1制御例のパチンコ機10における主制御装置の制御内容に対して、特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)に替えて特別図柄大当たり判定処理4(図227のS258参照)を、先読み処理(図162のS613参照)に替えて先読み処理4(図228のS653参照)を、大当たり終了処理(図170のS1910参照)に替えて大当たり終了処理4(図229のS1960参照)を実行するように構成している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図227を参照して、特別図柄大当たり判定処理4(S258)の内容について説明をする。図227は、特別図柄大当たり判定処理4(S258)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄大当たり判定処理4(S258)が実行されると、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS301の処理を実行し、その後、確変カウンタ203iの値が0よりも大きいかを判別する(S351)。ここで、確変カウンタ203iの値が0よりも大きく無い、即ち、特別図柄の高確率状態では無いと判別した場合は(S351:No)、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS302~S307の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S351の処理において、確変カウンタ203iの値が0よりも大きい、即ち、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S351:Yes)、次いで、取得した転落抽選カウンタCd1の値と、転落抽選テーブル202daに規定されている値とを比較し(S352)、転落抽選に当選したか否かを判別する(S353)。
転落抽選に当選したと判別した場合は(S353:Yes)、確変カウンタ203iの値を0にリセットし(S354)、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行したことを示すための転落コマンドを設定し(S355)、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS302~S307の処理を実行し、本処理を終了する。なお、この場合、特別図柄の低確率状態が設定された状態で特別図柄抽選(S302)が実行される。一方、S353の処理において、転落抽選に当選していないと判別した場合は(S353:No)、S353~S355の処理をスキップして、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS302~S307の処理を実行し、本処理を終了する。なお、この場合、特別図柄の高確率状態が設定された常態で特別図柄抽選(S302)が実行される。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、特別図柄抽選の実行条件が成立した状態(特別図柄大当たり判定処理4(図227のS258参照)が実行された状態)において、実際に特別図柄抽選を実行する前に、転落抽選を実行するように構成している。このように構成することで、転落抽選の抽選結果に応じた特別図柄抽選を即座に実行することができるため、遊技者に対して公正な遊技を提供することができる。
なお、転落抽選の実行タイミングと、特別図柄抽選の実行タイミングとを、本制御例とは異ならせるように構成しても良く、例えば、特別図柄抽選を実行した後に、転落抽選を実行するように構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄抽選が実行され、その直後に転落抽選が実行されることになるため、特別図柄の高確率状態で実行された特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでに(特別図柄変動が停止表示されるまでに)、転落抽選に当選し特別図柄の低確率状態が設定される事象が発生することになる。このような状態が発生した場合には、例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて、現在実行中の特別図柄変動が、特別図柄抽選が高確率状態で実行された最後の変動となり、次回の特別図柄抽選が特別図柄の低確率状態で実行される旨を示すための転落報知演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して実行中の特別図柄変動の結果をより注視させることができる。
また、本制御例では、転落抽選に当選すると、次に特別図柄抽選が実行されるよりも前に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、転落抽選に当選した場合に、特別図柄の高確率状態が継続する回数を2以上減算(確変カウンタ203iの値を2以上減算)したり、特別図柄の高確率状態中に実行され得る特別図柄抽選の残回数を所定回数(例えば、2回)にしたりするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、転落抽選に当選したことにより、遊技者に最も有利となる遊技状態(確変状態)がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くさせることができるため、緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
本制御例では、転落抽選にて当選しなかった場合、即ち、特別図柄の高確率状態が継続した場合にて、その旨を遊技者に示唆、或いは報知するための演出を実行しないことで、特別図柄の高確率状態が継続する期間(継続している期間)を遊技者に分かり難く構成しているが、これに限ること無く、転落抽選にて当選しなかった場合の一部において、その旨を遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、例えば、転落抽選テーブル202daに、当選(転落)と判定される転落抽選カウンタCd1の値だけでは無く、特定外れと判定される値(例えば、998,999)を規定しておき、当該値と判定した場合に、特定外れを示すコマンドを設定することで、遊技者に対して転落抽選の結果が特定外れであることを示すための演出を実行するように構成しても良いし、転落抽選の抽選結果が外れであることを示すためのコマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で転落抽選の抽選結果が外れであることを示すためのコマンドを受信した場合に、転落抽選の抽選結果が外れであることを示す演出を実行するか否かの抽選を行い、その抽選で演出を実行すると判別した場合に外れ演出を実行するように構成しても良い。
次に、図228を参照して、本第4制御例における先読み処理4(S653)の内容について説明をする。図228は、先読み処理4(S653)の内容を示したフローチャートである。この先読み処理4(S653)は、上述した第1制御例にて実行される先読み処理(図162のS613参照)に対して、特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納された各種カウンタを読み出す処理において、読み出される各種カウンタの種別を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
先読み処理4(S653)が実行されると、新たに特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、転落抽選カウンタCd1、変動種別カウンタCS1を読み出し(S751)、その後、上述した第1制御例にて実行される先読み処理(図162のS613参照)と同一のS702~S705の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、始動入賞処理(図161のS105参照)において、新たに特別図柄の抽選権利(特図保留)を獲得した場合に(特別図柄保留球格納エリアに新たな入賞情報を格納した場合に)実行される先読み処理4(S653)において、転落抽選カウンタCd1の値も読み出すように構成し、取得した転落抽選カウンタCd1の値も含む入賞コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へと送信可能に構成している。これにより、音声ランプ制御装置113側にて獲得済みの特図保留球の中に、転落抽選に当選する転落抽選カウンタCd1の値を示す情報が含まれているかを判別することが可能となる。よって、転落抽選に当選するまでの期間を示唆する示唆演出を実行可能にすることができる。
次に、図229を参照して、大当たり終了処理4(S1960)の内容について説明をする。図229は、大当たり終了処理4(S1960)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理4(S1960)は、上述した第1制御例の大当たり終了処理(図170のS1910参照)に対して、時短カウンタ203hの値を設定するための処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外の内容は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
大当たり終了処理4(S1960)が実行されると、まず、上述した第1制御例の大当たり終了処理(図170のS1910参照)と同一のS2101,S2102の処理を実行し、その後、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とに対応する値を時短カウンタ203hに設定し(S2153)、今回設定した確変カウンタ203iの値、及び時短カウンタ203hの値に基づいて状態コマンドを設定し(S2104)、大当たり中フラグ203k、確変設定フラグ203mをオフに設定し(S2105)、本処理を終了する。
ここで、S2153の処理内容について詳細に説明をする。本制御例では、遊技状態格納エリア203gに、現在の遊技状態と、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態と、大当たり当選した場合に選択される大当たり種別と、を一時的に記憶可能に構成している。そして、S2153の処理が実行される場合に、遊技状態格納エリア203gに記憶されていた大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とを読み出し、大当たり種別選択テーブル202dに規定されている値を時短カウンタ203hに設定する。
本制御例では、大当たり終了処理4が実行される時点、即ち、大当たり遊技中のラウンド遊技が全て終了した時点で、時短カウンタ203hに設定する値を決定している。このように構成することで、大当たり遊技のラウンド遊技中に成立し得る設定条件、例えば、ラウンド遊技(Vラウンド遊技)中に特定領域(Vゲート65V)を通過した場合に成立する設定条件の成立の有無に応じて時短カウンタ203hに設定する値を異ならせることができる。
なお、本制御例で用いた構成に関わらず、例えば、大当たり遊技開始時、または当選した大当たり種別を選択する時点において、大当たり当選時における遊技状態に基づいた時短カウンタ203hの値を決定しておき、その決定内容に応じた値を大当たり終了処理4(S1960参照)にて設定するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技の期間中に大当たり当選時の遊技状態を示す情報を保持する必要が無くなるため、記憶容量の軽減化を図ることができる。
次に、図230、及び図231を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理内容のうち、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理内容と異なる点について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例に対して、転落抽選を実行する点が大きく相違しており、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容についても、転落抽選に関する処理を実行する点で相違している。
具体的には、コマンド判定処理(図175のS4112参照)に替えてコマンド判定処理4(図230のS4162参照)を実行する点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図230を参照して、コマンド判定処理4(S4162)の内容について説明をする。図230は、コマンド判定処理4(S4162)の内容を示したフローチャートである。図230に示した通り、このコマンド判定処理4(S4162)では、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図175のS4112参照)に対して、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S4217:No)、次いで、主制御装置110から転落コマンドを受信したか判別し(S4251)、転落コマンドを受信したと判別した場合に(S4251:Yes)、転落関連処理(S4252)を実行する点で相違している。なお、S4251の処理において転落コマンドを受信していないと判別した場合(S4251:No)、或いは、転落関連処理(S4252)を実行した後は、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図175のS4112)と同一のS4219の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図231を参照して、コマンド判定処理4(図230のS4162参照)にて実行される転落関連処理(S4252)の内容について説明をする。図231は、転落関連処理(S4252)の内容を示したフローチャートである。この転落関連処理(S4252)は、主制御装置110にて実行される転落抽選(図227のS352,S353参照)において、転落抽選に当選したと判別された場合に設定される転落コマンド(図227のS355参照)を受信した場合に実行される処理であって、転落コマンドを受信したタイミング(特別図柄の高確率状態が終了したタイミング)を判別するための処理を実行するためのものである。
転落関連処理(S4252)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値を読み出し(S5501)、時短カウンタ203hの値が80以上であるかを判別する(S5502)。時短カウンタ203hの値は、大当たり遊技終了後に設定される時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)に対応する値がセットされ、特別図柄抽選が実行される毎に1減算されるものであるため、例えば、大当たり遊技終了後に時短回数100回がセットされた場合であれば、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選の回数が20回に到達するまでに転落抽選に当選したか否かが判別される。つまり、S5502の処理では特別図柄の高確率状態が設定されたにも関わらず、早期に転落抽選に当選した状態であるか否かが判別される。
S5502の処理において、時短カウンタ203hの値が80以上であると判別した場合は(S5502:Yes)、短転落フラグ223daをオンに設定し(S5503)、従状態設定エリア223gに時短状態を設定し(S5504)、本処理を終了する。一方、S5502の処理において、時短カウンタ203hの値が80以上では無いと判別した場合は(S5502:No)、S5503の処理をスキップしてS5504の処理を実行し、本処理を終了する。
S5503の処理にて短転落フラグ223daをオンに設定することにより、枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107参照)において、チャンスモード中に枠ボタン22を操作したと判別し、確変状態選択2テーブル222df2(図226(b))を参照して演出態様を選択する場合に、短転落フラグ223daがオフに設定されている場合と異なるデータテーブルを参照して演出態様を選択することになる。よって、遊技者に対して、実行される操作演出の演出態様によって転落抽選の結果を事後的に把握させることができるため、演出効果を高めることができる。
<第2制御例における演出例について>
次に、図232を参照して、上述した第2制御例にて実行される第3図柄の変動演出のうち、副図柄fzの変動方向を主図柄szの変動方向とは異ならせて実行する演出である逆変動表示演出(図205(d)参照)の内容について説明をする。図232は、逆変動表示演出中に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
上述した通り、第2制御例では、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報が含まれる主図柄szと、その主図柄szとは異なる副図柄fzとを独立して表示制御可能に構成しており、例えば、図202(b)に示した通り、主図柄szの変動表示よりも先に副図柄fzを変動表示させて、その後、主図柄szが停止表示されるよりも前に副図柄fzを停止表示させることにより、主図柄szの停止表示位置のみを遊技者に報知するリーチライン予告演出を実行させることができるように構成している。それ以外にも、図205(d)に示した通り、特別図柄変動の開始タイミングに合わせて主図柄szの変動表示方向とは異なる方向へと副図柄fzを所定期間(3秒間)変動表示させる逆変動表示演出を実行可能に構成している。
この逆変動表示演出の内容について図232を参照して説明をする。まず、特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンコマンドが、主制御装置110から送信される。そして、その変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113側で受信すると、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出態様を決定するための処理(変動表示設定処理(図182のS4113参照))にて、主図柄szに対する演出態様(変動パターン)を決定処理が実行される。これにより、主制御装置110にて実行された特別図柄抽選の結果に基づいて、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報(識別図柄)である主図柄szの演出態様を確実に設定することができる。よって、実際に実行された特別図柄抽選の結果とは異なる抽選結果を示すための主図柄szが停止表示されることを抑制することができる。
その後、音声ランプ制御装置113にて決定された主図柄szの演出態様に基づいて、副図柄fzの演出態様を設定するための処理が実行される。具体的には、主図柄szに対する演出態様として、リーチ状態となる演出態様が設定されたか否かが判別され、リーチ状態となる演出態様が設定されたと判別した場合に、副図柄fzの演出態様を選択する処理が実行される。なお、主図柄szに対する演出態様として、リーチ状態となる演出態様が設定されなかった場合は、主図柄szに対して設定された演出態様に対応する変動パターンが副図柄fzに対して設定されるように構成している。これにより、特別図柄の抽選結果に基づいて設定された演出態様(変動パターン)で変動表示される主図柄szと同期させて副図柄fzを変動表示させることができる。よって、主図柄szと副図柄fzとを、あたかも特定の順序に並んで配置されている図柄列として変動表示させているように遊技者に思わせることができる。
なお、上述した例では、主図柄szに対する演出態様がリーチ状態となる場合に、副図柄fzの演出態様を選択するための処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ状態のうち、特定のリーチ状態(例えば、スーパーリーチ状態)となる演出態様が設定された場合に、副図柄fzの演出態様を選択するための処理を実行するように構成しても良いし、主図柄szに対して設定された演出態様が非リーチ状態である場合の一部においても、副図柄fzの演出態様を選択するための処理を実行可能に構成しても良い。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを示す演出態様で主図柄szの演出態様が設定された場合に、副図柄fzの演出態様が選択される処理を実行し易くなるように構成すれば良い。このように構成することで、副図柄fzとして通常の演出態様(主図柄szの演出態様に同期する演出態様)とは異なる演出態様が設定(実行)されただけで、遊技者に対して大当たり当選の期待感を持たせることができる。
また、上述した例では、副図柄fzの演出態様を選択する処理が実行されない場合には、主図柄szの演出態様に対応した演出態様(同期演出態様)が副図柄fzに対して設定されるように構成しており、副図柄fzの変動表示が主図柄szの変動表示と同期する変動演出が実行されるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面上では、主図柄szの変動表示に追従するように副図柄fzが変動表示されるため、上述した第1制御例における第3図柄の変動表示(図122(b)参照)と同一の変動表示が実行されることとなる。よって、遊技者に対して、複数の主図柄szと、複数の副図柄fzと、が、図122(b)に示した様に、所定の順序(1(主図柄sz)→三角印(副図柄fz)→2(主図柄sz)→・・・)を為す図柄列として変動表示制御されていると思わせることができる。
よって、主図柄szの演出態様と、副図柄fzの演出態様とを異ならせて設定した場合に、遊技者に意外性のある演出を提供することができるため、演出効果を高めることができる。また、主図柄szに対する演出態様を設定する処理と、副図柄fzに対する演出態様を設定する処理と、を異ならせているため、主図柄szと副図柄fzとが同期しないパターンで変動表示させる処理を容易に実行することができる。つまり、上述した第1制御例のように、全第3図柄(主図柄sz及び副図柄fz)に対して、演出態様(変動パターン)を設定するように構成しているパチンコ機10では、例えば、副図柄fzの変動表示態様のみを異ならせた演出態様(変動パターン)を設定する際に、全第3図柄(主図柄sz及び副図柄fz)を対象に、副図柄fzの変動表示態様のみを異ならせた演出態様(変動パターン)を設定する必要があるが、第2制御例のように主図柄szに対する演出態様と、副図柄fzに対する演出態様と、を独立して設定可能に構成することで、副図柄fzに対する演出態様のみを可変設定するだけで良く、第3図柄の演出態様を設定するための処理を軽減させることができる。
図232に戻り説明を続ける。副図柄fzの演出態様を選択する処理が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが判別され、その判別結果を参照して、図示しない副図柄演出選択テーブルを用いて、副図柄fzの演出態様が選択される。ここで、副図柄演出選択テーブル(図示せず)には、特別図柄抽選の結果と、主図柄szに対して設定された演出態様と、に対応させて所定の割合で副図柄fzの演出態様が規定されている。具体的には、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であって、主図柄szの演出態様として「ダブルリーチ」が設定された場合には、60%の割合で「リーチライン予告演出」が選択され、20%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、20%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されている。
また、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であって、主図柄szの演出態様として「シングルリーチ」が設定された場合には、20%の割合で「リーチライン予告演出」が選択され、20%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、60%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されている。
さらに、特別図柄の抽選結果が「外れ」であって、主図柄szの演出態様として「ダブルリーチ」が設定された場合には、40%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、60%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されており、主図柄szの演出態様として「シングルリーチ」が設定された場合には、5%の割合で「リーチライン予告演出」が選択され、5%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、90%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されている。
このように規定された副図柄演出選択テーブル(図示せず)を用いて、「逆変動表示演出」が選択された場合には、次に、副図柄fzの表示態様を選択するための表示態様選択処理が実行される。この表示態様選択処理では、今回の第3図柄変動演出(副図柄fzの演出態様)に用いられる副図柄fzの表示態様を選択するための処理が実行されるものであって、特別図柄抽選の結果、及び、設定される大当たり種別に応じて副図柄fzの表示態様が選択される。なお、ここで選択され得る副図柄fzの表示態様は、上述した第2制御例において、図203(c)を参照して説明をした、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に記憶されている表示態様となる。
つまり、音声ランプ制御装置113にて実行される表示態様選択処理において、副図柄fzの演出態様を特定するための表示用副図柄態様コマンド(表示用コマンド)が設定され、設定された表示用副図柄態様コマンド(表示用コマンド)を表示制御装置114が受信した場合に、キャラクタ記憶エリア234a2から対応する画像データを読み出す処理が実行される。
表示態様選択処理では、例えば、図203(c)に示した通り、副図柄fzの通常表示態様である「三角印」の表示態様SD1と、大当たり期待度が高いことを示す「泡」を模した表示態様SD2と、大当たり当選した場合に、遊技者に有利な有利大当たり遊技(16ラウンド遊技)が実行されることを示す「数字の16」を模した表示態様SD3とのうち、何れかの表示態様が選択されるように構成しており、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、大当たり以外である場合(外れの場合)よりも、表示態様SD2を選択し易くなるように構成し、さらに、今回実行される特別図柄抽選の結果に基づいて有利大当たり遊技が実行される場合のほうが、有利大当たり遊技が実行されない場合(大当たり当選していない場合、大当たり当選しているが、有利大当たり遊技以外の大当たり遊技が実行される場合)よりも、表示態様SD3を選択し易くなるように構成している。
このように構成することで、副図柄fzに対して設定される演出態様と、副図柄fzに対して設定される表示態様と、の両方に対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
図232は、副図柄fzの演出態様として「逆変動表示演出」が実行され、副図柄fzの表示態様として「泡」を模した表示態様SD2が設定されている状態を示したものであって、図232の視点で左方向へと主図柄szが変動表示され、図232の視点で右方向へと副図柄fzが変動表示される「逆変動表示演出」が実行されている。このように、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の変動表示として、主図柄szと副図柄fzとが逆方向へと変動表示されることで、遊技者に意外性のある変動演出を提供することができる。さらに、副図柄fzを用いた演出態様として、主図柄szの変動表示方向とは異なる変動表示方向に副図柄fzを変動表示させるため、遊技者に対して、副図柄fzの演出態様が通常とは異なる演出態様であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、図232に示した表示画面では、表示面に表示されている全ての副図柄fzが、上述した表示態様選択処理により選択された「泡」を模した表示態様SD2で表示されているが、これに限ること無く、複数の副図柄fzのうち、いずれかの副図柄fzの表示態様のみを可変させても良い。この場合、最終的に停止表示される主図柄szの近傍に配置される副図柄fzの表示態様のみを上述した表示態様選択処理により選択された表示態様へと可変させ易くなるように構成しても良い。これにより、副図柄fzの表示態様に基づいて、主図柄szの停止表示態様を予測させ易くすることができる。
加えて、図232に示した表示画面では、表示面に表示されている全ての副図柄fzの大きさが同一である例が表示されているが、副図柄fzの大きさ(拡大率)や、回転角度、半透明値などを異ならせて設定しても良い。この場合、各副図柄fzを表示するための表示データテーブル(図207参照)に規定する値を変更すれば良い。
また、図232では、第3図柄変動が開始されるタイミングで、副図柄fzの表示態様が通常の「三角印」の表示態様SD1から「泡」を模した表示態様SD2へと切り替わり、逆変動表示演出が実行される例を示しているが、これに限ること無く、第3図柄変動が開始されるよりも前のタイミングとして、前回の第3図柄変動が停止表示されてから、今回の第3図柄変動が開始されるまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替えたり、今回の第3図柄変動が開始されてから停止するまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替えたりしても良い。
なお、前回の第3図柄変動が停止表示されてから、今回の第3図柄変動が開始されるまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替える処理を実行する場合には、例えば、先読み処理によって入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に含まれるかを解析し、次に実行される特別図柄抽選(変動)が特定の抽選結果(例えば大当たり当選)となる場合において、停止表示されている副図柄fzの表示態様を可変させるように構成しても良い。この場合、次に実行される特別図柄抽選(変動)の抽選結果を示すための主図柄szの演出態様を設定するよりも前に、次に実行される副図柄fzの変動演出に用いられる表示態様が決定されることになる。このように、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報を用いることにより、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄変動の演出態様に用いる各態様を遊技者に報知するタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して、実行される第3図柄変動演出に興味を持たせることができる。
また、今回の第3図柄変動が開始されてから停止するまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替える処理を実行する場合には、第3図柄変動が開始される時点において副図柄fzを切替前の表示態様で表示しても良いし、表示態様を切り替える処理が実行された後に、副図柄fzを表示するように構成しても良い。
<大当たり遊技中に実行される切替弁の切替制御について>
上述した各制御例では、大当たり動作設定処理(図169のS1906参照)や、Vラウンド処理(図219のS2251参照)を用いて説明をした通り、特定のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が開始されたと判別された場合に、切替弁65y(図120(b)、或いは、図213(b)参照)に対する制御処理を実行するように構成していた。つまり、実行される大当たり遊技が確変大当たり遊技である場合にのみ、特定のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成し、通常大当たり遊技である場合には、特定のラウンド(Vラウンド遊技)が実行されないように構成していた。このように構成することで通常大当たり遊技中に球がV入賞(特定領域(Vゲート65V)へと通過)することを抑制することができるものであったが、実行される大当たり遊技の種別に応じて、切替弁65yに対する制御処理の内容を可変させる必要があるため、大当たり遊技中の処理負荷を増大させてしまうという問題があった。
そこで、上述した各制御例にて用いられた切替弁65yに対する制御処理内容以外の制御処理を用いても良く、例えば、通常大当たり遊技においてもVラウンド遊技が実行されるが、そのVラウンド遊技を終了させる条件を確変大当たり遊技と異ならせ、Vラウンド遊技中に球が可変入賞装置65へと入賞し得ないように構成しても良い。また、上述したVラウンド処理(図219のS2251参照)が実行される第4制御例のように、Vラウンド遊技が実行されてからの球の入賞数に基づいて切替弁65yを切替制御する場合には、通常大当たり遊技においては、切替弁65yを切替制御するための球の入賞数を、Vラウンド遊技を終了させるための入賞数(例えば、10個)よりも多い数に設定することで切替弁65yの切替制御が実行されないように構成しても良い。
また、切替弁65yの制御内容(切替条件)を、確変大当たり遊技と、通常大当たり遊技とで同一に設定し、通常大当たり遊技の実行中に球が特定領域(Vゲート65V)を通過したとしても、その通過を有効に処理しないように構成しても良い。つまり、通常大当たり遊技中に球が特定領域を通過したとしても、その大当たり遊技中に特別図柄の高確率状態が設定されないように構成しても良い。
さらに、大当たり遊技の種別に関わらず、大当たり遊技が開始されてから(大当たり遊技のオープニング期間が設定されてから)、所定期間経過した場合に切替弁65yが所定期間の間、開状態となるように切替制御を実行し、大当たり遊技における開閉扉65bの開放パターンを大当たり遊技の種別に応じて異ならせるように構成することで、大当たり遊技種別毎のV入賞確率を異ならせるように構成しても良い。
上述した第2制御例、及び第2制御例の変形例では、主図柄szの演出態様(変動パターン)も、副図柄fzの演出態様(変動パターン)も、音声ランプ制御装置113にて設定(選択)するように構成しているが、これに限ること無く、表示制御装置114にて演出態様(変動パターン)を設定するように構成しても良く、この場合、特別図柄抽選の結果を示す主図柄szの演出態様のみ音声ランプ制御装置113にて設定し、副図柄fzの演出態様を表示制御装置114にて設定するように構成すると良い。
以上、第2制御例、及び第2制御例の変形例について説明をしたが、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種図柄を動的表示させる変動演出の演出態様を設定する場合において、動的表示される図柄の種別に対して独立して演出態様を設定し、独立して表示制御を実行するように構成するものであれば良く、上述した制御例にて示した構成以外の構成を用いても良い。
例えば、副図柄fzを表示するための表示画層を複数設け、図211を参照して上述した第2制御例の変形例のように、副図柄fzを重複させて変動表示可能に構成しても良い。
また、複数の表示画層を設け、各画層に対して表示の優先順位を設定し、第3図柄表示装置81の表示面において、各表示画層に表示される表示態様が重複した場合には、優先順位の高い画層に表示される表示態様が遊技者に視認可能となるように表示制御されていたが、これに限ること無く、例えば、優先順位が設定されない表示画層を設け、第3図柄表示装置81の表示面に複数の表示画層に表示された表示態様を重複させて表示するように構成しても良い。この場合、例えば、図232に参照した「逆変動表示演出」を実行する場合において、「三角印」の副図柄fzの中に、「泡」を模した副図柄fzが表示される重複副図柄が表示されるように表示制御(各副図柄の半透明値、拡大率を設定)し、副図柄fzの表示態様が「三角印」から「泡」へと可変することを事前に示唆可能な表示態様で表示するように構成しても良い。
以上、説明をした通り、上述した第1制御例、及び第4制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、その通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の2種類の有利遊技状態を設定可能に構成している。さらに、確変状態が終了した後に時短状態が設定されるように構成している。
そして、有利遊技状態が設定された場合には、次に、通常状態が設定されるまでの期間、例えば、確変状態が設定された場合には、確変状態の終了後に設定される時短状態が終了し、通常状態が設定されるまでの期間を有利遊技状態の継続期間として遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、現在設定されている遊技状態が終了するまでの期間では無く、遊技者に有利となる有利遊技状態が終了するまでの期間を遊技者に報知することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
加えて、複数の有利遊技状態が連続して継続する期間を1の有利遊技状態の継続期間として報知する場合において、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出の内容及び実行頻度によって、現在設定されている詳細な遊技状態を遊技者に把握させることができるように構成している。このように構成することで、通常状態が設定されるまでの期間を把握しながらも、現在の遊技状態を予測しながら遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した第1制御例、及び第4制御例では、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる最有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、最有利遊技状態(確変状態)よりも不利となる通常有利遊技状態(時短状態)が設定されるように構成しているが、複数の有利遊技状態が連続して設定され得る構成であれば良く、例えば、遊技状態として、通常状態と、確変状態と、時短状態と、に加え、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)も設定であって、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に有利となるように構成したパチンコ機10では、特別図柄、或いは、普通図柄が高確率状態である遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態)が、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、特別図柄の高確率状態が継続する期間を示す確変カウンタ203iの値のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間を示す時短カウンタ203hの値よりも大きくなるように設定可能に構成する。
このように構成されたパチンコ機10にて、例えば、大当たり遊技終了後に確変状態として、確変カウンタ203iの値として「100」を、時短カウンタ203hの値として「50」を設定可能に構成することで、大当たり遊技終了後には、有利遊技状態として確変状態が設定され、その後、潜確状態が設定されることになる。このような場合であっても、上述した第1制御例、及び第4制御例のように、複数の有利遊技状態が連続して継続する期間、即ち、確変状態の後に設定される潜確状態が終了するまでの期間を1の有利遊技状態の継続期間として報知すると良い。また、この場合、有利遊技状態の継続期間中に、現在設定されている遊技状態が他の遊技状態へと移行する可能性があるか否かを遊技者に示唆可能な移行示唆演出を実行可能に構成すると良い。これにより、有利遊技状態中に他の遊技状態へと移行する可能性があることのみを遊技者に把握させることができるため、有利遊技状態中に実行される遊技の内容を、予測させる楽しみを提供することができる。さらに、有利遊技状態の継続期間中に、現在設定されている遊技状態が他の遊技状態へと移行する可能性がある場合において、移行後の遊技状態が遊技者により有利となる遊技状態であるか否かを示唆可能な有利移行示唆演出を実行可能に構成しても良い。さらに、有利遊技状態中に遊技状態が移行するタイミングを示唆する示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、通常状態が設定されるまでの期間を把握しながらも、その期間内における遊技を楽しませることができる。
また、上述した第1制御例、及び第4制御例では、有利遊技状態中に大当たり当選した場合には、有利遊技状態が終了するように構成しているが、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる最有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、最有利遊技状態(確変状態)よりも不利となる通常有利遊技状態(時短状態)が設定されるように構成しているため、有利遊技状態中に大当たり当選することにより遊技者に不利とならないが、例えば、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる通常有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、通常有利遊技状態(確変状態)よりも遊技者に有利となる最有利遊技状態(潜確状態状態)が設定されるように構成したパチンコ機10では、通常有利遊技状態中に大当たり当選するよりも、大当たり当選すること無く、最有利遊技状態が設定される場合のほうが、遊技者に有利となり得る場合がある。
よって、有利遊技状態中に実行される特別図柄抽選の結果として大当たり当選することが遊技者に有利となる期間と、不利となる期間とを遊技者が識別可能な期間演出を実行するように構成すると良い。これにより、期間演出によって識別した内容に基づいて特別図柄抽選の結果を注視することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として、通常有利遊技状態中に設定されると遊技者に不利となる大当たり種別と、通常有利遊技状態中に設定されたとしても遊技者に不利とならない大当たり種別と、を有するパチンコ機10であれば、上述した期間演出の演出内容と、大当たり当選時に設定される大当たり種別とに基づいて、遊技者に有利な大当たり当選であるか否かを示唆する演出を実行するように構成しても良い。これにより、特別図柄抽選で大当たり当選を目指すだけの遊技では無く、大当たり当選するタイミングと、大当たり当選時に設定される大当たり種別と、に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に複数種類(2種類)の有利遊技状態(確変状態、時短状態)の何れかが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技終了後に通常状態が設定され得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に有利遊技状態が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、上述した第1制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出結果に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたことを報知する演出モード(スーパーチャンスモード)と、大当たり遊技終了後に通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が設定されたことを報知する演出モード(チャンスモード)と、を設定するように構成している。これにより、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されるという無意味な演出が実行されることを抑制することができる。
このように構成された第1制御例の技術に対して、例えば、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを遊技者が任意に選択可能な演出モード選択手段を設け、予め、演出モード選択手段により任意の演出モードを選択可能にしておくことで、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出態様、及び、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを、演出モード選択手段により選択された内容に対応させて設定するように構成しても良い。具体的には、演出モード選択手段により、大当たり遊技終了後に設定される演出モードとして、実際に設定される遊技状態を報知する「完全告知モード」と、有利遊技状態が設定されていることのみを報知する「チャンス告知モード」と、を選択可能に構成し、パチンコ機10にて特別図柄抽選が実行されていない期間において、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することで何れかの演出モードを選択可能に構成する。
遊技者により選択された演出モードを一時的に記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶された演出モードを識別可能な情報を第3図柄表示装置81の表示面の一部(例えば、副表示領域Ds)に表示しておき、現在設定されている演出モードを常に遊技者が識別可能に構成する。そして、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、記憶手段に記憶されている演出モードを読み出す。例えば、記憶手段に「完全告知モード」が記憶されている場合には、大当たり遊技演出として、大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させる(V入賞)ことを案内する演出としてV報知演出を実行し、実際に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す表示態様でエンディング画面を表示し(図127(b),(d)参照)、通過しなかった場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示す表示態様でエンディング画面を表示する(図127(a),(c)参照)そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを示す「スーパーチャンスモード」(図131(a)参照)が設定され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、現在の遊技状態が時短状態であることを示す「チャンスモード」(図128(a)参照)が設定される。このように構成することで、設定される遊技状態、及び、遊技状態を決定するための契機となるV入賞の有無を遊技者に確実に報知することができる。
一方、記憶手段に「チャンス告知モード」が記憶されている場合には、大当たり遊技演出として上述したV報知演出を実行しないようにし、大当たり遊技終了後には、設定される遊技状態に関わらず「チャンスモード」が設定される。このように構成することで、設定される遊技状態、及び、遊技状態を決定するための契機となるV入賞の有無を遊技者に報知すること無く、遊技を行わせることができる。なお、演出モード選択手段による演出モードの選択がされていない場合は、パチンコ機10の初期状態と同様に、記憶手段には「初期モード」が記憶されており、上述した第1制御例と同様に、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを抽選で決定し、その抽選結果に基づいた大当たり遊技演出を実行し、その大当たり遊技演出の演出結果に基づいて、大当たり遊技終了後の演出モードが設定される。
このように構成することで、遊技者が所望する任意の演出モードを違和感無く提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、パチンコ機10にて実行される各種演出を選択可能な手段として、チャンスモードが選択されている場合に実行される操作演出に対して選択される各種演出態様(図148参照)の選択割合を遊技者が任意に選択可能な演出頻度選択手段を設けても良い。具体的には、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、選択される各種演出態様の選択割合を大きく乖離させたり、選択割合の相違を小さくさせたりすることができるように選択割合を遊技者が選択可能にする演出頻度選択手段を設けると良い。このような構成を用いた場合であっても、遊技者が所望する任意の演出モードを違和感無く提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした第1制御例から第4制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート65V)を球が通過することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されたパチンコ機10について説明をしたが、このように、遊技者に有利となる特典遊技が実行されている状態で球が特定領域を通過したことに基づいて特典遊技とは異なる特別遊技を遊技者に提供可能な構成として、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選とは異なる抽選結果である小当たりに当選した場合に、特典遊技(大当たり遊技)とは異なる第2特典遊技(小当たり遊技)を実行可能にし、その第2特典遊技中に開放動作される可変入球手段(可変入賞装置65でも良いし、それ以外の入賞装置を別途設けても良い)に入球した球が通過し得る特定領域を設け、第2特典遊技中に球が特定領域を通過した場合に、第2特典遊技(小当たり遊技)の終了後に特典遊技(大当たり遊技)を実行可能な構成を用いても良い。
なお、上述した各制御例におけるパチンコ機10の構成として、図233に示した通り、何れの遊技状態が設定されている状態であっても、左打ち遊技を実行することで第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64へと遊技球を入球可能とし、右打ち遊技を実行することで第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640へと遊技球を入球可能とするように構成しても良い。
<第5制御例>
次に、図234から図270を参照して、第5制御例について説明をする。本第5制御例は、上述した第1制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。
つまり、特別図柄抽選によって大当たり当選しない限り、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させる契機が成立しないように構成していた。このように構成された第1制御例では、遊技者に対して、多くの賞球を付与可能な大当たり遊技と、遊技者に有利な抽選が実行され易い高確率状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)の設定と、が何れも特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行されるため、特別図柄抽選で大当たり当選した遊技者に対して多様な特典を付与することができ、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ、各図柄の確率状態を高確率状態へと移行可能に構成していることから、特別図柄抽選で大当たり当選していない遊技者は特典が付与されず、長時間に渡って大当たり当選していない遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成している。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、大当たり遊技とは異なる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果の種別の多様化を図りやすくすることができる。
さらに、本第5制御例では、設定されている遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立のし易さを異ならせており、具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成し、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無のみを判定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機と、特別図柄抽選で時短当選した場合に成立し得る契機と、が設定され、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機が設定されることになる。即ち、時短当選の有無を判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定するために多くの契機が設定されるように構成している。
よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。
加えて、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶可能(保留記憶可能)に構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが時短当選し易くなるように構成している。
つまり、普通図柄の高確率状態が設定されている何れかの遊技状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと遊技状態が移行した場合(遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合)において、移行後の通常状態中に、移行前の普通図柄の高確率状態中にて保留記憶された第2特別図柄抽選の実行権利に基づく第2特別図柄抽選が実行された場合に時短当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合にも所定期間の間、遊技者に有利な遊技状態へと復帰し易い特別図柄抽選を遊技者に実行させることができるため、遊技者に不利となる遊技状態である通常状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、通常状態中により多くの第2特別図柄抽選を実行させるために、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)獲得した状態で普通図柄の高確率状態を終了させようと、普通図柄の高確率状態が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。
上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいてのみ普通図柄の高確率状態を設定可能に構成していた。具体的には、大当たり遊技終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)或いは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成していた。そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、特別図柄抽選が50回実行されるまで確変状態が継続し、その後、50回の特別図柄抽選が実行されるまで、即ち、大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数が100回に到達するまで、時短状態が設定されるように構成していた。一方、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、特別図柄が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成していた。
これに対して、本第5制御例では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で時短当選した場合にも普通図柄の高確率状態を設定可能に構成しており、大当たり当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、時短当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)とで、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件の成立のし易さを異ならせている。
具体的には、第1時短の終了条件として設定される時短回数よりも第2時短の終了条件として設定される時短回数のほうが多くなり易くなるように構成している。このように、普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その設定契機(普通図柄の高確率状態を設定するための成立契機)に応じて有利度合いを異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能とすることにより、普通図柄の高確率状態が設定されるか否かだけで無く、どのような契機で普通図柄の高確率状態が設定されるのかという遊技の過程についても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態において遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、時短終了条件の成立のし易さ(時短回数)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、第1時短が設定された場合と、第2時短が設定された場合とで、第2特別図柄抽選の保留記憶の獲得のし易さ(電動役物640aの開放パターン)を異ならせたり、普通図柄の高確率状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の有利度合い(例えば、大当たり遊技中に付与される賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別)を異ならせたりするように構成しても良い。
まず、図234を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10の構成について説明をする。図234は、本第5制御例のパチンコ機10における遊技盤13の正面図である。図234に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第1実施形態のパチンコ機10における遊技盤13(図119参照)に対して、遊技盤13の左側領域(可変表示ユニット80の左側の領域)に設けられていたスルーゲート67を削除した点と、電動役物640aが付設された第2入球口640、少なくとも大当たり遊技が実行された場合に遊技球を入賞させることが可能となる可変入賞装置65の配設位置を異ならせた点と、で大きく相違している。また、可変入賞装置65の内部構成を変更している点で相違している。それ以外の内容は上述した第1制御例と同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図234に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10では、普通図柄の抽選実行契機を成立させるための入球口であるスルーゲート67を、可変表示ユニット80の右側に形成された右側領域のみに配設している。このように構成することで、可変表示ユニット80の左側に形成された左側領域に向けて遊技球を発射させ、第1入球口(入賞口)64へと遊技球を入球させる左打ち遊技を行っている間は、普通図柄抽選を実行させ難くすることができる。
第1入球口64は、可変表示ユニット80の下方に配置されている。可変表示ユニット80が遊技盤13上の遊技領域を左右に区画するように配置されており、可変表示ユニット80の左側には遊技球が流下可能な左側流路(左側領域)が形成され、可変表示ユニット80の右側には遊技球が流下可能な右側流路(右側領域)が形成されている。そして、左側流路(領域)を流下した遊技球は、右側流路(領域)を流下すること無く、右側流路(領域)を流下した遊技球は、左側流路(領域)を流下しないように構成されている。
可変表示ユニット80の下側には、左側流路(領域)を流下した遊技球も、右側流路(領域)を流下した遊技球も流下可能な下側領域(共通領域)が形成され、下側領域の最流下部(遊技盤13の最下部)にはアウト口66が設けられている。第1入球口64は、左側流路を流下した遊技球も、右側流路を流下した遊技球も入球可能な位置に配置されている。なお、本第5制御例の構成とは異ならせ、左側流路を流下する遊技球のみが第1入球口64へと入球可能となるように構成しても良い。このように構成することで、右側領域へと遊技球を流下させる右打ち遊技を実行する場合、例えば、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を実行する場合において、第1入球口64へと遊技球が入球し、第1特別図柄抽選が実行される事態が発生することを抑制することができる。
第2入球口640は、右側流路を流下した遊技球が、左側流路を流下した遊技球よりも入球し易い位置に配置されている。第2入球口640は、遊技盤13に横長矩形状の開口部が形成されており、その開口部に遊技球が流下することが可能な流路が形成されており、開口部に入球した遊技球を検知するフォトセンサが設けられている。開口部の前面側には開口部を塞ぐことが可能な横長矩形状の開閉板として電動役物640aが付随して設けられており、その開閉板の可変を軸として正面側に開閉駆動するための開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2入球口640の開口部は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。普通図柄(第2図柄)の当たりの際には開放口ソレノイドを駆動して電動役物640aを正面下側に傾倒し、球が第2入球口640の開口部に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を遊技状態により定められた所定回数繰り返すように作動する。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選(特別図柄抽選)が行われる。パチンコ機10は、その特別図柄抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)と、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)とを行うと共に、大当たりと判定した場合(大当たり当選した場合)はその大当たり種別の判定を行い、時短当選した場合はその時短種別の判定を行うように構成している。
本第5制御例では、第1入球口64に遊技球が入球した場合に抽選契機が成立する第1特別図柄と、第2入球口640に遊技球が入球した場合に抽選契機が成立する第2特別図柄と、で異なる大当たり種別が規定されており、第1特別図柄に対しては16R確変大当たり(大当たりA5)、6R確変大当たり(大当たりB5)が規定されている。また、第2特別図柄に対しては16R確変大当たり(大当たりA5)、6R確変大当たり(大当たりC5)、6R確変大当たり(大当たりD5)が規定されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R確変大当たり(大当たりA5)」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。本第5制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりA5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりA5に対しては、特図高確期間と、普図高確期間として同一条件(60回目の特別図柄変動停止)が規定されている。よって、大当たり種別として大当たりA5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その確変状態中における60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に特図高確期間と普図高確期間とが共に終了し通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態から直接通常状態へと遊技状態が移行することになるため、普通図柄の高確率状態中に獲得した第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態において実行し易くすることができる。
「6R確変大当たり(大当たりB5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。この大当たりB5が、特図高確期間、及び普図高確期間を終了させるための終了条件として、上述した大当たりA5と同一の終了条件(60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に成立する条件)が規定されている。つまり、大当たりB5は、大当たりA5に対して、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)のみを異ならせた大当たり種別となる。
上述したとおり、本第5制御例では、普通図柄の低確率状態である通常状態においては、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるように構成していることから、通常状態中は左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させ、第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技が実行されるように構成している。そして、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、或いは大当たりBの何れかが設定されるように構成している。つまり、通常状態において主として実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、設定された大当たり種別に応じた異なるラウンド数の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に終了条件が同一の確変状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技が終了した後には同一条件の遊技を遊技者に行わせることができる。なお、本第5制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に、大当たり遊技のラウンド数のみを異ならせた大当たり種別を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別を異ならせたり、同一の遊技状態に対して終了条件を異ならせたりするように構成しても良い。また、大当たり遊技の内容(ラウンド数等)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容(遊技状態種別、終了条件)と、を異ならせて設定可能に構成しても良い。
この場合、特別図柄の大当たり当選に基づいて遊技者に付与される第1特典(大当たり遊技)と、第2特典(普通図柄の高確率状態)と、の種別として、第1特典及び第2特典が最も遊技者に有利となる組合せに対応した大当たり種別から、第1特典及び第2特典が最も遊技者に不利となる組合せに対応した大当たり種別まで予め規定しておき、大当たり当選時にいずれかの大当たり種別が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した後に付与され得る特典の有利度合いを、設定される大当たり種別に基づいて大きく異ならせることができるため、遊技者に対して設定される大当たり種別に対して興味を持たせることができる。なお、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される特典の有利度合いを大きく異ならせないようにするためには、例えば、有利度合いの低い第1特典と、有利度合いの高い第2特典と、を組み合わせた大当たり種別や、有利度合いの高い第1特典と、有利度合いの低い第2特典と、を組み合わせた大当たり種別、即ち、大当たり種別に対して規定されている第1特典と第2特典との有利度合いが共に高い、或いは共に低い大当たり種別以外の大当たり種別のみが予め規定されるように構成し、規定されている複数の大当たり種別の中かから何れか1の大当たり種別を設定するように構成すれば良い。
「6R確変大当たり(大当たりC5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。そして、本第5制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりC5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が56回変動されて、56回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりC5は、特図高確期間を終了させるための終了条件(確変終了条件)と、普図高確期間を終了させるための終了条件(時短終了条件)とを異ならせて規定しており、確変終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立するように構成されている。よって、大当たり種別として大当たりC5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中における56回目の特別図柄変動が停止表示された場合に、特図高確期間よりも先に普図高確期間が終了し、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。そして、第2確変状態が設定されてから4回目(大当たり遊技が終了してから合計で60回目)の特別図柄変動が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように遊技状態が遷移する。
ここで、確変状態が設定されている期間は、普通図柄の高確率状態が設定されていることから、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態であり、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる遊技期間となるのに対して、第2確変状態が設定されている期間は、普通図柄の低確率状態が設定されていることから、通常状態と同様に特図2保留を獲得し難い遊技状態となる。よって、遊技者に対して左打ち遊技を行わせる遊技期間となる。つまり、確変状態から第2確変状態へと移行した場合には、確変状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が、第2確変状態中に実行されることになる。そして、本第5制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行され、且つ、特図2保留を最大で4個まで記憶可能に構成していることから、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で確変状態から第2確変状態へと移行したとしても、第2確変状態が終了するまで(特図高確期間が終了するまで)の間に、4回の第2特別図柄抽選が実行されるため、第2確変状態から通常状態へと遊技状態が移行した時点において記憶されている特図2保留の数が0個となる。
つまり、大当たり種別として大当たりCが設定された場合には、大当たり遊技終了後に主として第2特別図柄抽選が実行される普図高確期間(確変状態)が設定されるが、普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態にて実行させ難い遊技が実行されることになる。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される点で同一の大当たり種別である大当たりBよりも、特図高確期間及び普図高確期間が終了し、通常状態が設定された状態における第2特別図柄抽選の実行のし易さの点で大当たりBよりも不利な大当たり種別となる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、確変状態が終了し第2確変状態が設定された場合と、確変状態が終了し通常状態が設定された場合と、で同一の演出態様(引き戻しモード)が設定されるように構成している。つまり、確変状態が終了した後に、第2確変状態、或いは通常状態の何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。このように構成することで、普図高確期間が終了した後に実行される第2特別図柄抽選が通常状態中に実行されたものであるか、第2確変状態中に実行されたものであるかを遊技者に分かり難くすることができるため、実行された第2特別図柄抽選によって時短当選し得るか否か(時短抽選が実行されているか否か)を分かり難くすることができる。
よって、第2確変状態が設定されている場合であっても、時短当選を期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本第5制御例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されてから特図高確期間(特別図柄の高確率状態が継続する期間)よりも先に普図高確期間(普通図柄の高確率状態が継続する期間)が終了し、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)するように各終了条件が規定されている大当たり種別として大当たりC5を有しており、具体的には、大当たりC5には、確変状態中に獲得した特図2保留が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の間に、全て消費されるよう普図高確期間が終了してから特図高確期間が終了するまでの期間(第2確変状態が継続する期間)として、特別図柄変動が4回実行されるまでの期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、確変状態の後に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態等)に応じて、獲得済みの特図2保留に基づく特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が実行される遊技状態を異ならせる構成。即ち、獲得済みの特図保留に基づいて特別図柄抽選が実行される遊技状態として、遊技者に有利となる有利遊技状態(通常状態)で実行され得る特別図柄抽選の実行回数を異ならせることが可能な構成を用いても良い。
例えば、確変状態中に獲得した特図2保留の一部が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の間に消費され、残りの特図2保留が通常状態中に消費されるよう、例えば、普図高確期間の終了条件として特別図柄変動58回、特図高確期間の終了条件として特別図柄変動60回が規定される大当たり種別を設けても良い。この場合、確変状態中に上限数の特図2保留を獲得した状態で普図高確期間が終了し第2確変状態へと移行すると、第2確変状態中に特図2保留を2個消化し、残りの2個の特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を通常状態において実行させることができる。このように、確変状態が設定されて特図高確期間よりも先に普図高確期間が終了するように各終了条件を規定する場合には、各終了条件の差分を異ならせるだけで通常状態にて実行され得る第2特別図柄抽選の回数を異ならせることができる。
また、本第5制御例では、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)と、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)と、を共に有している場合において、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行されるように構成しているため、上述した通り、確変状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が、特図1保留の有無(特図2保留よりも先に獲得している特図1保留の有無)に関わらず優先して実行され、特図2保留を獲得し易い遊技状態(普通図柄の高確率状態)が終了した場合、即ち、特図2保留を獲得し難い遊技状態(普通図柄の低確率状態)が設定された直後から特図2保留数が減少していくが、これに限ること無く、特図1保留に基づく第1特別図柄抽選と、特図2保留に基づく第2特別図柄抽選とを、各特図保留を獲得した順に応じて実行可能に構成しても良い。
「6R確変大当たり(大当たりD5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。そして、本第5制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりD5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が65回変動されて、65回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりD5は、特図高確期間を終了させるための終了条件(確変終了条件)と、普図高確期間を終了させるための終了条件(時短終了条件)とを異ならせて規定しており、時短終了条件が成立するよりも前に確変終了条件が成立するように構成されている。よって、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中における60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に、普図高確期間よりも先に特図高確期間が終了し、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。そして、時短状態が設定されてから5回目(大当たり遊技が終了してから合計で65回目)の特別図柄変動が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように遊技状態が遷移する。
ここで、時短状態が設定されている期間は、確変状態と同様に、普通図柄の高確率状態が設定されていることから、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態であり、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる遊技期間となる。つまり、確変状態から時短状態へと移行した場合には、遊技者に対して継続して右打ち遊技を実行させ特図2保留を獲得する遊技を行わせることになる。そして、本第5制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行され、且つ、特図2保留を最大で4個まで記憶可能に構成していることから、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で時短状態から通常状態へと移行した時点において記憶されている特図2保留の数が4個となる。
つまり、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に主として第2特別図柄抽選が実行される普図高確期間(確変状態)が設定され、大当たりB5と同様に普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態にて実行させ易い遊技が実行されることになる。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その後、特図高確期間及び普図高確期間が終了し、通常状態が設定された状態における第2特別図柄抽選の実行のし易さの点で大当たりB5と同等の有利度合いとなる。
ここで、時短状態は、確変状態と比べて特別図柄抽選で大当たり当選する確率が低確率(1/300)に設定されることから、時短状態は確変状態よりも特別図柄抽選で大当たり当選し難い遊技状態となる。よって、確変状態から通常状態へと移行する大当たりB5では、確変状態中に実行される特別図柄の最終変動期間中に、当該変動にて大当たり当選しているか否かを示すための演出(変動演出)と、確変状態中に特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知(報知演出)と、を重複して実行する必要があり、異なる主旨の演出が重複して実行されることから遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、大当たりD5のように、確変状態から時短状態へと移行し、その後、時短状態から通常状態へと移行するように特図高確期間の終了条件と普図高確期間の終了条件とを規定した場合には、確変状態中に実行される特別図柄の最終変動期間中は、当該変動にて大当たり当選しているか否かを示すための演出(変動演出)のみを実行することが可能となるため、遊技者に対して、特別図柄の高確率状態中(特図高確期間中)に実行される特別図柄抽選、即ち、大当たり当選の期待度が高い特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出に遊技者を注視させ易くすることができる。そして、時短状態の最終変動において、特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知(報知演出)を実行することで、大当たり当選の期待度が高い特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出が実行される期間と、普図高確期間中に特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための報知演出が実行される期間とが重複し難くすることができる。
よって、大当たりD5は、大当たりB5に対して、実行される演出の分かり易さの点で有利な大当たり種別となる。
普通図柄の高確率状態中(普図高確期間中)は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態中(普通図柄の低確率状態)と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短状態中は、第2入球口640へ球が入賞し易い状態となり、特別図柄抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、時短状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常状態中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、時短状態中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、時短状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口(入球口)63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示ユニット80が配設されている。可変表示ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図242参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図242参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選(第2図柄の変動表示回数)を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、第2入球口640に球が入球することで、賞球として遊技者に4個の球が上皿17に払い出されるので第2入球口640へ球が入賞し易い状態となることで、遊技者の持ち球が減少することを抑制しながら遊技を行うことができ、追加で球を貸し出す為の投資を抑制させることができながら、特別図柄の抽選を時短期間中行わせることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示ユニット80の右側流路の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左側を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。なお、本実施形態では、普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過した場合には、賞球は払いだされない構成としたが、それに限らず、例えば、1球等の所定数の賞球を払い出すように構成してもよい。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると4個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、第2入球口640へと遊技球が入球することで実行される第2特別図柄抽選では、特定の遊技状態(通常状態)において、大当たり当選以外の特典として時短状態を付与可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選以外(外れ)である場合の一部において、特別図柄変動が停止表示された後に、時短状態を設定する特典を付与可能に構成している。よって、第1入球口64へと遊技球が入球したことを契機に実行される第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な特別図柄抽選を実行することになる。
つまり、第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能となる普通図柄の高確率状態が設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
次に、図235から図239を参照して、本第5制御例のパチンコ機10において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選以外に時短当選を設けている点で大きく相違しており、ここでは、時短当選に関わる演出について主に説明をする。なお、上述した第1制御例と同一内容の要素(表示態様)については、その詳細な説明を省略する。
図235(a)は、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図235(a)に示した通り、大当たり遊技が実行されると、主表示領域Dmにはウサギを模したキャラクタ801が表示され、遊技者に特典(大当たり遊技)が付与されていることを祝福する演出が実行される。大当たり遊技中は、主表示領域Dmの右上に形成された小表示領域Dm1にて大当たり当選したことを示す第3図柄が継続して停止表示されており、図235(a)に示した例では、「777」の表示態様で第3図柄が停止表示されている。この小表示領域Dm1は、第1特別図柄に対応して変動表示される第3図柄が表示される領域であって、第1特別図柄が変動表示されている間は、第1特別図柄が変動表示されていることを示す表示態様で第3図柄が変動表示される。
また、主表示領域Dm1の左側には、大当たり遊技中における遊技方法を遊技者に案内するための案内報知態様が表示される小表示領域Dm4と、現在のラウンド数(ラウンド遊技数)を遊技者に報知するためのラウンド数報知態様が表示される小表示領域Dm5と、通常状態を介さずに連続して実行された遊技において獲得した賞球数に対応する値を示すための獲得情報が表示される小表示領域Dm6と、が形成され、図235(a)に示した例では、小表示領域Dm4に「右打ち」、小表示領域Dm5に「2ラウンド」、小表示領域Dm6に「140P」の文字が表示されている。
つまり、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行することを遊技者に案内し、現在大当たり遊技の2ラウンド目が実行されていることを報知し、今回の大当たり遊技にて獲得した賞球数が140個であることを示している。このように、大当たり遊技中であること、及び、大当たり遊技中の遊技方法や、獲得した特典に関する情報を表示可能に構成することで、遊技者に対して、分かり易い遊技を提供することができる。
そして、大当たり遊技中のラウンド遊技が全て終了し、大当たり遊技のエンディング期間が設定されると、図235(b)に示した通り、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に遊技者に示唆するためのエンディング画面が表示される。図235(b)は、大当たり遊技のエンディング画面に表示される表示画面の一例を示した図である。図235(b)に示した例では、大当たり遊技終了後に確変状態に対応した演出(チャンスタイム)が設定されることと、そのチャンスタイムの期間が56回(特別図柄変動56回)であることが遊技者に報知される表示画面を示している。そして、主表示領域Dm1の中央部では、チャンスタイム中に実行される演出内容を事前に遊技者に報知するための表示態様として、左方向から右方向へとキャラクタ801が走り続ける表示態様が表示される。
このように、実際に確変状態が設定されるよりも前(大当たり遊技中)の一部期間を用いて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されること、設定された確変状態の継続期間、確変状態中に実行される演出内容の説明を遊技者に報知することにより、今後実行される遊技の内容を遊技者に事前に把握させることが可能となるため、遊技者に理解し易い遊技を提供することができる。
次に、確変状態中に実行されるチャンスタイム演出の演出内容について、図236を参照して説明をする。図236(a)は、チャンスタイム中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図236(b)は、チャンスタイムの最終変動中に表示される表示画面の一例を示した図である。チャンスタイム中は、主表示領域Dm1にてキャラクタ801が走り続け、画面に表示されるVアイコ801vをゲットすることで大当たり当選が報知される演出が実行される。上述した通り、確変状態中は、普通図柄の高確率状態が設定されるため、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させ第2特別図柄抽選を実行させる遊技(右打ち遊技)が遊技者に有利な遊技方法となる。
よって、小表示領域Dm4には、右打ち遊技を案内するための「右打ち」が表示される。そして、チャンスタイムが終了するまでの期間を示すための残期間報知態様が小表示領域Dm7に表示される。図236(a)では、チャンスタイムが終了するまでに実行可能な特別図柄変動の回数が残り50回であることを示すための表示態様として「残り50回」の文字が表示されている。
ここで、チャンスタイムは確変状態に対応して実行される演出であり、チャンスタイムの終了タイミングは、確変状態が終了するタイミングのことである。ここで、本第5制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりの種別によって、確変状態が終了した後に、通常状態が設定される場合(大当たりA5,B5)と、第2確変状態が設定される場合(大当たりC5)と、時短状態が設定される場合(大当たりD5)と、がある。何れの大当たり種別が設定された場合であっても、確変状態が終了する特別図柄変動(確変状態における特別図柄最終変動)中は、図236(b)に示したチャンスタイム終了時の演出画面が表示される。
図236(b)に示した例は、確変状態が終了した後に第2確変状態、或いは通常状態、即ち、確変状態の終了に伴い、普通図柄の高確率状態から低確率状態へと移行する場合におけるチャンスタイム終了時の演出画面の一例を示したものであって、主表示領域Dm1には、普通図柄の低確率状態が設定されることを示すための「チャンスタイム終了後は引き戻しモード突入」のコメントが表示される。そして、普通図柄の高確率状態が継続している期間、即ち、特図2保留を獲得し易い期間中に特図2保留を上限まで獲得することを促す遊技案内態様として、副表示領域Dsに「右打ちして保留を貯めてね」のコメントが表示されると共に、主表示領域Dmの右下側に獲得済みの特図2保留数を示すため小表示領域Dm9が形成される。
小表示領域Dm9には、獲得可能な特図2保留の上限数と、獲得済みの特図2保留数と、を遊技者に報知可能な保留アイコンが表示され、1個目の特図2保留に対応して第1保留アイコンh1、2個目の特図2保留に対応して第2保留アイコンh2、3個目の特図2保留に対応して第3保留アイコンh3、4個目の特図2保留に対応して第4保留アイコンh4が表示される。図236(b)では、特図2保留を3個獲得している状態であるため、第1保留アイコンh1、第2保留アイコンh2、第3保留アイコンh3が獲得済みを示すための表示態様(図では黒色)で表示され、第4保留アイコンh4は未獲得であることを示すための表示態様(図では白色)で表示されている。これにより、特図2保留を上限まで獲得できたか否かを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、小表示領域Dm9に表示される4つの保留アイコンが全て獲得済みとなった場合、即ち、確変状態における特別図柄最終変動中に上限数(4個)の特図2保留を獲得した場合には、これ以上右打ち遊技を継続しても新たな特図2保留を獲得できない点と、確変状態における特別図柄最終変動であることから、確変状態中に特図2保留が消化されない点と、から、これ以上右打ち遊技を継続しても遊技者に有利となる特典を付与することが出来ない状況となるため、小表示領域Dm9には、特図2保留を上限数獲得したことを示すための表示態様(例えば、「MAX」)が表示されると共に、小表示領域Dm4に表示されている「右打ち」の文字を特図2保留を上限数獲得するよりも前の表示態様と異ならせ、右打ち遊技の必要性が低い表示態様(例えば、文字の大きさを小さくする)を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して、無駄に右打ち遊技を継続させ難くすることができる。
引き戻しモードとは、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)において第2特別図柄抽選が実行される期間に対応して設定される演出である。本第5制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において実行される第2特別図柄抽選にて時短当選し得るように構成している。つまり、引き戻しモード中は、大当たり当選だけで無く、時短当選の可能性がある特別図柄抽選が実行されるため、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される可能性を高めることができる。
次に、図237を参照して、引き戻しモード中に実行される演出の内容について説明をする。図237(a)は、引き戻しモードの開始時に表示される表示画面の一例を示した図であり、図237(b)は、引き戻しモード中に時短当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
引き戻しモードが設定されると、図237(a)に示した通り、獲得している特図2保留数に対応した数の宝箱810a~宝箱810dが表示され、第2特別図柄変動に合わせて宝箱を開放する演出が実行される。そして、対応する第2特別図柄の抽選結果を示すための表示態様が宝箱の中から出現する演出が実行される。
引き戻しモードの開始時には、副表示領域Dsに引き戻しモード中の演出内容を説明するための案内態様として「宝箱から「V」が出たら大当たり、「時」が出たら時短ゲット」のコメントと、「宝箱を開けろ」のコメントが表示される。
なお、本第5制御例では、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の変動時間が、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄変動回数に関わらず決定されるように構成されており、1回の第2特別図柄変動の変動期間に対して、1個の宝箱を開放する演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、引き戻しモード中に実行される全ての第2特別図柄変動の変動時間を用いて1個の宝箱を開放する演出を実行可能に構成し、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動にて1個でも抽選結果が大当たりまたは時短当選している場合に、その抽選結果を示すための演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の変動回数を遊技者に分かり難くすることができる。
また、本第5制御例では、実際に時短抽選が実行される通常状態と、時短抽選が実行されない第2確変状態と、の何れの遊技状態が設定された場合にも、即ち、確変状態から普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)へと移行した場合に、引き戻しモードが設定されるように構成している。つまり、第2確変状態が設定されている場合の引き戻しモードでは、演出結果として宝箱から「時」が出現することが無い演出が実行されることになる。
このように、時短抽選を実行可能な遊技状態と、時短抽選を実行不可能(し難い)遊技状態とで、同一の演出(引き戻しモード)を実行するように構成することで、引き戻しモードの演出結果として、時短当選を示す演出結果が表示され易い引き戻しモードと、表示されにくい引き戻しモードと、を予め設定することができる。この場合、今回設定された引き戻しモードが時短当選を示す演出結果が表示されやすい引き戻しモード(有利引き戻しモード)であるか、時短当選を示す演出結果が表示され難い引き戻しモード(不利引き戻しモード)であるかを、遊技者に示唆することが可能となる。
本第5制御例では、引き戻しモード中に表示される背景の種別に応じて、今回実行される引き戻しモードが有利引き戻しモードであるか否かを遊技者に示唆可能に構成しており、図237(a)に示した表示画面には、有利引き戻しモードの可能性が高いことを示唆するための背景種別として「天国」を模した背景画像が表示されている。
つまり、本第5制御例では、既に獲得済みの特図2保留に対応する特別図柄抽選の結果を先読みすること無く(事前判定すること無く)、設定されている遊技状態に応じて引き戻しモードの背景種別を決定可能に構成している。このように構成することで、どの背景種別の背景画像が表示されたとしても、時短当選、或いは、大当たり当選の可能性を残し易くすることができるため遊技者の遊技意欲を高めることができる。
そして、引き戻しモード中に時短当選した場合には、図237(b)に示した演出が実行される。図237(b)は、引き戻しモード中における3回目の第2特別図柄抽選にて時短当選した場合に表示される表示内容の一例を示した図であり、既に2回の第2特別図柄変動が実行されたことを示すための履歴表示態様としてバツ印が付された宝箱810aと、宝箱810bとが表示され、実行中の第2特別図柄変動(3回目の第2特別図柄変動)の抽選結果が時短当選であることを示す表示態様が宝箱810cの中から出現する演出が実行され、抽選結果が時短当選であり、付与される時短回数が「10000回」、即ち、実質、次回大当たり当選するまで時短状態(普通図柄の高確率状態)が付与されることを示すための表示態様として「「時」×10000」が表示される。また、主表示領域Dmの右下側には、実行中の第2特別図柄変動も含めて、引き戻しモード中に実行されえる第2特別図柄抽選の残回数を分かり易く報知することができる。
次に、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄抽選で時短当選した場合に実行される演出の内容について説明をする。本第5制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合のほうが、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて確変状態が設定される場合に比べて普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長く設定され易く(普図高確期間が終了し難く)なるように構成している。具体的には、時短当選した場合の一部において、特別図柄変動の実行回数が大当たり当選すること無く10000回に到達するまで普図高確期間が継続する時短状態(ロング時短)を設定可能に構成している。
そして、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選で時短当選し、ロング時短が設定された場合には、図238(a)に示した演出画面が表示される。図238(a)は、ロング時短が設定された場合に実行される延長タイム中の表示画面の一例を示した図である。ロング時短が設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達するよりも前に、特別図柄抽選で大当たり当選することが殆どであるため、図238(a)に示した通り、ロング時短が設定された場合には、普通図柄の高確率状態が継続する普図高確期間の残期間を示すための残期間報知態様として「無限(図では記号で表示)」が小表示領域Dm7に表示される。
このように構成することで、遊技者に対して、普図高確期間の残期間を気にすること無く時短状態中の遊技を行わせることができると共に、小表示領域Dm7の表示領域として5桁の数字を表示可能な領域を設ける必要が無くなるなり、小表示領域Dm7を小さくすることができるため、主表示領域Dmの表示領域を他の演出に有効に活用することができる。そして、副表示領域Dsには、実質、次回の大当たり当選まで時短状態(普図高確期間)が継続することを遊技者に案内するための案内態様として「次の大当たりまで右打ちでサクサク消化だ」のコメントが表示される。
ここで、ロング時短が設定された場合は、確率的に実質次回大当たり当選まで時短状態が継続するまで時短状態が継続することが殆どであるが、万が一、ロング時短が設定されてから大当たり当選すること無く特別図柄変動の回数が10000回を超えた場合には、普図高確期間が終了してしまい、表示画面にて表示された内容と、実際の遊技内容とが異なり、遊技者に不信感を与えてしまうことになるため、ロング時短が設定されてから実行された特別図柄変動の実行回数が所定回数(例えば、9850回)を超えた場合には、ロング時短中の表示画面を異ならせるように構成している。
図238(b)は、ロング時短中において実行された特別図柄変動の実行回数が9900回に到達した場合の表示画面の一例を示した図である。図238(b)に示した通り、ロング時短が設定されてからの特別図柄変動回数が所定回数を超えた場合には、小表示領域Dm7に普図高確期間の残期間を示すための残期間報知態様として「残り100回」が表示され、主表示領域Dmには、キャラクタ801が疲れた表情で走る演出態様が表示される。このように構成することで、実質次回大当たりまで時短状態が継続し得る普図高確期間が設定された場合であっても、実際に普図高確期間が終了し得る状況が発生した場合には、具体的な残期間を遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図239を参照して、チャンスタイム終了後に時短状態が設定される場合の演出内容について説明をする。図239は、チャンスタイム終了後に時短状態中に実行される準備タイムの演出画面の一例を示した図である。上述した通り、確変大当たりの種別として、大当たりD5が設定された場合には、確変状態から時短状態へと移行し、時短状態から通常状態へと遊技状態が移行する。そして、時短状態中は準備タイム演出が実行される。この準備タイムは、時短状態が設定されている期間、実行される演出であって、時短状態における特別図柄最終変動の期間中には、上述した図236(b)に示した確変状態における特別図柄最終変動と同様に特図2保留を上限まで獲得することを促す態様が表示される。
次に、引き戻しモード中に表示される背景種別の内容について、図240(a)を参照して説明をする。図240(a)は、引き戻しモード中に表示される背景種別と、各背景が示す内容との関係性を示す図である。
図240(a)に示した通り、本第5制御例では、引き戻しモード中の背景種別として4つの背景(天国、夜、夕、昼)を表示可能に構成している。そして、表示された背景の種別に応じて今回の引き戻しモード中における特典(大当たり、時短当選)の期待度を遊技者に示唆可能に構成している。
詳細な説明は図250を参照して後述するが、本第5制御例では、引き戻しモードを設定する場合(確変状態から第2確変状態、或いは通常状態へと移行する場合)に、獲得済みの特図2保留数と、移行後の遊技状態の種別と、保留内の大当たり当選、時短当選の有無と、に基づいて4つのモード種別の中から1のモード種別を決定可能に構成し、決定されたモード種別に対応させた背景種別を引き戻しモード中の背景として表示可能に構成している。
引き戻しモード中のモード種別は、特典付与の期待度が異なるように規定されており、遊技者に最も有利なモードAから、遊技者に最も不利なモードDまでの4つのモード種別を有している。「モードA」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が極めて高いモードであって、対応する背景種別として「天国」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、天国を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。次いで、「モードB」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が2番目に高いモードであって、対応する背景種別として「夜」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、夜を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が2番目に高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。「モードC」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が3番目に高いモードであって、対応する背景種別として「夕」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、夕方を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が若干高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。最後に「モードD」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が低いモードであって、対応する背景種別として「昼」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、昼を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が低い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。
なお、本第5制御例では、引き戻しモード突入時における特図2保留数が上限数では無い場合には、高モードのモード種別が選択されないように構成している。さらに、引き戻しモード突入時における特図2保留数が上限数では無い場合には、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選にて時短抽選が実行されるか否かを判別すること無くモード種別を決定するように構成している。つまり、引き戻しモードのモード種別を予測し易くするためには、特図2保留数を上限数獲得した状態で引き戻しモードへと移行する必要がある。
このように構成することで、確変状態、或いは時短状態が設定されている状態において特図2保留を上限数まで獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図240(b)を参照して、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の抽選結果を示すための示唆態様について説明をする。図240(b)は、引き戻しモード中の示唆態様の種別と、各示唆態様が示す示唆内容との関係性を示した図である、図240(b)に示した通り、引き戻しモード中の示唆態様としては、後述する示唆態様選択テーブル222db(図251参照)を参照して、宝箱(図237参照)の表示態様を可変させたり、宝箱を開放するまでの間にキャラクタ801の表示態様を可変させたりする示唆態様(示唆A~示唆D)が設定される。
具体的には、当該変動における大当たり当選、或いは時短当選の期待度に応じて示唆種別として「示唆A」,「示唆B」を設定可能に構成され、設定されている遊技状態に応じて示唆種別として「示唆C」,「示唆D」を設定可能に構成されている。
「示唆A」が選択された場合には、引き戻しモード中(図237(b)参照)において表示される宝箱810cの表示態様として、通常とは異なる色(金色)の宝箱が表示される。この「示唆A」に対応する金色の宝箱が表示された場合は、当該変動で大当たり当選、又は時短当選している可能性が高いことを遊技者に示唆することになる。「示唆B」が選択された場合には、引き戻しモード中(図237(b)参照)において表示される宝箱810cの表示態様として、通常よりも大きな宝箱が表示される。この「示唆B」に対応する金色の宝箱が表示された場合は、当該変動で大当たり当選、又は時短当選している可能性が高いことを遊技者に示唆することになる。なお、「示唆A」が選択されたほうが「示唆B」が選択された場合よりも大当たり又は時短当選している可能性が高くなるように構成している。
「示唆C」、及び「示唆D」が選択された場合には、引き戻しモード中(図237(b)参照)において表示されるキャラクタ801が装飾品を備えた表示態様が表示され、通常とは異なる態様でキャラクタ801が表示される。そして表示される装飾品の種別に応じて現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆される。
「示唆C」が選択された場合には、図237(b)に示した通り、キャラクタ801に天使の輪を模した装飾品801wが表示され、現在設定されている遊技状態が通常状態である可能性が高いことを遊技者に示唆し、「示唆D」が選択された場合には、キャラクタ801の頭上にチャンスの文字を模したアイコンが表示されることで遊技状態が通常状態である可能性が高いことを遊技者に示唆する。なお、「示唆C」が選択されたほうが「示唆D」が選択された場合よりも通常状態が設定されている可能性が高くなるように構成している。
このように、本第5制御例では、引き戻しモードが設定される時点における遊技状況に応じて引き戻しモードのモード種別が決定され、且つ、引き戻しモード中に実行される特別図柄変動に対して示唆態様が決定されるように構成している。そしてモード種別と示唆態様の種別とを複合的に判別することにより現在の遊技状況を遊技者により正確に予測させることが可能となる。よって、遊技者に対して実行されている様々な演出の態様に興味を持たせることができる。
<第5制御例におけるゲームフローについて>
次に、図241を参照して、本第5制御例におけるゲームフローについて説明をする。図241は、本第5制御例におけるゲームフロー、即ち、遊技状態の移行の流れを模式的に示した図である。図241に示した通り、本第5制御例では、遊技状態として、通常状態(特図1通常、特図2通常)、時短状態(第1時短、第2時短)、確変状態、第2確変状態の遊技状態を設定可能に構成しており、特別図柄抽選における大当たり判定の結果、及び、時短当選判定の結果に応じて様々な遊技状態を設定可能に構成している。
<第5制御例における電気的構成について>
次に、図242から図251を参照して、本第5制御例における電気的構成について説明をする。図242は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。なお、本第5制御例における電気的構成のうち、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成(図137参照)と同一の内容については、その説明を一部省略する。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図243を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図243は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、時短当選時における時短種別を選択するために使用する時短種別選択カウンタCC1が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図156参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図167参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1時短種別選択カウンタCC1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1、時短種別選択カウンタCC1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を有している各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本第5制御例では、特別図柄の抽選結果として、大当たり当選しなかった場合に時短当選し得るように、大当たり当選の判定値と、時短当選の判定値と、を異ならせているが、これに限ること無く、大当たり当選の判定値と時短当選の判定値との少なくとも一部を重複させるように構成しても良い。このように構成することで、取得した判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)によって、大当たり当選のみ、時短当選のみ、大当たり当選と時短当選の重複当選の抽選結果を遊技者に提供することができる。この場合、重複当選した場合のほうが、何れか一方に当選した場合よりも遊技者に有利な特典が付与されるように構成すると良く、例えば、重複当選したことに基づいて設定される時短状態を、他の当選に基づいて設定される時短状態よりも終了させ難くするように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して重複当選することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れに加え、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、当たり遊技を実行すること無く時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。また、1の特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選、小当たり当選、時短当選、外れの4つの抽選結果に当選可能に構成しても良いし、特別図柄種別に応じて、特別図柄抽選で当選し得る特典を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、第1特別図柄抽選が実行された場合に付与され得る特典として、大当たり当選と、時短当選と、を規定し、第2特別図柄抽選が実行された場合に付与され得る特典として、大当たり当選と、小当たり当選と、を規定するように構成し、且つ、同一の遊技状態が設定されている場合に、遊技者が遊技球を発射させる方向を選択することで(左打ち遊技、右打ち遊技を選択することで)、実行される特別図柄抽選の種別を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、大当たり当選以外の特典(付加特典)の種別を選択させることが可能となる。
さらに、本実施形態のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図243を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、主制御装置110のタイマ割込処理の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図167参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数5テーブル202daによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数5テーブル202daによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄抽選で時短当選となる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される時短当たり乱数5テーブル202deによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、時短当たり乱数5テーブル202daによって設定された時短当選となる乱数の値と一致する場合に、時短当選と判定する。
ここで、図245(a)を参照して、第1当たり乱数5テーブル202daについて説明する。図245(a)は、第1当たり乱数5テーブル202daに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数5テーブル202daは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数5テーブル202daには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図245(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~2」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「3~899」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~14」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「15~899」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数5テーブル202daの更新範囲は「0~899」の900個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/300(900個のうち3個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/60(900個のうち15個)となる。
なお、本制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果に加え「時短当選」が判定されるように構成している。ここで、図245(c)を参照して、時短当たり乱数5テーブル202deについて説明する。図245(a)は、時短当たり乱数5テーブル202deに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短当たり乱数5テーブル202deは、特別図柄の抽選において、時短当選と判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、時短当たり乱数5テーブル202deには、時短当選と判定される判定値を特別図柄種別、及び遊技状態に応じて異ならせて規定している。図245(a)に示した通り、特別図柄種別として第1特別図柄に対しては、時短当選に対応する判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されていない。また、特別図柄種別として第2特別図柄に対しては、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)である場合のみ時短当選に対応する判定値が規定されており、それ以外の遊技状態(確変状態、第2確変状態、時短状態)である場合には、時短当選に対応する判定値が規定されていない。
遊技状態として通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「51~200」が時短当選判定値として規定されており、それ以外の値(「3~50,201~899」)が外れの判定値として規定されている。なお、詳細な説明は後述するが、この時短当たり乱数5テーブル202deは、第1当たり乱数5テーブル202daを参照して実行された大当たり判定の結果が「外れ」であった場合に参照されるものであるため、通常状態において実行される第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(「0~2」)以外の値を取得している場合に参照されることになる。
よって、第1当たり乱数5テーブル202daの更新範囲は「0~899」の900個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/300(900個のうち3個)となり、時短当選と判定される確率は1/6(900個のうち150個)となる。
つまり、通常状態において実行される第2特別図柄抽選は、大当たり当選する確率が3/900、時短当選する確率が150/900、外れ確率が747/900となり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選(外れ確率897/900)に対して、外れ当選し難い(特典が付与され易い)特別図柄抽選となる。
なお、本制御例では、特定の遊技状態(通常状態)であり、且つ、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選でのみ時短当選の判定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、何れの特別図柄種別に対しても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。さらに、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合でも時短当選の判定を実行可能に構成しても良く、例えば、普通図柄の低確率状態(第2確変状態)が設定されている状態で実行される第2特別図柄抽選においても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、引き戻しモード(図237参照)中に実行される第2特別図柄抽選では必ず時短当選の判定(時短抽選)を実行させることができる。
この場合、通常状態中に実行される時短抽選と、第2確変状態中に実行される時短抽選と、で時短当選と判定される確率(時短当選確率)を異ならせると良く、例えば、通常状態が設定されている場合のほうが、第2確変状態が設定されている場合よりも時短当選し易くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が第2確変状態(特別図柄の高確率状態)よりも低い通常状態(特別図柄の低確率状態)において、時短当選確率を高めることができるため、遊技者に過剰に不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
なお、これに限ること無く、通常状態よりも第2確変状態のほうが、時短当選確率を高めるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率に設定されている遊技状態(特別図柄の高確率状態)において、時短当選する確率も高めることができるため、確変状態中に実行される特別図柄抽選よりも、第2確変状態中に実行される特別図柄抽選のほうが、何らかの特典(大当たり、時短)が付与される抽選結果となる確率(外れに当選しない確率)を高めることができる。
さらに、本第5制御例では、特定の遊技状態であり、且つ、特定の特別図柄抽選が実行される場合にのみ時短抽選を実行可能に構成しているため、時短当選確率は常に固定されているが、異なる条件下(特別図柄種別、遊技状態)において時短抽選が実行されるように構成した場合には、時短抽選の成立契機に合わせて時短当選確率を異ならせるように構成しても良い。
また、時短抽選の成立契機だけでは無く、例えば、遊技状態が可変されること無く実行された特別図柄変動の変動回数が所定回数を超えた場合に、時短当選確率を高めるように構成しても良い。
これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置650を「大当たり5」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」と「時短当選」の3種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第4の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置650を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択5テーブル202dcを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図246(a)を参照して大当たり種別選択5テーブル202ddの内容について説明をする。
図246(a)は、大当たり種別選択5テーブル202ddに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図246(a)に示した通り、この大当たり種別選択5テーブル202ddは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用5テーブル202dd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用5テーブル202dd2と、を有している。
まず、図246(b)を参照して、特図1大当たり用5テーブル202dd1の内容について説明をする。図246(b)は、特図1大当たり用5テーブル202dd1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用5テーブル202dd1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。なお、各データテーブルに規定されている詳細な内容については上述したため省略する。
図243に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図167参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択5テーブル202db(図247参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図247を参照して変動パターン選択5テーブル202dbの内容について説明をする。図247(a)は変動パターン選択5テーブル202dbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図247(a)に示した通り、変動パターン選択5テーブル202dbには、遊技状態として通常状態、或いは第2確変状態を設定している状態で用いられる通常・第2確変用5テーブル202db1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・時短用5テーブル202db2と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択5テーブル202dbに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図247(b)及び図248(a)を参照して説明をする。図247(b)は通常・第2確変用5テーブル202db1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常・第2確変用5テーブル202db1は、遊技状態として通常状態、或いは第2確変状態、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。また、特別図柄の抽選結果が時短当選(外れの一部)である場合には、特別図柄の抽選結果が外れ(時短当選以外)である場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合と同一の変動時間が選択され易くなるように規定している。
まず、図247(b)を参照して、通常・第2確変用5テーブル202db1について説明する。図247(b)は、この通常・第2確変用5テーブル202db1の規定内容を示した図である。この通常・第2確変用5テーブル202db1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。つまり、変動時間が30秒と同一であっても、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に応じて、異なる変動パターンを選択可能に構成している。このように主制御装置110にて同一の変動時間に対して異なる変動パターンを選択可能に構成することで、変動パターンを示すコマンドを受信した音声ランプ制御装置113側にて変動演出を決定するための処理を簡略化することができる。
なお、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて基本時間に加え、加算時間を付加可能に構成しても良く、加算時間を付加可能に構成した場合には、基本時間と加算時間とを合算した合算時間を変動時間として設定し、その基本時間を示すコマンドと、加算時間を示すコマンドと、を出力するように構成する。この場合、付加される加算時間を決定する際に、変動種別選択カウンタCS1の値を用いても良いし、加算時間を選択するために用いる専用のカウンタの値を取得するように構成しても良い。そして選択された基本時間(例えば、30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)と、が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成すると良い。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。
また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されており、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のリーチ外れが規定されている。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~149」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「150~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。
当否判定結果が外れ(時短)、即ち、当否判定結果が時短当選であって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~169」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。
当否判定結果が外れであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~19」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のリーチ外れが規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20~198」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。
次に、図248(a)を参照して、確変・時短用5テーブル202db2の内容について説明をする。図248(a)は、確変・時短用5テーブル202db2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用5テーブル202db2は、確変状態、或いは時短状態が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態と、特別図柄の種別と、変動回数(大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に応じて異なる変動パターンが選択されるように各変動パターンが規定されている。
ここで、本第5制御例では、大当たり遊技終了後には必ず普通図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されている。そして、設定された普通図柄の高確率状態が、時短終了条件が成立するまで継続するように構成している。本第5制御例では、時短終了条件として、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行された特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に成立する第2時短終了条件と、を設けており、何れかの時短終了条件が成立した場合に、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
そして、大当たり種別に応じて第1時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数(時短回数)を異ならせており、例えば、大当たり種別として大当たりA5、B5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が60回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し(時短回数60回)、大当たりC5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が56回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し(時短回数56回)、大当たりD5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が65回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数65回)するように構成している。
加えて、本第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合(外れの場合)の一部において、時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能(時短当選可能)に構成しており、時短当選した場合に設定される時短種別によって、第1時短終了条件を異ならせている。例えば、時短種別として時短Aが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数10000回)し、時短Bが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数100回)するように構成している。
そして、普通図柄の高確率状態が設定されている場合であっても、遊技状態、及び、時短種別に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態や時短種別に対応させた変動演出を実行させ易くすることができる。
具体的には、図248(a)に示した通り、時短種別が「大当たり後時短」、即ち、大当たり当選に基づいて普通図柄の高確率状態が設定された場合は、特別図柄変動回数が「1回~60回」の期間は、特別図柄の種別に関わらず、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190~198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。
さらに、特別図柄変動回数が「61回~65回」の期間は、特別図柄の種別、抽選結果、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。
ここで、特別図柄変動回数が「61回~65回」の期間が参照される場合は、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合、即ち、確変状態が終了した後に5回転の時短状態が設定される場合である。この時短状態中は、準備タイム(図239参照)の演出が実行される期間であり、当否判定結果に関わらず常に一定の変動時間(5秒)が設定される。よって、準備タイム全体の期間を固定することができるため、引き戻しモードが設定されるまでの残期間を遊技者に把握させ易くすることができる。
なお、図239を参照して準備タイム中の表示画面について上述したが、図239に示した表示態様に加え、準備タイムの残期間(秒数)を報知可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図2保留数が、準備タイム(時短状態)を終了させる条件を満たした場合に、時短状態中に実行可能な特別図柄の残変動回数に5秒を加えた時間を表示画面に表示するように構成すると良い。このように構成することで、準備タイムが終了し引き戻しモードが設定されるタイミングを遊技者により分かり易く報知することができる。
さらに、準備タイムの残期間を報知可能に構成した場合には、報知されている残期間のうち、時短状態中における特別図柄最終変動に対応する期間、即ち、獲得した特図2保留が時短状態中に新たに消費されないことが確定している期間に該当する範囲を遊技者に予め示唆可能な演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、準備タイム中における特別図柄の最終変動が実行される期間を遊技者に分かりする報知することができる。
一方、設定されている時短種別が「時短A」で、図柄種別(特別図柄種別)が特図1(第1特別図柄)の場合は、変動回数(特別図柄変動回数)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(ロング変動)が規定され、図柄種別が特図2(第2特別図柄)の場合は、特別図柄変動回数が「1回~99回」の期間は、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190~198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。そして、特別図柄変動回数が「100回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「10秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。さらに、特別図柄変動回数が「101回~200回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「2秒」の変動パターン(超短変動)が規定され、特別図柄変動回数が「201回~10000回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「0.5秒」の変動パターン(特殊短変動)が規定されている。
また、設定されている時短種別が「時短B」で、図柄種別(特別図柄種別)が特図1(第1特別図柄)の場合は、変動回数(特別図柄変動回数)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(ロング変動)が規定され、図柄種別が特図2(第2特別図柄)の場合は、特別図柄変動回数が「1回~99回」の期間は、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0~189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190~198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。そして、特別図柄変動回数が「100回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「10秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。
上述した通り、本第5制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合(大当たり遊技を介さずに時短状態が設定された場合)には、設定される時短種別に関わらず、特別図柄変動が100回実行されるまで共通の内容で変動パターンが選択されるように構成している。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンに基づいて設定されている時短種別を遊技者に把握され難くすることができる。さらに、100回目の特別図柄変動に対しては、特別図柄抽選の結果に関わらず、変動時間が10秒の変動パターンが選択されるように構成している。ここで、本第5制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に、時短種別として時短A、或いは時短Bを設定可能に構成しており、時短Aが設定された場合には時短回数10000回が設定され、時短Bが設定された場合には時短回数100回が設定されるように構成している。
そして、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、100回目の特別図柄変動の変動期間を用いて、時短状態が終了するか否か(時短種別が時短Aであるか時短Bであるか)を示唆するための演出(継続演出)を実行するように構成している。つまり、何れの時短種別が設定されている場合であっても、且つ、当該変動の抽選結果が何れであっても、固定秒数(10秒)の変動パターンが選択されるため、継続演出を実行し易くすることができる。
また、時短Aが設定された場合には、最大で10000回の特別図柄抽選が実行されるまで時短状態が継続することになるが、時短状態中は特別図柄の低確率状態が設定されているため特別図柄抽選で大当たり当選する確率は通常状態と同一である。よって、通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易い時短状態において、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が実行され続ける場合がある。この場合、時短状態中は右打ち遊技によって第2入球口640へと頻繁に遊技球を入球させて賞球を獲得することが出来るため、遊技者の持ち玉が大きく減少する事態は発生し難いが、次に大当たり当選するまでの期間が間延びしてしまい遊技時間に制限のある遊技者が時短状態中に遊技を断念せざるを得ない事態が発生してしまう虞があった。
そこで、本第5制御例では、時短状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数が増加するほど、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、時短状態中において大当たり当選すること無く多くの特別図柄抽選が実行される場合における遊技の時間効率を高めることができる。また、時短状態が設定されてから所定回数(100回)の特別図柄抽選が実行されるまでの期間は、短縮変動時間が選択され難くなるように構成しているため、複数回の大当たり遊技が短時間で実行されてしまい、短時間で遊技者に過剰に多くの賞球が提供されてしまうことを抑制することができる。
図243に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図156参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納されるなお、第2当たり乱数テーブル202cの構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
時短種別選択カウンタCC1は、特別図柄抽選で時短当選した場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。時短種別選択カウンタCC1の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本制御例のパチンコ機10における時短種別選択カウンタCC1の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した時短種別選択カウンタCC1の値を用いて、時短種別選択5テーブル202dfを参照して時短当選した場合の時短種別を選択するように構成している。ここで、図248(b)を参照して時短種別選択5テーブル202dfの内容について説明をする。
図248(b)は、時短種別選択5テーブル202dfに規定されている内容を示した図である。この時短種別選択5テーブル202dfには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対して異なる時短種別が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~89」の範囲に対して時短種別「時短A」が規定されており、「90~99」の範囲に対して時短種別「時短B」が規定されている。
ここで、時短種別として「時短A」が設定された場合には、時短カウンタ203hの値に10000が設定され、「時短B」が設定された場合には、時短カウンタ203hの値に100が設定される。つまり、時短Aは時短回数10000回の時短状態となり、時短Bは時短回数100回の時短状態となる。
図242に戻り説明を続ける。ROM202は、図243に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図244(a)を参照して、本第5制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図244(a)は、本制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図244(a)に示した通り、本制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数5テーブル202da、変動パターン選択5テーブル202db、第2当たり乱数5テーブル202dc、大当たり種別選択5テーブル202dd、時短当たり乱数5テーブル202de、時短種別選択5テーブル202dfを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202d、時短当たり乱数5テーブル202de、時短種別選択5テーブル202dfについては、図243に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図242に戻り、説明を続ける。RAM203は、図243に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図167参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図166参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図165参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図244(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203i、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、その他メモリエリア203zを有している。なお、上述した各格納エリア、及び各カウンタ、各フラグの内容は、上述した第1制御例と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。本第5制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113のROM222(図144(a)参照)に対して、通常中特図2演出選択テーブル222bと、確変中演出選択テーブル222cと、連続予告実行選択テーブル222dと、V報知実行選択テーブル222eと、ボタン操作時演出選択テーブル222fを削除し、引き戻しモード選択テーブル222daと、示唆態様選択テーブル222dbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
引き戻しモード選択テーブル222daは、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態で普通図柄の高確率状態を終了させる終了条件(時短終了条件)が成立した場合に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)に対応させて実行される演出モードである引き戻しモードにおけるモード種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、確変状態において時短終了条件が成立した場合の特図2保留数(第2特別図柄の保留記憶数)と、時短抽選回数カウンタ223dbの値と、保留内(特図2保留内)大当たりの有無、保留内(特図2保留内)時短当選の有無、演出カウンタ223fの値に対応させて4種類のモード種別(背景)が規定されている。
具体的には、特図2保留数が「4」、即ち、上限数の特図2保留を獲得しており、時短抽選回数カウンタ223dbの値が「4」、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「モードA」が、「50~99」の範囲に対して「モードB」が規定されている。また、保留内大当たりが「無」で、保留内時短当選が「有」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「モードB」が、「80~99」の範囲に対して「モードA」が規定され、保留内時短当選が「無」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「モードB」が、「20~59」の範囲に対して「モードC」が、「60~99」の範囲に対して「モードD」が規定されている。
また、特図2保留数が「4」、即ち、上限数の特図2保留を獲得しており、時短抽選回数カウンタ223dbの値が「0」、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~59」の範囲に対して「モードB」が、「60~99」の範囲に対して「モードC」が規定されており、保留内大当たりが「無」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「モードC」が、「80~99」の範囲に対して「モードB」が規定されている。
一方で、特図2保留数が「1~3」、即ち、上限数の特図2保留を獲得していない状態では、時短抽選回数カウンタ223dbの値に関わらず、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「モードB」が、「20~59」の範囲に対して「モードC」が、「60~99」の範囲に対して「モードD」が規定されており、保留内大当たりが「無」の場合は、保留内時短当選が「有」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「モードB」が、「50~99」の範囲に対して「モードD」が規定されており、保留内時短当選が「無」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「モードB」が、「20~99」の範囲に対して「モードD」が規定されている。
詳細な内容は、図240(b)を参照して上述したため、その説明を省略するが、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して選択される4種類のモード種別(モードA~モードD)は、遊技者への特典付与期待度を異ならせるように規定されており、モードAが最も遊技者に有利なモード種別(引き戻しモード中に特典(大当たり、時短当選)が付与される期待度が最も高い)となり、モードBが次に有利なモード種別となり、次いで、モードC、モードDの順で特典付与期待度が低くなるように各モード種別が選択されるよう、引き戻しモード選択テーブル222daの内容が規定されている。
さらに、確変状態が終了するタイミングにおける特図2保留数に応じて、選択されるモード種別を大きく異ならせるように構成しており、確変状態が終了するタイミングにおける特図2保留数が上限数では無い場合には、時短抽選回数カウンタ223dbの値や、特図2保留内の先読み結果(大当たり、時短当選の有無)に関わらず、最も遊技者に有利となるモード種別(モードA)が選択されない(され難くなる)ように構成している。
このように構成することで、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選の抽選結果を予測しようと、遊技者に対して特図2保留数が上限数となるように積極的に右打ち遊技を実行させることができる。
示唆態様選択テーブル222dbは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出において表示される示唆態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されているモード種別と、当該変動の抽選結果と、演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる種別の示唆態様が規定されている。
次に、図249(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図249(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223h、時短中カウンタ223da、時短抽選回数カウンタ223db、モード種別格納エリア223dc、ロング時短中フラグ223dd、初回設定フラグ223de、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
なお、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223hの内容については、上述した第1制御例の内容と同一であるためその詳細な説明を省略する。
時短中カウンタ223daは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後、或いは、時短当選した特別図柄変動の停止表示後に)、予め定められた値が設定される。そして、時短中カウンタ223daの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223daの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223daの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
時短抽選回数カウンタ223dbは、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)中に実行される第2特別図柄抽選のうち、通常状態中に実行され得る第2特別図柄抽選の回数、即ち、時短当選し得る第2特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、普通図柄の確率状態が高確率状態から低確率状態へと移行する際に獲得している特図2保留数と、普通図柄の高確率状態から低確率状態へと移行した場合に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)とに基づいて値が設定される。
具体的には、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと移行したことを示す状態コマンドを受信した場合(図264のS9102:No)、或いは、確変状態から第2確変状態へと移行したことを示す状態コマンドを受信した場合(図267のS9402:Yes)に実行される引き戻しモード設定処理(図265のS9104参照)において、獲得済みの特図2保留に基づいて通常状態中に実行される(され得る)第2特別図柄抽選の回数が特定され、特定した回数を示す値が時短抽選回数カウンタ223dbの値に設定される。そして、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して、引き戻しモードのモード種別を選択する際に参照される。
また、引き戻しモード中において第2特別図柄抽選が実行される場合において、時短抽選カウンタ223dbの値が読み出され、1よりも大きい値が設定されていると判別された場合には、第2特別図柄抽選が実行される毎にその値が1減算される(図269のS9607参照)。
つまり、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留を普通図柄の低確率状態が設定された後に実行する場合に、設定されている遊技状態に関わらず同一態様の演出を実行するように構成している。つまり、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態として、時短当選し得る特別図柄抽選が実行される通常状態と、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態とで、同一の態様(引き戻しモード)の演出が実行されるように構成し、実行中の第2特別図柄抽選の抽選結果として時短当選が表示され得る遊技状態であるか否かを遊技者に容易に判別させ難くするように構成している。このように構成することで、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態が設定されている場合であっても、遊技者に対して、時短当選に期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、実際に時短当選し得る特別図柄抽選の実行回数を判別し、その判別結果に基づいて引き戻しモードのモード種別を選択可能に構成している。このように構成することで、時短当選し得る特別図柄抽選が実行される通常状態と、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態とで、同一の態様(引き戻しモード)の演出が実行されながらも、何れの遊技状態が設定されているかを遊技者に予測させるための要素(モード種別)を提供することができるため、現在設定されている遊技状態が時短当選の可能性がある遊技状態であるかをいち早く判別したい遊技者に対して、実行中の演出の内容を注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
モード種別格納エリア223dcは、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して選択されたモード種別を格納するための格納エリアである。このモード種別格納エリア223dcに格納された情報(モード種別)は、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定する際に読み出される。そして、引き戻しモードが終了した場合に、格納されている情報がクリアされる。
ロング時短中フラグ223ddは、長期間(特別図柄変動10000回)の時短状態が設定されたことを示すためのフラグであって、長期間の時短状態(時短種別「時短A」)が設定された場合にオンに設定され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。このロング時短中フラグ223ddの設定状況は、残時短回数(普通図柄の高確率状態の残期間)を示すための表示態様を決定する際に参照される。具体的には、時短状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を決定する場合において(図269のS9613:Yes)、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されているかを判別し(図269のS9615)、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されていない場合は(図269のS9615:No)、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7に表示されている残回数を減算表示するための表示用コマンドを設定する(図269のS9614)。
一方、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されている場合は(図269のS9615:Yes)、時短中カウンタ223daの値が150未満であるかを判別し(図269のS9616)、150未満では無いと判別した場合は(図269のS9616:No)、図238(a)に示した通り、小表示領域Dm7に「無限」が表示されている状態であるため、残時短回数を減算表示する処理をスキップし、150未満であると判別した場合は(図269のS9616:Yes)、小表示領域Dm7の表示態様を「無限」から「149」へと切り替えるための演出態様を決定する(図269のS9617)。
初回設定フラグ223deは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選のうち、初回の第2特別図柄抽選が実行済であることを示すためのフラグであって、引き戻しモード中に実行される初回の第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を決定した後にオンに設定される(図269のS9605参照)。そして、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を設定する際に参照され、初回設定フラグ223deがオンに設定されていると判別した場合は(図269のS9602:Yes)、初回の特図2演出態様を設定するための処理(図269のS9603,S9604)がスキップされる。
<第5制御例のパチンコ機10における制御処理内容について>
次に、図252から図270を参照して、本第5制御例のパチンコ機10における各種制御処理の内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図252から図261を参照して、本第5制御例における主制御装置110にて実行される制御処理について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図157のS104参照)に代えて、特別図柄変動処理5(図252のS104)を、特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)に代えて特別図柄判定処理5(図253のS251参照)を、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)に代えて特別図柄変動パターン選択処理5(図255のS252)を、更新処理(図160のS221)に代えて更新処理5(時256のS253)を、始動入賞処理(図161のS105)に代えて始動入賞処理5(図258のS195)を。先読み処理(図162のS613)に代えて先読み処理5(図259のS653)を、大当たり制御処理(図168のS1804)に代えて大当たり制御処理5(図260のS1894参照)を、大当たり終了処理(図170のS1910参照)に代えて大当たり終了処理5(図261のS8403参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図252を参照して、特別図柄変動処理5(図252のS104)の処理内容について説明をする。図252は、特別図柄変動処理5(S104)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理5(S104)では、上述した特別図柄変動処理(図157のS104参照)に対して、特別図柄変動を開始させる際に実行する処理の一部と、特別図柄変動の変動時間が経過した場合に実行する処理の一部を変更した点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理5(S104)が実行されると、上述した特別図柄変動処理(図157のS104参照)と同一のS201~S207,S210~S213の処理を実行する。そして、S207の処理、或いは、S213の処理を終えると、特別図柄判定処理5(S251)を実行し、その後、特別図柄変動パターン選択処理5(S252)を実行し、本処理を終了する。
また、特別図柄変動の変動時間が経過したと判別した場合は(S214:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図157のS104参照)と同一のS216~S220の処理を実行し本処理を終了すると共に、S217の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合に(S217:No)、更新処理5を実行し(S253)、その後、時短設定処理5を実行し(S254)、S220の処理へと移行する。
次に、図253を参照して、特別図柄判定処理5(S251)の処理内容について説明をする。図253は、特別図柄判定処理5(S251)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理5(S251)は、上述した第1制御例の特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(時短抽選処理5)が実行される。
特別図柄判定処理5(S251)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数5テーブル202daに基づいて抽選結果を取得し(S8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S8003:No)、時短抽選処理5を実行し(S8006)、本処理を終了する。
ここで、時短抽選処理5(S8006)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第5制御例では、特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(S8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
次に、図254を参照して、時短抽選処理5(S8006)の処理内容について説明をする。図254は、時短抽選処理5(S8006)の内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理5(S8006)では、現在の遊技状況が時短抽選(時短当選判定)を実行可能な遊技状況であるかを判別し、実行可能であると判別した場合に時短当選判定を実行する処理が行われる。
時短抽選処理5(S8006)が実行されるとまず、今回の対象(抽選対象)が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S8101)、特図2であると判別した場合は(S8101;Yes)、遊技状態格納エリアに格納されている現在の遊技状態を読み出し(S8102)、読み出した遊技状態が通常状態であるかを判別する(S8103)。
S8103の処理において、通常状態であると判別した場合に(S8103:Yes)、時短当たり乱数5テーブル202deに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(S8104)、時短当選しているかを判別し(S8105)、時短当選していると判別した場合は(S8105:Yes)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄をセットし(S8106)、本処理を終了する。
一方、S8101の処理において、今回の対象が特図2では無い(第1特別図柄である)と判別した場合(S8101:No)、S8103の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(S8103:No)、或いは、S8105の処理において時短当選していない(S8105:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(S8107)、本処理を終了する。
つまり、本第5制御例では、特別図柄抽選において時短当選判定を実行するための実行条件として、当該特別図柄抽選で大当たり当選していないこと、第2特別図柄抽選であること、通常状態が設定されていることが規定されている。このように、時短当選判定を実行可能な条件を設けることにより、特別図柄抽選の実行状況に応じて、大当たり判定のみを実行する場合と、大当たり判定と時短当選判定とを実行する場合とを創出することができる。よって、状況に応じて1回の特別図柄抽選において遊技者に特典(大当たり、又は時短)が付与される確率を異ならせることができる。
また、本第5制御例では、確変状態、時短状態、といった通常状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が、特別図柄抽選の実行回数が所定回数(例えば60回)を超えた場合に終了し通常状態へと移行するように構成している。つまり、大当たり当選すること無く特別図柄抽選が所定回数実行された場合において、時短当選判定の実行条件が成立し易くすることができる、よって、特別図柄抽選が大当たり当選すること無く所定回数実行された場合には、所定回数実行される前よりも1回の特別図柄抽選において遊技者に特典(大当たり、又は時短)が付与される確率を高めることができる。このように構成することで、所定期間大当たり当選していない遊技者に対して遊技意欲が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図255を参照して、特別図柄変動パターン選択処理5(S252)について説明をする。図255は、特別図柄変動パターン選択処理5(S252)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理5(S252)では、まず、特別図柄判定処理5(図253のS251)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別選択5テーブル202ddと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S8202)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S8203)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、第2確変状態、確変状態)に対応した変動パターン選択5テーブル202dbを読み出す(S8204)。
そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8204の処理で読み出した変動パターン選択5テーブル202dbとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S8209)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S8201:No)、次に、時短抽選結果(時短当選判定結果)が時短当選であるかを判別し(S8209)、時短当選であると判別した場合は(S8209:Yes)、時短種別選択5テーブル202dfを参照して時短種別を決定し(S8210)、S8203の処理へ移行する。また、S8209の処理において時短当選していないと判別した場合は(S8209:No)、S8210の処理をスキップしてS8203の処理へ移行する。
次に、図256を参照して、更新処理5(S253)の処理内容について説明をする。図256は、更新処理5(S253)の処理内容を示したフローチャートである。この、更新処理5(S253)では、上述した、更新処理(図160のS221参照)と同様の処理が実行されるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図257を参照して、時短設定処理5(S254)の処理内容について説明をする。図257は、時短設定処理5(S254)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理5(S254)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理5(S254)が実行されると、まず、今回の抽選結果が時短当選であるかを判別し(S8351)、時短当選であると判別した場合に(S8351:Yes)、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(S8352)、遊技状態格納エリアに時短状態を設定し(S8353)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(S8354)、本処理を終了する。
一方、S8351の処理において、時短当選していないと判別した場合は(S8351:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第5制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。
このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
次に、図258を参照して始動入賞処理5(S195)の処理内容について説明をする。図258は、始動入賞処理5(S195)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理5(S195)では、上述した始動入賞処理(図161のS105参照)に対して、各特別図柄保留球格納エリアに格納するカウンタ値の種別に時短種別選択カウンタCC1の値を追加した点(S651,S652)と、先読み処理5(S653)を実行する点で相違しているだけであり、それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、図259を参照して先読み処理5(S653)の処理内容について説明をする。図259は、先読み処理5(S653)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理5(S653)が実行されると、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、時短種別選択カウンタCC1の各値を読み出す(S750)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S751)、その後、本処理を終了する。
一方、S703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S703:No)、次いで、時短当選かを判別し(S752)、時短当選していないと判別した場合は(S752:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S705)、その後、本処理を終了する。
一方、S752の処理において時短当選と判別した場合は(S752:Yes)、当該保留変動時が通常状態であるかを判別し(S753)、通常状態であると判別した場合は(S753:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、時短当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S754)、本処理を終了する。
ここで、S704、S705、或いはS754の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図167参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果(大当たり当否、時短当選当否)を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりや時短当選であることを事前判別した場合のみ大当たりや時短当選を示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図260を参照して、大当たり制御処理5(S1894)の処理内容について説明する。図260は、大当たり制御処理5(S1894)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理5(S1894)では、上述した大当たり制御処理(図168のS1804参照)に対して、新たなラウンドの開始タイミングと判別した場合(S1905:Yes)に実行する処理を、特定入賞口の開放を設定し(S8401)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S8402)点と、大当たりの終了タイミングであると判別した場合(S1909:Yes)に、大当たり終了処理5(S8403)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図261を参照して、大当たり制御処理5(図260のS1894参照)にて実行される大当たり終了処理5(S8403)の処理内容について説明する。図261は、大当たり終了処理5(S8403)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理5(S8403)が実行されると、現在実行中お大当たり種別を特定し(S8501)、特定した大当たり種別に対応する値(時短終了条件)を、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hに設定し(S8502)、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値に対応する遊技状態を遊技状態格納エリアに設定し(S8503)、設定した確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S8504)、大当たり中フラグをオフに設定し(S8505)、本処理を終了する。
次に、図262から図270を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図175のS4112参照)に代えてコマンド判定処理5(図262のS4182)を、状態コマンド受信処理(図176のS4202参照)に代えて、状態コマンド受信処理5(図263のS4282)を、特図1演出態様設定処理(図183のS4903参照)に代えて、特図1演出態様設定処理5(図268のS4983)を、特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)に代えて、特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)を実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図262は、コマンド判定処理5(図262のS4182)を示したフローチャートである。図262に示した通り、コマンド判定処理5(図262のS4182)では、上述したコマンド判定処理(図175のS4112参照)に対して、状態コマンド受信処理を状態コマンド受信処理5(S4282)に代えている点で相違し、それ以外は同一である。
図263は、状態コマンド受信処理5(S4282)を示したフローチャートである。図263に示した通り、この状態コマンド受信処理5(S4282)では、主制御装置110から受信した状態コマンドに基づいて、新たに設定された遊技状態を判別し、その判別結果に基づいた各種演出を設定するための処理が実行される。
状態コマンド受信処理5(S4282)では、まず、遊技状態に変更があるか判別する(S9001)。遊技状態に変更がないと判別した場合には(S9001:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S9001の処理において、遊技状態に変更があると判別した場合には(S9001:Yes)、従状態設定エリア223gに設定されている情報をシフトし、今回主制御装置110より受信したコマンドに対応する遊技状態を従状態設定エリア223gに設定する(S9002)。
次に、今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9003)。今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9003:Yes)、通常状態演出設定処理を実行し(S9004)、本処理を終了する。通常状態演出設定処理(S9004)の詳細な説明については、図264を参照し、後述する。一方、S9003の処理において、今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9003:No)、S9005の処理に移行する。
S9005の処理では、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9005)。今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9005:Yes)、時短状態演出設定処理を実行し(S906)、本処理を終了する。時短状態演出設定処理(S9006)の詳細な説明については、図266を参照して後述する。一方、S9005の処理において、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9005:No)、S9007の処理に移行する。
S9007の処理では、今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9007)。今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9007:Yes)、第2確変状態演出設定処理を実行し(S9008)、本処理を終了する。第2確変状態演出設定処理(S9008)の詳細な説明については、図267を参照し後述する。一方、S9007の処理において、今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9007:No)、S9009の処理に移行する。
S9009の処理では、今回受信したコマンドが確変状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9009)。確変状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9009:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ203daの値に設定し(S9010)、本処理を終了する。一方、S9009の処理において、今回受信したコマンドが確変状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9009:No)、そのまま本処理を終了する。
図264は、通常状態演出設定処理(S9004)を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理(S9004)は、状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)において、通常状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この通常状態演出設定処理(S9004)では、図264に示した通り、通常状態が設定される前の遊技状態が第2確変状態であるか否かに応じて、異なる演出態様が設定されるものであり、第2確変状態では無い場合、即ち、確変状態、或いは時短状態から通常状態へと移行したと判別した場合は、引き戻しモード(引き戻しゾーン)に対応する演出態様を設定するための、引き戻しモード設定処理を実行する。
通常状態演出設定処理(S9004)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9101)。次に、S9101の処理で読み出した変更前の遊技状態は、第2確変状態であるか判別する(S9102)。変更前の遊技状態が第2確変状態であると判別した場合には(S9102:Yes)、第1通常モードに対応する演出モード用の表示コマンドを設定し(S9103)、本処理を終了する。一方、S9102の処理において、読み出した変更前の遊技状態が第2確変状態ではないと判別した場合には(S9104:No)、引き戻しモード設定処理を実行し(S9104)、本処理を終了する。引き戻しモード設定処理(S9104)の詳細な説明については、図265を参照し、後述する。
図265は、引き戻しモード設定処理(S9104)を示したフローチャートである。この引き戻しモード設定処理(S9104)では、図265に示した通り、図237に示した演出画面に関わる表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定するための様々な処理が実行される。
引き戻しモード設定処理(S9104)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9201)。次に、第2特別図柄に保留球があるか判別する(S9202)。第2特別図柄に保留球があると判別した場合には(S9202:Yes)、通常状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数を特定する(S9203)。次に、S9203の処理において特定した通常状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数の値を時短抽選回数カウンタ223dbに設定する(S9204)。
次に、第2特別図柄の保留数と、時短抽選回数カウンタ223dbの値と、特図2保留情報とを用いて、引き戻しモード選択テーブル222da(図250参照)を参照して、モード種別を決定し(S9205)、S9205の処理において決定したモード種別を、モード種別格納エリア223dcに格納し(S9206)、本処理を終了する。一方、S9202の処理において、第2特別図柄に保留球がないと判別した場合には(S9202:No)、第1通常モードに対応する演出モード用表示コマンドを設定し(S9207)、本処理を終了する。
図266は、時短状態演出設定処理(S9006)を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9006)は、状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)において、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この時短状態演出設定処理(S9006)では、図266に示した通り、時短状態が設定される前の遊技状態が確変状態である場合は準備タイム(図239参照)に対応する表示態様(演出態様)を設定するための処理を実行し、通常状態である場合は、時短状態に突入したことを示すための表示態様や、ロング時短に対応する延長タイム(図238参照)に対応する表示態様(演出態様)を設定するための処理を実行する。
時短状態演出設定処理(S9006)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態を実行する(S9301)。次に、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9302)。変更前の遊技状態は確変状態であると判別した場合には(S9302:Yes)、準備タイム中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9303)、本処理を終了する。
一方、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は、確変状態ではないと判別した場合には(S9302:No)、変更前の遊技状態は通常状態であるか判別する(S9304)。変更前の遊技状態は通常状態ではないと判別した場合には(S9304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変更前の遊技状態は通常状態であると判別した場合には(S9304:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9305)、今回設定される時短種別は、時短Aであるか判別する(S9306)。
S9306の処理において、今回設定される時短種別は時短Aであると判別した場合には(S9306:Yes)、ロング時短中フラグ223ddをオンに設定し(S9307)、延長タイムに対応する演出態様を示すためのコマンドを設定し(S9308)、本処理を終了する。一方、今回設定される時短種別は時短Aではないと判別した場合には(S9306:No)、本処理を終了する。
図267は、第2確変状態演出設定処理(S9008)を示したフローチャートである。この第2確変状態演出設定処理(S9008)は、状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)において、第2確変状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この第2確変状態演出設定処理(S9008)では、図267に示した通り、第2確変状態が設定される前の遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる演出態様が設定されるものであり、確変状態である場合は、引き戻しモード(引き戻しゾーン)に対応する演出態様を設定するための、引き戻しモード設定処理を実行する。
第2確変状態演出設定処理(S9008)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9401)。次に、S9401の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9402)。変更前の遊技状態は確変状態であると判別した場合には(S9402:Yes)、引き戻しモード設定処理(図265のS9104参照)を実行し(S9403)、そのまま本処理を終了する。一方、S9402の処理において、変更前の遊技状態は確変状態ではないと判別した場合には(S9402:No)、そのまま本処理を終了する。
図268は、特図1演出態様設定処理5(S4983)を示すためのフローチャートである。この特図1演出態様設定処理5(S4983)では、実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図1演出態様設定処理5(S4983)では、まず、時短中カウンタ223daの値が0より大きいか判別する(S9501)。時短中カウンタ223daの値が0より大きい値であると判別した場合には(S9501:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S9502)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9503)、S9504の処理に移行する。一方、S9501の処理において、時短中カウンタ223daの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S9501:No)S9502~S9503の処理をスキップし、S9504の処理に移行する。S9504の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S9504)、本処理を終了する。
図269は、特図2演出態様設定処理5(S4987)を示すためのフローチャートである。この特図2演出態様設定処理5(S4987)では、図269に示した通り、第2特別図柄抽選が実行される遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理5(S4987)では、まず、現在の遊技状態が通常状態、又は、第2確変状態であるか判別する(S9601)。現在の遊技状態が通常状態、又は、第2確変状態であると判別した場合には(S9601:Yes)、初回設定フラグ223deはオンであるか判別する(S9602)。初回設定フラグ223deはオンではないと判別した場合には(S9602:No)、時短抽選回数カウンタ223dbの値に基づいて、引き戻しゾーン中に実行される第2特別図柄の抽選回数を決定し(S9603)、決定した第2特別図柄の抽選回数に対応する演出態様を決定する(S9604)。
次に、初回設定フラグ223deをオンに設定し(S9605)、S9606の処理に移行する。一方、S9602の処理において、初回設定フラグ223deがオンであると判別した場合には(S9602:Yes)、S9603~S9605の処理をスキップしてS9606の処理に移行する。
S9606の処理では、示唆態様選択テーブル222db(図251参照)を参照して、示唆態様を決定する(S9606)。次に、時短抽選回数カウンタ223dbの値を1減算し(S9607)、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であるか判別する(S9608)。減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であると判別した場合には(S9608:Yes)、引き戻しゾーン最終変動に対応する演出態様を決定し(S9609)、初回設定フラグ223deをオフに設定する(S9610)。そして、決定した演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S9611)、本処理を終了する。一方、S9608の処理において、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0ではないと判別した場合には(S9608:No)、S9609~S9610の処理をスキップし、上述したS9611の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S9601の処理において、通常状態、又は、第2確変状態ではないと判別した場合には(S9601:No)、時短中カウンタ223daの値を1減算する(S9612)。次に、現在の遊技状態が時短状態であるか判別する(S9613)。現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合、即ち、確変状態であると判別した場合には(S9613:Yes)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9614)、チャンスタイム中演出設定処理を実行し(S9619)、上述したS9611の処理を実行し、本処理を終了する。チャンスタイム中演出設定処理(S9619)の詳細な説明については、図270を参照して後述する。
一方、S9613の処理において、時短状態であると判別した場合には(S9613:Yes)、ロング時短中フラグ223ddがオンであるか判別する(S9615)。ロング時短中フラグ223ddがオンではないと判別した場合には(S9615:No)、上述したS9614の処理に移行する。一方、ロング時短中フラグ223ddがオンであると判別した場合には(S9615:Yes)、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値であるか否かを判別する(S9616)。
S9616の処理において、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値であると判別した場合には(S9616:Yes)、残時短回数を示すための演出態様を決定し(S9617)、上述したS9614の処理に移行する。一方、S9616の処理において、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値ではないと判別した場合には(S9616:No)次回大当たり当選まで時短状態が継続することを示す表示用コマンドを設定し(S9618)、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)に移行する。
図270は、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)を示すためのフローチャートである。この、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)は、特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)において、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に実行される変動演出の演出態様を設定するための処理であって、図270に示した通り、残期間表示の表示態様を更新するための処理が実行される。
チャンスタイム中演出設定処理(S9619)では、まず、特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)のS9612の処理において減算した時短中カウンタ223daの値が0であるか判別する(S9701)。減算後の時短中カウンタ223daの値が0であると判別した場合には(S9701:Yes)、特図2保留を貯めさせるための案内態様を含む演出態様を決定し(S9702)、次に、ロング時短中フラグ223ddがオンであるか判別する(S9703)。
S9703の処理において、ロング時短中フラグ223ddがオンであると判別した場合には(S9703:Yes)、ロング時短中フラグ223ddをオフに設定し(S9704)、変動パターンコマンドに対応する演出態様を決定し(S9705)、本処理を終了する。一方、S9701の処理において、減算後の時短中カウンタ223daの値が0ではない(S9701:No)、或いは、S9703の処理において、ロング時短中フラグ223dbがオンではないと判別した場合には(S9703:No)、上述したS9705の処理を実行し、本処理を終了する。
<第5制御例の第1変形例>
次に、図271から図277を参照して、上述した第5制御例の第1変形例について説明をする。上述した第5制御例では、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選でのみ時短当選し得るように構成していた。これに対して、本第1変形例では、通常状態が設定されている場合に実行される第1特別図柄抽選でも時短当選し得るように構成している点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている状態で第2特別図柄抽選を実行する遊技を行わせ、普通図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能に構成していた。そして、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態において実行した場合に、大当たり抽選に加え、時短抽選も実行されるように構成することで、遊技者に有利となる普通図柄の高確率状態中の遊技(有利遊技)を体験した遊技者に対して、有利遊技が終了した後に、通常時よりも高確率で有利遊技へと復帰し易い遊技(引き戻し遊技)を実行させることができるものであった。
しかしながら、上述した第5制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)にて大当たり当選し、普通図柄の高確率状態が設定された遊技(有利遊技)を実行しない限り、時短抽選の恩恵を受けることが出来ないため、時短抽選の恩恵を受けること無く遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第1変形例では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選においても時短当選し得るように構成しているため、遊技者に対して時短抽選の恩恵を受け易くすることができる。
さらに、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)よりも、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(時短状態)のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長くなり易くなるように構成していた。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合に、次の大当たり当選まで普図高確期間を継続させ易くするという特典を遊技者に付与可能に構成していた。
これに対して、本第1変形例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合には、短期間(例えば、時短回数1回)の時短状態を設定可能に構成し、その短期間の時短状態が設定される期間(普図高確期間)において、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得させる遊技を実行可能に構成している。つまり、本第1変形例では、上述した第5制御例における引き戻し遊技を、大当たり当選すること無く実行させ得るように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、詳細な説明は省略するが、本第1変形例では、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動パターンとして、複数の変動時間を選択可能に構成している。本第1変形例では、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選にて時短当選すると、所定の変動時間の変動を経て時短当選を示すための表示態様(時短図柄)で第1特別図柄が停止表示された後に時短状態(時短回数1回)が設定され、次に実行される特別図柄変動が停止表示されるまでの間、時短状態が継続するように構成している。
つまり、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間に対応して時短状態が継続する期間の長さが決定することになる。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間が長ければ長い程、時短状態中に多くの特図2保留を獲得し易くなるため遊技者に有利な時短状態とすることができる。
<第5制御例の第1変形例の演出内容について>
図271~図273を参照して、第5制御例の第1変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
まず、上述した第5制御例では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が所定期間(例えば、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間)設定され、普図高確期間中には第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を獲得可能であり、特図高確期間および普図高確期間が終了し通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定された場合に、普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づいて実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果が大当たり当選でなかった場合にのみ時短判定が実行され、時短判定によって時短当選した場合に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される構成であった。
なお、特図2保留とは、第2入球口640に遊技球が入球した場合に、既に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中である場合に、第2特別図柄の抽選権利が保留されることであり、その抽選権利は最大4個まで保留(保留記憶)される。
第5制御例では、通常状態が設定されている場合には、普通図柄の当たり確率が低確率であるため、時短状態に比べて普通図柄抽選(普図抽選)において当たり当選し難く、電動役物640aが開放状態となる普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難いことから、第2入球口640に遊技球を入球させることが困難に構成されており、通常状態において特図2抽選が実行されるのは、上述のように、大当たり遊技終了後に設定される普図高確期間中に特図2保留を獲得し、特図高確期間および普図高確期間終了後に通常状態が設定された場合に、特図2保留が存在する場合のみであった。
したがって、通常状態よりも有利な状態(例えば、時短状態)が設定されるためには、少なくとも1度は大当たりに当選しなければならず、第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)において大当たり当選できない遊技者は、不利な遊技状態である通常状態の遊技を長期間行うこととなるため、遊技意欲が低下してしまう虞があった。
これに対して、第5制御例の第1変形例では、通常状態において、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選でなかった場合においても時短判定が実行され、時短当選であった場合に、時短状態が所定期間(例えば、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間)設定され、時短状態中に特図2保留を獲得可能である、つまり、大当たり当選しなくても特図2保留を獲得可能に構成している点で、第5制御例と相違する。
具体的には、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選でなかった場合に時短判定を実行し、この場合の時短当選確率を第2特別図柄の時短当選確率よりも低確率(例えば、第2特別図柄の時短当選確率を1/6、第1特別図柄の時短当選確率を1/200)とする。また、第1特別図柄で時短当選した場合に付与される時短回数(時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が継続する期間)を第2特別図柄で時短当選した場合よりも少ない回数(例えば、第2特別図柄の時短当選時は特別図柄が10000回変動されて、10000回目の特別図柄変動が停止するまでの期間、第1特別図柄の時短当選時は特別図柄が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間)とする。
ここで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の第2特別図柄抽選(特図2抽選)における時短当選確率を、例えば、1/200とした場合、普図高確期間中に第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数(実施例では、最大4個)まで獲得したとしても、4回の特図2抽選で少なくとも1回時短当選する確率は約2%であり、特図高確期間および普図高確期間が終了し、通常状態が設定された場合に、特図2保留に基づく特図2抽選において時短当選することで有利状態が再度設定されることを遊技者はほとんど期待しないため、遊技者に通常状態中の特図2抽選を特別な期間であると思わせることが難しく、遊技者が普図高確期間が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技をしない虞がある。
したがって、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率は、普図高確期間中に特図2保留を上限数(本実施例では、最大4個)まで獲得した場合に、その獲得した特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選が十分に期待できる確率(例えば、1/6)とするのが望ましく、このように構成することで、4回の特図2抽選で少なくとも1回時短当選する確率は約50%となり、特図高確期間および普図高確期間が終了し、通常状態が設定されても、特図2保留に基づく特図2抽選において時短当選することで有利状態が再度設定されることを遊技者に期待させることが可能となり、通常状態中の特図2抽選が特別な期間であると思わせることで、普図高確期間が終了する最後の瞬間まで多くの特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技をさせることができる。
これに対して、通常状態中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)における時短当選確率を、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率と同確率または特図2抽選における時短当選確率よりも高確率とした場合、通常状態において頻繁に時短当選し、時短状態が設定され易くなることで、過度に遊技者に有利となってしまう虞がある。
したがって、本実施例においては、通常状態中の特図1抽選における時短当選確率を、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率よりも低く設定している。
また、詳細は後述するが、本実施例においては、特図1抽選において時短当選した場合に時短回数1回、つまり、特別図柄が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間、時短状態が設定される構成としている。
例えば、時短回数が2回以上付与される場合、遊技者が正しく遊技していれば、特図2保留を上限まで獲得可能であるが、このような構成の場合、特図1抽選において時短当選した場合には毎回特図2保留を上限数まで獲得し得ることにより、時短当選のし易さは常に一定となり、特図1抽選において時短当選したことに基づいて設定される時短状態中の遊技が、単に特図2保留を上限数まで獲得するだけの単調な遊技になってしまう虞があった。
これに対して、第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に付与される時短回数が1回の場合、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合の特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、或いは普通図柄抽選の当たり当選による特典として開放状態となる電動役物640aの開放パターン、の組み合わせによって、遊技者が時短状態中に獲得可能な第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)の個数を異ならせることが可能となり、獲得し得る特図2保留数によって時短当選確率を可変させずに時短当選のし易さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の特図1抽選においても時短判定が実行され、時短当選した場合には、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定されることで、長期間に渡って遊技者が大当たりに当選できない場合にも、特図2保留を獲得できる機会を得られるため、遊技者に不利な通常状態が長期間続くことによって遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
以上のように、第5制御例の第1変形例では、通常状態中の特図1抽選においても時短判定が実行されるため、時短当選後に遊技状態を可変させることに伴い、遊技者の遊技方法も変わることから、遊技者に時短当選したことを分かり易く報知する必要がある。
また、通常状態中の特図1抽選で時短当選した場合に設定される時短状態と、通常状態中の第2特別図柄抽選(特図2抽選)で時短当選した場合に設定される時短状態と、で遊技の内容が異なる(特図1抽選における時短当選によって設定される時短状態では、特図2保留を多く獲得し、獲得した特図2保留に基づき実行される通常状態中の特図2抽選で時短当選を目指す遊技、特図2抽選で時短当選した場合に設定される時短状態では、特別図柄抽選の大当たり当選を目指す遊技)ため、遊技者が混乱しないように時短状態中の表示態様を異なる表示態様とし、どちらの特図抽選における時短当選に基づいて設定されている時短状態であるかを遊技者に分かり易くする必要がある。
以上を踏まえて、図271~図273を参照して、本第5制御例の第1変形例における演出例について説明する。
図271(a)は、通常状態において特図1抽選の抽選結果が大当たり当選、又は時短当選した場合の変動表示画面の一例である。図271(a)に示したように、通常状態において特図1抽選の抽選結果が大当たり当選、又は時短当選である場合には、主表示領域Dmにうさぎのキャラクタ801と宝箱810eが表示され、副表示領域Dsに「宝箱から「V」が出たら大当たり!!「時」が出たら時短GET!!宝箱を開けろ」と表示される。つまり、図271(a)が表示された時点では、大当たり、又は時短の何れに当選したのかが遊技者に分からないように構成している。
このように構成することで、宝箱810eが表示された場合に、大当たり当選と時短当選のどちらかに当選したことを遊技者に期待させることが可能となり、宝箱810eが開くまでの期間、遊技者に大当たり当選と時短当選のどちらに当選したのかを予測させることで、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
図271(b)は、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において第1特別図柄抽選(特図1抽選)の抽選結果が時短当選であった場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmには、図271(a)で表示された宝箱810eが開き、中から「時×1」と記載された玉tm1が出現する演出が実行され、副表示領域Dsには「時短1回GET」と表示されることで、遊技者に時短当選したことを報知する構成としている。
なお、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選であった場合には、図271(b)の主表示領域Dmにおいて宝箱810eが開き、中から「V」と記載された玉が出現する演出が実行され、副表示領域において「おめでとう!大当たり!」と表示され、遊技者に大当たり当選したことを報知する。
このように構成することで、変動中の第1特別図柄が停止した後に設定される遊技状態が大当たり遊技状態なのか時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)なのかを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、実施例では、大当たり当選、又は時短当選した場合に図271(a)および(b)の演出が実行される構成としたが、特図1抽選の抽選結果が何れの判定においても外れであった場合の一部で図271(a)および(b)の演出を実行しても良く、この場合、図271(b)において外れであることを示す表示態様(例えば、宝箱810eの中身が空で副表示領域Dsに「残念」と表示される)が表示される構成とする。
なお、この場合、図271(a)で表示される宝箱810eの表示態様を可変させることで大当たり当選、又は時短当選の期待度を示唆しても良い(例えば、青色の宝箱810eが表示された場合には外れ当選である可能性が高く、金色の宝箱810eが表示された場合には何れかに当選している可能性が高いことを示す)。
このように構成することで、長期間特図1抽選の抽選結果が何れの判定においても外れである状況が続き、演出が実行されないことで遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、小表示領域Dm10は獲得した第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)の個数を表示するための表示領域であり、図271(b)では、保留h5および保留h6が黒く表示され、保留h7および保留h8が白く表示され、黒く表示されている保留数に対応する特図1保留が存在していることを示している(図271(b)の場合は、特図1保留が2つ存在している状態を示す)。すなわち、実施例は、特図1保留が存在する場合に、通常状態中の特図1抽選において時短当選した場合に実行される演出例である。
ここで、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている場合においては第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が短い変動時間が設定され易い構成の遊技機が一般的である。このように構成することで、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている場合には第2特別図柄抽選(特図2抽選)が主として実行されるため、抽選結果が外れであった場合の特別図柄の変動時間を短くすることで有利状態における遊技が間延びすることを抑制し、遊技者が快適に遊技を行うことができる。
しかしながら、本第5制御例の第1変形例において、特図1保留が存在しない状況で、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に、図271(b)のように時短当選したことを報知すると、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されていることから遊技者は遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640に向けて遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を開始し、第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて、第2特別図柄の変動が開始される。つまり、時短状態が設定されている状態で第1特別図柄よりも短い変動時間が設定され易い第2特別図柄が変動を開始することとなり、その第2特別図柄の変動が停止すると時短状態が終了するため、遊技者は第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数まで獲得できない可能性が高くなり、遊技者に不利な状況となってしまう。
また、時短状態において第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が長い変動時間が設定され易い構成である場合、特図1抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている場合に、第2特別図柄を変動させることで特図2保留を上限数まで獲得し易くなるため、通常状態における遊技中に第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)を獲得しないよう遊技球を1球ずつ発射させる不正な遊技を行う遊技者が現れる虞がある。
したがって、特図1保留が存在しない状況で特図1抽選において時短当選した場合には、時短当選した第1特別図柄の変動を停止しても時短当選したことを報知せず(例えば、宝箱810eの中身が空である表示がされる)、次に第1入球口64或いは、大2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始された場合に、時短状態中の演出(図272(a)参照)を実行する構成としても良い。
このように構成することで、特図1保留が存在しない状況では特図1抽選において時短当選しても、遊技者は時短当選したか否かが分からず、第1入球口64に遊技球を入球させる遊技(左打ち遊技)を継続するため、特図1抽選で時短当選したことに基づいて設定される時短状態中に、第1特別図柄による変動を実行させ易くすることができる。
なお、特図1抽選における時短当選に基づいて設定される時短状態中に、第1特別図柄を変動させるために、遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640よりも上部に第1特別図柄を変動させることが可能な始動口を設ける構成としても良い。
図272(a)および(b)を参照して、通常状態中に特図1抽選において時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている場合に実行される演出について説明する。
詳細は後述するが、第5制御例の第1変形例では、通常状態中に特図1抽選において時短当選した場合には、時短当選した第1特別図柄の変動が停止してから次に実行される1の特別図柄の変動が終了するまでの期間、時短状態が設定される。
なお、上述したように、時短状態が設定されると、普通図柄の当たり確率がアップし、通常状態に比べて電動役物640aが開放状態となる普図当たり遊技が実行され易いことから、第2入球口640へ遊技球が入球し易くなり、遊技者は特図2保留を獲得することが可能となる。
そして、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に遊技者が獲得し得る特図2保留数は、特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、普図当たり遊技による電動役物640aの開放パターンの組み合わせによって可変させることが可能である。
例えば、時短状態が設定されている場合の第1特別図柄の変動時間として30秒が設定され、普通図柄の変動時間3秒、普図当たり遊技として電動役物640aが1秒×2回開放状態となる場合には、最大で12回電動役物640aが開放状態となるため、遊技者は保留記憶可能な上限数(実施例では、4回)まで第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を獲得することが可能となる。
一方、時短状態が設定されている場合の第1特別図柄の変動時間として5秒が設定され、普通図柄の変動時間4秒、普図当たり遊技として電動役物640aが1秒×1回開放状態となる場合には、最大で1回しか第2入球口640へ遊技球を入球させることができないため、遊技者は特図2保留を1個しか獲得できない。
そして、特別図柄の変動が停止し時短状態が終了すると、時短状態中に遊技者が獲得した特図2保留に基づいて、第2特別図柄抽選(特図2抽選)が実行される。
なお、実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第2特別図柄の時短当選確率は第1特別図柄の時短当選確率よりも高く(実施例では、1/6)、時短当選時に付与される時短回数も多く(実施例では、10000回)構成されている。
即ち、時短中に獲得した特図2保留が多いほど、特図2抽選を多く受けることができるため、時短状態が設定されている場合の特別図柄の変動時間が長いほど、遊技者に有利となる。
なお、時短状態が設定されている場合の特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、或いは普図当たり遊技による電動役物640aの開放パターンの何れかを固定値とする構成としても良い。
図272(a)は、通常状態において時短当選した第1特別図柄が停止し、次に実行される第1特別図柄の変動時間として30秒、普通図柄の変動時間として2秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×1回が設定されている場合の時短状態中の表示画面である。
小表示領域Dm1には第1特別図柄が変動表示されており、小表示領域Dm8には第2特別図柄が変動表示していないことを示す表示がされ、どちらの特別図柄が変動しているかを遊技者に分かり易くしている。
小表示領域Dm4には時短状態が設定されていることに対応して、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640へ向けて遊技球を発射させることを促す「右打ち」という表示がされ、副表示領域Dsには「右打ちして保留を貯めてね!」と表示されることで、初めて遊技する遊技者でも遊技状態に適した遊技方法で遊技できるように構成している。
主表示領域Dmでは、中央部に「チャージ中制限時間内にカプセルを集めろ!」と表示され、うさぎのキャラクタ801がカプセルを獲得する演出(チャージ演出)が実行される。
なお、カプセルは第2入球口640に遊技球が入球したことを報知するための表示であり、第2入球口640に遊技球が入球し、小表示領域Dm9の保留図柄が黒く点灯したことに合わせて、カプセルが1つ表示される。ここで、小表示領域Dm9は、遊技者が第2入球口640に遊技球を入球させたことによって獲得した特図2保留数を示すための表示領域であり、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)が存在しない場合には保留h1~保留h4が白く表示され、遊技者が特図2保留を獲得した場合には、保留h1から若い順に黒く点灯し、保留記憶が上限数まで貯まると保留h1~保留h4の全てが黒く点灯される。
また、小表示領域Dm10は、遊技者が第1入球口64に遊技球を入球させたことによって獲得した第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)の個数を示すための表示領域であり、特図1保留が存在しない場合には、保留h5~保留h8が白く表示され、遊技者が特図1保留を獲得した場合には、保留h5から若い順に黒く点灯し、特図1保留を上限数(実施例では、4回)まで獲得すると保留h5~h8の全てが黒く点灯する。
つまり、図272(a)に示す例では、特図1保留を1個と特図2保留を1個獲得した状態であることを示している。このように構成することで、それぞれの特別図柄の保留の上限数と現在の特別図柄の保留獲得状況が遊技者に分かり易くなり、それぞれの特別図柄の保留数を上限数まで獲得した場合には遊技球が第1入球口64、又は第2入球口640に入球してもそれぞれの特別図柄の抽選権利は保留されないため、保留獲得状況に応じて遊技者に第1入球口64、又は第2入球口640へと遊技球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。
なお、小表示領域Dm9において保留h1~保留h3が黒く表示されている状態で第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて保留h4が黒く表示された場合、つまり、特図2保留が上限数である4個記憶された場合には、主表示領域Dmにおいて「MAX獲得完了!」の表示がされることにより、遊技者に特図2保留を上限数まで獲得したことを報知する。このように構成することで、特図2保留を上限数まで獲得したことが遊技者に分かり易くなり、遊技者を安心させることができる。
小表示領域Dm5には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了するまでの残時間、つまり、変動中の特別図柄の残変動時間が表示され、小表示領域Dm11には「カプセル上限獲得期待度MAX」と表示されている。小表示領域Dm11に表示される内容は、時短状態中に獲得し得る特図2保留数に対応しており、図272(a)に示す例では、第1特別図柄の変動時間として30秒、普通図柄の変動時間として2秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×1回が設定されているため、上述の通り、特図2保留を上限数の4個まで獲得し得ることから「カプセル上限獲得期待度MAX」と表示される。これに対して、第1特別図柄の変動時間として5秒、普通図柄の変動時間として3秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×2回が設定された場合には、特図2保留を最大で1個しか獲得できないため、「カプセル上限獲得期待度低」の表示がされる。
このように構成することで、小表示領域Dm11の表示内容から遊技者が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に獲得し得る特図2保留数を予測する楽しみを付与できるとともに、特別図柄の変動時間として短い変動時間が設定された場合に、遊技者に急いで遊技球を発射させることが可能となり、時短状態が設定されているにも関わらず、遊技球の発射が遅れたために遊技者が時短状態の遊技をし損なうという不具合を抑制することができる。
なお、カプセル上限期待度の表示は高低が分かるものであれば良く、例えば、星の数で期待度を示唆しても良い。
なお、実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中に第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)が存在し、時短状態中にその特図1保留に基づいて第1特別図柄の変動が実行される場合を例として説明したが、時短当選した時点で特図1保留が存在しない場合には、チャージ演出は、次に第1入球口64、又は第2入球口640に遊技球が入球し、第1特別図柄、又は第2特別図柄の何れかの変動が開始された時点で開始される。なお、時短状態は特図1保留が存在するか否かに関わらず、時短当選した第1特別図柄の変動が停止した時点で設定される。
図272(b)は、特別図柄の変動が停止し、時短状態が終了した場合に表示される表示画面の一例である。
小表示領域Dm1には、第1特別図柄が停止表示されており、小表示領域Dm5においては、「残り0秒」と表示され、時短状態が設定されている期間が終了したことを報知している。
小表示領域Dm9においては保留h1~保留h4が黒く点灯し、主表示領域Dmの中央部に「Total4GET」という文字とカプセルcp1~cp4が表示されることで、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を4個獲得したことが遊技者に報知される。カプセルcp1~カプセルcp4はそれぞれ保留1~保留4に対応しており、例えば、保留h2(チャージ演出中に2番目に獲得した特図2保留)の保留情報を事前に判別した結果(先読み結果)、時短当選の期待度が高い場合には、カプセルcp2が他のカプセルとは異なる表示態様(黒色のカプセル)で表示される。
これにより、遊技者に特図2保留内に時短当選する可能性が高い保留が存在するという期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、主表示領域Dmの中央部に「チャージ終了昇格チャンスゾーン突入!」と表示され、副表示領域Dsには、「昇格チャンスゾーン中に「時」GETのチャンス!」と表示されることで、時短状態が終了した後に第2特別図柄抽選(特図2抽選)が実行されることを示している。
なお、上述のチャージ演出中にカプセルを獲得できなかった場合、即ち、特図2保留を1個も獲得できなかった場合には、チャージ演出終了後に昇格チャンスゾーンには突入せずに通常モードに移行する。
なお、実施例では、小表示領域Dm9および小表示領域Dm10において、特図1保留または特図2保留が存在しない場合にも保留h1~保留h8が白く表示されることで、それぞれ最大4個まで保留が可能であることを示す構成としたが、これに限ることなく、特図1保留または特図2保留が存在しない場合には、小表示領域Dm9または小表示領域Dm10に何も表示せず、特別図柄の保留を獲得した場合に保留図柄が表示される構成としても良い。
このように構成することで、遊技者にそれぞれの特別図柄の抽選権利を何個まで保留できるかが分かり難くなり、保留を上限数まで獲得した場合にも保留を上限数まで獲得したことに気付かせずに遊技球の発射を継続させることが可能となる。
なお、実施例では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている特別図柄の変動が停止した場合に、図272(b)の表示画面が表示されている構成としているが、これに限らず、特別図柄の変動が停止するまでの残変動時間が残っている状態で第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数まで獲得した場合に、図272(b)の表示画面を表示する構成としても良い。なお、このように構成する場合、第2入球口640に遊技球が入球するとカプセルの表示態様が可変し、特図2保留の大当たり当選期待度、或いは時短当選期待度が示唆される構成としても良い。
このように構成することで、まだ特別図柄の変動時間が多く残っている状態で特図2保留を上限数まで獲得した遊技者に対して、第2入球口640に遊技球を入球させればカプセルの表示態様が可変するかもしれないと期待させることによって、特別図柄が変動を停止する最後の瞬間まで第2入球口640に遊技球を入球させる遊技を継続させることが可能となる。
なお、実施例では、保留h1~保留h4にそれぞれ対応するカプセルcp1~カプセルcp4を表示する構成としたが、これに限ることなく、特図2保留を1個獲得しても4個獲得しても1個のカプセルしか表示されない構成としても良い。つまり、後述する昇格チャンスゾーンにおいて、保留1~保留4に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を1回のカプセル開放によって報知する。このように構成することで、チャージ演出中に特図2保留を何個獲得したかが遊技者に分かり難くなり、遊技者は獲得した特図2保留数を気にせずに昇格チャンスゾーン演出を楽しむことができる。
なお、このように構成する場合、チャージ演出において、特図2保留を獲得した場合に、特図2保留を獲得したことを遊技者に分からないようにすることが望ましく、例えば、特図2保留を獲得した場合にカプセルは表示せず、小表示領域Dm9を表示しないことで特図2保留の獲得状況を分からないようにし、特図2保留を上限数まで獲得した場合にのみ、主表示領域Dmに「MAX獲得完了」の表示をする構成としても良い。
このように構成することで、特図2保留の獲得状況が分かり難くなるため、チャージ演出中に特図2保留が思うように獲得できないことで遊技者が不満に思うことを抑制することができる。
図273は昇格チャンスゾーン中に特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選した場合に表示される表示画面の一例である。
小表示領域Dm1では第1特別図柄が変動表示していないことを示す表示がされ、小表示領域Dm8では第2特別図柄が時短当選したことを示す表示態様が表示されている。
また、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されているため、遊技者に第1入球口64に向けて遊技球を発射することを促す「左打ち」という表示がされ、遊技者が誤った遊技方法で遊戯しないようにしている。
主表示領域Dmの中央部には、既に開放された状態であることを示す「済」と記載されたカプセルcp1と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)に基づく特図2抽選の結果が時短当選であったことを示す「時×10000」と記載されたダイヤdy1と開放されたカプセルcp2と、まだ開放されていない状態のカプセルcp3およびcp4が表示されている。
図273の例では、チャージ演出中に獲得した4つの特図2保留の内、最初に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)では大当たりおよび時短に当選せず、2番目に獲得した特図2保留に基づく特図2抽選で時短に当選したことを示している。
なお、小表示領域Dm5には「あと3回」と表示され、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動回数が残り3回であることを示しており、残り回数の表示は第2特別図柄の変動表示が開始された場合に更新される。例えば、1つめの特図2保留に基づく第2特別図柄の変動表示が開始された時点では、「あと4回」と表示され、2つめの特図2保留に基づく変動表示が開始された時点で「あと3回」と表示される。
また、小表示領域Dm9の表示は、特図2保留に基づいて新たに第2特別図柄の変動が開始された場合に、保留h1に表示されていた保留表示が黒い表示から白い表示へと可変し、保留h2が黒い表示である場合、つまり、特図2保留が他にも存在する場合には、保留h1にシフトして表示され保留h1が黒い表示となり、保留h2が白い表示となる。その際、保留h3、保留h4が黒い表示である場合には、それぞれ、保留h2と保留h3にシフトして表示される。図273に示す例では、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動が2回実行されたため、2つの保留h3および保留h4が白く表示されている。
このように構成することで、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動があと何回実行されるのかを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、図273では、特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選した場合の演出例について説明したが、特図2保留に基づく特図2抽選で大当たり当選した場合には、カプセルの中身を異なる表示態様(例えば、「V」と記載された玉)として表示することで遊技者に大当たり当選を報知する構成としても良いし、カプセル自体を異なる表示態様(例えば、赤色のカプセル)で表示する構成としても良い。
また、特図2保留に基づく特図2抽選の結果が何れの判定においても外れであった場合には、カプセルが開放された場合に中身が空である構成としても良いし、カプセルの中から外れを示す表示態様(例えば、「残念」と書かれた紙)を表示する構成としても良い。
また、実施例では、特図2保留の保留情報を事前に判別した結果(先読み結果)、時短当選する可能性が高い場合には、時短当選する可能性が高い特図2保留に対応するカプセルを異なる表示態様で表示する構成としたが、これに限るものではない。
例えば、3番目に獲得した特図2保留の保留情報を先読みした結果、時短当選する可能性が高い場合に、2番目に獲得した特図2保留に基づくカプセル開放演出において、カプセルの中から「次回大チャンス!」と書かれた紙を出現させることで、次の第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)(つまり、3番目に獲得した特図2保留)に基づく特図2抽選において大当たり当選または時短当選する可能性が高いことを遊技者に示唆する構成としても良いし、或いは、2番目に獲得した特図2保留に基づくカプセル開放演出が終了した後に表示される「済」と書かれたカプセルの表示態様を異なる表示態様(例えば、「次回大チャンス」と書かれたカプセル)としても良い。
このように構成することで、昇格チャンスゾーンにおいて表示態様が異なるカプセルが表示されている場合に、そのカプセルに対応する特図2保留の前に実行される特図2保留に基づく第2特別図柄の変動において、次に実行される特図2保留に関する情報が表示されるのではないかと期待させることが可能となり、通常の表示態様で表示されるカプセルの開放演出にも興味を持たせることができる。
なお、昇格チャンスゾーンにおいて、特図2保留は獲得した順(h1から若い順)に消化されていき、消化される特図2保留に対応するカプセルが順(カプセルcp1から若い順)に開放される構成としたが、これに限ることなく、消化される特図2保留と開放されるカプセルが対応しない構成としても良い。例えば、最初に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果が時短当選であった場合に、カプセルcp1ではなくカプセルcp4が選択される場合には時短当選する可能性が高いことを示す構成とすることで、遊技者にカプセルの表示態様だけでなくカプセルの開放順にも興味を持たせることが可能となり、更に遊技の興趣を向上させることができる。
<第5制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図274を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第5制御例に対して、第1特別図柄抽選において時短当選し得る点と、第1特別図柄抽選にて時短当選した場合に設定される時短種別を第2特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短種別とは異ならせている点で相違している。また、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間を異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図274(a)は、時短当たり乱数5aテーブル202daeに規定されている内容を示した図である。図274(a)に示した通り、時短当たり乱数5aテーブル202daeは、上述した第5制御例の時短当たり乱数5テーブル202deに対して、第1特別図柄に対しても、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)時において時短当選の判定値を規定している点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、特別図柄種別が第1特別図柄であって、設定されている遊技状態が特別図柄及び普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合に、取得した第1当たり乱数カウンタC1が「51~54」の範囲に時短当選する当たり判定値が規定されている。
つまり、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲が900個であるため、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、4/900の確率で時短当選するように構成している。
次に、図274(b)を参照して、時短種別選択5aテーブル202dafの内容について説明をする。図274(b)は、時短種別選択5aテーブル202dafに規定されている内容を示した図である。時短種別選択5aテーブル202dafは、上述した第5制御例の時短種別選択5テーブル202dfに対して、第1特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短種別を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄種別(特図種別)が第1特別図柄で有る場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に関わらず、時短種別「時短C」が規定されている。この時短Cが設定された場合には、時短カウンタ203hの値に1が設定される。つまり、時短回数1回の時短状態が設定される。
<第5制御例の第1変形例における制御処理について>
次に、図275から図277を参照して、本第1変形例における制御処理の処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第5制御例に対して、主制御装置110にて実行される処理内容の一部と、音声ランプ制御装置113にて実行される処理内容の一部と、を変更している点で相違し、それ以外は同一である。ここでは、上述した第5制御例との相違点について説明をする。
図275は、時短抽選処理5a(S8021)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理5a(S8021)では、上述した第5制御例の時短抽選処理5(S8001)に対して、時短抽選(時短当選判定)を実行するための条件を異ならせている。つまり、上述した第5制御例では、実行されている特別図柄抽選の種別が第2特別図柄である場合のみ時短当否判定を実行する条件が成立し得るように制御処理を実行していた(S8101参照)のに対して、本第1変形例では、特別図柄種別に関わらず時短当否判定を実行する条件が成立し得るように構成している。即ち、上述した第5制御例の時短抽選処理5(S8001)に対して、S8101の処理を削除している点で相違している。それ以外の処理内容は同一である。このように構成することで、第1特別図柄抽選においても時短当否判定を実行することが可能となる。
図276は、時短状態演出設定処理5a(S9026)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理5a(S9026)は、上述した第5制御例の時短状態演出設定処理5(図266のS9006参照)に対して、第1特別図柄抽選にて時短当選した場合に設定される時短種別(時短C)が設定された場合における処理内容(S9321,S9322)を追加した点で相違し、それ以外は同一であるため説明を省略する。
時短状態演出設定処理5a(S9026)が実行されると、上述した第5制御例の時短状態演出設定処理5(図266のS9006参照)と同一のS9301~S9308の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S9306の処理において、時短種別が時短Aでは無いと判別した場合は(S9306:No)、次に、時短種別が時短Cであるかを判別し(S9321)、時短Cであると判別した場合は(S9321:Yes)、チャージタイム(図272参照)に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9322)、本処理を終了する。
図277は、特図1演出態様設定処理5a(S4993)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理5a(S4993)では、上述した第5制御例における特図1演出態様設定処理5(図268のS4983)に対して、第1特別図柄抽選で時短当選した場合における演出態様を設定するための処理と、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の演出態様を設定するための処理を異ならせている点で相違している。
特図1演出態様設定処理5a(S4993)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別し(S9501)、0よりも大きいと判別した場合は(S9501:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S9502)、従状態設定エリア223gから時短種別を読み出し(S9521)、読み出した時短種別が時短Cであるかを判別し(S9522)、時短Cである場合は、今回の特別図柄の残変動時間に対応する時短演出態様を決定し(S9523)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S9524)、本処理を終了する。
つまり、S9523にて決定された時短演出態様によって、図272(a)に示した小表示領域Dm5に表示される時短残期間を案内する表示態様が表示される。これにより、遊技者に対して時短状態が継続する残時間を分かり易く報知することができる。
また、S9522の処理において時短Cでは無いと判別した場合は(S9522:No)、他の時短種別が設定されている状態で第1特別図柄変動が実行される場合であるため、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9525)、S9524の処理へ移行する。
一方、S9501の処理において、時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であると判別した場合、即ち、現在が時短状態では無いと判別した場合は(S9501:No)、次いで、時短当選変動であるかを判別し(S9526)、時短当選変動であると判別した場合に(S9526:Yes)、時短当選を示すための演出態様を決定し(S9527)、S9524の処理へ移行する。ここで、S9527の処理において決定された演出態様によって、図271(b)に示した時短当選変動の変動演出が実行される。
<第5制御例の第2変形例>
図278から図282を参照して、第5制御例の第2変形例について説明をする。上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第1時短)を設定可能にし、且つ、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第2時短)を設定可能に構成していた。これにより、複数の契機で普通図柄の高確率状態を設定可能にすることができ、遊技のバリエーションを増加させることで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるものであった。
本第2変形例では、更なる興趣向上を目指すために、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の内容を、普通図柄の高確率状態が設定された契機(第1時短又は第2時短)に応じて異ならせるように構成している。つまり、第1時短中に大当たり当選した場合と、第2時短中に大当たり当選した場合とで、同一の大当たり種別が設定された場合に付与される特典の内容を異ならせている。このように構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定された場合において、どの契機で時短状態が設定されたのかについても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
さらに、本第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド数が少なく、且つ、1回のラウンド遊技の遊技時間が短い大当たり遊技(2R大当たり)を実行可能に構成し、その2R大当たり遊技が実行された後に、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合、即ち、第1時短が設定される場合と、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が設定される場合、即ち、第2時短が設定される場合とで、実行される遊技の内容の相違を遊技者に気付かれ難くすることができる。
加えて、本第2変形例では、第1時短が設定される過程において実行される変動演出と、第2時短が設定される過程において実行される変動演出と、を同様の演出態様で実行可能に構成している。具体的には、第1時短が設定される大当たり当選(2R大当たり当選)したことを示すための特別図柄変動が開始されてから、その特別図柄変動が停止表示され、その後、2R大当たり遊技が終了するまでの第1期間と、第2時短が設定される時短当選したことを示すための特別図柄変動の変動時間である第2期間と、が略同期間となるように設定し、その期間を用いて共通の演出態様で演出を実行するように構成している。
このように構成することで、第1時短が設定される場合と、第2時短が設定される場合とで、特別図柄変動が開始されてから、時短状態が設定されるまでの期間において共通の演出態様の演出を実行させることができるため、何れの契機で時短状態が設定されたのかを遊技者により分かり難くすることができる。
<第5制御例の第2変形例における演出内容について>
図278および図279を参照して、第5制御例の第2変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
上述した第5制御例では、大当たり遊技終了後に付与される時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)と、時短当選によって付与される時短回数に違いはあるものの、大当たり当選に基づいて設定されている時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、時短当選に基づいて設定されている時短状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合とで、大当たり種別が同一であれば付与される特典(例えば、大当たり遊技終了後に付与される時短回数)も同一である構成であった。
したがって、大当たり当選と時短当選のどちらを契機に時短状態が設定されたとしても、時短状態中に大当たり当選した場合の大当たり種別の割合や同一の大当たり種別であっても付与される特典に差がなく、単調な遊技となってしまう虞があった。
これに対して、第5制御例の第2変形例では、大当たり当選に基づいて設定されている時短状態中に大当たり当選した場合と、時短当選に基づいて設定されている時短状態中に大当たり当選した場合とで、大当たり種別の割合や同一の大当たり種別であっても付与される特典が異なる構成としている点で第5制御例と相違する。
このように構成することで、時短状態が設定されることとなった契機によって、遊技者に有利な特典が付与される大当たり種別(例えば、大当たり遊技のラウンド数が多い大当たり)の割合を可変させたり、同一の大当たり種別でも付与される特典を異ならせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
具体的には、第5制御例の第2変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において第1特別図柄抽選(特図1抽選)および第2特別図柄抽選(特図2抽選)において大当たり判定と時短判定が実行される構成であり、大当たり当選したことに基づいて第1時短状態を設定し、時短当選に基づいて第2時短状態を設定することが可能である。そして、例えば、第1時短状態が設定されている状態で大当たりAに当選した場合には、大当たり遊技終了後に最大で100回の時短回数が付与されるが、第2時短状態が設定されている状態で大当たりAに当選した場合には、大当たり遊技終了後に最大で10000回の時短回数が付与される。
このように、大当たり当選した場合に設定されている遊技状態が第1時短状態か第2時短状態かによって、大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典が異なり、第2時短状態が設定されている場合の方が、第1時短状態が設定されている場合よりも大当たり当選したことに基づいて有利な特典(例えば、大当たり遊技終了後に付与される時短回数が多い)が付与され易く構成されているため、遊技者は第1時短状態よりも第2時短状態が設定されることを期待しながら遊技を行うこととなる。
なお、後述するが、第5制御例の第2変形例では、大当たり遊技中に賞球を獲得可能であり、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される16R確変大当たりと、大当たり遊技中に賞球の獲得が困難であり、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される2R時短大当たりが用意されている。
このため、大当たり当選した場合に選択された大当たり種別が2R時短大当たりであった場合に、大当たり当選したにも関わらず賞球を得ることができず、更に第2時短状態に比べて不利な第1時短状態が設定されることから、2R大当たりに当選した遊技者の遊技意欲を低下させる虞がある。
したがって、第5制御例の第2変形例においては、第1時短状態が設定される2R時短大当たりに当選した場合と、第2時短状態が設定される時短当選した場合とで実行される演出を同一にし、2R時短大当たり当選か時短当選かを遊技者が判別し難くなるように構成している。
このように構成することで、16R確変大当たりに比べて不利な2R時短大当たりに当選した場合であっても、時短当選ではないかと遊技者に期待させることが可能となり、2R時短大当たりに当選した場合の遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
図278(a)は、通常状態中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)において第1時短状態が付与される大当たりに当選した場合に実行されるチャンスタイム獲得演出の一例である。
主表示領域Dmの中央部には、数字の「2」が2つ表示され、その間に「チャンスタイム」と記載された図柄が表示され、副表示領域Dsには、「チャンスタイムGET!!」と表示されており、この後にチャンスタイムに移行することを報知している。
ここで、チャンスタイムとは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されてから、時短状態が終了するまでの期間に表示される演出モードのことを示している。なお、第1時短状態と第2時短状態のどちらの時短状態が設定されている場合であっても、表示される演出モードはチャンスタイムとなる。したがって、表示される演出モードから現在設定されている時短状態が何れの時短状態かを遊技者が判別することができない構成としている。
なお、チャンスタイム中に実行される演出を用いて、設定されている時短状態を示唆する構成としても良く、例えば、チャンスタイム中に表示される背景画像を複数用意し、第2時短状態が設定されている場合には第1時短状態が設定されている場合に比べて、特定の背景画像が設定され易い構成としても良い。
このように構成することで、時短状態の種別を推測しようと遊技者にチャンスタイム中の表示態様に注目させることが可能となり、チャンスタイム中の遊技の興趣を向上させることができる。
小表示領域Dm1には、第1特別図柄が2R時短大当たりに当選したことを示す表示態様が示されている。ここで、図278(a)においては、小表示領域Dm1における表示を遊技者が視認可能な大きさとしているが、遊技者が視認できないように構成(例えば、小表示領域Dm1を表示しない)することが望ましく、遊技者が視認できないように構成することで2R時短大当たり当選か時短当選かを遊技者が更に判別し難くすることができる。
そして、第1特別図柄が2R時短大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行されるため、小表示領域Dm4には、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある特定入賞口65aに向けて遊技球を発射する大当たり遊技中であることを報知するために「右打ち」と表示される。
ここで、2R時短大当たりに当選した場合は、大当たり遊技における大当たり期間中に開閉板65bが高速で開閉動作を2回行う。一方、時短当選した場合は大当たり遊技が実行されないため開閉板65bが閉鎖状態のままとなる。つまり、遊技者は開閉板65bの動作状況を確認することで2R時短大当たり当選か時短当選かが判別できてしまう。よって、本実施例では、これを抑制するためにチャンスタイム獲得演出においては画面を激しく発光させることで、遊技者が第3図柄表示装置81に注目することで開閉板65bに注目しないように構成している。
なお、実施例では、画面を激しく発光させることで、遊技者が開閉板65bに注目させない構成としているが、これに限るものではなく、ボタンを操作させる演出を実行することで遊技者をボタンに注目させる構成としても良いし、2R時短大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行される場合にのみ作動する小さな可変入賞装置を可変入賞装置65よりも目立たない位置に設置する構成としても良い。
図278(b)は、通常状態の第1特別図柄において時短当選した場合に実行されるチャンスタイム獲得演出の一例である。
2R時短大当たりに当選した場合と異なるのは、小表示領域Dm1において、時短当選したことを示すための表示態様が表示されている点であり、その他の表示は2R時短大当たりに当選した場合に表示される表示画面と同一である。
なお、時短当選した第1特別図柄の変動が停止した場合にも、小表示領域Dm4において「右打ち」と表示されるが、これは時短状態が設定されているため、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640へ向けて遊技球を発射させる遊技を行うよう促すための表示である。
このように、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合のチャンスタイム獲得演出を同一の表示態様とし、どちらに当選したのかを遊技者が判別し難くすることで、2R大時短当たりに当選した場合にも、時短当選ではないかと遊技者に期待させることが可能となり、特別図柄抽選の抽選結果が2R時短大当たりであった場合に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
ここで、2R時短大当たりに当選した場合にはチャンスタイム獲得演出中に大当たり遊技が実行されるが、時短当選した場合には大当たり遊技が実行されないため、同じタイミングで特別図柄の変動が停止した場合に、2R時短大当たりに当選した場合の方が時短当選した場合よりも大当たり遊技が実行される期間分、チャンスタイム獲得演出の表示からチャンスタイムが開始されるまでの期間が長くなり、チャンスタイム獲得演出の表示時間の長短で2R時短大当たりに当選したのか時短当選したのかを遊技者が判別できてしまう虞がある。
そこで、第5制御例の第2変形例では、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合とでチャンスタイム獲得演出が開始されてから実際に特別図柄が変動を停止するまでの期間(確定期間)が異なる構成としている。
図279を参照して、大当たり当選時の特別図柄の変動パターンと時短当選時の変動パターンについて説明する。
図279(a)と(b)に示すように、特別図柄の変動開始からチャンスタイム獲得演出が終了するまでの演出態様は同一である。しかし、図279(a)では、チャンスタイム獲得演出が開始されてから1秒後に特別図柄の変動が停止し、4秒間の大当たり遊技が実行されているのに対して、図279(b)においては、チャンスタイム獲得演出が開始されてから約5秒後に特別図柄の変動が停止している。
このように、2R時短大当たりに当選した場合よりも時短当選した場合のチャンスタイム獲得演出が開始されてから実際に特別図柄が変動を停止するまでの期間(確定期間)を長く設定する構成とすることによって、チャンスタイム獲得演出が表示されている間に大当たり遊技が実行された場合と、チャンスタイム獲得演出が表示されている間に大当たり遊技が実行されない場合とで、チャンスタイム獲得演出の表示時間が変わらないため、チャンスタイム獲得演出の表示時間の長短で遊技者が2R時短大当たり当選したのか時短当選したのかを判別し難くしている。
なお、実施例では、2R時短大当たりに当選した場合と、時短当選した場合とで、異なる確定期間を設定する構成とし、チャンスタイム獲得演出の表示時間を同一とする構成としたが、これに限るものではない。
例えば、2R時短大当たりに当選した場合と、時短当選した場合とで、確定期間は同一とし、時短当選した場合には特別図柄の変動が停止してから、次の特別図柄の変動が一定期間開始されない待機期間を設けることでチャンスタイム獲得演出の表示時間を同一とする構成としても良い。
なお、実施例では、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合とが遊技者に判別し難く構成したが、これに限られるものではない。例えば、時短当選した特別図柄が変動している場合に、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)が存在し、その特図1保留の保留情報に基づいて事前に判定した結果(先読み結果)が大当たり当選であった場合には、変動中の特別図柄において実行されるチャンスタイム獲得演出の表示態様を特殊な表示態様(例えば、「チャンスタイム」図柄を虹色で表示する)とし、遊技者に時短当選した後に大当たり当選することを示唆する構成としても良い。
<第5制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図280、図281を参照して第5制御例の第2変形例における電気的構成について説明をする。図280(a)は、時短当たり乱数5bテーブル202dbeの内容を示した図である。図280(a)に示した通り、時短当たり乱数5bテーブル202dbeは、上述した第5制御例の時短当たり乱数5テーブル202deに対して、第1特別図柄抽選においても時短当選と判定される規定値を設定している点で相違し、それ以外は同一である。
図280(b)は、大当たり用5bテーブル202dbd1の内容を示した図である。図280(b)に示した通り、大当たり用5bテーブル202dbd1は、上述した第5制御例の大当たり種別選択5テーブル202ddの内容を第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して参照されるように規定したものであり、大当たり当選時の遊技状態と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、に応じて、大当たり種別と、各大当たり種別に対応する時短カウンタ203hの値と確変カウンタ203iの値とが規定されている。
本第2変形例では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第1時短)を設定可能にし、且つ、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第2時短)を設定可能に構成しており、図280(b)に示した通り、大当たり用5bテーブル202dbd1には、普通図柄の高確率状態の種別として第1時短が設定されている場合と、第2時短が設定されている場合とで、大当たり遊技終了後に設定される時短回数(時短カウンタ203hに設定する値)を異ならせている。
また、図280(b)に示した通り、本第2変形例では、大当たり当選した場合に選択される大当たり種別として、大当たり遊技が2ラウンドで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態となる大当たりB5bを選択可能に構成している。ここで、大当たり種別として大当たりB5bが選択された場合に、図278、及び図279を参照して上述した演出、即ち、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを遊技者に分かり難くする特定演出が実行される。
つまり、第2時短が設定された場合と同一の遊技状態(時短状態)を設定可能とし、且つ、大当たり遊技期間が短い大当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを遊技者に分かり難くすることができる。
図281は、時短種別選択5bテーブル202dbfの内容を示した図である。時短種別選択5bテーブル202dbfは、上述した第5制御例における時短種別選択5テーブル202dfに対して、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて規定している時短種別を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。
図281に示した通り、本第2変形例では、第2時短が設定された場合の時短終了条件(時短カウンタ203hに設定する値)が、第1時短が設定された場合の時短終了条件(図280(b)参照)と同一となるように構成している。具体的には、時短カウンタ203hの値に「50」,「200」,「10000」のいずれかが設定される時短種別が選択されるように構成している。
このように構成することで、例えば、特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態が設定され、特別図柄変動回数が50回に到達し普通図柄の高確率状態(時短状態)が低確率状態(通常状態)へと移行した場合において、先程まで第1時短が設定されていたか、第2時短が設定されていたかを遊技者に分かり難くすることができる。
<第5制御例の第2変形例における制御処理について>
次に、図282を参照して本第2変形例のパチンコ機10において実行される制御処理内容について説明をする。図282は、時短状態演出設定処理5b(S9056)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理5b(S9056)では、上述した第5制御例における時短状態演出設定処理(図266のS9006参照)に対して、通常状態から時短状態へと遊技状態が移行したと判別した場合において実行される制御処理内容を異ならせている点で相違しており、具体的には、時短当選したと判別した時点において特図2保留内に大当たり当選があるかを先読み判別し(S9352)、大当たり当選を含む特図2保留があると判別した場合に特殊時短モードが実行されるように構成している。
時短状態演出設定処理5b(S9056)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9301)。次に、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9302)。変更前の遊技状態が確変状態であると判別した場合には(S9302:Yes)、準備タイム中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9303)、本処理を終了する。
一方、S9302の処理において、変更前の遊技状態は確変状態ではないと判別した場合には(S9302:No)、次に、変更前の遊技状態は通常状態であるか判別する(S9303)。変更前の遊技状態は通常状態であると判別した場合には(S9304:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定する(S9305)。そして、今回設定された時短状態が時短当選を契機に設定された時短状態であるかを判別する(S9351)。
S9351の処理において、時短当選を契機に設定された時短状態であると判別した場合には(S9351:Yes)、次に、第2特別図柄の保留内に大当たりに当選する保留があるか判別する(S9352)。大当たりに当選する保留があると判別した場合には(S9352:Yes)特殊時短モードに対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9353)、本処理を終了する。一方、S9351の処理において、今回の抽選で時短当選していないと判別した場合(S9351:No)、或いは、S9352の処理において、第2特別図柄の保留内に大当たりに当選する保留がないと判別した場合には(S9352:No)、時短モードに対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9354)、本処理を終了する。
<第6制御例>
次に、図283から図293を参照して、第6制御例について説明をする。上述した第5制御例、及び各変形例では、通常状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選において時短当選し得るように構成していた。これに対して、本第6制御例では、通常状態以外の遊技状態が設定されている状態においても特別図柄抽選で時短当選し得るように構成している点で大きく相違している。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定されている状態において、新たに時短当選した場合に、時短状態が継続する残期間を更新可能とすることができる。よって、時短状態がいつまで継続するかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、時短状態が継続する残期間を更新させる場合において、現状の残期間よりも時短状態が継続する期間が長くなるように更新(有利更新)される場合と、短くなるように更新(不利更新)される場合とが発生するように構成している。つまり、時短抽選において時短当選するタイミングと、時短当選した場合に設定される時短回数(時短期間)とによって、時短当選が遊技者に有利な特典となる場合と、不利な特典となる場合が発生するように構成している。このように構成することで、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性と、を備える斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第6制御例では、大当たり当選すること無く、連続して時短当選すればするほど遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。具体的には、遊技者の有利度合いを異ならせた時短種別が複数規定されており、時短状態中に時短当選する程、有利な時短種別が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり当選しない期間が長くなればなるほど、遊技者に有利な特典を付与し易くすることができる。
加えて、遊技者に最も有利な時短種別が設定されている場合には、その時短種別よりも不利な時短種別が設定されている場合よりも、遊技者に不利な時短種別へと移行し易くなるように構成している。つまり、有利度合いを異ならせた複数段階の時短種別を有し、時短当選に基づいて徐々に有利度合いの高い時短種別が設定されていき、最高段階の時短種別に到達した場合には、最低段階の時短種別へと転落し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な時短種別が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。
<第6制御例の演出内容について>
ここで、図283、及び図284を参照して、本第6制御例における特徴的な演出内容について説明をする。図283(a)は、通常状態において時短当選し、時短種別として時短Aが設定された場合の表示画面を示した図であり、図283(b)は、時短Aが設定されている状態で時短当選し、時短Bが設定された場合の表示画面を示した図である。
また、図284(a)は、時短状態中に時短当選し、残時短回数(残時短期間)が増加する場合の表示画面の一例を示した図であり、図284(b)は、時短状態中に時短当選し、残時短回数(残時短期間)が減少する場合の表示画面の一例を示した図である。
図283に示した通り、本第6制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選においても、時短当選判定を実行可能に構成しているため、時短状態中における特別図柄抽選の結果を示すための演出(袋863の中から抽選結果を示すアイコンが出現する演出)が実行される。この場合、例えば、時短状態中における現在の残時短回数と、新たに当選した時短種別とを判別し、新たに当選した時短種別に対応して設定される時短回数が現在の残時短回数(Dm7参照)よりも多い場合は、図284(a)に示した通り、時短状態の残時短回数が増加することを示す演出が実行され、新たに当選した時短種別に対応して設定される時短回数が現在の残時短回数(Dm7参照)よりも少ない場合は、図284(b)に示した通り、時短状態の残時短回数が減少することを示す演出が実行される。
なお、本第6制御例では、時短状態中に時短当選した場合には、時短終了条件が成立し難い時短状態(時短B)が設定され易く(通常状態にて時短当選した場合よりも設定され易く)なるように構成している。そして、時短Bが設定されている状態で更に時短当選した場合には、次回大当たり当選まで時短状態が継続する(時短回数10000回が設定される)有利時短が付与され易くなるように構成している。
そして、時短Bが設定されている場合は、図283(b)に示した通り、時短Aが設定されている状態とは異なる表示態様で時短状態が設定されていることを遊技者に報知可能な表示態様が表示される。
<第6制御例におけるゲームフローについて>
次に、図285を参照して、本第6制御例におけるゲームフローについて説明をする。図285は、本第6制御例におけるゲームフローを示した図である。図285に示した通り、上述した第5制御例に対して、通常状態以外の遊技状態において、時短当選の判定を実行可能にしている点と、時短当選の判定が実行される遊技状態に応じて、時短当選確率を異ならせている点と、時短状態として、大当たり当選時の特典の有利度合いを異ならせた複数の時短種別(時短A、時短B)を設けている点とで相違している。
<第6制御例における電気的構成について>
図286(a)は、時短当たり乱数6テーブル202eeの内容を示した図である。図286(a)に示した通り、時短当たり乱数6テーブル202eeは、上述した第5制御例の時短当たり乱数5テーブル202deに対して、第1特別図柄抽選においても時短当選と判定される判定値を規定している点と、通常状態以外の遊技状態においても時短当選の判定値を規定している点と、遊技状態に応じて時短当選と判定される範囲(時短当選確率)を異ならせている点で相違している。
このように構成することで、設定されている遊技状態と、実行される特別図柄抽選の種別に応じて時短当選確率を異ならせることができる。
図286(b)は、時短種別選択6テーブル202efの内容を示した図である。図286(b)に示した通り、時短種別選択6テーブル202efは、上述した時短種別選択5テーブル202dfに対して、当選時の遊技状態に応じて各時短種別に対して設定される時短カウンタ203hの値、即ち、時短回数が異なるように規定している。
このように構成することで、どの遊技状態が設定されているかについて遊技者に興味を持たせることができる。
図287は、大当たり用6テーブル202edの内容を示した図である。図287に示した通り、大当たり用6テーブル202edでは上述した大当たり用5テーブル202ddに対して、大当たり当選時における遊技状態に応じて、各時短種別に対して設定される時短カウンタ203hの値、即ち、時短回数が異なるように規定している。具体的には、同一の遊技状態(時短状態)である時短Bが設定されている場合と、時短Aが設定されている場合と、で大当たり遊技終了後に設定される時短回数を異ならせており、時短Bが設定されている場合、即ち、時短状態中に時短当選した場合に設定され易い時短状態が設定されている場合のほうが、時短回数が多い時短状態が設定されやすくなるように構成している。なお、本第6制御例では、大当たり当選時における遊技状態に応じて、各時短種別に対して設定される時短カウンタ203hの値、即ち、時短回数が異なるように規定しているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技のラウンド数を、大当たり当選時における遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。
図288は、本第6制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を示した図である。図288に示した通り、本第6制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、時短モード格納エリア223eaを追加した点で、第5制御例と相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
時短モード格納エリア223eaは、設定された時短モードを格納するための記憶領域であって、時短状態演出設定処理6(図290のS9076参照)において設定された時短モードが記憶される(図290のS9372)。そして、時短状態中に実行される特別図柄変動の演出態様を設定する際に参照され、読み出された時短モードに対応する演出態様で変動演出が実行される。
<第6制御例における制御処理内容について>
次に、図289から図293を参照して、本第6制御例にて実行される制御処理内容について説明をする。図289は、時短抽選処理6(S8056)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理6(S8056)は、上述した時短抽選処理5(S8016)に対して、時短抽選(時短当選判定)の実行条件が成立するか否かの判別を行うための処理を変更した点で相違している。つまり、図289に示した通り、実行される特別図柄抽選の殆どにおいて時短当否当選が実行されている。
時短抽選処理6(S8056)では、まず、時短当たり乱数6テーブル202ee(図286(a)参照)に基づいて抽選結果を取得する(S8154)。次に取得した抽選結果は時短当選であるか判別する(S8105)。次に取得した抽選結果は時短当選であると判別した場合には(S8105:Yes)、取得した時短種別カウンタCC1の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄をセットし(S8106)、本処理を終了する。一方、S8105の処理において、取得した抽選結果が時短当選ではないと判別した場合には(S8105:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S8107)、本処理を終了する。
次に、図290は、時短状態演出設定処理6(S9076)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理6(S9076)では、上述した第5制御例における時短状態演出設定処理5(図282のS9056)に対して、今回受信した状態コマンドに含まれる時短種別を時短モード格納エリア223eaに格納するための処理を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図291は、特図2演出態様設定処理6(S4997)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理6(S4997)は、第2特別図柄変動に対応させた変動演出の演出態様を設定するための処理であり、上述した第5制御例における特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)に対して、時短状態中における演出態様を決定するためのモード別演出設定処理(S9651)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図292を参照して、モード別演出設定処理(S9651)の内容について説明をする。図292はモード別演出設定処理(S9651)の処理内容を示したフローチャートである。このモード別演出設定処理(S9651)では、図283及び図284を参照して上述した各種演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
モード別演出設定処理(S9651)では、まず、時短モード格納エリア223eaから現在の時短モードの読み出しを実行する(S9801)。次に、時短モード格納エリア223eaから読み出した現在の時短モードは、時短Aであるか判別する(S9802)。現在の時短モードは、時短Aであると判別した場合には(S9802:Yes)、今回の抽選が時短に当選する抽選か判別する(S9803)。
時短に当選する抽選であると判別した場合には(S9803:Yes)、今回の抽選に基づいて付与される時短回数と、時短中カウンタ223daの値とに基づいて、差分を算出する(S9804)。次に、算出した差分に基づいて残時短回数が減少するか判別する(S9805)。時短回数が減少しない、即ち、時短回数が増加すると判別した場合には(S9805:No)、残時短回数が増加することを示すための表示用コマンドを設定し(S9806)、S9809の処理に移行する。
一方、S9805の処理において、差分に基づいて残時短回数が減少すると判別した場合には(S9805:Yes)、残時短回数が減少することを示すための表示用コマンドを設定し(S9807)、S9809の処理に移行する。一方、S9803の処理において、今回の抽選は時短当選する抽選ではないと判別した場合には(S9803:No)、S9804~S9807の処理をスキップし、S9809の処理に移行する。
一方、S9802の処理において、読み出した現在の時短モードが時短Aではないと判別した場合には(S9802:No)、時短B中演出設定処理を実行する(S9808)。時短B中演出設定処理(S9808)の詳細な説明については、図293を参照して後述する。次に、読み出した現在の時短モードと、抽選結果に基づいて設定される遊技状態との比較を実行し(S9809)、時短モードの切り替えがあるか判別する(S9810)。時短モードの切り替えがあると判別した場合には(S9810:Yes)、時短モードの切り替えに対応する演出態様を決定し(S9811)、本処理を終了する。一方、S9810の処理において、時短モードの切り替えがないと判別した場合には(S9810:No)、S9811の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
次に、図293を参照して、時短B中演出設定処理(S9808)の処理内容について説明をする。図293は、時短B中演出設定処理(S9808)の内容を示したフローチャートである。図293に示した通り、時短B中演出設定処理(S9808)では、時短B中において時短当選した際に設定される時短種別を判別し、時短B以外、即ち、時短Aが設定された場合において、直ぐに時短状態が終了することを示すための演出態様を設定するための処理が実行される(S9853)。
時短B中演出設定処理(S9808)では、まず、今回の抽選が時短当選する抽選であるか判別する(S9851)。時短当選する抽選であると判別した場合には(S9851:Yes)、時短Bに当選する抽選であるか判別する(S9852)。時短Bに当選する抽選ではないと判別した場合には(S9852:No)、時短終了を示唆するための演出態様を決定し(S9853)、本処理を終了する。一方、時短Bに当選する抽選であると判別した場合には(S9852:Yes)、次回大当たりまでの時短継続に対応する演出態様を決定し(S9855)、本処理を終了する。
一方、S9851の処理において、今回の抽選は時短当選する抽選ではないと判別した場合には(S9851:No)、大当たりに当選する抽選であるか判別する(S9854)。大当たりに当選する抽選であると判別した場合には(S9854:Yes)、上述したS9855の処理を実行し、本処理を終了する。一方、大当たりに当選する抽選ではないと判別した場合には(S9854:No)、そのまま本処理を終了する。
<第7制御例>
次に、図294から図328を参照して、第7制御例の内容について説明をする。本第7制御例は、上述した第5制御例に対して、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能に構成している点で相違している。
加えて、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成していたのに対して、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選で大当たり当選と、時短当選と、を重複して判定可能に構成している点で相違している。
さらに、上述した第5制御例では、大当たり当選の判定を実行した後に、時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、時短当選した特別図柄変動が停止表示されたタイミングにて時短状態を設定するように構成していたのに対して、本第7制御例では、大当たり当選の判定が実行される前に時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選にて大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、時短状態が設定されている状態で当該特別図柄抽選における大当たり当選の判定を実行し、当該特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されるタイミングにて時短状態を終了させることが可能に構成している。
具体的には、通常状態における第1特別図柄抽選で時短当選した場合において、上述した通り、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行されるタイミングを含む短期間の間、時短状態となるように構成している。つまり、上述した第5制御例では、次の大当たり当選に向けて遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行させ易い遊技)を、大当たり遊技を介すること無く所定期間(最大で10000回)実行させるために特別図柄抽選にて時短当選可能な機能(時短期間設定機能)を設けていたのに対して、本第7制御例では、上述した時短期間設定機能に加え、通常状態において、特別図柄抽選を実行させ易くすること無く、特別図柄抽選による大当たり判定が実行されるタイミングが時短状態となるように構成することで通常状態にて実行される遊技(左打ち遊技)の最中に時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行可能にする機能(特殊抽選機能)を設けている。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄抽選で時短当選したことを把握され難くしながら時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行することができるため、特別図柄抽選の結果として意外性のある抽選結果を報知することが可能となる。
また、本第7制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に付与される特典を、通常状態にて大当たり当選した場合と、時短状態にて大当たり当選した場合とで、異ならせており、通常状態よりも時短状態で大当たり当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり遊技)が付与されるように構成している。つまり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、時短当選と大当たり当選とに重複当選した場合のほうが、大当たりのみ当選した場合よりも有利な特典が付与されることになる。
加えて、本第7制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、大当たり当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、を設定可能に構成している。
つまり、実行される変動演出の演出態様を把握することで実行中の特別図柄抽選に対して実行された大当たり判定の結果と、時短当選判定の結果と、を遊技者に予測させることが可能に構成している。さらに、変動演出として、時短当選の有無を報知するタイミングと、大当たり当選の有無を報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選に対して異なる複数の特典を付与するための判定を実行可能なパチンコ機10において、少なくとも1の判定結果を把握(予測)した状態で、他の判定結果を示唆するための示唆態様を把握させることができる。
また、本第7制御例では、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様を含む演出(時短演出)の演出結果が、時短非当選を示唆する示唆態様を含む演出結果であった場合のほうが、時短演出が実行されない場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように、付与判定を異ならせた複数の特典を1回の特別図柄抽選にて付与可能な構成を用いたパチンコ機10において、1の特典に対する付与判定の結果を示唆可能な判定結果示唆演出が実行された場合に、その判定結果示唆演出の演出結果が1の特典が付与されないことを示唆する演出結果であることで、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて他の特典が付与される期待度が高くなるように構成することで、判定結果示唆演出が実行された時点で、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて、何れかの特典が付与され易い状態であることを遊技者に報知することができる。
以下、本第7制御例のパチンコ機10について説明をするが、上述した各制御例と同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図294から図299を参照して、第7制御例におけるパチンコ機10の構造について説明する。図294は第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図295は第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図296~図299は第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図である。
図294に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図242参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図294の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図294の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図294の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図242参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。第7制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される15R時短大当たり(15R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される5R時短大当たり(5R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない5R通常大当たり(5R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことである。また、「5R通常大当たり」は、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「15R時短大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「5R時短大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「5R通常大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、第7制御例では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、第7制御例では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
加えて、本第7制御例では、第1入球口64へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第1特別図柄抽選、及び、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第2特別図柄抽選において、上述した大当たり当選、小当たり当選以外に時短当選し得るように構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において、時短当選の判定が実行されるように構成している。
ここで、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選において大当たり判定が実行されるよりも前に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるタイミングにて、時短状態を終了させるか否かを判定する処理(更新処理7)が実行される。例えば、時短回数1(時短カウンタ203hの値が1)に設定される時短状態の場合は、時短当選した当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるタイミングで実行される更新処理7において、残時短回数(時短カウンタ203hの値)が更新(減算)され、時短終了条件が成立し、時短状態を終了させると判定される。一方、時短回数として複数回(例えば、100回)の値が設定される時短状態の場合は、更新処理7によって実行される残時短回数の更新の結果に基づいて時短終了条件が成立するまで時短状態が継続する。
つまり、本第7制御例にて用いられる時短状態の設定タイミングと、時短状態の終了タイミングと、を用いることにより、設定される時短回数に応じて、特別図柄抽選の大当たり判定タイミングのみ(特別図柄変動期間を除外して)時短状態を設定したり、特別図柄変動期間を含めて時短状態を設定したりすることが可能となる。
なお、同様の効果を奏する手法として、別の処理タイミングを設定しても良く、例えば、上述した第5制御例と同様に時短当選した当該特別図柄変動の停止タイミングに時短状態を設定し、次に実行される特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態の更新処理(時短状態を終了させるか否かを判定する処理)を実行可能に構成しても良い。このように構成した場合も、設定される時短回数を異ならせることで特別図柄変動期間が含まれるように時短状態を設定したり、特別図柄変動期間が含まれないように時短状態を設定したりすることが可能となる。なお、この場合、時短状態が設定された特別図柄変動が停止表示され、時短状態が設定された状態で次の特別図柄抽選が開始されない場合は、時短終了条件が成立し得ないため時短状態が継続することになる。
よって、この場合、時短当選した特別図柄変動が停止表示されるまでに(時短状態が設定されるまでに)、次に実行される特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得しているかを判別し、特図保留を獲得していると判別した場合、即ち、時短状態が設定された後、ただちに次の特別図柄変動が開始され、時短状態が終了し得る場合のみ、時短当選したことを遊技者に報知するように構成すると良い。このように構成することで、時短当選したことを把握した遊技者が、第1特別図柄抽選を実行させること無く、右打ち遊技を行い、第2特別図柄抽選を実行させる行為を抑制することができる。
さらに、詳細は後述するが、第7制御例では「時短状態」が終了する条件として、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される時短状態に対しては、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
さらに、第7制御例では特別図柄の抽選(第2特別図柄抽選)において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA,B)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。
一方で、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態(第2時短)が設定された場合には、大当たり当選に基づいて時短状態(第1時短)が設定された場合とは異なる終了条件が設定されるように構成しており、具体的には、時短回数「1」が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される第1時短は、特別図柄抽選の大当たり判定のみ時短状態で実行させるための特殊抽選機能として時短状態が利用される。
また、第7制御例では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図298参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、第7制御例では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図242参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される(図122参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。第7制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図242参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れ、時短当選といった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、4種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ、時短)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。また、重複して当選可能な判定(例えば、大当たり安定、時短判定)にて重複して当選した場合には、重複当選を示すための表示態様を用いても良いし、重複当選したことに基づいて実行される遊技の内容が、大当たり当選のみに基づいて実行される遊技の内容と同一である場合には、同一の表示態様を用いても良い。
また、第7制御例で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
本第7制御例では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図294に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、第7制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、第7制御例では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図294の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、第7制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第7制御例では図294に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
第7制御例では、図294に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第7制御例のパチンコ機10では、図294に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図294の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図2の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図295を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図295に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図295の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図295参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第7制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図295参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図295参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図295に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第7制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図3に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)が可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第7制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図294に戻り説明を続ける。図295を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
なお、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部において、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成してもよい。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図295~図299を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図295に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図295の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
第7制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図298(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、第7制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第7制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、第7制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
第7制御例では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、詳細は後述するが、第7制御例では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、第7制御例のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図296を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図296は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図296に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図297は、V入賞装置650の断面図である。図297(c)はV入賞装置650の上面図であり、図297(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図297(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図297(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図297(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図297(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図297(a)は、図297(b)に示すLa-La断面図である。図297(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図298を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図298(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図298(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図298(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、第7制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図298(b)参照)ように構成している。
第7制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図25を参照して後述する開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図298(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(第7制御例では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、第7制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図299を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図299(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第7制御例の開閉扉650f1は、図299(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図294参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図299(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図299(b)に示した状態へと移行する。図299(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図299(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図294参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、第7制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
<第7制御例のパチンコ機10における演出内容について>
図300~図302を参照して、第7制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
上述した第5制御例では、第1入球口64及び第2入球口640へ遊技球が入球したことを契機として実行される抽選(特別図柄抽選)における大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)において外れであった場合に、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)が実行される構成であったため、大当たり当選した場合には時短当選することがない構成であった。
これに対して、第7制御例では、特別図柄抽選において大当たり当選と時短当選が重複可能な構成としている点で第5制御例と相違する。
具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄抽選において大当たり抽選が実行される前に時短抽選を実行し、時短当選した場合には時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、時短状態が設定されている期間中に大当たり抽選が実行され、その大当たり抽選が終了し第1特別図柄の変動が開始された時点で時短状態が終了する構成としている。つまり、時短当選により時短状態が設定されている期間は大当たり抽選が実行される期間のみとなる。
そして、通常状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合と、で大当たり当選した場合に決定される大当たり種別の割合が異なる構成としており、例えば、通常状態が設定されている期間で大当たり当選した場合に15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)が決定される割合は10%であるのに対して、時短状態が設定されている期間で大当たり当選した場合に15R大当たりが決定される割合は50%となる。つまり、時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている期間に大当たり当選すると、通常状態が設定されている期間に大当たり当選した場合よりも15R大当たりが決定される可能性が高くなるため、時短当選と大当たり当選が重複した場合には遊技者に有利となる。
なお、本実施例では、時短当選した場合に設定される時短状態では、時短当選してから次に第1特別図柄の変動が開始されるまでの僅かな期間しか時短状態が継続しないため、遊技者は第2入球口640に遊技球を入球させる遊技(右打ち遊技)を行うことはできないが、大当たり当選に基づいて設定される時短状態では、右打ち遊技を行うことが可能である。
ここで、大当たり当選していない場合に遊技者に時短当選したことを報知した場合、遊技者に対して変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか遊技者が混乱してしまい、時短状態が設定されていると誤認した遊技者が誤って右打ち遊技を行ってしまう虞がある。
一方で、時短当選と大当たり当選が重複した場合は、時短当選したことを報知したことによって、変動中の特別図柄が停止した後に設定されるのが通常状態か時短状態か遊技者が混乱したとしても、大当たり当選したことが報知されることにより、遊技者に特別図柄停止後には大当たり遊技が実行されると認識させることができる。
したがって、第7制御例においては、特別図柄抽選において時短当選と大当たり当選が重複した場合には時短当選したことを報知或いは示唆するが、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、時短当選したことを遊技者に報知或いは示唆しない構成としている。
このように構成することで、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、どの遊技状態が設定されている場合の大当たり当選であったかを遊技者が判別することが可能となる一方で、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態を遊技者が誤認し、遊技者に誤った遊技方法で遊技させてしまうことを抑制することができる。
図300および図301を参照して、第1特別図柄の変動中に時短抽選結果を示唆する場合の表示画面について説明する。
図300(a)は、第1特別図柄の変動中に時短抽選結果示唆演出(時短抽選の結果を示唆するための演出)が実行される場合に表示される表示画面の一例である。本実施例では、特別図柄抽選において実行された時短抽選の抽選結果を遊技者に報知する場合には、「おみくじタイム演出」を実行する。おみくじタイム演出は、主表示領域Dmに表示されるカプセルcp5の中身によって時短当選か時短非当選かを遊技者に示唆する演出である。主表示領域Dmには、閉じたカプセルcp5とともに「この変動は時短当選かな?」と表示されることで、おみくじタイム演出が変動中の第1特別図柄が時短当選したか否かをカプセルcp5の中身によって示唆する演出であることを遊技者に認識させることができる。
ここで、おみくじタイム演出は第1特別図柄の変動毎に実行されるものではなく、時短当選した場合であってもおみくじタイム演出が実行されない場合もある構成としている。つまり、おみくじタイム演出が実行されなかった場合には、変動中の第1特別図柄が時短当選したのか否かを遊技者が認識できず、おみくじタイム演出が実行された場合には、変動中の第1特別図柄が時短当選したのか時短非当選であったのかを遊技者が認識できるように構成している。
図300(b)は、第1特別図柄の変動中に時短当選したことを示唆する場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmでは、カプセルcp5が開放され、中から「○」と書かれた紙k1が出現する演出が実行される。紙k1は変動中の第1特別図柄が時短当選したことを示すための表示態様であり、これにより遊技者は時短当選したことを認識することができる。
なお、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄の変動中に時短当選したことが遊技者に示唆されるのは、時短当選と大当たり当選が重複した場合のみとしており、大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)の結果が外れであった場合には時短当選した場合であっても遊技者に時短当選したことが示唆されない(つまり、おみくじタイム演出が実行されない)。したがって、おみくじタイム演出において時短当選したことを示唆する紙k1が表示された場合には、大当たり当選したことを示す表示態様の第3図柄が表示される前に遊技者は大当たり当選したことを認識可能となる。
なお、後述するが、本実施例では、通常状態が設定されている場合と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合と、で大当たりに当選した場合の大当たり種別の割合が異なり、通常状態中に大当たり当選した場合に15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)が決定される割合は10%であるのに対して、時短状態中に大当たり当選した場合に15R大当たりが決定される割合は50%となる。
したがって、実施例では、おみくじタイム演出において時短当選したことを示唆する紙k1が表示された場合には、主表示領域Dmに「スーパーチャンス到来!この変動で当たれば15R大当たりの大チャンス!」と表示される「スーパーチャンス到来演出」が実行されることで、変動中の第1特別図柄が15R大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に示唆し、おみくじタイム演出が終了してから大当たり抽選の結果が報知されるまでの期間で遊技者に15R大当たりに当選していることを期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。
図301(a)は、第1特別図柄の変動中に時短非当選であったことを示唆する場合の表示画面の一例である。時短当選した場合と異なり、おみくじタイム演出においてカプセルcp5の中から「×」と書かれた紙k2が出現する演出が実行される。紙k2は変動中の第1特別図柄が時短非当選であったことを示すための表示態様であり、これにより遊技者は時短非当選であったことを認識することができる。
なお、後述するが、本実施例では、時短非当選であったことが遊技者に示唆されるのは、大当たりA(15R時短有大当たり)に当選した場合と大当たり抽選が外れであった場合のみとしている。
ここで、本実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄の大当たり種別として3つの大当たり種別が規定されており、「大当たりA」は大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、「大当たりB」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、「大当たりC」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。つまり、大当たりAは大当たりB,Cよりも遊技者に付与される大当たり遊技のラウンド数が多く、大当たりCと異なり大当たり遊技終了後には通常状態よりも有利な時短状態が設定されることから、最も有利な大当たり種別である。
したがって、おみくじタイム演出において、時短非当選であったことを示唆する紙k2が表示された場合には、主表示領域Dmに「一か八か!大当たりA?orハズレ?」と表示される「一か八か演出」が実行されることで、最も有利な大当たりAに当選している可能性が高いことを遊技者に示唆し、おみくじタイム演出が終了してから大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)の結果が報知されるまでの期間で遊技者に大当たりAに当選していることを期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。
図301(b)は、時短当選と大当たり当選が重複している場合の大当たり当選報知画面の一例である。小表示領域Dm1では第1特別図柄が大当たりに当選したことを示す表示態様で停止表示され、主表示領域Dmでは、うさぎのキャラクタ801によって宝箱810fを開放され、宝箱810fの中から「V」と書かれた玉tm2が出現する演出が実行される。玉tm2は、第1特別図柄が大当たりに当選したことを遊技者に報知するための表示態様であり、玉tm2が表示されることで遊技者は大当たりに当選したことを認識することができる。
また、主表示領域Dmには、図300(b)で示した「スーパーチャンス到来!この変動で当たれば15R大当たりの大チャンス!」と表示されるスーパーチャンス到来演出が大当たり抽選の結果が報知される時にも継続して表示される。
なお、時短非当選であったものの大当たりBまたはCに当選した場合には、図301(b)の主表示領域Dmにスーパーチャンス到来演出および一か八か演出のどちらも表示されていない状態でうさぎのキャラクタ801が宝箱810fを開放して玉tm2が出現する演出が実行される。一方、時短非当選であったが大当たりAに当選し、上述したおみくじタイム演出中に一か八か演出が実行されている場合には、図301(b)の大当たり当選報知画面においても、主表示領域Dmには一か八か演出が継続して表示され、玉tm2が表示されたことで大当たりAに当選したことを遊技者が認識することができる。
なお、図301(b)の大当たり当選報知画面が表示された後に、決定された大当たり種別を報知する演出を実行する(図示しない)。
なお、変動中の第1特別図柄が時短非当選且つ大当たり非当選であった場合に、おみくじタイム演出が実行され、おみくじタイム演出において主表示領域Dmに「一か八か!大当たりA?orハズレ?」と表示される一か八か演出が実行された場合には、図301(b)においても主表示領域Dmに一か八か演出が継続して表示される。この場合、宝箱810fの中から「残念」と書かれた玉が出現する演出が実行されることで、大当たり非当選であったことが遊技者に報知される。
なお、実施例では、おみくじタイム演出によって時短抽選(特別図柄抽選において実行される普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定)の結果を示唆する構成としたが、これに限るものではなく、特定のキャラクタや背景画像を表示させることで時短抽選結果を遊技者が認識できる構成としても良い。
また、例えば、図300(a)に示すスーパーチャンス到来演出において、主表示領域Dmに「スーパーチャンス到来!スーパーチャンス表示中に大当たり図柄が停止すれば、15R大当たりの大チャンス!」と表示される構成とし、大当たり当選報知画面までスーパーチャンス到来演出が継続して表示されていれば、15R大当たりが確定し、大当たり当選報知画面が表示される前にスーパーチャンス到来演出が終了した場合、つまり、図301(b)においてスーパーチャンス到来演出が表示されていない場合には、15R大当たりの可能性が低いことを遊技者に示唆する構成としても良い。
このように構成することで、スーパーチャンス到来演出が実行されてから大当たり当選報知画面が表示されるまでの期間、遊技者にスーパーチャンス到来演出が継続して表示されることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるとともに、スーパーチャンス到来演出が表示された状態で大当たり当選が報知されたにも関わらず、大当たり種別が15R大当たりでなかった場合に、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図301(b)において、玉tm2の表示態様によって大当たり種別を報知する構成としても良く、例えば、玉tm2の色が虹色であれば大当たりA(15R時短有大当たり)、青色であれば大当たりC(5R時短無大当たり)であることを示す構成としても良い。
次に、図302を参照して、時短抽選および大当たり抽選に当選した場合の報知パターンについて説明する。図302は、時短抽選(特別図柄抽選において実行される普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定)または大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)に当選した場合の報知パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図302(a)は、時短当選と大当たり当選が重複した場合の報知パターンの一例であり、リーチ前演出期間において、おみくじタイム演出(図300(a)参照)が実行され、時短当選したことを示唆するための表示態様である紙k1(図300(b)参照)および「スーパーチャンス到来演出」(図300(b)参照)が表示されることで時短当選したことが遊技者に示唆され、リーチ演出期間を経て大当たり当選報知画面が表示されることで、大当たり当選したことが遊技者に報知される。したがって、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、時短当選と大当たり当選が重複したことを遊技者が認識できることとなる。
図302(b)は時短当選したものの大当たり当選しなかった場合の報知パターンの一例であり、この場合には、図302(a)の場合とは異なり、リーチ前演出期間においておみくじタイム演出(図300(a)参照)は実行されないため時短抽選の結果を遊技者が知ることはできず、リーチ演出後に第3図柄が大当たり非当選であることを示すための表示態様で表示されることで大当たり当選しなかったことが遊技者に報知される。したがって、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、遊技者は時短抽選の結果を知ることはできず、大当たり非当選であったことのみ認識することができる。
図302(c)は、時短非当選であったものの、大当たり当選した場合の報知パターンであり、上述した通り、大当たりAに当選した場合の一部を除き、リーチ前演出期間においておみくじタイム演出(図300(a))は実行されないため、302(b)と同様に時短抽選の結果を遊技者が知ることはできず、リーチ演出後に第3図柄が大当たり当選したことを示すための表示態様で表示されることで大当たり当選したことのみが報知される。したがって、大当たり当選したものの時短非当選であった場合には、遊技者は時短抽選の結果を知ることはできず、大当たり当選したことのみ認識することができる。
このように構成することで、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、どの遊技状態が設定されている場合の大当たり当選であったかを遊技者が判別することが可能となる一方で、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態を遊技者が誤認し、遊技者に誤った遊技方法で遊技させてしまうことを抑制することができる。
なお、実施例では、時短当選を示唆する演出をリーチ前演出期間で実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、リーチ演出期間で時短当選示唆演出(時短当選したことを示唆するための演出)を実行しても良いし、大当たり当選報知画面が表示される期間において時短当選示唆演出を実行しても良い。
このように構成することで、リーチ前演出期間で時短当選示唆演出が発生しなくても、大当たり当選したことが報知される画面においても時短当選示唆演出が実行される可能性があるため、リーチ前演出期間で時短当選示唆演出が出なかったとしても遊技者を落胆させることなく時短当選を期待させながら第1特別図柄の変動表示を楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、実施例では、時短当選しても大当たり当選しなかった場合には、時短当選を報知しない構成としたが、これに限るものではなく、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合であっても、時短当選を報知する構成としても良い。例えば、実施例では、スーパーチャンス到来演出(図300(b)参照)が実行されるのは、時短当選と大当たり当選が重複した場合のみであったため、スーパーチャンス到来演出(図300(b)参照)が発生することで、遊技者は大当たり当選が報知される前に大当たり当選であることを知ることとなるが、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合の一部でスーパーチャンス到来演出(図300(b))を実行する構成とすることで、スーパーチャンス到来演出(図300(b)参照)が発生しても大当たり当選が確定せず、大当たり抽選の結果が報知される最後の瞬間まで大当たり抽選の結果を予測させる楽しみを遊技者に付与することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第7制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図303を参照して、本第7制御例のパチンコ機10のMPU201が有する各カウンタについて説明する。なお、上述した各制御例にて用いられた各カウンタについては、カウンタの更新範囲を一部異ならせている点で相違しているが、基本的な構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図314参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aや、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数7テーブル202faによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数7テーブル202faによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数7テーブル202faには、第1特別図柄用の第1特別図柄乱数7テーブル202fa1と、第2特別図柄用の第2特別図柄乱数7テーブル202fa2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図305参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この第1特別図柄乱数7テーブル202fa1と、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図305を参照して、第1当たり乱数7テーブル202faについて説明する。図305(a)は、第1当たり乱数7テーブル202faに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図305(b)は、第1特別図柄乱数7テーブル202fa1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図305(c)は、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数7テーブル202faは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には第1特別図柄乱数7テーブル202fa1が参照される。図305(b)に示した通り、第1特別図柄乱数7テーブル202fa1は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には第2特別図柄乱数7テーブル202fa2が参照される。図305(c)に示した通り、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、「5~144」が小当たり判定値として規定されており、「145~999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5~144」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
第7制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0~4」は、前述したように第1当たり乱数7テーブル202faの第1特別図柄乱数7テーブル202fa1、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2に格納されている。このように第7制御例のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
第7制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。第7制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図306を参照して大当たり種別選択7テーブル202fbの内容について説明をする。
図306(a)は、大当たり種別選択7テーブル202fbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図306(a)に示した通り、第7制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202fb1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202fb2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図306(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202fb1について説明をする。図306(b)は特図1大当たり種別選択テーブル202fb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図306(b)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。遊技状態として時短状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
「大当たりD」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりD」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。さらに、「大当たりD」は、上述した「大当たりA」に対して、終了し難い時短状態が設定されるように構成している。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態が設定される「大当たりA」よりも、遊技者に有利な大当たり種別となる。
以上、説明をしたように、第7制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
一方、時短状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の50%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、50%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、時短状態中に特図1抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定される。
つまり、通常状態で大当たり当選するよりも時短状態で大当たり当選したほうが、大当たり遊技の内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点で遊技者に有利となる。よって、大当たり当選時点の遊技状態としては、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利となる。
次に、図306(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202fb2について説明をする。図306(c)は特図2大当たり種別選択テーブル202fb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図306(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となる。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって最も有利な「大当たりD」が必ず選択されるように構成している。
第7制御例では、大当たりの種類は4種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、5種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
第7制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図307を参照して小当たり種別選択7テーブル202ffの内容について説明をする。図307は小当たり種別選択7テーブル202ffに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図307に示した通り、小当たり種別選択7テーブル202ffには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA,Bの2種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0~89」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「90~99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA,B)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が100回或いは、小当たりAに1当選、或いは、小当たりBに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(5R時短有大当たり)が設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が100回或いは、小当たりAに1当選、或いは、小当たりBに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容およびその大当たり遊技後に設定される遊技状態を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多く(15R)、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定されるため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されているが、大当たり遊技後に時短状態が設定される。
なお、詳細な説明は後述するが、第7制御例では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する時短終了条件(小当たりA当選の回数、或いは小当たりB当選の回数等)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行され、大当たり遊技を実行させることが可能な小当たり(小当たりA、小当たりB)に当選した場合には、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に有利な小当たり(小当たりA)に当選するまで小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させない遊技を第2終了条件が成立するまで繰り返し実行されることを抑制することができる。
次に、図308(a)を参照して変動パターン7テーブル202fdの内容について説明をする。図308(a)は変動パターン7テーブル202fdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図308(a)に示した通り、変動パターン7テーブル202fdには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターン7テーブル202fd1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターン7テーブル202fd2とが規定されている。詳細については後述するが、第7制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図308(b)は、変動パターン7テーブル202fdに設けられる通常用変動パターン7テーブル202fd1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図308(b)に示した通り、通常用変動パターン7テーブル202fd1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図308(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140~149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150~179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180~198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30~189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒~180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
ここで、第7制御例では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている状態において右打ち遊技を実行した場合には第2入球口640に球が入球しないように構成されていることから、通常状態中は第1入球口64に球を入球させる遊技、即ち、第1特別図柄の抽選を実行する遊技が行われるように構成されている。このように構成されている通常状態中において第2特別図柄の抽選が実行される場合としては、遊技者が不正に球を第2入球口640に入球させた場合であるため、通常状態における第2特別図柄の変動は長い変動時間を有する変動パターンが選択される。これにより、短期間の間に不正に第2特別図柄の抽選が行われる事態を抑制することができる。なお、通常状態中に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたと判別した場合は、その抽選結果が表示されるまでの期間(180秒間)を用いて、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたことを外部に報知するように構成しても良い。また、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行された場合には、その不正に実行された第2特別図柄の抽選(変動)結果として、外れの抽選(変動)結果を強制的に創出し、表示するように構成しても良い。
図308(b)に示した通り、通常用変動パターン7テーブル202fd1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、第7制御例では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図309を参照して変動パターン7テーブル202fdに設けられた時短用変動パターン7テーブル202fd2の内容について説明をする。図309は時短用変動パターン7テーブル202fd2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図309に示した通り、時短用変動パターン7テーブル202fd2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図309に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1~4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が30秒の中外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161~198」の範囲に変動時間が30秒の中小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の中大当たりが規定されている。
図303に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、第7制御例ではタイマ割込処理(図314参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数7テーブル202fcによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数7テーブル202fcによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、第7制御例では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、第2当たり乱数7テーブル202fcとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。
このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、第7制御例では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。
上述したように、第7制御例では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、通常状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図314参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図304(a)を参照して、第7制御例のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図304(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数7テーブル202fa、大当たり種別選択7テーブル202fb、第2当たり乱数7テーブル202fc、および変動パターン7テーブル202fd、時短付与7テーブル202fe、小当たり種別選択7テーブル202ff、開放シナリオ7テーブル202fg、時短当たり乱数7テーブル202fh、時短種別選択7テーブル202fiが少なくとも記憶されている。
尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数7テーブル202fa、大当たり種別選択7テーブル202fb、第2当たり乱数7テーブル202fc、変動パターン7テーブル202fd、小当たり種別選択7テーブル202ffについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。
時短付与7テーブル202feは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図326のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図306(d)を参照して時短付与7テーブル202feに規定されている内容について説明をする。図306(d)は時短付与7テーブル202feに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第7制御例では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図306(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。
第7制御例では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、を有している。
図306(d)に示した通り、時短付与7テーブル202feには複数の時短終了条件のそれぞれに対応した各種カウンタに設定する値が規定されており、上述した第1時短終了条件として設定する値は時短中カウンタ203hにセットされ、第2時短終了条件として設定する値は小当たりAカウンタ203fgにセットされ、第3時短終了条件として設定する値は小当たりBカウンタ203fhにセットされる。
具体的には、大当たり種別が大当たりA及びBの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「1」、小当たりBカウンタ203fhに「3」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「2」、小当たりBカウンタ203fhに「10」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、第7制御例では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与7テーブル202feの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。
なお、第7制御例では時短付与7テーブル202feを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与7テーブル202feからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与7テーブル202feに値を規定するように構成しても良い。
さらに、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合にも時短状態(第2時短)を設定するように構成しているが、第2時短に対して設定される時短終了条件については、後述する時短種別選択7テーブル202fiを参照して説明をする。なお、本第7制御例では、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を、時短付与7テーブル202feでは無く、時短種別選択7テーブル202fiを参照して設定するように構成しているが、これに限ること無く、時短付与7テーブル202feに第2時短に対応する時短終了条件を規定するように構成しても良い。
また、第7制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件~第3時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、第7制御例では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオ7テーブル202fgは、特別図柄の抽選によって大当たり或いは小当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において、可変入賞装置65、或いは、V入賞装置650の開放パターン(各入賞装置に設けられた各種ソレノイドを動作させるパターン)をシナリオ化した開放シナリオが記憶されるデータテーブルであって、当選した大当たりに設定されている大当たり種別、或いは、当選した小当たりに設定されている小当たり種別に対応させて開放シナリオの内容が規定されている。
このように、当選結果(大当たり或いは小当たり)および当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)や開放動作内容(開放シナリオ)を異ならせることで、特典遊技の有利度合を複数段階設定することができるため、大当たり又は小当たりに当選した後も、遊技者に対してどの種別の当たりに当選したのかを楽しませることができる。
開放シナリオ7テーブル202fgには、当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応して当たり遊技中の開始インターバル期間(当たり遊技が開始されてから最初に入賞装置が開放動作するまでの期間)と、入賞装置の開放動作態様(開放動作される入賞装置の種別、1回の開放動作(ラウンド遊技)の秒数、総開放動作回数(ラウンド数))と、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技間に設定される入賞装置が閉鎖される期間)と、終了インターバル期間(全てのラウンド遊技が終了してから、当たり遊技が終了するまでの期間(新たな特別図柄変動の開始を許容するまでの期間))と、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1あるいは特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替えるための流路ソレノイド650kのオンオフ切替動作態様が、それぞれ規定されている。
具体的には、当選した当たり種別が大当たりAに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「15ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりAの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が15ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に多くの賞球が払い出される大当たり遊技となる。さらに、大当たり種別が大当たりAの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定される大当たりであるため、大当たりAは遊技者にとって最も有利となる特典が付与される大当たりである。
次に、当たり種別が大当たりB,Cに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「5ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりB,Cの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が5ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に対して大当たりAに対応する大当たり遊技の約1/3の賞球が払い出される大当たり遊技となる。また、大当たり種別が大当たりBの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、大当たりCの場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、大当たりBは大当たりAよりも不利で大当たりCよりも有利な特典が付与される大当たりとなる。
当たり種別が大当たりDに対応して、開始インターバル期間として「1秒」が、入賞装置の開放動作態様として「V入賞装置650」を「1ラウンド目」に開放動作し、「可変入賞装置65」を「2~15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技として、1ラウンド目は「0.1秒開放を0.5秒間の開放間インターバルを設けて12回」開放し、2~15ラウンド目は「29秒間継続開放」する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。
つまり、大当たりDの開始インターバル期間と2ラウンド目が実行されるまでの期間(1ラウンド目のラウンド遊技内容(開閉動作態様)、及び、1ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間)に規定されている内容が、後述する小当たり遊技に規定されている内容と同一となるように構成している。このように構成することで、今回実行されている当たり遊技が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを、1ラウンド目が終了するタイミングまで(小当たり遊技であればその小当たり遊技が終了するタイミングまで)遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されていると認識していた遊技者に対して意外性のある当たり遊技を提供することができる。
なお、第7制御例では、大当たりDは第2特別図柄によって大当たりに当選した場合に必ず選択される大当たり種別であり、且つ、第2特別図柄の抽選では殆どが小当たりに当選するように設定されている(図305(c)参照)。よって、遊技状態として時短状態が設定され、第2特別図柄の変動を主に行う期間中は、特別図柄の変動が停止表示された後に何らかの当たり遊技が開始される。この場合において、大当たりに当選した場合も、小当たりに当選した場合も、同一の開放動作から開始される当たり遊技を実行するため、遊技者により何れの当たり(大当たり又は小当たり)に当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、第2特別図柄の抽選においては、大当たりに当選する確率の方が小当たりに当選する場合よりも低くなるように設定されており、又、大当たりDに対応する大当たり遊技の終了後には時短状態が付与されるように設定されている。よって、大当たりに当選した遊技者に対して、小当たりに当選した場合よりも不利な特典が提供されることが無いため、意外性のある遊技(大当たりDに対応した大当たり遊技)を、遊技者に有利な遊技とすることができるため、遊技者をより興奮させることができる。
なお、大当たりDに当選した場合と、各種小当たりに当選した場合とでは、第3図柄表示装置81にて表示される変動表示(変動演出)として同一の演出態様が実行されるようにし、且つ、特別図柄の抽選結果を示す第1図柄表示装置37a,37bの表示態様により遊技者に抽選結果を識別され難くするために、特別図柄の停止表示タイミングと、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の停止表示タイミングを異ならせたり、特別図柄の停止表示タイミングと第3図柄の停止表示タイミングは同期させるが、その停止表示タイミング或いはその前後の期間において、第3図柄の表示をそれ以外の期間よりも遊技者が識別し難くするために、表示態様や表示領域を可変させたり、特別図柄の停止表示タイミングにおいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される演出用の図柄を第3図柄から普通図柄の変動表示に対応させた演出用普通図柄に切り替えたりすると良い。
加えて、当たり遊技が実行された場合に開放動作する入賞装置(V入賞装置650)と第1図柄表示装置37a,37bを離れて配設し、特別図柄の停止表示タイミング(何れかの当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミング)に第3図柄表示装置81にてV入賞装置650を遊技者に注目させる演出表示を実行したり、第7制御例のように第1図柄表示装置37a,37bの表示領域を第3図柄表示装置81の表示領域よりも小さくし、第3図柄よりも第1図柄が視認し難くなるように構成すると良い。これにより、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかを第1図柄表示装置37a,37bの停止表示態様により識別され難くすることができ、当たり遊技中も継続して大当たりに当選したことを期待させることができる。
当たり種別が小当たりA,Bに対応して規定される内容には、小当たり遊技(1ラウンド遊技)に加え、その小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検知することにより、小当たり遊技終了後に継続して実行される大当たり遊技(2~15ラウンド遊技)の開放シナリオも併せて規定されている。これにより、当選した小当たり種別の小当たり遊技内容と、その小当たり遊技終了後に実行し得る大当たり遊技内容とを確実に対応付けすることができるため、適正な遊技を提供することができる。
具体的には、当たり種別が小当たりAに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2~15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
また、当たり種別が小当たりBに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2~5ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
つまり、小当たりBに対応する小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技は、上述した小当たりAに対応する大当たり遊技よりもラウンド遊技数が少なくなるように設定されている。また、小当たり種別が小当たりBの場合には、対応する大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定されるように構成されているため、小当たりBは小当たりAよりも不利な特典が付与される小当たりとなる。
時短当たり乱数7テーブル202fhは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(判定値)が遊技状態に対応させて規定されているデータテーブルである。ここで、図310(a)を参照して、時短当たり乱数7テーブル202fhの内容について説明をする。図310(a)は、時短当たり乱数7テーブル202fhに規定されている内容を示した図である。
具体的には、特別図柄種別に関わらず、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4,140~287」の範囲に時短当選の判定値として規定されており、それ以外の遊技状態に対しては、時短当選の判定値を設けないように構成されている。
ここで、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選において大当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。また、小当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。よって、例えば、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4」である場合には、第1当たり乱数7テーブル202fa(図305(a)参照)を用いて実行される大当たり判定において大当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数7テーブル202fh(図310(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、大当たりと時短とに重複当選することになる。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「140~144」である場合には、特別図柄2乱数7テーブル202fa2(図305(c)参照)を用いて実行される小当たり判定において小当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数7テーブル202fh(図310(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、小当たりと時短とに重複当選することになる。
上述した通り、本第7制御例では、時短当選の判定を実行した後に、大当たり(小当たり)判定を実行するように構成しているため、重複当選した場合には、時短状態において大当たり(小当たり)当選したことになる。よって、時短当選すること無く大当たり(小当たり)当選した場合に比べて遊技者に有利な特典を付与することができる。
なお、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選において取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、大当たり(小当たり)の判定と、時短当選の判定を実行するように構成し、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、何れの判定においても当選判定値である場合に重複当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の実行権利を獲得した際に、大当たり(小当たり)判定用の乱数カウンタの値と、時短当選用の乱数カウンタの値と、を別々に取得し、取得した各値を用いて大当たり(小当たり)判定と、時短当選判定を実行するように構成しても良い。
時短種別選択7テーブル202fiは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。
ここで、図310(b)を参照して、時短種別選択7テーブル202fiの内容について説明をする。図310(b)は、時短種別選択7テーブル202fiに規定されている内容を示した図である。図310(b)に示した通り、時短種別選択7テーブル202fiには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件が規定されている。
具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0~99」)に対して時短種別として時短Aが規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が1回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短当選した時点で時短状態が設定され、その後当該特別図柄抽選における大当たり判定が実行され、当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態が設定されることになる。
つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合には、特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態中に実行させる(特殊抽選を実行させる)ためだけの時短状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、遊技者に時短当選したことを気付かれること無く大当たり判定のみ時短状態中に実行することが可能となるため、大当たり当選した場合に遊技者に意外性のある特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後の時短状態)を付与することができる。
なお、図310(b)に示した通り、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に時短種別として時短Aが必ず設定されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に応じて時短Aとは異なる時短種別を選択可能に構成しても良い。この場合、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~94」の範囲に対して時短種別として時短Aを規定し、「95~99」の範囲に対して時短種別として時短Aとは異なる時短Zを規定するように構成し、時短Zに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」が設定される時短終了条件を規定すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、特殊抽選を実行させるための時短状態では無く、第2特別図柄抽選を継続して実行させるための時短状態を設定することが可能となるため、遊技者に対してより意外性のある遊技を提供することができる。
次に、図304(b)を参照して、本第7制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図304(b)は、第7制御例におけるパチンコ機10のRAM203の構成を模式的に示した図である。図304(b)に示すように、本第7制御例におけるRAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、小当たり種別格納エリア203fa、小当たり開始フラグ203fb、小当たり中フラグ203fc、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、その他メモリエリア203zを有している。
つまり、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のRAM203(図244(b)参照)に対して、小当たり種別格納エリア203fa、小当たり開始フラグ203fb、小当たり中フラグ203fc、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり種別格納エリア203faは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図317のS10306:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される(図317のS10310)。そして、小当たり遊技中においてV入賞装置650の開放数が所定数に到達し(図327のS11707:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されていないと判別した場合(図327のS11708:No)に、格納されている小当たり種別が参照され(図327のS11709)、参照した小当たり種別に対応した指示コマンドが設定される。なお、詳細な説明は省略するが、小当たり種別格納エリア203faに格納された情報(小当たり種別を示すための情報)は、小当たり遊技終了時にクリアされるように構成されている。
小当たり開始フラグ203fbは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図320のS10404)。小当たり開始フラグ203fbがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される(図327のS11703)。この小当たり開始フラグ203fbは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203fcは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図320のS10404)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図327のS11720)。この小当たり中フラグ203fcは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過大当たり種別格納エリア203fdは、小当たり遊技が実行されている場合に、V入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203fdは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図320のS10402)。V入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球を検知すると、V通過大当たり種別格納エリア203fdに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203feがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203fdに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203fdは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203feは、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203feがオンであるかを判別し(図327のS11716)、Vフラグ203feがオンであると判別した場合に(図327のS11716:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図327のS11718)。このVフラグ203feは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過フラグ203ffは、小当たり遊技中において、Vフラグ203feがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203feがオンに設定されている場合にオンに設定される。第7制御例では、小当たり遊技中においてV入賞装置650に入賞した球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した球に対応したV通過処理(図323参照)においてオンに設定される(図323のS11207)。
そして、V通過処理(図323参照)では、V通過フラグ203ffがオンに設定しているか判別し(図323のS11201)、オンに設定していると判別した場合は(図323のS11201:Yes)、V通過処理(図323参照)のうちS11202~S11208の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にVスイッチ650e3が複数の球を検知した場合であっても、最初に検知した球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
時短カウンタ203hは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与7テーブル202feに規定されている値(100)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)にて実行される更新処理7(図319のS8253)においてカウンタの値が参照され(図319のS10601)、カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合に(図319のS10601:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の時短中カウンタ203kの値が0であると判別すると(図319のS10604:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図319のS10605)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図321のS10505)。このように、複数の時短終了条件のうち、時短カウンタ203hの値を参照した時短終了条件(第1時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、時短カウンタ203hの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず時短カウンタ203hの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりAカウンタ203fgは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理7(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与7テーブル202feに規定されている値(1)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)の小当たり開始設定処理(図320のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理7(図321のS10405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりAであると判別した場合に(図321のS10502:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりAカウンタ203fgの値が0であると判別すると(図321のS10504:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図321のS10507)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図319のS10606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりAカウンタ203mの値を参照した時短終了条件(第2時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりAカウンタ203mの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりAカウンタ203mの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりBカウンタ203fhは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりBが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与7テーブル202feに規定されている値(3)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)の小当たり開始設定処理(図320のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理(図321のS10405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBであると判別した場合に(図321のS10510:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりBカウンタ203fhの値が0であると判別すると(図321のS10512:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図321のS10507)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図319のS10606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりBカウンタ203fhの値を参照した時短終了条件(第3時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりBカウンタ203fhの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりBカウンタ203fhの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
次に、図311(a)を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明する。図311(a)は、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図311(a)に示した通り、本第7制御例のROM222は、上述した第5制御例のROM222(図249(a)参照)に対して、引き戻しモード選択テーブル222daと、示唆態様選択テーブル222dbとを削除し、抽選結果報知態様選択テーブル222faを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
抽選結果報知態様選択テーブル222faは、特別図柄変動の変動時間に対応して実行される変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄抽選の結果(大当たり判定の判定結果と、時短当選判定の判定結果)を示唆(報知)するための態様として複数の態様の中から1の態様が選択される。この抽選結果報知態様選択テーブル222faは、第1特別図柄抽選の結果を示すための変動演出(特図1変動演出)の演出態様を設定するための特図1演出態様設定処理7(図328のS14893参照)において参照される(図328のS19502参照)。
ここで、図312を参照して、抽選結果報知態様選択テーブル222faに規定されている内容について説明をする。図312は、抽選結果報知態様選択テーブル222faに規定されている内容を模式的に示した図である。図312に示した通り、抽選結果報知態様選択テーブル222faには、大当たり判定時の遊技状態と、大当たり判定結果と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる抽選結果報知態様が規定されており、選択された報知態様を用いて特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定される。
具体的には、大当たり判定時の遊技状態が通常状態、即ち、当該特別図柄抽選における時短当選判定において時短当選しなかった場合であって、大当たり判定結果が「大当たりA(15R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~64」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「65~79」の範囲に対して「時短非当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されており、「80~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。また、大当たり判定結果が「大当たりB,C(5R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「5~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。大当たり判定結果が「外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~98」の範囲に対して「大当たり非当選報知」が規定されており、「99」の値に対して「時短非当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されている。
一方、大当たり判定時の遊技状態が時短状態、即ち、当該特別図柄抽選における時短当選判定において時短当選した場合であって、大当たり判定結果が「大当たりA,D(15R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「90~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。また、大当たり判定結果が「大当たりB,C(5R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「80~99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。大当たり判定結果が「外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されており、「10~99」の値に対して「大当たり非当選報知」が規定されている。
次に、図311(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図311(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、演出カウンタ223e、遊技状態格納エリア223f、時短情報更新エリア223g、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、状態演出カウンタ223o、その他メモリエリア223z、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞コマンド処理(図177のS4212参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく、なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理5(図259のS653)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理7(図325参照)にて実行される外部出力処理(図325のS11501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図182のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。
なお、第7制御例では入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア~第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図262のS4182参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、特別図柄保留球数カウンタ203aの値を示す情報でも良いし、特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図262のS4204参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図182のS4902,S4906参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(図325のS11501)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図262のS4207参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図182のS4910参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図182のS4911)。
演出カウンタ223eは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理7(図325参照)が実行される毎に更新される。第7制御例では、演出カウンタ223eとして複数のループカウンタ(例えば、0~99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を有しており、各カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。
具体的には、例えば、メイン処理7(図325参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。
遊技状態格納エリア223fは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223fに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
なお、第7制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223fに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、第7制御例では電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(主制御装置)7(図324参照)にて状態コマンドが設定されるため(図324のS11412)、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223fに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図321のS10509、図319のS10607、図326のS11616等)。
時短情報更新エリア223gは、時短状態の終了条件と、各終了条件に対する進捗状況(終了条件の対象となる事象(例えば、特別図柄の変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223aに格納される情報(時短状態の終了条件及び進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態(状況)表示態様Dm3aが選択される。この時短情報更新エリア223gは、主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理7(図326のS11504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図326のS11612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図326のS11614)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための終了条件が設定される。
そして、音声ランプ制御装置113の時短更新処理(図60のS2216参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を受信したと判別した場合に(図60のS2604:Yes、図60のS2615:Yes)、受信した更新情報に対応させて現在の時短状況が更新される。
この時短情報更新エリア223g内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223gには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり種別(小当たりA,B)毎の当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)、小当たり当選回数(各小当たり種別の当選回数を合算した合算当選回数)等)に対応して情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。
第7制御例では、この時短情報更新エリア223gに格納されている情報を用いて、複数の終了条件の中から他の終了条件よりも成立し易い終了条件を判別したり、各終了条件が成立するまでの残実行回数を判別したりするように構成している。さらに、時短情報更新エリア223gに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。
また、第7制御例では、時短情報更新エリア223gに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223gに格納するように構成しても良い。
上述した通り、第7制御例では、時短設定情報と、更新情報と、を区分けして記憶(格納)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短設定情報として記憶した情報を直接更新するように構成しても良い。このように構成することで、時短情報更新エリア223gの容量を削減することができる。
仮当たり判定フラグ223hは、特別図柄の抽選(変動)が実行される前の入賞情報(保留記憶されている入賞情報)に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで保留記憶されている入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すものである。この仮当たり判定フラグ223hは、主制御装置110の先読み処理5にて取得された入賞情報コマンドを、音声ランプ制御装置113側で受信した場合に実行される入賞情報関連処理において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合に、オンに設定される。そして、入賞情報関連処理において参照され、オンに設定されていると判別した場合は、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。また、変動表示設定処理にて実行される演出設定処理においても参照され、オンに設定されていると判別した場合は、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するための処理をスキップするように構成している。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報や、大当たり終了時点において保留記憶されている入賞情報の中に、大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、第7制御例では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合と、大当たり遊技の終了した場合とで入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、それ以外のタイミングとして、例えば、停電等でパチンコ機10の電源がオフとなった後に、主制御装置110の立ち上げ処理(主制御装置)7(図324参照)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている各入賞情報を示すための復帰時入賞情報コマンドを設定し、全て音声ランプ制御装置113へと送信するように構成し、音声ランプ制御装置113側で上述した復帰時入賞情報コマンドを受信した場合に、上述した入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、第7制御例では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合や、大当たり遊技が終了した場合に、必ず入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、所定の禁止条件が成立している場合には入賞情報の内容を判別しないように構成しても良い。この場合、所定の禁止条件としては、例えば、パチンコ機10が複数の演出モードを有しており、そのうちの1の演出モードが設定されている場合に成立する演出モード禁止条件や、特別図柄の抽選結果として大当たり以外(外れ)が所定回数(例えば、500回)連続した場合に成立するハマリ中禁止条件や、入賞情報に含まれる大当たり抽選結果(当否判定結果)に基づいて複数の特別図柄変動に跨がって実行される連続演出が実行されている間に成立する連続演出中禁止条件や、その連続演出が終了してからの所定期間(例えば、特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間)の間に成立する多発禁止条件等を設けると良い。
このように構成することで、入賞情報に基づいて事前に判別された内容に応じた演出(所謂、先読み演出)を実行可能な期間と、実行不能な期間とを設定することができるため、遊技者に対して先読み演出が実行されなかった場合であっても大当たりへの期待感を維持することができる。なお、上述した禁止条件が成立している場合に、入賞情報の内容を判別する頻度を低くするように構成しても良いし、禁止条件が成立していない場合に、必ず入賞情報の内容を判別するのでは無く、入賞情報の内容を判別する頻度を高くするように構成しても良い。さらに、上述した禁止条件が成立しているか否かは遊技者に把握されないように構成すると良い。
仮時短情報更新エリア223iは、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に応じて事前に更新させた時短情報(仮時短情報)を一時的に格納するためのデータ領域である。第7制御例では、この仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報を参照して、時短状態が終了するタイミングを事前に判別可能に構成している。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報によって、時短終了条件が成立する場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
時短下限フラグ223kは、特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。
このように、時短終了条件が成立するまでの進行具合に応じてオンに設定されるフラグを設け、そのフラグの設定状況に応じて演出態様を可変させるように構成することで、遊技者に対して、時短終了条件が成立するタイミングを予測させることが可能となる。よって、時短状態の終了タイミングを示唆する演出の演出効果を高めることができる。
なお、第7制御例では、時短終了条件が成立するまでの進行具合を2段階で判別するように構成しているが、より多くの段階を設けても良い。この場合、例えば、時短状態が設定されている状態において特別図柄の変動が10回実行される毎にその状態を識別可能なフラグ(カウンタ)を設け、そのフラグ(カウンタ)に応じて演出態様を可変するように構成すれば良い。
準終了条件フラグ223mは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選したこと基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。
時短終了前変動フラグ223nは、時短状態が終了する(時短終了条件が成立する)前の変動が実行されることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態が終了する1つ前の変動が実行されることを示すものである。具体的には、複数設定される時短状態の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて設定される時短終了条件が成立するまでの期間(変動回数)が残り1回となった場合にオンに設定される。この時短終了前変動フラグ223nがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図182参照)を実行することで、当該変動が時短状態の最終変動と判別することが可能となり、時短状態の最終変動に対応した演出を実行することができる。
なお、第7制御例では、時短が終了する前の変動が完了した(実行された)ことを判別するために、時短終了前変動フラグ223nを設定するようにしているが、それ以外にも、例えば、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶可能な構成を設け、保留記憶されている入賞情報に対しても先読み処理5(図259参照)を実行するように構成し、その先読み処理の結果を示す入賞コマンドを受信するように構成し、受信した入賞コマンドに基づいて、小当たり当選する第2特別図柄の入賞情報を事前に判別するように構成する。そして、事前判別の結果に基づいて、時短状態の終了条件が成立する小当たり当選が実行される特別図柄変動の前の変動が実行される場合に、時短終了前変動フラグ223nがオンになるような構成を追加しても良い。これにより、複数の時短終了条件を有する遊技機において、確実に時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動を判別することができる。
状態演出カウンタ223oは、音声ランプ制御装置113によって実行される各種演出の演出態様を設定する際に用いられる各種抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理が実行される毎に1ずつ更新される。状態演出カウンタ223oは、上述した演出カウンタ223eと同一のループカウンタで構成されている。なお、詳細な構成については、上述した演出カウンタ223eと同一であるため省略する。
このように、特定の規則性(当否判定結果、各種フラグの設定状況)に応じて特定の表示態様を選択する場合において、ランダムに更新される値(状態演出カウンタ223oの値)に基づいて選択される表示態様を更に詳細に区分けするように構成することで、表示態様の多様化を図るとともに、選択される表示態様(第3図柄表示装置81に表示される表示態様)によって現在の遊技状態(時短状態の更新状況)を遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に図313を参照して、第7制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図313は、第7制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図313に示した通り、第7制御例におけるパチンコ機10は、上述したように通常状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1(特図1)遊技が実行される。ここで、第1入球口64へと遊技球が入球し、第1特別図柄抽選が実行されると、まず、時短当選の判定が行われる。そして、時短当選の判定にて時短当選しないと判定された場合は、遊技状態が通常状態のまま第1特別図柄抽選の大当たり判定が実行される。そして、通常状態において第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行する。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図295を参照して上述した通り、第7制御例のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、第7制御例では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、第7制御例では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。
一方で、通常状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄抽選において時短当選した場合(時短当選の判定で時短当選したと判定された場合)は、時短状態にて大当たり判定が実行される。この状態にて実行された大当たり判定にて大当たり当選した場合は、その大当たり遊技終了後に、100%の割合で時短状態が設定される。また、第1特別図柄抽選において実行される時短当選の判定で時短当選した場合には、当該第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了し、通常状態が設定されるように構成しているため、引き続き通常状態の遊技(左打ち遊技)が実行される。
特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることが可能な期間時短状態が継続するように時短状態が設定されるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選(当選確率140/1000)した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。第7制御例では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として必ず時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。
なお、第7制御例では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。
加えて、第7制御例では、大当たり当選に基づいて設定された時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。
また、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。
このように構成された第7制御例のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、第7制御例では図313に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
<第7制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図314から図327のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理7と、定期的に(第7制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理(主制御装置)7とメイン処理7とを説明する。なお、本第7制御例における主制御装置110により実行される制御処理のうち、上述した第5制御処理と同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図314は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S10101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S10102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第7制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第7制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、時短種別選択カウンタCC1の値(図示せず)の更新を実行する(S10103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5、時短種別選択カウンタCC1の値(図示せず)をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第7制御例ではそれぞれ、999,99,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C5,CC1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理7を実行する(S10104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S10105)。尚、特別図柄変動処理7の詳細は、図315を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S10106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S10107)。尚、始動入賞処理(S10105)、普通図柄変動処理(S10106)、及び、スルーゲート通過処理(S10107)の詳細な内容については、上述した第5制御例における始動入賞処理、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理と同一であるため、その詳細な説明を省略する。スルーゲート通過処理(S10107)を実行した後は、V入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S10108)。その後、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S10109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図322及び図323を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S10110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S10111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図315を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理7(S10104)について説明する。図315は、この特別図柄変動処理7(S10104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理7(S10104)は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理7(S10104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S10201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。
ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203kがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S10201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S10201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S10202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S10202:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)と第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S10203)。
そして、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか判別する(S10204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S10204:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を減算し(S10205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S10206)。S10206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S10207)。その後、時短抽選処理7(S10208)、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S10204:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S10211)。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S10211:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S10211:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S10212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S10213)。S10213の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S10214)。その後、時短抽選処理7(S10208)、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)の処理を実行し、本処理を終了する。
S10202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S10202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S10211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S10215:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、第1図柄表示装置の表示を更新し(S10216)、本処理を終了する。
一方、S10215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S10215:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S10217)。停止表示の設定は、図318を参照して後述する特別図柄変動パターン選択処理7(S10252)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、第7制御例では、S10217の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、第7制御例では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。
S10217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄判定処理7(図317のS10209参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S10218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S10218:Yes)、大当たり開始フラグ203jと大当たり中フラグ203kとをオンに設定し(S10219)、時短カウンタ203hを0に設定して(S10220)、S10221の処理へ移行する。S10221の処理では、特図確定コマンドを設定し(S10221)、本処理を終了する。
つまり、第7制御例では、S10220の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した第7制御例のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。
さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。
このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
一方、S10218の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S10218:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S10222)。S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S10222:Yes)、小当たり開始設定処理7を実行し(S10223)、本処理を終了する。一方、S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S10222:No)、小当たり開始設定処理7(S10223)をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、第7制御例の特別図柄変動処理7(図315のS10104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図315のS10204の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。
このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、第7制御例では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、第7制御例では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(第7制御例では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
次に、図316を参照して、時短抽選処理7(S10208)の処理内容について説明をする。図316は、時短抽選処理7(S10208)の処理内容を示したフローチャートである。図316に示した通り、時短抽選処理7(S10208)は、上述した第5制御例における時短抽選処理5(図254のS8006参照)に対して、時短抽選を実行するための条件と、時短抽選の抽選結果(時短当選の有無)を判定する際に参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
時短抽選処理7(S10208)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S18103)、通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(S18103:No)、そのまま本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(S18103:Yes)、時短当たり乱数7テーブル202fhに基づいて抽選結果(時短当選の判定結果)を取得し(S18104)、時短当選したかを判別し(S18105)、時短当選したと判別した場合は(S18105:Yes)、時短種別選択7テーブル202fiに規定されている内容に基づいて時短カウンタ203hの値に1を設定し(S18106)、本処理を終了する。また、S18105の処理において時短当選していないと判別した場合は(S18105:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、特別図柄種別に関わらず、特別図柄抽選が通常状態にて実行される場合を時短当選判定の実行条件としている。そして、本第7制御例におけるパチンコ機10は、遊技状態として、通常状態と時短状態との2種類を設定可能に構成している。つまり、第7制御例では、時短状態が設定されていない状態で実行される特別図柄抽選の全てにおいて、時短当選の判定が実行されるように構成している。よって、遊技者に対して常に時短状態が設定される可能性を持たせたまま遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合には、その時短当選に基づいて設定される時短状態が、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行される期間のみ設定されるように構成していることから、大当たり当選しない限り時短当選したか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。
次に、特別図柄判定処理7(S10209)の処理内容について、図317を参照して説明をする。図317は、特別図柄判定処理7(S10209)の処理内容を示したフローチャートである。特別図柄判定処理7(S10209)は、上述した特別図柄変動処理7(図315のS10104参照)において、時短抽選処理7(図316のS10208参照)が実行された後に実行される処理であって、特別図柄抽選における大当たり判定(小当たり判定)を行うための処理が実行される。
図317に示した通り、この特別図柄判定処理7(S10209)は、上述した第5制御例における特別図柄判定処理5(図253のS251参照)に対して、小当たり判定された場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。なお、図317では、上述した特別図柄判定処理5(図253のS251参照)と同一の処理内容に対して、説明の便宜上、異なる符号を付しているが記載内容が同一の処理についてはその処理内容は同一である。
特別図柄判定処理7(S10209)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S10301)、第1当たり乱数7テーブル202fhに基づいて抽選結果(大当たり(小当たり)判定結果)を取得し(S10302)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S10303)。大当たり当選であると判別した場合は(S10303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S10304)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S10305)、本処理を終了する。
一方、S10303の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S10303:No)、次いで、小当たり当選しているかを判別し(S10306)、小当たり当選していると判別した場合は(S10306:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S10307)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(S10308)、本処理を終了する。
なお、詳細な図示は省略しているが、S10305の処理、及びS10308の処理では、当該特別図柄抽選にて時短当選した場合と、時短当選していない場合とで異なる当たり図柄をセットするように構成している。つまり、第1図柄表示装置37には、特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄の表示態様として、時短当選の有無と当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)の有無とを複合した表示態様を設定可能に構成している。
次に、図318を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)について説明する。図318は、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)の内容を示したフローチャートである。図318に示した通り、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)では、特別図柄変動の開始を設定する前に更新処理7(S8253)を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させることができる。
さらに、本第7制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンが選択されてから、実際に特別図柄変動が開始されるまでの間に、更新処理7(S8253)を実行するように構成している。よって、特別図柄抽選が実行された時点における遊技状態に対応させて特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを選択することができるため、遊技者に対して、更新処理7(S8253)が実行されたことにより遊技状態が切り替わった場合であっても、実行される特別図柄変動の変動パターンによって現在の遊技状態を予測させ難くすることができる。
また、時短状態が終了した後に実行される特別図柄変動であっても、その特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が時短状態中に実行された場合であれば、特別図柄変動の変動パターンを時短状態中に参照されるデータテーブルを用いて決定することができるため、例えば、時短状態中に実行される特別図柄抽選に基づいてのみ付与可能な特典を有しているパチンコ機10において、その特典が付与されることを示すための専用演出を時短状態中に選択される特別図柄変動の変動パターンに対応して規定しておくだけで円滑に専用演出を実行することができる。
なお、これに限ること無く、例えば、図318のS8252の処理が実行されるよりも前に更新処理7(S8253)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択するよりも前に時短状態を終了させることが可能となるため、例えば、通常状態と時短状態とで異なる変動パターンを選択可能に構成されたパチンコ機10において、選択された変動パターンに基づいて、時短状態中に特別図柄抽選の大当たり判定が実行されたか否かを判別されてしまうことを抑制することができる。
特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別選択7テーブル202fb(図306(a)参照)を参照して大当たり種別を決定し(S8251)、S8203の処理に移行する。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S8201:No)、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否か、即ち、特別図柄の小当たりが設定されているか否かを判別する(S8209)。S8209の処理において特別図柄の小当たりが設定されていると判別した場合には(S8209:Yes)、小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)を参照して小当たり種別を決定し(S8254)、S8203の処理に移行する。
また、S8209の処理において、特別図柄の小当たりが設定されていない、即ち、特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S8209)、S8254の処理をスキップし、S8203の処理に移行する。
S8203の処理では、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得する(S8203)。次に、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在の遊技状態(通常状態、時短状態)を特定し、特定した遊技状態に対応したデータテーブルを変動パターン選択7テーブル202fdから読み出す(S8252)。
そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8252の処理で読み出した変動パターン選択7テーブル202fd(図308(a)参照)が有するデータテーブルとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、更新処理7を実行する(S8253)。更新処理7(S8253)の詳細な説明については、図319を参照して後述する。そして、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図319を参照して、特別図柄変動パターン選択処理7(図318のS10210参照)にて実行される更新処理7(S8253)の処理内容について説明をする。図319は、更新処理7(S8253)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理7(S8253)では、上述した第5制御例における更新処理5(図256のS253参照)と同様に、遊技状態(時短状態)を終了させるための終了条件に関する情報を更新するための処理と、更新後の情報が終了条件を満たしているかを判別するための処理と、終了条件を満たしていると判別した場合に遊技状態(時短状態)を終了させる処理と、が実行される。
図319に示した通り、本第7制御例では、遊技状態として通常状態と、時短状態と、を設定可能に構成しているため、更新処理7(S8253)では、時短状態を終了させるための時短終了条件に関する情報を更新し、更新後の情報に基づいた処理を実行するように構成している。つまり、時短カウンタ203hの値を減算し、時短終了条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づいて時短状態を終了させる処理(時短終了条件が成立したか否かの判別を実行する際に参照される各種カウンタの値をクリアする処理)が実行される。
この更新処理7(S8253)は、タイマ割込処理(図314参照)の特別図柄変動処理7(図315参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。
更新処理7(S8253)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S10601)。S10601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S10601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S10601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S10602)、S10603の処理へ移行する。
S10603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S10603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S10604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S10604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S10605)、小当たりAカウンタ203fgおよび小当たりBカウンタ203fhを0に設定する(S10606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S10607)、本処理を終了する。
一方、S10604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S10604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動処理7(図315参照)へ戻る。
以上、説明をしたとおり、第7制御例では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、更新処理7(図319参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり用時短更新処理7(図321参照)により判別されるように構成している。そして、何れかの処理において、複数設定される時短終了条件のうち、何れかの時短終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、第7制御例では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。
次に、図320を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理7(S10223)について説明する。図320は、小当たり開始設定処理7(S10223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理7(S10223)は、タイマ割込処理(図314参照)の特別図柄変動処理7(図315参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA,B)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されるとV入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが第7制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。
このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
小当たり開始設定処理7(S10223)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S10401)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203fdに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S10402)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202ffに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(15ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(5ラウンド時短有大当たり)であると判別する(図307参照)。つまり、第7制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり(2種当たり)の大当たり遊技の内容と、特別図柄の抽選によって大当たり(1種当たり)に当選した場合に実行される大当たり遊技とで同一の大当たり遊技が実行されるように、2種当たりを獲得した場合に(特定領域を球が通過した場合に)、1種当たりにおいて設定される大当たり種別(大当たりA或いはB)が実行された小当たりの種別に応じて設定されるように構成されている。
このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、第7制御例の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。
図320に戻り、説明を続ける。S10402の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S10403)、小当たり開始フラグ203fbと小当たり中フラグ203fcをオンに設定する(S10404)。その後、小当たり用時短更新処理7を実行し(S10405)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理7(S10405)は、小当たりに当選した場合に成立し得る時短状態の終了条件である当選回数終了条件に対応する時短情報を更新するための処理と、時短情報を更新したことにより当選回数終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための処理と、を実行するためのものであって、その詳細は図321を参照して後述する。
ここで、図321を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理7(S10405)について説明する。図321は、小当たり用時短更新処理7(S10405)の内容を示したフローチャートである。この小当たり用時短更新処理7(S10405)は、タイマ割込処理(図314参照)の特別図柄変動処理7(図315参照)の小当たり開始設定処理7(図320参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり用時短更新処理7(S10405)では、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別する(S10501)。即ち、現在が時短状態であるかを判別する。S10501の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S10501:No)、時短状態以外の遊技状態において小当たりに当選した状態であるため、時短情報を更新するために本処理を全てスキップし、本処理を終了する。なお、第7制御例では、時短状態が設定されている状態以外では小当たりに当選することが無いように(第2特別図柄の抽選(変動)が実行されないように)構成しているため、S10501の処理にて時短状態が設定されていない状態であると判別した場合に、エラー報知(異常報知)を実行するためのエラーコマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S10501の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短状態が設定されている状態であると判別した場合は(S10501:Yes)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」であるかを判別する(S10502)。ここで、S10502の処理では、特別図柄判定処理7(図317参照)のS10310の処理において小当たり種別格納エリア203faに格納された小当たり種別を読み出して判別を実行する。
S10502の処理において、今回の小当たり種別が「小当たりA」であると判別した場合は(S10502:Yes)、小当たりAカウンタ203fgの値を1減算し(S10503)、減算後の小当たりAカウンタ203fgの値が0であるかを判別し(S10504)、0であると判別した場合は(S10504:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりAに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、変動回数終了条件が成立するまでの期間を計測していた時短カウンタ203hの値を0に設定し(S10505)、各種当選回数終了条件を計測していた小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhのそれぞれの値を0に設定し(S10506)、遊技状態として通常状態を設定する(S10507)。
上述したS10505~S10507の処理を実行することにより、複数設定される時短終了条件のうち、1つの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件が成立するまでの期間を計測するためのカウンタの値をそれぞれ時短終了条件が成立したことを示す値に設定することができるため、時短終了条件が成立した後に(遊技状態として通常状態が設定された後に)、時短情報を更新するための処理(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、時短カウンタ203hの値を更新するための処理)が実行されることを確実に防止することができる。よって、不必要な処理が実行されることを抑制できるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、第7制御例では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短カウンタ203hの値が0になった時点における小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。
S10507の処理を終えると、次に、減算された各小当たりカウンタの値に対応する残時短回数コマンドを設定し(S10508)、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S10509)、本処理を終了する。ここで、S10508及びS10509で設定されたコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、受信した残時短回数コマンドに基づいて時短情報を管理し、時短状況(時短状態が終了するまでの期間)を示唆(報知)するための状態表示態様を設定する。また、受信した状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を把握する。
一方、S10504の処理において、小当たりAカウンタ203fgの値が0では無いと判別した場合は(S10504:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505~S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。
上述したS10502の処理に戻り説明を続ける。S10502の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」では無い(「小当たりB」である)と判別した場合は(S10502:No)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」であるかを判別し(S10510)、「小当たりB」であると判別した場合は(S10510:Yes)、小当たりBカウンタ203fhの値を1減算し(S10511)、その後、減算した小当たりBカウンタ203fhの値が0であるかを判別する(S10512)。
S10512の処理において、小当たりBカウンタ203fhの値が0であると判別した場合は(S10512:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりBに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS10505の処理へ移行し、時短状態を終了させるための処理を実行する。
一方、S10512の処理において、小当たりBカウンタ203fhの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S10512:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505~S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。
S10510の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」では無い場合は(S10510:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505~S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。
以上説明をした通り、第7制御例では小当たりに当選した特別図柄の変動時間が経過した場合に、その小当たり当選に対応するカウンタの値を減算し、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無を判別するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行される前に当選回数終了条件により時短状態を終了させることが可能となる。よって、変動回数終了条件、当選回数終了条件の何れの時短終了条件が成立した場合であっても、時短状態を終了させるタイミングに大きな差が発生することを防止することができる。
具体的には、第7制御例では、変動回数終了条件、即ち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示が終了したタイミングで時短状態が終了するように構成され、当選回数終了条件、即ち、特別図柄の抽選で小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後の、小当たり遊技の開始設定タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、対応する特別図柄の変動が停止した直後に時短状態が終了するように構成している。これにより、今回設定された時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを遊技者に分かり難くすることができる。なお、時短状態が終了したか否かを遊技者が判別するためには、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動時間の長短や、電動役物640aの開放パターンを識別する必要があるが、例えば、第7制御例のように小当たり開始設定時(小当たり遊技が開始される直前)に時短状態を終了するように設定することで、小当たり遊技が開始された直後には時短状態が終了したか否かを判別し難くすることができる。
なお、第7制御例では、複数の時短終了条件のうち、変動回数終了条件と当選回数終了条件との何れの終了条件が成立した場合にも、略同一のタイミング(遊技者が判別困難な程度の時間差を含む概念)で時短状態を終了させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示直後に時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示後に実行される小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中を時短状態とすることができる。
よって、小当たり遊技中は今回の小当たり当選によって時短状態が終了したのか否かを遊技者が判別することができず、小当たり遊技が終了するまで(2種当たりを獲得したか否かの遊技結果が報知されるまで)、時短状態が終了したのか否かを分かり難くすることができる。さらに、第7制御例のように、小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な遊技性を有するパチンコ機10では、小当たり遊技終了後に時短状態が終了したか否かを遊技者に報知するように構成することで、今回の小当たり遊技が時短状態を終了させる小当たり当選に基づくものでは?と予測しながらの遊技を行うことになるため、時短状態中に実行される小当たり遊技に対して常に意欲的に2種当たりを狙わせることができる。
次に、図322を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S10108)について説明する。図322は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行されるV入口通過処理(S10108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S10108)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S11101)。S11101の処理において、球通過センサ650c1がオンでないと判別された場合は(S11101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S11101の処理において、球通過センサ650c1がオンであると判別された場合(S11101:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S11102)。
S11102の処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S11102:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S11103)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図313参照)。
一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S11102:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S11104)。その後、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S11105)、本処理を終了する。
次に、図323を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S10109)について説明する。図323は、V通過処理(S10109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S10109)は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行される処理である。
V通過処理では、まず、V通過フラグ203ffがオンであるか否かを判別する(S11201)。S11201の処理において、V通過フラグ203ffがオンであると判別された場合は(S11201:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S11201の処理において、V通過フラグ203ffがオンでないと判別された場合は(S11201:No)、V通過ありか否かを判別する(S11202)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過したか否かを判別する。S11202の処理において、V通過なしと判別された場合は(S11202:No)、そのまま本処理を終了する。
S11202の処理において、V通過ありと判別された場合は(S11202:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S11203)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S11203:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203fdに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S11204)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203feをオンに設定する(S11205)。そして、V通過コマンドを設定する(S11206)。
次いで、V通過フラグ203ffをオンに設定し(S11207)する。その後、時短カウンタ203hを0に設定して(S11208)、本処理を終了する。
一方、S11203の処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S11203:No)、エラーコマンドを設定し(S11209)、本処理を終了する。V通過有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S11209の処理においてエラーコマンドが設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
次に、図324を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(主制御装置)7について説明する。図324は、この立ち上げ処理(主制御装置)7を示すフローチャートである。この立ち上げ処理(主制御装置)7は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S11401)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第7制御例では1秒)を実行する(S11402)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S11403)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図121参照)がオンされているか否かを判別し(S11404)、オンされていれば(S11404:Yes)、処理をS11415へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S11404:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11405)、記憶されていなければ(S11405:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS11415へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S11405:Yes)、RAM判定値を算出し(S11406)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S11407:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS11415へ移行する。なお、図325のS11515の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S11415の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S11415)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S11416,S11417)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S11416,S11417)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S11416,S11417)を実行する。RAMの初期化処理(S11416,S11417)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S11416)、その後、RAM203の初期値を設定する(S11417)。RAM203の初期化処理の実行後は、S11410の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S11404:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S11405:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S11407:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S11408)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S11409)、S11410の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S11410の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、時短カウンタ203hの値を読み出し(S11411)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定する(S11412)。そして、流路ソレノイド209aをオフに設定する(S11413)。その後、割込みを許可して(S11414)、後述するメイン処理7に移行する。
次に、図325を参照して、上記した立ち上げ処理(主制御装置)7後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理7について説明する。図325は、このメイン処理7を示すフローチャートである。このメイン処理7では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS11501~S11508の各処理が実行され、その残余時間でS11511,S11512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理7(図325参照)においては、まず、タイマ割込処理(図314参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S11501)。具体的には、タイマ割込処理(図314参照)におけるS10101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理7(図315参照)や始動入賞処理(図161参照)で設定された特図1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S11501)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理7(図326,S11504)で設定されたオープニングコマンド(S11602)、ラウンド数コマンド(S11607)、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S11611)。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S11502)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第7制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新(S11502)が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S11503)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S11504)。大当たり制御処理7(S11504)では、大当たり状態のラウンド毎に対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。この対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、第7制御例では、大当たり制御処理7(S11504)をメイン処理7(図325参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図314参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理7を実行する(S11505)。小当たり制御処理7(S11505)では、開放シナリオに基づいて対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。尚、第7制御例では、小当たり制御処理7(S11505)をメイン処理7(図325参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図314参照)において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S11506)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図163参照)のS822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS821の処理またはS823の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S11507)。第1図柄表示更新処理(S11507)では、特別図柄変動パターン選択処理7(図318参照)のS8206の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。第7制御例では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理7(図325参照)は4m秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S11507)では、特別図柄変動パターン選択処理7(図318参照)のS8206の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37b(図294参照)において実行されている変動表示を終了し、特別図柄判定処理7(図317参照)のS10305、またはS10308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S11508)。第2図柄表示更新処理(S11508)では、普通図柄変動処理(図163参照)のS815の処理またはS816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S11508)では、普通図柄変動処理(図163参照)のS818の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図163参照)のS812の処理またはS813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11509)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S11509:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理7の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理7の開始から所定時間(第7制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S11510)、既に所定時間が経過していれば(S11510:Yes)、処理をS11501へ移行し、上述したS11501以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理7の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S11510:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理7の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S11511,S11512)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S11511)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、各カウンタ値が最大値(第7制御例では999、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S11502の処理と同一の方法によって実行する(S11512)。
ここで、S11501~S11508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理7の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより(S11511)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S11509の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S11509:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図165のNMI割込処理が実行されたということなので、S11513以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S11513)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S11514)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S11515)、RAM203のアクセスを禁止して(S11516)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S11509の処理は、S11501~S11508で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS11511とS11512の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(主制御装置)7の終了後、処理をS11501の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理(主制御装置)7において初期化された場合と同様に、処理をS11501の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S11401)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S11501の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図326のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理7(S11504)を説明する。図326は、この大当たり制御処理7(S11504)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理7(S11504)は、メイン処理7(図325参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理7(図326,S11504)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S11601)。具体的には、大当たり開始フラグ203jの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203jは、特別図柄変動処理7(図315参照)のS10215の処理により大当たりの開始を設定した場合に、オンに設定される(S10216)。S11601の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203jがオンであると判別した場合)は(S11601:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S11602)、次いで、大当たり開始フラグ203jをオフに設定して(S11603)、本処理を終了する。
一方、S11601の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングでは無い(大当たり開始フラグ203jがオフに設定されている)と判別した場合には(S11601:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S11604)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203kがオンに設定されている期間が該当する。S11604の処理において、特別図柄の大当たり中では無い(大当たり中フラグ203kがオフである)と判別した場合(S11604:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S11604の処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合には(S11604:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S11605~S11612)が実行される。
S11604の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S11604:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S11605)。このS11605の処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される開放シナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S11605:Yes)、開放シナリオテーブル202fgに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S11606)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S11607)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
なお、詳細な説明は省略するが、大当たりが継続して(例えば、複数の大当たり遊技が実行される間の特別図柄変動回数(抽選回数)が50回未満の場合や、大当たり遊技中を挟んで時短状態が繰り返し設定されている期間中に)実行される場合には、音声ランプ制御装置113側にて継続して実行される大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される状態コマンドや変動パターンコマンドに基づいて大当たりが継続して実行されていると判別する期間(連チャン期間)を設定する期間設定手段と、その期間設定手段によって設定された期間中に新たな大当たり遊技が実行された場合に、前に実行された大当たり遊技におけるラウンド遊技数(ラウンド数)に新たな大当たり遊技のラウンド遊技数(ラウンド数)を加算するラウンド数累積手段と、そのラウンド数累積手段により累積されたラウンド累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114に送信し、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81に表示するラウンド累積数表示制御手段と、を有している。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S11605:No)、次に、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S11608)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S11608の処理において、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S11608:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して(S11609)、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S11608:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S11610)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンド(今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(第7制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。
S11610の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S11610:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S11611)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S11610の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S11610:No)、S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S11612)。S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S11612:No)、本処理を終了する。
S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S11612:Yes)、次に、実行中の大当たり種別が大当たりA~大当たりDの何れであるかを判別する(S11613)。このS11613の処理では設定される大当たり種別を一時的に格納する格納エリア(図示しない)に格納されている大当たり種別が読み出される。
次に、読み出した大当たり種別に基づいて、時短付与7テーブル202feを用いて対応する時短終了条件を設定する(S11614)。具体的には、大当たり種別が大当たりA(15R時短有大当たり)または大当たりB(5R時短有り大当たり)の場合は、時短カウンタ203hに100を、小当たりAカウンタ203fgに1を、小当たりBカウンタ203fhに3を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりD(15R時短有大当たり)の場合は、時短カウンタ203hに100を、小当たりAカウンタ203fgに2を、小当たりBカウンタ203fhに10を、それぞれ設定する。
なお、大当たり種別が大当たりC(5R時短無大当たり)の場合は、大当たり終了後に時短状態が設定されない大当たり種別であるため、時短カウンタ203h、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、のそれぞれに値(時短終了条件)が設定されない用に構成している。上述したS11614の処理を終えると、次に、S11614の処理にて設定した時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応した情報を示すための時短設定情報コマンドを設定する(S11615)。
ここで設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、時短情報更新エリア223gおよび仮時短情報更新エリア223iに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)に基づいて更新される時短状態の更新情報に基づいて、時短状態の残回数(残条件)を判別し、その残回数に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。
S11615の処理を終えると、次に、大当たり後に設定される遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S11616)、大当たりの終了を設定し(S11617)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S11618)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、第7制御例では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定することができるように構成している。さらに、第7制御例では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に比べて、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合のほうが、時短状態の終了条件(時短終了条件)として成立し難い時短終了条件が設定されるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定されている間の右打ち遊技中に、2種当たりでは無く1種当たりに当選した際の付加価値を遊技者に提供することができる。
なお、第7制御例では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、B)では、同一の時短終了条件が設定されるように構成しているが、それに限ること無く、例えば、大当たり種別が大当たりAの場合のほうが成立し難い時短終了条件を設定するように構成しても良い。また、複数の時短終了条件の一部を大当たりAのほうが成立し易くし、他を大当たりBの方が成立し易くなるように設定しても良い。
さらに、図306(d)に示した通り、第7制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に関する変動回数終了条件(時短カウンタ203hの値に基づいた終了条件)と、特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数に関する当選回数終了条件(各小当たりカウンタの値に基づいた終了条件)と、を設定するように構成している。
加えて、当選回数終了条件として、小当たり当選時に設定される複数の小当たり種別に対応させた終了条件を設定するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達するまでの間に、どの小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行され、あとどれくらいで時短状態が終了するのかを分かり難くすることができる。
なお、第7制御例では、変動回数終了条件として特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の変動回数「100回」のみを設定するように構成しているが、大当たり種別に応じて異なる変動回数終了条件を設定しても良い。また、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数のみを計測する第1特別図柄変動計測手段を設け、その第1特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第1特別図柄変動終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみを計測する第2特別図柄変動計測手段を設け、その第2特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第2特別図柄変動終了条件を設けても良い。
さらに、第7制御例では、当選回数終了条件として各小当たり種別に対応させたカウンタ(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh)の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、単に小当たりに当選した回数を合算した値に基づいて成立する時短終了条件を設定しても良いし、複数(3以上)の小当たり種別のうち、所定数(2つ)の小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された回数を合算して計測する手段を設け、その手段の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しても良い。
また、第7制御例では、小当たり当選時に設定され得る小当たり種別の全てに対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ることなく、小当たり当選時に何回設定されたとしても時短終了条件が成立し得ない小当たり種別として小当たり種別Zを設定可能に構成しても良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選したことを遊技者が把握したとしても、今回の小当たりによって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
加えて、上述した小当たり種別Zを設ける場合には、当選回数終了条件が設定されている小当たり遊技と同一内容の小当たり遊技を実行するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の遊技内容を識別したとしても、今回の小当たり遊技によって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
このように、小当たりに当選したことを判別したり、或いは、小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技の遊技内容を判別したりすることで、つまり、パチンコ機10の遊技内容を判別することで、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を把握困難とすることにより、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を示唆(報知)する演出に対して、遊技者に強い興味を持たせることができる。なお、第7制御例において第3図柄表示装置81で実行される演出の制御内容については、後述する音声ランプ制御装置113の制御処理説明の中で詳細に説明をする。
次に、図327のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理7(S11505)を説明する。図327は、この小当たり制御処理7(S11505)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理7(S11505)は、メイン処理7(図325参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理7(図327,S11505)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S11701)。具体的には、小当たり開始設定処理7(図320参照)のS10404の処理により小当たり開始フラグ203fbがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S11701の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S11701:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S11702)。そして、小当たり開始フラグ203fbをオフに設定して(S11703)、本処理を終了する。
一方、S11701の処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S11701:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S11704)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S11704の判別は小当たり中フラグ303fcがオンに設定されているかを解析することで判別する。S11704の処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S11704:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S11704の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S11704:Yes)、S11705の処理を実行する。S11705の処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S11705)。S11705の処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S11705:Yes)、開放シナリオテーブル202fgに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S11706)、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであるかを判別する(S11707)。
S11707の処理において、今回が5回目又は10回目の開放タイミングでは無いと判別した場合は(S11707:No)、本処理を終了する。一方、S11707の処理で今回が5回目又は10回目の開放タイミングであると判別した場合は(S11707:Yes)、次に、S11708の処理において、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S11708)、オンではない(オフである)と判別した場合には(S11708:No)、小当たり種別格納エリア203faに格納されている小当たり種別を読み出し(S11709)、次いで、読み出した小当たり種別に対応する指示コマンドを設定する(S11710)。
S11710の処理において設定される指示コマンドとしては、例えば、小当たり種別として小当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い小当たり(例えば、小当たりA)と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い小当たり(例えば、小当たりB)と、によって第3図柄表示装置81に表示する表示態様を異ならせるための指示コマンドが設定される。
図327に戻り、説明を続ける。S11705の処理において、V入賞口650aの開放タイミングではないと判別した場合には(S11705:No)、V入賞口650aの閉鎖条件が成立したか、即ち、V入賞口650aの閉鎖タイミングであるか判別する(S11711)。V入賞口650aの閉鎖タイミングであると判別した場合には(S11711:Yes)、V入賞口650aを閉鎖し(S11712)、本処理を終了する。
一方、S11711の処理において、現在がV入賞口650aの閉鎖タイミングでは無いと判別した場合には(S11711:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S11713)。S11713の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S11713:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S11714)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S11713の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S11713:No)、S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S11715)。S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S11715:No)、本処理を終了する。
S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S11715:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S11716)、オンに設定されていると判別した場合は(S11716:Yes)、Vフラグ203feの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し(S11717)、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S11718)、Vフラグ203feをオフに設定し(S11719)、V通過フラグ203ffをオフに設定し(S11720)、小当たり中フラグ203fcをオフに設定し(S11721)、本処理を終了する。
次に、図328を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。図328は、特図1演出態様設定処理7(S14983)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理7(S14983)では、時短状態中における第1特別図柄抽選に対応する変動演出の演出態様を設定するために、抽選結果報知態様選択テーブル222faを参照して決定した演出態様を用いる処理(S19502参照)を実行する。
特図1演出態様設定処理7(S14983)が実行されると、まず、現在の遊技状態が時短状態であるか判別する(S19501)。現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S19501:Yes)、抽選結果報知態様選択テーブル222fa(図312参照)を参照して、報知態様を決定する(S19502)。そして、S19502の処理において決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S19503)、本処理を終了する。一方、S19501の処理において、現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合には(S19501:No)、S19502の処理をスキップし、上述したS19503の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選の判定と、時短当選の判定とを何れも実行可能に構成し、大当たりと、時短とに重複して当選した場合において、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第7制御例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。また、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合においても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。
また、本第7制御例では、特別図柄抽選に関する処理が実行された場合に、大当たり当選を判定する処理よりも前に時短当選を判定する処理を実行可能に構成し、時短当選した場合には、大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、大当たり当選の判定が実行されてから、その判定結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間に時短状態を終了させるように構成している。つまり、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的のみで時短状態を設定可能に構成している。
このように構成することで、従来型のパチンコ機10のように、特別図柄抽選を実行させ易くすることを目的として時短状態を設定する場合とは異なる目的で時短状態を用いることができるため、遊技者に対して多彩な遊技を提供することができる。
なお、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的のみで時短状態を設定可能にする構成として、本第7制御例に記載されている構成以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて時短状態を設定し、次の特別図柄抽選において大当たり当選の判定が実行された後に時短状態を終了させるように構成しても良い。
この場合、特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得している場合には、時短状態が設定される期間が一瞬となるため、本第7制御例と同様に、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的で時短状態を設定することが可能となる。一方、特図保留を獲得していない場合は、次の特別図柄抽選が実行されるまでの間、時短状態が継続することになるため、特別図柄抽選を実行させ易い期間を設定することが可能となる。よって、特別図柄抽選を円滑に実行することができない遊技者に対してのみ、次の特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
また、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選にて大当たり当選と、時短当選とに重複当選可能に構成し、重複当選した場合に、重複当選していない場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、重複当選した場合に、重複当選しなかった場合よりも遊技者に不利となる特典を付与可能に構成しても良い。
また、重複当選し得る判定として、大当たり当選の判定、時短当選の判定、だけで無く、時短終了条件成立の判定や、転落抽選当選の判定を用いても良い。つまり、特定の実行契機が成立したことに基づいて複数種類の判定を実行可能に構成し、その複数種類の判定結果の組合せが所定の組合せとなった場合に、所定の組合せとは異なる組合せとなった場合とは異なる特典を付与可能に構成すれば良い。
<パチンコ機10の遊技盤構成の変形例>
次に、図329を参照して、パチンコ機10の遊技盤13の変形例について説明をする。上述した第5制御例から第7制御例においては、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための左打ち遊技を実行し、時短状態が設定された場合に入球し易くなる第2入球口640へと遊技球を入球させるための右打ち遊技を実行可能な遊技盤13を有していた。つまり、遊技状態に応じて第1特別図柄抽選を実行させる遊技と、第2特別図柄抽選を実行させる遊技とを切り替える遊技性を有したパチンコ機10について説明をした。
これに対して本変形例では、図329に示した通り、通常状態において、左打ち遊技を実行することで第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄抽選を実行可能にし、右打ち遊技を実行することで第2入球口1641へと遊技球を入球させて第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の遊技状態が設定されている状態において遊技者が遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を選択することで(操作ハンドル21を操作して発射強度を調整することで)、任意の特別図柄種別の特別図柄抽選を実行させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
次に、図329に示した遊技盤13を用いた斬新な遊技性について説明をする。
<遊技性1>
上述した第7制御例にて用いた遊技性を有するパチンコ機10において、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで、同一の選択割合で大当たり当選するように構成し、加えて、第1特別図柄抽選において、大当たり当選に加えて時短当選の判定も実行可能に構成し、第2特別図柄抽選において、大当たり当選に加えて小当たり当選の判定も実行可能に構成する。そして、時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、第2入球口1640へと遊技球が入球し易くなり、右打ち遊技を実行させ、小当たり当選によって大当たり遊技を狙わせる遊技を実行可能に構成する。
このように構成することで、通常状態において、左打ち遊技によって、第1特別図柄の大当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す、或いは、第1特別図柄の時短当選を経由して時短状態が設定されることを目指す遊技(第1遊技)と、右打ち遊技によって、第2特別図柄の大当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す、或いは、第2特別図柄の小当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す遊技(第2遊技)と、を遊技者に選択させることが可能となる。
この場合、例えば、時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)は時短終了条件が成立し易くし、第2時短が設定された場合の約50%の割合で、第2時短中に小当たり当選を経由して大当たり遊技が実行されるように構成し、第1特別図柄抽選で時短当選する確率を、第2特別図柄抽選で小当たり当選する確率よりも高くするように構成すると良い。
このように構成することで、第2特別図柄抽選の小当たり当選を経由して大当たり遊技が実行される遊技過程を実行するために第1遊技を実行するか第2遊技を実行するかを遊技者の趣向に合わせて選択させることができる。なお、この場合、通常状態において左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで、規定数の遊技球を発射した場合における獲得賞球数の割合が均等となるように、各入球口への遊技球の入球割合や、時短当選確率や、小当たり当選確率や、小当たり当選時における大当たり遊技の実行確率を規定すると良い。これにより、何れの遊技を実行した場合であっても、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
さらに、この場合、規定数の遊技球を発射した場合における獲得賞球数の割合が均等となるのに要する期間を第1遊技と第2遊技とで異ならせたり、獲得賞球数の偏差を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、遊技者の趣向に合った遊技を提供することができる。
<その他の遊技性:時短種別によって通常状態よりも不利な時短状態と有利な時短状態とを設定可能>
上述した第5制御例のように、通常状態において実行される特別図柄抽選において大当たり当選経由で設定される時短状態(第1時短)と、時短当選経由で設定される時短状態(第2時短)とを設定可能に構成し、第2時短に当選した場合に設定される時短種別として遊技者に有利な第2時短Aと、不利な第2時短Bと、を設定可能に構成する。
第2時短Aが設定された場合には、上述した第5制御例と同様に、特別図柄抽選を通常状態よりも実行され易くなるように電動役物640aが開放動作する時短状態が設定される。一方で、第2時短Bが設定された場合には、通常状態と同程度の入球割合でしか第2入球口640へと遊技球が入球し得ない開放動作で電動役物640aが開放動作制御される。
そして、第2時短Bが設定された場合、即ち、通常状態以外の遊技状態では、時短当選判定が実行されないように構成する。このように構成することで、通常状態が設定された場合は、特別図柄抽選において大当たり当選判定と時短当選判定と、が実行される遊技となり、第2時短Bが設定された場合は、特別図柄抽選において大当たり当選判定のみが実行される遊技となる。つまり、通常状態に対して時短当選判定が実行されない分、第2時短Bのほうが遊技者に不利な遊技が実行されることになる。
そして、第2時短Bに対して時短終了条件として異なる回数の特別図柄抽選回数(例えば、10回、50回、100回)を設定可能に構成する。
さらに、通常状態で実行される特別図柄抽選における抽選結果の選択割合として、大当たり当選する確率が1/200とし、時短当選する確率が199/200とする。そして、時短当選した場合に第2時短Aが選択される割合を10%、第2時短Bが選択される割合を90%に設定する。つまり、通常状態において特別図柄抽選が実行された場合には、その抽選結果が大当たり当選以外である場合に、必ず時短当選するように構成する。
このように構成することで、通常状態において特別図柄抽選が実行されるタイミングが、大当たり当選終了後第2時短Bの時短終了条件が成立し、通常状態が設定された場合における特別図柄抽選、即ち、特定周期において実行される特別図柄抽選のみとなる。これにより、遊技者に有利な特別図柄抽選(通常状態における特別図柄抽選)を、周期的に(第2時短Bの終了条件が成立する毎に)実行させることができる。
また、第2時短Bの時短終了条件として異なる特別図柄抽選回数を設定可能に構成することで、遊技者に有利な特別図柄抽選が実行される周期を可変させることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
なお、この場合、図329を参照して上述した遊技盤13の構成のように、通常状態において第1特別図柄抽選も第2特別図柄抽選も実行可能とするパチンコ機10を用いた場合には、通常状態における第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、時短当選確率を異ならせたり、時短当選時に設定される時短種別の選択割合を異ならせたり、第2時短Bが設定された場合の時短終了条件の内容を異ならせたりするように構成すると良い。
このように構成することで、周期的に実行される遊技者に有利な特別図柄抽選(通常状態における特別図柄抽選)が何れの種別の特別図柄で実行されるかに応じて、遊技者に有利な第2時短Aが設定される確率を異ならせることができる。
また、第2時短Bの時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する時短終了条件では無く、特別図柄抽選の結果が特定の判別結果(例えば、小当たり)である場合に成立する時短終了条件を設定可能に構成し、特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり、時短当選とは異なる小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、第2時短Bが設定された場合に、いち早く第2時短Bを終了させて通常状態における特別図柄抽選を実行させようと、小当たり当選を目指すという斬新な遊技性を提供することができる。
<遊技性2:同時変動仕様の遊技機と、時短当選の組合せ>
第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成する。
そして、上述した第5制御例と同様に各特別図柄変動開始前に時短抽選(時短当選判定)を実行し、時短当選した場合には、特別図柄変動停止タイミングにて時短状態を設定する。この場合、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典となる時短状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典とは異なる第2特典となる時短状態が設定される。
さらに、時短当選している第1特別図柄変動中に実行された第2特別図柄抽選において、時短当選した場合には、第1特典及び第2特典よりも有利な第3特典が付与される時短状態を設定可能に構成する。このように構成することで、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
付与される特典については、例えば、第1特典又は第2特典よりも時短終了条件が成立し難い第3特典としても良いし、第1特典又は第2特典よりも特別図柄抽選が実行され易い第3特典としても良い。
さらに、第3特典の時短状態が設定されるタイミングは、並行して実行されている各特別図柄変動のうち、先に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、停止表示タイミングの前後に関わらず、先に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、特定の特別図柄種別が停止表示されたタイミングでも良い。
このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。
さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。
加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。
<時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)無限を設定可能な遊技機について>
上述した第1から第4制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、その大当たり遊技終了後に特別図柄抽選が100回実行されるまでの期間、普通図柄の高確率状態(時短状態)を設定可能に構成していたが、時短状態が継続する期間を特別図柄抽選が100回実行されるまでに限らずに100回以上の特別図柄抽選が実行されるまでとしても良く、無限(次回大当たりに当選するまで)としても良い。
例えば、上述した第1制御例において、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を200回、第3変動回数を300回、第4変動回数を500回、第5変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。
第3図柄表示装置81に表示される演出態様としては、時短状態が設定された時点では何れの終了条件が設定されていても「残り100回」と表示され、100回以上の変動回数(例えば、第4変動回数)が設定されている場合には、所定のタイミングで表示されている残り変動回数の値に所定回数を上乗せする演出(例えば、「+30回」)を実行する。
このように構成することで、大当たり遊技終了後にスーパーチャンスモード(特別図柄抽選が50回実行されるまでの期間限定の特別図柄の高確率状態(確変状態))が設定されなかった場合であっても、時短状態が継続する期間として10000回の特別図柄変動が実行されるまでの期間が設定された場合には、確変状態が設定された場合よりも第2入賞口640へ球が入球し易い状態が長期間継続することにより、特別図柄の大当たり確率は低確率であるものの、獲得した遊技球数を維持したまま、より多くの特別図柄の大当たり抽選を実行させることが可能となり、大当たりに当選する可能性が高くなるため、大当たり遊技終了後にチャンスモード(時短状態)が設定されても、遊技者に長期間の時短状態が設定されることを期待させることで遊技意欲が低下することを抑制し、時短状態がいつまで継続するのかにも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することで確変状態が設定され、通過しなかった場合には時短状態が設定される構成であるため、特別図柄の高確率状態となるが普通図柄の高確率状態が継続する期間である時短回数が100回の確変状態での遊技と、特別図柄の低確率状態が設定されるが普通図柄の高確率状態が継続する期間である時短回数が最大で10000回付与される可能性がある時短状態での遊技と、の何れの遊技状態で遊技するかを遊技者に選択させることができる。
<大当たり遊技終了後、終了条件が成立するまでの間、特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定される構成(所謂、ST仕様)を有する遊技機について>
特別図柄抽選において大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定し、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数が特定回数(例えば、100回)に到達した場合に確変状態の終了条件が成立する構成(所謂、ST仕様)の遊技機において、終了条件を複数規定し、その中から1つの終了条件を設定する構成としても良い。
例えば、大当たり遊技終了後に設定される確変状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を200回、第3変動回数を300回、第4変動回数を500回、第5変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。
そして、第3図柄表示装置81に表示される演出態様としては、確変状態が設定された時点では何れの終了条件が設定されていても「残り100回」と表示され、終了条件として100回以上の変動回数(例えば、第4変動回数)が設定されている場合には、所定のタイミングで表示されている残り変動回数の値に所定回数を上乗せする演出(例えば、「+30回」)を実行する。
このように構成することで、確変状態が継続する残り期間が遊技者に分かり難くなるため、表示されている確変状態が終了するまでの残り期間(特別図柄の残変動回数)が少ない場合でも、遊技者に上乗せ演出が発生することを期待させることが可能となり、確変状態が終了する最後の瞬間まで確変状態が継続するかもしれないという期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
なお、上述した構成を特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、または特定領域へと遊技球が入球した場合に大当たりが付与される仕様の遊技機(所謂1種2種混合機)に適用しても良い。
<高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)を有する遊技機について>
なお、上述した時短回数無限を設定可能な構成を高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)を有する遊技機に適用しても良い。
ここで、リミット機能とは、大当たり遊技終了後に特別図柄または普通図柄の高確率状態(高確状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に特別図柄または普通図柄の低確率状態(低確状態)を設定させるための処理を実行させる閾値を指す。
例えば、低確状態において大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定される種別の大当たり(確変大当たり)に当選し、確変リミット回数として3回がセットされた場合、確変状態が設定されてから3回連続で確変大当たりに当選した場合には、3回目の確変大当たり当選で確変リミットに到達し、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確状態が設定される。
なお、確変リミット回数とは、特別図柄の低確状態において大当たり当選し、その大当たりに基づいて実行された大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される場合にセットされる値である。確変状態において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりに当選し、その大当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了時に値が更新され、更新後の値を用いて確変リミットに到達したか否かの判別が実行される。
従来の確変リミットを有する遊技機では、例えば、特別図柄の大当たりに当選した場合の大当たり種別の振分が、確変大当たり90%、通常大当たり10%であり、確変リミット回数3回とした場合に、低確状態において確変大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された後、3回連続で確変大当たりに当選した場合には、3回目の確変大当たりで確変リミットに到達し、3回目の大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)の時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄の大当たりに当選しないまま所定期間が経過すると、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)に移行する。
また、確変リミットに到達する前に通常大当たりに当選した場合にも、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)の時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄の大当たりに当選しないまま所定期間が経過すると、通常状態に移行する。なお、時短状態において確変大当たりに当選すると、新たに確変リミット回数3回がセットされる。
つまり、従来の確変リミットを有する遊技機では、通常大当たりに当選した場合に確変リミット回数が解除されるものの、限られた期間内(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまでの期間)に特別図柄の低確率状態で特別図柄の大当たりに当選しなければ通常状態に移行するため、遊技者にとっては、通常大当たりは確変大当たりよりも不利な大当たりであり、確変状態が設定された後に確変大当たりが2回連続した場合、次回当選する大当たりが確変大当たりと通常大当たりの何れの大当たりであっても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は同じであるため、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態において遊技者の遊技意欲が低下する虞があった。
これに対して、時短回数無限(次回大当たりに当選するまで)が付与される通常大当たりを設定することで、確変状態が設定された後に通常大当たりに当選することによって、確変リミット回数が解除される特別図柄の低確率状態が設定されるものの、時短状態が次回大当たりまで継続するため、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態においては、確変大当たりに当選するよりも通常大当たりに当選する方が遊技者に有利となり、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態においても遊技者に通常大当たりに当選することを期待させることで遊技意欲が低下することを防ぎ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、時短回数無限が付与される通常大当たりに当選する場合には、確変大当たりに当選した場合と異なる特殊演出(例えば、表示されている確変リミット到達までの残回数が巻き戻される演出等)を実行しても良い。
<第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能な構成(所謂、同時変動方式)を有しない遊技機における大当たり2回ループが実行可能な構成について>
第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能な構成(所謂、同時変動方式)を有しない遊技機において、大当たり遊技終了後に特別図柄および普通図柄の高確率状態(確変状態)が次回大当たりに当選するまで設定される確変大当たりと、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)特別図柄の低確率状態且つ普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される通常大当たりの2つの大当たり種別を有する遊技機(所謂、確変ループ機。)が一般に知られている。
従来の確変ループ機では、確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、あと1回の大当たり当選が確約されることとなるが、確変大当たりに当選した後に通常大当たりに当選すると、所定期間設定される時短状態に大当たり当選しなければ、通常状態が設定されるため、確変大当たりの割合を変えることなく、あと2回の大当たり当選を確約することはできなかった。
しかし、上述した時短回数無限回(次回大当たりに当選するまで)を設定可能な構成とすることで、確変大当たりの割合を変えずに確変大当たりに当選した場合にあと2回の大当たり当選を確約することが可能となる。
具体的には、確変状態が設定されている場合に通常大当たりに当選した場合には、時短回数無限(次回大当たりに当選するまで)の時短状態が設定され、通常状態または時短状態が設定されている場合に通常大当たりに当選した場合には時短回数無限よりも少ない期間(例えば、特別図柄抽選が20回実行されるまで)の時短状態が設定される構成とする。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、次回当選した大当たりが何れの大当たり種別であってもさらにもう1回の大当たりが確約されるため、1度確変大当たりに当選することであと2回の大当たりが確約されることとなる。したがって、確変大当たりに当選することで遊技者は多くの賞球を得ることが可能となるため、確変大当たりに当選することを期待して意欲的に遊技を行わせることができる。
<時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている場合に、大当たり当選しても時短状態をリセットしない構成について>
従来の遊技機において、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)時短状態を設定し、時短状態中に大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が開始された場合に設定されていた時短状態を終了し、その大当たり遊技終了後に新たに所定期間の時短状態を設定する(時短状態をリセットする)構成が一般的である。
このような構成の遊技機に対して、更なる興趣向上を目指すために、時短状態が設定されている場合に、大当たり当選しても時短状態をリセットしない構成とすることで、所定期間内に如何に多くの大当たりに当選できるかを遊技者に楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において大当たりに当選した場合(初当たり)の大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、時短状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を300回、第3変動回数を500回、第4変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。
そして、例えば、終了条件として第3変動回数が設定されている場合に、20回目に実行された特別図柄変動で大当たりに当選した場合、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させない(リセットしない)ため、大当たり遊技終了後の時短状態の終了条件成立までの残変動回数は480回となる。
このように、初当たりに基づいて設定されている時短状態が、時短状態中に大当たりに当選したことによって終了せず、初当たりに基づく大当たり遊技の終了後に設定された時短状態が新たに実行された大当たり遊技終了後にも引き継がれるため、初当たりに基づく大当たり遊技終了後に設定された時短状態の終了条件である変動回数が何回であるかによって遊技者が時短状態中に獲得し得る大当たり当選回数を異ならせることが可能となり、斬新な遊技を提供することができる。
なお、時短状態を終了させる条件として、終了条件として設定された変動回数が0回になった場合(つまり、時短状態中に所定回数の特別図柄変動が実行された場合)と時短状態中の大当たり当選回数が特定回数に到達した場合、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、時短状態が設定されてから3回目の大当たりに当選した場合に、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させ、その大当たり遊技終了後に新たに時短状態を設定する構成としても良い。
このように構成することで、通常状態よりも有利な状態(例えば、時短状態)を継続させるために連チャンを目指すという斬新な遊技を提供することができ、更に遊技の興趣を向上させることができる。
<第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)よりも第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されているほうが遊技者に有利となる構成の遊技機について>
遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第1確変状態、第2確変状態の少なくとも4つの遊技状態が設定可能であり、各遊技状態の遊技者の有利度合いとして、第1確変状態よりも、少なくとも、第2確変状態のほうが遊技者に有利な構成の遊技機にて、上述した特別図柄抽選において時短抽選(特別図柄抽選における時短状態を設定するか否かの判定)を実行する構成としても良い。
具体的には、特別図柄の低確率状態と高確率状態での大当たり当選確率の差を少なく設定し(例えば、特別図柄の低確率状態での大当たり当選確率を1/50.1、高確率状態での大当たり当選確率を1/50)、第1特別図柄で大当たり当選した場合に第1確変大当たり(大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定される大当たり種別)が決定される割合を95%、時短大当たり(大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別)が決定される割合を5%とし、大当たり遊技中には賞球を得ることができない構成とする。
なお、通常状態、時短状態、第1確変状態においては第1特別図柄抽選が主として実行され、第2確変状態においてのみ第2特別図柄抽選が実行される構成とする。
そして、第2特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合にのみ、小当たり抽選(特別図柄抽選における小当たり当選か否かの判定)が実行され、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技によって遊技者は賞球を得ることができる。
なお、通常状態における特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合には時短抽選を実行し、時短当選すると所定期間(例えば、特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)時短状態が設定される。
また、通常状態において第1確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定される。ここで、第1確変状態では特別図柄の高確率状態は次回大当たりに当選するまで継続するが、普通図柄の高確率状態は終了条件が成立すると低確率状態が設定される構成とし、終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、例えば、第1変動回数を1回、第2変動回数を50回、第3変動回数を100回、第4変動回数を200回、第5変動回数を300回とする。
このように構成することで、第1確変状態において普通図柄の高確率状態の終了条件が成立した場合に、特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態、つまり、遊技者に有利な第2確変状態が設定されることとなるため、第1確変状態においては大当たり当選せずに普通図柄の高確率状態が終了することを目指す斬新な遊技を遊技者に提供することができる。
なお、第2特別図柄で大当たり当選した場合に第2確変大当たり(大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり)が決定される割合を95%、時短大当たりが決定される割合を5%とする。
なお、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄が大当たり当選した場合には100%第2確変状態が設定される構成とする。
なお、普通図柄の高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける(時短リミット)構成としても良く、例えば、時短リミット回数を10回とし、第1確変大当たりに10回当選することで10回目の大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される。このように構成することで、大当たりを連チャンさせることで更に有利な遊技状態が設定されるという斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄抽選においても小当たり抽選を実行する構成としても良く、小当たり当選した場合に、少なくとも小当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される小当たり種別を含む複数の小当たり種別の中から小当たり種別が決定される構成としても良い。このように構成することで、第2確変状態へ移行する契機が増えるため、更に遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1確変状態が設定されている場合に、設定されている普通図柄の高確率状態の終了条件が成立するまでの特別図柄の残変動回数を遊技者に示唆する演出を実行しても良い。例えば、終了条件として第5変動回数(変動回数300回)が設定されている場合に、第3図柄表示装置81において「300ポイント貯めろ」と表示され、特別図柄の1変動毎に1ポイント貯まり、300ポイント貯まった場合に、第2確変状態が設定される構成としても良い。この場合、第1確変状態において大当たり当選した場合には、獲得したポイントがリセット(つまり、0に戻る)される構成とする。
なお、終了条件として、例えば、第1変動回数(変動回数1回)が設定されている場合にも、第3図柄表示装置81において「300ポイント貯めろ」と表示され、特別図柄の1変動が終了したら300ポイント獲得できる構成としても良く、設定されている終了条件の変動回数に応じて特別図柄の1変動で付与されるポイント数を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態の終了条件としてどの変動回数が設定されているのかを遊技者が分かり難くなるため、付与されるポイント数からどの変動回数が設定されているかを予測する楽しみを提供でき、遊技の興趣を向上させることができる。
<技術思想まとめ>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる技術思想について、上述した第5制御例のパチンコ機10によれば、第2入球口640に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄抽選の実行権利を取得する手段を有し(情報を取得することが可能な取得手段)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)まで保留記憶可能な手段を有する(取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段)。そして、保留記憶されている第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づいて、第2特別図柄抽選が実行される(記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段)。そして、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(第1判別結果)であることに基づいて大当たり遊技(特定遊技)が実行される。そして、大当たり遊技が終了した後には、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態(特定設定)が、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)が成立するまでの間継続する。また、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定とは別に時短当選判定を実行可能に構成しており、時短当選判定において時短当選したと判別された場合は(第2判別結果であると判別された場合は)、大当たり遊技を実行すること無く、普通図柄の高確率状態(特定設定)を設定可能である。さらに、上述した第5制御例では、複数の遊技状態を設定可能に構成しているが、その中で、通常状態(特定期間)が設定されている状態においてのみ、時短当選判定を実行可能である。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技の終了タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定される。よって、普通図柄の高確率状態を設定されるタイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせることができる。
また、時短当選判定を実行可能な期間(通常状態が設定されている期間)と、実行不可能な期間(通常状態が設定されていない期間)と、を設けることができるため、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。なお、上述した第5制御例では、通常状態でのみ時短当選判定を実行するように構成しているが、時短当選判定を実行可能な期間と、実行しない期間と、を設ければ良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)において時短当選判定を実行可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において時短当選判定を実行しないように構成しても良い。
さらに、時短当否判定の実行の有無を設定されている遊技状態に応じて切り替えるのでは無く、時短当否判定において時短当選する確率を遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、通常状態が設定されている場合における時短当否判定では1/6の確率で時短当選し、それ以外の遊技状態においては、1/200の確率で時短当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選し易い遊技状態と、時短当選し難い遊技状態と、を設定することができるため、上述した技術思想と同様に効果、即ち、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した第5制御例では、遊技球が入球することにより、第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64(遊技球が入球可能な第1入球手段)と、第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640(その第1入球手段とは異なる第2入球手段)と、を設けており、時短当選判定は、第2特別図柄抽選でのみ実行可能に構成している。
つまり、第1特別図柄抽選では、何れの遊技状態が設定されていても時短当選判定が実行されず、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能としている。このように構成することで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、ひいては、第1入球口64への遊技球の入球と、第2入球口640への遊技球の入球とで、後に遊技者へと付与される価値の量を大きく異ならせることができる。
なお、上述した第5制御例では、第1特別図柄抽選では時短当選判定を実行せずに、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特定期間(通常状態)においては第2特別図柄抽選のみ時短当選判定を実行し、第1特定期間とは異なる第2特定期間(第2確変状態)においては、第1特別図柄抽選のみが時短当選判定を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、設定されている期間によって、第1入球口64への遊技球の入球が、第2入球口640への遊技球の入球より遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、第1入球口64への遊技球の入球よりも、第2入球口640への遊技球の入球が遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、を創出することが可能となる。よって、遊技者に対してより有利な価値が付与され易い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、この場合、図329に示した変形例のように、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1入球口64への遊技球の入球度合いと、第2入球口640への遊技球の入球度合いとが同様となるようにパチンコ機10の遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、遊技者の判断によって、何れの入球口へと遊技球を入球させるかを選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、各制御例に記載した通り、大当たり当選に基づいて設定される時短状態(第1時短)よりも、時短当選判定により時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)のほうが、遊技者に有利な時短状態、即ち、時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、時短状態の設定契機に応じて、設定された時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。これにより、時短状態(特定設定)が設定される期間(時短終了条件)を判別された判別結果(設定契機)により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
この場合、時短状態が設定される前の遊技状態に応じて、第1時短よりも第2時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、第2時短よりも第1時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、を設けると良い。このように構成することで、どの状況で時短状態が設定されたかについても遊技者に興味を持たせることができる。
より具体的には、例えば、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が所定数を超えた場合のほうが、超えていない場合よりも、有利な時短状態となり易くなるように構成しても良い。
次に、上述した第7制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選と、時短当選とに重複して当選可能に構成している(図315参照)。これにより、大当たり当選(第1判別結果)と時短当選(第2判別結果)とを重複して判別することが可能に構成されているので、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選、時短当選、大当たりと時短との両方に当選と、様々な抽選結果を期待することができる。さらに、第7制御例では、時短当選と大当たり当選とが重複した場合に、重複して当選しなかった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が実行されるように構成している(図306(b)参照)。よって、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
なお、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、遊技者に有利な特典を付与する構成として、上述した第7制御例の構成以外を用いても良く、例えば、大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、有利な遊技状態(例えば、確変状態、時短状態等)を設定可能に構成しても良い。
また、上述した第7制御例では、時短当選の判定(第2判別結果であるか否かの判別)を実行した後に、大当たり判定(第1判別結果であるか否かの判別)を実行するように構成しており、1の特別図柄抽選において、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態で実行することができるように構成している。このように構成することで、重複当選した場合に実行される特典遊技の有利度合いと、重複当選しなかった場合に実行される特典遊技の有利度合いと、を異ならせることができる。
次に、上述した第5制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)と、で普通図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典の種別(大当たり遊技終了後に付与される時短回数)を異ならせている(図280(b)参照)。よって、設定種別(第1時短、第2時短)に応じて特典遊技の種別における選択割合(大当たり遊技の内容と、付与される時短回数)が可変されるので、同じ普通図柄の高確率状態(第2遊技状態)であっても遊技者へと付与される特典を異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、上述した第5制御例の第2変形例では、設定種別(第1時短と第2時短)とに応じて、付与される時短回数に差を設けているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技の内容(例えば、ラウンド遊技数)を異ならせるように構成しても良い。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短よりも第2時短が設定された場合、即ち、大当たり遊技が実行されること無く普通図柄の高確率状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技中に賞球を獲得すること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合、即ち、第1時短よりも普通図柄の高確率状態が設定されるまでに付与される特典が少ない第2時短のほうが、普通図柄の高確率状態を長くすることができるため、遊技者に対して公平に特典を付与することができるという効果がある。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、上述した第5制御例や第5制御例の第1変形例と同様に、通常状態でのみ時短当選判定(第2判別結果の判別)を実行可能に構成している。換言すれば、通常状態以外では、時短当選判定が実行されることを規制している。よって、遊技状態に応じて時短当選判定が実行されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
加えて、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを、遊技者に判別させ難くするように、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を設定可能に構成している(図278、及び図279参照)。つまり、第1時短が設定される場合には、特別図柄変動時間と、その後の大当たり遊技期間とを合算した第1期間に対して特定演出(図278(a)参照)を実行し、第2時短が設定される場合には、特別図柄変動時間(確定時間含む)である第2期間に対して特定演出(図278(b)参照)を実行するように構成している。
より具体的には、上述した第1期間と第2期間とが略同一期間となるように、各特別図柄抽選結果に対応させて変動時間や、大当たり遊技期間を予め規定しておき、特定演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出として、演出期間、及び、演出態様が同一の特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態を示す演出が実行されることになる。よって、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出を注視している遊技者に対して、何れの設定契機で普通図柄の高確率状態が設定されたのかを判別させ難くすることができる。
次に、上述した第6制御例では、時短状態(第2遊技状態)中においても時短当選判定を実行可能に構成しており、時短状態(第2遊技状態)中に時短当選した場合には、時短終了条件が成立し難い(時短回数が多い、又は、時短当選確率が高い)時短種別の時短状態(第2遊技状態)を設定可能に構成している。
これにより、時短状態が設定されている期間が長くなるほど、時短終了条件が成立し難い時短種別の時短状態が設定され易くなるため、特典遊技が実行され易くすることができる。
なお、上述した第6制御例では、図286(a)に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、時短当選確率を異ならせているが、時短当選確率を同一に規定しても良い。また、遊技状態に応じて時短当選確率を異ならせているが、それ以外に例えば、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数に応じて時短当選確率を異ならせても良い。この場合、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、200回)を超えた場合に、時短当選確率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で長時間大当たり当選していない遊技者に対して、大当たり遊技とは異なる時短当選という特典を付与し易くすることができる。なお、本技術思想は、他の制御例にも適用可能であることは言うまでも無い。
図329を参照して説明をした遊技機では、第1判別を実行可能な第1判別手段(第1特別図柄抽選)と、その第1判別手段により実行される第1判別の結果が、第1判別結果(大当たり当選)であることに基づいて第1特典(大当たり遊技)を付与可能であり、第1判別の結果が、第1判別結果とは異なる第2判別結果(時短当選)であることに基づいて第2特典(普通図柄の高確率状態)を付与可能な第1特典付与手段と、第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段(第2特別図柄抽選)と、第2判別手段により実行される第2判別の結果が、第3判別結果(大当たり当選)であることに基づいて第1特典を付与可能であり、第2判別の結果が第3判別結果とは異なる第4判別結果(小当たり当選)であることに基づいて、第1特典及び第2特典とは異なる第3特典(小当たり遊技)を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、第1判別手段により実行される第1判別に基づいて第3特典が付与されることが無く、且つ、第2判別手段により実行される第2判別に基づいて第2特典が付与されることが無いように構成されている。
これにより、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
上述した<遊技性2>に係る遊技機では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成する。そして第1判別手段により第1条件が成立した(時短当選した)と判別されてから第1状態設定手段により第1有利状態(第1特典の時短状態)が設定されるまでの間に、第2判別手段により第2条件が成立した(時短当選した)と判別されたことに基づいて、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態(第3特典の時短状態)を設定可能である。よって、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
上述した<その他の遊技性>では、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、遊技状態設定手段は、第1遊技状態(通常状態)が設定されている状態において実行された判別手段(特別図柄抽選)による判別の結果が第1判別結果とは異なる第2判別結果(第2時短B当選)であることに基づいて第2遊技状態(第2時短B)を設定可能であり、第2遊技状態が設定されている状態において終了条件(時短終了条件)が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定可能であり、第1遊技状態が設定されている状態において実行された判別手段による判別の結果が第1判別結果及び第2判別結果とは異なる第3判別結果(第2時短A当選)であることに基づいて、第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態(第2時短A)を設定可能である。また、判別手段は、判別の結果が第2判別結果となる確率(選択割合90%)よりも第3判別結果となる確率(選択割合10%)のほうが低くなるように判別を実行可能である。
さらに、終了条件(第2時短Bの時短終了条件)として、第2遊技状態が設定されている状態において実行される判別手段による判別の回数(特別図柄抽選回数)が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能である。加えて、判別手段による判別の結果が特定判別結果(小当たり当選)であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能である。
この場合、遊技状態設定手段により第2遊技状態を設定するための設定種別として、特典遊技実行手段の終了後に第2遊技状態を設定可能な第1設定(通常の時短状態)と、判別手段により実行される判別の結果が第1判別結果とは異なる第2判別結果(第2時短B当選)であることに基づいて特典遊技を実行すること無く、第2遊技状態(時短状態)を設定可能な第2設定と、を少なくとも設定可能な種別設定手段を有し、遊技状態設定手段は、種別設定手段により設定された設定種別(時短種別)に応じて、第1遊技状態(通常状態)よりも有利となる有利第2遊技状態(通常の時短状態)と、第1遊技状態よりも不利となる不利第2遊技状態(第2時短B)と、を設定可能である。
<第8制御例>
次に、図330から図335を参照して、第8制御例について説明をする。上述した第5制御例は、普通図柄の低確率状態(通常状態)中に第2入球口640へと遊技球を入球させ難くし、普通図柄の高確率状態(時短状態)中に第2入球手段640へと遊技球を入球させ易くするように構成していた。さらに、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選にて時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成していた。また、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶(保留記憶)可能に構成していた。
このように構成された第5制御例におけるパチンコ機10では、特図2保留を保留記憶している状態で普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されることにより、保留記憶されていた特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が普通図柄の低確率状態(通常状態)にて実行され、その通常状態中に実行された第2特別図柄抽選で時短当選した場合に、再度、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されるように構成していた。
つまり、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されてから所定期間(特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行されている期間)が経過するまでの期間を、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定され易い期間(引き戻し期間)として設定可能に構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了した後も遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
これに対して、本第8制御例では、通常状態において実行される第1特別図柄抽選、及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、高確率(外れ当選の殆ど)で時短当選するように構成し、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)が、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となるように構成している点で相違している。
加えて、本第8制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが交互に実行され易くなるように遊技盤13が構成されており、上述した第2時短の終了条件として、一方の種別の特別図柄抽選が連続して実行された場合に成立する終了条件が設定されるように構成している。
このように構成された本第8制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている状態にて実行される特別図柄抽選にて大当たり当選(大当たり確率1/300)しなかった場合には、高確率(298/300)で時短当選することより第2時短が設定される。そして、第2時短の終了条件が成立するまで、第2時短で特別図柄抽選が実行される。
また、第2時短の終了条件として、第2時短中に実行された特別図柄抽選の合算回数が特定数(100回)に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、所定の順序で特別図柄抽選が実行された場合に成立する第2時短終了条件とが設定されるように構成しており、第2時短終了条件は、第1時短終了条件が成立するよりも前に成立し得るように構成している。
よって、第2時短が設定された場合には、いち早く第2時短を終了させるために第2時短終了条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、通常状態において実行される特別図柄抽選の種別に応じて、遊技者への有利度合いを異ならせるように構成しており、通常状態で実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、通常状態で実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に有利な遊技状態を設定し易くなるように構成している。
このように構成することで、第2時短が終了した後に実行される特別図柄抽選の種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
ここで、図331を参照して、振り分けユニット1064の構成について説明する。図331(a)~(b)は、振り分けユニット1064の内部の構造を示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
振り分けユニット1064の上部には、遊技球が入球可能な通過口1064bが設けられており、その通過口1064bを遊技球が通過したことを検知可能にする透過型の入球センサ1064aが配置されている。通過口1064bを通過した遊技球は、振り分け部材900によって、その下方に配置された第1入球口64aと第2入球口1641とに交互に振り分けられる。
振り分け部材900は、通過口へと入球した遊技球を振り分け部材900の収容部900aまたは900cで受ける。収容部900aで遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振り分け部材900は、正面視(図331(a)参照)左回りに回転して、遊技球を第1入球口64aへと誘導する。ここで、振り分け部材900は、それぞれ左右周りに約90度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900bとの境界壁には磁石900bが設けられている。
振り分けユニット1064の背面側に設けられるベース体には、振り分け部材900の磁石901bが通過口の中央線上の位置にベース側磁石901が配置されている。振り分け部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部を振り分け部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振り分け部材900に固定されている。振り分け部材900が回動し、収容部900aと収容部900bの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振り分け部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振り分け部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振り分け部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振り分け部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900bとのどちらかが、振り分けユニット640に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が収容部900aと収容部900bとの境界壁と当接して、球詰まりが発生するのを防止することができる。
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後に、振り分け部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後には、収容部900bが上方を向いた状態となり、次に振り分けユニット640に入球した遊技球は、収容部900bが受けて、遊技球の重さにより振り分け部材900が右に約90度回転して、遊技球を第2入球口1641へ誘導する。このように、振り分け部材900は、振り分けユニット640に入球する遊技球を第1入球口64aと第2入球口1641とに交互に誘導することができる。よって、均等に第1入球口64aと第2入球口1641とに遊技球を振り分けて入賞させることができ、後述する、第1入球口64aへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第1抽選遊技)と第2入球口1641への入賞に起因する抽選遊技(以下、第2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
右側第2入球口1640は、第2入球口1641と同様に遊技球が入球すると第2特別図柄の抽選が開始されることとなる入球口である。なお、第2特別図柄は、第2入球口1641と右側第2入球口1640とを合わせて保留球が4個となっている。
また、振り分けユニット1064の通過口1064b(遊技球が1球通過可能な大きさ)には、可変表示ユニット80の右側を通過した遊技球も、左側を通過した遊技球も入球可能となっており、右側第2入球口1640には、右側を通過した遊技球のみが入球可能に構成されている。
ここで、図331(a)は、振り分け部材900が収容部900aを上方に向く位置に回動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に通過口1064bを遊技球が通過すると、収容部900aに遊技球が収容され、遊技球の自重により振り分け部材900を左回りに回動させて誘導部900z1に誘導されながら第1入球口64aに遊技球が誘導される。
遊技球が振り分け部材900により第1入球口64aへと振り分けられた後には、図331(b)に示すように、収容部900cが上方に向く位置で振り分け部材900が停止される。その後、通過口1064bを遊技球が通過すると収容部900cに収容され、第2入球口1641へと遊技球が振り分けられる。よって、交互に第1入球口64aと第2入球口1641とに振り分けることができる。
また、図331(b)に示した通り、振り分けユニット1064の通過口1061bから入球した遊技球のうち、振り分け部材900によって第1入球口64a、或いは、第2入球口1641へと適正に誘導することが出来なかった遊技球は、振り分けユニット1064の外壁部と、各入球口との間に形成された球排出経路を流下し、振り分けユニット1064の外部へと排出されるように構成している。
このように構成することで、例えば、振り分けユニット1064の通過口1061bへと勢いよく流入した遊技球が振り分け部材900と衝突し、誘導部900z1,900z2に誘導されること無く振り分けユニット1064内を流下する事象が発生した場合であっても、振り分けユニット1064内で球詰まりが発生することを抑制することができる。
また、詳細な図示は省略するが、振り分け部材900の位置(回動状況)は、回転センサ(図示せず)によって識別可能に構成されている。具体的には、振り分け部材900の回転軸900dの回転量を検知可能な回転センサが設けられており、その回転センサの検知結果に基づいて振り分け部材900の位置を特定可能に構成している。そして、回転センサの検知結果に基づいて特定された振り分け部材900の位置に基づいて、次に通過口1061bへと入球した遊技球が何れの入球口(第1入球口64a、第2入球口1061)へと誘導されるかを判別可能に構成している。
このように構成することで、同一種別の特図保留を連続して獲得可能な状態であるか否かを遊技者に報知するための報知演出や、同一種別の特図保留を連続して獲得させるための案内演出を実行することができるため、遊技者に対して、第2時短終了条件を成立させるための遊技を分かり易く行わせることができる。
なお、本第5制御例では、回転センサを用いて振り分け部材900の位置を特定可能な構成としたが、それに限らず、入球した入球口により振り分け部材900の位置を毎回判別するように構成してもよい。具体的には、第1入球口64aに入球したことに基づいて、振り分け部材900は収容部900cが上方を向いている状態として特定し、第2入球口1641に入球したことに基づいて、振り分け部材900は収容部900aが上方を向いている状態として特定するように構成する。このように構成することで、専用のセンサ等を設けなくても、振り分け部材900の位置を特定することができる。また、振り分け部材900が振動等で回動してしまったとしても、毎回入球口に入球する毎に、位置を更新して判別することで、正しく振り分け部材900の位置を特定することができる。
本第5制御例では、図331を参照して上述した通り、正常であれば、振り分けユニット1064内へと流入した遊技球が第1入球口64aと、第2入球口1641とに交互に誘導されるように構成し、各入球口へと遊技球が入球したことに基づいて新たな特図保留を獲得することができない場合に、振り分けユニット1064へと遊技球を入球させることで特図保留を獲得すること無く、振り分け部材900の位置を可変させることにより、同一種別の特図保留を連続して獲得可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、振り分けユニット1064内へと流入した遊技球のうち一部の遊技球が振り分け部材900に収容されること無く、第1入球口64a、或いは、第2入球口2164へと入球し得るように構成しても良い。
このように構成することで、振り分け部材900を用いて第1特別図柄抽選に対応する特図保留(特図1保留)と、第2特別図柄抽選に対応する特図保留(特図2保留)とを交互に獲得可能な構成と、振り分け部材900を用いること無く特図保留を獲得する構成と、を用いて不規則な順序で特図1保留と、特図2保留と、を獲得することが可能となる。よって、第2時短終了条件を成立させ易くすることができる。
図330に戻り、説明を続ける。遊技盤13の右側領域には、右第2入球口1640と、その右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入球させることが困難な閉状態とに可変可能な可変手段として電動役物1640aと、が設けられている。
この電動役物1640aは、上述した第5制御例における電動役物640aと同様に、スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて実行される普通図柄抽選において当たり当選した場合に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)によって、所定の可変パターンに従って閉状態から開状態へと可変されるように構成している。なお、普通図柄抽選に関する技術、及び、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される電動役物1640aへの制御処理の内容については、上述した第5制御例において用いられる第1制御例におけるパチンコ機10と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
つまり、本第8制御例では、上述した第1制御例と同様に、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、遊技球を右第2入球口1640へと入球させ易い普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)と、そのロング開放当たり遊技よりも右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが困難となる普図当たり遊技(通常開放当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態、及び、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態の何れにおいても、ロング開放当たり遊技を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技状態として、時短状態のうち遊技者に不利となる不利時短状態が設定されている場合において、普通図柄抽選で当たり当選し、ロング開放当たり遊技が実行されることで右第2入球口1640へと複数の遊技球を入球させることが可能となる。これにより、遊技球の入球順に従って特別図柄抽選が実行される本第8実施形態において、同一種別の特別図柄(第2特別図柄)を連続して実行させることが可能となり、不利時短状態を終了させるための時短終了条件(第2時短終了条件)を成立させ易くすることができる。
よって、普通図柄抽選で当たり当選しロング開放当たり遊技が実行されることによって、遊技特別図柄抽選を効率良く実行させるという特典に加え、不利時短状態を終了させるという特典を付与することができるため、遊技者に対して普通図柄抽選の結果に興味を持たせることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第8制御例では、時短状態として、遊技者に有利となる時短状態(有利時短状態)と、遊技者に不利となる時短状態(不利時短状態)と、を実行可能に構成しており、特別図柄抽選の実行効率の点において、有利時短状態の方が不利時短状態よりも実行効率が高くなるように構成している。より具体的には、不利時短状態が設定されている状態では、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技中に右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが可能な期待度が、通常状態と同程度となるように構成している。
さらに、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に付与される特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)の点において、有利時短状態の方が不利時短状態よりも遊技者に有利な特典が付与される(され易くなる)ように構成している。より具体的には、不利時短状態中に大当たり当選した場合に付与される特典は、通常状態中に大当たり当選した場合よりも遊技者に不利な特典が付与される(され易くなる)ように構成している。
よって、通常状態、有利時短状態、不利時短状態の3つの遊技状態の中で、有利時短状態が遊技者に最も有利な遊技状態となり、次いで、通常状態が遊技者に有利な遊技状態となり、不利時短状態が最も遊技者に不利な遊技状態となるように構成している。
加えて、本第8制御例では、有利時短状態を終了させるための時短終了条件(有利時短終了条件)の規定内容と、不利時短状態を終了させるための時短終了条件(不利時短終了条件)の規定内容と、を異ならせている。具体的には、有利時短終了条件、不利時短終了条件の何れにおいても、時短状態が設定されてから実行される特別図柄抽選の回数に基づいて成立する第1時短終了条件が規定されており、不利時短終了条件に対して、それに加え、時短状態中に実行される特別図柄抽選の実行順序に基づいて成立する第2時短終了条件が規定されている。
また、上述した通り、本第8制御例では、振り分けユニット1064によって、第1入球口64と、第2入球口1641とへ交互に遊技球が入球し易くなるように構成しているため、通常であれば、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが交互に実行されるように構成している。ここで、例えば、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいてロング開放当たり遊技が実行された場合には、右打ち遊技によって、右第2入球口1640へと遊技球を入球させる遊技が実行されることから、第2特別図柄抽選が連続して実行される事象を創出することが可能となる。
そして、本第8制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選の実行順序に基づいて成立する第2時短終了条件として、同一種別の特別図柄抽選が連続して実行されたことに基づいて成立する第2時短終了条件を設定可能に構成している。よって、不利時短状態が設定されている遊技者に対して、第2時短終了条件を成立させるために、ロング開放当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
また、同一種別の特別図柄抽選を連続して実行させるためには、ロング開放当たり遊技を実行させなくとも、例えば、新たな特図保留を獲得できない状態、つまり、上限数まで特図保留が保留記憶されている状態で振り分けユニット1064内へと遊技球を流入させる遊技を実行させることが考えられる。例えば、新たな特別図柄変動が実行され難い状態、例えば、大当たり遊技中に左打ち遊技を実行し、特図1保留および特図2保留を上限数まで獲得した状態で、さらに振り分けユニット1064内へと遊技球を流入させることで振り分け部材900の位置を可変させる遊技を実行させることが考えられる。
本第8制御例では、大当たり遊技中において、振り分け部材900の位置を特定することにより、特図1保留と特図2保留の獲得状況(獲得順序)に基づいて、同一種別の特別図柄に対応する特図保留を連続して獲得可能な状態を創出するための案内演出(図333(b)参照)を実行可能に構成している。このように構成することで、右打ち遊技が実行される大当たり遊技中において、実行される案内演出の内容に基づいて左打ち遊技を実行することにより遊技者に有利な遊技を実行させることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
<第8制御例における演出内容について>
ここで、図332~図333を参照して、本第8制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について説明する。
本第8制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)とを設定可能に構成しており、さらに、時短状態として有利時短状態(大当たり遊技終了後に設定される時短状態、及び、時短当選した場合に低確率で設定される時短状態)と、不利時短状態(時短当選した場合に高確率で設定される時短状態)と、を設定可能に構成している。
不利時短状態は、実際には普通図柄の高確率状態が設定されているが、有利時短状態と比べて右第2入球口1640へと遊技球を入球させ難く構成しており、実質通常状態(普通図柄の低確率状態)と同程度しか右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが出来ない時短状態である。よって、時短状態が設定されている場合であっても、不利時短状態が設定されている場合には、通常状態が設定されている場合と同様に、右打ち遊技によって右第2入球口1640へと遊技球を入球させる遊技よりも、左打ち遊技によって振り分けユニット1064へと遊技球を流入させる遊技を行った方が、遊技者に有利な遊技となるように構成している。
通常状態で特別図柄の大当たりに当選した場合には、不利時短状態で特別図柄の大当たりに当選した場合よりも有利な特典(例えば、大当たり遊技のラウンド数が多い等)が付与されるように構成している。したがって、不利時短状態は、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。一方、有利時短状態は、右第2入球口1640へと遊技球を比較的入球させ易くなるように普図当たり遊技が実行されるように構成しており、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となるように構成している。よって、不利時短状態、通常状態、有利時短状態の順に遊技者に有利な遊技状態となる。
詳細は後述するが、不利時短状態は、特別図柄抽選において実行される時短抽選において時短当選した場合にその変動表示が終了した後に設定され得る遊技状態であり、本第8制御例では、時短抽選において高い確率(299/300)で時短当選する構成としている。不利時短状態の終了条件は不利時短に当選した特別図柄の種別によって異なり、第1特別図柄で不利時短当選した場合には、第1特別図柄の変動表示が1回実行された場合(即ち、第1特別図柄の変動表示が連続して実行された場合)、または第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で100回実行された場合に不利時短状態が終了する。一方、第2特別図柄で不利時短当選した場合には、第2特別図柄の変動表示が1回実行された場合(即ち、第2特別図柄の変動表示が連続して実行された場合)、または第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で100回実行された場合に不利時短状態が終了するように構成している。
上述した通り、本制御例における遊技機13では、振り分けユニット1064(図330参照)に入球した遊技球を振り分け部材900(図331参照)によって、その下方に配置された第1入球口64a(図331参照)と第2入球口1641(図331参照)とに交互に振り分け、第1入球口64a(図331参照)に入賞した場合には第1特別図柄の抽選が実行され、第2入球口1641(図331参照)に入賞した場合には第2特別図柄の抽選が実行される。そして、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選はそれぞれ対応する入球口に遊技球が入賞した順で実行される。例えば、第1入球口64a(図331参照)、第2入球口1641(図331参照)の順に入賞した場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の順に実行される。このように第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示、或いは第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示の何れか一方が連続して実行され難く構成している。
ここで、本制御例において、何れかの特別図柄種別の変動表示が連続して実行される場合の一例について説明する。遊技機13では、上述したように、振り分け部材900(図331参照)によって遊技球が第1入球口64a(図331参照)と第2入球口1641(図331参照)とに振り分けられる構成であるが、各特別図柄の入賞情報はそれぞれ最大4個まで保留される。そして、各特別図柄の保留数が上限数(本制御例では、4個)に達している状態で、遊技球が対応する入球口に新たに入賞した場合には、その入賞情報は保留されない(以下、オーバーフロー入賞という)。そして、両特別図柄の保留数が上限数まで達している状態(本制御例では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数が合計8個貯まっている状態)で遊技球が振り分けユニット1064(図330参照)に入球した場合に、振り分け部材900(図331参照)は8個目の保留の特別図柄種別に対応する入球口とは異なる入球口に遊技球を振り分けるが、オーバーフロー入賞となりその入賞情報は保留されない。なお、振り分け部材900(図331参照)は、遊技球を振り分けたことにより位置が可変するため、次回振り分けユニット1064(図331参照)に入球した遊技球を、8個目の保留の特別図柄種別に対応する入球口に振り分けることが可能となり、8個目の保留と同種の特別図柄種別の変動表示を連続して実行することが可能となることで、不利時短状態を終了させることができる。このように構成することで、不利時短状態を終了させるために保留を貯めようと遊技者に遊技球の発射を意欲的に行わせることができる。
なお、本制御例では、第1特別図柄および第2特別図柄の入賞情報は、最大4個まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4個に限定されるものでなく、3個以下(例えば、2個)、又は、5個以上の保留球数(例えば、8個)に設定しても良い。また、小表示領域Dm19における保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。
図332(a)は、不利時短状態でオーバーフロー入賞によって第2特別図柄保留を連続で獲得した場合に表示される表示画面の一例である。不利時短状態が設定されている場合には、小表示領域Dm12においてチャンス変動までの残変動回数が表示され、それぞれの特別図柄の変動表示が実行されると1ずつ減算されて更新される。なお、本制御例におけるチャンス変動とは、通常状態中に実行された特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示のことを指す。このように、現在の遊技状態が通常状態か不利時短状態かを遊技者が判別できる構成とし、チャンス変動までの残変動回数に応じて遊技を継続するか否かを遊技者が判断し易くしている。
小表示領域Dm1では第1特別図柄が停止表示されており、小表示領域Dm2では第2特別図柄が変動表示中であり、どちらの特別図柄の変動中であるかを遊技者が容易に判別できる構成としている。
小表示領域Dm19には特別図柄の保留図柄が表示されており、斜線で塗られた丸が第1特別図柄の保留を示し、黒で塗られた丸が第2特別図柄の保留を示している。図332(a)に示した表示画面は、第1特別図柄の保留数が3個、第2特別図柄の保留数が4個であることを示しており、保留図柄hr6と保留図柄hr7は第2特別図柄の入賞情報を示す保留図柄であるため、第2特別図柄の変動表示が連続して実行されることとなる。上述したように、一方の特別図柄の変動表示が連続して実行された場合には不利時短状態が終了するため、保留図柄hr7に基づく特別図柄の変動停止により不利時短状態が終了し、保留図柄hr7に基づく特別図柄の変動停止後、次に実行される特別図柄の変動表示がチャンス変動となる。
ここで、小表示領域Dm12に示す表示を特別図柄の変動表示が実行される毎に1ずつ減算する場合、保留図柄hr7に基づく特別図柄の変動表示が実行された場合に、「チャンス変動まであと73回」と表示されることになり、実際にチャンス変動が実行されるまでの残変動回数と小表示領域Dm12に表示される残変動回数とが一致せず、遊技者に遊技情報に対する不信感を与えてしまう虞がある。
そこで、本制御例では、図332(a)に示すような不利時短状態の終了条件が成立することを先読みし、小表示領域Dm12に表示されるチャンス変動までの残変動回数とチャンス変動が実行される(即ち、通常状態が設定される)までの残変動回数とが一致しない場合に、小表示領域Dm12に表示されるチャンス変動までの残変動回数が短縮される演出を小表示領域Dm17にて実行することで、実際にチャンス変動が実行されるまでの残変動回数と小表示領域Dm12に表示される残変動回数とを一致させ、正しい遊技情報を提供する構成している。
また、本制御例では、図332(a)に示す通り、保留図柄hr6と保留図柄hr7の上部に「ラッキー」と表示することで不利時短状態の終了条件が成立することを遊技者に事前に示唆する構成としている。このように構成することで、どの保留でチャンス変動が実行されるのかを遊技者が認識し易くなるため、遊技者が注目するべき変動を分かり易くすることができる。
なお、本制御例では、小表示領域Dm12においてチャンス変動までの残変動回数を表示し、特別図柄の変動表示が実行される毎に1ずつ減算される構成としたが、これに限るものではない。例えば、ポイントを貯める演出とし、特定数のポイント(例えば、100ポイント)が貯まるとチャンス変動が実行される構成としても良い。この場合、特別図柄の変動表示が実行される毎に1ポイント加算され、同種の特別図柄の変動表示が連続して実行された場合には、MAXまでポイントが貯まる構成とすることで遊技者に違和感を与えない演出とすることができる。
なお、本制御例では、同種の特別図柄の変動表示が連続して実行された後に不利時短状態が終了し、次に実行される特別図柄の変動表示をチャンス変動としたが、これに限るものではなく、同種の特別図柄の変動表示が連続する場合に、後に実行される特別図柄の変動表示開始時に不利時短状態を終了し、チャンス変動とする構成としても良い。
図332(b)は、普通図柄の当たりに当選し、普通図柄の当たり遊技として右側第2入球口1640(図330参照)に付随する電動役物1640a(図330参照)がロング開放されている場合に表示される表示画面の一例である。小表示領域Dm11に普通図柄の当たりに当選したことを示す表示態様が表示され、普通図柄の当たり遊技が実行されると、小表示領域Dm4には普通図柄の当たり遊技における遊技方法を遊技者に案内するために「右打ち」と表示され、小表示領域dm18に右側第2入球口1640(図330参照)に付随する電動役物1640a(図330参照)が開放状態であることを示す表示がされ、副表示領域Dsに「右打ちして電チューを狙え」と表示される。これにより、遊技者に右側第2入球口1640(図330参照)に向かって遊技球を発射する遊技を行うことを分かり易く案内し、遊技状態に適した遊技方法で遊技させることができる。
ここで、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球が入賞した場合には、第2特別図柄の入賞情報が保留される。図332(b)の場合、小表示領域Dm19に表示されている最後尾の保留図柄hr5は第2特別図柄の保留図柄であるため、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させると第2特別図柄の変動表示を連続して実行させることが可能となり、不利時短状態を終了させることができる。したがって、遊技者に右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させると有利となることを報知するために、主表示領域Dmにて「チャンス変動ゲットのチャンス」と表示される。このように構成することで、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させようと強く思わせることが可能となり、意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、既に第2特別図柄の保留が3個貯まっている状態で小表示領域Dm19に表示されている最後尾の保留図柄(例えば、保留図柄hr6)が第1特別図柄の保留図柄である場合には、右側第2入球口1640(図330参照)に複数個の遊技球を入賞させても第2特別図柄の入賞情報は1個しか保留されないため、第2特別図柄の変動表示を連続して実行させることができない。したがって、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させても不利時短状態の終了条件が成立し得ない場合には、異なる表示態様(例えば、「保留を貯めるチャンス」等の表示)を主表示領域Dmに表示する構成としても良い。このように構成することで、適切な遊技情報を遊技者に提供することが可能となり、遊技情報の信頼性を高くすることができる。
図333(a)は、不利時短状態が終了することを示唆する場合に表示される表示画面の一例である。主表示領域Dm12には「チャンス変動まであと3回」と表示されており、不利時短状態が設定されてからの第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で98回行われたことを示している。つまり、保留図柄hr2に基づく特別図柄の変動表示が終了すると第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で100回実行され、不利時短状態の終了条件が成立する。この場合、保留図柄hr3に基づく特別図柄の抽選は通常状態で実行されることとなるため、通常状態で特別図柄の抽選が実行されることを示唆するために保留図柄hr3は第1特別図柄の入賞情報に対応する保留図柄と第2特別図柄の入賞情報に対応する保留図柄とは異なる表示態様(白色の丸に星形の模様が表示された保留図柄)で表示され、保留図柄hr3の上部には「注目」と表示される。このように構成することで、遊技者は保留図柄hr3に基づく特別図柄の変動表示がチャンス変動であることを認識し易くなり、保留図柄hr3に基づく変動表示が実行されるまでの期間で遊技者の保留図柄hr3に基づいて実行される特別図柄の変動表示に対する期待感を高めることができる。
また、主表示領域Dmには「今回のチャンス変動はラッキー変動かも」と表示されているが、これは保留図柄hr3の入賞情報を先読みした結果を示唆するものであり、この場合、保留図柄hr3に基づく特別図柄の抽選結果が大当たり当選である可能性が高いことを示唆している。これにより、遊技者の保留図柄hr3に基づいて実行される特別図柄の変動表示に対する期待感を更に高めることができる。
なお、本制御例では、主表示領域Dmにおいて保留図柄hr3の先読み結果を示唆し、小表示領域Dm19に表示される保留図柄hr3の表示態様によって保留図柄hr3に基づく特別図柄の抽選が通常状態で実行されることを示唆する構成としたが、これに限るものではない。保留図柄hr3の表示態様によって先読み結果も併せて示唆する構成としても良く、例えば、保留図柄の色を可変させることで大当たり当選の期待度を報知する構成としても良い。
図333(b)は、通常大当たりに当選したことに基づく大当たり遊技中のエンディング期間に表示される表示画面の一例である。小表示領域Dmには通常大当たりに当選したことを示す表示態様が表示され、小表示領域Dm5には「エンディング」と表示されることで、大当たり遊技のエンディング期間であることを遊技者に報知している。
詳細は後述するが、本制御例では、第1特別図柄で大当たり当選した方が、第2特別図柄で大当たり当選した場合よりも遊技者に有利となるように構成している。そして、通常大当たり当選後の大当たり遊技が終了すると、大当たり遊技終了後最初の特別図柄の抽選は通常状態で実行される。したがって、副表示領域Dsにおいて「ラッキー、通常変動が特図1から始まるよ」と表示することで、遊技者に大当たり遊技終了後の最初に実行される特別図柄の抽選が遊技者に有利な第1特別図柄で実行されることを事前に報知し、遊技者に大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示にも興味を持たせることができる。なお、大当たり遊技終了後の最初の特別図柄の抽選が第2特別図柄で実行される場合には、異なる表示態様(例えば、「ラッキー」を表示しない表示態様)が表示される。
大当たり遊技中は特別図柄の変動表示が実行されないため、遊技者が保留を貯め易い期間である。上述したように、各特別図柄の保留数が上限数に達している場合に振り分けユニット1640(図330参照)に遊技球が入球すると入賞情報は保留されないが振り分け部材900(図331参照)の位置を可変させることができる。そして、本制御例では、振り分け部材900の位置を、回転センサ990(図示しない)によって識別可能に構成されている。したがって、本制御例では、保留図柄hr8に対応する特別図柄種別と振り分け部材900(図331参照)の位置を識別し、オーバーフロー入賞により振り分け部材の位置を可変させる方が遊技者に有利となるか否かを報知する構成としている。
具体的には、次回入賞情報が保留可能な状態となった場合に、小表示領域dm19の最後尾に表示されている保留図柄に対応する特別図柄種別と同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態ではない場合、つまり、オーバーフロー入賞により振り分け部材900の位置を可変させることで同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態とすることができる場合には、図333(b)に示すように、主表示領域Dmの中央部に「大当たりが終了するまでにへそに球を1個入れると大チャンス」と表示され、小表示領域Dm18に現在の振り分け部材900(図331参照)の位置に対応する模式図が表示されることで、遊技者に振り分けユニット1640(図330参照)に遊技球を入球させることを促す演出が実行される。このように構成することで、遊技者に大当たりのエンディング期間にも遊技球を発射させる遊技を楽しませることができる。
なお、次回入賞情報が保留可能な状態となった場合に、小表示領域dm19の最後尾に表示されている保留図柄に対応する特別図柄種別と同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態である場合には、オーバーフロー入賞により振り分け部材900(図331参照)の位置が可変することで、同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態ではなくなってしまうため、主表示領域Dmの中央部に「大当たりが終了するまでにへそに球を1個入れると大チャンス」の表示はされない。
なお、次回入賞情報が保留可能な状態となった場合に、小表示領域dm19の最後尾に表示されている保留図柄に対応する特別図柄種別と同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態である場合には、主表示領域Dmの中央部にオーバーフロー入賞が不利であることを報知する表示態様が表示される構成としても良い。このように構成することで、遊技者にオーバーフロー入賞が有利な状態であるか不利な状態であるかを判断させ易くなる。
なお、本制御例では、回転センサ990によって、振り分け部材900(図331参照)の位置を判別する構成としたが、それに限らず、入球した入球口により振り分け部材900(図331参照)の位置を毎回判別するように構成してもよい。具体的には、第1入球口64a(図331参照)に入球したことに基づいて、振り分け部材900(図331参照)は収容部900c(図331参照)が上方を向いている状態として判別するように構成する。このように構成することで、専用のセンサ等を設けなくても、振り分け部材900(図331参照)の位置を判別できる。また、振り分け部材900(図331参照)が振動等で回動してしまったとしても、毎回入球口に入球する毎に、位置を更新して判別することで、正しく振り分け部材900(図331参照)の位置を判別できる。
<第8制御例における電気的構成について>
次に、図334から図338を参照して、本第8制御例における電気的構成の内容について説明をする。本第8制御例は、上述した第5制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、及び音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違している。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図334(a)を参照して、本第8制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。本第8制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のROM202(図244(a)参照)に対して、変動パターン選択5テーブル202dbに代えて変動パターン選択8テーブル202gbを、大当たり種別選択5テーブル202ddに代えて大当たり種別選択8テーブル202gdを、時短当たり乱数5テーブル202deに代えて時短当たり乱数8テーブル202geを、時短種別選択5テーブル202dfに代えて時短種別選択8テーブル202gfを設けた点で相違している。
大当たり種別選択8テーブル202gdは、上述した大当たり種別選択5テーブル202ddと同様に、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。上述した第5制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用5テーブル202dd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用5テーブル202dd2と、を有していたが、本第8制御例では、特別図柄種別に関わらず同一の振り分け内容で大当たり種別を選択するように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、大当たり種別選択8テーブル202gdが参照される。
ここで、図335(a)を参照して、大当たり種別選択8テーブル202gdの詳細な内容について説明をする。図335(a)は、大当たり種別選択8テーブル202gdの内容を模式的に示した図である。図335(a)に示した通り、大当たり種別選択8テーブル202gdには、大当たり当選した時点において設定されている遊技状態と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、に対応付けて大当たり種別(大当たりA8、大当たりB8)が規定されている。
具体的には、大当たり当選時の遊技状態が通常(通常状態)では、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~94」の範囲に対して「大当たりA8」が、「95~99」の範囲に対して「大当たりB8」が、それぞれ規定されている。また、大当たり当選時の遊技状態が通常(通常状態)以外、即ち、時短状態、又は確変状態では、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して「大当たりA8」が、「50~99」の範囲に対して「大当たりB8」が、それぞれ規定されている。
大当たり種別「大当たりA8」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「60」が、確変カウンタ203iの値に「60」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は、通常状態では95個(0~94)であるので、通常状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA8」が決定される割合は95%(95/100)である。一方、通常状態以外では50個(0~49)であるので、通常状態以外の遊技状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA8」が決定される割合は50%(50/100)である。
大当たり種別「大当たりB8」は、大当たりのラウンド数が6ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「60」が、確変カウンタ203iの値に「60」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は、通常状態では5個(95~99)であるので、通常状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB8」が決定される割合は5%(5/100)である。一方、通常状態以外では50個(50~99)であるので、通常状態以外の遊技状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB8」が決定される割合は50%(50/100)である。
つまり、本第8制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、設定されている遊技状態に応じて設定される大当たり種別の選択割合を異ならせており、通常状態中に大当たり当選した場合の方が、通常状態以外で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な大当たり種別(大当たりA8)が選択され易くなるように構成している。
このように構成することで、通常状態中に多くの特別図柄抽選が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
次に、時短当たり乱数8テーブル202geについて説明をする。この時短当たり乱数8テーブル202geは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定にて参照されるデータテーブルであって、時短当選の有無を判定するために用いられるものである。
ここで、図335(b)を参照して、時短当たり乱数8テーブル202geの内容について説明をする。図335(b)は、時短当たり乱数8テーブル202geに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図335(b)に示した通り、時短当たり乱数8テーブル202geには、特別図柄種別(特図種別)と、遊技状態と、に対応させて時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている。
具体的には、特別図柄種別が第1特別図柄抽選で、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)の場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3~899」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。同様に、特別図柄種別が第2特別図柄抽選で、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)の場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3~899」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。
ここで、本第8制御例では、特別図柄抽選において時短当選の判定(時短抽選)が、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選で外れ当選した場合に実行されるように構成しており、通常状態において実行される特別図柄抽選にて大当たり当選したと判別される第1当たり乱数カウンタC1の値として「0~2」の範囲が規定されている(第1当たり乱数5テーブル202da参照)ことから、通常状態において実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しなかった場合には、必ず時短当選するように構成している。
なお、本第8制御例では、上述した通り、通常状態において実行される特別図柄抽選において外れ当選した場合には必ず時短当選するように時短当たり乱数8テーブル202geの内容を規定しているが、これに限ること無く、通常状態において実行される特別図柄抽選において外れ当選した場合の一部となるように時短当選の判定値の範囲を規定するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選すること無く特別図柄抽選を連続して実行させることが可能となる。
また、本第8制御例では、図335(b)に示した通り、時短当選の判定値を特別図柄種別に関わらず同一としているが、これに限ること無く、特別図柄種別に応じて異なる判定値を規定しても良い。例えば、通常状態中に第1特別図柄抽選が実行された場合の方が、第2特別図柄抽選が実行された場合よりも、時短当選し難くなるように構成しても良い。このように、通常状態中に実行される特別図柄抽選の種別に応じて、時短当選する確率を異ならせることにより、実行される特別図柄抽選の種別によって、通常状態中に連続して実行される特別図柄抽選の回数を異ならせ易くすることができるため、遊技者に対して、通常状態中に何れの特別図柄種別の特別図柄抽選が実行されたのか(されるのか)について興味を持たせることができる。
なお、通常状態中に実行される特別図柄抽選の種別に応じて、時短当選する確率を異ならせる場合には、複数の特別図柄種別のうち、通常状態中に遊技者に有利となる特別図柄抽選が実行される(大当たり当選時に遊技者に有利な特典が付与され易い)特別図柄種別(例えば、第1特別図柄)の方が、時短当選し難くなるように構成すると良い。このように構成することで、通常状態中に第1特別図柄抽選が実行されることで、その抽選結果が大当たり当選である場合には、遊技者に有利となる特典が付与され易く、且つ、大当たり当選以外である場合には、再度、通常状態にて特別図柄抽選を実行させ易くすることができるため、遊技者により有利な特別図柄種別とすることができる。
また、本第8制御例のように、基本的に第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが交互に実行され易くなるように構成し、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に不利な特別図柄抽選が実行されるように構成している場合には、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選の方が、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選よりも時短当選し難くなるように構成しても良い。このように構成することで、通常状態が設定された状態で最初に実行される特別図柄抽選が第2特別図柄抽選であったとしても、その後、通常状態を継続したまま第1特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。このように構成することで、例えば、不利時短状態を終了させ、不利時短状態よりも遊技者に有利となる通常状態が設定された場合に、遊技者に不利となる第2特別図柄抽選が1回実行されただけで再度不利時短状態が設定されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、図335(b)に示した通り、本第8制御例では、通常状態が設定されている場合のみ時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、他の遊技状態が設定されている場合であっても、時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しても良い。
例えば、時短状態のうち、遊技者に不利となる不利時短状態(特定の時短種別に時短当選した場合に設定される時短状態)が設定されている場合にも、時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、不利時短状態中に時短当選した場合には、即座に時短終了条件が成立する短縮時短状態が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、不利時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、不利時短状態を終了させるために、時短終了条件の成立を目指す遊技と、時短当選を目指す遊技と、を並行して実行させることができる。
それ以外にも、不利時短状態中に時短当選した場合には、大当たり遊技終了後に設定される時短状態(有利時短状態)へと移行するように構成しても良いし、有利時短状態中にも時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、有利時短状態中に時短当選した場合には、不利時短状態へと移行するように構成しても良い。
このように、既に時短状態が設定されている状況で時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、時短当選した場合に、設定されている時短状態とは有利度合いを異ならせた時短状態へと移行可能に構成することで、時短当選した方が良い期間(不利時短状態が設定されている期間)と、時短当選しない方が良い期間(有利時短状態が設定されている期間)と、を設けることができる。なお、本第8制御例では、通常状態中に時短当選することで、有利時短状態よりも不利時短状態が設定され易くなるように構成しているため、通常状態が設定されている期間は、時短当選しない方が良い期間となる。
この場合、例えば、時短当選の結果を遊技者に示唆するための演出の内容を、時短当選の結果に加え、設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成すると良く、時短当選した方が良い期間(不利時短状態が設定されている期間)にて時短当選した場合には、遊技者を祝福する演出態様を設定し、時短当選しない方が良い期間(有利時短状態が設定されている期間)にて時短当選した場合には、遊技者を落胆させる演出態様を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、同一の時短抽選の結果に対して、遊技者の有利度合いに対応させた演出態様で演出を実行することができるため、遊技者に分かり易く遊技を提供することができる。
図334(a)に戻り説明を続ける。変動パターン選択8テーブル202gbは、上述した第5制御例における変動パターン選択5テーブル202dbと同様に、特別図柄抽選の結果を示すために実行される特別図柄変動の変動パターンが規定されているデータテーブルであって、遊技状態として、確変状態、或いは時短状態が設定されている状態で参照されるデータテーブルとして、確変・時短用8テーブル202db2(図248(a)参照)に代えて確変・時短用8テーブル202db2(図336(a)参照)を設けている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図336(a)を参照して、確変・時短用8テーブル202db2の詳細な内容について説明をする。図336(a)は、確変・時短用8テーブル202db2に規定されている内容を模式的に示した図である。図336(a)に示した通り、確変・時短用8テーブル202db2には、獲得している特図保留数(特図1保留数、特図2保留数)に応じて異なる変動時間の変動パターンが規定されている点で相違している。
なお、図336(a)に示した通り、本第8制御例では、上述した各制御例と同様に、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動時間の変動パターンが規定されているが、変動種別カウンタCS1の値の各範囲に対して規定される変動パターンに関する図示を省略している。
具体的には、時短種別が「大当たり後時短(大当たり遊技終了後に設定される普通図柄の高確率状態)」中は、特図1保留数(0~4)、特図2保留数(0~4)の各値、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応して様々な変動パターンが規定されており、選択された変動パターンに応じて「5~90秒」の変動時間で特別図柄変動が実行されるように構成している。詳細な説明は省略するが、上述した各制御例と同様に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも長い変動時間(90秒)に対応する変動パターンが選択され易くなるように、変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄抽選の結果と、に対応付けて各種変動パターンが規定されている。
また、特図保留数が多い方が、少ない場合よりも短い変動時間(例えば5秒)に対応する変動パターンが選択され易くなるように、変動種別カウンタCS1の値と、特図保留数の値と、に対応付けて各種変動パターンが規定されている。
次に、時短種別が「時短A8」中は、特図1保留数が「0~2」で、特図2保留数が「0~2」の場合は、「5~90秒」の変動時間に対応した各種変動パターンが規定されており、特図1保留数が「0~2」で、特図2保留数が「3,4」の場合は、「5~60秒」の変動時間に対応した各種短変動パターンが規定されている。また、特図1保留数が「3」で、特図2保留数が「0~2」の場合は、「5~60秒」の変動時間に対応した各種短変動パターンが規定されており、特図1保留数が「3」で、特図2保留数が「3,4」の場合は、「5秒」の変動時間に対応した短変動パターンが規定されている。
さらに、また、特図1保留数が「4」で、特図2保留数が「0~2」の場合は、「5~60秒」の変動時間に対応した各種短変動パターンが規定されており、特図1保留数が「3」で、特図2保留数が「3,4」の場合は、「5秒」の変動時間に対応した短変動パターンが規定されている。
ここで、本第8制御例では、第1入球口64、第2入球口1641、右第2入球口1640へと遊技球が入球した順(入賞順)に対応させて特別図柄抽選を実行するように構成しており、獲得している特図1保留数と特図2保留数とに基づいて変動パターンを選択するように構成しており、各特図保留数が少ない場合よりも、多い場合のほうが、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、特図保留数を多く獲得している状態のほうが、短い変動時間で特別図柄抽選を実行させ易くすることができるため、特図1保留数と特図2保留数とが何れも上限数に到達する事態を発生させ難くすることができる。
このように構成することで、特図1保留数と特図2保留数とが何れも上限数に到達している状態で振り分けユニット1064へと遊技球を流入させ、振り分け部材900の位置を可変させることにより同一種別の特図保留を連続して獲得する遊技を行わせ難くすることができる。
なお、特図保留数が上限数に近い状態であっても、低確率(例えば、1/100)で比較的長い変動時間の変動パターンを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、一時的に特図保留数を上限数に到達させた状態で振り分けユニット1064へと遊技球を流入させ易い期間を創出することが可能となる。
次に、時短種別が「時短B8」中は、特図1保留数(0~4)、特図2保留数(0~4)の各値、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応して様々な変動パターンが規定されており、選択された変動パターンに応じて「5~60秒」の変動時間で特別図柄変動が実行されるように構成している。詳細な説明は省略するが、上述した各制御例と同様に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも長い変動時間(90秒)に対応する変動パターンが選択され易くなるように、変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄抽選の結果と、に対応付けて各種短変動パターンが規定されている。
時短種別選択8テーブル202gfは、時短当選した場合に設定される時短種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、上述した第5制御例における時短種別選択5テーブル202df(図248(b)参照)に代えて設けられているものである。
ここで、図336(b)を参照して、時短種別選択8テーブル202gfの詳細な内容について説明をする。図336(b)は、時短種別選択8テーブル202gfに規定されている内容を示した図である。
図336(b)に示した通り、本第8制御例では、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選し得るように構成しており(図335(a)参照)、時短種別の選択割合を、第1特別図柄抽選で時短当選した場合と、第2特別図柄抽選で時短当選した場合とで異ならせるように構成している。
具体的には、図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」の場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~95」の範囲に対して時短種別「時短A8a」が、「96~99」の範囲に対して時短種別「時短B8」が規定されており、図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」の場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~98」の範囲に対して時短種別「時短A8b」が、「99」の値に対して時短種別「時短B8」が規定されている。
ここで、本第8制御例では、時短種別として「時短A8(時短A8a、時短A8b)」が設定された場合には、通常状態よりも遊技者に不利となる不利時短状態が設定され、「時短B8」が設定された場合には、通常状態よりも遊技者に有利となる有利時短状態が設定されるように構成している。なお、不利時短状態における各種制御内容、即ち、通常状態よりも遊技者に不利となるように普通図柄の高確率状態中の遊技を実行する制御内容については、上述した各制御例において説明をした各技術を採用するため、その詳細な説明を省略するが、例えば、普通図柄抽選で当たり当選する確率は通常状態よりも高確率となるが、実行される普図当たり遊技の開放パターンが遊技球を右第2入球口1640へと入球させることが困難となる開放パターンで実行されたり、普通図柄の変動時間として通常状態よりも長い変動時間が選択され易く構成したりすれば良い。
また、通常状態よりも遊技者に不利となる不利時短状態の定義としては、特別図柄抽選を通常状態よりも実行させ難くすることで遊技者に不利とする技術思想は勿論のこと、特別図柄抽選の実行のし易さは同等、或いは、若干通常状態のほうが実行し難い場合であっても、実行される特別図柄抽選に基づいて付与される特典を遊技者に不利とする技術思想も勿論含まれる。
「時短A8a」が設定された場合、即ち、特図1抽選で時短当選した場合の95%は、不利時短状態が設定される。そして、不利時短状態の終了条件として、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数が100回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、時短状態が設定された後に実行される特別図柄抽選が特図1抽選である場合に成立する第2時短終了条件と、が設定される。つまり、特図1保留を2個連続で獲得している場合、即ち、特図1抽選が連続して実行される場合において、第2時短終了条件が成立するように構成している。
このように構成することで、特図1抽選で時短当選し不利時短状態が設定された場合には、その時短当選した特図1抽選の次に実行される特別図柄抽選の種別が特図1抽選である場合には、不利時短状態中に実行される1回目の特図抽選によって不利時短状態を終了させ、通常状態を設定することができる。よって、遊技者に対して、第1時短終了条件が成立するよりも前に第2時短終了条件が成立することを目指して遊技を行わせることができる。
なお、本第8制御例では、不利時短状態中に実行される1回目の特図抽選の種別に応じて第2時短終了条件が成立し得るように構成しているが、第1時短終了条件が成立するよりも前に、実行される特別図柄抽選の実行順序に応じて成立し得るものであれば、それ以外の内容を第2時短終了条件として規定しても良い。
例えば、不利時短状態中において所定の規則に従って複数の特図抽選が実行された場合に成立する第2時短終了条件を規定しても良いし、連続する複数の特図抽選の結果や、連続する複数の特図抽選の結果を示すための特別図柄変動の各変動パターンが所定の規則に該当する場合に成立する第2時短終了条件を規定しても良い。このように構成することで、どのタイミングで第2時短終了条件が成立し、不利時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができる。
つまり、図336(b)に示した通り、本第8制御例では、特図1(第1特別図柄)抽選で時短当選した場合の方が、特図2(第2特別図柄)抽選で時短当選した場合よりも、遊技者に有利となる有利時短状態が設定され易くなる(時短B8を選択し易くなる)ように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される特別図柄抽選の種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
図334(b)は、本第8制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を示した図である。図334(b)に示した通り、上述した第5制御例におけるRAM203(図244(b)参照)に対して、変動実行フラグ203ga、変動順格納エリア203gb、時短短縮フラグ203gcを追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動実行フラグ203gaは、第1特別図が優先に変動されるか、第2特別図柄が優先に変動されるかを示すフラグである。なお、このフラグは、電断時にもバックアップされる領域であり、RAMクリア等された初期状態では、第1特別図柄が優先に設定されている。
変動順序格納エリア203gbは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと、第2特別図柄保留球格納エリア203bと、に記憶されている各保留データ(保留図柄)について入賞順序を記憶するエリアである。この変動順序格納エリア203gbには、8個の記憶エリアが設定されており入賞した順に先の記憶エリアに順序が記憶される。なお、特別図柄の変動開始に基づいて、記憶エリアもシフトされる。
時短短縮フラグ203gcは、遊技者に不利となる時短状態である不利時短状態(時短種別「時短A8」が設定される時短状態)を短縮させることが可能な期間であることを示すためのフラグであって、不利時短状態を短縮させることが可能な期間である場合にオンに設定される。この時短短縮フラグ203gcがオンに設定されている間は、不利時短状態を短縮させるための条件(第2時短終了条件)の成立有無を判別するための処理が実行される。
次に、図337、及び、図338を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第5制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図337(a)を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図337(a)は、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図337(a)に示した通り、本第8制御例におけるROM222は、上述した第5制御例におけるROM222(図249(a)参照)に対して、先読み保留態様選択テーブル222gaを追加した点で相違している。
先読み保留態様選択テーブル222gaは、獲得した特図保留に対する先読み結果を示すための演出(先読み演出)として実行される先読み保留演出(図333(a)参照)における保留図柄の表示態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第8制御例では、先読み処理を実行することにより、通常状態中に実行される特別図柄抽選に対応する特図保留を特定可能に構成し、その特図保留に対して先読み保留演出を実行可能に構成している。
ここで、図338を参照して先読み保留態様選択テーブル222gaの詳細な内容について説明をする。図338は、先読み保留態様選択テーブル222gaに規定されている内容を模式的に示した図である。図338に示した通り、先読み保留態様選択テーブル222gaには、先読み保留演出の対象となる特図保留に対応する特図種別と、その特図保留に対応する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて保留図柄の表示態様が決定されるように各パラメータが規定されている。
具体的には、特図種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、先読み結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「2つ星」が、「80~99」の範囲に対して「3つ星」が、それぞれ保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短B8」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「2つ星」が、「50~99」の範囲に対して「1つ星」が、それぞれ保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短A8a」、或いは、「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に対して「1つ星」が保留図柄の表示態様として規定されている。
つまり、先読み保留演出の対象となる保留図柄の表示態様として、表示される星の数が多くなるほど、遊技者に有利となる特別図柄抽選が通常状態において実行されることを遊技者に示唆可能な先読み保留演出が実行されるように構成している。
なお、本第8制御例では、先読み保留態様選択テーブル222gaを用いて選択された表示態様が、そのまま対象となる保留図柄の表示態様となるように表示用コマンドを設定し、通常の表示態様から、先読み保留演出の演出結果を示す表示態様へと保留図柄の表示態様が可変するように構成しているが、これに限ること無く、図338を参照して選択された表示態様を、先読み保留演出の最終演出結果として一時的に記憶し、先読み保留演出として、最終的に記憶されている最終演出結果となるように段階的に先読み保留演出の対象となる特図保留の表示態様を可変させるように先読み保留演出を実行するように構成しても良い。この場合、例えば、先読み保留演出の対象となる特図保留に対応する特別図柄抽選よりも前に特別図柄抽選が実行される毎に先読み保留演出の対象となる特図保留の表示態様が可変されるように構成すると良く、この場合、先読み保留演出が実行されてから実際に対象となる特図保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまでの間に、多くの特別図柄抽選が実行される場合の方が、少ない場合よりも最終演出結果に対応する表示態様へと保留図柄の表示態様を可変させ易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、常に多くの特図保留を獲得しておこうと意欲的に遊技を行わせることができる。また、先読み保留演出が実行される時点において獲得済みの特図保留数に基づいて、先読み保留演出の演出結果を異ならせ易くすることができるため、例えば、獲得済みの特図保留数に応じて、先読み保留演出の実行有無を判別したり、先読み保留演出の演出結果の内容を可変させること無く、バリエーションに富んだ先読み保留演出を実行し易くすることができる。
特図種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、先読み結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に対して「2つ星」が保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短B8」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~29」の範囲に対して「2つ星」が、「30~99」の範囲に対して「1つ星」が、それぞれ保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短A8b」、或いは、「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の範囲に対して「1つ星」が保留図柄の表示態様として規定されている。
本第8制御例では、図335(a)及び図336(b)を参照して上述した通り、通常状態において実行される特別図柄抽選のうち、第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利な特別図柄抽選が実行されるように構成しており、図338に示した通り、先読み保留演出も、対象となる特図保留が特図1保留である場合の方が、特図2保留である場合よりも、遊技者に有利な演出結果(星の数が多い表示態様)となり易くなるように構成している。
このように構成することで、先読み保留演出の演出結果と、演出対象となる特図保留の種別と、を参照することで先読み結果をより詳細に予測させることが可能となる。
なお、本第8制御例では、図333に示した通り、獲得済みの特図保留の種別を遊技者が把握可能となるように、特図1保留に対応する保留図柄と、特図2保留に対応する保留図柄と、が異なる表示態様で表示されるように構成しているが、これに限ること無く、特図1保留に対応する保留図柄と、特図2保留に対応する保留図柄とで同一の表示態様、或いは、遊技者が視認困難な程度の差の表示態様で表示するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで第2時短終了条件が成立するのかを遊技者に予測させ難くすることができると共に、先読み保留演出の表示態様に基づいて先読み結果を予測させ難くすることができる。よって、先読み保留演出に対象となる特図保留に対応する特別図柄抽選が実際に実行されるまで遊技者に継続して遊技に興味を持たせ続けることができる。
さらに、本第8制御例では、通常状態中に実行される特別図柄抽選に対応する特図保留に対してのみ先読み保留演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、時短状態(不利時短状態)中に実行される特別図柄抽選に対応する特図保留に対しても先読み保留演出と同等の演出(疑似先読み保留演出)を実行可能に構成しても良い。
この疑似先読み保留演出を実行する場合には、先読み保留演出と同様に特定の保留図柄に対して表示態様を決定し、図333(a)に示した通り、特定の保留図柄の表示態様を可変させた疑似先読み保留演出を実行する。そして、疑似先読み保留演出の対象となる特定の保留図柄に対応する特別図柄抽選が実行された場合に、その特図変動期間中に実行される演出として、疑似先読み保留演出が実行されていたことを遊技者に報知するための疑似先読み保留演出の演出結果を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、不利時短状態が長時間継続する場合においても、先読み保留演出と同等の疑似先読み保留演出を実行することで遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供し易くすることができる。また、この場合、先読み結果が大当たり当選である特図保留に対応する保留図柄の方が、先読み結果が大当たり当選では無い特図保留に対応する保留図柄よりも疑似先読み保留演出の対象となり易くなるように構成すると良い。これにより、疑似先読み保留演出が実行されていたことを遊技者に報知するための疑似先読み保留演出の演出結果が表示された場合であっても、大当たり当選している可能性を高めることができるため遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図337(b)を参照して、本第8制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図337(b)は、本第8制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。
図337(b)に示した通り、本第8制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図249(b)参照)に対して、振り分け状態格納エリア223ga、保留態様格納エリア223gb、不利時短中フラグ223gcを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
振り分け状態格納エリア223gaは、振り分けユニット1064内に設けられた振り分け部材900の位置(振り分け状態)を示すための情報を記憶する記憶エリアである。この振り分け状態格納エリア223gaには、次に振り分けユニット1064へと流入した遊技球が第1入球口64、第2入球口1641の何れに入球するのかを特定するための情報が記憶される。
本第8制御例では、図331(a)に示した通り、振り分けユニット1064の通過口1064bを通過した遊技球を検知するための検知手段として入球センサ1064aが設けられており、音声ランプ制御装置113が入球センサ1064aの検知結果を判別可能に構成している。そして、主制御装置110から出力される入賞コマンドと、入球センサ1064aの検知結果とに基づいて、振り分け部材900の位置(振り分け状態)を特定可能に構成し、その特定結果に応じた画像アイコンを第3図柄表示装置81の表示面に表示可能に構成している(図333(b)の表示領域Dm18参照)。
これにより、遊技者に対して、次に振り分けユニット1064へと遊技球を流入させた場合に、何れの入球口(第1入球口64、第2入球口1641)へと遊技球が誘導されるのかを遊技者に把握させ易くすることができる。
よって、例えば、大当たり遊技中に複数の遊技球を振り分けユニット1064へと流入させるための左打ち遊技を実行し、振り分け部材900の位置(振り分け状態)に応じて表示される画像アイコンの態様から次に振り分けユニット1064へと流入した遊技球が何れの入球口(第1入球口64、第2入球口1641)へと入球するかを判別することで、既に獲得済みの特図保留のうち最後に獲得した特図保留(入賞情報格納エリア223bの記憶領域のうち、8個目の記憶領域に入賞情報が記憶されている特図保留)に対応する特別図柄種別と同一の特別図柄種別の抽選権利を獲得可能な入球口へと遊技球が誘導される振り分け状態を創出させ易くすることができる。
なお、本第8制御例では、入球センサ1064aの検知結果と、入賞コマンドに含まれる情報とに基づいて振り分け部材900の位置(振り分け状態)を特定可能に構成しているがこれに限ること無く、振り分け部材900の位置(振り分け状態)を直接検知可能な検知手段を設けても良い。
保留態様格納エリア223gbは、先読み保留演出により設定された保留態様を一時的に記憶しておくための記憶領域であって、先読み保留態様選択テーブル222gaを参照して選択された保留態様(表示態様)が、対応する特図保留を特定するための情報と共に記憶される。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図346参照)にて実行される保留個数表示更新処理(図346のS4106参照)において、記憶された情報が読み出される。
また、詳細な説明は省略するが、保留態様格納エリア223gbに情報が記憶されている期間は、新たな先読み保留演出の実行を制限するように構成している。つまり、先読み保留演出が実行されている期間は、獲得している特図保留が全て消化されるまでに時短状態が終了し、通常状態が設定される状態であるため、それ以降に実行される特図抽選に基づいて遊技状態が移行することを先読みしてしまうと、先読み結果と実際の遊技状態移行とが相違する可能性が高くなり、遊技者に対して信頼度の高い演出を実行し難くなるため、先読み保留演出の実行中は、実行中の先読み保留演出の対象となる特図保留以降の特図保留の先読み結果に基づいて遊技状態の移行内容を特定する処理を実行しないように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
不利時短中フラグ223gcは、時短状態のうち不利時短状態が設定されていることを示すためのフラグであって、時短種別「時短A8a」、又は「時短A8b」が設定された場合にオンに設定される。そして、入賞コマンド処理8(図351のS4292参照)において、ロング開放当たり遊技が実行されることを示す普図用入賞情報コマンドを受信した場合に、不利時短中フラグ223gcの設定状況が判別され(図351のS4451)、オンに設定されていると判別した場合に(図351のS4451:Yes)、普図ロング開放当たり遊技(電チューロング開放)が実行されることを示唆するための演出に対応した表示用コマンドが設定される(図351のS4405)。これにより、図332に示した通り、不利時短状態を終了させるための第2時短終了条件が成立し易い状態となることを遊技者に分かり易く報知することができる。そして、不利時短状態が終了したことを示す状態コマンドを受信したと判別した場合に(図348のS9051:Yes)、オフに設定される(図348のS9052)。
<第8制御例における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図339から図345を参照して、本第8制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第8制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の実行順序を決定する処理と、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立したか否かの判定を行う処理と、遊技球が始動入賞した場合に実行される処理と、の内容を異ならせている。
具体的には、特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に代えて特別図柄変動処理8(図339のS10154参照)を、始動入賞処理5(図258のS195参照)に代えて始動入賞処理8(図344のS10195参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図339を参照して、特別図柄変動処理8(S10154)の内容について説明をする。図339は、特別図柄変動処理8(S10154)の処理内容を示したフローチャートである。図339に示した通り、特別図柄変動処理8(S10154)は、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に対して、新たな特別図柄変動を開始させるために実行される処理の内容と、実行中の特別図柄変動が停止表示する際に実行される処理の内容と、を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理8(S10154)が実行されると、まず、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一のS201~S203の処理が実行される。その後、変動実行判定処理8(S10251)を実行する。この変動実行判定処理8(S10251)の詳細については、図340を参照して後述するが、新たに実行する特別図柄変動の種別を判定するための処理が実行される。
S10251の処理を終えると、次に、新たに実行される特別図柄変動の種別が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S10252)、特図2であると判別した場合は(S10252:Yes)、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一のS205~S207、及び、S251,S252の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S10252の処理において、特図2では無いと判別した場合は(S10252:No)、次に、新たに実行される特別図柄変動の種別が特図1(第1特別図柄)であるかを判別し(S10253)、特図1であると判別した場合は(S10253:Yes)、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一のS211~S213、及び、S251,S252の処理を実行し、本処理を終了する。また、S10253の処理において、特図1では無いと判別した場合は(S10253:No)、そのまま本処理を終了する。
また、S202の処理において、変動中であると判別した場合は(S202:Yes)、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一の処理に対して、更新処理5(図252のS253)に代えて更新処理8(S10254)を実行し、時短設定処理5(図252のS254)に代えて時短設定処理8(S10255)を実行し、本処理を終了する。
次に、図340を参照して、特別図柄変動処理8(図339のS10154参照)にて実行される変動実行判定処理8(S10251)の詳細な説明をする。図340は、変動実行判定処理8(S10251)の処理内容を示したフローチャートである。この変動実行判定処理8(S10251)は、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる特別図柄変動を、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理8(S10251)では、まず、変動実行フラグ203gaに0を設定することで、初期化を行い(S10271)、変動順格納エリア203gbのデータを取得する(S10272)。その後、変動順格納エリア203gbのデータをシフトする(S10273)。S310273の処理では、変動順格納エリア203gbの第1エリア~第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→保留第3エリア、第5エリア→第4エリア、第6エリア→第5エリア、第7エリア→保留第6エリア、第8エリア→保留第7エリア、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアのデータが特図1(1)であるか否かを判定する(S10274)。
S10274の処理にて、実行エリアのデータが特図1(1)であると判定された場合(S10274:Yes)、変動実行フラグ203gaを特図1で変動実行(1)に設定し(S10275)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、実行エリアのデータが特図1(1)でないと判定された場合(S10274:No)、実行エリアのデータが特図2(2)であるか否かを判定する(S10276)。S10276の処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)であると判定された場合(S10276:Yes)、変動実行フラグ203gbを特図2で変動実行に設定し(S10277)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
S10276の処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)でないと判定された場合(S10276:No)、変動実行する保留球が無いため、変動実行フラグ203gbが初期状態のまま、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
上述した通り、変動実行判定処理8(S10251)を実行することで、変動順格納エリア203gbに格納されている各種保留記憶(特図保留)を、格納した順に特別図柄変動させることができる。
次に、図341を参照して、時短抽選処理8(S8076)の処理内容について説明をする。図341は、時短抽選処理8(S8076)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理8(S8076)は、特別図柄変動処理8(図339のS10154参照)の特別図柄判定処理5(図253のS251参照)にて実行される時短抽選処理5(図254のS8006参照)に代えて実行されるものであって、時短抽選(時短当選の判定)を実行するための条件を遊技仕様に対応させて変更している点で相違している。
具体的には、時短抽選処理8(S8076)が実行されると、今回実行される特別図柄変動の種別に関わらず(時短抽選処理5(図254参照)にて実行される特別図柄変動の種別を判別するためのS8101の処理を実行すること無く)、上述した時短抽選処理5(図254のS8101参照)と同一のS8103~S8106の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、本第8制御例では、図335(b)を参照して上述した通り、特別図柄の種別に関わらず、通常状態が設定されている場合には時短抽選(時短当選の判定)を実行するように構成しているため、時短抽選処理8(S8076)では、新たに実行される特別図柄変動の種別に関わらず、新たに特別図柄変動が実行される時点の遊技状態のみを判別して時短抽選(時短当選の判定)を実行するか否かを判定している。
このように、時短抽選処理8(S8076)では、時短抽選(時短当選の判定)の実行条件(時短抽選実行条件)が成立しているか否かを判定する処理と、時短抽選実行条件が成立している場合に時短抽選(時短当選の判定)を実行する処理と、を実行するように構成しているが、時短抽選実行条件が成立しているか否かを判定する処理の内容は、パチンコ機10の遊技仕様に応じて適宜変更すれば良く、例えば、通常状態に加えて、特定の遊技状態(例えば、不利時短状態等)で設定されている場合にも時短抽選を実行するように構成した場合には、S8103の処理に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別する処理を加えれば良い。
次に、図342を参照して、更新処理8(S273)の処理内容について説明をする。図342は、更新処理8(S273)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理8(S273)は、上述した第5制御例における更新処理5(図256のS253参照)に対して、時短終了条件が成立したかを判別するための処理として新たな処理を追加した点で相違している。
具体的には、更新処理8(S273)が実行されると、まず、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されているかを判別し(S8351)、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されていると判別した場合は(S8351:Yes)、時短短縮フラグ203gcをオフに設定し(S8352)、次いで、時短終了条件が成立しているかを判別し(S8353)、時短終了条件が成立していると判別した場合は(S8353:Yes)、時短カウンタ203hの値を0にリセットし(S8354)、時短短縮を示すコマンドを決定し(S8355)、その後、上述した更新処理5(図342のS253参照)と同一のS8301~S8306の処理を実行し、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値、各種値を更新した後の遊技状態、時短短縮の有無を示す状態コマンドを設定し(S8356)、本処理を終了する。
また、S8351の処理において、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されていない場合(S8351:No)、S8353の処理において、時短終了条件が成立していないと判別した場合(S8353:No)は、そのままS8301の処理へ移行し、上述した更新処理5(図342のS253参照)と同一のS8301~S8306の処理を実行し、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値、各種値を更新した後の遊技状態、時短短縮の有無を示す状態コマンドを設定し(S8356)、本処理を終了する。
更新処理8(S273)にて示した通り、本第8制御例では、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されている場合、即ち、時短種別「時短A8」が設定される不利時短状態が設定された場合において、不利時短状態が設定されてから所定期間の間のみ、特殊な時短終了条件が成立し得るように構成しており、その期間限定で成立し得る時短終了条件が成立したか否かを判別可能に構成している。
具体的には、時短抽選によって時短当選し不利時短状態が設定された場合には、時短当選した特別図柄種別と同一種別の特別図柄変動が、時短状態(不利時短状態)が設定されてから1回目の特別図柄変動として実行された場合に時短終了条件が成立するように構成している。このように構成することで、不利時短状態を短縮して終了させることが可能となるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図343を参照して、時短設定処理8(S10255)の処理内容について説明をする。図343は、時短設定処理8(S10255)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理8(S10255)は、上述した時短設定処理5(図257のS254参照)に対して、時短当選した場合に時短短縮フラグ203gcをオンに設定する処理(S8371)を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。
具体的には、上述した時短設定処理5(図257のS254参照)と同一のS8351,S8352の処理を実行した後、時短短縮フラグ203gcをオンに設定し(S8371)、その後、S8353,S8354の処理を実行し、本処理を終了する。
このように構成することで、時短状態が設定される場合のうち、時短当選した場合のみ(時短抽選に当選した場合のみ)時短短縮フラグ203gcがオンに設定されるため、更新処理8(図342のS273参照)にて時短状態を短縮させるための時短終了条件(第2時短終了条件)が成立したか否かの判別処理が無用に実行される(時短種別「時短A8」が設定されることの無い大当たり当選に基づいて設定された時短状態(遊技時短状態)中に実行される)ことを抑制することができる。
なお、図343に示した通り、本第8制御例では、時短当選した場合に必ず時短短縮フラグ203gcがオンに設定されるように構成しているが、これに限ること無く、不利時短状態(時短種別「時短A8」)が設定されたか否かを判別し、不利時短状態(時短種別「時短A8」)が設定されたと判別した場合に時短短縮フラグ203gcをオンに設定するように構成しても良い。
次に、図344を参照して始動入処理8(S10195)の処理内容について説明をする。図344は始動入処理8(S10195)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入処理8(S10195)は、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)に対して、変動順格納エリア203gbに情報を格納する処理を追加した点と、先読み処理の処理内容を変更した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、始動入処理8(S10195)が実行されると、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)と同一のS601~S651の処理を実行し、S651の処理を終えた後に、変動順格納エリア203gbの最初のエリアへ特図1(1)を設定し(S671)、S607の処理へ移行する。なお、S671の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球カウンタ203eの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203gbに設定された値を上述した変動実行判定処理8(S10251)にて判別することにより、本第8制御例のように始動口が第1特別図柄を変動させるものと、第2特別図柄を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、始動口に入賞した順序で変動を開始させることができる。
次いで、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)と同一のS607~S652の処理を実行する。S652の処理を終えると、変動順格納エリア203gbの最初のエリアへ特図2(2)を設定し(S672)、先読み処理8を実行し(S673)、本処理を終了する。なお、S672の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球カウンタ203eの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203gbに設定された値を上述した変動実行判定処理8(S10251)にて判別することにより、本第8制御例のように始動口が第1特別図柄を変動させるものと、第2特別図柄を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、始動口に入賞した順序で変動を開始させることができる。
次に、図345を参照して、先読み処理8(S673)の処理内容について説明をする。図345は、先読み処理8(S673)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理8(S673)では、上述した第5制御例における先読み処理5(図259のS653参照)に対して、先読みされた入賞情報に対応する特別図柄抽選が実行される場合の遊技状態を特定し、その特定した情報(当該保留変動時における遊技状態を示す情報)を含む入賞コマンドを設定するように構成している点で相違し、それ以外は同一であるためその詳細な説明を省略する。
次に、図346~図355を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本第8制御例では、上述した第5制御例に対して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図346参照)にて実行される処理として、液晶演出実行管理処理8(図354のS4181)と、先行入賞検出処理8(図355のS4182)と、コマンド判定処理8(図347のS4183参照)と、変動表示設定処理8と、を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図346を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理の処理内容について説明をする。図346は、メイン処理の処理内容を示したフローチャートである。図346に示した通り、本第10制御例では、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理に対して液晶演出実行管理処理8(図354のS4181)と、先行入賞検出処理8(図355のS4182)と、コマンド判定処理8(図347のS4183参照)と、変動表示設定処理8と、を実行する点で相違した処理が実行される。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図347を参照して、コマンド判定処理8(S4183)の処理内容について説明をする。図347は、コマンド判定処理8(S4183)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理8(S4183)では、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図262のS4182参照)に対して、状態コマンド受信処理5(S4282)に代えて状態コマンド受信処理8(図348のS4291参照)を、入賞コマンド処理(S4212参照)に代えて入賞コマンド処理8(図351のS4292参照)を、大当たり関連処理(S4218)に代えて大当たり関連処理8(S4293)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図348を参照して、状態コマンド受信処理8(S4291)の処理内容について説明をする。図348は、状態コマンド受信処理8(S4291)の処理内容を示したフローチャートである。図348に示した通り、状態コマンド受信処理8(S4291)では、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)に対して、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が通常状態へと変更されたと判別した場合(S9003:Yes)に実行される処理内容と、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)に実行される処理内容と、を異ならせている点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。
状態コマンド受信処理8(S4291)が実行されると、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)と同一のS9001からS9003の処理が実行される。そして、S9003の処理において、遊技状態が通常状態へと変更されたと判別した場合(S9003:Yes)は、次に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別し(S9051)、オンに設定されていると判別した場合(S9051:Yes)は、不利時短中フラグ223gcをオフに設定し(S9052)、通常状態演出設定処理8を実行し(S9053)、本処理を終了する。一方、S9051の処理において、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されていないと判別した場合は(S9051:No)、S9052の処理をスキップして、本処理を終了する。なお、通常状態演出設定処理8(S9053)の詳細な内容については、図349を参照して後述する。
S9003の処理において、通常状態へと変更されていないと判別した場合は(S9003:No)、次に、遊技状態が時短状態へと変更されたかを判別し(S9005)、変更されていないと判別した場合は(S9005:No)、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)と同一のS9007~S9010の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S9005の処理において、時短状態に変更されたと判別した場合は、時短状態演出設定処理8を実行し(S9054)、その後、本処理を終了する。ない、時短状態演出設定処理8(S9054)の内容については、図350を参照して後述する。
次に、図349を参照して、状態コマンド受信処理8(図348のS4291)にて実行される通常状態演出設定処理8(S9053)の処理内容について説明をする。図349は、通常状態演出設定処理8(S9053)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理8(S9053)は、上述した通常状態演出設定処理(図264のS9004)に対して、不利時短状態から通常状態へと移行した場合における処理内容を追加した点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
通常状態演出設定処理8(S9053)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから今回設定された遊技状態の前に設定されていた遊技状態(変更前の遊技状態)を読み出し(S9101)、変更前の遊技状態が不利時短状態であるかを判別する(S9151)。S9151の処理において、不利時短状態であると判別した場合は(S9151:Yes)、チャンス変動に対応する演出モード用表示コマンドを設定し(S9152)、本処理を終了する。一方、S9151の処理において、不利時短状態では無いと判別した場合は(S9151:No)、上述した通常状態演出設定処理(図264のS9004参照)と同一のS9102~S9104の処理を実行し、本処理を終了する。
S9152に処理において演出モード用表示コマンドを設定することにより、不利時短状態の時短終了条件が成立したことに基づいて通常状態が設定されたことを示す表示態様で第3図柄表示装置81の表示画面の背景画像が表示される。これにより、次に実行される特別図柄変動が、通常状態にて実行される特別図柄変動(抽選)であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図350を参照して、状態コマンド受信処理8(図348のS4291)にて実行される時短状態演出設定処理8(S9054)の処理内容について説明をする。図350は、時短状態演出設定処理8(S9054)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理8(S9054)は、上述した時短状態演出設定処理(図266のS900参照)に対して、通常状態から時短状態へと移行した場合における処理内容を変更している点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短状態演出設定処理8(S9054)が実行されると、まず、時短状態演出設定処理(図266のS900参照)と同一のS9301~S9304の処理を実行する。そして、S9304の処理において、変更前の遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S9304:Yes)、今回受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9305)、その後、今回設定された時短状態の時短種別が時短A8であるかを判別し(S9381)、時短A8であると判別した場合は(S9381:Yes)、不利時短中フラグ223gcをオンに設定し(S9382)、不利時短中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9383)、本処理を終了する。一方、S9381の処理において、今回設定された時短状態の時短種別が時短A8では無いと判別した場合は(S9382:Yes)、S9382,S9383の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図351を参照して入賞コマンド処理8(S4292)の処理内容について説明をする。図351は、入賞コマンド処理8(S4292)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理8(S4292)は、上述した入賞コマンド処理(図177のS4212参照)に対して、普図用入賞情報コマンドを受信した場合における処理内容と、特図用入賞情報コマンドを受信した場合における処理内容と、を変更した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、その詳細な内容の説明を省略する。
入賞コマンド処理8(S4292)が実行されると、まず、上述した入賞コマンド処理(図177のS4212参照)と同一のS4401~S4403の処理を実行する。そして、S4403の処理において、当たり情報ありと判別した場合、即ち、今回受信した普図用入賞情報コマンドに普通図柄抽選で当たり当選することを示す当たり情報が含まれていると判別した場合(S4403;Yes)は、次に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別し(S4451)、オンに設定されていると判別した場合(S4451:Yes)は、電チューロング開放を示唆するための表示用コマンドを設定する(S4405)。
つまり、本第8制御例では、不利時短状態が設定されている状態にて獲得した普図用入賞情報の中に、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す情報(特定の普図当たり情報)が含まれている場合に、遊技者に対して普図ロング開放当たり(電チューロング開放)を示唆するための演出が実行されるように構成している。このように構成することで、不利時短状態の遊技を実行している遊技者に対して、連続して同一種別の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)を実行させることが可能な機会が訪れることを、実際に普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前に報知することができるため、不利時短状態が終了する(短縮される)ことを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、本第8制御例のように、不利時短状態が設定されている場合に実行される遊技方法(左打ち遊技)と、普図ロング開放当たり遊技中に実行される遊技方法(右打ち遊技)と、を異ならせるように遊技盤13が構成されているパチンコ機10においては、実際に普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前から普図ロング開放当たり遊技が実行されることを遊技者に報知可能とすることで、遊技者に対して遊技方法を変更させるための猶予期間を設定することができるため、遊技者に対して、普図ロング開放当たり遊技に対応する遊技を実行させ易くすることができる。
なお、本第8制御例では、普通図柄に関する入賞情報コマンドを受信したことに基づいて普図ロング開放当たり(電チューロング開放)を示唆するための演出が実行されるように構成している。つまり、普図ロング開放当たりに当選する普通図柄抽選が実行されるよりも前に遊技者に対して普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示唆可能に構成しているが、これに限ること無く、普図ロング開放当たりに当選する普通図柄抽選が実行されてからその抽選結果が停止表示されるまでの期間(普図当たり変動期間)を用いて遊技者に対して普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示唆可能に構成しても良い。
さらに、普通図柄に関する入賞情報コマンドを受信する毎に普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す情報が含まれているかを判別し、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す情報が含まれていると判別した場合において、その普図ロング開放当たり遊技が実行されるまでの期間を算出可能な算出手段を設け、その算出手段により算出された期間に基づいて、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを遊技者に示唆するための演出が実行される期間を決定するように構成しても良い。この場合、例えば、普図当たり変動期間が所定期間(例えば、10秒)よりも短い場合には、普図当たり変動が実行されるよりも前の段階、例えば、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す普通図柄に関する入賞情報コマンドを受信した段階から演出を実行可能に構成すれば良い。
次に、図352を参照して、入賞コマンド処理8(図351のS4292参照)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)の処理内容について説明をする。図352は、特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)の処理内容を示したフローチャートである。この特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)は、特別図柄に関する入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であって、入賞情報コマンドに含まれている情報、例えば、当たり当選を示すための情報に基づいて、その入賞情報に対応する特別図柄抽選が実行されるよりも前にその入賞情報コマンドに含まれる情報を遊技者に示唆するための演出(先読み演出)の演出態様を設定するための処理が実行される。
本第8制御例では、この特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)を実行することにより、入賞情報コマンドに含まれている当たり当選を示すための情報に対応させて保留図柄の表示態様を可変させたり、入賞情報コマンドに含まれている特別図柄種別を示すための情報に対応させて保留図柄の表示態様を可変させたりすることができる。
さらに、本第8制御例では、特定の遊技状態(通常状態)にて実行される特別図柄抽選に対応する特図保留がどれであるかを遊技者に示唆可能とするために、特別図柄に関する入賞情報コマンドを受信した場合において、受信した入賞情報コマンドに対応する特別図柄抽選が実行される際の遊技状態を事前に判別可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される特図保留の表示態様を確認することで、遊技者に対して、特図保留に対応する特別図柄抽選が実行される際の遊技状態を遊技者に予測させることができる。
具体的には、特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出(特定)し(S4501)、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別する(S4551)。時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4551:Yes)、次に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別し(S4552)、オンに設定されていると判別した場合(S4552:Yes)、即ち、今回受信した入賞情報コマンドが、不利時短状態中に受信した入賞情報コマンドである場合には、不利時短状態を終了させるための時短終了条件の成立有無を予測し(S4553)、S4553の処理にて予測された時短終了条件の成立有無の結果に基づいて、時短終了条件が成立するか(今回受信した入賞情報コマンドに対応する特別図柄抽選が通常状態にて実行される特別図柄抽選であるか)を判別する(S4554)。
S4554の処理において、通常状態にて実行される特別図柄抽選であると判別した場合は(S4554:Yes)、先読み保留態様選択テーブル222gaを参照して対応する保留図柄の表示態様(星の数)を決定し(S4555)、決定した保留態様(保留図柄の表示態様)を示すための情報を保留態様格納エリア223gbに格納する(S4556)。そして、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいて表示用コマンド(S4555の処理において決定された表示態様を示すための表示用コマンドも含む)を設定し(S4507)、本処理を終了する。
一方、S4551の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きく無いと判別された場合(S4551:No)、S4552の処理において、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されていないと判別された場合(S4552:No)、S4554の処理において、時短終了条件が成立しないと判別された場合(S4554:No)はそのままS4507の処理へ移行する。
次に、コマンド判定処理8(図347のS4183参照)にて実行される大当たり関連処理8(S4293)について説明をする。この大当たり関連処理8(S4293)では、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)に対して、エンディングコマンドを受信したと判別した場合(図180のS4714:Yes)に実行されるエンディング処理(図180のS4715参照)に代えて、エンディング処理8(S4293)を実行する点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。ここで、図353を参照して、エンディング処理8(S4293)にて実行される処理内容について説明をする。図353は、エンディング処理8(S4293)の処理内容を示したフローチャートである。
エンディング処理8(S4293)では、上述したエンディング処理(図181のS4715参照)に対して、大当たり遊技終了後(小当たり遊技終了後)の1回目に実行される特別図柄抽選の種別を、遊技者に報知するための次回変動特図種別報知演出の演出態様を設定するための処理を追加した点で相違している。
具体的には、図353に示した通り、エンディング処理8(S4293)が実行されると、上述したエンディング処理(図181のS4715参照)と同一のS4801~S4803の処理を実行した後に、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報に基づいて次回変動の特図種別(特別図柄種別)を読み出し(S4851)、読み出した特図種別を示すための表示用コマンドを設定する(S4852)。そして、エンディング表示の実行を設定し(S4804)、本処理を終了する。
S4852の処理において読み出した特図種別を示すための表示用コマンドを設定することにより、図333(b)に示した通り、大当たり遊技終了後1回目に実行される特別図柄抽選の特図種別を遊技者に示すための表示態様を表示することが可能となる。また、S4851の処理において、入賞情報格納エリア223aに情報が格納されていないと判別した場合、即ち、1つも特図保留を獲得していない場合には、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報に基づいて大当たり遊技終了後1回目に実行される特別図柄抽選の特図種別を遊技者に報知することができないため、エンディング画面にて大当たり遊技終了後1回目に実行される特別図柄抽選の特図種別を遊技者に示すための表示態様を表示するための処理がスキップされる。
なお、これに限ること無く、例えば、後述する先行入賞検出処理8(図355のS4182参照)の処理結果に基づいて、次に実行される特別図柄抽選の特図種別を予測し、その予測結果に基づく表示態様を表示させるための表示用コマンドを設定するように構成しても良い。
次に、図354を参照して、液晶演出実行管理処理8(S4181)の処理内容について説明をする。図354は、液晶演出実行管理処理8(S4181)の処理内容を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理8(S4181)では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期させた値がセットされる変動時間カウンタ(図示せず)の値を更新する処理が実行され、更新後の値に対応する演出態様を決定するための処理が実行される。
液晶演出実行管理処理8(S4181)が実行されると、まず変動時間カウンタの値が0よりも大きいかを判別し(S55401)、0よりも大きいと判別した場合は(S55401:Yes)、変動時間カウンタの値を更新し(S5402)、更新後のカウンタ値に対応する演出態様を設定(決定)し(S55402)、その他演出に関する更新処理を実行し(S5407)、更新結果に基づく演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S5408)、本処理を終了する。
このように構成することで、特別図柄変動が実行されてから所定時間(例えば、30秒)の経過を契機に特定の演出(例えば、遊技者に現在の遊技状態を示唆するための示唆演出)を実行させることが可能となる。この場合、今回設定された特別図柄変動の変動時間に関わらず、示唆演出の実行契機を設定可能に構成し、今回設定された特別図柄変動の変動時間が、示唆演出の実行契機となる経過時間よりも長い場合にのみ示唆演出が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、設定された変動パターンによって、示唆演出が実行されるか否かを決定することができる。
さらに、示唆演出が実行される表示領域を、変動演出が実行される表示領域と重複するように構成し、示唆演出の実行契機が成立し、示唆演出が第3図柄表示装置81の表示面に表示されるタイミングにて実行中の変動演出の演出態様によって、示唆演出の演出内容を遊技者が視認可能な状況と、視認困難(視認不可能)な状況と、を創出可能に構成しても良い。このように構成することで、実行中の特別図柄変動の変動時間、及び、実行中の変動演出の内容と、に応じて遊技者が視認可能な示唆演出が実行されるか否かを決定することが可能となる。
また、図354では、液晶演出実行管理処理8(S4181)の処理内容として、特別図柄変動の変動時間に対応する値がセットされた変動時間カウンタの値を更新し、その更新後の値に対応する演出態様を設定(決定)する処理内容を示しているが、特別図柄変動の変動時間以外の時間経過に対応した値をセット可能なカウンタを設け、そのカウンタの更新内容に対応させた演出態様を設定(決定)可能に構成しても良い。
例えば、大当たり遊技が開始されてからの経過時間を計測可能なカウンタの値を更新する処理や、特定の演出が実行されてからの経過時間を計測可能なカウンタの値を更新する処理を実行し、その更新結果に対応する演出態様を設定(決定)する処理を実行しても良い。また、液晶演出実行管理処理8(S4181)にて、各種カウンタの値を更新し、更新結果が実行条件を満たしているか否かの判別を行い、実行条件を満たしている場合に実行条件が成立したことを示すためのフラグをオンに設定する処理のみを実行し、実行条件が成立したことを示すためのフラグがオンに設定されていることを条件に、他の処理(例えば、変動表示設定処理)にて特定の演出を実行するための処理を実行可能に構成しても良い。
次に、図355を参照して、先行入賞検出処理8(S4182)の処理内容について説明をする。図355は、先行入賞検出処理8(S4182)の処理内容を示したフローチャートである。この先行入賞検出処理8(S4182)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図346参照)の中で実行され、上述したように、入球センサ1064aによる入球検出があった場合に、その入球検出された遊技球が入賞し得る入球口が第1入球口64aまたは第2入球口1641であるかを予測するための処理と、実際に何れかの入球口へと入球した場合に、次に振り分け装置1064へと入球する遊技球が何れの入球口へと入球し得るかを示すために振り分け部材900の状態(位置)を特定するための処理が実行される。
先行入賞検出処理8(S4182)では、まず、球が振り分け装置1064へと入球したか否かを入球センサ1064aによって判別する(S9901)。球が振り分け装置1064へと入球していないと判別された場合は(S9901:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が振り分け装置1064へ入球したと判別された場合は(S9901:Yes)、遊技球が第1入球口64aまたは第2入球口1641のどちらに入球するかを予測する(S9902)。入球先の予測の方法としては、振り分け部材900の軸に搭載されている傾きを検知するセンサ(図示せず)により、振り分け部材900の向きを傾きから算出することで予測する。なお、入球先の予測のための振り分け部材900の向きの検出は、傾きを検知するセンサによるものでなくても良く、例えば、磁石とホールセンサを用いるものであっても良い。また、入賞先の予測は、上述したように振り分け部材900の向きは左右交互となっているので、入賞回数に基づいて入賞先を予測するようにしても良く、その場合センサを不要とすることができる。
次に、S9902の処理により球が第1入球口64へ入賞すると予測されたか否かを判定し(S9903)、球が第1入球口64へ入賞しないと予測された場合は(S9903:No)、S9905の処理へ移行する。一方、球が第1入球口64へ入賞すると予測された場合は(S9903:Yes)、振り分け状態格納エリア223gaに、次に振り分け装置1064に入球した遊技球が第2入球口1641へと入賞し得る(する可能性が高い)ことを示す第2入球口側情報を格納し(S9904)、S9905の処理へ移行する。
S9905の処理では、S9902の処理により球が第2入球口1641へ入賞すると予測されたか否かを判定し(S9905)、球が第2入球口1641へ入賞しないと予測された場合は(S9905:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が第2入球口1641へ入賞すると予測された場合は(S9902:Yes)、振り分け状態格納エリア223gaに、次に振り分け装置1064に入球した遊技球が第1入球口64へと入賞し得る(する可能性が高い)ことを示す第1入球口側情報を格納し(S9906)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第8制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選によって、時短当選の判定が実行され、高確率で時短当選し得るように構成している。よって、通常状態における特別図柄抽選が実行され難くなるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、時短当選の判定により時短当選した場合には、通常状態よりも不利となる不利時短状態と、通常状態よりも有利となる有利時短状態との何れかが設定されるように構成している。そして、不利時短状態が設定された場合には、時短終了条件が成立するまで、通常状態の特別図柄抽選が実行されないように構成している。そして、時短終了条件として、特定の順序で特別図柄抽選が実行された場合に成立する時短終了条件と、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件と、を設定可能に構成している。
よって、不利時短状態が設定されている場合には、特別図柄抽選を実行すればするほど、時短終了条件が成立し易くすることができるため、不利時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第8制御例では、不利時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数が100回に到達した場合に成立する変動回数終了条件を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定される時短種別に応じて変動回数終了条件として設定される特別図柄抽選の実行回数(時短回数)を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、時短種別として時短AA8、時短BB8、時短CC8と設定可能に構成し、時短AA8に対して変動回数終了条件として時短回数「100回」、時短BB8に対して変動回数終了条件として時短回数「200回」。時短CC8に対して変動回数終了条件として時短回数「300回」を設定するように構成すると良い。このように構成することで、設定される時短種別に応じて、不利時短状態の継続期間を異ならせることができる。
なお、この場合、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される残時短回数として、時短回数「100回」が設定された場合に対応する残時短回数を初期表示として表示可能に構成し、不利時短状態における遊技の経過に応じて残時短回数の表示を増加させるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して不利時短状態がいつ終了するのかを判別させ難くすることができる。
本第8制御例では、第2特別図柄抽選において不利時短当選した場合には、その不利時短状態が終了するまでの間、第1特別図柄抽選においても、通常状態よりも不利となる特別図柄抽選が実行されるように構成している。換言すれば、1の特別図柄抽選の結果に応じて、他の特別図柄抽選に対してペナルティを課すことができるように構成している。
<第9制御例>
次に、図356~図375を参照して、第9制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第9制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例と同様に、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に大当たり遊技が実行され、遊技領域(大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置(アタッカー)3650内の領域)に設けられた特定領域(Vゲート)に遊技球が入球(通過)することによって、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される仕様を採用している。また、上述した第5制御例と同様に、通常状態にて実行される特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合に、時短図柄当選の判定を実行可能に構成している。
本第9制御例におけるパチンコ機10では、通常状態における特別図柄抽選で時短当選した場合に、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり遊技による賞球を獲得しながら通常状態よりも有利となる確変状態へと遊技状態が移行することを目指す遊技と、通常状態における特別図柄抽選で時短当選し、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2時短状態)が設定されることを目指す遊技と、を並行して実行させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
さらに、本第9制御例では、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2時短状態)への移行契機が時短当選のみとなるように構成し、且つ、時短当選の判定(時短抽選)が通常状態でのみ実行されるように構成しているため、通常状態よりも遊技者に有利となる確変状態が設定された場合には、その確変状態から第2時短状態へと遊技状態を移行させることができないように構成している。
また、本第9制御例では、確変状態よりも第2時短状態のほうが遊技者に有利な遊技状態とするために、確変状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別と、時短状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別とを異ならせるように構成している。
具体的には、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態中は、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易く、且つ、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように構成している。また、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態中は、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易く、且つ、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選のほうが、遊技者に有利となる特別図柄抽選を実行可能に構成している。
このように構成することで、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態として、確変状態と、時短状態と、を設定可能に構成し、さらに、確変状態よりも遊技者に有利となる時短状態として第2時短状態を設定することが可能となる。
本第9制御例におけるパチンコ機10が、上述した第5制御例におけるパチンコ機10と相違する点は、遊技盤13の構成を変更した点と、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を変更した点と、各種制御処理の内容を一部変更した点である。なお、上述した第5制御例と同一の内容についてはその説明を省略する。
<第9制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について>
まず、図356~図361を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成に対して、普通電動役物3071の内部(普通電動役物3071が開状態となった場合に遊技球が流下可能となる(流下し易くなる)遊技領域)に各種非電作動口を設けた点、及び、各種非電作動口へと遊技球が入球した場合に、その入球した遊技球によって作動する各種非電動役物を設けた点と、各種非電動役物が作動することによって入球可能となる入球口を設けた点で大きく相違している。
詳細な説明は、図356を参照して後述するが、本第9制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入球手段(右第1入球口3064)に付随する非電動役物(特図1非電動役物3064a)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能な入球手段(第2入球口3065)に付随する非電動役物(非電動役物3065a)を設けており、何れの非電動役物も、普通電動役物3071の内部に設けられた対応する非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)に遊技球が入球した場合に作動するように構成している。
そして、遊技状態として普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)が設定された場合に実行され易くなる普図当たり遊技の種別によって、普図当たり遊技中に普図電動役物3071の内部へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球し易い第1普図当たり遊技と、特図2非電作動口3073bへと入球し易い第2普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。
さらに、本第9制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも普図当たり遊技が実行され易くなる(普図当たり遊技中に遊技球を普通電動役物3071の内部へと入球させ易くなる)ように構成しており、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技として、第1普図当たり遊技のほうが第2普図当たり遊技よりも実行され易い時短状態(第1時短状態)と、第1普図当たり遊技よりも第2普図当たり遊技のほうが実行され易い時短状態(第2時短状態)と、を普図当たり当選した場合に設定されている遊技状態に応じて決定可能に構成している。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態の種別によって、その普通図柄の高確率状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別を異ならせることができる。
また、本第9制御例では、第1特別図柄抽選が実行された場合よりも第2特別図柄抽選が実行された場合のほうが遊技者に有利な抽選となるように構成している。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態に応じて遊技者に対して有利度合いの異なる遊技を実行させることが可能となるため、遊技者に対して普通図柄の高確率状態が設定されたか否かだけで無く、設定された遊技状態の種別についても興味を持たせることができる。
加えて、本第9制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態として、時短状態が設定された場合に、第2特別図柄抽選が実行され易く、確変状態が設定された場合に、第1特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、時短状態が設定された場合の一部(第2時短状態が設定された場合)において、その第2時短状態を終了させるための時短終了条件として、成立し難い条件(時短回数10000回)を設定するように構成している。つまり、第2時短状態が設定された場合には、実質次回の大当たり遊技が実行されるまで時短状態が継続するように構成している。さらに、第2時短状態中に実行され易くなる第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、高確率(90%)の確率で大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、確変状態よりも特別図柄抽選で大当たり当選する確率が低確率となる時短状態においても、その遊技状態を終了させること無く次の大当たり遊技を目指す遊技を遊技者に行わせ易くすることができると共に、大当たり当選した場合に付与される特典を、確変状態よりも遊技者に有利なものとすることができる。
ここで、図356を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図356は、本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図356に示した通り、本第9制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図234参照)に対して、遊技盤13の下方領域、及び、右側領域の構成を異ならせている点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図356に示した通り、可変表示ユニット80の下方に形成される遊技盤13の下方領域には、第1特別図柄抽選の実行権利を獲得可能な第1入球口64が設けられている。そして、可変表示ユニット80の右側に形成される遊技盤13の右側領域には、作動装置3070と、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aと、スルーゲート67と、が設けられている。
作動装置3070は、その内部に遊技球が流下可能な流路が形成されており、当該流路を流下した遊技球が入球可能な特図1非電作動口3073aと、特図2非電作動口3073bと、を有するものである。そして、作動装置3070の内部へと遊技球を流入させるための開口部に普通電動役物3071が付設されている。
普通電動役物3071は、普通図柄の抽選(スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて実行される抽選)で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技によって開放動作されるものである。なお、普通図柄の抽選、及び、普図当たり遊技に基づく普通電動役物3071に対する開放制御処理の内容については、上述した第5制御例における普通電動役物640aに対する開放制御処理の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特図1非電作動口3073aは、特図1非電動役物3064aと作動用機構(図示せず)で接続されており、特図1非電動役物3064aが閉鎖している間に特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球すると、その入球した遊技球の自重により作動用機構が作動し、特図1非電動役物3064aが機械的に開放されるように構成している。つまり、特図1非電作動口3073aは、特図1非電動役物3064aを開放させるための手段となる。
同様に特図2非電作動口3073bは、特図2非電動役物3065aと作動用機構(図示せず)で接続されており、特図2非電動役物3065aが閉鎖している間に特図1非電作動口3073bへと遊技球が入球すると、その入球した遊技球の自重により作動用機構が作動し、特図2非電動役物3065aが機械的に開放されるように構成している。つまり、特図2非電作動口3073bは、特図2非電動役物3065aを開放させるための手段となる。
なお、作動装置3070へと流入した遊技球に基づいて作動可能な特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aの詳細な説明については、図357から図359を参照して後述する。
また、上述した通り、非電動役物(特図1非電動役物3064a、及び、特図2非電動役物3065a)は、電気的な制御では無く、遊技球の自重に基づく機械的作用によって開閉作動するように構成している。よって、電気的に開閉制御させる電動役物(例えば、普通電動役物3071や、可変入賞装置3650の開閉扉3650f等)のように、パチンコ機10の主制御装置110等により開閉制御が実行されることが無いため、主制御装置110等により、その開閉状況が管理されることが無い。
そこで、本第9制御例では、各非電動役物(特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a)の実際の作動状況を検知するための検知センサ(図示せず)を設け、各非電動役物(特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a)の作動状況(開閉状況)を検知可能に構成している。
そして、検知センサの検知結果に基づいて、特図1非電動役物3064aが作動している(開放している)こと、或いは、特図2非電動役物3065aが作動している(開放している)ことが、特図1非電報知ランプ3064bや特図2非電報知ランプ3065bによって遊技者に報知される。これにより、遊技者に対して、各非電動役物の作動状況を分かり易く報知することができる。
なお、本第9制御例では、特図1非電報知ランプ3064b、特図2非電報知ランプ3065bによって、対応する非電動役物が作動している(開放している)か否かを遊技者に報知するように構成しているが、それ以外の状況を報知可能な報知手段を設けても良く、例えば、特図1非電動役物3064aが作動し易い状況であるか、特図2非電動役物3065aが作動し易い状況であるかを遊技者に報知(示唆)可能な報知手段を設けても良い。この場合、例えば、普通図柄抽選で当たり当選した場合に設定された普図当たり種別に基づいて、何れの非電動役物を作動させ易い(何れの非電作動口へと遊技球を入球させ易い)普図当たり遊技が実行されるかを遊技者に報知(示唆)するための報知手段を設けると良い。
このように構成することで、実際に特図非電動役物が作動するよりも前のタイミング、例えば、普通図柄抽選が実行されてから普図当たり抽選の結果が停止表示されるまでの第1期間、普図当たり抽選の結果が停止表示されてから普図当たり遊技が実行されるまでの第2期間、普図当たり遊技が実行されてから作動装置3070へと遊技球が流入するまでの第3期間、普図当たり遊技が実行されてから非電作動口へと遊技球が入球するまでの第4期間、作動装置3070へと遊技球が流入してから非電作動口へと遊技球が入球するまでの第5期間、非電作動口へと遊技球が入球してから非電動役物が作動するまでの第6期間の何れか1の期間、或いは、複数の期間を選択して組み合わせた合算期間において、遊技者に対して、作動される(開放される)非電動役物の種別を報知することが可能となる。よって、報知手段によって示唆された内容に基づいて、後に実行される遊技の内容を遊技者に把握(予測)させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、普図当たり抽選が実行されてから作動装置3070へと遊技球が流入するまでの何れかの期間(上述した第1期間、第2期間、第3期間に相当)において報知手段による報知を実行する場合には、遊技者に対して、報知手段の報知内容に基づいて、作動装置3070へと遊技球を流入させるか否かを選択させることが可能となる。つまり、非電動役物を開放させ易い有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている場合において、何れか1の非電動役物(例えば、特図1非電動役物3064a)が作動している場合に入球可能となる入球手段(例えば、右第1入球口3064)へと遊技球を入球させた場合(第1特別図柄抽選を実行させた場合)に、有利遊技状態が終了してしまうが、他の非電動役物(例えば、特図2非電動役物3065a)が作動している場合に入球可能となる入球手段(第2入球口3065)へと遊技球を入球させた場合(第2特別図柄抽選を実行させた場合)には、有利遊技状態が終了することが無い状態において、上述した報知手段による報知を実行可能に構成することで、有利遊技状態を継続させるか否かを遊技者に選択させることが可能となる。つまり、遊技者に遊技方法(遊技球発射の有無)を選択させることにより、後に実行される遊技の結果を大きく異ならせることができる。これにより、より有利な遊技が実行されることを目指す遊技者の遊技意欲を高めることができる。
さらに、この場合、1の入球手段へと遊技球を入球させた場合に、他の入球手段へと遊技球を入球させた場合よりも遊技者に有利な遊技が実行されるが、有利遊技状態を終了させ易くなり、他の入球手段へと遊技球を入球させた場合に、1の入球手段へと遊技球を入球させた場合よりも遊技者に不利な遊技が実行されるが、有利遊技状態を終了させ難くなるように各入球手段に遊技球が入球した場合に付与される特典(例えば、特別図柄抽選)の内容や、有利遊技状態の終了条件を既定すると良い。
ここで、各非電動役物の作動状況を検知するための検知センサについて、具体的に説明をすると、非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)へと入球した遊技球が接触することで作動する作動機構(特図1作動用機構3074、特図2作動用機構3075)が作動位置(非電動役物を作動(開放)させる位置)に位置していることを検知可能な箇所に検知手段(近接センサ)を設け、その検知手段により作動機構が作動位置に位置していることが検知された場合(検知手段から出力される検知信号に基づいて判別手段が判別した場合)に、非電動役物が開放されていると特定可能に構成している。
なお、各非電動役物の作動状況を管理するための手法としては、上述したような実際の非電動役物3065aの作動状況を検知する手法以外を用いても良く、例えば、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球を検知する検知手段を設け、その検知手段による検知結果、及び、普図当たり種別に基づいて、何れの非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)へと遊技球が入球したかを判定し、その判定結果に基づいて各非電動役物の作動状況を特定するように構成しても良い。この場合、特定された非電動役物の作動状況と、取得した入賞情報とに基づいて各非電動役物の閉鎖条件が成立したか否かを判定することで、各非電動役物の作動状況を特定するように構成すると良い。このように構成することで、非電動役物の作動状況を管理するためだけに専用の検知手段を設ける必要がなくなるため、製造コストを抑えることができる。
また、この場合、非電動役物が作動している場合と作動していない場合とで入球のし易さが異なる入球手段への遊技球の入球を検知し、その検知結果と、非電動役物の作動状況として特定している内容と、を比較し、特定内容が正常か否かを判定する管理処理を設けると良い。
次に、図357から図359を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の右側領域に形成された各種構成の詳細な内容について説明をする。図357(a)は、図356に示した遊技盤13の右側領域を拡大した拡大図である。図357(a)に示した通り、遊技盤13の右側領域には、上下方向に遊技球流下流路が形成されており、右側領域に向けて発射された遊技球(右打ち遊技によって発射された遊技球)が遊技球流下流路を流下し、最終的にアウト口66へと流入するように構成している。
この遊技球流下流路には、複数の釘が縦方向(図357の視点で上下方向)に複数植設されており、この植設された複数の釘によって、遊技球流下流路を左側流路(複数の釘と、可変表示ユニット80との間に形成された流路)と、右側流路(複数の釘の右側に形成された流路)とに区画形成されている。
図357(a)に示した通り、遊技球流下流路を左側流路と右側流路とに区画するための複数の釘は、左側流路を流下している遊技球の右側流路への流入、及び、右側流路を流下している遊技球の左側流路への流入が可能となるように、遊技球が通過可能な通過領域を形成するように植設されている。
遊技球流下流路の左側、即ち、左側流路を流下する遊技球のほうが、右側流路を流下する遊技球よりも流入し易い位置に作動装置3070が設けられており、遊技球流下流路の右側、即ち、右側流路を流下する遊技球のほうが、左側流路を流下する遊技球よりも流入し易い位置に特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aが設けられている。
このように左側流路と右側流路とを形成することにより、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下する経路を複数設けることができるため、例えば、右側領域に設けられた複数の装置(作動装置3070、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a等)が入球可能な状態(開放状態)となった場合に、右側領域の上流側に設けられた装置に対してのみ遊技球が入球してしまい、下流側に設けられた装置に対する遊技球の入球が発生し難くなることで、遊技の進行が遅延してしまう事態が発生することを抑制することができる。
ここで、作動装置3070の詳細な構成について説明をする。作動装置3070は、普通図柄抽選で当たり当選した場合(普図当たり遊技が実行された場合)に、遊技球が入球可能な状態となり、(即ち、普通電動役物3071が開放され)、作動装置3070の内部に設けられている2つの非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)のうち、何れかへと遊技球が入球することにより、対応する非電動役物(特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a)が開状態となる。
作動装置3070の内部へと流入した遊技球は第1流路3070aを流下して、可動片3072へと到達する。この可動片3072は、普図当たり遊技が実行される場合に予め定められた開閉パターンで可変制御されるものであって、第1流路3070aを流下してきた遊技球を第2流路3070bへと流入させることが可能な開放位置と、第1流路300aを流下してきた遊技球を受け止め、第3流路3070cに向けて流下させることが可能な閉鎖位置と、に可変可能に構成されている。なお、普図当たり遊技が実行されていない状態(非普図当たり遊技状態)では、可動片3072は閉鎖位置に位置するように構成している。
つまり、この可動片3072は、所定条件が成立した場合(普図当たり遊技が実行された場合)に、第2流路3070bへの遊技球の流入を許容する手段となる。本第9制御例では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技における普通電動役物3071の開放動作内容を、普図当たり種別に応じて異ならせるように構成している。具体的には、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071が開放状態となるまでの期間(オープニング期間)の長さを異ならせている。一方、可動片3072は、普図当たり種別に関わらず、普図当たり遊技が実行されてから、予め定められた可変パターンで可変制御されるように構成している。
そして、普図当たり種別に応じて、オープニング期間の長さを異ならせることにより、普図当たり遊技が実行されてから遊技球が可動片3072へと到達するまでに要する期間の長さを異ならせることで、可動片3072へと到達した遊技球が第2流路3070bへと誘導され易い普図当たり遊技と、可動片3072へと到達した遊技球が第3流路3070cへと誘導され易い普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。
第2流路8070bの下流側には、特図1非電作動口3073aが設けられており、第2流路8070bを流下した遊技球の全てが特図1非電作動口3073aに入球するように構成している。特図1非電作動口3073aは、特図1非電動役物3064aと特図1作動用機構3074を介して接続されており、遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球した場合に、その入球した遊技球が作動用機構3074に接触し、遊技球の自重によって作動用機構3074を作動させ、閉状態である特図1非電動役物3064aを開状態へと可変させるように構成している。
なお、特図1非電動役物3064aが開状態である場合には、作動用機構3074が開状態に作動しているため、特図1非電作動口3073aへと入球した遊技球が作動用機構3074と接触することが無いように構成している。つまり、特図1非電作動口3073aは、閉状態である特図1非電動役物3064aを開状態へと可変させるための手段であって、電気的駆動源を用いること無く、特図1非電動役物3064aを可変させるための手段である。
特図1非電動役物3064aは、右第1入球口3064に付設された非電動役物であって、右第1入球口3064へと遊技球を入球させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入球させることが困難な閉状態とに可変可能に構成されている。この特図1非電動役物3064aは、特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球したことに基づいて作動用機構3074が作動することにより、閉状態から開状態へと可変される。そして、開状態へと可変された後に、右第1入球口3064へと遊技球が2個入球したことに基づいて、開状態から閉状態へと可変される。
具体的には、右第1入球口3064へと入球した球を一時的に保持可能な保持手段(図示せず)が右第1入球口3064の内部に設けられており、その保持手段に遊技球が2個保持されると、その自重により保持されていた遊技球が遊技機外部へと遊技球を排出するための排出経路へと流出するように構成してあり、その排出経路へと排出される遊技球が接触するように閉鎖機構(図示せず)が設けられている。
この閉鎖機構に遊技球が接触することにより、閉鎖機構が作動し、開状態であった特図1非電動役物3064aが閉状態へと可変されるように構成している。
以上、説明をした通り、特図1非電動役物3064aは、閉状態から開状態へと可変される場合も、開状態から閉状態へと可変される場合も、何れにおいても電気的な制御を用いること無く、流下する遊技球の自重を用いて機械的に可変させるように構成している。
第3流路3070cの下流側には、特図2非電作動口3073bが設けられており、第3流路8070cを流下した遊技球の全てが特図2非電作動口3073bに入球するように構成している。特図2非電作動口3073bは、特図2非電動役物3065aと特図2作動用機構3075を介して接続されており、遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球した場合に、その入球した遊技球が特図2用作動用機構3075に接触し、遊技球の自重によって特図2用作動用機構3075を作動させ、閉状態である特図2非電動役物3065aを開状態へと可変させるように構成している。
なお、特図2非電動役物3065aが開状態である場合には、特図2用作動用機構3075が開状態に作動しているため、特図2非電作動口3073bへと入球した遊技球が特図2用作動用機構3075と接触することが無いように構成している。つまり、特図2非電作動口3073bは、閉状態である特図2非電動役物3065aを開状態へと可変させるための手段であって、電気的駆動源を用いること無く、特図2非電動役物3065aを可変させるための手段である。
特図2非電動役物3064bは、第2入球口3065に付設された非電動役物であって、第2入球口3065へと遊技球を入球させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入球させることが困難な閉状態とに可変可能に構成されている。この特図2非電動役物3065aは、特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球したことに基づいて特図2用作動用機構3075が作動することにより、閉状態から開状態へと可変される。そして、開状態へと可変された後に、第2入球口3065へと遊技球が2個入球したことに基づいて、開状態から閉状態へと可変される。
具体的には、第2入球口3065へと入球した球を一時的に保持可能な保持手段(図示せず)が第2入球口3065の内部に設けられており、その保持手段に遊技球が2個保持されると、その自重により保持されていた遊技球が遊技機外部へと遊技球を排出するための排出経路へと流出するように構成してあり、その排出経路へと排出される遊技球が接触するように閉鎖機構(図示せず)が設けられている。
この閉鎖機構に遊技球が接触することにより、閉鎖機構が作動し、開状態であった特図2非電動役物3065aが閉状態へと可変されるように構成している。
以上、説明をした通り、特図2非電動役物3065aは、閉状態から開状態へと可変される場合も、開状態から閉状態へと可変される場合も、何れにおいても電気的な制御を用いること無く、流下する遊技球の自重を用いて機械的に可変させるように構成している。
次に、図357(b)を参照して、普図当たり遊技中における遊技球の流下内容について説明をする。図357(b)は、普図当たり遊技中に遊技球が特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球する場合の球流れを模式的に示した図である。
図357(b)に示した通り、普図当たり遊技が実行されると、予め定められた開放パターンで普通電動役物3071が開放動作される。そして、普通電動役物3071が開状態へと可変されると、開状態である普通電動役物3071(図357(b)参照)によって誘導された遊技球が開放位置に位置している可動片3072を通過して特図1非電作動口3073aへと入球する。特図1非電作動口3073aに遊技球が入球すると、特図1作動用機構3074が作動し、特図1非電動役物3064aが開状態(図357(b)の実線参照)となる。
特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されると、右側流路を塞ぐ位置まで特図1非電動役物3064aが可変されるため、右打ち遊技によって発射され、右側流路3060を流下した遊技球のうち、右側流路を流下する遊技球の殆どが右第1入球口3064へと入球する。
図357(b)に示した通り、本第9制御例では、普通電動役物3071は左側流路に対して設けられ、特図1非電動役物3064aは右側流路に対して設けられ、さらに、普通電動役物3071のほうが特図1非電動役物3064aよりも上流側に設けられているため、特図1非電動役物3064aの可変状況によって、普通電動役物3071への遊技球の流入割合が異なることが無い。よって、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されることにより、普図当たり遊技中の遊技球を作動装置3070へと流入させることができず、遊技を円滑に進行することができない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
また、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されている間に、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり遊技が実行されたとしても、特図1非電動役物3064aによって作動装置3070への遊技球の入球が規制されないため、確実に特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能となる。
加えて、本第9制御例では、右側領域3060を流下する遊技球が2つの流路(左側流路、右側流路)を流下するように構成しているため、上流側に設けられた普図電動役物3071が開状態となったとしても、右側流路を流下する遊技球を、下流側に設けられた特図1非電動役物3064aへと到達させ易くすることができる。つまり、普図電動役物3071と特図1非電動役物3064aとが共に開状態となった場合において、右側領域3060を流下する遊技球が1つの流路を流下させる構成を用いたパチンコ機10に対して、何れの役物に対しても遊技球を到達させ易くすることができる。
そして、開状態である特図1非電動役物3064aへと遊技球が2個入球すると、図358(a)に示した通り、非電動役物3064aの閉鎖条件が成立し、非電動役物3064aが開状態から閉状態へと可変される。
ここで、上述した通り、本第9制御例では、特図1非電動役物3064aが開状態である場合にも、作動装置3070へと遊技球を入球させることが可能となるように構成しているため、例えば、特図1非電動役物3064aが開状態のまま遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球する場合が発生し得る。この場合、遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球したとしても、その入球した遊技球によって特図1作動用機構3074が作動されないように構成しているため、特図1非電動役物3064aは開状態が継続される。また、開状態である特図1非電動役物3064aの閉鎖条件となる入球数の値もそのまま継続される。つまり、特図1非電動役物3064aが開状態のまま、新たな遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球したとしても、遊技者に何ら特典が付与されることが無い。
このように構成することで、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変された場合には、次の遊技球が特図1非電作動口3073aに入球するまでの間に、特図1非電動役物3064aが付設される右第1入球口3064へと遊技球を所定数(2個)入球させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第9制御例では、上述した通り、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されている状態において、作動装置3070へと遊技球を入球させることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1非電動役物3064aよりも下流側であって、特図1非電動役物3064aが開状態である場合のほうが、閉状態である場合よりも到達し難い位置に作動装置3070(普通電動役物3071)を設けるように構成しても良い。このように構成することで、特図1非電動役物3064aが開状態である期間は、開状態では無い期間よりも、作動装置3070への遊技球の入賞数を抑えることが可能となる。
次に、図358(a)を参照して、特図1非電動役物3064aが開状態である場合に右打ち遊技によって発射された遊技球の球流れについて説明をする。図358(a)は、開状態である特図1非電動役物3064aへと遊技球が入球した場合の流れを模式的に示した図である。図358(a)に示した通り、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変(作動)している状態では、右第1入球口3064へと遊技球が入球容易な状態となり、その右第1入球口3064へと遊技球が入球すると、特図1非電動役物3064aに接続されている閉鎖機構(図示せず)が作動し、特図1非電動役物3064aが閉状態へと可変(作動)する。
次に、図358(b)を参照して、特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球した場合における各種機構の動作内容について説明をする。図358(b)は、普図当たり遊技中に遊技球が特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球する場合の球流れを模式的に示した図である。
図358(b)に示した通り、普図当たり遊技が実行されると、予め定められた開放パターンで普通電動役物3071が開放動作される。そして、普通電動役物3071が開状態へと可変されると、開状態である普通電動役物3071(図358(b)参照)によって誘導された遊技球が閉鎖位置に位置している可動片3072の上面を流下して第3流路3070cを流下し、特図2非電作動口3073bへと入球する。特図2非電作動口3073bに遊技球が入球すると、特図2作動用機構3075が作動し、特図2非電動役物3065aが開状態(図358(b)の実線参照)となる。
特図2非電動役物3065aが開状態へと可変されると、右側流路を塞ぐ位置まで特図2非電動役物3065aが可変されるため、右打ち遊技によって発射され、右側領域3060を流下した遊技球のうち、右側流路を流下する遊技球の殆どが第2入球口3065へと入球する。
図358(b)に示した通り、本第9制御例では、普通電動役物3071は左側流路に対して設けられ、特図2非電動役物3065aは右側流路に対して設けられ、さらに、普通電動役物3071のほうが特図2非電動役物3065aよりも上流側に設けられているため、特図2非電動役物3065aの可変状況によって、普通電動役物3071への遊技球の流入割合が異なることが無い。よって、特図2非電動役物3065aが開状態へと可変されることにより、普図当たり遊技中の遊技球を作動装置3070へと流入させることができず、遊技を円滑に進行することができない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第9制御例では、特図2非電動役物3065aよりも上方に特図1非電動役物3064aを配設しているため、例えば、特図2非電動役物3065aが開状態である場合に、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変(作動)した場合には、右打ち遊技によって発射された遊技球が、第2入球口3065よりも、右第1入球口3064へと優先して入球するように構成している。
このように構成することで、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行される第2特別図柄抽選が過剰に実行されること、即ち、第2入球口3065へと遊技球が過剰に入球してしまうことを抑制することができる。さらに、右第1入球口3064が開状態である限り、第2入球口3065へと遊技球を入球させ難くすることができるため、特図2非電動役物3065aの開状態を長期間継続させ易くすることができるため、例えば、時短状態が終了する間際において特図2非電動役物3065aが開状態へと可変(作動)した場合に、第2入球口3065へと遊技球が入球するよりも前に、特図1非電動役物3064aが開状態となるように遊技を行い、特図1非電動役物3064aを開状態へと可変(作動)させることで、時短状態が終了した後にも、特図2非電動役物3065aの開状態を維持させることが可能となる。
よって、遊技者に対して、時短状態が終了した時点における遊技状況(特図2非電動役物3065aの開閉状況)を遊技者に有利な遊技状況とするために意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図360及び図361を参照して、本第9制御例における普図当たり遊技の遊技内容について説明をする。図360は、普図当たり開放パターンA(第1時短状態中に設定され易い開放パターン)が設定された場合の普図当たり遊技の流れを示した図であり、図361は、普図当たり開放パターンB(第2時短状態中に設定され易い開放パターン)が設定された場合の普図当たり遊技の流れを示した図である。
本第9制御例では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に設定される普図当たり種別(当選時の遊技状態)に応じて、普図当たり遊技の動作内容を異ならせることにより、普図当たり遊技中における作動装置3070へと遊技球の流入タイミングを異ならせるように構成している。そして、作動装置3070への遊技球の流入タイミングに応じて、作動装置3070へと流入した遊技球が、特図2非電作動口3073bよりも特図1非電作動口3073aへと入球し易い普図当たり遊技(普図当たり開放パターンAが設定された普図当たり遊技)と、特図1非電作動口3073aよりも特図2非電作動口3073bへと入球し易い普図当たり遊技(普図当たり開放パターンBが設定された普図当たり遊技)と、を実行可能に構成している。
さらに、遊技状態として時短状態が設定される場合に、普図当たり種別として、普図当たり開放パターンBよりも普図当たり開放パターンAが設定され易い時短種別(第1時短状態)と、普図当たり開放パターンAよりも普図当たり開放パターンBが設定され易い時短種別(第2時短状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態よりも作動装置3070へと遊技球を入球させ易くすることが可能な(単位時間当たりにおける普図当たり遊技にて普通電動役物3071が開状態となる期間が、通常状態よりも長くすることが可能な)時短状態が設定された場合に、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも実行され易くなる第1時短状態(不利時短状態)と、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも実行され易くなる第2時短状態(有利時短状態)と、を設定することが可能となる。
普図当たり遊技は、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071が開状態へと可変されるまでの期間(オープニング期間)と、普通電動役物3071が開状態となる期間(開放期間)と、普通電動役物3071の開状態を終了させるための終了条件が成立し、開状態から閉状態へと可変してから普図当たり遊技を終了させるまでの期間(エンディング期間)とから構成されており、各期間に対して所定時間(所定条件)が予め定められて規定されており、規定された内容で普通電動役物3071の開放動作が実行されるように構成している。さらに、作動装置3070内に設けられた可動片3072(図780参照)を予め定められた可動パターンで可動させる可動制御が実行されるように構成している。
まず、図360を参照して、普図当たり開放パターンAが設定されている場合に実行される普図当たり遊技の流れについて説明をする。具体的には、普図当たり開放パターンAが設定されている場合に実行される普図当たり遊技では、図360に示した通り、普図当たり遊技として、オープニング期間(OP期間)が3秒、開放期間が2.5秒、エンディング期間(ED期間)が1秒の普図当たり遊技が実行される。そして、可動片3072に対して、可動片3072が開放状態となる開期間が0.5秒経過した後に、1.5秒の間、可動片3072が閉鎖状態となる閉期間となる可動制御が実行される。
つまり、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技では、作動装置3070へと流入した遊技球を特図2非電作動口3073bへと誘導可能な状態(可動片3072が閉鎖状態)が設定される期間(普図当たり遊技が実行されてから0.5秒から2秒の間の期間)が経過した後に、普通電動役物3071の開放期間が設定されることになる。よって、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技が実行され、普通電動役物3071が開状態となる開放期間中に作動装置3070へと流入した遊技球は、その全て(殆ど)が、開放状態の可動片3072を通過し、特図1非電作動口3073aへと入球することになる。特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球した場合には、特図1非電動役物3064aが開状態へと作動するため、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技は、第1特別図柄抽選を実行させ易い普図当たり遊技となる。
なお、本第9制御例では、普通電動役物3071の開状態を終了させるための終了条件として、予め定められた時間(2.5秒)が経過した場合に成立する時間終了条件に加え、作動装置3070へと流入した遊技球(開状態である普通電動役物3071を通過した遊技球)の数が2個を越えた場合に成立する入球終了条件も設定されるように構成している。このように構成することで、1回の普図当たり遊技において多くの遊技球が作動装置3070内へと流入することを抑制することができるため、例えば、作動装置3070内で遊技球が詰まったり、可動片3072に衝突する遊技球の数が増加することにより可動片3072が故障(破損)し易くなったりすることを抑制することができる。
さらに、遊技球を継続して発射させた場合には、60秒間で最大100個の遊技球を発射可能に構成しているため、普図当たり遊技中に継続して右打ち遊技を実行することで、時間終了条件よりも先に入球終了条件が成立し易くなるように構成しているため、遊技球を継続して発射させる右打ち遊技を実行した場合のほうが、普図当たり遊技を早く終了させることが可能となる。よって、例えば、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技のほうが、後述する普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技よりも実行され易い時短種別(時短B)が設定されている時短状態において、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するまでの間により多くの普通図柄抽選を実行させ、1回でも多く、第2特別図柄抽選を実行させようと遊技者に対して継続して遊技球を発射させることが可能となるため、遊技の稼働を向上させることができる。
加えて、時短終了条件が成立する直前に特図2非電動役物3065aを開状態へと作動させた場合には、時短終了条件が成立し遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した後に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができるため、時短終了条件が成立する直前まで、遊技者に対して、特図2非電動役物3065aを開状態へと作動させるために、第2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能となる普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。
次に、普図当たり開放パターンBが設定されている場合に実行される普図当たり遊技の流れについて説明をする。具体的には、普図当たり開放パターンBが設定されている場合に実行される普図当たり遊技では、図361に示した通り、普図当たり遊技として、オープニング期間(OP期間)が0.5秒、開放期間が2.5秒、エンディング期間(ED期間)が1秒の普図当たり遊技が実行される。そして、可動片3072に対して、可動片3072が開放状態となる開期間が0.5秒経過した後に、1.5秒の間、可動片3072が閉鎖状態となる閉期間となる可動制御が実行される。
つまり、普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技では、作動装置3070へと流入した遊技球を特図2非電作動口3073bへと誘導可能な状態(可動片3072が閉鎖状態)が設定される期間(普図当たり遊技が実行されてから0.5秒から2秒の間の期間)中に、普通電動役物3071の開放期間が設定されることになる。よって、普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技が実行され、普通電動役物3071が開状態となる開放期間中に作動装置3070へと流入した遊技球は、その全て(殆ど)が、閉鎖状態の可動片3072の上面を流下し、特図2非電作動口3073bへと入球することになる。特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球した場合には、特図2非電動役物3065aが開状態へと作動するため、普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技は、第2特別図柄抽選を実行させ易い普図当たり遊技となる。
以上、説明をした通り、本第9制御例では、普図当たり種別に応じて、普図当たり遊技におけるオープニング期間の長さを異ならせることにより、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を異ならせるように構成している。この場合、普図当たり遊技のオープニング期間の長さ以外の普図当たり遊技内容を普図当たり種別に対して共通化したとしても、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を確実に異ならせることが可能となるため、時短状態が設定された場合に、異なる種別の特別図柄抽選を実行させ易くするという斬新な遊技性を、パチンコ機10の処理負荷を軽減させながら実行することができる。
なお、時短状態が設定された場合に、異なる種別の特別図柄抽選を実行させ易くするという斬新な遊技性を実現するための構成はこれに限ること無く、例えば、普図当たり種別に応じて普図当たり遊技における普通電動役物3071の開放パターンを異ならせることにより、作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を異ならせるように構成しても良いし、普図当たり種別に応じて可動片3072の可動パターンを異ならせることで作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を異ならせるように構成しても良い。
また、本第9制御例では、作動装置3070へと流入した遊技球が、何れかの特図非電作動口へと入球するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、作動装置3070に流入した遊技球を、再度遊技領域へと排出するための排出口を設けても良いし、作動装置3070内に遊技球が入球することにより所定数(例えば、10個)の賞球が払い出される入賞口を設け、作動装置3070へと流入した遊技球の一部が特図非電作動口へと入球すること無く、入賞口へと入賞するように構成しても良い。
このように構成することで、普図当たり遊技中に作動装置3070へと遊技球が流入した場合であっても、何れの特図非電動役物も開状態へと作動しないパターンを創出することが可能となるため、遊技者に対して、普図当たり遊技が実行された場合に、何れかの特図非電動役物が開状態となるという一定の関係性を与えてしまうことを抑制することができるので、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した通り、非電動役物の性質上、特図非電動役物が開状態である場合に対応する特図非電作動口へと遊技球が入球しても何ら影響が無いため、特図非電動役物が開状態である場合において、普図当たり遊技が実行されることに対して遊技者の興味が低くなる虞があったが、作動装置3070の内部に上述した入賞口及び、入賞口へと遊技球を入賞させることが可能な流路を設けることにより、作動装置3070へと流入した遊技球によって、特図非電動役物を開状態へと作動(可変)させるだけでは無く、賞球が付与される可能性があるため、特図非電動役物が開状態である場合における普図当たり遊技に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
なお、この場合、特図非電動役物が開状態である場合のほうが、特図非電動役物が閉状態である場合よりも、対応する特図非電作動口へと入球し得る遊技球が上述した入賞口へと入賞し易くなるように構成すると良く、例えば、特図非電作動口を遊技球が通過可能な構成(例えば、歯車構成)とし、特図非電動役物が閉状態である場合には、特図非電作動口へと入球した遊技球が作動用機構に当接し、作動用機構を作動させると共に、その遊技球がパチンコ機10の外部へと排出されるように構成し、特図非電動役物が開状態である場合には、特図非電作動口へと入球した遊技球が作動用機構に当接すること無く、入賞口に向かって流下するように構成すると良い。このように構成することで、特図非電動役物が開状態である場合のほうが、特図非電動役物が閉状態である場合よりも、普図当たり遊技中において多くの賞球を獲得し易くすることが可能となる。
よって、特図非電動役物が開状態である場合の普図当たり遊技を、賞球獲得の点において遊技者に有利な遊技とすることができるため、特図非電動役物の開閉状況に関わらず、普図当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
まず、図360を参照して普図当たり開放パターンAの内容について説明をする。図360に示した通り、普図当たり遊技が実行されると、オープニング期間の計測が開始されると共に、可動片3072を可変制御するためのシナリオが更新される。
可動片3072の可変制御は、普図当たり種別に関わらず常に一定に規定されており、普図当たり遊技が開始されてから0.5秒経過してから1.5秒間の間、可動片3072を閉鎖位置へと位置させるシナリオが規定されている。つまり、普図当たり遊技が実行される毎に、1.5秒間の閉期間が所定タイミング(普図当たり遊技が実行されてから0.5秒後)に設定されるようにシナリオが規定されている。
そして、普図当たり開放パターンAは、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071を開状態へと可変させるまでの期間(オープニング期間)として3秒が規定されており、その後、普通電動役物3071を開状態へと可変される期間(開放期間)として2.5秒が規定されており、開放期間が経過してから普図当たり遊技を終了させるまでの期間(エンディング期間)として、1秒が規定されている。つまり、普図当たり開放パターンAが設定された場合には、普図当たり遊技の遊技期間が最長で6.5秒となるように普図当たり遊技のシナリオが規定されている。
なお、上述した普図当たり遊技における開放期間(2.5秒)は、時間経過以外の条件によっても終了させることが可能に構成されており、具体的には、開放期間中に作動装置3070へと流入した遊技球の個数が所定数(2個)に到達した場合(入賞数終了条件が成立した場合)に、開放期間の時間経過を待たずに開放期間を終了させるように構成している。つまり、普図当たり遊技が実行された場合に、普図当たり遊技が実行されていない場合に比べて遊技球が入球し易くなる領域(作動装置3070の内部)への遊技球の流入数(入球数)が所定数に到達することで普図当たり遊技を終了させることができるように構成している。このように構成することで、1回の普図当たり遊技に対して遊技者に付与可能な特典量に上限を設けることができるため、遊技者に過剰に特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
また、入賞数終了条件を成立させることにより普図当たり遊技を終了させることで、普図当たり遊技の遊技期間を、時間経過に基づいて普図当たり遊技を終了させる場合よりも短くすることができるため、結果として、単位時間当たりにおける普通図柄の抽選回数を増加させることが可能となる。よって、例えば、主として特図1非電作動口3073aへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり開放パターンAが設定され易い時短状態において、時短状態が終了するまでに、1回でも多く第2特別図柄抽選を実行させる(特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり遊技を実行させる)ことを目指して、遊技者に継続して遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
特に、普図当たり開放パターンAが設定され易い時短状態において、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)数が上限数(4個)に到達している状態、即ち、これ以上、右第1入球口3064に遊技球を入球させたとしても新たな特図1保留を獲得(記憶)することが出来ない状態では、無駄な遊技球を発射させないために遊技球を発射させる遊技(右打ち遊技)を一時的に中断する行為が一般的に実行されるが、本第9制御例におけるパチンコ機10では、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得するために、遊技者に対して継続して遊技を行う行為を選択させることができる。よって、遊技者に対して、無駄に遊技球を使用しない遊技と、有利な特典が付与されることを目指して無駄に遊技球を使用する遊技と、を選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。
図360に示した通り、普図当たり開放パターンAが設定された場合には、オープニング期間として3秒が設定されるため、オープニング期間が経過するまでの間に、可動片3072の閉期間が終了することになる。よって、普図当たり開放パターンAが設定された普図当たり遊技が実行された場合には、普通電動役物3071が開放され、作動装置3070へと流入した遊技球が、第1流路3070a、第2流路3070bを流下して特図1非電作動口3073aへと入球することになる(図357(b)参照)。
次に、図361を参照して、普図当たり開放パターンBが設定された場合の普図当たり遊技の流れについて説明をする。本第9制御例では、普図当たり開放パターンAと、普図当たり開放パターンBと、で普図当たり遊技のオープニング期間の長さを異ならせているだけであり、それ以外は同一内容の普図当たり遊技が実行されるように構成している。同一内容については、その詳細な説明を省略する。
図361に示した通り、普図当たり開放パターンBには、普図当たり遊技のオープニング期間として、0.5秒が規定されているため、可動片3072が閉鎖位置に位置している期間中に作動装置3070へと流入した遊技球を可動片3072へと到達させることができる。
以上、説明をした通り、本第9制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選が実行されるように構成しており、普図当たり当選した場合に設定される普図当たり種別に応じて、普図当たり遊技中に遊技球が入球し易い非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)を異ならせるように構成している。
そして、遊技者に有利な第2特別図柄抽選の実行形機となる特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球可能となる普図当たり遊技(普図当たり開放パターンBが設定される普図当たり遊技)のほうが、普図当たり遊技の遊技期間が短くなるように構成している。
このように構成することで、時短状態の種別として、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させ易い時短種別である時短Bが設定された場合には、普図当たり遊技を効率良く実行させることができるため、遊技者に円滑に時短状態中の遊技を実行させることができる。
一方、時短状態の種別として、遊技者に不利な第1特別図柄抽選の実行形機となる特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球可能となる普図当たり遊技(普図当たり開放パターンAが設定される普図当たり遊技)が実行され易い時短Aが設定された場合には、普図当たり遊技のオープニング期間が長くなる分、1回の普図当たり遊技に要する期間が長くなるため、時短状態中における普図当たり遊技の実行回数(普通図柄抽選の実行回数)が過剰に増加してしまうことを抑制することができる。
加えて、普図当たり開放パターンAが設定された場合には、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な期間が経過してから普図電動役物3071が開放されるように構成しているため、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bに入球してしまう事態が発生することを抑制することができる。
つまり、設定される普図当たり開放パターンに応じて、作動装置3070へと遊技球が流入可能な期間(普通電動役物3071の開放期間)と、可動片3072が閉鎖位置に位置する期間(可動片3072の閉期間)と、の重複度合いを異ならせることで、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり遊技(有利普図当たり遊技)と、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが困難な普図当たり遊技(不利普図当たり遊技)と、を設定可能な手法として、本第9制御例にて用いた手法、即ち、普図当たり遊技のオープニング期間の長さを普図当たり種別に応じて異ならせ、短いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が有利普図当たり遊技となり、長いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が不利普図当たり遊技となる手法以外の手法として、短いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が不利普図当たり遊技となり、長いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が有利普図当たり遊技となるように構成しても良い。
しかしながら、この場合、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと遊技球が流入するタイミングよりも時系列的に後のタイミングで可動片3072が閉鎖位置に位置することになるため、例えば、不利普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が作動装置3070内の遊技領域に滞留することで、可動片3072が閉鎖位置へと位置した後に可動片3072に遊技球が到達する虞がある。
これに対して、本第9制御例にて用いた手法では、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと遊技球が流入するタイミングよりも前に可動片3072が閉鎖位置に位置する閉期間が終了するため、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと流入した遊技球が作動装置3070内の遊技領域に滞留したとしても、特図2非電作動口3073bへと入球してしまうことを抑制することができる。よって、例えば、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと流入した遊技球を意図的に作動装置3070内に滞留させる不正行為を実行され難くすることができる。
なお、図360及び図361を参照して上述した通り、本第9制御例では、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が確実に特図2非電作動口3073bへと入球し得ない普図当たり開放パターンAと、確実に特図2非電作動口3073bへと入球する普図当たり開放パターンBと、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、同一の普図当たり開放パターンが設定された場合において、作動装置3070へと遊技球が流入するタイミングや、作動装置3070へと流入した遊技球が可動片3072に到達するまでに要した期間に応じて、特図2非電作動口3073bへと入球し得る場合と、し得ない場合と、が切り替わるように構成しても良い。
この場合、例えば、普図当たり遊技中における普通電動役物3071の開放期間(2.5秒)のうち一部の期間(最初の0.5秒間や最後の0.5秒間)に作動装置3070へと遊技球を流入させた場合に、その遊技球が閉鎖位置に位置している可動片3072へと到達可能となるように構成すると良い。このように構成することで、作動装置3070へと遊技球を流入させるタイミングによって特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球するか否かが決定されるため、遊技者に対して、どのタイミングで作動装置3070へと遊技球が入球するかについて興味を持たせることができる。
また、それ以外の構成として、例えば、作動装置3070へと流入した遊技球が流下可能な複数の流路を、作動装置3070の内部に形成し、遊技球が流下する流路に応じて可動片3072へと到達するまでに要する期間を異ならせるように構成し、作動装置3070へと流入してから可動片3072へと到達するまでに要する期間が所定期間以内である場合に閉鎖位置に位置している可動片3072へと到達可能となるように構成したり、作動装置3070へと流入してから可動片3072へと到達するまでに要する期間が所定期間以上である場合に閉鎖位置に位置している可動片3072へと到達可能となるように構成したりしても良い。このように構成することで、作動装置3070へと流入した遊技球が可動片3072へと到達するまでの挙動に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第9制御例では、上述した通り、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態(確変状態、時短状態)の種別によって、実行され易くなる特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態(時短状態)中に普図当たり当選した場合に設定される普図当たり種別によって、実行され易くなる特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しても良い。
また、本第9制御例では、実行される普図当たり遊技の開放パターンに対応させて遊技球が入球可能となる非電作動口の種別が決定されるように構成しているが、これに限ること無く、実行される普図当たり遊技の開放パターンに応じて遊技球が入球し易くなる非電作動口の種別を異ならせるように構成しても良い。つまり、何れの開放パターンで普図当たり遊技が実行された場合であっても、何れの非電作動口にも遊技球が入球し得るように構成し、各非電作動口への入球のし易さを普図当たり遊技の開放パターンに対応させて可変可能に構成しても良い。
<第9制御例における遊技状態の遷移内容について>
次に、図362を参照して、本第9制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容について説明をする。図362は、本第9制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を示したゲームフローである。
本第9制御例では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の3つの遊技状態を設定可能に構成し、さらに、時短状態が設定されることとなる契機(時短設定契機)に応じて、時短終了条件が比較的成立し易い第1時短状態と、時短終了条件が比較的成立し難い第2時短状態と、を設定可能に構成している。具体的には、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合よりも、時短当選の判定(時短抽選)で時短当選したことに基づいて時短状態が設定される場合の方が遊技者に有利な第2時短状態が設定され易くなるように構成している。
よって、遊技者に対して、時短状態が設定されるか否かだけで無く、時短状態がどの時短設定契機に基づいて設定されたのかについても興味を持たせることができる。
まず、通常状態における遊技内容について説明をする。図362に示した通り、本第9制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技によって発射された遊技球が流下可能な遊技領域(左打ち領域)、即ち、可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球口64が設けられており、第1入球口64に遊技球が入球した場合には、第1特別図柄抽選が実行される。一方、通常状態において右打ち遊技を行ったとしても、普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態では、普通図柄抽選で当たり当選する確率が低確率(1/240)であり、作動装置3070へと遊技球を流入させ難いことから、右第1入球口3064や第2入球口3065へと遊技球を入球させ難い状態となる。よって、通常状態中は左打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
第1特別図柄抽選では、27/8192の確率で大当たり当選する大当たり抽選(大当たり当選判定)が実行され、さらに、1/8192の確率で時短当選する時短抽選(時短当選判定)が実行されるように構成している。ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、大当たりBが設定されるように構成しており、大当たりA(選択割合70%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、確変状態(宇宙モード)が設定される。一方、大当たりB(選択割合30%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。
確変状態(宇宙モード)中は、普通図柄の高確率状態が設定されており、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(239/240)となるため、右打ち遊技によって作動装置3070へと遊技球を流入させ、何れかの非電作動口へと遊技球を入球させることにより右第1入球口3064、或いは第2入球口3065へと遊技球を入球させる遊技を実行し易い状態となる。よって、確変状態(宇宙モード)中は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
確変状態(宇宙モード)中は、作動装置3070へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球し易くなるように構成しているため、基本的には第1特別図柄抽選が実行される。第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、上述した通り、大当たり種別として大当たりA,大当たりBが設定されるため、大当たりA(選択割合70%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、再度確変状態(宇宙モード)が設定され、大当たりB(選択割合30%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。
第1時短状態(チャレンジモード)中は、普通図柄の高確率状態が設定されており、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(239/240)となるため、上述した確変状態と同様に、右打ち遊技によって作動装置3070へと遊技球を流入させ、何れかの非電作動口へと遊技球を入球させることにより右第1入球口3064、或いは第2入球口3065へと遊技球を入球させる遊技を実行し易い状態となる。よって、第1時短状態(時短Aモード)中は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
第1時短状態(チャレンジモード)中は、作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球し易くなるように構成しているため、基本的には第2特別図柄抽選が実行される。第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、大当たりCが設定されるように構成しており、大当たりA(選択割合10%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。一方、大当たりC(選択割合90%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第2時短状態(天国モード)が設定される。
第2時短状態(天国モード)中は、上述した第1時短状態(チャレンジモード)と、同様に、普通図柄の高確率状態が設定されており、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(239/240)となるため、上述した確変状態と同様に、右打ち遊技によって作動装置3070へと遊技球を流入させ、何れかの非電作動口へと遊技球を入球させることにより右第1入球口3064、或いは第2入球口3065へと遊技球を入球させる遊技を実行し易い状態となる。よって、第1時短状態(時短Aモード)中は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
第2時短状態(天国モード)中は、作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球し易くなるように構成しているため、基本的には第2特別図柄抽選が実行される。第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、大当たりCが設定されるように構成しており、大当たりA(選択割合10%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。一方、大当たりC(選択割合90%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第2時短状態(天国モード)が設定される。
ここで、本第9制御例では、第1時短状態と、第2時短状態とで、時短終了条件の成立のし易さを異ならせており、第1時短状態の方が第2時短状態よりも時短終了条件が成立し易くなるように構成している。具体的には、第1時短状態は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数と、を合算した合算抽選回数が10回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定されており、大当たり遊技が実行されること無く、時短終了条件が成立した場合には、遊技状態が通常状態へと移行する。
一方、第2時短状態は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数と、を合算した合算抽選回数が10000回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定されており、大当たり遊技が実行されること無く、時短終了条件が成立した場合には、遊技状態が通常状態へと移行する。本第8制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が約27/8192となるように構成しているため、第2時短状態が設定された場合には、実質、次回大当たり当選するまで時短状態が継続することになる。
<第9制御例における演出内容について>
次に、図363および図364を参照して、本第9制御例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、通常状態中における時短当選を示すための時短当選演出の内容や、各遊技状態に対応した演出モード画面の内容について説明をする。なお、上述した各実施形態と同一の演出要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図363(a)を参照して、通常状態で時短図柄当たり(時短当選)した場合の演出内容について説明をする。図363(a)は、通常状態で時短図柄当たり(時短当選)した場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される一例を示した図である。
本第9制御例では、通常状態中にのみ時短抽選を実行可能に構成している。具体的には、通常状態中に実行された特別図柄抽選の結果が大当たり当選では無い(外れである)場合に、時短当選の有無を判定可能に構成しており、特別図柄抽選が実行された場合の1/8192という低確率で時短当選するように構成している。そして、時短当選した場合には、対象となる特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動を停止表示した後に時短状態(第2時短状態)が設定されるように構成している。ここで、本第9制御例では、第2時短状態が遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成しているため、通常状態中の遊技を行っている遊技者は、特別図柄抽選で大当たり当選することを目指しながらも、時短当選を目指すことが可能となる。
そして、特別図柄抽選で時短当選した場合には、図363(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面がブラックアウトする画像が表示される。本第8制御例では、上述した各制御例と同様に、特別図柄変動の変動パターンを決定(選択)する際に、時短当選の有無を参照しないように構成している。具体的には、時短当選の有無に関わらず、特別図柄抽選の結果が外れに対応した変動パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、実行される特別図柄変動の変動パターンから時短当選の有無を遊技者に予測され難くすることができる。また、上述した各制御例と同様に通常状態において特別図柄抽選の結果が外れの場合には、異なる変動時間の変動パターンが選択されるように構成していることから、時短当選した特別図柄変動の変動パターンも異なる変動時間が設定されることになる。
さらに、本第9制御例のように、時短当選したことを示す特別図柄変動に対応する変動演出として、特定の画像(ブラックアウト画像)を特別図柄の停止コマンドを受信するまで継続して表示するように構成することで、異なる変動時間の変動パターンが選択された場合であっても、音声ランプ制御装置113にて設定される変動演出として、時短当選に対応する変動演出を決定する処理を簡素化することができる。
なお、本第9制御例では、時短当選に対応する変動演出(特別図柄変動中に第3図柄表示装置81に表示される演出)として、図363(a)に示した表示画面を必ず表示するように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短当選に対応する変動演出として、主制御装置110から出力された変動パターンコマンド(外れ当選を示す変動パターンコマンド)に基づく変動演出(特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための変動演出)を設定し、設定された変動演出の実行期間中における特定タイミング(例えば、変動演出が実行されてから5秒経過したタイミングや、変動演出の演出態様が進展するタイミング(リーチ表示タイミング)や、外れを示す組合せで第3図柄を停止表示させるタイミング)から、ブラックアウト画像を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選が外れであることを示すための変動演出が実行されている最中、つまり、遊技者の遊技意欲が低下し易い期間において、遊技者に最も有利な特典(時短当選)が付与されることを報知することができるため、特別図柄抽選の結果が外れである可能性が高い変動演出が実行されている間も、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、通常の変動演出が実行されている期間中に時短当選を示す演出を割り込ませる手法としては、上述した通り、予め定められた特定タイミングにて時短当選を示す演出を割り込ませる手法以外にも、例えば、遊技者に対して枠ボタン22を操作させる操作演出が実行される場合には、その操作演出の演出結果の一部として、時短当選を示す演出を割り込ませるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することに基づいて、時短当選の有無を報知するための演出を実行することができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることが可能となる。
次に、図363(b)を参照して、第2時短状態(天国モード)中における演出内容について説明をする。図363(b)は、第2時短状態(天国モード)中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図363(b)に示した通り、第2時短状態(天国モード)が設定されると、主表示領域Dmの背面画像として、天国を模した背面画像が表示されるように構成している。そして、小表示領域Dm31には、大当たり当選した場合に、再度、第2時短状態(天国モード)が設定される確率(継続率)を示すための案内態様として「継続率90%」の文字が表示されている。そして、副表示領域には、大当たり当選した後に第2時短状態(天国モード)が設定されなかった場合(継続しなかった場合)における遊技内容を説明するための案内態様として「終了しても行き先は宇宙だよ」のコメントが表示されている。
また、主表示領域Dmの左側に形成される小表示領域Dm32には、各遊技状態に対応した演出モード(天国、宇宙、通常)が、遊技者への有利度合いに対応させた順序で表示されている。本第9制御例では、遊技者に有利な遊技状態である程、地面から離れた(標高の高い)場所が演出モードの背景となるように構成しており、最も遊技者に有利な遊技状態(第2時短状態)に対して天国モードが、次に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)に対して宇宙モードが設定されるように構成している。
このように、複数の演出モードの態様と、遊技者への有利度合いとに関連性を持たせるように構成することで、遊技者に対して表示されている演出モードが有利であるか否かを視覚的に判別させ易くすることができる。加えて、小表示領域Dm32に表示される案内態様によって、設定可能(移行可能)な演出モードの全容と、現在設定されている演出モードと、各演出モードの有利度合いと、を遊技者に視覚的に把握させ易くすることができるため、遊技者に対して、現在設定されている演出モードが継続した方が良いのか、より有利な演出モードへと移行した方が良いのかを容易に判別することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供し易くすることができる。
なお、図363(b)に示した通り、第2時短状態(天国モード)中は、時短回数として10000回が設定されており、実際には、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く、10000回の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて時短終了条件が成立し、通常状態へと移行するように構成しているが、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く、10000回の特別図柄抽選が実行される割合はごく僅かであるため、時短終了条件が成立するまでの特別図柄抽選の実行回数(残時短回数)を表示しないように構成している。
このように構成することで、第2時短状態(天国モード)が次回の大当たり当選まで継続すると遊技者に思わせ易くすることができる。なお、万が一、第2時短状態における残時短回数が所定数(例えば、50回)に到達した場合には、第2時短状態が終了する虞があることを遊技者に報知するための注意喚起画像と、残時短回数と、を表示する注意演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、何の前触れも無く第2時短状態が終了してしまい遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。
次に、図364(a)を参照して、確変状態(宇宙モード)中の表示画面の内容について説明をする。図364(a)は、確変状態(宇宙モード)中の表示画面に表示される表示内容の一例を示した図である。図364(a)に示した通り、確変状態中は、右打ち遊技によって第1特別図柄抽選が実行され易くなるように構成していることから、小表示領域Dm1には第1特別図柄変動が実行中であることを示すための表示態様(図では矢印3本で表示)が表示されている。そして、主表示領域Dmの背景画像として、宇宙を模した背景画像が表示され、現在の演出モードを示すための案内態様として「宇宙モード」の文字が表示されている。
そして、小表示領域Dm31には、大当たり遊技終了後に再度確変状態(宇宙モード)が設定される確率(継続率)を示すための案内態様として「継続率70%」の文字が表示されている。また、小表示領域Dm32には、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に分かり易く報知するの表示態様が表示されている。この宇宙モードが設定されている遊技状態、即ち、確変状態は、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率(1/60)となり、次回大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成している。つまり、確変状態(宇宙モード)が設定された場合には、上述した第2時短状態(天国モード)が設定された場合と同様に、次の大当たり遊技が実行されるまで継続して遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行し易い遊技)が実行されることになることから、遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、図364(b)を参照して、第1時短状態(チャレンジモード)が設定された場合に実行される演出内容について説明をする。図364(b)は、第1時短状態(チャレンジモード)中に表示される表示画面の一例を示した図である。図364(b)に示した通り、第1時短状態(チャレンジモード)が設定されると、ロケット1851によって高度(標高)を徐々に高くするための演出が実行されるように構成している。そして、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選(10回)の残回数を示すため表示態様が小表示領域Dm8に表示され、副表示領域Dsには「天国まで届け」のコメントが表示されており、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選によって、大当たり当選を目指す遊技に対応した演出が実行される。
つまり、第1時短状態中は、第2特別図柄抽選の結果に基づいて、ロケット1851の上昇度合いを可変させた変動演出が実行され、大当たり当選した場合にはロケット1851が天国に到達した演出が実行される。そして、第1時短状態の時短終了条件が成立する第2特別図柄変動、即ち、時短最終変動の抽選結果が外れである場合には、ロケット1851が故障して通常背景(例えば、地面)に落下する演出が実行され、第1時短状態の終了後に通常状態が設定されることを遊技者に案内するように構成している。
また、第1時短状態中に実行された第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、ロケット1851が宇宙を彷徨ったまま宇宙モードへと移行する演出が実行される。このように構成することで、チャレンジモード中は複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いだ期間演出を継続して実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第9制御例における電気的構成について>
次に、図365から図375を参照して、本第9制御例のパチンコ機10における電気的構成について説明をする。本第9制御例では、上述した第5制御例のパチンコ機に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
まず、図365から図367を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図365(a)は、本第9制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図365(a)に示した通り、本第9制御例におけるROM202の構成は、上述した第5制御例におけるROM202の構成(図244(a)参照)に対して、第1当たり乱数5テーブル202daに代えて第1当たり乱数9テーブル202haを、第1当たり種別選択5テーブル202dbに代えて大当たり種別選択9テーブル202hbが設けられている点、及び、普図当たり種別選択9テーブル202hf、及び時短当たり乱数テーブル202heが追加されている点で相違している。
普図当たり種別選択9テーブル202hfは、普通図柄の抽選で当たり(普図当たり)当選した場合に、その普図当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。詳細な内容については、図367(b)を参照して後述するが、普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、この普図当たり種別選択9テーブル202hfが参照されて、当選時の遊技状態と、取得した普図当たり種別カウンタC6の値に対応する普図当たり種別が決定される。この普図当たり種別選択9テーブル202hfに規定されている内容については、図367を参照して後述する。
ここで、普図当たり種別カウンタC6は、他の各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1等)と同様に、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理によって定期的に値が更新されるカウンタである。具体的には、タイマ割込処理が実行される毎に、普図当たり種別カウンタC6の値を1加算すると共に、カウンタ値が最大値(本実施形態では99)に達した際、最小値0にクリアする。つまり、普図当たり種別カウンタC6は、「0~99」の範囲をループしながら値が更新されるものである。そして、更新後の値が、RAM203の該当するバッファ領域に格納される。普図当たり当選した場合には、RAM203の該当するバッファ領域に格納されている普図当たり種別カウンタC6が読み出され、普図当たり種別を決定する際に参照される。
次に、図365(b)を参照して、本第9制御例における第1当たり乱数9テーブル202haについて説明する。図365(b)は、本第9制御例における第1当たり乱数9テーブル202haの規定内容を示した図である。
図365(b)に示した通り、第1当たり乱数9テーブル202haは、上述した第1当たり乱数5テーブル202da(図245(a)参照)に対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲を異ならせている点で相違している。また、本第9制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせている。具体的には、上述した第5制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を「0~899」の900個に規定しているが、本第9制御例では、「0~8191」の8192個に規定している。このように構成することで、第1当たり乱数カウンタC1の値を参照して決定される各種判定において、より低確率な判定結果を規定することができる。なお、本第9制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせているだけであり、第1当たり乱数カウンタC1の値を更新するための処理や、更新後の値を格納する構成については同一であるためその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄の確率状態が「低確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~26」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「27~8191」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~136」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「137~8191」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。
つまり、特別図柄の確率状態が「低確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が8192個に対して、大当たりと判定される値が27個であるため、大当たり当選確率が27/8192(約1/300)となる。一方、特別図柄の確率状態が「高確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が8192個に対して、大当たりと判定される値が137個であるため、大当たり当選確率が137/8192(約1/60)となる。
次に、図366(a)を参照して、本第9制御例における大当たり種別選択9テーブル202hbについて説明する。図366(a)は、大当たり種別選択9テーブル202hbの規定内容を示した図である。図366(a)に示した通り、大当たり種別選択9テーブル202hbには、第1特別図柄(特図1)に対応した大当たり種別として、大当たりA9,B9の2種類が、第2特別図柄(特図2)に対応した大当たり種別として、大当たりA9,C9の2種類が設けられている。
図366(a)に示した通り、特別図柄の種別として、特図1(第1特別図柄)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~69」の範囲には、「大当たりA9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別(9ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA9」となるカウンタ値は70個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA9」が決定される割合は70%(70/100)である。
図366(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~99」の範囲には、「大当たりB9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態が設定される大当たり種別(9ラウンド第1時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB9」となるカウンタ値は30個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB9」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、特別図柄の種別として、特図2(第2特別図柄)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、「大当たりA9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別(9ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA9」となるカウンタ値は10個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA9」が決定される割合は10%(10/100)である。
図366(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~99」の範囲には、「大当たりC9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態が設定される大当たり種別(9ラウンド第2時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC9」となるカウンタ値は90個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC9」が決定される割合は90%(90/100)である。
次に、図366(b)を参照して、時短当たり乱数9テーブル202heの詳細な内容について説明をする。図366(b)は、時短当たり乱数9テーブル202heに規定されている内容を模式的に示した図である。この時短当たり乱数9テーブル202heは、上述した第5制御例における時短当たり乱数5テーブル202geに対して、時短当選し得る第1当たり乱数カウンタC1の値を異ならせている点と、第2特別図柄抽選においても時短当選し得る第1当たり乱数カウンタC1の値を規定している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても第1当たり乱数カウンタC1の値が「8192」に対して時短当選と判定される判定値が規定されている。つまり、本第9制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選において1/8192の確率で時短当選するように構成している。なお、時短当選した場合には、必ず時短種別として第2時短(時短B)が設定されるように構成しているため、時短当選した後は、第2時短状態(天国モード)へと移行する。
次に、図367を参照して、普図当たり種別選択9テーブル202hfの詳細な内容について説明をする。図367は、普図当たり種別選択9テーブル202hfに規定されている内容を示した図である。この普図当たり種別選択9テーブル202hfは、普通図柄抽選で当たり当選した場合において設定される普図当たり種別を決定する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態と、取得した普図当たり種別カウンタC6の値とに対応付けて異なる普図当たり種別(普図当たりA、普図当たりB)がそれぞれ規定されている。
具体的には、図367に示した通り、遊技状態が「確変」、又は「第1時短」であって、取得した普図当たり種別カウンタC6の値が「0~99」の範囲には、普図当たり種別として「普図当たりA」が決定されるように構成されており、遊技状態が「第2時短」であって、取得した普図当たり種別カウンタC6の値が「0~99」の範囲には、普図当たり種別として「普図当たりB」が決定されるように構成している。
ここで、普図当たり種別の内容について説明をする。本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合と、普通図柄の高確率状態が設定されている場合とで、普図当たり遊技における普通電動役物3071の開放パターンを異ならせており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも、1回の普図当たり遊技において普通電動役物3071が開状態となる期間が短くなるように構成している。これにより、普通図柄の高確率状態のほうが、普通図柄の低確率状態よりも、作動装置3070へと遊技球を入球させ易くすることが可能となる。
上述した通り、作動装置3070の内部には、右第1入球口3064に付随する特図1非電動役物3064aを閉状態から開状態へと作動させるための特図1非電作動口3073aや、第2入球口3065に付随する特図2非電動役物3065aを閉状態から開状態へと作動させるための特図2非電作動口3073bが配設されていることから、作動装置3070へと遊技球を流入させ易い状態(普通図柄の高確率状態)のほうが、作動装置3070へと遊技球を流入させ難い状態(普通図柄の低確率状態)よりも、特別図柄の抽選を実行させ易い遊技状態となるため、遊技者に有利な遊技状態となる。
さらに、本第9制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態において、異なる時短種別を設定可能に構成しており、設定された時短種別に応じて、普通図柄抽選で当たり当選した場合に決定される普図当たり種別の選択割合を異ならせるように構成している。本第9制御例では、図367(b)に示した通り、普図当たり種別として「普図当たりA」、「普図当たりB」を選択可能に構成している。
そして、普図当たり種別として「普図当たりA」が決定された場合と、「普図当たりB」が決定された場合とで、1回の普図当たり遊技において普通電動役物3071が開状態となる期間の長さを変えること無く、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071が開状態となるまでの期間(オープニング期間)の長さを異ならせるように構成している。つまり、何れの普図当たり種別が決定された場合であっても、通常状態(普通図柄の低確率状態)において実行される普図当たり遊技よりも、遊技球を作動装置3070へと流入させ易い普図当たり遊技が実行されるが、決定された普図当たり種別に応じて、作動装置3070への遊技球の流入タイミングを異ならせるように構成し、流入タイミングを異ならせることにより、作動装置3070へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球し易い普図当たり遊技と、特図2非電作動口3073bへと入球し易い普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。
具体的には、普図当たり種別として「普図当たりA」が設定された場合には、作動装置3070内へと流入した遊技球が可動片3072に到達し得る期間において、可動片3072が開状態となり易くなるように普図当たり遊技のオープニング期間が設定され、「普図当たりB」が設定された場合には、作動装置3070内へと流入した遊技球が可動片3072に到達し得る期間において、可動片3072が閉状態となり易くなるように普図当たり遊技のオープニング期間が設定されている。
なお、本第9制御例では、図360及び図361を参照して上述した通り、普図当たり遊技として、作動装置3070へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球する普図当たり遊技(普図当たりAの普図当たり遊技)と、作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球する普図当たり遊技(普図当たりBの普図当たり遊技)と、を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図当たり遊技によって普通電動役物3071が開状態となる開放期間のうち、第1期間内に遊技球を作動装置3070へと流入させた場合には特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能となり、第1期間とは異なる第2期間内に遊技球を作動装置3070へと流入させた場合には特図1非電作動口3073aへと遊技球を入球させることが可能となる普図当たり遊技(例えば、普図当たり種別「普図当たりC」)を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、設定された普図当たり種別に応じて遊技球が入球し得る非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)が決定されるのでは無く、遊技球の流下状況(作動装置3070への流入タイミングや、作動装置3070内での流下速度や流下経路等)に応じて入球し得る非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)が決まるため、遊技者に対して、何れかの非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)へと遊技球が入球するまで何れの特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)が実行され易くなるのかを把握させ難くすることができる。
なお、本第9制御例では、図367に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、設定される普図当たり種別を確実に異ならせるように普図当たり種別選択9テーブル202hfの内容を規定しているが、これに限ること無く、第2時短状態が設定されている場合のほうが、普図当たりBの普図当たり種別が選択され易くなる範囲において、第2時短状態が設定されていない場合であっても普図当たりBを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が主に実行される普通図柄の高確率状態において、突然、第2特別図柄抽選が実行される状況を創出することができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
次に、図368を参照して、本第9制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明する。図368は、本第9制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図368に示した通り、本第9制御例におけるRAM203の構成は、上述した第5制御例におけるRAM203の構成(図244(b)参照)に対して、特図2変動回数カウンタ203paが追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第5制御例におけるRAM203の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
大当たり種別格納エリア203ebは、大当たりに当選した場合に、当該当選した大当たりの種別を示すデータを一時的に格納しておくための記憶領域である。この大当たり種別格納エリア203ebには、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別に対応するデータが格納される。この大当たり種別格納エリア203ebに格納されたデータは、当選した大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の遊技状態を、大当たり種別に応じて設定するために用いられる。なお、大当たり種別格納エリア203ebの詳細な内容については、第9実施形態に上述した内容と同一であるため、その説明を省略する。
次に、図369(a)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図369(a)は、本第9制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図369(a)に示した通り、本第9制御例におけるROM222の構成は、上述した第5制御例におけるROM222の構成に対して、期待度選択テーブル222paが追加されている点でのみ相違している。この期待度選択テーブル222paは、時短種別「時短A」、即ち、主として第1特別図柄抽選が実行される時短状態が設定されている状態において、第2特別図柄抽選が比較的実行され難い「時短A1」が設定されているか、比較的実行され易い「時短A2」が設定されているかを遊技者に示唆するためのモード種別示唆演出(図791(b)参照)の演出態様(演出により示唆される期待度)を決定するために参照されるデータテーブルである。
ここで、上述した通り、本第9制御例では、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選が実行され易い時短状態として、「時短A」を設定可能に構成している。さらに、「時短A」として、第2特別図柄抽選が比較的実行され難い「時短A1」が設定されているか、比較的実行され易い「時短A2」を設定可能に構成している。そして、「時短A」が設定されている場合には、何れの時短種別(時短A1、時短A2)が設定されている場合も共通のモード演出(時短Aモード)を実行するように構成している。
このように構成することで、時短Aモードの演出が実行された遊技者に対して、設定されている時短種別が「時短A1」であるか「時短A2」であるかを予測させる楽しみを提供することができる。また、時短Aモードの演出が実行されている状態で、モード示唆演出を実行可能に構成しているため、時短Aモードの演出が実行されている状態において、遊技者に対して実際に設定されている時短種別(時短A1、時短A2)を予測するための要素を提供することができる。
ここで、この期待度選択テーブル222paの詳細について、図369(b)を参照して説明する。図369(b)は、期待度選択テーブル222paの規定内容を示した図である。図369(b)に示した通り、この期待度選択テーブル222paは、時短種別毎に、期待度の種別(時短A2の時短種別が設定されている期待度)と、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図369(b)に示した通り、時短種別「時短A1」(時短Aのうち、第2特別図柄抽選が実行される確率が比較的低い時短種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~4」の範囲に高期待度用の演出態様が対応付けて規定され、「5~49」の範囲に中期待度用の演出態様が対応付けて規定され、「50~99」の範囲に低期待度用の演出態様が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223eaは、「0~99」の100個の値を取り得るので、時短種別A1となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ5%(5/100)、45%(45/100)、および50%(50/100)である。
また、図369(b)に示した通り、時短種別「時短A2」(時短Aのうち、第2特別図柄抽選が実行される確率が比較的高い時短種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0~19」の範囲に高期待度用の演出態様が対応付けて規定され、「20~79」の範囲に中期待度用の演出態様(図示せず)が対応付けて規定され、「80~99」の範囲に低期待度用の演出態様が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223ekaは、「0~99」の100個の値を取り得るので、時短A2となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ20%(20/100)、60%(60/100)、および20%(20/100)である。これらの規定内容から、高期待度用の演出態様は、時短A2が設定されている場合に選択され易くなる一方で、時短A1が設定されている場合に選択し難くなると言える。また、中期待度用の演出態様は、時短A1、時短A2の何れが設定されている場合にも比較的高い割合で選択され、低期待度用の演出態様は、時短A2が設定されている場合に選択され難く、時短A1が選択されている場合に選択され易くなる。よって、高期待度用の演出態様が実行された場合には、設定されている時短種別が時短A2である可能性が高いということを示唆することが可能となる一方で、低期待度用の演出態様が実行された場合には、設定されている時短種別が時短A1である可能性が高いということを示唆することが可能となる。また、中期待度用の演出態様が実行された場合には、設定されている時短種別が時短A1、時短A2の何れの可能性もあるということを示唆することが可能となる。これにより、演出態様により示唆された期待度に応じて、遊技者に対して時短状態中における第2特別図柄抽選の実行期待度を予測させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図370を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図370は、RAM223の構成を示したブロック図である。図370に示した通り、本第9制御例におけるRAM223は、上述した第5制御例におけるRAM223の構成に対して、演出抽選カウンタ223ha、残時短回数カウンタ223hb、特図1非電開放中フラグ223hc、特図2非電開放中フラグ223hd、初期変動待機フラグ223heが追加されている点で相違している。
演出抽選カウンタ223haは、上述した期待度選択テーブル222paから1の演出態様(期待度種別)を選択するために用いるカウンタである。この演出抽選カウンタ223haは、「0~99」の範囲で値が更新される。特殊小当たり演出の演出態様(期待度種別)を選択する場合は、期待度選択テーブル222paに規定された乱数値(カウンタ値)と、この演出抽選カウンタ223haの値と比較されて、対応する1の演出態様(期待度種別)が選択される。この演出抽選カウンタ223haは、例えばメイン処理17(図807参照)の中で1ms毎に更新される。
残時短回数カウンタ223hbは、時短状態中における残時短回数を計測するためのカウンタである。
特図1非電開放中フラグ223hcは、特図1非電動役物3064aが作動していることを示すためのフラグであり。特図1非電動役物3064aが開状態(作動中)である場合にオンに設定され、閉状態(未作動中)である場合にオフに設定されるフラグである。
特図2非電開放中フラグ223hdは、特図2非電動役物3065aが作動していることを示すためのフラグであり。特図2非電動役物3065aが開状態(作動中)である場合にオンに設定され、閉状態(未作動中)である場合にオフに設定されるフラグである。
初期変動待機フラグ223heは、大当たり遊技が終了してから1回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間を示すためのフラグであって、大当たり遊技が終了した場合にオンに設定される。そして、大当たり遊技終了後、1回目の特別図柄変動が実行された場合にオフに設定される。つまり、大当たり遊技が終了してから1回目の特別図柄変動が実行されるまでの間、オンに設定されるフラグである。
この初期変動待機フラグ223heは、大当たり遊技終了時に表示される遊技説明画面を継続して表示する期間を判別する際に参照される。
なお、本制御例では、大当たり遊技終了後に、実行される特別図柄種別に関わらず、1回目の特別図柄抽選が実行された場合に、初期変動待機フラグ223heをオフに設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の時短種別が「時短A」の場合は、1回目の第1特別図柄変動が実行されるまで、「時短B」の場合は、1回目の第2特別図柄変動が実行されるまでを初期変動待機フラグ223heがオンに設定される期間として設定しても良い。つまり、設定される時短状態の時短種別に応じて、初期変動待機フラグ223heをオフに設定するための特別図柄変動種別を異ならせるように構成しても良く、設定される時短種別によって主として実行される特別図柄種別に対応した特別図柄変動が実行されるまで初期変動待機フラグ223heをオンに設定するように構成しても良い。
<第9制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図371から図375を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容のうち、特徴的な内容について説明をする。なお、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。また、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容と同一の内容である制御処理のうち、一部の制御処理に対して、説明の便宜上、異なる符号を付している箇所があるが、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図371は、コマンド判定処理9(S54112)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理9(S54112)では、上述したコマンド判定処理に対して、状態コマンドを受信したと判別した場合(S4309:Yes)に、状態コマンド処理9を実行する点(S54301)と、時短関連コマンドを受信したと判別した場合(54303:Yes)に、時短関連処理9を実行する(S54304)処理を実行する点で相違している。それ以外は同一である。
ここで、図372を参照して、状態コマンド処理9(S54301)の内容について説明をする。図372は、状態コマンド処理9(S54301)の内容を示したフローチャートである。この状態コマンド処理9(S54301)は、主制御装置110から受信したコマンドの中に状態コマンドが含まれている場合に実行される処理であって、主制御装置110にて設定されている遊技状態に基づく演出態様を設定するための処理や、時短状態が設定された場合における残時短回数(時短終了条件)を設定するための処理が実行される。
状態コマンド処理9(S54301)が実行されると、まず、遊技状態を示すコマンドを受信したかを判別し(S54351)、受信したと判別した場合は(S54351:Yes)、遊技状態更新処理9を実行し(S54352)、S54353へ移行する。また、受信していないと判別した場合は(S54351:No)、次に、時短回数の設定を示すコマンドを受信したかを判別し(S54353)、受信したと判別した場合は(S54353:Yes)、遊技状態格納エリア223iに格納されている時短種別を読み出し(S54354)、読み出した時短種別が「時短A」であるかを判別し(S54355)、「時短A」であると判別した場合は(S54355:Yes)、残時短回数カウンタ223paの値に「10000」を設定し、S54358の処理へ移行する。一方、「時短A」では無い(「時短B」である)と判別した場合は(S54355:No)、残時短回数カウンタ223hbの値に10を設定し(S54357)、S54358の処理へ移行する。
つまり、残時短回数カウンタ223hbの値には、時短種別に対応した残時短回数(時短終了条件)が設定される(S54356,S54357)。ここで、設定された残時短回数カウンタ223hbの値は、時短状態が設定されている場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される小領域Dm6の残時短回数として表示される。なお、本第9制御例では、第2時短状態の時短終了条件として残時短回数カウンタ223hbに「10000」の値が設定されるように構成している。つまり、10000回の特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
この場合、時短状態における特別図柄抽選は、27/8192の確率で大当たり当選するため、実質、時短終了条件が成立するまでに略確実に大当たり当選することになる。よって、第2時短状態が設定された場合には、残時短回数カウンタ223hbの値が所定数(例えば、100)に到達するまでは、第3図柄表示装置81の表示画面に残時短回数を更新表示する処理を実行しないように構成し、代わりに、「∞」の文字を継続して表示するように構成している。
このように構成することで、遊技者が時短状態の残時短回数に興味を持たない期間(残時短回数を多く残っている期間)において、特別図柄抽選が実行される毎に残時短回数を示す表示態様を更新表示する処理を実行する手間を省くことができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、この場合、大当たり当選した後に、今回の第2時短状態において実行された特別図柄抽選の実行回数を遊技者に結果表示の一部として表示するように構成しても良い。このように構成することで、実際に実行した遊技の分析を遊技者に行わせ易くすることができる。
このように、主として実行される特別図柄抽選の種別を異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能なパチンコ機10において、主として成立し易い時短終了条件を成立させるための要素を残時短回数カウンタ223hbの値に設定するように構成することで、残時短回数を更新表示すための処理は、残時短回数カウンタ223hbの値に対する更新内容に基づいて実行すれば良く、残時短回数を示す表示態様を更新させるための処理を簡素化することができる。
S54358の処理では、状態コマンドに含まれるその他の情報に対応する処理を実行し(S54358)、本処理を終了する。
次に、図373を参照して、遊技状態更新処理9(S54352)の内容について説明をする。図373は、遊技状態更新処理9(S54352)の内容を示したフローチャートである。この遊技状態更新処理9(S54352)では、状態コマンド処理9(図372のS54301参照)において遊技状態を示すコマンドを受信した場合に実行される処理であって、移行前の遊技状態と、移行後の遊技状態とに基づいた処理が実行される。
遊技状態更新処理9(S54352)が実行されると、まず、今回受信した状態コマンドに基づいて、現在の遊技状態を示すための情報を遊技状態格納エリア223iに格納し(S4401)、通常状態へ移行したかを判別する(S54401)。S54401の処理において、通常状態へと移行したと判別した場合、即ち、今回受信した状態コマンドに通常状態を示すコマンドが含まれていると判別した場合は(S54401:Yes)、残時短回数カウンタ223hbの値を0にクリアする(S54402)。
次に、特図2保留(第2特別図柄の保留記憶)があるかを判別し(S54404)、特図2保留が無いと判別した場合は(S54404:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S54404の処理において、特図2保留があると判別した場合は(S54404:Yes)、特図2保留数に対応する回数の引き戻し演出を示すための表示用コマンドを設定し(S54405)、本処理を終了する。
つまり、S54404からS54405の処理では、主として第1特別図柄抽選が実行される「時短A(時短Aモード)」が終了した時点で特図2保留を獲得している場合において、通常状態へと移行してから優先して実行される第2特別図柄抽選に対して専用の演出(引き戻し演出)を実行するための処理が実行される。
このように構成することで、引き戻し演出が実行されている最中が、遊技者に特別な状態であることを分かり易く報知することができる。
S54401の処理において、通常状態への移行では無いと判別した場合は(S54401:No)、次に、時短状態への移行であるかを判別し(S54406)、時短状態への移行では無いと判別した場合は(S54406:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、時短状態への移行であると判別した場合は(S54406:Yes)、初期変動待機フラグ223heをオンに設定し(S54407)、時短種別に対応する表示用コマンドを設定し(S54408)、本処理を終了する。
つまり、上述したS54407,S54408の処理では、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定された場合において、大当たり遊技のエンディング期間中に表示された遊技説明画面の表示を、大当たり遊技終了後も継続して実行させるための処理が実行される。
次に、図374を参照して、時短関連処理9(S54304)の内容について説明をする。図374は、時短関連処理9(S54304)の内容を示したフローチャートである。この時短関連処理9(S54304)では、時短状態中に実行される特別図柄抽選に基づいて演出態様を決定するための処理が実行される。
時短関連処理9(S54304)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223iから現在の時短種別を読み出す(S54601)。次に、現在の時短種別が「時短A」であるかを判別し(S54602)、現在の時短種別が「時短A」であると判別した場合に(S54602:Yes)、受信したコマンドが特図2変動関連(第2特別図柄変動の実行に関連)するコマンドであるかを判別する(S54603)。
S54603の処理において、特図2変動関連であると判別した場合は(S54603:Yes)、次に、従特図2変動回数カウンタ223pbの値を1加算し(S54604)、加算後の従特図2変動回数カウンタ203pbの値が5よりも大きいかを判別する(S54605)。S54505の処理において、5よりも大きいと判別した場合は(S545605:Yes)、特図2変動回数が上限突破したことを示すための表示用コマンドを設定し(S54606)、S54609の処理へ移行する。
S54606の処理において表示用コマンドが設定されると、第2特別図柄抽選が実行され難い時短Aが設定された時短状態において、時短Bに対して設定される時短終了条件である「第2特別図柄抽選の実行回数5回」よりも多くの第2特別図柄抽選が実行されたことを祝福するための表示態様が設定される。
一方、S54602の処理において、今回読み出した時短種別が「時短A」では無いと判別した場合は(S54602:No)、そのまま本処理を終了する。
S54609の処理では、受信した情報に基づいて残時短回数カウンタ223hbの値を更新し(S54609)、更新後の残時短回数カウンタ223hbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S54610)、本処理を終了する。
次に、図375を参照して、非電状況管理処理(S54102)の内容について説明をする。図375は、非電状況管理処理(S54102)の内容を示したフローチャートである。この非電状況管理処理(S54102)では、パチンコ機10に設けられた検知手段から出力される検知信号に基づいて、特図1非電動役物3064a、及び特図2非電動役物3065aの作動状況を管理するための処理が実行される。
従来より、遊技球が入球することで抽選(例えば、特別図柄抽選)を実行可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球を入球させることが可能な第1位置(開状態)と、第1位置よりも遊技球を入球させることが困難な第2位置(閉状態)と、に可変可能な可変手段(例えば、普通電動役物)と、を設け、当たり遊技(例えば、普通図柄抽選にて当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技)によって可変手段を可変動作させることにより、入球手段へと遊技球を入球させる遊技を実行可能に構成したパチンコ機がある。
さらに、遊技状態として、当たり遊技が実行され易い、或いは、1回の当たり遊技において可変手段を第1位置に位置させる期間が長くなり易い有利遊技状態、即ち、入球手段へと遊技球を入球させ易くすることが可能な有利遊技状態(例えば、時短状態)を設定可能に構成したパチンコ機がある。
このように構成された従来型のパチンコ機では、有利遊技状態が設定された場合は、有利遊技状態以外の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている場合に比べて、入球手段へと遊技球を入球させ易くすることができるため、遊技者に対して有利遊技状態が設定されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機では、入球手段へと遊技球を入球させた場合に実行される抽選が1種類であったため、その抽選の内容を過剰に遊技者に有利な内容にしてしまうと、有利遊技状態が設定された場合に遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことになり、一方で、抽選の内容を遊技者への有利度合いが低い内容にしてしまうと、遊技者に対して有利遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせ難くなるという問題があった。
また、遊技者への有利度合いを高めた抽選内容に設定しておき、有利遊技状態が設定される頻度、即ち、遊技者に対して容易に入球手段へと遊技球を入球させることが可能な遊技状態が設定される頻度を低くする仕様を用いることも考えられるが、この場合、有利遊技状態が設定されるまでに要する遊技期間が長くなってしまい、有利遊技状態以外の遊技状態での遊技を行っている遊技者が、有利遊技状態が設定されるまでに遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第9制御例では、有利遊技状態が設定されたことにより遊技球が入球し易くなった入球手段へと遊技球が入球した場合に、複数種類の抽選が実行され易くなるように構成している。そして、実行され易くなる複数種類の抽選に対して、遊技者への有利度合いを異ならせている。
より具体的には、入球手段へと入球した遊技球の挙動(流下結果)に応じて、有利度合いの低い第1特別図柄抽選、或いは有利度合いの高い第2特別図柄抽選を実行させる(させ易くする)ことが可能となるように構成している。このように構成することで、有利遊技状態(時短状態)が設定されることで遊技者に対して特別図柄抽選を実行させ易くする期間を所定期間提供しながらも、その期間中に実行される(実行され易くする)特別図柄抽選の種別を切り替えることにより、有利遊技状態(時短状態)中に遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせることができるため、遊技者に対して過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
さらに、詳細な説明は図356を参照して上述した通り、本第9制御例では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技中に遊技球が入球し易くなる領域内(作動装置3070内)に特図1非電動役物3064aを作動させる契機となる特図1非電作動口3073aと、特図2非電動役物3065aを作動させる契機となる特図2非電作動口3073bと、を設け、普図当たり遊技の動作パターンに応じて遊技球が特図1非電作動口3073a、或いは特図2非電作動口3073bの何れかへと振り分けられるように構成している。
そして、遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球した場合には特図1非電動役物3064aが作動することで、第1特別図柄抽選の実行契機となる右第1入球口3064へと遊技球が入球し易い状態となり、特図2非電作動口3073bへと入球した場合には特図2非電動役物3065aが作動することで、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口3065へと遊技球が入球し易い状態となるように構成している。さらに、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選が実行されるように構成しており、特図1非電動役物3064aと、特図2非電動役物3065aとが共に作動している状態では、遊技球が第2入球口3065へと到達し難くなるように構成している。
具体的には、第2入球口3065へと遊技球が到達し得る流路を作動中の特図1非電動役物3064aが遮るように構成している。よって、特図1非電動役物3064aと、特図2非電動役物3065aとが共に作動している状態では、遊技球が第2入球口3065よりも第1入球口3064へと入球し易くなるように構成している。
さらに、本第9制御例では、有利遊技状態を終了させるための終了条件として、有利遊技状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件を設定している。このように構成することで、有利遊技状態中に第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を実行させ難くすることができる。
加えて、本第9制御例では、パチンコ機10の遊技盤13のうち右側領域にスルーゲート67、普通電動役物3071、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aを配設しているため、例えば、各非電動役物へと遊技球を到達させること無く、スルーゲート67、及び、普通電動役物3071に向けて遊技球を発射させ難くすることができる。よって、遊技者にとって有利な抽選が実行される第2入球口3065へと遊技球を入球させることが可能な状態(特図2非電動役物3065aが作動している状態)となるまで、右第1入球口3064へと遊技球を入球させずに遊技を行わせ難くすることができる。
つまり、スルーゲート67、普通電動役物3071、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aのうち、いずれかの装置に向けて遊技球を発射させた場合に、他の装置へと遊技球が入球され得るように構成している。このように構成することで、特定の装置に対してのみ遊技球を入球させる遊技を遊技者に実行されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第9制御例では、スルーゲート67、普通電動役物3071、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aの全てを遊技盤13の右側領域に設けているが、これに限ること無く、上述した各種装置の少なくとも複数が同一の流下経路を流下した遊技球が入球し得る位置に配設されるように構成すれば良い。
<第10制御例>
次に、図376から図395を参照して、第10制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第10制御例は、上述した第7制御例と同様に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能な遊技性(所謂、1種2種タイプ)を有している。そして、時短状態が設定された場合に、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得し易い時短状態と、獲得し難い時短状態と、を設定可能に構成している。
本第10制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例におけるパチンコ機10に対して、特図2保留を所定数(4個)を上限に記憶可能に構成した点と、各遊技状態において大当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行された後、或いは、小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行された後に設定される遊技状態を異ならせている点で相違している。さらに、時短状態中に実行される演出の内容を変更している点で相違している。以下に、本第10制御例に対して、上述した第7制御例との相違点を主に説明をする。なお、上述した第7制御例と同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第7制御例(各変形例も含む)におけるパチンコ機10では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、が少なくとも設定可能に構成されており、時短状態中において実行される普図当たり遊技(普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される当たり遊技)によって電動役物640aが開放動作され、第2入球口(入賞口)640へと球が入球され易くなるように構成していた。
そして、第2入球口(入賞口)640へと球が入球したことに基づいて実行される特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当たり以外の抽選結果(例えば、小当たり当選)となった場合に、小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合に(小当たり遊技終了時に、特定領域を遊技球が通過したことを示す情報が記憶されている場合に)、大当たり遊技が実行されるように構成していた。加えて、第2特別図柄の抽選契機を、所定数(例えば、4個)を上限に保留記憶可能に構成することで、時短状態(普通図柄の高確率状態)中に第2特別図柄の抽選契機を保留記憶させることにより、普通図柄の高確率状態が終了した後も(普通図柄の低確率状態へと移行した後も)、第2特別図柄抽選を実行可能に構成しているため、例えば、時短状態が終了し、通常状態へと遊技状態が移行した場合であっても、通常よりも有利な通常状態(第2特別図柄の抽選契機を保留記憶している通常状態)における遊技を遊技者に実行させることが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が終了してしまった遊技者に対して、通常よりも大当たり遊技が実行される可能性を高めた状態を維持することができ、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した各制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に正常に遊技を実行している遊技者に対して、第2特別図柄の抽選契機を獲得した状態で時短状態を終了させるために、時短状態中において普図当たり確率を高め、且つ、可変手段が開放動作される期間を長くした普図当たり遊技が実行されるように構成していることから、時短状態が終了した時点において獲得済みの第2特別図柄の抽選契機の数(特図2保留数)が常に同一の数となってしまい、遊技者に意外性のある遊技を提供することができないという問題があった。
また、時短状態が終了した時点において獲得済みの特図2保留数が常に同一となる場合では、遊技者に過剰に有利となる遊技が実行されてしまうことを抑制するためには、時短状態が終了した後に実行される第2特別図柄抽選の実行回数も含めて、時短状態が設定される割合を予め低く規定したり、第2特別図柄抽選にて小当たり当選する確率を予め低く規定したりする必要がある。よって、遊技者に対して時短状態中の遊技を実行させ難くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第10制御例では、時短状態として、特図2保留を獲得し易い時短状態(有利時短状態)と、特図2保留を獲得し難い時短状態(不利時短状態)と、を設定可能に構成している。このように構成することで、設定された時短状態の種別に応じて、時短状態が終了した時点における特図2保留数を異ならせ易くすることが可能となる。よって、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される割合を高めたとしても、遊技者に過剰に有利な遊技が実行されることを抑制することができるため、遊技者に対して時短状態中の遊技を実行させ易くすることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
さらに、本第10制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に不利時短状態が設定され、特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に有利時短状態を設定可能に構成している。
つまり、大当たり遊技の実行契機に応じて、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。このように構成することで、何れの実行契機に基づいて大当たり遊技が実行されたのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第10制御例では、上述した通り、大当たり遊技の実効契機に応じて、有利時短状態と不利時短状態との設定割合を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技が実行される時点の遊技状態(大当たり当選時の遊技状態)に応じて、有利時短状態と不利時短状態との設定割合を異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合よりも、時短状態が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合のほうが、有利時短状態が設定される割合が高くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に最も不利な遊技状態では、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合であっても、不利時短状態が設定され易いため、時短状態が終了し易いが、時短状態中に大当たり遊技が実行され、再度、時短状態が設定された場合には、有利時短状態が設定され易くなるため、大当たり遊技を介して時短状態をループさせ易くすることができる。
このように構成することで、遊技者に対して、有利度合いの異なる遊技を段階的に実行させることができるため、最も有利度合いの高い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第10制御例では、上述した各制御例と同様に、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成していることから、特図2保留を獲得している状態で終了し易い時短状態(有利時短状態)のほうが、特図2保留を獲得していない状態で終了し易い時短状態(不利時短状態)よりも遊技者に有利となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利となるように構成し、特図2保留を獲得している状態で終了し易い時短状態よりも、特図2保留を獲得していない状態で終了し易い時短状態のほうが遊技者に有利となるように構成しても良い。
上述した各制御例のパチンコ機10では、通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態を終了させる特別図柄変動の回数として、大当たり種別に応じて異なる回数を設定可能にすることで、時短状態がいつまで継続するかを遊技者に分かり難くしたものがある。これにより、遊技者に対して、時短状態がより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるようにしていた。
また、上述した各制御例のパチンコ機10では、時短状態を終了させる回数目の特別図柄変動(時短終了条件が成立する特別図柄変動)における特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態を終了させるように構成していた。
これに対して、本第10制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立した場合において、対応する特別図柄変動の開始タイミングで時短状態を終了させるように構成している。さらに、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第2特別図柄変動が1回実行されることにより成立する時短終了条件を設定可能に構成している。つまり、第2特別図柄変動が1回実行されることにより成立する時短終了条件が設定された場合には、時短状態中に1回目の第2特別図柄変動が実行されるまでは時短状態が継続し、1回目の第2特別図柄変動が実行される場合、例えば、第2特別図柄抽選の抽選権利(特図2保留)を有していない状態で時短状態が設定された場合には、時短状態中に第2入球口640へと遊技球が入球し、第2特別図柄抽選が実行される場合に、時短状態が終了するように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定された場合において、第2特別図柄抽選を確実に実行させることができると共に、時短状態中において特図2保留を獲得するための期間を短くすることができる。つまり、本第10制御例では、第2特別図柄変動が1回実行されることにより成立する時短終了条件が設定される時短状態が、遊技者に不利となる不利時短状態となる。
また、本第10制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第2特別図柄変動が2回実行されることにより成立する時短終了条件も設定可能に構成している。この場合、2回目の第2特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態を継続させることが可能となるため、1回目の第2特別図柄変動の変動期間中は第2入球口640へと遊技球を入球させ易い期間となる。つまり、本第10制御例では、第2特別図柄変動が2回実行されることにより成立する時短終了条件が設定される時短状態が、遊技者に有利となる有利時短状態となる。
なお、本第10制御例では、上述した通り、時短終了条件が成立する特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成し、且つ、時短状態中のおける1回目の特別図柄変動において成立し得る時短終了条件を設定可能に構成することで、特図2保留を獲得することが困難な時短状態(不利時短状態)を設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、上述した各制御例と同様に、時短終了条件が成立する特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態を終了させるように構成されたパチンコ機10において、時短終了条件が成立する特別図柄変動の変動パターンとして、短い変動時間(例えば、0.1秒)が設定される短変動パターンと、長い変動時間(例えば、60秒)が設定される長変動パターンと、を選択可能に構成しても良い。
このように構成することで、選択される変動パターンによって、有利時短状態と、不利時短状態と、を切り替えることが可能となる。つまり、時短状態の時短終了条件として同一内容の時短終了条件が設定された場合において、設定される変動パターンに応じて、特図2保留の獲得のし易さを異ならせることができる。
さらに、この場合。大当たり当選(小当たり当選)した時点における遊技状態に応じて異なる種別の時短状態を設定可能に構成し、設定される時短種別によって、上述した短変動パターンと、長変動パターンとの選択割合を異ならせたり、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数に基づいて短変動パターンが選択され易い期間と、長変動パターンが選択され易い期間と、を設定可能に構成したりしても良い。
このように構成することで、1の時短状態が設定されてから、その時短状態が終了するまでの期間において、有利時短状態と、不利時短状態と、を切り替えることが可能となるため、遊技者に対して時短状態が終了する最後の瞬間まで、有利時短状態による遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本第10制御例の技術と、上述した各制御例の技術と、を組み合わせることにより、時短状態において実行される特別図柄変動の開始タイミングや停止タイミングといった様々なタイミングで時短状態を終了させることが可能となるように構成しても良い。このように、時短終了条件が成立した場合において、実際に時短状態を終了させるタイミングを可変させるように構成することにより、遊技者に対して、どのタイミングで時短状態が終了するのかを把握させ難くすることができるため、意外性のある遊技を提供することができる。
<第10制御例における遊技盤13の構成について>
まず、図376から図380を参照して、本第10制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。本第10制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13(図294参照)に対して、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650の配設位置及び、構造を変更した点と、スルーゲート67、第2入球口640の配設位置を変更した点と、第2入球口640に付随する電動役物640aの構造を変更した点と、遊技盤13の右側領域の構成を変更した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図376に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本制御例では、球が、第1入球口64へ入球(入賞)した場合に、第1図柄表示装置37が作動するように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第1入球口64に球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)の抽選結果を示すための表示手段である。また、球が第2入球口640へ入球(入賞)した場合にも、第1図柄表示装置37が作動するように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第2入球口640に球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を示すための表示手段でもある。なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類のパチンコ機10を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別が1種類のパチンコ機10を用いても良い。
また、第1図柄表示装置37は、LEDにより、パチンコ機10の遊技状態(例えば、通常状態、時短状態等)の何れであるかを点灯状態により示したり、特別図柄(第1図柄)が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な当たりに対応した図柄か不利な当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。また、特別図柄の変動を一時的に停止(中断)させている状態であることも点灯状態にて示すことが可能に構成している。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本実施形態では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。
本パチンコ機10では、第1入球口64、或いは、第2入球口640へ入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選では、小当たり当選しているか否かの当否判定(当たり抽選)を行う。ここで、小当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技である小当たり遊技が実行される。
そして、小当たり遊技中にはV入賞装置650が予め定められた内容(シナリオ)で開放動作され、V入賞装置650へと球を入賞させ易い状態が提供される。この小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した球が、後述する特定領域(V入賞口1650)へと入賞すると、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、可変入賞装置65が予め定められた内容(シナリオ)で開放動作され、可変入賞装置65へと球を入賞させ易い状態が提供される。
本制御例では、小当たり遊技よりも、大当たり遊技のほうが、その遊技中に遊技者が獲得可能な賞球数の総数が多くなるように構成されている。つまり、遊技者が獲得する賞球数の点において、小当たり遊技よりも、大当たり遊技のほうが遊技者に有利な特典遊技となる。なお、小当たり遊技のほうが、大当たり遊技よりも遊技者が獲得可能な賞球数の総数が多くなるように構成しても良い。このように、実行される特典遊技に応じて異なる有利度合いの特典を付与可能に構成することで、遊技者に対してどの特典遊技が実行されるのかを楽しませながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、大当たり遊技が実行されると、大当たり遊技実行前の遊技状態とは異なる遊技状態(例えば、通常状態)が設定され、大当たり遊技終了後には、実行された大当たり遊技に係わる情報(例えば、小当たり種別(大当たり種別)や、当たり当選(小当たり当選)時の遊技状態)に基づいて、新たな遊技状態を設定可能に構成している。一方、小当たり遊技が実行された場合には、その小当たり遊技実行前の遊技状態が小当たり遊技中も継続し、小当たり遊技終了後も継続するように構成している。つまり、遊技者に対して有利度合いが高い(賞球数が多い)大当たり遊技中は、遊技者に不利な遊技状態である通常状態を設定することで、大当たり遊技中において、遊技者に過剰な特典が提供されてしまうことを抑制するのに対して、大当たり遊技よりも有利度合いが低い小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態が変更されないように構成している。
このように構成することで、有利度合いが低い小当たり遊技が実行されたことを契機に遊技状態が変更されてしまうことを抑制することができる。なお、これに限ること無く、大当たり遊技と同様に小当たり遊技中に遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定されるように構成しても良いし、小当たり当選した種別に基づいて、小当たり遊技終了後の遊技状態を決定するように構成しても良い。また、当たり遊技中(大当たり遊技中、小当たり遊技中)の遊技結果に基づいて、当たり遊技終了後に設定される遊技状態を決定するように構成しても良く、この場合、当たり遊技(特典遊技)中に球を入球させ易くなる可変入賞装置65やV入賞装置650(可変入球手段)に入球した球が、可変入球手段内に設けられた特定領域を通過したか否かを判別し、その判別結果に基づいて当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別を異ならせるよう構成すると良く、例えば、特定領域を通過した場合に、特定領域を通過しなかった場合よりも遊技者に有利となる遊技状態を設定したり、特定領域を通過した場合に、特定領域を通過しなかった場合よりも遊技者に不利となる遊技状態を設定したりするように構成すると良い。これにより、当たり遊技中において、当たり遊技終了後に有利な遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることが可能となり、遊技者に意欲的の遊技を行わせることができる。
加えて、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定されている状態で当たり遊技が実行され、その当たり遊技終了後にも遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定される事象が連続して所定回数(例えば、5回)実行されている状態で当たり遊技が実行された場合に、その当たり遊技終了後に強制的に遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定されるように構成しても良い。これにより、遊技者に対して有利な遊技状態が過剰に継続してしまう事態が発生することを抑制することができる。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が所定期間(例えば2秒間)停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。
このように、大当たり遊技の開始タイミングに合わせて、オープニング期間を設定することにより、大当たり遊技中において特定入賞口65aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
なお、本制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口1650)へと入賞したことに基づいて、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。よって、小当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、小当たり遊技中に実行される遊技(左打ち遊技)から大当たり遊技中に実行される遊技(右打ち遊技)へと切り替える準備期間を設けることができるため、遊技者に対して遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
なお、大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)の長さについては、特別図柄抽選時(小当たり当選時)、特別図柄抽選の結果が停止表示されたタイミング、小当たり遊技開始時、小当たり遊技終了時、大当たり遊技開始時、大当たり遊技終了時の何れかにおいて設定されている遊技状態や、当選した大当たりの種別に応じて異なる長さを設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容(遊技方法)として、大当たり遊技前の遊技内容(遊技方法)とは異なる遊技内容(遊技方法)が設定される大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、10秒)が、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも長くなるように設定しておき、そのエンディング期間中に遊技者に対して大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を事前に案内する演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
一方、大当たり遊技開始前の遊技内容(遊技方法)と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容(遊技方法)とが同一となる大当たり遊技が実行される場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、1秒)を、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも短くなるように設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技前の遊技内容(遊技方法)と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容(遊技方法)とを実際に判別する構成を用いること無く、例えば、実行される大当たり遊技の種別(小当たり種別)と、大当たり遊技前に設定されている遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予め規定しておき、その規定内容に応じて、各大当たり遊技のエンディング期間の長さを設定するように構成しても良い。
本第10制御例では、遊技状態として、「通常状態」、「時短状態」の何れかが設定されるように構成している。通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)では、特別図柄の大当たり確率が(30/1000)に設定され、普通図柄の当たり確率が低確率(3/300)に設定される遊技状態であり、時短状態は、特別図柄の大当たり確率が(30/1000)に設定され、普通図柄の当たり確率が高確率(150/300)に設定される遊技状態である。
本制御例では、時短状態が設定された後、所定の終了条件(時短終了条件)が成立した場合に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行するように構成しており、上述した時短回数とは、時短終了条件を示すものである。つまり、時短回数1回とは、時短状態が設定されてから大当たり遊技が実行されること無く、特別図柄の抽選が1回実行される場合に時短終了条件が成立することを示すものである。
さらに、本第10制御例では、特別図柄変動を開始するタイミングにおいて時短終了条件が成立するかを判別可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、時短状態がいつまで継続するのかを判別させ難くすることができる。
なお、本実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中の特別図柄抽選の回数に関する条件(時短回数)を規定しているが、時短終了条件としてそれ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(特定の外れ)である回数が所定回数(例えば、3回)に到達した場合に成立する時短終了条件や、時短状態が設定されてからの経過時間が所定時間(例えば、100秒)経過した場合に成立する時短終了条件や、時短状態中に球が特定の入球口(例えば、一般入球口63a)に入球した個数が所定個数(例えば、5個)に到達した場合に成立する終了条件を設定しても良い。
また、時短終了条件が成立したかを判別するタイミングと、時短状態を終了させるタイミングとを異ならせても良く、例えば、特別図柄変動を開始するタイミングにおいて、今回の特別図柄変動によって時短終了条件が成立したかを判別し、時短終了条件が成立したと判別された場合に、特定条件の成立の有無に応じて、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させたり、特別図柄変動が開始されてから停止されるまでの期間(特別図柄変動の停止表示タイミングも含む)のうち、所定タイミングで時短状態を終了させたりするように構成しても良い。これにより、時短終了条件が成立したかを判別するための処理を実行するタイミングを統一化することができるため、時短状態を終了させるための制御処理を簡素化することができる。
なお、上述した特定条件(時短終了条件が成立した場合において、時短状態を終了させるタイミングを決定するための要素)としては、大当たり遊技の実行契機となった特別図柄抽選(小当たり当選した特別図柄抽選)が実行された時点において設定されている遊技状態の種別(通常状態、又は時短状態)や、設定された小当たり種別や、大当たり遊技の種別に基づいて成立する条件を設定すれば良く、例えば、小当たり当選時の遊技状態が通常状態である場合と、時短状態である場合と、で同一の小当たり種別(大当たり種別)が設定され、同一の時短終了条件が設定された場合であっても、時短状態を終了させるタイミングを異ならせるように構成すれば良い。
本第10制御例におけるパチンコ機10も、上述した第7制御例のパチンコ機10と同様に、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、普電入賞装置640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるよう構成している。
第2図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)は、普通図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に応じて、異なる長さの変動時間が規定されており、普通図柄の低確率状態では、10秒の普図変動時間が、普通図柄の高確率状態では1秒の普図変動時間が設定されるように構成されている。これにより、普通図柄の低確率状態(通常状態)中において、頻繁に普図当たり遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第10制御例とは異なる構成を用いても良く、例えば普通図柄の確率状態に関わらず、常に同一の普図変動時間(例えば、1秒)が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、例えば、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)に普図当たり遊技が実行され難くするために、普通図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)が時短状態中よりも通常状態中のほうが長くなるように構成したパチンコ機10において、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、普図当たり遊技が実行され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が移行する場合に、通常状態中に実行された長時間の普通図柄変動(時短状態中よりも遊技者に不利となる普図当たり遊技)の実行中に時短状態へと移行してしまい、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
この場合、普通図柄の低確率状態において普通図柄抽選が最高で1秒に1回実行されることになるため、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)にて普図当たり遊技が実行され易くなるため、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)における普図当たりに当選する確率を低く設定すれば良い。
本制御例では、通常状態と時短状態とで、実行される普図当たり遊技の遊技内容(電動役物640aの開放動作パターン)を異ならせるように構成している。つまり、通常状態中に実行される普図当たり遊技よりも、時短状態中に実行される普図当たり遊技のほうが、遊技者に有利な普図当たり遊技、即ち、球が、第2入球口640へと入球し易くなるように構成している。具体的には、通常状態が設定されている場合は、4.1秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)を経て、0.1秒の開放期間が設定される普図当たり遊技(通常普図当たり遊技)が実行され、時短状態が設定されている場合は、1秒のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)を経て、3秒の開放期間が設定される普図当たり遊技(時短普図当たり遊技)が実行される。
次に、図376を参照して、電動役物640aの構成について説明をする。本第10制御例における電動役物640aは、遊技盤13に埋設している埋設状態(制限状態)と、遊技盤13から突出している突出状態(誘導状態)と、に変位可能に構成されており、普図当たり遊技が実行されていない場合は、埋設状態(閉状態)に位置するように構成している。そして、普図当たり遊技が実行されると、予め定められた可変パターンに基づいて所定期間(最大で3秒間)の間、突出状態(誘導状態)へと変位する。
ここで、電動役物640aの変位状態の用語について説明をする。電動役物640aの閉状態とは、球を第2入球口640へ入球させるための流路(電動役物640a上に形成される流路)が閉ざされた状態、即ち、電動役物640aが遊技盤13内に埋設している状態を示すために用いられる用語であり、機能的な表現として、制限状態(第2入球口640への球の入球を制限する状態)という用語を用いる場合もある。
また、電動役物640aの開状態とは、球を第2入球口640へ入球させるための流路(電動役物640a上に形成される流路)が開放された状態、即ち、電動役物640aが遊技盤13から突出している状態を示すために用いられる用語であり、機能的な表現として、誘導状態(第2入球口640へと球を誘導可能な状態)という用語を用いる場合もある。
図376に示した通り、電動役物640aが誘導状態に位置している場合は、左打ち遊技によって発射された球の殆どが、誘導状態に位置する電動役物640aの上面に形成された流路に流れ込むように電動役物640aが配設されている。電動役物640aの上面に形成された流路は、第2入球口640へと向かって下り傾斜する球流下面が形成されており、電動役物640aの上面に到達した球は第2入球口640へと流下する。
詳細は後述するが、本制御例では、普図当たり遊技中に球が第2入球口640へと1個入賞したことを契機に、普図当たり遊技を終了させるように構成している。よって、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと入賞可能な球数は最大で1個になる。
図376を参照して上述した通り、本制御例では、通常状態が設定されている遊技状態中も、時短状態が設定されている遊技状態中も、遊技者に有利となる遊技方法が同一(左打ち遊技)となるように構成している。このように構成されたパチンコ機10では、通常状態中にも普通図柄の抽選契機が成立し(スルーゲート67への球通過が発生し)、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄抽選の結果、当たり当選した場合には、左打ち遊技によって発射された球が到達可能な遊技領域に設けられた電動役物640aが開放制御されるため、通常普図当たり遊技の実行中において、球が第2入球口640へと入球してしまう虞があった。
これに対して、本制御例のパチンコ機10は、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたとしても、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球が入球し得ないように構成している。具体的には、球が電動役物640aの上面を流下し、第2入球口640に到達するまでに要する時間が約1秒となるように構成しているのに対して、通常状態中における普図当たり遊技によって電動役物640aが誘導状態となる期間が0.2秒となるように構成している。
このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)と、で同一の遊技方法で遊技を実行する構成を有するパチンコ機10、即ち、通常状態においても、普図当たり遊技に当選し得るパチンコ機10において、通常状態中に第2入球口640へと球が入球してしまうことを抑制することができる。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤13の左側領域を流下する球の殆ど(約100%)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。この第2図柄の当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大1回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の1つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
図376に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の左方(図376の視点で左方)には、左打ち遊技によって発射され左側領域を流下する球が入賞し得るようにV入賞装置650が設けられている。ここで、図377から図380を参照して、V入賞装置650の具体的な構成、及び、V入賞装置650内に入賞した球の流れについて説明をする。本制御例では、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に、V入賞装置650を開放動作させる小当たり遊技が実行されるように構成している。そして、V入賞装置650内に設けられたV入賞口1650に球が入賞することで大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されるように構成している。
本制御例は、特別図柄抽選によって大当たり当選することが無く、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口1650)を通過(入賞)したことに基づいて、大当たり遊技が実行されるように構成している。このように、第1条件(小当たり当選)と、第2条件(特定領域の通過)を段階的に成立させることにより遊技者に有利となる特典遊技(大当たり遊技)を実行させるように構成することで、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。
なお、これに加え、特別図柄抽選で大当たり当選するように構成しても良い。この場合、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に成立する大当たり遊技(特図大当たり遊技)の実行契機に加え、特定の入賞口(V入賞口1650)に球が入賞した場合に成立する大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行契機を有することになる。このように、大当たり遊技を実行させるための契機を複数設けることにより、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
まず、図377を参照して、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650には、V入賞装置650内に球が入賞し易い開放状態と、その開放状態よりも球が入賞し難い閉鎖状態とに可変可能な開閉扉650aが設けられている。この開閉扉650aは、遊技盤13の左側領域を流下する球が到達し得る位置(図376参照)に設けられており、小当たり遊技が実行される場合に開放状態へと可変される。
V入賞装置650内には、開放状態中の開閉扉650aを通過した球が流下する第1流路650bが第1隔壁650k1と第2隔壁650k2との間の空間に形成され、その第1流路650bを流下した球(流下期間0.5秒)が到達する位置に貯留弁660aが設けられている。この貯留弁660aの上面には球を1個貯留可能な貯留部が形成されており、小当たり遊技中に最初にV入賞装置650に入賞した球が貯留部に一時的に貯留するように構成している。また、貯留弁660aの上方には貯留センサ650sが設けられており、球が貯留部に貯留されていることを検知可能に構成している。さらに、V入賞装置650に入賞した球を検知するための球検知センサ650s2が第1流路650bの上流側に設けられており、球検知センサ650s2が球を検知したことに基づいて、小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した球数を計測すると共に、入賞した球に対する賞球払出制御が実行される。このように、V入賞装置650に入賞した球が直後に流下する位置に球検知センサ650s2を設けることにより、V入賞装置650へと規定数以上の球が入賞してしまう事態を抑制することができると共に、小当たり遊技中の賞球を遊技者に即座に付与することができる。
また、第1流路650bと連通するように第2流路650cが形成されており、第2流路650cの下流側には、第1アウト口1163aが設けられている。図377に示した通り、第2流路650cは、第1流路650bを流下した球が直接流入するのでは無く、貯留弁660aの貯留部に球が貯留されている状態で、第1流路650bを流下した後続の球が、貯留弁660aの貯留部に貯留されている球と接触し、第2流路650cへと誘導されるように構成している。第2流路650cの下流側に設けられた第1アウト口1163aは、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出するための入球口であって、第2流路650cを流下(流下期間0.1秒)し、第1アウト口1163aに入球した球は、図示しない球排出経路を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。
詳細な説明は後述するが、貯留弁660aは、小当たり遊技の進行に応じて(小当たり遊技が実行される動作シナリオに対応させて)、球を貯留可能な貯留状態と、その貯留状態よりも球を貯留し難い解除状態と、に可変動作されるように構成している。この貯留弁660aが解除状態に位置すると、第1流路650bと、第3流路650dと、が連通し、第1流路650bを流下した球、又は、貯留弁660aの貯留部に貯留されていた球が第3流路650dを流下する。この第3流路650dは、第1隔壁650k1の下端側と、第3隔壁650k3との間の空間に形成された幅が約15ミリの垂直方向に直線状に形成された流路である。
第3流路650dの下流側が臨む位置には、第1可動弁660bが配設されている。この第1可動弁660bは、パチンコ機10に電源が投入されたことを契機に予め定められた可動パターンで、第3流路650dを流下した球を受け止め可能な誘導位置(突出位置)と、第3流路650dを流下した球を受け止め不可能な通過位置(埋没位置)と、に可動するように構成している。具体的には、主制御装置110の入出力ポート205に接続され、主制御装置110によって駆動制御される第1可動弁ソレノイド209dの動作に応じて可動するように構成しており、第1可動弁ソレノイド209dがオンに設定された場合(通電させた場合)に、第1可動弁660bがV入賞装置650内から退避する通過位置(遊技盤13に埋没する位置)へと可動し、第1可動弁ソレノイド209dがオフに設定された場合(電気を遮断させた場合)に、第1可動弁660bがV入賞装置650内に突出する誘導位置(遊技盤13から突出する位置)へと可動するように構成している。
誘導位置(突出位置)に位置する第1可動弁660bは、その上面を球が流下可能に構成されており、図377に示した通り、第1可動弁660bの上面の下流端側が第4流路650eに向けて下り傾斜するように構成している。よって、第1可動弁660bが誘導位置(突出位置)に位置した状態で第3流路65dを流下した球(流下期間0.2秒)は、第1可動弁660bの上面を第4流路650eに向けて流下することになる。第4流路650eの下流側には第2アウト口1163bが設けられており、第4流路650eを流下した球(流下期間0.2秒)は第2アウト口1163bに入球する。この第2アウト口1163bは、上述した第1アウト口1163aと同様に、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出させるための入球口であって、第2アウト口1163bに入球した球は図示しない球排出経路を流下し、パチンコ機10の外部へと排出される。
一方、第1可動弁660bが通過位置に位置している状態では、第3流路650dと、第5流路650fとが連通し、第3流路650dを流下した球(流下期間0.2秒)が第5流路650f(流下期間0.1秒)へと流入する。そして、第5流路650fの下流側にはV入賞口1650が設けられている。V入賞口1650は、大当たり遊技を実行するための契機となり得る入賞口であって、大当たり遊技が実行されていない状態で球がV入賞口1650に入賞すると、その入賞情報が記憶され(大当たり遊技の実行権利を獲得し)、実行中の小当たり遊技終了後に、大当たり遊技が実行される。
図377に示した通り、V入賞装置650内には、第1アウト口1163aと、第2アウト口1163bとが設けられている。このように構成することで、貯留弁660aが貯留状態である場合にV入賞装置650に入賞した球が、貯留弁660aが解除状態となった場合に球が通過し得る流路(第3流路650d、第4流路650e、第5流路650f)へと流入することを確実に防止することができる。なお、本制御例の構成に限ること無く、例えば、第1アウト口1163aを排除し、第2流路650cと、第4流路650eと、を連通させ、貯留弁660aが貯留状態であって、第2流路650cを流下した球が、第2アウト口1163bへと入球するように構成しても良い。この場合、図377では垂直方向に直線的に設けられている第3隔壁650k3を、上端側から下端側に向けて図377の視点で右下方向へと傾けて、即ち、隔壁650k3の下端側方向に向けての延長線上が第4隔壁650k4の右側(図377の視点で右側)となるように設けると良い。このように構成することで、第2流路650cを流下した球が第5流路650fへと流入してしまう事態を抑制することができる。
このように、本制御例では、小当たり遊技中に球がV入賞口1650へと入賞したことを契機として大当たり遊技を実行させる。以降、実行契機を区分けして大当たり遊技を説明する際に、V入賞口1650へと入賞したことを契機として実行される大当たり遊技のことをV大当たり遊技とも称す。
上述した通り、本制御例のV入賞装置650は、小当たり遊技が実行されることで球が入賞可能な開放状態となり、貯留弁660aに貯留された1個の球のみが第3流路650dを流下するように構成し、第3流路650dを流下した球が第1可動弁660bに到達した際における第1可動弁660bの稼働状況に応じて、V入賞口1650に球が入賞するか否かが決定するように構成している。
なお、本第10制御例では、小当たり遊技中にV入賞装置650へと遊技球を入球させることで、その遊技球が確実にV入賞口1650へと入球し得るように第1可動弁660bが稼働するように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技中にV入賞装置650へと遊技球を入球させた場合に、V入賞口1650へと遊技球が入球しする場合と、入球しない場合とが発生するように第1可動弁660bの可動内容を規定しても良く、例えば、第1可動弁660bは、誘導位置に位置する時間(球がV入賞口1650へと入賞し得ない時間)が6秒に対して、通過位置に位置する時間(球がV入賞口1650へと入賞し得る時間)が1秒となる可動パターンで常時可動するように構成しても良い。これにより、第3流路650dを流下した球がV入賞口1650へと入賞する割合は、約1/6とすることができる。
次に、図378から図380を参照して、本第10制御例とは異なり、V入賞口1650へと遊技球が入球可能な小当たり遊技と、入球できない小当たり遊技と、を実行可能に構成した変形例における、小当たり遊技の実行中におけるV入賞装置650に入賞した球流れの内容について説明をする。なお、以降の説明においては、1回の小当たり遊技においてV入賞装置650へと複数個の球を入賞させたとしても、第3流路650dを流下させる球数が1個となるように貯留弁660aが動作制御される場合を例に挙げて説明をする。まず、図378を参照して、小当たり遊技の前半期間(貯留弁660aが貯留状態である期間)における球流れについて説明をする。図378は、小当たり遊技のうち、貯留弁660aが貯留状態である場合におけるV入賞装置650内の球流れを示す模式図である。詳細な説明は後述するが、貯留弁660aは、小当たり遊技が実行されてから、V入賞装置650が閉鎖状態となるまでの間、貯留状態となるように動作制御されるように構成している。そして、貯留弁660aが貯留状態中に複数の球がV入賞装置650に入賞した場合には、最初に入賞した球P1が貯留弁660aに形成される貯留部に貯留され、次点で入賞した球P2は、貯留弁660aに貯留されている球P1と当接し、第2流路650cを流下し、アウト口1163aに入球する。
このように、貯留弁660aが貯留状態である場合は、貯留弁660aの貯留部に貯留された球P1以外の入賞球(例えば、球P2)が、全てアウト口1163aに入球するように構成しているため、複数の球がV入賞装置650内に滞留することが無い。また、貯留弁660aは、V入賞装置650のV開閉扉650aが閉鎖状態となってから(閉鎖状態にさせるための動作制御を実行してから)、貯留状態が解除されるため、1回の役物当たり遊技にて第3流路650dを流下させる球数を確実に1個にすることが可能となる。
このように構成することで、小当たり遊技中にV入賞装置650へと球を入賞させるタイミングや、入賞数に応じて、V入賞口1650への球の入賞のし易さが可変することが無いため、全ての遊技者に対して公平な遊技を提供することができる。
なお、これに限ること無く、小当たり遊技中にV入賞装置650へと球を入賞させる入賞数に応じて、V入賞口1650への球の入賞のし易さが可変するように構成しても良く、例えば、V入賞装置650へと入賞した球を貯留可能な貯留部を6個設け、V入賞装置650へと入賞した球が6個の貯留部の何れかに振り分けられる振分部材(クルーン等)を設ける。そして、6個の貯留部のうち、特定の貯留部に貯留された球のみが、貯留部の貯留状態が解除された場合にV入賞口1650へと入球可能とし、特定の貯留部以外の貯留部に貯留された球(最大で5個)は、各貯留部の貯留状態が解除された場合に第2アウト口1163bへと入球するように構成する。加えて、既に球が貯留されている貯留部に向けて、振分部材によって次の球が振り分けられた場合には、既に貯留状態の球に衝突し、隣接する別の貯留部に貯留されるように各貯留部間を連通する流路を設ける。
このように構成することで、小当たり遊技中にV入賞装置650へと球を入賞させる入賞数に応じて、V入賞口1650への入賞割合を異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
このように構成した場合であっても、1回の小当たり遊技中におけるアウト口へと球を流下させる貯留部の貯留状態を解除する回数を小当たり種別に応じて異ならせることにより、実質のV入賞口1650への入賞割合を異ならせることができる。
次に、図379を参照して、貯留弁660aが貯留状態から解除状態へと移行した際の球流れ(役物当たり遊技の後半期間)の内容について説明をする。図379は、小当たり遊技のうち、貯留弁660aが貯留状態から解除状態へと移行した場合における球流れを示す模式図である。図379に示した通り、V開閉扉650aが閉鎖状態となり、新たな球がV入賞装置650に入賞し得ない状態となった後に、貯留弁660aが解除状態(図では点線で表示)へと移行すると、貯留弁660aの貯留部に貯留されていた球P1(図378参照)が、第3流路650dを流下する。図379に示した状態では、第1可動弁660bが誘導位置に位置しているため、球P1が第1可動弁660bの上面に形成された下り傾斜を転動し、第4流路650eを流下し、第2アウト口1163bに入球する。
一方、貯留弁660aの貯留部に貯留されていた球P1(図378参照)が、第3流路650dを流下し、第1可動弁660bに到達したタイミングで、第1可動弁660bが通過位置に位置している場合の球流れについて、図380を参照して説明をする。図380は、小当たり遊技のうち、貯留弁660aが貯留状態から解除状態へと移行した場合における球流れを示す模式図である。図380に示した通り、第3流路650dを流下した球が第1可動弁660bに到達したタイミングにおいて、第1可動弁660bが通過位置に位置している場合は、第5流路660fを流下し、V入賞口1650へと入賞する。
なお、本第10制御例では、図376から図380を参照して上述した通り、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための遊技も、時短状態において第2入球口640へと遊技球を入球させるための遊技も、左打ち遊技を遊技者に行わせるように構成し、さらに、小当たり遊技中も左打ち遊技を行わせ、大当たり遊技中のみ右打ち遊技を行わせるように構成しているが、これに限ること無く、上述した各制御例と同様に、通常状態と時短状態とで遊技者に対して異なる遊技方法で遊技を行わせるように構成しても良い。
<第10制御例における演出内容について>
次に、図381から図383を参照して、本第10制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第10制御例では、時短状態中において獲得した特図2保留が上限数(4個)に到達した場合に、その特図2保留に対する先読み結果を示す情報に基づいて、遊技者に対して、大当たり遊技(小当たり当選に基づく大当たり遊技)を実行させることが可能な回数を報知可能に構成している。
具体的には、第2特別図柄抽選が実行された場合には、必ず大当たり当選、或いは、小当たり当選するように規定しており、且つ、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に正常に遊技を行うことで確実に特定領域へと遊技球を通過せることが可能に構成している。
つまり、本第10制御例では、獲得済みの特図2保留の数だけ、大当たり遊技を実行可能な権利を獲得する遊技性の遊技が実行されることになり、例えば、特図2保留を4個獲得している状態では、後4回の大当たり遊技を実行させることが可能な状態となる。また、本第10制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、通常状態と、時短状態とを設定可能に構成しており、さらに、時短状態として、特図2保留を獲得し難い不利時短状態と、その不利時短状態よりも特図2保留を獲得し易い有利時短状態と、を設定可能に構成している。
そして、時短状態中において所定条件(特図2保留が上限に到達)が成立した場合に、獲得済みの特図2保留の先読み結果に基づいて、大当たり遊技終了後に有利時短状態が設定されるか否かを判別し、その判別結果も踏まえて、遊技者に対して大当たり遊技を実行させることが可能な権利数を報知可能に構成している。
このように、獲得済みの特図2保留の数に加え、獲得済みの特図2保留に対応する特別図柄抽選の結果に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態まで予測した上で、大当たり遊技を実行させることが可能な回数(大当たり実行可能回数)を報知可能に構成することで、獲得済みの特図2保留よりも多い数の大当たり実行可能回数を報知することが可能となる。
さらに、本第10制御例では、大当たり実行可能回数として遊技者に報知する回数を、特図2保留が上限に到達した時点における遊技状態や、先読み結果に基づいて異ならせるように構成している。つまり、大当たり実行可能回数として最大数以外の回数を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、報知された大当たり実行可能回数に基づいて後に実行される遊技の内容を遊技者に完全に把握されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本第10制御例では、特図2保留を獲得可能な時短状態の最終変動期間中において、特図2保留を上限数まで獲得していない状態であっても、最終変動の抽選結果や、獲得済みの特図2保留の先読み結果に基づいて特図2保留を獲得させるための案内演出の演出態様を可変させたり、案内演出とは異なる演出を実行可能に構成している。
ここで、従来型のパチンコ機10のうち、本第10制御例と同様の遊技性を有しているパチンコ機10では、特図2保留を獲得し易い時短状態における特別図柄の最終変動期間(時短最終変動期間)において、特図2保留を上限数まで獲得させるための案内演出を実行することで、時短状態中に遊技者に付与される特典(特図2保留を獲得し易くする特典)を最大限に生かした遊技を遊技者に行わせるものがある。
しかしながら、上述した従来側のパチンコ機10では、例えば、時短最終変動の抽選結果や、時短最終変動の後に実行される第2特別図柄抽選(通常状態中に実行される特図2保留に対応する第2特別図柄抽選)の結果に関わらず、案内演出が実行されるため、今回の時短最終変動期間にて特図2保留数を上限数まで獲得しなくとも、その後に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づいて、再度、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定される場合等において、遊技者に無用に遊技球を発射させる遊技を行わせることになり、遊技者に対して適正な遊技を案内することが出来ていないという問題があった。
これに対して、本第10制御例では、時短最終変動期間中に実行される演出態様を決定する際に、時短最終変動に対応する第2特別図柄抽選の結果と、獲得済みの特図2保留に対応する先読み結果とに基づいて、時短最終変動期間が経過した後に、再度、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて、案内演出の実行の有無を異ならせるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、無用に特図2保留数を上限に到達させるための遊技を行わせることを抑制した案内演出を実行することができる。
加えて、本第10制御例では、時短最終変動期間が経過した後に実行され得る遊技の内容(特図2保留の獲得難度)に応じて、案内演出の演出態様を可変するように構成しており、例えば、時短最終変動の抽選結果が小当たり当選で、且つ、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合の方が、時短最終変動の抽選結果が小当たり当選で、且つ、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に特図2保留を獲得することが困難な時短状態(不利時短状態)である場合よりも、遊技者に対して特図2保留を獲得する案内態様を強調した案内演出を実行するように構成している。
このように、時短最終変動期間中に実行される案内演出の演出態様として案内態様に強弱を設けるように構成することで、常に単調な案内演出を実行する場合に比べて、特図2保留を獲得しなければ遊技者に不利となる期間中に特図2保留を獲得しないまま、その期間が終了してしまい遊技者に不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
本第10制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に、特図2保留を獲得困難な時短状態(不利時短状態)、或いは、特図2保留を獲得し易い時短状態(有利時短状態)と、を設定可能に構成している。
具体的には、不利時短状態が設定された場合には、時短状態中に実行される1回目の第2特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了するように構成し、有利時短状態が設定された場合には、時短状態中に実行される2回目の第2特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了するように構成している。このように構成することで、不利時短状態が設定された場合には、特図2保留を獲得すること無く、第2特別図柄抽選が1回のみ実行される時短状態が設定され、有利時短状態が設定された場合には、特図2保留を上限数獲得可能な時短状態が設定される。
まず、図381(a)を参照して、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合の演出内容を説明する。図381(a)は、特図1抽選で大当たり当選した後に設定される時短状態(初当たり状態)における1回目の第2特別図柄変動中に表示される表示画面の一例を示した図である。図381(a)に示した通り、実行中の第2特別図柄変動の抽選結果が、不利時短状態が設定される抽選結果(不利抽選結果)であるか、有利時短状態が設定される抽選結果(有利抽選結果)であるかを示すための時短演出が実行される。
図381(a)に示した例によれば、不利抽選結果に対応する表示態様として「V」を模したアイコン1800aと、有利抽選結果に対応する表示態様として「V×5」を模したアイコン1800bとが表示されている。そして、アイコン1800bが選択された場合には、超チャンスモードへと移行することを案内するための案内態様として「超チャンスモード」が表示され、副表示領域Dsには、アイコン1800bが選択された場合に大当たり遊技の実行権利を5個獲得(5連チャン可能)することを案内するための案内態様として「V×5なら5連チャン」のコメントが表示される。
次に、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づいて実行される大当たり遊技中の演出内容について図381(b)を参照して説明をする。図381(b)は、特図2大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図381(b)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面にて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に遊技者に報知するための報知演出が実行される。
次に、図382(a)を参照して、有利時短状態中の演出内容について説明をする。図382(a)は、有利時短状態であることを示す超チャンスモード中の表示画面の一例を示した図である。図382(a)に示した通り、超チャンスモードは複数回の第2特別図柄変動が実行されるまで時短状態が継続するように構成しており、第2特別図柄変動の変動期間中に特図2保留を獲得可能に構成している。よって、副表示領域Dsには、現在が特図2保留を容易に獲得可能な状況であること、及び、遊技者に対して特図2保留を獲得させることを促すために「右打ちしてVを貯めろ」のコメントが表示されている。
そして、小表示領域Dm9には、獲得済みの特図2保留数に対応させて増減するVアイコンが表示される。このVアイコンは、特図2保留と同数を上限に表示可能に構成しており、特図2保留を獲得する毎に、第1Vアイコンhr1~第4Vアイコンhr4の順に表示される。図382(a)に示した例では、特図2保留を2つ獲得している状態であるため、第1Vアイコンhr1と、第2Vアイコンhr2とが表示されている。
その後、遊技者が特図2保留を上限数まで獲得すると、図382(b)に示した通り、小表示領域Dm9の情報に、特図2保留を上限数獲得したことを示すための上限報知態様として「MAX」を模したアイコンhxが表示され、主表示領域Dmの中央部に宝箱1810が出現する演出が実行されると共に、「宝箱が出現」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには、実行中の演出の進展内容を遊技者に説明するための案内態様として「中身は何だろう」の文字が表示される。これにより、宝箱1810が開放される演出がこの後実行されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図383(a)に示した通り、宝箱1810が開放されると、宝箱1810の中から中身1810aが出現する演出が実行され、その中身1810aの表示態様によって、現時点で遊技者が獲得している大当たり遊技の実行権利数を報知している。つまり、図383(a)に示した例では、4個目の特図2保留の先読み結果が、有利時短状態が設定される小当たり当選であるため、実行中の第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技(1回)と、獲得済みの特図2保留に対応する第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技(4回)と、4個目の特図2保留に対応する第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技の終了後に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技(1回)と、その変動中に獲得可能な特図2保留に対応する大当たり遊技(4回)と、を合わせた10回の大当たり遊技実行権利を獲得したことを報知するための表示態様「V×10」で中身1810aが表示されている。
このように構成することで、本第10制御例では、既に獲得済みの大当たり遊技の実行権利数だけで無く、獲得済みの大当たり遊技の実行権利に基づいて実行され得る大当たり遊技終了後の遊技内容まで予測した上で、遊技者に対して獲得し得る大当たり遊技の実行権利に関する情報を報知することができるため、一度に保留記憶可能な特図2保留数(4個)よりも多くの数の大当たり遊技の実行権利数を遊技者に事前報知可能となる。よって、遊技者に対して、大当たり遊技の実行権利がどのようにして発生するのか(獲得し得るのか)を予測させ難くすることができ、飽きの来ない遊技を提供することができる。
なお、本第10制御例では、小当たり遊技中に適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、ほぼ大当たり遊技を実行させることが可能に構成しているため、事前に遊技者に対して報知した大当たり遊技の実行権利数と同数の大当たり遊技を遊技者に提供可能となるが、例えば、小当たり遊技中に適正な遊技(右打ち遊技)を行わなかったことにより小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることができず、大当たり遊技が実行されなかった場合には、事前報知されている大当たり遊技の実行権利数を減少させる演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、実行した遊技の内容によって実行される大当たり遊技の回数が減少したことを遊技者に分かり易く報知することができる。この場合、大当たり遊技の実行権利数が減少した(実行権利が消滅した)経緯を遊技者に把握させるための情報を報知可能に構成すると良い。これにより、大当たり遊技の実行権利数が残存している場合において、大当たり遊技の実行権利数が再度減少してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
本第10制御例では、小当たり遊技中に適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、ほぼ大当たり遊技を実行させることが可能に構成しているため、事前に遊技者に対して報知した大当たり遊技の実行権利数と同数の大当たり遊技を遊技者に提供可能であるため、算出された大当たり遊技の実行権利数の全てを遊技者に事前報知するように構成しているが、これに限ること無く、既に獲得済みの大当たり遊技の実行権利数だけで無く、獲得済みの大当たり遊技の実行権利に基づいて実行され得る大当たり遊技終了後の遊技内容まで予測した上で、遊技者に対して獲得し得る大当たり遊技の実行権利数を算出し、その算出結果の一部を遊技者に事前報知するように構成しても良い。
これにより、例えば、小当たり遊技が実行された場合の約1/2の確率で大当たり遊技が実行されるように構成されたパチンコ機10において、遊技者に対して獲得し得る大当たり遊技の実行権利数として算出された数の1/2の数を遊技者に事前報知するように構成した場合に、実際に実行された小当たり遊技の回数と、大当たり遊技の回数とに基づいて、事前報知された大当たり遊技の実行権利数を増加させたり減少させたりするための更新処理を実行可能にすることで、遊技者に対して、大当たり遊技が実行され得る回数を予測させ易くすること共に、予測に用いた情報の信頼性を高めることができる。
図383(b)に戻り説明を続ける。図383(b)は、有利時短状態であることを示す超チャンスモード中における第2特別図柄の最終変動期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。本第10制御例では、有利時短状態が設定されている期間は、有利時短状態が設定されていない期間よりも、遊技球を第2入球口640へと入球させ易くなるように構成しており、有利時短状態の終了条件が成立する第2特別図柄変動期間中(最終変動期間中)は、図382(a)に示した通り、遊技者に対して第2入球口640へと遊技球を入球させることを促すための案内報知を実行可能に構成しているが、最終変動期間となる特別図柄変動が実行される際に既に獲得済みの特図2保留の中に大当たり遊技終了後に有利時短状態が設定される当たり当選に対応する特図2保留が存在している場合には、上述した案内報知を実行すること無く、図383(b)に示した通り、遊技者を祝福するための演出態様が設定されるように構成している。
つまり、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立する特別図柄変動期間中において、特図2保留を上限数獲得していない状態であっても特定条件が成立している場合には、特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知を実行しないように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、無用に特図2保留を上限数まで獲得させるための遊技を行わせることを抑制することができる。
<第10制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図384を参照して、本第10制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図384は、遊技状態の遷移内容を示したゲームフローである。図384に示した通り、本第10制御例では、上述した第7制御例と同様に、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しており、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、遊技者に左打ち遊技を実行可能に構成している。
パチンコ機10の初期状態としては、特図1保留、及び、特図2保留を獲得していない状態で通常状態(第1通常状態)が設定される。この第1通常状態では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させるための遊技が行われる。この第1通常状態では、特別図柄の低確率状態が設定されているため、30/1000の確率で大当たり当選する第1特別図柄抽選が実行される。
ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」が設定される。大当たり種別「大当たりA」が設定された大当たり遊技の終了後には時短状態が設定される。
本第10制御例では、遊技者への遊技度合いを異ならせた時短状態を設定可能に構成しており、遊技者に有利となる第2時短状態(有利時短状態)と、その第2時短状態(有利時短状態)よりも遊技者に不利となる第1時短状態(不利時短状態)と、を設定可能に構成している。より具体的には、時短状態が設定されている期間中における特図2保留の獲得のし易さを異ならせることにより、時短状態における遊技度合いを異ならせており、遊技者に有利となる第2時短状態(有利時短状態)が設定された場合には、その時短期間中に第2入球口640へと遊技球を複数個入球させることが容易となるように構成している。一方で、第1時短状態(不利時短状態)が設定された場合には、その時短期間中に第2入球口640へと遊技球を複数個入球させることが困難となるように構成している。
つまり、第1時短状態(不利時短状態)が設定された場合と、第2時短状態(有利時短状態)が設定された場合とで、時短状態中における特図2保留球の獲得のし易さを異ならせることにより遊技者への有利度合いを異ならせるように構成している。
本制御例のパチンコ機10は、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)とを設定可能に構成している。通常状態は普通図柄の低確率状態が設定されているため、普図当たりに当選し難く、且つ、普図当たりに当選した場合であっても、電動役物640aの動作期間が短く第2入球口640へと球を入球させ難い(させることが出来ない)遊技状態となる。よって、左打ち遊技によって第1入球口64へと球を入球させ、第1特別図柄抽選を実行する遊技が主として行われる。
そして、第1入球口64へと球が入球すると、30/1000の確率で大当たりに当選する第1特別図柄抽選(特図1抽選)が実行される。特図1抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりAが設定され、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される。
次に、本第10制御例のパチンコ機10における時短状態の内容について説明をする。図384に示した通り、本制御例では、時短状態として第1時短状態と第2時短状態とを設定可能に構成している。ここで、第1時短状態と第2時短状態との違いについて説明をする。第1時短状態と第2時短状態とは、何れも特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態であって、特別図柄抽選の当たり確率、普通図柄抽選の当たり確率は同一である。さらに、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンの選択割合も同一である。
唯一の相違点は、時短状態が終了する(通常状態へと移行する)タイミングであり、第1時短状態では、第2特別図柄抽選が1回実行された場合に、その第2特別図柄変動の開始タイミングで時短状態が終了するように構成されており、第2時短状態では、第2特別図柄抽選が2回実行された場合に、その第2特別図柄変動の開始タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、第1時短状態よりも第2時短状態のほうが、第2特別図柄変動の変動期間分、時短状態を長く設定することができるため、遊技者に有利な時短状態といえる。さらに、本制御例では、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと入球可能な球数が1個となるように構成されており、且つ、第2特別図柄変動が1回実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しているため、第1時短状態が設定された場合には、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得していない状態で時短状態が終了し易くなる。一方、第2時短状態が設定された場合には、第2特別図柄変動の変動期間中も継続して時短状態となるため、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得した状態で時短状態を終了させ易くなる。即ち、時短状態が終了した時点における特図2保留の獲得状況の点から見ても、第1時短状態よりも第2時短状態のほうが遊技者に有利な時短状態といえる。
そして、詳細は後述するが、第1時短状態に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、5%の割合で第2時短状態が設定され得る小当たり遊技が選択されるように構成している。即ち、通常状態では第2時短状態よりも第1時短状態へと移行し易く、第1時短状態では、通常状態よりも高確率で第2時短状態へと移行し易くなるように構成している。よって、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、遊技者に最も有利となる第2時短状態への移行割合を異ならせた遊技状態(通常状態、第1時短状態)を段階的に移行させることができるため、第2時短状態が設定されるまでに遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、通常状態よりも第2時短状態へと移行し易い遊技状態へと移行した場合に、遊技を止め難くすることができるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
第1時短状態では、左打ち遊技によってスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選を実行し、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させる遊技が実行される。そして、第2入球口640へと球が入球した場合には、970/1000の確率で小当たり当選し、30/1000の確率で大当たり当選する第2特別図柄抽選が実行される。この第1時短状態中は、第2特別図柄抽選が1回実行されたことに基づいて時短終了条件が成立し、時短終了条件が成立した第2特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動(第2特別図柄変動)の開始タイミングにて時短状態が終了するように構成している。これにより、特図2保留を獲得できないまま時短状態が終了し易くなるため、時短状態の設定後、第2特別図柄抽選を1回のみ実行可能な遊技状態となる。
本第10制御例では、時短状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、必ず、大当たり当選、或いは、小当たり当選するように構成しており、小当たり遊技が実行された場合には、正常に遊技を実行した場合には、確実に大当たり遊技の実行権利(V入賞口1650への遊技球の入賞)を獲得可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選の実行回数と、大当たり遊技の実行回数と、を同一数とすることができる。よって、第1時短状態よりも、特図2保留を獲得可能な第2時短状態が設定されることを目指した遊技が行われる。
時短状態中において、特図2抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別は、それぞれ選択割合を異ならせており、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される小当たりAの選択割合が80%、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たりBの選択割合が15%、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される小当たりCの選択割合が5%となるように構成している。
つまり、第1時短状態が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たりBが選択されるまで、第2特別図柄抽選を実行させる遊技を継続して行わせることができる。
そして、第1時短状態に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、5%の割合で第2時短状態が設定され得る小当たり遊技が選択されるように構成している。即ち、通常状態では第2時短状態よりも第1時短状態へと移行し易く、第1時短状態では、通常状態よりも高確率で第2時短状態へと移行し易くなるように構成している。よって、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、遊技者に最も有利となる第2時短状態への移行割合を異ならせた遊技状態(通常状態、第1時短状態)を段階的に移行させることができるため、第2時短状態が設定されるまでに遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、通常状態よりも第2時短状態へと移行し易い遊技状態へと移行した場合に、遊技を止め難くすることができるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
第2時短状態中は、上述した第1時短状態に対して、2回目の第2特別図柄抽選が実行された場合に時短終了条件が成立し、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態が終了するように構成している。つまり、時短終了条件が成立するまでの第2特別図柄変動の変動期間中を時短状態とすることができるため、その変動期間中に特図2保留を獲得することが可能となり、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。よって、第2時短状態は第1時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、第2時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づく遊技状態の移行内容については、上述した第1時短状態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。そして、第2時短状態が終了した時点、即ち、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動が停止表示された場合において、特図2保留を獲得していない場合は、上述した第1時短状態の終了時と同様に第1通常状態中へと移行する。
一方、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動が停止表示された場合において、特図2保留を獲得している場合は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される第2通常状態へと移行する。この第2通常状態では、継続して超チャンスモードが設定される。
通常状態において第2特別図柄抽選が実行された場合には、時短状態中と同一の確率(970/1000)で小当たり当選する特別図柄抽選が実行される。そして、時短状態中における第2特別図柄抽選と同一の選択割合で小当たり種別が選択される。つまり、多くの特図2保留を獲得した状態であれば、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されたとしても、高確率で時短状態へと復帰させ易くすることができる。
なお、本第10制御例では、通常状態における小当たり種別の選択割合と、時短状態における小当たり種別の選択割合と、を同一に設定しているが、これに限ること無く、一方の遊技状態の方が、他方の遊技状態よりも遊技者に有利な小当たり種別が選択され易くなるように構成しても良く、例えば、通常状態が設定されている場合の方が遊技者に有利な小当たり種別(小当たりC)を選択させ易くするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることが可能となる。よって、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることの有利度合いを高めることができるため、第1時短状態と、第2時短状態との有利度合いの差を大きくし易くすることができる。
<第10制御例の電気的構成について>
次に、図385から図390を参照して、本第10制御例のパチンコ機10における電気的構成について説明をする。本第10制御例のパチンコ機10は、上述した第7制御例のパチンコ機10における電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成、及び、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更している点で相違し、それ以外が同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図385を参照して、本第10制御例における主制御装置110の電気的構成について説明をする。図385(a)は、本第10制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図385(a)に示した通り、本制御例のROM202は、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)に対して、第1当たり乱数7テーブル202faに代えて第1当たり乱数10テーブル202iaを、小当たり種別選択7テーブル202ffに代えて小当たり種別選択10テーブル202ifを、時短付与7テーブル202feに代えて時短付与10テーブル202ieを設けた点と、小当たりシナリオ10テーブル202iiを新たに追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、説明の便宜上、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)では図示している各種構成のうち、図385(a)にてその図示を省略しているものもあるが、適用が困難な構成以外はその図示を省略しているものである。
第1当たり乱数10テーブル202iaは、上述した第1当たり乱数7テーブル202fa(図305(a)参照)に対して、大当たりと判別される規定値と、小当たり当選と判別される規定値を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
ここで、図386を参照して、第1当たり乱数10テーブル202iaに規定されている内容について説明をする。図386(a)は、第1当たり乱数10テーブル202iaの内容を模式的に示した模式図である。図386(a)に示した通り、第1当たり乱数10テーブル202iaは、第1特別図柄(特図1)の当たり抽選の際に参照される特別図柄1乱数10テーブル202ia1と、第2特別図柄(特図2)の当たり抽選を実行する際に参照される特別図柄2乱数10テーブル202ia2とを有している。
次に、図386(b)を参照して、特別図柄1乱数10テーブル202ia1に規定されている内容について説明をする。図386(b)は、特別図柄1乱数10テーブル202ia1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図386(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0~999」の範囲のうち、「0~29」の範囲に対して「大当たり」が規定されている。即ち、本第10制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選する確率が3/100(30/1000)となる。
次いで、図386(c)を参照して、特別図柄2乱数10テーブル202ia2に規定されている内容について説明をする。図386(c)は、特別図柄2乱数10テーブル202ia2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図386(c)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0~999」の範囲のうち、「0~29」の範囲に対して「大当たり」が規定され、「30~999」の値に「小当たり」が規定されている。即ち、本第10制御例では、特図2の抽選で大当たりに当選する確率が約3/100(30/1000)、小当たりに当選する確率が97/100(970/1000)となる。
本第10制御例では、小当たり当選と判定される判定値の種類や数を遊技状態に関わらず一定値にしているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて、小当たりに当選する確率が高くなる高確率状態(特別図柄の高確率状態)と、低くなる低確率状態(特別図柄の低確率状態)と、を設定するように構成しても良い。また、本第10制御レ井では、第2特別図柄抽選のみ小当たり当選と判定され得るように構成しているが、第1特別図柄抽選においても小当たり当選し得るように特別図柄1乱数10テーブル202ia1の内容を規定しても良く、この場合、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで小当たり当選する確率を同一にしても良いし、異ならせても良い。
小当たり種別選択10テーブル202ifは、第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択10テーブル202ifは、上述した第7制御例の小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)に対して、規定される小当たり種別の内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図387を参照して、小当たり種別選択10テーブル202ifについて説明をする。図387は、小当たり種別選択10テーブル202ifの内容を示した模式図である。本第10制御例では、設定される小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に実行条件が成立したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後における時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。より具体的には、設定される小当たり種別に応じて有利時短状態、或いは、不利時短状態を設定可能に構成している。
具体的には、第1特別図柄の小当たり種別としては、上記した小当たりA、小当たりB、及び小当たりCの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように設定されており、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~79」の範囲に対して「小当たりA(V通過時5R大当たりA)」が規定されており、「80~94」の範囲に対して「小当たりB(V通過時5R大当たりB)」が規定されており、「95~99」の範囲に対して「小当たりC(V通過時5R時短無し大当たりC)」が規定されている。
ここで、各小当たり種別には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞口1650へ遊技球が入球した場合に、その後に実行される大当たり遊技の種別(大当たり種別)が設定されている。「小当たりA」に対しては、大当たり種別として「大当たりA」が設定されており、「小当たりB」に対しては、「大当たりB」が設定されており、「小当たりC」に対しては、「大当たりC」が設定されている。
本第10制御例では、「大当たりA」~「大当たりC」の何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技として可変入賞装置65を開放されるラウンド遊技を5回実行させる大当たり遊技(5ラウンド遊技)を実行し、大当たり遊技の終了後に、時短状態が設定されるように構成している。そして、詳細な説明は図388を参照して後述するが、設定される大当たり種別に応じて、時短状態を終了させるための時短終了条件として、異なる内容の時短終了条件が設定されるように構成している。
つまり、小当たり当選した場合に設定される小当たり種別に応じて、時短終了条件のみを異ならせた特典遊技(大当たり遊技、時短状態中の遊技)を提供するように構成している。このように構成することで、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の内容によって、大当たり種別を遊技者に特定されてしまい、後に設定される時短状態が有利時短状態であるか不利時短状態であるかを遊技者に事前に予測されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第10制御例では、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の内容が、小当たり種別に関わらず同一(5ラウンド(R)大当たり遊技)となるように構成しているが、これに限ること無く、小当たり種別に応じて異なる内容の大当たり遊技を実行可能に構成しても良い。この場合、遊技者に不利となる不利時短状態が設定される大当たり種別と、遊技者に有利となる有利時短状態が設定される大当たり種別の少なくとも一部とで同一の大当たり遊技内容の大当たり遊技が実行されるように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が有利時短状態であるか不利時短状態であるかを大当たり遊技が実行されている最中に遊技者に判別させ難くする大当たり遊技と、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が有利時短状態であることを大当たり遊技が実行されている最中に遊技者に判別させ易くする大当たり遊技(有利時短状態が設定される大当たり種別のみ実行可能な大当たり遊技)と、を実行することができるため、どのような内容の大当たり遊技が実行されるのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
時短付与10テーブル202ieは、大当たり遊技終了時に設定する時短状態の終了条件(時短終了条件)が予め規定されているデータテーブルであって、各大当たり種別に対応させた時短付与内容(時短終了条件)が規定されているものである。この時短付与10テーブル202ieは、時短状態を終了させるための複数の時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図388を参照して時短付与10テーブル202ieに規定されている内容について説明をする。図388は時短付与10テーブル202ieに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本制御例では、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する第1時短終了条件(時短カウンタ203hにセットされる値)と、第2特別図柄変動の回数に基づいて成立する第2時短終了条件(特図2変動回数カウンタにセットされる値)と、を設定可能に構成している。
具体的には、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、或いは、小当たり種別「小当たりA」が設定された場合に設定される「大当たりA」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「10」が、第2時短終了条件として、特図2変動回数カウンタ203iaの値に「1」が規定されている。つまり、「大当たりA」に対応する時短状態が設定された場合には、第1特別図柄変動の実行回数と、第2特別図柄変動の実行回数との合算回数が10回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し、第2特別図柄変動の実行回数が1回に到達した場合に第2時短終了条件が成立する時短状態が設定される。なお、上述した通り、本第10制御例では、時短終了条件が成立する特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成していることから、「大当たりA」に対応する時短状態が設定された場合には、時短状態が設定されてから1回目の第2特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態が終了することになる。よって、遊技者に不利となる不利時短状態となる。
なお、本第10制御例では、時短状態中において正常に遊技を実行する場合において先に成立し得る第2時短終了条件と、その第2時短終了条件よりも成立し難い第1時短終了条件を設定するように構成している。そして、第1時短終了条件として時短カウンタ203hの値に「10」をセットするように規定されている。この「10」の値は、特図1保留の上限数「4」よりも大きな値となるように規定されている。よって、特図1保留を上限数記憶している状態で時短状態が設定され、第2特別図柄変動が実行されるよりも前に、全ての特図1保留が消化されたとしても時短状態が終了することが無い。また、時短状態中において第1特別図柄抽選のみを実行する行為が行われた場合には、第1特別図柄変動の回数が10回に到達した時点で時短状態を終了させることができるため、正常では無い遊技が継続して実行されることを抑制することができる。なお、本制御例では、時短状態が設定される全ての大当たり種別に対して、第1時短終了条件として同一の値をセットするように構成しているが、これに限ること無く、異なる値をセットするように構成しても良い。
小当たり種別「小当たりB」が設定された場合に設定される「大当たりB」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「0」が、第2時短終了条件として、特図2変動回数カウンタ203iaの値に「0」が規定されている。つまり、「大当たりB」が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。なお、上述した通り、本第10制御例では、通常状態が設定される場合よりも時短状態が設定される場合の方が、遊技者に有利な遊技(第2特別図柄抽選)を実行させ易く構成していることから、「大当たりB」は、遊技者に最も不利となる大当たり種別となる。
小当たり種別「小当たりC」が設定された場合に設定される「大当たりC」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「10」が、第2時短終了条件として、特図2変動回数カウンタ203iaの値に「2」が規定されている。つまり、「大当たりC」に対応する時短状態が設定された場合には、第1特別図柄変動の実行回数と、第2特別図柄変動の実行回数との合算回数が10回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し、第2特別図柄変動の実行回数が2回に到達した場合に第2時短終了条件が成立する時短状態が設定される。なお、上述した通り、本第10制御例では、時短終了条件が成立する特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成していることから、「大当たりC」に対応する時短状態が設定された場合には、時短状態が設定されてから2回目の第2特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態が終了することになる。つまり、時短状態が設定されてから1回目の第2特別図柄変動の変動期間中は時短状態が継続し、普図当たり遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる期間となる。よって、遊技者に有利となる有利時短状態となる。
また、本制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件、第2時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置650が作動した回数が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
図385(b)に戻り、本第10制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203の構成について説明をする。図385(b)は、第10制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203に規定されている内容を模式的に示した図である。図385(b)に示した通り、本第10制御例では、上述した第7制御例におけるRAM203(図304(b)参照)に対して、特図2変動回数カウンタ203iaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、遊技状態格納エリア203gは、上述した各制御例と同様に主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれている遊技状態を示す情報が格納される記憶領域であって、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報に基づいて、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に加え、その遊技状態の種別(不利時短状態(第1時短状態)、有利時短状態(第2時短状態))も判別可能に構成されている。
特図2変動回数カウンタ203iaは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動回数が第2時短終了条件を満たしているかを判別する際に参照されるカウンタであって、時短状態が設定される場合に第2時短終了条件に対応する値がセットされる。そして、時短状態中に第2特別図柄変動を開始させるための制御処理が実行される毎に、値が減算されていき、減算後の値が第2時短終了条件を満たしているか(0であるか)が判別される。
このように構成することで、設定される時短状態の種別によって第2時短終了条件の内容を異ならせた場合であっても、時短状態を設定する際に特図2変動回数カウンタ203iaにセットする値の内容を異ならせるだけで良く、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
次に、図389(a)を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図389(a)は、第10制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を模式的に示した模式図である。図389(a)に示した通り、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第7制御例のROM222(図311(a)参照)に対して、抽選結果報知態様選択テーブル202faを削除した点と、最終変動演出選択テーブル222iaと、告知対象選択テーブル222ibとを設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
最終変動演出選択テーブル222iaは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の最終変動(特図2時短最終変動)中に実行される変動演出(最終変動演出)の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立する1つ前の特図2変動の変動演出パターンを決定する際に参照される。
本第10制御例では、上述した通り、時短状態を終了させるタイミングが特別図柄変動の開始タイミングとなるため、時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動の変動期間が、遊技者に対して特図2保留を獲得させるための最後のチャンスとなる。よって、本第10制御例では、時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動の変動期間が時短最終変動期間となり、その時短最終変動期間において最終変動演出が実行されるように構成している。
具体的には、主制御装置110により実行される更新処理10(図393参照)によって、時短カウンタ203hの値や、特図2変動回数カウンタ203iaの値が更新され、更新された後の特図2変動回数カウンタ203iaの値を示す残時短回数コマンドが設定される(図393のS10603参照)。そして、主制御装置110から出力された残時短回数コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている時短状態に対して時短終了条件が成立するまでの残情報(残時短回数)を特定可能に構成している。
ここで、残時短回数として1回、即ち、今回受信した残時短回数コマンドに対応する特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動によって時短終了条件が成立する状態であると判別した場合、具体的には、時短カウンタ203hの値、或いは、特図2変動回数カウンタ203iaの値として「1」を示す情報を残時短回数コマンドとして受信した場合に、対応する特別図柄変動(時短最終変動)の変動期間を時短最終変動期間として特定し、その時短最終変動期間に対して時短最終変動演出の演出態様を決定するように構成している。
このように構成することで、時短終了条件が成立した特別図柄変動の開始タイミングにおいて時短状態を終了させる処理を実行する場合であっても、遊技者に対して、特図2保留を獲得させることを促す演出(保留獲得演出)を実行する期間を確保し易くすることができる。
なお、本第10制御例では、時短終了条件が成立した特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成しているため、時短終了条件が成立した特別図柄変動の変動期間中は、特図2保留を獲得することが困難な遊技状態(通常状態)となることから、時短終了条件が成立する特別図柄変動の1つ前の特別図柄変動期間中において時短最終変動演出を実行するように構成しているが、例えば、時短状態を終了させるタイミングとして特別図柄変動の停止タイミングが規定されているパチンコ機10であれば、時短終了条件が成立した特別図柄変動の変動期間を時短最終変動期間として特定し、その時短最終変動期間に対して時短最終変動演出の演出態様を決定するように構成すれば良い。
また、時短最終変動演出の演出期間としては、少なくとも、上述した時短最終変動期間に該当する期間の少なくとも一部と重複していれば良く、時短最終変動期間の一部期間のみを演出期間とした時短最終変動演出を実行するように構成しても良いし、時短最終変動期間の一部期間と、時短最終変動期間とは異なる期間と、を跨ぐように時短最終変動演出を実行するように構成しても良い。
ここで、図390を参照して、最終変動演出選択テーブル222iaに規定されている内容について説明をする。図390は、最終変動演出選択テーブル222iaに規定されている内容を模式的に示した図である。本第10制御例では、図382(a)、或いは、図383(b)に示した通り、時短最終変動演出として異なる情報を遊技者に付与可能な演出態様を設定可能に構成している。例えば、時短最終変動演出が実行されている期間中において、特図2保留の獲得を促す保留獲得演出(図382(a)参照)に対応する演出態様と、獲得済みの特図2保留の中に遊技者に有利な特典を付与可能な情報が含まれていることを報知するための祝福演出(図383(b)参照)に対応する演出態様と、を設定可能に構成している。
この最終変動演出選択テーブル222iaには、図390(a)に示した通り、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)と、取得した演出カウンタ223eの値とに対応させて最終変動演出の演出態様が規定されている。
具体的には、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「大当たり」、或いは「小当たりC」であり、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「1~3」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様として「ゴール」(図383(b)参照)が、「70~99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、それぞれ規定されており、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「0」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、「70~99」の範囲に対して、演出態様として「ゴール」(図383(b)参照)が、それぞれ規定されている。
また、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「小当たりA」であり、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「0~3」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、「70~99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ強」が、それぞれ規定されている。
さらに、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「小当たりB」であり、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「1~3」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ強」が、「70~99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、それぞれ規定されており、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「0」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0~99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ強」が規定されている。
ここで、本第10制御例では、小当たり種別として「小当たりC」が設定される場合には、その小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に第2時短状態(有利時短状態)が設定されるように構成している。つまり、「小当たりC」に当選している場合には、後に、特図2保留を獲得可能な期間を有する時短状態が設定されるように構成している。よって、時短最終変動演出の演出態様として、時短最終変動演出の演出期間中において特図2保留の獲得を遊技者に促すことの無い祝福演出(「ゴール」)に対応する演出態様が設定され得るように構成している。
このように構成することで、時短状態が終了することを示す時短最終変動期間において、遊技者に対して特図2保留を獲得させるために無用に遊技球を発射させる遊技を促すことを抑制することができる。さらに、既に獲得済みの特図2保留数の数に応じて、祝福演出(「ゴール」)に対応する演出態様が設定される割合を異ならせるように構成しており、獲得済みの特図2保留数が少ない場合よりも、多い場合の方が、祝福演出(「ゴール」)に対応する演出態様が設定され易くなるように構成している。
つまり、最終変動演出期間中において特図2保留を獲得するために遊技球を発射した場合において、遊技者に付与される特典が少ない状態(新たに獲得可能な特図2保留数が少ない状態)の方が、保留獲得演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して特図2保留を獲得させるために無用に遊技球を発射させる遊技を促すことをより抑制することができる。
さらに、本第10制御例では、再度、有利時短状態が設定される可能性が高い状態(小当たりC当選している状態)であっても、低確率で保留獲得演出が実行されるように構成しているため、時短最終変動演出の演出態様によって、後の遊技内容を遊技者に確実に把握されてしまうことを抑制することができる。
一方、本第10制御例では、小当たり種別として「小当たりB」が設定される場合には、その小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)ように構成している。つまり、「小当たりB」に当選している場合には、後に、特図2保留を獲得可能な期間が設定されないように構成している。よって、時短最終変動演出の演出態様として、時短最終変動演出の演出期間中において特図2保留の獲得を遊技者に促す演出態様が設定され得るように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、特図2保留を獲得し得る最後の期間中において、特図2保留を確実に獲得させ易くすることができる。また、本第10制御例では、遊技者に特図2保留を獲得させることを促すための保留獲得演出の演出態様として、特図2保留の獲得を促す弱演出態様(「貯めろ弱」)と、その弱演出態様よりも特図2保留の獲得を強く促す強演出態様(「貯めろ強))と、を設定可能に構成しており、大当たり遊技終了後に不利時短状態が設定される場合(小当たりAに当選した場合)と、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合(小当たりBに当選した場合)と、で保留獲得演出の演出態様として、強演出態様が設定される割合を異ならせるように構成している。
つまり、不利時短状態が設定された場合には、特図2保留を新たに獲得することは困難であるが、例えば、特図2保留を1個も獲得していない状態で不利時短状態が設定された場合には、新たに第2特別図柄抽選を1回実行可能に構成している。即ち、大当たり遊技終了後に通常状態が設定された場合と、不利時短状態が設定された場合と、では、何れも新たに特図2保留を獲得することが困難な遊技状態となるが、不利時短状態の方が、新たに第2特別図柄抽選を実行させ易い遊技状態となる。そして、新たに第2特別図柄抽選が実行されることにより、その抽選結果に基づいて有利時短状態が設定される可能性があることから、通常状態が設定される「小当たりB」よりも、不利時短状態が設定される「小当たりC」のほうが、後に有利時短状態が設定される可能性が高くなる。
よって、本第10制御例では、小当たりAに当選した場合よりも、小当たりBに当選した場合の方が、遊技者に対して特図2保留の獲得を強く促す演出態様(貯めろ強)が設定され易くなるように構成している。
ここで、従来のパチンコ機10では、時短状態において特図2保留を獲得することが可能となる最終期間(時短最終変動期間)において、無条件で遊技者に対して特図2保留を獲得させることを促す演出(保留獲得演出)が実行されるように構成されていた。しかしながら、時短最終変動期間に対応する特別図柄抽選の結果によっては、時短最終変動期間中において特図2保留を獲得することのメリットが無く、無用に遊技球を発射してしまうというデメリットのみが発生する場合があった。
そして、実際に特図2保留を獲得した方が良い状況(例えば、そのまま時短状態が終了し、特図2保留を新たに獲得することが出来なくなる状況)と、特図2保留を獲得するメリットが低い状況(例えば、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選(小当たり当選)しており、その抽選結果に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、再度、特図2保留を容易に獲得することが可能な時短状態が設定される状況)と、で同一態様の保留獲得演出が実行されることから、保留獲得演出が実行された場合において、新たに特図2保留を獲得しようとする遊技意欲が徐々に低下してしまう問題が発生する虞があった。
これに対して、本第10制御例では、保留獲得演出の演出態様として、遊技者に対して特図2保留を獲得させることを促す程度を異ならせた演出態様を設定可能に構成し、実際に特図2保留を獲得した方が良い状況(例えば、そのまま時短状態が終了し、特図2保留を新たに獲得することが出来なくなる状況)において、遊技者に特図2保留を獲得すること強く促す演出態様(貯めろ強)が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、通常実行される保留獲得演出とは異なる演出態様であって、且つ、特図2保留の獲得が強く促されている演出態様で実行される保留獲得演出を見た遊技者に対して、意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
なお、特図2保留の獲得を強く促す演出態様としては、例えば、図382(a)に示した通常の保留獲得演出の演出態様に対して、小表示領域Dm4の表示領域を大きくすることにより「左打ち」の文字を大きく表示したり、副表示領域Dsに表示されるコメントとして「左打ちしてVを貯めろ」に代えて「必ず左打ちしてください」のコメントを表示したりすることで、遊技者に遊技球の発射を強く促す、即ち、通常の保留獲得演出において遊技者に提供される情報の表示態様を異ならせることにより、遊技者に遊技球の発射を強く促すように構成しても良いし、図382(a)に示した表示画面(通常の保留獲得演出の表示画面)では遊技者に提供されることの無い新たな情報(例えば、今回の特図変動期間が終了すると、特図2保留を獲得可能な期間が設定されないことを示すための情報)を遊技者に提供可能な演出態様を設定するように構成しても良い。加えて、パチンコ機10から出力される音声や、パチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)を用いた追加演出を実行することにより、実際に特図2保留を獲得した方が良い状況(例えば、そのまま時短状態が終了し、特図2保留を新たに獲得することが出来なくなる状況)であることを遊技者に分かり易く報知するように構成しても良い。
なお、本第10制御例では、図390(a)に示した通り、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、獲得済みの特図2保留数と、に基づいて、時短最終変動演出の演出態様を決定可能に構成しているが、それ以外の情報に基づいて時短最終変動演出の演出態様を決定可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(事前判別結果)に関する情報に基づいて演出態様を決定可能に構成しても良い。
この場合、当該特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(事前判別結果)と、に基づいて、後に有利時短状態が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて時短最終変動演出の演出態様を決定するように構成すれば良い。このように構成することで、より精度を高めた時短最終変動演出を実行することが可能となる。
告知対象選択テーブル222ibは、遊技者に対して獲得済み(獲得予定を含む)の大当たり遊技の実行権利数を報知するための報知演出(図383(a)参照)の演出態様(報知数)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、報知演出の実行条件が成立し、報知演出の演出態様を決定するための情報を特定する際に参照される(図394のS20108参照)。
ここで、図390(b)を参照して、告知対象選択テーブル222ibに規定されている内容について説明をする。図390(b)は、告知対象選択テーブル222ibに規定されている内容を模式的に示した図である。図390(b)に示した通り、告知対象選択テーブル222ibには、入賞情報格納エリア223aに格納されている保留記憶情報を読み出した結果(有利時短状態が設定される小当たり種別「小当たりC」に対応する保留記憶情報が格納されている位置(記憶エリア)と、「小当たりC」に対応する保留記憶情報の数)と、に基づいて、報知演出の対象とする(告知対象とする)保留記憶情報を異ならせて規定している。
ここで、入賞情報格納エリア223aは、上述した通り、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア~第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に保留記憶情報として格納されるように構成している。つまり、入賞情報格納エリア223aには、第2特別図柄に対応する保留記憶情報として、第2特別図柄抽選が実行される順に保留記憶情報が記憶されるように構成している。
よって、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報を読み出すことにより、小当たりCに当選する保留記憶情報の数と、小当たりCに当選する保留記憶情報に基づく第2特別図柄抽選が実行される順序と、を特定することが可能となる。
詳細な説明は省略するが、入賞情報格納エリア223aの第1エリア(エリア1)には、次に実行される第2特別図柄抽選に対応する保留記憶情報が格納され、次いで、第2エリア(エリア2)、第3エリア(エリア3)、第4エリア(エリア4)の順で保留記憶情報が格納される。本第10制御例では、入賞情報を獲得した順に特別図柄抽選が実行されるように構成しているため、第1エリア(エリア1)に格納されている保留記憶情報が最初に格納された保留記憶情報となり、第4エリア(エリア2)に格納されている保留記憶情報が最後に格納された保留記憶情報となる。
図390(b)に示した通り、告知対象選択テーブル222ibには、最終小当たりC保留格納位置と、保留内小当たりC保留数と、に対応付けて告知対象とする小当たりC保留を決定するように構成している。最終小当たりC保留格納位置とは、入賞情報格納エリア223aに格納されている複数の第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC当選する保留記憶情報を特定し、その特定した保留記憶情報の中で最も後に格納された保留記憶情報が記憶されている保留エリア(第1エリア~第4エリア)を示すものである。
つまり、最終小当たりC保留格納位置が「1」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、第1エリア(エリア1)にのみ小当たりC当選する保留記憶情報(小当たりC保留)が格納されている状態であることを示し、最終小当たりC保留格納位置が「2」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、最後に小当たりC保留が格納されたエリアが第2エリア(エリア2)であることを示している。なお、最終小当たりC保留格納位置は、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定しているだけであり、最終小当たりC保留格納位置が「2」の場合は、第1エリア(エリア1)に小当たりC保留が格納されている場合と、格納されていない場合と、が存在する。
同様に、最終小当たりC保留格納位置が「3」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、最後に小当たりC保留が格納されたエリアが第3エリア(エリア3)であることを示している。なお、最終小当たりC保留格納位置は、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定しているだけであり、最終小当たりC保留格納位置が「3」の場合は、第1エリア(エリア1)、或いは第2エリア(エリア2)に小当たりC保留が格納されている場合と、格納されていない場合と、が存在する。
また、最終小当たりC保留格納位置が「4」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、最後に小当たりC保留が格納されたエリアが第4エリア(エリア4)であることを示している。なお、最終小当たりC保留格納位置は、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定しているだけであり、最終小当たりC保留格納位置が「4」の場合は、第1エリア(エリア1)、第2エリア(エリア2)、第3エリア(エリア3)のそれぞれに小当たりC保留が格納されている場合と、格納されていない場合と、が存在する。
また、最終小当たりC保留格納位置は、上述した通り、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定するだけのものであり、獲得済みの特図2保留数(入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報の総数)を特定するものでは無い。よって、獲得済みの特図2保留数が「1」である場合も、「4」である場合も、保留エリアの第1エリア(エリア1)のみに小当たりC保留が格納されている場合には、最終小当たりC保留格納位置が「1」と特定される。
保留内小当たりC保留数は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報(小当たりC当選する保留記憶情報)の数を示すものであって、保留内小当たりC保留数が「1」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が1個であり、保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が2個であり、保留内小当たりC保留数が「3」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が3個であり、保留内小当たりC保留数が「4」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が4個であることを示している。
次に、図390(b)を参照して、告知対象選択テーブル222ibに規定されている内容を具体的に説明する。図390(b)に示した通り、最終小当たりC保留格納位置が「1」に対しては、保留内小当たりC保留数を特定すること無く、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が規定される。つまり、最終小当たりC保留格納位置が「1」の場合は、それ以外に小当たりC保留が存在しない状態であることから、そのまま「エリア1(第1エリア)」に格納されている小当たりC保留を報知演出による告知対象として決定する。
また、最終小当たりC保留格納位置が「2」に対しては、保留内小当たりC保留数が「1」の場合、即ち、保留エリアのうち「第2エリア(エリア2)」にのみ小当たりC保留が格納されている場合には、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が特定される。この場合、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない状態であるため、報知演出として、小当たりCに当選することを前提とした大当たり遊技の実行権利数では無く、「エリア1(第1エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいて算出される大当たり遊技の実行権利数が報知演出の報知数として決定される。
このように構成することで、報知演出によって報知された大当たり遊技の実行権利数と、実際に獲得している(獲得予定を含む)大当たり遊技の実行権利数とを乖離させた報知演出を実行可能とすることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア2(第2エリア)」が特定される。この場合、「エリア2(第2エリア)」には、小当たりC保留が格納されているため、現時点における最大数の大当たり遊技の実行権利数を報知演出の報知数として設定することが可能となる。
次に、最終小当たりC保留格納位置が「3」に対しては、保留内小当たりC保留数が「1」の場合、即ち、保留エリアのうち「第3エリア(エリア3)」にのみ小当たりC保留が格納されている場合には、告知対象とする小当たりC保留として「エリア3(第3エリア)」が特定される。この場合、「エリア3(第3エリア)」には、最後に格納された小当たりC保留が格納されているため、現時点における最大数の大当たり遊技の実行権利数を報知演出の報知数として設定することが可能となる。
また、保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア2(第2エリア)」が特定される。この場合、「エリア2(第2エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない場合と、格納されている場合とが生じる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「3」であることから、保留エリアのうち「エリア3(第3エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることは確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「2」であることから、「エリア3(第3エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」の何れかに小当たりC保留が格納されていることになる。
ここで、小当たりC保留が「エリア2(第2エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。一方、小当たりC保留が「エリア1(第1エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されていない状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報(小当たりA、小当たりB、或いは大当たり)に基づいた報知数が報知演出の報知数として設定される。
また、保留内小当たりC保留数が「3」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が特定される。この場合、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「3」であることから、保留エリアのうち「エリア3(第3エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることは確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「3」であることから、「エリア3(第3エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」に2つの小当たりC保留が格納されている状態のみが該当するため、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。この場合、告知対象とする「エリア1(第1エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア1(第1エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。なお、この場合、「エリア1(第1エリア)」よりも後のエリアに小当たりC保留が格納されている状態であり、「エリア3(第3エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数が現時点において報知演出にて報知可能な大当たり遊技の実行権利数の最大数となる。このように、大当たり遊技の実行権利数として報知可能な最大数とは異なる数を報知演出として報知可能に構成することで、遊技者に実際に実行される大当たり遊技の回数(連チャン数)を予測させる楽しみを提供することができる。
同様に、最終小当たりC保留格納位置が「4」に対しては、保留内小当たりC保留数が「1」の場合、即ち、保留エリアのうち「第4エリア(エリア4)」にのみ小当たりC保留が格納されている場合には、告知対象とする小当たりC保留として「エリア4(第4エリア)」が特定される。この場合、「エリア4(第4エリア)」には、最後に格納された小当たりC保留が格納されているため、現時点における最大数の大当たり遊技の実行権利数を報知演出の報知数として設定することが可能となる。
また、保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア3(第3エリア)」が特定される。この場合、「エリア3(第3エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない場合と、格納されている場合とが生じる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「4」であることから、保留エリアのうち「エリア4(第4エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることが確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「2」であることから、「エリア4(第4エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア3(第3エリア)」,「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」の何れかに小当たりC保留が格納されていることになる。
ここで、小当たりC保留が「エリア3(第3エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア3(第3エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア3(第3エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。一方、小当たりC保留が「エリア1(第1エリア)」、或いは「エリア2(第2エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア3(第3エリア)」に小当たりC保留が格納されていない状態であるため、「エリア3(第3エリア)」に格納されている保留記憶情報(小当たりA、小当たりB、或いは大当たり)に基づいた報知数が報知演出の報知数として設定される。
保留内小当たりC保留数が「3」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア2(第2エリア)」が特定される。この場合、「エリア2(第2エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない場合と、格納されている場合とが生じる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「4」であることから、保留エリアのうち「エリア4(第4エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることが確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「3」であることから、「エリア4(第4エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア3(第3エリア)」,「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」のうち、2つのエリアに小当たりC保留が格納されていることになる。
ここで、小当たりC保留が「エリア2(第2エリア)」に少なくとも格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。一方、小当たりC保留が「エリア1(第1エリア)」、及び「エリア3(第3エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されていない状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報(小当たりA、小当たりB、或いは大当たり)に基づいた報知数が報知演出の報知数として設定される。
また、保留内小当たりC保留数が「4」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が特定される。この場合、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「4」であることから、保留エリアのうち「エリア4(第4エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることは確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「4」であることから、「エリア4(第4エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア3(第3エリア)」,「エリア2(第2エリア)」,「エリア1(第1エリア)」に3つの小当たりC保留が格納されている状態のみが該当するため、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。この場合、告知対象とする「エリア1(第1エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア1(第1エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。なお、この場合、「エリア1(第1エリア)」よりも後のエリアに小当たりC保留が格納されている状態であり、「エリア4(第4エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数が現時点において報知演出にて報知可能な大当たり遊技の実行権利数の最大数となる。このように、大当たり遊技の実行権利数として報知可能な最大数とは異なる数を報知演出として報知可能に構成することで、遊技者に実際に実行される大当たり遊技の回数(連チャン数)を予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図389(b)を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図389(b)は、第10制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図389(b)に示した通り、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第7制御例のRAM223(図311(b)参照)に対して、状態格納エリア223iaと、時短最終変動フラグ223ibと、実行済フラグ223icとを設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、本第10制御例では、入賞情報格納エリア223aに格納される情報の種類を上述した第7制御例に対して増加している点でも相違している。具体的には、本第10制御例では、遊技者に対して獲得済みの大当たり遊技の実行権利数の少なくとも一部を報知するための報知演出を実行可能に構成しており、告知対象選択テーブル222iaを参照して決定した保留記憶情報に基づいて、大当たり遊技の実行権利数を報知するように構成している。そして、入賞情報格納エリア223aには、告知対象選択テーブル222iaを参照して決定された保留記憶情報に対して、告知対象であることを示すための情報を格納するように構成している。
このように構成することで、第2特別図柄抽選が実行され、入賞情報格納エリア223aに格納されている保留記憶情報の記憶エリアがシフトした場合であっても、どの保留記憶情報が告知対象となっているかを容易に判別することが可能となる。
本第10制御例では、大当たり遊技の実行権利数を報知するための報知演出が実行された場合には、その報知演出の対象となる特図2保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまで新たな報知演出を実行しないように構成することで、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数の全てが報知演出によって報知されたと遊技者に思わせるように構成している。
このように、報知演出の対象となる特図2保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまで新たな報知演出を実行しないように制御するために、入賞情報格納エリア223aに格納されている保留記憶情報の中に報知演出の告知対象を示す情報が含まれているかを判別するように構成している。これにより、報知演出の終了タイミングを容易に判別することが可能となる。
なお、本第10制御例では、報知演出の実行期間中に新たな報知演出が実行されることを規制するように構成しているが、これに限ること無く、新たな報知演出を実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数のうち、報知演出によって報知されていない数が所定数(例えば、5個)を超えた場合に追加実行条件が成立したと判別し、報知演出が実行中であるか否かに関わらず、新たな報知演出が実行可能となるように構成すると良い。
このように構成することで、報知演出によって報知されない大当たり遊技の実行権利数が増加してしまい、遊技者が報知演出に対して興味を持たなくなり、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。また、追加実行条件としては、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数のうち、報知演出によって報知されていない数に基づいて成立する条件以外に、例えば、保留記憶情報に含まれている情報の中に特定情報(例えば、遊技者に有利な大当たり遊技が実行されることを示す情報や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に有利な遊技状態となることを示す情報)が所定個数(例えば、2個)含まれていると判別した場合に成立する条件を設けても良い。
さらに、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数を報知演出によって報知するための報知態様を遊技者に選択可能に構成し、例えば、第1報知態様を遊技者が選択した場合には、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数の全てが遊技者に報知されるように構成し、第2報知態様を遊技者が選択した場合には、本第10制御例のように、一部の実行権利数をランダムに選択して遊技者に報知されるように構成し、第3報知態様を遊技者が選択した場合には、最小限の実行権利数、即ち、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数を有しているか否かの結果のみが遊技者に報知されるように構成しても良い。この場合、第1報知態様が選択された場合には、新たな特図2保留を獲得することで、報知演出により報知された獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数が増加するように、新たな報知演出が実行されることになる。
状態格納エリア223iaは、主制御装置110から出力される状態コマンドに含まれる情報を一時的に記憶するための記憶領域である。この情報格納エリア223aに格納されている情報を読み出すことにより、音声ランプ制御装置113側において、現在設定されている遊技状態、及び、その種別(有利時短状態、不利時短状態)を特定可能に構成している。さらに、情報格納エリア223aには、現在設定されている遊技状態に関する情報を記憶可能な記憶エリアと、過去に設定されていた遊技状態に関する情報を記憶可能な過去記憶エリアとが設けられている。そして、過去記憶エリアは、最大で3つ前の遊技状態に関する情報まで記憶可能な記憶領域(第1過去記憶エリア~第3過去記憶エリア)を有しており、主制御装置110から遊技状態の変更を示す状態コマンドを受信した場合に、受信した状態コマンドに対応する情報が記憶エリアに格納され、それ以前に記憶エリアに格納されていた情報が第1過去記憶エリアにシフトし、第1過去記憶エリアに記憶されていた情報が第2過去記憶エリアへ、第2過去記憶エリアに記憶されていた情報が第3過去記憶エリアへとシフトされ、第3過去記憶エリアに格納されていた情報が消去されるように構成している。
このように、過去に設定されていた遊技状態を一時的に記憶可能に構成することにより、複数回の遊技状態の移行内容に応じた演出や、過去に設定されていた遊技状態に応じた演出を実行することが可能となるため、遊技者に対して多彩な演出を提供することができる。
時短最終変動フラグ223ibは、時短最終変動演出を実行するための特別図柄変動期間を示すためのフラグであって、時短最終変動演出を実行するための特別図柄変動期間に対応する特別図柄変動が実行される場合にオンに設定されるものである。
本第10制御例では、時短終了条件が成立した特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成しているため、時短終了条件が成立した特別図柄変動の変動期間中は、特図2保留を獲得することが困難な遊技状態(通常状態)となることから、時短終了条件が成立する特別図柄変動の1つ前の特別図柄変動が実行される場合に時短最終変動フラグ223ibがオンに設定され、時短終了条件が成立する特別図柄変動の1つ前の特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいてオフに設定される。
実行済フラグ223icは、報知演出が実行されていることを示すためのフラグであって、報知演出が実行される場合にオンに設定される。そして、報知演出の告知対象となる保留記憶情報に対応する特別図柄変動が実行された場合(対応する特別図柄変動の変動演出を設定した場合)にオフに設定される。本第10制御例では、実行済フラグ223icがオンに設定されている間は、新たな報知演出が実行されないように構成している。
<第10制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図391から図393を参照して、本第10制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第10制御例では、上述した第7制御例に対して、特別図柄変動処理7(図315参照)に代えて、特別図柄変動処理10(図391参照)を、特別図柄変動パターン選択処理7(図318参照)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理10(図392参照)を、更新処理7(図319参照)に代えて、更新処理10(図393参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容が適用されるものである。また、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした技術思想については、本第10制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした変形例や追加例についても本第10制御例に当然適用されるものである。
まず、図391を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理10(S10154)について説明する。図391は、この特別図柄変動処理10(S10154)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理10(S10154)は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理10(S10154)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S10201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。
ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203kがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S10201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S10201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S10202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S10202:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)と第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S10203)。
そして、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか判別する(S10204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S10204:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を減算し(S10205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S10206)。S10206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S10207)。その後、時短抽選処理7(S10208)、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S10204:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S10211)。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S10211:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S10211:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S10212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S10213)。S10213の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S10214)。その後、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)の処理を実行し、本処理を終了する。
S10202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S10202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S10211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S10215:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、第1図柄表示装置の表示を更新し(S10216)、本処理を終了する。
一方、S10215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S10215:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S10217)。停止表示の設定は、図392を参照して後述する特別図柄変動パターン選択処理7(S10252)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、第10制御例では、S10217の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、第10制御例では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。
S10217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄判定処理7(図317のS10209参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S10218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S10218:Yes)、大当たり開始フラグ203jと大当たり中フラグ203kとをオンに設定し(S10219)、時短カウンタ203hを0に設定して(S10220)、S10221の処理へ移行する。S10221の処理では、特図確定コマンドを設定し(S10221)、本処理を終了する。
つまり、第10制御例では、S10220の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した第10制御例のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。
さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。
このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
一方、S10218の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S10218:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S10222)。S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S10222:Yes)、小当たり開始設定処理7を実行し(S10223)、本処理を終了する。一方、S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S10222:No)、小当たり開始設定処理7(S10223)をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、第10制御例の特別図柄変動処理10(図391のS10104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図391のS10204の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。
このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、第10制御例では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、第10制御例では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(第10制御例では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
次に、図392を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)について説明する。図392は、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)の内容を示したフローチャートである。図392に示した通り、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)では、特別図柄変動の開始を設定する前に更新処理10(S8272)を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させることができる。
特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別として大当たりAを決定し(S8271)、S8203の処理に移行する。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S8201:No)、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否か、即ち、特別図柄の小当たりが設定されているか否かを判別する(S8209)。S8209の処理において特別図柄の小当たりが設定されていると判別した場合には(S8209:Yes)、小当たり種別選択10テーブル202if(図387参照)を参照して小当たり種別を決定し(S8273)、S8203の処理に移行する。
また、S8209の処理において、特別図柄の小当たりが設定されていない、即ち、特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S8209:No)、S8273の処理をスキップし、S8203の処理に移行する。
S8203の処理では、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得する(S8203)。次に、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在の遊技状態を特定し、特定した遊技状態に対応したデータテーブルを変動パターン選択7テーブル202fdから読み出す(S8252)。
そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8252の処理で読み出した変動パターン選択7テーブル202fd(図308(a)参照)が有するデータテーブルとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、更新処理10を実行する(S8272)。更新処理10(S8272)の詳細な説明については、図393を参照して後述する。そして、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
なお、これに限ること無く、例えば、図392のS8252の処理が実行されるよりも前に更新処理10(S8272)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択するよりも前に時短状態を終了させることが可能となるため、例えば、通常状態と時短状態とで異なる変動パターンを選択可能に構成されたパチンコ機10において、選択された変動パターンに基づいて、時短状態中に特別図柄抽選の大当たり判定が実行されたか否かを判別されてしまうことを抑制することができる。
図319は、更新処理10(S8272)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理10(S8272)では、図319に示した通り、時短カウンタ203hの値を減算し、時短終了条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づいて時短状態を終了させる処理(時短終了条件が成立したか否かの判別を実行する際に参照される各種カウンタの値をクリアする処理)が実行される。
更新処理10(S8272)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S10601)。S10601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S10601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S10601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S10602)、S10603の処理へ移行する。
S10603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S10603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S10604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S10604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S10605)、次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S10607)、本処理を終了する。
一方、S10604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S10604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動パターン選択処理10(図392参照)へ戻る。
<第10制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図394から図395を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第10制御例では、上述した第7制御例に対して、保留球数コマンド処理10(図394参照)と、特図2演出態様設定処理10(図395参照)とを実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした技術思想については、本第10制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした変形例や追加例についても本第10制御例に当然適用されるものである。
まず、図394を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留球数コマンド処理10(S20101)について説明をする。図394は、保留球数コマンド処理10(S20101)の内容を示したフローチャートである。
保留球数コマンド処理10(S20101)が実行されると、まず、実行済フラグ223icがオンであるか判別する(S20102)。実行済フラグ223icがオンであると判別した場合には(S20102:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、実行済フラグ223icがオンではないと判別した場合には(S20102:No)、今回主制御装置110より受信したコマンドから保留情報を抽出し、対応する値を対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ203b、或いは、特別図柄2保留球数カウンタ203b1)に格納する(S20103)。
次に、特別図柄2保留球数カウンタ203b1の値が4であるか判別する(S20104)。特別図柄2保留球数カウンタ203b1の値が4ではないと判別した場合には(S20104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203b1の値が4であると判別した場合には(S20104:Yes)入賞情報格納エリア223aから第2特別図柄の保留記憶情報の読み出しを実行する(S20105)。そして、読み出した保留記憶情報に小当たりCに対応する保留記憶情報があるか判別する(S20106)。読み出した保留記憶情報に小当たりCに対応する情報がないと判別した場合には(S20106:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S20106の処理において、S20105の処理において読み出した保留記憶情報から小当たりCに対応する情報があると判別した場合には(S20106:Yes)、現在の遊技状態が第2時短状態であるか判別する(S20107)。現在の遊技状態が第2時短状態であると判別した場合には(S20107:Yes)、告知対象選択テーブル222ib(図390(b)参照)より告知対象となる小当たりC保留を決定し(S20108)、S20109の処理に移行する。一方、S20107の処理において、現在の遊技状態が第2確変状態中ではないと判別した場合には(S20107:No)、最後に獲得した小当たりC保留を告知対象に決定し(S20112)、S20109の処理に移行する。
S20109の処理では、S20108、或いは、S20112の処理において決定した小当たりC保留の格納位置に対応する連チャン数を示す表示態様を決定し(S20109)、入賞情報格納エリア223aに告知対象情報を追加する(S20110)。そして、実行済フラグ223icをオンに設定し(S20111)、本処理を終了する。
次に、図395を参照し、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2演出態様設定処理10(S14994)について説明する。図395は、特図2演出態様設定処理10(S14994)の内容を示したフローチャートである。
特図2演出態様設定処理10(S14994)が実行されると、まず、遊技状態が時短状態であるか判別する(S19551)。遊技状態が時短状態ではないと判別した場合には(S19551:No)、S19552~S19555の処理をスキップし、S19556の処理に移行する。一方、遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S19551:Yes)、今回の変動が時短の最終変動であるか判別する(S19552)。今回の変動が時短の最終変動ではないと判別した場合には(S19552:No)、S19553~SS19555の処理をスキップし、S19556の処理に移行する。
一方、S19552の処理において、今回の変動が時短状態の最終変動であると判別した場合には(S19552:Yes)、状態格納エリア223iaから時短状態の読み出しを実行する(S19554)。そして、読み出した時短状態が第2時短状態であるか判別する(S19554)。読み出した最終変動演出選択テーブル(図390(a)参照)を参照して演出態様を決定し(S19555)、S19556の処理に移行する。一方、読み出した遊技状態が第2時短状態ではないと判別した場合には(S19554:No)、S19555の処理をスキップし、S19556の処理に移行する。
次に、実行済フラグ223icはオンであるか判別する(S19556)。実行済フラグ223icがオンであると判別した場合には(S19556:Yes)、今回の対象変動が告知対象であるか判別する(S19557)。今回の対象変動は告知対象であると判別した場合には(S19557:Yes)、実行済フラグ223icをオフに設定し(S19558)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S19559)、本処理を終了する。
一方、S19556の処理において、実行済フラグ223icがオンではないと判別した場合(S19556:No)、或いは、S19557の処理において今回の対象変動が告知対象ではないと判別した場合には(S19557:No)、上述したS19559の処理を実行し、本処理を終了する。
<第11制御例>
次に、図396から図405を参照して、第11制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第11制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例と同様に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能な遊技性(所謂、1種2種タイプ)を有している。
本第11制御例におけるパチンコ機10が、上述した第7制御例におけるパチンコ機10に対して大きく相違する点は、遊技者に対して、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において、第1特別図柄抽選を実行させるための遊技(左打ち遊技)と、第2特別図柄抽選を実行させるための遊技(右打ち遊技)と、選択可能に構成している点と、第1特別図柄抽選の結果に基づいて時短状態が設定された場合と、第2特別図柄抽選の結果に基づいて時短状態が設定された場合とで、時短状態の遊技性を異ならせている点で相違している。
上述した第7制御例におけるパチンコ機10では、通常状態中は第1特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64への遊技球の入球を目指す左打ち遊技が遊技者に最も有利な遊技方法となるように、通常状態中では第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも実行され易くなるように遊技盤13を構成していた。そして、時短状態が設定された場合には、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640への遊技球の入球を目指す右打ち遊技が遊技者に最も有利な遊技方法となるように、時短状態中では第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように遊技盤13を構成していた。
つまり、上述した第7制御例におけるパチンコ機10は、設定されている遊技状態に応じて遊技者に有利となる遊技方法が予め規定されており、その遊技方法に沿った遊技を遊技者が実行するように構成していた。このように構成することで、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することが可能となるが、遊技者に対して定められた遊技方法にて遊技を実行させることになるため遊技者が遊技に飽きてしまうという問題を有していた。
これに対して、本第11制御例におけるパチンコ機10は、通常状態が設定されている状態で、第1特別図柄抽選の実行を目指す遊技(左打ち遊技)と、第2特別図柄抽選の実行を目指す遊技(右打ち遊技)と、を遊技者が選択可能となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して遊技方法を選択させることができるため、様々な遊技方法で遊技を実行することが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第11制御例では、通常状態において第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技を実行した場合と、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技を実行した場合とで、獲得可能な遊技球数(賞球数)の期待値は同程度となるが、その期待値分の遊技球数(賞球数)を獲得するまでの過程が異なるように構成している。簡単に説明をすると、左打ち遊技を実行した場合には、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が比較的設定され難いが、一度時短状態が設定されると、その時短状態が継続し易くなり、右打ち遊技を実行した場合には、左打ち遊技を実行した場合よりも時短状態が設定され易く、その時短状態が継続し難くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者の都合に合わせた遊技を遊技者自身に選択させることができるため、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
まず、図396を参照して、本第11制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成について説明をする。図396は、本第11制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成を示した正面図である。図396に示した通り、本第11制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成(図294参照)に対して、遊技盤13の右側領域(右打ち遊技によって発射された遊技球が流下する可変表示ユニット80よりも右側の領域)の構成を異ならせている点と、遊技者に対して遊技方法を示すための指標(表示態様)を遊技盤13に形成される遊技領域の上側に付している点と、で相違している。なお、上述した第7制御例と同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図396に示した通り、遊技盤13に形成される遊技領域(発射した遊技球が通過可能な領域)のうち、上側(可変表示ユニット80の上方)の領域には、遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)に対応する態様として、カメを模した態様k1と、サメを模した態様k2と、が付されている。態様k1は、左打ち遊技に対応する態様であって、態様k1を目指して遊技球を発射させることで、遊技者に左打ち遊技を行わせることが可能となる可変表示ユニット80の左上方の位置に付されている。
一方、態様k2は、右打ち遊技に対応する態様であって、態様k2を目指して遊技球を発射させることで、遊技者に右打ち遊技を行わせることが可能となる可変表示ユニット80の右上方の位置に付されている。このように構成することで、遊技者に対して操作ハンドル22に対する操作内容(回転量)では無く、実際に発射された遊技球の軌跡を目で追いながら遊技方法を調整することが可能となるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、遊技者に対して実行中の遊技方法を報知するための手法として別の手法を用いても良く、例えば、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左打ち遊技によって発射された遊技球が流下し得る左側領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に遊技球を検知可能な検知手段を設け、その検知手段が遊技球を検知したことに基づいて左打ち遊技が実行されていることを遊技者に報知する報知手段を設けても良いし、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下し得る右側領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)に遊技球を検知可能な検知手段を設け、その検知手段が遊技球を検知したことに基づいて右打ち遊技が実行されていることを遊技者に報知する報知手段を設けても良い。
次に、図396を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。本第11制御例では、遊技盤13の右側領域に第2特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)として、第2入球口1640と、右第2入球口1641と、を配設している。
第2入球口1640には、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開閉作動する電動役物1640aが付随しており、設定されている遊技状態に応じて遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)と、遊技球を入球させ難い状態(普通図柄の低確率状態)と、を創出可能に構成している。なお、普通図柄抽選の内容や、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)において開閉作動される電動役物1640aの動作制御内容等については、上述した各制御例において説明をした電動役物制御の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
一方、右第2入球口1641は、設定されている遊技状態に関わらず、右打ち遊技によって発射された遊技球が一定の割合で入球し得るように配設されており、本第11制御例では、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合と、同程度の入球割合となるように右第2入球口1641が配設されている。このように構成することで、通常状態において左打ち遊技によって実行される第1特別図柄抽選と、右打ち遊技によって実行される第2特別図柄抽選と、を同程度の頻度で実行させることができるため、遊技者が何れの遊技方法を選択した場合であっても、違和感無く遊技を行わせることができる。
また、時短状態が設定された場合には、右打ち遊技を実行することにより、第2入球口1640へと遊技球を入球させ易くすることができるように普通図柄の高確率状態に基づく普通図柄抽選、及び、電動役物1640aを開閉動作させる普図当たり遊技が実行されるため、時短状態中は右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる。なお、普通図柄の高確率状態に基づく普通図柄抽選、及び、電動役物1640aを開閉動作させる普図当たり遊技の内容については、上述した第7制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、遊技盤13の右側領域下方には、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置1650と、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置1065が配設されている。このV入賞装置1650は、上述した第7制御例における第2可変入賞装置650(図294参照)と同一内容であり、可変入賞装置1650は、上述した第7制御例における可変入賞装置65(図294参照)と同一内容であり、その詳細な説明を省略する。
<第11制御例における電気的構成について>
次に、図398~図401を参照して、本第11制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第11制御例のパチンコ機10は、上述した第7制御例のパチンコ機10における電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成、及び、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更している点で相違し、それ以外が同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図398を参照して、本第11制御例における主制御装置110の電気的構成について説明をする。図398(a)は、本第11制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図395(a)に示した通り、本制御例のROM202は、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)に対して、第1当たり乱数7テーブル202faに代えて第1当たり乱数11テーブル202jaを、小当たり種別選択7テーブル202ffに代えて小当たり種別選択11テーブル202jfを、時短当たり乱数7テーブル202fhに代えて時短当たり乱数11テーブル202jhを、時短種別選択7テーブル202fiに代えて時短種別選択11テーブル202iiを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、説明の便宜上、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)では図示している各種構成のうち、図385(a)にてその図示を省略しているものもあるが、適用が困難な構成以外はその図示を省略しているものである。
第1当たり乱数11テーブル202jaは、上述した第1当たり乱数7テーブル202fa(図305(a)参照)に対して、第2特別図柄抽選の際に参照される特別図柄2乱数7テーブル202fa2に代えて特別図柄2乱数11テーブル202ja2を設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
ここで、図399(a)を参照して、特別図柄2乱数11テーブル202ja2に規定されている内容について説明をする。図399(a)は、特別図柄2乱数11テーブル202ja2の内容を模式的に示した模式図である。図399(a)に示した通り、特別図柄2乱数11テーブル202ja2は、第2特別図柄(特図2)の当たり抽選を実行する際に参照されるデータテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0~999」の範囲のうち、「0~4」の範囲に対して「大当たり」が規定され、「5~54」の値に「小当たり」が規定されている。即ち、本第11制御例では、特図2の抽選で大当たりに当選する確率が約1/200(5/1000)、小当たりに当選する確率が1/20(50/1000)となる。
小当たり種別選択11テーブル202jfは、第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択11テーブル202jfは、上述した第7制御例の小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)に対して、規定される小当たり種別の選択割合を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図399(b)を参照して、小当たり種別選択11テーブル202jfについて説明をする。図399(b)は、小当たり種別選択11テーブル202jfの内容を示した模式図である。取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~4」の範囲に対して「小当たりA(V通過時大当たりA)」が規定されており、「5~99」の範囲に対して「小当たりB(V通過時大当たりB)」が規定されている。
時短当たり乱数11テーブル202jhは、特別図柄抽選にて実行される時短当選判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数7テーブル202fh(図310(a)参照)に対して、時短当選に対応する判定値を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
ここで、図400を参照して時短当たり乱数11テーブル202jhに規定されている内容について説明をする。図400は時短当たり乱数11テーブル202jhに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図400(a)に示した通り、時短当たり乱数11テーブル202jhには、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対してのみ時短当選判定の判定値が規定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「900~949」の範囲に対して、時短当選する判定値が規定されている。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の値の取り得る値が1000個に対して、時短当選と判定される判定値の数が50個であるため、通常状態中に時短当選する確率は、1/20(50/1000)となる。なお、図400(a)に示した通り、通常状態以外の遊技状態では、時短当選することは無い。なお、これに限ること無く、低確率(例えば、1/1000)の確率で、通常状態以外の遊技状態においても時短当選するように構成しても良い。
時短種別選択11テーブル202jiは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。本第11制御例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合と、第2特別図柄抽選で時短当選した場合とで、異なる時短種別が選択されるように構成している。
ここで、図400(b)を参照して、時短種別選択11テーブル202jiの内容について説明をする。図400(b)は、時短種別選択11テーブル202jiに規定されている内容を示した図である。図400(b)に示した通り、時短種別選択11テーブル202jiには、時短当選した特別図柄の種別と、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件、及び、時短リミット設定の有無が規定されている。
具体的には、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0~99」)に対して時短種別として時短A11が規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「200」が、時短リミットの設定「なし」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が200回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。
一方、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0~99」)に対して時短種別として時短B11が規定されている。そして、時短Bに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「200」が、時短リミットの設定「あり」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が200回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定されると共に、時短状態が連続して設定される回数が所定回数(10回)に到達した場合に、時短リミットに到達し、通常状態が設定されるように構成している。
よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短リミットの設定がされない第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利な時短状態を設定することができるように構成している。これにより、時短抽選が実行される通常状態において、左打ち遊技を行うことで大当たり抽選と、遊技者に有利な時短抽選を実行するか、右打ち遊技を行うことで、大当たり抽選、小当たり抽選と、遊技者に不利な時短抽選を実行するかを遊技者に選択させ難くすることができ、遊技者に対して遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
図398(b)に戻り、本第11制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203の構成について説明をする。図398(b)は、第11制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203に規定されている内容を模式的に示した図である。図398(b)に示した通り、本第11制御例では、上述した第7制御例におけるRAM203(図304(b)参照)に対して、時短リミット回数カウンタ203jaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
時短リミット回数カウンタ203jaは、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数を計測するためのカウンタである。ここで、本第11制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技中を除いて、普通図柄の低確率状態が設定されること無く、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数(普通連続設定回数)を計測可能に構成しており、その普通連続設定回数が所定数(10回)に到達した場合(時短リミットに到達した場合)に、普通図柄の高確率状態を設定可能な条件が成立している場合であっても、普通図柄の低確率状態を強制的に設定する処理(時短リミット処理)を実行可能に構成し、遊技者に対して有利な遊技状態(第1確変状態)が過剰に連続して設定されてしまうことを抑制している。
この時短リミット回数カウンタ203jaには、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選によって時短当選した場合に、初期値として「10」がセットされる(図402のS18182参照)。そして、普通連続設定回数が更新される毎にカウンタの値が減算され(図405のS13104参照)、時短リミットに到達したか否かの判別処理にて減算後のカウンタ値が参照される(図405のS13107参照)。そして、時短リミットに到達した場合や、実行中の大当たり種別が普通図柄の低確率状態を設定するものである場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値が0にクリアされる。
この時短リミット回数カウンタ203jaの値を示す情報は、大当たり終了処理において、音声ランプ制御装置113へと出力するために状態コマンドとして設定される。
なお、本第11制御例では、上述した通り、普通連続設定回数を計測するための時短リミット回数カウンタ203jaの値に、時短リミットに到達するまでの普通連続設定回数をセットし、普通連続設定回数が減算される毎に、カウンタ値を減算するように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値に「1」をセットし、以降、普通連続設定回数が更新される毎に、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1加算するように構成し、加算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が時短リミットに到達したことを示す値(例えば、10)であるかを判別し、その判別の結果が時短リミットに到達したことを示す判別結果である場合に、時短リミット処理を実行するように構成しても良い。
このように構成した場合、例えば、特別図柄の高確率状態が連続して設定されている期間内において第2特別条件(例えば、特定の大当たり種別の大当たりに当選)が成立した場合に、時短リミットの成立条件(到達条件)を変更させるように構成した場合であっても、変更後の成立条件(到達条件)と、時短リミット回数カウンタ203jaの値とを比較するだけで、時短リミットに到達したか否かを判別することが可能となる。
なお、上述した例示内容における特別条件が成立した場合に、時短リミットの成立条件を、変更前よりも成立し難くするように変更しても良いし、変更前よりも成立し易くするように変更しても良い。また、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合に、現時点における時短リミット回数カウンタ203jaの値が時短リミットの成立条件(到達条件)を満たしているか否かを即座に判別するように構成しても良いし、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合であっても、時短リミット回数カウンタ203jaの成立条件(到達条件)を満たしているか否かの判別は大当たり遊技終了時に実行するように構成しても良い。特に、後者の場合は、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合において直ちに普図図柄の高確率状態が終了してしまうことを抑制すると共に、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中に特別図柄抽選の大当たり当選が最低限(1回分)保証されることになるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される契機として、時短リミット回数カウンタ203jaに値を設定する契機(時短リミットをセットする契機)と、設定しない契機(時短リミットを設定しない契機)と、を設けている。このように構成することで、遊技者に対して、どのような契機で時短状態が設定されたのかについても興味を持たせることができる。
さらに、本第11制御例では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される場合であっても、その大当たり遊技の実行契機に応じて、時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)する場合と、更新(減算)しない場合とを設けるように構成している。具体的には、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合であっても時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新すること無く、特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、その小当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)するように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技の実行契機として成立し難い契機(大当たり当選)の方が、成立し易い契機(小当たり当選)の方が遊技者に不利とすることができる。よって、小当たり当選し易い時短状態中において大当たり当選を目指しながら意欲的に遊技を行わせることができる。また、成立し易い大当たり遊技の実行契機が所定回数(10回)実行されるまでの期間に、成立し難い大当たり遊技の実行契機を成立させることを目指す、ひいては、成立し易い大当たり遊技の実行契機が成立しないことを期待するという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
なお、本第11制御例では、大当たり遊技の実行契機として成立し難い契機(大当たり当選)が成立した場合の特典として、時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新しない特典を付与するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の実行契機として成立し難い契機(大当たり当選)が成立した場合に、時短リミット回数カウンタ203jaの値を増加させたり、初期値に戻したりする処理を実行可能に構成しても良い。
次に、図401を参照して、本第11制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図401は、第11制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図401に示した通り、本第11制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第7制御例のRAM223(図311(b)参照)に対して、残時短回数カウンタ223ja、時短リミットフラグ223jbと、を設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
残時短回数カウンタ223jaは、主制御装置110において設定された時短リミット回数カウンタ203jaの値に対応させた値が設定されるカウンタであって、時短リミットに到達するまでの期間(普図高確率状態を連続して設定可能な残数)を示すためのものである。
この残時短回数カウンタ223jaは、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理にて実行される状態コマンド処理において、リミット関連コマンドを受信した場合に実行されるリミット情報更新処理において時短リミットを設定する時短種別に関する情報を含むコマンドを受信した場合に対応する値(10)がセットされ、時短リミット回数コマンドを受信した場合に、既にセットされている値が1減算される。
この残時短回数カウンタ223jaの値は、各遊技状態における演出モードを決定する処理を実行する場合に、参照される。そして、音声ランプ制御装置113の状態コマンド処理において、遊技状態コマンドを受信した場合に実行される遊技状態更新処理において普通図柄の低確率状態が設定されたことを示すコマンドを受信したと判別された場合に、値が0にクリア(セット)される。
時短リミットフラグ223jbは、時短リミットに到達したことを示すためのフラグであって、コマンド判定処理にて実行される状態コマンド処理において、リミット関連コマンドを受信した場合に実行されるリミット情報更新処理において、時短リミットに到達したことを示すための時短リミット到達コマンドを受信した場合オンに設定される。
<第11制御例における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図402~図405を参照して、本第11制御例における主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第11制御例では、上述した第7制御例に対して、大当たり遊技を跨いで遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が継続する期間に上限を設定可能に構成している点で大きく相違している。
まず、図402を参照して時短抽選処理11(S10288)の内容について説明をする。図402は時短抽選処理11(S10288)の処理内容を示したフローチャートである。図402に示した通り、時短抽選処理11(S10288)は、上述した時短抽選処理7(図316のS10208参照)に対して、時短当選したと判別した場合に(S18105:Yes)、今回の時短当選が第2特別図柄抽選での時短当選であるかを判別し(S18181)、第2特別図柄抽選での時短当選であると判別した場合(S18181:Yes)に、時短リミット回数カウンタ203jaの値に「10」を設定する(S18182)処理を追加している。
このように構成することで、通常状態における時短抽選で時短当選した場合であって、且つ、その時短当選した特別図柄種別が第2特別図柄である場合にのみ、時短リミットを設定することが可能となる。
次に、図403を参照して、大当たり制御処理11(S11574)の処理内容について説明をする。図403は、大当たり制御処理11(S11574)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理11(S11574)では、上述した各制御例における大当たり制御処理に対して、エンディング演出の終了タイミングにて大当たり終了処理11(S11651)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図404を参照して、大当たり終了処理11(S11651)の処理内容について説明をする。図404は、大当たり終了処理11(S11651)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理11(S11651)では、大当たり遊技が終了時実行されるものであって、時短リミットを更新するための処理と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を決定し、決定内容に従った遊技状態を設定するための処理が実行される。
大当たり終了処理11(S11651)が実行されると、まず、時短リミット更新処理を実行する(S13001)。この時短リミット更新処理(S13001)の詳細な内容については図405を参照して後述する。次いで、大当たり終了後に設定される遊技状態を示す情報を遊技状態格納エリアに格納し(S13002)、実行中の大当たり種別に対応する時短回数を決定し(S13003)、決定した時短回数を時短カウンタ203hに設定し(S13004)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(S13005)、大当たり後の遊技状態と、時短リミット回数カウンタ203jaの値とに対応する状態コマンドを設定し(S13006)、本処理を終了する。
次に、大当たり終了11処理(図404のS11651参照)内の一処理である時短リミット更新処理(S13001)の詳細について説明する。図405は、時短リミット更新処理(S13001)の内容を示したフローチャートである。この時短リミット更新処理(S13001)では、当選した大当たり種別や時短種別に基づいて、普通図柄の高確率状態を設定するための処理と、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を設定したり、設定済の上限値に対する残回数数を更新するための処理とが実行される。
時短リミット更新処理(S13001)では、まず、実行中の特別図柄の大当たり種別の読み出しを実行する(S13101)。次に、S13101の処理において読み出した実行されている大当たり種別が、大当たり終了後に、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される大当たり種別であるか判別する(S13102)。大当たり終了後に、普通図柄の高確率状態が設定される大当たり種別であると判別した場合には(S13102:Yes)、今回の大当たり遊技が小当たり当選に基づく大当たり遊技であるかを判別する(S13103)。
なお、S13103の処理では、遊技状態格納エリア203gに格納されている過去の遊技状況に基づく情報によって大当たり遊技の実行契機が判別される。S13103の処理において、小当たり当選に基づく大当たり遊技であると判別した場合は(S13103:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であるか判別する(S13104)。時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値ではない、即ち、大当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態であると判別した場合には(S13104:No)、時短リミット回数カウンタ203の値に連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な値が設定されていないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S13104の処理において、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であると判別した場合には(S13104:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1減算し(S13106)、次に、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であるか否かを判別する(S13107)。減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であると判別した場合には(S13107:Yes)、連続して普通図柄の高確率状態が設定できる上限値に達したため、時短リミット到達フラグをオンに設定し(S13108)、本処理を終了する。一方、S13107の処理において、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0ではないと判別した場合には(S13107:No)、そのまま、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第11制御例では、通常状態が設定されている状態で、第1特別図柄抽選の実行を目指す遊技(左打ち遊技)と、第2特別図柄抽選の実行を目指す遊技(右打ち遊技)と、を遊技者が選択可能となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して遊技方法を選択させることができるため、様々な遊技方法で遊技を実行することが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第11制御例では、通常状態において第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技を実行した場合と、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技を実行した場合とで、獲得可能な遊技球数(賞球数)の期待値は同程度となるが、その期待値分の遊技球数(賞球数)を獲得するまでの過程が異なるように構成している。簡単に説明をすると、左打ち遊技を実行した場合には、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が比較的設定され難いが、一度時短状態が設定されると、その時短状態が継続し易くなり、右打ち遊技を実行した場合には、左打ち遊技を実行した場合よりも時短状態が設定され易く、その時短状態が継続し難くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者の都合に合わせた遊技を遊技者自身に選択させることができるため、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
さらに、本第11制御例では、通常状態において左打ち遊技を実行した場合には、特別図柄抽選において大当たり当選を目指す遊技と、時短当選を目指す遊技とを遊技者に行わせ、右打ち遊技を実行した場合には、特別図柄抽選において大当たり当選、小当たり当選、時短当選を目指す遊技を遊技者に行わせるように構成している。つまり、大当たり遊技の実行のさせ易さの点では、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に大当たり遊技を実行させ易くすることができるように構成している。一方、左打ち遊技によって実行される第1特別図柄抽選で時短当選した場合のほうが、右打ち遊技によって実行される第2特別図柄抽選で時短当選した場合よりも、遊技者に有利な時短状態を設定可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、遊技方法を選択させる楽しみを提供させることができる。
本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限(時短リミット)を設定可能に構成している。これにより、遊技者に有利な遊技状態が過剰に連続することを抑制することができる。さらに、本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される契機に応じて、時短リミットを設定するか否かの判別が実行されるように構成している。つまり、普通図柄の高確率状態の設定契機によって、時短リミットが設定される場合と、設定されない場合と、を創出することができるように構成している。よって、遊技者に対して、時短リミットが設定されること無く時短状態が設定されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、時短リミットが設定された状態であっても、大当たり遊技の実行契機に応じて、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数の更新を行う場合と、行わない場合と、を創出することができるように構成している。よって、遊技者に対して、時短リミットに到達するまでの残回数が更新されること無く大当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
なお、本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数に対して上限(時短リミット)を設定可能な構成を用いているが、遊技者に有利な遊技状態が連続して設定されることを抑制するための機能として、別の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の高確率状態を設定可能なパチンコ機10であれば、特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限(確変リミット)を設定可能に構成しても良い。
さらに「特別図柄の高確率状態」が連続して設定される回数(特図連続設定回数)に対する上限と、「普通図柄の高確率状態」が連続して設定される回数(普図連続設定回数)に対する上限と、を分けて更新管理可能に構成しても良く、例えば、遊技者に有利な遊技状態である「第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)」が設定されることが決定している状態において、特図連続設定回数が上限に到達した場合(確変リミットに到達した場合)には、「特別図柄の高確率状態」を「特別図柄の低確率状態」と変更した「時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)」を、普図連続設定回数が上限に到達した場合(時短リミットに到達した場合)には「普通図柄の高確率状態」を「普通図柄の低確率状態」へと変更した「第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)」を設定可能に構成しても良い。
さらに、特別図柄の高確率状態を連続して設定可能な回数(特図連続設定回数)が、普通図柄の高確率状態を連続して設定可能な回数(普図連続設定回数)よりも多くなるように構成している。加えて、特別図柄の高確率状態が連続して設定される特図高確期間のうち、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている第1期間よりも、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている第2期間よりも、遊技者に多くの賞球を付与可能に構成しても良い。
このように構成することで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選し、第1確変状態が設定された場合に、まず第1期間が時短リミットに到達するまで設定され、その後、第2期間が設定されることになる。
よって、遊技者に対して多くの賞球を付与可能な第1遊技を第1期間実行させた後に、賞球の付与が困難な第2遊技を第2期間実行させることが可能となるため、第1遊技が過剰に連続して実行されてしまい、遊技者に過剰に賞球が付与されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、第1遊技を実行可能な第1期間の長さが、第1確変状態が設定されてから時短リミットに到達するまで(第2確変状態が設定されるまで)の期間(大当たり当選10回分)とし、第2遊技を実行可能な第2期間の長さを、第2確変状態が設定されてから、確変リミットに到達するまでの期間(大当たり当選30回分)とするように構成しても良い。このように、特図高確期間内において設定される第1期間、及び第2期間の長さを、大当たり当選回数に基づいて設定可能に構成することで、特図高確期間が設定される期間の長さを管理可能となる。
より具体的には、第1確変状態が設定される第1期間は、主として実行される第2特別図柄抽選の変動時間を、第2特別図柄抽選の結果に関わらず、常に一定(1秒)とし、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の内容(ラウンド遊技数)を、常に一定(10ラウンド)としている。つまり、実行される特別図柄変動の変動パターンや、実行される大当たり遊技の内容によって、第1期間の長さが異なることが無いように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の高確率状態(大当たり確率30/1000)において、10回大当たり当選するまでの期間(特別図柄変動回数)に対応した長さで第1期間を設定することができる。
また、第2確変状態が設定される第2期間は、主として実行される第1特別図柄抽選の変動時間を、第1特別図柄抽選の結果に関わらず、常に一定(0.1秒)とし、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の内容(ラウンド遊技数)を、常に一定(2ラウンド)としている。つまり、実行される特別図柄変動の変動パターンや、実行される大当たり遊技の内容によって、第2期間の長さが異なることが無いように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の高確率状態(大当たり確率30/1000)において、30回大当たり当選するまでの期間(特別図柄変動回数)に対応した長さで第2期間を設定することができる。
さらに、特図高確期間の一部期間である第1期間中において遊技者に多くの賞球を付与可能とすることで出玉を増加させ、特図高確期間の他の期間である第2期間中においては、遊技者に付与される賞球を少なくすることで出玉の増減が抑制されるように構成しても良い。
このように構成することで、特図高確期間が設定される特定期間において、付与可能な適正な出玉増加量を、第1期間中に偏らせるように構成した場合、即ち、第1期間のみを見た場合には過剰に多くの出玉を遊技者に付与可能に構成した場合であっても、特図高確期間全体における出玉増加量でみた場合には、適正の出玉増加量とすることができるため、遊技者に対して、意外性のある出玉増加遊技を実行可能に構成しながらも、結果として遊技者に過剰な出玉が付与されないようにすることができる。
また、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選した場合のほうが、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり当選し難いが、大当たり当選した場合に遊技者に最も有利な第1遊技状態へと移行し易い遊技状態と、大当たり当選し易いが、大当たり当選した場合に遊技者に最も有利な第1遊技状態へと移行し難い遊技状態と、を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、設定される遊技状態に応じて、遊技者に目指させる遊技目的を異ならせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し易くすることができる。
第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、先に確変リミットに到達した場合と、先に時短リミットに到達した場合と、確変リミット、時短リミットに同時に到達した場合と、で大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、同一種別の大当たり(例えば、第1確変状態が設定される第1確変大当たり)に当選した場合であっても、各リミットの到達状況に応じて、異なる遊技状態を設定することができるため、遊技者に様々な遊技を提供し易くすることができる。
また、上述した構成を用いることにより、何れのリミットにも到達していない場合において、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態(例えば、第1確変状態)が設定される割合を高めた(必ず設定される)場合であっても、設定割合の高い遊技状態(例えば、第1確変状態)が長期間に渡って連続して設定されてしまい、遊技が単調となってしまい遊技意欲が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、確変リミット、時短リミットに同時に到達した場合において遊技者に有利な特殊状態(特殊モード)を設定可能に構成しても良い。つまり、特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態が設定されている第1確変状態において、確変リミット、時短リミットに同時に到達したことに基づいて通常状態が設定される場合には、通常の通常状態よりも遊技者に有利な通常状態(特殊通常状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、各図柄の確率状態を高確率状態から低確率状態へと強制的に移行させる契機(各リミット)が成立した場合においても、特殊条件が成立した場合には、遊技者に有利な遊技状態へと移行することが可能となる。
よって、確変リミット、又は時短リミットに到達しないことを期待させる遊技と、同時に到達することを期待させる遊技と、を遊技者に重複して実行させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した通り、大当たり当選した大当たり種別以外に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(遊技状況)を決定するための要素(各リミット)を有している場合には、同一お大当たり種別の大当たり遊技が実行された後に、様々な遊技状態を大当たり遊技終了後に何れの遊技状態が設定されるのかを遊技者が事前に把握することが困難であるという問題があった。
これに対して、設定されている遊技状態と、確変リミットに到達するまでの残回数(残大当たり回数)と、時短リミットに到達するまでの残回数(残大当たり回数)と、に基づいて演出態様を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、実行される演出の内容に基づいて、今後の遊技内容を予測させることが可能となるため、遊技者に分かり易い遊技を提供し易くすることができる。
なお、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される場合に主として実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、大当たり遊技終了後に第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、第2確変状態が設定されている状態で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に必ず第2確変状態が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の高確率状態が継続して設定される特図高確期間中において、第2確変状態が設定された場合、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別が設定された場合、或いは、第1確変状態が連続して設定されたことにより時短リミットに到達し大当たり遊技終了後に第2確変状態が強制的に設定された場合(確変リミット処理によって第2確変状態が設定された場合)において、確変リミットに到達するまでの期間を確実に第2確変状態とすることができる。よって、遊技者に有利な有利遊技状態(第1確変状態)が設定された後に、不利遊技状態(第2確変状態)を所定期間の間、確実に設定し易くすることができる。
さらに、この場合、第2確変状態が設定された契機に応じて、第2確変状態中に大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、確変リミット処理によって第2確変状態が設定された場合のほうが、大当たり種別に基づいて第2確変状態が設定された場合よりも、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別が設定され易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選し、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定された場合において、確変リミットに到達するまでの間、遊技者に有利な有利遊技状態である第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されること無く遊技者に過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、その大当たり遊技終了後に必ず特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選した場合の一部において特別図柄の低確率状態が設定されるように構成しても良い。また、本第1実施形態では、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定された遊技状態に応じて有利度合いの異なる遊技を実行可能に構成している。具体的には、遊技者への有利度合が、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が最も遊技者に有利な遊技状態となり、次いで、特殊状態(特殊モード)が設定された通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)、通常状態の順となるように各遊技状態を構成したが、これに限ること無く、各々の遊技状態において実行される遊技内容を異ならせることにより、各遊技状態における遊技者の有利度合いを異ならせるように構成しても良い。
<第12制御例>
次に、図406~図438を参照して、第12制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第11制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方が変動表示されている期間は、他方の特別図柄の大当たり抽選が実行されない構成であった。これに対して、本第12制御例は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している点で相違している。
このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、上述した第11制御例では、第1特別図柄抽選においてのみ時短抽選が実行される構成であったが、本第12制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の両方で時短抽選を実行可能に構成し、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合よりも、一方の特別図柄が時短当選し、その特別図柄の変動表示が停止するまでの期間で、他方の特別図柄でも時短当選した場合に遊技者に有利な特典が付与されるように構成している点で相違している。
詳細は後述するが、本第12制御例では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が時短当選した場合に時短A状態が設定される。一方、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合には、長時間(300秒)の変動時間が設定され(時短当選変動状態)、第1特別図柄の変動が終了するまで(つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまで)の期間で第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利な時短B状態が設定される。
このように構成することで、一方の特別図柄が時短当選した場合に、他方の特別図柄でも時短当選することで遊技者に有利な特典が付与されるため、一方の特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す特別図柄の変動中に、他方の特別図柄でも時短当選したいと遊技者に思わせることで、意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、大当たり遊技終了後に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に通常状態(普通図柄の低確率状態)を設定させるための処理を実行する構成としている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が長時間に渡って継続することで遊技者が過剰に有利になることを抑制し、遊技者の射幸心の向上を抑制することができる。
また、同時変動仕様の遊技機において、一方の特別図柄抽選において大当たり(または小当たり)に当選した場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、或いは、仮停止させる(中断させる)かの一方のみを実行する仕様であることが一般的であるが、本第12制御例では、大当たり種別(または小当たり種別)によって、他方の特別図柄の変動表示を強制停止させるか、仮停止させるかを決定する構成としている。つまり、他方の特別図柄の変動を強制停止させる(破棄させる)大当たり種別と、他方の特別図柄の変動表示を仮停止させる(中断させる)大当たり種別が規定されている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態において、一方の特別図柄が停止表示されることにより遊技者に不利な遊技状態が設定され得る場合に、他の特別図柄の変動を破棄することができる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定されることを防ぐことができるが、他の特別図柄を中断させる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定され得る状況が継続するので、大当たり当選した場合に、遊技者に他の特別図柄の変動を破棄できたか否かに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、本第12制御例のパチンコ機10の概要について説明する。本第12制御例のパチンコ機10の大当たり確率は1/50であり、第1特別図柄と第2特別図柄で共通である。また、時短当選確率は1/50であり、第1特別図柄と第2特別図柄で共通である。また、小当たり確率は1/50であるが、小当たり抽選は第2特別図柄のみで実行される。
詳細は後述するが、大当たりに当選した場合に決定される大当たり種別は、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なるテーブル(図410、411参照)によって決定され、第1特別図柄で大当たり当選した場合には、遊技状態に関わらず、100%大当たりA(5R時短A大当たり)が決定される。一方、第2特別図柄で大当たり当選した場合、図411に示す通り、遊技状態に応じて大当たり種別が決定される。図411に示す通り、通常状態において第2特別図柄が大当たりに当選した場合には、100%大当たりAが設定される。つまり、通常状態においては、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり当選した場合に決定される大当たり種別は同一である。
なお、第2特別図柄では小当たり抽選も実行され、小当たり当選し、小当たり遊技において特定領域1650に遊技球が入球すると大当たりAよりも有利な大当たりBまたはCとなるため、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が遊技者に有利な特別図柄であると言える。
本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態(普通図柄の低確率状態)と時短状態(普通図柄の高確率状態)とで、第1特別図柄の変動時間と第2特別図柄の変動時間が異なり、通常状態では、第2特別図柄の変動時間よりも第1特別図柄の変動時間の方が短く設定されるため、第1特別図柄の方が先に停止し易い。時短状態では、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短く設定されるため、第2特別図柄の方が先に停止し易い。
このように構成することで、通常状態では第2特別図柄抽選の実行回数を抑制し、遊技者が過剰に有利になることを抑制し、時短状態では第2特別図柄よりも先に第1特別図柄が停止することで遊技者に比較的不利な遊技状態が設定されることを抑制することができ、メリハリのある遊技を提供することが可能となる。
なお、通常状態では、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短く設定され、時短状態では、第2特別図柄の変動時間よりも第1特別図柄の変動時間の方が短く設定される構成としても良い。
ここで、本第12制御例のパチンコ機10において設定される遊技状態について説明する。本第12制御例では、遊技状態として、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能である。時短状態には、時短状態が設定されてからの特別図柄の変動が5回実行されると終了する時短A状態と、時短状態が設定されてからの特別図柄の変動が10000回実行されると終了する時短B状態の2つの時短種別があり、時短A状態が設定された場合に、5回の特別図柄抽選で大当たり(大当たり当選確率:1/50)または小当たり(小当たり当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低く、時短B状態が設定された場合には、ほぼ100%大当たりまたは小当たりに当選可能であるため、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短種別である。
本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が大当たり当選した場合の大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は時短A状態のみである。また、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合に設定される遊技状態は時短A状態のみであり、時短B状態は設定されない。
ここで、本第12制御例では、図414に示す通り、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合に、第1特別図柄の変動時間として長時間(300秒)が設定される構成としている。そして、図416に示す通り、第1特別図柄の長時間変動中(時短当選変動状態)は、第2特別図柄の変動時間として極めて短い変動時間(0.5秒)が設定される。これにより、時短当選変動状態では、通常状態に比べて第2特別図柄抽選を多く実行可能となる。
そして、図411に示す通り、時短当選変動状態中に第2特別図柄が大当たり当選した場合には、100%大当たりB(10R時短B大当たり)が決定され、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される。また、時短当選変動状態中に第2特別図柄が時短当選すると時短B状態が設定される。
このように構成することで、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄が停止表示されるまでの期間で可能な限り多くの第2特別図柄抽選を実行させ、時短B状態を設定させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、詳細は後述するが、時短当選変動状態において、第2特別図柄の大当たり(又は小当たり)当選、或いは時短当選により時短B状態が設定された場合に、時短当選した第1特別図柄の変動表示が継続して実行され、その第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、時短B状態は第1特別図柄が停止表示されるまでの期間しか継続しないこととなる。
一方、時短当選した第1特別図柄の変動表示を破棄することができれば、後述する時短リミット到達まで時短B状態での遊技を実行することが可能となり、大量の賞球を得ることができる。なお、時短リミットとは、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に非時短状態を設定させるための処理を実行させる閾値を指す。
このように、本第12制御例のパチンコ機10では、同じ時短B状態であっても、第1特別図柄の破棄を目指す遊技と、時短リミット到達まで連チャンさせることで大量の賞球を得ることを目指す遊技の異なる遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合に時短当選変動状態を設定する構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄が時短当選した場合にも時短当選変動状態を設定する構成としても良い。この場合、特別図柄種別によって時短当選変動の変動時間を異ならせる構成とすることで、特別図柄種別によって遊技者に比較的有利な時短当選変動状態と比較的不利な時短当選変動状態とを設けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合に設定される時短種別を時短A状態としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄のみが時短当選した場合と、第2特別図柄のみが時短当選した場合と、で異なる時短種別の時短状態を設定する構成としても良く、例えば、第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利であるが、時短B状態よりも遊技者に不利な時短C状態(例えば、時短回数が100回)を設定する構成としても良い。
次に、図406を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図406は、本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図406に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10は、上述した第11制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図396参照)と同一の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
<第12制御例における電気的構成について>
次に、図407から図416を参照して、本第12制御例における電気的構成について説明をする。本第12制御例では、上述した第11制御例に対して、主制御装置110が有するROM202およびRAM203の構成の一部を変更している点で相違する。それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図407に示す通り、本第12制御例における主制御装置110が有するROM202は、上述した第1実施形態における主制御装置110が有するROM202に対して、第1当たり乱数11テーブル202jaに代えて第1当たり乱数12テーブル202kaを、大当たり種別選択7テーブル202fbに代えて、大当たり種別選択12テーブル202kbを、第2当たり乱数7テーブル202fcに代えて、第2当たり乱数12テーブル202kcを、変動パターン7テーブル202fdに代えて、変動パターン12テーブル202kdを、小当たり種別選択11テーブル202jfに代えて、小当たり種別選択12テーブル202kfを、時短当たり乱数11テーブル202jhに代えて、時短スター委乱数12テーブル202khを、時短種別選択11テーブル202jiに代えて、時短種別選択12テーブル202kiを用いている点と、時短付与7テーブル202feと、時短種別選択11テーブル202jiを削除した点と、小当たり乱数12テーブル202keを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、RAM203の詳細について、図408を参照して説明する。図408は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。上述した第11制御例に対して、特図1変動時間タイマ203kaと、特図2変動時間タイマ203kbと、特図1仮停止フラグ203kcと、特図2仮停止フラグ203kdと、特図1変動停止フラグ203keと、特図2変動停止フラグ203kfと、時短当選変動状態フラグ203kgと、時短リミット到達フラグ203khと、を追加して点で相違する。それ以外の構成については、上述した第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
特図1変動時間タイマ203ka、および特図2変動時間タイマ203kbは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのタイマであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間タイマ203ka、および特図2変動時間タイマ203kbの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(図424のY701、図433のY901参照)。
特図1仮停止フラグ2030kcは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ203kcは、抽選結果が大当たりD以外の大当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図433のY903)、第1特別図柄変動実行中処理12(図235参照)および第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y708参照)において参照される。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される。つまり、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理12(図423参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図423のY2801:Yes)、オフに設定される(図423のY2803)。なお、詳細な説明および図示は省略するが、この特図1仮停止フラグ203kcは、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が小当たりである場合にも大当たりである場合と同一の処理が実行されオンに設定される。
特図2仮停止フラグ203kdは、特図2の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図2仮停止フラグ203kdは、抽選結果が大当たりである第1特別図柄(特図1)の変動を停止する際にオンに設定され(図424のY703)、第2特別図柄変動実行中処理12(図432参照)および第2特別図柄変動停止処理12(図43参照)において参照される。なお、本処理において参照される内容については、上述した特図1仮停止フラグ203kcと同一であるため、その説明を省略する。そして、第2特別図柄変動実行中処理12(図432参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図432のY2901:Yes)、オフに設定される(図432のY2903)。
特図1変動停止フラグ203keは、変動中の第1特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図1変動停止フラグ203keは、第2特別図柄に対して、大当たりDまたは小当たりBの変動が停止される場合にオンに設定される(図433のY905、図435のY932参照)。一方、第1特別図柄の変動中に、特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別された場合にオフに設定される(図425のY722参照)。これにより、第2特別図柄の大当たりDまたは小当たりBの変動が先に停止するタイミングに合わせて、第1特別図柄を強制的に停止させることができる。
特図2変動停止フラグ203kfは、変動中の第2特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203kfは、第1特別図柄が時短当選し、変動表示が開始される場合にオンに設定される(図421のY405)。一方、第2特別図柄の変動中に、特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別された場合にオフに設定される(図434のY632)。これにより、第1特別図柄が時短当選し、変動が開始されたタイミングに合わせて、第2特別図柄を強制的に停止させることができる。
時短当選変動状態フラグ203kgは、時短当選した第1特別図柄が変動表示中であること(即ち、時短当選変動状態であること)を示すフラグである。この時短当選変動状態フラグ203kgは、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合に、オンに設定される(図421のY403参照)。一方、時短当選した第1特別図柄が停止表示され、時短A状態が設定される場合(図426のY8352参照)と、第2特別図柄が大当たりDまたは小当たりBに当選し、第1特別図柄の変動が破棄された場合(図425のY726参照)にオフに設定される。これにより、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が終了するまでの期間で時短当選変動状態を設定することができる。
時短リミット到達フラグ203khは、普通図柄の高確率状態が連続して設定された回数(普図連続設定回数)が上限値に到達したことを示すためのフラグであり、普図連続設定回数が上限値に到達し、普通図柄の高確率状態を強制的に低確率状態へと変更する状態となった場合にオンに設定されるものである。
次に、図409(a)を参照して、第1当たり乱数12テーブル202kaに規定されている内容について説明をする。図409(a)は、第1当たり乱数12テーブル202kaに規定に規定されている内容を模式的に示した図である。本第12制御例は、図409(a)に示す通り、第1特別図柄と第2特別図柄で大当たり当選確率は同一であり、18/900(即ち、1/50)の確率で大当たりに当選する。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり確率を同一の確率としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なる大当たり確率となるように構成しても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、何れの遊技状態においても大当たり確率が可変しない構成としたが、これに限るものではなく、特定の大当たり種別が決定された場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(所謂、確変状態)を設定する構成としても良い。
次に、図409(b)を参照して、ROM202に規定されている、第2当たり乱数12テーブル202kcの内容について説明をする。図409(b)は、第2当たり乱数12テーブル202kcの内容を模式的に示した図である。第2当たり乱数12テーブル202kcは、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~2」が規定されている。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0~149」が規定されている。本第12制御例のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数12テーブル202kcとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
ここで、図406を参照して、本第12制御例のパチンコ機10では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、遊技盤13の右側領域に配設されている電動役物1640aが開放動作し、右第2入球口1640に入球可能となるように構成している。
従って、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されると、電動役物1640aが開放動作し易くなり、右第2入球口1640へと遊技球が入球し易くなるため、通常状態に比べて第2特別図柄抽選が実行され易くなる。
次に、図409(c)を参照して、時短当たり乱数12テーブル202khの内容について説明をする。図409(c)は、時短当たり乱数12テーブル202khの内容を模式的に示した図である。図409(c)に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄および第2特別図柄の両方で時短抽選が実行される。各特別図柄での時短当選確率は共通であり、18/900(1/50)である。なお、時短抽選は通常状態でのみ実行され、時短状態では時短抽選が実行されない構成としている。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、時短当選確率を同一とする構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄のよりも第2特別図柄の方が時短当選確率が高くなるように構成としても良いし、低くなるように構成しても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態でのみ時短抽選が実行される構成としたが、これに限るものではなく、時短状態においても時短抽選が実行される構成としても良い。
次に、409(d)を参照して、小当たり乱数12テーブル202keの内容について説明する。図409(d)は、小当たり乱数12テーブル202keの内容を模式的に示した図である。図409(d)に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄のみ小当たり抽選が実行される。小当たり当選確率は18/900(1/50)である。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄の小当たり抽選を実行する構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄でも小当たり抽選を実行する構成としても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり当選確率、時短当選確率、小当たり当選確率の何れも1/50であるが、これに限るものではなく、大当たり当選確率、時短当選確率、小当たり当選確率を全て異なる確率で構成しても良い。例えば、大当たり当選確率を1/300、時短当選確率を1/30、小当たり当選確率を1/100としても良い。
次に、図410(a)を参照して、大当たり種別選択12テーブル202kbの内容について説明をする。図410(a)は、図410(a)は、大当たり種別選択12テーブル202kbの内容を模式的に示した図である。大当たり種別選択12テーブル202kbには、特図1大当たり用12テーブル202kb1と特図2用大当たり用12テーブル202kb2が規定されている。
図410(b)は、大当たり種別選択12テーブル202kbに規定されている特図1大当たり用12テーブル202kb1の内容を模式的に示した図である。図410(b)に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10において、第1特別図柄が大当たり当選した場合には、100%大当たりAが選択される。大当たりAは、5ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短A状態が設定される大当たり種別である。なお、大当たりAの大当たり遊技終了後には、時短カウンタ203hのカウンタ値として5回がセットされる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄の大当たり種別は1種類としたが、これに限るものではなく、複数種類の大当たり種別を設定しても良い。また、遊技状態に応じて選択される大当たり種別が異なる構成としても良い。
図411は大当たり種別選択12テーブル202kbに規定されている特図2大当たり用12テーブル202kb2の内容を模式的に示した図である。第2特別図柄で大当たり当選した場合には、大当たり当選時に設定されている遊技状態と、遊技状態が変更されてからの第2特別図柄の変動回数と、第1当たり種別カウンタCS2の値に応じて大当たり種別を選択する。なお、変動回数のカウントは、例えば、時短B状態において大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に再度時短B状態が設定される場合にもリセットされる。
まず、遊技状態が通常状態の場合には、非時短当選変動状態と時短当選変動状態とがあり、非時短当選変動状態とは、時短当選変動状態フラグ20kgがオフである状態、即ち、時短当選した第1特別図柄が変動表示されていない状態である。時短当選変動状態は、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである状態、即ち、時短当選した第1特別図柄が変動表示中である状態である。通常状態の非時短当選変動状態では、第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりA(5R時短A大当たり)が選択され、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hのカウンタ値に5がセットされる。通常状態の時短当選変動状態では、第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hのカウンタ値に10000がセットされる。
このように、通常状態においては、大当たり当選時に時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かで遊技者に付与される特典が異なるように構成することで、第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を行う遊技者が過剰に有利になることを抑制している。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態においては第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりA(または大当たりB)が選択される構成としたが、これに限るものではなく、複数の大当たり種別の中から変動回数に応じて大当たり種別が選択される構成としても良い。例えば、通常状態の非時短当選変動状態において、大当たりA、大当たりBの何れかを選択可能に構成し、0~50回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易く、51回転目以降は大当たりAよりも大当たりBが選択され易い構成としても良い。このように構成することで、通常状態において外れ当選が続いた場合であっても、遊技者に有利な大当たり種別が選択され易くなるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
また、0~50回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易く、51~100回転目までは大当たりAよりも大当たりBが選択され易く、101~150回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易い、といったような特定の期間で選択され易い大当たり種別が可変する構成としても良い。このように構成することで、周期的に遊技者に有利な期間が発生し、遊技者に第2特別図柄の変動回数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、時短状態には、時短A状態と時短B状態とがあり、時短A状態においては第2特別図柄の変動回数に関わらず50%で大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、50%で大当たりC(5R時短B大当たり)が選択される。時短B状態においては、第2特別図柄の変動回数に応じて選択される大当たり種別が可変し、0~50回転目までは100%大当たり(10R時短B大当たり)が選択され、51回転目以降は50%で大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、50%で大当たりD(10R時短B大当たり)が選択される。大当たりBと大当たりDは、ともに10ラウンドの大当たり遊技と、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される大当たり種別であるが、大当たりBに当選した場合には変動中の第1特別図柄を仮停止させる(中断させる)処理を実行し、大当たりDに当選した場合には変動中の第1特別図柄を強制的に停止させる(破棄させる)処理を実行する点で異なる大当たり種別となっている。つまり、第2特別図柄の外れ当選が特定回数まで続いた場合には、第1特別図柄の変動表示を破棄させ易くなる。
このように構成することで、時短当選した第1特別図柄が変動表示されている状態で第2特別図柄の外れ当選が続き、第1特別図柄の変動時間が残り少なくなった場合でも、第1特別図柄の変動を破棄できる可能性が高くなるので、第2特別図柄の外れ当選が続いた場合に遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、時短B状態の場合のみ、第2特別図柄の変動回数に応じて選択され易い大当たり種別を可変させる構成としたが、これに限るものではなく、時短A状態においても第2特別図柄の変動回数に応じて選択され易い大当たり種別を可変させる構成としても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、0~50回転目までは100%大当たりBが選択される構成としたが、これに限るものではなく、0~50回転目であっても異なる大当たり種別に当選可能な構成としても良く、例えば、80%で大当たりBが選択され、20%で大当たりDが選択される構成としても良い。このように構成することで、時短B状態が設定されたばかりの期間においても遊技者に大当たりDに当選し、第1特別図柄の変動表示を破棄できるかもしれないと期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、「0~50回転目まで」と「51回転目以降」とで、選択され易い大当たり種別を切り替える構成としたが、これに限るものではなく、例えば、0~50回転目までは大当たりDよりも大当たりBが選択され易く、51~100回転目までは大当たりBよりも大当たりDが選択され易く、101~150回転目までは大当たりDよりも大当たりBが選択され易い、といったような特定の期間で選択され易い大当たり種別を可変させる構成としても良い。このように構成することで、周期的に遊技者に有利な期間が発生し、遊技者に第2特別図柄の変動回数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図412を参照して、小当たり種別選択12テーブル202kfの内容について説明をする。図412は、小当たり種別選択12テーブル202kfの内容を模式的に示した図である。図412に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、2種類の小当たり種別が規定されている。なお、上述したように、本第12制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄のみ小当たり抽選が実行される構成である。
小当たりAは、小当たり当選時の80%で選択される小当たり種別であり、小当たり遊技において特定領域1650aを通過(V通過)した場合に、大当たりC(5R時短B大当たり)が付与される。詳細は後述するが、本第12制御例のパチンコ機10では、小当たり種別によって、実行中の第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄する)場合と、仮停止させる(中断させる)場合とがあり、小当たりAが実行される場合には、実行中の第1特別図柄の変動を仮停止させる(中断させる)処理を行う。
一方、小当たりBは、小当たり当選時の20%で選択される小当たり種別であり、小当たり遊技においてV通過した場合に、大当たりB(10R時短B大当たり)が付与される。小当たりBが実行される場合には、実行中の第1特別図柄の変動を強制的に停止させる(破棄する)処理を実行する。なお、本第12制御例のパチンコ機10における小当たり種別は2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上の小当たり種別を設けても良い。
次に、図413を参照して、変動パターン12テーブル202kdの内容について説明をする。図413は、変動パターン12テーブル202kdの内容を模式的に示した図である。変動パターン12テーブル202kdには、通常状態用変動パターン12テーブル202kd1、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3が規定されており、それぞれの変動パターンテーブルは遊技状態に応じて参照される。
図414は、変動パターン12テーブル202kdに規定されている、通常状態用変動パターン12テーブル202kd1の内容を模式的に示した図である。通常状態用変動パターン12テーブル202kd1では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
具体的には、図柄種別が「第1特別図柄」では、当否判定結果が「外れ」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に、変動時間が7秒(7000ミリ秒)の「短外れ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ガセ外れ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「180~189」の範囲に、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が規定されている。また、当否判定結果が「当たり」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に、変動時間が140秒(140000ミリ秒)の「スペシャルリーチ」が規定されている。また、当否判定結果が「時短当選」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が300秒の「ロング時短当たり」が規定されている。
一方、図柄種別が「第2特別図柄」では、当否判定結果が「外れ」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング外れ」が規定されており、当否判定結果が「時短当選」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「時短当たり」が規定されており、当否判定結果が「大当たり、小当たり」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング当たり」が規定されている。
このように、本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態においては第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が短い変動時間が設定され易い構成としている。これは、第2特別図柄のみ小当たり抽選を実行する構成であり、小当たり当選した場合には、遊技者に最も有利な時短B状態が設定されることから、第2特別図柄の変動時間を長くすることで遊技効率を悪くし、第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を行う遊技者が過剰に有利になることを抑制するためである。
また、第1特別図柄の抽選結果が「時短当選」である場合には、「ロング時短当たり」が設定される。ロング時短当たり変動中は、時短当選変動状態となり、ロング時短当たりが設定された第1特別図柄が停止表示される(或いは、破棄される)までは、時短当選変動状態用パターンテーブル202kd3が参照され、第2特別図柄の変動が短変動(0.5秒)となるため、複数回の第2特別図柄抽選が実行可能となる。なお、ロング時短当たり変動中(時短当選変動状態中)に大当たり(または、小当たり)当選、時短当選に基づいて時短状態が設定された場合にもロング時短当たり変動が継続している期間は、時短当選変動状態用パターンテーブル202kd3が参照される。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合には、100%「ロング時短当たり」が設定される構成であったが、これに限るものではなく、複数の変動パターンの中から変動種別カウンターCS1の値に基づいて選択する構成としても良い。例えば、50%で変動時間300秒の「ロング時短当たり」が選択され、30%で変動時間が200秒の「ショート時短当たり」が選択され、20%で変動時間が500秒の「スーパー時短当たり」が選択される構成としても良い。このように構成することで、選択された第1特別図柄の変動時間によって、時短当選変動状態における遊技者の有利不利を可変させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合にのみ時短当選変動状態となる構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄で時短当選した場合にも時短当選変動状態が設定可能な構成としても良く、この場合、特別図柄の図柄種別によって時短当選した場合の変動時間を異ならせる(例えば、第1特別図柄の場合は変動時間300秒、第2特別図柄の場合は変動時間600秒)構成とすることで、どちらの特別図柄で時短当選したかによって遊技者に有利な時短当選変動状態と、遊技者に比較的不利な時短当選変動状態を設定可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図415は、変動パターン12テーブル202kdに規定されている、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2の内容を模式的に示した図である。時短状態用変動パターン12テーブル202kd2では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
時短状態用変動パターン12テーブル202kd2は、遊技状態として時短状態が設定されている場合に参照される変動パターン12テーブルであり、時短A状態と時短B状態で共通である。なお、上述したように、第1特別図柄のロング時短当たり変動が実行されている場合には、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2ではなく、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3が参照される。
図415に示す通り、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2では、第1特別図柄が長変動(600秒)となり、第2特別図柄が短変動(3~5秒)となる。上述したように、時短B状態が設定されている状態で第1特別図柄が大当たり当選した場合には、時短B状態よりも遊技者に不利な時短A状態が設定されるため、第2特別図柄の変動が先に停止表示され易く構成することで、遊技者に有利な時短B状態が継続して設定され易くなるようにしている。
図416は変動パターン12テーブル202kdに規定されている、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3の内容を模式的に示した図である。時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
図416に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、時短当選変動状態が設定されている場合には、第2特別図柄の抽選結果が何れの判定であっても短変動(0.5秒)が設定される。時短当選変動状態では、時短当選した第1特別図柄が停止表示されると終了してしまうため、時短当選変動状態における遊技効率を高めるために、第2特別図柄の変動時間が短くし、多くの第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。
なお、時短当選変動状態では第1特別図柄が既に変動中であり、第1特別図柄の変動が終了すると時短当選変動状態も終了するため、時短当選変動状態において第1特別図柄の変動パターンが設定されることはない。従って、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3では第2特別図柄の変動パターンのみを選択する構成としている。
なお、上述したように、遊技状態が通常状態または時短状態であっても、第1特別図柄のロング時短当たり変動中(時短当選変動状態フラグ203kgがオンに設定されている場合)には、変動パターン選択時には、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3が参照される。
<第12制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図416~図437を参照して、第12制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第12制御例における主制御装置110の制御処理は、上述した第5制御例における主制御装置110の制御処理に対して、特別図柄変動処理5(図252参照)に代えて特別図柄変動処理12(図416参照)、更新処理5(図256参照)に代えて遊技状態更新処理12(図422参照)、大当たり制御処理5(図260参照)に代えて大当たり制御処理12(図435参照)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したように、本第12制御例では、上述した第5制御例に対して、特別図柄(以下、特図と称す)である第1特別図柄(以下、特図1と称す)と、第2特別図柄(以下、特図2と称す)とが同時に(並行して)変動表示を実行可能に構成している点で大きく相違している。
まず、図417を参照して、本第12制御例における特別図柄変動処理12(Y104)の内容について説明をする。図416は特別図柄変動処理12(Y104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理12(Y104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し、(Y231)。大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されているかを判別する(Y232)。このY232の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。Y232の処理において、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(Y232:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y233)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、Y231の処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:No)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(Y234)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y234:No)、第1特別図柄変動開始処理12(Y237)と同一の処理を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するY238に移行する。
Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y234:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図422を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)を終えると、次に、第1特別図柄変動停止処理12(Y236)を実行し、その後、Y238へ移行する。
Y238~Y241の処理では、特図1に対して実行したY234~Y237と同一の処理が実行される。Y238の処理が実行されると、まず、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(Y238)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y238:No)、第2特別図柄変動開始処理12(Y239)を実行し、その後、本処理を終了する。
一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y238:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図431を参照してその詳細な説明を後述する。
第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)を終えると、次に、第2特別図柄変動停止処理12(Y241)を実行し、本処理を終了する。
次に、図418を参照して、特別図柄変動処理12(図417、Y104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理12(Y237)について説明する。図237は、この第1特別図柄変動開始処理12(Y237)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理12(図417、Y237)では、まず、特図1仮停止フラグ203kcがオンであるか判別する(Y301)。Y301の処理において、特図1仮停止フラグがオンであると判別した場合には(Y301:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y301の処理において、特図1仮停止フラグがオンでないと判別した場合には(Y301:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(Y302)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y303)。Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y303:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(Y304)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM230の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y305の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(Y306)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y306の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄判定処理12を実行する(Y307)。この第1特別図柄判定処理12(図418、Y307)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。なお、遊技状態更新処理12(Y309)をY307の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
Y307の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理12を実行する(図420、Y308)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理12を実行する(Y309)。この遊技状態更新処理12(図421、Y309)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(時短カウンタ203h)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。Y309の処理が終了すると、特図1待受フラグ2030iをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y310)、本処理を終了する。
一方、Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(Y303:No)、特図1待受フラグ2030iがオンであるか否か判別し(Y311)、オンであると判別した場合は(Y311:Yes)、本処理を終了する。Y311の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y311:No)、特図1待受フラグ2030iをオンに設定し(Y312)、オンを示す特図1待機コマンドを設定(Y313)した後、本処理を終了する。
次に、図419を参照して、第1特別図柄判定処理12(Y307)の処理内容について説明をする。図419は、第1特別図柄判定処理12(Y307)の処理内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄判定処理12(Y307)は、上述した第5制御例の特別図柄判定処理5(図253のS251)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(特図1時短抽選処理12)が実行される。
第1特別図柄判定処理12(Y307)が実行されると、まず、第1特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(Y8001)、第1当たり乱数12テーブル202kaに基づいて抽選結果を取得し(Y8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8003:Yes)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8005)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8006)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8003:No)、特図1時短抽選処理12を実行し(Y8007)、本処理を終了する。
ここで、特図1時短抽選処理12(Y8007)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第12制御例では、第1特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(Y8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
次に、図420を参照して、第1特別図柄変動開始処理12(図418、Y237)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)について説明する。図420はこの第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理12(図420、Y308)では、まず、第1特別図柄判定処理12(図419、Y307)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y501)。
Y501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y501:Yes)、上述した第1特別図柄判定処理12(図419参照)におけるY8005の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特図1大当たり用12テーブル202kb(図410(b)参照)より大当たり種別を決定し(Y502)、Y503の処理へ移行する。
一方、Y501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y501:No)、Y502の処理をスキップして、Y503の処理へ移行する。
Y503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図413~416参照)を読み出して(Y504)、Y505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(Y506)。
Y506の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y507)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(Y508)、本処理を終了する。
次に、図421を参照して、特図1時短抽選処理12(Y8007)の処理内容について説明をする。図421は、特図1時短抽選処理12(Y8007)の内容を示したフローチャートである。
特図1時短抽選処理12(Y8007)が実行されると、まず、時短当たり乱数12テーブル202khに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y401)、時短当選しているかを判別し(Y402)、時短当選していると判別した場合は(Y402:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオンに設定し(Y403)、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y404)、特図2変動停止フラグkfをオンに設定し(Y8105)、本処理を終了する。
一方、Y402の処理において時短当選していない(Y402:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y406)、本処理を終了する。
次に、図422を参照して、遊技状態更新処理12(Y309)の内容について説明をする。図422は、遊技状態更新処理12(Y309)の内容を示すフローチャートである。
遊技状態更新処理12(Y309)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかが判別され(Y601)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別された場合には(Y601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(Y602)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y603)。次に、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別し(Y604)、0であると判別した場合には(Y604:Yes)、時短遊技が付与されていない状態(即ち、通常状態)であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、本処理を終了する。
一方、Y604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合(Y604:No)は、Y605の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図423を参照して、特別図柄変動処理12(図417のY104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)の内容について説明をする。図423は、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されているかを判別する(Y2801)。ここで、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。特図1仮停止フラグ203kcは、特図1が変動中において、特図2が特定の当たり(大当たりA~C、又は小当りA)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理12(図417)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、Y231の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図423に戻り説明を続ける。Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されていると判別した場合は(Y2801:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(Y2802)、特図1仮停止フラグ203kcをオフに設定し(Y2803)、Y2804へ移行する。一方、Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2801:No)、Y2802,Y2803の処理をスキップしてY2804の処理へ移行する。
Y2804の処理では特図1変動時間タイマ203kaを1減算して更新し(Y2804)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y2805)、本処理を終了する。
次に、図424を参照して、特別図柄変動処理12(図417、Y104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理12(Y236)について説明する。図424はこの第1特別図柄変動停止処理12(Y236)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y236)では、まず、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(Y701)。Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(Y701:Yes)、第1特別図柄(特図1)の大当たりが設定されているか判別する(Y702)。第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(Y702:Yes)、特図2仮停止フラグ203kdをオンに設定する(Y703)。図示は省略したが、Y703の処理が実行されると、特図2変動停止フラグ203kdがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドが設定される。
Y703の処理を終えると、設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y704)。そして、選択されている大当たり種別に基づいた大当たりシナリオが設定される(Y705)。その後、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(Y706)。そして、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(Y707)、本処理を終了する。
一方、Y702の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていなければ(Y702:No)、第1特別図柄の時短当選が設定されているかを判別する(Y710)。Y710の処理において、時短当選が設定されていると判別した場合(Y710:Yes)には、時短設定処理12(Y711)を実行し、Y706の処理に移行する。この時短設定処理12(Y711)では、当選した時短種別に対応した時短状態の設定に関する処理が実行される。なお、この時短設定処理12(Y711)については、図426を参照して詳細について後述する。
一方、Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y701:No)、次いで、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンであるか否かを判別する(Y708)。Y708の処理において特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオフであると判別された場合は(Y708:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y708の処理において特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別した場合は(Y708:Yes)、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりで停止された場合であるので、実行中の第1特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図1強制停止処理12を実行する(Y709)。尚、この特図1強制停止処理12の詳細については、図425を参照して後述する。
このように、第1特別図柄停止処理12(Y236)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y701:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(Y703からY707またはY711)が実行される。また、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に(Y708:Yes)、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理(Y709)が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には(Y702:Yes)、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。
次に、図425を参照して、第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y236)の一処理である特図1強制停止処理12(Y709)について説明する。図425は、この特図1強制停止処理12(Y709)を示すフローチャートである。
特図1強制停止処理12(図425、Y709)では、まず、特図1変動停止フラグ203keがオンであるかを判別する(Y721)。特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別した場合(Y721:Yes)には、特図1変動停止フラグ203keをオフに設定し(Y722)、次に、特図1変動停止フラグ203keのオフを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y723)。そして、第1特別図柄の変動種別を外れに設定し(Y724)、時短当選変動状態フラグ203kgはオンであるかを判別する(Y725)。なお、図示しないが、Y725の処理の前に第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第1特別図柄の特図1確定コマンドを設定する。
Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合)と判別した場合(Y725:Yes)には、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定し(Y726)、本処理を終了する。一方、Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンでない(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選ではなかった場合)には(Y725:No)、Y726をスキップし、本処理を終了する。
なお、第1特別図柄の変動を破棄することが可能な大当たりDに当選可能なのは時短B状態が設定されている場合のみであるため、通常状態において第2特別図柄の大当たり当選に基づいて時短当選変動状態フラグ203kgがオフに設定されることはない構成としているが、これに限るものではなく、例えば、通常状態において大当たりDに当選可能な構成としても良い。その場合、Y725の処理の後に、通常状態において大当たりDに当選した場合にスペシャルフラグをオンに設定する処理を設けて、時短B状態よりも有利な遊技状態(例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態))が設定される構成としても良い。このように構成することで、通常状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合と、時短状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合とで、異なる遊技状態が設定され、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
一方、Y721の処理において、特図1変動時間フラグ203keがオンでないと判別された場合(Y721:No)は、特図1仮停止フラグ203kcがオンである場合であるため、第1特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y729)、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンにされる(第2特別図柄で大当たりまたは小当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第1特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断、或いは外れの判定結果として強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみ対する小当たりや大当たりを実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
また、本第12制御例では、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりの種別によって第1特別図柄の変動を強制的に外れとして停止させる場合と、仮停止(中断)させる場合と、を設ける構成としている。
上述したように本第12制御例では、時短状態の種別として、時短Aと時短Bを設定可能である。そして、時短Aは時短回数が5回(図411参照)であり、時短回数5回で第2特別図柄が大当たり(当選確率1/50)または小当たり(当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低確率であるため、時短A状態中の第2特別図柄での大当たりまたは小当たり当選はほとんど期待できない。一方、時短Bは時短回数が10000回(図411参照)であるため、時短Bが設定されると高確率で次回の大当たりまたは小当たり当選が期待できる。したがって、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短状態であると言える。
ここで、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができずに時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、この場合、時短B状態が継続するのは、時短当選した第1特別図柄の変動時間(本第12制御例では、300秒)が経過するまでの期間のみとなり、時短リミットに到達する前に時短状態が終了してしまう可能性が高くなる。
一方、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、特定の大当たり(大当たりD)または小当たり(小当たりB)に当選し、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができた場合には、時短リミット到達まで時短B状態を継続させることが可能となり、遊技者は大量の賞球を獲得可能となる。
このように、本第12制御例では、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、変動表示されている第1特別図柄を強制的に外れとして停止(破棄)し、有利な時短状態を継続させることができるかという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図426を参照して、時短設定処理12(Y711)の処理内容について説明をする。図426は、時短設定処理12(Y711)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理12(Y711)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理12(Y711)が実行されると、まず、今回の時短種別が時短Aであるかを判別し(Y8351)、時短Aであると判別した場合に(Y8351:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定する(Y8352)し、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(Y8353)、遊技状態格納エリアに時短状態を設定し(Y8354)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(Y8355)、本処理を終了する。
一方、Y8351の処理において、時短Aではないと判別した場合(即ち、時短Bである場合)は(Y8351:No)、Y8352の処理をスキップし、Y8353の処理を行う。なお、図示しないが、Y8353の処理では、時短カウンタ203hの値をクリアした後、決定された時短種別に対応する値を新たに設定する。したがって、時短当選に基づいて時短A状態が設定される場合に、既に時短カウンタ203hに時短Bに対応する値(例えば、10000回)が設定されている場合には、時短Bに対応する値を破棄し、時短Aに対応する値(5回)を設定する。
このように、本第12制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。
このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
次に、図427を参照して、特別図柄変動処理12(図417、Y104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理12(Y239)について説明する。図239は、この第2特別図柄変動開始処理12(Y239)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理12(図427、Y239)では、まず、特図2仮停止フラグ203kdがオンであるか判別する(Y831)。Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンであると判別した場合には(Y831:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンでないと判別した場合には(Y831:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得し(Y832)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y833)。Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y833:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算して(Y834)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y835)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM230の第2特別図柄保留球数カウンタ223dに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を更新するので、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y835の処理が終了すると、次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータを一つ前のデータにシフトする(Y836)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y836の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄判定処理12を実行する(Y837)。この第2特別図柄判定処理12(図428、Y837)については、詳しく後述するが、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
Y837の処理が終了すると、次に、第2特別図柄変動パターン選択処理12を実行する(図431、Y838)。詳細については後述するが、この第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)は、第2特別図柄の当否判定結果、および第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理12を実行する(Y839(Y309))。この遊技状態更新処理12(図421、Y839(Y309))は、第1特別図柄において実行されるものと同一の処理が実行され、細部は図422を参照して説明しているため、詳細な説明は省略する。Y839の処理が終了すると、特図2待受フラグをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y840)、本処理を終了する。なお、遊技状態更新処理12(Y839)をY837の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
一方、Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(Y833:No)、特図2待受フラグがオンであるか否か判別し(Y841)、オンであると判別した場合は(Y841:Yes)、本処理を終了する。Y841の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y841:No)、特図2待受フラグをオンに設定し(Y842)、オンを示す特図2待機コマンドを設定(Y843)した後、本処理を終了する。
次に、図428を参照して、第2特別図柄判定処理12(Y837)の処理内容について説明をする。図428は、第2特別図柄判定処理12(Y837)の処理内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理12(Y837)では、上述した第1特別図柄判定処理12(図419のY307)とは異なり、特別図柄抽選における大当たり判定において外れであると判定された場合に、時短当選の判定(特図2時短抽選処理12)に加えて小当たり当選の判定(小当たり抽選処理12)が実行される。
第2特別図柄判定処理12(Y837)が実行されると、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得し(Y8101)、第1当たり乱数12テーブル202kaに基づいて抽選結果を取得し(Y8102)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8103:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8104)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8105)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8107)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8103:No)、特図2時短抽選処理12を実行し(Y8106)、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、第2特別図柄の大当たり抽選において大当たり判定でなかった場合には、時短抽選と小当たり抽選が実行される構成となっているため、第1特別図柄に比べて遊技者に有利な状態(時短状態)となる契機が多く設定されており、第2特別図柄は第1特別図柄よりも有利な特別図柄であるといえる。なお、上述したように、通常状態における第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定され、通常状態で第2特別図柄抽選のみを実行しようとする遊技者の遊技効率が悪くなるように構成している。
また、細部については後述するが、特図2時短抽選処理12(Y8106)では、特図1時短抽選処理12(図421のY8007)と異なり、時短当選した場合に、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かによって設定する時短種別を決定する。具体的には、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである場合にのみ時短B状態が設定される。つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄が時短当選した場合にのみ時短B状態が設定され、それ以外の場合には時短A状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。
次に、図429を参照して、特図2時短抽選処理12(Y8107)の処理内容について説明をする。図429は、特図2時短抽選処理12(Y8107)の内容を示したフローチャートである。
特図2時短抽選処理12(Y8107)が実行されると、まず、時短当たり乱数12テーブル202khに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y8201)、時短当選しているかを判別し(Y8202)、時短当選していると判別した場合は(Y8202:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるかを判別し(Y8203)、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであると判別された場合(Y8203:Yes)には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Bをセットし(Y8205)、本処理を終了する。
Y8202の処理において時短当選していない(Y8202:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y8206)、本処理を終了する。
Y8203の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオフであると判別された場合(Y8203:No)には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y8204)、本処理を終了する。
このように本第12制御例では、時短当選変動状態フラグkgがオンの場合(即ち、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示が実行中である場合)のみ、第2特別図柄が時短当選した場合に時短B状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。また、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間内で、第2特別図柄の時短当選を目指すという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図430を参照して、第2特別図柄判定処理12(図428、Y837)の一処理である小当たり抽選処理12(Y8108)について説明する。図430はこの小当たり抽選処理12(Y8108)を示すフローチャートである。
小当たり抽選処理12(図430、Y8108)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が時短当選と判定されたか、即ち、第2特別図柄の時短当選が設定されているか否かを判別する(Y8301)。
Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていると判別された場合には、(Y8301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていないと判別された場合には、(Y8301:No)、小当たり乱数12テーブルに基づいて抽選結果を取得し(Y8302)、小当たり当選であると判別された場合には(Y8304:Yes)、小当たり種別カウンタC5の値を取得し、小当たり種別選択12テーブル202kfから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットする(Y8305)。一方、Y8304の処理において、小当たり当選ではないと判別された場合には(Y8304:No)、Y8305の処理をスキップし、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、1度の第2特別図柄抽選において大当たり当選、時短当選、小当たり当選が重複しないことで、遊技者に複数の特典が付与されることを抑制し、遊技者が過剰に有利にならないように構成している。
なお、大当たり当選または小当たり当選と、時短当選が重複する構成としても良く、この場合、例えば、大当たり当選と時短当選が重複した場合には、大当たり当選のみした場合よりも大当たり遊技終了後に有利な時短状態が設定される構成とすることで、同種の大当たり種別の大当たりに当選した場合でも、時短当選したか否かで、大当たり遊技終了後の遊技状態に多様性を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図431を参照して、第2特別図柄変動開始処理12(図427、Y239)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)について説明する。図431はこの第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理12(図431、Y838)では、まず、第2特別図柄判定処理12(図428、Y8103)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y921)。
Y921の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y921:Yes)、上述した第2特別図柄判定処理12(図428参照)におけるY8105の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特図2大当たり用12テーブル202kb2(図411参照)より大当たり種別を決定し(Y922)、Y923の処理へ移行する。
一方、Y921の処理において、第2特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y921:No)、Y922の処理をスキップして、Y923の処理へ移行する。
Y923の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y923)。次いで、遊技状態に応じた変動パターンテーブル(図413~416参照)を読み出して(Y924)、Y925の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y925の処理では、読み出した変動パターンテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y925)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(Y926)。
Y926の処理が終了すると、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(Y927)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(Y928)、本処理を終了する。
次に、図432を参照して、特別図柄変動処理12(図417のY104参照)において実行される第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)の内容について説明をする。図432は、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)では、第2特別図柄の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されると、まず、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されているかを判別する(Y2901)。ここで、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図2仮停止フラグ203kdは、特図2が変動中において、特図1が当たり(大当たり)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理12(図417、Y104)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)が実行されることがない。そして、大当たり遊技が終了し、Y231の処理において大当たり中では無いと判別されることで、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)が実行されることになる。このように構成することで、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)が実行される状態が、大当たり遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図432に戻り説明を続ける。Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(Y2901:Yes)、次に、特図2変動再開コマンドを設定し(Y2902)、特図2仮停止フラグ203kdをオフに設定し(Y2903)、Y2904へ移行する。一方、Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2901:No)、Y2902,Y2903の処理をスキップしてY2904の処理へ移行する。
Y2904の処理では特図2変動時間タイマ203kbを1減算して更新し(Y2904)、第1図柄表示装置の表示を更新し(Y2905)、本処理を終了する。
次に、図433を参照して、第2特別図柄変動停止処理12(Y241)の内容について説明をする。図433は、第2特別図柄変動停止処理12(Y241)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理12(Y241)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものであって、上述した第1特別図柄変動停止処理(図424参照)に対して、特図2の抽選結果が大当たりであった場合において、特図1の変動を中断させる(変動時間の減算を中断させる)構成に加えて、特図2の抽選結果が特定の大当たり種別(大当たりD)であった場合には、特図1の変動を強制停止する構成を設けた点と、特図2の抽選結果が小当たりの場合に実行される処理を追加した点で相違している。
第2特別図柄変動停止処理12(Y241)が実行されると、まず、第2特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(Y901)。第2特別図柄の変動時間が終了したか否かは、特図2変動時間タイマ203kbのカウンタ値が0であるか否かによって判別される。
Y901の処理において変動時間が終了したと判別された場合には(Y901:Yes)、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たりであるかを判別し(Y902)、大当たりではない(外れである)と判別した場合は(Y902:No)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるかを判別する(Y912)。Y910の処理において、小当たりではないと判別した場合は(Y912:No)、次いで、特図2の抽選結果が時短当選であるかを判別する(Y914)。時短当選ではないと判別した場合は、第2特別図柄の確定コマンドをセットし(Y908)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の変動を停止し(Y909)、本処理を終了する。
Y914の処理において、時短当選であると判別された場合には(Y914:Yes)、時短設定処理12が実行され(Y915)、その後、Y908の処理を行う。なお、時短設定処理12は、上述した第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y236)の一処理として実行される時短設定処理12(Y711)と同一の処理であるため、詳細な説明は省略する。
Y912の処理において、小当たり当選であると判別された場合には(Y912:Yes)、特図2小当たり停止処理12を実行し(Y913)、その後、Y908の処理を行う。特図2小当たり停止処理12(Y913)は、当選した小当たりの小当たり種別によって、第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、仮停止させる(中断させる)か、を設定する処理を実行するものであり、詳細な説明は図435を参照して後述する。
Y902の処理において、大当たりであると判別した場合には(Y902:Yes)、大当たり種別が大当たりDであるかを判別し(Y903)、大当たりDではないと判別された場合(Y903:No)には、特図1仮停止フラグ203kcをオンに設定し(Y904)、設定されている停止種別を示す特図2停止種別コマンドを設定し(Y906)、大当たりシナリオを設定し(Y907)し、その後、Y908、Y909の処理を行う。
一方、Y903の処理において、大当たりDであると判別された場合には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し(Y905)、Y906~Y909の処理を実行する。
このように本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり種別が大当たりDである場合には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し、それ以外の大当たり種別の場合には、特図1仮停止フラグ203kcをオンに設定することで、大当たり種別によって第1特別図柄の変動が強制的に停止される(破棄される)場合と、仮停止される(中断される)場合とを可変させることができる。
なお、図411に示す通り、第2特別図柄が大当たりした場合に決定される大当たり種別は、実行された第2特別図柄の変動回数によって異なり、大当たりDは51回転目以降に大当たり当選した場合に、決定され易い構成としている。このように構成することで、第2特別図柄で大当たり当選できずに外れ当選が続いた場合(所謂、ハマった場合)であっても、遊技者に有利な大当たり種別が決定され易くなるため、ハマった場合の遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
Y901の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y901:No)、次いで、特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオンであるか否かを判別する(Y910)。Y910の処理において特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオフであると判別された場合は(Y910:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y910の処理において特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合は(Y910:Yes)、第1特別図柄が大当たりで停止された場合または時短当選した場合であるので、実行中の第2特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図2強制停止処理12を実行する(Y911)。尚、この特図2強制停止処理12の詳細については、図434を参照して後述する。
このように、第2特別図柄停止処理12(Y241)では、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y901:Yes)、第2特別図柄抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第1特別図柄の大当たり遊技が実行される場合、または第1特別図柄が時短当選し、時短当選変動状態が設定される場合に(Y910:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(Y911)が実行される。
次に、図434を参照して、第2特別図柄変動停止処理12(図433、Y241)の一処理である特図2強制停止処理12(Y911)について説明する。図434は、この特図2強制停止処理12(Y911)を示すフローチャートである。
特図2強制停止処理12(図434、Y911)では、まず、特図2変動停止フラグ203kfがオンであるかを判別する(Y631)。特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合(Y631:Yes)には、特図2変動停止フラグ203kfをオフに設定し(Y632)、次に、特図2変動停止フラグ203kfのオフを示す特図2変動停止コマンドを設定する(Y633)。そして、第2特別図柄の変動種別を外れに設定する(Y634)。なお、図示しないが、Y634の処理の後に第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第2特別図柄の特図2確定コマンドを設定する。
一方、Y631の処理において、特図2変動停止フラグ203kfがオンでないと判別された場合(Y631:No)は、特図2仮停止フラグ203kdがオンである場合であるため、第2特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y635)、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、特図2仮停止フラグ203kdがオンにされる(第1特別図柄で大当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第2特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断して強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみに対する大当たり遊技を実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
また、本第12制御例では、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の変動停止フラグkfをオンにする構成としている。本第12制御例では、上述したように、通常状態においては第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定されるため、第1特別図柄が時短当選した時点で既に第2特別図柄の変動表示が開始されている場合に、そのまま第2特別図柄の変動が継続されると、設定された時短当選変動状態が変動中の第2特別図柄の停止表示前に終了してしまい、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合が生起し得る。
ここで、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の変動停止フラグkfをオンにする構成とすることで、時短当選した第1特別図柄の変動が開始された場合に、変動中の第2特別図柄の変動が破棄されるため、時短当選変動状態で新たに第2特別図柄の抽選を受けることができ、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合を防ぐことができる。
次に、図435を参照して、第2特別図柄変動停止処理12(図433、y241)の一処理である特図2小当たり停止処理12(Y913)について説明をする。図435は特図2小当たり停止処理12(Y913)の内容を示すフローチャートである。
特図2小当たり停止処理12(図435、Y913)では、まず、小当たり種別が小当たりBであるか判別し(Y931)、小当たりBであると判別された場合(Y931:Yes)には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し(Y932)、特図1変動停止フラグ203keのオンを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y933)。そして、選択されている小当たり種別に対応する小当たりシナリオを設定し(Y934)、本処理を終了する。
一方、Y931の処理において、小当たりBでないと判別された場合(Y931:No)には、特図1仮停止フラグkcをオンに設定し、(Y937)、特図1仮停止フラグkcのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(Y938)、Y934の処理を行う。
このように、本第12制御例では、特定の大当たり種別だけでなく、特定の小当たり種別によっても、変動中の第1特別図柄を破棄させることが可能に構成されている。これにより、遊技者に小当たり種別にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、小当たりB当選を示す第2特別図柄の変動停止時に特図1変動停止フラグをオンに設定する構成としたが、これに限るものではなく、小当たりBに当選した第2特別図柄の変動開始時に特図1変動停止フラグをオンに設定する構成としても良い。また、小当たり遊技の開始時に第1特別図柄を破棄する構成としても良いし、小当たり遊技の終了時に破棄する構成としても良い。
次に、図436を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理12(Y1004)の内容について説明をする。図436は大当たり制御処理12(Y1004)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理12(Y1004)は、上述した第11制御例の大当たり制御処理11(図403参照)の大当たり終了処理11(S11651)に代えて、大当たり終了処理12(Y11613)を実行する点でのみ相違し、その他の処理は第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図437を参照して、大当たり終了処理12(Y11613)の内容について説明する。図437は大当たり終了処理12(Y11613)の内容を示すフローチャートである。大当たり終了処理12が実行されると、まず、時短リミット更新処理12(Y2701)が実行される。時短リミット更新処理12(Y2701)の詳細な説明については、図438を参照して後述するが、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を時短リミット回数カウンタ203jaにセットしたり、設定済の時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)したりするための処理を実行する。
ここで、図438を参照して、大当たり終了処理12(図437のY11613参照)内の一処理である時短リミット更新処理12(Y2701)の詳細について説明する。図438は、時短リミット更新処理12(Y2701)の内容を示したフローチャートである。この時短リミット更新処理12(Y2701)では、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を設定したり、設定済の上限値に対する残回数数を更新するための処理が実行される。
時短リミット更新処理12(Y2701)では、まず、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であるか判別する(Y3001)。時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値ではない、即ち、大当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態であると判別した場合には(Y3001:No)、時短リミット回数カウンタ203jaの値に連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な値が設定されていないため、時短リミット回数カウンタ203jaの値に10を設定し(Y3005)、時短フラグをオンに設定する(Y3006)。そして、本処理を終了する。
一方、Y3001の処理において、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y3001:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1減算し(Y3002)、次に、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であるか否かを判別する(Y3003)。減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であると判別した場合には(Y3003:Yes)、連続して普通図柄の高確率状態が設定できる上限値に達したため、時短リミット到達フラグ203khをオンに設定し(Y3004)、本処理を終了する。一方、Y3004の処理において、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0ではないと判別した場合には(Y3004:No)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、時短リミット回数として10回が設定されるよう構成したが、これに限ることなく、20回や30回など、複数の設定回数の中から決定するよう構成してもよい。
図437に戻り説明を続ける。時短リミット更新処理12(Y2701)を実行した後、時短リミット到達フラグ203khはオンであるかを判別し(Y2702)、時短リミット到達フラグ203khがオンであると判別された場合(Y2702:Yes)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し(Y2703)、大当たり遊技終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(Y2707)し、本処理を終了する。
一方、Y2702の処理において、時短リミット到達フラグ203khがオンではないと判別された場合(Y2702:No)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として時短状態(普通図柄の高確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し、(Y2704)、図410および図411に示す大当たり種別選択12テーブル202kbに基づき、実行中の大当たり種別に対応する時短回数を時短カウンタ203hのカウンタ値に設定し(Y2705)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(Y2706)、Y2707の処理を行う。
このように、本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に連続して時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能な上限値を定め、遊技者に有利な状態が連続して設定される回数を制限することで、過剰に賞球を得ることにより遊技者の射幸心を煽ることを抑制することができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されない構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される構成としても良い。
なお、図示しないが、本第12制御例のパチンコ機10における第3図柄表示装置81において実行される演出の内容について説明する。従来のパチンコ機では、特定の結果を示すための特別図柄(例えば、大当たり図柄)が停止表示されたことを契機に、対応する遊技状態が設定されるものが一般的である。例えば、特別図柄が大当たり当選した場合に、大当たり当選したことを示す特別図柄の変動表示中の演出によって、遊技者は大当たり当選ではないかと予測し、特別図柄が停止表示され、大当たり当選であることを示す表示態様が表示されることで遊技者は大当たり当選したことを認識することができる。この場合、特別図柄の停止表示後に異なる遊技状態が設定されることを遊技者が事前に予測することができるため、円滑に遊技状態の変化に対応することができる。
一方、本第12制御例のパチンコ機10では、上述したように、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が開始された場合に、時短当選変動状態が設定される。図406に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄抽選の始動契機となる第1入球口64は、遊技球が盤面の左側領域を流下した場合と、右側領域を流下した場合の何れであっても入球可能な位置に配置されているが、第2特別図柄の始動契機となる第2入球口1641は、遊技球が盤面の右側領域を流下した場合のみ入球可能な位置に配置されている。
これにより、例えば、遊技球の盤面の左側領域を流下させて第1入球口64へ入球させる遊技(所謂、左打ち遊技)を行っている遊技者が時短当選した場合に、時短当選変動状態が設定されているにも関わらず左打ち遊技を継続して行うと、第2特別図柄抽選を実行しないまま時短当選変動状態が終了してしまうという不具合が生起し得る。
従って、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄が停止表示される前に時短当選し、時短当選変動状態中であることを報知する演出を実行する。
具体的には、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄の変動表示が開始されると、所定時間経過した時点(例えば、10秒経過後)で疑似図柄が停止し、時短当選変動状態が設定されたことを示す表示態様が表示され(例えば、「時短当選変動ゾーン突入」)、遊技者に第2入球口1641を狙って遊技球を発射させるために「右打ち」と表示される。
このように表示されることで、遊技者は時短当選変動状態が設定されたことを認識し、遊技状態に適した遊技方法で遊技を行うことができる。なお、併せて、時短当選変動状態中に第2特別図柄で大当たり(または小当たり)当選または時短当選することで時短B状態が設定されることを遊技者に報知する表示を行うと良い。
また、通常状態において保留されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)の中に時短当選する入賞情報が存在することを、その入賞情報を先読みした結果判別した場合には、時短当選する第1特別図柄の変動の直前に実行された第1特別図柄の停止表示画面で、次の第1特別図柄の変動において時短当選変動状態が設定されることを報知する構成を加えても良い。つまり、特図1保留が存在する場合には、時短当選変動状態が設定される直前の第1特別図柄の変動において次の変動が時短当選変動状態であることを報知し、特図1保留が存在しない場合には、時短当選変動状態が設定される第1特別図柄の変動の開始から所定時間経過後に時短当選変動状態が設定されていることを報知する構成とする。
このように、特図1保留が存在しない場合には、時短当選変動が開始されてから時短当選変動状態であることが報知されるまでの変動時間のロスがあるが、特図1保留が存在する場合には、事前に時短当選変動状態が設定されることが報知されるので、時短当選変動が開始されてから時短当選変動状態であることが報知されるまでの変動時間のロスが無くなる。よって、遊技者は、時短当選変動状態における変動時間のロスを無くすために、常に保留を貯めた状態を維持させようと思わせることで、意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、時短当選変動状態における第1特別図柄の変動時間を遊技者に分かり易く報知する構成としても良い。
以上、説明したように、本第12制御例は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成している。
そして、上述した第5制御例と同様に各特別図柄変動開始前に時短抽選(時短当選判定)を実行し、時短当選した場合には、特別図柄変動停止タイミングにて時短状態を設定する。この場合、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合には、第1特典となる時短状態が設定される。なお、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典となる時短状態(時短A状態)が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典とは異なる第2特典となる時短状態(時短C)が設定される構成としても良い。
さらに、時短当選している第1特別図柄変動中に実行された第2特別図柄抽選において、時短当選した場合には、第1特典及び第2特典よりも有利な第3特典が付与される時短状態(時短B状態)を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
付与される特典については、例えば、第1特典又は第2特典よりも時短終了条件が成立し難い第3特典としても良いし、第1特典又は第2特典よりも特別図柄抽選が実行され易い第3特典としても良い。
さらに、第3特典の時短状態が設定されるタイミングは、並行して実行されている各特別図柄変動のうち、先に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、停止表示タイミングの前後に関わらず、先に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、特定の特別図柄種別が停止表示されたタイミングでも良い。
このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。
さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。
加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。
なお、本第12制御例では、時短当選した特別図柄を長変動させ、時短当選変動状態を設定する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、大当たり当選した特別図柄を長変動させて、大当たり当選変動状態を設定し、大当たり当選変動状態中は他方の特別図柄が短変動となる構成とすることで、小当たり遊技による賞球の獲得を可能としても良い。
<第13制御例>
次に、図439から図463を参照して、第13制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第5制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。
さらに、上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成していた。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、普通図柄の高確率状態が設定される特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果種別の多様化を図りやすくすることができるものであった。
しかしながら、上述した第5制御例におけるパチンコ機10においても、実行される特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特典が付与される性質上、特別図柄抽選が複数回実行されたにも関わらず、何れの特典も付与されないという事態が長時間継続し得るものであり、実行される特別図柄抽選の結果によっては、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を実行させる遊技を長時間実行した遊技者に対して、特別図柄抽選の結果に関わらず特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に付与される特典(天井特典)とは、抽選結果が大当たり当選以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して所定回数(例えば、500回)実行された場合に付与される特典であって、特別図柄抽選を比較的実行させ易くする遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。
つまり、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における特別図柄抽選において、500回連続で大当たり当選しなかった場合(ハマリ回数が500回に到達した場合)に、天井特典が付与され、遊技者に有利となる遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選において大当たり当選しない遊技が長時間継続している遊技者に対して、遊技を継続させ易くすることができ、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
また、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選回数が多いパチンコ機10(所謂、ハマリ台)であっても、天井特典が付与されることを目的としている新たな遊技者により遊技が実行されるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。特に、大当たり当選確率が異なる複数段階の設定値を設定可能に構成されているパチンコ機10において、大当たり当選確率が比較的低い設定値(低設定)のパチンコ機10であっても、天井特典が付与されることを目的としている遊技者が継続して遊技を実行し得るため、低設定のパチンコ機10を設置することによりパチンコ機10の稼働が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第13制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合の一部、具体的には、時短抽選に当選したことに基づいて設定される時短状態が設定されている場合(第1時短状態)と、で略同一内容の遊技が実行されるように構成しており、現在設定されている遊技状態が通常状態であるのか第1時短状態であるのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。
そして、天井特典が付与される(第3時短状態が設定される)条件が成立した時点における遊技状態(ハマリ回数が500回に到達した時点における遊技状態)に応じて、天井特典として付与される特典の内容を異ならせている。具体的には、通常状態が設定されている状態で天井特典が付与されるよりも、第1時短状態が設定されている状態で天井特典が付与される場合のほうが、遊技者に有利な特典(終了し難い第3時短状態)が付与されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して設定されている遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行される場合において高確率(1/2)で時短当選するように構成されており、時短当選した場合の殆どで、短期間(特別図柄変動1回分)の第1時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、天井特典が付与されるまでの間に、遊技状態として、通常状態と、第1時短状態とが頻繁に切り替わることになる。よって、天井特典が付与される条件が成立した時点における遊技状態を遊技者に予測させ難くすることができる。
また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選が実行された場合において、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の回数が更新される遊技状態(有効遊技状態)と、更新されない遊技状態(無効遊技状態)と、を設定可能に構成している。
具体的には、本第13制御例におけるパチンコ機10は、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成しており、第2確変状態が設定されている場合には、通常状態、及び、第1時短状態と同様の遊技(左打ち遊技)が実行されるように構成している。つまり、遊技者に対して、設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるか、第2確変状態であるかを判別させ難くするように構成している。
そして、第2確変状態が設定されている状態が無効遊技状態となり、第2確変状態中に特別図柄抽選が実行された場合には、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の回数が更新されないように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者(通常状態、第1時短状態、第2確変状態の何れかの遊技を実行している遊技者)に対して、現在が有効遊技状態であるか無効遊技状態であるかを判別させ難くすることができるため、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の回数を遊技者に予測させ難くすることができる。また、第2確変状態が設定される期間の長さに応じて、天井特典が付与される条件を満たす特別図柄抽選回数(前回の大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄抽選回数)を異ならせることができるため、天井特典が付与される特別図柄抽選回数として同一の回数(例えば、500回)のみを規定した場合であっても、多様なタイミングで天井特典を付与させることができ、天井特典が付与されることを目指す遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選回数を予測させる楽しみを提供することができる。
また、上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることにより、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行可能に構成していたが、本第13制御例では、上述した第5制御例にて用いた構成に加え、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させること無く、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行されることが可能に構成している。
具体的には、天井特典として付与される第3時短状態では、普通図柄の低確率状態を設定したまま、普通図柄の変動時間のみを可変させることにより、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行可能に構成している。つまり、本第13制御例では、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態として、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(第2時短状態)と、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(第3時短状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行するための契機(例えば、大当たり当選)が成立していない状況においても、特別図柄抽選の実行のされ易さを異ならせる(特別図柄抽選が比較的実行され難い状態から、特別図柄抽選が比較的実行され易い状態へと移行させる)ことが可能となるため、遊技者に対して多様なタイミングで特別図柄抽選の実行のされ易さを異ならせた遊技を提供することができる。
なお、上述した第5制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合よりも、特別図柄抽選が実行され易い遊技状態として、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)のみを設定可能に構成していたため、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態を、特別図柄抽選が実行され易い遊技状態(時短状態、右打ち遊技状態)と称していたが、本第13制御例では、上述した通り、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態の一部(第1時短状態)において、特別図柄抽選の実行のされ易さが通常状態と同一となるように構成し、且つ、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態の一部(第2時短状態)において、通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易くなるように構成している。
よって、実際に設定されている各図柄の確率状態を説明するのでは無く、単に特別図柄抽選の実行のし易さを説明する際には、普通図柄の確率状態に関わらず、特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と同一(同程度)となる遊技状態(第1時短状態、第2確変状態)を通常状態、或いは、左打ち遊技状態と称し、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態(第2時短状態、第3時短状態)を時短状態、或いは、右打ち遊技状態と称して説明をする。
また、本第13制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)中に実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、天井特典と同様の特典を付与可能に構成している。具体的には、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、他の大当たり当選よりも大当たり遊技が実行される期間(ラウンド遊技数)が短く、且つ、大当たり遊技終了後に、天井特典として付与可能な第3時短状態と同一の時短終了条件(時短回数)が設定される第2時短状態を設定可能に構成している。更に、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、第2時短状態を設定可能に構成し、時短当選に基づいて第2時短状態が設定された場合に、天井特典として付与可能な第3時短状態と同一の時短終了条件(時短回数)を設定可能に構成している。
このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、天井特典の付与条件が成立するよりも前に、天井特典と同等の特典を付与することが可能となるため、天井特典の付与条件を把握させ難くすることができる。また、特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、時短当選したことに基づいて第2時短状態が設定される事象を、天井特典の付与条件が成立し第3時短状態が設定されたと遊技者に思わせることができるため、天井特典の付与条件として、少ない特別図柄抽選回数が設定される場合があると思い込んでいる遊技者に対して、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の回数と乖離している状態であっても、天井特典が付与されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
また、詳細な説明は後述するが、本第13制御例では、左打ち遊技中において、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間(残特別図柄抽選回数)を遊技者に示唆するための示唆演出(天井到達示唆演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、天井到達示唆演出の演出結果に基づいて天井特典の付与条件が成立し易い(間もなく成立する)状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となるため、天井特典が付与されることを期待しながら長時間の遊技を行わせ易くすることができる。
なお、この天井到達示唆演出の演出態様を決定する際には、天井特典の付与条件が成立するまでの情報に加え、上述した天井特典として付与され得る第3時短状態と同様の第2時短状態が設定される条件の成立の有無に関する情報も加味して演出態様が決定されるように構成している。このように構成することで、天井特典として付与され得る第3時短状態と同様の第2時短状態が設定される条件を満たした場合には、天井到達示唆演出として、天井特典の付与条件が成立する可能性が高い状況である場合と同一の演出態様が決定されることになる。よって、特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、時短当選したことに基づいて天井特典と同様の第2時短状態が設定される事象を、天井特典の付与条件が成立し第3時短状態が設定されたと遊技者に思わせ易くすることができる。
<第13制御例の演出内容について>
まず、図439から図441を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の実行回数に基づいて遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。
具体的には、特別図柄抽選の実行回数が所定回数(500回)に到達したと判別された場合に、その特別図柄抽選(500回目の特別図柄抽選)の抽選結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に、救済措置として天井特典を付与可能に構成している。本第13制御例では、天井特典として、左打ち遊技状態よりも特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)を実行させ易くすることが可能な右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定される特典を付与するように構成している。
そして、左打ち遊技状態(例えば、通常状態や第1時短状態)中において、特別図柄抽選が実行された場合に、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を遊技者に予測させるための演出として、天井到達示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井到達示唆演出の演出態様を把握することにより、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
また、実際に天井特典が付与されるよりも前に、間もなく天井特典が付与されることを(付与される可能性が高いことを)、遊技者に把握させることができるため、何の前触れも無く天井特典が付与されてしまい、遊技者が天井特典の恩恵を受け難くなる事態が発生してしまうことを抑制することができる。
本第13制御例では、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与される期待度が高い「示唆強」の演出態様と、その「示唆強」の演出態様よりも、天井特典が付与される期待度が低い「示唆弱」の演出態様と、を少なくとも設定可能に構成しており、後述する天井到達示唆演出選択テーブル222la(図448参照)を用いて、演出態様が選択されるように構成している。具体的な説明は、図448を参照して後述するが、本第13制御例では、天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に、前回の大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数、即ち、抽選結果が大当たり以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマリ回数)と、天井到達示唆演出が実行される変動演出の対象となる特別図柄抽選の結果と、に基づいて演出態様を選択するように構成している。
このように、ハマリ回数に基づいて演出態様を選択するように構成することで、天井特典が付与されるまでの実際の期間(残ハマリ回数)に基づいて天井到達示唆演出の演出態様を選択することができるため、遊技者に対して信頼度の高い演出を実行することができる。また、本第13制御例では、特別図柄抽選の結果に基づいて(大当たり抽選、時短抽選の結果に基づいて)天井特典と同様の特典を付与可能に構成しており、天井到達示唆演出の対象となる特別図柄抽選の結果が天井特典と同様の特典を付与する可能性がある場合にも、天井特典が付与される期待度が高い「示唆強」の演出態様が選択され易くなるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて(大当たり抽選、時短抽選の結果に基づいて)天井特典と同様の特典が付与される場合においても遊技者に対して、天井特典が付与されたと思わせ易くすることができる。よって、予め定められている天井特典の付与条件(特別図柄抽選回数)が成立するタイミングよりも多くのタイミングにて天井特典が付与されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
天井到達示唆演出では、図439に示した通り、天井到達後の演出モード(天井中モード)にて表示されるキャラクタが表示画面に表示される演出が実行されるように構成しており、図439(a)は、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与されるまでの期間が短い場合よりも、長い場合のほうが選択され易い演出態様である「示唆弱」が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図439(b)は、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与されるまでの期間が長い場合よりも、短い場合のほうが選択され易い演出態様である「示唆強」が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
「示唆弱」の演出態様が設定された天井到達示唆演出が実行されると、図439(a)に示した通り、天使を模したキャラクタ809が第3図柄表示装置81の表示画面上を横切る演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、天井到達示唆演出が実行されたことを遊技者に案内するための案内態様として「天使発見!天井?・・・」のコメントが表示される。
ここで、上述した通り、図439(a)に示した演出態様「示唆弱」は、天井到達示唆演出として設定される演出態様としては天井到達の期待度が低い演出態様であるが、本第13制御例では、天井到達示唆演出が実行される頻度が、天井特典が付与されるまで(天井到達するまで)の期間が短くなるほど高くなるように構成している。よって、図439(a)に示した演出態様「示唆弱」であっても、天井到達示唆演出が実行されただけで天井特典が付与されるまでの期間が短いことを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
図439(a)に示した表示画面は、前回の大当たり遊技終了後から250回目の特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動中の表示画面であって、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数を示すためのハマリ回数報知態様として小表示領域Dm7に「250回」が表示されている。つまり、本第13制御例では、左打ち遊技状態が継続している期間における特別図柄抽選回数の累積値(ハマリ回数)を遊技者に把握させ易くするために、ハマリ回数を示す表示態様を表示可能に構成している。
このように構成することで、実行される天井到達示唆演出の演出態様と、小表示領域Dm7に表示されているハマリ回数と、に基づいて天井特典が付与されるまでの期間(天井到達までの期間)を遊技者に予測させ易くすることができる。
また、図439(a)に示した通り、左打ち遊技状態において、主として実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)に対応させた保留アイコンhr1~hr4が小表示領域Dm9に表示されるように構成しており、図439(a)に示した例では、特図1保留を3個獲得している状態(小表示領域Dm1a参照)であるため、小表示領域Dm9には3個の保留アイコンhr1~hr3が表示されている。
一方、天井到達示唆演出の演出態様として「示唆強」が設定された場合には、図439(b)に示した通り、「示唆演出弱」よりも遊技者に対して天井到達示唆演出が実行される期待度が高いことを示すための演出が実行される。
図439(b)は、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が499回目となる特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動中の表示画面であって、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数を示すためのハマリ回数報知態様として小表示領域Dm7に「499回」が表示されている。そして、今回実行されている天井到達示唆演出が「示唆強」であることを示すための表示態様として、「示唆弱」のキャラクタ809(図439(a)参照)よりも、豪華なキャラクタ809zが表示される。このように、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)場合に設定され易い演出態様「示唆強」のほうが、他の演出態様「示唆弱」よりも、見た目上で豪華なキャラクタを表示するように構成することで、天井到達示唆演出が実行された場合に表示されるキャラクタの態様によって、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)状況であるか否かを視覚的に判別させ易くすることができる。
加えて、副表示領域Dsには、今回実行された天井到達示唆演出が「示唆強」であることを遊技者に案内するための案内態様として「大天使だ!天井までもうすぐ」のコメントが表示される。このように構成することにより、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)状況であるか否かを遊技者に判別させ易くすることができる。
また、図439(b)に示した表示画面では、特図1保留を2個獲得している状態(小表示領域Dm1a参照)であるため、小表示領域Dm9には2個の保留アイコンhr1,hr2が表示されている。
なお、天井特典が付与されるタイミングが近付いていることを、表示画面の主表示領域Dmにて実行される天井到達示唆演出にて実行するのでは無く、小表示領域Dm9に表示される保留アイコンの表示態様を可変させることで示唆可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図1保留のうち、左打ち遊技状態中に消化される特図1保留の範囲を特定する特定手段を設け、その特定手段によって特定された範囲と、それ以外の範囲とで、保留アイコンの表示態様を異ならせたり、表示される保留アイコンの大きさを異ならせたり、表示される領域を異ならせたりするように構成しても良い。
また、保留アイコンを用いて実行される先読み演出として、大当たり当選する期待度が高い表示態様が、天井特典が付与されるよりも前に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留の保留アイコンに設定される場合と、天井特典が付与された後に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留の保留アイコンに設定される場合と、で異なる表示態様を設定可能に構成しても良い。
さらに、天井特典が付与される前に大当たり当選する場合と、天井特典が付与された後に大当たり当選する場合とで、大当たり当選に基づいて付与される特典の内容を異ならせるように構成されたパチンコ機10であれば、大当たり当選に基づいて付与される特典の内容を示唆可能な表示態様で保留アイコンを表示するように構成すると良い。このように構成することで、保留アイコンを用いた先読み演出によって、大当たり当選期待度と、天井特典付与の期待度と、を組合せた情報を遊技者に提供することができる。
加えて、先読み演出として、天井特典が付与されるタイミングを示唆するための第1示唆態様と、大当たり当選を示唆するための第2示唆態様と、時短抽選による時短当選を示唆するための第3示唆態様と、をそれぞれ保留アイコンの表示態様として設定可能に構成して場合において、1の保留アイコンの表示態様として、上述した2つ以上の示唆態様を組み合わせた組合せ表示態様を表示可能に構成すると良い。また、この場合、異なる組合せに対応する組合せ表示態様として同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む概念)の表示態様を設定可能に構成すると良い。
このように構成することで、先読み演出として表示された保留アイコンの表示態様に基づいて、後の遊技状況を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。また、他の表示画面に表示されている各種情報(例えば、スタート回数等)を含めて複合的に遊技状況を判別することにより、先読み演出として表示された保留アイコンの表示態様が示す後の遊技状況を予測する精度を高めることができる。
次に、天井特典が付与される場合に実行される演出の演出内容について説明をする。図440(a)は、実行中の特別図柄変動が停止表示した後に天井特典(右打ち遊技状態)が設定される特別図柄変動(天井到達変動)中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図440(b)は、天井特典として付与された右打ち遊技状態中(天井中モード)に表示される表示画面の一例を示した図である。
ここで、本第13制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)中に大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が所定回数(例えば、500回)実行された場合に、天井特典(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。また、天井特典が設定される場合において設定されている遊技状態(通常状態、又は第1時短状態)に応じて、天井特典の内容(遊技者への有利度合い)を異ならせるように構成している。
そして、天井特典が付与されることを報知するための天井到達変動演出の演出態様によって、今回付与される天井特典の内容の少なくとも一部を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、天井特典が付与される時点で遊技者に対して天井特典が付与されることを報知するだけで無く、その内容も報知することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
具体的には、図440(a)に示した通り、天井到達変動演出が実行されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの背景画像として天井中モードに対応する天国背景が表示され、小表示領域Dm7には天井に到達した(する)ことを示すための表示態様として「天井!?」の文字が表示される。そして、天井到達示唆演出にて表示されたキャラクタ809が、天井特典が付与されることを祝福する演出態様で天井到達変動演出が実行される。また、今回の天井特典の内容を報知するための情報「100」を含む表示態様で宝箱810の中身810aが表示される。
さらに、主表示領域Dmの右下側には、天井特典として右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定された後の遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として「右打ちしてね」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには、天井特典が付与されることを示唆するための報知態様として、「天井到達!!時短100GET!!」のコメントが表示される。
図440(a)に示した通り、天井特典の付与条件が成立した特別図柄変動の変動期間中に実行される天井到達変動演出では、小表示領域Dm7に前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数を示す情報(図439(a)の小表示領域Dm7に表示される情報)が表示されないように構成している。このように構成することで、天井到達変動演出が実行された特別図柄抽選回数を遊技者が容易に判別し難くすることができる。よって、天井特典が付与される条件が成立し得る特別図柄抽選回数を把握するためには、天井到達変動演出が実行されるよりも前の特別図柄抽選回数を常に把握する必要があり、遊技者に対して、左打ち遊技状態中においても第3図柄表示装置81に表示される表示態様に常に興味を持たせ易くすることができる。
また、上述した天井到達変動演出は、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の抽選回数が天井特典の付与条件が成立する回数(500回)となった場合だけで無く、天井特典と同様の特典(右打ち遊技状態)が付与される大当たりに当選した場合や、天井特典と同様の特典(右打ち遊技状態)が付与される特定の時短に当選した場合にも実行されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、今回付与される特典が天井特典であるか否かを判別させ難くすることができる。なお、複数の特典付与過程にて図440(a)に示した天井到達変動演出を実行することで、遊技者に対して、実際に付与される特典の種別を判別させ難くする場合には、特典の種別に応じて実行される天井到達変動演出の演出態様の少なくとも一部を変更するように構成すると良い。このように構成することで実行される天井到達変動演出の演出態様の若干の違いを識別可能な遊技者に対してのみ今回付与される特典の種別を判別させることが可能となる。
また、実行される天井到達変動演出の演出態様を変えること無く、天井到達変動演出が実行される演出期間、即ち、天井到達変動演出が実行される特別図柄変動の変動時間を異ならせるように構成しても良く、例えば、天井特典が付与されることとなる特別図柄変動の変動時間(外れ当選した特別図柄変動の変動時間)を基本時間(例えば、10秒)とした場合において、大当たり当選に基づいて天井到達変動演出が実行される場合の特別図柄変動の変動時間(特定の大当たり当選に対応する特別図柄変動の変動時間)が11秒、時短当選に基づいて天井到達変動演出が実行される場合の特別図柄の変動時間(特定の時短当選に対応する特別図柄変動の変動時間)が12秒となるように構成しても良い。このように構成することで、同一の演出態様で天井到達変動演出を実行させながら、天井到達変動演出の演出期間を付与される特典の種別に応じて異ならせることができる。よって、天井到達変動演出を実行するための演出データの増加を抑制しながらも、付与される特典の種別に応じて異なる態様の天井到達変動演出を実行させることが可能となるため、実行される天井到達変動演出の若干の違い(演出期間の違い)を識別可能な遊技者に対してのみ今回付与される特典の種別を判別させることが可能となる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第13制御例では、図440(a)に示した天井到達変動演出を、天井特典が付与されない場合においても実行可能に構成している。この場合に実行される天井到達変動演出(ガセ天井到達演出)では、図440(a)に示した表示画面と同様に、天井中モードの背景画像(天国画像)が表示され、キャラクタ809が登場し、宝箱810を開放しようとする演出が実行される。そして、宝箱810の中から天井特典が付与されないことを示す表示態様(「残念」の文字が付された中身810a)が表示された後、背景画像が通常の背景画像へと切り替わる演出が実行される。
このガセ天井到達演出の実行期間のうち、天井特典が付与される場合に実行される天井特典演出と同一の演出態様を用いて演出が実行されている間は、副表示領域Dsにて天井特典が付与される可能性が高いことを示す態様として「天井到達!?」のコメントが表示され、ガセ天井到達演出の演出結果を示す演出が実行されると、副表示領域Dsにて天井特典が付与されないことを示す態様として「残念!!」のコメントが表示される。
このように、実際に天井特典が付与されることの無い状況にてガセ天井到達演出を実行可能に構成することで、天井到達演出の演出結果として天井特典が付与されないことを示す演出結果を一時的に表示した後に、天井特典が付与されない演出が実行される演出態様(復活演出)が実行される場合において、実行中の天井到達演出が、実際に天井特典が付与されることの無いことを示すガセ天井到達演出であると思わせ易くすることができる。
上述した通り、本第13制御例では、天井到達演出(ガセ天井到達演出を含む)が実行された場合であっても、天井特典が付与されることを報知するものでは無く、天井特典が付与される可能性があることを遊技者に示すだけである。よって、図440(a)に示した第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7には「天井!?」の表示態様、即ち、天井特典が付与される可能性があることを示す表示態様が表示される。換言すれば、図440(a)に示した第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7に表示される「天井!?」の文字のうち「!?」の文字は、天井特典が付与されることを確定報知するものでは無いことを示す表示態様となる。なお、本制御例、及び、他の制御例においても、表示画面に表示される文字として「!?」が表示される場合には、その文字が付随する対象が確定している状態では無いことを示すものとして用いている。
また、本第13制御例では、図439(a)、及び図439(b)に示した通り、左打ち遊技状態中は、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄変動回数(スタート回数)を表示するように構成し、天井特典が付与されるまで(天井特典の付与条件が成立するまで)に必要となる特別図柄変動回数(残変動回数)を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、天井特典が付与されるまでの残変動回数を報知可能に構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄変動回数を把握した上で、遊技を継続するか否かを遊技者に選択させることができる。
また、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄変動回数(残変動回数)に対応した情報(例えば、残り回数)を遊技者に報知可能に構成した場合には、実際の残変動回数とは異なる値に対応した演出用情報(例えば、残り回数よりも多い回数)を表示画面に表示するように構成し、実際に天井特典が付与される時点で表示画面に表示されている演出用情報が、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が0であることを示す演出用情報となるように構成しても良い。
この場合、例えば、天井特典が付与されるまでの残変動回数が200回である場合において、表示画面に表示される演出用情報として「残り300回」の表示態様を表示する。つまり、実際の残変動回数よりも大きい残り回数を演出用情報として表示する。そして、実行される特別図柄変動の変動時間が長い場合や、大当たり当選の期待度が高い演出態様で変動演出が実行された場合や、遊技者が操作手段を操作可能な操作演出が実行され、その操作演出中に遊技者が操作手段を操作した場合といった更新条件が成立したことに基づいて、表示画面に表示されている演出用情報が示す値が、実際の残変動回数に近付くように更新(減算)されるように構成すると良い。
このように構成することで、演出用情報として表示されている残り回数を、特別図柄抽選の実行回数よりも大きく減算させることが可能となるため、遊技者に対して、実行される演出の演出結果によって、天井特典が付与され易くなった(天井特典が付与されるまでの残変動回数が短縮された)と思わせることが可能となり、演出効果を高めることができる。
また、演出用情報として表示されている残り回数を、特別図柄抽選の実行回数よりも大きく減算させることが可能に構成することで、天井特典が付与されるよりも前に、特別図柄抽選の結果が、天井特典と同等の特典(第2時短状態)を付与可能な抽選結果(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)となる場合に、その特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄が停止表示されるまでに、演出用情報として表示されている残り回数を、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が0であることを示す演出用情報へと大幅に更新(減算)する演出を遊技者に違和感を与えること無く実行させ易くすることができる。
このように構成することで、天井特典と同等の特典(第2時短状態)が付与される場合に実行される演出の内容と、天井特典が付与される場合に実行される演出の内容とが乖離してしまうことを抑制することがでるため、遊技者に対して、何れの特典が付与されたのかを分かり難くすることができる。よって、様々なタイミング(ハマり回数)で天井特典が付与されると思わせながら遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、天井特典(第3時短状態が設定される右打ち遊技状態)が付与されている期間を示すための天井中モードでは、図440(b)に示した通り、主表示領域Dmにてウサギを模したキャラクタ801が、天国を飛び回る演出が実行され、現在が天井中モードであることを示すための「天井中」の文字が表示される。そして、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示態様として、小表示領域Dm4には「右打ち」の文字が表示され、天井特典が終了するまでの残期間を報知するための残期間表示態様として、小表示領域Dm7に「ラスト90回」の文字が表示されている。
図440(b)に示した表示画面は、天井到達変動演出にて天井特典の内容として、時短回数100回が付与されることを示す「100」が表示された(図440(a)参照)後、特別図柄抽選が10回実行された時点の表示画面であるため、天井特典が付与された時点にて遊技者に報知された天井特典の内容を示す「100」の値が、特別図柄抽選が実行される毎に減算されていき「90」が表示されている。
このように、天井特典が終了するまでの期間(天井中モードが継続する期間)を遊技者に報知することで、天井特典が急に終了してしまうことを抑制することができる。また、本第13制御例では、左打ち遊技状態が設定されている場合よりも、右打ち遊技状態が設定されている場合の方が、大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典(大当たり遊技内容や大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)として、遊技者に有利となる有利特典が付与され易くなるように構成している。よって、副表示領域Dsには「今大当たりするといいことあるよ!」のコメントが表示される。
詳細な説明は後述するが、本第13制御例では、通常状態や第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態と、第3時短状態が設定されている右打ち遊技状態と、では、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が同一(5/1000)となるように構成しており、通常状態や第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態にて、大当たり当選しない特別図柄抽選を連続で500回実行した場合に天井特典の付与条件が成立し、天井特典として第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。そして、左打ち遊技状態よりも右打ち遊技状態の方が、大当たり当選時に遊技者に有利となる特典を付与し易くなるように構成している。
つまり、上述した右打ち遊技状態中において、天井特典が付与されるまでの残期間(残特別図柄抽選回数)が少なくなった場合には、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たり当選することを期待するのでは無く、特別図柄抽選で大当たり当選しないことを期待しながら遊技を行わせ、右打ち遊技状態が設定された後に特別図柄抽選で大当たり当選することを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。ここで、従来型のパチンコ機10では、設定されている遊技状態に応じて大当たり当選に基づいて付与される特典に対して有利度合いを異ならせるものはあるが、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、特別図柄抽選で大当たり当選する場合の方が、大当たり当選しない場合よりも特典が付与される点で遊技者に有利となるように構成しているため、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選を目指すという単調な遊技性を有するものであった。
これに対して、本第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選の抽選結果では無く、抽選回数に基づいて特典を付与可能に構成している。具体的には、通常状態、或いは第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態中に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選すること無く500回実行された場合に右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。そして、通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている場合よりも、第3時短状態が設定されている状態で大当たり当選した場合のほうが、ラウンド遊技数が多い大当たり遊技が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、通常状態、或いは第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態中に実行された特別図柄抽選の回数が500回に近付いた場合に、実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しないことを期待するという斬新な遊技性を提供することができる。つまり、遊技者が特別図柄抽選を実行する遊技期間の一部を、大当たり当選を期待しない特殊期間として設定することが可能となるように構成している。
よって、遊技者に対して、特別図柄抽選で大当たり当選することを期待する遊技期間と、特別図柄抽選で大当たり当選しない(外れ当選する)ことを期待する遊技期間(特殊期間)と、を提供することができるため、常に大当たり当選を目指す従来型のパチンコ機10よりも遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図441を参照して、天井中モードの残期間が上乗せされる場合の演出(上乗せ演出)について説明をする。図441は、天井中モードの残期間を示すための情報(残回数)表示が加算(上乗せ)される上乗せ演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
本第13制御例では、天井特典が付与される場合に実行される天井到達変動演出(図440(a)参照)において、今回付与される特典の内容(時短回数)を遊技者に報知可能に構成しているが、天井到達変動演出にて報知される特典の内容(時短回数)は、内部的に設定される時短回数を上限に、専用の選択テーブル(天井到達時演出選択テーブル222lb)を参照して決定するように構成している。
そして、天井到達変動演出にて報知される特典の内容(時短回数)と、内部的に設定されている時短回数とに差が生じた場合には、天井中モード中に、天井中モードの残期間(図440(b)の小表示領域Dm7に表示される残回数)を増加(上乗せ)する上乗せ演出を実行するように構成している。このように構成することで、天井中モードが設定された遊技者に対して、天井中モードが継続する最低限の期間を把握させた状態で安心して遊技を行わせることができると共に、天井中モードが継続する期間が延長されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、本第13制御例では、天井特典が付与される時点において設定されている遊技状態に応じて天井特典として付与される特典の内容を異ならせるように構成しており、具体的には、特別図柄変動の開始時における天井特典の付与判定処理が実行されるタイミングにおいて設定されている遊技状態が通常状態である場合には、天井特典として時短回数が100回の右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定され、特別図柄変動の開始時における天井特典の付与判定処理が実行されるタイミングにおいて設定されている遊技状態が第1時短状態である場合には、天井特典として時短回数が300回の右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。
つまり、通常状態にて天井特典が付与されるよりも、第1時短状態にて天井特典が付与される場合の方が、遊技者に有利な天井特典が付与されるように構成している。そして、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容(時短回数)として、時短回数が300回の天井特典が付与された場合において、遊技者に不利となる天井特典の内容(時短回数100回)を報知可能に構成している。
このように構成することで、天井到達変動演出が実行された時点において、今回付与された天井特典が遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)であるか、遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。なお、本第13制御例におけるパチンコ機10では、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容が、実際に設定される天井特典の内容の範囲内となるように構成し、遊技者に対して報知された内容に従って安心して遊技を行わせることを可能にしているが、これに限ること無く、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容(時短回数)を、天井中モードが設定されている期間において減算する減算演出を実行するように構成しても良い。
例えば、遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)が設定された場合において、天井到達変動演出にて遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が付与されたことを示すための情報を報知し(小表示領域Dm7に「300回」と表示し)、天井中モードにて、小表示領域Dm7に表示されている情報(残時短回数)を、特別図柄抽選の実行回数よりも多く減算させるように構成しても良い。このように構成することで、何れの天井特典が付与される場合であっても、天井到達変動演出にて遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が設定された可能性があることを遊技者に把握させることができるため、実際に有利な天井特典が付与されていることに期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10は、通常状態が設定されている場合と、第1時短状態が設定されている場合とで、同一内容の遊技(左打ち遊技)が実行されるように構成しており、左打ち遊技が実行される左打ち遊技状態中は、同一内容の変動演出が実行されるように構成している。つまり、左打ち遊技状態中において設定されている遊技状態を遊技者が識別することが困難となるように構成している。よって、左打ち遊技状態中に天井特典の付与条件が成立した場合には、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)が何れであるのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容に興味を持たせることができる。
また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、及び、第1時短状態が設定されている場合において実行される特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合に、時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しており、その時短当選の判定(時短抽選)の結果が当たりである場合には、時短当選した特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に、大当たり遊技を介すること無く時短状態(第1時短状態、第2時短状態)を設定可能に構成している。
そして、時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定された場合には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動が1回実行された場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
つまり、本第13制御例におけるパチンコ機10は、左打ち遊技状態中において、遊技状態が通常状態と第1時短状態とに頻繁に切り替わるように構成している。このように構成することで、天井特典の付与条件(特別図柄抽選500回)が成立する時点において設定されている遊技状態を異ならせ易くすることができるため、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)を遊技者により分かり難くすることができる。
図441に示した表示画面は、天井特典として遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が設定された状態で、天井到達変動演出にて遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)に対応する特典の内容を示す表示態様が表示され(図440(a)参照)、天井中モードにて100回の特別図柄抽選が実行された(小表示領域Dm7に表示される残時短回数が1回(ラスト))時点における表示画面であって、小表示領域Dm7には、天井中モードの最終期間であることを示すための「ラスト」が表示されている。そして、天井中モードの残期間を上乗せさせるための上乗せ演出として、キャラクタ809が天井中モードの残期間を延長させるため上乗せ態様809aが表示される演出が実行される。
図441では、上乗せ態様809aとして、天井中モードの残期間が特別図柄抽選200回分延長されることを示すための「+200」が表示されている。そして、上乗せ態様809aが小表示領域Dm7に向かって移動し、小表示領域Dm7に表示される残期間が「ラスト200回」へと可変される上乗せ演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、天井中モードが延長することを案内する案内態様と、延長内容を示すための案内態様として「天井延長!!プラス200回!!」の文字が表示される。
なお、図441に示した例では、天井中モードの最終期間(小表示領域Dm7に「ラスト」が表示される特別図柄変動期間)において上乗せ演出が実行された場合における表示画面を示しているが、上乗せ演出を天井中モードの最終期間以外に実行しても良く、例えば、天井中モードの残期間として所定期間(例えば、残り時短回数90回)を示す情報が小表示領域Dm7に表示されている状態(図440(b)参照)にて上乗せ演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで上乗せ演出が実行されるかを遊技者に予測させ難くすることができるため、天井中モード中に実行される演出に対して継続して興味を持たせることができる。
また、図441に示した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10では、上乗せ演出として専用の演出が実行されるように構成しているが、上乗せ演出の一部演出態様が他の演出の演出態様と同一となるように構成しても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において対象となる特別図柄抽選の結果が外れである場合に、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すと共に、天井中モードの残期間が延長されることを示すための情報を含む表示態様を表示させるように構成しても良い。このように構成することで、天井中モード中に実行される各種演出(変動演出等)にて天井中モードの残期間が延長されることを示す演出結果が表示される可能性を残すことができるため、天井中モード中に実行される各種演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10では、天井中モード期間中に天井中モードの残期間を延長させるための上乗せ演出を実行するように構成しているが、天井中モードの終了を示す表示態様が表示された後に、天井中モードが再度設定される復活演出を実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、図441に示した天井中モードの最終変動演出にて上乗せ演出を実行せずに、一旦、天井中モードの終了を示す終了画面を表示し、左打ち遊技状態が設定されることを示唆する演出(例えば、「左打ちに戻してください」との案内報知が設定された場合に実行される演出の一部演出)を実行した後に、天井中モードが終了していないことを示す演出(「天井中モード突入!!右打ち遊技を継続してください」との案内報知を含む演出)を実行し、天井中モードの残期間を示すための表示態様として小表示領域Dm7に「残り200回」を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、天井中モードが単に継続したのでは無く、1の天井中モードが終了した後に、新たな天井中モードが設定されたと遊技者に思わせることができるため、遊技者に対して天井中モードが設定される条件(第3時短状態の付与条件)を分かり難くすることができる。よって、左打ち遊技状態の遊技を実行している遊技者に対して、第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
<第13制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図442を参照して、本第13制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図442は、本第13制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を示した図である。図442に示した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10は、第1特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64(図234参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左側領域(可変表示ユニット80よりも左側)に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる左打ち遊技状態と、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640(図234参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、右側領域(可変表示ユニット80よりも右側)に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる右打ち遊技状態と、を設定可能に構成している。
より具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は左打ち遊技状態となり、第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第3時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は右打ち遊技状態となるように構成している。
ここで、第1時短状態と、第2時短状態とは、共に、特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であるが、普通図柄変動の変動時間(普図変動時間)として異なる長さの普図変動時間が設定されるように構成しており、第1時短状態が設定された場合には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも高確率で普通図柄抽選にて当たり当選するが、当たり当選に基づいて実行される普図当たり遊技中に遊技球が第2入球口640へと入球し難くなるように普図変動時間が規定されている。よって、第1時短状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定されているにも関わらず、右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技方法となる。
また、第3時短状態とは、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態であるが、普通図柄変動の変動時間として専用の変動時間を設定可能に構成することで、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合よりも、右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球する割合の方が高くなる遊技状態である。よって、第3時短状態が設定されている状態では、普通図柄の低確率状態が設定されているにも関わらず、左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技方法となる。
まず、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中における遊技内容について説明をする。通常状態は、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を主として実行させる遊技(特図1遊技)が行われる遊技状態である。通常状態中に第1特別図柄抽選が実行されると、1/200の確率で大当たり当選し、大当たり当選しなかった場合において1/2の確率で時短当選する特別図柄抽選が実行される。
通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、4種類の大当たり種別(大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA13が20%、大当たりB13が30%、大当たりC13が30%、大当たりD13が20%の選択割合となるように規定されている。
大当たり種別として、大当たりA13が設定された場合には、ラウンド遊技数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。大当たりB13が設定された場合には、ラウンド数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される。大当たりC13が設定された場合には、ラウンド数が2ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される。大当たりD13が設定された場合には、ラウンド数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される。
一方、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選すること無く、時短当選した場合には、その第1特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に時短状態が設定される。本第13制御例では、特別図柄抽選において時短当選した場合には、2種類の時短種別のうち何れかの時短種別が設定されるように構成しており、第1時短状態が設定される時短種別の選択割合が99%、第2時短状態が設定される時短種別の選択割合が1%となるように構成している。なお、図442に示した図では、遊技状態の主な遷移の流れを示しているため、時短当選した場合には第1時短状態へと移行する流れのみを示しているが、実際には、時短当選時の1%にて第2時短状態へと移行する。
次に、時短当選した場合において設定される第1時短状態について説明をする。第1時短状態は、上述した通り、特別図柄抽選の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態ではあるが普通図柄の変動時間として、後述する第2時短状態よりも短い変動時間(0.1秒)が設定される変動時間短縮(変短)状態が設定されることにより、右打ち遊技を実行したとしても第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるように構成している。よって、通常状態と同様に左打ち遊技が右打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、本第13制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、遊技状態を示す用語としては第1時短状態と称すが、実際には、通常状態と同一の遊技が実行される遊技状態であることから、遊技内容を示すための用語として、通常状態を第1通常モード、第1時短状態を第2通常モードと称す場合もある。
この第1時短状態は、特別図柄抽選で時短当選した場合にのみ設定される遊技状態であって、時短当選にて第1時短状態が設定された場合には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件として「時短回数1回」が設定される。なお、第1時短状態中に特別図柄抽選が実行された場合にも、通常状態と同一の時短抽選(時短当選の判定)が実行されるように構成しており、第1時短状態中に時短当選した場合にも、上述した通常状態と同一の選択割合、同一の内容で時短種別が選択されるように構成している。
つまり、第1時短状態中に実行される1回目の特別図柄抽選の抽選結果が大当たり、時短の何れにも当選しなかった場合には、その抽選結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に時短終了条件が成立し、通常状態が設定される。一方、第1時短状態中に実行される1回目の特別図柄抽選の抽選結果が時短当選である場合には、特別図柄変動が停止表示されたタイミングで新たな第1時短状態が設定されるため、第1時短状態が繰り替えし設定されることになる。よって、第1時短状態が設定されると、特別図柄抽選にて時短当選する限り、第1時短状態における特別図柄抽選が継続し、特別図柄抽選にて時短当選しなかった場合に、通常状態における特別図柄抽選が実行されるように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技状態中において、通常状態と、第1時短状態と、を頻繁に切り替えることが可能となる。また、左打ち遊技が実行される通常状態(第1通常モード)と、第1時短状態(第2通常モード)では、第3図柄表示装置81を用いて実行される変動演出も同一の演出態様が設定されるように構成している。よって、通常状態と第1時短状態の何れが設定されているかを遊技者に把握させ難くすることができる。
さらに、本第13制御例では、通常状態、或いは第1時短状態にて抽選結果が外れとなる特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマリ回数)が500回に到達した場合に、天井特典として第3時短状態が設定されるように構成している。詳細は後述するが、第3時短状態が設定された場合には、上述した第2時短状態と同様に、第2入球口640へと遊技球を入球させる右打ち遊技を行った方が、第1入球口64へと遊技球を入球させる左打ち遊技を行うよりも遊技者に有利となる右打ち遊技状態となるように構成している。
加えて、左打ち遊技状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が、天井特典が付与される回数に到達した時点で設定されている遊技状態に応じて、天井特典の内容を異ならせるように構成しており、通常状態が設定されている場合よりも、第1時短状態が設定されている場合の方が遊技者に有利となる天井特典が付与されるように構成している。
つまり、本第13制御例のパチンコ機10では、左打ち遊技状態中に通常状態と第1時短状態とが頻繁に切り替わり、且つ、通常状態と第1時短状態の何れが設定されているかを遊技者に把握させ難く構成しているため、天井特典として第3時短状態が設定される場合において、何れの遊技状態(通常状態、第1時短状態)から第3時短状態へと移行したのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
図442に戻り、説明を続ける。第1時短状態中に第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、上述した通常状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と同一の4種類の大当たり種別(大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成している。そして、通常状態にて大当たり当選した場合とは異なる選択割合で各大当たり種別が選択されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA13が50%、大当たりB13が20%、大当たりC13が10%、大当たりD13が20%の選択割合となるように規定している。
本第13制御例におけるパチンコ機10では、大当たり当選した場合に設定されている遊技状態と、設定された大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成しており、第1時短状態中に大当たり当選し、大当たり種別として、大当たりA13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、大当たりB13、及び大当たりC13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定され、大当たりD13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されるように構成している。
つまり、第1時短状態で大当たり当選した場合は、50%の割合で大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、30%の割合で大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定され、20%の割合で大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されることになる。よって、通常状態で大当たり当選した場合よりも、第1時短状態で大当たり当選した場合の方が、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面で遊技者に不利な特典が付与されることになる。
以上、説明をした通り、本第13制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(500回)に到達した場合に、天井特典として、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)よりも遊技者に有利となる右打ち遊技状態(第3時短状態)を設定可能に構成しており、天井特典が付与される場合に設定されている遊技状態が通常状態である場合よりも、第1時短状態である場合の方が、遊技者に有利となる天井特典(時短終了条件が成立し難い第3時短状態)を設定可能に構成している。一方で、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典(大当たり特典)としては、第1時短状態が設定されている場合よりも、通常状態が設定されている場合の方が、遊技者に有利となる大当たり特典(大当たり遊技終了後に右打ち遊技状態が設定され易い特典)が付与され易くなるように構成している。
よって、左打ち遊技状態中において設定される遊技状態として、通常状態の方が第1時短状態よりも遊技者に有利となる期間(天井特典が付与されるハマリ回数に到達するまでの期間)と、第1時短状態の方が通常状態よりも遊技者に有利となる期間(天井特典が付与されるハマリ回数に到達した期間)と、が創出されるため、単に何れか一方の遊技状態が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせる場合に比べて、遊技状況に応じて設定されることを期待する遊技状態の種別を異ならせることができる分、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、通常状態にて実行された特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別として大当たりB13,C13の何れかが設定された場合には、その大当たり遊技の終了後に第2時短状態が設定される。この第2時短状態は、上述した第5制御例のパチンコ機10において設定される時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と同様に、普通図柄抽選の当たり確率が、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態等)よりも高く設定され、継続して右打ち遊技を実行した場合において、普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることが可能となるように普図変動時間が設定される。
この第2時短状態は、特別図柄抽選で大当たり当選し、特定の大当たり種別(大当たりB13,C13)が設定された場合、或いは、図442では図示を省略したが時短抽選にて時短当選した場合の一部(1%)において設定される遊技状態である。なお、本第13制御例では、第2時短状態が設定されている場合に時短抽選が実行されないように構成している。よって、遊技者に有利となる第2時短状態中に実行される時短抽選にて時短当選し、第2時短状態よりも遊技者に不利となる第1時短状態が設定されてしまうことを抑制することができる。
本第13制御例では、第2時短状態の設定契機に応じて、第2時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を異ならせて設定可能に構成しており、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に大当たりB13が設定された場合には、時短終了条件として時短100回が、大当たりC13が設定された場合には、時短終了条件として時短300回が設定されるように構成している。また、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて第2時短状態が設定される場合には、時短終了条件として時短300回が設定されるように構成している。
このように第2時短状態の設定契機に応じて、第2時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を異ならせることで、第2時短状態が設定された場合に、いつまで第2時短状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができる。
通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(500回)に到達すると、第3時短状態が設定される。第3時短状態は天井特典として設定される遊技状態であって、特別図柄抽選の結果に基づいて設定されることの無い特殊遊技状態である。
第3時短状態は、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態であるが、右打ち遊技をした場合における第2入球口640への遊技球の入球割合が上述した第2時短状態と同一になるように構成している。具体的には、本第13制御例のパチンコ機10は、普通図柄の低確率状態時における当たり当選確率が、普通図柄の高確率状態時における当たり当選確率に比べて若干低確率となる程度にしか差を設けておらず、且つ、第3時短状態が設定されている状態と、第2時短状態が設定されている状態とで、普通図柄変動の変動時間や、普図当たり遊技中に実行される電動役物の開放動作パターンとが同一に設定されている。よって、第2時短状態が設定されている場合と、第3時短状態が設定されている場合とでは、遊技者に対して同一の遊技(右打ち遊技)が実行されることになる。このように構成することで、右打ち遊技を実行している遊技者に、現在設定されている遊技状態が第2時短状態であるのか第3時短状態であるのかを把握させ難くすることができる。
上述した通り、本第13制御例では、通常状態、或いは、第1時短状態において実行された特別図柄抽選において連続して大当たり当選しなかった回数(ハマリ回数)が規定回数(500回)に到達したことを契機に第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定される特典(天井特典)を付与可能に構成している。
さらに、通常状態、或いは、第1時短状態において実行された特別図柄抽選において大当たり当選した場合の一部(大当たりC13が設定される大当たり当選)にて、他の大当たり当選に比べて少ないラウンド数の大当たり遊技(2ラウンド大当たり)を実行し、その大当たり遊技終了後に第3時短状態と同様の遊技(右打ち遊技)を遊技者に行わせる第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。加えて、通常状態、或いは、第1時短状態にて実行された特別図柄抽選において時短当選した場合の一部(第2時短状態が設定される時短当選)にて、時短当選したことを示すための特別図柄変動が停止表示された後に第3時短状態と同様の遊技(右打ち遊技)を遊技者に行わせる第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。
つまり、左打ち遊技状態中における特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)が天井特典の付与条件を満たした場合、或いは、左打ち遊技状態にて実行される特別図柄抽選の結果(大当たり当選の有無、時短当選の有無)が特定の抽選結果である場合に遊技者に有利となる右打ち遊技状態を設定可能に構成している。そして、右打ち遊技状態が設定されることを示すための演出として、上述した何れの契機が成立した場合であっても同一内容の演出を実行することで遊技者に対して右打ち遊技状態が設定される契機を把握させ難くすることができるように構成している。
このように構成することで、右打ち遊技状態を設定するための成立契機に応じて有利度合いの異なる右打ち遊技状態を設定可能に構成したパチンコ機10において、設定される右打ち遊技状態が遊技者に有利な遊技状態であるかを事前に判別させ難くすることができる。
<第13制御例における電気的構成について>
次に、図443から図449を参照して、本第13制御例における電気的構成について説明をする。本第13御例では、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
まず、図443から図446を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図443(a)は、本第13制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図443(a)に示した通り、本第13制御例におけるROM202の構成は、上述した第5制御例におけるROM202の構成(図244(a)参照)に対して、第1当たり乱数5テーブル202daに代えて第1当たり乱数13テーブル202laを、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数13テーブル202lcを、大当たり種別選択5テーブル202ddに代えて大当たり種別選択13テーブル202ldを、時短当たり乱数5テーブル202deに代えて時短当たり乱数13テーブル202leを、時短種別選択5テーブル202dfに代えて時短種別選択13テーブル202lfを設けている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第13制御例におけるパチンコ機10では、変動パターン選択5テーブル202dbに規定されている変動パターン(変動時間)の一部を、上述した第5制御例と異ならせており、第5制御例における変動パターン選択5テーブル202dbが有する通常・第2確変用5テーブル202db1に代えて、左打ち遊技状態用13テーブル(図示せず)を設けている。そして、左打ち遊技状態用13テーブルには、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合、時短当選である場合、大当たりにも時短にも当選していない場合の何れにおいても変動時間が15秒の特殊変動パターンが選択され得るように変動パターンが規定されている。
つまり、特別図柄抽選の結果に関わらず、同一の変動時間(15秒)の変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、特別図柄が停止表示されるよりも前に設定されている特別図柄変動の変動パターンを特定することにより特別図柄抽選の結果を遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
本第13制御例では、特別図柄変動の変動パターンとして特殊変動パターン(変動時間15秒)が選択され、選択された変動パターンを示すための情報を含む変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113側が受信した場合に、演出期間が15秒の天井到達示唆演出を実行するように構成している。つまり、天井到達示唆演出は特別図柄変動の変動パターンとして特殊変動パターンが選択された場合に実行される演出となる。
このように主制御装置110から出力された変動パターン種別に対応させた変動演出(天井到達示唆演出)を実行可能とすることで、音声ランプ制御装置113側において受信した変動パターンに対応した変動演出を決定するための処理を軽減させることが可能となる。また、天井到達示唆演出が実行される特別図柄変動の変動時間を15秒に固定することができるため、天井到達示唆演出の演出期間を特別図柄抽選の抽選結果に関わらず15秒に固定することができる。よって、天井到達示唆演出の演出態様に対応する演出データの量を削減し易くすることができる。
次に、図444(a)を参照して、本第13制御例における第1当たり乱数13テーブル202laについて説明する。図444(a)は、本第13制御例における第1当たり乱数13テーブル202laの規定内容を示した図である。
図444(a)に示した通り、第1当たり乱数13テーブル202laは、上述した第1当たり乱数5テーブル202da(図245(a)参照)に対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲を異ならせている点で相違している。また、本第9制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせている。具体的には、上述した第5制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を「0~899」の900個に規定しているが、本第13制御例では、「0~999」の1000個に規定している。このように構成することで、第1当たり乱数カウンタC1の値を参照して決定される各種判定において、より低確率な判定結果を規定することができる。なお、本第13制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせているだけであり、第1当たり乱数カウンタC1の値を更新するための処理や、更新後の値を格納する構成については同一であるためその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~4」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「5~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~19」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「20~999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。
つまり、特別図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が1000個に対して、大当たりと判定される値が5個であるため、大当たり当選確率が5/1000(1/200)となる。一方、特別図柄の確率状態が「高確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が1000個に対して、大当たりと判定される値が20個であるため、大当たり当選確率が20/1000(1/50)となる。
次に、図444(b)を参照して、本第13制御例における第2当たり乱数13テーブル202lcについて説明する。図444(b)は、第2当たり乱数13テーブル202lcの規定内容を示した図である。この第2当たり乱数13テーブル202lcは、上述した第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄抽選の抽選結果を決定する際に参照されるデータテーブルであって、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の範囲(0~299)に対して、普通図柄の確率状態毎に当たりと判定される値が規定されている。
具体的には、図444(b)に示した通り、普通図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~298」の範囲に対して抽選結果「当たり」が、「299」の値に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~299」の範囲、即ち、全範囲に対して抽選結果「当たり」が規定されている。
つまり、本第13制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選が実行された場合には、その殆どで当たり当選するように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の結果に応じて(普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の実行有無に応じて)、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くすることができる。
なお、本第13制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選で当たり当選する確率を高く設定することにより、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くしているが、これに限ること無く、普通図柄の「低確率状態」と、「高確率状態」とで、当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC4の値の範囲がほぼ同一となるように規定すれば良い。
また、詳細な説明は省略するが、図444(b)に示した通り、本第13制御例では、普通図柄の「高確率状態」が設定されている場合には、普通図柄抽選で外れ当選すること無く、普通図柄の「低確率状態」が設定されている場合には、普通図柄抽選にて低確率(1/300)で外れ当選するように構成している。よって、普通図柄抽選にて外れ当選したことを把握することにより、普通図柄の「低確率状態」が設定されていることを把握することが可能となる。このように構成することで、普通図柄抽選の抽選結果が外れとなるか否かについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、この場合、普通図柄変動の変動パターンとして、普通図柄抽選の結果が外れである場合に設定される変動パターンとして、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に設定される変動パターンよりも、変動時間(普通図柄変動時間)が長い変動パターンが設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技が実行されない期間が長くなるほど、普通図柄の低確率状態が設定されている可能性が高くなるため、普通図柄の確率状態を把握しようとしている遊技者に対して、普図当たり遊技の実行頻度について興味を持たせることができる。
次に、図444(c)を参照して、時短当たり乱数13テーブル202leについて説明をする。この時短当たり乱数13テーブル202leは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数5テーブル202de(図245(c)参照)に対して、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている条件(特別図柄種別、遊技状態)を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄種別は「共通」で、遊技状態として、通常状態、或いは、第1時短状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「500~999」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態、第1時短状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。
ここで、本第13制御例では、特別図柄抽選において時短当選の判定(時短抽選)が、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選で外れ当選した場合に実行されるように構成しており、通常状態、或いは、第1時短状態で特別図柄抽選が実行された場合には、1/2の確率で時短当選するように構成している。つまり、本第13制御例では、特別図柄の確率状態として低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態)のうち、一部の遊技状態において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。また、普通図柄の確率状態として高確率状態が設定される遊技状態(第1時短状態、第2時短状態)のうち、一部の遊技状態において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。
このように、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対して設定される確率状態に応じて時短抽選にて時短当選し得るか否かを規定するのでは無く、設定されている遊技状態に応じて時短抽選にて時短当選し得るか否かを規定しているため、遊技者に対して、時短当選し得る特別図柄抽選が実行されているか否かを判別させ難くすることができる。
さらに、本第13制御例では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技が主な遊技となる左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)のうち、一部の左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。そして、左打ち遊技状態のうち第2確変状態が設定されている場合には、時短当選し得ないように構成している。そして、左打ち遊技状態が設定されている場合には、遊技者に対して実際に設定されている遊技状態が判別され難くなるように構成している。よって、左打ち遊技状態中の遊技を実行している遊技者に対して、常に時短抽選が実行されていると思わせ易くすることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第13制御例では、時短抽選にて時短当選し得る遊技状態以外の遊技状態が設定されている場合には、時短抽選(時短当選の判定)が実行されないようにすることで確実に時短当選し得ないように構成しているが、これに限ること無く、何れの遊技状態が実行される場合であっても時短抽選が実行されるように構成し、時短当選し得ない遊技状態に対して、時短抽選の結果として時短当選と判定される判定値を設定しないように構成しても良い。
次に、図445を参照して、本第13制御例における大当たり種別選択13テーブル202ldについて説明する。図445は、大当たり種別選択13テーブル202ldの規定内容を示した図である。図445に示した通り、大当たり種別選択13テーブル202ldには、第1特別図柄、第2特別図柄に対して共通の大当たり種別が規定されている。つまり、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、共通のデータテーブルを参照して大当たり種別が選択される。
本第13制御例では、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13、大当たりE13の5種類の大当たり種別が設けられており、大当たり当選した時点で設定されている遊技状態に応じて、各大当たり種別の選択割合を異ならせている。また、大当たり当選時の遊技状態に応じて、同一の大当たり種別が設定された場合における時短カウンタ203hの値、及び、時短状態の種別を異ならせている。
具体的には、図445に示した通り、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は20個なので、通常状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は20%(20/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は30個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は30個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は30%(30/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、通常状態における特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第2確変状態)が設定される割合が40%、右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される割合が60%となる。また、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態が設定される大当たり種別(大当たりA13、大当たりD13)は、何れも同一内容の大当たり遊技(10ラウンド大当たり遊技)が実行されるため、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態が設定された場合に、通常状態、第2確変状態の何れが設定されているのかを分かり難くすることができる。
また、大当たりC13が決定された場合には、他の大当たり種別に対応する大当たり遊技よりも少ないラウンド数(2ラウンド)の大当たり遊技が実行され、遊技者に対して大当たり遊技が実行される(されている)ことを把握させ難くなるように構成している。詳細な説明は省略するが、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合には、他の大当たり種別が設定される大当たりに当選した場合に比べて、大当たり当選したことを遊技者に把握させ難い演出態様で変動演出が実行されるように構成している。具体的には、天井特典が付与される際に実行される天井到達示唆演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、即ち、大当たり種別として大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合には、大当たり当選したのでは無く、天井特典が付与される遊技状況であると遊技者に思わせ易くすることができる。よって、大当たりC13が設定される大当たりに当選することで、予め定められている天井特典の付与条件(ハマリ回数500回)を成立させること無く、天井特典と同等の特典(時短300回)を遊技者に付与することができるため、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測させ難くすることができる。これにより、左打ち遊技状態中において、天井特典が付与される付与条件として、異なるハマリ回数が設定され得ると思わせることが可能となり、天井特典が付与されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定された場合には、第2確変状態が終了し、通常状態へと移行するまでの間(確変カウンタ203iの値が0になるまでの間)、時短抽選が実行されず、且つ、特別図柄抽選が実行されたとしても、天井特典を付与させるためのハマリ回数が加算されないように構成している。つまり、第2確変状態が設定される場合は、大当たり遊技終了後に530回の特別図柄抽選が実行された時点でハマり回数が500回に到達し、天井特典が付与されることになるため、天井特典付与の観点からは、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合よりも遊技者に不利となる。
また、第2確変状態が設定されている期間は、時短当選の判定(時短抽選)が実行されないため、時短抽選が実行される通常状態が設定されている期間に対して、時短当選した場合の一部(0.1%)にて第2時短状態(時短300回)が設定されることを目指す遊技が実行されない分、第2時短状態設定の観点からは遊技者に不利な遊技状態となる。
一方で、第2確変状態中は特別図柄の高確率状態が設定されるため、第2確変状態中に実行される特別図柄抽選は1/50の確率で大当たり当選することになる。よって、第2確変状態が設定されている期間は、通常状態が設定されている場合よりも特別図柄抽選で大当たり当選を目指す観点では遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、図445に示した通り、大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は50個なので、第1時短状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は50%(50/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~69」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は20個なので、第1時短状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は10個なので、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は10%(10/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)が設定される割合が100%となる。よって、第1時短状態(第2通常モード)中は、大当たり当選した場合であっても、その大当たり遊技終了後に、特別図柄抽選を左打ち遊技状態よりも実行させ易い右打ち遊技状態が設定されないため、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。
また、上述した通り、通常状態では、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合に第2時短状態が設定されるため、天井特典の付与条件が成立していない状況であっても、天井特典と同等の特典(時短300回の第2時短状態)を遊技者に付与可能であったのに対して、第1時短状態では、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合であっても、第2時短状態では無く、第1時短状態が設定されるため、大当たり当選に基づいて天井特典と同等の特典(時短300回の第2時短状態)を遊技者に付与することができない。
次に、大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は10個なので、第2時短状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は10%(10/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~59」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、第2時短状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は20個なので、第2時短状態(時短モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は20%(20/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第2時短状態(時短モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、第2時短状態中に実行された特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第2確変状態)が設定される割合が30%、右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される割合が70%となる。また、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される場合には、第1時短状態(特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態と同程度の時短状態)では無く、第2時短状態(特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態よりも高い時短状態)が必ず設定される。
よって、第2時短状態は、上述した通常状態、及び、第1時短状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に遊技者に有利な特典が付与され易い遊技状態となる。
次に、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は30個なので、第2確変状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は30%(30/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~49」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は20個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は30個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は30%(30/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~89」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は10個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は10%(10/100)である。
さらに、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲には、「大当たりE13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE13」となるカウンタ値は10個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE13」が決定される割合は10%(10/100)である。
上述した通り、第2確変状態が設定されている場合に大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別を複数選択可能に構成されており、選択された大当たり種別に応じて、確変回数(第2確変状態が継続する期間の長さ)を異ならせるように構成している。上述した通り、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数は、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないため、第2確変状態が継続する期間の長さに応じて、前回の大当たり遊技終了後から天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の残期間を容易に把握させ難くすることができる。
なお、図445に示した通り、本第13制御例では、第2確変状態が設定されている場合にのみ、確変回数(確変カウンタ203iに設定される値)を異ならせた第2確変状態が設定される大当たり(大当たりD13、大当たりE13)に当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、他の遊技状態が設定されている状態で大当たり当選した場合においても、異なる確変回数が設定される大当たり種別を設定可能に構成しても良い。
また、本第13制御例では、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数は、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないように構成しているが、実行された特別図柄抽選の回数が、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されない遊技状態として他の遊技状態を設定可能に構成しても良く、例えば、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数がハマリ回数の値に加算されないように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり当選すること無く実行される複数回の特別図柄抽選にて時短当選し第1時短状態が設定されるほど、天井特典の付与条件を成立させ難くすることができる。また、本第13制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(第2確変状態)中に実行される特別図柄抽選の回数が天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないように構成しているため、予め定められている第2確変状態が継続する期間(確変カウンタ203iの値が0になるまでの期間)分、天井特典が付与されるタイミングを遅らせることが可能となるが、予め定められた期間(第2確変状態が継続する期間)しか天井特典が付与されるタイミングを遅らせることが出来ないため、長時間パチンコ機10を遊技している遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測され易くなるという問題があった。
これに対して、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数がハマリ回数の値に加算されないように構成した場合には、通常状態、或いは、第1時短状態中に実行された時短抽選の結果に応じて、大当たり遊技が終了してから天井特典の付与条件が成立するハマリ回数に到達するまでの間に、第1時短状態が設定される期間の長さを異ならせることができるため、ハマリ回数の値に更新されない特別図柄抽選の実行回数が予め定められた回数では無く、時短抽選の結果に応じて可変させることが可能となる。よって、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。
次に、図446(a)を参照して、時短種別選択13テーブル202lfの内容について説明をする。図446(a)は、時短種別選択13テーブル202lfに規定されている内容を示した図である。この時短種別選択13テーブル202lfは、大当たり当選に基づくこと無く時短状態が設定される場合、具体的には、時短抽選にて時短当選した場合や、天井特典の付与条件が成立した場合において、設定される時短状態の種別(第1時短状態~第3時短状態)の決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短当選した場合における時短種別を決定する際に参照される時短当選用13テーブル202lf1と、天井用13テーブル202lf2とが規定されている。
ここで、時短当選時に参照される時短当選用13テーブル202lf1に規定されている内容について、図446(b)を参照して説明をする。図446(b)は、時短当選用13テーブル202lf1に規定されている内容を示すための図である。図446(b)に示した通り、時短当選用13テーブル202lf1には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対して異なる時短種別が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~998」の範囲に対して時短種別「第1時短」が規定されており、「999」の範囲に対して時短種別「第2時短」が規定されている。そして、「第1時短」が選択された場合には第1時短状態が設定され、その第1時短状態の時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。また、「第2時短」が選択された場合には第2時短状態が設定され、その第2時短状態の時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「300」が設定される時短終了条件が規定されている。
つまり、時短当選した場合に第1時短状態が設定される割合が99.9%となり、時短当選した場合に第2時短状態が設定される割合が0.1%となるように構成している。そして、時短当選に基づいて、第1時短状態が設定された場合には、特別図柄抽選が1回実行された時点で時短終了条件が成立する。ここで、本第13制御例では、第1時短状態中も時短抽選を実行可能に構成しているため、第1時短状態が設定された状態で実行される特別図柄抽選にて時短当選した場合には、新たな時短状態が設定されることになる。よって、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選にて時短当選し、時短種別として「第1時短」が設定された場合には、特別図柄変動が停止表示した後に第1時短状態が設定されるため、時短終了条件として時短1回(時短カウンタ203hの値が「1」)が設定される第1時短状態にて連続して特別図柄抽選が実行される。
一方、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選にて時短当選しなかった場合には、その特別図柄変動が停止表示した時点で第1時短状態が終了し、通常状態が設定されることになる。よって、次の特別図柄抽選が通常状態にて実行されることになる。
このように構成することで、大当たり当選すること無く特別図柄抽選を連続して実行する左打ち遊技期間(ハマリ期間)において、通常状態と第1時短状態とを頻繁に切り替えながら遊技者に遊技を行わせることができる。また、1回の時短抽選の結果だけで無く、連続して実行される複数回(2回)の時短抽選の結果に応じて、特別図柄抽選が実行される遊技状態が切り替わるように構成しているため、連続して実行される複数回の特別図柄抽選に興味を持たせることができる。
次に、図446(c)を参照して、天井特典が付与される際(第3時短状態が設定される際)における時短種別を決定する際に参照される天井用13テーブル202lf2の内容について説明をする。図446(c)は、天井用13テーブル202lf2に規定されている内容を示した図である。この天井用13テーブル202lf2は、時短種別選択13テーブル202lfが有するデータテーブルであって、天井特典の付与条件が成立した場合に、今回設定される時短種別(時短回数)を決定するために参照される。
図446(c)に示した通り、天井用13テーブル202lf2には、天井到達時(天井特典の付与条件成立時)における遊技状態に応じて異なる内容の天井特典(時短回数)が規定されており、具体的には、天井到達時の遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203hの値として「100」が、天井到達時の遊技状態が第1時短状態である場合には、時短カウンタ203hの値として「300」がそれぞれ規定されている。なお、天井特典の付与条件が成立した場合には、普通図柄の高確率状態が設定されること無く普通図柄の低確率状態が設定されたまま右打ち遊技状態となる第3時短状態が設定される。
つまり、特別図柄抽選の実行回数に基づいて左打ち遊技状態よりも遊技者に特別図柄抽選を実行させ易くする右打ち遊技状態を設定する場合には、各種図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させること無く右打ち遊技状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選の結果(大当たり抽選の結果、時短抽選の結果)に基づくこと無く各種図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させる処理を実行するための処理負荷を軽減することができる。
なお、本第13制御例では、上述した通り、天井特典の付与条件が成立した場合には、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させること無く、遊技者に特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、天井特典の付与条件が成立したことに基づいて各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させる(遊技者に不利な確率状態から遊技者に有利な確率状態へと可変させる)特典を付与するように構成しても良い。
この場合、天井特典の付与条件が成立した場合に、第3時短状態では無く、第2時短状態が設定されるように構成すると良い。これにより、右打ち遊技状態中に設定される遊技状態を第2時短状態のみとすることができるため、遊技状態を管理するための処理を簡素化することができる。
次に、図443(b)を参照して、本第13制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図443(b)は、本第13制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を示した図である。図443(b)に示した通り、上述した第5制御例におけるRAM203(図244(b)参照)に対して、特図抽選カウンタ203la、第1天井待機フラグ203lb、第2天井待機フラグ203lcを追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図抽選カウンタ203laは、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、天井特典特別図柄抽選の実行回数が天井特典の付与条件を満たしているか否かを判別する際にカウンタ値が参照される。
具体的には、特別図柄変動処理13(図450のS30104参照)の特別図柄判定処理13(図451のS30251参照)にて実行される天井判定処理13(図452のS38051参照)にて特別図柄の低確率状態が設定されていると判別された場合(図452のS38102:Yes)、即ち、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選(特別図柄変動)が開始される場合に、カウンタの値が1加算される(図452のS38103)。そして、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示すための態様で特別図柄が停止表示される場合(図450のS217:Yes)、或いは、天井特典が付与される場合(図455のS38351:Yes、或いは、図455のS38358:Yes)に、特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされる。
本第13制御例では、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する際に、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を参照するように構成しており、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が500回に到達した場合に天井特典が付与されるように構成している。特図抽選カウンタ203laの値は、上述した通り、実行された特別図柄抽選の回数と同期するのでは無く、ハマリ回数と同期してカウンタの値が加算されるように構成している。
なお、本第13制御例では、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数をハマリ回数として加算するように構成しているが、天井特典の付与条件として既定されるハマリ回数を加算させる条件を異ならせても良く、例えば、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、特定の特別図柄種別(第1特別図柄)に対する特別図柄抽選が実行される場合にのみ特図抽選カウンタ203laの値を加算(ハマリ回数を加算)させるように構成しても良いし、特定の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合の方が、他の遊技状態(例えば、第1時短状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合よりも、1の特別図柄抽選が実行されることに基づいて加算される特図抽選カウンタ203laの値(ハマリ回数)が多くなるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の残実行回数(残ハマリ回数)を遊技者により把握させ難くすることができる。
さらに、本第13制御例では、特図抽選カウンタ203laの値を加算させる条件のみを規定しており、大当たり当選した場合(天井特典の付与条件がクリアされた場合)、天井特典が付与された場合に、特図抽選カウンタ203laの値を0にクリアするように構成している。よって、ハマリ回数が500回に到達し、天井特典として第3時短状態(時短100回、又は300回)が設定される際に、特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされ、その後、第3時短状態にて特別図柄抽選が実行される毎に、特図抽選カウンタ203laの値が加算されるように構成している。よって、天井特典として第3時短状態が設定されてから、再度、ハマリ回数が500回に到達した場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してからのハマリ回数が1000回に到達した場合には、2回目の天井特典が付与されるように構成している。
このように構成することで、天井特典として付与された第3時短状態が設定されている期間においても大当たり当選しなかった遊技者に対して、再度、天井特典を付与可能とすることができる。また、本第13制御例では、天井特典が付与されるタイミングにて特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされるため、時短回数100回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203laの値が100となり、時短回数300回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203laの値が300となる。よって、2回目の天井特典を目指す遊技を行う場合には、1回目の天井特典を目指す遊技よりも左打ち遊技状態にて実行させる特別図柄抽選の回数を少なくし易くすることができる。
なお、本第13制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数を500回に規定しており、2回目以降の天井特典に対してもハマリ回数が500回に到達した場合に天井特典の付与条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、ハマリ回数が500回に到達した場合に1回目の天井特典が付与され、次に、1回目の天井特典が付与されてからのハマリ回数が300回に到達した場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してからのハマリ回数が800回に到達した場合に、2回目の天井特典が付与されるように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、1回目の天井特典として時短回数300回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態の終了条件(300回の特別図柄抽選)が成立した直後に2回目の天井特典を付与することが可能となり、継続して第3時短状態を設定することができ、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、本第13制御例では、特別図柄抽選が実行された場合に、設定されている遊技状態に応じて、特図抽選カウンタ203laの値を加算する、或いは加算しない処理が実行されるように構成しているが、これに加えて、実行される特別図柄抽選が特定条件を満たした場合に、特図抽選カウンタ203laの値を減算する処理を実行可能に構成しても良い。
第1天井待機フラグ203lbは、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203laの値が500に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理13(図455のS30254)において、第1天井待機フラグ203lbの設定状況が判別され(図455のS38351)、オンに設定されていると判別した場合は(図455のS38351:Yes)、天井特典の内容として、天井特典の付与条件が成立した時点の遊技状態が通常状態である場合に対応する特典(時短100回)が付与され(図455のS38352)、その後、第1天井待機フラグ203lbがオフに設定される。
第2天井待機フラグ203lcは、第1時短状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203laの値が500に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理13(図455のS30254)において、第2天井待機フラグ203lcの設定状況が判別され(図455のS38358)、オンに設定されていると判別した場合は(図455のS38358:Yes)、天井特典の内容として、天井特典の付与条件が成立した時点の遊技状態が第1時短状態である場合に対応する特典(時短300回)が付与され(図455のS38359)、その後、第2天井待機フラグ203lcがオフに設定される。
本第13制御例では、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する処理(天井判定処理)を、特別図柄変動の開始タイミングにて実行し、実際に天井特典を付与する処理(時短設定処理)を、特別図柄変動の停止タイミングにて実行するように構成している。そして、特別図柄変動の開始タイミングにて実行された天井判定処理の結果を、第1天井待機フラグ203lb、或いは第2天井待機フラグ203lcの設定状況に基づいて、特別図柄変動の停止タイミングにて実行される時短設定処理にて判別可能に構成している。
このように構成することで、例えば、特別図柄変動の実行期間中に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10や、天井判定処理が実行されてから特別図柄変動が開始されるまでの間に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10や、特別図柄変動が停止表示されてから時短設定処理が実行されるまでの間に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10を用いた場合であったとしても、適正な天井特典を付与することができる。
次に、図447から図449を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第5制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図447(a)を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図447(a)は、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図447(a)に示した通り、本第13制御例におけるROM222は、上述した第5制御例におけるROM222(図249(a)参照)に対して、天井到達示唆演出選択テーブル222laと、天井到達時演出選択テーブル222lbを追加した点で相違している。
天井到達示唆演出選択テーブル222laは、左打ち遊技状態中の特別図柄変動に対応する変動演出として天井到達示唆演出が実行される場合において、その天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第13制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数に到達するまでの期間において、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に示唆するための天井到達示唆演出を実行可能に構成している。
このように天井到達示唆演出を実行することにより、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの残期間を予測させることが可能となり、天井特典が付与されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、本第13制御例では、天井到達示唆演出として、天井特典が付与されるまでの残期間だけでは無く、特別図柄抽選の結果に基づいて天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定されることも示唆可能に構成している。これにより、遊技者にとって想定外のタイミング(例えば、大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が20回程度のタイミング)にて天井特典が付与される可能性が高いことを示す天井到達示唆演出が実行され、その天井到達示唆演出が実行された後に、第2時短状態が設定されるという意外性のある遊技を提供することができる。
このように構成することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるハマリ回数として、少ないハマリ回数が設定される場合があるのではと思わせることができ、遊技者に対して意欲的に左打ち遊技を実行させることができる。さらに、天井特典(第3時短状態)は、特別図柄抽選の実行回数に基づいて付与(設定)されることから、天井特典が付与されるまでの残期間が特定され易いのに対して、天井特典と同等の特典(第2時短状態)は、特別図柄の抽選結果に基づいて付与(設定)されることから、その付与タイミングが第3時短状態よりもランダムになり易い性質を持つ。よって、遊技者に対して、天井特典(第3時短状態)、或いは天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定される右打ち遊技状態へとどのタイミングで移行するのかを分かり難くすることができるため、右打ち遊技状態へと移行するタイミングをいち早く把握しようと、実行される天井到達示唆演出の演出態様に興味を持たせることができる。
ここで、図448を参照して天井到達示唆演出選択テーブル222laの詳細な内容について説明をする。図448は、天井到達示唆演出選択テーブル222laに規定されている内容を模式的に示した図である。図448に示した通り、天井到達示唆演出選択テーブル222laには、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、獲得している特図保留(特別図柄の保留記憶)に対応する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応付けて天井到達示唆演出の演出態様として2種類の演出態様がそれぞれ規定されている。
具体的には、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「0~200」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「80~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201~460」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「80~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「時短当選」を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「20~39」の範囲に対して「示唆態様(弱)」が、「40~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選、及び「時短当選」を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「5~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
さらに、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「461~495」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「20~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「時短当選」を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「40~99」の範囲に対して「示唆態様(強)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選、及び「時短当選」を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「50~69」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「70~99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
最後に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「496~500」の場合には、先読み結果に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「-」で表示)」が、「10~39」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「40~99」の範囲に対して「天井示唆(強)」が天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
つまり、天井特典が付与されるハマリ回数までの残期間が少ないほど、つまり、特図抽選回数カウンタ223lcの値が大きいほど、天井示唆態様が設定され易く、且つ、示唆態様として残期間が少ないことを強調して示唆するための「天井示唆(強)」が設定され易くなるように天井到達示唆演出選択テーブル222laの内容が規定されている。また、天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定される「大当たりC13」に当選する特図保留を有している場合には、特図抽選回数カウンタ223lcの値に関わらず「天井示唆(強)」が選択され易くなるように規定されている。よって、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される場合であっても、大当たり当選する特別図柄変動が実行されるよりも前に、その旨を遊技者に示唆することが可能となる。
さらに、先読み結果として時短当選を示す情報が含まれている場合には、時短当選に基づいて第2時短状態が設定される可能性が若干ではあるが残されているため、先読み結果として時短当選を示す情報が含まれていない場合よりも、天井示唆態様が設定され易くなるように構成している。なお、本第13制御例では、時短抽選で時短当選した場合の一部(0.01%)にて第2時短状態(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。そして、天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に用いる情報として、時短抽選によって第2時短状態が設定される時短に当選したか否かの情報を用いるのでは無く、単に時短当選したか否かの情報を用いるように構成している。
このように構成することで、第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることの無い時短に当選した場合と、第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定される時短に当選した場合とで、同一の選択割合で天井到達示唆演出の演出態様(示唆態様)が選択されることになる。よって、右打ち遊技状態が設定されない場合であっても、適度な割合で天井示唆態様を含む天井到達示唆演出(所謂、ガセ演出)を実行することができる。
なお、本第13制御例の内容に限定されること無く、例えば、第2時短状態が設定される時短に当選することを示す先読み結果を有している場合に、第2時短状態が設定される時短に当選することを示す先読み結果を有していない場合によりも、天井示唆態様が設定され易くなるように構成しても良い。
天井到達時演出選択テーブル222lbは、天井特典を付与する条件が成立した特別図柄変動にて実行される天井到達時演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、今回付与される天井特典の内容(時短回数)と、天井特典を付与する条件が成立した特別図柄変動が示す特別図柄抽選の結果(大当たり、外れ)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて異なる演出態様が規定されている。
天井到達時演出が実行されると、図440(a)に示した通り、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典の内容(時短回数)を示す態様と、を含んだ演出態様で天井到達時演出が実行される。これにより、遊技者に対して天井特典が付与されること(第3時短状態が設定されること)を、実際に天井特典が付与されるよりも前に把握させることができる。
また、天井特典の付与条件が成立する特別図柄変動にて大当たり当選した場合、即ち、天井特典が付与されること無く大当たり遊技が開始される場合には、天井到達時演出の演出態様として、天井特典が付与されないことを示すための演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、天井特典(例えば、時短300回)が付与されることを報知した直後に、右打ち遊技を行うこと無く大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本第13制御例では、特図抽選回数カウンタ223lcの値が天井特典の付与条件を満たした場合(500に到達した場合)に天井到達時演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特図抽選カウンタ223lcの値が所定値(例えば、100の倍数)となった場合に、天井到達時演出を実行するように構成し、実際に天井特典の付与条件が成立していない場合には、天井特典が付与されないことを示すための演出態様が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されないことを示すための演出態様で天井到達時演出が実行された場合に、大当たり当選している可能性を残すことができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、図449を参照して、天井到達時演出選択テーブル222lbに規定されている内容について説明をする。図449は、天井到達時演出選択テーブル222lbに規定されている内容を示した図である。図449に示した通り、天井到達時演出選択テーブル222lbには、天井特典(時短回数)と、対象となる特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応付けて演出態様(演出A~演出C)が規定されており、各演出態様に対応させて、天井時短カウンタ223laに設定する値と、後乗せフラグ223lbの設定内容とが規定されている。
具体的には、付与される天井特典の内容が「時短100」である場合、即ち、通常状態中に天井特典の付与条件が成立した場合であって、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「演出A」が規定されている。この場合は、天井到達時演出として天井特典が付与されないことを示す天井未到態様が設定される。そして、天井時短カウンタ223laには値がセットされず、後乗せフラグ223lbがオフに設定される(オンに設定されない)。
詳細な説明は後述するが、天井時短カウンタ223laは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が0となった際に、天井特典として付与された第3時短状態の残時短回数が判別され、残時短回数が存在する場合に、その残時短回数に対応した演出(上乗せ演出)が実行される。
後乗せフラグ223lbは、天井到達時演出にて設定された天井時短カウンタ223laの値が、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値では無いことを示すためのフラグであって、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値以外の値(第3時短状態の時短回数よりも少ない回数に対応する値)が天井時短カウンタ223laの値にセットされた場合にオンに設定されるものである。
つまり、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、天井特典として付与される第3時短状態による遊技を実行することができない状態であるため、天井到達時演出の演出態様として、天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様が設定され、天井時短カウンタ223laの値がセットされること無く、後乗せフラグ223lbがオフのままとなる。
一方、天井特典の内容が「時短100」で特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「演出A」が設定され、天井時短カウンタ223laの値に「1」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオンに設定されるように規定されている。
この場合、実際には、天井特典として第3時短状態(時短100回)が付与される状態であるが、天井到達時演出として、天井特典が付与されないことを示す演出が実行され、天井到達時演出の終了後に、時短100回を上乗せ報知する上乗せ演出(図441参照)が実行される。このように、実際に天井特典が付与される場合であっても天井到達時演出にて天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様を設定可能に構成することで、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の抽選結果が、天井特典が付与され無くなる抽選結果(大当たり当選)である場合以外でも、天井特典が付与されないことを示す天井到達時演出を実行することが可能となるため、「演出A」の演出態様が設定された天井到達時演出の実行頻度を高めることができる。
また、取得した演出カウンタ223fの値が「20~99」の範囲に対して、演出態様「演出B」が設定される。この演出態様「演出B」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短100回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短100回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短100回)と、一致することから、上乗せ演出が実行されることが無いため、天井時短カウンタ223laの値に「101」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオフに設定される。
次に、付与される天井特典の内容が「時短300」である場合、即ち、第1時短状態中に天井特典の付与条件が成立した場合であって、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「演出A」が規定されている。この場合は、天井到達時演出として天井特典が付与されないことを示す天井未到態様が設定される。そして、天井時短カウンタ223laには値がセットされず、後乗せフラグ223lbがオフに設定される(オンに設定されない)。
また、特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「演出A」が設定され、天井時短カウンタ223laの値に「1」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオンに設定されるように規定されている。
この場合、実際には、天井特典として第3時短状態(時短300回)が付与される状態であるが、天井到達時演出として、天井特典が付与されないことを示す演出が実行され、天井到達時演出の終了後に、時短300回を上乗せ報知する上乗せ演出(図441参照)が実行される。このように、実際に天井特典が付与される場合であっても天井到達時演出にて天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様を設定可能に構成することで、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の抽選結果が、天井特典が付与され無くなる抽選結果(大当たり当選)である場合以外でも、天井特典が付与されないことを示す天井到達時演出を実行することが可能となるため、「演出A」の演出態様が設定された天井到達時演出の実行頻度を高めることができる。
また、取得した演出カウンタ223fの値が「20~49」の範囲に対して、演出態様「演出B」が設定される。この演出態様「演出B」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短100回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短300回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短100回)とが一致しておらず、天井到達時演出にて報知された時短期間に対応する天井中モード演出(図440(b)参照)の終了時に、時短回数200回を上乗せする上乗せ演出が実行されるため、天井時短カウンタ223laの値に「101」がセットされ、後乗せフラグ223lbにオンが設定される。
さらに、取得した演出カウンタ223fの値が「50~99」の範囲に対して、演出態様「演出C」が設定される。この演出態様「演出C」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短300回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短300回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短300回)とが、一致することから、上乗せ演出が実行されることが無いため、天井時短カウンタ223laの値に「301」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオフに設定される。
次に、図447(b)を参照して、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図447(b)は、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。
図447(b)に示した通り、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図249(b)参照)に対して、天井時短カウンタ223la、後乗せフラグ223lb、特図抽選回数カウンタ223lcを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
天井時短カウンタ223laは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が1となった際に、天井特典として付与された第3時短状態の残時短回数が判別され、残時短回数が存在する場合に、その残時短回数に対応した演出(上乗せ演出)が実行される。
天井時短カウンタ223laは、天井到達時演出(第3時短状態が設定される直前の特別図柄変動に対応する演出)が実行される際に値がセットされるため、第3時短状態の時短回数として天井到達時演出にて報知する値に1を加算した値がセットされ(図463のS34503参照)、天井時短カウンタ223laの値がセットされている状態で特別図柄変動に対応する変動演出を設定する毎にその値が1減算される(図462のS34408参照)。これにより、天井到達時演出にて遊技者に報知された第3時短状態の残時短回数が1回(ラスト)となる特別図柄変動の変動演出が設定されるタイミングを、天井時短カウンタ223laの値を用いて判別することができる(図462のS34410参照)。
後乗せフラグ223lbは、天井到達時演出にて設定された天井時短カウンタ223laの値が、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値では無いことを示すためのフラグであって、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値以外の値(第3時短状態の時短回数よりも少ない回数に対応する値)が天井時短カウンタ223laの値にセットされた場合にオンに設定されるものである。
この後乗せフラグ223lbは、実際に設定される天井特典の内容(時短回数)と、天井到達時演出の演出態様とに対応させて、オンに設定され(図463のS34504)、天井時短カウンタ223laの値が1となった場合に(図462のS34410:Yes)、フラグの設定状況が判別される(図462のS34411)。これにより、天井到達時演出にて遊技者に報知された第3時短状態の時短回数(天井時短カウンタ223laの値)が、実際に設定された第3時短状態の時短回数と一致しているか否かの判別をすることができ、一致していない場合(後乗せフラグ223lbがオンに設定されている場合)には、上乗せ演出が実行される。
特図抽選回数カウンタ223lcは、天井特典の付与条件を成立させるための特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、主制御装置110にて計測される特図抽選カウンタ203laの値を示すためのコマンドを受信した場合に(図459のS9093:Yes)、受信したコマンドが示す値が設定される(図459のS9094参照)。そして、天井到達示唆演出の演出態様を決定する際に参照される(図463のS34508参照)。
<第13制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図450~図457を参照して、第13制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第13制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の実行回数に基づいて天井特典を付与するか否かを決定する処理と、天井特典を付与するための処理とを追加した点と、時短抽選を実行可能な遊技状態を異ならせた点と、普通図柄抽選に基づく処理の内容を詳細に説明している点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に代えて特別図柄変動処理13(図450のS30104参照)と、普通図柄変動処理13(図456のS30106参照)、及び、立ち上げ処理(図457参照)を図示した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図450を参照して、特別図柄変動処理13(S30104)の内容について説明をする。図450は、特別図柄変動処理13(S30104)の処理内容を示したフローチャートである。図450に示した通り、特別図柄変動処理13(S30104)は、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に対して、特別図柄判定処理5(図252のS251)に代えて、特別図柄判定処理13(S30251)を、特別図柄変動パターン選択処理5(図252のS252参照)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)を、時短設定処理5(図252のS254)に代えて、時短設定処理13(S30254)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図451を参照して、特別図柄判定処理13(S30251)の処理内容について説明をする。図451は、特別図柄判定処理13(S30251)の処理内容を示したフローチャートである。図451に示した通り、特別図柄判定処理13(S30251)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数13テーブル202laに基づいて抽選結果(大当たり)判定結果)を取得し(S8002)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S8003)。大当たり当選であると判別した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。
一方、S8003の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S8003:No)、次いで、天井判定処理13を実行し(S38051)、その後、時短抽選処理13を実行し(S38006)、本処理を終了する。つまり、本第13制御例にて実行される特別図柄判定処理13(S30251)は、上述した第5制御例にて実行される特別図柄判定処理5(図253のS251参照)に対して、天井判定処理13(S38051)を追加し、時短抽選処理5(図253のS8006)に代えて時短抽選処理13(S38006)を設けた点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
次に、図452を参照して、天井判定処理13(S38051)の内容について説明をする。図452は、天井判定処理13(S38051)の処理内容を示したフローチャートである。この天井判定処理13(S38051)では、今回実行される特別図柄抽選が、天井特典を付与するための付与条件(ハマリ回数)を更新可能な特別図柄抽選であるかを判別し、判別結果に基づいて付与条件(ハマリ回数)を更新するための処理と、更新後のハマリ回数によって天井特典の付与条件が成立したかを判別するための処理と、天井特典の付与条件が成立したことを示すための情報を天井特典の設定条件が成立するまで保持するための処理とが実行される。
天井判定処理13(S38051)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S38101)、現在の遊技状態が特別図柄の低確率状態であるかを判別する(S38102)。特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S38102:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値の1を加算し(S38103)、加算後の特図抽選カウンタ203laの値が500に到達したかを判別する(S38104)。
S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500に到達していないと判別した場合は(S38104:No)、現在の特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。S38105の処理によって設定された状態コマンドは、上述した第5制御例にて設定される他の状態コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、特図抽選カウンタ203laの値を示す状態コマンドを受信した場合に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が更新される。これにより、音声ランプ制御装置113側においても、特図抽選カウンタ203laの値、即ち、ハマリ回数を判別可能となる。
一方、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合、即ち、天井特典の付与条件が成立したと判別した場合は(S38104:Yes)、次に、現在の遊技状態、即ち、天井特典の付与条件が成立した時点における遊技状態が通常状態であるかを判別し(S38106)、通常状態であると判別した場合は(S38106:Yes)、第1天井待機フラグ203lbをオンに設定し(S38107)、天井待機中を示す情報と、天井種別(第1天井)を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38108)、本処理を終了する。
また、S38106の処理において、現在が通常状態では無い、即ち、第1時短状態、第2時短状態であると判別した場合は(S38106:No)、第2天井待機フラグ203lcをオンに設定し(S38109)、S38108の処理へ移行する。一方で、S38102の処理において、特別図柄の低確率状態では無いと判別した場合、即ち、ハマリ回数の更新条件を満たしていないと判別した場合は(S38102:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第13制御例では、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の実行回数(ハマり回数)が規定値(500回)に到達した場合に、天井特典の付与条件を成立させるように構成し、実行される特別図柄抽選の全てに対応させてハマり回数を更新(加算)するのでは無く、ハマり回数の更新条件を満たす特別図柄抽選が実行された場合に(図452のS38102:Yesに相当)、ハマり回数(特図抽選回数カウンタ223lcの値)を更新(加算)するように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数と、ハマり回数とを異ならせることができるため、天井特典の付与条件が成立するハマり回数として特定回数(500回)を規定している場合であっても、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
なお、本第13制御例では、図452に示した通り、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選が実行された場合にはハマり回数が更新され、特別図柄の高確率状態中に特別図柄抽選が実行された場合にはハマり回数が更新されないように構成している。つまり、ハマり回数の更新条件として、特別図柄の低確率状態が設定されていることが更新条件となるように構成しているが、ハマり回数の更新条件はこれに限ること無く、例えば、特定の遊技状態(第1時短状態)が設定されている場合にはハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良いし、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が実行される場合にはハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良いし、特別図柄抽選の抽選結果が、特定の抽選結果となった場合に、それ以降の所定期間(特別図柄抽選が10回実行されるまでの期間)は、ハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良い。このように構成することで、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
また、本第13制御例では、図452に示した通り、ハマり回数の更新条件が成立した場合には、特別図柄抽選が1回実行される毎に、ハマり回数を1回更新(加算)するように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選1回に対して、ハマり回数を2回以上、或いは、1回未満(0.5回)更新するように構成しても良いし、特別図柄抽選1回に対して、ハマり回数を減算するように構成しても良い。このように構成した場合も、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
次に、図453を参照して、時短抽選処理13(S38006)の処理内容について説明をする。図453は、時短抽選処理13(S38006)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理13(S38006)は、上述した第5制御例にて実行される時短抽選処理5(図254のS8006参照)に代えて実行されるものであって、時短抽選(時短当選の判定)を実行するための条件を遊技仕様に対応させて変更している点で相違している。
具体的には、時短抽選処理13(S38006)が実行されると、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S8102)、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態であるかを判別する(S38151)。そして、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態であると判別した場合は(S38151:Yes)、時短抽選の実行条件が成立しているため、時短当たり乱数13テーブル202leに基づいて時短抽選の抽選結果を取得し(S38152)、その後、上述した時短抽選処理5(図254のS8101参照)と同一のS8105,S8106の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S38151の処理において、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態では無い、即ち、時短抽選の実行条件が成立していない遊技状態であると判別した場合は(S38151:No)、時短抽選を実行すること無く、本処理を終了する。
次に、図454を参照して、特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)の処理内容について説明をする。図454は、特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)は、上述した第5制御例にて実行される特別図柄変動パターン選択処理5(図255のS252参照)に対して、大当たり当選時において大当たり種別を決定するために参照するデータテーブルを、大当たり種別選択5テーブル202dd(図246参照)から大当たり種別選択13テーブル202ldに変更した処理を実行する点(S38251)と、時短当選時において時短種別を決定するために参照するデータテーブルを、時短種別選択5テーブル202df(図248(b)参照)から時短種別選択13テーブル202lfに変更した処理を実行する点(S38253)と、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを、変動パターン選択5テーブル202db(図247参照)から変動パターン選択13テーブル202dbに変更した処理を実行する点(S38252参照)とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図455を参照して、時短設定処理13(S30254)の内容について説明をする。図455は、時短設定処理13(S30254)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理13(S30254)では、上述した時短設定処理5(図257のS254参照)に対して、天井判定処理13(図452のS38051参照)にて天井特典の付与条件が成立していることを示す情報が設定された場合(第1天井待機フラグ203lb、又は、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定された場合)において時短状態(第3時短状態)を設定するための処理を追加している点で相違している。
また、1の特別図柄抽選の実行に基づいて、天井判定処理13(図452のS38051参照)による天井特典の付与条件の成立と、時短抽選による時短当選とが、重複した場合には、天井特典の付与条件の成立に基づく時短状態の設定が優先して処理され、時短当選に関わる情報を破棄するための処理が実行されるように、複数の時短状態の設定に対して予め優先順位を設けている点で相違している。
時短設定処理13(S30254)が実行されると、まず、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されているかを判別し(S38351)、オンに設定されていると判別した場合は(S38351:Yes)、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S38352)、第1天井待機フラグ203lbをオフに設定し(S38353)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
S38351の処理において、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S38351:No)、次に、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されているかを判別し(S38358)、オンに設定されていると判別した場合は(S38358:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38359)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38360)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
そして、S38358の処理において、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、今回実行された特別図柄抽選に基づいて、天井特典の付与条件が成立していないと判別した場合は(S38358:No)、上述した第5制御例における時短設定処理5(図257のS254参照)と同一のS8351~S8354の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第13制御例では、特別図柄変動が停止表示される場合に実行される制御処理(時短設定処理13(S30254))にて時短状態の設定条件が成立しているか(時短状態が設定可能な抽選結果であるか、或いは、各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されているか)を判別し、設定条件が成立していると判別した場合に、時短状態を設定するように構成しているが、時短状態を設定するタイミングとして別のタイミングを採用しても良く、例えば、特別図柄変動が開始されるタイミング(特別図柄変動を開始させるための処理を実行するタイミング)にて時短状態の設定条件が成立しているかを判別し、設定条件が成立していると判別した場合に、時短状態を設定するように構成しても良い。
また、時短状態の設定条件が成立してから、次の特別図柄抽選が実行されるまでの間に時短状態が設定されれば良く、例えば、時短状態の設定条件が成立した際に時間経過を計測可能な計測手段(タイマ)に対して所定の値をセットし、計測手段にセットされた値に対応した時間が経過した場合に時短状態を設定可能に構成しても良いし、時短状態の設定条件が成立している場合(各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されている場合)に、定期的に設定抽選(例えば、主制御装置110にて定期的に実行されるメイン処理にて実行される抽選)を実行可能に構成し、その設定抽選に当選したタイミングで時短状態を設定するように構成しても良い。このように、時短状態の設定条件が成立してから、次の特別図柄抽選が実行されるまでの期間の範囲内において様々なタイミングで時短状態を設定可能に構成することで、遊技者に対して時短状態が設定されるタイミングを把握させ難くすることができる。
また、本第13制御例では、時短状態を設定させるための時短設定条件を複数設定可能に構成しており、1回の特別図柄抽選に基づいて、複数の時短設定条件が重複して成立し得るように構成している。具体的には、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する抽選結果時短設定条件と、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する抽選回数時短設定条件と、を設定可能に構成している。
そして、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)の成立有無を優先して判別可能に構成し、抽選回数時短設定条件が成立していると判別した場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い抽選結果時短設定条件の成立有無に関わらず抽選回数時短設定条件の成立に基づく時短状態を設定可能に構成している。
このように構成することで、複数の時短設定条件が重複して成立した場合であっても遊技者に有利となる時短状態を優先して設定し易くすることができるため、遊技者に対して、不利な遊技が実行され易くなることを抑制することができる。
なお、複数の時短設定条件が重複して成立し得るように構成されたパチンコ機10において、上述した本第13制御例とは異なる時短状態の設定方法を採用しても良く、例えば、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い時短設定条件(抽選結果時短設定条件)の成立有無を優先して判別可能に構成し、抽選結果時短設定条件が成立していないと判別した場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い抽選回数時短設定条件の成立有無を判別可能に構成し、抽選回数時短設定条件が成立していると判別した場合に抽選回数時短設定条件の成立に基づく時短状態を設定可能に構成してもよい。
つまり、複数の時短設定条件が重複して成立した場合には、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い時短設定条件(抽選結果時短設定条件)の成立に基づく時短状態が設定され、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)のみが成立している場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)の成立に基づく時短状態が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、複数の時短設定条件が重複して成立する場合よりも、特定の時短設定条件のみが成立する場合の方が、遊技者に有利な時短状態を設定し易くすることができる。つまり、特定の時短設定条件が成立することとなる特別図柄抽選に基づいて、他の時短設定条件が成立しないことを遊技者に期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
この場合、例えば、特定の時短設定条件(抽選回数時短設定条件)が成立する特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出(天井到達演出)と、特定の時短設定条件(抽選回数時短設定条件)が成立しない特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出(通常演出)と、で、他の時短設定条件(抽選結果時短設定条件)が成立するか否か(例えば、時短抽選で時短当選するか否か)の結果を示すための演出態様を異ならせると良く、天井到達演出では、時短当選しない方が、時短当選した場合よりも結果的に有利な時短状態が設定され易くなるため、時短抽選の結果が外れ当選である場合の方が、時短抽選の結果が時短当選である場合よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定され易く、通常演出では、時短当選した方が、時短当選しない場合よりも時短状態が設定され易くなるため、時短抽選の結果が時短当選である場合の方が、時短抽選の結果が外れ当選である場合よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対しては、自身に有利な遊技状況が設定され易いか否かを実行される演出の内容を把握することで容易に把握させることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、複数の時短設定条件が重複して成立した場合にのみ特殊時短状態(第4時短条件)を設定可能に構成しても良い。
次に、図456を参照して、普通図柄変動処理13(S30106)の内容について説明をする。図456は、普通図柄変動処理13(S30106)の処理内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理13(S30106)は、上述した各制御例において図示を省略していた処理内容を図示したものである。
本第13制御例を含む各制御例において、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において、普図当たり遊技中に遊技球を第2入球口640へと入球させ易い遊技状態(本制御例では、第2時短状態)と、普図当たり遊技中に遊技球を第2入球口640へと入球させ難い遊技状態(本制御例では、第1時短状態)と、を設定可能に構成している。
具体的には、時短抽選によって時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短状態)と、大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短状態)と、で異なる長さの普通図柄変動時間が設定されるように構成している。
そして、第1時短状態が設定された場合は、図456のS30807に示した通り、非常に短時間(0.1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を遊技球が通過してから、その通過した遊技球が電動役物640aへと到達するまでに、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)を終了させることが可能となり、遊技球が第2入球口640へと入球し難い時短状態となる。
一方で、第2時短状態が設定された場合は、図456のS30805に示した通り、短時間(1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を遊技球が通過してから、その通過した遊技球が電動役物640aへと到達するタイミングが、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)中とさせることが可能となり、遊技球が第2入球口640へと入球し易い時短状態となる。
さらに、本第13制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態において、第2入球口640へと遊技球を上述した第2時短状態と同程度入球させることが可能な第3時短状態を設定可能に構成している。具体的には、第3時短状態が設定されている場合は、図456のS30805に示した通り、短時間(1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。そして、普通図柄抽選の当たり確率が、普通図柄の低確率状態(299/300)、普通図柄の高確率状態(299/300)となるように構成している。
よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合であっても、普通図柄の変動時間として、第2時短状態と同一の長さとすることにより、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態(右打ち遊技状態)を設定することが可能となる。
なお、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態や第2確変状態においては、図456のS30808に示した通り、他の遊技状態よりも長い変動時間(60秒)が普通図柄変動時間として設定されるため、第2入球口640へと遊技球を入球させ難くなり、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させた方が特別図柄抽選を実行させ易い遊技状態(左打ち遊技状態)となる。
また、図456のS30809、及びS30810に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されている場合の方が、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普図当たり遊技において電動役物640aが開放状態となる時間が長くなるように構成しているが、何れの場合であっても、普通図柄変動時間として1秒が設定される場合には、第2入球口640へと遊技球が入球可能となるため、第2時短状態と、第3時短状態とでは、同程度の遊技球を第2入球口640へと入球させることができる。
次に、図457を参照して、本第13制御例における主制御装置110の立ち上げ処理について説明をする。図457は、本第13制御例における主制御装置110の立ち上げ処理の処理内容を示したフローチャートである。図457に示した通り、本第13制御例における主制御装置110の立ち上げ処理では、パチンコ機10が正常に立ち上がったと判別した場合に(S1707:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31701)と、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31702)と、を実行する点で、上述した各制御例における立ち上げ処理と相違している。それ以外は同一である。
このように構成することで、パチンコ機10の電源供給が断たれた場合であっても、電源供給が復帰した時点で、パチンコ機10の遊技状況を示す情報を音声ランプ制御装置113へと送信することが可能となる。よって、パチンコ機10の遊技状況に基づいて実行される演出を適正に設定し易くすることができる。
<第13制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図458から図463を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本第13制御例では、上述した第5制御例に対して、コマンド判定処理13(図458のS34182参照)と、変動表示設定処理13(図461のS34113参照)と、を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図458を参照して、コマンド判定処理13(S34182)の処理内容について説明をする。図458は、コマンド判定処理13(S34182)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理13(S34182)では、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図262のS4182参照)に対して、状態コマンド受信処理5(S4282)に代えて状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図459を参照して、状態コマンド受信処理13(S34251)の処理内容について説明をする。図459は、状態コマンド受信処理13(S34251)の処理内容を示したフローチャートである。図459に示した通り、状態コマンド受信処理13(S34251)では、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)に対して、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)に実行される処理内容を変更した点と、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを受信した場合の処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。
状態コマンド受信処理13(S34251)が実行されると、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)と同一のS9001,S9002の処理が実行される。その後、S9005の処理が実行され、遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)は、時短状態演出設定処理13を実行し(S9091)、その後、S9093の処理へ移行する。時短状態演出設定処理13(S9091)の内容については、図460を参照して後述する。
また、S9005の処理において、時短状態に変更していないと判別した場合は(S9005:No)、変更後の遊技状態に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S9092)、S9093の処理へ移行する。
S9093の処理では、今回受信した状態コマンドに、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報、即ち、ハマリ回数を示す情報が含まれているかを判別し(S9093)、含まれていると判別した場合は(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選カウンタ203laの値に設定し(S9094)、本処理を終了する。一方、S9093の処理において、ハマリ回数を示す情報が含まれていないと判別した場合は(S9093:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図460を参照して、状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)にて実行される時短状態演出設定処理13(S9091)の処理内容について説明をする。図460は、時短状態演出設定処理13(S9091)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理13(S9091)は、上述した時短状態演出設定処理(図266のS9006参照)に対して、通常状態から時短状態へと移行した場合における処理内容を変更している点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短状態演出設定処理13(S9091)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから、変更前の遊技状態を読み出し(S34301)、変更前の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S34302)。S34302の処理において、通常状態であると判別した場合は(S34302:Yes)、今回受信したコマンドに含まれる時短種別を示す情報が、第1時短状態を示す情報であるかを判別し(S34303)、第1時短状態では無いと判別した場合は(S34303:No)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S34304)、その後、今回設定された時短状態の時短種別が第3時短状態であるかを判別し(S34305)、第3時短状態であると判別した場合は(S34305:Yes)、天井モードに対応する背面種別(図440(b)参照)を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S34306)、本処理を終了する。
また、S34305の処理において、今回設定された時短状態の時短種別が第3時短状態では無いと判別した場合(S34305:No)は、次に、今回設定された時短状態の時短種別が大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態であるかを判別し(S34307)、大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態であると判別した場合は(S34307:Yes)、上述したS34306の処理を実行し、本処理を終了する。
S34307の処理において、大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態では無いと判別した場合は(S34307:No)、次に、時短当選後に設定された第2時短状態であるかを判別し(S34308)、時短当選後に設定された第2時短状態であると判別した場合は(S34308:Yes)、上述したS34306の処理を実行し、本処理を終了する。そして、S34308の処理において、時短当選後に設定された第2時短状態では無いと判別した場合は(S34308:No)、設定された時短種別に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S34309)、本処理を終了する。
このように構成することで、天井特典が付与され第3時短状態が設定された場合に実行される天井中モードの背面画像を、大当たり種別「大当たりC13」に基づく大当たり遊技終了後に設定される第2時短状態、及び、時短抽選にて時短当選した場合の一部(0.1%)にて設定される第2時短状態が設定された場合にも表示することが可能となる。これにより、遊技者に対して、天井特典の付与条件が成立することなく設定される上述した第2時短状態が設定された場合であっても、天井特典の付与条件が成立したと思わせることができるため、天井特典が様々なタイミングで付与されることに期待しながら遊技を行わせることができる。
次に、図461を参照して、変動表示設定処理13(S34113)の内容について説明をする。図461は、変動表示設定処理13(S34113)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理13(S34113)は、上述した変動表示設定処理(図182のS4113参照)に対して、変動演出の演出態様を設定するために、特図1演出態様設定処理(図182のS4903)、及び特図2演出態様設定処理(図182のS4907)に代えて、演出態様設定処理13(図461のS4991)を実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、本第13制御例では、第1特別図柄の変動演出の演出態様を設定する処理と、第2特別図柄の変動演出の演出態様を設定する処理とが同一処理となるため、何れの特別図柄の変動演出の演出態様を設定する場合にも、演出態様設定処理13(図461のS4991参照)が実行される。
次に、図462を参照して、演出態様設定処理13(S4991)の内容について説明をする。図462は、演出態様設定処理13(S4991)の処理内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理13(S4991)は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行されるものであって、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。また、第3図柄表示装置81の表示面にて特別図柄抽選の実行回数を示すための表示態様や、特定の遊技状態(例えば、第3時短状態)が継続し得る残期間(残時短回数)を示すための表示態様が表示されている場合において、その表示態様が示す値を更新するための処理が実行される。
演出態様設定処理13(S4991)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいか、即ち、現在が第2時短状態、或いは、第3時短状態であるかを判別し(S34401)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S34401:No)、通常モード用演出設定処理13を実行し(S34402)、その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S34407)、本処理を終了する。
一方、S34401の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34401:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S34403)、次に、天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きいかを判別する(S34404)。天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きく無い、即ち、天井中モードが設定されていない右打ち遊技状態(第2時短状態)であると判別した場合は(S34404:No)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S34405)、各種カウンタの値に対応する演出態様を決定し(S34406)、上述したS34407の処理へ移行し、本処理を終了する。
S34404の処理において、天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34404:Yes)、天井時短カウンタ223laの値を1減算し(S34408)、減算後の天井時短カウンタ223laの値を示すための表示用コマンドを設定し(S34409)、減算後の天井時短カウンタ223laの値が1であるかを判別する(S34410)。
S34410の処理において、天井時短カウンタ223laの値が1では無い、即ち、天井中モードの最終変動では無いと判別した場合は(S34410:No)、上述したS34406,S34407の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S34410の処理において、天井時短カウンタ223laの値が1である(即ち、天井中モードの最終変動である)と判別した場合は(S34410:Yes)、次に、後乗せフラグ223lbがオンに設定されているかを判別し(S34411)、オンに設定されていると判別した場合は(S34411:Yes)、後乗せフラグ223lbをオフに設定し(S34412)、時短中カウンタ223daの値に対応した値を天井時短カウンタ223laの値に加算し(S34413)、残時短回数表示が増加する後乗せ演出(上乗せ演出)の演出態様を決定し(S34414)、上述したS34407の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34411の処理において、後乗せフラグ223lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S34411:No)、天井中モードが設定されている第3時短状態、第2時短状態が終了する特別図柄変動に対応する変動演出となるため、天井中モード(天井モード)が終了することを示す演出態様を決定し(S34415)、上述したS34407の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図463を参照して、通常モード用演出設定処理13(S34402)の内容について説明をする。図463は、通常モード用演出設定処理13(S34402)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理13(S34402)では、特別図柄変動が停止表示された際に、天井中モード(天井モード)が設定されることを示すための天井到達時演出の演出態様を決定する処理と、左打ち遊技状態が設定されている状態にて実行される特別図柄変動に対応して実行される変動演出として、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に示唆することが可能な天井到達示唆演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
通常モード用演出設定処理13(S34402)が実行されると、まず、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか、即ち、今回実行される特別図柄抽選によって、天井特典の付与条件が成立するかを判別する(S34501)。S34501の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合は(S34501:Yes)、天井到達時演出選択テーブル222lbを参照して、天井到達時演出の演出態様を決定し(S34502)、決定した演出態様に対応した値を、天井時短カウンタ223laの値に設定し(S34503)、決定した演出態様に対応させた後乗せフラグ223lbの設定状況を決定し(S34504)、本処理を終了する。
また、S34501の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500では無い、即ち、天井特典の付与条件が成立しないと判別した場合には(S34501:No)、次に、今回の特別図柄変動が、大当たりC13に当選する特別図柄変動であるかを判別し(S34505)、大当たりC13に当選する特別図柄変動であると判別した場合は(S34505:Yes)、特別図柄変動の停止表示後に疑似的に天井モード(天井中モード)となる第2時短状態が設定されるため、上述したS34502~S34504の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34505の処理において、大当たりC13に当選する特別図柄変動では無いと判別した場合は(S34505:No)、次に、今回の特別図柄変動が、第2時短状態が設定される時短当選変動であるかを判別し(S34506)、第2時短状態が設定される時短当選変動であると判別した場合は(S34506:Yes)、特別図柄変動の停止表示後に疑似的に天井モード(天井中モード)となる第2時短状態が設定されるため、上述したS34502~S34504の処理を実行し、本処理を終了する。
S34506の処理において、第2時短状態が設定される時短当選変動では無いと判別した場合、即ち、今回の特別図柄変動が停止表示された後に、天井中モード(天井モード)が設定されることの無い特別図柄変動であると判別した場合は(S34506:No)、次に、今回の特別図柄変動が特殊変動(15秒変動)であるかを判別し(S34507)、特殊変動(15秒変動)であると判別した場合は(S34507:Yes)、天井到達示唆演出選択テーブル222laを参照して、示唆演出の演出態様を決定し(S34508)、本処理を終了する。また、S34507の処理において特殊変動(15秒変動)では無いと判別した場合は(S34507:No)、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34509)、本処理を終了する。
<第13制御例における第1変形例について>
次に、図464から図470を参照して、上述した第13制御例の第1変形例について説明をする。上述した第13制御例では、遊技状態が通常状態、或いは、第1時短状態の場合に時短抽選を実行可能に構成し、時短抽選で時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、時短回数1回の第1時短状態が設定されるように構成していた。そして、通常状態又は第1時短状態が設定されている間に、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が500回実行されることで天井特典の付与条件が成立し、天井特典として第3時短状態が設定されるように構成していた。
加えて、天井特典の付与条件が成立した場合に設定されている遊技状態に応じて、天井特典として付与される特典の内容を異ならせるように構成し、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合には、時短100回の第3時短状態が設定され、第1時短状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合には、時短300回の第3時短状態が設定されるように構成していた。
つまり、上述した第13制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選を目指す従来型の遊技性に加え、大当たり当選しない期間が長時間継続した場合に、特別図柄抽選の実行回数に基づいて付与される天井特典を目指す遊技を遊技者に実行させることができるものであった。
さらに、時短抽選の結果に基づいて、通常状態と、第1時短状態と、を頻繁に切り替えることで、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)が、遊技者に有利な有利特典(時短300回)となるか、有利特典よりは不利となる不利特典(時短100回)となるかを遊技者に予測させ難くすることができるものであった。
これに対して、本第1変形例では、時短抽選で時短当選する確率を低確率(1/500)に設定し、通常状態のみ時短抽選を実行可能に構成し、時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が設定されるように構成している。
つまり、本第1変形例では、通常状態にて時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、大当たり当選しない限り、天井特典の付与条件が成立するまで第1時短状態が継続するように構成している。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値として、天井特典で有利特典が付与されるため遊技者に対して、天井特典を目指した遊技を意欲的に実行させることができる。
さらに、本第1変形例では、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるかを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、大当たり当選すること無く、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を予測させ易くすることができるため、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間と、現在の遊技状態とを鑑みて、遊技を続行するか否かを選択させることができる。また、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間が長い状況であっても、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを示す演出態様で遊技状態示唆演出が実行された場合には、有利特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができるため、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出が実行されない場合に比べて、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。
<第13制御例の第1変形例にて実行される演出内容について>
まず、図464を参照して、本第13制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第13制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例におけるパチンコ機10に対して、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されている間は時短抽選が実行されず、且つ、第1時短状態として天井特典が付与されるハマリ回数(500回)よりも多い1000回の時短回数が設定されるように構成している。
よって、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されると、その時点で、天井特典として有利特典(時短300回の第3時短状態)が設定されることが確定する。
そこで、本第1変形例では、左打ち遊技状態中において、第1時短状態が設定されているか否かを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。図464(a)は、遊技状態示唆演出の演出画面の一例を示した図であって、図464(b)は、左打ち遊技状態において、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆するための示唆演出中における表示画面の一例を示した図である。
図464(a)に示した通り、遊技状態示唆演出が実行されると、主表示領域Dmの中央部に複数の領域が形成されたルーレット861が回転表示され、指標863に対応する位置に停止した領域が演出結果となる遊技状態示唆演出が実行される。ルーレット861には、第1時短状態が設定されていることを示す「準備」の表示態様が表示されている第1領域862a、第1時短状態が設定されている可能性を示唆する「チャンス」の表示態様が表示されている第2領域862b、大当たり当選を示す「V」の表示態様が表示されている第3領域862c、何れの情報も示唆することのない「?」の表示態様が表示されている第4領域862dの4つの領域が占有範囲を異ならせて形成されている。
そして、主表示領域Dmには、遊技状態示唆演出が実行されていることを示すための「状態示唆チャンス」の文字が表示され、副表示領域Dsには、遊技状態示唆演出の演出内容を遊技者に説明するための説明態様として「どこで止まるかな?「準備」で止まれば「天井準備」へ、「V」で止まれば「大当たり!」」のコメントが表示されている。
ここで、本第1変形例では、天井特典が付与されるまでの残期間の長さや、実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、遊技状態示唆演出の実行頻度や、演出態様を異ならせるように構成しており、天井特典が付与されるまでの残期間が短くなるほど、又は、特定回数目(例えば、50の倍数)の特別図柄抽選であるほど、実際に設定されている遊技状態を把握し易い演出態様で遊技状態示唆演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、設定されている遊技状態を把握しようとする遊技者に対して、次の特定回数目の特別図柄抽選が実行されるまで遊技を行わせ易くすることができるため、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。また、図464(a)に示した通り、主表示領域Dmに形成される小表示領域Dm7には、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が表示されるように構成しており、図464(a)に示した図では、250回目の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間中を示している。
そして、遊技状態示唆演出にて第1領域862aが、指標863に対応する位置に停止表示された場合には、図464(b)に示した通り、天井準備モードが設定される。この天井準備モードは、第1時短状態が設定されていることを示すための演出モードであって、小表示領域Dm7には、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の回数では無く、天井特典が付与されるまでの残期間(残特別図柄変動回数)が表示され、天井モード(天井中モード)中に出現するキャラクタ809が表示される。また、副表示領域Dsには、天井準備モードの演出内容を説明するための説明態様として、「あと90回ハマったら、時短300回GET」の文字が表示される。このように構成することで、遊技状態示唆演出にて、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆するだけで無く、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に報知することが可能となるため、天井特典の付与を目指した遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
<第13制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図465~図467を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第13制御例の第1変形例は、上述した第13制御例に対して、時短抽選の当選確率を低確率に変更した点と、時短当選時に設定される時短回数を異ならせた点と、で主制御装置110の電気的構成を異ならせており、遊技状態示唆演出の演出態様を決定するためのデータテーブルを追加した点と、天井準備モードが設定されている状態を示すためのフラグを追加した点で、音声ランプ制御装置113の電気的構成を異ならせている。それ以外の要素については同一であり、同一の内容については、その説明を省略する。
まず、図465(a)を参照して、時短当たり乱数13aテーブル202laeの内容について説明をする。図465(a)は、時短当たり乱数13aテーブル202laeに規定されている内容を示した図である。この時短当たり乱数13aテーブル202laeは、上述した時短当たり乱数13テーブル202le(図444(c)参照)に対して、時短抽選で当り当選する判定値の数を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄種別は「共通」で、遊技状態として、通常状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「998,999」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。
このように構成することで、時短抽選で時短当選し得る遊技状態が通常状態のみとなり、さらに、時短抽選で時短当選させ難くすることができる。よって、時短抽選で時短当選したことによる付加価値として遊技者に有利な有利特典(時短300回の第3時短状態)を付与可能に構成したとしても、遊技者に対して過剰に有利特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
次に、図465(b)を参照して、時短当選用13aテーブル202laf1の内容について説明をする。図465(b)は、時短当選用13aテーブル202laf1に規定されている内容を示した図である。図465(b)に示した通り、時短当選用13aテーブル202laf1は、上述した第13制御例の時短当選用13テーブル202lf1に対して、各時短種別に対して設定される時短回数(時短カウンタ203hにセットする値)を異ならせており、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
具体的には、時短種別として第1時短状態が設定された場合には、時短回数として「1000回」が設定される点で相違している。このように構成することで、時短当選して第1時短状態が設定された場合に、ハマリ回数を超えるまで継続して第1時短状態を設定することができる。
次に、図466(a)を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222(図447(a)参照)に対して、天井到達示唆演出選択テーブル222laに代えて、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaを設けた点で相違し、それ以外は同一である。
遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaは、遊技状態示唆演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常モード(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)中において、特殊変動(15秒変動)の変動パターンが選択された場合に参照される(図470のS34532参照)。
ここで、図467を参照して、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaに規定されている内容について説明をする。図467は、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaに規定されている内容を示した図である。図467に示した通り、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaには、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、設定されている遊技状態と、当該変動に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値に対応させて異なる示唆態様(演出態様)が規定されている。
この遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaを参照して決定された演出態様で遊技状態示唆演出の演出態様、即ち、図464(a)を参照して説明をした遊技状態示唆演出にて、最終的に指標863に対応して停止表示される領域862a~862dが決定される。
具体的には、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「1~200までの50の倍数以外」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「?」が、「90~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「1~200までの50の倍数以外」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「?」が、「50~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「50,100,150,200」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対して、演出態様「?」が、「40~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「50,100,150,200」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「?」が、「20~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201~490までの50の倍数以外」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「V」が、「90~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様「?」が、「70~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201~490までの50の倍数以外」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、演出態様「V」が、「90~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、演出態様「?」が、「20~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「250,300,350,400,450」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「?」が、「50~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「250,300,350,400,450」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が、「50~99」の範囲に対して、演出態様「準備」が規定されている。
そして、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「491~500」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~69」の範囲に対して、演出態様「V」が、「70~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「491~500」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80~99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~98」の範囲に対して、演出態様「準備」が規定されており、「99」の値に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
ここで、演出態様「V」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、Vが表示されている領域862cが停止表示される演出が実行され、演出態様「チャンス」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、チャンスが表示されている領域862bが停止表示される演出が実行され、演出態様「?」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、「?」が表示されている領域862dが停止表示される演出が実行され、演出態様「準備」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、準備が表示されている領域862aが停止表示される演出が実行される。
以上、説明をした通り、遊技状態示唆演出では、特図抽選回数カウンタ223lcの値が大きいほど、つまり、天井特典が付与されるまでの残期間が少ないほど、現在設定されている遊技状態に対応した示唆態様が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、徐々に現在設定されている遊技状態の予測精度を高めさせることができるため、継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が特定の値(50の倍数)のタイミングで遊技状態示唆演出の実行条件が成立した場合には、他のタイミングで遊技状態示唆演出が実行される場合よりも、現在設定されている遊技状態を把握し易い演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、現在設定されている遊技状態を把握しようとする遊技者に対して、特図抽選回数カウンタ223lcの値が特定の値となるまで特別図柄抽選を実行させようと継続して遊技を行わせ易くすることができる。
次に、図466(b)を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図447(b)参照)に対して、報知済フラグ223laaを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
報知済フラグ223laaは、遊技状態示唆演出において、第1時短状態が設定されていることを示す報知が実行されたことを示すためのフラグであって、遊技状態示唆演出の演出結果として天井準備モード(図464(b)参照)が設定される場合にオンに設定される(図470のS34534参照)。そして、報知済フラグ223laaの設定状況は、遊技状態示唆演出を実行するか否かを決定する際に参照され(図470のS34531参照)、報知済フラグ223laaがオンに設定されている場合には(図470のS34531:Yes)、新たな遊技状態示唆演出が実行されないように構成している。このように構成することで、既に、第1時短状態が設定されていることを報知している状態において、無用に遊技状態示唆演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
<第13制御例の第1変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図468を参照して、本第1変形例における主制御装置110にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第1変形例は、上述した第13制御例に対して、時短抽選の実行条件を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。
ここで、図468を参照して、時短抽選処理13a(S38006a)の内容を説明する。図468は、本第1変形例における時短抽選処理13a(S38006a)の処理内容を示したフローチャートである。図468に示した通り、時短抽選処理13a(S38006a)は、上述した第13制御例の時短抽選処理13(S38006)に対して、遊技状態が通常状態である場合にのみ時短抽選の実行条件が成立する点(S38151a:Yes)と、時短抽選時に参照されるデータテーブルを、時短当たり乱数13aテーブル222iaeとしている点(S38152a)で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
<第13制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図469および図470を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第13制御例に対して、時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)に代えて、時短状態演出設定処理13a(図469のS9091a参照)を実行する点と、通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に代えて、通常モード用演出設定処理13a(図470のS34402a参照)を実行する点と、で相違している。それ以外は同一であるため、その説明を省略する。
まず、図469を参照して、時短状態演出設定処理13a(S9091a)の処理内容について説明をする。図469は、時短状態演出設定処理13a(S9091a)の処理内容を示したフローチャートである。図469に示した通り、時短状態演出設定処理13a(S9091a)が実行されると、上述した時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34301~S34304の処理が実行される。
そして、S34305の処理において、第3時短状態と判別した場合(S34305:Yes)、S34307の処理において、大当たりC13後の第2時短状態と判別した場合(S34307:Yes)、時短当選後の第2時短状態と判別した場合(S34308:Yes)に、報知済フラグ223laaがオンに設定されているかを判別し(S34331)、オンに設定されていると判別した場合は(S34331:Yes)、報知済フラグ223laaをオフに設定し(S34332)、上述した時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34306の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34331の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていないと判別した場合は(S34331:No)、S34332の処理をスキップして、上述した時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34306の処理を実行し、本処理を終了する。このように構成することで、報知済フラグ223laaを確実にオフに設定することができる。
次に、図470を参照して、通常モード用演出設定処理13a(S34402a)の処理内容について説明をする。図470は、通常モード用演出設定処理13a(S34402a)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理13a(S34402a)は、上述した第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に対して、通常モードにおいて特殊変動(15秒変動)が実行される場合に演出態様を設定するための処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
通常モード用演出設定処理13a(S34402a)が実行されると、まず、上述した第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)と同一のS34501~S34507の処理を実行し、S34507の処理にて15秒変動(特殊変動)であると判別した場合に(S34507:Yes)、報知済フラグ223laaがオンに設定されているかを判別する(S34531)。
S34531の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていないと判別した場合は(S34531:No)、第1時短状態が設定されていることを遊技者に報知するための天井準備モードが設定されていない状態であるため、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaを参照して、示唆演出(遊技状態示唆演出)の演出態様を決定し(S34532)、その後、今回決定した演出態様が天井準備態様であるかを判別し(S34533)、天井準備態様であると判別した場合は(S34533:Yes)、報知済フラグ223laaをオンに設定する(S34534)。
そして、特図抽選回数カウンタ223lcの値を読み出し(S34535)、読み出した値が500になるまでの残回数、即ち、天井特典の付与条件が成立するまでのハマリ回数の残回数を算出し(S34536)、算出した残回数を示すための表示用コマンドを設定し(S34537)、本処理を終了する。S34537の処理によって設定された表示用コマンドを表示制御装置114側で受信することにより、図464(b)に示した表示画面にて小表示領域Dm7に表示される天井到達までの残回数が表示される。
なお、詳細な説明は省略するが、S34536の処理によって算出された残回数は、専用のカウンタ(残回数カウンタ)に設定され、特別図柄抽選が実行される毎に、設定された値が1減算され、減算後の値を示すための表示用コマンドが表示制御装置114へと出力されるように構成している。これにより、天井準備モードが設定された場合には、特別図柄抽選が実行される毎に、天井までの残回数を示す値が、徐々に減算表示されるため、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングが近付いていることを容易に把握させることができる。
また、S34531の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていると判別した場合(S34531:Yes)は、すでに天井準備モードが設定されている状態であるため、遊技状態示唆演出を実行するための処理をスキップして、S34535の処理へ移行する。
また、S34533の処理において、天井準備態様以外の演出態様を決定したと判別した場合は(S34533:No)、新たな遊技状態示唆演出を実行可能な状態であるため、S34534の処理をスキップして、S34535の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本第13制御例の第1変形例では、時短抽選で時短当選する確率を低確率(1/500)に設定し、通常状態のみ時短抽選を実行可能に構成し、時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が設定されるように構成し、通常状態にて時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、大当たり当選しない限り、天井特典の付与条件が成立するまで第1時短状態が継続するように構成している。
このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値として、天井特典で有利特典が付与されるため遊技者に対して、天井特典を目指した遊技を意欲的に実行させることができる。
なお、本第13制御例の第1変形例では、第1時短状態中には時短抽選を実行しないように構成しているが、第1時短状態中においても、時短抽選を実行可能に構成し、第1時短状態中に時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が新たに設定されるように構成し、天井特典の付与条件が成立するまでに時短当選した回数に応じて、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)を異ならせるように構成しても良い。この場合、時短当選回数が多い程、天井特典として付与される時短回数が多くなるように構成すると良い。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値をより高めることができる。また、天井特典として付与される時短回数が少なくなるように構成しても良い。
さらに、本第13制御例の第1変形例では、上述した第13制御例と同様に、通常状態と第1時短状態とが切り替わった場合でも、ハマり回数は継続して更新(加算)されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態から第1時短状態へと遊技状態が切り替わる場合や、第1時短状態から通常状態へと遊技状態が切り替わる場合には、ハマり回数をリセットするように構成しても良い。
このように構成した場合であっても、本第13制御例の第1変形例では、通常状態にて時短当選した場合に、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも大きな値の時短回数の第1時短状態が設定されるため、確実に天井特典を付与することができる。
なお、本第13制御例の第1変形例では、通常状態にて時短当選した場合に、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも大きな値の時短回数を有する第1時短状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態にて時短当選した場合の一部において、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも小さな値の時短回数(例えば、100回、150回等)を有する第1時短状態を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、通常状態にて時短当選したタイミング(時短当選時のハマり回数)や、時短当選に基づいて設定される時短状態種別によって、第1時短状態が設定される時点において、第1時短状態中に天井特典が付与されることが確定するか否かを決定することができる。そして、この場合、通常状態にて実行される演出として、時短当選時に第1時短状態が設定される各時短状態種別の選択割合に基づいて、時短当選時に設定される第1時短状態が天井到達時まで継続し得る期待度を示唆可能な示唆演出と、時短当選時において、今回設定される第1時短状態が天井到達時まで継続し得る期待度を示唆可能な示唆演出と、を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、通常状態において実行される時短抽選に対して、その時短抽選結果が遊技者に有利となるか否かを遊技者に予測させながら遊技を行わせることができる。
また、本第1変形例では、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるかを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、大当たり当選すること無く、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を予測させ易くすることができるため、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間と、現在の遊技状態とを鑑みて、遊技を続行するか否かを選択させることができる。また、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間が長い状況であっても、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを示す演出態様で遊技状態示唆演出が実行された場合には、有利特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができるため、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出が実行されない場合に比べて、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。
<第13制御例の第1変形例における演出変形例について>
次に、図464(a)を参照して説明をした第13制御例の第1変形例にて実行される演出の変形例について説明をする。上述した第13制御例の第1変形例では、左打ち遊技状態において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか第1時短状態であるかを遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出を実行可能に構成していた。
そして、遊技状態示唆演出として、図464(a)に示した表示画面が表示される演出を実行可能に構成していた。上述した通り、第13制御例の第1変形例にて実行される遊技状態示唆演出では、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選回数(ハマり回数)が近付く程、現在設定されている遊技状態を遊技者が把握し易い態様で遊技状態示唆演出が実行されるように構成することで、遊技者に対して継続して遊技を行わせ易くするものであったが、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選回数(ハマり回数)が遠い状態では、遊技状態示唆演出の演出結果として、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出結果(指標863に対応する位置に「?」が付された領域862dが停止する演出結果)が実行され易くなり、演出効果が低下してしまうという問題があった。
また、遊技状態示唆演出の演出結果として、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出結果(指標863に対応する位置に「?」が付された領域862dが停止する演出結果)となる遊技状態示唆演出が連続して複数回実行される場合であっても、同様の演出が繰り返し実行されるだけであり、実行される演出が単調となるという問題があった。
これに対して、本演出変形例では、遊技状態示唆演出の演出態様の一部(ルーレット861の態様)を上述した第13制御例の第1変形例とは異ならせている。具体的には、上述した第13制御例の第1変形例において「?」が付された領域862dに対して、本演出変形例では、「インジケータ」が設けられている。このインジケータには10個の目盛りが付されていて、領域862dの一端側(領域862cと隣接する側)から順に、1目盛り単位で値が上昇するように表示態様が可変されるように構成している。
そして、遊技状態示唆演出の演出結果として「?」が選択された場合には、指標863に対応する位置に「インジケータ」が付された領域862dが位置した場合(表示された場合)に、領域862dに付された「インジケータ」が1目盛り毎上昇し、「インジケータ」の可変後の表示態様が、領域862dの他端側(領域862dに隣接する側)に設けられた最大値まで上昇した場合に、「準備」が付された領域862aが指標863に対応する位置に位置した(表示された)場合と同一の演出結果となるように構成している。
つまり、特定期間(天井特典が付与されるまでの期間)中に実行された特定演出(遊技状態示唆演出)の演出結果として、特定の演出結果(「?」が表示される演出結果)となる(なった)回数を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報(特定の演出結果となった演出回数)に基づいて、特定演出(遊技状態示唆演出)の演出態様を可変可能に構成している。よって、同一の演出態様が繰り返し実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、記憶手段に記憶されている回数が所定回数を満たした場合には、特定の演出結果を示すための表示領域を、特定の演出結果よりも遊技者に有利となる他の演出結果(「準備」)を示すための表示領域へと可変させることができるため、特定の演出結果となる遊技状態示唆演出が連続して実行される程、他の演出結果となる遊技状態示唆演出の実行頻度を高くすることができ、遊技者に対して遊技状態示唆演出が繰り返し実行されることを期待させることができる。
なお、本演出変形例では、「インジケータ」が最大値まで上昇した場合に、「インジケータ」が付された領域862dが示す遊技状態示唆演出の演出結果を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「インジケータ」が付された領域862dのうち、既に値が上昇している領域の範囲を、他の演出結果を示すための領域として表示するように構成しても良い。この場合、「インジケータ」が示す値が上昇する毎に、他の演出結果を示す領域が徐々に拡大していくため、遊技者に対して遊技状態示唆演出が繰り返し実行されることを期待させることができる。
また、上述した第13制御例の第1変形例、及び、本演出変形例では、遊技状態示唆演出中に最初に表示されるルーレット961の表示態様として1種類の表示態様(図464(a)参照)を示しているが、これに限ること無く、遊技状態示唆演出が最初に実行された時点におけるハマり回数(天井特典が付与されるまでの残特別図柄変動回数)に基づいて、遊技状態示唆演出中に最初に表示されるルーレット961の表示態様を異ならせても良い。このように構成することで、遊技状態示唆演出の演出結果が表示されるよりも前に、表示されているルーレット961の表示態様に基づいて、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に予測させることが可能となる。
<第13制御例に関する別技術思想について>
上述した第13制御例、及び、第13制御例の第1変形例では、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異なる天井特典として、時短回数の異なる第3時短状態を設定可能に構成しているが、遊技者に付与される天井特典の内容として別の特典を付与可能に構成しても良く、例えば、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて、時短状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態にて天井特典が付与される場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選の方が実行され易くなる時短状態が設定され、第1時短状態にて天井特典が付与される場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が実行され易くなる時短状態が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて、天井特典が付与されている期間中に実行される特別図柄抽選の回数を異ならせるのでは無く、天井特典が付与されている期間中に実行される特別図柄抽選の結果を異ならせることができる。
また、他の天井特典として、電動役物1640が開放する期間の長さを、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、時短状態中における普通図柄抽選の当たり確率を天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したり、時短状態中における普通図柄変動の変動時間を天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したり、時短状態中における普図当たり遊技にて、電動役物1640が開放状態となる期間の長さを天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したりすると良い。このように構成することで、天井特典の内容によって、天井特典中に払い出される賞球数の数を異ならせることができる。さらに、この場合、天井特典として付与される特典の一部において、天井特典中に発射した遊技球の個数よりも、天井特典中に払い出された賞球の個数の方が多くなる時短状態を設定可能に構成しても良い。
また、天井特典中に発射した遊技球の個数よりも、天井特典中に払い出された賞球の個数の方が多くなる時短状態を天井特典として付与可能に構成した場合には、その遊技球の増加割合を、天井特典が付与されるまでのハマリ回数に応じて決定すれば良く、天井特典が付与されるまでのハマり回数が多い程、天井特典が付与されるまでに多くの遊技球を使用しているため、天井特典中に、天井特典が付与されるまでに使用した遊技球の3割程度が持ち玉として増加し得るように構成すると良い。このように構成することで、天井特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。また、天井特典を設けていることから、同一の遊技状態でもハマり回数が多くなるほど有利度合いが高くなるため、示唆弱の天井到達示唆演出、および示唆強の天井到達示唆演出は、それぞれ後述する第48制御例の第1演出および第2演出の別形態であるといえる。つまり、特定の遊技状態において実行される第1演出と、その第1演出よりも高い有利度合いを示唆可能な第2演出と、の別形態である。
さらに、上述した第13制御例、及び、第13制御例の第1変形例では、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異なる天井特典として、主制御装置110の制御処理内容を異ならせる特典(異なる時短回数を設定する特典)を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113の制御処理範囲において付与可能な特典を天井特典として設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すために実行される変動演出として、天井特典が付与されている場合の方が、付与されていない場合よりも実行され易い出現頻度の低いプレミア演出を実行させ易くするように構成しても良いし、異なる大当たり確率を複数段階に設定可能な設定機能を有しているパチンコ機10においては、設定されている設定値を遊技者に示唆可能な設定示唆演出を、天井特典が付与されている場合の方が、付与されていない場合よりも実行させ易くするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、天井特典が付与されているパチンコ機10にて遊技を行おうと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した第13制御例では、天井特典が付与されるまでの間、通常状態と、第1時短状態とが頻繁に切り替わるように構成しているため、上述した第13制御例の第1変形例のように、天井特典が付与されるまでの期間において、設定されている遊技状態を遊技者に示唆(報知)可能な演出(遊技状態示唆演出)を実行しないように構成しているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態を遊技者に示唆(報知)可能な演出(遊技状態示唆演出)を実行するように構成しても良い。この場合、所定期間の間、継続して同一の遊技状態が設定されていることを判別した場合に、その旨を報知可能に構成すると良い。このように構成することで、例えば、天井特典として遊技者に有利な特典が付与される第1時短状態が終了しないように不正な遊技を行っている遊技者を特定し易くすることができる。
<第14制御例について>
次に、図471から図480を参照して、本第14制御例について説明をする。上述した第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を実行させる遊技を長時間実行した遊技者に対して、特別図柄抽選の結果に関わらず特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、抽選結果が大当たり当選以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して実行される回数(ハマリ回数)が所定回数(例えば、500回)に到達した場合に、天井特典が付与されることから、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測され易く、天井特典が付与され難い期間においてパチンコ機10の稼働が低下してしまうという問題があった。
これに対して、第14制御例は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、高確率(900/1000)で時短当選する時短抽選にて、第2条件が成立した場合(外れ当選した場合)に、天井特典を付与可能に構成している。これにより、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第14制御例では、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が所定期間(特図変動200回)を超えた場合に、より遊技者に有利となる特典(第2天井特典)を付与可能に構成している。
このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が長くなったとしても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第14制御例における演出内容について>
まず、図471及び図472を参照して、本第14制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例におけるパチンコ機10に対して、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立してから、第2条件(時短外れ)が成立するまでの期間として、天井発動期間を設定し、その天井発動期間において、時短抽選で外れ当選することが遊技者に有利な抽選結果となることを示す演出(天井発動モード)を実行可能に構成している点で相違している。
図471(a)は、天井発動期間が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図471(b)は、天井発動期間中に実行される天井発動モードの演出画面の一例を示した図である。
図471(a)に示した通り、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の回数が500回に到達し、天井特典を付与するための第1条件が成立すると(500回目の特別図柄変動が停止表示されると)、主表示領域Dmに「天井発動モード突入!時短図柄の停止確率大幅UP」の文字が表示され、次の特別図柄変動(501回目の特別図柄変動)から天井発動モードが設定されることが報知される。また、主表示領域Dmの右下に形成された小表示領域Dm4には、天井発動モード中における遊技方法が左打ちであることを案内するための案内態様として「左打ちを続けてね」の文字が表示される。
ここで、従来のパチンコ機10では、演出モード(実行される演出の内容)が切り替わるタイミングに合わせて、遊技者に実行させる遊技方法を切り替えさせる遊技(例えば、左打ち遊技から右打ち遊技へと切り替えさせる遊技)を実行するものが知られている。この場合、遊技者に対して遊技方法が切り替わることを案内するための案内報知を実行することで遊技者に対して分かり易く遊技方法を切り替えさせる手法が用いられている。
このようなパチンコ機10が主流となった現状において、遊技方法が切り替えること無く演出モード(実行される演出の内容)が切り替わった場合に、遊技者に対して遊技方法が切り替わることを案内するための案内報知が実行されていない場合であっても、遊技者が遊技方法を切り替えてしまい遊技者に不利な遊技を実行させてしまうという問題があった。
これに対して、本第13制御例では、図471(a)に示した通り、同一の遊技方法が継続する旨を遊技者に案内するための案内態様を報知可能に構成している。よって、遊技者に対して不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
そして、副表示領域Dsには、天井発動モード中の遊技方法を案内するための「時短図柄が揃うと、時短突入!!」のコメントと、天井発動モード中において追加で付与され得る特典の存在を示唆するための「スタートが700回を超えると・・・大チャンス!?」のコメントが表示される。
天井発動モードが設定されると、図471(b)に示した通り、有効ラインLZ上に3枚のカードが特定の組合せで停止表示した場合に、対応する特典(大当たり、時短)が付与されることを示す変動演出が実行される。本制御例では、左ラインLLと、中ラインCLと、右ラインRLとのそれぞれに、少なくとも「ハズレ」に対応するハズレカード(LL3,CL3,RL3)と、「大当たり」に対応するVカード(LL1,CL1,RL1)と、「天井特典」に対応する時短カード(LL2,CL2,RL2)と、を含む複数のカード列が形成され、各カード列が上から下へと変動表示される変動演出が実行される。
そして、各図柄列に表示された時短カード(LL2,CL2,RL2)が有効ラインLZ上に3枚停止表示された場合に、天井特典として時短状態が付与されることを報知可能とし、各図柄列に表示されたVカード(LL1,CL1,RL1)が有効ラインLZ上に3枚停止表示された場合に、大当たり当選に基づく特典が付与されることを報知可能としている。
ここで、上述した通り、天井発動モード中において天井特典が付与される条件は、時短抽選で時短当選しない(外れ当選する)ことであるため、特別図柄抽選の結果が完全外れ(大当たり、時短の何れにも非当選)である場合に、各図柄列に表示された時短カード(LL2,CL2,RL2)が有効ラインLZ上に3枚停止表示される演出が実行されることとなる。
また、図472(a)は、天井発動期間の長さが所定期間(特図変動200回)を超え、第2天井特典を付与可能な状態であることを示す超天井発動モード中の表示画面の一例を示した図であり、図472(b)は、天井発動モードにて時短抽選で外れ当選した場合の表示画面の一例を示した図である。
図472(a)に示した通り、天井発動モードが設定されてから所定期間の特別図柄抽選が実行されると、天井特典が付与される条件が成立した場合に、通常の天井特典よりも遊技者に有利な第2天井特典が付与される状態であることを示すための超天国発動モードが表示される。そして、副表示領域Dsには、天井特典として、時短回数が多い第3時短状態が設定されることを示すための「時短が超時短にパワーアップ」のコメントが表示されると共に、時短カード(LL2,CL2,RL2)の表示態様として「超」の文字が追加された表示態様が表示される。
このように構成することで、遊技者に対して第2天井特典の付与可能な条件が成立したことを分かり易く報知することができる。
そして、天井発動モード中に実行された特別図柄抽選の結果が完全外れである場合(図472(b)の小表示領域Dm1参照)には、図472(b)に示した通り、各図柄列に表示された時短カード(LL2,CL2,RL2)が有効ラインLZ上に3枚停止表示され、天井特典が付与された場合に表示されるキャラクタ809が天井特典が付与されることを祝福する演出が実行される。
<第14制御例における電気的構成について>
次に、図473から図475を参照して、本第14制御例における電気的構成について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例に対して、主制御装置110のROM202の構成では、時短当たり乱数13テーブル202leに代えて、時短当たり乱数14テーブル202meを、時短種別選択13テーブル202lfに代えて、時短種別選択14テーブル202mfを設けている点で相違し、それ以外は同一である。
また、主制御装置110のRAM203の構成では、図473(b)に示した通り、新たに第3天井待機フラグ203maを追加している点で相違し、それ以外は同一である。さらに、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成では、図475に示した通り、新たに、天井発動モード中フラグ223maを追加している点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成についてはその説明を省略する。
時短当たり乱数14テーブル202meは、図474(a)に示した通り、時短抽選にて時短当選する確率を異ならせている点で、時短当たり乱数13テーブル202le(図444(c)参照)と相違している。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0~999」の範囲のうち、「100~999」の範囲に対して、時短当選の判定値を設定している。つまり、本第14制御例では、時短抽選が実行された場合に、高確率(900/1000の確率)で時短当選するように構成されている。
また、時短種別選択14テーブル202mfは、上述した時短種別選択13テーブル202lf(図446(a)参照)に対して、天井用13テーブル202lf2に代えて、天井用14テーブル202mf2を設けている点で相違している。ここで、図474(b)を参照して、天井用14テーブル202mf2の内容について説明をする。図474(b)は、天井用14テーブル202mf2に規定されている内容を示した図である。
図474(b)に示した通り、天井用14テーブル202mf2には、天井特典(第3時短状態)が設定される時点におけるハマリ回数に応じて、時短カウンタ203hに設定される値を異ならせており、ハマリ回数が700回までは、天井特典(第1天井特典)として、第2時短状態(時短回数300回)が、ハマリ回数が700回を超えた場合は、天井特典(第2天井特典)として、第2時短状態(時短回数1000回)が、設定されるように規定されている。
このように、天井特典(第3時短状態)が設定されるまでの期間が長くなるほど、遊技者に有利な特典が付与されるように構成することで、長時間大当たり当選していない遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
第3天井待機フラグ203maは、ハマり回数が700回を超えたことを示すためのフラグであって、ハマリ回数が700回を超えた場合にオンに設定されるものである。そして、天井特典を設定する際に第3天井待機フラグ203maの設定状況が判別され、オンに設定されていると判別された場合には、ハマリ回数700回に応じた天井特典(第2天井特典)が設定される。そして、天井特典が付与された場合、或いは、大当たり当選した場合にオフに設定される。
天井発動モード中フラグ223maは、天井発動モード中であることを示すためのフラグであって、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した場合にオンに設定される。そして、天井発動モード中フラグ223maの設定状況に応じて、通常モードにおける演出態様が設定される(図480のS34571参照)。
<第14制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図476、及び図477を参照して、本第14制御例のパチンコ機10にて実行される主制御装置110の制御処理の内容について説明をする。本第14制御例では、上述した第13制御処理に対して、天井特典の付与条件の成立を判別するための処理と、天井特典の付与条件が成立したことに基づいて設定される第3時短状態を設定するための処理とを異ならせている。具体的には、天井判定処理13(図452のS38051参照)に代えて天井判定処理14(図476のS38071参照)を、時短設定処理13(図455のS30254参照)に代えて、時短設定処理14(図477のS30274参照)を実行する点で相違している。
本第14制御例では、上述した第13制御例に対して、天井特典を付与させるための条件を異ならせており、具体的には、第1条件(ハマり回数)と、第2条件(時短非当選)と、が共に成立した場合に天井特典(第3時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、外れ当選した特別図柄抽選の実行回数(ハマり回数)が予め定められた回数(500回)に到達したことに基づいて天井特典が付与される場合に比べて、天井特典が付与されるタイミングをランダムに設定することが可能となる。
さらに、天井特典の付与させるための第1条件として通常第1条件(500回ハマり)と、その通常第1条件よりも後に設定される特殊第1条件(700回ハマり)と、を設定可能に構成しており、通常第1条件が成立している状態で実行される特別図柄抽選に基づいて天井特典が付与されること無く特殊第1条件が成立した場合には、通常第1条件のみが成立している状態で天井特典(第3時短状態(時短300回))が付与される場合よりも遊技者に有利となる第2天井特典(第3時短状態(時短1000回))を付与可能に構成している。
このように構成することで、通常第1条件が成立している状態で実行される時短抽選にて外れ当選しない遊技、即ち、天井特典が付与されない遊技が長時間継続している遊技者に対して、遊技意欲を低下させること無く継続して遊技を行わせることが可能となる。
なお、本第14制御例では、通常第1条件のみが成立している状態で天井特典が付与される場合よりも、特殊第1条件が成立している状態で天井特典が付与される場合のほうが、遊技者に有利な天井特典(第2天井特典)を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、通常第1条件のみが成立している状態で天井特典が付与される場合の方が、特殊第1条件が成立している状態で天井特典が付与される場合のよりも、遊技者に有利な天井特典(第2天井特典)を付与可能に構成しても良い。このように構成することで、通常第1条件が成立してから特殊第1条件が成立するまでの間に、天井特典が付与されることを期待しながら遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
また、通常第1条件のみが成立する期間と、特殊第1条件が成立する期間と、を交互に設定可能に構成しても良く、例えば、ハマり回数の下一桁が「1~5」の間は、通常第1条件のみが成立し、「6~0」の間は、特殊第1条件が成立する期間となるように構成しても良い。このように構成することで、最初に通常第1条件が成立するハマリ回数500回を超えてからは、どのタイミングで第2条件が成立するのか(時短抽選で時短外れとなるか)について遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第14制御例では、ハマり回数を更新させるための特別図柄抽選の抽選結果に基づいて時短当選の判定を実行するように構成している。つまり、特別図柄抽選が実行されることにより、第1条件に関する要素(ハマり回数)が更新され、且つ、第2条件の成立有無(時短抽選結果)が判定されるように構成している。このように構成することで、第1条件に関する要素(ハマリ回数)を更新させること無く、第2条件を成立させるための遊技を実行することが出来ないため、遊技者に有利な天井特典が付与される状況(特殊第1条件が成立している状況)にて第2条件の判定のみが繰り返し実行されることを抑制することができる。また、遊技者に不利な天井特典が付与される状況(通常第1条件のみが成立している状況)にて第2条件の判定のみが繰り返し実行されてしまい、遊技者に不利な天井特典が高確率で付与されてしまうことを抑制することができる。
まず、図476を参照して、天井判定処理14(S38071)の処理内容について説明をする。図476は、天井判定処理14(S38071)の処理内容を示したフローチャートである。天井判定処理14(S38071)では、上述した天井判定処理13(図452のS38051参照)に対して、特殊第1条件(700回ハマり)が成立したかの判別を実行している点と、特殊第1条件が成立した場合における処理内容を異ならせている点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、詳細な説明を省略する。
天井判定処理14(S38071)が実行されると、上述した天井判定処理13(図452のS38051参照)と同一のS38101~S38109の処理を実行する。そして、S38104の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500では無い(500回ハマり目の特別図柄抽選では無い)と判別した場合は(S38104:No)、次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が700であるか(700回ハマり目の特別図柄抽選であるか)を判別する(S38171)。
S38171の処理において、700では無いと判別した場合は(S38171:No)、S38105の処理へ移行し、本処理を終了する。一方、700であると判別した場合は、特殊第1条件が成立した場合であるため(S38171:Yes)、第3天井待機フラグ203maをオンに設定し(S38172)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38173)、S38108の処理へ移行し、本処理を終了する。
第2天井待機フラグ203lc、又は第3天井待機フラグ203maがオンに設定されている状態で特別図柄変動が停止表示されることで、時短状態として、オンに設定されている天井待機フラグの種別に応じた時短種別(時短回数)が設定される。つまり、本第14制御例では、特図抽選回数カウンタ223lcの値に応じて、異なる種別の天井待機フラグをオンに設定することにより、時短状態として異なる種別の時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、ハマり回数に応じて異なる時短状態を設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまわない遊技を提供することができる。
なお、本第14制御例では、特別図柄抽選により外れ当選した回数が所定回数連続した場合(遊技者に不利な抽選結果が連続した場合)において、天井特典を付与可能に(天井待機フラグをオンに設定するように)構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の終了後や、パチンコ機10の電源を立ち上げてからの所定期間において、天井待機フラグ(特殊天井待機フラグ)をオンに設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、パチンコ機10の遊技期間として特殊期間(特殊天井待機フラグ)が設定されている状態において、天井特典が付与され易い期間を設けることができるため、他の期間が設定されている場合よりも遊技者に有利な遊技を提供し易くすることができる。
次に、図477を参照して、時短設定処理14(S30274)の処理内容について説明をする。図477は、時短設定処理14(S30274)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理14(S30274)では、上述した時短設定処理13(図455のS30254参照)に対して、対象となる特別図柄抽選にて時短当選した場合は天井特典が付与されないようにしている点と、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されている場合の処理を追加した点と、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されている場合に付与される特典の内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
時短設定処理14(S30274)が実行されると、まず、今回の抽選結果が時短当選であるかを判別し(S8351)、時短当選であると判別した場合は(S8351:Yes)、上述した時短設定処理13(図455のS30254参照)と同一のS8352~S8354の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、上述した第13制御例の時短設定処理13(図455のS30254参照)では、時短抽選の結果よりも、遊技者に有利な特典が付与され易い天井特典付与を優先して実行しているのに対して、本第14制御例では、時短抽選の結果が時短当選である場合に、天井特典付与よりも優先して時短当選に基づく処理を実行するように構成している。
このように構成することで、天井特典を付与することが可能な状態(各種天井待機フラグがオンに設定されている状態)であっても、特別図柄抽選の抽選結果が時短当選し続ける限り、天井特典が付与されない(され難い)ようにすることができる。よって、天井特典が付与されるタイミングを、天井特典を付与することが可能な状態(各種天井待機フラグがオンに設定されている状態)が設定されてからもランダムにすることができるため、遊技者に天井特典が付与されることを期待しながら継続して長時間遊技を行わせることができる。
なお、本第14制御例では、特別図柄抽選にて時短当選した場合には、必ず、天井特典が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短当選した場合に設定される時短種別として特定時短種別が設定された場合には、時短当選に基づいて時短状態を設定する処理よりも、天井特典を付与するための処理を優先して実行するように構成しても良い。このように構成することで、天井特典を付与するための条件をより複雑にすることができるため、天井特典を付与することが可能な状態(各種天井待機フラグがオンに設定されている状態)が設定されてから、天井特典が付与されるまでのタイミングをよりランダムにすることができる。
さらに、時短当選結果と、天井特典付与とを複合した処理を実行可能に構成しても良く、例えば、時短当選した場合に設定される時短種別として特定時短種別が設定された場合には、時短非当選時に設定される天井特典よりも、有利な天井特典が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、時短抽選の結果と、天井特典の付与と、を複合した遊技性を提供することができる。
図477に戻り、説明を続ける。S8351の処理において、時短当選していないと判別した場合は(S8351:No)、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されているかを判別し(S38351)、オンに設定されていると判別した場合は(S38351:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38374)、第1天井待機フラグ203lbをオフに設定し(S38353)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
また、S38351の処理において、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S38351:No)、次に、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されているかを判別し(S38358)、オンに設定されていると判別した場合は(S38358:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38359)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38360)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
そして、S38358の処理において、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されていないと判別した場合は(S38358:No)、次に、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されているかを判別し(S38371)、オンに設定されていると判別した場合は(S38371:Yes)、時短カウンタ203hの値に10000を設定し(S38372)、第3天井待機フラグ203maをオフに設定し(S38373)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。また、S38371の処理において、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されていないと判別した場合は(S38371:No)、即ち、今回実行された特別図柄抽選に基づいて、天井特典の付与条件が成立していないと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
次に、図478から図480を参照して、本第14制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理について説明をする。本第14制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理は、上述した第13制御例に対して、天井特典を付与するための第1条件(500回ハマり)が成立してから実際に天井特典が付与されるまで(時短非当選で成立する第2条件が成立するまで)の期間を遊技者に報知するための期間演出(天井発動モード)に関する処理と、天井発動モード中に時短抽選の結果を遊技者に示唆するための示唆演出に関する処理とで相違している。
具体的には、状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)に代えて、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)を、通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に代えて、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図478を参照して、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)の処理内容について説明をする。図478は、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)の制御内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)では、上述した第13制御例にて実行される状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)に対して、遊技状態が時短状態に変更されたと判別した場合に実行する処理として、時短状態演出設定処理13(図460のS9091)に代えて時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)を実行する点と、天井特典を付与するための第1条件(500回ハマり)が成立してから実際に天井特典が付与されるまで(時短非当選で成立する第2条件が成立するまで)の期間を遊技者に報知するための期間演出(天井発動モード)を実行するために、第2天井待機フラグ203lcがオン、或いは、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されているかを判別する処理を実行可能に構成している点で相違している。それ以外は同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)が実行されると、上述した第13制御例にて実行される状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)と同一のS9001~S9094の処理が実行される。そして、S9005の処理において時短状態に変更されたと判別した場合は(S9005:Yes)、時短状態演出設定処理14を実行し(S39091)、S9093の処理へ移行する。この時短状態演出設定処理14(S39091)の内容については、図479を参照して後述する。
また、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報が無いと判別した場合(S9093:No)、或いは、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報があると判別し(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選回数カウンタ223lcの値に設定した場合(S9094)、即ち、主制御装置110にて計測される特図抽選カウンタ203laの値と、特図抽選回数カウンタ223lcの値とを同期させるための処理が終了すると、次に、受信した状態コマンドが第2天井待機、第3天井待機を示す情報(第2天井待機フラグ203lc、又は、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されていることを示す情報)を有しているかを判別し(S9095)、有していると判別した場合は(S9095:Yes)、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定し(S9096)、本処理を終了する。これに対して、S9095の処理において、受信した状態コマンドが第2天井待機、第3天井待機を示す情報(第2天井待機フラグ203lc、又は、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されていることを示す情報)を有していないと判別した場合は(S9095:No)、S9096の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
このように、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)を実行すると、主制御装置110から出力された状態コマンドに含まれる情報に基づいて、天井特典を付与するための第1条件が成立している状態(ハマり回数が500回以上)を判別し、第1条件が成立している場合には、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定されるように構成している。
そして、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている場合に専用の演出を実行することで、遊技者に対して、現在が天井特典を付与するための第1条件が成立している状態(ハマり回数が500回以上)を報知可能に構成している。これにより遊技者に天井特典が付与され易い状態(第1条件が成立していない場合よりも付与され易い状態)であることを分かり易く報知することができるため、天井特典が付与されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図479を参照して、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)にて実行される時短状態演出設定処理14(S39091)の制御処理について説明をする。図479は、時短状態演出設定処理14(S39091)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理14(S39091)では、上述した第13制御例にて実行される時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)に対して、天井特典(第3時短状態)が付与される(設定される)場合に、天井特典を付与するための第1条件が成立している状態であることを示すための天井発動モード中フラグ223maをオフに設定する処理を追加する点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。
図479に示した通り、時短状態演出設定処理14(S39091)が実行されると、上述した第13制御例にて実行される時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34301~S34309の処理を実行する。そして、S34305の処理において、第3時短状態が設定された(天井特典が付与された)と判別した場合は(S34305:Yes)、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されているかを判別し(S34371)、オンに設定されていると判別した場合は(S34371:Yes)、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34372)、S34306の処理に移行する。また、S34371の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていないと判別した場合は(S34371:No)、S34372の処理をスキップして、S34306の処理へ移行する。
このように構成することで、天井特典が付与されたにも関わらず、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されたままの状態が継続し、天井発動モード中を示す演出(図471(b)参照)が実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第14制御例では、上述した第13制御例と同様に、天井特典として所定期間の右打ち遊技状態(第3時短状態)を付与可能に構成しており、且つ、遊技者に付与される有利度合いが天井特典と同一となる特典(右打ち遊技状態が設定される第2時短状態)を、特別図柄抽選の結果に基づいて付与可能に構成している。このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数)が成立するよりも前に、右打ち遊技状態を設定することが可能となるため、遊技者に対して右打ち遊技状態(天井特典)が付与されるタイミングを予測させ難くすることができる。
ここで、本第14制御例では、天井特典を付与するための第1条件が成立した場合に、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定することで、天井特典が付与される可能性が高い期間演出(天井発動モード演出)を実行可能に構成しているが、別の契機(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)によって右打ち遊技状態が設定される場合には、天井発動モード中演出が実行され無いため、天井発動モード演出が実行されるか否かによって、右打ち遊技状態が設定された場合に、その契機を遊技者に予測されてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、天井特典を付与するための第1条件が成立した場合に、所定の抽選を実行し、その抽選結果が特定結果である場合に、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定するように構成すると良い。このように構成することで、天井発動モード演出が実行された場合には、天井特典が付与されたことにより右打ち遊技状態が設定されたことを遊技者に容易に把握されてしまうが、天井特典を付与するための第1条件が成立した場合であっても、天井発動モード演出を実行させないことが可能となるため、上述した第14制御例におけるパチンコ機10よりも、右打ち遊技状態が設定された場合にその契機を遊技者に予測され難くすることができる。
また、保留記憶されている特別図柄抽選の抽選権利(特図保留)に含まれている情報(抽選情報)を、特別図柄抽選が実行されるよりも前に(先に)事前判別可能(先読み可能)に構成し、その事前判別結果として、右打ち遊技状態が設定される特別図柄抽選結果を示すための情報が含まれている場合には、その右打ち遊技状態が設定される特別図柄抽選結果を示すための情報が含まれている特別図柄抽選が実行されるまでの期間の少なくとも一部を含む演出期間を用いて、天井発動モード演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、天井特典の付与とは異なる契機(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)によって右打ち遊技状態が設定される場合であっても、天井発動モード演出を実行することが可能となるため、上述した第14制御例におけるパチンコ機10よりも、右打ち遊技状態が設定された場合にその契機を遊技者に予測され難くすることができる。
また、この場合、天井特典の付与とは異なる契機(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)によって右打ち遊技状態が設定される場合において天井発動モード演出が実行される割合を、前回の大当たり遊技が終了してからの特別図柄抽選回数(ハマり回数)に基づいて異ならせると良く、例えば、特別抽選回数(ハマり回数)の下一桁が「0」である場合や、下二桁が「00」である場合、即ち、ハマり回数が切りの良い回数となる場合に、他の場合よりも天井発動モード演出が実行され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて右打ち遊技状態(第2遊技状態)が設定される場合において、ハマリ回数が切りの良い場合に天井発動モード演出を実行し、天井特典が付与される場合と同様の演出過程を経て右打ち遊技状態を設定し易くすることができる。よって、天井特典を付与するための第1条件が成立したのか、事前判別の結果、天井発動モード演出が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができる。
次に、図480を参照して、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)の処理内容について説明をする。図480は、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)では、上述した通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に対して、天井特典を付与するための第1条件(500回ハマり)が成立した状態(天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている状態)にて実行する演出を設定するための処理を実行する点で相違している。それ以外は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)が実行されると、上述した第13制御例の通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)と同一のS34501~S34506の処理を実行し、S34506の処理において、第2時短(第2時短状態)が設定される時短当選変動では無いと判別した場合(S34506:No)には、次に、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されているかを判別する(S34571)。
S34571の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていると判別した場合は(S34571:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S34572)、大当たりでは無いと判別した場合は(S34572:No)、次いで、今回の抽選結果が時短当選しているかを判別する(S34573)。時短当選していないと判別した場合、即ち、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている状態で、通常状態が設定される場合には(S34578:No)、特別図柄変動の停止後に天井特典(第3時短状態)が設定されるため、天井発動モード演出として、時短に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様を決定し(S34578)、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34579)、本処理を終了する。
S34578の処理において決定された演出態様に基づく変動演出が実行されると、図472(b)に示した通り、天井特典が付与されることを示すための「時短」の装飾図柄(LL2,CL2,RL2)が停止表示される変動演出が実行される。このように、本第14制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選も、時短当選もしない外れ(完全外れ)である場合であっても、特定の演出状態が設定されている場合には、遊技者に有利となる特典が付与されることを示すための表示態様で装飾図柄を停止表示させるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において、特別図柄抽選の結果に対応する組合せで装飾図柄を停止表示させるのでは無く、実行された特別図柄抽選の結果に基づいて付与される特典の内容を示す装飾図柄を停止表示させることができるため、遊技者に分かり易い変動演出を実行することができる。
なお、本第14制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選も、時短当選もしない外れ(完全外れ)であることが、遊技者に有利となる状態(天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている状態)と、不利となる状態(天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていない状態)と、を有しており、設定されている状態に応じて、特別図柄抽選の結果が完全外れであることを示すための装飾図柄の停止表示態様を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、設定されている状態に関わらず、特別図柄抽選の結果が完全外れであることを示すための装飾図柄の停止表示態様として同一の表示態様が設定されるように構成しても良い。
この場合、装飾図柄の停止表示態様を用いること無く、特別図柄抽選の結果が完全外れであることに基づいて遊技者に有利な特典(天井特典)が付与されることを示すための報知演出を実行すれば良い。このように構成することで、特別図柄抽選の結果と、設定されている状態とに基づいて、装飾図柄の停止表示態様を異ならせて決定する処理を省略することができる。
なお、図472(b)に示した通り、装飾図柄の停止表示態様によって、特別図柄抽選の結果では無く、特別図柄抽選の結果に基づいて後に付与される特典の内容を遊技者に報知可能に構成した場合には、装飾図柄とは異なる第2装飾図柄(第4図柄)の停止表示態様を、特別図柄抽選の結果を示す停止表示態様(図472(b)では「342」)で表示されると良い。これにより、特別図柄抽選の結果を示すための情報を遊技者に報知することが可能となる。
さらに、図472(b)に示した通り、本第14制御例では、第3図柄表示装置81の表示面には、装飾図柄の停止表示態様の方が、第2装飾図柄の停止表示態様よりも大きく表示されるように構成している。このように構成することで、第2装飾図柄の停止表示態様よりも、装飾図柄の停止表示態様を遊技者が把握し易くなるため、装飾図柄と、第2装飾図柄とを表示可能に構成した場合であっても、遊技者に分かり易い変動演出を実行することができる。
図480に戻り、説明を続ける。S34573の処理において、時短当選していると判別した場合は(S34573:Yes)、時短当選に基づいて第1時短状態が設定されるかを判別し(S34574)、第1時短状態が設定されると判別した場合は(S34574:Yes)、「外れ」に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様を決定し(S34575)、次に、抽選回数カウンタ223lcの値が700であるかを判別し(S34576)、700であると判別した場合は(S34576:Yes)、超天井発動モードを示すための演出態様を決定し(S34577)、本処理を終了する。
一方、S34572の処理において大当たり当選と判別した場合(S34572:Yes)、或いは、S34574の処理において第1時短状態以外の時短状態(第2時短状態)が設定されると判別した場合(S34574:No)、即ち、天井特典を付与すること無く、天井発動モード演出が終了する場合には、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34580)、S34509の処理を実行し、本処理を終了する。この場合、例えば、大当たり当選した場合には、「V」に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様が決定され、大当たり当選したことを示すための停止表示態様で第3図柄(装飾図柄)が停止表示されることで天井発動モード演出が終了し、時短当選に基づいて第2時短状態が設定される場合には、「時短」に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様が決定され、あたかも、天井特典が付与されたかのような変動演出を実行した後に天井発動モード演出が終了する。
このように構成することで、天井発動モード演出中において、天井特典が付与されるよりも前に、天井発動モード演出を終了させる終了条件が成立した場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く天井発動モード演出を終了させることができる。
以上、説明をした通り、本第14制御例は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、高確率(900/1000)で時短当選する時短抽選にて、第2条件が成立した場合(外れ当選した場合)に、天井特典を付与可能に構成している。これにより、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第14制御例では、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が所定期間(特図変動200回)を超えた場合に、より遊技者に有利となる特典(第2天井特典)を付与可能に構成している。
このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が長くなったとしても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第14制御例では、第2天井特典が付与される条件(ハマリ回数700回)を予め規定しているが、これに限ること無く、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した時点において実行される特殊抽選の結果に基づいて、第2天井特典が付与される条件となるハマリ回数を決定するように構成しても良く、特殊抽選の結果が第1結果である場合にはハマり回数700回を、第1結果とは異なる第2結果である場合にはハマリ回数501回を、第1結果、第2結果とは異なる第3結果である場合にはハマり回数800回を決定するように構成しても良い。
このように、第2天井特典が付与される条件を予め規定するのでは無く、ハマリ回数が更新されている期間中に決定可能に構成し、決定される第2天井特典の付与条件として、成立し易い(ハマり回数が少ない)付与条件と、成立し難い(ハマり回数が多い)付与条件と、を設定可能に構成することで、第2天井特典が付与され易い遊技と、第2天井特典が付与され難い遊技と、を実行させることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第14制御例では、図471、及び図472を参照して上述した通り、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立していることを示す天井発動モード中においては、「天井特典」に対応する時短カード(LL2,CL2,RL2)を表示し、第2天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数700回)が成立していることを示す超天井発動モード中においては、「第2天井特典」に対応する超時短カード(LL2,CL2,RL2)を表示するように構成し、遊技者に対して、現在の遊技状況を分かりやすく報知していたが、これに加え、天井発動モード中において、第2天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数700回)が成立するまでの残期間を示唆可能な示唆態様を表示可能に構成しても良い。
例えば、天井発動モードが設定されてから、超天井発動モードが設定されるまでの期間(天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立してから、第2天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数700回)が成立するまでの期間)を、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間の長さに対応させて複数の期間(第1期間~第3期間)に区分けし、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間が最も長い第1期間においては、図471(b)に示した演出を実行し、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間が第1期間よりも短い第2期間においては、右ラインRLに、超時短カードRL2を追加した演出を実行し、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間が第2期間よりも短い第3期間においては、右ラインRLと、中ラインCLに、超時短カードRL2,CL2を追加した演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、天井発動モード中に変動表示される各種図柄(カード)として、超天井発動モード中に所定の組合せ(3つ揃い)で停止表示可能なカード種別(超時短カード)を徐々に増加させていくことが可能となるため、遊技者に対して、超天井発動モードが間も無く発動するのではと思わせることができる。なお、この場合、天井発動モード中に変動表示される各図柄列が複数の時短カードを有している場合には、既に変動表示されている時短カードの一部を超時短カードへと切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、各図柄列が有するカード数を増加させること無く、超時短カードを変動表示させることが可能となる。
また、この場合、時短カード、又は超時短カードが3枚停止表示される組合せを天井発動モード中において天井特典が付与されることを示す停止図柄の組合せとして設定すると良い。このように構成することで、天井発動モード中における各種カードの変動表示制御を代えること無く、単に時短カードの表示態様を超時短カードの表示態様へと切り替えるだけの処理を実行するだけで、遊技者に対して、超天井発動モードが間も無く発動するのではと思わせることができる。
<第14制御例の第1変形例について>
次に、図481から図490を参照して、本第14制御例の第1変形例について説明をする。上述した第14制御例は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、高確率(900/1000)で時短当選する時短抽選にて、第2条件が成立した場合(外れ当選した場合)に、天井特典を付与可能に構成することで、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が長期間となり、遊技者に天井特典を付与することが出来ないという問題が発生する場合があった。
これに対して、本第14制御例の第1変形例では、通常状態において時短抽選で当選した場合に、時短回数の異なる第1時短状態を設定可能に構成し、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、設定されている第1時短状態が終了することで第2条件が成立し、天井特典が付与されるように構成している。
つまり、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間を、第1時短状態として設定される時短回数や、第1時短状態が設定されるタイミングによって多様化させることができると共に、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間に上限を設定することが可能に構成している。
このように構成することで、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させながらも、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間に上限を設定することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第1変形例では、天井特典を付与するための第1条件が成立するよりも前から、第2条件が成立するタイミングを事前に判別可能に構成している。具体的には、第1条件が成立するタイミングまで(ハマリ回数が500回に到達するまで)の残期間(残変動回数)が50回の時点で、第1時短状態の残時短回数が100回である場合には、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が、特別図柄変動50回分になると、予め判別することが可能となる。
よって、天井特典が付与されるタイミングを示すための示唆演出を、第1条件が成立するよりも前から実行することが可能となる。さらに、天井特典を付与するための第1条件が成立するよりも前の段階で、新たに第1時短状態を設定可能な状態、即ち、通常状態中において、第1時短状態として設定される時短回数が、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が長くなる時短回数であるか、比較的短くなる時短回数であるかを遊技者に報知することもできる。
このように構成することで、天井特典を付与するための複数の条件の何れも成立していない時点から、天井特典が付与され得るタイミングを遊技者に予測させながら遊技を行わせ易くすることができる。
<第14制御例の第1変形例における演出内容について>
まず、図481を参照して、本第14制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第14制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第14制御例におけるパチンコ機10に対して、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されている間は時短抽選が実行されず、且つ、第1時短状態の時短回数として異なる時短回数を設定可能に構成している点で相違している。
つまり、天井特典を付与することが可能な第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、設定されている第1時短状態が終了することにより、天井特典を付与するための第2条件が成立し、天井特典が付与されるように構成している。
このように構成することで、第1条件が成立した時点において設定されている第1時短状態の残時短回数が、天井特典が付与されるまでの残期間として予め設定されるため、上述した第14制御例におけるパチンコ機10のように、第1条件が成立したにも関わらず、第2条件が長時間成立しない事態を発生させ難くすることができる。
また、上述した第14制御例と同様に、天井特典を付与することが可能な第1条件(ハマリ回数500回)が成立したことを示すための期間演出(天井発動モード演出)を実行可能に構成し、その天井発動モード演出にて、天井特典が付与されるまでの残期間に基づく演出を実行可能に構成している。
ここで、本第14制御例における第1変形例では、天井発動モード演出が実行される期間の長さが、第1時短状態の残時間(残時短回数)となるため、その長さを事前に判別することが可能となる。そして、天井発動モード演出の演出期間として設定される期間の長さに応じた演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して天井特典が付与されるまでの期間を予測させることができるため、遊技を継続するか否かの選択を遊技者に行わせ易くすることができる。
また、本第14制御例の第1変形例では、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が所定期間(例えば、特別図柄抽選4回)以内である場合に、第1条件が成立したことを遊技者に報知するための報知態様として、通常とは異なる特殊演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、第2条件が成立するタイミングが遊技者に有利なタイミング(第1条件の成立直後のタイミング)であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
加えて、本第14制御例の第1変形例においても、第1条件が成立した後に、第2条件が成立すること無く、右打ち遊技状態が設定される場合(大当たり当選や時短当選に基づいて第2時短状態が設定される場合)において、遊技者に対して、第2条件が成立する場合に設定される演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、右打ち遊技状態が設定される契機を遊技者に判別させ難くすることができる。
本第14制御例の第1変形例では、天井発動モード演出が実行されると、図481に示した演出が実行される。図481(a)は、第1条件が成立したことを示すための天井発動モード演出にて表示される表示画面の一例を示した図であり、図481(b)は、第1条件が成立した時点において、第2条件が成立することが確定している場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
そこで、本第1変形例では、左打ち遊技状態中において、第1時短状態が設定されているか否かを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。図481(a)は、遊技状態示唆演出の演出画面の一例を示した図であって、図481(b)は、左打ち遊技状態において、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆するための示唆演出中における表示画面の一例を示した図である。
図481(a)に示した通り、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立すると、天井発動モード演出としてドキドキゾーンが設定される。このドキドキゾーン中は、主表示領域Dmに扉871が出現し、特別図柄抽選が実行される毎に、ウサギ801が鍵を用いて扉871を開ける演出が実行される。
副表示領域Dsには、ドキドキゾーン中の演出内容を説明するための態様として「鍵を使って扉を開けろ、扉が開けば時短突入」のコメントが表示され、遊技者に対して、扉871が開けば特典が付与されることを分かり易く報知している。
主表示領域Dmの右下側に形成される小表示領域Dm9には、獲得済みの第1特別図柄抽選の抽選権利(特図1保留)に対応させた保留アイコンhr1~hr4が表示可能に構成されており、図481(a)に示した図では、特図1保留を4個獲得していることに対応させて4つの保留アイコンhr1~hr4が表示されている。
この保留アイコンhr1~hr4は、獲得済みの特図1保留に対応した数が表示されるように構成しており、1個目の特図1保留(第1特図1保留)に対応させて第1保留アイコンhr1が、2個目の特図1保留(第2特図1保留)に対応させて第2保留アイコンhr2が、3個目の特図1保留(第3特図1保留)に対応させて第3保留アイコンhr3が、4個目の特図1保留(第4特図1保留)に対応させて第4保留アイコンhr4が表示される。
そして、ドキドキゾーン中に新たな特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)が実行されると、第1保留アイコンhr1として表示されていた鍵を使用して扉871を開放させる演出が実行されると共に、第2保留アイコンhr2として表示されていた鍵が第1保留アイコンhr1へとシフトし、以下、第3保留アイコンhr3として表示されていた鍵が第2保留アイコンhr2へとシフトし、第4保留アイコンhr4として表示されていた鍵が第3保留アイコンhr3へとシフトし、第4保留アイコンhr4が表示されない表示画面となる。この場合、新たな特図1保留を獲得した場合に、第4保留アイコンhr4が表示される。
図481に示した図では、第4保留アイコンhr4のみが、他の保留アイコン(第1保留アイコンhr1~第3保留アイコンhr3)とは異なる表示態様で表示されており、第1保留アイコンhr1~第3保留アイコンhr3は通常鍵を示す表示態様で、第4保留アイコンhr4は特殊鍵を示す表示態様で表示されている。
詳細な説明は後述するが、第1保留アイコンhr1~第4保留アイコンhr4の表示態様は、通常は通常鍵を示す表示態様が設定されるように構成しており、第2条件が成立する特別図柄変動に対応する特図保留や、大当たり当選(時短当選)する特図保留に対して、特殊鍵を示す表示態様が設定され易くなるように構成している。そして、特殊鍵を示す表示態様で表示されている保留アイコンを用いた変動演出では、通常鍵を示す表示態様で表示されている保留アイコンを用いた変動演出よりも、扉871が開放する演出結果となる変動演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、保留アイコンの表示態様について遊技者に興味を持たせることができる。
また、天井特典を付与するための第1条件が成立しドキドキゾーンが設定された直後に第2条件が成立する場合には、図481(a)に示した演出(鍵を用いて扉を開放させる演出)では無く、図481(b)に示した特殊演出を実行可能に構成している。
図481(b)に示した特殊演出では、ドキドキゾーン中の通常演出で表示される扉871(図481(a)参照)に代えて、自動ドア871が表示される。そして副表示領域Dsには、間もなく天井特典(第3時短状態)が付与されることを遊技者に案内するための案内態様として「大ラッキー!!近付くだけで扉が開くよ」のコメントが表示される。
そして、特殊演出中は、第2条件が成立する特別図柄変動が表示されるまでウサギ801が自動ドア871に近付いていく演出が実行され、第2条件が成立する特別図柄変動にて自動ドア871が開き、天井特典が付与されることを報知する演出が実行される。このように構成することで、ドキドキゾーンが設定された場合に表示される扉の種別によって、天井特典が付与されるまでの残期間の長さを遊技者に視覚的に判別させ易くすることができる。
また、自動ドア871が表示される特殊演出を実行可能に構成することで、例えば、ハマリ回数501回目の特別図柄変動が実行されることで第2条件が成立する場合に通常演出(図481(a)参照)が実行される事態、即ち、遊技者が通常演出の演出内容を把握する間も無く1個目の鍵で扉871が開いてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第14制御例の第1変形例では、天井特典を付与するための第1条件が成立した時点において、第2条件が成立するまでの残期間を判別可能に構成しているため、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの残期間の長さに応じた演出(天井発動モード演出)を実行することが可能となる。このように構成することで、天井発動モード演出の演出内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第14制御例の第1変形例では、ハマり回数が規定回数(500回)に到達した場合に、天井発動モード演出を実行し、天井発動モード演出の演出期間(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの残期間)に応じた演出態様を設定するように構成し、天井発動モード演出の演出期間が所定期間以内(例えば、特別図柄抽選4回分以内)である場合において、特殊演出態様が設定された天井発動モード演出(図481(b)参照)を実行可能に構成することで、天井発動モード演出が実行される場合において、どの演出態様が設定されるのか遊技者に興味を持たせることができるものであった。
しかしながら、本第14制御例の第1変形例では、ハマり回数が規定回数(500回)に到達した場合に天井発動モード演出が実行されるため、ハマり回数が501回~504回となる特別図柄変動にて第2条件が成立する場合に特殊演出態様が設定可能となり、特殊演出態様が設定され難いという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、天井発動モード演出を実行するタイミングを、第2条件の成立タイミングに基づいて決定するように構成しても良く、例えば、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した場合であっても、天井発動モード演出を実行せず、その後、第2条件が成立するまでの残期間が所定期間以内(例えば、特別図柄抽選4回分以内)となった場合に、天井発動モード演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、天井発動モード演出として特殊演出態様を設定し易くすることができる。また、第1条件の成立期間と、天井発動モード演出の演出期間とを異ならせることにより、後に実行される遊技の内容を遊技者に判別させ難くすることができる。
なお、本第14制御例の第1変形例では、ハマり回数が規定回数(500回)に到達した場合に、天井発動モード演出を実行し、天井発動モード演出の演出期間(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの残期間)に応じた演出態様を設定することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの残期間を予測させる演出を実行可能に構成しているが、第1条件が成立するよりも前の期間において、第2条件が成立するまでの残期間を遊技者に予測させることが可能となる各種演出を実行しても良い。
例えば、通常状態において実行される時短抽選によって時短当選した場合に、今回設定される第1時短状態の時短回数と、第1条件が成立するまでの残ハマり回数と、に基づいて、今回設定される第1時短状態が、第1条件が成立した後に終了するか否かを判別し、第1条件が成立した後に終了すると判別した場合には、第1条件が成立してから第1時短状態が終了するまでの期間の長さに対応した演出(時短当選時演出)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、第1条件が成立するよりも前に、天井特典が付与され易い(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が短い)遊技状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となる。
また、第1条件が成立する前に今回設定される第1時短状態が終了すると判別した場合には、今回設定される第1時短状態が終了してから第1条件が成立するまでの残期間を特定し、その特定した残期間の長さが、第1時短状態として設定され得る時短回数のうち、最も少ない時短回数よりも長いか否かを判別し、今回設定される第1時短状態が終了してから第1条件が成立するまでの残期間の長さが、第1時短状態として設定され得る時短回数のうち、最も少ない時短回数よりも短いと判別した場合と、長いと判別した場合とで、異なる態様の演出(時短当選時演出)を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、次に設定される第1時短状態が終了するタイミングと、天井特典を付与するための第1条件が成立するタイミングと、に関する情報を遊技者に報知することができるため、天井特典が付与され易い(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が短い)遊技状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となる。
例えば、通常状態において計測されているハマり回数と、時短当選した場合に設定され得る第1時短状態の時短回数とに基づいて、時短当選した場合に遊技者に有利となり易い期間と、遊技者に不利となり易い期間と、を遊技者に報知可能な演出を実行可能に構成すると良い。
具体的には、本第14制御例では、図483に示した通り、第1時短状態が設定された場合には、時短回数として「100」~「300」の範囲を設定可能に構成しており、その殆どが約100単位(100回、200回、300回)で設定されるように構成している。そして、天井特典を付与するための第1条件としてハマリ回数500回が設定されている。よって、通常状態において計測されているハマり回数が、200回付近、300回付近、400回付近となる期間が、天井特典を付与するための第1条件が成立した直後に終了する第1時短状態を設定可能な期間(有利期間)となる。一方で、通常状態において計測されているハマり回数が450回~499回となる期間では、天井特典を付与するための第1条件が成立してから第1時短状態が終了するまでの期間が長くなる期間(不利期間)となる。
よって、通常状態において計測されているハマり回数が、201回~220回、301回~320回、401回~420回なる期間を有利期間として設定し、遊技者に対して、時短当選した場合に遊技者に有利となり易い有利期間であることを示す演出を実行可能に構成する。より具体的には、第3図柄表示装置81の表示面に現在が有利期間であることを示すための案内態様として「有利ゾーン」と表示し、有利ゾーン中に特別図柄抽選が実行された場合に、ウサギ801がゴルフで球を打つ演出が実行される。そして、特別図柄抽選の結果が完全外れ(大当たり、時短、共に非当選)である場合には、「もう1回」と表示され、次の特別図柄抽選に対応する演出で再度球を打つ演出が実行される。
そして、特別図柄抽選にて大当たり当選した場合、或いは、時短当選にて第2時短状態が設定される場合には、ウサギ801が打ったゴルフ球がカップインするホールインワン演出が実行され、カップから取り出したボールに付されているアイコンが「V」である場合は大当たり当選が報知され、「時短」である場合には、時短当選に基づく第2時短状態の設定が報知される。
また、特別図柄抽選にて時短当選した場合には、今回の時短当選によって設定される第1時短状態の時短回数と、天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残ハマリ回数との差分を算出し、算出された差分が、第1条件が成立してから実行される特別図柄変動5回以内に第1時短状態が終了する場合、即ち、設定されている有利ゾーンに対して最適な第1時短状態が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて、カップの近くに打ったゴルフ球が位置し、「ナイスショット!!ニアピン賞獲得」の文字が表示されるニアピン演出が実行される。このニアピン演出が実行された場合には、ニアピン賞のトロフィーが、天井特典が付与されるまで、或いは、大当たり遊技が実行されるまで第3図柄表示装置81の表示画面に継続して表示されるように構成する。このように構成することで、パチンコ機10の遊技状況として、天井特典を付与するための第1条件が成立した直後(特別図柄変動5回以内)に天井特典が付与される遊技状況であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、算出された差分(今回の時短当選によって設定される第1時短状態の時短回数と、天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残ハマリ回数との差分)が、第1条件が成立してから実行される特別図柄変動20回以内に第1時短状態が終了する場合、即ち、設定されている有利ゾーンに対して適切な第1時短状態が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて、グリーン上にゴルフ球が位置し、「ナイスショット!!」の文字が表示されるグリーンオン演出が実行される。このグリーンオン演出が実行された場合には、ニアピン賞演出とは異なり、天井特典が付与されるまで、或いは、大当たり遊技が実行されるまで第3図柄表示装置81の表示画面に継続して特定態様(トロフィー等)が表示されることが無いように構成する。このように構成することで、グリーンオン演出を体験した遊技者のみが、パチンコ機10の遊技状況として、天井特典を付与するための第1条件が成立した直後(特別図柄変動20回以内)に天井特典が付与される遊技状況であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
一方で、算出された差分(今回の時短当選によって設定される第1時短状態の時短回数と、天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残ハマリ回数との差分)が、第1条件が成立してから実行される特別図柄変動20回以内に第1時短状態が終了しない場合、即ち、設定されている有利ゾーンに対して適切な第1時短状態が設定されなかった場合のうち、第1条件が成立してから第1時短状態が設定されるまでの期間の長さが、特別図柄変動20回よりも長い場合には、キャラクタ801が打ったゴルフ球がOBとなるOB演出が実行され、その後、有利ゾーンが終了する。このOB演出が実行された場合には、パチンコ機10の遊技状況として、第1条件が成立してから第1時短状態が終了するまでの期間が長いことを示す演出であるため、OB演出が実行されたことを確認した遊技者は、他のパチンコ機10への移動を含めて今後の遊技方針を決定し易くなる。
このOB演出が実行されたことを履歴として表示しないように構成することで、実際に遊技を行っている遊技者のみ知り得る情報(OB演出の有無)を提供することができるため、遊技を実行している遊技者に対して、遊技を実行していない遊技者よりも有利な情報を提供することが可能となる。なお、OB演出が実行されたことを履歴表示可能に構成し、後でOB演出の実行の有無を確認可能に構成しても良い。
また、第1条件が成立するよりも前に第1時短状態が終了する場合には、フェアウェイ上にゴルフ球が位置し、「次回アプローチ対決」の文字を表示する第1打演出が実行し、有利ゾーンを終了させる。
この場合、第1打演出が実行されたことを示す情報を記憶可能な記憶手段を設け、次の有利ゾーンが設定される場合に、記憶手段に第1打演出が実行されたことが記憶されている場合には、アプローチ演出が実行される。そして、その有利ゾーン中に新たな時短当選で第1時短状態が設定された場合には、上述した演出の決定方法と同一の手法で各演出を決定し、決定した演出が実行される。
以上、上述した演出を実行することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを示唆可能な示唆演出として、天井特典を付与するための第1条件が成立するよりも前の段階と、第1条件が成立した後の段階とで異なる演出を実行可能となり、遊技者に対して遊技意欲を低下させること無く継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、実行される各種演出によって、天井特典が付与されるタイミングが遊技者に不利となるタイミング(天井特典を付与するための第1条件が成立してから天井特典が付与されるまでの期間が長くなるタイミング)を示唆することができるため、パチンコ機10を遊技する遊技者に対して、天井特典の付与を目指した遊技を継続するか否かの判断を多様なタイミングで行わせることができる。よって、天井特典の付与を目指した遊技を継続するか否かの判断基準の異なる遊技者が入れ替わりながらパチンコ機10の遊技を行わせ易くすることができるため、パチンコ機10の遊技の稼働を高め易くすることができる。
<第14制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図482から図485を参照して、本第14制御例の第1変形例における電気的構成について説明をする。本第14制御例の第1変形例では、上述した第14制御例に対して、主制御装置110のROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を変更している点で相違している。それ以外の構成は同一であるためその説明を省略する。
まず、図482を参照して、本第14制御例の第1変形例における主制御装置110のROM202の構成について説明をする。図482は、本第14制御例の第1変形例における主制御装置110のROM202の構成を示した図である。図482に示した通り、本第14制御例の第1変形例では、上述した第14制御例における主制御装置110のROM202の構成(図473(a)参照)に対して、時短種別選択14テーブル202mfに代えて時短種別選択14aテーブル202mafを設けている点で相違し、それ以外は同一である。
時短種別選択14aテーブル202mafは、上述した第14制御例の時短種別選択14テーブル202mfに対して、時短抽選で時短当選した場合の時短種別を決定する際に参照される時短用13テーブル202lf1に代えて時短当選用14aテーブル202maf1を設けている点で相違している。この時短当選用14aテーブル202maf1は、第1時短状態が設定される時短種別の種類として、5種類の時短種別が規定されており、設定される時短種別に応じて異なる回数の時短回数が設定されるように構成している。
ここで、図483を参照して、時短種別選択14aテーブル202mafが有する時短当選用14aテーブル202maf1の内容について説明をする。図483は、時短当選用14aテーブル202maf1に規定されている内容を示した図である。図483に示した通り、時短当選用14aテーブル202maf1には、合計で6種類の時短種別が規定されており、時短当選したことに基づいて第1時短状態が設定される時短種別が5種類、第2時短状態が設定される時短種別が1種類規定されている。
なお、第2時短状態が設定される時短種別は、その選択割合や、設定される時短回数が上述した第14制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。一方、第1時短状態が設定される時短種別の種類を増加させており、設定される時短種別に応じて、最大で300回、最小で100回の時短回数が設定されるように構成している。
具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の取り得る「0~999」の範囲のうち、「0~99」の範囲には、時短回数100(時短カウンタ203hの値に100が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「100~199」の範囲には、時短回数101(時短カウンタ203hの値に101が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「200~299」の範囲には、時短回数102(時短カウンタ203hの値に102が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「300~599」の範囲には、時短回数200(時短カウンタ203hの値に200が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「600~899」の範囲には、時短回数300(時短カウンタ203hの値に300が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「900~999」の範囲には、時短回数300(時短カウンタ203hの値に300が設定される)であって、第2時短状態が設定される時短種別が、それぞれ規定されている。
ここで、図483に示した通り、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態に設定される時短回数として、下一桁の値が若干異なるだけで時短種別が複数規定されている。本第14制御例の第1変形例では、上述した通り、天井特典を付与することが可能な第1条件(ハマリ回数500回)が成立した時点で設定されている第1時短状態の残時短回数が0となり通常状態が設定される場合に、天井特典を付与可能に構成している。
つまり、第1条件が成立した時点における第1時短状態の残時短回数に応じて、天井特典が付与されるタイミングが異なることになる。この場合、第1時短状態の時短回数として設定可能な値を所定間隔(例えば、50回)で異ならせて規定した場合には、特定の時短回数が終了し得る付近の特別図柄抽選回数が終了した時点で、次に時短状態が終了し得るタイミングが特別図柄抽選50回分程度後になるため、天井特典が付与されることを期待しながら継続して遊技を行わせ難いという問題があった。
これに対して、本第1変形例では、時短回数を若干異ならせた時短種別を設定可能に構成しているため、天井特典が付与されることを期待しながら継続して遊技を行わせ易くすることができる。更に、本第1変形例では、上述した第14制御例と同様に、特別図柄抽選で時短当選した場合に第1時短状態を設定可能に構成し、特別図柄抽選にて実行される時短抽選において時短当選する確率が990/1000となるように構成しているため、大当たり遊技終了後の1回目の特別図柄抽選において時短当選しない可能性も約1%存在する。
つまり、大当たり遊技終了後に、ハマり回数の計測が新たに開始されるのに対して、第1時短状態の残時短回数が0となるタイミングは、第1時短状態が設定されるタイミングと、設定された第1時短状態の時短種別によって異ならせることが可能となる。このように構成することで、ハマり回数が第1条件(500回)を満たした場合における第1時短状態の残時短回数の値を異ならせ易くすることができ、遊技者に対して、第2条件が成立するタイミングを予測させ難くすることができる。
また、第1時短状態の時短回数として最大で300回を設定可能に構成している。この300回の時短回数は、通常第1条件(ハマリ回数500回)が成立してから特殊第1条件(ハマリ回数700回)が成立するまでに要する特別図柄抽選の回数よりも大きな値が設定されている。
このように構成することで、第1条件(ハマリ回数500回)が成立するまでに新たに第1時短条件が設定されるタイミングや、設定される時短種別に応じて、第2天井特典が設定され易い状況(通常第1条件が成立してから特殊第1条件が成立するまでの間に第1時短状態が終了し得ない(し難い)状況)を創出可能に構成している。よって、上述した第14制御例に対して、第2天井特典を実行させ易くすることができる。
次に、図484、及び、図485を参照して、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図484(a)は、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図484(a)に示した通り、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のROM222は、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaを設けている点で上述した第14制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成と異ならせている。それ以外は同一であるためその詳細な説明を省略する。
ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaは、ドキドキゾーンが設定される場合の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図485を参照して、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaに規定されている内容について説明をする。図485は、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaに規定されている内容を示した図である。
図485に示した通り、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaには、ドキドキゾーンが設定される時点における残時短回数(第1時短状態の残時短回数)と、獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる演出態様が規定されている。
具体的には、残回数カウンタ223maaの値が「1」、即ち、第1条件が成立した特別図柄変動の次変動にて第2条件が成立し、天井特典が付与される場合には、先読み結果、及び、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、演出態様として「自動ドア」が規定されている。ここで、演出態様「自動ドア」が決定された場合には、図481(b)に示した特殊演出が実行される。
次に、残回数カウンタ223maaの値が「2」で、先読み結果が「全外れ」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていないと判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「保2強カギ」が、「50~89」の範囲に対して、「ノーマル」が、「90~99」の範囲に対して「自動ドア」が、それぞれ演出態様として規定されている。
ここで、「保2強カギ」の演出態様が決定された場合は、第2保留アイコンhr2に対して通常鍵とは異なる特殊鍵の表示態様(図481(a)の第4保留アイコンhr4の表示態様に相当)が表示される。
一方で、先読み結果が「当たりあり」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていると判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「自動ドア」が、「50~99」の範囲に対して、「保2強カギ」が、それぞれ演出態様として規定されている。
ここで、先読み結果が「当たりあり」となった場合であっても、残回数カウンタ223maaの値に対応した保留アイコンに対して「強カギ」が決定されるように構成している。この場合、第2条件が成立するよりも前に「当たり当選」する特別図柄抽選が実行された場合には、その特別図柄抽選に対応する保留アイコンが示す通常鍵を使用した演出として扉871が開放する演出が実行される。このように構成することで、通常鍵を使用した演出においても扉871が開放する演出を容易に実行させることが可能となる。
また、第2条件が成立してから(天井特典が付与されてから)「当たり当選」する特別図柄抽選が実行される場合には、ドキドキゾーンが終了してから当たり当選する特別図柄抽選が実行されるため、ドキドキゾーン中における演出に違和感を与えることが無い。
また、残回数カウンタ223maaの値が「3」で、先読み結果が「全外れ」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていないと判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「保3強カギ」が、「50~89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90~99」の範囲に対して「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
一方で、先読み結果が「当たりあり」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていると判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90~99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
また、残回数カウンタ223maaの値が「4」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「保4強カギ」が、「50~99」の範囲に対して、「自動ドア」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「保4強カギ」が、「50~89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90~99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
さらに、残回数カウンタ223maaの値が「5~20」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、「チャンス」が、「90~99」の範囲に対して、「ランダム強カギ」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合、即ち、第2条件が成立するよりも前に(第1時短状態が終了するよりも前に)、当たり当選する特別図柄抽選にてドキドキゾーンが終了する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「ノーマル」が、「50~89」の範囲に対して、「当保強カギ」が、「90~99」の範囲に対して、「自動ドア」が、それぞれ演出態様として規定されている。
ここで、演出態様として「チャンス」が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される扉871の表示態様として、通常の扉(図481(a)参照)よりも若干豪華な扉(チャンス扉)を示す表示態様が設定される。このように構成することで、通常の扉871が表示される場合よりも、扉が開放し易い状況(第2条件が成立し易い状況)であることを遊技者に対して視覚的に判別させ易くすることができる。
また、演出態様として「ランダム強カギ」が設定された場合は、獲得済みの特図保留に対応して表示される保留アイコンのうち、ランダムに抽選された1の保留アイコンに対して「強カギ」の表示態様が設定される。このように構成することで、特殊鍵を使用した演出にて扉871が開放されない演出(失敗演出)を設定することができる。
残回数カウンタ223maaの値が「21~100」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「チャンス」が、「50~99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合、即ち、第2条件が成立するよりも前に(第1時短状態が終了するよりも前に)、当たり当選する特別図柄抽選にてドキドキゾーンが終了する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「当保強カギ」が、「50~89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90~99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
残回数カウンタ223maaの値が「101~300」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0~89」の範囲に対して、「ノーマル」が、「90~99」の範囲に対して、「チャンス」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合、即ち、第2条件が成立するよりも前に(第1時短状態が終了するよりも前に)、当たり当選する特別図柄抽選にてドキドキゾーンが終了する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「自動ドア」が、「50~89」の範囲に対して、「当保強カギ」が、「90~99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
図484(b)に戻り、説明を続ける。図484(b)は、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を示した図である。本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第14制御例に対して、残回数カウンタ223maaと、ドキドキ中フラグ223mabを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその説明を省略する。
残回数カウンタ223maaは、第1時短状態の時短回数を計測するためのカウンタであって、第1時短状態が設定されたことを示す状態コマンドを受信した場合に、設定される時短回数に対応する値がセットされる。そして、第1時短状態中に特別図柄抽選が実行される毎に値が更新(減算)される。この残回数カウンタ223maaの値は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した時点で参照され、残回数カウンタ223maaの値に基づいて、天井特典を付与するための第2条件(第1時短状態の終了)が成立するまでの残期間が算出される。そして、第1時短状態が終了した場合に値が0にクリアされる。
ドキドキ中フラグ223mabは、ドキドキゾーンの演出態様が決定され、ドキドキゾーンの演出が実行されている期間であることを示すためのフラグであって、ドキドキゾーンの演出態様が決定された場合にオンに設定される。ドキドキ中フラグ223mabがオンに設定されている間は、新たに、ドキドキゾーンの演出態様を決定する処理が実行されないように構成している。このように構成することで、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。そして、ドキドキゾーンの演出期間が終了した場合にオフに設定される。
<第14制御例の第1変形例における制御処理について>
次に、図486~図490を参照して、本第14制御例の第1変形例における制御処理について説明をする。本第14制御例の第1変形例では、上述した第14制御例に対して、主制御装置110にて実行される制御処理として、時短抽選を実行するための処理内容と、天井特典を付与するための処理内容と、時短状態を設定するための処理内容と、を異ならせている点、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理として、通常状態、及び、時短状態にて実行される変動演出を設定するための処理内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、主制御装置110にて実行される処理として、上述した第14制御例にて実行される時短抽選処理13(図453のS38006参照)に代えて、時短抽選処理14a(図486のS38056a)を、天井判定処理14(図476のS38071参照)に代えて、天井判定処理14a(図487のS38071a)を、時短設定処理14(図477のS30274参照)に代えて、時短設定処理14a(図488のS30274a)を実行する点で相違している。また、音声ランプ制御装置113にて実行される処理として、上述した第14制御例にて実行される時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)に代えて時短状態演出設定処理14a(図489のS39091a)を、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)に代えて、通常モード用演出設定処理14a(図490のS34472a参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
まず、図486を参照して、時短抽選処理14a(S38056a)の処理内容について説明をする。図486は、時短抽選処理14a(S38056a)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理14a(S38056a)は、上述した第14制御例にて実行される時短抽選処理13(図453のS38006参照)に対して、時短抽選を実行可能な遊技状態の種別を異ならせている点と、時短当選の判定を行う際に参照されるデータテーブルを異ならせている点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図486に示した通り、時短抽選処理14a(S38056a)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gに格納されている現在設定されている遊技状態を示す情報を読み出し(S8102)、現在設定されている遊技状態が通常状態であるかを判別する(S38151a)、通常状態であると判別した場合は(S38151a:Yes)、時短当たり乱数14テーブル202meに基づいて抽選結果(時短当選の判定結果)を取得し(S38152a)、上述した第14制御例にて実行される時短抽選処理13(図453のS38006参照)と同一のS8105、及びS8106の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S38151aの処理において、通常状態では無いと判別した場合は(S38151a:No)、時短抽選を実行すること無く、本処理を終了する。
つまり、本第14制御例の第1変形例では、時短抽選を実行可能な遊技状態として通常状態のみが規定されており、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合には、時短抽選が実行されないように構成している。このように構成することで、遊技者にとって最も不利な遊技状態であった通常状態のみ遊技者に有利となる特典(第2時短状態)を付与し得る機会(時短抽選)を提供することができるため、通常状態中の遊技を行っている遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した第14制御例とは異なり、第1時短状態が設定されている状態にて時短抽選が実行されないように構成しているため、時短抽選にて時短当選したことに基づいて第1時短状態が設定された場合には、設定された第1時短状態に対応する時短回数を消化することで確実に通常状態を設定することが可能となる。よって、第1時短状態が継続する最長期間を第1時短状態が設定される時点で予め設定することができるため、遊技者に対して、無用に長時間の間、第1時短状態中の遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。また、第1時短状態が設定される時点で予め設定された第1時短状態が継続する最長期間の長さに基づいて、遊技者に対して第1時短状態が終了するまでの期間の長さを示唆する演出(ドキドキゾーン)を実行することが可能となる。
次に、図487を参照して、天井判定処理14a(S38071a)の処理内容について説明をする。図487は、天井判定処理14a(S38071a)の処理内容を示したフローチャートである。この天井判定処理14a(S38071a)は、上述した第14制御例にて実行される天井判定処理14(図476のS38071参照)に対して、天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数500回)に関する情報(ハマり回数)を更新させる条件を異ならせている点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図487に示した通り、天井判定処理14a(S38071a)が実行されると、上述した第14制御例にて実行される天井判定処理14(図476のS38071参照)のうち、S38102の処理を削除した制御処理が実行される。具体的には、S38101の処理を実行した後、S38102の処理を実行すること無く、S38103の処理へ移行するように構成している。
つまり、天井判定処理14a(S38071a)では、設定されている遊技状態に関わらず、特別図柄抽選が実行される毎に、ハマり回数が加算されるように構成している。このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立するタイミングを固定し易くすることができるため、天井特典を付与するための第2条件(第1時短状態の終了)が成立するタイミングについて遊技者に興味を持たせ易くすることができる。
次に、図488を参照して、時短設定処理14a(S30274a)の処理内容について説明をする。図488は、時短設定処理14a(S30274a)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理14a(S30274a)は、上述した第14制御例にて実行される時短設定処理14(図477のS30274参照)に対して、遊技状態として通常状態が設定されている場合のみ、新たな時短状態を設定可能に構成している点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
図488に示した通り、時短設定処理14a(S30274a)が実行されると、現在が通常状態であるかを判別し(S38571)、通常状態では無いと判別した場合は(S38571:No)、時短状態を設定するための各種処理をスキップして、本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(S38571:Yes)、上述した時短設定処理14(図477のS30274参照)と同一のS8351~S38357の処理を実行し、本処理を終了する。
このように、新たな時短状態を設定するための処理を、特定の遊技状態(通常状態)が設定されている場合のみ実行可能に構成し、特定の遊技状態(通常状態)が設定されているかの判別を最初に実行することにより、無用な処理が実行され難くすることができる。
なお、図488に示した通り、本第14制御例の第1変形例では、通常状態が設定されている場合にて、時短抽選の結果に基づく時短状態の設定を、天井特典に基づく時短状態の設定よりも優先して実行するように構成しているが、これに限ること無く、天井特典に基づく時短状態の設定を、時短抽選の結果に基づく時短状態の設定よりも優先して実行可能に構成しても良い。この場合、上述した第13制御例にて実行される時短設定処理13(図455のS30254参照)と同様に、天井特典を付与するための条件(各種天井待機フラグの設定状況)を判別する処理を先に実行し、天井特典を付与するための条件が成立していない場合(各種天井待機フラグの何れもオンに設定されていない場合)に、時短抽選の結果に基づく時短状態を設定するための処理を実行するように構成すれば良い。
このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立している状態で、既に設定されている第1時短状態が終了した場合に必ず天井特典を付与することができる。
さらに、本第14制御例の第1変形例では、通常状態が設定されている場合以外は、新たな時短状態を設定するための条件が成立している場合(各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されている場合)であっても、新たな時短状態を設定すること無く、通常状態が設定されるまで、新たな時短状態を設定するための権利を持ち越すように構成している(時短持ち越し機能を有している)。
この時短持ち越し機能を別の用途に適用しても良く、例えば、第2時短状態や確変状態といった右打ち遊技状態が設定されている状態において、天井特典の付与条件が成立した場合に、現在設定されている遊技状態に基づく右打ち遊技状態が終了した後に、天井特典に基づく右打ち遊技状態を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利となる右打ち遊技状態が継続する期間を長くすることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ易くすることができる。
また、右打ち遊技状態中であれば何れのタイミングで天井特典の付与条件を成立させたとしても、同一の特典(右打ち遊技状態終了後の天井特典付与)を提供することができるため、遊技者に対して付与される天井特典の内容が過剰に有利になったり、過剰に不利になったりしてしまうことを抑制することができる。
さらに、右打ち遊技状態中においても時短抽選を実行可能に構成し、その時短抽選にて第2時短状態が設定される時短種別に当選した場合に、右打ち遊技状態が終了した後に、時短当選に基づく第2時短状態を設定するように構成しても良い。この場合、本第14制御例の第1変形例のように、時短当選時の一部において第2時短状態が設定される時短種別(有利時短)が設定されるように構成しているパチンコ機10では、有利時短に当選するまでは(有利時短以外の時短に当選した場合であっても)繰り返し時短抽選を実行可能に構成し、有利時短に当選したことを条件に時短抽選を実行しないように構成すると良い。
さらに、時短当選した結果を複数持ち越し可能に構成しても良く、例えば、右打ち遊技状態中に実行される時短抽選にて5回時短当選した場合には、その5回の時短当選に基づく時短状態を順に設定するように構成しても良い。
次に、図489を参照して、時短状態演出設定処理14a(S39091a)の処理内容について説明をする。図489は、時短状態演出設定処理14a(S39091a)の処理内容を示した図である。この時短状態演出設定処理14a(S39091a)では、上述した時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)に対して、第1時短状態が設定された場合に設定される時短回数を計測するための処理を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
図489に示した通り、時短状態演出設定処理14a(S39091a)が実行されると、上述した時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)と同一のS34301~S34303の処理を実行し、S34303の処理において、第1時短状態が設定されたと判別した場合に(S34303:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を残回数カウンタ223maaの値に設定し(S34391)、その後、上述した時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)と同一のS34305~S34309の処理を実行して本処理を終了する。
このように、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態の残時短回数を残回数カウンタ223maaの値を用いて計測することにより、第1時短状態の残期間を判別可能に構成している。これにより、天井特典を付与するための第2条件(第1時短状態の終了)が成立するまでの期間を判別し、その判別結果に基づく演出を実行することができる。
次に、図490を参照して、通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)の処理内容について説明をする。図490は、通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)では、上述した通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)に対して、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている場合、即ち、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した場合に実行される制御処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図490に示した通り、通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)が実行されると、まず、上述した通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)と同一のS34501~S34571の処理を実行する。
そして、S34571の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていると判別した場合は(S34571:Yes)、残回数カウンタ223maaの値を更新し(S34591)、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaを参照して、ドキドキゾーンの演出態様を決定し(S34592)、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34593)、ドキドキ中フラグ223mabをオンに設定し(S34594)、本処理を終了する。
一方、S34571の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていないと判別した場合は(S34571:No)、次に、ドキドキ中フラグ223mabがオンに設定されているかを判別し(S34595)、オンに設定されている、即ち、既にドキドキゾーンが設定されていると判別した場合は(S34595:Yes)、ドキドキゾーンの演出態様の更新を決定し(S34596)、本処理を終了する。また、S34595の処理においてドキドキ中フラグ223mabがオンに設定されていないと判別した場合は(S34595:No)、今回受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34509)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第14制御例の第1変形例では、時短抽選で時短当選した場合に、所定回数の第1時短状態(100回~300回の第1時短状態)を設定可能に構成し、天井特典を付与させるための第1条件(ハマリ回数500回)が成立している状態で、第1時短状態が終了した場合(残時短回数が0となった場合)に第2条件が成立し、天井特典を付与可能に構成している。
このように構成することで、第1時短状態が終了するタイミングに応じて、天井特典が付与されるタイミングを異ならせることができるため、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態を終了させるための第1時短終了条件として、特別図柄変動回数に基づいて成立する第1時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、第1時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立し得る第2時短終了条件を設けてもよく、例えば、特別図柄抽選の抽選結果が特定抽選結果(大当たり当選以外の特定の抽選結果)となった回数が所定回数(例えば、2回)となった場合に、第2時短終了条件が成立し、第1時短状態を終了させるように構成しても良い。
このように構成することで、第1時短終了条件が成立する特別図柄変動回数(時短回数)が実行されるよりも前に、第1時短状態を終了させることができるため、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に分かり難くすることができる。
さらに、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態が設定されている状態では時短抽選が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、第1時短状態が設定されている状態でも時短抽選が実行されるように構成し、第1時短状態が設定されている状態で実行された時短抽選で時短当選した場合に、新たに当選した第1時短状態の時短回数を設定する(時短カウンタ203hの値にセットする)ように構成しても良いし、新たに当選した第1時短状態の時短回数が、既に設定されている第1時短状態の残時短回数よりも少ないかを判別可能に構成し、判別結果に基づいて時短カウンタ203hの値を決定するように構成しても良い。この場合、例えば、時短カウンタ203hの値として、遊技者に有利となる方に対応させた値を決定すると良く、本第14制御例の第1変形例に適用する場合であれば、第1条件が成立した後は、時短カウンタ203hの値が少なくなる方の時短回数に対応させて時短カウンタ203hの値を決定するように構成すれば良い。このように構成することで、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が無用に長くなる事態が頻繁に発生してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、天井特典を付与するための条件として第1条件(ハマリ回数500回)と、第2条件(第1時短状態の終了)と、を設けており、何れの条件も成立した場合に天井特典が付与されるように構成している。よって、第1条件として設定されている特別図柄抽選回数(ハマり回数)に到達したタイミングと、実際に天井特典が付与されるタイミングと、を容易に異ならせることが可能となる。
このように構成することで、天井特典が付与されるハマり回数として異なる回数を設定可能に構成し、設定条件が成立した場合において、異なるハマり回数の中から1のハマり回数を決定するといった複雑な処理を実行すること無く、様々なタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典を付与することができる。
なお、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、特別図柄抽選回数に関わらず、特別図柄抽選の結果(時短抽選の結果)に基づいて第1時短状態を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、天井特典を付与するための第1条件が成立した時点において通常状態が設定されている場合には、必ず第1時短状態が設定されるように構成しても良い。
また、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、第1時短状態が設定されている状態では、天井特典として第3時短状態が設定されないように構成している。つまり、第1時短状態は、第3時短状態が設定されるタイミングを遅延させる遅延状態ともいえる。また、第3時短状態が設定されることを規制する規制状態ともいえる。
また、第1時短状態は、予め設定されている時短回数分、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて終了するように構成している。つまり、第1時短状態を終了させるための手段は、第3時短状態が設定されることが規制されている規制状態(規制期間)を解除する解除手段ともいえる。
なお、第1時短状態(遅延状態、規制状態)を解除する手法として、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、特別図柄抽選回数に基づいて成立する条件が成立した場合に、第1時短状態(遅延状態、規制状態)を解除するように構成しているが、これに限ること無く、上述した各制御例にて用いられている時短状態を終了させるための時短終了条件を適宜適用しても良い。
<第15制御例について>
次に、図491から図503を参照して、第15制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特定の特別図柄(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように時短抽選を実行可能に構成していた。
本第15制御例におけるパチンコ機10では、上述した第5制御例と同様に、第2特別図柄抽選でのみ時短抽選を実行可能に構成し、通常状態と、第2確変状態とで、少なくとも時短抽選を実行可能に構成している。
そして、時短状態(第2時短状態)が設定されている場合に、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなるように構成し、且つ、第2特別図柄抽選よりも優先して第1特別図柄抽選が実行されるように構成している。加えて、本第15制御例では、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成し、特別図柄の高確率状態が継続する期間(確変期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(時短期間)との長さを異ならせて設定することができるように構成している。
具体的には、確変期間の継続期間の方が、時短期間の継続期間よりも長くなるように大当たり遊技終了後に確変状態を設定可能に構成しており、この場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄抽選の実行回数が増加するにつれ、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と順に移行するように構成している。
さらに、第2確変状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される場合よりも、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される方が、遊技者に有利な時短抽選が実行されるように構成している。
このように構成することで、確変状態中(第2入球口640へと遊技球を入球させ易い右打ち遊技状態中)において、獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)が、第2確変状態中に実行されることが無いように、第2確変状態中に第1入球口64へと遊技球を入球させ、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)が途切れないようにするという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
<第15制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について>
まず、図491を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。上述した第5制御例におけるパチンコ機10は、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための左打ち遊技を実行し、時短状態が設定された場合に入球し易くなる第2入球口640へと遊技球を入球させるための右打ち遊技を実行可能な遊技盤13(図234参照)を有していた。そして、図234に示した通り、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下可能となる遊技領域(右側領域)には、遊技球が入球することで第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入球手段を設けておらず、右打ち遊技中は、新たな特図1保留を獲得し難い遊技状態となるように構成していた。
ここで、本第15制御例のパチンコ機10は、上述した通り、確変状態中において右打ち遊技を実行することで特図2保留を獲得し、確変状態が終了してから所定期間が経過するまでの間、第2特別図柄抽選よりも優先して実行される第1特別図柄抽選を実行させることで特図2保留を消化しなければ遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。そして、特図2保留を獲得し易い確変状態中において右打ち遊技を実行した場合であっても、新たに特図1保留を獲得することができるように遊技盤13を構成している。このように構成することで、特図1保留を獲得したまま確変状態を終了させ易くすることができる。
図491は、本第15制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成を示す正面図である。本第15制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成(図234参照)に対して、遊技盤13上に形成される遊技領域のうち、右側領域に配設された各種装置の構成を異ならせ、右打ち遊技状態中においても特図1保留を獲得可能に構成している点で相違している。なお、右側領域以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図491に示した通り、本第15制御例では、遊技球が入球することで、第1特別図柄抽選の実行権利を獲得可能な入球手段として、遊技盤13の左側領域を流下した遊技球の方が、遊技盤13の右側領域を流下した遊技球よりも入球し易い第1入球口64と、遊技盤13の右側領域を流下した遊技球の方が、遊技盤13の左側領域を流下した遊技球よりも入球し易い右第1入球口64bと、を有しており、第1入球口64が遊技盤13の下方領域(可変表示ユニット80の下方側に形成される遊技領域)に配設され、右第1入球口64bが遊技盤13の右側領域に配設されている。
第1入球口64、及び、右第1入球口64bは、何れも遊技球が入球することで4個の賞球が払い出されるように構成しており、左打ち遊技を実行した場合には、250個の遊技球を全て使用(途中で払い出された賞球の使用も含む)するまでに約20個の遊技球を第1入球口64へと入球させることが可能となるように第1入球口64が配設されている。
一方、右打ち遊技を実行した場合には、250個の遊技球を全て使用(途中で払い出された賞球の使用も含む)するまでに約15個の遊技球を右第1入球口64bへと入球させることが可能となるように右第1入球口64bが配設されている。
ここで、左側領域には、第1入球口64以外に遊技球が入球することで10個の賞球が払い出される一般入球口63が配設されており、左側領域を流下する遊技球のうち、第1入球口64へと入球することが出来なかった遊技球が一般入球口63へと入球した場合にも賞球が払い出されるように構成しているため、右打ち遊技を実行するよりも左打ち遊技を実行した場合の方が、特定数の遊技球を発射した場合において、遊技球が常時入球可能な入球口(一般入球口63、第1入球口64、右第1入球口64b)への遊技球の入球に基づく賞球を多く獲得し易くなるように構成している。
よって、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態が設定されていない(普通図柄の低確率状態が設定されている)通常状態においては、右打ち遊技を実行する場合よりも、左打ち遊技が実行される場合の方が、遊技者に有利な遊技となる。
図491に示した通り、遊技盤13の右側領域には、第2特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)である第2入球口1640と、第2入球口1640に付設される電動役物1640aと、遊技球が通過(入球)することで普通図柄抽選の実行権利を獲得可能なスルーゲート67と、第1特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)である右第1入球口64bと、大当たり遊技が実行されることで遊技球が入球(入賞)可能となる可変入賞装置1065と、が配設されている。
第2入球口1640には、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開閉作動する電動役物1640aが付随しており、設定されている遊技状態に応じて遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)と、遊技球を入球させ難い状態(普通図柄の低確率状態)と、を創出可能に構成している。なお、普通図柄抽選の内容や、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)において開閉作動される電動役物1640aの動作制御内容等については、上述した各制御例において説明をした電動役物制御の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、右打ち遊技によって発射された遊技球の流れについて説明をする。図491に示した通り、右打ち遊技によって発射された遊技球は、遊技盤13の右側領域に植設されている複数の釘によって流下方向を変更しながら流下する。そして、第2入球口1640が配設されている第1流路、又は、スルーゲート67及び右第1入球口64bが配設されている第2流路に約9対1の割合で振り分けられ、さらに下流方向へと流下する。
第2流路への流入口は、2つの釘の間隙su1によって形成されており、右側領域を流下した遊技球のうち、間隙su1を通過しなかった遊技球が第1流路を流下するように構成している。間隙su1の開口幅は、間隙su1を形成する釘の配置位置によって拡縮するため、例えば、間隙su1を形成する釘の配置位置が間隙su1の開口幅を狭くする方向へと移動した場合には、右側領域を流下した遊技球が第2流路を流下し難くなり、第1流路を流下し易くなる。一方で、間隙su1を形成する釘の配置位置が間隙su1の開口幅を広くする方向へと移動した場合には、右側領域を流下した遊技球が第2流路を流下し易くなり、第1流路を流下し難くなる。
第1流路を流下する遊技球は、電動役物1640aが付随する第2入球口1640に到達し、普図当たり遊技によって電動役物1640aが開状態へと動作している場合には、遊技盤13から突出した電動役物1640aによって遊技球が第2入球口1640へと誘導され、第2入球口1640に入球する。また、第2入球口1640へと遊技球が到達したタイミングにて普図当たり遊技が実行されていない(電動役物1640aが閉状態である)場合には、電動役物1640aが遊技盤13内に埋設されているため、遊技球が電動役物1640aを通過し、可変入賞装置1065に向けて流下する。
第2流路を流下する遊技球は、第2流路内に植設された釘によって、スルーゲート67が設けられた第3流路と、右第1入球口64bが設けられた第4流路へと約1対1の割合で振り分けられる。第4流路への流入口は、2つの釘の間隙su2によって形成されており、第2流路を流下する遊技球のうち、間隙su2を通過しなかった遊技球が第3流路を流下するように構成している。間隙su2の開口幅は、間隙su2を形成する釘の配置位置によって拡縮するため、例えば、間隙su2を形成する釘の配置位置が間隙su2の開口幅を狭くする方向へと移動した場合には、第2流路を流下した遊技球が第4流路を流下し難くなり、第3流路を流下し易くなる。一方で、間隙su2を形成する釘の配置位置が間隙su2の開口幅を広くする方向へと移動した場合には、第2流路を流下した遊技球が第4流路を流下し易くなり、第3流路を流下し難くなる。
そして、第3流路を流下する遊技球は、スルーゲート67を通過し、可変入賞装置1065に向けて流下し、第4流路を流下した遊技球は、その殆どが右第1入球口64bへと入球する。なお、第4流路を流下した遊技球の一部が、右第1入球口64bへと入球すること無く、可変入賞装置1065に向けて流下し得るように、第4流路には排出口が設けられている。このように構成することで、右第1入球口64bの開口部付近で遊技球が滞留(球詰まりが発生)した場合であっても、その後、第4流路へと流入する遊技球を流下させることが可能となる。
以上、説明をした通り、本第15制御例のパチンコ機10は、右側領域を流下する遊技球が、所定の割合で第2入球口1640、スルーゲート67、右第1入球口64bへと入球し得るように構成されており、右側領域を100個の遊技球が流下した場合には、そのうちの90個が、第2入球口1640が配設される第1流路を流下し、10個が第2流路を流下する。そして、第2流路を流下する10個の遊技球のうち、5個が第3流路を流下しスルーゲート67を通過する。また、残りの5個が第4流路を流下し第1入球口64bへと入球するように構成されている。
通常状態が設定されている場合には、普通図柄抽選で当り当選した場合であっても、第2入球口1640へと遊技球を入球させることが困難な普図当たり遊技(電動役物1640aが開状態となる期間が短い(0.1秒)普図当たり遊技)が実行されるように構成しているため、通常状態において右打ち遊技を実行し、右側領域へと遊技球を流下させた場合には、右第1入球口64bへと遊技球が入球した場合に払い出される賞球(4個)のみが払い出されることになる。
よって、通常状態において右打ち遊技を実行した場合には、発射された遊技球の約5%が右第1入球口64bへと入球し得るように構成しているため、250個の遊技球を全て使用(途中で払い出された賞球の使用も含む)した場合に、約15個の遊技球を右第1入球口64bへと入球させることが可能となる。
なお、間隙su1、或いは、間隙su2の開口幅が狭くなるように各種釘の配置位置を調整することにより、右打ち遊技によって発射された遊技球が右第1入球口64bへと入球する割合を低く調整することが可能であるが、このように各種釘の配置位置を調整した場合には、第2入球口1640、又はスルーゲート67に入球する遊技球の割合が高くなるように構成している。
ここで、詳細な説明は省略するが、本第15制御例では、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)にて普通図柄抽選で当り当選した場合には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)にて普通図柄抽選で当り当選した場合よりも、第2入球口1640へと遊技球が入球し易い普図当たり遊技を実行可能に構成している。
つまり、特図2保留を獲得した状態で確変状態を終了させ難くするために、右打ち遊技によって特図1保留を獲得させ難くなるように各種釘の配置位置を調整した場合には、右打ち遊技によってスルーゲート67、第2入球口1640へと遊技球を入球(通過)させ易くなるため、第2確変状態中に右打ち遊技を行うことで新たな特図2保留を獲得し易くすることができる。
また、第2確変状態中に新たな特図2保留を獲得させ難くするために、右打ち遊技によってスルーゲート67、及び、第2入球口1640へと遊技球を入球させ難くするように各種釘の配置位置を調整した場合には、右第1入球口64bへと遊技球が入球し易くなるように構成している。
上述した通り、本第15制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技を実行した場合には、特図2保留を獲得出来ない(困難となる)ように構成し、基本的には、左打ち遊技を実行した場合の方が、右打ち遊技を実行する場合よりも特図1保留を獲得し易くなるように構成しているため、特図2保留を獲得した状態で確変状態が終了した場合には、確変状態終了後に設定される第2確変状態中は左打ち遊技を実行することで、新たな特図1保留を獲得し、第2確変状態が終了するまで特図2保留を保持することを目指す遊技を遊技者に行わせるものであるが、確変状態中に実行された右打ち遊技の結果に応じて、第2確変状態中において多種多様な遊技を遊技者に行わせることが可能となる。
例えば、遊技盤13の右側領域の構成として、通常よりも右第1入球口64bへと遊技球が入球し易くなるように各種釘の配置位置が調整されている場合には、第2確変状態中において、左打ち遊技によって特図1保留の獲得を目指す遊技と、右打ち遊技によって特図1保留を獲得しながら、低確率ではあるが新たな特図2保留の獲得を目指す遊技との何れかを遊技者に選択させることができる。
また、遊技盤13の右側領域の構成として、通常よりも右第1入球口64bへと遊技球が入球し難くなるように各種釘の配置位置が調整されている場合には、確変状態の終了時点で特図2保留を保持していれば、第2確変状態中において特図1保留を獲得し易い左打ち遊技を遊技者に実行させ、確変状態の終了時点で特図2保留を保持していなければ、第2確変状態中において左打ち遊技よりも特図1保留を獲得し難いが、新たな特図2保留を獲得可能な右打ち遊技を遊技者に実行させることが可能となる。
このよう構成することで、遊技者に対して様々な遊技方法を試行錯誤しながら遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
この場合、確変状態の終了時点にて獲得済みの特図1保留数と、特図2保留数とに基づいて、確変状態終了後に設定される第2確変状態における遊技方法として遊技者に有利となる遊技方法を決定し、決定した遊技方法を示すため情報を遊技者に報知可能に構成しても良い。
具体的には、確変状態の終了時点にて特図2保留を獲得していないと判別した場合は、新たに特図2保留を獲得することが可能な右打ち遊技を第2確変状態中の遊技方法として報知し、確変状態の終了時点にて特図2保留を獲得していると判別した場合は、特図1保留を獲得し易い左打ち遊技を第2確変状態中の遊技方法として報知するように構成すれば良い。このように構成することで、第2確変状態中に遊技者に不利な遊技が行われてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第15制御例では、図491に示した遊技盤13を用いることで、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態(確変状態)にて実行される右打ち遊技中であっても、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能に構成している。
このように構成することで、第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるパチンコ機10において、特図1保留と特図2保留と、を共に獲得している状態で、確変状態を終了させ易くすることができる。よって、確変状態が終了し、確変状態よりも新たな特図2保留を獲得し難い遊技状態(第2確変状態)が設定された後も、優先して実行される第1特別図柄抽選を連続して実行させ易くすることができるため、獲得済みの特図2保留を消化すること無く、新たな特図2保留を獲得し難い遊技状態での遊技を継続させ易くすることができる。
なお、本第15制御例のように、右打ち遊技によって特図1保留を獲得可能な構成を用いること無く、別の構成を用いて、本第15制御例と同様の遊技性を創出可能に構成しても良く、例えば、上述した第5制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13(図234)を用いた場合には、確変状態中は右打ち遊技を実行することで第2特別図柄抽選が実行され易くし、確変状態にて実行される最後の特図変動(特図最終変動)の変動時間として長時間(例えば、180秒)の変動時間が設定されるように構成し、その特図最終変動中において、保留記憶可能な上限数(本第15制御例では1個)の特図2保留獲得を案内する第1演出(右打ち演出)と、保留記憶可能な上限数(本第15制御例では4個)の特図1保留獲得を案内する第2演出(左打ち演出)と、を実行可能に構成してもよい。
さらに、図491に示した通り、遊技盤13の右側領域下方には、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置1065が配設されている。この可変入賞装置1065は、上述した第7制御例における可変入賞装置65(図294参照)と同一内容であり、その詳細な説明を省略する。
<第15制御例における演出内容について>
次に、図492及び図493を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、確変状態が終了した後に、第2確変状態が設定されるように、確変期間が時短期間よりも長くなるように構成している。
そして、確変状態中に獲得した特図2保留が第2確変状態中に消化されること無く、第2確変状態が終了した後に設定される通常状態まで特図2保留を保持することにより、遊技者に有利な第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。
ここで、特図2保留を有している状態で、第2確変状態が設定された場合に実行されるキープゾーン演出の演出内容について図492を参照して説明をする。図492(a)は、キープゾーン演出中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図492(b)は、キープゾーン演出の終了画面として、特図2保留を獲得している状態で第2確変状態が終了することを示す成功演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図492(a)に示した通り、確変状態中に獲得した特図2保留を保持した状態で第2確変状態が設定されると、キープゾーン演出が実行される。キープゾーン演出が実行されると、主表示領域Dmの右下方にコンベア10802が表示され、コンベア10802上面に載置されている複数のエサを模したエサアイコンhr1~hr5が、コンベア10802の動きに連動して右から左へと移動する演出が実行される。そして、コンベア10802の左側にはコンベア10802から排出されるエサを待ち構えているサカナ10801が表示され、コンベア10802から排出されたエサを食べる演出が実行される。
ここで、コンベア10802の上面に載置される複数のエサは、特図1保留と、特図2保留と、に対応して表示されるように構成しており、図492(a)に示した表示画面では、小領域Dm1aに示した通り、特図1保留を2個獲得している状態であるため、特図1保留に対応したエサが2個(エサアイコンhr1,hr2)表示されている。そして、小領域Dm8aに示した通り、特図2保留を1個獲得している状態であるため、特図2保留に対応したエサ(SPの文字が付してあるエサ)が1個(エサアイコンhr5)表示されている。
そして、小領域Dm1に示した通り、第1特別図柄変動が実行中であるため、実行中の特別図柄種別を示すためのエサアイコンhr0(第1特別図柄に対応する表示態様のエサ)がサカナ10801に食べられている演出が実行されている。
本第15制御例では、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成しているため、第1入球口64へと遊技球が入球し、新たな特図1保留を獲得する毎に、特図2保留に対応するエサアイコンhr5よりもコンベア10802の下流側(サカナ10801に近い位置)に新たなエサアイコンhr1~hr4が追加されるようにウサギ801がコンベア10802の上面にエサを放り投げる演出が実行される。
そして、主表示領域Dmの上側には、キープゾーン演出が実行されていることを示す「キープゾーン」の文字が表示され、キープゾーン演出中の遊技内容を遊技者に案内するための案内態様として「魚がお腹一杯になるまでエサをあげろ!!」の文字が表示される。また、副表示領域Dsには、より詳細な遊技方法を示すための案内態様として「SPのエサが食べられないように、特図1保留を貯めてね」のコメントが表示される。
また、コンベア10802の上方には、コンベア10802の動作状況を遊技者に報知するための信号機10803が表示されている。この信号機10803は、コンベア10802が動作している状況を示す「GO」の表示領域と、コンベア10802が動作していない(停止している)状況を示す「STOP」の表示領域と、を有しており、コンベア10802の動作状況に対応させて何れかの表示領域が点灯表示される。
さらに、遊技者に遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を案内するための案内表示領域として、小表示領域Dm4には「左打ち」が表示される。本第15制御例では、基本的には、左打ち遊技中は遊技方法を遊技者に案内するための報知をせず、右打ち遊技が遊技者に有利となる場合に、「右打ち」の表示を小表示領域Dm4に表示するように構成しているが、キープゾーン演出中は、遊技球を発射しない場合に、左打ち遊技を実行する場合よりも遊技者に不利な遊技が実行され易くなることから、小表示領域Dm4に「左打ち」を表示するように構成している。
上述したキープゾーン演出では、1の特別図柄変動が終了し、次の特別図柄変動が開始される毎に、新たなエサ(図ではエサアイコンhr1)がサカナ10801に食べられる演出が実行される。つまり、サカナ10801に食べられているエサアイコンhr0が実行中の特別図柄変動に関する情報を示す態様(実行中保留)となり、コンベア10802上を移動するエサのうち、サカナ10801に最も近いエサを示すエサアイコンhr1が、次に実行される特別図柄変動に関する情報を示す態様(第1特図保留)となる。
また、コンベア10802の動作内容は、実行中の第1特別図柄変動の変動時間や、獲得済みの特図1保留に対応する特別図柄変動の変動時間に基づいて決定されるように構成しており、例えば、実行中の第1特別図柄変動の変動時間や、獲得済みの特図1保留に対応する特別図柄変動の変動時間が短い場合、即ち、短時間で特図2保留が消化され得る場合には、コンベア10802の動作速度が上がり、実行中の第1特別図柄変動の変動時間や、獲得済みの特図1保留に対応する特別図柄変動の変動時間が長い場合、即ち、特図2保留が消化され得るタイミングまで時間的に余裕がある場合には、コンベア10802の動作速度が低下したり、一時的にコンベア10802が停止したりするように構成している。
このように構成することで、残りのエサの数(表示されているエサアイコンhr1~hr4の数)だけで無く、コンベア10802の動作状況に基づいて、特図2保留が消化される(エサアイコンhr5がサカナ10801に食べられてしまう)までの期間を遊技者に予測させることが可能となり、予測結果に基づいて新たな特図1保留を獲得するための左打ち遊技を実行させることができる。
また、詳細な説明は省略するが、キープゾーン演出中において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるように構成しているため、獲得済みの特図2保留を通常状態まで保持することが困難となる。よって、キープゾーン演出中において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、キープゾーン演出を終了させる終了演出が実行されるように構成している。
具体的には、特図1保留に対応するエサアイコンhr1~hr4の表示態様として、毒入りのエサを設定可能に構成し、サカナ10801が毒入りのエサを食べた場合に、遠くに逃げ出してしまう演出が実行されるように構成している。また、毒入りのエサを模したエサアイコンは、大当たり当選していない場合にも低確率で表示されるように構成し、大当たり当選を示す情報を有していない特図1保留に対応するエサの表示態様として毒入りのエサを模した表示態様が設定された場合には、サカナ10801が毒入りのエサを避ける演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、キープゾーン演出中における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、遊技者に違和感を与えること無くキープゾーン演出を終了させることが可能となる。また、実際に大当たり当選していない特図1保留に対しても、大当たり当選している場合に設定される表示態様(毒入りのエサを示す表示態様)を設定可能に構成しているため、遊技者に違和感を与えること無く毒入りのエサを示す表示態様でエサアイコンを表示することができる。
そして、特図2保留を獲得した状態で第2確変状態が終了することが確定した場合、即ち、第2特別図柄抽選よりも優先して実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)数が、第2確変状態が終了するまでに要する特別図柄抽選回数を上回っており、且つ、獲得済みの特図1保留内に大当たり当選を示す情報が含まれていない場合には、図492(b)に示した通り、サカナ10801がお腹一杯になり、満足して帰って行く演出が終了し、コンベア10802が停止表示され、信号機10803は、コンベア10802が停止していることを示すための表示領域「STOP」が点灯表示される。
そして、小表示領域Dm4には、遊技者が遊技球の発射を一時的に停止させることを促す案内表示態様として「休憩!?」が表示される。これにより、第2確変状態が終了し、遊技者に有利な第2特別図柄抽選が実行される通常状態が設定された後も左打ち遊技が継続されることにより第1特別図柄抽選が実行され(新たな特図1保留を獲得し続け)、第2特別図柄抽選が実行されない期間が長くなることを抑制することができる。
なお、図492(b)に示した表示画面では、遊技者に対して遊技球の発射を禁止させる程の強制力が無い表示態様が小表示領域Dm4に表示されているが、これに限ること無く、遊技者に対して遊技球の発射を直接的に禁止させる表示態様(例えば、「SPエサが無くなるまで遊技球の発射を止めてください」との表示)を表示するように構成しても良い。
図492(b)に示した通り、キープゾーン演出が成功した場合には、次の遊技内容を遊技者に案内するための案内態様として、副表示領域Dsにて「大成功!!残ったSPエサを食べちゃおう」のコメントが表示される。図492(b)に示した状態から遊技球の発射を中断し、新たな特図保留を獲得すること無く、第2特別図柄抽選が実行されると、図493(a)に示した演出が実行される。
図493(a)は、通常状態において第2特別図柄変動が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図492(b)に示した通り、特図2保留に対応するエサアイコンhr5を残した状態で、天井中モード演出が終了すると、通常状態が設定された後に、ウサギ801が特図2保留に対応するエサを食べる演出が実行される。ここで、ウサギ801がエサを全て食べきると、通常状態中に実行された第2特別図柄抽選の結果として、時短状態に当選したことを示す演出が設定される。
一方、キープゾーン演出中に新たな特図1保留を獲得することができず、特図2保留が消化され、第2確変状態中に第2特別図柄変動が実行されると、図493(b)に示した終了演出が実行される。図493(b)は、第2確変状態中に第2特別図柄変動が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図493(b)に示した通り、小表示領域Dm8には、第2特別図柄変動が実行されていることを示すための表示態様(図では矢印で表示)が表示され、小表示領域Dm8aには、特図2保留の獲得数が0でありことを示す「0」が表示されている。そして、主表示領域Dmでは、お腹を空かせたサカナ10801が「エサが足り無い」と怒りながらウサギ801を襲う演出が実行され、副表示領域Dsには、キープゾーン演出が終了したことを示す「キープゾーン終了」のコメントが表示される。
なお、本第15制御例では、第2確変状態が継続する期間が、大当たり種別に応じて異ならせることができるように構成しており、第2確変状態が継続する期間が最長で特図抽選40回、最短で特図抽選1回となるように構成している。よって、図492(a)に示した表示画面では、キープゾーン演出が継続する期間(サカナ10801がお腹一杯になるまでの期間)を遊技者に把握させないように、第2確変状態が継続する期間(第2確変状態の残期間)を報知しないように構成している。
また、本第15制御例にて実行されるキープゾーン演出では、キープゾーン演出の演出態様(例えば、サカナ10801の表示態様や、コンベア10802の速度等)を異ならせることで、第2確変状態の残期間を示唆可能に構成している。
このように構成することで、キープゾーン演出の継続期間を遊技者に分かり易く報知することができるため、第2確変状態が終了するまで特図2保留を保持しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、第2確変状態の残期間を示すための表示態様を専用に表示するのでは無く、例えば、サカナ10801の態様を異ならせて設定可能にすることで、第2確変状態の残期間を遊技者に示唆可能に構成しても良い。この場合、サカナ10801の態様として、小食気味の態様と、大食漢の態様と、を設定可能に構成し、小食気味の態様の方が、第2確変状態の残期間が少ない場合に設定され易くなるように構成しても良い。
なお、本第15制御例のキープゾーン演出とは異ならせ、キープゾーン演出中に第2確変状態が終了するまでの情報(残確変回数)を表示可能に構成し、第2確変状態中に特別図柄抽選が実行される毎に残確変回数がカウントダウン表示されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、第2確変状態が終了するまでに実行される特別図柄抽選の実行回数を分かり易く報知することができる。
また、この場合、第2確変状態を終了させるための第2確変終了条件が成立するまでの残情報(残確変回数)とは異なる情報(疑似残確変回数)を表示するように構成し、第2確変状態中における特別図柄抽選の実行回数を示す情報の更新内容とは異ならせて疑似残確変回数を更新させる疑似残確変回数更新演出を実行可能に構成しても良い。
具体的には、第2確変状態が終了するまでの残確変回数が40回である場合に、第3図柄表示装置81の表示画面に、第2確変状態が終了するまでの情報として、疑似残確変回数「50回」に対応する情報を表示し、実際に第2確変状態が終了する場合に、疑似残確変回数が示す情報が、第2確変状態の終了を示す表示態様(例えば、「ラスト」の表示態様)で表示されるように構成する。そして、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動時間として、所定期間(30秒)よりも長い変動時間が設定された場合には、その特別図柄変動期間中に、疑似残確変回数を少なくとも2以上更新(減算)させる疑似残確変回数減算演出を実行するように構成する。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される疑似残確変回数が「ラスト(0)」となった場合に、実際に第2確変状態が終了するように構成しながら、第2確変状態が設定される初期段階においては、実際の残確変回数よりも大きい値の疑似残確変回数を表示することが可能となるため、遊技者に対して、第2確変状態が継続する期間の長さを分かり難くすることができる。
さらに、1の特別図柄抽選の実行に基づいて、疑似残確変回数を2以上減算させることが可能となるため、疑似残確変回数が表示されている第2確変状態にて、第2確変状態がいち早く終了すること(疑似残確変回数が大幅に減算されること)を期待しながら遊技者に継続して遊技を行わせることができる。
また、この場合、特図1保留の事前判別結果に基づいて、第2確変状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選すると判定された場合には、その大当たり当選する第1特別図柄抽選の抽選結果(大当たり当選を示す抽選結果)が停止表示されるまでの期間を用いて、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている疑似残確変回数が「ラスト(0)」となるように疑似残確変回数減算演出を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、どのような契機(確変回数消化、又は大当たり当選)で第2確変状態が終了する場合であっても、疑似残確変回数として「ラスト(0)」を表示した後に、第2確変状態を終了させることができるため、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。また、疑似残確変回数として実際の残確変回数よりも大きい回数を設定可能に構成し、特別図柄抽選が1回実行される場合に、疑似残確変回数の値を2以上更新(減算)可能としているため、第2確変状態中に大当たり当選した場合以外でも、疑似残確変回数を大きく減算させることが可能となる。
<第15制御例における電気的構成について>
次に、図494から図498を参照して、本第15制御例における電気的構成について説明をする。本第15制御例では、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
まず、図494から図496を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図494(a)は、本第15制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図494(a)に示した通り、本第15制御例におけるROM202の構成は、上述した第5制御例におけるROM202の構成(図244(a)参照)に対して、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数15テーブル202ncを、大当たり種別選択5テーブル202ddに代えて大当たり種別選択15テーブル202ndを、時短当たり乱数5テーブル202deに代えて時短当たり乱数15テーブル202neを、時短種別選択5テーブル202dfに代えて時短種別選択15テーブル202nfを設けている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図494(b)を参照して、本第15制御例における第2当たり乱数15テーブル202ncについて説明する。図494(b)は、第2当たり乱数15テーブル202ncの規定内容を示した図である。この第2当たり乱数15テーブル202ncは、上述した第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄抽選の抽選結果を決定する際に参照されるデータテーブルであって、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の範囲(0~299)に対して、普通図柄の確率状態毎に当たりと判定される値が規定されている。
具体的には、図494(b)に示した通り、普通図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値の全範囲に対して抽選結果「当たり」が、となる判定値が規定されておらず、全範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0~149」の範囲に対して抽選結果「当たり」が規定されている。
つまり、本第15制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄抽選にて当たり当選しないように構成している。このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり遊技が実行され、第2入球口640へと遊技球が入球する事象が発生することを確実に抑制することができる。
なお、本第15制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に実行される普通図柄抽選で当たり当選しないように第2当たり乱数15テーブル202ncの内容が規定されているが、普通図柄の低確率状態において普図当たり遊技が頻繁に実行されることを抑制すれば良く、低確率で当たり当選し得るように第2当たり乱数15テーブル202ncの内容を規定しても良い。
また、上述した各制御例の何れで用いている技術思想である、普図当たり遊技が実行された場合であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させ難くする技術思想を転用しても勿論良い。
次に、図494(c)を参照して、時短当たり乱数15テーブル202neについて説明をする。この時短当たり乱数15テーブル202neは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数5テーブル202de(図245(c)参照)に対して、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている条件(特別図柄種別、遊技状態)を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄種別が「第2特別図柄」であれば、遊技状態に関わらず、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3~899」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、特別図柄種別が「第1特別図柄」に対しては、時短当選の判定値が規定されていない(図では「-」で表示)。
次に、図495を参照して、本第15制御例における大当たり種別選択15テーブル202ndについて説明する。図495(a)は、大当たり種別選択15テーブル202ndの規定内容を示した図である。図495(a)に示した通り、大当たり種別選択15テーブル202ndは、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図1大当たり用15テーブル202nd1と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図2大当たり用15テーブル202nd2と、を有しており、大当たり当選した特別図柄種別に対応したデータテーブルを参照して大当たり種別が決定される。
まず、図495(b)を参照して、特図1大当たり用15テーブル202nd1の内容について説明をする。図495(b)は、特図1大当たり用15テーブル202nd1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用15テーブル202nd1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA15」が、「50~89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB15」が、「90~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC15」が規定されている。
「大当たりA15」は、6ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、確変期間を示すための確変カウンタ203iの値に100が設定され、時短期間を示すための時短カウンタ203hの値に60が設定される。つまり、大当たりA15に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が、60回に到達した場合に、遊技状態が確変状態から第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行される大当たり種別である。
「大当たりB15」は、6ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、確変期間を示すための確変カウンタ203iの値に80が設定され、時短期間を示すための時短カウンタ203hの値に60が設定される。つまり、大当たりB15に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が、20回に到達した場合に、遊技状態が確変状態から第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行される大当たり種別である。
「大当たりC15」は、6ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、確変期間を示すための確変カウンタ203iの値に61が設定され、時短期間を示すための時短カウンタ203hの値に60が設定される。つまり、大当たりC15に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が、1回に到達した場合に、遊技状態が確変状態から第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行される大当たり種別である。
次に、図495(c)を参照して、特図2大当たり用15テーブル202nd2の内容について説明をする。図495(c)は、特図2大当たり用15テーブル202nd2に規定されている内容を示したフローチャートである。この特図2大当たり用15テーブル202nd2は、上述した特図1大当たり用15テーブル202nd1に対して、大当たり種別を設定する対象となる特別図柄の種別を変更した点と、各大当たり種別に対して規定されている各種パラメータを異ならせている点で相違しているが、その詳細な設定内容については、詳細な説明を省略する。
次に、図496を参照して、時短種別選択15テーブル202nfの内容について説明をする。図496は、時短種別選択15テーブル202nfに規定されている内容を示した図である。図496に示した通り、時短種別選択15テーブル202nfには、時短当選した時点における遊技状態に対応させて異なる時短種別と、時短回数が規定されている。
具体的には、時短当選時の遊技状態が「通常状態」である場合には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~99」の全範囲に対して、時短種別として「第2時短」が規定されており、時短カウンタ203hの値に「500」が設定されるように構成している。また、時短当選時の遊技状態が「第2確変状態」である場合には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~99」の全範囲に対して、時短種別として「第1時短」が規定されており、時短カウンタ203hの値に「10000」が設定されるように構成している。
つまり、確変状態中に獲得した特図2保留を通常状態が設定されるまで保持し、通常状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、高確率で時短当選し(図494(b)参照)、時短種別として、右打ち遊技状態である第2時短状態(左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させるよりも、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させる方が効率良く特別図柄抽選を実行させることが可能となる時短状態)が時短回数500で設定される。
一方、第2確変状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、高確率で時短当選し(図494(b)参照)、時短種別として、左打ち遊技状態である第1時短状態(左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させる方が、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させるよりも効率良く特別図柄抽選を実行させることが可能となる時短状態)が時短回数10000で設定される。
このように構成することで、確変状態中に獲得した特図2保留が実行される遊技状態に応じて、遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができる。また、第2確変状態中も、通常状態中も、新たに第2特別図柄抽選の保留記憶(特図2保留)を獲得し難い普通図柄の低確率状態が設定されているため、確変状態が終了した後に、新たな特図2保留を獲得することが出来ないことから、確変状態中に獲得した特図2保留が消化されないように、第2特別図柄抽選よりも優先して実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)をより多く獲得しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図497、及び図498を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第5制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図497(a)を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図497(a)は、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図497(a)に示した通り、本第15制御例におけるROM222は、上述した第5制御例におけるROM222(図249(a)参照)に対して、キープゾーン演出選択テーブル222naを追加した点で相違している。
キープゾーン演出選択テーブル222naは、特図2保留を獲得している状態で実行される、第2確変状態の1回目の第1特別図柄変動に対応して設定されるキープゾーン演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図498を参照して、キープゾーン演出選択テーブル222naの内容について説明をする。図498は、キープゾーン演出選択テーブル222naに規定されている内容を示した図である。図498に示した通り、キープゾーン演出選択テーブル222naには、第2確変状態が継続する期間の長さと、キープゾーン演出の演出態様を決定する際に実行される第1特別図柄変動の変動時間の長さと、取得した演出カウンタ223fとに対応付けて、異なる演出態様(示唆態様)が規定されており、キープゾーン演出選択テーブル222naを参照して決定された演出態様に基づいたキープゾーン演出が実行される。
具体的には、第2確変状態の残期間が「40」の場合、即ち、大当たりA15に当選した場合に設定される第2確変状態に対して設定されるキープゾーン演出では、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「短時間(60秒以内)」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~79」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「高速」示唆態様1と、大食いなサカナ10801を示す「大食漢」示唆態様2が規定されており、「80~99」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「高速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
そして、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「長時間(60秒より長い)」場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、コンベア10802が低速に移動する「低速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
また、第2確変状態の残期間が「20」の場合、即ち、大当たりB15に当選した場合に設定される第2確変状態に対して設定されるキープゾーン演出では、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「短時間(60秒以内)」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「高速」示唆態様1と、大食いなサカナ10801を示す「大食漢」示唆態様2が規定されており、「40~99」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「低速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
そして、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「長時間(60秒より長い)」場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0~99」の全範囲に対して、コンベア10802が低速に移動する「低速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
最後に、第2確変状態の残期間が「1」の場合、即ち、大当たりC15に当選した場合に設定される第2確変状態に対して設定されるキープゾーン演出では、実行される第1特別図柄変動の変動時間が、及び、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、コンベア10802が低速に移動する「低速」示唆態様1と、特殊な金色のサカナ10801を示す「プレミア」示唆態様2が規定されている。
つまり、第2確変状態を終了させるための終了条件が成立し難い程(第2確変状態の残期間が長く設定されている程)、エサを多く食べるサカナ10801が表示され易く、第2確変状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動時間が短い、即ち、新たな特図1保留を獲得する期間が短い程、コンベア10802が高速移動し易くなるように各演出態様が規定されている。
このように構成することで、キープゾーン演出の演出内容に基づいて、今回設定された第2確変状態における特図2保留を保持する難易度を遊技者に把握させることが可能となる。
次に、図497(b)を参照して、本第15制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第15制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図249(b)参照)に対して、第2確変中カウンタ223na、キープゾーン演出中フラグ223nb、キープ確定フラグ223ncを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2確変中カウンタ223naは、第2確変状態が継続する期間を計測するためのカウンタであって、第2確変状態演出設定処理15(図501のS9058参照)において、確変状態から第2確変状態へと遊技状態が移行したと判別された場合に(図501のS9402:Yes)、確変カウンタ203iに対応する値が設定される(図501のS9451参照)。そして、第1特別図柄抽選が実行される毎に値が1減算され(図502のS9566参照)、獲得済みの特図2保留が第2確変状態中に消化されないことを判別する際に参照される(図502のS9573参照)。
キープゾーン演出中フラグ223nbは、キープゾーン演出の演出態様が設定され、キープゾーン演出が実行されていることを示すためのフラグであって、第2確変状態へと移行した後の1回目の第1特別図柄抽選に対応させてキープゾーン演出の演出態様が決定された場合にオンに設定される。キープゾーン演出中フラグ223nbがオンに設定されることにより、第2確変状態中において2回目以降の第1特別図柄抽選に対応した変動演出を設定する際に、新たなキープゾーン演出の演出態様を決定する処理が実行されてしまうことを抑制している。
キープ確定フラグ223ncは、キープゾーン演出中において、特図2保留が第2確変状態中に消化されることが無い(通常状態へと移行するまで特図2保留を保持できる)ことが確定したことを示すためのフラグであって、特図2保留が第2確変状態中に消化されることが無い(通常状態へと移行するまで特図2保留を保持できる)ことが確定した場合にオンに設定される。このキープ確定フラグがオンに設定されることで、特図2保留が第2確変状態中に消化されることが無い状況であることを示すためのキープ確定演出が実行される。
ここで、キープ確定演出としては、例えば、図492(a)に示した表示画面に表示されている特図2保留に対応するエサ(SPが付されたエサアイコンhr5)がコンベアから浮上し、サカナ10801に近付かない演出が実行され、「SPエサのストック成功」の文字が表示される演出が実行される。これにより、SPエサがサカナ10801に食べられることが無い状況に到達したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第15制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図499、及び図500を参照して、本第15制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第15制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成している点と、時短抽選の実行条件を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に代えて特別図柄変動処理15(図499のS15104参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図499を参照して、特別図柄変動処理15(S15104)の内容について説明をする。図499は、特別図柄変動処理15(S15104)の処理内容を示したフローチャートである。図499に示した通り、特別図柄変動処理15(S15104)は、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に対して、S203の処理を終えた後に、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別し(S15204)、0よりも大きいと判別した場合に(S15204:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S15205)、第1特別図柄抽選を実行するためのS206~S207の処理を実行するように構成している。
そして、S15204の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きく無いと判別した場合に(S15204:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別し(S15210)、0よりも大きいと判別した場合に(S15210:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N2)を1減算し(S15211)、第2特別図柄抽選を実行するためのS212~S213の処理を実行するように構成している。それ以外の処理内容については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した通り、本第15制御例では、上述した第5制御例に対して、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成している。このように構成することで、特図1保留を獲得している状態を継続させることにより、特図2保留を獲得している状態を保持することが可能となる。
次に、図500を参照して、時短抽選処理15(S8086)の内容について説明をする。図500は、時短抽選処理15(S8086)の処理内容を示したフローチャートである。図500に示した通り、時短抽選処理15(S8086)は、上述した時短抽選処理5(図254のS8006参照)に対して、時短抽選を実行可能な遊技状態を異ならせている点と、時短抽選における時短当選の判定にて参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違している。
具体的には、時短抽選処理15(S8086)が実行されると、まず、上述した時短抽選処理5(図254のS8006参照)と同一のS8101~S8102の処理を実行する。そして、現在の遊技状態が通常状態、又は第2確変状態であるかを判別し(S8183)、現在の遊技状態が通常状態、又は第2確変状態であると判別した場合は(S8183:Yes)、時短当たり乱数15テーブル222neを参照して時短当選の判定を実行する(S8184)。その後、上述した時短抽選処理5(図254のS8006参照)と同一のS8105、及びS8106の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第15制御例では、通常状態だけで無く、第2確変状態においても時短抽選を実行可能に構成している。そして、上述した通り、通常状態において時短抽選が実行された方が、第2確変状態において時短抽選が実行された場合よりも、時短当選時に遊技者に有利な特典を付与するように構成している。このように、複数の遊技状態において時短抽選を実行可能に構成し、時短抽選が実行される遊技状態に応じて、時短当選時に付与される特典を異ならせることにより、遊技者に対して、どのタイミング(遊技状態)で時短抽選が実行されるのかに興味を持たせることができる。
なお、本第15制御例では、確変状態中に獲得した特図2保留を第2確変状態が終了するまで保持することで、遊技者に有利な特典を付与可能にすることで、第2特別図柄抽選を実行させないことを目指すという斬新な遊技性を提供可能とするために、通常状態において時短抽選が実行された方が、第2確変状態において時短抽選が実行された場合よりも、時短当選時に遊技者に有利な特典を付与するよう構成しているが、これに限ること無く、例えば、第2確変状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、時短抽選が実行されないように構成しても良い。このように構成した場合には、確変状態中に獲得した特図2保留を第2確変状態が終了するまで保持することで、時短抽選の実行という付加価値を、遊技者に付与することが可能となる。
<第15制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図501から図503を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理のうち、上述した第5制御例とは異なる特徴的な内容について説明をする。本第15制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理では、第2確変状態中実行されるキープゾーン演出の演出態様を決定するための各種処理を実行する点で上述した第5制御例とは異なる制御処理を実行するように構成している。
まず、図501を参照して、第2確変状態演出設定処理15(S9058)の内容について説明をする。図501は、第2確変状態演出設定処理15(S9058)の処理内容を示したフローチャートである。この第2確変状態演出設定処理15(S9058)では、第2確変状態が設定された場合において、キープゾーン演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
第2確変状態演出設定処理15(S9058)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態を読み出し(S9401)、読み出した遊技状態が確変状態であるかを判別する(S9402)。S9402の処理において確変状態であると判別した場合は(S9402:Yes)、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変期間よりも先に時短期間が終了し、第2確変状態が設定された場合であるため、残りの確変回数に対応する値(確変カウンタ203iの値)を、第2確変中カウンタ223naの値に設定し(S9451)、次いで、第2特別図柄抽選カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか、即ち、特図2保留を獲得している状態であるかを判別する(S9452)。
S9452の処理において、N2が0よりも大きいと判別した場合は(S9452:Yes)、確変カウンタ203iの値を読み出し(S9453)、キープゾーン演出選択テーブル222naを参照して、演出態様を決定し(S9454)、キープ演出中フラグ223nbをオンに設定し(S9455)、本処理を終了する。
一方で、S9452の処理において、N2が0よりも大きく無いと判別した場合は(S9452:No)、確変状態中に特図2保留を獲得していない状態で、第2確変状態へと移行した場合であるため、キープゾーン演出を実行すること無く、通常状態への移行に対応する演出態様を決定し(S9456)、本処理を終了する。
次に、図502を参照して、特図1演出態様設定処理(S15483)の内容について説明をする。図502は、特図1演出態様設定処理(S15483)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S15483)は、第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理が実行されるものであって、特に、第2確変状態中における第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理の内容が、上述した第5制御例とは相違している。なお、上述した第5制御例における特図1演出態様設定処理に対応する処理とその処理内容が同一である場合には、その詳細な説明を省略する。
特図1演出態様設定処理(S15483)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別し(S9501)、0よりも大きいと判別した場合は(S9501:Yes)、そのまま、上述した第5制御例と同一のS9502~S9504の処理を実行し、本処理を終了する。また、S9501の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きく無い、即ち、確変状態、第2時短状態の何れでも無い場合は(S9501:No)、次に、第2確変中カウンタ223naの値が0よりも大きいかを判別し(S9565)、第2確変中カウンタ223naの値が0よりも大きいと判別した場合は(S9565:Yes)、第2確変中カウンタ223naの値を1減算する(S9566)。次に、キープゾーン演出中フラグ223nbがオンであるかを判別し(S9571)、オンに設定されている場合は(S9571:Yes)、次いで、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されているかを判別する(S9572)。
S9572の処理において、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されていないと判別した場合は(S9572:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が、第2確変中カウンタ223naの値以上であるかを判別し(S9573)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が、第2確変中カウンタ223naの値以上であると判別した場合は(S9573:Yes)、次に、獲得済みの特図1保留内に、大当たり当選を示す情報が含まれているかを判別し(S9574)、含まれていないと判別した場合は(S9574:No)、キープゾーン演出を完走することを示す演出態様を決定し(S9575)、キープ確定フラグ223ncをオンに設定して(S9576)、処理をS9578へと移行する。これに対し、S9573の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が、第2確変中カウンタ223naの値未満であると判別した場合(S9573:No)、およびS9574の処理において、獲得済みの特図1保留内に、大当たり当選を示す情報が含まれていると判別した場合は(S9574:Yes)、対応するキープゾーン演出の演出態様を決定して(S9577)、処理をS9578へと移行する。また、S9572の処理において、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されていると判別した場合は(S9572:Yes)、S9573~S9577の格処理をスキップして、処理をS9578へと移行する。
S9578の処理では、更新後の第2確変中カウンタ223naの値が0に到達したかを判別し(S9578)、0に到達したと判別した場合は(S9578:Yes)、キープゾーン演出中フラグ223nbをオフに設定し(S9579)、決定した演出態様を示す表示用パターンコマンドを設定し(S9504)、本処理を終了する。これに対し、S9565の処理において、第2確変中カウンタ223naの値が0であると判別した場合(S9565:No)、およびS9571の処理においてキープゾーン演出中フラグ223nbがオフであると判別した場合は(S9565:No)、S9572~S9579の格処理をスキップして、そのまま処理をS9504へと移行する。
次に、図503を参照して、特図2演出態様設定処理15(S15487)の内容について説明をする。図503は、特図2演出態様設定処理15(S15487)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理15(S15487)は、上述した特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)に対して、通常状態、或いは、第2確変状態中に実行される変動演出に対応する演出態様を決定するための処理の内容を異ならせている点で相違している。
具体体には、特図2演出態様設定処理15(S15487)が実行されると、上述した特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)と同一のS9601の処理を実行する。S9601の処理において、通常状態、又は、第2確変状態では無いと判別した場合は(S9601:No)、上述した特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)と同一のS9611~S9619の処理を実行し、本処理を終了する。
一方で、S9601の処理において、現在が、通常状態、又は、第2確変状態であると判別した場合は(S9601:Yes)、キープ演出中フラグ223nbがオンに設定されているかを判別し(S9651)、キープ演出中フラグ223nbがオンに設定されていないと判別した場合は(S9651:No)、次に、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されているかを判別し(S9652)、オンに設定されていると判別した場合は(S9652:Yes)、キープ確定フラグ223ncをオフに設定し(S9653)、時短付与を示唆する演出態様を決定し(S9654)、S9611の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S9652の処理において、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されていないと判別した場合は(S9652:No)、S9653の処理をスキップしてS9654の処理へ移行する。
一方、S9651の処理において、キープ演出中フラグ223nbがオンに設定されていると判別した場合は(S9651:Yes)、キープ演出の終了に対応する演出態様を決定し(S9655)、キープ演出中フラグ223nbをオフに設定し(S9656)、S9611の処理へ移行する。つまり、キープ演出が実行されている最中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、キープ演出の終了に対応する演出態様が決定され、図492(b)に示した表示画面を含む終了演出が実行される。
以上、説明をした通り、本第15制御例におけるパチンコ機10は、複数の図柄種別を用いて当たり抽選を実行可能に構成し、1の図柄種別を用いた当たり抽選が、他の図柄種別を用いた当たり抽選よりも優先して実行可能に構成し、他の図柄種別の当たり抽選を実行するための抽選権利を獲得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも抽選権利を獲得し難い第2遊技状態と、を設定可能に構成している。
そして、獲得した抽選権利を、所定数(例えば、1個)を上限に記憶可能な記憶手段を設け、第1遊技状態中に記憶手段に記憶された他の図柄種別の抽選権利を、第2遊技状態が設定されてから所定期間(例えば、当たり抽選40回分)経過するまで記憶し続け、所定期間が経過してから他の図柄種別の当たり抽選を実行することにより、所定期間が経過するよりも前に他の図柄種別の当たり抽選を実行する場合よりも、遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成している。
このように構成することで、記憶手段に既に記憶されている抽選権利を用いた当たり抽選を所定期間実行させないことで有利な特典を獲得し易くすることができるという今までに無い斬新な遊技性を提供することができる。
また、第15制御例では、1の図柄種別の抽選権利を最大で4個記憶手段に記憶可能に構成し、記憶手段に記憶可能な他の図柄種別の抽選権利の数が、1の図柄種別の抽選権利の数よりも少なくなるように(1個のみ記憶可能となるように)構成している。よって、第1遊技状態が終了してから、1回でも他の図柄種別の当たり抽選が実行されてしまうことで、有利な特典を獲得する権利が消滅してしまうため、緊張感を持って遊技を行わせることができる。また、1の図柄種別の抽選権利を複数個記憶可能に構成しているため、第2遊技状態が設定されてから、1の図柄種別の抽選権利を獲得する遊技を継続して実行させ易くすることができると共に、1の図柄種別の抽選権利を複数記憶させておくことで、他の図柄種別の当たり抽選を実行させ難くすることができる。
なお、本第15制御例では、他の図柄種別の抽選権利を1個のみ記憶手段に記憶させることができるように構成しているが、これに限ること無く、複数個記憶可能に構成しても良い。
また、第2遊技状態において実行される1の図柄種別の当たり抽選の結果を示すための図柄変動時間として、長さの異なる変動時間を設定可能に構成している。よって、変動時間の長い図柄変動が実行される方が、記憶手段に記憶されている1の図柄種別の抽選権利を全て使用するまでの期間を長くすることができるため、新たに1の図柄種別の抽選権利を記憶手段に記憶させ易くすることができる。よって、長い変動時間の図柄変動が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、本第15制御では、第1遊技状態が終了し、第2遊技状態が設定されてから、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまでの期間を、異ならせることが可能となるように構成している。具体的には、当たり抽選で当り当選した場合に実行される当たり遊技の終了後に第1遊技状態が設定され、当たり当選した場合に設定される当たり種別に応じて、第1遊技状態が継続する期間の長さや、第2遊技状態が設定されてから、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまでの期間の長さを異ならせて設定することができるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまでの期間を遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者に飽きの来ない遊技を提供し易くすることができる。
また、本第15制御例に用いた遊技性に、上述した第14制御例で用いた遊技性、即ち、当たり当選すること無く、当たり抽選が所定回数実行された場合に、遊技者に有利な特典(天井特典)が付与される遊技性を適用しても良い。
この場合、例えば、第2遊技状態中に実行される当たり抽選で連続して外れ当選した回数(ハマリ回数)が、所定回数に到達した場合に、第1遊技状態を設定可能に構成し、その第1遊技状態中に他の図柄種別の抽選権利を記憶手段に記憶させることで、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまで他の図柄種別の抽選権利を保持する遊技を再度実行可能に構成しても良い。
また、他の図柄種別の抽選権利を保持した状態で、1の図柄種別の当たり抽選を所定回数実行することで、天井特典として、第3遊技状態を設定可能に構成し、その第3遊技状態中に他の図柄種別の当たり抽選を実行することで、遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成しても良い。
さらに、本第15制御例では、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した後に第2特別図柄抽選が実行されることで遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しているが、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した時点で特図2保留を獲得している場合、即ち、第2遊技状態が設定されてから所定期間が経過した以降に第2特別図柄抽選が実行される権利を得ている場合に、遊技者に有利な特典を付与可能に構成しても良く、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選する確率を異ならせた複数の設定値を設定可能なパチンコ機10において、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した時点で特図2保留を獲得している場合に、獲得済みの特図2保留の数を示すための保留図柄の表示態様を、設定されている設定値に対応させた表示態様へと切り替える演出を実行可能に構成しても良い。
以上、説明をした第15制御例では、第1遊技状態(特図2保留を獲得し易い遊技状態)が終了し、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した後に第2特別図柄抽選が実行されることで、所定期間が経過するまでに(第2確変状態中に)第2特別図柄抽選が実行される場合よりも、遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しているが、これに限ること無く、第1遊技状態(特図2保留を獲得し易い遊技状態)が終了し、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、第2特別図柄抽選が実行されることで、第1遊技状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される場合よりも、遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しても良い。
また、本第15制御例では、第1遊技状態(特図2保留を獲得し易い遊技状態)として、確変状態を、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)として、第2確変状態、或いは、通常状態を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、上述した各制御例において設定される各種遊技状態を、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が相対的に特定の特別図柄種別に対する特図保留を獲得し易くなるように適宜設定すれば良く、例えば、第1遊技状態として時短状態(第2時短状態)を、第2遊技状態として第1時短状態や通常状態を設定するように構成しても良い。
また、本第15制御例では、特図2保留を最大で1個獲得可能に構成しているが、複数個の特図2保留を獲得可能に構成しても良く、この場合、第2確変状態が終了するまでの残期間(特別図柄変動回数)と、獲得済みの特図1保留数と獲得済みの特図2保留数の合算値と、を比較し、第2確変状態が終了してから第2特別図柄抽選が実行され得る状況であるかを判別可能に構成し、第2確変状態が終了してから第2特別図柄抽選が実行され得る状況であると判別した場合に、上述したキープ確定演出を実行可能に(キープ確定フラグ223ncをオンに設定するように)構成すれば良い。
このように構成することで、キープゾーン演出にて複数個のSPエサ(特図2保留に対応したエサアイコン)を表示することができるため、演出効果を高めることができる。
<第15制御例の第1変形例について>
次に、第15制御例にて用いた遊技性を異なる遊技仕様のパチンコ機10に適用した場合の変形例について説明をする。本第15制御例の第1変形例では、上述した第15制御例に対して、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している点で相違している。
このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能な構成(所謂、同時変動仕様)については、上述した第12制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
<第15制御例の第1変形例にて実行される演出内容について>
次に、図616を参照して、本第15制御例の第1変形例にて実行される演出のうち、上述した第15制御例とは異なる演出内容について説明をする。
まず、上述した第15制御例にて用いた遊技性と、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行させることが可能な構成とを組み合わせた場合における特徴的な遊技性について説明をする。
上述した第15制御例では、第1特別図柄抽選を、第2特別図柄抽選よりも優先して実行させることが可能となるように構成し、さらに、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した後に第2特別図柄抽選が実行されることで遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しているが、本第15制御例の第1変形例では、設定される遊技状態に応じて、第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動時間と、第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間と、を設定される遊技状態に応じて異ならせるように構成しており、特図2保留を獲得し易い遊技状態(第1遊技状態)では、第1特別図柄変動よりも、第2特別図柄変動の方が短い変動時間が設定され易く、特図2保留を獲得し難い遊技状態(第2遊技状態)では、第1特別図柄変動の方が、第2特別図柄変動よりも短い変動時間が設定され易くなるように構成している。
また、本第15制御例の第1変形例では、特図2保留を4個を上限に保留記憶可能に構成している。
そして、第1遊技状態(確変状態)中に獲得した特図2保留が、第2遊技状態(第2確変状態)中に全て消化されるよりも前に、第2遊技状態(第2確変状態)中に実行された特別図柄抽選回数が所定回数(残確変回数)に到達することで、第2確変状態が終了した後に、遊技者に有利となる第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。
このように構成された第15制御例の第1変形例では、キープゾーン演出として、実行される特別図柄抽選に種別に対応させて、特図1保留に対応するエサアイコンと、特図2保留に対応するエサアイコンと、が重複してサカナ10801に与えられる演出が実行される。そして、獲得している特図2保留に対応するエサアイコンを全て消費するまでに、特図1保留に対応するエサアイコンを用いてサカナ10801のお腹を一杯にすることを目指す演出が実行される。
上述した通り、本第15制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが並行して実行されるように構成しているため、上述した第15制御例のように特図1保留を途切らせること無く遊技を行ったとしても、第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間が短い場合や、第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動時間が長い場合には、第2確変状態中に全ての特図2保留を消化してしまう虞があった。
よって、本第15制御例の第1変形例では、各特別図柄種別に対する特別図柄変動の変動時間に対して遊技者が興味を持つことになる。そこで、本第15制御例の第1変形例にて実行されるキープゾーン演出では、エサアイコンの演出態様として、対応する特別図柄変動の変動時間に基づいた演出態様を上述した第15制御例よりも複数種類決定可能に構成している。
図616(a)は、本第15制御例の第1変形例にて実行されるキープゾーン演出中に実行される表示画面の一例を示した図である。図616(a)に示した通り、本第15制御例の第1変形例にて実行されるキープゾーン演出は、上述した第15制御例にて実行されるキープゾーン演出に対して、複数のエサアイコン(hr0、hr0a)をサカナ10801が同時に捕食する演出が実行される点と、特図2保留に対応するエサアイコンの表示数を増加させた点と、各エサアイコンの表示態様を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の表示態様については、その説明を省略する。
本第15制御例の第1変形例は、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを重複して実行可能に構成しているため、実行中の第1特別図柄変動に対応するエサアイコンhr0と、実行中の第2特別図柄変動に対応するエサアイコンhr0aとをサカナ10801がまとめて食べる演出が実行される。そして、コンベア10802の上には、特図1保留に対応したエサアイコンhr1とエサアイコンhr2が、特図2保留に対応したエサアイコンhr1aと、エサアイコンhr2aが表示されている。
本第15制御例の第1変形例では、各特図保留に対応する特図変動時間の長さに応じて、対応するエサアイコンの表示態様を異ならせるように構成している。具体的には、特別図柄変動に対応するエサアイコンとして、変動時間が10秒未満の場合は、小さなエサを模した表示態様(エサアイコンhr1参照)が表示され、変動時間が180秒以上の場合は、堅いエサを模した表示態様が表示される。このように構成することで、表示されるエサアイコンの表示態様を把握することで、特別図柄変動の変動時間を遊技者に予測させ易くすることができる。
なお、上述した通り、本第1変形例では、第2確変状態中において第1特別図柄変動として短い変動時間が設定された場合のほうが、遊技者に有利な第1特別図柄変動となるため、小さなエサを模した表示態様のエサアイコンが表示された方が、小さなエサを模した表示態様のエサアイコンが表示されていない場合よりも遊技者に有利な遊技状況となる。
一方、第2特別図柄変動に対応するエサアイコンとして、変動時間が30秒未満の場合は、小さなエサを模した表示態様が表示され、変動時間が300秒以上の場合は、堅いエサを模した表示態様(エサアイコンhr1a参照)が表示される。このように構成することで、表示される第2特別図柄変動に対応するエサアイコンの表示態様を把握することで、第2特別図柄変動の変動時間を遊技者に予測させ易くすることができる。
なお、上述した通り、本第1変形例では、第2確変状態中において第2特別図柄変動として長い変動時間が設定された場合のほうが、遊技者に有利な第2特別図柄変動となるため、堅いエサを模した表示態様のエサアイコンが表示された方が、堅いエサを模した表示態様のエサアイコンが表示されていない場合よりも遊技者に有利な遊技状況となる。
さらに、獲得済みの特図2保留のうち、最後に消化される特図2保留を除いた特図2保留に対応する第2特別図柄変動の変動時間の合計時間と、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間と、の合算時間が、所定時間(通常に遊技をしていれば、第1特別図柄抽選によって第2確変状態を終了させることが可能となる期間)を超えていると判別した場合には、第2確変状態が終了する時点において特図2保留を獲得している状態となる可能性が高いことを示す特殊演出が実行されるように構成している。
具体的には、図616(a)に示した通り、最新の特図2保留に対応するエサアイコンhr2aが宙に浮き上がり、コンベア10802が稼働している状態でも表示位置が動かない演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特殊演出が実行された場合に、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、この特殊演出が実行されている間は、通常のキープゾーン演出に比べて、遊技者に対して、特図1保留を獲得する遊技を継続することを強調して案内する強調案内報知が実行されるように構成している。このように構成することで、特殊演出の実行中に遊技を一旦中断してしまい、第1特別図柄抽選が実行されない期間が続くことで、第2確変状態中に全ての特図2保留が消化されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、上述した例では、獲得済みの特図2保留のうち、最後に消化される特図2保留を除いた特図2保留に対応する第2特別図柄変動の変動時間の合計時間と、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間と、の合算時間を算出するように構成しているが、第2確変状態が終了する時点において特図2保留を獲得している状態となる可能性が高い状況であることを判別可能に構成すれば良く、例えば、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間が、通常に遊技をしていれば、第1特別図柄抽選によって第2確変状態を終了させることが可能となる期間よりも長いか否かのみを判別したり、獲得済みの特図2保留のうち、最後に消化される特図2保留を除いた特図2保留に、第1特別図柄抽選によって第2確変状態を終了させることが可能となる期間よりも長い変動時間に対応する情報が含まれているかを判別したりするように構成しても良い。
加えて、本第15制御例の第1変形例では、キープゾーン演出中に第1特別図柄変動(抽選)が実行されない期間が所定期間継続したと判別した場合に、遊技者に対して、特図1保留を獲得する遊技を促す案内演出を実行可能に構成している。
ここで、キープゾーン演出中において、第1特別図柄変動が実行されない場合に表示される表示内容について図616(b)を参照して説明をする。図616(b)は、図616(a)に示した状態から時間が経過し、キープゾーン演出中に第1特別図柄変動が実行されていない場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図616(b)に示した通り、キープゾーン演出中に特図1保留が無くなり、第2特別図柄変動のみが実行されている場合には、遊技者に対して、特図1保留を獲得するための案内を強調するために、小表示領域Dm4に表示される遊技方法を案内する演出を強調した表示態様(図では2重枠で表示)を表示し、副表示領域Dsには「特図1保留が無いよ!急いで特図1保留を貯めてね」の文字が表示される強調案内報知が実行される。
また、コンベア10802上では、第2特別図柄変動のみが進行していることを示すために、図616(a)に対して、特図2保留に対応するエサアイコンhr1aがサカナ10801に近付く演出が実行される。なお、エサアイコンhr2aは、特殊演出が実行されているため、図616(a)と同じ位置に表示されている。このように構成することで、特殊演出の実行中に遊技を一旦中断してしまい、第1特別図柄抽選が実行されない期間が続くことで、第2確変状態中に全ての特図2保留が消化されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、図616(b)に示した状態から、新たに特図1保留を獲得しない状態が継続し、エサアイコンhr2aに対応する第2特別図柄変動が実行されるまでに、第2確変状態が終了し得ない状況となった場合、即ち、エサアイコンhr2aに対応する第2特別図柄変動が実行されるまでの残時間(エサアイコンhr1aに対応する第2特別図柄変動が終了するまでの残期間)内に、実行することが可能な第1特別図柄抽選回数が、第2確変状態を終了させるための残確変回数に到達し得ないと判別された場合には、特殊演出が終了し、エサアイコンhr2aがコンベア10802の稼働に伴って移動する通常表示に切り替わる。
本第15制御例の第1変形例では、特図2保留を複数個保留記憶可能に構成しており、特図1保留を獲得していない状況が発生した場合であっても、実行中の第2特別図柄変動が停止表示されるまでは、獲得済みの特図2保留を用いた新たな第2特別図柄変動が実行されないように構成している。つまり、第2確変状態中においては、第2確変状態を終了させるために、より短い変動時間の第1特別図柄変動が実行され、且つ、第2確変状態中に全ての特図2保留が消化され難くするために、より長い変動時間の第2特別図柄変動が実行されることが遊技者にとって最も有利な遊技内容となるように構成している。
よって、キープゾーン演出において、短い変動時間の第1特別図柄変動に対しては、遊技者に有利となるアイコン種別が設定され易くなる。また、長い変動時間の第2特別図柄変動に対しては、遊技者に有利となるアイコン種別が設定され易くなる。
このように構成することで、キープゾーン演出中により多くの特図1保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、本第15制御例の第1変形例における第2確変状態中の特別図柄変動の変動パターンとして決定され得る変動時間について説明をする。図示は省略するが、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態中に実行される第1特別図柄変動の変動パターンと、第2特別図柄変動の変動パターンとを選択する際に、専用の変動パターンテーブルを参照するように構成している。
図示は省略するが、第2確変状態中に参照される第2確変変動パターンテーブルには、第1特別図柄変動として比較的短い変動時間の変動パターンが選択され易く、且つ、第2特別図柄変動として比較的長い変動時間の変動パターンが選択され易い、有利テーブルと、第1特別図柄変動として比較的短い変動時間の変動パターンが選択され難く、且つ、第2特別図柄変動として比較的長い変動時間の変動パターンが選択され難い、不利テーブルと、を有しており、第2確変状態の設定契機(大当たり種別)や、参照する変動パターンテーブルを決定するための決定抽選の結果に基づいて、いずれかのテーブルが決定されるように構成している。
有利テーブルには、第1特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が1秒~60秒の変動パターンが、第2特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が100秒~300秒の変動パターンが、選択され得るように規定されている。そして、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の記憶数(特図1保留数)と、取得した変動パターン種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。
より具体的には、特図1保留数が多い程、第1特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され易く、第2特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように規定している。
不利テーブルには、第1特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が1秒~45秒の変動パターンが、第2特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が30秒~300秒の変動パターンが、選択され得るように規定されている。そして、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の記憶数(特図1保留数)と、取得した変動パターン種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。
より具体的には、特図1保留数が多い程、第1特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され易く、第2特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように規定している。
以上、説明をした通り、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態中において実行される各種特別図柄変動の変動パターンとして、遊技者に有利な変動パターンが選択され易い状態と、選択され難い状態と、を参照される変動パターンテーブルの種別に応じて切り替えることができるように構成している。このように構成することで、キープゾーン演出の成功割合を参照される変動パターンテーブルの種別に応じて異ならせることができる。
なお、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態が設定される場合の遊技状況(大当たり種別)に応じて、参照される変動パターンテーブルの種別を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数に対応させて参照される変動パターンテーブルの種別が切り替わるようにシナリオを構成しても良い。
また、本第15制御例の第1変形例では、第1特別図柄変動の変動パターンと、第2特別図柄変動の変動パターンとが規定されている変動パターンテーブルを参照するように構成しているが、これに限ること無く、第1特別図柄変動の変動パターンのみが規定されている変動パターンテーブルと、第2特別図柄変動の変動パターンのみが規定されている変動パターンテーブルとを設け、各変動パターンテーブルに対して、遊技者への有利度合いが異なるテーブルを設け、遊技状況に応じて、特別図柄種別毎に、参照される変動パターンテーブルの種別を異なるように構成しても良い。このように構成することで、第2確変状態中に実行される各種特別図柄変動の変動パターンの組み合わせをより多種多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
<第15制御例の第1変形例にて実行される主制御装置110の制御処理について>
次に、図617を参照して、本第15制御例の第1変形例にて実行される主制御装置110の制御処理のうち、特徴的な処理内容について説明をする。本第15制御例の第1変形例では、上述した第15制御例に対して、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示と、を同時に(並行して)実行可能に構成している点で相違している。
また、遊技状態が切り替わる場合、具体的には、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて第2確変状態が終了した場合に、実行中の特別図柄変動を破棄する処理を実行する点で、上述した第12制御例、及び第15制御例と相違している。このように構成することで、長時間の第2特別図柄変動が実行されている状態で通常状態が設定されたとしても、長時間の第2特別図柄変動を途中で破棄することが可能となり、通常状態において新たな第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
なお、本第15制御例の第1変形例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)されたパチンコ機10においては、天井特典が付与されるタイミングや、時短抽選にて時短当選した場合に、実行中の特別図柄変動を破棄するように構成しても良いし、破棄すること無く実行中の特別図柄変動を継続させるように構成しても良い。
なお、本第15制御例の第1変形例と、上述した第15制御例との相違点のうち、上述した第12制御例に記載されている各種制御処理内容を転用可能な箇所については、その説明を省略する。つまり、ここでは、上述した遊技状態が切り替わる場合、具体的には、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて第2確変状態が終了した場合に、実行中の特別図柄変動を破棄する処理(状態移行時変動破棄処理)について図617を参照して説明をする。
図617は、状態移行時変動破棄処理(YS101)の処理内容を示したフローチャートである。この状態移行時変動破棄処理(YS101)は、主制御装置110のMPU101にて実行されるタイマ割込処理(図156参照)にて実行される処理であって、遊技状態が移行した際に特定条件を満たした場合に、実行中の特別図柄変動を破棄するための処理が実行されるものである。
状態移行時変動破棄処理(YS101)が実行されると、まず、遊技状態に変更があったかを判別し(YS201)、遊技状態に変更が無いと判別した場合は(YS201:No)、そのまま本処理を終了する。一方、YS201の処理において、遊技状態に変更があったと判別した場合は(YS201:Yes)、次に、第2確変状態から通常状態への変更であるかを判別し(YS202)、第2確変状態から通常状態への変更では無いと判別した場合は(YS202:No)、そのまま本処理を終了する。
YS202の処理において、第2確変状態から通常状態への変更であると判別した場合は(YS202:Yes)、現在が特図変動中であるかを判別し(YS203)、特図変動中では無いと判別した場合は(YS203:No)、そのまま本処理を終了する。一方、YS203の処理において、現在が特図変動中であると判別した場合は(YS203:Yes)、実行されている特図変動が大当たり変動であるかを判別し(YS204)、大当たり変動中では無いと判別した場合は(YS204:No)、特図変動中の特別図柄種別に対応する変動停止フラグ(特図1変動停止フラグ203ke、特図2変動停止フラグ203kf)をオンに設定し(YS205)、本処理を終了する。
YS205の処理を実行することにより、次に実行される特別図柄変動処理12(図417のY104参照)において、実行中の特別図柄変動が外れを示す表示態様で強制的に停止表示される。
また、YS204の処理において、大当たり変動中であると判別した場合は(YS204:Yes)、特殊継続コマンドを設定し(YS206)、本処理を終了する。YS206の処理によって設定された特殊継続コマンドを音声ランプ制御装置113側で受信することにより、第2確変状態から通常状態へと移行するタイミングにおいて大当たり変動が実行されていることを遊技者に示す祝福演出が実行される。
以上、説明をした通り、本第15制御例の第1変形例では、遊技状態が移行するタイミングにおいて実行中の特別図柄変動を破棄することが可能である。よって、移行前の遊技状態において長時間の特別図柄変動が実行されている特別図柄種別(例えば、第2特別図柄)が、移行後の遊技状態では、短時間の特別図柄変動が実行され易くなることで、遊技状態の移行に基づいて遊技性を異ならせることが可能なパチンコ機10において、遊技状態の移行に伴って新たな特別別図柄変動を実行させ易くすることができるため、遊技性に沿った適正な遊技を提供し易くすることができる。
また、上述した第12制御例のように、特別図柄変動の開始、又は停止に基づいて実行中の特別図柄変動を破棄するのでは無く、遊技状態の移行に基づいて特別図柄変動を破棄するように構成しているため、例えば、特別図柄変動の開始、または停止に関わらず遊技状態が移行する場合(変動開始から5秒後に遊技状態が移行したり、普通図柄抽選の結果に基づいて遊技状態が移行したりする場合)においても、遊技状態の移行タイミングに対応させて実行中の特別図柄変動を破棄することができる。加えて、遊技状態が移行するタイミングにおいて複数種別の特別図柄が特別図柄変動中である場合であっても、特別図柄変動中の全ての特別図柄種別に対して、特別図柄変動を破棄することができる。
なお、本第15制御例の第1変形例では、遊技状態が第2確変状態から通常状態へと切り替わる際に、実行中の特別図柄変動を破棄する処理を実行可能に構成しているが、遊技状態の移行に基づいて実行中の特別図柄変動を破棄する処理を、他に転用しても良く、例えば、上述した第13制御例や第14制御例のように、天井特典が付与されることに基づいて実行中の特別図柄変動を破棄する処理を実行するように構成しても良い。
<第15制御例の第1変形例にて実行される音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図618を参照して、本第15制御例の第1変形例において実行されるキープゾーン演出の演出態様を決定する処理のうち、特徴的な処理内容について説明をする。本第15制御例の第1変形例では、上述した第15制御例に対して、キープゾーン演出が実行されている状態(第2確変状態)中に全ての特図2保留を消化させないための遊技方法を異ならせている点で相違している。
具体的には、上述した第15制御例では、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成しているため、キープゾーン演出中において、第1特別図柄抽選が継続して実行される限り(特図1保留が途切れ無い限り)、キープゾーン演出が終了するまで(第2確変状態が終了するまで)、特図2保留が消化されない(第2特別図柄抽選が実行されない)ように構成されていた。これに対して、本第15制御例の第1変形例では、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示と、を同時に(並行して)実行可能に構成しているため、特図1保留を常に保持している状態であっても、実行される第1特別図柄変動の変動時間が長く、実行される第2特別図柄変動の変動時間が短い場合には、第2確変状態が終了するまでに、特図2保留が全て消化されてしまう虞がある。
そこで、本第15制御例では、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動、第2特別図柄変動)の変動時間と、獲得済みの特図保留(特図1保留、特図2保留)に対応する特別図柄変動(第1特別図柄変動、第2特別図柄変動)の変動時間と、に基づいて、キープゾーン演出の演出態様(エサアイコンの表示態様)を異ならせるように構成している。
このように構成することで、実行されるキープゾーン演出の演出態様に基づいて、特図2保留を保持したままキープゾーン演出を終了させる難易度を遊技者に予測させることが可能となる。
図618は、第2確変状態演出設定処理15a(YS9058)の処理内容を示したフローチャートである。図618に示した通り、第2確変状態演出設定処理15a(YS9058)は、上述した第15制御例にて実行される第2確変状態演出設定処理15(S9058)に対して、エサアイコンの表示態様を決定するための処理を追加している点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2確変状態演出設定処理15a(YS9058)が実行されると、まず、上述した第15制御例にて実行される第2確変状態演出設定処理15(S9058)と同一のS9401~S9456の処理を実行する。そして、S9455の処理を終えると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている情報、及び第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている情報のうち、最新の特図2保留(最後に格納された特図2保留)以外の情報を読み出し(YS9001)、読み出した情報のそれぞれに含まれる変動時間に対応して、各エサアイコンの表示態様を決定する(YS9002)。
YS9002の処理によって、図616(a)に示した通り、各エサアイコンに対して異なる表示態様(小さいエサアイコン、堅いエサアイコン)を表示することが可能となる。
次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bから読み出した情報(第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている情報のうち、最新の特図2保留(最後に格納された特図2保留)以外の情報)に含まれる変動時間の合計を算出し(YS9003)、算出した変動時間と、実行中の特図2変動の残時間と、を合算する(YS9004)。つまり、YS9004の処理では、獲得済みの特図2保留のうち、最後の特図2保留が消化される(特別図柄変動が実行される)までの残時間が算出される。
そして、第2確変中カウンタ223naの値(第2確変状態の残期間)に対応する基準時間を読み出し(YS9005)、YS9004の処理で算出された合算時間が、YS9005の処理で読み出された基準時間よりも長いかを判別し(YS9006)、長いと判別した場合、即ち、正常に遊技を行った場合において、最後の特図2保留が消化されるよりも前に、第2確変状態が終了する可能性が高いと判別した場合は(YS9006:Yes)、最新の特図2保留(最後に消化される特図2保留)に対応するエサアイコンの表示態様として特殊態様を決定する(YS9007)。YS9007の処理において特殊態様が決定されることで、図616(a)に示したエサアイコンhr2aの表示態様(コンベア10802から浮いている特殊演出)が実行される。YS9007の処理を終えると、今回の処理で決定した表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定し(YS9009)、本処理を終了する。
一方、YS9006の処理において、YS9004の処理で算出された合算時間が、YS9005の処理で読み脱された基準時間よりも短いと判別した場合、即ち、正常に遊技を行った場合において、最後の特図2保留が消化されるよりも前に、第2確変状態が終了する可能性が高くないと判別した場合は(YS9006:No)、最新の特図2保留(最後に消化される特図2保留)に対応するエサアイコンの表示態様として通常態様を決定し(YS9008)、今回の処理で決定した表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定し(YS9009)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態(キープゾーン演出)が設定される時点で格納されている特図保留、及び、実行中の特別図柄変動に関する変動時間を先読みし、獲得済みの特図2保留の少なくとも1つが、第2確変状態終了後に消化(特別図柄抽選の実行)され易い状態であるか否かを判別し、その判別結果に基づいた表示態様でキープゾーン演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、今回実行されるキープゾーン演出が成功しやすいか否かを遊技者に予測させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態終了後に消化(特別図柄抽選の実行)され易い状態であるか否かの判別方法として、第2確変状態の残期間(第2確変中カウンタ223naの値)に対応する基準時間を用いているがこれに限ること無く、特図2保留内に特定の変動時間以上の情報を含む特図保留があるかを判別し、その判別結果に基づいて、第2確変状態終了後に消化(特別図柄抽選の実行)され易い状態であるか否かを判別するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略するが、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態中において定期的(新たな特図保留を獲得した場合、新たな特別図柄変動が実行される場合、所定時間が経過した場合)において、第2確変中カウンタ223naの値と、変動時間に関連する新たな情報(獲得した特図保留に含まれる変動時間情報や、実際に特別図柄変動が実行される場合に決定された変動時間と、先読み(事前判別)時に読み出した変動時間との差分を示す情報)と、に基づいてキープゾーン演出の演出態様を更新(補正)する処理を実行するように構成している。
本処理を実行することにより、例えば、特殊演出(特殊態様)が実行されている状態において、遊技者が遊技を中断し、第1特別図柄変動が実行されない期間が発生したり、特別図柄変動の変動パターンとして低確率で設定され得る遊技者に不利な変動時間が選択された場合において、キープゾーン演出の演出態様を補正することが可能となる。よって、実際に発生し得る第2確変状態終了時の遊技状態に適した演出を実行し易くすることができる。
<第16制御例>
次に、図504から図547を参照して、第16制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第16制御例におけるパチンコ機10では、上述した第13制御例と同様に、所定回数(例えば、500回)の特別図柄の抽選で連続して大当たり当選以外の抽選結果(外れ)となった場合に、遊技者に有利となる遊技状態(第3時短状態)を設定する構成を前提として、パチンコ機10と電気的に接続されている各種装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ263等)に対する外部信号の出力方式について説明する。
また、本第16制御例では、パチンコ機10と電気的に接続されている所定装置(例えば、データ表示装置262)の視認態様に連動させているかのような演出態様の特定演出を実行可能に構成している。より具体的には、本第16制御例のパチンコ機10では、遊技者に有利な状態(例えば、大当たりや時短状態)となることを報知するための演出の一種として、有利な状態へと移行したことを所定期間秘匿しておき、有利な状態へ移行後に所定契機で所定装置(例えば、データ表示装置262)を視認することを促す演出態様の表示装置連動演出を実行可能に構成している。現在一般的に流通している、接続されているパチンコ機10から受信する各種信号に基づいてパチンコ機10の遊技状況に関する各種データ(大当たり間の抽選回数や大当たり回数、総抽選回数等)を表示するためのデータ表示装置262においては、有利な状態(大当たり遊技状態や確変遊技状態、時短遊技状態等)が設定されている場合に、有利な状態となっていることを文字や装飾ランプの発光等によって報知可能に構成されているものがほとんどであるため、表示装置連動演出を実行することによって、あたかもパチンコ機10とデータ表示装置262とが連動して演出を行っているかのような極めて斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第16制御例では、通常遊技状態において主として実行される第1特別図柄の抽選結果として、ほとんど賞球を得ることができない(ラウンド数が少なく、各ラウンドにおける特定入賞口65aの開放期間も短い)大当たり(特殊大当たり)を設けている。この特殊大当たりは、大当たり終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定されるため、基本的に、第3時短状態が設定されるまでの抽選回数(天井抽選回数到達に係る特典付与までの残回数)をリセットする役割を担っている。更に、本第16制御例では、特別図柄の外れの一部として、特定入賞口65aの開閉動作を伴い、且つ、当該開閉動作が特殊大当たり時に設定される開閉動作(特定開閉動作)と共通となる小当たり抽選結果を設ける構成としている。つまり、特定入賞口65aの開閉動作からは特殊大当たりと区別困難な抽選結果であり、且つ、第3時短状態が設定されるまでの抽選回数がリセットされない抽選結果を設ける構成としている。これらにより、特定入賞口65aが特定開閉動作で開閉される毎に、第3時短状態が付与されるまでの抽選回数がリセットされた可能性があると遊技者に認識させることができるので、第3時短状態が付与されるまでの残抽選回数(天井抽選回数到達に係る特典付与までの残回数)を遊技者に把握困難とすることができるので、残抽選回数を予測させる遊技性を付与することができる。
更に、本第16制御例では、天井抽選回数における特別図柄の変動時間を、抽選結果によらず、予め定められた特定期間(30秒間)に固定化することにより、第3時短状態へと移行するのか、天井抽選回数で丁度大当たりに当選したのかを分かり難くする構成としている。このように構成することで、第3時短状態へと移行することに対する期待感をより長く遊技者に対して抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第16制御例におけるパチンコ機10が、上述した第13制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第13制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第13制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図504を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10に対して電気的に接続されるデータ表示装置262について説明する。図504(a)は、データ表示装置262が接続されたパチンコ機10がホールに複数並べて設置されている状態における島設備の外観を例示した図である。図504(a)に例示した通り、ホールにおいてパチンコ機10が設置された状態では、基本的に、各パチンコ機10の真上にデータ表示装置262が設置される。このデータ表示装置262は、例えば、パチンコ機10の遊技状況に関する各種のデータ等を表示するためのデータ表示部276と、LED等の発光装置で構成され、発光により所定の報知を行う電飾部278と、データ表示部276の表示内容を切り替えるための遊技者による入力操作を受け付け可能な入力装置277と、で少なくとも構成されている。このデータ表示装置262に表示される各種データによって、遊技者が遊技を行うパチンコ機10を選択する際や、遊技中のパチンコ機10において遊技を続行するか否かの判断を行う際の判断基準を提供することができる。なお、詳細については後述するが、本第16制御例におけるパチンコ機10は、データ表示装置262等の所定装置に対して、大当たりに当選したことを示す大当たり信号1や、大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行したことを示す大当たり信号2、第3時短状態に移行したことを示す大当たり信号3等の各種の信号を外部出力可能に構成されている。データ表示装置262は、接続されているパチンコ機10から受信した外部出力信号によって大当たりの当選状況や遊技状態等の遊技の状況を監視、収集して、一部のデータをデータ表示部276において表示可能に構成されている。
次に、図504(b)を参照して、データ表示装置262のデータ表示部276に表示される各種データの表示例について説明する。図504(b)に示した通り、データ表示装置262のデータ表示部276は、例えば、右表示領域276Rと左表示領域276Lとに表示領域が区分されており、左表示領域276Lに対しては、例えば、当日の初当たり回数(通常状態または第3時短状態において大当たりに当選した回数)が表示される。図504(b)の例では、初当たりが12回発生し、左表示領域276Lに対して「初当たり12回」という文字が表示されている場合を例示している。また、右表示領域276Rに対しては、例えば、現在の抽選回数(前回の大当たり終了後からの変動回数)を示す表示や、5回前までの初当たりにおける当選時の抽選回数や当該初当たりから通常状態に移行するまでの間に当選した大当たりの回数(所謂、連チャン回数)等が表示される。
具体的には、図504(b)に示した通り、右表示領域276Rにおける下方に、「現在」という文字、「1」という文字、「2」という文字、「3」という文字、「4」という文字、および「5」という文字が表示される。また、これらの文字の上方には、特別図柄の抽選回数を示す棒グラフ、および抽選回数を示す数字が表示される。「現在」の文字の上方に表示されている棒グラフ、および数字は、前回の大当たり終了後を起点とした特別図柄の抽選回数を示しており、「1」~「5」の文字の上方に表示されている棒グラフ、および数字は、1回前~5回前に初当たり(通常状態または第3時短状態における大当たり)に当選した際の特別図柄の抽選回数を示している。また、「1」~「5」の文字の上方、且つ、棒グラフの下方に表示されている文字(「4回」、「1回」、「1回」、「6回」、および「1回」という文字)については、それぞれ1~5回前の初当たりが発生してから通常状態へと移行するまでの間に当選した大当たりの連続回数(連チャン回数)を示している。つまり、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態(第1確変状態、第2時短状態)が途切れることなく大当たりに当選した回数を示している。これらの表示内容により、遊技者に対してパチンコ機10の傾向(大当たりに当選した抽選回数の傾向や連チャン回数の傾向等)を容易に把握させることができるので、遊技者に対して遊技を行うパチンコ機10を選択する際や、パチンコ機10における遊技を継続するか否かの判断を行う際の判断基準を提供することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。以降の説明では、説明の簡素化のため、右表示領域276Rに表示される表示内容のことを遊技履歴と称する。
また、データ表示部276の表示内容は、入力装置277に対する入力操作によって変更可能に構成されている。ここで、入力装置277は、左入力部277a、表示切替用入力部277b、キャンセル入力部277c、および右入力部277dで少なくとも構成されており、左入力部277a、および右入力部277dを押下(入力操作)することにより、右表示領域276Rに表示される遊技履歴の表示範囲を可変させることができる。具体的には、右入力部277dを押下する毎に、時間的に古い履歴(初当たり当選時の抽選回数を示す表示と連チャン回数を示す文字との組み合わせ)が表示される。即ち、図504(a)の状態で右入力部277dを押下する毎に、各履歴が左側に1つずつシフトされる。これに伴って、右端に時間的により古い履歴が表示されると共に、左端に表示されていた履歴の表示が消去される。逆に、左入力部277aを押下する毎に、各履歴が右側に1つずつシフトされていき、左端に時間的により新しい履歴が表示されると共に右端に表示されていた履歴の表示が消去される。なお、遊技履歴は、最大で10回前の履歴まで記憶されるように構成されている。
表示切替用入力部277bは、押下(入力操作)によってデータ表示部276の表示内容を別日の履歴に切り替えることが可能な入力部である。表示切替用入力部277bを押下する毎に、データ表示部276の表示内容が、1日前の初当たり回数データおよび遊技履歴データ、2日前の初当たり回数データおよび遊技履歴データ、3日前の初当たり回数データおよび遊技履歴データ、・・・といった具合に更新されていく。また、キャンセル入力部277cを押下することで、当日の初当たり回数データおよび遊技履歴データが表示された状態に戻すことができる。これらの機能によって、遊技者に対してパチンコ機10に関するより多くの情報を提供することができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。
次に、図505、および図506を参照して、パチンコ機10が特定の状態に移行した場合におけるデータ表示装置262の視認態様(データ表示部276の表示態様、および電飾部262の発光態様)について説明する。まず、図505(a)は、パチンコ機10が大当たり遊技状態に移行した場合における、当該パチンコ機10に電気的に接続されているデータ表示装置262の視認態様を示した図である。データ表示装置262に接続されているパチンコ機10が大当たりに当選すると、パチンコ機10から大当たり当選を示すための大当たり1信号が出力される。この大当たり1信号を受信したことを契機として、図505(a)に示した通り、データ表示装置262の視認態様が大当たり遊技状態用の視認態様に設定される。具体的には、例えば、データ表示部276に表示されていた遊技履歴が消去されて、「大当たり!」という文字がデータ表示部276の全体に渡って表示される。また、電飾部278を構成する右電飾部278R、および左電飾部278Lが通常時(データ表示部276に遊技履歴が表示されている状態)よりも明るく発光した見た目となる。これらの視認態様(大当たり用視認態様)により、パチンコ機10が大当たり遊技状態に移行したということを容易に理解させることができる。なお、大当たり1信号は、大当たり遊技状態が終了されるまでの間出力され続けるように構成されている。データ表示装置262では、大当たり1信号の出力が終了されるまでの間、大当たり用視認態様を継続させるように構成されている。
次に、大当たり終了後にパチンコ機10が普通図柄の時短状態に移行した場合における、当該パチンコ機10に電気的に接続されているデータ表示装置262の視認態様について説明する。図505(b)は、大当たり終了後に普通図柄の時短状態(第1確変状態、第2時短状態のいずれか)が設定された場合におけるデータ表示装置262の視認態様の一例を示した図である。データ表示装置262に接続されているパチンコ機10が大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行すると、パチンコ機10から普通図柄の時短状態への移行を示すための大当たり2信号の出力が開始される。この大当たり2信号は、普通図柄の時短状態が終了するまで(即ち、大当たりに当選するか、時短回数が経過して通常遊技状態に移行するまで)の間出力され続ける。データ表示装置262は、大当たり1信号の出力が終了されると共に大当たり2信号の出力が開始されたことを契機として、図505(b)に示した通り、データ表示装置262の視認態様が時短状態用の視認態様に設定される。具体的には、例えば、データ表示部276に表示されていた大当たり用視認態様が消去されて、「連チャン中!」という文字がデータ表示部276の全体に渡って表示される。また、電飾部278を構成する右電飾部278R、および左電飾部278Lが通常時(データ表示部276に遊技履歴が表示されている状態)よりも明るく発光した見た目となる。これらの視認態様(時短状態用の視認態様)により、パチンコ機10が大当たり終了後の普通図柄の時短状態に移行したということを容易に理解させることができる。
次に、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(500回)に到達して第3時短状態に移行した場合におけるデータ表示装置262の視認態様について説明する。図506は、パチンコ機10が第3時短状態に移行した後における、当該パチンコ機10に電気的に接続されているデータ表示装置262の視認態様を示した図である。データ表示装置262に接続されているパチンコ機10が第3時短状態に当選すると、パチンコ機10から普通図柄の時短状態に移行したことを示す大当たり2信号の出力が開始される。また、天井抽選回数到達に係る時短状態への移行であることを示すための大当たり3信号が所定期間(0.2秒間)の間出力される。これらの信号出力の組み合わせによって、データ表示装置262は、天井抽選回数に係る第3時短状態への移行を容易に判別することができるため、データ表示装置262の視認態様が第3時短状態用の視認態様に設定される。具体的には、例えば、データ表示部276に表示されていた遊技履歴が消去されて、「救済発動中」という文字がデータ表示部276の全体に渡って表示される。また、電飾部278を構成する右電飾部278R、および左電飾部278Lが通常時(データ表示部276に遊技履歴が表示されている状態)よりも明るく発光した見た目となる。これらの視認態様(第3時短状態用の視認態様)により、パチンコ機10が天井抽選回数に到達して、第3時短状態に移行したということを容易に理解させることができる。
このように、データ表示装置262の視認態様をパチンコ機10の状態にリンクさせて可変させることができるので、遊技者に対してパチンコ機10の状態をより分かり易く報知することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図507から図509を参照して、本第16制御例のパチンコ機10において実行される特徴的な演出態様について説明する。まず、図507を参照して、データ表示装置連動型の大当たり報知演出について説明する。このデータ表示装置連動型の大当たり報知演出は、変動表示演出において第3図柄が外れの組み合わせで停止表示された後で、データ表示装置262に注目させる演出態様が設定される演出である。特別図柄の抽選で大当たりに当選していれば、データ表示装置262に対して大当たり1信号が出力されるため、データ表示装置262が大当たり用視認態様に設定されることにより遊技者に対して大当たりとなったことを理解させることができる一方で、抽選結果が外れであれば、データ表示装置262に対して大当たり1信号が出力されず、大当たり用視認態様に設定されることもない(遊技履歴が表示された状態のままとなる)ため、遊技者に対して大当たりにならなかったことを理解させることができる。
図507(a)は、データ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行される可能性があることを遊技者に示唆する演出(データ表示装置連動演出の煽り演出)の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。このデータ表示装置連動演出の煽り演出は、変動種別が完全外れ以外の変動種別(SPリーチ当たり、SPリーチ外れ、スーパーリーチ当たり、スーパーリーチ外れ、ノーマルリーチ当たり、ノーマルリーチ外れ)に対応する変動表示態様の一部として実行され得る演出であり、変動時間が経過する(特別図柄が確定表示される)5秒前から実行される演出である。
図507(a)に示した通り、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行されると、主表示領域における右上に対して、天使を模したキャラクタ809が出現する演出が行われた後、キャラクタ809が所持しているステッキから、主表示領域Dmにおける上方に向けて光809Lを放つ演出が実行される。また、キャラクタ809に対して正面視左方に対して、縦長略楕円形形状で構成され、「光れ!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「データランプが光ればボーナス確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも、天使を模したキャラクタ809がパチンコ機10の真上に設置されたデータ表示装置(データランプ)262に対して光809Lを放つことにより、データ表示装置(データランプ)262の電飾部278を発光させようとしているかのように遊技者に思わせることができる。また、キャラクタ809の放つ光809Lによって電飾部278が発光した場合に、大当たり遊技が実行される(ボーナスが確定する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図507(b)は、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行された後、実際に大当たりが報知された場合(データ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行された場合)における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図507(b)に示した通り、データ表示装置連動型の大当たり報知演出では、まず、大当たり開始タイミング(大当たりのオープニング期間の開始時)において、大当たり開始を示す信号(大当たり1信号)が所定装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ272等)に対して出力されることで、大当たり1信号を受信したデータ表示装置262の視認態様が大当たり用視認態様に設定される。つまり、データ表示装置連動演出の煽り演出においてキャラクタ809等によって示唆されていた通りに、データ表示装置262の電飾部278が光った見た目となる。これに伴って、図507(b)に示した通り、リーチ外れの形で停止表示されていた第3図柄の上方から、リーチがかかっていた図柄と同一の第3図柄が降下してきて、停止表示されていた中図柄と降下してきた第3図柄とが置き換わる(停止表示されていた中図柄が押し退けられる)演出が実行される。つまり、あたかもデータ表示装置262から当たりとなる第3図柄が下方に放出されて、当該第3図柄が中図柄と置き換わったかのような演出が実行される。また、天使を模したキャラクタ809の左上に対して、「やったね!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示されると共に、主表示領域Dmの上方から光が漏れ出てくるかのような表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!」という文字が表示される。これらの表示態様により、あたかもデータ表示装置262とパチンコ機10とが連動して1の演出態様を形成しているかのような斬新な演出態様を実現することができる。また、あたかもデータ表示装置262によって抽選結果を大当たりに書き替えたかのような斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、現状、データ表示装置262として、仕様の異なる様々な装置が普及しており、遊技履歴の表示内容や大当たり用視認態様等の視認態様も装置毎に様々となっている。このため、同一のデータ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行されたとしても、当該データ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行されたパチンコ機10と電気的に接続されているデータ表示装置262の種別が異なれば、大当たり用視認態様についても異なった視認態様となるため、全く異なる印象を遊技者に対して抱かせることが可能となる。よって、データ表示装置連動型の大当たり報知演出の演出態様を増加させなくても、データ表示装置262の種別数によって演出態様を多様化させることができるので、パチンコ機10の記憶容量を節約しつつ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図508(a)を参照して、本第16制御例における小ボーナス演出について説明する。ここで、本第16制御例では、上述した通り、右打ちしたとしてもほとんど賞球を得ることができない特定開閉動作で特定入賞口65aが開閉動作される特殊大当たり、および小当たりの抽選結果が設けられている。本制御例においては、これらの遊技者にとって特定入賞口65aの開閉動作の見た目等から区別し難い抽選結果を、まとめて「小ボーナス」と称することにする。これに対し、特殊大当たり以外の比較的多量の賞球を得ることが可能な大当たり(大当たりA17~E16)のことを、「通常ボーナス」と称する。
図508(a)は、小ボーナスに対応する変動表示演出の終了時(第3図柄の停止時)における表示態様を示した図である。図508(a)に示した通り、本第16制御例では、小ボーナス(特殊大当たり、小当たり)に当選すると、主表示領域dmの右図柄列、中図柄列、および左図柄列に対してそれぞれ同一の偶数の数字を模した第3図柄が停止表示される。図508(a)の例では、「2」の数字を模した第3図柄が右図柄列、中図柄列、および左図柄列に停止表示された場合を例示している。また、主表示領域Dmの左上に、「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4が形成される。更に、図508(a)に示した通り、小表示領域Dsに対して、「小ボーナス」という文字が表示される。これらの表示内容により、抽選結果が小ボーナスになったということを遊技者に容易に理解させることができる。
これに対し、図示については省略するが、ボーナス(大当たりA16~E16のいずれか)に当選した場合は、同一の奇数の数字を模した第3図柄が右図柄列、中図柄列、および左図柄列に停止表示される。よって、停止表示された第3図柄の種別によって容易にボーナスの種別を判別することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、上述した通り、通常遊技状態において特殊大当たりに当選すると、特殊大当たりの終了後も通常遊技状態が設定される上に、特図抽選カウンタ203laの値が0クリアされてしまう一方で、小当たりに当選した場合は、特図抽選カウンタ203laの値が維持されるため、特殊大当たりに当選するよりも、小当たりに当選した方が、第3時短状態へと移行するまでの抽選回数がリセットされない分遊技者にとって有利となる。
本第16制御例では、通常状態において第3図柄表示装置81の小表示領域Dm7に対して、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数ではなく、最後のボーナスが終了した後の抽選回数を「ボーナス間」の回数として表示させる構成としている。つまり、大当たりだけでなく、小当たり当選でも表示上の抽選回数がリセットされるように構成されている。このように構成することで、特殊大当たりと小当たりとをより区別し難くすることができるので、天井抽選回数までの残りの抽選回数を予測する遊技性を付加することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図508(b)を参照して、天井抽選回数(500回)目に実行される変動表示演出において設定される演出態様について説明する。図508(b)は、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出が実行されている場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図508(b)に示した通り、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出では、リーチ演出が発生する。ここで、本第16制御例では、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出で必ずリーチ演出を発生させるために、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選が実行された場合は、抽選結果によらず、30秒間のスーパーリーチ変動に対応する変動時間が設定されるように構成している。これにより、リーチ演出の演出時間を確実に確保することができる。これらの表示内容により、リーチ演出によって天井抽選回数到達に係る第3時短状態への移行が報知される可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選結果が外れだった場合は、基本的に、時短図柄当選時と同様の第3図柄の組み合わせ(図278参照)が停止表示されて時短状態への移行が報知される。即ち、リーチ演出が発生した後で、中図柄列に「チャンスタイム」という文字が付された図柄が停止表示されることで時短状態への移行が報知される。これにより、遊技者に対して天井抽選回数に到達したことに基づいて第3時短状態へと移行した(大当たりを契機とする時短状態への移行ではない)ということを容易に理解させることができる。
また、図508(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける左上に対して、「天井!?」という文字が付された小表示領域Dm7が形成される。更に、副表示領域Dsに対して、「右打ち厳禁!左打ち!」という文字が表示される。この副表示領域Dsの表示内容により、第3時短状態へと移行すると予測した遊技者が、第3時短状態へと移行する前(通常遊技状態)から右打ちを開始してしまうことを抑制することができる。ここで、第3時短状態へと移行する前(通常遊技状態)から右打ちを開始してしまうと、通常遊技状態の間に遊技球がスルーゲート67を通過して普通図柄の変動表示が開始されてしまう可能性がある。そして、本第16制御例では、普通図柄の通常状態(通常遊技状態)における普通図柄の変動時間が30秒に設定されるように構成している。このため、例えば、変動停止の直前(第3時短状態へと移行する直前)に遊技球がスルーゲート67を通過してしまう(普通図柄の変動が開始されてしまう)と、第3時短状態へと移行した後で、約30秒間の間、普通図柄の当たりとなり得ない状態となってしまう。一旦設定された普通図柄の変動時間は、変動中に遊技状態が変わったとしても変更されることが無いためである。このため、第3時短状態への移行が報知されたにもかかわらず、比較的長い期間、普通電動役物640aが開放されない不利な状況に設定されてしまう可能性があり、第3時短状態の恩恵を受けられないことに対する不満感を遊技者に対して抱かせてしまう可能性がある。これに対して本第16制御例では、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出において、右打ちを行わないように遊技者に促す表示を副表示領域Dsに対して行うことができるので、第3時短状態に移行する前から遊技者が右打ちを行ってしまうことを抑制することができる。よって、第3時短状態に移行する前に普通図柄の変動表示が開始されてしまい、当該変動表示が終了するまでの比較的長い期間の間、第3時短状態の恩恵(右打ちした遊技球が第2入球口640へと入球し易くなる)を受けられなくなってしまうことを抑制することができる。
なお、本第16制御例では、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出以外でも、天井抽選回数への到達を示唆する演出態様(図508(b)参照)の変動表示演出を実行する場合がある。より具体的には、ボーナス後に1又は複数回の小ボーナスに当選していた場合であって、少なくとも1の小ボーナスが特殊大当たりであり、且つ、最後に当選したボーナス後の抽選回数が500回に到達した場合、および最後に当選したボーナスよりも後に当選した小ボーナスの終了後における抽選回数が500回に到達した場合である。つまり、遊技者の視点(小ボーナスが特殊大当たりであるか小当たりであるかを判別できない視点)において、天井抽選回数に到達している可能性がある。つまり、ボーナス後に特殊大当たりに当選していれば、当該特殊大当たりと小当たりとを遊技者は判別できないため、実際には特殊大当たりの時点で特図抽選カウンタ203laの値がリセットされていたとしても、リセットされたことに対する確信を遊技者が得ることは困難であるため、特殊大当たりよりも前に当選したボーナスの終了後の抽選回数が500回に到達した場合に、遊技者に対して天井抽選回数への到達を期待させることができる。よって、このタイミングで天井抽選回数への到達を示唆する演出態様(図508(b)参照)を設定することにより、天井抽選回数に到達することに対する期待感をより長く遊技者に抱かせ続けることができる。
同様に、ボーナス後の抽選回数が500回を超えた場合には、500回の間に当選したいずれかの小ボーナスが特殊大当たりであることは確定するが、複数の小ボーナスに当選していた場合、遊技者の視点ではいずれの小ボーナスが特殊大当たりであったのかを特定することが困難となる。よって、ボーナスに当選するか、天井抽選回数に到達するまでの間、各小ボーナスの当選からの抽選回数が500回になる毎に、天井抽選回数への到達を示唆する演出態様(図508(b)参照)を実行する構成としている。このように構成することで、天井抽選回数に到達することに対する期待感をより長く遊技者に抱かせ続けることができる。
次に、図509を参照して、本第16制御例における特徴的な演出態様の一種である、データ表示装置連動型の時短発動演出について説明する。このデータ表示装置連動型の時短発動演出は、通常遊技状態において大当たりを介さずに(時短図柄当選、若しくは天井抽選回数に到達したことに基づいて)時短状態へと移行することを報知する演出であり、上述したデータ表示装置連動型の大当たり報知演出(図507(b)参照)と同様に、パチンコ機10とパチンコ機10に対して電気的に接続されているデータ表示装置262とが連動した演出を実行しているかのような演出態様の演出である。まず、図509(a)を参照して、データ表示装置連動型の時短発動演出が実行される可能性があることを遊技者に示唆する演出(データ表示装置連動演出の煽り演出)の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。このデータ表示装置連動演出の煽り演出は、SPリーチ外れ、またはスーパーリーチ外れに対応する変動表示態様の一部として実行され得る演出であり、時短図柄当選、若しくは天井抽選回数到達に基づいて時短状態へと移行する可能性があることを示唆するための演出である。このデータ表示装置連動演出の煽り演出は、大当たりを示唆するデータ表示装置連動演出の煽り演出(図507(a)参照)と同様に、変動時間が経過する(特別図柄が確定表示される)5秒前から実行される演出である。なお、上述した第13制御例と同様に、外れの抽選結果には時短図柄当選も含まれる。また、上述した通り、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選に係る変動パターンは必ず30秒間のスーパーリーチ変動が選択されるため、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出としても、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行される可能性がある。
図509(a)に示した通り、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行されると、主表示領域における右上に対して、天使を模したキャラクタ809が出現する演出が行われた後、キャラクタ809が所持しているステッキから、主表示領域Dmにおける上方に向けて光809Lを放つ演出が実行される。また、キャラクタ809に対して正面視左方に対して、縦長略楕円形形状で構成され、「光れ!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「データランプが光ればチャンスタイムGET!?」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも、天使を模したキャラクタ809がパチンコ機10の真上に設置されたデータ表示装置(データランプ)262に対して光809Lを放つことにより、データ表示装置(データランプ)262の電飾部278を発光させようとしているかのように遊技者に思わせることができる。また、キャラクタ809の放つ光809Lによって電飾部278が発光した場合に、時短状態に移行する(チャンスタイムになる)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図509(b)は、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行された後、実際に時短状態への移行が報知された場合(データ表示装置連動型の時短発動演出が実行された場合)における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図509(b)に示した通り、データ表示装置連動型の時短発動演出では、まず、時短状態への移行タイミングにおいて、時短状態中であることを示す信号(大当たり2信号)、および大当たりを介さずに時短状態へと移行したことを示す信号(大当たり3信号)が所定装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ272等)に対して出力されることで、大当たり2信号、および大当たり3信号を受信したデータ表示装置262の視認態様が時短状態用の視認態様に設定される。つまり、データ表示装置連動演出の煽り演出においてキャラクタ809等によって示唆されていた通りに、データ表示装置262の電飾部278が光った見た目となる。これに伴って、図509(b)に示した通り、リーチ外れの形で仮停止されていた第3図柄の上方から、「チャンスタイム」と記載された第3図柄が降下してきて、停止表示されていた中図柄と降下してきた第3図柄とが置き換わる(停止表示されていた中図柄が押し退けられる)演出が実行される。つまり、あたかもデータ表示装置262から「チャンスタイム」と記載された第3図柄が下方に放出されて、当該第3図柄が中図柄と置き換わったかのような演出が実行される。また、天使を模したキャラクタ809の右上に対して、「やったね!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示されると共に、主表示領域Dmの上方から光が漏れ出てくるかのような表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイムGET!」という文字が表示される。これらの表示態様により、あたかもデータ表示装置262とパチンコ機10とが連動して1の演出態様を形成しているかのような斬新な演出態様を実現することができる。また、あたかもデータ表示装置262によって時短状態に移行させたかのような斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図510を参照して、本第16制御例における保留変化演出について説明する。ここで、保留変化演出とは、小表示領域Dm9に対して表示される保留球数図柄の表示態様を先読み結果に応じて可変させる演出のことである。図510(a)に示した通り、本第16制御例においては、保留球数図柄の表示態様として、少なくとも6種類の表示態様が設けられている。より具体的には、図510(a)に示した通り、黒塗りの円形の図柄で構成される通常(デフォルト)の表示態様(ノーマル保留)と、白抜きの円形の内側に×が記された図柄で構成され、比較的大当たりとなる期待度も時短状態となる期待度も低いことを示唆する表示態様(変化1保留)と、白抜きの円を模した図柄で構成され、大当たりとなる期待度が中程度であるが、時短状態となる期待度が低いことを示唆する表示態様(変化2保留)と、二重丸を模した図形で構成され、比較的大当たりとなる期待度は高いが、時短状態となる期待度は低いことを示唆する表示態様(変化3保留)と、白抜きの円形の内側に十字が記された図形で構成され、大当たりとなる期待度は低いが時短状態となる期待度が高いことを示唆する表示態様(変化4保留)と、白抜きの円形の内側に星を模した図形が記載された図柄で構成され、大当たりと時短状態とのどちらかの先読み結果となった場合にのみ表示され得る表示態様(変化5保留)と、の6種類が設けられている。
本第16制御例では、通常状態において第1特別図柄の始動入賞を検出すると、当該始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)から抽選結果を先読みして、先読み結果に応じた抽選確率で、始動入賞に基づいて増加した保留球を示す保留球数図柄の表示態様が決定される。これにより、特別図柄の抽選が実際に開始されるよりも前から、大当たりとなる期待感や時短状態となる期待感を遊技者に対して抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、抽選結果(変動種別)毎の各表示態様の選択比率については、図521を参照して後述する。
次に、図510(b)を参照して、本第16制御例において保留変化演出が抑制される条件について説明する。ここで、上述した通り、本第16制御例では、パチンコ機10の初期化後、若しくは大当たり終了後において、予め定められている天井抽選回数(500回)に渡って連続して大当たりとは異なる抽選結果(時短図柄当選および小当たり当選を含む外れ抽選結果)となった場合に、天井抽選回数(500回)目の変動表示の終了後に第3時短状態へと移行する構成としている。つまり、天井抽選回数の前後において、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させる通常遊技状態から、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させる第3時短状態に切り替わる。本第16制御例では、この遊技状態の切り替わりを跨いでノーマル保留以外の表示態様の保留球数図柄(変化1~変化5)が表示され続けることを抑制する構成としている。
ここで、本第16制御例では、特に第1特別図柄について、時短状態中に大当たりとなった方が、時短状態の終了後に大当たりとなるよりも有利度合いが高くなるように構成している。より具体的には、通常遊技状態において第1特別図柄の抽選で特殊大当たりに当選した場合は、大当たり終了後も通常遊技状態が設定されるが、時短状態の間に特殊大当たりに当選すると、大当たり終了後も時短状態が設定されるように構成されている。加えて、本第16制御例では、第13制御例等と同様に、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が優先的に実行されるように構成されている。つまり、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが共に1個以上保留されている状況において新たに特別図柄の抽選条件が成立した場合(変動表示が終了した場合や、大当たりが終了した場合等)に、第2特別図柄の保留球に基づく特別図柄の抽選を優先して実行するように構成されている。このため、時短状態において第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが共に1以上保留されている状況下においては、ある程度、第1特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させるタイミングを遊技者が調整可能となる。このため、第1特別図柄の保留球数図柄として、比較的大当たりの期待度が高い変化3や変化5の表示態様の保留球数図柄が表示された状態で第3時短状態へと移行すると、第2特別図柄の抽選を実行させずに期待度が高い保留球に基づく抽選結果を確認しようと遊技者に思わせてしまう可能性がある。つまり、時短状態の間に大当たりとなる方が有利度合いが高くなる第1特別図柄の抽選において、大当たり期待度が高い保留球に基づく抽選を第3時短状態が終了する前に実行させておこうと思わせてしまう可能性がある。つまり、第3時短状態への以降の前後で変化保留を表示させ続けると、遊技者にとって過剰に有利となってしまう虞がある。
そこで、本第16制御例では、第3時短状態に切り替わるタイミングを跨いでノーマル保留以外の表示態様の保留球数図柄(変化1~変化5)が表示され続けること(および時短状態の間に第1特別図柄の保留変化演出が実行されること)を抑制するために、保留変化演出の禁止状態(特図1先読み演出禁止状態)を設定する構成としている。より具体的には、図510(b)に示した通り、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選に対応する始動入賞を検出し、当該始動入賞に基づく保留球数図柄の表示態様を決定してから、天井抽選回数(500回)到達に基づいて設定された第3時短状態が終了するまでの間、特図1先読み演出禁止状態を設定する構成としている。このように構成することで、天井抽選回数に到達する前に保留され、天井抽選回数到達後(第3時短状態へ移行した後)に特別図柄の抽選に用いられる第1特別図柄の保留球の抽選実行タイミングが第3時短状態中となるように故意に遊技球の発射間隔を調節したり、逆に、第1特別図柄の保留球の抽選実行タイミングが第3時短状態中とならないように故意に遊技球の発射間隔を調節する遊技方法が成り立たなくなるように構成することができる。よって、遊技者にとって過剰に有利となりすぎることを抑制することができる。
次に、図511を参照して、本第16制御例における各遊技状態の間の移行方法について説明する。ここで、図511に示した通り、本第16制御例では、遊技状態として通常状態、第1確変状態、第2時短状態、および第3時短状態の4種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、第13制御例と同様に、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動しない遊技状態で構成されている。つまり、左打ちにより有利度合いが低い第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行させる必要がある遊技者にとって不利な遊技状態で構成されている。
また、第1確変状態は、特別図柄の高確率状態、および普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成され、大当たり当選確率が高い上に右打ちにより有利な第2特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができる遊技者にとって最も有利な遊技状態で構成される。また、第2時短状態は、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるので、大当たり確率が低い分、第1確変状態よりは有利度合いが低いものの、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される分、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。
更に、第3時短状態は、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されている。つまり、第2時短状態に対して、普通図柄の当たり確率が低い分、有利度合いが低くなるが、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。ここで、本第16制御例では、第13制御例と同様に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1個しか異ならないように構成している。このため、有利度合いの差(第2時短状態に対して第3時短状態の有利度合いが低いこと)を遊技者が体感困難にすることができる。よって、第3時短状態に移行した場合に、第2時短状態に移行した場合と同等の価値を得たかのように遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
まず、図511の上部を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図511の上部に示した通り、通常状態から他の状態へは、大当たりに当選した場合、時短図柄に当選した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図511の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に80%の割合で決定される大当たりA16に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な第1確変状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB16に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第1確変状態よりも有利度合いが低い第2時短状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合にも、同様に第2時短状態に設定される。更に、通常状態において天井抽選回数に到達した場合は、第3時短状態に設定される。一方で、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される特殊大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度通常状態に設定される(通常状態をループする)。このため、通常状態においては、基本的に特別図柄の抽選で大当たりに当選して、第1確変状態へと移行させることを期待する遊技性となる。また、大当たりに当選せずにある程度の抽選回数が経過した(所謂、ハマりが発生した)場合は、天井抽選回数に到達することにも期待して遊技を行わせることができる。
次に、図511の中央左側を参照して、第1確変状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図511の中央左側に示した通り、第1確変状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選するか、または前回の大当たり終了後に設定された確変回数が経過した(確変カウンタ203iの値が0になった)場合に移行する可能性がある。より具体的には、図511の中央左側に示した通り、第1確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に20%の割合で決定される大当たりE16に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。また、第1確変状態において確変回数が経過する(確変カウンタ203iの値が0になる)と、遊技状態が通常状態に設定される。一方で、第1確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に80%の割合で決定される大当たりC16,D16のどちらかに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度第1確変状態に設定される(第1確変状態をループする)。よって、第1確変状態においては、確変回数が経過する前に大当たりに当選し、且つ、大当たりC16,D16に当選することを期待する遊技性となる。
なお、第2確変状態においても左打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され得るように構成されている。第1特別図柄の抽選で大当たりB16又は特殊大当たりが決定された場合には、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。一方、第1特別図柄の抽選で大当たりA16が決定された場合には、第1確変状態をループする。なお、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合は、既に普通図柄の時短状態が設定されているため遊技状態が変更されることはない。厳密に言えば、時短図柄に当選すると時短回数が100回に再セットされる(時短カウンタ203hに100がセットされる)一方で、時短図柄当選により確変回数(確変カウンタ203iの値)は変更されないため、この場合は確変回数と時短回数とがずれるという事象が発生する。よって、図示については省略したが、このイレギュラーな事象が発生した場合にのみ、第1確変状態において確変回数が経過しても時短回数が残存しているという状況が発生し、第2時短状態へと移行する。
次に、図511の第1確変状態よりも右側部分を参照して、第2時短状態および第3時短状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。なお、第2時短状態と第3時短状態とで、他の遊技状態への移行方法はほぼ共通となるため、ここではまとめて時短状態として説明を行う。図511の中央右側部分に示した通り、時短状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選するか、または時短回数が経過した(時短カウンタ203hの値が0になった)場合に移行する可能性がある。より具体的には、図511の中央右側部分に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に80%の割合で決定される大当たりC16,D16のいずれかとなった場合に、大当たり終了後の遊技状態が第1確変状態に設定される。また、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に20%の割合で決定される大当たりE16に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態に設定される(大当たり当選時の時短状態が第2時短状態であった場合は第2時短状態をループし、第3時短状態である場合は第2時短状態に移行する)。また、時短回数が経過した場合は、通常状態へと直接移行する。なお、図示については省略したが、第3時短状態において遊技者が左打ちを行う等により第1特別図柄の抽選が実行され、且つ、時短図柄に当選した場合は、第2時短状態に移行する。
このように、本第16制御例では、大当たりに当選した場合、時短図柄に当選した場合、および天井抽選回数に到達した場合等、様々な契機で遊技状態が変更される。よって、より多くのタイミングで有利度合いが高い遊技状態への移行を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第16制御例における電気的構成>
次に、図512を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図512は、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図512に示した通り、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第13制御例(および第1制御例)における電気的構成(図137参照)に対して、主制御装置110の入出力ポート205、および払出制御装置111の入出力ポート215に対して、外部出力端子板261が接続されている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第13制御例(および第1制御例)における電気的構成(図137参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
本第16制御例のパチンコ機10では、この外部出力端子板261を介して、始動入賞を示す情報や、賞球の個数を示す情報、大当たり遊技の実行中であるか否か等の遊技の状況に応じた情報をパチンコ機10の外部へと出力可能に構成されている。外部出力されたデータは、外部出力端子板261と電気的に接続されているデータ表示装置262、およびホールコンピュータ263によって受信される。データ表示装置262は、電気的に接続されている1のパチンコ機10から出力された情報を集計すると共に、集計したデータを遊技履歴としてデータ表示部276に表示可能に構成されている。また、ホールコンピュータ263は、ホールに設置されている複数のパチンコ機10に対して電気的に接続され、各パチンコ機10から出力された情報を個別に集計可能に構成されている。より具体的には、ホールコンピュータ263の有するハードディスク289(図513参照)に、ホールに設置されている各パチンコ機10に対応するデータ格納エリアが設けられており、外部出力端子板261よりデータを受信する度に、データを出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの内容を更新する。このデータ格納エリアに記憶された内容に基づいて、各パチンコ機10の遊技履歴(日にち毎の大当たり回数や変動回数、各大当たりにおいて遊技球が入球した抽選装置700の入球口等)、出玉率、稼働率、不正行為や異常の有無等を把握できるように構成されている。
なお、外部出力端子板261は、CN1~CN11の11の出力チャンネルを有して構成されている。これらの11チャンネルからは、それぞれH出力の信号(例えば、5ボルトの出力)、またはL出力の信号(例えば、0ボルトの出力)のうち、いずれかの信号を出力可能に構成されている。なお、これら各チャンネルは、遊技状態や遊技の状況等の遊技の情報を出力するためのピンの他に、グランドピンが設けられている。即ち、各チャンネルは2本のピンで1組となっている。上記グランドピンは、外部出力端子板261の共通のグランドに接続されており、常に0ボルトが出力されるように構成されている。データ表示装置262やホールコンピュータ263は、このグランドピンから出力される0ボルトの基準電圧と、情報を出力するためのピンから出力される電圧とを比較することにより、情報を出力するためのピンの状態がH出力の状態であるかL出力の状態であるかを容易に判別することができる。なお、必ずしも各チャンネルにグランドピンを設ける必要はない。例えば、0ボルトの基準電圧を出力するための専用チャンネルを設けてもよい。これにより、各チャンネルのピン数を1本ずつ削減できるので、ハーネスの本数、およびコネクタ数を削減することにより、パチンコ機10のコストダウンを図ることができる。
次に、図513を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10、データ表示装置262、およびホールコンピュータ263で構成される遊技システムの構成について説明する。図513に示した通り、パチンコ機10の外部出力端子板261と、データ表示装置262およびホールコンピュータ263とは、電気的に接続されている。即ち、データ表示装置262の入出力ポート275、およびホールコンピュータ263の入出力ポートに対して、外部出力端子板261へと続く信号線が接続されている。
また、図513に示した通り、データ表示装置262は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU271が搭載されている。MPU271には、該MPU271により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM272と、そのROM272内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM273と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。また、データ表示装置262の入出力ポート275に対しては、例えば、液晶ディスプレイ等で構成され、遊技履歴等のデータを表示することが可能に構成されたデータ表示部276と、データ表示部276の表示内容を切り替えるための入力操作を受付可能な入力装置277と、LED等の発光部材で構成された電飾部278と、が少なくとも接続されている。MPU271は、ROM272およびRAM273に格納されているデータに基づいて、データ表示部276の表示内容を制御すると共に、入力装置277に対する入力操作の有無を監視して、入力操作を検出した場合にデータ表示部276の表示内容を切り替える。また、外部出力端子板261から出力される各種信号を監視して、RAM273に記憶される遊技履歴の情報を更新すると共に、データ表示部276の表示態様を更新したり、電飾部278の発光態様を更新したりする。これらにより、パチンコ機10の遊技履歴をタイムラグ無くデータ表示部276に表示させておくことができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、図513に示した通り、ホールコンピュータ263は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU281が搭載されている。MPU281には、該MPU281により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM282と、そのROM282内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM283と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。また、ホールコンピュータ263の入出力ポート285に対しては、所定の音声を出力可能なスピーカー286と、液晶ディスプレイ等で構成され、遊技履歴等のデータを表示することが可能に構成されたディスプレイ287と、キーボード等で構成され、ディスプレイ287に対する表示内容を切り替えるため等の入力操作を受付可能な入力装置288と、が少なくとも接続されている。更に、ホールコンピュータ263には、ホールに設置されている複数のパチンコ機10の遊技履歴を個別二集計するためのハードディスク289が内蔵されている。MPU281は、ROM282、RAM283、およびハードディスク289に格納されているデータに基づいて、ディスプレイ287の表示内容を制御すると共に、入力装置288に対する入力操作の有無を監視して、入力操作を検出した場合にデータ表示部287の表示内容を切り替える。また、外部出力端子板261から出力される各種信号を監視して、ハードディスク289に記憶される遊技履歴の情報を更新すると共に、ディスプレイ287の表示態様を更新したり、スピーカー286から出力される音声を制御する。これらにより、ホールに設置されている複数のパチンコ機10の遊技履歴や遊技状況をタイムラグ無くディスプレイ287に表示させておくことができるので、ホールコンピュータの操作者(主にホールの店員等)の利便性を向上させることができる。
次に、外部出力端子板261からパチンコ機10の外部へと出力される信号の詳細について、図514を参照して説明を行う。図514に示した通り、外部出力端子板261には、CN1~CN11までの11チャンネルが設けられており、各チャンネルから遊技の状況に応じた信号が出力される。具体的には、CN1からは、パチンコ機10から払い出された賞球が10球となったことを示す払出信号が出力される。この払出信号は、払い出した賞球数が10球となる毎にH出力が0.2秒間継続するように構成されている(図58のS2906参照)。ホールコンピュータ262は、この払出信号に基づいて各パチンコ機10から払い出された賞球数を把握可能に構成されている。これにより、各パチンコ機10の出玉率やホールの売り上げを算出することができる。
外部出力端子板261のCN2からは、パチンコ機10の内枠12が開放されているか否かを示す内枠開放信号が出力される。この内枠開放信号は、内枠12が開放状態の間、その出力がHに設定され、内枠12が閉鎖状態の間、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この内枠開放信号に基づいて、各パチンコ機10の内枠12が不正遊技者によって開放されているか否かを把握することができるので、不正行為を抑制することができる。
外部出力端子板261のCN3からは、パチンコ機10の前面枠14が開放されているか否かを示す扉開放信号が出力される。この扉開放信号は、前面枠14が開放状態の間、その出力がHに設定され、前面枠14が閉鎖状態の間、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この扉開放信号に基づいて、各パチンコ機10の前面枠14が不正遊技者によって開放されているか否かを把握することができるので、不正行為を抑制することができる。
外部出力端子板261のCN4からは、特別図柄の変動が停止したことを示す図柄停止信号が出力される。この図柄停止信号は、特別図柄の変動が停止することに基づいて、1秒間H出力の状態に設定される(図31のS212参照)。ホールコンピュータ262は、図柄停止信号に基づいて各パチンコ機10の特別図柄の変動回数を把握することができる。
外部出力端子板261のCN5からは、第1入球口64または第2入球口640に対する始動入賞を検出したことを示す信号である始動入賞信号が出力される。この始動入賞信号は、始動入賞を検出する毎に出力がHに設定される。また、H出力は0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ263は、この始動入賞信号に基づいて各パチンコ機10の始動入賞を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN6からは、アウト口66へと入球した遊技球が10球となる毎に出力がHとなる(ハイ出力となる)アウト球検出信号が出力される。このアウト球検出信号は、10球のアウト球を検出する度に0.2秒間H出力の状態に保たれた後にL出力状態に設定される。ホールコンピュータ263は、このアウト球検出信号に基づいて、各パチンコ機10のアウト球数を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN7からは、パチンコ機10が大当たり状態中であるか否かを示す大当たり1信号が出力される。この大当たり1信号は、特別図柄の大当たりの間、その出力がHに設定され、大当たり以外の状態の場合に、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この大当たり1信号に基づいて、各パチンコ機10の大当たり回数や、不正行為の有無を判別することができる。具体的には、この大当たり1信号がH出力の状態に設定されると、ホールコンピュータ263は、パチンコ機10の大当たり回数に1を加算し、大当たり回数をリアルタイムで把握することができるように構成されている。この大当たり回数に基づいて、異常な回数の大当たりが発生している場合には、異常や不正行為の可能性があると判断し、異常を報知することができる。
外部出力端子板261のCN8からは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態中であるか否かを示す大当たり2信号が出力される。この大当たり2信号は、普通図柄の時短状態に設定されている間、その出力がHに設定され、普通図柄の時短状態以外の状態の場合に、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この大当たり2信号に基づいて、各パチンコ機10の連チャン回数や、不正行為の有無を判別することができる。具体的には、この大当たり2信号がH出力の状態の間に大当たりに当選して大当たり1信号が出力されると、ホールコンピュータ263は、パチンコ機10の連チャン回数に1を加算し、大当たりの連チャン回数をリアルタイムで把握することができるように構成されている。この大当たりの連チャン回数に基づいて、異常な回数の連チャン大当たりが発生している場合には、異常や不正行為の可能性があると判断し、異常を報知することができる。
外部出力端子板261のCN9からは、パチンコ機10が大当たり状態である場合、第3時短状態の開始時および終了時を示す大当たり3信号が出力される。この大当たり3信号は、大当たり1信号と同様に大当たり遊技の実行中にその出力がHに設定されるのに加え、天井抽選回数に到達して第3時短状態が開始される場合、および第3時短状態が終了される場合に0.2秒間の間その出力がHに設定される。この大当たり3信号により、大当たり遊技状態であることを示す情報、天井抽選回数到達に係る第3時短状態が開始されたことを示す情報、および第3時短状態が終了されたことを示す情報を、1のチャンネルのみで信号出力態様を異ならせて出力することができる。
なお、大当たり1信号と同様に、大当たり遊技の実行中もCN9をH出力の状態とすることにより、外部出力端子板261を介して電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262やホールコンピュータ263)のスペックに応じて受信する情報を選択させることができる。即ち、本パチンコ機10に搭載されている、天井抽選回数到達に基づいて時短状態へと移行させる機能は、大当たりを介さずに有利な遊技状態へと移行させるという非常に特殊な機能であり、所定装置のスペックによっては、天井抽選回数到達に基づく時短状態への移行を正常なものとして取り扱うことができない虞がある。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号が受信されると、不正により大当たりを介さずに時短状態に移行されたと判別されたり、パチンコ機10に異常が発生した出力無効と判別されてしまう虞がある。よって、本第16制御例では、大当たり3信号として、大当たり遊技の実行中だけでなく、天井抽選回数に到達した際もH出力の状態に設定される信号を設ける構成とすることで、天井抽選回数に到達したことに基づいて移行する時短状態を、外部出力端子板261に接続されている所定装置のスペックによらず、正常なものとして取り扱わせることができる。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号を受信した場合に、不正や異常と判断する仕様であっても、大当たり3信号を大当たりを示す信号として入力しておけば、天井抽選回数に到達した場合にも、疑似的に、大当たりとなった後で時短状態に移行したかのような信号出力態様を実現することができる。つまり、大当たりを示す大当たり3信号が0.2秒間H出力の状態に設定されると共に、時短状態への移行を示す大当たり2信号がH出力の状態に設定されるので、正当な時短状態への移行と判断させることができる。よって、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短状態が不正や異常と判断されてしまうことを抑制することができる。なお、天井抽選回数到達に基づく時短状態を識別可能な仕様の所定装置の場合は、大当たり3信号の出力期間を判別することで、天井抽選回数に到達したことに基づくH出力であるのか、大当たり当選に基づくH出力であるのかを区別することができる。よって、所定装置のスペックによらず、天井抽選回数に到達したことに基づく時短状態への移行を正当なものとして取り扱わせることができる。
外部出力端子板261のCN10からは、遊技球が各種入賞口へと入賞したことに基づいて払い出すべき賞球が10球となったことを示す入賞検出信号が出力される。この入賞検出信号は、払い出すべき賞球数が10球となる毎にH出力が0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ263は、この入賞検出信号に基づいて各パチンコ機10の賞球数を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN11からは、セキュリティ関連の各種信号が出力される。より具体的には、パチンコ機10に対して電源が投入されたことに基づいて、CN11の出力が0.2秒間の間Hに設定される(電源オン信号)。ホールコンピュータ263は、CN11がH出力となっている期間を計測し、H出力の期間が0.2秒間であれば、パチンコ機10に対して電源が投入されたということを判別することができる。また、パチンコ機10の電源が遮断されたことに基づいて、CN11の出力が0.4秒間の間Hに設定される(電源オフ信号)。ホールコンピュータ263は、CN11がH出力となっている期間を計測し、H出力の期間が0.4秒間であれば、パチンコ機10の電源が遮断されたということを判別することができる。なお、本第16制御例では、ホールコンピュータ263において、電源が遮断された際の遊技状態を記憶しておき、パチンコ機10に対する電源の投入を検出した際は、記憶しておいた電源遮断時の遊技状態と電源が投入された際の遊技状態とが一致するかを比較する構成としている。つまり、電源投入時に何らかの不正な方法で有利な遊技状態に変更されている可能性があるか否かを判別し、遊技状態が不一致である場合は異常を報知する構成としている。このように構成することで、パチンコ機10の遊技状態を不正に有利な遊技状態(大当たり遊技状態や第1確変状態)に変更する不正行為に対する抑制を図ることができる。
なお、大当たり状態中(大当たり1信号がH出力の間)に電源が遮断され、再度電源が投入された場合は、電源が遮断されている間にオフ(L出力の状態)に設定されていた大当たり1信号(CN7)が再度H出力の状態となる。この場合に、ホールコンピュータ263が大当たり回数を加算してしまうと、実際の大当たり回数とホールコンピュータ263が把握する大当たり回数とがずれてしまう。そこで、本第16制御例のパチンコ機10では、電源投入時の遊技状態と、前回の電源遮断時の遊技状態とが共に大当たり状態であると判別した場合には、電源が遮断される前から続く大当たり状態であると判別して電源投入時に大当たり回数を加算しない構成としている。よって、ホールコンピュータ263に対して大当たりの回数を正確に把握させることができる。
加えて、外部出力端子板261のCN11は、パチンコ機10に対して各種の異常(磁気異常、電波異常、スイッチ異常、異常入賞等)が検出された際にもH出力の状態に設定される。なお、各種異常を検出した際は、異常が解消されるまでの間、その出力がHに設定され続ける。ホールコンピュータ263は、CN11のH出力の状態が0.4秒を超えて継続した場合に、異常が発生していると判別することができるので、異常を迅速にスピーカー286やディスプレイ287において操作者に報知することができる。よって、パチンコ機10に発生した異常を迅速に解消させることができる。
このように、本第16制御例におけるパチンコ機10では、外部出力端子板261のCN1~CN11の11チャンネルのそれぞれから、遊技の状況に応じた信号を出力することによって、パチンコ機10の外部に設けられた所定装置(データ表示装置262やホールコンピュータ263)が遊技の状況を把握することができるように構成されている。データ表示装置262は、接続されているパチンコ機10から出力される各種信号に基づいて遊技の状況を把握し、遊技履歴の表示を更新したり、有利な遊技状態に移行したことを視認態様によって報知することができる。ホールコンピュータ263は、各パチンコ機10から出力される各種信号に基づいて遊技の状況を把握し、各パチンコ機10の出玉率を把握したり、各パチンコ機10に対する不正行為の有無を判別したりできる。
次に、図515を参照して、通常遊技中における外部出力端子板261の信号出力態様の一例について説明する。図515では、CN4、およびCN7~CN9の信号出力態様について説明する。図515に示した通り、大当たりとなるまでの間は、特別図柄の変動停止タイミングとなる毎に、CN4が1秒間の間H出力の状態に設定される。このCN4の出力態様によって、データ表示装置262およびホールコンピュータ263は、特別図柄の変動回数をカウントすることができる。なお、この間、CN7~CN9はL出力の状態が維持される。そして、図515に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなり、当該大当たり当選に基づく大当たり変動の停止タイミングとなってCN4が1秒間のH出力状態に設定された後で大当たり遊技の開始タイミングになると、CN4がL出力の状態に設定されると共に、CN7およびCN9がH出力の状態に設定される。このH出力の状態は、大当たりの終了タイミングになるまで継続する。これらのCN7およびCN9の出力によって、データ表示装置262およびホールコンピュータ263は、パチンコ機10が大当たり状態であることを判別することができる。
そして、大当たりの終了タイミング(大当たり後の普通図柄の時短状態の設定タイミング)になると、CN7およびCN9がL出力の状態に設定されると共に、CN8がH出力の状態に設定される。このCN8のH出力の状態は、大当たり状態に移行するか、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態に移行するまでの間維持される。つまり、大当たり終了後の遊技状態が第1確変状態であれば、第1確変状態の間に大当たりに当選して大当たり遊技が開始されるか、第1確変状態において確変回数が経過して通常遊技状態に移行するまでの間、H出力の状態が維持される。また、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態であれば、第2時短状態の間に大当たりに当選して大当たり遊技が開始されるか、第2時短状態において時短回数が経過して通常遊技状態に移行するまでの間、H出力の状態が維持される。このCN8の出力態様とCN7およびCN9の出力態様との兼ね合いから、データ表示装置262およびホールコンピュータ263は、所謂連チャン回数を正確に把握することができる。つまり、CN8がL出力の状態になったと同時にCN7およびCN9がH出力の状態に切り替われば、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態の間に連チャンが発生したと判別して連チャン回数に1を加算することができる一方で、CN7およびCN9の状態がL出力のままであれば、連チャンが終了したと判別することができる。よって、パチンコ機10の遊技履歴を正確に判断することができる。
更に、通常遊技中に天井抽選回数に到達した場合は、第3時短状態への移行タイミングでCN8がH出力の状態に設定されると共に、CN9が0.2秒間H出力の状態に設定される。つまり、CN9から大当たり状態に移行した場合には出力され得ない長さ(大当たりのオープニング期間よりも大幅に短い長さ)のH出力信号を出力することにより、今回のH出力が大当たりを契機とする信号出力ではないということをデータ表示装置262やホールコンピュータ263に対して把握させることが可能となる。つまり、大当たりを介さずに時短状態に移行した(天井抽選回数到達により第3時短状態に移行した)ということをデータ表示装置262やホールコンピュータ263に対して把握させることができる。
次に、図516を参照して、電源投入時の信号出力態様の一例について説明する。図516では、電源投入時が第3時短状態(天井抽選回数到達に基づいて移行した時短状態)中である場合の信号出力態様の一例を示した図である。図516に示した通り、パチンコ機10に対して電源が投入されると、当該電源投入を示すためにセキュリティ信号(CN11)が0.2秒間、H出力の状態に設定される。また、電源投入時の遊技状態が第3時短状態である場合、時短状態中であることを示すための大当たり2信号(CN8)の出力がHに立ち上がると共に、第3時短状態であることを示すための大当たり3信号(CN9)が0.2秒間、H出力の状態に設定される。これらの信号出力態様により、電源投入時の遊技状態が天井抽選回数への到達に基づいて移行した時短状態(第3時短状態)であるということをデータ表示装置262やホールコンピュータ263に対して正確に通知することができる。つまり、電源投入時の状態が普通図柄の時短状態に設定される遊技状態である場合に、大当たり遊技終了後に設定された時短状態(第1確変状態、第2時短状態のいずれか)であるのか、天井抽選回数到達に基づく時短状態(第3時短状態)であるのかを区別して通知することができる。よって、電源の遮断中に不正行為によって遊技状態が変更された可能性があるか否かをホールコンピュータ263においてより正確に判別することができるので、不正行為に対する抑制を図ることができる。
次に、図517(a)を参照して、本第16制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図517(a)は、本第16制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図517(a)に示した通り、本第16制御例におけるROM202は、上述した第13制御例におけるROM202の構成(図443(a)参照)に対して、第1当たり乱数13テーブル202laに代えて第1当たり乱数16テーブル202paが設けられている点、変動パターン選択5テーブル202dbに代えて変動パターン選択16テーブル202pbが設けられている点、大当たり種別選択13テーブル202ldに代えて大当たり種別選択テーブル202pdが設けられている点、時短当たり乱数13テーブル202leに代えて時短当たり乱数16テーブル202peが設けられている点で相違している。また、時短種別選択13テーブル202lfが削除されている点でも相違している。その他の構成については上述した第13制御例におけるROM202と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
まず、図518(a)を参照して、本第16制御例における第1当たり乱数16テーブル202paの詳細について説明する。図518(a)は、本第16制御例における第1当たり乱数16テーブル202paの規定内容を示した図である。図518(a)に示した通り、本第16制御例における第1当たり乱数16テーブル202paには、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)に加え、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)も規定されている。具体的には、特別図柄の低確率状態、高確率状態に共通で、第1当たり乱数カウンタC1の値が「20~44」の範囲に対して、小当たりの抽選結果が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個のカウンタ値(乱数値)のうち、小当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)の個数が「20~44」の25個であるので、特別図柄の抽選で小当たりと判定される確率は1/40である。この小当たりは、外れ抽選結果の一種であり、上述した通り、特殊大当たり特別困難な開閉動作(特定開閉動作)が特定入賞口65aに設定される抽選結果である。この特殊大当たり特別困難な小当たり抽選結果を設けることにより、天井抽選回数までの残り回数がどれだけ残っているのかを遊技者に分かり難くすることができる。つまり、特定開閉動作が実行された(小ボーナスに当選した)場合に、特殊大当たりとなって特図抽選カウンタ203laの値がリセットされた(天井抽選回数までの残り回数が500にリセットされた)のか、小当たりとなって特図抽選カウンタ203laの値が1加算された(天井抽選回数までの残り回数が1減算された)のかを遊技者に分かり難くすることができるので、天井抽選回数までの残り回数を遊技者に予測させる遊技性を付加することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)については、上述した第13制御例と共通であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図518(b)を参照して、本第16制御例における変動パターン選択16テーブル202pbの詳細について説明する。図518(b)は、本第16制御例における変動パターン選択16テーブル202pbの構成を示したブロック図である。図518(b)に示した通り、本第16制御例における変動パターン選択16テーブル202pbは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択するための通常用16テーブル202pb1と、第1確変状態、第2時短状態、および第3時短状態のいずれかにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択するための確変・時短用16テーブル202pb2と、で少なくとも構成されている。
図518(c)を参照して、通常用16テーブル202pb1の詳細について説明する。図518(c)は、この通常用16テーブル202pb1の規定内容を示した図である。図518(c)に示した通り、通常用16テーブル202pb1には、変動回数および特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値の範囲が対応付けられている。具体的には、変動回数(特図抽選カウンタ203laの値)が500の場合(即ち、天井抽選回数到達時)は、抽選結果によらず、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(0~198)に対して、変動時間が30秒間のスーパーリーチ変動が対応付けられている。このため、天井抽選回数到達時は、30秒間の変動時間が必ず設定されるため、天井抽選回数に到達したか否かを示すための演出の演出期間を確実に確保することができる。
また、天井抽選回数以外の変動回数においては、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~19」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒のノーマル(リーチ)が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「20~169」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「170~198」に対して、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が対応付けて規定されている。
また、特別図柄の抽選結果が特殊当たり又は小当たりである(即ち、小ボーナスである)場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(0~198)に対して、変動パターンとして変動時間が15秒間のノーマル(リーチ)が対応付けて規定されている。このため、小ボーナスに当選した場合は、必ず変動時間が15秒間に設定される。これにより、有利度合いが低い小ボーナスにおいて長い変動時間(30秒間や55秒間)が設定されてしまい、ボーナスや第1確変状態への移行を期待させてしまうことを抑制することができ、比較的あっさりと小ボーナスの当選を報知することができるので、遊技者に対して過剰な期待感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
また、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)が外れ(時短)、即ち、当否判定結果が時短当選である場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~169」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「170~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が対応付けて規定されている。よって、有利な第2時短状態へと移行する場合に、比較的長い変動時間を設定することができるので、長い変動時間の変動表示が実行された場合に、遊技者の大当たりや時短状態への移行に対する期待感をより向上させることができる。
また、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)が外れである場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒間の短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒のノーマルリーチ外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「197」に対して、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパーリーチ外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「198」に対して、変動パターンとして変動時間が55秒間のSPリーチ外れが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が単なる外れの場合には、変動時間が短い短外れ又は長外れの選択割合が極めて高くなるので、変動時間が長い変動表示が実行された場合に、大当たりや時短当選に対する期待感を向上させることができる。
なお、図示については省略したが、確変・時短用16テーブル202pb2については、通常用16テーブル202pb1よりも特別図柄の抽選結果が外れとなった場合に短外れや長外れの選択割合が高くなるように構成されている。これにより、第1確変状態、第2時短状態、および第3時短状態における平均の変動時間を短くすることができるので、有利な普通図柄の時短状態が設定される遊技状態における遊技効率を向上させることができる。よって、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態における有利度合いをより高めることができる。
次に、図519(a)を参照して、上述した大当たり種別選択16テーブル202pdの詳細について説明する。この大当たり種別選択16テーブル202pdは、第13制御例における大当たり種別選択13テーブル202ld(図445参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図519(a)に示した通り、本第16制御例における大当たり種別選択16テーブル202pdには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA16、大当たりB16、および特殊大当たりの3種類の大当たり種別が規定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC16~E16の3種類の大当たり種別が規定されている。
図519(a)に示した通り、第1特別図柄に対する規定内容として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~79」の範囲に対して、「大当たりA16」が対応付けて規定されている。この「大当たりA16」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が確変回数80回の第1確変状態に設定される大当たり種別である。即ち、大当たり終了時に時短カウンタ203h、および確変カウンタ203iに対して共にカウンタ値80が設定される大当たり種別である。本第16制御例においては、第1確変状態が最も有利な遊技状態として構成されるため、大当たりA16は、第1特別図柄の大当たりの中で最も有利な大当たり種別である。また、ラウンド数としても、第1特別図柄の大当たり種別の中では最もラウンド数の多い(賞球面で有利な)大当たり種別となるが、第2特別図柄の各大当たりに比較すると、ラウンド数が少ない(賞球面で不利な)大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~79」の80個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりA16」が決定(特定)される割合は80%(80/100)である。
また、図519(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~89」の範囲に対して、「大当たりB16」が対応付けて規定されている。この「大当たりB16」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数100回の第2時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、大当たり終了時に時短カウンタ203hに対してカウンタ値100が設定される大当たり種別である。本第16制御例では、第1確変状態よりも第2時短状態の方が、特別図柄の大当たりとなる確率が低くなる(第1確変状態の大当たり確率が1/50に対し、第2時短状態の大当たり確率は1/200)ため、時短回数が20回多いことを加味しても、「大当たりB16」は、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりA16」よりも有利度合いが低い(不利な)大当たり種別となる。また、ラウンド数の面では、「大当たりA16」と並んで第1特別図柄の大当たり種別の中では最もラウンド数の多い(賞球面で有利な)大当たり種別となるが、第2特別図柄の各大当たりに比較すると、ラウンド数が少ない(賞球面で不利な)大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「80~89」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりB16」が決定(特定)される割合は10%(10/100)である。
また、図519(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して、「特殊大当たり」が対応付けて規定されている。この「特殊大当たり」は、特定入賞口65aの開閉動作として小当たり遊技と共通の特定開閉動作(賞球をほとんど得ることができない開閉動作)が設定される大当たり種別あり、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される大当たり種別である。このため、「特殊大当たり」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも遊技者にとって最も有利度合いが低い大当たり種別として構成される。なお、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(普通図柄の時短状態が設定される遊技状態)であった場合は、特殊大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。これは、第1特別図柄の保留球が1以上存在する状態で普通図柄の時短状態が設定される遊技状態に移行し、その後に第1特別図柄の保留球に基づく抽選で特殊大当たりとなった場合に通常状態に移行させる構成とした場合、遊技者にとって過剰に不利となってしまう可能性があるため、これを救済する趣旨である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「特殊大当たり」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「90~99」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「特殊大当たり」が決定(特定)される割合は10%(10/100)である。
一方、第2特別図柄に対する規定内容として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりC16」が対応付けて規定されている。この「大当たりC16」は、ラウンド数が10ラウンドであり、「大当たりA16」と同様に、大当たり終了後の遊技状態が確変回数80回の第1確変状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりC16」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態についても最も有利な第1確変状態に設定されるため、全ての大当たりの中で最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~49」の50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりC16」が決定(特定)される割合は50%(50/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲に対して、「大当たりD16」が対応付けて規定されている。この「大当たりD16」は、ラウンド数が6ラウンドであり、「大当たりA16」や「大当たりC16」と同様に、大当たり終了後の遊技状態が確変回数80回の第1確変状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD16」は、「大当たりC16」に次いでラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な第1確変状態に設定されるため、「大当たりC16」に次いで有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「50~79」の30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりD16」が決定(特定)される割合は30%(30/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲に対して、「大当たりE16」が対応付けて規定されている。この「大当たりE16」は、ラウンド数が6ラウンドであり、「大当たりB16」と同様に、大当たり終了後の遊技状態が時短回数100回の第2時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりE16」は、「大当たりD16」と同様に、「大当たりC16」に次いでラウンド数が多い大当たり種別であるが、大当たり終了後の遊技状態の面では「大当たりB16」と同様に、比較的有利度合いが低い大当たり種別である。
次に、図519(b)を参照して、上述した時短当たり乱数16テーブル202peの詳細について説明する。この時短当たり乱数16テーブル202peは、上述した第13制御例における時短当たり乱数13テーブル202le(図444(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で時短当選と判定される判定値(乱数値)が規定されているデータテーブルである。図519(b)に示した通り、本第16制御例では、第1特別図柄の抽選で時短当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「998,999」の2個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が2個であるため、第16制御例において第1特別図柄の抽選が実行された場合に時短当選と判定される確率は1/500(2/1000)である。一方で、図519(b)に示した通り、第2特別図柄に対しては、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)が対応付けられていないため、第2特別図柄の抽選で時短当選と判定される可能性は0である。
次に、図517(b)を参照して、本第16制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図517(b)は、本第16制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図517(b)に示した通り、本第16制御例におけるRAM203は、上述した第13制御例におけるRAM203の構成(図443(b)参照)に対して、天井時短フラグ203paと、アウト球カウンタ203pbと、が追加されている点で相違している。また、第1天井待機フラグ203lb、および第2天井待機フラグ203lcが削除されている点でも相違している。その他の構成については上述した第13制御例におけるRAM203と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
天井時短フラグ203paは、現在の遊技状態が天井抽選回数に到達したことに基づいて設定された時短状態(第3時短状態)であるか否かを示すためのフラグである。この天井時短フラグ203paがオンであれば、第3時短状態であることを意味し、オフであれば、現在の遊技状態が第3時短状態ではないことを意味する。この天井時短フラグ203paは、初期状態がオフに設定され、天井抽選回数に到達して第3時短状態が設定された場合にオンに設定される(図526のS38116A参照)。また、大当たりに当選した場合、および第3遊技状態の間に大当たりに当選することなく時短回数(100回)が経過した場合にオフに設定される(図525のS8312A参照)。この天井時短フラグ203paの状態によって第2時短状態であるか第3時短状態であるかを容易に識別することができるため、第2時短状態では普通図柄の高確率状態に対応する抽選確率で普通図柄の抽選を実行することができる一方で、第3時短状態では普通図柄の低確率状態に対応する抽選確率で普通図柄の抽選を実行することができる。よって、遊技状態毎に適切な普通図柄の抽選を実行することができる。
アウト球カウンタ203pbは、アウト口66へと入球した遊技球(アウト球)の個数をカウントするためのカウンタである。このアウト球カウンタ203pbは、初期値が0に設定されており、アウト球を検出する毎に値が1ずつ加算して更新される(図529のS142A)。また、アウト球カウンタ203pbの値が10に更新される(10個のアウト球を検出する)と、値が0クリアされる(図529のS144A)。このアウト球カウンタ203pbの値が10になる毎に、外部出力端子板261からアウト球検出信号(CN6)を出力することができるので、パチンコ機10のアウト球数をホールコンピュータ263等のパチンコ機10に接続されている所定装置が正確に把握することができる。
次に、図520(a)を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図520(a)は、本第16制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図520(a)に示した通り、本第16制御例におけるROM222は、上述した第13制御例におけるROM222の構成(図447(a)参照)に対して、保留態様選択テーブル222paと、時短示唆演出選択テーブル222pbと、が追加されている点で相違している。また、天井到達示唆演出選択テーブル222laと、天井到達時演出選択テーブル222lbと、が削除されている点でも相違している。
まず、図521を参照して、上述した保留態様選択テーブル222paの詳細について説明する。この保留態様選択テーブル222paは、新たな始動入賞を検出した際に、当該始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値の先読み結果に応じて、当該始動入賞により増加した保留球を示す保留球数図柄の表示態様を選択するために参照されるデータテーブルである。図521は、この保留態様選択テーブル222paの規定内容を示した図である。図521に示した通り、この保留態様選択テーブル222paは、新たな始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)に基づく先読み結果(変動種別)毎に、保留球数図柄の表示態様として設定され得る6種類の表示態様(図510(a)参照)のそれぞれを選択すると判定される判定値(演出カウンタ223fの値)の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「SPリーチ当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様(デフォルトの表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「5~19」の範囲に対して、「変化1」の表示態様(大当たり期待度も、時短期待度も共に低いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20~44」の範囲に対して、「変化2」の表示態様(大当たり期待度が中程度で、時短期待度が低いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「45~84」の範囲に対して、「変化3」の表示態様(大当たり期待度が高く、時短期待度が低いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「85~89」の範囲に対して、「変化4」の表示態様(大当たり期待度が低く、時短期待度が高いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90~99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様(大当たり又は時短状態への移行のいずれかが確定する表示態様)が対応付けて規定されている。演出カウンタ223fは「0~99」の100個の値を取り得るので、先読み結果が「SPリーチ当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が5%、「変化1」が15%、「変化2」が25%、「変化3」が40%、「変化4」が5%、「変化5」が10%である。つまり、「SPリーチ当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、「変化2」や「変化3」が選択される割合が比較的高くなる一方で、「ノーマル保留」や「変化4」が選択される割合が比較的低くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「スーパーリーチ当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10~29」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「30~59」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「60~89」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90~93」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「94~99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「スーパーリーチ当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が10%、「変化1」が20%、「変化2」が30%、「変化3」が30%、「変化4」が4%、「変化5」が6%である。つまり、「スーパーリーチ当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、「変化1」や「変化2」や「変化3」が選択される割合が比較的高くなる一方で、「変化4」が選択される割合が比較的低くなる。また、「SPリーチ当たり」に比較して「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「ノーマルリーチ当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20~44」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「45~79」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80~96」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「97」に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「98,99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「ノーマルリーチ当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が20%、「変化1」が25%、「変化2」が35%、「変化3」が17%、「変化4」が1%、「変化5」が2%である。つまり、「ノーマルリーチ当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、「SPリーチ当たり」や「スーパーリーチ当たり」に比較して、「ノーマル保留」、「変化1」、「変化2」の選択割合が高くなり、「変化3」、「変化4」、「変化5」の選択割合が低くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「SPリーチ時短」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~4」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「5~19」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20~44」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「45~64」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「65~89」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90~99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「SPリーチ時短」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が5%、「変化1」が15%、「変化2」が25%、「変化3」が20%、「変化4」が25%、「変化5」が10%である。つまり、「SPリーチ時短」に対応する始動入賞を検出した場合は、当たり変動に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化4」の選択割合が大幅に高くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「スーパーリーチ時短」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10~29」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「30~64」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「65~79」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80~93」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「94~99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「スーパーリーチ時短」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が10%、「変化1」が20%、「変化2」が35%、「変化3」が15%、「変化4」が14%、「変化5」が6%である。つまり、「スーパーリーチ時短」に対応する始動入賞を検出した場合についても、当たり変動に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化4」の選択割合が高くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「SPリーチ外れ」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~9」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10~39」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「40~79」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80~98」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「99」に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定されている。一方、「変化5」の表示態様に対しては演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、先読み結果が「SPリーチ外れ」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が10%、「変化1」が30%、「変化2」が40%、「変化3」が19%、「変化4」が1%、「変化5」が0%である。つまり、「SPリーチ外れ」に対応する始動入賞を検出した場合は、SPリーチ当たりやSPリーチ時短に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化3」の選択割合が低くなり、「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。また、「変化5」が選択されなくなる。よって、SPリーチまで発展した場合は、保留球数図柄の表示態様が「ノーマル保留」や「変化1」である場合は、当たりとなる期待度が比較的低くなる一方で、「変化3」である場合は当たりとなる期待度が比較的高くなる。また、「変化5」であれば大当たりと時短図柄とのどちらかが確定する。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「スーパーリーチ外れ」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~19」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20~74」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「75~98」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「99」に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定されている。一方、「変化4」や「変化5」の表示態様に対しては演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、先読み結果が「スーパーリーチ外れ」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が20%、「変化1」が55%、「変化2」が24%、「変化3」が1%、「変化4」および「変化5」が0%である。つまり、「スーパーリーチ外れ」に対応する始動入賞を検出した場合は、スーパーリーチ当たりやスーパーリーチ時短に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化3」の選択割合が低くなり、「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。また、「変化4」や「変化5」が選択されなくなる。よって、スーパーリーチまで発展した場合は、保留球数図柄の表示態様が「ノーマル保留」や「変化1」である場合は、当たりとなる期待度が比較的低くなる一方で、「変化3」である場合は当たりとなる期待度が比較的高くなる。また、「変化5」であれば大当たりと時短図柄とのどちらかが確定する。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「ノーマルリーチ外れ」、「ノーマルリーチ小当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~49」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~94」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「95~99」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定されている。一方、「変化3」、「変化4」、および「変化5」の表示態様に対しては演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、先読み結果が「ノーマルリーチ外れ」、「ノーマルリーチ小当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が50%、「変化1」が45%、「変化2」が5%、「変化3」、「変化4」、および「変化5」が0%である。つまり、「ノーマルリーチ外れ」、「ノーマルリーチ小当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、スーパーリーチ当たりやスーパーリーチ時短に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。また、「変化3」や「変化4」や「変化5」が選択されなくなる。よって、「変化3」から「変化5」のいずれかとなって小ボーナス当選が報知された場合は、当該小ボーナスが特殊大当たりであったことが確定する。
更に、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が天井抽選回数到達に伴う「スーパーリーチ外れ」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0~39」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「40~49」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50~53」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「54」に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「55~84」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「85~99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。天井抽選回数目の特別図柄の抽選結果が外れとなる(第3時短状態へと移行する)場合は、当たりとなる(第3時短状態へと移行しない)場合(即ち、スーパーリーチ当たりの変動種別に対応する始動入賞を検出した場合)に比較して、「ノーマル保留」、「変化4」、および「変化5」の選択割合が大幅に高くなる。このため、第3時短状態へと移行することを期待する遊技者に対して、天井抽選回数目の特別図柄抽選に対応する保留球数図柄の表示態様が「ノーマル保留」、「変化4」、および「変化5」のいずれかとなることを期待させることができる。
このように、本第16制御例では、始動入賞に基づく先読み結果に応じて、保留球数図柄の表示態様を決定することで大当たり期待度や時短期待度を遊技者に示唆可能に構成しているので、保留球数図柄の表示態様に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図522を参照して、上述した時短示唆演出選択テーブル222pbの詳細について説明する。この時短示唆演出選択テーブル222pbは、時短状態へと移行することを示唆する示唆演出(図439(a),(b)参照)の実行割合を各種条件毎に規定したデータテーブルである。図522に示した通り、特図抽選回数カウンタ223lcの値が496~500の状況下においては、小ボーナスの当選状況によらず、演出カウンタ223fが「0~59」の範囲に対して、「時短示唆(強)」の示唆態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「60~89」の範囲に対して、「時短示唆(弱)」の示唆態様が対応付けて規定されている。一方、演出カウンタ223fが「90~99」の範囲には、示唆態様が対応付けられていない。よって、天井抽選回数に到達する4回前から天井抽選回数目のそれぞれの変動表示演出では、60%の割合で「時短示唆(強)」(図429(b)参照)が発生し、30%の割合で「時短示唆(弱)」(図429(a)参照)が発生する。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が496~500以外の値である場合(天井抽選回数に到達するまでの変動回数が5回以上の状況)においては、前回のボーナス後の抽選回数、および直近500回の特別図柄の抽選のうち実行されたタイミングが最も時間的に古い小ボーナスの終了後の抽選回数に応じて示唆態様の選択割合が可変する。具体的には、前回のボーナス後の抽選回数、および直近500回の特別図柄の抽選のうち実行されたタイミングが最も時間的に古い小ボーナスの終了後の抽選回数のどちらかが496~500の範囲内である場合(即ち、遊技者の視点で天井抽選回数に到達するまでの変動回数が4回以内の可能性がある状況下)においては、特別図柄の抽選結果「確変当たり」または「時短当たり」に対して、演出カウンタ223fの値が「0~4」に「時短示唆(弱)」の示唆態様が対応付けて規定され、「5~99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、ボーナス当選の場合は、5%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
また、特別図柄の抽選結果「時短当選」に対して、演出カウンタ223fの値が「0~49」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「50~74」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「75~99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、時短当選の場合には50%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、25%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。また、これら以外の抽選結果(小ボーナスまたは外れ)に対しては、演出カウンタ223fの値が「0~4」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「5~49」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「50~99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、小ボーナス若しくは外れの場合には5%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、45%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
これに対し、前回のボーナス後の抽選回数、および直近500回の特別図柄の抽選のうち実行されたタイミングが最も時間的に古い小ボーナスの終了後の抽選回数のいずれも496~500の範囲内ではない場合(即ち、遊技者の視点で天井抽選回数に到達するまでの変動回数が4回以内の可能性がない状況下)においては、特別図柄の抽選結果「確変当たり」または「時短当たり」に対して、演出カウンタ223fの値が「0~4」に「時短示唆(弱)」の示唆態様が対応付けて規定され、「5~99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、ボーナス当選の場合は、5%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
また、特別図柄の抽選結果「時短当選」に対して、演出カウンタ223fの値が「0~24」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「25~49」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「50~99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、時短当選の場合には25%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、25%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。また、これら以外の抽選結果(小ボーナスまたは外れ)に対しては、演出カウンタ223fの値「0」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「1~4」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「5~99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、小ボーナス若しくは外れの場合には1%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、4%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
このように、本第16制御例では、天井抽選回数までの残り回数が5回以上の場合であっても、遊技者の視点で天井抽選回数までの残り回数が4回以内の可能性がある状況下と、4回以内の可能性がない状況下とで外れおよび小ボーナス時の示唆態様の選択割合を大きく異ならせている。即ち、遊技者の視点で天井抽選回数までの残り回数が4回以内の可能性がある状況下では、示唆態様が発生し易くなるように構成している。このように構成することで、実際には天井抽選回数までの残り回数が5回以上あったとしても、天井抽選回数に到達することに対する期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図520(b)を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図520(b)は、本第16制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図520(b)に示した通り、本第16制御例におけるRAM223は、上述した第13制御例におけるRAM223の構成(図447(b)参照)に対して、ボーナス間カウンタ223paと、ボーナス履歴格納エリア223pbと、先読み抑制フラグ223pcと、普図変動時間タイマ223pdと、連動演出フラグ223peと、が追加されている点で相違している。
ボーナス間カウンタ223paは、ボーナス(いずれかの大当たりおよび小当たり)が終了した後で実行された特別図柄の抽選回数をカウントするカウンタである。このボーナス間カウンタ223paは、主制御装置110から特図抽選カウンタ203laの値が通知される毎に値が1ずつ加算されて更新され(図537のS9015A参照)、大当たり又は小当たりに当選することで0クリアされる(図539のS4724A、図540のS4753A参照)。このボーナス間カウンタ223paに同期させて、通常状態におけるボーナス間の抽選回数の表示回数が更新される。これにより、天井抽選回数までの残り回数を分かり難くすることができるので、天井抽選回数までの残り回数を予測する遊技性を付加することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
ボーナス履歴格納エリア223pbは、直近500回以内の特別図柄の抽選の範囲におけるボーナス(通常ボーナスおよび小ボーナス)の当選履歴を示す情報を格納するための記憶領域である。このボーナス履歴格納エリア223pbは、大当たり又は小当たり(ボーナス)に当選する毎に、当選したボーナスの情報が格納される(図539のS4726A,S4727A、図540のS4754A参照)。また、主制御装置110側において特図抽選カウンタ203laの値が更新されたことがコマンドにより通知される毎に、更新後のカウンタ値に応じてデータが更新される(図537のS9015A参照)。通常状態においては、このボーナス履歴格納エリア223pbのデータから通常ボーナス又は小ボーナスの終了後における抽選回数を判別することができ、遊技者の視点で天井抽選回数間際の可能性がある抽選回数(通常ボーナス後に特殊大当たりに1回以上当選した状況下における通常ボーナス後500回間際、および小ボーナス後500回間際の抽選回数)において、天井抽選回数間際の可能性を示唆する演出を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
先読み抑制フラグ223pcは、第1特別図柄の始動入賞を検出した場合に、保留変化演出等の先読み演出の実行を抑制するか否かを示すフラグである。この先読み抑制フラグ223pcがオンであれば、先読み演出を禁止するべき状態であることを意味し、オフであれば、先読み演出を許容する状態であることを意味する。この先読み抑制フラグ223pcは、先読みにより天井抽選回数へと到達する(第3時短状態への移行が確定した)と判別された場合にオンに設定され(図538のS4428A参照)、大当たり当選時、および第3時短状態の終了時(図537のS9013A参照)にオフに設定される。第3時短状態への移行が確定した場合に第1特別図柄の先読み演出を禁止することにより、第3時短状態へと移行した後で右打ちをせずに敢えて第1特別図柄の抽選を実行させた方がよいのか、第1特別図柄の抽選を実行させずに第2特別図柄の抽選を開始させた方がよいのかの判断材料を遊技者が得ることを不可能とすることができるので、知識の深い遊技者と浅い遊技者とで遊技方法により有利度合いに大幅に差が生じてしまうことを抑制することができる。
普図変動時間タイマ223pdは、主制御装置110において実行される普通図柄の変動表示における変動時間をカウントするためのタイマである。この普図変動時間タイマ223pdは、主制御装置110において普通図柄の抽選が実行され、当該抽選結果に応じて決定された普図変動パターンが普図変動パターンコマンドによって通知された場合に、当該通知された普図変動パターンに対応する変動時間を示すタイマ値が設定される(図541のS4252A参照)。天井抽選回数(500回)目の変動表示の実行中においては、この普図変動時間タイマ223pdのタイマ値が示す残変動時間に応じて、実行中の変動表示演出の演出態様を可変させる(書き替える)か否かが判別される。即ち、変動中の特定タイミング(例えば、特別図柄の変動時間が経過する5秒前)で普図変動時間タイマ223pdの値を参照して、特図変動が終了した後も比較的長い期間(例えば、5秒以上)普通図柄の変動表示が継続されると判別された場合は、第3時短状態への移行を報知するタイミングを遅らせる構成としている。このように構成することで、普通電動役物640aが開放され得ない普通図柄の変動表示中に遊技者が右打ちを行ってしまい、遊技球を無駄に消費してしまうことを抑制することができる。
連動演出フラグ223peは、データ表示装置連動型の演出が設定されているか否かを示すフラグである。この連動演出フラグ223peがオンであれば、データ表示装置連動型の演出(大当たり報知、時短発動演出)が設定されていることを意味し、オフであれば、データ表示装置連動型の演出が設定されていないことを示す。この連動演出フラグ223peは、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信して、当該変動パターンコマンドに応じて変動表示態様を決定する毎に、当該決定した変動表示態様に応じて状態が更新される(図542のS34520A参照)。即ち、データ表示装置連動型の変動表示態様が決定された場合はオンに設定され、決定されなかった場合はオフに設定される。
<第16制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図523~図533を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。具体的には、本第16制御例では、タイマ割込処理(図523参照)、立ち上げ処理(図532参照)の内容が第13制御例(第1制御例)から変更されている点で相違する。その他の構成については、第13制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
まず、図523を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図523は、このタイマ割込処理の内容を示したフローチャートである。本第16制御例におけるタイマ割込処理(図523参照)では、第13制御例(および第1制御例)におけるタイマ割込処理(図156参照)に対して、特別図柄変動処理13(図451参照)が特別図柄変動処理16(図524参照)に変更されている点、および、スルーゲート通過処理(S107)の終了後に、外端出力設定処理(S112A)を実行する点で相違する。詳細については図528から図531を参照して後述するが、外端出力設定処理(S112A)は、パチンコ機10に対して電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ263等)に対して、外部出力端子板261から外部出力する信号の出力を制御するための処理である。なお、その他の処理については、第13制御例(および第1制御例)におけるタイマ割込処理(図156参照)と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図524を参照して、本第16制御例におけるタイマ割込処理(図523参照)の中の一処理である特別図柄変動処理16(S111A)について説明する。図524は、この特別図柄変動処理16(S111A)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理16のうち、S201~S207、S210~S218、S220、およびS30219の各処理では、それぞれ第13制御例における特別図柄変動処理13(図450参照)の、S201~S207、S210~S218、S220、およびS30219の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第16制御例における特別図柄変動処理16(S111A)では、S207又はS213の処理が終了すると、第13制御例における特別図柄判定理13(図450のS30251参照)、および特別図柄変動パターン選択処理13(図450のS30252参照)に代えて、特別図柄判定処理16(S231A)、および特別図柄変動パターン選択処理16(S232A)を実行する。図示については省略したが、本第16制御例における特別図柄判定処理16(S231A)は、上述した第13制御例における特別図柄判定処理13(図451参照)に対して、天井判定処理13(S38051)が削除されている点でのみ相違する。なお、本第16制御例では、第13制御例における天井判定処理13(S38051)に相当する天井判定処理16を、後述する更新処理16(S233A)の中で実行する構成としている。また、図示については省略したが、本第16制御例における特別図柄変動パターン選択処理16(S232A)は、上述した第13制御例における特別図柄変動パターン選択処理13(図454参照)に対して、処理内で参照する各種データテーブルが本第16制御例用のデータテーブル置き換わっている点で相違する。つまり、大当たり種別選択13テーブル202ldに代えて大当たり種別選択16テーブル202pdを参照する点、変動パターン選択13テーブル202lbに代えて変動パターン選択16テーブル202pbを参照する点で相違する。また、本第16制御例では時短種別が1種類(時短回数100回の時短図柄)のみとなっていることに伴って、S8209,S38253の各処理が削除されている点でも相違する。
また、本第16制御例における特別図柄変動処理16(S111A)では、S217の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別された場合に(S217:No)、第13制御例における更新処理5(図450のS253参照)、および時短設定処理13(図450のS30254参照)に代えて、更新処理16(S233A)、および時短設定処理16(S234A)を実行し、処理をS220へと移行する。この更新処理16(S233A)の詳細については、図525、および図526を参照して後述する。また、時短設定処理16(S234A)の詳細については、図527を参照して後述する。
また、本制御例の特別図柄変動処理16(S111A)では、S220の処理を実行した後に、外部出力端子板261のCN4から図柄停止信号が1秒間出力される(CN4の出力が1秒間H出力になる)ように設定し(S235A)、本処理を終了する。
次いで、図525を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理16(図524参照)の中の一処理である更新処理16(S233A)について説明する。図525は、この更新処理16(S233A)の内容を示したフローチャートである。
この更新処理16(S233A)のうち、S8301~S8307の各処理では、それぞれ第13制御例(および第5制御例)における更新処理5(図256参照)のS8301~S8307の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における更新処理16(S233A)では、S8306の処理を実行した後に、天井時短フラグ203paがオンであるか否かを判別し(S8311A)、天井時短フラグ203paがオンであると判別した場合には(S8311A:Yes)、天井時短フラグ203paをオフに設定し(S8312A)、次いで、大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定して(S8313A)、処理をS8307へと移行する。一方、S8311Aの処理において、天井時短フラグ203paがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S8311A:No)、S8312A、およびS8313Aの処理をスキップして、そのまま処理をS8307へと移行する。
また、本第16制御例における更新処理16(図525参照)では、S8307の処理が終了した後に、天井判定処理16を実行し(S8314A)、本処理を終了する。この天井判定処理16(S8314A)は、上述した第13制御例における天井判定処理13(図452参照)と同様に、特図抽選カウンタ203laの値を更新して、天井抽選回数に対応するカウンタ値(抽選回数)に到達した場合に第3時短状態を設定するための処理である。この天井判定処理16(S8314A)について、図526を参照して説明する。図526は、この天井判定処理16(S8314A)の内容を示したフローチャートである。
この天井判定処理16(S8314A)のうち、S38101~S38105の各処理では、それぞれ第13制御例における天井判定処理13(図452参照)のS38101~S38105の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における天井判定処理16(S8314A)では、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合に(S38104:Yes)、時短カウンタ203hに100を設定し(S38111A)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示すデータを設定し(S38112A)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38113A)、第3時短状態を示す情報と時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38114A)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアする(S38115A)。S38115Aの処理の後に、天井時短フラグ203paをオンにし(S38116A)、大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定して(S38117A)、本処理を終了する。
つまり、上述した第13制御例では、変動開始時に天井抽選回数に到達したか否かを判別し、天井抽選回数に到達した場合に、変動停止時に第3時短状態を設定する処理を実行する構成としていたが、本第16制御例では、変動停止時に天井判定処理16(図526参照)を実行して、天井抽選回数に到達したか否かの判別、および第3時短状態の設定をまとめて行う構成としている。このように構成することで、制御処理を簡素化することができる。
次いで、図527を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理16(図524)の一処理である時短設定処理16(S234A)について説明する。図527は、この時短設定処理16(S234A)の内容を示したフローチャートである。
この時短設定処理16(S234A)のうち、S8351~S8354の各処理では、それぞれ第13制御例における時短設定処理13(図455参照)のS8351~S8354の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における時短設定処理16(S234A)では、まず、時短カウンタ203hの値が100であるか否かを判別する(S8361A)。S8361Aの処理において、時短カウンタ203hの値が100であると判別した場合は(S8361A:Yes)、この時短設定処理16(図527参照)の前に実行された天井判定処理16(図526参照)において天井抽選回数に到達したことに基づいて第3時短状態が設定されていたことを意味するため、時短当選により重複して時短状態が設定されることを避けるため、そのまま本処理を終了する。一方、S8361Aの処理において、時短カウンタ203hの値が100ではないと判別した場合は(S8361A:No)、S8351の処理へと移行する。
次いで、図528(a)を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図523)の一処理である外端出力設定処理(S112A)について説明する。図528(a)は、この外端出力設定処理(S112A)の内容を示したフローチャートである。この外端出力設定処理(S112A)では、まず、パチンコ機10に各種異常が発生しているか否かを判別し、異常が発生している場合に外部出力端子板261から異常(エラー)を示す信号を外部出力するためのエラー信号処理を実行し(S121A)、次いで、アウト球の検出個数を監視して特定個数毎にアウト球検出信号を外部出力端子板261から外部出力するためのアウト球検出信号処理を実行する(S122A)。アウト球検出信号処理(S122A)が終了すると、次いで、第1入球口64や第2入球口640への始動入賞を監視して、始動入賞を検出した場合に始動口信号を外部出力端子板261から外部出力するための始動口信号処理を実行し(S123A)、次いで、内枠12および前面枠14の開閉状態を監視して、開閉状態を示す信号を外部出力端子板261から外部出力するための開放信号処理を実行して(S124A)、本処理を終了する。各処理の詳細な説明については、図528(b)、図529~図531を参照して後述する。
次に、図528(b)を参照して、外端出力設定処理(図528参照)の1処理であるエラー信号処理(S121A)について説明する。図528は、エラー信号処理(S121A)を示したフローチャートである。このエラー信号処理(S121A)では、まず、各種エラー(磁気異常、電波異常、スイッチ異常、異常入賞等)を検出したかどうかを判別し(S131A)、各種エラーを検出した場合には(S131A:Yes)、次いで、セキュリティ信号(CN11)の出力を開始し(S132A)、本処理を終了する。一方、S131Aの処理において、各種エラーを検出していない場合には(S131A:No)、そのまま本処理を終了する。各種エラーを検出している場合は、時間の定めなくセキュリティ信号が出力され続けるため、ホールコンピュータ263において、エラーの発生を報知させ続けることができる。よって、各種エラーの発生をホールの店員等に確実に認識させることができるので、各種エラーを迅速に解消させることができる。
次に、図529を参照して、外端出力設定処理(図528参照)の1処理であるアウト球検出信号処理(S122A)について説明する。図529は、アウト球検出信号処理(S122A)を示したフローチャートである。このアウト球検出信号処理(S122A)は、アウト球の検出個数を監視して、アウト球が特定個数検出される毎にアウト球検出信号(CN2)の出力を設定するための処理である。
このアウト球検出信号処理(S122A)では、まず、アウト口66へと入球した遊技球(アウト球)があるか否かを判別し(S141A)、アウト球があると判別した場合は(S141A:Yes)、アウト球カウンタ203pbの値に1を加算する(S142A)。次いで、加算後のアウト球カウンタ203pbの値が10であるか否かを判別し(S143A)、10であると判別した場合は(S143A:Yes)、アウト球カウンタ203pbの値に0を設定することでアウト球カウンタ203pbを初期化し(S144A)、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態であるか否かを判別する(S145A)。
S145Aの処理において、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態であると判別した場合は(S145A:Yes)、現在出力中のアウト球検出信号(CN6)のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した10球目のアウト球に対応するアウト球検出信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されているアウト球検出信号(CN6)がL出力状態となるまでの残りの期間を取得する(S147A)。そして、取得した残り期間に基づいて、今回検出した10球目のアウト球に対応して出力するアウト球検出信号に対して遅延時間を設定し(S148A)、本処理を終了する。例えば、H出力中のアウト球検出信号(CN6)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次にアウト球検出信号(CN6)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間に連続的にアウト球を検出したとしても、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態に設定された回数を所定装置(ホールコンピュータ263等)が正確に把握することができる。
一方、S145Aの処理において、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S145A:No)、アウト球検出信号(CN6)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S146A)、本処理を終了する。なお、アウト球検出信号(CN6)がL出力の状態であっても(S145A:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的にアウト球を検出したとしても、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態に設定された回数をホールコンピュータ263等のパチンコ機10に電気的に接続されている所定装置が正確に把握することができる。
S141Aの処理において、アウト球が検出されなかった場合(S141A:No)、および、S143Aの処理において、アウト球カウンタ203pbの値が10未満であった場合には(S143A:No)、処理をS149Aへと移行する。このS149Aの処理では、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S149A)。
そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S149A:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S149A:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S150A)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S150A:No)、そのまま本処理を終了する。S150Aの処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S150A:Yes)、アウト球検出信号(CN6)をH出力の状態に設定し(S151A)、本処理を終了する。
次いで、図530を参照して、外端出力信号処理(図528(a)参照)の1処理である始動口信号処理(S123A)について説明する。図530は、始動口信号処理(S123A)を示したフローチャートである。この始動口信号処理(S123A)は、各始動口(第1入球口64、第2入球口640)への始動入賞を監視して、始動入賞を検出する毎に始動口信号(CN5)の出力を設定するための処理である。
この始動口信号処理(S123A)では、まず、第1入球口64又は第2入球口640への入賞(始動入賞)を検出したか否かを判別する(S161A)。具体的には、タイマ割込処理(図523参照)のスイッチ読み込み処理(S101)において保存された各種スイッチの検出情報を読み出して、第1入球口64又は第2入球口640への入賞を示す検出情報が記憶されているか否かを判別する。
S161Aの処理において、第1入球口64又は第2入球口640への入賞を検出したと判別した場合は(S161A:Yes)、次いで、始動口信号(CN5)の状態がH出力の状態であるか否かを判別し(S162A)、H出力の状態であると判別した場合は(S162A:Yes)、現在出力中の始動口信号(CN5)のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した始動入賞に対応する始動口信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されている始動口信号(CN5)がL出力状態となるまでの残りの期間を取得する(S164A)。そして、取得した残り期間に基づいて、今回検出した始動入賞に対応して出力する始動口信号に対して遅延時間を設定し(S165A)、本処理を終了する。例えば、H出力中の始動口信号(CN5)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次に始動口信号(CN5)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間で連続的に始動入賞を検出したとしても、始動口信号(CN5)がH出力の状態に設定された回数をホールコンピュータ263等のパチンコ機10に電気的に接続されている所定装置が正確に把握することができる。
一方、S162Aの処理において、始動口信号(CN5)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S162A:No)、始動口信号(CN5)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S163A)、本処理を終了する。なお、始動口信号(CN5)がL出力の状態であっても(S162A:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的に始動入賞を検出したとしても、始動口信号(CN5)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S161Aの処理において、始動入賞が検出されなかった場合は(S161A:No)、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S166A)。そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S166A:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S166A:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S167A)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S167A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S167Aの処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S167A:Yes)、始動口信号(CN5)をH出力の状態に設定し(S168A)、本処理を終了する。
次いで、図531を参照して、外端出力信号処理(図528(a)参照)の1処理である開放信号処理(S124A)について説明する。図531は、開放信号処理(S124A)を示したフローチャートである。この開放信号処理(S124A)は、上述した通り、内枠12および前面枠14の開閉状態を示す内枠開放信号(CN2)、および扉開放信号(CN3)の出力を設定するための処理である。
この開放信号処理(S124A)では、まず、内枠12が開放されたか否かを判別し(S171A)、内枠12が開放されたと判別した場合は(S171A:Yes)、内枠開放信号(CN2)をH出力の状態に設定して(S172A)、本処理を終了する。一方、S171Aの処理において、内枠12が開放されたことを検出しなかった場合は(S171A:No)、次いで、内枠12が閉鎖されたことを検出したか否かを判別し(S173A)、内枠12が閉鎖されたと判別した場合は(S173A:Yes)、H出力の状態に設定されている内枠開放信号(CN2)をL出力の状態に設定し(S174A)、本処理を終了する。
S173Aの処理において、内枠12が閉鎖されたことを検出しなかった場合は(S173A:No)、次いで、前面枠14が開放されたことを検出したか否かを判別する(S175A)。S175Aの処理の結果、前面枠14が開放されたと判別した場合は(S175A:Yes)、扉開放信号(CN3)をH出力の状態に設定して(S176A)、本処理を終了する。一方、前面枠14が開放されたことを検出しなかった場合は(S175A:No)、次いで、前面枠14が閉鎖されたことを検出したか否かを判別し(S177A)、閉鎖されたと判別した場合は(S177A:Yes)、H出力の状態に設定されている扉開放信号(CN3)をL出力の状態に設定し(S178A)、本処理を終了する。また、S177Aの処理において、前面枠14が閉鎖されたことを検出しなかった場合は(S177A:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、本第16制御例のパチンコ機10では、タイマ割込処理(図523参照)の実行間隔である2msおきに、外端出力信号処理(図528(a)参照)が実行され、パチンコ機10の遊技の状況に応じた情報が、外部出力端子版261よりホールコンピュータ263等の所定装置に対して出力される。ホールコンピュータ263等の所定装置は、外部出力端子版261から出力された情報に基づいて、パチンコ機10の遊技の状況をリアルタイムで把握することができる。これにより、各パチンコ機10の出玉率や稼働状況、異常や不正行為の有無等を正確に管理することができる。
次に、図532を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図532は、この立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。
この立ち上げ処理のうち、S1701~S1714、S31701およびS31702の各処理では、それぞれ第13制御例における立ち上げ処理(図457参照)のS1701~S1714、S31701およびS31702の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の立ち上げ処理では、S1709の処理を実行した後、電源投入時(立ち上げ時)のパチンコ機10の状態を示す各種データを外部出力端子板261から所定装置に対して出力するための立ち上げ時信号出力処理を実行し(S1721A)、処理をS31701へと移行する。この立ち上げ時信号出力処理(S1721A)の詳細について、図533を参照して説明する。図533は、立ち上げ時信号出力処理(S1721A)を示したフローチャートである。
この立ち上げ時信号出力処理(S1721A)では、まず、セキュリティ信号(CN11)を0.2秒間出力するように設定し(S1731A)、次いで、大当たり中フラグ203kがオンであるか否かを判別する(S1732A)。S1732Aの処理において、大当たり中フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1732A:Yes)、現在が大当たり遊技の実行中であることを意味するため、大当たり1信号(CN7)、大当たり3信号(CN9)の出力を開始することで大当たり遊技の実行中であることを所定装置に対して通知して(S1733A)、S1734Aの処理へと移行する。一方、S1732Aの処理において、大当たり中フラグ203kがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1732A:No)、大当たり遊技の実行中ではない(通常遊技中である)ことを意味するため、S1733Aの処理をスキップして、処理をS1734Aへと移行する。
S1734Aの処理では、確変カウンタ203iの値が1以上であるか否かを判別し(S1734A)、1以上であると判別した場合は(S1734A:Yes)、処理をS1736Aへと移行する。一方、S1734Aの処理において、確変カウンタ203iの値が1以上ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S1734A:No)、時短カウンタ203hの値が1以上であるか否かを判別し(S1735A)、1以上ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S1735A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1735Aの処理において、時短カウンタ203hの値が1以上であると判別した場合には(S1735A:Yes)、処理をS1736Aへと移行する。確変カウンタ203iの値と時短カウンタ203hとの一方の値が1以上である(即ち、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態である)と判別した場合に実行されるS1736Aの処理では、大当たり2信号(CN8)の出力を開始する(S1736A)。S1736Aの処理が終了すると、次いで、天井時短フラグ203paがオンであるか否かを判別し(S1737A)、天井時短フラグ203paがオンである(つまり、現在が天井抽選回数到達に基づいて設定された第3時短状態である)と判別した場合には(S1737A:Yes)、大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定し(S1738A)、本処理を終了する。一方、S1737Aの処理において、天井時短フラグ203paがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S1737A:No)、S1738Aの処理をスキップし、本処理を終了する。S1738Aの処理で第3時短状態である場合にのみ大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力する構成とすることで、電源投入時(立ち上げ時)の遊技状態が大当たり終了後に設定された普通図柄の時短状態であるのか、天井抽選回数到達に基づいて設定された普通図柄の時短状態であるのかを、所定装置に対して容易に把握させることができる。
<第16制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図534から図542を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第16制御例では、上述した第13制御例に対して、メイン処理の内容が変更された点と、演出設定処理13(図462参照)の1処理である通常モード用演出設定処理16の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第16制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第16制御例に当然適用されるものである。
まず、図534を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明をする。図534は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。本第16制御例におけるメイン処理(図534参照)では、第13制御例(および第1制御例)におけるメイン処理(図174参照)に対して、演出更新処理(図174参照)に代えて演出更新処理16(S4121A)が実行される点、およびコマンド判定処理(図174参照)に代えてコマンド判定処理16(S4122A)が実行される点でのみ相違する。その他の処理については、第13制御例(および第1制御例)と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
まず、図535を参照して、メイン処理の中の1処理である演出更新処理16(S4121A)について説明する。図535は、この演出更新処理16(S4121A)を示したフローチャートである。この演出更新処理16(S4121A)では、まず、特別図柄の変動表示演出が実行中であるか否かを判別し(S4151A)、変動表示演出の実行中ではないと判別した場合は(S4151A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変動表示演出の実行中であると判別した場合は(S4151A:Yes)、次いで、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか否かを判別し(S4152A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500ではないと判別した場合には(S4152A:No)、次いで、現在実行中の変動表示演出において報知される特別図柄の抽選結果が時短図柄であるか否かを判別する(S4153A)。S4153Aの処理において、特図の抽選結果が時短図柄ではないと判別した場合には(S4153A:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4153の処理において、実行中の変動表示演出に対応する抽選結果が時短図柄であると判別した場合(S4153A:Yes)、およびS4152Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合には(S4152A:Yes)、次いで、特別図柄の抽選結果が大当たりに対応する抽選結果であるか否かを判別する(S4154A)。S4154Aの処理において、抽選結果が大当たりに対応する抽選結果であると判別した場合は(S4154A:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S4154Aの処理において、抽選結果が大当たりに対応する抽選結果ではないと判別した場合は(S4154A:No)、実行中の変動表示演出の残変動時間が5秒であるか否かを判別し(S4155A)、特図の残変動時間が5秒ではないと判別した場合には(S4155A:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4155Aの処理において、実行中の変動表示演出の残変動時間が5秒であると判別した場合には(S4155A:Yes)、普通図柄の残変動時間が10秒以上であるか否かを普図変動時間タイマ223pdの値を参照して判別し(S4156A)、普通図柄の残変動時間が10秒以上ではないと判別した場合には(S4156A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4156Aの処理において、普通図柄の残変動時間が10秒以上であると判別した場合には(S4156A:Yes)、現在実行中の変動表示演出が表示装置連動型演出を伴う変動表示態様であるか否かを判別し(S4157A)、表示装置連動型演出を伴う変動表示態様ではないと判別した場合には(S4157A:No)、変動表示態様を表示装置連動型の時短発動演出に書き替えて(S4158A)、時短発動煽り演出の演出期間を普通図柄の残変動時間に設定し(S4159A)、本処理を終了する。一方、S4157Aの処理において、実行中の変動表示演出が表示装置連動型演出を伴う変動表示態様であると判別した場合には(S4157A:Yes)、そのまま本処理を終了する。
このように、本第16制御例では、時短状態へと移行した後で5秒以上の比較的長い時間、普通図柄の変動が実行され続ける(右打ちしても第2入球口640へと遊技球を入球させることができない期間が比較的長く継続する)と変動終了の5秒前に判別した場合は、時短状態へと移行することを報知するタイミングを遅らせる構成としている。つまり、実際に時短状態の恩恵が得られる状態となってから(右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となってから)、時短発動演出を実行する構成としている。これにより、普通図柄の変動中に遊技者が無駄に右打ちを行ってしまうことを抑制することができる。
次に、図536を参照して、メイン処理の1処理であるコマンド判定処理16(S4122A)について説明する。図536は、このコマンド判定処理16(S4122A)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理16(S4122A)のうち、S4201、S4203~S4211、S4213、S4214、S4217およびS4219の各処理では、それぞれ第13制御例におけるコマンド判定処理13(図458参照)のS4201、S4203~S4211、S4213、S4214、S4217およびS4219の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例のコマンド判定処理16(S4122A)では、S4201の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4201:Yes)、第13制御例における状態コマンド受信処理13(図459参照)に代えて状態コマンド受信処理16を実行し(S4221A)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理16(S4221A)の詳細については、図537を参照して後述する。
また、本第16制御例におけるコマンド判定処理16(図536参照)では、S4211の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合に(S4211:Yes)、第13制御例(および第1制御例)における入賞コマンド処理(図177参照)に代えて入賞コマンド処理16を実行し(S4222A)、本処理を終了する。また、本第16制御例におけるコマンド判定処理16(図536参照)では、S4217の処理において、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に(S4217:Yes)、上述した第13制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)に代えて大当たり関連処理16を実行し(S4223A)、本処理を終了する。
一方、S4217の処理において、大当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、次いで、普通図柄の抽選関連のコマンドを受信したか否かを判別する(S4224A)。S4224Aの処理において、普通図柄の抽選関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S4224A:Yes)、普通図柄の抽選関連のコマンドの種別に応じた制御を実行するための普図関連処理を実行し(S4225A)、本処理を終了する。一方、S4224Aの処理において、普通図柄の抽選関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S4224A:No)、処理をS4219へと移行する。なお、入賞コマンド処理16(S4222A)、大当たり関連処理16(S4223A)および普図関連処理(S4225A)の詳細については、図538、図539および図541を参照して後述する。
次に、図537を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の中の1処理である状態コマンド受信処理16(S4221A)について説明する。図537は、この状態コマンド受信処理16(S4221A)を示したフローチャートである。
この状態コマンド受信処理16(S4221A)のうち、S9001、S9002、S9092およびS9093の各処理では、それぞれ上述した第13制御例における状態コマンド受信処理13(図459参照)のS9001、S9002、S9092およびS9093の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における状態コマンド受信処理16(S4221A)では、S9092の処理が終了すると、次いで、受信した状態コマンドにより通常状態への変更が通知されたか否かを判別する(S9011A)。
S9011Aの処理において、通常状態への変更が通知されたと判別した場合には(S9011A:Yes)、先読み抑制フラグ223pcがオンであるか否かを判別し(S9012A)、先読み抑制フラグ223pcがオンであると判別した場合には(S9012A:Yes)、先読み抑制フラグ223pcをオフに設定し(S9013A)、処理をS9093へと移行する。一方、S9011Aの処理において、通常状態への変更が通知されていないと判別した場合(S9011A:No)、および、S9012Aの処理において、先読み抑制フラグ223pcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S9012A:No)、処理をS9093へと移行する。
また、本第16制御例における状態コマンド受信処理16(図537参照)では、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報があると判別した場合に(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選回数カウンタ223lcの値に設定し(S9014A)、ボーナス間カウンタ223pa、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータを更新して(S9015A)、本処理を終了する。一方、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報が通知されていないと判別した場合には(S9093:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図538を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の1処理である入賞コマンド処理16(S4222A)について説明する。図538は、この入賞コマンド処理16(S4222A)を示したフローチャートである。
この入賞コマンド処理16(S4222A)のうち、S4401およびS4413の各処理では、それぞれ第13制御例(および第1制御例)における入賞コマンド処理(図177参照)のS4401およびS4413の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における入賞コマンド処理16(S4222A)では、S4401の処理を実行後、今回の入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が第1特別図柄の入賞情報であるか否かを判別し(S4421A)、第1特別図柄の入賞情報であると判別した場合には(S4421A:Yes)、先読み抑制フラグ223pcがオンであるか否かを判別し(S4422A)、先読み抑制フラグ223pcがオンであると判別した場合には(S4422A:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S4421Aの処理において、特図1の入賞情報ではないと判別した場合(S4421A:No)、および、S4422Aの処理において、先読み抑制フラグ223pcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4422A:No)、処理をS4423Aへと移行する。
S4423Aの処理では、保留態様選択テーブル222pa(図521参照)を読み出して(S4423A)、次に、抽選対象の入賞情報が示す変動種別に応じて今回の入賞情報に対応する保留球数図柄の表示態様を特定し(S4424A)、特定した表示態様の保留球数図柄の表示を設定し(S4425A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値と特別図柄保留球数カウンタ223cの値との和が500であるか否かを判別する(S4426A)。
S4426Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値と特別図柄保留球数カウンタ223cの値との和が500ではないと判別した場合には(S4426A:No)、処理をS4413へと移行する。一方、S4426Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値と特別図柄保留球数カウンタ223cの値との和が500であると判別した場合には(S4426A:Yes)、入賞情報格納エリア223bに大当たりに対応する入賞情報があるかを判別し(S4427A)、入賞情報格納エリア223bに大当たりに対応する入賞情報がないと判別した場合には(S4427A:No)、天井抽選回数に到達することを意味し、第3時短状態が設定されることを意味するので、先読み抑制フラグ223pcをオンに設定し(S4428A)、処理をS4413へと移行する。
一方、S4427Aの処理において、入賞情報格納エリア223bに大当たりに対応する入賞情報があると判別した場合には(S4427A:Yes)、第3時短状態が設定されることなく大当たり遊技が実行されることを意味するため、S4428Aの処理をスキップし、S4413へと移行する。
この入賞コマンド処理16(図538参照)を実行することにより、天井抽選回数目に抽選が実行される外れに対応する保留球を獲得した時点で、先読み抑制フラグ223pcをオンにしておくことができるので、その後に第1特別図柄の保留球を獲得したとしても、先読み演出(保留変化演出)が実行されることを抑制することができる。これにより、第3時短状態へと移行した後で消化される第1特別図柄の保留球数図柄の表示態様に応じて、当該第1特別図柄の保留球に対応する抽選を第3時短状態の間に実行させるか否かを調節させる変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図539を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の1処理である大当たり関連処理16(S4223A)について説明する。図539は、大当たり関連処理16(S4223A)を示したフローチャートである。
この大当たり関連処理16(S4223A)のうち、S4701、S4709、S4710、S4714およびS4715の各処理では、それぞれ第13制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)のS4701、S4709、S4710、S4714およびS4715の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における大当たり関連処理16(S4223A)では、S4701の処理において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S4701:Yes)、連動演出フラグ223peがオンであるか否かを判別し(S4721A)、連動演出フラグ223peがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4721A:No)、大当たり種別に応じたオープニング演出を示す表示用オープニングコマンドを設定し(S4722A)、処理をS4724Aへと移行する。一方、S4721Aの処理において、連動演出フラグ223peがオンであると判別した場合には(S4721A:Yes)、データ表示装置連動型の大当たり報知演出を示す表示用オープニングコマンドを設定し(S4723A)、処理をS4724へと移行する。
S4722A、またはS4723Aの処理後に実行されるS4724Aの処理では、ボーナス間カウンタ223paの値をリセットし(S4723A)、次に、今回開始される大当たりが特殊大当たりであるか否かを判別し(S4725A)、特殊大当たりであると判別した場合には(S4725A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbに今回の特殊大当たりの当選情報を格納し(S4726A)、本処理を終了する。一方、特殊大当たりではないと判別した場合には(S4725A:No)、ボーナス履歴格納エリア223pbに通常ボーナスの当選情報を格納し(S4727A)、本処理を終了する。
また、第13制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)のS4711~S4713の処理は、本制御例では削除している。S4714の処理において、エンディングコマンドを受信しなかったと判別した場合には(S4714:No)、小当たり関連のコマンドを受信したかを判別し(S4728A)、小当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S4728A:Yes)、小当たり関連の各種コマンドの種別に応じた制御を行うための小当たり関連処理を実行し(S4729A)、本処理を終了する。一方、小当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S4728A:No)、本処理を終了する。なお、小当たり関連処理(S4729A)の詳細については、図540を参照して後述する。
次に、図540を参照して、大当たり関連処理16(図539参照)の1処理である小当たり関連処理(S4729A)について説明する。図540は、この小当たり関連処理(S4729A)を示したフローチャートである。
この小当たり関連処理(S4729A)では、まず、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別し(S4751A)、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S4751A:Yes)、小当たりのオープニング演出を示す表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4752A)、ボーナス間カウンタ223paの値をリセットし(S4753A)、ボーナス履歴格納エリア223pbに今回の小当たりの当選情報を格納して(S4754A)、本処理を終了する。
一方、S4751Aの処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S4751A:No)、次いで、小当たり用エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4755A)、小当たり用エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S4755A:No)、本処理を終了する。一方、小当たり用エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S4755A:Yes)、小当たりのエンディング演出を示す表示用小当たりエンディングコマンドを設定し(S4756A)、本処理を終了する。
次に、図541を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の1処理である普図関連処理(S4225A)について説明する。図541は、普図関連処理(S4225A)を示したフローチャートである。
この普図関連処理(S4225A)では、まず、普図変動パターンコマンドを受信したか否かを判別し(S4251A)、普図変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4251A:Yes)、通知された普図変動パターンに対応する変動時間を普図変動時間タイマ223pdに設定し(S4252A)、本処理を終了する。一方、S4251Aの処理において、普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4251A:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4253A)、本処理を終了する。
次に、図542を参照して、演出態様設定処理13(図462参照)の中で第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463参照)に代えて実行される通常モード用演出設定処理16(S34421A)について説明する。図542は、この通常モード用演出設定処理16(S34421A)を示したフローチャートである。
この通常モード用演出設定処理16(S34421A)は、第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463参照)と同様に、通常モードにおける変動表示態様を決定するために実行される処理である。本第16制御例における通常モード用演出設定処理16(S34421A)では、まず、時短示唆演出選択テーブル222pbを読み出し(S34511A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値とボーナス履歴格納エリア223pbのデータとに対応する示唆演出の演出態様を決定し(S34512A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか否かを判別する(S34513A)。特図抽選回数カウンタ223lcの値が500ではないと判別した場合には(S34513A:No)、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータを読み出し(S34514A)、前回の通常ボーナス後の抽選回数が500であるか否かを判別する(S34515A)。前回の通常ボーナス後の抽選回数が500ではないと判別した場合には(S34515A:No)、最古の小ボーナス後の抽選回数が500であるか否かを判別し(S34516A)、最古の小ボーナス後の抽選回数が500であると判別した場合には(S34516A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbから最古の小ボーナスの履歴を削除し(S34517A)、次いで、右打ちを行わないように促す表示態様を設定し(S34518A)、処理をS34519Aへと移行する。
一方、S34513Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合(S34513A:Yes)、およびS34515Aの処理において、前回の通常ボーナス後の抽選回数が500であると判別した場合には(S34515A:Yes)、処理をS34518Aへと移行する。また、S34516Aの処理において、最古の小ボーナス後の抽選回数が500ではないと判別した場合には(S34516A:No)、S34517AおよびS34518Aの処理をスキップし、処理をS34519Aへと移行する。
S34518Aの処理を実行した後、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34519A)、決定した演出態様に応じて連動演出フラグ223peを更新し(S34520A)、本処理を終了する。この通常モード用演出設定処理16(図542参照)を実行することにより、遊技者の視点で天井抽選回数に到達した可能性がある変動表示演出において、右打ちしないように報知する演出を実行することができるので、実際には天井抽選回数に到達していなかったとしても、天井抽選回数に到達していることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第16制御例におけるデータ表示装置の制御処理について>
次に、図543~544を参照して、本制御例におけるデータ表示装置262のMPU271によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図543を参照して、データ表示装置262のMPU271によって実行されるメイン処理について説明する。図543は、このメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では、データ表示装置262と電気的に接続されているパチンコ機10から受信した各種信号に基づいて、データ表示部276に表示するデータ(パチンコ機10の遊技の状況に対応するデータ)を更新したり、パチンコ機10の遊技状態に応じて視認態様を可変させる制御を実行するための処理である。
このメイン処理では、まず、初期設定の処理が実行される(S101D)。次いで、表示装置信号受信処理を実行する(S102D)。次に、データ表示装置262のデータ表示部276の表示内容を更新するための表示更新処理を実行する(S103D)。そして、遊技者が入力装置277に対して入力操作を行ったか否かを判別し、入力操作があった場合には当該操作に応じた処理を実行するための操作手段入力監視処理を行う(S104D)。
次に、電源断の発生情報があるか否かを判別し(S105D)、電源断の発生情報があれば(S105D:Yes)、電源断処理を実行し(S107D)、以降は電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
S105Dの処理において、電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は(S105D:No)、次いで、S101Hの処理の終了時、または前回のS102Hの処理の開始時から1ms経過したか否かを判別し(S106D)、1msが経過していないと判別した場合は(S106D:No)、処理をS106Dへと戻す。一方、S106Dの処理において、1msが経過したと判別した場合は(S106D:Yes)、S102Dの処理に戻り、S102D~S104Dの処理が繰り返し実行される。
次に、図544のフローチャートを参照して、メイン処理(図543参照)の中の1処理である表示装置信号受信処理(S102D)について説明を行う。この表示装置信号受信処理(S102D)では、パチンコ機10から受信した各種信号に応じた処理が実行される。
表示装置信号受信処理(S102D)では、まず、パチンコ機10の外部出力端子板261のCN1~CN11より外部出力信号(H出力の状態の各種信号)を受信したか否かを判別し(S201D)、外部出力信号を受信していなければ(S201D:No)、そのまま本処理を終了してメイン処理(図543参照)へと戻る。
一方、S201Dの処理において、外部出力信号を受信したと判別した場合は(S201D:Yes)、次いで、外部出力信号として電源オン信号を受信した(即ち、CN11が0.2s間のH出力状態となった)か否かを判別する(S202D)。そして、電源オン信号を受信したと判別した場合は(S202D:Yes)、次いで、CN7~CN9の出力から現在の状態を特定し(S203D)、特定した状態に応じてデータ表示部276、電飾部277の態様を更新し(S204D)、本処理を終了する。
一方、S202Dの処理において、電源オン信号を受信していない(即ち、CN11から0.2のH出力信号を受信していない)と判別した場合は(S202D:No)、電源オン信号以外の信号に応じて各種データカウンタ値を更新し(S205D)、受信した信号に応じてデータ表示部276の表示内容の更新を設定し(S206D)、本処理を終了する。
<第16制御例におけるホールコンピュータの制御処理について>
次に、図545~547を参照して、本制御例におけるホールコンピュータ263のMPU281によって実行される各種制御処理について説明する。
まず、図545を参照して、ホールコンピュータ263のMPU283によって実行されるメイン処理について説明する。図545は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理では、パチンコ機10から受信した各種信号に基づいて、各パチンコ機10の遊技の状況に対応するデータを更新したり、各パチンコ機10に対して異常や不正行為の有無を判別したりする。
このメイン処理では、まず、初期設定の処理を実行する(S101H)。次いで、各パチンコ機10から受信した信号に応じた処理を実行する信号受信処理が行われ(S102H)、次に、ホールコンピュータ263に設けられたディスプレイ287の表示を更新する表示更新処理を実行する(S103H)。そして、ホールコンピュータ263の操作者がホールコンピュータ263の入力装置288に対する入力操作を行ったか否かを判別し、入力操作があった場合には当該操作に応じた処理を実行する操作手段入力監視処理を行う(S104H)。
次に、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別する復電時比較処理を実行する(S105H)。そして、電源断の発生情報があるか否かを判別し(S106H)、電源断の発生情報があれば(S106H:Yes)、電源断処理を実行し(S108H)、以降は電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
S106Hの処理において、電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は(S106H:No)、次いで、1msが経過したか否かを判別し(S107H)、1ms経過していないと判別した場合は(S107H:No)、処理をS107Hに戻す。一方、S107Hの処理において、1msが経過したと判別した場合は(S107H:Yes)、S102Hの処理に戻り、S102H~S105Hの処理が繰り返し実行される。
次に、図546のフローチャートを参照して、メイン処理(図545参照)の中の1処理である信号受信処理(S102H)について説明を行う。この信号受信処理(S102H)では、パチンコ機10から受信した各種信号に応じた処理が実行される。
信号受信処理(S102H)では、まず、ホールコンピュータ263に接続されているいずれかのパチンコ機10の外部出力端子板261のCN1~CN11より外部出力信号(H出力の状態の各種信号)を受信したか否かが判別され(S201H)、外部出力信号を受信していなければ(S201H:No)、そのまま本処理を終了してメイン処理(図545参照)へと戻る。
一方、S201Hの処理において、外部出力信号を受信したと判別した場合は(S201H:Yes)、次いで、外部出力信号が出力されたパチンコ機10から電源オン信号を受信した(即ち、CN11から0.2sのH出力信号を受信した)か否かを判別する(S202H)。そして、電源オン信号を受信していない(即ち、CN11から0.2sのH出力信号を受信していない)と判別した場合は(S202H:No)、次いで、電源オフ信号を受信した(即ち、CN11から0.4sのH出力信号を受信した)か否かを判別する(S203H)。S203Hの処理において、電源オフ信号を受信した(即ち、CN11から0.4sのH出力信号を受信した)と判別した場合には(S203H:Yes)、信号を出力したパチンコ機に対応する電断時情報格納エリアに対して現在(電源遮断時)の遊技状態に対応する情報を格納し(S204H)、本処理を終了する。一方、S203Hの処理において、電源オフ信号を受信していない(即ち、CN11から0.4sのH出力信号を受信していない)と判別した場合には(S203H:No)、信号を出力したパチンコ機に対応するデータ格納エリアの情報を更新し(S204H)、本処理を終了する。例えば、ホールに設置されている第1のパチンコ機10(1番台)の大当たり1信号(CN7)がH出力の状態であり、他の外部出力信号がL出力の状態であると判別した場合は、第1のパチンコ機10(1番台)に対応するデータ格納エリアに対して大当たり中であることを示す情報を格納する。なお、外部出力信号を受信したパチンコ機10の種別(台番号)は、ホールコンピュータ263に対する接続端子の種別(外部出力信号を受信した端子の位置)によって特定される。
S202Hの処理において、電源オン信号を受信した(即ち、CN11から0.2sのH出力信号を受信した)と判別した場合は(S202H:Yes)、次いで、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの立ち上げフラグ(対応するパチンコ機10が電源投入に基づく立ち上げ中であるか否かを示すフラグ)がオンであるか否かを判別する(S206H)。S206Hの処理による判別の結果、立ち上げフラグがオフであると判別した場合は(S206H:No)、外部出力信号を受信したパチンコ機10に対応する復電時情報格納エリアの情報を更新し(S207H)、ディスプレイ287の表示内容の更新を設定し(S208H)、外部出力信号を受信したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグをオンに設定して(S209H)、本処理を終了する。
次いで、図547のフローチャートを参照して、復電時比較処理(S105H)について説明する。この復電時比較処理(S105H)は、MPU281によって実行されるメイン処理の中の1処理であり、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別する処理である。
この復電時比較処理(S105H)では、まず、立ち上げフラグがオンであるか否かを判別し(S301H)、立ち上げフラグがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S301H:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S301Hの処理において、立ち上げフラグがオンであると判別した場合は(S301H:Yes)、次いで、電断時情報格納エリアの情報と、復電時情報格納エリアの情報とを比較し(S302H)、比較した情報が一致するか否かを判別する(S303H)。
S303Hの処理において、比較した情報が一致しないと判別した場合には(S303H:No)、異常の報知を設定し(S304H)、処理をS305Hへと移行する。一方、S303Hの処理において、比較した情報が一致すると判別した場合には(S303H:Yes)、S304Hの処理をスキップして、処理をS305Hへと移行する。S305Hの処理では、立ち上げフラグをオフに設定し(S305H)、本処理を終了する。
この復電時比較処理(図547参照)を実行することにより、ホールコンピュータ263に接続されているいずれかのパチンコ機10に対して電源が投入されたことによりホールコンピュータ263に対して電源投入信号が出力された場合に、当該パチンコ機10の電源遮断時の遊技状態を示すデータと、今回の電源投入時の遊技状態を示すデータとを比較することができるので、遊技状態が変わっているという異常事態が発生した場合に、そのことをホールコンピュータ263側で電源投入直後に把握することができる。よって、パチンコ機10の電源が遮断されている間に遊技状態を書き替える(例えば、不正に大当たり状態に設定する)等の不正行為に対する抑制を図ることができる。
以上説明した通り、本第16制御例におけるパチンコ機10では、パチンコ機10と電気的に接続されている所定装置(例えば、データ表示装置262)の視認態様に連動させているかのような演出態様の特定演出(データ表示装置連動型演出)を実行可能に構成している。より具体的には、本第16制御例のパチンコ機10では、遊技者に有利な状態(例えば、大当たりや時短状態)となることを報知するための演出の一種として、有利な状態へと移行したことを所定期間秘匿しておき、有利な状態へ移行後に所定契機で所定装置(例えば、データ表示装置262)を視認することを促す演出態様の表示装置連動演出を実行可能に構成している。現在一般的に流通している、接続されているパチンコ機10から受信する各種信号に基づいてパチンコ機10の遊技状況に関する各種データ(大当たり間の抽選回数や大当たり回数、総抽選回数等)を表示するためのデータ表示装置262においては、有利な状態(大当たり遊技状態や確変遊技状態、時短遊技状態等)が設定されている場合に、有利な状態となっていることを文字や装飾ランプの発光等によって報知可能に構成されているものがほとんどであるため、表示装置連動演出を実行することによって、あたかもパチンコ機10とデータ表示装置262とが連動して演出を行っているかのような極めて斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第16制御例では、通常遊技状態において主として実行される第1特別図柄の抽選結果として、ほとんど賞球を得ることができない(ラウンド数が少なく、各ラウンドにおける特定入賞口65aの開放期間も短い)大当たり(特殊大当たり)、および特殊大当たりと共通の特定入賞口65aの開放パターン(特定開閉動作)が設定される小当たりを設ける構成とし、特殊大当たりとなったのか小当たりとなったのかを遊技者が判別困難となるように構成している。これらの抽選結果により、特定入賞口65aが特定開閉動作で開閉される毎に、天井抽選回数に到達する(第3時短状態が付与される)までの抽選回数が特殊大当たり当選によってリセットされた可能性があると遊技者に認識させることができるので、第3時短状態が付与されるまでの残抽選回数(天井抽選回数到達に係る特典付与までの残回数)を遊技者に把握困難とすることができる。よって、残抽選回数を予測させる遊技性を付与することができる。
また、本第16制御例では、天井抽選回数における特別図柄の変動時間を、抽選結果によらず、予め定められた特定期間(30秒間)に固定化することにより、第3時短状態へと移行するのか、天井抽選回数で丁度大当たりに当選したのかを分かり難くする構成としている。このように構成することで、第3時短状態へと移行することに対する期待感をより長く遊技者に対して抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第16制御例では、天井抽選回数に到達する前に保留され、天井抽選回数到達後に設定される第3時短状態において消化される保留球に対する保留変化演出の実行を抑制する構成としている。このように構成することで、第3時短状態へと移行した後に消化される第1特別図柄の保留球を、第2特別図柄の始動入賞を発生させないことで敢えて第3時短状態の間に消化させることで有利度合いを高めようとしたり、逆に、急いで第2特別図柄の保留球を獲得し、その後に第2特別図柄の保留球をきらさないように遊技を行うことにより、第1特別図柄の保留球を敢えて第3時短状態が終了してから消化させることで有利度合いを高めようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、本第16制御例では、大当たり遊技状態に移行する場合、および第3時短状態に移行する場合に、外部出力端子板261における共通の信号出力チャンネル(CN9)から出力態様を異ならせて信号を出力する構成としている。これにより、信号出力チャンネルの個数を削減することができるので、部品点数の増加によりパチンコ機10の原価率がアップしてしまうことを抑制することができる。ここで、本第16制御例では、大当たり1信号と同様に、大当たり遊技の実行中もCN9をH出力の状態とすることにより、外部出力端子板261を介して電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262やホールコンピュータ263)のスペックに応じて受信する情報を選択させることができる。即ち、本パチンコ機10に搭載されている、天井抽選回数到達に基づいて時短状態へと移行させる機能は、大当たりを介さずに有利な遊技状態へと移行させるという非常に特殊な機能であり、所定装置のスペックによっては、天井抽選回数到達に基づく時短状態への移行を正常なものとして取り扱うことができない虞がある。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号が受信されると、不正により大当たりを介さずに時短状態に移行されたと判別されたり、パチンコ機10に異常が発生した出力無効と判別されてしまう虞がある。よって、本第16制御例では、大当たり3信号として、大当たり遊技の実行中だけでなく、天井抽選回数に到達した際もH出力の状態に設定される信号を設ける構成とすることで、天井抽選回数に到達したことに基づいて移行する時短状態を、外部出力端子板261に接続されている所定装置のスペックによらず、正常なものとして取り扱わせることができる。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号を受信した場合に、不正や異常と判断する仕様であっても、大当たり3信号を大当たりを示す信号として入力しておけば、天井抽選回数に到達した場合にも、疑似的に、大当たりとなった後で時短状態に移行したかのような信号出力態様を実現することができる。つまり、大当たりを示す大当たり3信号が0.2秒間H出力の状態に設定されると共に、時短状態への移行を示す大当たり2信号がH出力の状態に設定されるので、正当な時短状態への移行と判断させることができる。よって、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短状態が不正や異常と判断されてしまうことを抑制することができる。なお、天井抽選回数到達に基づく時短状態を識別可能な仕様の所定装置の場合は、大当たり3信号の出力期間を判別することで、天井抽選回数に到達したことに基づくH出力であるのか、大当たり当選に基づくH出力であるのかを区別することができる。よって、所定装置のスペックによらず、天井抽選回数に到達したことに基づく時短状態への移行を正当なものとして取り扱わせることができる。
なお、本第16制御例では、パチンコ機10に電源が投入された際に、遊技状態を示す信号を外部出力端子板261から外部出力する構成としているが、これに加えて、電源投入時が通常状態である場合に、特図抽選カウンタ203laの値を外部出力する構成としてもよい。この場合、1の信号出力チャンネル(例えば、CN9)から、特図抽選カウンタ203laの値を9ビットのデータを示す信号として出力する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たり1信号も大当たり2信号も出力されていない(大当たり遊技状態でも時短状態でもない)状況下において、大当たり3信号を所定期間(例えば、0.4秒間)H出力に設定することで、以降にCN9から出力される大当たり3信号が特図抽選カウンタ203laの値を示すデータであることを所定装置に対して通知する。そして、0.2秒単位で特図抽選カウンタ203laの1ビット目~9ビット目のデータを順に出力する。より具体的には、特図抽選カウンタ203laの対象のビットが1であれば、CN9の出力を0.2秒間H出力に設定し、0であれば、CN9の出力を0.2秒間L出力に設定する。そして、出力が終了した後で、0.2秒とも0.4秒とも異なる出力期間(例えば、0.6秒)のH出力の信号を出力することで、特図抽選カウンタ203laの値を示すデータの出力が終了したことを所定装置に対して通知するように構成してもよい。このように構成することで、所定装置(ホールコンピュータ263等)側で外部出力端子板261の出力を監視するだけで、電源投入時における抽選回数を容易に把握することができる。
更に、この場合において、パチンコ機10の電源が遮断された場合にも、特図抽選カウンタ203laの値を同様の方式で通知する構成としてもよい。このように構成することで、特図抽選カウンタ203laの値を電源の遮断時および電源の投入時に所定装置に対して出力することができるので、電源の遮断中に特図抽選カウンタ203laの値が不正に書き替えられる不正行為が行われた場合に、そのことを所定装置側で発見し易く構成することができる。つまり、電源遮断時の特図抽選カウンタ203laの値と、次の電源投入時の特図抽選カウンタ203laの値とを比較する機能をホールコンピュータ263等の所定装置に搭載しておくことにより、特図抽選カウンタ203laの齟齬を容易に所定装置側で発見することができるので、不正行為の有無を電源投入時に判別することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
本第16制御例では、大当たり1信号とは別で大当たり3信号を設ける構成としていたが、大当たり1信号と大当たり3信号とを1の信号出力チャンネル(CN7)から出力する構成としてもよい。このように構成することで、信号出力チャンネルの個数を削減することができる。
本第16制御例では、天井抽選回数到達前の通常遊技状態で特殊大当たりに当選するか、天井抽選回数到達後の第3時短状態で特殊大当たりに当選するかによって有利度合いを異ならせることにより、トータルとして、天井抽選回数を経過してから第1特別図柄の抽選で大当たりになった方が有利度合いが高くなるように構成していたが、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の有利度合いを異ならせる方法はこれに限られるものではない。例えば、通常遊技状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなるよりも、天井抽選回数に到達した後で設定される第3時短状態の間に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の方が確変大当たりの割合が高くなる(第2確変状態へと移行し易くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、天井抽選回数に到達することをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第16制御例では、小ボーナスを設けることで、天井抽選回数までの残りの抽選回数を分かり難くする構成としていたが、天井抽選回数までの残りの抽選回数を分かり難くする方法はこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて、大当たり終了後の天井抽選回数を異ならせることで、天井抽選回数としていくつが設定されているのかを分かり難くする構成としてもよい。また、小ボーナスが特殊大当たりであるか小当たりであるかは、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄の種別を視認することで把握可能となってしまう。そこで、例えば、小ボーナスに対応する停止図柄が第1図柄表示装置37において停止表示されるタイミングで、第1図柄表示装置37の表示を消去したり、共通の図柄を仮で表示させたり、第1図柄表示装置37の前面に所定の可動役物を可動させることで第1図柄表示装置37を隠す構成としてもよい。このように構成することで、小ボーナスが特殊大当たりであるか小当たりであるかをより分かり難くすることができるので、天井抽選回数までの残り回数をより分かり難く構成することができる。また、電源が投入されてから少なくとも1回目の変動表示が開始されるまでの間においても、同様の制御を行う構成としてもよい。ここで、電源投入時にパチンコ機10が初期化されている(RAMクリアスイッチ122が押下されている)と、第1図柄表示装置37の表示内容もクリアされる一方で、電源投入時にパチンコ機10が初期化されていない場合は、第1図柄表示装置37の表示内容が電源遮断時の表示内容に復帰される挙動が通常である。この場合、ホールの営業時間外にホールの店員等がパチンコ機10を初期化してしまうと、翌営業日に遊技者が第1図柄表示装置37を視認するだけで、天井抽選回数までの残りの抽選回数がリセットされているのか前日の営業終了時のまま維持されているのかを容易に判別することが可能となる。即ち、第1図柄表示装置37の表示内容がクリアされていれば、天井抽選回数までの残りの抽選回数がリセットされていると判断して、当該パチンコ機10で遊技を開始することを回避される可能性がある。このような状況が生じてしまうことを避けるために、電源投入時には、初期化の有無によらず、第1図柄表示装置37の表示を消去したり、初期化の有無によらない共通の図柄を仮で表示させたり、最初に特別図柄の変動表示が開始されるまで第1図柄表示装置37の前面に所定の可動役物を可動させることで第1図柄表示装置37を隠す構成としてもよい。このように構成することで、パチンコ機10が初期化されたのか否かを遊技者が判別し難く構成することができるので、初期化されたパチンコ機10の稼働率が低下してしまうことを抑制することができる。
本第16制御例では、図509(a)に示したように、キャラクタ809が第3図柄表示装置81における上方に光809を放つことで、間接的にパチンコ機10の上方に注目させて、パチンコ機10の真上に設置されることが一般的であるデータ表示装置262に注目させる(視認させる)ことにより、データ表示装置262の視認態様によって抽選結果(有利な状態に移行するか否か)を遊技者に報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、より直接的な表現でデータ表示装置262に注目することを促す演出(例えば、第3図柄表示装置81に対して、「台の上を見ろ!」という文字が表示される演出等)を実行してもよい。このように構成することで、遊技者に対してより確実にデータ表示装置262を視認させることができるので、データ表示装置連動型演出の演出効果をより向上させることができる。
本第16制御例では、天井抽選回数に到達する前に獲得(始動入賞が検出)され、大当たり終了後に特別図柄の抽選に用いられる保留球(天井抽選回数を跨ぐ保留球)に対する保留予告演出の実行を抑制する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留予告演出として、複数の保留球が存在し、且つ、少なくとも1の保留球数図柄に対してノーマル保留とは異なる表示態様が設定されている状態において、ノーマル保留とは異なる表示態様に設定されている1の保留球数図柄の表示態様と、ノーマル保留の表示態様に設定されている1の保留球数図柄の表示態様と、を入れ替える演出を設ける構成としてもよい。つまり、保留変化演出を、保留変化演出の対象として決定した保留球数図柄とは異なる保留球数図柄に対して一旦設定する構成とし、その保留変化演出が実行された後の所定のタイミング(例えば、次の変動開始時や、保留変化演出の対象として決定された保留球に基づく変動表示中等)で、保留変化演出の対象として決定されていた保留球数図柄の表示態様がノーマル保留とは異なる表示態様に設定されるように、仮でノーマル保留とは異なる表示態様に設定されていた保留球数図柄と表示態様を入れ替える演出を実行してもよい。この場合において、天井抽選回数を跨ぐ保留球についても、保留変化演出の実行を許容する構成としておき、天井抽選回数目の変動表示が終了するまでに、天井抽選回数目の抽選に用いられる保留球に対応する保留球数図柄と表示態様を入れ替える構成としてもよい。つまり、天井抽選回数目に消化される保留球に対応する保留球数図柄は、基本的にノーマル保留の表示態様に設定しておき、その後に第1特別図柄の保留球が増加した場合は、保留変化演出の実行可否の抽選を通常時と同様に実行し、ノーマル保留以外の表示態様の保留変化演出が実行された場合には、保留球数図柄の表示態様を入れ替える演出を実行することにより、天井抽選回数に到達した後に消化される第1特別図柄の保留球数図柄の表示態様をノーマル保留の表示態様に統一する構成としてもよい。このように構成することで、上述した第16制御例と同様に、第1特別図柄の保留球を第3時短状態中に消化させた方が良いか否かの判断材料が無い状態で第3時短状態を開始させることができる。
本第16制御例では、大当たり終了後や時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態と、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される第3時短状態とで、第3時短状態の方が若干有利度合いが低いが、当該有利度合いの差を遊技者が体感困難となる程度の微差に留める構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第3時短状態の方が明確に有利度合いが低くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、普通図柄の低確率状態(通常遊技状態、第3時短状態)における普通図柄の当たり確率を普通図柄の高確率状態(第2確変状態、第2時短状態)に対して大幅に低く(例えば、1/100)構成してもよい。つまり、通常状態および第3時短状態では、共に普通図柄の抽選でほぼ当たりにならないように構成することで、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する遊技状態として構成してもよい。このように構成したとしても、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合における有利度合いを第3時短状態の方が高くなるように構成しておけば、天井抽選回数へと到達することを期待させる遊技性を維持することができる。また、天井抽選回数到達後も不利な左打ち遊技を維持する構成とすることで、天井抽選回数に到達する前後で有利度合いが大幅に変化してしまうことを抑制することができる。よって、第3時短状態の存在によってパチンコ機10の出球性能が向上しすぎてしまい、過度に遊技者に有利となってしまったり、第3時短状態での出率を他の要素(例えば、大当たり確率や各入賞口への入球に対する賞球の払出個数、大当たりのラウンド数や確変割合等)でカバーしようとして、結果的に遊技者にとって過度に不利となってしまうことを抑制することができる。
<第16制御例の変形例>
次に、図614、および図615を参照して、上述した第16制御例の変形例について説明する。上述した第16制御例では、大当たりを報知するための演出および時短状態を報知するための演出として、データ表示装置262を視認することを促す演出を実行する構成としていた。これに加えて本変形例では、データ表示装置262を物理的に秘匿することが可能な位置まで出没動作可能な上部役物UYをパチンコ機10の上部に搭載する構成とし、上部役物UYによってデータ表示装置262の視認態様を秘匿することでデータ表示装置連動型の演出が実行されているのか否かを遊技者に対してより分かり難くする構成としている。具体的には、図614に示すとおり、本変形例では、変動表示演出に伴う興趣演出の一環として、パチンコ機10の上部において出没動作を実行可能な上部役物UYを設ける構成としている。この上部役物UYは、通常時はパチンコ機10の内部に収納された状態(原点位置)が維持され、主として、大当たりに当選する期待度が高い「SPリーチ」の変動パターンが選択された場合に、変動表示演出の後半で上方に上昇する上昇動作を行い、データ表示装置262の前面を覆い隠す位置(張り出し位置)にて制止する。この上部役物UYがデータ表示装置262の前面で制止する状態は、基本的に、変動表示演出が完全に終了するまでの間維持される。
そして、本変形例では、大当たり演出の一種として、大当たり遊技のオープニング期間まで上部役物UYを張り出し位置に維持しておくと共に、第3図柄表示装置81において第3図柄を外れの組み合わせで停止表示させる演出を実行する(図615(a)参照)。そして、その後にデータ表示装置262に注目させる演出(図507(a)参照)を実行した後で、上部役物UYが原点位置へと下降していくことで、データ表示装置262の前面が露出され、データ表示装置262に設定されている大当たり用視認態様が視認可能となる演出が実行される。大当たり用視認態様が視認可能となったことに基づいて、第16制御例におけるデータ表示連動型演出と同様に、パチンコ機10側でも大当たり当選を報知する。このように構成することで、データ表示装置262の視認態様を確認困難とすることができるので、大当たりや時短状態への移行をパチンコ機10側において報知するタイミングを遅らせたとしても、大当たりや時短状態へと移行していることに気付かれにくく構成することができる。よって、データ表示装置連動型演出の演出効果をより高めることができると共に、報知タイミングの自由度をより向上させることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、パチンコ機10の第3図柄表示装置81において、外部出力端子板261を介してパチンコ機10と電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262等)に対して注目する(視認する)ことを遊技者に示唆する表示態様を表示させ、所定装置においてパチンコ機10が所定の有利状態(大当たり状態、普通図柄の時短状態)となっていることを示すための所定の視認態様(大当たり用視認態様、時短状態用の視認態様)に設定されるか否かによって、所定の有利状態となったか否かを報知するデータ表示装置連動型演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、データ表示装置261とは別の、パチンコ機10が所定の有利状態となることを示す所定の信号を受信したことを契機として、所定の有利状態となることを示す視認態様に設定され得る所定装置(例えば、所定の有利状態となることを示す所定の信号を受信したことを契機として所定の表示態様に設定される表示装置や、所定の発光態様に設定される発光装置、所定の変位態様で変位(可動)される変位装置等)に対して注目する(視認する)ように促す表示態様を第3図柄表示装置81において表示させることにより、所定装置と第3図柄表示装置81とで連動型の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、パチンコ機10の直上に設置されることが大半であるデータ表示装置262に比較して、設置位置の自由度を高めることができるので、演出態様を多様化させることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、天井抽選回数までの残り回数がリセットされない小当たりに当選した場合にも、第3図柄表示装置81に表示されるボーナス間回数をリセットする構成としていたが、上述したデータ表示装置262等の遊技履歴を表示することが可能な所定装置が接続されているパチンコ機10においては、データ表示装置262に表示される遊技履歴を視認することで、前回の大当たりが終了した後で実行された特別図柄の抽選回数を把握できてしまう。つまり、データ表示装置262を視認することで、天井抽選回数に到達するまでの残りの抽選回数を把握可能となってしまう。これに対して、上述した第16制御例の変形例における上部役物UYを設けた上で、当該上部役物262の初期配置(原点位置)を図614に示す配置(データ表示装置262の前面が上部役物UYによって遮蔽され、データ表示装置262を視認することが困難となる位置)に設定することにより、データ表示装置262を視認することで天井抽選回数までの残りの抽選回数を把握することを物理的に困難となるように構成してもよい。このように構成することで、天井抽選回数に到達するまでの残りの抽選回数を、第3図柄表示装置81に表示されるボーナス間回数のみから遊技者に判断させることができるので、天井抽選回数に到達するまでの残り回数を予測させる遊技性をより楽しませることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、右打ちしなければ遊技球が入球し得ない位置(入球困難な位置)にのみスルーゲート67を設け、天井抽選回数目の変動表示演出中に故意に右打ちを開始しなければ、天井抽選回数目の変動表示中に普通図柄の変動表示が開始されないように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、左打ちされた遊技球も右打ちされた遊技球も入球可能な位置にスルーゲート67や第2入球口640を設ける構成としてもよい。このように構成した場合、特別図柄の変動停止の前後に渡って普通図柄の変動表示が継続するという状況が発生し易くなるが、上述した第16制御例のように、普通図柄の残変動時間に応じて時短状態への移行を報知するタイミングをずらす(遅らせる)ことにより、無駄球が生じてしまうことを抑制することができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、第3時短状態中に時短図柄に当選すると、第2時短状態が設定されると共に、第2時短状態において天井抽選回数に到達すると、第3時短状態が設定される(時短状態が上書きされる)ように構成していたが、必ずしも時短種別を上書きする必要はない。例えば、有利度合いが高い(普通図柄の当たりとなる確率が高い)第2時短状態において天井抽選回数に到達した場合は、第2時短状態を維持したまま、時短回数のみを天井抽選回数到達に基づく時短状態に対応する時短回数(100回)に更新するように構成してもよい。このように構成することで、天井抽選回数に到達した時点の遊技状態によらず、天井抽選到達前の遊技状態よりも有利度合いが低くなってしまうことを抑制することができるので、天井抽選回数に到達するタイミングによらず、遊技者を喜ばせることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例において、第3時短状態の間に時短図柄に当選して第2時短状態に移行した(これに伴って時短回数が100に増加した)場合や、第2時短状態の間に天井抽選回数に到達して第3時短状態に移行した(これに伴って時短回数が100に増加した)場合に、時短回数が増加したことを示す特別な演出態様の演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、時短状態中の時短図柄当選に対応する変動表示演出や、時短状態中の天井抽選回数目の変動表示演出において、表示領域Dm7に表示される時短状態が終了するまでの残り回数を示す数字が100に増加する(時短回数が回復する)演出を実行する構成としてもよいし、所謂巻き戻し再生のような表示態様を設定することで、時短状態の開始時まで時間が戻ったかのような内容演出を実行してもよい。このように構成することで、より多彩な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、時短回数の残回数がより少ない状態で時短状態の設定条件が成立するほど、豪華な(派手な)演出態様が設定され易くなるように構成してもよい。時短回数が少ない状態で時短状態の設定条件が成立して時短回数が100回に再セットされると、有利な時短状態をより多く得したかのように遊技者に思わせることができるので、この場合により豪華な演出を実行することにより、遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、天井抽選回数目に特別図柄の抽選に用いられる保留球を取得したことに基づいて、保留変化演出等の先読み演出が禁止される状態を設定する構成としていたが、先読み演出が禁止される状態を設定する条件はこれに限られるものではない。例えば、時短図柄当選に対応する保留球が保留されたことに基づいて、先読み演出が禁止される状態を設定してもよいし、特殊大当たり以外の大当たりに対応する保留球が保留された(即ち、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が設定される遊技状態に移行する種別の大当たり保留が保留された)ことに基づいて、先読み演出が禁止される状態を設定してもよい。このように構成することで、天井抽選回数到達に基づいて第3時短状態が設定された場合と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上有した状態で時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球が大当たりとなるか否かを遊技者が予測困難とすることができるので、大当たりになりそうだと予測した場合にのみ時短状態中に第1特別図柄の保留球が消化され、大当たりとならなそうだと予測した場合は第2特別図柄の抽選が実行されるように遊技方法を切り替える変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、時短状態に移行する場合以外にも、先読み演出が禁止される状態を設定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、ノーマル保留以外の表示態様(変化1~変化5のいずれか)に設定される保留変化演出が決定されてから、当該ノーマル保留以外の表示態様の保留球に基づく変動表示演出が終了するまでの間、先読み演出が禁止される状態を設定してもよい。このように構成することで、ノーマル保留以外の表示態様の保留球数図柄が複数表示されてしまい、いずれの保留球に基づく変動表示演出に注目すればよいのかを遊技者が迷ってしまい、各保留球に基づく変動表示演出に対して集中することが困難になってしまうことを抑制することができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、天井抽選回数目に特別図柄の抽選に用いられる保留球が保留された場合に、その後に取得された第1特別図柄の保留球に対応する保留球数図柄に対してノーマル保留以外の表示態様が設定されることを抑制する構成としていたが、これに限られるものではなく、例えば、第3時短状態に移行した後で消化される第1特別図柄の保留球に対応する保留球数図柄は、ノーマル保留、および変化1~変化5のいずれとも異なる特定の表示態様に設定する構成としてもよい。このように構成した場合も、時短状態中に消化させた方が有利となるか否かを遊技者が予測困難とすることができるので、大当たりになりそうだと予測した場合にのみ時短状態中に第1特別図柄の保留球が消化され、大当たりとならなそうだと予測した場合は第2特別図柄の抽選が実行されるように遊技方法を切り替える変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、上述した第16制御例、およびその変形例とは逆に、保留変化演出を通常時と同様に許容する構成としてもよい。この場合において、大当たりとなる可能性や時短図柄当選となる可能性を示唆する表示態様だけでなく、時短状態中に大当たりに当選すると有利になる大当たり種別(特殊大当たり)の可能性が高いこと(つまり、時短状態中に消化された方が有利度合いが高くなる可能性が高いこと)を示唆する表示態様や、時短状態中に消化されるよりも、時短状態が終了してから消化された方が有利度合いが高くなる可能性が高いことを示唆する表示態様を設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技者にとって最も有利なタイミングで第1特別図柄の保留球を消化させることができる。
<第17制御例>
次に、図548から図575を参照して、第17制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第12制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成した上で、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成している。また、上述した第12制御例では、時短状態として有利度合い(時短回数)が異なる複数の時短状態(時短A、時短B)を設ける構成とすることで、遊技者の興趣向上を図っていた。
これに対して本第17制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態A、第3時短状態A)と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態B、第3時短状態B)と、を設ける構成とし、天井抽選回数に到達した場合は、まず第3時短状態Bが設定されるように構成する一方で、通常状態において大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の時短状態が高い割合で有利度合いの低い第2時短状態Aに設定されるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するよりも、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
また、本第17制御例では、時短状態中に時短図柄に当選した場合に、当選した時短図柄に対応する時短回数が上乗せされるように構成している。そして、第2特別図柄の抽選では、第1特別図柄の抽選よりも高確率(例えば、90%の割合)で時短図柄に当選するように構成している。また、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bに移行した場合、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行されることで第2時短状態Aまたは第3時短状態Aに移行する構成としている。つまり、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bの間は、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で時短図柄に当選して時短回数が上乗せされていくため、特定回数の特別図柄の抽選が経過した後に移行する第2時短状態Aまたは第3時短状態Aの継続回数を可変させることができるという斬新な遊技性を実現している。
この第17制御例におけるパチンコ機10が、上述した第12制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第12制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第12制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図548を参照して、本第17制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について説明する。図548は、本第17制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図548に示した通り、本第17制御例における遊技盤13では、第12制御例における遊技盤13(図406参照)に対して、第1入球口64の直下に小当たり用可変入賞装置2650が設けられている点で相違している。この小当たり用可変入賞装置2650の上方は第1入球口64および釘によって塞がれており、遊技球が入球困難に配置されている。この小当たり用可変入賞装置2650は、第1特別図柄の抽選が小当たりとなった場合に開放される可変入賞装置である。つまり、第1特別図柄の抽選結果が小当たりになったとしても、遊技球を小当たり用可変入賞装置2650へと入球させることが困難となるため、本第17制御例における第1特別図柄の小当たりは、ほぼ、一般的な遊技機における外れと同様の価値となる。本第17制御例において第1特別図柄の小当たりを設けている意義は、第2特別図柄のロング変動を強制的に外れで停止させる機能にある。
ここで、本第17制御例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して実行可能に構成した上で、両方の特別図柄が変動中に一方の特別図柄が大当たり若しくは小当たりとなった場合に、実行中の他方の特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様を採用している。そして、第1特別図柄の抽選では高確率(49/50)で小当たりに当選する構成としている。このように構成することで、通常状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選が実行され、600秒間のロング変動が設定されたとしても、第1特別図柄の抽選を実行することにより、600秒間を待つこと無く、第2特別図柄のロング変動を外れ図柄で強制停止させることができる。よって、第2特別図柄の抽選が延々と実行され続けてしまう不具合を抑制することができる。
また、本第17制御例における遊技盤13は、第12制御例における遊技盤13に対して、可変入賞装置1065が削除され、V入賞装置1650に可変入賞装置1065の役割(大当たりの各ラウンドで所定期間開放される大入賞口としての役割)も兼ねさせている点でも相違している。これにより、遊技盤13の盤面構成をシンプルにすることができる。
更に、本第17制御例における遊技盤13は、上述した第12制御例における右側第2入球口1640と右側第2入球口1640を開閉する電動役物1640aとに代えて、右側第1入球口64rと右側第1入球口64rを開閉する電動役物64raと、が設けられている点でも相違する。この右側第1入球口64rは、第1入球口64と同様に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口の一種として構成される。また、電動役物64raは、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、遊技状態に応じた開放パターンで開閉制御される。
次に、図549、および図550を参照して、本第17制御例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、上述した通り、本第17制御例では、主として有利度合いが低い(ほぼ時短図柄に当選しない)第1特別図柄の抽選が実行される時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)と、主として有利度合いが高い(高確率で時短図柄に当選する上に、小当たりに当選した場合に実質的に大当たりも確定する)第2特別図柄の抽選が実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)と、の2種類の時短状態が設けられている。そして、本第17制御例では、時短状態において時短図柄に当選した場合に、当該当選した時短図柄に対応する時短回数を上乗せする制御を採用すると共に、時短状態Bにおいて特定回数(例えば、11回)の特別図柄の抽選が実行されることで時短状態Aに移行する構成としている。つまり、時短図柄に当選し易い時短状態Bにおいて時短図柄当選によって多くの時短回数が上乗せされるほど、その後(特定回数経過後)に移行する時短状態Aの時短回数が多くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現する構成としている。つまり、時短状態Bは、実質的な大当たりの当選確率が高い(小当たりに当選した場合も実質的に大当たりが確定する)第2特別図柄の抽選が主として実行される極めて有利度合いが高い状態であることに加え、その後に移行する時短状態Aの継続回数を決定するための状態でもある。
この時短状態Bにおける演出態様について、図549、および図550を参照して説明する。図549(a)は、天井抽選回数(本第17制御例では150回)に渡って大当たりとは異なる抽選結果(即ち、小当たり含む外れ)となり、第3時短状態へと移行した後において第3図柄表示装置81で実行される演出態様の一例を示した図である。上述した通り、第3時短状態に移行すると、まず、主として第2特別図柄の抽選が実行される第3時短状態Bが設定され、第3時短状態Bにおいて特定回数の特別図柄の変動表示が実行されることで第3時短状態Aに移行する。図549(a)は、第3時短状態Bの間の表示態様を示した図である。
図549(a)に示した通り、第3時短状態Bにおいては、主表示領域Dmの上方に「~上乗せRUSH~」という文字が表示されると共に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に、ウサギを模したキャラクタ801が天使を模したキャラクタ809から宝箱810の中に入っている特典を付与される演出が実行される。図549(a)では、宝箱810の中から時短回数5回が上乗せされた(時短回数が5回の時短図柄に当選した)ことを示す、「5」という数字が付された図柄を含む中身810aがキャラクタ801に付与された場合を例示している。また、図549(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4と、その小表示領域Dm4の下方に、「ラスト8回」という文字が付された小表示領域Dm7と、その小表示領域Dm7の下方に、「ストック50+10回」という文字が付された小表示領域Dm13と、が形成される。
小表示領域Dm7は、時短状態Bが終了される(時短状態Aに移行する)までの残りの第2特別図柄の抽選回数を示す表示内容が表示され、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ減算表示される。また、小表示領域Dm13は、時短状態Aに移行後の時短回数を示す表示内容が表示され、左側には時短状態Bに移行した時点で確定している時短回数が、右側には時短状態Bにおいて時短図柄当選により獲得(上乗せ)した時短回数が、それぞれ表示される。つまり、図549(a)の例では、天井抽選回数に到達した(第3時短状態Bに移行した)時点で、50回の時短状態Aが保証されており、更に、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選することにより10回分の時短回数の獲得(上乗せ)に成功したという状況を例示している。なお、本第17制御例では、天井抽選回数到達に係る第3時短状態の時短回数は一律61回に設定される。このうち11回が第3時短状態Bに設定され、50回が第3時短状態Aに設定される。
また、副表示領域Dsには、「チャンスタイム回数を増やせ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の抽選が実行される毎にチャンスタイム(時短状態A)の時短回数が上乗せ(ストック)されていくということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第17制御例では、時短状態において、右打ちにより第1入球口64rにも第2入球口1641にも頻繁に遊技球が入球するように構成されている。このため、第3時短状態Bに移行した後で右打ちを行うと、第2特別図柄の抽選だけでなく、第1特別図柄の抽選もほぼ確実に実行される。ここで、本第17制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることが可能な同時変動仕様を採用しており、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動表示を開始させることおよび第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示を開始させることの両方が許容されている。また、時短状態Bにおいては、第1特別図柄に対して比較的長い変動時間(例えば、120秒)が設定されるように構成している。このため、第1特別図柄の変動表示が1回実行されている間に、第2特別図柄による抽選遊技を時短状態Aへと移行するまでの残り回数分実行させることができる。時短状態Bの継続回数を11回という中途半端な回数にしているのは、第1特別図柄の抽選1回分と、第2特別図柄の抽選10回分とを合算していることによる。これにより、時短状態Aへと移行するまでの間の第2特別図柄の抽選回数を、きりの良い回数である10回に設定することができる。
図549(b)は、本第17制御例における第3時短状態Bで、11回目の変動表示が終了した後における演出態様を示した図である。第3時短状態Bにおいて11回目の変動表示が終了すると、その後に移行する第3時短状態Aの時短回数を報知する演出が実行される。具体的には、図549(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央部分に、時短回数を示す文字が表示される。図549(b)の例では、「TOTAL110回」という文字が表示された場合を例示しており、時短状態Bの開始時から確定していた50回の時短回数に加え、時短状態Bの間に60回の時短回数を上乗せした状況が例示されている。また、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイム突入」という文字が表示される。これらの表示内容により、第3時短状態Aの時短回数を遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図550を参照して、時短状態B(上乗せRUSH)の間に大当たりまたは小当たりに当選した場合の演出態様について説明する。本第17制御例では、時短状態Bの間に大当たりに当選するか、小当たり当選後にV入賞が発生して大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。この第2時短状態では、天井抽選回数到達に基づく第3時短状態と同様に、まず、11回の時短状態Bが設定された後で、時短状態Aへと移行する。よって、遊技者の視点で見ると、時短状態B(上乗せRUSH)の間に大当たりに当選すると、大当たり後に時短状態B(上乗せRUSH)が再度開始されるかのような動きとなる。更に、第2特別図柄の大当たり後における時短回数は86回が設定されるように構成されているため、時短状態Bで消化する11回を除くと、時短状態Bの後で移行する時短状態Aの時短回数として75回が保証されている状態で時短状態Bが最初から再開される。よって、天井抽選回数到達に伴う第3時短状態よりも多い時短回数が設定されるため、時短状態Bの間に大当たりになることを期待させることができる。
図550に示した通り、時短状態Bの間に大当たりまたは小当たりに当選すると、宝箱810から「RUSH」という文字が付された図柄を含む中身810aが出現して、キャラクタ801に付与される演出が実行される。また、小表示領域Dm13に表示される時短回数を示す表示が「ストック75回」という表示内容に変更される。更に、副表示領域Dsに対して、「上乗せRUSH再セット確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、75回の時短回数を獲得した上で、上乗せRUSHを最初からやり直すことができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551を参照して、本第17制御例における遊技状態間の移行方法について説明する。図551に示した通り、本第17制御例では、遊技状態として通常状態、第2時短状態A、第2時短状態B、第3時短状態A、および第3時短状態Bの5種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動しない遊技状態で構成されている。つまり、左打ちにより有利度合いが低い第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行させる必要がある遊技者にとって不利な遊技状態で構成されている。
また、第2時短状態Aは、普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるため、右打ちにより右側第1入球口64rにも第2入球口1641にも遊技球が頻繁に入球するが、第2特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、600秒)が設定されるため、右側第1入球口64rへの入球に基づく第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。また、第2時短状態Bは、第2時短状態Aと同様に普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるが、第2時短状態Aとは異なり、第1特別図柄の変動時間が長くなると共に第2特別図柄の変動時間が大幅に短くなるため、第2入球口1641への入球に基づく第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。ここで、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が有利度合いが高いため、第2時短状態Aよりも、第2時短状態Bの方が有利度合いが高い遊技状態となる。
また、第3時短状態Aは、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されている。また、第2時短状態Aと同様に、右打ちにより右側第1入球口64rにも第2入球口1641にも遊技球が頻繁に入球するが、第2特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、600秒)が設定されるため、右側第1入球口64rへの入球に基づく第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。つまり、第2時短状態Aに対して、普通図柄の当たり確率が低い分、有利度合いが低くなるが、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。ここで、本第17制御例では、第16制御例と同様に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1個しか異ならないように構成している。このため、有利度合いの差(第2時短状態Aに対して第3時短状態Aの有利度合いが低いこと)を遊技者が体感困難にすることができる。よって、第3時短状態Aに移行した場合に、第2時短状態Aに移行した場合と同等の価値を得たかのように遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、第3時短状態Bは、第3時短状態Aと同様に普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるが、第3時短状態Aとは異なり、第1特別図柄の変動時間が長くなると共に第2特別図柄の変動時間が大幅に短くなるため、第2入球口1641への入球に基づく第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。よって、第3時短状態Bは、第3時短状態Aよりも有利度合いが高い遊技状態となる。
まず、図551の上部を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の上部に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図551の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aに設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aよりも有利度合いが高い第2時短状態Bに設定される。更に、通常状態において大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第3時短状態Bに設定される。第2時短状態Bと第3時短状態Bとは有利度合いがほぼ同等であり、第2時短状態Aは第2時短状態Bや第3時短状態Bよりも有利度合いが明確に低い遊技状態で構成されるため、通常状態においては、有利度合いが低い第2時短状態Aに移行する可能性が高い大当たり当選よりも、大当たりに当選せずに天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。つまり、大当たりに当選しないことをより強く期待しながら遊技を行う斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551の中段左側を参照して、第2時短状態Aから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の中段左側に示した通り、第2時短状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、大当たりに当選することなく時短回数が経過した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図551に示した通り、第2時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第2時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、遊技者に不利な通常状態に設定される。更に、第2時短状態Aにおいて大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第2時短状態Bに設定される。なお、時短状態Aのまま天井抽選回数に到達するためには、一旦第2時短状態Bへと移行し、当該第2時短状態Bにおいて天井抽選回数を超える抽選回数分の時短回数を上乗せした状態で時短状態Aへと移行し、更に、大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達する必要がある。第2時短状態Bへと移行する場合に大当たり終了時に付与される時短回数は61回又は86回であるため、天井抽選回数を超える時短回数を上乗せするためには、第2時短状態Bの間に最低でも64回以上の上乗せを発生させる必要がある。しかしながら、1の第2特別図柄の抽選で上乗せされる時短回数は80%が5回であり、10回以上の時短回数が上乗せされる割合は20%しかないため、そもそも天井抽選回数を超える時短回数を上乗せすることが困難となる。更に、大当たりに当選せずに天井抽選回数まで到達するという事象もそもそも比較的起り難い事象であるため、第2時短状態Aを維持したまま天井抽選回数(大当たり終了後150回)に到達するケースは極めて希であるといえる。
これらに対し、第2時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態Aに設定される(第2時短状態Aをループする)。よって、第2時短状態Aにおいては、基本的に大当たりに当選すること、および大当たりに当選した場合に低い割合(10%の割合)で決定される大当たりB17が決定されることを期待して遊技を行う遊技性となる。
次に、図551の下段左側を参照して、第2時短状態Bから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の下段左側に示した通り、第2時短状態Bから他の遊技状態へは、大当たりにも小当たりにも当選することなく特定回数(6回又は11回)の特別図柄の抽選が実行された場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図551の下段左側に示した通り、第2時短状態Bにおいて特定回数(6回又は11回)の特別図柄の抽選が終了すると、第2時短状態Bよりも有利度合いが低い第2時短状態Aへと移行する。これに対し、第2時短状態Bにおいて特定回数の特別図柄の抽選が実行されるよりも前に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または実質的に大当たりが確定する小当たりとなって大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態Bに設定される(最も有利な第2時短状態Bをループする)。よって、第2時短状態Bにおいては、特定回数の特別図柄の抽選が終了するまでに大当たりまたは小当たりに当選することを期待して遊技を行う遊技性となる。なお、第2特別図柄の抽選で大当たりと小当たりとのどちらかとなる確率は1/10であり、特定回数の特別図柄の抽選が終了するまでにおける第2特別図柄の抽選回数は基本的に5回又は10回となるので、第2時短状態Bをループする可能性は、第2特別図柄の抽選回数が5回の場合におよそ41%、第2特別図柄の抽選回数が10回の場合におよそ65%となる。なお、上述した通り、第2時短状態Bの間に大当たりにも小当たりにも当選しなかったとしても、第2時短状態Bにおいては第2特別図柄の抽選毎に高確率で時短回数を5回以上獲得(上乗せ)することができるので、特定回数の特別図柄の抽選が終了した後で設定される第2時短状態Aの有利度合い(継続回数)を、通常(大当たりA17に当選したことに基づいて設定された第2時短状態A)よりも高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551の中段右側を参照して、第3時短状態Bから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の中段右側に示した通り、第3遊技状態Bから他の遊技状態へは、大当たりまたは小当たりに当選した場合、および大当たりにも小当たりにも当選することなく特定回数(11回)の特別図柄の抽選が実行された場合に移行する可能性がある。具体的には、図551の中段右側に示した通り、第3時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または実質的に大当たりが確定する小当たりとなって大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第3時短状態Bにおいて特定回数(11回)の特別図柄の抽選が終了すると、第3時短状態Bよりも有利度合いが低い第3時短状態Aへと移行する。よって、第3時短状態Bにおいては、特定回数(11回)以内の特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりのどちらかに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。なお、上述した第2時短状態Bと同様に、第3時短状態Bにおいては第2特別図柄の抽選毎に高確率で時短回数を5回以上獲得(上乗せ)することができるので、特定回数の特別図柄の抽選が終了した後で設定される第3時短状態Aの有利度合い(継続回数)を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、第3時短状態Bにおいて変動パターンテーブルを切り替えることにより第2特別図柄の変動時間を異ならせて(第2特別図柄の遊技効率を異ならせて)第3時短状態Aに設定する制御は、後述する第48制御例における設定手段の別形態であると言える。つまり、特定の遊技状態において特定条件が成立した場合に、特定の遊技状態を異なる有利度合いに設定する設定手段の別形態である。
次に、図551の下段右側を参照して、第3時短状態Aから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の下段右側に示した通り、第3時短状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、大当たりに当選することなく時短回数が経過した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図551に示した通り、第3時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aに設定される。また、第3時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第3時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、遊技者に不利な通常状態に設定される。更に、第3時短状態Aにおいて大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第3時短状態Bに設定される。なお、第2時短状態Aと同様に、第3時短状態Aにおいて天井抽選回数に到達するのは極めて希なケース(第3時短状態Bにおいて65回以上の時短回数の上乗せを発生させた上で、天井抽選回数までハマらなければ起き得ない事象)である。このため、第3時短状態Aにおいては、第2時短状態Aと同様に、基本的に大当たりに当選すること、および大当たりに当選した場合に低い割合(10%の割合)で決定される大当たりB17が決定されることを期待して遊技を行う遊技性となる。
このように、本第17制御例では、5種類の遊技状態を互いに行き来する遊技性となる上に、同じ時短状態であっても、時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)と時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)とで大幅に有利度合いおよび遊技性を異ならせる構成としているので、遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第17制御例における電気的構成>
次に、図552を参照して、本第17制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図552は、本第17制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図552に示した通り、本第17制御例におけるROM202は、上述した第12制御例におけるROM202の構成(図407参照)に対して、大当たり種別選択12テーブル202kbに代えて大当たり種別選択17テーブル202qbが設けられている点、第2当たり乱数12テーブル202kcに代えて第2当たり乱数17テーブル202qcが設けられている点、変動パターン12テーブル202kdに代えて変動パターン17テーブル202qdが設けられている点、小当たり乱数12テーブル202keに代えて小当たり乱数17テーブル202qeが設けられている点、小当たり種別選択12テーブル202kfに代えて小当たり種別選択17テーブル202qfが設けられている点、時短当たり乱数12テーブル202khに代えて時短当たり乱数17テーブル202qhが設けられている点、時短当たり種別選択テーブル202qiが追加されている点、および変動パターンシナリオテーブル202qjが追加されている点である。その他の構成については上述した第12制御例におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図554(a)を参照して、本第17制御例における大当たり種別選択17テーブル202qbの詳細について説明する。図554(a)は、本第17制御例における大当たり種別選択17テーブル202qbの構成を示したブロック図である。図554(a)に示した通り、本第17制御例における大当たり種別選択17テーブル202qbは、第1特別図柄の大当たり種別を選択するために参照される特図1大当たり用17テーブル202qb1と、第2特別図柄の大当たり種別を選択するために参照される特図2大当たり用17テーブル202qb2と、で少なくとも構成されている。
図554(b)は、特図1大当たり用17テーブル202qb1の規定内容を示した図である。図554(b)に示した通り、本第17制御例における特図1大当たり用17テーブル202qb1には、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA17」と、「大当たりB17」と、の2種類が規定されている。即ち、特図1大当たり用17テーブル202qb1において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB17」が対応付けて規定されている。
「大当たりA17」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数51回の第2時短状態A(主として第1特別図柄の抽選が実行される時短状態)に設定される種別の大当たりである。また、「大当たりB17」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数56回の第2時短状態B(主として第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)に設定される種別の大当たりである。なお、第2時短状態Bにおいて11回の特別図柄の抽選が実行されると、第2時短状態Aへと移行し、以降は基本的に、時短回数が経過(終了)するか大当たりに当選するまでの間、第2時短状態Aが維持される。上述した通り、第2時短状態Aよりも第2時短状態Bの方が遊技者にとって有利度合いが高いため、「大当たりB17」の方が「大当たりA17」よりも有利度合いが高い大当たり種別となる。なお、「大当たりA17」には第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち90個の乱数値が対応付けられている一方で、「大当たりB17」には10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられているので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、90%の割合で「大当たりA17」となり、10%の割合で「大当たりB17」となる。
次に、図554(c)を参照して、上述した特図2大当たり用17テーブル202qb2の詳細について説明する。図554(c)は、この特図2大当たり用17テーブル202qb2の規定内容を示した図である。図554(c)に示した通り、本第17制御例における特図2大当たり用17テーブル202qb2には、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC17」と、「大当たりD17」と、「大当たりE17」と、の3種類が規定されている。即ち、特図2大当たり用17テーブル202qb2において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~84」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「85~89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE17」が対応付けて規定されている。
図554(c)に示した通り、「大当たりC17」と、「大当たりD17」と、「大当たりE17」とは、それぞれ大当たりのラウンド数が15ラウンド、8ラウンド、4ラウンドと異なっているが、大当たり終了後の遊技状態としては時短回数86回の第2時短状態Bが共通して設定される。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、100%の割合で有利度合いが高い第2時短状態Bが設定されるので、第2特別図柄の抽選の方が第2特別図柄の抽選よりも有利度合いが高くなる。なお、「大当たりC17」には第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち85個の乱数値が対応付けられ、「大当たりD17」には5個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられ、「大当たりE17」には10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられているので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、85%の割合で「大当たりC17」となり、5%の割合で「大当たりD17」となり、10%の割合で「大当たりE17」となる。
このように、本第17制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、有利な第2時短状態Bへと10%の割合でしか移行しないのに対し、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、必ず有利な第2時短状態Bが設定されるように構成されているので、第2特別図柄の抽選が実行された場合により強く大当たりに当選することを期待させることができる。よって、遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図555(a)を参照して、本第17制御例における第2当たり乱数17テーブル202qcの詳細について説明する。この第2当たり乱数17テーブル202qcは、上述した第12制御例における第2当たり乱数12テーブル202kcと同様に、普通図柄の抽選を行う際に参照され、普通図柄の当たりとなる乱数値(第2当たり乱数カウンタC2のカウンタ値)が規定されたデータテーブルである。
より具体的には、図555(a)に示した通り、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~298」の299個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている一方で、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~299」の300個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4は「0~299」の範囲の値を取り得るので、普通図柄の低確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は299/300であり、普通図柄の高確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は1(300/300)である。つまり、本第17制御例では、普通図柄の低確率状態であっても、ほぼ毎回の普通図柄の抽選で当たりと判定されるように構成されている。これは、第2時短状態と第3時短状態との有利度合いの差をほぼ無くす目的である。このように構成することで、天井抽選回数に到達して第3時短状態に移行した場合における有利度合いを第2時短状態とほぼ同等にすることができるので、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
なお、通常状態においても右打ちによりスルーゲート67を通過させて普通図柄の抽選を実行させることにより高確率で普通図柄の当たりとなるが、通常状態では普通図柄の変動短縮機能が作動しない上に、電動役物64raの開放期間も短くなる(例えば、0.1秒間になる)ため、右打ちを行い続けたとしても右側第1入球口64rへと遊技球を入球させることはほとんどできない。つまり、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技球を発射し続けるよりも遊技効率が悪くなるので、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図555(b)を参照して、本第17制御例における変動パターン17テーブル202qdの詳細について説明する。この変動パターン17テーブル202qdは、上述した第12制御例における変動パターン17テーブル202kdと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図555(b)は、本第17制御例における変動パターン17テーブル202qdの構成を示したブロック図である。
図555(b)に示した通り、本第17制御例における変動パターン17テーブル202qdは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202qd1と、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される特1時短用テーブル202qd2と、第2特別図柄の抽選が主として実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される特2時短用テーブル202qd3と、で少なくとも構成されている。ここで、通常用テーブル202qd1に関しては、上述した第12制御例における通常状態用変動パターン12テーブル202kd1(図414参照)と同等の規定内容となるため、ここではその詳細な説明については省略する。なお、本第17制御例では、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選する可能性が無い点、特別図柄の抽選で高確率で小当たりを伴う外れとなる点で第12制御例と相違している。このため、本第17制御例の通常用テーブル202qd1の第1特別図柄の小当たりに係る規定内容は、第12制御例の通常状態用変動パターン12テーブル202kd1における第1特別図柄の外れに係る規定内容と同一になる。
次に、図555(c)を参照して、上述した変動パターン17テーブル202qdを構成する特1時短用テーブル202qd2の詳細について説明する。図555(c)は、この特1時短用テーブル202qd2の規定内容を示した図である。図555(c)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲(0~198)に対して、変動パターンとして変動時間が3秒間の短外れが対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒間の短当たりが対応付けて規定されている。
これに対して、図555(c)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が時短当選に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲(0~198)に対して、変動パターンとして変動時間が600秒間のロング外れが対応付けて規定されている。また、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が600秒間のロング当たりが対応付けて規定されている。このため、特1時短用テーブル202qd1が参照される第2時短状態Aおよび第3時短状態Aでは、右打ちにより第1特別図柄の抽選が実行される毎に、5秒以下の短い変動時間が設定される一方で、第2特別図柄の抽選が実行されると抽選結果によらず極めて長い600秒間の変動時間が設定されるため、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態を形成することができる。なお、上述した通り、本第17制御例では、時短状態において右打ちを行うと、右側第1入球口64rと第2入球口1641との両方に頻繁に遊技球が入球し、且つ、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して実行可能に構成されているので、時短状態Aでは第2特別図柄がロング変動している間に第1特別図柄の抽選を複数回実行することができる。つまり、主として第1特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態として構成されている。
なお、特2時短用テーブル202qd3に関しては、上述した第12制御例の時短状態用変動パターン12テーブル202kd2(図415参照)に対して、第1特別図柄の変動時間が抽選結果によらず120秒間となっている点で相違するのみであるため、ここではその詳細な説明については省略する。この特2時短用テーブル202qd3が参照される遊技状態(第2時短状態B、第3時短状態B)では、第1特別図柄のロング変動(120秒)が行われている間に第2特別図柄の5秒以下の変動を連続して実行させることができるため、主として第2特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態を形成する。なお、第1特別図柄の変動時間を第12制御例における600秒間から120秒間に変更しているのは、時短状態Bにおいて当たりとならずに時短状態Aへと移行した場合に、第1特別図柄の抽選が長い時間残ってしまい、第1特別図柄の抽選を実行することができない期間が長く継続してしまうことを回避する趣旨である。一方で、第1特別図柄の抽選時間を短くしすぎると、第2時短状態Bや第3時短状態Bにおいて第1特別図柄の抽選が複数回実行されてしまい、第2特別図柄の抽選回数が減ってしまう可能性があるため、ある程度長い120秒という期間を設定している。
次に、図556(a)を参照して、小当たり乱数17テーブル202qeの詳細について説明する。この小当たり乱数17テーブル202qeは、上述した第12制御例における小当たり乱数12テーブル202ke(図409(d)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図556(a)は、本第17制御例における小当たり乱数17テーブル202qeの規定内容を示した図である。図556(a)に示した通り、本第17制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、対応付けられている乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)を異ならせている。つまり、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、小当たりに当選する確率を異ならせている。
より具体的には、図556(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「18~899」が規定されている一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「18~89」が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~899」の900個の乱数値(カウンタ値)のうち、第1特別図柄の抽選および第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)はそれぞれ882個、および72個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は49/50(882/900)であり、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は2/25(72/900)である。特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が1/50であることを加味すると、第1特別図柄の抽選では、大当たり若しくは小当たりのどちらかに当選する。また、第2特別図柄の抽選では、1/10(2/25+1/10)の確率で大当たり若しくは小当たりに当選する。ここで、詳細については後述するが、第1特別図柄の小当たりは、大当たりに当選し得ない(V入賞が発生し得ない)不利な小当たり種別のみが選択されるため、他の制御例における外れと実質的に同一である。一方で、第2特別図柄の小当たりは、小当たり遊技中に右打ちを行うことでほぼ確実にV入賞が発生して大当たりに当選する有利な小当たり種別のみが選択される。よって、第1特別図柄の大当たり確率は、小当たりの影響を受けないため、1/50となるに対し、第2特別図柄の大当たり確率は、実質的に大当たりと小当たりとの合算の確率となるため、1/10となる。よって、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利となる。
次に、図556(b)を参照して、本第17制御例における小当たり種別選択17テーブル202qfの詳細について説明する。この小当たり種別選択17テーブル202qfは、上述した第12制御例における小当たり種別選択12テーブル202kfと同様に、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図556(b)は、この小当たり種別選択17テーブル202qfの規定内容を示した図である。図556(b)に示した通り、本第17制御例における小当たり種別選択17テーブル202qfには、第1特別図柄の小当たり種別として、「小当たりA17」の一種類のみが規定されている一方で、第2特別図柄の小当たり種別として、「小当たりB17」~「小当たりD17」の3種類が規定されている。
「小当たりA17」は、小当たり用入賞装置2650が開閉される小当たりである。つまり、大当たりの当選契機となる特定領域1650aが設けられているV入賞装置1650が開放されない小当たりであるため、大当たりに当選する(V入賞が発生する)可能性がない小当たり種別である。また、「小当たりB17」~「小当たりD17」は、いずれもV入賞装置1650が開放される種別の小当たりであり、右打ちにより特定領域1650aへと容易に遊技球を入球させることができるため、実質的に大当たり当選が確定する小当たり種別である。また、「大当たりB17」は、V入賞が発生した場合に大当たりC17(15ラウンド特図2時短大当たり)が実行され、「大当たりC17」は、V入賞が発生した場合に大当たりD17(8ラウンド特図2時短大当たり)が実行され、「大当たりD17」は、V入賞が発生した場合に大当たりE17(4ラウンド特図2時短大当たり)が実行される。このため、第2特別図柄の小当たりの中では、「小当たりB17」が最も有利度合いが高く、「小当たりD17」が最も有利度合いが低くなる。
図556(b)に示した通り、「小当たりA17」には、小当たり種別カウンタC5の取り得る全範囲(0~99)の値が対応付けられている。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、必ずV入賞が発生し得ない「小当たりA17」が決定される。よって、第1特別図柄の小当たりは、実質的に他の制御例における外れと同等の抽選結果となる。
また、図556(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」の範囲に対して、「小当たりB17」が対応付けて規定され、小当たり種別カウンタC5の値が「50~69」の範囲に対して、「小当たりC17」が対応付けて規定され、小当たり種別カウンタC5の値が「70~99」の範囲に対して、「小当たりD17」が対応付けて規定されている。このため、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB17」が決定される割合は50%であり、「小当たりC17」が決定される割合は20%であり、「小当たりD17」が決定される割合は30%である。第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、最も有利な「大当たりA17」の振り分けが85%に設定されていた(図554(c)参照)ことを鑑みると、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、小当たりに当選してV入賞を発生させた場合よりも有利度合いが高くなり易く設定されているといえる。よって、時短状態Bにおいては、確率の高い(2/25の)小当たりよりも、確率の低い(1/50の)大当たりに当選することをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図556(c)を参照して、本第17制御例における時短当たり乱数17テーブル202qhの詳細について説明する。この時短当たり乱数17テーブル202qhは、上述した第12制御例における時短当たり乱数12テーブル202khと同様に、特別図柄の抽選で時短図柄当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図566(c)は、この時短当たり乱数17テーブル202qhの規定内容を示した図である。図556(c)に示した通り、本第17制御例では、第2特別図柄の抽選で時短当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「90~899」の810個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~899」の900個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が810個であるため、第17制御例において第2特別図柄の抽選が実行された場合に時短当選と判定される確率は9/10(810/900)である。一方で、図556(c)に示した通り、第1特別図柄に対しては、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)が対応付けられていないため、第1特別図柄の抽選で時短当選と判定される可能性は0である。
このように、本第17制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に高確率(9/10の確率)で時短図柄に当選する構成としている。このように構成することで、主として第2特別図柄の抽選が実行される時短状態Bにおいて、限られた抽選回数において、ほぼ毎変動で時短図柄に当選して時短回数を上乗せすることができる。よって、時短状態Aにおける有利度合いを、時短状態Aよりも前に設定される時短状態Bにおける抽選内容に応じて決定することができるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図557(a)を参照して、本第17制御例におけるROM202に追加されている時短当たり種別選択テーブル202qiの詳細について説明する。この時短当たり種別選択テーブル202qiは、時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図557(a)に示した通り、この時短当たり種別選択テーブル202qiには、時短図柄の種別(時短当たり種別)と、第1当たり種別カウンタC2の値と、が対応付けて規定されている。具体的には、図557(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対して、時短当たり種別として時短回数が50回の「時短図柄A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「1~19」の範囲に対して、時短当たり種別として時短回数が10回の「時短図柄B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~99」の範囲に対して、時短当たり種別として時短回数が5回の「時短図柄C」が対応付けて規定されている。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄A」、「時短図柄B」、および「時短図柄C」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)はそれぞれ1個、19個、および80個であるので、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄A」が決定される割合は1%であり、「時短図柄B」が決定される割合は19%であり、「時短図柄C」が決定される割合は80%である。よって、第2特別図柄の抽選が実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)においては、時短図柄に当選した場合に1%の割合で時短回数が50回上乗せされ(時短図柄Aが決定され)、19%の割合で時短回数が10回上乗せされ(時短図柄Bが決定され)、80%の割合で時短回数が5回上乗せされる(時短図柄Cが決定される)。これにより、時短状態B(上乗せRUSHの実行中)に上乗せされる時短回数にバリエーションを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図557(b)を参照して、本第17制御例におけるROM202に追加されている変動パターンシナリオテーブル202qjの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202qjは、前回の大当たり種別、現在設定されている遊技状態、および大当たり終了後における特別図柄の抽選回数に応じて、参照される変動パターンテーブルの種別(通常用テーブル202qd1、特1時短用テーブル202qd2、特2時短用テーブル202qd3のいずれか)が規定されているデータテーブルである。特別図柄の抽選が実行されると、この変動パターンシナリオテーブル202qjを用いて、変動パターン(変動時間)を選択するために参照される変動パターンテーブルの種別を決定し、その決定した変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択される。
図557(b)は、この変動パターンシナリオテーブル202qjの規定内容を示した図である。図557(b)に示した通り、この変動パターンシナリオテーブル202qjには、前回の大当たり種別、現在設定されている遊技状態、および大当たり終了後における特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)の組み合わせ毎に、参照する変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。
具体的には、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が通常状態という状況において、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。一方、その他の範囲には変動パターンテーブルが対応付けられていない。これは、大当たりA17の終了後1回~51回の範囲は、必ず第2時短状態に設定される(大当たりA17の終了時に時短カウンタ203hの値に51が設定される)し、大当たりA17の終了後151回~211回の範囲は、必ず天井抽選回数到達に基づいて第3時短状態に設定されるので、通常状態で特別図柄の抽選が実行される可能性がないためである。
なお、本第17制御例では、特図抽選カウンタ203qaの値が300に到達した場合(当たりに当選せずに特別図柄の抽選回数が300回に到達した場合)に、特図抽選カウンタ203qaの値を150に更新する構成としている。つまり、天井抽選回数に到達した後で、更に1又は複数回天井抽選回数に到達した場合についても、天井抽選回数に到達する毎に第3時短状態Bを設定することができる。よって、所謂大ハマりが発生したとしても、遊技者にとって過剰に不利となることを抑制することができる。また、変動パターンシナリオテーブル202qjに対して、300回を超える特図抽選回数のシナリオを規定する必要がなくなるため、変動パターンシナリオテーブル202qjのデータ量を低減することができる。よって、ROM202の容量を削減することができる。
図557(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~51の範囲、および163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりA17の終了後51回以内の抽選回数、および163回以上では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりA17の終了後151回~162回の抽選回数では、特2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
また、図557(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が7~150の範囲、および163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~6の範囲、および151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりB17の終了後7回~150回の抽選回数、および163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回~6回、および151回~162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。なお、「大当たりA17」と異なり、抽選回数が52回~150回の範囲でも時短状態が継続する可能性があるのは、大当たり終了直後の第2時短状態Bにおいて上乗せされる時短回数次第で天井抽選回数を超える時短回数を上乗せする可能性があるためである。
また、図557(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりC17」~「大当たりE17」のいずれか、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」や「大当たりB17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たり種別が「大当たりC17」~「大当たりE17」のいずれか、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が12~150の範囲、および163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~11の範囲、および151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりC17~大当たりE17の終了後12回~150回の抽選回数、および163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりC17~大当たりE17の終了後1回~11回、および151回~162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。なお、「大当たりB17」と同様に、「大当たりC17」~「大当たりE17」においても、大当たり終了直後の第2時短状態Bが設定されるため、当該第2時短状態Bにおいて上乗せされる時短回数次第で天井抽選回数を超える時短回数を上乗せする可能性がある。
また、図557(b)に示した通り、大当たりに未当選の状況(パチンコ機10を初期化した後、大当たりに1回も当選していない状況)で、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1~150の範囲、および212~300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たりに未当選で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が163~300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が151~162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、パチンコ機10の初期化後163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、パチンコ機10の初期化後151回~162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
このように、本第17制御例では、変動パターンシナリオテーブル202qjによって変動パターンシナリオを規定し、前回の大当たり種別、現在の遊技状態、および特別図柄の抽選回数に応じた変動パターンテーブルを選択する構成としているので、比較的複雑な遊技状態の移行方式を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図553を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図553は、本第17制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図553に示した通り、本第17制御例におけるRAM203は、上述した第12制御例におけるRAM203の構成(図408参照)に対して、特図抽選カウンタ203qaと、大当たりフラグ203qbと、特図1小当たりフラグ203qcと、特図2小当たりフラグ203qdと、が追加されている点で相違している。また、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhが削除されている点でも相違している。
特図抽選カウンタ203qaは、大当たり終了後(若しくはパチンコ機10の初期化後)に実行された特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この特図抽選カウンタ203qaは、特別図柄の変動表示の開始を設定するタイミングで値が1ずつ加算して更新される(図564のS38103参照)。この特図抽選カウンタ203qaの値を参照して、天井抽選回数への到達有無を判別したり、変動パターンシナリオテーブル202qjから抽選回数に対応する変動パターンテーブルの選択処理が実行される。
大当たりフラグ203qbは、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図561のY8011、図568のY8111参照)。この大当たりフラグ203qbは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図565のY727、図571のY925参照)。この大当たりフラグ203qbは、第1特別図柄用の大当たりフラグと、第2特別図柄用の大当たりフラグとが設けられており、第1特別図柄用の大当たりフラグがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図565のY726参照)。また、第2特別図柄用の大当たりフラグがオンの状態で、且つ、第1特別図柄の変動表示が実行中の場合に第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図571のY924参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が大当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、大当たりと大当たり、若しくは大当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
特図1小当たりフラグ203qcは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図562のY8055参照)。この特図1小当たりフラグ203qcは、第1特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図566のY759参照)。特図1小当たりフラグ203qdがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図566のY753参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が小当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、小当たりと大当たり、若しくは小当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
特図2小当たりフラグ203qdは、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図562のY8055参照)。この特図2小当たりフラグ203qdは、第2特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図566のY759参照)。特図1小当たりフラグ203qdがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図573のY959参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が小当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、小当たりと大当たり、若しくは小当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
次に、図558を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図558は、本第17制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図558に示した通り、本第17制御例におけるRAM223は、上述した第12制御例(および第5制御例)におけるRAM223の構成(図249(b)参照)に対して、特図抽選回数カウンタ223lc、上乗せRUSH中カウンタ223qa、ベース回数カウンタ223qb、上乗せ回数カウンタ223qcが追加されている点で相違する。また、時短抽選回数カウンタ223db、モード種別格納エリア223dc、ロング時短中フラグ223dd、初回設定フラグ223deが削除されている点でも相違する。
特図抽選カウンタ223lcは、上述した第13制御例等の特図抽選カウンタ223lcと同一の機能を有するカウンタである。即ち、主制御装置110内のRAM223に設けられている特図抽選カウンタ203qaの値に同期して更新されるカウンタであり、主制御装置110から状態コマンドによって特図抽選カウンタ203qaの値が通知される毎に値が更新される。この特図抽選カウンタ223lcによって、主制御装置110側で把握する大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、音声ランプ制御装置113側で把握する大当たり終了後の特別図柄の抽選回数とを常に一致させることができる。
上乗せRUSH中カウンタ223qaは、上乗せRUSH(時短状態B)が終了するまでの残り回数を示すカウンタである。この上乗せRUSH中カウンタ223qaは、初期値が0に設定されており、時短状態B(第2時短状態、第3時短状態のどちらか)が設定されると、設定契機に応じたカウンタ値(時短状態Aへと移行するまでの特別図柄の抽選回数に応じた値)が設定される。即ち、天井抽選回数(150回)到達に基づく時短状態Bへの移行、または、大当たりC17~E17に当選したことに基づく時短状態Bへの移行の場合は、時短状態Bの抽選回数が11回に設定されるので、上乗せRUSH中カウンタ223qaに対して11が設定される(図574のS9314A参照)。また、大当たりB17に当選したことに基づく時短状態Bへの移行の場合は、時短状態Bの抽選回数が6回に設定されるので、上乗せRUSH中カウンタ223qaに対して6が設定される(図574のS9317A参照)。また、上乗せRUSHにおいて特別図柄の抽選が1回時実行される毎に、値が1ずつ減算して更新される。この上乗せRUSH中カウンタ223qaの値に応じて、上乗せRUSH終了までの残り回数の表示が設定される。
ベース回数カウンタ223qbは、時短状態B(上乗せRUSH)が終了した後で移行する時短状態Aの時短回数のうち、時短状態B(上乗せRUSH)に突入した時点で既に確定している(保証されている)時短回数(ベースの時短回数)を示すカウンタである。このベース回数カウンタ223qbは、初期値が0に設定されており、時短状態Bへと移行した場合に、当該移行に伴って設定される時短回数から時短状態Bの間の特別図柄の抽選回数を減じた値が設定される。より具体的には、大当たりC17~E17のいずれかに当選したことに基づいて時短状態Bが設定された場合は、このベース回数カウンタ223qbに対して75が設定される(図574のS9316A参照)。また、大当たりB17に当選したことに基づいて時短状態Bが設定された場合、および天井抽選回数に到達したことに基づいて時短状態Bが設定された場合は、このベース回数カウンタ223qbに対して50が設定される(図574のS9318A参照)。このベース回数カウンタ223qbに設定された値が、時短状態B(上乗せRUSH)の間、小表示領域Dm13における左側に表示され続ける。
上乗せ回数カウンタ223qcは、時短状態B(上乗せRUSH)において上乗せされた時短回数をカウントするためのカウンタである。この上乗せ回数カウンタ223qcは、初期値が0に設定されており、時短状態B(上乗せRUSH)において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選し、時短回数が上乗せされる(時短カウンタ203hに対して当選した時短図柄に応じた時短回数が加算される)毎に、当該上乗せされた時短回数に応じたカウンタ値が加算して更新される(図575のS9629A参照)。この上乗せ回数カウンタ223qcに設定された値が、時短状態B(上乗せRUSH)の間、小表示領域Dm13における右側に表示され続ける。
<第17制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図559~図573を参照して、第17制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。具体的には、本第17制御例では、第12制御例における特別図柄変動処理12(図417参照)に代えて特別図柄変動処理17(図559参照)を実行する点で相違する。その他の構成については、第12制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。なお、特別図柄変動処理12(図417参照)から特別図柄変動処理17(図559参照)への変更は、主として、一方の特別図柄の変動表示中に他方の特別図柄が大当たりまたは小当たり図柄で停止表示された場合に、変動表示中の一方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様への変更に伴うものである。
まず、図559を参照して、本第17制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理17(Y111)について説明する。図559は、この特別図柄変動処理17(Y111)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理17(Y111)のうち、Y231、Y234およびY238の各処理では、それぞれ第12制御例における特別図柄変動処理12(図417参照)の、Y231、Y234およびY238の各処理と同一の処理が実行される。
また、本制御例の特別図柄変動処理17(Y111)では、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち0である)と判別した場合には(Y234:No)、第12制御例における第1特別図柄変動開始処理12(図418参照)に代えて第1特別図柄変動開始処理17を実行し(Y251)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理17(Y251)の詳細については、図560を参照して後述する。
一方、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y234:Yes)、特図1変動時間タイマ203kaを減算して更新し(Y252)、第1図柄表示装置の第1特別図柄の表示を更新し(Y253)、次いで、上述した第12制御例における第1特別図柄変動停止処理12(図424参照)に代えて第1特別図柄変動停止処理17を実行し(Y254)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理17(Y254)の詳細については、図564を参照して後述する。
また、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559参照)では、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbは0より大きい値ではない(即ち0である)と判別した場合には(Y238:No)、上述した第12制御例における第2特別図柄変動開始処理12(図427参照)に代えて第2特別図柄変動開始処理17を実行し(Y255)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理17(Y255)の詳細については、図567を参照して後述する。
一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であると判別した場合には(Y238:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbを減算して更新し(Y256)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の表示を更新し(Y257)、上述した第12制御例における第2特別図柄変動停止処理12(図433参照)に代えて第2特別図柄変動停止処理17を実行し(Y258)、本処理を終了する。第2特別図柄変動停止処理17(Y258)の詳細については、図571を参照して後述する。
次いで、図560を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第1特別図柄変動開始処理17(Y251)について説明する。図560は、この第1特別図柄変動開始処理17(Y251)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動開始処理17(Y251)のうち、Y302~Y306およびY309の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄変動開始処理12(図418参照)のY302~Y306およびY309の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(Y251)では、第12制御例における第1特別図柄変動開始処理12(図418参照)のY301の処理が削除されている。また、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)では、Y306の処理を実行した後、第12制御例における第1特別図柄判定処理12(図419参照)に代えて、第1特別図柄判定処理17を実行し(Y321)、第12制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理12(図420参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理17を実行し(Y322)、処理をY309へと移行する。更に、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)では、Y309の処理が終了すると、次いで、天井抽選回数に到達したか否かを判定して、天井抽選回数に到達した場合に第3時短状態を設定するための天井判定処理17を実行し(Y323)、本処理を終了する。第1特別図柄判定処理17(Y321)、第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)、天井判定処理17(Y323)の詳細については、図561、図563、および図564を参照して後述する。
次いで、図561を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)の一処理である第1特別図柄判定処理17(Y321)について説明する。図561は、この第1特別図柄判定処理17(Y321)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄判定処理17(Y321)のうち、Y8001~Y8006の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄判定処理12(図419参照)のY8001~Y8006の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄判定処理17(Y321)では、Y8003において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には、(Y8003:Yes)、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオンに設定し(Y8011)、処理をY8004へと移行する。一方、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には、(Y8003:No)、小当たり抽選処理17を実行し(Y8012)、本処理を終了する。
次いで、図562を参照して、本第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561)の一処理である小当たり抽選処理17(Y8012)について説明する。図562は、この小当たり抽選処理17(Y8012)の内容を示したフローチャートである。
この小当たり抽選処理17(Y8012)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短当選であるか否かを判別する(Y8051)。Y8051の処理において、抽選結果が時短当選であると判別した場合には(Y8051:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、時短当選ではないと判別した場合には(Y8051:No)、小当たり乱数17テーブル202qeに基づいて抽選結果を取得し(Y8052)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別し(Y8053)、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8053:No)、そのまま本処理を終了する。一方、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8053:Yes)、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて、小当たり種別選択17テーブル202qfから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(Y8054)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンに設定し(Y8055)、本処理を終了する。一方、Y5053の処理において、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8053:No)、Y8054およびY8055の処理をスキップし、本処理を終了する。
次いで、図563を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)について説明する。図563は、この第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)のうち、Y501~Y503およびY505~Y508の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理12(図420参照)のY501~Y503およびY505~Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)では、Y503の処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202qjを参照して現在の特図抽選カウンタ203qaの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y511)、特定した変動パターン選択テーブルを読み出し(Y512)、処理をY505へと移行する。
次いで、図564を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)の一処理である天井判定処理17(Y323)について説明する。図564は、この天井判定処理17(Y323)の内容を示したフローチャートである。
この天井判定処理17(Y323)では、まず、特図抽選カウンタ203qaの値に1を加算し(S38103)、特図抽選カウンタ203qaの値が300であるか否かを判別し(S38121A)、特図抽選カウンタ203qaの値が300であると判別した場合には(S38121A:Yes)、特図抽選カウンタ203qaの値を150に更新し(S38122A)、特図抽選カウンタ203qaの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。一方で、S38121Aの処理において、特図抽選カウンタ203qaの値が300ではないと判別した場合には(S38121A:No)、次いで、特図抽選カウンタ203qaの値が151であるか否かを判別し(S38123A)、特図抽選カウンタ203qaの値が151ではないと判別した場合には(S38123A:No)、処理をS38105へ移行する。
これに対し、S38123Aの処理において、特図抽選カウンタ203qaの値が151であると判別した場合には(S38123A:Yes)、天井抽選回数に到達したことを意味するため、時短カウンタ203hに61を加算することで第3時短状態を設定し(S38124A)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示す情報を設定する(S38112A)。次に、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38113A)、第3時短状態を示す情報と時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38114A)、本処理を終了する。
次いで、図565を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第1特別図柄変動停止処理17(Y254)について説明する。図565は、この第1特別図柄変動停止処理17(Y254)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動停止処理17(Y254)のうち、Y701およびY704~Y707の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄変動停止処理12(図424参照)のY701およびY704~Y707の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動停止処理17(Y254)では、Y701の処理において、変動時間が終了していないと判別した場合は(Y701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y701の処理において、変動時間が終了したと判別した場合は(Y701:Yes)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y721)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンではないと判別した場合には(Y721:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないことを意味するため、特図1外れ停止処理を実行し(Y722)、本処理を終了する。なお、特図1外れ停止処理(Y722)の詳細については、図566を参照して後述する。
一方、Y721の処理において、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであると判別した場合には(Y721:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であるか否かを判別し(Y723)、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値である(つまり、第2特別図柄の変動表示中である)と判別した場合には(Y723:Yes)、特図2変動停止フラグ203kfをオンに設定し(Y724)、特図2の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定し(Y725)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y726)、処理をY727へと移行する。
一方、Y723の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0である(つまり、第2特別図柄の変動表示中ではない)と判別した場合には(Y723:No)、Y724~Y726の処理をスキップし、処理をY727へと移行する。次に、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオフに設定し(Y727)、処理をY704へと移行する。
次いで、図566を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565)の一処理である特図1外れ停止処理(Y722)について説明する。図566は、この特図1外れ停止処理(Y722)の内容を示したフローチャートである。
この特図1外れ停止処理(Y722)では、まず、特図1小当たりフラグ203qcがオンであるか否かを判別し(Y751)、特図1小当たりフラグ203qcがオンであると判別した場合には(Y751:Yes)、特図2変動停止コマンドを設定し(Y752)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y753)、小当たりシナリオを設定する(Y754)。次いで、小当たり開始フラグ203fbをオンに設定し(Y755)、小当たり中フラグ203fcをオンに設定し(Y756)、特図1確定コマンドをセットする(Y757)。次いで、第1図柄表示装置の第1特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y758)、特図1小当たりフラグ203qcをオフに設定し(Y759)、本処理を終了する。一方、Y751の処理において、特図1小当たりフラグ203qcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y751:No)、特図1確定コマンドをセットし(Y760)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y761)、本処理を終了する。
次いで、図567を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第2特別図柄変動開始処理17(Y255)について説明する。図567は、この第2特別図柄変動開始処理17(Y255)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動開始処理17(Y255)のうち、Y832~Y836およびY839(Y309)の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄変動開始処理12(図427参照)のY832~Y836およびY839(Y309)の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動開始処理17(Y255)では、まず、特図2変動停止フラグ203kfがオンであるか否かを判別し(Y851)、特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合には(Y851:Yes)、特図2変動停止フラグ203kfをオフに設定し(Y852)、本処理を終了する。一方、特図2変動停止フラグ203kfがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y851:No)、処理をY832へと移行する。
また、Y836の処理を実行した後、第2特別図柄判定処理17を実行し(Y853)、第2特別図柄変動パターン選択処理17を実行し(Y854)、次いで、Y839(Y309)を実行し、天井判定処理17を実行し(Y855(Y323))、本処理を終了する。なお、第2特別図柄判定処理17(Y853)および第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)の詳細については、図568および図570を参照して後述する。また、天井判定処理17(Y855(Y323))は、上述した図564と同一の内容のため、その説明を省略する。
次いで、図568を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567)の一処理である第2特別図柄判定処理17(Y853)について説明する。図568は、この第2特別図柄判定処理17(Y853)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄判定処理17(Y853)のうち、Y8101~Y8106の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄判定処理12(図428参照)のY8101~Y8106の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄判定処理17(Y853)では、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(Y8103:Yes)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオンに設定し(Y8111)、処理をY8104へと移行する。一方、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8103:No)、特図2時短抽選処理17を実行し(Y8112)、小当たり抽選処理17を実行し(Y8113(Y8012))、本処理を終了する。なお、特図2時短抽選処理17(Y8112)の詳細については、図569を参照して後述する。また、小当たり抽選処理17(Y8113(Y8012))は、上述した図562と同一の内容のため、その詳細な説明については省略する。
次いで、図569を参照して、本第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568)の一処理である特図2時短抽選処理17(Y8112)について説明する。図569は、この特図2時短抽選処理17(Y8112)の内容を示したフローチャートである。
この特図2時短抽選処理17(Y8112)のうち、Y8202およびY8206の各処理では、それぞれ第12制御例における特図2時短抽選処理12(図429参照)のY8202およびY8206の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2時短抽選処理17(Y8112)では、まず、時短当たり乱数17テーブル202qhに基づいて抽選結果を取得し(Y8211)、処理をY8202へと移行する。また、本第17制御例における特図2時短抽選処理17(図569参照)では、Y8202の処理において、抽選結果が時短当選であると判別した場合には(Y8202:Yes)、第1図柄表示装置に表示する特別図柄として時短図柄をセットし(Y8212)、本処理を終了する。
次いで、図570を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)について説明する。図570、この第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)のうち、Y921~Y928の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理12(図431参照)のY921~Y928の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)では、Y923の処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202qj(図557(b)参照)を参照して現在の特図抽選カウンタ203qaの値と現在の遊技状態と前回の大当たり種別とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y931)、特定した変動パターン選択テーブルを読み出し(Y932)、処理をY924へと移行する。
次いで、図571を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第2特別図柄変動停止処理17(Y528)について説明する。図571、この第2特別図柄変動停止処理17(Y528)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動停止処理17(Y528)のうち、Y901、Y906~Y909、およびY914の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄変動停止処理12(図433参照)のY901、Y906~Y909、およびY914の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(Y528)では、Y901の処理において、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(Y901:Yes)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y921)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンであると判別した場合には(Y921:Yes)、次いで、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であるか否かを判別する(Y922)。特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y922:Yes)、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の大当たり図柄の停止表示タイミングになったことを意味するため、実行中の第1特別図柄の変動を停止表示させるべく、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(Y923)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y924)、次いで、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオフに設定し(Y925)、処理をY906へと移行する。一方、Y922の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y922:No)、Y923,Y924の処理をスキップし、処理をY925へと移行する。
一方、Y921の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y921:No)、Y914の処理を実行し、Y914の処理において、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合には(Y914:Yes)、第12制御例における時短設定処理12(図426参照)に代えて時短設定処理17を実行し(Y926)、処理をY908へと移行する。一方、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合には(Y914:No)、特図2外れ停止処理を実行し(Y927)、本処理を終了する。なお、時短設定処理17(Y926)および特図2外れ停止処理(Y927)の詳細については、図572および図573を参照して後述する。
次いで、図572を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571)の一処理である時短設定処理17(Y926)について説明する。図572、この時短設定処理17(Y926)の内容を示したフローチャートである。
この時短設定処理17(Y926)は、上述した第12制御例における時短設定処理12(図426参照)と同様に、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、時短図柄に対応する時短状態の設定を行うための処理である。この第17制御例における時短設定処理17(図572参照)のうち、Y8354,Y8455の各処理では、それぞれ第12制御例における時短設定処理12(図426参照)のY8354,Y8455の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17制御例における時短設定処理17(図572参照)では、まず、今回当選した時短図柄に対応する値を時短カウンタ203hに加算し(Y8361)、処理をY8354へと移行する。
このように、本第17制御例では、時短図柄に当選する毎に、時短図柄に対応する時短回数を時短カウンタ203hに加算していくことができるので、90%の割合で時短当選する第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ毎回時短回数が上乗せされていく斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図573を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571)の一処理である特図2外れ停止処理(Y927)について説明する。この特図2外れ停止処理(Y927)は、第2特別図柄の外れ(小当たり含む)図柄の停止表示を設定するための処理である。図573は、この特図2外れ停止処理(Y927)の内容を示したフローチャートである。
この特図2外れ停止処理(Y927)では、まず、特図2小当たりフラグ203qdがオンであるか否かを判別し(Y951)、特図2小当たりフラグ203qdがオンであると判別した場合には(Y951:Yes)、特図1変動停止コマンドを設定し(Y952)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y953)、小当たりシナリオを設定する(Y954)。次に、小当たり開始フラグ203fbをオンに設定し(Y955)、小当たり中フラグ203fcをオンに設定し(Y956)、特図2確定コマンドをセットする(Y957)。そして、第1図柄表示装置の第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y958)、特図2小当たりフラグ203qdをオフに設定し(Y959)、本処理を終了する。
一方、Y951の処理において、特図2小当たりフラグ203qdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y951:No)、特図2確定コマンドをセットし(Y960)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y961)、本処理を終了する。
この特図2外れ停止処理(図573参照)を実行することにより、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選して、当該小当たり当選に基づく小当たり図柄を停止表示させる際に、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で停止表示させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである場合に、大当たりと小当たり、若しくは小当たりと小当たりとが重複して実行されてしまうことを抑制することができる。
<第17制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図574から図575を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第17制御例では、上述した第12制御例(および第5制御例)に対して、状態コマンド受信処理5(図263参照)の1処理である時短状態演出設定処理5(S9011A)の内容が変更された点、特図2演出態様設定処理5(図269参照)の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第17制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第17制御例に当然適用されるものである。
まず、図574を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短状態演出設定処理17(S9011A)について説明をする。図574は、この時短状態演出設定処理17(S9011A)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理17(S9011A)では、まず、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9311A)、次いで、時短状態Bに変更したか否かを判別し(S9312A)、時短状態Bに変更していないと判別した場合には(S9312A:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S9312Aの処理において、時短状態Bに変更したと判別した場合には(S9312A:Yes)、大当たりB17を契機とする時短状態であるか否かを判別し(S9313A)、大当たりB17を契機とする時短状態ではないと判別した場合には(S9313A:No)、上乗せRUSH中カウンタ223qaに11を設定し(S9314A)、天井到達を契機とする時短状態であるか否かを判別する(S9315A)。天井到達を契機とする時短状態ではないと判別した場合には(S9315A:No)、ベース回数カウンタ223qbに75を設定し(S9316A)、処理をS9319Aへと移行する。
一方、S9313Aにおいて、大当たりB17を契機とする時短状態であると判別した場合には(S9313A:Yes)、上乗せRUSH中カウンタ223qaに6を設定し(S9317A)、ベース回数カウンタ223qbに50を設定し(S9318A)、処理をS9319Aへと移行する。また、S9315Aの処理において、天井到達を契機とする時短状態であると判別した場合は(S9315A:Yes)、処理をS9318Aへと移行する。次に、各カウンタ値に応じて上乗せRUSHの残り回数および初期ストック回数の表示を設定し(S9319A)、本処理を終了する。
次に、図575を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2演出態様設定処理17(S4991A)について説明をする。図575は、この特図2演出態様設定処理17(S4991A)の内容を示したフローチャートである。
この特図2演出態様設定処理17(S4991A)のうち、S9611の処理では、第12制御例における特図2演出態様設定処理5(図269参照)のS9611の処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2演出態様設定処理17(S4991A)では、まず、時短状態であるか否かを判別し(S9621A)、時短状態ではないと判別した場合には(S9621A:No)、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S6922A)、S9611の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合には(S9621A:Yes)、時短状態Aであるか否かを判別し(S9623A)、時短状態Aであると判別した場合には(S9623A:Yes)、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動であるかを判別し(S9624A)、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動であると判別した場合には(S9624A:Yes)、特図1の残変動時間の終了まで継続するチャンスタイム突入表示(図549(b)参照)を設定し(S9625A)、TOTAL回数として、ベース回数カウンタ223qbの値と上乗せ回数カウンタ223qcの値とを加算した値の表示を設定し(S9626A)、処理をS9622Aへと移行する。一方、S9624Aの処理において、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動ではないと判別した場合には(S9624A:No)、S9625AおよびS9626Aの処理をスキップし、処理をS9622Aへと移行する。
一方、S9623Aの処理において、時短状態Aではないと判別した場合には(S9623A:No)、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S9627A)、時短図柄当選であると判別した場合には(S9627A:Yes)、当選した時短図柄に応じた上乗せ回数を報知する変動表示態様(図549(a)参照)を決定し(S9628A)、当選した時短図柄に対応する時短回数を時短中カウンタ223daおよび上乗せ回数カウンタ223qcに加算し(S9629A)、処理をS9611へと移行する。一方、S9627Aの処理において、時短当選ではない(即ち、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりである)と判別した場合には(S9627A:No)、上乗せRUSHの再セットを報知する変動表示態様(図550参照)を決定し(S9630A)、上乗せ回数カウンタ223qcの値を0クリアし(S9631A)、処理をS9611へと移行する。
この特図2演出態様設定処理17(図575参照)を実行することにより、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短図柄に当選する毎に、時短図柄に対応する時短回数の上乗せを報知することができる。よって、ほぼ毎変動で時短図柄が上乗せされるという極めて斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、本第17制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態A、第3時短状態A)と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態B、第3時短状態B)と、を設ける構成とし、天井抽選回数に到達した場合は、まず第3時短状態Bが設定されるように構成する一方で、通常状態において大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の時短状態が高い割合で有利度合いの低い第2時短状態Aに設定されるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するよりも、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
また、本第17制御例では、時短状態中に時短図柄に当選した場合に、当選した時短図柄に対応する時短回数が上乗せされるように構成している。そして、第2特別図柄の抽選では、第1特別図柄の抽選よりも高確率(例えば、90%の割合)で時短図柄に当選するように構成している。また、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bに移行した場合、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行されることで第2時短状態Aまたは第3時短状態Aに移行する構成としている。つまり、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bの間は、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で時短図柄に当選して時短回数が上乗せされていくため、特定回数の特別図柄の抽選が経過した後に移行する第2時短状態Aまたは第3時短状態Aの継続回数を時短状態Bの間に実行される特別図柄の抽選結果に応じて可変させることができるという斬新な遊技性を実現している。
なお、本第17制御例では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞が発生し得ない「小当たりA17」のみを設ける構成としていたが、第1特別図柄の小当たりでも、一部はV入賞が発生し得るように構成してもよい。そして、天井間際(例えば、天井抽選回数に到達するまでの抽選回数が残り5回以内)にV入賞が発生し得る第1特別図柄の小当たりの抽選結果がある場合は、小当たりにおいてV入賞を発生させないように促す演出を実行する構成としてもよい。つまり、特に、V入賞を発生させることで第2時短状態Aが設定される「大当たりA17」に当選する種別の小当たりとなった場合、V入賞を発生させて第2時短状態Aに移行するよりも、天井抽選回数に到達して第3時短状態Bへと移行した方が有利になる可能性が高くなるので、係る場合には、V入賞を避けるように遊技者に促す斬新な演出を実行してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第17制御例では、時短状態B(上乗せRUSH)において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する毎に、当選した時短図柄に対応する時短回数を上乗せする演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態Bにおいて途中まで(例えば、9回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまで)は時短回数の上乗せ回数を報知せずに秘匿し、所定の報知タイミング(例えば、時短状態Bにおける最後の第2特別図柄の変動表示に係る変動表示演出)で上乗せ回数をまとめて報知する構成としてもよい。このように構成することで、どれだけの時短回数が上乗せされているかを所定の報知タイミングまで遊技者に予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、この場合において、特別図柄の抽選が実行される毎に、上乗せされた時短回数を示唆する演出を実行してもよいし、時短回数に関する情報を一切示唆しない構成としてもよい。前者の場合は、時短回数の上乗せ状況を予測し易くすることができるし、後者の場合は、報知タイミングとなるまで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるか否かに注目して遊技を行わせることができる。
本第17制御例では、第2特別図柄の抽選で1/10の確率で大当たり又は小当たりに当選し、9/10の確率で時短図柄に当選する構成としていたが、これに限られるものではない。所定の確率(例えば、1/2の確率)で時短図柄に当選するように構成してもよい。つまり、本第17制御例では、単なる外れの抽選結果を設けていなかったが、外れを設ける構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Bにおいて時短図柄に当選するだけで遊技者を喜ばせることができるので、時短状態Bにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第17制御例では、第3時短状態Aであるか、第3時短状態Bであるかに応じて、参照する変動パターンテーブルを異ならせることで有利な第2特別図柄抽選の実行され易さを異ならせて有利度合いを異ならせていたが、同一の遊技状態で参照する変動パターンテーブルを異ならせることで実質的な有利度合いを異ならせる方法はこれに限られない。例えば、第3時短状態Aと第3時短状態Bとで、共に同一の特別図柄(例えば、第1特別図柄)の抽選が実行され易くなるように構成し、遊技効率を異ならせて有利度合いを異ならせてもよい。
上述した第13から第17制御例では、天井抽選回数に到達した場合に第3時短状態へと移行させる構成としていたが、天井抽選回数に到達した場合に設定される遊技状態は第3時短状態に限られるものではなく、任意の遊技状態に設定することができる。具体的には、例えば、第3時短状態よりも有利な第2時短状態へと移行させる構成としてもよいし、より有利な第2確変状態へと移行させる構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数到達時の有利度合いを可変させることができるので、設計の自由度を高めることができる。
上述した第13から第17制御例では、固定の天井抽選回数に到達した場合に有利な遊技状態(第3時短状態)へと移行する構成としていたが、天井抽選回数を固定化しなくてもよい。例えば、天井抽選回数として設定され得る回数を複数(例えば、50回、300回、500回、1000回等)設ける構成とし、パチンコ機10が初期化された(RAMクリアスイッチ122をオンにした状態で電源が投入された)場合や大当たり終了時に、天井抽選回数を抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数として少ない抽選回数が選択されることを期待して遊技を行わせる遊技性を付加することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この場合において、パチンコ機10が初期化された場合(例えば、初期化後1回目の変動表示演出中)や大当たり終了時(例えば、エンディング演出中や終了後1回目の変動表示演出中)に、天井抽選回数を示唆する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数を示唆する演出から天井抽選回数を予測する遊技性を更に付加することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、大当たりの種別毎に、大当たり終了後の天井抽選回数を異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの種別により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、ラウンド数および大当たり終了後の遊技状態が共通で、大当たり終了後の天井抽選回数が異なる大当たり種別を設けてもよい。具体的には、例えば、4ラウンド時短大当たりとして、天井抽選回数が100回の種別と1000回の種別とを設けたり、8ラウンド時短大当たりとして天井抽選回数が400回の種別と600回の種別とを設けたりしてもよい。このように構成することで、4ラウンド時短大当たりとなった場合に、天井抽選回数が少ない可能性があるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、8ラウンド時短大当たりとなった場合に、1000回という極めて多い天井抽選回数が設定される可能性が無くなるため、安心して遊技を行わせることができる。
上述した第13から第17制御例では、パチンコ機10が初期化された場合にRAM203も初期化されることに伴って、特図抽選カウンタ203laの値がリセットされるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機10が初期化された場合でも、特図抽選カウンタ203laの値がリセットされないように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が初期化された可能性が高い(例えば、大当たりや第2確変状態の間にパチンコ機10が設置されているホールの閉店時間となってしまった場合等)パチンコ機10での遊技を避けることを抑制することができるので、初期化された可能性の有無によらず、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第18制御例>
次に、図576から図606を参照して、第18制御例の内容について説明をする。本第18制御例は、上述した第7制御例に対して、第2特別図柄保留球格納エリア203bを有し、第2入球口640に遊技球が入球した場合に既に特別図柄の変動表示中であれば、第2特別図柄の入賞情報(特図2保留)を所定数(本第18制御例では、上限4個まで)格納(保留記憶)可能に構成している点で相違している。
加えて、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選である保留(V保留)が存在する場合には、V保留が存在することを報知するための演出を実行可能に構成している点で相違している。
具体的には、大当たり遊技が開始された場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果、V保留が存在する場合には、V保留が存在することを示す報知態様である「Vアイコン」を獲得する演出(Vアイコン獲得演出)が実行される。獲得したVアイコンはV保留に基づく特別図柄の変動表示開始まで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて縮小して表示され、V保留に基づく特別図柄の変動表示中に拡大表示される(以下、Vアイコンの発動と言う。)ことによって、遊技者にこの変動で小当たり当選することを報知する。
このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄の抽選において小当たり当選することが事前に報知されるため、大当たり遊技終了後に小当たり当選することなく規定変動回数に到達し時短状態が終了するのではないかという遊技者の不安を抑制することができる。
ここで、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果、V保留が存在する場合には必ずVアイコン獲得演出が実行される構成とすると、Vアイコン獲得演出が実行されなかった場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の中にV保留は存在しない(即ち、全て外れである)ことが明かとなり、遊技者を落胆させてしまう虞がある。
このため、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果、V保留が存在する場合の一部でVアイコン獲得演出を実行する構成としている。
このように構成することで、大当たり遊技の実行中にVアイコン獲得演出が実行されなかった場合であっても、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでは、遊技者に小当たり当選するかもしれないという期待を持たせることができる。
また、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、その特別図柄の変動表示においてVアイコンの発動を実行するか否かを決定することが可能な構成としている。
具体的には、V保留(小当たり当選する保留)に基づく特別図柄の変動表示を開始する場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の中に他にもV保留があるか否かを判別し、V保留が存在する場合には、Vアイコンの発動(Vアイコンを拡大表示し、小当たり当選であることを報知すること)を実行せずに、後に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示開始までVアイコンの縮小表示を継続可能に構成している。
このように構成することで、Vアイコンを獲得した状態において特別図柄の変動表示中にVアイコンの発動が実行されなかった場合であっても小当たりに当選する可能性があるため、特別図柄の変動表示終了までVアイコンが発動されない場合であっても、小当たり当選するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。
また、このように構成することで、例えば、大当たり遊技中にはV保留が1個しか存在しなかったが、大当たり遊技終了後からV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間で新たに第2特別図柄保留球格納エリア203bにV保留が格納(保留記憶)された場合に、Vアイコンの発動対象をその新たなV保留に切り替えることが可能となる。これにより、Vアイコン獲得演出が実行された時点で先読みされている特図2保留の最後尾の保留がV保留である場合であっても、そのV保留に基づく特別図柄の変動表示中にVアイコンが発動されるとは限らず、Vアイコンが発動されないことで連チャン(小当たり当選が連続すること)することが確定するため、遊技者にVアイコンが発動されないことを期待させることによって遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、本第18制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留が格納(保留記憶)されており、Vアイコンが表示されている場合に、先に消化されるV保留をVアイコンの発動対象とするか、後に消化されるV保留をVアイコンの発動対象とするか、を先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に決定する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、予め、先に消化されるV保留でVアイコンの発動が実行され易い設定とするか、後に消化されるV保留でVアイコンの発動が実行され易い設定とするか、を遊技者の好みに合わせてボタン操作によって選択することが可能な構成としても良い。
加えて、本第18制御例では、Vアイコン獲得演出が実行される割合が、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の数と、V保留の位置に応じて異なる構成としている。
具体的には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の先頭の特図2保留(第1保留)がV保留である場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の数が少ないほどVアイコン獲得演出が実行され易い。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留が4個格納(保留記憶)されている場合には、先に消化される特図2保留がV保留である場合よりも、後に消化される特図2保留がV保留である場合の方が、Vアイコン獲得演出の実行される割合を高く構成している。
このように構成することで、Vアイコンの発動が実行された場合に、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では先読みされていない特図2保留が多く残り易くなるため、Vアイコンの発動後に残っている特図2保留の抽選結果を予測させ難くすることができる。
なお、本第18制御例では、第1保留がV保留(小当たり当選する保留)である場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の数が少ないほどVアイコン獲得演出が実行され易い構成としたが、これに限るものではなく、特図2保留の数が多いほどVアイコン獲得演出が実行され易い構成としても良い。
なお、本第18制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留が4個格納(保留記憶)されている場合には、先に消化される特図2保留がV保留である場合よりも、後に消化される特図2保留がV保留である場合の方が、Vアイコン獲得演出の実行される割合を高く構成したが、これに限るものではなく、後に消化される特図2保留がV保留である場合よりも、先に消化される特図2保留がV保留である場合の方が、Vアイコン獲得演出の実行される割合を高く構成しても良い。
なお、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されているV保留の数が多いほどVアイコン獲得演出が実行され易い構成としても良い。
加えて、本第18制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留が格納(保留記憶)されている場合に、先に消化されるV保留においてVアイコンの発動を実行するか否かを、変動パターンに応じて決定する構成としている。
具体的には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留が格納(保留記憶)されている場合に、先に消化されるV保留において、特定の変動パターンが設定されなかった場合にはVアイコンの発動を実行する構成とし、Vアイコンの発動が実行されない場合に参照される演出態様設定テーブルとは特定演出態様の設定割合が異なる特定演出態様設定テーブルが参照される。なお、特定演出態様とは、例えば、大当たりまたは小当たり当選の場合のみ実行される演出(所謂、プレミア演出)や、抽選結果が外れであることを示す表示態様を表示した後に大当たりまたは小当たり当選を示す表示態様に可変させる演出(所謂、復活演出)を指す。
このように構成することで、実行される演出態様からVアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなるため、遊技者に対して実行される演出に興味を持たせることが可能となり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第18制御例では、Vアイコンの発動が実行される場合には、プレミア演出や復活演出が実行され難い構成としたが、これに限るものではなく、プレミア演出や復活演出が実行され易い構成としても良い。また、例えば、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留(小当たり当選する保留)が格納(保留記憶)されている場合の一部で、後に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間はVアイコンの発動を禁止する期間を設定可能に構成しても良く、この場合、Vアイコンの発動が禁止されていることを示すための表示態様(例えば、Vアイコンに鎖を巻いてロックする表示態様)を表示する構成としても良い。このように構成することで、Vアイコンの発動が禁止されている期間に小当たり当選の期待度が高い演出が実行された場合に、Vアイコンの発動が実行されない小当たり当選への期待度を高めることができるため、遊技者にVアイコンの発動が禁止されている期間における演出に対する興味を持たせることが可能となる。
なお、1の特別図柄の変動表示中に、Vアイコンの発動が実行され易いタイミングと、Vアイコンの発動が実行され難いタイミングと、を有する構成としても良く、例えば、特別図柄の変動表示中にリーチ演出が実行される場合に、特別図柄の変動表示開始からリーチ演出開始までの期間の方が、リーチ演出開始から特別図柄の停止表示までの期間よりもVアイコンの発動が実行され易い構成とすることで、リーチ演出開始までにVアイコンの発動が実行されなければ遊技者に連チャンへの期待を持たせることが可能となるため、特別図柄の変動表示が開始した直後にVアイコンが発動されなかった場合であっても、遊技者にリーチになるか否かに興味を持たせることができる。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技中にVアイコン獲得演出を実行するか否かを、保留記憶されている特図2保留を先読みした結果、V保留が存在するか否かによって決定する構成としたが、これに限るものではない。大当たり遊技中にVアイコン獲得演出を実行するか否かを、保留記憶されている特図1保留(第1特別図柄の入賞情報)の先読み結果に基づいて決定する構成としても良いし、特図2保留と特図1保留の両方の先読み結果によって決定する構成としても良い。また、特図2保留の中にV保留が存在する場合と、特図1保留の中にV保留が存在する場合と、で表示されるVアイコンの表示態様を異ならせる構成としても良い。
以下、本第18制御例のパチンコ機10について説明をするが、上述した各制御例と同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<第18制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について>
まず、図576から図581を参照して、第18制御例におけるパチンコ機10の構造について説明する。図576は第18制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図577は第18制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図578~図581は第18制御例のパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図である。
図576に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図576を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図242参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図576の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図576の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図576の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図242参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。第18制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動表示中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が16ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される16R時短大当たり(16R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される10R時短大当たり(10R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が7ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される7R時短大当たり(7R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が7Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない7R通常大当たり(7R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動表示終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「10R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「7R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり。また、「7R時短無大当たり」は、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「16R時短有大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「10R時短有大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「7R時短有大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「7R時短無大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、第18制御例では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、第18制御例では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
加えて、本第18制御例では、第1入球口64へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第1特別図柄抽選、及び、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第2特別図柄抽選において、上述した大当たり当選、小当たり当選以外に時短当選し得るように構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において、時短当選の判定が実行されるように構成している。
ここで、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選において大当たり判定が実行されるよりも前に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示が開始されるタイミングにて、時短状態を終了させるか否かを判定する処理(更新処理18)が実行される。例えば、時短回数1(時短カウンタ203hの値が1)に設定される時短状態の場合は、時短当選した当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで実行される更新処理18において、残時短回数(時短カウンタ203hの値)が更新(減算)され、時短終了条件が成立し、時短状態を終了させると判定される。一方、時短回数として複数回(例えば、100回)の値が設定される時短状態の場合は、更新処理18によって実行される残時短回数の更新の結果に基づいて時短終了条件が成立するまで時短状態が継続する。
つまり、本第18制御例にて用いられる時短状態の設定タイミングと、時短状態の終了タイミングと、を用いることにより、設定される時短回数に応じて、特別図柄抽選の大当たり判定タイミングのみ(特別図柄変動期間を除外して)時短状態を設定したり、特別図柄変動期間を含めて時短状態を設定したりすることが可能となる。
なお、同様の効果を奏する手法として、別の処理タイミングを設定しても良く、例えば、上述した第5制御例と同様に時短当選した当該特別図柄変動の停止タイミングに時短状態を設定し、次に実行される特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態の更新処理(時短状態を終了させるか否かを判定する処理)を実行可能に構成しても良い。このように構成した場合も、設定される時短回数を異ならせることで特別図柄変動期間が含まれるように時短状態を設定したり、特別図柄変動期間が含まれないように時短状態を設定したりすることが可能となる。なお、この場合、時短状態が設定された特別図柄変動が停止表示され、時短状態が設定された状態で次の特別図柄抽選が開始されない場合は、時短終了条件が成立し得ないため時短状態が継続することになる。
よって、この場合、時短当選した特別図柄変動が停止表示されるまでに(時短状態が設定されるまでに)、次に実行される特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得しているかを判別し、特図保留を獲得していると判別した場合、即ち、時短状態が設定された後、ただちに次の特別図柄変動が開始され、時短状態が終了し得る場合のみ、時短当選したことを遊技者に報知するように構成すると良い。このように構成することで、時短当選したことを把握した遊技者が、第1特別図柄抽選を実行させること無く、右打ち遊技を行い、第2特別図柄抽選を実行させる行為を抑制することができる。
さらに、詳細は後述するが、第18制御例では「時短状態」が終了する条件として、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される時短状態に対しては、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(例えば、100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
さらに、第18制御例では特別図柄の抽選(第2特別図柄抽選)において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA,B、C)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。
一方で、本第18制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態(第2時短)が設定された場合には、大当たり当選に基づいて時短状態(第1時短)が設定された場合とは異なる終了条件が設定されるように構成しており、具体的には、時短回数「1」が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される第1時短は、特別図柄抽選の大当たり判定のみ時短状態で実行させるための特殊抽選機能として時短状態が利用される。
また、第18制御例では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図580参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、第18制御例では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(例えば、100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図242参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される(図122参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。第18制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図242参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れ、時短当選といった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、4種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ、時短)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。また、重複して当選可能な判定(例えば、大当たり判定、時短判定)にて重複して当選した場合には、重複当選を示すための表示態様を用いても良いし、重複当選したことに基づいて実行される遊技の内容が、大当たり当選のみに基づいて実行される遊技の内容と同一である場合には、同一の表示態様を用いても良い。
また、第18制御例で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
本第18制御例では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図576に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、第18制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、第18制御例では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図576の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、第18制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第18制御例では図576に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
第18制御例では、図576に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第18制御例のパチンコ機10では、図576に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図576の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図576の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図577を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図577に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図577の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図577参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第18制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図577参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図577参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図577に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第18制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図577に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)を可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第18制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図576に戻り説明を続ける。図577を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
なお、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部において、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成してもよい。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図577~図578を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図577に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図577の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
第18制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図580(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、第18制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第18制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
上述した第7制御例と同様に、第18制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
第18制御例では、上述した第7制御例と同様に、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、上述した第7制御例と同様に、第18制御例では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、第18制御例のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図578を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図578は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図578に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図579は、V入賞装置650の断面図である。図579(c)はV入賞装置650の上面図であり、図579(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図579(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図579(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図579(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図579(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図579(a)は、図579(b)に示すLa-La断面図である。図579(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図580を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図580(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図580(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図580(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、上述した第7制御例と同様に、第18制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図580(b)参照)ように構成している。
第18制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、上述した開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図580(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(第18制御例では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、第18制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B,C)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図581を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図581(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第18制御例の開閉扉650f1は、図581(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図576参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図581(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図581(b)に示した状態へと移行する。図581(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図581(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図576参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、第18制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
<第18制御例のパチンコ機10における演出内容について>
図582~図583を参照して、第18制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
上述した第7制御例では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶しない構成であった。これに対して、第18制御例では、第2特別図柄の入賞情報(以下、特図2保留)を保留記憶することが可能に構成し、大当たり遊技開始までに保留記憶されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)し、小当たり当選する保留(V保留)が存在する場合には、V保留が存在することを報知するための演出を大当たり遊技中に実行することが可能に構成している点で第7制御例と相違する。
具体的には、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特図2保留を所定個数(本第18制御例では、上限4個)まで第2特別図柄保留球格納エリア203bに保留記憶可能に構成し、特別図柄が大当たり当選または小当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が開始される場合に、保留記憶されている特図2保留の抽選結果を先読みし、その中にV保留が存在する場合には、V保留が存在することを示すVアイコンを獲得する演出(Vアイコン獲得演出)が実行される。そして、獲得したVアイコンは、V保留が消化されるまで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに縮小表示され、V保留に基づく特別図柄の変動表示中にVアイコンが拡大表示される(以下、Vアイコンの発動と言う。)ことによって、変動表示中の特別図柄が小当たりに当選していることを特別図柄が停止表示される前に遊技者に報知する。したがって、Vアイコンが縮小表示されている期間は、保留記憶されている特図2保留の何れかで小当たりに当選することが保証されており、大当たりまたは小当たりに当選することなく規定変動回数に到達し時短状態が終了することがないため、遊技者は安心して時短状態の遊技を楽しむことができる。
ここで、本第18制御例における時短状態(普通図柄の高確率状態)において実行される演出の概要について説明する。本第18制御例では、時短状態が設定されると、勇者を模したキャラクタ802がダンジョン内を進む演出が実行され、恐竜を模した敵キャラクタ804に遭遇するとリーチとなり、バトル演出が開始される。このバトル演出において、キャラクタ802が敵キャラクタ804に勝利すれば大当たり当選または小当たり当選したことが報知される。
図582(a)を参照して、本第18制御例における大当たり遊技中に実行されるVアイコン獲得演出の表示画面について説明する。図582(a)は、大当たり遊技中にVアイコン獲得演出が実行される場合の表示画面の一例である。本第18制御例では、Vアイコン獲得演出の実行が設定された場合に、大当たり遊技のエンディング期間において、通常のエンディング演出に代えてVアイコン獲得演出が実行される構成としている。このようにエンディング期間でVアイコン獲得演出が実行されることにより、大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから最初の特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間が間延びしていると感じさせ難くすることができる。
小表示領域Dm8には特別図柄が大当たり当選したことを示す表示態様が表示されており、特別図柄の大当たりに当選したことを遊技者が認識できるように構成している。また、小表示領域Dm4には「右打ち」と表示されることで、大当たり遊技における遊技方法を遊技者に分かり易く案内する構成としている。
小表示領域Dm14には、通常状態(普通図柄の低確率状態)において大当たり当選してから現在までの大当たり当選回数が表示されることで、連チャン(大当たり当選が連続すること)すればするほど大当たり当選回数が多く表示されるため、遊技者に優越感を与えることができる。
小表示領域Dm15には、実行中の大当たり遊技のラウンド数が表示される。図582(a)では、エンディング期間であることを示す「ED」と表示され、遊技者に対してエンディング期間であることを分かり易く報知している。
小表示領域Dm9には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに保留記憶されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)に対応する保留図柄が表示される。図582(a)では、第1保留図柄hr1、第2保留図柄hr2、第3保留図柄hr3、がそれぞれ白色の保留図柄で表示され、第4保留図柄hr4が黒色の保留図柄で表示されている。本第18制御例では、白色の保留図柄よりも黒色の保留図柄の方が大当たり当選または小当たり当選している可能性が高いことを示す構成としている。したがって、図582(a)では、第1保留図柄hr1~第3保留図柄hr3よりも、第4保留図柄hr4の方が大当たり当選または小当たり当選している可能性が高い状態を示している。
なお、大当たり遊技終了後、特別図柄の変動表示が開始される場合に、第1保留図柄hr1から若い順に保留図柄が消化され、第1保留図柄hr1が消化されると、第2保留図柄hr2が第1保留図柄hr1の位置にシフトして表示され、第2保留図柄hr2がシフトしたことで空いたスペースに第3保留図柄hr3がシフトして表示される。同様に、第4保留図柄hr4も第3保留図柄hr3の空いたスペースにシフトして表示される。第4保留図柄hr4がシフトしたことで空いたスペースは、新たな特図2保留が記憶されるまでは空白となり、新たな特図2保留が記憶された場合に、対応する保留図柄が表示される。
Vアイコン獲得演出が設定されると、大当たり遊技のエンディング期間において主表示領域Dmでキャラクタ802が宝箱810を発見する演出が開始され、宝箱810の中から「V」と表示されたV剣803が出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsでは、「Vアイコン獲得」と表示されることで、Vアイコン獲得演出が実行されたことを遊技者に分かり易く報知する構成としている。このV剣803は、保留記憶されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中にV保留(小当たり当選する保留)が存在することを遊技者に報知するためのVアイコンであり、大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示が実行される期間も主表示領域Dmに縮小表示される。
なお、本第18制御例では、Vアイコン獲得演出が設定された場合のみ、図582(a)に示す宝箱810を発見する演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、通常のエンディング演出においても宝箱810を発見する構成としても良い。この場合、宝箱810の中からVと表示されていない剣が出現する構成としても良い。また、剣の表示態様によって、保留内での大当たり当選または小当たり当選の期待度を示す構成としても良い。また、本第18制御例では、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技のオープニング期間で実行しても良いし、大当たり遊技の特定ラウンドで実行する構成としても良い。このように、複数のタイミングでVアイコン獲得演出が実行される構成とすることで、大当たり遊技期間における遊技が単調になることを抑制することができる。
なお、大当たり遊技の特定ラウンドで図582(a)に示すキャラクタ802が宝箱810を発見する演出を実行する構成としても良く、この場合、宝箱810の中からV剣803が出現するパターンと、ラウンド数が追加されることを示す表示態様(例えば、追加されるラウンド数が表示された玉)が出現するパターンと、を設けても良い。このように構成することで、Vアイコン獲得演出が実行される条件が成立していない場合であっても宝箱810を発見する演出が実行されることで、遊技者にVアイコンの獲得を期待させることができるとともに、Vアイコンが獲得できなかった場合にはラウンド数が追加されるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
次に、図582(b)を参照して、大当たり遊技終了後、4回目の特別図柄の変動表示でV保留(小当たり当選する保留)が消化される場合のバトル演出の表示画面の一例である。
小表示領域Dm6には、Vアイコン獲得演出において獲得したV剣803が縮小表示されており、「V獲得中」と表示されることで、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在していることを遊技者に報知している。
主表示領域Dmでは、キャラクタ802が敵キャラクタ804に遭遇するバトル演出が開始され、副表示領域Dsに「敵を倒せば大当たり?」と表示され、キャラクタ802が敵キャラクタ804に勝利すれば大当たり当選または小当たり当選であると遊技者が容易に認識することができる構成としている。
図583(a)は、バトル演出中にVアイコンの発動が実行された場合の表示画面の一例である。本第18制御例では、Vアイコンの発動が実行されると、小表示領域Dm6に縮小表示されていたV剣803が主表示領域Dmに拡大表示され、キャラクタ802がV剣803を使って敵キャラクタ804に勝利する演出が実行される。この場合、副表示領域Dsに、「Vアイコン発動」と表示され、Vアイコンの発動が実行されたことを遊技者に分かり易く報知している。
このように、Vアイコンの発動が実行される(V剣803が拡大表示される)と、その特別図柄は必ず小当たり当選を示す表示態様で停止表示される。したがって、Vアイコンが発動された場合、遊技者は特別図柄が停止表示されるより前にその特別図柄の変動表示が小当たり当選することを認識することができる。
図583(b)は、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留の中に他のV保留が存在する場合の、バトル演出の表示画面の一例である。この場合、図583(a)とは異なり、キャラクタ802が敵キャラクタ804に一度敗北した後、復活して勝利する復活演出が実行される。復活演出が実行される場合は、図583(b)に示す通り、V剣803とは異なるノーマル剣805を使ってキャラクタ802がキャラクタ804に勝利する。したがって、V剣803はそのまま小表示領域Dm6に継続して縮小表示され、この特別図柄が小当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技終了後も、継続して縮小表示される。
このように、V保留(小当たり当選する保留)が消化される場合に、残りの特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中に他のV保留が存在する場合にはVアイコンの発動が実行されないことで、遊技者に残りの特図2保留で連チャン(小当たり当選が連続すること)することを報知することができる。
また、図582(a)のように、Vアイコン獲得演出が実行された時点で保留記憶されていた特図2保留の最後尾の特図2保留(図582(a)の第4保留図柄hr4)のみがV保留である場合には、第4保留図柄hr4に対応する特図2保留の特別図柄の変動表示が開始されるまでVアイコンが発動しないことにより、第4保留図柄hr4に対応する特図2保留で小当たり当選することが遊技者にとって明らかであり、その特別図柄の変動表示においてどのような演出が実行されても小当たり当選することに変わりはないため、実行される演出に対する遊技者の興味が薄れる虞があるが、本第18制御例のように、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、保留記憶されている特図2保留の中にV保留があれば、Vアイコンを発動しないことが可能な構成とし、Vアイコンの発動対象をVアイコン獲得演出が実行された時点では存在していなかった特図2保留に切り替えることで、第4保留図柄hr4の特別図柄の変動表示中にVアイコンの発動が実行されないことを遊技者に期待させることが可能となり、その変動表示において実行される演出に対する興味を持たせることができる。
なお、本第18制御例では、保留記憶されている特図2保留の中に複数のV保留が存在する場合であっても、Vアイコンを1つだけ表示する構成としたが、これに限るものではなく、V保留の数に対応する複数のVアイコンを表示する構成としても良い。
または、複数のV保留が存在する場合に、先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示においてVアイコンの発動が実行された後に、そのVアイコンが小表示領域Dm6に再び縮小表示される構成としても良い。或いは、図583(a)において、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在する場合には、保留内のV保留が消化されるまでの期間、キャラクタ802がV剣803を持った状態を継続させても良い。
このように、1のV保留消化に基づいて発動されたVアイコンが、次のV保留が消化されるまで継続表示されることが可能な構成することで、Vアイコンが発動されたV保留に基づいて実行される大当たり遊技中に新たにVアイコン獲得演出が実行されない場合であっても、発動されたVアイコンが継続して表示されるのではないかと遊技者に期待させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、キャラクタ802が使用する武器の種類(色や形状が異なる剣)や、敵キャラクタの種類(角の数や大きさが異なる敵キャラクタ)によって、Vアイコンが発動される期待度を示唆する構成としても良い。このように構成することで、Vアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第18制御例では、剣を模したVアイコンを表示する構成としたが、これに限るものではなく、保留内にV保留が存在することを遊技者が認識できる表示態様であれば良い。
なお、保留内にV保留が1個しか存在しない場合と、複数のV保留が存在する場合と、でVアイコン獲得演出において表示されるV剣803や宝箱810の表示態様を異ならせる構成としても良い。或いは、複数種類のVアイコン獲得演出の演出態様の中から、保留内に存在するV保留の数に基づいて演出態様を決定する構成としても良い。このように構成することで、Vアイコン獲得演出が単調になることを抑制することができる。
<第18制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図584を参照して、本第18制御例のパチンコ機10のMPU201が有する各カウンタについて説明する。なお、上述した各制御例にて用いられた各カウンタに対して、カウンタの更新範囲を一部異ならせている点で相違しているが、基本的な構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図314参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第18制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203b、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数18テーブル202raによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数18テーブル202raによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数18テーブル202raには、第1特別図柄用の特別図柄1乱数18テーブル202ra1と、第2特別図柄用の特別図柄2乱数18テーブル202ra2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図586参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この特別図柄1乱数18テーブル202ra1と、特別図柄2乱数18テーブル202ra2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図586を参照して、第1当たり乱数18テーブル202raについて説明する。図586(a)は、第1当たり乱数18テーブル202raに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図586(b)は、特別図柄1乱数18テーブル202ra1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図586(c)は、特別図柄2乱数18テーブル202ra2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数18テーブル202raは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄1乱数18テーブル202ra1が参照される。図586(b)に示した通り、特別図柄1乱数18テーブル202ra1は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄2乱数18テーブル202ra2が参照される。図586(c)に示した通り、特別図柄2乱数18テーブル202ra2は、乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、「5~144」が小当たり判定値として規定されており、「145~999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0~4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5~144」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第18制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
第18制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0~999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0~4」は、前述したように第1当たり乱数18テーブル202raの特別図柄1乱数18テーブル202ra1、特別図柄2乱数18テーブル202ra2に格納されている。このように第18制御例のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
第18制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。第18制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たり種別選択18テーブル202rbを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図587を参照して大当たり種別選択18テーブル202rbの内容について説明をする。
図587(a)は、大当たり種別選択18テーブル202rbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図587(a)に示した通り、第18制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択18テーブル202rb1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択18テーブル202rb2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図587(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択18テーブル202rb1について説明をする。図587(b)は特図1大当たり種別選択18テーブル202rb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図587(b)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。遊技状態として時短状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となり、「10~49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「50~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が7ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が7ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
「大当たりD」は、大当たり遊技としてラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりD」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。さらに、「大当たりD」は、上述した「大当たりA」に対して、終了し難い時短状態が設定されるように構成している。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態が設定される「大当たりA」よりも、遊技者に有利な大当たり種別となる。
以上、説明をしたように、第18制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で16ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で7ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
一方、時短状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の50%の割合で16ラウンドの大当たり遊技が選択され、50%の割合で7ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、時短状態中に特図1抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定される。
つまり、通常状態で大当たり当選するよりも時短状態で大当たり当選したほうが、大当たり遊技の内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点で遊技者に有利となる。よって、大当たり当選時点の遊技状態としては、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利となる。
次に、図587(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択18テーブル202rb2について説明をする。図587(c)は特図2大当たり種別選択18テーブル202rb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図587(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0~99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりE」となる。「大当たりE」は、大当たり遊技としてラウンド数が10ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりE」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって有利な「大当たりE」が必ず選択されるように構成している。
第18制御例では、大当たりの種類は5種類としたが、それに限らず、4種類以下でもよいし、6種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(第18制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
第18制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択18テーブル202rf(図588参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図588を参照して小当たり種別選択18テーブル202rfの内容について説明をする。図588は小当たり種別選択18テーブル202rfに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図588に示した通り、小当たり種別選択18テーブル202rfには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA,B,Cの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「50~79」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となり、「80~99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時大当たりE)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA,B,C)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(16R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が16R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が7回或いは、小当たりAに2回当選、小当たりBに5回当選、或いは、小当たりCに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(7R時短有大当たり)が設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が7R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が7回或いは、小当たりAに2回当選、小当たりBに5回当選、或いは、小当たりCに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりCの場合には、大当たりE(10R時短有大当たり)が設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が10R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が7回或いは、小当たりAに2回当選、小当たりBに5回当選、或いは、小当たりCに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多い(16R)ため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(7R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されている。
なお、本第18制御例では、各小当たり種別によって、小当たり遊技を経由した大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の時短終了条件を同一としたが、これに限るものではなく、小当たり種別によって、設定される時短状態の時短終了条件を異ならせる構成としても良い。
なお、詳細な説明は後述するが、第18制御例では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する時短終了条件(小当たりA当選の回数、小当たりB当選の回数、或いは小当たりC当選の回数等)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行され、大当たり遊技を実行させることが可能な小当たり(小当たりA、小当たりB、小当たりC)に当選した場合には、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に有利な小当たり(小当たりA)に当選するまで小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させない遊技を第2終了条件が成立するまで繰り返し実行されることを抑制することができる。
次に、図589(a)を参照して変動パターン選択18テーブル202rdの内容について説明をする。図589(a)は変動パターン選択18テーブル202rdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図589(a)に示した通り、変動パターン選択18テーブル202rdには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターン選択18テーブル202rd1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターン選択18テーブル202rd2とが規定されている。詳細については後述するが、第18制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図589(b)は、変動パターン選択18テーブル202rdに設けられる通常用変動パターン選択18テーブル202rd1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図589(b)に示した通り、通常用変動パターン選択18テーブル202rd1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図589(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140~149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150~179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180~198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30~189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190~198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング当たりが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒~180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
図589(b)に示した通り、通常用変動パターン選択18テーブル202rd1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、第18制御例では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良く、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図590を参照して変動パターン選択18テーブル202rdに設けられた時短用変動パターン選択18テーブル202rd2の内容について説明をする。図590は時短用変動パターン選択18テーブル202rd2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図590に示した通り、時短用変動パターン選択18テーブル202rd2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図590に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1~4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短大当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0~160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161~198」の範囲に変動時間が30秒の長小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の長大当たりが規定されている。
図584に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、第18制御例ではタイマ割込処理(図314参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数18テーブル202rcによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数18テーブル202rcによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、第18制御例では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、第2当たり乱数18テーブル202rcとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5~204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。
このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、第18制御例では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。
上述したように、第18制御例では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、通常状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~239)、タイマ割込処理(図314参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図585(a)を参照して、第18制御例のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図585(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数18テーブル202ra、大当たり種別選択18テーブル202rb、第2当たり乱数18テーブル202rc、および変動パターン選択18テーブル202rd、時短付与18テーブル202re、小当たり種別選択18テーブル202rf、開放シナリオ7テーブル202fg、時短当たり乱数18テーブル202rh、時短種別選択18テーブル202riが少なくとも記憶されている。
尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数18テーブル202ra、大当たり種別選択18テーブル202rb、第2当たり乱数18テーブル202rc、変動パターン選択18テーブル202rd、小当たり種別選択18テーブル202rfについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。
時短付与18テーブル202reは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図326のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図587(d)を参照して時短付与18テーブル202reに規定されている内容について説明をする。図587(d)は時短付与18テーブル202reに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第18制御例では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D,E)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図587(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。
第18制御例では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりCに当選した回数に応じて成立する第4時短終了条件と、を有している。
具体的には、大当たり種別が大当たりA,B及びEの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「7」、小当たりAカウンタ203fgに「2」、小当たりBカウンタ203fhに「5」、小当たりCカウンタ203raに「3」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「4」、小当たりBカウンタ203fhに「10」、小当たりCカウンタ203raに「7」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、第18制御例では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与18テーブル202reの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。
なお、第18制御例では時短付与18テーブル202reを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与18テーブル202reからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与18テーブル202reに値を規定するように構成しても良い。
さらに、本第18制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合にも時短状態(第2時短)を設定するように構成しているが、第2時短に対して設定される時短終了条件については、後述する時短種別選択18テーブル202riを参照して説明をする。なお、本第18制御例では、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を、時短付与18テーブル202reでは無く、時短種別選択18テーブル202riを参照して設定するように構成しているが、これに限ること無く、時短付与18テーブル202reに第2時短に対応する時短終了条件を規定するように構成しても良い。
また、第18制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件~第4時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの値、小当たりCカウンタ203raの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、第18制御例では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオ7テーブル202fgは、上述した第7制御例の開放シナリオ7テーブル202fgと同一であるため、その詳細な説明は省略する。
時短当たり乱数18テーブル202rhは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(判定値)が遊技状態に対応させて規定されているデータテーブルである。ここで、図591(a)を参照して、時短当たり乱数18テーブル202rhの内容について説明をする。図591(a)は、時短当たり乱数18テーブル202rhに規定されている内容を示した図である。
具体的には、特別図柄種別に関わらず、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4,140~287」の範囲に時短当選の判定値として規定されており、それ以外の遊技状態に対しては、時短当選の判定値を設けないように構成されている。
ここで、本第18制御例では、1回の特別図柄抽選において大当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。また、小当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。よって、例えば、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4」である場合には、第1当たり乱数18テーブル202ra(図586(a)参照)を用いて実行される大当たり判定において大当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数18テーブル202rh(図591(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、大当たりと時短とに重複当選することになる。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「140~144」である場合には、特別図柄2乱数18テーブル202ra2(図586(c)参照)を用いて実行される小当たり判定において小当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数18テーブル202rh(図591(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、小当たりと時短とに重複当選することになる。
上述した通り、本第18制御例では、時短当選の判定を実行した後に、大当たり(小当たり)判定を実行するように構成しているため、重複当選した場合には、時短状態において大当たり(小当たり)当選したことになる。よって、時短当選すること無く大当たり(小当たり)当選した場合に比べて遊技者に有利な特典を付与することができる。
なお、本第18制御例では、1回の特別図柄抽選において取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、大当たり(小当たり)の判定と、時短当選の判定を実行するように構成し、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、何れの判定においても当選判定値である場合に重複当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の実行権利を獲得した際に、大当たり(小当たり)判定用の乱数カウンタの値と、時短当選用の乱数カウンタの値と、を別々に取得し、取得した各値を用いて大当たり(小当たり)判定と、時短当選判定を実行するように構成しても良い。
時短種別選択18テーブル202riは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。
ここで、図591(b)を参照して、時短種別選択18テーブル202riの内容について説明をする。図591(b)は、時短種別選択18テーブル202riに規定されている内容を示した図である。図591(b)に示した通り、時短種別選択18テーブル202riには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件が規定されている。
具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0~99」)に対して時短種別として時短Aが規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、時短カウンタ203hの値を更新する処理が1回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短当選した時点で時短状態が設定され、その後当該特別図柄抽選における大当たり判定が実行され、当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態が設定されることになる。
つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合には、特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態中に実行させる(特殊抽選を実行させる)ためだけの時短状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、遊技者に時短当選したことを気付かれること無く大当たり判定のみ時短状態中に実行することが可能となるため、大当たり当選した場合に遊技者に意外性のある特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後の時短状態)を付与することができる。
なお、図591(b)に示した通り、本第18制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に時短種別として時短Aが必ず設定されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に応じて時短Aとは異なる時短種別を選択可能に構成しても良い。この場合、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0~94」の範囲に対して時短種別として時短Aを規定し、「95~99」の範囲に対して時短種別として時短Aとは異なる時短Zを規定するように構成し、時短Zに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」が設定される時短終了条件を規定すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、特殊抽選を実行させるための時短状態では無く、第2特別図柄抽選を継続して実行させるための時短状態を設定することが可能となるため、遊技者に対してより意外性のある遊技を提供することができる。
次に、図585(b)を参照して、本第18制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図585(b)は、第18制御例におけるパチンコ機10のRAM203の構成を模式的に示した図である。図585(b)に示すように、本第18制御例におけるRAM203は、上述した第7制御例に対して、小当たりCカウンタ203raを追加して点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たりCカウンタ203raは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりCが設定された小当たりの当選回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理7(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与18テーブル202reに規定されている値(1)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)の小当たり開始設定処理(図320のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理7(図321のS10405)に代えて実行される小当たり用時短更新処理18(図597のS40405)において今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBではないと判別した場合に(図597のS40510:No)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりCカウンタ203raの値が0であると判別すると(図597のS40514:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図597のS40507)。なお、第18制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図596のS40606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりCカウンタ203raの値を参照した時短終了条件(第4時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりCカウンタ203fraの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりCカウンタ203raの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
次に、図592(a)を参照して、本第18制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明する。図592(a)は、本第18制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図592(a)に示した通り、本第18制御例のROM222は、上述した第7制御例のROM222(図311(a)参照)に対して、演出態様選択18テーブル222raと、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbと、を追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図593(a)を参照して、演出態様選択18テーブル222raに規定されている内容について説明をする。図593(a)は、演出態様選択18テーブル222raに規定されている内容を模式的に示した図である。図593(a)に示した通り、演出態様選択18テーブル222raには、通常用演出態様設定テーブル222ra1と、時短用演出態様設定Aテーブル222ra2と、時短用演出態様設定Bテーブル222ra3と、が規定されている。
通常用演出態様設定222ra1(図示しない)は、通常状態(普通図柄の低確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値とに基づいて演出態様を設定するものである。
図593(b)は、時短用演出態様設定Aテーブル222ra2の内容を示した図である。時短用演出態様設定Aテーブル222ra2は、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に、参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値と、に基づいて演出態様を設定する。
図593(c)、時短用演出態様設定Bテーブル222ra3の内容を示した図である。時短用演出態様設定Bテーブル222ra3は、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に、参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値と、に基づいて演出態様を設定する。
詳細は後述するが、本第18制御例では、時短状態において、上述したVアイコンの発動(小当たり当選する保留(V保留)が存在することを報知するVアイコンが拡大表示されることにより、実行中の特別図柄の変動表示において小当たり当選することを遊技者に報知すること)が実行される場合には時短用演出態様設定Bテーブル222ra3を参照し、それ以外の場合には、時短用演出態様設定Aテーブル222ra2を参照する構成としている。
例えば、時短状態において、変動パターン種別として「長小当たり」が設定された場合に、時短用演出態様設定Aテーブル222ra3では「勝利」が選択される確率が150/199(約75%)、「復活勝利」が選択される確率が40/199(約20%)、「プレミア演出」が選択される確率が9/199(約5%)である。一方、時短用演出態様設定Bテーブル222ra3では、「勝利」が選択される確率が190/199(約95%)、「復活勝利」が選択される確率が9/199(約5%)であり、プレミア演出は選択されない。
このように構成することで、演出態様によってVアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなり、演出態様に興味を持たせることが可能となる。
なお、本第18制御例では、Vアイコンの発動が実行される場合と、Vアイコンの発動が実行されない場合と、で選択される演出態様の割合を異ならせる構成としたが、これに限るものではなく、Vアイコンの発動が実行される場合にのみ選択可能な演出態様を設けても良い。
次に、図594を参照して、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbについて説明する。Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbは、大当たり遊技が開始された場合に、保留記憶されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中に小当たり当選する保留(V保留)が存在する場合に、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行するか否か決定するために参照されるテーブルである。
図594に示す通り、V保留の位置と、保留数と、演出カウンタCS1の値と、に基づいて、Vアイコン獲得演出を実行するか否かが決定される。V保留の位置は、V保留が入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアのどのエリアに格納されているかによって決まり、例えば、第4エリアに格納されている特図2保留がV保留である場合には、保留4の欄が参照される。
なお、本第18制御例では、V保留が第4エリアに格納されている場合に最もVアイコン獲得演出が実行され易く、次いで第3エリア、第2エリア、第1エリアの順に実行され易く構成している。
このように構成することで、V保留が消化されるまでに新たに特図2保留を獲得する期間を遊技者に付与できるため、Vアイコンが発動された時点で、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では先読みされていない特図2保留を多く残し易くなるため、Vアイコンが発動された後の特図2保留の抽選結果を遊技者が予測し難くさせることができる。
また、V保留が第1エリアに格納されている場合には、保留数によってVアイコン獲得演出の実行され易さが可変し、保留数が1の場合の方が、保留数が4の場合よりもVアイコン獲得演出が実行され易く構成している。
このように構成することで、Vアイコン獲得演出によって獲得したVアイコンが、大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示中に発動された場合に、Vアイコンが発動された時点で残っている特図2保留の内、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では先読みされていない特図2保留を多く残し易くなるため、Vアイコンが発動された後の特図2保留の抽選結果を遊技者が予測し難くさせることができる。
なお、これに限るものではなく、V保留が第1エリアに格納されている場合に最もVアイコン獲得演出が実行され易く、次いで第2エリア、第3エリア、第4エリアの順に実行され易く構成しても良い。また、V保留が第1エリアに格納されている場合に、保留数が1の場合の方が、保留数が4の場合よりもVアイコン獲得演出が実行され難く構成しても良い。
次に、図592(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図592(b)に示すように、本第18制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223には、上述した第7制御例に対して、特別図柄2保留球数カウンタ223raと、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbと、Vアイコン表示フラグ223rcと、を追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbは、細部は後述するが、Vアイコン獲得演出設定処理(図602参照)でオンに設定され、エンディング処理(図603参照)においてオフに設定される。
Vアイコン表示フラグ223rcは、エンディング処理(図603参照)においてVアイコン獲得演出が実行される場合にオンに設定され、オンに設定されている期間は、大当たり遊技が終了してもVアイコンが縮小表示され、時短用演出態様設定処理(図606参照)においてVアイコンの発動が実行される場合にオフに設定される。
次に図595を参照して、第18制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図595は、第18制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図595に示した通り、第18制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例に対して、第2特別図柄の入賞情報を第2特別図柄保留球格納エリア203bに保留記憶することが可能な構成であるため、時短状態(普通図柄の高確率状態)で特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)を獲得した状態で、時短終了条件が成立した場合に、通常遊技状態(普通図柄の低確率状態)において特図2保留での大当たり当選、または小当たり当選が可能となる。したがって、このような場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される点と、小当たりCが追加された点で第7制御例とは相違しており、その他の遊技の流れは同一であるため、その詳細な説明は省略する。
<第18制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図596から図606のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第7制御例における主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理内容と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。また、上述した第7制御例における主制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容と同一の内容である制御処理のうち、一部の制御処理に対して、説明の便宜上、異なる符号を付している箇所があるが、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図596を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される更新処理18(S48253)について説明する。図596は、この更新処理18(S48253)を示すフローチャートである。この更新処理18(S48253)は、上述した第7制御例の特別図柄変動パターン選択処理7(図318のS10210)において実行される更新処理7(S8253)に代えて実行される処理であり、更新処理7(図319のS8253)に対して、小当たりCに関連する構成を追加した点で相違しており、その他の処理は同一である。
具体的には、図596のS40605の処理(第7制御例における図319のS10605の処理に相当)を実行した後に、小当たりAカウンタ、小当たりBカウンタ、小当たりCカウンタを0に設定する(S40606)構成を追加している。
次に、図597を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理18(S40405)について説明する。図597は、この小当たり用時短更新処理18(S40405)を示すフローチャートである。この小当たり用時短更新処理18(S40405)は、上述した第7制御例の小当たり開始設定処理(図320のS10223)において実行される小当たり用時短更新処理7(S10405)に代えて実行される処理であり、小当たり用時短更新処理7(図321のS10405)に対して、小当たりCに関連する処理を追加した点で相違しており、その他の処理は同一である。
具体的には、S40505の処理(第7制御例における図321のS10505の処理に相当)を実行した後、小当たりAカウンタ、小当たりBカウンタ、小当たりCカウンタを0に設定する(S40506)構成を追加している。
また、S40510の処理(第7制御例における図321のS10510の処理に相当)において、小当たりBではないと判別された場合(S40510:No)に、小当たりCカウンタ203raの値を1減算し(S40513)、小当たりCカウンタ203raが0であるかを判別する(S40514)。S40514の処理において、小当たりCカウンタ203raの値が0であると判別された場合には(S40514:Yes)、S40505の処理へ移行し、S40514の処理において、小当たりカウンタ203raの値が0ではないと判別された場合には(S40514:No)、S40508の処理へ移行する構成を追加している。
次に、図598を参照して始動入賞処理18(S40105)の処理内容について説明をする。図598は、始動入賞処理18(S40105)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理18(S40105)では、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)に対して、遊技球が第2入球口640に入球した場合に、小当たり種別カウンタC5の値を第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納する点(S40712)と、先読み処理5(S653)に代えて先読み処理18(S40713)を実行する点で相違しているだけであり、それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、図599を参照して先読み処理18(S40713)の処理内容について説明をする。図599は、先読み処理18(S40713)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理18(S40713)が実行されると、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、小当たり種別カウンタC5の各値を読み出す(S40801)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S40802)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S40803)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S40803:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S40804)、その後、本処理を終了する。
一方、S40803の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S40803:No)、次いで、小当たり当選かを判別し(S40805)、小当たり当選していないと判別した場合は(S40805:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S40807)、その後、本処理を終了する。
一方、S40805の処理において小当たり当選と判別した場合は(S40805:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、小当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S40806)、本処理を終了する。
ここで、S40804、S40806、或いはS40807の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S40801の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図325参照)にて実行される外部出力処理(S11501)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果(大当たり当否、小当たり当選当否)を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりや時短当選であることを事前判別した場合のみ大当たりや時短当選を示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本第18制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図600から図606を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第18制御例では、上述した第7制御例に対して、コマンド判定処理18(図600参照)と、大当たり関連処理18(図601参照)と、変動表示設定処理18(図604参照)と、を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図600を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理18(S44112)について説明する。図600は、このコマンド判定処理18(S44112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理18(S44112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S44301)。S44301の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S44301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S44302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S44303)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理18(図604参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S44301の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S44301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S44304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S44304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S44305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S44306)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理18(図604参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S44304の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S44304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S44307)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S44307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203bの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203raの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223d、または第2特別図柄保留球数カウンタ223eに格納する(S44308)。また、S44308の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S44308の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、遊技球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S44308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S44308の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
一方、S44307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S44307:No)、次いで、入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S44311)。S44311の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S44311:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された情報(新たな始動入賞を検出した入球口の種別、および抽選結果を示す情報)を、入賞情報格納エリア223aの対応する記憶領域に格納して(S44312)、本処理を終了する。
S44311の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S44311:No)、次いで、大当たりに関連するコマンド(大当たり開始コマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S44313)。そして、大当たりに関連するコマンドを受信したと判定した場合には(S44313:Yes)、大当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための大当たり関連処理18を実行して(S44314)、本処理を終了する。この大当たり関連処理18(S44314)の詳細については、図601を参照して後述する。
一方、S44313の処理において、大当たりに関連するコマンドを受信していないと判定した場合には(S44313:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S44315)、本処理を終了する。S44315の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図601を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理18(S44314)について説明する。図601は、この大当たり関連処理18(S44314)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理18では、まず、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定し(S42101)、大当たり開始コマンドを受信していれば(S42101:Yes)、オープニング演出を開始させるための表示用オープニングコマンドを設定する(S42106)。S42106の処理で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図174参照)のコマンド出力処理(S4112)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。
S42106の処理の後、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであるか否かが判別される(S42107)。Vアイコン表示フラグ223rcがオンであると判別された場合には(S42107:Yes)、S42108の処理をスキップし、本処理を終了する。
なお、細部は後述するが、本第18制御例では、V保留(小当たり当選する保留)に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留の中にV保留が存在する場合には、獲得したVアイコンを発動させずに小当たり当選を報知可能に構成している。したがって、大当たり遊技の開始時点でVアイコン表示フラグ223rcがオンである場合というのは、以前に実行された大当たり遊技においてVアイコンを獲得し、そのVアイコンが発動されずに小当たり当選した場合であり、Vアイコンが発動されなかったことで遊技者は連チャン(小当たり当選が連続すること)することを既に認識しているため、Vアイコン表示フラグ223rcがオンの場合には、Vアイコン獲得演出(図582(a)参照)を実行しない構成としている。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技の開始時点で既にVアイコンが表示されている場合には、その大当たり遊技中にVアイコン獲得演出を実行しない構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技の開始時点で既にVアイコンが表示されている場合であってもVアイコン獲得演出(図582(a)参照)を実行する構成としても良い。例えば、大当たり遊技の開始時点で既にVアイコンが表示されており、かつ、残りの特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中に複数のV保留が存在する場合には、新たにVアイコン獲得演出を実行し、Vアイコンが追加される構成としても良い。
S42107の処理において、Vアイコン表示フラグ223rcがオンではないと判別された場合には(S42107:No)、Vアイコン獲得演出設定処理を実行する(S42108)。Vアイコン獲得演出設定処理の細部は、図602を参照して後述する。
一方、S42101の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S42101:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S42102)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S42102:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S42104)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図174参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S42104の処理後は、本処理を終了する。
一方、S42102の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S42102:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S42103)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S42103:Yes)、エンディング演出の演出態様を設定するためのエンディング処理を実行し(S42105)、本処理を終了する。エンディング処理(S42105)の細部については、図603を参照して後述する。
一方、S42103の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S42103:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり関連処理18(図601参照)を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技開始コマンドを受信した場合にVアイコン獲得演出設定処理(S42108)が実行される構成としたが、これに限るものではなく、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行する構成としても良いし、エンディングコマンドを受信した場合に実行する構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技の実行中に獲得した特図2保留の抽選結果も先読み可能となる。
次に、図602を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるVアイコン獲得演出設定処理(S42108)について説明する。図602は、Vアイコン獲得演出設定処理(S42108)を示したフローチャートである。このVアイコン獲得演出設定処理(S42108)は、大当たり関連処理18(図601参照)において実行される処理であり、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定するための処理である。
Vアイコン獲得演出設定処理が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄の入賞情報が取得される(S42201)。ここで、入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞コマンド処理(図177のS4212参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく。なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理18(図599のS40713)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理7(図325参照)にて実行される外部出力処理(図325のS11501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図182のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
S42201において入賞情報を取得すると、次に第4エリアに格納されている入賞情報(保留4)が小当たり当選であるか否かを判別する(S42202)。保留4が小当たり当選ではない場合、或いは、保留4がない場合(即ち、第4エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42202:No)、第3エリアに格納されている入賞情報(保留3)が小当たり当選しているか否かを判別する(S42206)。保留3が小当たり当選ではない場合、或いは、保留3がない場合(即ち、第3エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42206:No)、第2エリアに格納されている入賞情報(保留2)が小当たり当選しているか否かを判別する(S42207)。保留2が小当たり当選ではない場合、或いは、保留2がない場合(即ち、第2エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42207:No)、第1エリアに格納されている入賞情報(保留1)が小当たり当選しているか否かを判別する(S42208)。保留1が小当たり当選ではない場合、或いは、保留1がない場合(即ち、第1エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42208:No)、本処理を終了する。
一方、S42202の処理において、保留4が小当たり当選であると判別された場合には(S42202:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留4が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留4の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
また、S42206の処理において、保留3が小当たり当選であると判別された場合には(S42206:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留3が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留3の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
また、S42207の処理において、保留2が小当たり当選であると判別された場合には(S42207:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留3が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留2の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
また、S42208の処理において、保留1が小当たり当選であると判別された場合には(S42208:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留1が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留1の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
このように、本第18制御例では、大当たり遊技終了後に最も後に消化される特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)から順に抽選結果を事前に判別(先読み)し、V保留があればその時点でVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する構成としている。例えば、保留2と保留4にV保留が存在する場合には、保留4が小当たりであると判別された時点で、Vアイコン獲得演出を設定するか否かが決定される。この場合に、Vアイコン獲得演出を実行しないと決定された場合には、保留2がV保留であっても、新たにVアイコン獲得演出を実行するか否かの判別を実行しない構成としている。
なお、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、獲得したVアイコンを発動させるか否かを決定する構成としているため、例えば、保留4がV保留であることに基づいてVアイコン獲得演出が実行された場合であっても、保留2のV保留が消化される場合に、Vアイコンを発動させることが可能である。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技終了後に最も後に消化される特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)から順に抽選結果を判別する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技終了後に最も先に消化される特図2保留から順に抽選結果を判別する構成としても良い。また、1つでもV保留が存在すれば、その後の特図2保留の抽選結果は判別しない構成としたが、判別する構成としても良い。
S42203の処理が終了すると、S42204の処理が実行される。S42204の処理では、S42203の処理において決定されたエンディング期間に実行される演出態様がVアイコン獲得演出ありであるか否かが判別され、Vアイコン獲得演出ありではない場合には(S42204:No)、S42205の処理をスキップし、本処理を終了する。
一方、S42204の処理において、Vアイコン獲得演出ありと判別された場合には(S42204:Yes)、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbをオンに設定し(S42205)、本処理を終了する。
次に、図603を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエンディング処理(S42105)について説明する。図603は、エンディング処理(S42105)を示したフローチャートである。このエンディング処理(S42105)は、大当たり関連処理18(図601参照)において実行される処理であり、大当たり遊技のエンディング期間における演出を実行するための処理である。
エンディング処理(S42105)が実行されると、まず、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbはオンか否かが判別される(S42301)。Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbがオンではないと判別された場合には(S42301:No)、通常の表示用エンディング演出実行コマンドを設定(S42305)し、本処理を終了する。
一方、S42301の処理において、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbがオンであると判別された場合には(S42301:Yes)、表示用Vアイコン獲得演出実行コマンドを設定し(S42302)、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbをオフに設定し(S42303)、Vアイコン表示フラグ223rcをオンに設定し(S42304)、本処理を終了する。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、小当たり遊技において遊技球がVスイッチ650e3(図580(a)参照)を通過した場合に実行しても良いし、大当たり遊技のエンディング期間以外の期間で実行する構成としても良い。或いは、特別図柄の変動表示中にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。また、Vアイコン獲得演出の実行タイミングを複数設定し、どのタイミングで実行するかをランダムに設定可能な構成としても良い。このように構成することで、どのタイミングでVアイコン獲得演出が実行されるかを遊技者が予測できないので、遊技が単調になることを抑制することができる。
次に、図604を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理18(S44113)について説明する。図604は、変動表示設定処理18(S44113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理18(S44113)は、メイン処理(図174参照)において実行される処理であり、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理18では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S42401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S42401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S42407の処理へ移行する。一方、S42401の処理において、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合は(S42401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S42402)、次いで、コマンド判定処理18(図600参照)のS44303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S42403)。
そして、第3図柄表示装置81において実行される演出の演出態様を設定するための演出態様選択処理18(S42404)を実行する。この演出態様選択処理18(S42404)の細部については、図605を参照して後述する。
そして、S42404において設定された演出態様に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S42405)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S42406)、処理をS42407へと移行する。S42406の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S42406の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S42407)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S42407:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理18(図604参照)を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S42407:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S42408)、次いで、コマンド判定処理18(図600参照)のS44306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S42409)。次に、S42409の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S42410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
次に、図605を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様選択処理18(S42404)について説明する。図605は、演出態様選択18(S42404)を示したフローチャートである。この演出態様選択処理18(S42404)は、変動表示設定処理18(図604参照)において実行される処理であり、第3図柄表示装置81において実行される演出の演出態様を設定するための処理である。
演出態様選択処理18(S42404)が実行されると、まず、遊技状態が時短状態(普通図柄の高確率状態)であるか否かが判別される(S42501)。現在の遊技状態は、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報に基づいて判別され、遊技状態が時短状態ではない(即ち、通常状態(普通図柄の低確率状態))と判別された場合には(S42501:No)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出した変動パターンに基づいて、演出態様選択18テーブル222raに規定されている通常用演出態様設定テーブル222ra1(図示しない)を参照して演出態様を設定し(S42503)、本処理を終了する。
一方、S42501の処理において、時短状態であると判別された場合には(S42501:Yes)、時短用演出態様設定処理を実行し(S42502)、本処理を終了する。
次に、図606を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短用演出態様設定処理(S42502)について説明する。図606は、時短用演出態様設定処理(S42502)を示したフローチャートである。この時短用演出態様設定処理(S42502)は、演出態様選択処理18(図605参照)において実行される処理であり、時短状態が設定されている場合に、第3図柄表示装置81において実行される演出の演出態様を設定するための処理である。
時短用演出態様設定処理(S42502)が実行されると、まず、これから開始される特別図柄の抽選結果は小当たりか否かが判別される(S42601)。小当たりではないと判別された場合には(S42601:No)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出された変動パターンと、演出カウンタCS1の値と、に基づき時短用演出態様設定Aテーブル222ra2から演出態様を決定し(S42609),本処理を終了する。
一方、S42601の処理において、小当たりであると判別された場合には(S42601:Yes)、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであるか否かが判別される(S42602)。Vアイコン表示フラグ223rcがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には、S42609の処理へ移行する。なお、Vアイコン表示フラグ223rcがオフである状態というのは、Vアイコンを獲得していない状態である。
S42602の処理において、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであると判別された場合には(S42602:Yes)、入賞情報格納エリア223aの入賞情報を取得し(S42603)、取得した入賞情報の中に小当たり当選する保留(V保留)があるか否かを判別する(S42604)。V保留がない場合には(S42604:No)、Vアイコンの発動演出(図583(a)参照)の実行を設定し(S42605)、Vアイコン表示フラグ223rcをオフに設定し(S42606)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出された変動パターンと、演出カウンタCS1の値と、に基づき時短用演出態様設定Bテーブル222ra3から演出態様を決定し(S42607),本処理を終了する。
一方、S42604の処理において、V保留があると判別された場合には(S42604:Yes)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出された変動パターンが長小当たりの変動パターンであるか否かを判別し(S42608)、長小当たりの変動パターンではない場合には(S42608:No)、S42605の処理へ移行する。S42608の処理において、長小当たりの変動パターンであると判別された場合には(S42608:Yes)、S42609の処理へ移行する。
このように、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留の中にV保留があるか否か、また、V保留が存在する場合には、これから実行される特別図柄の変動の変動パターンが特定の変動パターンであるかを判別し、Vアイコンを発動させるか否かを決定する構成とし、Vアイコンが発動される場合と、Vアイコンが発動されない場合と、で異なる演出態様設定テーブルを参照する構成としている。
このように、Vアイコンを獲得している状態でV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、Vアイコンを発動させるか否かを決定可能な構成としているため、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では存在していなかった特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)をVアイコンの発動対象とすることが可能となる。
ここで、例えば、Vアイコン獲得演出の実行時点で先読みされている特図2保留の中で最も後に消化される特図2保留(例えば、保留4)のみがV保留であった場合に、その特図2保留の消化までVアイコンは発動されないことから、Vアイコンが発動されなくても保留4の特図2保留に基づく特別図柄の変動開始時点で、遊技者はこの変動が小当たり当選であることを認識し、どのような演出が実行されても小当たり当選であることに変わりはないため、その変動中に実行される演出に興味を持たない虞がある。
しかし、本第18制御例のように、Vアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では存在していなかった特図2保留をVアイコンの発動対象とすることが可能な構成とすることで、上述のようなVアイコンが発動されるか否かに関わらず小当たり当選であることが判明している場合の特別図柄の変動表示においても、Vアイコンが発動されなければ、新たに獲得した残りの特図2保留の中にV保留が存在していることが判明する(即ち、連チャン(小当たり当選が連続すること)することが確定する)ため、遊技者にVアイコンが発動されるか否かに興味を持たせることが可能となり、その変動中に実行される演出に注目させることができる。
また、本第18制御例では、Vアイコンが発動される場合と、Vアイコンが発動されない場合と、で参照される演出態様設定テーブルが異なる構成としている。具体的には、Vアイコンが発動される場合に参照される時短用演出態様設定Bテーブル222ra3では、Vアイコンが発動されない場合に参照される時短用演出態様設定Aテーブル222ra2に比べて、長小当たりにおいて復活演出が選択される割合が低く設定され、プレミア当たりが選択されない構成としている。
このように構成することで、実行された演出態様によってVアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなり、Vアイコンを獲得した状態においても特別図柄の変動表示中に実行される演出に興味を持たせることで、遊技が単調になることを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選である保留(V保留)が存在する場合には、V保留が存在することを報知するための演出を実行可能に構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第18制御例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。
なお、本第18制御例では、保留記憶されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としたが、これに限るものではなく、保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としても良いし、特図1保留と特図2保留の両方を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としても良い。
なお、本第18制御例では、Vアイコン獲得演出を大当たり遊技中に実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技が実行されている期間ではない期間に実行可能な構成としても良い。例えば、特別図柄の変動表示中にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、抽選結果が外れであることを示すための特別図柄の変動表示においてVアイコン獲得演出が実行された場合に、外れであることを示すための特別図柄が停止表示されても、遊技者の遊技意欲を低下させることを抑制することができる。また、小当たり遊技が実行されている期間にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。
なお、本第18制御例では、V保留を小当たり当選する保留としたが、これに限るものではなく、大当たり当選する保留をV保留としても良い。または、V保留を時短当選する保留としても良い。
なお、本第18制御例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在することを示すための報知態様として「Vアイコン」を表示する構成としたが、これに限るものではなく、キャラクタを用いて報知する構成としても良いし、背景を可変させることで報知する構成としても良く、遊技者に対してV保留が存在することを報知することができる表示態様であれば良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留がある場合に、Vアイコンを表示する構成、即ち、遊技者に有利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者に不利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としても良い。例えば、第1特別図柄よりも第2特別図柄が優先して消化される構成で、第1特別図柄における大当たり当選と、第2特別図柄における大当たり当選と、で遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態))が設定される割合が異なる遊技機(所謂、V確変機)において、通常状態(特別図柄の低確率状態)で第1特別図柄の確変大当たり(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別)に当選した場合に、保留記憶されている第1特別図柄の中に通常大当たり(大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別)に当選する保留が存在する場合には、通常大当たりに当選する保留が存在することを報知するための報知態様(例えば、「危険」と表示されたアイコン等)を表示する構成としても良い。このように構成することで、第1特別図柄の保留を消化すると不利になることを遊技者に認識させることが可能となり、第2特別図柄の保留を途切れさせないように遊技を行わせることができる。
また、保留内で第2時短終了条件~第4時短終了条件の何れかが成立することを事前に報知する報知態様を表示可能な構成としても良い。このように構成することで、時短終了条件が成立した後に特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)が残っていれば、その残り保留での小当たり当選が期待できるため、保留内で時短終了条件が成立することを遊技者が事前に認識できることにより、時短終了条件が成立する特別図柄の変動表示が終了するまでに、遊技者に特図2保留を上限まで貯めようと思わせることができる。
なお、特別図柄抽選において外れ当選が所定回数連続した場合に遊技者に有利な特典(例えば、時短状態が設定される)が付与される(所謂、天井)遊技機において、天井に到達する所定回数前に有利な特典が付与されることを予告するアイコン(例えば、時短アイコン)を表示する構成としても良い。この場合、天井到達前に時短当選し、天井到達によって付与される時短状態と同等の時短状態が設定された場合には、時短アイコンを発動させることなく時短状態を設定し、時短当選によって付与された時短状態が終了した後に、時短アイコンを発動させる時短状態を設定可能に構成しても良い。なお、時短当選によって、天井のカウントがリセットされる仕様の遊技機では、天井到達の所定回数前であることに基づいて表示された時短アイコンを、時短当選の特別図柄の変動表示において発動させても良い。
なお、Vアイコン獲得演出の導入部分の演出(図582(a)に示す、キャラクタ802が宝箱810を発見する演出)と、ラウンド数追加演出の導入部分の演出を同一の演出とし、Vアイコン獲得演出と、ラウンド数追加演出と、に分岐可能な演出(例えば、宝箱810の中身からVアイコン、または追加されるラウンド数を示すアイコンの何れかが出現する演出)を実行する構成としても良い。このように構成することで、保留内にV保留が存在しない場合であっても、遊技者にVアイコンの獲得を期待させることができるとともに、Vアイコンが獲得できなかった場合であっても、大当たり遊技のラウンド数が追加されるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。なお、宝箱の中からVアイコンと追加されるラウンド数を示すアイコンの両方が出現する演出パターンを設けても良い。
なお、上述した導入部分の演出は、これに限るものではなく、例えば、遊技者にボタン操作を促す演出を実行し、遊技者がボタンを操作した場合に、Vアイコン、または追加されるラウンド数を示すアイコンの何れかを獲得する構成としても良い。
<第18制御例の第1変形例>
次に、図607から図613を参照して、第18制御例の第1変形例について説明をする。上述した第18実施形態では、大当たり遊技中に第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第2特別図柄の入賞情報(特図2保留)の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選する保留(V保留)が存在する場合に、Vアイコン獲得演出を実行する構成であった。
これに対して、本第1変形例では、大当たり遊技中に第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている特図2保留を先読みした結果、V保留が存在し、かつ、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定ラウンド数(本第1変形例では16ラウンド)以上である場合に、Vアイコン獲得演出を実行する構成としている。
具体的には、大当たり遊技中に保留記憶されている特図2保留を先読みした結果、小当たりA(遊技球がVスイッチ650e3(図580参照)を通過(V通過)すると大当たりA(16R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留が少なくとも1個存在する場合には、Vアイコン獲得演出を実行する。また、小当たりAに当選するV保留が存在しない場合であっても、小当たりB(V通過で大当たりB(7R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留が存在し、かつ、小当たりC(V通過で大当たりE(10R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留も存在する場合には、Vアイコン獲得演出が実行される。つまり、Vアイコン獲得演出が実行された場合には、保留記憶されている特図2保留において、少なくとも16ラウンド分の大当たり遊技の実行が保証される。
このように構成することで、Vアイコンが発動されたV保留の抽選結果が遊技者にとって最も有利な小当たりA当選ではなかった場合には、連チャン(小当たり当選が連続すること)が保証され、少なくとも17ラウンド以上の大当たり遊技の実行が確定するため、遊技者を落胆させず、遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
<第18制御例の第1変形例の演出内容について>
図607~図608を参照して、本第1変形例において実行される特徴的な演出内容について説明する。図607(a)は、本第1変形例において実行されるVアイコン獲得演出の表示画面の一例である。上述した第18制御例におけるVアイコン獲得演出とは異なり、うさぎを模したキャラクタ801が花を模したVアイコンである花806を獲得する演出が実行される。小表示領域Dm9には、黒色の第1保留図柄hr1と、白色の第2保留図柄hr2、第3保留図柄hr3、第4保留図柄hr4が表示されている。
上述したように、本第1変形例では、大当たり遊技中に第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている特図2保留を先読みした結果、V保留が存在し、かつ、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定ラウンド数(本第1変形例では16ラウンド)以上である場合に、Vアイコン獲得演出が実行される。図607(a)は、第1保留図柄hr1が小当たりAに当選するV保留であり、その他の保留は外れの場合を示している。なお、図607(a)では、説明の便宜上、特図2保留の抽選結果や、小当たり種別に対応して保留図柄を異なる表示態様としたが、これに限るものではない。
ここで、本第1変形例におけるVアイコンについて説明する。本第1変形例におけるVアイコンは花を模した表示態様となっており、花806を4枚の花びら806a~806dが囲む表示態様で構成されている。この4枚の花びら806a~806dは、V保留に基づいて特別図柄の変動表示が実行される場合に、当選した小当たり種別に対応して消化され、全ての花びらが消化された場合に花806本体も消える(即ち、連チャンの保証がなくなる。)。
図607(b)を参照して、具体的なVアイコン発動の流れを説明する。図607(b)は、小当たりA(V通過時大当たりA(16R時短有大当たり)、図588参照)に当選する場合の特別図柄の変動表示中にVアイコンが発動された場合の表示画面の一例である。図607(b)では、小当たりAに当選するため、花806に付随する花びら806a~806dの全てが消化される(散る)演出が実行される。即ち、本第1変形例においては、Vアイコンである花806本体ではなく、付随する花びら806a~806dが消化される(散る)ことでVアイコンが発動されたことを遊技者に報知する構成としている。
したがって、図608(a)に示すように、V保留によって当選した小当たり種別が小当たりB(V通過時大当たりB(7R時短有大当たり)、図588参照)である場合には、花びら806aのみが消化され、花びら806b~806dは継続して花806に付随した状態となる。この場合、小当たりB当選のV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始された時点において、残りの特図2保留の中に他のV保留が存在していることが保証される。
なお、図608(a)の小表示領域Dm9に表示されている第2保留図柄hr2の表示態様は小当たりC(V通過時大当たりE(10R時短有大当たり)、図588参照)当選のV保留を示し、第4保留図柄hr4には特図2保留が存在していないことを示す表示がされている。したがって、図608(a)の場合、花806が表示されている期間で、7ラウンドの大当たりと10ラウンドの大当たりが実行され、その合計ラウンド数は17ラウンドとなる。つまり、遊技者に最も有利な大当たりAが実行される場合よりも、実行される合計ラウンド数が多くなるため、花806が表示されている場合には、遊技者に対して当選する小当たり種別にも興味を持たせることが可能となる。
図608(b)は、Vアイコンの発動後にそのVアイコンの発動をキャンセルする演出が実行される場合の表示画面の一例である。細部は後述するが、図608(a)と同様に、V保留に基づく特別図柄の変動表示中に、花びら806aが消化された場合に、残りの特図2保留の中にV保留が存在し、そのV保留の合計ラウンド数が16ラウンド以上である場合には、花びら806aが花806に戻る演出(巻き戻し演出)が実行される。
これにより、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始された直後にVアイコンが発動された場合においても、巻き戻し演出が発生することを遊技者に期待させることで、その特別図柄の変動表示が終了するまで演出に注目させることが可能となる。
なお、本第1変形例では、Vアイコンを花の表示態様としたが、これに限るものではなく、保証されるラウンド数を遊技者に報知できる表示態様であれば良く、例えば、インジケータを用いる構成としても良い。
また、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在し、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技のラウンド数が16ラウンド以上である場合には、巻き戻し演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、Vアイコンの発動が実行されない構成としても良い。また、例えば、新たにV保留を獲得した場合には、花びらが新たに追加される構成としても良い。
なお、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が実行されている期間にのみ花びら806a~806dが消化される構成としたが、これに限るものではない。例えば、V保留が消化されたことに基づいて実行される大当たり遊技中に花びらが消化される構成とし、大当たり遊技中に花びらが全て消化されなければ連チャンが確定する構成としても良い。このように構成することで、遊技者に花びらが消化されないことを期待させながら大当たり遊技を実行させることが可能となり、大当たり遊技が単調になることを抑制することができる。
なお、本第18制御例では、保留内にV保留が存在することをVアイコンによって報知する構成としたが、これに限るものではなく、保留内にV保留が存在する期待度が高いことを報知する構成としても良い。例えば、「V?」と表示された花が表示され、その花が表示されている期間にリーチ演出が実行されると小当たり当選が確定する構成とし、花に付随する花びらが所定のタイミング(例えば、外れを示す表示態様が表示された場合)で消化される演出が実行され、付随する花びらが全て消化されると花も消化される構成とすることで、花が表示されている期間中にリーチ演出が発生することを遊技者に期待させ、V保留ではない保留に基づく特別図柄の変動表示に対しても興味を持たせることが可能となる。
<第18制御例の第1変形例の電気的構成について>
次に、図609~図610を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第18制御例に対して、音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図609を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成について説明をする。図609(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。図609(a)に示した通り、本第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第18制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に対して、演出態様選択18テーブル222raに代えて演出態様選択18aテーブル222rdを設けた点と、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbを削除した点と、Vアイコン表示態様設定テーブル222rcを追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出態様選択18aテーブル222rd(図示しない)は、特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値とに基づいて演出態様を設定する。
図610は、Vアイコン表示態様設定テーブル222rcに規定されている内容を模した図である。詳細な説明は、図613を参照して後述するが、V保留(小当たり当選する保留)に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、後述するVアイコン表示終了カウンタの値と、その変動表示において当選する小当たり種別と、に基づいてVアイコンの表示態様を可変させるために参照されるテーブルである。例えば、Vアイコン獲得演出が実行された大当たり遊技の終了後に、小当たりB当選のV保留が消化された場合には、Vアイコン表示終了カウンタ値(本第1変形例では、最大16)から実行されるラウンド数に対応した値である7が減算され、Vアイコン表示終了カウンタ値が9となる。したがって、この場合には、Vアイコンの表示態様として、花びらが1枚消化される演出が実行される。
なお、Vアイコン表示終了カウンタ値が0になった場合には、表示されている花806(図607(a)参照)に付随する花びら806a~806dが何枚残っていても全ての花びらが消化され、花806も非表示となる。
次に、図609(b)を参照して、本第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するRAM223に規定されている内容について説明をする。図609(b)は、音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した図である。図609(b)に示した通り、本第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第18制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に対して、Vアイコン表示終了カウンタ223rdを追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
Vアイコン表示終了カウンタ223rdは、エンディング処理a(図612参照)においてVアイコン表示フラグ223rcがオンに設定された場合にカウンタ値が設定され、時短用演出態様設定処理a(図613参照)において、V保留に基づいて小当たり当選した場合にカウンタ値が更新されていき、カウンタ値が0になるとVアイコン表示フラグ223rcがオフに設定される。
<第18制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図611~図613を参照して、本第1変形例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第1変形例では、上述した第18制御例に対し、Vアイコン獲得演出設定処理に代えてVアイコン獲得演出設定処理a(図611参照)と、エンディング処理に代えてエンディング処理a(図612参照)と、時短用演出態様設定処理に代えて時短用演出態様設定処理a(図613参照)と、を実行する点で相違し、その他の処理は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図611を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるVアイコン獲得演出設定処理a(S42110)について説明する。図611は、Vアイコン獲得演出設定処理a(S42110)の内容を示したフローチャートである。Vアイコン獲得演出設定処理a(S42110)は、上述した第18制御例におけるVアイコン獲得演出設定処理(図602のS42108参照)に代えて実行される処理であり、大当たり遊技中に、保留記憶されている第2特別図柄の入賞情報(特図2保留)を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選する保留(V保留)が存在し、かつ、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定のラウンド数以上であれば、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行するための処理を実行する。
Vアイコン獲得演出設定処理a(S42110)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223aの第2特別図柄の入賞情報が取得される(S43601)。ここで、入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aの第1エリア~第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図182のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
S43601の処理において入賞情報を取得した後、その入賞情報の中に小当たり当選する保留(V保留)があるか否かを判別する(S43602)。V保留がないと判別された場合には(S43602:No)、本処理を終了する。一方、V保留があると判別された場合には(S43602:Yes)、V保留の中に小当たりAに当選するV保留があるか否かが判別される(S43603)。小当たりAに当選するV保留があると判別された場合には(S43603:Yes)、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbをオンに設定し(S43607)、本処理を終了する。
なお、上述したように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される。したがって、小当たりAに当選する場合には、小当たり遊技中にV通過(遊技球がVスイッチ650e3(図580参照)を通過すること)することで大当たりA(16R時短有大当たり、図588参照)が実行されるため、小当たりAに当選するV保留があれば、Vアイコン獲得演出が実行されることとなる。
一方、S43603の処理において、小当たりAに当選するV保留がないと判別された場合には(S43603:No)、小当たりCに当選するV保留があるか否かが判別される(S43604)。小当たりCに当選するV保留があると判別された場合には(S43604:Yes)、V保留が少なくとも2個あるか否かが判別される(S43606)。V保留が2個以上あると判別された場合には(S43606:Yes)、S43607の処理へ移行する。
上述したように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される。小当たりCに当選する場合には、小当たり遊技中にV通過することで大当たりE(10R時短有大当たり、図588参照)が実行され、本第1変形例では、最も大当たり遊技のラウンド数が少ない大当たり種別であっても7ラウンドの大当たり遊技が実行されるため、小当たりC当選のV保留を含めて2個以上のV保留があれば、合計ラウンド数は16ラウンド以上となる。
一方、S43604の処理において、小当たりC当選のV保留がないと判別された場合には(S43604:No)、小当たりB(V通過時大当たりB(7R時短有大当たり)、図588参照)当選のV保留のみが存在することになるため、V保留数が少なくとも3個以上存在するか否かが判別される(S43605)。V保留数が3個以上であると判別された場合には(S43605:Yes)、S43607の処理が実行される。一方、V保留数が3個以上ではない(即ち、3個未満である)と判別された場合には(S43605:No)、本処理を終了する。
上述したように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される。小当たりBに当選する場合には、小当たり遊技中にV通過することで大当たりB(7R時短有大当たり、図588参照)が実行されるため、小当たりB当選のV保留が3個以上あれば、合計ラウンド数は16ラウンド以上となる。
このように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される構成としている。これにより、Vアイコン獲得演出が実行された場合に保留内の特図2保留で最低16ラウンドの大当たり遊技が遊技者に保証される。
ここで、例えば、大当たり遊技終了後に最初に消化されるV保留が小当たりAに当選するV保留であった場合には、そのV保留の消化に基づいて16ラウンドの大当たり遊技が実行されるため、連チャン(小当たり当選が連続すること)は保証されない。
一方、大当たり遊技終了後に最初に消化されるV保留が小当たりCに当選するV保留であった場合には、そのV保留の消化に基づいて10ラウンドの大当たり遊技が実行されても、16ラウンドには達しないため連チャンが保証される。この場合、次のV保留が遊技者にとって比較的不利な小当たりBに当選するV保留であっても、合計ラウンド数は17ラウンドとなり、遊技者にとって最も有利な小当たりAに当選した場合よりも、多くの大当たり遊技ラウンドが実行されることとなる。
更に、大当たり遊技終了後に最初に消化されるV保留が小当たりBに当選するV保留であった場合には、そのV保留の消化に基づいて7ラウンドの大当たり遊技が実行されても、16ラウンドには達しないため連チャンが保証され、次のV保留でも小当たりBに当選した場合には、そのV保留の消化に基づいて7ラウンドの大当たり遊技が実行されても、合計ラウンド数が16ラウンドには達しないため更に連チャンが保証される。この場合、3回連続で小当たりBに当選した場合であっても合計ラウンド数は21ラウンドとなる。
このように、本第1変形例においては、Vアイコンが表示されている状態で最も有利な小当たり種別に当選するよりも、比較的不利な小当たり種別に当選する場合の方が、連チャンへの期待度が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第1変形例では、合計ラウンド数が16ラウンド以上の場合にVアイコン獲得演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、合計ラウンド数を15ラウンド以下、或いは、17ラウンド以上のラウンド数で設定しても良い。或いは、特定の小当たり種別の組み合わせとなる場合、例えば、小当たりA当選のV保留と、小当たりB当選のV保留と、小当たりC当選のV保留と、がそれぞれ1個ずつ存在する場合に、Vアイコン獲得演出が実行される構成としても良い。
なお、本第1変形例では、特図2保留の中に存在するV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定ラウンド数以上の場合には、必ずVアイコン獲得演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、合計ラウンド数が特定ラウンド数以上である場合にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定するための抽選を実行し、合計ラウンド数が特定ラウンド数以上である場合の一部ではVアイコン獲得演出を実行しない構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にVアイコン獲得演出が実行されない場合であっても、大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示において、遊技者に小当たりA当選への期待を持たせることができる。
次に、図612を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエンディング処理a(S42109)について説明する。図612は、エンディング処理a(S42109)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理a(S42109)は、上述した第18制御例におけるエンディング処理(図603のS42105参照)に対し、Vアイコン表示フラグ223rcがオンに設定された場合にVアイコン表示終了カウンタの値を設定する点で相違する。その他の処理については同一であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
エンディング処理a(S42109)では、S42304の処理が終了した後に、Vアイコン表示終了カウンタ223rdに「16」を設定する(S42306)。この「16」は、最低限保証されるラウンド数に対応する値であり、大当たり遊技終了後の遊技において、V保留が消化されるとVアイコン表示終了カウンタ223rdのカウンタ値が減算され、カウンタ値が「0」以下になった場合に、Vアイコン(本第1変形例では、花806(図607(a)参照))の表示が終了する。
なお、本第1変形例では、エンディング処理aにおいてVアイコン表示終了カウンタ223rdに最初に設定するカウンタ値を「16」で固定としたが、これに限るものではなく、特図2保留の中に存在するV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数に対応する値を設定する構成としても良い。例えば、小当たりC(V通過時、大当たりE(10R時短有大当たり)、図588参照)と小当たりB(V通過時、大当たりB(17R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留がそれぞれ1個ずつ存在する場合には、カウンタ値として「17」を設定する構成としても良い。
次に、図613を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短用演出態様設定処理a(S42504)について説明する。図613は、時短用演出態様設定処理a(S42504)の内容を示したフローチャートである。この時短用演出態様設定処理a(S42504)は、上述した第18制御例における時短用演出態様設定処理(図606参照)に代えて実行される処理である。上述した第18制御例では、Vアイコンが表示されている期間において、Vアイコンの発動は一度しか実行されない構成であった。これに対して、本第1変形例では、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値が「0」以下になるまでは複数回Vアイコンの発動が実行可能に構成されている。
時短用演出態様設定処理a(S42504)が実行されると、まず、これから開始される特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かが判別される(S42601)。小当たりではないと判別された場合には(S42601:No)、演出態様選択18aテーブルを参照して変動表示設定処理18(図604参照)のS42403において取得した変動パターン種別に対応する演出態様を設定する(S42610)。
一方、S42601の処理において、小当たりであると判別された場合には(S42601:Yes)、Vアイコン表示フラグ223rcがオンに設定されているか否かが判別される(S42602)。Vアイコン表示フラグ223rcがオンではないと判別された場合には(S42602:No)、S42610の処理へ移行する。
S42602の処理において、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであると判別された場合には(S42602:Yes)、小当たりAであるか否かが判別される(S42611)。小当たりAであると判別された場合には(S42611:Yes)、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を16減算する(S42612)。その後、減算した後のVアイコン表示終了カウンタ223rdの値が0以上であるか否かが判別され(S42613)、0以上ではないと判別された場合には(S42613:No)、Vアイコン表示フラグ223rcをオフに設定し(S42614)、Vアイコン表示態様設定テーブル222rc(図610参照)を参照し、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値に対応するVアイコンの表示態様を設定する(S42615)。一方、S42613の処理において、0以上であると判別された場合には(S42613:Yes)、S42614の処理をスキップし、S42615の処理へ移行する。
S42611の処理において、小当たりAではないと判別された場合には(S42611:No)、入賞情報格納エリア223aの入賞情報を取得し(S42616)、残りの特図2保留内における合計ラウンド数が16ラウンド以上であるか否かが判別される(S42617)。16ラウンド以上であると判別された場合には(S42617:Yes)、Vアイコンの巻き戻し演出態様を設定し(S42621)、S42610の処理へ移行する。
一方、S42617の処理において、16ラウンド以上ではないと判別された場合には(S42617:No)、これから開始される特別図柄の抽選結果は小当たりB当選であるか否かが判別される(S42618)。小当たりBであると判別された場合には(S42618:Yes)、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を7減算し(S42620)、S42613の処理へ移行する。
S42618の処理において、小当たりB当選ではないと判別された場合(即ち、小当たりC当選である場合)には(S42618:No)、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を10減算し(S42619)、S42613の処理へ移行する。
このように、本第1変形例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、当選する小当たり種別によってVアイコン表示終了カウンタ223rdの値を減算し、減算された後のVアイコン表示終了カウンタ223rdの値に対応するVアイコンの可変表示態様を設定する構成としている。
また、本第1変形例では、小当たりAに当選する場合にはVアイコンの巻き戻し演出が実行されず、小当たりBまたはCに当選する場合にはVアイコンの巻き戻し演出が実行され得る構成としている。このように構成することで、Vアイコンを獲得した状態で遊技者にとって最も有利な小当たりAに当選した場合には必ずVアイコンの表示を終了させることができる。一方で、Vアイコンを獲得した状態で遊技者に比較的不利な小当たりBまたは小当たりCに当選した場合には、小当たりAに当選した場合よりもVアイコンが継続して表示される期間を長くすることができる。これにより、Vアイコンによって、1回の小当たり当選しか保証されない小当たり種別と、複数回の小当たり当選が保証される小当たり種別と、を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第1変形例では、当選した小当たり種別が小当たりAである場合には、巻き戻し演出が実行されない構成としたが、これに限るものではなく、S42611の処理の前にS42616とS42617の処理を実行し、Vアイコンの巻き戻し演出を実行可能に構成しても良い。
なお、本第1変形例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留でVアイコン獲得演出の実行条件が成立している場合には、必ずVアイコンの巻き戻し演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、残りの特図2保留でVアイコン獲得演出の実行条件が成立している場合の一部でVアイコンの巻き戻し演出が実行される構成としても良い。また、これから変動表示される特別図柄の小当たり種別によって、Vアイコンの巻き戻し演出が実行される割合を可変させる構成としても良く、例えば、小当たりA当選のV保留に基づいて特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、小当たりB当選のV保留に基づいて特別図柄の変動表示が実行される場合の方がVアイコンの巻き戻し演出を設定し易く構成しても良い。
また、本第1変形例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される時点でVアイコンの巻き戻し演出を設定する構成としたが、これに限るものではない。例えば、特別図柄の変動表示中にVアイコンの発動演出が実行された後、その変動表示が停止するまでの間に、新たにV保留を獲得し、Vアイコンの巻き戻し演出を実行する条件が成立した場合にVアイコンの巻き戻し演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、Vアイコンが発動された特別図柄の変動表示中においても、遊技者に保留を貯めようと思わせることが可能になり、遊技効率を向上させることができる。
また、本第1変形例では、Vアイコンを獲得している状態で新たにV保留を獲得した場合であってもVアイコン表示終了カウンタ223rdの値が加算されない構成としたが、これに限るものではなく、新たにV保留を獲得した場合に、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を加算する構成としても良い。例えば、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値が「9」である場合に、小当たりB当選のV保留を新たに獲得した場合には、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値に「7」加算し、「16」としても良い。この場合、表示されているVアイコンの表示態様を加算された後のVアイコン表示終了カウンタの値に対応するVアイコンの表示態様に可変させる演出(例えば、花びらを追加する演出)を実行する構成としても良い。
また、S42617の処理において、表示されているVアイコンの表示態様に対応するカウンタの値と、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値と、に差が生じている場合に、巻き戻し演出を設定する構成としても良い。例えば、表示されているVアイコンの表示態様として花びらが3枚消化されている状態(小当たりBに2回当選し、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値が「2」の状態)で、新たに小当たりBに当選するV保留を獲得したことに基づいてVアイコン表示終了カウンタ223rdの値に「7」が加算され、表示終了カウンタ223rdの値が「9」となった場合に、先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示においてVアイコンの巻き戻し演出を設定する構成としても良い。或いは、先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示においては、Vアイコンの発動演出を実行しない構成としても良い。
以上、説明をした通り、本第18制御例の第1変形例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、保留内の小当たり当選保留(V保留)に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定のラウンド数である場合に、その特定ラウンド数の大当たり遊技が保証されることを遊技者に報知するように構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第18制御例の第1変形例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としたが、これに限るものではなく、保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としても良い。また、特図1保留と特図2保留の両方を先読みした結果に基づいて、Vアイコン獲得演出を設定する構成としても良い。
なお、本第1変形例では、Vアイコン獲得演出を大当たり遊技中に実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技が実行されている期間ではない期間に実行可能な構成としても良い。例えば、特別図柄の変動表示中にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、抽選結果が外れであることを示すための特別図柄の変動表示においてVアイコン獲得演出が実行された場合に、外れであることを示すための特別図柄が停止表示されても、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本第1変形例では、V保留を小当たり当選する保留としたが、これに限るものではなく、大当たり当選する保留をV保留としても良い。または、V保留を時短当選する保留としても良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在することを示すための報知態様として「Vアイコン」を表示する構成としたが、これに限るものではなく、Vアイコンの代わりにキャラクタを用いて報知する構成としても良いし、背景を可変させる構成としても良く、最低限保証されている大当たりラウンド数を遊技者が認識できる表示態様であれば良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留がある場合に、Vアイコンを表示する構成、即ち、遊技者に有利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者に不利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としても良い。例えば、本第1変形例では、時短状態中に小当たりAに2回当選した場合、または、小当たりCに3回当選した場合に時短状態が終了するため、保留内に小当たりAに当選するV保留が2個存在する場合、または小当たりCに当選するV保留が3個存在する場合には、保留内で時短終了条件が成立することを予告するアイコン(例えば、ドクロマークのアイコン)を表示する構成としても良い。
このように構成することで、時短終了条件が成立した後に特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)が残っていれば、その残り保留での小当たり当選が期待できるため、保留内で時短終了条件が成立することを遊技者が事前に認識できることにより、時短終了条件が成立する特別図柄の変動表示が終了するまでに、遊技者に特図2保留を上限まで貯めようと思わせることができる。
なお、保留内に存在するV保留の小当たり種別によって、Vアイコンの表示態様を異ならせる構成としても良い。例えば、小当たりA当選のV保留が存在する場合よりも、小当たりBまたはC当選のV保留が存在する場合の方が、花806に付随する花びらの数が多くなり易い構成としても良い。或いは、花びらの色によって、連チャン(小当たり当選が連続すること)期待度を示唆する構成としても良い。
<第19制御例>
次に、図619から図636を参照して、第19制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第16制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で規定回数(例えば、500回)に渡って連続して大当たりとならなかった場合、および特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、直接的に(大当たり遊技を介さずに)時短遊技状態を設定する構成としていた。
この第16制御例におけるパチンコ機10に対して、本第19制御例におけるパチンコ機10では、下記の相違点1~3を有している。即ち、相違点1として、時短図柄当選に基づく変動表示演出の実行中に、変動表示態様の一種として、時短回数を報知(示唆)する演出を実行する構成としている。そして、時短図柄に当選し、当該時短図柄当選に基づいて直接的に設定される時短状態の時短回数(大当たりに当選しない場合に時短状態が終了される特別図柄の変動回数)が、天井抽選回数までの残りの抽選回数よりも多い(時短図柄当選に基づいて設定される時短状態の時短回数内で天井抽選回数に到達する)場合には、報知(示唆)される時短回数として、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数が報知され得る特殊な演出制御を実行するように構成した。より具体的には、時短状態において大当たりに当選しないと仮定した場合に、時短図柄当選から実際に時短状態が途切れる(通常状態に移行する)までの特別図柄の抽選回数(つまり、時短図柄当選に基づく時短状態中に天井抽選回数に到達する場合は、天井抽選回数到達に基づく時短状態が終了するまでの抽選回数)を加味して見た目上の時短回数を報知する構成としている。このように構成することで、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数を報知可能なケースを発生させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、上述した第16制御例に対する相違点2として、本第19制御例におけるパチンコ機10では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても、天井抽選回数までの残りの抽選回数がクリアされることを抑制すると共に、変動パターン群(変動パターン選択テーブル)を切り替え設定するためのカウンタ値のデータも保持する(変動パターンシナリオの進行状況を保持する)ように構成している。このように構成することで、RAMクリア等の処理が実行された場合であっても特別図柄の変動が規定回数実行された(天井抽選回数に到達した)場合に時短状態を設定することができる上に、RAMクリア操作の有無によらず、天井抽選回数までの各変動回数において好適な変動パターン選択テーブル(変動パターン群)を用いて変動パターン(変動時間)を設定することができる。よって、天井抽選回数に到達するまでの間、段階的に期待感を高めていく遊技性を、RAMクリア操作の有無によらず実現することができる。また、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても天井抽選回数までの残りの抽選回数が増加することがないため、RAMクリア操作が行われた可能性が高いパチンコ機10(例えば、前日のホールの閉店時に通常状態以外の有利な状態となっていた場合等)において遊技を敬遠されてしまうことを抑制することができる。
更に、上述した第16制御例に対する相違点3として、本第19制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の変動回数が大当たりの判定がされることなく、規定回数(天井抽選回数)に到達し、その次の特別図柄の変動表示が停止する毎に時短遊技状態(天井遊技状態)が大当たり遊技を経ずに設定される構成を前提として、天井抽選回数に到達することで天井抽選回数までの残り回数がリセットされるように構成した。つまり、天井抽選回数に到達した後において、更に天井抽選回数分の特別図柄の抽選が実行されることで、再度、時短遊技状態(天井遊技状態)が設定されるように構成した。これにより、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短遊技状態の間に大当たりに当選することができずに通常状態に移行(転落)してしまったとしても、再度天井抽選回数に到達すること(再度の天井発動)を遊技者に目指させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し難い遊技性を実現することができる。また、これに伴って、本第19制御例では、天井抽選回数に到達したことに基づいて変動パターンシナリオを再設定する構成とした。つまり、天井抽選回数に到達したことに基づいて、次の天井抽選回数到達までに渡る各変動回数と、参照する変動パターン選択テーブルと、の対応関係を再設定する構成とした。このように構成することで、天井抽選回数に未到達であるか、1回以上天井抽選回数に到達して時短状態をスルーしたかによらず、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数(残り150回、100回、および50回)となった場合に特殊な変動パターンを選択することができる。つまり、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数となった場合に天井煽り演出を実行することができるので、1回以上天井抽選回数に到達したか否かによらず、天井抽選回数に到達するまでの間に遊技者の期待感を段階的に向上させていく遊技性を実現することができる。
この第19制御例におけるパチンコ機10が、上述した第16制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第16制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第16制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第19制御例における演出について>
次に、図619~図622を参照して、上記した相違点1における第3図柄表示装置81で表示される演出態様について説明する。なお、本制御例の主要な構成を演出態様の詳細な説明をする前に簡潔に説明すると、大当たり遊技が実行されずに規定回数の特別図柄の変動が実行される(特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達する)と、規定回数における変動が終了し、その次に実行される特別図柄の変動表示における変動停止タイミングで、電動役物640aの開放頻度が高く、開放期間が長く設定されることで第2入球口640への入球確率が高く設定される遊技状態となる時短遊技状態(天井遊技状態)が特別図柄の変動が最長で100回実行されるまで継続して設定される。なお、本制御例では、天井遊技状態の他に、時短当選図柄に特別図柄の変動開始毎に実行される抽選において当選することで設定される突然時短遊技状態が大当たり遊技の実行がなくとも設定可能に構成されている。
以下に、図622に示した天井遊技状態が設定されるまでに第3図柄表示装置81で実行される演出態様と、図619~図621までに示した第3図柄表示装置81で表示される演出態様と、をそれぞれ説明する。
図622は、時短図柄に当選したことに基づく時短状態の間に規定回数(天井抽選回数)に到達し、時短状態が重複して設定される場合における演出態様の推移を示下図である。図622では、天井抽選回数に到達するまでの残りの特別図柄の抽選回数が25回となったタイミングで時短回数が50回の時短図柄に当選した場合を例示して、演出態様と特別図柄の抽選回数との対応関係を示している。
規定回数(本制御例では、500回)まで残り25回となった変動回数475回目(大当たり遊技が実行されずに変動された回数)の変動開始時の抽選において、時短図柄当選し、その特別図柄の変動表示中(動的表示中)に図619(a)に示す時短図柄当選演出が実行される。図619(a)は、時短図柄当選演出の一例を示した演出態様図である。時短図柄当選すると、その特別図柄の変動が開始されると、特別図柄(第3図柄)の変動表示領域Dm1が右上に縮小表示される。特別図柄が変動表示されていた表示領域(変動表示領域Dm1よりも大きい表示領域)には、ウサギのキャラクタ801が表示され、その上方に付与される時短遊技状態の変動回数(特別図柄の変動回数)を示唆する態様811a~811dが複数回転して表示される。そのさらに上方には、「~チャンスタイム待機中~」という時短図柄当選したことを示すための態様が表示され、遊技者が時短図柄当選したことが識別可能に構成されている。
時短図柄当選して突然時短遊技状態(時短遊技状態)が設定される場合には、抽選により複数の変動回数が1の変動回数が決定されて、その変動回数に対応した特別図柄の変動が実行されるまで時短遊技状態が継続して設定される。なお、設定された変動回数が実行される前に大当たりに当選した場合には、その大当たり抽選により抽選された遊技状態が大当たり遊技後に設定される為、設定された変動回数が実行されるよりも前に時短遊技状態が終了してしまうことになる場合もあり得る。
また、図619(a)に示すように、第3図柄表示装置81の左上領域の小表示領域Dm4には、「右打ち」という文字が表示され、第3図柄表示装置81の右側(右打ち領域)を遊技球が通過するように遊技球を遊技者に発射させるように示唆する報知態様が表示されている。なお、本制御例では、時短図柄当選した特別図柄の変動から右打ち報知することで、時短図柄当選したことを遊技者にさらに分かり易く報知したが、それに限らず、右打ち報知を突然時短遊技状態が設定される次の変動(476回目)の特別図柄の変動開始から報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者により有利な報知をすることができる。また、図619(a)に示すように、副表示領域Ds(表示領域の下方)には、保留図柄の表示が非表示にされ、「チャンスタイムの回数を決めろ!」という突然時短遊技状態が継続される変動回数を示唆するための態様が候補の中から決定されることを示唆するための文字表示がされる。
ここで、図619(a)の演出態様が実行されている状態で、特別図柄の変動時間が経過(変動時間が終了したタイミング)する直前(変動停止5秒前等)となると、図619(b)に示すように表示されていた突然時短遊技状態が継続される変動回数の候補811a~811dのうち、1の変動回数が決定される。図619(b)の例では、100回の変動回数が継続回数として報知されている。なお、本制御例では、遊技者に報知される変動回数は実際に決定されている変動回数(突然時短遊技状態が継続されるまでの実際の変動回数)以下の変動回数が演出上の変動回数として報知されるように構成されている。このように構成することで、演出上の変動回数が0回となった場合にも、時短遊技状態が継続することを遊技者に期待させることが可能となり、演出態様を多様化することができる。時短遊技状態が継続して実行される演出上の変動回数が決定されると、副表示領域Dm4にも演出上の変動回数が決定されたことを示すための態様(「100回GET!!」という文字表示)がされる。また、特別図柄の変動が停止表示されて外れを示す組み合わせ態様で小領域Dm1に停止表示される。
図619(b)に示すように、突然時短遊技状態の演出上の変動回数候補811a~811dが回転表示されている状態から、特別図柄の変動時間が経過する直前のタイミングとなると、ウサギ801が上方にジャンプしてパンチをし、一つの演出上の変動回数態様を叩いて決定し、その変動回数態様(変動回数図柄)が拡大して表示される。その他の変動回数態様は、表示領域外の方向へと縮小されながら飛び散ることで、決定された変動回数態様を分かり易くなるように構成されている。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間に対応して自動的に変動回数態様が決定される構成としたが、それに限らず、遊技者が枠ボタン22を押下するか、枠ボタン22の有効時間が経過(有効時間が終了したタイミング)すると、図619(b)に示すように表示されていた突然時短遊技状態が継続される変動回数の候補811a~811dのうち、1の変動回数が決定されるように構成してもよい。
ここで、図622に示すように、実際に時短当選図柄で当選した突然時短遊技状態が継続される特別図柄の変動回数は、ここで示した例では、50回であるが、演出上の変動回数態様として100回が決定される。これは、実際に決定された50回の特別図柄が変動されるよりも前に天井遊技状態が設定されるまでの26回が経過して、天井遊技状態として時短遊技状態が26回経過した時点で残り回数が100回に更新されるため、実際には時短図柄に当選してから126回の特別図柄の変動表示が終了するまでの間、時短状態が継続する挙動となるため、126回以下の回数である100回を決定しても、演出上の矛盾が発生しないためである。
このように構成することで、実際の突然時短遊技状態が継続される変動回数は50回であっても、演出上の変動回数を決定する演出において、50回を越える候補の変動回数態様を決定することが可能となり、遊技者により有利な報知を行うことができ、遊技の興趣をより向上できる。さらに、後述する演出であるが、実際の変動回数が50回のところ、100回を報知しても、突然時短遊技状態の開始から天井遊技状態の終了までの総変動回数は最大で126回であることから、報知した演出上の100回よりも多くなり、途中の演出として最大26回分を上乗せ演出として使用することが可能となる。これにより、実際の時短遊技状態(突然時短遊技状態または天井遊技状態)が継続される変動回数が遊技者に分かり難くでき、無限に残りの変動回数が上乗せされる期待感を持たせることができる。
次に、図622における変動回数が476回目(残時短回数(突然時短遊技状態が継続される特別図柄の残りの変動回数)が50回)より実行される突然時短遊技状態中に実行される演出であるチャンスタイム中演出について説明する。図620(a)は、このチャンスタイム中演出の態様における一例を示した図である。チャンスタイム中(突然時短遊技状態が設定されている期間)となると、表示領域の右打ち報知が実行される小領域Dm4の下方の小領域Ds7に演出上の残時短回数が表示される。図620(a)では、演出上の残時短回数が0回となった場合の特別図柄の変動表示が停止したタイミング(小領域Ds1で表示された特別図柄(第2特別図柄)が停止されたタイミング)の態様を示している。主表示領域Dmには、ウサギのキャラクタ801と天使のキャラクタ809とが表示され、宝箱810を空けて残時短回数の上乗せが実行されるか否かの演出が実行され、宝箱810が空いたタイミングで中より煙と上乗せされる演出上の残時短回数を示す「10」を示す上乗せ態様810aが表示される。副表示領域Dsには、残時短回数が上乗せされたことを示す態様である「チャンスタイム上乗せ!」という文字が表示される。
残時短回数の上乗せがされる上乗せ態様810aが表示された後には、上乗せ態様810aの時短回数を示す数字(10)が小領域Ds7まで移動される演出がされた後に、小領域Ds7の残時短回数が10回に更新される。このように演出されることで、表示された上乗せ態様810aが残時短回数を増加させる演出であったことを分かり易く報知することができる。また、チャンスタイム中の演出としては、ウサギのキャラクタ801がダッシュする演出が主表示領域Dmに表示され、宝箱810を探す演出等が特別図柄の変動中に実行される。このように構成することで、突然時短遊技状態では、主に第2特別図柄の変動が実行され、その変動時間は、通常遊技状態よりも短い変動時間が選択され易くされるが、複数の特別図柄の変動時間を利用して、一貫性のある分かり易い演出をすることができる。また、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には、宝箱810の中から「V」という文字が表示され、大当たりであることを示すための態様が表示される。その後、特別図柄が停止した後に大当たり遊技が開始される。
また、チャンスタイム中に時短図柄に当選(大当たり遊技が実行されずに、特別図柄の変動停止時に突然時短遊技状態(時短遊技状態)が設定される抽選結果)した場合には、宝箱810から新たに決定された継続時短回数(天井遊技状態が継続される特別図柄の変動回数)または、継続時短回数とその後に設定される天井遊技状態との継続時短回数との情報を判別して上乗せ態様が決定されて報知される。
なお、本制御例では、チャンスタイム中に時短図柄に当選する構成としたが、それに限らず、突然時短遊技状態(チャンスタイム中)となった場合には、突然時短遊技状態が終了するまで時短図柄に当選しないように制御してもよい。この場合には、時短図柄の抽選を実行しなくても良いし、時短図柄の抽選に当選した場合には無効とする制御を実行してもよい。
なお、チャンスタイム中演出において、宝箱810が表示される演出は、特別図柄の変動開始タイミングで宝箱810の演出が実行されていないことを条件に演出抽選が実行され、宝箱810の演出を実行すると決定された場合に実行されるように構成されている。この場合には、演出上の残時短回数と実際の残時短回数との差分が大きい程、宝箱810の演出を実行すると決定される確率が高く設定されるように構成されている。さらに、宝箱810の演出が実行される決定された場合には、残時短回数の差分と、保留球の先読み結果とに基づいて宝箱810が空いた場合に実行される演出態様の内容が決定される。なお、この場合に、演出態様なしが決定されると、宝箱810が空かない演出が実行されるように構成されている。なお、演出態様なしが決定されると、宝箱810が空かないように構成したが、空いて煙のみが報知されるように構成してもよい。また、宝箱810の演出の実行を決定する場合に、所定の確率で宝箱810が空くか空かないかも決定するように構成してもよい。
次に、図622における501回目の特別図柄の変動が停止したタイミングで天井遊技状態(継続時短回数100回)が設定される。ここで、突然時短遊技状態から天井遊技状態へと移行するが、第3図柄表示装置81で表示される演出態様は、先に説明したチャンスタイム中演出が継続して実行される。
次に、図622における特別図柄の変動回数が575回の場合に上乗せ演出として先に説明した図620(a)の演出態様が実行される例が示してある。ここでは、特別図柄の575回目の変動が実行される際の抽選で宝箱の演出を実行すると決定され、上乗せ態様として10回が決定されたことで図620(a)に示すように上乗せ回数が10回を示す上乗せ態様が実行される。その後、特別図柄の変動回数が576回目からはチャンスタイム中演出が継続して実行される。その後、595回目(天井遊技状態の残時短回数が6回)の特別図柄の変動では終了待機演出が実行される。本第19制御例では、上乗せ演出として、10の倍数の回数を上乗せするように構成されているため、表示上の時短回数が0回になった時点で、実際の時短状態の残回数に10未満の端数の残回数が生じる可能性がある。よって、この端数の時短残回数を消化している間は、終了待機演出として残時短回数が報知されない表示態様が設定される。これにより、いつまで時短状態が継続するか分からないドキドキ感を遊技者に対して抱かせることができる。
図620(b)は、この終了待機演出において第3図柄表示装置81で表示される演出態様の一例を示した図である。終了待機演出は、小表示領域Dm4の下方の小表示領域Dm7に残時短回数が0回まで更新された後に、演出上の残時短回数も識別することができない「ラスト???回」という表示がされる。まmた、主表示領域Dmには、ウサギ801がダッシュする雲の一部に穴812が空き、落ちると天井遊技状態(時短遊技状態)が終了することを示す演出が実行される。主表示領域Dmの上部には演出上の残時短回数が0回未満となり、残り回数を示唆する態様が識別不能とされる期間であることを示す「~終了待機中~」という文字の態様が表示される。小表示領域Dm1には、第2特別図柄が縮小して変動表示され、副表示領域Dsには、特別図柄の変動表示が停止する毎に天井遊技状態が終了してしまう可能性のある期間であることを示す「終了待機ゾーン」の文字が表示される。このように構成することで、遊技者は、演出上の残時短回数が0回となっても天井遊技状態が終了することなく、次の特別図柄の変動でも継続されて、演出上の残時短回数が識別困難となる「ラスト???回」という文字表示で報知されることで、特別図柄の変動が停止する毎に天井遊技状態が終了してしまう危機感を感じ、終了しなかった場合の安堵感とのコントラストを楽しむことができ、遊技の興趣を向上することができる。
図622に示すように特別図柄の変動回数が600回(天井遊技状態の残時短回数1回)となるとその変動が停止するタイミングで天井遊技状態が終了し、通常遊技状態へと移行されるタイミングとなり、特別図柄の変動中に終了演出が実行される。図621は、この終了演出において第3図柄表示装置81で表示される演出態様の内容の一例を示した図である。終了演出態様では、特別図柄の変動開始から先に説明した終了待機演出と同様にウサギ801が穴の空いた雲の上をダッシュする演出がされ、特別図柄の変動停止5秒前に図621に示すように穴812から落ちる演出が実行される。また、小表示領域Dm7には、「ラスト???回」という演出上の残時短回数が識別困難な態様が表示され、特別図柄の変動表示は、変動時間が仮停止され、変動時間が経過するのを待機されている(小表示領域Dm1参照)。また、副表示領域Dsには、チャンスタイム(天井遊技状態(時短遊技状態))が終了したことを示す「チャンスタイム終了!」の文字が表示される。また、主表示領域Dmの上部には、「~終了~」の文字が表示されチャンスタイムの終了を示す報知がされている。
このように、上記した相違点1の構成により規定回数の残り回数が、時短図柄当選し、突然時短遊技状態が継続して設定される変動回数よりも少なくなった場合には、時短図柄当選時に、その後に設定される天井遊技状態が継続される変動回数も加味した変動回数を設定可能な時短回数として演出を実行するように構成した。このように構成することで、実際に付与される時短回数よりも多くの残時短回数を時短図柄当選に基づいたタイミングで報知することも可能であるし、実際の回数よりも多い残時短回数となるように上乗せ演出を実行することも可能となるので、遊技者に実際の回数が何回であるか予想させ難くできる。また、遊技者が想定外となる残時短回数が報知されるので、遊技者に新鮮味のある演出を提供することができる。
<相違点2および3における演出について>
次に、図623~図625を参照して、上記した相違点2および3における第3図柄表示装置81で表示される演出の一例について説明する。上記した相違点2では、ラムクリアの操作がされて電源が投入されても天井遊技状態が設定される規定回数をカウントするためのカウンタの値を初期化がされず、カウント値が保持されるので、そのカウント値の値に基づいて特別図柄を変動表示するための変動パターン群(変動パターンシナリオ)が切り替えられる。また、上記した相違点3では、天井遊技状態が設定され、設定された時短回数が実行されたことに基づいて通常遊技状態へ移行した後に、再度、規定回数の特別図柄の変動が実行され天井遊技状態へ移行する場合に、天井遊技状態に移行する毎に変動パターン群(変動パターンシナリオ)を切り替えて特定の変動パターンが選択され易くするように構成されている。
図623(a)および(b)は、規定回数目の特別図柄の変動が停止表示され、その次の1変動目に実行される変動パターンの演出の一例を示した図である。規定回数目の特別図柄の変動が停止表示されることに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン群が天井到達時用テーブル202sb4(図628(c)参照)が選択されるように設定される。天井到達時用テーブル202sb4(変動パターン群)から選択される変動パターンは、図623(a)に示すように第3図柄表示装置81の表示領域の右上の小表示領域Ds1に特別図柄が縮小して変動表示され、主表示領域Dmにはウサギのキャラクタ801が表示され、ウサギ801の右上方には、天使のキャラクタ809が文字情報の表示されたボードを持って表示される。ボードには、天井遊技状態に到達するまでの遊技状態を示すための「天井までの軌跡」という文字情報が表示され、さらに、天井遊技状態が設定されるまでに実行された小当たり遊技の回数(小ボーナス:2回の文字表示)と、特別図柄の変動回数(スタート回数:500回の文字表示)とが文字表示されている。また、小表示領域Dm7には、「天井!?」という規定回数の特別図柄の変動が実行されたことを示唆するための態様が文字情報で表示委されている。また、副表示領域Dsには、「天井到達!!チャンスタイムGET!」という規定回数の特別図柄の変動が実行されたことを示すための報知態様が文字情報で表示される。
図623(a)でしたした態様が10秒間表示(動的表示)された後には、図623(b)に示す演出態様が表示される。図623(a)の演出態様が表示された後に表示される図623(b)に示す演出態様は、特別図柄の変動は、小表示領域Dm1で継続して変動表示されており、主表示領域Dmでは、ウサギのキャラクタ801が継続して表示され、天使のキャラクタ809が持っていたボードが非表示となり、天使809から「チャンスタイム中に当たると大チャンス!?」というコメント表示を吹き出しで表示されて、天井遊技状態で大当たりの抽選がされると、遊技者に通常遊技状態よりも有利となることを示唆するための態様が報知される。
ここで、本制御例では、天井遊技状態中に大当たりとなると、遊技者に有利となる大当たり種別が通常遊技状態で大当たりとなるよりも選択され易く設定されている。これにより、天井遊技状態が設定される100回の特別図柄が抽選される間に大当たりとなると有利となることを促す演出を実行することで、天井遊技状態中に大当たりとなった場合に、より興趣を向上させることができる。さらに、天井遊技状態に移行することを遊技者に期待させることができるので、遊技者が継続して規定回数まで特別図柄の変動が実行されることを目指して長期間遊技を行わせることができる。
また、図623(b)に示すように、小表示領域Dm4には、「右打ち」という文字表示がされ、天井遊技状態に移行するため、右打ち遊技を実行させることを示唆するための報知が実行される。また、小表示領域Dm7には、「ラスト100回」という文字表示がされ、残時短回数の報知が実行される。また、副表示領域Dsには、「天井到達!!チャンスタイムGET!」という規定回数の特別図柄の変動が実行されたことを示すための報知態様が文字情報で表示される。
このように構成することで、天井遊技状態が設定されるための規定回数(本制御例では、500回)が経過して、501回目となると、変動パターンテーブルが切り替えられることで、501回目の変動を専用の変動パターンを実行することができ、天井遊技状態に移行することを事前に報知して、天井遊技状態での遊技方法等を分かり易く報知することができる。
図624(a)および(b)を参照して、本制御例における上記した相違点2および3における特別図柄の変動回数に基づいて変動パターンテーブルが切り替えられることで実行される天井遊技状態が設定されるための規定回数までの残り回数を示唆するための演出について説明する。図624(a)は、天井遊技状態が設定される規定回数に到達したことへの期待度が低い場合に実行される弱煽り演出態様の一例を示した図である。
図624(a)に示すように、表示領域における右上に配置された小表示領域Dm1では、特別図柄が縮小して変動表示され、主表示領域Dmでも大きい特別図柄が変動表示されている。主表示領域Dmの右下には、保留図柄hr1、hr2(黒丸図柄)が表示され、保留球数が2個であることが報知されている。主表示領域Dmには、天使のキャラクタ809が表示され、コメント表示で「近づいている・・・?」という規定回数までの残り回数への期待度を示すための態様が表示される。小表示領域Dm7には「ボーナス間350回」という大当たり遊技が実行されてからの特別図柄の変動が実行された回数を示唆するための態様が表示されている。また、副表示領域Dsには、「天使出現!」という文字表示がされ、規定回数までの報知がされる予告態様が実行されていることを示唆するための態様が文字表示で報知されている。
このように、ラムクリアが実行されても初期化されない大当たりが実行されてから特別図柄の変動回数をカウント値に基づいて変動パターンテーブルが決定され、所定の変動回数で規定回数に到達することへの期待度を示した予告演出を実行することで、予告演出より規定回数に到達するまでの残回数を遊技者が予測して遊技を行うことができ、遊技を継続するか否かの判断を行う楽しみを与えることができる。
次に、図624(b)を参照して、規定回数に到達することへの期待度が高い強煽り演出態様の一例について説明する。強煽り演出態様では、小表示領域Dm7に「ボーナス間450回」という大当たり遊技が実行されてから特別図柄の変動回数が450回であることを示唆する態様が文字表示される。また、主表示領域Dmには、特別図柄の変動表示に加えて、天使のキャラクタ809とは異なる大天使のキャラクタ809zが表示され、コメント表示で「大接近中!!」という天井遊技状態が設定される規定回数までの残り回数が少ないことへの期待度が高いことを示唆するための態様が文字表示される。
詳細は、後述するが、本制御例では、ラムクリアが実行されてもリセットされない大当たり遊技間の特別図柄の変動回数をカウントするための特図抽選カウンタ203laの値に基づいて変動パターンテーブルが切り替えて設定される。本制御例では、図629(b)の変動パターンシナリオ19テーブル202sjで規定されているように、特図抽選カウンタ203laの値が350、400、450・・・というように50回毎に天井煽り用テーブル202sb3が設定されるように構成されている。天井煽り用テーブルでは、抽選により変動パターンが設定されているように割り当てられており、特図抽選カウンタ203laの値が規定回数(500回、1000回・・・)に近い程、先に説明した強煽り演出態様が決定される割合が高くなるように設定されている。このように構成することで、強煽り演出態様が実行された場合に、残り回数が少ないことを期待させることができ、遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、上述した第16制御例と同様に、本第19制御例でも、小ボーナス(特殊大当たりおよび小当たり)を搭載しており、表示上の抽選回数(ボーナス間の抽選回数)は小ボーナス当選でリセットされるように構成している。つまり、天井抽選回数までの残回数がリセットされない小当たりでも見た目上の抽選回数(ボーナス間回数)が0にリセットされるため、表示上の抽選回数から完全に天井抽選回数までの残回数を見抜くことが困難に構成している。係る状況下において、天井抽選回数が近づくほど大天使のキャラクタ809zが表示される天井煽り演出を設定する構成とすることにより、演出態様から天井抽選回数までの残り回数を遊技者に予測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図625を参照して、天井遊技状態に1度移行した後に、継続回数まで特別図柄の変動が実行され、通常遊技状態に移行した後、再度大当たり遊技が実行されることなく規定回数まで残り150回となる特別図柄の変動回数が850回目となり、天井煽りテーブル202sb3が設定され、選択された変動パターンにより実行される演出態様の一例を示した図である。図625に示すように、主表示領域Dmに特別図柄の変動表示に加え、天使のキャラクタ809が表示され、コメントとして「再び近づいている・・・?」という2度目の天井遊技状態が設定される規定回数の残り回数を示唆するための態様が文字表示される。このように、大当たり遊技が実行されずに、連続して天井遊技状態が設定される場合には、1回目の天井煽りの演出態様とは異なる演出態様が実行されるようにされているので、再度天井遊技状態が設定されることへの期待度であることを認識して遊技を行うことができ、大当たり遊技が実行される確率等を遊技者が判別して継続して遊技を行うかの判断をすることができる。
<第19制御例における電気的構成について>
次に、図626~図630を参照して、本第19制御例における電気的構成について説明する。なお、第16制御例と相違する点についてのみ説明し、同一の内容については、図示とその説明を省略する。
図626(a)は、本第19制御例における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第19制御例では、第1当たり乱数19テーブル202sa、変動パターン選択19テーブル202sb、時短当たり種別選択19テーブル202si、変動パターンシナリオ19テーブル202sjの内容が変更されている。
図627は、第1当たり乱数19テーブル202saの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり乱数19テーブル202saは、第1入球口64または第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1の当否判定(判別)を実行するための情報が設定されている。遊技状態として通常遊技状態や時短遊技状態(突然時短遊技状態、天井遊技状態を含む)として大当たりの判定確率が低確率に設定されている低確率状態である場合と、確変遊技状態(潜伏確変遊技状態)として大当たりの判定確率が低確率状態よりも高く設定される高確率状態である場合とでそれぞれ設定として1~6までのそれぞれに対して大当たりと判定する設定値(判定値)が設定されている。図627に示すように、低確率状態である場合には、設定1に対して0~4、設定2に対して0~5、設定3に対して0~6、設定4に対して0~7、設定5に対して0~8、設定6に対して0~9、がそれぞれ判定値として設定されている。また、高確率状態である場合には、設定1に対して0~19、設定2に対して0~23、設定3に対して0~27、設定4に対して0~31、設定5に対して0~36、設定6に対して0~39、がそれぞれ判定値として設定されている。また、第1当たり乱数カウンタC1の40~64までのそれぞれの値が、小当たりと判定されるように判定値が設定されている。
次に、図628を参照して、変動パターン選択10テーブル202sbについて説明する。変動パターン選択19テーブル202sbは、取得された特別図柄の変動開始時において取得された変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄の当否判定結果、現在の保留球数に基づいて変動パターンを選択するための変動パターンテーブル(変動パターン群)を決定するための選択テーブルである。選択される変動パターンテーブルは、現在設定されている遊技状態の種別(通常遊技状態、時短遊技状態、突然時短遊技状態、天井遊技状態、確変遊技状態)や特別図柄の変動回数等に基づいて1の変動パターンテーブルが決定される。なお、本制御例では、上記したように変動パターンテーブルを選択したが、それに限らず、所定の抽選を実行して、変動パターンテーブルの種別を決定してもよいし、大当たり遊技の終了タイミングや、小当たり遊技の実行後に1の変動パターンテーブルを所定の選択確率で実行した選択抽選の結果や、遊技状態や、特別図柄の変動回数や、大当たり、小当たりの回数情報や、天井遊技状態までの残変動回数、天井遊技状態に移行した回数情報等のいずれかまたはそのうちのいくつかを組み合わせた情報に基づいて選択するように構成してもよい。
図628(a)は、変動パターン選択19テーブル202sbの内容を模式的に示した模式図である。変動パターン選択10テーブル202sbには、通常用19テーブル202sb1、確変・時短用19テーブル202sb2、天井煽り用テーブル202sb3,天井到達時用テーブル202sb4がそれぞれ設定されている。
通常用19テーブル202sb1と確変・時短用19テーブル202sb2とは、図示は省略するが、簡略的に説明すると、通常用19テーブル202sb1は、通常遊技状態が設定されている場合に、変動パターンの選択がされるテーブルとして設定されるテーブルである。大当たり判定の結果(当たり、外れ、小当たり)、現在の保留球数、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応して複数の変動パターンが設定されている。なお、各変動パターンには、予め特別図柄の変動時間(変動パターンの実行期間)が設定されていることから、変動パターンの選択は、変動期間(動的表示期間)の選択と言い換えることもできる。このように構成することで、1の当否判定結果が表示されるまでの期間を設計上で設定しておくことができるので、時間当たりに抽選される回数を制限することが可能となり、遊技の射幸性を調整して設計することができる。
確変・時短用19テーブル202sb2は、確変遊技状態、時短遊技状態である場合に変動パターンを選択するための変動パターンテーブルとして選択されるものであり、確変遊技状態、時短遊技状態のそれぞれに対応して、当否判定結果、現在の保留個数、変動種別カウンタCS1の値とに対応して複数の変動パターンがそれぞれ設定されている。なお、確変・時短用19テーブル202sb2に設定されている変動パターンは、通常用19テーブルに設定されている変動パターンよりも変動時間が短く設定されており、短時間に多くの抽選を実行させることが可能となっている。
次に、図628(b)を参照して、天井煽り用テーブル202sb3について説明する。図628(b)は、この天井煽り用テーブル202sb3の内容を模式的に示した模式図である。この天井煽り用テーブル202sb3は、大当たり遊技が実行された後の特別図柄の変動回数(大当たり遊技が実行されていない遊技機では遊技開始から特別図柄の変動回数)が350回、400回、450回である場合に選択されるテーブルである。なお、選択するための変動回数の判別は、特図抽選カウンタ203laの値に基づいて選択される。
天井煽り用テーブル202sb3は、特別図柄の当否判定結果(当たり、特殊当たり、小当たり、外れ(時短図柄当選時)、外れ)に対応してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が割り当てられており、その変動種別カウンタCS1の値に対応して複数の変動パターンがそれぞれ設定されている。天井煽り用テーブル202sb3で選択される各変動パターンでは、先に説明した天井煽り用の演出(図624および625)が実行されるように構成されている。
次に、図628(b)を参照して、天井到達時用テーブル202sb4について説明する。図628(b)は、この天井到達時用テーブル202sb4の内容を模式的に示した模式図である。天井到達時用テーブル202sb4は、天井遊技状態が設定される規定回数に特別図柄の変動回数が達し、その次の特別図柄の変動が実行される際(即ち、501回目)に選択される変動パターンテーブルである。
天井到達時用テーブル202sb4は、特別図柄の当否判定結果(当たり、特殊当たり、当たりおよび特殊当たり以外)に対応してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が割り当てられており、その変動種別カウンタCS1の値に対応して複数の変動パターンがそれぞれ設定されている。天井到達時用テーブル202sb4で選択される各変動パターンでは、先に説明した天井到達時用の演出(図623)が実行されるように構成されている。
次に、図629(a)を参照して、時短当たり種別選択19テーブル202siについて説明する。図629(a)は、時短当たり種別選択19テーブル202siの内容を模式的に示した模式図である。この時短当たり種別選択19テーブル202siは、当否判定の抽選において、時短図柄当選した場合に、天井時短遊技状態が継続して設定される特別図柄の変動回数(時短回数)を選択するためのデータテーブル(抽選テーブル)である。始動入賞時に取得している第1当たり種別カウンタC2の値に対応して時短図柄の種別がそれぞれ設定されている。
詳細には、図629(a)に示すように、第1当たり種別カウンタC2の値が0である場合には時短図柄A(時短回数100回)が選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が1~19である場合には時短図柄B(時短回数50回)が選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が20~99である場合には時短図柄C(時短回数30回)が選択されるように構成されている。
次に、図629(b)を参照して、変動パターンシナリオ19テーブルsjについて説明する。図629(b)は、変動パターンシナリオ19テーブルsjの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターンシナリオ19テーブルsjは、大当たり遊技が実行されてからの特別図柄の変動回数(特図抽選カウンタ203laの値)に基づいて変動パターンテーブルを選択するためのデータが規定されたデータテーブルである。このシナリオテーブルは、天井遊技状態に未到達時である場合には、天井未到達に対応したシナリオテーブルが後述するシナリオ格納エリア203sbに格納されて、特図抽選カウンタ203laの値に基づいて変動パターン種別が選択される。一方、天井遊技状態に到達し、設定された時短遊技状態(天井遊技状態)が終了した場合には、天井到達に対応したシナリオテーブルがシナリオ格納エリア203sbに格納されて、特図抽選カウンタ203laの値に基づいて変動パターン種別が選択される。
図629(b)に示すように、天井未到達時のシナリオは、通常状態(通常遊技状態)と通常状態以外とでそれぞれシナリオが設定されている。通常状態である場合には、特図抽選カウンタ203laの値(大当たり遊技後からの特別図柄の変動回数)が1~349である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、350である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、351~399である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、400である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、401~449である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、450である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、451~500である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択されるように設定されている。なお、通常状態以外である場合には、常に確変・時短用19テーブル202sb2が選択されるように設定されている。
一方、天井到達時のシナリオは、通常状態(通常遊技状態)と通常状態以外とでそれぞれシナリオが設定されている。通常状態である場合には、特図抽選カウンタ203laの値(大当たり遊技後からの特別図柄の変動回数)が1である場合には、天井到達時用(天井到達時用テーブル202sb4)が選択され、2~349である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、350である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、351~399である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、400である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、401~449である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、450である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、451~500である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択されるように設定されている。なお、通常状態以外である場合には、常に確変・時短用19テーブル202sb2が選択されるように設定されている。
このように構成することで、天井到達時毎(大当たりの遊技後から特別図柄の変動回数が500回実行される毎)にその次の変動パターンとして天井到達時専用の変動パターンとすることができ、遊技者に天井遊技状態へ移行することを分かり易く報知でき、いきなり大当たり遊技も実行されずに遊技状態が移行することへの違和感を抑制できる。
また、図629に示した通り、天井未到達用の変動パターンシナリオも、天井到達用の変動パターンシナリオも、通常状態におけるシナリオと通常状態以外の遊技状態におけるシナリオとの2つが一組として構成されている。つまり、変動パターンシナリオを設定する(シナリオ格納エリア223sbに格納する)際は、通常状態におけるシナリオと通常状態以外の遊技状態におけるシナリオとの2つを一組で設定する構成とし、通常状態の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する一方で、通常状態とは異なる遊技状態(確変状態や時短状態)の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態以外用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する構成としている。つまり、遊技状態が途中で変更された場合(例えば、通常状態において時短図柄に当選して時短状態に変更された場合等)においても、変動パターンシナリオを参照する際の特別図柄の抽選回数(変動回数)をリセットせずに、設定されている一組のシナリオのうち対応する遊技状態用のシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定することができるので、他の遊技状態に移行せずに通常状態が続いた場合でも、時短状態に1又は複数回移行して通常状態が設定された場合であっても、通常状態に滞在している間は、前回の大当たり終了後からの特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターン選択テーブルの種別との対応関係を共通化することができる。よって、通常状態が設定された経緯によらず、天井抽選回数までの残り回数が特定回数(150回、100回、および50回)となった場合に天井煽り用の変動パターンを選択することができ、天井煽り用の演出を実行することができる。よって、通常状態における演出態様を好適に設定することができる。
次に、図626(b)を参照して、本第19制御例における主制御装置110のRAM203について説明する。本第19制御例におけるRAM203は、第16制御例に対して天井時短待機フラグ203saと、シナリオ格納エリア203sbとが追加されている店で相違している。同一の構成については、その説明を省略する。
なお、特図抽選カウンタ203laは、通常のラムクリアが実行されてもリセットがされず、バックアップした値が保持されるように構成した。この特図抽選カウンタ203laは、特殊ラムクリアとして、ラムクリアして電源投入後、電源断させ、5秒以内に再度ラムクリアして電源投入を行うことでリセットされるように構成されている。
天井待機フラグ203saは、特別図柄の変動回数が、天井遊技状態が設定される規定回数まで到達したことを示すフラグである。規定回数まで到達した場合にオンに設定され、天井遊技状態に移行した場合にオフに設定される。
シナリオ格納エリア203pbは、変動パターンシナリオ19テーブルより取得した天井未到達用のシナリオか、天井到達用のシナリオを格納するためのエリアである。ラムクリアされても、特殊ラムクリアが実行されるまで情報がバックアップされて保持される領域である。
次に、図630を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。図630は、RAM223の構成を示したブロック図である。図630に示した通り、本第19制御例におけるRAM223は、上述した第16制御例におけるRAM223の構成(図520(b)参照)に対して、時短表示回数カウンタ223saと、天井到達済みフラグ223sbと、が追加されている点で相違している。
時短表示回数カウンタ223saは、時短状態の表示上の残りの抽選回数を示すカウンタであり、時短状態が設定される際に、当該設定される時短状態の時短回数に対応するカウンタ値が設定される。また、例外的に、時短図柄当選に基づいて設定される時短状態中に天井抽選回数に到達する可能性がある(当たりに当選しなければ時短回数内に天井抽選回数に到達する)場合は、時短図柄当選に基づく時短状態が開始されてから天井抽選回数到達に基づいて設定される時短状態が終了するまでの判別回数に応じたカウンタ値が設定される(図636のS34558A,S34559A参照)。時短状態が継続している間は、この時短表示回数カウンタ223saのカウンタ値に応じた時短回数が残りの時短回数として第3図柄表示装置81に表示される。
天井到達済フラグ223sbは、前回の大当たり終了後に天井抽選回数到達に基づく時短状態(天井遊技状態)に1回以上移行済みであるか否かを示すフラグである。この天井到達済フラグ223sbがオンであれば、天井遊技状態に移行済みであることを意味し、オフであれば、天井遊技状態が未設定であることを意味する。この天井到達済フラグ223sbは、初期値がオフに設定されており、天井抽選回数に到達した場合にオンに設定される(図635のS34521A参照)。天井煽り用の変動パターンが変動パターンコマンドにより通知された場合は、この天井到達済フラグ223sbの状態を参照して、天井煽り用の演出として天井未到達時用の演出態様(図624(a),(b)参照)を設定するか、1回以上天井遊技状態が終了した場合用の演出態様(図625参照)を設定するかが切り替えられる(図637のS34573A参照)。
<第19制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図631~633を参照して、本第19制御例における主制御装置110により実行される制御処理について説明する。なお、第16制御例と同一の内容については、その図示と説明を省略する。
図631は、第19制御例における主制御装置110により実行される天井判定処理19(S8321A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。この天井判定処理19は、天井遊技状態が設定される規定回数まで特図抽選カウンタ203la(大当たり遊技後の特別図柄の変動回数)が到達したかを判別して、到達した場合には、天井遊技状態を設定するための処理が実行される。
天井判定処理19が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S38101)、現在の遊技状態が特別図柄の低確率状態であるかを判別する(S38102)。特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S38102:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値の1を加算し(S38103)、天井時短待機フラグ203saがオンであるか判別される(S38121A)。この天井時短待機フラグ203saは、特図抽選カウンタ203laの値が規定回数である500となった場合にオンに設定されるフラグであり、天井遊技状態を設定するための規定回数まで特別図柄の変動が実行されたことを示している(オンである場合)。天井時短待機フラグ203saがオフである場合には(S38121A:No)、加算後の特図抽選カウンタ203laの値が500に到達したかを判別する(S38104)。
S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500に到達していないと判別した場合は(S38104:No)、現在の特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。S38105の処理によって設定された状態コマンドは、上述した第5制御例にて設定される他の状態コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、特図抽選カウンタ203laの値を示す状態コマンドを受信した場合に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が更新される。これにより、音声ランプ制御装置113側においても、特図抽選カウンタ203laの値、即ち、ハマリ回数を判別可能となる。
一方、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合には(S38104:Yes)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示すデータを設定し(S38112A)、今回の時短抽選に基づく情報をクリアする処理を実行し(S38113A)、第3時短状態を示す情報と、時短回数(100回)を示す情報とを含む状態コマンドを設定する(S38114A)。特図抽選カウンタ203laの値に1加算して更新し(S38124A)、天井時短待機フラグ203saをオンに設定して(S38125A)、シナリオ格納エリア203sbに天井到達後用のシナリオを変動パターンシナリオ19テーブル202sjから選択して設定する(S38126A)。大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定する(S3817A)。その後、この処理を終了する。
一方、S38121Aの処理において、天井時短待機フラグ203saがオンであると判別された場合には(S38121A:Yes)、時短カウンタ203hに100を設定し(S38122A)、天井待機フラグ203saおよび天井時短フラグ203paをオンに設定し(S38123A)、この処理を終了する。
次に、図632を参照して、本第19制御例における主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図632は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。なお、図166を参照して説明した内容を重複する部分があるが、理解を容易にするために再度説明する。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図632)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、設定キーがオン位置まで回された状態であるか判別する(S1751A)。設定キーがオン位置である場合には、設定値制御処理(S1752A)の処理を実行した後に、処理を終了する。なお、設定値制御処理(S1752A)については、詳細を後述するが、RAMクリアの操作がされている場合には、初期化の処理がされた後に、遊技機の設定(1~6)に関する処理が実行される。一方、設定キーがオフ位置である場合には、S1704の処理を実行する。S1704の処理では、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図121参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM203の初期化処理として使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期化(クリア)処理(S1753A)を実行する。その後、RAM222のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期設定として、初期データが設定される(S1754A)。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理として使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期化(クリア)処理(S1753A)を実行する。その後、RAM222のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期設定として、初期データが設定される(S1754A)。その後、S1710の処理を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、S1712,S1753A,S1754Aの処理を実行した後にS1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1721Aの処理へ移行する。S1721Aの処理では、立ち上げ時信号出力処理(S1721A)が実行される。この立ち上げ時信号出力処理(S1721A)については、上述した第16制御例における図533の処理と同一の処理であるので、その図示と説明を省略する。
立ち上げ時信号出力処理(S1721A)の実行後には、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31701)と、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31702)が実行される。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、割込みを許可し(S1711)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図633を参照して、本第10制御例における主制御装置110に実行される立ち上げ処理(図632)内の一処理である設定値制御処理(S1752A)について説明する。図633は、この設定値制御処理(S1752A)の制御内容を示したフローチャートである。設定値制御処理(S1752A)では、主に遊技機の設定を変更、確認するための処理が実行される。
まず、設定値制御処理(S1752A)では、RAM消去スイッチ122がオン(操作されている)か判別される(S1761A)。RAM消去スイッチ122がオンであると判別された場合には(S1761A:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信し(S1712)、RAM203の初期化処理として使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期化(クリア)処理(S1763A)を実行する。その後、RAM222のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期設定として、初期データが設定される(S1764A)。
その後、設定の変更が実行される状態であることを示すための設定変更状態を示す状態コマンドが設定される(S1765A)。設定スイッチがオンであるか判別する(S1766A)。設定スイッチがオンであると判別した場合には(S1766A:Yes)、設定値格納エリアのデータを設定された設定種別に更新する(S1767A)。設定キーはオフ位置であるか判別され(S1768A)、設定キーがオフ位置であると判別された場合には(S1768A:Yes)、この処理を終了する。一方、設定キーがオン位置であると判別された場合には(S1768:No)、S1766A,S1767AおよびS1768Aまでの処理を設定キーがオフ位置となるまで繰り返し実行される。
一方、S1761Aの処理においてRAM消去スイッチがオフであると判別した場合には(S1761A:No)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1769A)、設定値格納エリアのデータを読み出し(S1770A),読み出したデータに対応する設定値を設定表示装置に表示し(S1771A)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定し(S1772A)、設定キーがオフであるか判別する(S1773A)。設定キーがオフ位置であると判別した場合には(S1773A:Yes)、この処理を終了する。設定キーがオン位置であると判別した場合には(S1773A:No)、S1773Aの処理が、設定キーがオン位置となるまで繰り返し実行される。
次に、図634~図637を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明する。なお、第16制御例と同一の内容については、図示とその説明は省略する。
図634を参照して、音声ランプ制御装置113により実行される演出態様設定処理19(S5001A)について説明する。図634は、この演出態様設定処理19(S5001A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。
この演出態様設定処理19(S5001)は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行されるものであって、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。
演出態様設定処理19(S5001A)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいか、即ち、現在が第2時短状態、或いは、第3時短状態であるかを判別し(S34401)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S34401:No)、通常モード用演出設定処理19を実行し(S34431A)、その後、本処理を終了する。
一方、S34401の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34401:Yes)、特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであるか判別し(S34432A)、大当たりであると判別した場合には(S34432A:Yes)、大当たり当選を示す演出態様を設定し(S3433A)、S34407の処理を実行した後に、この処理を終了する。一方、S34432Aの処理において、抽選結果が大当たり以外であると判別した場合には(S34432:No)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S34403)、天井到達時用の変動パターンが設定されているか判別し(S34434A)、天井到達時用の変動パターンが設定されていると判別した場合には(S34434A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータに基づいて天井到達時用の演出態様を設定し(S34435A)、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。
一方、天井到達時用の変動パターンでないと判別した場合(S34434A:No)、時短表示回数カウンタの値が0より大きい値であるか、即ち、演出上の残時短回数が0より大きい値であるか判別する(S34436A)。時短表示回数カウンタの値が0以下であると判別した場合には(S34436A:No)、時短中カウンタ223daの値が0であるか判別し(S34437:Yes)、0であると判別した場合には(S34437A:Yes)、チャンスタイム(時短遊技状態)が終了することを示す演出態様を決定し(S34438A)、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。一方、S34437Aの処理において、時短中カウンタ223daの値が0でないと判別した場合には(S34437A:No)、チャンスタイムの終了を回避する演出態様(ウサギのキャラクタが雲の穴か落ちない演出態様等(図620(b)参照))決定され(S34439A)、S34407の処理が実行された後に、本処理を終了する。
また、S34436Aの処理において、時短表示回数カウンタ223saの当たりが0より大きい値であると判別した場合には(S34436A:Yes)、時短表示回数カウンタ223saの値を1減算し、減算後の時短表示回数カウンタ223saの値を示すための表示用コマンドを設定する(S34441A)。その後、時短表示回数カウンタ223saの値が0であるか判別し(S34442A)、時短表示回数カウンタ223saの値が0であると判別した場合には(S34442:Yes)、時短中カウンタ223daの値が10より大きい値であるか判別し(S34444A)、時短中カウンタ223daの値が10より大きい値であると判別した場合には(34444A:Yes)、時短回数として時短中カウンタの値以下の10の倍数のうち、最大の値が上乗せされる演出態様を決定する(S34448A)。その後、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。S34407の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドが設定される。
一方、S34442Aの処理において、時短表示回数カウンタ223saの値が0でないと判別した場合には(S34442A:No)、受信した変動パターンに応じたチャンスタイム用の演出態様を決定し(S34443A)、その後、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。また、S34444Aの処理において、時短中カウンタ223daの値が10以下であると判別した場合には(S34444A:Yes)、時短中カウンタ223daの値が0であるか判別し(S34445A)、0である場合には(S34445A:Yes)、チャンスタイム(時短遊技状態)が終了することを示す演出態様が決定される(S34447A)。その後、S34407の処理が実行され、本処理を終了する。一方、S34445Aの処理において、時短中カウンタ223daが0でないと判別した場合には(S3445A:No)、終了待機ゾーン(図620(b)参照)への移行を示す演出態様を決定する(S3446A)。その後、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。
次に、図635を参照して、先に説明した演出態様設定処理19(S5001:図634)内の一処理である通常モード用演出設定処理(S34431A)の処理について説明する。図635は、この通常モード用演出設定処理(S34431A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。この通常用演出設定処理(S34431A)では、天井遊技状態が設定されるまでに実行される演出態様を設定するための処理が実行される。
通常モード用演出設定処理19(S34431A)では、まず、時短示唆演出選択テーブル222pbを読み出し(S34511A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータとに対応する示唆演出の演出態様を決定する(S34512A)。特図抽選回数カウンタ223lcの値は天井遊技状態が設定される規定回数を示す500であるか判別する(S3413A)。特図抽選回数カウンタ223lcの値が500である場合には(S34513A:Yes)、天井遊技状態を設定するための規定回数に特別図柄の変動回数が達しているので、天井遊技状態に移行することを示すための天井到達済フラグ223sbをオンに設定した後に、S34518Aの処理へと移行する。
一方、S34513Aの処理において、特図抽選カウンタ223lcの値が500でない場合には(S34513A:No)、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータを読み出し(S34514A)、前回の通常ボーナス後の抽選回数は500であるか判別する(S34515A)。抽選回数が500であると判別した場合には(S34515A:Yes)、S34518Aの処理へ移行する。一方、S34515Aの処理において、抽選回数が500でないと判別した場合には(S34515A:No)、最古の小ボーナス後の抽選回数は500であるか判別する(S34516A)。抽選回数が500でないと判別した場合には(S34516A:No)、S34522の処理へ移行する。一方、抽選回数が500であると判別した場合には(S34516A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbから最古の小ボーナスの履歴を削除し(S34517)、S34518の処理へ移行する。
S34518Aの処理では、右打ち遊技を行わないように促す表示態様を設定し(S34518A)、S34522Aへ移行する。S34522Aでは、変動パターン設定処理が実行される(S34522A)。その後、決定した演出態様に応じて連動演出フラグ223peを更新し(S34520A)、本処理を終了する。なお、変動パターン設定処理(S34522A)については、図636を参照して、詳細を後述する。
次に、図636を参照して、先に説明した通常用演出設定処理19(S34431:図635)内の一処理である変動パターン設定処理(S34522)について説明する。図636は、この変動パターン設定処理(S34522A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。
変動パターン設定処理(S34522A)では、まず、特別図柄の当否判定結果は、時短図柄当選であるか判別する(S34551A)。当否判定結果が時短図柄当選であると判別した場合には(S34551A:Yes)、今回の時短図柄に対応する時短回数は、天井抽選回数(天井遊技状態が設定される規定回数)までの残回数以上であるか判別する(S34553A)。残回数以上であると判別された場合には(S34553A:Yes)時短回数カウンタに天井時短(天井遊技状態)が終了するまでの特別図柄の抽選回数を示す値を設定する(S34556A)。時短回数カウンタの値が150未満であるか判別する(S34557A)。時短回数カウンタの値が150未満であると判別した場合には(S34557A:Yes)、時短回数150回が報知される演出態様を決定し(S34559A)、本処理を終了する。一方、S34557Aの処理において、時短回数カウンタの値が150未満でないと判別した場合には(S34557A:No)、時短回数100回が報知される演出態様を決定し(S34558A)、本処理を終了する。
また、S34553Aの処理において、今回の時短図柄に対応する時短回数は、天井抽選回数(天井遊技状態が設定される規定回数)までの残回数以上でないと判別した場合には(S34553A:No)、時短図柄に対応する時短回数が報知される演出態様を決定し(S34554A)、時短回数カウンタに選択された時短図柄A~Cのいずれかに対応する時短回数の値を設定する(S34555A)。その後、本処理を終了する。
S34551Aの処理において、時短図柄当選でないと判別した場合には(S34551A:No)、天井関連演出設定処理を実行する(S34552A)。
図637は、音声ランプ制御装置113により実行される天井関連演出設定処理(S34552A)の内容を示したフローチャートである。この天井関連演出設定処理(S34552A)では、受信した変動パターンコマンドが天井煽り用の変動パターンである場合に、天井到達済みフラグにより天井遊技状態に既に移行したことがあるか否かを判別して、対応した演出態様を実行するための設定が実行される。
まず、天井関連演出設定処理(S34552)では、受信した変動パターンコマンドが天井煽り用の変動パターンであるか判別する(S34571A)。天井煽り用の変動パターンであると判別した場合には(S34571A:Yes)、天井遊技状態に移行したことがあるか否かを示す天井到達済みフラグ223sbがオンであるは判別する(S34574A)。天井到達済みフラグ223sbがオンであると判別した場合には(S34573A:Yes)、再天井に対応する天井煽り用の演出態様を抽選により決定する。ここでは、図625に示したような演出態様が決定される。その後、この処理を終了する。
一方、S34571Aの処理において、天井煽り用の変動パターンでないと判別した場合には(S34571A:No)、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンを選択し、この処理を終了する。S34573Aの処理において天井到達済フラグ223sbがオフであると判別した場合には(S34573A:No)、初回の天井に対応した天井煽り用の演出態様(図624参照)が決定され(S34575A)、この処理を終了する。
以上説明した通り、第19制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で規定回数(例えば、500回)に渡って連続して大当たりとならなかった場合、および特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、直接的に(大当たり遊技を介さずに)時短遊技状態を設定する仕様を前提として、時短図柄当選に基づく変動表示演出の実行中に、変動表示態様の一種として、時短回数を報知(示唆)する演出を実行する構成としている。そして、時短図柄に当選し、当該時短図柄当選に基づいて直接的に設定される時短状態の時短回数(大当たりに当選しない場合に時短状態が終了される特別図柄の変動回数)が、天井抽選回数までの残りの抽選回数よりも多い(時短図柄当選に基づいて設定される時短状態の時短回数内で天井抽選回数に到達する)場合には、報知(示唆)される時短回数として、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数が報知され得る特殊な演出制御を実行するように構成した。より具体的には、時短状態において大当たりに当選しないと仮定した場合に、時短図柄当選から実際に時短状態が途切れる(通常状態に移行する)までの特別図柄の抽選回数(つまり、時短図柄当選に基づく時短状態中に天井抽選回数に到達する場合は、天井抽選回数到達に基づく時短状態が終了するまでの抽選回数)を加味して見た目上の時短回数を報知する構成としている。このように構成することで、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数を報知可能なケースを発生させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第19制御例におけるパチンコ機10では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても、天井抽選回数までの残りの抽選回数がクリアされることを抑制すると共に、変動パターン群(変動パターン選択テーブル)を切り替え設定するためのカウンタ値のデータも保持する(変動パターンシナリオの進行状況を保持する)ように構成している。このように構成することで、RAMクリア等の処理が実行された場合であっても特別図柄の変動が規定回数実行された(天井抽選回数に到達した)場合に時短状態を設定することができる上に、RAMクリア操作の有無によらず、天井抽選回数までの各変動回数において好適な変動パターン選択テーブル(変動パターン群)を用いて変動パターン(変動時間)を設定することができる。よって、天井抽選回数に到達するまでの間、段階的に期待感を高めていく遊技性を、RAMクリア操作の有無によらず実現することができる。また、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても天井抽選回数までの残りの抽選回数が増加することがないため、RAMクリア操作が行われた可能性が高いパチンコ機10(例えば、前日のホールの閉店時に通常状態以外の有利な状態となっていた場合等)において遊技を敬遠されてしまうことを抑制することができる。
また、本第19制御例におけるパチンコ機10では、大当たりが終了し、新たな変動パターンシナリオが設定されたことを契機として、変動パターンシナリオの進行状況(特別図柄の抽選(変動)回数)を管理するための特定のカウンタ(特図抽選カウンタ203la)のカウンタ値を特定の更新条件(特別図柄の抽選の実行条件)が成立する毎に更新していき、特定のカウンタの値が予め定められた規定回数(天井抽選回数)に対応するカウンタ値(第1のカウンタ値)に更新された場合に、新たな変動パターンシナリオを設定する制御(特定の制御)を実行すると共に特定のカウンタの値を第1のカウンタ値未満の値である第2のカウンタ値(例えば、0)に更新する構成としている。より具体的には、大当たりに当選する毎に特定のカウンタの値を0クリアすると共に、新たな変動パターンシナリオを設定し、特別図柄の抽選が実行される毎に、特定のカウンタの値を1ずつ加算して更新していき、特定のカウンタの値が天井抽選回数に対応する500に更新されたことに基づいて特定のカウンタの値を0クリアすると共に特定の制御を実行する構成としている。より詳述すると、特別図柄の変動回数が大当たりの判定がされることなく、規定回数(天井抽選回数)に到達し、その次の特別図柄の変動表示が停止する毎に時短遊技状態(天井遊技状態)が大当たり遊技を経ずに設定される構成を前提として、天井抽選回数に到達することで天井抽選回数までの残り回数がリセットされるように構成した。つまり、天井抽選回数に到達した後において、更に天井抽選回数分の特別図柄の抽選が実行されることで、再度、時短遊技状態(天井遊技状態)が設定されるように構成した。これにより、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短遊技状態の間に大当たりに当選することができずに通常状態に移行(転落)してしまったとしても、再度天井抽選回数に到達すること(再度の天井発動)を遊技者に目指させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し難い遊技性を実現することができる。また、これに伴って、本第19制御例では、天井抽選回数に到達したことに基づいて変動パターンシナリオを再設定する構成とした。つまり、天井抽選回数に到達したことに基づいて、次の天井抽選回数到達までに渡る各変動回数と、参照する変動パターン選択テーブルと、の対応関係を再設定する構成とした。このように構成することで、天井抽選回数に未到達であるか、1回以上天井抽選回数に到達して時短状態をスルーしたかによらず、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数(残り150回、100回、および50回)となった場合に特殊な変動パターンを選択することができる。つまり、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数となった場合に天井煽り演出を実行することができるので、1回以上天井抽選回数に到達したか否かによらず、天井抽選回数に到達するまでの間に遊技者の期待感を段階的に向上させていく遊技性を実現することができる。
また、本第19制御例におけるパチンコ機10では、変動パターンシナリオ(変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルの種別と、特別図柄の抽選回数との対応関係を規定したデータテーブル)として、通常状態におけるシナリオと通常状態以外の遊技状態におけるシナリオとを一組で設定する(シナリオ格納エリア223sbに格納する)構成とし、通常状態の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する一方で、通常状態とは異なる遊技状態(確変状態や時短状態)の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態以外用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する構成としている。つまり、遊技状態が途中で変更された場合(例えば、通常状態において時短図柄に当選して時短状態に変更された場合等)においても、変動パターンシナリオを参照する際の特別図柄の抽選回数(変動回数)をリセットせずに、設定されている一組のシナリオのうち対応する遊技状態用のシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定することができるので、他の遊技状態に移行せずに通常状態が続いた場合でも、時短状態に1又は複数回移行して通常状態が設定された場合でも、通常状態に滞在している間は、前回の大当たり終了後からの特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターン選択テーブルの種別との対応関係を共通化することができる。よって、通常状態が設定された経緯によらず、天井抽選回数までの残り回数が特定回数(150回、100回、および50回)となった場合に天井煽り用の変動パターンを選択することができ、天井煽り用の演出を実行することができる。言い換えれば、本第19制御例では、変動毎に通常状態用の変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行する状態(通常状態)において、遊技状態の変更条件が成立した場合に、変動毎に変更後の遊技状態に対応する変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行し、変更後の遊技状態の終了条件が成立して再度通常状態に戻る場合は、通常状態用の変動パターンシナリオにおける遊技状態が変更されていた間に実行された特別図柄の抽選回数を加味した特別図柄の抽選回数から、変動パターン選択テーブルの特定を再開する構成としている。つまり、他の遊技状態に設定されたタイミングおよび抽選回数によらず、通常状態が設定されており、前回の大当たり(若しくは天井抽選回数への到達)後の特別図柄の抽選回数が共通であれば、同じ変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択する構成としている。これにより、通常状態が設定された経緯によらず、天井抽選回数までの残り回数が特定回数(150回、100回、および50回)となった場合に天井煽り用の変動パターンを選択することができ、天井煽り用の演出を実行することができる。よって、通常状態における演出態様を好適に設定することができる。
なお、本第19制御例では、大当たり終了後、大当たりに当選せずに最初に天井抽選回数に到達した場合に設定される時短状態と、2回目以降に天井抽選回数に到達した場合に設定される時短状態とで全く同一の有利度合いとなるように構成していたが、これに限られるものではなく、これらの有利度合いを異ならせる構成としてもよい。より具体的には、初回の天井遊技状態と2回目以降の天井遊技状態とで、時短回数を異ならせることで有利度合いを異ならせる構成としてもよいし、例えば、上述した第17制御例のように、時短状態A(主として有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行される時短状態)と時短状態B(主として有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)とを設ける構成とし、初回の天井遊技状態と2回目以降の天井遊技状態とで設定される時短状態の種別を異ならせる構成とすることで有利度合いを異ならせる構成としてもよい。また、この場合において、初回の天井遊技状態よりも2回目以降の天井遊技状態を有利にしてもよいし、初回の天井遊技状態の方が有利となるように構成してもよい。2回目以降の天井遊技状態の方が有利度合いが高くなるように構成することで、1回目の天井遊技状態において大当たりに当選せずに通常遊技状態へと移行してしまったとしても、2回目のより有利度合いが高い天井遊技状態を目指させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができる。また、1回目の天井遊技状態の方が有利度合いが高くなるように構成することで、天井遊技状態をスルーした後において、次の天井抽選回数を心の支えとして、大当たりに当選するまで遊技を辞めない遊技方法の選択を抑制させることができる。よって、遊技者が遊技に過剰にのめり込んでしまうことを防止することができる。
本第19制御例では、設定変更が行われたか否かによらず、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合にも、特図抽選カウンタ203laの値を電源遮断時の値のまま保持する構成とし、天井抽選回数までの残回数が増加しないように構成していた。即ち、RAMクリア操作を伴わない電源投入と、RAMクリア操作を伴う電源投入とで、電源投入後の天井抽選回数までの残りの抽選回数を共通とする構成としていたが、天井抽選回数までの残回数以外の要素についても共通化してもよい。具体的には、例えば、電源投入時における第1図柄表示装置37の表示態様を共通化してもよい。より具体的には、例えば、電源が投入されてから少なくとも1回目の変動表示が開始されるまでの間において、第1図柄表示装置37の表示を消去したり、共通の図柄を仮で表示させたり、第1図柄表示装置37の前面に所定の可動役物を可動させることで第1図柄表示装置37を隠す構成としてもよい。このように構成することで、単に電源が投入されただけであるのか、RAMクリア操作を伴って電源が投入されたのかをより判別し難くすることができる。この場合において、変動表示の実行中である状況下で電源が遮断され、単に電源投入のみを行った(即ち、RAMクリア操作が行われなかった)場合にも、変動表示を再開させずに上述した制御(第1図柄表示装置37の表示を消去したり、共通の図柄を仮で表示させる制御)を実行してもよい。また、逆に、電源遮断時における特別図柄の状態(例えば、変動表示の実行中であるか否か等)を示す情報を、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われてもクリアされないように保持しておき、前回の電源遮断時に変動表示の実行中であったと判別される場合は、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合にも、電源投入時に第1図柄表示装置37において変動表示が疑似的に再開されたかのような表示態様を設定する構成としてもよい。また、前回の電源遮断時が大当たり遊技状態であると判別される場合は、第1図柄表示装置37において疑似的に大当たり遊技中であることを示す表示態様を設定する構成としてもよい。このように構成することで、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたのか、RAMクリア操作を伴わない電源投入が行われたのかを遊技者が判別し難くなるように構成することができるので、RAMクリア操作が行われたか否かを遊技者に予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第19制御例では、天井抽選回数に到達した場合に特図抽選カウンタ203laの値を0にクリアすることで次の天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを再セットすると共に天井抽選回数までの残回数をリセットする構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、変動パターンシナリオの進行状況を管理するためのカウンタを別で設け、天井抽選回数に到達した場合は変動パターンシナリオの進行状況を管理するためのカウンタを0にクリアするのではなく、特定値に戻す(例えば、天井抽選回数の半分である250に戻す)構成としてもよい。このように構成することで、初回の天井抽選回数到達までのシナリオとは大きく異なる変動パターンシナリオにすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第19制御例では、大当たりが終了し、新たな変動パターンシナリオが設定されたことを契機として、特定のカウンタ(特図抽選カウンタ203la)のカウンタ値を特定の更新条件(特別図柄の抽選の実行条件)が成立する毎に更新していき、特定のカウンタの値が予め定められた規定回数(天井抽選回数)に対応するカウンタ値(第1のカウンタ値)に更新された場合に、新たな変動パターンシナリオを設定する制御(特定の制御)を実行すると共に特定のカウンタの値を第1のカウンタ値未満の値である第2のカウンタ値(例えば、0)に更新する構成としていたが、特定のカウンタは変動パターンシナリオの進行状況を管理するためのカウンタに限られるものではないし、特定の制御は変動パターンシナリオを設定する制御に限られるものではなく、パチンコ機10に搭載されている他のカウンタおよび制御に本第19制御例の制御を転用してもよい。例えば、特別図柄の抽選を実行するための第1当たり乱数カウンタC1を特定のカウンタに採用してもよいし、変動パターンを選択するための変動種別カウンタCS1を特定のカウンタに採用してもよいし、音声ランプ制御装置113側において演出態様を選択するためのカウンタに採用してもよい。また、当たり遊技を実行する制御処理を特定の制御として採用してもよいし、変動パターンを選択する処理を特定の制御として採用してもよいし、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知された変動種別に応じた演出態様を決定する制御を特定の制御として採用してもよいし、入賞情報コマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知された先読み結果に応じた演出態様を決定する制御を特定の制御として採用してもよい。
本第19制御例では、変動毎に通常状態用の変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行する状態(通常状態)において、遊技状態の変更条件が成立した場合に、変動毎に変更後の遊技状態に対応する変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行し、変更後の遊技状態の終了条件が成立して再度通常状態に戻る場合は、通常状態用の変動パターンシナリオにおける遊技状態が変更されていた間に実行された特別図柄の抽選回数を加味した特別図柄の抽選回数から、変動パターン選択テーブルの特定を再開する構成としていたが、本制御は、変動パターンシナリオから変動パターン選択テーブルを特定する制御に限られるものではない。第1の制御と第2の制御とを所定の順序で実行している間に優先度が高い第3の制御の実行条件が成立した場合に、第1の制御および第2の制御よりも第3の制御を優先的に実行する状況が生じるものであれば採用することができる。例えば、楽曲等の音声を再生する制御の実行中に優先順位が高い音声の再生条件が成立した場合に、当該優先順位が高い音声を再生している間も、元々再生されていた楽曲を音量0の状態で再生させておき、優先順位が高い音声の再生が終了した時点で元々再生されていた楽曲の音量を通常の音量に戻すことで、優先順位が高い音声の出力期間も加味して元々再生されていた音声を続きから再生させる制御としてもよい。
<第20制御例>
次に、図638から図649を参照して、第20制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第17制御例では、変動パターンシナリオとして、天井抽選回数に2回到達する回数(即ち、300回)までの範囲の特別図柄の抽選回数に渡るシナリオを予め規定しておく構成とし、大当たりに当選せずに2回目の天井抽選回数に到達した場合は、特図抽選カウンタ203qaのカウンタ値を初回の天井抽選回数到達に対応するカウンタ値(即ち、150)に更新する構成としていた。つまり、1度天井抽選回数に到達した後は、変動パターンシナリオのうち特図抽選回数が150回~300回の範囲(天井抽選回数到達に基づく時短状態が発動してから次の天井抽選回数に到達するまでの抽選回数の範囲)のシナリオを繰り返すように構成することで、特別図柄の抽選回数が300回を超える範囲の変動パターンシナリオを省略可能に構成し、ROM202の記憶容量を削減する構成としていた。また、変動パターンシナリオから変動パターンを特定する際の特別図柄の抽選回数を判断するためのカウンタとして、天井抽選回数への到達有無を判別するための特図抽選カウンタ203qaを用いる構成とすることにより、RAMクリア操作(即ち、RAMクリアスイッチ122をオンにする操作)を伴う電源投入の有無によらず、特別図柄の変動回数と変動パターンシナリオの進行状況とを常に一致させる構成としていた。
これに対して本第20制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタ(特図抽選カウンタ203qa)と、変動パターンシナリオから変動パターンを特定する際の特別図柄の抽選回数を判断するためのカウンタ(シナリオ用カウンタ203tb)とを別々に設ける構成とし、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された場合には、特図抽選カウンタ203qaの値のみがリセットされ、シナリオ用カウンタ203tbの値が保持されるように構成している。つまり、変動パターンシナリオの進行状況が電源遮断時の状態から保持されたまま、天井抽選回数までの残り回数のみがリセットされるように構成している。加えて、本第20制御例では、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された後における特別図柄の抽選で最初に大当たりとは異なる特定の抽選結果(例えば、小当たりに対応する抽選結果)となったことに基づいて、天井抽選回数までの抽選回数に渡る変動パターンシナリオを設定する構成としている。また、本第20制御例では、電源投入後1回目の特別図柄の抽選を契機として確実に変動パターンシナリオを設定するために、上述した第17制御例と同様に、第1特別図柄の抽選が大当たり又は小当たりのどちらかとなる仕様を採用している。より詳述すると、第17制御例と同様に、所謂1種2種混合機の仕様を採用すると共に、第1特別図柄の抽選が実行されると1/50(18/900)の確率で大当たりに当選し、1/49(872/900)の確率で賞球をほとんど得ることができない上にV入賞を発生させることも困難(不可能な)な種別の小当たりに当選する構成としている。このように構成することで、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入されてから1回第1特別図柄の抽選が実行されることにより、変動パターンシナリオを再セットすることができるので、天井抽選回数までに渡る変動パターン演出を好適に実行させることができる。
この第20制御例におけるパチンコ機10が、上述した第17制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第17制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第17制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図638を参照して、本第20制御例における特徴的な演出態様について説明する。上述した通り、本第20制御例では、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10に対して電源が投入された場合に、天井抽選回数までの残回数はリセットする一方で、変動パターンシナリオの進行状況は保持する構成とし、電源投入後、初回の小当たり当選に基づいて、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオをセットする構成としている。また、上述した通り、本第20制御例では、第1特別図柄の抽選が実行されると大当たりまたは小当たりのどちらかに必ず当選するように構成している。これにより、電源投入後、初回の第1特別図柄の抽選が大当たりであれば、他の制御例と同様に天井抽選回数までの残回数がリセットされると共に当該リセットされた残回数に応じた変動パターンシナリオを再セットすることができる一方で、初回の第1特別図柄の抽選が大当たり以外の抽選結果となった場合(即ち、小当たりとなった場合)であっても、天井抽選回数までの抽選回数に渡る変動パターンシナリオを設定することができる。図638では、初回の第1特別図柄の抽選が大当たりとは異なる特定の抽選結果(即ち、小当たり)となって変動パターンシナリオを新たに設定する条件が成立した場合の演出態様を示している。
図638(a)は、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10に対して電源が投入され、初回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合の変動表示態様の一例を示した図である。図638(a)に示した通り、電源投入後、初回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりになると、主表示領域Dmにおいて第3図柄の変動表示が実行されると共に、主表示領域Dmの下部に、布団852、布団852の中で眠るウサギを模したキャラクタ801、およびアラームを鳴らす目覚まし時計851が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「起床待機中・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、ウサギのキャラクタ801が起床することで何かが起きるということを遊技者に対して容易に認識させることができる。
図638(b)は、初回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合の変動表示態様のうち、変動停止時の表示態様の一例を示した図である。図638(b)に示した通り、第1特別図柄の小当たり(即ち、実質的に他の制御例における外れと同等の抽選結果)に対応する変動表示の停止タイミングになると、主表示領域Dmにおいて第3図柄が外れの組み合わせで停止表示されると共に、ウサギのキャラクタ801が布団852をはね除ける表示態様が表示される。また、ウサギのキャラクタ801の左側に吹き出しを模した吹き出し画像FDが表示されると共に、吹き出し画像FDに対して、「出発だ!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「起床完了!」という文字が表示される。これらの表示内容により、パチンコ機10において内部的に何らかの準備が整ったということを遊技者に対して示唆することができる。また、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入された場合に、初回の特別図柄の抽選に基づく変動表示態様において特別な演出態様を発生させる構成とすることにより、RAMクリアが行われたか否かを遊技者に対して容易に判別させることができる。つまり、天井抽選回数までの残回数がクリアされているか否かを、初回の第1特別図柄の抽選により判別可能に構成しているので、電源投入後、少なくとも1回特別図柄の抽選を実行させてみたいと遊技者に思わせることができる。よって、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、上述した第19制御例のように、複数段階の設定に変更可能な仕様のパチンコ機10であれば、RAMクリアが行われたことが確定する演出態様を設ける構成とすることにより、設定変更の可能性の有無まで遊技者に判別させることができる。よって、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。
なお、本第20制御例では、ウサギを模したキャラクタ801が起床することでパチンコ機10の内部的に何がセットされたのかを明示しない構成としていたが、演出態様により変動パターンシナリオが設定されたことを明示してもよい。このように構成することで、何らかの有利な状態に移行したと遊技者に勘違いさせてしまうことを抑制できる。
<第20制御例における電気的構成>
次に、図639を参照して、本第20制御例におけるROM202の詳細について説明する。図639は、本第20制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の構成を示したブロック図である。図639に示した通り、本第20制御例におけるROM202は、上述した第17制御例におけるROM202の構成(図552参照)に対して、変動パターンシナリオ17テーブル202qjに代えて変動パターンシナリオ20テーブル202tjが設けられている点で相違している。また、変動パターン17テーブル202qdの規定内容についても一部変更となっている。その他の構成については、上述した第17制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。この変動パターンシナリオ20テーブル202tjの詳細について、図641、および図642を参照して説明する。
図641(a)は、本第20制御例における変動パターンシナリオテーブル202tjの構成を示したブロック図である。この変動パターンシナリオテーブル202tjは、上述した第17制御例における変動パターンシナリオ17テーブル202qjと同様に、特別図柄の抽選回数毎に参照する変動パターンテーブルが対応付けて規定されているデータテーブルである。図641(a)に示した通り、本第20制御例における変動パターンシナリオテーブル202tjは、大当たり終了後における特別図柄の抽選回数と参照すべき変動パターンテーブルの種別との対応関係を規定した当たり後用テーブル202tj1と、RAMクリア後、初回の第1特別図柄の小当たり当選後における特別図柄の抽選回数と参照すべき変動パターンテーブルの種別との対応関係を規定した小当たり後用テーブル202tj2と、天井抽選回数に到達した後における特別図柄の抽選回数と参照すべき変動パターンテーブルの種別との対応関係を規定した天井到達用テーブル202tj3と、で少なくとも構成されている。まず、図641(b)を参照して、上述した当たり後用テーブル202tj1の詳細について説明する。
図641(b)は、この当たり後用テーブル202tj1の規定内容を示した図である。図641(b)に示した通り、本第20制御例における当たり後用テーブル202tj1は、前回実行された大当たり遊技の種別毎に、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ)と現在の遊技状態との組み合わせに対応する変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。
より具体的には、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が通常状態という状況において、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~99の範囲、101~139の範囲、および141~150の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。一方、特別図柄の抽選回数が100、および140に対しては、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。この天井煽り用テーブル202sb3は、上述した第19制御例における変動パターン選択19テーブル202sbに設けられていた天井煽り用テーブル202sb3と同一のデータテーブルであり、図示については省略したが、本第20制御例における変動パターン17テーブル202qdにも追加されている。なお、上述した通り、本第20制御例における第1特別図柄の小当たりは、他の制御例における外れに相当する抽選結果であるため、本第20制御例において第1特別図柄の小当たりとなった場合は、外れ抽選結果に対応する振り分けで変動パターンが選択される。つまり、変動時間が15秒間のノーマルリーチ外れ、若しくは変動時間が30秒間のスーパーリーチ外れのどちらかが必ず選択されるように構成されている。よって、15秒間や30秒間の変動時間の変動表示演出が設定された場合に、天井抽選回数が近いと遊技者に思わせることができるので、遊技者の天井抽選回数到達に対する期待感を向上させることができる。なお、本第20制御例では、天井抽選回数に到達した場合に変動パターンシナリオが天井到達時用テーブル202sb4を参照するシナリオに切り替わるため、当たり後用テーブル202tj1には天井抽選回数までの範囲のシナリオのみが規定されている。
また、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)によらず、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定されている。よって、大当たりA17が終了してから天井抽選回数に到達するまでの間は、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。
また、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~99の範囲、101~139の範囲、および141~150の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。これに対し、大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が7~150の範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~6の範囲に対して、特図2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりB17の終了後7回~150回の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回~6回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
また、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりC17~E17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」や「大当たりB17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~99の範囲、101~139の範囲、および141~150の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。これに対し、大当たり種別が「大当たりC17~E17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が12~150の範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~11の範囲に対して、特図2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりC17~E17の終了後12回~150回の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回~11回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
次に、図642(a)を参照して、上述した変動パターンシナリオテーブル202tjを構成するデータテーブルの1つである小当たり後用テーブル202tj2の詳細について説明する。この小当たり後用テーブル202tj2は、上述した通り、RAMクリア操作を伴う電源投入後、最初に第1特別図柄の小当たりに当選した場合に設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである。より具体的には、図642(a)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~99、101~139、および141~150範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。一方で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~150の全範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定されている。よって、RAMクリア操作を伴う電源投入後、150回(天井抽選回数以下の抽選回数)で時短状態に移行した場合は、比較的有利度合いが低い時短状態Aを形成する。なお、本第20制御例は、第17制御例をベースにしており、第1特別図柄の抽選に時短図柄当選の振り分けがないため、RAMクリア操作を伴う電源投入後、150回以内に時短状態に移行するケースとしては、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する場合のみである。つまり、時短状態でないにもかかわらず右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合であるため、基本的に発生しないケースである。
次に、図642(b)を参照して、上述した変動パターンシナリオテーブル202tjを構成するデータテーブルの1つである天井到達用テーブル202tj3の詳細について説明する。この天井到達用テーブル202tj3は、上述した通り、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達した場合に設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである。より具体的には、図642(b)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1~99、101~139、および141~150範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。一方で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1に対して、天井到達時用テーブル202sb4が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が2~12の範囲に対して、特図2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が13~150の範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定されている。よって、天井抽選回数に到達した後、1回目の特別図柄の抽選が当たりとならなかった場合は、必ず変動時間が30秒間のスーパーリーチ変動が設定される。つまり、天井抽選回数に到達したことを祝福する演出態様等の各種の報知を行うための十分な演出期間を確保することができるので、演出態様を好適に設定することができる。また、天井抽選回数に到達した後、2回~12回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な時短状態Bを形成する。また、13回以降の抽選回数では、時短回数が残っている限り、主として第1特別図柄の抽選が実行される比較的有利度合いが低い時短状態Aを形成する。更に、時短回数が0になると、通常状態用のシナリオが参照されるため、天井到達後、100回目や140回目の特別図柄の抽選が当たりとならなかった場合は、天井煽り用の演出を実行することができる。よって、再度の天井抽選回数への到達を遊技者に対して期待させることができる。
このように、本第20制御例では、変動パターンシナリオを参照する際の特図抽選回数を、シナリオ用カウンタ203tbの値によって把握する構成とし、当該シナリオ用カウンタ203tbはRAMクリア操作を伴う電源投入を行った場合にも値が保持されるように構成している。そして、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われ、初回の第1特別図柄の抽選が小当たりであった場合には、小当たり後用テーブル202tj2を変動パターンシナリオとして設定する構成としている。このように構成することで、RAMクリア操作によってシナリオ用カウンタ203tbを初期化しなくても、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを好適に設定し直すことができる。よって、RAMクリア操作を伴う電源投入の有無によらず、天井抽選回数までに渡る演出態様を好適に設定することができる。
次に、図640を参照して、本第20制御例におけるRAM203の詳細について説明する。図640は、本第20制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成を示したブロック図である。図640に示した通り、本第20制御例におけるRAM203は、上述した第17制御例におけるRAM203の構成(図553参照)に対して、天井時短待機フラグ203sa、シナリオ格納エリア203sb、初回小当たりフラグ203ta、およびシナリオ用カウンタ203tbが追加されている点で相違する。その他の構成については、上述した第17制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
天井時短待機フラグ203saは、上述した第19制御例におけるRAM203に追加されていた天井時短待機フラグ203saと同一であり、天井抽選回数に到達したことに基づいて時短状態の設定条件が成立した場合に、当該時短状態の発生を天井抽選回数目の変動表示が終了した後で1回目に実行される変動表示の終了まで待機させるためのフラグである。また、シナリオ格納エリア203sbは、上述した第19制御例におけるRAM203に追加されていたシナリオ格納エリア203sbと同一であり、現在設定されている変動パターンシナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。
初回小当たりフラグ203taは、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入された後(RAMクリア操作を伴う電源投入後)、1回以上第1特別図柄の小当たりとなったか否かを示すフラグである。この初回小当たりフラグ203taがオンであれば、1回以上小当たりに当選済みであることを意味し、オフであれば、1回も小当たりに当選していないことを意味する。この初回小当たりフラグ203taは、初期値がオフに設定されており、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にオンに設定される(図646のY773参照)。第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、この初回小当たりフラグ203taの状態が参照されて、RAMクリア後1回目の小当たり当選であるか否かが判別される。初回の小当たりである場合は、天井抽選回数(150回)までの範囲の変動パターンシナリオが上書きされる。
シナリオ用カウンタ203tbは、変動パターンシナリオに応じた変動パターンテーブルを選択する際に、現在の特別図柄の抽選回数を判別するためのカウンタである。このシナリオ用カウンタ203tbは、RAMクリア後、最初に第1特別図柄の小当たりに当選して小当たり終了後用の変動パターンシナリオ(小当たり後用テーブル202tj2)を設定した場合に値が1に設定される(図646のY773参照)。また、大当たり終了時や天井抽選回数到達時に、対応する変動パターンシナリオを設定するとともに値が0にリセットされる(図645のS38133A、図648のY2712参照)。また、特別図柄の変動開始時に値に1が加算される(図644のY521参照)。このシナリオ用カウンタ203tbによって特別図柄の抽選回数を管理する構成とすることで、天井抽選回数に到達する50回前や10回前に、天井抽選回数が近づいていることを示すための変動パターンを設定することができる。よって、天井抽選回数までの間の遊技者の期待感を好適に向上させることができる。
次に、図643を参照して、本第20制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図643は、本第20制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図643に示した通り、本第20制御例におけるRAM223は、上述した第17制御例におけるRAM223の構成(図558参照)に対して、シナリオセット済フラグ223taが追加されている点でのみ相違している。このシナリオセット済フラグ223taは、パチンコ機10に対してRAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後で、変動パターンシナリオが1回以上設定されたか否かを示すフラグであり、オンであれば変動パターンシナリオが1回以上設定されたことを意味し、オフであれば変動パターンシナリオが未設定であることを意味する。このシナリオセット済フラグ223taは、初期値がオフに設定されており、RAMクリア操作を伴わずに電源が投入された場合や、RAMクリア操作を伴う電源投入後、最初に変動パターンシナリオが設定された場合にオンに設定される(図649のS9114A、図650のS9515A参照)。第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、このシナリオセット済フラグ223taを参照して、シナリオセット済フラグ223taがオフである場合は、今回の小当たりにより変動パターンシナリオの再設定が行われることを意味するため、起床完了演出(図638(b)参照)を実行することによりパチンコ機10の内部制御として何らかの設定が完了したことを遊技者に対して示唆することができる。よって、パチンコ機10の内部状態をある程度遊技者に対して把握させることができる。
<第20制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図644から図648を参照して、本第20制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図644を参照して、本第20制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理20(Y331)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理20(Y331)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図564参照)に代えて実行される処理であり、上述した第1特別図柄変動パターン選択処理17(図564参照)と同様に、第1特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために実行される処理である。
この第20制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理20(図644参照)のうち、Y501~Y503,Y505~Y508、およびY512の各処理では、それぞれ上述した第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)のY501~Y503,Y505~Y508、およびY512の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理20(図644参照)では、Y503の処理が終了すると、シナリオ用カウンタ203tbの値に1を加算して更新し(Y521)、シナリオ格納エリア203sbに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオから更新後のシナリオカウンタ203tbの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定して(Y522)、処理をY512へと移行する。
この第1特別図柄変動パターン選択処理20(図644参照)を実行することで、シナリオ用カウンタ203tbを、特図抽選カウンタ203qaとは独立して更新していき、当該独立して更新された特図抽選カウンタ203qaの値に応じて変動パターンシナリオから対応する変動パターン選択テーブルを正確に特定することができる。
次に、図645を参照して、本第20制御例における天井判定処理20(Y332)の詳細について説明する。この天井判定処理20(Y332)は、上述した第17制御例における天井判定処理17(図564参照)に代えて実行される処理であり、天井判定処理17(図564参照)と同様に、特図抽選カウンタ203qaの値に応じて天井抽選回数への到達有無を判定するための処理である。図645は、この天井判定処理20(Y332)を示すフローチャートである。
この第20制御例における天井判定処理20(図645参照)のうち、S38103,S38105,S38112A~S38114A,S38123A、およびS38124Aの各処理では、それぞれ第17制御例における天井判定処理17(図564参照)のS38103,S38105,S38112A~S38114A,S38123A、およびS38124Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例では、S38121A,S38122Aの各処理が削除されている。
また、本第20制御例における天井判定処理20(図645参照)では、S38123Aの処理において特図抽選カウンタ203qaの値が151に更新されたと判別した場合に(S38123A:Yes)、特図抽選カウンタ203qaの値を1に更新し(S38131A)、シナリオ格納エリア203sbに対して天井到達用テーブル202tj3を示すデータを格納することで天井到達用テーブル202tj3を参照する変動パターンシナリオを設定する(S38132A)。次いで、シナリオ用カウンタ203tbの値を0クリアして(S38133A)、本処理を終了する。
次に、図646を参照して、本第20制御例における特図1外れ停止処理20(Y731)の詳細について説明する。この特図1外れ停止処理20(Y731)は、上述した第17制御例における特図1外れ停止処理17(図566参照)に代えて実行される処理であり、第17制御例における特図1外れ停止処理17(図566参照)と同様に、第1特別図柄の外れに対応する変動表示の変動時間が経過した場合に外れ図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第20制御例における特図1外れ停止処理20(図646参照)のうち、Y751~Y761の各処理では、それぞれ上述した第17制御例の特図1外れ停止処理17(図566参照)のY751~Y761の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における特図1外れ停止処理20(図646参照)では、S759の処理が終了すると、初回小当たりフラグ203taがオンであるか否かを判別し(Y771)、初回小当たりフラグ203taがオンであると判別した場合は(Y771:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y771の処理において、初回小当たりフラグ203taがオフであると判別した場合は(Y771:No)、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、初回の第1特別図柄の小当たりに対応する変動表示が終了したことを意味するため、シナリオ格納エリア203sbに対して小当たり後用テーブル202tj2を示すデータを格納することで小当たり後用テーブル202tj2を参照する変動パターンシナリオを設定し(Y772)、初回小当たりフラグ203taをオンに設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値を1に設定して(Y773)、本処理を終了する。
この特図1外れ停止処理20(図646参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、第1特別図柄の抽選が1回実行されることで、確実に、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを設定することができる。また、Y771の処理において、初回小当たりフラグ203taがオンであり、既に変動パターンシナリオを設定済みである状況下で第1特別図柄の小当たりに当選した場合に、変動パターンシナリオを再設定することを抑制することができるので、変動パターンシナリオの設定タイミングを共通化する(RAMクリア操作後、初回の抽選時)ことができる。
次に、図647を参照して、本第20制御例における主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理の詳細について説明する。この立ち上げ処理は、上述した第17制御例(および第1制御例)における立ち上げ処理(図166参照)と同様に、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に実行される処理である。
この第20制御例における立ち上げ処理20(図647参照)のうち、S1701~S1712の各処理では、それぞれ第17制御例(および第1制御例)における立ち上げ処理のS1701~S1712の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における立ち上げ処理(図647参照)では、S1712の処理が終了すると、使用RAM領域のうちシナリオ格納エリア203sb、およびシナリオ用カウンタ203tb以外の記憶領域をクリアし(S1761A)、RAM203のうちシナリオ格納エリア203sb、およびシナリオ用カウンタ203tb以外の記憶領域に対して初期値を設定して(S1762A)、処理をS1710へと移行する。
この第20制御例における立ち上げ処理(図647参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、設定されている変動パターンシナリオの情報(シナリオ格納エリア203sbのデータ)、および変動パターンシナリオの進行状況(シナリオ用カウンタ203tbの値)を電源遮断時の状態に保持したまま、RAM203の他のデータを初期化することができる。
次に、図648を参照して、本第20制御例における大当たり終了処理20(Y11621)の詳細について説明する。この大当たり終了処理20(Y11621)は、上述した第17制御例(および第12制御例)における大当たり終了処理12(図437参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了処理12(図437参照)と同様に、大当たり終了に基づく各種設定を行うための処理である。
この第20制御例における大当たり終了処理20(図648参照)のうち、Y2704~Y2707の各処理では、それぞれ上述した第17制御例(および第12制御例)における大当たり終了処理20(図437参照)のY2704~Y2707の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における大当たり終了処理20(図648参照)では、Y2707の処理が終了すると、シナリオ格納エリア203sbに対して今回の大当たり種別に対応する変動パターンシナリオを示すデータを格納し(Y2711)、シナリオ用カウンタ203tbを0にリセットして(Y2712)、本処理を終了する。
<第20制御例における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図649、および図650を参照して、本第20制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図649を参照して、本第20制御例における通常状態演出設定処理20(S9011A)の詳細について説明する。この通常状態演出設定処理20(S9011A)は、上述した第17制御例(および第5制御例)における通常状態演出設定処理(図264参照)に代えて実行される処理であり、通常状態演出設定処理(図264参照)と同様に、遊技状態として状態コマンドにより通常状態が通知された場合における演出態様を設定するための処理である。
この通常状態演出設定処理20(図649参照)が実行されると、まず、パチンコ機10に対する電源投入時の遊技状態として通常状態が通知されたか否かを判別し(S9111A)、電源投入に基づいて通知された通常状態ではないと判別した場合は(S9111A:No)、通常状態に対応する演出モード用の表示コマンドを設定して(S9112A)、本処理を終了する。一方、S9111Aの処理において、電源投入に基づいて通知された通常状態であると判別した場合は(S9111A:Yes)、次いで、RAMクリア操作を伴う電源投入により通常状態に設定されたのか否かを判別し(S9113A)、RAMクリア操作を伴わない電源投入であると判別した場合は(S9113A:No)、シナリオセット済フラグ223taをオンに設定して(S9114A)、処理をS9112Aへと移行する。
これに対し、S9113Aの処理において、RAMクリア操作を伴う電源投入であると判別した場合は(S9113A:Yes)、起床待機中モード用の表示コマンドを設定することで、特別図柄の抽選が実行された場合に起床待機中演出(図638(a)参照)が実行されるように設定し(S9115A参照)、本処理を終了する。この通常状態演出設定処理20(図649参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、シナリオセット済フラグ223taをオフ状態としたまま、起床待機中モード用の演出態様を設定することができる。
次に、図650を参照して、本第20制御例における特図1演出態様設定処理20(S4991A)の詳細について説明する。この特図1演出態様設定処理20(S4991A)は、第17制御例(および第5制御例)における特図1演出態様設定処理5(図268参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理5(図2689参照)と同様に、第1特別図柄の変動表示態様を設定するための処理である。図650は、この特図1演出態様設定処理20(S4991A)を示すフローチャートである。
この第20制御例における特図1演出態様設定処理20(図650参照)のうち、S9501~S9504の各処理では、それぞれ第17制御例(および第5制御例)における特図1演出態様設定処理5(図268参照)のS9501~S9504の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における特図1演出態様設定処理20(図650参照)では、S9501~S9503の各処理が終了すると、次いで、シナリオセット済フラグ223taがオンであるか否かを判別し(S9511A)、シナリオセットフラグ223taがオンであれば(S9511A:Yes)、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン種別に応じた変動表示態様を決定して(S9512A)、処理をs9504へと移行する。
一方、S9511Aの処理において、シナリオセット済フラグ223taがオフであると判別した場合は(S9511A:No)、次いで、今回の変動パターンコマンドが小当たりに対応する変動パターンコマンドであるか否かを判別し(S9513A)、小当たりに対応する変動パターンコマンドではない(即ち、大当たりに対応する変動パターンコマンドである)と判別した場合は(S9513A:No)、処理をS9512Aへと移行する。これに対し、S9513Aの処理において、小当たりに対応する変動パターンコマンドであると判別した場合は(S9513A:Yes)、起床完了演出(図638(b)参照)を伴う変動表示態様を決定し(S9514A)、シナリオセット済フラグ223taをオンに設定して(S9515A)、処理をS9504へと移行する。
この特図1演出態様設定処理20(図650参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入後、初回の第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、起床完了演出を実行することができるので、パチンコ機10の内部制御として何らかの設定が行われたということを遊技者に対して示唆することができる。
以上説明した通り、本第20制御例におけるパチンコ機10では、通常遊技中に比較的頻繁に成立する第1条件の成立(第1特別図柄の小当たり当選)に基づいて、予め定められた特定制御(新たな変動パターンシナリオの設定)を実行し、一旦特定制御が実行された後は、第1条件が成立しても特定制御が実行されることを回避(抑制)可能に構成した。つまり、特定条件が成立していない状況下において第1条件が成立した場合にのみ、特定制御の実行を許容し、特定条件が成立している状況下で第1条件が成立したとしても、特定制御の実行を回避する特徴的な制御を行う構成としている。より具体的には、本第20制御例では、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された後(RAMクリア操作を伴う電源投入後)における特別図柄の抽選で最初に大当たりとは異なる抽選結果(例えば、小当たりに対応する抽選結果)となったことを第1条件の成立として、天井抽選回数までの抽選回数に渡る変動パターンシナリオを設定する構成とする一方で、RAMクリア操作を伴う電源投入後、既に1回以上小当たりに当選している状況下(特定条件が成立している状況下)では、小当たりに当選したとしても変動パターンシナリオの設定を回避する構成としている。つまり、RAMクリア操作を伴う電源投入後、初回の特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了時に大当たり種別に応じた変動パターンシナリオを設定する一方で、大当たりとは異なる抽選結果(小当たり)となった場合についても、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを設定する構成とした。また、一旦変動パターンシナリオが設定された後は、変動パターンシナリオが上書きされないように規制する構成とした。これにより、RAMクリア操作を伴う電源が投入された場合に、初回の特別図柄の抽選が実行されることにより、ほぼ確実に、変動パターンシナリオを設定することができる。よって、RAMクリア操作を伴う電源投入の有無によらず、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを好適に設定することができる。なお、これに伴って、本第20制御例では、特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタ(特図抽選カウンタ203qa)と、変動パターンシナリオから変動パターンを特定する際の特別図柄の抽選回数を判断するためのカウンタ(シナリオ用カウンタ203tb)とを別々に設ける構成とし、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された場合には、特図抽選カウンタ203qaの値のみがリセットされ、シナリオ用カウンタ203tbの値が保持されるように構成している。
また、本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、何らかの設定が待機されていることを示唆する第1の演出態様(起床待機中モード)を設定し、第1の演出態様の実行中に第1特別図柄の抽選が実行された場合に、何らかの設定が行われたことを遊技者に示唆可能な第2の演出態様(起床演出)を実行する構成としている。このように構成することで、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたか否かを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、RAMクリア操作が行われたか否かを判別するために、ホールの開店後、初回の特別図柄の抽選が実行されていないパチンコ機10において少なくとも1回の特別図柄の抽選を実行させようと思わせることができるので、ホールの開店後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後で、初回の第1特別図柄の抽選が実行されて変動パターンシナリオが設定されたことを示唆する演出として第2の演出態様(起床演出)を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に設定され得る天井抽選回数が複数設けられている仕様を前提として、天井抽選回数が再設定されたことを遊技者に示唆する演出として第2の演出態様(起床演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の有利度合いに直接的に影響する設定内容が設定されたことを示す演出として第2の演出態様を構成することができる。この場合において、天井抽選回数としていずれの値が設定されたのかを示唆する演出を第2の演出態様において実行する構成としてもよい。このように構成することで、第2の演出態様を確認したいとより強く遊技者に思わせることができるので、ホールの開店後におけるパチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。また、例えば、第19制御例等のように、複数段階のいずれかの設定に変更可能な仕様において、RAMクリア操作を伴う電源投入時に設定変更も行われた場合に第2の演出態様を実行する構成としてもよい。この場合は、第2の演出態様が実行されることで設定変更がなされたことを遊技者が把握することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、最初に第1特別図柄の小当たりとなった(第1条件が成立した)ことに基づいて、小当たり後用テーブル202tj2を参照して変動パターン選択テーブルを特定する変動パターンシナリオを設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値をリセットする制御(特定制御)を実行する一方で、2回目以降の小当たり当選時は特定制御の実行を回避(抑制)する構成としていたが、特定制御の実行及び回避の条件はこれに限られるものではない。例えば、2以上の特定回数(例えば、10回)に渡って連続して第1特別図柄の小当たりに当選した場合に特定制御を実行するように構成してもよい。また、特定制御の実行条件(第1条件)として、小当たりに代えて、例えば、単なる外れを採用してもよいし、特定の変動種別(例えば、短外れやノーマルリーチ外れ等)を採用してもよいし、所定の大当たり種別の大当たり当選を採用してもよい。このように様々な制御および条件を特定制御および第1条件として許容することで、開発の自由度を向上させることができる。
本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、最初に第1特別図柄の小当たりとなった(第1条件が成立した)ことに基づいて、小当たり後用テーブル202tj2を参照して変動パターン選択テーブルを特定する変動パターンシナリオを設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値をリセットする制御(特定制御)を実行する一方で、2回目以降の小当たり当選時は特定制御の実行を回避(抑制)する構成としていたが、最初は新たな変動パターンシナリオの設定(特定制御の実行)が回避される(電源遮断時の変動パターンシナリオ及びシナリオの進行状況が引き継がれる)状態を設定し、所定の解除条件の成立(例えば、RAMクリア操作を伴う電源投入後、天井抽選回数未満の特定回数(例えば、100回)の特別図柄の抽選が実行されたこと)を契機として、特定制御の実行が許容される状態を形成する構成としてもよい。このように構成した場合、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた時点で天井抽選回数までの残り回数はリセットされる一方で、100回の特別図柄の抽選が実行されるまでは、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われていても、RAMクリア操作を伴わない電源投入が行われていれも、変動パターンの選択傾向が共通の傾向となるため、RAMクリア操作の有無を遊技者に把握し難く構成することができる。なお、この場合、特定制御として設定する変動パターンシナリオは、特定回数目の特別図柄の抽選回数から天井抽選回数目の特別図柄の抽選回数までに渡るシナリオを用意しておけば足りるので、ROM202の記憶容量を削減することができるという副次的な効果も得られる。
本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、最初に第1特別図柄の小当たりとなった(第1条件が成立した)ことに基づいて、小当たり後用テーブル202tj2を参照して変動パターン選択テーブルを特定する変動パターンシナリオを設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値をリセットする制御(特定制御)を実行する一方で、2回目以降の小当たり当選時は、回避条件が成立していると判別して特定制御の実行を回避(抑制)する構成としていたが、第1条件、特定制御、および回避条件はこれらに限定されるものではない。パチンコ機10において成立し得る他の条件を第1条件や回避条件として採用してもよいし、搭載している他の制御を特定制御として採用してもよい。例えば、音声ランプ制御装置113側の演出制御に採用してもよい。より具体的には、例えば、上述した第16制御例における保留変化演出の設定を特定制御として採用し、第1条件を新たな始動入賞に基づく入賞情報コマンドの受信として採用してもよい。この場合、回避条件としては、例えば、保留変化演出が既に設定されている間の状態を設定してもよいし、大当たり遊技の実行中を設定してもよい。このように構成することで、保留変化演出が実行されるタイミングを好適に設定することができる。
<第21制御例>
次いで、図651から図664を参照して、第21制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第19制御例におけるパチンコ機10では、大当たり終了後の抽選回数をカウントするためのカウンタ(特図抽選カウンタ203la)のカウンタ値によって天井抽選回数への到達有無を判別すると共に、変動パターンシナリオから変動パターン選択テーブルを特定する際の変動回数(特別図柄の抽選回数)を判別する構成としていた。そして、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合であっても、特図抽選カウンタ203laの値がクリアされずに保持されるように構成していた。つまり、パチンコ機10の電源が遮断されたり、RAMクリア操作が行われたりしたとしても、天井抽選回数までの残りの抽選回数や変動パターンシナリオの進行状況がクリアされずに保持されるように構成していた。そして、第19制御例では、変動パターンシナリオとして、大当たり終了時または天井抽選回数到達時に、通常状態用の変動パターンシナリオと通常状態以外の遊技状態用の変動パターンシナリオとをセットで設定する構成とし、遊技状態が通常状態であれば設定されている変動パターンシナリオのうち通常状態用の規定内容を参照して変動パターン選択テーブルを特定する一方、通常状態以外の遊技状態であれば通常状態以外用の規定内容を参照して変動パターン選択テーブルを特定する構成としていた。つまり、変動パターンシナリオの設定タイミングを天井抽選回数がリセットされるタイミングに統一することで、大当たり終了後の遊技状態によらず、通常状態に移行した場合における天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを共通化することを可能に構成した。つまり、通常状態において天井抽選回数までの残りの抽選回数が150回、100回、および50回になると、常に、天井煽り用の特殊な変動パターンが選択され易くなるように構成していた。
これに対して本第21制御例では、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される時短状態や、時短図柄に当選したことに基づいて設定される時短状態の終了を契機として、変動パターンシナリオを切り替える構成とし、これらの時短状態終了後における所定回数の特別図柄の抽選に渡って変動パターンの選択比率を通常と異ならせるように構成した。つまり、抽選結果と各種変動パターンの選択比率との対応関係を通常と異ならせることで変動時間の傾向を異ならせ、変動時間に応じて設定される変動表示態様も異ならせることにより、特殊な演出モードを形成するように構成した。このように構成することで、大当たりを介さずに設定された時短状態が終了した(賞球を何ら獲得することなく有利な時短状態が終了した)場合に、特殊な演出モードを形成することで、遊技者の落胆を緩和すると共に、特殊な演出モードが終了するまでの間、遊技を継続しようと思わせることを可能に構成した。これにより、時短状態の終了後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
この第21制御例におけるパチンコ機10が、上述した第19制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第19制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第19制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図651、および図652を参照して、本第21制御例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、本第21制御例では、時短図柄に当選したことに基づいて発動した時短状態、または天井抽選回数に到達したことに基づいて発動した時短状態のいずれかが終了したことに基づいて、変動パターンシナリオを再設定する構成としている。より具体的には、時短状態が終了したことに基づいて、特殊な演出モードを形成すべく、通常とは異なる選択比率で各種変動パターンが選択される特殊な状態を所定期間(特別図柄の抽選が20回終了するまでの間)形成する構成としている。まず、図651(a)を参照して、本第21制御例において時短図柄に当選したことに基づいて発動した時短状態、または天井抽選回数に到達したことに基づいて発動した時短状態のいずれかが終了した後の演出態様について説明する。なお、以降の説明では、説明の簡略化のため、時短図柄に当選したことに基づいて発動した時短状態、および天井抽選回数に到達したことに基づいて発動した時短状態(大当たりを介さずに直接移行する時短状態)のことを、まとめて通常時短と称する。本第20制御例では、通常時短が終了した時点で第2特別図柄の保留球が1以上存在する場合に、通常時短が終了した後の通常状態において第2特別図柄の保留球を消化しきるまでの期間を利用して、通常時短状態の終了を示す演出態様を実行する構成としている。なお、通常時短状態においては、右打ちを行い続けることにより、ほぼ、通常時短状態の終了時に第2特別図柄の保留球が上限個数(4個)まで貯まった状態となる。図651(a)は、この通常時短状態の終了を示す演出態様(通常時短状態用のエンディング演出)の演出態様の一例を示した図である。
図651(a)に示した通り、通常時短状態が終了すると、第2特別図柄の保留球が消化されるまでの間に渡って、主表示領域Dmにおける中央部分にウサギを模したキャラクタ801がうなだれて落涙する表示態様が表示されると共に、キャラクタ801の上方に「~END~」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイム終了・・・」という文字が表示される。これらの表示態様により、通常時短状態が完全に終了してしまったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、図651(a)に示した通り、通常時短状態用のエンディング演出の実行中は、主表示領域Dmの右上における比較的狭い範囲(遊技者が認識し難い範囲)において、第2特別図柄の変動表示が実行されるように構成されている。
なお、図示については省略したが、通常時短状態用のエンディング演出(通常時短終了演出)の実行中に第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、当該大当たり変動において天使を模したキャラクタ809が出現してウサギのキャラクタ801に対して大当たりを通知する比較的短い演出時間の演出が実行される。また、通常時短状態の終了時に第2特別図柄の保留球が存在せず、第1特別図柄の保留球のみが存在する場合は、1つめの第1特別図柄の保留球に基づく変動表示期間を用いて通常時短状態用のエンディング演出を実行するように制御する。更に、通常時短終了時に第1特別図柄の保留球も第2特別図柄の保留球も存在しない場合は、通常時短終了時に通常時短終了演出を開始させ、新たな特別図柄の抽選が実行された時点で通常時短状態用のエンディング演出(通常時短終了演出)を打ち切る構成としている。これにより、通常時短状態の終了時における保留球の個数によらず、通常時短状態用のエンディング演出(通常時短終了演出)を実行することができる。
次に、図651(b)を参照して、通常時短終了後、特別図柄の抽選が20回終了するまで(且つ、通常時短終了演出の終了後)における演出態様について説明する。図651(b)は、通常時短終了後、特別図柄の抽選が20回終了するまで(且つ、通常時短終了演出の終了後)における演出態様を示した図である。ここで、詳細については後述するが、本第21制御例では、通常時短が終了してから特別図柄の抽選が20回終了するまでの間、第1特別図柄の外れとなった場合の変動時間として短い変動時間(例えば、5秒間)が選択される割合が大幅に上昇する(15秒以上の変動時間が選択される割合が大幅に低くなる)ように変動パターンシナリオを設定する構成としている。つまり、外れで長い変動時間が選択され難くなることにより、相対的に、長い変動時間となった場合に大当たりや時短図柄当選となる期待度が上昇する構成としている。この特殊な変動パターンシナリオが設定されている間(通常時短終了後、20回の特別図柄の抽選が終了するまで)は、図651(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が岩山をよじ登る演出態様が表示されると共に、キャラクタ801の上方に、「~修行ゾーン~」という文字が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「リーチ発生で大チャンス!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、特殊な変動パターンシナリオが設定されている(特殊な演出モードが設定されている)こと、および長い変動時間が設定された(リーチが発生する変動種別が選択された)場合の大当たり期待度が通常よりも高くなるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図652は、特殊な演出モード(修行ゾーン演出)が設定されている間に通常時短状態への移行条件が再度成立した(天井抽選回数に到達するか、時短図柄に当選した)場合における演出態様の一例を示した図である。図652では、天井抽選回数に到達して100回の時短回数が付与された場合を例示している。図652に示した通り、特殊な演出モード(修行ゾーン演出)において通常時短状態への移行条件が成立した場合には、主表示領域Dmにおいて、キャラクタ801が岩山を登りきって岩山の頂上に到達する演出が実行される。また、岩山の頂上の周囲には、チャンスタイム中の演出においてウサギを模したキャラクタ801が滞在するのと同じ雲が一面に広がっている表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsにおいて、「チャンスタイム100回ゲット!」という文字が表示される。これらの表示内容により、通常時短状態に突入するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図653を参照して、通常時短状態が終了する前後における演出態様の推移について、大当たり後250回目の特別図柄の変動表示が終了することで時短状態が終了する場合を例にとって説明する。図653に示した通り、大当たり後250回目の特別図柄の抽選で通常時短状態が終了する場合、250回目(即ち、通常時短状態における最後)の変動表示演出における演出態様として、上述した第19制御例と同様に、チャンスタイム(時短状態)の終了を示す演出態様(図621参照)を伴う変動表示演出が実行される。また、通常時短状態における最後の変動表示演出が終了し、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態が終了すると、通常時短状態の間に保留されていた第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が全て終了するまでの期間を用いて、通常時短状態のエンディング演出(図651(a)参照)が実行される。これにより、通常時短状態が終了したことをより強調することができる。なお、詳細については後述するが、通常時短終了後の変動パターンシナリオとして、時短終了後の特別図柄の抽選回数が1回~4回の範囲では、第2特別図柄の外れの変動時間が1秒間に固定化されるように構成されている。このため、第2特別図柄の保留球が外れである場合は、第2特別図柄の保留球数×1秒間の演出期間で通常時短状態のエンディング演出が実行されることになるため、通常時短状態のエンディング演出は最大(保留が4個貯まっている状況)で4秒間となる。
また、図653に示した通り、第2特別図柄の保留球を消化しきって通常時短状態のエンディング演出が終了すると、特殊な演出モードであることを示す修行ゾーン演出が実行される。この修行ゾーン演出は、通常時短状態の終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する。この修行ゾーン演出が実行される20回の変動回数の間は、第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に15秒以上の変動時間(リーチ演出が発生する変動時間)の変動種別が選択される割合が通常よりも大幅に低くなる。言い換えれば、リーチ演出が発生した場合に大当たりとなる期待度が通常よりも大幅に高くなるため、リーチ演出が発生することを遊技者に対してより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、通常とは異なる遊技性(リーチ演出の期待度が大幅にアップする遊技性)となるため、遊技者に対して目新しさを感じさせることができ、修行ゾーン演出が実行されている間は遊技を継続しようと思わせることができる。よって、通常時短状態が終了した直後に遊技を辞めてしまうことを抑制し、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、特別図柄の抽選が20回終了して、修行ゾーン演出が終了すると、通常モード用の演出が実行される状態に移行する。
このように、本第21制御例では、通常時短状態が終了したことを契機として専用の変動パターンシナリオ(後述する時短終了後用テーブル202uj3(図657参照)を参照して変動パターン選択テーブルを特定するシナリオ)を設定することにより、通常時短状態が終了して通常状態に移行した後において、通常時短状態のエンディング演出の実行期間を確保したり、第2特別図柄の保留球を消化した後で、特殊な演出モード(リーチ演出が発生した場合の大当たり期待度が跳ね上がる遊技性のモード)に移行させることを可能としている。これにより、通常時短状態が終了した後における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、この場合、天井抽選回数までの残回数を考慮せずに、単純に通常時短状態の終了に基づいて専用の変動パターンシナリオを設定する構成としているため、弊害として、上述した第19制御例のように、大当たり終了後(若しくはRAMクリア操作を伴う電源投入後)の抽選回数が特定回数(350回、400回、および450回)において天井煽り用の特殊な変動パターンを選択することが困難となる。これについては、開発者がどちらの制御を重視するかに応じて任意に選択することができる。
<第21制御例における電気的構成>
次に、図654(a)を参照して、本第21制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図654(a)は、本第21制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図654(a)に示した通り、本第21制御例におけるROM202は、上述した第19制御例におけるROM202の構成(図626(a)参照)に対して、変動パターン選択19テーブル202sbに代えて変動パターン選択21テーブル202ubが設けられている点、および変動パターンシナリオ19テーブル202sjに代えて変動パターンシナリオ21テーブル202ujが設けられている点でのみ相違する。その他の構成については上述した第19制御例におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図655(a)を参照して、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubの詳細について説明する。図655(a)は、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubの構成を示したブロック図である。図655(a)に示した通り、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubは、上述した第19制御例における変動パターン選択19テーブル202sb(図628(a)参照)に対して、時短終了報知用テーブル202ub5と時短終了後用テーブル202ub6とが追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第19制御例における変動パターン選択19テーブル202sbと同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図655(b)を参照して、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubを構成するデータテーブルの1つである時短終了報知用テーブル202ub5の詳細について説明する。この時短終了報知用テーブル202ub5は、通常時短状態の終了後特別図柄の抽選回数が4回以内の範囲において参照される変動パターン選択テーブルであり、通常時短状態の終了時に貯まっていた第2特別図柄の保留球を消化する際の外れ時の変動時間を1秒間に固定化するためのデータテーブルである。
図655(b)は、この時短終了報知用テーブル202ub5の規定内容を示した図である。図655(b)に示した通り、時短終了報知用テーブル202ub5には、特別図柄の種別および特別図柄の抽選結果毎に、各種変動パターンに対応する変動種別カウンタCS1の値の範囲が対応付けられている。具体的には、特別図柄の種別が第1特別図柄である場合に、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対して、変動種別カウンタCS1の値が0~149の範囲に変動時間が15秒のノーマルリーチ当たりが対応付けて規定され、150~198の範囲に変動時間が30秒のスーパーリーチ当たりが対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の抽選結果が「特殊当たり」および「小当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が15秒間のノーマルリーチ当たりが対応付けて規定されている。また、特別図柄の抽選結果「時短図柄当選」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が15秒間のノーマルリーチが対応付けて規定されている。更に、第1特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の値が0~196の範囲に変動時間が5秒の短外れが対応付けて規定され、197,198の範囲に変動時間が15秒のノーマルリーチ外れが対応付けて規定されている。このため、時短終了報知用テーブル202ub5が参照される状況下において第1特別図柄の抽選が実行されると、外れの場合に15秒以上の変動時間の変動種別が選択される割合が極めて低くなる(2/199になる)。よって、第1特別図柄の抽選が実行された場合には、リーチ演出が発生するだけで大当たりとなることに対する期待感を大きく向上させることができる。
また、図655(b)に示した通り、特別図柄の種別が第2特別図柄である場合には、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対して、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が5秒間の短当たりが対応付けて規定されている。一方、第2特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が1秒間の「超短外れ」が対応付けて規定されている。このため、通常時短状態の終了後、4回以内の特別図柄の抽選が第2特別図柄により実行された場合には、抽選結果が大当たりになると、必ず5秒間の変動時間が設定され、外れになると必ず1秒間の変動時間が設定される。これにより、通常時短終了時に貯まっていた第2特別図柄の保留球を消化する際の消化時間を固定化することができるので、通常時短状態の終了後におけるエンディング演出の演出期間を確保することができる。
次に、図655(c)を参照して、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubを構成するデータテーブルの1つである時短終了後用テーブル202ub6の詳細について説明する。この時短終了後用テーブル202ub6は、通常時短状態の終了後特別図柄の抽選回数が5回から20回の範囲において参照される変動パターン選択テーブルであり、リーチ演出が発生した場合の大当たり期待度が通常よりも大幅に向上する特殊な演出モードを形成するために参照されるデータテーブルである。図655(c)に示した通り、この時短終了後用テーブル202ubは、時短終了報知用テーブル202ub5(図655(b)参照)における第1特別図柄に対応する規定内容が、第1特別図柄および第2特別図柄に共通する規定内容として設定されている。よって、この時短終了後用テーブル202ub6が参照された場合、特別図柄の外れにおいて15秒以上の変動時間の変動種別が選択される割合が極めて低くなる(2/199になる)。よって、特別図柄の抽選が実行された場合には、リーチ演出が発生するだけで大当たりとなることに対する期待感を大きく向上させることができる斬新な遊技性を実現することができる。これにより、通常時短状態が終了した後も、少なくとも特別図柄の抽選が20回実行されるまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図656(a)を参照して、本第21制御例における変動パターンシナリオ21テーブル202ujの詳細について説明する。図656(a)は、本第21制御例における変動パターンシナリオ21テーブル202ujの構成を示したブロック図である。図656(a)に示した通り、本第21制御例における変動パターンシナリオ21テーブル202ujは、大当たり終了を契機として設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである当たり後用テーブル202uj1と、天井抽選回数に到達したことを契機として設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである天井到達後用テーブル202uj2と、通常時短状態(時短図柄当選に基づく時短状態、および天井抽選回数到達に基づく時短状態)が終了したことを契機として設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである時短終了後用テーブル202uj3と、で少なくとも構成されている。まず、図656(b)を参照して、当たり後用テーブル202uj1の詳細について説明する。図656(b)は、この当たり後用テーブル202uj1の規定内容を示したブロック図である。
図656(b)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1~349、351~399、401~449、および451~500の範囲に対して、通常用19テーブル202sb1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が350、400、および450に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。一方で、現在の遊技状態が通常状態以外の遊技状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1~500の全範囲に対して、確変・時短用19テーブル202sb2が対応付けて規定されている。よって、大当たり終了後においては、遊技状態が通常状態であれば、天井抽選回数までの残回数が150回、100回、および50回となる毎に、天井煽り用の特殊な変動パターンが選択されることにより、天井煽り用の演出(図624、図625参照)を実行することができる。
次に、図656(c)を参照して、上述した天井到達後用テーブル202uj2の詳細について説明する。図656(c)は、この天井到達後用テーブル202uj2の規定内容を示した図である。図656(c)に示した通り、天井到達後用テーブル202j2には、通常状態以外の遊技状態に対するシナリオのみが対応付けられている。つまり、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短回数の通常時短状態が終了するか、通常時短状態の間に時短図柄に当選して設定された通常時短状態が終了するまでの間の状態に対するシナリオのみが規定されている。これは、上述した通り、通常時短状態が終了するタイミング(即ち、通常状態に移行するタイミング)で、通常時短終了時用の変動パターンシナリオ(時短終了後用テーブル202uj3を参照する変動パターンシナリオ)に切り替えられるため、通常状態において天井到達後用テーブル202uj2を参照する可能性が無いためである。
図656(c)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態以外の遊技状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1に対して、天井到達時用テーブル202sb4が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が2~500の範囲に対して、確変・時短用19テーブル202sb2が対応付けて規定されている。よって、第19制御例と同様に、天井抽選回数に到達して時短状態に設定された後、1回目の変動表示における変動時間を、外れの場合に30秒間に固定化することができるので、時短状態に突入したことに基づいて実行される各種の報知を行うための演出期間を十分に確保することができる。
次に、図657を参照して、上述した時短終了後用テーブル202uj3の詳細について説明する。図657は、この時短終了後用テーブル202uj3の規定内容を示した図である。図657に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1~4の範囲に対して、時短終了報知用テーブル202ub5(図655(b)参照)が対応付けて記載され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が5~20の範囲に対して、時短終了後用テーブル202ub6(図655(c)参照)が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が21回以降の範囲に対して、通常用19テーブル202sb1が対応付けて規定されている。これに対し、現在の遊技状態が通常状態以外という状況においては、特別図柄の抽選回数によらず、確変・時短用19テーブル202sb2が対応付けて規定されている。
通常時短状態の終了後に時短終了後用テーブル202uj3を参照する変動パターンシナリオを設定する構成とすることで、通常時短状態が終了してから第2特別図柄の保留球を全て消化するまでの間の期間で通常時短状態のエンディング演出を実行することができる。また、通常時短状態が終了してから20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、リーチ演出が発生した際の大当たり期待度が大きく向上する特殊なモードを形成することができる。よって、通常時短状態の終了後、20回の特別図柄の抽選が終了するまでは少なくとも遊技を継続しようと遊技者に対して思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図654(b)を参照して、本第21制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図654(b)は、本第21制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図654(b)に示した通り、本第21制御例におけるRAM203は、上述した第19制御例におけるRAM203の構成に対して、シナリオ用カウンタ203uaと、通常時短フラグ203ubと、が追加されている点でのみ相違している。
シナリオ用カウンタ203uaは、上述した第20制御例におけるシナリオ用カウンタ203tbと同様に、変動パターンシナリオに応じた変動パターンテーブルを選択する際に、現在の特別図柄の抽選回数を判別するためのカウンタである。つまり、本第21制御例では、上述した第20制御例と同様に、特図抽選カウンタ203laとシナリオ用カウンタ203tbとを別々に設ける構成とし、別々に更新する制御を採用している。具体的には、本第21制御例におけるシナリオ用カウンタ203tbは、各種変動パターンシナリオを設定する際に値が0にリセットされ(図660のS8323A、図661のS38131A参照)、特別図柄の変動パターンを選択する際に値が1ずつ加算して更新される(図659のS38263)。このシナリオ用カウンタ203uaを参照して現在設定されている変動パターンシナリオから対応する変動パターン選択テーブルを特定する構成としている。
通常時短フラグ203ubは、時短状態が大当たり終了後に設定された時短状態であるか通常時短状態(時短図柄当選に基づく時短状態、若しくは天井抽選回数到達に基づく時短状態)であるかを示すフラグである。この通常時短フラグ203ubがオンであれば、通常時短状態であることを意味し、オフであれば、大当たり終了後に設定された時短状態であることを意味する。この通常時短フラグ203ubは、初期値がオフに設定されており、通常時短状態へと移行する際にオンに設定される(図661のS38132A参照)。また、通常時短状態の終了時にオフに設定される(図660のS8322A参照)。この通常時短フラグ203ubがオンの状態で時短状態が終了した場合は、通常時短状態が終了したと判別して、変動パターンテーブルが再セットされる。即ち、通常時短状態のエンディング演出や、リーチ演出が高期待度となる演出モード等を実現可能な変動パターンシナリオを設定することができるので、通常時短状態の終了後において、遊技者が遊技を辞めたいと思い難く構成することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図658を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図658は、本第21制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図658に示した通り、本第21制御例におけるRAM223は、上述した第19制御例におけるRAM223の構成(図630参照)に対して、演出モードフラグ223uaが追加されている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第19制御例におけるRAM223と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
演出モードフラグ223uaは、現在の演出モードを示すフラグである。この変動パターンコマンドに応じて変動表示態様を決定する際は、この演出モードフラグ223uaにより示される演出モードに応じた変動表示態様が選択される。
<第21制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図659から図662を参照して、本第21制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図659を参照して、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(S30261A)の詳細について説明する。この特別図柄変動パターン選択処理21(S30261A)は、上述した第19制御例(および第13制御例)における特別図柄変動パターン選択処理13(図454参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動パターン選択処理13(図454参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターンを設定するための処理である。図659は、この特別図柄変動パターン選択処理21(S30261A)を示したフローチャートである。
この第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)のうち、S8201,S8203、およびS8205~S8209の各処理では、それぞれ上述した第19制御例における特別図柄変動パターン選択処理19(図454参照)のS8201,S8203、およびS8205~S8209の各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)では、S8201の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合(S8201:Yes)、大当たり種別選択16テーブル202pdより今回の大当たり種別を決定し(S38261A)、処理をS8203へと移行する。
また、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)では、S8209の処理において、時短図柄当選に対応する抽選結果であると判別した場合に(S8209:Yes)、時短当たり種別選択19テーブル202si(図629(a)参照)を参照して時短当たりの種別を特定し(S38262A)、処理をS8203へと移行する。
更に、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)では、S8203の処理が終了すると、シナリオ用カウンタ203uaの値に1を加算して更新し(S38263A)、次に、シナリオ格納エリア203sbのデータに基づいて現在設定されている変動パターンシナリオを読み出す(S38264A)。S38264Aの処理が終了すると、読み出した変動パターンシナリオに基づいて現在の遊技状態、特別図柄の抽選結果、およびシナリオ用カウンタ203uaの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定して(S38265A)、処理をS8205へと移行する。
次に、図660を参照して、本第21制御例における更新処理21(S241A)について説明する。この更新処理21(S241A)は、上述した第19制御例(および第16制御例)における更新処理16(図525参照)に代えて実行される処理であり、更新処理16(図525参照)と同様に、特別図柄の変動停止時に遊技状態の更新を行うための処理である。
この第21制御例における更新処理21(図660参照)のうち、S8301~S8307、およびS8313の各処理では、それぞれ第19制御例(および第16制御例)における更新処理16(図525参照)のS8301~S8307、およびS8313の各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における更新処理21(図660参照)では、S8306の処理が終了すると、通常時短フラグ203ubがオンであるか否かを判別し(S8321)、オンであると判別した場合は(S8321:Yes)、次いで、シナリオ格納エリア203sbに対して時短終了後用テーブル202uj3を参照して変動パターン選択テーブルを特定するシナリオを示すデータを格納する(S8322A)。S8322Aの処理が終了すると、通常時短フラグ203ubをオフに設定し(S8323)、シナリオ用カウンタ203saの値を0にリセットして(S8324A)、処理をS8313へと移行する。これに対し、S8321Aの処理において、通常時短フラグ203ubがオフであると判別した場合は、処理をS8307へと移行する。
また、本第21制御例における更新処理21(図660参照)では、S8307の処理が終了すると、上述した第19制御例における天井判定処理19(図631参照)に代えて天井判定処理21を実行し(S8325)、本処理を終了する。この天井判定処理21(S8325)の詳細については、図661を参照して後述する。
この更新処理21(図660参照)を実行することにより、通常時短状態が終了した場合に、時短終了後用の変動パターンシナリオを設定することができるので、通常時短状態のエンディング演出やリーチ演出に発展した際の期待度が向上する特殊モード等を形成することができる。
次に、図661を参照して、上述した天井判定処理21(S8325A)の詳細について説明する。この天井判定処理21(S8325A)は、上述した通り、第19制御例における天井判定処理19(図631参照)に代えて実行される処理であり、天井判定処理19(図631参照)と同様に、特別図柄の抽選回数から天井抽選回数への到達有無を判別し、天井抽選回数に到達した場合に時短状態を発生させるための処理である。
この第21制御例における天井判定処理21(図661参照)のうち、S38101~S38105,S38112A~S38114A,S38117A,S38121A~S38123A、およびS38126Aの各処理では、上述した第19制御例における天井判定処理19(図631参照)におけるS38101~S38105,S38112A~S38114A,S38117A,S38121A~S38123A、およびS38126Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21制御例における天井判定処理21(図661参照)では、S38114Aの処理が終了すると、特図抽選カウンタ203laの値、およびシナリオ用カウンタ203uaの値を0にクリアし(S38131)、天井時短待機フラグ203sa、および通常時短フラグ203ubをオンに設定して(S38132)、処理をS38126Aへと移行する。
次に、図662を参照して、本第21制御例における立ち上げ処理の詳細について説明する。この立ち上げ処理は、上述した第19制御例における立ち上げ処理と同様に、パチンコ機10に対する電源投入に基づいて実行される処理である。図662は、この第21制御例における立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この第21制御例における立ち上げ処理のうち、S1701~S1712,S1721A,S1751A,S1752A,S31701A、およびS31702Aの各処理では、それぞれ第19制御例における立ち上げ処理(図632参照)のS1701~S1712,S1721A,S1751A,S1752A,S31701A、およびS31702Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21制御例における立ち上げ処理(図662参照)では、S1712の処理が終了すると、RAM203の使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203la、シナリオ用カウンタ203ua、シナリオ格納エリア203sb以外の記憶領域をクリアし(S1761A)、RAM203のうち、特図抽選カウンタ203la、シナリオ用カウンタ203ua、シナリオ格納エリア203sb以外の記憶領域に対して初期値を設定して(S1762A)、処理をS1710へと移行する。これにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合にも、天井抽選回数までの残りの抽選回数や変動パターンシナリオの進行状況等を維持することができる。
<第21制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図663、および図664を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図663を参照して、本第21制御例における演出態様設定処理21(S5011A)について説明する。この演出態様設定処理21(S5011A)は、上述した第19制御例における演出態様設定処理19(図634参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例における演出態様設定処理19(図634参照)と同様に、変動パターンコマンドを受信した場合に、当該受信した変動パターンコマンドにより通知された変動種別に応じた変動表示態様を設定するための処理である。
この第21制御例における演出態様設定処理21(図663参照)のうち、S34401,S34403,S34407、およびS34431A~S34448Aの各処理では、それぞれ第19制御例における演出態様設定処理19(図634参照)のS34401,S34403,S34407、およびS34431A~S34448Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における演出態様設定処理21(図663参照)では、S34447Aの処理が終了すると、演出モードフラグ223uaを通常時短状態のエンディング演出用の値に更新して(S34451A)、処理をS34407へと移行する。
次に、図664を参照して、本第21制御例における天井関連演出設定処理21(S34561A)の詳細について説明する。この天井関連演出設定処理21(S34561A)は、上述した第19制御例における天井関連演出設定処理(図637参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例における天井関連演出設定処理(図637参照)と同様に、天井に関連する演出態様を設定するための処理である。
この第21制御例における天井関連演出設定処理21(図664参照)のうち、S34571A、およびS34573A~S34575Aの各処理では、それぞれ上述した第19制御例における天井関連演出設定処理(図664参照)のS34571A、およびS34573A~S34575Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における天井関連演出設定処理21(図664参照)では、S34571Aの処理において今回の変動パターンが天井煽り用の変動パターンではないと判別した場合に(S34571A:No)、受信した変動パターンと演出モードフラグ223uaが示す演出モードとに応じた演出態様を決定し(S34581A)、演出モードの切り替わりタイミングであるか否かを判別する(S34582A)。具体的には、演出モードが通常時短状態の終了後のエンディング演出用のモードであり、第2特別図柄の保留球が0になった場合は、修行ゾーンを示す状態に更新し、通常時短状態の終了後における特別図柄の抽選回数が20回となった場合は、通常の演出モードを示す状態に更新する。
S34582Aの処理において、演出モードの切り替わりタイミングであると判別した場合は(S34582A:Yes)、演出モードフラグ223uaを切り替わり後の演出モードに対応する状態に更新して(S34583A)、本処理を終了する。これに対して、S34582Aの処理において、演出モードの切り替わりタイミングではないと判別した場合は(S34582A:No)、S34583Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10では、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される時短状態や、時短図柄に当選したことに基づいて設定される時短状態(通常時短状態)の終了を契機として、変動パターンシナリオを切り替える構成とし、変動時間に応じて設定される変動表示態様も異ならせることにより、特殊な演出モードを形成するように構成した。このように構成することで、大当たりを介さずに設定された時短状態が終了した(賞球を何ら獲得することなく有利な時短状態が終了した)場合に、特殊な演出モードを形成することで、遊技者の落胆を緩和すると共に、特殊な演出モードが終了するまでの間、遊技を継続しようと思わせることを可能に構成した。これにより、時短状態の終了後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第21制御例では、大当たり終了時、天井抽選回数到達時、および通常時短状態の終了時に変動パターンシナリオを再設定する構成としていたが、これに限られるものではない。大当たり終了後に設定される時短状態が終了した場合にも、変動パターンシナリオを再セットする構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後に設定された時短状態が終了した場合にも、特殊な演出モードを形成することができるので、特殊な演出モードが設定されている間は、遊技を継続しようと思わせ易く構成することができる。よって、パチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。なお、大当たり終了後に設定される時短状態の終了タイミングは固定化されている(大当たり終了後100回で終了する)ため、時短状態や確変状態が終了した時点における天井抽選回数までの残回数は毎回共通(400回)となる。よって、大当たり終了後の時短状態が終了した場合に設定する変動パターンシナリオにおいては、シナリオセット後の抽選回数が250回、300回、及び350回で天井煽り用の変動パターンテーブル(天井煽り用テーブル202sb3)を参照する構成とすることで、天井抽選回数までの残回数が150回、100回、および50回のタイミングで天井煽り用の演出を実行することができる。つまり、上述した第19制御例や第21制御例と同一の挙動を実現することができる。
上述した第19制御例から第21制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、RAM203の一部のデータが初期化されることを回避する構成としていた。この場合において、初期化されることを回避するデータを格納するアドレスを固定化する構成としてもよい。つまり、第19制御例において初期化が回避されるシナリオ格納エリア203sbおよび特図抽選カウンタ203la、第20制御例において初期化が回避されるシナリオ格納エリア203sbおよびシナリオ用カウンタ203tb、第21制御例において初期化が回避される特図抽選カウンタ203la、シナリオ格納エリア203sb、およびシナリオ用カウンタ203uaを、RAM203の固定のアドレス範囲に格納する構成としてもよい。このように構成した場合、少なくとも第19制御例から第21制御例の各仕様のうち1の仕様のパチンコ機10をベースとして、他の仕様のパチンコ機10を開発する際に、プログラムの転用を容易にすることができる。つまり、主制御装置110の立ち上げ処理(図637、図647、図662参照)に対応するプログラムを転用先の仕様に合わせて書き替える際に、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に初期化が回避されるアドレス範囲を共通化することができるので、この部分のプログラムを変更する必要がなくなり、プログラム開発者の手間を少なくすることができる。また、プログラムの変更する必要がなくなることにより、初期化が回避されるアドレスとしてプログラム開発段階で誤ったアドレスに書き替えられてしまうことを抑制できるので、パチンコ機10の誤動作を抑制することができる。
<第22制御例>
次に、図665から図734を参照し、第22制御例におけるパチンコ機10について説明する。従来より、遊技者が選択ボタン(操作手段)を操作することにより、パチンコ機10の光量(LEDの輝度や、液晶ディスプレイのバックライトの明るさ)を調整可能な光量調整機能を有するものがある。この光量調整機能を用いることにより、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出や、大当たり当選時に実行される大当たり遊技中の大当たり遊技演出や、設定されている遊技状態を示すための状態演出の明るさ(装飾用LEDの輝度や、第3図柄表示装置81として用いられる液晶ディスプレイのバックライトの明るさ)を、遊技者が任意の明るさに調整することができるため、遊技者が所望する快適な演出を提供することができるものであった。しかしながら、従来型のパチンコ機10では、待機期間(特別図柄抽選が実行されておらず、且つ、当たり遊技が実行されていない期間)中において光量を調整可能とするものが一般的であり、光量調整機能を用いて光量を調整する時点において発光している装飾用LEDの輝度や、待機画面が表示されている液晶ディスプレイのバックライトの明るさの可変度合いを目視確認しながら所望する光量へと調整するものであった。
ここで、近年、遊技者が遊技を実行していない待機画面(デモ画面)表示中は、パチンコ機10全体の光量を抑えることで、パチンコ機10の省エネ化を図るものがある。また、遊技者の遊技中であっても、実行される演出に対する大当たり期待度に対応させて、パチンコ機10全体の光量を可変させることにより、遊技者に対してメリハリのある演出を実行可能とすると共に、実行中の演出の内容に遊技者を注視させるタイミング(例えば、大当たり当選の有無を報知するタイミングや、当たり遊技の内容を報知するタイミング)においてはパチンコ機10全体の光量を高めることにより遊技者が演出を見逃してしまうことを抑制可能に構成しているものがある。
このように構成された従来型のパチンコ機10では、待機画面中であるパチンコ機10の光量、即ち、遊技中とは異なる(遊技中よりも低く設定されている)光量を基準に光量調整操作を行うことになるため、実際に遊技を実行した場合に、所望する光量と設定した光量とが乖離していることに気付き、再度、遊技者に光量調整操作を行わせてしまうという問題があった。
これに対して、本第22制御例では、待機画面中に実行される光量調整操作時に、比較的高輝度なLEDが設けられた装飾用可動役物(剣役物Ym3)を光量調整位置へと可動させ、装飾用可動役物(剣役物Ym3)のLEDを発光させた状態で光量調整可能に構成している。つまり、遊技が実行されていない状態であっても、変動演出に用いられる装飾用可動役物(剣役物Ym3)を用いて光量調整可能に構成している。このように構成することで、遊技者の所望する光量へと適切に調整し易くすることができる。
また、本第22制御例では、実際の変動演出にて可変される可変位置(第3図柄表示装置81の表示面を覆う位置)へと装飾用可動役物(剣役物Ym3)を可変させた状態を環境調整位置とし、環境調整位置に位置する装飾用可動役物(剣役物Ym3)に備えられている発光手段(LED)を発光させるように構成している。
従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、大当たり当選の有無を報知するタイミングや、大当たり当選の期待度が高い演出態様へと変動演出の内容が切り替わるか否かを報知するタイミングにおいて、装飾用可動役物を可動させることで遊技者に実行中の変動演出を注視させるものがある。この場合、パチンコ機10に設けられた装飾用の発光手段(LED)の光量を高めた発光演出を併せて実行するのが一般的である。
つまり、本第22制御例によれば、実際の変動演出にて装飾用可動役物(剣役物Ym3)を可動させた状態と同様の状態を疑似的に再現し、その状態において光量調整操作を実行可能に構成している。このように構成することで、眩しすぎる演出が実行されることを抑制するために、光量調整操作を実行し、光量を下げようとする遊技者に対して、比較的光量の高い演出を基準に光量調整を行わせることが可能となるため、遊技者の所望する光量へと適切に調整し易くすることができる。
また、本第22制御例では、待機画面中だけで無く、特別図柄変動が実行されている最中や、大当たり遊技が実行されている最中、即ち、遊技者が遊技を実行している遊技期間内においても光量調整操作を実行可能に構成しており、遊技期間中において光量調整操作を実行した場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置へと可動させること無く、光量調整が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技期間中に実行される光量調整操作に基づいて装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動してしまい、変動演出の一環として装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動したと遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
ここで、遊技者が待機画面表示中に光量調整操作を実行している状態、即ち、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で操作ハンドル21を操作し、第1入球口64へと遊技球を入球させた場合には、光量調整操作中に第1特別図柄変動が開始し、第3図柄表示装置81の表示画面では、実行された第1特別図柄変動に対応する変動演出が実行される事象が発生することになる。
この場合、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に位置させた状態を、光量調整操作が終了するまで継続させてしまうと、環境調整位置に位置している装飾用可動役物(剣役物Ym3)が、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行されている変動演出と重なってしまい、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという問題があった。また、変動演出の一環として装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動し得る位置を環境調整位置としているため、光量調整操作に基づいて環境調整位置に位置している装飾用可動役物(剣役物Ym3)が、変動演出として可動していると遊技者に誤解を与えてしまうという問題があった。
そこで、本第22制御例では、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で特別図柄変動が開始された場合(遊技が実行された場合)には、光量調整操作を継続させながら、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置(格納位置)へと可動させるように構成している。
このように構成することで、待機画面中に光量調整操作を実行している最中に特別図柄変動が開始された場合であっても、違和感の無い演出を遊技者に提供することができる。
より具体的に説明をすると、特別図柄変動が実行されることに基づいて装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置(格納位置)へと可動させる場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を可動させる前に、光量確認用として発光させていた装飾用可動役物(剣役物Ym3)の発光手段(LED)を消灯させる消灯制御を実行し、LEDが全消灯している状態で装飾用可動役物(剣役物Ym3)を初期位置へと可動させる可動制御を実行するように構成している。
このように構成することで、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置へと可動させている間は、装飾用可動役物の発光手段(LED)が点灯していない状態とすることができるため、変動演出の一環として装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動していないことを遊技者に分かり易く把握させることができる。
また、本第22制御例では、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で実行された光量調整操作が完了し、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が初期位置(格納位置)へと格納された場合には、その後10秒間の間、剣役物Ym3が可動されない期間を設定可能に構成している。
具体的には、待機画面中における光量調整操作が完了した直後に、再度、光量調整操作を実行した場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動すること無く、光量調整操作画面が表示される態様の光量調整操作が実行されることになる。また、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で特別図柄変動が開始された場合(遊技が実行された場合)には、その特別図柄変動に対応する変動演出の演出パターンとして、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動されることの無い演出パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、短期間の間に装飾用可動役物(剣役物Ym3)に対する可動制御が実行されてしまうことを抑制することができるため、剣役物Ym3が頻繁に可動してしまい、剣役物Ym3が故障してしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、剣役物Ym3が可動可能な状態となるよりも前に次の剣役物Ym3に対する可動制御が実行され、剣役物Ym3の可動期間にズレが発生したり、正常な可動動作が実行されなかったりする事態が発生することを抑制することができる。
次に、上述した各制御例では、獲得した保留球数を示す保留図柄を液晶画面に表示させ、その保留球の抽選結果を先読み(事前判別)した結果に基づいてその保留球に対応する保留図柄の表示態様を変化させることで、遊技者に対して先読みの結果を報知する演出(保留変化演出)を第3図柄表示装置81のみで行う構成であった。
これに対して、本第22制御例のパチンコ機10では、この保留変化演出が実行される場合に、役物を用いて第3図柄表示装置81に表示されている変化対象の保留図柄以外の保留図柄を覆い隠す構成としている。このように構成することで、どの保留図柄が変化対象なのかを遊技者に対して明確にすることができる。
より具体的に説明すると、本第22制御例における保留変化演出では、2つの装飾用可動役物(左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2、図672(b)参照)によって、表示装置において保留図柄が表示されている表示領域を覆い隠すことが可能に構成しており、この装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)の可変位置によって、保留図柄の表示領域を、遊技者が視認可能な部分と視認困難な部分に分けることが可能である。これにより、変化対象の保留図柄が表示された表示領域のみを遊技者に視認可能な状態とし、変化対象の保留図柄を遊技者に分かり易くすることができる。
ここで、従来より、派手なエフェクトを用いた保留変化演出を実行し、遊技者を保留変化演出に注目させるものがある。例えば、変化対象の保留図柄を激しく発光させた後、保留図柄の表示態様を変化させる演出である。このような保留変化演出において、変化対象の保留図柄の他に保留図柄が表示されている場合に、保留変化演出のエフェクトが変化対象の保留図柄に隣接して表示されている保留図柄に重なって表示されることで、遊技者に変化対象の保留図柄を勘違いさせてしまう虞がある。もし、表示されている複数の保留図柄の内、変化対象の保留図柄に隣接する保留図柄が変化した方が遊技者にとって望ましい状態(例えば、変化対象の保留図柄が白色の保留図柄(通常保留図柄)で、隣接する保留図柄が緑色の保留図柄(変化すると最も大当たり期待度が高い赤色の保留図柄になる保留図柄))である場合に、このような勘違いが生起することで、遊技者をぬか喜びさせることになり、遊技者の遊技意欲低下に繋がる虞があった。
これに対して、本第22制御例のパチンコ機10では、保留変化演出においてチェンジ役物Ym1,Ym2を用いて、第3図柄表示装置81に表示されている変化対象以外の保留図柄を覆い隠す構成とすることで、どの保留図柄が変化対象なのかを遊技者に明確にし、遊技者が変化対象の保留図柄を勘違いすることを抑制することができる。
また、本第22制御例では、保留変化演出が開始されるまでは装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)を第3図柄表示装置81と重ならない位置である初期位置(図669(a)参照)とし、保留変化演出が開始されると、初期位置から装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)の動作シナリオに応じた動作位置に動作をする構成としている。
具体的には、装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)は初期位置から直接、変化対象以外の保留図柄が表示されている表示領域を視認困難な状態とするのではなく、段階的に視認可能な保留図柄を、4個から2個、そして2個から1個へと狭めていく動作を行う構成としている。
このように構成することで、保留変化演出の開始から保留変化演出の終了までの期間で遊技者にどの保留図柄が変化するのか段階的に予測させる楽しみを提供することが可能となり、遊技者に装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)がどのように動くのかに興味を持たせることで、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本第22制御例では、保留図柄が複数表示されている場合に、隣接する保留図柄の表示態様が、変化対象の保留図柄の表示態様に反映される構成としている。
より具体的に説明すると、本第22制御例では、1つの保留図柄に対して全7色(白、青、黄、紫、緑、赤、虹)の中から1色が付与され、付与された色がその保留図柄の保留色となる。本第22制御例における保留変化演出では、変化対象の保留図柄の保留色を、隣接する保留図柄の保留色から移植させることによって可変させることが可能であり、例えば、変化対象の保留図柄が「青」であり、1つ前に表示されている保留図柄が「黄」である場合には、変化対象の保留図柄に1つ前の保留図柄から「黄」が移植されることによって、変化対象の保留図柄が「緑」に可変し、1つ前の保留図柄は「白」に可変する。なお、この場合、保留色「緑」は、保留色「青」と「白」よりも大当たり当選の期待度が高い場合に表示され易い保留色であるため、「緑」は「青」と「白」よりも上位の保留色となる。
一方、変化対象の保留図柄が「青」であり、1つ前の保留図柄が「白」である場合には、保留色が移植されても上位の保留色に変化し得ないが、変化対象の保留図柄の次に表示される保留図柄の保留色が「黄」であれば、変化対象の保留図柄に次の保留図柄から「黄」が移植されることによって、変化対象の保留図柄を「緑」とすることが可能な構成としている。
このように構成することで、表示されている保留図柄の保留色が大当たり当選の期待度の低い保留色であっても、新たに保留図柄を獲得することにより、上位の保留色に可変させることができるかもしれないと遊技者に思わせることが可能となり、保留図柄を獲得するために意欲的に遊技を行わせることができる。
<第22制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について>
図665は、第22制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図666はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図667はパチンコ機10の背面図である。
図665に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図665参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図666参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図687参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図665参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図665参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、演出ボタン22(図668(a)参照)と選択スイッチ600(図668(b)参照)が設けられている。この演出ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図666参照)で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
選択スイッチ600は、図668(b)に示すように、演出等の選択を決定する決定スイッチ600a、上方向の選択を指示するための上スイッチ600b、右方向の選択を指示するための右スイッチ600c、下方向の選択を指示するための下スイッチ600d、左方向の選択を指示するための左スイッチ600eで構成されている。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図665参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図666参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図666に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図665参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図665参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図666を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図665参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図687参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図666の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図666の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図666の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図687参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第22制御例では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「10R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「3R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「3R時短大当たり」は、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図687参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図687参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本第22制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図687参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図687参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本第22制御例においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本第22制御例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図665参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本実施形態においては、風車の内の一つ(可動部材310と称す)が遊技盤13の正面視左側上方に配設され、図666において図示されている。
図667に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図687参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図687参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図669を参照して、本第22制御例における装飾用可動役物について説明する。本第22制御例では、装飾用可動役物として、左チェンジ役物Ym1、右チェンジ役物Ym2、剣役物Ym3を有している。チェンジ役物Ym1,Ym2は、本第22制御例における保留変化演出において使用される装飾用可動役物であり、保留変化演出が実行されていない場合は格納状態となり、図669(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の下方に格納されているため(初期位置)、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される変動演出を視認し易く構成している。
一方、保留変化演出が実行される場合には、図669(b)に示す通り、チェンジ役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の表示領域と一部重なる状態となる。本第22制御例では、チェンジ役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の表示領域と一部重なることで、重なる表示領域に表示されている保留図柄を覆い隠し、視認困難な状態とすることが可能となる。なお、チェンジ役物Ym1,Ym2の詳細な動作パターンについては、図697を参照して後述する。
剣役物Ym3は、特別図柄の変動演出の一部として使用されるだけでなく、デモ演出中に遊技者が光量調整を実行する場合に調整用役物として可動され、それ以外の場合は格納状態となり、格納状態である場合には、図669(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の右側に格納されているため(初期位置)、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される変動演出を視認し易く構成している。
一方、剣役物Ym3が可動状態となった場合には、図669(b)に示す通り、初期位置から第3図柄表示装置81の表示領域に一部重なる位置(環境調整位置)に出現し、遊技者は剣役物Ym3を視認可能となり、第3図柄表示装置81の剣役物Ym3が重なっている表示領域を視認困難になる。なお、本第22制御例における剣役物Ym3を使用した変動演出態様は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に設定され易く構成しており、変動演出中に剣役物Ym3が可動状態となることで、第3図柄表示装置81のみで実行される演出よりも迫力のある演出を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図670は、第1可変入賞装置65の断面図である。図670(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図670(b)は、第1可変入賞装置65のLb-Lb断面図である。図670(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である第1特定入賞口65aが形成されている。第1特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図670(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサで構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図671(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図670(b)に示すように第1特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより第1特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、第1可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が第1可変入賞装置65の上面を転動して、第2入球口640側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2始動口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく第1特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図670(a)は、図670(b)に示すLa-La断面図である。図670(a)に示すように検出口65a1を有する検出スイッチ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図671を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出口65e1と特別排出口65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図671(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図671(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65h2を回動可能に配置することが可能に構成されている。
図671(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本第22制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態ST1)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本第22制御例では、大当たりA、大当たりC、大当たりDに当選した場合には、14ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりB、大当たりEに当選した場合には、14ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりAでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりBでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
図671(b)を参照して、通常排出口65e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図671(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された球排出口スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを球排出口スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、14ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で14ラウンド目に入賞して、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
このように、第1可変入賞装置65内に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球が検出スイッチ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
<第22制御例における演出内容について>
ここで、図672から図686を参照して、本第22制御例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図672~図677を参照して、装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)を用いた保留変化演出の内容について説明する。上述したように、本第22制御例では、保留変化演出が実行される場合に、変化対象の保留図柄以外の保留図柄をチェンジ役物Ym1,Ym2によって隠すことによって、どの保留図柄が変化対象であるのかを遊技者に分かり易くする構成としている。そして、保留変化演出において、チェンジ役物Ym1,Ym2が段階的に変化対象以外の保留図柄を隠すように動作することで、遊技者に変化対象がどの保留図柄であるのか予測させる楽しみを提供することができる。以下、本第22制御例にて実行される保留変化演出の具体的な内容について説明する。
図672(a)は、チェンジ役物Ym1,Ym2が格納された状態における特別図柄変動中の表示画面の一例である。図672(a)に示す通り、主表示領域Dmにおける正面視右上には小表示領域Dm1が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、特別図柄(特図)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1を設けることにより、特別図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本第22制御例のパチンコ機10では、第4図柄を数字を用いた表示態様で示しており、小表示領域Dm1にて第4図柄を変動表示させることで(図672(a)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1にて第4図柄を停止表示させることで(図678(a)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として丸印とバツ印といった図形を模した表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本第22制御例では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図672(a)に示した通り、本第22制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1)を主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、小表示領域Dm1を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
また、主表示領域Dmの左上側には、現在設定されている遊技状態における遊技方法を遊技者に案内するための案内報知態様が表示される小表示領域Dm4が形成され、図672(a)に示した例では、設定されている遊技状態が通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であることから、遊技者に第1特別図柄抽選を実行させるための遊技(左打ち遊技)を案内するために、小表示領域Dm4に「左打ち」の文字が表示されている。このように、通常遊技状態中の遊技方法を表示可能に構成することで、遊技者に対して、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、確変遊技状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)又は時短遊技状態(特別得柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合には、遊技者に第2特別図柄抽選を実行させるための遊技(右打ち遊技)を案内するために、小表示領域Dm4に「右打ち」の文字が表示される。
また、主表示領域Dmの中央上側では、第4図柄の変動表示に対応して装飾的な表示を行うものである第3図柄が変動表示される。このように第3図柄が主表示領域Dmの中央上側に表示されることで、遊技者は、小表示領域Dm1に表示される第4図柄を見ることなく、主表示領域Dmにおいて実行される変動演出と、第3図柄によって示される特別図柄の抽選状況を同時に見ながら遊技を行うことができる。
次に、主表示領域Dmの中央下側は、現在実行中の特別図柄に対応する保留図柄が表示される領域である表示領域HR1が形成される。表示領域HR1には、実行中の保留図柄が表示される領域であることを示す「NOW」という文字が表示される。これにより、表示領域HR1は、実行中の保留図柄が表示される領域であることを遊技者に分かり易く認識させることができる。また、実行中保留図柄hr0が表示されることで、遊技者が実行中保留図柄hr0の表示態様から実行中の特別図柄の抽選結果を予測し易くなり、実行中保留図柄hr0が表示されていない場合には特別図柄抽選遊技が実行されていないことを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、本第22制御例では、実行中保留図柄hr0とその他の保留図柄を異なる表示領域で表示する構成としたが、遊技者が実行中保留図柄h0を識別できる構成であれば良く、例えば、同じ表示領域に表示し、実行中保留図柄hr0とその他の保留図柄の大きさを異ならせることで遊技者が識別可能な構成としても良い。
表示領域HR1の下側には、獲得中の保留球の個数に対応した保留図柄が表示される領域である表示領域HR2が形成される。この表示領域HR2には、左から順に1~4の数字が表示されており、どの保留図柄から順番に消化されるのかを遊技者に分かり易く報知している。
表示領域HR2には第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4が表示されており、それぞれ異なる色が付与されている。第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4は、それぞれ第1特別図柄保留球格納エリア203va(第2特別図柄保留球格納エリアvb)の保留エリア1~保留エリア4に格納されている保留球に対応しており、遊技者が保留球を獲得した場合には第1保留図柄hr1から若い順に保留図柄が表示され、保留球の個数が減少すると(保留球が消化されると)、それに合わせて保留図柄の表示位置が可変する。具体的には、実行中保留図柄hr0に対応する特別図柄変動が終了すると、第1保留図柄hr1の位置に表示されていた保留図柄は実行中保留図柄hr0が表示されていた位置にシフトし、第2保留図柄hr2の位置に表示されていた保留図柄は第1保留図柄hr1が表示されていた位置にシフトする。そして、第3保留図柄hr3の位置に表示されていた保留図柄は第2保留図柄hr2が表示されていた位置に、第4保留図柄hr4の位置に表示されていた保留図柄は第3保留図柄hr3が表示されていた位置にそれぞれシフトする。
ここで、図677(a)を参照して、本第22制御例における保留図柄の表示態様について説明する。図677(a)は、保留図柄の色と大当たり当選期待度との関係を示した図である。図677(a)に示す通り、「虹」が最も大当たり当選期待が高く、次に「赤」、「緑」の順に期待度が高くなり、「白」、「青」、「黄」、「紫」は同程度の期待度となっている。なお、後述する保留演出設定処理22(図722,F2504参照)において保留変化演出を実行しないと決定された場合には、保留色「白」が設定される構成としており、保留色「白」は標準の保留色である。
図677(b)は、保留図柄の色の可変パターンの一例を示したものである。図677(b)に示す通り、保留色「虹」は、「白」を除く3種類以上の異なる保留色の要素を合成すると可変する保留色である。保留色「赤」は、「紫」から「紫」を構成する要素の1つである「青」を他の保留図柄に移植することで可変する保留色である。保留色「緑」は、保留色「青」の要素と「黄」の要素を合成することで可変する保留色である。このように、複数の保留図柄の色を合成してより上位の表示態様(色)に可変可能な構成とすることで、現在表示されている保留図柄がいずれも大当たり当選期待度の低い保留図柄であっても、それらを構成する要素が組み合わさることでより上位の保留図柄に可変することを遊技者に期待させることができるため、表示されている保留図柄の表示態様から可変可能な保留図柄の表示態様を遊技者に予測させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
上述したように、本第22制御例では、隣接する保留図柄の色の要素が合成される構成である。従って、例えば、第1保留図柄hr1が「紫」、第2保留図柄hr2が「青」である場合に、次に表示される保留図柄(この場合、第3保留図柄hr3)の色が「白」、「紫」、「青」以外であれば「虹」への可変が可能であり、「黄」であれば「緑」への可変も可能であることから、遊技者に対して次に表示される保留図柄の色は何色かにも興味を持たせることが可能となり、保留球を獲得するために意欲的に遊技を行わせることができる。
図672(a)に戻り説明を続ける。上述したように、「白」、「青」、「黄」、「紫」は同程度の期待度であるため、図672(a)に示す例では、どの保留図柄も大当たり当選の期待度が変わらない状態である。なお、図672(a)に示す例では、第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4それぞれが異なる表示態様(色)で表示されているが、本第22制御例では、保留図柄の表示態様(色)を特別図柄抽選の結果に基づいてランダムで決定しているため、例えば、「白」「白」「白」「白」のように、同じ色が連続する場合もある。
図672(a)に示すように、第3図柄表示装置81の下方には、チェンジ役物Ym1,Ym2が格納されている(初期位置)。チェンジ役物Ym1,Ym2は、表示領域HR2の大きさと同じ大きさの役物、或いは、表示領域HR2の大きさよりも大きな役物で構成し、少なくともチェンジ役物Ym1,Ym2と重なる表示領域HR2に表示されている保留図柄が遊技者に視認困難な状態となるように構成する。このチェンジ役物Ym1,Ym2は、本第22制御例において、保留変化演出が実行される場合に可動状態となるため、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動状態となった場合には、遊技者に保留変化演出が実行されることを報知することができる。チェンジ役物Ym1,Ym2の動作パターンについて、図672(b)~図674(a)を参照して説明する。
図672(b)は、保留変化演出が開始され、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動を開始した場合の表示画面の一例である。図672(b)に示すように、左チェンジ役物Ym1は左にスライドした後、第1保留図柄hr1を隠す位置に、右チェンジ役物Ym2は右にスライドした後、第4保留図柄hr4を隠す位置に、それぞれ移動する(第1動作)。第1動作が終了した時点では、第2保留図柄hr2と第3保留図柄hr3のどちらが変化対象の保留図柄なのか遊技者には分からない状態となる。従って、遊技者にどちらの保留図柄が変化対象なのかを予測する楽しみを提供することができる。
図673(a)は、第1動作が終了してから第2動作が実行された場合の表示画面の一例である。第2動作では、右チェンジ役物Ym2が正面視左方向にスライドし、第3保留図柄hr3を隠す動作が実行される。そして、主表示領域Dmでは、右チェンジ役物Ym2の動作と連動して、表示領域HR2から第3保留図柄hr3の保留色「青」が第2保留図柄hr2に移植されたように見せる演出が実行され、図673(b)に示すように、第2保留図柄hr2の「黄」に第3保留図柄hr3の「青」が移植され、「緑」に可変する演出が実行される。このように、表示領域HR2に表示されている変化対象以外の保留図柄がチェンジ役物Ym1,Ym2によって隠されることで、変化対象の保留図柄を遊技者に分かり易くすることができる。
その後、左チェンジ役物Ym1は下降した後に正面視右方向にスライドし、右チェンジ役物Ym2はそのまま下降して格納状態(初期位置)に戻る(第3動作)。
図674(a)は、図673(b)の状態からチェンジ役物Ym1,Ym2が初期位置に戻った時の表示画面の一例である。図672(a)の状態と異なり、表示領域HR2に表示されている第2保留図柄hr2が「黄」から「緑」に、第3保留図柄hr3が「青」から「白」に可変している。これにより、表示領域HR2に表示されている保留図柄の内、第2保留図柄hr2に対応する保留球が大当たり当選の期待度が高いことを遊技者は予測できる。
ここで、例えば、第2保留図柄hr2の保留変化シナリオとして保留変化シナリオ8(図695参照)が設定され、第1保留図柄hr1の保留色が「黄」、第2保留図柄hr2の保留色が「青」、第3保留図柄hr3の保留色が「赤」で表示されている場合に、第1保留図柄hr1と第3保留図柄hr3の保留色を構成する要素を第2保留図柄hr2に移植し、保留色を「虹」に可変する保留変化演出が実行された後に、第1保留図柄hr1と第3保留図柄hr3の保留色をそのまま(即ち、第1保留図柄hr1は「黄」、第3保留図柄hr3は「赤」のまま)とした場合、実際には、第2保留図柄hr2のみが大当たり当選であるにも関わらず、遊技者に第2保留図柄hr2と第3保留図柄hr3が大当たり当選する期待度が高いと誤解を与えてしまう。これを防ぐために、本第22制御例では、保留図柄の色を構成する要素が移植された場合には、移植されたことに対応する色に可変して表示する構成としている。
図674(b)は、保留図柄の保留色の一部が隣の保留図柄に移植される場合の表示画面の一例である。第1動作が終了した時点では、表示領域HR2には第2保留図柄hr2が「紫」の表示態様で、第3保留図柄hr3が「白」の表示態様で表示されている。その後、第2動作が開始されると、左チェンジ役物Ym1が正面視右方向にスライドし、第2保留図柄hr2を隠す動作を行う。この時に、主表示領域Dmでは、図675(a)に示すように、第2保留図柄hr2の「紫」から「紫」を構成する成分の一つである「青」が第3保留図柄r3に移植される演出が実行される。そして、チェンジ役物Ym1,Ym2が初期位置に戻ると、第2保留図柄hr2が「赤」、第3保留図柄hr3が「青」に可変した状態となる。従って、この場合は、チェンジ役物Ym1によって隠された第2保留図柄hr2の方が、他の保留図柄よりも大当たり当選の期待度が高い状態となる。
なお、本第22制御例では、保留図柄を構成する色のみを移植する構成としたが、これに限るものではなく、保留図柄そのものを移植する構成としても良い。具体的には、図673(a)の状態で、第3保留図柄hr3の位置に表示されていた保留図柄が第2保留図柄hr2に移植される演出が実行され、保留変化演出終了後の表示領域HR2の第3保留図柄hr3の位置には、元々第4保留図柄hr4の位置に表示されていた保留図柄を表示させ、第4保留図柄hr4の位置を空白(何の保留図柄も表示されていない状態)とし、第2保留図柄hr2に対応する保留球に基づく特別図柄変動が実行される場合に、第2保留図柄hr2に対応する保留球の抽選結果と第3保留図柄hr3に対応する保留球の抽選結果をまとめて報知する構成としても良い。このように構成することで、遊技者に対して外れ当選であることが報知される回数を減らすことができるので、遊技者に実際の大当たり当選確率よりも高い確率で大当たり当選しているかのように思わせることができる。
なお、図675(a)の状態で、第2保留図柄hr2から移植される移植色hr2aを「赤」とするパターンも設定しており、この場合は、第3保留図柄hr3が他の保留図柄よりも大当たり当選の期待度が高い保留図柄となる。このように構成することで、遊技者にチェンジ役物Ym1,Ym2の動きだけでなく、第3図柄表示装置81で行われる演出にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図676(a)は、図674(b)の状態から、第2動作が実行されても、隠された方の保留図柄が移植されずに、変化対象の保留図柄が単独で変化する場合の表示画面の一例である。第2保留図柄hr2が隠されたにも関わらず、色が移植されず、第3保留図柄hr3が「緑」に可変している。このように、保留変化のパターンを多様に設定することで、保留変化演出が単調にならず遊技者が早期に飽きることを抑制することができる。
上述したように、本第22制御例では、チェンジ役物Ym1,Ym2を用いて変化対象以外の保留図柄を隠すことにより、変化対象の保留図柄を遊技者に明確にすることができるものである。このように、チェンジ役物Ym1,Ym2によって第3図柄表示装置81の保留図柄表示領域の一部分を隠すため、第3図柄表示装置81で発光等のエフェクトを用いた保留変化演出が実行される場合に、変化対象の保留図柄に対するエフェクトがその他の保留図柄に重なる場合であっても、その他の保留図柄がチェンジ役物Ym1,Ym2によって隠されることで、遊技者にどの保留図柄が変化対象なのかを明確にすることができる。
なお、本第22制御例では、チェンジ役物Ym1,Ym2によって隠す構成としたが、これに限るものではなく、例えば、第3図柄表示装置81においてシャッターを模した表示によって、変化対象以外の保留図柄を隠す構成としても良いし、第3図柄を拡大表示させることで変化対象以外の保留図柄を隠す構成としても良い。
また、本第22制御例では、第2保留図柄hr2の色を第3保留図柄hr3に移植するパターンと、第3保留図柄hr3の色を第2保留図柄hr2に移植するパターンのみを説明したが、これに限るものではなく、例えば、第2保留図柄hr2の色を第1保留図柄hr1に移植するパターンを設定しても良いし、第3保留図柄hr3の色を第4保留図柄hr4に移植するパターンを設定しても良い。
なお、本第22制御例では、変化対象の保留図柄と隣接する保留図柄の色を合成する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、第4保留図柄hr4の色を第1保留図柄hr1に移植するパターンを設ける構成としても良い。
なお、本第22制御例では、保留図柄の色をランダムに付与する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、保留球数に応じて色を付与する構成としても良い。具体的には、保留球数が2個の場合には、第1保留図柄hr1に「白」、第2保留図柄hr2に「紫」を表示し、保留球が1個消化され、保留球数が1個になると、第2保留図柄hr2に表示されていた「紫」保留図柄が、第1保留図柄hr1にシフトする場合に「白」保留図柄に可変する。保留球数が4個の場合には、第1保留図柄hr1に「白」、第2保留図柄hr2に「紫」、第3保留図柄hr3に「黄」を表示し、第4保留図柄hr4に「青」を表示する。この場合、第1保留図柄hr1と第2保留図柄hr2の位置で保留変化演出が実行される場合には、遊技者にいずれかの保留図柄が「赤」への変化を期待させることが可能であり、第3保留図柄hr3の位置で保留変化演出が実行される場合には、遊技者に「虹」、又は、「緑」への変化を期待させることが可能であり、第4保留図柄hr4の位置で保留変化演出が実行される場合には、遊技者に「緑」への変化を期待させることができる。
このように、通常は表示領域HR2のそれぞれの保留図柄が表示される位置に対応して色が付与される構成とすることで、変化対象の保留図柄が変化する時の位置によって可変する保留色が異なるため、遊技者に保留変化演出が実行される位置にも興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図678~図680を参照して、本第22制御例で実行される光量調整機能の内容について説明する。本第22制御例では、パチンコ機10の遊技環境(音量・光量)を遊技者が調整できる環境調整機能を有しており、待機画面中(デモ演出中)に光量調整を実行する場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置(図678(b)参照)に可変させることにより、実際の変動演出にて装飾用可動役物を可動させた状態と同様の状態を疑似的に再現し、その状態において光量調整操作を実行可能に構成している。
図678(a)は、特別図柄の変動が実行されていない待機期間において表示されるデモ画面(デモ画面)の一例である。主表示領域Dmの正面視右下側には、選択ボタン600を模した表示用選択ボタンSw1~Sw5が表示される小表示領域Dm3が形成される。この小表示領域Dm3には、遊技環境を調整するための操作方法を遊技者に案内するための案内態様として「ボタンを押すと調整できるよ」という文字が表示され、表示用上ボタンSw1には「+」、表示用下ボタンSw3には「-」が表示され、表示用上ボタンSw1の上側に「音量」と表示されることにより、上ボタン600bと下ボタン600dを操作することで音量を調整できることを遊技者に分かり易く報知できる。
また、表示用右ボタンSw2には「+」、表示用左ボタンSw4には「-」が表示され、表示用右ボタンSw2の右側に「光量」と表示されることで、右ボタン600cと左ボタン600eを操作することで光量を調整できることが遊技者に分かり易く報知できる。
主表示領域Dmの正面視左下側には、現在設定中の音量と光量を遊技者に示すための環境情報報知態様である音量ゲージ小ga1と光量ゲージ小ga2が表示されている。この音量ゲージ小ga1と、光量ゲージ小ga2は、5段階で構成されており、それぞれのゲージの左側には「MIN」、右側には「MAX」と表示され、遊技者が選択ボタン600を操作した場合に、環境設定値ga1a,ga2aが連動して可変することで、遊技者の好みの遊技環境と現在の遊技環境との差を分かり易くすることができる。
主表意領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、遊技情報を表示するための遊技情報表示態様である「デモ演出中」という文字が表示されることで、現在特別図柄の変動が実行されていない待機期間中であることを遊技者に分かり易く報知している。
図678(b)は、遊技者が待機期間中に光量調整を行うためのボタン操作をした場合の光量調整画面の一例である。図678(b)に示す例は、遊技者が左ボタン600eを操作したことに基づいて、調整用役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に可変した状態である。遊技者の左ボタン600eの操作に連動して光量ゲージ小ga2の光量設定値ga2aが1段階減少する。なお、剣役物Ym3に付随するLEDのLED設定値Ym3aも5段階で可変する構成であり、光量ゲージ小ga2と連動して可変する。
このように構成することで、遊技が実行されていない状態であっても、変動演出に用いられる装飾用可動役物(剣役物Ym3)を用いて光量調整可能であるため、遊技者の所望する光量へと適切に調整し易くすることができる。
主表示領域Dmの正面視右上側には、剣役物Ym3が環境調整位置に可変される場合に、光量調整用の模擬可動であることを報知するための報知態様を表示する表示領域HR3が形成される。表示領域HR3には「光量調整用役物可動中」という文字が表示されることで、今回の剣役物Ym3の可動は変動演出に関連するものではないことを遊技者に分かり易く報知し、遊技者に誤解を与えない構成としている。
図679(a)は、光量調整が終了し、遊技者が決定ボタン600aを操作した場合の調整終了画面の一例である。遊技者が決定ボタン600aを操作すると、光量ゲージ小ga2の上側に、環境調整が終了したことを示すための案内態様である環境調整終了表示cm1が表示される。これにより、遊技者は現在表示されている光量設定値ga2aの値が設定されたことを認識することができる。
また、遊技者が決定ボタン600aを操作したことに基づいて、剣役物Ym3は環境調整位置から初期位置(図669(a)参照)に可変する。
ここで、光量調整終了前に特別図柄の変動が開始された場合、剣役物Ym3が環境調整位置にある状態では、剣役物Ym3が第3図柄表示装置81と重なってしまい、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される変動演出を視認し難いという不具合が生じる。
これに対して、本第22制御例では、光量調整中に特別図柄の変動が開始された場合には、光量調整を継続して実行しつつも、剣役物Ym3を環境調整位置から初期位置へと可変させる構成としている。具体的には、図679(b)に示すように、特別図柄の変動開始に合わせて、剣役物Ym3が環境調整位置から初期位置へと可変し、光量ゲージ小ga2が光量ゲージ大ga3に切り替わる。このように光量ゲージ大ga3に切り替わることで、剣役物Ym3が初期位置へと可変しても光量調整が継続していることを遊技者に認識させることができる。
また、剣役物Ym3が初期位置へと可変する動作が変動演出中に実行されると、遊技者に今回の剣役物Ym3の動作が変動演出の一環であるという誤解を与える虞がある。従って、本第22制御例では、特別図柄の変動開始に基づいて剣役物Ym3が可変した場合には、決定ボタン600aの操作によって剣役物Ym3が可変した場合と異なり、剣役物Ym3に付随するLEDを全消灯させた後に初期位置へと可変させる構成としている。このように構成することで、変動演出の一環として剣役物Ym3可動していないことを遊技者に分かり易く把握させることができる。
図680は、剣役物Ym3の可動が制限されている場合の光量調整画面の一例である。本第22制御例では、剣役物Ym3が環境調整位置から初期位置へと可変した場合に、一定期間(10秒間)は剣役物Ym3の可動を制限する構成としている。このように構成することで、変動演出の一環として剣役物Ym3を可動させる演出態様が設定された場合に、環境調整位置から初期位置へと可変している期間に演出の実行タイミングとなってしまい、剣役物Ym3が不自然な動作を行ったり、剣役物Ym3に負荷がかかり故障したりすることを抑制することができる。
待機期間中に剣役物Ym3の可動が制限されている場合、即ち、光量調整を終了した遊技者が再度光量調整を実行した場合には、主表示領域Dmの中央上側に剣役物Ym3が作動制限中であることを示すための案内態様を表示する表示領域HR4が形成される。表示領域HR4には、「役物作動制限中」という文字が表示されることにより、遊技者に対して剣役物Ym3が可動しないのは故障のためではないということを分かり易く報知できる。
次に、図681~637を参照して、本第22制御例にて実行されるリーチ演出の一つであるシャッター閉鎖リーチ演出の内容について説明する。シャッター閉鎖リーチ演出は、1つのリーチ演出を6段階に区切り、最終段階(6段階目)まで到達することができれば(即ち、所定回数シャッターが開閉すれば)、大当たり当選であることが報知されるリーチ演出である。以下、シャッター閉鎖リーチ演出の具体的な内容について説明する。
まず、図681~図682を参照して、シャッター閉鎖リーチ演出の基本パターンについて説明する。
図681(a)は、シャッター閉鎖リーチ演出開始時の表示画面の一例である。主表示領域Dmの正面視左側と正面視右側には、次の段階に進むことができるか否かを煽るためのシャッターSt1,St2が表示され、主表示領域Dmの中央上側には、演出の進捗度合いを報知するための案内態様が表示される表示領域HR4が形成される。また、副表示領域Dsには、演出の成功条件を報知するための遊技情報報知態様が表示される。表示領域HR4に「シャッター閉鎖で継続1/6」という文字が表示され、副表示領域Dsに「完走できれば大当たり」と言う文字が表示されることにより、主表示領域Dmに表示されているシャッターSt1,St2が閉鎖することで段階が進み、表示領域HR4の表示が「6/6」になれば大当たりであることを遊技者に分かり易く報知できる。
また、主表示領域Dmの中央部には第3図柄として「3」図柄が2つと、第3図柄が変動中であることを示す下向きの矢印が表示されており、「3」図柄のリーチ状態であることを示している。
図681(a)に示すように、シャッター閉鎖リーチ演出では、シャッターSt1,St2がガタガタと振動している状態が、次の段階に進むか否かの分岐演出であり、次の段階に進む場合には、図681(b)に示すように、シャッターSt1とSt2が閉鎖することにより、シャッターSt1に表示されていた「継」の文字St1aと、シャッターSt2に表示されていた「続」の文字St2aが合体することで「継続」となり、演出が継続することを遊技者に分かり易く報知する構成としている。
また、シャッターSt1,St2の閉鎖に合わせて表示領域HR4に表示される演出の進捗度合いが「1/6」から「2/6」に可変することにより、シャッターSt1,St2が閉鎖したことで次の段階に進んだことを遊技者が認識できる。
一方、図示しないが、分岐演出において次の段階に進まない場合には、シャッターSt1,St2が閉鎖されることなく振動が止まり、演出の終了を示す終了態様(例えば、「失敗」の文字)が表示される。このように構成することで、リーチ演出が終了したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
図682(a)は、シャッター閉鎖リーチ演出の5段階目まで到達した場合の表示画面の一例である。図681(a)の状態とは異なり、主表示領域Dmの中央部には、第3図柄として「7」図柄がリーチ状態で表示され、シャッターSt1に表示される「継」の文字St1aが「祝」の文字St1bに、シャッターSt2に表示される「続」の文字St2aが「福」の文字St2bにそれぞれ可変している。このように、シャッターSt1,St2の文字が次の段階に進むことを示す「継続」から大当たり当選であることを示す「祝福」に可変することで、次にシャッターSt1,St2が閉鎖すると大当たりであることを遊技者に分かり易く報知している。
ここで、本第22制御例のシャッター閉鎖リーチ演出では、シャッターSt1,St2が閉鎖する毎に、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄の数字が1ずつ加算されていく構成としている。従って、図682(a)に示す例では、図681(a)の状態からシャッターSt1,St2が4回閉鎖しているため、「3」図柄に4加算され「7」図柄に可変している。従って、5段階目でシャッターSt1,St2が閉鎖した場合には、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄の数字は「8」図柄となり、図682(b)に示すように、シャッターSt1,St2が完全開放され、2つの「8」図柄の間に大当たり当選であることを示す報知態様nz1が表示されることで大当たり当選が報知される。
本第22制御例では、シャッター閉鎖リーチの1段階目で停止表示されている第3図柄の数字は、特別図柄の当否判定結果に基づいてランダムに決定する構成であり、例えば、シャッター閉鎖リーチ演出の1段階目で停止表示されている第3図柄の数字が「2」図柄であれば、最終段階(6段階目)到達時に「7」図柄が表示されることになる。
なお、後述するが、本第22制御例では、停止表示されている第3図柄の数字によって遊技者が大当たり種別を予測できる構成としており、「7」図柄は、大当たり遊技のラウンド数が最も多く、大当たり遊技終了後に確変遊技状態が設定される大当たり種別である「大当たりA」に当選した場合のみ表示される第3図柄種別であり、それ以外の図柄は、大当たりAよりも大当たり遊技のラウンド数が少ない大当たり種別である「大当たりB」と、大当たりAよりも大当たり遊技のラウンド数が少なく、大当たり遊技終了後に確変遊技状態が設定されない「大当たりC」に当選したことを示している。
このように、1段階目で停止表示されている第3図柄の数字から、遊技者は最終段階到達時に表示される第3図柄の数字を予測することができるため、シャッター閉鎖リーチの1段階目で停止表示されている第3図柄の数字に興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、シャッター閉鎖リーチ演出の基本パターンについて説明した。上述したように、シャッター閉鎖リーチ演出の基本パターンは、遊技者に対して最終段階まで到達できるか否かを楽しませるものである。しかしながら、単に分岐演出においてシャッターSt1,St2が閉鎖するか否かを見せるだけでは、単調な演出となってしまい、遊技者が早期に演出に飽きてしまうという問題があった。
この問題に対して、本第22制御例では、最終段階に到達するまでの過程で実行される演出の態様によって、最終段階で実行される演出の態様が可変する構成を加えている。図683を参照して、シャッター閉鎖リーチ演出の特殊パターンの一例について説明する。
図683(a)は、シャッター閉鎖リーチ演出の3段階目でカプセル獲得演出が発生した場合の表示画面の一例である。シャッター閉鎖リーチの2段階目の分岐演出においてシャッターSt1,St2が閉鎖した後、シャッター閉鎖リーチの3段階目が開始されるとカプセルCp1を獲得する演出が実行される場合がある。このカプセルCp1は3段階目の時点では中身が何か分からない態様で表示される。カプセルCp1を獲得すると、主表示領域Dmの正面視右下側にカプセル保有数を報知するための遊技情報報知態様を表示する表示領域HR4が形成される(図683(b)参照)。
そして、図683(b)に示すように、5段階目の分岐演出において、表示領域HR4に表示されているカプセルCp1が開放され、カプセルCp1の中からHOLD券Cp1aが飛び出し、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄の数字に貼り付く演出が実行される。このHOLD券Cp1aは、現在表示されている図柄の数字を、シャッターSt1,St2が閉鎖しても更新させないことができるものであり、この場合、5段階目の分岐演出が成功すると、6段階目で「7」図柄によって大当たり当選が報知される。
なお、カプセルCp1の中身は、HOLD券Cp1aだけでなく、他にも「カギ」を模した表示態様が選択されるパターンを規定している。このカギが選択された場合には、カギの使用が成功した段階でシャッターSt1,St2が完全開放され、その時点で表示されている図柄の数字によって大当たり当選であることが報知される。
なお、カプセルCp1からHOLD券Cp1a等のアイテムが出現した場合であっても、大当たり当選が報知されない場合(即ち、外れ当選である場合)もあるため、遊技者に対してカプセルCp1を獲得できるか、カプセルCp1の中身は何か、アイテムの使用は成功するかといった興味を持たせることが可能となり、遊技者がシャッター閉鎖リーチに早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
このように、本第22制御例では、シャッター閉鎖リーチ演出の演出態様を可変させるための演出可変態様であるカプセルCp1を獲得可能な構成を加えることで、シャッター閉鎖リーチ演出の1段階目では表示される図柄の数字、3段階目ではカプセル獲得演出の有無、4段階目と5段階目ではカプセルCp1の中身にそれぞれ興味を持たせることが可能であるため、シャッター閉鎖リーチ演出の開始から終了まで遊技者の演出に対する注目を持続させることができる。
次に、図684~図686を参照して、本第22制御例にて実行されるリーチ演出の一つであるムービー実行リーチ演出について説明する。このムービー実行リーチ演出は、前半部分と後半部分に分かれており、リーチ演出の前半部分終了時に後半部分の演出に移行するか否かの分岐演出が実行される。この分岐演出が成功すると、リーチ演出の後半部分であるスペシャルムービーが開始される。そして、スペシャルムービーが終了すると大当たり当選であることが報知される。
図684(a)は、ムービー実行リーチ演出の分岐演出が実行された場合の表示画面である。主表示領域Dmの中央部に演出ボタン22を模した表示用演出ボタンSw6が表示され、その下にSW有効期間を示すための報知態様である有効期間ゲージga4が表示される。この有効期間ゲージga4は、残有効期間を示すための残有効期間ga4aと、経過時間を示すための経過時間ga4bで構成され、時間の経過に合わせて残有効期間ga4aの表示部分が減少し、経過時間ga4bの表示部分が増加することで、遊技者に演出ボタン22の操作が有効となる残り期間を報知ずる構成としている。
また、副表示領域Dsには、ムービー実行リーチ演出の成功条件となる遊技情報を示すための案内態様である「ボタンPUSHでスペシャルムービー開始?」という文字が表示される。主表示領域Dmの中央に表示される表示用演出ボタンSw6と、その上に遊技者に演出ボタンの操作を促すための示唆態様である下向きの矢印が表示されることに加えて、副表示領域Dsの案内態様が表示されることで、遊技者に演出ボタン22を操作すると演出が発展する可能性があることを分かり易く報知している。
図684(b)は、分岐演出中に演出ボタン22が操作された場合のスペシャルムービー終了時の表示画面の一例である。主表示領域Dmの中央上側には、スペシャルムービーが終了したことを示す報知態様を表示するための表示領域HR4が形成される。この表示領域HR4に「スペシャルムービー終了」と表示されることで、遊技者はスペシャルムービーが終了したことを容易に認識することができる。
なお、本第22制御例では、スペシャルムービーが終了した場合に表示領域HR4において報知態様を表示する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者にスペシャルムービーが終了したことを認識させることができる態様であれば良い。
ここで、本第22制御例におけるムービー実行リーチ演出のスペシャルムービーは、遊技者がSW有効期間中に演出ボタン22を操作しなかった場合を想定してムービーの再生時間を設定している。このように構成することで、遊技者が演出ボタン22を操作しなかった場合にスペシャルムービーが特別図柄の変動時間内で終了しないという不具合が生じない。一方で、SW有効期間中に遊技者が演出ボタン22を操作した場合には、遊技者が演出ボタン22を操作した時点からスペシャルムービーが開始されるため、スペシャルムービー終了時に特別図柄の変動時間が終了していない状態となる。このため、本第22制御例では、スペシャルムービー終了時に特別図柄の変動が終了していない場合には、スペシャルムービー終了時から特別図柄の変動停止までの間、仮停止した図柄を揺れ待機させる構成としている。
従って、遊技者がSW有効期間中に演出ボタン22を操作しなかった場合には、図685に示すように、スペシャルムービー終了に合わせて、小表示領域Dm1に表示されている第4図柄も大当たり当選を示す表示態様で停止し、第3図柄も大当たり当選を示す表示態様で停止して、副表示領域Dsに大当たり当選を示すための報知態様が表示されることで、遊技者に大当たり当選であることが報知される。
一方、SW有効期間中に遊技者が演出ボタン22を操作した場合には、図684(b)に示すように、小表示領域Dm1では第4図柄が変動中であっても、スペシャルムービー終了に合わせて第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で仮停止し、副表示領域Dsには大当たり当選を示すための報知態様が表示される。このように、ムービー実行リーチ演出では、SW有効期間中に演出ボタン22を操作した遊技者に、特別図柄の変動停止前に大当たり当選であることが報知される。
図686は、スペシャルムービーの演出時間と特別図柄の変動時間との関係を示したタイミングチャートである。上述したように、分岐演出中に演出ボタン22が操作された場合にはスペシャルムービー終了から変動停止までの期間に図柄揺れ期間が設定され、大当たり報知が変動停止よりも前に実行されることが示されている。
<第22制御例における電気的構成について>
次に、図687を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図687は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図688を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図688は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図698参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図709参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203saと、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203sbと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203saには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203sbには、第2入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203saの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203sbの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本第22制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本第22制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203sa、第2特別図柄保留球格納エリア203sb)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本第22制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本第22制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203vcが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203vcには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203vcの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図688を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図698参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図709参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本第22制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203saに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202vaによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202vaによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図690を参照して、第1当たり乱数テーブル202vaについて説明する。図690は、第1当たり乱数テーブル202vaに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202vaは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202vaには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図690に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「5~999」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0~19」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「20~999」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202aの更新範囲は「0~999」の1000個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/200(1000個のうち5個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/50(1000個のうち20個)となる。
なお、本第22制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本第22制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202vaに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第22制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203saに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納される。
本第22制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202scを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図691(a)を参照して大当たり種別選択テーブル202sbの内容について説明をする。
図691(a)は、第1当たり種別選択テーブル202vbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。上述した通り、この第1当たり種別選択テーブル202vbは、第1特別図柄の抽選または第2特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203shの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は1%(1/100)である。
第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「1」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203shの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「2~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「100」が、確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が98個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は98%(98/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりB、大当たりC)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vへの球の通過させ易さを異ならせており、「大当たりB」のほうが「大当たりC」よりも大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりB」は、「大当たりC」よりも有利な大当たり種別となる。
次に、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203shの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が25個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~41」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が12個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は12%(12/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「42~51」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「52~68」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が17個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は17%(17/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「69~82」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF」が対応付けて規定されている。この「大当たりF」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が14個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりF」が決定される割合は14%(14/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「83~90」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG」が対応付けて規定されている。この「大当たりG」は、大当たりのラウンド数が6ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が8個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりG」が決定される割合は8%(8/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「91~97」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH」が対応付けて規定されている。この「大当たりH」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が7個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりH」が決定される割合は7%(7/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「98」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりI」が対応付けて規定されている。この「大当たりI」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりI」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりJ」が対応付けて規定されている。この「大当たりJ」は、大当たりのラウンド数が9ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりJ」が決定される割合は1%(1/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る9個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりD、大当たりE、大当たりF、大当たりG、大当たりH、大当たりI大当たりJ)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりA」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりD」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、2%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。
図688に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図709参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図692を参照して、変動パターンテーブル202scについて説明する。この変動パターンテーブル202scは、図692(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202vc1(図692(b)参照)と、外れ(通常)用変動パターンテーブル202sc2(図692(c)参照)と、外れ(確変・時短)用変動パターンテーブル202sc3(図692(d)参照)とが少なくとも規定されている。
まず、図692(b)を参照して、大当たり用テーブル202sc1について説明する。図692(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202vc1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202vc1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202vc1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0~50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51~179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180~198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202vc1より選択する。
図692(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0~79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0~98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99~198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0~149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150~197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2より変動パターンを選択する。
図692(d)は、外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202sc3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202sc3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202sc3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0~89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90~99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態、または、時短遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図688に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図698参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203vcに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202vdによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202vdによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202vdは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202vdに規定されている内容について、図691(b)を参照して説明をする。図691(b)は、第2当たり乱数テーブル202vdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図691(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本第22制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本第22制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(確変状態、時短状態)を容易に設定することができる。
さらに、本第22制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、第2入球口640へと球を複数個入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技を実行可能に構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図698参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図709参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図687に戻り説明を続ける。ROM202は、図688に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図689(a)を参照して、本第22制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図689(a)は、本第22制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図689(a)に示した通り、本第22制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202va、第1当たり種別選択テーブル202vb、変動パターン選択テーブル202vc、第2当たり乱数テーブル202vdを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202va、第1当たり種別選択テーブル202vb、変動パターン選択テーブル202vc、第2当たり乱数テーブル202vdについては、図688に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図687に戻り、説明を続ける。RAM203は、図688に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図167参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図166参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図707参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図689(c)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203va、特別図柄2保留球格納エリア203vb、普通図柄保留球格納エリア203vc、特別図柄1保留球数カウンタ203vd、特別図柄2保留球数カウンタ203ve、普通図柄保留球数カウンタ203vf、確変フラグ203vg、確変設定フラグ203vh、確変通過カウンタ203vi、入賞個数カウンタ203vj、動作カウンタ203vk、報知カウンタ203vm、残球タイマフラグ203vn、残球タイマ203vo、確変有効フラグ203vp、確変有効タイマ203vr、排出個数カウンタ203vs、時短中カウンタ203vt、確変中カウンタ203vu、その他メモリエリア203vzを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203vaは、図688に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入賞口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203vbは、特別図柄1保留球格納エリア203vaに対して、第2入賞口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203vcは、特別図柄1保留球格納エリア203vaまたは特別図柄2保留球格納エリア203vbと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203vaと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203vcの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203vaの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203vdは、第1入賞口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203vdは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図703のF604参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203vdは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図699のF211参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図699のF212、図703のF605参照)。特別図柄1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特別図柄1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203veは、特別図柄1保留球数カウンタ203vdに対して、第2入賞口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203veの値が変更されると、特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203vfは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203vfは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図706のF904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203vfは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図705のF805参照)。
球が左右何れかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203vcに記憶される(図706のF905)。一方、球が左右いずれかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203vfの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203vcには新たに何も記憶されない(図706のF903:No)。
確変フラグ203vgは、現在の遊技状態が確変遊技状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203vgがオンに設定されていると、遊技状態が確変遊技状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態含む)であることを示している。本第22制御例では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203vhがオンに設定されている場合に確変フラグ203vgがオンに設定される(図712のF1304参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203vhは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図671(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203vhがオンに設定される(図714のF1242)。一方、この確変設定フラグ203vhは、確変フラグ203vgがオンに設定される(図712のF1306)のに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203vhは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203vhがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203vhを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203viが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203vhのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203viは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本第22制御例では、大当たりA,B、D~Jでの2ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203viと後述する排出個数カウンタ203vsとの合計により第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203viは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図714のF1241)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図715のF1271)。なお、この確変通過カウンタ203viは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203vjは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図671参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図77のF1233)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203vjの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203vsと確変通過カウンタ203viとの合計値)とが一致しているか判別(図715のF1267)された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203vjの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203vkは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、2ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりCでは2ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203vkには、大当たりAでは、2ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりCでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図711のF1202)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理22(図714、F1115)のF1239の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203vkの値が0と判別されること(図714のF1243:Yes)に基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203vkは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203vkを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
報知カウンタ203vmは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本第22制御例では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本第22制御例では2ラウンド目の終了タイミング(第1可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する報知カウンタ203vmが設定される。この報知カウンタ203vmは、主制御装置110の報知処理(図713、F1114)のF1224の処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203vmが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される2ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。2ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を流路ソレノイド65kの動作期間により判別されてしまう。遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、切替部材65h(図671(a)参照)の動きを遊技者が見え難くするような報知演出が実行されている。しかしながら、2ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
なお、本第22制御例では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、2ラウンド開始前に、第1可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、2ラウンド中に、3次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本第22制御例では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(2ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により大当たりAであるか大当たりBであるかが判別される不具合を抑制できる。
残球タイマフラグ203vnは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203vnがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203vnがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203voが1ずつ加算されて更新される(図715のF1264参照)。残球タイマ203voは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203voは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本第22制御例では、第1可変入賞装置81に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本第22制御例では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203voの上限値として設定されている。この残球タイマ203voの上限値(本第22制御例では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図715のF1267)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、2ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203vhをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203vpは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203vpがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図671(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203vpがオンである期間は、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203vrは、上述した確変有効フラグ203vpがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203vrにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別(計測)することができる。本第22制御例では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203vrの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、不正に特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサーを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203vsは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図671(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203vsは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図715のF1271)。
時短中カウンタ203vtは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203vtは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本第22制御例では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の時短遊技状態に移行する。
確変中カウンタ203vuは、確変遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この確変中カウンタ203vuは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオンである場合に、120が設定される。即ち、本第22制御例では、大当たり遊技終了後に確変遊技状態が設定される場合には、120回の確変遊技状態に移行する。
その他メモリエリア203vzは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図687に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(スピーカ308など)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
図687に示す通り、音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22A(演出ボタン22、選択ボタン600)、駆動モータ群が接続されている。この駆動モータ群には剣役物用モータ771と、チェンジ役物用モータ773,774と、その他モータが含まれている。
上述した各モータはステッピングモータとモータドライバとにより構成されており、音声ランプ制御装置113のMPU221から各モータドライバに対して動作内容を設定する動作コマンド(動作(回転)速度(pps)、動作ステップ数と、および動作(回転)方向を指定可能なコマン)が出力される。この音声ランプ制御装置113から出力されるモータ動作コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に格納される動作シナリオテーブル222vfに規定される内容を参照して設定される。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22Aからの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22Aが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22Aが操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22Aへの操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22Aへの操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本第22制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図693(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222vaと、保留変化演出抽選テーブル222vbと、保留色選択テーブル222vcと、保留変化シナリオ選択テーブル222vdと、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veと、動作シナリオテーブル222vfと、が少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222vaは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
変動パターン選択テーブル222vaは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
保留変化演出抽選テーブル222vbは、第1演出カウンタ223vfのカウンタ値に保留変化演出の態様(実行しない、単独保留変化演出、複合保留変化演出)がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より特図用の入賞コマンドを受信した場合に、この保留変化演出抽選テーブル222vbに基づいて、その入賞情報に対応する保留図柄に対して保留変化演出を実行するか否かを決定する。
ここで、図694(a)を参照して、保留変化演出抽選テーブル222vbの内容について説明する。図694(a)は、保留変化演出抽選テーブル222vbの内容を模式的に示した模式図である。図694(a)に示す通り、本第22制御例では、第1演出カウンタ223vfのカウンタ値に基づいて、主制御装置110から受信した特図用の入賞コマンドに対応する保留図柄に対して保留変化演出を実行するか否かを決定する。
第1演出カウンタ223vfの値が「0~29」の範囲に対して「保留変化演出を実行しない」が対応付けて規定され、「30~89」の範囲に対して「単独保留変化演出」が対応付けて規定され、「90~98」の範囲に対して「複合保留変化演出」が対応付けて規定されている。
ここで、単独保留変化演出とは、主制御装置110から特図用の入賞コマンドを受信した場合に、保留図柄の表示開始時の保留色を、保留色選択テーブル222vcから決定された保留色で表示する演出である。なお、保留変化演出が実行されない場合には、保留色として「白」が設定される。
また、複合保留変化演出とは、複数の保留図柄を用いた保留変化演出であり、予め設定された保留変化シナリオに基づいて、特別図柄の変動開始時に表示されている複数の保留図柄の保留色を可変させる演出である。
図693(a)に戻り説明を続ける。保留色選択テーブル222vcは、第2演出カウンタ223vgのカウンタ値に保留色がそれぞれ設定されている。この保留色選択テーブル222vcは、単独保留変化演出が実行される場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の色を決定するために参照されるテーブルである(図722のF2559参照)。
ここで、図694(b)を参照して、保留色選択テーブル222vcの内容について説明する。図694(b)は保留色選択テーブル222vcの内容を模式的に示した模式図である。図694(b)に示す通り、本第22制御例では、当否判定の結果と、第2演出カウンタ223vgのカウンタ値に基づいて、保留図柄の保留色が決定される。
当否判定結果が「当たり」である場合、第2演出カウンタ223vgの値が「0~29」の範囲に対して保留色「白」が対応付けて規定され、「30~59」の範囲に対して保留色「青」が対応付けて規定され、「60~89」の範囲に対して保留色「黄色」が対応付けて規定され、「90~119」の範囲に対して保留色「紫」が対応付けて規定され、「120~179」の範囲に対して保留色「緑」が対応付けて規定され、「180~194」の範囲に対して保留色「赤」が対応付けて規定され、「195~198」の範囲に対して保留色「虹」が対応付けて規定されている。当否判定結果が「当たり」である場合には、いずれの保留色が選択されても保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定され、保留演出情報格納エリア223vlに「当たり保留」であることを示す情報が格納される。
保留演出情報格納エリア223vlは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられており、保留図柄に対して保留変化演出を実行するための保留演出情報を格納するものである。
保留演出制限中フラグ223vmは、保留変化演出の対象となる保留図柄が表示されている期間に、他の保留図柄を対象とする保留変化演出が新たに設定されないようにするためのフラグである。上述したように、本第22制御例では、対象保留図柄の保留色と、前後の保留図柄の保留色を組み合わせる保留変化演出を実行する(図672~図677参照)。この保留変化演出では、予め定められた保留変化シナリオに対応する動作シナリオで左チェンジ役物Ym1と、右チェンジ役物Ym2が可動するため、例えば、保留変化演出の対象である保留図柄の次の保留図柄にも異なる保留変化シナリオが設定された場合に、保留変化演出の実行タイミングが重なってしまい、遊技者に誤った遊技情報を与えてしまう虞があるため、これを防ぐために、保留演出制限中フラグ223vmがオンである期間は、新たに保留変化演出が実行されない構成としている。
一方、当否判定結果が「外れ」である場合、第2演出カウンタ223vgの値が「0~49」の範囲に対して保留色「白」が対応付けて規定され、「50~149」の範囲に対して保留色「青」が対応付けて規定され、「150~174」の範囲に対して保留色「黄」が対応付けて規定され、「175~194」の範囲に対して保留色「紫」が対応付けて規定され、「195~197」の範囲に対して保留色「緑」が対応付けて規定され、「198」の範囲に対して保留色「赤」が対応付けて規定されている。当否判定結果が「外れ」である場合には、いずれの保留色が選択されても、保留演出制限中フラグ223vmはオフに設定され、保留演出情報格納エリア223vlには選択された保留色に対応する保留色情報が格納される。
図694(b)に示す通り、当否判定結果が「当たり」である場合には、当否判定結果が「外れ」である場合よりも保留色「緑」および「赤」が選択される範囲が多く、また、「虹」が選択可能な構成となっている。このように、当否判定結果が「当たり」の場合と、「外れ」の場合とで選択され易い保留色を設定することで、表示される保留図柄の保留色に基づいて、遊技者が当否判定結果を予測することができる。
なお、本第22制御例では、保留色を7色としたが、これに限るものではなく、6色以下でも良いし、8色以上でも良い。
図693(a)に戻り、説明を続ける。保留変化シナリオ選択テーブル222vdは、複合保留変化演出が実行される場合に、当否判定結果と、1つ前の保留色と、第2演出カウンタ223vgの値に基づいて、主制御装置110から受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色や、保留変化シナリオ等の保留演出情報を決定するために参照されるテーブルである。
ここで、図695を参照して、保留変化シナリオ選択テーブル222vdの内容について説明する。図695は、保留変化シナリオ選択テーブル222vdの内容を模式的に示した模式図である。図695に示す通り、保留変化シナリオ選択テーブル222vdは、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる当否判定結果と、1つ前の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色と、第2演出カウンタ223vgの値に基づいて、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色を決定し、保留変化演出制限中フラグ223smと、後保留設定フラグ223vnをオンにするか否かを設定する。また、保留変化シナリオを設定し、その保留図柄に基づく特別図柄の変動が開始されるまでの期間中の所定のタイミングで保留色が変化する演出を実行するための情報を保留演出情報格納エリア223vlに格納する。
なお、後保留設定フラグ223vnは、音声ランプ制御装置113に設けられており、複合保留変化演出の保留変化シナリオが設定された場合に、次に受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色を強制的に決定するためのフラグである。複合保留変化演出設定処理22(図723のF2517参照)において特定の保留変化シナリオが決定された場合にオンされ(図723のF2605参照)、次に受信した入賞コマンドの保留色を決定した場合にオフされる(図722のF2553参照)。
図695に戻り説明を続ける。当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~49」の範囲であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「紫」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「紫」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ1」が格納される。保留変化シナリオ1は、対象保留図柄の保留色「紫」の1つ前の保留図柄の保留色が「白」であるため、左チェンジ役物Ym1によって、1つ前の保留図柄が隠された場合に、何の色も移植されず、保留図柄の保留色が変わらないシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
本第22制御例では、「白」保留図柄を隠した場合に、保留図柄の保留色が変わらない構成としたが、これに限るものではなく、変化対象の保留図柄単独で保留変化演出を実行する構成としても良い。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「50~89」の範囲であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「紫」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「紫」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ2」が格納される。保留変化シナリオ2は、対象保留図柄の保留色「紫」の1つ前の保留図柄の保留色が「白」であるため、右チェンジ役物Ym1によって、対象保留図柄が隠された場合に、対象保留図柄「紫」から「青」が1つ前の保留図柄に移植され、対象保留図柄が「赤」に、1つ前の保留図柄が「青」に可変するシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
このように、チェンジ役物Ym1,Ym2によって隠された方の保留図柄が大当たり当選期待度の高い表示態様に可変可能な構成であるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「90~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ3」が格納される。保留変化シナリオ3は、対象保留図柄の保留色「青」に、次の保留図柄の保留色である「黄」が移植され、対象保留図柄は「緑」に可変し、次の保留図柄の保留色が「黄」から「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「黄」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~69」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ4」が格納される。保留変化シナリオ4は、対象保留図柄の保留色「黄」に、1つ前の保留図柄の保留色である「青」を移植し、1つ前の保留図柄は「白」に可変し、対象保留図柄の保留色が「黄」から「緑」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「70~149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「紫」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ5」が格納される。保留変化シナリオ5は、対象保留図柄の保留色「白」に、次の保留図柄の保留色である「紫」から「赤」が移植され、対象保留図柄は「赤」に可変し、次の保留図柄の保留色が「紫」から「青」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「紫」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「赤」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ6」が格納される。保留変化シナリオ6は、対象保留図柄の保留色「黄」に、1つ前の保留図柄の保留色である「青」と、次の保留図柄の保留色である「赤」が移植され、対象保留図柄は「虹」に可変し、1つ前の保留図柄の保留色が「青」から「白」、次の保留図柄の保留色が「赤」から「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「赤」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
このように、大当たり当選期待度の高い表示態様の保留図柄(赤保留図柄)が表示されても、別の保留図柄に移植されることで、更に大当たり当選期待度の高い表示態様の保留図柄(虹保留図柄)となることが可能な構成であり、最初に大当たり当選期待度の高い表示態様の保留図柄が表示されても、どの保留図柄に移植されるか保留変化演出が実行されるまで分からないため、大当たり当選期待度の高い表示態様の保留柄以前に獲得している保留球に基づく抽選遊技が消化試合になることを抑制することができる。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ7」が格納される。保留変化シナリオ7は、対象保留図柄の保留色「青」に、1つ前の保留図柄の保留色である「黄」を移植し、1つ前の保留図柄は「白」に可変し、対象保留図柄の保留色が「緑」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「赤」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ8」が格納される。保留変化シナリオ8は、対象保留図柄の保留色「青」に、次の保留図柄の保留色である「赤」を移植し、対象保留図柄は「紫」に可変し、次の保留図柄の保留色が「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「赤」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
なお、上述したように、本第22制御例では、保留色「紫」よりも保留色「赤」の方が大当たり当選期待度の高い表示態様であり、保留図柄の表示態様が下位の表示態様に可変した後に外れが報知されると遊技者の遊技意欲を激しく低下させてしまう虞があるが、本第22制御例では、大当たり当選の場合のみ、下位の表示態様に可変可能な構成としている。このように構成することで、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ9」が格納される。保留変化シナリオ9は、対象保留図柄の保留色「白」に、1つ前の保留図柄の保留色「紫」から「赤」が移植され、対象保留図柄の保留色が「赤」に、1つ前の保留図柄の保留色が「青」に可変するシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「100~149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ10」が格納される。保留変化シナリオ10は、対象保留図柄の保留色「白」が単独で「緑」に可変するシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「緑」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「緑」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ11」が格納される。保留変化シナリオ11は、対象保留図柄の保留色「黄」に、1つ前の保留図柄の保留色である「赤」と、次の保留図柄の保留色である「青」が移植され、対象保留図柄は「虹」に可変し、1つ前の保留図柄の保留色が「赤」から「白」、次の保留図柄の保留色が「青」から「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「青」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ3」が格納される。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「黄」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~169」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「170~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ4」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~169」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「170~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ7」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~129」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「130~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ9」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白、青、黄、紫」以外である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0~198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ8」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
このように、本第22制御例では、保留変化演出の保留変化シナリオが設定された後に獲得された保留図柄も保留変化演出の一部として組み込むことが可能に構成されており、次の保留図柄を獲得したことによって対象保留図柄の保留色が可変するパターンも存在するため、遊技者に保留色が可変することを期待させることで、保留図柄を獲得しようと思わせることができる。
図693(a)に戻り説明を続ける。シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veは、本第22制御例において特別図柄の変動演出の一つとして実行される「シャッター閉鎖リーチ」の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。なお、シャッター閉鎖リーチの内容は上述の通りである。
ここで、図696を参照して、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veの内容について説明をする。図696は、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veの規定内容を模式的に示した模式図である。このシャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veは、その変動における特別図柄の当否判定結果と、当たり種別と、第1演出カウンタ223vfの値に基づいて演出態様を決定する。
当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりA」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「0~149」であれば、「閉鎖リーチ1」が決定される。閉鎖リーチ1は初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「7」図柄が3つ揃った状態で表示される。
一方、当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりB、C」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「0~149」であれば、「閉鎖リーチ4」が決定される。閉鎖リーチ4は初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「8」図柄が3つ揃った状態で表示される。
なお、本第22制御例では、当たり種別が大当たりAである場合のみ「7」図柄が3つ揃った状態で表示され、当たり種別が大当たりB、Cである場合には「7」図柄以外の図柄が3つ揃った状態で表示される構成としている。本第22制御例では、大当たりAの方が大当たりB、Cよりも大当たり遊技のラウンド数が多いため、遊技者にとってはシャッター閉鎖リーチにおいて「7」図柄が3つ揃った状態となった方が、それ以外の図柄が表示されるよりも有利となる。このように、シャッター閉鎖リーチでは、初期図柄として設定された図柄の種別によって、遊技者が当たり種別を予測することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりA」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「150~174」であれば、「閉鎖リーチ2」が決定される。閉鎖リーチ2は初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「8」図柄が3つ揃った状態で表示される。しかしながら、閉鎖リーチ2では、3段階目到達時に「HOLD」カプセルが付与される。この「HOLD」カプセルは、上述したように5段階目到達時に使用され、5段階目到達時点で表示されている図柄(この場合は「7」図柄)が6段階目到達時まで維持される。従って、閉鎖リーチ2では、初期図柄として「3」図柄が設定されたものの、最終段階に到達した場合に「7」図柄が3つ揃った状態となる。
また、当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりA」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「175~198」であれば、「閉鎖リーチ3」が決定される。閉鎖リーチ3は初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「8」図柄が3つ揃った状態で表示される。しかしながら、閉鎖リーチ3では、3段階目到達時に「カギ」カプセルが付与される。この「カギ」カプセルが付与された場合は、5段階目でシャッターを完全開放させる演出が実行される。従って、5段階目到達時点で表示されている図柄(この場合は「7」図柄)が3つ揃った状態で表示される。従って、閉鎖リーチ3では、初期図柄として「3」図柄が設定されたものの、「7」図柄が3つ揃った状態となる。
また、当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりB、C」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「150~174」であれば、「閉鎖リーチ5」が決定される。閉鎖リーチ5は初期図柄として「2」図柄が設定されるものの、4段階目到達時から6段階目到達時まで「5」図柄のまま図柄が可変しない態様となっている。従って、6段階目到達時に「5」図柄が3つ揃った状態が表示される。
当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりB、C」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「175~198」であれば、「閉鎖リーチ6」が決定される。閉鎖リーチ6では、初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「7」図柄が3つ揃った状態で表示されるが、閉鎖リーチ3と同様に、3段階目到達時に「カギ」カプセルが付与され、5段階目でシャッターを完全開放させる演出が実行される。従って、5段階目到達時点で表示されている図柄(この場合は「6」図柄)が3つ揃った状態で表示される。従って、閉鎖リーチ6では、初期図柄として「2」図柄が設定されたものの、「6」図柄が3つ揃った状態となる。なお、閉鎖リーチ2,3及び6で付与されるカプセルの中身は、5段階目到達時まで遊技者に分からないように構成している。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「0~99」であれば、「閉鎖リーチ7」が決定される。閉鎖リーチ7は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、2段階目から3段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「100~159」であれば、「閉鎖リーチ8」が決定される。閉鎖リーチ8は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、3段階目から4段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、3段階目到達時にカプセル付与失敗の演出が実行される。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「160~169」であれば、「閉鎖リーチ9」が決定される。閉鎖リーチ9は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、4段階目から5段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「170~179」であれば、「閉鎖リーチ10」が決定される。閉鎖リーチ10は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「180~189」であれば、「閉鎖リーチ11」が決定される。閉鎖リーチ11は、初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、4段階目から5段階目に移行する場合に、「5」図柄が更新されない。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「190~194」であれば、「閉鎖リーチ12」が決定される。閉鎖リーチ12は、初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、3段階目到達時に「HOLD」カプセルが付与され、5段階目において使用されるものの、6段階目に到達しないため、大当たり当選を報知する表示態様が表示されない。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「195~198」であれば、「閉鎖リーチ13」が決定される。閉鎖リーチ13は、初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、3段階目到達時に「カギ」カプセルが付与され、5段階目において使用されるものの、カギが合わない演出が実行され、シャッターを完全開放させる演出が実行されないため、大当たり当選を報知する表示態様が表示されない。
このように、本第22制御例におけるシャッター閉鎖リーチでは、遊技者に対して、単に最終段階まで到達できるかどうかだけでなく、シャッター閉鎖リーチ開始時の初期図柄の種別や、3段階目でカプセルが付与されるか否かや、段階が進んでも図柄が更新されない状態とならないかに興味を持たせることで、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図693(a)に戻り説明を続ける。動作シナリオテーブル222vfは、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2の動作シナリオを設定するためのテーブルである。動作シナリオ種別は、後述する変動開始時保留演出実行処理22(図730のF3109参照)において、複合保留変化演出が実行される場合に設定されている保留変化シナリオに対応する動作シナリオが設定される。
ここで、図697を参照して、動作シナリオテーブル222vfの内容について説明をする。図697は、動作シナリオテーブル222vfの規定内容を模式的に示した模式図である。この動作シナリオテーブル222vfには、動作シナリオ種別毎に動作パターンが規定されている。
動作シナリオ1は、第2保留hr2(図672(a)参照)を変化対象とした保留変化演出が実行される場合に使用される動作シナリオである。第1動作として、左チェンジ役物Ym1が初期位置から上昇することで第1保留hr1を隠し、右チェンジ役物Ym2が初期位置から上昇することによって第4保留hr4を隠し、第2保留hr2と第3保留hr3のみが表示される位置となる(図672(b)参照)。その後、第2動作として、右チェンジ役物Ym2が左方向に可動することで第3保留hr3を隠す(図673(a)参照)。なお、この時に、第3図柄表示装置81の表示領域HR2では、保留変化シナリオに基づいて第3保留hr3の保留色が第2保留hr2に移植される演出が実行される。その後、第3動作として、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2は、第2動作位置から下降し、初期位置に戻る。
動作シナリオ2は、第3保留hr3(図672(a)参照)を変化対象とした保留変化演出が実行される場合に使用される動作シナリオである。第1動作として、左チェンジ役物Ym1が初期位置から上昇することで第1保留hr1を隠し、右チェンジ役物Ym2が初期位置から上昇することによって第4保留hr4を隠し、第2保留hr2と第3保留hr3のみが表示される位置となる(図672(b)参照)。その後、第2動作として、左チェンジ役物Ym1が右方向に可動することで第2保留hr2を隠す(図675(a)参照)。なお、この時に、第3図柄表示装置81の表示領域HR2では、保留変化シナリオに基づいて第2保留hr2の保留色が第3保留hr3に移植される演出が実行される。その後、第3動作として、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2は、第2動作位置から下降し、初期位置に戻る。
動作シナリオ3は、第2保留hr2(図672(a)参照)を変化対象とした保留変化演出が実行される場合に使用される動作シナリオである。第1動作として、左チェンジ役物Ym1が初期位置から上昇し、右チェンジ役物Ym2が初期位置から上昇することによって第4保留hr4を隠し、第1保留hr1と第2保留hr2と第3保留hr3が表示される位置となる(図示しない)。その後、第2動作として、左チェンジ役物Ym1が右方向に可動することで第1保留hr1を隠し、右チェンジ役物Ym2が左方向に可動することで第3保留hr3を隠す(図示しない)。なお、この時に、第3図柄表示装置81の表示領域HR2では、保留変化シナリオに基づいて第1保留hr1と第3保留hr3の保留色が第2保留hr2に移植される演出が実行される。その後、第3動作として、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2は、第2動作位置から下降し、初期位置に戻る。
このように、本第22制御例では、保留変化シナリオに対応する動作パターンで左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2を可動させることにより、第3図柄表示装置81と左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2が連動した保留変化演出を実行可能に構成している。保留変化演出が実行される場合に、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2の動作パターンによって変化する保留図柄が変わるため、遊技者に左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2の動作パターンに興味を持たせることが可能となる。
次に、図687(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図687(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223va、特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vc、変動開始フラグ223vd、停止種別選択フラグ223ve、第1演出カウンタ223vf、第2演出カウンタ223vg、従状態格納エリア223vh、調整用役物可動中フラグ223vi、制限タイマ223vj、環境情報格納エリア223vk、保留演出情報格納エリア223vl、保留演出制限中フラグ223vm、後保留設定フラグ223vn、演出用SW有効時間記憶エリア223vp、時短中カウンタ223vq、確変中カウンタ223sr、V演出実行フラグ223vs、V入賞フラグ223vt、V報知フラグ223vu、ムービー中フラグ223vv、揺れ待機フラグ223vw、調整期間中フラグ223vx、経過タイマ223vy、その他メモリエリア223vzが少なくとも設けられている。以下に、本第22制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223の詳細について説明する。
入賞情報格納エリア223vaは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア~第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223vbは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223vbにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223vbに格納する(図718のF2210参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223vbに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の表示領域HR4に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223vbは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203saと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203saの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223vcは、特別図柄1保留球数カウンタ223vbに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223vdは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図718のF2204参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図728のF2907参照)。変動開始フラグ223vdがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図717参照)のコマンド出力処理(F2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223veは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図718のF2207参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図728のF2912参照)。停止種別選択フラグ223veがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
第1演出カウンタ223vfは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0~198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図717参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
第2演出カウンタ223vgは、本第22制御例の保留変化演出における保留図柄の色(保留色)を設定するために使用されるカウンタである。0~198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図717参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
従状態格納エリア223vhは、主制御装置110から送信される状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態が格納される現状態エリアと、1つ前に現状態エリアに格納されていた遊技状態を格納する前状態エリアとを有する。この現状態エリアに格納されている遊技状態により、現在設定されている遊技状態を音声ランプ制御装置113により判別できる。
調整用役物可動中フラグ223viは、剣役物Ym3(調整用役物)が環境調整位置へと可変される場合にオンされ(図732のF3308参照)、特別図柄の変動表示が開始される場合にオフされる(図728のF2903参照)。この調整用役物可動中フラグ223viがオンに設定されることで、音声ランプ制御装置113により剣役物Ym3が環境調整位置にあることを判別することができる。これにより、剣役物Ym3が環境調整位置にある状態で特別図柄の変動が開始された場合には、剣役物Ym3を初期位置に可変させる処理が実行され、第3図柄表示装置81において実行される特別図柄の変動表示が環境調整位置にある剣役物Ym3によって視認困難な状態になることを防ぐことができる。
制限タイマ223vjは、剣役物Ym3(調整用役物)が環境調整位置から初期位置へと可変された場合に、剣役物Ym3の可動を一定時間(本第22制御例では、10秒間)制限するためのタイマである。剣役物Ym3を初期位置へと可動させるための動作シナリオを設定した場合にタイマの値が設定され(図727のF2906、図734のF3507参照)、タイマの値は音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図717参照)が実行される毎に1ずつ更新される。この制限タイマ223vjの値が0秒以上である場合には、特別図柄の変動演出を設定する際に決定可能な演出態様の候補から剣役物Ym3を動作させる演出態様が排除される(図728のF3009参照)。
このように、剣役物Ym3が環境調整位置から初期位置へと可変された場合に、剣役物Ym3の可動を一定時間制限することで、剣役物Ym3が頻繁に可動することで生じる負荷を軽減することができる。
環境情報格納エリア223vkは、遊技者による音量調整ボタン、または、光量調整ボタンの操作によって調整された環境情報を格納するためのエリアである。この環境情報格納エリア223vkに格納されている環境情報は、遊技者のボタン操作内容に対応して更新されるため(図731のF3311参照)、遊技者の好みに合わせた遊技環境を提供することができる。
保留演出情報格納エリア223vlは、保留演出における各保留図柄の色、保留変化シナリオに関する情報を格納するためのエリアである。主制御装置110からの入賞コマンドを受信した場合に、その入賞コマンドに対応する保留演出情報を決定し、この保留演出情報格納エリア223vlに格納される。
保留演出情報格納エリア223vlは、上述の通り、保留図柄に対して保留変化演出を実行するための保留演出情報を格納するものである。
保留演出制限中フラグ223vmは、保留変化演出の対象となる保留図柄が表示されている期間に、他の保留図柄を対象とする保留変化演出が新たに設定されないようにするためのフラグである。上述したように、本第22制御例では、対象保留図柄の保留色と、前後の保留図柄の保留色を組み合わせる保留変化演出を実行する(図672~図677参照)。この保留変化演出では、予め定められた保留変化シナリオに対応する動作シナリオで左チェンジ役物Ym1と、右チェンジ役物Ym2が可動するため、例えば、保留変化演出の対象である保留図柄の次の保留図柄にも異なる保留変化シナリオが設定された場合に、保留変化演出の実行タイミングが重なってしまい、遊技者に誤った遊技情報を与えてしまう虞があるため、これを防ぐために、保留演出制限中フラグ223vmがオンである期間は、新たに保留変化演出が実行されない構成としている。
後保留設定フラグ223vnは、上述の通り、複合保留変化演出の保留変化シナリオが設定された場合に、次に受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色を強制的に決定するためのフラグである。複合保留変化演出設定処理22(図723のF2517参照)において特定の保留変化シナリオが決定された場合にオンされ(図723のF2605参照)、次に受信した入賞コマンドの保留色を決定した場合にオフされる(図722のF2553参照)。
演出用SW有効時間記憶エリア223vpは、演出ボタン22が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。本第22制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定された場合に、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報をこの演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納する(図729のF3106参照)。
時短中カウンタ223vqは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本第22制御例では「100」、又は、「120」)が設定される。そして、時短中カウンタ223vqの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223vqの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223vqの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
確変中カウンタ223srは、確変状態が継続する期間を計測するためのカウンタであって、状態コマンド受信処理22(図719のF2202参照)において、遊技状態が確変状態へと移行したと判別された場合に(図719のF2308:Yes)、カウンタ値として「120」が設定される(図719のF673参照)。そして、確変中カウンタ223srの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、確変中カウンタ223srの値が「0」となった場合に、特別図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、確変中カウンタ223srの値に基づいて、特別図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
V演出実行フラグ223vsは、主制御装置110から大当たり開始コマンドを受信した場合に、その大当たり開始コマンドに含まれる大当たり種別情報が大当たりAである場合にオンされ(図725のF2706参照)、V入賞コマンドを受信した場合にオフにされる(図720のF2406参照)。このV演出実行フラグ223vsがオンの場合には、大当たり遊技中の特定ラウンド(本第22制御例では、2ラウンド目)においてV演出が実行される。なお、V入賞コマンドとは、特定領域(Vゲート)65vを球が流下したことを通知するためのコマンドである。
V入賞フラグ223vtは、主制御装置110からV入賞コマンドを受信した場合にオンされ(図720のF2404参照)、エンディング処理22においてオフされる(図726のF2802参照)。このV入賞フラグ223vtは、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vを遊技球が通過したことを音声ランプ制御装置113により判別するためのフラグであり、V演出の実行中に(Vゲート)65Vを遊技球が通過した場合と、通過しなかった場合とでエンディング演出の後半期間の表示態様を切り替えることができる。
V報知フラグ223vuは、主制御装置110からV入賞コマンドを受信した場合に、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定した場合にオンされ(図720のF2408参照)、主制御装置110から遊技状態を確変状態に変更する状態コマンドを受信した場合にオフされる(図719のF2311参照)。
ムービー中フラグ223vvは、ムービー実行リーチにおける演出用SW有効期間中に演出ボタン22が操作された場合にオンされる(図733のF3404参照)。このムービー中フラグ223vvがムービー終了時にオンである場合には、特別図柄の変動時間がまだ経過していないことを示しており、その場合にはムービー終了時の表示態様が、特別図柄の変動時間が経過するまでの間、揺れ表示態様に設定される(図734のF3512参照)。
揺れ待機フラグ223vwは、ムービー実行リーチにおいてムービー終了から特別図柄の変動時間が経過するまでの間、揺れ表示態様が設定された場合にオンされ(図734のF3513)、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合にオフされる(図724のF2653参照)。この揺れ待機フラグ223vwがオンである場合に、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から停止コマンドを受信すると、大当たり当選を示す表示態様を示すための表示用コマンドが設定される(図724のF2652参照)。
調整期間中フラグ223vxは、環境情報調整画面が表示される場合にオンされる(図731のF3304参照)。この調整期間中フラグ223vxは、遊技者が音量調整、または、光量調整を実行中であることを示すためのフラグである。
経過タイマ223vyは、調整情報調整画面が表示を開始してから一定時間(本第22制御例では10秒)経過した場合に環境調整終了を示す表示態様を表示するために設定されるタイマである。この経過タイマ223vyのタイマ値は、演出ボタン22、又は、選択ボタン600が操作された場合に対応するタイマ値が設定され、演出更新処理22が実行される毎に「1」ずつ更新される。
その他メモリエリア223vzは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。
図687に戻り説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図667参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図667参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第22制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図698から図715のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
本第22制御例では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している。また、大当たり遊技が実行されている間に、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vに球を通過させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している。さらに、遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、100回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している。
図698は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(F101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(F102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(F103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、999,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理22を実行する(F104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理22を実行する(F105)。尚、特別図柄変動処理22、始動入賞処理22の詳細は、図699~図704を参照して後述する。
始動入賞処理22を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理22を実行し(F106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理22を実行する(F107)。尚、普通図柄変動処理22、及び、スルーゲート通過処理22の詳細は、図705および図706を参照して後述する。スルーゲート通過処理22を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(F108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(F109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図699を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理22(F104)を説明する。図699は、この特別図柄変動処理22(F104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理22(図699のF104参照)は、特別図柄を、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理22(図699のF104参照)について説明する。
この特別図柄変動処理22(F104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(F201)。具体的には、大当たり中フラグ203vvがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(F201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
F201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(F201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(F202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(F202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(F203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(F204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)が0でなければ(F204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)を1減算し(F205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値を示す保留球数コマンドを設定する(F206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223scに格納する。
F206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納されたデータをシフトする(F207)。F207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203sbの保留第1エリア~保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、F208の処理へ移行する。
一方、F204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)が0である場合は(F204:No)、F203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(F210)。
F210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が0であると判別した場合は(F210:No)、そのまま本処理を終了する。一方、F210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(F210:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)を1減算し(F211)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値を示す保留球数コマンドを設定する(F212)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223scに格納する。
F212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203saに格納されたデータを、F207の処理と同一の手法によりシフトして(F213)、処理をF208の処理へと移行する。F207、またはF213の処理後に実行されるF208の処理では、特別図柄大当たり判定処理22を実行し(F208)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理22を実行し(F209)、その後、本処理を終了する。この特別図柄大当たり判定処理22(F208)および特別図柄変動パターン選択処理22(F209)の詳細については図700および図701を参照して後述する。
F202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(F202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(F214)。変動時間が経過していなければ(F214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(F215)、その後、本処理を終了する。F215の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理22(F209)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、F215の処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、F214の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(F214:Yes)、即ち、F215の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(F216)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理22(F209)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理22(F209)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA~Eのいずれかが決定される。
尚、本第22制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
F216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理22によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(F217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(F217:Yes)、大当たり開始フラグ203vwをオンに設定し(F218)、時短カウンタ203sh、確変カウンタ203siの値をクリア(0に設定)し(F219)、F220の処理へと移行する。S220の処理によって、大当たり開始フラグ203vwがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理22(図710のF1004参照)が実行された場合に、F1101:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(F1102)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
F217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(F217:No)、F218,F219の処理をスキップして、更新処理22を実行し(F221)、その後、F220へと移行する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(F1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S220の処理では、特図確定コマンドを設定し(F220)、本処理を終了する。
次に、図700を参照して、特別図柄変動処理22(図699のF104)の一処理である特別図柄大当たり判定処理22(F208)について説明する。図700は、この特別図柄大当たり判定処理22(F208)を示すフローチャートである。
特別図柄大当たり判定処理22(図700のF208)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(F301)。そして、第1当たり乱数テーブル202va(図690参照)に基づいて、F301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(F302)。
F302の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(F303)、大当たりであると判別した場合は(F303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(F304)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(F305)、本処理を終了する。一方、F303の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(F303:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(F306)、本処理を終了する。
次に、図701を参照して、特別図柄変動処理22(図699のF104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理22(F209)について説明する。図701はこの特別図柄変動パターン選択処理22(F209)を示すフローチャートである。
特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209)では、まず、特別図柄大当たり判定処理22(図700のF208)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(F401)。
F401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(F401:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202vb(図691参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(F402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(F403)、遊技状態格納エリア203sgに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202vcを読み出す(F404)。
そして、F403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、F404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202vcとに基づいて変動パターンを選択し(F405)、F405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(F406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図709のF1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(F407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(F408)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(F409)、本処理を終了する。F407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図709)の外部出力処理(図709のF1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、F401の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(F401:No)、F402の処理をスキップしてF403の処理へ移行する。
次に、図702を参照して、特別図柄変動処理22(図699のF104参照)にて実行される更新処理22(F221)の内容について説明をする。図702は、更新処理22(F221)の内容を示したフローチャートである。この更新処理22(F221)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新したりするための処理が実行される。
更新処理22(F221)が実行されると、まず確変カウンタ203siの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(F501)、確変カウンタ203siの値が0よりも大きいと判別した場合は(F501:Yes)、確変カウンタ203siの値を1減算(更新)し(F502)、次いで、更新後の確変カウンタ203siの値が0であるかを判別し(F503)、0であると判別した場合は(F503:Yes)、遊技状態格納エリア203sgに時短状態を設定し(F504)、F505の処理へ移行する。また、F501の処理において確変カウンタ203siの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(F501:No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203siの値を更新するための上述したF502~F504の処理をスキップしてF505の処理へ移行する。
また、F503の処理において、確変カウンタ203siの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203siの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合も(F503:No)、F504の処理をスキップしてF505の処理へ移行する。
F505の処理では、時短カウンタ203shの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(F505:Yes)、時短カウンタ203shの値を1減算し(F506)、減算後の時短カウンタ203shの値が0であるかを判別する(F507)。F507の処理において時短カウンタ203shの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203sgに通常状態を設定し(F508)、確変カウンタ203siの値、時短カウンタ203shの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(F509)、本処理を終了する。また、F505の処理において時短カウンタ203shの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(F505:No)、或いは、F507の処理において時短カウンタ203shの値が0では無いと判別した場合(F507:No)は、そのままF509の処理へ移行する。
次に、図703を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図698)の一処理である始動入賞処理22(F105)を説明する。図703は、この始動入賞処理22(F105)を示すフローチャートである。始動入賞処理22(図703のF105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかにに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、第2入球口640に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理22(図703のF105)について説明する。
始動入賞処理22(図703のF105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(F601)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別する(F601:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)を取得し(F602)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(F603)。
つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(F603:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)を1加算し(F604)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(F605)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(F606)、F607の処理へ移行する。
また、F601の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(F601:No)、或いは、F603の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(F603:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、F607の処理へ移行する。
次に、F607~F612までの各処理については、F601~F606までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
F601~F612までの各処理を実行後、先読み処理を実行し(F613)、本処理を終了する。
この先読み処理22(F613)については、図704を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本第22制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本第22制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理22(F613)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、F603の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(F603:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理22(F613)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図704を参照して、始動入賞処理22(図704のF105)の一処理である先読み処理22(F613)について説明する。図704は、この先読み処理22(F613)を示すフローチャートである。
先読み処理22(図704のF613)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(F701)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(F702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(F703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(F703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(F704)、その後、本処理を終了する。
一方、F703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(F703:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(F705)、その後、本処理を終了する。
ここで、F704、或いはF705の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、F701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図709参照)にて実行される外部出力処理(F1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本第22制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本第22制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図705を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理22(F106)について説明する。図705は、この普通図柄変動処理22(F106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理22(F106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理22(図705のF106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(F801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(F801:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(F801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(F802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(F802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)を取得し(F803)、その値が0よりも大きいかを判別する(F804)。
F804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が0であると判別された場合には(F804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値が0よりも大きいと判別した場合は(F804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)を1減算する(F805)。つまり、F804の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203vcに格納されたデータをシフトする(F806)。F806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203vcの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(F807)。
次に、時短カウンタ203shがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(F808)、時短カウンタ203shがオンに設定されていると判別した場合は(F808:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202sc(図691(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(F809)、F811の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203shがオフであると判別した場合は(F808:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202sc(図691(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(F810)、F811の処理へ移行する。
F811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(F811)、当たりであると判別した場合は(F811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(F812)、F814の処理へ移行する。一方、F811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(F811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(F813)、F814の処理へ移行する。
F814の処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203shの値を参照して判別し(F814)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(F814:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(F815)、本処理を終了する。一方、F814の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(F814:No)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(F816)、本処理を終了する。
なお、本第22制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
一方、F802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(F802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(F817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(F817:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、F817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(F817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(F818)。F818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したF812、或いはF813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
F818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、F812の処理、或いはF813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(F819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(F819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(F819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203shの値を参照して判別し(F820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(F820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(F823)、F822の処理へ移行する。
一方、F820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(F820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(F821)、F822の処理へ移行する。
F822の処理では、F821、或いはF823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(F822)、本処理を終了する。
次に、本第22制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本第22制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(F808~F811の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(F817の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本第22制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本第22制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本第22制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理22(図705のF106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図709参照)の外部出力処理(図709のF1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図706を参照してスルーゲート通過処理22(F107)の内容について説明をする。図706は、スルーゲート通過処理22(F660参照)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理22(F107)は、タイマ割込処理(図698参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理22(図705のF106参照)にて当否判定(F811参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理22(F107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(F901)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(F901:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)を取得し(F902)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(F903)。
F903の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(F903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(F903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)に1を加算し(F904)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203vcに格納し(F905)、本処理を終了する。
次に、図707を参照して、NMI割込処理について説明をする。図707は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(F1601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図708を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理22について説明する。図708は、この立ち上げ処理22を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理22は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理22(図708)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(F1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(F1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(F1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図667参照)がオンされているか否かを判別し(F1704)、オンされていれば(F1704:Yes)、処理をF1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(F1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(F1705)、記憶されていなければ(F1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をF1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(F1705:Yes)、RAM判定値を算出し(F1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(F1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をF1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
F1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(F1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(F1713、F1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(F1713、F1714)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(F1713、F1714)を実行する。RAMの初期化処理(F1713、F1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(F1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(F1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、F1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(F1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(F1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(F1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(F1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(F1709)、F1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(F1710)。その後、割込みを許可し(F1711)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図709を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図709は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図709参照)においては、まず、タイマ割込処理(図698参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(F1801)。具体的には、タイマ割込処理(図698参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理22(図699参照)や始動入賞処理22(図703参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図709のF1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理22(図710参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(F1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第22制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(F1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(F1804)。
大当たり制御処理22(F1804)の詳細な内容については、図710~図715を参照して後述するが、この大当たり制御処理22(F1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理22(F1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(F1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理22(図705参照)のF822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理22におけるF821の処理、F823の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(F1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本第22制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209参照)のF407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本第22制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(F1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理22(図705参照)のF815の処理、F816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(F1808)では、普通図柄変動処理22(図705参照)のF818の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理22(図705参照)のF812の処理またはF813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(F1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(F1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(F1810)、既に所定時間が経過していれば(F1810:Yes)、処理をF1801へ移行し、上述したF1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(F1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(F1811,F1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(F1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、F1811の処理と同一の方法によって実行する(F1812)。なお、このF1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、F1801~F1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、F1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(F1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図165のNMI割込処理が実行されたということなので、F1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(F1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(F1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(F1815)、RAM203のアクセスを禁止して(F1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、F1809の処理は、F1801~F1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるF1811とF1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をF1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をF1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図708,F1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、F1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図710のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理22(F1804)を説明する。図710は、この大当たり制御処理22(F1804)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理22(F1804)は、メイン処理(図709参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理22(図710,F1804)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(F1101)。具体的には、特別図柄変動処理22(図699参照)のF218またはF220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。F1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(F1101:Yes)、オープニングコマンドを設定し(F1102)、大当たり開始フラグ203vwをオフに設定し、大当たり中フラグ203vvをオンに設定して(F1103)、本処理を終了する。
一方、F1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(F1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(F1104)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。F1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(F1104:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、F1104の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(F1104:Yes)、F1105の処理を実行する。F1105の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(F1105)。F1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(F1105:Yes)、大当たり動作設定処理22を実行する(F1106)。
ここで、図711を参照して、大当たり動作設定処理22について説明する(F1106)。図711は、この大当たり動作設定処理22(F1106)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理22(図711、F1106)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込む(F1201)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をF1201で読み込んだデータに基づいて設定する(F1202)。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をF1201の処理で読み込んだデータにより設定する。その後、この処理を終了する。なお、F1202の処理では、1ラウンド毎の流路ソレノイド65kの動作、開閉扉65f1の動作が設定される。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図710に戻って説明を続ける。F1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(F1105:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(F1107)。動作タイミングであると判別した場合には(F1107:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(F1108)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(F1109)。その後、この処理を終了する。
一方、F1106の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(F1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(F1110)。エンディング演出の開始タイミングは、特別図柄変動パターン選択処理22(図701参照)のF402で決定された大当たり種別に対応する最終ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(F1110:Yes)エンディングコマンドを設定して(F1111)、この処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、F1110の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(F1110:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(F1112)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。F1112の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(F1112:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理22を実行し(F1113)、本処理を終了する。この大当たり終了処理22の詳細については図712を参照して後述する。一方、F1112の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(F1112:No)、報知処理22を実行する(F1114)。報知処理22の詳細については図713を参照して後述する。
報知処理22(図713、F1114)が実行されると、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理22を実行し(F1115)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理22を実行し(F1116)、その後、本処理を終了する。入賞処理22および異常処理22の詳細については図714および図715を参照して後述する。
次に、図711のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理22(F1106)の詳細について説明する。図711は、この大当たり動作設定処理22(F1106)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理22(F1106)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理22(図711参照)が開始されると、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込み(F1201)、確変ソレノイドの開放動作を設定して(F1202)、可変入賞装置65の大開放口65cの開放動作を設定し(F1203)、本処理を終了する。なお、図示しないが、F1201の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
ここで、詳細な説明は省略するが、本制御例では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(2ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、2ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下させ易くなるように切替弁65yを動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
なお、本第22制御例では、大当たりAに当選した場合の大当たり遊技における2ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるV報知演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間に基づいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本第22制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物として切替弁65yを設け、その切替弁65yの動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンで切替弁65yを動作させるように構成し、特定入賞口65aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、切替弁65yの動作パターンを共通化することができるため、切替弁65yの動作内容を把握されたとしても今回の大当たり遊技が球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い大当たり遊技であるか否かを遊技者に把握され難くすることができる。また、切替弁65yの動作内容を統一化することができるため、Vソレノイド209aに対する負荷を軽減することができ、V役物(切替弁65y)の故障を抑制することができる。
この大当たり動作設定処理(図711参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、2ラウンド目に特定領域(Vゲート65V)を球が通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA,C~Eでは、2ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定領域(Vゲート65V)を通過するので、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。
次に、図712のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理22(F1113)の詳細について説明する。図712は、この大当たり終了処理22(F1113)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理22(F1113)は、大当たり制御処理22(図710のF1804参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理22(F1113)では、まず、確変設定フラグ203smがオンであるかを判別する(F1301)。F1301の処理において、確変設定フラグ203smがオンであると判別した場合は(F1301:Yes)、大当たり中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したことを意味するので、確変中カウンタ203vuの値に120を設定し(F1302)、時短中カウンタ203vtの値に120を設定し(F1303)、確変フラグ203vgをオンに設定して(F1304)、F1305の処理へ移行する。一方、F1301の処理において、確変設定フラグ203smがオフであれば(F1301:No)、時短中カウンタ203vtの値に100を設定し、S2105の処理へ移行する。
S2105の処理では、時短中カウンタ203vtの値、確変中カウンタ203vuの値に基づいて、状態コマンドを設定する(F1305)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(F1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて従状態設定エリア223shを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203vvおよび確変設定フラグ203vhを共にオフに設定して(F1306)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理22(図712参照)を実行することにより、大当たり遊技中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
報知処理22(F1114)では、まず、報知カウンタ203vmの値が0より大きい値であるか判別する(F1221)。報知カウンタ203vmの値が0であると判別した場合には(F1221:No)、2ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(F1222)。2ラウンド目の終了タイミングの判別は、2ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。2ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(F1222:Yes)、報知カウンタ203vmに2秒に対応するカウンタ値を設定する。その後、この処理を終了する。一方、F1222の処理において、2ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(F1222:No)、この処理を終了する。ここで、F1223で2秒のカウンタが設定されることで、2ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203vmが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、2ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は2ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、第1可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本第22制御例では、報知カウンタ203vmを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より2ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、2ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、F1221の処理において、報知カウンタ203vmの値が0より大きい値であると判別した場合には(F1221:Yes)、報知カウンタ203vmの値を-1して更新する(F1224)。更新後の報知カウンタ203vmの値が0であるか判別する(F1225)。報知カウンタ203vmの値が0であると判別した場合には(F1225:Yes)、報知コマンドを設定する(F1226)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。
次に、図714のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理22(F1115)の詳細について説明する。図714は、この入賞処理22(F1115)を示すフローチャートである。この入賞処理22(F1115)は、大当たり制御処理22(図710参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
入賞処理22(図714、F1115)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(F1231)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(F1231:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(F1231:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(F1232:Yes)、入賞個数カウンタ203vjを1加算して更新する(F1233)。その後、F1234の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(F1232:No)、F1234の処理を実行する。
F1234の処理では、入賞個数カウンタ203vjの値が10以上であるか判別する(F1234)。入賞個数カウンタ203vjの値が10以上であると判別した場合には(F1234:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(F1236)。その後、残球タイマフラグ203vnをオンに設定する(F1237)。その後、F1238の処理を実行する。この残球タイマフラグ203vnがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、F1234の処理において、入賞個数カウンタ203vjの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(F1235)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(F1235:Yes)、F1236の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(F1235:No)、F1238の処理を実行する。
F1238の処理では、動作カウンタ203vkの値が0より大きい値であるか判別する(F1238)。動作カウンタ203vkの値が0より大きい値であると判別した場合には(F1238:Yes)、動作カウンタ203vkの値を-1して更新する(F1239)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(F1240)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(F1240:Yes)、確変通過カウンタ203viの値に1加算して更新する(F1241)。確変設定フラグ203vhをオンに設定し(F1242)、V入賞コマンドを設定し(F1243)、その後、F1244の処理を実行する。一方、F1240の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(F1240:No)、F1244の処理を実行する。F1244の処理では、動作カウンタ203vkが0であるか判別する(F1244)。動作カウンタ203vkが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(F1245)。確変有効フラグ203vpをオンに設定する(F1246)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203vpがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、F1238の処理において、動作カウンタ203vkが0であると判別した場合には(F1238:No)、確変有効フラグ203vpがオンであるか判別する(F1247)。確変有効フラグ203vpがオフである場合には(F1247:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203vpがオンであると判別した場合には(F1247:Yes)、確変有効タイマ203vrに1加算して更新する(F1248)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(F1249)。確変有効タイマ203vrが上限値であると判別した場合には(F1249:Yes)、確変有効フラグ203vpをオフに設定する(F1250)。確変有効タイマ203vrを初期値である0にリセットする(F1251)。その後、この処理を終了する。一方、F1249の処理において、確変有効タイマ203vrが上限値でないと判別した場合には(F1249:No)、F1240の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203vrが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
次に、図715のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理22(F1116)を説明する。図715は、この異常処理22(F1116)の内容を示したフローチャートである。異常処理22(F1116)では、不正に確変スイッチ65e3を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理22(図715、F1116)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(F1261)。ラウンド有効期間外である場合には(F1261:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(F1261:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(F1262)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(F1262:Yes)、球排個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(F1263)。その後、F1264の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(F1262:No)、F1264の処理を実行する。
F1264の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(F1264)。残球タイマフラグ203vnがオフであると判別した場合には(F1264:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203vnがオンであると判別した場合には(F1264:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203voを1加算して更新する(F1265)。残球タイマ203voは上限値(本第22制御例では、3秒)が経過したか判別する(F1266)。上限値でないと判別した場合には(F1266:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(F1266:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203viと排出個数カウンタ203vsとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203vjの値)とが一致するか判別する(F1267)。
一致すると判別した場合には(F1267:Yes)、F1269の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(F1267:No)、エラーコマンドを設定する(F1268)。その後、F1269の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
F1269の処理では、残球タイマフラグ203vnをオフに設定し(F1269)、残球タイマ203voを初期値である0にリセットする(F1270)。その後、入賞個数カウンタ203vj、排出個数カウンタ203vs、確変通過カウンタ203viが初期値にそれぞれリセットされ(F1271)、その後、この処理を終了する。
<第22制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図716から図734を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図716を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図716は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(F2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、F2117の電源断処理(図717参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(F2002)。図717を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図717のF2114参照)、F2117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、F2117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(F2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってF2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(F2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、F2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(F2003:Yes)、F2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(F2003:No)、F2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(F2003:Yes)、F2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってF2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(F2003:No)、F2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(F2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、F2117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(F2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(F2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(F2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(F2005:No)、RAM223の異常を報知して(F2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
F2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(F2008)。電源断フラグはF2117の電源断処理の実行時にオンされる(図717のF2116参照)。つまり、電源断フラグは、F2117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でF2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってF2117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(F2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(F2009)、RAM223の初期値を設定した後(F2010)、割込み許可を設定して(F2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でF2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにF2004からF2006の処理を経由してF2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(F2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるF2009をスキップして、処理をF2010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(F2010)、割込み許可を設定して(F2011)、メイン処理へ移行する。
なお、F2009のクリア処理をスキップするのは、F2004からF2006の処理を経由してF2008の処理へ至った場合には、F2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図717を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図717は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のF2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(F2101)、1m秒以上経過していなければ(F2101:No)、F2102~F2111の処理を行わずにF2112の処理へ移行する。F2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、F2102~F2111が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、F2112のコマンド判定処理22や、F2113の変動表示設定処理22を短い周期で実行する方が好ましいからである。F2112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、F2113の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理22によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
F2101の処理で1m秒以上経過していれば(F2101:Yes)、まず、F2103~F2113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(F2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するF2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(F2103)、その後電源投入報知処理を実行する(F2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにF2105の処理へ移行する。
F2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(F2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理22が実行される(F2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理22は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22Aが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22Aの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22Aの遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22Aの操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理22の詳細については、図731を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理22が終わると、ランプ編集処理を実行し(F2108)、その後音編集・出力処理を実行する(F2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
F2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(F2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてF2008のランプ編集処理が実行される。なお、F2009の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理の後に、演出更新処理22が実行される(F2111)。演出更新処理22では、音声ランプ制御装置113のRAM223の各種カウンタ、及び、各種タイマの値を更新するための処理が実行される。なお、演出更新処理22の詳細については、図734を参照して後述する。
演出更新処理22の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理22を行う(F2112)。このコマンド判定処理22の詳細については、図718を参照して後述する。
次に、F2113の処理へ移行する。F2113の処理では、変動表示設定処理22が実行される(F2113)。変動表示設定処理22では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理22の詳細については、図718を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理22が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(F2114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。F2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(F2114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(F2116)、電源断処理を実行する(F2117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(F2118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、F2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(F2114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(F2115)、RAM223が破壊されていなければ(F2115:No)、F2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(F2115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図718を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理22(F2112)について説明する。図718は、このコマンド判定処理22(F2112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理22(F2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図717参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理22(図718,F2112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(F2201)。状態コマンドを受信した場合には(F2201:Yes)、状態コマンド受信処理22を実行し(F2202)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。この状態コマンド受信処理22(F2202)は、主制御装置110において遊技状態が変更された場合に、第3表示制御装置81に変更された遊技状態に対応する表示モードを設定するための処理である。なお、状態コマンド受信処理22の詳細は、図719を参照して後述する。
また、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
一方、状態コマンドを受信していない場合には(F2203:No)、次いで、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(F2203)。そして、変動パターンコマンドを受信した場合には(F2203:Yes)、変動開始フラグ223vdをオンに設定し(F2204)、受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出して(F2205)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(F2203:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(F2206)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(F2206:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223veをオンに設定し(F2207)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(F2208)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理22(図727参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(F2206:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(F2209)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(F2209:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)、または、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203veの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vb、または、特別図柄2保留球数カウンタ223vcに格納する(F2210)。また、F2210の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。F2210の処理の終了後は、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドは、球が第1入賞口64又は第2入賞口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、F2210の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vd、特別図柄2保留球数カウンタ203veの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbまたは特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdまたは特別図柄2保留球数カウンタ203veの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbまたは特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdまたは特別図柄2保留球数カウンタ203veの値に合わせることができる。尚、F2210の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
F2209の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(F2209:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(F2211)。入賞コマンドを受信したと判別した場合には(F2211:Yes)、入賞コマンド処理22を実行し(F2212)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(F2217)、メイン処理に戻る。この入賞コマンド処理22は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。なお、入賞コマンド処理22の詳細は、図720を参照して後述する。
次に、F2211の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(F2211:No)、主制御装置110より停止コマンドを受信したか判別する(F2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(F2213:Yes)、停止コマンド処理22を実行し、その他のコマンドに応じた処理を実行して(F2217)、メイン処理に戻る。この停止コマンド処理22は、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものである。なお、停止コマンド処理22の詳細は、図724を参照して後述する。
一方、F2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(F2213:No)、大当たり関連コマンドを受信したか判別する(F2215)。大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(F2215:Yes)、大当たり関連処理を実行し(F2216)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(F2217)、メイン処理に戻る。この大当たり関連処理は、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。なお、大当たり関連処理の詳細は、図725を参照して後述する。
次に、図719を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理22(F2202)について説明する。図719は、この状態コマンド受信処理22(F2202)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理22(F2202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理22(図718参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理22(F2202)の詳細を説明する。
状態コマンド受信処理22(F2202)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(F2301)。ここでは、従状態格納エリア223vhに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。F2301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(F2301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(F2301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(F2302)。
F2302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(F2302:Yes)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(F2303)、F2304の処理へ移行する。
F2302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(F2302:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(F2305)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(F2305:Yes)、時短中カウンタ223vqの値に100を設定し(F2306)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(F2307)、F2304の処理へ移行する。
F2305の処理において、遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(F2305:No)、次いで、変更後の遊技状態が確変状態であるかを判別し(F2308)、遊技状態が確変状態である(今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドである)と判別した場合は(F2308:Yes)、確変中カウンタ223srの値に120を設定し(F2309)、V報知フラグ223vuがオンであるか否かを判別する(F2310)。V報知フラグ223vuがオフの場合は(F2310:No)、上述したF2306の処理へ移行する。V報知フラグ223vuがオンである場合は(F2310:Yes)、V報知フラグ223vuをオフに設定し(F2311)、スーパーチャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(F2312)、F2304の処理へ移行する。
F2304の処理では、従状態設定エリア223shの現状態エリアに設定されている遊技状態を過去状態エリアに設定し(F2304)、従状態設定エリア223shの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(F2304)、本処理を終了する。
ここで、F2303、F2307およびF2312の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより遊技状態に対応した変動演出表示が実行されることになる。このように、本第22制御例では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本第22制御例では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。
次に、図720を参照して、コマンド判定処理22(図718のF2112参照)にて実行される入賞コマンド処理22(F2212参照)の内容を説明する。図720は、入賞コマンド処理22(F2212)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理22(F2212)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。
入賞コマンド処理22(F2212)が実行されると、まず、今回受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223bの対応する領域に格納(設定)し(F2401)、特図用入賞情報コマンド処理を実行する(F2402)。なお、特図用入賞情報コマンド処理の詳細は、図721を参照して後述する。
特図用入賞情報コマンド処理が終わると、次いで、今回受信したコマンドはV入賞コマンド(入賞処理22(図714のF1115参照)にて確変スイッチ(特定ゲート)へと球が流下した場合に設定されるコマンド(F1243参照))であるかを判別する(F2403)。受信したコマンドがV入賞コマンドである場合には(F2403:Yes)、V入賞フラグ223vtをオンに設定し(F2406)、V演出実行フラグ223vsがオンであるか判別する(F2405)。V演出実行フラグ223vsがオンである場合には(F2407:Yes)、V演出実行フラグ223vsをオフに設定し(F2406)、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定する(F2407)。そして、V報知フラグ223vuをオンに設定し(F2408)、その他の処理を実行して(F2409)、本処理を終了する。
一方、F2403の処理において、受信したコマンドはV入賞コマンドではない場合には(F2403:No)、F2405~F2408の処理をスキップし、F2409の処理へ移行する。
また、F2405の処理において、V演出実行フラグ223vsがオンでない場合には(F2405:No)、F2406~F2408の処理をスキップし、F2409の処理へ移行する。
F2409の処理では、その他の処理を実行し(S4413)、本処理を終了する。
次に、図721を参照して、入賞コマンド処理22(図720のF2212)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理22(F2402)の内容を説明する。図721は、特図用入賞情報コマンド処理22(F2402)の内容を示したフローチャートである。
特図用入賞情報コマンド処理22(F2402)が実行されると、まず、今回受信した入賞コマンドは特図用の入賞コマンドであるか判別する(F2501)。受信したコマンドが特図用入賞コマンドである場合には(F2501:Yes)、従状態設定エリア223shに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(F2502)、通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)を示す情報であるか判別する(F2503)。通常遊技状態である場合には(F2503:Yes)、保留演出設定処理22を実行し(F2504)、F2505の処理へ移行する。この保留演出設定処理22は、上述した保留変化演出の演出内容を設定するための処理である。保留演出設定処理22の詳細は、図722を参照して後述する。一方、通常遊技状態でない場合には(F2503:No)、F2504の処理をスキップし、F2505の処理へ移行する。
なお、本第22制御例では、遊技状態として通常遊技状態が設定されている場合に保留変化演出を実行可能な構成としているが、これに限るものではなく、確変状態及び時短状態においても保留演出を実行可能な構成としても良い。
F2505の処理では、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(F2505)、本処理を終了する。
次に、図722を参照して、特図用入賞コマンド処理22(図721のF2402)にて実行される保留演出設定処理22(F2504)の内容を説明する。図722は、保留演出設定処理22(F2504)の内容を示したフローチャートである。
保留演出設定処理22(F2504)が実行されると、まず、後保留設定フラグ223vnがオンであるか判別する(F2551)。上述したように、後保留設定フラグ223vnは複合保留変化演出の保留変化シナリオが設定され、変化対象の保留球の次に獲得した保留球の保留図柄の色が指定されている場合にオンに設定される。従って、後保留設定フラグ223vnがオンである場合には(F2551:Yes)、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留演出情報に基づいて、対応する保留図柄の色を決定し(F2552)、後保留フラグ223snをオフに設定して(F2553)、決定した保留図柄の表示態様(色)を示すための表示用コマンドを設定し、F2555の処理へ移行する。
一方、F2551の処理において、後保留設定フラグ223vnがオンでない場合には(F2551:No)、保留演出制限中フラグ223vmはオンであるか判別する(F2556)。保留演出制限中フラグ223vmがオンである場合には(F2556:Yes)、保留変化演出を新たに設定することが制限されている期間であるため、保留変化演出の設定に関連する処理をスキップし、F2555の処理へ移行する。
F2556の処理において、保留演出制限中フラグ223vmがオンでない場合には(F2556:No)、保留変化演出抽選テーブル222vb(図694(a)参照)を参照して、保留変化演出実行の有無を決定する(F2557)。そして、F2557の処理において、単独保留変化演出の実行が決定されたかを判別し(F2558)、単独保留変化演出の実行が決定された場合には(F2558:Yes)、保留色選択テーブル222vc(図694(b)参照)を参照して、今回の入賞コマンドに対応する保留図柄の色を決定し(F2559)、決定した保留演出情報を保留演出情報格納エリア223vlに格納する(F2560)。その後、決定した内容に対応させて保留演出制限中フラグ223vmを設定し(F2561)、F2554の処理へ移行する。
一方、F2558の処理において、単独保留変化演出は実行されないと判別した場合には(F2558:No)、F2557の処理において複合保留変化演出の実行が決定されたかを判別する(F2562)。複合保留変化演出の実行が決定された場合には(F2562:Yes)、複合保留変化演出設定処理22を実行し(F2563)、F2554の処理に移行する。
ここで、図723を参照して、複合保留変化演出設定処理22について説明する。図723は、複合保留変化演出設定処理22の内容を示したフローチャートである。
複合保留変化演出設定処理22(F2517)が実行されると、まず、保留変化シナリオ選択テーブル222vd(図695参照)を参照して保留変化シナリオを決定し(F2601)、F2601の処理で決定した内容に対応する保留図柄の色を決定する(F2602)。そして、F2601の処理で決定した内容用を示す保留演出情報を保留演出情報格納エリア223vlに格納する(F2603)。その後、F2601の処理で決定した内容に対応させて、保留演出制限中フラグ223vmを設定し(F2604)、F2601の処理で決定した内容に対応させて後保留設定フラグ223vnを設定して(F2605)、保留演出設定処理22(図722参照)に戻る。
図722に戻り説明を続ける。F2562の処理において、複合保留変化演出は実行されないと判別した場合には(F2562:No)、F2555の処理に移行する。
F2555の処理では、今回受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(F2555)、F2555の処理終了後、特図用入賞情報コマンド処理22に戻る。
次に、図724を参照して、コマンド判定処理22(図718のF2112参照)にて実行される停止コマンド処理22(F2214)の内容について説明する。図724は、停止コマンド処理22(F2214)の内容を示したフローチャートである。主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものである。
停止コマンド処理22(F2214)が実行されると、まず、揺れ待機フラグ223vwはオンであるか判別する(F2651)。揺れ待機フラグ223vwがオンである場合には(F2652:Yes)、大当たり当選を示す表示態様(本第22制御例では、「祝福」の表示)を示すための表示用コマンドを設定し(F2652)、揺れ待機フラグ223vwをオフに設定して(F2653)、F2654の処理へ移行する。一方、F2651の処理において、揺れ待機フラグ223vwがオンでない場合には(F2651:No)、F2652、F2653の処理をスキップし、F2654の処理を実行する。
F2654の処理では、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留演出情報を読み出し(F2654)、変動実行中の特別図柄に対応する保留図柄を変化対象とする保留変化シナリオはあるか判別し(F2655)、変動実行中の特別図柄に対応する保留図柄を変化対象とする保留変化シナリオがある場合には(F2655:Yes)、保留演出制限中フラグ223vmをオフに設定し(F2656)、第3図柄の停止表示を決定して(F2657)、本処理を終了する。一方、F2655の処理において、変動実行中の特別図柄に対応する保留図柄を変化対象とする保留変化シナリオがない場合には(F2655:No)、F2656の処理をスキップし、F2657の処理へ移行する。
次に、図726を参照して、大当たり関連処理22(F2216)の内容について説明をする。図726は、大当たり関連処理(F2216)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理(F2216)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理22(F2216)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(F2701)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(F2701:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(F2702)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図717参照)のコマンド出力処理(F2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、今回の大当たり種別が大当たりC(3R時短大当たり)であるかを判別し(F2703)、大当たりCであると判別した場合は(F2703:Yes)、チャンスモード突入ことを示すエンディング表示態様を設定し(F2704)、本処理を終了する。一方、大当たりCでは無いと判別した場合(F2703:No)、今回の大当たり種別が大当たりA(10R確変大当たり)であるかを判別し(F2505)、大当たりAではないと判別した場合(F2705:No)、即ち、大当たりB(3R確変大当たり)である場合には、F2704の処理へ移行する。
ここで、本第22制御例におけるチャンスモードは、設定されている遊技状態が確変遊技状態か、時短遊技状態かを遊技者が識別できないモードとして構成しており、このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される表示モードがスーパーチャンスモード(確変遊技状態が設定されている場合のみ設定される表示モード)ではなくても、確変状態が設定されていることを期待させることで遊技者の遊技意欲低下を抑制することができるものである。
しかしながら、確変大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中にV演出(遊技者に特定領域(Vゲート)65vに向けて遊技球の発射を促すための演出)が実行されることで、遊技者は確変大当たりに当選したことを認識できるため、V演出が実行されなかった大当たり遊技終了後に設定されるチャンスモードは確変遊技状態ではないと分かってしまう虞があった。
このため、本第22制御例では、確変大当たりである大当たりBに当選した場合には、その大当たり遊技実行中にV演出を実行しない構成としている。このように構成することで、遊技者に今回のチャンスモードは確変遊技状態か、時短遊技状態かを分かり難くし、確変状態が設定されていることを期待させることで遊技者の遊技意欲低下を抑制することができる。
一方で、F2705の処理において、大当たりAであると判別した場合には(F2705:Yes)、V演出実行フラグ223vsオンに設定し(F2706)、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(F2707)、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、図725を参照して上述した通り、設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じて異なるエンディング表示態様が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本第22制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
一方、F2701の処理にて、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(F2701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(F2708)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(F2708:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(F2710)、今回のラウンド数が2ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(F2710)。2ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(F2710:Yes)、V演出実行フラグ223vsがオンであるか否かを判別する(F2711)。V演出実行フラグ223vsがオンであると判別した場合は(F2711:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(F2712)、本処理を終了する。また、F2710の処理で今回のラウンド数が2ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、2ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合と(F2710:No)、F2711の処理において、V演出実行フラグ223vsがオフであると判別した場合も(F2711:No)、そのまま本処理を終了する。
F2708の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(F2708:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(F2713)、受信したと判別した場合は(F2713:Yes)、エンディング処理22を実行し(F2714)、本処理を終了する。また、F2713の処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(F2713:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図727を参照して、エンディング処理22(F2714)の処理について説明をする。図727は、エンディング処理22(F2714)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理22(F2714)は、上述した大当たり関連処理22(図725のF2216参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理22(F2714)が実行されると、まず、V入賞フラグ223vtがオンに設定されているかを判別し(F2801)、オンに設定されていると判別した場合は(F2801:Yes)、V入賞フラグ223vtをオフに設定し(F2802)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(F2805)、本処理を終了する。また、F2801の処理においてV入賞フラグ223vtがオンに設定されていないと判別した場合は(F2801:No)、V演出実行フラグ223vsがオンであるかを判別し(F2803)、V演出実行フラグ223vsがオフであると判別した場合は(F2803:No)、そのままF2804の処理へ移行する。
一方、F2803の処理において、V演出実行フラグ223vsがオンであると判別した場合は(F2803:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(F2804)、F2805の処理へ移行する。
F2804の処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予めスーパーチャンスモードが設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様を、チャンスモードが設定されることに対応する表示態様へと切り替える処理が実行される。本第22制御例では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。
次に、図728を参照して、変動表示設定処理22(F2113)の内容について説明をする。図727は、変動表示設定処理22(F2113)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理22(F2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図717参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理22(F2113)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223vdがオンかを判別する(F2901)。そして、変動開始フラグ223vdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(F2901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、F2911の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223vdがオンであると判別した場合(F2901:Yes)、次に、調整用役物可動中フラグ223viはオンであるか判別する(F2902)。調整用役物可動中フラグ223viがオンである場合(F2902:Yes)、調整用可動役物(剣役物Ym3)が調整位置にある状態(図678(b)参照)であるので、調整用役物可動中フラグ223viをオフに設定し(F2903)、調整用役物(剣役物Ym3)に付随するLEDを全消灯させるためのランプ制御用コマンドを設定する(F2904)。その後、調整用役物(剣役物Ym3)を初期位置(図669(a)参照)へと可動させるための役物動作シナリオを設定し(F2905)、制限タイマ223vjに10秒に対応する値を設定して(F2906)、F2907の処理へ移行する。
このように、本第22制御例では、特別図柄の変動表示が実行されていない待機期間中に遊技者が剣役物Ym3を用いた光量調整を実行している場合に、特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者が変動演出を視認し易いように剣役物Ym3を格納させるための処理を実行する構成としている。また、この際に、剣役物Ym3が発光した状態で調整位置から初期位置へと戻る動作を行うと、その動作が変動演出における演出の一部であると遊技者に誤解を与える虞があるため、それを抑制するために、剣役物Ym3が調整位置から初期位置へと戻る動作をする前に、剣役物Ym3に付随するLEDを全消灯することにより、今回の剣役物Ym3の動作は変動演出とは関係がないことを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、剣役物Ym3が調整位置にある状態で開始された特別図柄の抽選結果が大当たり当選であった場合には、剣役物Ym3に付随するLEDを全消灯させるのではなく、例えば、虹色に発光させてから初期位置へと戻す構成としても良い。
一方、F2902の処理において、調整用役物可動中フラグ223viがオンでない場合には(F2902:No)、F2903~F2906の処理をスキップし、F2907の処理に移行する。
F2907の処理では、変動開始フラグ223vdをオフに設定し(F2907)、次いで、コマンド判定処理22(図718のF2203参照)のF2205の処理で抽出した変動パターンを取得する(F2908)。そして、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための変動演出設定処理22を実行し(F2909)、表示用変動パターンコマンドを設定して(F2910)、F2911の処理へ移行する。変動演出設定処理22(F2909)の詳細については図728を参照して後述する。
F2911の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223veがオンかを判別する(F2911)。そして、停止種別選択フラグ223veがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(F2911:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223veがオンであると判別した場合(F2911:Yes)、オンに設定されている停止種別選択フラグ223veをオフに設定し(F2912)、次いで、コマンド判定処理22(図718のS2112参照)のS2208の処理において抽出した停止種別を取得し(F2913)、抽出した停止種別をそのまま設定する(F2914)。その後、表示用停止種別コマンドを設定して(F2915)、本処理を終了する。
次に、図728を参照して、変動表示設定処理22(図727のF2113参照)にて実行される変動演出設定処理22(F2909)の内容について説明する。図728は、変動演出設定処理22(F2909)の内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理22(F2909)は、変動表示設定処理22(図727のF2113参照)にて、特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
変動演出設定処理22(F2909)が実行されると、まず、時短中カウンタ223vqの値が0以上であるか判別する(F3001)。時短中カウンタsqの値が0以上ではない場合(F3001:No)、即ち、表示モードとしてチャンスモードが設定されている場合にはF3002、F3003の処理をスキップし、F3004の処理に移行する。一方、時短中カウンタ223vqの値が0以上である場合(F3001:Yes)、時短中カウンタ223vqの値を1減算し(F3002)、減算後の時短中カウンタ223vqの値を示すための表示用コマンドを設定して(F3003)、F3004の処理に移行する。
F3004の処理では、確変中カウンタ223srの値が0以上であるか判別する(F3004)。確変中カウンタ223srの値が0以上ではない場合(F3004:No)、即ち、確変遊技状態が設定されてない場合には、F3005~F3007の処理をスキップし、F3008の処理に移行する。
一方、F3004の処理において、確変中カウンタ223srの値が0以上である場合には(F3004:Yes)、確変中カウンタ223srの値を1減算し(F3005)、次いで、表示モードとしてスーパーチャンスモードが設定されているか判別する(F3006)。スーパーチャンスモードが設定されている場合には(F3006:Yes)、減算後の確変中カウンタ223srの値を示すための表示用コマンドを設定する。一方、F3006の処理において、スーパーチャンスモードが設定されていない場合には(F3006:No)、F3007の処理をスキップし、F3008の処理へ移行する。
F3008の処理では、制限タイマ223vjの値が0以上であるか判別する(F3008)。制限タイマ223vjの値が0以上である場合(F3008:Yes)、即ち、剣役物Ym3が調整位置から初期位置に戻ってから10秒経過していない場合には、決定可能な演出態様の候補から剣役物Ym3の動作を含む演出態様の排除を決定する(F3009)。一方、制限タイマ223vjの値が0以上ではない場合(F3008:No)、F3009の処理をスキップし、F3010に移行する。
このように、本第22制御例では、剣役物Ym3が可動した後、一定期間(10秒)経過するまでは、剣役物Ym3を可動させる演出態様が選択されない構成としている。このように構成することで、短期間の間に剣役物Ym3に対する可動制御が実行されてしまうことを抑制することができるため、剣役物Ym3が頻繁に可動してしまい、剣役物Ym3が故障してしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、剣役物Ym3が可動可能な状態となるよりも前に次の剣役物Ym3に対する可動制御が実行され、剣役物Ym3の可動期間にズレが発生したり、正常な可動動作が実行されなかったりする事態が発生することを抑制することができる。
F3010の処理では、従状態格納エリア223vhに格納されている遊技状態を読み出し(F3010)、遊技状態が時短遊技状態であるか判別する(F3011)。時短遊技状態である場合には(F3011:Yes)、時短中カウンタ223vqの値が1であるか判別し(F3012)、1である場合には(F3012:Yes)、演出結果がチャンスモード終了となる時短終了示唆演出の演出態様を決定して(F3013)、F3014の処理に移行する。一方、時短中カウンタ223vqの値が1ではないと判別した場合には(F3012:No)、F3013の処理をスキップし、F3014の処理へ移行する。F3014の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し、F3019の処理へ移行する。
F3011の処理において、時短遊技状態ではないと判別した場合には(F3011:No)、確変遊技状態であるか判別する(F3013)。確変状態であると判別した場合には(F3015:Yes)、時短中カウンタ223vqの値が1であるか判別して(F3016)、1である場合には(F3016:Yes)、演出結果がスーパーチャンスモード昇格となる時短終了示唆演出の演出態様を決定し(F3017)、F3014の処理へ移行する。
このように、本第22制御例では、大当たりB(3R確変大当たり)に当選したことに基づいて確変遊技状態が設定された場合には、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されても、所定回数(100回)の特別図柄の変動表示が実行されると、スーパーチャンスモードに昇格する構成としている。このように構成することで、チャンスモードの最終変動においてスーパーチャンスモードに昇格するかもしれないと遊技者に思わせることが可能となり、チャンスモードの残回数が0回となった場合に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
F3015の処理において、確変遊技状態ではないと判別された場合には(F3015:No)、通常遊技状態が設定されているため、通常状態演出態様決定処理22が実行される(F3018)。ここで、図729を参照して、通常状態演出態様決定処理22(F3018)の内容について説明する。図729は、通常状態演出態様決定処理22(F3018)の内容を示したフローチャートである。
通常状態演出態様決定処理22(F3018)が実行されると、まず、変動表示設定処理22(図727のF2113)のF2908の処理において取得した変動パターンに基づいて、変動パターン選択テーブル(図示しない)を参照して、変動演出種別を決定する(F3101)。そして、決定された変動演出態様はシャッター閉鎖リーチであるか判別する(F3102)。シャッター閉鎖リーチが決定された場合には(F3102:Yes)、特別図柄抽選の結果と第1演出カウンタ223vfの値に基づいて、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222ve(図696参照)を参照して、演出態様を決定し(F3103)、F3108の処理へ移行する。
一方、F3102の処理において、シャッター閉鎖リーチではないと判別した場合には(F3102:No)、ムービー実行リーチであるか判別する(F3104)。ムービー実行リーチであると判別した場合には(F3104:Yes)、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を決定し(F3105)、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報を演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納して(F3106)、F3108の処理へ移行する。
F3104の処理において、ムービー実行リーチではないと判別した場合には(F3104:No)、その他、決定された変動演出種別に対応する演出態様を決定し(F3107)、F3108の処理へ移行する。F3108の処理では、変動開始時保留演出実行処理22(F3108)を実行する。なお、変動開始時保留演出実行処理22の内容は、図730を参照して後述する。その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、通常遊技状態において、確変遊技状態及び時短遊技状態よりも多様なリーチ演出を実行可能に構成しているため、確変遊技状態及び時短遊技状態よりも遊技者に不利な通常遊技状態での遊技に遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図730を参照して、変動開始時保留演出実行処理22の内容について説明する。図730は、変動開始時保留演出実行処理22の内容を示したフローチャートである。この変動開始時保留演出実行処理22(F3109)は、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留変化シナリオに基づいて複合保留変化演出を実行するための処理である。
変動開始時保留演出設定処理22(F3109)が実行されると、まず、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留演出情報を読み出し(F3201)、保留変化シナリオ情報があるか判別する(F3202)。保留変化シナリオがない場合には(F3202:No)、複合保留変化演出が設定されていないため、本処理を終了する。一方、保留変化シナリオ情報がある場合には(F3202:Yes)、今回の特別図柄の変動時間は10秒以上であるか判別する(F3203)。変動時間が10秒以上ではない場合には(F3203:No)、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、変動時間が10秒以上である場合のみ保留変化シナリオに対応する複合保留変化演出を実行する構成としている。これは、本第22制御例で実行される保留変化演出では、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2を動作させた演出であることから、保留変化演出が実行され、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2が可動してから格納状態となるまでの期間に特別図柄の変動が終了し、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2が可動状態のまま次の変動が開始されることを防ぐためである。
F3203の処理において、変動時間が10秒以上である場合には(F3203:Yes)、格納されている保留変化シナリオは1,4,7,9のいずれかであるか判別する(F3204)。保留変化シナリオが1,4,7,9のいずれかである場合には(F3204:Yes)、保留変化の対象保留図柄は第3保留図柄hr3(図672参照)であるかを判別し(F3205)、第3保留図柄hr3である場合には(F3205:Yes)、役物動作シナリオ2(図697参照)を決定し(F3206)、F3207の処理へ移行する。一方、保留変化の対象保留図柄が第3保留図柄hr3ではない場合には、本処理を終了する。
なお、保留変化シナリオ1,4,7,9はいずれも、保留変化の対象保留図柄の色に、その1つ前の保留図柄の色を移植するシナリオであるため、保留変化の対象保留図柄の1つ前の保留図柄を左チェンジ役物Ym1によって隠す動作が行われる。なお、保留変化シナリオ2は、保留変化の対象保留をチェンジ役物Ym2で隠すことにより、対象保留の色を可変する特殊なシナリオである。
F3204の処理において、保留変化シナリオは1,2,4,7,9のいずれでもない場合には(F3204:No)、保留変化の対象保留図柄は第2保留図柄hr2(図672参照)であるか判別する(F3210)。第2保留図柄hr2ではない場合には(F3210:No)、本処理を終了する。一方、第2保留図柄hr2であると判別した場合には(F3210:Yes)、後保留設定フラグ223vnがオンであるか判別する(F3211)。後保留設定フラグ223vnがオンである場合(F3211:Yes)、即ち、保留変化の対象保留図柄に対応する保留球を獲得してから次の保留球を獲得していない状態である場合には、後保留設定フラグ223vnをオフに設定し(F3215)、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留変化シナリオをクリアして(F3216)、本処理を終了する。
このように、後保留設定フラグ223vnがオンである場合には、複合保留変化演出を実行しない構成とするのは、保留変化シナリオ1,4,7,9以外の保留変化シナリオがいずれも保留変化の対象保留図柄の後に獲得した保留図柄の色に、保留変化の対象保留図柄の色を移植するシナリオであるためであり、このように構成することで、遊技者に対して不自然な演出が実行されることを抑制することができる。
F3211の処理において、後保留設定フラグ223vnがオンではない場合には(F3211:No)、次に、格納されている保留変化シナリオが5,9のいずれかであるか判別する(F3212)。保留変化シナリオが6,11のいずれかではないと判別した場合には(F3212:No)、役物動作シナリオ1を決定し(F3213)、F3207の処理に移行する。上述したように、保留変化シナリオ3,5,8,10はいずれも保留変化の対象保留図柄の後に獲得した保留図柄の色を、保留変化の対象保留図柄の色に移植するシナリオであるため、右チェンジ役物Ym2によって保留変化の対象保留図柄を隠す動作が行われる。
一方、F3212の処理において、保留変化シナリオ6,11のいずれかであると判別した場合には(F3214:Yes)、役物動作シナリオ3(図697参照)を決定し(F3214)、F3207の処理に移行する。なお、保留変化シナリオ6,11はいずれも、保留変化の対象保留図柄の前後の保留図柄の色を対象保留図柄に移植するシナリオであるため、役物動作シナリオ3では第1保留図柄hr1を左チェンジ役物Ym1で隠し、第3保留図柄hr3を右チェンジ役物Ym2で隠す動作を行う。
F3207の処理では、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留変化シナリオに対応する演出態様を決定し(F3207)、決定した演出態様を示す表示用パターンコマンドを設定する(F3208)。そして、決定した役物動作シナリオを示す役物動作用コマンドを設定し(F3209)、保留演出制限中フラグ223vmをオフに設定して(F3217)、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、予め設定されている保留変化シナリオに基づいて、その変動において保留変化シナリオに対応する保留変化演出の実行可否を判別し、実行可能であれば保留変化演出を実行する構成としている。このように構成することで、保留変化演出の実行中に特別図柄の変動が終了することによって生じる不具合や、遊技者に対して不自然な演出が実行されることを抑制することができる。
次に、図731を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理22(F2107)について説明する。図731は、この枠ボタン入力監視・演出処理22(F2107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理22(F2107)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図717参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22Aの操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理22(図731,F2107)では、まず、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作があったか判別する(F3301)。操作があった場合には(F3301:Yes)、調整期間中フラグ223vxがオンであるか判別し(F3302)、オンでない場合には(F3302:No)、環境情報調整画面の表示を決定し(F3303)、調整期間中フラグ223vxをオンに設定して(F3304)、経過タイマ223vyに10秒に対応する値をセットする(F3305)。
その後、待機期間中であるか判別し(F3306)、待機期間中であると判別した場合には(F3306:Yes)、調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置(図678(b)参照)へと可変させるための動作シナリオを設定し(F3307)、調整用役物可動中フラグ223viをオンに設定する(F3308)。そして、調整用役物可動中であることを示すための態様(図678の表示領域HR3の表示)を決定し(F3309)、F3310の処理へ移行する。
一方、F3306の処理において、待機期間中ではないと判別した場合には(F3306:No)、即ち、特別図柄の変動表示中、或いは、大当たり遊技中であるため、F3307~F3309の処理をスキップし、F3310の処理へ移行する。このように、本第22制御例では、待機期間以外の期間に選択ボタン600が操作された場合には、調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に可変させない構成とすることで、変動演出に調整用役物(剣役物Ym3)が重なって遊技者が変動演出を視認できないという不具合が生起しない構成としている。
なお、本第22制御例では、待機期間以外の期間で選択ボタン600が操作された場合には、調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に可変させない構成としたが、これに限るものではなく、例えば、調整用役物Ym3を環境調整位置に可変させ、特別図柄の変動演出を調整用役物(剣役物Ym3)と重ならない位置に縮小表示させる構成としても良い。
F3302の処理において、調整期間中フラグ223vxがオンである場合には(F3302:Yes)、既に環境情報調整画面の表示がされている状態であるため、環境情報格納エリア223vkに格納されている環境情報をボタン操作内容に対応させて更新し(F3311)、更新後の環境情報に対応する態様を決定する(F3312)。そして、経過タイマ223vyに10秒に対応する値を再セットし(F3313)、F3310の処理へ移行する。
F3301の処理において、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作がなかった場合には(F3301:No)、決定ボタン600aの操作があったか判別する(F3314)。決定ボタン600aの操作があった場合には(F3314:Yes)、決定ボタン操作処理22(F3315)を実行し、F3310の処理へ移行する。なお、決定ボタン操作処理22の内容は、図732を参照して後述する。
一方、F3314の処理において、決定ボタンの操作がなかった場合には(F3314:No)、演出ボタン操作処理22を実行し(F3316)、F3310の処理を実行する。F3310の処理では、決定した態様に対応する表示用コマンドを設定し(F3310)、本処理を終了する。なお、演出ボタン操作処理22の内容は、図733を参照して後述する。
次に、図732を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)にて実行される決定ボタン操作処理22(F3315)の内容について説明する。図732は、決定ボタン操作処理22の内容を示したフローチャートである。
決定ボタン操作処理22(F3315)が実行されると、まず、調整期間中フラグ223vxがオンであるか判別する(F3351)。調整期間中フラグ223vxがオンでないと判別した場合には(F3351:No)、本処理を終了する。一方、調整期間中フラグ223vxがオンである場合には(F3351:Yes)、経過タイマの値を1にセットし(F3352)、調整用役物可動中フラグ223viがオンであるか判別する(F3353)。調整用役物可動中フラグ223viがオンでない場合には(F3353:No)、本処理を終了する。
一方、調整用役物可動中フラグ223viがオンである場合には(F3352:Yes)、調整用役物(剣役物Ym3)が環境調整位置にある状態であるため、調整用役物(剣役物Ym3)を初期位置へと可変させるための動作シナリオを設定し(F3354)、環境調整の終了を示す表示態様(図679(a)の環境調整終了表示cm1)を決定する(F3355)。そして、調整用役物可動中フラグ223viをオフに設定し(F3356)、制限タイマ223vjに10秒に対応する値をセットして(F3357)、本処理を終了する。
なお、調整用役物(剣役物Ym3)が環境調整位置にある場合に、特別図柄の変動表示が開始された場合には、調整用役物Ym3に付随するLEDを全消灯させる処理(図727のF2904参照)を実行したが、決定ボタンが操作されたことに対応して調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置へと可変させる場合には、まだ特別図柄の変動演出が実行されていない状態であり、遊技者に対して調整用役物(剣役物Ym3)の動作が変動演出の一部であると誤解させる虞がないため、調整用役物(剣役物Ym3)に付随するLEDを全消灯させずに初期位置へと可変させる。
また、決定ボタン操作処理22において、経過タイマ223vyの値を1に設定することで、次の演出更新処理22(図734のF2111参照)が実行された時に経過タイマ223vyの値を0にすることができるため、調整期間中フラグ223vxをオフに設定する処理を統一することができる。
次に、図733を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)にて実行される演出ボタン操作処理22(F3319)の内容について説明する。図733は、演出ボタン操作処理22(F3319)の内容を示したフローチャートである。
演出ボタン操作処理22(F3319)が実行されると、まず、演出ボタン22の操作があったか判別する(F3401)。演出ボタン22の操作がなかった場合には(F3401:No)、本処理を終了する。一方、演出ボタン22の操作があった場合には(F3401:Yes)、演出用SW有効期間中であるか判別する(F3402。)演出用SW有効期間は、演出用SW有効時間記憶エリア223vpに記憶されている情報に基づいて設定される。演出用SW有効期間中であると判別した場合には(F342:Yes)、ムービー再生態様を決定し(F3403)、ムービー中フラグ223vvをオンに設定する(F3404)。その後、その他演出ボタン押下に対応する演出態様を決定し(F3405)、本処理を終了する。
F3402の処理において、演出用SW有効期間中ではないと判別した場合には(F3402:No)、F3405の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図734を参照して、演出更新処理22(F2111)の内容について説明する。図734は、演出更新処理22(F2111)の内容を示したフローチャートである。演出更新処理22(F2111)が実行されると、まず、経過タイマ223vyの値が0以上であるか判別する(F3501)。
経過タイマ223vyの値が0以上である場合には(F3501:Yes)、経過タイマ223vyの値を更新し(F3502)、更新した経過タイマ223vyの値が0であるか判別する(F3503)。経過タイマ223vyの値が0でない場合には(F3503:No)、F3510の処理へ移行する。
一方、経過タイマ223vyの値が0である場合には(F3503:Yes)、環境調整終了を示す表示態様(図679の環境調整終了表示cm1)を設定し(F3504)、調整期間中フラグ223vxをオフに設定する(F3505)。そして、調整用役物可動中フラグ223viがオンであるか判別する(F3506)。調整用役物可動中フラグ223viがオンでない場合には(F3506:No)、F3510の処理に移行する。調整用役物可動中フラグ223viがオンである場合には(F3506:Yes)、調整用役物(剣役物Ym3)を初期位置へと可動させるための動作シナリオを設定し(F3507)、調整用役物可動中フラグ223viをオフに設定して(F3508)、制限タイマ223vjに10秒に対応する値をセットし(F3509)、F3510の処理に移行する。
F3501の処理において、経過タイマ223vyの値が0以上でない場合(F3501:No)、即ち、環境情報調整画面が表示されていない状態である場合には、F3502~F3509の処理をスキップし、F3510の処理へ移行する。
F3510の処理では、制限タイマ223vjの値が0以上であるか判別し(F3510)、制限タイマ223vjの値が0以上である場合には(F3511:Yes)、制限タイマ223vjの値を更新し(F3511)、F3512の処理に移行する。一方、F3510の処理において、制限タイマ223vjの値が0以上ではない場合(F3510)、即ち、制限タイマ223vjに値が設定されていない状態である場合には、F3512の処理に移行する。
F3512の処理では、ムービー実行リーチにおいてムービーの実行が終了したか判別する(F3512)。ムービーの実行が終了していない場合には(F3512:No)、F3517の処理に移行する。一方、ムービーの実行が終了した場合には(F3512:Yes)、ムービー中フラグ223vvがオンであるか判別する(F3513)。ムービー中フラグ223vvがオンでない場合には(F3513:No)、ムービー実行リーチが実行されていない場合であるので、F3514~F3516の処理をスキップし、F3517の処理に移行する。
F3513の処理において、ムービー中フラグ223vvがオンである場合には(F3513:Ye数)、揺れ表示態様(図684(b)に示す、第3図柄が揺れている表示態様)を設定し(F3514)、揺れ待機フラグ223vwをオンに設定し(F3515)、ムービー中フラグ223vvをオフに設定して(F3516)、F3517の処理に移行する。
F3517の処理では、その他各種カウンタ、及び各種タイマの更新処理を実行し(F3517)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第22制御例におけるパチンコ機10では、獲得した保留球に対応する保留図柄の表示態様を可変する演出(保留変化演出)が実行される場合に、変化対象以外の保留図柄を装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)によって隠す構成とした。このように構成することで、遊技者に変化対象である保留図柄がどれであるかを明確にすることできる。
また、装飾用可動役物(装飾用可動役物Ym1,Ym2)が変化対象以外の保留図柄を隠す動作を行う場合に、段階的に変化対象以外の保留図柄を隠す動作を行う構成としている。このように構成することで、保留変化演出の開始から保留変化演出が終了するまでの期間で、遊技者に対してどの保留図柄が変化対象となるのかを予測する楽しみを提供することができる。
なお、本第22制御例では、装飾用可動役物によって変化対象以外の保留図柄を隠す構成としたが、これに限るものではなく、第3図柄表示装置81において変化対象以外の保留図柄が表示されている表示領域を視認できなくするための遮断態様(例えば、シャッターを模した表示態様等)を表示する構成としても良い。或いは、第3図柄を利用して、変化対象以外の保留図柄を隠す構成としても良い。
<第22制御例の変形例>
次に、図797を参照して、上述した第2制御例の変形例について説明する。上述した第22制御例では、パチンコ機10の光量調整機能を有し、待機期間中に実行される光量調整に際して、特別図柄の変動演出で使用される装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に可変させて、装飾用可動役物(剣役物Ym3)に付随するLEDによって光量調整が可能な構成であった。これに対して、第22制御例の変形例では、剣役物Ym3の代わりに大剣役物Ym4を用いて光量調整を行う点で相違している。
ここで、近年、第3図柄表意装置81の表示領域の大部分を隠す大きさの装飾用可動役物を搭載したパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10において、待機期間中に実行されるデモ演出に合わせて装飾用可動役物を可動させるものがある。このように構成することで、装飾用可動役物をデモ演出において可動させることで、遊技者に対して遊技中に実行される変動演出のイメージを抱き易くし、この装飾用可動役物を用いた変動演出を見てみたいと思わせることにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができるものであった。
しかしながら、かかるパチンコ機10では、デモ演出の実行中に光量調整を行おうとした場合に、装飾用可動役物が動作シナリオに沿って可動するため、液晶ディスプレイに表示される光量調整用のインジケータが視認し難くなり、光量調整の妨げとなってしまうという問題があった。このような問題に対して、本第22制御例の変形例について、図797を参照して説明する。
図797(a)は、デモ演出中に装飾用可動役物(大剣役物Ym4)が可動した状態のパチンコ機10の一例である。図797(a)に示すように、大剣役物Ym4が可動状態となると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの大部分が視認困難となる。遊技者が選択ボタン600を操作していない状態では、この大剣役物Ym4が設定された動作シナリオに沿って動作を行う。この動作シナリオは、第22制御例の客待ち演出処理において設定される(図717,F2105参照)。
一方、遊技者が選択ボタン600を操作すると、操作した時の大剣役物Ym4の動作パターンと大剣役物Ym4の位置に対応した光量調整が実行される構成としている。より具体的には、第22制御例の枠ボタン入力監視・演出処理22(図731,F2107参照)のF3306の処理において、待機期間中であると判別された場合に(F3306:Yes)、大剣役物Ym4の位置が初期位置(第3図柄表示装置81と重ならない格納状態の位置)であるかを判別する。初期位置である場合には、大剣役物Ym4を環境調整位置a(図751(a)に示す位置)に可変させずに、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに光量ゲージ大ga3(図679(b)参照)を表示させる処理を行う。
一方、初期位置ではない場合には、大剣役物Ym4が環境調整位置aであるか判別する。大剣役物Ym4が環境調整位置aである場合には、大剣役物Ym4を環境調整位置で停止させた状態とし、大剣役物Ym4に付随するLEDを用いた光量調整を行うための処理を行う。
本第22制御例の変形例では、大剣役物Ym4が環境調整位置aではない場合には、大剣役物Ym4が動作中であることから、大剣役物Ym4を初期位置、又は、環境調整位置aに可変させるまでの間、光量調整の開始を待機(遅延)させるため、遊技者に待機(遅延)中であることを報知するための報知態様(例えば、大剣役物Ym4と重なっていない第3図柄表示装置81の表示領域に「光量調整準備中」という文字を表示)を表示させるための処理を行う。
次に、大剣役物Ym4の動作パターンが初期位置から環境調整位置aに可変する動作パターン(動作パターンA)であるかを判別する。動作パターンAである場合には、大剣役物Ym4を環境調整位置aにて停止させ、設定されている動作シナリオを破棄(又は、中断)する処理を行い、遊技者に待機(遅延)中であることを報知するための報知態様を非表示とする処理を行う。一方、大剣役物Ym4の動作パターンが動作パターンAではない場合、即ち、環境調整位置aから初期位置へ可変する動作パターン(動作パターンB)である場合には、大剣役物Ym4が初期位置にて停止させ、主表示領域Dmに光量ゲージga3を表示させる処理を行い、遊技者に待機(遅延)中であることを報知するための報知態様を非表示とする処理を行う。
このように構成することで、動作シナリオに沿った動作パターンで動作している大剣役物Ym4に対して、異なる動作パターンを設定し直す処理を省くことができる。
なお、大剣役物Ym4の動作中の位置に応じて初期位置に可変させるか、環境調整位置aに可変させるかを決定する構成としても良い。例えば、動作パターンAが設定されている場合であっても、現在の大剣役物Ym4の位置が環境調整位置aよりも初期位置に近い場合には、初期位置に可変させることで、光量調整開始を待機させる期間を短縮することができる。
図797(b)は、光量調整中に特別図柄の変動が開始された場合の表示画面の一例である。上述した本第22制御例では、装飾用可動役物が環境調整位置にある状態で特別図柄の変動が開始された場合には、装飾用可動役物を環境調整位置から初期位置へと可変させる構成であった。これに対して、第22制御例の変形例では、図797(b)に示すように、光量調整が終了するまでの期間は、大剣役物Ym4を環境調整位置b(図797(b)の位置)に可変させ、特別図柄の変動を主表示領域Dmの正面視左側の表示領域HR7で縮小表示する構成としている。そして、遊技者が決定ボタン600aを操作し、光量調整が終了した場合に大剣役物Ym4を格納状態(第3図柄表示装置81の液晶ディスプレイに重ならない位置)に可変させる。
なお、大剣役物Ym4が環境調整位置bにある場合(即ち、特別図柄の変動中に光量調整が実行されている場合)で、例えば、特別図柄の変動演出の態様として大当たり当選期待度の高い大剣役物Ym4を使用する変動演出態様が選択された場合、或いは、大当たり当選期待度の高いリーチ演出(スペシャルリーチ等)が実行される変動パターンが選択された場合には、光量調整が終了する前(即ち、遊技者の決定ボタン600aの操作によらず)に大剣役物Ym4を格納状態に可変させ、特別図柄の変動演出が表示される表示領域HR7を拡大表示させる構成としても良い。このように構成することで、遊技者が大当たり当選期待度の高い演出を見逃すことを抑制することができる。また、光量調整中の大剣役物Ym4の動作にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図798、図799を参照して、本第22制御例にて実行するシャッター閉鎖リーチ演出の変形例について説明する。上述したシャッター閉鎖リーチ演出(図681~図683参照)では、シャッターが閉鎖することで次の段階に進み、最終段階に到達した場合、或いは、途中の段階で入手したアイテムによってシャッターが完全開放された場合に、大当たり当選であることが報知される構成であった。これに対して、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、最終段階に到達した場合に大当たり当選であることが報知されるとは限らず、どの段階においても大当たり当選であることが報知され得る構成としている点で大きく相違している。また、シャッターの色によってリーチ状態における変動中の中図柄が停止する時の図柄種別を示唆し、シャッターが閉鎖する回数で最終的に停止表示される第3図柄種別を示唆する構成としている。より具体的には、図798、図799を参照して説明する。
図798(a)は、リーチ状態となった場合に、シャッター閉鎖リーチ演出変形例の発展煽りが発生した場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmの中央には、3つの図柄列の内、2つの図柄列に第3図柄が「11」で停止表示されている状態で残り1つの図柄列では第3図柄(最終停止図柄)が変動表示されているリーチ状態が表示され、主表示領域Dmの中央上側には、リーチ状態であることを遊技者に報知するための案内態様が表示される表示領域HR4が形成される。このように構成することで、リーチ状態であることを遊技者に分かり易くすることができる。
また、主表示領域Dmの左右端には、シャッターSt3,St4がガタガタと振動した態様で表示され、副表示領域Dsには、遊技者に演出に関連する遊技情報を報知するための報知態様である「シャッターが閉まればシャッター閉鎖リーチに発展」という文字が表示される。このように構成することで、主表示領域Dmに表示されているシャッターSt3,St4が閉鎖すると上位のリーチ演出(シャッター閉鎖リーチ演出)に発展することを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、図798(a)に示す例では、主表示領域Dmの中央部の2つの図柄列に第3図柄が「11」で停止表示されているが、本第22制御例では、「1」~「8」の数字の中から特別図柄の抽選結果に基づいて数字を設定する構成としている。
図798(b)は、シャッター閉鎖リーチ演出へと発展した場合の表示画面の一例である。図798(b)に示すように、主表示領域Dmでは、シャッターSt3,St4が第1表示態様であることを示すための「青」という文字St3a,St4aが表示されたシャッターSt3,St4が閉鎖する演出が実行され、副表示領域Dsには、遊技者に演出に関連する遊技情報を報知するための報知態様である「シャッター閉鎖リーチ開始、偶数図柄がチャンス」という文字が表示される。
ここで、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、シャッターSt3,St4の表示態様として、「青」という文字が表示された第1表示態様と、「赤」という文字が表示された第2表示態様のいずれかを設定する構成としている。第1表示態様が表示された場合には最終停止図柄が偶数の数字図柄で停止することを示唆し、第2表示態様が表示された場合には最終停止図柄が奇数の数字図柄で停止することを示唆する。図798(b)に示す例では、シャッターSt3,St4に「青」という文字St3a,St4aが表示されている(即ち、第1表示態様である)ため、副表示領域Dsには「偶数図柄がチャンス」という報知態様が表示される。一方、シャッターSt3,St4に「赤」という文字が表示されている場合(即ち、第2表示態様である場合)、副表示領域Dsには「奇数図柄がチャンス」という報知態様が表示される。
また、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、シャッターが完全開放された時点で最終停止図柄が停止表示される構成としており、シャッターSt3,St4が第1表示態様で表示されている場合には、最終停止図柄として「2,4,6,8」のいずれかの数字が停止表示され、第2表示態様で表示されている場合には、最終停止図柄として「1,3,7,9」のいずれかの数字が停止表示される。
なお、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、シャッターSt3,St4の表示態様を2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上としても良い。例えば、「虹」という文字が表示されたシャッターSt3,St4の第3表示態様を設定可能に構成しても良く、第3表示態様が表示された場合は、偶数回、奇数回何れの回でシャッターSt3,St4が完全開放しても大当たり当選であることが報知される。
また、シャッターSt3,St4の表示態様として、「青」(または、「赤」)という文字St3a,St4aを表示せずに、シャッターSt3,St4の色を青色(または、赤色)にすることで遊技者がどの表示態様であるか識別可能な構成としても良い。
一方、シャッター閉鎖リーチ演出変形例の発展煽り(図799(a)参照)が失敗した場合には、外れ当選であることを示す組み合わせとなる最終停止図柄が停止表示され、シャッター閉鎖リーチ演出への発展が失敗したことを示すための報知態様(例えば、「失敗」の文字)が表示される。
図799(a)は、図798(b)の状態から、シャッター閉鎖リーチ演出変形例における分岐演出が実行されている場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmでは、シャッターSt3,St4が閉鎖した状態(図798(b)参照)から、シャッターSt3,St4が半開の状態となり、ガタガタと振動することによって再度閉鎖するか否かを煽る演出が実行される。
また、主表示領域Dmの中央部には、3つの図柄列の内、2つの図柄列に第3図柄が「22」で停止表示されている状態で残り1つの図柄列では第3図柄(最終停止図柄)が変動表示されているリーチ状態が表示される。
また、主表示領域Dmの中央上側には、現在到達している段階と、最終段階を示すための案内態様が表示される表示領域HR4には、「シャッターが閉鎖すれば継続2/6」と表示される。このように構成することで、現在がシャッター閉鎖リーチ演出の2段階目であり、今回のシャッター閉鎖リーチ演出が最大で6段階目まであることを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、シャッター閉鎖リーチ演出変形例では、最終段階が6段階目のパターンと、最終段階が5段階目のパターンの内のいずれかを設定可能に構成している。
ここで、シャッター閉鎖リーチ演出では、シャッターSt3,St4が閉鎖されると、次の段階に進むとともに、主表示領域Dmの中央部に停止表示されている第3図柄の数字に1加算される。図799(a)に示す例では、図798(a)の状態からシャッターSt3,St4が1回閉鎖されたため、図798(a)の主表示領域Dmの中央部で停止表示していた第3図柄「1」に1が加算され、図799(a)に示すように「2」となる。
図799(a)に示す例では、6段階目が最終段階であるため、6段階目到達までにシャッターSt3,St4の閉鎖が5回実行される。従って、最終段階まで到達した場合には、主表示領域Dmの中央部に停止表示されている第3図柄が「66」となる。そして、上述したように、シャッターSt3,St4が第1表示態様で表示されている場合には最終停止図柄が偶数数字であるため、最終段階に到達した場合には大当たり当選であることが報知される可能性が高いことを遊技者に示唆している。
一方、シャッターSt3,St4の表示態様が第2表示態様で表示されている場合には最終停止図柄が奇数数字であるため、最終段階まで到達した場合には大当たり当選であることが報知される可能性が低いことを遊技者に示唆している。従って、この場合は、最終段階に到達する前の奇数段階でシャッターSt3,St4が完全開放された場合に、大当たり当選であることが報知される可能性が高いことを遊技者に示唆している。
図799(b)は、4段階目でシャッターが完全開放された時の表示画面の一例である。図799(b)に示す例では、表示領域HR4に現在の段階が4段階目であることを遊技者に報知するための案内態様として「4/6」という文字が表示され、主表示領域Dmでは、シャッターSt3,St4が閉鎖状態(図798(b)参照)から完全に開放される演出が実行される。そして、主表示領域Dmに表示される第3図柄が大当たり当選であることを報知するための表示態様である「444」で表示され、副表示領域Dsには大当たり当選したことを示すための報知態様である「大当たり」という文字が表示されることで、遊技者に4段階目でシャッターSt3,St4が完全開放される演出が実行され、大当たり当選となったことを分かり易く報知している。
なお、上述したように、特別図柄の抽選結果が大当たり当選ではない場合には、シャッターが完全開放された時に、主表示領域Dmに表示される第3図柄が外れ当選であることを報知するための表示態様(例えば、「454」)で表示され、副表示領域Dsには外れ当選であることを報知するための報知態様(例えば、「残念」の文字)が表示される。
以上説明したように、シャッター閉鎖リーチの変形例では、シャッター閉鎖リーチ演出の開始時に主表示領域Dmの中央部に停止表示される第3図柄の種類という情報と、シャッターSt3,St4の表示態様の種類という情報と、表示領域HR4に表示される最終段階のパターンという情報を段階的に表示することで、遊技者にそれらの情報を組み合わせて停止表示される第3図柄を予測する楽しみを提供することができる。
シャッターSt3,St4の表示態様によって遊技者にとって有利な段階と不利な段階が示唆されており、有利な段階ではシャッターが完全開放することを期待させ、不利な段階ではシャッターが閉鎖することを期待させることで、遊技者に対して最後まで飽きること無くリーチ変動演出を実行させることができる。
なお、図799(a)に示す例では、表示領域HR4にて、現在到達している段階と、最終段階を示すための案内態様が表示される構成としたが、これに限るものではなく、現在のシャッター閉鎖回数に対応する数字と最大で閉鎖され得る回数を表示する構成としても良い。
また、図683を参照して説明したカプセルCp1を獲得する演出を実行する構成としても良い。例えば、図683(b)に示すHOLD券Cp1aが使用された場合には、主表示領域Dmにて現在停止表示されている第3図柄の数字が次の段階に進んでも維持されることになるため、シャッターSt3,St4の表示態様に対応する第3図柄が表示されている場合(例えば、シャッターSt3,St4が第1表示態様である場合に停止表示されている第3図柄が偶数数字である場合)にHOLD券Cp1aが使用されることで大当たり当選である可能性が高くなる。一方で、シャッターSt3,St4の表示態様に対応していない第3図柄が表示されている場合(例えば、シャッターSt3,St4が第1表示態様である場合に停止表示されている第3図柄が奇数数字である場合)にHOLD券Cp1aが使用されると、大当たり当選である可能性が低くなる。このように、HOLD券Cp1aの使用タイミングによっても、遊技者の有利不利を可変させることができるため、更に遊技の興趣を向上させることができる。
なお、例えば、シャッターSt3,St4の表示態様として第2表示態様が設定され(即ち、奇数数字の第3図柄がチャンスとなる場合)、5段階目到達時点で主表示領域Dmに「55」の第3図柄が停止表示されている場合には、シャッターSt3,St4が閉鎖された時点でリーチ状態の第3図柄は「66」で、最終停止図柄が奇数数字となることを遊技者が認識しているため、シャッターSt3,St4が完全開放される前に外れ当選であると分かってしまい、シャッター閉鎖リーチの最後まで遊技者の期待感を持続させることができない虞がある。一方で、シャッターSt3,St4の表示態様は、最終停止図柄の種別(偶数・奇数)を示唆するものであるため、シャッターSt3,St4が第2表示態様である場合に最終停止図柄として偶数数字の第3図柄を停止表示させると、シャッターSt3,St4の表示態様によって示唆される情報の信憑性が損なわれてしまう。このため、シャッターSt3,St4の表示態様が示す情報と、大当たり当選であることを報知するための表示態様が対応していない場合には、図682(b)に示す「大当たり」という文字が表示された中図柄nz1を最終停止図柄として停止表示することで、遊技者に違和感を与えることなく、意外性のある抽選結果報知を行うことが可能となるため、遊技者にシャッター閉鎖リーチの最後まで遊技者の期待感を持続させることができる。
<第23制御例>
次に、図735から図755を参照して、第23制御例について説明をする。本第23制御例におけるパチンコ機10では、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、実行される変動演出に対する大当たり当選の期待度が異なる演出モードを遊技者が任意に選択可能(演出カスタム可能)に構成している点と、実行中の特別図柄変動が大当たり当選している期待度を高めるための変動演出として、チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる実行中保留変化演出を実行可能に構成している点と、で相違している。それ以外の内容については同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
従来より、実行される変動演出の各演出態様が示す大当たり当選の期待度を異ならせるための選択操作(演出カスタム操作)を実行可能なパチンコ機10がある。ここで、大当たり当選の期待度とは、対象となる演出態様が設定された変動演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を示すものであって、対象となる演出態様が大当たり当選した場合に実行される変動演出(大当たり変動演出)の演出態様として設定される割合と、外れ当選した場合に実行される変動演出(外れ変動演出)の演出態様として設定される割合と、に基づいて特定されるものであり、大当たり変動演出中に設定される割合が高い程、又は、外れ変動演出中に設定される割合が低い程、大当たり当選の期待度が高い演出態様となるものである。一方で、大当たり変動演出中に設定される割合が低い程、又は、外れ変動演出中に設定される割合が高い程、大当たり当選の期待度が低い演出態様となるものである。
つまり、大当たり変動演出の演出態様として特定演出態様が選択される割合を高める、或いは、外れ変動演出の演出態様として特定演出態様が選択される割合を低くすることによって、特定演出態様に対する大当たり当選期待度が高くなる。よって、大当たり当選期待度が高く設定される演出態様は、大当たり当選していない場合には設定され難くすることが可能となる。一方、大当たり当選期待度が低く設定される演出態様は、大当たり当選している場合には設定され難くすることが可能となる。
本第23制御例では、上述した各制御例と同様に、特別図柄抽選にて大当たり当選する確率よりも、大当たり当選しない確率(外れ当選する確率)の方が高くなるように構成している。よって、大当たり当選の期待度を高く設定する場合よりも、大当たり当選の期待度を低く設定した場合のほうが外れ変動演出として実行され易くなる分、実行頻度を高くすることができる。
このように演出カスタム操作を実行可能に構成することで、特定の演出態様(例えば、チャンス予告)が設定された場合における大当たり当選の期待度を設定されている演出モードによって異ならせることが可能となるため、例えば、大当たり当選の有無に関わらず、特定の演出態様が設定される変動演出を体験したい遊技者は、各演出態様に対する大当たり当選の期待度を下げるように演出カスタム操作を実行することで、様々な演出態様が設定される変動演出の実行頻度を高めることができる。一方で、大当たり当選の有無に注視している遊技者は、特定の演出態様(例えば、チャンス予告)が設定される変動演出の大当たり当選の期待度を高めるように演出カスタム操作を実行することで、大当たり当選している可能性が高いことを実行される演出の内容によって事前に把握することができる。
ここで、従来型のパチンコ機10では、特別図柄変動中において上述した演出カスタム操作を実行した場合には、実行中の特別図柄変動の変動演出が停止表示された後に、実行した演出カスタム操作に対応する演出モードを設定可能とするものが一般的である。つまり、従来型のパチンコ機10では、特別図柄変動の開始タイミングにおいて当該特別図柄変動期間中に実行される変動演出の演出態様を決定し、決定した演出態様に基づいた変動演出を実行するように構成しているため、実行中の変動演出に対して途中で演出態様を切り替えることが出来ず、次の特別図柄変動に対応する変動演出から設定された演出モードに対応した演出態様を設定するものが一般的であった。
この場合、遊技者が演出カスタム操作を実行するタイミングと、演出カスタム操作の実行に基づいて演出モードを切り替えるタイミングとが乖離してしまい、遊技者の所望する変動演出が実行され難くなるという問題があった。
これに対して、本第23制御例では、特別図柄変動が実行されている期間中に演出カスタム操作を実行した場合において、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を、演出カスタム操作に基づいて新たに設定された演出モードに対応させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者が演出カスタム操作を実行するタイミングと、演出カスタム操作の実行に基づいて演出モードを切り替えるタイミングとが乖離してしまうという従来の問題を解決することができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム操作にて選択可能な演出モードの種類を、演出カスタム操作が実行されるタイミングに応じて異ならせるように構成している。具体的には、大当たり変動中に演出カスタム操作が実行された場合に選択可能となる特殊演出モード(プレミアムモード)を搭載している。このように構成することで、演出カスタム操作を実行することによって大当たり当選の有無を遊技者に把握させることが可能となるため、大当たり当選の有無をいち早く把握しようとする遊技者に対して演出カスタム操作を意欲的に行わせることができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム操作によって新たな演出モードを決定する際の決定操作(決定ボタン600aの押下)を実行したことに基づいて、実行中の特別図柄変動が大当たり変動であることを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成している。
つまり、本第23制御例では、演出カスタム操作にて演出モードを選択する操作を実行した場合(右ボタン600c、左ボタン600eを操作した場合)に、大当たり変動中であることを遊技者に報知可能とする第1報知演出と、演出カスタム操作にて演出モードを決定する操作を実行した場合(決定ボタン600aを押下した場合)に、大当たり変動中であることを遊技者に報知可能とする第2報知演出と、を実行可能に構成している。
このように構成することで、第1報知演出が実行された場合には、実行中の特別図柄変動(大当たり当選する特別図柄変動)に対して、演出モードとして特殊演出モード(プレミアムモード)を選択し、通常では見ることの出来ない演出を見るか、敢えて、特殊演出モード(プレミアムモード)を選択せず、通常実行される変動演出を安心しながら見るかを選択させることが可能となり、遊技者の趣向に合った演出を提供し易くすることができる。
また、第2報知演出は、演出カスタム操作の決定操作に基づいて実行されるため、演出モードを切り替えようと決定操作を実行した遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
そして、本第23制御例では、第1報知演出と第2報知演出とを組み合わせて実行可能に構成しているため、特別図柄変動中に演出カスタム操作を実行する遊技者に対して、演出モードの選択操作段階にて大当たり変動であるか否かを報知可能にし、さらに、演出モードの選択操作段階にて大当たり変動であることを示す第1報知演出が実行されなかった場合であっても、演出モードの決定操作段階にて第2報知演出を実行可能としている。
このように構成することで、特別図柄変動中に演出カスタム操作を実行することで、様々なタイミングにて大当たり変動中であることを報知することができるため演出効果を高めることができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム操作によって特定の演出態様が設定された場合における大当たり当選期待度が他の演出モード(通常モード)よりも高くなる演出モード(チャンスアップモード)を決定した場合の方が、他の演出モード(通常モード)を決定した場合よりも第2報知演出が実行され易くなるように構成している。つまり、いち早く大当たり当選の有無を把握(予測)したい遊技者が所望する演出モード種別が決定された場合に、第2報知演出が比較的実行され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者の趣向に合った演出をより実行させ易くすることができる。
次に、本第23制御例では、上述した通り、実行中の変動演出の演出パターン(リーチ態様)が、大当たり当選期待度の高い演出パターンへと進行した場合(発展した場合)に、保留図柄表示を非表示にするように構成している。つまり、第3図柄表示装置81の表示面において実行されている演出が、実行中の特別図柄変動の結果を示すための変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するために、保留図柄表示を非表示とするように構成している。
そして、保留図柄を非表示にする演出態様として、上述した第22制御例において保留変化演出が実行される場合と同様にチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様を設定し、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した直後には、保留図柄の表示態様を変化させるための保留変化演出が実行されたのか、保留図柄を非表示にする演出が実行されたのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。
このように構成することで、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した場合に、演出の対象が何れであるかを予測する楽しみを遊技者に提供することができる。
さらに、本第23制御例では、変動演出として保留図柄を非表示にするためにチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様が設定される際に、保留図柄表示として3色以上の表示態様で保留図柄が表示されている場合であり、且つ、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に、チェンジ役物Ym1,Ym2が全ての保留図柄表示を隠すと共に、実行中の特別図柄変動に対応する実行保留図柄(実行中保留図柄)の表示態様を、大当たり当選を示す表示態様(虹色)へと可変させる演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、単に保留図柄表示を非表示にするための演出(チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出)に対して、実行中の特別図柄変動の抽選結果を報知する機能を持たせることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
<第23制御例における演出内容について>
ここで、図735から図740を参照して、本第23制御例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第23制御例におけるパチンコ機10では、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、実行される変動演出に対する大当たり当選期待度を異ならせることが可能な演出モード選択機能(演出カスタム機能)を有しており、演出モードを選択するための演出カスタム操作に基づいた演出を実行可能に構成している点と、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出として、保留図柄表示を非表示にする演出を実行可能に構成している点と、で相違している。
まず、図735から図738を参照して、演出カスタム操作に基づいて実行される演出内容について説明をする。詳細な説明は、図737を参照して後述するが、本第23制御例では、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードとして、4種類の演出モード(ノーマルモード、チャンスアップモード、確変告知モード、プレミアムモード)を選択可能に構成しており、特別図柄変動が実行されていない状態、或いは、特別図柄変動が実行されている状態において演出モードを選択するための演出カスタム操作を実行可能に構成している。
図735(a)は、遊技状態として通常状態が設定されており、且つ、演出モードとしてノーマルモードが設定されている状態であって、特別図柄変動に対応する変動演出の後半期間中(リーチ成立後)に演出カスタム操作によってチャンスアップモードを決定した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図735(a)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、上述した第22制御例と同様に、遊技者が有利となる遊技方法を案内するための遊技方法案内態様として、第3図柄表示装置81の表示画面の左上側に形成される小表示領域Dm4に「左打ち」の文字が表示されており、通常状態中は左打ち遊技、即ち、可変表示ユニット80(図620参照)の左側に形成された遊技領域(左側領域)に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法であることを遊技者に報知している。
詳細な説明は省略するが、本第23制御例では設定される遊技状態や大当たり遊技の有無に関わらず、遊技方法案内態様が表示される小表示領域Dm4は常に表示画面の同一位置(左上位置)に形成されるように構成している。このように構成することで、パチンコ機10の遊技に不慣れな遊技者に対して、常に同じ位置で遊技方法の案内を表示することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第23制御例では、上述した第22制御例と同様に、遊技者が有利となる遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を示すための遊技方法案内態様(左打ち、右打ち)を常に小表示領域Dm4に表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技が実行されることを通常遊技とし、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様が表示されていない状態を通常遊技(左打ち遊技)が遊技者に有利となる遊技状態とし、通常遊技とは異なる遊技方法(右打ち遊技)が遊技者に有利となった場合に、小表示領域Dm4にて「右打ち」の文字を表示するように構成しても良い。このように構成することで、通常遊技(左打ち遊技)が遊技者に有利となる遊技状態では、遊技方法案内態様(左打ち)を表示する必要が無くなるため、第3図柄表示装置81の表示面の表示領域を他の用途(例えば、変動演出)に用いることができる。
また、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様を常時表示させるのでは無く、遊技者に有利となる遊技方法を遊技者が把握したい場合にのみ小表示領域Dm4に遊技方法案内態様を表示するように構成しても良く、例えば、操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作(長押し)を実行した場合に、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、パチンコ機10の遊技に不慣れな遊技者に対しては、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様が表示させることで分かり易く遊技を行わせると共に、熟練の遊技者に対しては、遊技方法案内態様が表示され得る表示領域も利用した迫力のある演出(小表示領域Dm4が形成されている場合よりも実行領域が大きい演出)を実行させることで演出効果を高めることができる。なお、この場合、操作手段への操作に基づいて、小表示領域Dm4の表示、非表示を切り替えるのでは無く、小表示領域Dm4の大きさを可変させるように構成しても良い。
図735(a)に示した通り、小表示領域Dm4の下方には、小表示領域Dm15が形成され、現在設定されている演出モードを示すための設定中モード表示態様として「ノーマルモード設定中」の文字が表示されている。図735(a)は、演出モードとしてノーマルモードが設定されている状態における表示画面を示しているため、小表示領域Dm15には、ノーマルモードが設定されていることを示す「ノーマルモード設定中」の文字が表示されている。なお、チャンスアップモードが設定されている場合には、小表示領域Dm15に「チャンスアップモード設定中」の文字が、確変告知モードが設定されている場合には、小表示領域Dm15に「確変告知モード設定中」の文字が、プレミアムモードが設定されている場合には、小表示領域Dm15に「プレミアムモード設定中」の文字が表示される。このように構成することで、現在設定されている演出モードを遊技者が一目で把握することができる。
主表示領域Dmの右下側には、演出カスタム操作に関連する各種態様が表示されている。本第23制御例では、光量調整操作や音量調整操作を実行していない状態で中ボタン600aを押下することで、演出モードを選択操作可能な演出カスタム状態が設定され、演出カスタム状態中に右ボタン600c、或いは、左ボタン600eを押下することで、演出モードを選択可能に構成している。そして、所望する演出モードを選択した状態で中ボタン600aを操作(押下)することで、選択している演出モードを設定可能に構成している。
演出カスタム状態が設定されると、図735(a)に示した通り、表示領域HR6が形成され選択中の演出モードが表示される。そして、表示領域HR6の上側には、小表示領域Dm16が形成され、演出カスタム状態中における操作方法、即ち、演出モードを選択するための操作方法を示すための案内態様として「左右ボタン+中ボタンでモードを切り替えるよ」の文字が表示される。
なお、詳細な図示は省略するが、演出カスタム状態が設定されるまでの間、即ち、演出モードを選択するために中ボタン600aを押下するまでの間は、小表示領域Dm15の下側に、演出カスタム状態を設定するための操作方法を遊技者に案内するための案内態様として「中ボタンを押下すると、演出モード選択画面が表示されるよ」の文字が表示されるように構成している。つまり、現在設定されている演出モードを示すための小表示領域Dm15の近傍に、演出モードを変更するための操作方法が表示されるように構成している。このように構成することで、現在設定されている演出モードを把握した遊技者に対して、演出モードを変更可能な機能を有している点と、演出モードを変更させるための操作方法とを分かり易く報知することができる。
演出カスタム状態が設定されると、表示領域HR6には現在設定されている演出モードを示すための表示態様が表示される。そして、表示領域HR6の左方には左矢印LYが表示され、表示領域HR6の右方には右矢印RYが表示される。この左矢印LY、及び右矢印RYは、表示領域HR6に表示されている演出モードを他の演出モードへと切り替えるための切替操作を案内するための表示態様であり、遊技者が右ボタン600cを操作した場合に、右矢印RYが発光表示され、左ボタン600eを操作した場合に、左矢印LYが発光表示される。
右ボタン600c、或いは、左ボタン600eを操作することで、現在設定されている演出モードとは異なる演出モードが表示領域HR6に表示されるように構成している。図735(a)に示した通り、本第23制御例では、表示領域HR6には1つの演出モードしか表示されないように構成しており、次に、右ボタン600cを操作した場合に、何れの演出モードを示す表示態様が表示領域HR6に表示されるのかを遊技者に把握させないように構成している。
ここで、本第23制御例におけるパチンコ機10では、大当たり変動中に演出モードを変更するための演出カスタム操作が実行された場合において、特殊演出モード(プレミアムモード)を選択可能に構成している。よって、今回の演出カスタム操作において選択され得る演出モードの種類が遊技者に容易に把握されないようにするために、演出モードの選択操作を実行するまでは表示領域HR6に次の演出モードを表示しないように構成している。このように構成することで、特殊演出モード(プレミアムモード)を選択可能な状態であるか否かを把握するために遊技者に対して意欲的に演出モードの選択操作を実行させることができる。
なお、演出カスタム状態が設定されている状態における表示領域HR6の表示内容はこれに限ること無く、例えば、現在選択している演出モードを示す表示態様に加え、左ボタン600eを操作した場合に選択される演出モードを示す表示態様の少なくとも一部と、右ボタン600cを操作した場合に選択される演出モードを示す表示態様の少なくとも一部と、が表示領域HR6に表示されるように構成しても良い。
このように構成することで、任意の演出モードを選択しようとする遊技者に対して、効率良く演出カスタム操作を実行させることができる。
そして、演出カスタム操作によって、所望する演出モードを示すための表示態様が表示領域HR6に表示された状態で再度中ボタン600aを押下することで、演出モードの切り替え操作が完了する。
図735(a)は、演出カスタム操作によって異なる演出モードが決定された時点において即座に演出モードを切り替えることができないことを示すための表示画面を示しており、予備表示領域HR6aには、演出モードの切り替え操作を正常に受け付けた状態であって、演出モードが切り替わっていないことを示すための待機態様として「スタンバイ中」の文字が表示されている。
この待機態様「スタンバイ中」を表示することにより、遊技者に対して演出モードの切り替え操作が正常に行われたことを報知することができるため、演出モードの切り替え操作を実行したにも関わらず、小表示領域Dm15に表示される演出モードが切り替わらない状況に対して、パチンコ機10が故障しているのではと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図735(a)では、表示領域HR6の近傍に予備表示領域HR6aを形成することで、表示領域HR6の表示内容を把握しながら演出モードの切り替え操作を実行した遊技者に対して、「スタンバイ中」であることを把握させ易くするように構成しているが、予備表示領域HR6aの形成位置を、小表示領域Dm15の近傍、或いは、小表示領域Dm15と表示位置を重複させるように形成しても良い。このように構成することで、演出モードの切り替え操作を実行したことに基づいて、演出モードが切り替わったか否かを把握するために小表示領域Dm15の表示内容を確認しようとする遊技者に対して、「スタンバイ中」であることを把握させ易くすることができる。
一方で、演出モードの切り替え操作を実行したタイミングにおいて、即座に演出モードを切り替え可能な場合には、図735(b)に示した表示画面が表示される。図735(b)は、遊技状態として通常状態が設定されており、且つ、演出モードとしてノーマルモードが設定されている状態であって、特別図柄変動に対応する変動演出の前半期間中(リーチ成立前)に演出カスタム操作によってチャンスアップモードを決定した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図735(b)に示した通り、演出モード切り替え操作を実行したことに基づいて、即座に演出モードが切り替わる場合には、予備表示領域HR6aには、演出モードが切り替わったことを示すための案内態様として「セット完了」の文字が表示され、小表示領域Dm15には、切り替わった演出モードを示す「チャンスアップモード設定中」の文字が表示される。
詳細な説明は後述するが、本第23制御例では、特別図柄変動が実行されている状態で演出カスタム操作を実行した場合に、実行中の変動演出の経過状況に応じて演出モードを切り替えるタイミングを異ならせるように構成している。また、選択した演出モードの種別に応じて演出モードを切り替えるタイミングを異ならせるように構成している。加えて、後に実行される変動演出の内容に応じて演出モードを切り替えるタイミングを異ならせるように構成している。
このように特別図柄変動中に演出カスタム操作を実行した場合において、様々な要因によって演出モードを切り替えるタイミングを異ならせることで、遊技者に対して、演出モードが切り替わるタイミングと、実行中の変動演出の内容とを複合して実行中の変動演出の結果を予測させるという斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図736を参照して、演出カスタム状態における演出モードの選択操作中に表示される表示内容について説明をする。図736(a)は、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための外れ変動中に演出モードを選択する場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図736(a)に示した表示例は、演出モードとして「チャンスアップモード」が設定されている状態であって、演出カスタム操作によって「確変告知モード」を選択している状態から、さらに左ボタン600eを操作して「ノーマルモード」を選択する状態を示した表示例である。従って、図736(a)では、小表示領域Dm15に「チャンスアップモード設定中」の文字が表示されている。そして、左ボタン600eが操作されたことを示す態様で左矢印LYが表示されると共に、表示領域HR6には、選択している演出モードが「確変告知モード」から「ノーマルモード」へと切り替わったことを示す表示態様として、「確変告知モード」を示す表示態様の一部(図では「告知モード」の表示)と、「ノーマルモード」を示す表示態様の一部(図では「ノーマル」の表示)とが表示されている。図736(a)に示した状態は、左ボタン600eを操作したことにより、表示領域HR6に表示されている表示態様が左方向へとスクロール移動している最中の表示態様を示しており、表示領域HR6に「ノーマルモード」が表示されるまでスクロール表示される。
なお、図736(a)では、演出カスタム状態中に、左ボタン600eを操作することで表示領域HR6に表示されている表示態様を左方向へとスクロール移動させている場合の表示例を示しているが、右ボタン600cを操作することで演出モードを選択する場合には、右ボタン600cが操作されたことを示すための表示態様で右矢印RYが表示されると共に、表示領域HR6の表示態様が右方向へとスクロール移動する表示が実行される。
また、本第23制御例では、図735(a)に示した通り、表示領域HR6には選択中の演出モードを示すための表示態様のみが表示されるように構成しており、遊技者が操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作し、表示領域HR6に表示されている表示態様をスクロール移動させない限り、今回の演出カスタム状態において選択可能である全ての演出モードを把握できないように構成している。そして、詳細な説明は、図737を参照して後述するが、本第23制御例では、演出カスタム状態を設定するタイミングに応じて、選択可能な演出モードの種類を異ならせるように構成している。
よって、様々な演出モードでの遊技を所望する遊技者に対して、演出カスタム状態を設定するための操作(中ボタン600aの操作)を、様々なタイミングで実行させ易くすることができる。よって、遊技者を、操作手段を操作させる遊技に積極的に参加させ易くすることができる。
さらに、本第23制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり変動中に演出カスタム状態を設定した場合の一部において、大当たり変動が実行されていない場合には選択することが出来ない(選択し難い)専用の演出モード(プレミアムモード)を選択可能に構成している。このように構成することで、演出モードを選択するための選択操作を実行したことに基づいて、特別図柄抽選の結果を、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に遊技者に報知することが可能となるため、特別図柄抽選の結果をいち早く把握したい遊技者に対して、積極的に演出カスタム状態を設定させることができる。
加えて、本第23制御例では、演出カスタム状態が設定された場合において、選択中の演出モード以外の演出モードを示すための表示態様が表示領域HR6に表示されないように構成している。このように構成することで、演出カスタム状態を設定しただけでは他に設定可能な演出モードを把握することが出来ないため、遊技者に対して演出カスタム状態を設定するための操作(中ボタン600aの操作)を実行させるだけで無く、演出モードを選択するための操作(右ボタン600c、左ボタン600eの操作)を実行させ易くすることができる。よって、遊技者を、操作手段を操作させる遊技に積極的に参加させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、上述した通り、1の演出モードを示すための表示態様のみを表示領域HR6に表示させるように構成しているが、これに限ること無く、選択中の演出モードを示すための表示態様に加え、右ボタン600cを操作した場合に選択される演出モードや、左ボタン600eを操作した場合に選択される演出モードを、遊技者が右ボタン600c、左ボタン600eを操作する前に遊技者が把握できるように表示領域HR6に対応する表示態様の少なくとも一部を表示させるように構成しても良い。このように構成することで、所望する演出モードを遊技者に選択させ易くすることができる。
次に、図736(b)を参照して、「プレミアムモード」を選択可能な状態において演出カスタム操作を実行した場合の演出内容について説明をする。図736(b)は、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示すための大当たり変動中に演出モードを選択する場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第23制御例では、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態である確変状態が設定される大当たり種別である「大当たりA」に当選している大当たり変動中において、演出カスタム操作を実行した場合に、大当たり変動中以外では選択することができない演出モード「プレミアムモード」を選択可能に構成している。
よって、「プレミアムモード」を選択可能な状態で演出カスタム操作(演出カスタム状態中における右ボタン600c、左ボタン600e操作)が実行された場合には、表示領域HR6に「プレミアムモード」に対応する表示態様が表示される。上述した通り、本第23制御例では、表示領域HR6には選択中の演出モードを示すための表示態様しか表示されないため、演出カスタム状態において遊技者が操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作した場合に、初めて、「プレミアムモード」に対応する表示態様が表示領域HR6に表示されることになる。
このように構成することで、単に演出モードを変更することを目的として演出カスタム操作を実行している遊技者に対して、実行中の特別図柄変動の結果を報知することが可能となるため、意外性のある演出を提供することができる。また、実行中の特別図柄変動の変動結果(特別図柄抽選の抽選結果)を、いち早く把握しようとする遊技者に対して、積極的に演出カスタム操作を行わせることができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム状態を設定しただけでは「プレミアムモード」を選択可能な状態であるか否かを遊技者が把握できないように構成しているため、例えば、遊技中に遊技者が誤って中ボタン600aを操作してしまい、意図すること無く演出カスタム状態が設定された場合であっても、演出カスタム状態が設定されたことに基づいて表示される表示態様(表示領域HR6に表示される表示態様)によって、実行中の特別図柄変動の変動結果を遊技者に報知してしまうことを抑制することができる。
なお、図736(b)に示した表示例では、表示領域HR6に表示される演出モードに対応する表示態様として、対応する演出モードを示すための識別情報(演出モードを示すための文字)を異ならせているだけであり、それ以外は同一の表示態様を示しているが、これに限ること無く、遊技者に有利となる演出モード(例えば、「プレミアムモード」)に対応する表示態様を、他の演出モードに対応する表示態様よりも遊技者が注視し易くするために装飾を施した表示態様としても良い。このように構成することで、遊技者にとって有利となる演出モードを選択可能な状態であることを遊技者に視覚的に報知可能となり、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
ここで、図737を参照して、演出カスタム操作によって選択可能となる演出モードの選択範囲について説明をする。図737(a)は、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための外れ変動中に設定される演出モードの選択範囲を模式的に示した図であって、図737(b)は、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示すための大当たり変動中に設定され得る演出モードの選択範囲を模式的に示した図である。
図737(a)に示した通り、外れ変動中は、演出モードとして、「ノーマルモード」、「チャンスアップモード」、「確変告知モード」の3種類を選択可能な通常選択範囲(通常演出モード選択エリア)が設定され、図737(b)に示した通り、大当たり変動中は、演出モードとして、「ノーマルモード」、「チャンスアップモード」、「確変告知モード」、「プレミアムモード」の4種類を選択可能な特殊選択範囲(特殊演出モード選択エリア)が設定され得るように構成している。
詳細な説明は後述するが、本第23制御例のパチンコ機10が有する音声ランプ制御装置113のROM222には、演出カスタム情報テーブル222waが設けられており、この演出カスタム情報テーブル222waには、各演出モードに対応する演出規定情報と、遊技者が演出カスタム操作を実行した場合に選択される演出モードの選択順序を示す情報とが規定されている。図737に示した演出モード選択エリアは、この演出カスタム情報テーブル222waに規定されている演出モードの選択順序を模式的に示したものである。
本第23制御例では、遊技者が中ボタン(決定ボタン)600aを押下し、演出カスタム状態が設定されたタイミングにおける遊技状況(大当たり変動中であるか否か)に基づいて、選択可能な演出モードの種別を決定するように構成しており、遊技者が中ボタン(決定ボタン)600aを押下し、演出カスタム状態が設定されたタイミングが遊技者に最も有利な特典が付与される大当たり(大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドで、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態となる大当たりA)に当選する特別図柄変動中であって、且つ、「プレミアムモード」を選択可能にするか否かを決定するための抽選に当選した場合に、演出モードとして「プレミアムモード」が選択可能となる。
そして、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードが決定されると、その選択範囲内において、演出カスタム情報テーブル222waに規定されている選択順序に従って、演出モードを選択可能になる。よって、特別図柄抽選の結果が外れ当選であることを示すための特別図柄変動期間中に演出カスタム操作として右ボタン600cを操作した場合には、「確変告知モード」、「チャンスアップモード」、「ノーマルモード」の順に演出モードが選択される。そして、「ノーマルモード」が選択されている状態で、さらに、右ボタン600cを操作した場合には、ロータリー式に「確変告知モード」が選択される。このように構成することで、演出カスタム状態において、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eの何れかのみを操作した場合であっても、確実に選択可能な選出モードを全て選択することができるため、演出カスタム状態中に複数の操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作することが煩わしいと感じる遊技者に対しても、演出カスタム操作を確実に実行させることができる。
なお、本第23制御例では、演出カスタム状態が設定されると、現在設定している演出モードを示すための表示態様が表示領域HR6に最初に表示されるように構成している。よって、例えば、「チャンスアップモード」が設定されている外れ変動中に演出カスタム状態を設定した場合には、表示領域HR6には「チャンスアップモード」の表示態様が表示されることになる。そして、右ボタン600c、左ボタン600eの操作内容に応じて、図737(a)に示した順序に従って、演出モードが選択され、選択された演出モードに対応する表示態様が表示領域HR6に表示される。このように構成することで、演出モードを変更するための操作を、表示領域HR6に表示される表示態様に基づいて実行することができるため、遊技者に分かり易く演出カスタム操作を行わせることができる。
また、「プレミアムモード」を選択可能な状態で、演出カスタム操作として左ボタン600eを操作した場合には、「ノーマルモード」、「チャンスアップモード」、「確変告知モード」、「プレミアムモード」の順に演出モードが選択される。そして、「プレミアムモード」が選択されている状態で、さらに、左ボタン600eを操作した場合には、ロータリー式に「ノーマルモード」が選択される。このように構成することで、演出カスタム状態において、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eの何れかのみを操作した場合であっても、確実に選択可能な選出モードを全て選択することができるため、演出カスタム状態中に複数の操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作することが煩わしいと感じる遊技者に対しても、演出カスタム操作を確実に実行させることができる。
なお、本第23制御例では、図737に示した通り、複数の演出モードを予め定められた選択順序に基づいて遊技者に選択させるように構成しているが、これに限ること無く、演出モードを選択するための操作を実行した場合に、選択可能な複数の演出モードの中からランダム(順不同)で1の演出モードを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、現在選択可能な演出モードの種別を遊技者に把握させ難くすることができるため、「プレミアムモード」が選択可能であるか否かを把握させるために遊技者に操作手段をより多く操作させ易くすることができる。
次に、図738を参照して、演出モードの切り替え操作(演出カスタム操作)を実行した場合(決定ボタン600aを操作した場合)に実行される演出内容について説明をする。図738は、演出モードの切り替え操作を実行した際に、大当たり当選を報知する報知演出(第2報知演出)が実行される例を示した図である。
図735(a)を参照して上述した通り、通常であれば、変動演出の後半期間において、演出カスタム操作を実行した場合には、実行中の変動演出が終了するまで(実行中の特別図柄変動が停止表示されるまで)、演出モードが切り替わること無く、予備表示領域HR6aに「スタンバイ中」が表示されるように構成しているが、変動演出の後半期間において実行される演出カスタム操作が所定条件を満たしている場合には、図738に示した通り、変動演出が実行されている最中に演出モードを切り替え可能に構成している。
具体的には、大当たり変動に対応する変動演出の後半期間であって、演出カスタム操作によって切り替え後の演出モードとして「チャンスアップモード」を決定した場合に、所定条件が成立し、変動演出が実行されている最中に演出モードを切り替え可能に構成している。そして、この場合、演出モードが切り替わったことを示すための表示態様として予備表示領域HR6aに「セット完了」が表示されると共に、音声出力装置226に接続されるスピーカー部308から大当たり当選を示すための「おめでとう」の音声Ke1が出力されるように構成している。
このように、特別図柄変動中に実行される演出カスタム操作によって大当たり変動であることを報知可能に構成することで、演出カスタム操作を実行するタイミングに応じて、演出モードを切り替える以外の特典を付与することが可能となるため、遊技者に対して様々なタイミングで演出カスタム操作を実行させることが可能となる。
なお、本第23制御例では、大当たり変動に対応する変動演出の後半期間であって、演出カスタム操作によって切り替え後の演出モードとして「チャンスアップモード」を決定した場合に、遊技者に特典を付与するための所定条件が成立し、「おめでとう」の音声が出力されることで大当たり当選を報知する特典が遊技者に付与されるように構成しているが、大当たり当選を報知する態様は、これに限ること無く、例えば、演出カスタム操作に用いられる操作手段(決定ボタン600a等)に発光手段(LED等)を設け、所定条件が成立した場合に操作手段を特定態様(例えば、虹色)で発光させるように構成しても良い。
さらに、演出カスタム操作が実行されることによって所定条件が成立した場合に付与される特典として大当たり当選を報知する特典以外の特典を付与可能に構成しても良く、例えば、現在設定されている遊技状態を報知する特典を付与したり、異なる大当たり確率を設定可能な設定機能(詳細は、後述する第24制御例参照)を有するパチンコ機10であれば現在設定されている設定値を示唆するための特典を付与したりするように構成しても良い。
このように構成することにより、本第23制御例では、大当たり変動中のみ所定条件が成立し得るものであったが、それ以外の場合であっても所定条件を成立させることが可能となり、様々なタイミングにおいて演出カスタム操作に基づいて特典を付与することが可能となる。
以上、説明をした通り、本第23制御例では、様々な演出モードを遊技者に選択させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第23制御例では、選択した演出モードに応じて、同一の演出態様で演出(予告演出)が実行された場合における当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者が所望する遊技内容に応じた遊技を実行させ易くすることができる。
さらに、本第23制御例では、大当たり変動中において演出モードを切り替えるための操作(演出カスタム操作)を実行した場合に、大当たり変動中以外において演出モードを切り替えるための操作(演出カスタム操作)を実行した場合には選択することができない演出モードを選択可能に構成している。つまり、演出カスタム操作を実行するタイミングが所定条件を満たしている場合には、所定条件を満たしていない場合では選択することが出来ない演出モードを選択可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、様々なタイミングで演出カスタム操作を実行させ易くすることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第23制御例では、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードを異ならせるための所定条件として、大当たり変動中であるか否かに関する情報を用いているが、これに限ること無く、特別図柄変動が実行されている状態と、特別図柄変動が実行されていない状態とで、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードの種別を異ならせても良いし、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、500回)を超えた場合と、超えていない場合とで、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードの種別を異ならせても良いし、設定されている遊技状態に応じて、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードの種別を異ならせても良い。
また、過去に設定していた演出モードの履歴に応じて選択可能な演出モードの種別を異ならせても良い。この場合、例えば、初期状態としては、演出モードA、演出モードB、演出モードCを選択可能に構成し、その状態で演出モードAを選択した場合には、次に選択可能な演出モードとして、演出モードA1、演出モードA2、演出モードA3を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、演出モードを選択した履歴に応じて、選択可能な演出モードを異ならせることができるため、全ての演出モードで遊技を実行したい遊技者に対して、様々な演出モードを設定させることができる。
次に、図739、図740を参照して、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出であって、チェンジ役物Ym1,Ym2を用いて保留図柄表示を非表示にし、実行中保留図柄のみを表示させる実行中保留演出の演出内容について説明をする。図739(a)は、実行中保留演出が開始され、チェンジ役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の表示画面の一部を隠すように可動している状態を示す図であって、図739(b)は、実行中保留演出として、チェンジ役物Ym1,Ym2が保留図柄の表示領域(表示領域HR2)を全て隠すように可動している状態を示す図である。
本第23制御例では、上述した通り、実行中の変動演出の演出パターン(リーチ態様)が、大当たり当選期待度の高い演出パターンへと進行した場合(発展した場合)に、保留図柄表示を非表示にするように構成している。つまり、第3図柄表示装置81の表示面において実行されている演出が、実行中の特別図柄変動の結果を示すための変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するために、保留図柄表示を非表示とするように構成している。
そして、保留図柄を非表示にする演出態様として、上述した第22制御例において保留変化演出が実行される場合と同様にチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様を設定し、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した直後には、保留図柄の表示態様を変化させるための保留変化演出が実行されたのか、保留図柄を非表示にする演出が実行されたのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。
このように構成することで、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した場合に、演出の対象が何れであるかを予測する楽しみを遊技者に提供することができる。
さらに、本第23制御例では、変動演出として保留図柄を非表示にするためにチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様が設定される際に、保留図柄表示として3色以上の表示態様で保留図柄が表示されている場合であり、且つ、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に、チェンジ役物Ym1,Ym2が全ての保留図柄表示を隠すと共に、実行中の特別図柄変動に対応する実行保留図柄(実行中保留図柄)の表示態様を、大当たり当選を示す表示態様(虹色)へと可変させる演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、単に保留図柄表示を非表示にするための演出(チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出)に対して、実行中の特別図柄変動の抽選結果を報知する機能を持たせることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
実行中保留演出が開始されると、チェンジ役物Ym1,Ym2が格納位置から第3図柄表示装置81の表示面の一部を覆う可動位置へと可動する可動動作が実行される。この実行中保留演出は、実行中の変動演出の演出態様が大当たり当選期待度の低い第1演出態様(例えば、ノーマルリーチ態様)から、その第1演出態様よりも大当たり当選期待度の高い第2演出態様(例えば、スーパーリーチ態様)へと切り替わるタイミングに併せて実行されるものである。つまり、実行中保留演出によってチェンジ役物Ym1,Ym2が可動することにより、実行中の変動演出の演出態様が切り替わることを遊技者に分かり易く報知することができる。
実行中保留演出では、チェンジ役物Ym1,Ym2が上述した第22制御例における保留変化演出と同様に、保留図柄が表示されている表示領域HR2の一部を覆うように可動し、図739(a)に示した状態となる。このように構成することで、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動契機が保留変化演出なのか実行中保留演出なのかを遊技者に判別させ難くすることができる。
このチェンジ役物Ym1,Ym2の可動態様は、表示領域HR2に表示されている保留図柄の数や、表示態様に応じて異ならせることができるように構成しており、図739(a)に示した表示例では、表示領域HR2に4つの保留図柄が表示されている状態であって、且つ、第1保留図柄hr1が「黄」、第2保留図柄hr2が「青」、第3保留図柄hr3が「緑」、第4保留図柄hr4が「赤」の表示態様で表示されている状態、即ち、第1保留図柄hr1~第3保留図柄hr3が異なる3色で表示されている状態であり、第4保留図柄hr4のみがチェンジ役物Ym2によって隠されている場合の例を示している。
そして、実行中保留演出が進行すると、図739(b)に示した通り、チェンジ役物Ym1,Ym2が表示領域HR2を全て覆う第2可動位置へと可動する可動動作を実行すると共に、第3図柄表示装置81の表示面に対して、第2可動位置へとチェンジ役物Ym1,Ym2が可動したことに対応する装飾表示(図では黒色の暗転表示)を実行する。そして、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動位置から第2可動位置へと可動したことにより隠された複数の保留図柄(第1保留図柄hr1~第3保留図柄hr3)の表示態様に関する表示要素(各保留図柄の色を示す要素)に対応する付加図柄が表示領域HR1に表示されている実行中保留hr0に向かって放出される演出が実行される。
図739(b)では、表示領域HR2に表示されていた第1保留図柄hr1,第2保留図柄hr2,第4保留図柄hr4が表示領域HR2から放出され、実行中保留図柄hr0に吸収される演出例を示している。なお、チェンジ役物Ym1,Ym2が第2可動位置へと可動したことに基づいて表示領域HR2から放出される付加図柄の表示態様として、図739(b)に示した通り、表示領域HR2に表示されていた保留図柄の表示態様をそのまま用いても良いし、保留図柄の表示態様を構成する特定の要素(色情報)のみを示した表示態様を用いても良い。図739(b)に示した通り、実行中保留図柄hr0が表示される表示領域HR1は、表示領域HR2の中央部上方に形成されており、且つ、左チェンジ役物Ym1と、右チェンジ役物Ym2とが第2可動位置へと可動した場合に当接する位置の上方に設けられている。よって、実行中保留演出が実行され、チェンジ役物Ym1,Ym2が第2可動位置へと可動する演出と、表示領域HR2に表示されていた保留図柄(第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4)が放出され、表示領域HR1に表示されている実行中保留図柄hr0に吸収される演出とに関連性があることを遊技者に把握させ易くすることができる。
そして、表示領域HR2に表示されていた第1保留図柄hr1,第2保留図柄hr2,第4保留図柄hr4が実行中保留図柄hr0に吸収されることで、図740に示した通り、実行中保留図柄hr0の表示態様が「白」から「虹」へと変化し、実行中保留演出が終了する。実行中保留図柄hr0の表示態様が「虹」へと変化することにより、実行中の特別図柄変動が大当たり当選していることを遊技者に報知することができる。また、実行中保留演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果となった場合には、第3図柄表示装置81の表示面において、その演出結果に対応する装飾態様(図740では、星の表示態様)が表示される。
実行中保留演出は、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出が演出結果を報知するよりも前の時点(実行中の変動演出の演出態様が大当たり当選期待度の低い第1演出態様(例えば、ノーマルリーチ態様)から、その第1演出態様よりも大当たり当選期待度の高い第2演出態様(例えば、スーパーリーチ態様)へと切り替わるタイミング)に併せて実行されるものであるため、図740では、実行中保留演出の演出結果に関わらず、予め設定されていた変動演出が継続して実行されており、副表示領域Dsには、ノーマルリーチからSPリーチ(スーパーリーチ)へと演出態様が切り替わったことを報知するための表示態様である「SPリーチ」が表示されている。
つまり、実行中保留演出の演出結果として、遊技者に有利な演出結果(実行中保留図柄hr0が虹色に変化する演出結果)が表示された場合には、変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となることを事前に把握した状態で変動演出を見ることができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となることを事前に把握することができるため、変動演出の演出態様として、なるべく大当たり期待度の低い演出態様が設定され、頻繁に体験することができない演出結果が報知(表示)されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
図740に示した実行中保留演出が終了すると、チェンジ役物Ym1,Ym2が初期位置へと可動し、表示領域HR2が遊技者に視認可能な状態となる。この場合には、実行中保留演出が実行される前に表示されていた保留図柄(第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4)の表示態様(色)が、全てデフォルトの表示態様(白)で表示される。このように構成することで、各保留図柄に対して実行された保留変化演出によって付された表示態様(色)が、実行中保留演出に用いられたと遊技者に思わせ易くすることができるため、各保留図柄に対する保留変化演出と、実行中保留演出とに関連性を持たせ易くすることができる。また、図740に示した通り、実行中保留演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果である場合には、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示されるまで実行中保留演出が継続し、第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合に、実行中保留演出が終了するように構成している。
よって、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選に用いられる保留情報に対応する保留図柄の表示態様を、一旦、デフォルト(白)の表示態様をすることができるため、例えば、大当たり遊技終了前と、終了後とで、特別図柄抽選の結果が変更される場合(特別図柄の確率状態が切り替わる場合)であっても、大当たり遊技前に実行された保留変化演出によって設定された表示態様が大当たり遊技終了後も継続して表示されてしまい、遊技者に分かり難い予告演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図741から図743を参照して、本第23制御例における演出カスタム操作の実行タイミングのうち、特別図柄変動期間中における演出カスタム操作の実行タイミングと、演出カスタム操作が実行された特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定する流れについて説明をする。
上述した通り、本第23制御例では、特別図柄変動期間中に演出カスタム操作を実行可能に構成しており、演出カスタム操作の実行タイミングに応じて、特別図柄変動期間中であっても演出モードを切り替え可能に構成している。ここでは、特別図柄変動期間中において演出モードを切り替え可能な場合と、切り替え出来ない場合と、の違いについて説明をする。
まず、図741を参照して、特別図柄変動期間に対応して実行される変動演出の演出態様を決定する流れについて説明をする。図741は、特図変動中に変動演出を設定する流れを示した図である。図741では、変動演出の演出態様を決定する基本的な流れを説明するために、特図変動中に演出カスタム操作を実行しない場合の流れを示している。
よって、図741(a)に示した通り、対応する特図変動期間中は常に演出モードとして「ノーマルモード」が設定されている。図741(b)に示した通り、変動時間が30秒の特別図柄変動の開始タイミングにおいて、対応する変動演出の演出態様として、全体の演出パターン(演出A)と、前半期間(10秒間)にて実行されるチャンスアップ演出(前半予告態様)の種別(青)が決定され、特別図柄変動の開始に対応させて変動演出が実行される。そして、図741(c)に示した通り、変動演出(演出A)が開始されてから6秒が経過すると、2秒間の前半予告が実行され、前半予告が終了してから2秒経過後(前半期間の経過タイミング)、即ち、特別図柄変動が開始されてから10秒が経過したタイミングにて、後半期間(20秒間)にて実行されるチャンスアップ演出(後半予告態様)の種別(青)が決定される。
つまり、本第23制御例では、1の特別図柄変動に対応した変動演出の演出態様を、複数のタイミングで決定するように構成している。このように構成することで、1の変動演出が実行されている変動演出期間中に成立した要件に応じて、実行中の変動演出の少なくとも一部の演出態様を決定することが可能となるため、要件の成立に対応させた演出態様を遅滞無く決定させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、1の変動演出を前半期間と、後半期間との2つの演出期間に区分けし、各演出期間において実行される予告演出の態様(予告態様)を異なるタイミングで決定するように構成しているが、1の変動演出を3つ以上の演出期間に区分けするように構成しても良い。このように、変動演出を複数の演出期間に区分けする程、1の演出期間の長さを短くし易くすることができるため、変動演出中に成立した要件に応じた予告態様を遅滞無く決定させ易くすることができる。
また、本第23制御例では、1の変動演出が実行されるタイミングにおいて、1の変動演出期間全体に渡って実行される変動演出の演出パターン(演出態様)を決定しておき、変動演出期間のうち特定期間(変動演出が開始されてから6秒経過した後の2秒間である第1予告期間と、変動演出が開始されてから28秒が経過した後の2秒間である第2予告期間)にて実行される予告演出の態様(予告態様)を、異なるタイミングで決定可能に構成している。このように構成することで、1の変動演出期間全体に渡って実行される演出パターン(演出態様)を継続して実行しながらも、予告演出の態様(予告態様)を異なるタイミングで設定することができるため、遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。
なお、本第23制御例では、1の特別図柄変動に対応して実行される変動演出の演出期間に対して、その演出期間全体に渡って実行される演出パターン(演出態様)を予め(変動演出の開始タイミングで)設定し、その演出期間のうち、特定期間内で実行される予告演出の演出態様(予告態様)を、異なるタイミングで適宜決定するように構成しているが、これに限ること無く、複数の特別図柄変動に対応して実行される変動演出の演出期間に対して、その演出期間全体に渡って実行される演出パターン(演出態様)を予め(変動演出の開始タイミングで)設定し、その演出期間のうち、特定期間内で実行される予告演出の演出態様(予告態様)を、異なるタイミングで適宜決定するように構成しても良いし、複数の特別図柄変動が実行され得る演出期間(例えば、設定している遊技状態を示すための状態演出が実行される演出期間)に対して、その演出期間全体に渡って実行される演出パターン(例えば、背景演出)を予め(遊技状態が設定されるタイミングで)設定し、その演出期間のうち、特定期間内で実行される演出の演出態様(例えば、変動演出の演出態様)を、異なるタイミングで適宜決定するように構成しても良い。
次に、図742を参照して、特図変動中に変動演出を設定する流れと、変動演出の前半期間において演出カスタム操作を実行した場合の演出モードの移行について説明をする。図742は、特図変動中に変動演出を設定する流れと、変動演出の前半期間において演出カスタム操作を実行した場合の演出モード移行の流れと、を示した図である。
上述した図741に対して、図742では、変動演出の前半期間中に演出カスタム操作が実行され、変動演出期間中に演出モードが切り替わる点で相違している。具体的には、図742(a)に示した通り、対応する特図変動が実行される時点では演出モードとして「ノーマルモード」が設定されている。そして、図742(b)に示した通り、変動時間が30秒の特別図柄変動の開始タイミングにおいて、対応する変動演出の演出態様として、全体の演出パターン(演出A)と、前半期間(10秒間)にて実行されるチャンスアップ演出(前半予告態様)の種別(青)が決定される。そして、図742(c)に示した通り、変動演出(演出A)が開始されてから6秒が経過すると、2秒間の前半予告が実行される。
そして、変動演出の前半期間中に演出カスタム操作を実行し、「チャンスアップモード」を選択した場合には、前半期間が経過するよりも前に、後半期間に実行される予告演出(後半予告態様)を決定する処理が実行される。図742(b)では、演出カスタム操作を実行したタイミングにて後半予告態様として(赤)が決定された例を示している。この後半予告態様(赤)は、「チャンスアップモード」を設定した場合に実行可能な演出態様であるため、図742(a)に示した通り、演出カスタム操作を実行したタイミングで演出モードが「ノーマルモード」から「チャンスアップモード」へと切り替わったことを示すための表示態様が表示される。
一方、図742の流れに対して、変動演出の前半期間中に演出カスタム操作を実行し、「チャンスアップモード」を選択した場合に、実行された後半期間に実行される予告演出(後半予告態様)を決定する処理によって、後半予告態様として(青)が決定された場合には、この後半予告態様(青)は、「チャンスアップモード」を設定した場合に実行不可能な演出態様であるため、図743(a)に示した通り、演出カスタム操作を実行したタイミングでは、「ノーマルモード」が継続して表示され、次変動から「チャンスアップモード」へと切り替わることを示すための表示態様が表示される。
つまり、本第23制御例では、変動演出が実行されている期間中に演出カスタム操作を実行した場合に、残りの残期間中に実行される変動演出の演出態様に応じて演出カスタム操作に基づいて演出モードが切り替わったことを報知するタイミングを異ならせている。具体的には、演出カスタム操作を実行した場合に、残りの残期間中に実行される変動演出の演出態様が変更後の演出モードに適合する演出態様である場合には、即座に演出モードが切り替わったことを報知し、残りの残期間中に実行される変動演出の演出態様が変更後の演出モードに適合しない演出態様である場合、或いは、設定される演出モードに関わらず共通して実行され易い演出態様である場合には、残期間経過後に演出モードが切り替わったことを報知するように構成している。
このように構成することで、変動演出中に演出カスタム操作を実行した場合において、その演出カスタム操作に基づいてどのタイミングで演出モードが切り替わるのかについて遊技者に興味を持たせることができる。また、本第23制御例では、演出カスタム操作を実行した後に実行される予告演出の演出態様に応じて、演出カスタム操作によって演出モードが切り替わったことを報知するタイミングを異ならせているため、例えば、演出カスタム操作によって、予告演出が実行されるだけで大当たり当選期待度が高いことを報知可能な演出モードである「チャンスアップモード」を設定した場合において、変動演出期間中に演出モードが切り替わったことが報知されるだけで、実行中の変動演出が大当たり当選を示す演出結果である可能性が高いと遊技者に予測させ易くすることができる。
<第23制御例における電気的構成について>
次に、図744から図747を参照して、本第23制御例における電気的構成について説明をする。本第23制御例におけるパチンコ機10では、上述した第22制御例におけるパチンコ機10の電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を変更している点で相違しており、それ以外の構成は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
まず、図744を参照して、本第23制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図744は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図744に示した通り、本第23制御例では、上述した第22制御例に対して、演出カスタム情報テーブル222waと、後半予告演出選択テーブル222wbと、を追加した点で相違しており、それ以外の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出カスタム情報テーブル222waは、遊技者が選択可能な各演出モードに対応する情報が規定されているデータテーブルであって、演出カスタム操作によって演出モードが決定(設定)された場合に、決定(設定)された演出モードに対応する情報を読み出す際に参照される。ここで読み出された情報は、後述するカスタム情報格納エリア223wbに格納され、変動演出の演出態様を決定する際に参照される。
ここで、図745を参照して、演出カスタム情報テーブル222waに規定されている内容について説明をする。図745は、演出カスタム情報テーブル222waに規定されている内容を示すための図である。図745に示した通り、演出カスタム情報テーブル222waには、遊技者が選択可能な4種類のカスタム種別(演出モード種別)に対して、演出カスタム操作によって選択可能となる選択条件と、選択された場合における演出態様の設定内容(規定内容)とが規定されている。
本第23制御例では、演出カスタム操作を実行することで最大で4種類の演出モード種別(カスタム種別)を選択可能に構成しており、選択された演出モード種別(カスタム種別)に応じて、実行される演出(先読み演出、予告演出等)の実行頻度や、当たり当選に対する期待度を異ならせることができるように構成している。
より具体的には、演出モード種別(カスタム種別)に応じて、保留変化演出の実行頻度、確変報知演出の実行頻度、後半予告演出の実行頻度が異なるように各演出モード種別(カスタム種別)に対して、演出態様の設定条件が規定されている。
図745に示した通り、カスタム種別(演出モード種別)「ノーマルモード」に対しては、選択条件として「常時」が規定されている。つまり、「ノーマルモード」は、演出カスタム操作によって常に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。そして、保留変化演出の実行頻度「中」、確変報知の実行頻度「中」、後半予告演出の実行頻度「中」が規定されている。つまり、「ノーマルモード」が選択されている場合には、通常頻度で各種演出が実行されるように構成している。
そして、カスタム種別(演出モード種別)「チャンスアップモード」に対しては、選択条件として「常時」が規定されている。つまり、「チャンスアップモード」は、演出カスタム操作によって常に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。そして、保留変化演出の実行頻度「低」、確変報知の実行頻度「中」、後半予告演出の実行頻度「低」が規定されている。つまり、「チャンスアップモード」が選択されている場合には、「ノーマルモード」が選択されている場合よりも、保留変化演出や後半予告演出の実行頻度が低くなるように構成している。
本第23制御例では、各種演出の実行頻度が低く設定されているほど、実行された場合における大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。つまり、大当たり当選時における演出態様を選択する選択割合を変更すること無く、外れ当選時における演出態様の選択割合を変更することで各種演出の実行頻度を変更するように構成している。よって、「ノーマルモード」に対して「チャンスアップモード」が選択されている場合には、保留変化演出や後半予告演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を高めることができる。
次に、カスタム種別(演出モード種別)「確変告知モード」に対しては、選択条件として「常時」が規定されている。つまり、「確変告知モード」は、演出カスタム操作によって常に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。そして、保留変化演出の実行頻度「中」、確変報知の実行頻度「高」、後半予告演出の実行頻度「中」が規定されている。つまり、「確変告知モード」が選択されている場合には、「ノーマルモード」と同一頻度で保留変化演出や後半予告演出が実行され、確変報知の実行頻度が高くなるように構成している。
最後に、カスタム種別(演出モード種別)「プレミアムモード」に対しては、選択条件として「大当たり変動中の一部」が規定されている。つまり、「プレミアムモード」は、演出カスタム操作が大当たり変動中の一において実行された場合に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。
この「プレミアムモード」が選択された場合には、実行中の変動演出の残期間や、既に設定されている演出態様の内容に関わらず、大当たり変動が停止表示されるまでの期間を用いて特別な専用演出(祝福演出)が実行されるように構成している。よって、保留変化演出、及び、後半予告演出が実行されることが無く、保留変化演出の実行頻度「-」、後半予告演出の実行頻度「-」が規定されている。また、「プレミアムモード」は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別「大当たりA」が設定されている場合のみ選択可能となるように構成しているため、「プレミアムモード」が選択された場合に実行される特別な専用演出(祝福演出)が、確変状態が設定されることを示すための確変報知の機能を有することになるため、確変報知として「確定報知」が規定されている。
なお、本第23制御例では、上述した4種類の演出モードを選択可能に構成しているが、遊技者が選択可能な演出モードとして5種類以上の演出モードを選択可能に構成しても良い。この場合、選択可能とする演出モードとして、例えば、大当たり当選の期待度を示唆するための演出(予告演出)が実行されない(実行され難い)演出モード(サイレントモード)を設定可能に構成しても良い。このような演出モードを設けることにより、大当たり当選するか否かを遊技者に事前に判別させ難くすることができるため、常に大当たり当選を期待しながら遊技を行わせることができる。また、特定の識別情報の表示態様を段階的に可変させることで大当たり期待度を段階的に示唆可能な演出を実行可能なパチンコ機10であれば、大当たり期待度を段階的に示すための表示態様を入れ替えた演出モード(ハプニングモード)を設定可能に構成しても良い。例えば、大当たり当選期待度を、保留図柄の色を段階的に変化させることで遊技者に示唆可能な保留変化演出を実行可能なパチンコ機10において、通常であれば、保留図柄の色が「青→緑→赤→虹」の順で大当たり当選期待度が高くなるのに対して、上述したハプニングモードが設定されることで、「虹→赤→緑→青」の順で大当たり当選期待度が高くなるように構成すると良い。
このように構成することで、設定される演出モードに応じて、識別情報の表示態様と、大当たり期待度と、の関係性を異ならせることができるため、通常であれば、外れ当選し易い演出が大当たり当選し易い演出となり、通常であれば、大当たり当選し易い演出が外れ当選し易い演出となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
後半予告演出選択テーブル222wbは、変動演出の後半期間にて実行される後半予告の演出態様(予告態様)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、対象となる変動演出の演出パターンに対応させて異なる予告態様が規定されており、演出更新処理23(図754のF2161参照)において実行される変動演出更新処理23(図755のF3551参照)にて、変動演出の前半期間終了タイミングであると判別した場合(図755のF3902:Yes)に、後半予告演出の演出態様を決定するために参照される。また、変動演出の前半期間中において演出カスタム操作を実行し、演出モードを切り替えた場合(図752のF3709:Yes)にも、後半予告演出の演出態様を決定するために参照される。
ここで、図746を参照して、後半予告演出選択テーブル222wbに規定されている内容について説明をする。図746は、後半予告演出選択テーブル222wbに規定されている内容を示した図である。図746に示した通り、後半予告演出選択テーブル222wbには、現在設定されているカスタム種別(演出モード種別)と、当否判定結果(対象となる変動演出に対応する特別図柄抽選の抽選結果)と、取得した第1演出カウンタ223vfの値と、実行演出(対象となる変動演出の演出パターン)とに対応付けて異なる後半予告演出の演出態様(予告態様)が規定されている。
図746に示した通り、変動演出として実行される演出パターンには「演出A」と「演出B」があり、実行される変動演出の演出パターンに応じて、変動演出期間の後半期間にて実行される予告演出の回数を異ならせている。具体的には、演出パターンとして「演出A」が設定された場合には、後半期間に予告演出が1回、「演出B」が設定された場合には、後半期間に予告演出が2回実行可能となるように構成している。このように構成することで、実行される変動演出の演出パターンに応じて後半期間に実行される予告演出の実行回数を異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
具体的には、カスタム種別(演出モード種別)として「ノーマルモード」、或いは、「確変告知モード」が設定されている場合、即ち、後半予告演出の実行頻度「中」であるカスタム種別(演出モード種別)が設定されている場合であって、当否判定結果が「当たり」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~39」の範囲に対して、後半第1予告「青」が、「40~69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」が、「70~98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が、規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~39」の範囲に対して、後半第1予告「青」、後半第2予告「赤」が、「40~69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「緑」が、「70~98」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「赤」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~39」の範囲に対して、後半第1予告「青」が、「40~69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」が、「70~98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が、規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~39」の範囲に対して、後半第1予告「青」、後半第2予告「赤」が、「40~69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「緑」が、「70~98」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「赤」が規定されている。
ここで、後半予告演出選択テーブル222wbに規定されている各予告態様の種別について説明をする。図746に示した通り、本第23制御例では、各予告態様の種別に応じて大当たり(当たり)当選の期待度が異なるように構成しており、「青」、「緑」、「赤」の順に当たり当選の期待度が高くなるように構成している。
具体的には、演出パターンとして「演出A」が実行されている場合における後半第1予告では、予告態様「青」は、当否判定結果が「当たり」の場合の40/90の割合で選択され、「外れ」の場合の30/99で選択され、予告態様「緑」は、当否判定結果が「当たり」の場合の30/90の割合で選択され、「外れ」の場合の9/99で選択され、予告態様「赤」は、当否判定結果が「当たり」の場合の29/90の割合で選択され、「外れ」の場合には選択されないように構成している。
つまり、当たり当選している場合における各予告態様の選択比率に対して、外れ当選している場合における各予告態様の選択比率を大きく異ならせることにより、各予告態様が設定された場合における当たり当選の期待度を異ならせるように構成しており、予告態様「青」が最も当たり当選期待度が低く、次いで、予告態様「緑」、予告態様「赤」の順に当たり当選期待度が高くなるように構成している。
そして、予告態様「青」や「緑」に対して、予告態様「赤」は、当たり当選している場合にのみ選択されるように構成している。このように構成することで、演出モード種別として「ノーマルモード」や「確変告知モード」が設定されている場合には、当否判定結果が「当たり」である場合も、「外れ」である場合も、様々な予告態様の後半予告演出が実行され易く、遊技者が遊技に早期に飽きることの無い演出を提供することができる。
一方で、カスタム種別(演出モード種別)として「チャンスアップモード」が設定されている場合、即ち、後半予告演出の実行頻度「低」であるカスタム種別(演出モード種別)が設定されている場合であって、当否判定結果が「当たり」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して、後半第1予告「無」が、「60~98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「無」が、「60~79」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「赤」が、「80~98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」、後半第2予告「赤」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して、後半第1予告「無」が、「95~98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「無」が、「95~98」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「赤」が規定されている。
つまり、「チャンスアップモード」が設定されている場合には、「ノーマルモード」や「確変告知モード」が設定されている場合よりも後半予告演出が実行され難く(予告態様が設定され難く)、後半予告演出が実行された(予告態様が設定された)時点において、当たり当選の期待度を高めることが可能となる。よって、いち早く大当たり当選の有無を遊技者に予測させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、図746を参照して上述した通り、様々な予告態様で後半予告演出が実行される「ノーマルモード」、「確変告知モード」では当たり当選している場合のみ予告態様「赤」が設定され、特定の予告態様のみで後半予告演出が実行される「チャンスアップモード」では当たり当選していない場合にも予告態様「赤」が設定されるように構成している。つまり、「ノーマルモード」、「確変告知モード」が設定されている場合には、後半予告演出が実行される(予告態様が設定される)だけでは当たり当選の期待度が低く、特定の予告態様「赤」が設定された場合に当たり当選の期待度が高くなるのに対して、「チャンスアップモード」が設定されている場合には、後半予告演出が実行される(予告態様が設定される)だけで当たり当選の期待度が高くなる一方、外れ当選している場合の一部において特定の予告態様「赤」が設定されるように構成している。
このように構成することで、設定している演出モード種別(カスタム種別)に応じて、後半予告演出に関する注視ポイントを異ならせることができるため、遊技者に対して様々な演出モード種別(カスタム種別)で遊技を行わせ易くすることができる。
次に、カスタム種別(演出モード種別)として「プレミアムモード」が設定されている場合、即ち、大当たり変動中である場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」、「演出B」の何れであっても、実行され得る後半予告演出に対して、予告態様「虹」が必ず設定されるように構成している。つまり、上述した通り、「プレミアムモード」は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別「大当たりA」が設定される大当たり変動中のみ選択可能なカスタム種別(演出モード種別)であることから、「プレミアムモード」を選択した時点で、遊技者に大当たり変動中であることが報知されているため、「プレミアムモード」が設定された以降に後半予告演出を設定する場合には、大当たり当選していることを示すための特殊予告態様「虹」が必ず設定されるように構成している。
このように構成することで、「プレミアムモード」が設定されたことにより、大当たり当選することを把握している遊技者に対して、大当たり当選期待度の高低を示す予告態様(例えば、「青」、「緑」)で後半予告演出が実行されてしまい、大当たり当選していないのでは?と困惑させてしまうことを抑制することができる。
次に、図747を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図747は、本第23制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。図747に示した通り、本第23制御例では、上述した第22制御例に対して、演出カスタム中フラグ223wa、カスタム情報格納エリア223wb、モード変更待機フラグ223wc、後半予告設定済フラグ223wd、後半予告情報格納エリア223weを追加している点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出カスタム中フラグ223waは、遊技者が演出モード種別を変更するための演出カスタム操作を実行している状態であることを示すためのフラグであって、演出カスタム操作を実行している間、オンに設定される。この演出カスタム中フラグ223waは、遊技者が音量調整操作や光量調整操作(環境調整操作)を実行していない状態で決定ボタン(中ボタン)600aを操作(押下)し、演出モード種別を選択可能な状態(演出カスタム状態)が設定された場合(図753のF3806参照)にオンに設定され、演出カスタム状態中において、演出モード種別を決定するための決定ボタン(中ボタン)600aが操作された場合にオフに設定される(図752のF3707参照)。
このように、演出カスタム状態であることを判別可能な演出カスタム中フラグ223waを設けることにより、右ボタン600c、左ボタン600eを操作した場合における制御処理の内容を、演出カスタム中フラグ223waの設定状況に応じて異ならせることができる。具体的には、演出カスタム中フラグ223waがオンに設定されている状態、即ち、演出カスタム状態である場合には、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eが操作されたことに基づいて、演出モード種別を選択可能な選択制御を実行し、演出カスタム中フラグ223waがオフに設定されている状態、即ち、演出カスタム状態では無い場合には、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eが操作されたことに基づいて、光量レベルを選択可能な選択制御を実行することができる。
このように構成することで、同一の操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を用いて、異なる選択制御を実行することが可能となるため、様々な遊技環境(光量レベル、音量レベル、演出モード等)を変更するための操作を遊技者に実行させることが可能なパチンコ機10において、各変更操作に対応させて専用の操作手段を設ける場合よりも、操作手段の種類を削減することができる。よって、操作手段を設けるための領域を確保し易くすることができる。また、同一の領域に対して備えられる操作手段の種類を削減することにより、1つの操作手段(押下ボタン)を大きく設計することが可能となるため、遊技者が操作し易い操作手段を提供し易くすることができる。
さらに、本第23制御例では、各遊技環境を変更するための変更状態(光量調整操作状態、演出カスタム状態)を、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを操作することにより終了させることができるように構成している。つまり、遊技者が任意の遊技環境を決定した段階で、各変更状態を終了させることができるように構成している。よって、各変更状態が設定された場合において、経過時間に基づいて設定された変更状態が終了する制御を実行する場合に比べて、変更状態が設定されている期間を短くすることができるため、短時間の間に複数種類の遊技環境を変更させ易くすることができる。
カスタム情報格納エリア223wbは、演出カスタム操作によって選択された演出モード種別(カスタム種別)を示すための情報が一時的に記憶される記憶領域であって、演出カスタム状態中において遊技者が左右ボタン(600c,600e)を操作し、遊技モードを選択する毎に、選択された遊技モードを示すための情報が記憶される。カスタム情報格納エリア223wbに格納された情報(選択された演出モードを示すための情報)は、変動演出の演出態様を決定する際に参照される。
このカスタム情報格納エリア223wbに記憶されている情報は、パチンコ機10への電源供給が停止されることに基づいてクリアされ、電源供給が開始された場合に実行される立ち上げ処理によって「ノーマルモード」に対応する初期情報が記憶されるように構成している。よって、パチンコ機10への電源供給が開始された初期状態では、演出モード種別として「ノーマルモード」が設定されることになる。
このように構成することで、演出モードを変更することに興味の無い遊技者に対しては、各種演出が均等に実行される演出モードを用いてパチンコ機10の遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
モード変更待機フラグ223wcは、演出カスタム状態中において演出カスタム操作を実行し、現状とは異なる演出モードを決定してから、実際に演出モードが切り替わったことを示す表示態様が表示されるまでの期間を示すためのフラグであって、現状とは異なる演出モードを決定したタイミングでオンに設定され、実際に演出モードが切り替わったことを示すための表示態様が表示されるまでオン状態が継続するように構成している。
本第23制御例では、モード変更待機フラグ223wcがオンに設定されたことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面には、演出モードの変更条件が成立していることを待機している「待機中」の画像が表示されるように構成している。このように構成することで、演出カスタム操作を正常に実行したにも関わらず、演出モードが切り替わっていない状況であるか、そもそも演出カスタム操作が正常に実行されず、演出モードが切り替わっていないのかを遊技者に容易に把握させることができる。
後半予告設定済フラグ223wdは、変動演出の後半期間に実行される後半予告演出の演出態様が決定されていることを示すためのフラグであって、変動演出の実行中であって、変動演出の前半期間が経過するまでに、演出カスタム操作の実行に基づいて後半予告演出の演出態様が決定された場合にオンに設定される。そして、変動演出の前半期間において設定状況が判別され、オンに設定されていないと判別した場合は変動演出の前半期間経過時に後半予告演出の演出態様が決定される。一方、オンに設定されていると判別した場合は、変動演出の前半期間経過時における後半予告演出の演出態様を決定する処理がスキップされる。
本第23制御例では、1の変動演出(1の特別図柄変動に対応して設定される変動演出)として設定される複数の演出態様を、1のタイミング(例えば、変動演出の開始タイミング)で全て決定するのでは無く、一部の演出態様を変動演出が実行された以降に決定可能に構成している。具体的には、1の変動演出の実行期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間に実行される予告演出(後半予告演出)の演出態様を、前半期間経過時に決定するように構成している。このように構成することで、変動演出の前半期間において発生した各種事象(例えば、演出モードの変更操作や、新たな特図保留の獲得等)に対応させた演出態様を後半予告演出の演出態様として決定することが可能となるため、1の変動演出として設定される複数の演出態様を、変動演出の開始タイミングにおいて全て決定する場合に比べて、変動演出中に各種事象(例えば、演出モードの変更操作や、新たな特図保留の獲得等)が発生した場合において、発生した事象に対応する演出態様をいち早く(変動演出実行期間中に)決定し易くすることができる。
さらに、変動演出期間の前半期間が経過するよりも前に、演出カスタム操作を実行することで演出モードを変更した場合には、その時点で変更後の演出モードに基づいて後半予告演出の演出態様を決定可能に構成している。そして、後半予告演出の演出態様が変更後の演出モードの内容と合致していると判別した場合には、演出カスタム操作を実行した時点で演出モードが切り替わったことを示すための表示態様(「セット完了」)を表示し、後半予告演出の演出態様が変更後の演出モードの内容と合致していないと判別した場合には、演出モードの切り替えを待機していることを示す表示態様(「待機中」)を表示するように構成している。このように構成することで、変動演出期間中において演出カスタム操作を実行した遊技者に対して、演出モードが切り替わるのを実行中の変動演出が終了するまで待機させること無く、即座に演出モードの切り替え表示を実行することができる。さらに、演出モードの切り替え表示が実行された直後に、切り替わった(変更した)演出モードに対応する演出態様で予告演出(後半予告演出)が実行されるため、演出モードが切り替わったことを遊技者に実感させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、変動演出の前半期間中において演出カスタム操作を実行した場合に、変動演出期間中に実行される予告演出のうち、演出態様(予告態様)が決定されていない予告演出(後半予告演出)に対して、変更後の演出モードに基づいて演出態様を決定する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、変動演出の開始タイミングにおいて、変動演出期間中に実行される各種予告演出の演出態様(予告態様)を決定しておき、演出カスタム操作によって演出モードを切り替えるための操作を実行した時点において、まだ実行されていない予告演出に対して設定済の演出態様(予告態様)の内容を判別し、判別された演出態様(予告態様)の内容が、変更後の演出モードと合致する場合には、演出モードの切り替え表示を実行し、合致しない場合は、演出モード切り替えの待機表示を実行するように構成しても良い。
つまり、予め設定されている予告演出の演出態様が、演出カスタム操作に基づいて設定される演出モードの内容と合致している場合のみ、演出モード変更を受け付けた表示を実行するように構成すると良い。このように構成することで、演出モードの切り替え表示が実行された直後に、切り替わった(変更した)演出モードに対応する演出態様で予告演出(後半予告演出)が実行されるため、演出モードが切り替わったことを遊技者に実感させ易くすることができる。
後半予告情報格納エリア223weは、変動演出期間の前半期間中に決定された後半予告演出の演出態様を示すための情報を一時的に記憶するための記憶領域であって、前半期間中に演出カスタム操作が実行され、前半期間が経過するよりも前に後半予告演出の演出態様(予告態様)が決定された場合に、その決定された演出態様(予告態様)を示すための情報が格納される(図752のF3711参照)。そして、変動演出期間の前半期間が経過し、後半予告演出の演出態様(予告態様)を設定されるタイミングにおいて、すでに後半予告演出の演出態様(予告態様)が決定されていると判別した場合(図755のF3903:Yes)に、後半予告情報格納エリア223weに格納されている情報が読み出され、読み出された情報に基づいた演出態様(予告態様)が設定される(図755のF3905)。
<第23制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図748から図755を参照して、本第23制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理のうち、上述した第22制御例と相違する制御処理の内容について説明をする。本第23制御例では、上述した通り、実行される予告演出に対する当たり当選期待度を異ならせた複数の演出モードを選択可能に構成している点と、保留図柄を非表示にする演出(実行中保留演出)を実行可能に構成している点と、で上述した第22制御例と相違しており、その相違点に関する制御処理が音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される点で、上述した第22制御例と相違している。
具体的には、変動開始時保留演出実行処理22(図730のF3109参照)に代えて変動開始時保留演出実行処理23(図748のF3159参照)を、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理23(図750のF2137参照)を、決定ボタン操作処理22(図732のF3315参照)に代えて決定ボタン操作処理23(図751のF3332参照)を、演出更新処理22(図734ののF2111参照)に代えて演出更新処理23(図754のF2161参照)を、実行する点で相違しており、それ以外の制御処理内容は同一である。同一の制御内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図748を参照して、変動開始時保留演出実行処理23(F3159)について説明をする。図748は、変動開始時保留演出実行処理23(F3159)の処理内容を示したフローチャートである。図748に示した通り、本第23制御例では、上述した第22制御例の変動開始時保留演出実行処理22(図730のF31909参照)に対して、保留演出情報格納エリア223vlに保留変化シナリオを示す情報が無いと判別した場合に(F3201:No)、実行中保留図柄(図739の表示領域HR1に表示される実行保留hr0)の表示態様を変化させる実行中保留変化演出を設定するための実行中保留変化演出設定処理23(F3251)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図749を参照して、実行中保留変化演出設定処理23(F3251)の処理内容について説明をする。図749は、実行中保留変化演出設定処理23(F3251)の処理内容を示したフローチャートである。この実行中保留変化演出設定処理23(F3251)では、実行中保留演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
実行中保留変化演出設定処理23(F3251)が実行されると、まず、今回の変動演出の演出パターンが、チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる可動演出であるかを判別し(F3601)、可動演出であると判別した場合は(F3601:Yes)、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている情報を読み出し(F3602)、読み出した情報の中に、保留変化シナリオを示す情報があるか、即ち、獲得済みの保留図柄の中に保留変化演出の実行契機となる保留図柄が存在するかを判別する(F3603)。
F3603の処理において、保留変化シナリオを示す情報が無いと判別した場合は(F3603:No)、次に、獲得済の保留図柄(第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4)が3色以上の表示態様で表示されているかを判別する(F3604)。F3604の処理では、保留情報格納エリア223vlに格納されている各保留図柄の表示態様を示す情報(保留色情報)に基づいて、表示されている保留図柄の表示態様(色)が判別される。
F3604の処理において、3色以上の保留図柄が表示されていると判別した場合は(F3604:Yes)、次に、今回の変動演出に対応する特別図柄変動が大当たり変動であるかを判別し(F3605)、大当たり変動であると判別した場合は(F3605:Yes)、実行中保留変化演出を示すための表示用変動パターンコマンドを設定し(F3606)、役物動作シナリオ4を決定し(F3607)、決定した役物動作シナリオを示す役物動作用コマンドを設定し(F3608)、本処理を終了する。
ここで、F3605の処理では、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて今回の変動演出が大当たり変動に対応する変動演出である否かが判別される。つまり、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドは、今回の特別図柄変動の変動パターンとして、特別図柄変動の変動時間を示すための情報と、特別図柄抽選の結果を示すための情報と、を少なくとも含む情報が設定されている。
なお、本第23制御例では、上述した第22制御例と同様に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選しているか否かを、特別図柄変動の変動時間によって遊技者に把握されてしまうことを抑制するために、特別図柄抽選の結果に関わらず同一長さの変動時間(変動パターン)を設定可能に構成しているため、変動パターンコマンドには、今回設定された変動パターン(変動時間)を示す情報とは別に、特別図柄抽選の結果を示すための情報を含ませるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定された変動パターン(変動時間)の長さに基づいて、特別図柄抽選の結果を音声ランプ制御装置113側で判別可能な場合、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、外れ当選した場合とで異なる長さの変動時間を設定するように構成している場合は、特別図柄抽選の結果を示すための情報を別途設定する必要は無く、特別図柄変動の変動時間の長さ(変動パターン)を示す情報のみを変動パターンコマンドに含ませるように構成すれば良い。なお、この場合、特別図柄抽選の結果に基づいて設定される長さの異なる変動時間(変動パターン)として、大当たり当選時に設定される各種変動パターンに対して、外れ当選時に設定される各種変動パターンの長さを若干(遊技者が違いを判別困難な程度)異ならせるように構成すると良く、例えば、大当たり当選時に設定可能となる変動パターンとして変動時間が60秒の変動パターンを有している場合には、外れ当選時に設定可能となる変動パターンとして変動時間が60.5秒の変動パターンを有するように構成すると良い。
このように構成することで、変動パターンコマンドには設定された変動パターン(変動時間)を示すための情報を含ませるだけで、今回設定される変動演出が、大当たり当選している特別図柄変動に対応させて実行される変動演出であるか、大当たり当選していない(外れ当選している)特別図柄変動に対応させて実行される変動演出であるかを、音声ランプ制御装置113側にて容易に判別可能とすることができると共に、設定された変動パターンの相違(変動時間の相違)を、遊技者に気付かれ難くすることができる。
また、大当たり変動と外れ変動とで略同一の長さの変動時間を設定可能に構成しているため、大当たり変動中に実行される変動演出と、外れ変動中に実行される変動演出と、で演出結果のみを異ならせ、それ以外は同一の変動演出を実行させ易くすることができる。
ここで、図749にて説明をした実行中保留変化演出設定処理23(F3251)にて設定される役物動作シナリオ(役物動作シナリオ4)の内容について説明をする。この役物動作シナリオは、上述した第22制御例と同様に、チェンジ役物Ym1,Ym2を所定態様で動作させるためのシナリオであって、動作シナリオ23テーブル222wfに予め規定されているものである。なお、動作シナリオ23テーブル222wfには、上述した第22制御例と同一内容の役物動作シナリオ1~役物動作シナリオ3に加え、実行中保留変化演出中に選択され得る役物動作シナリオ4に対応する情報が規定されており、役物動作シナリオ4が設定された場合には、まず、表示領域HR2に表示される複数(最大で4個)の保留図柄のうち、特定の3つの保留図柄(3色の保留図柄)以外を隠した第1特定位置へとチェンジ役物Ym1,Ym2が可動し(図739(a)参照)、その後、表示領域HR2に表示されている保留図柄(第1保留図柄~第4保留図柄)を全て隠す第2特定位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させ(図739(b)参照)、その後、チェンジ役物Ym1,Ym2を初期位置(格納位置)へと可動するようにチェンジ役物Ym1,Ym2が可動制御される。
そして、実行中保留演出が実行された場合には、上述した役物動作シナリオ4に対応するチェンジ役物Ym1,Ym2の可動状況に対応させて第3図柄表示装置81の表示面にて保留図柄を非表示にし、実行中保留図柄の表示態様を可変させる演出(図739、図740参照)が実行される。
なお、本第23制御例では、保留図柄の表示領域HR2が視認困難となる位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる可動演出を実行し、表示領域HR2に表示されていた保留図柄がチェンジ役物Ym1,Ym2によって視認困難となるタイミングに合わせて、表示領域HR2に表示されていた保留図柄の表示態様を用いて、実行中保留図柄の表示態様を可変させる演出を実行することにより、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動によって、単に保留図柄が見え難くなってしまうのでは無く、実行中保留図柄を変化させるためにチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させたように遊技者に思わせることができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、本第23制御例では、保留図柄の表示領域HR2が視認困難となる位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる例を示しているが、これに限ること無く、例えば、第3図柄表示装置81の表示面で実行される第3図柄の変動表示位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させることにより、遊技者に対して、実行中の特別図柄が当たり当選している期待度が高いことを示唆するように構成しても良い。この場合、保留図柄が表示される表示領域HR2に加え、実行中保留図柄hr0が表示される表示領域HR1も可動したチェンジ役物Ym1,Ym2によって視認困難となってしまい、実行中保留図柄の表示態様も含めて、実行中の特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させ難くなるという問題があった。
この場合、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動演出が実行されることに対応させて、実行中保留図柄の表示位置(表示領域HR1が形成される位置)を可変させると良く、例えば、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動領域以外に表示領域HR1を形成するように構成すると良い。これにより、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した状態であっても、実行中保留図柄を確実に視認させることができるため、遊技者に対して、実行中の特別図柄抽選の結果を予測させ易くすることができる。
しかしながら、上述した構成を用いた場合、つまり、実行中保留図柄が表示されている状態で、実行中保留図柄が表示される表示領域HR1の形成位置を変更した場合には、変更後の表示領域HR1に表示される保留図柄が、実行中保留図柄であるか、実行前の保留図柄であるかを遊技者が判別し難くなるという問題があった。つまり、実行中保留図柄hr0が「白」の表示態様で表示されており、且つ、第1保留図柄hr1も「白」の表示態様で表示されている状態において、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動し、第1保留図柄hr1が表示されている表示領域HR2と、実行中保留図柄hr0が表示されている表示領域HR1と、がチェンジ役物Ym1,Ym2に覆われた場合に、表示領域HR2を非表示にし、表示領域HR1を別の表示位置(可動中のチェンジ役物Ym1,Ym2と重複しない表示位置)に形成し、実行中保留図柄hr0を「白」の表示態様で表示した場合には、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動に併せて第1保留図柄hr1が非表示となることから、表示されている「白」の表示態様の保留図柄が、実行中保留図柄hr0であるか第1保留図柄hr1であるかを遊技者が即座に判別することが出来ないという問題があった。
よって、この場合は、チェンジ役物Ym1,Ym2が表示領域HR2を覆うタイミングに対応させて、表示領域HR2に表示されている保留図柄(第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4)が非表示となることを示す演出態様を設定し、チェンジ役物Ym1,Ym2が表示領域HR1を覆うタイミングに対応させて表示領域HR1の位置が移動することを示す演出態様を設定するように構成すると良い。このように構成することで、保留図柄の表示位置を移動させた後でも、表示されている保留図柄が実行中保留図柄であるか、実行前の保留図柄であるかを遊技者に把握させ易くすることができる。
次に、図750を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)の処理内容について説明をする。図750は、枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)の処理内容を示したフローチャートである。図750に示した通り、枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)では、上述した第22制御例の、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)に対して、演出モードを選択するための演出カスタム操作(演出カスタム選択)に関する処理を追加した点と、決定ボタン(中ボタン)600aを押下した場合に実行される決定ボタン操作処理22(F3315)に代えて、決定ボタン操作処理23(F3332)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)が実行されると、まず、演出カスタム選択処理23を実行し(F3331)、F3331の処理を終えると、次いで、上述した枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)と同一のF3301~F3314の処理を実行する。そして、F3314の処理において、決定ボタン(中ボタン)600aを操作したと判別した場合は(F3314:Yes)、決定ボタン操作処理23を実行し(F3332)、F3310を実行し、本処理を終了する。
また、F3314の処理において、決定ボタン(中ボタン)600aが操作されていないと判別した場合は(F3314:No)、上述した第22制御例の枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)と同一のF3316の処理(演出ボタン操作処理22)を実行し、その後、F3310の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図751を参照して、演出カスタム選択処理23(F3331)の処理内容について説明をする。図751は、演出カスタム選択処理23(F3331)の処理内容を示したフローチャートである。この演出カスタム選択処理23(F3331)では、演出カスタム状態中における操作手段(中ボタン600a、右ボタン600c、左ボタン600e)への操作内容に基づいて演出モードを選択するための処理が実行される。
演出カスタム選択処理23(F3331)が実行されると、まず、演出カスタム中フラグ223waがオンに設定されているかを判別し(F3701)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、演出カスタム状態では無いと判別した場合は(F3701:No)、操作手段(中ボタン600a、右ボタン600c、左ボタン600e)の操作によって、演出モードの選択制御では無く、他の選択制御(例えば、光量調整)を実行させるため、演出カスタム選択処理23(F3331)の全処理をスキップして本処理を終了する。
一方、F3701の処理において、演出カスタム中フラグ223waがオンに設定されていると判別した場合は(F3701:Yes)、次に、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eへの操作があったかを判別し(F3702)、操作があったと判別した場合は(F3702:Yes)、判別された操作内容に対応させて選択中の演出モードを更新し(F3703)、更新した演出モードを示すための情報をカスタム情報格納エリア223wbに格納し(F3704)、更新した演出モードを示すための表示用コマンドを設定し(F3705)、F3706の処理へ移行する。
F3705の処理において設定された表示用コマンドに対応させて、第3図柄表示領域81の表示面に形成される表示領域HR6(図735(a)参照)に表示される表示態様(選択中の演出モードを示すための表示態様)が決定される。なお、この状態は、演出モードの変更候補が表示領域HR6に表示されているだけであり、演出カスタム操作によって変更後の演出モードが決定されていない状態である。この状態において、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを押下することにより、表示領域HR6に表示されている表示態様に対応する演出モードを決定するための決定処理が実行される。
一方、F3702の処理において、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eへの操作が無いと判別した場合は(F3702:No)、次に、決定ボタン(中ボタン)600aへの操作があるかを判別し(F3706)、決定ボタン(中ボタン)600aへの操作があったと判別した場合、即ち、演出カスタム状態にて変更後の演出モードを決定するための操作が実行された場合は(F3706:Yes)、演出カスタム中フラグ223waをオフに設定し(F3707)、現在が特図変動中(特別図柄変動中)であるかを判別し(F3708)、特図変動中であると判別した場合は(F3708:Yes)、現在が変動前半期間(変動演出の前半期間)であるかを判別する(F3709)。
F3709の処理において、変動前半期間であると判別した場合は(F3709:Yes)、カスタム情報格納エリア223wbに格納されている情報に対応する演出モード(表示領域HR6に表示されている演出モード)に基づいて、後半予告演出選択テーブル222wbを参照して後半予告演出の演出態様を決定し(F3710)、後半予告情報格納エリア223weに、決定した演出態様を示すための情報を格納する(F3711)。
なお、図746を参照して説明をした通り、後半予告演出選択テーブル222wbには、後半予告演出を実行しないことを示す内容(図では「無し」と記載)も規定されており、「無し」が決定された場合には、後半予告演出が実行されないように構成している。よって、F3710の処理では、後半予告演出の実行の有無、及び、実行する場合における演出態様(予告態様)を決定する処理を実行している。そして、F3711の処理では、F3710の処理結果、即ち、後半予告演出の実行の有無、及び、後半予告演出として設定される演出態様を示す情報が後半予告情報格納エリア223weに格納される。つまり、F3711の処理では、後半予告演出を実行しないことを示す情報も格納されることになる。
F3711の処理を終えると、次に、後半予告設定済フラグ223wdをオンに設定し(F3712)、F3710の処理において決定された後半予告演出の演出態様と、更新後の演出モードの種別とが適合しているかを判別し(F3713)、適合していると判別した場合は(F3713:Yes)、演出モードが変更されることを示すための表示用コマンドを設定し(F3719)、本処理を終了する。
また、F3713の処理において、適合していないと判別した場合は(F3713:No)、次変動から(実行中の特別図柄変動が停止表示された後から)演出モードが変更されることを示すための表示用コマンドを設定し(F3714)、モード変更待機フラグ223wcをオンに設定し(F3715)、本処理を終了する。
一方、F3709の処理において、現在が変動前半期間では無い、即ち、特図変動中における変動後半期間であると判別した場合は(F3709:No)、実行中の特別図柄変動が、大当たりAが設定される大当たり変動であるかを判別し(F3716)、大当たりA変動であると判別した場合は(F3716:Yes)、演出モードが変更されることを示すための表示用コマンドを設定し(F3717)、大当たり当選を示す音声用コマンドを設定し(F3718)、本処理を終了する。
最後に、F3706の処理において、決定ボタン(中ボタン)600aへの操作が無いと判別した場合は(F3706:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図752を参照して、決定ボタン操作処理23(F3332)の処理内容について説明をする。図752は、決定ボタン操作処理23(F3332)の処理内容を示したフローチャートである。この決定ボタン操作処理23(F3332)は、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを操作(押下)したことに基づく処理が実行されるものであって、上述した決定ボタン操作処理22(図732のF3315参照)に対して、調整期間中フラグ223sxがオンに設定されていない状態、即ち、光量調整や音量調整が実行されていない状態で決定ボタン(中ボタン)600aを操作した場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
決定ボタン操作処理23(F3332)が実行されると、まず、期間調整中フラグ223vxがオンに設定されているかを判別し(F3351)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、光量調整や音量調整が実行されていない状態で遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを操作(押下)したと判別した場合は(F3351:No)、演出カスタム実行処理23を実行し(F3371)、その後、本処理を終了する。一方、F3351の処理において、期間調整中フラグ223vxがオンに設定されていると判別した場合は(F3351;Yes)、上述した第22制御例の決定ボタン操作処理22(図732のF3315参照)と同一のF3352~F3357の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図753を参照して、演出カスタム実行処理23(F3371)の処理内容について説明をする。図753は、演出カスタム実行処理23(F3371)の処理内容を示したフローチャートである。この演出カスタム実行処理23(F3371)では、演出カスタム状態、即ち、演出モードの選択操作を実行可能な状態を設定するための処理が実行される。
演出カスタム実行処理23(F3371)が実行されると、まず、現在が大当たりA変動中であるかを判別し(F3801)、大当たりA変動中であると判別した場合は(F3801:Yes)、プレミアムモードを選択可能にするか否かの抽選を実行し(F3802)、F3802の抽選で当選したかを判別する(F3803)。F3803の処理で当選したと判別した場合は(F3803:Yes)、演出カスタム操作で選択可能な対象である演出カスタム選択対象「プレミアムモード有り」(図738(b)参照)を決定し(F3804)、F3806の処理へ移行する。
一方、F3803の処理で非当選と判別した場合は(F3803:No)、演出カスタム選択対象「通常」(図738(a)参照)を決定し(F3805)、F3806の処理へ移行する。なお、F3801の処理において、大当たりA変動中では無い、即ち、演出モードとして「プレミアムモード」を選択可能とする条件を満たしていないと判別した場合は(F3801:No)、そのまま、F3805の処理へ移行し、演出カスタム選択対象「通常」(図738(a)参照)が決定される。
次に、F3806の処理では、演出カスタム中フラグ223waをオンに設定し(F3806)、演出カスタム中を示すための表示用コマンドを設定し(F3807)、本処理を終了する。
次に、図754を参照して、演出更新処理23(F2161)の処理内容について説明をする。図754は、演出更新処理23(F2161)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理23(F2161)は、上述した第22制御例にて実行される演出更新処理22(図734のF2111参照)に対して、変動演出に関する更新処理(変動演出更新処理23)を実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出更新処理23(F2161)が実行されると、まず、上述した演出更新処理22(図734のF2111参照)と同一のF3501~F3516の処理を実行し、次に、変動演出更新処理23を実行し(F3551)、その後、F3517の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図755を参照して、変動演出更新処理23(F3551)の処理内容について説明をする。図755は、変動演出更新処理23(F3551)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出更新処理23(F3551)では、変動演出が実行されてからの経過時間に基づく処理が実行される。本第23制御例では、変動演出の演出態様の一部(後半期間に実行される予告演出の演出態様)を、変動演出の実行後(前半期間の経過時点)に設定可能に構成している。このように構成することで、変動演出が実行された後に、演出態様の決定条件の一部(演出モード種別)が変更されたとしても、実行中の変動演出に設定される演出態様の一部を、変更された決定条件に対応させて設定することが可能となる。よって、変更された決定条件に対応した変動演出を即座に実行することができるため、演出モードを選択する操作(演出カスタム操作)を実行したにも関わらず、変更後の演出モードに対応した演出態様が決定されるまでに時間を要してしまい、遊技者の演出モードを変更しようとする意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
変動演出更新処理23(F3551)が実行されると、まず、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」、或いは「演出B」であるかを判別する(F3901)。ここで、演出パターン「演出A」、「演出B」は、変動演出の後半期間における予告演出の演出態様を前半期間経過時に決定することが予め規定されている演出パターンである。
F3901の処理において、演出パターン「演出A」、「演出B」であると判別した場合は(F3901:Yes)、次に、前半期間終了のタイミングであるかを判別し(F3902)、前半期間終了のタイミングであると判別した場合は(F3902:Yes)、後半予告設定済フラグ223wdがオンに設定されているかを判別する(F3903)。
F3903の処理において、後半予告設定済フラグ223wdがオンに設定されていると判別した場合、即ち、前半期間中において、演出モードの変更操作(演出カスタム操作)が実行され、その実行タイミングにおいて既に後半予告演出の演出態様(予告態様)が決定されていると判別した場合は(F3903:Yes)、後半予告設定済フラグ223wdをオフに設定し(F3907)、後半予告情報格納エリア223weに格納されている後半予告演出の演出態様を示す情報を読み出し(F3908)、後半予告演出の演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(F3906)、本処理を終了する。
一方、F3903の処理において、後半予告設定済フラグ223wdがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、前半期間中において、演出モードの変更操作(演出カスタム操作)が実行されていないと判別した場合は(F3903:No)、カスタム情報格納エリア223wbから現在のカスタム情報(演出モード)を特定し(F3904)、特定したカスタム情報(演出モード)に基づいて、後半予告演出選択テーブル222wbを参照して後半予告演出の演出態様を決定し(F3905)、後半予告演出の演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(F3906)、本処理を終了する。
また、F3901の処理において、演出パターン「演出A」、「演出B」では無いと判別した場合、即ち、実行中の変動演出の演出パターンが、変動演出中に新たな演出態様を決定可能な演出パターンでは無いと判別した場合(F3901:No)、或いは、現在が、前半期間終了のタイミングでは無いと判別した場合(F3902:No)は、後半予告演出に関する演出態様を設定すること無く、本処理を終了する。
<第24制御例>
次に、図756から図782を参照して、第24制御例について説明をする。本第24制御例におけるパチンコ機10は、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、同一の確率状態(低確率状態、或いは、高確率状態)において特別図柄抽選で大当たり当選する確率を異ならせて設定可能な設定変更機能を有している点と、音声出力装置226に第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種キャラクタに対応したボイスデータを予め記憶させておき、音声ランプ制御装置113から出力されるボイスコマンドに基づいて、パチンコ機10から出力される音声(ボイス)の種別を切り替え可能に構成している点と、で大きく相違している。さらに、実行される演出に関しては、設定変更機能によって設定された設定値を遊技者に示唆可能な設定示唆演出と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄(表示領域HR2に表示される第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4)の表示位置がシフトされる際に対象となる保留情報に大当たり情報が含まれているか否かを示唆可能な保留シフト演出と、を実行可能に構成している点で相違している。
従来より、パチンコ機10の遊技には様々なキャラクタが用いられており、その中で特定のキャラクタの音声(ボイス)を用いて、遊技状況を案内したり、賑やかしの音声を出力したりすることで、演出効果を高めているものがある。しかしながら、常に特定のキャラクタの音声(ボイス)が出力されるだけでは、長時間遊技を行っている遊技者は出力されるボイスの種別に馴れてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
また、出力される音声の内容(セリフ)が同一の場合、その音声が示す遊技に対する意味合いが常に同一であるため、音声の内容(セリフ)についても、長時間遊技をしている遊技者は飽きてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第24制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が停止表示された場合に、その停止表示された第3図柄の組合せに基づいて、異なる種別のボイスで音声を出力可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて様々な種別のボイスを出力することが可能となるため、長時間遊技を実行している遊技者に対しても演出効果が低下することを抑制することができる。
さらに、本第24制御例では、停止表示された第3図柄の組合せに基づいて出力される音声の内容(セリフ)を決定可能に構成している。具体的には、大当たり当選した場合に停止表示される第3図柄の組合せ(ぞろ目)や、リーチハズレで停止表示される第3図柄の組合せや、リーチ状態になること無く停止表示される第3図柄の組合せ(バラケ目)によって、異なる内容の音声を出力可能に構成している。このように構成することで、出力される音声の内容(セリフ)が単調になることを抑制することができる。
加えて、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(外れ)である場合において、遊技者に特典(設定示唆)を付与可能な音声(セリフ)を出力可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(外れ)であったとしても、遊技者に有利な特典を付与することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、大当たり当選期待度の高い演出(例えば、特定図柄(7図柄)でのリーチ演出)が実行されたにも関わらず、大当たり当選していなかった場合、つまり、遊技者に対して大当たり当選している可能性が極めて高い演出が実行されたにも関わらず、演出結果が外れとなった場合において、遊技者により有利となる特典(例えば、設定報知)を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(外れ)であったとしても、遊技者に有利な特典を付与することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第24制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(数字アイコン)と、キャラクタとで1つの第3図柄が形成されるように構成しており、その組合せを切り替え可能に構成している。つまり、特定の数字アイコン(例えば、7)に付随するキャラクタの種別を異ならせることが可能に構成している。そして、音声として出力されるセリフの内容として、第3図柄に付随するキャラクタを示唆するセリフを出力可能に構成している。
このように構成することで、同一のキャラクタを示唆するセリフが出力された場合であっても、そのキャラクタに付随する数字アイコンの種別を異ならせることにより、そのセリフの意味合いを大きく異ならせることができる。よって、長時間遊技を行っている遊技者に対して、同一内容のセリフが出力された場合において、そのセリフが示唆するキャラクタが有利なキャラクタであるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
加えて、本第24制御例では、第3図柄の停止表示態様に対応させてボイス種別が決定されるように構成し、特定の停止表示態様(大当たり当選を示す第3図柄の停止表示態様)に基づいてボイス種別が決定された場合には、そのボイス種別に基づく音声出力を特定期間継続させるか否かを遊技者に選択させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者がお気に入りのキャラクタが付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合には、お気に入りのキャラクタのボイス種別に基づく音声出力を長時間実行させることが可能となる。
まず、図756を参照して、本第24制御例におけるパチンコ機10の背面側の構造について説明をする。図756は、第24制御例のパチンコ機10の背面側の構成を模式的に示した背面図である。図756に示した通り、本第24制御例のパチンコ機10は、上述した第22制御例のパチンコ機に対して、設定値を表示させることが可能な設定値表示装置110aと、設定変更動作(および設定確認動作)を受け付ける状態と、受け付けない状態(通常遊技状態)とを切り替えることが可能な設定キー110bと、設定変更動作を受け付ける状態(設定変更状態)において操作者(例えば、パチンコ機10を設置しているホールの店員)の操作に応じてパチンコ機10の設定値を変更することが可能な設定スイッチ110cと、で少なくとも構成されている設定変更機構を主制御装置110に設けている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図757を参照して、設定変更機構を用いた設定変更の方法、および設定確認の方法について、詳細に説明をする。まず、図757(a)~(d)を参照して、設定変更機構を用いたパチンコ機10の設定変更手順について説明する。図757(a)~(d)に示した通り、パチンコ機10の設定を変更するためには、まず、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させる(図757(a)参照)。つまり、設定変更を行うためには、まず、パチンコ機10の電源を遮断しておく必要がある。次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入する(図757(b)参照)。これにより、電源投入後のパチンコ機10の状態が設定変更中であることを示す設定変更状態に設定される。設定変更状態になると、4桁の7セグメントディスプレイで構成された設定値表示装置110aの各桁に対して、「-」が表示される。この表示内容により、設定変更状態に正常に遷移したということを操作者(例えば、ホールの店員)に対して容易に理解させることができる。
設定変更状態に移行すると、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定値が1ずつ切り替わる(図757(c)参照)。なお、本第24制御例では、設定1~3の3種類の設定値が設けられており、数値が大きくなる程大当たり確率が高くなるように構成されている。即ち、設定1の大当たり確率が最も低く(例えば、低確率状態で1/262、高確率(確変)状態で1/65)、設定3の大当たり確率が最も高くなる(例えば、低確率状態で1/218、高確率状態で1/55)ように構成されている。設定変更状態では、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定が1→2→3→1・・・といった具合に変更されていく。また、設定値が3の状態で設定スイッチ110cが押下された場合は、設定値が1に戻るようにロータリー式で構成されている。また、設定スイッチ110cが押下される毎に、設定値表示装置110aに対して現在の設定値を示す数字が表示される。なお、図757(c)は、設定値が「3」に設定されている状態における表示態様を示した図である。図757(c)に示した通り、設定スイッチ110cに対する押下操作によって設定値が3に切り替えられると、設定値表示装置110aにおける下1桁に対して、設定3を示す「3」という数字が表示される。
操作者が所望の設定値への切り替え動作を完了した後は、設定キー110bを反時計回りに回動させて設定キー110bをOFF位置に配置させることにより、設定変更状態が終了する(図757(d)参照)。なお、設定キー110bは、鍵型のキー部と、キー部に合致する鍵穴形状の鍵穴部と、で構成されており、キー部を取り外すことができる。これにより、操作者(例えば、ホールの店員)が設定変更動作を行う際にのみキー部を鍵穴部に挿入し、設定変更動作を終了した際にはキー部を取り外して保管しておくことができる。これにより、不正遊技者等が営業中にパチンコ機10の設定を不正に変更することを抑制することができるので、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを防止することができる。
そして、設定変更動作が終了することで、主制御装置110の初期設定処理が再開される。再開後の初期設定処理では、設定変更動作が完了したことを示す設定変更完了コマンドや、設定変更動作によって決定した設定値を示す設定値コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信するための処理が実行される。また、設定変更動作が終了するまで待機される音声ランプ制御装置113の初期設定処理を再開させるためのコマンド(初期化コマンド)を送信するための処理が実行される。
次に、図757(e)~(g)を参照して、設定確認を行ための手順(設定確認動作)について説明する。設定確認を行うためには、まず、設定変更動作と同様に、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させる(図757(e)参照)。そして、RAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定確認状態に設定される(図757(f)参照)。設定確認状態に移行すると、設定値表示装置110aに対して現在設定されている設定値が表示される。図757(f)の例では、設定値として「3」が設定されている状態を示している。操作者による設定の確認が終了すると、設定キー110bをON側に回動することで設定確認状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図757(g)参照)。
なお、本第24制御例では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定が1→2→3→1・・・設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第24制御例では、図757に示した通り、パチンコ機10の背面側、即ち、遊技中の遊技者が視認し得ない位置に設定変更機構を設けている。よって、遊技中に設定変更機構が操作されてしまうことを確実に抑制することができる。また、実際に設定変更動作を行う場合には、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となる。このような状況にてパチンコ機10の電源を投入し、パチンコ機10に設けられた装飾用の役物の復帰動作が実行してしまうと、開閉軸等に過剰な負荷が掛ってしまい破損を招来してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が待機される待機処理が終了した後に、役物の復帰動作が実行されるように構成している。つまり、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されることが無いように構成している。このように構成することで、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されてしまい、パチンコ機10が破損してしまう事態が発生することを抑制することができる。また、操作者が設定スイッチ110cを操作している最中に役物の復帰動作が実行される場合に比べて、設定変更動作中にパチンコ機10が振動し難くすることができるため、設定スイッチ110cの誤操作が発生し難くすることができる。
本実施形態では設定変更動作を実行する場合に、必ずRAMクリアスイッチ122をオンに設定するように構成しているため、例えば、遊技者に有利な確変状態が設定されている状態を維持したまま設定変更動作を行うことができない。つまり、設定変更操作が実行された後に設定される遊技状態が初期状態(通常状態)となる。よって、設定変更動作が行われた後に実行される遊技に対して、設定値に基づく大当たり確率の相違以外の遊技条件を統一することができるため、遊技者に対して公平な遊技を提供し易くすることができる。
<第24制御例における演出内容について>
次に、図758から図760を参照して、本第24制御例のパチンコ機10において実行される各種演出のうち特徴的な演出内容について説明をする。本第24制御例のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に停止表示された複数の第3図柄の表示態様の組合せに基づいて、異なるボイス種別で音声出力が実行されるボイス演出を実行可能に構成している。また、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄(表示領域HR2に表示される第1保留図柄hr1~第4保留図柄hr4)の表示位置がシフトされる際に対象となる保留情報に大当たり情報が含まれているか否かを示唆可能な保留シフト演出と、を実行可能に構成している。
まず、図758(a)を参照して、特別図柄変動の開始タイミングにおける演出例について説明をする。図758(a)は、特別図柄変動の開始タイミングにおける第3図柄と、スピーカー部308から出力される音声を示した図である。図758(a)に示した通り、本第24制御例では、変動演出に用いられる第3図柄の表示態様が、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報である「数字部(数字アイコン)」と、装飾用のキャラクタ部(キャラアイコン)とから形成されるように構成しており、基本パターンとして、各数字部に対応させて異なるキャラアイコンが付された基本第3図柄が形成され、基本第3図柄を用いた変動演出が実行される。
基本第3図柄の表示態様を具体的に説明すると、数字アイコン「1」には、タコを模したキャラアイコンが付された第3図柄D1が基本第3図柄として形成され、数字アイコン「4」には、サメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D4が基本第3図柄として形成される。なお、基本第3図柄の表示データは、表示制御装置114が有するキャラクタROM234に予め格納されており、基本第3図柄以外の表示態様である特殊第3図柄を用いるための専用コマンドが出力されない限り、基本第3図柄の表示態様を用いた変動演出が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、変動表示されるキャラアイコンを把握するだけで特別図柄抽選の結果を把握させ易くすることができるため遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
ここで、本第24制御例では、基本第3図柄に代えて、数字アイコンの種別と、キャラアイコンの種別との組合せを異ならせた特殊第3図柄を変動表示可能に構成している。具体的には、図758(a)に示した通り、数字アイコン「3」に、タコを模したキャラアイコンが付された特殊第3図柄を表示可能に構成している。このように構成することで、変動表示される第3図柄に付されたキャラアイコンを確認するだけでは数字アイコンの種別(特別図柄抽選の結果を示すための識別情報)を把握することができない事象を発生させることができるため、遊技者に意外性のある変動演出結果を提供することができる。
さらに、本第24制御例では、表示画面上に表示されている第3図柄(基本第3図柄、特殊第3図柄)に付されているキャラアイコンの種別(キャラ種別)に対応させた音声を出力可能に構成しており、その音声を用いて、次変動にて停止表示される第3図柄に付されたキャラクタ種別を遊技者に示唆可能に構成している。加えて、特殊第3図柄が用いられる変動表示が実行される場合には、図758(a)に示した通り、その特殊第3図柄の表示態様を一旦遊技者に報知してから、変動演出を開始させるように構成している。このように構成することで、音声によって実行される示唆演出の演出結果を遊技者に予測させ易くすることができる。
具体的には、図758(a)に示した通り、特別図柄変動の開始に対応して変動演出が実行される場合には、前回の特別図柄変動に対応した第3図柄が停止表示されている状態から、変動演出が開始される。この場合に、特殊第3図柄を用いた変動演出が実行される場合には、第3図柄D3に示した通り、数字アイコン「3」にカメを模したキャラアイコンを付した特殊第3図柄を表示させた状態で変動演出が実行される。そして、スピーカー部308からは、今回実行される変動演出の演出結果を示すための第3図柄の停止表示態様を示唆するための示唆演出として「タコ君次は当たるかなー、カメ君いくよ」の音声が出力される。
この示唆演出によって、今回実行される変動演出の演出結果を示すための第3図柄の停止表示態様として、タコのキャラアイコン、又はカメのキャラアイコンが付された第3図柄が停止表示される可能性が高いことが遊技者に示唆される。遊技者は示唆演出として出力された音声の内容を把握することにより、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示される可能性を算出しながら(予測しながら)遊技を行うことが可能となる。ここで、上述した通り、本第24制御例では、特殊第3図柄を表示可能に構成しているため、上述した示唆演出により遊技者に提供される内容(停止表示され得るキャラアイコン種別)に基づいて予想し得る第3図柄の停止表示パターンを増加させることが可能となり、遊技者に今後の遊技内容(演出結果)を予測する楽しみを増大させることができる。
さらに、特殊第3図柄が用いられる場合には、図758(a)に示した通り、変動演出が開始される前に、特殊第3図柄が用いられることを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成している。そして、報知演出として、実際に用いられる特殊第3図柄の表示態様の少なくとも一部を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、特殊第3図柄の表示態様も含めて、示唆演出により遊技者に提供される内容(停止表示され得るキャラアイコン種別)に基づいて第3図柄の停止表示パターンを予測することが可能となるため、予測精度を高め易くすることができる。
なお、図758(a)に示した図では、特殊第3図柄が用いられることを示すために、実際に用いられる特殊第3図柄の表示態様を表示可能に構成しているが、これに限ること無く、基本第3図柄とは異なる組合せの特殊第3図柄が用いられた変動演出が実行されることを示すだけの報知演出(例えば、キャラシャッフル中の文字表示)を実行するように構成しても良い。
さらに、図758(a)に示した図では、特殊第3図柄が1種類表示される例を示しているが、1の変動演出において用いられる特殊第3図柄の種類を2種類以上としても良い。この場合、1の変動演出において用いられる特殊第3図柄の表示態様を、変動演出が開始されるよりも前に全て遊技者に報知可能に構成しても良いし、少なくとも一部のみを遊技者に報知可能に構成しても良い。
また、本第24制御例では、パチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するMPU221により実行される処理によって、特殊第3図柄を用いるか否か、或いは、用いられる特殊第3図柄の表示態様を決定するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が任意の組合せで特殊第3図柄を生成することができるように構成しても良い。
次に、図758(b)を参照して、音声出力を用いる別の演出内容について説明をする。図758(b)は、前回の変動演出の結果を示す第3図柄の停止表示態様が、特定の停止表示態様(7リーチハズレ)であった場合における、次変動中に実行される音声演出を示した図である。上述した通り、本第24制御例では、前回の変動演出の結果として停止表示された第3図柄に付されたキャラアイコン種別(キャラ種別)に応じた音声を用いた音声演出を、前回の変動演出が終了した後に実行可能に構成している。さらに、前回の変動演出の結果として停止表示された第3図柄の組合せに応じた特典を音声演出によって遊技者に付与可能に構成している。
具体的には、図758(b)は、前回実行された変動演出の結果が「7リーチ外れ」であるため、後述するボイスコマンド選択テーブル222xaを参照して選択されたキャラボイス(7リーチキャラ)が設定されている状態であるため、変動演出が実行されている間、表示領域HR30に、現在設定されている音声データ(キャラボイス)を示すための案内態様として「キャラボイス7キャラ」が表示されている。そして、スピーカー部308からは、「7リーチ外れ」に対応する音声演出として遊技者に付与される特典である設定示唆演出「今日の運勢は大吉だよ」の音声が出力される。
このように構成することで、次の変動演出が実行されたことにより、前回の変動演出にて停止表示された第3図柄の停止表示態様を視認できなくなったとしても、音声出力されているキャラボイスがどのキャラアイコンに対応したものであるかを遊技者に把握させ易くすることができる。
次に、特別図柄変動に対応させて実行される変動演出の演出結果を示すための第3図柄が停止表示された状態が継続する状態、即ち、次の特別図柄抽選が実行されない状態(待機状態))における音声演出の内容について、図759(a)を参照して説明をする。図759(a)は、待機状態中(デモ演出中)に実行される音声演出の内容を示した図である。図759(a)に示した通り、前回の変動演出の演出結果として数字アイコン「1」にタコを模したキャラアイコンが付された第3図柄D1と、数字アイコン「4」にサメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D4と、数字アイコン「3」にカメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D3と、が停止表示された状態で待機状態が設定されると、通常であれば、停止表示されている3つの第3図柄のうち、左側の図柄列(最初に停止表示される図柄列)に停止表示された第3図柄D1に付されたキャラ種別に対応するキャラボイス(ボイスデータ)で待機状態中における音声演出が実行される。このように、待機状態中に出力される音声のボイスデータを、停止表示されている第3図柄(前回の変動演出の演出結果を示すために停止表示された第3図柄)の種別に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して多彩な演出(音声演出)を実行することができ、演出効果を高めることができる。
本第24制御例では、上述した通り、実行される音声演出に用いられるボイスデータの種別を、停止表示された第3図柄に付されたキャラクタ種別に応じて異ならせることができるように構成している。そして、第3図柄が停止表示される毎にボイスデータの種別が切り替わってしまうことを抑制するために、音声出力に用いられるボイスデータを所定条件が成立するまで固定可能に構成している。具体的には、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合には、その第3図柄に対応するキャラ種別のボイスデータを用いた音声出力を、次に大当たり図柄が停止表示されるまでの間、継続して実行可能に構成している。つまり、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合には、大当たり当選以外を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合とは異なる特典として、同一のボイスデータを継続して出力可能とする特典を付与可能に構成している。
このように構成することで、遊技者が所望するお気に入りのキャラクタ種別が付された第3図柄で大当たりすることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。また、特別図柄抽選が実行される毎にボイスデータが切り替わってしまい、統一性の無い音声演出が実行され演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
図759(b)に示した通り、ボイスデータが固定されている場合には、主表示領域Dmの右側の表示領域HR30に現在設定されているボイスデータを示すための表示態様として「キャラボイス7キャラ」が表示されると共に、その上方に形成される表示領域HR31に、ボイスデータが固定されている状態であることを示すための「ボイス固定中」の表示態様が表示される。これにより、現在が「7キャラ」に対応するボイスデータが固定されていることを遊技者に分かり易く把握させることができる。
さらに、表示領域HR32には、ボイスデータが固定されている状態を解除するための遊技方法(操作方法)を案内するための表示態様として、演出ボタン22を模したボタンアイコンを表示し、「ボタン押下でボイス固定解除出来るよ」の文字が表示される。これにより、現在固定されているボイスデータに基づく音声出力を解除可能であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
図759(b)に示した例では、7キャラに対応する第3図柄で大当たり当選し、「7キャラ」のボイスデータが固定されているため、大当たり遊技終了後に複数回特別図柄抽選を実行し、前回の変動演出の演出結果として数字アイコン「1」にタコを模したキャラアイコンが付された第3図柄D1と、数字アイコン「4」にサメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D4と、数字アイコン「3」にカメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D3と、が停止表示された状態で待機状態が設定された場合であっても、その待機状態中に「7キャラ」のボイスデータを用いた音声演出が実行される。
詳細は後述するが、本制御例では、「7キャラボイス」を用いた音声演出が実行される場合には、特典としてパチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能な設定示唆演出を実行可能に構成しているため、待機状態中実行される音声演出の一部において設定示唆演出が実行される場合がある。設定示唆演出が実行された場合には、図759(b)に示した通り、図758(b)に示した例と同様にスピーカー部308から「今日の運勢は大吉だよ」という音声が出力され、設定値が遊技者に有利な設定値であることを報知している。
このように、本第24制御例では、第3図柄の停止表示態様に応じて異なるボイスデータで音声演出を実行するだけで無く、第3図柄の停止表示態様の種別に応じ専用の特典を付与することができるため、停止表示される第3図柄の表示態様に応じた演出を実行可能となり、演出効果を高めることができる。
次に、図760を参照して、本第24制御例における保留図柄を用いた演出(先読み演出)のうち、保留図柄の表示位置が移行(シフト)する際に実行される保留シフト時チャンス演出の演出内容について説明をする。図760(a)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示領域HR2に表示されている画面(保留変化前兆表示画面)であって、特別図柄変動が実行されている状態に表示される表示画面の一例を示した図であって、図760(b)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示領域HR2に表示されている画面(保留変化前兆表示画面)であって、特別図柄変動が実行されていない状態(特別図柄が停止表示されている状態)に表示される表示画面の一例を示した図であって、図760(c)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示位置をシフトする場合に実行される保留シフト時チャンス演出の一例を示した図であって、図760(d)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示位置をシフトする場合に実行される保留シフト時チャンス演出の一例を示した図である。
上述した第22制御例では、保留変化演出が実行されるまで、保留変化演出の対象となる保留図柄を遊技者が把握し難くなるように、保留変化演出が実行されるまでは、保留図柄の表示態様を保留変化演出の対象とならない保留図柄の表示態様と同一の表示態様を用いていた。これに対して、本第24制御例では、保留変化演出の対象となる保留図柄を、保留変化演出が実行されるよりも前に、遊技者が識別可能となるように専用の表示態様(前兆表示態様)を設定可能に構成している。
具体的には、図760(a)に示した通り、上述した第22制御例と同様に、通常の保留図柄は、色付きの表示態様(第1保留図柄hr1、第2保留図柄hr2、第4保留図柄hr4)で表示されるが、保留変化演出の対象となる保留図柄に対しては、通常の表示態様とは異なる表示態様として、第3保留図柄hr3に示したとおり、渦巻き状の表示態様(前兆表示態様)で表示されるように構成している。このように構成することで、保留変化演出が実行されるよりも前に、保留変化演出が実行される可能性があることを遊技者に示唆することができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、図760(a)に示した通り、前兆表示態様は、特別図柄変動が実行されている最中、即ち、保留図柄の表示位置が移行(シフト)しない間、右回りに回転表示されるように構成している。このように前兆表示態様を動的表示(回転表示)させることにより、静的表示(停止表示)されている通常の保留図柄との違いを遊技者に分かり易くすることができる。
そして、図760(b)に示した通り、実行中の特別図柄変動が停止表示され、新たな特別図柄変動(第1保留図柄hr1に対応する保留情報(入賞情報)を用いた特別図柄変動)が実行される場合には、上述した第22制御例と同様に、各保留図柄の表示位置をシフトする(第1保留図柄hr1が、実行中保留図柄が表示される表示領域HR1(図672参照)へとシフト移動し、次いで、表示領域HR2に表示される各保留図柄の表示位置が一つ左にシフト移動する)演出が実行される。
ここで、特別図柄変動の変動時間は、特別図柄抽選の結果に応じて様々な変動時間が設定されるように構成しているため、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおける前兆保留図柄の表示態様が異なってしまう事象が発生する。具体的には、前兆表示態様が第1態様から第2態様を経て第1態様へと動的表示される表示態様を繰り返し実行するものであれば、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて、前兆保留図柄が第1態様で表示されている場合もあれば、第2態様で表示されている場合もある。
本第24制御例では、動的(回転)表示される前兆表示態様が付された前兆保留図柄を、特別図柄変動の停止表示タイミングで静的(停止)表示させるように構成している。具体的には、動的表示されている前兆表示態様を、所定の初期停止態様(第1態様)で表示させるように構成している。そして、保留図柄をシフト移行させる演出を実行する場合には、前兆表示態様の保留図柄に対して、初期停止態様(第1態様)の状態から様々な動作演出が実行される演出パターンを設定可能に構成している。
このように構成することで、保留図柄のシフト演出を実行する場合に設定される演出パターンを、初期停止態様から開始される演出パターンのみとすることができるため、保留図柄のシフト移行時における前兆表示態様の動的位置(動作位置)に対応させて演出パターンを設ける場合に比べて、少なくすることができる。
詳細な説明は後述するが、本第24制御例では、前兆保留図柄がシフト移行する際に保留シフト時チャンス演出を実行可能に構成しており、保留シフト時チャンス演出として設定される演出態様の種別に応じて、大当たり当選の期待度や、設定値を遊技者に示唆可能に構成している。つまり、動的表示されている前兆保留図柄を停止表示させるタイミングよりも、前兆保留図柄がシフト移行するタイミングの方が、遊技者が前兆保留図柄を注視することになる。よって、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて前兆保留図柄がどの態様で表示されているかに関わらず強制的に初期停止態様(第1態様)で停止表示させたとしても、遊技者に違和感を与え難くすることができる。
なお、本第24制御例では、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおける前兆保留図柄の表示態様に関わらず、特別図柄変動が停止表示されると、前兆保留図柄を強制的に初期停止態様で停止表示させるように構成し、前兆保留図柄がシフト移行する際には、初期停止態様から開始される演出パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、初期停止態様として少なくとも2種類の停止態様(第1初期停止態様、第2初期停止態様)を設定可能に構成し、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおける前兆保留図柄の表示態様に基づいて、何れかの初期停止態様を設定するように構成し、前兆保留図柄がシフト移行する際に実行される演出パターンとして、第1初期停止態様から開始される演出パターンと、第2初期停止態様から開始される演出パターンと、を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、動的表示している前兆保留図柄を停止表示させる際にも遊技者に違和感を与え難くすることができる。
さらに、特別図柄変動が停止表示される直前から、前兆保留図柄がシフト移行されるまでの間の期間(例えば、特別図柄の確定表示期間)において、動的表示中の前兆保留図柄が初期停止態様に対応する第1態様で表示されたと判別した場合に、前兆保留図柄を停止表示させるように構成しても良い。つまり、特別図柄変動の停止表示タイミングと前兆保留図柄の停止表示タイミングとをズラすことで、違和感無く前兆保留図柄の動的表示を終了させるように構成しても良い。この場合、特別図柄の確定表示期間よりも、前兆保留図柄の動的表示期間(第1態様から動的表示され、再度第1態様となるまでの期間)の方が短くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄が確定表示されている期間内において、前兆保留図柄を第1態様で違和感無く停止表示させることができる。
図760(c)は、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「ジャンプ」が設定された場合における表示領域HR2付近の表示画面の一例を示した図である。図760(c)に示した通り、保留シフト時チャンス演出が実行されると、前兆保留図柄のみ、他の保留図柄とは異なる演出態様(動的表示態様)でシフト移行する。図760(c)では、前兆保留図柄である第3保留図柄hr3が、表示領域HR2の上方へ飛び出した後、シフト先の表示位置へと移動する演出態様を示している。つまり、前兆保留図柄のみ、他の保留図柄よりも移動距離が長くなる演出態様を示している。よって、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「ジャンプ」が設定された場合には、前兆保留図柄が表示領域HR2の外部を移動している間に、他の保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)への移行が完了し、次いで、前兆保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)へと移行する演出が実行される。
このように構成することで、通常の保留図柄と、前兆保留図柄とで、表示位置(表示領域)のシフト移行が完了するタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して、前兆保留図柄の演出態様をより注視させることができる。また、通常の保留図柄よりも、前兆保留図柄の方が、表示位置(表示領域)のシフト移行が完了するタイミングを遅らせている。即ち、前兆保留図柄がシフト移行するのに要する期間を、通常の保留図柄がシフト移行するのに要する期間よりも長くなるように構成しているため、保留シフト時チャンス演出の演出期間をより長くすることができる。
次に、図760(d)は、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「高速」が設定された場合における表示領域HR2付近の表示画面の一例を示した図である。図760(d)に示した通り、保留シフト時チャンス演出が実行されると、前兆保留図柄のみ、他の保留図柄とは異なる演出態様(動的表示態様)でシフト移行する。図760(d)では、前兆保留図柄である第3保留図柄hr3が、他の通常保留図柄よりも早く、シフト先の表示位置へと移動する演出態様を示している。よって、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「高速」が設定された場合には、他の保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)への移行が完了するよりも前に、前兆保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)へと移行するため、同一の表示位置(表示領域)に、複数(2つ)の保留図柄(の少なくとも一部)が一時的に表示されることになる。このように構成することで、遊技者に対して、違和感を与えることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本第24制御例における前兆保留図柄の表示態様を、上述した第22制御例において適用しても良い。このように構成することで、保留変化演出の対象となる保留図柄を遊技者に分かり易く報知することができる。
また、本第24制御例において、上述した第22制御例と同様に前兆保留図柄を用いること無く、シフト時チャンス演出の実行タイミングにおいて、対象となる保留図柄のみシフト移行時の演出態様として、図760(c)、図760(d)に示した演出態様を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
また、本第24制御例では、前兆保留図柄のみシフト時チャンス演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、前兆保留図柄にてシフト時チャンス演出が実行される場合に、同一の演出態様を用いて、他の保留図柄もシフト移行するように構成しても良い。このように構成することで、表示領域HR2に表示されている複数の保留図柄に対して通常とは異なる演出態様(「ジャンプ」、「高速」)を設定することができるため、遊技者に対してシフト時チャンス演出が実行されたことを分かり易く報知することができる。
<第24制御例における電気的構成について>
次に、図761を参照して、本第24制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図761は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図761に示した通り、本第24制御例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第22制御例におけるパチンコ機10の電気的構成(図687参照)に対して、主制御装置110のMPU201にバスライン204を介して接続されている入出力ポート205に、設定値表示装置110a、設定スイッチ110c、設定キー110bが接続され、MPU201は設定キー110bや設定スイッチ110cへの操作に応じて出力される信号に基づいて設定値を変更する処理や、設定値を表示する処理を実行する点で相違している。なお、設定キー110bや設定スイッチ110cを用いた各種操作の内容や、設定値表示装置110aに表示される表示内容については、図757を参照して上述したため、その説明を省略する。
次に、図762を参照して、本第24制御例のパチンコ機10における音声出力装置226の電気的構成について説明をする。図762は、音声出力装置226の電気的構成を簡易的に示したブロック図である。図762に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113とデータの送受信が可能に接続されている。
図762に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データ(ボイスデータ)を記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203とが内蔵されている。
音声出力装置226のMPU301は、入出力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入出力ポート305を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、音声合成部306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。
音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとしてアンプ部307へと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。合成音声データは、アンプ部307によって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。なお、本第24制御例では、音声合成部306によって生成された合成音声データを、アンプ部307だけでなく、公知のAC-DCコンバータで構成されたADC309に対しても入力する構成としている。このADC309は、アナログデータである合成音声データを、デジタルデータに変換してMPU301に対して出力可能に構成されている。
より具体的には、ADC309は、比較器309a1~309a15と、デコード部309bとを少なくとも有している。各比較器309a1~309a15は、それぞれ受信したアナログデータの振幅(電圧)が、各比較器309a1~309a15に対応する電圧よりも大きいか否かを判別することができる。なお、各比較器309a1~309a15に対応する電圧としては、7ボルトから-7ボルトまでの範囲で1ボルトずつ設定されている。各比較器309a1~309a15は、対応する電圧値よりも合成音声データの電圧値の方が大きい場合に、Lを出力し、合成音声データの方が小さければHを出力する構成となっている。
デコード部309bは、各比較器309a1~309a15の出力の組み合わせから、今回の合成音声データの電圧値の範囲を特定して、4ビットのデジタル値に変換する。即ち、電圧が低い範囲の順に、「0000B」から「1111B」までのデジタル値に変換する。具体的には、例えば、合成音声データの電圧値が7ボルトよりも大きい場合には、デジタル値として「1111B」が出力される。また、例えば、合成音声データの電圧値が3ボルトより大きく、4ボルト以下である場合には、デジタル値として「1011B」が出力される。
MPU301では、ADC309から出力された合成後の音声データを所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングして、その平均値(平均の振幅)を音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としている。音声ランプ制御装置113は、受信した平均の振幅から、対応する振動強度(DUTY比)を特定する。そして、その特定した振動強度(DUTY比)で音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されている駆動モータ770のうち、振動付与用モータ(図示せず)を駆動させるための動作コマンドをモータ制御用ICに対して設定する。これにより、スピーカー部308から出力される音声に合わせて、振動強度を可変させることができるので、臨場感のある演出を提供することができる。
なお、本第24制御例では、ADC309から出力されたデジタル値をMPU301に出力する構成としているが、直接入出力ポート305に対して出力することで、デジタル値をそのまま音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。そして、振動演出を伴う変動演出を実行する場合には、音声ランプ制御装置113側において、デジタル値を所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングすることで平均の振幅を算出する構成としてもよい。そして、算出した平均の振幅に応じた振動強度(DUTY比)をモータ制御用ICに対して動作コマンドで通知する構成としてもよい。これにより、MPU301の処理負荷を軽減することができる。
本第24制御例では、合成音声データを、振幅の絶対値の平均値に変換して、その平均値に基づいて振動強度(DUTY比)を特定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、サンプリングを行う所定期間(例えば、0.1秒間)における絶対値の最大値を、音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよいし、実効値(振幅の最大値を2の平方根で除算した値)を算出して音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置113から出力されるボイスコマンドに対応させて、振動付与用モータを駆動させるための動作コマンドの種別を可変設定するように構成しても良く、例えば、高い音域のボイスデータを指定するためのボイスコマンドが設定された場合には、短い振幅に応じた振動強度を動作コマンドとして設定し、低い音域のボイスデータを指定するためのボイスコマンドが設定された場合には、長い振幅に応じた振動強度を動作コマンドとして設定するように構成しても良い。
このように構成することで、ボイスデータの種別を異ならせたことにより実行される音声出力に対して、より明確な差を設けることができる。
次に、図763を参照して、本第24制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成のうち、特別図柄大当たり乱数テーブル202xaの内容について説明をする。本第24制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するROM202は、上述した第22制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するROM202に対して、特別図柄抽選の当否判定(大当たり判定)を決定する際に参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図763を参照して、特別図柄大当たり乱数テーブル202xaに規定されている内容について説明をする。この特別図柄大当たり乱数テーブル202xaは、特別図柄の抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであり、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲が、特別図柄の状態、および設定値毎に規定されている。図763は、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。
図763に示した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、設定値「1」に対して「0~249」の250個が設定され、設定値「2」に対して「0~274」の275個が設定され、設定値「3」に対して、「0~299」の300個が設定されている。一方、図763に示した通り、確変遊技状態(特別遊技状態)において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)としては、設定値「1」に対して「0~999」の1000個が設定され、設定値「2」に対して「0~1099」の1100個が設定され、設定値「3」に対して「0~1199」の1200個が設定されている。
本第24制御例では、第1当たり乱数カウンタの取り得る値が「0~65535」の65536通りであることから、設定「1」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり当選する確率(大当たり確率)が約1/262となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/65となる。また、設定「2」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/238となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/60となる。また、設定「3」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/218となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/55となる。
よって、設定「1」が最も大当たり当選し難い設定値(不利設定値)となり、設定「3」が最も大当たり当選し易い設定値(有利設定値)となる。そして、上述した通り、本第24制御例では、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となるように構成している。つまり、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に、同一の特典(大当たり当選し易くするための特典)を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、複数段階の設定値を設定可能に構成したパチンコ機10において、特別図柄の確率状態が切り替わる際に付与される特典を設定値に関わらず均一にすることができるため、設定値に応じて遊技内容が過剰に異なってしまうことを抑制することができる。
なお、設定値に応じて、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に付与される特典内容を異ならせても良く、例えば、設定「1」よりも設定「3」のほうが、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合における大当たり確率の可変度合いが大きくなるように構成しても良く、設定「1」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となり、設定「3」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が6倍となるように構成しても良い。このように構成することで、不利設定である設定「1」に対する有利設定である設定「3」の有利度合いをより大きくすることができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
本第24制御例では、パチンコ機10に設けられた設定値を3段階としているが、これに限ること無く、設定値を2段階にしても良いし、4段階以上(例えば、6段階)にしても良い。さらに、本第24制御例では、特別図柄の大当たり確率に設定差を設けているが、これに限ること無く、例えば、大当たり確率や小当たり確率や確変状態の設定確率や確変状態が継続する期間や、大当たり遊技の遊技内容といった遊技の有利度合いを可変可能な各種要素に対して設定差を設けるように構成しても良い。このような場合であっても、設定される設定値に応じて遊技者に異なる有利度合いを提供することができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図764を参照して、本第24制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するRAM223の構成について説明をする。図764は、RAM203の構成を示したブロック図である。図764に示した通り、本第24制御例におけるRAM203は、上述した第22制御例におけるRAM203(図689(b)参照)に対して、設定値格納エリア203xaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
設定値格納エリア203xaは、パチンコ機10の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。より具体的には、設定値格納エリア203xaにデータとして「00H」が格納されていれば、設定値「1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定値「2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定値「3」が設定されていることを示す。特別図柄の抽選を実行する際は、この設定値格納エリア203xaのデータを読み出して、その読み出したデータが示す設定値に対応する抽選確率で特別図柄の抽選(大当たり抽選)を実行する。即ち、特別図柄大当たり乱数テーブル202xa(図763参照)のうち、設定値格納エリア203xaのデータが示す設定値に対応する乱数値の範囲と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較することにより特別図柄の抽選を実行する。なお、設定値格納エリア203xaの値は、初期値が「00H」に設定されており、設定変更状態において設定スイッチ110cが押下(操作)される毎に、「01H」→「02H」と「01H」ずつ値が更新され、データが「02H」の状態で更に設定スイッチ110cが押下されると、データが「01H」に更新される。なお、RAMクリアスイッチ122の押下を伴って電源が投入されると、RAM203のデータは全て初期値にリセット(クリア)される。よって、単にRAMクリア操作のみを行った場合、設定値格納エリア203gの値も初期値である「00H」にリセットされる。即ち、設定変更動作を実行せずに、単にRAMクリア動作のみを行ったとしても、設定1には変更することができる。これにより、ホールの利便性を向上させることができる。
次に、図765を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図765は、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成を示した図である。図765に示した通り、本第24制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113が有するROM222は、上述した第22制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222(図693(a)参照)に対して、ボイスコマンド選択テーブル222xaと、保留アクション選択テーブル222xbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ボイスコマンド選択テーブル222xaは、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄のキャラクタに対応したボイス種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第24制御例では、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の種別として、特別図柄抽選の結果に対応した「1」~「7」の7つの数字アイコンの何れかと、7種類のキャラクタ(「1キャラ」~「7キャラ」)との何れかが組み合わさった第3図柄が停止表示されるように構成している。
基本的には、数字アイコン「1」と、キャラクタ「1キャラ」とが組み合わさって「第1第3図柄」が、数字アイコン「2」と、キャラクタ「2キャラ」とが組み合わさって「第2第3図柄」が、数字アイコン「3」と、キャラクタ「3キャラ」とが組み合わさって「第3第3図柄」が、数字アイコン「4」と、キャラクタ「4キャラ」とが組み合わさって「第4第3図柄」が、数字アイコン「5」と、キャラクタ「5キャラ」とが組み合わさって「第5第3図柄」が、数字アイコン「6」と、キャラクタ「6キャラ」とが組み合わさって「第6第3図柄」が、数字アイコン「7」と、キャラクタ「7キャラ」とが組み合わさって「第7第3図柄」が、それぞれ形成されるように構成している。
さらに、第3図柄の組合せ変更条件(例えば、特別図柄変動回数が所定回数(500回)に到達した場合に成立する変更条件や、大当たり当選回数が所定回数(5回)に到達した場合に成立する変更条件等)が成立した場合には、第3図柄を形成する数字アイコンに対して異なる種別のキャラクタが組み合わされる特殊第3図柄を形成可能に構成している。
そして、本第24制御例では、停止表示した第3図柄の数字アイコンの種別に関わらず、キャラクタ種別に応じたボイスデータを音声出力装置226から出力される音声に用いることが可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選が実行される毎に(遊技を実行する毎に)、異なる種別のボイスデータを用いた音声がパチンコ機10から出力されるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第24制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示された第3図柄の組合せ(キャラクタ種別の組合せ)に応じて、専用の特典を付与可能に構成している。具体的には、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示された場合には、その第3図柄に付随しているキャラクタ種別に対応するボイスデータに基づく音声出力を継続させて遊技を行うか否かを遊技者が選択可能な特典を付与可能とし、第3図柄表示装置81の表示面に特定の組合せ(例えば、リーチハズレ)で第3図柄が停止表示した場合には、そのリーチ状態となっている第3図柄に付随しているキャラクタ種別に対応するボイスデータに基づく音声によって、パチンコ機10に設定されている設定値(「1」~「3」)を示唆可能なセリフが発せられる設定示唆特典を付与可能に構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることにのみ注視していた遊技者に対して、当たり当選以外の特典が付与されることを期待しながら特別図柄抽選の結果(第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄の停止表示態様)を注視させることが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第24制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄として、数字アイコンの種別と、キャラクタ種別とを通常とは異ならせた特殊第3図柄を停止表示可能に構成している。さらに、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄に付随するキャラクタを示唆可能なセリフを音声出力可能に構成している。
つまり、音声出力されたセリフに基づいて次に停止表示される第3図柄種別を遊技者に予測させることが可能に構成しながらも、第3図柄として数字アイコンの種別と、キャラクタ種別とを通常とは異ならせた特殊第3図柄を表示可能に構成しているため、例えば、「1キャラ」が数字アイコン「1」に対応する第3図柄と、数字アイコン「3」に対応する第3図柄とに付随している状態では、「1キャラ」が停止表示されることを示唆するセリフが音声出力された場合において、遊技者に対して、数字アイコン「1」に対応する第3図柄が停止表示するのか数字アイコン「3」に対応する第3図柄が停止表示するのかを予測させる楽しみを提供することができる。
ここで、図766を参照して、本第24制御例においてボイスデータを決定する際に参照されるデータテーブルであるボイスコマンド選択テーブル222xaの内容について説明をする。図766はボイスコマンド選択テーブル222xaに規定されている内容を示した図である。
ボイスコマンド選択テーブル222xaは、第3図柄が停止表示された場合に実行される停止コマンド処理24(図777のF2273参照)において、停止表示されている第3図柄の停止表示態様に基づいて対応するボイスコマンドを決定する際に参照される(図777のF2672参照)。図766に示した通り、停止表示された第3図柄に付随されているキャラクタ種別に応じて、各キャラクタ種別に対応するボイスデータを特定するためのボイスコマンドが規定されている。また、停止表示された第3図柄に付随されているキャラクタ種別の組合せに応じた特典も規定されている。
ボイスコマンド選択テーブル222xaを参照してボイスコマンドを決定すると、決定したボイスコマンドに対応する音声用ボイスコマンドが音声出力装置226に対して出力される。そして、音声出力装置226では、受信したボイスコマンドに基づいて、対応するボイスデータを特定し、特定したボイスデータを用いて遊技用の共通音声が出力される。つまり、パチンコ機10から常時出力される内容の音声のボイスデータのみを変更させることが可能となる。
さらに、音声出力装置226が受信したボイスコマンドに特定のセリフ出力を示す情報が含まれている場合には、対応するセリフデータを読み出して、受信したボイスデータを用いて受信したセリフを出力することが可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄の停止表示態様(キャラクタ種別)によって、パチンコ機10から出力される音声のボイスデータを異ならせるだけで無く、専用のセリフを出力することも可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第24制御例では、特定のボイスコマンド専用のセリフとして、遊技者に有利な情報(例えば、設定値情報)を示唆可能なセリフも含んでいるため、様々なボイスデータで音声が出力されることによる演出効果の向上に加え、遊技者に有利な特典を付与可能となるため、遊技者に対してボイスデータが変更されることに興味を持たせることができる。
次に、ボイスコマンド選択テーブル222xaに規定されている内容について図766を参照して詳細に説明をする。図766に示した通り、ボイスコマンド選択テーブル222xaには、停止表示された第3図柄種別として、大当たり当選を示す第3図柄種別と、リーチハズレを示す第3図柄種別と、完全外れ(バラケ目)を示す第3図柄種別と、が大別され、大別された第3図柄種別毎に異なる特典を付与可能に構成している。そして、大別された第3図柄種別のそれぞれに対して、実際に停止表示された第3図柄種別(キャラクタ種別)に対応するボイスが規定されている。
具体的には、第3図柄種別が「大当たり」、即ち、同一の数字アイコンが3つ並んで停止表示された場合は、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「1キャラ」に対して、選択ボイス「1キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド1」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「2キャラ」に対して、選択ボイス「2キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド2」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「3キャラ」に対して、選択ボイス「3キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド3」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「4キャラ」に対して、選択ボイス「4キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド4」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「5キャラ」に対して、選択ボイス「5キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド5」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「6キャラ」に対して、選択ボイス「6キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド6」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「7キャラ」に対して、選択ボイス「7キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド7」が規定されている。
そして、第3図柄種別が「大当たり」である場合には、付与される特殊特典として、設定されたボイスデータを継続設定可能な特殊特典が規定されている。つまり、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり図柄に付されているキャラクタに対応したボイスデータで後の遊技(大当たり中の遊技や、大当たり遊技終了後の遊技)に関する音声出力が実行されるように構成している。本第24制御例では、次に大当たり当選するまでの期間、同一のボイスデータを用いた音声出力が継続されるように構成している。このように構成することで、お気に入りのキャラクタに対応するボイスデータが特定されたにも関わらず、即座に別のボイスデータが特定されてしまうことを抑制することができる。
また、本第24制御例では、特定のボイスデータに対応する音声出力を継続させる特典を、大当たり当選した場合に付与可能に構成しているため、様々な遊技音声をお気に入りのキャラクタに対応するボイスデータで出力させることを希望する遊技者に対して、特定のキャラクタ種別が付された第3図柄で大当たり表示されることを期待しながら継続して遊技を行わせることができる。
なお、本第24制御例では、大当たり当選(大当たり図柄の停止表示)に基づいて特定されたボイスデータを用いた音声出力を次の大当たり当選まで継続するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が操作手段(例えば、演出ボタン22)を操作することによって、大当たり当選したことに基づいて付与される特殊特典をクリアするように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が所望しないボイスデータが特定されるキャラクタが付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合であっても、そのボイスデータに基づく音声出力が長時間継続してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第24制御例では、大当たり当選(大当たり図柄の停止表示)に基づいて特定されたボイスデータを用いた音声出力を次の大当たり当選まで継続するように構成することで、お気に入りのキャラクタに対応するボイスデータが特定されるまで遊技者に継続して遊技を行わせ易くするものであるが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した回数や、遊技時間(特別図柄抽選回数)に基づいて、大当たり当選する場合に停止表示される第3図柄に付されるキャラクタ種別を遊技者が任意に選択可能に構成しても良い。このように構成することで、長時間遊技を行い、何回も大当たり当選したにも関わらず、お気に入りのキャラクタが付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示されず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、第3図柄種別として「リーチハズレ」、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される複数の第3図柄のうち、一部の第3図柄が大当たり当選を示す組合せで停止表示された状態(リーチ状態)が表示された後、残りの第3図柄が大当たり当選を示す組合せとは異なる表示態様で停止表示された場合は、リーチ状態で表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「7キャラ」に対して、選択ボイス「リーチキャラ(7キャラ)」を特定するためのボイスコマンド「コマンド8」が規定されており、リーチ状態で表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「7を除く奇数キャラ(1キャラ、3キャラ、5キャラ)」に対して、選択ボイス「リーチキャラ(1キャラ、3キャラ、5キャラ)」を特定するためのボイスコマンド「コマンド9」~「コマンド11」が規定されており、リーチ状態で表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「偶数キャラ(2キャラ、4キャラ、6キャラ)」に対して、選択ボイス「リーチキャラ(2キャラ、4キャラ、6キャラ)」を特定するためのボイスコマンド「コマンド12」~「コマンド14」が規定されている。
そして、第3図柄種別が「リーチハズレ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能なセリフ出力(会話セリフ)を特殊特典として付与可能な情報が規定されている。ここで、詳細な説明は省略するが、本第24制御例では、リーチ状態となった第3図柄の種別に応じて、大当たり当選の期待度を異ならせており、数字アイコン「7」が付された第3図柄がリーチ状態となる「7リーチ」が成立した場合には、他の第3図柄がリーチ状態となる場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。具体的には、「7リーチ」が成立した場合の約90%が大当たり当選するように構成している。
このように構成することで、リーチ状態となった第3図柄の種別に応じて、全ての第3図柄が停止表示されるよりも前に大当たり当選の期待度を遊技者に予測させることができる。また、同一の演出態様の変動演出(リーチ演出)が実行された場合であっても、リーチ状態となった第3図柄の種別によって大当たり当選の期待度を異ならせることが可能となる。よって、大当たり期待度の異なる変動演出を、同一の演出態様を用いて提供することができるため、変動演出に用いられる画像データ(リーチ映像データ)の量を削減することができる。
このように構成されたパチンコ機10では、大当たり当選の期待度が高い第3図柄の種別でリーチ状態(7リーチ状態)が表示された後、外れ当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合、即ち、大当たり当選の期待度が高い変動演出が実行されたにも関わらず、外れ当選した場合に、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第24制御例では、大当たり当選の期待度が高いにも関わらず、外れ当選した場合に停止表示される第3図柄の組合せ(7リーチハズレ)で第3図柄が停止表示された場合に、大当たり当選とは異なる特典(設定示唆)を遊技者に提供可能に構成している。このように構成することで遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第24制御例では、大当たり当選を示す組合せで第3図柄が停止表示された場合における第3図柄の種別に応じて、設定される大当たり種別(通常(時短)大当たり、確変大当たり)を遊技者に示唆可能に構成しており、停止表示された第3図柄の種別が数字アイコン「奇数(1,3,5,7)」である場合の方が、数字アイコン「偶数(2,4,6)」である場合よりも遊技者に有利な大当たり(確変大当たり)に当選した可能性が高くなるように構成している。
よって、第3図柄表示装置81にリーチハズレを示す組合せで第3図柄が停止表示される場合において、数字アイコン「奇数」のリーチ状態がリーチハズレになった場合と、数字アイコン「偶数」のリーチ状態がリーチハズレになった場合とで、遊技者の遊技意欲の低下度合いが異なるものであった。
ここで、本第24制御例では、停止表示された第3図柄種別が「リーチハズレ」である場合に付与される特殊特典の内容を、「リーチハズレ」となった第3図柄の種別に応じて異ならせるように構成しており、「リーチハズレ」の表示態様で第3図柄が停止表示された場合における遊技者の遊技意欲の低下度合いが高い程、即ち、大当たり当選の期待度が高いリーチ状態で外れ当選したり、大当たり当選時に遊技者に有利な特典が付与され易い第3図柄のリーチ状態で外れ当選したりする方が、遊技者に有利となる特殊特典が付与されるように構成している。
より具体的には、図766に示した通り、「リーチハズレ」の対象が「7リーチ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値を分かり易く報知する「設定示唆強」の音声出力(図758(b)参照)を実行可能な特殊特典が規定されており、「リーチハズレ」の対象が「7以外の奇数リーチ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能な「設定示唆弱」の音声出力を実行可能な特殊特典が規定されており、「リーチハズレ」の対象が「偶数リーチ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値が示唆されることの無い賑やかし用の音声出力を実行可能な特殊特典が規定されている。
このように構成することで、遊技者に対して、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様であるか否かだけで無く、どの第3図柄種別で停止表示されたかについても興味を持たせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者に有利な特殊特典を付与可能な第3図柄の停止表示態様として「リーチハズレ」を規定しているため、例えば、第3図柄の停止表示態様に関わらず、第3図柄が全て停止表示したタイミングにおいて、所定の確率で特殊特典(設定示唆)を付与可能に構成する場合に対して、特殊特典が付与される可能があることを特殊特典が付与されるよりも前(リーチ状態が成立した時点)に遊技者に把握させることができるため、特殊特典が急に付与されてしまい、特殊特典として付与された情報を遊技者が把握し損なう事態が発生することを抑制することができる。
また、遊技者に有利な特殊特典を付与可能な第3図柄の停止表示態様として「リーチハズレ」を規定しているため、第3図柄の変動演出として、大当たり当選の期待度が高くなる程、大当たり当選していなかった場合(外れ当選した場合)に特殊特典を付与し易くすることが可能となる。よって、遊技者の遊技意欲が過剰に低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第24制御例では、第3図柄種別の大別として「リーチハズレ」を規定し、リーチ状態となった第3図柄の種別(リーチ種別)に応じて付与される特殊特典の内容を異ならせるように構成しているが、この構成に加え、「リーチハズレ」となった場合における最終停止第3図柄の種別に応じて、更に第3図柄種別を細分化し、付与される特殊特典の内容を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、同一種別のリーチ状態(例えば、「5リーチ」)であって、最終停止第3図柄が、リーチ状態である第3図柄「5」に近い(例えば、「4」や「6」)である場合の方が、リーチ状態である第3図柄「5」に近くない(例えば、「1」や「2」)場合よりも遊技者に有利な特殊特典が付与され易くなるように構成すると良い。
つまり、近年のパチンコ機10では、変動表示中の第3図柄がリーチ状態となった場合に実行されるリーチ演出において、大当たり当選期待度が高いリーチ演出(高リーチ演出)が実行された場合は、大当たり当選するか否かの演出結果が表示される直前において、大当たり当選に対応する第3図柄の組合せ(「555」)が停止表示されるか否かを遊技者に煽るために、リーチ状態である第3図柄「5」と、その前後に表示される第3図柄「4」や「6」との何れが停止表示されるかを分かり難くする演出が実行されるように構成し、大当たり当選期待度が低いリーチ演出(低リーチ演出)が実行された場合は、遊技者に過度に大当たり当選を期待させることを抑制するために、リーチハズレ時における最終停止第3図柄を、リーチ状態である第3図柄とは大きく異ならせるように構成するものが一般的である。
よって、第3図柄種別として規定される「リーチハズレ」を、「リーチハズレ(1コマズレ)」と、「リーチハズレ(それ以外)」と細分化して規定することにより、大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行されたにも関わらず、外れ当選した場合に特殊特典を付与させ易くすることができる。
また、本第24制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、図766に示したボイスコマンド選択テーブル222xaを参照してボイスコマンドを決定するように構成しているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に応じて異なるボイスコマンドが決定されるようにボイスコマンド選択テーブル222xaの内容を規定しても良い。この場合、例えば、設定されている遊技状態に応じて、リーチ状態が成立する確率を異ならせているパチンコ機10であれば、リーチ状態が成立し難い遊技状態が設定されている場合の方が、リーチ状態が成立し易い遊技状態が設定されている場合よりも、「リーチハズレ」において特殊特典が付与され易くなるように規定したり、設定されている遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)である場合には、設定されている遊技状態が遊技者に不利な遊技状態(例えば、通常状態)である場合よりも、全体的に特殊特典が付与され難くなるように規定したりしても良い。
図766に戻り説明を続ける。第3図柄種別として「バラケ目」、即ち、リーチ状態が成立すること無く外れ当選を示すための組合せで第3図柄が停止表示された場合には、左停止図柄(図758(a)の図柄D1参照)に表示されているキャラクタ種別(図758(a)では「タコ」)に対応するボイスデータが特定され、停止表示されている第3図柄のキャラクタ種別の組合せ(図758(a)では「タコ、サメ、カメ」の組合せ)に対応させたセリフを音声出力可能な特殊特典が付与されるボイスコマンド(コマンド15・・・)が規定されている。なお、本第24制御例では、第3図柄種別として「バラケ目」が停止表示された場合に付与可能な特殊特典として、賑やかし用のセリフが音声出力される特殊特典と、次変動にて停止表示されるキャラクタ種別を示唆するためのセリフが音声出力される特殊特典と、を付与可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄が「バラケ目」が停止表示された場合であっても、その停止表示態様(左停止図柄)に対応したボイスデータを用いた音声出力や、停止表示態様の組合せに対応した会話セリフの音声出力を実行することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、「バラケ目」に基づいて音声出力される会話セリフの一部において、次変動における停止図柄種別(停止表示される第3図柄のキャラクタ種別)を示唆するための特殊特典が付与されるため、特別図柄抽選の結果をいち早く把握しようとする遊技者に対して、音声出力される会話セリフの内容に興味を持たせることができる。
さらに、本第24制御例では、数字アイコンとキャラクタ種別とを通常とは異ならせた特殊第3図柄を表示可能に構成しているため、変動における停止図柄種別(停止表示される第3図柄のキャラクタ種別)を示唆するための特殊特典が付与された場合において、停止表示される第3図柄のキャラクタ種別に基づいて、停止表示される第3図柄の種別(数字アイコンの種別)を、予測する楽しみを提供することができる。
保留アクション選択テーブル222xbは、表示領域HR2に表示される保留図柄、即ち、獲得済みの特別図柄抽選の実行権利数を示すための表示態様を移動させる際の動作パターンを決定する際に参照されるデータテーブルであって、新たな特別図柄変動の開始に基づいて、保留図柄の表示領域をシフトさせる場合における動作態様(アクション)を決定する際に参照される(図779のF4101参照)。
ここで、上述した第22制御例では、特別図柄抽選の実行権利を含む保留情報を、各特別図柄種別に対して最大で4個記憶(保留記憶)可能に構成し、その記憶されている保留情報の数を遊技者に示すための保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域HR2に表示可能に構成している。そして、新たな特別図柄抽選が実行される際には、保留記憶されている保留情報に含まれる情報に基づいて特別図柄抽選が実行されるように構成している。つまり、保留情報には、後に実行される特別図柄抽選において大当たり判定を行う際に参照される情報(取得した第1当たり乱数カウンタC1の値)が既に格納された状態で保留記憶されている。よって、上述した第22制御例では、特別図柄抽選が実行されていない保留情報(第3図柄表示装置81の表示面に形成された表示領域HR2に表示される保留図柄に対応する保留情報)に含まれている情報を事前に判別し、大当たり当選する可能性を示唆するための保留変化演出(図672~図676参照)を実行可能に構成している。
しかしながら、表示領域HR2に表示される保留図柄は、新たな特別図柄変動が実行される毎に、保留図柄の表示位置がシフトしていくため、上述した第22制御例のように保留図柄の表示位置を固定させた状態でチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる保留変化演出を実行する場合には、所定期間(10秒)以上の変動パターンで特別図柄変動が実行される場合、即ち、所定期間(10秒)の間、保留図柄の表示位置が変わらないという条件が成立した場合にのみ保留変化演出が実行可能となり、その条件が成立していない場合には、保留変化演出を実行することができないという問題があった。
これに対して、例えば、上述した第22制御例に用いられた保留変化演出、即ち、チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させることによって、保留変化し得る保留図柄を特定する保留変化演出を、保留図柄の表示位置がシフトする場合も継続して実行可能に構成するには、実行される特別図柄変動の変動時間に基づいて保留図柄の表示位置がシフトするタイミングを特定し、その特定したタイミングに合わせてチェンジ役物Ym1,Ym2の可動位置を制御する必要があり、保留変化演出を実行するための制御処理内容が莫大になるという問題があった。また、短時間の特別図柄変動が連続して実行された場合には、保留変化演出が実行されている際中に、保留変化演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報を用いた特別図柄抽選が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、本第24制御例では、保留図柄の表示態様を可変させるための保留変化演出の実行条件が成立している状態であって、且つ、実行される(実行中の)特別図柄変動の変動時間として短時間(例えば、5秒)が設定される(された)場合に、保留図柄の表示位置をシフト移動させる動作の動作パターン(アクション)を異ならせる保留アクション演出を実行することにより、保留変化演出の対象となる保留図柄の大当たり当選期待度を遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、保留図柄が特定の表示位置に所定期間(例えば、10秒)維持されない状況(特別図柄の短時間変動が実行される状況)が発生した場合であっても、遊技者に対して保留情報に対する事前判別結果を分かり易く報知することができる。
さらに、本第24制御例では、保留アクション演出として実行される保留アクションの態様と、対象となる保留情報に基づく特別図柄抽選の結果とに基づいて、パチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能に構成している。具体的には、大当たり当選の期待度が高い保留アクション態様(例えば、ジャンプ態様)が実行されたにも関わらず、その保留アクション演出の対象となる保留情報に基づく特別図柄抽選の結果が外れ当選である場合には、遊技者に有利となる設定値(設定「3」)が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆可能に構成している。このように構成することで、保留図柄の表示位置がシフト移動する場合に実行される保留アクション態様に対してより興味を持たせることができる。
ここで、図767を参照して、保留アクション選択テーブル222xbに規定されている内容について説明をする。図767は、保留アクション選択テーブル222xbに規定されている内容を示した図である。図767に示した通り、保留アクション選択テーブル222xbには、保留アクション演出の対象となる保留図柄のシフト移動時に実行されるアクション態様として複数種類のアクション態様(通常、高速、ジャンプ)が、対象保留先読み結果(対象となる保留情報に対する事前判別結果)、保留変化シナリオ設定の有無、設定値と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに対応付けて規定されている。
具体的には、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、大当たり当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されている状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「高速」が規定されている。
一方、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、大当たり当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されていない状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「高速」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。
さらに、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、外れ当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されている状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。
一方、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、外れ当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されていない状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「高速」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60~89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90~98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。
次に、図768を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成について説明をする。図768は、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成を示した図である。図768に示した通り、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223は、上述した第22制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223(図693(b)参照)に対して、設定値格納エリア223xaと、設定変更中フラグ223xbと、ボイス固定フラグ223xcと、を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
設定値格納エリア223xaは、主制御装置110から出力される設定値に関する情報を受信した場合に、その情報に基づいた設定値を格納するための記憶領域である。具体的には、主制御装置110の立ち上げ処理24(図770参照)にて設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定され(図770のS1753参照)、その状態コマンドを受信した場合に、受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて設定値を特定し、特定した設定値を示す情報が設定値格納エリア223xaに格納される。
そして、設定値格納エリア223xaに格納された情報が、設定示唆演出の演出態様を決定する際に参照される。詳細な説明は後述するが、本制御例では、設定値を変更するための設定変更操作を実行する場合に、必ずパチンコ機10の電源を投入する動作を必要とするように構成し、且つ、設定変更操作が完了した後に、設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定されるように構成している。さらに、パチンコ機10に電源が投入される毎に(主制御装置110の立ち上げ処理24(図770参照)が実行される毎に)、設定値に関する情報を含む状態コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。このように構成することで、電源投入時という限定されたタイミングでのみ設定値に関する情報を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するように構成したとしても、音声ランプ制御装置113側で現在の設定値を確実に把握させることができる。
また、設定値に関する情報が出力される機会を最小限に抑えることにより、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、パチンコ機10に設定される設定値を示す信号を直接外部に出力するのでは無く、設定値に関する情報を出力するように構成しているため、万が一、不正に取得されたとしても、その情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。加えて、本実施形態では、遊技状態を示すための状態コマンドの一部(例えば、状態コマンドを生成するための8ビットのうち空きビットとなり易い上位ビット)を用いて設定値に関する情報を設定するように構成しているため、設定値に関する情報を単独で出力する場合よりも、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
さらに、設定値を示す値では無く、設定値を示すための情報を、設定値格納エリア223xaに格納するように構成しているため、設定値格納エリア223xaに格納されている情報を不正に取得された場合であっても、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
なお、本制御例では、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を格納するための記憶領域として設定値格納エリア223xaという専用の記憶領域を設けているが、これに限ること無く、他の記憶エリアの一部(空き領域)を用いて設定値を示すための情報を記憶するように構成し、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)が格納されている記憶領域を示すアドレスを特定の領域に記憶させるように構成しても良く、この場合、定期的、或いは不規則に設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する領域を変更させるように構成すると良い。
また、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する記憶領域の仕様に対応させて予め定められた規則に従って設定値に関する情報を加工するように構成すると良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている情報に基づいて設定値を不正に取得されてしまう事態が発生し難くすることができる。
設定変更中フラグ223xbは、現在が設定変更中であることを示すためのフラグであって、設定変更中であることを示す変更中コマンドが主制御装置110から出力された場合に、オンに設定される(図773のF2072参照)。そして、設定変更が完了したことを示す変更完了コマンドを受信したと判別した場合にオフに設定される(図773のF2074参照)。
この設定変更中フラグ223xbを設けることにより、主制御装置110にて実行される設定変更操作の操作状況を音声ランプ制御装置113側で把握することが可能となるため、設定変更操作が完了するまでの間実行される待機処理(図773のF2051参照)の処理を設定変更操作の操作状況に応じて切り替えることができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
ボイス固定フラグ223xcは、音声出力されるボイスデータが変更されない期間を示すためのフラグであって、音声出力されるボイスデータが変更されない期間が設定された場合にオンに設定されるものである。本第24制御例では、第3図柄が停止表示された場合に、その停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタ種別に対応するボイスデータを用いてパチンコ機10から出力される音声の種別を決定可能に構成している。そして、大当たり当選したことを示すための第3図柄が停止表示された場合には、次に大当たり当選するまでの間、大当たり当選したことを示すための第3図柄に付されたキャラクタ種別に対応するボイスデータを用いた音声出力を継続して実行可能に構成している。
ボイス固定フラグ223xcは、第3図柄を停止表示させるための停止コマンドを受信した場合に実行される停止コマンド処理24(図777のF2273参照)において、停止表示させる第3図柄が大当たり当選を示す第3図柄(大当たり当選変動に対応する第3図柄)であると判別した場合にオンに設定され(図777のF2675)、その設定状況が停止コマンドを受信する毎に判別される(図777のF2671参照)。ここで、ボイス固定フラグ223xcがオンに設定されていると判別された場合は(図777のF2671:Yes)、今回の第3図柄停止表示に対して新たなボイスコマンドを特定するための処理がスキップされる。そして、大当たり当選変動に対応する停止種別を設定する際にオフに設定される(図776のF4003参照)。
なお、詳細な説明は省略するが、本第24制御例では、遊技者が操作手段(演出ボタン22)を操作することにより、オンに設定されているボイス固定フラグ223xcをオフに設定することが可能に構成している。このように構成することで、遊技者が意図しないキャラクタ種別が付された第3図柄で大当たり当選した場合に、長時間の間、意図しないキャラクタ種別に対応したボイスデータを用いた音声出力が継続してしまうことを抑制することができる。
次に、図769を参照して、本第24制御例における音声出力装置226のMPU301に設けられたROM302の構成について説明する。図769(a)は、ROM302の構成を示したブロック図である。図769(a)に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302xaが少なくとも設けられている。
音声ファイル記憶エリア302xaには、パチンコ機10で実行される各種演出において楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)に加え、キャラクタ種別に対応するボイスデータが記憶されている記憶領域である。各種演出の実行が音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302xaから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
また、ボイスデータの種別を示すための音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302xaから、ボイスコマンドに対応するボイスデータが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
さらに、音声ファイル記憶エリア302xaには、音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合において出力される専用の音声ファイルが記憶されており、ボイスデータの種別を示すための音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302xaから、ボイスコマンドに対応する専用の音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
次に、図769(b)を参照して、音出力装置132に設けられたRAM303の構成について説明する。図769(b)は、RAM303の構成を示したブロック図である。図769(b)に示した通り、RAM303は、コマンド記憶領域303xaと、選択中ボイス格納エリア303xbと、が少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域303aは、音声ランプ制御装置113から音声出力装置226へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声出力装置226のコマンド判定処理(図781のF6002参照)が実行されると、コマンド記憶領域303aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
選択中ボイス格納エリア303xbは、音声ランプ制御装置113から通知された音声用ボイスコマンドに対応して、音声ファイル記憶エリア302xaから読み出されたボイスデータの種別を記憶するための記憶領域である。音声ランプ制御装置113から音声用ボイスコマンドが出力された場合には、音声ファイル記憶エリア302xaから受信した音声用ボイスコマンドに対応するボイスデータの種別が記憶され、その後、音声出力装置226にて新たな音声を出力する処理を実行する際には、選択中ボイス格納エリア303xbに格納されているボイスデータの種別を示す情報に基づいて出力させる音声のボイスデータが形成される。
<第24制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図770を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理24について説明する。図770は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(F1701)。初期設定処理(F1701)では、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(F1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(F1703)。
次に、設定キー110bがオン位置に配置されているか否かを判別する(F1751)。F1751の処理において、設定キー110bがオン位置に配置されていると判別した場合は(F1751:Yes)、設定変更状態、若しくは設定確認状態に設定されていることを意味するため、これらの状態に対応する制御を行うための設定値制御処理を実行し(F1752)、後述するF1710の処理へ移行する。この設定値制御処理(F1752)の詳細については、図771を参照して後述する。一方、F1751の処理において、設定キー110bがオン位置ではないと判別した場合には(F1751:No)、F1704の処理に移行する。
F1704の処理では、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図756参照)がオンされているか否かを判別し(F1704)、オンされていれば(F1704:Yes)、処理をF1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(F1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(F1705)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(F1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をF1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(F1705:Yes)、RAM判定値を算出し(F1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(F1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をF1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
F1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(F1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(F1713,F1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(F1713,F1714)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(F1713,F1714)を実行する。RAMの初期化処理(F1713,F1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(F1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(F1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、F1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(F1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(F1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(F1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(F1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(F1709)、F1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
F1710の処理では、演出許可を示す初期化コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、現在の遊技状態を示す情報と、現在の設定値に関する情報と、を含む状態コマンドを設定し(F1753)、割込み許可を設定し(F1712)、メイン処理に移行する。
次に、図771を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理24(図770参照)の中の一処理である設定値制御処理(F1752)の内容について説明をする。図771は、設定値制御処理(F1752)の詳細な内容を示したフローチャートである。
図771に示した通り、設定値制御処理(F1752)では、まず、RAM消去スイッチ122(図756参照)がオンされているか否かを判別し(F1901)、オンされていれば(F1901:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(F1902)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(F1903、F1904)を実行する。RAMの初期化処理(F1903、F1904)では、RAM203の使用領域をクリアし(F1903)、その後、RAM203の初期値を設定する(F1904)。RAM203の初期化処理の実行後は、設定変更中を示す変更中コマンドを送信し(F1905)、処理をF1906へと移行する。
F1906の処理では、設定スイッチ110cがオンさたか(押下されたか)否かを判別する(F1906)。F1906の処理において、設定スイッチ110cがオンされた(押下された)と判別した場合は(F1906:Yes)、設定値格納エリア203xaのデータを1加算することにより更新し(F1907)、F1908の処理へ移行する。一方、F1906の処理において、設定スイッチがオフであると判別した場合は(F1906:No)、F1907の処理をスキップし、F1908の処理へ移行する。
F1908の処理では、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別し(F1908)。設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合は(F1908:Yes)、設定変更完了を示す変更完了コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し(F1909)、本処理を終了する。即ち、設定変更状態を終了して、立ち上げ処理24(図770参照)へと戻る。これにより、通常の遊技が可能な遊技可能状態に移行させることができる。
一方、F1908の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(F1908:No)、F1906の処理へと戻る。つまり、F1908の処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別されるまで、F1906~F1908の各処理が繰り返される。
また、F1901の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判別した場合は(F1901:No)、まず、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信し(F1910)、次いで、設定値格納エリア203xaのデータを読み出す(F1911)。F1911の処理が終了すると、次に、読み出したデータに対応する設定値を設定値表示装置110aに表示させ(F1912)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定して(F1913)、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別する(F1914)。F1914の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合には(F1914:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、遊技可能状態に移行させる。一方、F1914の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(F1914:No)、F1914の処理を繰り返し実行する。つまり、設定キー110bがオフ位置に配置されるまで、設定確認状態を継続させる。
この設定値制御処理(F1752:図771参照)を実行することにより、設定変更状態において設定スイッチ110cに対する操作に応じて設定値を可変させることができる。また、設定確認状態において、設定スイッチ110bがオフ位置に配置されるまで、設定値表示装置110aに対して設定値を表示させ続けることができる。
<第24制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図772から図779を参照して、本第24制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第24制御例では、上述した第22制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の内容に対して、立ち上げ処理(図716参照)に代えて立ち上げ処理24(図772参照)を実行する点、コマンド判定処理(図718のF2112参照)に代えて、コマンド判定処理24(図774のF2172参照)を実行する点、状態コマンド受信処理(図719のF2202参照)に代えて状態コマンド受信処理24(図775のF2271参照)を、実行する点と、主制御装置110から停止種別コマンドを受信した場合に停止図柄種別設定処理24(図776のF2272参照)を実行する点と、で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図772を参照して、立ち上げ処理24の処理内容について説明をする。図772は立ち上げ処理24の処理内容を示したフローチャートである。図772に示した通り、立ち上げ処理24は、上述した第22制御例にて実行される立ち上げ処理(図716参照)に対して、RAMの初期値設定を実行するF2010の処理を実行する前に待機処理(F2051)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、立ち上げ処理24(図772参照)にて実行される待機処理(F2051)の処理内容について、図773を参照して説明をする。図773は、待機処理(F2051)の処理内容を示したフローチャートである。この待機処理(F2051)では、設定変更操作が実行されている場合において、設定変更操作が完了するまでの間、音声ランプ制御装置113による立ち上げ処理24の進行を待機させるための処理が実行される。
待機処理(F2051)が実行されると、まず、変更中コマンドを受信したかを判別し(F2071)、受信したと判別した場合は(F2071:Yes)、設定変更中フラグ223xbをオンに設定し(F2072)、次いで、変更完了コマンドを受信したかを判別する(F2073)。
F2073の処理において、変更完了コマンドを受信したと判別した場合、即ち、設定変更操作が完了したことを示すコマンドを受信したと判別した場合は(F2073:Yes)、設定変更中フラグ223xbをオフに設定し(F2074)、立ち上げ処理24へ移行する。一方で、F2073の処理において変更完了コマンドを受信していないと判別した場合、即ち、設定変更操作が完了したことを示すコマンドを受信していない場合は(F2073:No)、変更完了コマンドを受信するまで、F2073の処理をループさせる。このように構成することで、設定変更操作中に音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理24(図772参照)が終了してしまうことを抑制することができる。
また、F2071の処理において、変更中コマンドを受信していないと判別した場合、即ち、設定変更操作が実行されていない場合は(F2071)、F2072~F2074の処理をスキップして、立ち上げ処理24へ移行する。このように構成することで、パチンコ機10の電源投入時に設定変更操作を実行していない場合は、無用に音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を待機させることが無くなるため、パチンコ機10の電源投入時に実行される各種処理(各制御装置における立ち上げ処理)を迅速に完了させ易くすることができる。
次に、図774を参照して、本第24制御例におけるコマンド判定処理24(F2172)の処理内容について説明をする。図774は、コマンド判定処理24(F2172)の処理内容を示したフローチャートである。図774に示した通り、コマンド判定処理24(F2172)は、上述した第22制御例におけるコマンド判定処理(図718のF2112参照)に対して、状態コマンドを受信した場合に実行される処理を、状態コマンド受信処理22(図719のF2202参照)から状態コマンド受信処理24(図775のF2271)に変更した点と、停止種別コマンドを受信した場合に、停止図柄種別決定処理24(図776のF2272参照)を実行する点と、停止コマンドを受信した場合に実行される処理を、停止コマンド処理22(図724のF2214参照)から停止コマンド処理24(図777のF2273参照)に変更した点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図775を参照して、状態コマンド受信処理24(F2271)の処理内容について説明をする。図775は、状態コマンド受信処理24(F2271)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理24(F2271)は、上述した第22制御例におけるコマンド判定処理(図718のF2112参照)に対して、設定値情報を受信したと判別した場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理(図718のF2112参照)が実行されると、まず、設定値情報を受信したかを判別し(F2371)、設定値情報を受信したと判別した場合に(F2371:Yes)、受信したコマンドに含まれる設定値情報を設定値格納エリア223xaに格納し(F2372)、F2301の処理へ移行する。
F2371の処理において、設定値情報を受信していないと判別した場合(F2371:No)、或いは、F2372の処理を終えると、上述した第22制御例におけるコマンド判定処理(図718のF2112参照)と同一のF2301~F2312の処理を実行し、本処理を終了する。
上述した通り、F2372の処理によって、設定値情報を設定値格納エリア223xaに格納することで、設定されている設定値を示唆するための設定示唆演出を設定する際に、現在設定されている設定値に基づく演出態様を確実に設定することができる。
次に、図776を参照して、停止図柄種別設定処理24(F2272)の処理内容について説明をする。図776は、停止図柄種別設定処理24(F2272)の処理内容を示したフローチャートである。この停止図柄種別設定処理24(F2272)では、主制御装置110から受信した停止種別コマンド(大当たり、リーチ外れ、バラケ目)に基づいて、今回停止表示させる第3図柄の種別を設定するための処理が実行される。
停止図柄種別設定処理24(F2272)が実行されると、まず、停止種別選択フラグをオンに設定し(F4001)、今回の停止図柄種別が「大当たり」であるかを判別し(F4002)、「大当たり」であると判別した場合は(F4002:Yes)、ボイス固定フラグ223xcをオンに設定する。つまり、大当たり当選時に付与される特典を設定する(F4003)。
次に、大当たり種別が「大当たりA」、即ち、遊技者に有利となる大当たりであるかを判別し(F4004)、「大当たりA」であると判別した場合は(F4004;Yes)、第3図柄の種別を決定する抽選によって、奇数の数字を示す数字アイコンが付された第3図柄(奇数当たり図柄)を決定し、決定した第3図柄種別に対応する停止種別を設定し(F4005)、その後、F4010の処理へ移行する。
一方、F4004の処理において、大当たり種別が「大当たりA」では無いと判別した場合は(F4004:No)、第3図柄の種別を決定する抽選によって、偶数の数字を示す数字アイコンが付された第3図柄(偶数当たり図柄)を決定し、決定した第3図柄種別に対応する停止種別を設定し(F4005)、その後、F4010の処理へ移行する。
また、F4002の処理において、今回の停止図柄種別が「大当たり」では無いと判別した場合は(F4002:No)、受信した停止種別が「リーチ外れ」であるかを判別し(F4007)、「リーチ外れ」であると判別した場合は(F4007:Yes)、第3図柄の種別を決定する抽選によって、リーチハズレに対応する停止種別を設定し(F4008)、その後、F4010の処理へ移行する。F4007の処理において「リーチ外れ」ではないと判別した場合は(F4007:No)、変動種別に対応したはずれ図柄の停止種別を設定し(F4009)、F4010の処理へ移行する。
つまり、本第24制御例では、「大当たりA」に当選した場合のみ、奇数図柄が付された第3図柄が大当たり当選を示すための表示態様で停止表示されるように構成している。よって、第3図柄に付される複数の数字(数字アイコン)は、大当たり当選時における大当たり種別を示唆可能な識別情報となる。そして、偶数の数字が付された第3図柄よりも、奇数の数字が付された第3図柄の方が、遊技者に有利となる大当たり当選に対応づけられていることから、遊技者に有利な第3図柄となる。
F4010の処理では、キャラ変更抽選が実行され(F4010)、次に、キャラ変更抽選に当選したかを判別し(F4011)、当選したと判別した場合は(F4011:Yes)、当選内容に対応させた特殊第3図柄の表示を決定し(F4012)、決定した内容に対応する表示用コマンドを設定し(F4013)、本処理を終了する。一方、F4011の処理において、当選していないと判別した場合は(F4011:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本第24制御例では、特殊第3図柄(基本第3図柄に対して、数字アイコンの種別と、キャラクタ種別とを異ならせて表示される第3図柄)の表示決定を、抽選によって実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が任意に選択可能に構成しても良い。この場合、特殊第3図柄の表示決定の有無を遊技者に選択可能に構成しても良いし、特殊第3図柄の組合せ(特定の数字アイコンに対して付されるキャラクタ種別の決定や、特定のキャラクタ種別に対して付される数字アイコン種別の決定)も遊技者が選択可能に構成しても良い。さらに、遊技者が特殊第3図柄の組合せを選択(決定)可能に構成する場合には、遊技者が選択(決定)した特殊第3図柄の表示態様を、変動表示される第3図柄とは別に表示可能に構成し、遊技者が任意に特殊第3図柄の表示態様を確認できるように構成すると良い。
次に、図777を参照して、停止コマンド処理24(F2273)の処理内容について説明をする。図777は、停止コマンド処理24(F2273)の処理内容を示したフローチャートである。図777に示した通り、停止コマンド処理24(F2273)は、上述した第22制御例における停止コマンド処理22(図724のF2214参照)に対して、ボイスデータの設定に関する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
停止コマンド処理24(F2273)が実行されると、まず、上述した第22制御例の停止コマンド処理22(図724のF2214参照)と同一のF2651~F2656の処理を実行する。そして、F2656の処理を終えると、ボイス固定フラグ223xcがオンに設定されているかを判別し(F2671)、オンに設定されていないと判別した場合は(F2671:No)、ボイスコマンド選択テーブル222xaを参照してボイスコマンドを決定し(F2672)、決定したボイスコマンドを示すための音声用ボイスコマンドを設定し(F2673)、F2674の処理へ移行する。一方、F2671の処理において、ボイス固定フラグ223xcがオンに設定されていると判別した場合は(F2671:Yes)、今回の停止表示に基づいて新たなボイスデータを決定する必要が無いため、F2672,F2673の処理をスキップしてF2674の処理へ移行する。
F2674の処理では、今回停止表示される第3図柄が大当たり停止であるか(大当たり当選した特別図柄に対応する第3図柄停止であるか)を判別し(F2674)、大当たり当選であると判別した場合は(F2674:Yes)、ボイス固定フラグ223xcをオンに設定し(F2675)、F2657の処理を実行し、本処理を終了する。F2674の処理において大当たり当選では無いと判別した場合は(F2674:No)、F2675の処理をスキップしてF2657の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図778を参照して、変動開始時保留演出実行処理24(F3179)の処理内容について説明をする。図778は、変動開始時保留演出実行処理24(F3179)の処理内容を示したフローチャートである。図778に示した通り、変動開始時保留演出実行処理24(F3179)は、上述した第22制御例における変動開始時保留演出実行処理22(F3109)に対して、変動時間が10秒未満であると判別した場合(F3203:No)において保留アクション決定処理(F3271)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図779を参照して、保留アクション決定処理(F3271)の処理内容について説明をする。図779は、保留アクション決定処理(F3271)の処理内容を示したフローチャートである。この保留アクション決定処理(F3271)では、実行される特別図柄変動の変動時間が短く(10秒未満)、保留図柄を同一の表示領域に維持させた状態で保留変化演出(第22制御例参照)を実行することが困難な場合において、シフト時チャンス演出を設定するための処理が行われる。
図779に示した通り、保留アクション決定処理(F3271)が実行されると、まず、保留アクション選択テーブル222xbを参照して保留アクションを決定し(F4101)、決定した保留アクションに対応する演出態様を示す表示用コマンドを設定し(F4102)、本処理を終了する。
<音声出力装置226における制御処理について>
次に、図780から図782を参照して、本第24制御例における音声出力装置226にて実行される制御処理の内容について説明をする。
まず、図780(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図780(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、コマンド判定処理(F6002)の中で合成音声データを所定期間(0.1秒間)サンプリングすることで得られた平均の振幅に基づいて生成される合成音声コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信するためのコマンド出力処理を実行する(F6001)。次に、音声ランプ制御装置113や、ADC309から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(F6002)。このコマンド判定処理(F6002)の詳細については、図781を参照して後述する。F6002の処理後、演出に応じた音声データ(音声ファイル)を再生する音声設定処理を実行する(F6003)。この音声設定処理(F6003)の詳細については、図782を参照して後述する。
F6003の処理が終わると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(F6004)。F6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(F6004:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(F6006)、電源断処理を実行する(F6007)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(F6008)、その後、処理を無限ループする。
一方、F6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(F6004:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(F6005)、RAM303が破壊されていなければ(F6005:No)、F6001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(F6005:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図780(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図780(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。
このコマンド割込処理(図780(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(F6501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図781を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図780参照)内の一処理であるコマンド判定処理(F6002)について説明する。図781は、このコマンド判定処理(F6002)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(F6002)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(F6101)、未処理の新規コマンドがなければ(F6101:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(F6101:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(F6102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(F6103)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、音声用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(F6104)。この音声用変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理22(図727のF2113参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を選択したタイミング(図727のF2910参照)で、あわせて、その表示態様に対応して再生すべき音声の種別および出力タイミングを通知するために設定される。
F6104の処理において、未処理のコマンドの中に音声用変動パターンコマンドがあると判別されると(F6104:Yes)、通知された変動パターンコマンドの実行中に用いる楽曲、効果音を特定し(F6105)、特定した楽曲、効果音の出力チャンネル、出力タイミングを設定して(F6106)、F6101の処理へ戻る。
F6104の処理において、音声用変動パターンコマンドがないと判別されると(F6104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、ボイスコマンド(音声用ボイスコマンド)があるか否かを判別する(F6107)。この音声用ボイスコマンドは、音声ランプ制御装置113の停止コマンド処理24(図777参照)の中で、停止表示された第3図柄に付されているキャラクタ種別に基づくボイスデータを決定する処理(図777のF2672参照)に応じて生成され、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)のコマンド出力処理(F2102)によって音声出力装置226に対して出力される。
F6107の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ボイスコマンドがあると判別した場合は(F6107:Yes)、通知されたボイス種別に対応するボイスデータを特定(取得)し(F6108)、特定したボイスデータを選択中ボイス格納エリア303xbに格納し(F6109)、今回受信した音声用ボイスコマンドに特殊特典を付与するための情報が含まれているかを判別する(F6110)。特殊特典ありと判別した場合は(F6110:Yes)、対応する特典音声を音声ファイル記憶エリア302xaから読み出し、特典音声の出力タイミングを設定し(F6111)、S6101の処理へ戻る。
次に、図782を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図780参照)内の一処理である音声設定処理(F6003)の詳細について説明する。図782は、この音声設定処理(F6003)の内容を示したフローチャートである。
音声設定処理(F6003)では、まず、楽曲の出力(再生)タイミングであるか判別する(F6201)。F6201の処理において、楽曲の出力タイミングであると判別した場合は(F6201:Yes)、今回の楽曲に対応する音声ファイルを読み出し(F6202)、読み出した音声ファイルを、対応するチャンネルに出力し(F6203)、楽曲出力中フラグをオンに設定して(F6204)、F6205の処理へ移行する。なお、音声ファイルを出力するチャンネルは、ファイル毎に予め定められており、例えば、変動演出に用いる楽曲の音声ファイルは、チャンネル1に対して出力することが予め設定されている。
一方、F6201の処理において、楽曲の出力タイミングでないと判別した場合は(F6201:No)、F6202からF6204の処理をスキップして、F6205の処理へ移行する。
F6205の処理では、効果音の出力タイミングであるか否かを判別する(F6205)。効果音の出力タイミングでなければ(F6205:No)、本処理を終了する。一方、効果音の出力タイミングであれば(F6205:Yes)、今回の効果音に対応する音声ファイルを読み出し(F6206)、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力して(F6207)、特典音声の出力タイミングであるか判別する(F6208)。F6208の処理において、特典音声の出力タイミングでは無いと判別した場合は(F6208:No)、そのまま本処理を終了する。一方、F6208の処理において、特典音声の出力タイミングであると判別した場合は(F6208:Yes)、今回の特典音声に対応する音声ファイルを読み出し(F6209)、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力し(F6210)、本処理を終了する。
<第25制御例>
次に、図783から図794を参照して、第25制御例について説明をする。従来より、複数(3個)の第3図柄を特定の組合せ(同一図柄)で停止表示させることで大当たり当選したことを示す変動演出であって、複数の第3図柄の一部(例えば、3個の第3図柄のうち2個)が大当たり当選を示す特定の組合せの一部を示す態様で停止表示され、残りの第3図柄(例えば、3個の第3図柄のうち残りの1個)を変動表示されている状態(所謂、リーチ状態)にて、残りの第3図柄が何れの態様で停止表示されるかを遊技者に煽るための変動演出(リーチ変動演出)を実行するものが知られている。
そして、リーチ変動演出として、停止表示され得る第3図柄の種別数を変動表示される第3図柄の種別数よりも限定した範囲で遊技者に対して報知し、その報知された第3図柄種別の中から1の第3図柄を停止表示させるリーチ変動演出を実行するものがある。
このように構成することで、リーチ変動演出中において変動表示されている第3図柄(最終停止図柄)が停止表示されるよりも前に、停止表示される第3図柄の種別を遊技者に予測させ易くすることができるため、例えば、報知された内容が、大当たり当選したことを示す組合せで最終停止図柄が停止表示される可能性が高いことを示すものであった場合(最終停止図柄として停止表示され得る第3図柄の種別として報知された第3図柄種別のうち、大当たり当選を示す第3図柄種別の占有率が高い場合)には、大当たり当選への期待感を高めながら遊技者にリーチ変動演出を注視させることができ、演出効果を高めることができるものであった。
加えて、リーチ変動演出中に停止表示され得る第3図柄の種別数を変動表示される第3図柄の種別が同一の態様が複数報知されるように構成しているものも知られている。具体的には、例えば、「111」の組合せで第3図柄が停止表示した場合に大当たり当選を示すものであって、2個の第3図柄が「11」で停止表示されている状態で残り1個の第3図柄(最終停止図柄)が変動表示されているリーチ状態において、最終停止図柄の停止表示態様候補として、大当たり当選を示す「1」が2個、外れ当選を示す「2」が3個の計5個の候補を最終停止図柄が停止表示されるよりも前に報知可能なものが知られている。
このように構成することで、最終停止図柄の停止表示態様候補全体に対して、当たり当選を示す停止表示態様が占める割合を容易に異ならせることができるため、実行中の変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果であるか、外れ当選を示す演出結果であるかを遊技者に対して事前に予測させ易くすることができるものであった。
しかしながら、上述したリーチ変動演出では、演出結果が大当たり当選を示す演出結果となる場合には、事前に報知される最終停止図柄の停止表示態様として、大当たり当選を示す停止表示態様が占める割合を高くすることで、遊技者の大当たり当選への期待度を徐々に高める演出を提供することができる一方で、演出結果が大当たり当選では無い場合には、事前に報知される最終停止図柄の停止表示態様として、大当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が低くなってしまい、リーチ変動演出の演出結果が停止表示(最終停止図柄が停止表示)されるよりも前に遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第25制御例では、特定のリーチ状態において、最終停止図柄の停止表示態様候補を報知した後に、リーチ状態として表示されている第3図柄の種別を可変可能に構成している。具体的には、「22」のリーチ状態中に報知される最終停止図柄の停止表示態様候補として「1,1,1,2,2」が報知された後に、リーチ状態の態様を「22」から「11」へと切り替え可能に構成している。
つまり、特定のリーチ状態では外れ当選を示す最終停止図柄の停止表示態様が、当たり当選を示す最終停止図柄の停止表示態様となるようにリーチ状態中の第3図柄種別を異ならせるように構成している。
このように構成することで、最終停止図柄の停止表示態様候補が報知された時点で当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が低い場合であっても、リーチ状態の第3図柄種別が切り替わり、当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が増加する可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無くリーチ変動演出を実行させることができる。
さらに、本第25制御例では、特定のリーチ状態において、最終停止図柄の停止表示態様候補を報知した後に、リーチ状態として表示されている第3図柄の種別を増加可能に構成している。具体的には、「22」のリーチ状態中に報知される最終停止図柄の停止表示態様候補として「1,1,1,2,3」が報知された後に、リーチ状態の態様を「22」(シングルリーチ)から「11」と「22」(ダブルリーチ)へと切り替え可能に構成している。
このように構成することで、最終停止図柄の停止表示態様候補が報知された時点で当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が低い場合であっても、リーチ状態となる第3図柄種別数を増加させ、当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が増加する可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無くリーチ変動演出を実行させることができる。
従来より、特別図柄抽選の抽選結果を示すための識別情報(特別図柄)が変動表示されている期間中に、液晶ディスプレイで構成された表示画面(第3図柄表示装置)にて、特別図柄に対応させた第3図柄を変動表示させる変動演出を実行するパチンコ機10がある。この従来型のパチンコ機10では、実行される変動演出の内容によって特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な抽選結果(大当たり当選)であるか、遊技者に不利な抽選結果(外れ当選)であるかを、抽選結果が報知されるよりも前に遊技者に予測させるものが一般的であり、対応する特別図柄抽選の結果に基づいて異なる演出態様の変動演出を実行可能にすることで、大当たり当選している場合の方が、大当たり当選していない場合(外れ当選している場合)よりも実行され易い変動演出(有利変動演出)と、大当たり当選している場合よりも、大当たり当選していない場合(外れ当選している場合)の方が実行され易い変動演出(不利変動演出)と、を実行可能にするものが知られている。
さらに、パチンコ機10では、大当たり当選した場合において、遊技者に有利な特典が付与される遊技特性上、特別図柄抽選において大当たり当選する確率が、外れ当選する確率よりも低く設定されていることが一般的であり、特別図柄抽選の結果が外れ当選となる遊技を遊技者が長時間継続して実行した場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制するために、不利変動演出の演出態様として多種多様な演出態様を設定可能に構成し、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制しているものがある。
このように構成された、従来型のパチンコ機10によれば、変動演出の演出態様としてより多くの演出態様を決定可能に構成するほど、遊技者が遊技に飽き難くすることができるが、設定される演出態様が増加する分、変動演出を実行するために必要となる表示データの容量が増加してしまい、製造コストが増加してしまうという問題があった。
これに対して、本第25制御例では、変動演出の演出態様として設定される表示データを変えること無く、表示領域の縮尺を可変させることで遊技者に対して異なる変動演出を提供可能に構成している。具体的には、表示制御装置114に対して、表示領域の縮尺を変更させるための縮尺コマンドを送信することで、第3図柄表示装置81の表示画面に全体に表示されていた表示画像が縮小され、表示画面の一部領域に表示されたり、第3図柄表示装置81の表示画面の一部領域に表示されていた表示画像が表示画面全体を占めるように拡大表示されたりすることができるように構成している。また、表示画像の縮尺を変更するだけで無く、表示画像にひねりを加えたり、奥行き方向への立体バランスを可変させたりすることができるように構成している。
このように構成することで、変動演出の表示データを増加させること無く、遊技者に対して多くの表示態様で変動演出を体験させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことの無いパチンコ機10を提供することができる。
加えて、本第25制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画像を形成するために複数の画層(レイヤ)を有しており、上述した表示領域の縮尺設定を、各画層に対して設定可能に構成している。このように構成することで、例えば、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種画像のうち、実行中の変動演出に対応する表示画像が表示される画層と、遊技に関する情報(例えば、保留図柄数を示す保留情報や、時短回数を示す時短情報等)に対応する表示画像が表示される画層と、を異ならせて形成し、変動演出に対応する表示画像が表示される画層のみに対して、縮尺設定を実行することができる。よって、表示画像の縮尺を異ならせることで遊技者に対して斬新な演出を提供しながらも、遊技者に報知すべき情報(遊技情報)に対応する表示画像(例えば、時短回数表示や、保留図柄表示)を縮尺させること無く継続して表示させることができるため、遊技者に多彩な演出を提供しながらも、遊技に関する情報を分かり易く報知することができる。
さらに、本第25制御例におけるパチンコ機10では、変動演出に対応する画層(変動表示用画層)として、複数の画層を有しており、例えば、少なくとも第3図柄が変動表示される主画層と、その主画層よりも背面側に形成され、変動演出の背景画像が表示される副画層と、を有している。そして、主画層が正常の尺度で縮尺設定されている場合は、副画層に表示される表示態様を遊技者が視認し難くなるように構成している。
そして、主画層に対して表示領域を縮小させるための縮尺設定が実行された場合には、第3図柄表示装置81の表示面である表示領域よりも小さい領域で、主画層に表示される表示画像が表示されるため、第3図柄表示装置81の表示面である表示領域のうち、縮小された主画層に表示される表示画像が表示されていない領域(空き表示領域)から、副画層に表示されている表示画像を遊技者が視認可能となるように構成している。
このように構成することで、表示画像を単に縮尺するだけで無く、新たな表示態様(副画層に表示されている表示態様)を、遊技者に視認させることができるため、より演出効果を高めることができる。
また、本第25制御例におけるパチンコ機10では、実行されている変動演出に対して、様々なタイミングで表示画像の尺度を変更するための縮尺設定を実行可能に構成している。このように構成することで、どのタイミングで、表示画像を縮尺させる縮尺演出が実行されるかを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第25制御例では、実行中の変動演出が大当たり当選している場合の方が、大当たり当選していない場合よりも、上述した縮尺演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、縮尺演出が実行されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、この場合、縮尺演出が実行される場合において、表示領域が縮小される画層(主画層)よりも背面側に形成される画層(副画層)のうち、縮小された主画層と重複しない表示領域、即ち、主画層の表示領域が縮小された場合に遊技者が視認することができる表示領域に、縮尺演出が実行されていることを遊技者に報知するための表示態様(例えば、「縮尺演出実行中」の表示)や、大当たり当選している期待度が高いことを示すための表示態様(例えば、「チャンス」の表示)が表示されるように、副画層に対して表示態様を予め設定しておくように構成すると良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示画像の尺度を異ならせる演出(縮尺演出)が実行された場合に、パチンコ機10が故障したと遊技者に思われることを抑制することができる。また、縮尺演出が実行された場合に、視認可能となる情報として、遊技者に有利となる情報を遊技者に提供することができるため、縮尺演出が実行されることを遊技者により期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、本第25制御例のように、第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示画像を構成する表示データを変更すること無く、表示画像が表示される表示領域を縮尺する設定を実行可能に構成した場合、設定された尺度に対応して表示画像に表示される表示態様(例えば、第3図柄を示す数字アイコン)の尺度も変更されるため、縮尺前と、縮尺後で縦横比を異ならせた場合には、表示される表示態様の縦横比も変更することになる。この場合、大当たり当選の有無を遊技者に示唆するための変動演出として数字アイコン(第3図柄)が表示されている最中に縮尺演出が実行された場合には、第3図柄として表示されている数字が変形し、遊技者が誤認してしまうという問題があった。
また、複数の第3図柄がリーチ状態で停止表示され、残りの第3図柄が変動表示している状態のうち、残りの第3図柄(変動表示している第3図柄)がコマ送り(リーチ成立ライン上で各第3図柄が仮停止しながら変動する態様)で変動表示している状態において縮尺演出が実行された場合に、リーチ成立ライン上に仮停止している第3図柄の種別(数字の種類)を遊技者が誤認してしまうという問題があった。
加えて、変動演出として、変動演出期間中に第3図柄を外れを示す組合せで仮停止させ、その後、第3図柄を再度変動表示させることで大当たり期待度の高い演出(発展演出)を実行させる変動演出を実行可能なパチンコ機10において、第3図柄が仮停止している状態で縮尺演出を実行された場合には、仮停止している第3図柄が変形することで、遊技者が第3図柄の種別(数字の種類)を誤認してしまうという問題があった。
上述したように、遊技者が第3図柄の種別(数字の種類)を誤認する事態が発生した場合には、外れを示す第3図柄の組合せが表示されている場合であっても、あたかも第3図柄が大当たり当選を示す組合せで表示されていると誤認してしまい、大当たり遊技が実行されないことに対して不信感を与えてしまうという問題が発生する虞があった。
具体的には、数字の「9」に対応する第3図柄がリーチ状態となり、残りの第3図柄がリーチ成立ライン上に「8」を仮停止している状態で縮尺演出が実行された場合に、変形した「9」の表示態様と、「8」の表示態様が判別し難くなり、同一種別の第3図柄が成立ライン上に停止表示されている(大当たり当選を示す組み合わせで第3図柄が停止表示されている)と遊技者に誤認を与えてしまうという問題が発生する虞があった。
このような問題に対して、本第25制御例では、全ての第3図柄が成立ライン上に停止表示(仮停止表示含む)されている状態、或いは、全ての第3図柄が成立ライン上に停止表示(仮停止表示含む)される直前の状態にて縮尺演出が実行される場合には、少なくとも最後に停止表示される第3図柄(最終第3図柄)を遊技者が視認困難となる表示制御を実行可能に構成している。
具体的には、第3図柄が表示される主画層(レイヤ)の前面側に、常に透過率100%の予備画層を設けておき、縮尺演出が実行される場合において、主画層と予備画層とに対して同一の縮尺設定を実行可能に構成している。そして、縮尺演出が実行される場合において主画層にて実行されている変動演出の演出パターンを判別し、実行されている変動演出の演出パターンが、上述した問題が発生し得る演出パターンであると判別した場合には、予備画層の表示領域のうち、主画層における最終第3図柄の表示領域と重複する表示領域の超過率を低下させ、最終第3図柄を遊技者が視認困難となるように構成している。
このように構成することで、縮尺演出が実行された状態で最終第3図柄の表示態様を遊技者が視認し難くなるため、成立ライン上に停止表示(仮停止表示含む)されている第3図柄の組合せを遊技者が誤認してしまうという問題が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、主画層と予備画層とに対して同一の尺度で表示領域を縮尺させるように構成することで、どのような尺度で縮尺演出が実行されたとしても、予備画層に表示される表示態様を用いて、主画層の任意の箇所を非表示(視認し難い状態)にすることができる。
さらに、本第25制御例では、予備画層の表示領域のうち、少なくとも主画層における最終第3図柄の表示領域と重複する表示領域に、大当たり当選の期待度が高いことを遊技者に示すための表示態様(例えば、「チャンス」の文字)が表示される表示制御を予め実行しておき、縮尺演出が実行されることに基づいて予備画層の一部領域の透過率を低下させた場合に、予備画層に表示されている大当たり当選の期待度が高いことを遊技者に示すための表示態様(例えば、「チャンス」の文字)が遊技者に視認可能な態様で表示されるように構成している。
<第25制御例における演出内容について>
次に、図783から図787を参照して、本第25制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出の内容について説明をする。本第25制御例では、リーチ状態が表示された後に、最終的に停止表示される第3図柄(最終停止第3図柄)の種別を示唆するための図柄アイコンを複数表示し、その表示された複数の図柄アイコンのうち、何れか1つの図柄アイコンに対応する第3図柄を最終的に停止表示させる図柄ストックリーチ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、リーチ状態が成立した後に、最終停止第3図柄として停止表示され得る候補を遊技者に報知することができるため、今回の変動演出の演出結果を遊技者に予測させ易くすることができる。
ここで、図783から図784を参照して、図柄ストックリーチ演出の演出内容について説明をする。図783(a)は、図柄ストックリーチ演出が開始された直後に表示される表示画面の一例を示した図であって、図783(b)は、図柄ストックリーチ演出にて複数の図柄アイコンをストックした時点において表示される表示画面の一例を示した図であって、図784(a)は、ストックされた複数の図柄アイコンが、一旦、表示画面上から非表示となる場合の表示画面の一例を示した図であって、図784(b)は、図柄ストックリーチ演出の演出結果を示した表示画面の一例を示した図である。
図783(a)に示した通り、主表示領域Dmの上方に、現在がリーチ状態あることを示すための表示態様「2↓2」の表示態様で第3図柄が変動表示し、リーチ状態を示す表示態様で表示されている第3図柄の近傍に形成された表示領域HR3に、リーチ状態であることを示すための案内態様である「リーチ」の文字が表示されている状態で、図柄ストックリーチ演出が開始されると、副表示領域Dsには、図柄ストックリーチ演出の演出内容を案内するための案内態様として「図柄をストックしろ」のコメントが表示されると共に、主表示領域Dmの下方にて、キャラクタ801が図柄アイコンを貯める演出が実行される。
図783(a)に示した例では、既に1個の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)を獲得している(貯めている)状態を示している。図柄アイコンには、対応する第3図柄の種別を遊技者が認識可能な表示態様が付されており、図783(a)に示した第1図柄アイコン802aは、「1」の第3図柄に対応していることを示すための表示態様「1」が付されている。本第25制御例では、最終停止第3図柄の表示態様を示唆するための表示態様として、図柄アイコンを表示可能に構成しており、図柄アイコンの表示態様は、対応する第3図柄の種別を遊技者に把握させることが可能であり、且つ、図柄アイコンが第3図柄では無いことを遊技者に把握させることが可能となる表示態様で形成される。
具体的には、図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)は、丸いボー-ルを模した球体の中に対応する第3図柄の種別(数字)を示すマークを付した表示態様で形成されている。このように構成することで、第3図柄がリーチ状態中に図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)が表示された場合に、図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)事態が最終停止第3図柄であると遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
また、図783(a)に示した通り、第3図柄の変動表示領域とは大きく異なる箇所に図柄アイコンを表示するように構成している。このように構成することで、変動演出が実行されている際中に、図柄アイコンが1つ(例えば、第1図柄アイコン802a)表示された場合において、リーチ状態である第3図柄(2個)と、図柄アイコン(1個)を組み合わせて大当たり当選を示す組合せで第3図柄が停止表示されたと遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図柄ストックリーチ演出において、複数の図柄アイコンを獲得(ストック)すると、図783(b)に示した通り、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a~第4図柄アイコン802d)が表示される。本第25制御例では、図柄アイコンの最大ストック数が4個であるため、図783(b)に示した状態が図柄アイコンを最大数ストックした状態となる。よって、副表示領域Dsには、最大数の図柄アイコンを獲得(ストック)したことを案内するための案内態様として「ストック完了」のコメントが表示される。
このように構成することで、図柄ストックリーチ演出中において、ストックした図柄アイコンの数が最大数であるか否かを遊技者に分かり易く報知することができるため、図柄アイコンのストック数がこれ以上増えることの無い状態においても、更に図柄アイコンがストックされることを無用に期待してしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、第1図柄アイコン802aと第2図柄アイコン802bとの間にキャラクタ801を位置させることにより、3つの図柄アイコンが横並びに表示されることが無いように構成している。このように構成することで、同一の第3図柄種別(例えば「1」)に対応する図柄アイコンが他の表示態様を挟むこと無く横並びに表示されてしまい、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示していると遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図783(b)に示した例では、4個の図柄アイコンが直線上に表示されているため、例えば、キャラクタ801の右側に表示されている第1図柄アイコン802aと、第4図柄アイコン802dと、が同一の第3図柄種別を示すための表示態様で表示されている合には、第1図柄アイコン802aと、第4図柄アイコン802dとで、新たなリーチ成立ラインが成立したのではと遊技者に誤解を与えてしまうという問題があった。
そこで、図783(b)に示したように、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a~第4図柄アイコン802d)が表示された場合には、各図柄アイコンが直線上に位置しないように、各図柄アイコンの表示位置を決定すると良い。このように構成することで、表示画面上に複数の図柄アイコンが表示されたとしても、新たなリーチ成立ラインが成立したと遊技者に誤解を与え難くすることができる。また、これ以外にも、各図柄アイコンの表示態様を異ならせたり、大きさを異ならせたりするように構成しても良い。このような構成を用いた場合であっても、新たなリーチ成立ラインが成立したと遊技者に誤解を与え難くすることができる。
その後、図柄ストックリーチ演出にてストック(獲得)を上限数獲得した場合には、図784(a)に示した通り、獲得した図柄アイコンが上昇し、一旦表示領域から外れる演出が実行される。そして、その後、獲得した図柄アイコンを再度表示画面上に表示させるアクションをキャラクタ801が実行すると共に、ストックされた図柄アイコンの何れかに対応する第3図柄が最終停止第3図柄として停止表示される。
ここで、上述した図柄ストックリーチ演出では、演出結果が大当たり当選を示す演出結果となる場合には、事前に表示される図柄アイコンの種別として、大当たり当選を示す第3図柄に対応する図柄アイコンが占める割合を高くすることで、遊技者の大当たり当選への期待度を徐々に高める演出を提供することができる一方で、演出結果が大当たり当選では無い場合には、事前に表示される図柄アイコンの種別として、大当たり当選を示す第3図柄に対応する図柄アイコンが占める割合が低くなってしまい、図柄ストックリーチ演出の演出結果が停止表示(最終停止第3図柄が停止表示)されるよりも前に遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第25制御例では、ストックされた図柄アイコンを用いて、リーチ状態が成立している第3図柄の種別も変更可能に構成している。この場合、図784(b)にでは、図784(a)に示した状態では、「2↓2」のリーチ状態が表示されていたが、図柄アイコンによって、「1↓1」のリーチ状態へと切り替わり、最終停止第3図柄として「1」が停止表示され、遊技者に対して大当たり当選したことを示すための組合せで第3図柄を停止表示している。
つまり、図柄ストックリーチ演出の前半期間においては、外れ当選を示す最終停止第3図柄に対応する図柄アイコンが、当たり当選を示す最終停止第3図柄に対応する図柄アイコンへと切り替わるように構成している。
このように構成することで、図柄ストックリーチ演出にて図柄アイコンが全て表示された時点で当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合が低い場合であっても、リーチ状態の第3図柄種別が切り替わり、当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合が増加する可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無く図柄ストックリーチ演出を実行させることができる。
なお、図示は省略しているが、本第25制御例では、図柄ストックリーチ演出として、図柄アイコンを全て表示した後に、リーチ状態として表示されている第3図柄の種別を増加させる演出態様を設定可能に構成している。具体的には、図784(a)に示した「2↓2」のリーチ状態から、図柄アイコンを用いて、リーチ状態の態様を「11」と「22」(ダブルリーチ)へと切り替え可能に構成している。
このように構成することで、最終停止第3図柄の停止表示態様候補である図柄アイコンが全て表示された時点で当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合が低い場合であっても、リーチ状態となる第3図柄種別数を増加させることで、当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合を増加させる可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無く図柄ストックリーチ演出を実行させることができる。
次に、図785、及び、図786を参照して、本第25制御例における画面プレス演出の演出内容について説明をする。本第25制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示画像を作成した後、その表示画像を加工する加工処理を実行可能に構成している。そして、その加工処理を、表示画像全体では無く、表示画像に表示される各種スプライトを、複数の画層単位に区分けし、各画層に対応させて加工処理を実行可能に構成している。
具体的には、図785(a)に示した通り、表示画像を形成する画層として、後面側から副画層fr、主画層sr、予備画層yr、本画層hrを少なくとも設けている。通常第3図柄表示装置81に表示され、遊技者が視認可能となる表示画像は、第3図柄の変動演出等の主演出が表示される主画層srと、遊技結果に関わる第4図柄が表示される本画層hrとに生成される表示画像によって形成される。
副画層frは、常に、主画層srに表示される表示画像によって、遊技者からは視認困難となるように構成されており、例えば、主画層srに対して表示領域を縮小させる加工処理が施された場合にのみ、遊技者に視認可能となる。また、予備画層yrは、通常時は透過率100%が設定されており、予備画層yrに表示されている表示画像を遊技者が視認できないように構成している。この予備画層yrは、主画層srとセットで加工処理が実行されるように規定されている。
つまり、主画層srに対して縮小率A%の加工処理を実行した場合には、予備画層yrに対しても縮小率A%の加工処理が実行されるように構成している。よって、主画層srに表示される表示画像と、予備画層yrに表示される表示画像とは、加工処理の処理内容に関わらず、常に表示位置が同期するように構成している。そして、予備画層yrに対しては、加工処理として透過率を可変させる加工処理が実行されるように構成している。このように構成することで、例えば、縦横比を異ならせるための加工処理を、主画層srに対して実行した場合に、主画層srに表示される第3図柄の表示態様が変形し、遊技者が停止表示されている第3図柄の種別を誤認してしまう虞がある場合には、予備画層yrの透過率を下げる(0%)にすることで、変形した第3図柄を隠すことが可能となる。
次に、図785(b)を参照して、予備画層yrの表示画像について説明をする。図785(b)に示した通り、予備画層yrは、主画層srに表示される第3図柄の表示領域(少なくとも第3図柄のうち、最終停止される第3図柄が表示される表示領域)と表示位置が重複する領域に目隠し用の表示画像が表示される画層である。本第25制御例では、予備画層yrに対して、常に表示処理が実行され、透過率100%が設定されている。そして、大当たり当選期待度が高い変動演出として、主画層srの縦横比が変形する画面プレス演出が実行された場合に、透過率を100%から0%へと可変させる加工処理が施される。よって、図785(b)に示した通り、目隠し用の表示画像として、遊技者に対して大当たり当選の期待度が高いことを示すための表示態様として「チャンス」の文字を付した表示画像が表示されている。
次に、主画層srには、上述した各制御例にて実行される様々な変動演出に対応する表示画像が表示される(図785(c)参照)。そして、副画層frには、図785(b)に示した通り、大当たり当選期待度が高い変動演出として、主画層srの縦横比が変形する画面プレス演出が実行された場合に対応する表示画像が常に表示されている。なお、図示は省略しているが、本画層hrには、遊技結果に関わる遊技情報(特別図柄抽選の結果を示す情報や、エラー表示)が表示される。この本画層hrが、表示画像に対する加工処理が一切施されることの無い画層である。このように構成することで、表示画像の尺度を変更させる加工処理を実行した場合であっても、遊技に関わる重要な情報を常に同一態様で報知することができる。
ここで、図786を参照して、画面プレス演出の内容について説明をする。図786(a)は、画面プレス演出が開始される直前における通常表示画面を示した図であって、図786(b)は、画面プレス演出中の表示画面の一例を示した図である。図786(a)に示した図は、何れの画層に対しても加工処理が実行されていない状態である。よって、副画層frの表示画像を視認することができず、且つ、予備画層yrの表示画像も視認できない状態である。なお、この状態であっても、副画層fr、予備画層yrに対しては表示処理が実行されている。
そして、画面プレス演出が実行されると、主画層sr、及び、予備画層yrに対して、尺度A(通常縦横比が1:2に対して、1:8とする尺度)の加工処理が施され、主画層srの表示領域(表示画像)が通常時に対して、上下方向につぶれた変動演出が実行される。この場合、主画層srに表示されている第3図柄「9」や「8」が見た目上、「0」に近い表示態様となるため、図786(a)に示した第3図柄の表示態様のまま、プレス演出が実行されてしまうと、「0」が付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示したと誤解してしまう虞がある。よって、図786(b)に示した通り、主画層sr、及び、予備画層yrに対して、尺度A(通常縦横比が1:2に対して、1:8とする尺度)の加工処理には、予備画層yrの透過率を0%にする加工情報が含まれており、中図柄「8」に対応する位置に予備画層yrの表示画像が表示される。これにより、「0」が付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示したと遊技者が誤認してしまうことを抑制している。
さらに、予備画層yrの表示画像として「チャンス」の文字が付された表示画像を遊技者に視認させるようにしているため、単に第3図柄を目隠しするだけでなく、大当たり当選の期待度が高いことを示すための表示態様としても用いることができる。
そして、主画層srに対して加工処理が施されことにより生じた空き表示領域には、副画層frの表示画像が遊技者に視認可能な状態で表示される。副画層frには、主画層srが潰されたことに対する演出効果を高めるための表示画像(矢印)が表示されている。また、「画面プレス演出発生」の文字が表示されている。このように構成することで、主画層srの表示領域が急に変形した場合において、パチンコ機10が故障したと遊技者が誤解してしまうことを抑制することができる。
<第25制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図787を参照して、本第25制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成について説明をする。図787は、本第25制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成を示した図である。図787に示した通り、本第25制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222は、上述した第22制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222(図693(a)参照)に対して、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図柄ストックリーチ選択テーブル222yaは、図柄ストックリーチ演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、遊技状態として通常状態が設定されている場合における特別図柄変動に対応する変動演出を設定するための通常状態演出態様決定処理25(図791のF3098参照)において、変動演出種別が図柄ストックリーチであると判別された場合(図791のF3191:Yes)に、参照される。
ここで、図788を参照して、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaの内容について説明をする。図788は、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaに規定されている内容を示した図である。図788に示した通り、当否判定結果や、取得した第2演出カウンタ223vgの値に応じて、異なる演出パターンが規定されている。ここで、本第25制御例では、奇数図柄の方が、偶数図柄よりも遊技者に有利な大当たりに当選していることを報知し易く構成している。よって、図柄ストックリーチの演出態様として、奇数図柄「1.1」のリーチ状態から「2.2」のリーチ状態へと切り替わることが無いように各演出パターンを規定している。このように構成することで、変動演出が進行する過程で遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第25制御例における表示制御装置114の電気的構成について>
次に、図789を参照して、本第25制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明をする。本第25制御例における表示制御装置114は、上述した第1制御例における表示制御装置114に対して、キャラクタROM234が有するNAND型フラッシュメモリ234aに画像加工データ記憶エリア234a3を設けた点と、ワークRAM233に加工情報格納エリア233aaを設けた点と、で相違している。
画像加工データ記憶エリア234a3は、描画リストに基づいて第1フレームバッファ236b、或いは第2フレームバッファ236cに格納された描画情報に基づいて表示処理される表示画像、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画像全体に対して、その表示画像の尺度や傾きを変更するための加工情報(画像加工データ)が記憶されている記憶領域である。
本第25制御例では、表示制御装置114が有する画像コントローラ237によって生成される表示画像に対して、画像加工データ記憶エリア234a3から読み出した加工情報に基づく加工処理を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の描画処理によって生成された表示画像の見た目を容易に異ならせることが可能となる。よって、描画処理の処理負荷を増加させること無く、表示態様を異ならせた表示画像を第3図柄表示装置81の表示面に表示させることができる。
加工情報格納エリア233aaは、画像加工データ記憶エリア234a3から読み出された加工情報を一時的に記憶するための記憶領域である。表示制御装置114が表示処理を実行する場合には、第1フレームバッファ236b、或いは第2フレームバッファ236cの何れかに対して、描画リストに基づいて描画情報を格納する処理と並行して、他方のフレームバッファに既に格納されている描画情報と、加工情報格納エリア233aaに格納されている加工データとに基づいた表示処理が実行される。
次に、図790を参照して、本第25制御例における表示制御装置114にて生成される描画リストの内容について説明をする。図790は、本第25制御例における描画リストを模式的に示した図である。
図790に示した通り、本第25制御例では、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替え、レイヤ種別を大別させた状態で描画リストを作成している点で上述した第1制御例と異ならせている。つまり、上述した第1制御例と同様に、MPU231により描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述するように構成しており、そのスプライト順に対して、レイヤ種別を規定するように構成している。そして、レイヤ種別単位で画像加工処理を実行可能に構成している。
具体的には、図790に示した通り、レイヤ種別として、背面側から順に、副画層fr、主画層sr、予備画層yr、本画層hrが規定されている。
<第25制御例における音声ランプ制御装置113の処理内容について>
次に、本第25制御例における音声ランプ制御装置113の処理内容について説明をする。本第25制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理は、上述した第22制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、通常状態演出態様決定処理22(図728のF3018参照)に代えて、通常状態演出態様決定処理25(図791のF3098参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図791を参照して、通常状態演出態様決定処理25(F3098)の処理内容について説明をする。図791は、通常状態演出態様決定処理25(F3098)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出態様決定処理25(F3098)では、変動演出種別として、図柄ストックリーチが決定された場合と、加工リーチが決定された場合とで、実行される制御処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
通常状態演出態様決定処理25(F3098)が実行されると、まず、上述した通常状態演出態様決定処理22(図729のF3018参照)と同一のF3101~F3106の処理を実行する。そして、F3104の処理において、ムービー実行リーチでは無いと判別した場合(F3104:No)は、次に、今回の変動演出種別が図柄ストックリーチであるかを判別し(F3191)、図柄ストックリーチであると判別した場合は(F3191:Yes)、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaを参照して演出態様を決定し(F3192)、F3108の処理へ移行する。
また、F3191の処理において、図柄ストックリーチでは無いと判別した場合は(F3191:No)、次に、今回の変動演出種別が加工リーチであるかを判別し(F3193)、加工リーチであると判別した場合は(F3193:Yes)、対応する加工コマンド(画像加工情報及び、画像を加工する演出期間を示す情報を含むコマンド)を設定し(F3194)、F3108の処理へ移行する。一方、F3194の処理において、加工リーチでは無いと判別した場合は(F3194:No)、上述した通常状態演出態様決定処理22(図729のF3018参照)と同一のF3107~F3108の処理を実行し本処理を終了する。
F3194の処理において設定された加工コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)にて実行されるコマンド出力処理(図717のF2102参照)によって、表示制御装置114へと出力される。表示制御装置114側では、加工コマンドを受信した場合に、受信した加工コマンドに含まれる情報から表示画像を加工するための加工情報と、表示画像が加工される演出期間を示す期間情報と、を特定し、特定した加工情報に対応する加工データを、画像加工データ記憶エリアから読み出し、読み出した加工データ及び、期間情報を加工情報格納エリア233aaに格納する。
そして、表示処理を実行する際に加工情報格納エリア233aaに格納されている各種情報に基づいて画層種別(レイヤ種別)単位で画像加工処理を施し、表示画面に表示画像を表示する。このように構成することで、表示画像を形成する複数の画層のうち、一部の画層(例えば、主画層sr)のみ縮小加工を施すことにより、主画層srよりも背面側に形成される副画層frに表示される表示画像を遊技者に視認させることが可能となる。
このように構成することで、同一の描画リストを用いて形成される表示画像を用いて異なる表示態様を表示させることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
次に、図792から図794を参照して、本第25制御例における表示制御装置114にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第25制御例では、上述した第1制御例における表示制御装置114の制御処理内容に対して、コマンド判定処理(図190のS6302)に代えてコマンド判定処理25(図792のF6302参照)を実行する点と、描画処理に代えて描画処理25(図794のF6306参照)を実行する点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図792を参照して、コマンド判定処理25(F6302)の処理内容について説明をする。図792は、コマンド判定処理25(F6302)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理25(F6302)は、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理(図190のS6302参照)に対して、加工コマンドを受信した場合に実行する処理を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。なお、図792に示したコマンド判定処理25(F6302)では、上述したコマンド判定処理(図190のS6302)に対して、説明の便宜上、各処理内容に対して付している符号のうちアルファベットを「S」から「F」へと変更しているが、数字が同一の制御処理は同一の内容であるため、その詳細な説明を省略している。
図792に示した通り、コマンド判定処理25(F6302)が実行されると、まず、上述したコマンド判定処理(図190のS6302)と同一のF6401~F6417の処理を実行する。そして、F6416の処理において、表示用報知コマンドが無いと判別した場合は(F6416:No)、次に、未処理のコマンドの中に加工コマンドがあるかを判別し(F6451)、加工コマンドがあると判別した場合は(F6451:Yes)、加工コマンド処理を実行し(F6452)、その後、F6401へと移行する。
一方、F6451の処理において、加工コマンドが無いと判別した場合は(F6451:No)、上述したコマンド判定処理(図190のS6302)と同一のF6420~F6422の処理を実行し、その後、F6401へと移行する。
次に、コマンド判定処理25(F6302)において実行される加工コマンド処理(F6452)の処理内容について、図793を参照して説明をする。図793は、加工コマンド処理(F6452)の処理内容を示したフローチャートである。この加工コマンド処理(F6452)では、音声ランプ制御装置113から出力された加工コマンド(表示画像を形成する各画層(副画層fr、主画層sr、予備画層yr、本画層hr)単位で設定される加工情報と、各画層を加工する演出期間を示す情報を含むコマンド)に基づいて、表示画像を加工する際に用いる加工情報を設定するための処理が実行される。
加工コマンド処理(F6452)が実行されると、まず。今回受信した加工コマンドに対応した加工情報を、画像加工データ記憶エリア234a3より読み出し(F6901)、読み出した情報に含まれる加工情報と、その実行期間(演出期間)とを、加工情報格納エリア233aaに設定し(F6902)、本処理を終了する。本処理を実行することにより、表示処理を実行する際に、表示画像を形成する各画層に対して、各画層単位で加工(縮尺変更や傾き変更や透過率変更等)を施すことが可能となる。
次に、図794を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である描画処理25(F6306)の詳細について説明する。図794は、この描画処理25(F6306)を示すフローチャートである。この描画処理25(F6306)は、上述した第1制御例における描画処理(図201のS6306参照)に対して、加工情報に基づく表示処理を実行する点で相違し、それ以外は同一である。なお、図794に示した描画処理25(F6306)では、上述した描画処理(図201のS6306参照)に対して、説明の便宜上、各処理内容に対して付している符号のうちアルファベットを「S」から「F」へと変更しているが、数字が同一の制御処理は同一の内容であるため、その詳細な説明を省略している。
描画処理25(F6306)が実行されると、まず、上述した第1制御例における描画処理(図201のS6306参照)におけるS7801~S7803と同一のF7801~F7803の処理を実行する。その後、加工情報格納エリア233aaに表示画像を加工するための情報が格納されているかを判別し(F7851)、情報があると判別した場合は(F7851:Yes)、本処理において描画リストに基づいて画像の描画処理が実行されたフレームバッファとは異なる側のフレームバッファに展開されている画像情報に対して、加工処理を実行し(F7852)、第3図柄表示装置81に表示し(F7853)、本処理を終了する。一方、F7851の処理において、加工情報格納エリア233aaに情報が無いと判別した場合は、本処理において描画リストに基づいて画像の描画処理が実行されたフレームバッファとは異なる側のフレームバッファに展開されている画像情報をそのまま第3図柄表示装置81に表示させる表示処理を実行し(F7854)、本処理を終了する。
このように構成することで、同一の描画リストに基づいてフレームバッファに展開した画像情報を用いて、加工情報に基づく加工処理を実行することにより、多彩な表示態様を第3図柄表示装置81に表示させることが可能となる。よって、演出効果を高めることができる。
また、本第25制御例では、表示画像全体に対してでは無く、レイヤ種別(画層種別)単位で加工処理を実行可能に構成しているため、特定の画層(主画層sr)に対して表示領域が縮小する加工処理を実行することで、特定の画層(主画層sr)よりも背面側に形成される画層(副画層fr)の表示態様を遊技者に視認させることが可能となる。よって、同一の描画リストに基づいてフレームバッファに展開した画像情報を用いて、表示態様を大きく異ならせた表示画像を表示させることが可能となる。
さらに、装飾用の第3図柄(数字アイコン)が表示される主画層srの表示画像に対して縦横比を異ならせる加工処理を実行した場合には、主画層srに表示される第3図柄(数字アイコン)の縦横比も変形し、遊技者が識別困難な第3図柄が表示されてしまう虞があるが、本第25制御例では、主画層srの全面側に、主画層srと同一の加工処理が施される予備画層yrを設けており、主画層srに対して、縦横比を変形させる加工処理が施された場合に、予備画層yrの表示態様を用いて、縦横比が変形した第3図柄を遊技者が視認困難となるように構成している。このように構成することで、外れ当選していることを示すための第3図柄が停止表示しているにも関わらず、大当たり当選していることを示すための第3図柄が停止表示していると遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第25制御例では、予備画層yrの表示領域のうち、主画層srにて第3図柄(最終停止第3図柄)が停止表示される表示位置と重複する位置に対して、第3図柄を見えにくくするための表示態様を配置しておき、常時、予備画層yrの透過率を100%とすることで、通常であれば、予備画層yrに表示されている表示態様を遊技者が視認できないように構成し、主画層srに対して、縦横比を変形させる加工処理が施された場合に、予備画層yrの透過率を0%にすることで、変形した最終停止第3図柄を遊技者が視認できないように構成している。このように構成することで、変形した最終停止第3図柄を隠すための表示態様についても予め描画リストに基づいて展開しておくことが可能となるため、加工処理の有無に基づいて異なる描画リストを生成する手間を省略することができる。
<第25制御例の第1変形例について>
次に、図795、及び図796を参照して、上述した第25制御例の第1変形例について説明をする。本第25制御例の第1変形例では、上述した第25制御例において実行された図柄ストックリーチ演出の演出態様を異ならせている点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した第25制御例では、図783、及び図784を参照して上述した通り、図柄ストックリーチ演出として、リーチ状態中に最終停止第3図柄の停止表示態様候補となる複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a~第4図柄アイコン802d)を表示させ(図783(b)参照)、その複数の図柄アイコンを一旦表示領域外へと持ち上げる演出(図784(a)参照)を実行した後に、キャラクタ801のアクション(剣を振り下ろす動作)に併せて、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a~第4図柄アイコン802d)のうち、何れかの図柄アイコンが示す第3図柄の表示態様で最終停止第3図柄を停止表示させる演出を実行するように構成していた。また、キャラクタ801のアクション(剣を振り下ろす動作)に併せて、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a~第4図柄アイコン802d)によって、リーチ状態である第3図柄の表示態様まで切り替える演出(図784(b)参照)を実行するように構成していた。
つまり、上述した第25制御例における図柄ストックリーチ演出では、獲得(ストック)した複数の図柄アイコンの内容を遊技者に把握させた後に、一旦非表示にし、再度表示させる状態において、最終停止第3図柄のみをストックされた図柄アイコンの何れかに対応させて停止表示させる演出、或いは、リーチ状態の第3図柄も含めてストックされた図柄アイコンの何れかに対応させて停止表示させる演出の何れかを実行するものであった。
このように、ストックした全ての図柄アイコンを遊技者に把握させた後に、一旦、非表示とすることで、図柄アイコンを用いてどのような演出結果が表示されるのかを分かり難くすることができ、意外性のある演出結果を提供し易くすることができるものであった。
よって、例えば、図柄ストックリーチ演出が実行され、獲得(ストック)した複数の図柄アイコンとして、現在のリーチ状態において大当たり当選となる第3図柄に対応する表示態様の図柄アイコンを数多く獲得している場合には、図柄ストックリーチ演出として、最終停止第3図柄のみがストックされた図柄アイコンに対応した停止表示態様となる演出が実行されることを遊技者に期待させ、現在のリーチ状態において大当たり当選とはならない第3図柄に対応する表示態様の図柄アイコンを数多く獲得している場合であっても、図柄ストックリーチ演出として、リーチ状態を示す第3図柄の表示態様も含めてストックされた図柄アイコンに対応した停止表示態様となる演出が実行されることを期待させることができるため、図柄ストックリーチ演出の演出結果が停止表示されるまで、大当たり当選を期待させながら演出を楽しませることができるものであった。
しかしながら、上述した第25制御例にて実行される図柄ストックリーチ演出では、最終停止第3図柄のみが図柄アイコンに対応した表示態様で停止表示されるタイミングと、リーチ状態である第3図柄の種別が図柄アイコンに対応した種別(表示態様)へと切り替え表示されるタイミングと、が何れも、一旦、図柄アイコンを非表示にした後であるため、図柄ストックリーチ演出の進行に併せて段階的に大当たり期待度を異ならせ難いという問題があった。
これに対して、本第25制御例の第1変形例における図柄ストックリーチ演出では、複数の図柄アイコンを表示した状態から、その複数の図柄アイコンを一旦表示領域外へと持ち上げる演出において、表示画面に表示されている複数の図柄アイコンのうち一部を表示画面に残表示させ、残表示させた図柄アイコンを用いて、リーチ状態を示す第3図柄の種別を増加させる演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、図柄ストックリーチ演出が実行された場合において、獲得(ストック)した図柄アイコンの種別に対して、まず遊技者に興味を持たせ、次に、図柄アイコンを持ち上げる演出(表示されている図柄アイコンを非表示にする演出)の演出態様に興味を持たせ、最後に、図柄ストックリーチ演出の演出結果に興味を持たせることができる。よって、図柄ストックリーチ演出が実行される演出期間において、様々なタイミングで遊技者が演出内容に注視するタイミングを設定することが可能となり、遊技者に対して継続して興味を持たせる演出を実行することができ演出効果を高めることができる。
本第25制御例の第1変形例では、図柄ストックリーチ演出が実行されると、上述した第25制御例における図柄ストックリーチ演出と同様に、リーチ状態中の第3図柄表示とは別に、第1図柄アイコン802aが表示される。図795に示した例では、第3図柄種別「9」に対応した表示態様「9」で第1図柄アイコン802aが表示されている。つまり、図795に示した例では、リーチ状態を示す第3図柄の種別が「1」であるため、第1図柄アイコン802aの表示態様が示す「9」に対応する第3図柄が最終停止第3図柄として停止表示された場合には外れ当選を示す第3図柄の組合せとなる。
このように、本変形例では、図柄ストックリーチ演出が実行された場合において、最初に表示される図柄アイコンの種別が、リーチ状態である第3図柄に対して外れ当選となる第3図柄の種別に対応した種別となるように構成している。このように構成することで、図柄ストックリーチ演出において1個目の図柄アイコンが停止表示された場合(図795(a)に示した状態)において、表示画面に表示されているリーチ状態である第3図柄(2つ)と、図柄アイコン(1つ)と、の合計3つの図柄に付される表示態様が同一の表示態様となり、遊技者に大当たり当選したのではと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
<第26制御例>
次に、図800から図827を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第26制御例におけるパチンコ機10は、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、遊技状態として通常状態が設定されている状態において実行される変動演出として新たな変動演出を追加した点と、時短状態が設定されている状態において実行される変動演出として新たな変動演出を追加している点で相違している。
ここで、本第26制御例におけるパチンコ機10において実行される変動演出のうち、上述した第22制御例とは異なる変動演出について簡単に説明をする。
従来より、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なパチンコ機10がある。また、操作演出の演出態様として、例えば、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)がある。
このゲージ減少演出を操作演出の演出態様として実行する場合には、所定の操作有効期間中に、遊技者に操作手段(枠ボタン22等)を操作させることで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている体力値(HPゲージ)を徐々に減少させていく演出が実行され、実行される操作演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(例えば、大当たり当選を示す演出結果)である場合には、敵キャラの体力値(HPゲージ)が0となり敵キャラを討伐する演出が実行される一方、実行される操作演出の演出結果が遊技者に不利な演出結果(例えば、外れ当選を示す演出結果)である場合には、敵キャラの体力値(HPゲージ)が残った状態で敵キャラから反撃される演出が実行されるように構成される。
つまり、上述したゲージ減少演出が実行された場合には、操作有効期間中におけるHPゲージの減少度合いに興味を持たせるものであった。しかしながら、上述した通り、従来型のゲージ減少演出では、演出結果に応じて、最終的に減少させることが可能な体力値が決定されるため、遊技者は操作手段への操作に基づいて体力値の減少度合いのみに注視することとなり、ゲージ減少演出中に体力値の減少が途中で停止してしまうと、今回の演出結果が遊技者に不利な演出結果であることを演出結果が表示されるよりも前に容易に予測されてしまい、演出効果を高めることができないという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、ゲージ減少演出が実行されている操作有効期間の一部期間において、演出結果に関わらず、体力値が減少されない非減少期間を設定可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出中に体力値の減少が途中で停止された場合であっても、遊技者に有利となる演出結果となる可能性を残すことができるため、遊技者に対してゲージ減少演出を最後まで楽しませることができる。
具体的には、操作手段への操作に基づいて体力値を減少させる毎に、非減少期間を設定するか否かの突入抽選を実行し、突入抽選に当選した場合に非減少期間を設定するように構成している。そして、非減少期間が設定された場合には、所定時間の経過、或いは、非減少期間を解除するか否かの解除抽選に当選するまで、体力値を減少させることが無い演出が実行されるように構成している。このように、ゲージ減少演出が実行されている間にも体力値の減少度合いを可変させるための処理を追加するように構成することで、遊技者が操作手段に対して同一の操作を行った場合であっても、ゲージ減少演出における体力値の減少パターンをゲージ減少演出実行時に予め定めた演出パターンにのみ基づいて設定する場合に比べて増加させ易くすることができるため演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、解除抽選の当選確率を、非減少期間が設定された時点における残体力値と、実行中のゲージ減少演出の演出結果とに基づいて異ならせるように構成しており、残体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の序盤で非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の終盤で非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、ゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、即座に設定された非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
さらに、実行中のゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となる場合の方が、演出結果が不利な演出結果となる場合よりも解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。ここで、本第26制御例では、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となる場合の方が、遊技者に不利となる演出結果となる場合よりも、ゲージ減少演出にて体力値を大きく減少させる(残体力値を0にする)演出が実行され易くなるように構成している。つまり、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の演出結果が不利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、体力値を大きく減少させることができるゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、非減少期間が継続する期間に上限(リミット)を設け、解除抽選に当選すること無く非減少期間が上限に到達した場合には強制的に非減少期間を解除するように構成している。このように構成することで、非減少期間が解除されるタイミングをランダムにするために解除抽選を用いた場合であっても、解除抽選に当選すること無くゲージ減少演出が終了するまで非減少期間が継続してしまい、ゲージ減少演出の演出効果が著しく低下してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第26制御例では、非減少期間が解除され、体力値を減少させることが可能な減少期間が設定された場合に、設定されていた非減少期間の長さに応じて体力値を減少させる追加減少演出を実行可能に構成している。具体的には、今回のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果にて非減少期間が設定されたり、ゲージ減少演出の序盤にて非減少期間が設定されたりした場合、即ち、解除抽選の当選確率が高く設定された場合において非減少期間が長時間継続した場合には、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて体力値を大きく減少させることが可能となるように構成している。
このように構成することで、非減少期間が長時間継続した場合であっても、追加減少演出によって体力値を大きく減少させることが可能となるため、非減少期間が長時間継続している遊技者に対しても、実行中のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、ゲージ減少演出中における遊技者の操作手段への操作方法に応じて、体力値を減少させるための演出パターンを異ならせるように構成している。具体的には、ゲージ減少演出における操作有効期間中に遊技者が操作手段を継続して押下した場合(所謂、長押し操作を実行した場合)と、操作手段を連続して押下した場合(所謂、連打操作を実行した場合)と、で体力値を減少させる演出を実行可能に構成しており、長押し操作を実行した場合には、上述した非減少期間を設定可能な演出パターンが決定され、連打操作を実行した場合には、上述した非減少期間が設定されることの無い(突入抽選を実行しない)演出パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、同一の演出結果を示すためのゲージ減少演出における体力値の減少過程を、操作手段の操作方法に応じて異ならせることが可能となる。よって、様々な演出パターンでゲージ減少演出を実行させたい遊技者に対して異なる操作方法で操作手段を操作させ易くすることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第26制御例では、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成している。つまり、遊技者に対して、操作手段を操作(押下)させることを促すゲージ減少演出中において、操作手段への操作を中止させる選択肢を遊技者に提供可能に構成している。このように構成することで、操作手段に対する操作方法の選択肢を増加させることができる。
なお、本第26制御例では、ゲージ減少演出に長押し操作を実行した場合には、長押し操作の継続時間に応じて体力値を減少させる演出シナリオが進展するように構成しており、継続時間が長くなる程、体力値が減少し易くなる演出シナリオが設定され易くなるように構成している。そして、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。よって、途中で長押し操作を中断した場合であっても、継続して操作手段を操作させ易くすることができる。
また、上述した通り、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成し、且つ、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出中に長押し操作を実行している遊技者に対して、長押し操作を継続して実行する場合よりも、途中で一旦長押し操作を中断し、再度、長押し操作を実行した場合の方が、非減少期間が短くなり、ゲージ減少演出において体力値を大きく減少させることが可能となり得る状況を提供することが可能となる。
また、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を、様々な演出態様で実行することにより、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる期間が長時間継続した場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制しているパチンコ機10がある。このような従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合に選択される割合と、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合に選択される割合と、の比率を示す大当たり当選期待度を異ならせた様々な演出態様を決定可能に構成し、変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、変動演出の演出態様を決定するための演出抽選結果と、に基づいて演出態様を決定可能に構成することで、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる遊技が複数回連続した場合であっても、遊技者に対して、大当たり期待度を異ならせた様々な変動演出を実行させることができるため、遊技者に対して適度に大当たりへと期待感を持たせながら遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出の演出態様を抽選(演出抽選)で決定しているため、場合によっては、長時間の間、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまい易くなるという問題があった。また、大当たり当選期待度が高くなるように選択割合が規定されている演出態様を短期間で複数回選択してしまい、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、過去に実行された変動演出の演出態様に関する情報(演出履歴情報)と、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出(外れ変動演出)が連続して実行された回数(連続外れ回数)に関する情報と、に基づいて、変動演出の演出態様を決定可能に構成している。
具体的には、連続外れ回数の増加に基づいて特定のカウンタ値(実行演出カウンタの値)を加算し、実行演出カウンタの値が特定値(例えば、50)に到達した場合には、変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルとして、通常時に参照されるデータテーブル(通常時演出態様選択テーブル)とは異なる特殊演出態様選択テーブルを参照するように構成し、大当たり期待度が高い演出態様を、通常時よりも決定し易くするように構成している。
このように構成することで、定期的に大当たり期待度が高い演出態様の変動演出を実行させることができるため、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまう事態を発生させ難くすることができる。
さらに本第26制御例では、上述した実行演出カウンタの値を減算する処理を実行可能に構成しており、例えば、外れ変動演出の演出態様として、大当たり当選期待度が高い演出態様が決定された場合には、決定された演出態様に応じて実行演出カウンタの値を減算するように構成している。具体的には、大当たり当選期待度が比較的高い演出態様を外れ変動演出の演出態様として決定した場合には、実行演出カウンタの値を30減算するように構成している。
このように構成することで、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が実行された直後に、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様が決定される外れ変動演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が連続して実行されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本第26制御例では、上述した実行演出カウンタの値を特別図柄変動の実行回数以上の加算する処理を実行可能に構成しており、例えば、外れ変動演出の演出態様として、遊技者の遊技意欲が低下し得る演出態様、例えば、段階的に当たり期待度が上昇していくチャンスアップ演出の演出態様として、最も当たり期待度が低い段階の演出態様が設定された場合(チャンスアップ演出が実行されたにも関わらず、チャンスアップ演出が実行されなかった場合のほうが当たり期待度が高くなる場合)には、通常の特別図柄変動が実行された場合に加算される「1」の値よりも大きな「2」の値が実行演出カウンタに加算されるように構成している。
このように構成することで、チャンスアップ演出が実行されること無く淡々と特別図柄変動が実行され続ける場合よりも、大当たり期待度の低い(チャンスアップ演出が実行されない場合よりも低い)チャンスアップ演出が実行された場合の方が、短い間隔で大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出を実行させ易くすることができる。
加えて、本第26制御例では、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定する際に、過去に実行された外れ変動演出の演出態様に関する情報に基づいて決定される演出態様の種別を異ならせるように構成している。具体的には、通常時に参照される通常時演出態様選択テーブルを参照して決定された大当たり当選期待度の高い演出態様を、特殊演出態様選択テーブルを参照して決定させ難くなるように構成している。このように構成することで、外れ変動演出に対して同一の演出態様を決定させ難くすることができるため、通常の大当たり当選期待度が規定されている通常時演出態様選択テーブルとは異なる内容で各種演出態様が規定されている特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定可能に構成したとしても、特定の演出態様に対する大当たり当選期待度が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
<第26制御例にて実行される演出内容について>
次に、図800から図809を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10において実行される特徴的な演出の内容について説明をする。まず、図800から図806を参照して、時短状態中に実行されるバトル演出の内容について説明をする。このバトル演出は、1の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間中に実行される変動演出であって、味方キャラと敵キャラとのバトルが行われ、最終的に敵キャラの体力値(HP値)が0まで減少した場合(敵キャラを倒した場合)に、大当たり当選を示す演出態様(勝利態様)の演出結果が表示され、最終的に敵キャラの体力値(HP値)が1以上である場合に、外れ当選を示す演出態様(敗北態様)の演出結果が表示される演出である。
このバトル演出では、味方キャラの仲間が敵キャラを攻撃する先制攻撃演出(第1パート演出)と、味方キャラが直接敵キャラを攻撃する攻撃演出(第2パート演出)とを実行可能に構成されており、バトル演出が実行される場合には、上述した第2パート演出は必ず実行され、上述した第1パート演出は、決定されたバトル演出の演出パターンに応じて実行の有無が決定されるように構成している。
そして、第1パート演出が実行されるバトル演出(第1パート演出と、第2パート演出が実行されるバトル演出)の方が、第1パート演出が実行されないバトル演出(第2パート演出のみが実行されるバトル演出)よりも、特別図柄抽選で大当たり当選している場合に選択され易くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出中に第1パート演出が実行されることを期待させながら遊技者にバトル演出を注視させることができる。
さらに、第1パート演出が実行されるバトル演出が実行された場合には、第1パート演出にて敵キャラのHP値を減少させる程、大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出として第1パート演出が実行された場合、即ち、第1パート演出が実行されることの無いバトル演出よりも大当たり期待度が高いバトル演出が実行された場合において、次に、第1パート演出にて敵キャラに与えるダメージ量(減少させるHP値)に興味を持たせることができる。
ここで、バトル演出が実行された場合に第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明をする。図800(a)は、バトル演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図800(b)は、バトル演出にて味方キャラの仲間が先制攻撃を行った場合(第1パート演出が実行された場合)に表示される表示内容の一例を示した図である。
図800(a)に示した通り、バトル演出が開始されると、第3図柄表示装置81の表示画面に形成される主表示領域Dmに、勇者を模した味方キャラ801aが表示され、その次に怪獣を模した敵キャラ880aが表示されることで味方キャラ801aと、敵キャラ880aとが対峙している表示画面が表示される。そして、表示された敵キャラ880aに対応した体力値(HP値)を示すための表示態様としてHPゲージ890が表示され、そのHPゲージ890の上方には、バトル演出の演出内容を案内するための案内態様として「敵を倒せ!!」の文字が表示される。この表示によって、実行中の演出(バトル演出)が敵キャラ880aを倒すことを目的とした演出であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、主表示領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、バトル演出の演出内容をより詳細に説明するための詳細案内態様として「敵のHPゲージを0まで削れば大当たり」の文字が表示される。本第26制御例では、上述した各制御例と同様に、第3図柄表示装置81の表示面を、変動演出(バトル演出)が実行される表示領域(主表示領域Dm)と、変動演出(バトル演出)が実行されない表示領域(副表示領域Ds)と、に区画し、実行中の演出の内容を文字で詳細に説明する詳細案内態様を、変動演出(バトル演出)が実行されない表示領域(副表示領域Ds)に表示するように構成している。
このように構成することで、動画像(アニメーション)を用いて実行される変動演出の実行領域と、静止画像(文字)を用いて実行される案内報知と、を遊技者に選択して注視させ易くすることができる。
図800(a)に示した通り、HPゲージ890の右端上部には、敵キャラ880aのHPの上限値を示す「MAX」が表示され、HPゲージ890の左端上部には、敵キャラ880aのHPの下限値を示す「0」が表示されており、敵キャラ880aへの攻撃が実行されていない状態では、敵キャラ880aのHPが上限値であるため、敵キャラ880aの残HP値890aがHPゲージ890の全領域を占める状態で表示されている。
なお、本第26制御例では、図800(a)に示した通り、現状のHP値を示すための指標として、HP値が上限であることを示す「MAX」の指標と、HP値が下限であることを示す「0」の指標のみを表示しているが、これに限ること無く、例えば、HPゲージ890の中間地点にHP値が上限の半分であることを示すための指標として「50%」の指標を表示するように構成しても良いし、より細分化した指標を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、バトル演出中に減少する敵キャラ880aのHP値をより明確に把握させることが可能となる。また、HP値の上限値、及び下限値だけで無く、その間の値を示す指標を表示することにより、HPゲージ890が示す残HP値の減少度合いを把握させ易くすることができる。具体的には、HPゲージ890の中間位置に、HP値が上限値の半分であることを示す「50%」の指標が表示されている場合には、HPゲージ890の全領域が、減少したHP値に対して均等に減少するものであることを遊技者に予測させ易くすることができる。
本第26制御例では、バトル演出にて対峙する敵キャラ880aを異なる種別から決定可能に構成しており、選択された敵キャラ880aの種別に応じて、HP値の上限を異ならせるように構成している。よって、バトル演出が実行された場合には、先に同一のキャラが登場する味方キャラ801aを先に表示させた状態で、敵キャラ880aを登場させるように構成している。このように構成することで、バトル演出が開始されてから、今回のバトル演出にて対峙する敵キャラ880aの種別を報知するまでの期間を長くすることができるため、遊技者が実行される演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第26制御例では、敵キャラ880aのHP値を示すためのHPゲージ890を用いて敵キャラ880aの残HP値を報知する際に、HP値の上限値を100とした百分率(%)で表示するように構成している。よって、HP値の上限値が異なる敵キャラ880aが表示された場合であっても、HPゲージ890の表示態様を変更すること無くバトル演出を実行することができる。しかしながら、この場合、異なる種別の敵キャラ880aが登場したとしても、HPゲージ890の表示態様を見ただけではHP値の上限値が高い敵キャラ880aなのか低い敵キャラ880aなのかを遊技者が容易に判別することが出来ないという問題が発生するため、敵キャラ880aの種別としてHP値の上限値が高い敵キャラ880aが表示された場合には、表示される敵キャラ880aの近傍に、HP値の上限値が他よりも高い敵キャラ880aであることを報知するための報知態様として「強敵出現」の文字を表示すると良い。一方、HP値の上限値が他の敵キャラ880aよりも低い敵キャラ880aが表示された場合には、表示される敵キャラ880aの近傍に、HP値の上限値が他よりも低い敵キャラ880aであることを報知するための報知態様として「弱小出現」の文字を表示すると良い。このように構成することで、バトル演出中において敵キャラ880aが表示された時点で今回のバトル演出の演出結果を予測させ易くすることができる。
さらに、同様の効果を奏するための別の手法として、HPゲージ890に表示される「MAX」に付随させて、登場した敵キャラ880aのHP値の上限値を示す数値を表示するように構成しても良いし、バトル演出にて出現し得る敵キャラ880aの全種別に対して、倒し易さランク(大当たり当選時に選択され易いランク)を付して表示するように構成しても良い。また、HP値の上限値に応じてHPゲージ890の表示態様(長さ)を異ならせるように構成しても良い。
バトル演出にて第1パート演出(仲間が敵に対して先制攻撃を実行する演出)が実行されると、図800(b)に示した通り、ネコを模した仲間キャラ801cが敵キャラ880aに襲いかかる演出が実行され、仲間キャラ801cの攻撃によって敵キャラ880aに与えたダメージに応じてHPゲージ890に表示される残HP値が減少表示される。具体的には、図800を用いて表示された敵キャラ880aはHP値の上限が「100」であり、仲間キャラ801cによる先制攻撃によって「40」のダメージを与えたため、残HP値890aが占める表示領域が、HPゲージ890全体の60%まで減少表示される。そして、HPゲージ890の表示領域のうち、残HP値890aが表示されていない表示領域には、減少した敵キャラ880aのHP値を示すダメージ量890bが表示される。つまり、HPゲージ890の表示領域は、常に、残HP値890aと、ダメージ量890bとの何れかの表示領域となるように構成している。
このように構成することで、敵キャラ880aに対して既に与えたダメージ量と、残りのHP値とを遊技者に比較させることができるため、残りのHP値を全て削るために必要な攻撃内容(演出内容)を予測させ易くすることができる。
そして、副表示領域Dsには、今回のバトル演出において第1パート演出が実行されたことを遊技者に示すための案内報知態様として「先制攻撃!!敵にダメージを与えた!!」の文字が表示される。
なお、本第26制御例では、ダメージ量890bを継続して表示するように構成することで、残HP値が減少した状態において、HP値が上限値である場合と比してどの程度HP値が減少しているのかを遊技者に分かり易く報知するように構成しているが、これに限ること無く、既に与えたダメージ量890bを表示しないように構成しても良い。この場合、表示画面に残HP値に対応する表示態様のみを表示すれば良いため、既に与えたダメージ量を累積して管理する処理を省くことが出来る分、バトル演出における敵キャラ880aのHP値に関する情報を表示するための制御処理を簡素化することができる。
また、本第26制御例では、図800(b)に示した通り、敵キャラ880aを攻撃したことにより減少させた敵キャラ880aのHP値(ダメージ量)を数値で表示すること無く、HPゲージ890の減少度合いで遊技者にダメージ量(残HP値)を報知するように構成することで、具体的な数値を表示するための表示制御や、具体的な数値を算出するための処理を簡素化しているが、これに限ること無く、敵キャラ880aを攻撃したことにより減少させた敵キャラ880aのHP値(ダメージ量)を数値で表示するように構成しても良い。
そして、第1パート演出が終了すると、次に、味方キャラ801aが直接敵キャラ880aを攻撃する第2パート演出が実行される。この第2パート演出では、遊技者による演出ボタン22への操作に基づいて敵キャラ880aの残HP値890aを減少させる演出が実行される。次に、図801及び図802を参照して、バトル演出における第2パート演出中に表示される表示内容について説明をする。図801(a)は、バトル演出における第2パート演出が開始された時点において表示される表示画面の一例を示した図であり、図801(b)は、バトル演出における第2パート演出中に演出ボタン22に対して連打操作が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図802は、バトル演出における第2パート演出中に演出ボタン22に対して長押し操作が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図801(a)に示した通り、第2パート演出が実行されると、味方キャラ801aが直接敵キャラ880aと戦う演出が主表示領域Dmにて実行される。この第2パート演出は、図800を参照して上述した第1パート演出が終了した後に実行される演出であるため、HPゲージ890に表示される残HP値890aは、図800(b)に示した値が継続して表示されている。
そして、表示領域Dmの左側には、遊技者に演出ボタン22を操作させる操作演出が開始されることを示唆するための示唆態様として、演出ボタン22を模した表示用演出ボタンSw6と、操作演出の有効期間(操作有効期間)を示すための有効期間ゲージga4が表示される。さらに、操作演出中の操作内容を案内するための案内態様として「連打準備」の文字が表示される。つまり、図801(a)に示した示唆態様を、実際に操作演出が開始されるよりも前に表示することにより、遊技者に対して、演出ボタン22を連打操作する必要がある操作演出が間も無く開始されることを遊技者に分かり易く報知することができるため、操作演出が開始されるよりも前に連打操作に対する準備を行わせることができる。よって、急に操作演出が開始されてしまい、有効期間の初期段階において演出ボタン22を操作できない事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、図801(a)に示した通り、操作演出が開始されることを示唆するための示唆態様を表示可能に構成しているが、これに加えて、操作演出が開始されるタイミングを示すためのカウントダウン表示を実行しても良い。このように構成することで、遊技者に対して操作演出が開始されるタイミングをより分かり易く報知することができる。
さらに、実際に操作演出における有効期間(操作有効期間)が設定されるよりも前の所定期間(例えば、0.5秒間)を含んだ態様で有効期間ゲージの減算を開始させる(操作演出を開始する)ように構成しても良い。つまり、操作演出が開始されたことを即座に把握した遊技者が最初に演出ボタン22を押下するまでの反応時間分、実際に有効期間が設定されるタイミングよりも前倒しで操作演出を開始させる(有効期間ゲージの減算を開始させる)ように構成しても良い。このように構成することで、有効期間が設定された直後から遊技者に演出ボタン22を押下させ易くすることができるため、操作演出を最大限楽しませることができる。
ここで、図801(a)に示した通り、本第26制御例では、演出ボタン22を連打操作させる操作演出を実行するように構成している。ここで、近年のパチンコ機10では、操作手段(演出ボタン22)を連打操作する代わりに、長押し操作した場合であっても、内部的に連打操作と同様の押下制御を実行可能なものがある。このように構成することで、操作手段を短期間で複数回操作する必要がある連打操作を実行することが困難な遊技者に対しても、操作手段を継続して押下し続けるだけで連打操作した場合と同様の演出を提供することができるため演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、連打操作の代わりに長押し操作を実行した場合には、長押し操作が継続している期間において常に遊技者が高速連打操作(例えば、0.5秒に1回の間隔で演出ボタン22を押下する連打操作)している状況と同一の押下制御が実行されるため、所定の有効期間(例えば、10秒)の間に実行された演出ボタン22の押下回数(連打回数)に基づいて障害物を徐々に破壊していく操作演出において、通常の連打操作を実行する場合に比べて、長押し操作を実行した場合の方が短期間で押下回数(連打回数)が増加していき、操作演出の演出結果(今回の操作演出における障害物の最終破壊態様)が早期に表示され易くなり、有効期間を存分に用いた操作演出を提供することができない事態が発生してしまうという問題があった。また、長押し操作時の押下制御として、演出ボタン22が押下された場合と同一の押下制御が実行される間隔を広げてしまうと、有効期間内において操作演出の演出結果を表示させることができない(今回の操作演出における障害物の最終破壊態様を表示させるために必要とされる回数分の押下制御を実行することができない)という問題が発生してしまう虞があった。
一方で、長押し操作が実行された場合に実行される押下制御(高速連打操作時の押下制御)の内容を基準に連打操作演出における障害物の破壊態様を決定してしまうと、通常の連打操作(例えば、1秒に1回の間隔で演出ボタン22を押下する連打操作)を実行している遊技者に対して、操作演出の演出結果を表示させることができない(今回の操作演出における障害物の最終破壊態様を表示させるために必要とされる回数分の押下制御を実行することができない)という問題が発生してしまう虞があった。
つまり、演出ボタン22を連打操作させる連打操作演出を実行可能であって、演出ボタン22への連打操作に加え、演出ボタン22への長押し操作を実行した場合にも連打操作演出を進展させることが可能な機能を有しているパチンコ機10において、演出ボタン22を連打操作した場合と、演出ボタン22を長押し操作した場合とで同様の押下制御を実行してしまうと、連打操作演出中に演出ボタン22を連打操作する遊技者と、長押し操作する遊技者の両者に対して好適な演出(連打操作演出)を提供することが困難になるという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、連打操作演出中に演出ボタン22を長押し操作した場合には、長押し操作が継続している期間の長さに応じて、決定された演出シナリオに沿って、所定間隔(例えば、0.5秒間隔)で演出態様(HPゲージ)を可変(減少)させていく演出が実行されると共に、演出態様を可変させない非可変期間(非減少期間)を設定可能に構成している。
このように構成することで、連打操作を実行する場合よりも、短い期間で演出態様を可変させ易い長押し操作を実行した場合において、遊技者による演出ボタン22への操作(押下)を有効に判別可能な有効期間(操作有効期間)中に、演出態様が可変することの無い期間を設けることができる。よって、長押し操作を実行した場合であっても、今回の操作演出の演出結果が多くの残期間を残した状態で表示されてしまい操作演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
本第26制御例では、図801(b)に示した通り、バトル演出における第2パート演出にて連打操作を実行した場合には、選択ボタン22への押下操作に応じて敵キャラ880aの体力値を減少させる(HPゲージ890の残HP値890aの表示領域が徐々に短くなる)演出が実行される。具体的には、本第26制御例では、第2パート演出が実行される期間中に遊技者による演出ボタン22の操作(押下)が有効に判別される期間として3秒の有効期間が設定されるように構成しており、有効期間がセットされると(遊技者が演出ボタン22を操作可能な期間に突入すると)、有効期間がセットされる前段階であることを示す「連打準備」(図801(a)参照)に代えて、「連打!!」の文字が表示される。
さらに、表示用演出ボタンSw6の下方に表示されている有効期間ゲージga4が時間経過に合わせて可変表示される。図801(b)に示した通り、有効期間ゲージga4は、全ての表示領域の大きさ(長さ)を用いて、今回の有効期間の長さを示しており、有効期間がセットされた直後、残有効期間が減少していない状態では、残有効期間ga4aが有効期間ゲージga4の全領域を占めるように表示され(例えば、図801(a)参照)、その後、時間経過に応じて有効期間ゲージga4の右端から左端に向けて残有効期間ga4aの表示領域が徐々に小さく(短く)なるように有効期間ゲージga4の表示態様が可変表示される。そして、有効期間ゲージga4の表示領域のうち、残有効期間ga4aが表示されていない表示領域には有効期間がセットされてからの経過時間を示す経過時間ga4bが表示される。
つまり、有効期間がセットされてからの経過時間が長くなればなるほど(有効期間の残期間が短く)、有効期間ゲージga4の表示領域のうち、残有効期間ga4aが占める割合が小さく(短く)なり、経過時間ga4bが占める割合が大きく(長く)なるように有効期間ga4aの表示態様が可変表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者は有効期間ga4の表示の表示態様を確認するだけで、今回の操作演出における有効期間の残時間を容易に把握することができる。さらに、今回セットされた有効期間の長さに対応する情報(有効期間ゲージga4の表示態様)と、既に経過した時間を示す情報(経過時間ga4bの表示態様)と、が合わせて表示されるため、遊技者は、有効期間がセットされてからの経過時間の長さに基づいて、有効期間の残時間の長さをより詳細に把握することができる。
本第26制御例では、図801(b)に示した通り、有効期間の残期間の長さに対応する情報(残有効期間ga4aの表示態様)と、今回セットされた有効期間の長さに対応する情報(有効期間ゲージga4の表示態様)と、既に経過した時間を示す情報(経過時間ga4bの表示態様)と、を有効期間中において継続して表示することで遊技者に対して有効期間の残時間を把握させ易くするように構成しているが、これに限ること無く、有効期間の残時間のみを示す情報(残有効期間ga4aの表示態様)のみを可変表示するように構成しても良い。
なお、バトル演出の第2パート演出において連打操作を実行した場合におけるHPゲージ890の残HP値890aを減少表示させる流れについては、図802(a)を参照して後述する。
次に、図802を参照して、バトル演出の第2パート演出において長押し操作を実行した場合における表示画面の一例について説明をする。図802に示した通り、第2パート演出において長押し操作を実行した場合には、連打操作を実行した場合と同一の演出画面が表示される。なお、表示用演出ボタンSw6の表示態様のみ連打操作時と異ならせており、現在が長押し操作中であることを示すために、表示用演出ボタンSw6の表示態様として継続して押下されている状態を示す表示態様が表示され、上方には、現在が長押し操作中(長押し操作判定がされている状態)であることを示す「連打(長押し中)」の文字が表示される。
このように構成することで、連打操作演出である第2パート演出において、正常に長押し操作が判定されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。よって、第2パート演出中に演出ボタン22を長押し操作したにも関わらず一定期間HPゲージ890の表示態様が可変しない事態、即ち、残HP値890aを減少させる抽選に連続して当選しなかった場合であっても、長押し操作が無効と判定されていないことを分かり易く理解させることができる。
さらに、本第26制御例では、長押し操作中であると判定された場合には、残HP値890aを減少させる抽選の結果に関わらず、味方キャラ801aと敵キャラ880aとが戦う動画像(アニメーション)を主表示領域Dmの右側にて表示するように構成している。このように連打操作演出中において遊技者が演出ボタン22を適正に操作(連打操作、或いは、長押し操作)していることを報知可能に構成することにより、演出ボタン22を適正に操作していない遊技者には提供されることの無い特典映像を提供することができるため、HPゲージ890の残HP値890aを減少させる(0にする)以外の目的で遊技者に操作手段(演出ボタン22)を操作させ易くすることができる。
よって、例えば、今回のバトル演出の演出結果が敵キャラ880aに敗北する演出結果、即ち、残HP値890aが0にならない演出結果であったとしても、操作手段(演出ボタン22)を操作することにより、特典映像を提供することができるため、遊技者の操作手段を操作する意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、特典映像に含まれる情報として、パチンコ機10の遊技に関する情報を提供可能に構成すると良く、例えば、特別図柄抽選によって大当たり当選する確率を複数の設定値から設定可能な設定機能を有している場合には、再生される特典映像に現在設定されている設定値に対応する情報を含ませるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して貴重な映像を提供するだけで無く、遊技に役に立つ情報を獲得させることが可能となるため、特典映像を見ようと意欲的に操作手段を操作させることができる。なお、この特典映像が表示されている間は、設定値を推測し得る状態であり、遊技者にとって特典映像が表示されていない状態よりも喜ばしい(有利度合いが高い)状態であると言えるため、特典映像を表示させる制御は、後述する第48制御例において第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態の有利度合いを第1の有利度合いとは異なる第2の遊技状態に設定する設定手段の別形態と言える。
次に、図803、及び図804を参照して、バトル演出におけるHPゲージ890の表示態様変化の流れについて説明をする。図803は、演出ボタン22を連打操作した場合におけるHPゲージ890の表示態様変化の流れを示したものである。図803(a)に示した状態で演出ボタン22への操作(押下)が判別されると、減少抽選が実行され、減少抽選の結果、減少値「A」が決定された場合には、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(残HP値が減少値「A」分減少したことを示す表示態様)するための可変表示が実行される。そして、残HP値890aの表示領域が小さくなった箇所には、ダメージ量890bが表示される。このように構成することで、遊技者に対して、敵キャラ880aにどの程度ダメージを与えたのかを分かり易く報知することができる。
一方、演出ボタン22に対して長押し操作を実行した場合には、図804に示した通り、非減少期間が設定されるように構成されている。図804(a)に示した状態で長押し操作が実行され、減少値「A」及び、非減少期間が設定されると、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(残HP値が減少値「A」分減少したことを示す表示態様)するための可変表示が実行される。そして、残HP値890aの表示領域が小さくなった領域に、非減少期間が設定されていることを示す非減少期間890cが表示される(図804(b)参照)。
非減少期間は、解除抽選による解除当選、上限期間の経過、長押し操作のキャンセルの何れかの終了条件を満たした場合に解除されるように構成しており、非減少期間が上限期間(2秒)に到達するまでの残期間を示すように、非減少期間890cの表示領域が小さくなる演出が実行される。そして、非減少期間が解除されるタイミングでは、HPゲージ890の表示領域が残HP値890a、及び、ダメージ量890bによって表示される。
非減少期間890cの表示領域は、非減少期間が上限期間(2秒)に到達するまでの残期間に対応させて均等に減少するように構成している。よって、非減少期間890cの表示態様の可変状況に基づいて非減少期間が継続し得る最大の残期間を遊技者に予測させることができる。また、上限期間の経過以外の終了条件が成立した場合には、非減少期間890cの表示態様(表示領域の大きさ)に関わらず、0.1秒で非減少期間890cの表示領域が非表示となる消去演出が実行され、非減少期間890cが表示されていた領域がダメージ量890bの表示領域へと切り替わる。このように構成することで、非減少期間が解除されたことを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、非減少期間を解除させるための複数の終了条件のうち、特定の終了条件(解除抽選に当選、上限期間の経過)が成立した場合には、演出ボタン22への操作に基づくこと無く、残HP値を減少させるための追加減少演出が実行される。ここで、追加減少演出として減少値「B」が決定された場合には、図804(d)に示した通り、非減少期間890cが非表示となり、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(残HP値が減少値「B」分減少したことを示す表示態様)するための可変表示が実行される。
なお、本第26制御例では、非減少期間890cが表示されている状態におけるバトル演出として、非減少期間890cが設定されたタイミングにおける攻撃内容に対応したバトル演出を継続して実行するように構成しているが、これに限ること無く、非減少期間890cが解除されるまでの残時間や、解除条件が成立したか否かの判別結果を示すための演出態様で非減少期間890c中のバトル演出の演出態様を決定しても良い。
つまり、非減少期間の解除条件として、解除抽選で当選した場合には、解除抽選で当選したことを示すための演出態様(例えば、一旦、キャラ同士が対峙する間隔を広げて、次の攻撃に備える演出態様)と、解除抽選で当選しなかったことを示すための演出態様(例えば、キャラ同士が膠着している演出態様)と、を決定可能に構成すると良い。このように構成することで、主表示領域Dmにて実行されるバトル演出の内容を把握することでも非減少期間が終了し易い状態であるか否かを遊技者に予測させることが可能となる。
次に、図805から図808を参照して、討伐リーチ演出の演出内容について説明をする。図805(a)は、討伐リーチ演出の開始時に表示される表示内容の一例を示した図であって、図805(b)は、討伐リーチ演出における1回目の攻撃を開始する際に表示される表示内容の一例を示した図であって、図806(a)は、討伐リーチ演出における1回目の攻撃中に表示される表示内容の一例を示した図であって、図806(b)は、討伐リーチ演出における2回目の攻撃を開始する際に表示される表示内容の一例を示した図であって、図807(a)は、討伐リーチ演出における2回目の攻撃中に表示される表示内容の一例を示した図であって、図807(b)は、討伐リーチ演出における3回目の攻撃を開始する際に表示される表示内容の一例を示した図であって、図808は、討伐リーチ演出における3回目の攻撃中に表示される表示内容の一例を示した図である。
討伐リーチが実行されると、主表示領域Dmに表示領域HR50が形成され、討伐リーチ中に実行される3回の攻撃演出の履歴を示すための表示態様が表示される。図805(a)は、1回目の攻撃演出が実行されるよりも前の段階を示す表示画面であるため、1回目の攻撃演出履歴を示す1回目履歴HR50a、2回目の攻撃演出履歴を示す2回目履歴HR50b、3回目の攻撃演出履歴を示す3回目履歴HR50cの何れにも履歴を示す表示態様が表示されていない。
また、討伐リーチでは、3体の敵キャラ880a~880cを討伐する演出が実行され、各敵キャラ880a~880cの体力値(HP値)を示すHPゲージ881a~881cが各敵キャラ880a~880cに近接して表示される。そして、今回の攻撃演出にて攻撃を行う味方キャラクタを決定するための演出として、第1味方キャラ801aと、第2味方キャラ801bとが、交互に拡大される味方キャラ決定演出が表示されている。
討伐リーチ演出として、様々な種別の味方キャラ801aが敵キャラ880a~880cを3回攻撃する演出が実行される。
味方キャラ801aの種別としては、1体の敵キャラに対して大きなダメージを与え易い勇者を模した第1味方キャラ801aと、複数体の敵キャラに対してダメージを与え易いウサギを模した第2味方キャラ801bと、を選択可能に構成している。このように攻撃を実行する味方キャラの種別に対応させて実行し易い攻撃内容を異ならせるように構成することで、討伐リーチ演出中に既に実行された攻撃の内容(各敵キャラの残HP値)に基づいて、攻撃を実行する味方キャラの種別に対する期待度を異ならせることができる。
つまり、討伐リーチ演出における1回目、及び、2回目の攻撃を味方キャラ801bが実行した場合には、敵キャラ880a~880cのそれぞれが残HP値の低い状態となり易く、その場合、3回目(最後)の攻撃を実行する味方キャラの種別が味方キャラ801bである場合の方が、味方キャラ801aである場合よりも討伐リーチ演出の演出結果として、敵キャラ880a~880cを全て討伐する演出結果とし易くすることができる。また、1回目、及び、2回目の攻撃を味方キャラ801aが実行した場合には、敵キャラ880a~880cのうち、2体の敵キャラが討伐されている状態で3回目の攻撃を実行し易くすることができるため、3回目の攻撃を実行する味方キャラの種別が味方キャラ801aである場合の方が、味方キャラ801bである場合よりも討伐リーチ演出の演出結果として、敵キャラ880a~880cを全て討伐する演出結果とし易くすることができる。
図805(b)は、1回目の攻撃演出として、第1味方キャラが決定された後に、攻撃内容を決定するための攻撃内容決定演出が実行されている表示画面である。図805(b)に示した通り、第1味方キャラ801aが決定された場合には、攻撃内容決定演出として、先に攻撃数を示す情報が表示され、次に、ダメージ量を示す情報が表示されるように構成している。図805(b)では、表示領域HR51に形成される攻撃数ルーレットHR51aが「1」で停止表示され、ダメージ量ルーレットHR51bが「変動中」の状態を示している。
図805(b)に示した状態から所定時間が経過すると、ダメージ量ルーレットHR51bが今回の攻撃演出で実行される攻撃に対応するダメージ量を示す表示態様(例えば、大、中、小等)で停止表示され、攻撃内容演出が終了する。
攻撃内容演出が終了すると、次に、図806(a)に示した攻撃演出が実行される。この攻撃演出では、主表示領域Dmの中央付近で、攻撃内容演出の演出結果に対応した攻撃が実行される。図806(a)では、表示領域HR51に形成される攻撃数ルーレットHR51aが「1」で停止表示され、ダメージ量ルーレットHR51bが「大」で停止表示された場合であるため、敵キャラ880a一体に対して、大ダメージを与える攻撃演出が表示される。そして、今回の攻撃内容を案内するため案内態様として副表示領域Dsには「怪獣Aに大ダメージ」の文字が表示される。
2回目、3回目の攻撃演出を実行する場合にも、同様の演出表示が実行されるように構成しており、図806(b)では、2回目の攻撃演出として、第2味方キャラ801bが決定されている状態を示している。第2味方キャラ801bが決定された場合には、攻撃内容決定演出として、後に攻撃数を示す情報が表示され、先に、ダメージ量を示す情報が表示されるように構成している。つまり、攻撃を行う味方キャラの種別に応じて、攻撃内容演出にて遊技者に報知される情報の順序を異ならせている。図806(b)では、表示領域HR51に形成される攻撃数ルーレットHR51aが「変動中」の状態で、ダメージ量ルーレットHR51bが「中」で停止表示している。
2回目の攻撃内容演出が終了すると、次に、図807(a)に示した攻撃演出が実行される。この攻撃演出では、主表示領域Dmの中央付近で、攻撃内容演出の演出結果に対応した攻撃が実行される。図807(a)では、表示領域HR51に形成される攻撃数ルーレットHR51aが「3」で停止表示され、ダメージ量ルーレットHR51bが「中」で停止表示された場合であるため、敵キャラ880a~880cに対して、中ダメージを与える攻撃演出が表示される。そして、敵キャラ880aの残HP値が0になったため、副表示領域Dsには「1体撃破残り2体」の文字が表示される。
さらに、本第26制御例では、1回目の攻撃キャラと、2回目の攻撃キャラが異なる場合にのみ、3回目の攻撃演出として、複数の味方キャラが攻撃を行うダブル攻撃演出を実行可能に構成している。
図807(b)は、ダブル攻撃演出が実行される場合における攻撃内容演出を示している。このダブル攻撃演出は、他の攻撃演出よりも多くの敵キャラに大ダメージを与え易い演出であって、対応する特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の方が、外れである場合よりも選択され易くなるように構成している。図807(b)に示した通り、味方キャラ決定演出が終了するよりも前に、攻撃内容演出の演出結果が表示され、そのまま、図808に示した通り、複数の味方キャラによって攻撃が実行される。
このように構成することで、攻撃演出が実行されるまでの演出(味方キャラ決定演出、攻撃内容演出)において、攻撃演出に用いられる情報がどのような順序で表示されるのかについて遊技者に興味を持たせることが出来るため、演出効果を高めることができる。
なお、上述した通り、決定した味方キャラに対応させて攻撃内容演出の表示順序を規定する場合には、通常とは異なる表示順序で攻撃内容演出が表示される演出パターンが一部実行されるように構成すると良い。このように構成することで、攻撃演出に用いられる各種演出要素(味方キャラ種別、攻撃数、ダメージ量)を遊技者に予測させ難くすることができる。また、通常とは異なる表示順序で攻撃内容演出が表示される演出パターンは、対応する特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の方が、外れである場合よりも選択され易くなるように構成すると良い。これにより、通常とは異なる演出態様で攻撃演出が実行されたことに気付いた遊技者に、大当たり当選への期待感を持たせながら討伐リーチ演出を楽しませることができる。
なお、この討伐リーチ演出では、攻撃を実行する味方キャラの種別に応じて異なる内容の攻撃を実行可能に構成しており、上述した通り、味方キャラ801aが選択された場合には、攻撃対象となる敵キャラの数(攻撃数)として、「1」が他の数よりも選択され易く、攻撃対象に対して与えるダメージの量として、「大ダメージ」が他のダメージ量(中ダメージ、小ダメージ等)よりも選択され易くなるように構成している。よって、攻撃を実行する味方キャラの種別として味方キャラ801aが選択された場合には、遊技者は、攻撃数よりも、ダメージ量に注視することになる。そこで、図805(b)に示した通り、味方キャラ801aが選択された場合には、今回の攻撃の内容を順に示すための示唆態様の表示順として「攻撃数」、「ダメージ量」の表示順序が決定される。
一方、味方キャラ801bが選択された場合には、攻撃対象となる敵キャラの数(攻撃数)として、複数の数が単数よりも選択され易く、攻撃対象に対して与えるダメージの量として、「中ダメージ」が他のダメージ量(大ダメージ、小ダメージ)よりも選択され易くなるように構成している。よって、攻撃を実行する味方キャラの種別として味方キャラ801bが選択された場合には、遊技者は、ダメージ量よりも攻撃数に注視することになる。そこで、図806(b)に示した通り、味方キャラ801bが選択された場合には、今回の攻撃の内容を順に示すための示唆態様の表示順として「ダメージ量」、「攻撃数」の表示順序が決定される。
上述した通り、本第26制御例にて実行される討伐リーチ演出では、攻撃を実行する味方キャラの種別として、異なる攻撃内容が選択され易い味方キャラの種別を決定可能に構成し、決定された味方キャラの種別に応じて、攻撃内容を示すための示唆態様の表示順序を異ならせるように構成している。具体的には、攻撃内容を決定する複数の要素(攻撃数、ダメージ量)のそれぞれを示唆態様として表示可能であって、表示される複数の示唆態様の表示順序として、決定された味方キャラの種別が得意とする要素が、それ以外の要素よりも後に表示される表示順序が決定されるように構成している。
このように構成することで、何れの味方キャラの種別が決定された場合であっても、遊技者が注視する示唆態様が表示されるタイミングを遅らせることができるため、遊技者に対して長期間の間、討伐リーチ演出を楽しませることができる。
なお、本第26制御例では、決定された味方キャラの種別に応じて、示唆態様の表示順序を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、攻撃内容を示す複数の要素(攻撃数、ダメージ量)のうち、遊技者に有利な内容が決定された要素に対応する示唆態様の表示順序を、それ以外の要素よりも後にする表示順序を決定したり、攻撃内容を示す複数の要素(攻撃数、ダメージ量)のうち、遊技者に有利な内容が決定された要素に対応する示唆態様の表示順序を、それ以外の要素よりも先にする表示順序を決定したりするように構成しても良い。このように構成することで、先に表示された示唆態様の内容に基づいて、次に表示される示唆態様の内容を予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図809を参照して、本第26制御例において実行されるチャンス予告演出の内容について説明をする。図809は、チャンス予告演出の対象態様の一例を示す図である。本第26制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出に用いられる対象態様の表示態様を可変させることで、大当たり当選の期待度を示唆するためのチャンス予告演出を実行可能に構成している。
例えば、図809に示した通り、様々なコメントが表示されるコメント表示部HR52の表示態様(コメント表示態様Ch1)を可変させるチャンス予告演出や、実行中の保留図柄hr0の表示態様(実行中保留表示態様Ch2)を可変させるチャンス予告演出や、変動表示に用いられるキャラ801の表示態様(キャラ表示態様Ch3)を可変させるチャンス予告演出等を実行可能に構成している。
各対象態様の表示態様を初期態様(デフォルト)を含め4段階に可変表示可能に構成しており、初期態様が「LV1」となり、「LV2」,「LV3」,「LV4」とレベルが上昇する毎に大当たり期待度が高くなるように構成している。例えば、チャンス予告演出の対象態様であるコメント表示態様Ch1(図809参照)は、設定される段階レベルに応じて、コメント表示部HR52の背景色を可変表示させるチャンス予告演出が実行されるように構成しており、「LV1」は背景色「白色」、「LV2」は背景色「黄色」、「LV3」は背景色「赤色」、「LV4」は背景色「虹色」が表示されるように構成している。
さらに、本第26制御例では、チャンス予告演出が実行されない期間が所定期間継続した場合に、強制的にチャンス予告演出を実行可能に構成している。
ここで、図810を参照して、強制的にチャンス予告演出を実行する流れについて説明をする。図810は、特別図柄変動回数と、実行されるチャンスアップ演出の流れを示した図である。特別図柄変動の実行に応じて、変動演出の演出態様を設定する際にチャンス予告演出を実行するか否かの抽選が実行される。そして、チャンス予告演出の実行抽選に当選しなかった場合は、演出実行カウンタ223aahに1が加算される(図810(a),(b)参照)。そして、加算後の演出実行カウンタ223aahの値が50に到達した場合には、強制的にチャンス予告演出が実行される。
また、チャンス予告演出の実行抽選に当選し、決定されたチャンス予告演出の演出態様が、大当たり期待度の低い態様(LV2)である場合には、演出実行カウンタ223aahの値に、通常の「1」に加え、低期待度態様「1」が加算される。つまり、1回の特別図柄変動で演出実行カウンタ223aahの値に「2」が加算される(図810(b)参照)。このように構成することで、特別図柄変動の変動回数と、演出実行カウンタ223aahの値との更新内容を異ならせることができるため、強制的にチャンス予告演出が実行されたのか、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行されたのかを分かり難くすることができる。
さらに、図810(c)に示した通り、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行された場合であって、外れ変動演出に対して大当たり期待度の高い態様(LV4)が設定された場合には、演出実行カウンタ223aahの値を減算(30減算)するように構成している。このように構成することで、外れ変動演出にて過剰に期待度の高いチャンス予告演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、演出実行カウンタ223aahの値を、特別図柄抽選が実行される毎に加算するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定された特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を管理する管理手段を設け、特別図柄変動が所定時間(例えば、10秒)実行される毎に、演出実行カウンタ223aahの値を加算するように構成しても良い。
このように構成することで、実行される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)の内容に応じて、特別図柄抽選1回に対する演出実行カウンタ223aahの加算回数を異ならせることができるため、強制的にチャンス予告演出が実行されたのか、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行されたのかを分かり難くすることができる。
また、特別図柄抽選の実行回数に関わらず、所定間隔(特別図柄変動が実行されている遊技時間に対して所定間隔)でチャンス予告演出を強制的に実行することができるため、チャンス予告演出が実行されない遊技時間が長時間継続してしまうことを抑制することができる。
さらに、設定されている遊技状態に応じて、決定される特別図柄変動の変動パターンを異ならせ、例えば、通常状態が設定されている場合よりも、時短状態が設定されている場合の方が、短い変動時間が設定され易くなるように構成し、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、演出実行カウンタ223aahの値に基づいて強制的にチャンス予告演出を実行可能に構成することで、設定されている遊技状態に応じて、強制的にチャンス予告演出が実行される頻度を異ならせることができる。この場合、遊技者に有利となる遊技状態が設定されている場合の方が、遊技者に不利となる遊技状態が設定されている場合よりも、短い変動時間の変動パターンが設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に不利な遊技状態が設定されている場合の方が、少ない特別図柄抽選の実行回数で強制的にチャンス予告演出を実行させ易くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を記憶可能なパチンコ機10であって、記憶されている特図保留の数が少ない場合の方が、多い場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易く構成し、多くの特図保留を獲得できていない場合の方が、多くの特図保留を獲得するように遊技を行った場合よりも、少ない特別図柄抽選の実行回数で強制的にチャンス予告演出を実行させ易くするように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選が頻繁に実行されないことによって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、特別図柄変動に対応させて実行される変動演出の演出内容に応じて、演出実行カウンタ223aahの値の更新内容を異ならせても良く、例えば、1の特別図柄変動中に、特別図柄変動に対応して変動表示される第3図柄を一旦仮停止させた後に、再始動させる疑似変動演出を実行可能なパチンコ機10であれば、実際の特別図柄変動回数では無く、第3図柄の変動回数(再始動含む)に基づいて演出実行カウンタ223aahの値を更新(加算)するように構成しても良い。このように構成することで、実行される変動演出の演出内容に応じて、強制的にチャンス予告演出が実行される頻度を異ならせることができる。
さらに、本第26制御例では、特別図柄抽選が実行される毎に(演出実行カウンタ223aahの値を更新(加算)させるための更新条件が成立する毎に)、カウンタの値を「1」加算するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、所定条件が成立した場合において、所定条件が成立していない場合に比べて、更新条件が成立した場合に更新される演出実行カウンタ223aahの値を異ならせても良く、通常状態が設定されている場合には、更新条件が成立した場合に演出実行カウンタ223aahの値を「1」加算し、時短状態が設定されている場合には、更新条件が成立した場合に演出実行カウンタ223aahの値を「2」加算するように構成しても良い。また、遊技者に最も有利な遊技状態である確変状態が設定されている場合には、更新条件が成立した場合に演出実行カウンタ223aahの値を「1」減算するように構成しても良い。
このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて、強制的にチャンス予告演出が実行される頻度を異ならせることができる。また、短時間で大当たり当選し易い確変状態が設定されている場合には、強制的にチャンス予告演出が実行され難く構成することができ、遊技者に対して無用にチャンス予告演出を実行してしまうことを抑制することができる。
なお、演出実行カウンタ223aahの値を更新するための更新条件が成立した場合において更新させる値を異ならせる条件として、設定されている遊技状態以外の条件を設けても良く、例えば、同一遊技状態において切り替え設定可能な演出モードを複数有し、1の演出モードが設定されている場合と、1の演出モードとは異なる他の演出モードが設定されている場合とで、更新条件が成立した場合における演出実行カウンタ223aah更新内容を異ならせても良い。このように構成することで、演出実行カウンタ223aahの値として大きい値が加算される演出モードが設定されている場合には、他の演出モードが設定されている場合よりも、チャンス予告演出が実行され易くなる。よって、演出モードが切り替わったことにより、遊技者に提供される演出の内容を異ならせ易くすることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、演出実行カウンタ223aahの値を更新するための更新条件が成立した場合に、予め規定されている値を加算(減算)するように構成しているが、これに限ること無く、更新条件が成立した場合に、今回の更新内容(演出実行カウンタ223aahの加算値、減算値)を決定する処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、演出実行カウンタ223aahの値を遊技者に予測させ難くすることができるため、チャンス予告演出が実行された場合に、強制的にチャンス予告演出が実行されたのか、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行されたのかを分かり難くすることができる。
一方、演出実行カウンタ223aahの値を遊技者に示唆可能な示唆演出を実行可能に構成しても良い。この場合、現在の演出実行カウンタ223aahの値を示唆する第1示唆演出、或いは、チャンス予告演出の実行条件が成立する(演出実行カウンタ223aahの値が50に到達する)までの残数を示唆する第2示唆演出、或いは、強制的にチャンス予告演出が実行されるまでの残情報を示唆する第3示唆演出の何れか、又は、全てを実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、強制的にチャンス予告演出が実行されるタイミングを予測させることが可能となるため、チャンス予告演出が実行された場合に、強制的にチャンス予告演出が実行されたのか、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行されたのかを予測させ易くすることができるため、例えば、強制的にチャンス予告演出が実行されると予測したタイミングとは異なるタイミングでチャンス予告演出が実行された場合に、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行されたことを予測し易くすることができるため、チャンス予告演出が実行されるタイミングについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、この場合、上述した第1示唆演出から第3示唆演出を、演出実行カウンタ223aahの値に基づいて強制的に実行される全てのチャンス予告演出に対してでは無く、一部に対して実行するように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、何れの契機で実行されたチャンス予告演出であるかを把握し易いチャンス予告演出と、把握し難いチャンス予告演出とを混在させ易くすることができるため、予測する楽しみを増加させることができる。
<第26制御例における電気的構成について>
次に、図811を参照して、本第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のROM222の構成のうち、上述した第22制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のROM222と異なる内容について説明をする。
長押し演出シナリオテーブル222aaaは、バトル演出の第2パート演出(連打操作演出)中に遊技者が長押し操作をした場合におけるHPゲージ890の残HP値890aの減少シナリオが複数規定されているデータテーブルであって、第2パート演出中における操作有効期間中に長押し操作が実行されたと判別した場合に減少シナリオ決定するために参照される。
本第26制御例では、連打操作演出における遊技者による操作手段(演出ボタン22)への操作内容に応じて、異なる態様で残HP値890aが減少するように構成しており、連打操作演出中に長押し操作をした場合には、長押し判定されている期間の長さに応じて残HP値890aが減少するように構成している。一方、連打操作演出中に連打操作を実行した場合には、操作手段(演出ボタン22)が押下されたと判定される毎に残HP値890aを減少させるか否かを決定する抽選を実行し、その抽選に当選した場合に残HP値890aを減少させるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、連打操作演出の演出結果が表示されるまでの過程を、連打操作演出に遊技者が実行した操作手段への操作方法に応じて異ならせることが可能となる。よって、様々な過程を楽しみたい遊技者に対して異なる操作方法で操作手段を操作させることができるため、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、図813を参照して、長押し演出シナリオテーブル222aaaに規定されている内容について説明をする。図813は、長押し演出シナリオテーブル222aaaに規定されている規定内容を模式的に示した図である。図813に示した通り、長押し演出シナリオテーブル222aaaには、当否判定結果と、取得した第1演出カウンタ223vfの値と、に対応させて異なるシナリオ種別が規定されている。
各シナリオ種別には、長押し期間の経過に応じて、HP値を減少させる傾向を異ならせたシナリオが規定されている。そして、残HP値と、最終HP値と、に基づいて各タイミングにおけるHP値の減少値が決定される。
具体的には、今回のバトル演出が実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が、「当たり」であって、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~19」の範囲に対しては「当たりシナリオ1」が、「20~69」の範囲に対しては「当たりシナリオ2」が、「70~98」の範囲に対しては「当たりシナリオ3」が、規定されており、今回のバトル演出が実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が、「外れ」であって、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~19」の範囲に対しては「外れシナリオ1」が、「20~69」の範囲に対しては「外れシナリオ2」が、「70~98」の範囲に対しては「外れシナリオ3」が、規定されている。
ここで、長押し演出シナリオテーブル222aaaに規定されている各種シナリオ(演出シナリオ)の詳細な内容について説明をする。「当たりシナリオ1」、及び「外れシナリオ1」は、長押し操作が継続して実行されている経過時間中において、前半期間の方が、後半期間よりも残HPを大きく減少させ易くなるようにシナリオ内容(先行型)が規定されており、長押し継続期間が0.5秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が1秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が1.5秒に到達した時点では「減少:大」、長押し継続期間が2秒に到達した時点では「上限」が規定されている。つまり、操作有効期間中に長押し継続期間を最大で3秒とすることができるにも関わらず、長押し継続期間が2秒に到達した時点で、残HP値を上限まで減少させるシナリオ内容が規定されている。
このように構成することで、操作有効期間の残時間を残した状態で、長押し操作を継続しているにも関わらず、残HP値を減少させることができない期間を形成することができるため、上述した非減少期間が設定された場合に、遊技者に対して、非減少期間が設定されたのか、残HP値が上限値に到達したのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、残HP値が上限値に到達した場合であっても、再度残HP値が減少される可能性に期待しながら継続して演出ボタン22(操作手段)を操作させることができる。
「当たりシナリオ2」、及び「外れシナリオ2」は、長押し操作が継続して実行されている経過時間中において、平均的に残HPを減少させ易くなるようにシナリオ内容(バランス型)が規定されており、長押し継続期間が0.5秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が1秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が1.5秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が2秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が2.5秒に到達した時点では「減少:中」、長押し継続期間が3秒に到達した時点では「上限」が規定されている。つまり、長押し継続期間の長さに応じて、徐々に残HP値が減少する演出が実行される。
このように構成することで、操作有効期間が設定されてから即座に長押し操作を実行しない限り、残HP値を上限まで減少させ難くすることができるため、遊技者に当否判定結果を予測させ難くすることができる。
「当たりシナリオ3」、及び「外れシナリオ3」は、長押し操作が継続して実行されている経過時間中において、前半期間よりも後半期間の方が残HPを大きく減少させ易くなるようにシナリオ内容(後半型)が規定されており、長押し継続期間が0.5秒に到達した時点では「減少:小」、長押し継続期間が1秒に到達した時点では「減少:小」、長押し継続期間が1.5秒に到達した時点では「減少:小」、長押し継続期間が2秒に到達した時点では「減少:小」、長押し継続期間が2.5秒に到達した時点では「減少:大」、長押し継続期間が3秒に到達した時点では「上限」が規定されている。つまり、長押し継続期間の長さに応じて、徐々に残HP値が大きく減少される演出が実行される。
以上、説明をした通り、本第26制御例では、バトル演出中の操作有効期間内において、長押し操作を実行した場合には、長押し操作が実行されたと判別した際に、長押し演出シナリオテーブル222aaaを参照して演出シナリオを決定し、決定されたシナリオを参照して長押し継続期間に応じて残HP値を減少させる演出が実行されるように構成している。このように構成することで、バトル演出中の操作有効期間内にて連打操作を実行した場合とは異なる演出パターンで残HP値を減少させる演出を実行させ易くすることができるため、遊技者に対して、演出ボタン22(操作手段)に対する操作方法を選択させる楽しみを提供し易くすることができる。
図811に戻り、説明を続ける。外れ時最終HP選択テーブル222aabは、バトル演出の演出結果として、敵キャラ880aのHPゲージ890の最終表示態様(減少させることが可能なHP値の上限値)を決定する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、バトル演出は、上述した通り、敵キャラ880aのHP値を徐々に減少させていく演出であって、対応する特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、当たり演出結果として敵キャラ880aを倒す(HP値を0まで減少させる)演出結果が決定され、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、外れ演出結果として敵キャラ880aを倒すことができない(HP値を0まで減少させることができない)演出結果が決定されるように構成している。
さらに、本第26制御例では、外れ演出結果が表示される場合において、減少させることが可能となる敵キャラ880aのHP値として複数の値の中から1の値を決定可能に構成している。このように構成することで、外れ演出結果となるバトル演出が実行された場合であっても、減少させることが可能なHP値を異ならせることができる。
加えて、本第26制御例では、長押し操作を実行した場合において所定期間(最大で2秒)の間、敵キャラ880aのHP値を減少させることが出来ない非減少期間を設定可能に構成している。よって、バトル演出の最中において操作手段を操作しているにも関わらず、敵キャラ880aのHP値が減少しない事態が発生した場合に、実行中のバトル演出の演出結果が外れ演出結果であって、これ以上HP値を減少させることが出来ない状況であるのか、非減少期間が設定されているためHP値890aを減少させることが出来ない状況であるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
よって、有効期間が経過する最後まで、遊技者に対して操作手段を意欲的に操作させることが可能となる。
ここで、図814(a)を参照して、外れ時最終HP選択テーブル222aabの内容について説明をする。図814(a)は、外れ時最終HP選択テーブル222aabに規定されている内容を模式的に示した図である。図814(a)に示した通り、外れ時最終HP選択テーブル222aabには、取得した第1演出カウンタ223vfの値に対応させて様々な最終HP値が規定されている。
具体的には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~4」の範囲に対しては、最終HP値として「50」が、「5~14」の範囲に対しては、最終HP値として「30」が、「15~24」の範囲に対しては、最終HP値として「20」が、「25~44」の範囲に対しては、最終HP値として「10」が、「45~98」の範囲に対しては、最終HP値として「5」がそれぞれ規定されている。
例えば、最終HP値として「50」が選択された場合には、バトル演出の第2パート演出中に演出ボタン22を操作したとしても、残HP値が50を下回ることが無いため、残HP値890aが50を示す表示態様(0とMAXの中間位置までを占める表示態様)から可変表示(減少表示)されることが無い演出が実行されることになる。よって、選択された最終HP値に応じて、第2パート演出中において演出ボタン22を操作しているにも関わらずHP値を減少させることが出来ない状況を様々なタイミング(異なる残HP値)で発生させることが可能となる。
よって、バトル演出の最終HP値として小さいHP値が選択された場合には、最終HP値として大きいHP値が選択された場合よりも、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(短く)する演出を進行させることが可能となるため、実行中のバトル演出の演出結果が大当たり当選に対応する演出結果(HP値が0になる演出結果)となることを期待させ易くすることができる。
ここで、バトル演出の演出結果が大当たり当選以外(外れ当選)であることを示す演出結果、即ち、最終HP値として「0」以外が選択されたバトル演出が実行された場合であっても、大当たり当選に対応する演出結果(HP値が0になる演出結果)が表示されることを期待させるために、最終的に減少させることが可能なHP値(最終HP値)を異ならせて設定可能にすることが考えられる。
つまり、バトル演出の演出結果が外れ当選である場合において、HP値を「0」近くまで減少させることが可能なバトル演出(最終HP値として小さな値(「5」等)が設定されたバトル演出)と、HP値を「0」近くまで減少させることが出来ないバトル演出(最終HP値として大きな値(「50」等)が設定されたバトル演出)と、を実行可能にすることで、外れ当選である場合に常に一定のHP値(例えば、「5」)までHP値を減少させることが可能なバトル演出が実行される場合と比べて、所定のHP値(例えば、「5」)まで減少させることが出来ないバトル演出が実行される分、バトル演出にて所定のHP値(例えば、「5」)までHP値が減少した場合における大当たり当選の期待度を高めることができる。
このように構成することで、遊技者に対してHP値が「0」となるか否かだけでなく、HP値の減少過程についても興味を持たせることができるため、バトル演出が実行される長期間の間、実行される演出の内容に対して遊技者を注視させることができる。
なお、上述した通り、最終的に減少させることが可能なHP値(最終HP値)を異ならせて設定可能に構成した場合には、少なくとも、他の演出結果よりも最終HP値として大きな値(例えば、「50」等)が設定されるバトル演出を実行させる必要がある。そして、最終HP値として大きなHP値が設定されたバトル演出が実行された場合には、他のバトル演出よりも早い段階でHP値が最終HP値に到達してしまうことで、遊技者に対して、実行中のバトル演出の演出結果が外れ演出結果であることを早期に把握されてしまうという問題があった。
これに対して本第26制御例では、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させることが可能な操作演出期間中に、操作手段を操作したにも関わらず、且つ、最終HP値に到達していないにも関わらず、HP値を減少させることが出来ない(困難となる)期間として、非減少期間を設定可能に構成している。
このように非減少期間を設定可能に構成することにより、最終HP値に到達していない状態であっても非減少期間が設定されている間、HP値の減少を止めることができるため、バトル演出中において、操作手段を操作したにも関わらずHP値が減少しない事態が生じたとしても、最終HP値に到達したのか、非減少期間が設定されたのかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、バトル演出中にHP値が再度減少される(非減少期間が解除される)ことを期待させることができ、演出効果を高めることができる。
図814(a)に示した通り、本第26制御例では、特別図柄抽選の結果が外れ当選であることを示すバトル演出(外れバトル演出)の最終HP値として、「5」,「10」,「20」,「30」,「50」の5種類を決定可能に構成し、最終HP値として小さい値の方が、大きい値よりも選択され易くなるように構成しており、外れバトル演出が実行された場合の約5%で最終HP値「50」が、約10%で最終HP値「30」が、約10%で最終HP値「20」が、約20%で最終HP値「10」が、約55%で最終HP値「5」が、選択されるように構成している。
よって、バトル演出が実行された場合には、HP値「50」,「30」,「20」,「10」,「5」の何れかまでHP値が減少する毎に、その段階でHP値の減少が終了してしまうか否か(最終HP値であるか否か)に興味を持たせることができると共に、HP値の減少が継続した場合において大当たり当選の期待度を高めさせることができる。
突入抽選テーブル222aacは、遊技者による操作手段(演出ボタン22)への操作に基づいて演出態様を可変させる(HP値を減少させる)ことが可能な操作演出(バトル演出)における操作有効期間(有効期間)中に、演出態様が可変されることの無い非可変期間(非減少期間)を設定するか否かを決定するための突入抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであって、バトル演出の第2パート演出中に遊技者による操作手段への操作に基づいて敵キャラ880aのHP値を減少させることを決定した場合に参照される。
突入抽選テーブル222aacを参照して実行される突入抽選に当選した場合には、非減少期間が設定される。この非減少期間中は、遊技者が操作手段を操作したとしてもその操作に基づいてHP値が減少されないように構成している。非減少期間が設定されている間は、非減少期間を解除するか否かを決定するための解除抽選が所定間隔(0.5秒間隔)で実行されるように構成しており、解除抽選に当選した場合、或いは、予め定められている非減少期間の上限期間(3秒)が経過した場合に、非減少期間が解除されるように構成している。
ここで、図814(b)を参照して、突入抽選テーブル222aacの詳細な内容について説明をする。図814(b)は、突入抽選テーブル222aacに規定されている内容を模式的に示した図である。図814(b)に示した通り、突入抽選テーブル222aacには、当否判定結果(特別図柄抽選結果)と、現時点における残HP値と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに対応させて、突入抽選の結果(当選、非当選)が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」で、残HP値が「100」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値の取り得る全範囲「0~98」に対して、突入抽選「非当選」が規定されている。つまり、残HP値が「100」、即ち、敵キャラ880aのHP値が減少していない状態では非減少期間が設定されることが無いように構成している。このように構成することで、バトル演出が実行されたにも関わらず、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させること無くバトル演出が終了してしまい、遊技者の操作手段を操作しようとする操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、残HP値が「99~70」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~79」の範囲に対して「非当選」が、「80~98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「69~40」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~54」の範囲に対して「非当選」が、「55~98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「39~20」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~34」の範囲に対して「非当選」が、「35~98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「19~1」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値の取り得る全範囲「0~98」に対して、突入抽選「当選」が規定されている。
同様に、当否判定結果が「外れ」で、残HP値が「100」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値の取り得る全範囲「0~98」に対して、突入抽選「非当選」が規定されており、残HP値が「99~70」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して「非当選」が、「95~98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「69~40」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~79」の範囲に対して「非当選」が、「80~98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「39~20」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~54」の範囲に対して「非当選」が、「55~98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「19~1」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して「非当選」が、「95~98」の範囲に対して「当選」が規定されている。
つまり、本第26制御例では、残HP値が小さくなるほど突入抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出が実行されたにも関わらず、HP値をあまり減少させていない状態で非減少期間が設定されてしまうことを抑制することができる。
また、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合の方が、外れ当選している場合よりも、突入抽選の当選確率が高くなるように構成している。つまり、最終HP値として「0」が設定されるバトル演出(当たりバトル演出)が実行される場合の方が、最終HP値として「0」以外の値が設定されるバトル演出(外れバトル演出)が実行される場合よりも、非減少期間が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、何れの演出結果が設定されるバトル演出であっても、HP値が「0」となるよりも前の所定タイミングにて、HP値が減少しない期間(非減少期間が設定される期間、最終HP値に到達した以降の期間)を設定し易くすることができる。よって、HP値が減少しない期間が設定された時点で実行中のバトル演出の演出結果を予測させ難くすることができる。
さらに、HP値が減少しない期間が設定された場合であっても、再度、HP値を減少させる期間が設定される可能性を残すことができるため、HP値が減少しない期間が設定さされた後も、再度HP値が減少することを期待しながらバトル演出を続行(操作手段への操作を続行)させることができる。
また、詳細な説明は後述するが、本第26制御例では、1回の操作有効期間(有効期間)に対して、非減少期間を1回のみ設定可能に構成している。つまり、操作有効期間中であって、1度も非減少期間が設定されていない状態においてのみ突入抽選を実行可能に構成している。よって、1回の操作有効期間内で非減少期間が複数回設定されてしまい、HP値を減少させることが可能な期間が殆ど設定されること無く操作有効期間が経過してしまうことを抑制することができる。
解除抽選テーブル222aadは、設定されている非減少期間を解除するための解除抽選を実行する際に参照されるデータテーブルである。解除抽選は非減少期間が設定されている間、所定間隔(0.5秒間隔)で実行されるものであって、非減少期間中の経過時間が長くなる程(残操作有効期間が短くなる程)、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、非減少期間が無用に長く継続してしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、非減少期間が継続する期間に操作有効期間(5秒)よりも短い期間で上限を設けており、非減少期間が3秒継続した場合に、非減少期間の上限に到達し非減少期間が終了するように構成している。つまり、非減少期間を解除するための解除抽選に当選すること無く、繰り返し解除抽選が実行される事態が発生した場合であっても、時間経過に基づいて非減少期間を終了させることができるように構成している。このように構成することで、非減少期間が無用に長く継続してしまうことを抑制することができる。
また、非減少期間が設定された時点における残HP値の値が大きい場合の方が、残HP値の値が小さい場合よりも、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、残HP値が大きい状態で非減少期間が設定された場合の方が、非減少期間が長時間継続し難くすることができる。
追加減少値選択テーブル222aaeは、非減少期間が解除された場合に付与されるHP値の減少値を決定する際に参照されるデータテーブルであって、非減少期間を終了させるための終了条件(解除抽選の当選、時間経過)が成立した場合に参照される。本第26制御例におけるパチンコ機10は、残HP値が最終HP値に到達していない状態であっても、操作手段への操作に基づいてHP値が減少されることの無い非減少期間を設定可能に構成しており、バトル演出中の操作有効期間内において操作手段を操作したにも関わらず残HP値が減少しない事態が発生した場合であっても、残HP値が最終HP値に到達したか否かを遊技者に把握させ難くするように構成している。
そして、操作有効期間内に非減少期間が設定された場合、即ち、操作手段への操作に基づいて残HP値を減少させることが可能な期間が短くなった場合であっても、操作有効期間内に残HP値が最終HP値に到達し易くするために、非減少期間が終了した時点において、操作手段への操作に基づくこと無く、残HP値を減少させる追加減少演出を実行可能に構成している。このように構成することで、非減少期間が設定された場合であっても、操作有効期間に残HP値を最終HP値へと到達させ易くすることができるため、最終HP値が「0」に設定される演出結果を表示可能なバトル演出、即ち、大当たり当選を示すバトル演出が実行されたにも関わらず、操作有効期間内に残HP値を「0」まで減少させることが出来ず、遊技者の操作手段をしようとする意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、追加減少演出にて減少させるHP値を決定する際に参照される追加減少値選択テーブル222aaeに規定されている詳細な内容について、図816を参照して説明をする。図816は、追加減少値選択テーブル222aaeの規定内容を模式的に示した図である。図816に示した通り、追加減少値選択テーブル222aaeには、実行中のバトル演出の演出結果に対応する特別図柄抽選の当否判定結果、残HP値と、最終HP値との差分を示す差分HP値、非減少期間が継続した期間の長さを示すための非減少期間カウンタ223aabの値、及び、取得した第2演出カウンタ223vgの値に対応させて、異なる減少値が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」で、差分HP値が「1~19」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1~500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~179」の範囲に対して減少値「0」が、「180~198」の範囲に対して減少値「5」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501~1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~198」の範囲に対して減少値「5」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501~2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「5」が、「180~198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値に関わらず、減少値「差分HP全て」が規定されている。
ここで、減少値「差分HP全て」とは、算出された差分HP値と同一の値を示すものである。つまり、追加減少演出にて減少させるHP値として「差分HP全て」が選択された場合には、追加減少演出にて減少させることが可能な全HP値を減少させる演出が実行されることになる。例えば、最終HP値が「0」に設定される当たりバトル演出において、追加減少演出にて減少させるHP値として「差分HP全て」が選択された場合には、追加減少演出によって敵キャラ880aが倒れる演出(残HP値を0まで減少する演出)が実行される。このように、HP値を減少させることが出来ない非減少期間が設定された場合であっても、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出の演出態様によっては、非減少期間が設定されない場合よりも非減少期間が設定された場合の方がバトル演出の演出結果を遊技者に早期に報知可能となるように構成することで、非減少期間が設定されたことによって遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
一方、最終HP値が「0」以外に設定される外れバトル演出において、追加減少演出にて減少させるHP値として「差分HP全て」が選択された場合には、追加減少演出によって敵キャラ880aの残HP値を最終HP値まで減少させる演出が実行される。このように構成することで、追加減少演出にてHP値を大きく減少させることができるため、残り期間で残HP値を「0」まで減少させることができるのではと思わせ、意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、非減少期間が解除されたタイミングで「差分HP全て」を減少値とした追加減少演出が実行されることで、残HP値が最終HP値へと減少されるため、追加減少演出が実行される前の期間(非減少期間)と、追加減少演出が実行された後の期間(残HP値が最終HP値に到達した後の期間)と、を共に、HP値を減少させることが出来ない期間とすることができる。このように構成することで、遊技者に対して、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させることが出来ない期間が継続している状態において、途中でHP値を減少させる演出が割り込む可能性があると思わせることができる。よって、残HP値が最終HP値に到達してしまい、操作手段を操作したとしても残HP値を減少させることが出来ない状況が継続する事態が発生した場合であっても、遊技者に対して、残HP値が減少する可能性を持たせながらバトル演出を注視させることができる。
つまり、本第26制御例では、差分HP値が同一の範囲内である場合には、非減少期間が長くなる程、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて減少されるHP値が大きくなり易くなるように構成している。このように構成することで、非減少期間が長く設定されたことによりバトル演出にてHP値を最終HP値へと減少させることが出来ない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
また、非減少期間カウンタ223aabの値が上限に到達した場合、即ち、非減少期間中に実行される解除抽選に当選すること無く、非減少期間の上限期間に到達してしまった場合には、途中で解除抽選に当選した場合よりも、HP値を大きく減少させる追加減少演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、非減少期間が設定された場合において、いち早く非減少期間が解除されることを所望する遊技と、非減少期間が上限まで継続することを所望する遊技と、を遊技者に行わせることができる。
図816に戻り、追加減少値選択テーブル222aaeに規定されている内容について引き続き説明をする。当否判定結果が「当たり」で、差分HP値が「20~69」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1~500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「5」が、「180~198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501~1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「10」が、「100~179」の範囲に対して減少値「0」が、「180~198」の範囲に対して減少値「15」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501~2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「15」が、「100~179」の範囲に対して減少値「10」が、「180~198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が、「100~179」の範囲に対して減少値「15」が、「180~198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。
当否判定結果が「当たり」で、差分HP値が「70~99」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1~500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~179」の範囲に対して減少値「0」が、「180~198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501~1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「15」が、「100~179」の範囲に対して減少値「0」が、「180~198」の範囲に対して減少値「10」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501~2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「15」が、「100~179」の範囲に対して減少値「20」が、「180~198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「25」が、「100~179」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が、「180~198」の範囲に対して減少値「20」が規定されている。
以上、説明をした通り、追加減少値選択テーブル222aaeには、対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が同一である場合であって、且つ、非減少期間カウンタ223aabの値が同一の範囲内である場合には、追加減少演出が実行される時点における差分HP値が大きくなる程、追加減少演出にて減少させることが可能なHP値として大きな値が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出の操作有効期間において、HP値を殆ど減少させていない状態で非減少期間が設定された場合には、HP値を減少させた状態で非減少期間が設定された場合よりも、追加減少演出にてHP値を大きく減少させることができるため、操作有効期間中に非減少期間が設定されたとしても、遊技者に違和感を与えること無く、非減少期間が解除された以降も演出ボタン22への操作を継続させ易くすることができる。
また、差分HP値が大きい場合よりも小さい場合の方が追加減少演出にて減少させるHP値(減少値)として差分HP値が選択される割合が高くなるように構成している。このように構成することで、差分HP値が大きい状態、即ち、バトル演出が実行されてからHP値が減少されていない状態において非減少期間が設定された場合には、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて、最終HP値までHP値が減少され難くすることができる。よって、バトル演出中に遊技者が演出ボタン22を操作したことに基づいてHP値を減少させる機会を無用に排除してしまうことを抑制することができる。
一方、当否判定結果が「外れ」で、差分HP値が「1~19」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1~500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値に関わらず、即ち、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~198」の全範囲に対して減少値「0」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501~1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~179」の範囲に対して減少値「0」が、「180~198」の範囲に対して減少値「5」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501~2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「5」が、「180~198」の範囲に対して減少値「3」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「15」が、「180~198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」で、差分HP値が「20~69」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1~500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~198」の範囲に対して減少値「5」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501~1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「10」が、「180~198」の範囲に対して減少値「15」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501~2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「15」が、「180~198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が、「180~198」の範囲に対して減少値「15」が規定されている。
当否判定結果が「外れ」で、差分HP値が「70~99」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1~500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~179」の範囲に対して減少値「0」が、「180~198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501~1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「10」が、「180~198」の範囲に対して減少値「15」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501~2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~179」の範囲に対して減少値「15」が、「180~198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対して減少値「0」が、「100~198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。
以上、説明をした通り、実行中のバトル演出が外れバトル演出である場合には、当たりバトル演出である場合よりも、HP値を減少させる追加減少演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、当たりバトル演出よりも大きな値が最終HP値として設定される外れバトル演出において、追加減少演出によってHP値が減少してしまい、バトル演出中に遊技者が演出ボタン22を操作したことに基づいてHP値を減少させる機会を無用に排除してしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、図816に示した通り、追加減少演出にて減少させるHP値(減少値)として「0」を選択可能に構成している。減少値「0」が選択された場合には、非減少期間が解除されたことを示す演出のみが実行され、味方キャラ801aが敵キャラ880aのHP値を減少させる演出が実行されない演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、減少値「0」が選択された場合であっても、遊技者に対して非減少期間が解除されたことを分かり易く報知することができる。
なお、減少値「0」が設定された場合に実行される追加減少演出の演出態様として、別の演出態様を設定するように構成しても良く、例えば、味方キャラ801aが敵キャラ880aに向かって攻撃を仕掛けるが、敵キャラ880aが攻撃を避けることでHP値が減少しないことを示す演出態様を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、追加減少演出が実行される場合において、選択された減少値に関わらず、味方キャラ801aが敵キャラ880aを攻撃する演出が実行されるため、減少値「0」が選択されたことを気付かれ難くすることができる。また、この場合、演出ボタン22への操作に基づいて敵キャラ880aのHP値を減少させる演出の一部においても、敵キャラ880aが味方キャラ801aの攻撃を避ける演出態様が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、追加減少演出以外の演出においても減少値「0」に対応した演出を実行することができるため、追加減少演出にて減少値「0」に対応した演出が実行された場合であっても、遊技者に違和感を与え難くすることができる。
チャンス予告抽選テーブル222aafは、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において、大当たり当選の期待度を高めるためのチャンスアップ演出を実行するか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。本第26制御例では、上述した各制御例と同様に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンコマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113において、受信した変動パターンコマンドに対応する表示用変動パターン(変動演出の演出パターン)を設定する処理が実行される。
この表示用変動パターンの種別は、主制御装置110にて設定された変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて決定されるものであり、設定される種別に応じて、大当たり当選期待度が異なるものである。具体的には、主制御装置110のタイマ割込処理(図698参照)にて実行される特図別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209参照)において、変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)を参照して変動パターンを選択(決定)する処理(図701のF403~F405参照)を実行し、選択された変動パターンを示すための特図変動パターンコマンドが設定される(図701のF406参照)。
変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)には、特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に対応させて異なるデータテーブルが規定されており、各条件に応じて異なる変動パターン(変動時間)を選択するように構成されている。より具体的には、同一の遊技状態(例えば、通常状態)においては、変動パターンとして変動時間が長い(90秒)変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れ当選である場合よりも選択され易くなるように規定されており、一方、変動時間が短い(7秒)変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合よりも、外れ当選である場合の方が選択され易くなるように規定されている。つまり、選択された変動パターン(変動時間)によって、大当たり当選の期待度を異なるように構成している。
ここで、主制御装置110から出力される変動パターンコマンド(特図変動パターンコマンド)を受信した場合に音声ランプ制御装置113にて設定される表示用変動パターン(変動演出の演出パターン)は、少なくとも、特別図柄変動の変動時間の長さに対応した演出パターンが設定されるように構成している。つまり、変動時間が90秒の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合には、90秒間の変動演出が実行される演出態様に対応する演出パターン(変動パターン)が決定され、決定された演出パターンに対応する表示用変動パターンコマンドが設定されるように構成している。よって、音声ランプ制御装置113にて設定される変動パターン(演出パターン)の種別に応じて大当たり当選の期待度が異なる。
チャンス予告抽選テーブル222aafには、チャンス予告抽選の当選確率が、音声ランプ制御装置113にて設定される変動パターン種別毎に異ならせるように規定しており、大当たり当選期待度が高い変動パターン(長時間の特図変動に対応する演出パターン)の方が、大当たり当選期待度が低い変動パターン(短時間の特図変動に対応する演出パターン)よりもチャンス予告抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、チャンス予告が実行された場合における大当たり当選期待度を高めることが可能となるため、チャンス予告演出は大当たり当選する期待度が高いことを示すための演出態様となる。
ここで、図817(a)を参照して、チャンス予告抽選テーブル222aafの詳細な内容について説明をする。図817(a)は、チャンス予告抽選テーブル222aafに規定されている内容を模式的に示した図である。図817(a)に示した通り、チャンス予告抽選テーブル222aafには、今回の変動演出に対応する当否判定結果(特別図柄抽選の抽選結果)と、今回の変動演出の変動パターン種別(演出パターンの種別)と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに基づいてチャンス予告抽選の当否が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」であって、選択されている変動パターン種別が「変動パターン1」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~98」の全範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が規定されている。また、変動パターン種別が「変動パターン2」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が、「95~98」の範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が規定されている。そして、選択されている変動パターン種別が、変動パターン種別「変動パターンn」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が、「95~98」の範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が規定されている。
一方、当否判定結果が「外れ」であって、選択されている変動パターン種別が「変動パターン2」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~94」の範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が、「95~98」の範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が規定されている。そして、選択されている変動パターン種別が、変動パターン種別「変動パターンn+1」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0~98」の全範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が規定されている。
ここで、音声ランプ制御装置113にて選択可能な変動パターン(演出パターン)の種別は、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドに含まれる情報(変動種別を示す情報)に基づいて決定されるものであり、決定された変動パターン(演出パターン)に応じた変動演出が第3図柄表示装置81の表示面にて実行されるものである。
また、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するために、近年では、音声ランプ制御装置113にて決定される変動パターン(演出パターン)の種別を多く設けるものが主流となっている。この場合、主制御装置110から特定変動パターンコマンドが出力されると、その特定変動パターンコマンドに含まれる特定情報と、音声ランプ制御装置113にてランダムに更新される演出乱数値と、に基づいて異なる種別の変動パターン(演出パターン)を選択可能に構成すると良い。
このように構成することで、主制御装置110にて設定される変動パターンの種類よりも、音声ランプ制御装置113にて設定される変動パターン(演出パターン)の種類を多くし易くすることができる。よって、容量に制限のある主制御装置110にて選択される変動種別の種類を増加させること無く、実行される変動演出の種類を増加させることができる。
図817(a)に示したチャンス予告抽選テーブル222aafでは、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の方が、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、選択され易い順で各変動パターン種別が規定されている。具体的には、「変動パターン1」が、最も大当たり当選時に選択される割合が高い(大当たり当選時のみ選択される)変動パターンであって、「変動パターンn+1」が最も大当たり当選時に選択される割合が低い(外れ当選時のみ選択される)変動パターンである。
ここで、本第26制御例では、音声ランプ制御装置113にて選択される変動パターン種別の中に、大当たり当選した場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン1)と、大当たり当選していない場合にのみ選択される変動パターン(変動パターンn+1)を、有している。つまり、大当たり当選した特別図柄抽選に対応する変動パターン種別は、「変動パターン1」~「変動パターンn」までの範囲から選択され、外れ当選した特別図柄抽選に対応する変動パターン種別は、「変動パターン2」~「変動パターンn+1」までの範囲から選択されるように構成している。
そして、「変動パターン2」~「変動パターンn」は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合も、外れ当選である場合も、選択され得る変動パターン種別となり、「変動パターン2」から昇順で大当たり期待度が高くなるように構成されている。
このように構成することで、選択される変動パターン種別として、大当たり確定の変動パターンと、外れ確定の変動パターンと、を設けることができるため、大当たり、外れ何れもあり得る変動パターンのみを設けた場合に比べて、変動パターン(演出パターン)を選択する際の振り分けが偏ってしまい、予め規定されている変動パターン種別に対する大当たり当選期待度とは異なる頻度で変動演出が実行され難くすることができる。
チャンス態様選択テーブル222aagは、チャンス予告抽選に当選した場合に実行されるチャンス予告の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第26制御例では、1の変動演出において、複数のチャンス予告を実行可能に構成しており、例えば、図809を参照して上述した通り、様々なコメントが表示されるコメント表示部HR52の表示態様(コメント表示態様ch1)を可変させるチャンス予告演出や、実行中の保留図柄hr0の表示態様(実行中保留表示態様)を可変させるチャンス予告演出や、変動表示に用いられるキャラ801の表示態様(キャラ表示態様ch3)を可変させるチャンス予告演出等を実行可能に構成している。
そして、チャンス態様選択テーブル222aagには、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した第2演出カウンタ223vgの値とに対応させて、何れの表示態様をどの程度可変させるかを示す情報(可変後のレベル情報)を含む態様変化シナリオ(変化シナリオ)が規定されている。加えて、強制的にチャンス予告演出を実行すると判定された変動演出に対して、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した第2演出カウンタ223vgの値とに対応させて、特殊変化シナリオが規定されている。
ここで、本第26制御例では、大当たり当選すること無く実行される複数回の特別図柄変動(外れ変動)に対応する変動演出(外れ変動演出)の実行回数や、実行内容に応じて、強制的にチャンス予告演出を実行可能に構成している。例えば、大当たり当選すること無く、外れ変動演出が50回連続で実行される場合であって、且つ、その50回の外れ変動演出の演出態様として、チャンス予告演出が一度も実行されなかった場合には、次に実行される外れ変動演出の演出態様として、チャンス予告演出を含む演出態様が強制的に選択されるように構成している。
このように構成することで、チャンス予告演出が実行されない外れ変動演出が連続して実行されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、過去に実行された変動演出に用いられたチャンス予告演出の演出態様に関する情報を記憶可能な記憶手段を有しており、強制的にチャンス予告演出を実行すると決定された変動演出に用いられるチャンス予告演出の演出態様を、記憶手段が記憶している情報に基づいて選択可能に構成している。例えば、大当たり当選する確率が高い(大当たり期待度が高い)チャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)が外れ変動演出の演出態様として選択されたことを示す情報が記憶手段に記憶されている状態で、強制的にチャンス予告演出を選択する際には、強制的にチャンス予告演出が実行される変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となる(当たり変動演出である)場合には、記憶手段に記憶されている情報に含まれる演出態様をチャンス予告演出の演出態様として選択可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選する確率が高い(大当たり期待度が高い)チャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)が連続した外れ変動演出の演出態様として設定されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまう事態が発生すること抑制することができる。
一方、強制的にチャンス予告演出実行される変動演出の演出結果が外れを示す演出結果となる(外れ変動演出である)場合には、記憶手段に記憶されている情報に含まれる演出態様以外の演出態様をチャンス予告演出の演出態様として選択可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選する確率が高い(大当たり期待度が高い)チャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)が連続した外れ変動演出の演出態様として設定されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第26制御例では、記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前回の当たり変動演出にて用いられたチャンス予告演出の演出態様を読み出し、読み出した演出態様を、強制的にチャンス予告演出が実行される外れ変動演出の演出態様として設定可能に構成している。
このように構成することで、チャンス予告演出の演出態様のうち、一部の演出態様が当たり変動演出の演出態様としてのみ偏って選択され続けてしまうことを抑制することができるため、チャンス予告演出の演出態様として選択可能な複数の演出態様のそれぞれに対する大当たり当選への期待度を適正に維持することができる。
なお、前回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様を、強制的にチャンス予告演出が実行される外れ変動演出の演出態様として設定可能な構成を用いた場合であって、例えば、前回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様が当たり変動演出に対してのみ選択可能に規定されている場合には、その演出態様を特殊仕様として外れ変動演出に用いても良い。このように構成することで、予め定められている規定内容とは異なる変動演出を実行することが可能となるため、実行される変動演出のバリエーションを増加させることができる。また、前回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様が当たり変動演出に対してのみ選択可能に規定されている場合には、前々回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様を、強制的にチャンス予告演出が実行される外れ変動演出の演出態様として設定可能とするために、記憶手段に複数の情報を記憶させることができるように構成しても良い。
ここで、図817(b)を参照して、チャンス態様選択テーブル222aagの詳細な内容について説明をする。図817(b)は、チャンス態様選択テーブル222aagに規定されている内容を模式的に示した図である。図817(b)に示した通り、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「当たり(通常)」であって、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対しては「変化シナリオ1」が、「100~159」の範囲に対しては「変化シナリオ2」が、「160~189」の範囲に対しては「変化シナリオ3」が、「190~196」の範囲に対しては「変化シナリオ4」が、「197,198」の範囲に対しては「変化シナリオ5」が、それぞれ規定されている。また、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「外れ(通常)」であって、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲に対しては「変化シナリオ6」が、「100~159」の範囲に対しては「変化シナリオ7」が、「160~189」の範囲に対しては「変化シナリオ8」が、「190~195」の範囲に対しては「変化シナリオ9」が、「196,197」の範囲に対しては「変化シナリオ10」が、「198」の値に対しては「変化シナリオ11」がそれぞれ規定されている。
ここで、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)の「当たり(通常)」、及び「外れ(通常)」とは、チャンス予告抽選テーブル222aafを参照して実行されるチャンス予告抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行される通常パターンを示すものであって、チャンス予告抽選に当選した場合においてチャンス予告演出の演出態様を選択する場合には、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)の「当たり(通常)」、及び「外れ(通常)」の何れかから演出態様が選択される。
次に、チャンス態様選択テーブル222aagに規定されている各態様変化シナリオのうち、チャンス予告演出が通常パターンで実行される場合に選択される態様変化シナリオ(「変化シナリオ1」~「変化シナリオ11」)の内容について説明をする。この態様変化シナリオは、変動演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される複数の態様のうち、チャンス予告演出の対象となる対象態様(コメント表示部HR52、実行中保留図柄hr0、キャラ810)の表示態様(コメント表示態様Ch1、実行中保留表示態様Ch2、キャラ表示態様Ch3)を可変させるための情報のうち、少なくとも、可変させることが可能な段階レベルの上限値が規定されているものである。
本第26制御例では、各対象態様の表示態様を初期態様(デフォルト)を含め4段階に可変表示可能に構成しており、初期態様が「LV1」となり、「LV2」,「LV3」,「LV4」とレベルが上昇する毎に大当たり期待度が高くなるように構成している。例えば、チャンス予告演出の対象態様であるコメント表示態様Ch1(図809参照)は、設定される段階レベルに応じて、コメント表示部HR52の背景色を可変表示させるチャンス予告演出が実行されるように構成しており、「LV1」は背景色「白色」、「LV2」は背景色「黄色」、「LV3」は背景色「赤色」、「LV4」は背景色「虹色」が表示されるように構成している。
なお、図817(b)に示したチャンス態様選択テーブル222aagには、態様変化シナリオに含まれる情報として、可変させることが可能な段階レベルの上限値を記載しているが、それ以外にも、例えば、初期態様「LV1」から上限値の段階レベル(例えば「LV3」)へと可変させるための過程(「LV1」から「LV3」へと直接可変させる過程、又は、「LV1」、「LV2」、「LV3」の順に可変させる過程、又は、初期態様「LV1」を表示させること無く「LV3」を表示させる過程等)を示す情報や、段階レベルを可変させるタイミング(例えば、対象態様が表示された直後や、表示されてから所定期間経過後等)を示す情報も含まれている。これにより、設定された変化シナリオを参照することで各対象態様の表示態様を適正に可変表示させることができる。
具体的には、チャンス態様選択テーブル222aagは、図817(b)に示した通り、チャンス予告演出抽選に当選した場合に参照される通常データテーブルと、強制的にチャンス予告演出を実行する実行条件が成立した場合に参照される強制データテーブルと、を有しており、当否判定結果と、取得した第2演出カウンタ223vgの値とに対応させて異なる態様変化シナリオが規定されている。
図817(b)に示した通り、段階レベル「LV4」は、大当たり当選している場合にのみ決定される段階レベルとなっており、他の段階レベルに対して選択され難く構成している。このように構成することで、段階レベル「LV4」のチャンス予告演出が実行された場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、大当たり当選していることを遊技者に把握させることができる。
また、特別図柄変動期間中において、時系列的に実行されるチャンス予告演出の対象態様(ch1~ch3)のうち、先に実行される対象態様(コメント表示態様ch1)よりも、後に実行される対象態様(キャラ表示態様ch3)の方が、段階レベル「LV4」が決定され易くなるように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が実行された直後に、段階レベル「LV4」のチャンス予告演出が実行されてしまい、遊技者が実行中の変動演出に興味を持たない事態が発生することを抑制することができる。
次に、チャンス態様選択テーブル222aagが有する強制データテーブルの内容について説明をする。当否判定結果が「当たり」である場合には、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~198」、即ち、全範囲に対して、態様変化シナリオとして「特殊変化シナリオ1」が規定されている。また、当否判定結果が「外れ」であって、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0~99」の範囲には、態様変化シナリオとして「特殊変化シナリオ2」が規定され、「100~159」の範囲には、態様変化シナリオとして「特殊変化シナリオ3」が規定され、「160~198」の範囲には、態様変化シナリオとして「特殊変化シナリオ4」が規定されている。
ここで、「特殊変化シナリオ1」が設定された場合、即ち、演出実行カウンタ223aahの値が50に到達した特別図柄抽選が当たり当選である場合には、チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている前回外れ高レベル対象態様と同一の高レベル対象態様が規定されている変化シナリオが決定される。
つまり、強制的にチャンス予告演出が実行される大当たり変動では、段階レベルが高レバル(「LV3」)であるにも関わらず、当否判定結果が外れである場合のチャンス予告演出に用いられた対象態様が強制的に実行される。このように構成することで、パチンコ機10で実行されるチャンス予告演出の段階レベルが高くなる程、大当たり当選の可能性が高くなり易くすることができる。
なお、「特殊変化シナリオ1」が設定された場合において参照されるチャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている情報として、前回用いられた高レベル対象態様がチャンス予告演出抽選に当選して実行されたもので無く、強制的に実行されるチャンス予告演出にて実行されたものを参照するように構成すると良い。つまり、上述した通り、チャンス予告演出抽選に当選した場合には、上述した通常データテーブルを参照して各対象態様の段階レベルが決定されるため、多少の偏りは発生し得るが、基本的には、段階レベルが高くなる程、大当たり当選の可能性が高くなるように規定されている。
しかしながら、強制的にチャンス予告演出を実行する場合には、特別図柄抽選の結果が外れであった場合でも、強制的に高い段階レベルが決定されるため、パチンコ機10全体において、対象態様の段階レベルと、大当たり当選の期待度とのバランスを崩し易くなる。よって、「特殊変化シナリオ1」が設定された場合に、前回、強制的に実行されるチャンス予告演出にて実行された対象態様を採用するように構成することで、パチンコ機10で実行されるチャンス予告演出の段階レベルが高くなる程、大当たり当選の可能性が高くなり易くすることができる。
「特殊変化シナリオ2」が設定された場合には、高レベル(「LV3」)の段階レベルが含まれる「変化シナリオ8」~「変化シナリオ11」の何れかが抽選で決定される。このように構成することで、強制的にチャンス予告演出が実行される場合であっても、チャンス予告演出抽選に当選した場合に決定される変化シナリオと同一内容のチャンス予告演出を実行することができるため、遊技者に対して、チャンス予告演出の実行契機を把握させ難くすることができる。
「特殊変化シナリオ3」が設定された場合には、チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている前回外れ高レベル対象態様とは異なる対象態様の段階レベルが高レベル(LV3)に規定されている変化シナリオが決定される。このように構成することで、同一の対象態様のみ強制的に高い段階レベルとする外れチャンス予告演出が実行されてしまい、対象態様の段階レベルと、大当たり当選の可能性とのバランスが大きく崩れてしまう事態が発生することを抑制することができる。
「特殊変化シナリオ4」が設定された場合には、チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている前回当たり高レベル対象態様と同一の対象態様の段階レベルが高レベル(LV3)に規定されている変化シナリオが決定される。このように構成することで、同一の対象態様のみ強制的に高い段階レベルとする当たりチャンス予告演出が頻繁に実行されてしまい、対象態様の段階レベルと、大当たり当選の可能性とのバランスが大きく崩れてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、「特殊変化シナリオ1,3,4」が設定された場合に、チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている前回のチャンス予告演出に用いられた情報を参照して変化シナリオを決定するように構成しているが、これに限ること無く、チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている前回のチャンス予告演出に用いられた高レベル対象態様のみを参照し、個々の対象態様に対して、段階レベルを決定するように構成しても良い。
また、チャンス態様情報格納エリア223aagに過去複数回のチャンス予告演出の情報を格納させ、前回では無く、2回以上前に実行されたチャンス予告演出に関する情報に基づいて演出態様を決定可能に構成しても良いし、チャンス態様情報格納エリア223aagに、設定されている遊技状態や演出モードに関する遊技情報を対応付けて記憶させておき、特殊変化シナリオが決定された時点における遊技状態や演出モードと同一条件にて過去に実行されたチャンス予告演出に関する情報に基づいて演出態様を決定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技状態や演出モードに応じて、チャンス予告演出の期待度や、対象態様の種類を異ならせた場合であっても、遊技状態や演出モードに対応させて強制的にチャンス予告演出を実行させ易くすることができる。
さらに、チャンス態様情報格納エリア223aagに記憶されている履歴情報を、所定時間経過(1時間経過)や、待機画面が表示されたことを条件に消去可能に構成しても良い。このように構成することで、異なる遊技者の遊技履歴に影響された演出態様で強制的にチャンス予告演出が実行されてしまうことを抑制することができる。また、この場合、「特殊変化シナリオ」が決定された場合には、通常データテーブルを参照して、演出態様を決定するように構成すれば良い。
さらに、本第26制御例では、演出実行カウンタ223aahの値が所定値に到達し、強制的にチャンス予告演出を実行する場合に、強制データテーブルを参照するように構成しているが、これに限ること無く、チャンス予告演出抽選に当選する毎に、異なる内容が規定されている複数のチャンス態様選択テーブル222aagの何れかを決定し、決定された種類のチャンス態様選択テーブル222aagを参照して、チャンス予告演出の演出態様を決定するように構成し、複数のチャンス態様選択テーブル222aagに対して、抽選で演出態様を決定するデータテーブル(通常データテーブル)と、強制的に特定の演出態様を決定するデータテーブル(強制データテーブル)と、の比率を異ならせて規定しても良い。
このように構成することで、演出実行カウンタ223aahの構成を用いること無く、チャンス予告演出が所定回数実行された場合に、いずれかのチャンス予告演出の演出態様を、強制データテーブルを参照して決定することができるため、段階レベルの高い演出態様でチャンス予告演出が実行されない期間が長時間継続してしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、本第26制御例では、段階レベルの高い演出態様のチャンス予告演出を、定期的に実行させる技術思想を用いているが、これに限ること無く、段階レベルの低い演出態様のチャンス予告演出を、定期的に実行させる技術思想に適用しても良い。このように構成することで、段階レベルの低い演出態様のチャンス予告演出が実行される回数を増加させ易くすることができるため、結果として、対象態様の段階レベルと、大当たり当選の可能性とのバランスが大きく崩れてしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図812を参照して、本第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第26制御例のパチンコ機10のRAM223は、上述した第22制御例のパチンコ機10におけるRAM223に対して、バトル演出中における各種演出を実行するための情報を管理するために、非減少期間中フラグ223aaa、非減少期間カウンタ223aab、非減少期間設定済フラグ223aac、残HP記憶エリア223aad、長押し中フラグ223aae、長押しカウンタ223aaf、長押しシナリオ格納エリア223iを追加した点と、強制的にチャンス予告演出を実行させるための情報を管理するために、チャンス態様情報格納エリア223aag、演出実行カウンタ223aahを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
非減少期間中フラグ223aaaは、バトル演出における操作有効期間中に非減少期間が設定されていることを示すためのフラグであって、非減少期間が設定された場合にオンにセットされる。この非減少期間中フラグ223aaaがオンに設定されている間は、長押し操作を継続して実行していたとしても、その操作期間が無効とする処理が実行される。つまり、操作有効期間中であっても、非減少期間が設定されている間は、長押し操作に基づいて敵キャラ880aのHP値が減算されることが無い。
非減少期間は、終了条件(所定期間の経過、解除抽選の当選、長押し操作の中止)の何れかが成立した場合に終了するように構成されており、非減少期間が終了した場合に非減少期間中フラグ223aaaがオフに設定される。
非減少期間カウンタ223aabは、非減少期間が継続している期間を計測するためのカウンタであって、非減少期間が設定された場合にカウンタ値として「1」がセットされる。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「1」以上である場合には、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)にて実行される演出更新処理26(図826のF2171参照)が実行される毎に、カウンタ値に「1」が加算される(図827のF4713参照)。
この非減少期間カウンタ223aabの値は、非減少期間が継続する長さが上限値(3秒)に到達したか否かを判定する際に参照される。また、非減少期間が終了(解除)された際に実行される追加減少演出におけるHP値の減少値を決定する際に参照される。
非減少期間設定済フラグ223aacは、1回のバトル演出において、既に非減少期間が設定されたことを示すためのフラグであって、設定された非減少期間が終了(解除)された場合にオンに設定される。そして、バトル演出における操作有効期間中に遊技者が長押し操作を実行し、非減少期間の突入抽選を実行するか否かを判定する際に参照される。
本第26制御例では、1回のバトル演出において、非減少期間が2回以上設定されることが無いように構成している。つまり、非減少期間の突入抽選を実行するか否かを判定する際に非減少期間設定済フラグ223aacがオンに設定されているかを判定し、オンに設定されていると判定された場合には突入抽選が実行されないように構成している(図827のF4707:Noの処理)。
このように構成することで、1回のバトル演出において非減少期間が複数回設定されてしまい、操作手段(演出ボタン22)への操作に基づいて敵キャラ880aのHP値を減少させる機会を減少させてしまい、遊技者の操作手段を操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。加えて、本第26制御例では、遊技者が長押し操作を終了させる(演出ボタン22から手を離す)ことで非減少期間を解除可能に構成しているため、非減少期間が設定された場合において、遊技者に長押し操作を終了させて早期に非減少期間を終了(解除)させることで、操作手段への操作に基づいて敵のHP値を減少させることを目指す遊技、或いは、長押し操作を継続することで別の終了条件(解除抽選の当選、上限期間の経過)が成立するまで非減少期間を継続させることで追加減少演出を実行させることを目指す遊技、を選択させることが可能となる。
このように構成することで、長押し操作が有効となる操作演出(バトル演出の操作有効期間中)において、遊技者に長押し操作を継続するか、一旦中断し、再度長押し操作を実行するかを選択させることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、操作手段への操作に基づいて演出態様(敵キャラ880aのHP値)を可変させるという視点では、長押し操作を中断した場合の方が、非減少期間を早期に終了させ易いため遊技者に有利な遊技となる。
なお、本第26制御例では、1回のバトル演出において非減少期間が設定される回数の上限を1回としているが、これに限ること無く、非減少期間を2回以上設定可能に構成しても良い。この場合、1回目の非減少期間と、2回目の非減少期間とで、突入条件や解除条件を異ならせると良く、例えば、バトル演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(当たり当選を示す演出結果)となる場合の方が、不利な演出結果(外れを示す演出結果)となる場合よりも、2回目の非減少期間が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、バトル演出の操作有効期間中において、敵キャラ880aのHP値が減少しない期間が複数回設定されることを遊技者に期待させる。即ち、従来であれば、操作手段を操作することにより、演出態様(HP値)がより多く可変(減少)することを遊技者に期待させる操作演出において、操作手段への操作に基づいて演出態様(HP値)が減少しないことにも期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
残HP記憶エリア223aadは、バトル演出における敵キャラ880aのHP値を記憶するための記憶領域であって、バトル演出の演出態様(敵キャラ種別)を決定した際に、決定した演出態様(敵キャラ種別)に対応するHP値(MAX値)を示すための情報が記憶される(図819のF4207参照)。さらに、実行されるバトル演出の最終結果、即ち、減少させることが可能となる敵キャラの最終HP値を示すための情報が記憶される(図819のF4210参照)。加えて、遊技者が操作手段を操作(連打操作、長押し操作)したことに基づいて決定されたHP値の減少値に関する情報や、追加減少演出にて決定されたHP値の減少値に関する情報も記憶される。
この残HP記憶エリア223aadに記憶されている各情報を読み出すことにより、現時点における敵キャラ880aの残HP値や、HP差分値(残HP値と最終HP値との差分値)を算出可能となる。
長押し中フラグ223aaeは、長押し操作が実行されていることを示すためのフラグであって、遊技者が操作手段(演出ボタン22)を操作した際に出力される情報(演出ボタン22が押下されたことを検知可能な検知手段が、押下を検知した際に出力する出力信号等)に基づいて、長押し操作が実行されていると判定した場合にオンに設定される。なお、演出ボタン22に対する遊技者の操作が、押下操作であるか長押し操作であるかの判定は、演出ボタン22が継続して押下状態となる期間の長さに基づいて判定するように構成しており、詳細な内容については、上述した制御例にて説明をしているため省略する。なお、上述した制御例に記載されている内容以外の手法であっても、周知公用の技術を用いて異なる操作方法を判別可能に構成しても良い。
長押しカウンタ223aafは、長押し操作の継続期間を計測するためのカウンタであって、長押し操作の実行が判定された場合(長押し中フラグ223aaeがオンに設定された場合)にカウンタ値として「1」がセットされる。そして、長押しカウンタ223aafの値が「1」以上である場合には、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)にて実行される演出更新処理26(図826のF2171参照)において、カウンタ値に「1」が加算される(図827のF4703参照)。
この長押しカウンタ223aafの値は、長押し操作中における敵キャラ880aのHP値を減少させる演出シナリオを更新させるために用いられる。そして、操作有効期間が終了した場合に0にクリアされる。
本第26制御例では、長押し中フラグ223aaeがオンに設定されている状態(長押し操作が継続している状態)であっても、非減少期間が設定されている間は、長押しカウンタ223aafの値が更新されることが無いように構成している(図827のF4701:Yes)。また、一旦長押し操作を中断しても、操作有効期間が終了するまでは、長押しカウンタ223aafの値がクリアされないように構成している。
よって、遊技者が長押し操作中に誤って手を離してしまっても、再度、演出ボタン22を長押し操作することで、演出シナリオの更新に基づいて実行される演出を継続して実行させることが可能となる。なお、この場合、再度、演出ボタン22への操作に対して、再度長押し判定を実行する必要があるため、演出ボタン22を押下した全期間に対する演出シナリオの更新期間(長押し操作が判定されている期間)が、一度も長押し操作を中断しなかった場合に比べて若干短くなるが、遊技者が長押し操作中に誤って手を離した場合に、長押しカウンタ223aafの値が0にクリアされてしまう仕様よりは確実に、演出シナリオを更新させ易くすることができる。
長押しシナリオ格納エリア223aaiは、バトル演出の操作有効期間中における遊技者の操作手段への操作方法が、長押し操作であると判定した場合に決定される演出シナリオを格納するための記憶領域である。長押し操作が実行されている間は、この長押しシナリオ格納エリア223aaiに格納されている演出シナリオに基づいて演出態様(敵キャラ880aのHP値)の可変表示が実行される。
なお、本第26制御例では、長押し操作中における演出態様(HP値)を、長押し操作が実行されている期間の時間経過(長押しカウンタ223aafの値)に基づいて可変させるように構成しているが、これに限ること無く、別の手法を用いて長押し操作中における演出態様(HP値)を可変させるように構成しても良い。
例えば、長押し操作が実行されている期間の長さに対応して、演出ボタン22が疑似的に押下された回数(疑似押下回数)を決定し、その疑似押下回数に基づいて長押し操作中における演出態様(HP値)の可変態様を決定するように構成しても良い。
チャンス態様情報格納エリア223aagは、変動演出の演出態様としてチャンス予告演出を実行する場合において決定されたチャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)を示すための情報(チャンス態様情報)を記憶するための記憶領域であって、変動演出に対応するチャンス態様情報が記憶されるものである。このチャンス態様は、変動演出の演出態様を設定する処理(通常状態演出態様決定処理26(図821のF3053参照))において実行されるチャンスアップ演出決定処理26(図823のF3153参照)にて決定され、チャンス態様選択テーブル222aagに格納される。
チャンス態様選択テーブル222aagに格納されたチャンス態様情報は、変動演出の実行中に読み出され、対象態様の可変タイミングが到来した場合に、対象態様の表示態様を可変させるための表示用コマンドが設定される。このチャンス態様情報格納エリア223aagには、過去に設定されたチャンス態様情報を複数個(3個)記憶可能な過去情報領域を有しており、実行中の変動演出に対応するチャンス態様情報に加え、過去に実行された変動演出に対応するチャンス態様情報も所定期間記憶可能に構成している。
そして、本第26制御例では、チャンス態様を決定する際に特定条件を満たしている場合には、チャンス態様情報格納エリア223aagに記憶されている過去情報を参照してチャンス態様を決定可能に構成している。このように構成することで、同一のチャンス態様が連続して決定されてしまい、バリエーションに乏しいチャンス予告演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
演出実行カウンタ223aahは、強制的にチャンス予告演出を実行させるための実行条件が成立したか否かを判別する際に参照されるカウンタであって、変動演出が実行される毎にカウンタ値が「1」されるものである。さらに、実行される変動演出の演出態様に応じて、カウンタ値を加算、或いは減算する更新処理が実行され、カウンタ値が「50」に到達した場合に、強制的にチャンス予告演出を実行させるための実行条件が成立したと判定される。そして、強制的にチャンス予告演出を実行させるための演出態様を決定した場合に「0」にクリアされる。
<第26制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について>
次に、図818から図827を参照して、本第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理の内容について、上述した第22制御例と相違する点を中心に説明をする。なお、上述した第22制御例と同一の処理内容については、その説明を省略する。
まず、図818を参照して、変動演出設定処理26(F2959)の処理内容について説明をする。図818は、変動演出設定処理26(F2959)の処理内容を示したフローチャートである。図818に示した通り、変動演出設定処理26(F2959)では、上述した第22制御例における変動演出設定処理22(図728のF2909参照)に対して、各遊技状態において実行される処理内容(F3051~F3053)を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。
変動演出設定処理26(F2959)が実行されると、まず、上述した変動演出設定処理22(図728のF2909参照)と同一のF3001~F3011の処理を実行する。そして、F3011の処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(F3011:Yes)、時短状態中に実行される変動演出の演出態様を決定するための時短状態演出態様決定処理26を実行し(F3051)、その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(F3019)、本処理を終了する。尚、時短状態演出態様決定処理26(F3051)の詳細な内容については、図819を参照して後述する。
一方、F3011の処理において、時短状態では無いと判別した場合は(F3011:No)、次に、現在の遊技状態が確変状態であるかを判別し(F3015)、確変状態であると判別した場合は(F3015:Yes)、確変状態中に実行される変動演出の演出態様を決定するための確変状態演出態様決定処理26を実行し(F3052)、その後、上述したF3019の処理を実行し、本処理を終了する。尚、確変状態演出態様決定処理26(F3052)の詳細な内容については、図820を参照して後述する。
また、F3015の処理において、確変状態では無いと判別した場合は(F3015:No)、現在の遊技状態が時短状態では無く、且つ、確変状態では無い場合、即ち、通常状態が設定されている場合であるため、通常状態中に実行される変動演出の演出態様を決定するための通常状態演出態様決定処理26を実行し(F3053)、その後、上述したF3019の処理を実行し、本処理を終了する。尚、通常状態演出態様決定処理26(F3053)の詳細な内容については、図821を参照して後述する。
本第26制御例では、パチンコ機10に設定され得る遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)の3種類の遊技状態を設定可能に構成している。そして、新たな特別図柄抽選を実行可能な状態においては、上述した3種類の遊技状態のうち、何れかの遊技状態が必ず設定されているように構成している。従って、音声ランプ制御装置113が特別図柄抽選の実行を示す変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動演出設定処理26(F2959)において、現在の遊技状態が時短状態でも確変状態でも無いと判別した場合(F3015:No)は通常状態が設定されていることになるため、通常状態演出態様決定処理26(F3053)が実行される。
なお、本第26制御例のパチンコ機10にて実行される処理内容に代えて、現在の遊技状態が時短状態でも確変状態でも無いと判別した場合(F3015:No)に、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別する処理を実行するように構成し、通常状態であると判別した場合に通常状態演出態様決定処理26(F3053)を実行するように構成しても良い。そして、この場合、現在の遊技状態が、時短状態でも確変状態でも通常状態でも無いと判別した場合は、現在の遊技状態を正常に判別できなかったことを示すエラーコマンドを設定するように構成し、エラーコマンドが設定された場合は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定すること無く、特別図柄変動が実行されていることを示す表示態様と、正常に変動演出の演出態様が設定されなかったことを示す表示態様と、を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、現在の遊技状態を正常に判別できなかった場合において、設定されている遊技状態とは異なる遊技状態にて実行される変動演出の演出態様が設定されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図819を参照して、変動演出設定処理26(F2959)において、時短状態が設定されている場合の変動演出を設定する際に実行される時短状態演出態様決定処理26(F3051)の処理内容について説明をする。図819は、時短状態演出態様決定処理26(F3051)の処理内容を示したフローチャートである。
本第26制御例では、時短状態中において、バトル演出リーチ(図800から図802参照)を実行可能に構成している点で上述した第22制御例と相違しており、図819に示した通り、時短状態演出態様決定処理26(F3051)では、バトル演出リーチの演出態様を決定する処理が実行される。
具体的には、時短状態演出態様決定処理26(F3051)が実行されると、まず、時短中カウンタ223vpの値が1であるかを判別し(F4201)、時短中カウンタ223vpの値が1であると判別した場合は(F4201:Yes)、変動演出の演出結果がチャンスモード終了となる時短終了示唆演出の演出態様を決定し(F4202)、本処理を終了する。
ここで、本第26制御例では、上述した第22制御例と同様に、時短状態が設定されている間は、設定されている遊技状態を示唆するためのモード演出として「チャンスモード」が設定されるように構成している。この「チャンスモード」は、確変状態が設定されている場合の一部においても設定されるように構成している。そして、時短状態にて実行される最後の特別図柄変動(時短最終変動)に対応する変動演出(時短状態が設定されてから100回目の特別図柄変動に対応する変動演出)では、時短状態の終了に対応させて「チャンスモード」が終了することを示す演出態様の時短終了示唆演出が実行されるように構成している。一方で、確変状態として「チャンスモード」が設定されている場合には、確変状態が設定されてから100回目の特別図柄変動に対応する変動演出、即ち、時短状態が設定されている状態であれば時短最終変動に対応する変動演出として、「チャンスモード」が「スーパーチャンスモード」へと昇格することを示す演出態様の時短終了示唆演出が実行されるように構成している。
具体的には、時短終了示唆演出の序盤では、実行中の変動演出が終了することにより「チャンスモード」が終了することを遊技者に案内するための案内態様(「チャンスモード終了」の文字)と、「チャンスモード」が終了した後のモード演出として通常状態に対応するモード演出(通常モード)、或いは、確変状態に対応するモード演出(スーパーチャンスモード)の何れかが設定されることを示唆するための示唆態様(「コインを投げて、表が出ればスーパーチャンスモード突入!裏が出れば残念通常モード」の文字と、コインを投げるアニメーション)とが、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。
その後、時短状態が設定されている場合には、時短状態演出態様決定処理26(図819のF3051参照)のF4202にて決定された演出態様によって、投げたコインが裏となるアニメーションが実行され、「チャンスモード」から「通常モード」へと移行することを示す変動演出が実行される。一方、確変状態が設定されている場合には、後述する確変状態演出態様決定処理26(図820のF3052参照)のF4302にて決定された演出態様によって、投げたコインが表となるアニメーションが実行され、「チャンスモード」から「スーパーチャンスモード」へと移行することを示す変動演出が実行される。
このように構成することで、時短最終変動、或いは、時短最終変動に対応する特別図柄変動が実行された場合において、同一の演出態様で時短終了示唆演出を開始することができるため、「チャンスモード」における特別図柄の最終変動が開始されたとしても、遊技者に対して現在設定されている遊技状態が時短状態であるか確変状態であるかを把握させ難くすることができる。
なお、本第26制御例では、時短終了示唆演出を、「チャンスモード」における特別図柄の最終変動が実行される期間を用いて実行するように構成しているが、これに限ること無く、少なくとも特別図柄の最終変動を含む複数の特別図柄変動期間を用いて時短終了示唆演出を実行するように構成しても良い。この場合、例えば、「チャンスモード」における残り3回分の特別図柄変動の変動期間を用いて時短終了示唆演出を実行するように構成すると良い。即ち、「チャンスモード」中に主として特別図柄変動が実行される第2特別図柄の保留記憶の上限数よりも少ない特別図柄変動数を、時短終了示唆演出が実行される演出期間として規定し、時短終了示唆演出が開始され得る第2特別図柄変動が実行される時点において獲得済みの第2特別図柄の保留記憶数が「チャンスモード」が終了するまでに要する特別図柄変動回数よりも多いと判別した場合に、時短終了示唆演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、時短終了示唆演出が開始されてから「チャンスモード」が終了するまでの間、連続して複数回の第2特別図柄変動が実行されることが確定している場合において時短終了示唆演出を実行可能に構成することができるため、時短終了示唆演出が実行されている最中に特別図柄変動が実行されない事態が発生してしまい、時短終了示唆演出が間延びしてしまうことを抑制することができる。
また、時短終了示唆演出が開始される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)と、獲得済みの第2特別図柄保留に含まれる入賞情報を先読みすることで特定した特別図柄変動の変動パターン(変動時間)と、に基づいて、時短終了示唆演出の演出期間を確定することができるため、「チャンスモード」が終了するタイミング、即ち、「チャンスモード」が終了することとなる特別図柄変動が停止表示するタイミングに対応させて時短終了示唆演出の演出結果を遊技者に報知しやすくすることができる。
なお、「チャンスモード」が終了する特別図柄変動を少なくとも含む複数回の特別図柄変動(例えば、チャンスモードが終了する特別図柄変動が実行されるまでの残回数が0~3回となる特別図柄変動)において、特別図柄抽選の結果が大当たり以外である場合には、同一の変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成することで、獲得済みの第2特別図柄保留に含まれる入賞情報に基づいて後に実行される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を先読みしなくても時短終了示唆演出の演出期間を決定可能に構成しても良い。
また、時短終了示唆演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合には、時短終了示唆演出の演出結果として「チャンスモード」から「大当たり遊技」へと移行することを遊技者に示す特殊演出態様を決定可能に構成し、特殊演出態様が決定された場合には、現在設定されている遊技状態が時短状態であるか確変状態であるかを遊技者に把握させ難くするように構成しても良いし、確変状態が設定されている場合であっても、時短状態中に大当たり当選したと思わせる演出態様を決定可能に構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の低確率状態が設定される時短状態において大当たり当選したと思わせることができる。
図819に戻り説明を続ける。F4201の処理において、時短中カウンタ223vpの値が1では無いと判別した場合、即ち、時短中カウンタ223vpの値が1よりも大きいと判別した場合は(F4201:No)、取得した変動パターンに基づいて変動パターン選択テーブル222vaを参照して、変動演出種別を決定する(F4203)。なお、F4203にて実行される具体的な処理内容、即ち、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の種別(例えば、リーチ種別等)を決定するための処理内容については上述した各制御例と同一であるため、その説明を省略する。
次に、F4203の処理において決定された変動演出種別がバトル演出リーチであるかを判別し(F4204)、変動演出種別がバトル演出リーチでは無いと判別した場合は(F4204:No)、F4203の処理において決定された変動演出種別に対応する演出態様を決定し(F4205)、本処理を終了する。
一方、F4204の処理において、変動演出種別がバトル演出リーチであると判別した場合は(F4204:Yes)、バトル演出の演出態様を抽選で決定する(F4206)。F4206の処理では、バトル演出における味方キャラ801aの種別、敵キャラ880aの種別、第1パート演出(図800(b)参照)の有無、が抽選にて決定される。
ここで、F4206の処理によって決定される演出態様の詳細について説明をする。本第26制御例では、バトル演出リーチの演出態様として、対応する特別図柄抽選の結果に基づいて「当たりバトル演出リーチ」と、「外れバトル演出リーチ」と、を決定可能に構成している。「当たりバトル演出リーチ」が決定された場合には、演出結果として、敵キャラ880a(図800参照)のHPゲージ890が「0」となる演出結果(勝利演出)が実行され、「外れバトル演出リーチ」が決定された場合には、演出結果として、敵キャラ880aのHPゲージ890が「0」とならない演出結果(敗北演出)が実行されるように構成している。
さらに、バトル演出リーチが実行されてから、演出結果が表示されるまでの間の期間において表示される各種表示態様を、対応する特別図柄抽選の結果に応じて異ならせて決定可能に構成している。具体的には、「当たりバトル演出リーチ」の方が、「外れバトル演出リーチ」よりも、味方キャラ801aとして勇者を模したキャラクタが選択され易く、且つ、第1パート演出が実行され易く、且つ、HP値の少ない敵キャラ880aが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出リーチが実行された場合において、実行されるバトル演出リーチの演出内容を把握することにより、今回の演出結果が勝利演出であるか敗北演出であるかを遊技者に予測させることができるため、バトル演出が実行されている演出期間において、勝利演出が実行される当たりバトル演出リーチにて選択され易い表示態様が表示されることを期待させながらバトル演出リーチに注視させることができる。
加えて、このバトル演出リーチでは、対応する特別図柄抽選の結果に応じて決定される各種表示態様が同時に表示されるのでは無く、表示タイミングをズラして表示されるように構成している。具体的には、バトル演出リーチが開始された後、最初に味方キャラ801aが表示された後に、敵キャラ880aが表示される。その後、第1パート演出が実行される。このように、特別図柄抽選の結果に応じて表示される態様の選択割合を異ならせた表示態様を、タイミングをズラして表示させるように構成することで、同時に表示させる場合に比べて長時間の間、バトル演出リーチの演出内容に興味を持たせ易くすることができる。
なお、本第26制御例では、対応する特別図柄抽選の結果に応じて異なる態様を表示可能な表示態様のそれぞれに対して、当たりバトル演出リーチである場合の方が、外れバトル演出リーチである場合よりも選択され易い態様を規定しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選の結果に応じて各種表示態様の組合せの選択割合を異ならせるように構成しても良く、当たりバトル演出リーチである場合の方が、外れバトル演出リーチである場合よりも選択され易い各種表示態様の組合せとして、最初に表示される表示態様(味方キャラ801a)の種別として、単体の表示態様としては、外れバトル演出リーチである場合の方が、当たりバトル演出リーチである場合よりも選択され易い表示態様の種別を含む組合せを規定すると良い。このように構成することで、バトル演出リーチが開始されてから最初に表示される味方キャラ801aの種別が何れの種別であったとしても、当たりバトル演出リーチであることに対して継続して期待させることができる。
次に、F4206の処理によって決定される各種表示態様の具体的な内容について説明をする。まず、味方キャラ801a(図800参照)の種別について説明をする。バトル演出リーチでは、味方キャラ801aとして、勇者を模した第1味方キャラ(図800(a)参照)と、ウサギを模した第2味方キャラ(図示せず)と、の何れかが表示されるように構成しており、第1味方キャラの方が、第2味方キャラよりも、当たりバトル演出リーチの演出態様として選択され易くなるように構成している。一方で、第2味方キャラの方が、第1味方キャラよりも、外れバトル演出リーチの演出態様として選択され易くなるように構成している。よって、バトル演出リーチが開始された場合には、最初に味方キャラ801aの種別として何れのキャラが表示されるかに興味を持たせることができる。
ここで、味方キャラ801aの種別として勇者を模した第1味方キャラが選択された場合は、ウサギを模した第2味方キャラよりも1回の攻撃で敵キャラ880aのHP値を大きく減少させることが可能に構成している。つまり、当たりバトル演出リーチである場合に選択され易い第1味方キャラの方が、敵キャラ880aのHP値を大きく減少させる攻撃を実行し易くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出リーチにおける敵キャラ880aのHPゲージ890(残HP値890a)が減少するほど当たりバトル演出リーチである可能性を高くすることができるため、バトル演出リーチを見ている遊技者に対して、選択された味方キャラ801aの種別が遊技者に有利となる(当たりバトル演出リーチであることを示唆する)種別であることを把握させ易くすることができる。
なお、本第26制御例では、第1味方キャラ、第2味方キャラの何れもバトル演出リーチの種別(当たりバトル演出リーチ、外れバトル演出リーチ)に関わらず選択されるように構成し、その選択割合を異ならせるように構成しているが、これに加え、例えば、当たりバトル演出リーチのみ選択され得る第3味方キャラや、外れバトル演出リーチのみ選択され得る第4味方キャラを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、バトル演出リーチが開始されてから直ぐに、演出結果(勝利演出、敗北演出)を遊技者に把握させることが可能となるため、バトル演出リーチが実行される毎に当たりバトル演出リーチであることを過度に期待させてしまうことを抑制することができる。
また、実行中のバトル演出リーチの演出結果を遊技者が把握するタイミングを、実行されるバトル演出リーチの演出態様に応じて異ならせることができるため、実行中のバトル演出リーチの演出結果をいち早く把握したい遊技者に対して、実行されるバトル演出リーチの演出内容をより注視させることができる。
次に、敵キャラ880a(図800(a)参照)の種別について説明をする。バトル演出リーチでは、敵キャラ880aとして、HP値が最も低い敵キャラA(図800(a)参照)、HP値が敵キャラAよりも高い敵キャラB(図示せず)、HP値が最も高い敵キャラC(図示せず)の何れかが表示されるように構成しており、当たりバトル演出リーチである場合の方が、外れバトル演出リーチである場合よりも、敵キャラAが選択され易く、敵キャラCが選択され難くなるように構成している。
次に、表示される敵キャラ880aの種別に対応させたHPゲージ890の表示態様について説明をする。本第26制御例にて実行されるバトル演出リーチでは、図800(a)に示した通り、表示している敵キャラ880aのHP値の数値を具体的に表示するのでは無く、HP値「0」とHP値「MAX」を示す指標のみを付したHPゲージ890を表示するように構成している。そして、HP値が異なる敵キャラ880aが表示された場合であっても、同一の長さのHPゲージ890が表示され、HP値が減少していない状態(「MAX」状態)では、残HP値890aがHPゲージ890全体を占める表示態様(図800(a)参照)が表示されるように構成している。
つまり、例えば、敵キャラAのHP値が「50」で、敵キャラCのHP値が「150」である場合には、何れの種別の敵キャラ880aが表示された場合であっても、同一の長さでHPゲージ890が表示される。そして、味方キャラ801aが攻撃を行い敵キャラ880aに「25」のダメージを与えると、敵キャラAが選択されている場合には、残HP値が「25(50-25)」となるため、HPゲージ890の1/2の位置まで残HP値890aが減少する演出が実行され、敵キャラCが選択されている場合には、残HP値が「125(150-25)」となるため、HPゲージ890の5/6の位置までしか残HP値890aが減少しない演出が実行されることとなる。
このように構成することで、バトル演出リーチを初めて体験する遊技者に対して、敵キャラ880aの種別によって設定されるHP値が異なっていることを気付かせ難くすることができると共に、味方キャラ801aが攻撃を行った場合におけるHPゲージ890に表示される残HP値890aの減少度合いを異ならせることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。また、バトル演出リーチを何回も経験している遊技者に対しては、敵キャラ880aの種別が表示された時点でHP値を把握させることができるため、今回のバトル演出リーチが当たりバトル演出リーチである可能性が高いか否かをいち早く予測させることができる。
次に、第1パート演出(図800(b)参照)に関する決定内容について説明をする。F4206の処理では、上述した味方キャラ801a、及び、敵キャラ880aの表示態様種別に加え、第1パート演出の実行の有無についても決定可能に構成している。具体的には、抽選で決定された味方キャラ801aの種別と、敵キャラ880aの種別と、対応する特別図柄抽選の結果と、に基づいて第1パート演出の実行の有無が決定されるように構成しており、例えば、当たりバトル演出リーチの演出態様において、味方キャラ801aとして第2味方キャラ(敵キャラ880aの残HP値890aを減少させ難い種別)、敵キャラ880aとして敵キャラC(HP値が高い種別)が選択された場合、即ち、バトル演出リーチ中において敵キャラ880aのHP値を「0」にすることが、他の組合せよりも困難となる組合せとなった場合に、第1パート演出の実行を決定するように構成している。
このように構成することで、味方キャラ801aの種別と、敵キャラ880aの種別とを、個々に選択した場合であっても、遊技者に違和感を与えること無くバトル演出リーチを実行することが可能となる。
より具体的には、第2味方キャラが選択された場合には、バトル演出中に最大でHP値を「100」減少可能な演出が実行されるように構成し、第1味方キャラが選択された場合にはバトル演出中に最大でHP値を「150」減少可能な演出が実行されるように構成する。つまり、第1味方キャラが選択された場合には、敵キャラ880aの種別として何れの種別(敵キャラA(HP値「50」)~敵キャラC(HP値「150」))が選択された場合であっても敵キャラ880aのHP値を「0」まで減少させることが可能となり、第2味方キャラが選択された場合には、敵キャラ880aの種別として敵キャラA、又は敵キャラBが選択された場合には、敵キャラ880aのHP値を「0」まで減少させることが可能となり、敵キャラCが選択された場合には、第2味方キャラの攻撃のみでHP値を「0」まで減少させることができない(困難となる)ように構成している。
そして、味方キャラ801aの種別と、敵キャラ880aの種別と、を決定し、味方キャラ801aの攻撃によって減少させるHP値を決定(攻撃態様を決定)した後に、減少後のHP値(残HP値)の値を算出し、算出した残HP値が演出結果(当たりor外れ)と示しているかを判別し、演出結果を示している(当たりバトル演出リーチであれば残HP値「0」、外れバトル演出リーチであれば残HP値「0」以外)と判別した場合には、第1パート演出を実行せず、演出結果を示していない(当たりバトル演出リーチであるにも関わらず、算出された残HP値が「0」以外である)場合には、算出した残HP値が「0」となるように敵キャラ880aのHP値を減少させる第1パート演出の実行を決定するように構成している。
また、例えば、外れバトル演出リーチであるにも関わらず、算出した残HP値が「0」となる場合には、敵キャラ880aの残HP値を上昇させる回復演出や、味方キャラ801aによって減少させるHP値を小さくする補正演出を実行することで、外れバトル演出リーチが実行された場合において敵キャラ880aの残HP値が「0」とならないように構成している。
このように構成することで、味方キャラ801aの種別と、敵キャラ880aの種別とをランダムに決定可能に構成し、且つ、味方キャラ801aの攻撃によって減少させる敵キャラ880aのHP値を決定された各種キャラの種別に基づいて決定することにより実行されるバトル演出リーチの演出結果と対応しない状況が発生した場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く演出結果を報知することができる。
ここで、バトル演出リーチの演出結果に基づいて味方キャラ801aの攻撃によって減少させる敵キャラ880aのHP値を決定するように構成した場合には、味方キャラ801aが実行する攻撃演出のみでバトル演出リーチの演出結果を確実に報知することが可能となるため、第1パート演出や回復演出や補正演出を実行する必要が無くなり、演出態様を決定するための処理を軽減することができるが、この場合、味方キャラ801aの攻撃によって減少させるHP値がバトル演出リーチの演出結果に応じて異なってしまうため、同一の攻撃態様が選択された場合において減少させるHP値が異なってしまうことから、選択された攻撃態様を把握することで減少するHP値を遊技者に予測させ難くなってしまう。よって、バトル演出リーチの演出態様(攻撃態様)に対して遊技者が興味を持たなくなってしまい演出効果が低下してしまうという問題が発生する。
これに対して、本第26制御例では、味方キャラ801aの攻撃では、選択された攻撃態様に対応した分のHP値のみが減少するように構成し、減少後のHP値(残HP値)と、演出結果を示す残HP値とが乖離する場合には、別の演出(第1パート演出、回復演出)を実行するように構成している。よって、バトル演出リーチの演出内容(攻撃態様)に基づいて、HPゲージ890に表示される残HP値890aが減少するよりも前に減少後の残HP値890aを予測させ易くすることができる。よって、バトル演出リーチの演出結果をいち早く察知しようとする遊技者に対して、実行中のバトル演出リーチの演出内容を注視させ易くすることができる。
以上、説明をした通り、本第26制御例では、バトル演出リーチとして、実際に敵キャラ880aのHP値を減少させる演出が実行されるよりも前の時点で表示される味方キャラ801a、敵キャラ880aの種別に応じて、敵キャラ880aの残HP値を「0」にし易い組合せであるか否かを遊技者に予測させることが可能となるように構成している。このように構成することで、どのような組合せでバトル演出リーチが進行するのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第26制御例では、上述した通り、選択された味方キャラ801aの種別(勇者、又はウサギ)によって、味方キャラ801aの攻撃によって減少させることが可能となる敵キャラ880aのHP値の最大値を異ならせ、選択された敵キャラ880aの種別(敵キャラA~敵キャラC)によって、HP値の上限(MAX値)を異ならせることで、表示された各キャラの種別に基づいて敵キャラ880aの残HP値を「0」にし易い組合せであるか否かを遊技者に予測させることが可能となるように構成しているが、これに限ること無く、味方キャラ801aの攻撃によって減少させることが可能となる敵キャラ880aのHP値の最小値を異ならせたり、1回のバトル演出中に実行される攻撃回数(敵キャラ880aのHP値を減少させる回数)を異ならせたり、選択された敵キャラ880aの種別(敵キャラA~敵キャラC)によってHP値の減少度合い(防御力)を異ならせたりするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、バトル演出リーチとして、実際に敵キャラ880aのHP値を減少させる演出が実行されるよりも前の時点で表示される味方キャラ801a、敵キャラ880aの種別に応じて、敵キャラ880aの残HP値を「0」にし易い組合せであるか否かを遊技者に予測させることが可能となるように構成している。このように構成することで、どのような組合せでバトル演出リーチが進行するのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
加えて、バトル演出リーチの演出態様として、決定された各キャラ種別が遊技者に有利となる種別(当たりバトル演出リーチの方が、外れバトル演出リーチよりも選択され易い種別)であったり、決定された各キャラ種別の組合せが遊技者に有利となる組合せ(当たりバトル演出リーチの方が、外れバトル演出リーチよりも選択され易い組合せ)であったりした場合において、有利な演出態様が決定されたことを示すための案内態様として「チャンスアップ」の文字を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成すると良い。これにより、今回のバトル演出リーチの演出態様が遊技者に有利な演出態様であることを分かり易く報知することができる。
また、案内態様を表示するタイミングとしては、遊技者に有利な演出態様が表示されると同時のタイミングでも良いし、それ以外にも、遊技者に有利な演出態様が表示された後に案内態様を表示するように構成しても良い。この場合、表示された演出態様を確認するだけで有利な演出態様であることを把握可能な遊技者に対して、案内態様が表示されたことによって有利な演出態様であることを把握する遊技者よりも早い段階で今回実行された演出が遊技者に有利な演出であることを気付かせることができる。
一方、有利な演出態様が決定されたことを示すための案内態様である「チャンスアップ」の文字を、対応する演出態様が表示されるよりも前の時点で表示するように構成しても良い。このように構成することで、有利な演出態様が表示されることを事前に遊技者に把握させた状態で有利な演出態様を表示させることができる。よって、有利な演出態様としてどのような演出態様が表示されるのかについて遊技者に興味を持たせることができる。さらに、有利度合いを異ならせた複数の演出態様を決定可能に構成されているパチンコ機10であれば、より有利度合いの高い演出態様が表示されることを期待しながら進行する演出を注視させることができる。
図819に戻り説明を続ける。F4206の処理にて決定された各種演出態様のうち、決定された敵キャラ880aの種別に対応したHP値(MAX値)を残HP記憶エリア223aadに格納する(F4207)。つまり、F4206の処理において敵キャラ880aの種別として、「敵キャラA」を決定した場合には、残HP記憶エリア223aadにHP値「50」に対応する情報を、「敵キャラB」を決定した場合には、残HP記憶エリア223aadにHP値「100」に対応する情報を、「敵キャラC」を決定した場合には、残HP記憶エリア223aadにHP値「150」に対応する情報を格納する。
次いで、今回のバトル演出における最終HP値を決定するために、まず、今回の変動演出が当たり変動演出であるかを判別し(F4208)、当たり変動演出であると判別した場合は(F4208:Yes)、最終HP値として「0」を決定し(F4211)、決定した最終HP値を残HP記憶エリア223aadに格納する(F4210)。
一方、F4208の処理において、今回の変動演出が当たり変動演出では無い(外れ変動演出である)と判別した場合は(F4208:No)、外れ時最終HP選択テーブル222aadを参照して最終HP値を決定し(F4209)、F4210の処理へ移行する。上述した通り、本第26制御例では、バトル演出の演出態様を決定する際において、敵キャラ880aのHP値の上限値(MAX値)と、下限値(最終HP値)と、を異なる抽選で決定するように構成している。このように構成することで、敵キャラ880aのHP値の上限値(MAX値)と、下限値(最終HP値)と、を1の抽選で決定する場合に比べて、各抽選結果を組み合わせて演出パターンを生成することが出来る分、同数の演出パターンを実行可能とする場合において、予め記憶させておく演出パターンのデータ量を削減することができる。
加えて、本第26制御例におけるバトル演出では、差分HP値(残HP値と最終HP値との差分値)に基づいて演出態様を決定可能に構成しているため、例えば、HPの上限値が同一となる敵キャラ880aが選択された場合であって、残HPが同一の状況であっても、最終HP値が異なっていれば差分HP値も異なるため、実行される演出の態様を異ならせることができる。よって、見た目上同一条件である場合に実行される演出のバリエーションを増加させ易くすることができる。
F4210の処理を終えると、次に、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報を演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納し(F4212)、本処理を終了する。ここで、演出用SW有効時間記憶エリア223vpの内容について説明をする。この演出用SW有効時間記憶エリア223vpには、操作有効期間が設定され得る演出種別毎に操作有効期間が設定される期間(開始タイミングと終了タイミング)を示すための設定情報と、操作有効期間が設定される期間の2秒前を示す準備情報と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される有効期間ゲージga4(図801(a)参照)や、表示用演出ボタンSw6(図801(a)参照)の表示態様に関する表示情報と、を記憶可能に構成している。
そして、演出用SW有効時間記憶エリア223vpに記憶されている準備情報に基づいて、実際に操作有効期間が設定されるよりも前に準備画面(図801(a)参照)を表示する。この準備画面(図801(a)参照)に表示される表示態様は、演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納されている表示情報に基づいて設定される。
ここで、本第26制御例では、バトル演出中に設定される操作有効期間の長さを、バトル演出の演出結果に基づいて決定可能に構成しており、例えば、バトル演出の演出結果が当たり当選に対応する演出結果(当たりバトル演出)となる場合の方が、長い操作有効期間が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、最終HP値として「0」が設定される当たりバトル演出の方が、最終HP値として「0」よりも大きな値が設定される外れバトル演出よりも、操作有効期間の長さを長くすることができるため、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させる演出を実行させ易くすることができる。
また、本第26制御例では、実際に設定される操作有効期間の長さと、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様(有効期間ゲージga4(図801(a)参照)や、表示用演出ボタンSw6(図801(a)参照)の表示態様)を異ならせることが可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様に基づいて遊技者に演出結果を早期に判別されてしまうことを抑制することができる。
次に、図820を参照して、変動演出設定処理26(F2959)において、確変状態が設定されている場合の変動演出を設定する際に実行される確変状態演出態様決定処理26(F3052)の処理内容について説明をする。図820は、確変状態演出態様決定処理26(F3052)の処理内容を示したフローチャートである。
本第26制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成している。この確変状態は、特別図柄の低確率状態が設定される通常状態、及び、時短状態よりも、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選となる確率が高確率に設定されるため、1回の特別図柄抽選が実行された場合における大当たり当選の期待度の点で他の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。また、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態よりも、特別図柄抽選を実行させ易くなるため、特別図柄抽選の実行のし易さの点で通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。よって、本第26制御例では、確変状態が最も遊技者に有利な遊技状態となる。
本第26制御例では、確変状態が設定されている状態で大当たり当選した場合、或いは、特定数(120回)の特別図柄抽選が実行された場合に、確変状態が終了するように構成している。そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、設定されている遊技状態を示唆するためのモード演出として、確変状態が設定されていることを示唆(報知)可能な「スーパーチャンスモード演出」、或いは、時短状態又は確変状態が設定されていることを示唆(報知)可能な「チャンスモード演出」が実行されるように構成している。
具体的には、大当たり当選する特別図柄変動が開始されてから大当たり遊技が終了するまでの間に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることが報知された場合、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に把握させるための演出(確変昇格演出や、確変状態が設定される大当たり(確変大当たり)に対応する第3図柄(例えば、777)の停止表示等)が実行された場合には、大当たり遊技終了後に「スーパーチャンスモード演出」が実行される。
一方、大当たり当選する特別図柄変動が開始されてから大当たり遊技が終了するまでの間に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態であることを遊技者に把握させるための演出が実行されず、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が把握困難な場合の少なくとも一部において、大当たり遊技終了後に「チャンスモード演出」が実行される。
このように構成することで、確変状態が設定されることが事前に報知された場合には、現在設定されている遊技状態が確変状態であることを遊技者に分かり易く報知することで安心して遊技を行わせることができると共に、確変状態が設定されることが事前に報知されなかった場合には、確変状態が設定されているか否かを把握させ難くする演出(時短状態、又は、確変状態が設定されていることを報知する演出)ことで、時短状態が設定されている場合であっても、確変状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、本第26制御例では、時短状態が継続する最大期間として特別図柄変動100回が規定されており、確変状態が継続する最大期間として特別図柄変動120回が規定されている。よって、時短状態が設定されているか確変状態が設定されているかを分かり難くする「チャンスモード演出」が実行された場合には、「チャンスモード演出」の最終期間(100回目の特別図柄変動期間)において、「チャンスモード演出」が終了することを遊技者に案内するための時短終了示唆演出を実行し、その時短終了示唆演出の演出結果として、確変状態に対応する「スーパーチャンスモード演出」へとモード演出が移行(昇格)することを示す演出結果が実行される。
つまり、本第26制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態である場合に設定されるモード演出の種別によって、確変状態が設定されていることを遊技者に報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたことを様々なタイミングで遊技者に報知することが可能となるため、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたことを期待させながら遊技者に継続して遊技を行わせることができる。
なお、本第26制御例では、大当たり遊技終了後に設定されるモード演出の種別に応じて確変状態が設定されていることを遊技者に報知するタイミングを異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態が設定されている状態で「チャンスモード演出」が実行されている場合において、特別図柄抽選が実行される毎に確変状態であることを報知するための報知演出を実行するか否かを決定する報知抽選を実行し、報知抽選に当選した場合に確変状態が設定されていることを報知する報知演出を実行するように構成しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)に対して所定の操作が行われたと判別した場合に上述した報知演出を実行するように構成しても良い。この場合であっても、確変状態が設定されていることを報知するための報知演出を実行させる実行条件を様々なタイミングで成立させることが可能となる。
さらに、本第26制御例では、確変状態中に実行可能な特別図柄変動回数(抽選回数)の残回数が20回以下となる期間、即ち、確変状態が設定されてから100回の特別図柄変動(抽選)が実行されてからの期間(確変後半期間)と、確変状態が設定されてから100回の特別図柄変動(抽選)が実行されるまでの期間(確変前半期間)と、で特別図柄抽選の結果を遊技者に報知するための報知態様を異ならせており、確変前半期間では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を1の特別図柄抽選が実行される毎に実行し、確変後半期間では、複数回の特別図柄抽選の結果を示すためのモード変動演出を、複数の特別図柄変動を跨いで実行するように構成している。
つまり、1の変動演出の演出結果が1の特別図柄抽選の抽選結果に基づいて決定される第1状況と、1の変動演出の演出結果が複数の特別図柄抽選の抽選結果に基づいて決定される第2状況と、を創出可能に構成している。このように構成することで、第1状況では、変動演出の実行回数と特別図柄抽選の実行回数とを同期させることができるため、遊技者に対して特別図柄抽選の実行回数を容易に把握させることができる。一方で、第2状況では、変動演出の実行回数よりも多くの特別図柄抽選を実行させることができるため、遊技者に対して特別図柄抽選の実行回数を把握させ難くすることができる。また、1の変動演出の演出結果を用いて複数回の特別図柄抽選の結果を報知することができるため、特別図柄抽選の結果が大当たり以外(外れ)であることを遊技者に報知する回数を、特別図柄抽選が実行される毎に特別図柄抽選の結果を報知する場合に比べて減少させることができる。
図820に示した通り、確変状態演出態様決定処理26(F3052)では、時短状態であるか確変状態であるのかを遊技者に分かり難くするためのモード演出であるチャンスモードの最終変動が実行される場合、即ち、時短中カウンタ223vqの値が1であると判別した場合(F4301:Yes)において、変動演出の演出結果がスーパーチャンスモード昇格となる時短終了示唆演出の演出態様を決定し(F4302)、F4311の処理へ移行する点では、上述した第22制御例と同一の処理が実行される。
確変状態演出態様決定処理26(F3052)では、上述した第22制御例における確変状態中の演出態様を決定する処理に対して、確変状態の残期間(確変中カウンタ223vrの値)に応じて、異なるモード演出を実行する点で相違している。
本第26制御例では、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されると、その後、特別図柄抽選が120回実行される、或いは、特別図柄抽選が120回実行されるよりも前に大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成している。具体的には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合には、確変中カウンタ223vrの値に「120」をセットする。そして、確変中カウンタ223vrの値が「1」以上である状態で特別図柄変動が実行されたことに基づいて確変中カウンタ223vrの値が1減算される。これにより、確変中カウンタ223vrの値を読み出すことで確変状態の残期間(残確変回数)を判別可能に構成している。
そして、本第26制御例では、残確変回数が20回を下回ると、複数回の特別図柄抽選結果を1の期間演出の演出結果を用いて遊技者に報知するモード演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す変動演出が実行され難くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いで1の期間演出を実行可能に構成しているため、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
具体的には、図820に示した通り、時短中カウンタ223vpの値が「1」では無いと判別した場合は(F4301:No)、次に、確変中カウンタ223vrの値が「20」であるかを判別し(F4303)、「20」であると判別した場合は(F4303:Yes)、第1モード変動演出の演出態様を決定し(F4304)、その後、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(F4311)、本処理を終了する。
また、F4303の処理において、確変中カウンタ223vrの値が「20」では無いと判別した場合は(F4303:No)、次に、確変中カウンタ223vrの値が「14」であるかを判別し(F4305)、「14」であると判別した場合は(F4305:Yes)、第2モード変動演出の演出態様を決定し(F4306)、上述したF4311の処理を実行し、その後、本処理を終了する。
一方、F4305の処理において、確変中カウンタ223vrの値が「14」では無いと判別した場合は(F4305:No)、次に、確変中カウンタ223vrの値が「7」であるかを判別し(F4307)、「7」であると判別した場合は(F4307:Yes)、第3モード変動演出の演出態様を決定し(F4308)、その後、上述したF4311の処理を実行し、本処理を終了する。
F4307の処理において、確変中カウンタ223vrの値が「7」では無いと判別した場合は(F4307:No)、次に、確変中カウンタ223vrの値が「1」であるかを判別し(F4309)、「1」であると判別した場合は(F4309:Yes)、確変終了を示すための演出態様を決定し(F4310)、その後、F4311の処理を実行して本処理を終了する。また、F4309の処理において、確変中カウンタ223vrの値が「1」では無いと判別した場合、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「1」以上であって、且つ、「1」,「7」,「14」,「20」の何れでも無いと判別した場合は(F4309:No)、新たなモード変動演出(モード演出)を決定する状況では無いため、各種モード変動演出の演出態様を決定するための各種処理をスキップしてF4311の処理を実行し、本処理を終了する。
本第26制御例では、図820のF4303~F4310の処理が実行されることにより、残確変回数が20回~15回までの6回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第1モード演出が実行され、残確変回数が14回~8回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第2モード演出が実行され、残確変回数が7回~1回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第3モード演出が実行されるように構成している。
加えて、本第26制御例では、各モード演出の演出態様(演出結果)を、既にモード演出が実行されている状態において新たに獲得した情報(保留記憶した入賞情報)に基づいて決定可能に構成している。より具体的には、第1モード演出が実行される最終変動(残確変回数が15回となる特図変動)が開始される際に、入賞情報格納エリア223vaに格納されている情報(保留記憶情報)を読み出し、格納されている保留記憶情報に基づいて特別図柄抽選の結果を事前に判別する(先読みする)。そして、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合には、第1モード演出の演出結果を、大当たり当選を示す演出結果に書き換え、第1モード演出を、大当たり当選する特別図柄変動が停止表示されるまで延長して実行するように構成している。
このように、第1モード演出(期間演出)を実行した後に獲得した情報に基づいて、第1モード演出(期間演出)の対象となる特別図柄抽選回数を可変可能に構成することで、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
なお、本第26制御例では、先読み結果に基づいて1の期間演出が実行される期間を可変可能に構成しているがこれに限ること無く、ランダムに期間を決定するように構成しても良いし、遊技者が任意の期間を選択可能に構成しても良い。また、先読み(事前判別)を実行するタイミングを、予め定められているモード演出の対象期間における最後の特別図柄変動が開始されるタイミングでは無く、それよりも前の特別図柄変動が開始されるタイミングにしても良いし、最後の特別図柄変動が開始されてから所定期間経過後(演出結果が遊技者に報知されるよりも前の特定タイミング)としても良い。さらに、事前判別を実行する際において、獲得済みの保留記憶情報の全てを事前判別しても良いし、特定の範囲のみ(例えば、入賞情報格納エリア223vaに格納された順が古い2個)事前判別を実行するように構成しても良い。
加えて、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合に、期間演出を延長させるか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、期間演出の演出結果を書き換えるか否かを決定したり、期間演出を延長させるか否かを決定したりするように構成しても良い。
次に、図821を参照して、通常状態が設定されている状態で実行される変動演出の演出態様を決定するための通常状態演出態様決定処理26(F3053)の詳細について説明をする。図821は、通常状態演出態様決定処理26(F3053)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出態様決定処理26(F3053)は、上述した通常状態演出態様決定処理22(図729のF3018参照)に対して、決定された変動演出種別が討伐リーチ(図805参照)である場合に実行される討伐リーチ演出決定処理26(F3152)を追加した点と、大当たり当選の期待度が比較的高い状態であることを遊技者に示唆するためのチャンスアップ演出の演出態様を決定するためのチャンスアップ演出決定処理26(F3153)を追加した点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
通常状態演出態様決定処理26(F3053)が実行されると、まず、上述した通常状態演出態様決定処理22(図729のF3018参照)と同一のF3101~F3106の処理を実行する。そして、F3104の処理において、今回決定された変動演出種別がムービー実行リーチでは無いと判別した場合は(F3104:No)、次に、今回決定された変動演出種別が討伐リーチであるかを判別し(F3151)、討伐リーチであると判別した場合は(F3151:Yes)、討伐リーチ演出決定処理26を実行し(F3152)、F3153の処理へ移行する。なお、討伐リーチ演出決定処理26(F3152)の詳細な内容については、図822を参照して後述する。
一方、F3151の処理において、今回決定された変動演出種別が討伐リーチでは無いと判別した場合は(F3151:No)、その他、決定された変動演出種別に対応する演出態様を決定し(F3107)、その後、チャンスアップ演出決定処理26を実行し(F3153)、各処理によって決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(F3109)、本処理を終了する。
なお、チャンスアップ演出決定処理26(F3153)の詳細な内容については、図823を参照して後述するため、ここでは詳細な説明を省略するが、チャンスアップ演出決定処理26(F3153)は、同一の変動演出種別が決定された場合に設定される同一の演出態様に対して、遊技者に大当たり当選の期待度を予測させるための追加情報を付与するための処理を実行するものであって、例えば、演出態様に含まれる1の表示要素の色を可変させることによって大当たり当選の期待度を報知可能な場合であれば、可変させる色の種別を決定するための処理が行われる。また、変動演出種別に対応して設定される演出態様に対して、追加情報を含む新たな演出態様を追加表示することによって大当たり当選の期待度を高めたチャンスアップ演出を実行するための処理が行われる。
このように構成することで、見た目上は殆ど同じ演出態様の変動演出が実行された場合であっても、その変動演出を構成する複数の表示要素の一部のみを可変したり、その変動演出を構成する複数の表示要素に新たな表示要素を追加したりすることで遊技者に当たり当選の期待度を予測させることが可能となる。よって、遊技者に対して、実行中の変動演出を構成する複数の表示要素に対して、何らかの変化が無いかを注視させることができるため変動演出の演出効果を高めることができる。
次に、図822を参照して、討伐リーチ演出決定処理26(F3152)の処理内容について説明をする。図822は、討伐リーチ演出決定処理26(F3152)の処理内容を示したフローチャートである。この討伐リーチ演出決定処理26(F3152)では、討伐リーチ演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
討伐リーチ演出決定処理26(F3152)が実行されると、まず、対応する特別図柄の抽選結果と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに基づいて、討伐リーチ演出における各回の演出態様(攻撃キャラ、攻撃内容)と、討伐リーチ演出の演出結果を決定し(F4401)、決定した内容(演出態様)に基づいて、示唆態様の表示順を決定し(F4402)、決定した態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(F4403)、本処理を終了する。
ここで、討伐リーチ演出決定処理26(F3152)の各種処理にて決定される内容について具体的に説明をする。まずは、F4401の処理によって決定される各種内容について説明をする。本第26制御例では、図805(a)を参照して上述した通り、討伐リーチ演出として、様々な種別の味方キャラ801aが敵キャラ880a~880cを3回攻撃する演出が実行される。
味方キャラ801aの種別としては、1体の敵キャラに対して大きなダメージを与え易い勇者を模した味方キャラ801aと、複数体の敵キャラに対してダメージを与え易いウサギを模した味方キャラ801bと、を選択可能に構成している。このように攻撃を実行する味方キャラの種別に対応させて実行し易い攻撃内容を異ならせるように構成することで、討伐リーチ演出中に既に実行された攻撃の内容(各敵キャラの残HP値)に基づいて、攻撃を実行する味方キャラの種別に対する期待度を異ならせることができる。
つまり、討伐リーチ演出における1回目、及び、2回目の攻撃を味方キャラ801bが実行した場合には、敵キャラ880a~880cのそれぞれが残HP値の低い状態となり易く、その場合、3回目(最後)の攻撃を実行する味方キャラの種別が味方キャラ801bである場合の方が、味方キャラ801aである場合よりも討伐リーチ演出の演出結果として、敵キャラ880a~880cを全て討伐する演出結果とし易くすることができる。また、1回目、及び、2回目の攻撃を味方キャラ801aが実行した場合には、敵キャラ880a~880cのうち、2体の敵キャラが討伐されている状態で3回目の攻撃を実行し易くすることができるため、3回目の攻撃を実行する味方キャラの種別が味方キャラ801aである場合の方が、味方キャラ801bである場合よりも討伐リーチ演出の演出結果として、敵キャラ880a~880cを全て討伐する演出結果とし易くすることができる。
なお、この討伐リーチ演出では、攻撃を実行する味方キャラの種別に応じて異なる内容の攻撃を実行可能に構成しており、上述した通り、味方キャラ801aが選択された場合には、攻撃対象となる敵キャラの数(攻撃数)として、「1」が他の数よりも選択され易く、攻撃対象に対して与えるダメージの量として、「大ダメージ」が他のダメージ量(中ダメージ、小ダメージ等)よりも選択され易くなるように構成している。よって、攻撃を実行する味方キャラの種別として味方キャラ801aが選択された場合には、遊技者は、攻撃数よりも、ダメージ量に注視することになる。そこで、図805(b)に示した通り、味方キャラ801aが選択された場合には、今回の攻撃の内容を順に示すための示唆態様の表示順として「攻撃数」、「ダメージ量」の表示順序が決定される。
一方、味方キャラ801bが選択された場合には、攻撃対象となる敵キャラの数(攻撃数)として、複数の数が単数よりも選択され易く、攻撃対象に対して与えるダメージの量として、「中ダメージ」が他のダメージ量(大ダメージ、小ダメージ)よりも選択され易くなるように構成している。よって、攻撃を実行する味方キャラの種別として味方キャラ801bが選択された場合には、遊技者は、ダメージ量よりも攻撃数に注視することになる。そこで、図806(b)に示した通り、味方キャラ801bが選択された場合には、今回の攻撃の内容を順に示すための示唆態様の表示順として「ダメージ量」、「攻撃数」の表示順序が決定される。
上述した通り、本第26制御例にて実行される討伐リーチ演出では、攻撃を実行する味方キャラの種別として、異なる攻撃内容が選択され易い味方キャラの種別を決定可能に構成し、決定された味方キャラの種別に応じて、攻撃内容を示すための示唆態様の表示順序を異ならせるように構成している。具体的には、攻撃内容を決定する複数の要素(攻撃数、ダメージ量)のそれぞれを示唆態様として表示可能であって、表示される複数の示唆態様の表示順序として、決定された味方キャラの種別が得意とする要素が、それ以外の要素よりも後に表示される表示順序が決定されるように構成している。
このように構成することで、何れの味方キャラの種別が決定された場合であっても、遊技者が注視する示唆態様が表示されるタイミングを遅らせることができるため、遊技者に対して長期間の間、討伐リーチ演出を楽しませることができる。
なお、本第26制御例では、決定された味方キャラの種別に応じて、示唆態様の表示順序を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、攻撃内容を示す複数の要素(攻撃数、ダメージ量)のうち、遊技者に有利な内容が決定された要素に対応する示唆態様の表示順序を、それ以外の要素よりも後にする表示順序を決定したり、攻撃内容を示す複数の要素(攻撃数、ダメージ量)のうち、遊技者に有利な内容が決定された要素に対応する示唆態様の表示順序を、それ以外の要素よりも先にする表示順序を決定したりするように構成しても良い。このように構成することで、先に表示された示唆態様の内容に基づいて、次に表示される示唆態様の内容を予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図823を参照して、チャンスアップ演出決定処理26(F3153)の処理内容について説明をする。図823は、チャンスアップ演出決定処理26(F3153)の処理内容を示したフローチャートである。このチャンスアップ演出決定処理26(F3153)では、チャンス予告演出を実行するか否かを決定する処理と、実行する場合における演出態様を決定する処理と、が実行される。
チャンスアップ演出決定処理26(F3153)が実行されると、まず、演出実行カウンタ223aahの値が「50」であるかを判別し(F4501)、「50」であると判別した場合は(F4501:Yes)、強制的にチャンス予告演出を実行するための実行条件が成立した場合であるため、チャンス態様選択テーブル222aagに含まれる強制パターンのデータテーブルを参照して、チャンス予告演出の演出態様を決定し(F4502)、演出実行カウンタ223aahの値を「0」にクリアする(F4503)。その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(F4510)、本処理を終了する。
また、F4501の処理において、演出実行カウンタ223aahの値が「50」では無いと判別した場合は(F4501:No)、次に、チャンス予告抽選テーブル222aafを参照してチャンス予告抽選を実行し(F4504)、F4504の処理にて実行されたチャンス予告抽選に当選したかを判別する(F4505)。F4505の処理においてチャンス予告抽選に当選しなかったと判別した場合は(F4505:No)、実行される変動演出にてチャンス予告演出が実行されないため、演出実行カウンタ223aahの値を1更新(加算)し(F4506)、上述したF4510の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、F4505の処理において、チャンス予告抽選に当選したと判別した場合は(F4505:Yes)、チャンス態様選択テーブル222aagに含まれる通常パターンのデータテーブルを参照して、チャンス予告演出の演出態様を決定し(F4507)、決定した演出態様を示す情報をチャンス態様情報格納エリア223aagに格納し(F4508)、決定されたチャンス予告演出の演出態様に対応させて演出実行カウンタ223aahの値を更新し(F4509)、上述したF4510の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、F4509にて実行される処理内容について、詳細に説明をする。本第26制御例では、変動演出が実行される毎に、チャンス予告演出を実行するか否かを決定するチャンス予告抽選を実行し、チャンス予告抽選に当選した場合に成立する通常実行条件、或いは、連続して実行される変動演出の演出態様に基づいて演出実行カウンタ223aahの値を更新し、更新した演出実行カウンタ223aahの値が所定値(「50」)に到達した場合に成立する強制実行条件の何れかが成立した場合に、チャンス予告演出を実行可能に構成している。
そして、演出実行カウンタ223aahの値は、通常であれば、変動演出の演出態様を決定する毎に「1」加算されるように構成している。つまり、変動演出の実行回数に基づいて強制実行条件が成立し、チャンス予告演出が実行されるように構成している。しかしながら、変動演出が実行される毎に演出実行カウンタ223aahの値を「1」加算するだけでは、強制実行条件が成立する演出実行カウンタ223aahの値を「50」に規定している場合であれば、変動演出が50回実行される毎に強制的にチャンス予告演出が実行されることとなり、遊技者に対して、今回実行されたチャンス予告演出が、強制的に実行されたものであることを容易に把握されてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、変動演出の演出態様として設定された内容に基づいて、演出実行カウンタ223aahの値を更新する内容を異ならせるように構成している。具体的には、チャンス予告演出の演出態様として、大当たり期待度の低い演出態様(LV1,LV2)が設定された場合には、演出実行カウンタ223aahの値を「2」加算するように構成し、チャンス予告演出の演出態様として、大当たり期待度の高い演出態様(LV4)が設定された場合には、演出実行カウンタ223aahの値を「30」減算するように構成している。
このように、実行される変動演出の演出態様に応じて、演出実行カウンタ223aahの値を不規則に増減させるように構成することで、演出実行カウンタ223aahの値が「50」に到達するまでに要する変動演出の実行回数を、遊技者に把握させ難くすることができる。よって、チャンス予告演出が実行された場合に、その実行契機がチャンス予告抽選に当選したことに基づくもの、即ち、特別図柄抽選の結果に基づいて成立したものであるか、演出実行カウンタ223aahの値が所定値に到達したことに基づくもの、即ち、変動演出の実行履歴に基づいて成立したものであるかを遊技者に分かり難くすることで、強制的に実行されたチャンス予告演出として大当たり期待度の高い演出態様が設定された場合であっても、チャンス予告抽選に当選して実行されたチャンス予告演出であると思わせることで演出効果を高めることができる。
なお、本第26制御例では、演出実行カウンタ223aahの値が「50」に到達した場合に強制実行条件が成立し、チャンス予告演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、強制実行条件が成立する演出実行カウンタ223aahの値を可変可能に構成しても良く、例えば、演出実行カウンタ223aahの値が0にクリアされた場合に、次に強制実行条件が成立する値を複数の値(「10」,「30」,「50」)の中から決定するように構成しても良い。このように構成することで、強制実行条件が成立するタイミングを遊技者により把握させ難くすることができる。
また、演出実行カウンタ223aahの値が所定値(例えば、10の倍数)に到達した場合に、強制実行条件を成立させるか否かを決定する抽選を実行し、その抽選に当選した場合に強制実行条件を成立させるように構成しても良い。このように構成した場合であっても、強制実行条件が成立するタイミングを遊技者により把握させ難くすることができる。
また、本第26制御例では、変動演出の実行回数、及び、実行されたチャンス予告演出の演出態様に応じて、演出実行カウンタ223aahの値を更新させる内容を異ならせるように構成しているが、それ以外の要因に基づいて演出実行カウンタ223aahの更新内容を異ならせるように構成しても良く、例えば、変動演出の演出態様や、特別図柄変動期間に応じて、演出実行カウンタ223aahの更新内容を異ならせても良い。さらに、変動演出に実行回数では無く、強制実行条件が成立してからの経過時間に基づいて次の強制実行条件を成立させるタイミングを決定可能に構成しても良い。
本第26制御例では、強制実行条件が成立した場合に、演出実行カウンタ223aahの値を0にクリアするように構成しているが、これに限ること無く、強制実行条件が成立した場合に、演出実行カウンタ223aahの値を所定数減算させる減算処理を実行可能に構成し、減算処理にて減算される演出実行カウンタ223aahの値を複数の中から決定可能に構成しても良い。このような構成を用いた場合であっても、強制実行条件が成立する間隔を異ならせ易くすることができる。
次に、図824を参照して、演出ボタン操作処理26(F3379)の処理内容について説明をする。図824は、演出ボタン操作処理26(F3379)の処理内容を示したフローチャートである。この演出ボタン操作処理26(F3379)では、遊技者が演出ボタン22を操作したことに基づく各種処理が実行され、上述した第22制御例の演出ボタン操作処理22(図733のF3319参照)に対して、バトル演出中に設定される操作有効期間中に演出ボタン22を操作した際に実行される処理内容を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出ボタン操作処理26(F3379)が実行されると、まず、演出ボタン22への操作があるかを判別する(F3451)。このF3451の処理では、演出ボタン22が押下されている状態であるかが判別される。F3451の処理において、演出ボタン22が操作されていない(押下されていない)状態であると判別した場合は(F3451:No)、次に、非減少期間中フラグ223aaaがオンに設定されているかを判別し(F3452)、オンに設定されていると判別した場合は(F3452:Yes)、非減少期間中フラグ223aaaをオフに設定し、非減少期間カウンタ223aabの値を「0」にクリアし(F3453)、非減少期間設定済フラグ223aacをオンに設定し(F3454)、その後、上述した演出ボタン操作処理22(図733のF3319参照)と同一のF3405の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、F3452からF3454の処理内容について詳細に説明をする。本第26制御例では、バトル演出リーチにおいて味方キャラ801aが敵キャラ880aを攻撃する際に、遊技者に演出ボタン22を操作させる操作演出が実行されるように構成している(図801(b)参照)。そして、この操作演出中は、遊技者が演出ボタン22を操作したことが有効に判別される操作有効期間が設定され、操作有効期間が設定されている状態で遊技者が演出ボタン22を操作することによって、敵キャラ880aのHP値を減少させるゲージ減少演出が実行される。
本第26制御例では、バトル演出リーチ中の操作有効期間内にて、遊技者が演出ボタン22を連打操作した場合も、長押し操作した場合も、敵キャラ880aのHP値を減少させるゲージ減少演出を実行可能に構成しており、操作有効期間中に実行される演出ボタン22への操作内容に基づいてゲージ減少演出の演出態様を異ならせるように構成している。具体的には、操作有効期間中の演出ボタン22に対して長押し操作を実行した場合には、長押し操作の経過時間に対応させて敵キャラ880aのHP値が減少するゲージ減少演出シナリオが決定されると共に、HP値が減少する毎に、HP値の減少を所定期間中断させる非減少期間を設定するか否かの抽選が実行される。そして、非減少期間が設定された場合には、非減少期間中フラグ223aaaがオンに設定され、所定期間が経過した場合、非減少期間を解除するための解除抽選に当選した場合、長押し操作を終了した場合の何れかによって非減少期間が終了するように構成している。
F3452の処理では、演出ボタン22が操作されていない状態(F3451:No)にて、非減少期間中フラグ223aaaがオンに設定されているかを判別していることから、非減少期間が設定されている状態において、遊技者が長押し操作を終了した(演出ボタン22から手を離した)かを判別していることになる。よって、F3452の処理において、非減少期間中フラグ223aaaがオンに設定されていると判別した場合、即ち、非減少期間が設定されている状態で遊技者が演出ボタン22から手を離した場合には、非減少期間を解除するための処理(F3453)が実行される。このように構成することで、演出ボタン22を長押し操作したことに基づいて非減少期間が設定された場合において、遊技者に長押し操作を継続するか否かを選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、本第26制御例では、非減少期間が解除された場合に、非減少期間設定済フラグ223aacをオンに設定することで、1回の操作有効期間中に非減少期間が複数回設定されることが無いように構成している。このように構成することで、バトル演出リーチ中に設定される操作有効期間中に非減少期間が複数回設定されてしまい、演出ボタン22に対して長押し操作を実行した遊技者に対して、敵キャラ880aのHP値が殆ど減少すること無くバトル演出リーチが終了してしまう事態を発生させ難くすることができる。
なお、本第26制御例では、1の操作有効期間内にて設定され得る非減少期間の回数に対して制限を設けることで、1の操作有効期間内における非減少期間の占有割合が過剰に高くなってしまうことを抑制しているが、同一の効果を奏するために別の手法を用いても良く、例えば、非減少期間が設定されている期間の長さを計測可能な計測手段を設け、1の操作有効期間内において、所定期間以上の非減少期間が設定されてしまうことを抑制するために計測手段によって計測された期間の長さ(既に設定されている非減少期間の長さ)に基づいて非減少期間の設定の有無を決定可能に構成しても良い。
また、本第26制御例では、操作有効期間中に非減少期間が設定され得る第1操作(長押し操作)と、非減少期間が設定されない第2操作(連打操作)と、を実行可能に構成し、何れの操作を実行した場合であっても、敵キャラ880のHP値を減少させることが可能に構成しているが、これに限ること無く、第1操作を実行した場合と、第2操作を実行した場合とで、非減少期間が設定される確率を異ならせるように構成しても良い。
さらに、連打操作に基づいて非減少期間を設定可能に構成する場合には、例えば、操作有効期間中における演出ボタン22に対する押下回数や押下間隔に基づいて非減少期間が設定される確率を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、操作有効期間中に連打操作を実行する場合において、非減少期間が設定され易い状況と、され難い状況とを、演出ボタン22を押下する間隔や回数に応じて創出することができるため、遊技者に対して連打操作の操作内容にも興味を持たせることができる。
また、この場合、非減少期間が設定され易い状況や、設定され難い状況を遊技者に報知可能な報知手段を設けると良い。このように構成することで、遊技者の所望する操作演出(バトルリーチの操作有効期間中の演出)を実行させ易くすることができる。
図824に戻り説明を続ける。F3451の処理において、演出ボタン22が操作されていないと判別した場合は(F3421:No)、次に、ムービー演出用SW有効期間中であるかを判別し(F3455)、ムービー演出用SW有効期間中に演出ボタン22が操作されたと判別した場合(F3455:Yes)は、ムービーの再生態様を決定し(F3403)、ムービー中フラグをオンに設定する(図824のF3404参照)。
一方、F3455の処理において、ムービー演出用SW有効期間では無いと判別した場合(F3455:No)は、次に、バトル演出用SW有効期間中であるかを判別し(F3456)、バトル演出用SW有効期間中であると判別した場合は(F3456:Yes)、次に、長押し中フラグ223aaeがオンに設定されているかを判別し(F3458)、長押し中フラグ223aaeがオンに設定されていると判別した場合は(F3457:Yes)、長押し操作を継続して実行している状態であるため、そのままF3405の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、F3457の処理において、長押し中フラグ223aaeがオンに設定されていないと判別した場合は(F3457:No)、演出ボタン22に対して実行した操作内容を示す情報に基づいてボタン操作態様を決定し(F3458)、次に、F3458の処理にて決定されたボタン操作態様が長押し操作であるかを判定し(F3459)、長押し操作であると判定した場合は(F3459:Yes)、長押し操作中における演出態様を設定するための長押し時演出設定処理26を実行し(F3463)、上述したF3405の処理を実行し、本処理を終了する。
また、F3459の処理において、ボタン操作態様が長押し操作では無いと判定した場合、即ち、連打操作であると判定された場合は(F3459:No)、今回のボタン押下によって減少されるHP値を決定するための減少抽選を実行し(F3460)、F3460の処理にて実行された減少抽選の結果に基づいて残HP値を算出し、算出した値を残HP記憶エリア223aadに格納し(F3461)、減少抽選の抽選結果に対応した演出態様を決定し(F3462)、F3405の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、バトル演出リーチ中に設定されるSW有効期間(操作有効期間)中に連打操作を実行した場合における敵キャラ880aのHP値を減少させる流れについて、実行される処理内容に沿って詳細に説明をする。バトル演出リーチ中に設定されるSW有効期間(操作有効期間)中に連打操作を実行したと判定された場合、即ち、演出ボタン22を連続して押下している期間が、長押し操作と判定される判定期間よりも短いと判別された場合は(F3459:No)、敵キャラ880aのHP値を減少させるための減少抽選を実行する。
この減少抽選は、減少させるHP値(減少HP値)として「0」~「5」の何れかの値を決定するための抽選が実行されるものであって、図示しない減少値抽選テーブルに基づいて減少HP値が決定される。減少値抽選テーブルには、取得した第1演出カウンタ223vfの値と、SW有効期間の残期間の長さと、残HP値と、に対応させて異なる減少HP値が規定されている。
具体的には、残HP値が大きい方が、残HP値が少ない場合よりも減少HP値として大きな値が設定され易くなるように各種減少HP値が規定されている。このように構成することで、連打操作に基づいて減少する敵キャラ880aのHP値の傾向を把握することにより、残HP値を遊技者に予測させることが可能となる。上述した通り、本第26制御例では、対応する特別図柄抽選の結果に基づいて、バトル演出リーチにおける敵キャラ880aの最終HP値を決定するように構成しており、対応する特別図柄抽選の結果が当たり当選している場合の方が、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、最終HP値として小さい値が決定されるように構成しているため、大当たり当選した場合には、残HP値(現在のHP値と、最終HP値との差分値)が大きくなり易くなる。
つまり、連打操作に基づいて減少する敵キャラ880aのHP値の傾向を把握し、残HP値を遊技者に予測することで、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かまでも予測することが可能となる。よって、遊技者に対して残HP値を意欲的に予測させることで、バトル演出リーチの演出内容に遊技者を注視させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、減少値抽選テーブルは、バトル演出リーチにおけるSW有効期間の残期間が短い方が、残期間が長い場合に比べて、残HP値が同一である場合において、減少HP値として大きな値が決定され易くなるように規定している。このように構成することで、SW有効期間内に遊技者が連打操作を実行した場合において、連打操作によって敵キャラ880aのHP値が最終HP値まで減少すること無くSW有効期間が経過してしまう事態が発生することを抑制することができる。
加えて、減少値抽選テーブルは、バトル演出リーチにおけるSW有効期間の残期間が長い方が、残期間が短い場合に比べて、減少HP値として小さな値が決定され易くなるように規定している。このように構成することで、SW有効期間の残期間が十分に残っている状態で、敵キャラ880aの残HP値が最終HP値に到達してしまい(即ち、これ以上残HP値を減少させることができない状態に比較的早い段階で到達したことにより、遊技者に連打操作を促す演出が長時間実行されてしまい)、遊技者の演出ボタン22を操作する操作意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、バトル演出リーチにおける連打操作時に決定される減少HP値を、減少値抽選テーブルを参照して決定するように構成しているが、この構成以外の制御処理を実行して減少HP値を決定可能に構成しても良い。例えば、敵キャラ880aのHP値(例えば、100)と、最終HP値(例えば、0)との間に含まれる所定の指標HP値(例えば、50)を少なくとも1つ決定し、残HP値が指標HP値よりも小さくならないように制限(規制)される規制期間を設定可能に構成しても良い。
より具体的には、SW有効期間として3秒が設定される場合に、最初の2秒を規制期間として設定することで、SW有効期間が設定されてから懸命に連打操作を実行した場合であっても、SW有効期間が設定されてから2秒が経過するまでは、残HP値が指標HP値よりも小さくならないように構成しても良い。このように構成することで、SW有効期間の残期間を十分に残した状態で残HP値が最終HP値に到達してしまうことを抑制することができる。また、規制期間が経過するまでに残HP値が指標HP値に到達した場合には、規制期間が経過するまでの間、残HP値が減少せず、規制期間が経過した後に、残HP値が指標HP値から最終HP値に向けて減少される演出が実行されることから、遊技者に対して、所定期間残HP値が減少しない期間が継続した場合であっても、その後、再度、残HP値が減少し得る状況を創出することができるため、連打操作に基づいて残HP値が減少しない状況が所定期間継続した場合であっても、遊技者に対して継続して連打操作を実行させ易くすることができる。
なお、この場合、例えば、指標HP値に到達し、規制期間が経過するまでの間、残HP値が減少しない状況が発生している状態で遊技者が連打操作を中断した場合には、規制期間が経過した後、または、規制期間が経過する直前において、遊技者に対して連打操作を促す演出を実行するように構成すると良い。つまり、敵キャラ880aの残HP値が減少しなくなった(残HP値が指標HP値に到達するよりも前の状況に対して、連打操作に基づいて残HP値が減少し難くなった)状態から、連打操作に基づいて残HP値を比較的減少させ易い状態へと移行したことを遊技者に報知可能に構成すると良い。
このように構成することで、規制期間が経過するまでに残HP値が指標HP値に到達した後も継続して連打操作を実行している遊技者だけで無く、規制期間が経過するまでに残HP値が指標HP値に到達したことにより連打操作を中断した遊技者に対しても、規制期間が経過した後に、残HP値を最終HP値に向けて減少させる演出を実行させ易くすることができる。
上述した例では、指標HP値として1の値が決定される例を示しているが、これに限ること無く、指標HP値として2以上の値を決定するように構成しても良い。また、指標HP値として2以上の値を決定可能に構成した場合には、決定された指標HP値の各値に対して、異なる規制期間を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、SW有効期間中の連打操作を意欲的に実行する遊技者に対して、SW有効期間の残範囲を用いて、残HP値を段階的に減少させながら最終HP値に到達させ易くすることが可能となる。
また、指標HP値を決定し、決定された指標HP値に対応させて規制期間を設定可能に構成した場合であっても、遊技者の連打操作の操作速度が、SW有効期間中に規制期間の間に指標HP値まで到達し得ない(し難い)操作速度(比較的遅い操作速度)である場合には、規制期間の間に指標HP値に到達することなく、SW有効期間の全体に渡って、残HP値が最終HP値となるまで継続的に敵キャラ880aのHP値が減少していく演出態様となる。よって、遊技者の連打操作の操作速度に応じて、規制期間内に指標HP値まで到達し得る操作速度(例えば、操作間隔が0.5秒以下の比較的高速な操作速度)であるか、到達し得ない(し難い)操作速度であるかに応じて、敵キャラ880aのHP値が減少していく際のHP値の推移を異ならせることができるので、操作速度によって好みのHP値の推移の態様を遊技者自身に選択させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、決定された指標HP値の値や、設定された規制期間の長さに基づいて、対応する特別図柄抽選の結果や、現在設定されている遊技状態といった、遊技者に有利となる特典情報を報知可能に構成すると良い。このように構成することで、いち早く残HP値が指標HP値へと減少するように遊技者に対して意欲的に連打操作を実行させることが可能となる。また、この場合、指標HP値の値として、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合に決定され得る最終HP値の値と同一の値を決定可能に構成すると良い。このように構成することで、連打操作しているにも関わらず残HP値が減少しない(し難い)状態が発生した場合において、現在のHP値が、指標HP値であるか最終HP値であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れ当選である場合よりも、規制期間として長い期間が設定され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、残HP値が指標HP値に到達してから規制期間が経過するまでの期間が長いほど、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選している可能性を高くすることができる。よって、残HP値が最終HP値に到達してしまい、これ以上残HP値を減少させることができない状態となった遊技者に対しても、長い規制期間が設定されているのではと思わせることができるため、バトル演出リーチの演出結果を遊技者に早期に把握されてしまうことを抑制することができる。
一方で、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れ当選である場合よりも、規制期間として短い期間が設定され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、バトル演出リーチのSW有効期間全体における規制期間が占める割合を少なくすることができるため、連打操作によって残HP値を減少させ易くすることができる。
また、本第26制御例では、バトル演出リーチ中に連打操作を行った場合に、各押下タイミングで敵キャラ880aの残HP値を減少させるための減少抽選を実行するように構成しているが、これに限ること無く、連打操作によって演出ボタン22を押下した回数をカウントする押下回数計測手段を設け、押下回数計測手段によって計測された押下回数が特定回数(例えば、5の倍数に対応する回数)に到達したと判別された場合に、減少抽選を実行するように構成しても良い。このように構成することで、連打操作において、残HP値を減少させることが可能な第1押下操作と、残HP値を減少させることが困難な第2押下操作と、を設けることができるため、連打操作中に演出ボタン22をより多く押下した遊技者の方が、敵キャラ880aの残HP値を最終HP値へと到達させ易くすることができる。
さらに、バトル演出リーチ中に連打操作を行った場合における敵キャラ880aの残HP値の減少過程を、予め定められた押下シナリオに基づいて決定するように構成しても良い。この場合、バトル演出リーチの実行を決定したタイミングにて、複数種別の押下シナリオの中から1の種別の押下シナリオを決定し、決定された押下シナリオに規定されている内容に応じて、押下回数計測手段によって計測された押下回数を参照して減少HP値を決定するように構成しても良い。このように構成することで、SW有効期間の全体を用いて残HP値を最終HP値に到達させ易くすることができる。加えて、複数種別の押下シナリオとして、例えば、演出ボタン22の押下回数が少ない期間(SW有効期間の序盤)の方が、押下回数が多い期間(SW有効期間の終盤)よりも大きな減少HP値が規定されている第1押下シナリオと、演出ボタン22の押下回数が少ない期間(SW有効期間の序盤)よりも、押下回数が多い期間(SW有効期間の終盤)の方が大きな減少HP値が規定されている第2押下シナリオと、を少なくとも含む複数の押下シナリオの中から1の押下シナリオを決定可能に構成すると良い。
このように構成することで、決定された押下シナリオの種別によって、敵キャラ880aの残HP値の減少過程が明らかに異なるバトル演出リーチを実行させ易くすることができるため、遊技者がバトル演出リーチに早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した例では、バトル演出リーチ中に演出ボタン22を連打操作した場合における敵キャラ880aの残HP値の減少過程を決定するための押下シナリオとして、演出ボタン22の押下回数(連打回数)に対応付けて減少HP値が規定されている押下シナリオ(第1押下シナリオ、第2押下シナリオ)を設けているが、これに加えて、或いは、これに代えて、バトル演出リーチのSW有効期間の残期間に対応付けて減少HP値が規定されている押下シナリオ(第3押下シナリオ)を設けても良い。
そして、第3押下シナリオには、SW有効期間の残期間に対して、0.05秒単位で減少HP値を規定しておき、演出ボタン22を押下操作したと判別(押下判定)された時点におけるSW有効期間の残期間に対応する減少HP値を決定するように構成すると良い。このように構成することで、減少HP値が規定されている各期間にて演出ボタン22の押下判定がされた場合に、減少HP値をより多く減少させることが可能となるため、意欲的に連打操作を実行する遊技者(短い間隔で演出ボタン22を押下する遊技者)の方が、残HP値を減少させ易くすることができる。
さらに、この場合、各減少HP値が規定される残期間の単位が、演出ボタン22を押下判定可能な間隔よりも短くなり得るように第3押下シナリオを規定すると良い。即ち、SW有効期間中に演出ボタン22を最速で連打操作した場合であっても、第3押下シナリオに規定されている全ての減少HP値が決定されることが無いように構成すると良い。このように構成することで、バトル演出リーチ中に演出ボタン22を意欲的に連打操作する遊技者であっても、その連打操作による演出ボタン22の押下タイミングに応じて、異なる減少HP値が決定されるため、バトル演出リーチの演出態様(残HP値の減少過程)を異ならせることができる。よって、バトル演出リーチの演出態様が単調となってしまい、遊技者の演出ボタン22を操作する意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図824のF3462の処理では、図801(b)に示したHPゲージ890の残HP値890aを可変(減少)させる演出態様に加え、残HP値に応じて敵キャラ880aの表示態様を可変させるダメージ演出態様や、1回の減少抽選にて決定された減少HP値が通常よりも大きな値(例えば、「5」)であることを遊技者に報知するための大ダメージ報知演出態様や、残HP値が特定値(例えば、「33」,「77」といったぞろ目)となり、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示すための大当たり報知演出態様等が設定される。
具体的には、ダメージ演出態様としては、敵キャラ880aの残HP値がMAX値の1/2以下になったことを示すための第1ダメージ演出態様と、敵キャラ880aの残HP値がMAX値の1/4以下になったことを示すための第2ダメージ演出態様とを設定可能に構成しており、第1ダメージ演出態様が設定された場合には、図801(b)に示した通り、敵キャラ880aの表示態様として、「ツノが折れた」表示態様が表示される。また、図示はしないが、第2ダメージ演出態様が設定された場合には、敵キャラ880aの表示態様として、「全身が傷付いた」表示態様が表示される。
このように構成することで、HPゲージ890の可変度合いだけで無く、敵キャラ880aの表示態様によっても残HP値を遊技者に予測させることが可能となる。また、この場合、バトル演出リーチにおける1回の攻撃によって、HPゲージ890の表示態様が可変するタイミングと、敵キャラ880aの表示態様が可変するタイミングとを、異ならせるように構成すると良く、この場合、HPゲージ890の表示態様が可変するよりも前に、敵キャラ880aの表示態様が可変するように構成すると良い。
つまり、遊技者に対して敵キャラ880aの残HP値を分かり易く示すためのHPゲージ890の表示態様よりも、それ以外の表示態様の可変内容を把握した方が、いち早く敵キャラ880aの残HP値が特定の値となったことを遊技者に把握させることができるように構成すると良い。このように構成することで、HPゲージ890の表示態様を確認することで敵キャラ880aの残HP値を把握する遊技者よりも、敵キャラ880aの表示態様と、残HP値との関係を把握し、敵キャラ880aの表示態様が可変したことに基づいて残HP値を把握可能な遊技者の方が、攻撃された後の敵キャラ880aの残HP値を早く把握することが可能となるため、敵キャラ880aの表示態様と、残HP値との関係を把握しようとバトル演出リーチの演出内容に注視させることができる。
また、大ダメージ報知演出態様として、減少抽選によって残HP値を減少させる減少HP値として「5」が決定された場合に第3図柄表示装置81の表示面に、減少HP値として大きな値が決定されたことを示すための「クリティカルヒット」の文字が表示される。このように大ダメージ報知演出態様を表示することで、今回の攻撃で通常よりも大きなダメージを敵キャラ880aに与えたことを遊技者に報知することができる。よって、初めてパチンコ機10を遊技する遊技者、即ち、バトル演出リーチの体験回数が少なく、1回の攻撃で減少させる敵キャラ880aのHP値を相対的に判別困難な遊技者に対しても、今回の攻撃が特別であることを分かり易く報知することができる。
次に、大当たり報知演出態様について説明をする。本第26制御例では、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れである場合よりも、敵キャラ880aの残HP値が特定値(例えば、「33」,「77」といったぞろ目)となり易くなるように構成している。そして、敵キャラ880aの残HP値が特定値となった場合において、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の少なくとも一部において、その時点で大当たり当選していることを遊技者に報知するための大当たり報知演出態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示可能に構成している。
具体的には、大当たり報知演出態様を実行するための実行条件が成立した場合には、味方キャラ801a(図801(a)参照)の表示態様として、通常とは異なる特殊態様(例えば、虹色のエフェクトを纏った表示態様)が表示され、特殊態様の味方キャラ801aによって敵キャラ880aの残HP値が「0」になる攻撃演出が実行されるように構成している。つまり、大当たり報知演出態様の実行条件が成立した場合には、敵キャラ880aの残HP値が「0」となるよりも前に、敵キャラ880aの残HP値が「0」となることを報知可能に構成している。
このように構成することで、バトル演出リーチにおいて、敵キャラ880aの残HP値が「0」になることを目指す遊技に加え、特定値(例えば、「33」,「77」といったぞろ目)となることを目指す遊技を遊技者に行わせることができるため、演出効果を高めることができる。また、敵キャラ880aの残HP値が「0」になる前に大当たり当選していることを把握することが可能となるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
なお、大当たり報知演出態様の実行条件が成立してから、敵キャラ880aの残HP値を「0」にするまでの間に実行される味方キャラ801aの攻撃として、大当たり報知演出態様の実行条件が成立しなかった場合と同様に、減少抽選に基づく攻撃を引き続き実行するように構成しても良い。この場合、敵キャラ880aの最終HP値が「0」であることを把握している状態で、遊技者に連打操作を継続させることができるため、安心して演出ボタン22を操作させることができる。
また、大当たり報知演出態様の実行条件が成立したことを契機に、SW有効期間を破棄し、演出ボタン22への操作に関わらず特殊攻撃が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり報知演出態様の実行条件が成立してから、敵キャラ880aの残HP値を「0」にするまでの一連の演出を特殊演出として実行することが可能となるため、分かり易い演出を遊技者に提供することができる。
以上、説明をした通り、本第26制御例では、バトル演出中の操作有効期間中における演出ボタン22への操作内容に基づいて、連打操作(押下操作)が実行されたのか、長押し操作が実行されているのかを判別する処理を実行し、判別結果に基づいて、バトル演出の演出態様を可変させるための異なる処理が実行されるように構成している。ここで、連打操作が実行されていると判定した場合は、押下判定される毎にHP値の減少値を決定するための減少抽選を実行する。
そして、減少抽選の抽選結果に対応する減少値を残HP値から減算し、減算結果を残HP値として残HP記憶エリア223aadに格納すると共に、敵キャラ880aのHP値を減算するための演出態様と、HPゲージ890の表示態様を可変させるための演出態様と、を少なくとも含む演出態様を示すための表示用コマンドを設定する。
次に、図825を参照して、演出ボタン操作処理26(図824のF3379参照)にて実行される長押し時演出設定処理26(F3463)の処理内容について説明をする。図825は、長押し時演出設定処理26(F3463)の処理内容を示したフローチャートである。この長押し時演出設定処理26(F3463)では、長押し操作に基づいてHP値を減少させるための演出シナリオを決定するための処理と、長押し操作期間を計測するための各種処理が実行される。
本第26制御例では、バトル演出リーチのSW有効期間中における演出ボタン22への操作方法に応じて、異なる制御を用いて敵キャラ880aのHP値を減少させるように構成している。そして、演出ボタン22への操作方法として、連打操作と長押し操作とを有効に判別可能に構成している。
具体的には、連打操作を実行した場合には、上述した通り、連打操作として演出ボタン22を押下した場合に実行される減少抽選の抽選結果に基づいて減少HP値を決定し、決定された減少HP値に対応させて敵キャラ880aの残HP値を減少させる演出が実行される。一方で、長押し操作を実行した場合には、バトル演出リーチのSW有効期間中に長押し操作が実行されていると判別した場合に、長押し操作時における敵キャラ880aの残HP値の減少過程が規定されているシナリオ(演出シナリオ)を決定し、長押し操作が継続している間、決定した演出シナリオに規定されている内容を参照して敵キャラ880aの残HP値を減少させる演出が実行される。
つまり、バトル演出リーチのSW有効期間中にどの操作方法で演出ボタン22を操作するかを遊技者に選択させることで、異なる演出態様のバトル演出リーチを実行させることが可能となる。このように構成することで、遊技者に対して異なる演出態様でバトル演出リーチを実行させ易くすることができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、本第26制御例では、バトル演出リーチの演出態様として、長押し操作時に実行される演出態様を決定する演出シナリオを、バトル演出リーチを実行するタイミングでは無く、長押し操作が実行されるタイミングで決定可能に構成している。つまり、バトル演出リーチ中に連打操作を行った場合には、長押し操作時における演出シナリオを決定すること無く、バトル演出リーチが進展するように構成している。
このように構成することで、実際の演出に用いられることの無い演出データ(長押し操作時の演出シナリオ)を予め決定する処理を実行する必要が無くなるため、バトル演出リーチを実行するための処理負荷を軽減することができる。
長押し時演出設定処理26(F3463)が実行されると、まず、長押し演出シナリオテーブル222aaaを参照して、長押し時の演出シナリオを決定し(F4601)、決定した演出シナリオを長押しシナリオ格納エリア223aaiに格納する(F4602)。
そして、長押し中フラグ223aaeをオンに設定し(F4603)、長押しカウンタ223aafの値に「1」をセットし(F4604)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、演出ボタン操作処理26(図824のF3379参照)において、バトル演出リーチ中に設定される操作有効期間(バトル演出用SW有効期間)にて長押し操作が実行されていると判定された場合(F3459:Yes)に実行される長押し時演出設定処理26(F3463)にて、長押し操作時の演出シナリオ(敵キャラ880aのHP値を減少させるシナリオ)を決定するように構成しているため、バトル演出リーチ中における操作有効期間中に遊技者が連打操作を行った場合には、長押し操作時の演出シナリオ(敵キャラ880aのHP値を減少させるシナリオ)が設定されることが無い。
このように構成することで、1の操作有効期間において、連打操作と長押し操作とを判別可能であって、判別された操作内容に応じて異なる態様の演出を実行可能に構成されたパチンコ機10において、遊技者が連打操作を行った場合に参照する演出データと、遊技者が長押し操作を行った場合に参照する演出データと、を遊技者が実際に実行する操作内容に関わらず、操作有効期間が設定されたタイミングで決定する場合に比べて、不要となり得る演出データ(長押し操作用の演出データ)を決定する処理を省くことができる分、処理負荷を軽減することができる。
なお、本第26制御例では、長押し操作を実行した場合に参照される演出シナリオを、操作有効期間が設定されたことを契機に決定するのでは無く、操作有効期間中に長押し操作が実際に実行されたことを契機に決定するように構成することで、不要な演出シナリオを決定する手間を省略しているが、これに限ること無く、例えば、操作有効期間が設定されたことを契機に、長押し操作時に参照される演出シナリオを決定する処理を実行し、操作有効期間中に連打操作が実際に実行されたことを契機に連打操作を実行した場合に参照される演出シナリオを決定可能に構成しても良い。また、操作有効期間が設定されたことを契機には何れの演出シナリオも決定すること無く、各操作が実際に実行された場合に、実行された各操作に用いられる演出シナリオを決定するように構成しても良い。
また、本第26制御例では、長押し操作を実行した場合に参照される演出シナリオを、長押し操作を実行した場合に決定する処理を行い、その操作有効期間が経過するまでは、途中で長押し操作を中断したとしても、同一の演出シナリオが参照されるように構成している。そして、長押し操作を中断した場合には、演出シナリオを更新させるためのカウンタ値の更新も中断し、再度、長押し操作を実行した場合には、中断しているカウンタ値の更新を再開するように構成している。
このように構成することで、操作手段(演出ボタン22)の操作を誤ってしまい、一旦手を離してしまったとしても、再度長押し操作を実行することで、操作演出を継続させることが可能となる。
更に、本第26制御例では、バトル演出リーチのSW有効期間中に長押し操作を実行し、決定された演出シナリオを参照して敵キャラ880aの残HP値を減少させている最中に、長押し操作を中断し、連打操作へと切り替えた場合に、長押し操作時に減少させた敵キャラ880aの残HP値に基づいて、減少抽選によって減少HP値を決定可能に構成している。また、バトル演出リーチのSW有効期間中に連打操作を実行し、敵キャラ880aの残HP値を減少させた後に、長押し操作を実行した場合には、長押し操作の実行時に決定された演出シナリオの内容と、残HP値とに基づいて、減少HP値を決定可能に構成している。
つまり、SW有効期間中に遊技者が演出ボタン22への操作方法を切り替えた場合であっても、敵キャラ880aの残HP値を継続して減少させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、SW有効期間中に実行する演出ボタン22の操作方法を選択させるだけで無く、SW有効期間中に演出ボタン22の操作方法を切り替える操作を行わせることで、バトル演出リーチ中の演出態様を大きく異ならせることができるため、遊技者に演出ボタン22を意欲的に操作させることが可能となる。
なお、本第26制御例では、上述した通り、SW有効期間中に選択ボタン22への操作方法を異ならせた場合であっても、敵キャラ880aの残HP値を継続して減少させることが可能となるように構成しているが、これに限ること無く、SW有効期間中に選択ボタン22への操作方法を異ならせた場合には、敵キャラ880aの残HP値をMAX値まで復活させて、敵キャラ880aの残HP値を減少させる演出を最初から実行させるように構成しても良い。このように構成することで、敵キャラ880aの残HP値を「0」にさせるために、同一の操作方法で演出ボタン22を遊技者に操作させ易くすることができる。また、実行中のバトル演出リーチの演出態様に不満を持った遊技者に対して、別の演出態様でバトル演出リーチをやり直させることが可能となる。この場合、SW有効期間の残期間も初期値に戻すように構成しても良いし、操作方法を切り替えた時点における残期間よりも所定期間長くなるように構成しても良い。このように構成することで、切り替えた後の操作方法に基づくバトル演出リーチを遊技者に楽しませ易くすることができる。
図827に示した通り、本第26制御例では、長押し操作時に参照される演出シナリオとして、複数の演出シナリオから1の演出シナリオを決定可能に構成し、定期的に更新される長押しカウンタ223aafの値に基づいて決定された演出シナリオを参照して敵キャラ880aの残HP値を減少させるように構成しているが、これに限ること無く、長押しカウンタ223aafの値を更新する頻度を異ならせても良い。
具体的には、長押しカウンタ223aafの値を更新する頻度として、通常である第1頻度と、通常よりも早く値が更新される第2頻度と、通常よりも遅く値が更新される第3頻度と、を含む複数の頻度の中から1の頻度を決定可能に構成し、決定された頻度に基づいて長押しカウンタ223aafの値を更新するように構成しても良い、この場合、図825のF4604の処理を終えた後に、長押しカウンタ223aafの更新頻度を決定するための処理を実行し、決定後の更新頻度を一時的に記憶手段に記憶させ、後述する長押し中処理(図827のF3551参照)にて加算される値を、記憶手段に記憶させている更新頻度に基づいて異ならせるように構成すると良く、例えば、更新頻度として第1頻度が記憶されている場合には、長押しカウンタ223aafの値に「2」を、更新頻度として第2頻度が記憶されている場合には、長押しカウンタ223aafの値に「3」を、更新頻度として第3頻度が記憶されている場合には、長押しカウンタ223aafの値に「1」を加算する処理を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、定期的に実行される長押しカウンタ223aafの値を更新(加算)する処理にて更新(加算)する値を異ならせるだけで、異なる頻度で長押しカウンタ223aafの値を更新することが可能となるため、同一の演出シナリオが決定された場合であっても、バトル演出リーチの演出態様を異ならせることができる。また、演出シナリオを決定する処理と、長押しカウンタ223aafの更新頻度を決定する処理を別々に実行するのでは無く、各演出シナリオに対して、長押しカウンタ223aafの更新頻度を規定しておき、決定された演出シナリオに応じて更新頻度を決定するように構成しても良い。
次に、図826を参照して、演出更新処理26(F2171)の処理内容について説明をする。図826は、演出更新処理26(F2171)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理26(F2171)では、上述した第22制御例に対して、長押し中に関する処理を追加した点で相違している。
ここで、演出更新処理26(F2171)において実行される長押し中処理26(F3551)の処理内容について、図827を参照して説明をする。図827は、長押し中処理26(F3551)の処理内容を示したフローチャートである。この長押し中処理26(F3551)では、長押し操作を継続して実行している期間を更新する処理と、長押し操作中に非減少期間を設定するか否かを決定するための処理と、非減少期間が終了した際に実行される追加減少演出の演出態様を決定するための処理と、が実行される。
以上、説明をした通り、本第26制御例では、ゲージ減少演出(バトル演出)が実行されている操作有効期間の一部期間において、演出結果に関わらず、体力値が減少されない非減少期間を設定可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出(バトル演出)中に体力値の減少が途中で停止された場合であっても、遊技者に有利となる演出結果となる可能性を残すことができるため、遊技者に対してゲージ減少演出を最後まで楽しませることができる。
具体的には、操作手段への操作に基づいて体力値を減少させる毎に、非減少期間を設定するか否かの突入抽選を実行し、突入抽選に当選した場合に非減少期間を設定するように構成している。そして、非減少期間が設定された場合には、所定時間の経過、或いは、非減少期間を解除するか否かの解除抽選に当選するまで、体力値を減少させることが無い演出が実行されるように構成している。このように、ゲージ減少演出が実行されている間にも体力値の減少度合いを可変させるための処理を追加するように構成することで、遊技者が操作手段に対して同一の操作を行った場合であっても、ゲージ減少演出における体力値の減少パターンをゲージ減少演出実行時に予め定めた演出パターンにのみ基づいて設定する場合に比べて増加させ易くすることができるため演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、解除抽選の当選確率を、非減少期間が設定された時点における残体力値と、実行中のゲージ減少演出の演出結果とに基づいて異ならせるように構成しており、残体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の序盤で非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の終盤で非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、ゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、即座に設定された非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
さらに、実行中のゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となる場合の方が、演出結果が不利な演出結果となる場合よりも解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。ここで、本第26制御例では、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となる場合の方が、遊技者に不利となる演出結果となる場合よりも、ゲージ減少演出にて体力値を大きく減少させる(残体力値を0にする)演出が実行され易くなるように構成している。つまり、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の演出結果が不利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、体力値を大きく減少させることができるゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、非減少期間が継続する期間に上限(リミット)を設け、解除抽選に当選すること無く非減少期間が上限に到達した場合には強制的に非減少期間を解除するように構成している。このように構成することで、非減少期間が解除されるタイミングをランダムにするために解除抽選を用いた場合であっても、解除抽選に当選すること無くゲージ減少演出が終了するまで非減少期間が継続してしまい、ゲージ減少演出の演出効果が著しく低下してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第26制御例では、非減少期間が解除され、体力値を減少させることが可能な減少期間が設定された場合に、設定されていた非減少期間の長さに応じて体力値を減少させる追加減少演出を実行可能に構成している。具体的には、今回のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果にて非減少期間が設定されたり、ゲージ減少演出の序盤にて非減少期間が設定されたりした場合、即ち、解除抽選の当選確率が高く設定された場合において非減少期間が長時間継続した場合には、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて体力値を大きく減少させることが可能となるように構成している。
このように構成することで、非減少期間が長時間継続した場合であっても、追加減少演出によって体力値を大きく減少させることが可能となるため、非減少期間が長時間継続している遊技者に対しても、実行中のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、ゲージ減少演出中における遊技者の操作手段への操作方法に応じて、体力値を減少させるための演出パターンを異ならせるように構成している。具体的には、ゲージ減少演出における操作有効期間中に遊技者が操作手段を継続して押下した場合(所謂、長押し操作を実行した場合)と、操作手段を連続して押下した場合(所謂、連打操作を実行した場合)と、で体力値を減少させる演出を実行可能に構成しており、長押し操作を実行した場合には、上述した非減少期間を設定可能な演出パターンが決定され、連打操作を実行した場合には、上述した非減少期間が設定されることの無い(突入抽選を実行しない)演出パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、同一の演出結果を示すためのゲージ減少演出における体力値の減少過程を、操作手段の操作方法に応じて異ならせることが可能となる。よって、様々な演出パターンでゲージ減少演出を実行させたい遊技者に対して異なる操作方法で操作手段を操作させ易くすることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本第26制御例では、体力値が減少されない非減少期間の長さに応じてゲージ減少演出の演出結果を示唆可能に構成している。具体的には、非減少期間中に味方キャラが力を貯める演出(チャージ演出)が実行され、非減少期間の長さが長くなるほど、チャージ演出にて貯まる力が大きくなり易くなるように構成している。そして、チャージ演出中に貯めた力が大きいほど、非減少期間の経過後に体力値を大きく減少させる演出が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、ゲージ減少演出期間中に非減少期間を設定した場合であっても、遊技者が実行されているゲージ減少演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、演出結果が遊技者に不利となる演出結果となるゲージ減少演出において、チャージ演出を終了させること無く、ゲージ減少演出を終了させることが可能に構成している。つまり、チャージ演出にて力を貯めたにも関わらず、その力を利用して敵キャラを攻撃すること無くゲージ減少演出の演出結果が表示される演出パターンを設定可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に不利となる場合であっても、チャージ演出を実行させ易くすることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成している。つまり、遊技者に対して、操作手段を操作(押下)させることを促すゲージ減少演出中において、操作手段への操作を中止させる選択肢を遊技者に提供可能に構成している。このように構成することで、操作手段に対する操作方法の選択肢を増加させることができる。
なお、本第26制御例では、ゲージ減少演出に長押し操作を実行した場合には、長押し操作の継続時間に応じて体力値を減少させる演出シナリオが進展するように構成しており、継続時間が長くなる程、体力値が減少し易くなる演出シナリオが設定され易くなるように構成している。そして、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。よって、途中で長押し操作を中断した場合であっても、継続して操作手段を操作させ易くすることができる。
また、上述した通り、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成し、且つ、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出中に長押し操作を実行している遊技者に対して、長押し操作を継続して実行する場合よりも、途中で一旦長押し操作を中断し、再度、長押し操作を実行した場合の方が、非減少期間が短くなり、ゲージ減少演出において体力値を大きく減少させることが可能となり得る状況を提供することが可能となる。
さらに、本第26制御例では、ゲージ減少演出の実行期間中において、遊技者による操作手段への操作が有効に判別される有効期間(操作有効期間)を表示するように構成している。そして、表示される操作有効期間の長さを異ならせるように構成している。具体的には、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果である場合の方が、遊技者に不利となる演出結果よりも長い操作有効期間を示す表示が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、ゲージ減少演出にて敵キャラの体力値を減少させるよりも前(操作有効期間を示す表示態様が表示された時点)に、今回の演出結果を遊技者に予測させ易くすることができる。また、操作手段への操作(長押し操作)に基づいて敵キャラの体力値を減少させる演出にて体力値の減少度合い(経過時間と減少値との関係性)だけで無く、体力値を減少させることが可能な残時間(残操作有効期間)の長さも考慮して演出結果を予測させることになるため、演出結果を遊技者に予測させるための要素を増加させる分、演出結果を予測させ難くすることができ、実行される演出(ゲージ減少演出)の演出効果を高めることができる。
さらに、本第26制御例では、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果である場合と、遊技者に不利となる演出結果である場合と、で同一の演出シナリオ(操作手段への操作時間に応じた体力値の減少値)を設定可能に構成し、設定される操作有効時間の長さに応じて、最終的に表示可能な体力値を異ならせるように構成している。
このように構成することで、同一の演出シナリオを用いて、異なる演出結果を創出することができるため、ゲージ減少演出を実行する際に用いられる演出データ(演出シナリオ)として、遊技者に有利となる演出結果専用の演出シナリオと、遊技者に不利となる演出結果専用の演出シナリオと、のみを用いた場合よりも、ゲージ減少演出に関する演出データ(演出シナリオ)の量を削減することができる。
また、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を、様々な演出態様で実行することにより、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる期間が長時間継続した場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制しているパチンコ機10がある。このような従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合に選択される割合と、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合に選択される割合と、の比率を示す大当たり当選期待度を異ならせた様々な演出態様を決定可能に構成し、変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、変動演出の演出態様を決定するための演出抽選結果と、に基づいて演出態様を決定可能に構成することで、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる遊技が複数回連続した場合であっても、遊技者に対して、大当たり期待度を異ならせた様々な変動演出を実行させることができるため、遊技者に対して適度に大当たりへと期待感を持たせながら遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出の演出態様を抽選(演出抽選)で決定しているため、場合によっては、長時間の間、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまい易くなるという問題があった。また、大当たり当選期待度が高くなるように選択割合が規定されている演出態様を短期間で複数回選択してしまい、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、過去に実行された変動演出の演出態様に関する情報(演出履歴情報)と、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出(外れ変動演出)が連続して実行された回数(連続外れ回数)に関する情報と、に基づいて、変動演出の演出態様を決定可能に構成している。
具体的には、連続外れ回数の増加に基づいて特定のカウンタ値(実行演出カウンタの値)を加算し、実行演出カウンタの値が特定値(例えば、100)に到達した場合には、変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルとして、通常時に参照されるデータテーブル(通常時演出態様選択テーブル)とは異なる特殊演出態様選択テーブルを参照するように構成し、大当たり期待度が高い演出態様を、通常時よりも決定し易くするように構成している。
このように構成することで、定期的に大当たり期待度が高い演出態様の変動演出を実行させることができるため、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまう事態を発生させ難くすることができる。
さらに本第26制御例では、上述した実行演出カウンタの値を減算する処理を実行可能に構成しており、例えば、外れ変動演出の演出態様として、大当たり当選期待度が高い演出態様が決定された場合には、決定された演出態様に応じて実行演出カウンタの値を減算するように構成している。具体的には、大当たり当選期待度が比較的高い演出態様を外れ変動演出の演出態様として決定した場合には、実行演出カウンタの値を30減算するように構成している。
このように構成することで、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が実行された直後に、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様が決定される外れ変動演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が連続して実行されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定する際に、過去に実行された外れ変動演出の演出態様に関する情報に基づいて決定される演出態様の種別を異ならせるように構成している。具体的には、通常時に参照される通常時演出態様選択テーブルを参照して決定された大当たり当選期待度の高い演出態様を、特殊演出態様選択テーブルを参照して決定させ難くなるように構成している。このように構成することで、外れ変動演出に対して同一の演出態様を決定させ難くすることができるため、通常の大当たり当選期待度が規定されている通常時演出態様選択テーブルとは異なる内容で各種演出態様が規定されている特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定可能に構成したとしても、特定の演出態様に対する大当たり当選期待度が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
従来より、1の演出を実行する前に、その演出にて用いられる複数の情報(演出要素)を遊技者に順に報知することで、後に実行される演出の内容を遊技者に予測させる報知演出を実行するものがある。具体的には、敵キャラを攻撃するバトル演出を実行する場合において、バトル演出に用いられる味方キャラの種別を示す情報を報知し、次いで、味方キャラがバトル演出にて用いる武器の種別を示す情報を報知する報知演出を実行し、その報知演出にて報知された演出要素を用いたバトル演出を実行するものがある。このように構成することで、後に実行されるバトル演出の内容を徐々に遊技者に報知することができるため、何の前ぶれも無くバトル演出を実行する場合に比べて、遊技者が後に実行されるバトル演出の内容を予測可能な期間(報知演出期間)を設けた分、実行される演出に興味を持たせる期間を長くすることができ、演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、報知演出によって演出要素が報知される順序が固定されているため、例えば、先に報知される演出要素の内容が遊技者に不利となる演出結果となる場合の方が、遊技者に有利となる演出結果となる場合よりも選択され易い演出要素である場合に、その時点で後に実行されるバトル演出への期待感が大幅に減少してしまい、遊技意欲が早期に低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、討伐リーチ演出における報知演出にて遊技者に報知する複数の情報の報知順序を異ならせることが可能となるように構成している。具体的には、報知演出にて報知可能な複数の情報のうち、後に実行される攻撃演出の演出結果を遊技者に予測させ易い情報の方が、攻撃演出の演出結果を遊技者に予測させ難い情報よりも後に報知され易くなるように構成している。
具体的には、攻撃演出に用いられる味方キャラの種別として、少なくとも、第1味方キャラと第2味方キャラとを決定可能に構成し、第1味方キャラは第1演出要素よりも第2演出要素の方がバトル演出の演出結果を予測させ易い情報となり、第2味方キャラは第2演出要素よりも第1演出要素の方がバトル演出の演出結果を予測させ易い情報となるように構成し、第1味方キャラが決定された場合には、第1演出要素に関する情報を報知した後に第2演出要素に関する情報を報知し、第2味方キャラが決定された場合には、第2演出要素に関する情報を報知した後に第1演出要素に関する情報を報知するように構成している。
このように構成することで、報知演出の途中段階で後に実行されるバトル演出への期待感が大幅に減少してしまい、遊技意欲が早期に低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
従来より、特定期間(例えば、特別図柄抽選が10回実行される期間)中に実行される複数回の特別図柄抽選の結果を、1のモード演出を用いて報知可能に構成したパチンコ機10として、第1特定期間(例えば、特別図柄抽選1回目~5回目)にて第1モード演出を実行し、第2特定期間(例えば、特別図柄抽選6回目~10回目)にて第2モード演出を実行するものがある。このような従来型のパチンコ機10では、1のモード演出によって複数回の特別図柄抽選の結果を報知することができるため、1のモード演出の対象となる複数回の特別図柄抽選に遊技者に有利となる抽選結果(例えば、大当たり当選)が含まれていれば、モード演出の演出結果として遊技者に有利となる演出結果を表示することが可能となる。よって、実行される特別図柄抽選毎にその抽選結果を示すための演出を実行する場合に比べて、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(例えば、外れ当選)を示す演出(外れ演出)が実行される回数を削減することができるため、遊技者に不利となる抽選結果を示す演出(外れ演出)が多く実行されることにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、各モード演出にて抽選結果が示唆される特別図柄抽選の回数が固定されているため、各モード演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果となる確率が常に固定されるものであった。よって、各モード演出のうち、演出結果に影響を与える特別図柄抽選の回数が多いモード演出は、演出結果に影響を与える特別図柄抽選の回数が少ないモード演出よりも、遊技者に有利となる演出結果が表示され易くなってしまい、様々なモード演出において遊技者に有利となる演出結果が表示されることを期待する遊技者に対して、偏った演出を提供し易くなり演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、残確変回数が20回を下回ると、複数回の特別図柄抽選結果を1の期間演出の演出結果を用いて遊技者に報知するモード演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す変動演出が実行され難くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いで1の期間演出を実行可能に構成しているため、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
具体的には、本第26制御例では、図820のF4303~F4310の処理が実行されることにより、残確変回数が20回~15回までの6回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第1モード演出が実行され、残確変回数が14回~8回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第2モード演出が実行され、残確変回数が7回~1回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第3モード演出が実行されるように構成している。
加えて、本第26制御例では、各モード演出の演出態様(演出結果)を、既にモード演出が実行されている状態において新たに獲得した情報(保留記憶した入賞情報)に基づいて決定可能に構成している。より具体的には、第1モード演出が実行される最終変動(残確変回数が15回となる特図変動)が開始される際に、入賞情報格納エリア223vaに格納されている情報(保留記憶情報)を読み出し、格納されている保留記憶情報に基づいて特別図柄抽選の結果を事前に判別する(先読みする)。そして、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合には、第1モード演出の演出結果を、大当たり当選を示す演出結果に書き換え、第1モード演出を、大当たり当選する特別図柄変動が停止表示されるまで延長して実行するように構成している。
このように、第1モード演出(期間演出)を実行した後に獲得した情報に基づいて、第1モード演出(期間演出)の対象となる特別図柄抽選回数を可変可能に構成することで、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
なお、本第26制御例では、先読み結果に基づいて1の期間演出が実行される期間を可変可能に構成しているがこれに限ること無く、ランダムに期間を決定するように構成しても良いし、遊技者が任意の期間を選択可能に構成しても良い。また、先読み(事前判別)を実行するタイミングを、予め定められているモード演出の対象期間における最後の特別図柄変動が開始されるタイミングでは無く、それよりも前の特別図柄変動が開始されるタイミングにしても良いし、最後の特別図柄変動が開始されてから所定期間経過後(演出結果が遊技者に報知されるよりも前の特定タイミング)としても良い。さらに、事前判別を実行する際において、獲得済みの保留記憶情報の全てを事前判別しても良いし、特定の範囲のみ(例えば、入賞情報格納エリア223vaに格納された順が古い2個)事前判別を実行するように構成しても良い。
加えて、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合に、期間演出を延長させるか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、期間演出の演出結果を書き換えるか否かを決定したり、期間演出を延長させるか否かを決定したりするように構成しても良い。
従来より、遊技者に操作手段(演出ボタン22)を操作させるための操作演出を実行可能に構成し、操作演出が実行される場合において、操作手段への操作が有効に判別される期間(有効期間)を遊技者に報知可能に構成したものがある。このように構成することで、遊技者に対して、有効期間の残期間を把握させ易くすることができ、操作演出の演出態様と、有効期間の残期間とに基づいて、操作演出の演出結果を予測させることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、操作演出の演出結果に関わらず、操作手段への操作が有効に判別される期間(有効期間)として同一の長さの有効期間が設定されるため、設定されている有効期間を報知してしまうと、有効期間の残期間を把握させ易くすることができ、操作演出の演出態様と、有効期間の残期間とに基づいて、今回の演出結果が遊技者に不利となる演出結果であることが早期に判別されてしまい、遊技者の操作手段を操作する意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、操作演出の演出結果に応じて、設定される有効期間の長さを異ならせることができるように構成している。そして、遊技者に報知する報知期間の長さとして、実際に設定される有効期間よりも短い期間を報知可能に構成している。
なお、上述した第26制御例では、バトル演出中における非減少期間の設定方法として、残HP値を減少させる条件が成立した場合に、非減少期間を決定するか否かの抽選を実行するように構成しているが、これに限ること無く、減少される残HP値の量に基づいて、非減少期間を決定するか否かを決定可能に構成しても良い。
この場合、例えば、1回の攻撃で残HP値を大きく減少させる演出(強攻撃演出)が決定された場合の方が、1回の攻撃で残HP値を小さく減少させる演出(弱攻撃演出)が決定された場合よりも、非減少期間が設定され易くなるように構成しても良い。
また、バトル演出中における非減少期間の設定方法として、残HP値を減少させる条件が成立した場合に、毎回、非減少期間を設定するように構成し、設定される非減少期間の長さを異ならせるように構成しても良い。本第26制御例では、特典映像により設定値を示唆可能に構成していたが、特典映像に含まれる情報は、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の演出で登場するキャラクタのレアな(通常の演出では滅多にまたは一切表示されない)映像など、表示されることで遊技者が喜び得る映像であれば、特典映像として採用することができる。
加えて、操作有効期間の開始タイミングに合わせて非減少期間を設定し、非減少期間が解除されない限り、HP値が減少しないように構成しても良い。この場合、対応する特別図柄抽選の結果に基づいて、非減少期間が解除されるタイミング(解除されやすいタイミング)を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、どのタイミングから残HP値の減少が開始されたのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
また、残HP値を減少させる条件の成立の有無に関わらず、操作有効期間における特定タイミングにて非減少期間が所定期間設定されるように構成しても良い。また、1の操作有効期間に対して、非減少期間を2回以上設定可能に構成しても良い。
<第27制御例>
次いで、図828から図861を参照して、第27制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第17制御例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)した上で、時短状態の種別に応じて、抽選が実行され易い特別図柄の種別を異ならせる構成としていた。即ち、第2時短状態A、第3時短状態Aにおいては、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態を形成する一方で、第2時短状態B、第3時短状態Bにおいては、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態を形成する構成としていた。
これに対して本第27制御例では、時短状態の設定契機(大当たり種別)に応じて第1特別図柄の抽選頻度(選択される変動時間の傾向)を異ならせることにより、時短状態の終了までに実行される第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成とした。より具体的には、時短終了条件として、第1特別図柄の抽選が第1回数(例えば、50回)実行されることで成立する第1終了条件と、または第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選が合計で第1回数よりも多い第2回数(例えば、100回)実行されることで成立する第2終了条件と、を設ける構成とし、基本的に第1終了条件により時短状態が終了するように構成した。つまり、基本的に、時短状態が設定されてから第1特別図柄の抽選が第1回数終了するまでの間が時短状態となるように構成した。そして、時短状態の設定契機に応じて時短状態中の第1特別図柄の平均変動時間を異ならせる構成とすることにより、有利な第2特別図柄の抽選が実行される回数の異なる複数の時短状態を形成する構成とし、実質的に、有利度合い(時短状態の間に大当たりに当選する可能性)の異なる複数の時短状態を形成している。これにより、時短状態が設定された場合に、更に、いずれの種別の時短状態が設定されたのかに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第27制御例では、第2特別図柄の抽選でのみ小当たりに当選し得るように構成し、上述した第17制御例等と同様に、小当たりに当選し、小当たり遊技の実行中に右打ちを行いつづけることにより、ほぼ、V入賞を発生させて大当たり遊技を実行させることが可能に構成している。つまり、第2特別図柄の抽選では、大当たりに当選した場合だけでなく、小当たりに当選した場合も実質的に大当たりが確定する構成としている。そして、本第27制御例では、通常状態において、基本的に第2特別図柄の抽選が実行された場合に極めて長い変動時間(例えば、10分間)が設定されるように構成することで第2特別図柄の抽選が実行され難く構成しておく一方で、時短状態終了後の特定回数の第2特別図柄の抽選に限り、変動時間が短くなるように構成した。これにより、時短状態終了後において特定回数分の第2特別図柄の抽選機会を確保することができる。
ここで、従来より、有利度合いが異なる複数の特別図柄(第1特別図柄、および第1特別図柄よりも有利度合いが高い第2特別図柄)を設け、不利な遊技状態の間は不利な第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(第2特別図柄の始動入賞が発生し難くなる)一方で、有利な遊技状態へと移行した場合は有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(第2特別図柄の始動入賞が発生し易くなる)制御を採用している遊技機が広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機の中には、有利状態な遊技状態における最後の変動表示の実行中に有利度合いが高い第2特別図柄の始動入賞を発生させることを促す演出を実行することで第2特別図柄の保留球を貯めさせて、有利な遊技状態における最後の第2特別図柄の抽選の抽選結果および第2特別図柄の保留球の抽選結果の中に当たりに対応する抽選結果が含まれているか否かを報知する演出を実行するものも存在する。しかしながら、本第27制御例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能な同時変動仕様を採用した場合、有利な遊技状態において第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が複数回実行される可能性も、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が全く実行されない可能性もあるため、例えば、第2特別図柄の抽選開始時に時短回数が残り1回の状態となった場合に、有利な遊技状態における最後の第2特別図柄の変動表示の可能性が高いと判断して第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を実行したにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の抽選が実行されずに時短状態が次の第2特別図柄の抽選まで継続してしまったり、逆に、例えば、第2特別図柄の抽選開始時に時短回数が比較的多く残っていた(例えば、8回等)ため、保留球を貯めさせる演出を実行しなかったにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動が頻繁に実行されて第2特別図柄の変動表示が終了するよりも前に有利な遊技状態が終了してしまったりする可能性があり、第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を適正なタイミングで実行することが困難になってしまう可能性がある。
これに対して本第27制御例では、第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口としての第2入球口640を、遊技状態によらず、右打ちをするだけで容易に遊技球が入球可能となる始動入賞口として構成した上で、通常状態では基本的に第2特別図柄の変動時間が極めて長い時間に設定されるように制御することで通常状態において有利な第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制しつつ、有利な時短状態が終了した後の特定回数の第2特別図柄の抽選のみ、変動時間を短くすることにより、時短状態の終了直後に実行された第2特別図柄の変動表示において保留球を貯めさせる演出を実行可能に構成している。このように構成することで、保留球を貯めさせる演出を確実に実行できると共に、実行中および保留されている第2特別図柄の抽選の中に当たりがあるか否かを示す一連の演出もより確実に実行することができるので、演出態様を好適に設定することができる。
この第27制御例におけるパチンコ機10が、上述した第17制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第17制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第17制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図828を参照して、本第27制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について説明する。図828は、本第27制御例における遊技盤13の正面図である。図828に示した通り、本第27制御例における遊技盤13では、第17制御例における遊技盤13(図548参照)に対して、第17制御例における第1入球口64の直下に設けられていた小当たり用可変入賞装置2650が削除されている点で相違している。また、図828に示した通り、可変表示装置ユニット80の正面視右側に形成されている流路において、上流側に普通図柄の抽選契機となるスルーゲート67が配置され、スルーゲート67の下流に電動役物64raによって開閉される右第1入球口64rが設けられている。この右第1入球口64rは、第1入球口64と同様に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口の1つとして構成されている。電動役物64raは、通常時は右第1入球口64rへと遊技球が入球し難い閉鎖位置に維持されており、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に所定期間、右第1入球口64rへと遊技球が入球可能となる開放位置に変位(可変)するように構成されている。
このため、普通図柄の当たりが発生し易い(通常状態に比較して普通図柄の当たり確率が高くなり、普通図柄の変動時間が短くなり、普通図柄の当たり時の電動役物64raの開放時間が長くなる)時短状態においては、継続して右打ちを行い続けることにより頻繁に右第1入球口64rへと遊技球が入球する。更に、図828に示した通り、右第1入球口64rの直下には、遊技球が入球可能な第2入球口640が設けられている。この第2入球口640は、第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として構成されている。右第1入球口64rと異なり、第2入球口640は、入球を妨げるものが何ら存在しないため、電動役物64raが開放され難い通常状態であっても、右打ちを行うことで容易に入球させることが可能となっている。なお、時短状態では、普通図柄の当たりとなる毎に上流側の第1入球口64aへと遊技球が入球し易い状態を形成するため、通常状態に比較すると遊技球が第2入球口640へと入球し難くなるが、時短状態における第2特別図柄の変動時間(本第27制御例では10秒間固定)の間に5個前後の遊技球が入球する設計となっているため、時短状態において継続的に右打ちを行っている場合に、第2特別図柄の保留球が0になるという事象はほぼ発生しない。よって、本第27制御例では、時短状態の間に右第1入球口64rにも第2入球口640にも頻繁に遊技球が入球するため、第1特別図柄の抽選も第2特別図柄の抽選も頻繁に実行される状態を形成する。
なお、本第27制御例では、特別図柄の大当たり確率が1/200に設定され、第2特別図柄の小当たり確率が1/20に設定されている。このため、小当たり当選し得ない第1特別図柄の抽選が実行されても1/200の確率でしか大当たりに当選しないのに対し、特別図柄の抽選で大当たりおよび実質的に大当たりが確定する小当たりのいずれにも当選し得る第2特別図柄の抽選が実行された場合は、実質的に11/200の確率で大当たりに当選する。このため、時短状態においてより多く第2特別図柄の抽選が実行されるほど、大当たりに当選する可能性が高くなる。よって、第2特別図柄の抽選がより多く実行されることを遊技者に期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図828に示した通り、本第27制御例では、V入賞装置650の下流側に対して、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置1065が配設されている。この可変入賞装置1650は、上述した第12制御例等に設けられていた可変入賞装置1065(図406参照)と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図829から図833を参照して、本第27制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図829および図830(a)を参照して、本第27制御例における大当たり遊技の実行中における演出態様について説明する。ここで、上述した通り、本第27制御例では、時短状態の終了までに実行される第2特別図柄の抽選回数の平均値が異なる複数の時短状態を設ける構成としている。より具体的には、第1特別図柄の変動時間が平均1.4秒程度に設定されるため、時短状態に移行してから平均66.8秒程度で第1の時短終了条件(第1特別図柄の抽選50回)が成立して時短状態が終了される時短状態(Eランクラッシュ)と、第1特別図柄の変動時間が平均2秒程度に設定されるため、時短状態に移行してから平均99.4秒程度で第1の時短終了条件(第1特別図柄の抽選50回)が成立して時短状態が終了される時短状態(Dランクラッシュ)と、第1特別図柄の変動時間が平均3.2秒程度に設定されるため、時短状態に移行してから平均155.3秒程度で第1の時短終了条件(第1特別図柄の抽選50回)が成立して時短状態が終了される時短状態(Cランクラッシュ)と、第1特別図柄の変動時間が平均3.8秒程度に設定されるため、時短状態に移行してから平均186.2秒程度で第1の時短終了条件(第1特別図柄の抽選50回)が成立して時短状態が終了される時短状態(Bランクラッシュ)と、第1特別図柄の変動時間が平均6.2秒程度に設定されるため、時短状態に移行してから平均302.3秒程度で第1の時短終了条件(第1特別図柄の抽選50回)が成立して時短状態が終了される時短状態(Aランクラッシュ)と、時短状態中の第1特別図柄の変動時間が必ずロング変動(250秒)となるため、時短中にほぼ第2特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる時短状態(Sランクラッシュ)と、の6つの時短状態(ラッシュのランク)が設けられている。上でも少し触れたが、本第27制御例では、第2特別図柄の変動時間が10秒間に固定化されるため、時短状態における第2特別図柄の抽選回数は、第1の時短終了条件が成立するまでの期間が長いほど多くなる。つまり、第1の時短終了条件が成立するまでの期間が長いほど大当たり期待度が高くなる。なお、第1特別図柄の大当たり、第2特別図柄の大当たり、および第2特別図柄の小当たりを全て加味すると、時短状態が開始されてから時短状態終了後、特定回数(5回)の第2特別図柄の抽選が終了するまでの間に大当たりに当選する割合は、Eランクラッシュで約59.8%、Dランクラッシュで約66.6%、Cランクラッシュで約75.6%、Bランクラッシュで約79.5%、Aランクラッシュで約89.4%、Sランクラッシュで約99.7%である。このため、大当たり終了後によりランクの高いラッシュが付与されることを一つの目的として遊技を行わせることができる。本第27制御例では、この大当たり後に付与される時短状態(ラッシュ)のランクを予め報知する演出(ランクアップ演出)を大当たりのオープニング期間の間に実行する構成としている。
図829(a)は、大当たりのオープニング演出として実行されるランクアップ演出の演出態様を示した図である。このランクアップ演出が実行されると、図829(a)に示した通り、主表示領域Dmの小表示領域Dm1に対して、今回の大当たりを報知する際に停止表示された第3図柄が縮小表示される。図829(a)では、「4」の数字を模した第3図柄揃いによって大当たりが報知された場合を例示している。また、小表示領域Dm2に対して、大当たり遊技の実行中における遊技方法を示す「右打ち」という文字が表示される。更に、主表示領域Dmにおいて、大量の敵が生息する洞窟DGから1のザコ敵のキャラクタZEが1体出現して、その出現したザコ敵のキャラクタZEと冒険者のキャラクタ801とが戦う演出が実行される。また、図829(a)に示した通り、ザコ敵のキャラクタZEを冒険者のキャラクタ801が倒すことができた場合は、討伐したザコ敵のキャラクタZEが「RANK UP」という文字が付されたランクアップ画像(ランクアップアイコン)RGをドロップする演出が実行される。また、主表示領域Dmの情報に形成された表示領域HR3に対して、これまでに獲得したランクアップ画像RGの個数を示す画像が表示される。図829(a)では、今回討伐したザコ敵のキャラクタZEがドロップしたランクアップ画像RGによって2個目のランクアップ画像RGを獲得した場合を例示している。更に、副表示領域Dsに対して、「敵を倒す毎にランクアップをストック!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、ザコ敵のキャラクタZEを討伐するほどランクアップ画像RGを多く獲得できる(ストックできる)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図829(b)は、ザコ敵のキャラクタZEと戦う演出が終了した後で実行される、ストックしたランクアップ画像RGを消費してランクを上げる演出の演出態様の一例を示した図である。ここで、本第27制御例では、ランクアップ画像RGを用いてランクを上げる対象として、ボーナスランクとラッシュランクとの2種類が設けられている。ボーナスランクは大当たりのラウンド数にリンクしており、ランクがA~Dの4種類設けられている。ボーナスランクのAランクは12ラウンドに対応し、Bランクは8ラウンドに対応し、Cランクは6ラウンドに対応し、Dランクは4ラウンドに対応している。また、上述した通り、ラッシュランクはS~Eの6種類が設けられている。
図829(b)に示した通り、ランクアップ画像RGを消費してランクを上げる演出が実行されると、表示領域HR3に表示されていたランクアップ画像RGの個数が1個減らされると共に、主表示領域Dmにおいてランクアップ画像RGが真っ二つに割れてボーナスランク若しくはラッシュランクを示す画像が出現する演出が実行される。図829(b)では、真っ二つに割れたランクアップ画像RGから「BONUS RANK」との文字が付されたボーナスランク画像BRGが出現した場合を例示している。この場合、ボーナスランクが1ランク(段階)以上上昇することを意味する。また、主表示領域Dmの右側には、現在のボーナスランクおよびラッシュランクを示す情報を表示するための表示領域HR33が形成される。図829(b)の例では、今回獲得したボーナスランク画像BRGによってボーナスランクがCランクに上昇(ランクアップ)し、ラッシュランクはEランクのままとなっている状態を例示している。更に、副表示領域Dsに対して、「ストックを消費してボーナスランク、ラッシュランクを上げろ!」との文字が表示される。これらの表示内容により、ボーナスランクおよびラッシュランクのどちらかが1ランク以上上昇する演出が、ストックされたランクアップ画像RGの個数分実行されるということを容易に理解させることができる。
なお、ランクアップの回数や各ランクがいずれのランクまでランクアップするかについては、大当たり種別によって予め定められている。例えば、大当たりのラウンド数が6ラウンドで、大当たり終了後にAランクラッシュに移行する大当たり種別(大当たりK28)の場合、オープニング演出の前半において5個のランクアップ画像を獲得し、後半においてボーナスランクが1ランク上昇してCランクとなり、ラッシュランクが4ランク上昇してAランクとなる演出が設定される。ただし、各ランクアップ画像RGを消費した場合にいずれのランクを上昇させるかについては、演出毎に抽選により決定される。例えば、ボーナスランクもラッシュランクも今回の大当たり種別に対応するランクまで上昇しきっていないうちは、ランクアップ画像RGを消費する演出の実行時に50%の割合でボーナスランクに振り分けられ、50%の割合でラッシュランクに振り分けられるように抽選される。これに対し、一方のランクが上限値まで上昇しきったあとは、上限値に未到達のランクに必ず振り分けられる。これにより、ランクアップにランダム性を持たせることができるので、いずれのランクが上昇するのかに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、1の大当たりでより多くの賞球を獲得したいと考える遊技者に対しては、ラッシュランクよりもボーナスランクにより多くのランクアップ画像RGが消費されて欲しいと願いながら遊技を行わせることができる一方で、大当たりの連チャンが発生する可能性が高くなる方がよいと考える遊技者に対しては、ボーナスランクよりもラッシュランクにより多くのランクアップ画像RGが消費されて欲しいと願いながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の好みによって、ランクアップを期待する対象が全く真逆となる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図830(a)は、ストックしたランクアップ画像RGを全て消費した後における演出態様の一例を示した図である。図830(a)に示した通り、ランクアップ画像RGを消費し終わる(ボーナスランク、ラッシュランクのランクアップが終了する)と、主表示領域Dmにおいて冒険者のキャラクタ801が剣を掲げる演出が実行されると共に、表示領域HR3に対して、「ランクアップ終了」という文字が表示される。また、副表示領域Dsには、今回報知されたボーナスランクに対応する大当たりのラウンド数、およびラッシュランクに対応するラッシュの継続率(時短終了後5回の第2特別図柄の抽選が終了するまでに大当たりとなる割合)を示す情報が表示される。図830(a)では、ボーナスランクとして6ラウンド大当たりに対応するCランクが報知され、ラッシュランクとして継続率79.5%に対応するBランクが報知された場合を例示しており、副表示領域Dsに対して、「ボーナス6ラウンドover、ラッシュ継続率79%over確定!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ボーナスランク、およびラッシュランクを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第27制御例ではボーナスランクとして、単に今回の大当たりのラウンド数にリンクしたランクを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留内に大当たりが存在する場合に、保留内の大当たりのラウンド数も加味したランクを報知する構成としてもよい。より具体的には、例えば、今回の大当たりおよび保留球を加味して、トータルのラウンド数が4ラウンドであればEランクを報知し、トータルのラウンド数が6ラウンドであればDランクを報知し、トータルのラウンド数が8ラウンドであればCランクを報知し、トータルのラウンド数が10ラウンドであればBランクを報知し、トータルのラウンド数が12ラウンドであればAランクを報知し、14ラウンド以上であればSランクを報知するように構成してもよい。また、例えば、単に保留内に大当たりが存在する場合はボーナスランクとしてSランクを報知する構成としてもよい。このように構成することで、保留内大当たりの有無も加味した演出態様を実行することができるので、演出態様を多様化することができる。また、保留内大当たりが確定する演出態様が実行された場合に、遊技者の遊技に対する興趣を大きく向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、1のザコ敵のキャラクタZEを討伐する演出が実行される毎に1のランクアップ画像RGを獲得する構成としていたが、これに限られるものではなく、1のザコ敵のキャラクタZEを討伐した場合に複数のランクアップ画像RGを獲得する演出パターンを設けてもよい。また、この場合に、討伐した場合に複数のランクアップ画像RGを獲得する期待度が高い種別の敵や、討伐および複数のランクアップ画像RGの獲得が確定する種別の敵等を設けてもよい。このように構成することで、冒険者のキャラクタ801が敵を討伐できるか否かだけでなく、出現する敵の種別にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図830(b)、図831、および図832を参照して、本第27制御例における時短状態(ラッシュ)中の特徴的な演出態様について説明する。図830(b)は、時短状態中の表示態様の一例を示した図である。図830(b)に示した通り、時短状態中は、主表示領域Dmにおける小表示領域Dm2に対して、大当たり遊技の実行中と同様に、「右打ち」という文字が表示される。これにより、遊技者に対して有利な遊技方法である右打ちをより確実に実行させることができるので、時短状態において遊技者が損をしてしまうことを抑制することができる。また、主表示領域Dmにおける比較的広い領域(画面中央部分)において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄(右図柄RD、中図柄CD、および左図柄LD)の変動表示演出を実行する。また、主表示領域Dmにおける右下部分に形成された横長略長方形形状の小表示領域Dm3に対して、今回設定されているラッシュのランクを示す情報が表示される。図830(b)では、ラッシュランクとして「Bランク」が設定されている場合を例示している。また、小表示領域Dmの左側には、第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示演出を実行するための小表示領域Dm8aが形成される。図830(b)に示した通り、小表示領域Dm8aは、第2特別図柄に対応する変動表示演出を実行するための表示領域に対して著しく小さい(遊技者が視認し難い)表示領域で構成される。これは、当たりの期待度(有利度合い)が低い第1特別図柄に対応する変動表示演出よりも、当たりの期待度(有利度合い)が高い第2特別図柄に対応する変動表示演出の方を確認したいと考える遊技者が大多数であると考えられるからである。なお、図示については省略したが、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合のみ、第1特別図柄に対応する第3図柄を第2特別図柄に対応する第3図柄よりも大きな表示領域にて表示させる構成としている。より具体的には、例えば、第1特別図柄の当たり変動の変動停止前1秒のタイミングで第1特別図柄に対応する第3図柄が拡大表示されると共に第2特別図柄に対応する第3図柄が縮小表示されて、第1特別図柄の大当たりが第2特別図柄よりも目立つ態様で報知される。このように構成することで、時短状態の間に当たり期待度が低い第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たりが発生したことを遊技者に対して確実に理解させることができる。
また、図830(b)に示した通り、小表示領域Dmは、実行中の第2特別図柄の変動表示に対応する保留図柄Dsa、および第2特別図柄保留球格納エリア203b2の保留第1~第4エリアに保留されている保留球に対応する保留図柄Dsb1~Dsb4を表示させるための小表示領域Ds1と、今回のラッシュに関する情報(継続率情報)を表示させるための小表示領域Ds2と、第1特別図柄保留球格納エリア203b1の保留第1~第4エリアに保留されている保留球に対応する保留図柄Dsc1~Dsc4を表示させるための小表示領域Ds3と、に区分けされている。図830(b)に示した通り、小表示領域Ds1の方が、小表示領域Ds3よりも広い表示領域として構成されている。これは、当たりの期待度(有利度合い)が低い第1特別図柄に対応する保留図柄よりも、当たりの期待度(有利度合い)が高い第2特別図柄に対応する保留図柄の方を確認したいと考える遊技者が大多数であると考えられるからである。
更に、主表示領域Dmにおける小表示領域Dm2に対しては、時短状態が終了するまでの残り時間の目安を示す情報(秒数のカウントダウン表示)が表示される。図830(b)では、47秒が経過することで時短状態が終了する可能性がある状況下となり、小表示領域Dm1に対して「ファイナルジャッジまで47:00」という文字が表示された場合を例示している。ここで、ファイナルジャッジとは、時短状態が終了してから最初に実行される第2特別図柄の変動表示演出の実行中(およびその後の第2特別図柄の保留消化期間中)に実行される演出であり、右打ちによって第2特別図柄の保留球を貯めることを促した後で、実行中の第2特別図柄の変動表示の抽選結果および保留されている第2特別図柄の抽選結果の中に当たり(大当たり又は小当たり)が含まれているか否かを報知する演出のことを指している。
上述した通り、本第27制御例では、基本的に、第1特別図柄の抽選が第1回数(50回)実行されることで時短終了条件が成立して時短状態が終了される。このため、本第27制御例では、時短状態が開始された後、最初に第1特別図柄の抽選が実行されたことを契機として、時短状態が終了するまでの残り時間の目安として、第1特別図柄の変動時間のうち最も短い時間(1秒間)×49回(第1回数-1回)を小表示領域Dm1に対して表示させ(つまり、「ファイナルジャッジまで49:00」という文字を表示させ)、時間の経過に伴って残り時間を更新して表示させる構成としている。言い換えれば、時短状態として最低限保証される時間(保証時間)を表示させておく構成としている。そして、第1特別図柄の変動時間の選択状況から保証時間(小表示領域Dm1に対して表示させている残り時間)に対するずれを計測(積算)しておき、ずれが所定以上積算された場合に、所定契機で残り時間を上乗せする演出(残り時間上乗せ演出)を実行する構成としている。この残り時間上乗せ演出の詳細について、図831を参照して説明する。
図831(a)および図831(b)は、残り時間上乗せ演出が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図831(a)に示した通り、残り時間上乗せ演出の実行が決定されると、主表示領域Dmの中央部分において、中図柄UGとして「上乗せ」という文字が付された特殊な第3図柄(上乗せ図柄)が停止表示される演出態様の変動表示演出が実行される。また、変動停止時に、表示領域HR3に対して、「上乗せ発生」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して時短状態が終了するまでの残り時間が上乗せされたことを容易に理解させることができる。
上乗せ図柄が停止表示された後は、図831(b)に示した通り、停止された上乗せ図柄が真っ二つに割れて上乗せされる秒数を示す画像(アイコン)が出現する演出が実行される。図831(b)の例では、20秒の上乗せを報知するための「+20」という文字が付された上乗せ秒数アイコンが出現した場合を例示している。また、上乗せ秒数アイコンが出現すると、その上乗せ秒数アイコンが示す秒数と同じ秒数が、小表示領域Dm1において表示されている時短状態終了まで(ファイナルジャッジまで)の残り秒数に加算される演出が実行される。これらの表示内容によって、時短状態が終了するまでの残り時間が上乗せされ、有利な第2特別図柄の抽選を実行する機会が多くなったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図832を参照して、本第27制御例における継続率上昇演出について説明する。この継続率上昇演出は、特に、第1特別図柄の抽選において低確率で選択される極めて長い変動時間が選択された場合に実行される可能性がある演出であり、ラッシュのランク(継続率)が上昇することを報知する演出で構成される。ここで、上述した通り、本第27制御例では、第1特別図柄の変動時間の平均値によって各ランクの継続率(時短状態中に小表示領域Dsに表示される継続率)が設定されている。よって、第1特別図柄の変動時間として平均値よりも大幅に長い変動時間が選択されると、平均値から算出される継続率に対して、実質的な継続率がアップする。よって、本第27制御例では、第1特別図柄の変動時間として長い変動時間が選択され、現在設定されているラッシュの種別(ランク)に対応する継続率よりも高いランクに対応する継続率となった場合に、ラッシュのランクを上昇させる演出(継続率上昇演出)を実行する構成としている。このように構成することで、時短状態(ラッシュ)中の状況の変化に合わせて実質的な継続率を更新して報知することができるので、遊技者に対してより正確な情報(継続率)を提供することができる。
図832(a)に示した通り、継続率上昇演出の実行が決定されると、主表示領域Dmの中央部分において、中図柄UGとして「RANK UP」という文字が付された特殊な第3図柄(ランクアップ図柄)が停止表示される演出態様の変動表示演出が実行される。また、変動停止時に、表示領域HR3に対して、「ランクアップ発生」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してラッシュのランクが上昇した(ラッシュの継続率が上昇した)ことを容易に理解させることができる。
ランクアップ図柄が停止表示された後は、図832(b)に示した通り、停止されたランクアップ図柄が真っ二つに割れてランクアップするランク数(段階数)を示す画像(アイコン)が出現する演出が実行される。図832(b)の例では、1段階のランクアップを報知するための「+1RANK」という文字が付されたランクアップアイコンRRGが出現した場合を例示している。また、ランクアップアイコンが出現すると、そのランクアップアイコンRRGが示す段階数と同じ段階数のランクアップが、小表示領域Dm3に表示されているラッシュランクに対して発生する演出が実行される。これらの表示内容によって、時短状態の継続率が上昇し、ラッシュ中に再度当たりが発生する可能性が高くなったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第27制御例では、残り時間上乗せ演出や継続率上昇演出を、第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示演出の変動表示期間に同期させて実行する構成としていたが、これに限られるものではなく、第1特別図柄の変動表示期間に同期させて実行する構成としてもよい。この場合、第1特別図柄の抽選で当たりになった場合と同様に、一時的に、第1特別図柄に対応する第3図柄の変動表示演出を、第2特別図柄に対応する変動表示演出よりも目立つ表示態様(広い表示領域)で実行するように構成してもよい。このように構成することで、残り時間上乗せ演出が発生したことを遊技者に対して確実に認識させることができる。
次に、図833を参照して、本第27制御例におけるファイナルジャッジ演出の詳細について説明する。このファイナルジャッジ演出は、上述した通り、時短状態が終了た後で実行される特定回数(5回)の第2特別図柄の変動表示期間に渡って実行される演出であり、第2特別図柄の保留球を貯めさせるために右打ちを遊技者に促す演出を実行した後で、実行中の変動表示に対応する第2特別図柄の抽選結果および第2特別図柄の保留球に対応する第2特別図柄の抽選結果の中に当たり(大当たりまたは小当たり)が少なくとも1つ含まれているか否かを報知する演出である。
図833(a)に示した通り、時短状態が終了して(即ち、小表示領域Dm1に表示されていたファイナルジャッジまでの残り秒数が0となって)ファイナルジャッジ演出が実行されると、冒険者のキャラクタ801の右側に、5つの表示領域HR34~HR38が形成される。これら5つの表示領域のうち、表示領域HR34は、実行中の第2特別図柄の変動表示の抽選結果に対応する態様の鍵の画像が表示される表示領域であり、表示領域HR35~HR38には、それぞれ第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1~第4エリアの抽選結果に対応する態様の鍵の画像が表示される表示領域である。図833(a)では、第2特別図柄の保留球が2個貯まっている状態でファイナルジャッジ演出が開始された状況を例示しており、表示領域HR34~HR36には鍵の画像が表示されている一方で、保留データが格納されていない保留第3エリアおよび保留第4エリアに対応する表示領域HR37およびHR38には鍵画像が未表示の状態となっている。このファイナルジャッジ演出において、遊技者が右打ちを行って第2入球口640へと遊技球が入球して保留球が増加する毎に、当該保留球に応じた態様の鍵の画像が追加して表示されていく。また、図833(a)に示した通り、表示領域HR3に対して、「右打ちで鍵を貯めるんだ!!」との文字が表示される。これらの表示態様により、遊技者に対して右打ちを行うことで表示領域HR34~HR38に対して鍵が貯まっていくということを容易に理解させることができる。なお、図833(a)に示した通り、ファイナルジャッジ演出の実行中は、時短状態中に「右打ち」という文字が表示されていた小表示領域Dm2が消去される。これにより、時短状態が終了して右打ちを行った場合の有利度合いが低い通常状態に移行(転落)したということを遊技者に対して示唆することができる。
ここで、表示領域HR34~HR38に表示される鍵の画像には、複数の態様が設けられている。本第27実施形態では、鍵の態様により、当たりとなる期待度を遊技者に示唆可能に構成している。より具体的には、図833(a)における表示領域HR34,HR35に示した態様(通常の態様)の鍵や、表示領域HR36に示した輝きを放つ態様が設けられている。また、図示については省略したが、通常の態様よりも大きい鍵の態様や、通常の態様よりもボロボロの態様等が設けられている。当たりとなる期待度としては、ボロボロの態様が最も期待度が低く、次いで通常の態様の期待度が低く、輝きを放つ態様は通常の態様よりも期待度が高くなり、大きい鍵の態様が最も期待度が高くなるように構成されている。これらの鍵の表示態様に応じて、遊技者に対してファイナルジャッジ演出によって当たりが報知されるか否かを予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
鍵を集める演出が終了すると、図833(b)に示した通り、冒険者のキャラクタ801が扉TGを発見する演出が実行される。また、表示領域HR3に対して、「ストックした鍵で扉を突破できれば継続確定!?」との文字が表示される。これらの表示態様により、ストックした鍵のいずれかによって扉を開くことができれば大当たり又は小当たりとなってラッシュが継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第27制御例では、抽選結果によらず、時短状態終了後、1回目の第2特別図柄の抽選に係る変動時間が30秒に設定され、2回目~5回目の第2特別図柄の抽選に係る変動時間が10秒間に設定されるように構成している。そして、1回目の第2特別図柄の変動表示が開始されてから10秒間が経過するまでの間、鍵を集める演出を実行することにより遊技者に対して第2特別図柄の保留球を貯めさせて、10秒経過時以降の変動時間で、扉TGを発見し、1個目の鍵(表示領域HR34に表示されていた鍵)を使用して扉TGを突破しようとする演出が実行される。1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れの場合は、1個目の鍵で扉TGの突破に失敗する演出が実行され、以降は、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が実行される毎に、変動時間の10秒間の間に、対応する鍵を用いて扉TGの突破に挑戦する演出を実行する。そして、いずれかの第2特別図柄の抽選で当たり(大当たり又は小当たり)に当選していた場合は、対応する鍵を用いて扉TGを突破する演出が実行され、当たりが報知される。
このように、本第27制御例では、不利な通常状態においても、右打ちを行うことで有利な第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口としての第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な盤面構成を前提として、通常状態においては基本的に第2特別図柄の変動時間を極めて長い変動時間に設定しておき、時短状態終了後の特定回数の第2特別図柄の抽選に限り、第2特別図柄の変動時間として比較的短い時間(30秒又は10秒)を設定する構成としている。そして、時短状態終了後の1回目の第2特別図柄の変動表示演出の前半10秒間において右打ちにより第2特別図柄の保留球を貯めることを促す演出を実行し、1回目の第2特別図柄の変動表示演出の後半および時短状態終了後2回目~5回目の第2特別図柄の変動表示演出において当否を報知する演出を実行する構成としている。つまり、一般的に、右打ちを行うことで不利となる遊技状態で構成される通常状態において、右打ちを促して第2特別図柄の保留球を貯めさせるという極めて特殊な演出態様の演出を実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、時短状態終了後に、特定回数の第2特別図柄の抽選をほぼ確実に(右打ちを促されているにもかかわらず右打ちを行わない等の特殊な遊技方法を遊技者が故意に採用しない限り)保証することができる。
ここで、従来より、有利度合いが異なる複数の特別図柄(第1特別図柄、および第1特別図柄よりも有利度合いが高い第2特別図柄)を設け、不利な遊技状態の間は不利な第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(第2特別図柄の始動入賞が発生し難くなる)一方で、有利な遊技状態へと移行した場合は有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(第2特別図柄の始動入賞が発生し易くなる)制御を採用している遊技機が広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機の中には、有利状態な遊技状態における最後の変動表示の実行中に有利度合いが高い第2特別図柄の始動入賞を発生させることを促す演出を実行することで第2特別図柄の保留球を貯めさせて、有利な遊技状態における最後の第2特別図柄の抽選の抽選結果および第2特別図柄の保留球の抽選結果の中に当たりに対応する抽選結果が含まれているか否かを報知する演出を実行するものも存在する。しかしながら、本第27制御例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能な同時変動仕様を採用した場合、有利な遊技状態において第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が複数回実行される可能性も、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が全く実行されない可能性もあるため、例えば、第2特別図柄の抽選開始時に時短回数が残り1回の状態となった場合に、有利な遊技状態における最後の第2特別図柄の変動表示の可能性が高いと判断して第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を実行したにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の抽選が実行されずに時短状態が次の第2特別図柄の抽選まで継続してしまったり、逆に、例えば、第2特別図柄の抽選開始時に時短回数が比較的多く残っていた(例えば、8回等)ため、保留球を貯めさせる演出を実行しなかったにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動が頻繁に実行されて第2特別図柄の変動表示が終了するよりも前に有利な遊技状態が終了してしまったりする可能性があり、第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を適正なタイミングで実行することが困難になってしまう可能性がある。
これに対して本第27制御例では、時短状態終了後、1回目の第2特別図柄の抽選に係る変動時間を固定化しているので、時短状態終了後第2特別図柄の保留球を貯めさせる期間を確保することができる。よって、遊技者が演出内容に従って遊技を行うことにより、確実に、第2特別図柄の保留球を上限個数分(4個)貯めさせることができるので、ファイナルジャッジ演出を好適に実行することができる。
なお、本第27制御例では、時短状態の終了後(即ち、通常状態への移行直後)、5回の第2特別図柄の変動表示期間に渡ってファイナルジャッジ演出の実行を設定し、1回目の第2特別図柄の変動表示期間の間に右打ちにより第2特別図柄の保留球を貯めることを示唆する演出を実行する構成としていたが、ファイナルジャッジ演出の開始タイミング、および実行期間(第2特別図柄の変動回数)は、これに限られるものではなく、任意に定めることができる。具体的には、例えば、より少ない期間(例えば、時短状態終了後、4回や2回の第2特別図柄の変動表示期間の間)でファイナルジャッジ演出を実行する構成とする構成としてもよいし、多い期間でファイナルジャッジ演出を実行する構成としてもよい。言い換えれば、時短終了後1変動時用テーブル202dw8(図839(b)参照)や時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9を参照する第2特別図柄の抽選回数を変更する(通常用変動パターンシナリオテーブル202waの規定内容を変更する)ことで、通常状態において第2特別図柄の変動時間が短くなる範囲(期間)を任意に変更してもよい。期間を少なくすることで、時短状態が終了した後で有利な第2特別図柄の抽選で当たり(大当たり又は小当たり)に当選する可能性を低くすることができるし、多い期間とすることで、第2特別図柄の抽選で当たり(大当たり又は小当たり)に当選する可能性を高くすることができるので、ラッシュのランク毎の継続率(ファイナルジャッジ演出が終了するまでに大当たりとなる可能性)を調節することができる。
また、本第27制御例では、大当たり終了後、1回目の第2特別図柄の抽選に基づく変動表示演出の実行中に、右打ちにより第2特別図柄の保留球を貯めることを遊技者に示唆する演出を実行する構成としていたが、時短状態が終了する前から、右打ちにより第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を実行してもよい。具体的には、例えば、時短状態の残りの抽選回数が10回以内となった後で実行された第2特別図柄の抽選から、時短状態が終了するまでの間、毎回の第2特別図柄の変動表示(つまり、時短回数内の複数の第2特別図柄の変動表示)において第2特別図柄の保留を貯めるように促す演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態の終了タイミングによらず、時短状態において最後に実行された第2特別図柄の変動表示演出の実行中に第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を実行することができる。また、この具体例のように複数回の第2特別図柄の変動表示に渡って遊技者に対して右打ちを促す同系統の演出を実行する場合は、保留球が上限個数の状態をキープすることを促す演出内容としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して保留が常に上限個数(4個)となるように注意して遊技を行わせることができるので、ファイナルジャッジ演出の演出期間の途中で保留球が0になってしまうことを抑制することができる。
次に、図834を参照して、本第27制御例における大当たり当選からラッシュ終了までに渡る演出態様の経時変化について説明する。図834は、大当たり当選後の演出態様の経時変化を示したタイムチャートである。図834に示した通り、大当たり遊技の開始に伴って大当たりのオープニング期間が開始されると、オープニング演出としてランクアップ演出(図829、図830(a)参照)が実行される。ランクアップ演出によりボーナスランク(大当たりのラウンド数)およびラッシュランク(大当たり終了後の時短状態の継続率)を報知し終わってオープニング期間が終了すると、大当たりの1ラウンド目が開始されると共に大当たり演出が実行される。そして、大当たりが終了して時短状態の開始タイミングになると、大当たり演出が終了されると共にラッシュ中演出(図830(b)参照)が開始される。時短状態(ラッシュ)においては、第1特別図柄の変動時間の選択状況に応じて、残り時間上乗せ演出(図831参照)や、継続率上昇演出(図832参照)等が発生する可能性がある。そして、時短状態中に当たり(大当たり又は小当たり)に当選せずに時短状態の終了条件(第1特別図柄の50回目の抽選が実行された場合に成立する第1の終了条件と、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが合計で100回実行された場合に成立する第2の終了条件と、のいずれか)が成立し、その成立時点で実行されていた(若しくは終了条件の成立契機となった)第2特別図柄の変動表示が終了すると、時短状態が終了されることに伴ってラッシュ中演出が終了され、ファイナルジャッジ演出(図833参照)が開始される。ファイナルジャッジ演出の演出期間の間に実行される5回の第2特別図柄の抽選において当たりに当選しなかった場合は、全ての鍵を用いても扉TGを突破することができない演出が実行される。そして、時短状態終了後、5回の第2特別図柄の抽選が終了してファイナルジャッジ演出の演出期間が終了すると、通常状態用の演出態様に切り替わる。
なお、本第27制御例では、大当たりのラウンド数(ボーナスランク)および大当たり終了後の時短状態の有利度合い(ラッシュランク)を報知するランクアップ演出を、大当たりのオープニング期間において実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりのラウンド遊技の実行中に実行してもよいし、インターバル期間中に実行してもよい。また、ボーナスランクの報知とラッシュランクの報知とは必ずしも1のランクアップ演出でまとめて報知する必要はなく、別々の演出で報知する構成としてもよい。より具体的には、例えば、ボーナスランク(大当たりのラウンド数)は大当たりの4ラウンド目までの間の任意のタイミングで報知する構成とし、ラッシュランク(時短状態の継続率)は大当たりのエンディング期間や時短状態(ラッシュ)移行後の特定回数(例えば、1回目や5回目)の第2特別図柄の抽選に係る変動表示演出中に報知する構成としてもよい。
本第27制御例では、ランクアップ演出によって大当たり図柄に対応するボーナスランクおよびラッシュランクを必ず報知する構成としていたが、所定の割合で実際よりも低いランクを報知する構成としてもよい。そして、ランクアップ演出において実際よりも低いランクを報知した場合は、予め定められた報知タイミングで実際のランクにランクアップする演出を実行する構成としてもよい。予め定められた報知タイミングとしては、例えば、ランクアップ演出においてボーナスランクを低めに報知した場合は、報知されたランクに対応する最終ラウンド(Bランクであれば8ラウンド目、Cランクであれば6ラウンド目、Dランクであれば4ラウンド目)に実際のランクにランクアップする演出を発生させる構成としてもよい。また、例えば、ランクアップ演出においてラッシュランクを低めに報知した場合は、大当たりの最終ラウンドや、大当たりのエンディング期間、大当たり終了後特定回数目(例えば、1回目)の第2特別図柄の変動表示期間中等に実際のランクにランクアップする演出を発生させる構成としてもよい。このように構成することで、ランクアップ演出において低いランクが報知されたとしても、その後に更にランクアップが発生することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができると共に、演出態様を多様化させることができる。
本第27制御例では、継続率上昇演出(図832参照)において、ランクアップの発生を報知する際に、1の第2特別図柄の変動表示演出において対応するランクまでのランクアップを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、複数段階のランクアップを報知する場合は、複数の第2特別図柄の変動表示演出に渡って段階的に(例えば、1変動で1段階ずつ)ランクアップを報知する構成としてもよい。このように構成することで、複数の変動表示に渡ってより高いランクへと上昇する期待感を持続的に抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、段階的に報知する場合は、必ずしも複数変動に渡ってランクを報知する必要はなく1変動内でランクを段階的に上昇させる演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、ランクアップ画像RGが真っ二つに割れて本来のランクよりも低いランクへのランクアップを示すランクアップアイコンRRGが出現する演出を実行した後で、当該ランクアップアイコンRRGが真っ二つに割れて、より高いランクを示すランクアップアイコンRRGが出現する演出を実行する。そして、以降は、実際のランクへのランクアップが報知されるまで、直前に出現したランクアップアイコンRRGによって示されるランクよりも高いランクを示すランクアップアイコンRRGが、直前に出現したランクアップアイコンRRGの中から出現する演出を繰り返すことにより、段階的にランクを報知する構成としてもよい。このように構成することで、より高いランクへと上昇する期待感を持続的に抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、継続率上昇演出(図832参照)において、ランクアップ画像RGが真っ二つに割れて出現するランクアップアイコンRRGの種別(記載されている文字)によってランクの上昇数(ランクアップ数)を報知する構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、ランクアップ画像RGの表示態様(例えば、色や大きさ等)、ランクアップ画像RGの割れ方等によって、出現するランクアップアイコンRRGの種別を示唆可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、ランクアップ画像RGの種別として、白色のランクアップ画像RG、赤色のランクアップ画像、および通常よりも大きいサイズの赤色のランクアップ画像を設ける構成とし、赤色のランクアップ画像が停止表示された場合は、白色のランクアップ画像RGが停止表示された場合よりも、複数段階のランクアップが報知される可能性が高くなるように構成してもよい。また、通常よりも大きいサイズの赤色のランクアップ画像は、複数段階のランクアップが報知される場合にのみ、選択され得るように構成してもよい。また、ランクアップ画像RGの割れ方として、真っ二つに割れる割れ方の他に、4つに割れる割れ方や、粉々に砕け散る割れ方を設ける構成とし、4つに割れる割れ方の場合は真っ二つに割れる割れ方よりも複数段階のランクアップが報知される可能性が高くなるように構成してもよい。また、粉々に砕け散る割れ方の場合はAランク以上へのランクアップが確定するように構成してもよい。このように構成することで、ランクアップアイコンRRGの種別のみならず、ランクアップアイコンRRGが出現する前の演出態様にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第27制御例における電気的構成>
次に、図835(a)を参照して、本第27制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図835(a)に示した通り、本第27制御例におけるROM202は、上述した第17制御例におけるROM202の構成(図552参照)に対して、第1当たり乱数12テーブル202kaに代えて第1当たり乱数27テーブル202awが設けられている点、大当たり種別選択17テーブル202qbに代えて大当たり種別選択テーブル202bwが設けられている点、第2当たり乱数17テーブル202qcに代えて第2当たり乱数27テーブル202cwが設けられている点、小当たり乱数17テーブル202qeに代えて小当たり乱数27テーブル202ewが設けられている点、変動パターンシナリオテーブル202qjに代えて通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waが設けられている点で相違している。また、第17制御例における小当たり種別選択17テーブル202qf、開放シナリオ7テーブル202fg、時短当たり乱数17テーブル202qh、時短当たり種別選択テーブル202qiが削除されている点でも相違している。なお、その他の構成については、上述した第17制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図836(a)を参照して、本第27制御例における第1当たり乱数27テーブル202awの詳細について説明する。この第1当たり乱数27テーブル202awは、上述した第17制御例における第1当たり乱数12テーブル202ka等と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されているデータテーブルである。図836(a)は、第1当たり乱数27テーブル202awの規定内容を示した図である。図836(a)に示した通り、本第27制御例では、特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、特別図柄の種別によらず、「0~4」の5個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。本第27制御例における第1当たり乱数カウンタC1は、「0~999」の1000個の値を取り得るループカウンタで構成されているので、本第27制御例において特別図柄の抽選が実行された場合に直接大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも1/200(5/1000)である。
次に、図836(b)を参照して、本第27制御例における第2当たり乱数27テーブル202cwの詳細について説明する。この第2当たり乱数27テーブル202cwは、上述した第17制御例における第2当たり乱数17テーブル202qc等と同様に、普通図柄の抽選が実行された場合に普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4の値)が規定されているデータテーブルである。
図836(b)に示した通り、本第27制御例における第2当たり乱数27テーブル202cwには、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)として「0」1個のみが対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~299」の300個の乱数値(カウンタ値)のうち、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1個なので、普通図柄の低確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は1/300である。また、図836(b)に示した通り、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)として「0~298」の299個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る「0~299」の300個の乱数値(カウンタ値)のうち、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が299個なので、普通図柄の高確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は299/300である。このように、本第27制御例では、普通図柄の低確率状態に設定される通常状態ではほとんど普通図柄の当たりに当選しない一方で、普通図柄の高確率状態に設定される時短状態では、ほぼ普通図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の当たりに当選するので、時短状態における優位性を高めることができる。
次に、図836(c)を参照して、本第27制御例における小当たり乱数27テーブル202ewの詳細について説明する。この小当たり乱数27テーブル202ewは、上述した第17制御例における小当たり乱数17テーブル202qe等と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されているデータテーブルである。図836(c)に示した通り、本第27制御例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が第2特別図柄に対してのみ対応付けられており、その値の範囲は「5~54」である。第1当たり乱数カウンタC1が取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「5~54」の50個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は1/20(50/1000)である。
次に、図836(d)および図837を参照して、本第27制御例における大当たり種別選択27テーブル202bwの詳細について説明する。図示については省略したが、本第27制御例における大当たり種別選択27テーブル202bwは、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に大当たり種別を特定するために参照される直当たり用テーブル202bw1と、小当たり遊技の実行中にV入賞が発生したことで大当たりに当選した場合に大当たり種別を特定するために参照されるV当たり用テーブル202bw2と、で少なくとも構成されている。まず、図836(d)を参照して、直当たり用テーブル202bw1の詳細について説明する。
図836(d)は、本第27制御例における直当たり用テーブル202bw1の規定内容を示した図である。図836(d)に示した通り、この直当たり用テーブル202bw1には、特別図柄の種別毎に、選択され得る大当たり種別と、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲と、が対応付けて規定されている。より具体的には、図836(d)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して「大当たりA27」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して「大当たりB27」が対応付けて規定されている。「大当たりA27」は、ラウンド数が12ラウンドに設定され、大当たり終了後の時短状態としてSランクの時短状態(ラッシュ)が設定される大当たり(12ラウンド継続率Sランク大当たり)である。また、「大当たりB27」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の時短状態としてEランクの時短状態が設定される大当たり(4ラウンド継続率Eランク大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりA27」、「大当たりB27」に対応付けられている乱数値はそれぞれ5個および95個であるため、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA27」が決定される割合は5%(5/100)となり、「大当たりB27」が決定される割合は95%(95/100)となる。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、ほぼ、ラウンド数が最も少なく、継続率(ラッシュランク)が最も低い大当たり種別(大当たりB27)が決定されるため、第1特別図柄の抽選は遊技者にとって有利度合いが低い抽選である。
また、図836(d)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC27」が対応付けて規定されている。この「大当たりC27」は、大当たりのラウンド数が12ラウンドに設定され、大当たり終了後の時短状態としてSランクの時短状態(ラッシュ)が設定される大当たり(12ラウンド継続率Sランク大当たり)である。つまり、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、ラウンド数が最も多く、継続率が最も高い大当たり種別が必ず決定されるため、第2特別図柄の抽選は遊技者にとって有利度合いが高い抽選である。
次に、図837を参照して、上述したV当たり用テーブル202bw2の詳細について説明する。図837は、このV当たり用テーブル202bwの規定内容を示した図である。図837に示した通り、このV当たり用テーブル202bwには、「大当たりD27」~「大当たりP27」の13種類の大当たり種別に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けて規定されている。
より具体的には、図837に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対して、「大当たりD27」(12ラウンド継続率Sランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「1~39」の範囲に対して、「大当たりE27」(12ラウンド継続率Aランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「40~42」の範囲に対して、「大当たりF27」(12ラウンド継続率Bランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「43,44」の範囲に対して、「大当たりG27」(12ラウンド継続率Cランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「45~49」の範囲に対して、「大当たりH27」(12ラウンド継続率Dランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~52」の範囲に対して、「大当たりI27」(8ラウンド継続率Aランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「53,54」の範囲に対して、「大当たりJ27」(8ラウンド継続率Bランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「55~57」の範囲に対して、「大当たりK27」(6ラウンド継続率Aランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「58,59」の範囲に対して、「大当たりL27」(6ラウンド継続率Bランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~64」の範囲に対して、「大当たりM27」(4ラウンド継続率Aランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「65~69」の範囲に対して、「大当たりN27」(4ラウンド継続率Bランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「70~79」の範囲に対して、「大当たりO27」(4ラウンド継続率Cランク大当たり)が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲に対して、「大当たりP27」(4ラウンド継続率Dランク大当たり)が対応付けて規定されている。
つまり、第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値のうち、「大当たりD27」に対応付けられている乱数値が1個であり、「大当たりE27」に対応付けられている乱数値が39個であり、「大当たりF27」に対応付けられている乱数値が3個であり、「大当たりG27」に対応付けられている乱数値が2個であり、「大当たりH27」に対応付けられている乱数値が5個であり、「大当たりI27」に対応付けられている乱数値が3個であり、「大当たりJ27」に対応付けられている乱数値が2個であり、「大当たりK27」に対応付けられている乱数値が3個であり、「大当たりL27」に対応付けられている乱数値が2個であり、「大当たりM27」に対応付けられている乱数値が5個であり、「大当たりN27」に対応付けられている乱数値が5個であり、「大当たりO27」に対応付けられている乱数値が10個であり、「大当たりP27」に対応付けられている乱数値が20個である。よって、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選してV入賞が発生した場合に大当たり種別として「大当たりD27」が決定される割合は1%であり、「大当たりE27」が決定される割合は39%であり、「大当たりF27」が決定される割合は3%であり、「大当たりG27」が決定される割合は2%であり、「大当たりH27」が決定される割合は5%であり、「大当たりI27」が決定される割合は3%であり、「大当たりJ27」が決定される割合は2%であり、「大当たりK27」が決定される割合は3%であり、「大当たりL27」が決定される割合は2%であり、「大当たりM27」が決定される割合は5%であり、「大当たりN27」が決定される割合は5%であり、「大当たりO27」が決定される割合は10%であり、「大当たりP27」が決定される割合は20である。
このように、本第27制御例では、小当たり遊技においてV入賞が発生した場合に決定される大当たり種別として、13種類の大当たり種別が設けられ、ラウンド数とラッシュ継続率との組み合わせが多岐に渡っているので、時短状態において第2特別図柄の抽選で小当たりに当選してV入賞が発生した場合に、ランクアップ演出によって報知される大当たり種別をランクアップ画像RGの獲得個数等から予測し難くすることができる。よって、ランクアップ画像RGを消費する演出が実行される毎に、ボーナスランクとラッシュランクのうちいずれのランクが上昇するのかについてより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図838(a)を参照して、本第27制御例における変動パターン27テーブル202dwの詳細について説明する。図838(a)は、本第27制御例における変動パターン27テーブル202dwの構成を示したブロック図である。図838(a)に示した通り、本第27制御例における変動パターン27テーブル202dwは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202dw1と、Sランクのラッシュ(時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるSランク用テーブル202dw2と、Aランクのラッシュ(時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるAランク用テーブル202dw3と、Bランクのラッシュ(時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるBランク用テーブル202dw4と、Cランクのラッシュ(時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるSランク用テーブル202dw5と、Dランクのラッシュ(時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるSランク用テーブル202dw6と、Eランクのラッシュ(時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるSランク用テーブル202dw7と、通常状態で、且つ、時短終了後1回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短終了後1変動時用テーブル202dw8と、通常状態で、且つ、時短終了後1回目の第2特別図柄の抽選が終了してから時短終了後5回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9と、の9種類のデータテーブルで構成されている。このうち、通常用テーブル202dw1については、上述した第17制御例(および第12制御例)における通常状態用変動パターン12テーブル202kd1(図414参照)と同一の規定内容(第1特別図柄の抽選では抽選結果に応じて7秒~140秒の範囲の変動時間が選択される一方で、第2特別図柄の抽選では600秒の変動時間が必ず選択される規定内容)となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図838(b)を参照して、Sランク用テーブル202dw2の詳細について説明する。図838(b)は、Sランク用テーブル202dw2の規定内容を示した図である。図838(b)に示した通り、Sランク用テーブル202dw2には、第1特別図柄に対しても、第2特別図柄に対しても、抽選結果によらず固定の変動時間が対応付けて規定されている。具体的には、第1特別図柄に関して、抽選結果が外れの場合も大当たりの場合も、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が250000ms(250秒)の変動パターン(外れロング変動、当たりロング変動)が対応付けて規定されている。また、第2特別図柄に関して、抽選結果が外れの場合も大当たりの場合も、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が10000ms(10秒)の変動パターン(外れショート変動、当たりショート変動)が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、Sランクのラッシュ(大当たりA27,C27,D27の終了後に設定される時短状態)では、不利な(実質的な当たり確率が低い)第1特別図柄の抽選が実行される毎に250秒間という極めて長い変動時間が選択される一方で、有利な第2特別図柄の抽選が実行される毎に10秒間という250秒に比較して短い変動時間が設定されるため、第1特別図柄の長い変動時間の間に有利な(実質的な当たり確率が高い)第2特別図柄の抽選を複数回(25回前後)実行させることができる。つまり、時短状態における第2特別図柄の抽選回数を極めて多くすることができるので、時短状態および時短状態終了後、特定回数の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間における大当たり期待度が極めて高くなる状態を形成する。具体的には、Sランクのラッシュで当たり(大当たり又は実質的に大当たり確定の小当たり)に当選する割合(継続率)は99.7%である。よって、Sランクのラッシュが選択された場合には、ほぼ次の大当たりが確定しているに等しい状況となるため、Sランクの時短状態が設定された場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図839(a)を参照して、本第27制御例におけるAランク用テーブル202dw3の詳細について説明する。このAランク用テーブル202dw3は、上述した通り、Aランクの時短状態(ラッシュ)において特別図柄の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。図839(a)に示した通り、Aランク用テーブル202dw3には、第1特別図柄の外れ時の変動パターンとして、外れ時短用変動A~E、外れロング変動の6種類の変動パターンが規定されている。具体的には、第1特別図柄の外れ時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の外れ時短用変動Aが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「140~310」の範囲に対して、変動時間が3000ms(3秒間)の外れ時短用変動Bが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「311~481」の範囲に対して、変動時間が5000ms(5秒間)の外れ時短用変動Cが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「482~742」の範囲に対して、変動時間が7000ms(7秒間)の外れ時短用変動Dが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「743~998」の範囲に対して、変動時間が10000ms(10秒間)の外れ時短用変動Eが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「999」に対して、変動時間が250000ms(250秒間)の外れロング変動が対応付けて規定されている。一方で、第1特別図柄の当たり時の変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動パターンとして変動時間が10000ms(10秒間)の当たり時短用変動Eが対応付けて規定されている。また、第2特別図柄の変動時間に関しては、Sランク用テーブル202dw2と共通しており、抽選結果によらず10秒間が設定される。
これらの規定内容により、Aランクのラッシュにおいて第1特別図柄の抽選が実行され、199/200の確率の外れとなった場合に、14.0%(140/1000)の割合で変動時間が1秒間に設定され、17.1%(171/1000)の割合で変動時間が3秒間に設定され、17.1%(171/1000)の割合で変動時間が5秒間に設定され、26.1%(261/1000)の割合で変動時間が7秒間に設定され、25.6%(256/1000)の割合で変動時間が10秒間に設定され、0.1%(1/10000)の割合で変動時間が250秒間に設定される。一方、第1特別図柄の抽選が実行され、1/200の確率の大当たりとなった場合は、必ず10秒間の変動時間に設定される。これらを合算すると、第1特別図柄の変動時間の平均値は6.17秒となり、第1の終了条件が成立する(時短状態が開始されてから50回目の第1特別図柄の抽選が実行される)までの平均時間は302.3秒となる。このため、時短状態の間に第2特別図柄の変動表示を平均30.2回実行させることができるため、ファイナルジャッジ演出用の5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、35.2回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。
なお、Bランク用テーブル202dw4~Eランク用テーブル202dw7に関しては、Aランク用テーブル202dw3に対して外れ時短用変動A~外れ時短用変動Eの振り分けが異なっている点で相違しているのみであるため、その詳細な規定内容の説明については省略し、ランク毎の変動時間の振り分けや第1特別図柄の平均変動時間、継続率等を表した図840(b)を参照して、各ランクの性能のみについてまとめて説明する。
図840(b)は、各ランクのラッシュ性能を示した図である。図840(b)に示した通り、Sランク用テーブル202dw2が参照されるSランクラッシュにおいては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、100%の割合で250秒間の変動時間が設定されるため、基本的に、第2の終了条件(第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが合計で100回実行される条件)の成立によって時短状態が終了される。Sランクのラッシュでは、第1特別図柄の変動時間が250秒、第2特別図柄の変動時間が10秒間で固定化されているので、時短状態終了(第2の終了条件成立)までの各特別図柄の変動回数は、ほぼ、第1特別図柄が4回、第2特別図柄が96回となる。このため、ファイナルジャッジ演出中に実行可能な5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに101回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。よって、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに再度大当たりが発生する割合は、第1特別図柄が2.0%(4回以内に1/200の大当たりに当選する割合)、第2特別図柄が99.7%(101回以内に合算11/200の大当たりまたは小当たりに当選する割合)となり、第1特別図柄と第2特別図柄を合算すると、99.7%の割合で何らかの当たりに当選する。
また、図840(b)に示した通り、Aランク用テーブル202dw3が参照されるAランクラッシュにおいては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に13.9%の割合で1秒間の変動時間が選択され、17%の割合で3秒間の変動時間が選択され、17%の割合で5秒間の変動時間が選択され、26%の割合で7秒間の変動時間が選択され、26%の割合で10秒間の変動時間が選択され、0.1%の割合で250秒間の変動時間が選択されるようにAランク用テーブル202dw3が構成されているので、第1特別図柄の平均変動時間が6.17秒となり、第1特別図柄の50回目の抽選が実行されるまで(第1特別図柄の49回の変動表示が終了するまで)の平均時間(即ち、第1の終了条件が成立するまでの平均時間)が302.3秒間(6.17秒×49回)となる。よって、ファイナルジャッジ演出中に実行可能な5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに平均で35.2回(302.3秒/10秒+5回)の第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに再度大当たりが発生する割合は、第1特別図柄が22.2%(50回以内に1/200の大当たりに当選する割合)、第2特別図柄が86.4%(35.2回以内に合算11/200の大当たりまたは小当たりに当選する割合)となり、第1特別図柄と第2特別図柄を合算すると、89.4%の割合で何らかの当たりに当選する。
また、図840(b)に示した通り、Bランク用テーブル202dw4が参照されるBランクラッシュにおいては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に53.9%の割合で1秒間の変動時間が選択され、10%の割合で3秒間の変動時間が選択され、10%の割合で5秒間の変動時間が選択され、13%の割合で7秒間の変動時間が選択され、13%の割合で10秒間の変動時間が選択され、0.1%の割合で250秒間の変動時間が選択されるようにBランク用テーブル202dw4が構成されているので、第1特別図柄の平均変動時間が3.8秒となり、第1特別図柄の50回目の抽選が実行されるまで(第1特別図柄の49回の変動表示が終了するまで)の平均時間(即ち、第1の終了条件が成立するまでの平均時間)が186.2秒間(3.8秒×49回)となる。よって、ファイナルジャッジ演出中に実行可能な5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに平均で23.6回(186.2秒/10秒+5回)の第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに再度大当たりが発生する割合は、第1特別図柄が22.2%(50回以内に1/200の大当たりに当選する割合)、第2特別図柄が73.7%(23.6回以内に合算11/200の大当たりまたは小当たりに当選する割合)となり、第1特別図柄と第2特別図柄を合算すると、79.5%の割合で何らかの当たりに当選する。
また、図840(b)に示した通り、Cランク用テーブル202dw5が参照されるCランクラッシュにおいては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に65.9%の割合で1秒間の変動時間が選択され、7%の割合で3秒間の変動時間が選択され、7%の割合で5秒間の変動時間が選択され、10%の割合で7秒間の変動時間が選択され、10%の割合で10秒間の変動時間が選択され、0.1%の割合で250秒間の変動時間が選択されるようにCランク用テーブル202dw5が構成されているので、第1特別図柄の平均変動時間が3.17秒となり、第1特別図柄の50回目の抽選が実行されるまで(第1特別図柄の49回の変動表示が終了するまで)の平均時間(即ち、第1の終了条件が成立するまでの平均時間)が155.3秒間(3.17秒×49回)となる。よって、ファイナルジャッジ演出中に実行可能な5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに平均で20.5回(155.3秒/10秒+5回)の第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに再度大当たりが発生する割合は、第1特別図柄が22.2%(50回以内に1/200の大当たりに当選する割合)、第2特別図柄が68.7%(20.5回以内に合算11/200の大当たりまたは小当たりに当選する割合)となり、第1特別図柄と第2特別図柄を合算すると、75.6%の割合で何らかの当たりに当選する。
また、図840(b)に示した通り、Dランク用テーブル202dw6が参照されるDランクラッシュにおいては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に85.9%の割合で1秒間の変動時間が選択され、3%の割合で3秒間の変動時間が選択され、3%の割合で5秒間の変動時間が選択され、4%の割合で7秒間の変動時間が選択され、4%の割合で10秒間の変動時間が選択され、0.1%の割合で250秒間の変動時間が選択されるようにDランク用テーブル202dw6が構成されているので、第1特別図柄の平均変動時間が2.03秒となり、第1特別図柄の50回目の抽選が実行されるまで(第1特別図柄の49回の変動表示が終了するまで)の平均時間(即ち、第1の終了条件が成立するまでの平均時間)が99.4秒間(2.03秒×49回)となる。よって、ファイナルジャッジ演出中に実行可能な5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに平均で14.9回(99.4秒/10秒+5回)の第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに再度大当たりが発生する割合は、第1特別図柄が22.2%(50回以内に1/200の大当たりに当選する割合)、第2特別図柄が57.1%(14.9回以内に合算11/200の大当たりまたは小当たりに当選する割合)となり、第1特別図柄と第2特別図柄を合算すると、66.6%の割合で何らかの当たりに当選する。
更に、図840(b)に示した通り、Eランク用テーブル202dw7が参照されるEランクラッシュにおいては、第1特別図柄の抽選が実行された場合に98.9%の割合で1秒間の変動時間が選択され、0.5%の割合で3秒間の変動時間が選択され、0.5%の割合で5秒間の変動時間が選択され、0.5%の割合で7秒間の変動時間が選択され、0.5%の割合で10秒間の変動時間が選択され、0.1%の割合で250秒間の変動時間が選択されるようにEランク用テーブル202dw7が構成されているので、第1特別図柄の平均変動時間が1.36秒となり、第1特別図柄の50回目の抽選が実行されるまで(第1特別図柄の49回の変動表示が終了するまで)の平均時間(即ち、第1の終了条件が成立するまでの平均時間)が66.8秒間(1.36秒×49回)となる。よって、ファイナルジャッジ演出中に実行可能な5回分の第2特別図柄の抽選も加味すると、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに平均で11.7回(66.8秒/10秒+5回)の第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、ファイナルジャッジ演出が終了するまでに再度大当たりが発生する割合は、第1特別図柄が22.2%(50回以内に1/200の大当たりに当選する割合)、第2特別図柄が48.4%(11.7回以内に合算11/200の大当たりまたは小当たりに当選する割合)となり、第1特別図柄と第2特別図柄を合算すると、59.8%の割合で何らかの当たりに当選する。
このように、本第27制御例では、ラッシュ(時短状態)の種別(時短状態の設定契機となった大当たり種別)毎に、時短状態中に参照する変動パターンテーブルを異ならせることで、第1特別図柄の外れ時における各変動時間の選択割合を異ならせ、時短状態が終了するまでの平均時間をラッシュ種別毎に異ならせる構成としている。つまり、ラッシュ(時短状態)の終了までに実行可能な第2特別図柄の抽選回数の平均値をラッシュ種別毎に異ならせることで、ファイナルジャッジ演出が終了するまでの間に再度何らかの当たり(大当たり又は小当たり)に当選する割合(ラッシュ継続率)をラッシュの種別毎に異ならせる構成としている。これにより、性能の異なる複数のラッシュを実現することができるので、ラッシュの種別に応じて遊技性を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、図840(b)に示したランク毎のラッシュ終了までに何らかの当たりに当選する割合(ランク毎の大当たり発生期待度)は、時短状態において右打ちを行い続けることを前提とした割合であり、左打ち行った場合には、図840(b)に示した割合から著しく低下することを付言しておく。即ち、左打ちを行い続けた場合は、右第1入球口64rにも第2入球口640にも遊技球が入球不可能(困難)となり、特別図柄の抽選は、ほぼ、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選となる。このため、時短状態が第1の終了条件の成立に基づいて終了されるので、大当たりとなる期待度はランクによらず22.2%(50回以内に1/200の大当たりに当選する割合)となる。即ち、右打ちを行う場合に比較して、極めて低い割合でしか大当たりに当選できない不利な遊技方法となる。
図839に戻って変動パターン27テーブル202dwの説明を続ける。図839(b)は、時短終了後1変動時用テーブル202dw8の規定内容を示した図である。この時短終了後1変動時用テーブル202dw8は、上述した通り、通常状態で、且つ、時短終了後1回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間参照されるデータテーブルである。図839(b)に示した通り、この時短終了後1変動時用テーブル202dw8が参照された場合、特別図柄の種別および抽選結果によらず、変動時間が30秒間に固定化されるようにデータが規定されている。即ち、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選で外れとなった場合は、必ず変動時間が30秒間の外れミドル変動が選択され、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、必ず変動時間が30秒間の当たりミドル変動が選択されるように構成されている。これにより、時短状態終了後1回目の第2特別図柄の抽選が実行された場合に、必ず30秒間の変動時間を設定することができるので、遊技者に対して右打ちを促す演出(図833(a)参照)を実行するための演出期間、および扉TGを発見して1つ目の鍵を使用する演出(図833(b)参照)を実行するための演出期間を確実に確保することができる。
なお、図示については省略したが、通常状態で、且つ、時短終了後1回目の第2特別図柄の抽選が終了してから時短終了後5回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9には、第1特別図柄の変動時間が30秒間固定となり、第2特別図柄の変動時間が10秒間固定となるようにデータが規定されている。これにより、第2特別図柄の保留球が消化される毎に、扉TGを突破できるか否かを示す演出を確実に実行できるだけの演出期間を確保することができる。
次に、図840(a)を参照して、本第27制御例における通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waの詳細について説明する。この通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に参照する変動パターンテーブルを、通常状態が設定された後における第2特別図柄の変動回数毎に規定したデータテーブルである。図840(a)は、この通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waの規定内容を示した図である。
図840(a)に示した通り、通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waには、大当たりA27~P27のいずれかが終了し、且つ、時短状態が終了した後における変動パターンシナリオとして、通常状態へと移行した後の第2特別図柄の抽選回数が1回までの期間に対して、時短終了後1変動時用テーブル202dw8が対応付けて規定され、第2特別図柄の抽選回数が2回~5回の期間に対して、時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9が対応付けて規定され、第2特別図柄の抽選回数が6回以上の範囲に対して、通常用テーブル202dw1が対応付けて規定されている。これに対し、図840(a)に示した通り、パチンコ機10が初期化された(RAMクリアスイッチ122に対する押下を伴う電源投入が行われた)ことに基づいて設定された通常状態(当たりに当選していない状態)では、抽選回数によらず、通常用テーブル202dw1が対応付けて規定されているシナリオが設定されている。
この通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waを参照して変動パターンを選択することにより、時短状態終了後1回目~5回目の第2特別図柄の抽選に限り、変動時間を通常(600秒間)よりも短くすることができるので、時短状態終了直後に第2特別図柄の抽選が実行され易い期間を形成し、ファイナルジャッジ演出を実行することができる。よって、時短状態が終了したとしても、期待度が高い第2特別図柄の抽選が複数回実行される有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図835(b)を参照して、本第27制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図835(b)は、本第27制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図835(b)に示した通り、本第27制御例におけるRAM203は、上述した第17制御例におけるRAM203の構成(図553参照)に対して、ラッシュ種別格納エリア203waと、特図1変動回数カウンタ203wbと、特図2変動回数カウンタ203wcと、小当たりフラグ203weと、当選時状態格納エリア203wfと、が追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第17制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
ラッシュ種別格納エリア203waは、ラッシュの種別を示す情報を格納しておくための記憶領域である。このラッシュ種別格納エリア203waは、初期値が「00H」に設定されており、大当たり終了時(ラッシュ移行時)に今回の大当たり種別に対応するラッシュ種別を示すデータが格納される(図855のY11631参照)。より具体的には、今回のラッシュがSランクラッシュであれば、このラッシュ種別格納エリア203waに対して「01H」が格納され、Aランクラッシュであれば「02H」が格納され、Bランクラッシュであれば「03H」が格納され、Cランクラッシュであれば「04H」が格納され、Dランクラッシュであれば「05H」が格納され、Eランクラッシュであれば「06H」が格納される。一方で、ラッシュ以外の状態(通常状態や大当たり遊技の実行中)においては、格納データが「00H」に設定される。このラッシュ種別格納エリア203waに格納されているデータによって、ラッシュ種別(時短状態の種別)を判別して、時短状態中に第1特別図柄の抽選条件が成立する毎に、ラッシュ種別(時短種別)に対応する変動パターンを読み出して変動時間(変動パターン)を選択することができる。よって、継続率の異なる複数の時短状態を確実に形成することができる。
特図1変動回数カウンタ203wbは、通常状態若しくは時短状態が設定された後において実行された第1特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタであり、第2変動回数カウンタ203wcは、通常状態若しくは時短状態が設定された後において実行された第1特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。通常状態においては、この特図1変動回数カウンタ203wb、特図2変動回数カウンタ203wcの値を参照して、通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waから1の変動パターンテーブルが特定される。
小当たりフラグ203weは、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図850のY8061参照)。この小当たりフラグ203weは、第2特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図854のY971参照)。この小当たりフラグ203weがオンの状態で、且つ、第1特別図柄の変動表示が実行中の場合に第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図854のY958参照)。これにより、第1特別図柄の抽選が大当たりとなり、第2特別図柄の抽選が小当たりとなった場合に、小当たりと大当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。また、当選時状態格納エリア203wfは、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを格納しておくための記憶領域である。
次に、図841(a)を参照して、本第27制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図841(a)は、本第27制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図841(a)に示した通り、本第27制御例におけるROM222は、上述した第17制御例(および第7制御例)におけるROM222の構成(図311(a)参照)に対して、抽選結果報知態様選択テーブル222faが削除され、ランクアップ演出テーブル222waと、ランクアップ判別テーブル222wbと、が追加されている点でのみ相違している。その他の構成については、上述した第17制御例(および第7制御例)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図842(a)は、上述したランクアップ演出テーブル222waの規定内容を示した図である。このランクアップ演出テーブル222waは、ランクアップ演出においてランクアップ画像RGを獲得する演出が発生する回数を大当たり種別毎に規定したデータテーブルである。具体的には、図842(a)に示した通り、大当たりA27(12ラウンド継続率Sランク大当たり)に対して、ランクアップ画像RGの獲得回数5回が対応付けて規定され、大当たりB27(4ラウンド継続率Eランク大当たり)に対して、獲得回数0回が対応付けて規定され、大当たりC27,D27(12ラウンド継続率Sランク大当たり)、大当たりE27(12ラウンド継続率Aランク大当たり)、大当たりF27(12ラウンド継続率Bランク大当たり)、大当たりG27(12ラウンド継続率Cランク大当たり)に対して、獲得回数5回が対応付けて規定され、大当たりH27(12ラウンド継続率Dランク大当たり)に対して、獲得回数4回が対応付けて規定され、大当たりI27(8ラウンド継続率Aランク大当たり)、大当たりJ27(8ラウンド継続率Bランク大当たり)、大当たりK27(6ラウンド継続率Aランク大当たり)に対して、獲得回数5回が対応付けて規定され、大当たりL27(6ラウンド継続率Bランク大当たり)、大当たりM27(4ラウンド継続率Aランク大当たり)に対して、獲得回数4回が対応付けて規定され、大当たりN27(4ラウンド継続率Bランク大当たり)に対して、獲得回数3回が対応付けて規定され、大当たりO27(4ラウンド継続率Cランク大当たり)に対して、獲得回数2回が対応付けて規定され、大当たりP27(4ラウンド継続率Dランク大当たり)に対して、獲得回数1回が対応付けて規定されている。
このように、大当たり種別に応じてランクアップ画像RGの獲得回数にバリエーションを設けることにより、演出態様を多様化することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、ランクアップ演出によって5ランクを上回るランク数の大当たり種別が存在する(例えば、大当たりA27,C27,D27は8ランク上昇し、大当たりE27は7ランク上昇し、大当たりF27は6ランク上昇する)にもかかわらず、ランクアップ画像RGの獲得回数の上限を5回とすることにより、ランクアップ画像RGの獲得回数では大当たり種別を特定することが不可能に構成し、ランクアップ演出において各ランクがどのランクまで上昇するのかについて、より注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図842(b)を参照して、ランクアップ判別テーブル222wbの詳細について説明する。このランクアップ判別テーブル222wbは、時短状態(ラッシュ)において、ランクアップ演出(図832参照)の実行可否を判別する際に参照されるデータテーブルである。図842(b)は、ランクアップ判別テーブル222wbの規定内容を示した図である。図842(b)に示した通り、ランクアップ判別テーブル222wbには、表示上の残時間(保証時間タイマ223wcのタイマ値が示す時間)と、最低保証時間に対する余剰時間(余剰時間格納エリア223wdのデータが示す時間)との和(T)の値の範囲毎に、対応するランクが対応付けて規定されている。具体的には、図842(b)に示した通り、Tが850秒以上の範囲に対してSランクが対応付けて規定され、Tが302.3秒以上、850秒未満の範囲に対してAランクが対応付けて規定され、Tが186.2秒以上、302.3秒未満の範囲に対してBランクが対応付けて規定され、Tが155.3秒以上、186.2秒未満の範囲に対してCランクが対応付けて規定され、Tが99.4秒以上、155.3秒未満の範囲に対してDランクが対応付けて規定され、Tが99.4秒未満の範囲に対してEランクが対応付けて規定されている。
本第27制御例では、時短状態において第2特別図柄の抽選が実行される毎に、保証時間タイマ223wcの値と余剰時間格納エリア223wdのデータが示す時間との和(T)を算出して、その算出した時間Tに対応するランクを、ランクアップ判別テーブル222wbを参照して特定する構成としている。そして、特定したランクが現在設定されているランクよりも高い場合には、ランクアップ演出(図832参照)を実行する構成としている。つまり、第1特別図柄の抽選で長い変動時間が運良く選択され続けた場合等、実際に設定されている時短状態のランクよりも高いランクに相当する余剰時間が生じている状況下となった場合に、当該高いランクにランクアップする演出を実行する構成としている。このように構成することで、遊技者の遊技の状況(変動時間の選択状況)に合わせてラッシュのランクを好適に更新していくことができるので、演出態様を好適に設定することができる。また、低いランクが報知されたとしても、ランクアップ演出(図832参照)が発生することを期待させることができるので、大当たりにおいて低いランクが報知されたとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを過度に低下させてしまうことを抑制することができる。
次に、図841(b)を参照して、本第27制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図841(b)は、本第27制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図841(b)に示した通り、本第27制御例におけるRAM223は、上述した第17制御例におけるRAM223の構成(図558参照)に対して、当たり種別格納エリア223waと、ランクアップ回数カウンタ223wbと、保証時間タイマ223wcと、余剰時間格納エリア223wdと、が追加されている点で相違している。また、上乗せRUSH中カウンタ223qaと、ベース回数カウンタ223qbと、上乗せ回数カウンタ223qcと、が削除されている点でも相違している。
当たり種別格納エリア223waは、大当たり種別を示す情報を格納しておくための記憶領域である。この当たり種別格納エリア223waに格納されているデータに応じて、大当たりおよびラッシュ中の各種情報が表示される。例えば、ランクアップ演出において最終的に報知されるボーナスランク、ラッシュランクとして、この当たり種別格納エリア223waに格納されているデータに対応するランクがそれぞれ報知される。また、時短状態に移行した後は、この当たり種別格納エリア223waに格納されているデータに対応するラッシュランクが表示される。
ランクアップ回数カウンタ223wbは、ランクアップ演出においてランクアップが発生する残回数を示すカウンタ値が設定されるカウンタである。このランクアップ回数カウンタ223wbは、初期値が0に設定されており、大当たり開始時に、大当たり種別に対応するランクアップ回数がランクアップ演出テーブル222waから特定されて、その特定されたランクアップ回数が設定される(図859のS4761)。また、ランクアップ演出においてランクアップする演出を設定する毎に値が1ずつ減算して更新される(図856のS5422参照)。このランクアップ回数カウンタ223wbによってランクアップ回数を管理することにより、大当たり種別に対応する回数のランクアップを確実に発生させることができる。
保障時間タイマ223wcは、時短状態が終了するまでの期間として最低限保証される期間(表示上の期間)が設定されるタイマである。この保障時間タイマ223wcには、時短状態において最初の第1特別図柄の抽選が実行された場合に49秒(第1特別図柄の最短の変動時間1秒×49回)に対応するタイマ値が設定され(図860のS9703A参照)、時間の経過に応じてタイマ値が減算される(図858のS21043参照)。また、残り時間上乗せ演出(図831参照)が実行された場合には、その残り時間上乗せ演出により報知された秒数に対応するタイマ値が加算される。
余剰時間格納エリア223wdは、保証時間に対するずれを示すデータを格納しておくための記憶領域である。ここで、上述した通り、時短状態突入後、最初に表示される保証時間は、第1特別図柄の抽選が全て最短の変動時間である1秒間に設定されたと仮定した場合の時間(49秒間)が設定される。このため、第1特別図柄の変動時間として1秒よりも長い変動時間が選択されると、保証時間に対して実際の時短状態の終了タイミングがずれる(伸びる)ことになる。本第27制御例では、第1特別図柄の抽選が実行される毎に、最短の変動時間である1秒間に対するずれ時間をこの余剰時間格納エリア223wdに対して積算しておき(図860のS9704A参照)、ずれが所定以上積算された場合に、所定契機で残り時間を上乗せする演出(残り時間上乗せ演出)を実行する構成としている。これにより、時短状態がいつまで続くか分からない斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第27制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図843から図855を参照して、本第27制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図843を参照して、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(Y261)の詳細について説明する。図843は、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(Y261)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動開始処理27(Y261)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)と同様に、第1特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。
この第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(図843参照)のうち、Y302~Y306の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)のY302~Y306の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(図843参照)では、S306の処理が終了すると、第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561参照)に代えて第1特別図柄判定処理27(Y341)を実行し、次いで、第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理27を実行する(Y342)。次いで、第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて第1特別図柄遊技状態更新処理を実行して(Y343)、本処理を終了する。これらの第1特別図柄判定処理27(Y341)、第1特別図柄変動パターン選択処理27(Y342)、および第1特別図柄遊技状態更新処理(Y343)の詳細については、それぞれ図844、図845、および図846を参照して後述する。
次に、図844を参照して、上述した第1特別図柄判定処理27(Y341)の詳細について説明する。図844は、この第1特別図柄判定処理27(Y341)を示したフローチャートである。この第1特別図柄判定処理27(Y341)は、上述した第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄判定処理17(図561参照)と同様に、第1特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。
この第27制御例における第1特別図柄判定処理27(図844参照)のうち、Y8001~Y8006、およびY8011の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561参照)のY8001~Y8006、およびY8011の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄判定処理27(図844参照)では、Y8003の処理において、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合(Y8003:No)、第1図柄表示装置37に対して第1特別図柄の外れ図柄をセットして(Y8021)、本処理を終了する。
次に、図845を参照して、上述した第1特別図柄変動パターン選択処理27(Y342)の詳細について説明する。図845は、この第1特別図柄変動パターン選択処理27(Y342)を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理27(Y342)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。
この第27制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理27(図845参照)のうち、Y501~Y503,Y505~Y508、およびY512の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)のY501~Y503,Y505~Y508、およびY512の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理27(図845参照)では、Y503の処理が終了すると、次いで、時短中第1カウンタ203h1のカウンタ値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(Y531)、0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(Y531:Yes)、ラッシュ種別格納エリア203waに格納されているデータが示すラッシュ種別(ラッシュランク)に対応する変動パターンテーブルを特定して(Y532)、処理をY512へと移行する。一方、Y531の処理において、時短中第1カウンタ203h1のカウンタ値が0であると判別した場合は(Y531:No)、通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waと、特図1変動回数カウンタ203wbの値と、に対応する変動パターンテーブルを特定して(Y533)、処理をY512へと移行する。
次に、図846を参照して、上述した特図1遊技状態更新処理(Y343)の詳細について説明する。図846は、この特図1遊技状態更新処理(Y343)を示すフローチャートである。この特図1遊技状態更新処理(Y343)は、第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて実行される処理であり、遊技状態更新処理12(図422参照)と同様に、時短状態の終了条件が成立したか判別して、終了条件が成立した場合に通常状態へと移行させるための処理である。
この特図1遊技状態更新処理(図846参照)では、まず、特図1変動回数カウンタ203wbの値に1を加算して更新し(Y611)、次いで、時短中第1カウンタ203h1のカウンタ値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別する(Y612)。Y612の処理において、時短中第1カウンタ203h1の値が0であると判別した場合は(Y612:No)、時短状態ではない(通常状態である)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、Y612の処理において、時短中第1カウンタ203h1の値が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(Y612:Yes)、現在が時短状態であることを意味するため、次いで、時短中第1カウンタ203h1、および時短中第2カウンタ203h2の値をそれぞれ1減算して更新し(Y613)、更新後の時短中第1カウンタ203h1、および時短中第2カウンタ203h2の値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y614)。
Y614の処理が終了すると、次いで、Y613の処理によって少なくとも一方のカウンタ値が0に更新されたか否かを判別し(Y615)、0に更新されていないと判別した場合は(Y615:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、Y615の処理において少なくとも一方のカウンタ値が0に更新されたと判別した場合は(Y615:Yes)、通常状態への移行を示す状態コマンドを設定し(Y616)、時短中第1カウンタ203h1、時短中第2カウンタ203h2、およびラッシュ種別格納エリア203waのデータを全て0クリアする(Y617)。次いで、特図1変動回数カウンタ203wb、および特図2変動回数カウンタ203wcの値を1にリセットして(Y618)、本処理を終了する。
次に、図847を参照して、本第27制御例における第1特別図柄変動停止処理27(Y262)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動停止処理27(Y262)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)と同様に、第1特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第27制御例における第1特別図柄変動停止処理27(図847参照)のうち、Y701,Y704~Y707,Y721、およびY723~Y726の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)のY701,Y704~Y707,Y721、およびY723~Y726の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第1特別図柄変動停止処理27(図847参照)では、Y721の処理において第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオンではないと判別した場合に(Y721:No)、特図1確定コマンドをセットし(Y732)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止させて(Y733)、本処理を終了する。
また、本第27制御例における第1特別図柄変動停止処理27(図847参照)では、Y727の処理に代えて、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203gb、時短中第1カウンタ203h1、および時短中第2カウンタ203h2を全て初期値にリセットする処理を実行して(Y731)、処理をY704へと移行する。
次に、図848を参照して、本第27制御例における第2特別図柄変動開始処理27(Y263)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動開始処理27(Y263)は、上述した第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)と同様に、第2特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。
この第27制御例における第2特別図柄変動開始処理27(図848参照)のうち、Y832~Y836,Y851、およびY852の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)のY832~Y836,Y851、およびY852の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄変動開始処理27(図848参照)では、S836の処理が終了すると、第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568参照)に代えて第2特別図柄判定処理27(Y861)を実行し、次いで、第17制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)に代えて第2特別図柄変動パターン選択処理27を実行する(Y862)。次いで、第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて特図2遊技状態更新処理を実行して(Y863)、本処理を終了する。これらの第2特別図柄判定処理27(Y861)、第2特別図柄変動パターン選択処理27(Y862)、および特図2遊技状態更新処理(Y863)の詳細については、それぞれ図849、図851、および図852を参照して後述する。
次に、図849を参照して、本第27制御例における第2特別図柄判定処理27(Y861)の詳細について説明する。図849は、この第2特別図柄判定処理27(Y861)を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理27(Y861)は、上述した第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄判定処理17(図568参照)と同様に、第2特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。
この第27制御例における第2特別図柄判定処理27(図849参照)のうち、Y8101~Y8106、およびY8111の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568参照)のY8101~Y8106、およびY8111の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄判定処理27(図849参照)では、Y8103の処理において、今回の第2特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合(Y8103:No)、小当たり当選の有無を抽選するための小当たり抽選処理27を実行して(Y8121)、本処理を終了する。この小当たり抽選処理の詳細について、図850を参照して説明する。
図850は、本第27制御例における小当たり抽選処理27(Y8121)を示したフローチャートである。この小当たり抽選処理27(Y8121)では、まず、今回の第2特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(Y8053)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(Y8053:Yes)、小当たりフラグ203weをオンに設定する(Y8061)。Y8061の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(Y8062)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の小当たり図柄をセットして(Y8063)、本処理を終了する。一方で、Y8053の処理において、今回の第2特別図柄の抽選結果が小当たりではない(完全外れである)と判別した場合は(Y8053:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットして(Y8064)、本処理を終了する。
次に、図851を参照して、上述した第2特別図柄変動パターン選択処理27(Y862)の詳細について説明する。図851は、この第2特別図柄変動パターン選択処理27(Y862)を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理27(Y862)は、上述した第17制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じた第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。
この第27制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理27(図851参照)のうち、Y921~Y923、およびY925~Y928の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)のY921~Y923、およびY925~Y928の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理27(図851参照)では、Y923の処理が終了すると、次いで、時短中第2カウンタ203h2のカウンタ値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(Y941)、0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(Y941:Yes)、ラッシュ種別格納エリア203waに格納されているデータが示すラッシュ種別(ラッシュランク)に対応する変動パターンテーブルを特定して(Y942)、処理をY944へと移行する。一方、Y941の処理において、時短中第2カウンタ203h2のカウンタ値が0であると判別した場合は(Y941:No)、通常状態用変動パターンシナリオテーブル202waと、特図2変動回数カウンタ203wcの値と、に対応する変動パターンテーブルを特定して(Y943)、処理をY944へと移行する。Y944の処理では、Y942、またはY943の処理で特定した変動パターンテーブルを読み出して(Y944)、処理をY925へと移行する。
次に、図852を参照して、上述した特図2遊技状態更新処理(Y863)の詳細について説明する。図852は、この特図2遊技状態更新処理(Y863)を示すフローチャートである。この特図2遊技状態更新処理(Y863)は、第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて実行される処理であり、遊技状態更新処理12(図422参照)と同様に、時短状態の終了条件が成立したか判別して、終了条件が成立した場合に通常状態へと移行させるための処理である。
この特図2遊技状態更新処理(図852参照)では、まず、特図2変動回数カウンタ203wcの値に1を加算して更新し(Y621)、次いで、時短中第2カウンタ203h1のカウンタ値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別する(Y622)。Y622の処理において、時短中第2カウンタ203h2の値が0であると判別した場合は(Y622:No)、時短状態ではない(通常状態である)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、Y622の処理において、時短中第2カウンタ203h2の値が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(Y622:Yes)、現在が時短状態であることを意味するため、次いで、時短中第2カウンタ203h2の値を1減算して更新し(Y623)、更新後の時短中第2カウンタ203h2の値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y624)。
Y624の処理が終了すると、次いで、Y623の処理によって少なくとも一方のカウンタ値が0に更新されたか否かを判別し(Y625)、0に更新されていないと判別した場合は(Y625:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、Y625の処理において少なくとも一方のカウンタ値が0に更新されたと判別した場合は(Y625:Yes)、通常状態への移行を示す状態コマンドを設定し(Y626)、時短中第1カウンタ203h1、時短中第2カウンタ203h2、およびラッシュ種別格納エリア203waのデータを全て0クリアする(Y627)。次いで、特図1変動回数カウンタ203wb、および特図2変動回数カウンタ203wcの値を1にリセットして(Y628)、本処理を終了する。
次に、図853を参照して、本第27制御例における第2特別図柄変動停止処理27(Y264)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動停止処理27(Y264)は、上述した第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)と同様に、第2特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第27制御例における第2特別図柄変動停止処理27(図853参照)のうち、Y1101,Y1102,Y1104,Y1105,Y1106,Y1108,Y1109,Y1110、およびY1111の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)のY901,Y921,Y922,Y923,Y924,Y925,Y906,Y908、およびY909の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における第2特別図柄変動停止処理27(図853参照)では、Y1102の処理において第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオンではないと判別した場合に(Y1102:No)、第2特別図柄の外れ図柄を停止表示させるための特図2外れ停止処理27を実行して(Y1103)、本処理を終了する。この特図2外れ停止処理27(Y1103)の詳細については、図854を参照して後述する。
また、本第27制御例における第2特別図柄変動停止処理27(図853参照)では、Y925の処理に代えて、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gb、時短中第1カウンタ203h1、および時短中第2カウンタ203h2を全て初期値にリセットする処理を実行して(Y1107)、処理をY1108へと移行する。
次いで、図854を参照して、本第27制御例における特図2外れ停止処理27(Y1103)の詳細について説明する。図854は、この特図2外れ停止処理27(Y1103)を示すフローチャートである。この特図2外れ停止処理27(Y1103)は、上述した第17制御例における特図2外れ停止処理(図573参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果が外れ(完全外れまたは小当たり)となった場合に、停止図柄を設定するための処理である。
この第27制御例における特図2外れ停止処理27(図854参照)のうち、Y952~Y958,Y960、およびY961の各処理では、それぞれ第17制御例における特図2外れ停止処理(図573参照)のY952~Y958,Y960、およびY961の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における特図2外れ停止処理27(図854参照)が開始されると、まず、小当たりフラグ203weがオンであるか否かを判別して(Y971)、オンであると判別した場合は(Y971)、Y952の処理へと移行する一方で、オフであると判別した場合は(Y971:No)、Y960の処理へと移行する。また、本第27制御例における特図2外れ停止処理27(図854参照)では、Y958の処理が終了すると、小当たりフラグ203weをオフに設定して(Y972)、本処理を終了する。
次に、図855を参照して、本第27制御例における大当たり制御処理27(Y1011)の詳細について説明する。図855は、本第27制御例における大当たり制御処理27(Y1011)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理27(Y1011)は、上述した第17制御例(および第12制御例)における大当たり制御処理12(図436参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理である。
この第27制御例における大当たり制御処理27(図855参照)のうち、Y11601~Y11612の各処理では、それぞれ第17制御例(および第12制御例)における大当たり制御処理12(図436参照)のY11601~Y11612の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における大当たり制御処理27(図855参照)では、Y11612の処理においてエンディング演出の終了タイミングになったと判別した場合に(Y11612:Yes)、次いで、今回の大当たり種別に対応するラッシュ種別(ラッシュランク)を示すデータをラッシュ種別格納エリア203waに格納する(Y11631)。このY11631の処理では、今回の大当たりがSランクラッシュに対応する大当たり種別であれば「01H」が格納され、Aランクラッシュに対応する大当たり種別であれば「02H」が格納され、Bランクラッシュに対応する大当たり種別であれば「03H」が格納され、Cランクラッシュに対応する大当たり種別であれば「04H」が格納され、Dランクラッシュに対応する大当たり種別であれば「05H」が格納され、Eランクラッシュに対応する大当たり種別であれば「06H」が格納される。
Y11631の処理が終了すると、次いで、時短中第1カウンタ203h1のカウンタ値に50を設定すると共に、時短中第2カウンタ203h2のカウンタ値に100を設定することで、時短状態の終了条件として第1の終了条件(第1特別図柄の抽選が50回実行された場合に成立する終了条件)および第2の終了条件(第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが合計100回実行された場合に成立する終了条件)を設定する(Y11632)。次いで、設定した遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(Y11633)、大当たりの終了を設定し(Y11634)、大当たり中フラグ203kをオフに設定して(Y11635)、本処理を終了する。
<第27制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図856から図861を参照して、本第27制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図856を参照して、本第27制御例における演出更新処理27(S4161)の詳細について説明する。この演出更新処理27(S4161)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)の中で第17制御例(および第1制御例)における演出更新処理(S4111)に代えて実行される処理であり、実行中の各種演出態様を定期的(メイン処理の実行間隔毎)に更新するための処理である。
図856に示した通り、演出更新処理27(図856)が実行されると、ランクアップ回数カウンタ223wbの値が0より大きい値であるか否か(即ち、ランクアップ演出の実行中であるか否か)を判別し(S5411)、0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S5411:No)、ランクアップ演出の実行中ではないことを意味するため、次いで、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別する(S5412)。S5412の処理において、遊技状態が時短状態でない(通常状態である)と判別した場合は(S5412:No)、ファイナルジャッジ演出の実行中である場合に演出態様を更新するためのファイナルジャッジ演出中処理を実行して(S5413)、本処理を終了する。このファイナルジャッジ演出中処理(S5413)の詳細については、図857を参照して後述する。これに対し、S5412の処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S5412:Yes)、時短状態中の演出を更新するための時短中演出設定処理を実行して(S5414)、本処理を終了する。この時短中演出設定処理(S5414)の詳細については、図858を参照して後述する。
また、S5411の処理において、ランクアップ回数カウンタ223wbのカウンタ値が0より大きい値であると判別した場合は(S5411:Yes)、ランクアップ画像RGを消費する演出(図829(b)参照)の発生タイミングであるか否かを判別し(S5415)、ランクアップ画像RGを消費する演出(図829(b)参照)の発生タイミングではないと判別した場合は(S5415:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5415の処理において、ランクアップ画像RGを消費する演出(図829(b)参照)の発生タイミングであると判別した場合は(S5415:Yes)、次いで、ランクアップ回数カウンタ223wbの値が1である(即ち、ストックされている最後のランクアップ画像RGを消費するタイミングである)か否かを判別し(S5416)、ランクアップ回数カウンタ223wbの値が1であると判別した場合は(S5416:Yes)、今回の大当たり種別に対応するボーナスランク、ラッシュランクまでランクアップする演出態様の演出を設定し(S5417)、処理をS5422へと移行する。
一方、S5416の処理において、ランクアップ回数カウンタ223wbの値が1ではないと判別した場合は(S5416:No)、ボーナスランクとラッシュランクのうち一方のランクが今回の当たり種別に対応する上限値まで既にランクアップしているか否かを判別し(S5418)、既に一方のランクが上限値に到達していると判別した場合は(S5418:Yes)、上限値に到達していない側のランクを1ランク上昇させる演出態様を設定して(S5419)、処理をS5422へと移行する。一方、S5418の処理において、ボーナスランクもラッシュランクも上限値に到達していないと判別した場合は(S5418:No)、今回ランクアップさせる対象のランクをボーナスランク、ラッシュランクのいずれとするかを抽選により決定する(S5420)。この抽選は、ボーナスランクに決定される割合、およびラッシュランクに決定される割合が共に50%となるように構成されている。これにより、ランクアップ画像RGを消費する演出が実行された場合に実際にランクアップするランクの種別にランダム性を持たせることができるので、いずれのランクが上昇するか分からないドキドキ感を遊技者に対して抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。S5420の処理が終了すると、S5420の処理により決定された種別のランクを1ランク上昇させる演出態様を設定して(S5421)、処理をS5422へと移行する。S5417,S5419,S5421のいずれかが終了した後で実行されるS5422の処理では、ランクアップ回数カウンタ223wbの値を1減算して更新し(S5422)、本処理を終了する。
次に、図857を参照して、上述したファイナルジャッジ演出中処理(S5413)の詳細について説明する。このファイナルジャッジ演出中処理(S5413)が実行されると、まず、ファイナルジャッジ演出の実行中であるか否かを判別し(S21031)、ファイナルジャッジ演出の実行中ではないと判別した場合は(S21031)、そのまま本処理を終了する。一方、S21031の処理において、ファイナルジャッジ演出の実行中であると判別した場合は(S21031:Yes)、次いで、第2特別図柄の入賞情報コマンドを受信したか否かを判別し(S21032)、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S21032:Yes)、次いでファイナルジャッジ演出における1回目の第2特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間が10秒未満であるか否かを判別する(S21033)。S21033の処理において、1回目の第2特別図柄の変動開始からの経過時間が10秒未満であると判別した場合は(S21033:Yes)、入賞情報コマンドが示す先読み結果に応じた態様の鍵をストックする演出を設定して(S21034)、本処理を終了する。これに対し、S21033の処理において、1回目の第2特別図柄の変動開始からの経過時間が10秒未満でない(10秒以上経過している)と判別した場合は(S21033:No)、処理をS21035へと移行する。
これに対し、S21032の処理において、第2特別図柄の入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S21032:No)、次いで、1回目の第2特別図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングであるか否かを判別し(S21035)、10秒が経過したタイミングであると判別した場合は(S21035:Yes)、入賞情報格納エリア223bのデータが示す今回実行中の変動表示の抽選結果に基づいて、残変動時間の演出態様(扉TGの突破に成功する演出を実行するか失敗する演出を実行するか)を決定し(S21036)、本処理を終了する。
次に、図858を参照して、上述した時短中演出設定処理(S5414)の詳細について説明する。図858は、この時短中演出設定処理(S5414)を示すフローチャートである。この時短中演出設定処理(S5414)が実行されると、まず、保証時間タイマ223wcのタイマ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S21041)、0より大きい値でない(即ち、0である)と判別した場合は(S21041:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S21041の処理において、保証時間タイマ223wcの値が0より大きい値であると判別した場合は(S21041:Yes)、次いで、第1特別図柄の変動が停止されている無変動の状態を形成しているか否かを判別する(S21042)。S21042の処理において、第1特別図柄が無変動の状態を形成していると判別した場合は(S21042:Yes)、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S21402の処理において、第2特別図柄が無変動の状態を形成していないと判別した場合は(S21042:No)、保証時間タイマ223wcの値を更新し(S21043)、更新後のタイマ値に応じて第3図柄表示装置81に表示しているファイナルジャッジ演出までの残り時間表示を更新して(S21044)、更新後の保証時間タイマ223wcのタイマ値が0となったか否かを判別する(S21045)。S21045の処理において、保証時間タイマ223wcのタイマ値が0になっていないと判別した場合は(S21045:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S21045の処理において、保証時間タイマ223wcのタイマ値が0に更新されたと判別した場合は(S21045:Yes)、次いで、余剰時間格納エリア223wdのデータが0より多い秒数を示すデータであるか否かを判別する(S21046)。S21046の処理において、余剰時間格納エリア223wdに0より多い秒数を示すデータが格納されていると判別した場合は(S21046:Yes)、保証時間タイマ223wdの値に余剰時間格納エリア223wcのデータが示す余剰時間を加算して更新し(S21047)、加算された余剰時間がファイナルジャッジ演出までの残り時間の表示に対して加算される演出態様を設定して(S21048)、本処理を終了する。これに対し、S21046の処理において、余剰時間格納エリア223wdのデータが0秒を示すデータであると判別した場合は(S21046:No)、時短状態が終了することを意味するため、ファイナルジャッジ演出の開始を設定して(S21049)、本処理を終了する。
次に、図859を参照して、本第27制御例における大当たり関連処理27(S44321)の詳細について説明する。この大当たり関連処理27(S44321)は、上述した第17制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図180参照)と同様に、大当たり関連のコマンドを主制御装置110から受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第27制御例における大当たり関連処理27(図859参照)のうち、S4701,S4709,S4710、およびS4714の各処理では、それぞれ第17制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)のS4701,S4709,S4710、およびS4714の各処理と同一の処理が実行される。また、本第27制御例における大当たり関連処理27(図859参照)では、S4701の処理において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合(S4701:Yes)、次いで、今回の大当たり種別に対応するランクアップ回数を、ランクアップ演出テーブル222waを参照して特定し(S4761)、特定したランクアップ回数をランクアップ回数カウンタ223wbの値として設定する(S4762)。次に、設定したカウンタ値分のランクアップ画像を獲得する演出態様のランクアップ演出(図829(a)参照)を設定し(S4763)、ランクアップ画像RGを消費する演出の発生タイミングを、S4762の処理で設定したカウンタ値に応じた回数分設定して(S4764)、本処理を終了する。
また、本第27制御例における大当たり関連処理27(図859参照)では、S4714の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S4714:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定して(S4765)、本処理を終了する。
次に、図860を参照して、本第27制御例における特図1演出態様設定処理27(S5101A)の詳細について説明する。図860は、特図1演出態様設定処理27(S5101A)を示すフローチャートである。この第27制御例における特図1演出態様設定処理27(S5101A)は、第17制御例(および第1制御例)における特図1演出態様設定処理(図183参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理(図183参照)と同様に、第1特別図柄の変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合に、変動パターンコマンドが示す変動パターンに応じた変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。
図860に示した通り、特図1演出態様設定処理27(図860参照)が実行されると、まず、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S9701A)、時短状態であると判別した場合は(S9701A:Yes)、次いで、時短状態における1回目の第1特別図柄の変動表示であるか否かを判別する(S9702A)。S9702Aの処理において、1回目の第1特別図柄の変動表示であると判別した場合は(S9702A:Yes)、保証時間タイマ223wcに対して49秒に対応するタイマ値を設定し(S9703A)、処理をS9704Aへと移行する。これに対し、S9702Aの処理において、1回目の第1特別図柄の変動表示ではないと判別した場合は(S9702A:No)、S9703Aの処理をスキップして、処理をS9704Aへと移行する。
S9704Aの処理では、今回の変動時間から1秒間を減算した時間を余剰時間格納エリア223wdのデータに加算して更新し(S9704A)、処理をS9705Aへと移行する。一方、S9701Aの処理において、今回の遊技状態が時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S9701A:No)、S9702A~S9704Aの処理をスキップして、処理をS9705Aへと移行する。
S9705Aの処理では、受信した変動パターンコマンドに応じた演出態様を決定し(S9705A)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定して(S9706A)、本処理を終了する。
次いで、図861を参照して、本第27制御例における特図2演出態様設定処理27(S5201A)の詳細について説明する。図861は、特図2演出態様設定処理27(S5201A)を示すフローチャートである。この特図2演出態様設定処理27(S5201A)は、上述した第17制御例(および第1制御例)における特図2演出態様設定処理(図184参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理(図184参照)と同様に、第2特別図柄の変動パターンコマンドを主制御装置110から受信した場合に、変動パターンコマンドが示す変動パターンに応じた変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。
この特図2演出態様設定処理27(図861参照)が実行されると、まず、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S9621A)、時短状態であると判別した場合は(S9621A:Yes)、次いで、今回の第2特別図柄の抽選結果が完全外れである(大当たりにも小当たりにも当選していない)か否かを判別する(S9641A)。S9621Aの処理において、現在の遊技状態が時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合(S9621A:No)、およびS9641Aの処理において第2特別図柄の抽選結果が完全外れではない(大当たり又は小当たりである)と判別した場合(S9641A:No)は、受信した変動パターンコマンドに応じた演出態様を決定して(S9622A)、処理をS9611へと移行する。
一方で、S9641Aの処理において、第2特別図柄の抽選結果が完全外れであると判別した場合は(S9641A:Yes)、ランクアップ判別テーブル222wb(図842(b)参照)に規定されているデータを参照して、現在の保証時間タイマ223wcのタイマ値が示す時間と余剰時間格納エリア223wdに格納されているデータが示す時間との和(T)に対応するランクを特定する(S9642A)。次いで、S9642Aの処理で特定されたランクが、現在設定されているランクよりも高いランクであるか否かを判別し(S9643A)、現在設定されているランクよりも高いランクが特定されたと判別した場合は(S9643A:Yes)、特定したランクへのランクアップ演出を伴う演出態様を決定して(S9644A)、処理をS9611へと移行する。
これに対し、S9643Aの処理において、現在のランク以下のランクが特定されたと判別した場合は(S9643A:No)、余剰時間格納エリア223wdに10秒以上の余剰時間を示すデータが格納されているか否かを判別する(S9645A)。S9645Aの処理において、10秒以上の余剰時間を示すデータが格納されていると判別した場合は(S9645A:Yes)、残り時間上乗せ演出により上乗せを行う時間を抽選により決定し(S9646A)、決定結果に応じた演出態様を決定し(S9647A)、上乗せした時間を保証時間タイマ223wcに加算すると共に余剰時間格納エリア223wdから減算して(S9648A)、処理をS9611へと移行する。S9646Aの処理では、残り時間上乗せ演出を実行しないと決定する(上乗せ時間を0秒に決定する)割合が75%に設定され、残りの25%に対して、余剰時間以下の範囲の10の倍数の秒が均等に割り振られる。例えば、余剰時間が45秒であれば、75%の割合で残り時間上乗せ演出を実行せず、6.25%の割合で10秒の上乗せが決定され、6.25%の割合で20秒の上乗せが決定され、6.25%の割合で30秒の上乗せが決定され、6.25%の割合で40秒の上乗せが決定されるように制御される。
一方、S9645Aの処理において、余剰時間格納エリア223wdに10秒未満の余剰時間を示すデータが格納されていると判別した場合は(S9645A:No)、S9646A~S9648Aの各処理をスキップして、処理をS9611へと移行する。S9611の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定して(S9611)、本処理を終了する。
以上説明した通り、第27制御例におけるパチンコ機10では、時短状態の設定契機(大当たり種別)に応じて第1特別図柄の抽選頻度(選択される変動時間の傾向)を異ならせることにより、時短状態の終了までに実行される第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成とした。より具体的には、ラッシュ(時短状態)の種別(時短状態の設定契機となった大当たり種別)毎に、時短状態中に参照する変動パターンテーブルを異ならせることで、第1特別図柄の外れ時における各変動時間の選択割合を異ならせ、時短状態が終了する(第1特別図柄の抽選が50回実行されることで成立する第1終了条件が成立する)までの平均時間をラッシュ種別毎に異ならせる構成としている。つまり、ラッシュ(時短状態)の終了までに実行可能な第2特別図柄の抽選回数の平均値をラッシュ種別毎に異ならせることで、ファイナルジャッジ演出が終了するまでの間に再度何らかの当たり(大当たり又は小当たり)に当選する割合(ラッシュ継続率)をラッシュの種別毎に異ならせる構成としている。これにより、性能の異なる複数のラッシュを実現することができるので、ラッシュの種別に応じて遊技性を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第27制御例では、第2特別図柄の抽選でのみ小当たりに当選し得るように構成し、上述した第17制御例等と同様に、小当たりに当選し、小当たり遊技の実行中に右打ちを行いつづけることにより、ほぼ、V入賞を発生させて大当たり遊技を実行させることが可能に構成している。つまり、第2特別図柄の抽選では、大当たりに当選した場合だけでなく、小当たりに当選した場合も実質的に大当たりが確定する構成としている。そして、本第27制御例では、通常状態において、基本的に第2特別図柄の抽選が実行された場合に極めて長い変動時間(例えば、10分間)が設定されるように構成することで第2特別図柄の抽選が実行され難く構成しておく一方で、時短状態終了後の特定回数の第2特別図柄の抽選に限り、変動時間が短くなるように構成した。これにより、時短状態終了後において特定回数分の第2特別図柄の抽選機会を確保することができる。
ここで、従来より、有利度合いが異なる複数の特別図柄(第1特別図柄、および第1特別図柄よりも有利度合いが高い第2特別図柄)を設け、不利な遊技状態の間は不利な第1特別図柄の抽選が実行され易くなる(第2特別図柄の始動入賞が発生し難くなる)一方で、有利な遊技状態へと移行した場合は有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(第2特別図柄の始動入賞が発生し易くなる)制御を採用している遊技機が広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機の中には、有利状態な遊技状態における最後の変動表示の実行中に有利度合いが高い第2特別図柄の始動入賞を発生させることを促す演出を実行することで第2特別図柄の保留球を貯めさせて、有利な遊技状態における最後の第2特別図柄の抽選の抽選結果および第2特別図柄の保留球の抽選結果の中に当たりに対応する抽選結果が含まれているか否かを報知する演出を実行するものも存在する。しかしながら、本第27制御例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能な同時変動仕様を採用した場合、有利な遊技状態において第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が複数回実行される可能性も、第2特別図柄の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が全く実行されない可能性もあるため、例えば、第2特別図柄の抽選開始時に時短回数が残り1回の状態となった場合に、有利な遊技状態における最後の第2特別図柄の変動表示の可能性が高いと判断して第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を実行したにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の抽選が実行されずに時短状態が次の第2特別図柄の抽選まで継続してしまったり、逆に、例えば、第2特別図柄の抽選開始時に時短回数が比較的多く残っていた(例えば、8回等)ため、保留球を貯めさせる演出を実行しなかったにもかかわらず、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動が頻繁に実行されて第2特別図柄の変動表示が終了するよりも前に有利な遊技状態が終了してしまったりする可能性があり、第2特別図柄の保留球を貯めさせる演出を適正なタイミングで実行することが困難になってしまう可能性がある。
これに対して本第27制御例では、第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口としての第2入球口640を、遊技状態によらず、右打ちをするだけで容易に遊技球が入球可能となる始動入賞口として構成した上で、通常状態では基本的に第2特別図柄の変動時間が極めて長い時間に設定されるように制御することで通常状態において有利な第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制しつつ、有利な時短状態が終了した後の特定回数の第2特別図柄の抽選のみ、変動時間を短くすることにより、時短状態の終了直後に実行された第2特別図柄の変動表示において保留球を貯めさせる演出を実行可能に構成している。このように構成することで、保留球を貯めさせる演出を確実に実行できると共に、実行中および保留されている第2特別図柄の抽選の中に当たりがあるか否かを示す一連の演出もより確実に実行することができるので、演出態様を好適に設定することができる。
また、本第27制御例では、時短状態において運良く長い変動時間が多く選択された場合等、設定されているラッシュの種別(ランク)に対応する時短終了までの平均時間に対して大きく余裕が生じた状況下において、ラッシュのランクを上昇させるランクアップ演出を実行可能に構成している。これにより、低いラッシュランクが報知されたとしても、ラッシュ中にランクアップが発生することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第27制御例では、大当たりのラウンド数(ボーナスランク)および大当たり終了後の時短状態の有利度合い(ラッシュランク)を報知するランクアップ演出を、大当たりのオープニング期間において実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりのラウンド遊技の実行中に実行してもよいし、インターバル期間中に実行してもよい。また、ボーナスランクの報知とラッシュランクの報知とは必ずしも1のランクアップ演出でまとめて報知する必要はなく、別々の演出で報知する構成としてもよい。より具体的には、例えば、ボーナスランク(大当たりのラウンド数)は大当たりの4ラウンド目までの間の任意のタイミングで報知する構成とし、ラッシュランク(時短状態の継続率)は大当たりのエンディング期間や時短状態(ラッシュ)移行後の特定回数(例えば、1回目や5回目)の第2特別図柄の抽選に係る変動表示演出中に報知する構成としてもよい。
本第27制御例では、ランクアップ演出によって大当たり図柄に対応するボーナスランクおよびラッシュランクを必ず報知する構成としていたが、所定の割合で実際よりも低いランクを報知する構成としてもよい。そして、ランクアップ演出において実際よりも低いランクを報知した場合は、予め定められた報知タイミングで実際のランクにランクアップする演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、予め定められた報知タイミングとしては、例えば、ランクアップ演出においてボーナスランクを低めに報知した場合は、報知されたランクに対応する最終ラウンド(Bランクであれば8ラウンド目、Cランクであれば6ラウンド目、Dランクであれば4ラウンド目)に実際のランクにランクアップする演出を発生させる構成としてもよい。また、例えば、ランクアップ演出においてラッシュランクを低めに報知した場合は、大当たりの最終ラウンドや、大当たりのエンディング期間、大当たり終了後特定回数目(例えば、1回目)の第2特別図柄の変動表示期間中等に実際のランクにランクアップする演出を発生させる構成としてもよい。このように構成することで、ランクアップ演出において低いランクが報知されたとしても、その後に更にランクアップが発生することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができると共に、演出態様を多様化させることができる。
本第27制御例では、時短終了後1変動時用テーブル202dw8(図839(b)参照)を、時短状態が終了されてから、1回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間のみ参照し、時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9を、2回目~5回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまでの間のみ参照する構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、通常状態において特定条件が成立した場合にも、時短終了後1変動時用テーブル202dw8(図839(b)参照)や時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9を参照する構成としてもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄の抽選で、所定確率(例えば、1/100の確率)でV入賞が発生し得ない(または第2特別図柄の小当たりよりもV入賞が発生し難い)作動パターンの小当たりに当選する構成とし、小当たり当選を契機として、時短終了後1変動時用テーブル202dw8(図839(b)参照)と時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9との一方又は両方を参照する変動パターンシナリオに再セットすると共に、ファイナルジャッジ演出またはファイナルジャッジ演出に類する演出(右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させるように促す演出態様を少なくとも含む演出)を実行するように構成してもよい。即ち、通常状態において小当たりに当選した場合に、有利な第2特別図柄の抽選を所定回数実行させることができる状態を一時的に形成する構成としてもよい。このように構成することで、通常状態において大当たりに当選することに加え、小当たりに当選することにも期待して遊技を行わせることができるので、不利な通常状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、特定条件として、例えば、通常状態が設定されてから大当たりに当選せずに特定回数(例えば、500回)の特別図柄の抽選が実行されたことに基づいて、時短終了後1変動時用テーブル202dw8(図839(b)参照)と時短終了後2~5変動時用テーブル202dw9との一方又は両方を参照する状態を形成すると共に、ファイナルジャッジ演出またはファイナルジャッジ演出に類する演出(右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させるように促す演出態様を少なくとも含む演出)を実行するように構成してもよい。このように構成することで、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選回数が多くなったとしても、特定回数に到達することを目指して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。
本第27制御例では、時短状態において第2特別図柄の抽選結果に応じた変動表示演出を設定する際に、保証時間タイマ223wcの値(時短終了までの表示上の残り時間)と余剰時間格納エリア223wdのデータが示す時間(最低保証時間(第1特別図柄の抽選が全て1秒間に設定されたと仮定した場合の時短終了までの残り時間)に対するずれを示す時間)との和(T)を算出して、その算出した時間Tに対応するランクを、ランクアップ判別テーブル222wbを参照して特定すると共に、特定したランク(時短状態における第1特別図柄の変動時間の選択状況を加味した実質的なランク)が現在設定されているランクよりも高いランクであれば、特定したランクに上昇するランクアップ演出を実行する構成としていたが、ランクを特定する方法はこれに限られるものではない。例えば、既に消化した時間も加味して実質的なランクを特定し、ランクアップ演出の実行可否を判別する構成としてもよい。このように構成することで、実質的なランクを判別する際に、より高いランクが特定され易くなるため、ランクアップ演出の発生頻度を上昇させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、これらに代えて、又は加えて、新たに開始させる第2特別図柄の変動表示の抽選結果、および保留されている第1および第2特別図柄の抽選結果も加味して、ランクアップ演出の実行可否を判別する構成としてもよい。より具体的には、例えば、新たに開始させる第2特別図柄の変動表示に対応する抽選結果、または保留されている第1および第2特別図柄の抽選結果の中に大当たりが含まれている場合に、所定の割合(例えば、1/4の割合)でランクアップ演出が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、ランアップ演出を、ラッシュが終了する(ファイナルジャッジ演出が終了する)までに再度大当たりに当選する可能性が向上したことを遊技者に示唆するだけでなく、保留球を消化するまでに大当たりとなることも期待させることができるので、特に、保留球を消化し終えるまでの間、演出態様により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、保留球を消化し終えるまでに大当たりが発生することを報知するための演出としてランクアップ演出を実行する場合は、複数段階のランクアップが発生し易くなるように制御してもよい。このように構成することで、複数段階のランクアップが報知された場合に、遊技者に対して大当たりとなる期待感をより強く抱かせることができる。また、大当たりにならなかったとしても、ランク(継続率)が上昇したこと自体は事実であるため、たとえ大当たりに当選しなかったとしても、遊技者に対して失望感を抱かせ難くすることができる。
本第27制御例では、時短状態の種別によらず、時短回数として共通化の時短回数(第1特別図柄の抽選が50回、又は特別図柄の抽選が合計100回)を設定する構成としていたが、時短回数は必ずしも共通化する必要はない。第1特別図柄の抽選回数と合計の特別図柄の抽選回数とのうち一方又は両方が異なる種別の時短状態を設ける構成としてもよい。第1特別図柄の抽選回数を多くすることで、低いランクであっても時短状態が終了するまでの時間が延び、第2特別図柄の抽選回数が多くなるため、大当たりとなる可能性を高くすることができる。また、逆に、第1特別図柄の抽選回数を少なくすることで、大当たりとなる可能性を低くすることもできる。第1特別図柄の抽選回数と第2特別図柄の抽選回数との合計についても同様であり、回数を多くすることで大当たりとなる可能性を高くできる一方で、少なくすることで大当たりとなる可能性を低くすることができる。
本第27制御例では、継続率上昇演出(図832参照)において、ランクアップの発生を報知する際に、1の第2特別図柄の変動表示演出において対応するランクまでのランクアップを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、複数段階のランクアップを報知する場合は、複数の第2特別図柄の変動表示演出に渡って段階的に(例えば、1変動で1段階ずつ)ランクアップを報知する構成としてもよい。このように構成することで、複数の変動表示に渡ってより高いランクへと上昇する期待感を持続的に抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、段階的に報知する場合は、必ずしも複数変動に渡ってランクを報知する必要はなく1変動内でランクを段階的に上昇させる演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、ランクアップ画像RGが真っ二つに割れて本来のランクよりも低いランクへのランクアップを示すランクアップアイコンRRGが出現する演出を実行した後で、当該ランクアップアイコンRRGが真っ二つに割れて、より高いランクを示すランクアップアイコンRRGが出現する演出を実行する。そして、以降は、実際のランクへのランクアップが報知されるまで、直前に出現したランクアップアイコンRRGによって示されるランクよりも高いランクを示すランクアップアイコンRRGが、直前に出現したランクアップアイコンRRGの中から出現する演出を繰り返すことにより、段階的にランクを報知する構成としてもよい。このように構成することで、より高いランクへと上昇する期待感を持続的に抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、継続率上昇演出(図832参照)において、ランクアップ画像RGが真っ二つに割れて出現するランクアップアイコンRRGの種別(記載されている文字)によってランクの上昇数(ランクアップ数)を報知する構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、ランクアップ画像RGの表示態様(例えば、色や大きさ等)、ランクアップ画像RGの割れ方等によって、出現するランクアップアイコンRRGの種別を示唆可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、ランクアップ画像RGの種別として、白色のランクアップ画像RG、赤色のランクアップ画像、および通常よりも大きいサイズの赤色のランクアップ画像を設ける構成とし、赤色のランクアップ画像が停止表示された場合は、白色のランクアップ画像RGが停止表示された場合よりも、複数段階のランクアップが報知される可能性が高くなるように構成してもよい。また、通常よりも大きいサイズの赤色のランクアップ画像は、複数段階のランクアップが報知される場合にのみ、選択され得るように構成してもよい。また、ランクアップ画像RGの割れ方として、真っ二つに割れる割れ方の他に、4つに割れる割れ方や、粉々に砕け散る割れ方を設ける構成とし、4つに割れる割れ方の場合は真っ二つに割れる割れ方よりも複数段階のランクアップが報知される可能性が高くなるように構成してもよい。また、粉々に砕け散る割れ方の場合はAランク以上へのランクアップが確定するように構成してもよい。このように構成することで、ランクアップアイコンRRGの種別のみならず、ランクアップアイコンRRGが出現する前の演出態様にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第27制御例では、時短状態が終了して通常状態へと移行した後も、1回目の第2特別図柄の変動表示演出の間は、表示領域HR3に表示される文字(「右打ちで鍵を集めるんだ!」という文字)によって、時短状態と同様に、遊技者に対して右打ちを行わせることを促す構成としていたが、時短状態と同一の遊技を行わせるための演出態様はこれに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、音声により右打ちを行うことを促す演出を実行してもよいし、時短状態と同様に、小表示領域Dm2において右打ちを行うことを促す表示を設定する構成としてもよい。また、小表示領域Dm2において右打ちを行うことを促す表示を設定する場合は、時短状態と全く同じ表示(「右打ち」という文字)を行ってもよいし、時短状態と通常状態とで表示態様を異ならせてもよい(例えば、通常状態では、右向きの矢印を模した画像を表示させてもよい)。
<第27制御例の変形例>
次に、図904から図910を参照して、上述した第27制御例に対して時短図柄当選(大当たりを介さずに時短状態が付与される特別図柄の抽選結果)を組み合わせた各種の変形例について説明する。まず、図904を参照して、上述した第27制御例に対して単純に時短図柄当選の抽選結果のみを加えた第1の変形例について説明する。
<第27制御例の第1の変形例>
第27制御例に対して、単純に時短図柄当選の抽選結果を加えた場合、時短図柄に当選して右打ちを行ったとしても、普通図柄の抽選で普通図柄の当たりに当選する確率が低いため、電動役物64raがほとんど開放されず、右第1入球口64rへと遊技球を入球させることがほとんどできない状態を形成する。係る状況において、時短状態用の変動パターンテーブル(Sランク用テーブル202dw2~Eランク用テーブル202dw7のいずれか)が参照されて変動パターンを選択すると、第2特別図柄の抽選が実行される毎に10秒間の比較的短い変動時間が設定されるため、右打ちにより第2特別図柄の抽選ばかりが実行される極めて有利な遊技状態を形成する。仮に、時短図柄当選に基づく時短状態の終了条件を大当たり終了後に設定される時短状態と同一の終了条件(第1特別図柄の抽選が50回実行されるか、特別図柄の抽選が100回実行されること)に設定した場合、大当たりに当選する割合がSランクラッシュ以上となる極めて有利な状態を形成する。なお、普通図柄の当たりにほとんど当選しないことにより、右第1入球口64rへと遊技球が入球し難くなり、右第1入球口64rへと入球したことに基づいて払い出される賞球もほとんど獲得することができなくなるため、払い出される賞球数の面では時短状態よりも有利度合いが低くなる。
図904(a)は、本変形例における通常状態の間に時短図柄当選が発生した場合の第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。図904(a)に示した通り、通常状態において時短図柄当選が発生すると、主表示領域Dmにおける中央において、冒険者のキャラクタ801の周囲が発光した状態(オーラを纏った状態)で佇む表示態様が設定されると共に、表示領域HR3に対して、「ボーナス準備中」という文字が表示される。また、小表示領域Ds2に対して、「準備状態」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行えばよいということ、および大当たりが近い(大当たり当選の準備段階に入っている)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、上述した通り、第2特別図柄の抽選で何らかの当たり(小当たりまたは大当たり)に当選する確率は11/200であるため、99%超の割合で時短図柄当選に基づく時短回数内に大当たりに当選する。
図904(b)は、本変形例における時短状態において時短図柄当選が発生した場合の表示態様を示した図である。図904(b)に示した通り、時短図柄当選が発生すると、ランクアップ演出が発生して、エクストラランク(EX RANK)にランクアップする演出が実行される。このエクストラランクにランクアップする演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選の可能性が極めて高い時短状態に移行したということを容易に理解させることができる。また、Sランク~Eランクのいずれとも異なるエクストラランクという名称にすることで、右打ちにより電動役物64raがほとんど開放されなくても、エクストラランクという特殊な状態に移行したことによるものだと遊技者を納得させることができる。よって、遊技者に対して違和感や不信感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
<第27制御例の第2の変形例>
次に、図905から図910を参照して、第27制御例に対して時短図柄当選を組み合わせた第2の変形例について説明する。第2の変形例では、上述した第17制御例等と同様に、時短図柄当選が発生した場合に設定される時短状態と、大当たり終了後に設定される時短状態とで、時短性能が略同一となるように、普通図柄の当たりとなる確率を普通図柄の低確率状態と普通図柄の時短状態とで略同一とする制御も含めた形で時短図柄当選に係る時短状態を組み合わせた場合について説明する。この場合、時短図柄の種別としてSランク用テーブル202dw2~Eランク用テーブル202dw7を参照して変動パターンが選択される時短状態が設定される時短図柄をそれぞれ設ける構成とすることにより、時短状態において時短状態の性能(ラッシュのランク)が途中で切り替わる遊技性を実現することができる。具体的には、例えば、Bランクのラッシュ中にAランク用テーブル202dw3が参照される時短状態が設定される時短図柄当選が発生すると、時短状態(ラッシュ)のランクが上昇する上に、時短回数がリセットされる(時短図柄当選に係る時短回数が再設定される)ため、遊技者にとって有利な状況となる。また、例えば、Bランクのラッシュ中にDランク用テーブル202dw5が参照される時短状態が設定される時短状態が設定される時短図柄当選が発生すると、時短状態(ラッシュ)のランクが低下するものの、時短回数がリセットされるため、時短状態の終了間際であれば、遊技者にとって有利となる可能性がある。
まず、図905を参照して本変形例における演出態様について説明する。図905は、時短状態において時短図柄当選が発生した場合の演出態様を示した図である。図905(a)に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選すると、「RESET」という文字が付されたリセット図柄が中図柄として停止される変動表示演出が実行されると共に、表示領域HR3に対して、「リセット発生!」という文字が表示される。そして、図905(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、リセット図柄が拡大表示されて時短状態のリセットが報知されると共に、表示領域Dmに表示されていたファイナルジャッジまでの残り時間が49秒(大当たり終了直後の状態)にリセットされる。更に、小表示領域Dm3に表示されていたラッシュランクが「? RANK」に更新されると共に、小表示領域Ds2に表示されていた継続率が「継続率??%over」という表記に更新される。これらの表示内容により、時短状態がランクも含めてリセットされたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、このランクや継続率が「?」という記号によって秘匿される状態は、後述するランク報知演出が実行されるまで継続される。以降、説明の簡素化のため、時短図柄当選に基づいて設定される、ランクや継続率が秘匿された状態のことを秘匿状態と称する。
図906は、秘匿状態において所定の実行抽選に当選した場合に実行される、時短図柄当選に基づいて設定(リセット)された時短状態のランクを報知するためのランク報知演出の演出態様を示した図である。図906(a)に示した通り、秘匿状態においてランク報知演出が実行されると、まず、第2特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示演出として、「? RANK」という文字が付されたランク報知図柄が中図柄として停止表示される変動表示演出が実行される。そして、図906(b)に示した通り、停止表示された中図柄(ランク報知図柄)が真っ二つに割れて、時短図柄当選に基づいて設定されたランクに対応する文字が付されたランク報知画像(ランクアップアイコン)RRGが出現する演出が実行される。また、ランク報知画像RRGによって報知されたランクに応じて、小表示領域Dm3および小表示領域Ds2の表示内容が更新される演出が実行される。図906(b)の例では、時短図柄当選に基づいて設定(リセット)された時短状態のランクがAランクであり、「A RANK」という文字が付された報知画像RRGが出現すると共に、小表示領域Dm3に対して表示されるラッシュランクが「A RANK」に更新され、小表示領域Ds2に対して表示される継続率がAランクラッシュに対応する「継続率89%over」に更新された場合を例示している。
なお、ランク報知演出は、時短図柄当選時に設定されていた時短状態のランク以上のランクにリセットされた場合に設定される秘匿状態においてのみ発生する構成とし、時短図柄当選によって低いランクにリセットされた場合には、ランク報知演出の実行が禁止(制限)されるように構成している。このように構成することで、時短図柄当選に基づいて低いランクに成り下がってしまった場合に、そのことを遊技者に対して秘匿しておくことができるので、遊技者をがっかりさせてしまうことを抑制することができる。
<第27制御例の第2の変形例における電気的構成>
次に、図907を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図907は、本変形例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図907に示した通り、本変形例におけるRAM223は、上述した第27制御例におけるRAM223の構成(図841参照)に対して、ラッシュランク格納エリア223weと、前回ランク格納エリア223wfと、ランク秘匿フラグ223wgと、が追加されているてんで相違している。
ラッシュランク格納エリア223weは、現在設定されている時短状態(ラッシュ)のランクを示す情報を格納するための記憶領域であり、前回ランク格納エリア223wfは、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、時短図柄当選が発生するよりも前に設定されていた時短状態のランクを示す情報を格納するための記憶領域である。また、ランク秘匿フラグ223wgは、時短図柄当選に基づいて設定される秘匿状態であるか否かを示すフラグであり、オンであれば秘匿状態中であることを意味する一方で、オフであれば秘匿状態ではないことを意味する。
<第27制御例の第2の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図908から図910を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図908を参照して、本変形例における特図2演出態様設定処理27A(S5201A)の詳細について説明する。この特図2演出態様設定処理27A(S5201A)は、上述した第27制御例における特図2演出態様設定処理27(図861参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理27(図861参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じた変動表示態様を設定するための処理である。図908は、特図2演出態様設定処理27A(S5201A)を示すフローチャートである。
この第2の変形例における特図2演出態様設定処理27A(図908参照)のうち、S9611,S9621A,S9622A、およびS9641Aの各処理では、それぞれ上述した第27制御例における特図2演出態様設定処理27(図861参照)のS9611,S9621A,S9622A、およびS9641Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における特図2演出態様設定処理27A(図908参照)では、S9641Aの処理において、第2特別図柄の抽選結果が完全外れではないと判別した場合(S9641A:No)、次いで、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S9671A)、時短図柄当選ではないと判別した場合は(S9671A:No)、処理をS9622Aへと移行する。
一方で、S9671Aの処理において、今回の第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合は(S9671A:Yes)、リセット演出を伴う変動表示演出の演出態様を特定する(S9672A)。次いで、ラッシュランク格納エリア223weのデータを前回ランク格納エリア223wfに上書きすると共に、当選した時短図柄に対応するラッシュランクを示すデータをラッシュランク格納エリア223weに格納し(S9673A)、ランク秘匿フラグ223wgをオンに設定して(S9674A)、本処理を終了する。
また、本変形例における特図2演出態様設定処理27A(図908参照)では、S9641Aの処理において、第2特別図柄の抽選結果が完全外れであると判別した場合は(S9641A:Yes)、次いで、ランク秘匿フラグ223wgがオンであるか否かを判別し(S9675A)、ランク秘匿フラグ223wgがオンであると判別した場合は(S9675A:Yes)、秘匿状態中における変動表示態様を設定するための秘匿中演出設定処理を実行し(S9676A)、処理をS9611へと移行する。これに対し、S9675Aの処理において、ランク秘匿フラグ223wgがオフであると判別した場合は(S9675A:No)、非秘匿中演出設定処理を実行して(S9677A)、処理をS9611へと移行する。これらの秘匿中演出設定処理(S9676A)、および非秘匿中演出設定処理(S9677A)の詳細については、それぞれ図909、および図910を参照して説明する。
次に、図909を参照して、秘匿中演出設定処理(S9676A)の詳細について説明する。図909は、秘匿中演出設定処理(S9676A)を示すフローチャートである。この秘匿中演出設定処理(S9676A)では、まず、余剰時間格納エリア223wdのデータを参照して10秒以上の余剰時間があるか否かを判別し(S9681A)、10秒以上の余剰時間があると判別した場合は(S9681A:Yes)、余剰時間のうち10秒未満の端数を切り捨てた時間を上乗せする演出態様の上乗せ演出を伴う変動表示態様を決定して(S9682A)、本処理を終了する。
これに対し、S9681Aの処理において、10秒以上の余剰時間が無いと判別した場合は(S9681A:No)、ラッシュランク格納エリア223weのデータと前回ランク格納エリア223wfのデータとを比較することにより、時短状態がリセットされる(時短図柄に当選する)前のラッシュランクが現在設定されているランクよりも高いランクであるか否かを判別する(S9683A)。S9683Aの処理において、時短状態がリセットされる(時短図柄に当選する)前のラッシュランクが現在設定されているランクよりも高いランクであると判別した場合は(S9683A:Yes)、ランク報知演出の実行を抽選することなく、受信した変動パターンコマンドに応じた演出態様を決定して(S9684A)、本処理を終了する。
一方、S9683Aの処理において、時短状態がリセットされる(時短図柄に当選する)前のラッシュランクが現在設定されているランク以下のランクであると判別した場合は(S9683A:No)、ランク報知演出の実行可否の抽選を実行する(S9685A)。この抽選では、1/20の確率でランク報知演出の実行が決定されるように構成されている。このため、複数回の第2特別図柄の変動表示においてランク報知演出が実行されなかったとしても、単に抽選に漏れただけであり、ランクが低下したのではないと遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
S9685Aの処理が終了すると、次いで、ランク報知演出の実行に対応する抽選結果になったか否かを判別し(S9686A)、ランク報知演出の実行に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S9686A:Yes)、現在のランクを報知するランク報知演出を伴う変動表示態様を決定して(S9687A)、本処理を終了する。一方、S9686Aの処理において、ランク報知演出の実行に対応する抽選結果にならなかったと判別した場合は(S9686A:No)、処理をS9684Aへと移行する。
次に、図910を参照して、上述した非秘匿中演出設定処理(S9677A)の詳細について説明する。図910は、この非秘匿中演出設定処理(S9677A)を示すフローチャートである。この非秘匿中演出設定処理(S9677A)では、まず、ランクアップ判別テーブル222wb(図842(b)参照)に規定されているデータを参照して、現在の保証時間タイマ223wcのタイマ値が示す時間と余剰時間格納エリア223wdに格納されているデータが示す時間との和(T)に対応するランクを特定する(S9691A)。次いで、S9691Aの処理で特定されたランクが、現在設定されているランクよりも高いランクであるか否かを判別し(S9692A)、現在設定されているランクよりも高いランクが特定されたと判別した場合は(S9692A:Yes)、特定したランクへのランクアップ演出を伴う演出態様を決定して(S9697A)、本処理を終了する。
これに対し、S9692Aの処理において、現在のランク以下のランクが特定されたと判別した場合は(S9692A:No)、余剰時間格納エリア223wdに10秒以上の余剰時間を示すデータが格納されているか否かを判別する(S9693A)。S9693Aの処理において、10秒以上の余剰時間を示すデータが格納されていると判別した場合は(S9693A:Yes)、残り時間上乗せ演出により上乗せを行う時間を抽選により決定し(S9694A)、決定結果に応じた演出態様を決定し(S9695A)、上乗せした時間を保証時間タイマ223wcに加算すると共に余剰時間格納エリア223wdから減算して(S9696A)、本処理を終了する。S9694Aの処理では、残り時間上乗せ演出を実行しないと決定する(上乗せ時間を0秒に決定する)割合が75%に設定され、残りの25%に対して、余剰時間以下の範囲の10の倍数の秒が均等に割り振られる。例えば、余剰時間が45秒であれば、75%の割合で残り時間上乗せ演出を実行せず、6.25%の割合で10秒の上乗せが決定され、6.25%の割合で20秒の上乗せが決定され、6.25%の割合で30秒の上乗せが決定され、6.25%の割合で40秒の上乗せが決定されるように制御される。
一方、S9693Aの処理において、余剰時間格納エリア223wdに10秒未満の余剰時間を示すデータが格納されていると判別した場合は(S9693A:No)、S9694A~S9696Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この第2の変形例のように、第27制御例の恒星に対して時短図柄当選の仕様を追加することにより、時短状態においてラッシュのランクが更新される状況を発生させることができる。よって、時短図柄当選が発生した場合に、ラッシュのランクが上昇することを期待させるより斬新な遊技性を実現することができる。
<第28制御例>
次に、図862から図882を参照して、第28制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第27制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)した上で、時短状態の設定契機(大当たり種別)に応じて第1特別図柄の抽選頻度(選択される変動時間の傾向)を異ならせることにより、時短状態の終了までに実行される第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成とした。また、遊技状態として通常状態と時短状態との2種類のみが設けられ、特別図柄の抽選で大当たりとなるか、小当たりとなってV入賞が発生することで大当たりに当選する仕様を採用していた。
これに対して第28制御例では、同時変動仕様を前提として、遊技状態として通常状態、時短状態に加えて、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が上昇する上に時短状態と同様に電動役物640aが開放され易くなる確変状態を設ける構成とし、大当たりの契機を特別図柄の抽選で大当たりになった場合のみとする仕様を採用した。また、上述した第27制御例では、一方の特別図柄の大当たり変動が実行されている間も、他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選することを許容していたが、本第28制御例では、一方の特別図柄の抽選が大当たりになった時点で他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選することが禁止(抑制)される制御を採用している。つまり、一方の大当たり変動中は、他方の特別図柄の抽選が外れ(小当たり含む)確定となる仕様を採用している。更に、本第28制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に最も有利な確変状態が設定される割合が低くなる一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に最も有利な確変状態が設定される割合が高くなるように構成することで。第2特別図柄の抽選で大当たりになることをより強く期待させることが可能な仕様を採用している。
係る仕様の元で、本第28制御例に係るパチンコ機10では、時短状態や確変状態において右打ちを行った場合に第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(右第1入球口64r)にも第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(第2入球口640)にも遊技球が入球し得る盤面構成とし、特に、確変状態において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選しないことを強く期待させる遊技性を実現した。更に、本第28制御例では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合の一部で小当たりとなる構成とした。この小当たりは、第27制御例等の小当たりと異なり、大当たり遊技において開放される可変入賞装置1065を短時間開放させるのみの抽選結果となっている(小当たり遊技において大当たりに当選する可能性はない)ため、基本的に、当選したとしても何ら遊技者の有利度合いに寄与するものではない。しかしながら、小当たりに当選して小当たり図柄が停止表示されると、大当たり図柄が停止表示された場合と同様に、他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で停止表示させる制御が実行されるため、特に、不利な第1特別図柄の大当たり変動中に小当たりに当選することで遊技者に有利となる遊技性を実現することができる。つまり、確変状態において第1特別図柄の抽選で確変状態が付与されない通常大当たりに当選し、大当たり変動が実行されると、確変状態が終了されてしまう可能性が高い不利な状態を形成する。この不利な第1特別図柄の大当たり変動中に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、先に小当たり変動が終了すると、変動表示中の第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させることができ、不利な第1特別図柄の大当たりを無かったことにして、確変状態を継続させることができる。よって、基本的に、何ら遊技者の有利度合いに貢献することが無い小当たりに、特定条件下(確変状態中、且つ、第1特別図柄の大当たり変動中)において当選することで、遊技者にとって極めて不利な状況(確変状態が終了されてしまう状況)が発生することを回避できるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上述した第27制御例におけるパチンコ機10では、時短回数を減算する際に、一律で、変動開始時に減算処理を実行する構成としていた。これに対して本第28制御例におけるパチンコ機10では、基本的に、変動停止時に減算処理を実行する構成とし、時短状態における最後の変動表示のみ、変動開始時に減算処理を実行する構成としている。また、一方の特別図柄が当たり(大当たり又は小当たり)図柄で停止表示され、他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で停止表示させる場合については、当該強制的な停止表示のタイミングで時短回数の減算処理が実行されることを回避する構成としている。このように構成することで、強制的に外れに変更された(即ち、当たりが抽選されていないに等しい)変動表示によって時短回数を1回分損してしまうことを抑制できるので、より好適に時短回数を減算することができる。
この第28制御例におけるパチンコ機10が、上述した第27制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第27制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第27制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図862を参照して、本第28制御例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図862は、本第28制御例における遊技盤13の正面図である。図862に示した通り、本第28制御例における遊技盤13は、上述した第27制御例における遊技盤13の盤面構成(図828参照)に対して、右第1入球口64rと第2入球口640との配置が反対になっている(第2入球口640の下流側に右第1入球口64rが設けられている)点、第2入球口640に対して第2入球口640を開閉させることが可能な電動役物640aが付随して設けられている点、第27制御例において右第1入球口64rに付随して設けられていた電動役物64raが削除されている点、右第1入球口64の真上に、パチンコ機10に対して電源が投入されている間、所定周期で出没動作することが可能な出没部材64rbが設けられている点で相違している。この出没部材64rbは、正面視手前側に突出した突出位置に変位することで右第1入球口64rへの遊技球の入球を妨げ、遊技盤13に没入することで右第1入球口64rへと遊技球が入球可能な状態を形成する。この出没部材64rbは、例えば、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態(時短状態、又は確変状態)において右打ちにより発射された遊技球が25個に1個前後の割合で右第1入球口64rに入球するように、没入位置に変位する周期および変位期間の長さが定められている。つまり、通常状態において右打ちを行うよりも、左打ちを行った方が第1特別図柄の抽選頻度が高くなり、且つ、普通図柄の時短状態が設定される時短状態や確変状態において第1特別図柄の保留球が0になり難くなるように、没入位置に変位する周期および変位期間の長さが定められている。これにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図りつつ、時短状態や確変状態において第1特別図柄の抽選を比較的高頻度で実行させることができる。
また、図862に示した通り、本第28制御例における遊技盤13は、上述した第27制御例における遊技盤13に設けられていた可変入賞装置1065およびV入賞装置650が削除され、第1制御例等における遊技盤13に設けられていた可変入賞装置65が設けられている点でも相違している。これは、本第28制御例では、第1制御例等と同様に、大当たり遊技の実行中に特定領域に遊技球が入球することで大当たり終了後に確変状態が付与される仕様を採用していることによる。なお、本第28制御例において第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合は、可変入賞装置65が所定期間(例えば、0.2秒間)開閉する。このため、小当たり遊技において賞球を得ることはほぼ不可能となるように構成されている。また、小当たり遊技(および通常大当たり)では、特定領域を遊技球が通過困難(不可能)となるように制御される。
次いで、図863および図864を参照して、本第28制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図863(a)は、本第28制御例において最も有利度合いが高い確変状態に移行した場合の表示態様を示した図である。確変状態においては、上述した第27制御例における時短状態と同様に、主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示演出が実行されると共に、主表示領域Dmの右下における比較的狭い表示領域(小表示領域Dm8a)において、第1特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示演出が実行される。なお、本第28制御例では、一旦確変状態になると、次に大当たりとなるまで確変状態が終了されない仕様を採用している。このため、終了条件(残りの抽選回数や残り時間等)が画面上に表示されることはない。
図863(b)は、確変状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり変動が開始された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。ここで、本第28制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、高確率(90%の割合)で通常大当たりに当選する一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず確変大当たりとなって大当たり終了後も有利な確変状態が継続する。このため、右打ちにより右第1入球口64rにも第2入球口640にも入球し得る確変状態においては、第2特別図柄の抽選で大当たりとなることをより強く期待させる遊技性となる。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、遊技者にとって不利な状態となる可能性が高くなる。
図863(b)に示した通り、確変状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始されると、主表示領域Dmに敵のキャラクタ811が出現して冒険者のキャラクタ801とにらみ合う演出が実行される。また、表示領域HR3に対して、「敵を倒してRUSHを継続させろ!!」という文字が表示される。更に、主表示領域Dmの右上に形成される小表示領域Dm2に対して、確変状態が終了するまで(即ち、第1特別図柄の大当たり変動が終了するまで)の残り時間を示す情報が表示される。図863(b)の例では、変動終了までの残変動時間が28.05秒である場合を例示しており、小表示領域Dm1に対して、「RUSH終了まで28:05」という文字が表示されている。加えて、小表示領域Ds2に対して、「RUSH終了のピンチ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、小表示領域Dm1に表示されている残り時間が経過するまでに敵のキャラクタ811を討伐できなければ、確変状態(ラッシュ)が終了してしまう可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、上述した通り、本第28制御例では、一方の特別図柄の大当たり変動が開始された後で、他方の特別図柄の抽選が実行されたとしても、当たりが抽選されることはない。つまり、第1特別図柄の大当たり変動表示中に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性が無いため、先に第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示されて第1特別図柄の大当たりを外れ図柄に変換することが不可能に構成されている。一方で、小当たりは、外れの一部であるため、第1特別図柄の変動表示中であっても当選し得る要に構成されている。このため、第1特別図柄の大当たり変動中は、小当たりに当選することにより、大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができ、不利な第1特別図柄の大当たりを回避して確変状態を継続させることができる。
図864(a)は、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の抽選で小当たりに当選せず、変動時間が経過した場合の表示態様の一例を示した図である。図864(a)に示した通り、第1特別図柄の大当たり変動の変動時間が経過し、小表示領域Dmに表示されていた残り時間が「00:00」になると、冒険者のキャラクタ801が敵のキャラクタ811からの攻撃を受けて敗北する演出が実行される。また、表示領域HR3に対して、「残念・・・」という文字が表示され、小表示領域Ds2に対して、「RUSH終了・・・」という文字が表示される。また、小表示領域Dm8aにおいて第1特別図柄の当たりを示す第3図柄が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して確変状態が終了した可能性が高いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図864(b)は、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、第1特別図柄の大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができた場合の表示態様の一例を示している。図864(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり変動中に小当たりに当選して先に小当たり図柄が停止表示されると、冒険者のキャラクタ801が敵のキャラクタ811の討伐に成功する演出が実行される。また、表示領域HR3に対して、「勝利!!」という文字が表示され、小表示領域Ds2に対して、「RUSH継続!!」という文字が表示される。また、小表示領域Dm8aにおいて第1特別図柄の外れ図柄(所謂、ばらけ目)が表示され、小表示領域Dm8bにおいて、第2特別図柄の小当たり図柄(本第28制御例では、互いに異なる奇数図柄)が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して確変状態が継続したということを容易に理解させることができる。
<第28制御例における電気的構成>
次に、図865(a)を参照して、本第28制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図865(a)に示した通り、本第28制御例におけるROM202は、上述した第27制御例におけるROM202の構成(図835(a)参照)に対して、第1当たり乱数27テーブル202awに代えて第1当たり乱数28テーブル202axが設けられている点、大当たり種別選択27テーブル202bwに代えて大当たり種別選択28テーブル202bxが設けられている点、変動パターン27テーブル202dwに代えて変動パターン28テーブル202dxが設けられている点、小当たり乱数27テーブル202ewに代えて小当たり乱数28テーブル202exが設けられている点で相違している。また、通常用変動パターンシナリオテーブル202waが削除されている点でも相違している。
まず、図866(a)を参照して、本第28制御例における第1当たり乱数28テーブル202axの詳細について説明する。この第1当たり乱数28テーブル202axは、上述した第27制御例における第1当たり乱数27テーブル202awと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されているデータテーブルである。図866(a)は、第1当たり乱数28テーブル202axの規定内容を示した図である。図866(a)に示した通り、本第28制御例では、特別図柄の種別によらず、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「0~39」の40個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。本第28制御例における第1当たり乱数カウンタC1は、「0~999」の1000個の値を取り得るループカウンタで構成されているので、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも1/25(40/1000)である。
また、図866(a)に示した通り、本第28制御例における第1当たり乱数28テーブル202axには、特別図柄の種別によらず、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選で大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「0~9」の10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。本第28制御例における第1当たり乱数カウンタC1は、「0~999」の1000個の値を取り得るループカウンタで構成されているので、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも1/100(10/1000)である。
次に、図866(b)を参照して、本第28制御例における大当たり種別選択28テーブル202bxの詳細について説明する。図866(b)は、本第28制御例における大当たり種別選択28テーブル202bxの規定内容を示した図である。図866(b)に示した通り、この大当たり種別選択28テーブル202bxには、特別図柄の種別毎に、選択され得る大当たり種別と、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲と、が対応付けて規定されている。より具体的には、図866(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対して「大当たりA28」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~99」の範囲に対して「大当たりB28」が対応付けて規定されている。「大当たりA28」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。また、「大当たりB28」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として比較的有利度合いが低い時短状態が設定される大当たり(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりA28」、「大当たりB28」に対応付けられている乱数値はそれぞれ10個および90個であるため、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA28」が決定される割合は10%(10/100)となり、「大当たりB28」が決定される割合は90%(90/100)となる。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、ほぼ、ラウンド数が最も少なく、有利度合いが低い時短状態に設定される大当たり種別(大当たりB28)が決定されるため、第1特別図柄の抽選は遊技者にとって有利度合いが低い抽選である。
また、図866(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対して「大当たりC28」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~34」の範囲に対して「大当たりD28」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対して「大当たりE28」が対応付けて規定されている。「大当たりC28」は、ラウンド数が10ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(10ラウンド確変大当たり)である。また、「大当たりD28」は、ラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。更に、「大当たりE28」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりC28」、「大当たりD28」、「大当たりE28」に対応付けられている乱数値はそれぞれ25個、10個、および65個であるため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC28」が決定される割合は25%(25/100)となり、「大当たりD28」が決定される割合は10%(10/100)となり、「大当たりE28」が決定される割合は65%(65/100)となる。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、過半数が最低のラウンド数(4ラウンド)に設定されるものの、いずれの大当たり種別が選択されたとしても大当たり終了後の遊技状態が有利度合いが高い確変状態に設定されるので、第2特別図柄の抽選は、第1特別図柄の抽選に比較して有利度合いが高い抽選であると言える。
次に、図866(c)を参照して、本第28制御例における小当たり乱数28テーブル202exの詳細について説明する。この小当たり乱数28テーブル202exは、上述した第27制御例における小当たり乱数27テーブル202ewと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されているデータテーブルである。図866(c)に示した通り、本第28制御例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が第2特別図柄に対してのみ対応付けられており、その値の範囲は「40~49」である。第1当たり乱数カウンタC1が取り得る「0~999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が「40~49」の10個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は1/100(10/1000)である。
次に、図867(a)を参照して、本第28制御例における変動パターン28テーブル202dxの詳細について説明する。図867(a)は、本第28制御例における変動パターン28テーブル202dxの構成を示したブロック図である。図867(a)に示した通り、本第28制御例における変動パターン28テーブル202dxは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202dx1と、確変状態、および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変・時短用テーブル202dx2と、の2種類のデータテーブルで構成されている。なお、通常用テーブル202dx1に関しては、上述した第27制御例における通常用テーブル202dw1と同一の規定内容(第1特別図柄の抽選では抽選結果に応じて7秒~140秒の範囲の変動時間が選択される一方で、第2特別図柄の抽選では600秒の変動時間が必ず選択される規定内容)となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
図867(b)は、変動パターン28テーブル202dxを構成する確変・時短用テーブル202dx2の規定内容を示した図である。この確変・時短用テーブル202dx2は、上述した通り、確変状態および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に参照されるデータテーブルである。図867(b)に示した通り、確変・時短用テーブル202dx2には、第1特別図柄の外れ時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が10000ms(10秒間)の外れショート変動が対応付けて規定されている。
一方で、第1特別図柄の通常大当たり時の変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0~249」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30000ms(30秒間)の当たりロング変動Aが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「250~899」の範囲に対して、変動時間が60000ms(60秒間)の当たりロング変動Bが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「900~999」の範囲に対して、変動時間が180000ms(180秒間)の当たりロング変動Cが対応付けて規定されている。このため、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合は、25%(250/1000)の割合で30秒間の変動時間が選択され、65%(650/1000)の割合で60秒間の変動時間が選択され、10%(100/1000)の割合で180秒間の変動時間が選択される。変動時間が長いほど、変動中に第2特別図柄の抽選をより多く実行し易くなるため、小当たり当選の期待度も上昇する。よって、通常大当たりに当選した場合は、より長い変動時間が選択された方が遊技者にとって有利度合いが高くなる。
また、図867(b)に示した通り、第1特別図柄の確変大当たり時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が500ms(0.5秒間)の当たり超ショート変動が対応付けて規定されている。第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合に短い変動時間を設定するのは、第2特別図柄の小当たりが先に停止表示されて有利な確変大当たりが外れに強制的に変換されてしまうことを極力防ぐためである。更に、図867(b)に示した通り、第2特別図柄の変動パターンとして、外れの場合も当たりの場合も、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が6000ms(6秒間)の変動パターン(外れショート変動、当たりショート変動)が対応付けて規定されている。このため、確変状態においては、第2特別図柄の変動時間が6秒間に固定化される。
なお、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選し、30秒間の変動時間が設定された場合は、当たり変動中に最大5回(30秒/6秒)第2特別図柄が停止表示されるので、1/100の確率の小当たりによって通常大当たりを外れに変換し、確変状態を継続させることができる割合は約4.9%である。同様に、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選し、30秒間の変動時間が設定された場合は、当たり変動中に最大10回(60秒/6秒)第2特別図柄が停止表示されるので、小当たりによって通常大当たりを外れに変換し、確変状態を継続させることができる割合は約9.6%である。更に、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選し、180秒間の変動時間が設定された場合は、当たり変動中に最大30回(180秒/6秒)第2特別図柄が停止表示されるので、小当たりによって通常大当たりを外れに変換し、確変状態を継続させることができる割合は約26%である。
このように、本第28制御例では、確変状態において通常大当たりに当選した場合に、比較的長い(第2特別図柄の抽選を複数回実行可能な長さの)変動時間が選択されるように構成しているので、第2特別図柄の大当たり変動が開始された場合に、第2特別図柄の小当たりとなって通常大当たりを外れに変換する期待感を複数回の第2特別図柄の抽選に渡って遊技者に抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図865(b)を参照して、本第28制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図865(b)は、本第28制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図865(b)に示した通り、本第28制御例におけるRAM203は、上述した第27制御例におけるRAM203の構成(図835(b)参照)に対して、時短中第1カウンタ203h1および時短中第2カウンタ203h2に代えて、時短中カウンタ203hが設けられている点で相違している。この変更は、時短状態の終了条件が1つのみ(第1特別図柄と第2特別図柄の抽選回数の合計が所定回数になることで成立する終了条件のみ)の仕様に変更されたことに伴うものである。また、確変設定フラグ203mと、確変通過カウンタ203nと、入賞個数カウンタ203oと、残球タイマフラグ203pと、残球タイマ203qと、確変有効フラグ203rと、確変有効タイマ203sと、排出個数カウンタ203tと、確変フラグ203xaと、が追加されている点でも第27制御例と相違している。これらの構成の追加は、第1制御例等と同様に、大当たり遊技の実行中に特定領域を遊技球が通過することで大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される仕様に変更したことに伴うものであり、確変フラグ203xa以外は第1制御例において設けられていた同名の構成と全く同じものであるため、ここではその詳細な説明については省略する。
更に、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ffが削除されている点でも第27制御例と相違している。なお、これらの構成を削除する変更は、小当たり遊技中のV入賞によって大当たりが発生する仕様を廃止したことによるものである。
確変フラグ203xaは、現在の遊技状態が確変状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203xaがオンに設定されていると、遊技状態が確変状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(通常状態、または時短状態)であることを示している。本第28制御例では、大当たり遊技終了時に確変設定フラグ203mがオンに設定されている場合に確変フラグ203xaがオンに設定される。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、パチンコ機10の設定が初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
次に、図868を参照して、本第28制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図868は、本第28制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図868に示した通り、本第28制御例におけるRAM223は、上述した第27制御例におけるRAM223の構成(図841参照)に対して、終了時間タイマ223xaが追加されている点で相違している。また、ランクアップ回数カウンタ223wb、保証時間タイマ223wc、余剰時間格納エリア223wdが削除されている点でも相違している。
終了時間タイマ223xaは、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選して確変状態が終了されるまでの時間を示すタイマである。この終了時間タイマ223xaは、初期値が0に設定されており、確変状態中に第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合に、当該通常大当たりの大当たり変動の変動時間に応じたタイマ値が設定されると共に、第3図柄表示装置81に対して終了までの残り時間としてタイマ値に対応する秒数が表示される(図881のS9714A,S9715A参照)。また、メイン処理が実行される毎にタイマ値が減算して更新される(図880のS5433参照)。
<第28制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図869から図879を参照して、本第28制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図869を参照して、本第28制御例における第1特別図柄変動開始処理28(Y271)の詳細について説明する。図869は、本第28制御例における第1特別図柄変動開始処理28(Y271)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動開始処理28(Y271)は、上述した第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(図843参照)に代えて実行される処理であり、第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(図843参照)と同様に、第1特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。
この第28制御例における第1特別図柄変動開始処理28(図869参照)のうち、Y302~Y306の各処理では、それぞれ第27制御例における第1特別図柄変動開始処理27(図843参照)のY302~Y306の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第1特別図柄変動開始処理28(図869参照)では、Y306の処理が終了すると、次いで、第27制御例における第1特別図柄判定処理27(図844参照)に代えて第1特別図柄判定処理28を実行し(Y351)、次いで、第27制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理27(図845参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理28を実行する(Y352)。次いで、第27制御例における特図1遊技状態更新処理(図846参照)に代えて変動開始時更新処理を実行して(Y353)、本処理を終了する。これらの第1特別図柄判定処理28(Y351)、第1特別図柄変動パターン選択処理28(Y352)、および変動開始時更新処理(Y353)の詳細については、それぞれ図870、図871、および図872を参照して後述する。
まず、図870を参照して、上述した第1特別図柄判定処理28(Y351)の詳細について説明する。この第1特別図柄判定処理28(Y351)は、上述した第27制御例における第1特別図柄判定処理27(図844参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄判定処理27(図844参照)と同様に、第1特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。図870は、この第1特別図柄判定処理28を示すフローチャートである。
この第1特別図柄判定処理28(図870参照)のうち、Y8001,Y8003~Y8006,Y8011、およびY8021の各処理では、それぞれ第27制御例における第1特別図柄判定処理27(図844参照)のY8001,Y8003~Y8006,Y8011、およびY8021の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第1特別図柄判定処理28(図870参照)が実行されると、まず、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオンであるか否かを判別し(Y8031)、オンであると判別した場合は(Y8031:Yes)、既に第2特別図柄の大当たり変動の実行中であることを意味するため、処理をY8021に移行することにより、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアのデータによらず、抽選結果を外れに設定する。一方、S8031の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオフであると判別した場合は(Y8031:No)、処理をY8001へと移行する。
また、本第28制御例における第1特別図柄判定処理28(図870参照)では、Y8001の処理が終了すると、次いで、確変フラグ203xaがオンであるか否かを判別し(Y8032)、確変フラグ203xaがオンである(即ち、特別図柄の高確率状態である)と判別した場合は(Y8032:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数28テーブル202axを参照して第1特別図柄の抽選結果を取得し(Y8033)、処理をY8003へと移行する。これに対し、Y8032の処理において、確変フラグ203xaがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(Y8032:No)、低確率時用の第1当たり乱数28テーブル202axを参照して第1特別図柄の抽選結果を取得し(Y8034)、処理をY8003へと移行する。
次いで、図871を参照して、本第28制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理28(Y352)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理28(Y352)は、上述した第27制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理27(図845参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動パターン選択処理27(図845参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じて変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図871は、この第1特別図柄変動パターン選択処理28(Y352)を示すフローチャートである。
この第28制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理28(図871参照)のうち、Y501~Y503、およびY505~Y508の各処理では、それぞれ第27制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理27(図845参照)のY501~Y503、およびY505~Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理28(図871参照)では、Y503の処理が終了すると、遊技状態に応じた変動パターンテーブルを変動パターン28テーブル202dx(図867(a)参照)に規定されている2種類のテーブル(通常用テーブル202dx1、確変・時短用テーブル202dx2)の中から読み出して(Y541)、処理をY505へと移行する。
次に、図872を参照して、本第28制御例における変動開始時更新処理(Y353)の詳細について説明する。この変動開始時更新処理(Y353)は、変動開始時に遊技状態を更新するための処理である。図872は、この変動開始時更新処理(Y353)を示すフローチャートである。ここで、本第28制御例では、残時短回数(時短中カウンタ203hのカウンタ値)の更新を、基本的に変動停止時に行う構成とし、特定条件下(時短状態における残時短回数が1回の状態で特別図柄の抽選が実行された場合)においてのみ、変動開始時に更新する構成としている。このように構成することで、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並行して)実行可能な仕様を搭載している一般的な遊技機(所謂、同時変動機)が採用している残時短回数の減算タイミング(常に変動開始時)に対して、時短状態が終了するタイミングを遅らせることができるケースを設けることができるので、一般的な同時変動機に対して時短状態における遊技をより効率良く(無駄なく)行わせることができる。この従来型の残時短回数の減算方式を採用している同時変動機に対する時短終了タイミングの相違については、図873を参照して後述する。また、本第28制御例では、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が当たり(大当たり又は小当たり)図柄で停止表示されたことにより、変動中の特別図柄が強制的に外れ図柄で停止表示された場合は、その強制的に外れ図柄で停止表示された特別図柄によって時短回数が減算されることを抑制する構成としている。このように構成することで、強制的に外れ図柄で停止表示された変動表示(当たりとなり得ない遊技者にとって無駄な変動表示)で1回分の時短回数を損してしまうことを抑制することができる。
ここで、一般的な同時変動機に対して時短終了タイミングを遅らせることができるケースについて、図873を参照して説明する。上述した通り、本第28制御例では、基本的に、変動終了タイミングで残時短回数を更新(減算)する構成とし、残時短回数が残り1回の状態で新たな特別図柄の抽選が実行された場合にのみ、変動開始時に残時短回数を減算する構成としている。このため、両方の特別図柄の変動表示が停止されている状態で残時短回数が残り1回となった場合は、従来の残時短回数の減算タイミングと同じタイミング(時短回数内における最後の変動表示の開始タイミング)で時短回数が0に更新されて時短状態が終了される。
これに対し、図873(a)や図873(b)に示した通り、時短状態における最後の変動表示の開始時(本第28制御例では70回、または30回)に他方の特別図柄の変動表示が実行中である場合には、従来の残時短回数の減算タイミングに対して、より長い期間の時短状態を確保しつつ、設定されている時短回数よりも多くの回数の変動表示に渡って時短回数が継続されることを抑制することができる。図873(a)、および図873(b)の例では、時短回数が70回に設定された時短状態において、70回目の特別図柄の変動抽選として第2特別図柄の抽選が実行された時点で第1特別図柄の変動表示が実行中である場合の時短終了タイミングを示した図である。
まず、図873(a)を参照して、時短状態が設定された後(大当たり終了後)における69回目の特別図柄の抽選に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されている状態で、70回目の特別図柄の抽選として第2特別図柄の抽選が実行され、69回目の特別図柄の抽選に基づく第1特別図柄の変動表示よりも前に70回目の特別図柄の抽選に基づく第2特別図柄の変動表示が終了するケースについて説明する。図873(a)の例では、時刻t1のタイミングで69回目の特別図柄の抽選として第1特別図柄の抽選が実行されて第1特別図柄の変動表示が実行され、その第1特別図柄の変動表示の実行中において時刻t2となって70回目の特別図柄の抽選として第2特別図柄の抽選が実行されて第2特別図柄の変動表示が実行された後で、時刻t3において第1特別図柄の変動表示よりも先に第2特別図柄の変動表示が開始され、且つ、大当たり終了後71回目の特別図柄の抽選として第2特別図柄の抽選が時刻t4で実行された場合を例にとって説明する。
図873(a)に示した例の場合、従来型の同時変動機(常に変動開始時に時短回数を更新する方式)においては、時刻t1(第1特別図柄の変動開始時)において残時短回数が減算されて残り1回となり、時刻t2において残時短回数が減算されて残り0回となることで時短状態が終了される。つまり、時短状態における最後の変動表示が開始されるタイミングで時短状態が終了されるため、時短状態が実質的に1回分(最後の変動表示の変動期間中の分)少なくなる。
これに対して、本第28制御例では、残時短回数が1回となるまでは基本的に変動停止時に時短回数が更新され、残時短回数が1回の状態で新たな特別図柄の変動開始タイミングとなった場合に限り、変動開始時に残時短回数を更新する構成としているため、時刻t1(69回目の変動開始時)においては残時短回数の更新が行われない。このため、時刻t2(70回目の変動開始時)においても残時短回数が2回となっているため、時刻t2においても残時短回数の更新が行われず、時刻t3(70回目に開始された変動表示の停止時)において残時短回数の更新が行われて残時短回数が残り1回の状態となる。これにより、本第28制御例では、時刻t4(71回目の変動開始時)において時短回数が0となって時短状態が終了される。つまり、大当たり終了後69回目に開始された変動表示の実行中で、且つ、大当たり終了後71回目の変動表示の開始前に時短状態が終了されるので、従来型の同時変動機に対して、時刻t4と時刻t2との差分の時間(T1)だけ長く時短状態を継続させることができる。また、大当たり終了後71回目の変動表示の開始時には時短状態が終了された状態になるので、設定された時短回数(70回)を超える回数の変動表示が時短状態中に実行されることを抑制することができる。よって、時短状態における遊技を無駄なく行わせることができる。なお、本第28制御例では、時短回数が残り1回の状態で特別図柄の変動表示が開始されるよりも前に特別図柄が停止表示された場合に、原則通り時短回数を1減算するように構成されている。このため、図873(a)において71回目の特別図柄の変動表示としての第1特別図柄の変動表示が開始されず、先に69回目の特別図柄の変動表示としての第2特別図柄の変動表示が停止表示された場合は、その停止表示タイミングで残時短回数が0に更新されて時短状態が終了される。この場合、70回分の変動表示期間が全て終了してから時短状態を終了させることができるため、従来の同時変動機における時短終了タイミングに対して、より長く時短状態を継続させることができる。よって、時短状態における遊技を無駄なく行わせることができる。
次に、図873(b)を参照して、時短状態が設定された後(大当たり終了後)における69回目の特別図柄の抽選に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されている状態で、70回目の特別図柄の抽選として第2特別図柄の抽選が実行され、先に69回目の特別図柄の抽選に基づく第1特別図柄の変動表示が終了して71回目の特別図柄の変動表示として第1特別図柄の抽選が開始されてから、70回目の特別図柄の抽選に基づく第2特別図柄の変動表示が終了するケースについて説明する。図873(b)に示した例の場合、従来型の同時変動機(常に変動開始時に時短回数を更新する方式)においては、時刻t5(第1特別図柄の変動開始時)において残時短回数が減算されて残り1回となり、時刻t6において残時短回数が減算されて残り0回となることで時短状態が終了される。つまり、時短状態における最後の変動表示が開始されるタイミングで時短状態が終了されるため、時短状態が実質的に1回分(最後の変動表示の変動期間中の分)少なくなる。
これに対して、本第28制御例における制御(残時短回数が1回となるまでは基本的に変動停止時に時短回数が更新され、残時短回数が1回の状態で新たな特別図柄の変動開始タイミングとなった場合に限り、変動開始時に残時短回数を更新する制御)を採用した場合、時刻t5(69回目の変動開始時)においては残時短回数の更新が行われない。このため、時刻t6(70回目の変動開始時)においても残時短回数が2回となっているため、時刻t6においても残時短回数の更新が行われず、時刻t7(69回目に開始された変動表示の停止時)において残時短回数の更新が行われて残時短回数が残り1回の状態となる。これにより、本第28制御例では、時刻t8(71回目の変動開始時)において時短回数が0となって時短状態が終了される。つまり、大当たり終了後70回目に開始された変動表示の実行中で、且つ、大当たり終了後71回目の変動表示の開始前に時短状態が終了されるので、従来型の同時変動機に対して、時刻t8と時刻t6との差分の時間(T2)だけ長く時短状態を継続させることができる。また、大当たり終了後71回目の変動表示の開始時には時短状態が終了された状態になるので、設定された時短回数(70回)を超える回数の変動表示が時短状態中に実行されることを抑制することができる。よって、時短状態における遊技を無駄なく行わせることができる。
図872に戻って説明を続ける。図872に示した通り、本第28制御例における変動開始時更新処理(図872参照)では、まず、時短中カウンタ203hの値が1であるか否かを判別し(Y631)、時短中カウンタ203hの値が1ではないと判別した場合は(Y631:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、Y631の処理において、時短中カウンタ203hの値が1であると判別した場合は(Y631:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算して0に更新し(Y632)、通常状態へと移行したことを示す状態コマンドを設定して(Y633)、本処理を終了する。この変動開始時更新処理(図872参照)を実行することにより、時短状態の最後の特別図柄の抽選のみ、変動開始時に時短回数を減算することができる。
次に、図874を参照して、本第28制御例における第1特別図柄変動停止処理28(Y272)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動停止処理28(Y272)は、上述した第27制御例における第1特別図柄変動停止処理27(図847参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動停止処理27(図847参照)と同様に、第1特別図柄の変動終了時に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図874は、この第1特別図柄変動停止処理28(Y272)を示すフローチャートである。
この第28制御例における第1特別図柄変動停止処理28(図874参照)のうち、Y701,Y704~Y707、Y721,Y723~Y726,Y732、およびY733の各処理では、それぞれ第27制御例における第1特別図柄変動停止処理27(図847参照)のY701,Y704~Y707、Y721,Y723~Y726,Y732、およびY733の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第1特別図柄変動停止処理28(図874参照)では、Y721の処理において、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオフである(即ち、今回の第1特別図柄の抽選結果が外れである)と判別した場合に(Y721:No)、変動停止タイミングで残時短回数を更新するための変動停止時更新処理を実行して(Y741)、処理をY732へと移行する。この変動停止時更新処理(Y741)の詳細については、図875を参照して後述する。
また、本第28制御例における第1特別図柄変動停止処理28(図874参照)では、Y723の処理において特図2変動時間タイマ203kbが0であると判別される(Y723:No)か、Y726の処理が終了した場合に、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203gb、時短中カウンタ203h、および確変フラグ203xaを全てリセットして(Y742)、処理をY704へと移行する。
次いで、図875を参照して、変動停止時更新処理(Y741)の詳細について説明する。この変動停止時更新処理(Y741)は、遊技状態が時短状態である場合に、変動停止タイミングで時短回数を更新するための処理である。図875は、この変動停止時更新処理(Y741)を示すフローチャートである。ここで、上述した通り、本第28制御例では、残時短回数(時短中カウンタ203hのカウンタ値)の更新を、基本的に変動停止時に行う構成とし、特定条件下(時短状態における残時短回数が1回の状態)においてのみ、変動開始時に更新する構成としている。そして、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が当たり(大当たり又は小当たり)図柄で停止表示されたことにより、変動中の特別図柄が強制的に外れ図柄で停止表示された場合は、その強制的に外れ図柄で停止表示された特別図柄によって時短回数が減算されることを抑制する構成としている。このように構成することで、強制的に外れ図柄で停止表示された変動表示(当たりとなり得ない遊技者にとって無駄な変動表示)で1回分の時短回数を損してしまうことを抑制することができる。
図875に示した通り、変動停止時更新処理(図875参照)、まず、時短中カウンタ203hの値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(Y635)、時短中カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(Y635:No)、現在が時短状態ではないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、Y635の処理において、時短中カウンタ203hのカウンタ値が0より大きい値であると判別した場合は(Y635:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算して更新し(Y636)、次いで、減算後の時短中カウンタ203hのカウンタ値が0となったか否かを判別する(Y637)。Y637の処理において、減算後のカウンタ値が0になったと判別した場合は(Y637:Yes)、通常状態への移行を示す状態コマンドを設定して(Y638)、本処理を終了する。一方、Y637の処理において、減算後のカウンタ値が0ではない(1以上の値である)と判別した場合は(Y637:No)、Y638の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図876を参照して、本第28制御例における第2特別図柄変動開始処理28(Y273)について説明する。この第2特別図柄変動開始処理28(Y273)は、上述した第27制御例における第2特別図柄変動開始処理27(図848参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動開始処理27(図848参照)と同様に、第2特別図柄の抽選を実行すると共に抽選結果に応じて第2特別図柄の変動表示を開始させるための処理である。図876は、この第2特別図柄変動開始処理28(Y273)を示すフローチャートである。
この第28制御例における第2特別図柄変動開始処理28(図876参照)のうち、Y832~Y836,Y851、およびY852の各処理では、それぞれ第27制御例における第2特別図柄変動開始処理27(図848参照)のY832~Y836,Y851、およびY852の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第2特別図柄変動開始処理28(図876参照)では、Y836の処理が終了すると、次いで、第27制御例における第2特別図柄判定処理27(図849参照)に代えて第2特別図柄判定処理28を実行し(Y871)、次いで、第27制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理27(図851参照)に代えて第2特別図柄変動パターン選択処理28を実行する(Y872)。次いで、第27制御例における特図2遊技状態更新処理(図852参照)に代えて変動開始時更新処理を実行して(Y873)、本処理を終了する。第2特別図柄判定処理28(Y871)の詳細については、図877を参照して後述する。なお、第2特別図柄変動パターン選択処理28(Y872)については、第1特別図柄変動パターン選択処理28(図871参照)と同様に、第2特別図柄変動パターン選択処理27(図851参照)との相違点は、変動パターンを選択する際に遊技状態に応じた変動パターンテーブルを読み出す点のみであるため、ここではその詳細な説明については省略する。また、変動開始時更新処理(Y873)については、第1特別図柄変動開始処理28(図869参照)の中の1処理である変動開始時更新処理(図872参照)と全く同一の処理であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図877を参照して、本第28制御例における第2特別図柄判定処理28(Y871)の詳細について説明する。この第2特別図柄判定処理28(Y871)は、上述した第27制御例における第2特別図柄判定処理27(図849参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄判定処理27(図849参照)と同様に、第2特別図柄の当たり判定を実行するための処理である。図877は、この第2特別図柄判定処理28(Y871)を示すフローチャートである。
この第28制御例における第2特別図柄判定処理28(図877参照)のうち、Y8101,Y8103~Y8106,Y8111、およびY8121の各処理では、それぞれ第27制御例における第2特別図柄判定処理27(図849参照)のY8101,Y8103~Y8106,Y8111、およびY8121の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第2特別図柄判定処理28(図877参照)が実行されると、まず、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオンであるか否かを判別し(Y8131)、オンであると判別した場合は(Y8131:Yes)、既に第1特別図柄の大当たり変動の実行中であることを意味するため、処理をY8121に移行することにより、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアのデータによらず、抽選結果が大当たりとなることを回避する。一方、Y8131の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオフであると判別した場合は(Y8031:No)、処理をY8101へと移行する。
また、本第28制御例における第2特別図柄判定処理28(図877参照)では、Y8101の処理が終了すると、次いで、確変フラグ203xaがオンであるか否かを判別し(Y8132)、確変フラグ203xaがオンである(即ち、特別図柄の高確率状態である)と判別した場合は(Y8132:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数28テーブル202axを参照して第1特別図柄の抽選結果を取得し(Y8133)、処理をY8103へと移行する。これに対し、Y8132の処理において、確変フラグ203xaがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合は(Y8132:No)、低確率時用の第1当たり乱数28テーブル202axを参照して第1特別図柄の抽選結果を取得し(Y8134)、処理をY8103へと移行する。
次に、図878を参照して、本第28制御例における第2特別図柄変動停止処理28(Y274)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動停止処理28(Y274)は、上述した第27制御例における第2特別図柄変動停止処理27(図853参照)と同様に、第2特別図柄の変動終了時に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図878は、この第2特別図柄変動停止処理28(Y274)を示すフローチャートである。
この第28制御例における第2特別図柄変動停止処理28(図878参照)のうち、Y1101~Y1106、およびY1108~Y1111の各処理では、それぞれ第27制御例における第2特別図柄変動停止処理27(図853参照)のY1101~Y1106、およびY1108~Y1111の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における第2特別図柄変動停止処理28(図878参照)では、Y1102の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gbがオフである(即ち、今回の第2特別図柄の抽選結果が外れ(完全外れ又は小当たり)である)と判別した場合に(Y1102:No)、変動停止タイミングで残時短回数を更新するための変動停止時更新処理を実行して(Y1121)、処理をY1103へと移行する。この変動停止時更新処理(Y1121)は、第1特別図柄変動停止処理28(図874参照)の中で実行される変動停止時更新処理(図875参照)と全く同一の処理である。
また、本第28制御例における第2特別図柄変動停止処理28(図878参照)では、Y1104の処理において特図1変動時間タイマ203kaが0であると判別される(Y1104:No)か、Y1106の処理が終了した場合に、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203gb、時短中カウンタ203h、および確変フラグ203xaを全てリセットして(Y1122)、処理をY1108へと移行する。
次に、図879を参照して、本第28制御例における大当たり制御処理28(Y1021)の詳細について説明する。この第28制御例における大当たり制御処理28(Y1021)は、上述した第27制御例における大当たり制御処理27(図855参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理27(図855参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理である。図879は、この大当たり制御処理28(Y1021)を示すフローチャートである。
この第28制御例における大当たり制御処理28(図879参照)のうち、Y11601~Y11612、およびY11633~Y11635の各処理では、それぞれ第27制御例における大当たり制御処理27(図855参照)のY11601~Y11612、およびY11633~Y11635の各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における大当たり制御処理28(図879参照)では、Y11612の処理においてエンディング演出の終了タイミングであると判別した場合に(Y11612:Yes)、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別し(Y11641)、確変大当たりであると判別した場合は(Y11641:Yes)、確変フラグ203xaをオンに設定することで大当たり終了後の遊技状態を確変状態に設定して(Y11642)、処理をY11633へと移行する。
一方で、Y11641の処理において、今回の大当たりが確変大当たりではない(通常大当たりである)と判別した場合は(Y11641:No)、次いで、大当たり当選時の遊技状態が通常状態であるか否かを当選時状態格納エリア203wfのデータに基づいて判別し(Y11643)、通常状態であると判別した場合は(Y11643:Yes)、時短中カウンタ203hに70を設定することで大当たり終了後の遊技状態を時短回数が70回の時短状態に設定し(Y11644)、処理をY11633へと移行する。一方、Y11643の処理において、大当たり当選時の遊技状態が通常状態ではない(時短状態または確変状態である)と判別した場合は(Y11643:No)、時短中カウンタ203hに30を設定することで大当たり終了後の遊技状態を時短回数が30回の時短状態に設定し(Y11645)、処理をY11633へと移行する。ここで、遊技状態に応じて時短回数を変えているのは、通常状態においては大当たりに当選した場合に90%の割合で通常大当たりが決定される第1特別図柄の抽選ばかりが実行されるため、時短回数を少なくすると遊技者にとって過剰に不利となり過ぎるためである。これに対し、通常状態以外の状態において通常大当たりとなった場合の時短回数を少なくしているのは、確変状態の終了後に時短状態で再度大当たりに当選して確変状態に復帰するという事象が過剰に発生し難くするためである。即ち、確変状態に一旦移行した場合に、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまい、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを抑制する趣旨である。
また、本第28制御例における大当たり制御処理28(図879参照)では、Y11612の処理においてエンディング演出の終了タイミングではないと判別した場合は(Y11612:No)、次いで、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理を実行し(S1911)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行し(S1912)、その後、本処理を終了する。これらの入賞処理(S1911)、および異常処理(S1912)は、本第28制御例と同じく大当たり遊技の実行中に特定領域を遊技球が通過することで確変状態に設定される第1制御例において実行されていた入賞処理(図171参照)および異常処理(図172参照)と全く同一の処理であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
<第28制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図880から図882を参照して、本第28制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図880を参照して、本第28制御例における演出更新処理28(S4171)について説明する。この演出更新処理28(S4171)は、上述した第27制御例における演出更新処理27(図856参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理27(図856参照)と同様に、実行中の各種演出態様を定期的(メイン処理の実行間隔毎)に更新するための処理である。図880は、この演出更新処理28(S4171)を示すフローチャートである。
この第28制御例における演出更新処理28(図880参照)が実行されると、まず、終了時間タイマ223xaのタイマ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5431)、0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S5431:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5431の処理において、終了時間タイマ223xaのタイマ値が0より大きい値であると判別した場合は(S5431:Yes)、確変状態における第1特別図柄の通常大当たり変動の実行中であることを意味するため、まず、終了時間タイマ223xaの値を減算することで更新し(S5432)、次いで、更新後のタイマ値に応じて確変状態(RUSH)が終了されるまで(即ち、通常大当たりが開始されるまで)の残時間表示を更新する(S5433)。
S5433の処理が終了すると、次に、S5432の処理において、終了時間タイマ223xaの値を0に更新したか否かを判別し(S5434)、0に更新したと判別した場合は(S5434:Yes)、冒険者のキャラクタ801が敵のキャラクタ811からの攻撃を受けて敗北する演出態様のRUSH終了演出(図864(a)参照)の実行を設定し(S5435)、本処理を終了する。これに対し、S5434の処理において、終了時間タイマ223xaの値を0に更新していないと判別した場合は(S5434:No)、S5435の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理28(図880参照)を実行することにより、確変状態において第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合に、通常大当たりが開始されるまでの残り時間を第3図柄表示装置81において正確に表示させることができる。よって、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選することで確変状態を継続させることが可能となる期間がどれだけ残っているのかを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図881を参照して、本第28制御例における特図1演出態様設定処理28(S5111A)の詳細について説明する。この特図1演出態様設定処理28(S5111A)は、上述した第27制御例における特図1演出態様設定処理27(図860参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理27(図860参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図881は、この特図1演出態様設定処理28(S5111A)を示すフローチャートである。
図881に示した通り、本第28制御例における特図1演出態様設定処理28(図881参照)が実行されると、まず、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判別し(S9771A)、確変状態ではないと判別した場合は(S9771A:No)、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに応じた演出態様を決定して(S9712A)、処理をS9706Aへと移行する。一方、S9711Aの処理において、遊技状態が確変状態であると判別した場合は(S9711A:Yes)、次いで、今回の第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりであるか否かを判別する(S9713A)。
S9713Aの処理において、今回の抽選結果が通常大当たりであると判別した場合は(S9713A:Yes)、今回の通常大当たりの変動時間を終了時間タイマ223xaのタイマ値に設定し(S9714A)、設定したタイマ値を終了時間とする終了ピンチ演出(図863(b)参照)を伴う変動表示態様を決定して(S9715A)、処理をS9706Aへと移行する。これに対し、S9713Aの処理において、今回の第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりではないと判別した場合は(S9713A:No)、受信した変動パターンコマンドに応じた演出態様を決定して(S9716A)、処理をS9706Aへと移行する。S9706Aの処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定して(S9706A)、本処理を終了する。
この特図1演出態様設定処理28(図881参照)を実行することにより、確変状態において第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合に、確変状態(RUSH)が終了する危機であることを第3図柄表示装置81において実行される演出態様によって遊技者に報知することができるので、遊技者にとって分かり易い遊技性を提供することができる。
次に、図882を参照して、本第28制御例における特図2演出態様設定処理28(S5201A)の詳細について説明する。この特図2演出態様設定処理28(S5201A)は、上述した第27制御例における特図2演出態様設定処理27(図861参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理27(図861参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じた変動表示態様を設定するために実行される処理である。図882は、この特図2演出態様設定処理28(S5201A)を示すフローチャートである。
この第28制御例における特図2演出態様設定処理28(図882参照)のうち、S9611、およびS9622Aの各処理では、それぞれ上述した第27制御例における特図2演出態様設定処理27(図861参照)のS9611、およびS9622Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第28制御例における特図2演出態様設定処理28(図882参照)が実行されると、まず、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判別し(S9651A)、確変状態ではないと判別した場合は(S9651A:No)、処理をS9622Aへと移行する。一方で、S9651Aの処理において、遊技状態が確変状態であると判別した場合は(S9651A:Yes)、次いで、終了時間タイマ223xaのタイマ値が0より大きい値である(即ち、現在が第1特別図柄の通常大当たり変動の実行中である)か否かを判別し(S9652A)、終了時間タイマ223xaのタイマ値が0であると判別した場合は(S9652A:No)、処理をS9622Aへと移行する。一方、終了時間タイマ223xaの値が0より大きい値であると判別した場合は(S9652A:Yes)、次いで、今回の第2特別図柄の変動時間が終了時間タイマ223xaの値が示す時間よりも短い時間であるか否かを判別する(S9653A)。
S9653Aの処理において、今回の第2特別図柄の変動時間が終了時間タイマ223xaの値が示す時間よりも短い時間であると判別した場合は(S9653A:Yes)、第2特別図柄の抽選結果が完全外れであるか否かを判別し(S9654A)、完全外れであると判別した場合は(S9654A:Yes)、敵のキャラクタ811に攻撃を避けられる演出を伴う変動表示態様を決定して(S9655A)、処理をS9611へと移行する。一方で、S9654Aの処理において、抽選結果が完全外れではない(即ち、小当たりである)と判別した場合は(S9654A:No)、冒険者のキャラクタ801が敵のキャラクタ811を倒す演出(図864(b)参照)を伴う変動表示態様を決定して(S9656A)、処理をS9611へと移行する。これらに対し、S9653Aの処理において、今回の第2特別図柄の変動時間が終了時間タイマ223xaの値が示す時間以上の長さの時間であると判別した場合は(S9653A:No)、今回の第2特別図柄の抽選に係る変動表示が、第1特別図柄の通常大当たり変動の終了と同時に完全外れ図柄で停止表示されることを意味し、確変状態を継続させることができないことが確定しているため、S9654A~S9656Aの各処理をスキップして、処理をS9611へと移行する。
以上説明した通り、本第28制御例におけるパチンコ機10では、一旦最も有利な確変状態に移行すると、第1特別図柄の抽選で不利な通常大当たりに当選しない限り、確変状態と大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する構成としている。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に高確率(90%の割合)で不利な通常大当たりに当選する一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は有利な確変大当たりが確定するように構成した上で、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続するように構成した。また、本第28制御例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成した上で、一方の特別図柄の変動表示の実行中に他方の特別図柄が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に変動表示中の他方の特別図柄が強制的に外れ図柄で停止表示されるように構成した。これにより、不利な第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選したとしても、第2特別図柄の抽選結果によっては、通常大当たり変動を外れ図柄で強制的に停止表示させ、有利な確変状態が通常大当たりによって終了されてしまうことを抑制可能に構成した。更に、本第28制御例では、一方の特別図柄の大当たり変動中は他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選し得なくなるように構成している。これにより、確変状態において第1特別図柄の抽選で不利な通常大当たりとなって大当たり変動が開始された場合に、第2特別図柄の抽選では大当たりに当選し得なくなるため、小当たりに当選して通常大当たりを外れ図柄で強制停止させることのみを願う斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第28制御例におけるパチンコ機10では、基本的に、変動停止時に特定のカウンタ(時短中カウンタ203hのカウンタ値)の更新(減算)処理を実行する構成とし、時短状態における最後の変動表示のみ、変動開始時に特定のカウンタ(時短中カウンタ203hのカウンタ値)の更新(減算)処理を実行可能に構成している。また、一方の特別図柄が当たり(大当たり又は小当たり)図柄で停止表示され、他方の特別図柄を強制的に外れ図柄で停止表示させる場合については、当該強制的な停止表示のタイミングで時短回数の減算処理が実行されることを回避する構成としている。このように構成することで、強制的に外れに変更された(即ち、当たりが抽選されていないに等しい)変動表示によって時短回数を1回分損してしまうことを抑制できるので、より好適に時短回数を減算することができる。
ここで、従来より、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並行して)実行可能な制御を搭載した遊技機(所謂、同時変動機)が広く一般的に知られている。係る従来型の遊技機においては、時短状態等、大当たり終了後、特定の変動回数の間のみ継続する遊技状態が設定された場合に、設定された回数を超えて遊技状態が続いてしまうことを阻止するために、遊技状態が終了するまでの残変動回数を示すカウンタ値を変動開始時に更新する制御を採用するのが通常であった。しかしながら、係る制御を採用した場合、変動中に他方の当たり(小当たり又は大当たり)変動が先に終了する(他方の当たり図柄が先に停止表示される)か否かを、変動開始時に特定することができない場合があり、当該変動が外れ図柄で強制的に停止表示されるか否かが不確定であるため、結果的に外れ図柄で強制的に停止表示される(遊技者にとって無駄な)変動表示であっても、残変動回数を示すカウンタ値を更新せざるを得ないという問題点があった。
これに対して本第28制御例では、時短状態における残変動回数を示す特定のカウンタ(時短中カウンタ203h)の更新(減算)タイミングを、基本的に、変動停止時に設定する構成としたので、変動停止時に外れ図柄で強制的に停止表示された変動表示について特定のカウンタ(時短中カウンタ203h)の更新(減算)処理をスキップするという比較的簡単な処理を実行するだけで、外れ図柄で強制的に停止表示される遊技者にとって無駄な変動表示が実行された場合に残変動回数が無駄に減算されてしまうことを抑制することができるので、実際設定されている残変動回数に対して、正当に大当たりを抽選している抽選の実行回数が少なくなってしまうことを抑制することができる。また、残変動回数が残り1回の状態で新たな変動表示を開始させる場合にのみ、変動開始時に特定のカウンタ(時短中カウンタ203h)を更新(減算)する構成としているので、設定されている残変動回数を超えて遊技状態が続いてしまうことを抑制することもできる。よって、特定のカウンタ(時短中カウンタ203h)をより好適に更新することができる。
なお、本第28制御例では、特定のカウンタとして、時短中カウンタ203hの更新タイミングを基本的に変動停止時にし、残変動回数が1回となった状態で変動開始タイミングとなった場合にのみ、変動開始時に時短中カウンタ203hのカウンタ値を更新する制御を採用し、且つ、外れ図柄で強制的に停止表示された変動表示については時短中カウンタ203hの更新処理をスキップする構成としていたが、本制御の対象となる特定のカウンタは時短中カウンタ203hに限られるものではない。例えば、確変状態において特定回数の特別図柄の抽選が実行されることで確変状態が終了される仕様において、確変状態における特別図柄の抽選の実行回数をカウントするためのカウンタを特定のカウンタとして、本第28制御例と同様の制御を実行する構成としてもよい。
本第28制御例では、時短中カウンタ203hの値を、状況に応じて変動停止時、または変動開始時のどちらかで更新する(減算する)構成としていたが、時短回数を第3図柄表示装置81に表示させ、当該表示される時短回数の更新タイミングを、状況に応じて異ならせる構成としてもよい。この場合、時短中カウンタ203hの更新タイミングとリンクさせてもよいし、別の条件で更新タイミングを切り替えてもよい。別の条件としては、例えば、特別図柄の抽選結果が挙げられる。より具体的には、例えば、基本的に、変動開始時に時短回数の表示が更新されるように構成し、更新タイミングが遅れた(変動開始後に更新されたり、変動停止時に更新されたりした)場合に、大当たりとなる可能性が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、表示上の時短回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第29制御例>
次に、図883を参照して、第29制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第28制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に高確率で不利な通常大当たりに当選する一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は有利な確変大当たりが確定するように構成した上で、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成していた。そして、一方の特別図柄の変動表示の実行中に他方の特別図柄が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に変動表示中の他方の特別図柄が強制的に外れ図柄で停止表示されるように構成した上で、一方の特別図柄の大当たり変動中は他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選し得なくなるように構成していた。このように構成することで、確変状態において第1特別図柄の抽選で不利な通常大当たりとなって大当たり変動が開始された場合に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選することのみを願う斬新な遊技性を実現していた。
これに加えて本第29制御例におけるパチンコ機10では、1の確変状態において、第1特別図柄の抽選が実行され難い状態と、第1特別図柄の抽選が実行され易い状態と、が切り替わるように構成した。より具体的には、大当たり種別に応じて、確変状態へと移行した後、第1特別図柄の抽選が1回~3回のいずれかの回数(規定回数)終了するまでの間、第1特別図柄の変動時間が長くなるように変動パターンシナリオを構成し、規定回数の第1特別図柄の抽選が終了すると、大当たりに当選するまでの間、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行される状態を形成するように構成した。このように構成することで、規定回数の第1特別図柄の抽選が終了するまでは、大当たり当選時の確変割合が高い第2特別図柄の抽選ばかりに偏って実行させることができる有利な遊技状態を形成する一方で、規定回数が終了した後は、不利な第1特別図柄の抽選が実行され易くなる比較的不利な状態を形成するため、確変状態において遊技状態を変えることなく遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第29制御例におけるパチンコ機10が、上述した第28制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第28制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第28制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図883および図884を参照して、本第29制御例における特徴的な演出態様について説明する。図883(a)は、本第29制御例において確変状態が設定され、且つ、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長くなる状態が設定されている間における表示態様の一例を示した図である。図883(a)に示した通り、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長くなる状態が設定されている状態においては、表示領域HR3に対して、「確変割合超UPゾーン」という文字が表示される。また、小表示領域Dm1に対して、確変割合超UPゾーンが終了されるまでの残り時間を示す情報が表示される。ここで、上述した通り、本第29制御例では、確変状態に移行した後、第1特別図柄の抽選が1回~3回のいずれかの回数(規定回数)実行されることで、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行される比較的有利度合いが低い状態に移行する。つまり、大当たり種別毎に予め定められた規定回数の第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間は、第2特別図柄の抽選ばかりに偏重して実行させることができる極めて有利な状態を形成する。そこで、本第29制御例では規定回数内の第1特別図柄の抽選が実行された場合に、その第1特別図柄の変動時間をゾーン終了までの残時間として小表示領域Dm1に表示させる構成としている。このように構成することで、有利な(大当たりに当選した場合に確変大当たりが確定する)第2特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる有利な状態がいつまで継続するのかを遊技者に対して分かり易く報知することができる。なお、ゾーン終了までの残り時間は、規定回数によらず、1回分の第1特別図柄の変動時間(実行中の第1特別図柄の変動表示における残変動時間)が表示されるように構成している。そして、規定回数が残っている状態で1の第1特別図柄の変動表示が終了した場合には、次に第1特別図柄の変動表示が実行された場合に、ゾーン継続を示す演出を実行し、ゾーン終了までの残り時間を再セットする構成としている。このように構成することで、確変割合超UPゾーンがいつまで続くか分からないドキドキ感を遊技者に抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図883(b)を参照して、確変割合超UPゾーン中に実行される可能性があるピンチ演出について説明する。ここで、本第29制御例では、上述した第28制御例と同様に、第2特別図柄の抽選で1/100の確率で小当たりに当選する構成としている。上述した通り、小当たりに当選すると、小当たりの停止表示タイミングで第1特別図柄の変動表示の実行中であった場合に、残変動時間によらず、小当たり停止表示と同時に第1特別図柄も外れ図柄で強制停止されるように構成されている。従って、確変割合超UPゾーンにおいて小当たりに当選してしまうと、ゾーン終了までの残り時間(即ち、第1特別図柄の残変動時間)によらず、小当たりの停止タイミングでゾーンが打ち切られてしまう。図883(b)は、この第2特別図柄の小当たりによってゾーンが打ち切られる場合の第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。
図883(b)に示した通り、確変割合超UPゾーンの間に特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小表示領域Dm1の真下に敵のキャラクタ811が出現する演出が実行される。また、表示領域HR3に対して、「敵を妨害してゾーン打ち切りを回避しろ!!」という文字が表示される。更に、小表示領域Ds2に対して、「ゾーン打ち切りのピンチ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、敵のキャラクタ811を妨害できなければ確変割合超UPゾーンが打ち切られてしまうということを容易に理解させることができる。
図884は、確変割合超UPゾーン中(第1特別図柄のロング変動中)に小当たり図柄が停止表示された際の表示態様を示した図である。図884に示した通り、確変割合超UPゾーン中に小当たり図柄の停止表示タイミングになると、冒険者のキャラクタ801が敵のキャラクタ811の妨害に失敗し、敵のキャラクタ811が吐き出した炎によって小表示領域Dm1が焼き尽くされてしまう演出が実行される。また、表示領域HR3に対して、「確変割合超UPゾーン打ち切り!」という文字が表示される。更に、小表示領域Dm8aにおいて第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄が外れの組み合わせ(ばらけ目)で停止表示されると共に、小表示領域Dm8bにおいて第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄が小当たりの組み合わせ(互いに異なる奇数図柄揃い)で停止表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して確変割合超UPゾーンが終了されてしまったということを容易に理解させることができる。
なお、敵のキャラクタ811が小表示領域Dm1の真下に出現する演出態様(図883(b)参照)は、ゾーン中に第2特別図柄の抽選で完全外れとなった場合にも所定の確率(例えば、1/20の確率)で実行される。完全外れの場合には、冒険者のキャラクタ801が敵のキャラクタ811に攻撃を当てることで妨害に成功し、小表示領域Dm1の残り時間表示が燃やされてしまうことを阻止する演出が実行される。これにより、確変割合超UPゾーンが継続したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第29制御例における電気的構成>
次いで、図885(a)を参照して、本第29制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図885(a)は、本第29制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図885(a)に示した通り、本第29制御例におけるROM202は、上述した第28制御例におけるROM202の構成(図865(a)参照)に対して、大当たり種別選択28テーブル202bxに代えて大当たり種別選択29テーブル202byが設けられている点、変動パターン28テーブル202dxに代えて変動パターン29テーブル202dyが設けられている点、および変動パターンシナリオテーブル202yaが追加されている点で相違する。その他の構成については上述した第28制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図886を参照して、本第29制御例における大当たり種別選択29テーブル202byの詳細について説明する。図886は、本第29制御例における大当たり種別選択29テーブル202byの規定内容を示した図である。図886に示した通り、この大当たり種別選択29テーブル202byには、特別図柄の種別毎に、選択され得る大当たり種別と、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲と、が対応付けて規定されている。より具体的には、図886に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して「大当たりA29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して「大当たりB29」が対応付けて規定されている。「大当たりA29」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。また、「大当たりB29」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として比較的有利度合いが低い時短状態が設定される大当たり(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりA29」、「大当たりB29」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)はそれぞれ50個ずつであるため、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA29」が決定される割合は50%(50/100)となり、「大当たりB29」が決定される割合は50%(50/100)となる。つまり、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、半数が有利度合いが低い時短状態に設定されてしまうため、第1特別図柄の抽選は遊技者にとって有利度合いが低い抽選となる。
また、図886に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲に対して「大当たりC29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20~23」の範囲に対して「大当たりD29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値「24」に対して「大当たりE29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~29」の範囲に対して「大当たりF29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「30~33」の範囲に対して「大当たりG29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値「34」に対して「大当たりH29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~89」の範囲に対して「大当たりI29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~96」の範囲に対して「大当たりJ29」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「97~99」の範囲に対して「大当たりK29」が対応付けて規定されている。
「大当たりC29」~「大当たりE29」は、ラウンド数が10ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(10ラウンド確変大当たり)である。そして、「大当たりC29」は、確変割合超UPゾーンの規定回数(第1特別図柄の抽選回数)が1回に設定され、「大当たりD29」は規定回数が2回に設定され、「大当たりE29」は、規定回数が3回に設定される大当たりである。よって、ラウンド数の面では同等であるが、当たり終了後の確変状態の有利度合いという面では、「大当たりE29」が遊技者にとって最も有利となり、次いで、「大当たりD29」が有利となり、「大当たりC29」が最も有利度合いが低くなる。
また、「大当たりF29」~「大当たりH29」は、ラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。そして、「大当たりF29」は、確変割合超UPゾーンの規定回数(第1特別図柄の抽選回数)が1回に設定され、「大当たりG29」は規定回数が2回に設定され、「大当たりH29」は、規定回数が3回に設定される大当たりである。よって、ラウンド数の面では同等であるが、当たり終了後の確変状態の有利度合いという面では、「大当たりH29」が遊技者にとって最も有利となり、次いで、「大当たりG29」が有利となり、「大当たりF29」が最も有利度合いが低くなる。
更に、「大当たりI29」~「大当たりK29」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。そして、「大当たりI29」は、確変割合超UPゾーンの規定回数(第1特別図柄の抽選回数)が1回に設定され、「大当たりJ29」は規定回数が2回に設定され、「大当たりK29」は、規定回数が3回に設定される大当たりである。よって、ラウンド数の面では同等であるが、当たり終了後の確変状態の有利度合いという面では、「大当たりK29」が遊技者にとって最も有利となり、次いで、「大当たりJ29」が有利となり、「大当たりI29」が最も有利度合いが低くなる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりC29」、「大当たりD29」、「大当たりE29」、「大当たりF29」、「大当たりG29」、「大当たりH29」、「大当たりI29」、「大当たりJ29」、「大当たりK29」に対応付けられている乱数値はそれぞれ20個、4個、1個、5個、4個、1個、55個、7個、および3個であるため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC29」が決定される割合は20%(20/100)となり、「大当たりD29」が決定される割合は4%(4/100)となり、「大当たりE29」が決定される割合は1%(1/100)となり、「大当たりF29」が決定される割合は5%(5/100)となり、「大当たりG29」が決定される割合は4%(4/100)となり、「大当たりH29」が決定される割合は1%(1/100)となり、「大当たりI29」が決定される割合は55%(55/100)となり、「大当たりJ29」が決定される割合は7%(7/100)となり、「大当たりK29」が決定される割合は3%(3/100)となる。
つまり、10ラウンド大当たり(大当たりC29~E29)の割合が25%(20%+4%+1%)となり、8ラウンド大当たり(大当たりF29~H29)の割合が10%(5%+4%+1%)となり、4ラウンド大当たり(大当たりI29~K29)の割合が65%(55%+7%+3%)となる。また、確変割合超UPゾーン終了までの規定回数が1回に設定される大当たり(大当たりC29,F29,I29)の割合が80%(20%+5%+55%)となり、規定回数が2回に設定される大当たり(大当たりD29,G29,J29)の割合が15%(4%+4%+7%)となり、規定回数が3回に設定される大当たり(大当たりE29,H29,K29)の割合が5%(1%+1%+3%)となる。
このように、本第29制御例では、大当たりのラウンド数および大当たり終了後に設定される確変状態において確変割合超UPゾーンが終了するまでの第1特別図柄抽選回数(規定回数)の組み合わせが異なる様々な大当たり種別を設ける構成としているので、規定回数やラウンド数を予測する楽しみを遊技者に対して与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図887(a)を参照して、本第29制御例における変動パターン29テーブル202dyの詳細について説明する。図887(a)は、この変動パターン29テーブル202dyの構成を示すブロック図である。図887(a)に示した通り、本第29制御例における変動パターン29テーブル202dyは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202dy1と、確変状態で、且つ、確変割合超UPゾーンが設定されている状況下において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照されるゾーン用テーブル202dy2と、確変状態(確変割合超UPゾーンが設定されていない状況に限る)、および時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変・時短用テーブル202dy3と、で少なくとも構成されている。これらのうち、通常用テーブル202dy1は、上述した第28制御例における変動パターン28テーブル202dxの通常用テーブル202dx1と同一の規定内容(第1特別図柄の抽選では抽選結果に応じて7秒~140秒の範囲の変動時間が選択される一方で、第2特別図柄の抽選では600秒の変動時間が必ず選択される規定内容)となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図887(b)を参照して、上述したゾーン用テーブル202dy2の詳細について説明する。図887(b)は、ゾーン用テーブル202dy2の規定内容を示した図である。このゾーン用テーブル202dy2は、確変状態で、且つ、確変割合超UPゾーンが設定されている状況下において参照されるテーブルである。ここで、確変確率超UPゾーンは、大当たりA29,C29,F29,I29のいずれかに当選したことに基づいて設定された確変状態の場合、確変状態が開始(設定)されてから第1特別図柄の変動表示が1回終了するまで(2回目の第1特別図柄の抽選が実行されるまで)の間の期間に設定され、大当たりD29,G29,J29のいずれかに当選したことに基づいて設定された確変状態の場合、確変状態が開始(設定)されてから第1特別図柄の変動表示が2回終了するまで(3回目の第1特別図柄の抽選が実行されるまで)の間の期間に設定され、大当たりE29,H29,K29のいずれかに当選したことに基づいて設定された確変状態の場合、確変状態が開始(設定)されてから第1特別図柄の変動表示が3回終了するまで(3回目の第1特別図柄の抽選が実行されるまで)の間設定される。
図887(b)に示した通り、ゾーン用テーブル202dy2には、第1特別図柄の外れ時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が60000ms(60秒間)の外れロング変動が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の大当たり時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が60000ms(60秒間)の当たりロング変動が対応付けて規定されている。
これに対し、図887(b)に示した通り、第2特別図柄の外れ(完全外れ又は小当たり)時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の外れショート変動Aが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~949」の範囲に対して変動時間が3000ms(3秒間)の外れショート変動Bが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「950~999」の範囲に対して変動時間が5000ms(5秒間)の外れショート変動Cが対応付けて規定されている。つまり、変動時間が1秒間の外れショート変動Aに対して50個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、変動時間が3秒間の外れショート変動Bに対して900個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、変動時間が5秒間の外れショート変動Cに対して50個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。変動種別カウンタCS1は、「0~999」の1000個の値を取り得るので、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、1秒間の変動時間が選択される割合は5%(50/1000)であり、3秒間の変動時間が選択される割合は90%(900/1000)であり、5秒間の変動時間が選択される割合は5%(50/1000)である。このため、第2特別図柄の外れ時における平均の変動時間は3秒間(1秒間×5%+3秒間×90%+5秒間×5%)となる。また、図887(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が3000ms(3秒間)の当たりショート変動が対応付けて規定されている。
これらの規定内容から、このゾーン用テーブル202dy2が参照されると、第1特別図柄の抽選が実行された場合における変動時間が60秒間に固定化される一方で、第2特別図柄の抽選が実行された場合における変動時間が平均3秒間となるため、第1特別図柄の抽選が1回実行されている間に平均20回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。つまり、大当たりに当選した場合に50%の割合で不利な通常大当たりが決定される不利な第1特別図柄の抽選がほとんど行われず、大当たりに当選した場合に確変大当たりが確定する有利な第2特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる極めて有利な状態を形成するため、ゾーン用テーブル202dy2が参照されて変動パターンが選択される状態(確変割合超UPゾーン)が設定された場合に、遊技者に対して大きな喜びを抱かせることができる。
次に、図887(c)を参照して、上述した確変・時短用テーブル202dy3の詳細について説明する。図887(c)は、この確変・時短用テーブル202dy3の規定内容を示した図である。図887(c)に示した通り、確変・時短用テーブル202dy3には、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の内容が規定されており、その規定内容は、ゾーン用テーブル202dy2(図887(b)参照)における第2特別図柄の規定内容と同一である。よって、確変・時短用テーブル202dy3が参照された場合、第1特別図柄の変動時間も第2特別図柄の変動時間も平均3秒となる。即ち、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行される状態を形成する。このため、ゾーン用テーブル202dy2が参照される状態(確変割合超UPゾーン)に比較して、不利な第1特別図柄の抽選で大当たりとなる可能性が高くなるため、遊技者にとっての有利度合いが低くなる。
次に、図888を参照して、本第29制御例における変動パターンシナリオテーブル202yaの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202yaは、前回当選した大当たりの種別と大当たり終了後の特別図柄の変動回数との組み合わせ毎に、変動パターンを選択するために参照する変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。図888は、本第29制御例における変動パターンシナリオテーブル202yaの規定内容を示した図である。
図888に示した通り、大当たりA29,C29,F29,I29が終了した後における変動パターンシナリオとして、確変状態となってから第1特別図柄の変動表示が1回終了するまでの間の期間に対して、ゾーン用テーブル202dy2(図887(b)参照)が対応付けて規定されている一方で、第1特別図柄の変動表示が1回終了した後(第1特別図柄の2回目の抽選以降)は、変動回数によらず確変・時短用テーブル202dy3(図887(c)参照)が対応付けて規定されている。また、図888に示した通り、大当たりD29,G29,J29が終了した後における変動パターンシナリオとして、確変状態となってから第1特別図柄の変動表示が2回終了するまでの間の期間に対して、ゾーン用テーブル202dy2(図887(b)参照)が対応付けて規定されている一方で、第1特別図柄の変動表示が2回終了した後(第1特別図柄の3回目の抽選以降)は、変動回数によらず確変・時短用テーブル202dy3(図887(c)参照)が対応付けて規定されている。更に、図888に示した通り、大当たりE29,H29,K29が終了した後における変動パターンシナリオとして、確変状態となってから第1特別図柄の変動表示が3回終了するまでの間の期間に対して、ゾーン用テーブル202dy2(図887(b)参照)が対応付けて規定されている一方で、第1特別図柄の変動表示が3回終了した後(第1特別図柄の4回目の抽選以降)は、変動回数によらず確変・時短用テーブル202dy3(図887(c)参照)が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、大当たりA29,C29,F29,I29に当選すると、確変割合超UPゾーン(有利な第2特別図柄の抽選ばかりが実行される状態)が第1特別図柄の変動表示1回分の期間である60秒間しか継続しない一方で、大当たりD29,G29,J29に当選すると、確変割合超UPゾーンが第1特別図柄の変動表示2回分の期間である120秒間に渡って継続し、大当たりE29,H29,K29に当選すると、確変割合超UPゾーンが第1特別図柄の変動表示3回分の期間である180秒間に渡って継続することとなる。よって、大当たり種別によって確変割合超UPゾーン中に実行させることができる第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、大当たり終了後の遊技状態として共通の遊技状態(確変状態)を設定したとしても、大当たり種別に応じて確変大当たりの期待度を異ならせるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図888に示した通り、大当たりB29(大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別)が終了した後における変動パターンシナリオとして、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選回数の合計が100回となるまでの間(即ち、時短回数内)の変動回数に対して確変・時短用テーブル202dy3(図887(c)参照)が対応付けて規定されている一方で、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選回数の合計が101回以上の範囲に対しては、通常用テーブル202dy1が対応付けて規定されている。よって、時短回数内では不利な第1特別図柄の抽選と有利な第2特別図柄の抽選とが均等に実行される一方で、時短回数が経過して通常状態に移行した後は第2特別図柄の変動時間が著しく長くなる(600秒間になる)ため、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される有利度合いが低い状態を形成する。更に、図888に示した通り、パチンコ機10の設定を初期化した後、大当たりに当選するまでの間の通常状態においては、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数によらず、一律に、不利な通常用テーブル202dy1が対応付けて規定されている。これにより、パチンコ機10を初期化した場合に遊技者にとって過剰に有利となってしまい、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを抑制することができる。
次に、図889を参照して、本第29制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図889は、本第29制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図889に示した通り、本第29制御例におけるRAM223は、上述した第28制御例におけるRAM223に対して、ゾーン中タイマ223yaが追加されている点で相違している。また、第28制御例における終了時間タイマ223xaが削除されている点でも相違している。
ゾーン中タイマ223yaは、確変割合超UPゾーンが終了するまでの残り時間として第3図柄表示装置81に対して表示させる期間を示すタイマであり、確変割合超UPゾーンが継続している間に第1特別図柄の抽選が実行されると、第1特別図柄の変動時間である60秒に対応するタイマ値が設定される(図893のS9725A参照)。また、時間の経過に応じて定期的に(演出更新処理29(図892参照)が実行される毎に)値が減算して更新される(図892のS5442参照)。このゾーン中カウンタ223yaに対応する残時間を第3図柄表示装置81に対して表示させる構成とすることにより、確変割合超UPゾーンが終了するまでの時間を遊技者に対して分かり易く示すことができる。
<第29制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図890、および図891を参照して、本第29制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図890を参照して、本第29制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理29(Y361)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理29(Y361)は、上述した第28制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理28(図871参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動パターン選択処理28(図871参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図890は、この第1特別図柄変動パターン選択処理29(Y361)を示すフローチャートである。
この第29制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理29(図890参照)のうち、Y501~Y503、およびY505~Y508の各処理では、それぞれ上述した第28制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理28(図871参照)のY501~Y503、およびY505~Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本第29制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理29(図890参照)では、Y503の処理が終了すると、変動パターンシナリオテーブル202yaと特図1変動回数カウンタとに対応する変動パターンテーブルを特定し(Y551)、特定した変動パターンテーブルを読み出して(Y552)、処理をY505へと移行する。
なお、図示については省略したが、第2特別図柄変動パターン選択処理28(Y871)に代えて実行される第2特別図柄変動パターン選択処理29についても、この第1特別図柄変動パターン選択処理29(図890参照)のY551,Y552の各処理と同様の処理によって変動パターンテーブルが読み出されるように変形されている。
次に、図891を参照して、本第29制御例における大当たり制御処理29(Y1031)の詳細について説明する。この大当たり制御処理29(Y1031)は、上述した第28制御例における大当たり制御処理28(図879参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理28(図879参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理である。図891は、この大当たり制御処理29(Y1031)を示すフローチャートである。
この第29制御例における大当たり制御処理29(図891参照)のうち、Y11601~Y11612,Y11633~Y11635,Y11641,Y11642、およびY11645の各処理では、それぞれ上述した第28制御例における大当たり制御処理28(図879参照)のY11601~Y11612,Y11633~Y11635,Y11641,Y11642、およびY11645の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第29制御例における大当たり制御処理29(図891参照)では、S11642、またはS11645の処理が終了すると、次いで、今回の大当たり種別に応じた変動パターンシナリオを特定し(Y11651)、特定したシナリオを示す情報を変動パターンシナリオ格納エリア203yaに格納して(Y11652)、本処理を終了する。
<第29制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図892から図894を参照して、本第29制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図892を参照して、本第29制御例における演出更新処理29(S4181)の詳細について説明する。この演出更新処理29(S4181)は、上述した第28制御例における演出更新処理28(図880参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理28(図880参照)と同様に、実行中の各種演出態様を定期的(メイン処理の実行間隔毎)に更新するための処理である。図892は、この演出更新処理29(S4181)を示すフローチャートである。
この演出更新処理29(図892参照)が実行されると、まず、ゾーン中タイマ223yaの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5441)、0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S5441:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5441の処理において、ゾーン中タイマ223yaのタイマ値が0より大きい値であると判別した場合は(S5441:Yes)、確変割合超UPゾーンが設定されていることを意味するため、まず、ゾーン中タイマ223yaの値を減算することで更新し(S5442)、次いで、更新後のタイマ値に応じて確変割合超UPゾーンが終了されるまでの残時間表示を更新する(S5443)。
S5443の処理が終了すると、次に、S5442の処理において、ゾーン中タイマ223yaの値を0に更新したか否かを判別し(S5444)、0に更新したと判別した場合は(S5444:Yes)、確変割合超UPゾーンの終了を示す演出を実行して(S5445)、本処理を終了する。これに対し、S5444の処理において、ゾーン中タイマ223yaの値を0に更新していないと判別した場合は(S5444:No)、S5445の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理29(図892参照)を実行することにより、確変状態において確変割合超UPゾーンが設定された場合に、ゾーンが終了するまでの残り時間を第3図柄表示装置81において正確に表示させることができる。よって、第2特別図柄の抽選ばかりが実行される有利な状態がどれだけ残っているのかを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図893を参照して、本第29制御例における特図1演出態様設定処理29(S5121A)の詳細について説明する。この特図1演出態様設定処理29(S5121A)は、上述した第28制御例における特図1演出態様設定処理28(図881参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理28(図881参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図893は、本第29制御例における特図1演出態様設定処理29(S5121A)を示すフローチャートである。
この第29制御例における特図1演出態様設定処理29(図893参照)のうち、S9706A,S9711A、およびS9712Aの各処理では、それぞれ第28制御例における特図1演出態様設定処理28(図881参照)のS9706A,S9711A、およびS9712Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第29制御例における特図1演出態様設定処理29(図893参照)では、S9711Aの処理において現在の遊技状態が確変状態であると判別した場合に(S9711A:Yes)、次いで、今回の第1特別図柄の変動パターンが、変動時間が60秒間の変動パターンであるか否かを判別する(S9721A)。
S9721Aの処理において、今回の変動パターンが、変動時間が60秒間の変動パターンではないと判別した場合は(S9721A:No)、現在が確変割合超UPゾーン中ではないことを意味するため、処理をS9712Aへと移行する。一方、S9721Aの処理において、変動時間が60秒間の変動パターンであると判別した場合は(S9721A:Yes)、確変割合超UPゾーン中であることを意味するため、次いで、大当たり終了後1回目の第1特別図柄の変動表示であるか否かを判別し(S9722A)、1回目の第1特別図柄の変動表示であれば(S9722A:Yes)、確変割合超UPゾーンへの突入を報知する演出を伴う変動表示態様を決定して(S9724A)、処理をS9725Aへと移行する。一方、S9722Aの処理において、1回目の第1特別図柄の変動表示ではないと判別した場合は(S9722A:No)、確変割合超UPゾーンの継続を報知する演出を伴う変動表示態様を決定して(S9723A)、処理をS9725Aへと移行する。S9725Aの処理では、ゾーン中タイマ223yaのタイマ値に対して60秒間に対応するタイマ値を設定して(S9725A)、処理をS9706へと移行する。
次に、図894を参照して、本第29制御例における特図2演出態様設定処理29(S5221A)の詳細について説明する。この特図2演出態様設定処理29(S5221A)は、上述した第28制御例における特図2演出態様設定処理28(図882参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理28(図882参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。
この第29制御例における特図2演出態様設定処理29(図894参照)のうち、S9611,S9622A、およびS9651Aの各処理では、それぞれ上述した第28制御例における特図2演出態様設定処理28(図882参照)のS9611,S9622A、およびS9651Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第29制御例における特図2演出態様設定処理29(図894参照)では、S9651Aの処理において、現在の遊技状態が確変状態であると判別した場合に(S9651A:Yes)、次いで、ゾーン中タイマ223yaの値が0より大きい値である(即ち、確変割合超UPゾーン中である)か否かを判別し(S9661A)、ゾーン中タイマ223yaの値が0である(即ち、確変割合超UPゾーン中ではない)と判別した場合は(S9661A:No)、処理をS9622Aへと移行する。
一方、S9661Aの処理において、ゾーン中タイマ223yaの値が0より大きい値である(即ち、確変割合超UPゾーン中である)と判別した場合は(S9661A:Yes)、次いで、今回の第2特別図柄の変動時間がゾーン中タイマ223yaの値よりも短い時間であるか否かを判別し(S9662A)、今回の第2特別図柄の変動時間がゾーン中タイマ223yaの値よりも短い時間ではない(長い時間である)と判別した場合は(S9662A:No)、処理をS9622Aへと移行する。これに対し、S9622Aの処理において、今回の第2特別図柄の変動時間がゾーン中タイマ223yaの値よりも短い時間であると判別した場合は(S9662A:Yes)、抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S9663A)、小当たりであると判別した場合は(S9663A:Yes)、確変割合超UPゾーンの打ち切り演出(図883(b)、図884参照)を伴う変動表示態様を決定して(S9664A)、処理をS9611へと移行する。一方、S9663Aの処理において、今回の第2特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S9663A:No)、処理をS9622Aへと移行する。
以上説明した通り、本第29制御例におけるパチンコ機10では、確変状態が設定された後、大当たり種別毎に予め定められた特定回数(1回~3回)の第1特別図柄の変動表示(不利側の変動表示)が終了するまでの間の期間に渡って、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が高頻度で実行される(不利な第1特別図柄の抽選が実行され難い)有利な状態(確変割合超UPゾーン)を形成する構成としていた。具体的には、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並列して)実行可能な同時変動仕様を採用し、確変状態が設定されてから少なくとも特定回数(1回~3回のいずれか)の第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長くなるように構成した。つまり、1の第1特別図柄の変動表示の実行中に複数の(20回前後の)第2特別図柄の変動表示を実行可能に構成した。このように構成することで、1の確変状態の間に、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選ばかりが実行される有利度合いが高い状態(確変割合超UPゾーン)と、その有利度合いが高い状態よりも有利度合いが低い第1特別図柄の実行頻度が高くなる状態と、を設定することが可能となるため、確変状態の間の遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第29制御例では、ゾーン用テーブル202dy2を参照して変動パターンを選択する状態(確変割合超UPゾーン)を、確変状態に移行してから第1特別図柄の変動表示が特定回数(1回~3回のいずれか)終了するまでの間にのみ設定する構成としていたが、確変割合超UPゾーンの設定タイミングはこれに限られるものではない。例えば、時短状態に移行してから特定回数の第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間の期間についても、確変割合超UPゾーンを設定する(ゾーン用テーブル202dy2を参照して変動パターンを選択する)構成としてもよい。このように構成することで、有利度合いが低い(不利な)時短状態においても、遊技にメリハリをつけることができるので、遊技が単調となってしまうことをより抑制することができる。また、確変状態の開始直後ではなく、確変状態の途中から(例えば、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが合計で50回終了してから)確変割合超UPゾーンが設定されるように構成してもよい。このように構成することで、確変割合超UPゾーンに到達するまでは大当たりに当選して欲しくない(確変割合超UPゾーンに到達してから大当たりに当選して欲しい)と遊技者に思わせることができるので、有利な確変状態が設定されているにもかかわらず、所定条件が成立する(確変割合超UPゾーンが設定される抽選回数となる)まで特別図柄の抽選で外れ続けることを期待させる斬新な遊技性を実現することができる。
本第29制御例では、ゾーン用テーブル202dy2を参照して変動パターンを選択する状態(確変割合超UPゾーン)を、1の確変状態において第1特別図柄の変動表示が最大で3回実行されるまでの間に限る構成としていたが、確変割合超UPゾーンを設定する変動回数はこれに限られず、任意に定めることができる。例えば、一部の大当たり種別では、5回や10回の第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間、確変割合超UPゾーンが継続するように構成しても良い。また、確変状態が開始されてから終了されるまで、常に確変割合超UPゾーンが設定される大当たり種別を設けてもよい。このように構成することで、確変割合超UPゾーンのバリエーションをより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第29制御例では、上述した第28制御例と同様に、一方の特別図柄が大当たりに対応する変動表示の実行中である場合に、他方の特別図柄の抽選が実行されても大当たりに当選し得ない(完全外れまたは小当たりにのみ当選し得る)仕様を採用していたが、これに限られず、上述した第27制御例等のように、一方の特別図柄の大当たり変動中でも、他方の特別図柄で大当たりを抽選可能に構成し、先に当たり図柄(小当たり又は大当たり図柄)で停止表示された側の特別図柄の抽選が有効となる(他方の特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止される)仕様を採用してもよい。このように構成することで、特に、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長い時間(60秒間)に設定される確変確率超UPゾーンにおいて第1特別図柄の大当たりに当選したとしても、その後に第2特別図柄の抽選で大当たりとなって第1特別図柄の大当たり変動を外れで強制停止させることが可能となるので、確変割合超UPゾーンにおいて有利な第2特別図柄の大当たりの発生割合をより向上させることができる。
本第29制御例では、確変状態において、ゾーン用テーブル202dy2を参照するか、確変・時短用テーブル202dy3を参照するかについて、第1特別図柄の抽選の実行回数のみに基づいて判別していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選回数と、第2特別図柄の抽選回数との両方を参照して、ゾーン用テーブル202dy2を参照するか、確変・時短用テーブル202dy3を参照するかを判別する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たりA29,C29,F29,I29の終了後に設定される確変状態では、第1特別図柄の抽選が1回終了する(第1特別図柄の変動表示が1回終了する)か、第2特別図柄の抽選が30回終了するまでの間、ゾーン用テーブル202dy2を参照し、いずれかの条件が成立した後は確変・時短用テーブル202dy3を参照する構成としてもよい。同様に、大当たりD29,G29,J29の終了後に設定される確変状態では、第1特別図柄の抽選が2回終了する(第1特別図柄の変動表示が2回終了する)か、第2特別図柄の抽選が60回終了するまでの間、ゾーン用テーブル202dy2を参照し、いずれかの条件が成立した後は確変・時短用テーブル202dy3を参照する構成としてもよい。更に、大当たりE29,H29,K29の終了後に設定される確変状態では、第1特別図柄の抽選が3回終了する(第1特別図柄の変動表示が3回終了する)か、第2特別図柄の抽選が90回終了するまでの間、ゾーン用テーブル202dy2を参照し、いずれかの条件が成立した後は確変・時短用テーブル202dy3を参照する構成としてもよい。このように構成した場合、確変状態へと突入した後で、右第1入球口64rへと遊技球が入球せずに、第2入球口640ばかりに遊技球が偏って入球したとしても、確変割合超UPゾーンが長く継続しすぎてしまう(有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が多くなり過ぎてしまう)ことを抑制できるので、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。
<第30制御例>
次に、図895から図903を参照して、第30制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第29制御例では、確変状態が設定された後、大当たり種別毎に予め定められた回数の第1特別図柄の変動表示(不利側の変動表示)が終了するまでの間の期間に渡って、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が高頻度で実行される(不利な第1特別図柄の抽選が実行され難い)有利な状態(確変割合超UPゾーン)を形成する構成としていた。具体的には、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並列して)実行可能な同時変動仕様を採用し、確変状態が設定されてから少なくとも特定回数(1回~3回のいずれか)の第1特別図柄の変動表示が終了するまでの間、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長くなるように構成した。つまり、1の第1特別図柄の変動表示の実行中に複数の(20回前後の)第2特別図柄の変動表示を実行可能に構成していた。
これに対して本第30制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の時短状態に設定される確変状態および時短状態において、実行され易い特別図柄の種別を異ならせる構成としている。即ち、確変状態においては、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行されるように制御する一方で、時短状態においては、第29制御例における確変割合超UPゾーンと同様に、第2特別図柄の抽選ばかりが実行される有利な状態を形成する構成とした。また、本第30制御例では、確変状態において予め定められた第1回数の特別図柄の抽選が終了すると、確変状態が終了される仕様(所謂、ST型の確変状態)を採用した上で、確変状態が設定されてから特別図柄の高確率確変状態が終了するまでの回数(第1回数)よりも、普通図柄の時短状態が終了するまでの回数(第2回数)の方が多くなるように構成している。つまり、大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定されると、まず、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第1回数(10回)となるまでの間、確変状態が継続し、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第1回数となることにより特別図柄の低確率状態に設定されることで遊技状態が時短状態に設定され、その後は大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第2回数(50回)となるまでの間、時短状態が継続するように構成されている。また、50回の特別図柄の抽選が実行されると、普通図柄の時短状態も終了されて通常状態に設定される。このため、本第30制御例では、確変大当たりが終了すると、まず、大当たり確率が通常よりも高い(1/25)ものの、有利度合い(確変大当たりの割合)が低い第1特別図柄の抽選と有利度合い(確変大当たりの割合)が高い第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に(半々で)実行される確変状態を形成し、特別図柄の抽選回数が第1回数(10回)に到達した場合は、大当たり確率が通常の確率(1/100)になるものの、有利な第2特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態を形成する構成としている。これにより、互いに異なるメリット(大当たり確率、第2特別図柄抽選の頻度)を有して構成される確変状態および時短状態を順番に設定することができるので、途中で遊技性が切り替わる(メリット、デメリットが入れ替わる)斬新な動作を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第30制御例におけるパチンコ機10が、上述した第29制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第29制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第29制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図895を参照して、本第30制御例における特徴的な演出態様について説明する。図895(a)は、本第30制御例における確変状態の間の演出態様を示した図であり、図895(b)は、本第30制御例における時短状態の演出態様を示した図である。ここで、上述した通り、本第30制御例では、確変状態および時短状態の双方に対して、互いに異なるメリット(優位性)を設ける構成としている。具体的には、確変状態では、大当たり確率が時短状態よりも高くなる点で時短状態よりも優位性が高くなるように構成する一方で、時短状態では、確変状態よりも大当たり当選時の確変大当たりの割合が高くなる点で確変状態よりも優位性が高くなるように構成している。このため、どちらの遊技状態の方が有利度合いが高いのかについて一概に断定することができない。よって、本第30制御例では、確変状態と時短状態とをどちらも「チャンスタイム」という名称で統一している。
図895(a)に示した通り、本第30制御例における確変状態では、主表示領域Dmにおける略左半分に対して、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示演出を実行するための左表示領域DmLが形成され、略右半分に対して、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示演出を実行するための右表示領域DmRが形成される。左表示領域DmLには、大当たりとなった場合に比較的有利度合いが低いことを暗示するために、敵のキャラクタ811が表示され、右表示領域DmRには、大当たりとなった場合に比較的有利度合いが高いことを暗示するために、冒険者のキャラクタ801が表示される。これらにより、いずれの表示領域において大当たりが報知された方が有利であるのかについて、遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図895(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央上部に形成される表示領域HR3に対して、「チャンスタイムA」という文字と、「大当たり期待度 高」という文字と、「確変期待度 中」という文字と、が表示される。これらの表示内容により、現在設定されているチャンスタイムが、大当たり確率は高いものの通常大当たりとなる可能性があるチャンスタイムA(確変状態)であるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域Dm1に対して、チャンスタイムが終了するまで(確変状態、および確変状態終了後の時短状態が終了するまで)の残りの特別図柄の抽選回数を示す情報が表示される。図895(a)の例では、確変状態において5回目の変動表示が開始された状態を例示しており、「チャンスタイム終了まで残り45回」という文字が表示される。また、小表示領域Ds2に対して、「チャンスタイム中」という文字が表示される。
次に、図895(b)を参照して、時短状態における演出態様について説明する。図895(b)に示した通り、時短状態においては、上述した第29制御例における確変割合超UPゾーン(図883(a)参照)と同様に、主表示領域Dmにおける大部分において有利度合いが高い第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示演出は、主表示領域Dmにおける右下部分に形成される小表示領域Dm8aにおいて比較的目立たない(視認し難い)態様で表示される。これらにより、有利度合いが高く、実行頻度の高い第2特別図柄の抽選に対応する第3図柄の変動表示演出に注目させることができる。
また、図895(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央上部に形成される表示領域HR3に対して、「チャンスタイムB」という文字と、「大当たり期待度 低」という文字と、「確変期待度 高」という文字と、が表示される。これらの表示内容により、現在設定されているチャンスタイムが、大当たり確率は低いものの確変大当たりとなる可能性が極めて高いチャンスタイムB(確変状態)であるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、表示領域Dm1に対して、チャンスタイムが終了するまで(確変状態、および確変状態終了後の時短状態が終了するまで)の残りの特別図柄の抽選回数を示す情報が表示される点、および小表示領域Ds2に対して、「チャンスタイム中」という文字が表示される点については確変状態(チャンスタイムA)が設定されている場合(図895(a)参照)と共通している。
<第30制御例における電気的構成>
次いで、図896(a)を参照して、本第30制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図896(a)は、本第30制御例におけるROM202の構成を示すブロック図である。図896(a)に示した通り、本第30制御例におけるROM202は、上述した第29制御例におけるROM202の構成(図885(a)参照)に対して、大当たり種別選択29テーブル202byに代えて大当たり種別選択30テーブル202bαが設けられている点、変動パターン29テーブル202dyに代えて変動パターン30テーブル202dαが設けられている点、および変動パターンシナリオテーブル202yaが削除されている点で相違している。その他の構成については、上述した第29制御例におけるROM202の構成(図885(a)参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図897を参照して、本第30制御例における大当たり種別選択30テーブル202bαの詳細について説明する。図897は、本第30制御例における大当たり種別選択30テーブル202bαの規定内容を示した図である。図897に示した通り、この大当たり種別選択30テーブル202bαには、特別図柄の種別毎に、選択され得る大当たり種別と、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲と、が対応付けて規定されている。より具体的には、図897に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して「大当たりA30」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して「大当たりB30」が対応付けて規定されている。「大当たりA30」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定される大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。また、「大当たりB30」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定される大当たり(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりA30」、「大当たりB30」に対応付けられている乱数値はそれぞれ50個ずつであるため、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA30」が決定される割合および「大当たりB30」が決定される割合は共に50%(50/100)となる。
なお、確変大当たりとなって確変状態が設定される場合は、10回の確変回数と50回の時短回数とが設定されるため、確変大当たりが終了してから特別図柄の抽選が10回実行されるまでの間は確変状態に設定され、特別図柄の抽選回数が10回以降、50回以内の範囲においては時短状態に設定され、その後は通常状態に設定される。これに対し、通常大当たりとなって時短状態が設定される場合は、25回の時短回数が設定されるため、通常大当たりが終了してから特別図柄の抽選回数が25回実行されるまでの間は時短状態に設定され、その後は通常状態に移行する。つまり、確変大当たりになると10回の確変状態と40回の時短状態とが設定される一方で、通常大当たりになると25回の時短状態のみが設定されるため、確変大当たりの方が通常大当たりよりも有利度合いが高くなる。
また、図897に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~24」の範囲に対して「大当たりC30」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「25~34」の範囲に対して「大当たりD30」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「35~99」の範囲に対して「大当たりE30」が対応付けて規定されている。「大当たりC30」は、ラウンド数が10ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(10ラウンド確変大当たり)である。また、「大当たりD30」は、ラウンド数が8ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(8ラウンド確変大当たり)である。更に、「大当たりE30」は、ラウンド数が4ラウンドに設定され、大当たり終了後の遊技状態として遊技者にとって最も有利な確変状態が設定される大当たり(4ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値のうち、「大当たりC30」、「大当たりD30」、「大当たりE30」に対応付けられている乱数値はそれぞれ25個、10個、および65個であるため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりC30」が決定される割合は25%(25/100)となり、「大当たりD30」が決定される割合は10%(10/100)となり、「大当たりE30」が決定される割合は65%(65/100)となる。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、過半数が最低のラウンド数(4ラウンド)に設定されるものの、いずれの大当たり種別が選択されたとしても大当たり終了後の遊技状態が有利度合いが高い確変状態に設定されるので、第2特別図柄の抽選は、第1特別図柄の抽選に比較して有利度合いが高い抽選であると言える。
次に、図898(a)を参照して、本第30制御例における変動パターン30テーブル202dαの詳細について説明する。図898(a)は、本第30制御例における変動パターン30テーブル202dαの構成を示すブロック図である。図898(a)に示した通り、本第30制御例における変動パターン30テーブル202dαは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202dα1と、時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される時短用テーブル202dα2と、確変状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変用テーブル202dα3と、で少なくとも構成されている。これらのうち、通常用テーブル202dα1は、上述した第29制御例における変動パターン29テーブル202dyの通常用テーブル202dy1と同一の規定内容(第1特別図柄の抽選では抽選結果に応じて7秒~140秒の範囲の変動時間が選択される一方で、第2特別図柄の抽選では600秒の変動時間が必ず選択される規定内容)となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
図898(b)は、本第30制御例における時短用テーブル202dα2の規定内容を示した図である。図898(b)に示した通り、時短用テーブル202dα2には、第1特別図柄の外れ時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が60000ms(60秒間)の外れロング変動が対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の大当たり時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が60000ms(60秒間)の当たりロング変動が対応付けて規定されている。
これに対し、図898(b)に示した通り、第2特別図柄の外れ(完全外れ又は小当たり)時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して、変動時間が1000ms(1秒間)の外れショート変動Aが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~949」の範囲に対して変動時間が3000ms(3秒間)の外れショート変動Bが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「950~999」の範囲に対して変動時間が5000ms(5秒間)の外れショート変動Cが対応付けて規定されている。つまり、変動時間が1秒間の外れショート変動Aに対して50個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、変動時間が3秒間の外れショート変動Bに対して900個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、変動時間が5秒間の外れショート変動Cに対して50個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。変動種別カウンタCS1は、「0~999」の1000個の値を取り得るので、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、1秒間の変動時間が選択される割合は5%(50/1000)であり、3秒間の変動時間が選択される割合は90%(900/1000)であり、5秒間の変動時間が選択される割合は5%(50/1000)である。このため、第2特別図柄の外れ時における平均の変動時間は3秒間(1秒間×5%+3秒間×90%+5秒間×5%)となる。また、図898(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり時の変動パターンとして、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(「0~999」の範囲)に対して、変動時間が3000ms(3秒間)の当たりショート変動が対応付けて規定されている。
これらの規定内容から、この時短用テーブル202dα2が参照されると、第1特別図柄の抽選が実行された場合における変動時間が60秒間に固定化される一方で、第2特別図柄の抽選が実行された場合における変動時間が平均3秒間となるため、第1特別図柄の抽選が1回実行されている間に平均20回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる。つまり、大当たりに当選した場合に50%の割合で不利な通常大当たりが決定される不利な第1特別図柄の抽選がほとんど行われず、大当たりに当選した場合に確変大当たりが確定する有利な第2特別図柄の抽選ばかりを実行させることができる有利な状態を形成する。よって、時短状態を、確変状態よりも、大当たり当選時に確変状態が付与される割合の面で有利度合いが高くなるように構成することができる。
次に、図898(c)を参照して、上述した確変用テーブル202dα3の詳細について説明する。図898(c)は、この確変用テーブル202dα3の規定内容を示した図である。図898(c)に示した通り、確変用テーブル202dα3には、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の内容が規定されており、その規定内容は、時短用テーブル202dα2(図898(b)参照)における第2特別図柄の規定内容と同一である。よって、確変用テーブル202dα3が参照された場合、第1特別図柄の変動時間も第2特別図柄の変動時間も平均3秒となる。即ち、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行される状態を形成する。このため、時短状態に比較して、確変状態では第1特別図柄の大当たりに当選する可能性がアップするため、大当たりに当選した場合に設定される遊技状態の面で、時短状態よりも確変状態の法が遊技者にとっての有利度合いが低くなる。
<第30制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図899から図902を参照して、本第30制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図899を参照して、本第30制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理30(Y371)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理30(Y371)は、上述した第29制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理29(図890参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動パターン選択処理29(図890参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図899は、この第1特別図柄変動パターン選択処理30(Y371)を示すフローチャートである。
この第30制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理30(図899参照)のうち、Y501~Y503,Y505~Y508、およびY552の各処理では、それぞれ上述した第29制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理29(図890参照)のY501~Y503,Y505~Y508、およびY552の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理30(図899参照)では、Y503の処理が終了すると、現在の遊技状態に対応する変動パターンテーブルを特定して(Y561)、処理をY552へと移行する。
なお、図示については省略したが、第2特別図柄変動パターン選択処理29に代えて実行される第2特別図柄変動パターン選択処理30についても、この第1特別図柄変動パターン選択処理30(図899参照)のY561の処理と同様の処理によって変動パターンテーブルが読み出されるように変形されている。
次に、図900を参照して、本第30制御例における変動開始時更新処理30(Y372)の詳細について説明する。この変動開始時更新処理30(Y372)は、上述した第29制御例(および第28制御例)における変動開始時更新処理(図872参照)に代えて実行される処理であり、変動開始時更新処理(図872参照)と同様に、変動開始タイミングで遊技状態を更新するための処理である。図900は、この変動開始時更新処理30(Y372)を示すフローチャートである。
この第30制御例における変動開始時更新処理30(図900参照)のうち、Y631~Y633の各処理では、それぞれ上述した第29制御例(および第28制御例)における変動開始時更新処理(図872参照)のY631~Y633の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における変動開始時更新処理30(図900参照)が実行されると、まず、確変中カウンタ203αaの値が1であるか否かを判別し(Y641)、確変中カウンタ203αaの値が1であると判別した場合は(Y641:Yes)、確変中カウンタ203αaの値を1減算して0に更新し(Y642)、時短状態への移行を示す状態コマンドを設定して(Y643)、処理をY631へと移行する。一方、Y641の処理において、確変中カウンタ203αaの値が1ではないと判別した場合は(Y641:No)、確変回数を減算するタイミングではないことを意味するため、Y642,Y643の処理をスキップして、処理をY631へと移行する。
次に、図901を参照して、本第30制御例における変動停止時更新処理30(Y751)の詳細について説明する。この変動停止時更新処理30(Y751)は、上述した第29制御例(および第28制御例)における変動停止時更新処理(図875参照)に代えて実行される処理であり、変動停止時更新処理(図875参照)と同様に、特別図柄の変動停止時に遊技状態を更新するために実行される処理である。図901は、この変動停止時更新処理30(Y751)を示すフローチャートである。
この第30制御例における変動停止時更新処理30(図901参照)のうち、Y635~Y638の各処理では、それぞれ上述した第29制御例(および第28制御例)における変動停止時更新処理(図875参照)のY635~Y638の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における変動停止時更新処理30(図901参照)が実行されると、まず、確変中カウンタ203αaの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y645)、確変中カウンタ203αaの値が0より大きい値であると判別した場合は(Y645:Yes)、確変中カウンタ203αaの値を1減算して更新し(Y646)、減算後の確変中カウンタ203αaの値が0になったか否かを判別する(Y647)。Y647の処理において、減算後の確変中カウンタ203αaの値が0になったと判別した場合は(Y647:Yes)、時短状態への移行を示す状態コマンドを設定して(Y648)、処理をY635へと移行する。これに対し、Y647の処理において、減算後の確変中カウンタ203αaの値が0になっていない(1以上の値である)と判別した場合は(Y647:No)、Y648の処理をスキップして、処理をY635へと移行する。また、Y645の処理において、確変中カウンタ203αaの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(Y645:No)、確変回数を減算するタイミングではないことを意味するため、Y646~Y648の各処理をスキップして、処理をY635へと移行する。
次に、図902を参照して、本第30制御例における大当たり制御処理30(Y1041)の詳細について説明する。この大当たり制御処理30(Y1041)は、上述した第29制御例における大当たり制御処理29(図879参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理29(図879参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を実行するための処理である。図902は、この第30制御例における大当たり制御処理30(Y1041)を示すフローチャートである。
この第30制御例における大当たり制御処理30(図902参照)のうち、Y11601~Y11612,Y11633~Y11635、およびY11641の各処理では、それぞれ上述した第29制御例における大当たり制御処理29(図879参照)のY11601~Y11612,Y11633~Y11635、およびY11641の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における大当たり制御処理30(図902参照)では、Y11641の処理において今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合に(Y11641:Yes)、確変中カウンタ203αaのカウンタ値に10を、時短中カウンタ203hのカウンタ値に50をそれぞれ設定して(Y11661)、処理をY11633へと移行する。これに対し、Y11641の処理において、今回の大当たりが確変大当たりではない(通常大当たりである)と判別した場合は(Y11641:No)、時短中カウンタ203hのカウンタ値に25を設定して(Y11662)、処理をY11633へと移行する。
<第30制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図903を参照して、本第30制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。図903は、本第30制御例における状態コマンド受信処理30を示すフローチャートである。この状態コマンド受信処理30(S4231A)は、上述した第29制御例(および第5制御例)における状態コマンド受信処理5(図263参照)に代えて実行される処理であり、状態コマンド処理5(図263参照)と同様に、状態コマンドによって主制御装置110より通知された遊技状態を示す情報に応じた制御を行うための処理である。
この第30制御例における状態コマンド受信処理30(図903参照)のうち、S9001,S9003,S9005、およびS9009の各処理では、それぞれ第29制御例(および第5制御例)における状態コマンド受信処理5(図263参照)のS9001,S9003,S9005、およびS9009の各処理と同一の処理が実行される。また、本第30制御例における状態コマンド受信処理30(図903参照)では、S9003の処理において通常状態への変更を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S9003:Yes)、通常状態用の演出態様を設定して(S9021A)、本処理を終了する。
また、本第30制御例における状態コマンド受信処理30(図903参照)では、S9005の処理において、遊技状態が時短状態に変更されたことを示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S9005:Yes)、チャンスタイムBへの突入を示す演出態様を設定して(S9022A)、本処理を終了する。更に、本第30制御例における状態コマンド受信処理30(図903参照)では、S9009の処理において、遊技状態が確変状態に変更されたことを示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S9009:Yes)、チャンスタイムAへの突入を示す演出態様を設定して(S9023A)、本処理を終了する。
この状態コマンド受信処理30(図903参照)を実行することにより、チャンスタイムの種別に応じた演出態様(図895参照)を設定することができるので、遊技者に対してチャンスタイムの種別に応じた遊技性を容易に理解させることができる。
以上説明した通り、本第30制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の時短状態に設定される確変状態および時短状態において、実行され易い特別図柄の種別を異ならせる構成とすることで、双方の遊技状態に対して互いに異なるメリットを付与する構成とした。具体的には、確変状態においては、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行されるように制御する一方で、時短状態においては、第2特別図柄の抽選ばかりが実行される有利な状態を形成する構成とした。また、本第30制御例では、確変状態において予め定められた第1回数の特別図柄の抽選が終了すると、確変状態が終了される仕様(所謂、ST型の確変状態)を採用した上で、確変状態が設定されてから特別図柄の高確率確変状態が終了するまでの回数(第1回数)よりも、普通図柄の時短状態が終了するまでの回数(第2回数)の方が多くなるように構成している。つまり、大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定されると、まず、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第1回数(10回)となるまでの間、確変状態が継続し、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第1回数となることにより特別図柄の低確率状態に設定されることで遊技状態が時短状態に設定され、その後は大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が第2回数(50回)となるまでの間、時短状態が継続するように構成されている。また、50回の特別図柄の抽選が実行されると、普通図柄の時短状態も終了されて通常状態に設定される。このため、本第30制御例では、確変大当たりが終了すると、まず、大当たり確率が通常よりも高い(1/25)ものの、有利度合い(確変大当たりの割合)が低い第1特別図柄の抽選と有利度合い(確変大当たりの割合)が高い第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に(半々で)実行される確変状態を形成し、特別図柄の抽選回数が第1回数(10回)に到達した場合は、大当たり確率が通常の確率(1/100)になるものの、有利な第2特別図柄の抽選ばかりが実行される時短状態を形成する構成としている。これにより、互いに異なるメリット(大当たり確率、第2特別図柄抽選の頻度)を有して構成される確変状態および時短状態を順番に設定することができるので、途中で遊技性が切り替わる(メリット、デメリットが入れ替わる)斬新な動作を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第30制御例では、上述した第28制御例や第29制御例と同様に、一方の特別図柄が大当たりに対応する変動表示の実行中である場合に、他方の特別図柄の抽選が実行されても大当たりに当選し得ない(完全外れまたは小当たりにのみ当選し得る)仕様を採用していたが、これに限られず、上述した第27制御例等のように、一方の特別図柄の大当たり変動中でも、他方の特別図柄で大当たりを抽選可能に構成し、先に当たり図柄(小当たり又は大当たり図柄)で停止表示された側の特別図柄の抽選が有効となる(他方の特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止される)仕様を採用してもよい。このように構成することで、特に、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長い時間(60秒間)に設定される時短状態において第1特別図柄の大当たりに当選したとしても、その後に第2特別図柄の抽選で大当たりとなって第1特別図柄の大当たり変動を外れで強制停止させることが可能となるので、時短状態において有利な第2特別図柄の大当たりの発生割合をより向上させることができる。
本第30制御例では、確変状態においては第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行される一方で、時短状態においては第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長くすることで有利度合いが高い第2特別図柄の抽選ばかりが実行されるように構成していたが、逆に、時短状態においては第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とがほぼ均等に実行される一方で、確変状態においては第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄の変動時間に対して大幅に長くすることで有利度合いが高い第2特別図柄の抽選ばかりが実行されるように構成してもよい。このように構成することで、確変状態における優位性をより高めることができるので、確変状態の間に大当たりに当選することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第30制御例では、確変状態と時短状態とで第1特別図柄の変動時間を異ならせる(参照する変動パターンテーブルを異ならせる)ことで、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選頻度を異ならせ、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態における前半と後半とで参照する変動パターンテーブルを異ならせ、確変状態の前半と後半とで遊技性を異ならせてもよい。このように構成することで、確変状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
本第30制御例では、確変状態において第1回数(10回)の特別図柄の抽選が実行されることで時短状態へと移行し、時短状態へと移行した後で第2回数(40回)の特別図柄の抽選が実行されることで通常状態へと移行する構成としていたが、確変状態の継続回数は固定化しなくてもよい。例えば、確変状態において、特別図柄の抽選が実行される毎に、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと転落させるか否かの抽選(転落抽選)を行う構成とし、転落抽選に当選して時短状態へと転落した場合に第1特別図柄の変動時間が長くなる(有利度合いが低い第1特別図柄の抽選頻度が低くなる)用に構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の高確率状態から低確率状態に転落するという、一般的に喜ばしくない状況が発生した場合に、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選頻度が高くなることによって、遊技者の落胆を緩和することができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
<第26制御例の第1演出変形例>
次に、図911から図913を参照して、上述した第26制御例のパチンコ機10において実行されるバトル演出(図800参照)の変形例について説明をする。上述した第26制御例では、遊技者が操作可能な演出ボタン22(操作手段)に対して所定の操作(連打操作、又は長押し操作)が実行されたことに基づいて、敵キャラ880aの残HP値(段階情報)を減少(可変)させるバトル演出(操作演出)を実行可能に構成し、バトル演出の演出結果として敵キャラ880aの残HP値が「0」となる演出結果(遊技者に有利な演出結果)が表示された場合に、特別図柄抽選で大当たり当選したこと(遊技者に有利な特典が付与されること)を遊技者に報知可能に構成していた。
さらに、バトル演出が実行される演出期間のうち、遊技者が演出ボタン22を有効に操作可能なSW有効期間(操作有効期間)が設定されるよりも前の準備期間において、敵キャラ880aの残HP値を予め減少させる先制攻撃演出(図800(b)参照)を実行可能に構成し、今回のバトル演出の演出結果が遊技者に有利な演出である可能性が高いことを、操作有効期間が設定されるよりも前に遊技者に把握させることで意欲的に演出ボタン22を操作させるように構成していた。
しかしながら、上述した第26制御例では、先制攻撃演出が実行されること無く(敵キャラ880aの残HP値を事前に減少させること無く)SW有効期間が設定された場合には、同一のSW有効期間内において敵キャラ880aの残HP値を「0」に向けて減少させるバトル演出が実行されるだけとなり、遊技者が演出ボタン22を操作する操作意欲が徐々に低下してしまうという問題があった。
これに対して、本変形例では、バトル演出リーチにて設定されるSW有効期間の長さを可変可能に構成しており、バトル演出リーチの演出結果として、遊技者に有利な演出結果を表示可能な場合(対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合)において、遊技者に不利な演出結果が表示される場合(対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合)よりも、長い期間のSW有効期間が設定され易くするように構成している。
このように構成することで、敵キャラ880aの残HP値が事前に減少されなかった場合であっても、演出ボタン22への操作に基づいて敵キャラ880aの残HP値を減少させることが可能な期間(SW有効期間)の長さを異ならせることにより、今回のバトル演出の演出結果が遊技者に有利な演出である可能性が高いことを遊技者に予測させることが可能となる。
また、バトル演出の演出結果として遊技者に有利な演出結果(敵キャラ880aの残HP値が「0」となる演出結果)を表示可能な場合に、長いSW有効期間が設定され易く構成しているため、敵キャラ880aの残HP値を「0」まで減少させるために要する期間を長くすることができ、遊技者に長時間の間、楽しんで演出ボタン22を操作させ易くすることができる。
さらに、本変形例では、通常のSW有効期間(3秒)よりも長いSW有効期間(5秒)が設定される場合において、長いSW有効期間が設定される(された)ことを遊技者に報知する報知タイミングとして、複数の報知タイミングを設定可能に構成している。具体的には、実際にSW有効期間が設定されるよりも前に、遊技者に対して長いSW有効期間が設定されることを報知可能な第1報知タイミングと、実際にSW有効期間が設定された後に、遊技者に対して長いSW有効期間が設定されていることを報知可能な第2報知タイミングと、を設定可能に構成している。
このように構成することで、長いSW有効期間が設定される(された)ことを期待させながら遊技者にバトル演出リーチを楽しませることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本変形例では、通常のSW有効期間(3秒)よりも長いSW有効期間(5秒)が設定される(された)ことを遊技者に報知するための報知態様として、通常のSW有効期間(3秒)に対応する有効期間ゲージga4を表示した後に、差分となるSW有効期間期間(2秒)に対応する表示態様を表示可能に構成している。つまり、遊技者に対して、通常のSW有効期間が設定されたと思わせた後に、長いSW有効期間が設定されたことを把握させることが可能となるように構成している。
このように構成することで、長いSW有効期間が設定されることを期待しながらバトル演出リーチを注視している遊技者に対して、意外性のある演出を提供することができる。また、最初から長いSW有効期間(5秒)に対応する表示態様を表示する場合に比べて、通常と比してどの程度長いSW有効期間が設定されたのかを視覚的に把握させることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第26制御例の第1演出変形例における演出内容について>
次に、図911を参照して、本第26制御例の第1演出変形例にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第1演出変形例では、上述した第26制御例に対して、バトル演出において実行される演出の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
本第1演出変形例においても、上述した第26制御例と同様に、バトル演出において、第1パート演出(SW有効期間が設定されるよりも前に実行される演出)と、第2パート演出(演出ボタン22への操作に基づいて、敵キャラ880aの残HP値を減少させる演出)と、を実行可能に構成しており、第1パート演出中に実行される演出の内容を異ならせている。
ここで、図911を参照して、本第1演出変形例におけるパチンコ機10にて実行されるバトル演出リーチにおける第1パート演出の演出内容について説明をする。図911(a)は、第1パート演出として、味方キャラ801aをパワーアップさせる演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図911(a)に示した通り、第1パート演出が実行されると、上述した第26制御例の表示画面(図800(a)参照)と同様に、味方キャラ801aと、敵キャラ880aとが対峙する表示態様が表示され、敵キャラ880aのHP値を示すためのHPゲージ890が表示される。なお、図911(a)に示した表示画面に表示される各種表示態様のうち、上述した第26制御例と同一の表示態様については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本第1演出変形例では、第1パート演出として、敵キャラ880aの残HP値を減少させる先制攻撃演出に加えて、味方キャラ801aをパワーアップさせる攻撃補助演出を実行可能に構成しており、攻撃補助演出が実行された場合には、図911(a)に示した通り、天使を模したキャラクタ801dが表示され、キャラクタ801dによって味方キャラ801aをパワーアップさせる演出が実行される。
そして、攻撃補助演出によって味方キャラ801aがパワーアップしたことを遊技者に案内するための表示態様として、味方キャラ801aの周りにオーラ801a1が表示されると共に、副表示領域Dsに「天使の加護でパワーアップ」のコメントが表示される。
このように構成することで、第1パート演出として実行された演出の内容(攻撃補助演出)を遊技者に分かり易く報知することができる。また、図911(a)に示した表示画面が表示された状態は、攻撃補助演出によって味方キャラ801aがパワーアップしたことを遊技者に報知した状態であるが、具体的にどのような演出効果が付与されたのかを遊技者が把握出来ないように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、攻撃補助演出によって付与される演出効果を予測する楽しみを提供することができる。
次に、図911(a)が表示された後に実行される第2パート演出中に表示される表示画面の一例について、図911(b)を参照して説明をする。図911(b)は、第2パート演出中に長いSW有効期間が設定されることを報知している表示画面の一例を示した図である。
図911(b)に示した通り、第2パート演出では、第2パート演出よりも前に実行された第1パート演出にて表示された味方キャラ801aの表示態様(オーラ801a1を纏った味方キャラ801a)が表示される。このように構成することで、第1パート演出の演出結果に応じた第2パート演出が実行されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。図911(b)では、第1パート演出の演出結果(攻撃補助演出の演出効果)として、第2パート演出中に設定されるSW有効期間の長さとして、通常よりも長いSW有効期間が設定されることを遊技者に報知するための表示態様を表示している。
具体的には、演出ボタン22が操作可能となることを示す表示用演出ボタンSw6bの上方に「ロングボタン発生中!!」が表示され、SW有効期間の長さを示す有効期間ゲージga4として、長いSW有効期間(5秒)に対応した表示態様が表示される。そして、通常のSW有効期間(3秒)との差分(2秒)を示す追加期間ゲージga4cとして、特殊エフェクト(図では、発光を示す態様を表示)が付与された表示態様が表示される。
なお、図911(b)に示した状態は、第2パート演出中であって、SW有効期間が設定されていない状態であるため、表示用演出ボタンSw6bの上方には、SW有効期間が設定される前(準備期間)であることを示すための「連打準備」の文字が表示されている。つまり、図911(b)に示した表示態様が表示された場合には、実際にSW有効期間が設定されるよりも前の段階で、今回設定されるSW有効期間が通常よりも長いSW有効期間であることを遊技者に報知することになる。よって、敵キャラ880aの残HP値を「0」まで減少させようと、遊技者に対して、意欲的に演出ボタン22を操作させ易くすることができる。
また、通常のSW有効期間との差分を示す追加期間ゲージga4cに対して特殊エフェクトを施すことによって、今回のSW有効期間が通常よりも長いことを遊技者に分かり易く報知することができると共に、その追加期間の長さを遊技者に視覚的に把握させ易くすることができる。
次に、図912を参照して、本第1演出変形例のバトル演出リーチにおけるSW有効期間の長さを遊技者に報知するための各表示態様について説明をする。上述した図911(b)では、長いSW有効期間が設定されることを、実際にSW有効期間が設定されるタイミングよりも前のタイミング(第1報知タイミング)で遊技者に報知する場合の一例を示したものであり、第1報知タイミングにおいて長いSW有効期間を示す有効期間ゲージga4を表示する表示パターンを説明した。
このように、第1報知タイミングで長いSW有効期間が設定されることを報知することによって、実際にSW有効期間が設定されるよりも前に長いSW有効期間が設定されることを遊技者に報知することができるため、遊技者に有利な演出結果となり易い状況であることを把握させた状態で演出ボタン22を意欲的に操作させることができる。
しかしながら、図911(b)を参照して上述した例では、SW有効期間の長さを示す有効期間ゲージga4が表示された段階で追加期間ゲージga4cが表示されていない場合には、設定されたSW有効期間の長さが通常の長さ(3秒)であることが確定してしまうため演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第1演出変形例では、図912(a)に示した通り、第1報知タイミングにて長いSW有効期間が設定されることを報知する場合において、一旦、通常のSW有効期間を示す有効期間ゲージga4を表示し、その後、追加期間ゲージga4cを表示させるように構成している(図912(b)参照)。つまり、図911(b)に示した演出態様とは異なり、SW有効期間が設定されることを報知するタイミングと、長いSW有効期間が設定されることを報知するタイミングと、を異ならせる時間差演出態様で長いSW有効期間が設定されることを第1報知タイミングで報知可能に構成している。
このように構成することで、第1報知タイミングにて長いSW有効期間が設定されることを報知する演出が実行された場合において、遊技者に対して、長いSW有効期間が設定されることをより長い間期待させることが可能となる。また、長いSW有効期間が設定されない場合であっても、図912(a)が表示された時点では、長いSW有効期間が設定されること、即ち、追加期間ゲージga4cが遅れて表示される可能性を残すことができるため、実行されるバトル演出リーチに対して遊技者が早期に興味を無くしてしまうことを抑制することができる。
ここで、図912(a),(b)を参照して、第1報知タイミングにて実行される時間差演出態様の具体的な表示内容について説明をする。図912(a)は、長いSW有効期間が設定されることを示すロングボタン表示として時間差演出態様が設定された場合の前半期間に表示される表示画面の一部を示した図であって、図912(b)は、時間差演出態様が設定された場合の後半期間における表示画面の一部を示した図である。
バトル演出リーチの第2パート演出として、時間差演出態様が設定された場合には、図912(a)に示した通り、SW有効期間が設定されることを報知するための表示態様として、前半期間では、通常のSW有効期間が設定されることを報知するための表示態様(図801(a)参照)と同一の表示態様が表示される。なお、図912(a)に示した表示態様は、上述した第26制御例のバトル演出リーチの表示例を示した図801(a)と同一であるため、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
そして、前半期間が経過すると、図912(b)に示した通り、今回設定されるSW有効期間が長いSW有効期間であることを遊技者に報知するための表示態様として、有効期間ゲージga4に追加期間ゲージga4cが追加表示され、表示用演出ボタンSw6bには、長いSW有効期間が設定されていることを示すロングボタン表示態様として、炎Sw6aを纏った表示態様が表示される。そして、「ロングボタン発生!!」の文字と、「期間延長!!」の文字が表示され、連打操作可能なSW有効期間が通常よりも長いことが遊技者に報知される。
なお、図912(b)に示した表示画面が表示されるタイミングは、SW有効期間が設定されるよりも前のタイミングであり、有効期間ゲージga4を用いて示される残有効期間ga4aが減少していない状態であるため、追加期間ゲージga4cが有効期間ゲージga4の右側に表示される。このように構成することで、残有効期間ga4aの長さが追加期間ゲージga4c分延長されたことを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、追加期間ゲージga4cの表示態様(表示色)が、残有効期間ga4aの表示態様(表示色)と同一となるように構成している。このように構成することで、追加期間ゲージga4cが表示された場合に、残有効期間ga4aが増加したことを遊技者により分かり易く報知することができる。なお、追加期間ゲージga4cの表示態様(表示色)を、残有効期間ga4aとは異なる表示態様(表示色)で表示しても良い。このように構成することで、追加期間ゲージga4cが表示されてから実際にSW有効期間が設定されるまでの間の期間において、残有効期間ga4aがどの程度増加したのかを、残有効期間ga4aの長さと、追加期間ゲージga4cの長さとを見比べることで予測させ易くすることができる。
また、本第1演出変形例では、上述した第26制御例と同様に、残有効期間ga4aを示すゲージの長さ、及び、そのゲージの減少度合いを用いて、SW有効期間の残期間を遊技者に把握させる構成を用いているが、これに限ること無く、具体的な数値を用いて表示しても良い。この場合、残有効期間ga4aを示す数値に対して追加期間ゲージga4cが示す長さに対応する数値を加算するように構成すれば良い。
さらに、残有効期間ga4aの表示態様が、残有効期間の長さに応じて可変するように構成されている場合、例えば、残有効期間ga4aが減少していない状態では「青」、残有効期間ga4aが50%以上減少した状態では「黄」、残有効期間ga4aが90%以上減少した状態では「赤」となるように、表示態様が可変するように構成されている場合であれば、追加期間ゲージga4cの表示態様として「白」を表示し、追加期間ゲージga4cにて追加表示された分の残期間が減少した場合(追加期間ゲージga4cが表示される前の残有効期間ga4a分の残期間となった場合)に、「青」で表示されるように構成すると良い。このように構成することで、追加期間ゲージga4cが表示された場合と、表示されなかった場合とで、残有効期間ga4aの残りの長さと、表示態様の可変態様との関係を統一することができるため、残有効期間を示すための表示態様を設定する処理を簡素化することができる。
また、これに限ること無く、追加期間ゲージga4cが表示された場合であっても、残有効期間ga4aの減少割合に応じて「青」、「黄」、「赤」の順で表示態様が可変するように構成しても良い。このように構成することで、追加期間ゲージga4cが表示された場合と、表示されなかった場合とで、SW有効期間が設定されてからの経過時間と、SW有効期間の残有効期間との関係性(比率)を、同一の表示態様で遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
以上、図912(a)、及び(b)を参照して説明をした、第1報知タイミングにてSW有効期間の長さを報知する演出態様では、実際にSW有効期間が設定されるよりも前に、設定されるSW有効期間の長さを遊技者に報知する演出態様であったため、実際にSW有効期間が設定されるまでの間、遊技者に長いSW有効期間が設定されることを期待させることができるものであったが、実際にSW有効期間が設定された時点で今回のSW有効期間の長さを遊技者に把握されてしまうため、短いSW有効期間が設定されたと把握した遊技者が、SW有効期間中に演出ボタン22を意欲的に操作しない虞があった。
これに対して、本第1演出変形例では、上述した第1報知タイミング、即ち、実際にSW有効期間が設定される前のタイミングだけでは無く、実際にSW有効期間が設定された後の所定タイミング(第2報知タイミング)においても、追加期間ゲージga4cを表示可能に構成している。ここで、図912(c)、及び(d)を参照して、第2報知タイミングにて追加期間ゲージga4cが表示される場合の表示内容について説明をする。
図912(c)は、長いSW有効期間が設定されることを示すロングボタン表示として第2報知タイミングにてロングボタン表示が実行される場合のSW有効期間の前半期間に表示される表示画面の一部を示した図であって、図912(d)は、第2報知タイミングにてロングボタン表示が実行される場合のSW有効期間の後半期間における表示画面の一部を示した図である。
図912(c)に示した通り、第2報知タイミングにおいて追加期間ゲージga4cが表示される場合には、SW有効期間が設定された後、即ち、遊技者が連打操作を実行している期間においても、通常の長さの有効期間ゲージga4が継続して表示され、経過時間に応じて残有効期間ga4aが減少する可変表示が実行される。つまり、実際には長いSW有効期間が設定されているにも関わらず、第3図柄表示装置81の表示画面には、長いSW有効期間が設定されていることを遊技者が把握困難な表示態様が表示される。
その後、残有効期間ga4aが50%以下まで減少すると、追加期間ゲージga4cが表示される。この場合、図912(d)に示した通り、既にSW有効期間が設定された後であって、経過時間ga4bが表示されている状態であるため、第1報知タイミングとは異なり、追加期間ゲージga4cが有効期間ゲージga4の左側に接続するように表示される。
このように構成することで、SW有効期間が設定された後に、追加期間ゲージga4cを表示する場合であっても(第2報知タイミングで長いSW有効期間が設定されていることを遊技者に報知する場合であっても)、追加期間ゲージga4cと、残有効期間ga4aと、を連続させて表示することができるため、遊技者に対して、残有効期間ga4aが増加したことを分かり易く把握させることができる。
なお、本第1演出変形例では、第2報知タイミング(SW有効期間が設定された後のタイミング)にて、長いSW有効期間が設定されていることを遊技者に報知する場合に、有効期間ゲージga4の近傍(左側)に追加期間ゲージga4cを表示するように構成しているため、今回設定されたSW有効期間の長さ(最初に表示された有効期間ゲージga4と、追加期間ゲージga4cとを合算した長さ)を、SW有効期間が設定されている状態において遊技者に容易に把握させることができるものであるが、これ以外の構成を用いても良く、例えば、追加期間ゲージga4cにて示されるSW有効期間の長さに対応する期間分(通常の長さのSW有効期間(3秒)と、長いSW有効期間(5秒)との差分である2秒分)、残有効期間ga4aを増加させる(図912(c)においては、残有効期間ga4aの右端ラインを右方向へ移動させる)ように表示しても良い。このように構成することで、時間経過に応じて減少(図912(c)においては、残有効期間ga4aの右端ラインを左方向への移動)していく残有効期間ga4aが、増加していくように表示されるため、SW有効期間の残期間が増加したことを遊技者に容易に把握させることができる。
また、この場合、残有効期間ga4aの表示態様として、表示面に表示されるSW有効期間の残期間として、残期間が増加する前の表示態様と、増加した後の表示態様と、を異ならせると良く、例えば、残期間が増加する前の表示態様として残有効期間ga4aの表示色を「黄」とし、残期間が増加する前の表示態様として残有効期間ga4aの表示色を「白」とするように構成すると良い。このように構成することで、残有効期間ga4aの表示態様を遊技者が把握することにより、SW有効期間の残期間を示す残有効期間ga4aが増加し得る状態であるか否かを分かり易く把握させることができる。
なお、本第1演出変形例では、第2報知タイミングにて実際に設定されているSW有効期間の長さを報知する場合に、SW有効期間の長さを示す表示態様を1回のみ追加表示する構成を記載しているが、SW有効期間の残期間の長さを複数回に分けて追加表示するように構成しても良い。このように構成することで、第2報知タイミングにおいてSW有効期間の残期間の長さが追加表示された場合であっても、更に、SW有効期間の残期間の長さが追加表示される可能性を残すことができるため、遊技者に対して、より長いSW有効期間が設定されていることを期待させながら遊技を行わせ易くすることができる。
また、本第1演出変形例では、設定可能なSW有効期間の長さとして、通常のSW有効期間(3秒)と、長いSW有効期間(5秒)と、の何れかを設定可能に構成しているが、長さの異なる3つ以上のSW有効期間の中から1のSW有効期間を選択して設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、既に表示されているSW有効期間の長さを途中で増加させた場合、即ち、1の長さのSW有効期間が表示されている状態で、1の長さとは異なる長さ(1の長さよりも長い)のSW有効期間を表示した場合において、1の長さとは異なる長さのSW有効期間と、実際に設定されているSW有効期間とが異なる状況を創出することができるため、遊技者に対して、より長いSW有効期間が設定されていることを期待させながら遊技を行わせ易くすることができる。
加えて、本第1演出変形例では、実行に設定されているSW有効期間の長さと、遊技者に報知しているSW有効期間の長さ(表示されている有効期間ゲージga4の長さ)と、を異ならせる構成として、実際に設定されているSW有効期間の長さよりも短い長さ(実際に設定されているSW有効期間の少なくとも一部を含む期間の長さ)を遊技者に報知可能に構成しているが、これに限ること無く、実際に設定されているSW有効期間の長さよりも長い期間(疑似期間)をSW有効期間の長さとして表示可能に構成しても良い。
このように構成することで、遊技者に表示されたSW有効期間の長さ(疑似期間の長さ)の方が、実際に設定されているSW有効期間の長さよりも長い状況を創出することができるため、SW有効期間の長さを示す表示態様(有効期間ゲージga4)が表示された場合において、その有効期間ゲージga4が示すSW有効期間の長さが、実際に設定されているSW有効期間の長さよりも長い可能性を考慮して、実際に設定されているSW有効期間が経過するよりも前に意欲的に演出ボタン22を操作させることができる。
なお、実際に設定されているSW有効期間の長さよりも長い期間(疑似期間)をSW有効期間の長さとして表示可能に構成した場合には、表示されている疑似期間の長さが、実際に設定されているSW有効期間の長さと合致するように、表示されている疑似期間の長さを短縮させる短縮表示演出を実行可能に構成すると良く、例えば、疑似期間として表示されている有効期間ゲージga4における残有効期間ga4aの減少速度が、実際のSW有効期間の減少速度よりも早くなるように構成することで、少なくとも、実際のSW有効期間の残有効期間が0となるよりも前の段階で、疑似期間が示すSW有効期間の残有効期間の長さが、実際のSW有効期間の長さと合致するように構成すると良い。
このように構成することで、疑似期間として有効期間ゲージga4が表示された時点では、残有効期間ga4aが通常の減少速度で減少することを前提として実際に設定されているSW有効期間の長さよりも長いSW有効期間が設定されると遊技者に思わせた状態から、通常よりも早い減少速度で残有効期間ga4aが減少表示される演出が実行される。よって、遊技者に対して残有効期間ga4aの減少速度についても興味を持たせることができる。
また、短縮表示演出として、既に表示されている残有効期間ga4aの一部領域を非表示(削除)する演出を実行することによって、疑似期間を示す有効期間ゲージga4を、実際に設定されているSW有効期間の長さに対応する表示態様へと可変表示させるように構成しても良い。このように構成することで、残有効期間ga4aの減少速度を異ならせること無く、疑似期間を示す有効期間ゲージga4を、実際に設定されているSW有効期間を示す有効期間ゲージga4へと可変させることが可能となる。よって、残有効期間ga4aの減少速度を異ならせる制御を実行する必要が無くなるため、残有効期間ga4aの表示制御処理を簡素化することができる。
<第26制御例における第1演出変形例の制御処理内容について>
次に、図913を参照して、本第1演出変形例のパチンコ機10において実行される制御処理のうち、上述した第26制御例のパチンコ機10において実行される制御処理と異なる処理内容について説明をする。
本第1演出変形例では、上述した第26制御例に対して、バトル演出の演出内容(演出態様)を異ならせている点で相違しており、バトル演出の演出内容を決定するための制御処理の内容を異ならせている。具体的には、上述した第26制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される時短状態演出態様決定処理26(図819のF3051参照)に代えて、時短状態演出態様決定処理26a(図913のF3051a参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容については詳細な説明を省略する。
図913は、時短状態演出態様決定処理26a(F3051a)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出態様決定処理26a(F3051a)は、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を示すための各種変動演出の演出態様や、時短状態が終了することを示唆するための示唆演出の演出態様を決定し、決定した演出態様に対応した各種演出を第3図柄表示装置81の表示画面に表示させるための表示用コマンドを設定するための処理が実行されるものであって、上述した第26制御例における時短状態演出態様決定処理26(図819のF3051参照)に対して、バトル演出の演出態様を決定する処理(F4206参照)の処理内容を変更した点と、バトル演出中に設定されるSW有効時間(操作有効期間)を決定するための処理(F4201a~F4203a)を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短状態演出態様決定処理26a(F3051a)が実行されると、まず、上述した第26制御例における時短状態演出態様決定処理26(図819のF3051参照)と同一のF4201~F4211の処理を実行する。そして、F4210の処理を終えると、次に、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報を判定し(F4201a)、判定した設定情報が、長時間の操作有効期間に対応する設定情報であるかを判別する(F4202a)。
F4202aの処理において、長時間では無い、即ち、通常の長さの操作有効期間を示す設定情報であると判別した場合は(F4202a:No)、そのまま、F4212の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、F4202aの処理において、長時間であると判別した場合、即ち、通常よりも長い操作有効期間を示す設定情報であると判別した場合は(F4202a:Yes)、ロングボタンの報知タイミングを抽選で決定し(F4203a)、F4212の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第1演出変形例では、変動演出を決定する処理(時短状態演出態様決定処理26a(図913のF3051a参照))において、操作有効期間を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、操作有効期間中に実行された操作内容に基づいて、操作有効期間を増加させるか否かを決定する処理を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、より多くの操作有効期間が設定されるように遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、この場合、増加した操作有効期間中における操作手段への操作に基づいてのみ遊技者に付与可能な特典を設けても良く、例えば、バトル演出の演出結果として、「敗北」、「勝利」、「敵逃亡」の3つの演出結果を設定可能に構成し、特別図柄抽選の結果が外れである場合には「敗北」が、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には「勝利」、或いは「敵逃亡」が決定されるように構成する。加えて、検出結果として「勝利」が決定された場合には、大当たり当選を示す特典だけで無く、大当たり遊技の内容が遊技者に有利な大当たり遊技(ラウンド数が多い大当たり遊技)や、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な有利遊技状態(確変状態)が設定されることを示す第2特典も報知するように構成する。
そして、増加した操作有効期間中に操作手段を操作した場合の方が、増加する前の操作有効期間中にのみ操作手段を操作した場合よりもバトル演出の演出結果として「勝利」が決定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、増加した操作有効期間中に操作手段を操作したことに基づいて、既に決定されている大当たり遊技の内容を、遊技者に有利な内容へと切り替え可能(例えば、大当たり遊技のラウンド数を増加させたり、大当たり遊技終了後に確変状態を設定したりする)に構成しても良い。
さらに、操作有効期間中における操作継続時間の経過に応じて演出態様を可変させる可変シナリオを予め規定しているパチンコ機10においては、操作有効期間が延長された場合にのみ参照される箇所(操作有効期間が延長した場合にのみ継続させることが可能な操作継続時間に対応するシナリオ内容)に、演出態様を大当たり当選を示す特定態様へと可変させる内容が規定されているシナリオを設定可能に構成し、特別図柄抽選の結果に基づいて、操作有効期間の延長の有無を決定するように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合と、外れである場合とで同一シナリオを用いることができ、パチンコ機10の処理負荷を軽減することができる。
<第26制御例における第2演出変形例>
次に、図914から図919を参照して、上述した第26制御例におけるパチンコ機10にて実行される第2演出変形例として、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出について説明をする。
本第2演出変形例では、上述した第18制御例と同様に、大当たり遊技演出として、実行中の大当たり遊技内容と、既に獲得済みの特別図柄保留(特別図柄抽選に用いられる入賞情報)に対する先読み結果と、に基づいて、実行中の大当たり遊技にて獲得可能な賞球の払い出し数を報知する上乗せ演出と、連続して大当たり遊技が実行されることを報知する保留連演出と、を実行可能に構成している。
さらに、本第2演出変形例では、大当たり遊技が開始された時点で獲得している特別図柄保留の先読み結果として、大当たり当選する特別図柄保留を有していると判別した場合に、次に実行される大当たり遊技の内容も含めて、実行中の大当たり遊技に対する上乗せ演出を実行可能に構成している。具体的には、実行中の大当たり遊技が、ラウンド遊技が4回実行される4R大当たり遊技であって、先読みした特別図柄保留内に、ラウンド遊技が6回実行される6R大当たり遊技が実行される特別図柄抽選の抽選結果となる入賞情報が含まれている場合に、ラウンド遊技が10回実行される10R大当たり遊技に対応する払い出し数を疑似的に報知する疑似上乗せ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、実際に実行される大当たり遊技の実行回数や、1回の大当たり遊技にて実行される大当たり遊技のラウンド数と、大当たり遊技演出として遊技者に報知される大当たり遊技の内容と、を異ならせることができる。
また、本第2演出変形例では、実際に実行される大当たり遊技の実行回数や、1回の大当たり遊技にて実行される大当たり遊技のラウンド数と、大当たり遊技演出として遊技者に報知される大当たり遊技の内容と、を異ならせる手法として、1回の大当たり遊技が実行されている期間中に、疑似的に保留連演出(疑似保留連演出)を実行可能に構成している。
加えて、本第2演出変形例では、実行される大当たり遊技の種別(ラウンド数)に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定される割合を異ならせており、疑似上乗せ演出にて報知される払い出し数(ラウンド数)や、疑似保留連演出にて実行される後者の大当たり遊技内容(ラウンド数)を、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に基づいて決定可能に構成している。
例えば、10R大当たり遊技の終了後には必ず確変状態が設定されるように構成されている場合であれば、疑似上乗せ演出として10ラウンド分の払い出し数が表示される演出態様の設定条件が、大当たり遊技の終了後(2回目の大当たり遊技の終了後)に確変状態が設定される場合に成立するように構成している。
つまり、実際に実行される大当たり遊技の内容と異なる内容の大当たり遊技演出を疑似的に実行する場合において、疑似的に実行された大当たり遊技演出の内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態との関係性に矛盾が生じないように構成している。このように構成することで、実際に実行される大当たり遊技の内容と異なる内容の大当たり遊技演出を疑似的に実行した場合であっても、疑似的に実行された大当たり遊技演出の内容について遊技者が違和感を持ち難くすることができる。
<第26制御例の第2演出変形例における演出内容について>
次に、図914から図916を参照して、本第2演出変形例において実行される大当たり遊技演出の演出内容について説明をする。図914(a)は、大当たり遊技演出の一部である上乗せ演出にて表示される表示画面の一例を示した図であって、図914(b)は、上乗せ演出の演出結果が表示される表示画面の一例を示した図である。なお、大当たり遊技演出の表示画面のうち、上述した第18制御例におけるパチンコ機10の大当たり遊技演出(図607(a)参照)にて表示される表示要素と同一の表示要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図914(a)に示した通り、小表示領域Dm8に、特別図柄が大当たり当選したことを示す表示態様が表示され、特別図柄の大当たりに当選したことを遊技者が認識できるように構成している。また、小表示領域Dm4には「右打ち」と表示されることで、大当たり遊技における遊技方法を遊技者に分かり易く案内する構成としている。
小表示領域Dm14には、大当たり遊技の連チャン回数が表示される。なお、小表示領域Dm14に表示される連チャン回数は、実際の大当たり遊技回数では無く、大当たり遊技演出が実行された回数(大当たり遊技連チャン回数)が表示される。このように構成することで、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出を実行することによって、実際に実行された大当たり遊技の回数と、実行された大当たり遊技演出の回数と、が異なった場合であっても、実行された大当たり遊技演出の回数に対応させて小表示領域Dm14に表示されている連チャン回数を更新することができるため、遊技者に違和感の無い大当たり遊技演出を実行することができる。
また、小表示領域Dm15には、実行中の大当たり遊技演出に対応したラウンド数が表示される。つまり、疑似上乗せ演出が実行され、複数回の大当たり遊技を跨いだ大当たり遊技演出が実行された場合には、小表示領域Dm15に、疑似上乗せ演出に対応させたラウンド数が表示されるように構成している。このように構成することで、複数回の大当たり遊技を跨いで疑似上乗せ演出が実行された場合において、2回目以降の新たな大当たり遊技が開始される毎に小表示領域Dm15に表示されるラウンド数として「ラウンド1」が表示されることが無く、遊技者に違和感の無い大当たり遊技演出を実行することができる。
また、表示画面の右上側には、表示領域HR60が形成される。この表示領域HR60は、大当たり遊技中に払い出し可能な賞球数の総数が表示される表示領域HR60aと、既に払い出された賞球数が表示される表示領域HR60bと、から構成され、実行中の大当たり遊技においてどの程度の賞球を獲得可能であるかを遊技者に事前に報知可能に構成している。
なお、表示領域HR60に表示される各種値についても、上述した小表示領域Dm14、及び小表示領域Dm15に表示される各表示態様と同様に、実際に実行される大当たり遊技の内容では無く、実行中の大当たり遊技演出に対応した値が表示されるように構成している。つまり、疑似上乗せ演出が実行され、複数回の大当たり遊技を跨いだ大当たり遊技演出が実行された場合には、疑似上乗せ演出にて報知された払い出し可能な賞球数の総数が表示領域HR60aに表示され、実行されている大当たり遊技演出中に獲得した賞球数が表示領域HR60bに表示されるように構成している。このように構成することで、実行されている大当たり遊技演出の内容に対応付いた値を表示領域HR60に表示することができるため、遊技者に違和感の無い大当たり遊技演出を実行することができる。
図914(a)は、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行されている10R大当たり遊技の1ラウンド目において実行される上乗せ演出にて表示される表示画面の一例を示した図であって、大当たり遊技中に実行すべき遊技方法が右打ち遊技であることを遊技者に案内するための「右打ち」の文字が小表示領域Dm4に表示され、大当たり当選した場合に停止表示された第3図柄の停止表示態様(図柄の組合せ)として「444」が小表示領域Dm8に表示されている。
また、通常状態にて大当たり当選したことに基づく大当たり遊技(1回目の大当たり遊技)であることを示すための「大当たり×1」が小表示領域Dm14に表示され、現在が1回目のラウンド遊技(1ラウンド目)であることを示すための「ラウンド1」の文字が小表示領域Dm15に表示されている。また、本第2演出変形例におけるパチンコ機10にて実行され得る大当たり遊技の最小ラウンド数(4ラウンド)で遊技者に払い出し可能な賞球数の総数として「600」の値が表示領域HR60aに表示され、実行中の1ラウンド目のラウンド遊技中に既に獲得した賞球数として「60」の値が表示領域HR60bに表示されている。
ここで、詳細な内容は、上述した第18制御例と同一であるため省略するが、本第2演出変形例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に遊技球が入賞可能となる特定入賞口65aに遊技球が1個入賞したことに応じて15個の賞球が払い出されるように構成しており、特定入賞口65aに10個の遊技球が入球した場合、或いは、ラウンド遊技期間が30秒経過した場合に1のラウンド遊技の終了条件が成立するように構成している。
よって、図914(a)に示した例では、表示領域HR60aに、4ラウンドのラウンド遊技にて特定入賞口65aへと入賞させることが可能となる入賞数40個に、賞球数15個を乗じた値に対応する「600P」が表示されている。また、1ラウンド目のラウンド遊技中に、4個の遊技球が特定入賞口65aに入賞している状態を示しているため、入賞数4個に賞球数15個を乗じた値に対応する「60P」が表示領域HR60bに表示されている。
そして、主表示領域Dmの中央部では、実行中の大当たり遊技中に獲得可能となる賞球数の総数(表示領域HR60aに表示されている値)を増加(上乗せ)させるための上乗せ演出が実行される表示領域HR61が形成され、副表示領域Dsには、上乗せ演出が実行されたことを示すための「払い出し数上乗せチャンス」の文字が表示されている。
上乗せ演出が実行されると、表示領域HR61にて表示領域HR60aに表示される値(P)に対する増加分の値(P)を示すための数値情報を含む複数の数値情報が動的表示され、停止表示された数値情報に対応する値が、表示領域HR60aに追加表示される演出が実行される。
ここで、表示領域HR61にて動的表示される複数の数値情報は、実際に実行され得る大当たり遊技の種別(ラウンド数)に対応する数値情報であり、例えば、6ラウンドの大当たり遊技に対応する数値情報として、6ラウンド分の賞球総数から、4ラウンド分の賞球総数、つまり、既に表示領域HR60aに表示されている値に対応する賞球総数を除した値に対応する「300P」が、8ラウンドの大当たり遊技に対応する数値情報として、8ラウンド分の賞球総数から、4ラウンド分の賞球総数、つまり、既に表示領域HR60aに表示されている値に対応する賞球総数を除した値に対応する「600P」が、6ラウンドの大当たり遊技に対応する数値情報として、6ラウンド分の賞球総数から、10ラウンド分の賞球総数、つまり、既に表示領域HR60aに表示されている値に対応する賞球総数を除した値に対応する「900P」がまた、4ラウンドの大当たり遊技に対応する数値情報として、「0P」が、遊技者が視認可能な程度の早さで動的表示されている。
このように構成することで、上乗せ演出が実行された後の賞球総数(表示領域HR60aに表示される値)が、大当たり遊技の各種別に対応する値となるため、上乗せ演出によって、実行中の大当たり遊技の種別(ラウンド数)が報知されていると遊技者に思わせ易くすることができる。
よって、複数回の大当たり遊技を跨いで実行される疑似上乗せ演出が実行された場合であっても、遊技者には、1回の大当たり遊技としてラウンド数が大きい大当たり遊技が実行されたと思わせ易くすることができる。
図914(a)にて表示されている上乗せ演出が終了し、表示領域HR61に演出結果が表示されると、図914(b)に示した上乗せ演出の演出結果表示画面が表示される。図914(b)では、実行中の大当たり遊技が10ラウンド大当たり遊技であるため、上乗せ演出の演出結果として、表示領域HR61に「+900P」が表示され、表示領域HR60aの値として「900P」が加算された「1500P」が表示される。
そして、今回の演出結果が遊技者に最も有利な演出結果(実行し得る最大ラウンド数の大当たり遊技(MAX大当たり遊技)であることを示す演出結果)であることを示すための表示態様として「MAX」の文字が、表示領域HR61の下方近傍に表示され、副表示領域Dsには「限界上乗せおめでとう」の文字が表示される。このように構成することで、遊技者に対して、今回の演出結果が有利な演出結果であることを分かり易く把握させることができる。
次に、図915を参照して、保留連が発生する条件が成立した場合において、疑似上乗せ演出によってMAX大当たり遊技に対応する大当たり遊技演出(疑似MAX大当たり演出)が実行される場合における表示内容について説明をする。図915(a)は、疑似MAX大当たり演出が跨いで実行される2つの大当たり遊技のうち、最初の大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図915(b)は、疑似MAX大当たり演出が跨いで実行される2つの大当たり遊技のうち、2回目の大当たり遊技が実行されることとなる特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図915(a)に示した通り、大当たり遊技中の所定タイミング(開始タイミング含む)において実行される先読み結果として、大当たり当選し得る保留図柄を獲得している状態(図では、2重丸印で表示)であるとの先読み結果がでた場合は、先読みされた情報に基づいて上乗せ演出を実行するように構成している。
図915(a)に示した例では、先読み結果として、6ラウンド大当たり遊技であって、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりに当選する入賞情報を記憶していると判別したため、実行中の大当たり遊技(4ラウンド大当たり遊技)と、次に実行される大当たり遊技(6ラウンド大当たり遊技)と、に跨がって、1回の大当たり遊技演出が実行されるように、上乗せ演出が実行される。
1回目の大当たり遊技の最終ラウンド(4ラウンド目)にて実行された上乗せ演出は、1回目の大当たり遊技が終了し、2回目の大当たり遊技を実行させることになる特別図柄変動(大当たり変動)中にその演出結果が表示される(図915(b)参照)。
この場合、1回目の大当たり遊技と、2回目の大当たり遊技と、を跨いで1回の大当たり遊技演出が実行されるため、2回目の大当たり遊技が実行された場合であっても、小表示領域Dm14に記載される値が更新されること無く(大当たり×1のまま)、且つ、小表示領域Dm15には、1回目の大当たり遊技の最終ラウンド数を示す表示態様が継続更新(加算)される。
次に、図916を参照して、1回の大当たり遊技にて実行されるラウンド遊技を用いて、複数回の大当たり遊技が実行されるように見せる疑似保留連演出の演出内容について説明をする。図916(a)は、疑似保留連演出として1回目の大当たり遊技が終了したことが疑似的に報知された演出画面の一例を示した図であって、図916(b)は、疑似保留連演出として2回目の大当たり当選が報知された演出画面の一例を示した図である。
図916(a)及び(b)では、10ラウンドの大当たり遊技の遊技期間中に、2回の大当たり遊技(4ラウンドの大当たり遊技と、6ラウンドの大当たり遊技)が実行されたように見せる疑似保留連演出の演出画面を示している。
まず、図914(a)の表示領域HR61と同一の演出が実行され、遊技者に対して、上乗せ演出が実行される。その結果、図916(a)に示した通り、上乗せ演出の演出結果として、上乗せされる払い出し可能な賞球数が無いことを示す「0P」が表示領域HR61に表示され、今回の大当たり遊技が4ラウンド大当たりであることが報知される。加えて、上乗せ演出の演出結果として、保留内に大当たり当選する大当たり保留が存在することを示す表示態様として表示領域HR62に「V」が表示される。
なお、詳細な図示は省略しているが、実際に、保留内に大当たり当選する大当たり保留が存在する場合に実行される保留連演出においても、図916(a)に示した演出画面と同一の表示態様が表示される。
そして、副表示領域Dsには、保留連することを案内するための案内態様として「Vゲット、おめでとう」の文字が表示される。このように構成することで、実際には、10ラウンド大当たり遊技が実行されている状態であるが、遊技者に対して、上乗せ演出の結果として、実行中の大当たり遊技が4ラウンド大当たり遊技であることと、保留連することを疑似的に報知することが可能となる。
よって、実行条件が成立し難い保留連演出の実行頻度を高めることができ、演出効果を高めることができる。
そして、大当たり遊技の4ラウンド目と5ラウンド目の間に設定されるインターバル期間では、図916(b)に示した通り、表示領域HR63が形成され、疑似図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示され、遊技者に新たに大当たり当選したことを疑似的に報知する。そして、表示領域Dm14では、新たな大当たりに当選した場合と同様に、大当たりの連続回数(連チャン回数)が加算され「大当たり×2」が表示される。そして、実際には5ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、Dm15には、新たな大当たり遊技の1ラウンド目が実行されたことを示す「ラウンド1」が表示される。
このように構成することで、表示画面上に表示される大当たり遊技に関する全ての情報を疑似保留連演出に対応させて表示することができるため、遊技者に対して、1回の大当たり遊技にて実行されるラウンド遊技を用いて、複数回の大当たり遊技が実行されるように見せる疑似保留連演出の精度を高めることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、疑似保留連演出が実行されることを示す情報と、疑似保留連演出にて表示されている疑似ラウンド数を示す情報と、を管理し、OP期間中やED期間中やラウンド期間中に実行される各種演出の実行タイミングを、疑似的に実行される2回目の大当たり遊技の内容に対応させるように構成している。よって、遊技者に対して、1回の大当たり遊技にて実行されるラウンド遊技を用いて、複数回の大当たり遊技が実行されるように見せる疑似保留連演出の精度を高めることができる。
また、本第2演出変形例では、大当たり遊技として10ラウンドの大当たり遊技が実行された場合において、上述した疑似保留連演出を実行可能に構成しており、10ラウンドの大当たり遊技における4ラウンド目と5ラウンド目の間に設定されるインターバル期間が予め長く規定されている。よって、図916(b)に示した演出を確実に実行することができる。また、疑似保留連演出が実行されない10ラウンド大当たり遊技では、4ラウンド目と5ラウンド目の間に設定されるインターバル期間を用いて、図914に示した上乗せ演出が実行されるように構成している。このように構成することで、疑似保留連演出が実行されない場合であっても、4ラウンド目と5ラウンド目の間に設定されるインターバル期間を有効に活用することができ、大当たり遊技の遊技期間が無用に間延びしてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第2演出変形例では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、上乗せ演出、保留連演出、疑似上乗せ演出、疑似保留連演出を実行可能に構成し、何れの演出が実行された場合であっても、同一の特定演出態様(図914(a)の表示領域HR61参照)で演出が開始されるように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技中に特定演出態様が表示された場合に、どのような特典が付与されるのか(何れの演出が実行されたのか)を、遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
加えて、疑似上乗せ演出、疑似保留連演出を実行可能に構成しているため、最大ラウンド数の大当たり遊技が実行されていることを示す上乗せ演出(MAX大当たり演出)や保留連演出といった、実行条件が成立し難い演出と同一内容の演出を遊技者に体験させ易くすることができる。よって、遊技者に有利な特典(MAX大当たり、保留連)が付与されない状態(遊技者に有利な特典が付与されることを示す演出が実行されない状態)が継続し、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第2演出変形例では、大当たり遊技の実行中に、上述した各種演出(上乗せ演出、保留連演出、疑似上乗せ演出、疑似保留連演出)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の大当たり変動期間中(大当たりのラウンド遊技が開始されるまでの期間)に上述した各種演出を実行可能に構成しても良い。
この場合、何れの演出が実行された場合であっても、大当たり遊技が実行されることを遊技者に報知する特典を有することになるが、実行される演出の種別に応じて、遊技者に付与される追加特典の内容を異ならせると良く、例えば、上乗せ演出(疑似上乗せ演出)が実行された場合には、上乗せ演出(疑似上乗せ演出)が実行された時点で、後に実行される大当たり遊技が最小ラウンド数以外のラウンド遊技であることを報知し、上乗せ演出(疑似上乗せ演出)の結果に応じて具体的なラウンド遊技を示唆する追加特典が付与されるように構成し、保留連演出(疑似保留連演出)が実行された場合には、後に実行される大当たり遊技の後に、もう一回大当たり遊技が実行される可能性が高いこと(保留内に大当たり保留が存在している、或いは、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される)を追加特典として遊技者に付与可能に構成すると良い。
このように構成することで、何れの演出が実行されるかについて遊技者に興味を持たせることができる。また、この場合、上乗せ演出(疑似上乗せ演出)と、保留連演出(疑似保留連演出)と、を1の大当たり変動中に実行可能に構成しても良く、この場合、各演出の実行タイミングを重複させても良いし、別々に実行しても良い。
さらに、遊技者に有利な遊技状態(確変状態、時短状態、大当たり遊技状態)が継続する有利遊技期間中に獲得した賞球数を累積した情報を表示可能な構成を用いたパチンコ機10においては、上乗せ演出として、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の総数を上乗せする演出では無く、有利遊技期間中に獲得可能な賞球数の総数を上乗せする演出を実行するように構成しても良い。
この場合、例えば、複数回の大当たり遊技の実行権利を有している状況では、1回の大当たり遊技にて獲得可能な賞球数の最大数(本第2演出変形例では、10ラウンド大当たりに対応する1500個)よりも大きな賞球数を1回の上乗せ演出にて上乗せすることが可能となる。よって、上乗せ演出が実行された場合において、上乗せ演出の演出結果として遊技者に付与され得る特典(賞球数)の上限数が大きくなるため、演出効果を高めることができる。
<第2演出変形例における電気的構成について>
次に、図917を参照して、本第2演出変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成のうち、上述した第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のRAM223と異なる内容について説明をする。図917は、本第2演出変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した図である。
図917に示した通り、本第2演出変形例では、上述した第26制御例に対して、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaは、疑似上乗せ演出が実行されている状態を示すためのフラグであって、疑似上乗せ演出が実行されている場合にオンに設定される。そして、疑似上乗せ演出に含まれる2回目の大当たり遊技が実行されたと判別した場合にオフに設定される。この疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaがオンに設定されている状態では、特別図柄変動の変動演出を決定するための処理がスキップされ、疑似上乗せ演出が継続して実行される処理が実行される。
<第2演出変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図918、及び図919を参照して、第2演出変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について説明をする。本第2演出変形例では、上述した第26制御例に対して、変動演出設定処理26(F2959)に代えて変動演出設定処理26a(図918のF2959a)を、大当たり関連処理26(F2216)に代えて大当たり関連処理26a(F2216a)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
まず、図918を参照して、変動演出設定処理26a(F2959a)の内容について説明をする。図918は、変動演出設定処理26a(F2959a)の処理内容を示したフローチャートである。変動演出設定処理26a(F2959a)が実行されると、まず、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaがオンに設定されているかを判別し(F3001a)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、次の大当たり遊技が開始されるまで、大当たり遊技演出が継続している場合には、疑似上乗せ演出の継続を決定し(F3002a)、F3019の処理へ移行する。このように構成することで、疑似上乗せ演出中に特別図柄変動演出が実行されることを抑制することが出来る。
次に、図919を参照して、大当たり関連処理26a(F2216a)の内容について説明をする。図919は大当たり関連処理26a(F2216a)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理26a(F2216a)は、上述した大当たり関連処理26(F2216)に対して、大当たり遊技中に疑似上乗せ演出、或いは、疑似保留連演出を実行するための処理を追加した点で相違している。
大当たり関連処理26a(F2216a)が実行されると、まず、F2701の処理を実行し、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(F2701:Yes)、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaがオンに設定されているかを判別し(F2701a)、オンに設定されていると判別した場合は(F2701a:Yes)、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaをオフに設定し(F2702a)、F2702,F2703aの処理をスキップし、F2704aの処理へ移行する。つまり、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaが設定されている状態は、前回の大当たり遊技にて実行されている大当たり遊技演出が継続しているため、新たな大当たり遊技が実行された場合の表示(オープニング表示)を設定するための処理がスキップされる。
一方、F2701aの処理において、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaがオンに設定されていないと判別した場合は(F2701a:No)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(F2702)、最小ラウンド数に対応する払い出し数を示す表示用コマンドを設定し(F2703a)、F2704aの処理へ移行する。
F2704aの処理では、入賞情報格納エリア223vaから入賞情報を読み出し(F2704a)、次いで、読み出した入賞情報に大当たり当選を示す情報があるかを判別し(F2705a)、大当たり当選を示す情報があると判別した場合は(F2705a:Yes)、今回の大当たり遊技のラウンド数と、保留内大当たり遊技のラウンド数と、を合算し(F2706a)、合算ラウンド数が10(10ラウンド)であるかを判別する(F2707a)。
合算ラウンド数が10(10ラウンド)であると判別した場合は(F2707a:Yes)、次に、保留内大当たりが確変大当たりであるかを判別し(F2708a)、確変大当たりであると判別した場合は(F2708a:Yes)、疑似上乗せ演出の実行条件が成立しているため、疑似上乗せ演出として、疑似MAX大当たり演出の演出態様を決定し(F2709a)、疑似上乗せ演出中フラグ223aaaaをオンに設定し(F2710a)、決定した演出態様を示す表示用コマンドを設定し(F2711a)、本処理を終了する。
一方、F2707aの処理、或いは、F2708aの処理において、Noと判別した場合は、疑似上乗せ演出の実行条件が成立していないため、F2709a~F2711aの処理をスキップして、本処理を終了する。
F2705aの処理において、大当たり当選を示す情報がないと判別した場合は(F2705a:No)、今回の大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドであるかを判別し(F2712a)、10ラウンドであると判別した場合は(F2712a:Yes)、疑似保留連演出の実行抽選を実行し(F2713a)、疑似保留連演出の実行に対応する抽選結果になった場合は(F2713:Yes)、疑似保留連演出の実行条件が成立したため、疑似保留連演出の演出態様を決定し(F2714a)、F2711aの処理へ移行する。
一方、F2712aの処理、或いは、F2713aの処理において、Noと判別した場合は、疑似保留連演出の実行条件が成立していないため、処理をF2708へと移行する。
なお、詳細な説明は省略しているが、大当たり関連処理26(F2216a)では、実行中の大当たり遊技演出の内容に応じて、ラウンド数コマンドを受信した場合、或いは、エンディングコマンドを受信した場合に決定する演出態様を異ならせている。具体的には、疑似保留連演出が実行されている場合には、実行されている疑似保留連演出の演出内容に対応させて、各ラウンド期間における演出態様を決定するように構成している。
以上、説明をした通り、本第2演出変形例では、上述した第18制御例と同様に、大当たり遊技演出として、実行中の大当たり遊技内容と、既に獲得済みの特別図柄保留(特別図柄抽選に用いられる入賞情報)に対する先読み結果と、に基づいて、実行中の大当たり遊技にて獲得可能な賞球の払い出し数を報知する上乗せ演出と、連続して大当たり遊技が実行されることを報知する保留連演出と、を実行可能に構成している。
さらに、本第2演出変形例では、大当たり遊技が開始された時点で獲得している特別図柄保留の先読み結果として、大当たり当選する特別図柄保留を有していると判別した場合に、次に実行される大当たり遊技の内容も含めて、実行中の大当たり遊技に対する上乗せ演出を実行可能に構成している。具体的には、実行中の大当たり遊技が、ラウンド遊技が4回実行される4R大当たり遊技であって、先読みした特別図柄保留内に、ラウンド遊技が6回実行される6R大当たり遊技が実行される特別図柄抽選の抽選結果となる入賞情報が含まれている場合に、ラウンド遊技が10回実行される10R大当たり遊技に対応する払い出し数を疑似的に報知する疑似上乗せ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、実際に実行される大当たり遊技の実行回数や、1回の大当たり遊技にて実行される大当たり遊技のラウンド数と、大当たり遊技演出として遊技者に報知される大当たり遊技の内容と、を異ならせることができる。
また、本第2演出変形例では、実際に実行される大当たり遊技の実行回数や、1回の大当たり遊技にて実行される大当たり遊技のラウンド数と、大当たり遊技演出として遊技者に報知される大当たり遊技の内容と、を異ならせる手法として、1回の大当たり遊技が実行されている期間中に、疑似的に保留連演出(疑似保留連演出)を実行可能に構成している。
加えて、本第2演出変形例では、実行される大当たり遊技の種別(ラウンド数)に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、遊技者に有利な遊技状態(確変状態)が設定される割合を異ならせており、疑似上乗せ演出にて報知される払い出し数(ラウンド数)や、疑似保留連演出にて実行される後者の大当たり遊技内容(ラウンド数)を、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に基づいて決定可能に構成している。
例えば、10R大当たり遊技の終了後には必ず確変状態が設定されるように構成されている場合であれば、疑似上乗せ演出として10ラウンド分の払い出し数が表示される演出態様の設定条件が、大当たり遊技の終了後(2回目の大当たり遊技の終了後)に確変状態が設定される場合に成立するように構成している。
つまり、実際に実行される大当たり遊技の内容と異なる内容の大当たり遊技演出を疑似的に実行する場合において、疑似的に実行された大当たり遊技演出の内容と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態との関係性に矛盾が生じないように構成している。このように構成することで、実際に実行される大当たり遊技の内容と異なる内容の大当たり遊技演出を疑似的に実行した場合であっても、疑似的に実行された大当たり遊技演出の内容について遊技者が違和感を持ち難くすることができる。
以上、説明をした通り、本第2演出変形例では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、実行中の大当たり遊技の内容(ラウンド数)を示す上乗せ演出と、保留連の有無を示す保留連演出と、を実行可能に構成し、さらに、疑似上乗せ演出と、疑似保留連演出と、を実行可能に構成することで、実際に実行される大当たり遊技の回数と、大当たり遊技演出が実行される回数と、を異ならせることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、上述した第18制御例に記載したパチンコ機10に対して、本第2演出変形例の技術思想を適用しても良い。
ここで、上述した第18制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例と同様に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(図柄大当たり当選)では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技(V大当たり遊技)を実行可能に構成している。そして、図柄大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技、或いは、V大当たり遊技が実行されると、その大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出として、獲得済みの特別図柄保留(特図保留)内に大当たり当選を示す入賞情報が含まれていることを報知可能な保留連演出を実行可能に構成しており、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、V大当たり遊技を実行可能な小当たり遊技が実行される小当たりに当選していることを示す事前判別結果である特図2保留(V保留)、或いは、第2特別図柄抽選で大当たり当選する特図2保留(大当たり保留)が存在する場合、即ち、実行中の大当たり遊技が終了した後に、新たに大当たり遊技を実行させるための実行権利を有している場合に、V保留、或いは、大当たり保留が存在することを報知するための演出(保留連演出)を実行可能に構成している。
このように構成された第18制御例におけるパチンコ機10に、上述した第2演出変形例の技術思想を組み合わせ、獲得済みの特図2保留内にV保留が存在している場合において、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出を実行可能に構成しても良い。この場合、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の結果に基づいて実行される小当たり遊技の内容では無く、実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることに基づいて実行される大当たり遊技(V大当たり遊技)の内容(ラウンド数)に基づいて、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の演出内容を決定しても良いし、小当たり遊技の内容とV大当たり遊技の内容とを含めて疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の内容を決定するように構成しても良い。
このように、実行されることが確定している大当たり遊技(図柄大当たり当選に基づく大当たり遊技)だけでなく、実行権利を有している状態の大当たり遊技(V大当たり遊技)の内容に基づいて疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の演出内容を決定することにより、実行される演出内容に基づいて、小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させる意欲を高めることができる。
さらに、上述した第18制御例の第1変形例に対して、本第2演出変形例の技術思想を適用しても良い。ここで、上述した第18制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、図607、及び図608を参照して上述した通り、第18制御例におけるパチンコ機10に対して、大当たり遊技中に複数のV保留を獲得している場合に、複数のV保留のそれぞれに対応して実行される複数の大当たり遊技の内容(ラウンド数)を合計した合計ラウンド数が所定条件を満たした場合に、特定演出態様のVアイコン獲得演出(保留連演出)を実行可能に構成している。
このように構成された第18制御例の第1変形例におけるパチンコ機10に、上述した第2演出変形例の技術思想を組み合わせ、実行中の大当たり遊技の内容と、獲得済みの特図2保留に含まれる複数のV保留、或いは、大当たり保留に対応して実行される大当たり遊技の内容と、に基づいて、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の演出内容を決定するように構成しても良い。
つまり、上述した第26制御例における第2演出変形例では、実行中の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、獲得済みの1個の大当たり保留に対応して実行される大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、に基づいて、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の演出内容を決定可能な構成について説明をしたが、これに限ること無く、実行中の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、実行権利を有している状態の複数回の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、に基づいて、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の演出内容を決定可能に構成しても良い。
このように構成することで、3つ以上の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)を組み合わせて疑似上乗せ演出の演出態様や、疑似保留連演出の演出態様を決定することができるため、上述した第2演出変形例におけるパチンコ機10に対して、より多彩な演出を実行することが可能となる。
また、上述した第26制御例の第2演出変形例のように、1回の大当たり遊技にて実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)が、最大数(10ラウンド)である大当たり遊技(MAX大当たり遊技)に対応する大当たり遊技演出(上乗せ演出)を、疑似上乗せ演出として実行する場合において、3つ以上の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)を組み合わせることが可能となるため、MAX大当たり遊技に対応する上乗せ演出を疑似的に実行し易くすることができる(疑似上乗せ演出として、MAX大当たり演出を実行可能な実行条件を成立し易くすることができる)。
また、実行中の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、実行権利を有している状態の複数回の大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)と、に基づいて、疑似上乗せ演出や疑似保留連演出の演出内容を決定可能に構成した場合には、実行中の大当たり遊技の遊技期間と、獲得済みの特図2保留に含まれる複数のV保留、或いは、大当たり保留のうち、先に特別図柄抽選が実行される特図2保留に対応して実行される大当たり遊技の遊技期間と、を跨いで、1の大当たり遊技演出が実行されるように構成し、獲得済みの特図2保留に含まれる複数のV保留、或いは、大当たり保留のうち、後に特別図柄抽選が実行される特図2保留に対応して実行される大当たり遊技を対象に保留連演出を実行可能に構成しても良いし、実行し得る3つ以上の大当たり遊技が実行される遊技期間を跨ぐように1の大当たり遊技演出が実行されるように構成しても良い。
なお、この場合、1の大当たり遊技演出(例えば、疑似上乗せ演出)が実行される演出期間として、実行される大当たり遊技演出にて遊技者に報知される演出内容(ラウンド数)に対応する複数の大当たり遊技が実行されるそれぞれ遊技期間の少なくとも一部が含まれるように構成されていれば良く、例えば、先に実行される大当たり遊技の最終ラウンドにて疑似上乗せ演出を開始し、後に実行される大当たり遊技のオープニング期間にて疑似上乗せ演出の演出結果を報知可能に構成しても良い。
このように構成することで、疑似上乗せ演出が実行される演出期間の長さを特定期間に固定したとしても、複数の大当たり遊技が実行される期間を跨いで疑似上乗せ演出を実行し易くすることができる。
加えて、先に実行される大当たり遊技が終了してから次に実行される大当たり遊技が開始されるまでの期間、即ち、大当たり遊技が終了してから、次の大当たり遊技が実行され得る特別図柄抽選が停止表示されるまでの期間(抽選結果が外れである特別図柄変動期間と、抽選結果が当たり(大当たり、小当たり)である特別図柄変動期間との合算期間)の長さに応じて、複数の大当たり遊技(先に実行される大当たり遊技と後に実行される大当たり遊技)の遊技期間と、疑似上乗せ演出が実行される演出期間とが重複する期間が異なる様に構成しても良いし、先に実行される大当たり遊技が終了してから次に実行される大当たり遊技が開始されるまでの期間の長さに応じて疑似上乗せ演出の演出期間の長さを調整可能に構成しても良い。
<第31制御例>
次に、図920から図923を参照して、第31制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第31制御例におけるパチンコ機10は、上述した第26制御例におけるパチンコ機10に対して、確変状態の残期間、即ち、確変状態中に実行することが可能な特別図柄抽選の回数が所定回数(20回)となった場合に実行される変動演出の演出内容を詳細に説明したものである。
上述した第26制御例では、確変状態が継続する期間として、特別図柄抽選の実行回数120回が設定されるように構成し、確変状態が継続する期間の残期間が特別図柄抽選の実行回数20回に到達すると、複数回の特別図柄変動の変動期間に跨がって一連の変動演出(モード変動演出)を実行するように構成している。
具体的には、確変中カウンタ223vrの値が「20~15」の範囲にて第1モード変動演出を実行し、「14~8」の範囲にて第2モード変動演出を実行し、「7~1」の範囲にて第3モード変動演出を実行するように構成している(図820参照)。
このように構成することで、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合において、その有利遊技状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数を遊技者に把握させ難くすることができるため、有利遊技状態が長く継続することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
本第31制御例では、上述した第26制御例におけるパチンコ機10が実行するモード変動演出の内容について詳細に説明をする。なお、上述した第26制御例と同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
<第31制御例における演出内容について>
まず、図920を参照して、本第31制御例におけるモード変動演出中に実行される演出内容のうち、特徴的な内容について説明をする。本第31制御例では、上述した第26制御例と同様に、確変状態中に特別図柄抽選を120回実行可能に構成しており、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「20~15」の範囲にて実行される特別図柄抽選の抽選結果を、第1モード変動演出の演出結果を用いて遊技者に報知し、確変状態中における「107」~「113」回目の特別図柄抽選、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「14~8」の範囲にて実行される特別図柄抽選の抽選結果を、第2モード変動演出の演出結果を用いて遊技者に報知し、確変状態中における「114」~「120」回目の特別図柄抽選、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「7~1」の範囲にて実行される特別図柄抽選の抽選結果を、第3モード変動演出の演出結果を用いて遊技者に報知するように構成している。
図920(a)は、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選が残り20回転に到達した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第31制御例では、上述した第22制御例と同様に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合の一部において、時短状態が設定された場合と同一の演出態様である「チャンスモード」を設定するように構成しており、「チャンスモード」が設定されている状態で特別図柄抽選が100回に到達した場合、即ち、時短状態が設定されている状態であれば、時短状態の終了条件が成立した場合に、現在設定されている遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知するためのモード変動演出を実行可能な「スーパーチャンスモード」が設定されるように構成している。
そして、「チャンスモード」が設定されている場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に「チャンスモード」が終了するまで(時短終了条件が成立し得るまで)に実行可能な特別図柄抽選の残回数が表示されるように構成しており(例えば、図128(a)参照)、「チャンスモード」が終了し、「スーパーチャンスモード」が設定された場合には、「スーパーチャンスモード」が終了するまでに実行可能な特別図柄抽選の残回数では無く、「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残期間(残時間)を表示するように構成している。
このように構成することで、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数が大きく減少している状態で確変状態が設定されていることを遊技者に報知した場合であっても、確変状態が終了するまでに実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に明確に把握させ難くすることができる。また、確変状態が設定されていることを示すための演出態様である「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残時間を遊技者に把握させることにより、確変状態が終了するまでの残期間を遊技者に分かり易く把握させることができるため、確変状態が急に終了してしまい、遊技者に不満感を与えてしまうことを抑制することができる。
具体的には、確変状態中に実行される特別図柄抽選の残回数が20回となった場合、即ち、「チャンスモード」が終了し「スーパーチャンスモード」が設定された場合には、図920(a)に示した通り、第1モード変動演出として通常背景の表示画面が表示され、ウサギを模したキャラクタ801が走り回る演出が実行される。そして、第1モード変動演出の演出内容を示すための案内表示として、副表示領域Dsには「制限時間内にお宝を見つけろ」の文字が表示されている。また、主表示領域Dmの上側には、第1モード変動演出が実行されていることを示すモード変動演出種別表示態様として「第1ステージ」の文字が表示されている。
ここで、本第31制御例では、「スーパーチャンスモード」中に実行される特別図柄抽選の実行回数に応じて、3種類のモード変動演出を連続して実行可能に構成しており、最初に実行される第1モード変動演出では、図920(a)に示した通り、「通常背景(第1ステージ)」が表示され、次に実行される第2モード変動演出では、「宇宙背景(第2ステージ)」が表示され、最後に実行される第3モード変動演出では、「天国背景(第3ステージ)」(図920(b)参照)が表示されるように構成している。
つまり、「スーパーチャンスモード」中に実行される特別図柄抽選の抽選結果が全て外れである場合には、ウサギを模したキャラクタ801が、「通常」、「宇宙」、「天国」の各背景が表示される各ステージにてお宝を探し回る演出が実行され、最終的にお宝を発見することができない演出結果(特別図柄抽選の結果が外れであることを示す演出結果)が表示され、「スーパーチャンスモード」が終了するように構成している。
「スーパーチャンスモード」が設定されると、表示領域Dm7にて、「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残期間が、時間経過に基づいて減算表示される。本第31制御例では、全モード変動演出が実行される演出期間として「60秒」が設定されるように構成しており、図920(a)に示した例では、「スーパーチャンスモード」が設定された直後を示しているため、表示領域Dm7には、「スーパーチャンスモード」の残期間が「60秒」であることを示す表示態様として「残り60秒」を表示している。
このように構成することで、表示領域Dm7にて減算表示される表示態様を視認するだけで、遊技者に「スーパーチャンスモード」の残り期間を分かり易く報知することができる。また、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数が大きく減少している状態で確変状態が設定されていることを遊技者に報知した場合であっても、確変状態が終了するまでに実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に明確に把握させ難くすることができる。
さらに、主表示領域Dmの右側には、表示領域Dm32が形成され、「スーパーチャンスモード」中に実行され得るモード変動演出の数、及び種別を遊技者に報知するための案内態様として「通常→宇宙→天国」の表示態様を表示している。そして、現在実行中のモード変動演出の種別を遊技者に報知するためのマーク(図では、丸印で表示)を、実行中のモード変動演出の種別を示す表示態様に付設表示している。
このように構成することで、「スーパーチャンスモード」中に実行されるモード変動演出の種別や、移行状況を遊技者に分かり易く報知することができる。
本第31制御例では、モード変動演出の種別が切り替わる際に、対応する特別図柄抽選の結果を纏めて報知可能に構成しており、各モード変動演出の演出期間が「20秒」となるように構成している。具体的には、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「20~15」の範囲にて実行される特別図柄抽選の抽選結果が全て外れの場合は、20秒間実行されるモード変動演出の演出結果として、第1ステージではお宝を見つけることが出来ず、第2ステージへと移行する演出結果が表示される。一方で、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「20~15」の範囲にて実行される特別図柄抽選のうち、何れかの特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合は、20秒間実行されるモード変動演出の演出結果として、第1ステージにてお宝を発見した演出結果が表示される。
詳細な説明は後述するが、本第31制御例では、「スーパーチャンスモード」中に実行される特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動パターン(変動時間)を、特別図柄抽選の実行回数に応じて異ならせて決定するように構成しており、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選の何れで大当たり当選した場合であっても、「101」回目の特別図柄変動が開始されてから(第1モード変動演出が実行されてから)、大当たり図柄が停止表示されるまでの期間が「20秒」となるように構成している。また、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選の結果が全て外れである場合にも、「101」回目の特別図柄変動が開始されてから(第1モード変動演出が実行されてから)、「106」回目の特別図柄変動が停止表示されるまでの期間が「20秒」となるように構成している。
よって、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選を対象として、第1モード変動演出を遊技者に違和感を与えること無く実行することができる。また、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選の結果が全て外れであったとしても、第1モード変動演出の演出結果として遊技者に不利となる演出結果(特別図柄抽選の結果が外れであることを示す演出結果)が1回表示されるだけであるため、特別図柄抽選が実行される毎に、遊技者に不利となる演出結果が表示される場合に比べて、遊技者に不利となる演出結果が表示される数を減らすことができるため、遊技者の遊技意欲を低下させ難くすることができる。
また、確変状態中における「101」~「106」回目の特別図柄抽選の何れで大当たり当選した場合であっても、第1モード変動演出の終了タイミングで遊技者に有利となる演出結果(特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す演出結果)が表示されるため、遊技者に対して、何回目の特別図柄抽選で大当たり当選したのかを把握させ難くすることができる。
本第31制御例では、上述した通り、各モード変動演出の演出期間として「20秒」が設定され、各モード変動演出の演出結果を用いて、対象となる特別図柄抽選の抽選結果を遊技者に報知するように構成している。つまり、「スーパーチャンスモード」が設定されてから、「スーパーチャンスモード」が終了するまでに実行される20回の特別図柄抽選の結果を、3段階に分けて遊技者に報知するように構成している。そして、図920(a)に示した通り、表示画面には、各モード変動演出が終了するまでの残期間では無く、「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残期間が表示されるように構成している。
つまり、各モード変動演出が終了するまでの残時間では無く、「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残時間のみを表示するように構成することで、各モード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるタイミングが若干異なった場合であっても、各モード変動演出の終了タイミングを補正する処理を実行するだけで良く、遊技者に違和感の無い変動演出を提供し易くすることができる。
なお、これに限ること無く、「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残時間では無く、各モード変動演出が終了するまでの残時間を遊技者に報知するように構成しても良いし、本第31制御例のように「スーパーチャンスモード」が終了するまでの残時間を、数値をカウントダウンさせることで遊技者に明確に把握させるように報知し、各モード変動演出が終了するまでの残時間を、演出態様の可変状況(例えば、キャラクタ801の移動状況)によって遊技者に漠然と把握させるように構成しても良い。このように、残時間を報知するための報知態様として、遊技者が残時間を明確に把握し易い第1報知態様(カウントダウン報知やタイマ報知等)と、遊技者が残時間を漠然と把握可能な第2報知態様(演出態様の可変状況等)と、を組み合わせて用いることで、「スーパーチャンスモード」中に実行される各種演出を遊技者に分かり易く把握させることができる。
次に、図920(b)を参照して、「スーパーチャンスモード」中における大当たり当選を示す演出内容について説明をする。図920(b)は、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数が2回となる特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図920(b)に示した通り、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数が2回の状態では、モード変動演出として第3モード変動演出が実行されており、主表示領域Dmの背景画像として、第3モード変動演出に対応する「天国背景」が表示されている。そして、主表示領域Dmでは、キャラクタ801が宝箱810を開放してお宝810aを発見する演出画像を表示している。
図920(b)に示した例では、第3モード変動演出の演出結果として遊技者に有利となる演出結果が表示されているため、表示領域Dm7には、「スーパーチャンスモード」の残期間が0秒となったことを示す表示態様として「残り??秒」が表示され、表示領域Dm32には、現在実行されているモード変動演出の種別(第3モード変動演出)を示すために「天国」の文字にマークが付設表示され、「スーパーチャンスモード」中に実行される最後のモード変動演出であることを遊技者に報知している。また、主表示領域Dmの上側には、実行中のモード変動演出が3回目(3段階目)のモード変動演出であることを示すための表示態様として「第3ステージ」が表示されている。そして、副表示領域Dsには、今回の演出結果が遊技者に有利な演出結果であることを案内するための案内態様として「大当たりおめでとう」の文字が表示されている。
なお、本第31制御例では、図920(b)に示した通り、「スーパーチャンスモード」が設定された場合にセットされた「60秒」が経過した場合に、「スーパーチャンスモード」を即座に終了させるのでは無く、「残り3秒」、「残り1秒」、「残り??秒」と表示領域Dm7に表示される表示態様を可変表示するように構成している。そして、実行中のモード変動演出(第3モード変動演出)の演出結果が表示されたことに基づいて、表示領域Dm7の表示態様を、「残り??秒」から「終了」へと可変表示し、「スーパーチャンスモード」を終了させるように構成している。
このように構成することで、「残り??秒」が表示されている状態を、「スーパーチャンスモード」がいつ終了してもおかしくない状態であることを遊技者に分かり易く把握させることができると共に、表示領域Dm7に表示される残時間表示の内容と、第3モード変動演出の演出結果が表示されるタイミングとに若干の誤差が生じた場合であっても、「残り??」が継続表示される時間の長さが異なるだけであるため、遊技者に違和感を与えること無く演出を実行することができる。
なお、本第31制御例では、予め定められている「スーパーチャンスモード」の演出期間を60秒とし、表示領域Dm7にて60秒の減算表示を実行し、表示領域Dm7にて減算表示される表示態様が「0秒」を示すタイミングで「残り??秒」を表示するように構成しているが、これに替えて、予め定められている「スーパーチャンスモード」の演出期間(例えば、61秒)よりも短い期間(例えば、60秒)を、表示領域Dm7にて減算表示するように構成し、表示領域Dm7にて減算表示される表示態様が「0秒」を示すタイミングで「残り??秒」を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、「スーパーチャンスモード」中に実行される最後のモード変動演出(第3モード変動演出)の終了タイミングが予め定めた演出期間(例えば、61秒)よりも早くなった(例えば、60.8秒)場合であっても、「残り??秒」が表示されている状態で「スーパーチャンスモード」を終了させることが可能となるため、表示領域Dm7にて減算表示される秒数が残っている状態で「スーパーチャンスモード」が終了してしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
<第31制御例における電気的構成について>
次に、図921、及び図922を参照して、本第31制御例における電気的構成について説明をする。本第31制御例では、上述した第26制御例に対して、主制御装置110のROM202が有する変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)に対して、確変状態中に参照される確変用変動パターン31テーブル202abaを追加した点で相違している点と、音声ランプ制御装置113のRAM223に演出モード格納エリア223abaを追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容については説明を省略する。
まず、図921を参照して、確変用変動パターン31テーブル202abaについて説明をする。図921は,確変用変動パターン31テーブル202abaに規定されている内容を示した図である。図921に示した通り、確変用変動パターン31テーブル202abaには、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数に基づいて、異なる変動パターンが決定されるように構成している。
具体的には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数(変動回数)が「1~100」の範囲に対しては、抽選結果、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応付けて2秒~60秒の変動時間が規定されている各種変動パターンが規定されている。
そして、変動回数「101」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「2秒」の短外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「20秒」の当たりが変動パターンとして規定されており、変動回数「102」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「2秒」の短外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「18秒」の当たりが変動パターンとして規定されており、変動回数「103」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「2秒」の短外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「16秒」の当たりが変動パターンとして規定されており、変動回数「104」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「2秒」の短外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「14秒」の当たりが変動パターンとして規定されており、変動回数「105」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「2秒」の短外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「12秒」の当たりが変動パターンとして規定されており、変動回数「106」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「10秒」の外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず「10秒」の当たりが変動パターンとして規定されている。
つまり、変動回数が「101」~「106」の範囲では、全ての特別図柄抽選が外れである場合、或いは、いずれかの特別図柄抽選で大当たり当選した場合の何れであっても、継続して特別図柄変動が実行されていることを前提に、101回目の特別図柄変動が開始されてから、20秒後に抽選結果が報知されるように各変動パターンが規定されている。
このように構成することで、変動回数が「101」~「106」の範囲を対象として実行される第1モード変動演出の演出結果を特定タイミングで表示し易くすることができる。
なお、本第31制御例では、上述した通り、全ての特別図柄抽選が外れである場合、或いは、いずれかの特別図柄抽選で大当たり当選した場合の何れであっても、継続して特別図柄変動が実行されていることを前提に、101回目の特別図柄変動が開始されてから、20秒後に抽選結果が報知されるように構成しているが、これに限ること無く、一部の大当たり当選時に選択される変動パターンとして、異なる長さの変動時間の変動パターンを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、通常であれば、20秒が経過したタイミングで特別図柄変動が停止表示し、第1モード変動演出の演出結果が表示されるのに対して、例えば、第1モード変動演出の演出結果が表示されるまでに、特別図柄変動が停止したり、第1モード変動演出の演出結果が表示されている状態で特別図柄変動が継続されていたりする違和感を遊技者に付与することができる。
次に、変動回数「107,108」に対しては、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して「0.2秒」の超短外れが、「100~198」の範囲に対して「2秒」の外れが、「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~169」の範囲に対して「0.2秒」の超短当たりが、「170~198」の範囲に対して「20秒」の当たりが変動パターンとして規定されている。
ここで、変動回数「107,108」の変動パターンとして、変動時間が短い(0.2秒)の変動パターンが選択された場合には、特別図柄変動が停止されるまでの期間、第1モード変動演出を継続して表示するように構成している。
このように構成することで、選択される変動パターンの種別に応じて、第1モード変動演出の演出結果として参照される特別図柄抽選の回数を異ならせることができる。
また、変動回数「109」~「111」の範囲、即ち、第2モード変動演出の対象となる範囲においても、上述した第1モード変動演出の対象となる各変動と同様に、全ての特別図柄抽選が外れである場合、或いは、いずれかの特別図柄抽選で大当たり当選した場合の何れであっても、継続して特別図柄変動が実行されていることを前提に、107回目の特別図柄変動が開始されてから、20秒後に抽選結果が報知されるように各変動パターンが規定されている。
同様に、変動回数「112」~「120」の範囲に対しても、図921に示した通り、第3モード変動演出の対象となる範囲においても、上述した第1モード変動演出の対象となる各変動と同様に、全ての特別図柄抽選が外れである場合、或いは、いずれかの特別図柄抽選で大当たり当選した場合の何れであっても、継続して特別図柄変動が実行されていることを前提に、120回目の特別図柄変動が開始されてから、20秒後に抽選結果が報知されるように各変動パターンが規定されている。
次に、図922を参照して、本第31制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図922は、本第31制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した図である。図922に示した通り、本第31制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223に演出モード格納エリア223abaを追加した点で上述した第26制御例と相違している。
演出モード格納エリア223abaは、実行中のモード変動演出の種別を記憶するための記憶手段であって、確変状態演出態様決定処理31(図923のF3092参照)において、モード変動演出が決定された場合に、決定されたモード変動演出の種別に対応する情報が格納される。そして、特別図柄変動が実行される毎に、格納されているモード変動演出の種別が参照され、対応する演出態様が決定される。
さらに、演出モード格納エリア223abaには、一時的にモード変動演出を延長する延長状態も記憶可能に構成されており、延長状態が記憶されている場合には、新たなモード変動演出の種別が決定されないように構成している。このように構成することで、超短変動(0.2秒変動)が選択されることによって、モード変動演出の種別を切り替えない演出制御を円滑に実行することができる。
次に、図923を参照して、本第31制御例における制御処理の内容について説明をする。本第31制御例では、上述した第26制御例に対して、確変状態中に実行される変動演出の演出態様を決定する処理を異ならせている点で相違している。具体的には、確変状態演出態様決定処理26(図820のF3052参照)に代えて、確変状態演出態様決定処理31(図923のF3092参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、その説明を省略する。
図923は、確変状態演出態様決定処理31(F3092参照)の処理内容を示したフローチャートである。図923に示した通り、確変状態演出態様決定処理31(F3092参照)では、上述した確変状態演出態様決定処理26(図820のF3052参照)に対して、実行中のモード変動演出を継続(延長)させるための制御処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容について同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
確変状態演出態様決定処理26(図820のF3052参照)が実行されると、まず、上述した確変状態演出態様決定処理26(図820のF3052参照)と同一のF4301~F4310の処理を実行する。そして、F4304,F4306,F4308の処理を実行した後には、決定したモード変動演出の種別をモード演出格納エリア223abaに格納し(F4351)、処理をF4356へと移行する。
一方、F4309の処理、或いは、F4310の処理を終了した後には、モード演出格納エリア223abaに格納されている種別を読み出し(F4352)、次モード(次に設定されるモード変動演出)にて用いられる特図保留が格納されているかを入賞情報格納エリア223vaに格納されている入賞情報に基づいて判別する。そして、次モードの特図保留があると判別した場合は(F4353:Yes)、対象の特図保留にて実行される特図変動の変動パターンを事前判別(先読み)し、超短変動(0.2秒変動)であるかを判別し(F4354)、超短変動であると判別した場合は(F4354:Yes)、次モード特図保留に関する特図変動期間まで現状のモード演出の継続を決定し、変動パターンコマンドに対応する演出態様を決定し(F4355)、処理をF4356へと移行する。
一方、F4353の処理において、次モードの特図保留が無いと判別した場合(F4353:No)、或いは、F4354の処理において、次モード特図保留が超短変動では無いと判別した場合は(F4354:No)、変動パターンコマンドに対応する演出態様を決定し(F4356)、本処理を終了する。
つまり、例えば、第1モード変動演出の最終変動である変動回数「106」回目の特別図柄変動に対応する変動演出を決定する際に、対応する特別図柄抽選の結果が外れ当選である場合には、変動回数「107」,「108」回目の特別図柄変動に用いられる特図保留を有しているかを判別し(F4353)、有していると判別した場合には、変動回数「107」,「108」回目の特別図柄変動が超短変動であるかを事前判別する(F4354)。そして、超短変動であると事前判別した場合には、超短変動となる特別図柄変動の抽選結果を事前判別し、事前判別結果が大当たり当選である場合には、第1モード変動演出の演出結果として大当たり当選を示す演出結果が決定され、事前判別結果が外れである場合には、第1モード変動演出の演出結果として外れを示す演出結果が決定され、決定された演出結果に対応する演出態様が決定される(F4356)。また、決定された演出態様が、該当する特別図柄変動(変動回数「107」,「108」回目の特別図柄変動のうち、超短変動となる特別図柄変動)を停止表示するまで継続表示させる処理が実行される。
なお、F4356の処理が実行される範囲は、変動回数「107」,「108」回目の特別図柄変動として超短変動が設定される範囲だけであり、例えば、変動回数「107」回目が超短変動、「108」回目が超短変動である場合は、「108」回目の特別図柄変動が停止表示されるまでが範囲となり、変動回数「107」回目が超短変動、「108」回目が通常変動である場合は、「107」回目の特別図柄変動が停止表示されるまでが範囲となり、変動回数「107」回目が通常変動である場合には、「108」回目が超短変動である場合であっても、F4356の処理が実行されることが無い。
よって、変動回数「107」回目が通常変動、「108」回目が超短変動である場合には、超短変動の変動時間を含む範囲で第2モード変動演出が実行されることになり、通常変動(2秒)と、超短変動(0.2秒)との差分が生じることになる。しかしながら、本第31制御例では、図920(a)に示した通り、各モード変動演出の終了タイミングを示唆する演出が実行されないため、上述した差が生じたとしても、遊技者に違和感を与えること無く、円滑に各モード変動演出を実行することができる。
なお、この場合、第2モード変動演出として、対象となる全ての特別図柄抽選が外れである場合と、何れかの特別図柄抽選で大当たり当選した場合とで、特別図柄変動が停止表示されるタイミングがずれるが、第2モード変動演出の演出結果が停止表示される期間(演出結果確定期間)の長さを上述した差分(1.8秒)よりも長くするように構成することで、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができる。
以上、説明をした通り、本第31制御例では、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)の残期間が所定条件(残り20回)を満たした場合に、複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いで1の変動演出(モード変動演出)が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合において、その有利遊技状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数を遊技者に把握させ難くすることができるため、有利遊技状態が長く継続することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、本第31制御例では、1のモード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の範囲を異ならせることができるように構成している。具体的には、第1モード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の範囲として「確変中カウンタ223vrの値が「20~15」」の範囲を予め規定しておき、第1モード変動演出が終了した後に実行される複数回の特別図柄抽選、即ち、確変中カウンタ223vrの値が「14,13」の範囲に対応する特別図柄抽選の変動パターンとして、変動時間が短い変動パターン(超短変動)が選択された場合には、超短変動が選択された特別図柄抽選に対応する特別図柄変動が終了するまでの期間を用いて、第1モード変動演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、1のモード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の回数を異ならせることが可能となるため、遊技者に対して、1のモード変動演出の演出結果として遊技者に有利となる演出結果(大当たり当選を示す演出結果)が決定される可能性を異ならせることができる。
なお、本第31制御例では、上述した通り、所定条件が成立した場合に、1のモード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の回数を、予め規定されている回数よりも増加させることが可能な構成について説明をしたが、1のモード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の回数を異ならせることができれば良く、1のモード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の回数を、予め規定されている回数よりも減少させることが可能な構成を用いても良い。
この場合、例えば、第1モード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の範囲として「確変中カウンタ223vrの値が「20~15」」の範囲を予め規定しておき、確変中カウンタ223vrの値が「16,15」の範囲に対応する特別図柄抽選の変動パターンとして、通常よりも長い変動時間が設定される長変動パターンが決定された場合に、長変動パターンの特別図柄変動が実行される1つ前の特別図柄抽選までが第1モード変動演出が実行される範囲となるように第1モード変動演出を強制終了させる制御を実行するように構成しても良い。
また、上述したように、第1モード変動演出を強制終了させる制御を実行した場合には、通常の第1モード変動演出が実行される場合よりも、第1モード変動演出の演出期間が短くなるため、例えば、確変中カウンタ223vrの値が「16,15」の範囲に対応する特別図柄抽選の変動パターンとして、対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合の方が大当たり当選していない場合よりも、長変動パターンが決定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、第1モード変動演出が強制終了されることにより、通常よりも短い演出期間となった場合に第1モード変動演出が終了した後に大当たり当選する特別図柄変動が実行される可能性を高くすることができるため、第1モード変動演出が終了する際の違和感(通常よりも早く第1モード変動演出が終了することによる違和感)を感じるために実行される第1モード変動演出に注視させることができる。
なお、本第31制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選の実行回数に基づいて実行されるモード変動演出の種別と、実行されるモード変動演出の演出期間を決定するように構成しているが、これに限ること無く、別の構成を用いても良い。例えば、確変状態の残期間(確変状態中に実行することが可能な残特別図柄抽選回数)が所定条件(例えば、20回)を満たした場合にモード変動演出を開始し、モード変動演出が実行されてからの経過時間が特定時間(例えば、60秒)経過した場合に、その時点で実行されている特別図柄抽選の結果を示す表示態様でモード変動演出の演出結果を報知するように構成しても良い。
この場合、モード変動演出が実行される演出期間中に実行される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)に応じて、特定時間中に実行される特別図柄抽選の回数が異なるため、モード変動演出の演出結果を決定するために参照される特別図柄抽選の数を容易に異ならせることができる。
また、上述した通り、モード変動演出の演出期間を特別図柄抽選の実行回数では無く、経過時間で設定した場合には、遊技者が遊技を止めることでモード変動演出中に特別図柄抽選が実行されない事態が発生する虞がある。この場合、例えば、最後の特別図柄変動が外れを示す抽選結果で停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過し、パチンコ機10の待機画面を表示するための表示条件が成立したことに基づいて、実行中のモード変動演出の演出結果として、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す演出結果を決定し、モード変動演出を終了するように構成すれば良い。
<第32制御例>
以下、図924から図1001を参照し、第32制御例について説明する。図924は、第32制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図925はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図926はパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図927から図930は、パチンコ機10に設けられたV入賞装置650の構造を示した模式図であり、図931は、パチンコ機10に設けられた各種ボタンの構成を示した図であり、図932は、パチンコ機10の後面図である。
図924に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図924参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図925参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面(遊技領域)を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、遊技球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図950参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図924参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図924参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、遊技者が操作可能な枠ボタン22と、選択ボタン600(図示せず)とが設けられている。枠ボタン22は、第3図柄表示装置81(図925参照)等で実行される各種演出の演出態様を可変させるために遊技者に操作させるものであって、図931に後述するように、演出ボタン22aが設けられている。本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技者による演出ボタン22aへの操作に基づいて演出態様が可変される操作演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
また、選択ボタン600は、パチンコ機10の遊技環境を決定するために遊技者に操作させるものであって、図931に後述するように、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eが設けられている。本第32制御例におけるパチンコ機10では、パチンコ機10の遊技環境として、音声出力装置226(図950参照)から出力される音声の音量レベルと、第3図柄表示装置81(図925参照)に表示される表示画面を照らすバックライト(図示せず)や、パチンコ機10に付設された装飾用LEDの光量レベルと、を遊技者が調節可能に構成している。さらに、第3図柄表示装置81にて実行される各種表示演出の演出パターンが異なる複数の演出モードから、1の演出モードを遊技者が選択可能に構成している。このように構成することで、異なる嗜好を持った様々な遊技者がパチンコ機10を遊技したとしても、各遊技者が自身の嗜好に適した遊技環境を選択(決定)することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が操作可能な操作手段として、操作演出時に操作される枠ボタン22と、遊技環境を選択する際に操作される選択ボタン600と、を有している。即ち、使用用途を異ならせた複数の操作手段が設けられているが、これに限ること無く、遊技環境を選択する際に枠ボタン22を操作可能にしたり、操作演出として選択ボタン600を操作可能に構成したりしても良い。
また、本第32制御例では、操作演出中に操作される操作手段(枠ボタン22)として、演出ボタン22aを1個有する構成を用いているが、これに限ること無く、枠ボタン22として、2個以上の操作手段を有するように構成しても良い。
さらに、本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下したことを検知することで操作手段が操作されたことを判別可能なボタン構成を用いているが、遊技者による操作を検知可能な構成であればボタン構成以外の構成を用いても良く、例えば、遊技者が触れていることを検知可能な検知手段や、遊技者が押下以外の動作(例えば、引っ張り動作等)を行っていることを検知可能な検知手段を有する操作手段を用いても良い。また、遊技者が操作手段に直接触れるのでは無く、所定の空間領域(センサの検知範囲)に遊技者の体の一部(例えば、手など)が存在していることを検知可能な非接触型の操作検知手段(センサ等)を用いても良く、この場合、単に遊技者の体の一部(例えば、手など)を検知するのでは無く、所定の空間領域内において、遊技者の体の一部が所定の規則に従って移動していることを検知可能な操作検知手段を用いると良い。このように構成することで、例えば、遊技者がパチンコ機10の遊技を一時的に中断しようと離席する場合に、誤って、遊技者の体の一部(例えば、頭など)が操作検知手段の検知範囲内に侵入したとしても、それを契機に操作演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図924参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図925参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図925に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(V入賞装置)650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図924参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(V入賞装置)650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図924参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図925を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図924参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図950参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図925の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図925の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図925の正面視で右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37として、第1特別図柄に対応した表示装置37aと、第2特別図柄に対応した表示装置37bが配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図950参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第32制御例では、第1図柄表示装置37は、遊技球が、第1入球口64へ入球したか、第2入球口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、遊技球が、第1入球口64へ入球した場合には、表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入球した場合には、表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37は、パチンコ機10に設定されている遊技状態を点灯状態によって報知可能なLED(状態LED)を点灯表示したり、停止図柄が時短大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判別(大当たり抽選)を行うと共に、当否判別の結果が大当たりであると判別した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、6R時短大当たり(大当たりA)、6R通常大当たり(大当たりB)、9R時短大当たり(大当たりC)が用意されている。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「6R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技の後に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも遊技者に有利となる遊技状態である時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へ移行する大当たり種別(大当たりA)のことであり、「6R通常大当たり」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技の後に通常状態へ移行する大当たり種別(大当たりB)のことである。また、「9R時短大当たり」は、最大ラウンド数が9ラウンドの大当たり遊技の後に、時短状態へ移行する大当たり種別(大当たりC)のことである。
ここで、本第32制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて簡単に説明をする。本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技領域に発射された遊技球が第1入球口64へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第1特別図柄)と、第2入球口640へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第2特別図柄)と、を有している。そして、各第1図柄(特別図柄)の抽選の結果として、大当たり、小当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。
特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1可変入賞装置65の開閉扉65b(図925参照)が開放され、特定入賞口65a(図925参照)へと遊技球を入賞させ易くなる大当たり遊技が実行されるように構成している。特定入賞口65aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。よって、遊技者はパチンコ機10における遊技にて多くの賞球を獲得するために、特別図柄の抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f(図925参照)が開放され、V入賞口650a(図925参照)へと遊技球を入賞させ易くなる小当たり遊技が実行されるように構成している。V入賞口650aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。
加えて、本第32制御例では、V入賞口650aへと入賞した遊技球が第2可変入賞装置(V入賞装置)650内に設けられた特定領域(V領域)650e4を通過した場合には、小当たり遊技の終了後に第1可変入賞装置65の開閉扉65bを開放させる大当たり遊技を実行可能に構成している。
つまり、本第32制御例では、大当たり遊技を実行させるための実行契機として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する第1大当たり契機と、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)650e4を通過した場合に成立する第2大当たり契機と、を有している。このように構成することで、様々な契機で大当たり遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した通り、本第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技者へ賞球を付与可能な当たり遊技として、大当たり遊技と、小当たり遊技と、を実行可能に構成しており、小当たり遊技中よりも、大当たり遊技中の方が、遊技者に多くの賞球を付与可能(多くの遊技球を入賞させることが可能)となるように、各当たり遊技の内容が予め決定されている。つまり、大当たり遊技は、小当たり遊技よりも遊技者が獲得可能な賞球数の点で遊技者に有利な当たり遊技となる。
また、大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に大当たり種別に対応した遊技状態を設定可能に構成しているのに対して、小当たり遊技の終了後には、小当たり遊技が開始される時点で設定されていた遊技状態が再度設定されるように構成している。つまり、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に通常状態とは異なる遊技状態(時短状態)が設定可能となり、通常状態が設定されている状態で小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。
よって、現在設定されている遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行っている遊技者に対しては、新たな遊技状態を設定可能な大当たり遊技の方が、小当たり遊技よりも有利な当たり遊技となる。
また、本第32制御例におけるパチンコ機10では、上述した特別図柄の抽選(特別図柄抽選)以外に、普通図柄(第2図柄)の抽選を実行可能に構成しており、遊技盤13に設けられたスルーゲート67へと遊技球を通過(入球)させたことに基づいて実行条件が成立した場合に、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄(第2図柄)の抽選の結果として、当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、電動役物640a(図925参照)を作動させることで、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くする普図当たり遊技が実行される。
つまり、普図当たり遊技が実行されることで、普図当たり遊技が実行されていない場合よりも、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、スルーゲート67へと遊技球を入球(通過)させ普通図柄抽選を実行し、第2入球口640へと遊技球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、を実行させることが可能となるため、遊技者に多彩な遊技を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、詳細な説明は後述するが、本第32制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の確率状態として、「低確率状態」と、「高確率状態」を設定可能に構成しており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも、1回の普通図柄抽選の結果に基づいて第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる期待度が低くなるように構成している。
具体的には、「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄(第2図柄)抽選の当たり確率がアップし、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態となる。よって、普通図柄の高確率状態中は、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となり、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が行われる回数を増やすことができる。
なお、普通図柄の高確率状態中の普図当たり遊技として、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を長くするのではなく、または、その開放時間を長くすることに加えて、1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数を普通図柄の低確率状態中に実行される普図当たり遊技よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の普図当たり遊技で電動役物640aを開放する回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、普通図柄の低確率状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
なお、本第32制御例では、上述した通り、普通図柄の確率状態を「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成し、特別図柄の確率状態は変更されないように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄の確率状態も、上述した普通図柄の確率状態と同様に「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)を高めるように構成すると良い。また、大当たり確率だけで無く、特別図柄の抽選結果が小当たりとなる確率(小当たり確率)を高めるように構成しても良いし、大当たり確率、小当たり確率を共に高めるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が外れとなる確率(外れ確率)が低くなるように構成しても良い。
遊技領域には、遊技球が入球することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入球口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、装飾用の第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への遊技球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図950参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本第32制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図950参照)の制御に伴った特別図柄の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常状態(普通図柄の低確率状態)の場合よりも、時短状態(普通図柄の高確率状態)の方が短くなるように設定される。これにより、時短状態中は、第2図柄(普通図柄)の変動表示が短い時間で行われるので、単位期間当たりにおける普通図柄抽選の実行回数を通常状態よりも多くすることができる。よって、普通図柄抽選の結果が当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会(普図当たり遊技が実行される機会)を遊技者に多く与えることができる。よって、時短状態(普通図柄の高確率状態)中は、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態とすることができる。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された遊技球のうち、遊技盤13の右方を流下する遊技球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過すると、第2図柄(普通図柄)の抽選が行われる。普通図柄抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、普通図柄抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、普通図柄抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
遊技球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数(普図保留数)が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本第32制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の遊技球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方(右側領域)に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方(左側領域)でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図950参照)で特別図柄抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37の表示装置37aで示される。
一方、遊技盤13の右側領域下方には、遊技球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図950参照)で特別図柄抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37の表示装置37bで示される。
また、第1入球口64に遊技球が入球すると、4個の遊技球が賞球として払い出され、第2入球口640に遊技球が入球すると1個の球が賞球として払い出されるように構成している。つまり、第1入球口64、及び、第2入球口640は、特別図柄抽選を実行させるための始動入賞口の役割と、賞球を払い出すための入賞口の役割を兼ね備えている。なお、本第32制御例においては、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異ならせるように構成したが、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一の数、例えば、第1入球口64へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数を1個とし、第2入球口640へ遊技球が入球した場合に払い出される賞球数と同一となるように構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(埋設状態)となって、遊技球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(突出状態)となり、遊技球を第2入球口640へと入球させ易い状態となる。
上述した通り、時短状態中は、通常状態中と比して第2図柄(普通図柄)の当たり確率が高く、また、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間(普図変動時間)も短いので、第2図柄(普通図柄)の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(突出状態)となる回数が増える。更に、時短状態中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、時短状態中は、通常状態中と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態を作ることができる。
より具体的には、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態においては、遊技者が遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技を実行し、スルーゲート67へと遊技球を通過させることで普図当たり遊技を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を殆ど入球させることができず、遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技を実行し、第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技を行った方が、より多くの特別図柄抽選を実行させることが可能となるように構成している。
一方で、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態においては、遊技者が遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技を実行し、スルーゲート67へと遊技球を通過させることで普図当たり遊技を実行させた場合に、第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることができ、遊技盤13の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技を実行し、第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技を行った場合よりも、より多くの特別図柄抽選を実行させることが可能となる。
つまり、本第32制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている場合には右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が特別図柄抽選を実行させる視点から遊技者に有利な遊技となり、時短状態が設定されている場合には左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が特別図柄抽選を実行させる視点から遊技者に有利な遊技となる。このように、本第32制御例では、設定されている遊技状態に応じて、遊技者に有利となる遊技方法を異ならせているため、長時間遊技を行っている遊技者に対して遊技方法を変更させながら遊技を行わせることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、第1入球口64に遊技球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選と、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選とで、抽選結果が大当たりとなる確率が同一(約1/300)となるように構成している。しかしながら、大当たり当選した場合に選定される大当たりの種別として、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数が最大の9ラウンド(R)となる確率は、第2特別図柄抽選の方が第1特別図柄抽選よりも高く設定されている。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、遊技者に有利な時短状態が設定される確率は、第2特別図柄抽選の方が第1特別図柄抽選よりも高く設定されている。一方で、第1入球口64は、第2入球口640のように電動役物640aを有しておらず、遊技球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常状態においては、第2入球口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640へと遊技球を入球させ難いので、電動役物640aのない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって第1特別図柄抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短状態中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640へと入球させ易い状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように遊技球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入球口640への入球によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
そして、上述した通り、本第32制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な大当たり遊技(ラウンド数が多い大当たり遊技)が実行され易く構成しており、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態よりも、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態の方が、遊技者に有利な遊技状態となる。
このように、本第32制御例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(時短状態中であるか、通常状態中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
ここで、図925、及び図926を参照して本第32制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第32制御例では図925に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
図925に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄の抽選を実行させるために遊技球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄の抽選を実行させるために遊技球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第32制御例のパチンコ機10では、図925に示した通り、右打ち領域には、上流側から順にスルーゲート67、第2可変入賞装置650、電動役物640a、第1可変入賞装置65の順で各機構が配設されており、右側領域のスルーゲート67よりも上流側に植設された複数の釘によって右側領域を流下する遊技球の流下速度や流下方向を不規則に可変させながら、右側領域を流下する遊技球の約2/3がスルーゲート67を通過するように構成している。そして、スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下方に植設された複数の釘によって、第2可変入賞装置650の上流側へと誘導されながら、第2可変入賞装置650に到達するように構成している。
一方で、スルーゲート67を通過すること無く(スルーゲート67の左側に形成された流路を流下して)第2可変入賞装置650に到達した遊技球は、スルーゲート67を通過した遊技球よりも、第2可変入賞装置650の下流側に到達する、或いは、第2可変入賞装置650に到達すること無く、第2可変入賞装置650よりも下流側に配設されている電動役物640aへと到達するように構成している。
図925に示した通り、第2可変入賞装置650は、その上面が左下方向(図925の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜する球流路となるように遊技盤13に配設されており、その第2可変入賞装置650の上面(閉鎖状態である開閉扉650f1の上面)を流下した遊技球は、電動役物640aに向けて流下するように構成している。詳細は後述するが、この第2可変入賞装置650は、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技によって、開閉作動するものであって、小当たり遊技が実行されていない状態では、第2可変入賞装置650のV入賞口650aの開口部が閉鎖状態の開閉扉650f1によって覆われており、第2可変入賞装置650に到達した遊技球の殆どがV入賞口650aへと入賞すること無く、下流側に向けて排出される。
一方、小当たり遊技が実行されている間は、開閉扉650f1が開放状態と閉鎖状態とに繰り返し切り替わる開閉作動が実行されることにより、第2可変入賞装置650の上流側に到達した遊技球(スルーゲート67を通過した遊技球)がV入賞口650aへと入賞し易くなる。つまり、右側領域には、小当たり遊技中に遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させ易い第1流路(スルーゲート67を通過した遊技球が流下する流路)と、第2可変入賞装置650へと入賞させ難い第2流路(スルーゲート67を通過しない遊技球が流下する流路)と、が形成されている。よって、小当たり遊技が実行された場合に、発射した遊技球数に対する第2可変入賞装置650への入賞数の割合が高くなることを期待しながら、右側領域を流下する遊技球の挙動に注目させることができる。
上述した通り、本第32制御例では、右打ち遊技によって発射された遊技球のうち、約2/3がスルーゲート67を通過し、第2可変入賞装置650の上流側に向けて流下し、残りの約1/2がスルーゲート67を通過すること無く、第2可変入賞装置650に向けて流下するように構成している。そして、小当たり遊技が実行されていない間は、右打ち遊技によって発射され、右側領域を流下した全ての遊技球が、第2可変入賞装置650のV入賞口650aへと入賞すること無く、電動役物640aに到達することになる。
そして、電動役物640aが待避状態(埋設状態)に位置している場合は、退避状態の電動役物640aを通過し第1可変入賞装置65に向けて遊技球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した遊技球が突出状態の電動役物640aの上面を右下方向(図925の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図926を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域に設けられた電動役物640aの構成について、より詳細に説明をする。図926に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、第2可変入賞装置650から流下した遊技球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図925の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、第2可変入賞装置650から流下した遊技球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図926参照)に流下する。
領域aに到達した遊技球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し第1可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は電動役物640aの上面を右端側に向けて遊技球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて遊技球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から10mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第32制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)によって、電動役物640aが突出状態を継続する期間が異なるように構成しており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する(普図当たり遊技を実行する)場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する遊技球が領域b(図926参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する遊技球が領域c(図926参照)へと到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出状態を継続させるように構成している。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置する期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図926に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第32制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を遊技球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する遊技球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了し、退避状態となる、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を遊技球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも長い期間、電動役物640aの突出状態を継続させるため、突出状態である電動役物640aの上面を流下した遊技球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した遊技球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような遊技球は図926に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの遊技球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと遊技球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
また、本第32制御例では、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を最大で1個保持(保留記憶)可能に構成している。つまり、新たな特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立していない状態であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させることで特図2保留を獲得し、特図2保留を獲得している状態で、特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立した場合には、特図2保留を用いて第2特別図柄抽選を実行させることができるように構成している。
よって、時短状態が設定されている状態において、特別図柄抽選を実行させるための実行条件が成立していない場合、例えば、特別図柄変動が実行されている場合であっても、特図2保留を獲得するために意欲的に遊技者に右打ち遊技を行わせることができる。
さらに、特図2保留を既に最大数(1個)獲得している状態であっても、時短状態中に右打ち遊技を行うことで、第2入球口640の下方に設けられた一般入賞口63へと遊技球を入賞させ易くすることができるため、時短状態中に多くの賞球を獲得しようとする遊技者に対して、意欲的に右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第32制御例では、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に払い出される賞球数(1個)よりも、第2入球口640の下方に設けられた一般入賞口63へと遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数(10個)の方が多くなるように構成することで、時短状態中において、特図2保留の獲得を目指す遊技に加え、多くの賞球獲得を目指す遊技を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、時短状態における遊技状況に応じて目的を異ならせた遊技を遊技者に行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
本第32制御例では、上述した通り、時短状態中において、特図2保留の獲得を目指す遊技とは異なる遊技として、多くの賞球獲得を目指す遊技を実行させることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、一般入賞口63へと遊技球が入球したことに基づいて、賞球とは異なる特典を遊技者に提供するように構成しても良いし、一般入賞口63の代わりに、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入賞口や、普通図柄抽選の実行権利(普図保留)を獲得可能な入賞口を設けるように構成しても良い。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が1個となるように構成しているため、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行条件が成立している状態であれば、第2入球口640に遊技球が入球する場合の方が一般入賞口63に遊技球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2抽選および1個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行条件が成立しておらず、且つ、特図2保留を条件数獲得している状態であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に遊技球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)を可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第32制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間として、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ遊技球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を遊技球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に遊技球を通過させた後、遊技球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度遊技球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
第1入球口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた特別図柄抽選の結果が大当たり当選であると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たり当選を示すための停止図柄となるよう第1図柄表示装置37にて特別図柄を点灯表示させると共に、その大当たり当選に対応した第3図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、遊技者に対して大当たり当選が報知される。
そして、遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞し易い大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技が実行されている特別遊技状態では、通常時(非大当たり遊技中)には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定期間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定期間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で9回(9ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aの開口部を覆う横長矩形状の開閉扉65bと、その開閉扉65bを前後方向(図925の視点で奥行き方向)へと開閉駆動するための特定入賞口ソレノイド209a(図950参照)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態、具体的には、開閉扉65bが手前側(図925の視点で手前側)に突出している閉鎖状態となり、特定入賞口65aの開口部が閉鎖状態の開閉扉65bに覆われるように構成されている。なお、閉鎖状態に開閉扉65bが位置している状態では、開閉扉65bの上面に遊技球が流下可能な流路が形成されており、閉鎖状態の第1可変入賞装置65へと遊技球が到達した場合には、開閉扉65bの上面に形成された球流路を流下し、特定入賞口65aへと入賞すること無く、第1可変入賞装置65の下流側に流下し、遊技盤13の遊技領域の下側に設けられたアウト口66に入球し、パチンコ機10の外部へと排出される。
そして、大当たり遊技が実行されると特定入賞口ソレノイド209aを駆動して開閉扉65bが奥側(図925の視点で奥側)へと作動することにより、遊技球が特定入賞口65aに入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態(大当たり遊技の内容)は上記した構成に限定されるものではなく、特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たり当選を示す特別図柄が表示された場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入球口64の下方右側や、第1入球口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
第2可変入賞装置(V入賞装置)650は、具体的には、V入賞口650aの開口部を覆う横長矩形状の開閉扉650f1と、その開閉扉650f1を前後方向(図925の視点で奥行き方向)へと開閉駆動するためのV入賞口ソレノイド209b(図950参照)とを備えている。V入賞口650aは、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態、具体的には、開閉扉650f1が手前側(図925の視点で手前側)に突出している閉鎖状態となり、V入賞口650aの開口部が閉鎖状態の開閉扉650f1に覆われるように構成されている。なお、閉鎖状態に開閉扉650f1が位置している状態では、開閉扉650f1の上面に遊技球が流下可能な流路が形成されており、閉鎖状態の第2可変入賞装置650へと遊技球が到達した場合には、開閉扉650f1の上面に形成された球流路を流下し、V入賞口650aへと入賞すること無く、第2可変入賞装置650の下流側に流下し、第2可変入賞装置650よりも右側領域の下流側に設けられた電動役物640aに向けて流下する。
そして、小当たり遊技が実行されるとV入賞口ソレノイド209bを駆動して開閉扉650f1が奥側(図925の視点で奥側)へと作動することにより、遊技球がV入賞口650aに入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。なお、第2可変入賞装置650の詳細な構造については、図927から図930を参照して後述する。
ここで、図927から図930を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図925に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を遊技球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した遊技球は、開閉扉650f1上を左下側(図925の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、遊技球がV入賞装置650内へと入賞する。
本第32制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放動作として、2秒間の閉状態(オープニング期間)の後、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.2秒)、閉状態(4.8秒)、開状態(0.8秒)、閉状態(9秒)となる開放期間(ラウンド遊技期間)が実行されるように構成されている。
このように、1回の開状態(開放期間)が継続する期間は最短で0.1秒と短く設定されているが、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している遊技球がV入賞装置650へと入賞するのに十分な期間である。V入賞装置650に入賞した遊技球は、第1規制部材或いは第2規制部材上を流下しながら検出口650a1(図929(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、第32制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間の最短期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している遊技球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第32制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放させる回数を8回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、本第32制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの閉鎖期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目の開放動作までよりも、5回目開放動作以降の方が長い閉鎖期間が設定されるように構成している。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ遊技球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点で特定領域(Vスイッチ)650e3が球を検知していないと判別した場合には、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ遊技球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を長く設定している。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
また、小当たり遊技中に実行される5回目の開放動作までは、閉鎖期間が短く(0.4秒)設定されているため、小当たり遊技が実行された直後から右打ち遊技を実行している遊技者に対して、5回目の開放動作が終了するまでの間に、遊技球を所定数(10個)V入賞装置650へと入賞させることで小当たり遊技の終了条件を成立させることで、長い閉鎖期間が設定されるよりも前に小当たり遊技を終了させ易くすることが可能となる。よって、小当たり遊技中に実行される1回目の開放動作終了後から長い閉鎖期間が設定される場合と比べて、小当たり遊技期間が無用に長くなってしまい適正な遊技を実行している遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図927を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図927は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図927に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図928は、V入賞装置650の断面図である。図928(c)はV入賞装置650の上面図であり、図928(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図928(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図928(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図929(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図928(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図928(a)は、図928(b)に示すLa-La断面図である。図928(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図929を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図929(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図929(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図929(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、第32制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ(特定領域)650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技の開始が設定される。即ち、Vスイッチ(特定領域)650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図929(b)参照)ように構成している。
第32制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した遊技球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図952を参照して後述する開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した遊技球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した遊技球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図929(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の下流端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との検知数の合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、第2可変入賞装置(V入賞装置)650のV入賞口650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(1個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e4通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
なお、本第32制御例では、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に複数種類の小当たり種別の中から1の小当たり種別(小当たりA~C)を設定可能に構成し、何れの小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された場合にも、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を入球させることができるように、流路ソレノイド650kがオンに設定されるように構成しているがこれに限ること無く、設定される小当たり種別に応じて、小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vスイッチ650e3)を通過する確率を異ならせるように構成しても良い。
例えば、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA~C)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成し、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図930を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図930(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第32制御例の開閉扉650f1は、図930(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した遊技球は、V入賞装置650上面の傾斜(図925参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、遊技球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.4秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している遊技球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図930(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図930(b)に示した状態へと移行する。図930(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図930(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、遊技球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した遊技球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、遊技球1個分の通路幅の検出口650a1を遊技球が通過するまでに遊技球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、本第32制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に実行される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.4秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する遊技球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の遊技球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(8回)を設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定してしまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
図924に戻り、説明を続ける。遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図925参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する遊技球であって、いずれの入賞口(入球口)63,64,65a,640,650aにも入賞(入球)しなかった遊技球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、第1入球口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。この各種部材は、遊技領域を流下する遊技球の流下方向や流下速度を可変させるための調整手段として機能する。
図932に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図950参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図950参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
ここで、図933を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81の表示面には、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応させた第3図柄が表示されるように構成しており、第3図柄の表示態様として「0」から「9」の数字を模した10種類の主図柄を含む表示態様が表示されるように構成されている。また、本第32制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
この第3図柄は、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間においては、変動している特別図柄と同様に変動表示され、特別図柄抽選の結果を示す表示態様で特別図柄が停止表示された場合に、停止表示された特別図柄に対応した表示態様で停止表示されるように構成している。つまり、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄の変動表示(変動演出)を見ながら特別図柄抽選の結果を予測し、その後、停止表示された第3図柄を視認することで、特別図柄抽選の結果を把握するように構成している。
ここで、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄の変動表示内容について説明する。本第32制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に複数の第3図柄を変動表示させることが可能に構成しており、停止表示された複数の第3図柄の表示態様(組合せ)によって、特別図柄抽選の結果を報知するように構成している。具体的には、主表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。
また、主表示領域Dmには、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
なお、第3図柄表示装置81における図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。
主表示領域Dmにおける正面視右上には、小表示領域Dm4が形成されている。この小表示領域Dm4は、第3図柄の変動表示を簡易的に表示させることが可能に構成されている。ここで、小表示領域Dm4において変動表示を実行する場合とは、例えば、主表示領域Dmにおいて、所定のキャラクタがアクションを行う演出や、枠ボタン22の押下を促す演出等の表示演出を実行している場合である。表示演出の実行中は、より大きな主表示領域Dmで演出を表示させることによって、より分かり易い演出を提供することができる。また、表示演出の実行中に、第3図柄の変動表示を小表示領域Dm4に簡易的に表示させておくことで、第3図柄の変動表示が継続していることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図933(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図933(b)に示すように、黒色の円形からなる保留図柄が表示される。上述した通り、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64や第2入球口640へ入球すると、その入球回数が所定数(第1入球口64は4回、第2入球口640は1回)保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本制御例では、保留球数の最大値が第1特別図柄で4個、第2特別図柄で1個に設定されており、副表示領域Dsには、第1特別図柄に対応する保留図柄(特図1保留図柄)を表示可能に構成しているため、副表示領域Dsには、最大で4個の保留図柄(特図1保留図柄)が表示される。なお、図933(b)では、副表示領域Dsに保留図柄(特図1保留図柄)を表示させる例を示しているが、保留図柄の表示位置はこれに限ること無く、主表示領域Dsの一部領域に保留図柄を表示させるように構成しても良い。
また、保留記憶されている全ての保留図柄を表示させる必要も無く、例えば、第2入球口640に球を入球させ易い普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されている場合には、第2特別図柄の保留図柄(特図2保留図柄)のみを表示させ、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合には、第1特別図柄の保留図柄(特図1保留図柄)のみを表示させるように構成しても良いし、各特別図柄種別に対応させた保留図柄の視認度合いを遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されている場合には、特図2保留図柄のほうが特図1保留図柄よりも遊技者が視認し易いように表示し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合には、特図1保留図柄のほうが特図2保留図柄よりも遊技者に視認させ易く表示するように構成しても良い。このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて主として実行される特別図柄種別を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本第32制御例では、保留図柄の個数を保留球数に対応させて可変させていたが、保留球数を表示する方法はこれに限られるものではない。例えば、保留球数を数字で表示させる構成としてもよい。また、表示されている保留図柄が特図1保留図柄であるか特図2保留図柄であるかを遊技者が識別可能となるように特別図柄種別に応じて保留図柄の表示態様を異ならせるように構成しても良いし、何れの特別図柄種別に対応した保留図柄が何個あるのかを遊技者に分かり難くさせるために同様の表示態様(完全に同一の表示態様も含む思想)で各保留図柄を表示するように構成しても良い。
<第32制御例における演出内容について>
次に、図934から図948を参照して、本第32制御例のパチンコ機10において実行される各種演出内容について説明をする。
本第32制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、遊技状態として通常状態又は時短状態が設定されるように構成している。そして、通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選(初当たり当選)した場合に実行される大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出によって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、賞球を獲得するだけの単調な遊技となる大当たり遊技中において、遊技者が強く興味を持つ演出を実行することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
本第32制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を報知するための大当たり遊技演出として、所定数の敵を味方キャラが複数回の攻撃によって討伐していく討伐演出を実行可能に構成している。この討伐演出は、演出結果として敵数が0体となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に有利な時短状態が設定されることを報知し、演出結果として敵数が0体以外(例えば、12体)となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に不利な通常状態が設定されることを報知するものである。
ここで、従来より、表示されている所定値を、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで複数回減算させる演出を実行し、所定値が特定値まで減算された場合に、遊技者に有利な特典が付与されることを報知する操作減算演出を実行するものがある。
この従来型の操作減算演出では、最初に表示される所定値と、最終的に表示される値とを予め決定しておき、決定された範囲内において値を減算するための各演出が複数回実行されるように構成されているものが一般的であり、遊技者が操作手段を短期間で操作した場合には、操作減算演出が開始されてから直ぐに最終的に表示される値が表示され、操作手段への操作に基づいて値が減算されない期間が長時間継続してしまうことから遊技者の操作意欲が低下してしまうという問題があった。
本第32制御例にて実行される討伐演出では、演出ボタン22aへの操作に基づいて敵数を減算させる攻撃演出の実行回数と、攻撃演出の個々の実行機会に対して減算(討伐)可能な敵の討伐数(残敵数)と、を予め決定可能に構成している。そして、各攻撃演出が実行される間に、遊技者が操作手段を操作することで、予め決定されている残敵数を攻撃演出の演出結果として表示可能に構成し、各攻撃演出において遊技者が操作手段を操作しなかった場合、或いは、操作手段を操作したにも関わらず予め決定されている残敵数よりも多い数の敵数が表示された場合には、実際に表示されている残敵数を追加攻撃によって減算させる追加攻撃演出を実行可能としている。
また、追加攻撃演出が実行された場合において、予め決定されている残敵数まで敵数を減少させる第1攻撃演出と、実際に表示されている残敵数と、予め決定されている残敵数との範囲内であって、特定の残敵数まで敵数を減少させる第2攻撃演出と、を実行可能に構成している。このように構成することで、追加攻撃演出の演出結果が常に予め決定されている残敵数となることを抑制することができる。
さらに、本第32制御例では、全ての敵を討伐した場合(残敵数が0体となった場合)以外にも、討伐演出中に残敵数が特定数(例えば、「111」等のぞろ目)で表示されることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを討伐演出が終了するよりも前に報知可能に構成している。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態をいち早く察知したい遊技者に対して、討伐演出の演出内容(各攻撃演出の演出結果)を注視させ易くすることができ、演出効果を高めることができる。
加えて、本第32制御例では、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを討伐演出が終了するよりも前に報知可能な残敵数の特定数として、大当たり当選を示すための第3図柄種別(大当たり図柄の種類)に関わらず共通の共通特定数に加え、大当たり当選を示すための第3図柄種別(大当たり図柄の種別)に対応させた固有特定数を設定可能に構成している。
このように固有特定数を設定可能に構成することで、大当たり当選した際に表示された第3図柄の種別に応じて、討伐演出中に表示されることを期待する残敵数を異ならせることができ、遊技者が討伐演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第32制御例では、上述した第2攻撃演出の演出結果として、特定数の残敵数を決定可能に構成している。つまり、1回の攻撃演出において予め決定されている残敵数まで表示されている残敵数を減少させるのでは無く、1回の攻撃演出において予め決定されている残敵数まで表示されている残敵数を減少させなかった場合であって、表示されている残敵数と、予め決定されている残敵数との範囲内に特定数が含まれており、且つ、特定数の敵残数を表示させるための表示条件が成立した場合に、第2攻撃演出の演出結果として、特定数の残敵数が表示されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、各攻撃演出にて操作手段(演出ボタン22a)を操作するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。
また、攻撃演出が開始される時点で表示されている残敵数を把握し、今回の攻撃演出にて減少させることが可能な残敵数(予め決定されている残敵数)を予測することで、今回の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に特定数が含まれているかを予測し、その予測結果に基づいて、各攻撃演出にて操作手段(演出ボタン22a)を操作するか否かを選択させることができるため、演出効果を高めることができる。
加えて、特定数となる残敵数として、共通特定数に加え固有特定数を設定可能にすることで、今回の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に特定数が含まれているかを遊技者に予測させ難くすることができるため、各攻撃演出にて操作手段(演出ボタン22a)を操作するか否かの選択結果が単調になってしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例では、大当たり当選を示すための第3図柄種別(大当たり図柄の種別)に対応させた固有特定数として、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字(例えば「444」の第3図柄が停止表示された場合には、「4」)が少なくとも含まれている残敵数の一部を設定可能に構成している。そして、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字の数が多い程、固有特定数として設定され易くなるように構成している。具体的には、「444」の第3図柄が停止表示されたことに基づいて実行される大当たり遊技中の討伐演出では、固有特定数として「444」が最も設定され易く、次いで、下二桁が「44」となる残敵数、「4」の数字を2つ有する残敵数、下一桁が「4」となる残敵数の順に、固有特定数が設定され難く構成されている。このように構成することで、遊技者に対して固有特定数としてどの残敵数が設定されたのかを予測する楽しみを提供することができる。
また、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字を含む複数種類の残敵数の何れかが表示された場合に、表示された残敵数が固有特定数であることに期待させることができるため、遊技者に対して飽きること無く討伐演出を実行することができる。
なお、本第32制御例では、固有特定数を抽選で決定可能に構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字に対応させて、固有特定数を予め決定しておくように構成しても良い。また、固有特定数を1個のみ決定しても良いし、3個以上決定しても良い。
加えて、討伐演出が実行されている間に、今回設定されている固有特定数を遊技者に予測させ易くするための情報を含む固有特定数示唆演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選を示すための第3図柄に付された数字を含む残敵数が表示される毎に、無用に固有特定数であると遊技者に期待させてしまうことを抑制することができる。
まずは、図934から図937を参照して、大当たり遊技中に実行される演出内容について説明をする。図934(a)は、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための演出として討伐演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。ここで、討伐演出とは、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の一部であって、所定数の敵を味方キャラが討伐していく演出であり、演出結果として敵数が0体となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に有利な時短状態が設定されることを報知し、演出結果として敵数が0体以外(例えば、12体)となった場合に、実行中の大当たり遊技が終了した後に遊技者に不利な通常状態が設定されることを報知するものである。
具体的には、大当たり遊技の最初のラウンド遊技(1ラウンド目)にて、今回の討伐演出における敵数が表示され、大当たり遊技が終了するまでに実行される以降のラウンド遊技(2ラウンド目~6ラウンド目)毎に、敵を倒す攻撃演出が実行され、最後の攻撃演出が終了した後に表示される敵数が今回の討伐演出の演出結果として表示される。
図934(a)は、大当たり遊技の1ラウンド目を示す表示画面であって、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの右上には、第1特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が表示される表示領域Dm1に、大当たり当選を示すための第3図柄の停止表示態様として「444」が停止表示されている。なお、図934(a)では、大当たり遊技中の表示画面を示すために、表示領域Dm1に遊技者が識別可能な態様で第3図柄を停止表示させているが、これに限ること無く、遊技者が識別困難な態様で第3図柄を停止表示させても良いし、大当たり遊技中において第3図柄を停止表示させないように構成しても良い。さらに、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(第3図柄)に代えて、大当たり当選したことを示すための識別情報(特殊図柄)として、「V」を模した特殊図柄を主表示領域Dm1に停止表示させるように構成しても良い。
また、主表示領域Dmの左上側には、遊技者に遊技方法を案内するための案内表示態様が表示される表示領域Dm4が形成され、大当たり遊技中に遊技者が実行すべき遊技方法を案内するための表示態様として右打ち遊技を案内するための「右打ち」の文字が表示されている。また、表示領域Dm4の下方には、大当たり遊技の進行状況を遊技者に報知するための大当たり遊技状況表示態様として、実行中のラウンド遊技数を示す「ラウンド1」が表示されている。
主表示領域Dmの右下側には、遊技者に有利な遊技状態が継続している期間において獲得した賞球数の合計値に対応する情報を示すためのポイント表示態様が表示される表示領域Dm6が形成される。図934(a)は、通常状態において大当たり当選(初当たり当選)したことに基づいて実行される大当たり遊技の1ラウンド目の表示画面を示しており、表示領域Dm6には、今回の大当たり遊技中に既に獲得した賞球数に対応する情報として「33P」が表示されている。つまり、本第32制御例では、大当たり遊技が実行された場合に第1可変入賞装置65が開閉動作され、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aへと遊技球が入球した場合に11個の賞球が払い出されるように構成しており、図934(a)は、1ラウンド目のラウンド遊技にて3個の遊技球を特定入賞口65aへと入賞させ、合計で33個の賞球が払い出された時点における表示画面を示している。
そして、主表示領域Dmの中央部には、今回の討伐演出において討伐対象となる敵の総数を表示するための表示領域HR1が形成され、「残り500体」の文字が表示される。つまり、今回の討伐演出の演出態様が500体の敵を討伐する演出態様であることが報知される。
ここで、本第32制御例では、討伐演出における敵の総数として異なる値を決定可能に構成しており、具体的には、「1000体」,「500体」,「777体」の何れかが決定されるように構成しており、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合の方が、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合よりも「1000体」が決定され易くなるように構成し、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合の方が、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合よりも「500体」が決定され易くなるように構成している。また、敵の総数「777体」は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合にのみ決定されるように構成している。
このように構成することで、討伐演出が開始された直後(大当たり遊技の1ラウンド目)にて表示領域HR1に表示される敵の総数を把握することで、討伐演出の演出結果が表示されるよりも前に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができる。さらに、敵の総数「777体」が表示された場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを、討伐演出が開始された時点で遊技者に把握させることが可能となる。よって、討伐演出が実行されている演出期間において、様々なタイミングにて時短状態が設定されることを報知することができるため、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態をいち早く把握したい遊技者に対して討伐演出が実行されている演出期間の間、継続して演出を注視させることができる。
また、主表示領域の右上側には、演出ボタン22aを模した複数のボタンアイコンPu1~Pu5が表示される表示領域Dm7が形成される。この表示領域Dm7には、今回の討伐演出にて敵の総数を減少させるための攻撃演出が実行される回数と、1回の攻撃演出において減少させる敵の数(討伐数)を示唆する情報と、に基づいて決定された表示態様で複数のボタンアイコンPu1~Pu5が表示される。
図934(a)に示した例では、左から順に第1ボタンアイコンPu1、第2ボタンアイコンPu2、第3ボタンアイコンPu3、第4ボタンアイコンPu4、第5ボタンアイコンPu5が表示されており、今回の討伐演出では演出ボタン22aを用いた攻撃演出が5回実行されることを遊技者に報知している。また、第1ボタンアイコンPu1、第3ボタンアイコンPu3、第4ボタンアイコンPu4、第5ボタンアイコンPu5が、通常の攻撃演出が実行されることを示唆する通常表示態様で表示され、第2ボタンアイコンPu2が、強攻撃演出が実行されることを示唆する強表示態様(図では、通常よりも厚みを持たせた表示態様で表示)で表示されている。
このように構成することで、討伐演出が実行されてから1回目の攻撃演出が実行されるまでの間に、今回の討伐演出にて実行される攻撃演出の回数と、各攻撃演出の演出内容と、を遊技者に予測させ易くすることができるため、分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本第32制御例では、1回目の攻撃演出にて第1ボタンアイコンPu1に対応する攻撃演出が、2回目の攻撃演出にて第2ボタンアイコンPu2に対応する攻撃演出が、3回目の攻撃演出にて第3ボタンアイコンPu3に対応する攻撃演出が、4回目の攻撃演出にて第4ボタンアイコンPu4に対応する攻撃演出が、5回目の攻撃演出にて第5ボタンアイコンPu5に対応する攻撃演出が実行されるように構成している。つまり、表示領域Dm7に表示されている複数のボタンアイコンは、討伐演出にて実行される攻撃演出の回数だけで無く、各攻撃演出における演出態様も示唆可能に構成している。このように構成することで、討伐演出における何回目の攻撃演出が残敵数を大きく減少させる演出結果となるかを遊技者に事前に予測させることができるため、各攻撃演出の演出結果(残敵数)と、表示領域Dm7に表示されている残りのボタンアイコンの表示態様と、を把握しながら敵の残数が固有特定数や共通特定数へと可変することを期待させることができる。
また、副表示領域Dsには、討伐演出の演出内容を遊技者に案内するための案内表示態様として「敵を全て倒すとラッシュ突入!!」の文字が表示されている。このように構成することで、討伐演出が実行された場合に、残り500体と表示された値が0体になることで何らかの特典が付与されると遊技者が把握し易くなるため、討伐演出の実行中において残敵数が減少していく過程を楽しませることができる。
討伐演出における1回目の攻撃演出が実行されると、図934(b)に示した表示画面が表示される。図934(b)は、討伐演出における1回目の攻撃演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。本第32制御例では、上述した通り、大当たり遊技の2ラウンド目~6ラウンド目にかけて討伐演出における攻撃演出が実行されるように構成しており、1回目の攻撃演出は2ラウンド目に実行されるため、図934(b)に示した通り、表示領域Dm5には、2ラウンド目のラウンド遊技中を示す「ラウンド2」が表示されている。
そして、討伐演出開始時には主表示領域Dmの中央部に形成されていた表示領域HR1が表示領域Dmの中央上方側に縮小形成され、代わりに、主表示領域Dmの中央部には、遊技者に対して演出ボタン22aの押下を促す表示態様として、第1ボタンアイコンPu1と、押下方向を示す表示態様(図では下向きの矢印で表示)と、1回目の攻撃演出における演出ボタン22aの操作が有効に判別される期間(SW有効期間)を示す表示態様として、タイムゲージga1と、が表示されている。
本第32制御例では、1回の攻撃演出に対応するSW有効期間として3秒間が設定されるように構成しており、タイムゲージga1の表示態様は、残期間を示すための残期間表示ga1aと、経過期間を示すための経過期間表示ga1bとから形成されており、SW有効期間が設定されてから期間が経過する毎に、経過期間表示ga1bが占める割合が増加し、残期間表示ga1aが占める割合が減少するように、タイムゲージga1の表示態様が可変するように構成している。なお、図934(b)に示した例では、SW有効期間が設定されてから1秒が経過した時点を示しており、タイムゲージga1全体で示すSW有効期間(3秒)に対して、経過期間表示ga1bが1秒分、残期間表示ga1aが2秒分の範囲を示している状態が表示されている。
このように構成することで、SW有効期間が経過するまでの残期間を遊技者に視覚的に把握させることができるため、攻撃演出中に遊技者が演出ボタン22aへの操作を忘れてしまうことを抑制することができる。
さらに、今回の攻撃演出にて実行される演出内容を示唆するための表示態様としてウサギを模したキャラクタ801aが表示されている。本第32制御例では、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下したことに基づいて実行される残敵数を減少させる演出に用いられる味方キャラを示すための表示態様を、遊技者が演出ボタン22aを押下するよりも前(SW有効期間が設定された後)に第3図柄表示装置の表示画面に表示するように構成している。
そして、攻撃演出では、味方キャラの種別と、実行される攻撃種別とに応じて減少させることが可能な残敵数の範囲を異ならせるように構成している。具体的には、味方キャラの種別として、ウサギを模したキャラクタ801a(図934(b)参照)と、キャラクタ801aよりも高い攻撃力を有する勇者を模したキャラクタ801b(図935(a)参照)と、を設定可能に構成しており、各キャラクタが通常攻撃と、その通常攻撃よりも敵数を多く減少させ易い強攻撃とを実行可能に構成している。よって、キャラクタ801aによる通常攻撃が最も残敵数を減少させ難い組合せの攻撃演出となり、キャラクタ801bによる強攻撃が最も残敵数を減少させ易い組合せの攻撃演出となる。
このように、1回の攻撃演出にて減少させることが可能な残敵数の範囲を、攻撃演出の演出態様を形成する複数の構成要素の少なくとも一部を事前に遊技者に報知可能に構成することで、遊技者に対して、今回実行される攻撃演出の演出結果を予測させ易くすることができる。
なお、本第32制御例では、攻撃演出に用いられる味方キャラの種別を2種類有しているが、味方キャラの種別を1種類にしても良いし、3種類以上としても良い。また、味方キャラが実行可能な攻撃の種類を、3種類以上にしても良いし、味方キャラの種別に応じて実行される攻撃の種類を異ならせても良い。このように構成することで、攻撃演出に用いられる味方キャラの種別としてどの種別が選択されるかについてより興味を持たせることができる。
攻撃演出中に表示される第1ボタンアイコンPu1は、討伐演出開始時に表示領域Dm7に表示されていた第1ボタンアイコンPu1と同一の表示態様で表示されるように構成している。具体的には、攻撃演出が開始された場合に、表示領域Dm7に表示されている第1ボタンアイコンPu1が拡大しながら主表示領域Dmの中央部へと移動していくボタンアイコン移動演出が実行される。このように構成することで、討伐演出の開始時に表示領域Dm7に表示された各ボタンアイコンを実際に用いて攻撃演出が実行される演出を創出することができるため、討伐演出開始時に表示領域Dm7に表示される表示態様に対して遊技者に興味を持たせることができる。
そして、第1ボタンアイコンPu1が攻撃演出に用いられたため、表示領域Dm7には、未使用の第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5のみが表示され、過去に第1ボタンアイコンPu1が表示されていた領域には、攻撃演出に用いられたことを示すための表示態様(図では「-」で表示)が表示されている。
このように構成することで、表示領域Dm7に表示されている各ボタンアイコンを確認することで、討伐演出中に既に実行された攻撃演出の回数と、残りの攻撃演出の回数と、を容易に把握することができる。
図934(b)に示した状態で遊技者が演出ボタン22aを押下すると、キャラクタ801aが敵を攻撃する演出が実行され、攻撃後の残敵数が表示される。次に、図935(a)を参照して、1回目の攻撃演出が実行された2ラウンド目のラウンド遊技が終了した後のインターバル期間中の演出内容について説明をする。図935(a)は、2ラウンド目終了後のインターバル中に表示される表示画面の一例を示した図である。2ラウンド目~6ラウンド目のラウンド遊技間に設定されるインターバル期間では、前のラウンド遊技にて実行された攻撃演出の演出結果(残敵数)を示す表示態様と、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示す表示態様と、が表示される。
本第32制御例では、インターバル期間として1.5秒間が設定されるように構成しており、前のラウンド遊技にて実行される攻撃演出中(SW有効期間中)に演出ボタン22aが押下されなかった場合には、インターバル期間を用いて、前のラウンド遊技にて実行された攻撃演出の演出結果(残敵数)が表示される。一方で、前のラウンド遊技にて実行される攻撃演出中(SW有効期間中)に演出ボタン22aを押下した場合には、演出ボタン22aを押下した直後に、味方キャラが攻撃を行う演出が実行された後に今回の攻撃演出の演出結果(残敵数)が表示されたままインターバル期間に移行し、攻撃演出の演出結果(残敵数)を表示したまま、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示す表示態様と、が表示される。
より詳細に説明をすると、本第32制御例では大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の終了条件として第1可変入賞装置65へと10個の遊技球が入賞した場合に成立する第1終了条件と、ラウンド遊技が開始されてから第1終了条件が成立すること無く30秒が経過した場合に成立する第2終了条件と、を有している。ここで、本第32制御例におけるパチンコ機10は、図925を参照して上述した通り、大当たり遊技中は右打ち遊技が実行され、右打ち遊技によって発射された遊技球の殆どが第1可変入賞装置65に到達するように遊技盤13を構成している。
本パチンコ機10は、1分(60秒)間で100個の遊技球を発射可能に構成していることから、大当たり遊技中に継続して遊技球は発射した場合には、ラウンド遊技が開始されてから約6秒で第1終了条件が成立しラウンド遊技が終了する。そして、ラウンド遊技中に実行されるラウンド遊技演出としては、ラウンド遊技が開始されてから3秒後に3秒間のSW有効時間が設定される攻撃演出が実行されるように構成している。
つまり、ラウンド遊技中に実行される攻撃演出におけるSW有効時間の長さ(3秒)が、通常に遊技した場合において継続するラウンド遊技期間の長さ(約6秒)よりも短くなるように構成している。このように構成することで、ラウンド遊技中において効率良く遊技球が第1可変入賞装置65へと入賞する場合であっても、SW有効時間が設定されている際中にラウンド遊技が終了してしまうことを抑制することができるため、SW有効時間内に演出ボタン22aを操作しようとする遊技者に対して、演出ボタン22aを操作する前にラウンド遊技が終了してしまい演出ボタン22aを操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例では、ラウンド遊技中に設定されるSW有効時間を、通常の遊技が実行されている場合に継続し得るラウンド遊技期間(約6秒)よりも短くなるように予め規定しておき、ラウンド遊技期間(約6秒)が経過するよりも前にSW有効時間が経過するように攻撃演出を実行することで、SW有効時間内に演出ボタン22aを操作しようとする遊技者に対して、演出ボタン22aを操作する前にラウンド遊技が終了してしまい演出ボタン22aを操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制しているが、これに限ること無く、例えば、ラウンド遊技中に設定されるSW有効時間の長さを、ラウンド遊技中に第1可変入賞装置65へと入賞した遊技球の個数に応じて可変させるように構成しても良い。
具体的には、ラウンド遊技中に設定されるSW有効時間として、経過時間に基づいてラウンド遊技を終了させる第2終了条件(30秒経過)が成立する期間と同一の長さ(30秒)を設定し、その後、ラウンド遊技中に第1可変入賞装置65へと遊技球が1個入賞する毎に、SW有効時間の残期間が3秒減算されるように構成する。このように構成することで、ラウンド遊技が終了するまでに、確実にSW有効時間を終了させることができる。また、ラウンド遊技中において、遊技球の発射を中断し、演出ボタン22aへの操作を実行しようとする遊技者に対しては、長時間(最大で30秒)のSW有効時間を提供することができるため、SW有効時間内に演出ボタン22aを操作しようとする遊技者に対して、演出ボタン22aを操作する前にSW有効時間が経過してしまい演出ボタン22aを操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
図935(a)に戻り、説明を続ける。図935(a)に示した通り、2ラウンド目終了後のインターバル期間では、2ラウンド目にて実行された攻撃演出(図934(b)参照)の演出結果として表示領域HR1に「残り385体」が表示されている。また、3ラウンド目にて実行される攻撃演出の内容を示唆するための表示態様として、主表示領域Dmの左側に勇者を模したキャラクタ801bが表示されており、表示領域Dm7には、次の攻撃演出に対応する第2ボタンアイコンPu2が強表示態様で表示されている。そして、副表示領域Dsには、今回の討伐演出における攻撃演出の残回数と、次の攻撃演出が敵の残数を大きく減少させる攻撃演出であることを案内するための表示態様として「残り4回!!次は大量討伐のチャンス!!」のコメントが表示されている。
よって、図935(a)に示した表示画面を目視した遊技者は、3ラウンド目に実行される攻撃演出にて、敵の残数が大きく減少することを事前に把握することができるため、敵の残数が0体になることを期待しながら3ラウンド目の攻撃演出を楽しませることができる。
なお、本第32制御例では、図935(a)に示した通り、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を3つの表示要素(表示領域Dm7の表示態様、キャラクタ801bの表示、副表示領域Dsのコメント)によって遊技者に示唆可能に構成している。この各表示要素は、全てのインターバル期間において表示するものでは無く、少なくとも1の表示要素を用いて次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示唆可能に構成しても良い。
この場合、上述した3つの表示要素のうち、用いられた表示要素の数が多いほど、次の攻撃演出が敵の残数を大きく減少させる攻撃演出である可能性を高くしたり、3つの表示要素が示唆する攻撃演出の内容に矛盾が発生している場合に次の攻撃演出が敵の残数を大きく減少させる攻撃演出である可能性を高くしたりするように構成すると良い。このように構成することで、インターバル期間にて表示される各種表示態様に対しても遊技者に興味を持たせることができ演出効果を高めることができる。
さらに、本第32制御例では、上述した3つの表示要素のうち、表示態様Dm7のみ事前に表示し、残りの2つの表示要素をインターバル期間が設定され、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出内容を示す表示態様が表示されるタイミングにて同時に表示するように構成しているが、これに限ること無く、次のラウンド遊技にて実行される攻撃演出に用いられるキャラクタを示唆する表示態様(第1表示要素)の表示タイミングと、副表示領域Dsのコメント表示(第2表示要素)の表示タイミングと、を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、各表示要素のうち、遊技者に有利な表示態様が決定された表示要素を後に表示するように各表示要素の表示タイミングを設定可能に構成すると良い。このように構成することで、インターバル期間中に表示される表示内容を遊技者が注視する期間を長くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、各表示要素のうち、遊技者に有利な表示態様が決定された表示要素を先に表示するように各表示要素の表示タイミングを設定可能に構成しても良い。このように構成することで、先に表示された表示要素が遊技者に有利な表示態様である場合に、2つの表示要素が何れも遊技者に有利な表示態様である可能性を残すことができるため、後に表示される表示要素に対して遊技者を注視させることができる。
なお、本第32制御例では、各攻撃演出にて用いられるボタンアイコンの種別(強表示態様、通常表示態様)を、討伐演出が開始される時点で事前に遊技者に表示する(図934(a)参照)ように構成しているが、これに限ること無く、例えば、討伐演出が開始される時点では、今回の討伐演出にて実行される攻撃演出の回数に対応させた数のボタンアイコンとして、第1ボタンアイコンPu1のみ1回目の攻撃演出の演出内容に応じて種別を決定し、残りの第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5を通常表示態様で表示させておき、討伐演出が開始される時点では、今回の討伐演出にて実行される攻撃演出の回数と、1回目の攻撃演出の演出内容のみを遊技者に報知する表示態様を表示し、2ラウンド目以降のインターバル期間にて第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5の表示態様を、対応する攻撃演出の演出内容に応じて可変表示させるように構成しても良い。
このように構成した場合には、インターバル期間中に表示される各表示要素の表示タイミングを決定する処理において、上述した第1表示要素、第2表示要素に加え、可変させたボタンアイコンの表示態様(第3表示要素)の表示タイミングも含めて表示タイミングを決定するように構成すると良い。
また、2ラウンド目以降のインターバル期間にて第2ボタンアイコンPu2~第5ボタンアイコンPu5の表示態様を可変させる構成を用いた場合には、討伐演出にて実行される各攻撃演出の演出内容を、討伐演出が開始されるまでに予め決定しておくのでは無く、インターバル期間中に決定するように構成しても良いし、討伐演出の開始時に予め決定しておいた攻撃演出の内容を、前に実行された攻撃演出の演出結果(演出ボタン22aの操作状況)に応じて、可変させるように構成しても良い。
このように、討伐演出が実行されている際中に残りの攻撃演出の演出内容(減少させる残敵数)を可変させるように構成したとしても、可変後の攻撃演出の演出内容に応じた表示態様でボタンアイコンを表示させることができるため、遊技者に違和感を与える演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
そして、討伐演出にて実行される最後の攻撃演出(6ラウンド目の攻撃演出)にて、敵を全て討伐した場合には、図935(b)に示した表示画面が表示される。図935(b)は、討伐演出にて敵を全て討伐した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図935(b)に示した通り、表示領域HR1に表示される敵残数を示す表示態様として「残り0体」が表示され、攻撃演出にて用いられたキャラクタ801a、及びキャラクタ801bが祝福する演出態様が主表示領域Dmに表示される。また、表示領域Dm7には、今回の討伐演出にて実行された攻撃演出の回数を把握可能な表示態様として、消費済アイコン(図では「-」で表示)が、攻撃演出が実行された回数に対応させて5個表示されている。
副表示領域Dsには、今回の討伐演出が遊技者に有利な演出結果であることを案内するための案内表示態様として「討伐完了!!ラッシュ突入!!」の文字が表示されている。このように構成することで、討伐演出の演出結果が遊技者に有利な成功演出であることと、大当たり遊技の終了後に時短状態(ラッシュ)が設定されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、上述した討伐演出にて実行される攻撃演出中における演出ボタン22aに対する操作の有無に応じて表示される表示画面の表示内容について、図936、及び図937(a)を参照して説明をする。図936(a)は、図935(a)に表示したインターバル期間が経過した後に実行される3ラウンド目の攻撃演出中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図936(b)は、図936(a)に表示した攻撃演出のSW有効時間内に遊技者が演出ボタン22aを操作(押下)した場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図937(a)は、図936(a)に表示した攻撃演出のSW有効時間内に遊技者が演出ボタン22aを操作(押下)しなかった場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
本第32制御例では、討伐演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを報知する演出結果)であることを示すために残敵数が共通特定数(0体)となる演出態様を決定可能に構成している。さらに、遊技者に有利な演出結果となる討伐演出において残敵数が共通特定数(0体)となるよりも前に、残敵数として固有特定数(例えば、333といったぞろ目や、大当たり図柄に対応した値)を表示することで、討伐演出の際中に今回の討伐演出の演出結果を遊技者に報知可能に構成している。
加えて、各攻撃演出における演出ボタン22aの操作状況(押下の有無)に応じて、各攻撃演出の演出結果を異ならせるように構成しており、例えば、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下した場合には、予め定められた各攻撃演出の演出結果(残敵数)を表示し、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下しなかった場合には、予め定められている演出結果(残敵数)よりも多い残敵数を表示可能に構成している。つまり、攻撃演出の演出結果を予め決定しておき、攻撃演出中に成立する条件に応じて予め定められている演出結果が示す残敵数を上限に複数の残敵数を表示可能に構成している。
このように構成することで、討伐演出にて実行される各攻撃演出にて減少させることが可能な敵の総数を予め規定しておくことで、討伐演出の演出期間中に偏って残敵数を減少させてしまうことを抑制すると共に、各攻撃演出にて減少させる残敵数にバリエーションを持たせることができる。
さらに、攻撃演出の演出結果として予め決定されている残敵数と、攻撃演出開始時に表示されている残敵数との間に、固有特定数が含まれている状態であって、当該攻撃演出中に遊技者が演出ボタン22aを操作(押下)しなかった場合に、残敵数を固有特定数とする追加攻撃演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、攻撃演出中に演出ボタン22aを操作するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。
また、上述した通り、固有特定数は大当たり図柄に含まれる数字に応じて決定されるように構成しており、遊技者に対して固有特定数として決定された残敵数を報知しないように構成しているため、攻撃演出が実行される毎に、今回の攻撃演出にて減少される残敵数の範囲内に固有特定数が含まれているか否かを予測する楽しみを提供することができる。
加えて、次に実行される攻撃演出にて減少させる残敵数の大小を遊技者に報知することで、実行される攻撃演出中に減少される残敵数を予測するためのヒントを提供可能に構成しているため、今回の攻撃演出にて減少される残敵数の範囲を予測させ易くすることができる。
図936(a)に示した通り、3ラウンド目の攻撃演出が実行されると、2ラウンド目終了後のインターバル期間中の表示画面(図935(b)参照)に表示されたキャラクタ801bが主表示領域Dmに表示され、主表示領域Dmの中央部には、強表示態様の第2ボタンアイコンPu2が表示され、今回の攻撃演出にて設定されたSW有効時間を示すためのタイムゲージga1が表示される。このタイムゲージga1は、図934(b)にて示したタイムゲージga1と同様に、3秒間のSW有効時間の経過時間を示すように残期間表示ga1aと、経過期間表示ga1bとで表示される。
また、3ラウンド目の攻撃演出は第2ボタンアイコンPu2を用いた攻撃演出が実行されるため、表示領域Dm7には第3ボタンアイコンPu3~第5ボタンアイコンPu5が表示されており、表示領域HR1には、2ラウンド目の攻撃演出の演出結果である残敵数を示す「残り385体」が表示されている。このように、遊技者に対して演出ボタン22aを操作させる期間(攻撃演出のSW有効時間内)にて、今回の攻撃演出によって減少させることが可能な残敵数を示唆するボタンアイコンの表示態様と、現在の残敵数と、を表示することで、遊技者に対して、実行中の攻撃演出に対して演出ボタン22aを操作するか否かを決定させ易くすることができる。
3ラウンド目の攻撃演出中に演出ボタン22aを押下した場合には、図936(b)に示した表示画面が表示される。図936(b)は、3ラウンド目の攻撃演出中に演出ボタン22aを操作(押下)した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図936(b)に示した通り、攻撃演出中に演出ボタン22aを操作(押下)すると、ラウンド遊技の終了を待つこと無く、味方キャラ801bが攻撃アクションを実行する演出が実行され、その後、今回の攻撃演出の演出結果を示すための表示態様として表示領域HR1に「残り99体」の文字が表示される。
つまり、図936(b)に示した例では、討伐演出の演出態様として、敵の総数「500体」が決定され、さらに、3ラウンドに実行される攻撃演出(2回目の攻撃演出)の演出結果として、「残り99体」が予め決定されており、2回目の攻撃演出によって予め決定されている残敵数まで残敵数を減少させた演出結果が表示されている。残敵数を示す表示領域HR1は、表示されている残敵数の数に応じて表示態様(背景)が可変設定されるように構成しており、図936(b)では、敵の残り数(残敵数)が100体以下となったことを示すための表示態様(ヒビ割れ背景)が表示されている。そして、副表示領域Dsには、残敵数が100体以下であることを遊技者に報知するための案内表示態様として「あと少しだ!!」の文字が表示される。
なお、本第32制御例では、残敵数が表示される表示領域の表示態様を、残敵数に応じて可変可能に構成しているが、表示態様を可変させる条件として残敵数以外の条件を設定しても良く、討伐演出の総敵数(最初に表示領域HR1に表示される残敵数)に対する現在の残敵数が占める割合が所定割合以下となった場合(例えば、1000体の敵を討伐する討伐演出にて、残敵数が100体(総敵数の一割以下))となった場合)に、表示態様を可変させる条件が成立するように構成しても良い。
このように構成することで、残敵数では無く、討伐演出の総敵数に対する敵数の減少度合いによって表示領域HR1の表示態様を可変させることができるため、討伐演出にてどの程度敵を討伐したかを遊技者に把握させ易くすることができる。
次に、3ラウンド目の攻撃演出中に演出ボタン22aを押下しなかった場合には、図937(a)に示した表示画面が表示される。図937(a)は、図936(a)に示した状態から、演出ボタン22aを操作すること無く3ラウンド目が終了した場合における3ラウンド目終了後のインターバル期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図936(a)に示した状態(残敵数「385体」の状態)で、演出ボタン22aを操作すること無くSW有効時間が経過すると、タイムゲージga1の残期間表示ga1aが減少し、SW有効時間が終了する。その状態で3ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、3ラウンド目のラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間へと移行し、演出ボタン22aが操作されなかった場合に実行される追加攻撃演出を実行し、追加攻撃演出の演出結果として、表示領域HR1に「残り333体」が表示される。
つまり、図937(a)に示した図は、今回の大当たり遊技は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり遊技であり、成功演出が実行される討伐演出の固有特定数として「333」が設定されている討伐演出が実行されている場合における表示画面の一例を示した図である。
そして、3ラウンド目に実行される攻撃演出の演出結果として、残敵数「99体」が決定されており、遊技者が演出ボタン22aを操作した場合には、図936(b)に示した通り、残敵数が「385体」から「99体」まで減少する演出結果が表示される。一方、遊技者が演出ボタン22aを操作しなかった場合には、残敵数を「385体」から所定数減少させるための追加攻撃演出が実行される。この追加攻撃演出が実行される条件が成立した場合には、専用の抽選によって追加攻撃演出の演出態様(演出結果)が決定されるように構成している。
具体的には、演出ボタン22aを操作すること無くSW有効時間が経過した場合に、追加攻撃演出の実行条件が成立し、現時点の残敵数(例えば、「385体」)と、攻撃演出の演出結果として予め決定されていた残敵数(例えば、「99体」)と、の間に、今回の討伐演出にて決定された固有特定数(例えば、「333体」)が含まれているかを判別し、固有特定数が含まれていないと判別した場合には、70%の割合で攻撃演出の演出結果として予め決定されていた残敵数(例えば、「99体」)まで減少させる演出態様が決定され、20%の割合で下一桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第1擬似残敵数(例えば、「104体」)まで減少させる演出態様が決定され、10%の割合で下二桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第2擬似残敵数(例えば、「144体」)まで減少させる演出態様が決定される。
一方、固有特定数が含まれていると判別した場合には、40%の割合で攻撃演出の演出結果として予め決定されていた残敵数(例えば、「99体」)まで減少させる演出態様が決定され、30%の割合で固有特定数(例えば、「333体」)まで減少させる演出態様が決定され、10%の割合で下一桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第1擬似残敵数(例えば、「104体」)まで減少させる演出態様が決定され、20%の割合で下二桁が大当たり図柄の数(例えば、「4」)となる第2擬似残敵数(例えば、「144体」)まで減少させる演出態様が決定される。
そして、決定された演出態様に応じた追加攻撃演出が実行される。このように構成することで、攻撃演出中に演出ボタン22aを操作した場合と、しなかった場合とで1の攻撃演出の演出結果を異ならせることができるため、攻撃演出のバリエーションを増加させることができる。また、残敵数の減少範囲内に固有特定数が含まれていない場合であっても、大当たり図柄に含まれる数字に関連する残敵数(擬似残敵数)へと敵の数を減少させ易くしているため、遊技者に対して、追加攻撃演出の演出結果が固有特定数であると思わせ易くすることができる。
さらに、残敵数の減少範囲内に固有特定数が含まれている場合、即ち、実行中の討伐演出が成功演出となる討伐演出(時短状態が設定される大当たり遊技中に実行される討伐演出)である場合には、残敵数の減少範囲内に固有特定数が含まれていない場合と比べて、擬似残敵数が決定され易くなるように構成している。よって、固有特定数へと残敵数を減少させることが出来なかった場合であっても、1の討伐演出において、追加攻撃演出が複数回実行されるように遊技を行い、擬似残敵数が複数回表示されることにより、今回の討伐演出が成功演出となる討伐演出であることを遊技者に予測させることが可能となる。
また、図937(a)に示した通り、表示領域HR1に固有特定数(「333体」)の残敵数が表示された場合、即ち、残敵数が「0体」となるよりも前に遊技者に対して成功演出(時短状態が設定されることを報知する討伐演出)が実行されることが報知された場合は、表示領域HR1の表示態様が通常とは異なる表示態様(図では輝いている態様で表示)で表示され、表示領域Dm7に表示されるボタンアイコン(第3ボタンアイコンPu3~第5ボタンアイコンPu5)が、最終的に残敵数が「0体」となるように残りの攻撃演出が実行される旨を示すための特殊表示態様(図では輝いている態様で表示)で表示される。
本第32制御例では、討伐演出の途中段階で残敵数として固有特定数が表示された場合であっても、残りの攻撃演出を予め決定した内容に従って実行するように構成している。つまり、固有特定数が表示された後も残敵数が0体になるまで残敵数を減少させる攻撃演出が実行される。よって、一度固有特定数の残敵数が表示された場合であっても、討伐演出が進行した場合に、表示領域HR1には固有特定数とは異なる残敵数が表示されることになる。よって、固有特定数が表示されたことを報知するための表示態様で表示領域Dm7に表示されるボタンアイコンの表示態様や、表示領域HR1の表示態様を表示可能に構成することで、討伐演出の途中段階にて残敵数として固有特定数が表示されたことを討伐演出の残期間に渡って継続して遊技者に把握させ易くすることができる。
本第32制御例では、上述した通り、討伐演出の途中段階で残敵数として固有特定数が表示された場合であっても、残りの攻撃演出を予め決定した内容に従って実行するように構成することで、討伐演出を実行するための制御処理の負荷が増大してしまうことを抑制している。つまり、既に、成功演出が実行されていることを遊技者が把握している状態では、各攻撃演出における残敵数の減少度合いに対する遊技者の興味が低くなることから、固有特定数が表示された後に実行される攻撃演出の演出態様として専用の演出態様(例えば、各攻撃演出の演出結果として残敵数が全てぞろ目となる演出態様)を設定可能に構成したとしても演出効果を効果的に高めることが困難であるため、予め決定されている攻撃演出の演出態様をそのまま使用するように構成し、討伐演出を実行するための制御処理の負荷が過剰に増大してしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例にて用いた構成に限ること無く、討伐演出の途中段階で残敵数として固有特定数が表示された場合において、予め決定されている攻撃演出の演出態様に代えて、専用の演出態様を実行するように構成しても良く、例えば、残敵数として固有特定数が表示されている状態において次の攻撃演出が実行される場合には、討伐演出における攻撃演出の残回数に関わらず残敵数が「0体」となる攻撃演出を実行するように構成し、その後、討伐演出が終了するまでの残期間(確定後時間)を用いて、残りの攻撃演出を実行すること無く遊技者を祝福するための祝福演出を実行するように構成しても良いし、上述した確定後時間中に実行される攻撃演出を用いて遊技者に対して別の特典(例えば、保留連の有無)が付与されるか否かを報知可能な第2演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、成功演出となる討伐演出が実行される場合において、演出結果が表示されるまでの演出の進行状況(固有特定数の表示の有無)に応じて、遊技者に対して異なる特典を付与させることができるため、遊技者に対して、討伐演出が実行される期間中に演出ボタン22aを押下するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。
また、固有特定数が表示された後に実行される攻撃演出の演出態様として専用の演出態様(例えば、各攻撃演出の演出結果として残敵数が全てぞろ目となる演出態様)を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、表示領域HR1に表示される残敵数を把握するだけで、固有特定数が表示されたことを遊技者に分かり易く報知することができるため、表示領域HR1以外の表示領域(例えば、表示領域Dm7)に表示される表示要素(例えば、ボタンアイコン)の表示態様として専用の表示態様(例えば、輝いている態様)を表示するための表示データを用意する必要が無くなる。
図937(b)は、討伐演出における最後の攻撃演出において固有特定数が表示された場合における表示画面の一例を示した図である。本第32制御例では、成功演出となる討伐演出において、最後の攻撃演出の演出結果として残敵数「0体」では無く、固有特定数(例えば「44体」)が表示され、その後、追加攻撃演出によって残敵数を「0体」にする復活演出を実行可能に構成している。
つまり、今回実行される攻撃演出が討伐演出における最後の攻撃演出であることを遊技者に把握させた状態で、その最後の攻撃演出の演出結果として「0体」以外の残敵数を表示し、遊技者に対して失敗演出(大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないことを報知する演出)が実行されたと思わせた後に、復活演出を実行し残敵数を「0体」へと可変表示可能に構成している。このように構成することで、討伐演出が終了する最後まで遊技者に対して成功演出が実行されていることに期待を持たせることができる。
この場合、図937(b)に示した通り、6ラウンド目のラウンド遊技中に、最後の攻撃演出の演出結果を示すための表示態様として表示領域HR1に「残り44体」が表示される。図937(b)に示した例では、固有特定数として大当たり図柄に含まれる「4」の数字を用いた「44」が決定されており、表示領域HR1に表示されている「44体」が固有特定数となる。そして、主表示領域Dmには、復活演出に対応するキャラクタ801cが表示領域HR1を攻撃し、一旦表示された固有特定数をさらに減少させる復活演出(追加攻撃演出)が実行される。
この復活演出が終了すると、図935(b)に示した表示画面と同様に、成功演出を示すための表示態様として表示領域HR1に「残り0体」が表示され、遊技者に対して成功演出が実行されたことを報知する。なお、図示は省略したが、本第32制御例では、討伐演出の演出結果が失敗演出である場合において、最後の攻撃演出の演出結果として固有特定数以外の残敵数がランダムに決定されるのでは無く、大当たり図柄に含まれる数字を用いた擬似残敵数が決定され易くなるように構成している。
つまり、「444」で大当たり当選した場合における討伐演出では、失敗演出の演出結果を示すための表示画面(最後の攻撃演出の結果を示す表示画面)の表示領域HR1に「4」の数字が付された残敵数であって、固有特定数として決定されていない擬似残敵数(例えば、「14体」や「4体」等)が表示され易くなるように構成している。このように構成することで、失敗演出の演出結果が表示された場合において、復活演出が実行される可能性を残した状態で失敗演出の演出結果を表示することができる。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、初回大当たりの大当たり遊技中に実行される討伐演出の演出結果を用いて、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを事前に報知可能に構成していた。さらに、討伐演出の演出結果(最後の攻撃演出の演出結果)が表示されるよりも前に、討伐演出の演出結果を報知可能にすることで、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態をいち早く察知したい遊技者が討伐演出の演出結果だけで無く、討伐演出の演出過程(各攻撃演出の演出結果)についても興味を持ちやすくするように構成していた。
具体的には、各攻撃演出の演出結果として特定数(共通特定数、固有特定数)を表示することで、討伐演出の演出結果が、時短状態が設定されることを示すための演出結果(残敵数0表示)が表示されることを事前に報知可能に構成していた。
つまり、本第32制御例では、討伐演出として、特定数が表示される場合と、時短状態が設定されることを示すための演出結果(残敵数0表示)が表示される場合とで、同一の特典が付与されることを、報知タイミングを異ならせて報知可能に構成している。なお、特定数が表示される場合に遊技者に付与される特典の内容と、討伐演出の演出結果が表示された場合に遊技者に付与される内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、討伐演出の演出結果が表示されることで付与される特典として、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示す特典を設定し、特定数が表示される場合に付与される特典として、大当たり遊技終了後に直ぐに次の大当たり遊技が実行される(保留連する)ことを示す特典を付与するように構成しても良い。
このように構成することで、討伐演出によって、複数の特典を遊技者に付与することが可能となるため、遊技者に対して、討伐演出の演出結果だけで無く、その演出過程に対してもより注視させ易くすることができる。
次に、図938を参照して、時短状態(ラッシュ)中に実行される変動演出の演出内容について説明をする。本第32制御例のパチンコ機10は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しており、通常状態が設定されている場合よりも、時短状態が設定されている場合の方が、遊技者に有利な第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。
そして、第2特別図柄抽選は、高確率(1/2の確率)で小当たり当選するように規定されており、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に開放される第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと入賞した遊技球が特定領域を通過可能に構成され、特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当たり(V大当たり)遊技が実行されるように構成している。
また、本第32制御例のパチンコ機10では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として短時間(例えば、1秒)の変動時間を設定可能に構成し、1の大当たり遊技が終了してから次の大当たり遊技が実行されるまでの期間を短くすることで、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ易くするように構成している。
このように構成されたパチンコ機10では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出として、通常状態中に実行される変動演出、即ち、抽選結果を示すための第3図柄を少なくとも含む複数の図柄列(例えば、左列、中列、右列)に含まれる複数の図柄を変動表示させた後に、一部の図柄列(例えば、左列、右列)に含まれる第3図柄を、大当たり当選を示す組合せで停止表示させたリーチ状態を創出し、残りの図柄列(例えば、中列)にて変動表示されている第3図柄の停止表示態様を遊技者に予測させながら楽しませるリーチ演出を実行すること無く、時短状態中専用の変動演出を実行するように構成している。
つまり、上述したリーチ演出は、特別図柄変動が実行されている変動期間を用いて、大当たり当選への期待度を徐々に高めて行く変動演出であって、特別図柄抽選が頻繁に実行されることを防ぐために長めの変動時間(例えば、60秒)を設定した場合であっても、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるが、本第32制御例のパチンコ機10のように、時短状態中において短い変動時間(例えば、1秒)の特別図柄変動が実行され易く構成されている場合には、1回の特別図柄変動の変動時間を用いてリーチ演出を実行したとしても、リーチ状態を創出してから特別図柄抽選の結果を停止表示させるまでに費やす時間が短くなってしまい、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという問題があった。
そこで、本第32制御例におけるパチンコ機10では、時短状態が設定されているラッシュ期間において、時短状態中に実行可能な第2特別図柄変動の残回数(残特図2変動回数)をカウントダウンする演出を主に実行し、第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、カウントダウン表示される数字に代えて特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の表示態様を表示するように構成している。
このように構成することで、短い変動時間の特別図柄変動が連続して実行される時短状態において、時短状態が継続する期間を遊技者に分かり易く報知しながら、特別図柄抽選で当り当選したことを分かり易く報知することができる。
図938(a)は、時短状態(時短3回)が設定されてから、1回目の第2特別図柄変動が実行されている間に表示される表示画面の一例を示した図である。図938(a)に示した通り、時短状態中の演出モードであるラッシュ中は、キャラクタ801が攻撃をチャージしている演出が実行され、その前面側に残特図2変動回数を示すための表示態様として数字アイコン808が表示される。図938(a)に示した図では、1回目の第2特別図柄変動が実行されている状態であるため、実行中の第2特別図柄変動を含めて3回の第2特別図柄変動が実行されることを示す「3」の表示態様で数字アイコン808が表示されている。
また、主表示領域Dmの右側には、時短状態(ラッシュ)が継続している期間を示すための継続期間表示が表示される表示領域Dm8が形成され、時短状態(ラッシュ)期間の継続期間を示す表示態様として「00:02:44」の表示態様が表示されている。この「00:02:44」は、時短状態が設定されてから2秒が経過したことを示している。
具体的には、表示領域Dm8に表示される継続期間表示は、最大で99分59秒の期間を表示可能に構成している。なお、秒単位の時間が表示される領域(真ん中の2桁領域)の右側の領域(右側の2桁領域であって、図938(a)では「44」が表示されている領域)は、擬似経過時間表示領域として形成されており、最小で「00」から最大で「99」までの値を表示可能に構成している。そして、1秒が経過するまでの間に、最小値から最大値まで値を更新可能に構成し、最大値に到達した後は再度最小値が表示され繰り返し値が更新されるように構成している。
つまり、擬似経過時間表示領域は1/100秒単位で値が更新されているように見せる表示領域である。なお、表示領域Dm8に表示される継続期間表示の最大値(99分59秒)を超えて時短状態が継続した場合には、それ以上の継続期間の表示を行わず、時短状態が長時間継続したことを示すための祝福表示(例えば「エクセレント!!」の表示)が表示されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して特別感のある演出を提供することができる。
なお、本第32制御例では、時短状態が継続している期間(途中に実行される大当たり遊技、或いは、小当たり遊技の期間も含む)は、遊技の有無に関わらず、継続期間の表示を更新するように構成しているため、例えば、時短状態中に遊技を長時間中断した場合には、継続期間表示が最大値に到達し易くなる。そこで、上述した祝福表示を実行する条件として、継続期間表示が最大値に到達したことに加え、ラッシュ期間中に獲得した賞球数が所定数を超えた場合に成立する条件や、ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技回数、或いは、時短状態中に実行された特別図柄抽選回数が所定回数を超えた場合に成立する条件が成立することを祝福表示を実行する条件としても良い。
このように構成することで、ラッシュ期間中に多くの遊技(特別図柄抽選)を実行した遊技者のみ祝福表示を表示させることができるため、祝福表示が表示された遊技者の満足感を高めることができる。なお、この場合、祝福表示の実行条件が成立していない状態で継続期間表示が最大値に到達すると、最大値である継続期間表示を継続して表示するように構成し、最大値である継続期間表示が継続している状態で祝福表示の実行条件が成立した場合に、祝福表示を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、ラッシュ期間が長時間継続している遊技者に対して、祝福表示を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
副表示領域Dsには、ラッシュ期間(時短状態)中に実行される変動演出の演出内容を示すための案内表示態様として「カウントダウンが0になるまでに画面を破壊しろ」の文字が表示されている。このように構成することで、キャラクタ801が画面を攻撃して破壊した場合に特典(当たり)が付与されることを遊技者に分かり易く把握させることができる。
そして、ラッシュ期間中に実行された第2特別図柄抽選で当り当選した場合には、図938(b)に示した表示画面が表示される。図938(b)は、ラッシュ期間中に当たり当選した特別図柄変動が停止表示された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。当たり当選した第2特別図柄変動が実行されると、攻撃をチャージしていたキャラクタ801が画面を破壊する攻撃演出が実行され、画面が破壊されカウントダウン表示されていた数字アイコン808が非表示になり、代わりに、当たり当選を示す組合せで第3図柄(図では「555」)が表示領域HR2に表示される。
次に、図939、及び図940を参照して、特別図柄抽選で小当り当選した場合に実行される小当たり遊技中の演出内容について説明をする。図939(a)は、小当たり遊技が開始された直後に表示される表示画面の一例を示した図であり、図939(b)は、小当たり遊技が開始されてから4秒以内に遊技球を特定領域(V領域)へと入球させた場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図940は、小当たり遊技が開始されてから4秒以内に遊技球を特定領域(V領域)へと入球させた状態で、小当たり遊技が開始されてからの経過時間が4秒を過ぎた場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
上述した通り、本第32制御例におけるパチンコ機10は、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の実行回数を増加させるために、時短状態(ラッシュ期間)中に実行される第2特別図柄変動の変動時間を短くしている。さらに、小当たり当選してから小当たり遊技が実行されるまでの期間や、小当たり遊技が実行されてから遊技球を特定領域(V領域)へと入球させることが可能となるまでの期間も短く構成している。
ここで、従来より、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を入球させることで、大当たり遊技の実行権利を獲得し、小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行させるパチンコ機10が知られている。この従来型のパチンコ機10では、小当たり遊技が実行される限られた期間内に特定領域へと遊技球を入球させるために、特別図柄抽選の結果が小当たり当選となってから小当たり遊技が開始されるまでの期間、或いは、小当たり遊技が開始されてから遊技球を特定領域へと入球させることが可能となる期間を用いて、小当たり遊技中に実行すべき遊技内容(例えば、「右打ちをしてVを狙え」の表示)を遊技者に予め報知する遊技案内報知を実行するように構成していた。
このように構成された従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果が小当たり当選となってから小当たり遊技が開始されるまでの期間、或いは、小当たり遊技が開始されてから遊技球を特定領域へと入球させることが可能となる期間として、上述した遊技案内報知を繰り返し実行可能な程度の長さを設定することで、遊技者に対して小当たり遊技中に実行すべき遊技内容を遊技者に把握させるように構成していた。
そして、特定領域へと遊技球を入球させることが可能となるまでの間に、遊技案内報知が繰り返し実行される従来型のパチンコ機10では、特定領域へと遊技球を入球させることが可能となる状態においても遊技案内報知を繰り返し実行し、遊技球が特定領域へと入球したことに基づいて遊技案内報知を中止し、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「V」ゲット)を表示することで、遊技者に対して適正な遊技が実行されたことを分かり易く理解させるように構成していた。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、小当たり遊技中に遊技球が特定領域へと入球したことに基づいて遊技案内報知を中止し、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「V」ゲット)を表示するように構成しているため、特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態となるまでに、遊技案内報知を繰り返し実行させる期間を設ける必要があり、小当たり当選してから特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態が設定されるまでの期間が間延びしてしまい、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ難いという問題があった。
また、小当たり遊技が開始されてから特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態となるまでの期間を短く設定し、初回の遊技案内報知期間が終了するよりも前に、遊技球を特定領域へと入球させることが可能に構成した場合には、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができるが、遊技案内報知にて遊技者に報知される遊技内容を遊技者が把握する前に遊技案内報知が終了してしまい、特定領域へと遊技球が入球した後に実行される遊技に対して遊技者が困惑してしまうという問題があった。
これに対して、本第32制御例では、小当たり遊技が開始されてから、特定領域へと遊技球を入球させることが可能な状態となるまでの期間の長さが、初回の遊技案内報知期間(4秒)よりも短くなるように構成し、さらに、初回の遊技案内報知期間(4秒)が経過するまでの間に、遊技球を特定領域へと入球させた場合には、初回の遊技案内報知が経過した後に、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「Vゲット」)を表示するように構成している。そして、初回の遊技案内報知が経過した後に実行される2回目以降の遊技案内報知が実行されている期間中に、特定領域へと遊技球が入球した場合には、実行中の遊技案内報知を中止し、特定領域へと遊技球が入球したことを報知するための表示態様(例えば、「Vゲット」)を表示するように構成している。
このように構成することで、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができると共に、特定領域へと遊技球が入球した後に実行される遊技の内容を遊技者に案内するための報知期間(初回の遊技案内報知期間)を確実に確保することができる。
図939(a)に示した通り、小当たり遊技が実行されると、遊技盤13の右側領域に設けられた第2可変入賞装置(V入賞装置)650に向けて遊技球を入球させるための右打ち遊技の実行を遊技者に案内するための案内報知として、表示領域Dm4には「右打ち」が表示され、主表示領域Dmの右側に形成された表示領域Dm10には、第2可変入賞装置650の箇所を遊技者に分かり易く把握させるために、第2可変入賞装置650が配設された遊技領域付近を示す画像が表示される。さらに、小当たり遊技中における遊技内容として、第2可変入賞装置650内に設けられた特定領域(Vゲート)へと遊技球を入球させることを案内するための遊技案内報知として、第1矢印810が主表示領域Dmに表示される。
この第1矢印810は、第3図柄表示装置81の表示面に対して、第2可変入賞装置650が配設されている方向(右方向)を示す表示態様で表示されており、「右を狙え」の文字が付設されている。そして、表示面の左右方向に移動するように表示されるものであって、1の遊技案内報知期間である4秒間の間に、第1矢印810が左右方向へと2往復するように表示される。さらに、副表示領域Ds1には、小当たり遊技中における遊技方法を案内するための案内態様として「右打ちしてVアタッカーに入賞させろ!!V入賞で大当たりゲット!」の文字が表示される。
また、第1矢印810が第3図柄表示装置81に表示されると共に、音声出力装置226から「右を狙え」の音声が4秒間の間に2回出力される。本第32制御例では、小当たり遊技の遊技方法を案内するための遊技案内報知として、1回の報知期間が4秒となる遊技案内報知が実行されるように構成している。そして、1回の遊技案内報知が終了した時点において、遊技案内報知を継続するか否かを判別し、継続する必要があると判別した場合には、同一の遊技案内報知を繰り返し複数回実行可能に構成している。
このように構成することで、小当たり遊技が実行された状態では、右打ち遊技によって第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと遊技球を入球させることで、大当たり遊技を実行させることが可能となることを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、主表示領域Dmに表示される第1矢印810の下方には、小当たり遊技において遊技球を第2可変入賞装置650へと入球させることが可能な期間(ラウンド遊技期間)の残時間を示すための第2タイムゲージga2が表示されている。この第2タイムゲージga2の表示態様は、小当たり遊技のラウンド遊技期間の残期間を示すための残期間表示ga2aと、経過期間を示すための経過期間表示ga2bとから形成されており、小当たり遊技のラウンド遊技が実行されてから時間が経過する毎に、経過期間表示ga2bが占める割合が増加し、残期間表示ga2aが占める割合が減少するように、第2タイムゲージga2の表示態様が可変するように構成している。
本第32制御例では、小当たり遊技が開始されると、2秒間のオープニング期間が経過した後に最大で20秒間のラウンド遊技が実行され、その後、2秒間のエンディング期間が設定されるように構成している。オープニング期間は、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放されない期間、即ち、第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させることができない期間であって、特別図柄抽選で当り当選を目指す遊技を行っていた遊技者に対して、小当たり当選に基づいて第2可変入賞装置650が開放動作されることを報知するための期間である。オープニング期間が設定されると、小当たり遊技の開始を案内するための表示態様(例えば、「小当たり遊技開始」)を表示されると共に、初回の遊技案内報知として、図939(a)に示した第1矢印810が4秒間表示される。
つまり、本第32制御例では、小当たり遊技中の遊技内容を案内するための遊技案内報知を、ラウンド遊技が実行されるよりも前の段階(オープニング期間)から実行するように構成している。このように構成することで、遊技案内報知の内容を把握することで小当たり遊技中の遊技を理解した遊技者が、小当たり遊技中の遊技を理解した段階から右打ち遊技を実行したとしても、ラウンド遊技が開始された直後から第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させ易くすることができる。
小当たり遊技のラウンド遊技中は、第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入賞させることが困難な(入賞させることが出来ない)閉状態と、に開閉扉650f1が可変動作される。具体的には、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(0.4秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.1秒)、閉状態(1.5秒)、開状態(0.2秒)、閉状態(4.8秒)、開状態(0.8秒)、閉状態(9秒)となるように、開閉扉650f1が可変制御される。
ここで、本第32制御例における小当たり遊技は、上述した20秒の可変制御が終了した場合、或いは、ラウンド遊技中に第2可変入賞装置650へと所定数(10個)の遊技球が入賞した場合に、ラウンド遊技の終了条件が成立し、ラウンド遊技が終了するように構成している。そして、ラウンド遊技中に実行される開閉扉650f1の可変制御内容として、ラウンド遊技の前半期間の方が、後半期間よりも、開状態となる期間が占める割合が高くなるように構成している。そして、小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を実行した場合には、5回目の開状態となるタイミングで、第2可変入賞装置650への入賞数が10個となるように構成している。
つまり、小当たり遊技が実行されてから(オープニング期間が設定されてから)、継続して右打ち遊技を実行した場合には、ラウンド遊技の遊技期間が2.1秒となり易く、ラウンド遊技中に継続して右打ち遊技を実行しなかった場合は、ラウンド遊技の遊技期間が最大で20秒となるように構成している。このように構成することで、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させたい遊技者に対して、小当たり遊技が開始された直後から意欲的に右打ち遊技を行わせることができる。
また、ラウンド遊技が進行するほど、開閉扉650f1が閉状態となる期間が長くなるため、第2可変入賞装置650へと所定数(10個)の遊技球を入賞させることでラウンド遊技を終了させる場合であっても、10個目の遊技球を入賞させるタイミングによって、ラウンド遊技期間の長さが大きく異ならせることができる。よって、小当たり遊技中における遊技状況によっても、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数が異なるため、遊技者に対して小当たり遊技中の遊技状況についても興味を持たせることができる。
なお、ラウンド遊技の後半期間に設定される長時間の閉状態(9秒の閉状態)、即ち、小当たり遊技中に、正常に右打ち遊技を実行していた場合には、設定され難い閉状態が設定された場合には、例えば、小当たり遊技が実行されていることに気付かずに右打ち遊技を実行していない場合も考えられるため、既に遊技球を特定領域へと入球させているか否かを判別し、特定領域へと遊技球を入球させていないと判別した場合には、遊技者に対して、右打ち遊技を強調して案内するための強調案内報知を実行するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行されたにも関わらず、遊技球を特定領域へと入球させること無く、大当たり遊技の実行権利を獲得しないまま小当たり遊技が終了してしまうことを抑制することができる。
また、小当たり遊技のラウンド遊技中において、前半期間では開閉扉650f1の開状態となる期間として0.1秒が繰り返し設定され、後半期間では、前半期間よりも長い期間(0.2秒、0.8秒)の開状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技を短時間で終了させることが出来なかった遊技者、例えば、小当たり遊技が実行されたことに途中まで気付かなかった遊技者に対して、確実に遊技球を第2可変入賞装置650へと入賞させる機会を残すことができる。
なお、本第32制御例では、ラウンド遊技の前半期間の方が、後半期間よりも、開状態となる期間が占める割合が高くなるようにラウンド遊技中の可変制御を実行するように構成することで、ラウンド遊技を短時間で終了させることが可能としているが、ラウンド遊技中における可変制御の内容はこれに限ること無く、ラウンド遊技の全期間に対して開状態となる期間が占める割合が均等となるように構成しても良い。
また、本第32制御例では、ラウンド遊技の後半期間の方が、前半期間よりも、1回の開状態が継続する時間が長くなるように開閉扉650f1を可変制御することで、ラウンド遊技中に第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させること無くラウンド遊技が終了してしまうことを抑制するように構成しているが、これに限ること無く、ラウンド遊技の前半期間の方が、後半期間よりも、1回の開状態が継続する時間が長くなるように開閉扉650f1を可変制御するように構成しても良い。このように構成することで、ラウンド遊技の前半期間中に第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させ易くすることができるため、ラウンド遊技を短時間で終了させ易くすることができる。一方で、ラウンド遊技の前半期間にてラウンド遊技を終了させることができなかった遊技者に対して、短い開状態と、長い閉状態と、が繰り返される小当たり遊技が実行されるため、ラウンド遊技期間を無用に長くすることができる。よって、小当たり遊技を実行する遊技者に対して、ラウンド遊技が開始された直後から意欲的に第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させるための右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
また、小当たり遊技のエンディング期間は、上述したオープニング期間と同様に、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放されない期間、即ち、第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させることができない期間であって、小当たり遊技のラウンド遊技中に実行された遊技内容に基づいた表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。
具体的には、小当たり遊技のラウンド遊技中に遊技球を特定領域へと入球させ、大当たり遊技の実行権利を獲得している場合には、小当たり遊技が終了したことを示すための情報と、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されることを示すための情報と、を含む表示態様が表示される。一方で、小当たり遊技のラウンド遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることが出来なかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されないため、小当たり遊技が終了したことを示すための情報と、小当たり遊技終了後に通常状態へと移行することを示すための情報と、を含む表示態様が表示される。
ここで、図939(a)に示した例では、小当たり遊技が開始されてから3秒が経過した時点、即ち、2秒間のオープニング期間が終了し、ラウンド遊技が実行されてから1秒が経過した時点を示しており、主表示領域Dmには、初回の遊技案内報知である第1矢印810が表示されており、タイムゲージga2全体で示すラウンド遊技期間(20秒)に対して、経過期間表示ga2bが1秒分、残期間表示ga2aが19秒分の範囲を示している状態が表示されている。
そして、初回の遊技案内報知が実行されている期間中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vゲート)を通過した場合(V入賞した場合)、即ち、ラウンド遊技が開始されてから2秒以内に遊技球がV入賞した場合は、図939(b)に示した通り、初回の遊技案内報知期間が終了するまで、主表示領域Dmの中央部にて初回の遊技案内報知(第1矢印810)が継続して表示され、副表示領域Dsにて小当たり遊技中における遊技方法を案内するための「右打ちしてVアタッカーに入賞させろ!!V入賞で大当たりゲット!」も継続して表示される。
このように構成することで、小当たり遊技のラウンド遊技が開始された直後に遊技球をV入賞させてしまった場合であっても、V入賞した後に実行される遊技内容(大当たり遊技が実行される遊技内容)を遊技者に分かり易く理解させることができる。
また、図939(b)に示した通り、初回の遊技案内報知期間(4秒間)中に遊技球をV入賞させた場合には、初回の遊技案内報知が実行されている主表示領域Dmの空き領域にて、既にV入賞していることを示すためのV入賞済アイコン811を表示するように構成している。このように構成することで、初回の遊技案内報知期間中に遊技球がV入賞しているか否かを遊技者に把握させることができる。
なお、本第32制御例では、第3図柄表示装置81の表示面にV入賞済アイコン811を表示することによって、初回の遊技案内報知期間中であってもV入賞の有無を遊技者が判別可能に構成しているが、第3図柄表示装置81以外でV入賞している状態であることを報知するように構成しても良く、例えば、パチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)を発光させることによってV入賞していることを報知可能に構成しても良い。このように構成することで、初回の遊技案内報知期間中の表示画面を、V入賞の有無に関わらず統一することができるため、第3図柄表示装置81の表示面に対する表示制御を簡素化することができる。
そして、V入賞した状態で、初回の遊技案内報知期間が経過すると、図940に示した通り、遊技案内報知を終了し、V入賞したことを示すためのV演出として、主表示領域Dmの中央部に拡大表示されたV入賞済アイコン811を用いて「Vゲット」を表示する。そして、副表示領域Dsには、V入賞したことに基づいて大当たり遊技が実行されることを示すための「ラッキー大当たり!!」の文字が表示される。
つまり、初回の遊技案内報知期間中に遊技球をV入賞させた遊技者は、初回の遊技案内報知が終了するまでの間に遊技案内報知の内容を把握することで、V入賞させた後に大当たり遊技が実行されることを理解した状態で、V入賞後の遊技を実行することになる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、小当たり遊技中に実行される初回の遊技案内報知期間(4秒)の間に、小当たり遊技が終了しないように、小当たり遊技中における第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f1の開放動作内容を規定しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技の実行期間をより短くするために、初回の遊技案内報知期間(4秒)が経過するよりも前に、小当たり遊技が終了し得るように小当たり遊技中における第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f1の開放動作内容を規定しても良い。
この場合、例えば、小当たり遊技のオープニング期間を0.5秒、小当たり遊技が開始されてからの開閉扉650f1の開放動作内容として、0.2秒の開放と、0.3秒の閉鎖を繰り返す開放動作内容を設定し、且つ、第2可変入賞装置650へと遊技球が3個入賞した時点で小当たり遊技終了条件が成立するように構成することで、初回の遊技案内報知期間(4秒)が経過するよりも前に、第2可変入賞装置650へと遊技球が3個入球して小当たり遊技が終了することになる。そして、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vゲート)へと入球した場合には、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が開始される。このように構成されたパチンコ機10に対して、初回の遊技案内報知を、遊技の進行状況に関わらず確実に実行させる本第32制御例の技術思想を適用した場合には、大当たり遊技の実行期間中も初回の遊技案内報知が実行される可能性がある。
このような場合では、初回の遊技案内報知が終了した後に、大当たり遊技中に実行される各種表示態様が表示されるように各種表示態様の表示タイミングを遅延させるように構成しても良いし、大当たり遊技中に実行される各種表示態様が表示される期間を通常よりも短くすることで、徐々にズレ幅を減少させる処理を実行しても良く、例えば、初回の遊技案内報知が終了した時点における大当たり遊技の遊技状況を判別し、判別された遊技状況に基づいて、通常の大当たり遊技にて特定の表示態様が表示されるタイミングと、遅延させて特定の表示態様を表示させるタイミングとの差分を算出する。そして、算出された差分を解消するために、各種表示態様の表示期間を短縮させる短縮処理を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、初回の遊技案内報知が遊技の進行状況に関わらず固定期間(4秒間)実行された場合であっても、後に実行される各種表示態様を全て表示させながら遊技の進行状況に応じた表示態様を表示させ易くすることができる。
また、例えば、初回の遊技案内報知が終了した時点における大当たり遊技の遊技状況を判別し、通常であれば表示される各種表示態様のうち、優先度の低い表示態様(例えば、オープニング期間中に表示される表示態様)の表示をキャンセルする処理を実行することで初回の遊技案内報知が遊技の進行状況に関わらず固定期間(4秒間)実行された場合であっても、後に実行される各種表示態様を全て表示させながら遊技の進行状況に応じた表示態様を表示させ易くするように構成しても良い。
なお、上述した通り、大当たり遊技中において、実際の遊技状況と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様とにズレが生じている場合であっても、第3図柄表示装置81の表示面に表示される一部の表示態様のみを、実際の遊技状況に対応させて表示するように構成すると良い。
また、本第32制御例では、初回の遊技案内報知期間(4秒)の間に、特定領域へと遊技球を入賞(V入賞)させた場合には、図940に示した通り、初回の遊技案内報知期間が経過した時点でV入賞の有無を判別し、V入賞していると判別した場合にV演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、初回の遊技案内報知期間(4秒)の間に、V入賞した場合に、V演出を実行させるまでの期間をタイマに設定(例えば、4秒を設定)し、そのタイマによって4秒が経過したと判別した場合にV演出を実行させるように構成しても良い。つまり、V入賞したタイミングに応じて、タイマに設定する値を変更するように構成し、初回の遊技案内報知期間中にV入賞した場合には、タイマに遅延値(例えば、4秒)をセットし、初回の遊技案内報知期間経過後にV入賞した場合には、タイマに即効値(例えば、0.1秒)をセットするように構成することで、V入賞してからV演出が実行されるまでの期間の長さを、小当たり遊技が実行されてからV入賞するまでに要した期間の長さによって異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、どのタイミングでV入賞したとしても、V演出を実行させるために実行される処理内容を統一化することができるため、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理を簡素化することができる。
次に、図941(a)を参照して、時短状態における最終変動中に実行される変動演出の演出内容について説明をする。図941(a)は、時短状態(ラッシュ中)に実行される最後の第2特別図柄変動が外れ変動である場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第32制御例では、図938(a)に示した通り、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短い変動時間(1秒)が設定され、その変動期間中に、時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の残回数と、当該変動に対応する第2特別図柄抽選の結果と、を示すための変動演出を実行可能に構成している。
具体的には、時短状態中において連続して第2特別図柄抽選を実行した場合であって、その抽選結果が全て外れである場合には、時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の残回数に対応させて1秒間隔で「3」、「2」、「1」と数字アイコン808の表示態様を可変させるカウントダウン表示が実行され、時短状態における第2特別図柄変動の最終変動が実行されるように構成している。一方、時短状態における第2特別図柄変動の最終変動が実行されるよりも前に、当たり当選した場合には、カウントダウン表示されている数字アイコン808が破壊され、当たり当選を示す表示態様が表示される(図938(b)参照)ように構成している。
そして、時短状態中における第2特別図柄変動の最終変動では、特別図柄抽選の結果に基づいて異なる変動時間が決定され得るように構成しており、例えば、抽選結果が小当たり当選である場合の一部において、変動時間が1秒の変動パターンが決定されるように構成している。この変動パターンが決定された場合には、数字アイコン808がカウントダウン表示される演出が最終変動まで継続し、「0」を示す数字アイコン808が破壊されて小当たり当選を示す表示態様が表示される変動演出が実行される。
また、抽選結果が小当たり当選である一部、或いは、大当たり当選である場合には、変動時間が20秒の変動パターンが決定されるように構成している。この20秒の変動パターンが決定された場合には、数字アイコン808がカウントダウン表示が実行され、「0」を示す数字アイコン808が表示された後に、カウントダウン表示中に数字アイコン808が破壊されなかったことを示す表示態様(例えば「END」)が、最終変動が開始されてから10秒が経過するまで表示される。その後、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることで、通常状態にて第2特別図柄抽選を実行させることが可能となることを遊技者に案内する案内演出(引き戻し案内演出)を実行し、その案内演出の途中で、実行中の第2特別図柄抽選の結果が当たり当選(小当たり当選、或いは大当たり当選)であることを示すための表示態様が表示される。
最後に、時短状態の最終変動となる第2特別図柄抽選の結果が外れである場合には、30秒の変動パターンが決定されるように構成している。この30秒の変動パターンが決定された場合には、上述した20秒の変動パターンと同様に、数字アイコン808がカウントダウン表示が実行され、「0」を示す数字アイコン808が表示された後に、カウントダウン表示中に数字アイコン808が破壊されなかったことを示す表示態様(例えば「END」)が、最終変動が開始されてから10秒が経過するまで表示される。その後、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることで、通常状態にて第2特別図柄抽選を実行させることが可能となることを遊技者に案内する案内演出(引き戻し案内演出)が実行される。そして、案内演出が終了した後に、特図2保留の獲得を案内するための保留球獲得演出(FINALチャージ演出)が実行される。
図941(a)は、FINALチャージ演出が実行されている場合に表示される表示画面であって、FINALチャージ演出中に特図2保留を上限数(1個)獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図941(a)に示した通り、FINALチャージ演出が実行されると、主表示領域Dmの中央付近に表示領域HR11が形成され、FINALチャージ演出が実行されていることを示すための「FINALチャージ中」が表示される。そして、表示領域Dm10には、第2入球口640へと遊技球を入球させることを案内するために、遊技盤13のうち第2入球口640が配設されている付近を模した画像が表示される。この表示領域Dm10に表示される画像は、現在が第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)であることを遊技者に視覚的に把握させるために、電動役物640aが誘導状態であることを強調した画像(図では、発光表示)が表示される。
また、副表示領域Dsには、FINALチャージ演出中の遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として「時間内にチャージを貯めろ」の文字が表示される。また、表示領域HR10の下方には、FINALチャージ演出が実行される演出期間の残期間を示すための第3タイムゲージga3が表示される。この第3タイムゲージga3の表示態様は、残期間を示すための残期間表示ga3aと、経過期間を示すための経過期間表示ga3bとから形成されており、FINALチャージ演出が実行されてからの時間経過応じて、経過期間表示ga3bが占める割合が増加し、残期間表示ga3aが占める割合が減少するように、第3タイムゲージga3の表示態様が可変するように構成している。
なお、図941(a)に示した例では、FINALチャージ演出が実行されてから3秒が経過した時点を示しており、第3タイムゲージga3全体で示す演出期間(7秒)に対して、経過期間表示ga3bが3秒分、残期間表示ga3aが4秒分の範囲を示している状態が表示されている。
そして、主表示領域Dmの下側には、FINALチャージ演出中の遊技状況を示すための状況表示態様が表示される。図941(a)に示した図は、FINALチャージ演出が実行されてから3秒が経過した状態であって、第2入球口640へと遊技球を入球させ、特図2保留を上限数まで獲得している状態であることから、状況表示態様として、「チャージ完了」の文字が表示されている。
ここで、主表示領域Dmの下側に表示される状況表示態様の表示内容について説明をする。この状況表示態様は、FINALチャージ演出が実行された時点で特図2保留を上限数まで獲得していない場合には、「未チャージ状態」の文字が表示され、遊技者に対して、現在が特図2保留を上限数まで獲得していないことを分かり易く報知可能に構成している。
この「未チャージ状態」の表示は、FINALチャージ演出が実行されてから所定期間(1秒)が経過するまで、必ず表示されるように構成している。つまり、FINALチャージ演出が実行されてから0.5秒が経過したタイミングで特図2保留を上限数まで獲得した場合であっても、「未チャージ状態」を1秒間継続して表示するように構成している。そして、「未チャージ状態」が1秒間継続して表示された後に、特図2保留を上限数まで獲得したことを示す「チャージ完了」の文字が表示されるように構成している。一方、FINALチャージ演出が実行されてから1秒が経過した時点で特図2保留を上限数まで獲得していない場合には、特図2保留が上限数となるまで「未チャージ状態」の表示を継続させ、特図2保留を上限数まで獲得した場合に「チャージ完了」の文字が表示されるように構成している。
また、このFINALチャージ演出は、時短状態における第2特別図柄変動の最終変動が開始されてから20秒以上経過した時点で実行されることから、既に、特図2保留を上限数まで獲得している状態でFINALチャージ演出が実行される場合もある。この場合においても、FINALチャージ演出が実行されてから1秒が経過するまでは、「未チャージ状態」の文字が表示され、その後「チャージ完了」の文字が表示されるように構成している。
このように、特図2保留を上限数まで獲得している状態であっても、FINALチャージ演出中に特図2保留を上限数まで獲得していない状態から特図2保留を上限数まで獲得した状態へと移行したことを疑似的に示す表示態様を表示可能に構成することで、遊技者に対して、特図2保留を上限数まで獲得したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本第32制御例では、特図2保留の獲得状況に関わらず、時短状態の最終変動中にFINALチャージ演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、FINALチャージ演出の実行タイミングにおいて、既に特図2保留を上限数まで獲得している場合には、FINALチャージ演出を実行しないように構成しても良い。このように構成することで、新たな特図2保留を獲得することが出来ない状態においてFINALチャージ演出が実行されてしまい、遊技者に無用に右打ち遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
また、FINALチャージ演出が実行されるタイミングにおける特図2保留の獲得状況に応じて、FINALチャージ演出中の演出態様を異ならせるように構成しても良く、例えば、FINALチャージ演出が実行されるタイミングにて、特図2保留を上限数まで獲得していない場合には、上述した通り、特図2保留を上限数まで獲得させるための演出態様でFINALチャージ演出を実行するように構成し、FINALチャージ演出が実行されるタイミングにて、特図2保留を上限数まで獲得している場合には、FINALチャージ演出中に遊技球を第2入球口640へと入球させることで、獲得済みの特図2保留の先読み結果を遊技者に示唆可能な演出態様でFINALチャージ演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、新たな特図2保留を獲得することが出来ない状態においてFINALチャージ演出が実行された場合であっても、獲得済みの特図2保留に基づいて実行される第2特別図柄抽選の結果をいち早く察知しようと、意欲的に第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を行わせることができる。よって、遊技の稼働を向上させることができる。
なお、本第32制御例のように、特図2保留を上限数まで獲得させるための演出態様でFINALチャージ演出を実行するように構成した場合であっても、特図2保留を上限数まで獲得した後に、第2入球口640に遊技球が入球した場合(所謂、オーバー入賞した場合)に、獲得済みの特図2保留の先読み結果を遊技者に示唆可能な演出態様でFINALチャージ演出が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、FINALチャージ演出が実行されている間、遊技者に意欲的に第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を行わせることができる。よって、遊技の稼働を向上させることができる。また、特図2保留を上限数まで獲得させるための演出態様と、獲得済みの特図2保留の先読み結果を遊技者に示唆可能な演出態様と、を重複させたFINALチャージ演出を実行可能に構成しても良い。また、本第32制御例では、時短状態中において獲得済みの特図2保留数を示すための表示態様を表示しないように構成することで、遊技者に対して特図2保留が上限数に到達しているか否かを把握させ難くし、時短状態中に右打ち遊技を継続させることで遊技の稼働を向上させるように構成しているが、これに限ること無く、時短状態中における第3図柄表示装置81の表示面に獲得済みの特図2保留数を示すための表示態様(特図2保留図柄)を表示するように構成しても良く、この場合、現在獲得済みの特図2保留数と、獲得可能な特図2保留の上限数と、を遊技者が把握可能な表示態様を表示可能に構成すると良い。加えて、時短状態における最終変動中と、それ以外とで、特図2保留数を示すための表示態様を切り替えるように構成しても良い。また、図941(b)に示した通り、本第32制御例では、時短状態の終了後、通常状態が設定された場合において、獲得済みの特図2保留に基づく第2特別図柄変動が終了するまで引き戻し演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特図2保留を獲得したままの状態で引き戻し演出を終了させるように構成しても良いし、通常状態が設定された場合に引き戻し演出を実行しないように構成しても良い。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の最終変動の変動パターンとして、対応する第2特別図柄抽選の結果が小当たりである場合には、比較的短い変動時間(1秒)の変動パターンと、長い変動時間(20秒)の変動パターンと、を設定可能に構成している。つまり、時短状態中に実行される小当たり当選した第2特別図柄変動の変動パターンとして、時短状態の最終変動とならない第2特別図柄変動よりも、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動の方が長い変動時間が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合において、小当たり当選した変動回数に応じて単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を大きく異ならせることができる。
よって、遊技者に対して、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選を目指すだけで無く、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増やすために、なるべく少ない変動回数で小当たり当選することを目指す遊技を行わせることができる。
なお、本第32制御例では、時短状態中に実行される小当たり当選した第2特別図柄変動の変動パターンとして、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動と、時短状態の最終変動とならない第2特別図柄変動よりも長い変動時間が設定され易くなるように構成することで、小当たり当選するまでに実行された第2特別図柄変動回数に応じて、前回の大当たり遊技が終了してから次の小当たり遊技が開始されるまでに要する期間が大きく乖離するようにしているが、これに限ること無く、時短状態中に実行される小当たり当選した第2特別図柄変動の変動パターンとして同一の変動時間(例えば、1秒)が設定されるように構成しても良い。この場合であっても、時短状態中に実行される第2特別図柄変動回数が増加するほど、前回の大当たり遊技が終了してから次の小当たり遊技が開始されるまでの期間を長くすることができるため、遊技者に対して、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増やすために、なるべく少ない変動回数で小当たり当選することを目指す遊技を行わせることができる。
さらに、本第32制御例では、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動が小当たり当選している第2特別図柄変動である場合の一部において、他の第2特別図柄変動と同一の短変動時間(1秒)が設定される変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、時短状態の最終変動までを対象として、短変動時間の変動パターンを用いた変動演出(カウントダウン表示)を実行することができる。
また、時短状態の最終変動にて小当たり当選した場合には、設定される変動パターンの種別に応じて、前回の大当たり遊技が終了してから、次の小当たり遊技が開始されるまでに要する期間を大きく異ならせることができるため、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させたい遊技者に対して、時短状態の最終変動にて実行される第2特別図柄抽選の結果だけで無く、変動パターンにも興味を持たせることができる。
加えて、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動では、小当たり当選した場合に設定される変動パターンとして、異なる変動時間の変動パターンを選択可能に構成しているため、第2特別図柄変動の変動時間を把握することで小当たり当選しているか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。
つまり、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動(特図2最終変動)に対して短変動時間(例えば、1秒)の変動パターンのみを設定可能に構成した場合には、特図2最終変動の変動時間が1秒を経過した時点で、実行中の特図2最終変動が小当たり当選していないことを遊技者が把握してしまい、特図2最終変動が停止表示されるまでに遊技者の遊技意欲が低下してしまうが、本第32制御例のように、小当たり当選している特図2最終変動の変動パターンとして、異なる変動時間の変動パターンを設定可能に構成することで、小当たり当選しているか否かを把握可能なタイミングを複数設けることができるため、遊技者に対して、小当たり当選の有無を把握させ難くすることができる。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、特図2最終変動に設定される変動パターンとして、外れ当選している場合に設定される変動パターンが最も長い変動時間(30秒)の変動パターンが設定されるように構成している。そして、外れ当選している特図2最終変動の変動パターン(30秒変動)に対して、残りの10秒を用いて、遊技者に対して第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得させるための演出(FINALチャージ演出)を実行するように構成している。
このように構成することで、特図2最終変動が停止表示された後に当たり遊技が実行される場合(特図2最終変動が小当たり変動、又は、大当たり変動である場合)であって、当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される場合、即ち、後に新たな特図2保留を獲得可能な期間(時短状態)が設定される場合には、FINALチャージ演出が実行されないため、遊技者に対して、特図2保留を獲得するための右打ち遊技を無用に行わせることを抑制することができる。
なお、本第32制御例における構成に限ること無く、例えば、特図2最終変動が当たり変動である場合において、外れ変動である場合と同一の長さの変動時間(30秒)、或いは、外れ変動である場合よりも長い変動時間(例えば、40秒)の変動パターンを設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、特図2最終変動が外れ変動であることを覚悟した遊技者に対して当たり変動を提供することができるため、意外性のある遊技を提供することができる。また、この場合、当たり変動中であっても、FINALチャージ演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技を実行させ易くすることができるため、獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(事前判別結果)を遊技者に示唆するための演出(保留連演出)を、大当たり遊技中に実行し易くすることができる。
そして、時短状態における最終変動である第2特別図柄変動が停止表示し、通常状態が設定された後に、時短状態中に獲得していた特図2保留に基づく第2特別図柄変動が開始されると、図941(b)に示した引き戻し演出が実行される。図941(b)は、引き戻し演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図941(b)に示した引き戻し演出は、通常状態中に実行される変動演出であるため、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内態様が表示される表示領域Dm4が非表示となる。これにより、時短状態が終了した後に実行される引き戻し演出中に、時短状態中に実行していた右打ち遊技が継続して行われることを抑制することができる。
なお、この引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選(通常状態にて実行される第2特別図柄抽選)は、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選と同一の確率(約1/2)で当たり当選するように構成しているため、引き戻し演出後に当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が実行されることで遊技者に右打ち遊技を行わせる可能性が高いことから、通常状態が設定されたことに基づいて遊技方法を左打ち遊技へと切り替えさせるための案内報知も実行されないように構成している。
このように構成することで、実行される遊技方法の案内報知に従って遊技方法を変更する遊技者が、右打ち遊技と左打ち遊技とを頻繁に切り替えることで遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例では、引き戻し演出が実行されている間の第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内報知を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、時短状態中に実行される案内報知である「右打ち」の表示態様とは異なる表示態様で「右打ち」を示す案内報知を表示するように構成しても良く、例えば、時短状態中に実行される案内報知よりも、遊技者が識別困難な表示態様で案内報知を実行するように構成し、引き戻し演出の終了後に再度右打ち遊技が実行される可能性が高いことを遊技者に報知可能に構成しても良い。
さらに、引き戻し演出が実行されている間に表示される案内報知として、遊技球の発射を中断させる遊技方法を案内する表示態様(例えば、「遊技球の打ち出しを止めてね」の表示)を表示するように構成し、さらに、引き戻し演出の演出結果に応じた遊技方法を事前に案内可能な表示態様(例えば、「引き戻し成功で右打ち遊技、引き戻し失敗で左打ち遊技」の表示)を表示するように構成すると良い。このように構成することで、引き戻し演出の演出結果に基づいて次に実行させる遊技方法を事前に遊技者に案内することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
加えて、引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選の結果に基づいて、引き戻し演出中に実行される案内報知の表示態様を異ならせるように構成しても良く、例えば、引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、外れである場合よりも、右打ち遊技を案内するための「右打ち」の表示態様を強調するように構成すると良い。このように構成することで、引き戻し演出中に実行される案内報知の表示態様に基づいて、右打ち遊技を継続した場合の方が、継続しない場合よりも有利となる遊技状況、即ち、引き戻し演出の終了後に当たり遊技が実行される遊技状況であることを分かり易く報知することができる。
引き戻し演出が実行されると、主表示領域Dmには、演出ボタン22aを模したボタンPuが表示され、遊技者に対して演出ボタン22aを押下させるための演出(図ではボタンPuの押下を促す下方向の矢印を表示)が実行される。そして、ボタンPuの下方には、遊技者による演出ボタン22aへの押下操作を有効に判別可能な操作有効期間の長さを示すためのタイムゲージga1が表示される。なお、図941(b)に示したタイムゲージga1の表示態様、及び、表示態様の可変内容については、上述した図934(b)に示したタイムゲージga1と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
なお、図941(b)に示した図では、通常の表示態様でボタンPuが表示されているが、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいてボタンPuの表示態様や、遊技者に対して演出ボタン22aを押下させるための演出(図では矢印表示)の表示態様といった引き戻し演出の演出態様を可変させるように構成しても良く、例えば、当たり当選している場合の方が、外れである場合よりも選択され易い演出態様として、ボタンPuの表示態様が特殊表示態様(例えば、厚みを持たせたボタンを模した表示態様や、ボタンPuの色を赤色にした表示態様)となる演出態様や、表示される矢印の表示態様が特殊表示態様(矢印の大きさを通常よりも大きくした表示態様や、矢印の色を赤色にした表示態様)となる演出態様を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、引き戻し演出が実行されている期間のうち、遊技者が演出ボタン22aを押下する前の段階で、引き戻し演出の演出結果(対応する特別図柄抽選の抽選結果)を予測することが可能となり、演出効果を高めることができる。
さらに、時短状態(ラッシュ)が継続している期間を示すための継続期間表示が表示される表示領域Dm8が非表示となる。本第32制御例では、時短状態が終了し通常状態が設定された際に特図2保留が存在している場合、即ち、引き戻し演出が実行される場合は、継続期間表示に用いられるカウンタ(ラッシュ期間計測カウンタ223m)の値をクリアすること無く、継続して更新するように構成し、引き戻し演出が実行される第2特別図柄抽選にて当たり当選し、時短状態へと復帰した場合には、継続期間表示も継続するように構成している。
このように、継続期間表示に用いられるカウンタ(ラッシュ期間計測カウンタ223m)の値が継続して更新されている期間であっても、引き戻し演出が実行されている間は、継続期間表示を実行しないように構成することで、時短状態(ラッシュ)が終了したことを遊技者に把握させ易くすることができるため、引き戻し演出の実行期間中も継続して継続期間表示が実行される場合に比べて、時短状態(ラッシュ)が終了した状態から再度時短状態(ラッシュ)へ突入させる遊技が実行されていることを把握させ易くすることができる。よって、引き戻し演出の演出内容に注視させることができる。
そして、引き戻し演出中に遊技者が演出ボタン22aを押下すると、対応する第2特別図柄抽選の結果に基づく演出結果が表示される。具体的には、対応する第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合には、演出ボタン22aを押下した直後に当たり当選を示すための表示態様(例えば、「V」の表示)が表示され、その後、時短状態中における小当たり当選時の表示画面(図938(b)参照)と同様の表示画面が表示される。
次に、引き戻し演出に対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである場合における演出内容について、図942を参照して説明する。図942(a)は、引き戻し演出として、対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである場合に対応する失敗演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図942(b)は、引き戻し演出として失敗演出が実行された後に表示される遊技結果表示画面の一例を示した図である。
対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである引き戻し演出にて、遊技者が演出ボタン22aを押下すると、図942(a)に示した通り、当たり当選を示すための表示態様(例えば、「V」の表示)が表示されず、佇むキャラ801が表示される。そして、副表示領域Dsには、ラッシュ期間(時短状態)が終了することを示すための案内態様として「残念!ラッシュ終了!」の文字が表示される。
図942(a)に示した表示画面が表示され、失敗演出となった引き戻し演出が終了すると、図942(b)に示した遊技結果表示画面が表示される。この遊技結果表示画面には、今回の時短状態(ラッシュ)中に実行された遊技の結果として、時短状態(ラッシュ)中に獲得した賞球数に対応する値を示す獲得ポイント表示k1と、時短状態(ラッシュ)が継続した期間を示す継続期間表示k2と、大当たり遊技を介して時短状態(ラッシュ)が設定(再設定)された回数を示すラッシュ継続回数表示k3と、1の時短状態期間(ラッシュ期間)中に実行された大当たり遊技の回数を示す大当たり回数表示k4と、が表示される。
図942(b)に示した例では、獲得ポイント表示k1として「合計660P」が表示され、継続期間表示k2として「00:36:44」が表示され、ラッシュ継続回数表示k3として「ラッシュ1回」が表示され、大当たり回数表示k4として「ボーナス0回」が表示されている。つまり、今回実行された時短状態(ラッシュ)は、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行された6ラウンドの時短大当たり遊技が1回実行され、その大当たり遊技終了後に設定された時短状態(ラッシュ)にて1度も大当たり遊技が実行されなかった遊技結果が表示されており、時短状態が設定されてからの経過時間が36秒であることが表示されている。
そして、継続期間表示k2が示す時短状態(ラッシュ)が継続した期間を示す表示態様のうち、秒数の単位よりも小さな単位に該当する右から2桁の値k2aは、実際の経過期間に関わらず、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果に基づいて決定されるように構成しており、抽選の結果が当たり当選である場合には値k2aに「ぞろ目」の表示態様が表示され、抽選の結果が外れである場合には値k2aに「ばらけ目」の表示態様が表示されるように構成している。
図942(b)に示した図では、継続期間表示k2として表示される値k2aとして「44」が表示されている。つまり、図942(b)に示した表示画面は、実行中の第2特別図柄抽選の結果が当たり当選であって、引き戻し演出にて失敗演出が設定された場合に表示されるものである。このように、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果が当たり当選である場合の一部において、引き戻し演出として失敗演出が実行され、遊技結果表示画面が表示された後に、当たり当選していることを遊技者に報知する復活演出を実行可能に構成することで、引き戻し演出にて失敗演出が表示された後も、当たり当選に期待を持たせながら遊技者に遊技を行わせることができる。
ここで、本第32制御例では、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果が当たり当選であるにも関わらず、上述した復活演出が実行される条件として、引き戻し演出の対象となる第2特別図柄変動が開始されるタイミングにて実行される変動演出の演出態様を決定する抽選にて特定の抽選結果となった場合に成立する条件を設けているが、これに限ること無く、引き戻し演出にて遊技者が演出ボタン22aを押下したタイミングに基づいて成立する条件を設定可能に構成しても良い。この場合、例えば、引き戻し演出中に設定される操作有効期間の残期間が所定期間よりも長い状態で演出ボタン22aが押下された場合、つまり、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間が多く残っている状態で演出ボタン22aが押下された場合に、復活演出が実行されるように構成すると良い。
このように構成することで、引き戻し演出中に早期に演出ボタン22aを押下した場合に、成功演出が長時間継続してしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、遊技結果表示画面は、時短状態が終了したことを遊技者に示すための表示態様であるため、表示領域Dm4が形成され、通常状態中における適切な遊技方法である左打ち遊技を案内するための「左打ち」が表示される。そして、副表示領域Dsには、時短状態(ラッシュ)が終了したことを案内するための案内態様として「お疲れさまでした」の文字が表示される。このように構成することで、図942(b)に示した表示画面が表示された時点で、遊技者に有利な遊技期間が終了したと強く思わせることができるため、復活演出が実行された場合の意外性をより強くすることができる。
次に、図943から図946を参照して、本第32制御例のパチンコ機10における大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出内容について説明をする。本第32制御例のパチンコ機10では、時短状態中(ラッシュ中)における第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技(ラッシュ中大当たり遊技)の実行期間中に、大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)を報知するための大当たり遊技演出(昇格演出)と、大当たり遊技終了後に実行される第2特別図柄抽選が当たり当選(小当たり当選)することを報知するための大当たり遊技演出(保留連演出)と、を実行可能に構成しており、昇格演出、保留連演出の何れが実行される場合であっても、同一態様の演出画面が表示されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技演出が実行された場合において、今回実行された大当たり遊技の演出結果が、大当たり遊技の遊技内容(ラウンド数)を示す演出結果となるか、大当たり遊技終了後に再度大当たり遊技が実行される可能性が高い状態(保留連状態)であることを示す演出結果となるかを遊技者に予測させ難くすることができる。よって、実行される大当たり遊技演出の演出内容に興味を持たせ易くすることができる。
また、本第32制御例では、大当たり遊技演出として、保留連演出が実行された場合には、その実行された保留連演出の演出対象となる特図保留に基づいた大当たり遊技の大当たり遊技演出として、再度保留連演出が実行され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技演出として、保留連演出が実行される条件として、大当たり遊技の所定タイミング(例えば、最終ラウンド遊技の開始タイミング)までに獲得済みの特図保留が、特別図柄抽選で当り当選する特図保留である場合に成立する第1条件と、第1条件が成立している場合において、大当たり遊技演出として保留連演出を実行するか否かを決定するための処理において保留連演出の実行が決定された場合に成立する第2条件と、が共に成立した場合に保留連演出を実行するように構成しており、保留連演出が実行されている状態(保留連演出によって報知された大当たり遊技中、又は、保留連演出によって報知された小当たり遊技中に実行権利を獲得した大当たり遊技中)の方が、保留連演出が実行されていない状態である場合よりも、第2条件が成立し易くなるように構成している。つまり、第1条件が成立している場合において、保留連演出の実行が決定される可能性が高くなるように構成している。
このように構成することで、一度保留連演出が実行された遊技者は、連続して保留連演出が実行されることを目指して意欲的に遊技を行うことができる。さらに、本第32制御例では、保留連演出が連続して実行された場合において、大当たり遊技の遊技内容を示す情報を累積するように構成し、その累積された情報を示す表示態様を表示可能に構成している。具体的には、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数を表示するための表示態様を、累積表示するように構成している。このように構成することで、連続して保留連演出が実行された場合には、ラウンド遊技数の表示態様として、複数回の大当たり遊技にて実行されたラウンド遊技数を累積した表示態様が表示されることになる。このように構成することで、ラウンド遊技数の表示態様として、より多くのラウンド数に対応した表示態様が表示されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
加えて、本第32制御例では、連続して保留連演出が実行された場合において累積される大当たり遊技の遊技内容に関する情報が、所定条件を満たした場合に、特典演出を実行可能に構成している。具体的には、ラウンド遊技数の表示態様として、1回の大当たり遊技にて実行可能となる最大ラウンド遊技数(例えば、9ラウンド)よりも大きなラウンド数に対応する表示態様が表示された場合に、遊技者に対して、保留連演出が連続して実行されたことを祝福するための祝福演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技を行っている遊技者だけで無く、その周りの遊技者に対しても連続して保留連演出が実行されている状態であることを報知することができるため、優越感を持って遊技を行うことができる。
なお、本第32制御例では、連続して保留連演出が実行される場合に、ラウンド遊技数を累積するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中に楽曲が再生されるように構成されたパチンコ機10において、連続して保留連演出が実行された回数を累積し、その累積回数に応じて再生される楽曲が切り替わるように構成しても良いし、大当たり遊技中に再生させる楽曲を、複数の楽曲の中から遊技者が選択可能に構成されたパチンコ機10であれば、連続して保留連演出が実行された累積回数に応じて、遊技者が選択可能な楽曲の種類を増加させるように構成しても良い。加えて、連続して保留連演出が実行された累積回数が特定回数(例えば、5回)に到達した場合には、遊技者が選択すること無く、特定の祝福楽曲が再生されるように構成しても良い。
このように構成することで、保留連演出が連続して所定回数実行されない限り再生することが出来ない楽曲を提供することができるため、様々な楽曲を再生しようとする遊技者に対して、保留連演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、上述した例では、大当たり遊技中に再生される楽曲を例に挙げているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に表示される静止画像や動画に対して、上述した技術思想を転用しても良いし、保留連演出の演出態様自体に対して、上述した技術思想を転用しても良い。
図943(a)は、大当たり遊技演出として、NEXT演出が実行された場合に表示される表示画面を示した図であり、図943(b)は、NEXT演出の演出結果が、遊技者に追加特典が付与されることの無い演出結果である場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図944(a)は、NEXT演出の演出結果が、大当たり遊技内容(ラウンド数)が増加することを示すための追加特典が付与される演出結果である場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図944(b)は、NEXT演出の演出結果が、保留連演出が実行されることを示すための追加特典が付与される演出結果である場合に表示される表示画面の一例を示した図である。なお、各図において表示されている各表示要素(大当たり遊技中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示要素)のうち、上述した各制御例にて説明をした表示要素と同一内容のものについては、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技(3ラウンド大当たり遊技、又は、9ラウンド大当たり遊技)の2ラウンド目のラウンド遊技が実行されると、図943(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央部にNEXT演出が開始されてことを示すNEXTの文字が表示され、その文字の下側に形成され、NEXT演出の演出結果を表示するための表示領域Dm9に、演出結果が表示されるまでの演出態様(図では矢印)が表示される。そして、副表示領域Dsには、NEXT演出が実行されたことを遊技者に案内するための案内態様として、「追加特典は何だろう?」の文字が表示される。
本第32制御例では、時短状態中に実行される大当たり遊技のうち、最小数のラウンド遊技が実行される3ラウンド大当たり遊技における最終ラウンド遊技(3ラウンド目のラウンド遊技)の1つ前のラウンド遊技(2ラウンド目のラウンド遊技)にてNEXT演出が開始され、NEXT演出が実行されたラウンド遊技(2ラウンド目のラウンド遊技)の次に実行されるラウンド遊技(3ラウンド目のラウンド遊技)にてNEXT演出の演出結果が表示されるように構成している。つまり、何れのラウンド数の大当たり遊技が実行された場合であっても、NEXT演出が実行されるラウンド数が特定ラウンド数(2ラウンド目)となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して大当たり遊技中においてNEXT演出が実行されるタイミング(ラウンド数)を分かり易くすることができる。
そして、NEXT演出の演出結果が表示されるラウンド遊技(3ラウンド目のラウンド遊技)が開始されると、NEXT演出の演出結果を示すための表示態様が表示される。ここで、実行中の大当たり遊技が3ラウンド大当たり遊技であって、3ラウンド目のラウンド遊技が開始された時点にて獲得している特図2保留内に当たり当選を示す特図2保留が無い場合には、NEXT演出の演出結果として、ラウンド昇格を示す演出結果が決定される表示条件も、保留連を示す演出結果が決定される表示条件も満たしていないため、図943(b)に示した通り、表示領域Dm9にはNEXT演出の演出結果として「ラッシュ継続」の文字が表示される。
本第32制御例では、ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技が終了した後には、必ず時短状態が設定されるように構成している(ラッシュが継続するように構成している)ため、図943(b)に示した通り、ラウンド昇格を示す演出結果が決定される表示条件も、保留連を示す演出結果が決定される表示条件も満たしていない場合、即ち、遊技者に対して追加特典(ラウンド昇格、保留連)が付与されない場合であっても、NEXT演出の演出結果として、遊技者に有利となる基本情報(時短状態の設定)を示すための表示態様(「ラッシュ継続」)が表示されるように構成している。
このように構成することで、ラッシュ期間中に実行された大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定されることを把握していない遊技者に対して、ラッシュ期間が継続するという追加特典が付与されたと思わせることができる。また、図943(b)に示した通り、NEXT演出の演出結果として「ラッシュ継続」が表示される場合には、副表示領域Dsには、今回の演出結果に対応する遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として、「ラッシュで当たりを引き戻せ」の文字が表示される。
なお、図943(b)に示した図では、表示領域Dm5に「最終ラウンド」が表示されているが、この表示は、表示領域Dm9にNEXT演出の演出結果が表示された後に表示されるように構成している。詳細な図示は省略したが、NEXT演出の演出結果として「ラッシュ継続」が表示される場合には、3ラウンド目のラウンド遊技が開始された時点では、表示領域Dm5に、3ラウンド目のラウンド遊技が開始されたことを示すための表示態様として「ラウンド3」が表示される。そして、演出結果が表示されるまでの演出態様(図では矢印)が表示されている表示領域Dm9に、演出結果を示すための表示態様(「ラッシュ継続」)が表示された後に、表示領域Dm5に表示される表示態様が「ラウンド3」から「最終ラウンド」へと切り替え表示されるように構成している。
このように構成することで、NEXT演出の演出結果が表示されるよりも前に、表示領域Dm5に表示される表示態様によって、今回の大当たり遊技が3ラウンド大当たり遊技であることを遊技者が把握してしまい、NEXT演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、NEXT演出の演出結果が表示された後も「ラウンド3」を継続して表示する場合に比べて、実行中のラウンド遊技が最終ラウンドであることを遊技者に把握させ易くすることができるため、大当たり遊技が急に終了してしまい遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。
なお、これに限ること無く、3ラウンド目の開始時から表示領域Dm5に「最終ラウンド」と表示するように構成しても良い。このように構成することで、NEXT演出の演出結果が表示されるよりも前に、実行中の大当たり遊技が3ラウンド大当たり遊技であることを遊技者に把握させることができるため、実行中のNEXT演出の演出結果として表示され得る演出結果の選択肢を遊技者が限定しながら予測することができる。よって、NEXT演出以外の表示要素を用いて、NEXT演出の演出結果を予測する楽しみを提供することができる。
この場合、例えば、NEXT演出の演出結果を表示するための演出態様として、NEXT演出の演出結果となり得る表示態様を複数表示し、そのうちの1の表示態様が最終的な演出効果として表示される演出態様を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、NEXT演出の途中段階で表示される演出結果となり得る複数の表示態様が示す特典の内容と、今回の大当たり遊技の内容(3ラウンド大当たり遊技)を示す情報と、を複合的に分析することで、遊技者に対して、NEXT演出の演出結果として表示される表示態様をいち早く特定させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
また、NEXT演出の演出結果として示される追加特典のうち、大当たり遊技の内容(ラウンド遊技数)以外の特典に関する何れかの情報をNEXT演出の演出結果が表示されるまでに報知可能に構成しても良い。
一方、NEXT演出の演出結果として、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンド以外(9ラウンド)であることを示すための演出結果が表示される場合(昇格演出が実行される場合)は、図944(a)に示した通り、表示領域Dm9に、大当たり遊技の内容が3ラウンド遊技では無いことを示すための演出結果として「ラッシュ昇格」が表示され、副表示領域Dsには、「ラッシュ昇格」の演出結果が表示された場合の遊技内容を案内するための案内態様として「9ラウンド大当たりに昇格おめでとう」の文字が表示される。
この場合は、NEXT演出の演出結果が表示される3ラウンド目のラウンド遊技が、実行中の大当たり遊技(9ラウンド大当たり遊技)の途中段階であるため、NEXT演出の演出結果が表示された後も、表示領域Dm5には「ラウンド3」が継続表示される。
また、NEXT演出の演出結果として、獲得済みの特図2保留内に当たり当選を示すための特図2保留が含まれていることを示すための演出結果(保留連演出が実行される場合)は、図944(b)に示した通り、表示領域Dm9に、保留連することを示すための演出結果として「ボーナス」が表示され、副表示領域Dsには、「ボーナス」の演出結果が表示された場合の遊技内容を案内するための案内態様として「連続ボーナスおめでとう」の文字が表示される。
ここで、図944(b)に示した例は、3ラウンド大当たり遊技中に実行されたNEXT演出の演出結果として、保留連演出が実行された場合に表示される表示画面を示したものであるため、NEXT演出の演出結果が表示されるラウンド遊技は、実行中の大当たり遊技における最終ラウンド遊技となる。しかし、本第32制御例では、保留連演出が実行された場合において、実行中の大当たり遊技の遊技内容を示す表示態様(表示領域Dm5に表示されるラウンド数)を、次の大当たり遊技まで引き継いで表示するように構成している。よって、表示領域Dm5には「ラウンド3」が表示され、実行中の大当たり遊技の最終ラウンドであることを示す「最終ラウンド」が表示されないように構成している。
このように構成することで、保留連演出が実行された場合に、実行中の大当たり遊技と、次に実行される大当たり遊技(保留連演出の対象となる当たり遊技)と、が1つの大当たり遊技であると思わせ易くすることができる。
次に、図945を参照して、保留連演出が実行された後の演出内容について説明をする。図945(a)は、大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合であって、その保留連演出の対象である小当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図945(b)は、保留連演出の対象となる大当たり遊技中に、再度保留連演出が実行された場合(保留連演出が連続して実行された場合)に表示される表示画面の一例を示した図であり、図946は、保留連演出が連続して実行されたことに基づいて実行される特殊演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図944(b)に示した保留連演出が実行される大当たり遊技が終了すると、既に獲得している特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される。本第32制御例では、特図2保留を最大で1個記憶可能に構成していることから、保留連演出が実行された場合には、大当たり遊技終了後1回目の第2特別図柄抽選が当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)することになる。その第2特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)が短時間(1秒)となるように構成しており、その特別図柄変動期間中は、図944(b)に示した表示画面が継続して表示される。
そして、大当たり遊技終了後1回目の第2特別図柄抽選が小当たり当選を示す表示態様で停止表示され、小当たり遊技が開始されると、図945(a)に示した表示画面が表示される。図945(a)に示した通り、保留連演出の対象となる小当たり遊技中は、保留連演出の対象では無い通常の小当たり遊技中に表示される表示画面(図939(a)参照)とは異なる表示画面が表示されるように構成している。
具体的には、表示領域Dm5に、前回の大当たり遊技にて表示されたラウンド数に1加算したラウンド数を示すための表示態様「ラウンド4」が表示される。また、通常であれば、主表示領域Dmの中央部に大きく表示されていた「右を狙え」の文字が付された矢印810が表示されず、代わりに、表示領域Dm11に「Vを狙え」の文字が表示される。そして、主表示領域Dmの中央部には、大当たり遊技が継続していることを示すためのキャラクタ801a、つまり、図944(b)に示した通り、前回の大当たり遊技中に表示されていた表示態様であるキャラクタ801aが継続して表示される。
このように、前回の大当たり遊技中に表示された表示態様のうち、少なくとも一部の表示態様を継続して表示することによって、複数回の大当たり遊技が実行される場合であっても、1つの大当たり遊技が連続して実行されているように遊技者に思わせ易くすることができる。
また、小当たり遊技中における遊技内容を示す表示態様(「右を狙え」、「Vを狙え」)を異ならせることにより、現在が小当たり遊技中では無く、大当たり遊技中の一部であると遊技者に思わせ易くすることができる。なお、本第32制御例では、保留連演出の対象では無い通常の小当たり遊技中に表示される表示画面(図939(a)参照)と、保留連演出の対象となる小当たり遊技中に表示される表示画面(図945(a)参照)と、で、小当たり遊技中における遊技内容を示す表示態様(「右を狙え」、「Vを狙え」)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、保留連演出の対象となる小当たり遊技中は、それ以外の小当たり遊技中よりも、矢印810を小さく表示するように構成しても良い。
図945(a)に示した小当たり遊技中に遊技球を特定領域(Vゲート)650e3へと入球させたことにより、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行された場合には、図945(b)に示した通り、表示領域Dm5には、前回の大当たり遊技、及び、前回の小当たり遊技にて実行されたラウンド遊技数に今回の大当たり遊技のラウンド数が累積した表示態様が表示される。
図945(b)に示した表示画面は、保留連演出の対象となる小当たり遊技の終了後に3ラウンド大当たり遊技が実行され、その3ラウンド大当たり遊技の最終ラウンド(3ラウンド目)を示す表示画面である。よって、表示領域Dm5には「ラウンド7」が表示されている。そして、NEXT演出の演出結果として、保留連演出が実行されている状態である。保留連演出が連続して実行された場合には、NEXT演出の演出結果として、表示領域Dm9に「ラウンド8」が表示されると共に、連続して実行された保留連演出の回数に対応したキャラクタ801a,801bが表示される。
その後、図946に示した通り、保留連演出が連続して実行されたことによって、大当たり遊技中に表示される表示領域Dm5の表示態様が、1回の大当たり遊技における最大ラウンド数(9ラウンド)よりも大きなラウンド数を示す特殊表示態様(「ラウンド10」)になると表示領域Dm5が通常とは異なる特殊領域として表示形成され(図では、二重線で表示)、表示領域Dm9にて、「MAXオーバー」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには「この大当たりどこまで続くか?」の文字が表示される。
このように構成することで、大当たり遊技が連続して実行されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、本第32制御例では、特殊表示態様を表示するための条件として、連続して保留連演出が実行されている期間中のラウンド遊技数の累積値が1回の大当たり遊技にて実行され得るラウンド遊技数の上限を超えた場合に成立する条件を設けているが、これに限ること無く、連続して保留連演出が実行されている期間中のラウンド遊技数の累積値が特定数(例えば、10の倍数)となった場合や、保留連演出が連続して実行された回数が特定数(例えば、5回)を超えた場合や、ラッシュ期間中に獲得した賞球数を示す表示領域Dm6に表示されているポイント表示が特定数(例えば、10000P)となった場合に成立する条件を設けても良い。
また、特殊表示態様として複数の表示態様を段階的に表示可能に構成し、且つ、各表示態様を表示するための条件を、連続して保留連演出が実行されている期間中のラウンド遊技数の累積値や、保留連演出が連続して実行された回数が特定数や、ラッシュ期間中に獲得した賞球数を示す表示領域Dm6に表示されているポイント表示が特定数に対して段階的に設けるように構成し、段階的に設けられた表示条件が成立する毎に異なる表示態様を段階的に表示するように構成しても良い。
このように構成することで、より多彩な特殊表示態様を表示させようと、より意欲的に遊技者に対して遊技を行わせることができる。
次に、図947を参照して、本第32制御例のパチンコ機10における遊技環境を設定する際に表示される表示画面について説明をする。本第32制御例では、パチンコ機10の遊技環境を変更するための操作として、音声出力装置226から出力される音声の音量レベルを4段階から選択可能な音量レベル選択操作と、パチンコ機10に配設されている装飾発光用LEDや第3図柄表示装置81に設けられた液晶ディスプレイのバックライトの光量レベルを4段階から選択可能な光量レベル操作と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出態様の種別(ステージ種別)が切り替わる頻度を変更するモード種別選択操作と、を実行可能に構成している。
パチンコ機10が遊技されていない状態(待機状態)では、図947(a)に示した表示画面が表示される。図947(a)は、待機状態中に表示される表示画面の一例を示した図である。図947(a)に示した通り、待機状態中は、表示領域Dm5に現在設定されているステージ種別(図では「ウサギステージ」)が表示され、表示領域Dm6に現在設定されているモード種別(図では「ノーマルモード」)が表示され、表示領域Dm1には、現在が遊技中では無いことを示す表示態様として、最後に実行された特別図柄抽選の結果を示す表示態様(図では「316」)が表示されている。
そして、主表示領域Dmの下側には、音量調整に関する表示領域HR1、光量調整に関する表示領域HR2、モード種別選択に関する表示領域HR3が形成される。表示領域HR1には、音量レベルとして選択可能な範囲(LV1~LV4(MAX))を示す表示態様と、現在設定されている音量レベルを示す表示態様(図では、黒色で表示)とが表示され、その下方に、音量レベルを変更するための操作方法を示すための表示態様として、選択ボタン600のうち、右ボタン600c、又は左ボタン600eを操作することで音量レベルを変更可能であることを示すために、右ボタン600cに対応する右ボタンアイコンSw2と、左ボタン600eに対応する左ボタンアイコンSw4が表示されている。
また、表示領域HR2には、光量レベルとして選択可能な範囲(LV1~LV4(MAX))を示す表示態様と、現在設定されている光量レベルを示す表示態様(図では、黒色で表示)とが表示され、その下方に、光量レベルを変更するための操作方法を示すための表示態様として、選択ボタン600のうち、上ボタン600b、又は下ボタン600dを操作することで光量レベルを変更可能であることを示すために、上ボタン600bに対応する上ボタンアイコンSw5と、下ボタン600dに対応する下ボタンアイコンSw3が表示されている。
表示領域HR3には、モード種別を選択するための選択画面(メニュー)を表示するための操作方法を示すための表示態様として、選択ボタン600のうち、決定ボタン(中ボタン)600aに対応する中ボタンアイコンSw1が表示されている。
図947(a)に示した表示画面が表示されている状態で、遊技者が右ボタン600cを押下することで、音量レベルが1段階上がり、左ボタン600eを押下することで、音量レベルが1段階下がる。また、上ボタン600bを押下することで光量レベルが1段階上がり、下ボタン600dを押下することで光量レベルが1段階下がる。そして、遊技者による選択ボタン600に対する操作に基づいて選択された音量レベル、及び光量レベルが、後述する遊技環境格納エリア223uに格納される。
また、図947(a)に示した表示画面が表示されている状態で、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを押下すると、図947(b)に示した表示画面が表示される。図947(b)は、演出モードを選択可能な演出モード選択画面を模式的に示した図である。図947(b)に示した通り、演出モード選択画面が表示されている状態では、上ボタン600b、又は下ボタン600dを押下することで、選択されるモード種別を示す矢印アイコンya1が上下方向に移動し、演出ボタン22aを押下することで、矢印アイコンya1が示しているモード種別を決定することが可能な操作方法を示す表示態様が表示領域Dm8に表示されている。
また、主表示領域Dmには、現在が演出モード選択画面を表示していることを示すための表示態様として、表示領域Dm7に「演出モード選択画面」と表示され、選択可能なモード種別と、各モード種別の内容が表示されている。
具体的には、本第32制御例では、モード種別として「ノーマルモード」、「アクティブモード」、「固定モード」を選択可能に構成しており、各モード種別を示す表示態様としてノーマルモードM1、アクティブモードM2、固定モードM3が上下方向に並んで表示されている。そして、固定モードM3の下方には、モード種別を変更すること無く、演出モード選択画面を終了させる際に選択する表示態様として戻るアイコンM4が表示されている。なお、各モード種別の内容については後述する。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、遊技者が遊技をしていない状態において、遊技環境を選択可能に構成しているため、遊技者自身が自分に適した遊技環境を設定した状態で遊技を開始することができる。
なお、本第32制御例では、ステージ種別(ウサギステージ、勇者ステージ)を遊技者が選択できないように構成しているが、これに限ること無く、待機状態中において、遊技者が任意のステージ種別を選択可能に構成しても良い。
次に、図948(b)を参照して、特別図柄変動中に実行可能な遊技環境変更操作について説明をする。図948(b)は、特別図柄変動中に固定モードを設定した際の表示画面を示した図である。本第32制御例では、特別図柄変動が実行されている際中であっても、決定ボタン(中ボタン)600aを押下することで、現在設定されているステージ種別を固定可能に構成している。
つまり、本パチンコ機10を初めて遊技する遊技者は、待機状態中において自身の好みにあったステージ種別が他のステージ種別へと切り替わることを抑制するために固定モードを選択することが困難であった。一方、遊技を実行し、各ステージ種別にて実行される演出の概要を把握した状態では、各ステージ種別のうち、自身の好みにあったステージ種別を決定することが可能となる。
この場合、遊技を一旦中断し待機状態とした後に固定モードを設定する操作を実行させてしまうと、遊技の稼働が低下してしまうという問題があった。そこで、本第32制御例では、特別図柄変動中であっても、遊技者が所定の操作(決定ボタン600aの押下)を実行することで、モード種別を固定モードへと切り替えることができるように構成している。
このように構成することで、遊技中の遊技者が好みのステージ種別を見つけた直後に固定モードを設定することができる。また、決定ボタン600aを押下するという単純な操作、即ち、待機状態中において固定モードを設定するための操作よりも単純な操作で固定モードを設定することができるため、遊技中の遊技者に対して、固定モードを設定する煩わしさを与えることが無い。
特別図柄変動中に固定モードを設定した場合には、図948(b)に示した通り、表示領域Dm5にステージ種別が変更しないことを示すための表示態様として、カギを模したアイコンが表示される。これにより、固定モードが設定されたことを分かり易く報知することができる。なお、詳細な説明は省略するが、固定モードが設定された状態で再度遊技者が決定ボタン600aを押下することで、固定モードが解除される。
なお、詳細な説明は省略するが、本第32制御例では、待機状態が継続する期間が所定期間(例えば、1分)経過する毎に、ステージ種別が切り替わるように構成している。つまり、特別図柄変動が実行されている場合よりも、待機状態が設定されている場合の方が、ステージ種別が切り替わり易くなるように構成している。このように構成することで、待機状態中に固定モードを設定する際のステージ種別を選択し易くすることができる。
次に、図948(a)を参照して、本第32制御例にて実行される変動演出の演出内容について説明をする。図948(a)は、特別図柄変動中におけるステージ移行演出が実行された場合の演出画面を示した図である。図948(a)に示した通り、本第32制御例では、ステージ種別の移行条件(特別図柄変動回数や特別図柄抽選結果に基づいて成立する条件)が成立した場合に、第3図柄表示装置81の表示面を覆うシャッターst1,st2が表示される移行示唆演出を実行し、その後、シャッターst1,st2が非表示となり、移行後のステージ種別に応じた表示態様が表示されるように構成している。さらに、この移行示唆演出を用いて、ステージ種別が移行すること以外の変動演出を実行可能に構成しており、例えば、移行示唆演出が実行されたにも関わらず、ステージ種別が移行しなかった場合に、実行中の特別図柄抽選が当り当選している可能性が上昇するステージチェンジ演出を実行可能に構成している。
このステージチェンジ演出が実行されると、図948(a)に示した通り、シャッターst1,st2が表示され、その後、シャッターst1,st2の表面にステージチェンジ演出の実行中であることを示すための表示態様として、案内表示領域st1a,st1bが形成され「ステージチェンジ!?」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには、ステージチェンジ演出の演出内容を遊技者に案内するための案内態様として「ステージが変わらないと大チャンス」の文字が表示される。
このように構成することで、ステージ種別が移行することを示唆するための移行示唆演出を、大当たり当選期待度を遊技者に示す演出(ステージチェンジ演出)の一部として用いることができるため、ステージ種別を移行させるためのシャッターst1,st2が表示された場合に、ステージ種別が移行しないことを期待するという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、詳細な図示は省略するが、この移行示唆演出を含むステージチェンジ演出を、固定モード中に実行しても良く、例えば、固定モード中に移行示唆演出が実行された場合には、副表示領域Dsに「ステージが変わるとチャンス」の案内態様を表示すると良い。ここで、本第32制御例では、固定モードが設定されている場合であっても、大当たり当選している特別図柄変動中にステージ種別を移行可能に構成している。よって、固定モード中にステージチェンジ演出が実行され、演出結果としてステージ種別が移行した場合には、大当たり当選を報知することができる。
また、上述したステージチェンジ演出を、特別図柄変動の期間中だけで無く、大当たり遊技期間中に実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、固定モードが設定されている状態で大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技のエンディング期間中に、ステージチェンジ演出を実行する。そして、大当たり遊技終了後に設定されるステージ種別が、大当たり遊技前に設定されていたステージ種別と異ならせることで、保留連することを遊技者に報知するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技の前後に設定されるステージ種別、即ち、大当たり遊技演出の実行期間を挟んで表示されるステージ種別が同一であるか異なっているかを遊技者が把握し難くなるため、ステージチェンジ演出の演出結果(シャッターst1,st2非表示後のステージ種別)が表示された後に保留連が実行されるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
<第32制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図949を参照して、本第32制御例における遊技内容(各遊技状態の遷移内容)を説明する。図949は、遊技状態の遷移内容を示したゲームフローである。図949に示した通り、本第32制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しており、通常状態では左打ち遊技が、時短状態中は右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となるように構成している。
パチンコ機10の初期状態としては、特図1保留、及び、特図2保留を獲得していない状態で通常状態が設定される。この通常状態では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させるための遊技が行われる。この通常状態では、特別図柄の低確率状態が設定されているため、208/65536(約1/300)の確率で大当たり当選し、1/65536の確率で小当たり当選する第1特別図柄抽選が実行される。
ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」、或いは、「大当たりB」が設定され、大当たり種別「大当たりA」が設定された大当たり遊技の終了後には時短状態が、「大当たりB」が設定された大当たり遊技の終了後には通常状態が設定される。大当たり当選した場合に設定される大当たり種別の割合は、予め規定されており、通常状態において第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、60%の確率で「大当たりA」が、40%の確率で「大当たりB」が設定される。
また、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別として「小当たりA」が設定される小当たり遊技が実行される。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させるための正常な遊技(右打ち遊技)を実行することで、遊技球を特定領域へと入球させる(V入賞させる)ことが可能な小当たり遊技であり、V入賞した場合には、小当たり遊技終了後に、「大当たりC」が設定された大当たり遊技が実行される。
「大当たりA」,「大当たりC」の大当たり遊技が終了すると、時短状態が設定される。一方で、「大当たりB」の大当たり遊技が終了した場合、或いは、小当たり遊技中にV入賞させること無く小当たり遊技が終了した場合(非V入賞の場合)は、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。
次に、本第32制御例のパチンコ機10における時短状態の内容について説明をする。図949に示した通り、本第32制御例では、時短状態中は特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定され、通常状態に対して、普通図柄抽選の結果に基づいて第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる遊技状態となる。この時短状態は、所定の終了条件が成立した場合に終了するように構成しており、具体的には、時短終了条件として、第2特別図柄変動(特図2変動)が3回実行された(3回目の特図2変動が停止表示された)場合、小当たり当選したことを示す特別図柄が停止表示された場合、第1特別図柄変動(特図1変動)と、特図2変動の合算回数が10回に到達した(10回目の特図変動が停止表示された)場合の何れかの条件を満たした場合に成立する時短終了条件が設けられている。
時短状態中は、右打ち遊技によってスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選を実行し、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させる遊技が実行される。そして、第2入球口640へと遊技球が入球した場合には、1/2の確率で小当たり当選し、208/65536(約1/300)の確率で大当たり当選する第2特別図柄抽選が実行される。
つまり、時短状態が設定された場合には、第2特別図柄抽選が3回実行されるまでに小当たり当選、或いは、大当たり当選することを目指す遊技が行われる。本第32制御例では、時短状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、第1特別図柄抽選よりも高確率で、大当たり当選、或いは、小当たり当選するように構成しており、小当たり遊技が実行された場合には小当たり遊技中に正常に遊技(右打ち遊技)を実行することで、確実に大当たり遊技の実行権利(特定領域(Vゲート)650e3への遊技球の入球)を獲得可能に構成している。
時短状態中において、特図2抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別として「小当たりB」と「小当たりC」とを設定可能に構成している。そして、何れの小当たり種別が設定された場合であっても、V入賞可能な小当たり遊技が実行され、V入賞したことに基づいて実行される大当たり遊技の内容が異なる大当たり遊技が実行される。なお、何れの小当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技の終了後には時短状態が設定される。
つまり、本第32制御例では、時短状態中に実行可能な3回の第2特別図柄抽選の何れかで、1/2の確率で当選する小当たりに当選する限り、連続して時短状態中の遊技を実行することができる。
一方、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動が停止表示された場合において、特図2保留を獲得している場合は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される通常状態(引き戻し遊技)へと移行する。この引き戻し遊技中は、図941(b)に示した引き戻し演出が実行される。
通常状態(引き戻し遊技)において第2特別図柄抽選が実行された場合には、時短状態中と同一の確率(1/2)で小当たり当選する第2特別図柄抽選が実行される。そして、時短状態中における第2特別図柄抽選と同一の選択割合で小当たり種別が選択される。
なお、本第32制御例では、通常状態における小当たり種別の選択割合と、時短状態における小当たり種別の選択割合と、を同一に設定しているが、これに限ること無く、一方の遊技状態の方が、他方の遊技状態よりも遊技者に有利な小当たり種別が選択され易くなるように構成しても良く、例えば、通常状態が設定されている場合の方が遊技者に有利な小当たり種別(小当たりC)を選択させ易くするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることが可能となる。よって、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることの有利度合いを高めることができる。
<第32制御例における電気的構成について>
次に、図950を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図950は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図951を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図951は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図963参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図978参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)からなる第1入球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、1つの保留エリア(保留第1エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、小当たり種別カウンタC5、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動(特別図柄抽選)が開始される。
なお、本第32制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成しても良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本第32制御例では、特別図柄抽選の実行条件(特別図柄変動の始動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている情報よりも、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている情報を優先して読み出すように構成している。つまり、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選を優先して実行可能に構成している。また、第2特別図柄抽選の方が、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行されるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bの何れにも情報が格納されている状態で特別図柄抽選の実行条件が成立した場合であっても、遊技者に有利な特別図柄抽選を優先して実行させることができる。
なお、本第32制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、何れか一方の特別図柄種別の抽選を、他の特別図柄種別の抽選よりも優先して実行するのでは無く、第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bに情報が格納された順序を記憶可能な格納順序記憶手段を設け、その格納順序記憶手段に記憶されている順序(入賞順)に基づいて特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。さらに、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本第32制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと小当たりと外れとなるように構成している。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
本第32制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、小当たり当選した場合も、抽選結果を示すための特別図柄が停止表示された場合に通常状態が設定され、設定された当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応した当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が通常状態にて実行されるように構成している。そして、大当たり遊技が終了した後には、設定された大当たり種別に応じた遊技状態が設定されるのに対して、小当たり遊技が終了した後は通常状態が継続する(小当たり種別に応じて遊技状態を設定する機能を有していない)ように構成している。つまり、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて遊技者に付与される大当たり(第1特典)と、小当たり(第2特典)とでは、実行される当たり遊技の内容だけで無く、遊技状態の移行内容も異なるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて遊技者に付与される特典の種類にバリエーションを持たせ易くすることができる。
なお、大当たり当選した場合と、小当たり当選した場合とで遊技状態の移行内容を異ならせる手法として、本第32制御例に用いた手法以外を用いても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成するのに対して、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本第32制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタ(図示せず)の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図951を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0~65535)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~65535の値を取り得るカウンタの場合は65535)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0~65535の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0~65535の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図963参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図978参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された小当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の小当たりと判定する。
ここで、図953を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図953(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、大当たり、或いは、小当たりと判定される乱数値(判定値)が規定されたテーブルであって、特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別に応じて異なる乱数値(判定値)が規定されているデータテーブルを有している。
具体的には、図953(a)に示した通り、第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄1乱数テーブル202a1と、特別図柄2乱数テーブル202a2と、を有している。この特別図柄1乱数テーブル202a1は、第1特別図柄抽選が実行された場合に抽選結果を判定するために参照されるデータテーブルであって、特別図柄2乱数テーブル202a2は、第2特別図柄抽選が実行された場合に抽選結果を判定するために参照されるデータテーブルである。
次に、図953(b)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202a1の内容について説明をする。図953(b)は、特別図柄1乱数テーブル202a1に規定されている内容を模式的に示した図である。特別図柄1乱数テーブル202a1には、大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)と、小当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)とが規定されている。
具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~207」の範囲に対して大当たり当選と判定する大当たり判定値を規定し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「65535」に対して小当たり当選する小当たり判定値を規定している。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の更新範囲は「0~65535」であり、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値は全部で65536個であって、そのうち大当たり判定値が208個で、小当たり判定値が1個に規定しているため、第1特別図柄抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、208/65536(約1/300)となり、小当たりと判定される確率は、1/65536となる。
よって、第1特別図柄抽選が実行された場合には、小当たり当選する確率よりも大当たり当選する確率の方が高確率となるため、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選を実行し、大当たり当選を目指す遊技が行われる。
次に、図953(c)を参照して、特別図柄2乱数テーブル202a2の内容について説明をする。図953(c)は、特別図柄2乱数テーブル202a2に規定されている内容を模式的に示した図である。特別図柄2乱数テーブル202a2には、大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)と、小当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)とが規定されている。
具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0~207」の範囲に対して大当たり当選と判定する大当たり判定値を規定し、第1当たり乱数カウンタC1の値が「32768~65535」の範囲に対して小当たり当選と判定する小当たり判定値を規定している。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の更新範囲は「0~65535」であり、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値は全部で65536個であって、そのうち大当たり判定値が208個で、小当たり判定値が32768個に規定しているため、第2特別図柄抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、208/65536(約1/300)となり、小当たりと判定される確率は、32768/65536(約1/2)となる。
よって、第2特別図柄抽選が実行された場合には、大当たり当選する確率よりも小当たり当選する確率の方が高確率となるため、第2特別図柄抽選が主として実行される時短状態が設定される場合には、第2特別図柄抽選を実行し、小当たり当選を目指す遊技が行われる。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、特別図柄種別に応じて、特別図柄抽選に基づいて付与され易い特典の種別(大当たり、小当たり)を異ならせるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで、異なる特典が付与され易くなるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第32制御例では、設定されている遊技状態に応じて、特別図柄抽選が実行され易い特別図柄種別を異ならせるように構成しており、具体的には、通常状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選が実行され易く、時短状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。さらに、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立することで(特定領域(V領域)へと遊技球が入賞することで)、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。
このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて、大当たり遊技を実行させるための過程を異ならせ易くすることができる。具体的には、通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技の実行条件(第1実行条件)を成立させて大当たり遊技を実行することを目的とした遊技を遊技者に主として行わせ、時短状態が設定されている場合には、第2特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を入球させることによって大当たり遊技の実行条件(第2実行条件)を成立させて大当たり遊技を実行することを目的とした遊技を遊技者に主として行わせるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態に応じて成立し易い大当たり遊技の実行条件を異ならせることができるため、様々な実行条件の成立に基づいて大当たり遊技を実行させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本第32制御例では、第1特別図柄抽選が実行される場合よりも第2特別図柄抽選が実行された場合の方が、大当たり遊技を実行させるための実行条件が成立し易く(第2実行条件が成立し易く)なるように構成しており、且つ、通常状態よりも時短状態の方が第2特別図柄抽選を実行させ易く構成している。また、時短状態は、大当たり遊技の終了後に設定されるように構成している。
このように構成することで、通常状態中の遊技を行っている遊技者に対して、まず、第1特別図柄抽選で大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たりの当選を目指し、その後、時短状態にて第2特別図柄抽選で小当たり当選を目指す遊技、即ち、遊技者に対して最も有利となる遊技を実行するために、段階を踏んだ遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きることの無いパチンコ機10を提供することができる。
なお、本第32制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、大当たり判定値が可変しないように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて大当たり判定値を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態と、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態と、を設定可能に構成し、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の高確率状態の方が、大当たり判定値を増加するように構成すると良い。また、特別図柄の高確率状態は、特定の大当たり種別が設定された場合において大当たり遊技終了後に設定されるように構成すると良い。
このように構成することで、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態であったとしても、設定されている特別図柄の確率状態に応じて、大当たり当選する確率を異ならせることができるため、遊技者への有利度合いを異ならせた遊技状態を複数設定することが可能となる。よって、様々な有利度合いの遊技状態で遊技者に遊技を行わせることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第32制御例では、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に応じて、小当たり判定値が可変しないように構成しているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて小当たり判定値を可変させるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される遊技状態と、特別図柄の高確率状態が設定される遊技状態と、を設定可能に構成し、特別図柄の低確率状態よりも特別図柄の高確率状態の方が、小当たり判定値を増加するように構成すると良い。また、特別図柄の高確率状態は、特定の大当たり種別が設定された場合において大当たり遊技終了後に設定されるように構成すると良い。
このように構成することで、第1特別図柄抽選が主として実行される遊技状態であったとしても、設定されている特別図柄の確率状態に応じて、小当たり当選する確率を異ならせることができるため、遊技者への有利度合いを異ならせた遊技状態を複数設定することが可能となる。よって、様々な有利度合いの遊技状態で遊技者に遊技を行わせることで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、特別図柄の確率状態として特別図柄の高確率状態と、特別図柄の低確率状態と、を設定可能に構成した場合には、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率も小当たり当選確率も高くなるように構成しても良いし、一方のみが特別図柄の低確率状態よりも高確率となるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の高確率状態として、第1高確率状態、第2高確率状態、第3高確率状態を設定可能に構成し、第1高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率も小当たり当選確率も高くなるように構成し、第2高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、大当たり当選確率のみが高くなるように構成し、第3高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、小当たり当選確率のみが高くなるように構成すると良い。
このように構成することで、特別図柄の確率状態としてより多彩な状態を設定することが可能となるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことをより抑制することができる。また、特別図柄の確率状態として、大当たり確率、小当たり確率を3種類以上設定可能に構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率、又は小当たり確率を設定するように構成しても良い。
本第32制御例では、図953(b)、及び図953(c)に示した通り、第1特別図柄抽選における大当たり確率と、第2特別図柄抽選における大当たり確率と、が同一となるように構成しているが、これに限ること無く、実行される特別図柄抽選の種別(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)に応じて、大当たり当選する確率を異ならせても良い。
また、本第32制御例では、図953(b)、及び図953(c)に示した通り、第1特別図柄抽選における小当たり確率と、第2特別図柄抽選における小当たり確率と、を異ならせているが、これに限ること無く、第1特別図柄抽選の小当たり確率と、第2特別図柄抽選の小当たり確率と、が同一となるように構成しても良い。さらに、本第32制御例では、当選確率は異なるが、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選との何れでも小当たり当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、何れか一方の特別図柄種別のみ小当たり当選し得る特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄抽選が大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0~99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0~99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第32制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本第32制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判定するように構成している。ここで、図954(a)を参照して大当たり種別選択テーブル202bの内容について説明をする。
図954(a)は、大当たり種別選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図954(a)に示した通り、この大当たり種別選択テーブル202bは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される情報と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される情報と、が規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0~99」)が「0~59」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たり遊技のラウンド数が6ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が、それぞれ設定される大当たり種別である。
詳細な説明は、図954(b)を参照して後述するが、本第32制御例におけるパチンコ機10では、時短状態を終了させるための時短終了条件として複数の時短終了条件を同時に設定可能に構成しており、設定されている複数の時短終了条件のうち、何れか1の時短終了条件が成立した場合に、時短状態を終了させるように構成している。上述した時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tは、それぞれ異なる時短終了条件が成立したか否かを判定する際に参照されるカウンタであって、時短状態中に実行された特別図柄抽選に基づいて対応するカウンタ値が更新されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行された特別図柄抽選の内容に応じて、異なる時短終了条件が成立し、時短状態を終了させることが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されている状態において、故意に不適切な遊技(例えば、第2特別図柄抽選を実行させるための右打ち遊技では無く、第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技)を実行した場合であっても、時短状態を終了させることができるため、時短状態が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が60個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は60%(60/100)である。
また、図954(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「60~99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たり遊技のラウンド数が6ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「0」が、小当たりカウンタ203sの値に「0」が、特図2カウンタ203tの値に「0」が設定される大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が40個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は40%(40/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定される分、有利な大当たり種別となる。
一方、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の全範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たり遊技のラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が設定される大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が100個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は100%(30/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、特定の大当たり種別(大当たりC)が必ず設定されるように構成しており、「大当たりC」は、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)よりも大当たり遊技のラウンド数が大きくなるように構成している。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態も、「大当たりA」と同様に、遊技者に有利となる時短状態が設定されるように構成している。
よって、第2特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される「大当たりC」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、次いで、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に設定される「大当たりA」が遊技者に有利な大当たり種別となる。そして、「大当たりB」が遊技者に最も不利な大当たり種別となる。
ここで、本第32制御例では、第2特別図柄抽選が実行された場合には、約1/2の確率で小当たり当選し、その小当たり当選に基づいて実行される小当たり遊技中に大当たり遊技の実行条件が成立し易くなり、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される遊技が主として実行されるように構成している。また、第2特別図柄抽選が実行され易い時短状態は、所定回数(1回)の小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立するように構成している。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選するには、約1/2の確率で当選する小当たりに当選すること無く、約1/300の確率で当選する大当たりに当選する必要がある。
このように大当たり遊技を実行させることが可能であって、且つ、高確率で当選し得る小当たりでは無く、その小当たりの当選確率よりも低確率に設定されている大当たりに当選したことの付加価値を遊技者に付与するために「大当たりC」が最も遊技者に有利な大当たり種別となるように構成している。このように構成することで、時短状態中に大当たり当選した遊技者に対して、付加価値を付与することができるため、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選にて小当たり当選よりも先に大当たり当選した遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず時短大当たり遊技が実行されるため、60%の割合で時短大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な特別図柄抽選となる。また、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数、即ち、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面においても、獲得し得る最大数、最小数、平均数の何れにおいても第2特別図柄抽選のほうが多くなるように規定している。
なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで同一のラウンド数の大当たり遊技が実行されるように構成し、大当たり遊技期間が同一となるように構成している。そして、この同一の大当たり遊技期間を用いて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に示唆するための大当たり遊技演出(討伐演出)を実行するように構成している。このように構成することで、実行される大当たり遊技の遊技内容に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に把握されてしまうことを抑制し、大当たり遊技中に実行される討伐演出に対して遊技者に興味を持たせ易くすることができる。
なお、これに限ることなく、選択された大当たり種別に応じて異なる数のラウンド遊技を実行可能に構成しても良い。この場合、討伐演出の演出期間を、少ない数のラウンド遊技が実行される大当たり遊技期間に対応させるように構成し、多い数のラウンド遊技が実行される大当たり遊技では、討伐演出の演出期間が経過した後に、残りのラウンド数に対応させた大当たり遊技演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、少なくとも討伐演出の演出期間中は、大当たり遊技の遊技内容に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を遊技者に把握させ難くすることができる。また、この場合、少ないラウンド遊技が実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別の方が、多いラウンド遊技が実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように大当たり種別選択テーブル202bの内容を規定すると良い。
このように構成することで、討伐演出の演出結果として時短状態が設定されることを示す演出結果(成功演出)が表示された直後に、時短状態を設定することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、遊技者に有利な遊技状態が設定される大当たり遊技の方が、遊技者に不利な遊技状態が設定される大当たり遊技よりも、大当たり遊技中に遊技者が獲得可能な賞球数を少なくすることで、遊技者に対して過剰に賞球数を獲得されてしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、大当たり遊技終了後に不利な遊技状態(通常状態)が設定される遊技者に対して、大当たり遊技終了後に有利な遊技状態(時短状態)が設定される遊技者よりも、1回の大当たり遊技で多めに賞球を獲得させることができるため、大当たり遊技を実行したにも関わらず少ない賞球を獲得しただけで通常状態へ移行してしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第32制御例では、時短状態が設定された場合に時短状態を同一期間(時短回数3回)設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて時短回数(時短終了条件)を異ならせるように構成しても良い。
図951に戻り説明を続ける。小当たり種別カウンタC5は、例えば、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(本第32制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本第32制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0~99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した小当たり種別カウンタC5の値を用いて、小当たり種別選択テーブル202fを参照して小当たりに当選した場合の小当たり種別を判定するように構成している。ここで、図955を参照して小当たり種別選択テーブル202fの内容について説明をする。
図955は、小当たり種別選択テーブル202fに規定されている内容を模式的に示した図である。図955に示した通り、この小当たり種別選択テーブル202fは、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に参照される情報と、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に参照される情報と、が規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の小当たり種別としては、小当たり種別カウンタC5の値(更新範囲「0~99」)が「0~99」の全範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりC」が設定される小当たり種別である。
一方、第2特別図柄(特図2)の小当たり種別としては、小当たり種別カウンタC5の値(更新範囲「0~99」)が「0~79」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB」が対応付けて規定されており、「80~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりD」が設定される小当たり種別である。また、「小当たりC」は、小当たり遊技中に特定領域(V領域)へと遊技球を容易に入球させることが可能な小当たり遊技が実行される小当たり種別であって、特定領域(V領域)へと遊技球を入球させたことに基づいて大当たり種別「大当たりC」が設定される小当たり種別である。
つまり、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が100個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりA」が決定される割合は100%(100/100)である。一方、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が80個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりB」が決定される割合は80%(80/100)である。また、「小当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、「小当たりC」が決定される割合は20%(20/100)である。
ここで、各小当たり遊技が実行されたことに基づいて設定され得る大当たり種別について説明をする。本第32制御例では、小当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置(V入賞装置)650へと入賞した遊技球が通過可能な遊技球流路内に特定領域(V領域)を設け、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)を通過した場合に、大当たり遊技の実行条件(V条件)が成立し、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。そして、V条件が成立した場合に実行される大当たり遊技の内容は、小当たり当選時に設定される小当たり種別に応じて予め決定されている。
つまり、小当たり当選した場合に設定される小当たり種別には、V条件が成立したことに基づいて実行される大当たり遊技に関する大当たり種別が規定されている。具体的には、図955に示した通り、「小当たりA」、及び「小当たりC」に対しては、「大当たりC」の大当たり種別が規定されており、「小当たりB」に対しては、「大当たりD」の大当たり種別が規定されている。
ここで、「大当たりC」が設定された場合には、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(「大当たりC」が設定される大当たり遊技)と同一の大当たり遊技、即ち、大当たり遊技のラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行される。一方、「大当たりD」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には設定されることの無い大当たり種別であり、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される時短大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が設定される大当たり種別である。
つまり、本第32制御例では、パチンコ機10全体として、4種類の大当たり種別(大当たりA~大当たりD)を設定可能に構成しており、「大当たりA」、「大当たりB」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ設定され得る大当たり種別となり、「大当たりC」は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、及び、特別図柄抽選で小当たり当選時に設定され得る大当たり種別となり、「大当たりD」は、特別図柄抽選で小当たり当選した場合にのみ設定され得る大当たり種別となる。
このように、大当たり遊技を実行するための複数の実行条件のうち、成立した実行条件に応じて異なる大当たり種別の大当たり遊技を実行可能に構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させるために様々な実行条件を成立させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第32制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部と、小当たり遊技中にV条件が成立した場合の一部とで同一内容の大当たり遊技(「大当たりC」に基づく大当たり遊技)を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、小当たり遊技中にV条件が成立した場合とで異なる内容の大当たり遊技が実行されるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技を実行するための実行条件を複数有するパチンコ機10において、成立させた実行条件に応じて異なる内容の大当たり遊技を実行させることができる。
図951に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図978参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図956(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図956(a)を参照して変動パターン選択テーブル202dの内容について説明をする。図956(a)は変動パターン選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図956(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2、特殊時短用変動パターンテーブル202d3、時短最終変動パターンテーブル202d4、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照する変動パターン選択テーブル202dの種別を、変動パターンシナリオテーブル202hに規定されている内容に応じて決定するように構成している。
このように構成することで、同一の遊技状態が設定されている場合であっても、変動パターンシナリオテーブル202hに規定されている内容に基づいて異なる種別の変動パターン選択テーブルを参照して特別図柄変動の変動パターンを決定することが可能となる。
図951に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0~299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図963参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たり(普図当たり)と判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容について、詳細に説明をすると、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0~149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本第32制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本第32制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(時短状態)を容易に設定することができる。
さらに、本第32制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合には、第2入球口640へと球を入球させることが困難な動作態様(ショート開放)で電動役物640aが開放動作される普図当たり遊技が実行されるように構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)において普通図柄抽選で当り当選しても、第2入球口640へと遊技球が入球してしまうことを抑制することができるため、通常状態が設定されている場合において、第1特別図柄抽選が実行されることを目指す左打ち遊技では無く、第2特別図柄抽選が実行されることを目指す右打ち遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態)にて、第2入球口640へと遊技球を入賞させ難くするために、普通図柄の低確率状態中は、普通図柄の高確率状態中に比べて、普通図柄抽選で当り当選し難くし、且つ、普通図柄抽選で当り当選(普図当たり当選)した場合であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となる動作態様で電動役物640aを動作させる普図当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技を実行している際中にも普通図柄抽選が実行されるように、スルーゲート67を左打ち遊技によって発射された遊技球が通過可能な右打ち領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に設け、通常状態中に実行された普通図柄抽選によって当たり当選した場合の一部において、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640aを動作される普図当たり遊技(ロング普図当たり遊技)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この場合、ロング普図当たり遊技が実行される普図当たりに当選したことを示すための普通図柄変動の変動時間(ロング普図当たり変動時間)が、他の普通図柄の変動時間よりも長くなるように構成し、ロング普図当たり変動時間中に、遊技者に対して、ロング普図当たり遊技が実行されることを示すための情報と、遊技方法を右打ち遊技へと切り替えることを案内するための情報と、を少なくとも含む普図当たり演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、通常状態中であって、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、ロング普図当たり遊技が実行された場合に第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。
さらに、普通図柄の低確率状態中における普通図柄の当たり確率を極端に低確率(例えば、1/65536)に設定しておき、普通図柄の低確率状態中に実行された普通図柄抽選で当り当選した場合に、ロング普図当たり遊技が必ず実行されるように構成しても良い。また、この場合、1回のロング普図当たり遊技を契機に第2特別図柄抽選が複数回実行されるように構成すると良い。
具体的には、ロング普図当たり遊技の動作パターンとして、遊技球が第1期間の間隔を空けて第2入球口640へと複数回入球し得るよう動作パターンを決定し、且つ、第2特別図柄変動の変動時間が、第1期間よりも短い第2期間となるように構成すると良い。このように構成することで、ロング普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球が入球する毎に、新たな第2特別図柄変動を実行させ易くすることができるため、1回のロング普図当たり遊技を契機に第2特別図柄抽選を複数回実行させ易くすることができる。
このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)の遊技を行っている遊技者に対して、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定することで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す第1遊技と、普通図柄抽選の抽選結果に基づいてロング普図当たり遊技を実行することで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す第2遊技と、を並行して実行させることができるため、単調な遊技が継続し遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、この場合、1回のロング普図当たり遊技によって実行可能となる第2特別図柄抽選の実行回数が、時短状態中に実行可能となる第2特別図柄抽選の実行回数よりも多くなるように構成しても良い。つまり、第2特別図柄抽選が実行され易くなる時短状態が設定されてから、時短状態の時短終了条件が成立するまでの期間において実行可能な第2特別図柄抽選の実行回数(本第32制御例では3回)よりも、普通図柄の低確率状態(通常状態)中に実行された普通図柄抽選で当り当選し、ロング普図当たり遊技が実行された場合の方が、多くの第2特別図柄抽選を実行させることが可能となるように構成しても良い。
このように構成することで、第2特別図柄抽選を実行させ易くする状態への移行契機として、成立し難い移行契機が成立した場合の方が、成立し易い移行契機が成立した場合よりも多くの第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能となるため、成立し難い移行契機を成立させた遊技者に対して、付加価値を付与することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0~299)、タイマ割込処理(図963参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図978参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図950に戻り説明を続ける。ROM202は、図951に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図952(a)を参照して、本第32制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図952(a)は、本第32制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図952(a)に示した通り、本第32制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202a、大当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202d、時短付与テーブル202e、小当たり種別選択テーブル202f、開放シナリオテーブル202g、変動パターンシナリオテーブル202hを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、大当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、小当たり種別選択テーブル202fについては、図951に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図956(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202dには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターンテーブル202d1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターンテーブル202d2、特殊時短用変動パターンテーブル202d3、時短最終変動パターンテーブル202d4、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照する変動パターン選択テーブル202dの種別を、変動パターンシナリオテーブル202hに規定されている内容に応じて決定するように構成している。
通常用変動パターンテーブル202d1は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルである。ここで、図956(b)を参照して、通常用変動パターンテーブル202d1に規定されている内容について説明をする。図956(b)は、通常用変動パターンテーブル202d1に規定されている内容を模式的に示した図である。
図956(b)に示した通り、通常用変動パターンテーブル202d1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。
具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。
さらに、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。
つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が外れ以外(大当たり、又は小当たり)である場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たり、又は小当たりである可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、当たり(大当たり、小当たり)当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、通常状態における第1特別図柄変動として決定可能な変動パターンのうち、所定時間(80秒)よりも長い変動時間(90秒、140秒)となる変動パターンを、特別図柄抽選の結果が外れ以外である場合に決定可能に構成しているため、過剰に長い変動時間の変動パターンで特別図柄変動が実行されている場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、遊技者に対して特別図柄抽選の結果を把握させることが可能となる。よって、過剰に長い変動時間で特別図柄変動が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、特別図柄抽選の結果が外れである場合の少なくとも一部と、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の少なくとも一部において、同一の変動時間(40秒、80秒)が設定される変動パターンを決定可能に構成している。このように構成することで、実行されている特別図柄変動の変動時間を特別図柄変動が停止表示されるよりも前に把握したとしても、実行されている特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させ難くすることができる。
ここで、通常用変動パターンテーブル202d1を参照して変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを示すための変動パターンコマンドを設定し、主制御装置110のメイン処理(図978参照)にて実行される外部出力処理(図978のS1801参照)によって、音声ランプ制御装置113に向けて出力される。そして、音声ランプ制御装置113が変動パターンコマンドを受信すると、受信した変動パターンコマンドに含まれる情報(抽選結果、変動時間等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出態様を決定する処理が実行される。
一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」、「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定されている。
本第32制御例では、通常状態が設定されている状態では、第2入球口640へと遊技球が入球し難く(不可能)なるように遊技盤13に各種機構を配設しており、通常状態中に右打ち遊技を実行し、普図当たり遊技を実行したとしても、第2特別図柄抽選が実行され難く構成している。また、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を最大で1個獲得可能に構成している。
よって、通常状態において第2特別図柄抽選が実行される遊技状況としては、第2特別図柄抽選を容易に実行することが可能な時短状態中に特図2保留を獲得し、獲得した特図2保留を保持した状態で時短状態から通常状態へと移行し、通常状態が設定された後に、保持している特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される遊技状況となる。
つまり、第2特別図柄抽選を容易に実行させることが可能な時短状態が終了し、その時短状態を契機に実行される最後の第2特別図柄抽選として通常状態にて第2特別図柄抽選が実行されることになる。よって、本第32制御例では、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として、抽選結果に関わらず一定の長さ(20秒)の変動時間が設定される変動パターンが決定されるように構成している。そして、本変動時間を用いて時短状態終了後の引き戻し演出(図941(b)参照)を実行するように構成している。
このように、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が、特定の遊技状態(通常状態)で実行された場合に、抽選結果に関わらず同一の長さの変動時間が設定される変動パターンを決定するように構成することで、その特別図柄変動中に実行される特定演出の演出期間を特別図柄抽選の結果に関わらず統一することができる。
次に、図957(a)を参照して、時短用変動パターンテーブル202d2の内容について説明をする。図957(a)は、時短用変動パターンテーブル202d2に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短用変動パターンテーブル202d2は、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを決定する際に主として参照されるデータテーブルであって、時短状態中に参照される他のデータテーブル(特殊時短用変動パターンテーブル202d3、時短最終変動パターンテーブル202d4)よりも頻繁に参照されるデータテーブルである。
具体的には、この時短用変動パターンテーブル202d2は、時短状態が設定されてからの実行回数が1~4回目の第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動パターンを決定する場合、又は、時短状態が設定されてからの実行回数が1,2回目の第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動パターンを決定する場合において参照される。
本第32制御例では、時短状態が設定されると、普通図柄抽選で当り当選した場合に第2入球口640へと遊技球を入球させ易い動作態様で普図当たり遊技(ロング普図当たり遊技)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されている間は、右打ち遊技を行うことで第2特別図柄抽選が実行されることを目指す遊技が行われる。
ここで、例えば、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり遊技が実行された後に時短状態が設定された場合には、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得している状態で時短状態が設定されることになり、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得するまでの間に、第1特別図柄抽選が実行される場合があった。本第32制御例におけるパチンコ機10は、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数を増加させるために、時短状態中に実行される第2特別図柄変動にて設定される変動時間が短くなるように構成しているが、時短状態で第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に第1特別図柄抽選が実行された場合には、実行された第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が停止表示されるまで、第2特別図柄抽選を実行することができず、結果として時短状態が設定されている期間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が少なくなってしまうという問題があった。
加えて、本第32制御例におけるパチンコ機10は、特図2保留を最大で1個記憶可能に構成しており、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短時間(1秒)の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態中は、特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が頻繁に実行されるため、右打ち遊技によって発射された遊技球の流下状況によっては、特図2保留を獲得していない状態が発生し得る。このような状態において特図1保留を獲得している場合には第1特別図柄抽選が実行されてしまうため、新たに特図2保留を獲得したとしてもその時点が第1特別図柄変動中である場合には、新たに獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄変動を即座に実行することが出来ず、結果として時短状態が設定されている単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が少なくなってしまうという問題があった。
これに対して、本第32制御例では、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として、短い変動時間を決定可能に構成し、特図2保留を獲得しておらず、特図1保留のみを獲得している状態で時短状態が設定された場合に、特図1保留を短時間で消化するように構成している。このように構成することで特図1保留を獲得したままの状態で特図2保留を獲得し、特図1保留に基づいて実行される第1特別図柄変動によって、第2特別図柄抽選が実行される効率が低下してしまうことを抑制することができる。
具体的には、図957(a)に示した通り、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が2秒の「短大当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。
一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短大当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が規定されている。
以上、説明をした通り、時短用変動パターンテーブル202d2を参照して変動パターンが決定される1~4回目の第1特別図柄変動、即ち、特図1保留として獲得可能な上限数(4個)に該当する変動回数であって、通常状態中に獲得した特図1保留に基づいて時短状態中に実行され得る回数の第1特別図柄変動に対しては、抽選結果が外れである場合には、変動時間が0.5秒の変動パターンが設定される。このように構成することで、特図1保留を獲得している状態で、時短状態が設定されたとしても、特図2保留を獲得するまで(時短状態中に実行された普通図柄抽選で当り当選したことに基づく普図当たり遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させるまで)の間に、獲得済みの特図1保留を全て消化させ易くすることができる。
また、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の抽選結果が外れ当選以外の場合(大当たり、小当たり)には、遊技者が抽選結果を把握可能な程度の変動時間が設定され、時短状態中に実行された第1特別図柄抽選にて当たり当選したことを遊技者に報知するための専用演出が実行される。このように構成することで、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に当たり遊技が実行された経緯を遊技者に分かり易く理解させることができる。なお、時短状態中に第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、通常状態中に第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合と、同一の変動パターン(90秒)が決定されるように構成している。そして、小当たり当選に対応した特別図柄変動中は、遊技状態に関わらず同一の変動演出が実行されるように構成している。
また、時短用変動パターンテーブル202d2を参照して変動パターンが決定される1,2回目の第2特別図柄変動では、抽選結果に関わらず変動時間が1秒の変動パターンが決定される。この期間は、カウントダウン演出(図938(a)参照)が実行されるように構成している。このように構成することで、カウントダウン演出によって残時短回数を示すための数字アイコン808(図938(a)参照)が可変表示されるタイミングと、数字アイコン808を非表示にして当たり当選を示す第3図柄が停止表示させるタイミングと、を一致させ易くすることができるため、カウントダウン演出の一環として当たり当選を示す第3図柄を停止表示させることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図957(b)を参照して、特殊時短用変動パターンテーブル202d3の内容について説明をする。図957(b)は、特殊時短用変動パターンテーブル202d3に規定されている内容を模式的に示した図である。この特殊時短用変動パターンテーブル202d3は、時短状態中に実行される一部の第1特別図柄変動の変動時間を決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短状態が設定されてから5~10回目の第1特別図柄変動の変動時間を決定する際に参照されるものである。
図957(b)に示した通り、特殊時短用変動パターンテーブル202d3には、特別図柄種別として第1特別図柄に対応する変動パターンのみが規定されており、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が90秒の「長小当たり」が規定されている。
本第32制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件と、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数との合算回数が10回に到達した場合に成立する時短終了条件と、を少なくとも有している。
つまり、本制御例におけるパチンコ機10は、第2特別図柄抽選を実行し易くなる時短状態が設定されている間に第2特別図柄抽選を3回実行し、何れかの第2特別図柄抽選において約1/2の確率で当選する当たり(小当たり、大当たり)に当選することで、大当たり遊技を介しながら時短状態を繰り返し、時短状態中に実行される3回の第2特別図柄抽選において当たり当選しなかった場合に、時短状態が終了し、残された特図2保留を用いた第2特別図柄抽選(1回)においても当たり当選しなかった場合に、通常状態へと移行する(連チャン状態が終了する)遊技性を有している。
ここで、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件のみを設定した場合には、第1特別図柄抽選が3回実行された場合にも時短終了条件が成立することとなり、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されることなく時短状態が終了してしまうという事態が発生してしまう虞があった。つまり、本第32制御例では、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を最大で4個獲得可能に構成しており、例えば、特図1保留を4個、特図2保留を0個獲得している状態で時短状態が設定された場合には、第2特別図柄変動よりも先に第1特別図柄変動が実行されることになる。この場合、第2特別図柄抽選が3回実行されるよりも前に、時短終了条件が成立してしまい、本来の遊技性を発揮すること無く時短状態が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、時短状態が設定される際に特図1保留を4個獲得している状態であっても、時短状態中に第2特別図柄変動を3回実行させるために、例えば、特別図柄抽選の実行回数が7回に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成した場合には、特図1保留を獲得していない状態で時短状態が設定された場合において、第2特別図柄変動を3回よりも多く実行させることが可能となり、本来の遊技性に対して遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうという問題があった。
そこで、本第32制御例では、第2特別図柄変動の実行回数のみに基づいて成立する時短終了条件と、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件と、を設定し、何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成している。このように構成することで、特図1保留の獲得状況に関わらず、所定回数の第2特別図柄変動を実行させることが可能となると共に、所定回数の第2特別図柄変動が実行された場合に確実に時短状態を終了させることができる。
さらに、本第32制御例では、時短状態中において効率良く第2特別図柄抽選を実行させるために、特図1保留の上限数(4個)に対応する第1特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから4回目の第1特別図柄変動が実行されるまでは、時短用変動パターンテーブル202d2(図957(a)参照)を用いて、短時間(0.5秒)の変動時間が設定されるように構成し、それ以降の第1特別図柄変動に対しては、20秒の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態における遊技方法を把握していない遊技者が左打ち遊技を行った場合に、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として常に短時間(0.5秒)の変動時間が設定されてしまうと、新たな第1特別図柄変動が次々と実行されてしまい、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまう虞があった。
これに対して、本第32制御例では、時短状態が設定されてから実行される5回目以降の第1特別図柄変動、即ち、時短状態中において新たに特図1保留を獲得した場合にのみ実行される第1特別図柄変動に対しては、長時間(20秒)の変動時間を設定するように構成し、1回の第1特別図柄変動が終了するまでに要する期間を長くすることで、遊技者に対して時短状態中における遊技方法を把握させるための期間を確保させることができるように構成している。つまり、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまうことを抑制するように構成している。
さらに、時短状態中に第1特別図柄変動が5回以上実行された場合には、その第1特別図柄変動の変動演出として、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得することを促す演出態様を含む変動演出が実行されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行すべき遊技方法を把握していない遊技者に対して、正しい遊技方法をより分かり易く把握させることができる。
なお、上述した時短状態中における5回目以降の第1特別図柄変動は、正常な遊技、即ち、大当たり遊技中から継続して右打ち遊技を実行する遊技を行っている場合には実行され得ない第1特別図柄変動となるため、長い変動時間(20秒)が設定されるように構成したとしても、正常な遊技を行っている遊技者に対して、時短状態中における遊技効率を低下させるものではない。
次に、図957(c)を参照して、時短最終変動パターンテーブル202d4の内容について説明をする。図957(c)は、時短最終変動パターンテーブル202d4に規定されている内容を模式的に示した図である。この時短最終変動パターンテーブル202d4は、時短終了条件が成立する第2特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから3回目の第2特別図柄変動が実行された場合に、設定される変動パターンを決定する場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄種別として第2特別図柄に対する変動パターンのみが規定されている。
具体的には、時短最終変動パターンテーブル202d4には、特別図柄種別として第2特別図柄に対応する変動パターンのみが規定されており、抽選結果が「外れ」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「外れ」が規定され、抽選結果が「小当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~99」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が規定され、「100~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が規定されている。そして、抽選結果が「大当たり」の場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「大当たり」が規定されている。
つまり、時短最終変動となる第2特別図柄変動の変動期間中には、時短状態中に実行されるカウントダウン演出の最終結果(数字アイコン808の「0」表示)を表示した後、時短状態が終了するまでの間に特図2保留の獲得を促すためのチャージ演出(図941(a)参照)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されてから1回目、又は2回目の第2特別図柄変動よりも3回目(最終)の第2特別図柄変動の方が、チャージ演出の演出期間を確保するために長い変動時間が設定されるように構成している。
このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選する場合であっても、1回目、或いは2回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合と、3回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合とで、時間効率(時短状態の単位時間当たりに実行される第2特別図柄抽選回数)を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態中に第2特別図柄抽選で当り当選するか否かだけで無く、時短状態中における何回目の第2特別図柄抽選で当り当選するかについても興味を持たせることができる。
また、図957(c)に示した通り、時短最終変動(3回目)となる第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、2種類の変動時間を設定可能に構成している。ここで、変動パターンとして変動時間が1秒の「超短小当たり」が設定された場合には、カウントダウン演出の演出結果として、数字アイコン808の「1」が表示されている状態で画面が破壊され、当たり当選を示す第3図柄が停止表示される演出、即ち、1回目、2回目の第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合と同様の演出態様を用いて小当たり当選を示す変動演出が実行されるように構成している。
そして、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が設定された場合には、カウントダウン演出の演出結果として、数字アイコン808の「1」が表示されている状態から、カウントダウンが終了することを示す「LAST」の文字が表示され、チャージ演出へと切り替わる際に表示画面が破壊され、当たり当選を示す第3図柄が停止表示される演出が実行される。
このように、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、短時間(1秒)で小当たり当選を示す第3図柄を停止表示させる変動パターンと、長時間(20秒)で小当たり当選を示す第3図柄を停止表示させる変動パターンと、を設定可能に構成することで、遊技者に対して、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選で小当たり当選したことを様々なタイミングで報知することができるため、カウントダウン演出の演出効果を高めることができる。また、長時間(20秒)の変動時間が設定された場合には、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選が外れであったことを示すための演出態様でカウントダウン演出を実行した後に、小当たり当選を示す演出結果が表示されるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
加えて、図957(c)に示した通り、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選が外れであった場合、即ち、実行中の第2特別図柄変動が停止表示された後に通常状態が設定される場合の方が、時短最終変動(3回目)の第2特別図柄抽選が当りであった場合、即ち、実行中の第2特別図柄変動が停止表示された後に当たり遊技が実行される場合よりも、長い変動時間の変動パターンが設定されるように構成し、差分の変動時間を用いて、遊技者に特図2保留の獲得を促すチャージ演出を実行可能に構成している。よって、特図2保留を獲得している状態で時短状態を終了させ易くすることができると共に、時短状態が継続する可能性が高い場合(小当たり遊技中にV入賞させることで大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定される場合)には、時短最終変動(3回目)の変動期間中であってもチャージ演出を実行する期間を排除することで、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができる。
図952(a)に戻り、説明を続ける。時短付与テーブル202eは、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際に参照されるデータテーブルであって、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たり当選時に設定された大当たり種別)に応じた遊技状態(時短終了条件)が規定されている。
ここで、図954(b)を参照して、時短付与テーブル202eの内容について説明をする。図954(b)は、時短付与テーブル202eに規定されている内容を模式的に示した図である。図954(b)に示した通り、時短付与テーブル202eには、各大当たり種別に対応させて時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値を規定している。
具体的には、大当たり種別「大当たりA」,「大当たりC」,「大当たりD」に対しては、時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が規定されており、「大当たりB」に対しては、時短カウンタ203hの値、小当たりカウンタ203sの値、特図2カウンタ203tの値に「数値無し(図では「-」で表示)」が規定されている。
詳細な説明は後述するが、時短付与テーブル202eに情報が規定されている、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tは、何れも時短状態中に値が更新されるものであって、カウンタの値が所定条件を満たす値まで更新された場合に、時短終了条件が成立したと判別され、時短状態を終了させるための処理が実行されるように構成している。
時短カウンタ203hは、時短状態中に実行された特別図柄変動の回数を計測するカウンタであって、時短状態中に第1特別図柄変動、或いは、第2特別図柄変動が実行されたことに基づいてカウンタ値が更新(減算)される。つまり、時短カウンタ203hは、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数と、を合算された合算特別図柄回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。
小当たりカウンタ203sは、時短状態中に実行される小当たり遊技の実行回数を計測するためのカウンタであって、時短状態中に実行された特別図柄抽選の結果が小当たり当選となった場合にカウンタ値が更新(減算)される。つまり、小当たりカウンタ203sは、時短状態中に実行される小当たり遊技回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。
特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の回数を計測するカウンタであって、時短状態中に第2特別図柄変動が実行されたことに基づいてカウンタ値が更新(減算)される。つまり、特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数に基づく時短終了条件の成立状況を判別するために用いられるカウンタである。
図954(b)に示した通り、大当たり種別の「大当たりA」が設定された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する際に、時短カウンタ203hの値に「10」が、小当たりカウンタ203sの値に「1」が、特図2カウンタ203tの値に「3」が設定される。よって、大当たり種別の「大当たりA」に基づいて設定された時短状態は、合算特別変動回数が「10回」、小当たり当選回数が「1回」、第2特別図柄変動回数が「3回」の何れかの条件を満たした場合に、時短終了条件が成立する時短状態となる。
本第32制御例では、上述した各カウンタの値が1以上である場合に、時短状態中であると判別するように構成している。よって、大当たり種別の「大当たりB」が設定された場合には、各カウンタの値に対して数値が設定されないように時短付与テーブル202eの内容を規定しているため、大当たり遊技終了後に時短状態では無く、通常状態が設定されることになる。
なお、本第32制御例では、時短付与テーブル202eに規定されている内容として、設定された大当たり種別に関わらず時短状態が設定される場合における各カウンタの値を統一しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて、各カウンタの値(特に特図2カウンタ203tの値)を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、設定された大当たり種別に応じて異なる内容の時短終了条件を設定することができる。この場合、例えば、時短状態中に実行される第2特別図柄変動回数に基づく時短終了条件の内容を規定する特図2カウンタ203tの値を大当たり種別に応じて異ならせると良く、1の大当たり種別が設定された場合の方が、他の大当たり種別が設定された場合よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動回数を増加させることができるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に遊技者により有利な時短状態が設定されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、特図2カウンタ203t以外の値を異ならせるように構成しても良く、例えば、特定の大当たり種別が設定された場合には、時短カウンタ203hの値として、「10」よりも少ない「4」を設定するように構成しても良い。この場合、特図1保留を獲得しており、且つ、特図2保留を獲得していない状態で時短状態が設定されることで、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数が減少することになる(特図2カウンタ203tの値が所定条件を満たすことで時短終了条件が成立するよりも前に、時短カウンタ203hの値が所定条件を満たすことで時短終了条件成立する可能性が高くなる)ため、遊技者に対して、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動回数を遊技者に把握させ難くすることができる。さらに、時短カウンタ203hの値として「10」よりも多い「90」を設定するように構成しても良い。この場合、時短状態中に継続して左打ち遊技を実行したとしても、時短終了条件が成立し難くなるため、時短状態中に敢えて第1特別図柄抽選を実行し、大当たり当選を目指す遊技を遊技者に行わせることが可能となる。なお、この場合、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な特典、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される確率を高めたり、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数を増加したりする特典を付与可能に構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技を行うか、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技を行うかを遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。
図954(b)に示した通り、本第32制御例では、時短状態が設定される何れの大当たり種別に対しても、3種類の時短終了条件が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じて、設定される時短終了条件の種類を異ならせるように構成しても良く、例えば、他の大当たり種別よりも時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数を極端に増加させることで遊技者に有利な時短状態を提供可能な特殊大当たり種別が設定された場合には、特図2カウンタ203tに対して数値を設定すること無く、時短カウンタ203hの値に「1000」を設定するように構成しても良い。また、小当たりカウンタ203sに対して数値が設定されない大当たり種別を設けることによって、時短状態中において小当たり当選後に実行される小当たり遊技中にV入賞させなくても時短状態が継続するように構成しても良い。
さらに、本第32制御例では、時短終了条件が成立する要素として、特別図柄変動の実行回数(第2特別図柄変動の実行回数)と、小当たり当選回数と、の要素を用いているが、これに限ること無く、別の要素を用いて時短終了条件が成立するように構成しても良い。例えば、時短状態中に獲得し易くなる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)の獲得数を計測するためのカウンタ(特図2保留獲得数カウンタ)を設け、特図2保留獲得数カウンタの値が所定条件(例えば、「4」)を満たした場合に、時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特定回数目の第2特別図柄変動期間中に特図2保留数が上限となったことを契機として時短終了条件を成立させるように構成しても良い。また、時短状態が設定されてからの経過時間を計測する時間計測手段を設け、その時間計測手段によって計測された経過時間が所定条件を満たした場合に、時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特別図柄抽選が実行される毎に、時短終了条件を成立させるか否かを決定する終了抽選を実行し、その終了抽選に当選した場合に時短終了条件を成立させるように構成しても良い。
このように、様々な時短終了条件を成立させることが可能となるように構成することで、時短状態が継続する期間を遊技者に把握させ難くすることができるため、時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、特図2保留を獲得していない状態(少ない特図2保留を獲得している状態)で時短状態が終了してしまうことを防ぐために、常に、特図2保留が上限数となるように意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
また、本第32制御例では、第2特別図柄変動が実行される毎に、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203tの値を一定数(「1」)減算するように構成しているが、例えば、第2特別図柄抽選の結果が特定の外れ結果である場合には、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203tの値を減算しないように構成しても良い。つまり、実行される特別図柄抽選の結果が同一であったとしても、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて、時短終了条件の成立有無を判別するために参照される各種カウンタの値の更新内容を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を把握したとしても時短状態が終了するタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。
また、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203hの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203hの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本制御例では、時短カウンタ203hの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203hの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203hの値に関わらず、時短カウンタ203hの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
開放シナリオテーブル202gは、主制御装置110によって動作制御される各種機構(第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、電動役物640a)に対する動作態様が規定されているデータテーブルであって、上述した各種機構を動作させるための動作条件が成立した場合に、実行する動作制御に対応する開放シナリオを設定する際に参照される。
変動パターンシナリオテーブル202hは、遊技状態や大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数に対応させて、実行される特別図柄変動の変動パターンを決定する際に参照されるテータテーブルを規定しているものである。
ここで、図958を参照して、変動パターンシナリオテーブル202hの内容について説明をする。図958は、変動パターンシナリオテーブル202hの内容を模式的に示した図である。図958に示した通り、変動パターンシナリオテーブル202hには、大当たり遊技終了後の変動回数(特図1変動回数、特図2変動回数、合算回数)と、遊技状態に対して、各種変動パターンテーブルが規定されている。
このように構成することで、複数の時短終了条件が設定される時短状態中であっても、例えば、特図1変動の変動回数に関わらず、時短状態の最終変動となる特図2変動にて時短最終変動用の変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定することができる。
これに限ること無く、同一の条件である場合に異なる変動パターンテーブルを決定可能となるよう構成しても良く、例えば、抽選によって、決定する変動パターンシナリオテーブルを決定可能に構成しても良い。
図950に戻り、説明を続ける。RAM203は、図950に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図978参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図977参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図976参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図952(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、小当たり種別格納エリア203m、小当たり開始フラグ203n、小当たり中フラグ203o、V通過大当たり種別格納エリア203p、Vフラグ203q、V通過フラグ203r、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、その他メモリエリア203zを有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、図951に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて取得された入賞情報(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、停止種別選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値)がそれぞれ格納される。
より具体的には、遊技球が第1入球口64へと入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1~C5、CS1の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1~C5、CS1の各値(入賞情報)が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1~C5、CS1の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア~保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア~保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、始動入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア~第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aに対して、第2入球口640への始動入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点と、保留エリアの個数を1つに変更した点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄1保留球格納エリア203aと同様に、始動入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータ(普図入賞情報)が格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されている第2当たり乱数カウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞情報のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞情報のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図970のS804参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図964のS212参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図964のS213、図970のS805参照)。第1特別図柄保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される第1特別図柄保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dに対して、第2入球口640に始動入賞して、保留された保留球(特図2保留)の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更されると、第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通始動口(スルーゲート)67への遊技球の通過に基づいて第2図柄表示装置で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図973のS1204参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図972のS1105参照)。
遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図973のS1206参照)。一方、遊技球が普通始動口(スルーゲート)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図973のS1203:No)。
遊技状態格納エリア203gは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短カウンタ203hの設定状況、小当たりカウンタ203sの設定状況、特図2カウンタ203tの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値が0である場合に通常状態が記憶され、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値として0よりも大きい値が設定されている場合に時短状態が記憶される。
さらに、大当たり遊技が実行されている状態では、大当たり遊技が実行されている状態であることを示す大当たり遊技状態(大当たり状態)と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されており、小当たり遊技が実行されている状態では、小当たり遊技が実行されている状態であることを示す小当たり遊技状態(小当たり状態)と、実行されている小当たり遊技に対応する小当たり種別を示す種別情報(対応する大当たり種別に関する種別情報)も記憶されるように構成されている。加えて、普図当たり遊技の実行中であることを示す普図当たり遊技中情報も記憶されるように構成されている。
そして、遊技状態格納エリア203gに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従遊技状態格納エリア223gに一時的に、現在の遊技状態に関する情報を記憶する。
この遊技状態格納エリア203gに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図977参照)において、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。
これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。
時短カウンタ203hは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203hには、主制御装置110にて実行される大当たり制御処理(図979のS1804参照)おいて、エンディング期間の終了タイミングと判別された場合に(図979のS1913:Yes)、実行中の大当たり遊技の大当たり種別に対応した値が設定される(図979のS1915参照)。そして、大当たり図柄が停止表示された場合(図964のS220参照)や、これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203hの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203hの値が減算され、時短カウンタ203hの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。また、後述する小当たりカウンタ203sの値が0となった場合(図969のS703:Yes)、特図2カウンタの値が0となった場合(図968のS611:Yes)、即ち、他の時短終了条件が成立した場合にも0にクリアされる。このように構成することで、1の時短終了条件が成立した場合において時短カウンタ203hの値として0よりも大きな値が保持されてしまい、通常状態が設定されているにも関わらず、時短終了条件が成立してしまうという不具合を抑制することができる。
なお、本第32制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技が開始されるよりも前に通常状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中も普通図柄の高確率状態を継続させることができるため、右打ち遊技によって第1可変入賞装置65へと遊技球を入球させる遊技と、第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技と、を並行して実行させることができる。
また、本第32制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり遊技が開始されるよりも前に通常状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技が終了するまでは、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技中も普通図柄の高確率状態を継続させることができるため、右打ち遊技によって第2可変入賞装置650へと遊技球を入球させる遊技と、第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技と、を並行して実行させることができる。よって、時短状態が設定されてから新たな特図2保留を獲得するよりも前に小当たり遊技が開始された場合であっても、小当たり遊技中に新たな特図2保留を獲得することが可能となる。
大当たり開始フラグ203jは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203jがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203jは、大当たりを示す変動表示の終了タイミングとなった場合にオンに設定される(図964のS219参照)。また、大当たり開始フラグ203jは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図979のS1903参照)。
大当たり中フラグ203kは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203kがオンであれば、大当たり遊技中であることを意味し、オフであれば大当たり遊技中でないことを意味する。大当たり中フラグ203kは、特別図柄の抽選により大当たり当選し、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図979のS1904参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図979のS1919参照)。そして、特別図柄変動処理(図964のS104参照)では、この大当たり中フラグ203kが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図964のS201参照)。
小当たり種別格納エリア203mは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図966のS409:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される。そして、小当たり遊技を開始させるために実行される小当たり開始設定処理(図967のS223参照)において、格納した小当たり種別が読み出され、読み出した小当たり種別に対応した開放シナリオが設定される(図967のS501参照)。また、読み出した小当たり種別に対応する大当たり種別がV通過大当たり種別格納エリア203pに格納される(図967のS502参照)。
小当たり開始フラグ203nは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図967のS504参照)。小当たり開始フラグ203nがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると判別されるとオフに設定される(図980のS2003参照)。この小当たり開始フラグ203nは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203oは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図967のS504参照)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図980のS2018参照)。この小当たり中フラグ203oは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過大当たり種別格納エリア203pは、小当たり遊技が実行されている場合に、第2可変入賞装置(V入賞装置)650に入賞した遊技球が特定領域(Vスイッチ650e3)により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203pは、特別図柄抽選の抽選結果が小当たり当選である特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図967のS502参照)。第2可変入賞装置(V入賞装置)650内の特別排出流路650e2を球が流下し、特定領域(Vスイッチ650e3)により遊技球が検知されると、V通過大当たり種別格納エリア203pに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203qがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203pに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203pは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203qは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置(V入賞装置)650内の特別排出流路650e2を遊技球が流下し、特定領域(Vスイッチ650e3)により遊技球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203qがオンであるかを判別し(図980のS2013参照)、Vフラグ203qがオンであると判別した場合に(図980のS2013:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図9807のS2015参照)。このVフラグ203qは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過フラグ203rは、小当たり遊技中において、Vフラグ203qがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203qがオンに設定されている場合にオンに設定される。第32制御例では、小当たり遊技中において第2可変入賞装置(V入賞装置650)に入賞した遊技球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した遊技球に対応したV通過処理(図975のS109参照)においてオンに設定される(図975のS1407参照)。
そして、V通過処理(図975のS109参照)では、V通過フラグ203rがオンに設定しているか判別し(図975のS1401)、オンに設定していると判別した場合は(図975のS1401:Yes)、V通過処理(図975のS109参照)のうちS1402~S1409の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にと規定領域(Vスイッチ650e3)が複数の遊技球を検知した場合であっても、最初に検知した遊技球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
小当たりカウンタ203sは、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選した回数を計測するためのカウンタであって、小当たり当選回数に基づいて成立する時短終了条件の成立有無を判別する際に参照される。この小当たりカウンタ203sには、大当たり制御処理(図979のS1804)において、エンディング期間の終了タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)であると判別された場合に(図979のS1913:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値が設定される(図979のS1915)。
そして、特別図柄変動処理(図964のS104)の時短更新処理(図968のS224参照)にて実行される小当たり時短更新処理(図969のS615参照)にて、小当たり当選したと判別した場合に(図969のS701:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりカウンタ203sの値が0であると判別されると(図969のS703:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図969のS704)。なお、第32制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、小当たりカウンタ203sの値が0に設定(リセット)される(図968のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりカウンタ203sの値を参照した時短終了条件以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりカウンタ203sの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりカウンタ203sの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、第2特別図柄変動回数に基づいて成立する時短終了条件の成立有無を判別する際に参照される。この特図2カウンタ203tには、大当たり制御処理(図979のS1804)において、エンディング期間の終了タイミング(大当たり遊技の終了タイミング)であると判別された場合に(図979のS1913:Yes)、時短付与テーブル202eに規定されている値が設定される(図979のS1915)。
そして、特別図柄変動処理(図964のS104)の時短更新処理(図968のS224参照)にて、今回実行された特別図柄変動の種別が第2特別図柄変動であると判別した場合に(図968のS608:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の特図2カウンタ203tの値が0であると判別されると(図968のS611:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図968のS612)。なお、第32制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、特図2カウンタ203tの値が0に設定(リセット)される(図968のS606)。このように、複数の時短終了条件のうち、特図2カウンタ203tの値を参照した時短終了条件以外の時短終了条件が成立した場合であっても、特図2カウンタ203tの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず特図2カウンタ203tの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図950に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22、選択ボタン600、などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置113に接続されている枠ボタン22は、演出ボタン22aを有しており、音声ランプ制御装置113は、演出ボタン22aからの入力を監視し、遊技者によって演出ボタン22aが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって演出ボタン22aが操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、演出ボタン22aへの操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、演出ボタン22aへの操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
さらに、音声ランプ制御装置113に接続されている選択ボタン600は、図931に示した通り、中ボタン600a、上ボタン600b、右ボタン600c、下ボタン600d、左ボタン600eを有しており、音声ランプ制御装置113は、選択ボタン600に含まれる各ボタンからの入力を監視し、入力された内容に応じて、遊技環境を変更するための処理を実行すると共に、遊技環境を変更するための表示内容や、変更後の遊技環境を示すための表示内容を表示制御装置114へ指示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本第32制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図959(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aと、討伐数選択テーブル222bと、討伐演出態様選択テーブル222cと、追加減少値選択テーブル222dと、演出ステージデータテーブル222eと、遊技環境データテーブル222fと、が少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
討伐数選択テーブル222bは、大当たり遊技中に実行される討伐演出における初期段階の敵総数を決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常状態で実行された第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)のオープニング期間にて参照される(図989のS3803参照)。
ここで、討伐数選択テーブル222bに規定されている内容について、図960(a)を参照して詳細に説明をする。図960(a)は、討伐数選択テーブル222bに規定されている内容を模式的に示した図である。図960(a)に示した通り、討伐数選択テーブル222bは、実行される大当たり遊技に設定されている大当たり種別と、取得した第1演出カウンタ223f1の値と、に対応させて異なる討伐数が規定されている。
具体的には、大当たり種別が、時短大当たりに対応する「大当たりA、大当たりC」であって、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~44」の範囲に対して、討伐数「1000」が、「45~89」の範囲に対して、討伐数「777」が、「90~99」の範囲に対して、討伐数「500」が、それぞれ規定されている。また、大当たり種別が、通常大当たりに対応する「大当たりB」であって、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、討伐数「1000」が、「80~99」の範囲に対して、討伐数「500」が、それぞれ規定されている。
つまり、討伐演出が開始された際に表示される討伐数(敵の総数)が「1000」である場合の方が、「500」である場合よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される可能性が高くなるように各討伐数の決定割合を規定している。このように構成することで、討伐演出が開始された時点で、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測させることが可能となる。
また、時短大当たりに対応する大当たり種別が設定されている場合のみ、討伐数「777」を決定可能に討伐数選択テーブル222bの内容を規定しているため、討伐演出として「777」体の敵を討伐する演出態様が決定された場合には、討伐演出が終了するのを待たずして、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを遊技者に報知することができる。このように、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を、大当たり遊技が終了するまでに遊技者に報知する演出(討伐演出)を実行する場合において、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に時短状態(遊技者に有利となる遊技状態)が設定されることを報知するタイミングが様々なタイミングで到来するように構成することで、大当たり遊技中に実行される討伐演出を遊技者が常に注視することになるため、演出効果を高めることができる。
討伐演出態様選択テーブル222cは、討伐演出における演出シナリオを決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常状態で実行された第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)のオープニング期間にて参照される(図989のS3803参照)。
ここで、討伐演出態様選択テーブル222cに規定されている内容について、図960(b)を参照して説明をする。図960(b)は、討伐演出態様選択テーブル222cに規定されている内容を模式的に示した図である。図960(b)に示した通り、討伐演出態様選択テーブル222cには、大当たり種別、討伐数選択テーブル222bを参照して決定された討伐数、取得した第2演出カウンタ223f2の値に対応させて、異なるシナリオ種別が規定されている。そして、各シナリオ種別には、討伐演出シナリオとして、討伐演出中に実行される5回の攻撃演出のそれぞれにおいて減少させることが可能な敵数(残敵数)の上限値と、討伐演出の演出結果として表示させることが可能な残敵数の最小値と、が規定されている。
具体的には、大当たり種別が、時短大当たりに対応する「大当たりA、大当たりC」であり、討伐数が「1000」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~49」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別1」が、「50~79」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別2」が、「80~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別3」が規定されている。また、討伐数が「777」の場合は、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~99」の全範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別4」が規定されている。そして、討伐数が「500」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~49」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別5」が、「50~79」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別6」が、「80~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別7」が規定されている。
一方、大当たり種別が、通常大当たりに対応する「大当たりB」であり、討伐数が「1000」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~59」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別8」が、「60~89」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別9」が、「90~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別10」が規定されている。そして、討伐数が「500」、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~59」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別11」が、「60~79」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別12」が、「80~99」の範囲に対して、討伐演出シナリオとして「シナリオ種別13」が規定されている。
ここで、図934から図937を参照して上述した通り、討伐演出が実行されると、5回の攻撃演出が実行され、各攻撃演出において、遊技者が演出ボタン22aを押下することで敵を減少させる演出が実行されるように構成している。また、各攻撃演出において、遊技者が演出ボタン22aを押下しなかった場合には、攻撃演出終了後(ラウンド遊技終了後)に設定されるインターバル期間において、敵数を減少させるための追加攻撃演出を実行可能に構成している。
本第32制御例では、討伐演出中に実行される各攻撃演出において減少させることが可能な敵数(残敵数)の上限を、討伐演出シナリオに基づいて予め決定するように構成しているため、敵数の減少度合いが偏った討伐演出が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、各攻撃演出の終了後に表示される残敵数をシナリオ管理するのでは無く、各攻撃演出の終了後に表示され得る最小の残敵数のみをシナリオ管理し、実際に表示される残敵数に幅を持たせるように構成しているため、予め規定されているシナリオ種別の個数よりも多くの演出パターンで討伐演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、本第32制御例では、攻撃演出中において遊技者が演出ボタン22aを押下するか否かに応じて、敵数を減少させるための演出態様を異ならせるように構成し、且つ、実行される演出態様によって、攻撃後の残敵数として表示される敵数を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下するか否かを選択させる楽しみを提供することができる。
追加減少値選択テーブル222dは、討伐演出における各攻撃演出において、遊技者が演出ボタン22aを押下すること無く、インターバル期間中に追加攻撃演出が実行される場合に参照されるデータテーブルであって、初回インターバル中演出処理(図992のS3809参照)にて参照される。この追加減少値選択テーブル222dを参照して、追加攻撃演出にて減少させる敵数が決定される。
ここで、図961を参照して追加減少値選択テーブル222dに規定されている内容について説明をする。図961は、追加減少値選択テーブル222dに規定されている内容を模式的に示した図である。図961に示した通り、追加減少値選択テーブル222dには、討伐演出態様選択テーブル222cを参照して決定されたシナリオ種別と、現在の残敵数(残討伐数カウンタ223jの値)と、討伐演出シナリオに規定されている敵数との差分数と、その差分の範囲における特定数(固有特定数、共通特定数)の有無と、取得した第1演出カウンタ223f1の値と、に対応させて、追加攻撃演出にて減少させる敵数(追加減少値)が規定されている。
具体的には、シナリオ種別が「シナリオ種別1,8」であり、差分数が「401以上」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。また、差分数が「101~400」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「現状-50」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「現状-50」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
そして、差分数が「100以下」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「決定値+10」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
シナリオ種別が「シナリオ種別2,3,9,10」であり、差分数が「51以上」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「現状-20」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「現状-20」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
そして、差分数が「50以下」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、追加減少値として「決定値+10」が規定されており、「30~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
シナリオ種別が「シナリオ種別5,11,12」であり、差分数が「21以上」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「現状-5」が規定されている。一方、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、追加減少値として「現状-5」が規定されており、「50~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
そして、差分数が「20以下」で、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されており、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
シナリオ種別が「シナリオ種別6,7,13」である場合には、差分数に関わらず、特定数が「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「特定数まで減少」が規定されており、特定数が「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~19」の範囲に対して、追加減少値として「減少無し」が規定されており、「20~99」の範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。最後に、シナリオ種別が「シナリオ種別4」である場合には、差分数、及び、特定数の有無に関わらず、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、追加減少値として「決定値まで減少」が規定されている。
演出ステージデータテーブル222eは、背景種別として設定可能な演出ステージに関する情報が予め規定されているデータテーブルであって、遊技環境として、決定されるモード種別(通常モード、アクティブモード、固定モード)に応じて、各ステージ種別(ウサギステージ、勇者ステージ)の移行条件が規定されている。本第32制御例では、遊技の進行状況と、設定されているモード種別と、に基づいて、ステージ種別の移行条件が成立したかを判別し、ステージ変更を実行するように構成している。
ここで、演出ステージデータテーブル222eに規定されている内容について、図962(a)を参照して説明をする。図962(a)は、演出ステージデータテーブル222eに規定されている内容を模式的に示した図である。図962(a)に示した通り、演出ステージデータテーブル222eには、モード種別と、ステージ種別に対応させてステージ種別の移行条件が規定されており、大まかには、アクティブモードが設定されている場合が最もステージ種別の移行条件が成立し易く、通常モードが設定されている場合はアクティブモードよるも移行条件が成立し難く、固定モードが設定されている場合は、移行条件が成立しないように各内容が規定されている。
具体的には、モード種別が「通常」であって、ステージ種別が「ウサギ」に対しては、ステージ種別の移行条件として、「特図変動50回」、又は「大当たり変動開始の一部(低確率)」が規定されており、ステージ種別が「勇者」に対しては、ステージ種別の移行条件として、「特図変動50回」、又は「大当たり変動開始の一部(低確率)」が規定されている。また、モード種別が「アクティブ」であって、ステージ種別が「ウサギ」に対しては、ステージ種別の移行条件として、「特図変動20回」、又は「大当たり変動開始の一部(高確率)」、「特図移行条件が成立した特図変動開始から5秒後」が規定されており、ステージ種別が「勇者」に対しては、ステージ種別の移行条件として、特図変動20回」、又は「大当たり変動開始の一部(高確率)」が規定されている。そして、モード種別が「固定」に対しては、ステージ種別に関わらず移行条件が既定されていない。
ここで、各移行条件について説明をする。「特図変動50回」とは、ステージ種別が設定されてから実行された特別図柄変動の実行回数が50回に到達した場合に成立する移行条件(特図変動移行条件)である。つまり、通常モードが設定されている場合は、特別図柄変動が50回実行される毎に、ステージ種別を変更させるためのステージ変更演出が実行されることになる。なお、本第32制御例では、特図変動移行条件として、設定されているモード種別に対して、固定の回数を予め規定しているが、これに限ること無く、所定の範囲の特図変動回数(例えば、10回~50回)を抽選で決定する手段を設け、その手段によって決定された特図変動回数を特図変動移行条件として設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、どのタイミングでステージ変更演出が実行されるかを予測させ難くすることができる。
また、この場合、設定されているモード種別に応じて抽選にて決定される特図変動回数を異ならせるように構成し、移行条件が成立し難いモード種別(例えば、「通常モード」)の方が、移行条件が成立し易いモード種別(例えば、「アクティブモード」)よりも多い回数の特図変動回数が抽選で決定され易くなるように、設定されているモード種別に応じて異なるデータテーブルを用いた抽選が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者が任意に設定したモード種別(ステージ変更演出の実行頻度)に応じた間隔でステージ変更演出を実行させ易くすることができる。
移行条件の1つである「大当たり変動開始の一部」とは、特別図柄変動の開始に基づいて設定される第3図柄の変動表示を設定するための変動演出設定処理(図995のS4304参照)において、大当たり当選する特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様として、ステージ変更演出を伴う演出態様が決定された場合に成立する移行条件(当たり変動移行条件)である。詳細な説明は省略するが、本第32制御例では、図995のS4404の処理において、設定されているモード種別と、抽選結果(大当たり当選)と、変動パターンとに基づいて、ステージ変更演出と伴う演出態様が決定されるように構成しており、移行条件が成立し難いモード種別(例えば、「通常モード」)の方が、移行条件が成立し易いモード種別(例えば、「アクティブモード」)よりも、ステージ変更演出を伴う演出態様が決定され難くなるように構成している。
このように構成することで、特図変動移行条件が成立していない状態であっても、当たり変動移行条件が成立したことによりステージ変更演出を実行させることができるため、遊技者に意外性のあるタイミング、例えば、連続して実行される2回の特別図柄変動にてステージ変更演出を実行させることができる。さらに、当たり変動移行条件は大当たり当選した場合のみ成立するように構成しているため、意外性のあるタイミングでステージ変更演出が実行された場合に、大当たり当選への期待度を高めることができる。
本第32制御例では、特図変動移行条件として予め規定された回数を設定しているため、遊技者に対して、特図変動移行条件によってステージ変更演出が実行される間隔を把握させ易くすることができるため、当たり変動移行条件の成立に基づいて実行されるステージ変更演出を容易に把握させることができる。よって、大当たり当選をいち早く察知したい遊技者に対して、特図変動移行条件が成立する間隔を把握しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、移行条件の1つである「特図移行条件が成立した特図変動開始から5秒後」とは、特別図柄変動の開始に基づいて設定される第3図柄の変動表示を設定するための変動演出設定処理(図995のS4304参照)において、第3図柄の変動演出の演出態様として、特図変動中にステージ変更演出を実行させる演出態様が決定された場合に成立する移行条件(特図移行条件)である。
なお、本第32制御例では、上述した3つの移行条件を、ステージ変更演出を実行させるための条件として規定しているが、それ以外の移行条件を設定しても良く、特別図柄変動が実行されている状態で遊技者が操作手段(枠ボタン22、選択ボタン600)に対して操作を行うことでステージ変更演出を実行可能に構成しても良い。
また、上述した通り、本第32制御例では、同一のモード種別においても、設定されているステージ種別に応じて、異なる移行条件が規定されるように構成しており、具体的には、「ウサギステージ」の方が、「勇者ステージ」よりも移行条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、設定されているステージ種別に基づいて、ステージ変更演出が実行された場合においてどの移行条件が成立したのかを予測する楽しみを向上させることができる。
遊技環境データテーブル222fは、各遊技環境の内容が予め規定されているデータテーブルであって、遊技者によって遊技環境が選択された場合に、選択された遊技環境に対応するデータが読み出され、遊技環境格納エリア223uに格納される。
さらに、固定モードが設定されている場合には、保留連が確定している状態において大当たり遊技終了後1回目の特別図柄変動が開始された場合の一部のみでステージ変更演出が実行されるように構成している。つまり、固定モードが設定されているにも関わらず、ステージ変更演出が実行された場合には、大当たり当選を遊技者に報知することになる。よって、固定モードを選択した遊技者、即ち、ステージ変更演出が実行されないことを所望する遊技者に対しても、大当たり当選という特典を付与することを条件にステージ変更演出を実行することで演出効果を高めると共に、ステージ変更演出が実行されたことによる不快感を軽減させることができる。
次に、図959(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図959(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f(第1演出カウンタ223f1、第2演出カウンタ223f2)、従遊技状態格納エリア223g、時短情報更新エリア223h、討伐回数カウンタ223i、残討伐数カウンタ223j、特定数表示済フラグ223k、ラッシュ期間計測カウンタ223m、賞球数カウンタ223n、保留連フラグ223o、ラウンド数カウンタ223p、SW有効時間カウンタ223q、右打ちフラグ223r、V入賞済フラグ223s、演出固定フラグ223t、遊技環境格納エリア223u、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、第1特別図柄に対応する4つのエリア(特図1用第1エリア~特図1用第4エリア)と、第2特別図柄に対応する1つのエリア(特図2用第1エリア)を有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報(入賞情報)により、特別図柄抽選が実行される前に入賞情報に基づく抽選結果等が音声ランプ制御装置113によって事前判別(先読み)される。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図983のS3113参照)において、入賞情報コマンドを受信したと判別された場合に(図983のS3209:Yes)、主制御装置110から送信された入賞情報コマンド(入賞コマンド)に基づいた入賞情報に含まれる特別図柄種別に対応する第1エリアから順に格納されていく。なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンド(入賞コマンド)は、主制御装置110の先読み処理(図971のS807参照)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理(図978参照)にて実行される外部出力処理(図978のS1801)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aの各エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図994のS3114参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。
なお、第32制御例では第1特別図柄に関する入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア~第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる特別図柄変動の実行権利の保留記憶数を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する特図1保留の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球(始動入賞)によって第1特別図柄抽選の実行権利の保留記憶数(特図1保留数)が加算された場合、又は、主制御装置110において第1特別図柄抽選が実行されて特図1保留数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を受信すると、その保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)から、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図984のS3301参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(特図1保留球数を示すための表示態様)を決定する際に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される特図1保留数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される特図1保留数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す情報でも良いし、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、上述した特別図柄1保留球カウンタ223bに対して、カウントする対象を保留球数コマンドに含まれる第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に変更した点で相違しているものであり、それ以外は同一であるため、詳細な説明は省略する。本第32制御例では、特図2保留の上限数を1個としているため、特別図柄2保留球数カウンタ223cが計測する値の上限数も1となる。
この特別図柄2保留球数カウンタ223cによって計測された値は、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄(特図2保留球数を示すための表示態様)を決定する際に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される特図2保留数を特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される特図2保留数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄2保留球数カウンタ223cの値分の保留図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄2保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
さらに、本第32制御例では、時短状態における第2特別図柄の最終変動期間中において、第2入球口640へと遊技球を入球させることを促すためのチャージ演出(図941(a)参照)を実行するように構成しており、このチャージ演出が実行されている際中に、特図2保留の上限数を示す保留球数コマンドを受信したことに基づいて、新たに特図2保留を獲得することができない状態であることを示すための表示態様(「チャージ完了」)を表示可能に構成している。つまり、保留球数コマンドを受信したことに基づいて、獲得済みの特図2保留数を表示するだけでは無く、実行中の演出の演出態様を切り替えるように構成している。このように構成することで、様々な条件によって演出態様を切り替えることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図983のS3202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図994のS4302参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図983のS3205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図994のS4307参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図994のS4309参照)。
演出カウンタ223fは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図982参照)が実行される毎に更新される。第32制御例では、演出カウンタ223fとして、ループカウンタ(例えば、0~99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を複数(第1演出カウンタ223f1、第2演出カウンタ223f2等)有しており、各演出カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。
具体的には、例えば、メイン処理(図982参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される複数演出の演出態様を同一タイミング(1回のメイン処理内)で決定する場合において、同一タイミングで決定される複数演出の演出態様が同期してしまい、多様な組合せで演出を実行することができないという不具合が発生することを抑制できる。
従遊技状態格納エリア223gは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この従遊技状態格納エリア223gに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
なお、第32制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には従遊技状態格納エリア223gに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、第32制御例ではパチンコ機10への電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(図977参照)にて状態コマンドが設定されるため(図977のS1712参照)、電源復旧後、直ちに従遊技状態格納エリア223gに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図979のS1917等参照)。
時短情報更新エリア223hは、時短状態を終了させるための複数の時短終了条件と、各時短終了条件に対する進捗状況(時短終了条件の対象となる遊技要素(例えば、特別図柄変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223hに格納される情報(時短終了条件、及び、進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様が選択される。この時短情報更新エリア223hは、主制御装置110から設定される時短状態の内容に関する情報を含む時短設定情報コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理(図979のS1804)にてエンディング期間の終了タイミングと判別し(図979のS1913:Yes)、時短終了条件を設定した場合に(図979のS1916)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための時短終了条件が設定される(図985のS3412参照)。
そして、主制御装置110の時短更新処理(図968のS224参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を示すための残時短回数コマンドが設定され、その残時短回数コマンドを受信したと判別した場合に、受信した残時短回数コマンドに含まれる更新情報に対応させて時短情報更新エリア223hに含まれる各種情報が更新される。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態が時短状態であるか否かだけで無く、時短状態が設定されている場合において、残時短終了条件が成立するまでの残状況を、時短終了条件毎に把握することが可能となる。
この時短情報更新エリア223h内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223hには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)に対応した情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。
本第32制御例では、この時短情報更新エリア223hに格納されている更新情報のうち、第2特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件に関する更新情報に基づいて時短状態中の主たる演出態様を決定するように構成している。本第32制御例では、時短状態中に、特別図柄抽選が所定回数実行された場合、或いは、実行された特別図柄抽選の結果が当たり当選となった場合に、時短状態が終了するように構成している。ここで、当たり当選に基づいて時短状態が終了した場合には、当たり遊技を実行することで遊技者に特典が付与されると共に、大当たり遊技終了後に再度時短状態が設定され易くなるように構成している。一方で、特別図柄抽選が所定回数実行されたことに基づいて時短状態が終了した場合には、遊技者に特典を付与すること無く通常状態が設定されるように構成している。
よって、時短状態中の遊技を行っている遊技者は、当たり当選に基づいて成立する時短終了条件では無く、特別図柄抽選が実行された回数に基づいて成立する時短終了条件が成立するまでの残期間に関する情報の提供を所望する。さらに、本第32制御例では、特別図柄抽選が実行された回数に基づいて成立する時短終了条件として、第1特別図柄変動回数と第2特別図柄変動回数とを合算した合算回数に基づいて成立する合算変動時短終了条件と、第2特別図柄変動回数のみに基づいて成立する特図2変動時短終了条件と、を有している。そして、時短状態中において適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、合算変動時短終了条件よりも、特図2変動時短終了条件が成立し易くなるように構成している。
つまり、時短状態中に実行される特別図柄抽選で当り当選しなかった場合には、特図2変動時短終了条件が最も成立し易くなるように構成している。よって、時短状態が設定されている間は、特図2変動時短終了条件に関する更新情報(主制御装置110にて更新される特図2カウンタ203tの値に関する情報)に基づいて、当たり当選すること無く時短状態が終了するまでの残期間を示すための演出(カウントダウン演出)を実行することで、遊技者に対して、時短状態が終了するまでの正確な残期間(時短状態中に実行可能な第2特別図柄変動の残回数)を分かり易く報知することができる。
なお、本第32制御例では、上述した通り、時短状態中において適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合に、最も成立し易い時短終了条件(特図2変動時短終了条件)が成立するまでの残期間を遊技者に把握させるための演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に実行される遊技内容によって、他の時短終了条件の方が成立し易い状況が発生した場合には、時短状態が終了するまでの残期間を示すための演出に用いられる時短終了条件の種別を切り替えるように構成しても良いし、複数の時短終了条件のそれぞれに対して、各時短終了条件が成立するまでの残期間を報知可能な演出を実行するように構成しても良い。
また、本第32制御例では、時短終了条件(特図2変動時短終了条件)が成立するまでの残期間を示すカウントダウン演出として、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の残回数を数値で示す演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の残回数を数値以外の態様(例えば、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の残回数が減算される毎に態様を異ならせるアニメーション)、即ち、遊技者に対して、時短状態が終了するまでに実行可能な第2特別図柄抽選の回数を具体的では無く、抽象的に報知可能な態様で演出を実行するように構成してもよい。また、この場合、特図2変動時短終了条件が成立するまでに要する第2特別図柄変動回数を異ならせた時短状態を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、時短状態が終了するまでに実行可能な特図2変動回数を予測させる楽しみを提供することができる。
さらに、時短情報更新エリア223hに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。
また、第32制御例では、時短情報更新エリア223hに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件(時短終了条件)が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223hに格納するように構成しても良い。
討伐回数カウンタ223iは、大当たり遊技中に実行される討伐演出として設定される攻撃演出の回数(討伐回数)を管理するためのカウンタであって、討伐演出の演出態様を決定するための討伐演出態様決定処理(図990のS3803参照)において、「5」の値がセットされる(図990のS3907)。そして、討伐演出が実行される大当たり遊技にて新たなラウンド遊技を開始する場合に実行される初回大当たりラウンド中演出処理(図991のS3807参照)にて、カウンタの値が減算される(図991のS4009)。
この討伐回数カウンタ223iの値は、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を示すための表示態様(表示領域Dm7に表示されるボタンアイコンの数)を決定する際に参照される。また、設定されている討伐演出シナリオに基づいて、各ラウンド遊技にて実行される攻撃演出の演出態様を決定する際に参照される。
なお、本第32制御例では、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、必ず6ラウンドの大当たり遊技が実行されるように構成しており、その大当たり遊技中に討伐演出を実行するように構成している。そして、1ラウンド目のラウンド遊技期間中に今回実行される討伐演出の内容(残敵数、攻撃演出回数等)を告知し、2ラウンド目~6ラウンド目の各ラウンド遊技期間中に攻撃演出が実行されるように構成している。つまり、討伐演出が実行される場合において、固定回数(5回)の攻撃演出が必ず実行されるように構成している。よって、討伐回数カウンタ223iには、初期値として「5」の値がセットされるように構成しているが、これに限ること無く、実行される討伐演出の内容に応じて、攻撃演出回数を異ならせるように構成しても良い。
例えば、通常状態において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド遊技数を異ならせた大当たり遊技を実行可能に構成し、実行される大当たり遊技のラウンド数に応じて、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を異ならせるように構成しても良い。この場合、少なくとも、大当たり遊技の種別として、ラウンド遊技数が標準ラウンド数(例えば、6ラウンド)となる標準大当たり遊技と、その標準大当たり遊技よりも多いラウンド遊技数(例えば、8ラウンド)となる特定大当たり遊技と、を実行可能に構成して、標準大当たり遊技が実行される場合よりも、特定大当たり遊技が実行される場合の方が、討伐演出中に実行される攻撃演出回数が増加するように構成すると良い。
さらに、標準大当たり遊技(6ラウンド大当たり遊技)よりも特定大当たり遊技(8ラウンド大当たり遊技)が実行される場合の方が、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように構成すると良い。具体的には、標準大当たり遊技に対応する大当たり種別として、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される第1大当たり種別と、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される第2大当たり種別と、を設定可能に構成し、且つ、特定大当たり遊技に対応する大当たり種別として、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される第3大当たり種別と、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される第4大当たり種別と、を設定可能に構成する。
そして、標準大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合における第2大当たり種別の選択割合よりも、特定大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合における第4大当たり種別の選択割合の方が高くなるように構成すると良い。
このように構成することで、討伐演出中に実行される攻撃演出回数が増加する程、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くすることができるため、遊技者に対して、討伐演出にて多くの攻撃演出が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
加えて、大当たり遊技のラウンド数が多い程、攻撃演出の実行回数を増加させ易くすることができるため、大当たり遊技中に多くの賞球数を獲得し得る場合の方が、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くすることができるため、遊技者に対して、複数の特典をまとめて提供することができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、本第32制御例では、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技数に対応させて討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を決定するように構成しているが、これに限ること無く、実行されるラウンド遊技数を最大数として、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を抽選で決定するように構成しても良い。
この場合、何れのラウンド数が設定される大当たり遊技であっても、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合よりも、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合の方が、攻撃演出の回数として多くの回数が決定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技中に討伐演出が実行された場合に、実行中の大当たり遊技のラウンド数と、実行される攻撃演出の回数と、を把握しながら大当たり遊技終了後に実行される遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本第32制御例では、討伐演出が実行される大当たり遊技が実行される場合において、最初に実行されるラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)の遊技期間中に、今回実行される討伐演出の演出内容を遊技者に告知するための初期表示態様を表示し、残りのラウンド遊技の遊技期間を用いて複数回の攻撃演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、討伐演出の初期表示態様が表示されるラウンド遊技として、最初に実行されるラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)とは異なるラウンド遊技を設定可能に構成しても良い。
具体的には、今回実行される大当たり遊技のラウンド数を管理する管理手段と、今回実行される討伐演出中に実行される攻撃演出の回数を管理する管理手段と、を設け、今回実行される攻撃演出の回数分のラウンド数を確保可能な範囲にて、討伐演出の初期表示態様を表示するラウンド数を決定する手段を設けると良い。このように構成することで、大当たり遊技が開始されてから短時間で討伐演出が開始された方が(討伐演出の初期表示態様が表示された場合の方が)、より多くの攻撃演出が実行される可能性を高めることができるため、遊技者に対して、討伐演出の実行タイミングについても興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
以上、説明をした例では、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数に応じて、討伐演出の演出結果を示唆可能な構成として、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数が多くなる程、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くする例を示したが、これに限ること無く、討伐演出中に実行される攻撃演出の回数が少ない程、或いは、特定回数(例えば、3回)の攻撃演出が実行される程、討伐演出の演出結果として、遊技者に有利となる演出結果(討伐に成功する演出結果)を表示させ易くするように構成しても良い。また、討伐演出が実行される大当たり遊技にて少ないラウンド数が設定される場合の方が、多いラウンド数が設定される場合よりも、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され易くなるように構成しても良い。
残討伐数カウンタ223jは、討伐演出にて実行される攻撃演出によって減算された敵数を計測するためのカウンタであって、討伐演出が実行される場合に、初期値として敵の総数に対応する値がセットされ、その後、攻撃演出が実行される毎に、実行された攻撃演出の演出結果に応じた値へと減算される。
具体的には、通常状態にて実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)のオープニングコマンドを受信したと判別した場合(図989のS3801:Yes)に実行される討伐演出態様決定処理(図990のS3803参照)において、決定された敵総数に対応する値がセットされ(図990のS3902参照)、ラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間を示すためのインターバルコマンドを受信したと判別した場合(図989のS3808:Yes)に実行される初回インターバル中演出処理(図992のS3809)において、討伐演出シナリオの内容と、残討伐数カウンタ223jの値と、が一致するかの判別を実行する際に参照される(S4102)。
ここで、本第32制御例では、討伐演出の演出態様をシナリオ管理している。具体的には、討伐演出の演出態様を決定する際に、今回の討伐演出にて討伐すべき敵の総数と、攻撃演出の実行回数と、各攻撃演出にて減少させることが可能な敵数(残討伐数)と、が規定された討伐演出シナリオとして、規定されている内容を異ならせた複数の討伐演出シナリオの中から1の討伐演出シナリオを決定可能に構成している。
そして、攻撃演出の演出期間(ラウンド遊技期間)中に、遊技者による演出ボタン22aへの操作を有効に判別可能な期間としてSW有効時間を設定するように構成しており、そのSW有効時間中に遊技者が演出ボタン22aを操作した場合には、決定されている討伐演出シナリオに規定されている内容に基づいて、敵数を減少させる演出を実行するように構成している。一方で、SW有効時間中に遊技者が演出ボタン22aを操作しなかった場合には、ラウンド遊技期間中に敵数を減少させる演出が実行されないように構成している。
つまり、ラウンド遊技期間終了時にて表示されている敵数は、ラウンド遊技中における演出ボタン22aへの操作の有無によって異なる。ここで、本第32制御例では、攻撃演出によって減少される敵数を残討伐数カウンタ223jの値で管理するように構成し、ラウンド遊技期間が終了し、インターバル期間が設定された時点における残討伐数カウンタ223jの値が、決定されている討伐演出シナリオの内容と一致しているかを判別し(図992のS4102)、一致していないと判別した場合は(図992のS4102:No)、インターバル期間を用いて敵数を減少させる演出(追加攻撃演出)を実行するように構成している。
このように構成することで、遊技者による演出ボタン22aへの操作の有無に関わらず、決定されている討伐演出シナリオの内容に沿った内容で敵数の減少度合いを決定し易くすることができる。さらに、本第32制御例では、追加攻撃演出の演出態様として、表示されている敵数を、討伐演出シナリオに規定されている敵数まで減少させる基本演出態様に加え、今回の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知するための特定数まで敵数を減少させる特殊演出態様を決定可能に構成している。
具体的には、討伐演出シナリオに規定されている敵数(例えば、99体)と、実際に表示されている敵数(例えば、385体)とが異なる場合であって、その差分(99体~385体)の範囲内容に固有特定数(例えば、333体)が設定される場合の一部において、追加攻撃演出の演出態様として、敵数を特定数(例えば、333体)まで減少させる特殊演出態様を設定可能に構成している。つまり、攻撃演出が実行されるラウンド遊技期間において、演出ボタン22aを操作し、討伐演出シナリオに規定されている敵数(例えば、99体)まで敵数を減少させなかった場合に、特殊演出態様による追加攻撃演出を実行することで、今回の討伐演出の演出結果をいち早く遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、討伐演出として実行される攻撃演出中に演出ボタン22aを操作(押下)するか否かによって、討伐演出の演出結果を把握し得るタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して、演出ボタン22aを操作するか否かを決定する楽しみを提供することができる。
また、本第32制御例では、遊技者が演出ボタン22aを操作しなかった場合において、演出ボタン22aを操作した場合よりも早いタイミングで討伐演出の演出結果を把握可能な演出態様(特殊演出態様)を決定可能に構成している。即ち、討伐演出において、敵数を0体まで減少させることを目的とした場合には選択すべき操作方法を選択しなかった場合に、敵数が0体まで減少するよりも前に討伐演出の演出結果を把握可能な特定数(例えば、333体)を表示可能に構成している。よって、遊技者が目指す演出内容に対応させて演出ボタン22aへの操作方法を選択させることができるため、遊技者が選択する操作方法を偏り難くすることができる。
なお、本第32制御例では、遊技者が選択した選択方法によって、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知するタイミングを異ならせることが可能に構成している。そして、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知するタイミングとして、1の操作方法で操作(演出ボタン22aを押下する操作)した場合よりも早いタイミングで報知可能な他の操作方法による操作(演出ボタン22aを押下しない操作)した場合には、操作方法だけで無く、表示されている敵数、及び、討伐演出シナリオに規定されている敵数に基づいて報知条件が成立した場合のみ、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを示すための演出態様として、残敵数が特定数(例えば、333体)となる追加攻撃演出が実行されるように構成している。
つまり、報知条件が成立し得ない状態で演出ボタン22aを押下しない操作を実行した場合には、残敵数が特定数(例えば、333体)となる追加攻撃演出が実行されること無く、且つ、残敵数が討伐演出シナリオに規定されている敵数よりも多くなる追加攻撃演出が実行され得るように構成している。このように、いち早く実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることを報知可能な操作方法を実行した場合には、実行中の討伐演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果であることが報知されない可能性があるため、遊技者に対して何れの操作方法を選択させるかをより楽しんで決定されることができる。
なお、本第32制御例では、何れの操作方法によって演出ボタン22aを操作した場合であっても、遊技者に付与される特典(大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定されることを事前に報知する特典)の内容が同一であって、その付与タイミングのみを異ならせているが、これに限ること無く、1の操作方法を選択した場合には、上述した特典に加え、別の第1特典(例えば、獲得済みの特図保留内に当たり当選する特図保留があるか否かを事前に報知する特典)を付与可能に構成し、1の操作方法とは異なる他の操作方法を選択した場合には、上述した特典に加え、第1特典とは異なる第2特典(例えば、大当たり遊技中に実行される残りのラウンド遊技数を事前に報知する特典)を付与可能に構成しても良い。
このように構成することで、遊技者が選択した遊技方法に応じて、異なる特典を遊技者に付与することができるため、遊技者に対して操作方法を選択させる楽しみを提供することができる。また、上述した例では、大当たり遊技中に実行される討伐演出における攻撃演出中の演出ボタン22aへの操作方法に応じて付与可能な特典として第2特典(ラウンド遊技数の事前報知)を付与可能な例を示しているが、この場合、例えば、大当たり遊技中に実行されたラウンド遊技数が増加する毎に、残りのラウンド数が減少していくことから、第2特典が付与されるメリットが低くなる。
よって、大当たり遊技中におけるラウンド遊技の進行状況に応じて、1回の討伐演出中において選択する操作方法を遊技者に切り替えさせることが可能となるため、よりメリットのある特典が付与されることを期待しながら討伐演出を注視する遊技者に対して、演出効果をより高めることができる。
なお、本第32制御例では、何れの攻撃演出が実行された場合であっても、遊技者が操作方法を選択可能に構成しているが、これに限ること無く、演出ボタン22aへの操作方法を遊技者が選択することができない攻撃演出を実行可能に構成しても良く、例えば、SW有効時間が設定されない攻撃演出を実行することで、演出ボタン22aを押下するという操作方法を選択できなくしたり、SW有効時間として極めて短いSW有効時間を設定することで、演出ボタン22aを押下し難くしたりする攻撃演出を実行可能に構成しても良い。
さらに、本第32制御例では、演出ボタン22aに対する操作方法として、演出ボタン22aを押下する操作と、演出ボタン22aを押下しない操作と、の2種類から遊技者が選択する構成を用いているが、これに限ること無く、演出ボタン22aを所定期間内(例えば、1秒以内)に複数回(例えば、2回以上)操作する操作方法(所謂、連打操作)や、演出ボタン22aを所定期間(例えば、1秒間)継続して押下し続ける操作方法(所謂、長押し操作)を遊技者に選択可能に構成しても良い。
また、このように複数の操作方法を遊技者に選択させる場合には、第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者が選択可能な操作方法と、各操作方法を選択した場合に付与可能な特典の内容と、を報知可能な表示態様を表示するように構成すると良い。このように構成することで、遊技者が選択する操作方法を決定し易くすることができる。
特定数表示済フラグ223kは、討伐演出の演出態様として、特定数を示す演出態様が表示されたことを示すためのフラグであって、特定数を示す演出態様が表示された場合にオンに設定される。本第32制御例では、討伐演出にて減少させる敵数として、特定条件が成立した場合に、討伐演出の演出結果が表示されるよりも前に、実行中の討伐演出の演出結果を示すための特定数の敵数(例えば、333体)を表示可能に構成している。そして、特定数の敵数(例えば、333体)が表示された場合には、その表示態様によって討伐演出の演出結果が報知されるため、特定数の敵数が表示されてから討伐演出の演出結果が表示されるまでの残期間にて、特定数の敵数が表示されたことを示す専用の演出(祝福演出)が実行されるように構成している。
つまり、特定数の敵数が表示されたことを特定数表示済フラグ223kの設定状況に基づいて判別可能に構成することで、特定数の敵数が表示された後も敵数を減少させる攻撃演出を継続した場合であっても、特定数が表示されたことに基づいて祝福演出を継続して実行することができる。
なお、本第32制御例では、特定数表示済フラグ223kがオンに設定された後も、設定された討伐演出シナリオに規定されている内容に基づいて攻撃演出を実行するように構成している。つまり、特定数の敵数が表示されたか否かに関わらず、攻撃演出が継続して実行されるように構成している。そして、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されている場合には、攻撃演出に加え、祝福演出を実行するように構成している。つまり、特定数の敵数が表示されたか否かに関わらず、討伐演出における主となる演出内容(攻撃演出の演出態様)を共通化し、特定数の敵数が表示された場合のみ、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示要素の一部(例えば、表示領域Dm7に表示されるボタンアイコンや、副表示領域Dsに表示されるコメント等)を用いて、特定数の敵数が表示されたことを示すための祝福演出を実行するように構成している。
このように構成することで、特定数の敵数が表示された場合に、攻撃演出の代わりに特別な演出を実行可能に構成した場合に比べて、討伐演出を実行するための処理負荷を軽減できると共に、討伐演出に用いる演出データを削減することができる。
ここで、本第32制御例では、討伐演出が実行される場合において、特定数の敵数が表示されるか否かが、討伐演出中に実行される攻撃演出における遊技者による演出ボタン22aへの操作内容に応じて決定されるように構成している。さらに、設定されている討伐演出シナリオの内容と、実際に表示されている敵数(残敵数)と、によって、特定数の敵数を表示させることが可能なタイミングが異なるように構成している。
より具体的には、2ラウンド目のラウンド遊技中に実行される1回目の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に、今回の討伐演出に対して決定された固有特定数が含まれている場合には、2ラウンド目のラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間が、特定数の敵数を表示させることが可能なタイミングとなり、4ラウンド目のラウンド遊技中に実行される3回目の攻撃演出にて減少させることが可能な敵数の範囲内に、今回の討伐演出に対して決定された固有特定数が含まれている場合には、2ラウンド目のラウンド遊技終了後に設定されるインターバル期間が、特定数の敵数を表示させることが可能なタイミングとなる。
また、固有特定数は、大当たり当選した際に表示された第3図柄に含まれる数値に基づいて、討伐演出が実行される毎に決定されるように構成しており、1桁の敵数(例えば、1体)から3桁の敵数(例えば、999体)までの範囲の中から、固有特定数を幅広く決定可能に構成しているため、特定数の敵数を表示させることが可能なインターバル期間を、大当たり遊技毎に異ならせることができる。このように構成することで、討伐演出の演出内容が単調となることを抑制し、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
しかしながら、固有特定数が表示され得るタイミングを異ならせることが可能とし、且つ、遊技者による演出ボタン22aへの操作方法に応じて、固有特定数が表示されるか否かが決定されるように構成することで、固有特定数が表示されてからの討伐演出の残期間が異なるため、固有特定数が表示されてから討伐演出が終了するまでの間に、固有特定数が表示されなかった場合とは完全に異なる専用の演出を実行するように構成した場合には、各残期間に応じた専用演出データを用意する必要があり、演出データの容量が増加してしまうという問題があった。
さらに、討伐演出を実行する際に決定される演出内容に基づいて、固有特定数が表示され得るタイミング(インターバル期間)を特定した場合であっても、遊技者が行う演出ボタン22aへの操作内容に応じて、実際に固有特定数が表示されるか否かが異なるため、固有特定数が表示されることを前提として演出データを予め設定しておくことが出来ず、固有特定数が表示されてから討伐演出が終了するまでの間に、固有特定数が表示されなかった場合とは完全に異なる専用の演出を実行するように構成した場合には、演出データを設定する処理が煩雑になってしまうという問題があった。
これに対して、本第32制御例では、固有特定数が表示された場合であっても、固有特定数が表示されなかった場合と同様に攻撃演出を継続して実行するように構成しているため、固有特定数が表示されてから討伐演出が終了するまでの間に、固有特定数が表示されなかった場合とは完全に異なる専用の演出を実行する場合に比べて、討伐演出に関する演出データの容量を削減することができる。
また、継続して攻撃演出が実行され、表示されている敵の総数が、特定数よりも減少した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示面の一部領域を用いて、固有特定数が表示されたことを示すための祝福演出を実行するため、遊技者に対して固有特定数が表示されたことを遡って把握させ易くすることができる。
ラッシュ期間計測カウンタ223mは、遊技者に有利となる遊技状態が継続している期間(ラッシュ期間)を計測するためのカウンタであって、ラッシュ期間を表示する際にカウンタの値が参照される。本第32制御例におけるパチンコ機10は、上述した通り、遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定された場合に、高確率で大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に、再度時短状態が設定されるように構成している。さらに、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が決定され易くなるように構成し、且つ、小当たり遊技が実行されてから遊技球がV入賞し得る状態へと遷移するまでの期間も短くなるように構成することで、単位時間当たりにおける大当たり遊技回数を増加させ易くするように構成している。
そして、単位時間当たりにおける大当たり遊技の実行回数(単位時間当たりにおいて獲得した賞球数)を、ラッシュ期間の計測期間を示すための表示態様と合わせて表示する(図941(a)参照)ことで、ラッシュ期間が継続した場合における単位時間当たりの賞球数を遊技者に把握させ易くするように構成している。このように構成することで、単位時間当たりに獲得可能な賞球数を増加させるために、ラッシュ期間中に実行する遊技の内容を遊技者に決定させることができる。
具体的には、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)が設定された場合に「1」の値がセットされる(図985のS3414参照)。そして、音声ランプ制御装置113において定期的(1ms毎)に実行されるメイン処理(図982参照)において、演出更新処理(図997のS3112参照)が実行された場合に、カウンタ値が1加算(更新)される(図997のS4604)。そして、加算後のラッシュ期間計測カウンタ223mの値を示すための表示用コマンドが設定される(図997のS4605)。
図997のS4605の処理にて設定された表示用コマンドは、他の表示用コマンドと同様に、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図982参照)にて1ミリ秒毎に実行されるコマンド出力処理(S3102)よって、表示制御装置114へと出力され、第3図柄表示装置81の表示面にて表示させる演出態様(表示データ等)を決定し。決定した表示データに応じた演出態様で時短状態(ラッシュ期間)表示される。
そして、遊技状態として通常状態が設定され、且つ、未使用の特図2保留が存在しないと判別した場合に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値がクリアされる。具体的には、状態コマンド処理(図985のS3212参照)にて、通常状態が設定されたことを示すための情報を受信したと判別した場合に(図985のS3402:Yes)、特図2保留の有無が判別され(図985のS3405参照)、特図2保留が無いと判別した場合にラッシュ期間計測カウンタ223mの値がクリアされる(図985のS3406参照)。
ここで、本第32制御例では、時短状態が終了し、通常状態が設定された後に、時短状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を所定回数(1回)実行可能に構成しており、その第2特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでの期間が遊技者に有利なラッシュ期間となる。つまり、遊技状態として遊技者に有利な時短状態が設定されている期間に、通常状態が設定されている期間の一部を加えた期間が、遊技者に有利な遊技が実行される有利期間(ラッシュ期間)となるように構成している。
このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングと、遊技者に有利な遊技が実行される有利期間が終了するタイミングと、を異ならせることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。
賞球数カウンタ223nは、少なくとも、ラッシュ期間(大当たり遊技、時短状態)中に獲得した賞球数を保持するためのカウンタであって、ラッシュ期間中において賞球が付与される場合に、付与された賞球数に対応する値が加算される(図983のS3217参照)。そして、ラッシュ期間中において第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域Dm6に表示するポイント表示態様を決定する際にカウンタの値が参照される。そして、遊技状態として通常状態が設定され、且つ、未使用の特図2保留が存在しないと判別した場合に、賞球数カウンタ223nの値がクリアされる。具体的には、状態コマンド処理(図985のS3212参照)にて、通常状態が設定されたことを示すための情報を受信したと判別した場合に(図985のS3402:Yes)、特図2保留の有無が判別され(図985のS3405参照)、特図2保留が無いと判別した場合に賞球数カウンタ223nの値がクリアされる(図985のS3407参照)。
このように構成することで、ラッシュ期間中(時短状態、大当たり遊技状態、時短状態中に獲得した特図2保留が消化される通常状態(引き戻し遊技状態)を含む継続期間中)に獲得した賞球数のみを累積することができる。
なお、本第32制御例では、最初に時短状態が設定された時点でラッシュ期間を計測するためのラッシュ期間計測カウンタ223mの値に1をセットするように構成し、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1以上である場合に受信した賞球数コマンドに基づいて賞球数カウンタ223nの値を加算するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技が実行される毎に賞球数カウンタ223nの値を加算可能に構成し、時短状態が設定される大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技中に獲得した賞球数も含めてラッシュ期間計測カウンタ223mの値を累積するように構成しても良い。このように、特定期間(ラッシュ期間)が継続する時間の長さを示すための表示態様(表示領域Dm8に表示される継続期間表示)と、その特定期間(ラッシュ期間)中に獲得した賞球数を示すための表示態様(表示領域Dm6に表示されるポイント表示態様)と、を表示可能な構成において、特定期間よりも前の期間(特定期間の設定契機となる大当たり遊技の実行期間)に獲得した賞球数も含めて、特定期間(ラッシュ期間)中に獲得した賞球数を示すための表示態様(表示領域Dm6に表示されるポイント表示態様)を表示可能に構成することで、特定期間中に獲得した賞球数を、実際に特定期間中に獲得した賞球数よりも遊技者に多く見せることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この場合、実際に遊技者に提供される(提供されている)賞球数に対応する表示態様が表示領域Dm6に表示されることから、表示領域Dm6に表示される表示態様(ポイント表示態様)と、実際に獲得した賞球数との大きな誤差が生じることが無いため、表示領域Dm6に表示されたポイント表示態様に対して遊技者に違和感を与えることが無い。
なお、本第32制御例では、最初に時短状態が設定されてからの経過時間を、ラッシュ期間計測カウンタ223mを用いて計測可能に構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が開始されてからの経過時間を、ラッシュ期間計測カウンタ223mを用いて計測可能に構成しても良い。この場合、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行される場合に、実行される大当たり遊技の種別(大当たり種別)に関わらず、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値に1をセットし、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合には、その時点でラッシュ期間計測カウンタ223mの値をクリアし、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合には、継続してラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新するように構成すれば良い。
さらに、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新している期間であっても、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行されている期間(初回大当たり遊技期間)は、経過時間を表示しないように構成すると良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合、即ち、ラッシュ遊技に突入しない場合において、無用に経過時間が表示されてしまうことを抑制することができる。
このように、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新している期間であっても、第3図柄表示装置81の表示画面に経過期間を示す表示態様(継続期間表示)を表示しない制御を、上述した初回大当たり遊技期間以外に用いても良く、例えば、ラッシュ期間中において、当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)したことを示す表示態様が表示される期間や、小当たり遊技中において遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示態様が表示される期間といった、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技内容(遊技結果)を報知する必要がある期間は、継続期間表示を非表示にする制御を実行するように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に報知すべき遊技内容(遊技結果)を表示するための表示領域を拡げることができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、同様の目的を達成するために、継続期間表示の表示態様を非表示にする制御では無く、継続期間表示が表示される表示領域Dm6の大きさを縮小したり、表示領域Dm6が形成される位置を異ならせたりすることで、遊技者に報知すべき遊技内容(遊技結果)を示す表示態様を、遊技者に分かり易く表示するように構成しても良い。
加えて、本第32制御例では、ラッシュ期間が設定されている間は、継続してラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、ラッシュ期間中において、遊技者が遊技を中断している中断期間、具体的には、第3図柄表示装置81の表示画面にデモ画面が表示されている期間は、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新せず、再度遊技が開始された場合に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新する処理を再開させるように構成しても良い。このように構成することで、ラッシュ期間のうち、実際に遊技者が遊技を行っている期間のみを累積して継続期間表示として表示することができるため、ラッシュ期間における単位時間当たりの賞球数を遊技者に把握させ易くすることができる。
さらに、ラッシュ期間のうち、遊技者が遊技を進行させられない期間、具体的には、小当たり当選してから小当たり遊技が実行されるまでの第1待機期間(図柄確定期間)や、小当たり遊技が実行されてから、V入賞可能となるまでの第2待機期間(小当たり遊技のオープニング期間)や、V入賞してから小当たり遊技が終了するまでの第3待機期間(小当たり遊技のエンディング期間)といった期間も、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が更新されない制御を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、ラッシュ期間のうち、遊技者が積極的に遊技を進めることが可能な期間であって、実際に遊技者が遊技を行っている経過期間のみラッシュ期間計測カウンタ223mによって計測することができるため、ラッシュ期間における単位時間当たりの賞球数を、精度を高めて遊技者に提供することができる。
保留連フラグ223oは、保留連演出が実行されたことを示すためのフラグであって、大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合にオンに設定される。保留連演出とは、大当たり遊技中に実行される遊技者に有利な特典が付与されることを示すための演出であって、大当たり遊技の最終ラウンドが実行される時点で獲得済みの特図2保留の中に、当たり当選を示す入賞情報が含まれているかを先読みし、当たり当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合(当たり特図2保留を有していると判別した場合)の一部において実行される演出である。
つまり、保留連演出を実行することにより、大当たり遊技が実行されている期間において、次の大当たり遊技を実行させるための実行契機(小当たり当選)が成立することを遊技者に事前に報知することができるため、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が短い場合であっても、安心して遊技者に遊技を行わせることができる。
本第32制御例では、大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合には、保留連演出が実行されていない場合に比べて、当たり特図2保留を有している状態で保留連演出が実行され易くなるように構成している。具体的には、保留連フラグ223oがオンに設定されていない場合では、大当たり遊技の最終ラウンドが開始されると判別した場合(図988のS3701:Yes)に、当たり保留(当たり特図2保留)があるかを判別し(図988のS3703参照)、当たり保留があると判別した場合(図988のS3703:Yes)、即ち、保留連演出の実行権利を獲得している状態であると判別した場合は、保留連演出を実行するか否かの実行抽選を行い、実行抽選に当選した場合に(図988のS3707:Yes)、保留連フラグ223oをオンに設定し(S3709参照)、その後、保留連演出の実行を決定する(図988のS3705参照)ように構成している。
一方、保留連フラグ223oがオンに設定されている状態で、保留連演出の実行権利を獲得している状態であると判別した場合(図988のS3704:Yes)は、実行抽選を行うこと無く、保留連演出の実行を決定する(図988のS3705参照)ように構成している。
つまり、保留連演出が実行された場合には、その後、保留連演出の実行権利を獲得している状態では、必ず、保留連演出が実行されるように構成している。このように構成することで、保留連演出を連続して実行させたい遊技者に対して、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技が実行されるように、時短状態中において積極的に右打ち遊技を行わせることができる。
ここで、本第32制御例では、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合、変動時間として極めて短い変動時間(1秒)で第2特別図柄抽選を3回実行可能に構成している。そして、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、最大で1個獲得可能に構成している。さらに、大当たり遊技の最終ラウンドが開始されるタイミングで獲得している特図2保留に含まれる入賞情報を先読みし、先読み結果として、特図2保留に当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)する入賞情報が含まれていると判別した場合に、その大当たり遊技の最終ラウンドを用いて、獲得している特図2保留を用いた第2特別図柄抽選で当り当選することを示すための保留連演出(図944(b)参照)を実行可能に構成している。
この場合、特図2保留の最大獲得数が1個である本第32制御例では、大当たり遊技終了後に実行される第2特別図柄抽選で当り当選することが保留連演出によって報知されることになる。つまり、大当たり遊技が終了してから1秒後に小当たりに当選することを遊技者が把握することになる。本第32制御例では、大当たり遊技中は通常状態が設定され、且つ、時短状態において小当たり当選を示す特別図柄が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されることから、保留連演出が実行された大当たり遊技が終了した後は、時短状態が継続する期間が1秒となる。よって、通常状態である大当たり遊技の終了直前に普通図柄抽選が実行された場合には、通常状態中に実行された普通図柄抽選の結果が表示されるまでに時間を費やしてしまうことから、時短状態中に新たな特図2保留を獲得することが困難であると遊技者が予測してしまい大当たり遊技終了後から次の小当たり遊技が開始されるまでの間、遊技者が遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を中断してしまい、遊技の稼働が低下してしまう虞があった。
また、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定されてから右打ち遊技を行う場合には、右打ち遊技によって発射された遊技球がスルーゲート67を通過するまでに最短でも所定期間(0.5秒)要するため、スルーゲート67を通過した直後に時短状態中における普通図柄抽選が実行された場合であっても、普図当たり遊技が実行されるまでに通常状態が設定されてしまい、新たな特図2保留を獲得することが困難となるため、大当たり遊技終了後から次の小当たり遊技が開始されるまでの間、遊技者が遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を中断してしまい、遊技の稼働が低下してしまう虞があった。
これに対して、本第32制御例では、上述した通り、保留連演出が実行された後は、保留連演出の実行権利を獲得した場合に、必ず保留連演出を実行するように構成している。このように構成することで、保留連演出を継続して実行させようとする遊技者に対して、短時間の時短状態中に第2入球口640へと遊技球を入球させようと意欲的に右打ち遊技を行わせることができるため、遊技の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第32制御例では、保留連フラグ223oがオンに設定されている状態で、保留連演出を実行可能な条件(獲得済みの特図2保留内に当たり当選を示す特図2保留が含まれている場合に成立する条件)が成立した場合に、必ず保留連演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、保留連フラグ223oがオンに設定されている場合の方が、保留連フラグ223oがオンに設定されていない場合よりも保留連演出が実行される確率が高確率となるように構成すれば良い。
また、本第32制御例では、保留連演出が実行された場合に保留連フラグ223oをオンに設定しているが、これに限ること無く、他の条件で保留連フラグ223oをオンに設定する処理を実行可能に構成しても良い。例えば、ラッシュ期間中に獲得した賞球数の累積が特定数(例えば、10000個)を超えた場合に保留連フラグ223oをオンに設定可能としても良いし、ラッシュ期間中に獲得した賞球数の累積値を示すための表示態様(図944(a)の表示領域Dm6に表示されるポイント表示の表示態様)として特定の表示態様が表示されている期間、保留連フラグ223oをオンに設定する構成を用いても良い。
さらに、ラッシュ状態が継続する期間(ラッシュ継続期間)の長さに基づいて保留連フラグ223oをオンに設定する構成を用いても良い。この場合、ラッシュ継続期間が所定期間(例えば、100秒)を超えた場合に保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しても良いし、ラッシュ継続期間が所定範囲である場合のみ保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しても良い。
加えて、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選の実行回数の累積値を計測する計測手段を設け、ラッシュ継続期間にて実行された第2特別図柄抽選の回数が所定回数を超えた場合に、保留連フラグ223oをオンに設定しても良いし、保留連フラグ223oがオフの状態において実行される第2特別図柄抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合に、大当たり遊技の実行契機となる第2特別図柄抽選(小当たり当選する特図2抽選)が、時短状態が設定されてから何回目の特図2抽選かを判別可能な判別手段を設け、その判別手段によって、1回目の特図2抽選(時短状態が設定されてから最初に実行された特図2抽選)と判別された場合よりも、3回目の特図2抽選(時短状態の最終変動となる特図2抽選)と判別された場合の方が、保留連フラグ223oがオンに設定され易くなるように構成しても良い。
また、本第32制御例では、保留連フラグ223oをオンに設定するための条件が成立した場合に、必ず保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しているが、これに限ること無く、保留連フラグ223oをオンに設定するための条件が成立した場合に、保留連フラグ223oをオンに設定するか否かを決定可能な抽選手段を設け、抽選手段による抽選の結果、オンに設定すると判別した場合に保留連フラグ223oをオンに設定するように構成しても良い。このように構成することで、保留連フラグ223oがオンに設定されている状態であるか否かを、遊技状況に基づいて遊技者に予測させ難くすることができる。よって、保留連演出が実行されなかったにも関わらず、保留連演出の対象となる特図2保留に基づく第2特別図柄抽選で小当たり当選するといった意外性のある遊技を提供することができる。
ラウンド数カウンタ223pは、大当たり遊技のラウンド数を計測するためのカウンタであって、新たなラウンド遊技が実行される場合にカウンタ値が更新され、更新後のカウンタ値を示す表示態様が表示領域Dm5に表示される。このように構成することで、実行中のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。
ここで、本第32制御例では、上述した保留連演出が実行された場合において、前回の大当たり遊技のラウンド数を引き継いで次に実行される大当たり遊技のラウンド数を表示領域Dm5に表示可能に構成している。
つまり、通常であれば、大当たり遊技の終了タイミングにてラウンド数カウンタ223pの値をクリアする処理(図987のS3612参照)を実行するのに対して、保留連演出が実行される場合には(図987のS3611:Yes)、ラウンド数カウンタ223pの値をクリアする処理がスキップされるように構成し、保留連演出の対象となる当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のラウンド数として、前回の大当たり遊技にて計測されたラウンド数カウンタ223pの値に加算されたラウンド数が表示領域Dm5に表示される。このように構成することで、保留連演出が連続すればするほど、表示領域Dm5に表示されるラウンド数が増加していくため、保留連演出を連続させた遊技者に対して、付加価値を提供することができる。
また、本第32制御例では、表示領域Dm5に表示されるラウンド数が、1回の大当たり遊技にて実行可能な最大ラウンド数よりも大きくなった場合に、特殊演出(図946参照)を実行するように構成している。このように構成することで、保留連演出を連続させた遊技者に対してより付加価値を付与することができる。
SW有効時間カウンタ223qは、演出ボタン22aが有効として判別される操作有効期間を計測するためのカウンタあって、遊技者に対して演出ボタン22aを操作させることで演出態様を可変可能な操作演出が実行される場合に、操作有効期間をセットするタイミングを規定した演出シナリオが設定され、設定されている演出シナリオに基づいて操作有効期間の開始タイミングであると判別した場合に、予め定められた操作有効期間の長さに対応した値がセットされる。
SW有効時間カウンタ223qにセットされた値は、1ミリ秒周期で実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図982参照)にて実行される演出更新処理(図997のS3112参照)によって減算される(図997のS4607参照)。そして、減算されたSW有効時間カウンタ223qの値に対応した表示態様を示すための表示用コマンドが設定される(図997のS4608参照)。ここで設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図982参照)にて実行されるコマンド出力処理(図982のS3102)によって表示制御装置114へと出力され、出力された表示用コマンドを表示制御装置114が受信したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面に、操作有効期間の残時間を示すためのタイムゲージga1(図934(b)参照)を、表示態様を可変させて表示される。
右打ちフラグ223rは、遊技者に対して右打ち遊技を実行させる遊技状態(当たり遊技状態、時短状態)が設定されたことを示すためのフラグであって、主制御装置110から右打ち遊技を実行させる遊技状態が設定されたことを示すためのコマンドが出力された場合にオンに設定される。そして、通常状態が設定されたことを示すための状態コマンドが出力された場合にオフに設定される。この右打ちフラグ223rがオンに設定されている状態では、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの表示領域Dm4に「右打ち」の案内表示が実行される。
V入賞済フラグ223sは、小当たり遊技が開始されてから所定期間内(4秒以内)に遊技球が特定領域を通過したこと(V入賞したこと)を示すためのフラグであって、小当たり遊技が開始されてから所定期間内(4秒以内)に遊技球が特定領域を通過した場合にオンに設定される(図993のS4213参照)。そして、小当たり遊技が開始されてから所定期間(4秒)が経過したと判別された場合に(図998のS4701:Yes)、V入賞済フラグ223sの設定状況が判別され(図998のS4702参照)、オンに設定されていると判別した場合(図998のS4702:Yes)に、V入賞したことを示すための表示用V演出コマンドを設定し(図998のS4703参照)、その後、オフに設定される(図998のS4704参照)。
本第32制御例では、小当たり遊技が開始されると、小当たり遊技中の遊技方法を案内するための表示態様として特定期間(4秒間)の遊技案内報知を繰り返し実行可能に構成している(図939(a)参照)。そして、最初の遊技案内報知が実行されている期間(小当たり遊技が開始されてからの4秒間)中も、V入賞可能に構成している。
具体的には、小当たり遊技が開始されてから2秒間の間は、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放動作されないオープニング期間が設定され、オープニング期間の終了後、第2可変入賞装置(V入賞装置)650が開放動作されるラウンド遊技が実行される。そして、ラウンド遊技が開始されてから0.5秒後から切替部材650hが作動し(図929(a)参照)、特定領域650e3へと遊技球が入球可能(V入賞可能)となるように構成している。
つまり、本第32制御例におけるパチンコ機10は、小当たり遊技が開始されてから初回の遊技案内報知が終了するまでの間に、遊技球をV入賞させることが可能となるように構成することで、小当たり遊技が開始されてからV入賞を契機に大当たり遊技が実行されるまでの期間を短くしているため、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の実行回数を増加させ易くすることができ、遊技時間に制限がある遊技者に対しても、意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本第32制御例では、小当たり遊技中に遊技球がV入賞したタイミングに応じて、遊技球がV入賞したことを遊技者に報知するためのV演出の実行タイミングを異ならせるように構成している。具体的には、初回の遊技案内報知が実行されている間に遊技球がV入賞した場合には、初回の遊技案内報知が終了した後にV演出を実行し、初回の遊技案内報知が終了した後(2回目以降の遊技案内報知が実行されている間)に遊技球がV入賞した場合には、V入賞タイミングに合わせてV演出を実行するように構成している。
このように構成することで、初回の遊技案内報知が実行されている間に、遊技球がV入賞した場合であっても、初回の遊技案内報知が途中で終了してしまうことを防ぐことができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。また、初回の遊技案内報知が終了した後に遊技球をV入賞させた場合には、即座にV演出を実行することができるため、小当たり遊技中に遊技球をV入賞させることができたことを確実に報知することができる。
なお、本第32制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技の遊技期間(遊技球をV入賞させることが可能な期間)が、初回の遊技案内報知が終了するタイミングよりも長く継続するように構成している。つまり、初回の遊技案内報知が終了した後に、右打ち遊技を行ったとしても、遊技球をV入賞させることができるように構成している。このように構成することで、熟練の遊技者に対しては、小当たり遊技が開始された直後から右打ち遊技を行わせ、短時間でV入賞を目指す遊技を行わせることができると共に、初心者の遊技者に対しては、遊技案内報知によって報知される小当たり遊技中の遊技方法を理解させた上で右打ち遊技を行わせてもV入賞を目指す遊技を行わせることができる。よって、遊技者の熟練度に応じた遊技を適正に行わせることができる。
さらに、本第32制御例におけるパチンコ機10は、遊技者が最短で小当たり遊技を終了させた場合の経過時間(最短小当たり遊技時間)が、初回の遊技案内報知が実行される期間(4秒間)よりも長くなるように構成している。具体的には、小当たり遊技のラウンド遊技が開始されてから、ラウンド遊技の終了条件が成立する入賞数(10個)の遊技球が第2可変入賞装置650へと入賞するまでに要する期間が、最短でも5秒となるように構成している。
このように構成することで、小当たり遊技が開始される前から継続して右打ち遊技を実行し、小当たり遊技のラウンド遊技が開始された直後から第2可変入賞装置650へと遊技球を入賞させる状況が発生したとしても、初回の遊技案内報知が終了するまでに、小当たり遊技が終了してしまうことを抑制することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
演出固定フラグ223tは、パチンコ機10の演出モードとして、固定モードが設定されていることを示すためのフラグであって、固定モードが設定された場合にオンに設定される。遊技環境格納エリア223uは、遊技者が選択した遊技環境に関する情報を一時的に格納するための記憶領域であって、遊技環境データテーブル222fを参照して選択された各遊技環境の内容を示すための情報が格納される。
<第32制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図963から図980のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
本第32制御例では、上述した通り、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄抽選を優先的に実行するように構成している。また、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても、抽選結果として大当たり当選以外に、外れの一部において小当たり当選を判定可能に構成している。そして、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に、第2可変入賞装置650内に配設された特定領域(V領域)650e3に遊技球を通過(V入賞)させることにより、V入賞に基づく大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行条件が成立し、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。
また、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(図柄大当たり遊技)の一部、或いは、小当たり当選に基づいて実行されるV大当たり遊技の終了後に時短状態を設定可能に構成している。
そして、時短状態が設定された場合には、通常状態が設定された場合よりも、第2特別図柄抽選を実行し易くなるように構成し、第2特別図柄抽選を、第1特別図柄抽選よりも、小当たり当選する確率が高くなるように規定することで、第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選の方が、大当たり遊技(図柄大当たり遊技、V大当たり遊技)が実行され易くなるように構成している。
そして、設定された時短状態を終了させるための時短終了条件として、複数の時短終了条件を設定可能に構成し、時短状態中に無用に多くの第1特別図柄抽選が実行されることを抑制すると共に、時短状態中に規定された回数(3回)の第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。また、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる第2特別図柄抽選の実行権利を所定個数(1個)を上限に獲得可能に構成しており、時短状態が終了し、通常状態が設定された後も、時短状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を所定回数(1回)実行させることができるように構成している。
このように構成された第32制御例におけるパチンコ機10では、初期状態である通常状態において、第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技によって、第1特別図柄抽選で大当たり当選し図柄大当たり遊技が実行されることを目指す遊技が行われ、図柄大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合には、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選を実行させ、小当たり当選に基づいてV大当たり遊技が実行されることを目指す遊技が行われる。また、時短状態の終了条件が成立し、通常状態(初期状態)が設定される場合であっても、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させるために、時短状態が終了する直前まで継続して右打ち遊技が行われる。
図963は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では65536)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では299)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、65535,99,99,299,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4,C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、始動入賞処理(S105)の詳細は、図964~図971を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図972および図973を参照して後述する。スルーゲート通過処理(S107)を実行した後は、V入口通過処理を実行し(S108)、その後、V通過処理(S109)を実行する。ここで、V入口通過処理(S108)、V通過処理(S109)の詳細については図974及び図975を参照して後述する。
V通過処理(S109)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S110)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図964を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図964は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図964のS104参照)は、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、設定されている遊技状態の移行管理制御を実行したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図964のS104参照)について説明する。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201)。具体的には、大当たり中フラグ203kがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行いS209の処理へ移行する。
なお、本第32制御例では、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、1個を上限に獲得可能に構成しているため、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、1個の特図2保留に関するデータ(各カウンタ値)を格納するための保留第1エリアのみを有しているが、特図2保留を1個よりも多い個数(例えば、4個)獲得可能に構成した場合であれば、特図2保留を獲得可能な個数に応じた数の保留エリア(保留第1エリア~保留第4エリア)を設ければ良く、この場合、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトすれば良い。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、S203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S211)。
S211の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S211:No)、新たに特別図柄抽選を実行させることが可能なデータを保有していない状態であるため、そのまま本処理を終了する。一方、S211の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S211:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S213)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
S212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S214)、処理をS209の処理へと移行する。S207、またはS214の処理後に実行されるS209の処理では、特別図柄判定処理を実行し(S209)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S210)、その後、本処理を終了する。この特別図柄判定処理(S209)および特別図柄変動パターン選択処理(S210)の詳細については図965及び図966を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S216)、その後、本処理を終了する。S216の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S210)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S216の処理を実行する毎に更新(減算)される。
一方、S215の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S215:Yes)、即ち、S216の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S210)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S210)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて、今回の特別図柄抽選の結果が大当たり、小当たり、外れの何れであるかが決定されると共に、抽選結果が大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別として大当たりA~大当たりCのいずれかが決定される。また、抽選結果が小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5の値に応じて小当たり種別として小当たりA~小当たりCのいずれかが決定される。
尚、本第32制御例では、特別図柄抽選の結果が、大当たりAが設定された大当たりである場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBが設定された大当たりである場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCが設定された大当たりである場合には、緑色のLEDを点灯させる。また、小当たりAが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、小当たりBが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、小当たりCが設定された小当たりである場合には、第1図柄表示装置37において赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させ、外れである場合には赤色のLEDと青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
つまり、第1図柄表示装置37は、特別図柄抽選の結果を示すための表示態様として、特別図柄抽選の結果(大当たり、小当たり、外れ)だけで無く、当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合に設定される当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて異なる表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、第1図柄表示装置37に表示されている表示態様を把握することで、特別図柄抽選の結果を詳細に把握させることができる。
なお、本第32制御例では、上述した通り、第1図柄表示装置37に表示される表示態様と、特別図柄抽選の結果と、を遊技者が対応付けることが困難となるように構成している。つまり、何れの抽選結果である場合にも表示されている表示態様(各LEDの点灯態様)を組み合わせて特別図柄抽選の結果を表示するように構成している。また、第1図柄表示装置37では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が実行されている間は、各LEDを点滅表示させるだけであり、今回の特別図柄抽選の結果を示唆するための示唆態様が、特別図柄変動が停止表示されるまでの間に表示されないように構成している。また、特別図柄変動が停止表示されたタイミングにて特別図柄抽選の結果を示すための表示態様が表示(各LEDを点灯表示)するように構成しているため、抽選結果を示すための表示態様が表示される期間が短くなるように構成している。
このように構成することで、第1図柄表示装置37の表示態様に基づいて特別図柄抽選の結果を遊技者が把握することは困難となるため、特別図柄変動と同期して実行される第3図柄変動に基づく変動演出が実行される第3図柄表示装置81の表示画面に遊技者を注視させ易くすることができる。
なお、本第32制御例では、第1図柄表示装置37に表示される抽選結果を示すための表示態様として、複数の発光色を有するLEDの点灯状態の組合せを用いているが、これに限ること無く、同一色に点灯する複数のLEDを設け、点灯させるLEDの組合せによって実行された特別図柄抽選の結果、及び、当たり種別を表示可能に構成しても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S218:Yes)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定し(S219)、時短カウンタ203hの値をクリア(0に設定)し(S220)、今回の特別図柄変動を停止表示したことを示すための特図確定コマンドを設定し(S221)、本処理を終了する。一方、S218の処理において、特別図柄の大当たりでは無いと判別した場合は(S218:No)、次に、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであるかを判別し(S222)、小当たりであると判別した場合は(S222:Yes)、小当たり開始設定処理を実行し(S223)、その後、時短更新処理を実行し(S224)、上述したS221の処理を実行し、本処理を終了する。また、S222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでは無いと判別した場合は(S222:No)、S223の処理をスキップして時短更新処理を実行し(S224)、S221の処理へ移行する。なお、S223の処理において実行される小当たり開始設定処理(S223)の詳細な内容については、図968を参照して後述し、S224の処理において実行される時短更新処理(S224)の詳細な内容については、図969を参照して後述する。
S221の処理によって設定される特図確定コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(図978のS1801参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図確定コマンドを受信すると、実行中の変動演出(第3図柄変動)を停止表示させるための処理を実行する。このように構成することで、例えば、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、変動パターンコマンドに含まれる特別図柄変動の変動時間に対応させて変動演出を実行した後に、パチンコ機10への電力供給が遮断(停電等)され、音声ランプ制御装置113側で、特別図柄変動の残変動時間を管理できなくなった場合であっても、電源復旧後に出力される特図確定コマンドを受信することによって、実行中の第3図柄変動を確実に停止表示させることができる。
次に、図965を参照して、特別図柄判定処理(S209)の処理内容について説明をする。図965は、特別図柄判定処理(S209)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理(S209)では、特別図柄抽選における当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)が実行される。
特別図柄判定処理(S209)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S301)、第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得し(S302)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303:No)、次に、抽選結果が小当たりであるかを判別し(S306)、抽選結果が小当たりであると判定した場合は(S306:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S307)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(S308)、本処理を終了する。また、S306の処理において小当たりでは無いと判定した場合、即ち、今回の特別図柄抽選の結果が外れである場合は(S306:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図966を参照して、特別図柄変動処理(図964のS104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S210)について説明する。図966はこの特別図柄変動パターン選択処理(S210)を示すフローチャートである。
特別図柄変動パターン選択処理(S210)では、まず、特別図柄判定処理(図965のS209参照)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401)。
S401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401:Yes)、大当たり種別選択テーブル202bと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、時短状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dを読み出す(S404)。
そして、S403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dとに基づいて変動パターンを選択し(S405)、S405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図978のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408)、本処理を終了する。S407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図978)の外部出力処理(図978のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S401:No)、次に、特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S409)、小当たり当選であると判別した場合は(S409:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、小当たり種別を決定する(S410)。そして、上述したS403の処理へ移行する。また、S409の処理において、特別図柄の抽選結果が小当たりでは無い(外れである)と判別した場合には(S409:No)、S410の処理をスキップしてS403の処理へ移行する。
次に、図967を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S223)について説明する。図967は、小当たり開始設定処理(S223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S223)は、タイマ割込処理(図963参照)の特別図柄変動処理(図964のS104参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA,B,C)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されると第2可変入賞装置(V入賞装置)650を遊技球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが本第32制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B,C)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。
このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
小当たり開始設定処理(S223)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S501)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203pに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S502)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202fに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(6ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(6ラウンド時短無大当たり)であると判別する。
このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、本第32制御例の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。
図967に戻り、説明を続ける。S502の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S503)、小当たり開始フラグ203nと小当たり中フラグ203oをオンに設定する(S504)。その後、本処理を終了する。
次に、図968を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される時短更新処理(S224)について説明する。図968は、時短更新処理(S224)を示したフローチャートである。この時短更新処理(S224)は、タイマ割込処理(図963参照)の特別図柄変動処理(図964のS104参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。
時短更新処理(S224)では、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S601)。S601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S602)、S603の処理へ移行する。
S603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理(図978参照)の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S605)、小当たりカウンタ203sおよび特図2カウンタ203tの値を0に設定する(S606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
一方、S604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S604:No)、今回実行された特別図柄変動が特図2変動(第2特別図柄変動)であるかを判別し(S608)、特図2変動であると判別した場合は(S608:Yes)、特図2カウンタ203tの値を1減算し(S609)、減算後の特図2カウンタ203tの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S610)、減算後の特図2カウンタ203tの値が0であるかを判別する(S611)。
S611の処理において、特図2カウンタ203tの値が0であると判別した場合は(S611:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S612)、時短カウンタ203hおよび小当たりカウンタ203sの値を0に設定する(S613)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S614)、本処理を終了する。
また、S608の処理において、今回実行された特別図柄変動が特図2変動(第2特別図柄変動)では無いと判別した場合(S608:No)、或いは、S611の処理において、減算後の特図2カウンタ203tの値が0では無いと判別した場合(S611:No)は、小当たり時短更新処理を実行し(S615)、本処理を終了する。
次に、図969を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり時短更新処理(S615)について説明する。図969は、小当たり時短更新処理(S615)の内容を示したフローチャートである。この小当たり時短更新処理(S615)は、タイマ割込処理(図963参照)の特別図柄変動処理(図964のS104参照)の時短更新処理(図968のS224参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり時短更新処理(S615)では、まず、小当たり当選したかを判別し(S701)、小当たり当選していないと判別した場合は(S701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S701の処理において、小当たり当選していると判別した場合は(S701:Yes)、小当たりカウンタ203sの値を1減算し(S702)、小当たりカウンタ203sの値が0であるかを判別する(S703)。S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0であると判別した場合は(S703:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S704)、時短カウンタ203h、および特図2カウンタ203tの値を0に設定する(S705)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S706)、本処理を終了する。一方、S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0では無いと判別した場合は(S703:No)、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立していない状態であるため、上述したS704~S706の処理を実行すること無く本処理を終了する。
なお、本第32制御例では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短カウンタ203hの値が0になった時点における小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。
以上、説明をしたとおり、第32制御例では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、時短更新処理(図968参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり時短更新処理(図969参照)により判別されるように構成している。そして、何れの処理において、複数設定される時短終了条件うち、何れかの終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、本第32制御例では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。
次に、図970を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図963参照)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図970は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(S105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに遊技球が入球(始動入賞)したかを判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64は最大4個、第2入球口640は最大1個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図970のS105)について説明する。
始動入賞処理(S105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S801)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別した場合は(S801:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S802)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S803)。
つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S803:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算し(S804)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S805)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S806)、先読み処理を実行し(S807)、S808の処理へ移行する。
また、S801の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S801:No)、或いは、S803の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S803:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、S808の処理へ移行する。
次に、S808~S814までの各処理については、S801~S807までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
先読み処理(S807,S814)については、図971を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S813)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S803の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S803:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S813)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図971を参照して、始動入賞処理(図970のS105)の一処理である先読み処理(S807)について説明する。図971は、この先読み処理(S807)を示すフローチャートである。
先読み処理(S807)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S901)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S902)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S902:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S903)、その後、本処理を終了する。
一方、S902の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S902:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、当否判別結果が小当たりであるかを判別し(S904)、S904の当否判別結果に基づいて、外れ当選、及び、小当たり当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S905,S906)、その後、本処理を終了する。
ここで、S903,S905或いはS906の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S901の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図978参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図972を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図972は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S1101)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S1101:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S1101:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S1102)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S1102:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S1103)、その値が0よりも大きいかを判別する(S1104)。
S1104の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S1104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1104:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S1105)。つまり、S1104の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1106)。S1106の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1~普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1107)。
次に、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S1108)、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1108:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cの当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S1109)、S1111の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S1108:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cの当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S1110)、S1111の処理へ移行する。
S1111の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S1111)、当たりであると判別した場合は(S1111:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S1112)、S1114の処理へ移行する。一方、S1111の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1111:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S1113)、S1114の処理へ移行する。
S1114の処理では、普通図柄の変動時間を3秒に設定し本処理を終了する。
なお、本制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
一方、S1102の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別した場合には(S1102:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S1115)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S1115:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1115の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S1115:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S1116)。S1116の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS1112、或いはS1113の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
S1116の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1112の処理、或いはS1113の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S1117)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S1117:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S1117:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S1118)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S1118:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、時短用普図当たりシナリオ動作、具体的には、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1120)、S1121の処理へ移行する。
一方、S1118の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S1118:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、通常用普図当たりシナリオ動作、具体的には、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S1119)、S1121の処理へ移行する。
S1121の処理では、S1119、或いはS1120の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S1121)、本処理を終了する。
次に、本制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S1108~S1111の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S1115の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(S106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図973を参照してスルーゲート通過処理(S107)の内容について説明をする。図973は、スルーゲート通過処理(S107)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理にて当否判定(S1111参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1201)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S1201:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S1202)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S1203)。
S1203の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S1203:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に1を加算し(S1204)、加算後の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を示すための普図保留球数コマンドを設定し(S1205)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203cに格納し(S1206)、本処理を終了する。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、特別図柄の保留球(特図保留)を獲得した場合と同様に、普通図柄の保留(普図保留)を獲得した場合に、その獲得した普図保留に含まれる第2当たり乱数カウンタC4を、第2当たり乱数テーブル202cを参照して抽選結果を事前に取得可能に構成している(普図先読みを実行可能に構成している)。そして、普図先読みの結果を示す情報を含む普図用入賞情報コマンドを設定可能に構成している。
ここで設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各制御例にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
次に、図974、及び図975を参照して、V入口通過処理(S108)、及び、V通過処理(S109)の内容について説明をする。図974、及び図975に示したV入口通過処理(S108)、及び、V通過処理(S109)は、上述した制御例に記載したV入口通過処理、及び、V通過処理と同一の処理が実行されるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図976を参照して、NMI割込処理について説明をする。図976は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図977を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図977は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図977)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1715へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1715へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1715へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1715の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1715)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1716、S1717)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1716、S1717)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1716、S1717)を実行する。RAMの初期化処理(S1716、S1717)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1716)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1717)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、時短中カウンタの値を読み出し(S1711)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定し(S1712)、流路ソレノイドをオフに設定し(S1713)、割込みを許可し(S1714)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図978を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図978は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図978参照)においては、まず、タイマ割込処理の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理や始動入賞処理で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。
大当たり制御処理(S1804)の詳細な内容については、図979を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、小当たり遊技に関する各種動作制御が実行される小当たり制御処理(S1805)を実行し、S1806の処理へ移行する。
次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図972参照)のS1121の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1119の処理、S1120の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図966のS210参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理のS407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808)では、普通図柄変動処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810)、既に所定時間が経過していれば(S1810:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811,S1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。なお、このS1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1801~S1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図976のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1809の処理は、S1801~S1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811とS1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図977,S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図979を参照して、大当たり制御処理(S1804)の内容について説明をする。図979は、大当たり制御処理(S1804)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、主制御装置110のメイン処理(図978参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。なお、詳細な内容は、上述した各制御例と同一であるため、詳細な説明は省略する。
本第32制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別選択テーブル202bを用いて大当たり種別を決定する処理を実行し、決定された大当たり種別に対応するエンディング期間が設定されるように構成している。よって、S1912の処理では、大当たり種別に対応して決定されたエンディング期間の長さに対応した表示用エンディングコマンドが設定される。なお、本第32制御例のように、大当たり当選時にエンディング期間の長さを設定するのでは無く、大当たり遊技中におけるV入賞の有無(特定領域(Vゲート650e3)への球の通過の有無)に応じて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良い。
具体的には、大当たり制御処理(図979のS1804参照)において、エンディング期間の開始タイミング(最終ラウンドの終了タイミング)と判別した場合に、今回の大当たり遊技中に実行された遊技内容を判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良く、特に大当たり遊技中に実行される遊技の結果に基づいて大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10においては、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に有利な遊技状態となる場合に、それ以外の場合よりもエンディング期間の長さが長くなるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10において、実際に設定される遊技状態に応じたエンディング期間を設定することができる。
また、このように大当たり遊技中の遊技結果に応じて大当たり遊技のエンディング期間を異ならせる構成を用いる場合には、大当たり遊技中の遊技結果が確定してからエンディング期間が開始するまでの間の何れかのタイミングにて大当たり遊技のエンディング期間を決定するように構成すれば良く、例えば、1ラウンド目のラウンド遊技が終了した後に(球を特定領域へと入賞させることが可能なラウンド遊技が終了した後に)、V入賞の有無を判別し、その判別結果に基づいて、2ラウンド目~最終ラウンド目のラウンド遊技が実行されている期間中に大当たり遊技のエンディング期間を設定するように構成しても良い。
さらに、上述した例では、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に基づいてエンディング期間の長さを設定するように構成しているが、これに替えて、例えば、当選した大当たり種別に基づいて、予め大当たり遊技のエンディング期間を設定しておき、具体的には、確変大当たりに当選した場合には17秒、通常大当たりに当選した場合には15秒のエンディング期間を予め設定しておき、大当たり遊技中の遊技結果に基づいてエンディング期間の長さを可変させる必要が生じた場合、即ち、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中にV入賞させることができなかった場合に、予め設定されているエンディング期間の長さを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にエンディング期間の長さを設定する頻度を抑制することができる。
一方、S1911の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1911:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1913)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S1913の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1913:Yes)、実行中の大当たり種別を読み出し(S1914)、読み出した大当たり種別に基づいて時短付与テーブル202eを用いて対応する時短終了条件を設定し(S1915)、S1915の処理によって設定された設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(S1916)、大当たり終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S1917)、大当たりの終了を設定し(S1918)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S1919)、本処理を終了する。
次に、図980を参照して、小当たり制御処理(S1805)の処理内容について説明をする。図980は小当たり制御処理(S1805)の処理内容を示したフローチャートである。なお、本第32制御例で実行される小当たり制御処理(S1805)は、上述した各制御例における小当たり制御処理と同一であり、その詳細な説明を省略する。
<第32制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図981から図1001を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図981を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図981は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S3001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S3118の電源断処理(図982参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S3002)。図982を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図982のS3115参照)、S3118の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S3118の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S3002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S3003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S3006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S3003:Yes)、S3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S3003:No)、S3008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S3003:Yes)、S3004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S3003:No)、S3008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S3002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S3118の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS3004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S3004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S3004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S3005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S3006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S3005:No)、RAM223の異常を報知して(S3007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S3008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S3008)。電源断フラグはS3118の電源断処理の実行時にオンされる(図982のS3117参照)。つまり、電源断フラグは、S3118の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS3118の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S3008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S3009)、RAM223の初期値を設定した後(S3010)、割込み許可を設定して(S3011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS3008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S3008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS3009をスキップして、処理をS3010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S3010)。
なお、S3009のクリア処理をスキップするのは、S3004からS3006の処理を経由してS3008の処理へ至った場合には、S3004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図982を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図982は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S3101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S3101:No)、S3102~S3112の処理を行わずにS3113の処理へ移行する。S3101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S3102~S3112が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3113のコマンド判定処理やS3114の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3113の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3113の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S3101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S3101:Yes)、まず、S3103~S3114の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22(演出ボタン22a)や、選択ボタン600といった各種ボタンが押されたか否かの入力を監視し、各種ボタンの入力が確認された場合に対応した演出や遊技環境設定を行うよう設定する処理である。この処理では、各種ボタン(枠ボタン22、選択ボタン600)の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して各種ボタン(枠ボタン22、選択ボタン600)が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)の詳細については、図999を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S3110)、次に、各種カウンタ更新処理を実行する(S3111)。その後、演出更新処理を実行する(S3112)。S3112の処理を実行後、S3113の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S3112の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S3113)が実行され、S3114の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S3113)の詳細については、図983を参照して後述する。
S3114の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図994を参照して後述する。
S3114の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3117)、電源断処理を実行する(S3118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3116)、RAM223が破壊されていなければ(S3116:No)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図983を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S3113)について説明する。図983は、このコマンド判定処理(S3113)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S3113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図982参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S3113)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S3113)が実行されるとまず、変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S3201)、受信したと判別した場合は(S3201:Yes)、受信した変動パターンコマンドに対応する変動開始フラグ223dをオンに設定し(S3202)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S3203)。そして、本処理を終了する。
S3201の処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S3201:No)、次に、停止種別コマンドを受信したかを判別し(S3204)、受信したと判別した場合は(S3204:Yes)、受信した停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S3205)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S3206)。そして、本処理を終了する。
S3204の処理において停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S3204:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S3207)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S3207:Yes)、保留情報関連処理を実行し(S3208)、その後、本処理を終了する。保留情報関連処理では、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する処理や、特図保留球を獲得したことに基づく演出態様を決定するための処理が行われる。なお、保留情報関連処理(S3208)の詳細な説明については、図984を参照して後述する。
また、S3207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3207:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S3209)。S3209の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S3209:Yes)、受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する処理を実行し(S3210)、本処理を終了する。具体的には、S3210の処理では、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223a)に格納(記憶)する処理と、受信した入賞情報に基づいた演出(先読み演出)を実行するための処理を行うものである。
S3209の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S3209:No)、次に、状態コマンドを受信したかを判別し(S3211)、受信したと判別した場合は(S3211:Yes)、状態コマンド処理を実行し(S3212)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S3212)は、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。この状態コマンド処理(S3212)の詳細については図985を参照して後述する。
S3211の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S3211:No)、次に、当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S3213)、受信したと判別した場合は(S3213:Yes)、当たり関連処理を実行し(S3214)、その後、本処理を終了する。なお、当たり関連処理(S3214)の詳細な説明は、図986を参照して後述する。一方、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3213:No)、賞球数コマンドを受信したかを判別し(S3215)、賞球数コマンドを受信したと判別した場合は(S3215:Yes)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1以上であるか、即ち、現在が賞球数の累計を計測する期間(ラッシュ期間)であるかを判別し(S3216)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1以上であると判別した場合は(S3216:Yes)、今回受信した賞球数コマンドに含まれる賞球数に対応する値を賞球数カウンタ223nの値に加算し(S3217)、本処理を終了する。一方で、S3216の処理において、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1では無いと判別した場合は、現在がラッシュ期間では無いため、S3217の処理をスキップして、本処理を終了する。
本第32制御例におけるパチンコ機10は、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態から遊技が開始され、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行させる遊技が行われる。そして、第1特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)が開始すると、当たり遊技中に開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、第2可変入賞装置650)へと遊技球を入賞させるために右打ち遊技が行われる。
当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合には、通常状態が設定されている場合よりも右打ち遊技によって発射された遊技球が入球し易くなるように第2入球口640が配設されており、第2入球口640へと遊技球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行させる遊技が行われる。
ここで、第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選よりも当たり当選する確率(小当たり当選する確率)が高くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選で当り当選した場合には、第1特別図柄抽選で当り当選した場合よりも、当たり遊技の終了後に時短状態が設定され易くなるように構成している。よって、一度時短状態が設定された場合には、複数回の当たり遊技を介しながら長時間の間、時短状態の遊技を実行させ易くなるように構成している。
このように構成された本制御例のパチンコ機10では、継続して右打ち遊技が実行される期間(当たり遊技期間、時短状態が設定されている期間)を少なくとも含む遊技期間が、遊技者に有利となる有利遊技期間であることを遊技者に報知するために、演出上の遊技状態としてラッシュ状態を設定するように構成している。このように、遊技者に有利となる有利遊技期間が継続している間、共通の演出(ラッシュ中演出)を実行することにより、遊技者に対して、有利遊技期間が継続していることを分かり易く報知することができる。
そして、本第32制御例では、有利遊技期間中に遊技者が獲得した特典(賞球数)の合計値に対応する情報を示すためのポイント表示態様を表示領域Dm6に表示することで遊技者に報知可能に構成している(図934(a)の表示領域Dm6参照)。S3216の処理では、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を参照することで、現在が有利遊技期間であるかを判別している。このラッシュ期間計測カウンタ223mの値は、遊技状態として時短状態が設定された場合に1がセットされるように構成している。そして、通常状態において特図2保留を獲得していない状態となった場合に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値がクリアされるように構成している。
このように構成することで、有利遊技期間が開始されるタイミングと、有利遊技期間が終了するタイミングとに対応させてラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新(クリア)させることができるため、有利遊技期間中に獲得した賞球数に対応する適正な値を賞球数カウンタ223nに加算させることができる。
S3215の処理において賞球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3215:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S3218)、本処理を終了する。ここで、S3218の処理において実行される詳細な処理内容の一部について説明をする。S3218の処理では、例えば、特別図柄変動が停止表示された場合に出力される特図確定コマンドを受信したことに基づく処理が実行される。具体的には、図柄確定コマンドを受信したかを判別し、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合は、第3図柄の停止表示を設定し、本処理を終了する。本処理を実行することにより、主制御装置110が特別図柄変動を停止表示させたタイミングを、音声ランプ制御装置113側で確実に判別することができるため、例えば、特別図柄変動が実行されている際中に電源が断されたことにより、電源復帰後における特別図柄変動の残変動時間を音声ランプ制御装置113側で判別できなくなった場合であっても、特別図柄変動の停止表示タイミングに対応させて変動演出の停止表示タイミングを決定することができる。
さらに、S3218の処理では、普通図柄抽選に関する各種処理も実行される。具体的には、普通図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値を更新する。
ここで、保留球数コマンドは、遊技球が各種入球口(第1入球口64、第2入球口640、スルーゲート67)に入球(始動入賞)し、各種保留球数カウンタの値が加算された場合、或いは、各種変動開始処理を実行する際に、各種保留球数カウンタの値が減算されたときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞時や変動表示設定時毎に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値が、主制御装置110の各種保留球数カウンタ203d,203e,203fの値とずれてしまっても、始動入賞時、変動表示設定時、即ち、各種保留球数変更されることに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ(図示せず)の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e,普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
次に、図984を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留情報関連処理(S3208)について説明をする。図984は、保留情報関連処理(S3208)の処理内容を示したフローチャートである。この保留情報関連処理(S3208)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図983のS3113参照)の中で実行されるものであって、受信した保留球数コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113側で特別図柄の保留球数(特図保留数)を管理するための処理や、時短状態中において特図2保留を獲得した場合における演出態様を設定するための処理を実行するものである。以下、保留情報関連処理(S3208)の詳細を説明する。
保留情報関連処理(S3208)が実行されると、まず、受信した保留球数コマンドから特別図柄種別と保留球数とを抽出し、今回受信した保留球数コマンドに対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c)に格納し(S3301)、格納した特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223c)の値に対応する表示用コマンドを設定する(S3302)。S3302の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S3302の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、受信した表示用コマンドに含まれる特図保留数を示すための表示態様を第3図柄表示装置81に表示する。
次に、今回受信した保留球数コマンドが第2特別図柄に関する保留球数コマンド(特図2保留を示すコマンド)であるかを判別し(S3303)、特図2保留を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S3303:No)、S3310の処理へ移行する。一方、S3303の処理において、特図2保留を示すコマンドであると判別した場合は(S3303:Yes)、次に、時短情報更新エリア223hから現在の時短状況を読み出す(S3304)。ここで、時短情報更新エリア223hには、時短状態中に実行される各種遊技内容が格納されるように構成しており、例えば、特別図柄変動が実行されている状態であるか否かを示す情報や、各時短終了条件を成立させるための要素(例えば、小当たり当選に関する情報や、特別図柄変動回数に関する情報)の更新内容を示す情報が格納されるように構成している。
よって、時短情報更新エリア223hに格納されている情報を読み出すことにより、現在が時短状態であるか否かだけで無く、特別図柄変動期間中であるか否かや、時短状態の最終変動であるか否かといった情報を判別することができるため、例えば、時短状態における2回目の第2特別図柄変動が実行されている場合であっても、その第2特別図柄変動が時短状態の最終変動であるか否かに応じて異なる演出態様を決定することができる。
S3304の処理を終えると、次に、現在が時短状態における最終変動中(時短終了条件が成立する変動回数目の特別図柄変動中)であるかを判別し(S3305)、最終変動中であると判別した場合は(S3305:Yes)、チャージ完了を示すための表示用コマンドを設定し(S3306)、S3310の処理へ移行する。つまり、時短状態における最終変動中に特図2保留の獲得を示す保留球数コマンドを受信した場合には、時短状態が終了し通常状態が設定された後に、獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を実行させることが可能となることから、特図2保留を獲得している状態で時短状態が終了することを示す表示用コマンドがS3306の処理によって設定される。S3306の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S3306の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、受信した表示用コマンドに含まれるチャージ完了を示すための表示態様を第3図柄表示装置81に表示する(図941(a)参照)。
ここで、本第32制御例では、時短状態における特別図柄最終変動(特図2最終変動)のうち、抽選結果が外れであることを示すための外れ特図2最終変動の変動期間のうち、一部期間を用いて遊技者に対して、特図2保留の獲得を促す演出(FINALチャージ演出)を実行可能に構成している(図941(a))。そして、FINALチャージ演出が実行された直後(1秒以内)に、特図2保留を獲得した場合には、FINALチャージ演出が1秒経過した後に、特図2保留を獲得したことを報知する演出(「チャージ完了」表示)を実行するように構成している。
よって、S3306の処理によって設定された表示用コマンドを、表示制御装置114が受信した場合には、現在が、チャージ完了表示の待機期間(FINALチャージ演出が開始されてから1秒経過するまでの期間)であるかを判別し、待機期間では無い場合には、現在第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている演出に対応した態様でチャージ完了したことを報知するための表示態様を表示する。一方、待機期間である場合には、チャージ完了を示す表示用コマンドを受信したことを一時的に記憶する処理(専用の待機フラグをオンに設定する処理)のみを実行し、チャージ完了したことを報知するための表示態様の表示を待機させる。そして、待機期間が経過したと判別された場合に、待機フラグがオンに設定されているか、即ち、チャージ完了したことを報知するための表示態様の表示が待機されている状態であるかが判別され、待機中であると判別された場合には、チャージ完了したことを示すための表示態様が表示され、待機中フラグがオフされる。
S3305の処理において、時短最終変動中では無いと判別した場合は(S3305:No)、次に、現在が特別図柄変動中(特図変動中)であるかを判別し(S3307)、特図変動中であると判別した場合は(S3307:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3308)、保留連フラグ223oがオンに設定されていると判別した場合、即ち、時短状態が設定されてから1回目の特別図柄変動が当たり当選する特別図柄変動であって、且つ、既に、保留連演出にて報知された当たり当選に対応する特別図柄変動である場合に(S3308:Yes)、次の保留連を示唆する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S3309)、S3310の処理へ移行する。一方、S3307の処理において、現在が特図変動中では無いと判別した場合は(S3307:No)、S3308、及びS3309の処理をスキップしてS3310の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図985を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理(S3212)について説明する。図985は、この状態コマンド処理(S3212)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S3212)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図983参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド処理(S3212)の詳細を説明する。
状態コマンド処理(S3212)が実行されると、まず、今回受信した状態コマンドに含まれる現在の遊技状態を示すための情報を従遊技状態格納エリア223gに格納する(S3401)。そして、遊技状態が通常状態へと移行したかを判別し(S3402)、通常状態へと移行したと判別した場合は(S3402:Yes)、右打ちフラグ223rをオフに設定し(S3403)、時短情報更新エリア223hに記憶されている情報をクリアする(S3404)。具体的には、時短終了条件の成立有無を判別するための要素に関する情報(小当たり回数、特別図柄変動回数、第2特別図柄変動回数)をクリアする。このように構成することで、通常状態が設定されたにも関わらず、時短情報更新エリア223hに格納されている情報に基づく演出が実行されてしまい、遊技者に違和感のある演出が実行されてしまうことを抑制することができる。その後、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)があるかを判別し(S3405)、特図2保留があると判別した場合は(S3405:Yes)、引き戻し中を示す表示用コマンドを設定し(S3410)、本処理を終了する。S3410の処理にて設定される表示用コマンドによって、現在が引き戻し中であることを示す表示態様(図941(b)参照)が第3図柄表示装置81の表示画面に表示される。一方、S3405の処理において、特図2保留が無いと判別した場合、即ち、特図2保留を獲得していない状態で通常状態が設定されたと判別した場合は(S3405:No)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を0にクリアし(S3407)、通常状態(通常中)を示す表示用コマンドを設定し(S3408)、左打ちを案内する表示用コマンドを設定し(S3409)、本処理を終了する。つまり、本制御例では、遊技者に有利な遊技状態であるラッシュ期間の継続期間を、時短状態が設定されている間だけでは無く、特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行される通常状態中も継続して計測するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、設定されている遊技状態に関わらず、遊技者に有利な遊技期間であることを分かり易く報知することができる。また、S3402の処理において、遊技状態が通常状態へと移行していないと判別した場合は(S3402)、次に、時短状態へと移行したかを判別し(S3411)、時短状態へと移行したと判別した場合は(SW有効時間カウンタ223qの値3411:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報更新エリア223hに格納し(S3412)、ラッシュ中を示す表示用コマンドを設定し(S3413)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値に1をセットし(S3414)、本処理を終了する。また、S3411の処理において、時短状態へと移行していないと判別した場合は(S3411:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図986を参照して、当たり関連処理(S3214)の処理内容について説明をする。図986は、当たり関連処理(S3214)の処理内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理(S3214)では、大当たり遊技或いは小当たり遊技に関するコマンドを受信した場合に実行される処理であって、各当たり遊技中に実行される演出(当たり遊技演出)の演出態様を決定するための処理が実行される。
当たり関連処理(S3214)が実行されると、まず、大当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S3501)、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S3501:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S3502)、本処理を終了する。一方、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S3501:No)、次に、大当たり関連コマンド(オープニングコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等)を受信したかを判別し(S3503)、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3503:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S3504)、その後、本処理を終了する。
S3503の処理において、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3503:No)、次に、小当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S3505)、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S3505:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S3506)、本処理を終了する。S3505の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S3505:No)、次に、小当たり関連コマンド(小当たり開始コマンド、小当たり終了コマンド、V通過コマンド等)を受信したかを判別し(S3507)、小当たり関連コマンドを受信したと判別した場合は(S3507:Yes)、小当たり関連処理を実行し(S3508)、本処理を終了する。また、S3507の処理において、小当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S3507:No)、そのまま本処理を終了する。なお、小当たり関連処理(S3508)の詳細な内容については、図993を参照して後述する。
次に、図987を参照して、大当たり関連処理(S3504)の処理内容について説明をする。図987は、大当たり関連処理(S3504)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり関連処理(S3504)では、通常状態における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)と、それ以外の大当たり遊技とで異なる大当たり演出の演出態様を決定するための処理が実行される。大当たり関連処理(S3504)が実行されると、まず、今回実行される大当たり遊技が、通常状態における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技(初回大当たり遊技)であるかを判別し(S3601)、初回大当たり遊技であると判別した場合は(S3601:Yes)、初回大当たり関連処理を実行し(S3602)、S3614の処理へ移行する。また、S3601の処理において初回大当たり遊技では無いと判別した場合は(S3601:No)、次に、オープニングコマンドを受信したかを判別し(S3603)、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S3603:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S3604)、S3614の処理へ移行する。
S3603の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3603:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S3605)、受信したと判別した場合は(S3605:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S3606)、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S3607)、ラウンド数カウンタ223pの値を1加算し(S3608)、ラウンド中演出処理を実行し(S3609)、S3614の処理へ移行する。
一方、S3605の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3605:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S3610)、受信したと判別した場合は(S3610:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3611)、オンに設定されていないと判別した場合は(S3611:No)、ラウンド数カウンタの値をクリアし(S3612)、表示用エンディングコマンドを設定し(S3613)、S3614の処理へ移行する。また、S3611の処理において保留連フラグ223oがオンに設定されていると判別した場合は(S3611:Yes)、S3612の処理をスキップして、S3613の処理へ移行する。
つまり、保留連フラグ223oがオンに設定されている場合は、大当たり遊技が終了した場合に、大当たり遊技のラウンド数を累積するラウンド数カウンタの値がクリアされることが無い。よって、保留連演出が実行された後、2回目の大当たり遊技(保留連演出の対象となる大当たり遊技)が実行された場合には、大当たり遊技のラウンド数を示す表示が、前回の大当たり遊技のラウンド数を引き継いで表示されることになる。このように構成することで、保留連演出が実行された場合には、複数回の大当たり遊技を跨いで一連の演出を実行し易くなるため、一体感のある演出を提供し易くすることができる。
また、保留連演出が連続して実行された場合には、大当たり遊技のラウンド数を表示するための表示態様が、大きなラウンド数に対応する表示態様となり、例えば、1回の大当たり遊技にて実行可能なラウンド数を超えたラウンド数に対応する表示態様を表示させることが可能となる。このように構成することで、より多くのラウンド数を表示させようと、遊技者に対して保留連演出が連続して実行されることを目指して、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技が実行されることを目指した右打ち遊技を行わせ易くすることができる。
一方、S3610の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3610:No)、その他コマンドに応じた処理を実行し(S3614)、その後、本処理を終了する。
次に、図988を参照して、大当たり関連処理(図987のS3504参照)にて実行されるラウンド中演出処理(S3609)の処理内容について説明をする。図988は、ラウンド中演出処理(S3609)の処理内容を示したフローチャートである。このラウンド中演出処理(S3609)では、初回大当たり遊技以外、即ち、時短状態を含むラッシュ期間中に実行される大当たり遊技における大当たり演出のうち、ラウンド遊技中に実行される演出態様(保留連演出の演出態様)を決定するための処理が実行される。
ラウンド中演出処理(S3609)が実行されると、まず、今回受信したラウンド数コマンドが大当たり遊技の最終ラウンドを示すコマンドであるかを判別し(S3701)、最終ラウンドを示すコマンドでは無いと判別した場合は(S3701:No)、受信したラウンド数に対応する演出態様を決定するためのその他のコマンドに応じた処理を実行し(S3708)、本処理を終了する。
S3701の処理において、最終ラウンドを示すコマンドであると判別した場合は(S3701:Yes)、次に、入賞情報格納エリア223aに格納されている特図2保留の入賞情報を読み出し(S3702)、読み出した入賞情報の中に当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)する入賞情報(当たり保留)が含まれているかを判別する(S3703)。S3703の処理において、当たり保留が含まれていると判別した場合には(S3703:Yes)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3704)、オンに設定されていると判別した場合は(S3704:Yes)、保留連することを示すための演出態様(保留連演出)を決定し(S3705)、S3708の処理へ移行する。
また、S3704の処理において、保留連フラグ223oがオンに設定されていないと判別した場合は(S3704:No)、保留連演出の実行有無を抽選で決定し(S3706)、保留連演出の実行を決定した場合には(S3707:Yes)、保留連フラグ223oをオンに設定し(S3709)、S3705へ移行する。S3707の処理において、保留連演出が実行されないと判別した場合は(S3707:No)、保留連演出に関する処理をスキップしてS3708の処理へ移行する。一方、S3703の処理において、当たり保留が含まれていないと判別した場合は(S3703:No)、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S3710)、オンに設定されていると判別した場合は(S3710:Yes)、保留連フラグ223oをオフに設定し(S3712)、S3708の処理へ移行する。また、S3710の処理において保留連フラグ223oがオンに設定されていないと判別した場合は(S3710:No)、S3712の処理をスキップしてS3708の処理へ移行する。
次に、図989を参照して、大当たり関連処理(図987のS3504参照)にて実行される初回大当たり関連処理(S3602)の処理内容について説明をする。図989は、初回大当たり関連処理(S3602)の処理内容を示したフローチャートである。この初回大当たり関連処理(S3602)では、初回大当たり遊技における大当たり演出の各種演出態様(討伐演出の演出態様)を決定するための処理が実行される。
初回大当たり関連処理(S3602)が実行されると、まず、オープニングコマンドを受信したかを判別し(S3801)、オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S3801:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定し(S3802)、次いで、討伐演出態様決定処理を実行し(S3803)、S3812の処理を実行し、本処理を終了する。S3801の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3801:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S3804)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S3804:Yes)、受信したコマンドからラウンド数を抽出し(S3805)、表示用ラウンド数コマンドを設定し(S3806)、初回大当たりラウンド中演出処理を実行し(S3807)、S3812へと移行する。
S3804の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S3804:No)、次に、インターバルコマンドを受信したかを判別し(S3808)、受信したと判別した場合は(S3808:Yes)、初回インターバル中演出処理を実行し(S3809)、S3812へ移行する。また、S3808の処理において、インターバルコマンドを受信していないと判別した場合は(S3808:No)、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S3810)、受信したと判別した場合は(S3810:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S3811)、S3812の処理へ移行し、S3810の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3812:No)、S3812へ移行する。
次に、図990を参照して、討伐演出態様決定処理(S3803)の処理内容について説明をする。図990は、討伐演出態様決定処理(S3803)の処理内容を示したフローチャートである。この討伐演出態様決定処理(S3803)では、初回大当たり遊技中に実行される討伐演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
討伐演出態様決定処理(S3803)が実行されると、まず、今回設定された大当たり種別と、第1演出カウンタ223f1の値と、に基づいて、討伐数選択テーブル222bを参照して、敵総数を決定し(S3901)、決定した敵総数に対応する値を、残討伐数カウンタ223jにセットする(S3902)。その後、今回決定された敵総数(残討伐数カウンタ223jにセットされた値)が「777」であるかを判別し(S3903)、777体であると判別した場合は(S3903:Yes)、特定数表示済フラグ223kをオンに設定し(S3905)、特殊討伐演出シナリオを討伐演出態様選択テーブル222cから決定し(S3906)、討伐回数カウンタ223iの値に「5」をセットし(S3907)、本処理を終了する。
一方、S3903の処理において、敵総数が「777」では無い(「1000」、又は「500」である)と判別した場合は(S3903:No)、決定した敵総数と、大当たり種別と、取得した第2演出カウンタ223f2の値とに基づいて、討伐演出態様選択テーブル222cを参照して討伐演出シナリオを決定し(S3904)、S3907の処理へ移行する。
なお、S3904、及びS3906の処理において決定された演出シナリオは、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223のその他メモリエリア223zが有する記憶領域に一時的に記憶され、今回実行される討伐演出が終了するまで、読み出し可能に構成している。
次に、図991を参照して、初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)の処理内容について説明をする。図991は、初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)の処理内容を示したフローチャートである。この初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)では、討伐演出が実行される初回大当たり遊技のラウンド遊技中に実行される攻撃演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
初回大当たりラウンド中演出処理(S3807)が実行されるとまず、今回受信したラウンド数コマンドが1ラウンド目を示すコマンドであるかを判別し(S4001)、1ラウンド目を示すコマンドであると判別した場合は(S4001:Yes)、残討伐数カウンタ223jの値に対応する敵総数を示すための表示用コマンドを設定し(S4002)、次いで、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されているかを判別し(S4003)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4003:No)、決定した討伐演出シナリオを参照して特定した強攻撃演出の発生タイミングと、討伐回数カウンタ223iの値とに基づいて、ボタンアイコンの表示態様を決定し(S4005)、決定したボタンアイコンの表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4006)、本処理を終了する。
一方、S4003の処理において、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されていると判別した場合は(S4003:Yes)、討伐回数カウンタ223iの値に基づいて、特殊表示態様で表示されるボタンアイコンの個数を決定し(S4004)、決定したボタンアイコンの表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4006)、本処理を終了する。つまり、特定数表示済フラグ223kがオンに設定されている場合には、既に、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることが遊技者に報知されているため、ボタンアイコンの表示態様を用いて、討伐演出の演出内容を示唆すること無く、遊技者に対して、時短状態が設定されることを報知するための特殊表示態様が決定される。このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆するための複数の演出の演出態様に矛盾が生じてしまうことを抑制することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
S4001の処理において、1ラウンド目を示すコマンドでは無いと判別した場合は(S4001:No)、次に、2~6ラウンド目を示すラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4007)、2~6ラウンド目を示すラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S4007:Yes)、次に、討伐回数カウンタ223iの値が0よりも大きいかを判別し(S4008)、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S4008:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4008の処理において、0よりも大きいと判別した場合は(S4008:Yes)、討伐回数カウンタ223iの値を1減算し(S4009)、決定されている討伐演出シナリオの内容に基づいて攻撃演出の演出態様を決定し(S4010)、決定した演出態様に対応する操作有効時間をSW有効時間カウンタ223qにセットし(S4011)、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S4012)、本処理を終了する。
また、S4007の処理において、2~6ラウンド目を示すラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4007:No)、その他のコマンドに応じた処理(S4013)を実行し、本処理を終了する。
次に、図992を参照して、初回インターバル中演出処理(S3809)の処理内容について説明をする。図992は、初回インターバル中演出処理(S3809)の処理内容を示したフローチャートである。この初回インターバル中演出処理(S3809)では、討伐演出が実行される大当たり遊技中において、インターバル期間が設定された場合に、前回のラウンド遊技中に実行された攻撃演出の演出結果に応じた演出態様を設定するための処理が実行される。
初回インターバル中演出処理(S3809)が実行されると、まず、残討伐数カウンタ223jの値を読み出し(S4101)、設定されている討伐演出シナリオの内容と一致する(決定値と同一である)かを判別し(S4102)、同一であると判別した場合は(S4102:Yes)、討伐演出中の通常インターバル演出態様を決定し(S4103)、決定した各演出態様に対応した表示用コマンドを設定し(S4111)、本処理を終了する。つまり、S4103の処理によってインターバル演出態様が決定された場合には、追加攻撃演出が実行されることが無い。
S4102の処理において、同一では無いと判別した場合は(S4102:No)、次に、追加減少値選択テーブル222dを参照して追加減少値を決定し(S4104)、決定された追加減少値が特定減少値(特定数)であるかを判別し(S4105)、特定減少値では無いと判別した場合は(S4105:No)、追加減少値に対応した敵の総数となるインターバル演出態様(追加攻撃演出態様)を決定し(S4106)、残討伐数カウンタ223jの値を、追加減少値に対応した値へと更新し(S4107)、S4111の処理へ移行する。
また、S4105の処理において、特定減少値であると判別した場合は(S4105:Yes)、特定数表示済フラグ223kをオンに設定し(S4108)、特殊討伐演出シナリオへの書き換えを決定し(S4109)、特殊討伐演出シナリオに対応する演出態様を決定し(S4110)、S4111の処理へ移行する。次に、図993を参照して小当たり関連処理(S3508)の処理内容について説明をする。図993は、小当たり関連処理(S3508)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり関連処理(S3508)は、上述した第13制御例のパチンコ機10にて実行される小当たり関連処理(図540参照)と同様に、小当たり遊技中に実行される処理であって、小当たり遊技が開始されたタイミング(S4201:Yes)にて表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4202)、右打ちフラグ223rがオンに設定されていない場合には(S4203:No)、右打ちフラグ223rをオンに設定し(S4204)、右打ち遊技を案内する表示用コマンドを設定する処理(S4205)を実行する。また、小当たり遊技の終了タイミングにおいて、小当たり注意フラグ(小当たり遊技中にV入賞していないことを示すフラグ)がオンに設定されていると判別した場合(S4207:Yes)には、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されないことを示す(パンクしたことを示す)表示用小当たり終了コマンドを設定したり(S4210)、小当たり注意フラグがオンでは無いと判別した場合(S4207:No)には、大当たり遊技が開始されることを示すための表示用小当たり終了コマンドを設定したりする(S4208)。さらに、小当たり遊技中にV通過コマンドを受信した場合において(S4211:Yes)、V通過コマンドを受信したタイミングが小当たり開始してから4秒以降であるかを判別し(S4212)、4秒経過している場合には(S4212:Yes)、V入賞したことを遊技者に報知するための表示用V演出コマンドを設定し(S4214)、小当たり注意フラグに関する処理を実行する。また、V通過コマンドを受信したタイミングが小当たり開始してから4秒以内である場合、即ち、小当たり遊技における初回の案内報知が完了していない状態であると判別した場合は(S4212:No)、表示用V演出コマンドを設定すること無く、V入賞済フラグ223sをオンに設定し(S4213)、本処理を終了する。このように構成することで、小当たり遊技中において、遊技球がV入賞したタイミングに応じて、V入賞したことを遊技者に報知するV演出の実行タイミングを異ならせることができる。
次に、図994を参照して変動表示設定処理(S3114)の処理内容について説明をする。図994は、変動表示設定処理(S3114)の処理内容を示したフローチャートである。図994に示した通り、変動表示設定処理(S3114)は、上述した第1制御例における変動表示設定処理(図182のS4113参照)と同一の処理を実行するため、その詳細な説明を省略する。次に、図995を参照して、変動演出設定処理(S4304)の処理内容について説明をする。図995は、変動演出設定処理(S4304)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理(S4304)は、変動表示設定処理(図994のS3114参照)にて実行される処理であって、特別図柄変動に対応する第3図柄の変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
変動演出設定処理(S4304)が実行されると、まず、従遊技状態格納エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S4401)、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S4402)、通常状態であると判別した場合は(S4402:Yes)、実行される特別図柄変動が第2特別図柄変動(特図2変動)であるかを判別し(S4403)、特図2変動であると判別した場合は(S4403:Yes)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて引き戻しモード用(引き戻し演出用)の演出態様を決定し(S4409)、本処理を終了する。
S4403の処理において、特図2変動では無い(第1特別図柄変動である)と判別した場合は(S4403:No)、演出固定フラグ223tがオンに設定されているかを判別し(S4404)、オンに設定されていると判別した場合は(S4404:Yes)当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4405)、本処理を終了する。一方、S4404の処理において、演出固定フラグ223tがオンに設定されていない、即ち、ステージ移行を変更可能な状態であると判別した場合は(S4404:No)、演出ステージデータテーブル222eを参照して移行条件成立の有無を特定し(S4406)、その後、ステージ移行条件が成立したかを判別し(S4407)、成立したと判別した場合は(S4407:Yes)、ステージ移行を行うための演出態様を決定し(S4408)、S4405の処理へ移行し、S4407の処理においてステージ移行の移行条件が成立していないと判別した場合は(S4407:No)、S4408の処理をスキップしてS4405の処理へ移行する。また、S4402の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(S4402:No)、時短状態中における変動演出の演出態様を決定するための時短用演出設定処理(S4410)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図996を参照して、時短用演出設定処理(S4410)の処理内容について説明をする。図996は、時短用演出設定処理(S4410)の処理内容を示したフローチャートである。この時短用演出設定処理(S4410)では、時短状態中における変動演出の演出態様を決定するための処理と、時短状態中に実行される特図2変動に対応する変動演出のうち、時短最終変動に対して特図2保留の獲得を促すための表示態様を設定するための処理が実行される。
時短用演出設定処理(S4410)が実行されると、まず、今回の特図変動が特図2(特図2変動)であるかを判別し(S4501)、特図2変動であると判別した場合は(S4501:Yes)、次に、時短最終変動であるかを判別し(S4502)、時短最終変動であると判別した場合は(S4502:Yes)、次に、抽選結果が外れであるかを判別する(S4503)。
S4503の処理において、抽選結果が外れであると判別した場合(S4503:Yes)、即ち、今回の特別図柄変動が、時短状態中における最終特図2外れ変動である場合には、特図2保留の獲得を促すための表示用コマンドを設定し(S4504)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4505)、本処理を終了する。また、S4501:No,S4502:No、或いはS4503:Noの処理を実行した場合には、特図2保留の獲得を促すための表示用コマンドを設定する条件を満たしていないため、そのままS4505の処理へ移行する。
次に、図997を参照して、演出更新処理(S3112)の処理内容について説明をする。図997は、演出更新処理(S3112)の処理内容を示したフローチャートである。この、演出更新処理(S3112)は、定期的(2ミリ秒)に実行される処理であって、変動演出における各種カウンタの値を更新するための処理や、更新後の各種カウンタの値に基づいて演出態様を決定するための処理が実行される。
演出更新処理(S3112)が実行されると、まず、現在が小当たり遊技中であるかを判別し(S4601)、小当たり遊技中であると判別した場合は(S4601:Yes)、小当たり遊技中更新処理を実行し(S4602)、S4603の処理へ移行する。一方で、S4602の処理において、小当たり遊技中では無いと判別した場合は(S4601:No)、次に、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値が1よりも大きいか、即ち、現在がラッシュ状態中であるかを判別し(S4603)、1よりも大きいと判別した場合は(S4603:Yes)、ラッシュ期間計測カウンタ223mの値を更新し(S4604)、更新後のラッシュ期間計測カウンタ223mの値に対応するラッシュ期間を示すための表示用コマンドを設定し(S4605)、S4606の処理へ移行する。
S4606の処理では、SW有効時間カウンタ223qの値が1よりも大きいか、即ち、現在が操作有効期間(SW有効時間)中であるかを判別し(S4606)、1よりも大きいと判別した場合は(S4606:Yes)、SW有効時間カウンタ223qの値を更新し(S4607)、更新後のSW有効時間カウンタ223qの値に対応する期間を示すための表示用コマンドを設定し(S4608)、S4609の処理へ移行する。
S4606の処理において、SW有効時間カウンタ223qの値が1よりも大きく無いと判別した場合(S4606:No)、或いは、S4608の処理を終えた場合は、その他演出更新処理を実行し(S4609)、本処理を終了する。ここで、S4609の処理では、図997にて図示していない様々なカウンタの値を更新するための処理が実行され、その更新結果に応じた演出態様が決定される。
次に、図998を参照して、演出更新処理(図997のS3112参照)にて実行される小当たり遊技中更新処理(S4602)の処理内容について説明をする。図998は、小当たり遊技中更新処理(S4602)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり遊技中更新処理(S4602)では、小当たり遊技中における時間経過に基づいて表示される表示態様の表示を設定するための処理が実行される。
小当たり遊技中更新処理(S4602)が実行されると、まず、現在が、小当たり遊技が開始してから4秒が経過したタイミングであるかを判別する(S4701)。つまり、S4701の処理では、小当たり遊技中に実行される初回遊技案内報知の報知期間が終了したかを判別する。S4701の処理において、4秒が経過したタイミングであると判別した場合には(S4701:Yes)、次いで、V入賞済フラグ223sがオンに設定されているかを判別し(S4702)、オンに設定されていると判別した場合は(S4702:Yes)、表示用V演出コマンドを設定し(S4703)、V入賞済フラグ223sをオフに設定し(S4704)、本処理を終了する。
つまり、S4703の処理では、初回遊技案内報知の報知期間中に遊技球が特定領域(Vゲート)へと入球したことで、遊技者に対してV演出の実行を待機させている状態において、V演出の実行条件が成立したことに基づいてV演出を実行させるための処理が実行される。このように構成することで、初回遊技案内報知の報知期間が経過した後に、直ぐに、V演出を実行させることができる。
一方、S4701の処理において、4秒が経過したタイミングでは無いと判別した場合は(S4701:No)、次に、小当たり注意フラグがオンに設定されているかを判別し(S4705)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4705:No)、次いで、当たり遊技開始から5秒が経過したか(小当たり遊技におけるラウンド遊技が開始してから5秒が経過したか)を判別し(S4706)、5秒が経過したと判別した場合は(S4706:Yes)、V通過しているか(既に、遊技球が特定領域へと入球済であるか)を判別し(S4707)、V通過していないと判別した場合は(S4707:No)、小当たり注意フラグをオンに設定し(S4708)、V入賞させることを促すための表示用注意喚起コマンドを設定し(S4709)、本処理を終了する。
また、S4705の処理において小当たり注意フラグがオンに設定されていると判別した場合(S4705:Yes)、S4706の処理において、5秒が経過していないと判別した場合(S4706:No)、S4707の処理において、V通過あり(既に、遊技球が特定領域へと入球済である)と判別した場合(S4707:Yes)は、そのまま本処理を終了する。
次に、図999を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)について説明する。図999は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)では、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22や選択ボタン600の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定するための処理が実行される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S3107)が実行されると、まず、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作があったか判別する(S4801)。操作があったと判別した場合には(S4801:Yes)、現在が待機状態中(デモ画面表示中)であるかを判別し(S4802)、待機状態中であると判別した場合は(S4802:Yes)、遊技環境格納エリア223uに各応されている環境情報をボタン操作内容に対応させて更新し(S4803)、更新後の環境情報に対応する態様を決定し(S4804)、決定した態様に対応する表示用コマンドを設定し(S4816)、本処理を終了する。
一方、S4802の処理において、待機状態では無いと判別した場合は(S4802:No)、次に、モード選択状態であるかを判別し(S4805)、モード選択状態であると判別した場合は(S4805:Yes)、ボタン操作内容に対応させて選択カーソルの表示位置を決定し(S4806)、S4816の処理へ移行する。このS4806の処理によって、図947(b)を参照して上述したモード選択状態である演出モード選択画面にて矢印ya1の位置が切り替わる。S4805の処理において、モード選択状態では無いと判別した場合(S4805:No)は、そのままS4816の処理へ移行する。
また、S4801の処理において、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作が無かったと判別した場合は(S4801:No)、次に、決定ボタン600aの操作があったかを判別し(S4807)、操作があったと判別した場合は(S4807:Yes)、現在が待機状態中(デモ画面表示中)であるかを判別し(S4808)、待機状態中であると判別した場合は(S4808:Yes)、モード選択状態の表示を決定し(S4809)、S4816の処理へ移行する。
一方、S4808の処理において、待機状態では無いと判別した場合は(S4808:No)、次に、モード選択状態であるかを判別し(S4810)、モード選択状態であると判別した場合は(S4810:Yes)、選択中の演出モードを遊技環境格納エリア223uに格納し(S4811)、次いで、選択された演出モードが固定モードであるかを判別し(S4812)、固定モードであると判別した場合は(S4812:Yes)、固定モード設定処理を実行し(S4813)、S4816の処理へ移行する。
S4812の処理において、固定モードでは無いと判別した場合は(S4812:No)、演出固定フラグ223tをオフに設定し(S4814)、S4816の処理へ移行する。また、S4807の処理において、決定ボタン600aの操作が無いと判別した場合は(S4807:No)、次に、演出ボタン操作処理を実行し(S4815)、その後、S4816の処理へ移行する。
ここで、図1000を参照して、固定モード設定処理(S4813)の処理内容について説明をする。図1000は、固定モード設定処理(S4813)の処理内容を示したフローチャートである。この固定モード設定処理(S4813)は、固定モードが選択された場合における処理が実行されるものである。本第32制御例では、固定モードを遊技者が任意に選択可能に構成しており、この固定モードが設定された場合には、ステージ変更演出が実行されないように構成している。しかしながら、後で実行される特別図柄抽選の結果を示唆するための先読み演出の演出態様として、ステージ変更演出を含む演出態様が設定される場合がある。この場合、ステージ変更演出を含む演出態様の先読み演出が実行されている状態で、固定モードが選択された場合に、固定モードが設定されているにも関わらず、ステージ変更演出が実行されてしまうという問題があった。
また、特別図柄変動回数が所定回数(例えば50回)に到達することでステージ変更演出が実行される他の演出モードが選択されている状態で、特別1保留を獲得している場合には、ステージ変更演出が実行された後に特別図柄抽選が実行される特図1保留に対して、ステージ変更演出を伴った先読み演出が設定される場合があり、この場合においても、ステージ変更演出を含む演出態様の先読み演出が実行されている状態で、固定モードが選択された場合に、固定モードが設定されているにも関わらず、ステージ変更演出が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、本第32制御例では、ステージ変更演出が待機している状態において固定モードが選択された場合において、ステージ変更演出の実行有無、及び、ステージ変更演出の演出態様を可変設定可能に構成している。
具体的には、固定モード設定処理(S4813)が実行されると、まず、ステージ変更待機中であるかを判別し(S4901)、ステージ変更待機中では無いと判別した場合は(S4901:No)、ステージ変更演出が実行されることが決定済の状態では無いため、演出固定フラグ223tをオンに設定し(S4902)、本処理を終了する。
S4901の処理において、ステージ変更待機中であると判別した場合は(S4901:Yes)、次に、先読み演出中(先読み演出に基づくステージ変更待機中)であるかを判別し(S4903)、先読み演出中であると判別した場合は(S4903:Yes)、次変動の特別図柄抽選結果(先読み対象となる特別図柄抽選の結果)を事前判別し(S4904)、ステージ変更演出が実行されることを示唆するためのステージ変更示唆演出(図948(a)参照)を実行し(S4905)、次に、当たり当選しているかを判別し(S4906)、当たり当選していると判別した場合は(S4906:Yes)、ステージ変更態様をそのまま決定し(S4909)、S4902の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4903の処理において、現在が先読み演出中では無い、即ち、特別図柄変動回数に基づいて実行されるステージ変動演出の待機中であると判別した場合は(S4903:No)、ステージ変更演出に関する演出情報をクリアし(S4907)、代わりにステージ変更が実行されない演出態様を決定し(S4908)、S4902の処理へ移行する。このように構成することで、固定モードが設定された後に、特別図柄抽選の結果を事前に示唆するための先読み演出では無く、賑やかし用の演出として実行されるステージ変更演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、遊技者の所望する演出を提供し易くすることができる。
また、S4906の処理において、当たり当選していないと判別した場合、即ち、事前判別結果(先読み結果)に基づく先読み演出として、ステージ変更演出が決定されている状態であって、その先読み演出の対象となる特別図柄抽選の結果(事前判別結果)が、外れである場合(S4906:No)は、上述したS4907,S4908の処理を実行し、その後、S4902の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、先読み演出としてステージ変更演出が決定されている場合であっても、その先読み演出の演出結果(対象となる特別図柄抽選の抽選結果)が、外れである場合には、ステージ変更演出が実行されないように新たな演出態様を決定するように構成している。このように構成することで、固定モードを任意に選択した遊技者に対して、ステージ変更演出が実行されることにより遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第32制御例では、遊技者が固定モードを選択した時点で、後に実行される演出(先読み演出)の演出態様としてステージ変更演出が決定されている場合であっても、そのステージ変更演出が実行される先読み演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果である場合以外は、ステージ変更演出が実行されないように、追加で演出態様を決定する処理を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技者が任意に固定モードを選択した後に、ステージ変更演出が実行される場合、即ち、遊技者が選択したモード種別とは矛盾する演出が実行された場合には、遊技者に対して特典を付与することが出来るため、遊技者に対して、所望しない演出が実行されたことにもとづいて遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図1001を参照して、演出ボタン操作処理(S4815)の処理内容について説明をする。図1001は、演出ボタン操作処理(S4815)の処理内容を示したフローチャートである。この演出ボタン操作処理(S4815)では、演出ボタン22aが押下された時点における遊技内容を判別し、実行中の遊技内容に応じた演出態様を決定するための処理が実行される。
演出ボタン操作処理(S4815)が実行されると、まず、現在が演出用SW有効期間中、即ち、演出ボタン22aへの押下操作を有効に判別可能な期間であるかを判別し(S5001)、演出用SW有効期間であると判別した場合は(S5001:Yes)、次いで、現在が引き戻し演出中であるかを判別し(S5002)、引き戻し演出中であると判別した場合は(S5002:Yes)、引き戻し演出の演出結果として決定されている演出結果を示すための演出態様を決定し(S5003)、S5008の処理へ移行する。
一方、S5002の処理において、引き戻し演出中では無いと判別した場合は(S5002:No)、次に、討伐演出中であるかを判別し(S5004)、討伐演出中であると判別した場合は(S5004:Yes)、決定値を上限に、今回の敵減少数を抽選で決定し(S5005)、決定した敵減少数に対応する演出態様を決定し(S5006)、決定された敵減少数に対応させて残討伐数カウンタの値を更新し(S5007)、S5008の処理へ移行する。
また、S5001の処理において、演出用SW有効期間では無いと判別した場合(S5001:No)、或いは、S5004の処理において、討伐演出中ではないと判別した場合は(S5004:No)、S5008の処理へ移行する。S5008の処理では、演出ボタン22aを押下した場合に実行される各種演出態様を決定し、本処理を終了する。
S5005~S5007の処理を実行することにより、攻撃演出中に演出ボタン22aを押下した場合の敵減少数が決定される。ここで、S5005の処理にて決定される敵減少数には禁則処理が実行されるように構成しており、通常大当たり遊技中に実行される攻撃演出中は、残敵数が特定数に該当する値となってしまう敵減少数が決定されないように禁則処理が実行される。このように構成することで、通常大当たり遊技中に実行される攻撃演出の演出結果として特定数が表示されてしまうことを抑制することができる。
<第33制御例>
次に、図1002から図103を参照して、第33制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第33制御例におけるパチンコ機10は、上述した第32制御例に対して、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するタイミングを異ならせている点で相違している。上述した第32制御例におけるパチンコ機10は、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たり当選した場合に、小当たり当選を示す特別図柄(小当たり図柄)が停止表示されたタイミングで時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように構成していた。つまり、小当たり遊技の実行期間中が通常状態となるように構成していた。
このように構成することで、小当たり遊技中に実行される右打ち遊技によって発射された遊技球のうち、第2可変入賞装置650へと入賞しなかった遊技球が、第2入球口640へと入球することを抑制し、小当たり遊技中に遊技者へと過剰に賞球が提供されることを抑制することができるものであった。
これに対して、本第33制御例におけるパチンコ機10は、小当たり当選に基づく時短終了条件の成立タイミングを異ならせている点で上述した第32制御例と相違している。具体的には、小当たり当選を示す特別図柄(小当たり図柄)が停止表示されたタイミングでは無く、小当たり遊技が終了したタイミングで時短終了条件を成立させるように構成している点で相違している。このように構成することで、小当たり遊技中においても第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となるため、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得した状態で大当たり遊技を実行させ易くすることができる。
また、上述した第32制御例におけるパチンコ機10は、小当たり図柄が停止表示されたタイミングで時短状態が終了するため、例えば、大当たり遊技終了後に実行される1回目の第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり当選した第2特別図柄抽選の変動時間(1秒)のみ時短状態が設定されることとなり、その時短状態中に新たな特図2保留を獲得することが困難な事象が発生してしまうという問題があった。加えて、大当たり遊技中に保留連演出、即ち、獲得済みの特図2保留内に当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)を示す入賞情報が含まれていることを示すための演出が実行された場合には、新たな特図2保留を獲得するための右打ち遊技を実行しなくても、次の当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が実行されることを遊技者が把握できるため、保留連演出が実行されてから次の当たり遊技が開始されるまでの間、遊技者が右打ち遊技を中断してしまう虞があった。
このように、右打ち遊技を中断した場合には、1回の保留連演出によって当たり当選することが事前に報知された第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行される時点で特図2保留を獲得していないため、複数回の保留連演出を連続して実行させるための条件が成立し難いという問題があった。さらに、上述した第32制御例におけるパチンコ機10のように、保留連演出が一度実行された状態では、保留連演出が実行されていない状態よりも、保留連演出の実行条件が成立した場合(当たり当選する特図2保留を獲得している場合)に保留連演出が実行され易くなるように構成することで、保留連演出を偏らせて(連続して)実行可能にし、演出効果を高めるようにしたパチンコ機10では、保留連演出の実行条件が成立し難い遊技(保留連演出が実行されてから次の当たり遊技が開始されるまでの間、遊技者が右打ち遊技を中断してしまう遊技)が実行されてしまうことで、連続して保留連演出が実行される機会が減少し、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
これに対して、本第33制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技が終了するまでの間、時短状態を継続させることができるため、小当たり遊技中に実行された右打ち遊技によって発射された遊技球のうち、第2可変入賞装置650へと入賞しなかった遊技球を第2入球口640へと入球させ易くすることができる。よって、上述した第32制御例のように小当たり図柄が停止表示されたタイミングで時短状態が成立する場合(小当たり遊技が実行されるよりも前に時短終了条件が成立する場合)よりも、時短状態が継続する期間を長くすることができ、特図2保留を獲得した状態で大当たり遊技を実行させ易くすることができる。
又、上述した第32制御例におけるパチンコ機10とは異なり、小当たり遊技期間中、即ち、遊技球を特定領域(Vゲート)650e3へと通過させるための右打ち遊技が実行される期間を時短状態とすることができるため、保留連演出が実行された場合であっても、時短状態が設定されている期間中に遊技者に対して確実に右打ち遊技(遊技球を特定領域(Vゲート)650e3へと通過させる(V入賞させる)ための右打ち遊技)を行わせることができるため、特図2保留を獲得させ易くすることができる。
つまり、本第33制御例では、第1の特典(V入賞)を獲得するための右打ち遊技の期間中に、第2の特典(特図2保留)も獲得可能となるように構成している点で、上述した第32制御例と異ならせている。このように構成することで、第2の特典(特図2保留)を獲得することのみを目的とした右打ち遊技を遊技者が実行しなかった場合であっても、第1の特典を獲得することを目的とした右打ち遊技中に第2の特典を獲得させることができるため、遊技者に効率の良い遊技を行わせることができる。
なお、本第33制御例のように、複数特典の獲得を重複して実行可能に構成した場合には、1の特典のみを獲得可能な期間を短く設定しても良く、例えば、第1の特典(V入賞)を獲得するための右打ち遊技を、小当たり遊技中の右打ち遊技とし、第2の特典(特図2保留)を獲得するための右打ち遊技を、時短状態中の右打ち遊技とした場合であって、小当たり遊技中の右打ち遊技によって発射された遊技球の一部が第2入球口640へと入球し易くなるように構成した場合であれば、小当たり当選する特別図柄変動の変動時間として短時間(0.5秒)の変動時間を決定可能に構成しても良い。
つまり、時短状態中における小当たり当選した特別図柄変動の変動時間(第2の特典(特図2保留)を獲得するための右打ち遊技が実行される期間)として、遊技球を第2入球口640へと入球させることが困難な短期間を設定したとしても、小当たり当選を示すための特別図柄(小当たり図柄)が停止表示された後に実行される小当たり遊技期間(第1の特典(V入賞)を獲得するための右打ち遊技が実行される期間)も、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる期間となるため、遊技球を第2入球口640へと入球させ易くすることができる。
なお、この場合、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間(第2の特典(特図2保留)を獲得するための右打ち遊技期間)として、実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果に関わらず、一律の短い変動時間(例えば、0.1秒)を設定するように構成し、特別図柄抽選の結果に応じて第2入球口640への遊技球の入球のし易さを異ならせても良い。即ち、外れ当選に対応する特別図柄変動が実行された場合には、小当たり当選に対応する特別図柄変動が実行された場合よりも、小当たり遊技の実行期間分、時短状態が継続する期間が短くなるように構成することで、小当たり当選する特別図柄変動が実行される場合よりも、外れ当選する特別図柄変動が実行される場合の方が、次の特別図柄変動が開始されるまでの期間において遊技球を第2入球口640へと入球させ難くするように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて、時短状態中における第2入球口640への遊技球の入球のし易さを異ならせることができるため、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果について、当たり遊技が実行されるか否かの点だけで無く、特図2保留を獲得できるか否かの点でも興味を持たせることができる。
また、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間(第2の特典(特図2保留)を獲得するための右打ち遊技期間)として、実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果に応じて異なる長さの変動時間を設定可能に構成しても良く、この場合、小当たり遊技期間(A期間(例えば、3秒))中も時短状態が継続する小当たり当選に対応する特別図柄変動については、変動時間をB期間(0.5秒)とし、外れ当選に対応する特別図柄変動については、変動時間として3.5秒のC期間(A(3秒)+B(0.5秒))を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果に関わらず、1の特別図柄抽選に基づいて継続し得る時短状態の長さを統一することができるため、特別図柄抽選の結果に関わらず、特図2保留を獲得させることができる。
なお、上述した例では、時短状態が継続する期間に含まれる要素として、特別図柄変動が実行されている期間と、小当たり遊技が実行されている期間と、を示しているが、詳細には、特別図柄変動が停止表示されている期間(図柄確定期間)も含まれている。そこで、特別図柄抽選の結果に応じて、特別図柄変動の変動時間では無く、図柄確定期間の長さを異ならせることによって、上述した技術思想を適用しても良い。
<第33制御例における演出内容について>
次に、図1002を参照して、本第33制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、上述した第32制御例とは異なる特徴的な演出の内容について説明をする。本第33制御例は、小当たり遊技中も時短状態が継続する点で、上述した第32制御例と異ならせており、小当たり遊技中に表示される表示画面の内容(小当たり遊技中に実行される演出の内容)も対応して異ならせている。
図1002(a)は、保留連演出の対象となる小当たり遊技中において表示される表示画面の一例を示した図であって、図1002(b)は、図1002(a)に示した表示画面が表示されている状態で特図2保留を獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図1002(a)の表示画面は、上述した第32制御例における小当たり遊技中の表示画面(図939(a)参照)に対して、保留連演出にて報知された小当たり遊技中であることを示すための表示態様が表示されている点と、第2入球口640へと遊技球を入球させることを案内するための遊技案内報知が表示されている点と、で相違している。それ以外の表示内容については同一であり、同一の表示内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図1002(a)に示した通り、前回の大当たり遊技中に保留連演出が実行された場合には、その大当たり遊技が終了してから、次の大当たり遊技が実行されるまでの間、主表示領域Dmの上側に、保留連演出が高確率で実行される状態であることを示すための演出状態表示態様として「保留連演出高確率中」の文字が表示される。
つまり、本第33制御例では、上述した第32制御例と同様に、前回の大当たり遊技中に保留連演出が実行されている状態であって、次に実行される大当たり遊技の最終ラウンドが開始されるまでに獲得済の特図2保留が当たり当選を示す入賞情報を有している場合には(保留連演出の実行条件が成立している場合には)、必ず保留連演出が実行されるように構成している。よって、「保留連演出高確率中」の文字を表示画面に表示することによって、連続して保留連演出を実行させようと遊技者に対して意欲的に第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技(特図2保留を獲得させる)を行わせることができる。
そして、実行中の小当たり遊技期間においても時短状態が継続しており、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い状態であることを遊技者に案内するために、遊技案内報知として、V入賞を目指す遊技を案内する第1矢印810に加えて、第2入球口640への入球(特図2保留の獲得)を目指す遊技を案内する第2矢印810aが表示される。尚、図1002(a)は、小当たり遊技が開始された時点で特図2保留を獲得していない場合における小当たり遊技中の表示画面を表示している。
このように構成することで、小当たり遊技中に実行される右打ち遊技によって、第1矢印810が示すV入賞を狙う遊技と、第2矢印810aが示す特図2保留の獲得を狙う遊技と、共に実行させることができることを遊技者に分かり易く理解させることができる。
なお、図1002(a)に示した通り、複数の遊技案内報知を同時に表示させる場合には、各遊技案内報知にて報知される遊技内容に応じた表示態様が設定される。具体的には、大当たり遊技を実行させるための実行契機であるV入賞の方が、保留連演出を継続して実行させるために必要となる特図2保留の獲得よりも遊技内容として優先度が高いため(獲得出来なかった場合の損失が大きいため)、第2矢印810aよりも第1矢印810の方が大きく表示されている。このように構成することで、異なる遊技内容を案内するための遊技案内報知が複数実行された場合であっても、最も大きく表示されている遊技案内報知に基づいて遊技を実行すれば良く、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第33制御例では、第2矢印810aよりも第1矢印810の方が常に大きく表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、小当たり遊技中における遊技状況に応じて、各遊技案内報知の報知態様(表示態様)を可変可能に構成しても良い。例えば、小当たり遊技が実行されてから遊技球をV入賞させるまでの間は、第1矢印810を第2矢印810aよりも大きく表示し、遊技球をV入賞させてから小当たり遊技が実行されるまでの期間であって、特図2保留を獲得していない状態であれば、第1矢印810よりも第2矢印810aを大きく表示するように構成しても良い。このように構成することで、表示画面に表示されている各遊技案内報知の報知態様(表示態様)によって遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、本第33制御例では、小当たり遊技が実行された場合に、上述した各遊技案内報知の表示態様(各矢印)を表示するように構成しているが、表示タイミングはこれに限ること無く、各遊技案内報知によって報知されている内容を把握した遊技者が、各遊技案内報知によって報知されている遊技を実行可能であれば良く、例えば、小当たり遊技が開始されるよりも前に各表示態様を表示しても良い。また、小当たり遊技が実行されてから所定期間が経過した場合に各表示態様を表示しても良い。
さらに、本第33制御例では、第1矢印810と、第2矢印810aと、が同時に表示されるように構成しているが、各矢印の表示タイミングはこれに限ること無く、小当たり遊技が開始された直後は、第1矢印810のみを表示し、その後、所定期間(例えば、1秒)経過後に、第2矢印810aを表示するように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が開始された直後は、第1矢印810のみを表示することができるため、遊技者に対して、小当たり遊技中に実行すべき主となる遊技(V入賞を狙う遊技)を分かり易く理解させることができる。
また、第1矢印810よりも前に第2矢印810aを表示するように構成しても良く、この場合、時短状態が設定されたことに基づいて第2矢印810a、即ち、特図2保留の獲得を目指す遊技を案内するための遊技案内報知を実行し、小当たり遊技が実行された後も継続して第2矢印810aを表示可能に構成すれば良い。
図1002(a)に示した状態において、遊技球をV入賞させるよりも前に、特図2保留を獲得した場合には、図1002(b)に示した表示画面が表示される。図1002(b)は、小当たり遊技中であって、V入賞していない状態で特図2保留を獲得した場合に表示される表示内容の一例を示した図である。
図1002(b)に示した通り、特図2保留を獲得した場合には、これ以上、特図2保留を獲得することが出来ないため、特図2保留の獲得を目指すための遊技案内報知である第2矢印810aが非表示となり、表示領域Dm10に表示される画像から、第2入球口640付近の領域が消え、第2可変入賞装置650付近が拡大表示される。そして、特図2保留を獲得したことに基づいて、小当たりタイムゲージga2のうち、小当たり遊技の残期間を示すための残期間表示ga2aの表示態様を通常とは異なる表示態様(図では、発光表示)へと変動し、副表示領域Dsには、「右打ちしてVアタッカーに入賞させろ!!」の表示を継続したまま、「特図2保留ゲット」の文字が表示される。
このように構成することで、小当たり遊技中において実行される遊技のうち、特図2保留の獲得を目指す遊技が完了したことを遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図1002(b)では、遊技球をV入賞させる前に、特図2保留を獲得した場合の表示画面を示したが、例えば、特図2保留を獲得する前に遊技球をV入賞させた場合には、遊技球をV入賞させたタイミングによって異なる表示画面が表示されるように構成している。
具体的には、特図2保留を獲得する前であって、初回の遊技案内報知が実行されている期間(小当たり遊技が開始されてからの4秒間)中に遊技球をV入賞させた場合は、初回の遊技案内報知が終了するまでの間、図1002(a)に示した表示画面、即ち、第1矢印810と、第2矢印810aとが表示される表示画面が表示され、初回の遊技案内報知が終了した後に、V入賞したことを示すV演出画面を表示すると共に、第2矢印810aを継続表示する表示画面が表示される。また、初回の遊技案内報知が終了した後(2回目以降の遊技案内報知が実行されている期間中)に、遊技球をV入賞させた場合は、V入賞した直後にV演出画面を表示すると共に、第2矢印810aを継続表示する表示画面が表示される。
一方、初回の遊技案内報知が実行されている期間(小当たり遊技が開始されてからの4秒間)中に、特図2保留を獲得した場合には、初回の遊技案内報知の終了タイミングを待つこと無く、第2矢印810aを非表示にし、図1002(b)に示した表示画面が表示される。つまり、小当たり遊技中に表示され得る複数の遊技案内報知のうち、V入賞を狙わせる遊技を案内するための第1遊技案内報知は、V入賞の有無に関わらず、一定期間の報知期間を確保可能に構成し、特図2保留の獲得を狙わせる遊技を案内するための第2遊技案内報知は、報知された期間の長さに関わらず、特図2保留を獲得した時点で終了するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技中に実行すべき主たる遊技の内容を遊技者に分かり易く把握させることができる。
また、詳細な図示は省略するが、小当たり遊技が開始される時点で特図2保留を獲得済みの場合は、小当たり遊技が開始された直後から図1002(b)に表示した表示画面、即ち、特図2保留の獲得を目指すための遊技案内報知の表示態様(第2矢印810a)を非表示とし、既に、特図2保留を獲得済みであることを示すための表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技中に実行すべき遊技内容を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、小当たり遊技が開始される時点で特図2保留を獲得済みの場合において、小当たり遊技が開始されてからの所定期間(例えば、1秒間)、具体的には、遊技球をV入賞させることが容易となるラウンド遊技が実行されるまでの期間において、第2矢印810aを表示し、所定期間が経過したタイミングで図1002(b)に表示した表示画面、即ち、特図2保留の獲得を目指すための遊技案内報知の表示態様(第2矢印810a)を非表示とし、既に、特図2保留を獲得済みであることを示すための表示態様を表示するように構成しても良い。このように、特図2保留を獲得したことを示すための演出を疑似的に実行可能に構成することで、最初から第2矢印810aを非表示にする場合に比べて、特図2保留を獲得したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第33制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図1003から図1005を参照して、本第33制御例のパチンコ機10における主制御装置110にて実行される制御処理のうち、上述した第32制御例のパチンコ機10における主制御装置110にて実行される制御処理とは異なる内容について説明をする。本第33制御例におけるパチンコ機10は、上述した第32制御例におけるパチンコ機10に対して、小当たり当選した場合に成立する時短終了条件の成立タイミングを異ならせている点で相違し、時短状態を終了させるための時短終了条件の成立に関する各種情報を更新させるための制御処理内容を異ならせている。
具体的には、上述した第32制御例に対して、時短更新処理(図968のS224参照)に代えて時短更新処理2(図1003のS274参照)を、小当たり制御処理(図980のS1805参照)に代えて小当たり制御処理2(図1004のS1855参照)を、実行する点で相違している。それ以外の制御処理の内容については同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1003は、主制御装置110において2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理(図963参照)内で実行される特別図柄時変動処理(図964のS104参照)の一部である時短更新処理2(S274)の処理内容を示したフローチャートである。図1003に示した通り、時短更新処理2(S274)は、上述した第32制御例の時短更新処理(図968のS224参照)に対して、小当たり当選時に実行される小当たり時短更新処理(図968のS615参照)を削除した点で相違しており、それ以外は同一である。
つまり、上述した第32制御例では、小当たり当選したことに基づいて成立する時短終了条件が、小当たり当選を示すための特別図柄(小当たり図柄)が停止表示された場合に成立するように小当たり時短更新処理が実行されるように構成していた。これに対して、本第33制御例では、小当たり図柄が停止表示されたタイミングでは時短終了条件が成立すること無く、小当たり遊技が終了したタイミングで時短終了条件が成立するように構成している。よって、特別図柄が停止表示されるタイミングにて実行される時短更新処理2(S274)では、小当たり当選に基づく時短更新処理(小当たり時短更新処理)が実行されることが無い。このように構成することで、小当たり図柄が停止表示されたことに基づいて時短終了条件が成立することを抑制することができる。
なお、図1003に示した通り、時短更新処理2(S274)は、小当たり当選に基づく時短更新処理が実行されない点で時短更新処理(S224)と相違しているだけで有り、他の時短終了条件の成立に関する処理タイミングは同一である。よって、例えば、特別図柄抽選(変動)の実行回数に基づいて時短終了条件が成立する場合、即ち、時短状態における最終変動で小当たり当選した場合には、特別図柄変動の停止表示タイミング(時短更新処理2が実行されるタイミング)で小当たり当選に基づく時短更新処理は実行されないが、特別図柄抽選(変動)の基づく時短更新処理が実行されることから、特別図柄変動の停止表示タイミングにて時短状態が終了することになる。よって、時短状態における最終変動で小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中は通常状態が設定されることになる。
なお、本第33制御例では、上述した第32制御例と同様に、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動に対して、時短状態中におけるそれ以外の第2特別図柄変動よりも長い変動時間(20秒~30秒)が設定され易くなるように構成しており、時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動にて小当たり当選した場合には、特別図柄変動が実行されている期間中に第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な期間を十分に確保することができるため、開始時に通常状態が設定される小当たり遊技が実行された場合であっても、遊技者に過剰に不利な遊技を実行されることを抑制することができる。
次に、図1004を参照して、小当たり制御処理2(S1855)の内容について説明をする。図1004は、小当たり制御処理2(S1855)の詳細な内容を示したフローチャートである。この小当たり制御処理2(S1855)は、上述した小当たり制御処理(図980のS1805)に対して、小当たり遊技の終了タイミングにて時短終了条件を成立させるための要素に関する情報を更新するための処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり制御処理2(S1855)が実行されると、まず、上述した小当たり制御処理(図980のS1805参照)と同一のS2001~S2018の処理を実行する。そして、S2018の処理を終えると、小当たり時短更新処理2を実行し(S2051)、本処理を終了する。小当たり時短更新処理2(S2051)では、小当たり遊技の終了タイミングにて小当たりカウンタ203sの値を減算するための処理が実行され、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0となった場合に、時短状態を終了させて通常状態を設定するための処理が実行される。
ここで、図1005を参照して、小当たり時短更新処理2(S2051)の処理内容について説明をする。図1005は、小当たり時短更新処理2(S2051)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり時短更新処理2(S2051)では、小当たり遊技が終了したことに基づいて時短終了条件を成立させるための処理が実行される。なお、上述した第32制御例では、小当たり当選に基づく時短終了条件を成立させるための小当たり時短更新処理(図969のS615参照)を、小当たり当選を示すための特別図柄(小当たり図柄)が停止表示されたタイミングで実行しているのに対して、本第33制御例では、小当たり遊技が終了したタイミングで小当たり当選に基づく時短終了条件を成立させるための処理が実行されるように構成しているが、実行される処理内容のうち同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり時短更新処理2(S2051)が実行されると、まず、小当たりカウンタ203sの値を1減算し(S702)、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0であるかを判別する(S703)。S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0であると判別した場合は(S703:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S704)、時短カウンタ203h、及び特図2カウンタ203tの値を0に設定し(S705)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S706)、本処理を終了する。一方、S703の処理において小当たりカウンタ203sの値が0では無いと判別した場合は(S703:No)、時短状態を終了するためのS704~S706の各種処理をスキップして本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第33制御例では、小当たり当選したことに基づいて成立する時短終了条件が、小当たり遊技が終了したタイミングで成立可能に構成している。このように構成することで、時短状態中に小当たり当選した場合において、時短状態のまま小当たり遊技を実行することができるため、時短状態が設定されてから小当たり遊技が実行されるまでの期間が短く、新たな特図2保留を獲得できなかった場合であっても、小当たり遊技中に新たな特図2保留を獲得することが可能となる。よって、特図2保留を獲得していない状態で大当たり遊技が開始され易くなることで、保留連演出が実行され難くなり、パチンコ機10の演出効果が低下してしまう事態が発生することを抑制できる。
なお、本第33制御例では、上述した第32制御例と同様に、時短状態中に実行される特別図柄抽選で小当たりに1回当選したことに基づいて時短終了条件が成立するように構成しているため、時短状態中における1回目の小当たり遊技終了後に時短状態が終了することになるが、これに限ること無く、2回以上の小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立するように構成しても良いし、特定の小当たり種別が設定される小当たりに特定回数当選したことに基づいて時短終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、時短状態中に実行される特別図柄変動回数と、特別図柄抽選の結果と、を関連付けた時短終了条件を設定可能に構成しても良く、例えば、時短状態中に実行される1,2回目の特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、小当たり)である場合には、その小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立し、3回目の特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、外れ)である場合には、その外れ当選に基づいて時短終了条件が成立するように構成しても良い。また、特定の抽選結果(例えば、外れ)となる特別図柄抽選が所定回数(例えば、3回)連続した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。
このように構成することで、遊技者に対して、どのタイミングで時短終了条件が成立するのかを把握させ難くすることができる。よって、時短終了条件が成立するまでに実行可能な特別図柄抽選の回数が固定されているパチンコ機10よりも、時短状態が継続するか否かについて遊技者を注視させることができるため、時短状態中の遊技が単調となり遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第33制御例では、小当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了させるように構成することで、右打ち遊技が実行される小当たり遊技期間を用いて、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くするように構成しているが、同一の目的を達成するために時短状態を終了させるタイミングとして異なるタイミングを設定可能に構成しても良く、例えば、小当たり遊技のラウンド遊技が開始されるタイミングで時短終了条件を成立させるように構成しても良い。この場合であっても、小当たり図柄が停止表示されたタイミングで時短終了条件が成立する場合に比べて、小当たり遊技のオープニング期間中を時短状態とすることができるため、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。特に、小当たり遊技のオープニング期間中は、V入賞を狙わせるための遊技案内報知が実行されているにも関わらず、第2可変入賞装置650が入賞可能な状態へと作動していない状態であるため、右打ち遊技によって発射された遊技球が第2可変入賞装置650へと入賞すること無く、第2可変入賞装置650よりも下流側に設けられた電動役物640aへと遊技球を到達させ易くすることができることから、第2入球口640へと効率良く遊技球を到達させることができると共に、ラウンド遊技の開始に先立って実行した右打ち遊技によって発射された遊技球を有効に活用することができるため、V入賞を狙わせるための遊技案内報知が実行されるタイミングに対して、遊技者が不信感を覚えてしまう事態を抑制することができる。
加えて、ラウンド遊技が開始されるよりも前に第2入球口640へと遊技球を入球させて特図2保留を獲得しようと意欲的に右打ち遊技を遊技者に実行させることで、結果として、ラウンド遊技が開始された直後に遊技球をV入賞させ易くすることができるため、ラウンド遊技中に遊技球をV入賞させることができず、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを防ぐと共に、単位時間当たりに実行される大当たり遊技の回数を増加させ易くすることができる。
本第33制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果が小当たり当選である場合において、時短状態が継続する小当たり遊技と、時短状態が継続しない小当たり遊技と、を小当たり当選した特別図柄抽選の特別図柄変動回数に応じて決定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定される小当たり種別に応じて時短終了条件が成立するタイミングを異ならせても良く、例えば、第1小当たり種別が設定される小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立する場合には、小当たり遊技終了後に時短状態を終了させ、第1小当たり種別とは異なる第2小当たり種別が設定される小当たり当選に基づいて時短終了条件が成立する場合には、小当たり図柄の停止表示タイミング(或いは、小当たり遊技の開始タイミング)にて時短状態を終了させるように構成しても良い。
このように構成することで、時短状態が終了することとなる小当たり遊技が実行された場合において、小当たり遊技中も時短状態が継続するか否かを遊技者に予測させ難くすることができるため、小当たり遊技のオープニング期間中に特図2保留を獲得しようと、小当たり図柄が停止表示されたタイミングから継続して右打ち遊技によって発射された遊技球が、第2可変入賞装置650や第2入球口640へと入賞し難くなる状況を創出することができる。
よって、時短状態中に小当たり当選した場合において、右打ち遊技を継続するか否かを遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。なお、この場合、小当たり遊技のラウンド遊技中は遊技球を第2入球口640へと入球させ難くなるように第2可変入賞装置650の開放動作を設定し、時短状態中において、小当たり遊技のオープニング期間が最も遊技球を第2入球口640へと入賞させ易い期間となるように構成すると良い。
さらに、小当たり遊技中に時短状態が継続しているか否かを把握してから右打ち遊技を行った場合には、発射された遊技球がオープニング期間中に第2可変入賞装置650へと到達し難くなるように遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、小当たり遊技のオープニング期間中に遊技球を第2入球口640へと入球させるためには、小当たり遊技が開始される前から継続して右打ち遊技を行う必要があるため、遊技者に対して、後の遊技状況を予測して遊技方法を選択する楽しみを提供することができる。
<第33制御例における音声ランプ制御装置の処理内容について>
次に、図1006から図1009を参照して、本第33制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113によって実行される制御処理のうち、上述した第32制御例とは異なる処理内容について説明をする。本第33制御例では、上述した第32制御例に対して、時短状態を終了させるための時短終了条件のうち、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件の成立タイミングが小当たり遊技の終了タイミングとなるように構成することで、小当たり遊技中も時短状態が継続するようにしている点で相違している。そして、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理においても、小当たり遊技中に実行される演出の内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、本第33制御例では、上述した第32制御例に対して、保留情報関連処理(図984のS3208参照)に代えて保留情報関連処理2(図1006のS3258参照)を、小当たり関連処理(図993のS3508参照)に替えて小当たり関連処理2(図1008のS3558参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図1006を参照して、保留情報関連処理2(S3258)の処理内容について説明をする。図1006は、保留情報関連処理2(S3258)の処理内容を示したフローチャートである。この保留情報関連処理2(S3258)は、上述した第32制御例の保留情報関連処理(図984のS3208)に対して、特図2保留の獲得を示す保留球数コマンドを受信したタイミングが小当たり遊技中であるか否かの判別を実行する点と、小当たり遊技中に特図2保留の獲得を示す保留球数コマンドを受信した場合に小当たり中保留獲得処理を実行する点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
保留情報関連処理2(S3258)が実行されると、まず、上述した第32制御例の保留情報関連処理(図984のS3208)と同一のS3301~S3310の処理を実行する。そして、S3307の処理において、特図変動中では無いと判別した場合に(S3307:No)、現在が小当たり遊技中であるかを判別する(S3351)。なお、S3351の処理においては、従遊技状態格納エリア223gに格納されている情報、即ち、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいて格納される現在の遊技状態を示すための情報を用いて小当たり遊技中であるか否かの判別が実行される。
S3351の処理において、小当たり遊技中であると判別した場合は(S3351:Yes)、小当たり遊技中に特図2保留を獲得した場合における演出態様を決定するための小当たり中保留獲得処理を実行し(S3352)、その後、S3310の処理へ移行する。一方、S3351の処理において、現在が小当たり遊技中では無いと判別した場合には(S3351:No)、S3352の処理を実行すること無く、S3310の処理へ移行する。
次に、保留情報関連処理2(図1006のS3258参照)にて実行される小当たり中保留獲得処理(S3352)の処理内容について、図1007を参照して説明をする。図1007は、小当たり中保留獲得処理(S3352)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり中保留獲得処理(S3352)では、保留連演出の対象である小当たり遊技中に特図2保留を獲得した場合、即ち、特図2保留を獲得していない状態で保留連演出の対象である小当たり遊技が実行され図1002(a)の表示画面が表示された状態で、特図2保留を獲得した場合にいける演出態様を決定するための処理が実行される。
小当たり中保留獲得処理(S3352)が実行されると、まず、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別し(S5101)、オンに設定されていると判別した場合は(S5101:Yes)、小当たり遊技中に特図2保留を獲得したことを示すための演出態様を決定し、決定した演出態様に対応する表示用コマンドを設定し(S5102)、本処理を終了する。一方、S5101の処理において、保留連フラグ223oがオンに設定されていないと判別した場合は(S5101:No)、S5102の処理をスキップして本処理を終了する。
S5102の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S5102の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、特図2保留を獲得したことを示す表示態様を第3図柄表示装置81に表示する(図1002(b)参照)。
次に、図1008を参照して、小当たり関連処理2(S3558)の処理内容について説明をする。図1008は、小当たり関連処理2(S3558)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり関連処理2(S3558)では、上述した第32制御例における小当たり関連処理(図993のS3508参照)に対して、小当たり開始コマンドを受信した場合に、小当たり遊技中に特図2保留の獲得を促すための遊技案内報知を設定するための小当たり中案内態様設定処理を実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
小当たり関連処理2(S3558)が実行されると、まず、上述した第32制御例の小当たり関連処理(図993のS3508参照)と同様に、小当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S4201)、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定する(S4202)。S4202の処理によって設定された表示用小当たり開始コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用小当たり開始コマンドを受信すると、小当たり遊技が開始されたことを示すための表示態様に加え、小当たり遊技中の遊技方法を案内するための遊技案内報知としてV入賞を狙わせるための表示態様(第1矢印810)を第3図柄表示装置81に表示する(図1002(a)参照)。
S4202の処理を終えると、次に、右打ちフラグがオンに設定されているかを判別し(S4203)、オンに設定されていると判別した場合は(S4203:Yes)、小当たり遊技中に特図2保留の獲得を促すための遊技案内報知を設定するための小当たり中案内態様設定処理を実行し(S4251)、本処理を終了する。
一方、S4203の処理において右打ちフラグがオンに設定されていないと判別した場合は(S4203:No)、右打ちフラグをオンに設定し(S4204)、右打ち遊技を案内する表示用コマンドを設定し(S4205)、次いで、S4251の処理を実行し、本処理を終了する。ここで、S4203の処理において、右打ちフラグがオンに設定されていないと判別される場合とは、通常状態が設定された状態で小当たり当選した場合であり、具体的には、通常状態にて主として実行される第1特別図柄抽選で小当たり当選(当選確率1/65536)した場合と、時短状態中に獲得した特図2保留を用いて通常状態中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選(当選確率1/2)した場合である。
S4201の処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4201:No)、上述した第32制御例の小当たり制御処理(図993のS3508参照)と同一のS4206~S4216の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、小当たり関連処理2(図1008のS3558参照)にて実行される小当たり中案内態様設定処理(S4251)の処理内容について、図1009を参照して説明をする。図1009は、小当たり中案内態様設定処理(S4251)の処理内容を示したフローチャートである。この小当たり中案内態様設定処理(S4251)では、特図2保留を獲得していない状態で小当たり遊技が実行された場合における演出態様を決定するための処理が実行される。
小当たり中案内態様設定処理(S4251)が実行されると、まず、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が0であるか、即ち、特図2保留を獲得している状態であるかを判別し(S5201)、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値が0であると判別した場合は(S5201:Yes)、次に、保留連フラグ223oがオンに設定されているかを判別する(S5202)。S5202の処理において、保留連フラグ223oがオンに設定されていると判別した場合(S5202:Yes)、即ち、保留連演出の対象である小当たり遊技が実行される時点で特図2保留を獲得していない状態である場合には、特図2保留の獲得を案内するための案内態様を示す表示用コマンドを設定し(S5204)、本処理を終了する。
S5204の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S5204の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、小当たり遊技中において、特図2保留の獲得を目指す遊技を案内するための表示態様(第2矢印810aや、表示領域Dm10に表示される第2入球口640付近の領域も含む画像表示等)を第3図柄表示装置81に表示する(図1002(a)参照)。
一方で、S5202の処理において、保留連フラグ223oがオンに設定されていないと判別した場合は(S5202:No)、時短状態が継続していることを示すための表示用コマンドを設定し(S5203)、本処理を終了する。
S5203の処理によって設定された表示用コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図982参照)のコマンド出力処理(図982のS3102参照)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、S5203の処理によって設定された表示用コマンドを受信すると、小当たり遊技中において、時短状態が継続していることを示すための表示態様(表示領域Dm10に表示される第2入球口640付近の領域も含む画像表示等)を第3図柄表示装置81に表示する(図1002(a)参照)。
以上、説明をした通り、本第33制御例では、時短状態中に実行される小当たり遊技中の表示態様を、保留連フラグ223oの設定状況と、特図2保留の獲得状況とに基づいて決定するように構成しており、保留連フラグ223oがオンに設定されている場合、即ち、連続して保留連演出が実行され易い状況においては、保留連フラグ223oがオンに設定されていない場合よりも、小当たり遊技中に特図2保留を獲得させ易くするように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得していない状態で大当たり遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
<第34制御例>
次に、図1010から図1025を参照して、第34制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第34制御例は、上述した第32制御例に対して、獲得済みの第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を遊技者に示すための特図1保留図柄の演出態様を異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
本第34制御例におけるパチンコ機10は、上述した第32制御例と同様に、通常状態において第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)が獲得し易くなるように構成し、且つ、特図1保留を、4個を上限に獲得可能に構成している。そして、第3図柄表示装置81の表示面に、獲得済みの特図1保留の数を遊技者に把握させるための表示態様として、特図1保留図柄を表示するように構成している。このように構成することで、新たな特図1保留を獲得可能な状況であるか(獲得済みの特図1保留数が上限に到達しているか否か)を遊技者に把握させ易くすることができるため、新たな特図1保留を獲得可能な状況である(獲得済みの特図1保留数が上限に到達していない)場合には、遊技者に対して、新たな特図1保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができると共に、新たな特図1保留を獲得できない状況である(獲得済みの特図1保留数が上限に到達している)場合には、特図1保留を獲得するための遊技を中断することで、無用な遊技球が発射されることを抑制することができる。
また、本第34制御例におけるパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される特図1保留図柄を用いた保留変化演出を実行可能に構成している。この保留変化演出は、獲得した特図1保留に含まれる入賞情報の事前判別結果(先読み結果)を遊技者に示唆するための演出であって、特図1保留を獲得してから、その獲得した特図1保留に基づく特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)が実行されるまでの期間(先読み期間)を用いて実行される。
つまり、最大で4個獲得可能な特図1保留のうち、3個目の特図1保留を獲得した際に保留変化演出の実行が決定された場合には、3個目の特図1保留に対応する特図1保留図柄が第3図柄表示装置81の表示面に表示されてから、実行中の特別図柄変動の残変動時間と、1個目、及び、2個目の特図1保留に基づく特別図柄変動が実行される期間に跨がって、3個目の特図1保留に含まれる入賞情報の事前判別結果(先読み結果)を示唆するための保留変化演出が実行される。
このように構成することで、特図1保留を多く獲得した状態を継続させて遊技を行った場合の方が、特図1保留の獲得数が少ない(獲得していない)状態を継続させて遊技を行う場合よりも、保留変化演出によって特別図柄抽選の結果を事前に予測し易くなる。よって、遊技者に対して、特図1保留をより多く獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、本第34制御例におけるパチンコ機10では、特図1保留図柄を表示することによる演出効果を高めるために、保留変化演出が行われる特図1保留図柄以外の特図1保留図柄も、所定のアクションを伴った表示態様で表示されるように構成している。具体的には、各特図1保留図柄が表示される表示領域(保留表示エリア)から逸脱しない範囲で上下方向に揺れる表示態様(基準表示態様)で各特図1保留図柄が表示されるように構成している。
このように構成することで、保留変化演出の対象では無く、基準表示態様で表示されている特図1保留図柄に対しても、保留変化演出が実行されるのではと遊技者に期待を持たせ易くすることができる。
ここで、上述したように、特図1保留図柄の基準表示態様として所定のアクションを伴った表示態様を表示可能に構成した場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される複数(最大で4個)の特図1保留図柄の表示態様を同期させ難いという問題があった。
つまり、特図1保留を獲得したことに基づいて第3図柄表示装置81の表示面に特図1保留図柄が表示されるように構成し、その表示タイミングから所定のアクションを伴った表示態様で特図1保留図柄が表示されるように構成した場合は、特図1保留の獲得タイミング、つまり、第1入球口64へと遊技球を入球させるタイミングによって、特図1保留図柄が表示されるタイミングが異なるため、既に表示されている特図1保留図柄が所定のアクションとして、初期位置とは異なる位置で表示されている状態で新たな特図1保留図柄を初期位置に表示させて所定のアクションを実行した場合には、2つの特図1保留図柄のアクション内容がズレてしまい、統一感の無い表示態様で複数の特図1保留図柄が表示されてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第34制御例では、既に表示されている特図1保留図柄の表示態様を同期させるための同期処理を実行可能に構成している。具体的には、新たな特別図柄変動が開始されるタイミングや、ステージ移行されるタイミングといった、新たな演出を実行するタイミングであると判別した場合に、表示されている全ての特図1保留図柄に対して、所定のアクションを初期位置から実行させる処理を実行するように構成している。
このように構成することで、表示されたタイミングに基づいてバラバラに実行されていた各特図1保留図柄の表示態様を同期させることができるため、特図1保留図柄の表示態様に統一感を持たせることができ、演出効果を高めることができる。また、特図1保留を獲得したことを示すための特図1保留を表示するための制御、及び、表示される特図1保留に対して所定のアクションを実行するための制御を統一化することができるため、特図1保留図柄を表示するための制御内容を簡素化することができる。
なお、本第34制御例では、特図1保留図柄の表示タイミングに関わらず、同一のアクションを実行するように構成し、各特図1保留図柄の表示内容(アクション内容)がズレた場合であっても、後に実行される同期処理によって各特図1保留図柄の表示内容(アクション内容)を統一させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110にて、特図1保留図柄を基準表示態様で表示させる表示タイミングを特定可能な特定手段を設け、特図1保留を獲得した場合に、次に特定手段によって表示タイミングが特定されたことに基づいて特図1保留図柄を基準表示態様で表示するように構成しても良い。
このように構成することで、実際に特図1保留を獲得したタイミングと、特図1保留図柄が表示されるタイミングと、が若干ずれることになるが、複数の特図1保留図柄の表示態様(アクション内容)を常に同期させて表示することができるため、ズレて表示されている複数の特図1保留図柄の表示態様を同期させる処理を省略することができる。
さらに、特図1保留を獲得したタイミングで、新たな特図1保留図柄を静止画で表示し、その後、特定手段によって表示タイミングが特定されたことに基づいて、静止画で表示されていた特図1保留図柄を基準表示態様で表示するように構成しても良い。このように構成することで、特図1保留の獲得状況を遊技者に即座に把握させることが可能となると共に、複数の特図1保留図柄のアクション内容がズレて表示されてしまうことを防ぐことができる。
また、本第34制御例では、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出の種別として、複数のステージ種別(ウサギステージ、勇者ステージ)を決定可能に構成しており、新たな特別図柄変動が開始されるタイミングでステージを切り替え可能に構成している。このように構成することで、抽選結果が外れとなる特別図柄抽選が長時間継続した場合であっても、ステージ種別を切り替えることで異なる演出を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第34制御例では、上述した通り、複数の特別図柄変動が実行される期間を跨いで保留変化演出が実行されるように構成していることから、保留変化演出の実行期間中にステージ種別が切り替わる事象が発生する場合がある。そして、保留変化演出の演出態様をステージ種別に応じて異ならせている。つまり、保留変化演出が実行されている際中にステージ種別が切り替わった場合には、保留変化演出の演出態様を途中段階で切り替えるための処理が実行されるように構成している。
なお、本第34制御例では、ステージ種別が切り替わる際にも、特図1保留図柄を遊技者が視認可能な状態を継続するように構成しているが、これに限ること無く、ステージ種別を切り替える際に実行されるステージ切替演出の表示態様の一部が、特図1保留図柄が表示されている表示領域を遊技者が視認し難くなるように表示し、ステージ種別を切り替える前に実行していた特図1保留図柄の表示態様(アクション内容)が、切り替え後のステージ種別に対応する表示態様(アクション内容)へと切り替わる際の表示内容を遊技者に視認させ難くするように構成しても良い。このように構成することで、ステージ種別が切り替わったことに基づく保留変化演出の演出態様の切り替えを遊技者に違和感を与えること無く実行することができる。
加えて、本第34制御例におけるパチンコ機10では、特図1保留図柄の表示内容(アクション内容)が同期している同期期間と、同期していない非同期期間と、が発生するように構成しており、同期期間中にステージ種別が切り替わる場合には、切り替え前に実行されていた保留変化演出の演出内容を引き継いた保留変化演出を、切り替え後のステージ種別に対応させて実行するように構成している。一方、非同期期間中にステージ種別が切り替わる場合には、ステージ種別の切り替え時に保留変化演出の演出態様を再度決定する処理を実行し、決定された演出態様に基づいて切り替え後のステージ種別に対応した保留変化演出を実行するように構成している。
つまり、ステージ種別の切り替えタイミングによって、ステージ種別を切り替える前から実行されていた保留変化演出の演出態様を異ならせて、切り替え後のステージ種別に対応させて実行可能に構成している。このようにステージ種別を切り替え可能にすることで、多彩な演出を遊技者に提供することができるだけで無く、ステージ種別の切り替えタイミングによって遊技者に付与される遊技に関わる情報の内容(保留変化演出の演出結果)を異ならせることができるため、ステージ種別が切り替わるタイミングについても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第34制御例では、当たり当選に対応する保留変化演出が実行されている場合であって、同期期間中にステージ種別が切り替わる場合よりも、非同期期間中にステージ種別が切り替わる場合の方が、切り替え後のステージ種別に対応させた保留変化演出の演出態様として、当たり当選の期待度が高い演出態様が決定され易くなるように構成している。
<第34制御例における演出内容について>
次に、図1010から図1014を参照して、本第34制御例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、第3図柄表示装置81の表示面に表示される特図1保留図柄に関する演出内容の詳細について説明をする。なお、上述した第32制御例のパチンコ機10にて実行される演出内容と同一の要素(第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示要素)については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図1010(a)は、第1特別図柄(特図1)変動の実行中に、3個目の第1特別図柄抽選の実行権利(第3特図1保留)を獲得した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図1010(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面に形成される副表示領域Dsには、獲得済みの第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を表示するための保留図柄表示エリアである第1副表示領域Ds1と、実行中の特別図柄抽選に対応する実行中保留図柄を表示するための実行中保留図柄表示エリアである第2副表示領域Ds2と、が形成されている。
第1副表示領域Ds1には、特図1保留図柄を最大で4個獲得可能であることを示すための保留図柄表示領域として、第1台座m1、第2台座m2、第3台座m3、第4台座m4を表示しており、特図1保留を獲得した場合に、第1台座m1から順に特図1保留図柄が対応位置に表示される。そして、新たな特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)が実行される場合には、第1副表示領域Ds1の第1台座m1に対応する位置に表示されていた特図1保留(第1特図1保留)hr1が、第2副表示領域Ds2に表示されている第0台座m0に対応する位置へと移行する演出が実行される。
つまり、特図1保留図柄として表示されていた表示態様を、対応する特別図柄抽選が実行されるまでの期間では無く、対応する特別図柄抽選が実行された後の期間(対応する特別図柄変動が停止表示されるまでの期間)も、遊技者が視認可能となるように構成している。このように構成することで、保留変化演出によって表示態様が可変された特図1保留図柄を、対応する特別図柄変動の実行期間中も、第2副表示領域Ds2に、実行中保留図柄として表示することができるため、保留変化演出によって遊技者に報知された事前判別結果の内容(保留変化演出の演出結果)を把握した状態で、特別図柄変動の変動演出を決定することができるため、遊技者に対して分かり易い演出を提供することができる。
なお、本第34制御例では、特別図柄変動が終了するまでの間、実行中保留図柄を継続して表示するように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄変動が開始されてから所定期間(例えば、2秒間)の間、実行中保留図柄を表示するように構成し、その後、実行中保留図柄を表示しないように構成しても良い。本第34制御例では、遊技状態として通常状態が設定されている場合であって、第1特別図柄抽選が主として実行される状態では、図1010(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示面の副表示領域Dsに、獲得済みの第1特別図柄抽選の実行権利数を示すための特図1保留図柄を最大で4個表示可能に構成している。また、本第34制御例は上述した第32制御例に対して、獲得済みの第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を遊技者に示すための特図1保留図柄の演出態様を異ならせている点で相違しているだけであることから、上述した第32制御例と同様に遊技状態として時短状態が設定されている場合には、特図1保留図柄が第3図柄表示装置81の表示面に表示されないように構成している(図938(a)参照)。つまり、時短状態中に特図1保留を獲得したとしても、特図1保留数をカウントするカウント手段(第1特別図柄保留球数カウンタ)の値を更新するだけであり、特図1保留図柄が表示されないように構成している。
図1010(a)に示した図は、ステージ種別としてウサギステージが設定されている状態において、第1特別図柄変動の実行中であって、3個目の特図1保留を獲得し、第3特図1保留図柄が表示される時点を示しており、表示領域Dm4には、第1特別図柄変動が実行されている状態であることを示す表示態様(図では3つの矢印を表示)で第3図柄が変動表示している。そして、表示領域Dm5には、現在のステージ種別がウサギステージであることを示すための表示態様として「ウサギステージ」が表示されている。主表示領域Dmには、ウサギステージ中に実行される変動演出として、ウサギを模したキャラクタ801を用いた演出態様(ウサギステージ専用の演出態様)で変動演出が実行される。
また、副表示領域Dsに形成される第1副表示領域Ds1には、第1台座m1~第4台座m4が表示され、既に獲得済みの第1特図1保留図柄hr1が第1台座m1に対応する位置に表示され、第2特図1保留図柄hr2が第2台座m2に対応する位置に表示されている。この第1特図1保留図柄hr1、及び、第2特図1保留図柄hr2は、保留変化演出の対象では無いことを示す通常の表示態様(図では丸印で表示)で表示されており、各保留図柄が、対応する各台座m1、m2上で、上下方向に同期して揺動表示されている。
そして、3個目の特図1保留を獲得したことに基づいて、第3特図1保留図柄hr3が、第3台座m3に対応する位置へと移動する態様が表示されている。第3特図1保留図柄hr3は、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄であり、保留変化演出に対応する表示態様で表示されている。
ここで、ステージ種別として、ウサギステージが設定されている状態にて実行される保留変化演出の演出内容について説明をする。本第34制御例におけるパチンコ機10では、保留変化演出によって対応する特図1保留図柄の表示態様を3段階に変化させることが可能に構成しており、保留変化演出に対応する特図1保留に含まれる入賞情報に基づく事前判別結果(先読み結果)に基づいて、保留変化演出にて最終的に表示させる表示態様(段階)が決定されるように構成している。具体的には、特図1保留図柄の表示態様として、第1段階、第2段階、第3段階を決定可能に構成しており、事前判別結果(先読み結果)が当たり当選である場合の方が、当たり当選以外である場合よりも、第3段階の表示態様が決定され易くなるように構成している。また、事前判別結果(先読み結果)が当たり当選である場合には、第1段階の表示態様よりも、第3段階の表示態様が決定され易く、当たり当選以外である場合の方が、当たり当選である場合よりも、第1段階の表示態様が結締され易くなるように構成している。
つまり、保留変化演出の演出結果が第1段階の表示態様である場合よりも、第3段階の表示態様である場合の方が、保留変化演出の対象となる特図1保留に当たり当選を示す入賞情報が含まれている可能正を高めることができる。
図1010(a)に示した第3特図1保留図柄の表示態様は、保留変化演出における第1段階の表示態様であって、ウサギステージに対応する表示態様として、ウサギのシルエットを模した表示態様で表示されている。本第34制御例では、保留変化演出として、対象となる特図1保留図柄の表示態様を段階的に可変させる演出が実行されるように構成しており、図1010(a)に示した表示態様が、ウサギステージにて実行される1段階目の表示態様であるため、第3特図1保留図柄hr3には、段階数を示す「1」が付されている。このように構成することで、遊技者に対して、実行中の保留演出において表示されている段階数を分かり易く報知することができる。なお、本第34制御例では、保留変化演出によって可変表示される表示態様に対して、現在の段階数を表示することで遊技者に分かり易い演出を提供するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、保留変化演出によって表示態様を可変させることが可能な総段階数と、現在の段階数と、を表示するように構成しても良いし、現在の段階数では無く、今回の保留変化演出によって表示態様が可変した回数を表示するように構成しても良い。なお、図1010(a)に示した状態は、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得していない状態であるが、例えば、通常状態であって、第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が実行されている期間中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得した場合には、特図2保留を獲得したことを報知するための報知演出を実行したり、獲得済みの特図2保留を示すための表示態様を特図1保留図柄よりも小さく表示するように構成したりしても良い。
図1010(a)に示した状態から演出が進行し、第3台座m3に対応する位置に第3特図1保留図柄hr3が表示されると、図1010(b)に示した表示画面が表示される。図1010(b)は、1個目の特図1保留図柄(第1特図1保留図柄hr1)から3個目の特図1保留図柄(第3特図1保留図柄hr3)までが、各台座に対応する位置に表示されている状態において表示される表示画面の一例を示した図である。
本第34制御例では、特図1保留図柄(例えば、第1特図1保留図柄hr1)が表示位置(例えば、第1台座m1)に対応する箇所に位置されると、所定期間(例えば、1秒間)のアクション動作(0.5秒の上昇動作の後、0.5秒の下降動作を行い初期位置に位置する揺動動作)を繰り返し実行する表示態様が表示されるように構成している。ここで、特図1保留図柄は、第1入球口64へと遊技球が入球し、新たな特図1保留を獲得したことを示す保留球数コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力され、音声ランプ制御装置113にて保留球数コマンドを受信したことに基づいて表示されるように構成している。
つまり、既に獲得済みの特図1保留に対応する特図1保留図柄の表示態様(上昇動作中の態様であるか下降動作中の態様であるか)に関わらず、新たな特図1保留を獲得したことを示すために新たな特図1保留図柄が表示されるように構成している。よって、第2副表示領域Ds2には、アクション動作の内容は同一であるが、アクション動作の開始タイミングが異なる複数の特図1保留図柄が表示されることとなり、統一性の無い演出が継続することで演出効果が低下してしまうという問題があった。
本第34制御例においても、新たに表示された特図1保留図柄は、既に表示されている特図1保留図柄のアクション動作タイミングに関わらず、独自のタイミングでアクション動作を開始するように構成している。
具体的には、図1010(b)に示した通り、既に表示されている第1特図1保留図柄hr1、及び第2特図1保留図柄hr2は、アクション動作を同期させているのに対して、新たに表示された第3特図1保留図柄hr3は、第1特図1保留図柄hr1、及び第2特図1保留図柄hr2とは異なるタイミングでアクション動作を開始している。
しかしながら、本第34制御例では、新たな特別図柄変動が開始される場合において、表示されている各特図1保留図柄に対して、アクション動作を同期させるための同期処理を実行するように構成している。具体的には、図1011(a)に示した通り、実行中の特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて、各特図1保留図柄のアクション動作を停止し、各特図1保留図柄が初期位置に停止表示させる処理を実行する。そして、図1011(b)に示した通り、新たな特別図柄変動が開始されるタイミング、即ち、各特図1保留図柄の表示位置がシフトする表示タイミングに合わせて、同一のタイミングで各特図1保留図柄のアクション動作が開始されるように構成している。
このように、表示タイミングに合わせてアクション動作を開始させた各特図1保留図柄に対して、所定の同期条件が成立した場合(新たな特別図柄変動が開始された場合)に、各特図1保留図柄のアクション動作を同期させるように構成することで、アクション動作の開始タイミングが異なる複数の特図1保留図柄が継続して表示されてしまい、演出効果が低下してしまうということを抑制することができる。
また、本第34制御例では、新たな特別図柄変動が実行される際に、各特図1保留図柄のアクション動作を同期させるように構成しているため、1の特別図柄変動が実行されている間に獲得した特図1保留に対応する特図1保留図柄は、1の特別図柄変動が停止表示されるまでの間、1の特別図柄変動が実行されるよりも前に獲得した特図1保留に対応する特図1保留図柄とは異なるタイミングでアクション動作を実行することになる。よって、第2副表示領域Ds2に表示されている各特図1保留図柄の表示態様を視認することで、今回の特別図柄変動(1の特別図柄変動)が実行されている期間中に獲得した特図1保留の数を把握することができる。
ここで、図1012を参照して、本第34制御例にて実行される保留変化演出の演出態様について、詳細に説明をする。図1012(a)は、保留変化演出にて1段階目の表示態様が表示された場合の表示画面の一例を示す図であって、図1012(b)は、保留変化演出にて1段階目の表示態様が2段階目の表示態様へと切り替わった際に表示される表示画面の一例を示す図であって、図1012(c)は、保留変化演出にて2段階目の表示態様が3段階目の表示態様へと切り替わった際に表示される表示画面の一例を示す図である。
本第34制御例では、保留変化演出として、対象となる特図1保留に基づく特別図柄抽選が実行されるまでの期間(先読み期間)を少なくとも含む演出期間を用いて、特図1保留図柄の表示態様を最大で3段階切り替える演出が、設定されているステージ種別に応じた態様で実行される。図1012(a)~(c)では、ウサギステージが設定されている場合に実行される保留変化演出を示している。
図1012(a)に示した通り、保留変化演出が実行されると、通常の特図1保留図柄(第1特図1保留図柄hr1)とは異なる表示態様として、ウサギのシルエットを模した表示態様で特図1保留図柄(第2特図1保留図柄hr2)が表示される。このウサギのシルエットを模した表示態様は、ウサギステージの保留変化演出における1段階目の表示態様を示している。このように、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄の表示態様を、保留変化演出の対象とならない特図1保留図柄の表示態様と異ならせることにより、最大で4個表示させることが可能な特図1保留図柄のうち、どの特図1保留図柄が保留変化演出の対象となるのかを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、本第34制御例では、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄と、保留変化演出の対象とならない特図1保留図柄と、でアクション動作の内容を同期させることで一体感のある演出を実行しながらも、特図1保留図柄の表示態様を異ならせることによって、どの特図1保留図柄が保留変化演出の対象であるのかを遊技者に把握させ易く構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1保留図柄の表示態様を異ならせること無く、アクション動作の内容を異ならせることによって遊技者に対して保留変化演出の対象となる特図1保留図柄を把握させるように構成しても良い。
この場合、新たな特図1保留図柄が表示された場合には、本第34制御例と同様に独自のタイミングに基づいてアクション動作を実行するように構成し、同期条件が成立した場合において、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄に対して、他の特図1保留図柄とは異なる態様でアクション動作が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、特図1保留図柄が表示された直後は、バラバラのタイミングでアクション動作が実行されることから、全ての特図1保留図柄に対して、保留変化演出の対象となる期待感を持たせることができる。また、複数(3つ以上)の特図1保留図柄が表示されている状態でなければ、他の特図1保留図柄とは異なる態様でアクション動作が実行されている特図1保留図柄を特定し難いため、保留変化演出を注視する遊技者に対して、多くの特図1保留図柄が表示されている状態で継続して遊技を行わせようと意欲的に遊技を行わせることができる。
図1012(a)に示した例では、第1特図1保留図柄hr1と、第2特図1保留図柄hr2と、が同期してアクション動作を実行しており、保留変化演出の対象となる第2特図1保留図柄hr2の表示態様が1段階目から2段階目へと切り替わる場合には、図1012(b)に示した通り、専用のアクション動作が実行される。具体的には、通常であれば、1秒間のアクション動作(0.5秒の上昇動作の後、0.5秒の下降動作を行って初期位置へと戻る動作)が繰り返し実行されるのに対して、保留変化演出によって表示態様を可変させる場合には、2秒間の専用アクション動作として、0.5秒の上昇動作の後、0.2秒の追加上昇動作、0.6秒の表示態様切替表示、0.2秒の追加下降動作、0.5秒の下降動作を実行するように構成している。
このように、通常のアクション動作よりも、特図1保留図柄が移動する領域を拡大させることで、保留変化演出にて表示態様が可変される特図1保留図柄を遊技者に把握させ易くすることができる。また、保留変化演出にて表示態様を可変させるための専用アクション動作の実行期間の長さ(2秒)が、通常のアクション動作の実行期間の長さ(1秒)の2倍となるように構成しているため、専用アクション動作が終了した特図1保留図柄と、他の特図1保留図柄と、のアクション動作を引き続き同期させることができ、一体感のある演出を実行することができる。
また、図1012(c)に示した通り、保留変化演出では、特別図柄変動期間中だけで無く、新たな特別図柄変動が開始されるタイミングにおいても、表示態様を可変可能に構成している。図1012(c)では、保留変化演出における第2段階の表示態様を示す第1特図1保留図柄hr1が、実行中保留図柄を示す実行中台座m0へとシフトする際に、第3段階の表示態様へと切り替わった際の表示画面を表示している。
図1012(c)に示した通り、特図1保留図柄の表示位置をシフトする際に、ウサギの顔を模した第2段階の表示態様から、ウサギ全身を模した第3段階の表示態様へと切り替わり実行中保留図柄hr0として表示される。その後、実行中台座m0に対応する位置に、第3段階の表示態様で表示された実行中保留図柄hr0が表示される。
このように構成することで、保留変化演出によって特図1保留図柄の表示態様が可変するタイミングとして様々なタイミングを設定することができるため、遊技者が実行される演出に対して早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第34制御例では、特図1保留図柄の表示位置が他の表示位置へとシフトする際の動作内容は、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄と、保留変化演出の対象とならない特図1保留図柄とで、同一としているが、これに限ること無く、特図1保留図柄をシフト移動させる際の動作内容によって、遊技者に対して保留変化演出の対象であるか否かを把握させるように構成しても良く、例えば、通常のシフト移動に用いられる期間よりも長い期間を用いて、特図1保留図柄をシフト移動させる特殊動作を実行可能に構成し、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄の方が、保留変化演出の対象とならない特図1保留図柄よりも特殊動作によってシフト移動し易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、新たな特別図柄変動が開始される場合において、どのような態様で特図1保留図柄がシフト移動するかについて遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図1013を参照して、保留変化演出が実行されている期間中にステージ種別が切り替わった場合における演出内容について詳細に説明をする。本第34制御例におけるパチンコ機10は、上述した第32制御例におけるパチンコ機10と同様に、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を異ならせるために、複数のステージ種別の中から1のステージ種別を決定し、決定されたステージ種別に対応した表示態様を表示させる(ステージ変更演出を実行する)ことで、様々な演出を遊技者に提供し、演出効果を高めるように構成している。
そして、ステージ変更演出は、特別図柄変動の実行回数に基づいて実行されたり、遊技者による選択ボタン600への操作に基づいて実行されたりするように構成しており、保留変化演出の実行の有無に関わらず、ステージ変更演出を実行可能に構成している。さらに、演出効果を高めるために、設定されているステージ種別に応じて保留変化演出の演出態様を異ならせるように構成している。加えて、保留変化演出の実行期間中にステージ変更演出が実行された場合には、各特図1保留図柄のアクション動作を同期させながら、切り替え後のステージ種別に応じた演出態様で保留変化演出を継続させるように構成している。
図1013(a)は、全特図1保留図柄のアクション動作が同期している状態であって、ウサギステージが表示されている場合における第3図柄表示装置81の表示画面の一部を示した図であって、図1013(b)は、図1013(a)に示した表示画面が表示されている状態で、ステージ変更演出が実行され、勇者ステージが設定された後の表示画面の一部を示した図である。図1013(a)に示した通り、ウサギステージが設定されている間は、表示領域Dm5には「ウサギステージ」が表示されており、保留変化演出の対象となる第3特図1保留図柄hr3が1段階目の表示態様(ウサギのシルエットを模した表示態様)で表示される。そして、第1特図1保留図柄hr1から第3特図1保留図柄hr3のアクション動作が同期している。
つまり、図1013(a)に示した状態は、1つ前に実行された特別図柄変動期間中に、第4特図1保留図柄hr4として表示された特図1保留図柄が保留変化演出の対象となり、その後、次の特別図柄変動が開始されたタイミングで、各特図1保留図柄がシフト移動すると共に、アクション動作を同期させる同期処理を実行した後の状態を示している。このように、全ての特図1保留図柄のアクション動作が同期している状態でステージ変更演出が実行された場合には、全ての特図1保留図柄が初期位置に位置したタイミングに合わせて、切り替わり後の特図1保留図柄の表示態様へと可変させるように構成している。
具体的には、図1013(b)に示した通り、保留変化演出の対象となる第3特図1保留図柄hr3の表示態様として、勇者ステージに対応した剣を模した表示態様が表示される。そして、初期位置に位置している状態から全ての特図1保留図柄を、勇者ステージに対応させたアクション動作で動作させる。このように、表示されている全ての特図1保留図柄のアクション動作が同期している場合には、全ての特図1保留図柄が初期位置に位置した状態で、切り替え後のステージ種別に対応させた表示態様へと切り替えるように構成することで、遊技者に違和感を与えること無く、保留変化演出を継続させることができる。
一方、本第34制御例では、表示されている特図1保留図柄のアクション動作を同期させる前の非同期期間が存在している。つまり、新たな特図1保留図柄が表示されてから、次の特別図柄変動が開始されるまでの間は、各特図1保留図柄がアクション動作を開始するタイミングが同期しておらず、バラバラのタイミングで各特図1保留図柄がアクション動作を実行している期間となる。
次に、図1014を参照して、各特図1保留図柄のアクション動作が同期していない非同期期間中にステージ変更演出を実行した場合の演出内容について説明をする。図1014(a)は、特図1保留図柄のアクション動作が同期していない状態であって、ウサギステージが表示されている場合における第3図柄表示装置81の表示画面の一部を示した図であって、図1014(b)は、図1014(a)に示した表示画面が表示されている状態で、ステージ変更演出が実行され、勇者ステージが設定された後の表示画面の一部を示した図であって、図1014(c)は、勇者ステージ移行後における保留変化演出のアクション動作を示した図である。図1014(a)に示した通り、ウサギステージが設定されている間は、表示領域Dm5には「ウサギステージ」が表示されており、保留変化演出の対象となる第3特図1保留図柄hr3が1段階目の表示態様(ウサギのシルエットを模した表示態様)で表示される。
そして、第1特図1保留図柄hr1と、第2特図1保留図柄hr2とのアクション動作が同期している状態であって、第3特図1保留図柄hr3のみ、他の特図1保留図柄とは異なるタイミングでアクション動作が実行されている。つまり、図1014(a)に示した状態は、第3特図1保留図柄hr3のみ同期処理が実行されていない状態、即ち、第1特図1保留図柄hr1と、第2特図1保留図柄hr2は、現在実行中の特別図柄変動が開始されるよりも前から表示されている特図1保留図柄であって、今回の特別図柄変動が開始されるタイミングにて同期処理が実行されており、且つ、第3特図1保留図柄hr3が、現在実行している特別図柄変動期間中に表示された状態を示している。
図1014(a)に示した状態で、ステージ変更演出が実行された場合、即ち、全ての特図1保留図柄が同期していない状態でステージ変更演出が実行された場合には、ステージ変更演出の実行を契機に、各特図1保留図柄のアクション動作を同期させるための同期処理を実行すると共に、保留変化演出の演出態様を変更するための追加抽選を実行し、追加抽選の結果に基づいて、ステージ種別が切り替わった後の保留変化演出を実行するように構成している。
具体的には、ステージ変更演出の一部として、図1014(b)に示した通り、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄の表示態様を遊技者が視認し難くするための表示態様(図では煙を模した表示態様)を表示すると共に、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄の表示態様が示す段階が昇格し得ることを示唆する演出が実行される。
その後、図1014(c)に示した通り、保留変化演出の対象となる第3特図1保留図柄hr3の表示態様として、勇者ステージに対応する剣を模した表示態様であって、2段階目の表示態様が表示される。つまり、図1014(c)に示した図では、追加抽選の結果として、保留変化演出として段階数を増加させた表示態様が決定され、ステージ変更演出が実行されるよりも前に表示されていた表示態様の段階数(図1014(a)参照)よりも、高い段階数(2段階目)の表示態様が表示されている。
このように、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄のアクション動作が他の特図1保留図柄のアクション動作と同期していない状態で、ステージ変更演出が実行された場合には、一時的に保留変化演出の対象となる特図1保留図柄の表示態様を見え難くすると共に、保留変化演出の対象となる特図1保留図柄の表示態様が示す段階数を可変(上昇)させることが可能に構成することで、ステージ変更演出が実行されることに基づいて各特図1保留図柄のアクション動作を同期させる処理を実行したとしても、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、本第34制御例では、第1特別図柄抽選が主として実行される通常遊技中において特図1保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成し、主として第2特別図柄抽選が実行される時短状態や、通常状態が設定されている場合であって、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得した状態では、特図1保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示しないように構成しているが、本第34制御例における特図1保留図柄表示に関する技術に、後述する第47制御例における時短状態中の残時短回数表示の技術思想、即ち、特図1保留図柄の記憶数をカウントするカウント手段を設け、そのカウント手段によってカウントされた記憶数を表示する第1状態と、表示しない第2状態と、を設定可能に構成し、第2状態が設定されている状態で所定の表示条件が成立した場合に第1状態を設定可能にする技術思想を適用することは勿論可能である。
<第34制御例における電気的構成について>
次に、図1015から図1017を参照して、本第34制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第34制御例におけるパチンコ機10では、上述した第32制御例におけるパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成を一部変更している点で相違している。それ以外の電気的構成は同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。
本第34制御例では、上述した第32制御例に対して、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の獲得数を、第3図柄表示装置81の表示面に特図1保留図柄として表示可能に構成している点で相違している。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成として、特図1保留図柄を表示するための処理を実行するために用いられる各種データテーブルや各種フラグを設けた点で相違している。
まず、図1015を参照して、本第34制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1015は、本第34制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図1015に示した通り、本第34制御例におけるパチンコ機10のROM222は、上述した第32制御例におけるパチンコ機10のROM222(図959(a)参照)に対して、保留アクションデータテーブル222aaを追加した点で相違しており、それ以外の要素は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
保留アクションデータテーブル222aaは、第3図柄表示装置81の表示面の第1副表示領域Ds1に特図1保留図柄(第1特図1保留図柄hr1~第4特図1保留図柄hr4)を表示する際に参照されるデータテーブルである。本第34制御例では、特図1保留図柄が所定のアクション(上下方向への移動)を伴いながら表示されるように構成しており、新たな特図1保留が表示される場合には、その表示タイミングから所定のアクションを伴いながら特図1保留図柄が表示され、所定の同期条件(例えば、新たな特別図柄変動が開始される場合に成立する条件)が成立した場合に、表示されている複数の特図1保留図柄のアクション動作が同期するように構成している。
このように構成することで、新たな特別図柄変動が開始される場合に同期条件が成立するように構成した場合には、1の特別図柄変動が実行されている期間中に獲得した特図1保留の数を、獲得済みの複数の特図1保留図柄のアクション動作内容(アクション動作のズレ)で把握することが可能となる。よって、1の特別図柄変動中に多くの特図1保留を獲得しようとする遊技者に対して、特図1保留の獲得結果を把握させ易くすることができる。
ここで、図1016を参照して、保留アクションデータテーブル222aaに規定されている内容について説明をする。図1016は、保留アクションデータテーブル222aaに規定されている内容を模式的に示した図である。図1016に示した通り、保留アクションデータテーブル222aaには、設定されているステージ種別と、アクション動作を実行させる保留図柄の種別(保留種別)と、実行させるアクション動作の種別(アクション種別)と、に対応させて、1秒周期、或いは、2秒周期のアクション表示シナリオ(アクション内容)が規定されている。第3図柄表示装置81の表示面に表示される各特図1保留図柄は、保留アクションデータテーブル222aaに規定されているアクション表示シナリオの何れかに対応する表示態様で表示されるように構成している。
具体的には、ステージ種別が「ウサギステージ」で、保留種別が「通常保留」で、アクション種別が「通常時」である場合には、アクション表示シナリオとして、「0秒~0.5秒の上昇表示、0.5秒~1秒の下降表示」が規定されている。つまり、入賞コマンド処理3(図1019のS3271参照)において、新たに受信した入賞情報コマンドに基づく特図1保留図柄を表示させる際に、保留変化予告が設定されなかった特図1保留図柄に対しては、上昇表示が0.5秒実行され、その後、下降表示が0.5秒実行される1秒周期の表示態様が繰り返し表示されるようにアクション表示シナリオが規定されている。
また、ステージ種別が「ウサギステージ」で、保留種別が「変化対象保留」で、アクション種別が「通常時」である場合には、アクション表示シナリオとして、「0秒~0.5秒の上昇表示、0.5秒~1秒の下降表示」が規定されており、アクション種別が「変化時」である場合には、アクション表示シナリオとして、「0秒~0.5秒の上昇表示、0.5秒~1.5秒の変化アクション表示、1.5秒~2秒の下降表示」が規定されている。ここで、入賞コマンド処理3(図1019のS3271参照)において、新たに受信した入賞情報コマンドに基づく特図1保留図柄を表示させる際に、保留変化予告が設定された特図1保留図柄に対しては、保留変化演出を実行するタイミング(変化時アクションが設定されるタイミング)が決定され、保留変化演出を実行しない期間は「通常時」のアクション表示が実行され、保留変化演出を実行する期間は「変化時」のアクション表示が実行されるように構成している。また、保留変化予告が決定された特図1保留図柄に対しては、図1014に示した通り、通常の特図1保留図柄とは異なる表示態様が表示されるように構成している。
上述した通り、「ウサギステージ」が設定されている状態では、「通常時」のアクション表示が1秒間のアクション表示シナリオで規定されており、「変化時」のアクション表示が2秒間のアクション表示シナリオで規定されているため、通常の特図1保留図柄と、変化対象の特図1保留図柄と、のアクション動作タイミングが同期されることによって、通常時のアクション表示が同期されることは勿論のこと、変化対象の特図1保留図柄に対して「変化時」のアクション表示を実行した後も、アクション動作を同期させることができる。よって、第3図柄表示装置81の表示面に表示される複数の特図1保留図柄のアクション動作を同期させて表示し易くすることができるため、一体感のある演出を実行することにより演出効果を高めることができる。
一方、ステージ種別が「勇者ステージ」で、保留種別が「通常保留」で、アクション種別が「通常時」である場合には、アクション表示シナリオとして、「0秒~1秒の上昇表示、1秒~2秒の下降表示」が規定されている。つまり、入賞コマンド処理3(図1019のS3271参照)において、新たに受信した入賞情報コマンドに基づく特図1保留図柄を表示させる際に、保留変化予告が設定されなかった特図1保留図柄に対しては、上昇表示が1秒実行され、その後、下降表示が1秒実行される2秒周期の表示態様が繰り返し表示されるようにアクション表示シナリオが規定されている。
また、ステージ種別が「勇者ステージ」で、保留種別が「変化対象保留」で、アクション種別が「通常時」である場合には、アクション表示シナリオとして、「0秒~1秒の上昇表示、1秒~2秒の下降表示」が規定されており、アクション種別が「変化時」である場合には、アクション表示シナリオとして、「0秒~0.5秒の上昇表示、0.5秒~1.5秒の変化アクション表示、1.5秒~2秒の下降表示」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第34制御例では、設定されているステージ種別に応じて、特図1保留図柄の通常時における1回分のアクション動作に用いられる期間の長さを異ならせるように構成している。このように構成することで、ステージ種別が切り替わっただけで、特図1保留図柄のアクション動作態様を異ならせることができるため、ステージ種別を切り替えることによる演出効果を高めることができる。
また、通常時のアクション動作と、変化時のアクション動作と、で1回分のアクション動作に用いられる期間の長さを異ならせるように構成しているため、特図1保留図柄のアクション動作内容を注視することで、保留変化演出が実行されるか否かを予測し易くすることができる。
加えて、ウサギステージに対して、勇者ステージでは、通常時のアクション動作に用いられる期間の長さを長くし、ウサギステージにて保留変化演出が実行される際のアクション動作に用いられる期間と同一期間(2秒)を用いて通常時のアクション動作を実行するように構成している。このように構成することで、ウサギステージで遊技を行っていた遊技者に対して、勇者ステージへと切り替わったことにより保留変化演出が数多く実行されるのではと期待しながら遊技を行わせることができる。
次に、図1017を参照して、本第34制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1017は、本第34制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図1017に示した通り、本第34制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成は、上述した第32制御例に対して、非同期中フラグ223aaを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
非同期中フラグ223aaは、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている特図1保留図柄の中に、アクション動作表示が同期していない特図1保留図柄があることを示すためのフラグであって、他の特図1保留図柄と同期させること無くアクション動作表示を実行される特図1保留図柄が表示される際にオンに設定される(図1019のS5304参照)。そして、特図1保留図柄のアクション動作表示を同期させるための同期条件が成立した場合において非同期中フラグ223aaの設定状況が参照され(図1021のS5402,S5407参照)、オンに設定されていると判別した場合にはアクション動作表示を同期させるための同期処理が実行され、その後、オフに設定される(図1021のS5406参照)。
本第34制御例では、特図1保留図柄のアクション動作状況と、ステージ変更演出の実行タイミングと、に基づいて、様々な演出を実行可能に構成しており、例えば、保留変化演出の実行中においてステージ変更演出が実行された場合には、実行中の保留変化演出の演出結果よりも、遊技者に有利となる演出結果となる保留変化演出が実行されるように保留変化演出の演出態様を書き換える処理を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、ステージ変更演出が実行されるタイミングを注視するという斬新な遊技性を提供することができる。
また、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するために、装飾用演出(背景表示等)の演出態様を切り替えるためだけの目的であったステージ変更演出に対して、遊技者に対して遊技結果を事前に示唆するための演出(保留変化演出)の演出結果を異ならせる目的を付加することができるため、演出効果をより高めることができる。
<第34制御例における制御処理について>
次に、図1018から図1025を参照して、本第34制御例のパチンコ機10にて実行される各種制御処理のうち、上述した第32制御例のパチンコ機10とは異なる制御処理の内容について説明をする。本第34制御例のパチンコ機10では、上述した第32制御例のパチンコ機10に対して、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の獲得数(特図1保留数)を示すための特図1保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成している点で大きく相違し、この特図1保留図柄に関する演出態様を決定するための制御処理を追加している点で相違している。よって、本第34制御例では、上述した第32制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理の一部を異ならせており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1018を参照して、コマンド判定処理3(S3173)の処理内容について説明をする。図1018は、コマンド判定処理3(S3173)の処理内容を示したフローチャートである。図1018に示した通り、コマンド判定処理3(S3173)は、上述した第32制御例のコマンド判定処理(S3113)に対して、入賞情報コマンドを受信した場合に、入賞コマンド処理3(S3271)を実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、コマンド判定処理3(S3173)にて実行される入賞コマンド処理3(S3271)の処理内容について、図1019を参照して説明する。図1019は、入賞コマンド処理3(S3271)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理3(S3271)は、主制御装置110から入賞情報コマンドを受信したことに基づいて実行される処理であって、受信した入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいて特図1保留図柄の表示態様を決定するための処理が実行される。
入賞コマンド処理3(S3271)が実行されると、まず、受信した入賞情報コマンドに基づいた入賞情報を入賞情報格納エリアに格納し(S5301)、次いで、保留変化予告があるかを判別する(S5302)。保留変化予告があると判別した場合は(S5302:Yes)、今回受信した入賞情報コマンドに対応する特図1保留図柄の演出態様として、保留変化予告の演出態様を決定し(S5303)、非同期中フラグ223aaをオンに設定し(S5304)、保留アクションデータテーブル222aaを参照して、保留アクション動作の開始を設定し(S5305)、本処理を終了する。一方、S5302の処理において、保留変化予告が無いと判別した場合は(S5302:No)、S5303の処理をスキップして、S5304の処理へ移行する。
次に、図1020を参照して、変動演出設定処理3(S4374)の処理内容について説明をする。図1020は、変動演出設定処理3(S4374)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理3(S4374)は、上述した第32制御例の変動演出設定処理(S4304)に対して、変動開始時における特図1保留図柄の標示態様を決定するための処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
変動演出設定処理3(S4374)が実行されると、上述した第32制御例の変動演出設定処理(S4304)と同一のS4401~S4410の処理が実行される。そして、S4408の処理を終えた後に、S4405の処理へと移行せず、保留態様決定処理3を実行し(S4471)、その後、S4405の処理へと移行するように構成している。
S4471の処理によって実行される保留態様決定処理3(S4471)では、特別図柄変動が開始されるタイミングにおいて実行中の特図1保留図柄のアクション動作内容に基づいて、特別図柄変動開始後の特図1保留図柄のアクション動作を設定するための処理が実行される。
ここで、図1021を参照して、保留態様決定処理3(S4471)の処理内容について説明をする。図1021は、保留態様決定処理3(S4471)の処理内容を示したフローチャートである。保留態様決定処理3(S4471)が実行されると、まず、現在が保留変化予告中であるかを判別し(S5401)、保留変化予告中であると判別した場合は(S5401:Yes)、次に、非同期中フラグ223aaがオンに設定されているかを判別する(S5402)。
S5402の処理において、非同期中フラグ223aaがオンに設定されていると判別した場合は(S5402:Yes)、保留変化予告の演出態様の昇格抽選を実行し(S5403)、昇格抽選に基づく新たな保留変化予告の演出態様を決定し(S5404)、各保留図柄に対して、保留図柄アクションを初期位置から開始させるための同期処理を実行し(S5405)、非同期中フラグ223aaをオフに設定し(S5406)、本処理を終了する。
一方、S5401の処理において、保留変化予告中では無いと判別した場合は(S5401:No)、非同期中フラグ223aaがオンに設定されているかを判別し(S5407)、オンに設定されていると判別した場合は(S5407:Yes)、S5405の処理へ移行する。また、S5402の処理において非同期中フラグ223aaがオンに設定されていないと判別した場合(S5402:No)、或いは、S5407の処理において非同期中フラグ223aaがオンに設定されていないと判別した場合(S5407:No)は、特別図柄変動の開始タイミングにて、既に表示されている特図1保留図柄のアクション動作表示を補正する(同期させる)必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
次に、図1022を参照して、演出更新処理3(S3172)の処理内容について説明をする。図1022は、演出更新処理3(S3172)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理3(S3172)は、上述した第32制御例の演出更新処理(S3112)に対して、特図1保留図柄が表示されている状態であると判別した場合と、特別図柄変動の実行中にステージの移行条件が成立したと判別した場合とで専用の処理を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
演出更新処理3(S3172)が実行されると、まず、上述した第32制御例の演出更新処理(S3112)と同一のS4601~S4608の処理を実行する。そして、S4606の処理において、SW有効時間カウンタ223qの値が1以上では無いと判別した場合(S4606:No)、或いは、S4608の処理を終えた場合に、保留表示(特図1保留図柄の表示)があるかを判別し(S4671)、保留表示(特図1保留図柄の表示)があると判別した場合は(S4671:Yes)、保留演出更新処理を実行し(S4672)、S4673の処理へ移行する。
一方、S4671の処理において、保留表示(特図1保留図柄の表示)が無いと判別した場合は(S4671:No)、次に、変動中ステージ移行条件が成立したかを判別し(S4673)、成立したと判別した場合は(S4673:Yes)、変動中ステージ移行処理を実行し(S4674)、その後、上述した第32制御例の演出更新処理(S3112)と同一のS4609の処理を実行し、本処理を終了する。また、S4673の処理において、変動中ステージ移行条件が成立していないと判別した場合は(S4673:No)、S4674の処理をスキップして、S4609の処理へ移行し、本処理を終了する。
次に、図1023を参照して、演出更新処理3(図1022のS3172参照)にて実行される保留演出更新処理(S4672)の処理内容について説明をする。図1023は、保留演出更新処理(S4672)の処理内容を示したフローチャートである。この保留演出更新処理(S4672)では、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている各特図1保留図柄に対して、特図1保留図柄を表示する際に決定された表示内容に基づいた表示態様を決定するための処理が実行される。
保留演出更新処理(S4672)が実行されると、まず、変化演出の開始タイミングである特図1保留図柄があるかを判別し(S5501)、変化演出の開始タイミングである特図1保留図柄があると判別した場合は(S5501:Yes)、変化演出対象の特図1保留図柄に対して、保留アクションデータテーブル222aaを参照して、変化内容に対応した演出態様を決定し(S5502)、S5503の処理へ移行する。S5501の処理において、変化演出の開始タイミングである特図1保留図柄が無いと判別した場合は(S5501:No)、S5502の処理をスキップしてS5503の処理へ移行する。
次に、S5503の処理では、非同期中フラグ223aaがオンであるかを判別し(S5503)、非同期中フラグ223aaがオンであると判別した場合は(S5503:Yes)、非同期中の特図1保留図柄に対して、保留アクションデータテーブル222aaを参照して演出態様を決定し(S5504)、S5505の処理へ移行する。また、S5503の処理において、非同期中フラグ223aaがオンでは無いと判別した場合は(S5503:No)、S5504の処理をスキップしてS5505の処理へ移行する。
S5505の処理では、その他の特図1保留図柄、即ち、通常アクション動作が実行される同期済の特図1保留図柄に対して、保留アクションデータテーブル222aaを参照して演出態様を決定し(S5505)、本処理を終了する。
次に、図1024を参照して、演出更新処理3(図1022のS3172参照)にて実行される変動中ステージ移行処理(S4674)の処理内容について説明をする。図1024は、変動中ステージ移行処理(S4674)の処理内容を示したフローチャートである。この変動中ステージ移行処理(S4674)では、特別図柄変動が実行されている際中にステージ変更演出が実行される場合における、特図1保留図柄の表示態様を決定するための処理が実行される。
変動中ステージ移行処理(S4674)が実行されると、まず、非同期中フラグ223aaがオンに設定されているかを判別し(S5601)、オンに設定されていると判別した場合は(S5601:Yes)、非同期中の特図1保留図柄の種別が通常保留であるか、変化対象保留であるかを特定する(S5602)。そして、非同期中の特図1保留図柄が変化対象であるかを判別し(S5603)、変化対象であると判別した場合は(S5603:Yes)、特殊態様決定処理を実行し(S5604)、本処理を終了する。
S5603の処理において、非同期中の特図1保留図柄が変化対象では無いと判別した場合は(S5603:No)、ステージ移行を行うための演出態様を決定し(S5605)、非同期中フラグ223aaをオフに設定し(S5606)、本処理を終了する。また、S5601の処理において、非同期中フラグ223aaがオンに設定されていないと判別した場合は(S5601:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図1025を参照して、演出更新処理3(図1022のS3172参照)の変動中ステージ移行処理(図1024のS4674参照)にて実行される特殊態様決定処理(S5604)の処理内容について説明をする。図1025は、特殊態様決定処理(S5604)の処理内容を示したフローチャートである。この特殊態様決定処理(S5604)では、保留変化予告が決定された特図1保留図柄が非同期状態でアクション動作をしている間に、ステージ変更演出が実行された場合における特図1保留図柄の演出態様を決定するための処理が実行される。
特殊態様決定処理(S5604)が実行されると、まず、対象となる特図1保留図柄(変化対象保留であって、アクション動作が非同期中の特図1保留図柄)の動作状況を特定し(S5701)、アクション動作状況が初期位置であるかを判別し(S5702)、初期位置であると判別した場合は(S5702:Yes)、他の保留図柄に対して、0.5秒ズラしたタイミングで通常時のアクション動作を設定し(S5703)、非同期中フラグ223aaをオフに設定し(S5708)、本処理を終了する。
S5702の処理において、初期位置では無いと判別した場合は(S5702:No)、次に、変化演出前の状態、即ち、保留変化予告が決定された際に設定された特図1保留図柄の表示内容として、変化時のアクション種別に基づくアクション表示シナリオが決定されていない状態であるかを判別し(S5704)、変化演出前の状態であると判別した場合は(S5704:Yes)、ステージ変更に対応させた表示態様を表示し、その後、アクション動作期間の残期間にて変化演出を実行する特殊演出態様を決定し(S5705)、S5708の処理へ移行する。
また、S5704の処理において、変化演出前では無いと判別した場合は(S5704:No)、変化演出中、即ち、変化時のアクション種別に基づくアクション表示シナリオが決定されている状態であるかを判別し(S5706)、変化演出中であると判別した場合は(S5706:Yes)、目隠し態様を表示した後に、変化後の段階数であって、変更後のステージに対応した表示態様を表示する演出態様を決定し(S5707)、S5708の処理へ移行する。S5708の処理では、非同期中フラグ223aaをオフに設定し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第34制御例では、保留変化予告が決定された特図1保留図柄が非同期状態でアクション動作をしている間に、ステージ変更演出が実行された場合において、保留変化予告が決定された特図1保留図柄のアクション動作状況に応じて異なる演出態様を特殊態様として決定可能に構成している。具体的には、保留変化予告の対象となる特図1保留図柄が非同期状態で且つ、通常時のアクション動作をしている場合には、ステージ変更後において、意図的にアクション動作をズラしたタイミングで実行するように構成している。このように構成することで、ステージ変更後も、保留変化予告の対象となる特図1保留図柄を遊技者に容易に把握させることができる。
また、通常時のアクション動作の実行タイミングを異ならせるだけで、ステージ変更後も、保留変化予告の対象となる特図1保留図柄を遊技者に容易に把握させることができるように構成しているため、保留変化予告の対象となる特図1保留図柄を表示されている状態でステージ変更された場合において、専用のアクション動作を実行させるための表示データを用いる必要が無く、特図1保留図柄を表示するためのデータ容量を削減することができる。
さらに、通常時においても、入賞情報コマンドを受信したタイミングによって、同期処理が実行されるまでは、各特図1保留図柄のアクション動作がズレるように構成しているため、保留変化予告の対象では無い特図1保留図柄が表示されているのか、保留変化予告の対象である特図1保留図柄が表示されているのかを把握させ難くすることができる。
加えて、保留変化予告の対象となる特図1保留図柄が変化演出を実行するよりも前に、ステージ変更演出が実行された場合には、ステージ変更後の特図1保留図柄の表示態様を用いて、残時間で表示可能な変化演出を実行するように構成しているため、ステージ変更演出が実行された場合であっても、特図1保留図柄の変化演出の内容を遊技者に把握させ易くすることができる。なお、本第34制御例では、各特図1保留図柄のアクションを同期させるため条件として、新たな特図変動の開始や、ステージ変更演出の開始を設けていたが、これに限ること無く、パチンコ機10の電源立ち上げ後の処理が実行された場合に成立する条件を設けても良い。例えば、複数の特図1保留図柄が表示されている状態で電源供給が断された後に、電源供給が復帰した場合に実行される立ち上げ処理において、入賞情報に関するコマンドを送信する。つまり始動入賞したタイミングとは関係無く、立ち上げ処理が実行されたタイミングにて複数の特図1保留に関する入賞情報に関するコマンドを送信するように構成する。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側では、複数の特図1保留に関する入賞情報を同タイミングで受け取ることになるため、各特図1保留図柄のアクション動作を同期させることができる。また、主制御装置110の立ち上げ処理にて出力される入賞情報に関するコマンドに、保留変化演出の実行を示す情報を含めることが可能に構成されたパチンコ機10であれば、立ち上げ時における特図1保留図柄表示処理において、保留変化演出の演出態様を再度決定するように構成しても良い。このように構成することで、特図1保留図柄が表示されている状態で一時的に電源供給が断されたことにより、特図1保留図柄の表示態様(演出態様)に関わる演出情報がクリアされたとしても、再度保留変化演出の演出態様を決定可能となる。また、本第34制御例では、ステージ種別に応じて特図1保留図柄が可変する段階数を同一としているが、ステージ種別に応じて特図1保留図柄が可変可能な段階数を異ならせるように構成しても良い。この場合は、ステージ種別が変更された場合に、変更前よりも相対的に期待度が高くなる段階数で変更後のステージ種別に対応した特図1保留図柄を表示すると良い。このように構成することで、ステージ種別が切り替わったことにより、特図1保留図柄の表示態様の価値が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、保留変化演出が実行された特図1保留図柄が表示されている状態でステージ種別が切り替わる場合には、ステージ種別が切り替わった後に、一旦、初期状態の表示態様で特図1保留図柄を表示し、その後、ステージ種別が切り替わった後の保留変化演出を実行すると良い。また、本第34制御例における第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の獲得数を示すための表示態様(特図1保留図柄)を表示する制御について、後述する第47制御例における技術思想を適用した場合、即ち、特図1保留図柄の表示条件として、第1条件(通常状態の設定)が成立した場合における第2条件の成立有無(特図2保留の獲得有無)に応じて、特図1保留図柄の表示タイミングを異ならせる技術思想を用いた場合には、本第34制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223が有する第1特別図柄保留球数カウンタ203dが、後述する第47制御例における残時短回数カウンタに該当し、第2特別図柄保留球数カウンタ203eが、後述する第47制御例におけるファイナル演出中カウンタに該当する。そして、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が1よりも大きい状態では、第2特別図柄抽選に関する変動演出(時短状態中の演出や引き戻し演出等)を実行し、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が0となった場合に、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に対応した特図1保留図柄を表示するように表示制御すれば良い。なお、本第34制御例では、上述した第32制御例と同様に時短状態(特図1保留図柄を表示しない遊技状態)が終了した時点で特図2保留を有している場合には、通常状態へと移行した後も所定期間が経過するまで(特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が全て終了するまで)、特図1保留図柄を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、通常状態へと移行した時点で特図1保留図柄を表示するように構成しても良い。
<第35制御例>
次に、図1026~図1064を参照して第35制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第35制御例におけるパチンコ機10は、上述した第32制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として用いられる装飾用可動役物を搭載し、その装飾用可動役物を用いた新たな変動演出を追加している点で相違している。
従来より、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として装飾用可動役物を用いた演出を実行するパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10では、変動演出の所定のタイミングで装飾用可動役物が可動した場合に大当たり当選期待度が比較的高いことを示し、装飾用可動役物が可動しなかった場合には大当たり当選期待度が比較的低いことを示す演出を実行することによって、遊技者に特別図柄の抽選結果を予想させる楽しみを提供することができるものであった。
しかしながら、このようなパチンコ機10において、経年劣化や電気系統の故障といった不具合によって、装飾用可動役物が正常に可動しない状態で装飾用可動役物を用いた演出が設定されると、演出の所定のタイミングで装飾用可動役物が動作シナリオに規定された動作を行わず、遊技者に誤った遊技情報を提供してしまう虞があった。
これに対して、本第35制御例におけるパチンコ機10では、装飾用可動役物を用いた演出を実行する場合に、装飾用可動役物が動作シナリオに規定された動作を実行可能か判別し、実行できないと判別した場合には装飾用可動役物を用いない液晶表示による代替演出に切り替え可能に構成している。このように構成することで、遊技者に適切な遊技情報を提供することができる。
また、従来より、第3図柄表示装置81の表示領域において複数の特別図柄(例えば、1~9の数字が付された特別図柄)によって形成される図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、表示領域に設定された有効ライン上に停止表示された特別図柄の組合せによって当否判定結果を報知するものがある。このようなパチンコ機10において、遊技者は第3図柄表示装置81の表示領域に設定された有効ライン上に停止表示される特別図柄に興味を持って遊技を行うこととなる。しかしながら、従来のパチンコ機10では、有効ライン上で2つの図柄列の特別図柄が停止表示された時点で、大当たり当選を示す特定の組合せの一部を示す態様(所謂、リーチ態様)でなければ、残りの図柄列の特別図柄が停止表示される前に大当たり当選ではないことを遊技者が予想できてしまうため、図柄変動表示の途中で興味を失ってしまうという問題があった。
これに対して、本第35制御例では、遊技盤面に施された盤面装飾と、装飾用可動役物と、第3図柄表示装置81の表示領域に表示されている一部の特別図柄によっても有効ラインを形成し、当否判定結果を報知可能に構成している。
具体的に説明すると、本第35制御例のパチンコ機10における特別図柄は、「1」から「8」の数字が付された数字図柄の他に、パチンコ機10の題材と関連する文字が付されたロゴ文字図柄(「海」図柄D4,「物」図柄D7,「語」図柄D10)を含む構成としており(図1040参照)、詳細は後述するが、このロゴ文字図柄は、有効ライン上に同一の文字図柄が3つ揃って停止表示された場合と、有効ライン上の左から順に「海」図柄D4、「物」図柄D7、「語」図柄D10が停止表示された場合(即ち、有効ライン上に「海物語」の文字列が形成された場合)に、特別図柄の大当たり当選であることを示す構成としている。
また、図1026に示すように、遊技盤の可変表示装置ユニット80の正面視中央上部には、LEDを内蔵するロゴランプRg1が設置されている。このロゴランプRg1の表面には「海」という文字図柄の装飾が施されている。
さらに、パチンコ機10には、装飾用可動役物としてロゴ役物902が搭載されており、変動演出の一環として使用されていない場合には、第3図柄表示装置81の正面視上部側、可変表示装置ユニット80の正面視奥側に収納されている(図1032(a)参照)。このロゴ役物902は、上下に駆動するバー役物902aと、表面に「物」という文字図柄が記載された回転体役物902bで構成されている(図1032(a)参照)。詳細は後述するが、このロゴ役物902が変動演出の一環として使用される場合には、バー役物902aが下降限まで下降し(図1032(b)参照)、第3図柄表示装置81の正面視手前側で回転体役物902bが動作シナリオに基づいて回転しながら左右に移動し、動作シナリオに規定された位置で停止する。
本第35制御例では、図1041(a)に示すように、第3図柄表示装置81において有効ラインL1上に特別図柄が外れを示す組合せで仮停止された後に、ロゴ役物902が下降限まで下降し(図1041(b)参照)、上矢印802の示す位置で回転体役物902bが停止することで、ロゴランプRg1に装飾された「海」図柄と、回転体役物902bに装飾された「物」図柄と、中下段図柄Z2cの「語」図柄によって、縦に大当たり当選を報知する態様である「海物語」という文字列を形成する(図1042(a)参照)。
このように構成することで、第3図柄表示装置81に表示されている特別図柄がリーチ態様にならなかった場合であっても、ロゴ装飾Rg1との有効ラインが形成されることを期待させることが可能となり、残りの図柄列の特別図柄が停止表示される前に遊技者の興味が失われることを抑制することができる。
この第35制御例におけるパチンコ機10が、上述した第32制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、装飾用可動役物を搭載している点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第32制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第32制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第35制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について>
まず、図1026~図1031を参照して、第35制御例におけるパチンコ機10の構造について説明する。図1026は第35制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図1027は第35制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図1028~図1031は第35制御例のパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図である。
図1026に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1026を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図1043参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図1026の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図1026の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図1026の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図1043参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。第35制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動表示中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が9ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される9R時短大当たり(9R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が6ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される6R時短大当たり(6R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が3ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される3R時短大当たり(3R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が6Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない6R通常大当たり(6R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動表示終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「9R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が9ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「6R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「3R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり。また、「6R時短無大当たり」は、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
なお、第35制御例では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、第35制御例では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
また、第35制御例では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図1043参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される(図1040参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。第35制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図1043参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(特別図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れ、時短当選といった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、4種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ、時短)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。また、重複して当選可能な判定(例えば、大当たり判定、時短判定)にて重複して当選した場合には、重複当選を示すための表示態様を用いても良いし、重複当選したことに基づいて実行される遊技の内容が、大当たり当選のみに基づいて実行される遊技の内容と同一である場合には、同一の表示態様を用いても良い。
また、第35制御例で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
本第35制御例では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1043参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図1026に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1043参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、第35制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、第35制御例では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図1026の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、第35制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第35制御例では図1026に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
第35制御例では、図1026に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されている。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第35制御例のパチンコ機10では、図1026に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図1026の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、退避状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図1026の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図1027を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図1027に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図1027の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図1027参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第35制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図1027参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図1027参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図1027に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第35制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図1027に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)を可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第35制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図1026に戻り説明を続ける。図1027を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
なお、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部において、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成してもよい。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図1027~図1031を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図1027に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図1027の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
第35制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図1030(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、第35制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第35制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
第35制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
第35制御例では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目以降の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、上述した第32制御例と同様に、第35制御例では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、第35制御例のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図1028を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図1028は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図1028に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図1029は、V入賞装置650の断面図である。図1029(c)はV入賞装置650の上面図であり、図1029(b)は、V入賞装置650のLb-Lb断面図である。図1029(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図1029(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図1029(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図1029(a)は、図1029(b)に示すLa-La断面図である。図1029(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図1030を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図1030(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図1030(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650h2を回動可能に配置することが可能に構成されている。
図1030(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、第35制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図1030(b)参照)ように構成している。
第35制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、上述した開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図1030(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(第35制御例では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、第35制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B,C)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図1031を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図1031(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第35制御例の開閉扉650f1は、図1031(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図1026参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図1031(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図1031(b)に示した状態へと移行する。図1031(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図1031(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図1026参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
図1026に戻り、説明を続ける。遊技盤面の正面視中央上部側には、パチンコ機10のモデルとなったアニメやドラマのタイトルを示すロゴ文字Rg2が装飾され、可変表示装置ユニット80の中央上部には、パチンコ機10のモデルとなったアニメやドラマのロゴマークを模した装飾用構造物(ロゴ装飾Rg1)が配置されている。このロゴ装飾Rg1には、LEDが内蔵されており変動演出に合わせて発光、点滅を実行することが可能である。なお、ロゴ装飾Rg1は遊技盤13に固定されており、その位置が可変することはない。
なお、ロゴ装飾Rg1の位置は、図1026に示す位置に限るものではなく、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄に対して、縦、横、斜めのいずれかのラインを形成可能な位置であれば良く、例えば、可変表示装置ユニット80外の正面視右下領域、或いは正面視左下領域にロゴ装飾Rg1を配置しても良い。
<第35制御例における装飾用可動役物について>
次に、図1032~図1039を参照して、本第35制御例に設けられている装飾用可動役物(ロゴ役物902)について説明する。図1032(a)は、ロゴ役物902が収納されている状態(収納位置)を模式的に示した図である。図1032(a)に示すように、このロゴ役物902は、バー役物902aと、回転体役物902bと、左右上昇機構902cおよび902dによって構成されている。以下、図1034~図1039を適宜参照しながら、ロゴ役物902の構成について説明する。
バー役物902aは、左右の両端に上昇機構902cおよび902dを有している。この上昇機構902cおよび902dは左右対称に略同じ形状で構成されている。その為、左上昇機構902cにおいて、説明した箇所と同一の構成については、右上昇機構902dの説明を省略する。
左上昇機構902cは、上段ラック902c1とブーツ型の下段ラック902c2とで構成された2段ラックを有しており、下段ラック902c2の上端部に設けられた連接ギア902c8a(図1037参照)によって上段ラック902c1と連接している。この2段ラックは、上駆動カム902c3が回転することによって上駆動カム902c3に設けられた円柱ピン902c3pの位置が可変することで高さが可変する。
ここで、図1034~図1037参照して、左上昇機構902cの詳細な構造について説明する。図1034、図1036は上昇機構902cおよび902dの分解斜視図であり、図1035、図1037は、上昇機構902cおよび902dの分解背面斜視図である。図1034に示すように、左上昇機構902cには、上駆動用のステッピングモータであるバー役物用モータ902c7が設けられている。バー役物用モータ902c7には上駆動カム902c3と嵌合する上駆動用ギア902c4が設けられている。バー役物用モータ902c7が作動して、上駆動用ギア902c4が回転することにより、上駆動カム902c3を回転させる。上駆動カム902c3には円柱ピン902c3pが設けられており、上駆動カム903c3が回転することで、円柱ピン902c3pの位置が可変する。
この円柱ピン902c3pは、正面視手前側に突出しており、バー役物902aが収納位置にある場合、下段ラック902c2の底部は円柱ピン902c3pに下から支えられた状態となっている。そして、円柱ピン902c3pが図1032(a)の位置から時計回り(右上昇機構902dの場合は反時計回り)に移動することで、円柱ピン902c3pは下段ラック902c2の底部から外れ、下段ラック902c2は円柱ピン902c3pの支えを失う。なお、バー役物902aはストッパー902c5(図1035参照)によって支えられており、ストッパー902c5がロック状態である場合には、下段ラック902c2が円柱ピン902c3pの支えを失ってもバー役物902aは落下しない。
このストッパー902c5は、バー役物用モータ902c7が所定のステップ数(本第35制御例では25ステップ)回転することで上駆動カム902c3に連接しているアーム部材902c6をスライドさせ、アーム部材902c6に連接しているリンク部材902c5Lを上下させることでロック状態と解除状態とに可変する。ストッパー902c5が解除状態となり、円柱ピン902c3pが下段ラック902c2の下部に入り込んでいない状態である場合には、下段ラック902c2は自重で落下する。このとき、下段ラック902c2と上段ラック902c1を連接する連接ギア902c8aは上昇機構902cの支柱部分に設けられている下突出片902c8cと嵌合して反時計回りに回転する。この連接ギア902c8aは、上段ラック902c1に設けられた上突出片902c8b(図1035参照)とも嵌合しており、連接ギア902c8aが反時計回りに回転することで、上段ラック902c1を下降させる。これにより、バー役物902aは下降限まで落下する。
なお、右上昇機構902dにのみ、図1032(a)に示す、右途中停止ソレノイド902d9が設けられている。この右途中停止ソレノイド902d9がONである場合には、正面視奥側に向かって弁が突出し、自重で落下するバー役物902aを図1033(a)に示す位置で停止させることが可能となる。一方、右途中停止ソレノイド902d9がOFFとなった場合には、弁が引っ込みバー役物902aは下降限まで落下する。
ここで、本第35制御例では、バー役物902aの落下パターンとして、2種類の落下パターンを設定可能に構成している。まず、1つ目の落下パターンは、左ストッパー902c5をロック状態のままで右ストッパー902d5のみを解除状態とし、右途中停止ソレノイド902d9をONとする右中間片落ち状態(図1033(a)参照)とした後、右中間片落ち状態から左ストッパー902c5を解除状態とし、バー役物902aの左端を下降限まで落下させた状態である左片落ち状態(図1033(b)参照)とし、右途中停止ソレノイド902d9をOFFとしてバー役物902aの右端も下降限(図1032(b)に示す位置)まで落下させる第1落下パターンである。
2つ目の落下パターンは、左右のストッパー902c5および902d5を同時に解除状態とし、右途中停止ソレノイド902d9をOFFとすることでバー役物902aが自重で一気に下降限まで落下する第2落下パターンである。
このように、バー役物902aを自重で落下させる構造であっても、右途中停止ソレノイド902d9と左右のストッパー902c5および902d5の解除時期を可変させることで多様な落下パターンを設定可能にしている。
図1034に戻り説明を続ける。バー役物902aが下降限にある場合(図1032(b)に示す状態である場合)、上駆動カム902c3が時計回り(右上昇機構902dでは、反時計回り)に回転することで、円柱ピン902c3pが図1032(b)に示す位置から時計回りに移動し、下段ラック902c2の底部に入り込み、下段ラック902c2を押し上げる。円柱ピン902c3pによって下段ラック902c2が押し上げられると、連接ギア902c8a(図1035参照)が上昇機構902cの支柱部分に設けられている下突出片902c8c(図1035参照)と嵌合し、連接ギア902c8aが時計回りに回転する。この連接ギア902c8aは、上段ラック902c1に設けられた上突出片902c8b(図1035参照)とも嵌合しており、連接ギア902c8aが時計回りに回転することで、上段ラック902c1を上昇させる。
このように、上段ラック902c1と下段ラック902c2の2段ラックとすることで、上駆動カム902c3の直径よりも長いストロークの上下駆動が可能となるため、上駆動カム902c3を軽量化することができ、駆動するためのステッピングモータの出力を抑えて駆動させることができる。よって、パチンコ機10の消費電力を抑えることができる。
次に、図1036~図1039を参照して、回転体役物902bの構造について説明する。図1036は、回転体役物902bとバー役物902aの分解正面斜視図であり、図1037は、回転体役物902bとバー役物902aの分解背面斜視図である。また、図1038は、回転体役物902bの分解正面斜視図であり、図1039は、回転体役物の分解裏面斜視図である。回転体902b1は、表面に装飾が施された部材であり、本第35制御例では、パチンコ機10の題材に関連する「物」という文字が装飾されている(図1032(a)参照)。この回転体902b1の裏側には、回転駆動用のステッピングモータである回転体モータ902b2と、ローラースライダー902b6が設けられている(図1037参照)。音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて回転体モータ902b2が駆動すると、回転ギア902b7が回転し、回転ギア902b7の回転により回転体902b1を回転させる。
回転体モータ902b2は、音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて時計回り、或いは反時計回りに回転可能であり、回転体モータ902b2の回転方向に対応して回転体902b1の回転方向が可変する。
また、回転体モータ902b2の回転速度は音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて4段階で設定可能であり、回転体モータ902b2の回転スピードに対応して回転体902b1の回転スピードも可変する。
図1036に示すように、回転体役物902bに設けられているローラースライダー902b6は、ボールねじ902b5を挿通可能に構成されている。このボールねじ902b5には、正面視左端に横駆動ギア902b4と、横駆動用のステッピングモータである横移動モータ902b3が設けられており、横移動モータ902b3が駆動することで、横駆動ギア902b4が回転し、ボールねじ902b5が回転する。ボールねじ902b5が回転すると、ローラースライダー902b6が左右に移動する。これにより、回転体役物902bを左右に移動させることができる。
ここで、図1032(b)を参照して、回転体役物902bの左右可動域について説明する。回転体役物902bは、バー役物902aの正面視手前側を左可動域限Pt2から右可動域限Pt3の範囲内で左右に移動可能に構成されている。また、左右可動域限Pt2,Pt3の中間には基準位置Pt1が設定されており、バー役物902aが収納位置となる場合には、基準位置Pt1で停止するように構成されている。
横移動モータ-902b3は、音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて時計回り、或いは反時計回りに回転可能であり、横移動モータ902b3が時計回りに回転すると、回転体役物902bは正面視右方向に移動し、反時計回りに回転すると、回転体役物902bは正面視左方向に移動する。
なお、バー役物902aには基準位置Pt1、左可動域限Pt2、右可動域限Pt3に対応する位置に図示しないセンサが設けられており、回転体役物902bの左右の位置を検出可能に構成している。
また、横移動モータ902b3の回転速度は音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて4段階で設定可能であり、横移動モータ902b3の回転スピードに対応して回転体役物902bの移動スピードも可変する。
<第35制御例における演出内容について>
図1040~図1042を参照して、第35制御例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。図1041(a)は、第3図柄表示装置81における特別図柄(第3図柄)が仮停止した場合の表示画面の一例を示した図である。第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、左、中及び右の3つの図柄列(Z1~Z3)が表示される。
ここで、図1040(a)を参照して、本第35制御例の図柄列の構成について説明する。図1040(a)は、本第35制御例における第3図柄の構成を模式的に示した図である。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「8」の数字を模した識別情報が付された8種類の主図柄と、パチンコ機10の題材と関連する「海」「物」「語」という文字を模した識別情報が付された3種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。
なお、それぞれの数字図柄は、有効ラインL1上に同一の数字図柄が3つ揃った状態(例えば、左中段図柄Z1b,中中段図柄Z2b,右中段図柄Z3bにそれぞれ7図柄D9が停止表示された状態)で表示されると特別図柄の大当たり当選であることを示す。
一方、文字図柄は有効ラインL1上に同一の文字図柄が3つ揃った状態(例えば、左中段図柄Z1b,中中段図柄Z2b,右中段図柄Z3bにそれぞれ「海」図柄D4が停止表示された状態)で表示された場合と、左中段図柄Z1bに「海」図柄D4、中中段図柄Z2bに「物」図柄D7、右中段図柄Z3bに「語」図柄D10が停止表示された場合に特別図柄の大当たり当選であることを示す構成としている。
図1040(b)~(e)は、回転体役物902bの停止パターンの一例を示した図である。図1040(b)に示す正転状態は、回転体モータ902b2が原点位置である場合の向きである。(c)~(e)は原点位置以外の場合の一例を示した図である。
図1041(a)に戻り、説明を続ける。図1041(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には小表示領域Dm1が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。図1041(a)に示す例では、小表示領域Dm1において第4図柄が変動表示中であることを示す表示態様で表示されている。
主表示領域Dmには、図柄列Z1~Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せで揃えば大当たりとして大当たり当選報知演出が実行される。
なお、図1041(a)に示すように、上段および下段の第3図柄は、半分隠れた状態で表示される。これにより、上段および下段には有効ラインが設定されていないことを示している。
図1041(a)に示す例では、左中段図柄Z1bとして1図柄D1、中中段図柄Z2bとして8図柄D11、右中段図柄Z3bとして海図柄D4がそれぞれ揺れた状態で停止表示されている。この主図柄が揺れた状態は、特別図柄の変動時間が経過していない状態であり、特別図柄の変動時間が経過すると完全に停止した状態となる。
また、図1041(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、獲得済みの特別図柄抽選の権利(保留記憶)の数に対応させた保留図柄が表示されるように構成している。上述した通り、本第35制御例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている場合や、当たり遊技が実行されている場合、即ち、新たな特別図柄抽選を実行することができない状態で、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球すると、その入球回数が各入球口に対して最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本第35制御例では、第1入球口64への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個、第2入球口640への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄が最大8個表示される。
具体的には、図1041(a)に示した通り、副表示領域Dsは、特図1保留球待機中領域Ds1と、実行中領域Ds2と、特図2保留球待機中領域Ds3に区画形成される。特図1保留球待機中領域Ds1は、第1特別図柄の保留球数に対応させた数の保留図柄を表示するための領域であって、保留記憶可能な上限数(4個)に対応した4つの台座m1~m4が右から順に表示されている。そして、第1特別図柄の保留球を獲得した場合には、4つの台座m1~m4のうち、保留図柄が表示されていない最も若い番号の台座に対して保留図柄が表示される。
図1041(a)に示した例では、第1特別図柄の保留球を2つ保留記憶している状態であって、特図1保留球待機中領域Ds1には、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)に対応した表示態様(白色の丸印)の保留図柄が2つ(hr1~hr2)、第1台座m1および第2台座m2に表示されている。
また、特図2保留球待機中領域Ds3は、第2特別図柄の保留球数に対応させた数の保留図柄を表示するための領域であって、保留記憶可能な上限数(4個)に対応した4つの台座m5~m8が左から順に表示されている。そして、第2特別図柄の保留球を獲得した場合には、4つの台座m5~m8のうち、保留図柄が表示されていない最も若い番号の台座に対して保留図柄が表示される。
図1041(a)に示した例では、第2特別図柄の保留球を1つも保留記憶していない状態であるため、特図2保留球待機中領域Ds3には、保留図柄が1つも表示されていない。
実行中領域Ds2は、現在実行中の特別図柄変動に対応して表示されていた保留図柄がシフトして表示される表示領域であって、実行中台座m0に、実行中保留図柄hr0が表示される。つまり、新たな特別図柄変動が開始される場合には、特図1保留球待機中領域Ds1の台座m1に表示されていた保留図柄hr1が、実行中領域Ds2の台座m0へとシフトして表示される。このように構成することにより、例えば、特図1保留球待機中領域Ds1に表示されている保留図柄に対して大当たり当選の期待度を示す予告演出(例えば、保留図柄の表示態様を可変させる演出)を実行した場合に、その予告演出が実行された保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されていることを遊技者に容易に判別させることができる。
また、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄(実行中図柄)を表示可能とすることで、保留図柄(実行中図柄)の表示態様を可変させる演出を、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄(実行中図柄)に対しても実行することができるため、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄が表示されない場合よりも長い間、保留図柄の表示態様が可変されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、特図2保留球待機中領域Ds3の台座m5に保留図柄が表示されている場合には、特図1保留球待機中領域Ds1の台座m1に表示されている保留図柄hr1よりも優先して実行中領域Ds2の台座m0へとシフトして表示される。
このように、本第35制御例では、特図1保留図柄の表示領域と、特図2保留図柄の表示領域と、を区分けして表示するように構成することで、表示されている保留図柄が第1特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図1保留図柄)であるか、第2特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図2保留図柄)であるかを遊技者が識別可能に構成している。これにより、遊技者に対して現在の保留球数を特別図柄の種別毎に把握させることができるため、保留図柄の表示内容に基づいて第1入球口64へと球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。
図1041(b)は、救済チャンス演出開始時の表示画面の一例を示した図である。この救済チャンス演出は、抽選結果が外れであることを示す表示態様を表示した後に大当たりまたは小当たり当選を示す表示態様に可変させる演出(所謂、復活演出)の一種であり、ロゴランプRg1と、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されている「語」図柄D10とを結ぶライン上に回転体役物902bが正転状態(図1040(b)参照)で停止した場合に、大当たり当選であることが報知される演出である。以下、救済チャンス演出の詳細について説明する。
救済チャンス演出が開始されると、ロゴ役物902が音声ランプ制御装置113によって予め設定されている動作シナリオに基づいて動作を開始する。具体的には、バー役物902aが下降限まで落下し、回転体役物902bが左右移動と回転を開始する。
図1042(b)に示すように、救済チャンス演出が開始されると、バー役物902aが有効ラインL1上に仮停止している第3図柄の前面側に位置するため、遊技者からは有効ラインL1上の第3図柄が視認困難となる。これは、ロゴランプRg1と、「語」図柄D7とを結ぶライン上に全体が表示された第3図柄が視認できる状態であった場合、演出が成功して「海物語」の文字列が形成されたとしても、ライン上にその他の第3図柄が視認可能な状態で存在することで「海物語」の文字列が形成されたことを遊技者に分かり難くなってしまう虞があるためである。このため、バー役物902aによって有効ラインL1上の第3図柄を覆い隠し、ロゴランプRg1と、回転体役物902bと、「語」図柄D10とのライン上に余計な第3図柄が存在しないように構成している。
主表示領域Dmの中央上部領域には表示領域HR1が形成され、主表示領域Dmの中央下部領域には演出成功となる回転体役物902bの停止位置を示すための上矢印802が表示される。表示領域HR1には、救済チャンス演出の成功条件を報知するための案内態様が表示される。このように構成することで、遊技者に救済チャンス演出の内容を分かり易く認識させることができる。
回転体役物902bは、音声ランプ制御装置113によって予め設定されている動作シナリオに基づいて6秒程度左右への移動と回転を継続した後、当否判定結果を報知するための停止位置で停止する。
図1042(a)は、救済チャンス演出成功の場合の演出内容を示した図である。救済チャンス演出の成功パターンの動作シナリオが設定されている場合(即ち、当否判定結果が大当たり当選である場合)には、動作シナリオの停止タイミングになると、回転体役物902bが当たり報知位置(図1042(a)に示す例では、有効ラインL1と中図柄列Z2の交点の位置)に正転状態で停止する。回転体役物902bが当たり報知位置で停止したことを確認すると、中図柄列Z2が半コマ分戻り、半分隠れた状態で表示されていた中下段図柄Z2cが上昇ラインL2の位置まで上昇することで、中下段図柄Z2cの全体が表示される。これにより、中下段図柄Z2cが、ロゴランプRg1と回転体役物902bとで「海物語」の文字列を形成している構成要素であることを遊技者に分かり易く認識させることができる。なお、この「海物語」の文字列は、大当たり当選であることを示す態様である。
また、中図柄列Z2が半コマ分戻るのに合わせて、バー役物902aも対応する位置まで上昇することで、中中段図柄Z2bを覆い隠す構成としている。これにより、ロゴランプRg1と、回転体役物902bと、「語」図柄D10とのライン上に余計な第3図柄が存在しない状態とし、遊技者に「海物語」の文字列が完成していることを分かり易くすることができる。
さらに、「海物語」の文字列が完成したことに対応して、ロゴランプRg1と、回転体役物902bにそれぞれ内蔵されているLEDを発光させることで、ロゴランプRg1と回転体役物902bと、中下段図柄Z2cとでラインが形成されていることを強調し、遊技者が見落とすことを抑制する構成としている。
加えて、表示領域HR1には、救済チャンス演出が成功したことを報知する案内態様である「おめでとう」という文字が表示される。これにより、救済チャンス演出が成功したことを遊技者に分かり易く認識させることができる。
一方、救済チャンス演出失敗の場合(即ち、当否判定結果が外れである場合)には、外れ報知位置(図1042(b)に示す例では、有効ラインL1と右図柄列Z3の交点の位置)で回転体役物902bが停止する。なお、図1042(b)に示す例では、回転体役物902bが有効ラインL1と右図柄列Z3との交点において停止する例を説明したが、これに限るものではなく、ロゴランプRg1と、第3図柄表示装置81に表示されている「語」図柄D10とを結ぶライン上から外れた位置であれば良い。
<第35制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図1043を参照して、本第35制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1043は、本第35制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第35制御例では、上述した第32制御例のパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点、ロゴ役物902用の駆動モータを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、ロゴ役物902の駆動制御データの出力、変動演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、駆動モータ群770、右途中停止ソレノイド775がそれぞれ接続されている。ここで、駆動モータ群770には、音声ランプ制御装置113が制御可能な装飾用の各種可動部材(可変部材)を駆動させるための駆動源(モータ)が含まれており、具体的には、バー役物用モータ902c7および902d7、回転体モータ902b2、横移動モータ902b3、その他モータ771を有している。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図1044(a)を参照して、本第35制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1044(a)は、本第35制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。上述した第32制御例の音声ランプ制御装置113のROM222に対して、変動パターン選択テーブル222aに代えて変動パターン選択4テーブル222xaを設け、新たに動作シナリオ選択テーブル222xbを追加した点で相違している。
変動パターン選択4テーブル222xaは、変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、ガセ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本第35制御例では、実行される特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が縦スクロールで変動表示される変動演出が実行される。この変動演出では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンが決定されるため、遊技者は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出を視認することで今回の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを予測しながら遊技(特図遊技)を行うことができる。
動作シナリオ選択テーブル222xbは、ロゴ役物902を構成する各駆動モータの動作シナリオを設定するためのテーブルである。動作シナリオ選択テーブル222xbは、シナリオ選択用のカウンタ値に当否判定結果に対応する動作シナリオがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、変動態様として上述した救済チャンス演出の実行を決定した場合に、当否判定結果と、取得したシナリオ選択用のカウンタ値に基づいて、ロゴ役物902の動作シナリオを選択する。
ここで、図1045~図1046を参照して、変動パターン選択4テーブル222xaの内容について説明する。図1045(a)は、変動パターン選択4テーブル222xaの構成を模式的に示したブロック図である。図1045(a)に示した通り、変動パターン選択4テーブル222xaには、通常用変動パターン選択4テーブル222xa1と、時短用変動パターン選択4テーブル222xa2と、特殊時短用変動パターン選択4テーブル222xa3と、時短最終変動パターン選択4テーブル222xa4が規定されている。
図1045(b)は、通常用変動パターン選択4テーブル222xa1の内容を模式的に示した図である。通常用変動パターン選択4テーブル222xa1は、通常状態(普通図柄の低確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す特図種別と、当否判定結果と、変動パターン種別と、第1演出カウンタCS1の値とに基づいて表示用変動パターンを設定するものである。なお、図1045(b)に示すように、本第35制御例では、それぞれの表示用変動パターン毎に上述した救済チャンス演出の実行有無が規定されている。
具体的には、特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンA」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。
なお、変動パターン種別「外れ」である場合には救済チャンス演出が設定されない構成としているが、これは、変動パターン種別「外れ」の変動時間が7秒であるのに対し(図956参照)、救済チャンス演出の演出時間は12秒であり、変動時間内で救済チャンス演出が終了しないためである。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「ガセ外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~179」に対して「変動パターンB」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「180~199」に対して「変動パターンC」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、変動パターン種別が「ガセ外れ」である場合には、10%の割合で救済チャンス演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~179」に対して「変動パターンD」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「180~199」に対して「変動パターンE」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「外れ」であり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、10%の割合で救済チャンス演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「スーパーリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~149」に対して「変動パターンF」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「150~199」に対して「変動パターンG」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「外れ」であり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、25%の割合で救済チャンス演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~149」に対して「変動パターンH」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「150~199」に対して「変動パターンI」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」であり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、25%の割合で救済チャンス演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「スーパーリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~129」に対して「変動パターンJ」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「130~199」に対して「変動パターンK」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」であり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、35%の割合で救済チャンス演出が設定される。
なお、当否判定結果が「大当たり」で、変動パターン種別「ノーマルリーチ」の場合において救済チャンス演出が実行される場合は、第3図柄がリーチ状態とならずに外れを示す組合せで仮停止した後に救済チャンス演出が開始される。
一方、当否判定結果が「大当たり」で、変動パターン種別「スーパーリーチ」の場合において救済チャンス演出が実行される場合は、第3図柄がリーチ状態となり、リーチ演出が実行された後に外れを示す組合せで仮停止し、救済チャンス演出が開始される。
また、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」または「スーパーリーチ」の場合、当否判定結果が「外れ」の場合と「大当たり」の場合とで救済チャンス演出の設定され易さが異なり、当否判定結果が「大当たり」の場合の方が「外れ」の場合よりも救済チャンス演出が設定され易く構成している。
これにより、第3図柄がリーチ状態とならなかった場合であっても、救済チャンス演出が実行されることを期待させ、遊技者に変動表示が終了する最後の瞬間まで大当たり当選に対する期待感を抱かせることが可能となる。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンL」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」であり、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」である場合には、救済チャンス演出が設定されない。これは、本第35制御例では、変動パターン種別として「スペシャルリーチ」が設定されるのは、当否判定結果が「大当たり」である場合のみであり、スペシャルリーチが開始された時点で遊技者は大当たり当選であることを認識することが可能であることから、救済チャンス演出を実行しても演出効果が低いためである。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「長小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンM」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「小当たり」であり、変動パターン種別が「長小当たり」である場合には、救済チャンス演出が設定されない。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~179」に対して「変動パターンN」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「180~199」に対して「変動パターンP」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「外れ」であり、変動パターン種別が「外れ」である場合には、10%の割合で救済チャンス演出が設定される。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「大当たり」または「小当たり」で、変動パターン種別が「当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~149」に対して「変動パターンQ」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「150~199」に対して「変動パターンR」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」または「小当たり」であり、変動パターン種別が「当たり」である場合には、25%の割合で救済チャンス演出が設定される。
図1046(a)は、時短用変動パターン選択4テーブル222xa2の内容を模式的に示した図である。時短用変動パターン選択4テーブル222xa2は、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。通常用変動パターン選択4テーブル222xa1と同様に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す特図種別と、当否判定結果と、変動パターン種別と、第1演出カウンタCS1の値とに基づいて表示用変動パターンを設定するものである。
具体的には、特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「超短外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンS」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「短大当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンT」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「長小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~189」に対して「変動パターンU」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定され、特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「長小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「190~199」に対して「変動パターンV」と救済チャンス演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「小当たり」であり、変動パターン種別が「長小当たり」である場合には、5%の割合で救済チャンス演出が設定される。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「短外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンW」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「超短大当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンX」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「超短小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンY」と救済チャンス演出なしが対応付けて規定されている。
このように、時短状態においては、第1特別図柄の変動パターン種別「長小当たり」である場合を除いて救済チャンス演出が設定されない構成としている。これは、時短状態では、変動パターン種別が「長小当たり」である場合を除いて変動時間が2秒以下に設定されており、救済チャンス演出の演出時間よりも短いためである。
図1046(b)は、特殊時短用変動パターン選択4テーブル222xa3の内容を模式的に示した図である。特殊時短用変動パターン選択4テーブル222xa3は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が特殊時短状態において設定される変動パターン種別であった場合に参照されるテーブルである。
ここで、本第35制御例では、上述した第32制御例と同様に、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件と、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数との合算回数が10回に到達した場合に成立する時短終了条件と、を少なくとも有している。
つまり、本第35制御例におけるパチンコ機10は、第2特別図柄抽選を実行し易くなる時短状態が設定されている間に第2特別図柄抽選を3回実行し、何れかの第2特別図柄抽選において約1/2の確率で当選する当たり(小当たり、大当たり)に当選することで、大当たり遊技を介しながら時短状態を繰り返し、時短状態中に実行される3回の第2特別図柄抽選において当たり当選しなかった場合に、時短状態が終了し、残された特図2保留を用いた第2特別図柄抽選(1回)においても当たり当選しなかった場合に、通常状態へと移行する(連チャン状態が終了する)遊技性を有している。
ここで、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件のみを設定した場合には、第1特別図柄抽選が3回実行された場合にも時短終了条件が成立することとなり、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されることなく時短状態が終了してしまうという事態が発生してしまう虞があった。つまり、本第35制御例では、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を最大で4個獲得可能に構成しており、例えば、特図1保留を4個、特図2保留を0個獲得している状態で時短状態が設定された場合には、第2特別図柄変動よりも先に第1特別図柄変動が実行されることになる。この場合、第2特別図柄抽選が3回実行されるよりも前に、時短終了条件が成立してしまい、本来の遊技性を発揮すること無く時短状態が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、時短状態が設定される際に特図1保留を4個獲得している状態であっても、時短状態中に第2特別図柄変動を3回実行させるために、例えば、特別図柄抽選の実行回数が7回に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成した場合には、特図1保留を獲得していない状態で時短状態が設定された場合において、第2特別図柄変動を3回よりも多く実行させることが可能となり、本来の遊技性に対して遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうという問題があった。
そこで、本第35制御例では、第2特別図柄変動の実行回数のみに基づいて成立する時短終了条件と、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件と、を設定し、何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成している。このように構成することで、特図1保留の獲得状況に関わらず、所定回数の第2特別図柄変動を実行させることが可能となると共に、所定回数の第2特別図柄変動が実行された場合に確実に時短状態を終了させることができる。
さらに、本第35制御例では、時短状態中において効率良く第2特別図柄抽選を実行させるために、特図1保留の上限数(4個)に対応する第1特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから4回目の第1特別図柄変動が実行されるまでは、時短用変動パターンテーブル202d2(図957(a)参照)を用いて、短時間(0.5秒)の変動時間が設定されるように構成し、それ以降の第1特別図柄変動に対しては、20秒の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態における遊技方法を把握していない遊技者が左打ち遊技を行った場合に、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として常に短時間(0.5秒)の変動時間が設定されてしまうと、新たな第1特別図柄変動が次々と実行されてしまい、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまう虞があった。
これに対して、本第32制御例では、時短状態が設定されてから実行される5回目以降の第1特別図柄変動、即ち、時短状態中において新たに特図1保留を獲得した場合にのみ実行される第1特別図柄変動に対しては、長時間(20秒)の変動時間を設定するように構成し、1回の第1特別図柄変動が終了するまでに要する期間を長くすることで、遊技者に対して時短状態中における遊技方法を把握させるための期間を確保することで、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまうことを抑制するように構成している。
さらに、特殊時短状態(時短状態中に第1特別図柄変動が5回以上実行された状態)では、その第1特別図柄変動の変動演出として、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得することを促す演出態様を含む変動演出が実行されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行すべき遊技方法を把握していない遊技者に対して、正しい遊技方法をより分かり易く把握させることができる。
図1046(c)は、時短最終変動パターン選択4テーブル222xa4の内容を模式的に示した図である。時短最終変動パターン選択4テーブル222xa4は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が時短最終変動において設定される変動パターン種別であった場合に参照されるテーブルである。
本第35制御例では、上述した第32制御例と同様に、時短最終変動となる第2特別図柄変動の変動期間中には、時短状態中に実行されるカウントダウン演出の最終結果(数字アイコン808の「0」表示)を表示した後、時短状態が終了するまでの間に特図2保留の獲得を促すためのチャージ演出(図941(a)参照)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されてから1回目、又は2回目の第2特別図柄変動よりも3回目(最終)の第2特別図柄変動の方が、チャージ演出の演出期間を確保するために長い変動時間が設定されるように構成している。
このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選する場合であっても、1回目、或いは2回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合と、3回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合とで、時間効率(時短状態の単位時間当たりに実行される第2特別図柄抽選回数)を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態中に第2特別図柄抽選で当り当選するか否かだけで無く、時短状態中における何回目の第2特別図柄抽選で当り当選するかについても興味を持たせることができる。
次に、図1047を参照して、動作シナリオ選択テーブル222xbの内容について説明する。図1047は、動作シナリオ選択テーブル222xbの内容を模式的に示した図である。図1047に示すように、動作シナリオ選択テーブル222xbには、シナリオ選択用のカウンタである第2演出カウンタの値にそれぞれの当否判定結果に対応する動作シナリオがそれぞれ設定されている。
具体的には、当否判定結果が「外れ」である場合、第2演出カウンタCS2の値が「0~19」に対して「動作シナリオA」が規定されている。ここで、図1048を参照して、動作シナリオAの内容について説明する。図1048(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオAのうち、バー役物902aの上下駆動の関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1048(a)に示す通り、バー役物902a上下駆動の動作シナリオAは、シナリオカウンタ223xhの値に対して、左バー役物用モータ902c7、右バー役物用モータ902d7および右途中停止ソレノイド902d9の動作データ(動作内容)が規定されていると共に、その段階におけるバー役物902aの位置(状態)と左右のバー役物ストッパー902c5および902d5の状態が示されている。
なお、シナリオカウンタ223xhは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたカウンタであり、予め規定されたタイミングでロゴ役物902の各駆動モータの動作データを設定するために用いられる。このシナリオカウンタ223xhのカウンタ値は、後述する液晶演出実行管理処理4(図1061参照)の救済チャンス演出実行中処理(S3159)において1加算される。詳細は後述するが、この液晶演出実行管理処理4は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行される処理である(図1056参照)。従って、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は1ms毎に1加算される。
本第35制御例では、表示用変動パターンに予め設定された救済チャンス演出の開始タイミングとなった場合に音声ランプ制御装置113によりシナリオカウンタ223xhのカウントが開始され、シナリオカウンタ223xhの値が動作シナリオに規定された値となった場合に、対応する動作データが設定される。
図1048(a)に示すように、シナリオカウンタ値は、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値を示しており、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は、後述する液晶演出実行管理処理4(図1061参照)の救済チャンス演出実行中処理(S3159)において1加算される。詳細は後述するが、この液晶演出実行管理処理4は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行される処理である(図1056参照)。従って、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は1ms毎に1加算される。
左バー役物用モータ動作データおよび右バー役物用モータ動作データのステップ数は、左バー役物用モータ902c7および右バー役物用モータ902d7の回転ステップ数を示し、スピードは、左バー役物用モータ902c7および右バー役物用モータ902d7のステッピングモータを動作させるスピードが規定されている。
なお、ステップ数の「+(正方向)」と「-(逆方向)」はモータを回転させる方向を示しており、正方向は、ステップカウンタを加算して更新する方向にモータを回転させ、逆方向は、ステップカウンタを減算して更新する方向にモータを回転させる。本第35制御例における左バー役物用モータ902c7は、正方向が設定されると時計回り、逆方向が設定されると反時計回りに回転する。右バー役物用モータ902d7は、正方向が設定されると反時計回り、逆方向が設定されると時計回りに回転する。
また、本第35制御例では、スピードが1である場合には、1ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(高速)となり、スピードが2である場合には、2ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(中速)となり、スピードが3である場合には、3ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(中低速)となり、スピードが4である場合には、4ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(低速)となっている。つまり、スピード1が最も早い速度で設定されることとなり、スピード2は、スピード1の1/2のスピード、スピード3は、スピード1の1/3のスピード、スピード4は、スピード1の1/4のスピードとなっている。
また、バー役物位置は、シナリオカウンタ223xhの値に対応する動作データを設定する時点におけるバー役物902aの位置(状態)を示している。
表示用変動パターンに設定されている救済チャンス演出の開始タイミングとなると、シナリオカウンタ223xhのカウントが開始される。そして、シナリオカウンタ223xhの値が「1」になると、右バー役物用モータ動作データとしてステップ数+25とスピード4が設定される。これにより、右バー役物用モータ902d7が、ステップカウンタ値25になるまで反時計回りにスピード4の速さで回転を開始する。本第35制御例では、左右のバー役物用モータ902c7および902d7のステッピングモータは、100ステップで1周する構成であり、ステップカウンタの値が0の位置(原点位置)を収納位置、ステップカウンタの値が25の位置で左右のバー役物用ストッパー902c5および902d5が解除状態(OFF状態)となり、バー役物902aが下降限まで落下するように構成している。なお、本第35制御例では、ステップカウンタ0から25までスピード4で駆動するのに要する時間は500msで設定している。
シナリオカウンタ223xhの値が「500」になると、左バー役物用モータ動作データとしてステップ数+25とスピード2が設定される。これにより、左バー役物用モータ902c7が、ステップカウンタ値25になるまで時計回りにスピード2の速さで回転される。なお、シナリオカウンタ223xhの値が「500」の場合は、動作シナリオが開始されてから500ms経過した場合であるため、右バー役物用モータ902d7がステップカウンタ値25の位置まで回転した状態となる。上述したように、ステップカウンタ値が25の位置で右バー役物ストッパー902d5が解除状態(OFF状態)となり、バー役物902aの正面視右端が自重落下を開始するが、右途中停止ソレノイド902d9がON状態であるため、図1033(a)に示す位置で停止した状態(右中間片落ち状態)となる。
そして、シナリオカウンタ値500の時点から250msが経過し、シナリオカウンタ223xhの値が「750」になると、左バー役物用モータ902c7がステップカウンタ値25の位置まで回転した状態となり、左バー役物ストッパー902d5が解除状態(OFF状態)となるため、バー役物902aの正面視左端が自重落下する。なお、左上昇機構902cには途中停止ソレノイドが設けられていないため、バー役物902aの正面視左端は下降限まで落下し、図1033(b)に示す状態となる(右中間片落ち、左片落ち状態)。その後、シナリオカウンタ223xhの値が「1000」になると、右途中停止ソレノイド902d9がOFF状態に設定され、バー役物902aの正面視右端も下降限まで落下する(図1032(b)参照)。
シナリオカウンタ223xhの値が「11250」になると、左バー役物用モータ動作データおよび右バー役物用モータ動作データとしてステップ数+75とスピード2が設定される。なお、この時点で左右バー役物用モータの各ステップカウンタ値は25であるため、この動作データにより、左右のバー役物用モータ902c7および902d7は各ステップカウンタ値が100になるまで逆方向にスピード2で回転する。本第35制御例では、ステップカウンタ値60の位置で円柱ピン902c3pおよび902d3pがそれぞれ下段ラック902c2および902d2の押し上げを開始し、ステップカウンタ値100の位置でバー役物902aは収納位置となる。
従って、シナリオカウンタ値11250に対応する動作データが設定されてから750ms経過後、即ち、シナリオカウンタ値12000の時点でバー役物902aは収納位置となる。なお、シナリオカウンタ値「12000」は動作シナリオAの終了時期であるため、ENDデータが規定されている。このENDデータが規定されていることにより、動作シナリオの終了タイミングか否かを容易に判断することができる。
図1048(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオAのうち、回転体役物902bの左右駆動および回転駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1048(b)に示す通り、バー役物902a上下駆動用の動作シナリオと同様に、シナリオカウンタ223xhの値に対して、横移動モータ902b3の動作データと、回転体モータ902b2の動作データが規定されている。回転体役物の位置と向きは、シナリオ通りに動作した場合の回転体役物902bの位置と向き(状態)を示している。また、原点センサデータは、ONに設定されている場合には、回転体役物902bに設けられている回転体モータ用の原点センサ(図示しない)がオンとなるまで動作するように設定されていることを示している。
動作シナリオAでは、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値500に対して、回転体モータ902b2の動作データとして、スピード3と「+回転」が設定される。この「+回転」とは、次の動作データが設定されるまで正方向に回転し続ける動作データである。従って、この場合は回転体役物902b2が正方向にスピード3で回転し続ける動作を開始する。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値1000では、横移動モータ902b3の動作データとしてステップ数-100とスピード4が設定される。本第35制御例における横移動モータ902b3は総ステップ数200のステッピングモータであり、ステップ数100の位置が基準停止位置Pt1(図1032(b)参照)となるように構成しており、ステップ数0で左可動域限Pt2、ステップ数200で右可動域限Pt3の位置となる。従って、この場合は、回転体役物902bが左可動域限Pt2に向かってスピード4で移動を開始する。
また、回転体モータ動作データとして、スピード3と「-回転」が設定される。この「-回転」とは、次の動作データが設定されるまで逆方向に回転し続ける動作データである。従って、この場合、回転体役物902bが逆方向にスピード3で回転し続ける動作を開始する。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値3000では、横移動モータ902b3の動作データとしてステップ数+100とスピード4が設定される。なお、この時点で横移動モータ902b3が逆方向に100ステップの駆動を終了した状態(即ち、ステップカウンタ値は0の状態)であるため、回転体役物902bの位置は、左可動域限Pt2(図1032(b)参照)となる。従って、シナリオカウンタ値3000で設定される動作データによって、回転体役物902bは、基準位置Pt1(図1032(b)参照)までスピード4での移動を開始する。合わせて、回転体モータ動作データとして、スピード3と「+回転」が設定される。これにより、回転体役物902bが正方向にスピード3で回転し続ける動作を開始する。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値5000では、横移動モータ902b3の動作データとしてステップ数+100とスピード4が設定される。なお、この時点で横移動モータ902b3が正方向に100ステップの駆動を終了した状態(即ち、ステップカウンタ値は100の状態)であるため、回転体役物902bの位置は、基準位置Pt1(図1032(b)参照)となる。従って、シナリオカウンタ値5000で設定される動作データによって、回転体役物902bは、右可動域限位置Pt3(図1032(b)参照)までスピード4での移動を開始する。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値7000では、回転体モータ動作データとして、回転停止が設定される。これにより、回転体モータ902b2は回転を停止する。なお、この時点で横移動モータ902b3が正方向に100ステップの駆動を終了した状態(即ち、ステップカウンタ値は200の状態)であるため、回転体役物902bの位置は、右可動域限Pt3(図1032(b)参照)となる。また、回転体モータ902b2は、ステップ数を設定せずに回転し続けていたため、回転停止の動作データが設定された時点での向きは不定となる。
なお、シナリオカウンタ値7000は、救済チャンス演出の動作シナリオAにおける当否判定結果の報知演出を実行するタイミングである。従って、外れ報知演出の実行タイミングであることを示す情報が規定されている。これにより、音声ランプ制御装置113において、当否判定結果の報知タイミングであることを容易に判別することができる。
シナリオカウンタ値11250では、横移動モータ動作データとして、ステップ数-50とスピード1が設定される。なお、この時点で回転体役物902bの位置は、右可動域限Pt3(図1032(b)参照)であり、ステップカウンタ値は200であるため、シナリオカウンタ値11250で設定される動作データによって、回転体役物902bは基準位置Pt1までスピード1での移動を開始する。合わせて、回転体モータ902b2の動作データとして、スピード1と「-回転」が設定され、回転体モータ原点センサデータがオンに設定される。これにより、回転体モータ902b2が原点位置となるまで回転するため、回転体役物902bを正転状態として収納位置に戻ることができる。
このように、動作シナリオAでは、バー役物902aの落下パターンとして、段階的に下降限まで落下する落下パターン(第1落下パターン)が実行され、回転体役物902bの横移動パターンとして、最初に基準位置Pt1から左可動域限Pt2に向かう移動パターン(第1移動パターン)が実行される。
なお、本第35制御例では、第1落下パターンと第1移動パターンが実行される動作シナリオとして、動作シナリオAの他に動作シナリオEがある。この動作シナリオEは、図1047に示すように、当否判定結果が「当たり」である場合であって第2演出カウンタCS2の値が「0~79」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。
ここで、図1052を参照して、動作シナリオEの内容について説明をする。図1052(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオEのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。シナリオカウンタ値が6700になるまでは動作シナリオAと同様に第1落下パターンの動作が実行される。
シナリオカウンタ値6700になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+40とスピード2が設定される。なお、この時点で、バー役物902aは下降限の位置(即ち、ステップカウンタ値25の位置)であり、シナリオカウンタ値6700で設定される動作データによって、バー役物902aは当たり報知演出が開始から100ms経過後に図1042(a)に示す当たり報知位置となる。
その後、シナリオカウンタ値11300になると左右のバー役物用モータ動作データとして、ステップ数+35とスピード4が設定される。なお、この時点で左右バー役物用モータの各ステップカウンタ値は65であるため、この動作データにより、左右のバー役物用モータ902c7および902d7は各ステップカウンタ値が100になるまで正方向にスピード4で回転し、ステップカウンタ値100の位置でバー役物902aは収納位置となる。
次に、図1052(b)を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオEのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1052(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオEのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1052(b)に示すように、シナリオカウンタ値5000までは、上述した動作シナリオAと同様に第1移動パターン(最初に基準位置Pt1から左可動域限Pt2に移動するパターン)の動作シナリオが実行される。シナリオカウンタ値5000になると、横移動モータ動作データとしてステップ数+100とスピード2が設定される。この時点で、回転体役物902bは基準位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で右可動域限Pt3への移動を開始する。なお、本第35制御例では、100ステップをスピード2で駆動するのに要する時間は1000msで設定している。
シナリオカウンタ値6000になると、横移動モータ動作データとしてステップ数-100とスピード2が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で「-回転」が設定される。なお、回転体モータ原点センサデータがオンに設定されるため、回転体役物902bは原点位置まで回転すると正転状態で回転を停止する。また、この時点で回転体役物902bは右可動域限Pt3の位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で基準位置Pt1への移動を開始する。
そして、シナリオカウンタ値7000になると、回転体役物902は基準位置Pt1において正転状態で停止する。なお、シナリオカウンタ値7000は、救済チャンス演出の動作シナリEにおける当否判定結果の報知演出を実行するタイミングであり、回転体役物902bが基準位置Pt1において正転状態で停止することにより大当たり当選であることを遊技者に報知する。
このように、動作シナリオEでは、救済チャンス演出の開始から所定期間は動作シナリオAと同一の動作パターン(第1落下パターンと第1移動パターン)の動作を行い、当たり報知演出の開始時点で回転体役物902bが図1041(b)の上矢印802が指す位置(即ち、基準位置Pt1)において正転状態で停止するシナリオが実行される。
ここで、上述したように、動作シナリオAは特別図柄の当否判定結果が「外れ」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「0~19」の範囲である場合に設定されるシナリオであり、動作シナリオEは特別図柄の当否判定結果が「当たり」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「0~79」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。第2演出カウンタCS2は「0~199」の範囲で繰り返し更新されるカウンタであるため、動作シナリオAは当否判定結果が「外れ」である場合の10%の割合で設定され、動作シナリオEは当否判定結果が「当たり」である場合の40%の割合で設定される。つまり、第1落下パターンと第1移動パターンの動作シナリオは、当否判定結果が「外れ」である場合よりも「当たり」である場合の方が選択され易い。このように、当否判定結果が「外れ」である場合と「当たり」である場合とで、第1落下パターンと第1移動パターンの動作シナリオの設定確率を異ならせて構成しているため、遊技者はロゴ役物902の動作パターンによって当否判定結果を容易に予想することができる。
次に、図1049を参照して、動作シナリオBの内容について説明する。図1049(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオBのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。この動作シナリオBは、当否判定結果が「外れ」であり第2演出カウンタCS2の値が「20~99」の範囲である場合に設定される動作シナリオであり、上述した動作シナリオAと異なり、バー役物902aが収納位置から下降限まで一気に落下する落下パターンである第2落下パターンの動作シナリオである。第2落下パターンでは、1度バー役物902aが下降限まで落下した後、回転体役物902bの原点確認動作が実行され、原点確認終了後に収納位置に戻り、回転体役物902bの原点位置が確認できたと判別した場合に再度下降限まで落下する動作を行う。これは、第2落下パターンでは、バー役物902aが一気に下降限まで落下するため、第1落下パターンよりもバー役物902aの一度の落下幅が大きく、特に落下の衝撃で原点センサに異常が生じる虞があるためである。また、図1036に示すように本第35制御例におけるロゴ役物902の回転体役物902bは、円状ではなく角張った形状であるため、収納位置で原点確認を行うと動作ユニットの背面側に設けられている他の構造物と干渉する虞があるため、他の構造物と干渉しない位置で原点確認動作を行う構成としている。原点確認動作において原点位置が確認できなかった場合には、2回目の落下を中止し、液晶表示による代替救済チャンス演出に切り替える処理が実行される。
図1049(a)に示すように、シナリオカウンタ223xhの値が「1」になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+25とスピード2が設定される。これにより、左バー役物用モータ902c7はステップカウンタ値25になるまで時計回りにスピード2の速さで回転を開始し、右バー役物用モータ902d7はステップカウンタ値25になるまで反時計回りにスピード2の速さで回転を開始する。そして、シナリオカウンタ値250の時点で左右のバー役物用モータ902c7および902d7がステップカウンタ値25の位置まで回転した状態となり、左右のバー役物ストッパー902c5および902d5が解除状態(OFF状態)となるため、バー役物902aが下降限まで自重落下を開始する。
下降限まで落下してから2000ms経過後、即ち、シナリオカウンタ値2250になると左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+75とスピード2が設定される。これにより、バー役物902aは収納位置への移動を開始する。なお、下降限まで落下してから2000ms経過するまでの期間で、回転体役物902bの原点確認動作が実行される。
シナリオカウンタ値2250の時点から750ms経過し、シナリオカウンタ値3000になるとバー役物902aは収納位置となる。ここで、回転体役物902bの原点確認動作において原点位置が確認できた場合には、左右のバー役物用モータ902c7および902d7の動作データとしてステップ数+25とスピード4が設定され、シナリオカウンタ値3500の時点で左右のバー役物用モータ902c7および902d7がステップカウンタ値25の位置まで回転した状態となり、左右のバー役物ストッパー902c5および902d5が解除状態(OFF状態)となるため、バー役物902aが下降限まで自重落下を開始する。
そして、シナリオカウンタ値11250になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+75とスピード2が設定される。これにより、バー役物902aは収納位置への移動を開始する。
次に、図1049(b)を参照して、動作シナリオBのうち、回転体役物902bの左右駆動および回転駆動に関連する動作シナリオの内容について説明する。図1049(b)は、動作シナリオBのうち、回転体役物902bの左右駆動および回転駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。動作シナリオBは、回転体役物902bの原点確認動作と第1移動パターンの動作を実行する動作シナリオである。
シナリオカウンタ値が250になると、横移動モータ動作データとしてステップ数+100とスピード2が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で+回転が設定される。また、回転体モータ原点センサデータがオンに設定される。これにより、回転体役物902bが時計回りに回転しながら右可動域限Pt3への移動を開始し、回転体モータ902b2の原点確認動作が開始される。
原点確認動作において、回転体モータ原点センサが回転体モータ902bの原点位置を検出した場合に、音声ランプ制御装置113において原点フラグ223xkがオンに設定される。この原点フラグ223xkがオンに設定されることで、後述する特殊シナリオ実行中処理(図1063参照)において実行中の動作シナリオの継続が決定され、原点確認動作終了までに原点フラグ223xkがオンに設定されなかった場合(即ち、回転体モータ原点センサが原点位置を検出できなかった場合)には、実行中の動作シナリオの中止が決定され、液晶表示による代替救済チャンス演出が設定される。
シナリオカウンタ値が1250になると、横移動モータ動作データとしてステップ数-100とスピード2が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3と「-回転」が設定される。なお、この時点で回転体役物902bは右可動域限Pt3に位置しているため、この動作データが設定されることにより基準位置Pt1への移動を開始する。
原点確認動作の開始から2000ms経過後、即ち、シナリオカウンタ値が2250になると、回転体モータ動作データとして回転停止が設定される。これにより、回転体モータ原点センサが回転体モータ902b2の原点位置を検出できなかった場合であっても、回転体902bは回転を停止する。このように構成することで、回転体役物902bが収納位置でも回転し続けることを抑制することができる。なお、シナリオカウンタ値2250は原点確認動作終了のタイミングであるため、原点確認動作終了のタイミングであることを示す情報が規定されている。これにより、音声ランプ制御装置113において、原点確認動作の終了タイミングであることを判別することができる。
原点確認動作が終了し、バー役物902aが再度下降限まで落下した後、動作シナリオAと同様の第1移動パターン(基準位置Pt1から最初に左可動域限Pt2に移動する動作パターン)の動作が実行される。
なお、動作シナリオBでは、動作シナリオAに対して、原点確認動作が実行された分だけ動作データが規定されたシナリオカウンタ値にズレが生じているが、本第35制御例では、当否判定結果の報知演出の演出時間を短縮することで動作シナリオが終了するまでに要する時間の尺を合わせる構成としている。このように構成することで、原点確認動作の有無に拘わらず動作シナリオ終了までに要する時間が一定となり、いずれの動作シナリオが選択された場合であっても特別図柄の変動時間内に動作シナリオを終了させることができる。
なお、本第35制御例では、当否判定結果の報知演出の演出時間を短縮することで動作シナリオが終了するまでに要する時間の尺を合わせる構成としたが、これに限るものではなく、回転体役物902bの移動スピードを速めることで回転体役物902bの移動に要する時間を短縮する構成としても良い。
上述したように、動作シナリオBでは、バー役物902aの落下パターンとして第2落下パターン(収納位置から下降限まで一気に落下するパターン)の動作が実行され、回転体役物902bの移動パターンとして第1移動パターン(基準位置Pt1から最初に左可動域限Pt2に移動するパターン)が設定される。
なお、本第35制御例では、第2落下パターンと第1移動パターンが実行される動作シナリオとして、動作シナリオBの他に動作シナリオFがある。この動作シナリオFは、図1047に示すように、当否判定結果が「当たり」である場合であって第2演出カウンタCS2の値が「80~99」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。
ここで、図1053を参照して、動作シナリオFの内容について説明をする。図1053(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオFのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。シナリオカウンタ値が9200になるまでは動作シナリオBと同様に第2落下パターンの動作が実行される。
シナリオカウンタ値9200になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+40とスピード2が設定される。なお、この時点で、バー役物902aは下降限の位置(即ち、ステップカウンタ値25の位置)であり、シナリオカウンタ値9200で設定される動作データによって、バー役物902aは当たり報知演出が開始から100ms経過後に図1042(a)に示す当たり報知位置となる。
その後、シナリオカウンタ値11300になると左右のバー役物用モータ動作データとして、ステップ数+35とスピード4が設定される。なお、この時点で左右バー役物用モータの各ステップカウンタ値は65であるため、この動作データにより、左右のバー役物用モータ902c7および902d7は各ステップカウンタ値が100になるまで正方向にスピード2で回転し、ステップカウンタ値100の位置でバー役物902aは収納位置となる。
次に、図1053(b)を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオFのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1053(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオFのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1053(b)に示すように、シナリオカウンタ値2250までは、上述した動作シナリオBと同様に原点確認動作が実行される。その後、上述した動作シナリオBとは異なり、基準位置Pt1から最初に右可動域限Pt3に向かって移動する第2移動パターンの動作シナリオが実行される。具体的には、シナリオカウンタ値3500になると、横移動モータ動作データとしてステップ数+100とスピード4が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で+回転が設定される。そして、シナリオカウンタ値5500になると、回転体役物902bが右可動域限Pt3にて回転している状態となり、横移動モータ動作データとしてステップ数-100とスピード4が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で-回転が設定される。そして、シナリオカウンタ値7500になると、第1移動パターン(最初に基準位置Pt1から左可動域限Pt2に移動するパターン)の動作シナリオが実行される。シナリオカウンタ値7500になると、この時点で、回転体役物902bは基準位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で左可動域限Pt2への移動を開始する。なお、回転体役物902bは左可動域限Pt2の位置となる。
シナリオカウンタ値8500になると、横移動モータ動作データとしてステップ数+100とスピード2が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で+回転が設定される。なお、回転体モータ原点センサデータがオンに設定されるため、回転体役物902bは原点位置まで回転すると正転状態で回転を停止する。また、この時点で回転体役物902bは左可動域限Pt2の位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で基準位置Pt1への移動を開始する。
そして、シナリオカウンタ値9500になると、回転体役物902は基準位置Pt1において正転状態で停止する。なお、シナリオカウンタ値7000は、救済チャンス演出の動作シナリオFにおける当否判定結果の報知演出を実行するタイミングであり、回転体役物902bが基準位置Pt1において正転状態で停止することにより大当たり当選であることを遊技者に報知する。
このように、動作シナリオFでは、救済チャンス演出の開始から所定期間(シナリオカウンタ値2250までの期間)は動作シナリオBと同一の動作パターン(第2落下パターンと第1移動パターン)の動作を行い、当たり報知演出の開始時点で回転体役物902bが図1041(b)の上矢印802が指す位置(即ち、基準位置Pt1)において正転状態で停止するシナリオが実行される。
ここで、上述したように、動作シナリオBは特別図柄の当否判定結果が「外れ」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「20~99」の範囲である場合に設定されるシナリオであり、動作シナリオFは特別図柄の当否判定結果が「当たり」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「80~99」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。第2演出カウンタCS2は「0~199」の範囲で繰り返し更新されるカウンタであるため、動作シナリオBは当否判定結果が「外れ」である場合の40%の割合で設定され、動作シナリオFは当否判定結果が「当たり」である場合の10%の割合で設定される。つまり、第2落下パターンと第1移動パターンの動作シナリオは、当否判定結果が「当たり」である場合よりも「外れ」である場合の方が選択され易い。
次に、図1050を参照して、動作シナリオCの内容について説明する。図1050(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオCのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。この動作シナリオCは、当否判定結果が「外れ」であり第2演出カウンタCS2の値が「100~139」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。図1050(a)に示すように、上述した動作シナリオAと同様に、バー役物902aの落下パターンとして第1落下パターン(バー役物902aが収納位置から段階的に下降限まで落下するパターン)の動作が実行される。
次に、図1050(b)を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオCのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1050(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオCのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1050(b)に示すように、上述した動作シナリオAとは異なり、基準位置Pt1から最初に右可動域限Pt3に向かって移動する第2移動パターンの動作シナリオが実行される。なお、動作シナリオAとは、各シナリオカウンタ値に規定されている動作データの回転方向が逆になっている点で相違しており、その他は同一である。
なお、本第35制御例では、第1落下パターンと第2移動パターンが実行される動作シナリオとして、動作シナリオCの他に動作シナリオGがある。この動作シナリオGは、図1047に示すように、当否判定結果が「当たり」である場合であって第2演出カウンタCS2の値が「100~159」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。
ここで、図1054を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオGの内容について説明をする。図1054(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオGのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1054(a)に示すように、シナリオカウンタ値が6700になるまでは動作シナリオCと同様に第1落下パターンの動作が実行される。
シナリオカウンタ値6700になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+40とスピード2が設定される。なお、この時点で、バー役物902aは下降限の位置(即ち、ステップカウンタ値25の位置)であり、シナリオカウンタ値6700で設定される動作データによって、バー役物902aは当たり報知演出が開始から100ms経過後に図1042(a)に示す当たり報知位置となる。
その後、シナリオカウンタ値11300になると左右のバー役物用モータ動作データとして、ステップ数+35とスピード4が設定される。なお、この時点で左右バー役物用モータの各ステップカウンタ値は65であるため、この動作データにより、左右のバー役物用モータ902c7および902d7は各ステップカウンタ値が100になるまで正方向にスピード4で回転し、ステップカウンタ値100の位置でバー役物902aは収納位置となる。
次に、図1054(b)を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオGのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1054(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオGのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1054(b)に示すように、シナリオカウンタ値5000までは、上述した動作シナリオCと同様に第2移動パターン(最初に基準位置Pt1から右可動域限Pt3に移動するパターン)の動作シナリオが実行される。シナリオカウンタ値5000になると、横移動モータ動作データとしてステップ数-100とスピード2が設定される。この時点で、回転体役物902bは基準位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で左可動域限Pt2への移動を開始する。
シナリオカウンタ値6000になると、横移動モータ動作データとしてステップ数+100とスピード2が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で+回転が設定される。なお、回転体モータ原点センサデータがオンに設定されるため、回転体役物902bは原点位置まで回転すると正転状態で回転を停止する。また、この時点で回転体役物902bは左可動域限Pt2の位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で基準位置Pt1への移動を開始する。
そして、シナリオカウンタ値7000になると、回転体役物902は基準位置Pt1において正転状態で停止する。なお、シナリオカウンタ値7000は、救済チャンス演出の動作シナリオGにおける当否判定結果の報知演出を実行するタイミングであり、回転体役物902bが基準位置Pt1において正転状態で停止することにより大当たり当選であることを遊技者に報知する。
このように、動作シナリオGでは、救済チャンス演出の開始から所定期間は動作シナリオCと同一の動作パターン(第1落下パターンと第2移動パターン)の動作を行い、当たり報知演出の開始時点で回転体役物902bが図1041(b)の上矢印802が指す位置(即ち、基準位置Pt1)において正転状態で停止するシナリオが実行される。
ここで、上述したように、動作シナリオCは特別図柄の当否判定結果が「外れ」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「100~139」の範囲である場合に設定されるシナリオであり、動作シナリオGは特別図柄の当否判定結果が「当たり」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「100~159」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。第2演出カウンタCS2は「0~199」の範囲で繰り返し更新されるカウンタであるため、動作シナリオCは当否判定結果が「外れ」である場合の20%の割合で設定され、動作シナリオGは当否判定結果が「当たり」である場合の30%の割合で設定される。つまり、第1落下パターンと第2移動パターンの動作シナリオは、当否判定結果が「外れ」である場合よりも「当たり」である場合の方が選択され易い。
次に、図1051を参照して、動作シナリオDの内容について説明する。図1051(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオDのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。この動作シナリオDは、当否判定結果が「外れ」であり第2演出カウンタCS2の値が「140~199」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。図1051(a)に示すように、上述した動作シナリオBと同様に、バー役物902aの落下パターンとして第2落下パターン(バー役物902aが収納位置から一気に下降限まで落下するパターン)の動作が実行される。
次に、図1051(b)を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオDのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1051(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオDのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1051(b)に示すように、上述した動作シナリオBとは異なり、基準位置Pt1から最初に右可動域限Pt3に向かって移動する第2移動パターンの動作シナリオが実行される。なお、動作シナリオBとは、各シナリオカウンタ値に規定されている動作データの回転方向が逆になっている点で相違しており、その他は同一である。
なお、本第35制御例では、第2落下パターンと第2移動パターンが実行される動作シナリオとして、動作シナリオDの他に動作シナリオHがある。この動作シナリオHは、図1047に示すように、当否判定結果が「当たり」である場合であって第2演出カウンタCS2の値が「160~199」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。
ここで、図1055を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオHの内容について説明をする。図1055(a)は、ロゴ役物902の動作シナリオHのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。シナリオカウンタ値が9200になるまでは動作シナリオDと同様に第2落下パターンの動作が実行される。
シナリオカウンタ値9200になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+40とスピード2が設定される。なお、この時点で、バー役物902aは下降限の位置(即ち、ステップカウンタ値25の位置)であり、シナリオカウンタ値9200で設定される動作データによって、バー役物902aは当たり報知演出が開始から100ms経過後に図1042(a)に示す当たり報知位置となる。
その後、シナリオカウンタ値11300になると左右のバー役物用モータ動作データとして、ステップ数+35とスピード4が設定される。なお、この時点で左右バー役物用モータの各ステップカウンタ値は65であるため、この動作データにより、左右のバー役物用モータ902c7および902d7は各ステップカウンタ値が100になるまで正方向にスピード2で回転し、ステップカウンタ値100の位置でバー役物902aは収納位置となる。
次に、図1055(b)を参照して、ロゴ役物902の動作シナリオHのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1055(b)は、ロゴ役物902の動作シナリオHのうち、回転体役物902bの回転駆動と左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1055(b)に示すように、シナリオカウンタ値7500までは、上述した動作シナリオBと同様に第2移動パターン(最初に基準位置Pt1から右可動域限Pt3に移動するパターン)の動作シナリオが実行される。シナリオカウンタ値7500になると、横移動モータ動作データとしてステップ数+100とスピード2が設定される。この時点で、回転体役物902bは基準位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で、右可動域限Pt3への移動を開始する。
シナリオカウンタ値8500になると、横移動モータ動作データとしてステップ数-100とスピード2が設定され、回転体モータ動作データとしてスピード3で-回転が設定される。なお、回転体モータ原点センサデータがオンに設定されるため、回転体役物902bは原点位置まで回転すると正転状態で回転を停止する。また、この時点で回転体役物902bは右可動域限Pt3の位置で回転しているため、この動作データが設定されることにより、回転体役物902bはスピード2で基準位置Pt1への移動を開始する。
そして、シナリオカウンタ値9500になると、回転体役物902は基準位置Pt1において正転状態で停止する。なお、シナリオカウンタ値7000は、救済チャンス演出の動作シナリオHにおける当否判定結果の報知演出を実行するタイミングであり、回転体役物902bが基準位置Pt1において正転状態で停止することにより大当たり当選であることを遊技者に報知する。
このように、動作シナリオHでは、救済チャンス演出の開始から所定期間は動作シナリオDと同一の動作パターン(第2落下パターンと第2移動パターン)の動作を行い、当たり報知演出の開始時点で回転体役物902bが図1041(b)の上矢印802が指す位置(即ち、基準位置Pt1)において正転状態で停止するシナリオが実行される。
ここで、上述したように、動作シナリオDは特別図柄の当否判定結果が「外れ」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「140~199」の範囲である場合に設定されるシナリオであり、動作シナリオHは特別図柄の当否判定結果が「当たり」である場合において、第2演出カウンタCS2の値が「160~199」の範囲である場合に設定される動作シナリオである。第2演出カウンタCS2は「0~199」の範囲で繰り返し更新されるカウンタであるため、動作シナリオDは当否判定結果が「外れ」である場合の30%の割合で設定され、動作シナリオHは当否判定結果が「当たり」である場合の20%の割合で設定される。つまり、第2落下パターンと第2移動パターンの動作シナリオは、当否判定結果が「当たり」である場合よりも「外れ」である場合の方が選択され易い。
このように、本第35制御例では、当否判定結果が「外れ」である場合には、動作シナリオB(第2落下パターン、第1移動パターン)、動作シナリオD(第2落下パターン、第2移動パターン)、動作シナリオC(第1落下パターン、第2移動パターン)、動作シナリオA(第1落下パターン、第1移動パターン)の順に選択され易く、当否判定結果が「当たり」である場合には、動作シナリオE(第1落下パターン、第1移動パターン)、動作シナリオG(第1落下パターン、第2移動パターン)、動作シナリオH(第2落下パターン、第2移動パターン)、動作シナリオF(第2落下パターン、第1移動パターン)の順に選択され易く構成している。つまり、第2落下パターンの動作が実行された場合よりも、第1パターンの動作が実行された方が大当たり当選である可能性が高く、第2移動パターンが実行された場合よりも第1移動パターンの動作が実行された場合の方が大当たり当選である可能性が高くなっており、遊技者はロゴ役物902の動作パターンによっても大当たり当選であるか否かを予想できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第35制御例では、第2落下パターン(バー役物902aが収納位置から一気に下降限まで落下するパターン)の場合のみ原点確認動作を行う構成としたが、これに限るものではなく、第1落下パターン(バー役物902aが収納位置から段階的に落下するパターン)においても原点確認動作を行う構成としても良い。この場合、バー役物902aが右中間片落ち状態(図1033(a)参照)である場合に原点確認動作を行い、原点位置が確認できなかった場合には、バー役物902aを収納位置に戻す動作データを設定する構成とすると良い。また、本第35制御例では、各種モータ(左バー役物用モータ、右バー役物用モータ)に対して、ステップ数が加算される方向への回転のみを用いて各種動作シナリオを規定しているが、これに限ること無く、各種モータに対して、ステップ数が減算される方向への回転指示を規定しても良い。また、各種モータに対する回転指示内容を予め規定しておくのでは無く、各種モータを駆動させる条件が成立した場合に、駆動対象となる各種役物の状況を判定し、その判定結果に基づいて各種モータへの回転指示内容(回転方向)を決定するように構成しても良いし、対象となる特別図柄抽選の結果に基づいて各種モータに対する回転指示内容を異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の大当たり当選である場合のみ、通常とは異なる回転方向で各種モータのうち、少なくとも1のモータを駆動させるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、各種役物の可動内容(落下内容や左右移動内容)だけで無く、各種役物を可動させるための各種モータの回転方向にまで興味を持たせることができる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、上述した第32制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223が有する構成に加えて、第1演出カウンタxaと、第2演出カウンタxbと、役物待機フラグxcと、動作シナリオ格納エリア223xdと、役物可動中フラグxeと、変動中フラグxfと、変動時間カウンタ223xgと、シナリオカウンタxhと、各ステップカウンタxiと、特殊シナリオフラグ223xjと、原点フラグ223xkと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
第1演出カウンタ223xaは、表示用変動パターンの選択に使用されるカウンタであって、「0~199」の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
第2演出カウンタ223xbは、ロゴ役物902の動作シナリオの選択に使用されるカウンタであって、「0~199」の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
役物待機フラグ223xcは、動作シナリオ格納エリア223xdにロゴ役物902の動作シナリオが格納されていることを示すためのフラグであり、演出態様設定処理4(図1060のS4311A参照)において表示用変動パターンとして救済チャンス演出ありの表示用変動パターンが設定され、決定された動作シナリオが動作シナリオ格納エリア223xdに格納された場合にオンに設定される(図1060のS4536参照)。そして、救済チャンス演出の開始タイミングとなり、救済チャンス演出開始処理(図1062のS3155参照)において動作シナリオ格納エリア223xdから動作シナリオが読み出された場合にオフに設定される(図1062のS3235参照)。
動作シナリオ格納エリア223xdは、演出態様設定処理4(図1060のS4311A参照)において決定されたロゴ役物902の動作シナリオを格納するためのエリアである。この動作シナリオ格納エリア223xdに格納された情報(動作シナリオ)は、救済チャンス演出が開始される際に読み出される(図1062のS3232参照)。
役物可動中フラグ223xeは、ロゴ役物902の動作シナリオが設定中であることを示すためのフラグであり、救済チャンス演出の開始タイミングにおいて動作シナリオ格納エリア223xdから動作シナリオが設定された場合にオンに設定される(図1062のS3236参照)。そして、シナリオカウンタ223xhの値が終了値である場合(図1064のS4653参照)、または動作シナリオの中止が設定された場合(図1063のS4362参照)にオフに設定される。
変動中フラグ223xfは特別図柄の変動表示期間であることを示すためのフラグであり、変動時間カウンタ223xgは特別図柄の変動時間を計測するためのカウンタである。本第35制御例では、変動中フラグ223xfがオンに設定されている場合に、液晶演出実行管理処理4(図1061のS3120参照)において変動時間カウンタ223xgの値を更新する。
シナリオカウンタ223xhは、特別図柄の変動時間の経過に合わせて動作シナリオに規定された動作データを設定するためのカウンタである。シナリオカウンタ223xhは、液晶演出実行管理処理4(図1061のS3120参照)における特殊シナリオ実行中処理(S3157)、または救済チャンス演出実行中処理(S3159)が実行される毎に1加算される。なお、液晶演出実行管理処理4(S3120)は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms経過する毎に実行される処理である(図1056参照)。従って、シナリオカウンタは変動時間カウンタ223xgと同様に1ms毎に更新される。
ステップカウンタxiは、左バー役物用モータ902c7、右バー役物用モータ902d7、横移動モータ902b3、回転体モータ902b2の各ステッピングモータのステップ数を計数するためのカウンタである。
特殊シナリオフラグ223xjは、救済チャンス演出におけるロゴ役物902の動作シナリオとして動作シナリオB、D、F、Hのいずれかが設定されていることを判別するために参照されるフラグである。詳細は後述するが、これらの動作シナリオでは、第2落下パターン(バー役物902aが収納位置から下降限まで一気に落下する動作パターン)の動作が実行されるため、この特殊シナリオフラグ223xjがオンである場合には、原点確認動作の制御を行うための特殊シナリオ実行中処理(図1063参照)が実行される。原点確認動作が終了した場合に、特殊シナリオフラグ223xjはオフに設定される。
原点フラグ223xkは、回転体モータ原点センサが回転体モータの原点位置を検出した場合にオンに設定されるフラグであり、回転体役物902bの原点確認動作において、この原点フラグ223xkがオンに設定されることにより、実行中の動作シナリオの継続が決定され、原点確認動作において原点フラグ223xkがオンに設定されなかった場合には、実行中の動作シナリオの中止が決定される。
RAM223は、その他メモリエリア223zとして、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、すでに公知なものであるので省略する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図976参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第35制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図1056から図1064を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。
まず、図1056を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図1056は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S3101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S3101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S3101:No)、S3102~S3112の処理を行わずにS3121の処理へ移行する。S3101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S3102~S3112が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S3121のコマンド判定処理4やS3122の変動表示設定処理4を短い周期で実行する方が好ましいからである。S3121の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S3121の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S3101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S3101:Yes)、まず、S3103~S3112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S3102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS3108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S3103)、その後電源投入報知処理を実行する(S3104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS3105の処理へ移行する。
S3105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S3106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S3107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S3108)、その後音編集・出力処理を実行する(S3109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S3109の処理後、液晶演出実行管理処理4を実行し(S3120)、次に、各種カウンタ更新処理を実行し(S3111)、演出更新処理を実行する(S3112)。S3112の処理を実行後、S3121の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理4では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理4で設定された時間に基づいてS3108のランプ編集処理が実行される。なお、S3109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。この液晶演出実行監視処理4の詳細については、図1061を参照して後述する。
S3112の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理4(S3121)が実行され、S3122の処理へ移行する。このコマンド判定処理4(S3121)の詳細については、図1057を参照して後述する。
S3122の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理4を実行する。この変動表示設定処理4の詳細については、図1059を参照して後述する。
S3122の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S3115)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S3115:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S3117)、電源断処理を実行する(S3118)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S3119)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S3115の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S3115:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S3116)、RAM223が破壊されていなければ(S3116:No)、S3101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S3116:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図1057を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(S3121)について説明する。図1057は、このコマンド判定処理4(S3121)を示したフローチャートである。図1057に示した通り、コマンド判定処理4(S3121)は、上述した第32制御例におけるコマンド判定処理(図983のS3113参照)に対して、図柄確定コマンド(停止コマンド)を受信した場合に(S3218:Yes)、図柄確定コマンド処理4(図1058のS3219参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図1058を参照して、コマンド判定処理4(図1057のS3121参照)にて実行される図柄確定コマンド処理4(S3219参照)の内容を説明する。図1058は、図柄確定コマンド処理4(S3219)の内容を示したフローチャートである。この図柄確定コマンド処理4(S3219)は、主制御装置110から特別図柄の変動時間が終了した場合に設定される図柄確定コマンド(停止コマンド)を受信した場合に実行される処理である。
図柄確定コマンド処理4(S3219)が実行されると、まず、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を停止させるための表示用停止コマンドを設定する(S3651)。ここで設定される表示用停止コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図1056参照)のコマンド出力処理(S3102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用図柄確定コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示を終了する。S3651の処理が終了すると、変動中フラグxfをオフに設定し(S3652)、変動時間カウンタxgの値をリセットする(S3653)。
次に、図1059を参照して、変動表示設定処理4(S3122)の内容について説明をする。図1059は、変動表示設定処理4(S3122)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理4(S3122)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1056参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理4(S3122)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンかを判別する(S4301)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4301:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4306の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223dがオンであると判別した場合(S4301:Yes)、変動開始フラグ223dをオフに設定し(S4302)、抽出した変動パターンを取得し(S4303)、次いで、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための演出態様設定処理4を実行し(S4311)、S4311の処理によって設定された演出態様を示すための表示用変動パターンコマンドを設定し(S4305)、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報をシフトし(S4312)、変動中フラグ223xfをオンに設定する(S4313)。なお、演出態様設定処理4(S4311)の詳細については図1060を参照して後述する。
S4306の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンかを判別する(S4306)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4306:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別した場合(S4306:Yes)、停止種別選択フラグ223eオフに設定し(S4307)、次いで、S4308の処理でコマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用停止種別コマンドを設定し(S4309)、その後、本処理を終了する。
次に、図1060を参照して、演出態様設定処理4(S4311)の内容について説明をする。図1060は、演出態様設定処理4(S4311)の処理内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理4(S4311)は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行されるものであって、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。また、変動演出としてロゴ役物902を用いた演出の実行が決定された場合に、対象となる特別図柄抽選の結果に対応するロゴ役物902の動作シナリオを決定する。
演出態様設定処理4(S4311)が実行されると、まず、第1演出カウンタ223xaおよび第2演出カウンタxbのカウンタ値を取得し(S4531)、取得した第1演出カウンタ223xaのカウンタ値と、変動表示設定処理4(図1059のS3121)におけるS4303の処理で抽出した変動パターンの変動パターン種別とに基づいて変動パターン選択4テーブル222xaから表示用変動パターンを決定する(S4532)。
次に、S4532の処理において決定された表示用変動パターンは救済チャンス演出ありの表示用変動パターンかを判別する(S4533)。救済チャンス演出ありの表示用変動パターンであると判別された場合(S4533:Yes)には、動作シナリオ選択テーブル222xbから、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の当否判定結果と第2演出カウンタ223xbのカウンタ値とに基づいて動作シナリオを決定し(S4534)、決定した動作シナリオを動作シナリオ格納エリア223xdに格納し(S4535)、役物待機フラグ223xcをオンに設定し(S4536)、本処理を終了する。
一方、S4533の処理において、救済チャンス演出ありの表示用変動パターンではないと判別された場合(S4533:No)には、本処理を終了する。
次に、図1061を参照して、液晶演出実行管理処理4(S3120)の内容について説明をする。図1061は、液晶演出実行管理処理4(S3120)の処理内容を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理4(S3120)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図1056参照)の中で実行され、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期させた値がセットされる変動時間カウンタ223xgの値を更新する処理が実行され、更新後の値に対応する演出態様を決定するための処理が実行される。
液晶演出実行管理処理4(S3120)が実行されると、まず、変動中フラグ223xfはオンであるかが判別される(S3151)。変動中フラグ223xfがオンではない(即ち、特別図柄の変動表示が実行されていない)と判別した場合には(S3151:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変動中フラグ223xfがオンである場合(即ち、特別図柄の変動表示が実行されている場合)には(S3151:Yes)、変動時間カウンタ223xgの値に1加算する(S3152)。
S3152の処理が終了すると、役物待機フラグ223xcはオンであるか否かを判別し(S3153)、オンであると判別した場合(即ち、救済チャンス演出の実行が待機している場合)には(S3153:Yes)、S3152の処理において更新した変動時間カウンタ223xgの値は救済チャンス演出の開始時間であるかが判別される(S3154)。救済チャンス演出の開始時間ではないと判別した場合(S3154:No)には、本処理を終了する。一方、S3154の処理において、救済チャンス演出の開始時間であると判別した場合(S3154:Yes)には、救済チャンス演出開始処理を実行する(S3155)。その後、本処理を終了する。
ここで、図1062を参照して、救済チャンス演出開始処理(S3155)の内容について説明する。図1062は、救済チャンス演出開始処理(S3155)の処理内容を示したフローチャートである。この救済チャンス演出開始処理(S3155)は、救済チャンス演出の開始に合わせてロゴ役物902の動作シナリオを開始させるための処理を実行する。
救済チャンス演出開始処理(S3155)が開始されると、まず、救済チャンス演出の開始を報知する報知態様(図1041(b)の表示領域HR1の表示)を表示するための表示用コマンドを設定し(S3231)、動作シナリオ格納エリア223xdに格納されている動作シナリオを設定する(S3232)。
S3232の処理が終了すると、設定した動作シナリオは、動作シナリオB、D、G、Hのいずれかであるかが判別される(S3233)。動作シナリオB、D、G、Hのいずれかであると判別した場合には(S3233:Yes)、特殊シナリオフラグ223xjをオンに設定し(S3234)、S3235の処理を行う。一方、S3233の処理において、動作シナリオB、D、G、Hのいずれでもないと判別した場合(即ち、設定された動作シナリオが動作シナリオA、C、E、Fのいずれかである場合)には(S3233:No)、S3237の処理をスキップし、S3235の処理を行う。
S3235の処理では、役物待機フラグ223xcをオフに設定し(S3235)、役物可動中フラグ223xeをオンに設定し(S3236)、本処理を終了する。
このように構成することで、特別図柄変動が実行されてから所定時間(例えば、20秒)の経過を契機にロゴ役物902の動作シナリオを開始させることが可能となる。
図1061に戻り、説明を続ける。S3153の処理において、役物待機フラグ223xcがオンでないと判別された場合には(S3153:No)、特殊シナリオフラグ223xjがオンであるかが判別される(S3156)。特殊シナリオフラグ223xjがオンであると判別された場合には(S3156:Yes)、特殊シナリオ実行中処理(S3157)を行う。
ここで、図1063を参照して、特殊シナリオ実行中処理(S3157)の内容について説明をする。図1063は、特殊シナリオ実行中処理の処理内容を示したフローチャートである。この特殊シナリオ実行中処理(S3157)は、動作シナリオB、D、G、Hのいずれかの動作シナリオが設定されている場合に実行される処理であり、動作シナリオにおける回転体役物902bの原点確認動作で原点位置を検出できなかった場合に、ロゴ役物902の動作シナリオを中止し、液晶表示による代替救済チャンス演出に切り替えるための処理である。
特殊シナリオ実行中処理(S3157)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は原点確認終了の値か否かが判別される(S4351)。シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は原点確認終了の値ではないと判別した場合には(S4351:No)、原点フラグ223xkはオンであるか否かが判別される(S4352)。原点フラグ223xkがオンではないと判別した場合(即ち、原点位置の検出ができていない場合)には(S4352:No)、原点センサ(図示しない)はオンであるか否かが判別される(S4353)。この原点センサは回転体役物902bの原点位置を検出するためのセンサであり、回転体役物902bが原点位置にある場合にオンとなる。S4353の処理において、原点センサがオンであると判別した場合には(S4353:Yes)、原点フラグ223xkをオンに設定し(S4354)、S4355の処理に移行する。一方、S4353の処理において、原点センサ223xkがオンではないと判別した場合には(S4353:No)、S4354の処理をスキップし、S4355の処理に移行する。
S4352の処理において、原点フラグ223xkがオンであると判別した場合には(S4352:Yes)、S4353およびS4354の処理をスキップし、S4355の処理に移行する。
S4355の処理では、シナリオカウンタ223xhのシナリオカウンタ値に1加算し(S4355)、更新後のシナリオカウンタ値に対応した動作データを設定し(S4356)、本処理を終了する。
S4351の処理において、シナリオカウンタ値が原点確認終了の値であると判別した場合には(S4351:Yes)、次に、原点フラグ223xkがオンであるか否かを判別する(S4357)。原点フラグ223xkがオンであると判別された場合には(S4357:Yes)、原点フラグ223xkをオフに設定し(S4358)、特殊シナリオフラグ223xjをオフに設定し(S4359)、S4355の処理に移行する。
一方、S4357の処理において、原点フラグ223xkがオンではないと判別した場合(即ち、原点確認動作において原点位置を検出できなかった場合)には(S4357:No)、設定されている動作シナリオの中止を設定し(S4360)、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値をリセットし(S4361)、役物可動中フラグ223xfをオフに設定する(S4362)。その後、当否判定結果に対応する代替救済チャンス演出を表示するための表示用コマンドを設定し(S4363)、本処理を終了する。
図1061に戻り、説明を続ける。S3156の処理において、特殊シナリオフラグ223xjがオンではないと判別した場合には(S3156:No)、次に、役物可動中フラグ223xeはオンであるか否かを判別する(S3158)。役物可動中フラグ223xeがオンではないと判別した場合(即ち、救済チャンス演出が実行されていない場合)には(S3158:No)、本処理を終了する。一方、S3158の処理において、役物可動中フラグ223xeがオンであると判別した場合には(S3158:Yes)、救済チャンス演出実行中処理を実行する(S3159)。その後、本処理を終了する。
ここで、図1064を参照して、救済チャンス演出実行中処理(S3159)の内容について説明をする。図1064は、救済チャンス演出実行中処理(S3159)の処理内容を示したフローチャートである。この救済チャンス演出実行中処理(S3159)は、シナリオカウンタ223xhのシナリオカウンタ値に対応する動作データを設定するための処理である。
救済チャンス演出実行中処理(S3159)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値はシナリオの終了を示す値(即ち、END情報)であるか否かを判別する(S4651)。シナリオの終了値であると判別した場合には(S4651:Yes)、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値をリセットし(S4652)、役物可動中フラグ223xeをオフに設定し(S4653)、本処理を終了する。
一方、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値が終了値ではないと判別した場合には(S4651:No)、次に、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値が報知演出のタイミングであることを示す値であるかを判別する(S4654)。シナリオカウンタ223xhのカウンタ値が報知演出のタイミングであることを示す値ではないと判別した場合には(S4654:No)、シナリオカウンタ223xhに1加算し(S4659)、更新した後のシナリオカウンタ223xhのカウンタ値に対応した動作データを設定し(S4660)、本処理を終了する。
一方、S4654の処理において、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値が報知演出のタイミングであることを示す値であると判別した場合には(S4654:Yes)、次に、特別図柄の当否判定結果は当たりであるかを判別する(S4655)。当否判定結果が当たりではないと判別した場合(即ち、当否判定結果が外れである場合)には(S4655:No)、回転体役物902bの停止位置が当たり報知位置(図1041(b)に示す、上矢印802が指す位置)であるかを判別する(S4656)。当たり報知位置であると判別した場合には(S4656:Yes)、横移動モータ902b3に30ステップを設定し(S4657)、失敗を示す報知態様(図1042(b)の表示領域HRの表示)を表示するための表示用失敗報知コマンドを設定し(S4658)、S4659の処理に移行する。
一方、S4656の処理において、回転体役物902bの停止位置が当たり報知位置ではないと判別した場合には(S4656:No)、S4657の処理をスキップして、S4658の処理を行う。
このように構成することで、回転体役物902bが脱調や故障による不具合によって、外れであるにも拘わらず当たり報知位置に停止してしまった場合であっても、追加の動作データを設定し当たり報知位置から移動させることで、遊技者に対して誤った遊技情報が提供されることを抑制することができる。
S4655の処理において、当否判定結果が当たりであると判別した場合には(S4655:Yes)、回転体役物902bの停止位置は当たり報知位置であるかを判別する(S4661)。回転体役物902bの停止位置が当たり報知位置であると判別した場合には(S4661:Yes)、表示用図柄移動コマンドを設定する(S4662)。この表示用図柄移動コマンドは、図1041(b)に示す中図柄列を半コマ分移動させ、図1042(a)に示すように当たり報知態様(「海物語」の文字列)を構成する第3図柄(図1042(a)に示す、中下段図柄Z2c)の全体を表示するためのコマンドである。
S4662の処理が終了すると、救済チャンス演出の成功を示す報知態様(図1042(a)に示す表示領域HRの表示)を表示するための表示用成功報知コマンドを設定し(S4663)、S4659の処理に移行する。
一方、S4661の処理において、回転体役物902bの停止位置が当たり報知位置ではないと判別した場合には(S4661:No)、液晶表示にて失敗を示す報知態様を表示した後に大当たり当選であることを示す報知態様を表示する演出(所謂、復活演出)を表示するための表示用復活報知コマンドを設定し(S4664)、S4659の処理に移行する。
このように構成することで、回転体役物902bが当たり報知位置で停止していないにも拘わらず、救済チャンス演出が成功したことを示す報知態様が表示されるといった違和感のある演出を遊技者に対して実行することを抑制することができる。
以上説明したように、本第35制御例では、遊技盤面の装飾と、装飾用可動役物(ロゴ役物902)と、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の一部を組み合わせた有効ラインを形成する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第3図柄表示装置81に表示される第3図柄と遊技盤面の装飾の位置関係にも興味を持たせることが可能となり遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第35制御例では、遊技盤面の装飾と、装飾用可動役物と、第3図柄とによって有効ラインを形成する構成としたが、これに限るものではなく、第3図柄に代えて、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄で有効ラインを形成しても良い。
ここで、図1065を参照して、本第35制御例の変形例について説明する。第35制御例の変形例では、装飾用可動役物を用いずに、遊技盤面の装飾と、第3図柄と、保留図柄とによって有効ラインを形成する。図1065(a)に示すように、救済チャンス演出が開始されると、実行中保留図柄hr0の表示態様を可変させることを示唆する態様であるキャラクタ801が表示され、実行中保留柄hr0が表示態様可変中であることを示す態様に可変させる。そして、主表示領域Dmの中央上部に表示されるHR1には、「救済チャンス!保留図柄が「語」に変われば大当たり」という演出成功条件を案内するための案内態様が表示される。
そして、所定期間(3秒)が経過すると、図1065(b)に示すように、実行中保留図柄hr0が予め設定されている表示態様に可変して表示される。図1065(b)は、演出成功の場合を示した図であり、実行中保留図柄hr0が「語」保留図柄に可変することで、ロゴ装飾Rg1と、中中段図柄Z2bと、実行中保留図柄hr0によって縦に「海物語」の文字列が形成され、有効ラインが形成されたことを示すためにロゴ装飾Rg1に内蔵されたLEDが点滅し、中中段図柄Z2bを強調するためのエフェクトがかけられる。
このように構成することで、装飾用可動役物を搭載していない遊技機においても遊技盤面の装飾と、第3図柄を組み合わせた演出を実行可能である。
なお、本第35制御例では、大当たり当選であることを報知する態様として、「海物語」の文字列を形成する構成としたが、これに限るものではなく、他の文字列を形成する構成しても良い。
<第36制御例>
次に、図1066~図1114を参照して、第36制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第36制御例におけるパチンコ機10は、上述した第35制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の一環として用いられる装飾用可動役物を複数個(3個)搭載し、その複数の装飾用可動役物を用いた新たな変動演出を追加している点で相違している。
上述した第35制御例では、外れを示す態様の第3図柄が表示された後に装飾用可動役物を用いた演出(救済チャンス演出)が実行される構成であった。これに対して、本第36制御例では、第3図柄が当否判定結果を示す態様で停止表示される前の期間で装飾用可動役物を用いた新たな演出が実行される構成としている。
ここで、従来より、特別図柄の当否判定結果を予告するための変動演出の一環として装飾用可動役物を用いた演出を実行するパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10では、装飾用可動役物を用いた予告演出が変動期間の様々なタイミングで実行される。
ところで、パチンコ機10における装飾用可動役物は表示画面の正面視手前側で可動するため、装飾用可動役物の可動中は表示画面の装飾用可動役物と重なる表示領域は遊技者から視認困難となるのが一般的である。
従って、装飾用可動役物を用いた演出が実行されるタイミングで、表示画面に遊技情報を提供するための別の演出(例えば、第3図柄のリーチ態様)が表示される場合に、可動中の装飾用可動役物と重なってしまうと遊技者からは視認できず、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示されることを期待している遊技者に対して、複合演出が煩わしい演出となってしまい、演出効果が低下する虞があった。
これに対して、本第36制御例では、複数の装飾用可動役物を用いた複合演出が実行されるタイミングによって、同一の演出結果(図1090に示す、「ゲキアツ」という大当たり当選期待度が高いことを報知する態様の形成)を創出するために用いられる要素の種別や、各要素に対する制御内容を異ならせることで、第3図柄の変動演出を邪魔すること無く複合演出を実行可能に構成している。このように構成することで、どのタイミングで複合演出が実行された場合であっても、遊技者に好適な演出を提供することができる。また、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出の内容に対応させて同一の演出結果を示す複合演出の演出態様を異ならせることができるため、様々なタイミングで複合演出を実行させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
この第36制御例におけるパチンコ機10が、上述した第35制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、装飾用可動役物を複数搭載している点、音声ランプ制御装置113におけるROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第35制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第35制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第36制御例におけるパチンコ機10の装飾用可動役物について>
次に、図1066~図1088を参照して、本第36制御例におけるパチンコ機10の装飾用可動役物の構成について説明する。図1066は、本第36制御例におけるパチンコ機10の遊技盤面の構成を示した図である。上述した第35制御例に対して、装飾用可動役物を複数搭載している点と、可変入賞装置650、特定入賞口65aおよび第2入球口640の配置を変更している点で相違している。なお、可変入賞装置650の構造については、第35制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
本第36制御例におけるパチンコ機10では、装飾用可動役物として、ロゴ役物902、「ア」役物903、シャッター役物904の3つの装飾用可動役物が搭載されている。図1066に示すように、通常、ロゴ役物902は第3図柄表示装置81の上部に収納され、「ア」役物903は第3図柄表示装置81の中央下部に収納され、シャッター役物904は第3図柄表示装置81の左右に収納されている。以下、各装飾用可動役物の詳細な構成について説明する。
図1067は、ロゴ役物902と、「ア」役物903の動作ユニットの正面図である。ロゴ役物902は、バー役物902aと回転体役物902bで構成されており、回転体役物902bの表面には、「キ」という文字が装飾されている。このロゴ役物902bは、LEDを内蔵しており、音声ランプ制御装置113からのコマンドによって発光させることが可能である。
「ア」役物903は、その表面に「ア」という文字が装飾された装飾用可動役物である。詳細は後述するが、本第36制御例では、ロゴ役物902と、「ア」役物903と、シャッター役物904に装飾された「ゲ」文字装飾904a4(図1069参照)と、遊技盤面に装飾された「ツ」文字装飾905によって「ゲキアツ」という大当たり当選期待度が高いことを示す文字列を形成する演出が実行される(図1090参照)。
図1068(a)は、ロゴ役物902の動作ユニットを模式的に示した図である。なお、このロゴ役物902の構成は、上述した第35制御例におけるロゴ役物902に対して、表面に施された装飾が異なる点で相違するのみで、その他の構成については同一である。
図1068(a)に示すように、このロゴ役物902は、バー役物902aと、回転体役物902bと、左右上昇機構902cおよび902dによって構成されている。以下、図1076~図1081を適宜参照しながら、ロゴ役物902の構成について説明する。
バー役物902aは、左右の両端に上昇機構902cおよび902dを有している。この上昇機構902cおよび902dは左右対称に略同じ形状で構成されている。その為、左上昇機構902cにおいて、説明した箇所と同一の構成については、右上昇機構902dの説明を省略する。
左上昇機構902cは、上段ラック902c1とブーツ型の下段ラック902c2とで構成された2段ラックを有しており、下段ラック902cの上端部に設けられた連接ギア902c8a(図1040参照)によって上段ラック902c1と連接している。この2段ラックは、上駆動カム902c3が回転することによって上駆動カム902c3に設けられた円柱ピン902c3pの位置が可変することで高さが可変する。
ここで、図1076~図1077参照して、左上昇機構902cの詳細な構造について説明する。図1076は、上昇機構902cおよび902dの分解正面斜視図であり、図1077は、上昇機構902cおよび902dの分解背面斜視図である。図1076に示すように、左上昇機構902cには、上駆動用のステッピングモータであるバー役物用モータ902c7が設けられている。バー役物用モータ902c7には上駆動カム902c3と嵌合する上駆動用ギア902c4が設けられている。バー役物用モータ902c7が作動して、上駆動用ギア902c4が回転することにより、上駆動カム902c3を回転させる。上駆動カム902c3には円柱ピン902c3pが設けられており、上駆動カム903c3が回転することで、円柱ピン902c3pの位置が可変する。
この円柱ピン902c3pは、正面視手前側に突出しており、バー役物902aが収納位置にある場合、下段ラック902c2の底部は円柱ピン902c3pに下から支えられた状態となっている。そして、円柱ピン902c3pが図1032(a)の位置から時計回り(右上昇機構902dの場合は反時計回り)に移動することで、円柱ピン902c3pは下段ラック902c2の底部から外れ、下段ラック902c2は円柱ピン902c3pの支えを失う。なお、バー役物902aはストッパー902c5(図1077参照)によって支えられており、ストッパー902c5がロック状態である場合には、下段ラック902c2が円柱ピン902c3pの支えを失ってもバー役物902aは落下しない。
このストッパー902c5は、バー役物用モータ902c7が所定のステップ数(本第35制御例では25ステップ)回転することで上駆動カム902c3に連接しているアーム部材902c6をスライドさせ、アーム部材902c6に連接しているリンク部材902c5Lを上下させることでロック状態と解除状態とに可変する。ストッパー902c5が解除状態となり、円柱ピン902c3pが下段ラック902c2の下部に入り込んでいない状態である場合には、下段ラック902c2は自重で落下する。このとき、下段ラック902c2と上段ラック902c1を連接する連接ギア902c8aは上昇機構902cの支柱部分に設けられている下突出片902c8cと嵌合して反時計回りに回転する。この連接ギア902c8aは、上段ラック902c1に設けられた上突出片902c8b(図1077参照)とも嵌合しており、連接ギア902c8aが反時計回りに回転することで、上段ラック902c1を下降させる。これにより、バー役物902aは下降限まで落下する。
なお、右上昇機構902dにのみ、図1032(a)に示す、右途中停止ソレノイド902d9が設けられている。この右途中停止ソレノイド902d9がONである場合には、正面視奥側に向かって弁が突出し、自重で落下するバー役物902aを図1033(a)に示す位置で停止させることが可能となる。一方、右途中停止ソレノイド902d9がOFFとなった場合には、弁が引っ込みバー役物902aは下降限まで落下する。
ここで、本第35制御例では、バー役物902aの落下パターンとして、2種類の落下パターンを設定可能に構成している。まず、1つ目の落下パターンは、左ストッパー902c5をロック状態のままで右ストッパー902d5のみを解除状態とし、右途中停止ソレノイド902d9をONとする右中間片落ち状態(図1033(a)参照)とした後、右中間片落ち状態から左ストッパー902c5を解除状態とし、バー役物902aの左端を下降限まで落下させた状態である左片落ち状態(図1033(b)参照)とし、右途中停止ソレノイド902d9をOFFとしてバー役物902aの右端も下降限(図1032(b)に示す位置)まで落下させる第1落下パターンである。
2つ目の落下パターンは、左右のストッパー902c5および902d5を同時に解除状態とし、右途中停止ソレノイド902d9をOFFとすることでバー役物902aが自重で一気に下降限まで落下する第2落下パターンである。
このように、バー役物902aを自重で落下させる構造であっても、右途中停止ソレノイド902d9と左右のストッパー902c5および902d5の解除時期を可変させることで多様な落下パターンを設定可能にしている。
図1076に戻り説明を続ける。バー役物902aが下降限にある場合(図1070に示す状態である場合)、上駆動カム902c3が時計回り(右上昇機構902dでは、反時計回り)に回転することで、円柱ピン902c3pが図1032(b)に示す位置から時計回りに移動し、下段ラック902c2の底部に入り込み、下段ラック902c2を押し上げる。円柱ピン902c3pによって下段ラック902c2が押し上げられると、連接ギア902c8a(図1077参照)が上昇機構902cの支柱部分に設けられている下突出片902c8c(図1077参照)と嵌合し、連接ギア902c8aが時計回りに回転する。この連接ギア902c8aは、上段ラック902c1に設けられた上突出片902c8b(図1077参照)とも嵌合しており、連接ギア902c8aが時計回りに回転することで、上段ラック902c1を上昇させる。
このように、上段ラック902c1と下段ラック902c2の2段ラックとすることで、上駆動カム902c3の直径よりも長いストロークの上下駆動が可能となるため、上駆動カム902c3を軽量化することができ、駆動するためのステッピングモータの出力を抑えて駆動させることができる。よって、パチンコ機10の消費電力を抑えることができる。
次に、図1080~図1081を参照して、回転体役物902bの構造について説明する。図1080は、回転体役物902bとバー役物902aの分解正面斜視図であり、図1081は、回転体役物902bとバー役物902aの分解背面斜視図である。回転体902b1は、表面に装飾が施された部材であり、本第35制御例では、パチンコ機10の題材に関連する「物」という文字が装飾されている(図1070参照)。この回転体902b1の裏側には、回転駆動用のステッピングモータである回転体モータ902b2と、ローラースライダー902b6が設けられている(図1079参照)。音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて回転体モータ902b2が駆動すると、回転ギア902b7が回転し、回転ギア902b7の回転により回転体902b1を回転させる。
回転体モータ-902b2は、音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて時計回り、或いは反時計回りに回転可能であり、回転体モータ902b2の回転方向に対応して回転体902b1の回転方向が可変する。
また、回転体モータ902b2の回転速度は音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて4段階で設定可能であり、回転体モータ902b2の回転スピードに対応して回転体902b1の回転スピードも可変する。
図1078に示すように、回転体役物902bに設けられているローラースライダー902b6は、ボールねじ902b5を挿通可能に構成されている。このボールねじ902b5には、正面視左端に横駆動ギア902b4と、横駆動用のステッピングモータである横移動モータ902b3が設けられており、横移動モータ902b3が駆動することで、横駆動ギアが回転し、ボールねじ902b5が回転する。ボールねじ902b5が回転すると、ローラースライダー902b6が左右に移動する。これにより、回転体役物902bを左右に移動させることができる。
ここで、図1090(a)を参照して、回転体役物902bの左右可動域について説明する。回転体役物902bは、バー役物902aの正面視手前側を左可動域限Pt2から右可動域限Pt3の範囲内で左右に移動することができる。また、左右可動域限Pt2,Pt3の中間には基準位置Pt1が設定されており、バー役物902aが収納位置となる場合には、基準位置Pt1で停止する。
横移動モータ-902b3は、音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて時計回り、或いは反時計回りに回転可能であり、横移動モータ902b3が時計回りに回転すると、回転体役物902bは正面視右方向に移動し、反時計回りに回転すると、回転体役物902bは正面視左方向に移動する。
なお、バー役物902aには基準位置Pt1、左可動域限Pt2、右可動域限Pt3に対応する位置に図示しないセンサが設けられており、回転体役物902bの左右の位置を検出可能に構成している。
また、横移動モータ902b3の回転速度は音声ランプ制御装置113によって設定された動作データに基づいて4段階で設定可能であり、横移動モータ902b3の回転スピードに対応して回転体役物902bの移動スピードも可変する。
図1068(b)に戻り、説明を続ける。図1068(b)は、「ア」役物903の動作ユニットを模式的に示した図であり、「ア」役物903が上昇限まで上昇した状態を示している。以下、「ア」役物の詳細な構造について、図1082~図1085を適宜参照しながら説明する。
図1082、図1084は、「ア」役物903の分解正面斜視図であり、図1083、図1085は、「ア」役物903の分解背面斜視図である。図1082に示すように、「ア」役物903は、上昇役物903aと上昇レール903bで構成されている。
図1084に示すように、上昇役物903aには、上下駆動用のステッピングモータであるア役物用モータ903a3が設けられている。このア役物用モータ903a3には、アーム部材が付属するギア903a2が連接しており、ア役物用モータ903a3が時計回りに駆動することでアーム部材が上昇し、反時計回りに駆動することで下降する。このアーム部材が上下することにより、上昇役物903aの高さが可変する。
図1069は、シャッター役物904の動作ユニットを模式的に示した図であり、シャッター役物904が閉鎖状態である場合を示している。図1069に示すように、シャッター役物904は、閉鎖状態となることにより左第1シャッター扉904a1と左シャッター扉904a2に跨がって装飾された「ゲ」文字装飾904a4が形成される。以下、シャッター役物904の詳細な構造について、図1086~図1087を適宜参照しながら説明する。
図1086は、シャッター役物904が開放状態である場合の動作ユニットを示した正面斜視図である。開放状態におけるシャッター役物904は、左右にそれぞれ3枚づつ設けられたシャッター扉904a1~904a3、904b1~904b3が重なった状態で格納される。シャッター扉の上部には、シャッター扉の開閉駆動用のステッピングモータであるシャッター役物用モータを備えたレール機構904cが設けられている。
レール機構904cには、左シャッター扉904a1~904a3の開閉駆動を行う左シャッター役物用モータ904c1と、右シャッター扉904b1~904b3の開閉駆動を行う右シャッター役物用モータ904c5が設けられており、それぞれのシャッター役物用モータ904c1および904c5が時計回りに駆動することで、シャッター役物用モータ904c1および904c5にそれぞれ連接するスライドギア904c4aおよび904c4bが閉鎖方向にスライドする。そして、スライドギア904c4aおよび904c4bにそれぞれ連接するシャッタギア904c3aおよび904c3bも連動してスライドすることで、シャッタギア904c3aに連接する左第3シャッター扉904a3と、シャッタギア904c3bに連接する右第3シャッター扉904b3が閉鎖方向にスライドする。左シャッター扉904a1~904a3は連接部材によって繋がっており、右シャッター扉904b1~904b3も連接部材によって繋がっている。このため、左右の第3シャッター扉904a3および904b3がそれぞれ閉鎖方向にスライドすることで、シャッター扉904a1、904a2、904b1、904b2も連動してスライドする構成となっている。なお、左右のシャッター役物用モータ904c1および904c5を反時計回りに駆動することでシャッター役物904を開放状態とすることができる。
図1070は、ロゴ役物902が下降限の位置にある状態を示した図であり、図1071は、ロゴ役物902が右中間片落ち状態である場合を示した図であり、図1072は、ロゴ役物902が右中間片落ち状態かつ左方落ち状態である場合を示した図である。また、図1073は、「ア」役物903が上昇限まで上昇した状態を示した図である。
図1074は、シャッター役物904が閉鎖状態である場合を示した図である。図1074に示すように、シャッター役物904は、複数のシャッター扉904a1~904a3、904b1~904b3で構成されている。シャッター役物904が閉鎖状態になると、第3図柄表示装置81の表示領域全体を覆い隠すため、遊技者からは表示領域に表示されている演出を視認できない状態となる。
図1075は、全ての装飾用可動役物が可動状態ある場合を示した図である。図1075に示すように、全ての装飾用可動役物が可動し、所定位置にて停止することで遊技盤面の「ツ」文字装飾905と組み合わさって「ゲキアツ」という文字列が形成される。
<第36制御例における演出内容について>
次に、図1089~図1096を参照して、本第36制御例において実行される特徴的な演出内容について説明する。本第36制御例におけるパチンコ機10では、大当たり当選期待度が高いことを示唆する演出として、全ての装飾用可動役物を用いて「ゲキアツ」という文字列を形成する複合演出(文字演出)を実行する。本第36制御例では、この複合演出が特別図柄の変動表示期間の様々なタイミングで実行される構成としている。具体的には、設定された変動パターン毎に実行タイミングが規定されており、特別図柄のリーチ前演出期間に実行される場合と、リーチ演出期間に実行される場合とがある。
このように変動パターンによって複合演出の実行タイミングを異ならせることにより、遊技者が複合演出の実行タイミングを予測し難くなるため、特別図柄の変動時間が終了するまで複合演出の実行を期待させることが可能となる。
まず、図1089~図1090(a)、および図1094を参照して、通常パターンの複合演出について説明する。通常パターンの複合演出は、特別図柄の変動表示期間のうち、リーチ前演出期間に実行される複合演出のパターンである。リーチ前演出期間とは、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が開始されてから第3図柄がリーチ態様となるまでの期間であり、複合演出の他にも当否判定結果を予告するための様々な予告演出が実行される。通常パターンの複合演出では、全ての装飾用可動役物を用いて「ゲキアツ」という文字列を形成する。
ここで、図1094を参照して、通常パターンの複合演出が実行される場合の特別図柄変動と第3図柄表示装置81の演出表示と、各装飾用可動役物の関係について説明する。図1094は、通常パターンの複合演出が実行される場合の特別図柄変動と第3図柄表示装置81の演出表示と、各装飾用可動役物の状態を示したタイミングチャートである。
図1094では、特別図柄の変動パターン種別として「スーパーリーチ(変動時間80s)」が設定されている場合を例にして説明する。図1094に示すように、「スーパーリーチ」の変動パターンでは、リーチ前演出期間が40秒、リーチ演出期間が40秒となっている。特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄表示装置81では、当否判定結果を予告するための予告演出を含む液晶演出が20秒間実行される。この期間は、各装飾用可動役物が格納状態であるため、遊技者は第3図柄表示装置81の表示領域に表示される演出を視認可能である。
特別図柄の変動開始から20秒経過すると、20秒間の複合演出が開始される。詳細は後述するが、本第36制御例では、複合演出の開始タイミングでリーチ演出期間であるか否かを判別し、その判別結果に応じて装飾用可動役物の動作シナリオを設定する構成としている(図1111参照)。図1094に示す例では、リーチ前演出期間であるため、通常パターンの動作シナリオが設定される。通常パターンの動作シナリオでは、複合演出が開始されるとロゴ役物902が下降限まで落下し、回転体役物902bが回転しながら右可動域限Pt3に移動する。図1089(a)は、複合演出開始から3秒経過した時点における第3図柄表示装置81の表示状態と、各装飾用可動役物の状態を簡略的に示した図である。
図1089(a)に示すように、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおける各図柄列Z1~Z3では第3図柄が変動表示されており、主表示領域Dmの中段部分は、ロゴ役物902が手前側に位置しているため、遊技者からは視認できない状態となっている。回転体役物902bは、基準位置Pt1から右可動域限Pt3へと移動した状態である。回転体役物902bは、この後、反時計回りに回転しながら左可動域限Pt2に向かって移動を開始する。なお、この時点では、「ア」役物903と、シャッター役物904はそれぞれ格納状態となっている。
図1094に戻り、説明を続ける。複合演出の開始から5秒経過すると、シャッター役物904が閉鎖状態となる。図1089(b)は、複合演出開始から5秒経過した地点における第3図柄表示装置81の表示状態と、各装飾用可動役物の状態を簡略的に示した図である。シャッター役物904が閉鎖状態となり「ゲ」文字装飾904a4が形成された状態となっている。なお、シャッター役物904の「ゲ」文字装飾904a4が装飾された部分は、背面を透過する部材で構成されており、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいてエフェクトを表示させることで、「ゲ」文字装飾904a4の部分が発光しているように見せることができる。本第36制御例では、それぞれの装飾用役物が複合演出における最終停止位置に位置したことを示すための態様として、最終停止位置となった装飾用可動役物を発光させる構成としている。
なお、回転体役物902bは、右可動域限Pt3から左可動域限Pt2に向かって移動をしている途中である。
図1094に戻り、説明を続ける。複合演出開始から7秒が経過すると、「ア」役物903が上昇状態となる。図1090(a)は、複合演出開始から7秒が経過した時点における第3図柄表示装置81の表示状態と、各装飾用可動役物の状態を簡略的に示した図である。回転体役物902bが最終停止位置である左可動域限Pt2に着いたことに対応して、回転体役物902bに内蔵されているLEDが発光した状態となっている。また、「ア」役物903は最終停止位置である上昇限まで上昇したこと基づいて、「ア」役物903に内蔵されたLEDが発光した状態となる。そして、全ての装飾用可動役物が最終停止位置に停止したことに対応して、遊技盤面の「ツ」文字装飾905に付属するLEDが発光することで、演出ラインEL1上に「ゲキアツ」の文字列が形成されたことを遊技者は分かり易く認識することができる。
図1094に戻り、説明を続ける。可動状態となった各装飾用可動役物は、複合演出の演出期間が終了するまでに動作シナリオに規定されたタイミングで格納状態へと戻り、リーチ演出期間の開始時点では、全ての装飾用可動役物が格納状態となる。これにより、第3図柄のリーチ態様が装飾用可動役物によって視認できない状態となることを抑制することができる。
次に、図1090(b)~図1093、図1095および図1096を参照して、リーチ演出期間に複合演出が実行される場合の例について説明する。まず、リーチ演出期間に実行される複合演出の代替パターン1について説明する。複合演出の代替パターン1は、第3図柄のリーチ態様が表示されているリーチラインが中段ラインL2以外である場合に実行される複合演出の代替パターンである。上述したように、シャッター役物904が閉鎖状態となることにより、遊技者が第3図柄表示装置81の表示領域に表示されているリーチ態様の第3図柄を視認できない状態となり、遊技者にリーチ演出が終了したかのような誤解を与えかねないので、代替パターン1では、シャッター役物904を閉鎖状態とせずに、液晶表示によって、リーチ態様の第3図柄と重ならない位置に「ゲ」文字を表示する。
ここで、図1095を参照して、代替パターン1の複合演出が実行される場合の特別図柄変動と第3図柄表示装置81の演出表示と、各装飾用可動役物の関係について説明する。図1095は、通常パターンの複合演出が実行される場合の特別図柄変動と第3図柄表示装置81の演出表示と、各装飾用可動役物の状態を示したタイミングチャートである。なお、図1094に示した例と同様に、変動パターン種別として「スーパーリーチ」が設定されている場合を例に説明する。
特別図柄の変動開始から40秒間のリーチ前演出期間において液晶演出が実行された後、第3図柄が有効ライン上にリーチ態様で停止する。図1095に示す例では、リーチ演出期間の開始と同時に複合演出の開始タイミングとなる。ここで、リーチ演出期間中であると判別した場合には、第3図柄のリーチ態様が表示されている有効ラインは中段ラインL2(図1092(a)参照)であるか否かを判別し、中段ラインL2ではないと判別した場合には、代替パターン1の動作シナリオが設定される。
図1090(b)は、代替パターン1の複合演出開始から3秒経過した時点における第3図柄表示装置81の表示状態と、各装飾用可動役物の状態を簡略的に示した図である。図1089(a)に示した例とは異なり、左図柄列Z1および右図柄列Z3において第3図柄が停止表示され、中図柄列Z2が変動表示中となっている。また、左上がりラインL5上には、同一の数字が付された第3図柄が停止表示され、リーチ態様となっており、主表示領域Dmの中央上部に形成された表示領域HR1には、リーチ態様であることを報知する案内態様が表示されている。なお、図1090(b)に示すように、中段ラインL2上に表示されている左中段図柄z1bと、右中段図柄z3bは、ロゴ役物902の背面側に位置しているため、遊技者からは視認できない状態となる。
そして、代替パターン1の複合演出の開始から5秒が経過すると、通常パターンの複合演出とは異なり、シャッター役物904が閉鎖状態とならず、主表示領域Dmの上段ラインL1と中図柄Z2の交点に「ゲ」文字表示810が表示される。また、回転体役物902bは基準位置Pt1において停止する。これは、回転体役物902bが左可動域限Pt2に停止すると、「ツ」文字装飾905と回転体役物902bを結んだラインの延長線上にリーチ態様を構成している左上段図柄z1aが表示されているため「ゲ」文字表示810を表示することができず、「ツ」文字装飾905と回転体役物902bを結んだラインとその延長線上に「ゲキアツ」の文字列を形成できないからである。
その後、代替パターン1の複合演出開始から7秒が経過すると、「ア」役物903が上昇限まで上昇しない代わりに、主表示領域Dmの第2特殊ラインtL2と下段ラインL3の交点に「ア」文字表示811が表示される。この「ア」文字表示811が主表示領域Dmに表示されると、「ゲ」文字表示810が中図柄列Z2と上段ラインL1の交点から第1特殊ラインtL1と上段ラインL1の交点に移動して表示される。これにより、「ツ」文字装飾905と回転体役物902bを結んだラインとその延長線上に「ゲキアツ」の文字列が形成される。そして、「ゲキアツ」の文字列が形成されると、「ゲキアツ」の文字列を形成している「ゲ」文字表示810および「ア」文字表示811がエフェクトにより発光し、回転体役物902bと「ツ」文字装飾905にそれぞれ内蔵されているLEDが発光する。これにより、「ゲキアツ」の文字列が形成されていることを遊技者に容易に認識させることが可能となる。
次に、図1092~図1093および図1096を参照して、リーチ演出期間に代替パターン2の複合演出が実行される場合の例について説明する。代替パターン2の複合演出は、第3図柄が中段ラインL2上でリーチ態様となった場合に実行される。この場合、ロゴ役物902を下降限まで落下させると、リーチ態様の第3図柄を覆い隠してしまうため、代替パターン2の複合演出においては、装飾用可動役物を可動させずに液晶表示と「ツ」文字装飾905によって「ゲキアツ」文字列を形成する。
ここで、図1096を参照して、代替パターン2の複合演出が実行される場合の特別図柄変動と第3図柄表示装置81の演出表示と、各装飾用可動役物の関係について説明する。図1096は、代替パターン2の複合演出が実行される場合の特別図柄変動と第3図柄表示装置81の演出表示と、各装飾用可動役物の状態を示したタイミングチャートである。
図1096では、特別図柄の変動パターン種別として「スーパーリーチ(変動時間80s)」が設定されている場合を例にして説明する。図1096に示すように、上述した代替パターン1の複合演出が実行される場合の例とは、複合演出の演出期間中に全ての装飾用可動役物が格納状態のままとなっている点で相違しており、その他は同じである。
図1092(a)は、代替パターン2の複合演出の開始から3秒が経過した時点における第3図柄表示装置81の表示状態と、各装飾用可動役物の状態を簡略的に示した図である。左図柄列Z1および右図柄列Z3にはそれぞれ第3図柄が停止表示されており、上段ラインL1、中段ラインL2、下段ラインL3のライン上に第3図柄がリーチ態様で表示されている。また、主表示領域Dmの中央部には、回転体役物902bの代わりとなる「キ」文字表示812が表示される。
代替パターン2の複合演出開始から5秒が経過すると、代替パターン1と同様に、シャッター役物904が閉鎖状態とならず、主表示領域Dmの上段ラインL1と中図柄Z2の交点に「ゲ」文字表示810が表示される。
その後、代替パターン2の複合演出開始から7秒が経過すると、代替パターン1と同様に、「ア」役物903が上昇限まで上昇しない代わりに、主表示領域Dmの第2特殊ラインtL2と下段ラインL3の交点に「ア」文字表示811が表示される。この「ア」文字表示811が主表示領域Dmに表示されると、「ゲ」文字表示810が中図柄列Z2と上段ラインL1の交点から第1特殊ラインtL1と上段ラインL1の交点に移動して表示される。これにより、「ツ」文字装飾905と回転体役物902bを結んだラインとその延長線上に「ゲキアツ」の文字列が形成される。そして、「ゲキアツ」の文字列が形成されると、「ゲキアツ」の文字列を形成している「ゲ」文字表示810および「ア」文字表示811がエフェクトにより発光し、回転体役物902bと「ツ」文字装飾905にそれぞれ内蔵されているLEDが発光する。これにより、「ゲキアツ」の文字列が形成されていることを遊技者に容易に認識させることが可能となる。
このように、本第36制御例では、複合演出が開始されるタイミングにおいて、第3図柄のリーチ態様が表示されているか否かと、リーチラインの表示位置を判別し、装飾用可動役物の動作シナリオを設定することで、第3図柄のリーチ態様を装飾用可動役物によって遊技者に視認できない状態となることを抑制し、遊技者に対してリーチ演出が終了したかのような誤解を与えないように構成している。
なお、本第36制御例では、第3図柄表示装置81に第3図柄のリーチ態様が表示されているか否かで動作シナリオを設定する構成としたが、これに限るものではなく、液晶演出として実行される予告演出に優先順位を設け、優先順位の高い予告演出が実行されているか否かによって、装飾用可動役物の動作シナリオを設定する構成としても良い。
<第36制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図1097参照して、本第36制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図1097は、本第36制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。本第36制御例では、上述した第35制御例のパチンコ機10に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点、ア役物903用の駆動モータおよびシャッター役物904用の駆動モータを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
本第36制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、バー役物用モータ902c7および902d7、回転体モータ902b2、横移動モータ902b3、ア役物用モータ903a3、左右シャッター役物用モータ904c1および904c5、右途中停止ソレノイド902d9がそれぞれ接続されている。
次に、図1098(a)を参照して、本第36制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1098(a)は、本第36制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。上述した第35制御例の音声ランプ制御装置113のROM222に対して、変動パターン選択4テーブル222xaに代えて変動パターン選択5テーブル222xcを設け、新たに複合演出動作シナリオテーブル222xdと、第1代替動作シナリオテーブル222xeと、第2代替動作シナリオテーブル222xfと、を追加した点で相違している。
変動パターン選択5テーブル222xcは、変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(外れ、ガセ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本第36制御例では、実行される特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が縦スクロールで変動表示される変動演出が実行される。この変動演出では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンが決定されるため、遊技者は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出を視認することで今回の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを予測しながら遊技(特図遊技)を行うことができる。
複合演出動作シナリオテーブル222xdは、通常パターンの複合演出が実行される場合における各装飾用可動役物の駆動モータの動作シナリオを設定するためのテーブルである。シナリオカウンタ値に対して各駆動モータの動作データが規定されており、シナリオカウンタ値が規定の値となった場合に所定の動作データが設定される。
ここで、図1099~図1100を参照して、変動パターン選択5テーブル222xcの内容について説明する。図1099(a)は、変動パターン選択5テーブル222xcの構成を模式的に示したブロック図である。図1099(a)に示した通り、変動パターン選択5テーブル222xcには、通常用変動パターン選択5テーブル222xc1と、時短用変動パターン選択5テーブル222xc2と、特殊時短用変動パターン選択5テーブル222xc3と、時短最終変動パターン選択5テーブル222xc4が規定されている。
図1099(b)は、通常用変動パターン選択5テーブル222xc1の内容を模式的に示した図である。通常用変動パターン選択5テーブル222xc1は、通常状態(普通図柄の低確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す特図種別と、当否判定結果と、変動パターン種別と、第1演出カウンタCS1の値とに基づいて表示用変動パターンを設定するものである。なお、図1099(b)に示すように、本第36制御例では、それぞれの表示用変動パターン毎に上述した複合演出の実行有無が規定されている。
具体的には、特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンAa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。即ち、変動パターン種別が「外れ」である場合には、複合演出が設定されない。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「ガセ外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンBa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。即ち、変動パターン種別が「ガセ外れ」である場合には、複合演出が設定されない。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~179」に対して「変動パターンDa」と複合演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「180~199」に対して「変動パターンEa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「外れ」であり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、10%の割合で複合演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「スーパーリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~149」に対して「変動パターンFa」と複合演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「150~199」に対して「変動パターンGa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「外れ」であり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、25%の割合で複合演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~149」に対して「変動パターンHa」と複合演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「150~199」に対して「変動パターンIa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」であり、変動パターン種別が「ノーマルリーチ」である場合には、25%の割合で複合演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「スーパーリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~129」に対して「変動パターンJa」と複合演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「130~199」に対して「変動パターンKa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」であり、変動パターン種別が「スーパーリーチ」である場合には、35%の割合で複合演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンLa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」であり、変動パターン種別が「スペシャルリーチ」である場合には、必ず複合演出が設定される。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「長小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンMa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「小当たり」であり、変動パターン種別が「長小当たり」である場合には、複合演出が設定されない。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~179」に対して「変動パターンNa」と複合演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「180~199」に対して「変動パターンPa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「外れ」であり、変動パターン種別が「外れ」である場合には、10%の割合で複合演出が設定される。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「大当たり」または「小当たり」で、変動パターン種別が「当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~149」に対して「変動パターンQa」と複合演出なしが対応付けて規定され、第1演出カウンタCS1の値が「150~199」に対して「変動パターンRa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「大当たり」または「小当たり」であり、変動パターン種別が「当たり」である場合には、25%の割合で複合演出が設定される。
図1100(a)は、時短用変動パターン選択5テーブル222xc2の内容を模式的に示した図である。時短用変動パターン選択5テーブル222xc2は、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。通常用変動パターン選択5テーブル222xc1と同様に、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す特図種別と、当否判定結果と、変動パターン種別と、第1演出カウンタCS1の値とに基づいて表示用変動パターンを設定するものである。
具体的には、特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「超短外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンSa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「短大当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンTa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「長小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~189」に対して「変動パターンUa」と複合演出なしが対応付けて規定され、特図種別が「第1特別図柄(特図1)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「長小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「190~199」に対して「変動パターンVa」と複合演出ありが対応付けて規定されている。即ち、当否判定結果が「小当たり」であり、変動パターン種別が「長小当たり」である場合には、5%の割合で複合演出が設定される。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「外れ」、変動パターン種別が「短外れ」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンWa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「大当たり」、変動パターン種別が「超短大当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンXa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。
特図種別が「第2特別図柄(特図2)」、当否判定結果が「小当たり」、変動パターン種別が「超短小当たり」に対する規定内容として、第1演出カウンタCS1の値が「0~199」に対して「変動パターンYa」と複合演出なしが対応付けて規定されている。
このように、時短状態においては、第1特別図柄の変動パターン種別「長小当たり」である場合を除いて複合演出が設定されない構成としている。これは、時短状態では、変動パターン種別が「長小当たり」である場合を除いて変動時間が2秒以下に設定されており、複合演出の演出時間よりも短いためである。
図1100(b)は、特殊時短用変動パターン選択5テーブル222xc3の内容を模式的に示した図である。特殊時短用変動パターン選択5テーブル222xc3は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が特殊時短状態において設定される変動パターン種別であった場合に参照されるテーブルである。
ここで、本第36制御例では、上述した第35制御例と同様に、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された第2特別図柄変動回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件と、時短状態中に実行された第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数との合算回数が10回に到達した場合に成立する時短終了条件と、を少なくとも有している。
つまり、本第36制御例におけるパチンコ機10は、第2特別図柄抽選を実行し易くなる時短状態が設定されている間に第2特別図柄抽選を3回実行し、何れかの第2特別図柄抽選において約1/2の確率で当選する当たり(小当たり、大当たり)に当選することで、大当たり遊技を介しながら時短状態を繰り返し、時短状態中に実行される3回の第2特別図柄抽選において当たり当選しなかった場合に、時短状態が終了し、残された特図2保留を用いた第2特別図柄抽選(1回)においても当たり当選しなかった場合に、通常状態へと移行する(連チャン状態が終了する)遊技性を有している。
ここで、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件のみを設定した場合には、第1特別図柄抽選が3回実行された場合にも時短終了条件が成立することとなり、時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されることなく時短状態が終了してしまうという事態が発生してしまう虞があった。つまり、本第35制御例では、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を最大で4個獲得可能に構成しており、例えば、特図1保留を4個、特図2保留を0個獲得している状態で時短状態が設定された場合には、第2特別図柄変動よりも先に第1特別図柄変動が実行されることになる。この場合、第2特別図柄抽選が3回実行されるよりも前に、時短終了条件が成立してしまい、本来の遊技性を発揮すること無く時短状態が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
また、時短状態が設定される際に特図1保留を4個獲得している状態であっても、時短状態中に第2特別図柄変動を3回実行させるために、例えば、特別図柄抽選の実行回数が7回に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成した場合には、特図1保留を獲得していない状態で時短状態が設定された場合において、第2特別図柄変動を3回よりも多く実行させることが可能となり、本来の遊技性に対して遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうという問題があった。
そこで、本第36制御例では、第2特別図柄変動の実行回数のみに基づいて成立する時短終了条件と、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件と、を設定し、何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態が終了するように構成している。このように構成することで、特図1保留の獲得状況に関わらず、所定回数の第2特別図柄変動を実行させることが可能となると共に、所定回数の第2特別図柄変動が実行された場合に確実に時短状態を終了させることができる。
さらに、本第36制御例では、時短状態中において効率良く第2特別図柄抽選を実行させるために、特図1保留の上限数(4個)に対応する第1特別図柄変動、即ち、時短状態が設定されてから4回目の第1特別図柄変動が実行されるまでは、時短用変動パターンテーブル202d2(図34(a)参照)を用いて、短時間(0.5秒)の変動時間が設定されるように構成し、それ以降の第1特別図柄変動に対しては、20秒の変動時間が設定されるように構成している。つまり、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態における遊技方法を把握していない遊技者が左打ち遊技を行った場合に、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間として常に短時間(0.5秒)の変動時間が設定されてしまうと、新たな第1特別図柄変動が次々と実行されてしまい、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまう虞があった。
これに対して、本第36制御例では、時短状態が設定されてから実行される5回目以降の第1特別図柄変動、即ち、時短状態中において新たに特図1保留を獲得した場合にのみ実行される第1特別図柄変動に対しては、長時間(20秒)の変動時間を設定するように構成し、1回の第1特別図柄変動が終了するまでに要する期間を長くすることで、遊技者に対して時短状態中における遊技方法を把握させるための期間を確保することで、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する時短終了条件が成立してしまうことを抑制するように構成している。
さらに、特殊時短状態(時短状態中に第1特別図柄変動が5回以上実行された状態)では、その第1特別図柄変動の変動演出として、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得することを促す演出態様を含む変動演出が実行されるように構成している。このように構成することで、時短状態中に実行すべき遊技方法を把握していない遊技者に対して、正しい遊技方法をより分かり易く把握させることができる。
図1100(c)は、時短最終変動パターン選択5テーブル222xc4の内容を模式的に示した図である。時短最終変動パターン選択5テーブル222xc4は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別が時短最終変動において設定される変動パターン種別であった場合に参照されるテーブルである。
本第36制御例では、上述した第35制御例と同様に、時短最終変動となる第2特別図柄変動の変動期間中には、時短状態中に実行されるカウントダウン演出の最終結果(数字アイコン808の「0」表示)を表示した後、時短状態が終了するまでの間に特図2保留の獲得を促すためのチャージ演出(図18(a)参照)が実行されるように構成している。よって、時短状態が設定されてから1回目、又は2回目の第2特別図柄変動よりも3回目(最終)の第2特別図柄変動の方が、チャージ演出の演出期間を確保するために長い変動時間が設定されるように構成している。
このように構成することで、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。また、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選する場合であっても、1回目、或いは2回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合と、3回目の第2特別図柄抽選で当り当選する場合とで、時間効率(時短状態の単位時間当たりに実行される第2特別図柄抽選回数)を大きく異ならせることができるため、遊技者に対して、時短状態中に第2特別図柄抽選で当り当選するか否かだけで無く、時短状態中における何回目の第2特別図柄抽選で当り当選するかについても興味を持たせることができる。
次に、図1101~図1102を参照して、複合演出動作シナリオテーブル222xdの内容について説明する。図1101(a)は、複合演出動作シナリオテーブル222xdのうち、バー役物902aの上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1101(a)に示すように、シナリオカウンタ223xhの値に対して、左バー役物用モータ902c7、右バー役物用モータ902d7および右途中停止ソレノイド902d9の動作データ(動作内容)が規定されていると共に、その段階におけるバー役物902aの位置(状態)と左右のバー役物ストッパー902c5および902d5の状態が示されている。
なお、シナリオカウンタ223xhは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたカウンタであり、予め規定されたタイミングでロゴ役物902の各駆動モータの動作データを設定するために用いられる。このシナリオカウンタ223xhのカウンタ値は、後述する液晶演出実行管理処理5(図1110参照)の第1動作処理(S3161)、第2動作処理(S3163)、役物可動中処理(S3165)において1加算される。この液晶演出実行管理処理5は、音声ランプ制御装置113のメイン処理において1ms毎に実行される処理である(図1107参照)。従って、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は1ms毎に1加算される。
本第36制御例では、表示用変動パターンに予め設定された複合演出の開始タイミングとなった場合に音声ランプ制御装置113によりシナリオカウンタ223xhのカウントが開始され、シナリオカウンタ223xhの値が動作シナリオに規定された値となった場合に、対応する動作データが設定される。
図1101(a)に示すように、シナリオカウンタ値は、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値を示しており、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値は、液晶演出実行管理処理5(図1110参照)の第1動作処理(S3161)、第2動作処理(S3163)、役物可動中処理(S3165)において1加算される。
左バー役物用モータ動作データおよび右バー役物用モータ動作データのステップ数は、左バー役物用モータ902c7および右バー役物用モータ902d7の回転ステップ数を示し、スピードは、左バー役物用モータ902c7および右バー役物用モータ902d7のステッピングモータを動作させるスピードが規定されている。
なお、ステップ数の「+(正方向)」と「-(逆方向)」はモータを回転させる方向を示しており、正方向は、ステップカウンタを加算して更新する方向にモータを回転させ、逆方向は、ステップカウンタを減算して更新する方向にモータを回転させる。本第35制御例における左バー役物用モータ902c7は、正方向が設定されると時計回り、逆方向が設定されると反時計回りに回転する。右バー役物用モータ902d7は、正方向が設定されると反時計回り、逆方向が設定されると時計回りに回転する。
また、本第36制御例では、スピードが1である場合には、1ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(高速)となり、スピードが2である場合には、2ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(中速)となり、スピードが3である場合には、3ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(中低速)となり、スピードが4である場合には、4ms毎にステッピングモータが励磁されるスピード(低速)となっている。つまり、スピード1が最も早い速度で設定されることとなり、スピード2は、スピード1の1/2のスピード、スピード3は、スピード1の1/3のスピード、スピード4は、スピード1の1/4のスピードとなっている。
また、バー役物位置は、シナリオカウンタ223xhの値に対応する動作データを設定する時点におけるバー役物902aの位置(状態)を示している。
表示用変動パターンに設定されている複合演出の開始タイミングとなると、シナリオカウンタ223xhのカウントが開始される。そして、シナリオカウンタ223xhの値が「1」になると、左右のバー役物用モータ動作データとしてステップ数+25とスピード2が設定される。これにより、左バー役物用モータ902c7は時計回りに、右バー役物用モータ902d7は反時計回りに、ステップカウンタ値25になるまでスピード4の速さで回転を開始する。本第36制御例では、左右のバー役物用モータ902c7および902d7のステッピングモータは、100ステップで1周する構成であり、ステップカウンタの値が0の位置(原点位置)を収納位置、ステップカウンタの値が25の位置で左右のバー役物用ストッパー902c5および902d5が解除状態(OFF状態)となり、バー役物902aが下降限まで落下するように構成している。なお、本第36制御例では、ステップカウンタ0から25までスピード2で駆動するのに要する時間は250msで設定している。
そして、シナリオカウンタ223xhの値が「250」になると、左右のバー役物用モータ902c7および902d7がステップカウンタ値25の位置まで回転した状態となり、左右のバー役物ストッパー902c5および902d5が解除状態(OFF状態)となるため、バー役物902aが下降限まで自重落下する。
その後、シナリオカウンタ223xhの値が「19250」になると、左バー役物用モータ動作データおよび右バー役物用モータ動作データとしてステップ数+75とスピード2が設定される。なお、この時点で左右バー役物用モータの各ステップカウンタ値は25であるため、この動作データにより、左右のバー役物用モータ902c7および902d7は各ステップカウンタ値が100になるまで逆方向にスピード2で回転する。本第36制御例では、ステップカウンタ値60の位置で円柱ピン902c3pおよび902d3pがそれぞれ下段ラック902c2および902d2の押し上げを開始し、ステップカウンタ値100の位置でバー役物902aは収納位置となる。
従って、シナリオカウンタ値19250に対応する動作データが設定されてから750ms経過後、即ち、シナリオカウンタ値20000の時点でバー役物902aは収納位置となる。なお、シナリオカウンタ値「20000」は複合演出動作シナリオの終了時期であるため、ENDデータが規定されている。このENDデータが規定されていることにより、動作シナリオの終了タイミングか否かを容易に判断することができる。
図1101(b)は、ロゴ役物902の複合演出動作シナリオのうち、回転体役物902bの左右駆動および回転駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1101(b)に示す通り、バー役物902a上下駆動用の動作シナリオと同様に、シナリオカウンタ223xhの値に対して、横移動モータ902b3の動作データと、回転体モータ902b2の動作データが規定されている。回転体役物の位置と向きは、シナリオ通りに動作した場合の回転体役物902bの位置と向き(状態)を示している。また、原点センサデータは、ONに設定されている場合には、回転体役物902bに設けられている回転体モータ用の原点センサ(図示しない)がオンとなるまで動作するように設定されていることを示している。
複合演出動作シナリオでは、シナリオカウンタ223xhのカウンタ値250に対して、横移動モータ902b3の動作データとしてステップ数+100とスピード4が設定される。本第36制御例における横移動モータ902b3は総ステップ数200のステッピングモータであり、ステップ数100の位置が基準停止位置Pt1(図1089(b)参照)となるように構成しており、ステップ数0で左可動域限Pt2、ステップ数200で右可動域限Pt3の位置となる。従って、この場合は、回転体役物902bが右可動域限Pt3に向かってスピード4で移動を開始する。
また、回転体モータ動作データとして、スピード3と「+回転」が設定される。この「+回転」とは、次の動作データが設定されるまで正方向に回転し続ける動作データである。従って、この場合、回転体役物902bが正方向にスピード3で回転し続ける動作を開始する。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値2250では、回転体役物902bの動作データとして「+回転」とスピード3が設定され、回転体モータ原点センサデータがオンに設定される。これにより、回転体役物902bは原点位置(正転状態)となるまで正方向に回転し、原点位置(正転状態)となったところで回転を停止する。なお、この時点で横移動モータ902b3が正方向に100ステップの駆動を終了した状態(即ち、ステップカウンタ値は200の状態)であるため、回転体役物902bの位置は、右可動域限Pt3(図1089(a)参照)となる。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値4000では、横移動モータ902b3の動作データとしてステップ数-100とスピード2が設定され、回転体モータ902b2の動作データとして「-回転」とスピード3が設定される。これにより、回転体役物902bは、基準位置Pt1(図1089(b)参照)までスピード2での移動を開始する。
シナリオカウンタ223xhのカウンタ値5000では、横移動モータ902b3の動作データとしてステップ数-100とスピード2が設定され、回転体モータ902b2の動作データとして「-回転」とスピード3が設定される。また、回転体モータ原点センサデータがオンに設定される。これにより、回転体役物902bは、左可動域限Pt2(図1089(a)参照)までスピード2での移動を開始し、回転体役物902bが原点位置となった場合に回転体モータ902bの回転は停止する。
シナリオカウンタ値6000では、回転体モータ902b2の動作データとして回転停止が設定される。なお、この時点で回転体役物902bの位置は、左可動域限Pt2(図1090(a)参照)である。なお、このシナリオカウンタ値6000は、通常パターンの複合演出において、回転体役物902bが最終停止位置となるタイミングである。
その後、シナリオカウンタ値18250になると基準位置Pt1に戻るための動作データが設定され、バー役物902aが収納位置となるまでに回転体役物902bは基準位置Pt1において正転状態で停止する。
次に、図1102(a)を参照して、複合演出動作シナリオテーブル222xdのうち、「ア」役物903の上下駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1102(a)は、複合演出動作シナリオテーブル222xdのうち、「ア」役物903の上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1102(a)に示す通り、シナリオカウンタ223xhの値に対して、ア役物用モータ動作データが規定されている。ア役物位置は、シナリオ通りに動作した場合のア役物903の位置を示している。
シナリオカウンタ値が6500になると、ア役物用モータ動作データとして+100とスピード1が設定される。これにより、ア役物903は収納位置から上昇し、500ms経過後、即ち、シナリオカウンタ値が7000となる時点で上昇限まで移動する(図1090(a)参照)。その後、シナリオカウンタ値18250になると収納位置へと戻るための動作データが設定され、複合演出の演出時間が終了するまでにア役物903は収納状態となる。
次に、図1102(b)を参照して、複合演出動作シナリオテーブル222xdのうち、左右のシャッター役物用モータ904c1および904c5の左右駆動に関連する動作シナリオの内容を説明する。図1102(b)は、複合演出動作シナリオテーブル222xdのうち、シャッター役物用モータ904c1および904c5の左右駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1102(b)に示す通り、シナリオカウンタ223xhの値に対して、左右のシャッター役物用モータ動作データが規定されている。シャッター役物位置は、シナリオ通りに動作した場合のシャッター役物904の開閉状態を示している。
シナリオカウンタ値4500になると、左右のシャッター役物用動作データとして、シャッター役物904を閉鎖状態とするための動作データが設定され、シナリオカウンタ値18750になると、シャッター役物904を開放状態とするための動作データが設定され、シナリオカウンタ値19750となる時点でシャッター役物904は開放状態となる。
次に、図1103~図1104を参照して、第1代替動作シナリオ223xeの内容について説明する。この第1代替動作シナリオ223xeは、代替パターン1の複合演出が実行される場合に設定される動作シナリオである。
図1103(a)は、第1代替動作シナリオテーブル222xeのうち、左右のバー役物用モータ902c7および902d7の上下駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1103(a)に示すように、第1代替動作シナリオ223xeのバー役物902aの動作シナリオは、上述した通常パターンの複合演出動作シナリオと同一である。
図1103(b)は、第1代替動作シナリオテーブル222xeのうち、回転体役物902bの左右駆動および回転駆動に関連する動作シナリオの内容を模式的に示した図である。図1103(b)に示すように、第1代替動作シナリオ223xeの回転体役物902bの動作シナリオは、上述した通常パターンの複合演出動作シナリオとは、シナリオカウンタ値5000までは同一である。シナリオカウンタ値5000になると、回転体モータ動作データとして「-回転」とスピード3が設定され、回転体モータ原点センサデータがオンに設定される。一方、横移動モータ動作データは設定されない。これにより、回転体役物902bは、基準位置Pt1において原点位置(正転状態)となるまで反時計回りに回転する。
その後、シナリオカウンタ値6000になると、回転体モータ動作データとして回転停止が設定される。これにより、シナリオカウンタ値6000においても回転体役物902bが回転している場合には回転停止となる。
なお、第1代替動作シナリオ223xeでは、「ゲキアツ」文字列を形成するための最終停止位置が基準位置Pt1であるため、通常パターンの複合演出動作シナリオテーブル222xdとは異なり、基準位置Pt1に移動するための動作データは設定されない。
次に、図1104(a)および図1104(b)を参照して、第1代替動作シナリオテーブル222xeにおけるア役物903の上下駆動に関連する動作シナリオと、シャッター役物904の左右駆動に関連する動作シナリオの内容について説明する。上述したように、代替パターン1の複合演出は、ア役物903とシャッター役物904を用いない演出であるため、図1104(a)および図1104(b)に示すように、ア役物用モータ動作データと、左右のシャッター役物用モータ動作データは規定されていない。
次に、図1105(a)および(b)を参照して、第2代替動作シナリオテーブル222xfのうち、バー役物902aの上下駆動および回転体役物902bの左右駆動と回転駆動に関連する動作シナリオの内容について説明する。この第2代替動作シナリオテーブル222xfは、代替パターン2の複合演出が実行される場合に設定される動作シナリオである。上述したように、代替パターン2の複合演出は装飾用可動役物を用いない演出であるため、図1105(a)および図1105(b)に示すように、左右のバー役物用モータ動作データと、回転体モータ動作データは規定されていない。
次に、図1106(a)および図1106(b)を参照して、第2代替動作シナリオテーブル222xfにおけるア役物903の上下駆動に関連する動作シナリオと、シャッター役物904の左右駆動に関連する動作シナリオの内容について説明する。上述したように、代替パターン2の複合演出は、装飾用可動役物を用いない演出であるため、図1106(a)および図1106(b)に示すように、ア役物用モータ動作データと、左右のシャッター役物用モータ動作データは規定されていない。
このように、本第36制御例では、複合演出のそれぞれのパターンに対応する各装飾用可動役物の駆動モータの動作シナリオを規定しており、複合演出の開始タイミングにおいて設定される構成としている。これにより、複合演出が開始されるタイミングにおける第3図柄表示装置81の表示状況に適した動作シナリオを設定可能であり、遊技者に対して好適な複合演出を実行することができる。
<第36制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1107から図1114を参照して、本第36制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理のうち、上述した第35制御例とは異なる点について説明をする。本第36制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理では、上述した第35制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理に対して、メイン処理にて実行される液晶演出実行管理処理(S3110)に代えて液晶演出実行管理処理5(S3123)を、変動表示設定処理4に代えて、変動表示設定処理5(S4124)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御処理については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
まず、図1107を参照して、本第36制御例におけるメイン処理の処理内容について説明をする。図1107は、本第36制御例におけるメイン処理の処理内容を示したフローチャートである。本第36制御例におけるメイン処理では、液晶演出実行管理処理(S3110)に代えて液晶演出実行管理処理5(S3123)が実行され、変動表示設定処理4に代えて、変動表示設定処理5(S4124)が実行される点で相違している。
ここで、図1108を参照して、本第36制御例におけるメイン処理(図1107参照)にて実行される変動表示設定処理5(S4124)の処理内容について説明をする。図1108は、変動表示設定処理5(S4124)の処理内容を示したフローチャートである。図1108に示した通り、この変動表示設定処理5(S4124)では、上述した第35制御例の変動表示設定処理4(図1059のS4122参照)に対して、演出態様設定処理4(図1060のS4311参照)に代えて、演出態様設定処理5(S4314)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、図1109を参照して、演出態様設定処理5(S4314)の処理内容について説明をする。図1109は、演出態様設定処理5(S4314)の処理内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理5(S4314)では、上述した演出態様設定処理4(図1060のS4311参照)に対して、複合演出が選択された場合における処理内容を追加している点で相違している。
具体的には、演出態様設定処理5(S4314)が実行されると、まず、第1演出カウンタ223xa、及び第2演出カウンタ223xbの値を取得し(S4531)、抽出した変動パターンの種別と、取得した第1演出カウンタ223xaの値とに基づいて変動パターン選択5テーブル222xcを参照して表示用変動パターンを決定する(S4532)。
そして、S4532の処理によって決定された表示用変動パターンに、複合演出が含まれているかを判別し(S4537)、複合演出が含まれていると判別した場合は(S4537:Yes)、役物待機フラグ223xcをオンに設定し(S4536)、本処理を終了する。また、S4537の処理において、複合演出が含まれていないと判別した場合は(S4537:No)、役物待機フラグ223xcをオンに設定すること無く、本処理を終了する。
次に、図1110を参照して、液晶演出実行管理処理5(S3123)の処理内容について説明をする。図1110は、液晶演出実行管理処理5(S3123)の処理内容を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理5(S3123)では、実行中の変動演出に対応する変動パターンに応じて、各役物に対して異なるタイミングで異なる動作処理を実行させるための処理が実行される。
液晶演出実行管理処理5(S3123)が実行されると、まず、変動中フラグ223xfがオンに設定されているかを判別し(S3151)、変動中フラグ223xfがオンに設定されていない、即ち、現在が特別図柄変動中では無いと判別した場合は(S3151:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3151の処理において、変動中フラグ223xfがオンに設定されていると判別した場合は(S3151:Yes)、変動時間カウンタ223xgの値に1を加算し(S3152)、次に、役物待機フラグ223xcがオンに設定されているかを判別する(S3153)。ここで、役物待機フラグ223xcがオンに設定されていると判別した場合は(S3153:Yes)、変動時間カウンタ223xgの値を参照して、演出開始時間であるかを判別し(S3154)、演出開始時間であると判別した場合は(S3154:Yes)、複合演出開始処理を実行し(S3166)、本処理を終了する。一方、S3154の処理において、演出開始時間では無いと判別した場合、つまり、役物待機フラグ223xcがオンに設定されている(役物を用いた複合演出が実行される変動パターンが設定されている)が、その演出が実行されるタイミングが到来していない場合は(S3154:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、複合演出が実行される変動パターンで変動演出が実行される場合には、複合演出の開始タイミングに到達するまで、S3151~S3254の処理が繰り返し実行される。そして、複合演出の開始タイミングに到達した場合に、複合演出を開始させるための処理として、複合演出開始処理(S3166)を実行する。
ここで、図1111を参照して、液晶演出実行管理処理5(図1110のS3123参照)にて実行される複合演出開始処理(S3166)の処理内容について説明をする。図1111は、複合演出開始処理(S3166)の処理内容を示したフローチャートである。この複合演出開始処理(S3166)は、複合演出の開始タイミングが到来した場合に実行される処理であって、複合演出の実行タイミングに応じて、異なる演出制御を決定するための処理である。
本第36制御例では、複合演出の実行タイミングが異なる複数の表示用変動パターンを、変動パターン選択5テーブル222xcを参照して決定可能に構成している。具体的には、複合演出がリーチ中に実行される表示用変動パターンや、非リーチ中に実行される表示用変動パターンを決定可能に構成している。
本第36制御例では、第3図柄表示装置81の表示面を用いて、第3図柄の変動演出を実行すると共に、対応する特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを示唆するための複合演出(役物や液晶表示を用いた「ゲキアツ」表示)を実行可能に構成している。そして、この複合演出を実行する場合には、様々な要素(液晶表示、装飾用可動役物90,903,904、装飾905)を用いて複合演出を実行した場合の方が、遊技者の注目度を高めることができるものであるため、より多くの態様を用いて複合演出を実行することが考えられる。
しかしながら、この複合演出は、図1089から図1093を参照して上述した通り、第3図柄表示装置81の表示面を覆うように実行されることから、第3図柄表示装置81の表示面にて実行されている第3図柄の変動演出の内容によっては、複合演出によって変動演出の一部が隠れる(見えにくくなる)ため、第3図柄の変動演出を注視している遊技者にとって不快感を与えてしまうという問題があった。
特に、第3図柄表示装置81の表示面を用いて、対応する特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを示すための変動演出としてリーチ演出が実行されている場合には、複合演出が実行されることによって、リーチ表示されている第3図柄の種別を遊技者が視認困難となり、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示されることを期待している遊技者に対して、複合演出が煩わしい演出となってしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第36制御例では、複合演出が実行されるタイミングによって、同一の演出結果(「ゲキアツの表示」)を創出するために用いられる要素の種別や、各要素に対する制御内容を異ならせることで、第3図柄の変動演出を邪魔すること無く複合演出を実行可能に構成している。このように構成することで、どのタイミングで複合演出が実行された場合であっても、遊技者に好適な演出を提供することができる。また、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出の内容に対応させて同一の演出結果を示す複合演出の演出態様を異ならせることができるため、様々なタイミングで複合演出を実行させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
複合演出開始処理(S3166)が実行されると、まず、複合演出開始を報知する報知態様を表示するための表示用コマンドを設定し(S3231)、現在の変動演出の演出態様がリーチ中であるかを判別し(S3237)、リーチ中では無いと判別した場合は(S3237:No)、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者が特に注視する表示態様が表示されていない状態であるため、全装飾用可動役物を用いた複合演出を実行するための動作データを、複合演出動作シナリオテーブル222xdを参照して設定し(S3238)、役物可動中フラグ223xeをオンに設定し(S3239)、役物待機フラグ223xcをオフに設定し(S3245)、本処理を終了する。S3238の処理によって設定された動作データに基づいて、図1089を参照して上述した通常パターンの複合演出が実行される。
S3237の処理において、リーチ中であると判別した場合は(S3237:Yes)、次いで、実行中のリーチ種別が中ラインリーチ中であるかを判別し(S3240)、中ラインリーチであると判別した場合は(S3240:Yes)、第2代替動作シナリオテーブル222xfを参照して動作データを設定し(S3241)、第2動作フラグ223xyをオンに設定し(S3242)、S3245の処理へ移行する。
つまり、中ラインリーチ中である場合には、図1092を参照して上述した通り、装飾用可動役物902aの可動位置と、中ラインリーチにおけるリーチラインの一部(有効ラインL2)とが重複してしまい、リーチラインL2上に表示されている第3図柄の種別を遊技者が識別し難くなることから、S3241の処理によって設定される動作データでは、複合演出の演出態様として、装飾用可動役物902aを使用しない演出態様が設定され、図1092に示した態様の複合演出が実行される。
このように構成することで、中ライン(有効ラインL2)がリーチ状態である場合でも、変動演出の演出効果を損なうこと無く、複合演出を実行させることが可能となる。
一方、S3240の処理において、中ラインリーチ以外のリーチであると判別した場合には(S3240:No)、第1代替動作シナリオテーブル222xeを参照して動作データを設定し(S3243)、第1動作フラグ223xxをオンに設定し(S3244)、S3245の処理へ移行する。
つまり、中ライン(有効ラインL2)以外の有効ラインでリーチ演出が実行されている場合には、中ラインと重複する可動位置へと装飾用可動役物902aを可動させたとしても、装飾用可動役物902aがリーチ状態である有効ラインを覆うことが無いため、装飾用可動役物902aを用いた複合演出を実行するための動作データがS3243の処理によって設定される。
なお、図1091(a)に示した通り、リーチ演出として、有効ラインL5がリーチ状態となった場合には、装飾用可動役物902aを可動させた場合に、有効ラインL5の一部を覆う位置へと装飾用可動役物902aが可動するため、S3243の処理では、各装飾用可動役物のうち、装飾用可動役物902a以外の装飾用可動役物を可動させるための動作データが設定されないように構成している。
つまり、本第36制御例では、リーチ状態中に複合演出を実行する場合において、特定の有効ライン(有効ラインL5)を用いたリーチ演出が実行されている(実行される)かを判別し、特定の有効ラインを用いたリーチ演出が実行される場合には、特定の有効ラインを覆ってしまう装飾用可動役物(装飾用可動役物902a)を用いることの無い演出態様で複合演出を実行し、特定の有効ライン(有効ラインL5)を用いること無くリーチ演出が実行されている(実行される)場合には、特定の有効ライン(有効ラインL5)のみを覆うように可動する装飾用可動役物(装飾用可動役物902a)を用いた演出態様で複合演出を実行するように構成している。
このように構成することで、全てのリーチ演出の演出態様に対応させたパターンで複合演出の演出態様を設定しなくても、リーチ演出の演出効果を低下させること無く、複合演出を実行することができる。
次に、図1112を参照して、第1動作処理(S3161)の処理内容について説明をする。図1112は、第1動作処理(S3161)の処理内容を示したフローチャートである。この第1動作処理(S3161)は、液晶演出実行管理処理5(図1110のS3123参照)において実行される処理であって、第1動作フラグ223xxがオンに設定されている場合に実行される。
第1動作処理(S3161)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223xhの値が終了値であるかを判別し(S4751)、終了値であると判別した場合は(S4751:Yes)、複合演出における動作処理を終了するために、シナリオカウンタ223xhをリセットし(S4752)、第1動作フラグ223xxをオフに設定し(S4753)、本処理を終了する。また、S4751の処理において、シナリオカウンタ223xhの値が終了値では無いと判別した場合は(S4751:No)、次に、回転役物902bの停止タイミングであるかを判別し(S4754)、停止タイミングでは無いと判別した場合は(S4754:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4754の処理において、回転体役物902bの停止タイミングであると判別した場合は(S4754:Yes)、液晶表示で表現される「ゲ」を指定位置(図1091(b)参照)に移動表示される表示コマンドを設定し(S4755)、シナリオカウンタ223xhに1を加算し(S4756)、シナリオカウンタ223xhの値に対応した動作データを設定し(S4757)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、S206を参照して説明をした第1動作処理では、回転体役物902bが停止されたことに基づいて、回転体役物902bの停止位置に対応させた位置に、複合演出のうち、液晶表示にて表現される要素(「ゲ」、「ア」)の表示位置を設定するように構成しているため、回転体役物902bに対応させた位置へ液晶表示にて表現される要素(「ゲ」、「ア」)を表示させることができる。
次に、図1113を参照して、第2動作処理(S3163)の処理内容について説明をする。図1113は、第2動作処理(S3163)の処理内容を示したフローチャートである。この第2動作処理(S3163)は、液晶演出実行管理処理5(図1110のS3123参照)において実行される処理であって、第2動作フラグ223xyがオンに設定されている場合に実行される。
第2動作処理(S3163)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223xhの値が終了値であるかを判別し(S4851)、終了値であると判別した場合は(S4851:Yes)、複合演出における動作処理を終了するために、シナリオカウンタ223xhをリセットし(S4852)、第2動作フラグ223xxをオフに設定し(S4853)、本処理を終了する。また、S4851の処理において、シナリオカウンタ223xhの値が終了値では無いと判別した場合は(S4851:No)、次に、第2動作表示テーブルの表示コマンドを設定し(S4854)、シナリオカウンタ223xhの値に1を加算し(S4855)、シナリオカウンタ223xhの値に対応した動作データを設定し(S4856)、本処理を終了する。
上述した通り、第2動作処理(S3163)では、複合演出の演出態様として、液晶表示とツ装飾905のみを用いた演出態様、即ち、各装飾用可動役物を用いることの無い演出態様(図1092参照)が決定されるため、複合演出として装飾用可動役物を動作させるための動作データが設定されることが無い。なお、本第2動作処理(S3163)が実行される場合であっても、液晶表示される「ゲ」,「キ」,「ア」の図柄を表示させるタイミングを、他の複合演出と同一に設定すると良い。このように構成することで、同一内容の複合演出を、要素を異ならせて実行していることを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、これに限ること無く、複合演出の演出態様として、液晶表示される「ゲ」,「キ」,「ア」の図柄を表示させる順序を異ならせた演出態様を決定可能に構成し、他の複合演出と同一の順序で各図柄が表示された場合の方が、異なる順序で各図柄が表示された場合よりも、大当たり当選の期待度を高めるように構成しても良い。このように構成することで、装飾用可動役物の動作データを設定する必要の無い複合演出のみ、他の複合演出に比べて演出内容のバリエーションを容易に増加させることができる。
次に、図1114を参照して、役物可動中処理(S3165)の処理内容について説明をする。図1114は、役物可動中処理(S3165)の処理内容を示したフローチャートである。この役物可動中処理(S3165)は、液晶演出実行管理処理5(図1110のS3123参照)において実行される処理であって、役物可動中フラグ223xeがオンに設定されている場合に実行される。
役物可動中処理(S3165)が実行されると、まず、シナリオカウンタ223xhの値が終了値であるかを判別し(S4951)、終了値であると判別した場合は(S4951:Yes)、複合演出における動作処理を終了するために、シナリオカウンタ223xhをリセットし(S4952)、役物可動中フラグ223xeをオフに設定し(S4953)、本処理を終了する。また、S4951の処理において、シナリオカウンタ223xhの値が終了値では無いと判別した場合は(S4951:No)、シナリオカウンタ223xhの値に1を加算し(S4954)、シナリオカウンタ223xhの値に対応した動作データを設定し(S4955)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第36制御例では、様々なタイミングで複合演出が実行される変動パターンを決定可能に構成し、複合演出が実行されるタイミングにおける第3図柄の変動演出内容(リーチ内容)に応じて、異なる要素を用いて複合演出を実行可能に構成しているため、どのタイミングで複合演出が実行された場合であっても、遊技者に好適な演出を提供することができる。また、第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出の内容に対応させて同一の演出結果を示す複合演出の演出態様を異ならせることができるため、様々なタイミングで複合演出を実行させることが可能となり、演出効果を高めることができる。
なお、本第36制御例では、複合演出が実行されるタイミングを、決定された変動パターンに基づいて予め決定する例を示しているが、これに限ること無く、例えば、複合演出が実行されるタイミングを遊技者が任意に選択可能に構成しても良い。この場合、例えば、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン22a)への操作が有効に判別される操作有効期間(SW有効時間)を、少なくとも、第3図柄の変動演出として、リーチ状態が創出されるよりも前の期間から、リーチ状態となった後の期間を含む範囲で設定可能に構成し、その操作有効期間中に遊技者が操作手段を操作したことに基づいて、複合演出を開始させるように構成すると良い。そして、複合演出が開始される際の第3図柄の変動演出の演出内容、或いは、操作有効期間の経過時間や残時間を判別し、実行中の変動演出の演出態様と重複しない演出態様を決定し、決定した演出態様に応じた複合演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者が任意に複合演出を実行するタイミングを選択することができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
また、各装飾用可動役物を、複合演出以外にも使用可能に構成している場合は、複合演出の実行条件が成立した時点における各装飾用可動役物の可動状況を判別し、複合演出として使用可能な装飾用可動役物を特定する特定手段を設け、特定手段によって特定された装飾用可動役物の範囲内で実行可能な演出態様を決定し、決定された演出態様を用いて複合演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、第3図柄の変動演出以外の様々な演出(装飾用可動役物を用いた演出)と、複合演出と、の実行期間が重複した場合であっても、遊技者に好適な演出を提供することができる。
さらに、本第36制御例では、複合演出の実行タイミングを予め決定されているタイミングからずらすこと無く、実行可能な演出態様で複合演出を実行する構成を示しているが、これに限ること無く、複合演出の実行タイミングを、予め定められている実行タイミングよりも前に補正したり、後に補正したりする処理を実行可能に構成しても良い。
この場合、複合演出が終了するまでの残期間が1秒の時点でリーチ演出が実行される場合において、複合演出の実行タイミングを、1秒前倒しする補正処理を実行し、通常パターンの複合演出(図1089参照)を実行可能に構成すると良い。このように、複合演出の実行タイミングを補正するための補正処理を設けることにより、より多彩な演出を遊技者に提供することができる。
また、複合演出の実行期間中にリーチ演出が開始される場合には、リーチ演出の開始を複合演出の終了まで遅延させるように構成しても良い。
なお、第36制御例では、装飾用可動役物が3図柄表示装置81よりも前面側(遊技者目線で手前側)に配置されることで、装飾用可動役物の背面側にある液晶表示(第3図柄やその他の予告演出)が遊技者から視認できなくなるため、遊技情報としての重要度が高い液晶表示と装飾用可動役物が重ならないように制御する技術思想について説明した。
ここで、この技術思想を応用し、1の装飾用可動役物と他の装飾用可動役物が重なるように可動することが可能に構成された変形例について説明する。以下、図1115~図1117を参照して、第36制御例の第1変形例について説明する。
第36制御例の第1変形例では、装飾用可動役物と液晶表示を組み合わせた文字演出とキャラクタ役物(うさぎ役物)を用いたキャラクタ演出が実行される。文字演出は、特別図柄の変動表示期間に実行される予告演出の一つであり、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示された「ゲ」の文字815と、「ア」の文字816と、装飾用可動役物である「キ」という文字が装飾されたキ役物815と、遊技盤面bnに装飾された「勝ツぞ」の文字の一部である「ツ」の文字817bの文字を組み合わせて「ゲキアツ」の文字列が形成されることで、変動表示中の特別図柄の大当たり当選期待度が高いことを報知する演出である。
ここで、図1115(b)を参照して、文字演出の実行中における第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの表示内容について説明する。文字演出の実行中は、図1115(b)に示すように、主表示領域Dmには文字演出の構成要素である「ゲ」の文字814と、「ア」の文字816と、背景画像である太陽の絵柄が表示される。この「ゲ」の文字814と「ア」の文字816を結んだライン上にキ役物815が配置されることで、「ゲキア」の文字列が形成され、遊技盤面bnに装飾されている「ツ」の文字817bと組み合わされることで、「ゲキアツ」の文字列が形成される。
図1115(a)に戻り説明を続ける。遊技盤面bnには「勝ツぞ」の文字が装飾されている。この遊技盤面bnの「勝ツぞ」の各文字装飾817a~817c部分にはLEDが内蔵されており、通常は「勝ツぞ」の全ての文字装飾817a~817c部分のLEDが点灯した状態となっている。この文字装飾部分のLEDは、文字演出において「ゲキアツ」文字列が形成される場合に「勝」の文字817aと、「ぞ」の文字817cのLEDが消灯状態となり、「ツ」の文字817bのみが点灯した状態となる。これにより、「ツ」の文字817bが「勝ツぞ」の文字列を構成する要素から、「ゲキアツ」の文字列を構成する要素に切り替わったことが遊技者に分かり易くなる。
文字演出において用いられるキ役物815は、文字演出の実行期間以外は、第3図柄表示装置81の表示領域外(例えば、第3図柄表示装置の正面視左側)に収納されており、文字演出が開始されると図1116(b)に示す位置に配置されるように可動する。
本第36制御例の第1変形例における文字演出の開始タイミングは、音声ランプ制御装置113における液晶演出実行管理処理において抽選によってランダムに決定されるように構成している。このように構成することで、文字演出の開始タイミングが特別図柄の変動種別等によって遊技者に事前に判別され、遊技の興趣が低下してしまうことを抑制し、意外性のあるタイミングで文字演出を実行することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
キャラクタ演出は、うさぎのキャラクタが装飾されたキャラクタ役物(うさぎ役物813)が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの前面側で可動する予告演出である。キャラクタ役物813は、キャラクタ演出の実行期間以外は、第3図柄表示装置81の表示領域外(例えば、第3図柄表示装置の正面視上部側)に収納されており、キャラクタ演出が開始されると第3図柄表示装置81の主表示領域の前面側に配置されるように可動する。キャラクタ役物813のうさぎのキャラクタを囲む炎の装飾部分にはLEDが内蔵されており、このLEDの発光により、炎の装飾部分の色を可変させることができるように構成している。そして、この炎の装飾部分の色によって大当たり当選期待度を示唆する構成としている。例えば、炎の装飾部分が青色に発光すれば大当たり当選期待度が比較的低いことを示唆し、赤色に発光すれば大当たり当選期待度が比較的高いことを示唆する。
このキャラクタ役物813は、主表示領域Dmの前面側で上下左右に移動可能な構成としている。なお、本第36制御例の第1変形例では、上述したように、文字演出の開始タイミングが抽選で決定されるように構成しているため、文字演出の演出期間とキャラクタ演出の演出期間が重なる場合に、可動するキ役物815とキャラクタ役物813が干渉してしまう虞がある。
この不具合を解消するために、本第36制御例におけるキ役物815は前後の位置を設定可能に構成している。具体的には、キ役物815がキャラクタ役物813よりも前面側(遊技者目線で手前側)に配置される第1位置と、キ役物815がキャラクタ役物813よりも背面側(遊技者目線で奥側)に配置される第2位置とを設定可能に構成している。このように構成することで、キ役物815とキャラクタ役物813が干渉してしまうことを抑制することができる。
また、本第36制御例の第1変形例では、キ役物815とキャラクタ役物813の前後の位置によって文字演出の演出結果が可変するように構成している。具体的には、図1117(a)に示すように、文字演出が実行され、キ役物815が第2位置で可動している場合にキャラクタ役物(うさぎ役物)813がキ役物815の配置されている位置まで移動してくると、キャラクタ役物813によってキ役物815が隠される。そして、第3図柄表示装置81では「ゲ」の文字814が非表示となり、「ゲキアツ」の文字列が形成された場合よりも大当たり当選期待度がランクダウンする「アツ」の文字列に可変する。
一方、図1117(b)に示すように、文字演出が実行され、キ役物815が第1位置で可動している場合にキャラクタ役物(うさぎ役物)813がキ役物815の配置されている位置まで移動してくると、キ役物815がキャラクタ役物813よりも前面側に配置され、キ役物815によってキャラクタ役物813が隠される。この場合、図1117(b)に示すように、キャラクタ役物813の方がキ役物815よりもサイズが大きいため、キャラクタ役物813の一部(炎の装飾部分)は遊技者から視認可能となり、遊技者目線ではキ役物815に炎の装飾が付いたように見える。この炎の装飾が付いたキ役物815で構成された「ゲキアツ」の文字列は、通常の「ゲキアツ」の文字列(図1115(a)参照)が形成された場合よりも大当たり当選期待度がランクアップしたことを示す。つまり、文字演出とキャラクタ演出が同じタイミングで実行された場合に、キャラクタ役物813とキ役物815の前後の位置関係によって、文字演出によって示唆される大当たり当選期待度が可変する。このように構成することで、キャラクタ役物813とキ役物815の位置関係によって、文字演出において多様な演出結果を報知することが可能となり、文字演出が単調になることを抑制することができる。
なお、本第36制御例の第1変形例では、キ役物813の前後の位置のみ可変させることができる構成としたが、これに限るものではなく、キャラクタ役物813の前後の位置も可変可能に構成しても良い。
なお、「ゲキアツ」の文字列が形成される位置は固定ではなく、液晶表示の状態に応じて「ゲキアツ」の文字列が形成される位置を可変させても良い。例えば、主表示領域Dmにエラー表示が表示されている場合には、そのエラー表示が表示されている位置を避けて「ゲ」の文字814と、「ア」の文字816を表示し、表示された「ゲ」の文字814と、「ア」の文字816を結ぶライン上にキ役物815を配置させる構成とする。この場合、遊技盤面bnの装飾である「ツ」の文字817bの位置は固定であるため、この「ツ」の文字817bを基準に「ゲ」の文字814と「ツ」の文字817bを結ぶライン上に「ア」の文字816を表示すると良い。
このように構成することで、エラー表示が文字演出によって隠蔽されてしまい、エラーの発生を遊技者やパチンコ機10の管理者に認識されないという不具合が生じることを抑制することができる。
なお、第36制御例におけるパチンコ機10では、装飾用可動役物を使用して文字演出(複合演出)を実行する構成としたが、装飾用可動役物を使用せずに液晶表示のみで文字演出を実行する構成としても良い。以下に、液晶表示のみで文字演出を実行する場合の制御例について説明する。なお、液晶表示のみで文字演出を実行するための制御例を第36制御例の第2変形例とする。
第36制御例の第2変形例におけるパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に表示態様を表示するために複数の表示レイヤが配置されている。表示面の前面側より保留図柄レイヤry1、第1演出レイヤry2a、第2演出レイヤry2b、第3演出レイヤry2c、特別図柄レイヤry3、背景レイヤry4が配置されており、各レイヤには、それぞれキャラクタや背景等の表示態様を表示させることが可能であり、重ね合わせて表示させることで、奥行き感のある表示演出を表示させることができる。
保留図柄レイヤry1は、保留図柄等の最前面で表示させる必要がある表示態様が表示されるレイヤである。保留図柄レイヤry1に表示される表示態様は、それよりも前面側にレイヤが設定されていないので、常に最前面で表示されることができるように構成されている。第1演出レイヤry2aは、保留図柄レイヤry1の1つ背面側に設定されるレイヤであり、主に予告演出や文字演出が設定されるレイヤとなる。予告演出や文字演出が設定されるレイヤとしては、第1演出レイヤry2aの一つ背面側に配置される第2演出レイヤry2bと、第2演出レイヤry2bの一つ背面側に配置される第3演出レイヤry2cとがそれぞれ設定されている。
特別図柄レイヤry3は、特別図柄(第3図柄)が表示されるレイヤであり、背景レイヤry4の一つ前面側に配置されているので、背景画像の前面側で常に特別図柄を表示させることができる。背景レイヤry4は、背景画像が表示されるレイヤであり、最背面に設定されるレイヤであり、変動中や待ち受け時等における背景画像が設定される。
本第36制御例の第2変形例における文字演出は、特別図柄の変動期間(動的表示期間)中に、複数の文字を表示して任意の言葉となる組み合わせが表示されることで、変動中の特別図柄の当否判定結果を示唆する(当たりである期待度を報知する)ことが可能にされている演出である。ここで、特別図柄レイヤry3では、特別図柄の表示がされており、リーチ演出等が表示される際に、文字演出による文字でリーチ図柄を形成する特別図柄が隠されてしまうことで、リーチが形成されているか否かが分かり難くなってしまうという不具合が発生してしまう。また、文字演出は、遊技者に文字演出の実行タイミングが特別図柄の変動種別等によって事前に判別されることで興趣が低下してしまうことを抑制するように、特別図柄の変動パターンにおける変動表示期間のうち、文字演出を実行可能な期間内で抽選によりランダムに実行タイミングが抽選されて実行されるように設定されている。このように構成することで、文字演出の実行タイミングは、ランダムにでき、遊技者に意外性を与えることができる一方で、実行されている特別図柄の変動表示の内容等に対応する事が困難となり、遊技者に視認させる必要のある特別図柄に対して視認を妨げたり、予告演出等を隠蔽してしまう等の不具合が考えられる。以下に本制御例における文字演出が上述した不具合を解消可能に対応させた構成について説明する。
例えば、第1演出レイヤry2aに設定される文字演出は、上段ラインL1と左図柄列z1とが交わる位置に「ゲ」の文字が配置され、中段ラインL2と左図柄列z1とが交わる位置に「キ」の文字が配置され、下段ラインL3と中図柄列z2とが交わる位置に「ア」の文字が配置され、下段ラインL3と右図柄列z3とが交わる位置に「ツ」の文字が配置されるように表示制御される。この第1演出レイヤry2aに設定される文字演出を第1文字演出と称する。
この第1文字演出では、右上がりラインL4に文字が配置されないように構成されているので、文字演出の実行タイミングでリーチ演出が実行される前のタイミングと、右上がりラインL4でリーチ演出が実行されている場合とで実行されるように制御される。
また、第2演出レイヤry2bに設定される文字演出は、上段ラインL1と中図柄列z2とが交わる位置に「ゲ」の文字が配置され、中段ラインL2と中図柄列z2とが交わる位置に「キ」の文字が配置され、下段ラインL3と中図柄列z2とが交わる位置に「ア」の文字が配置され、下段ラインL3と右図柄列z3とが交わる位置に「ツ」の文字が配置されるように表示制御される。この第2演出レイヤry2aに設定される文字演出を第2文字演出と称する。
この第2文字演出は、左図柄列z1と中段ラインL2が交わる位置と右図柄列z3と中段ラインL2が交わる位置に文字が配置されておらず、中段ラインL2上にリーチ態様の第3図柄が表示されていても文字演出の文字が重ならないため、主にリーチラインが中段ラインL2である場合に実行されるように制御される。このように構成することで、リーチ演出中のリーチ図柄を文字演出における文字が隠してしまい、リーチ中であるか否かが分かり難くなってしまう不具合を抑制できる。
また、第3演出レイヤry2cに設定される文字演出は、上段ラインL1と右図柄列z3とが交わる位置に「ゲ」の文字が配置され、中段ラインL2と右図柄列z3とが交わる位置に「キ」の文字が配置され、下段ラインL3と中図柄列z2とが交わる位置に「ア」の文字が配置され、下段ラインL3と右図柄列z2とが交わる位置に「ツ」の文字が配置されるように表示制御される。この第3演出レイヤry2cに設定される文字演出を第3文字演出と称する。
この第3文字演出は、右図柄列z3上に文字が配置されてしまうので、リーチ演出が実行された後のタイミングでは使用されないように制御される。このように構成することで、リーチ演出中のリーチ図柄を文字演出における文字が隠してしまい、リーチ中であるか否かが分かり難くなってしまう不具合を抑制できる。
ここで、例えば、中段ラインL2上に第3図柄がリーチ態様で停止表示されている場合に、第1演出レイヤry2aを使用した文字演出を実行すると、文字演出を構成する「キ」の文字によって第3図柄が隠れた状態となり、リーチ態様であることを遊技者が分からなくなってしまう。一方、第1演出レイヤry2aに代えて、第2演出レイヤry2bをを用いた文字演出を実行すると第3図柄を隠すことなく、文字演出を実行することができる。
このように、文字演出が開始される時点における第3図柄の表示状態によって、文字演出の画像を描画する表示レイヤを切り替えることで好適な文字演出を実行することができる。
上述した液晶表示のみによる文字演出を実行するためのパチンコ機10の電気的構成としては以下の構成が考えられる。
まず、表示制御装置114の電気的構成として、上述した第36制御例に対し、ワークRAM233に文字演出フラグ233xaおよび文字演出実行中フラグ233xbを設け、キャラクタROM内のNAND型フラッシュメモリ234aに文字演出表示データ選択テーブル234xaを新たに規定する。その他の処理については、上述した第36制御例(および第1制御例)と同一である。
文字演出フラグ233xaは、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンドに文字演出の実行を示す情報が含まれている場合にオンに設定されるフラグであり、文字演出フラグ233xaがオンに設定されている場合には、表示設定処理6において文字演出処理が実行される。オンに設定された文字演出フラグ233xaは、音声ランプ制御装置113から変動停止コマンドを受信した場合にオフに設定される。文字演出処理の詳細については後述する。
文字演出実行中フラグ233xbは、文字演出処理において文字演出の文字表示テーブルが設定された場合にオンに設定されるフラグであり、文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されることで、文字演出処理において文字演出実行中処理が実行される。オンに設定された文字演出実行中フラグ233xbは、文字演出実行中処理において文字ポインタが示すアドレスが文字表示データのENDデータとなった場合にオフに設定される)。なお、文字演出実行中処理の詳細については後述する。
文字演出表示データ選択テーブル234xaは、特別図柄の当否判定結果と表示演出カウンタCS3の値に対して、文字演出表示データが規定されているテーブルである。具体的には、当否判定結果が外れである場合、表示演出カウンタCS3の値が「0~199、500~899」の範囲であれば「文字演出なし」が選択され、「200~299、900~999」の範囲であれば「第1演出レイヤ表示データ」が選択され、「300~399」の範囲であれば「第2演出レイヤ表示データ」が選択され、「400~499」範囲であれば「第3演出レイヤ表示データ」が選択される。
当否判定結果が大当たりである場合、表示演出カウンタCS3の値が「0~99、800~899」の範囲であれば「文字演出なし」が選択され、「200~299、900~999」の範囲であれば「第1演出レイヤ表示データ」が選択され、「300~399」の範囲であれば「第2演出レイヤ表示データ」が選択され、「100~199、500~799」範囲であれば「第3演出レイヤ表示データ」が選択される。
ここで、第1演出レイヤ表示データとは文字演出用の表示データのうち、第1演出レイヤry2aに文字演出の画像を描画するための表示データテーブルであり、第2演出レイヤ表示データとは第2演出レイヤry2bに文字演出の画像を描画するための表示データテーブルであり、第3演出レイヤ表示データとは第3演出レイヤry2cに文字演出の画像を描画するための表示データテーブルである。各表示データテーブルには、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。
また、「文字演出なし」とは、現時点では文字演出用の表示データを設定しない、即ち、文字演出の実行値ではないことを示している。本第36制御例の第2変形例では、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンドにおいて文字演出の実行を示す情報が含まれている場合に、表示制御装置114において文字演出を実行可能な期間内で抽選によりランダムに実行タイミングが抽選されて文字演出が実行されるように構成している。具体的には、文字演出処理において表示演出カウンタCS3の値が文字演出の実行値となった場合に文字演出の表示データテーブルが設定され、文字演出が開始される。
なお、表示演出カウンタCS3の値は「0~999」の範囲であるため、当否判定結果が外れである場合には、60%の割合で「文字演出なし」が選択され、20%の割合で「第1演出レイヤ表示データ」が選択され、10%の割合で「第2演出レイヤ表示データ」が選択され、10%の割合で「第3演出レイヤ表示データ」が選択される。即ち、当否判定結果が外れである場合には、文字演出の実行値となる割合は40%である。
一方、当否判定結果が大当たりである場合には、20%の割合で「文字演出なし」が選択され、20%の割合で「第1演出レイヤ表示データ」が選択され、20%の割合で「第2演出レイヤ表示データ」が選択され、40%の割合で「第3演出レイヤ表示データ」が選択される。即ち、当否判定結果が大当たりである場合には、文字演出の実行値となる割合は80%である。従って、当否判定結果が外れである場合よりも大当たりである場合の方が文字演出の実行値が選択され易く、文字演出が実行され易くなる。また、当否判定結果が外れである場合よりも、大当たりである場合の方が「第2演出レイヤ表示データ」および「第3演出レイヤ表示データ」が選択される割合が高いため、文字演出の表示態様(「ゲキアツ」文字の配置)によっても当否判定結果を予測し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、本第36制御例の第2変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理について説明する。本第36制御例の第2変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理は、上述した第36制御例(および第1制御例)における表示制御装置114の制御処理に対して、変動パターンコマンド処理(図1097(a)参照)に代えて変動パターンコマンド処理6を実行する点、変動停止コマンド処理(図1100(a)参照)に代えて変動停止コマンド処理6を実行する点、表示設定処理(図1102参照)に代えて表示設定処理6を実行する点で相違し、また、文字演出処理と文字演出実行中処理とリーチ演出処理との各処理を追加して実行する点で相違する。その他の処理については、上述した第36制御例(および第1制御例)と同一である。
まず、本第36制御例の第2変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される変動パターンコマンド処理6(S6431)の詳細について説明する。本第36制御例の第2変形例における変動パターンコマンド処理6(S6431)は、上述した第36制御例(および第1制御例)の変動パターンコマンド処理(図1097参照)に代えて実行される処理である。
変動パターンコマンド処理6(S6431)では、まず、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドの中に、文字演出の実行情報があるか判別する(S6506)。文字演出の実行情報があると判別した場合には(S6506:Yes)、文字演出フラグ233xaをオンに設定し(S6506)、S6501の処理に移行する。そして、上述したS6501~S6505の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S6506の処理において、文字演出の実行情報がないと判別した場合には(S6506:No)、上述したS6507の処理をスキップし、S6501の処理に移行する。そして、上述したS6501~S6505の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、本第36制御例の第2変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される変動停止コマンド処理6(S6432)の詳細について説明する。本第36制御例の第2変形例における変動停止コマンド処理6(S6432)は、上述した第36制御例(および第1制御例)の変動停止コマンド処理(図1100参照)に代えて実行される処理である。
変動停止コマンド6処理(S6432)では、まず、文字演出フラグ233xaがオンに設定されているか判別する(S6936)。文字演出フラグ233xaがオンに設定されていると判別した場合には(S6936:Yes)、文字演出フラグ233xaをオフに設定し(S6937)、S6931の処理に移行する。そして、上述したS6931~S6935の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S6936の処理において、文字演出フラグ233xaがオンに設定されていないと判別した場合には(S6936:No)、上述したS6937の処理をスキップし、S6931の処理に移行する。そして、上述したS6931~S6935の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、本第36制御例の第2変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される表示設定処理6(S6331)の詳細について説明する。本第36制御例の第2変形例における表示設定処理6(S6331)は、上述した第36制御例(および第1制御例)の表示設定処理(図1102参照)に代えて実行される処理である。
表示設定処理6(S6331)では、まず、上述したS7201~S7205の処理を実行し、次に、文字演出フラグ233xaがオンに設定されているか判別する(S7222)。文字演出フラグ233xaがオンに設定されていると判別した場合には(S7222:Yes)、文字演出処理(S7223)を実行し、上述したS7206の処理に移行する。文字演出処理(S7223)の詳細な説明については後述する。一方、S7222の処理において、文字演出フラグ233xaがオンに設定されていないと判別した場合には(S7222:No)、S7223の処理をスキップし、S7206の処理に移行する。
次に、本第36制御例の第2変形例における表示設定処理6(S6331)内で実行される文字演出処理(S7223)について説明する。文字演出処理(S7223)では、まず、文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されているか判別する(S7251)。文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されていると判別した場合には(S7251:Yes)、文字演出実行中処理(S7252)を実行し、本処理を終了する。文字演出実行中処理(S7252)の詳細な説明については後述する。一方、S7251の処理において、文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されていないと判別した場合には(S7251:No)、文字演出実行可能期間であるか判別する(S7253)。文字演出実行可能期間ではないと判別した場合には(S7253:No)、そのまま本処理を終了する。文字演出実行可能期間であるか否かの判別は、計時カウンタ233hの値が文字演出の演出期間(本第36制御例の第2変形例では、5秒)に対応する値よりも大きいか否かで判別する。つまり、計時カウンタ233hの値が5秒に対応する値よりも少ない場合は、特別図柄の変動表示期間内で文字演出を終了させることができないため、文字演出が実行されない。
一方、S7253の処理において、文字演出実行可能期間であると判別した場合には、表示演出カウンタCS3の値を取得する(S7254)。そして、S7254の処理において取得した表示演出カウンタCS3の値が文字演出の実行値であるか否か判別する(S7255)。取得した表示演出カウンタCS3の値が文字演出の実行値ではないと判別した場合には(S7255:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S7255の処理において、取得した表示演出カウンタCS3の値が文字演出の実行値であると判別した場合には(S7255:Yes)、リーチ中であるか判別する(S7256)。リーチ中であると判別した場合には(S7256:Yes)、リーチ演出処理(S7257)を実行し、本処理を終了する。リーチ演出処理(S7257)の詳細な説明については後述する。一方、S7256の処理において、リーチ中ではないと判別した場合には(S7256:No)、取得した表示演出カウンタCS3に対応した文字演出表示データを文字表示データテーブルバッファに設定し(S7258)、文字演出実行中フラグ233xbをオンに設定し(S7259)、本処理を終了する。
次に、本第36制御例の第2変形例における文字演出処理(S7223)内で実行される文字演出実行中処理(S7252)の処理について説明する。文字演出実行中処理(S7252)では、まず、文字ポインタを1加算する(S7351)。次に、加算後の文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容がENDデータであるか判別する(S7352)。加算後の文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容がENDデータであると判別した場合には(S7352:Yes)、文字ポインタの値を初期化し(S7353)、文字演出実行中フラグ233xbをオフに設定し(S7354)、本処理を終了する。一方、S7352の処理において、加算後の文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容がENDデータではないと判別した場合には(S7352:No)、文字表示データテーブルバッファのうち、文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容を取得し(S7355)、本処理を終了する。
次に、本第36制御例の第2変形例における文字演出処理(S7223)内で実行されるリーチ演出処理(S7257)の処理について説明する。リーチ演出処理(S7257)では、まず、今回のリーチが、中列(x2ライン)リーチであるか判別する(S7451)。今回のリーチが、中列(x2ライン)リーチではないと判別した場合には(S7451:No)、右上がり列(x2ライン)リーチであるか判別する(S7452)。右上がり列(Z2ライン)リーチであると判別した場合には(S7452:Yes)、第1演出レイヤry2aの文字表示データを文字表示データテーブルバッファに設定し(S7453)、文字演出実行中フラグ233xbをオンに設定し(S7455)、本処理を終了する。
一方、S7451の処理において、今回のリーチが中列(x2ライン)リーチであると判別した場合には(S7451:Yes)、第2演出レイヤry2bの文字表示データを文字表示データテーブルバッファに設定し(S7454)、文字演出実行中フラグ233xbをオンに設定し(S7455)、本処理を終了する。
以上説明したように、本第36制御例の第2変形例では、第3図柄表示装置81に表示態様を表示するための各レイヤにおいて、文字演出を表示させる演出レイヤを切り替えることで最適な文字演出を実行可能に構成している。
これにより、文字演出によって特別図柄の視認を妨げたり、その他の予告演出を隠蔽してしまう不具合が生じることを抑制し、遊技者に対して適切な遊技情報の提供を行いつつ、文字演出を実行することができる。
なお、本第36制御例の第2変形例では、第3図柄がリーチ態様で表示されている場合に、文字演出が表示される表示レイヤを切り替えることで、第3図柄と文字演出において表示される文字が重ならないように構成したが、これに限るものではない。例えば、文字演出の実行中にリーチ演出期間となる場合には、第3図柄をリーチ態様で停止表示させるタイミングをずらす(遅延させる)ように構成しても良いし、リーチラインを、実行中の文字演出と重ならないリーチラインに変更する構成としても良い。
ここで、第36制御例の第2変形例におけるパチンコ機10では、文字演出(複数の文字を表示して任意の言葉となる組合せ(例えば、「ゲキアツ」の文字)が表示されることで、変動中の特別図柄の当否判定結果を示唆する演出)における文字の配置が異なる演出レイヤを複数(3つ)有し、文字演出が開始されるタイミングにおける第3図柄の表示状況に応じて使用する演出レイヤを切り替えることで、リーチ態様の第3図柄と文字演出を構成する文字が重ならないようにし、最適な文字演出を実行する構成について説明した。
しかしながら、第36制御例の第2変形例の文字演出は、1つの演出レイヤに全ての文字が描画されるため、文字演出に奥行き感を持たせることができなかった。そこで、複数の演出レイヤにそれぞれ異なる文字が描画される構成とし、全ての演出レイヤを重ね合わせて表示することで奥行き感のある文字演出を表示可能に構成した場合の制御例である第36制御例の第3変形例について説明する。
本第36制御例の第3変形例のパチンコ機10において実行される特徴的な演出について説明する。特別図柄の当否判定結果を予告するための演出として、文字演出とキャラクタ演出の2つの演出が実行される。文字演出は、第3図柄表示装置81の表示領域において「ゲキアツ」という文字ラインが表示されることで変動表示中の特別図柄の大当たり当選期待度が高いことを予告する演出である。
キャラクタ演出は、うさぎを模したキャラクタ813の表示態様によって、大当たり当選期待度を予告する演出である。具体的には、キャラクタ813を囲むように表示されるエフェクトの色や、エフェクトの大きさによって大当たり当選期待度が異なり、例えば、青色のエフェクトが表示された場合には大当たり当選期待度が最も低く、次いで、赤色のエフェクト、金色のエフェクトの順に大当たり当選期待度が高くなる。
この文字演出とキャラクタ演出は、音声ランプ制御装置113によって設定された表示用変動パターンに演出の実行の有無が規定されており、1の特別図柄の変動表示期間中に文字演出とキャラクタ演出の両方の演出が実行されない変動パターンと、いずれか一方の演出のみが実行される変動パターンと、両方の演出が実行される変動パターンがある。また、表示用変動パターンコマンドが示す表示用変動パターンには、キャラクタ演出の開始タイミングは規定されているものの、文字演出の開始タイミングは規定されておらず、文字演出の開始タイミングは表示制御装置114における抽選によって決定される。このため、キャラクタ演出の演出実行期間と文字演出の演出実行期間が重なる場合が生じる。
ここで、文字演出とキャラクタ演出の演出期間が重なった場合の表示画面の一例について説明する。第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、背景画像と、文字演出の構成要素である「ゲ」の文字814と、「キ」の文字815と、「ア」の文字816とがそれぞれ表示され、キャラクタ演出の構成要素であるキャラクタ813が表示されている。
副表示領域Dsは、変動表示中の特別図柄に対応する保留球を示す実行中保留図柄hr0を表示する表示領域である実行中保留図柄表示領域Ds1と、待機中の保留図柄を表示するための待機保留図柄表示領域Ds2と、特別図柄の当否判定結果や表示用変動パターン種別に拘わらず「勝」の文字817aと、「ツ」の文字817bと、「ぞ」の文字817cが表示されるメッセージ表示領域Ds3とで構成されている。なお、この「勝ツぞ」という文字の表示は、特別図柄が変動表示されていない期間においても表示されるものであり、特別図柄の当否判定結果を予告するものではなく、遊技者に対する単なるメッセージを表示したものである。なお、本第36制御例の第3変形例では、メッセージ表示領域Ds3に遊技者に対するメッセージを表示する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、現在設定されている遊技状態(例えば、通常状態であれば「ツウジョウ」の表示)を表示しても良いし、現在設定されている背景ステージのステージ名を表示する構成としても良い。
ここで、本第36制御例の第3変形例における文字演出の流れについて説明する。設定されている表示用変動パターンに規定されている文字演出の開始タイミングになると、まず「ゲ」の文字815が図219に示す位置に表示され、次いで「ゲ」の文字814が表示された後、「ア」の文字816が表示される。そして、「ア」の文字816が表示されると、メッセージ表示領域Ds3に表示されている「勝ツぞ」の文字のうち、「勝」の文字817aと「ぞ」の文字817cが非表示となり、「ツ」の文字817bのみが表示された状態となる。このように構成することで、「ツ」の文字817bがメッセージの構成要素から文字演出における「ゲキアツ」の文字列を形成する構成要素となったことを遊技者に分かり易く認識させることができる。
キャラクタ演出におけるキャラクタ813の表示位置は、設定されている表示用変動パターンによって異なり、主表示領域Dmの様々な位置に表示される。具体的には、本第36制御例の第3変形例では、キャラクタ演出用の表示データテーブルを複数有しており、音声ランプ制御装置113から受信した表示用変動パターンコマンドに含まれる変動パターン種別に応じて1のキャラクタ演出用の表示データテーブルが設定される。このキャラクタ演出用の表示データテーブルには、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。描画内容には、キャラクタ813の表示位置、キャラクタ813を囲むエフェクトの色と大きさといったキャラクタ813を第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されており、キャラクタ演出用の表示データテーブル毎に異なる描画情報が規定されている。このように構成することで、キャラクタ813がどこに表示されるのかを遊技者が予測し難くなり、主表示領域Dmにキャラクタ813が表示されていないか探す楽しみを提供することができる。
なお、本第36制御例の第3変形例のパチンコ機10は、第36制御例の第2変形例のパチンコ機10と同様に、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を複数の表示レイヤに表示された画像を組み合わせて表示する構成である。表示レイヤは、保留図柄レイヤry1が最前面側(遊技者目線で手前側)にあり、次いで第1演出レイヤry2a、第2演出レイヤry2b、第3演出レイヤry2c、特別図柄レイヤy3、背景レイヤry4の順に配置されるように構成している。
具体的には、図45を参照して上述した描画リストに記載されているように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライトに対応させて各画層(レイヤ)が形成されている。そして、表示画像が重複している箇所については、手前側の画層(レイヤ)に表示される表示画像が優先して視認可能となる。
保留図柄レイヤry1には、主に副表示領域Dsの実行中保留図柄hr0や、待機保留図柄表示領域Ds2に表示する保留図柄や、メッセージ表示領域Ds3に表示される「勝ツぞ」の文字画像が描画される。
また、第1演出レイヤry2aには「ア」の文字816とキャラクタ813の画像が表示されている。第2演出レイヤry2bには、「キ」の文字815の画像が表示され、第3演出レイヤry2cには、「ゲ」の文字814の画像が表示され、背景レイヤry4には、背景画像が表示される。
このように、文字演出の構成要素である各文字814~816、および817bの画像がそれぞれ異なる表示レイヤに表示されることで奥行のある立体的な演出となり、遊技者に臨場感のある演出を提供することができる。
なお、キャラクタ演出におけるキャラクタ813を描画する表示レイヤは、キャラクタ演出用の表示データテーブルの種別によって規定されている。例えば、キャラクタ813を囲むエフェクトが青色の場合(即ち、大当たり当選期待度が比較的低い(例えば、5%)ことを示唆する態様である場合)には、遊技者に提供する遊技情報の重要度が低く、その他の予告演出を優先的に表示させた方が良いため、演出レイヤの中でも最も背面側に配置されている第3演出レイヤry2cにキャラクタ813が描画される。一方、キャラクタ813を囲むエフェクトが金色である場合(即ち、大当たり当選期待度が比較的高い(例えば、60%)ことを示唆する態様である場合)には、遊技者に提供する遊技情報の重要度が高く、その他の予告演出よりも優先的に表示させた方が良いため、演出レイヤの中で最も前面側に配置される第1演出レイヤry2aにキャラクタ813が描画される。
このように構成することで、遊技者にとって重要度の高い遊技情報が、その他の予告演出と重なり隠蔽されてしまうことを抑制することができる一方で、上述したようにキャラクタ演出において表示されるキャラクタ813の表示位置は固定ではないため、例えば、金色のエフェクトで囲まれたキャラクタ813が文字演出における「ゲキアツ」の文字列の構成要素(「ゲ」「キ」「ア」の各文字)のうち、「キ」の文字815の表示位置で表示されているタイミングで文字演出が開始されると、キャラクタ813と文字演出の構成要素である「キ」の文字815が重なって表示されることになる。この場合、キャラクタ813は第1演出レイヤry2aに描画されており、「キ」の文字815は第2演出レイヤry2bに描画されているため、前面側に配置されている第1演出レイヤry2aに描画されているキャラクタ813が優先的に表示されることとなる。このため、キャラクタ813の表示によって「キ」の文字815の一部分(キャラクタ813と重なる部分)が遊技者からは隠れる状態となり、「ゲキアツ」の文字列が形成されているにも拘わらず、遊技者からは「キ」の文字815が表示されているのか否かが分かり難く、文字演出の演出効果が低下してしまう虞がある。なお、文字演出が実行された場合には、大当たり当選期待度が極めて高い(例えば、80%)ことを示唆し、遊技者に提供する遊技情報の重要度が最も高い予告演出である。
そこで、本第36制御例の第3変形例では、文字演出を構成する文字(例えば、「キ」の文字815)が表示レイヤに描画されるタイミングでキャラクタ演出の実行中であるか否かを判別し、キャラクタ演出の演出実行期間と重なる場合には、「キ」の文字815を描画する表示レイヤを第2演出レイヤry2bから保留図柄レイヤry1に変更可能に構成している。このように構成することで、保留図柄レイヤry1は表示レイヤの中で最も前面側(遊技者目線で手前側)に配置されている表示レイヤであるため、第1演出レイヤry2aに描画されるキャラクタ813よりも前面側に「キ」の文字815が表示されることとなり、第1演出レイヤ813の表示位置を可変させることなく「キ」の文字815を遊技者が視認し易くなる。
以下に、上述した文字演出を実行するための制御について説明する。まず、第36制御例の第3変形例におけるパチンコ機10が有する文字演出表示データテーブルの内容について説明する。文字演出表示データテーブルの一例を模式的に示した図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、文字演出の各文字を表示する位置と、描画する表示レイヤを示す情報が規定されている。文字演出表示データテーブルには、文字ポインタ値に対して描画内容が規定されている。文字ポインタ値「0」には、文字演出が開始されることを示すStartデータが規定されている。文字ポインタ値「1000」では、「キ」の文字815の描画指示と描画する表示レイヤを示す情報が規定されている。文字ポインタ値「1500」では、「ゲ」の文字814の描画指示と描画する表示レイヤを示す情報が規定されている。文字ポインタ値「2000」では、「ア」の文字816の描画指示と描画する表示レイヤを示す情報が規定されている。文字ポインタ値「2500」では、メッセージ表示領域Ds3に表示されている「勝」の文字817aと「ぞ」の文字817cを非表示とする描画指示と描画する表示レイヤを示す情報が規定されている。そして、文字ポインタ値「5000」には、文字演出の終了を示すENDデータが規定されている。これにより、表示制御装置114において文字演出が終了したことを判別する。
なお、本第36制御例の第3変形例では、文字演出が実行されると必ず「ゲキアツ」の文字列が形成される構成としたが、これに限るものではなく、「ゲキアツ」の文字列が形成されないまま文字演出が終了するパターン(所謂、ガセパターン)を設ける構成としても良い。
また、本第36制御例の第3変形例では、文字演出において「ゲキアツ」の文字列を形成する構成としたが、これに限るものではなく、他の文字列を形成する構成としても良いし、文字列ではなく、絵柄を形成する構成としても良い。
次に、本第36制御例の第3変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理について説明する。本第36制御例の第3変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理は、上述した第36制御例の第2変形例における表示制御装置114の制御処理に対して、表示設定処理6に代えて表示設定処理7(S6351)を実行する点、文字演出処理に代えて文字演出処理2(S7224)を実行する点、文字演出実行中処理に代えて文字演出実行中処理2(S7552)を実行する点で相違する。その他の処理については同一である。
まず、本第36制御例の第3変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される表示設定処理7(S6351)について説明する。表示設定処理7(S6351)の内容を示したフローチャートである。本第36制御例の第3変形例における表示設定処理7(S6351)は、上述した第36制御例の第2変形例における表示設定処理6に対して、文字演出処理(S7223)に代えて文字演出処理2(S7224)を実行する点で相違する。その他の処理については同一である。
次に、本第36制御例の第3変形例における表示制御装置114のMPU231により実行される表示設定処理7(S6351)内で実行される文字演出処理2(S7224)について説明する。
文字演出処理2(S7224)では、まず、文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されているか判別する(S7551)。文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されていると判別した場合には(S7551:Yes)、文字演出実行中処理2(S7552)を実行し、本処理を終了する。文字演出実行中処理2(S7552)の詳細な説明については、図226を参照して後述する。一方、S7551の処理において、文字演出実行中フラグ233xbがオンに設定されていないと判別した場合には(S7551:No)、文字演出実行可能期間であるか判別する(S7553)。文字演出実行可能期間ではないと判別した場合には(S7553:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S7553の処理において、文字演出実行可能期間であると判別した場合には、表示演出カウンタCS3の値を取得する(S7554)。そして、S7554の処理において取得した表示演出カウンタCS3の値が文字演出の実行値であるか否か判別する(S7555)。取得した表示演出カウンタCS3の値が実行値ではないと判別した場合には(S7555:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S7555の処理において、取得した表示演出カウンタCS3の値が文字演出の実行値であると判別した場合には(S7555:Yes)、文字演出実行中フラグ223xcをオンに設定し(S7556)、文字演出データテーブルを設定し(S7557)、本処理を終了する。
次に、本第36制御例の第3変形例における文字演出処理2(S7224)内で実行される文字演出実行中処理2(S7552)の処理について説明する。文字演出実行中処理2(S7552)では、まず、文字ポインタを1加算する(S7651)。次に、加算後の文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容がENDデータであるか判別する(S7654)。加算後の文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容がENDデータであると判別した場合には(S7654:Yes)、文字ポインタの値を初期化し(S7652)、文字演出実行中フラグ233xbをオフに設定し(S7653)、本処理を終了する。一方、S7654の処理において、加算後の文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容がENDデータではないと判別した場合には(S7654:No)、文字表示データテーブルバッファのうち、文字ポインタにより示されるアドレスの描画内容のデータを取得し(S7655)、取得した描画内容のデータは、「キ」の文字を示す描画内容のデータであるか判別する(S7656)。
S7656の処理において、取得した描画内容のデータは、「キ」の文字を示す描画内容のデータであると判別した場合には(S7656:Yes)、次に、予告演出の実行中であるか判別する(S7657)。予告演出の実行中であると判別した場合には(S7657:Yes)、表示レイヤを保留図柄レイヤry1へ変更して(S7658)、本処理を終了する。一方、S7657の処理において、予告演出の実行中ではないと判別した場合には(S7657:No)、S7658の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
一方、S7656の処理において、取得した描画内容のデータは、「キ」の文字の描画内容のデータではないと判別した場合には(S7656:No)、上述したS7657の処理をスキップし、表示レイヤを保留図柄レイヤry1へ変更して(S7658)、本処理を終了する。
以上説明したように、本第36制御例の第3変形例では、複数の演出レイヤにそれぞれ異なる文字が描画される構成とし、全ての演出レイヤを重ね合わせて表示することで奥行き感のある文字演出を表示可能に構成している。
また、文字演出とその他の予告演出の演出期間が重なり、その他の予告演出によって文字演出の構成要素(文字)が隠蔽される虞がある場合に、文字演出の構成要素(文字)を描画する表示レイヤを最前面に配置されている表示レイヤ(保留図柄レイヤry1)に切り替えることで、その他の予告演出よりも前面側に表示させる構成としている。
このように構成することで、文字演出がその他の予告演出に隠蔽され、遊技者から見て文字演出が実行されていないように見える不具合を解消することができる。
なお、第36制御例の第3変形例では、キャラクタ演出と文字演出の演出期間が重なった場合に、文字演出の描画を前面側に配置された表示レイヤに切り替えることで、キャラクタ演出によって隠蔽されることを抑制する構成について説明したが、文字演出の一部をキャラクタ演出によって隠蔽し、文字演出が提供する遊技情報の内容を可変させる演出を実行しても良い。具体的には、文字演出によって表示される「ゲキアツ」の文字のうち、「ゲキ」が表示されている部分を隠すようにキャラクタ813が表示され、「ゲキアツ」が表示された場合よりも大当たり当選期待度がランクダウンする「アツ」という文字を表示させる演出を実行しても良い。この場合、例えば、キャラクタ813の表示位置が可変すること、或いは表示レイヤが切り替わることを煽る演出を実行する演出を実行すると良い。このように構成することで、キャラクタ813が文字演出と重ならない状態、或いは、文字演出よりも背面側に表示されると、「アツ」の文字が「ゲキアツ」の文字に昇格するため、遊技者にキャラクタ813の移動に興味をもたせることが可能となり、遊技の興趣味を向上させることができる。
<第37制御例>
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせるパチンコ機10がある。
また、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、当たりである場合の方が、長い変動時間の変動パターンが決定され易くすることで、実行中の特別図柄変動の長さによって、特別図柄変動が停止表示されるまでに、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させることが可能なパチンコ機10がある。
さらに、同一の遊技状態が継続する期間であっても、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成しているものがある。具体的には、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定された場合において、特別図柄変動が100回実行される毎に、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルを切り替えることで、異なる変動パターン(変動時間)を設定可能に構成するものがある。
このように構成された従来型のパチンコ機10によれば、同一の遊技状態が長時間継続する場合であっても、特別図柄変動の実行回数に応じて全く異なる変動パターンを設定することができるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるものであったが、特別図柄変動の実行回数に応じて変動パターンテーブルを切り替えるための規定内容(変動パターン選択シナリオ)として、莫大な特別図柄変動回数に対応したデータを規定する必要があり、主制御装置110の処理負荷を増大させてしまう虞があった。
また、特別図柄変動の実行回数と、参照される変動パターンテーブルと、を完全に対応付けてしまうと、どのタイミングでどの変動パターンが選択され易くなるのかが遊技者に予測され易くなってしまうため、特別図柄変動の実行回数と、参照される変動パターンテーブルと、の組合せを多様化し、どのタイミングでどの変動パターンが選択され易くなるのかを遊技者に予測させ難くすることが望まれるが、このような構成を用いた場合には、変動パターン選択シナリオの規定内容がより多様化してしまい、主制御装置110の処理負荷をより増大させてしまうという問題がある。
これに対して、本第37制御例では、同一の遊技状態を、参照される変動パターンテーブルが同一となる範囲を最小単位とした状態テーブルで管理するように構成している。具体的には、同一の遊技状態に対して、参照される変動パターンテーブルが異なる複数の状態テーブルを設け、各状態テーブルにおける移行条件が成立した場合に、異なる状態テーブルへと移行させるように構成している。
このように構成することで、前回の大当たり遊技が終了してからの特別図柄変動回数を計測する必要が無いため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<第37制御例における電気的構成について>
次に、図1118から図1126を参照して、本第37制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第37制御例では、上述した第32制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202及びRAM203の構成を一部異ならせている。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。
まず、図1118を参照して、本第37制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図1118は、本第37制御例のパチンコ機10が有するROM202の構成を模式的に示した図である。図1118に示した通り、本第37制御例では、上述した第32制御例に対して、変動パターン選択テーブル202dに代えて変動パターン選択テーブル202haを設け、さらに、状態移行テーブル202hbと、大当たり移行設定テーブル202hcを追加した点で相違している。
ここで、図1120を参照して、変動パターン選択テーブル202haについて説明をする。図1120(a)は、変動パターン選択テーブル202haに規定されている内容を模式的に示した図である。図1120(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202haには、通常状態が設定されている場合に参照される3つの変動パターンテーブルと、時短状態が設定されている場合に参照される3つの変動パターンテーブルと、が規定されており、設定されている状態ステータス(ST)の種別に応じて、異なる変動パターンテーブルが読み出されるように構成している。
通常用変動パターン1テーブル202ha1は、状態ステータスとして、ST1が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルである。「ST1」は、パチンコ機10が初期化処理を実行した場合、或いは、ラッシュ期間が終了した後に設定される状態ステータスであって、特別図柄変動が20回実行されるまで継続する状態である。
ここで、図1120(b)を参照して、通常用変動パターン1テーブル202ha1に規定されている内容について説明をする。図1120(b)は、通常用変動パターン1テーブル202ha1に規定されている内容を模式的に示した図である。図1120(b)に示した通り、通常用変動パターン1テーブル202ha1に記載されている内容は、上述した第32制御例における通常用変動パターンテーブル202d1に対して、第2特別図柄抽選が実行された場合に選択される変動パターンの内容を異ならせている点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
上述した通り、通常用変動パターン1テーブル202ha1が参照される状態は、ラッシュ期間が終了した後(時短状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄変動が終了した後)に設定されるものであるため、通常用変動パターン1テーブル202ha1を参照して変動パターンが決定される第2特別図柄変動は、通常の遊技を実行している場合には発生し得ない第2特別図柄変動となる。よって、変動時間が100秒のロング変動が実行されるように変動パターンを規定することで、適正では無い遊技(通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させるための右打ち遊技)を実行している遊技者に対して、遊技の進行を遅らせることができる。
なお、状態ステータス「ST1」が設定されている状態で第2特別図柄変動が実行されたことは判別可能な判別手段を設け、判別手段によって第2特別図柄変動が実行されたことを判別した場合に、パチンコ機10の外部に対して不正遊技が実行されたことを報知可能な報知手段を設けても良い。
通常用変動パターン2テーブル202ha2は、状態ステータスとして、ST2が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルである。「ST2」は、「ST1」の移行条件が成立した場合に設定される状態ステータスであって、特別図柄変動が80回実行されるまで継続する状態である。
ここで、図1121(a)を参照して、通常用変動パターン2テーブル202ha2に規定されている内容について説明をする。図1121(a)は、通常用変動パターン2テーブル202ha2に規定されている内容を模式的に示した図である。図1121(a)に示した通り、通常用変動パターン2テーブル202ha2は、上述した通常用変動パターン1テーブル202ha1(図1120(b)参照)に対して、第1特別図柄変動の変動パターンとして「ノーマルリーチ」が選択されないように規定している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
上述した通り、通常用変動パターン2テーブル202ha2に規定されている内容は、通常用変動パターン1テーブル202ha1に対して、選択し得る変動パターンの種別を一部異ならせているため、実行される特別図柄変動の変動パターンに基づいて、遊技者に対して、現在設定されている状態ステータスを予測させることが可能となる。
また、同一の遊技状態が設定されている場合であっても、設定されている状態ステータスに応じて変動パターンの選択内容を異ならせることができるため、同一の遊技状態にて長時間遊技を実行している遊技者が、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。具体的には、状態ステータスとして「ST1」が設定されている場合よりも、「ST2」が設定されている場合の方が、スーパーリーチに対応する変動パターンが選択され易くなるように構成している。
通常用変動パターン3テーブル202ha3は、状態ステータスとして、ST3が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルである。「ST3」は、時短状態における最終変動に対応する状態ステータス「ST6」が設定されている状態で移行条件が成立した場合に設定される状態ステータスであって、特別図柄変動が1回実行されるまで継続する状態である。
ここで、図1121(b)を参照して、通常用変動パターン3テーブル202ha3に規定されている内容について説明をする。図1121(b)は、通常用変動パターン3テーブル202ha3に規定されている内容を模式的に示した図である。図1121(b)に示した通り、通常用変動パターン3テーブル202ha3は、特別図柄種別、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、20秒の変動時間となる変動パターンが選択されるように構成している。この通常用変動パターン3テーブル202ha3は、通常、ラッシュ期間中における通常状態の第2特別図柄変動(時短状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄変動)を実行する際に参照されるものである。
時短用変動パターン1テーブル202ha4は、状態ステータスとして、ST4が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルである。「ST4」は、時短大当たり(大当たりA,C,D)が終了した後に設定される状態ステータスである。つまり、時短状態中に実行される最初の特別図柄変動に少なくとも対応している状態ステータスである。
ここで、図1122(a)を参照して、時短用変動パターン1テーブル202ha4に規定されている内容について説明をする。図1122(a)は、時短用変動パターン1テーブル202ha4に規定されている内容を模式的に示した図である。図1122(a)に示した通り、時短用変動パターン1テーブル202ha4には、上述した第32制御例における時短用変動パターンテーブル202d2(図957(a)参照)と同一の内容が規定されている。
時短用変動パターン2テーブル202ha5は、状態ステータスとして、ST5が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルである。「ST5」は、状態ステータスとして「ST4」が設定されている状態で移行条件が成立した場合に設定される状態ステータスである。
ここで、図1122(b)を参照して、時短用変動パターン2テーブル202ha5に規定されている内容について説明をする。図1122(b)は、時短用変動パターン2テーブル202ha5に規定されている内容を模式的に示した図である。図1122(b)に示した通り、時短用変動パターン2テーブル202ha5には、第1特別図柄変動に対しては、上述した第32制御例における特殊時短用変動パターンテーブル202d3(図957(b)参照)と同一の内容が、第2特別図柄変動に対しては、上述した第32制御例における時短用変動パターンテーブル202d2(図957(a)参照)と同一の内容が規定されている。
次に、時短用変動パターン3テーブル202ha6は、状態ステータスとして、ST6が設定されている場合に参照される変動パターンテーブルである。「ST6」は、状態ステータスとして「ST5」が設定されている状態で移行条件が成立した場合に設定される状態ステータスである。
ここで、図1123を参照して、時短用変動パターン3テーブル202ha6に規定されている内容について説明をする。図1123は、時短用変動パターン3テーブル202ha6に規定されている内容を模式的に示した図である。図1123に示した通り、時短用変動パターン3テーブル202ha6には、第1特別図柄変動に対しては、上述した第32制御例における特殊時短用変動パターンテーブル202d3(図957(b)参照)と同一の内容が、第2特別図柄変動に対しては、上述した第32制御例における時短最終変動パターンテーブル202d4(図957(c)参照)と同一の内容が規定されている。
状態移行テーブル202hbは、パチンコ機10に設定される状態ステータスの内容が予め規定されているデータテーブルである。ここで、図1124(a)を参照して、状態移行テーブル202hbに規定されている内容について説明をする。図1124(a)は、状態移行テーブル202hbに規定されている内容を模式的に示した図である。図1124(a)に示した通り、状態移行テーブル202hbには、6種類の状態移行テーブルが格納されている。各状態移行テーブルには、参照される変動パターンテーブルの種別、異なる状態ステータスへの移行条件、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータスが規定されており、遊技の経過に応じて、異なる状態移行テーブルへと移行するように構成している。このように構成することで、状態移行テーブルを移行させるための移行条件に関する管理を実行するだけで、遊技状態や特別図柄変動回数に応じて様々な変動パターンを選択可能となる。
状態移行1テーブル202hb1は、パチンコ機10が初期化処理を実行した場合、或いは、ラッシュ期間が終了した後に設定される状態ステータスである。つまり、初期化されたパチンコ機10が立ちあがった場合には、まず、状態移行1テーブル202hb1を参照して変動パターンが選択される。
ここで、図1124(b)を参照して、状態移行1テーブル202hb1の内容について説明をする。図1124(b)は、状態移行1テーブル202hb1に規定されている内容を模式的に示した図である。図1124(b)に示した通り、状態移行1テーブル202hb1には、参照される変動パターンテーブルの種別「通常1(通常用変動パターン1テーブル202ha1)」、移行条件「特図変動20回」、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータス「ST2」が規定されている。
次に、図1124(c)を参照して、状態移行2テーブル202hb2の内容について説明をする。図1124(c)は、状態移行2テーブル202hb2に規定されている内容を模式的に示した図である。図1124(c)に示した通り、状態移行2テーブル202hb2には、参照される変動パターンテーブルの種別「通常2(通常用変動パターン2テーブル202ha2)」、移行条件「特図変動80回」、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータス「ST1」が規定されている。
次に、図1124(d)を参照して、状態移行3テーブル202hb3の内容について説明をする。図1124(d)は、状態移行3テーブル202hb3に規定されている内容を模式的に示した図である。図1124(d)に示した通り、状態移行3テーブル202hb3には、参照される変動パターンテーブルの種別「通常3(通常用変動パターン3テーブル202ha3)」、移行条件「特図変動1回」、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータス「ST1」が規定されている。
次に、図1125(a)を参照して、状態移行4テーブル202hb4の内容について説明をする。図1125(a)は、状態移行4テーブル202hb4に規定されている内容を模式的に示した図である。図1125(a)に示した通り、状態移行4テーブル202hb4には、参照される変動パターンテーブルの種別「時短1(時短用変動パターン1テーブル202ha4)」、移行条件として、移行条件1「特図1変動4回or特図2変動1回」、移行条件2「小当たり当選」が、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータスとして、移行条件1が成立した場合「ST5」、移行条件2が成立した場合「ST3」が規定されている。
次に、図1125(b)を参照して、状態移行5テーブル202hb5の内容について説明をする。図1125(b)は、状態移行5テーブル202hb5に規定されている内容を模式的に示した図である。図1125(b)に示した通り、状態移行5テーブル202hb5には、参照される変動パターンテーブルの種別「時短2(時短用変動パターン2テーブル202ha5)」、移行条件として、移行条件1「特図1変動1回or特図2変動1回」、移行条件2「小当たり当選」が、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータスとして、移行条件1が成立した場合「ST6」、移行条件2が成立した場合「ST3」が規定されている。
次に、図1125(c)を参照して、状態移行6テーブル202hb6の内容について説明をする。図1125(c)は、状態移行6テーブル202hb6に規定されている内容を模式的に示した図である。図1125(c)に示した通り、状態移行6テーブル202hb6には、参照される変動パターンテーブルの種別「時短3(時短用変動パターン3テーブル202ha6)」、移行条件として、移行条件1「特図1変動5回or特図2変動1回」が、移行条件が成立した場合における移行先の状態ステータスとして、移行条件1が成立した場合に「ST3」が規定されている。
大当たり移行設定テーブル202hcは、大当たり遊技終了後に設定される状態ステータスの種別が格納されているデータテーブルであって、大当たり遊技終了時に参照され、実行中の大当たり遊技に対応する大当たり種別に応じた状態ステータス(ST1又はST4)が設定される。
ここで、図1126を参照して、大当たり移行設定テーブル202hcに規定されている内容について説明をする。図1126は、大当たり移行設定テーブル202hcに規定されている内容を模式的に示した図である。図1126に示した通り、大当たり移行設定テーブル202hcには、大当たり種別に対応させて移行先の状態ステータス(移行先ST)が規定されている。具体的には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される「大当たりA,C,D」に対しては、時短状態における最初の状態ステータスである「ST4」が移行先STとして規定されており、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される「大当たりB」に対しては、通常状態における最初の状態ステータスである「ST1」が移行先STとして規定されている。
次に、図1119を参照して、本第37制御例における主制御装置110のRAM203の構成について説明をする。図1119は本第37制御例におけるRAM203の構成を模式的に示した図である。図1119に示した通り、本第37制御例におけるRAM203の構成は、上述した第32制御例におけるRAM203に対して、状態ステータス203haと、規定回数カウンタ203hbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。
状態ステータス203haは、状態移行テーブル202hbに規定されている各種状態移行テーブルのうち、現在参照されている状態移行テーブルの種別を記憶するための記憶領域である。
規定回数カウンタ203hbは、状態移行テーブルを移行させるための移行条件が成立するまでの回数(通常状態における特別図柄変動回数)を計測するためのカウンタである。
<第37制御例における制御処理について>
次に、図1127から図1129を参照して、本第37制御例における制御処理の内容のうち、上述した第32制御例とは異なる点について説明をする。本第37制御例では、上述した第32制御例に対して、特別図柄変動に対して変動パターンを選択するための制御処理の内容を異ならせている。
まず、図1127を参照して、特別図柄変動処理8(S184)の処理内容について説明をする。図1127は、特別図柄変動処理8(S184)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理8(S184)は、上述した第32制御例における特別図柄変動処理(S104)に対して、特別図柄変動パターン選択処理(S210)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理8(S290)を実行する点と、時短更新処理(S224)を終えた後に、変動回数減算処理(S291)を実行する点とで相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図1128を参照して、特別図柄変動パターン選択処理8(S290)の処理内容について説明をする。図1128は、特別図柄変動パターン選択処理8(S290)の処理内容を示したフローチャートである。図1128に示した通り、特別図柄変動パターン選択処理8(S290)が実行されると、上述した第32制御例の特別図柄変動パターン選択処理(S210)と同一のS401~S403の処理を実行し、その後、現在の状態ステータスに応じた変動パターン選択テーブルを読み出し(S484)、S405~S410の処理を実行する。
次いで、変動回数減算処理(S291)の処理内容について、図1129を参照して説明をする。図1129は、変動回数減算処理(S291)の処理内容を示したフローチャートである。この変動回数減算処理(S291)では、状態ステータスの移行条件が成立したか否かを判別するために用いられる各種要素を更新(減算)するための処理が実行される。
変動回数減算処理(S291)が実行されると、まず、規定回数カウンタ203hbの値が0よりも大きいかを判別し(S681)、大きいと判別した場合は(S681:Yes)、規定回数カウンタ203hbの値を1減算し(S682)、ステータス移行条件が成立したかを判別する(S683)。S683の処理において、ステータス移行条件が成立したと判別した場合は(S683:Yes)、状態移行テーブル202hbに応じた状態移行をし、対応する状態コマンドを設定し(S684)、移行後の状態移行テーブルに応じた移行条件を、規定回数カウンタ203hb、特図2カウンタ203q、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203rに設定し(S685)、本処理を終了する。このように構成することで、次に実行される特別図柄変動からは、移行先の状態移行テーブルを参照して変動パターンを決定することができる。
<第38制御例>
次に、図1130から図1136を参照して、第38制御例のパチンコ機10について説明をする。上述した第32制御例では、特別図柄変動の変動パターン(変動時間)を決定する際に、変動パターン選択テーブル202bを参照し、変動パターン選択テーブル202bに規定されている変動パターンを決定する処理を実行するように構成していた。このように構成した場合、様々な変動時間の変動パターンを決定するためには、様々な変動時間に対応する変動パターンを予め変動パターン選択テーブル202bに規定する必要があり、変動パターンの種別を増加させる程、変動パターン選択テーブル202bの規定内容を記憶しておくための記憶領域の容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本第38制御例では、変動パターン(変動時間)を決定するための第1要素(主変動時間)と、第2要素(加算変動時間)と、を独立して決定可能に構成し、その第1要素と、第2要素とを合算させる合算処理によって算出された合算変動時間を、変動パターンとして決定可能に構成している。このように構成することで、複数の要素を組合せる分、予め規定されている変動パターン(変動パターンの一部)のデータ数よりも多くの種類の変動パターン(合算後の変動時間)を決定することが可能となるため、変動パターンの種別を増加させる際に生じる、変動パターン選択テーブル202bの規定内容を記憶しておくための記憶領域の容量が増加してしまうという問題を抑制することが可能となる。
さらに、本第38制御例では、合算変動時間が示す変動時間の長さが所定時間(65536×2ミリ秒)よりも長い場合と、短い場合とで、決定された変動パターンの記憶方法を異ならせるように構成している。
具体的には、変動時間の長さを記憶するための変動時間カウンタを、2バイトの容量で構成し、最大で65536までの値を設定可能に構成している。そして、変動時間カウンタ203ibの値が2ミリ秒単位で実行される主制御装置110のタイマ割込処理(図963参照)にて更新(減算)可能に構成している。つまり、合算変動時間が示す変動時間の長さが所定時間(65536×2ミリ秒)よりも短い場合は、その変動時間に対応する値を変動時間カウンタ203ibの値にセットすることで記憶可能に構成している。
一方、合算変動時間が示す変動時間の長さが所定時間(65536×2ミリ秒)よりも長い場合には、変動時間カウンタ203ibにて設定可能な値をオーバーフローしたことを示すためのオーバーフローフラグ203iaをオンに設定し、合算変動時間から所定時間(65536×2ミリ秒)を除した値を変動時間カウンタ203ibにセットするように構成している。そして、変動時間カウンタ203ibの値が0となった場合に、オーバーフローフラグ203iaがオンに設定されているかを判別し、オンに設定されている場合には、変動時間カウンタ203ibに対して65536の値を再セットするように構成している。
このように構成することで、合算変動時間が示す変動時間の長さが所定時間(65536×2ミリ秒)よりも長くなることを想定し、変動時間カウンタ203ibを、3バイトの容量で構成する必要が無くなるため、変動時間を管理するための処理容量を軽減することができる。
また、本第38制御例では、オーバーフローフラグ203iaが、他の処理にて用いられる制御データの空き容量(飽きの1ビット)を用いて設けられているため、オーバーフローフラグ203iaを設けるために専用のデータ容量を用いることが無い。
なお、これに限ること無く、例えば、変動時間カウンタ203ibに用いられる2バイトのデータ容量のうち、変動時間を減算する際に用いられることが無い領域を用いてオーバーフローフラグ203iaを設けても良い。
また、本制御例では、変動時間カウンタ203ibの値を、主制御装置110にて定期的に実行されるタイマ割込処理(2ミリ秒毎)にて更新するように構成している。ここで、パチンコ機10では、遊技球の入賞を検知したり、設定したコマンドを他の制御装置へと出力したりするために、短いタイミングでループ処理を実行する必要があることから、2ミリ秒単位でタイマ割込処理が実行されるように構成している。
よって、例えば、変動時間カウンタ203ibの値を、例えば1秒単位で更新させるようにループ処理を実行するように構成することで、2バイトのデータ容量を用いて、最大で65536秒の変動時間を計測可能となる。しかしながら、変動時間カウンタ203iaの更新間隔に対応させてパチンコ機10にて実行されるタイマ割込処理の実行間隔を1秒間隔にしてしまうと、他の遊技に関する制御処理に多大な影響を与えてしまうという問題が発生する。一方、タイマ割込処理を2ミリ秒間隔で実行させながら、変動時間カウンタ203iaの更新処理を、2ミリ秒間隔では無く、その等倍間隔(例えば、20ミリ秒間隔)で実行するように構成すれば、2バイトのデータ容量を用いて、最大で65536×20ミリ秒の変動時間を計測可能となる。しかしながら、そのような構成を用いる場合には、タイマ割込処理が実行された回数が所定回数(10回)となった場合に変動時間カウンタ203iaの更新処理を実行させるための専用の処理が必要となるため、変動時間を管理する処理全体として主制御装置110の処理負荷が増大してしまうという問題があった。これに対して、本第38制御例では、2バイト分のデータ容量で管理可能な変動時間よりも大きな変動時間が決定された場合に、オーバーフローフラグ203ibをオンに設定する処理を実行するだけで良く、変動時間を管理するための処理容量を軽減することができる。
また、変動時間に関する情報をコマンド出力する場合も、2バイト分のデータと、オーバーフローフラグ203ibの設定情報を示すための1ビットの情報(「0」=オフ、「1」=オン)と、を出力するだけで良く、たとえば、3バイト分のデータを用いて変動時間を管理する場合に比べて、コマンド出力するデータ量(データに含まれるビット数)を削減することができる。
<第38制御例における電気的構成について>
まず、図1130から図1133を参照して、本第38制御例における電気的構成について説明をする。本第38制御例では、上述した第32制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1130(a)は、変動パターン選択9テーブル202iaに規定されている内容を示した図である。図1130(a)に示した通り、変動パターン選択9テーブル202iaには、通常状態における主変動時間を選択するための通常用主変動パターンテーブル202ia1と、時短状態における主変動時間を選択するための時短用主変動パターンテーブル202ia2と、通常状態における加算変動時間を選択するための通常用加算変動パターンテーブル202ia3と、が設けられている。なお、本第38制御例では、主変動時間と加算変動時間とを用いて変動時間が決定される遊技状態(通常状態)と、主変動時間のみで変動時間が決定される遊技状態(時短状態)と、を設定可能に構成している。よって、時短状態に対しては、加算変動時間を選択するためのデータテーブルを設けていない。
なお、これに限ること無く、時短状態においても、主変動時間と加算変動時間とを用いて変動時間を決定可能に構成しても良い。また、時短状態における変動パターンを、通常状態における加算変動時間を選択するための通常用加算変動パターンテーブル202ia3のみを用いて決定可能に構成しても良い。
ここで、通常用主変動パターンテーブル202ia1について、図1130(b)を参照して説明をする。図1130(b)は、通常用主変動パターンテーブル202ia1に規定されている内容を模式的に示した図である。図1130(b)に示した通り、通常用主変動パターンテーブル202ia1には、上述した第37制御例における通常用変動パターン1テーブル202ha1(図1120(b)参照)と同一の変動パターンが規定されており、規定されている変動パターン(変動時間)に対応する変動時間値(変動時間カウンタ203ibにセットされる値)が規定されている。
次に、時短用主変動パターンテーブル202ia2について、図1131(a)を参照して説明をする。図1131(a)は、時短用主変動パターンテーブル202ia2に規定されている内容を模式的に示した図である。図1131(a)に示した通り、時短用主変動パターンテーブル202ia2には、上述した第37制御例における時短用変動パターン1テーブル202ha4(図1122(a)参照)と同一の変動パターンが規定されており、規定されている変動パターン(変動時間)に対応する変動時間値(変動時間カウンタ203ibにセットされる値)が規定されている。
次に、通常用加算変動パターンテーブル202ia3について、図1131(b)を参照して説明をする。図1131(b)は、通常用加算変動パターンテーブル202ia3に規定されている内容を模式的に示した図である。図1131(b)に示した通り、通常用加算変動パターンテーブル202ia3には、実行される演出の種別(対応演出)に応じた加算変動時間が図柄種別(特別図柄種別)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した第2変動種別カウンタCS11に応じて規定されており、例えば、対応演出として、「擬似連1回」に対応する10秒の加算変動時間、「擬似連2回」に対応する20秒の加算変動時間、「擬似連3回」に対応する30秒の加算変動時間、「擬似連4回」に対応する40秒の加算変動時間が選択可能に構成されている。
このように構成することで、主変動時間に対して、実行される対応演出に応じた変動時間を加算することができるため、演出効果を高めることができる。なお、本第38制御例では、第1特別図柄抽選にて小当たり当選(当選確率1/65536)した場合には、加算変動時間が選択されないように構成している。つまり、第1特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、主変動時間として専用の特殊演出(例えば、フリーズ演出)が実行され、特別図柄変動が開始された直後に、遊技者に対して小当たり当選したことを報知するように構成している。このように、主変動時間として、特別図柄抽選の結果を遊技者に早期に判別させることが可能となる変動パターンが選択される場合には、加算変動時間を決定しないように構成することで、無用な演出(例えば、擬似連)が実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図1132を参照して、本第38制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図1132は、本第38制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を模式的に示した図である。図1132に示した通り、本第38制御例では、上述した第32制御例に対して、オーバーフローフラグ203iaと、変動時間カウンタ203ibと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
オーバーフローフラグ203iaは、主変動時間と、加算変動時間とを合算した合算変動時間を示すための値が、変動時間カウンタ203ibにセット可能な上限値(65536)を超えたことを示すためのフラグであって、上限値(65536)を超えた場合にオンにセットされる(図1135のS404a参照)。そして、変動時間カウンタ203ibの値が1になったと判別した場合に(図1136のS502a:Yes)参照され(図1136のS503a参照)、オンに設定されていると判別され変動時間カウンタ203ibに65536の値が設定される場合にオフに設定される(図1136のS504a参照)。
変動時間カウンタ203ibは、決定された特別図柄変動の変動時間を示すためのカウンタであって、主変動時間と、加算変動時間とを合算した合算変動時間に対応する値がセットされる(図1135のS405a,S409a参照)。そして、特別図柄変動が実行されている間、2ミリ秒毎に減算される(図1136のS501a)。そして、変動時間カウンタ203ibが示す値が0となった場合に、特別図柄変動を停止表示させるための処理が実行される。
この変動時間カウンタ203ibは、図1133に示した通り、2バイト(16ビット)のデータ領域であって、各ビットに対して、2進数の情報を書き込み可能である。つまり、変動時間カウンタ203ibには、「0000000000000000」から「1111111111111111」の65536(2の16乗)通りの情報を書き込み可能に構成している。
<第38制御例における制御処理について>
次に、図1134から図1136を参照して、本第38制御例における制御処理のうち、上述した第32制御例とは異なる制御処理の内容について説明をする。本第38制御例では、上述した通り、特別図柄変動の変動時間を決定するための処理と、決定された変動時間を管理するための処理の内容を異ならせている。具体的には、特別図柄変動処理(S104)に代えて特別図柄変動処理9(S104a)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、その説明を省略する。
まず、図1134を参照して、特別図柄変動処理9(S104a)の処理内容について説明をする。図1134は、特別図柄変動処理9(S104a)の処理内容を示したフローチャートである。図1134に示した通り、特別図柄変動処理9(S104a)は、上述した特別図柄変動処理(S104)に対して、特別図柄変動パターン選択処理(S210)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理9(S210a)を実行する点と、特別図柄の変動時間が経過していないと判別した場合に(S215:No)、変動時間更新処理(S216a)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、特別図柄変動パターン選択処理9(S210a)の処理内容について、図1135を参照して説明をする。図1135は、特別図柄変動パターン選択処理9(S210a)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理9(S210a)では、特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間の第1要素である主変動時間と、第2要素である加算変動時間と、を決定する処理と、決定された主変動時間、及び、加算変動時間を合算した合算変動時間を算出する処理と、合算変動時間の長さに応じた変動時間を記憶する処理と、が実行される。
具体的には、特別図柄変動パターン選択処理9(S210a)が実行されると、上述した第32制御例の特別図柄変動パターン選択処理(S210)と同一のS401~S404の処理を実行し、その後、読み出したテーブルから各変動種別カウンタの値に対応する変動パターン(主変動時間)、加算時間(加算変動時間)を選択し(SW有効時間カウンタ223qの値401a)、主変動時間と加算変動時間(加算時間)とを合算する(S402a)。
そして、合算された合算変動時間を示すための合算値が65536よりも大きいかを判別し(S403a)、大きいと判別した場合は(S403a:Yes)、オーバーフローフラグ203iaをオンに設定し(S404a)、合算値から65536を除した値を変動時間カウンタ203ibに格納(セット)し(S405a)、その後、上述した第32制御例と同一のS406~S408の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S403aの処理において、合算値が65536よりも大きく無いと判別した場合は(S403a:No)、そのままの合算値を変動時間カウンタ203ibに格納(セット)し、S406の処理へ移行する。
次に、図1136を参照して、変動時間更新処理(S216a)の処理内容について説明をする。図1136は、変動時間更新処理(S216a)の処理内容を示したフローチャートである。この変動時間更新処理(S216a)では、変動時間を更新するための処理が実行される。
変動時間更新処理(S216a)が実行されると、まず、変動時間カウンタ203ibの値を1減算し(S501a)、減算後の変動時間カウンタ203ibの値が1であるかを判別する(S502a)。S502aの処理によって、変動時間カウンタ203ibの値が1であると判別した場合は(S502a:Yes)、次に、オーバーフローフラグ203iaがオンに設定されているかを判別し(S503a)、オンに設定されていると判別した場合は(S503a:Yes)、オーバーフローフラグ203iaをオフに設定し(S504a)、変動時間カウンタ203ibの値を65536にセットし(S505a)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S506a)、本処理を終了する。
また、S502aの処理において、変動時間カウンタ203ibの値が1では無いと判別した場合(S502a:No)、或いは、S503aの処理において、オーバーフローフラグ203iaがオンに設定されていないと判別した場合(S503a:No)は、S504a、及びS505aの処理をスキップして、S506aの処理へ移行する。
<第39制御例>
次に、図1137から図1143を参照して、第39制御例におけるパチンコ機10について説明をする。上述した各制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出として、第3図柄を用いた変動演出を実行することで、遊技者に対して、特別図柄変動が開始されてから終了するまでの期間(特別図柄変動期間)に、遊技に飽きてしまわないよう構成していた。特に、上述した第35制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄と、第3図柄表示装置81の近傍に設けられた装飾用可動役物を用いた変動演出を実行することにより、演出効果を高めた技術が用いられていた。
しかしながら、何れの制御例においても、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄の表示態様として固定の表示態様を用いているため、長時間遊技を実行している遊技者が遊技に飽きてしまい易いという問題があった。
これに対して、本第39制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄の表示態様を複雑に可変させることで、遊技者が遊技に早期に飽きることが無いように構成している。具体的には、第3図柄を、数字図柄と箱図柄とを複合させて構成し、各図柄に対して、それぞれ変動演出の演出態様を決定可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面にて表示される第3図柄の表示態様が、数字図柄の演出態様と、箱図柄の演出態様とを組み合わせたものとすることができるため、第3図柄の演出態様をより複雑に創出することが可能となる。
<第39制御例における演出内容について>
ここで、図1137、及び、図1138を参照して、本第39制御例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、上述した第32制御例とは異なる特徴的な演出内容について説明をする。図1137(a)は、第3図柄変動中の表示画面を示した図である。
図1137(a)に示した通り、本第39制御例では、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmに形成される有効ラインL1上を、3つの第3図柄(左第3図柄Z1、中第3図柄Z2、右第3図柄Z3)が変動表示するように構成しており、3つの第3図柄が、特定の組合せ(例えば、同一数字の組合せ)で停止表示された場合に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを遊技者に報知可能に構成している。
図1137(a)に示した通り、各第3図柄は、箱図柄ZAと、数字図柄ZBとから形成されており、通常であれば、箱図柄ZAと数字図柄ZBとが同一の変動態様(奥側から手前側に向けて回転する変動態様)で変動表示されるように構成している。よって、通常時における第3図柄の変動演出では、図1137(a)に示した通り、箱図柄ZAと数字図柄ZBとが一体となった1の第3図柄が変動表示されているような変動演出が実行される。
しかしながら、本第39制御例では、箱図柄ZAと数字図柄ZBとで、異なる変動パターンで変動演出を実行可能に構成しているため、図1137(a)に示した変動演出とは異なる態様で第3図柄を変動表示させることができる。
次に、図1137(b)、及び図1138を参照して、本第39制御例にて実行可能な第3図柄の変動演出の演出態様について説明をする。図1137(b)は、遅れ演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図1137(b)に示した通り、遅れ演出が開始されると、数字図柄ZB1~ZB3が停止表示された状態で、箱図柄ZA1~ZA3のみが先に変動表示される。
その後、0.2秒が経過すると、停止表示されていた数字図柄ZB1~ZB3が変動表示を開始する。このように構成することで、第3図柄の変動開始時の態様を、通常時とは異ならせることができるため、遊技者に違和感を与えた演出を実行することができる。また、各数字図柄ZBが変動表示を始めた時点で遅れ演出が実行されたか否かを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者に対して、第3図柄の変動表示が開始されるタイミングを注視させ易くすることができる。
次に、図1138(a)を参照して、展開演出について説明をする。図1138(a)は、展開演出中の表示される表示画面の一例を示した図である。展開演出は、有効ラインL1上にて変動表示されていた3つの第3図柄(Z1~Z3)のうち、特定の第3図柄(Z2)のみを用いて特別図柄抽選の結果が停止表示される変動演出である。
具体的には、60秒の変動パターンであって、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合に実行される演出であり、変動が開始されてから56秒が経過するまでは、3つの第3図柄(Z1~Z3)を用いた変動演出が実行される。そして、3つの第3図柄(Z1~Z3)が外れ当選を示す組合せ(例えば、「2.5.7」)で停止表示された後に、左第3図柄Z1と右第3図柄Z3とが、有効ラインL1上から移動し、中第3図柄Z2のみが有効ラインL1上に位置する表示態様が表示され、その後、図1138(a)に示した通り、中第3図柄Z2の一部を構成する箱図柄ZA2が展開し、左側面ZAaと、右側面ZAbが表示され、左側面ZAaに付されている左側面図柄ZB2a「5」と、右側面ZAbに付されている右側面図柄ZB2b「5」と、を用いて、3つの「5」が有効ラインL1に停止表示され、大当たり当選を示す組合せが表示される。
このように構成することで、3つの第3図柄(Z1~Z3)を用いた表示態様が外れ当選を示す表示態様で停止表示された場合であっても、大当たり当選の期待を残すことができるため、遊技者に対して、最後まで変動演出に注視させることができる。なお、図1138(a)に示した図では、有効ラインL1上から移動した左第3図柄Z1と右第3図柄Z3とを主表示領域Dmの隅に表示しているが、これに限ること無く、非表示としても良い。
次に、図1138(b)を参照して、横回転演出の演出内容について説明をする。図1138(b)は、横回転演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
<第39制御例における電気的構成について>
次に、図1139及び図1140を参照して、本第39制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成について説明をする。図1139は、本第39制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図1139に示した通り、本第39制御例では、上述した第32制御例のROM222に対して、チャンス態様選択テーブル222jaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付して説明を省略する。
チャンス態様選択テーブル222jaは、変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、主制御装置110から60秒の変動時間に対応する変動パターンコマンドを受信した場合に参照される(図1142のS4503a参照)。このチャンス態様選択テーブル222jaには、第3図柄を形成する箱図柄ZA、及び、数字図柄ZBのそれぞれに対して、追加演出態様が規定されており、チャンス態様選択テーブル222jaを参照して追加演出態様が決定された場合には、箱図柄ZA、及び、数字図柄ZBに対して異なる表示用コマンドが決定される。
具体的には、図1140に示した通り、当否判定が「当たり」であって、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~49」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「遅れ」が規定されており、「50~69」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「展開」が規定されており、「70~74」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「逆転」が規定されており、「75~79」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「横回転」が規定されており、「80~99」の範囲に対しては、追加演出態様「無し」が規定されている。
まや、当否判定が「外れ」であって、取得した第2演出カウンタ223f2の値が「0~29」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「遅れ」が規定されており、「30~32」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「逆転」が規定されており、「33,34」の範囲に対しては、追加演出態様の態様種別として「横回転」が規定されており、「35~99」の範囲に対しては、追加演出態様「無し」が規定されている。
<第39制御例における制御処理について>
次に、図1141~図1143を参照して、本第39制御例のパチンコ機10にて実行される制御処理のうち、上述した第32制御例とは異なる制御処理の処理内容について説明をする。本第39制御例では、上述した第32制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の一部と、表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理の一部と、を変更しており、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。
具体的には、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理として変動演出設定処理(S4304)に代えて、変動演出設定処理10(S4304a)を実行する点と、表示制御装置114のMPU231により実行される制御処理として変動パターンコマンド処理(S6405)に代えて変動パターンコマンド処理10(S6405a)を実行する点で相違している。
ここで、図1141を参照して、変動演出設定処理10(S4304a)の処理内容について説明をする。図1141は変動演出設定処理10(S4304a)の処理内容を示したフローチャートである。図1141に示した通り、変動演出設定処理10(S4304a)は、上述した変動演出設定処理(S4304)に対して、通常状態において実行される第1特別図柄変動に対応する第3図柄の変動演出の演出態様を決定するための処理を異ならせている。
具体的には、上述した変動演出設定処理(S4304)と同一のS4401~S4408の処理を実行し、S4404の処理において、演出固定フラグ223tがオンに設定されていると判別した場合(S4404:Yes)、或いは、S4408の処理を終了した場合に、通常用演出設定処理を実行し(S4401a)、本処理を終了する点で相違している。
ここで、図1142を参照して、通常用演出設定処理(S4401a)の処理内容について説明をする。図1142は、通常用演出設定処理(S4401a)の処理内容を示したフローチャートである。この通常用演出設定処理(S4401a)では、通常状態における第1特別図柄変動に対応する変動演出として、チャンス演出態様を決定するための処理が実行される。
通常用演出設定処理(S4401a)が実行されると、まず、当該変動の抽選結果と、抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4501a)、決定した演出態様がチャンス演出態様であるかを判別する(S4502a)。本第39制御例では、変動パターンとして60秒の変動時間の変動パターン(スーパーリーチ)を示すための変動パターンコマンドが主制御装置110から出力された場合に、チャンス演出態様であると判別する。
S4502aの処理において、チャンス演出態様であると判別した場合は(S4502a:Yes)、チャンス態様選択テーブル222jaを参照して演出態様を決定し(S4503a)、次に、決定された演出態様(追加演出態様)が、数字図柄遅延(遅れ)であるかを判別し(S4504a)、数字図柄遅延(遅れ)であると判別した場合は(S4504a:Yes)、決定された演出態様に応じた遅延時間(0.2秒)を示すための表示用数字図柄遅延コマンドを設定し(S4505a)、本処理を終了する。
また、S4504aの処理において、数字図柄遅延(遅れ)ではないと判別した場合は(S4504a:No)、次に、決定された演出態様(追加演出態様)が、箱図柄展開(展開)であるかを判別し(S4506a)、箱図柄展開(展開)であると判別した場合は(S4506a:Yes)、決定された演出態様に応じた表示用複合図柄コマンドを設定し(S4507a)、本処理を終了する。
S4506aの処理において、決定された演出態様(追加演出態様)が、箱図柄展開(展開)では無いと判別した場合は(S4506a:No)、その他、決定された演出態様に応じて数字図柄ZB、箱図柄ZAの演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S4508a)、本処理を終了する。
次に、図1143を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される変動パターンコマンド処理10(S6405a)の処理内容について説明をする。図1143は、変動パターンコマンド処理10(S6405a)の処理内容を示したフローチャートである。この変動パターンコマンド処理10(S6405a)では、上述した第32制御例の表示制御装置114のMPU231により実行される変動パターンコマンド処理(S6405)に対して、チャンス演出態様にて設定される表示用コマンドを受信した場合に、受信した表示用コマンドに対応する情報を、表示データテーブルに設定させる処理を実行する点で相違し、それ以外は同一である。
変動パターンコマンド処理10(S6405a)が実行されると、まず、数字図柄遅延コマンドを受信したかを判別し(S6501a)、受信したと判別した場合は(S6501a:Yes)、数字図柄に関する変動表示データテーブルに遅延時間に対応する情報を設定する(S6502a)。本処理によって、数字図柄ZBを変動表示させるための描画情報が、表示データテーブルに設定されるタイミングを遅延時間分(0.2秒)遅らせることが可能となる。つまり、遅れ演出専用の変動演出を示す表示用コマンド、及び、遅れ演出専用の表示データテーブルを用いること無く、数字図柄ZBを変動表示させるための描画情報を設定するタイミングをずらす(遅らせる)処理を実行するだけで、図1137(b)に示した遅れ演出を実行することができる。
S6502aを終えると、次に、逆回転コマンドを受信したかを判別し(S6503a)、受信したと判別した場合は(S6503a:Yes)、箱図柄ZAに関する変動表示データテーブルに受信したコマンドに対応する情報を設定し(S6504a)、S6505aの処理へ移行する。
S6505aの処理では、横回転コマンドを受信したかを判別し(S6505a)、受信したと判別した場合は(S6505a:Yes)、表示用変動パターンコマンドに含まれる変動情報(変動演出の演出態様を表示させるための情報)を消去し、横回転演出に対応する変動情報を変動表示データテーブルに設定し(S6506a)、上述した第32制御例の変動パターンコマンド処理(S6405)と同一のS6501~S6506の処理を実行し、本処理を終了する。
<第39制御例の変形例について>
次に、図1144から図1147を参照して、上述した第39制御例の変形例について説明をする。上述した第39制御例では、特別図柄に対応して表示される第3図柄Z1~Z3を、箱を模した箱図柄ZAと、数字を模した数字図柄ZBとで形成し、箱図柄ZAと、数字図柄ZBとに対して、異なる変動演出パターンを決定可能に構成することで、箱図柄ZAと数字図柄ZBとを複合して形成される第3図柄の変動パターン(演出態様)のバリエーションを豊富にしていた。
しかしながら、上述した第39制御例では、第3図柄の変動パターン(演出態様)の自由度が高くなり過ぎてしまい、遊技者に対して、第3図柄の変動状況を確認することで、停止表示される第3図柄を予測させ難くなるという問題があった。
これに対して本変形例では、箱図柄ZAの変動態様と、数字図柄ZBの変動態様とに関連性を持たせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、第3図柄の変動表示中に停止表示される第3図柄の種別を予測させ易くすることができる。
本変形例は、上述した第39制御例に対して、箱図柄ZAと数字図柄ZBの内容を異ならせた点と、実行される演出内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその説明を省略する。
まず、図1144を参照して、本変形例にて用いられる箱図柄ZAについて説明をする。図1144は、箱図柄ZAを展開して説明する説明図である。図1144に示した通り、箱図柄ZAは6面体のさいころ形状に形成されており、各面(第1面ZAa、第2面ZAb、第3面ZAc、第4面ZAd、第5面ZAe、第6面ZAf)のそれぞれを、第3図柄表示装置81の表示面に表示可能に構成している。
ここで、本変形例では、箱図柄ZAの回転動作の動作パターンが予め規定されており、第4面ZAd、第3面ZAc、第2面ZAb、第1面ZAa、の順に表示面が繰り返し回転表示される第1回転動作(主回転動作)と、第6面ZAf、第2面ZAb、第5面ZAe、第4面ZAdの順に表示面が繰り返し回転表示される第2回転動作(副回転動作)と、箱図柄ZAの回転動作を主回転動作から副回転動作へと切り替える第1横転動作と、副回転動作から主回転動作へと切り替える第2横転動作と、を実行可能に構成している。
そして、図1145(a)に示した通り、第1回転動作にて回転表示される表示面に対して、第1数字図柄列ZBAが形成され、第2回転動作にて回転表示される表示面に対して、第2数字図柄列ZBBが形成されるように構成しており、実行されている回転動作の種別に応じて、各数字図柄列の表示、非表示を決定可能に構成している。
具体的には、図1145(b)に示した通り、主回転動作中は、第1数字図柄列ZBAのみが表示され、副回転動作中は、第2数字図柄ZBBのみが表示されるように構成している。
ここで、図1146を参照して、各数字図柄列にて表示される図柄データのパターンについて説明をする。上述した通り、本変形例では、箱図柄ZAに対して直交するように第1数字図柄列ZBAと、第2数字図柄列ZBBが形成され、何れも数字図柄を変動表示可能に構成している。そして、各数字図柄列にて表示される数字図柄データを、実行される変動演出に応じて決定可能に構成している。
具体的には、第1数字図柄列ZBAに対して、4種類の数字図柄(海図柄D0、1図柄D1、2図柄D2、3図柄D3)が、第2数字図柄列ZBBに対して、4種類の数字図柄(4図柄D4、5図柄D5、6図柄D6、7図柄D7)が付与される第1図柄データ(図1146(a)参照)と、第1数字図柄列ZBAに対して、8種類の数字図柄(海図柄D0、1図柄D1、2図柄D2、3図柄D3、4図柄D4、5図柄D5、6図柄D6、7図柄D7)が、第2数字図柄列ZBBに対して、4種類の数字図柄(1図柄D1、3図柄D3、7図柄D7、海図柄D0)が付与される第2図柄データ(図1146(b)参照)と、を少なくとも含む複数の数字図柄データを有しており、実行される変動演出に応じて、今回の第3図柄変動に用いられる数字図柄データを決定し、箱図柄ZAと複合させた第3図柄表示を実行可能に構成している。
例えば、第1図柄データが設定された第3図柄では、箱図柄ZAが主回転動作する場合には、表示可能な4面のそれぞれに対応させて「海.1.2.3」の数字図柄が付された変動表示が実行され、主回転動作から第1横転動作を実行し、その後、副回転動作を実行した場合には、副回転動作にて表示可能な4面に対応させて「4.5.6.7」の数字図柄が付された変動表示が実行されることになる。
このように構成することで、1の変動演出中において、箱図柄ZAの各面と、数字図柄とを対応付けた状態で第3図柄を変動表示させることができるため、遊技者に停止表示される第3図柄の種別を、第3図柄が停止表示されるよりも前の段階で予測させ易くすることができる。
また、第2図柄データが設定された第3図柄では、原則箱図柄ZAが主回転動作し「1.2.3.4.5.6.7.海」の全数字図柄が変動表示される。そして、その間も非表示の状態で副回転動作に対応する第2数字図柄列ZBBにて「1.3.7.海」の数字図柄が変動制御されている。この第2数字図柄ZBBに対応した4種類の数字図柄(1.3.7.海)は、遊技者に有利な大当たりに当選した場合に表示され易い種別の数字図柄である。
ここで、図1147を参照して、第2図柄データを用いた変動演出の演出内容について説明をする。図1147(a)は、変動演出の途中で外れ当選を示す組合せで第3図柄が表示された場合の表示画面の一例を示した図であり、図1147(b)は、外れ当選を示す組合せで第3図柄が停止表示された後に、箱図柄ZAを横転動作させる横回転演出が実行された場合の表示画面の一例を示した図である。
図1147(a)に示した通り、箱図柄ZAが主回転動作を実行し、各第3図柄として、第1数字図柄列ZBAに付されている各数字図柄を用いて外れ当選を示す組合せ(バラケ目)で第3図柄が停止表示(仮停止表示)する。なお、この状態は、特別図柄変動中であるため、非表示である第2数字図柄ZBBでは継続して数字図柄の変動制御が実行されている。
その後、図1147(b)に示した通り、各第3図柄に対して横転動作が行われ、第2数字図柄ZBBが表示される。そして、完全に第2数字図柄列ZBBが表示されると、即ち、箱図柄ZAのうち、副回転動作が実行された場合に表示される面を正面視可能な状態で箱図柄ZAが表示されると、その数字図柄を用いて特別図柄抽選の結果が表示される。
このように構成することで、特別図柄変動の変動時間や、特別図柄変動の開始タイミングにて表示されている箱図柄ZAの表示面に付されている数字図柄や、最終的に停止表示させる数字図柄の種別に基づいて、主回転動作のみで最終的に停止表示される数字図柄を表示させる演出パターンと、副回転動作も用いて最終的に停止表示される数字図柄を表示させる演出パターンと、を設定することができるため、例えば、任意の数字図柄を停止表示させるために、箱図柄ZAの回転速度や数字図柄の変動表示速度を可変させる処理が煩雑に実行されてしまうことを抑制することができる。
<第32制御例の変形例>
次に、図1148を参照して、ステージチェンジ演出を、固定モード中に実行した場合における演出画面について説明をする。図1148は、大当たり遊技終了時にステージチェンジ演出が実行された場合の表示画面である。このステージチェンジ演出については、上述した第32制御例におけるステージチェンジ演出(図948参照)と相違する点についてのみ説明をし、同一の内容については省略する。
固定モードが設定されている状態で大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技のエンディング期間中に、ステージチェンジ演出が実行された場合には、図1148に示した通り、副表示領域Dsに「ステージが変わるとチャンス」の案内態様が表示される。ここで、本変形例では、固定モードが設定されている場合であっても、大当たり遊技終了後に設定されるステージ種別が、大当たり遊技前に設定されていたステージ種別と異ならせることで、保留連することを遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、大当たり遊技の前後に設定されるステージ種別、即ち、大当たり遊技演出の実行期間を挟んで表示されるステージ種別が同一であるか異なっているかを遊技者が把握し難くなるため、ステージチェンジ演出の演出結果(シャッターst1,st2非表示後のステージ種別)が表示された後に保留連が実行されるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
<第40制御例>
次に、図1149から図1182を参照して、第40制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第32制御例におけるパチンコ機10では、遊技状態として、第2特別図柄の抽選が実行され難い普通図柄の低確率状態に設定される通常状態と、第2特別図柄の抽選が実行され易い普通図柄の高確率状態に設定される時短状態と、の2種類の遊技状態を設ける構成とし、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が極めて有利度合いが高くなるように構成することにより、時短状態を遊技者に有利な遊技状態とし、通常状態を遊技者に不利な遊技状態として構成していた。より具体的には、第1特別図柄の抽選においては、約1/300の確率で大当たりに当選し、1/65536の確率で実質的に大当たりが確定する小当たりに当選する一方で、第2特別図柄の抽選においては、約1/300の確率で大当たりに当選し、約1/2の確率で実質的に大当たりが確定する小当たりに当選する構成としている。つまり、第1特別図柄の抽選では実質的な大当たり確率が約1/300であるのに対し、第2特別図柄の抽選では約1/2となるように構成していた。更に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、大当たり終了後の遊技状態が40%の割合で不利な通常状態に設定される一方で、第2特別図柄の抽選で直接大当たりに当選した場合、および小当たりとなって特定領域(Vゲート)650e3への遊技球の入球を検出して大当たり当選した場合は、いずれも100%の割合で、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態が設定される構成としていた。これらによって、上述した第32制御例におけるパチンコ機10では、不利な通常状態と有利な時短状態とで遊技性を大きく異ならせ、メリハリのついた遊技性を実現可能に構成していた。
これに対して本第40制御例におけるパチンコ機10では、遊技者に不利な遊技状態としての通常状態と、遊技者に有利な遊技状態としての時短状態と、を設けている点では第32制御例と共通しているが、有利な時短状態として有利度合いが異なる複数を設ける構成としている点で相違している。具体的には、実質的な大当たり確率が高い第1時短状態と、実質的な大当たり確率が第1時短状態よりも低く、且つ、通常状態よりも高い(第1時短状態よりも有利度合いが低く、且つ、通常状態よりも有利度合いが高い)第2時短状態と、を形成可能に構成した。ここで、第1時短状態は、大当たり終了後の遊技状態として設定され得る遊技状態であり、第2時短状態は、上述した第5制御例等と同様に、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した(大当たりを介さずに時短状態に移行させる抽選結果になった)場合に設定され得る遊技状態である。なお、詳細については後述するが、本第40制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、100%の割合で、大当たり、または実質的に大当たりが確定する小当たりのどちらかに当選する構成としている代わりに、時短状態において第2特別図柄の抽選が1度も実行されずに時短状態の終了条件が成立し得るように構成した。より具体的には、時短状態を終了させる契機となる時短終了条件として、第1特別図柄変動(特図1変動)と、第2特別図柄変動(特図2変動)の合算の変動回数が規定回数(10回~1000回のいずれか)に到達した(規定回数目の特図変動が停止表示された)場合に成立する第1終了条件と、小当たり当選したことを示す特別図柄が停止表示された場合に成立する第2終了条件と、に加えて、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数(1回~1000回)に到達したことに基づいて成立する第3終了条件が設定されている。この第3終了条件の存在によって、有利な第1時短状態において右打ちを行い続けたとしても、第2特別図柄の抽選が1回も実行されることなく時短状態が終了される可能性がある。なお、本第40制御例では、通常状態、第1時短状態、および第2時短状態のいずれにおいても、普通図柄の抽選が実行された場合に100%の割合出普通図柄の当たりとなる構成とし、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aに対して設定される変位パターンの選択割合を遊技状態毎に異ならせる構成としている。具体的には、通常状態では、有利な第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640へと遊技球を入球させることが極めて困難(不可能)となる第1変位パターンが必ず設定され、第1時短状態では、20%の割合で第1変位パターンが設定されると共に80%の割合で第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることが可能となる第2変位パターンが設定され、第2時短状態では、約97%の割合で第1変位パターンが設定されると共に約3%の割合で第2変位パターンが設定されるように構成している。このため、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に第2変位パターンが設定されると、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させることができるので、普通図柄の抽選で第2変位パターンに対応する当たりに当選することが、実質的に大当たりに当選することと同義になるという極めて斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第40制御例では、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64へと入球する遊技球が、第1入球口64へ入球するよりも前に必ず通過する位置(第1入球口64の上方)に対して、普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cを配置する構成とし、更に、第1特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の抽選が開始されてから当該普通図柄の抽選に基づく普通図柄の当たりが終了するまでの間の期間の方が短くなるように構成している。つまり、第1特別図柄の抽選が実行される場合に、毎回、普通図柄の抽選もほぼ同時に(第1特別図柄の抽選が実行される直前で)実行されるように構成している。加えて、右打ちを行った場合に遊技球が通過可能な位置にも普通図柄の抽選契機となる右スルーゲート67rを別で設ける構成としているが、左打ちにより発射された遊技球が中央スルーゲート67cを通過する割合と、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合とが、略同一となるように構成している。これらにより、特に第2時短状態においては、右打ちにより普通図柄の抽選のみを実行させるよりも、左打ちにより普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とをほぼ同時に実行させる方が、第2時短状態の間に大当たりに当選する可能性が高くなる。即ち、第2時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選で約3%の割合で当選する第2変位パターンの当たりに当選した場合にのみ大当たりとなる(実質的に大当たり確定の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる)一方で、左打ちを行った場合は、普通図柄の抽選で第2変位パターンの当たりに当選することに加えて、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性もあるため、第2時短状態において左打ちにより遊技を行わせることができる。そして、上述した通り、左打ちを行うと、中央スルーゲート67cを通過した遊技球が必ず第1入球口64へと入球し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるので、第1特別図柄の抽選1回あたりの実質的な大当たり確率が高くなる(実質的に、第1特別図柄の大当たりとなる確率である約1/320と、第2変位パターンが設定される普通図柄の当たりとなる確率である約1/33との合算確率になる)という、極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第40制御例におけるパチンコ機10が、上述した第32制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第32制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第32制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1149を参照して、本第40制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図1149は、本第40制御例における遊技盤13の正面図である。図1149に示した通り、本第40制御例における遊技盤13は、上述した第32制御例における遊技盤13の盤面構成(図925参照)に対して、第1入球口64の上方に普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cが配置されている点で相違している。これにより、左打ちにより発射されて第1入球口64へと入球する遊技球は、第1入球口64へと入球する直前に必ず中央スルーゲート67cを通過する。つまり、左打ちを行い続けた場合、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とが略同時に実行され易くなっている。特に、第2時短状態においては、第1特別図柄の変動時間と普通図柄の抽選が開始されてから第1変位パターン(第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)となる電動役物640aの変位パターン)に対応する普通図柄の当たりが終了するまでの期間とが同一となるように制御されるため、第1特別図柄、および普通図柄の保留球が共に0個の状態で左打ちを行った場合、第1特別図柄の抽選が実行される毎に、普通図柄の抽選がほぼ同時に開始されるように構成することができる。
また、図1149に示した通り、本第40制御例における遊技盤13では、上述した第32制御例における遊技盤13の盤面構成(図925参照)に対して、可変表示装置ユニット80の正面視右側の流路(右打ち用流路)の構成が変更となっている点でも相違している。より具体的には、図1149に示した通り、第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640が右打ち用流路において右スルーゲート67rよりも上流側に移動されていると共に、第2入球口640に対して、「V」という文字を模した装飾が施されている。第2入球口640を右打ち用流路における上流側に配置し、戻り球防止部材68から第2入球口640までの距離を比較的短くしたことにより、遊技球を第2入球口640へと入球させることが可能な第2変位パターンが設定される普通図柄の当たりに当選した場合に、右打ちを行ってから普通図柄の当たりに伴って突出状態(開放状態)に変位された電動役物640aへと到達するまでの時間を短くすることができる。よって、電動役物640aが突出状態(開放状態)に設定されている期間(開放期間)の間に遊技球を第2入球口640へとより確実に入球させることができるので、第1時短状態や第2時短状態において普通図柄の抽選で実質的に大当たりが確定する第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりに当選したにもかかわらず、電動役物640aの開放期間の間に第2入球口640へと遊技球を入球させることができず、大当たりに当選する機会(実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させる機会)を失ってしまうという遊技者にとって極めて不利な事象の発生を抑制することができる。
なお、本第40制御例では、普通図柄の当たり遊技の実行中に第2入球口640へと1個の遊技球が入球したことに基づいて普通図柄の当たりが終了される構成としている。また、第2特別図柄の保留球数は、上述した第32制御例と同様に1個のみとする構成としている。このように構成することで、1回の第2変位パターンによる開放期間の間に複数の遊技球が第2入球口640へと入球することを抑制できる上に、たとえ複数の遊技球が入球したとしても、保留球が1個のみしか増加しないように構成することができる。よって、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の保留球が一度に複数個獲得されてしまい、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。
また、図1149に示した通り、本第40制御例では、第32制御例におけるスルーゲート67に代えて、「GO」という文字を模した装飾が施された右スルーゲート67rが設けられている。また、右スルーゲート67rの正面視左側の遊技釘の配置も第32制御例における遊技盤13(図925参照)から変更となり、第32制御例における盤面構成に対して、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rへと比較的入球し難くなるように構成されている。より具体的には、右打ちにより発射され、閉鎖状態(埋没状態)の電動役物640aの手前側を通過した遊技球は、遊技釘群YK1に衝突するか、遊技釘群YK2に衝突するか、遊技釘群YK1と遊技釘群YK2との間の隙間から下流側(右スルーゲート67rを通過し得ない方向)へと流下する。遊技釘群YK1へと衝突した遊技球が右スルーゲート67rを通過するためには、正面視右側へと跳ねて遊技釘群YK2へと衝突し、当該衝突による衝撃で正面視右側へと跳ねて遊技釘YK3へと衝突し、当該衝突による衝撃で正面視右側へと跳ねて遊技釘YK4へと衝突し、更に、当該衝突により正面視右側へと跳ねる必要がある。いずれかの遊技釘との衝突時に、飛距離が足りなかったか、または跳ね返る方向が正面視左側だった場合は、遊技釘群YK1と遊技釘群YK2との間の隙間や、遊技釘群YK2と遊技釘群YK3との間の隙間や、遊技釘YK3と遊技釘YK4との間の隙間から下流側へと流下してしまい、右スルーゲート67rを通過することが不可能となる。
また、最初に遊技釘群YK2へと衝突した遊技球についても同様に、正面視右側へと跳ねて遊技釘YK3へと衝突し、当該衝突による衝撃で正面視右側へと跳ねて遊技釘YK4へと衝突し、更に、当該衝突により正面視右側へと跳ねた場合に右スルーゲート67rを通過可能となり、遊技釘群YK2と遊技釘群YK3との間の隙間や、遊技釘YK3と遊技釘YK4との間の隙間から下流側へと流下した場合は右スルーゲート67rを通過不可能となる。この盤面構成としたことにより、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合は、左打ちにより発射された遊技球が中央スルーゲート67を通過する割合と略同一(およそ遊技球10~15個発射する毎に1個通過する程度の割合)となる。
なお、本第40制御例では、左打ちと右打ちとで、スルーゲート(中央スルーゲート67cまたは右スルーゲート67r)を遊技球が通過する割合を略同一とする構成としたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合を、左打ちにより発射された遊技球が左スルーゲート67cを通過する割合よりも高くなる(例えば、右打ちにより2個の遊技球を発射する毎に1個の遊技球が右スルーゲート67r通過する割合となる)ように構成してもよい。このように構成した場合、第1時短状態や第2時短状態における遊技方法を遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができる。つまり、時短状態において左打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度は低くなる(左打ちにより遊技球を10~15個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)一方で、普通図柄の抽選が実行される毎に第1特別図柄の抽選が実行されるため、普通図柄の抽選で第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりとなることだけでなく、第1特別図柄の抽選で大当たりとなることにも期待させることができる。一方で、時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度が高くなる(右打ちにより遊技球を2個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)ため、時短状態における普通図柄の抽選効率を高くすることができる一方で、第1特別図柄の抽選が実行されないため、時短状態の間に大当たりに当選する可能性が低くなる遊技性を実現することができる。よって、時短状態における遊技方法(左打ちを行うか右打ちを行うか)によって、遊技者に対して時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的高くなるが、普通図柄の抽選効率が悪くなる(時短状態の消化に比較的長い時間を要する上に、無駄球が比較的多く発生する)遊技性と、普通図柄の抽選効率は良くなるが、時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的低くなる(第1特別図柄の大当たり確率である1/320の分だけ大当たり期待度が低下する)遊技性と、を選択させる極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者毎に、自己の趣向によりマッチした遊技性を選択させることができるので、より多くの遊技者の好みに合う遊技性を実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図1149に示した通り、右スルーゲート67rの下流側において、複数の遊技釘によって、正面視左上方向から右下方向に下る向きの傾斜を形成することにより、右打ちにより発射され、第2入球口640へと入球しなかった全ての遊技球を、第2可変入賞装置650の上流側へと誘導することが可能に構成している。このように構成することで、第2特別図柄の抽選が実行されて小当たりに当選し、第2可変入賞装置650の開閉扉650f1が開放された場合に、右打ちされた遊技球を第2可変入賞装置650のV入賞口650aへと確実に入球させることができるので、実質的に大当たりが確定する小当たりに当選したにもかかわらず、開閉扉650f1の開放期間の間にV入賞口650aへと遊技球を入球させることができず、大当たりに当選する機会を失ってしまうという遊技者にとって極めて不利な事象の発生を抑制することができる。
次に、図1150から図1155を参照して、本第40制御例における特徴的な演出について説明する。まず、図1150(a)を参照して、第1特別図柄の抽選で時短図柄当選(大当たりを介さずに直接時短状態を付与する抽選結果)が発生した場合における演出態様について説明する。ここで、上述した通り、第2時短状態は、普通図柄の抽選が実行された場合に約3%の割合で第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる第2変位パターンで電動役物640aが開放される当たり(普図当たりB)に当選する遊技状態である。即ち、普図当たりBに当選し得ない(第2入球口640へと遊技球を入球不可能な第1変位パターンの当たり(普図当たりA)にのみ当選し得る)通常状態に比較して、少なくとも実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選が実行され得ることにより、有利度合いが高くなる遊技状態である。通常状態においては、左打ち遊技を行った場合に大当たりとなる確率は第1特別図柄の抽選が1回実行される毎に約1/320となり、大当たり終了後の遊技状態として第1時短状態が設定される割合は50%に設定されているので、第1特別図柄の抽選が1回実行される毎の第1時短状態への移行可能性は、トータルで約1/500となる。これに対して、第2時短状態においては、左打ち遊技を行った場合に第1特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が約1/320、普通図柄の抽選で第2入球口640へと入球可能となる普図当たりBに当選する確率が約1/33であり、第1特別図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の抽選が実行されるため、第1特別図柄の抽選が1回実行される毎の実質的な大当たり確率は約1/29.8となる。加えて、時短状態の間に大当たりに当選した場合は、第1特別図柄の大当たりであっても、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態に設定されるため、第2時短状態において第1特別図柄の抽選が1回実行される毎の第1時短状態への移行可能性は、トータルで約1/29.8となる。このため、第2時短状態は、通常状態に比較して大幅に第1時短状態へと移行する可能性がアップする有利な状態を形成する。
図1150(a)に示した通り、時短図柄当選に対応する変動表示演出が実行されると、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmで、時短図柄に当選したことを示す特殊な第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行される。より具体的には、図1150(a)に示した通り、左図柄列、および右図柄列に対して同一の数字を模した第3図柄が停止表示されてリーチ演出が発生した後で、中図柄列に対して「チャンスタイム」という文字が付された特殊図柄が停止表示される変動表示演出が実行される。また、変動停止タイミングにおいて、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイムGET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、通常状態よりも有利な状態(実質的な大当たり確率、第1時短状態への移行率が共に大幅に上昇する第2時短状態)が設定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図1150(a)に示した通り、第3図柄表示装置81における右上部分には、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)を表示させるための小表示領域Dm1が形成される。また、副表示領域Dsの右下部分には、第1特別図柄に対応する保留図柄を表示させるための小表示領域Dm9が形成される。
次に、図1150(b)を参照して、時短図柄当選が報知された後(時短図柄が停止表示された後)で実行されるチャンスタイム待機演出について説明する。このチャンスタイム待機演出は、主に、当選した時短図柄の種別に応じた時短回数を報知するための演出が実行される。このチャンスタイム待機演出では、主表示領域Dmにおける左下にウサギを模したキャラクタ801が表示され、その上方において、今回設定された第2時短状態が終了するまでの特別図柄の抽選回数(普通図柄の当たり遊技の実行回数)を示唆する図柄811a~811dが回転して表示される。その更に上方には、「~チャンスタイム待機中~」という文字が表示される。更に、小表示領域Dsに対しては、「チャンスタイムの回数を決めろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも第2時短状態の時短回数が未だ設定されていないかのように遊技者に思わせることができる。換言すれば、第2時短状態が未だ開始されていない(待機されている)かのように遊技者に思わせることができる。なお、実際にはこのチャンスタイム待機演出の開始時点で第2時短状態に移行しており、時短図柄当選に伴う変動表示の終了時点(時短図柄の停止表示時点)で保留されていた第1特別図柄の変動表示が実行されている。この時短図柄当選時点の残保留に基づく変動表示は、主表示領域Dmにおける右上部分に形成される小表示領域Dm1で、遊技者が比較的視認し難い態様(狭い表示領域)にて実行される。また、保留図柄に関しても、遊技者が比較的視認し難い(表示領域が狭い)小表示領域Dm9において実行される。つまり、第1特別図柄の保留球に基づいて第1特別図柄の抽選が実行されていること(第2時短状態が既に開始されていること)を遊技者に認識され難く構成している。これは、第2時短状態が既に開始されていると判断して、遊技者が左打ちを開始することを抑制するためである。
ここで、第2時短状態に移行した後で、当該移行の前に既に保留されていた第1特別図柄の保留球が未だ残存している状態で遊技者が左打ちを行ってしまうと、残保留に基づく第1特別図柄の変動表示の実行中に中央スルーゲート67cの通過、および第1入球口64への入球が発生する可能性がある。この場合、普通図柄の抽選は即座に開始されるものの、第1入球口64に対する新たな始動入賞に基づく第1特別図柄の抽選は、保留球を全て消化しきるまで開始されないため、第1特別図柄の変動表示期間と普通図柄の変動表示期間(および普通図柄の当たり遊技期間)とがずれてしまう可能性がある。上述した通り、第2時短状態では、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とが毎回略同時に開始されることにより、第1特別図柄の抽選が実行された場合の実質的な大当たり確率を、通常状態よりも高く構成しており、演出態様としても、第1特別図柄の変動表示演出において、第1特別図柄の抽選と略同時に開始された(直前に開始された)普通図柄の抽選結果を加味した演出を設定する構成としている。つまり、第1特別図柄の抽選が大当たりであるか、または普通図柄の抽選結果が普図当たりBに対応する抽選結果である場合に同一の数字を模した(付された)第3図柄が揃う演出態様の変動表示演出が実行され、第1特別図柄の抽選が外れであり、且つ、普通図柄の抽選結果が普図当たりAである場合は第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される演出態様の変動表示演出を実行する構成としている。係る状況下において、第1特別図柄の抽選開始タイミングと、普通図柄の抽選開始タイミングとがずれてしまうと、第1特別図柄の変動表示期間において普通図柄の抽選結果をふまえた変動表示演出を実行することが困難となってしまう可能性がある。よって、本第40制御例では、チャンスタイム待機演出を実行することにより、あたかも第2時短状態が開始されていないかのように装うことで遊技者が遊技球を発射し難い状況を形成し、このチャンスタイム待機演出の実行中に第1特別図柄の保留球が0となる状況を成立させる構成としている。このように構成することで、第2時短状態において、第1特別図柄の保留球が0の変動停止状態となってから、左打ちを開始させ易くすることができるので、第2時短状態において、第1特別図柄の抽選開始タイミングと、普通図柄の抽選開始タイミングとがずれてしまうことを抑制することができる。よって、第1特別図柄の変動表示演出において、確実に、当該第1特別図柄の抽選が実行される直前に実行された普通図柄の抽選結果を加味した変動表示態様を設定することができる。
なお、本第40制御例では、第2時短状態の終了条件のうち、特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第1終了条件)と、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第3終了条件)とで、規定回数を異ならせる構成としている。具体的には、第1終了条件に係る規定回数の方が、第3終了条件に係る規定回数よりも4回分多くなるように構成している。このように構成することで、第2時短状態が設定された時点で第1特別図柄の保留球が0個から4個のいずれの個数であっても、大当たりに当選しない場合に、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達するまで、確実に第2時短状態を継続させることができる。つまり、第1特別図柄の保留球をチャンスタイム待機演出中に複数消化させたとしても、第2時短状態の間に実行させることができる普通図柄の抽選回数が減ってしまうことがないので、実質的に第1特別図柄の抽選よりも大当たりに結びつく可能性が大幅に高い普通図柄の抽選の実行回数を第1特別図柄の保留球数によらず共通化することができ、第2時短状態における大当たり期待度が低下してしまうことを抑制することができる。なお、以降の説明では、第2時短状態における時短回数と言った場合に、第4終了条件が成立する普通図柄の当たり遊技の実行回数を指すものとする。
図1150(b)に戻って説明を続ける。チャンスタイム待機演出において回転して表示される図柄(アイコン)は、例えば、時短回数が少なくとも10回以上付与されたことを示唆する「10回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811aと、時短回数が少なくとも30回以上付与されたことを示唆する「30回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811bと、チャンスタイム待機演出が継続することを示唆する「継続」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811cと、大当たりを示唆する「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dと、で構成されている。この他にも、時短回数が100回以上付与されたことを示唆する「100回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)や、実質的に次回の大当たりまで第2時短状態が継続することを示唆する「∞」という文字が付された示唆図柄(アイコン)も設けられている。当選した時短図柄の種別(時短回数)と、第1特別図柄の保留球数と、第1特別図柄の抽選結果と、に応じて、示唆図柄(アイコン)811a~811dとしていずれの種別の示唆図柄(アイコン)を設定するのかが抽選により決定される。
チャンスタイム待機演出の開始から特定期間(例えば、5秒間)が経過すると、図1151(a)に示した通り、示唆図柄(アイコン)811a~811dのうち、1の示唆図柄をウサギのキャラクタ801が殴打する演出が実行され、その殴打した示唆図柄が示す示唆内容を獲得したことが報知される。図1151(a)の例では、「10回」という文字が付された示唆図柄811aが殴打される演出が実行された場合を例示している。この場合、副表示領域Dsにおいて、「10回GET!!左打ち!!」という文字が表示されることで、示唆図柄811aに表示されている「10回」が時短回数として付与されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図1151(b)は、チャンスタイム待機演出の実行中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の演出態様を示した図である。つまり、時短図柄が停止表示された時点で既に保留されていた第1特別図柄の保留球の中に大当たりが含まれていた場合の演出態様を示した図である。図1151(b)に示した通り、第1特別図柄の残保留で大当たりに当選した場合は、「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dをウサギのキャラクタ801が殴打する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「大当たりGET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第40制御例では、第2時短状態における第1特別図柄の変動時間が5秒間に固定化される。これにあわせて、チャンスタイム待機演出において1の示唆図柄を選択する(ウサギのキャラクタ801が殴打する)演出も5秒間に固定化される。そして、第1特別図柄の保留球が1以上存在し、且つ、特別図柄の抽選結果が外れである場合は、必ず「継続」という文字が付された示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行されて、次変動において新たな組み合わせの4つの示唆図柄が表示されてその中から1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が再度実行される。そして、残保留に基づく特別図柄の抽選結果が外れとなり、且つ、第1特別図柄の保留球数が0となった場合は、今回の時短図柄の種別に応じた時短回数を示唆する1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行されて、第2時短状態(チャンスタイム)の開始が報知される。なお、時短図柄当選時点で第1特別図柄の保留球が0であった場合の第2時短状態の開始時においても、同様に、今回の第2時短状態の時短回数を示唆する1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行される。このように構成することで、今回の時短回数を知りたいと希望する遊技者に対して、チャンスタイム待機演出の演出内容に注目させることができるので、チャンスタイム待機演出が終了するまでの間、遊技球を発射され難い状況を形成することができる。よって、第1特別図柄の抽選の実行タイミングと普通図柄の抽選の実行タイミングとがずれてしまうことを抑制することができる。
ここで、本第40制御例では、チャンスタイム待機演出中に遊技球を発射せずに第1特別図柄の保留球を全て消化してから左打ちを開始した場合と、チャンスタイム待機演出の開始直後から左打ちを開始し、第1特別図柄の保留球が消化されている間に新たな第1特別図柄の保留球を貯めた場合とで、有利度合いがほぼ変わらない(保留消化を待った方が、時短状態の間に実行される第1特別図柄の抽選回数が多くなり、若干有利となる)ように構成している。即ち、本第40制御例では、上述した通り、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第3終了条件)を設ける構成としており、チャンスタイム(第2時短状態)においては、チャンスタイムへと移行した時点の第1特別図柄の保留球数によらず、特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する終了条件(第1終了条件)よりも先に、第3終了条件が成立するように構成されている。つまり、第1終了条件が成立するまでの特別図柄の抽選回数の方が、上限個数の保留球数(4個)に対応する回数分、第3終了条件が成立するまでの普通図柄の当たり遊技の実行回数よりも多くなるように構成している。このように構成することで、第2時短状態において第1特別図柄の保留球を全て消化してから左打ちを開始したとしても、第2時短状態が設定された直後に左打ちを開始したとしても、第3終了条件に相当する回数の普通図柄の当たり遊技が実行されるまで、時短状態を継続させることができるので、実質的な大当たり確率が高い普通図柄の当たり遊技の回数を損することにより、遊技者に対して極めて不利益となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技球を発射せずにチャンスタイム待機演出に注目し続けた遊技者が損をしてしまうことを抑制できるので、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1152から図1154(a)を参照して、チャンスタイム(第2時短状態)において、実質的に大当たりが確定する第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりに当選した場合の演出態様について説明する。まず、図1152(a)は、チャンスタイム(第2時短状態)において普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行され、普通図柄の抽選で第2変位パターン(第2入球口640へと入球させることが可能なロング開放)に対応する普通図柄の当たりに当選した場合の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。
ここで、本第40制御例では、チャンスタイム(第2時短状態)に移行すると、他の制御例におけるチャンスタイムと同様に、主表示領域Dmにおいてウサギを模したキャラクタ801が雲の上に移動する演出が実行されて、以降はチャンスタイムが終了するまでの間、キャラクタ801が雲の上において各種のアクションを実行する演出が実行される。また、図1152(a)に示した通り、本第40制御例におけるチャンスタイム(第2時短状態)では、主表示領域Dmにおける中央部分において第3図柄の変動表示演出が実行されると共に、主表示領域Dmにおける右上に形成される小表示領域Dm1において第4図柄の変動表示演出が実行される。第4図柄の変動表示演出は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される特別図柄の変動表示に同期して実行されるが、第3図柄の変動表示は、必ずしも特別図柄の変動表示に同期して実行されるわけではない。即ち、本第40制御例では、チャンスタイム中に普通図柄の抽選でロング開放(第2変位パターン)に設定される普図当たりBに当選した場合は、第3図柄の変動表示によって普通図柄の抽選結果を示すことが可能に構成されている。この場合、普通図柄の変動時間に合わせて第3図柄の変動表示が実行される。
また、図1152(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央上部に、「~高確率中~」という文字が表示されると共に、主表示領域Dmにおける左上側に形成された小表示領域Dm4に対して、「左打ち」という文字が表示される。また、小表示領域Dm4の下方に形成された小表示領域Dm7に対して、チャンスタイム(第2時短状態)が終了されるまでの残りの抽選回数を示唆する表示内容が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、有利なチャンスタイムにおいても左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技方法で遊技を行えば良いということを容易に理解させることができる。また、チャンスタイム(第2時短状態)においては、実質的な大当たり確率が高くなるということ、および実質的な大当たり確率が高い状態がいつまで継続するのかということを遊技者に対して把握させることができる。
チャンスタイムにおいて、普通図柄の抽選でロング開放(第2変位パターン)に設定される普通図柄の当たり(普図当たりB)に当選した場合、まず、当該普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示とほぼ同時に(普図当たりBに対応する変動表示の開始直後に)開始された第1特別図柄の変動表示期間に同期して第3図柄表示装置81において実行される変動表示演出として、図1152(a)に示した通り、右図柄列、中図柄列、および左図柄列に対して同一の数字を模した第3図柄が停止表示される変動表示演出が実行される。また、図柄停止時に、図1152(a)に示した通り、副表示領域Dsにおいて「ボーナス確定」という文字が表示される。つまり、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に実行される変動表示演出と区別し難い(同一の)態様で普図当たりBを報知する変動表示態様の疑似当たり演出が実行される。
なお、この疑似当たり演出においては、必ず、偶数の図柄を模した第3図柄が停止表示される。これは、普図当たりBに当選した時点では、単に実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行することが可能な状態(電動役物640aが比較的長い時間(例えば、2.5秒間)開放される状態)へと移行することのみが確定するに過ぎず、当選する大当たりの種別を特定することはできない(第2特別図柄の抽選契機となる第2入球手段640への入球が発生していない)からである。よって、一般的に有利度合いが高い意味合いで用いられる数字(例えば、「7」)が揃う演出態様の変動表示演出を実行してしまうと、その後に第2特別図柄の抽選で有利度合いが低い種別の大当たりまたは小当たりに当選した場合に、遊技者を困惑させてしまう可能性がある。そこで、本第40制御例では、疑似当たり演出において、一般的に比較的有利度合いが低い意味合いで用いられる偶数の数字を模した第3図柄が揃う変動表示演出を実行する構成としている。このように構成することで、遊技者を困惑させてしまうことを抑制することができる。
疑似当たり演出が終了して普図当たりBの開放期間が開始されると、次いで、普図当たりBに基づく電動役物640aの開放期間の間に右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させることを遊技者に示唆可能な第1示唆演出を実行する。この第1示唆演出の演出態様について、図1152(b)を参照して説明する。図1152(b)は、第1示唆演出の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図1152(b)に示した通り、第1示唆演出が実行されると、第3図柄表示装置81における左上側に形成される小表示領域Dm4の表示内容が、「右打ち」という文字に切り替わる。また、表示領域HR10に対して、直前の変動表示演出(疑似当たり演出)において確定表示された第3図柄が縮小表示される。また、表示領域HR10の下方に、右向きの矢印を模した矢印画像YGが形成されると共に、当該矢印画像YGに対して、「右を狙え」という文字が表示される。更に、矢印画像YGの下方には、普図当たりBにおいて遊技球を第2入球口640へと入球させることが可能な期間(ロング開放期間)の残時間を示すためのタイムゲージga2が表示されている。このタイムゲージga2の表示態様は、普図当たりBの開放期間の残期間を示すための残期間表示ga2aと、経過期間を示すための経過期間表示ga2bとから形成されており、普図当たりBのラウンド遊技が実行されてから時間が経過する毎に、経過期間表示ga2bが占める割合が増加し、残期間表示ga2aが占める割合が減少するように、タイムゲージga2が時間経過に応じて可変表示される。
また、図1152(b)に示した通り、第1示唆演出が実行されている間、主表示領域Dmにおける右下部分には、遊技盤13における第2入球口640およびその周辺領域を模した画像が表示される横長略長方形形状の小表示領域Dm6が形成されると共に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで上のVを狙え」という文字が表示される。これらの表示内容により、残期間表示ga2aが残っているうちに、「V」という文字を模した装飾が付されている第2入球口640、および第2可変入賞装置650のうち、上流側に設けられている第2入球口640へと右打ちにより遊技球を入球させれば大当たりを獲得できるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第40制御例では、この第1示唆演出を、普図当たりBの開放期間に同期させて実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、普図当たりBの開放期間が開始されるよりも所定期間(例えば、2秒間)前から第1示唆演出を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、普図当たりBに基づく開放期間が開始されるよりも前から遊技者に右打ちを開始させることができるので、開放期間の間により確実に電動役物640aに対して遊技球を到達させることができ、より確実に第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。
第1示唆演出(上のVを狙うことを示唆する演出)において遊技者が右打ちを行うことにより、第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の抽選が実行されると、第2特別図柄の抽選結果を示すための第2特別図柄の変動表示演出として、例えば、図1153に示すような昇格演出が実行される。この昇格演出では、図1153(a)に示した通り、まず、主表示領域Dmにおいて、普図当たりBに当選した際に確定表示された第3図柄(図1153(a)の例では数字の「2」を模した第3図柄)が再度表示されると共に、当該第3図柄の上方から、「7」の数字を模した第3図柄が降下してくる演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「図柄を昇格させろ!」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「昇格チャンス!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、偶数の数字を模した第3図柄が「7」の図柄を模した第3図柄に入れ替わる(昇格する)ことにより、有利な大当たり種別の大当たり遊技が実行されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者にとって理解し易い演出態様を実現することができる。
なお、上述した通り、第2特別図柄の抽選が実行された場合は、小当たり若しくは大当りのどちらかに当選する上に、小当たり当選時は、小当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができるため、第2特別図柄の抽選が実行された時点で、実質的に大当たりが確定する。そして、第2特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合、および小当たりとなって小当たり種別が小当たりA40に決定され、当該小当たりA40において特定領域650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり種別としてラウンド数が最も多い(10ラウンドの)大当たりC40が決定される。一方で、第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなって小当たり種別が小当たりB40に決定され、当該小当たりB40において特定領域650e3を遊技球が通過した場合は、大当たり種別としてラウンド数が最も少ない(3ラウンドの)大当たりD40が決定される。昇格演出では、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか、小当たりA40である場合に、昇格に成功する(偶数の数字を模した第3図柄が「7」を模した第3図柄に置き換わる)演出態様に設定される一方、第2特別図柄の抽選結果が小当たりBである場合に、昇格に失敗する演出態様に設定される。
図1153(b)は、昇格に成功する演出態様の昇格演出が実行された場合の演出態様を示した図である。図1153(b)に示した通り、昇格に成功する演出態様の昇格演出では、偶数の数字を模した第3図柄の上方から降下してきた「7」の数字を模した第3図柄によって、偶数の数字を模した第3図柄がはじき飛ばされ、「7」の数字を模した第3図柄に置き換わる演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「昇格成功!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ラウンド数が最大の大当たりに当選した(第2特別図柄の抽選で大当たり、または大当たりA40のどちらかに当選した)と言うことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、第2特別図柄の抽選で有利度合いが低い(特定領域650e3を遊技球が通過した場合にラウンド数が最も少ない大当たりD40に当選する)小当たりB40に当選した場合は、「7」を模した第3図柄が偶数の数字を模した第3図柄をはじき飛ばすことができずに跳ね返されて、上方へと吹き飛ぶ演出態様の演出が実行される。これにより、昇格に失敗したこと(有利度合いが低い大当たりD40に当選すること)を遊技者に対して容易に理解させることができる。
第2特別図柄の抽選で小当たりに当選していた場合は、次いで、小当たりに基づく第2可変入賞装置650の開閉扉650f1の開放期間の間に右打ちによりV入賞口650aへと遊技球を入球させることを遊技者に示唆可能な第2示唆演出を実行する。この第2示唆演出の演出態様について、図1154(a)を参照して説明する。図1154(a)は、第2示唆演出の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図1154(a)に示した通り、第2示唆演出が実行されると、表示領域HR10に対して、直前の変動表示演出(昇格演出)において確定表示された第3図柄が縮小表示される。また、第1示唆演出(上Vを狙え演出)と同様に、表示領域HR10の下方に、右向きの矢印を模した矢印画像YGが形成されると共に、当該矢印画像YGに対して、「右を狙え」という文字が表示される。更に、矢印画像YGの下方には、小当たりにおいて遊技球をV入賞口650aへと入球させることが可能な期間の残時間を示すためのタイムゲージga2が表示されている。このタイムゲージga2の表示態様は、小当たりの開放期間の残期間を示すための残期間表示ga2aと、経過期間を示すための経過期間表示ga2bとから形成されており、小当たり遊技が開始されてから時間が経過する毎に、経過期間表示ga2bが占める割合が増加し、残期間表示ga2aが占める割合が減少するように、タイムゲージga2が時間経過に応じて可変表示される。
また、図1154(a)に示した通り、第2示唆演出が実行されている間、主表示領域Dmにおける右下部分には、遊技盤13における第2可変入賞装置650およびその周辺領域を模した画像が表示される横長略長方形形状の小表示領域Dm6が形成されると共に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで下のVを狙え」という文字が表示される。これらの表示内容により、残期間表示ga2aが残っているうちに、「V」という文字を模した装飾が付されている第2入球口640、および第2可変入賞装置650のうち、下流側に設けられている第2可変入賞装置650へと右打ちにより遊技球を入球させれば大当たりを獲得できるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
ここで、これまで説明してきたチャンスタイム(第2時短状態)における演出態様(図1150から図1154(a)を参照して説明した演出態様)を加味して、チャンスタイム(第2時短状態)における全体的な演出態様の推移について説明する。図1156は、チャンスタイムへの移行前から大当たり当選後までの間における演出態様の推移を示したタイムチャートである。
図1156に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で時短図柄(突然時短)に当選すると、スーパーリーチを伴う80秒間の時短図柄変動が実行されて、最終的に中図柄列に対して「チャンスタイム」という文字が付された特殊図柄が停止表示される(図1150(a)参照)。この時短図柄変動の停止表示期間(確定表示期間)が終了すると、遊技状態が通常状態から第2時短状態に変更される。第2時短状態に移行すると、まず、チャンスタイム待機演出(図1151(b)、図1152参照)が実行される。このチャンスタイム待機演出は、最短で5秒間、最長で20秒間実行される演出であり、上述した通り、今回のチャンスタイム(第2時短状態)の継続回数(普通図柄の当たり遊技の実行回数によって規定されている第3終了条件)を報知する演出を実行することで、遊技者の注意を演出内容に集めて遊技(遊技球の発射)を止めさせ、第2時短状態への移行時点で既に保留されていた第1特別図柄の保留球を消化させるために実行される。
チャンスタイム待機演出の実行中に第1特別図柄の保留球を消化しておくことにより、チャンスタイム待機演出の終了時点で第1特別図柄の保留球が0の状態とすることができ、その後に遊技者が左打ちを行って第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄の抽選を実行させる場合に、毎回、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に開始される(普通図柄の抽選が開始された直後に第1特別図柄の抽選が開始される)動作を実現することができる。よって、第1特別図柄の変動表示演出において、直前に開始された普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定することができる。上述した通り、第2時短状態では、普通図柄の当たりとなった場合に有利な(実質的に大当たりが確定する)普図当たりBが選択される割合が通常状態よりも高くなる(0%→3%に上昇する)ので、実質的に、1の第1特別図柄の抽選が実行される毎に、3%超の割合で大当たりを抽選しているのと同等の挙動とすることができる。即ち、チャンスタイム(第2時短状態)では、通常状態と同様に左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する遊技状態であるにもかかわらず、見かけ上の大当たり確率が飛躍的に高くなる(実質的な大当たり確率が約1/320から約1/30に上昇する)有利な遊技状態を形成する。
図1156に示した通り、チャンスタイム待機演出が終了すると、ウサギのキャラクタ801が雲の上において各種のアクションを行うと共に第3図柄の変動表示が実行されることで大当たり期待度を示唆する演出態様の演出が実行されるチャンスタイム中演出に切り替わる。チャンスタイム中演出では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、および第1特別図柄の抽選の直前に開始された普通図柄の抽選で普図当たりBとなった場合に、同一の数字を模した第3図柄が揃う変動表示演出が実行され、第1特別図柄の抽選で外れとなり、且つ、当該外れに対応する第1特別図柄の抽選の直前に開始された普通図柄の抽選で普図当たりAとなった場合に、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される変動表示演出が実行される。
ここで、チャンスタイムにおける第1特別図柄の変動表示における変動時間と普通図柄の変動表示における変動時間との対応関係について、図1157を参照して説明する。図1157は、第1特別図柄の変動表示も普通図柄の変動表示も(第2特別図柄の変動表示も)実行されていない状態でスルーゲート67および第1入球口64へと遊技球がほぼ同時に入球した場合の第1特別図柄の変動時間および普通図柄の変動時間の対応関係を示した図である。図1157(a)は、普通図柄の抽選結果が普図当たりB(第2入球口640へ入球困難なショート開放の普図当たり)に当選した場合の対応関係を示しており、図1157(b)は、普通図柄の抽選結果が普図当たりA(第2入球口640へと容易に入球可能となるロング開放の普図当たり)に当選した場合の対応関係を示している。
図1157(a)の上段に示した通り、チャンスタイム(第2時短状態)において第1特別図柄の抽選が実行されると、変動時間が5秒間の変動パターンが設定される。この5秒間の変動時間は、抽選結果が大当たりであるか、外れであるかにかかわらず、固定の変動時間として設定される。一方で、図1157(a)の中段に示した通り、チャンスタイムにおいて第1特別図柄の変動表示とほぼ同時に開始された普通図柄の変動時間は1秒間に設定される。なお、図1157(a)においては、説明の簡略化のため、第1特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示とが全く同時に開始されているかのように図示されているが、実際には普通図柄の変動表示の方が僅かに(例えば、0.05秒前後)早く開始される。第1特別図柄の抽選の開始タイミングよりも僅かに前に普通図柄の抽選が実行される(第1入球口64よりも上流側に中央スルーゲート67cが配置されている)ため、第1特別図柄の変動表示演出として、直前に実行された普通図柄の抽選結果も加味した演出態様(変動表示態様)を設定する。図1157(a)は、第2入球口640へと入球困難な普図当たりAに当選した場合を例示しているため、第1特別図柄の抽選結果が外れであれば、第1特別図柄の抽選結果を示す変動表示演出として、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される変動表示態様が設定され、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであれば、第1特別図柄の抽選結果を示す変動表示態様として、同一の数字を模した第3図柄が揃う変動表示態様が設定される。
図1157(a)の下段に示した通り、普通図柄の変動時間(1秒間)が経過すると、普図当たりAが開始される。普図当たりAが開始されると、1.5秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)が設定された後で、0.1秒間の開放期間が設定され、以降は2.4秒間のエンディング期間(電動役物640aの閉鎖期間)が設定される。これにより、第1特別図柄の変動表示が終了するタイミングとほぼ同時に、普図当たりAのエンディング期間が終了される。つまり、第1特別図柄の新たな抽選が開始可能な状態になるのとほぼ同時に、普通図柄の新たな抽選が開始可能な状態を形成するので、次回以降の第1特別図柄の抽選でも、普通図柄の抽選をほぼ同時に開始させて第1特別図柄の変動表示演出の演出態様として、普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定することができる。つまり、チャンスタイムにおいて実行される毎回の変動表示演出を、普通図柄の抽選結果と第1特別図柄の抽選結果との両方を加味した変動表示態様に設定することができる斬新な演出態様を実現することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1157(b)を参照して、普通図柄の抽選結果が普図当たりBである場合の第1特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間との対応関係について説明する。図1157(b)の上段および中段に示した通り、第1特別図柄の変動時間、および普通図柄の変動時間は、それぞれ普図当たりAの場合(図1157(a)参照)と共通である。つまり、第1特別図柄の変動表示は、変動時間が5秒間の変動パターンに設定され、当該第1特別図柄の変動表示とほぼ同時に(直前に)開始された普通図柄の変動時間は1秒間に設定される。なお、図1157(b)の例では、普通図柄の抽選で、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選した場合を例示しているため、第1特別図柄の変動表示に同期して実行される第3図柄の変動表示演出として、第1特別図柄の抽選結果にかかわらず、同一の数字を模した第3図柄が揃う変動表示態様が設定される。
図1157(b)の下段に示した通り、普通図柄の変動時間(1秒間)が経過すると、普図当たりBが開始される。普図当たりBが開始されると、1.5秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)が設定された後で、2.5秒間の開放期間が設定され、エンディング期間はほぼ0に設定されて普図当たりBが終了される。これにより、第1特別図柄の変動表示が終了するタイミングとほぼ同時に、普図当たりBが終了される。つまり、普図当たりAであるか、普図当たりBであるかによらず、第1特別図柄の新たな抽選が開始可能な状態になるのとほぼ同時に、普通図柄の新たな抽選が開始可能な状態を形成するので、次回以降の第1特別図柄の抽選でも、普通図柄の抽選をほぼ同時に開始させて第1特別図柄の変動表示演出の演出態様として、普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定することができる。つまり、チャンスタイムにおいて実行される毎回の変動表示演出を、普通図柄の抽選結果と第1特別図柄の抽選結果との両方を加味した変動表示態様に設定することができる斬新な演出態様を実現することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第40制御例では、チャンスタイムにおいて、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選した場合も、普通図柄の変動が開始されてから普図当たりBが終了するまでの期間と、第1特別図柄の変動時間とを一致させる(5秒間とする)構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、普図当たりBの場合は、普通図柄の変動時間を長くしたり(例えば、3.5秒間にしたり)、オープニング期間を長くしたり(例えば、4秒間にしたり)することで、5秒経過以降に普通図柄の開放期間が開始されるように構成してもよい。このように構成することで、5秒間の変動期間を全て用いて変動表示演出を実行することができるので、演出態様をより多様化させることができる。詳述すると、上述した第40制御例の構成では、普図当たりBに当選した場合、第1特別図柄の変動開始後、約2.5秒経過時点で普図当たりBに基づく開放期間が開始されるため、変動表示演出の演出期間として、実質的に2.5秒間しか確保できない構成となっていた。つまり、普通図柄の抽選結果によらず、第1特別図柄の変動表示の終了とほぼ同時に普通図柄の当たりを終了させる制御を採用していた。これは、仮に普図当たりBにおいて遊技者が右打ちを行わなかった等して第2入球口640へと遊技球が入球せず、そのまま普図当たりBが終了されたとしても、残りのチャンスタイムにおいて再度、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に実行させる遊技性を確実に実現できるように配慮した結果である。つまり、第1特別図柄の抽選が5秒で終了する一方で、普図当たりBが5秒以上継続した場合、普図当たりBの実行中に次の第1特別図柄の変動表示が開始されてしまい、以降は第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に実行させることが困難となってしまうという事象が発生してしまうことを防止する趣旨である。しかしながら、普図当たりBに当選したにもかかわらず、第1示唆演出(図1152(b)参照)の示唆内容を無視して左打ちを継続する遊技者はほぼいないと考えられるため、実際には、普図当たりAに基づく普通図柄の変動が開始されてから普図当たりAが終了されるまでの間の期間のみ、第1特別図柄の変動時間に一致させておけば大きな問題が生じないとも考えられる。よって、普図当たりBの開放期間が、普通図柄の変動開始から少なくとも5秒間が経過した後で開始されるように構成することで、第1特別図柄の変動時間である5秒間をフルに用いて普図当たりBとなるか(電動役物640aがロング開放するか)否かを示唆する演出を実行する構成としてもよい。これにより、演出態様をより好適に設定することができる。
図1156に戻って説明を続ける。チャンスタイム(第2時短状態)において普図当たりB(電動役物640aに対して2.5秒間のロング開放が設定される普図当たり)に当選すると、当該普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示の開始直後に開始される第1特別図柄の変動表示における変動表示態様として、疑似当たり変動演出(図1152(a)参照)が実行される。この疑似当たり変動演出は、上述した通り、特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同様に、同一の数字を模した第3図柄がそれぞれ右図柄列、中図柄列、および左図柄列に停止表示される演出態様の演出である。つまり、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合と区別困難な演出態様の演出である。
図1156に示した通り、疑似当たり変動演出が終了すると、上のVを狙え演出(第1示唆演出、図1152(b)参照)が実行されて、遊技者に対して1回目の右打ちが促される(示唆される)。この上のVを狙え演出(第1示唆演出)の実行中に右打ちを行うことで、開放状態(突出状態)に設定された電動役物640aへと遊技球を到達させることができ、当該電動役物640aによって第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。第2入球口640への入球を検出するか、または普図当たりBが終了することによって、上のVを狙え演出(図1152(b)参照)は終了される。第2入球口640への入球を検出した(第2特別図柄の保留球を獲得した)場合は、上のVへの入球に成功したことを報知する演出態様の演出が、第1特別図柄の変動表示の終了までの期間で実行される一方、右打ちを行わなかった等により第2入球口640へと入球しなかった場合は、普通図柄の当たりの終了時に上のVを狙え演出が終了されると共に上のVへの入球に失敗したことを示す短時間(例えば、1秒間)の演出が実行される。
なお、普通図柄の抽選で普図当たりB(実質的に大当たりが確定する普図当たり)に当選し、且つ、直後に実行された第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合についても、同様に、上のVを狙え演出が実行される。この場合、第1特別図柄の変動時間の終了と共に上のVを狙え演出が終了されて、第1特別図柄の大当たりが開始される。つまり、昇格演出や下のVを狙え演出が発生せずに、いきなり大当たり演出が開始される。これにより、遊技者に対して大きな驚きと喜びとを与えることができる。当該第1特別図柄の大当たりの終了後は、上のVを狙え演出において右打ちを行って第2特別図柄の保留球を獲得していた場合、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が実行されて、大当たり遊技若しくは実質的に大当たり確定の小当たり遊技が実行される。つまり、第1特別図柄の大当たりと第2特別図柄の大当たりとが連続する極めて有利な状況が成立する。
図1156に示した通り、上のVを狙え演出(第1示唆演出、図1152(b)参照)の実行中に第2入球口640への入球を検出していた(第2特別図柄の保留球を獲得していた)場合は、第2特別図柄の変動表示に同期させて、昇格演出(図1153参照)が実行される。この昇格演出は、上述した通り、第2特別図柄の抽選でラウンド数が最大の大当たりに対応する抽選結果となった(大当たりまたは小当たりAに当選した)場合に昇格に成功する演出態様(図1153(b)参照)に設定され、少ないラウンド数の大当たりに対応する抽選結果となった(小当たりBに当選した)場合に昇格に失敗する演出態様に設定される。
第2特別図柄の抽選で小当たりに当選していた場合は、図1156に示した通り、下のVを狙え演出(第2示唆演出、図1154(a)参照)が実行されて、遊技者に対して2回目の右打ちが促される(示唆される)。この下のVを狙え演出(第2示唆演出)の実行中に右打ちを行うことで、開放状態に設定されたV入賞口650aへと遊技球を入球させることができ、特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる。特定領域650e3への入球を検出するか、または小当たり遊技が終了することによって、下のVを狙え演出(図1154(a)参照)は終了される。特定領域650e3への入球を検出した(大当たりが確定した)場合は、下のVへの入球に成功したことを報知する演出態様の演出が、小当たり遊技の終了タイミングまでの期間で実行される一方、右打ちを行わなかった等により特定領域650e3へと遊技球が入球しなかった場合は、小当たり遊技の開放期間の終了時に下のVを狙え演出が終了されると共に下のVへの入球に失敗したことを示す短時間(例えば、1秒間)の演出が実行される。
図1156に示した通り、下のVを狙え演出の実行中に特定領域650e3への入球を検出していた場合は、大当たりが開始されると共に大当たり演出が実行される。なお、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選していた場合は、下のVを狙え演出が実行されずに、第2特別図柄の大当たり変動の終了時に大当たり遊技が開始されると共に、大当たり演出が実行される。
次に、図1154(b)、および図1155を参照して、本第40制御例における第1時短状態の演出態様について説明する。第1時短状態は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態として設定され得る遊技状態である。より具体的には、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に50%の割合で設定される一方で、時短状態(第1時短状態、または第2時短状態)において第1特別図柄の抽選で大当たりになるか、第2特別図柄の抽選で直接または小当たり経由で大当たりになった場合に100%の割合で設定される遊技状態である。この第1時短状態は、80%の割合で大当たりに当選する上に、大当たりに当選した場合は、当該大当たりの終了後に再度、第1時短状態が設定される(第1時短状態をループする)ため、一度移行すると、80%の割合で第1時短状態と大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。
上述した通り、第1時短状態では、第3終了条件として、普通図柄の当たり遊技の実行回数が1回に設定される。そして、普通図柄の抽選で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する割合は80%であるため、普通図柄の抽選で普図当たりBに当選しさえすれば、大当たり当選および第1時短状態のループが確定することになる。このため、本第40制御例における第1時短状態では、普通図柄の抽選が実行された場合に、大当たりとなるか否かを遊技者に対して疑似的に報知する演出態様を設定する構成としている。
図1154(b)は、第1時短状態(ラッシュ状態)における演出態様の一例を示した図である。第1時短状態(ラッシュ状態)において、特別図柄の抽選も普通図柄の抽選も実行されていない状況下では、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が、複数の宝箱810a~810cを発見し、いずれの宝箱を開けるかを吟味する演出が実行される。また、主表示領域Dmの左上部分に形成される小表示領域Dm4に対して、「右打ち」という文字が表示される。また、表示領域HR10に対して、「選んだ箱からV出現でボーナス!?」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「GOを通して宝箱を選べ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行って「GO」という文字を模した装飾が付された右スルーゲート67rを通過させることにより、ウサギのキャラクタ801に対していずれか1の宝箱を選択させることができるということを容易に理解させることができる。
図1155(a)は、第1時短状態において遊技球が右スルーゲート67rを通過した場合の演出態様の一例を示した図である。図1155(a)に示した通り、第1時短状態において右スルーゲート67rを遊技球が通過すると、当該通過に基づく普通図柄の抽選結果に応じてウサギのキャラクタ801が1の宝箱を選択する演出が実行される。具体的には、例えば、図1155(a)に示したように、ウサギのキャラクタ801が宝箱810bを選択する演出が実行されると共に、副表示領域Dsに対して、「選択完了!!」という文字が表示される。また、表示領域HR10に対しては、引き続き、「選んだ箱からV出現でボーナス!?」という文字が表示され続ける。これらの表示内容により、選択した宝箱から「V」が出現することで大当たりに当選するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図1154(b)や図1155(a)に示した通り、宝箱には複数のバリエーションが存在する。即ち、光り輝く表示態様の宝箱810aと、通常の表示態様の宝箱810bと、大きさが小さい表示態様の宝箱810cと、の3種類が設けられている。ウサギのキャラクタ801が選択する宝箱の種別によって、普図当たりBに当選している期待度を遊技者に示唆する構成としている。具体的には、普図当たりBに当選している場合、宝箱810aの選択割合が普図当たりAに当選している場合よりも高くなる一方で、宝箱810cの選択割合が普図当たりAに当選している場合よりも低くなるように構成されている。これにより、右スルーゲート67rを遊技球が通過した場合に、キャラクタ801が選択する宝箱の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、図1155(a)の例では、ウサギのキャラクタ801が宝箱810bを選択した場合を例示している。
図1155(b)は、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの当選が報知された場合の表示態様の一例を示した図である。図1155(b)に示した通り、普図当たりBに当選したことを報知する場合、主表示領域Dmにおいて、ウサギのキャラクタ801が選択した宝箱の中から「V」の文字が付されたVアイコン810baが出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して大当たりが確定した(実質的に大当たり当選が確定する普図当たりBに当選した)ということを、容易に理解させることができる。なお、これ以降は、チャンスタイム中に普図当たりBに当選した場合と同様に、まず、上のVを狙え演出が発生した後で、第2入球口640への始動入賞に基づく抽選結果に応じた昇格演出が実行され、第2特別図柄の抽選が大当たりである場合はそのまま大当たり遊技が開始される一方で、小当たりである場合は下のVを狙え演出を経て特定領域650e3への入球を条件として大当たり遊技が開始される。
次に、図1158を参照して、本第40制御例における各状態間の移行方法について説明する。ここで、本第40制御例では、3つの遊技状態が設けられている。即ち、遊技者に不利な通常状態と、遊技者にとって最も有利な第1時短状態と、通常状態よりは有利度合いが高く、第1時短状態よりは有利度合いが低い第2時短状態と、の3種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、普通図柄の抽選で第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な普図当たりBが決定される可能性が無く、第1時短状態では、普通図柄の抽選で約80%の割合で普図当たりBに当選し、第2時短状態では、普通図柄の抽選で約3%の割合で普図当たりBに当選する遊技状態である。
まず、図1158の上段を参照して、遊技者に不利な通常状態における遊技状態の移行方法について説明する。図1158の上段に示した通り、通常状態(通常モード)から他の状態には、特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または時短図柄に当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなった場合に50%の割合で決定(選択)される大当たりA40が大当たり種別として決定された場合に、大当たり終了後の遊技状態として第1時短状態が設定される。また、特別図柄の抽選で約1/200の確率で当選する時短図柄(突然時短)に当選した場合に、第2時短状態が直接設定される。一方で、大当たりに当選した場合に50%の割合で決定(選択)される大当たりB40が大当たり種別として決定された場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、通常状態に設定される。このため、通常状態においては、特別図柄の抽選で大当たりに当選すること、または時短図柄に当選することにより、有利度合いが高い遊技状態へと移行するため、これらの抽選結果となることに期待して遊技を行う遊技性となる。
また、図1158の下段左側に示した通り、第1時短状態から他の遊技状態には、時短状態の終了条件(第1~第3終了条件のいずれか)が成立した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、第1特別図柄変動(特図1変動)と、第2特別図柄変動(特図2変動)の合算の変動回数が10回となることで成立する第1終了条件が成立するか、小当たりに1回当選することで成立する第2終了条件が成立するか、普通図柄の当たり遊技の実行回数(普通電動役物640aの作動回数)が1回となることで成立する第3終了条件が成立することで、遊技状態が不利な通常状態に設定される。一方で、第1時短状態において普通図柄の抽選が実行された場合に80%の割合で当選する普図当たりB(ロング開放の普図当たり)に当選すると、実質的に大当たりが確定する。つまり、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりのどちらかに当選する第2特別図柄の抽選を実行する権利を得ることができ、大当たり終了後は再度、第1時短状態が設定される(第1時短状態をループする)。
ここで、実際には、普図当たりBが開始された時点で電動役物640aの作動回数が規定回数である1回に到達し、時短状態が終了されている(第3終了条件が成立している)が、図1158では、説明を分かり易くするために、普図当たりBに当選して発生する第2特別図柄の当たり(大当たりまたは小当たり)は、第1時短状態中の当たりとして取り扱っている。
また、図1158の下段右側に示した通り、第2時短状態から他の遊技状態には、大当たりに当選した場合、および普通図柄の抽選で普図当たりB(ロング開放の普図当たり)に当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1158の下段右側に示した通り、特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなった場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が、必ず有利度合いが高い第1時短状態に設定される。また、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選した場合も、演出による示唆内容に従って右打ちを行い続けることにより、第2特別図柄の抽選を実行させることができ、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりに当選させることができるため、大当たり終了後の遊技状態が有利な第1時短状態に設定される。
このように、本第40制御例では、3つの遊技状態を設ける構成とし、各遊技状態で、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの当選割合を異ならせることにより、有利度合いに差を設ける斬新な遊技性を実現している。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第40制御例の電気的構成>
次に、図1159(a)を参照して、本第40制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図1159(a)は、本第40制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図1159(a)に示した通り、本第40制御例におけるROM202は、上述した第32制御例におけるROM202の構成(図952(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202aに代えて第1当たり乱数テーブル202ajが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202bに代えて大当たり種別選択テーブル202bjが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数テーブル202cjが設けられている点、変動パターン選択テーブル202dに代えて変動パターン選択テーブル202djが設けられている点、時短付与テーブル202eに代えて時短付与テーブル202ejが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fに代えて小当たり種別選択テーブル202fjが設けられている点、時短種別選択テーブル202jaが追加されている点、普図当たり種別選択テーブル202jbが追加されている点、および変動パターンシナリオテーブル202hが削除されている点で相違している。その他の構成については上述した第32制御例におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、本第40制御例における第1当たり乱数テーブル202ajの詳細について、図1160(a)、および図1160(b)を参照して説明する。ここで、本第40制御例における第1当たり乱数テーブル202ajは、上述した第32制御例における第1当たり乱数テーブル202a(図953(a)参照)と同様に、第1特別図柄の抽選において参照される特別図柄1乱数テーブル202aj1と、第2特別図柄の抽選において参照される特別図柄2乱数テーブル202aj2と、で少なくとも構成されている。まず、図1160(a)を参照して、特別図柄1乱数テーブル202aj1の詳細について説明する。図1160(a)は、特別図柄1乱数テーブル202aj1の規定内容を示した図である。
図1160(a)に示した通り、本第40制御例における特別図柄1乱数テーブル202aj1には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~532」の328個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。一方、小当たりと判定される乱数値は対応付けられていない。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が328個であるので、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選する確率は約1/200(328/65536)である。
次に、図1160(b)を参照して、特別図柄2乱数テーブル202aj2の詳細について説明する。図1160(b)は、特別図柄2乱数テーブル202aj2の規定内容を示した図である。図1160(b)に示した通り、本第40制御例における特別図柄2乱数テーブル202aj2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~65535」の65331個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。一方、時短図柄当選と判定される乱数値は対応付けられていない。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が65331個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約319/320(65331/65536)である。
次に、図1160(c)を参照して、本第40制御例における大当たり種別選択テーブル202bjの詳細について説明する。図1160(c)は、本第40制御例における大当たり種別選択テーブル202bjの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202bjは、上述した第32制御例における大当たり種別選択テーブル202b(図954(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1160(c)に示した通り、本第40制御例における大当たり種別選択テーブル202bjには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA40、および大当たりB40の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC40の1種類が規定されている。
図1160(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA40」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB40」が対応付けて規定されている。「大当たりA40」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後に時短回数(普通図柄の当たりの規定回数)が1回の第1時短状態が設定される大当たり種別である。また、「大当たりB40」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態に設定される)大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA40」と「大当たりB40」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA40」の方が「大当たりB40」よりも有利度合いが高くなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA40」および「大当たりB40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ50個ずつであるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA40」、「大当たりB40」に当選する割合は、それぞれ50%ずつである。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、50%の割合でしか最も有利な第1時短状態へと移行することがない。なお、時短状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別が「大当たりB40」であっても第1時短状態に移行する。つまり、第1時短状態や第2時短状態では、大当たりに当選することで、必ず最も有利な第1時短状態へと移行する有利な遊技状態を形成する。
また、図1160(c)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC40」が対応付けて規定されている。この「大当たりC40」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が有利な第1時短状態に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC40」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC40」が決定される。
次に、図1161(a)を参照して、本第40制御例における第2当たり乱数テーブル202cjの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202cjは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図1161(a)に示した通り、本第40制御例における第2当たり乱数テーブル202cjでは、遊技状態によらず、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の全範囲(「0~299」の範囲)が対応付けられている。このため、本第40制御例では、遊技状態によらず、普通図柄の抽選が実行された場合に必ず普通図柄の当たりに当選する。なお、上述した通り、普通図柄の当たりに当選した場合に実行される普通図柄の当たり種別の選択比率が、遊技状態に応じて異なっている。詳細については後述するが、通常状態では、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な普図当たりBが選択されることはなく、第1時短状態では80%の割合で普図当たりBが選択され、第2時短状態では、3%の割合で普図当たりBが選択される。これにより、遊技状態間の有利度合いを大きく異ならせている。
次に、図1161(b)を参照して、本第40制御例における変動パターン選択テーブル202djの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202djは、第32制御例における変動パターン選択テーブル202d(図956(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1161(b)は、この変動パターン選択テーブル202djの構成を示したブロック図である。
図1161(b)に示した通り、本第40制御例における変動パターン選択テーブル202djは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202dj1と、時短状態(第1時短状態、第2時短状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短用テーブル202dj2と、で少なくとも構成されている。まず、図1161(c)を参照して、通常用テーブル202dj1の詳細について説明する。
図1161(c)は、本第40制御例における通常用テーブル202dj1の規定内容を示した図である。図1161(c)に示した通り、通常用テーブル202dj1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。
さらに、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が外れ以外(大当たり、又は時短図柄)である場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たり、又は時短図柄である可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、当たり(大当たり、時短図柄)に当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「小当たり」が規定されている。なお、上述した通り、本第40制御例では、第2特別図柄の抽選結果として大当たりまたは小当たりのどちらかのみに当選し得る構成としており、通常の(V入賞装置650の作動を伴わない)外れが存在しないようになっている。このため、通常用テーブル202dj1にも「大当たり」および「小当たり」の抽選結果のみが規定されている。
なお、上述した通り、本第40制御例では、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(第1変位パターン)が設定される普図当たりAが必ず実行されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第40制御例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、時短状態(第1時短状態または第2時短状態)において普通図柄の当たりに当選して第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることが可能な普図当たりBが決定され、当該普図当たりBによる電動役物640aの作動によって先に時短終了条件(第3終了条件)が成立して時短状態が終了された後で、実行中の普図当たりBの開放期間の間に第2入球口640へと遊技球が入球した状況である。この状況は、特に、第3終了条件として普図当たりの規定回数が1回に設定される第1時短状態において成立し易い状況となっている。即ち、第1時短状態に移行した後で普図当たりBに当選した場合は、ほぼ確実に、普図当たりBの開始の方が第2入球口640への入球よりも先となるため、第1時短状態に設定された後で第2特別図柄の抽選が実行される場合は、一旦通常状態に移行(転落)してから第2特別図柄の抽選が開始される。よって、本第40制御例では、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間として、抽選結果に関わらず一定の長さ(10秒)の変動時間が設定される変動パターンが決定されるように構成している。そして、本変動時間を用いて昇格演出(図1153参照)を実行するように構成している。
このように、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が、特定の遊技状態(通常状態)で実行された場合に、抽選結果に関わらず同一の長さの変動時間が設定される変動パターンを決定するように構成することで、その特別図柄変動中に実行される特定演出の演出期間を特別図柄抽選の結果に関わらず統一することができる。
次に、図1162(a)を参照して、上述した時短用テーブル202j2の詳細について説明する。図1162(a)は、この時短用テーブル202j2の規定内容を示した図である。図1162(a)に示した通り、時短用テーブル202dj2には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短当たり」が規定され、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短突時」が規定されている。
一方、図1162(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、通常用テーブル202dj1(図1161(c)参照)と共通である。即ち、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「小当たり」が規定されている。
これらの規定内容により、時短状態における第1特別図柄の変動時間を5秒間に固定化できると共に、第2特別図柄の変動時間を10秒間に固定化することができる。よって、図1157で上述した通り、チャンスタイム(第2時短状態)において、第1特別図柄の変動と普通図柄の変動とをほぼ同時に開始させることができると共に、第1特別図柄の変動終了タイミングと普通図柄の当たり終了タイミングとをほぼ一致させることができる。よって、チャンスタイムにおける毎回の第1特別図柄の変動表示演出として、普通図柄の抽選結果を加味した変動表示態様を設定することができる。また、第2特別図柄の変動時間を固定化することで、昇格演出の演出期間を毎回固定化することができる。
次に、図1162(b)を参照して、本第40制御例における時短付与テーブル202ejの詳細について説明する。この時短付与テーブル202ejは、上述した第32制御例における時短付与テーブル202e(図954(b)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図1162(b)は、この時短付与テーブル202ejの規定内容を示した図である。
図1162(b)に示した通り、本第40制御例における時短付与テーブル202ejには、各大当たり種別、および時短図柄種別と時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値とが対応付けられて規定されている。なお、図1162(b)に示した通り、本第40制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、時短カウンタ203hと、小当たりカウンタ203sと、普電作動カウンタ203jaと、の3つが設けられている。時短カウンタ203hは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、普電作動カウンタ203jaは、時短状態が設定された後で実行された普通図柄の当たり回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。
図1162(b)に示した通り、本第40制御例では、大当たり種別として「大当たりA40」~「大当たりD40」の4種類が設けられていると共に、時短図柄種別として「時短図柄A40」~「時短図柄E40」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202ejには、各大当たり種別および各時短図柄種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、普電作動カウンタ203jaの値(即ち、第1から第3終了条件)が対応付けて規定されている。
図1162(b)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」のいずれかに当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数1回が設定される。なお、これらの大当たり終了後は第1時短状態に設定されるため、ほぼ、普通図柄の当たり遊技が1回実行されることで成立する第3終了条件の成立によって時短終了条件が成立する。この普通図柄の当たり遊技が普図当たりBであれば、時短状態の終了条件は成立するものの、第2入球口640へと遊技球を入球させて実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選を実行させることができるため、再度第1時短状態へと移行させることができる。一方、普通図柄の当たりが普図当たりAであれば、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な第1変位パターンで電動役物640aが変位されるため、第2特別図柄の抽選を実行させることも不可能となる。よって、「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」の終了後に設定される第1時短状態では、普図当たりBに当選することを強く期待させる遊技性となる。なお、第1時短状態において普図当たりBに当選する割合は、普通図柄の抽選が実行された場合の80%である。
また、図1162(b)に示した通り、「大当たりB40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値、小当たりカウンタ203sの値、および普電作動カウンタ203jaの値に対して、それぞれ「数値無し(図では「-」で表示)」が規定されている。このため、通常状態において「大当たりB40」に当選した場合は、大当たり終了後が時短状態に設定されず、通常状態に設定される。よって、「大当たりB40」は、大当たり終了後の遊技状態の面で最も不利な大当たり種別である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合には、他の大当たり種別(「大当たりA40」、「大当たりC40」、および「大当たりD40」)と同一の終了条件が規定されている。詳細については上述した通りであるため、ここではその説明については省略する。
また、図1162(b)に示した通り、「時短図柄A40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に対して、時短カウンタ203hの値「14」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「10」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄A40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数14回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数10回が設定される。よって、「時短図柄A40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が14回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが10回実行されるまで継続する。ここで、上述した通り、第2時短状態は、左打ちを行った場合に第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とが毎回ほぼ同時に実行される遊技状態であり、且つ、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの当選割合が、普通図柄の抽選1回あたり3%の割合となる遊技状態であるため、特別図柄の大当たり確率(約1/320)を加味すると、第1特別図柄の抽選が実行される毎に、実質的に約1/30の確率で大当たりに当選する有利な遊技状態を形成する。10回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約28.5%であるので、「時短図柄A40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約28.5%である。
なお、第1終了条件(特別図柄の変動回数に基づく終了条件)を、第3終了条件(普通図柄の当たり回数に基づく終了条件)よりも4回分多く設定しているのは、時短図柄に当選した時点の保留球数がいずれの値であっても、普通図柄の当たり回数を損させることなく第2時短状態における遊技を行わせるためである。より具体的には、第1終了条件と第3終了条件を一致させた場合、第2時短状態が開始された時点で第1特別図柄の保留球が存在している場合に、普通図柄の抽選が実行されずに第1特別図柄の抽選が実行されてしまい、第1終了条件に対応する時短カウンタ203hの値が減算されてしまう。つまり、第3終了条件が成立するよりも前に第1終了条件が成立してしまう可能性があり、第1特別図柄の保留球数が多くなるほど、第1特別図柄の抽選よりも実質的な大当たりの可能性が高い普通図柄の抽選回数を損してしまう虞がある。このため、本第40制御例では、第2時短状態への移行時点における第1特別図柄の保留球数が0個~4個のいずれであっても、第3終了条件よりも先に第1終了条件が成立することを極めて困難とするために、第3終了条件よりも第1終了条件を最大の保留球数分(即ち、4回分)だけ多い回数に設定する構成としている。このように構成することで、第2時短状態において第1特別図柄の保留球を全て消化してから左打ちを開始したとしても、第3終了条件に相当する回数の普通図柄の当たり遊技が実行されるまで、時短状態を継続させることができるので、実質的な大当たり確率が高い普通図柄の当たり遊技の回数を損することにより、遊技者に対して極めて不利益となってしまうことを抑制することができる。
一方、図1162(b)に示した通り、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「時短図柄A40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数1004回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数1000回が設定される。1000回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、ほぼ100%であるので、時短状態において「時短図柄A40」に当選したことに基づいて設定された第2時短状態は、実質的に大当たりが確定する時短状態となる。
また、図1162(b)に示した通り、「時短図柄B40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「34」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「30」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄B40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数34回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数30回が設定される。よって、「時短図柄B40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が34回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが30回実行されるまで継続する。30回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約63.5%であるので、「時短図柄B40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約63.5%である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、「時短図柄A40」と同様に、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」が対応付けて規定されているため、実質的に大当たりが確定する第2時短状態が設定される。
また、図1162(b)に示した通り、「時短図柄C40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「54」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「50」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄C40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数54回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数50回が設定される。よって、「時短図柄C40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が54回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが50回実行されるまで継続する。50回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約81.3%であるので、「時短図柄C40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約81.3%である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、「時短図柄A40」や「時短状態B40」と同様に、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」が対応付けて規定されているため、実質的に大当たりが確定する第2時短状態が設定される。
また、図1162(b)に示した通り、「時短図柄D40」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「104」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「100」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「時短図柄D40」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数104回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数100回が設定される。よって、「時短図柄D40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が104回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが100回実行されるまで継続する。100回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、約96.5%であるので、「時短図柄D40」に当選したことに基づく第2時短状態の大当たり期待度は約96.5%である。なお、当選時の遊技状態が時短状態である場合は、「時短図柄A40」~「時短図柄C40」と同様に、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」が対応付けて規定されているため、実質的に大当たりが確定する第2時短状態が設定される。
更に、図1162(b)に示した通り、「時短図柄E40」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「1004」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および普電作動カウンタ203jaの値「1000」がそれぞれ規定されている。このため、「時短図柄E40」に当選した場合は、遊技状態によらず、第1終了条件として、特別図柄の変動回数1004回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、普通図柄の当たり回数1000回が設定される。よって、「時短図柄E40」に当選したことに基づいて設定される第2時短状態は、特別図柄の抽選が1004回実行されるか、小当たり遊技が1回実行されるか、普通図柄の当たりが1000回実行されるまで継続する。1000回の特別図柄と普通図柄とのほぼ同時の抽選によって合算約1/30の大当たりに当選する可能性は、ほぼ100%であるので、「時短図柄E40」に当選したことに基づく第2時短状態は、実質的に大当たりが確定する時短状態となる。
このように、本第40制御例では、時短図柄の種別に応じて付与される第2時短状態の終了条件を異ならせることで時短図柄の種別毎の大当たり期待度を異ならせる構成としている。つまり、第2時短状態が終了するまでの普通図柄の当たり遊技の実行回数を、時短図柄の種別に応じて異ならせることで、大当たりに当選する可能性を異ならせる構成としている。このように構成することで、時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1163(a)を参照して、本第40制御例における小当たり種別選択テーブル202fjの詳細について説明する。図1163(a)は、この小当たり種別選択テーブル202fjの規定内容を示した図である。図1163(a)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~79」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA40」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「80~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB40」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA40」も、「小当たりB40」も、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA40」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC40(10ラウンド大当たり)に当選する一方で、「小当たりB40」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD40(3ラウンド大当たり)に当選するように構成されている。いずれの大当たりに当選した場合も、大当たり終了後の遊技状態は第1時短状態に設定されるため、大当たり当選時のラウンド数が多い点でのみ、「小当たりA40」の方が「小当たりB40」よりも有利度合いが高い小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA40」および「小当たりB40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ80個および20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA40」および「小当たりB40」が決定される割合は、それぞれ80%(80/100)および20%(20/100)である。
次に、図1163(b)を参照して、本第40制御例における時短種別選択テーブル202jaの詳細について説明する。この時短種別選択テーブル202jaは、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1163(b)に示した通り、時短種別選択テーブル202jaには、「時短図柄A40」~「時短図柄E40」の5種類の時短図柄種別のそれぞれに対して、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図1163(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~89」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄A40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が10回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄A40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が90個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄A40」が決定される割合は90%(90/100)である。
また、図1163(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90~94」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄B40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が30回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄B40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が5個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄B40」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図1163(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「95~97」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄C40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄C40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が50回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄C40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が3個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄C40」が決定される割合は3%(3/100)である。
また、図1163(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「98」に対して、時短図柄種別として「時短図柄D40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄D40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が100回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄D40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄D40」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図1163(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「99」に対して、時短図柄種別として「時短図柄E40」が対応付けて規定されている。この「時短図柄E40」は、上述した通り、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)が1000回に設定される第2時短状態に対応する時短図柄種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄E40」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が1個であるため、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄E40」が決定される割合は1%(1/100)である。
次に、図1163(c)を参照して、本第40制御例における普図当たり種別選択テーブル202jbについて説明する。この普図当たり種別選択テーブル202jbは、普通図柄の抽選で普通図柄の当たりとなった場合に普通図柄の当たり種別を選択(決定)するために参照されるデータテーブルである。図1163(c)に示した通り、この普図当たり種別選択テーブル202jbには、遊技状態毎に、普通図柄の当たり種別と、第2当たり種別カウンタC6の値の範囲とが対応付けて規定されている。
具体的には、図1163(c)に示した通り、普通図柄の抽選時の遊技状態が通常状態である場合には、第2当たり種別カウンタC6の値の全範囲(「0~99」の範囲)に対して、普図当たり種別として普図当たりAが対応付けて規定されている。この普図当たりAは、上述した通り、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な開閉パターン(第1変位パターン)で電動役物640aが開閉(変位)される種別の普図当たりである。
一方、図1163(c)に示した通り、普通図柄の抽選時の遊技状態が第1時短状態である場合には、第2当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲に対して「普図当たりA」が対応付けて規定され、第2当たり種別カウンタC6の値が「20~99」の範囲に対して「普図当たりB」が対応付けて規定されている。普図当たりBは、上述した通り、第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることが可能な開閉パターン(第2変位パターン)で電動役物640aが開閉(変位)される種別の普図当たりである。そして、第2特別図柄の抽選は、実質的に大当たりが確定する抽選であるため、普図当たりBは、実質的に大当たりが確定する種別の普図当たりであると言える。第2当たり種別カウンタC6の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりAおよび普図当たりBに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数はそれぞれ20個および80個であるため、第1時短状態において普通図柄の当たりに当選した場合に普図当たりAおよび普図当たりBが決定される割合は、それぞれ20%(20/100)および80%(80/100)である。第1時短状態は、普通図柄の当たり遊技が1回実行されることで終了される(通常状態に転落される)遊技状態であるので、第1時短状態では、80%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選して大当たり遊技が実行される一方で、20%の割合で第2入球口640へと遊技球を入球させることができずにそのまま通常状態へと転落してしまう遊技状態を形成する。
また、図1163(c)に示した通り、普通図柄の抽選時の遊技状態が第2時短状態である場合には、第2当たり種別カウンタC2の値が「0~96」の範囲に対して「普図当たりA」が対応付けて規定され、第2当たり種別カウンタC6の値が「97~99」の範囲に対して「普図当たりB」が対応付けて規定されている。第2当たり種別カウンタC6の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、普図当たりAおよび普図当たりBに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数はそれぞれ97個および3個であるため、第1時短状態において普通図柄の当たりに当選した場合に普図当たりAおよび普図当たりBが決定される割合は、それぞれ97%(97/100)および3%(3/100)である。第2時短状態では、普通図柄の当たりが10回、30回、50回、100回、および1000回のいずれかの回数実行されることで終了される遊技状態であるため、第2時短状態においては、規定の普通図柄の当たり遊技回数に到達するよりも前に3%の普図当たりBに当選することを目指す遊技性となる。
次に、図1159(b)を参照して、本第40制御例の主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1159(b)は、本第40制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1159(b)に示した通り、本第40制御例におけるRAM203は、上述した第32制御例におけるRAM203の構成(図952(b)参照)に対して、特図2カウンタ203tに代えて普電作動カウンタ203jaが設けられている点でのみ相違している。この普電作動カウンタ203jaは、上述した通り、時短状態が設定された後で実行された普通図柄の当たり回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、大当たり終了時または時短図柄の停止時に、大当たり種別または時短種別に対応するカウンタ値が設定される(図1166のS226A参照)。また、この普電作動カウンタ203jaは、普通図柄の当たり遊技の開始タイミングとなる毎に、値が1ずつ減算して更新される(図1173(b)のS2332A参照)。この普電作動カウンタ203jaの値によって、第3終了条件(普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく時短終了条件)の成立有無が判定される。
なお、本第40制御例における時短終了条件の1つとして、普図当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定している理由としては、右打ちを行うことで、第1特別図柄の抽選を実行させることなく普通図柄の抽選のみを実行させることが可能な盤面構成であり、且つ、普図当たりBに当選することで実質的に大当たりが確定する遊技性としているため、特別図柄の抽選回数に基づく終了条件(第1終了条件)および小当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第2終了条件)のみを時短終了条件として規定した場合、第1時短状態または第2時短状態に移行した後で右打ちを行い続けると、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選するまで時短状態が継続してしまう不具合が生じてしまうためである。そこで、本第40制御例では、時短終了条件として、普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定する構成とし、時短状態において右打ちを行い続け、特別図柄の抽選が全く行われなかったとしても、規定回数に渡って普図当たり遊技が実行されることにより時短状態が終了されるように構成している。これにより、普図当たりBに当選するまで時短状態が必ず継続してしまうという不具合が発生することを防止することができる。
次に、図1164(a)を参照して、本第40制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図1164(a)は、本第40制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図1164(a)に示した通り、本第40制御例におけるROM222は、上述した第32制御例におけるROM222の構成(図959(a)参照)に対して、待機演出選択テーブル222jaが追加されている点、および討伐数選択テーブル222b、討伐演出態様選択テーブル222c、追加減少値選択テーブル222d、演出ステージデータテーブル222e、遊技環境データテーブル222fが削除されている点で相違している。待機演出選択テーブル222jaは、チャンスタイム待機演出(図1150(b)、図1151参照)の演出態様を決定するために参照されるデータテーブルである。この待機演出選択テーブル222jaの詳細について、図1165を参照して説明する。
図1165は、待機演出選択テーブル222jaの規定内容を示した図である。図1165に示した通り、この待機演出選択テーブル222jaは、今回当選した時短図柄の種別に対応する時短回数、および演出開始時の状況の組み合わせ毎に、アイコン(示唆図柄)の組み合わせと第1演出カウンタ223f1の値の範囲との対応関係が規定されている。ここで、上述した通り、チャンスタイム待機演出(図1150(b)、図1151参照)は、時短図柄に対応する変動表示が終了してから、第1特別図柄の保留球を全て消化しきるまで(保留球数が0個の場合は時短図柄が停止表示されてから5秒が経過するまで)の期間を用いて実行される演出であり、第1特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中に第1入球口64(および中央スルーゲート67c)へと遊技球が入球(通過)してしまうことを防止するために実行される演出である。このため、時短図柄が停止表示されて第2時短状態へと移行した後、最大で4回(第1特別図柄の保留球の上限個数分)の変動表示演出に渡って連続的に実行され得る演出で構成される。
図1165に示した通り、チャンスタイム待機演出の演出期間内で新たな演出を実行する際の状況として、大当たり変動の開始時という状況に対しては、時短回数(第3終了条件)によらずに、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「祝」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(当たり報知演出A)が対応付けて規定されている。同様に、第1演出カウンタ223f1の値が「50~89」の範囲に対して、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「祝」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(当たり報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~99」の範囲に対して、「∞」という文字が付された2つのアイコン、「祝」という文字が付された2つのアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「祝」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(当たり報知演出C)が対応付けて規定されている。
第1演出カウンタ223f1の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、当たり報知演出A、当たり報知演出B、および当たり報知演出Cに対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ50個、40個、および10個であるので、チャンスタイム待機演出の演出期間内に当たり変動が開始される場合に、当たり報知演出A、当たり報知演出B、および当たり報知演出Cが決定される割合は、それぞれ50%(50/100)、40%(40/100)、および10%(10/100)である。なお、当たり報知演出Aで最初に表示されるアイコン(示唆図柄)の組み合わせは、少ない時短回数(10回の時短回数)を報知する際にも比較的高い割合で決定される組み合わせであるため、比較的遊技者に有利な報知が行われる期待度が低い演出態様という位置付けである。また、当たり報知演出Bで最初に表示されるアイコン(示唆図柄)の組み合わせは、比較的多い時短回数(100回や1000回)が設定されている場合にも選択される組み合わせであるため、比較的遊技者に有利な報知が行われる期待度が高い演出態様という位置付けである。更に、当たり報知演出Cで最初に表示されるアイコン(示唆図柄)の組み合わせは、実質的に大当たりまで継続するに等しい1000回の時短回数が報知される状況においてのみ選択され得る組み合わせであるため、アイコンの組み合わせが表示された段階で当たりまたは実質的に大当たりが確定する1000回の時短状態のどちらかであることが確定する極めて有利な演出態様という位置づけである。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が10回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「10回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(10回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「80~98」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「10回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(10回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「10回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(10回報知演出C)が対応付けて規定されている。
一方で、時短回数(第3終了条件)が10回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~94」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~99」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定されている。これらにより、10回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球数が1以上の間は継続報知演出Aが高い割合で実行され、保留球数が0になると10回報知演出Aが高い割合で実行される。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が30回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~39」の範囲に対して、「10回」という文字が付された2つのアイコン、「30回」という文字が付された1つのアイコン、「継続」という文字が付された1つのアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「40~98」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出C)が対応付けて規定されている。
一方で、時短回数(第3終了条件)が30回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~94」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~98」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定されている。これらにより、30回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bの割合が高くなる。また、時短回数10回では選択され得ない継続報知演出Cが選択される可能性がある。また、保留球数が0になると30回報知演出Bが比較的高い割合で実行される。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が50回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出D)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「10~12」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「13,14」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「30回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(30回報知演出C)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「15~89」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~99」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出B)が対応付けて規定されている。
つまり、時短回数が50回の場合は、実際よりも少ない時短回数(30回)が報知される可能性があるように構成されている。このため、少ない時短回数(30回)が報知されたとしても、より多い時短回数が設定されている可能性があると遊技者に期待させることができる。なお、実際よりも少ない時短回数を報知した場合は、表示上の時短回数が0になった時点で、報知されていなかった残りの時短回数を上乗せする演出が実行される。また、チャンスタイム中に時短図柄に当選して時短回数が増加していた場合も同様に、表示上の時短回数が0になった時点で、残りの時短回数を上乗せする演出が実行される。このように構成することで、表示上の時短回数が少なくなったとしても、時短回数の上乗せが発生することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が50回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「80~94」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~99」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定されている。これらにより、50回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回や30回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bおよび継続報知演出Cの割合が高くなる。また、保留球数が0になると50回報知演出Aが比較的高い割合で実行される。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が100回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~14」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「15~24」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「50回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(50回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「25~69」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「100回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(100回報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「70~99」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「100回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(100回報知演出B)が対応付けて規定されている。
つまり、時短回数が100回の場合についても、50回の場合と同様に、実際よりも少ない時短回数(50回)が報知される可能性があるように構成されている。このため、少ない時短回数(50回)が報知されたとしても、より多い時短回数が設定されている可能性があると遊技者に期待させることができる。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が100回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~89」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~98」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出D)が対応付けて規定されている。これらにより、100回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回~50回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bおよび継続報知演出Cの割合が高くなる。また、時短回数が10回~50回の場合には選択され得ない継続報知演出Dが選択される可能性がある。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が1000回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留0個の状態で外れ変動が開始されるか、または変動停止状態であるという状況(つまり、演出期間において最後に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「100回」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(100回報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~64」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「∞」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(∞報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「65~98」の範囲に対して、「50回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「∞」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(∞報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値「99」に対して、「∞」という文字が付された2個のアイコンと、「祝」という文字が付された2個のアイコンとの組み合わせが表示され、最終的に「∞」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(∞報知演出C)が対応付けて規定されている。
つまり、時短回数が1000回の場合についても、50回や100回の場合と同様に、実際よりも少ない時短回数(100回)が報知される可能性があるように構成されている。このため、少ない時短回数(100回)が報知されたとしても、より多い時短回数が設定されている可能性があると遊技者に期待させることができる。
また、図1165に示した通り、時短回数(第3終了条件)が1000回の時短状態に設定されている状況で、且つ、保留球数が1以上の状態で外れ変動が開始されるという状況(つまり、演出期間において最後以外に実行されるチャンスタイム待機演出の実行開始タイミング)に対しては、第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、「10回」という文字が付された3つのアイコンと、「継続」という文字が付された1つのアイコンと、の組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出A)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~74」の範囲に対して、「10回」という文字が付されたアイコン、「30回」という文字が付されたアイコン、「50回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出B)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「75~94」の範囲に対して、「30回」という文字が付されたアイコン、「100回」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出C)が対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「95~99」の範囲に対して、「100回」という文字が付されたアイコン、「∞」という文字が付されたアイコン、「継続」という文字が付されたアイコン、「祝」という文字が付されたアイコンの組み合わせが表示され、最終的に「継続」という文字が付されたアイコンをウサギのキャラクタ801が殴打することにより報知する演出(継続報知演出D)が対応付けて規定されている。これらにより、1000回の時短回数の第2時短状態が設定されている場合は、チャンスタイム待機演出として、保留球が1以上の間は継続報知演出Aの割合が時短回数10回~50回の場合よりも低くなると共に継続報知演出Bおよび継続報知演出Cの割合が高くなる。また、時短回数が10回~50回の場合には選択され得ない継続報知演出Dが選択される可能性が、時短回数が100回の場合よりも更に高くなる。
このように、本第40制御例では、チャンスタイム待機演出によって、時短回数を報知する演出を実行する構成とすると共に、報知演出において最初に表示されるアイコンの組み合わせの選択比率を、時短回数に応じて異ならせることにより、アイコンの組み合わせにより時短回数を予測させる遊技性を実現することができる。よって、チャンスタイム待機演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1164(b)を参照して、本第40制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1164(b)は、本第40制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図1164(b)に示した通り、本第40制御例におけるRAM223は、上述した第32制御例におけるRAM223の構成(図959(b)参照)に対して、待機演出フラグ223jaと、待機演出回数カウンタ223jbと、待機期間タイマ223jcと、が追加されている点で相違している。また、討伐回数カウンタ223iと、残討伐数カウンタ223jと、特定数表地済フラグ223kと、ラッシュ期間計測カウンタ223mと、賞球数カウンタ223nと、保留連フラグ223oと、ラウンド数カウンタ223pと、SW有効時間カウンタ223qと、右打ちフラグ223rと、V入賞済フラグ223sと、演出固定フラグ223tと、遊技環境格納エリア223uと、が削除されている点でも相違している。
待機演出フラグ223jaは、チャンスタイム待機演出(図1150(b)、図1151参照)の実行中であるか否かを示すフラグであり、オンであればチャンスタイム待機演出の実行中であることを意味し、オフであればチャンスタイム待機演出の実行中で無いことを意味する。この待機演出フラグ223jaは、第2時短状態へと移行したことを示す状態コマンドを主制御装置110から受信した場合にオンに設定され(図1176のS3451A参照)、チャンスタイム待機演出の終了タイミングでオフに設定される(図1181のS5711A、図1182のS4617A参照)。この待機演出フラグ223jaがオンの状態で新たな変動表示演出を開始させる場合は、上述した待機演出選択テーブル222ja(図1165参照)を参照して新たなチャンスタイム待機演出を伴う変動表示態様の変動表示演出が設定される。
待機演出回数カウンタ223jbは、チャンスタイム待機演出(図1150(b)、図1151参照)の実行期間における変動回数をカウントするためのカウンタである。この待機演出回数カウンタ223jbは、初期値が0に設定されており、1のチャンスタイム待機演出の実行期間において新たな演出態様を実行する毎に値が1ずつ加算して更新される(図1176のS3455A、図1181のS5709A参照)。チャンスタイム待機演出においては、この待機演出回数カウンタ223jbが4になった場合に演出が打ち切られて通常のチャンスタイム演出に移行する。これは、チャンスタイム待機演出の実行中に遊技者が左打ちを行い続けて第1特別図柄の保留球が1以上の状態を維持する変則的な遊技方法が実行された場合に、延々とチャンスタイム待機演出が継続してしまうことを防止する趣旨である。
待機期間タイマ223jcは、チャンスタイム(第2時短状態)において、普通図柄の抽選が開始された後における経過時間を計時するタイマである。この待機期間タイマ223jcは、初期値が0に設定されており、チャンスタイム待機演出の終了後に普通図柄の抽選が実行される毎に、0.2秒に対応するタイマ値が設定される(図1179のS5608A参照)と共に、演出更新処理40(図1182参照)が実行される毎に値が減算して更新される。この待機期間タイマ223jcが0に更新された場合は、普通図柄の抽選タイミングと第1特別図柄の抽選開始タイミングとが大幅にずれていると判断して、0.2秒前に開始された普図変動の抽選結果を報知するための疑似的な変動表示演出を開始させる(図1182のS4614A参照)。これにより、第1特別図柄の抽選タイミングと普通図柄の抽選タイミングとがずれたとしても、より実質的な大当たり期待度が高い普通図柄の抽選結果に基づいて変動表示演出を実行することができるので、好適な演出態様を実現することができる。
<第40制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1166から図1173を参照して、本第40制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理の詳細について説明する。まず、図1166を参照して、本第40制御例における特別図柄変動処理40(S104A)の詳細について説明する。図1166は、この特別図柄変動処理40(S104A)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理40(S104A)は、上述した第32制御例における特別図柄変動処理(図964参照)と同様に、特別図柄の変動表示中における第1図柄表示装置37a,37bの表示設定等を行うための処理である。
この第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)のうち、S201~S207、およびS211~S223の各処理では、それぞれ上述した第32制御例における特別図柄変動処理(図964参照)のS201~S207、およびS211~S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)では、S207の処理、またはS214の処理が終了すると、第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)に代えて特別図柄判定処理40を実行し(S209A)、次いで、第32制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図966参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理40を実行して(S210A)、本処理を終了する。これらの特別図柄判定処理40(S209A)、および特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)の詳細については、それぞれ図1167と図1168、および図1169と図1170を参照して後述する。
また、本第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)では、S218の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別された場合に(S218:No)、次いで、今回の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S225A)、時短図柄当選である場合は(S225A:Yes)、今回当選した時短図柄の種別に対応する時短終了条件を、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、普電作動カウンタ203jaに対して設定し(S226A)、本処理を終了する。一方、S225Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S225A:No)、処理をS222へと移行する。
また、本第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)では、S222の処理において今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合(S222:No)、またはS223処理が終了した場合に、上述した第32制御例における時短更新処理(図968参照)に代えて時短更新処理40を実行して(S224A)、本処理を終了する。この時短更新処理40(S224A)の詳細については、図1171を参照して後述する。
次に、図1167を参照して、上述した特別図柄判定処理40(S209A)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理40(S209A)は、第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)に代えて実行される処理であり、第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第40制御例における特別図柄判定処理40(S209A)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第40制御例における特別図柄判定処理40(図1167参照)では、S303の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、外れの種別に応じた制御を実行するための外れ時処理40を実行して(S311A)、本処理を終了する。この外れ時処理40(S311A)の詳細について、図1168を参照して説明する。
図1168は、この外れ時処理40(S311A)を示すフローチャートである。この外れ時処理40(S311A)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2101A)、抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合は(S2101A:Yes)、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する時短図柄種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる時短図柄として設定し(S2102A)、本処理を終了する。
一方、S2101Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2101A:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2103A)、小当たりであると判別した場合は(S2103A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2104A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄として設定し(S2105A)、本処理を終了する。これに対し、S2103Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S2103A:No)、S2104A,S2105Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この外れ時処理40(図1168参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり以外)である場合に、抽選結果に応じた第1図柄の表示を好適に設定することができる。
次に、図1169を参照して、本第40制御例における特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)の詳細について説明する。図1169は、この特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)を示すフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)は、上述した第32制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図966参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第40制御例における特別図柄変動パターン選択処理40(図1169参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ第32制御例における変動パターン選択処理(図966参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第40制御例における変動パターン選択処理40(図1169参照)では、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、外れ(小当たり、時短図柄当選含む)時の変動パターンを選択するための外れ時種別決定処理40を実行して(S421A)、処理をS403へと移行する。この外れ時種別決定処理40(S421A)の詳細について、図1170を参照して説明する。
図1170は、この外れ時種別決定処理(S421A)を示すフローチャートである。外れ時種別決定処理(S421A)では、まず、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2201A)、時短図柄当選であると判別した場合は(S2201A:Yes)、時短種別選択テーブル202ja(図1163(b)参照)を参照して時短図柄の種別を決定し(S2202A)、本処理を終了する。一方、S2201Aの処理において、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2201A:No)、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2203A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S2203A:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fj(図1163(a)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S2204A)、本処理を終了する。これに対し、S2203Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、通常の外れ(完全外れ)である)と判別した場合は(S2203A:No)、S2204Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この外れ時種別決定処理40(図1170参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選若しくは小当たりであった場合に、時短図柄種別若しくは小当たり種別を好適に決定することができる。
次に、図1171を参照して、本第40制御例における時短更新処理40(S224A)の詳細について説明する。この時短更新処理40(S224A)は、第32制御例における時短更新処理(図968参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理(図968参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。
この第40制御例における時短更新処理40(図1171参照)のうち、S601~S605、およびS607の各処理では、それぞれ上述した第32制御例における時短更新処理(図968参照)のS601~S605、およびS607の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第40制御例における時短更新処理40(図1171参照)では、S605の処理が終了すると、小当たりカウンタ203s、普電作動カウンタ203jaの値を0にリセット(設定)して(S621A)、処理をS607へと移行する。このS621Aの処理を、第32制御例における時短更新処理(図968参照)のS606に代えて実行しているのは、単に第32制御例における第3終了条件を判定するための特図2カウンタ203tに代えて、本第40制御例では普電作動カウンタ203jaが設けられていることによる変更である。つまり、第32制御例では、第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を設けていたが、本第40制御例では、これに代えて、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達した場合に成立する時短終了条件を設ける構成としていることによる変更である。
また、図1171に示した通り、本第40制御例における時短更新処理40(図1171参照)では、S604の処理で、時短カウンタ203hの値が0に減算されていないと判別した場合に(S604:No)、次いで、今回変動停止タイミングとなった変動表示に対応する特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S622A)、小当たりでないと判別した場合は(S622A:No)、そのまま本処理を終了する。これに対して、S622Aの処理において、今回の変動表示に対応する特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S622A:Yes)、まず、小当たり遊技の開始を設定するために小当たり開始フラグ203nをオンに設定し(S623A)、次いで、小当たりカウンタ203sの値を1減算する(S624A)。
S624Aの処理が終了すると、次いで、小当たりカウンタ203sの値が0に減算されたか否かを判別し(S625A)、小当たりカウンタ203sの値が0に減算されたと判別した場合は(S625A:Yes)、小当たり回数が規定回数に到達したことに基づく時短終了条件(第2終了条件)が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS626A~S628Aの各処理を実行する。より具体的には、遊技状態格納エリア203gのデータを通常状態に対応するデータに更新することで遊技状態を通常状態に設定し(S626A)、時短カウンタ203h、普電作動カウンタ203jaの各値を0にリセット(設定)することで時短終了条件をクリアする(S627A)。次いで、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S628A)、本処理を終了する。これに対して、S625の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0に減算されていないと判別した場合は(S625A:No)、第2終了条件が成立していないことを意味するため、S626A~S628Aの各処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図1172を参照して、本第40制御例における普通図柄変動処理40(S106A)について説明する。この普通図柄変動処理40(S106A)は、上述した第32制御例における普通図柄変動処理(図972参照)に代えて実行される処理であり、普通図柄変動処理(図972参照)と同様に、普通図柄の抽選を実行すると共に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aの開閉制御を設定するための処理である。図1172は、この普通図柄変動処理40(S106A)を示すフローチャートである。
この第40制御例における普通図柄変動処理40(図1772参照)のうち、S1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理では、それぞれ上述した第32制御例における普通図柄変動処理(図972参照)のS1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第40制御例における普通図柄変動処理40(図1172参照)では、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値である(即ち、現在の遊技状態が第1または第2時短状態である)と判別した場合に(S1108:Yes)、時短状態用の第2当たり乱数テーブル202cj(図1161(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1131A)、処理をS1111へと移行する。これに対し、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、現在の遊技状態が通常状態である)と判別した場合は(S1108:No)、通常状態用の第2当たり乱数テーブル202cj(図1161(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1132A)、処理をS1111へと移行する。
また、図1172に示した通り、本第40制御例における普通図柄変動処理40(図1172参照)では、S1111の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合に(S1111:Yes)、普通図柄の当たり種別を特定して当たり種別を音声ランプ制御装置113へと通知するための普図当たり時処理を実行し(S1133A)、処理をS1134Aへと移行する。この普図当たり時処理(S1133A)の詳細については、図1173(a)を参照して後述する。S1133Aの処理、またはS1113の処理が終了した後で実行されるS1134Aの処理では、変動時間を1秒間に設定して(S1134A)、本処理を終了する。
また、本第40制御例における普通図柄変動処理40(図1172参照)では、S1117の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に、まず、普通図柄の当たり回数に基づく時短終了条件(第3終了条件)の成立有無を判定するための第3終了条件判定処理を実行する(S1135A)。この第3終了条件判定処理(S1135A)の詳細については、図1173(b)を参照して後述する。S1135Aの処理が終了すると、次いで、今回の普通図柄の当たりが普図当たりAであるか否かを判別し(S1136A)、今回の普通図柄の当たりが普図当たりAであると判別した場合は(S1136A:Yes)、電動役物640aの変位パターンを普図当たりA用の第1変位パターン(即ち、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能な変位パターン)に設定して(S1137A)、処理をS1121へと移行する。これに対し、S1136の処理において、今回の普通図柄の当たりが普図当たりAではない(即ち、普図当たりBである)と判別した場合は(S1136A:No)、電動役物640aの変位パターンを普図当たりB用の第2変位パターン(即ち、第2入球口640へと容易に遊技球を入球させることが可能であり、実質的に大当たり当選が確定する変位パターン)に設定して(S1138A)、処理をS1121へと移行する。
次いで、図1173(a)を参照して、上述した普図当たり時処理(S1133A)の詳細について説明する。図1173(a)は、この普図当たり時処理(S1133A)を示すフローチャートである。この普図当たり時処理(S1133A)が実行されると、まず、普図当たり種別選択テーブル202jb(図1163(c)参照)を参照して、現在の遊技状態に応じた普図当たり種別を決定し(S2301A)、次いで、決定した普図当たり種別を音声ランプ制御装置113に通知するための普図当たりコマンドを設定する(S2302A)。ここで設定された普図当たりコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図当たりコマンドを受信すると、その普図当たりコマンドから普通図柄の当たり種別を特定し、特定した当たり種別を加味した演出制御を行う。特に、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選し得る時短状態においては、普通図柄の抽選が実行される毎に、普図当たりBであるか否かを示す演出を実行する。S2302Aの処理が終了した後は、普図当たりを示すための第2図柄表示装置83の表示態様を設定して(S2303A)、本処理を終了する。
この普図当たり時処理(図1173(a)参照)を実行することにより、遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態)に応じた割合で普図当たり種別を決定することができる。つまり、遊技状態に応じて、実質的に大当たりが確定する普図当たりBの確率を可変させることができるので、実質的な大当たり確率が異なる遊技状態を形成することができる。
次いで、図1173(b)を参照して、上述した第3終了条件判定処理(S1135A)の詳細について説明する。図1173(b)は、この第3終了条件判定処理(S1135A)を示すフローチャートである。図1173(b)に示した通り、この第3終了条件判定処理(S1135A)が実行されると、まず、普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0より大きい値であるか(1以上の値であるか)否かを判別し(S2331A)、普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0より大きい値ではない(0である)と判別した場合は(S2331A:No)、現在の遊技状態が通常状態であり、第3終了条件の成立有無を判定する必要が無いことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S2331Aの処理において、普電作動カウンタ203jaの値が0より大きい値である(1以上の値である)と判別した場合は(S2331A:Yes)、現在の遊技状態が時短状態(第1時短状態または第2時短状態)であることを意味するため、次いで、普電作動カウンタ203jaの値を1減算して更新し(S2332A)、減算後の普電作動カウンタ203jaの値が0に更新されたか否かを判別する(S2333A)。S2333Aの処理において、普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0に更新されたと判別した場合は(S2333A:Yes)、第3終了条件が成立したと判定し、時短状態を終了させるためのS2334~S2336の各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gのデータを通常状態に対応するデータに更新することで遊技状態を通常状態に設定し(S2334A)、次いで、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203sの値を共に0にリセットする(S2335A)。次いで、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S2336A)、本処理を終了する。これに対し、S2333Aの処理において、減算後の普電作動カウンタ203jaのカウンタ値が0に更新されていない(1以上の値に更新された)と判別した場合は(S2333A:No)、第3終了条件が成立していないと判定して、S2334A~S2336Aの各処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
この第3終了条件判定処理(図1173(b)参照)を実行することにより、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数に到達することで時短状態を終了させることができる。これにより、時短状態において第1特別図柄の抽選が実行され得ない右打ちを行い続けたとしても、規定回数の普通図柄の当たり遊技が実行されることで時短状態を終了させることができるので、継続的に右打ちを行ったとしても、必ず普図当たりBになるまで時短状態が継続してしまう不具合が発生することを防止できる。
<第40制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1174から図1182を参照して、本第40制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1174を参照して、本第40制御例におけるコマンド判定処理40(S3113A)の詳細について説明する。このコマンド判定処理40(S3113A)は、上述した第32制御例におけるコマンド判定処理(図983参照)に代えて実行される処理であり、コマンド判定処理(図983参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)のうち、S3201~S3211,S3213、およびS3218の各処理では、それぞれ第32制御例におけるコマンド判定処理(図983参照)のS3201~S3211,S3213、およびS3218の各処理と同一の処理が実行される。また、本第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)では、S3211の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S3211:Yes)、第32制御例における状態コマンド処理(図985参照)に代えて状態コマンド処理40を実行し(S3231A)、本処理を終了する。この状態コマンド処理40(S3231A)の詳細については、図1175および図1176を参照して後述する。
また、本第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)では、S3213の処理において、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合に(S3213:Yes)、第32制御例における当たり関連処理(図986参照)に代えて当たり関連処理40を実行し(S3232A)、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、この当たり関連処理40(S3232A)では、第32制御例における当たり関連処理(図986参照)に対して、大当たり関連処理(S3504)に代えて大当たり関連処理40(S3504A)が実行される点、および小当たり関連処理(S3508)に代えて小当たり関連処理40(S3508A)が実行される点でのみ相違している。これらの大当たり関連処理40(S3504A)、および小当たり関連処理40(S3508A)の詳細については、それぞれ図1177、および図1178を参照して後述する。
一方、S3213の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に当たり関連のコマンドが含まれていないと判別した場合は(S3213:No)、次いで、主制御装置110から受信したコマンドの中に普図当たりコマンドが含まれているか否かを判別し(S3233A)、普図当たりコマンドが含まれていると判別した場合は(S3233A:Yes)、通知された普図当たり種別に応じた制御を行うための普図当たりコマンド処理を実行して(S3234A)、本処理を終了する。これに対し、S3233Aの処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に普図当たりコマンドが含まれていないと判別した場合は(S3233A:No)、処理をS3218へと移行する。
次に、図1175を参照して、上述した状態コマンド処理40(S3231A)の詳細について説明する。この状態コマンド処理40(S3231A)は、上述した通り、第32制御例における状態コマンド処理(図985参照)に代えて実行される処理であり、状態コマンド処理(図985参照)と同様に、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。
この第40制御例における状態コマンド処理40(図1175参照)のうち、S3401、およびS3402の各処理では、それぞれ第32制御例における状態コマンド処理(図985参照)のS3401、およびS3402の各処理と同一の処理が実行される。また、本第40制御例における状態コマンド処理40(図1175参照)では、S3402の処理において、今回受信した状態コマンドが通常状態への移行を通知する状態コマンドであると判別した場合に(S3402:Yes)、通常状態用の背面画像を設定するための表示用背面画像コマンドを設定し(S3421A)、時短情報更新エリア223hに記憶されている情報をクリアして(S3422A)、本処理を終了する。なお、通常状態への移行タイミングが普図当たりBの開始タイミングである場合は、普図当たりBへの当選に基づく第1示唆演出(上のVを狙え演出、図1152(b)参照)が背面画像よりも手前側のレイヤーに設定されるため、通常状態用の背面画像が遊技者に視認困難になり、第1示唆演出に遊技者を注目させることができる。
一方、S3402の処理において、今回受信した状態コマンドが通常状態への移行を通知する状態コマンドではないと判別した場合は(S3402:No)、次いで、第1時短状態への移行を示す状態コマンドであるか否かを判別し(S3423A)、第1時短状態への移行を示す状態コマンドであると判別した場合は(S3423A:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報格納エリア223hに格納し(S3424A)、ラッシュ中を示す表示用コマンドを設定して(S3425A)、本処理を終了する。これに対し、S3423Aの処理において、今回受信した状態コマンドが第1時短状態への移行を通知する状態コマンドではないと判別した場合は(S3423A:No)、次いで、受信した状態コマンドが第2時短状態への移行を通知する状態コマンドであるか否かを判別し(S3426A)、第2時短状態への移行を通知する状態コマンドであると判別した場合は(S3426A:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報格納エリア223hに格納し(S3424A)、チャンスタイム待機演出用の背面画像を示す表示用コマンドを設定する(S3428A)。次いで、チャンスタイム待機演出の演出態様を設定するための待機演出設定処理を実行して(S3429A)、本処理を終了する。この待機演出設定処理(S3429A)の詳細については、図1176を参照して後述する。一方、S3426Aの処理において、受信した状態コマンドが第2時短状態への移行を通知する状態コマンドでないと判別した場合は(S3426A:No)、S3427A~S3429Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図1176を参照して、上述した待機演出設定処理(S3429A)の詳細について説明する。図1176は、この待機演出設定処理(S3429A)を示すフローチャートである。この待機演出設定処理(S3429A)では、まず、待機演出フラグ223jaをオンに設定し(S3451A)、次いで、第1特別図柄の保留球数が0であるか否かを判別する(S3452A)。S3452Aの処理において、第1特別図柄の保留球数が0であると判別した場合は(S3452A:Yes)、今回の時短種別(時短回数)に応じた演出態様を、待機演出選択テーブル222ja(図1165参照)を参照して特定し(S3453A)、特定した演出態様の待機演出の実行を設定する(S3454A)。次いで、待機演出回数カウンタ223jbの値に1を設定して(S3455A)、本処理を終了する。これに対し、S3452Aの処理において、第1特別図柄の保留球数が0ではない(1以上である)と判別した場合は(S3452A:No)、S3453A~S3455Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。保留球が存在する場合は、当該保留球に基づく第1特別図柄の変動表示に同期して実行する変動表示演出の演出態様として待機演出を設定すれば良く、本処理の中で演出態様を設定する必要がないためである。
この待機演出設定処理(図1176参照)を実行することにより、第1特別図柄の保留球が存在しない状況で第2時短状態に移行した場合に、第2時短状態の種別(時短回数)に応じた演出態様のチャンスタイム待機演出を実行することができる。
次に、図1177を参照して、上述した大当たり関連処理40(S3504A)の詳細について説明する。この大当たり関連処理40(S3504A)は、上述した第32制御例における大当たり関連処理(図987参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図987参照)と同様に、大当たりに関連する各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第40制御例における大当たり関連処理40(図1177参照)は、第32制御例における大当たり関連処理(図987参照)に対して、S3601,S3602,S3608,S3609,S3611、およびS3612の処理が削除されている点でのみ相違している。これは、大当たり中の各種演出が削除されていることによるものである。
次に、図1178を参照して、本第40制御例における小当たり関連処理40(S3508A)の詳細について説明する。この小当たり関連処理40(S3508A)は、上述した第32制御例における小当たり関連処理(図993参照)に代えて実行される処理である。図1178は、この小当たり関連処理40(S3508A)を示すフローチャートである。
この第40制御例における小当たり関連処理40(図1178参照)のうち、S4201,S4206、およびS4211の各処理では、それぞれ上述した第32制御例における小当たり関連処理(図993参照)のS4201,S4206、およびS4211の各処理と同一の処理が実行される。また、本第40制御例における小当たり関連処理40(図1178参照)では、S4201の処理において、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合に(S4201:Yes)、下のVを狙え演出(第2示唆演出、図1154(a)参照)の開始を設定して(S4221A)、本処理を終了する。下のVを狙え演出(第2示唆演出)を実行することにより、遊技者に対して小当たり遊技の実行中に右打ちによりV入賞装置650を狙って遊技球を発射させることができるので、小当たり遊技における開閉扉650f1の開放期間の間に遊技球を確実にV入賞装置650へと入球させて当該遊技球を特定領域650e3に入球させることができる。
また、本第40制御例における小当たり関連処理40(図1178参照)では、S4206の処理において、小当たり終了コマンドを受信したと判別した場合に(S4206:Yes)、今回の小当たりが第1時短状態において実行された小当たり遊技(厳密には、第1時短状態において普図当たりBが開始されて通常状態に転落した後で、当該普図当たりBの開放期間中に第2入球口640へと遊技球が入球したことに基づいて実行された小当たり遊技)であるか否かを判別する(S4222A)。S4222Aの処理において、第1時短状態において実行された小当たり遊技であると判別した場合は(S4222A:Yes)、第1時短状態(ラッシュ)において小当たりに当選したにもかかわらず、遊技者が右打ちを行わなかった等によって小当たり遊技中に特定領域650e3を遊技球が通過しなかったことを意味し、通常状態へと移行することとなるため、ラッシュ終了を示す演出を実行するための表示用小当たり終了コマンドを設定して(S4223A)、本処理を終了する。
一方で、S4222Aの処理において、第1時短状態において実行された小当たり遊技ではない(第2時短状態において普図当たりBに当選したことに基づいて実行された小当たり遊技である)と判別した場合は(S4222A:No)、第1時短状態(ラッシュ)において小当たりに当選したにもかかわらず、遊技者が右打ちを行わなかった等によって小当たり遊技中に特定領域650e3を遊技球が通過しなかったことを意味し、通常状態へと移行することとなるため、チャンスチムの終了を示す演出を実行するための表示用小当たり終了コマンドを設定して(S4224A)、本処理を終了する。
また、本第40制御例における小当たり関連処理では、S4211の処理において、V通過コマンドを受信したと判別した場合に(S4211:Yes)、大当たり当選を示す演出を実行させるための表示用コマンドを設定して(S4225A)、本処理を終了する。
次に、図1179を参照して、本第40制御例における普図当たりコマンド処理(S3234A)の詳細について説明する。この普図当たりコマンド処理(S3234A)は、上述した通り、普図当たりコマンドにより通知された普通図柄の当たり種別に応じた制御を行うための処理である。図1179は、この普図当たりコマンド処理(S3234A)を示すフローチャートである。
図1179に示した通り、普図当たりコマンド処理(S3234A)では、まず、現在の遊技状態が第1時短状態であるか否かを従遊技状態格納エリア223gに格納されているデータに基づいて判別し(S5601A)、第1時短状態であると判別した場合は(S5601A:Yes)、次いで、普図当たりコマンドにより通知された普図当たり種別に応じて、ウサギのキャラクタ801が宝箱の種別を選択する演出(図1154(b)、図155参照)において選択する宝箱の種別を抽選により決定し(S5602A)、決定した種別の宝箱を選択する演出態様のラッシュ中演出を、普通図柄の変動時間において実行する(S5603A)。なお、このS5602Aの処理による抽選では、例えば、今回の抽選結果が普図当たりAである場合に、通常の宝箱810bを80%の割合で選択し、小さな宝箱810cを20%の割合で選択する一方で、普図当たりBである場合に、輝く宝箱810aを35%の割合で選択し、通常の宝箱810bを55%の割合で選択し、小さな宝箱810cを10%の割合で選択するように抽選内容が規定されている。これにより、輝く宝箱810aが選択された場合は、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選したことが確定する一方で、小さな宝箱810cが選択された場合には、不利な普図当たりAの可能性が高まってしまうため、ウサギのキャラクタ801が選択する宝箱の種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、S5601Aの処理において、現在の遊技状態が第1時短状態ではないと判別した場合は(S5601A:No)、次いで、現在の遊技状態が第2時短状態であるか否かを判別し(S5604A)、第2時短状態でもないと判別した場合は(S5604A:No)、普図当たりBに当選し得ない通常状態において普図当たりに当選したことを意味し、普通図柄の変動に基づく演出を設定する必要がない遊技状態であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5604Aの処理において、現在の遊技状態が第2時短状態であると判別した場合は(S5604A:Yes)、待機演出フラグ223jaがオンであるか(即ち、チャンスタイム待機演出の実行期間中であるか)否かを判別し(S5605A)、待機演出フラグ223jaがオンである(即ち、チャンスタイム待機演出の実行期間中である)と判別した場合は(S5605A:Yes)、次いで、今回の抽選結果が普図当たりBであるか否かを判別し(S5606A)、普図当たりBであると判別した場合は(S5606A:Yes)、実行中のチャンスタイム待機演出の結果を、「祝」という文字が付されたアイコン(示唆図柄)を選択する演出態様に書き替えて設定し(S5607A)、本処理を終了する。一方、S5606Aの処理において、今回の普図当たりが普図当たりBではない(即ち、普図当たりAである)と判別した場合は(S5606A:No)、S5607Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S5605Aの処理において、待機演出フラグ223jaがオフである(即ち、チャンスタイム待機演出の実行期間中ではない)と判別した場合は(S5605A:No)、待機期間タイマ223jcに0.2秒に対応するタイマ値を設定して(S5608A)、本処理を終了する。この普図当たりコマンド処理(図1179参照)を実行することにより、普通図柄の抽選結果に応じた演出態様を設定することができる。
次に、図1180を参照して、本第40制御例における変動演出設定処理40(S4304A)の詳細について説明する。この変動演出設定処理40(S4304A)は、上述した第32制御例における変動演出設定処理(図995参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理(図995参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期して第3図柄表示装置81において実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。
この第40制御例における変動演出設定処理40(図1180参照)のうち、S4401、およびS4403の各処理では、それぞれ第32制御例における変動演出設定処理(図995参照)のS4401、およびS4403の各処理と同一の処理が実行される。また、本第40制御例における変動演出設定処理40(図1180参照)では、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示演出が、第2特別図柄の変動表示に基づく変動表示演出であると判別した場合に(S4403:Yes)、次いで、今回の第2特別図柄の抽選結果が小当たりB40であるか否かを判別する(S4412A)。つまり、特定領域650e3へと遊技球が入球した場合にラウンド数が少ない(不利な)3ラウンド大当たりが実行される小当たり種別であるか否かを判別し(S4412A)、第2特別図柄の抽選結果が小当たりB40ではない(つまり、第2特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりA40であり、いずれにしても有利な10ラウンド大当たりが実行される状況である)と判別した場合は(S4412A:No)、第2特別図柄の変動表示演出として、昇格に成功する演出態様の昇格演出(図1153参照)を伴う変動表示態様を決定して(S4413A)、本処理を終了する。一方、S4412Aの処理において、第2特別図柄の抽選結果が不利な小当たりB40であると判別した場合は(S4412A:Yes)、第2特別図柄の変動表示演出として、昇格に失敗する演出態様の昇格演出を伴う変動表示態様を決定して(S4414A)、本処理を終了する。
これらに対し、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドに基づいて開始させる変動表示演出が、第2特別図柄の変動表示に基づく変動表示演出ではないと判別した場合は(S4403:No)、次いで、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判別し(S4415A)、通常状態であると判別した場合は(S4415A:Yes)、今回受信した変動パターンコマンドにより通知された抽選結果と、当該変動パターンコマンドから抽出した変動パターンとに基づいて変動表示演出の変動表示態様を決定し(S4416A)、本処理を終了する。一方で、S4415Aの処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合は(S4415A:No)、チャンスタイム(第2時短状態)中の第1特別図柄の変動表示演出の開始タイミングであることを意味するため、チャンスタイム中の演出態様を設定するためのチャンスタイム中演出設定処理を実行して(S4417A)、本処理を終了する。このチャンスタイム中演出設定処理(S4417A)の詳細について、図1181を参照して説明する。
図1181は、このチャンスタイム中演出設定処理(S4417A)を示すフローチャートである。図1181に示した通り、このチャンスタイム中演出設定処理(S4417A)が実行されると、まず、待機演出フラグ223jaがオンであるか否かを判別し(S5701A)、待機演出フラグ223jaがオフであると判別した場合は(S5701A:No)、チャンスタイム待機演出(図1150(b)、図1151参照)の実行中ではないことを意味し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される状態を形成している可能性が高いので、待機期間タイマ223jcの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5702A)、待機期間タイマ223jcの値が0より大きい値でない(即ち、0である)と判別した場合は(S5702A:No)、チャンスタイムに突入済みであるにもかかわらず普図当たりと第1特別図柄の抽選タイミングとが比較的長い時間(少なくとも0.2秒間以上)ずれていることを意味し、変動表示演出として普通図柄の抽選結果を示すための疑似的な変動表示演出を優先的に実行している状態であることを意味するため、まず、現在が普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S5703A)、普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示中である場合は(S5703A:Yes)、既に普図当たりBを示すための疑似的な当たり変動演出が設定されているはずであるため、今回の特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出を設定(上書き)せずに、そのまま本処理を終了する。
一方で、S5703の処理において、現在が普図当たりBに対応する普通図柄の変動表示中ではないと判別した場合は(S5703A:No)、普図当たりAを示すための疑似的な外れ変動演出の実行中である可能性が高いため、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S5704A)、大当たりであれば(S5704A:Yes)、疑似的な外れ変動演出の終了後に復活演出によって大当たりが報知されるように設定して(S5705A)、本処理を終了する。一方で、S5704Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合は(S5704A:No)、S5705Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これらに対し、S5702Aの処理において、待機時間タイマ223jcの値が0より大きい値であると判別した場合は(S5702A:Yes)、普通図柄の抽選が開始された直後(0.2秒以内)に第1特別図柄の抽選が開始されたことを意味し、チャンスタイムにおける正常な動作となっていることを意味するため、次いで、実行中の普通図柄の変動表示に対応する普通図柄の抽選結果と今回の第1特別図柄の抽選結果とに応じた演出態様を決定し(S5706A)、待機期間タイマ223jcの値を0にリセットして(S5707A)、本処理を終了する。S5706Aの処理により、普通図柄の抽選結果を加味した変動表示態様を設定することができ、普通図柄の抽選で3%の割合で決定される普図当たりBが決定されているか、1/320の確率の特別図柄の大当たりに当選していれば、大当たり時と同様に同一の第3図柄が揃う変動表示態様が設定されるため、チャンスタイムにおいて、見かけ上の第1特別図柄の大当たり確率が高くなったかのような斬新な挙動を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、S5701Aの処理において、待機演出フラグ223jaがオンであると判別した場合は(S5701A:Yes)、待機演出選択テーブル222ja(図1165参照)を参照して、今回の抽選結果、設定されている第2時短状態の時短回数、および現在の第1特別図柄の保留球数に応じた演出態様を決定し(S5708A)、待機演出回数カウンタ223jbの値に1を加算して更新する(S5709A)。次いで、加算後の待機演出回数カウンタ223jbの値が4になったか否かを判別し(S5710A)、4になったと判別した場合は(S5710:Yes)、待機演出フラグ223jaをオフに設定して(S5711A)、本処理を終了する。一方で、S5710Aの処理において、加算後の待機演出回数カウンタ223jbの値が4ではないと判別した場合は(S5710A:No)、S5711Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。S5710A,S5711Aの各処理を実行することにより、チャンスタイム待機演出における変動回数を最大4回に限ることができるので、チャンスタイム待機演出中に遊技者が左打ちを行って第1特別図柄の保留球が途切れなかったとしても、延々とチャンスタイム待機演出が継続してしまうことを抑制することができる。
次に、図1182を参照して、本第40制御例における演出更新処理40(S3112A)の詳細について説明する。この演出更新処理40(S3112A)は、上述した第32制御例における演出更新処理(図997参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理(図997参照)と同様に、演出態様を更新するための処理である。
この第40制御例における演出更新処理40(図1182参照)では、まず、待機期間タイマ223jcのタイマ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S4611A)、待機期間タイマ223jcのタイマ値が0より大きい値であると判別した場合は(S4611A:Yes)、次いで、待機期間タイマの値を減算することで更新し(S4612A)、更新後の待機期間タイマ223jcのタイマ値が0であるか否かを判別する(S4613A)。S4613Aの処理において、待機期間タイマ223jcの値が0に更新されたと判別した場合は(S4613A:Yes)、普通図柄の抽選が実行されてから所定期間(0.2秒間)が経過しても第1特別図柄の抽選が開始されていないことを意味し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に行われるというチャンスタイムの基本動作から外れた動作となっているため、実行中の普図変動の抽選結果に応じた演出態様の疑似変動演出を、実行中の普通図柄の変動表示に基づく普図当たりの終了までの期間で実行し(S4614A)、本処理を終了する。一方で、S4613Aの処理において、更新後の待機期間タイマ223jcの値が0ではないと判別した場合は(S4613A:No)、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に行われるというチャンスタイムの基本動作から外れた動作となっているか否かの判断がつかないため、S4614Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4611Aの処理において、待機期間タイマ223jcの値が0であると判別した場合は(S4611A:No)、チャンスタイム待機演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S4615A)、チャンスタイム待機演出の終了タイミングであると判別した場合は(S4615A:Yes)、次いで、現在が変動停止状態であるか否かを判別する(S4616A)。S4616Aの処理において、変動停止状態であると判別した場合は(S4616A:Yes)、時短図柄当選時に第1特別図柄の保留球が0の状態で5秒間のチャンスタイム待機演出が実行され、保留球数が0のまま当該チャンスタイム待機演出が終了されたことを意味するため、待機演出フラグ223jaをオフに設定して(S4617A)、本処理を終了する。これに対し、S4615Aの処理において、待機演出の終了タイミングではないと判別した場合(S4615A:No)、およびS4616Aの処理において変動停止状態ではないと判別した場合は(S4616A:No)、S4617Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理40(図1182参照)を実行することにより、チャンスタイムにおいて、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるという基本動作から外れた動作となってしまった場合に、大当たり確率が1/320の第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出よりも優先的に、実質的な大当たり確率(普図当たりBの決定割合)が3%の普通図柄の抽選結果を示すための疑似変動演出を実行することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。
以上説明した通り、第40制御例におけるパチンコ機10では、通常状態よりも有利な時短状態として、実質的な大当たり確率が高い第1時短状態と、実質的な大当たり確率が第1時短状態よりも低く、且つ、通常状態よりも高い(第1時短状態よりも有利度合いが低く、且つ、通常状態よりも有利度合いが高い)第2時短状態と、を形成可能に構成している。より具体的には、大当たり終了後の遊技状態の1種として、第1時短状態が設定され得る一方で、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、第2時短状態が設定されるように構成している。また、本第40制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、100%の割合で、大当たり、または実質的に大当たりが確定する小当たりのどちらかに当選する(第2特別図柄の抽選が実行された時点で実質的に大当たりが確定する)構成としている一方で、時短状態の種別に応じて、時短状態が終了するまでの間に第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640へと入球する可能性を異ならせる構成としている。即ち、本第40制御例では、普通図柄の抽選が実行された場合に遊技状態によらず100%の割合で普通図柄の当たりに当選する構成とした上で、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる(即ち、実質的に大当たりが確定する)普図当たり種別(普図当たりB)が決定される割合を、通常状態では低確率(0%の割合)、第1時短状態では高確率(80%の割合)、第2時短状態では第1時短状態と通常状態との間の確率(3%の割合)に設定することにより、遊技状態毎に普通図柄の抽選が実行された場合の大当たり確率を異ならせる構成とした。これにより、普通図柄の抽選が実行された場合における大当たり期待度を遊技状態毎に異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第40制御例では、第1特別図柄の抽選契機となる第1入球口64へと入球する遊技球が、第1入球口64へ入球するよりも前に必ず通過する位置(第1入球口64の上方)に対して、普通図柄の抽選契機となる中央スルーゲート67cを配置する構成とし、更に、第1特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の抽選が開始されてから当該普通図柄の抽選に基づく普通図柄の当たりが終了するまでの間の期間の方が短くなるように構成している。つまり、第1特別図柄の抽選が実行される場合に、毎回、普通図柄の抽選もほぼ同時に(第1特別図柄の抽選が実行される直前で)実行されるように構成している。加えて、右打ちを行った場合に遊技球が通過可能な位置にも普通図柄の抽選契機となる右スルーゲート67rを別で設ける構成としているが、左打ちにより発射された遊技球が中央スルーゲート67cを通過する割合と、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合とが、略同一となるように構成している。これらにより、特に第2時短状態においては、右打ちにより普通図柄の抽選のみを実行させるよりも、左打ちにより普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とをほぼ同時に実行させる方が、第2時短状態の間に大当たりに当選する可能性が高くなるように構成している。具体的には、第2時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選で約3%の割合で当選する普図当たりB(遊技球が第2入球口640へと入球可能な第2変位パターンで電動役物640aが変位される普図当たり)に当選した場合にのみ大当たりとなる(実質的に大当たり確定の第2特別図柄の抽選を実行させることが可能となる)一方で、左打ちを行った場合は、普通図柄の抽選で普図当たりB(第2変位パターンで電動役物640aが変位される当たり)に当選する可能性に加えて、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する可能性もあるため、第2時短状態において左打ちにより遊技を行わせることができる。そして、上述した通り、左打ちを行うと、中央スルーゲート67cを通過した遊技球が必ず第1入球口64へと入球し、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるので、第1特別図柄の抽選1回あたりの実質的な大当たり確率が高くなる(実質的に、第1特別図柄の大当たりとなる確率である約1/320と、第2変位パターンが設定される普通図柄の当たりとなる確率である約1/33との合算確率である約1/30の大当たり確率になる)という、極めて斬新な遊技性を実現することができる。言い換えれば、右打ちよりも左打ちを行った方が有利となり、且つ、特別図柄の抽選内容(特別図柄の抽選で実質的に大当たりとなる確率)が共通となる複数の遊技状態(通常状態、および第2時短状態)において、実質的な大当たり確率を異ならせることができるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第40制御例では、時短終了条件の1つとして、普図当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定している。より具体的には、第1時短状態においては、普通図柄の当たり遊技が1回実行されることで時短状態が終了されるように構成し、第2時短状態においては、当選した時短図柄の種別に応じて普通図柄の当たり遊技が10回~1000回実行されることで時短状態が終了するように構成している。この理由としては、本第40制御例においては、右打ちを行うことで、第1特別図柄の抽選を実行させることなく普通図柄の抽選のみを実行させることが可能な盤面構成であり、且つ、普図当たりBに当選することで実質的に大当たりが確定する遊技性としているため、特別図柄の抽選回数に基づく終了条件(第1終了条件)および小当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第2終了条件)のみを時短終了条件として規定した場合、第1時短状態または第2時短状態に移行した後で右打ちを行い続けると、実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選するまで時短状態が継続してしまう不具合が生じてしまうためである。そこで、本第40制御例では、時短終了条件として、普通図柄の当たり遊技の実行回数に基づく終了条件(第3終了条件)を規定する構成とし、時短状態において右打ちを行い続け、特別図柄の抽選が全く行われなかったとしても、規定回数に渡って普図当たり遊技が実行されることにより時短状態が終了されるように構成している。これにより、普図当たりBに当選するまで(即ち、実質的に大当たり当選まで)時短状態が必ず継続してしまうという不具合が発生することを防止することができる。
また、本第40制御例では、第2時短状態において、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出を実行する場合に、その直前に実行された普通図柄の抽選結果を加味した演出態様を設定する構成としている。即ち、普通図柄の抽選で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選していた場合、第1特別図柄の抽選結果が外れであったとしても、大当たりを報知する変動表示態様と区別困難な演出態様の変動表示演出を実行する構成としている。このように構成することで、1の変動表示演出によって第1特別図柄の抽選結果と普通図柄の抽選結果とを一括して報知することができるので、1の変動表示演出における見かけ上の大当たり確率が高くなったかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができると共に、好適な演出態様を実現することができる。更に、本第40制御例における第2時短状態では、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とがほぼ同時に実行されるという基本動作からずれた動作(第1特別図柄の抽選タイミングが普通図柄の抽選タイミングから少なくとも0.2秒間以上ずれている動作)となっている場合に、変動表示演出によって第1特別図柄の抽選結果よりも、普通図柄の抽選結果を優先的に報知する構成としている。つまり、普通図柄の抽選が実行されたことに基づいて疑似的な変動表示演出を実行し、当該疑似的な変動表示演出の実行中に第1特別図柄の抽選が実行された場合は、当該第1特別図柄の抽選結果が大当たりであり、且つ、実行中の疑似的な変動表示演出が外れ(第2入球口640へと入球不可能(困難)な普図当たりA)を報知する変動表示演出である場合にのみ、第1特別図柄の抽選結果(大当たり)を報知する演出態様を設定する構成としている。このように構成することで、実質的な大当たり確率が高い普通図柄の抽選結果を、実質的な大当たり確率が低い第1特別図柄の抽選結果よりも優先的に報知することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。
なお、本第40制御例では、左打ちと右打ちとで、スルーゲート(中央スルーゲート67cまたは右スルーゲート67r)を遊技球が通過する割合を略同一とする構成としたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちにより発射された遊技球が右スルーゲート67rを通過する割合を、左打ちにより発射された遊技球が左スルーゲート67cを通過する割合よりも高くなる(例えば、右打ちにより2個の遊技球を発射する毎に1個の遊技球が右スルーゲート67r通過する割合となる)ように構成してもよい。このように構成した場合、第1時短状態や第2時短状態における遊技方法を遊技者に対して選択させる遊技性を実現することができる。つまり、時短状態において左打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度は低くなる(左打ちにより遊技球を10~15個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)一方で、普通図柄の抽選が実行される毎に第1特別図柄の抽選が実行されるため、普通図柄の抽選で第2変位パターンに対応する普通図柄の当たりとなることだけでなく、第1特別図柄の抽選で大当たりとなることにも期待させることができる。一方で、時短状態において右打ちを行った場合、普通図柄の抽選を実行させる頻度が高くなる(右打ちにより遊技球を2個発射する毎に1回実行される程度の頻度となる)ため、時短状態における普通図柄の抽選効率を高くすることができる一方で、第1特別図柄の抽選が実行されないため、時短状態の間に大当たりに当選する可能性が低くなる遊技性を実現することができる。よって、時短状態における遊技方法(左打ちを行うか右打ちを行うか)によって、遊技者に対して時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的高くなるが、普通図柄の抽選効率が悪くなる(時短状態の消化に比較的長い時間を要する上に、無駄球が比較的多く発生する)遊技性と、普通図柄の抽選効率は良くなるが、時短状態の間に大当たりとなる可能性が比較的低くなる(第1特別図柄の大当たり確率である1/320の分だけ大当たり期待度が低下する)遊技性と、を選択させる極めて斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者毎に、自己の趣向によりマッチした遊技性を選択させることができるので、より多くの遊技者の好みに合う遊技性を実現することができ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第40制御例では、第1時短状態を大当たり終了後の遊技状態として設定され得る遊技状態として構成し、第2時短状態を時短図柄に当選した場合に設定される遊技状態として構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短図柄に当選した場合の一部又は全部で第1時短状態が設定されるように構成してもよいし、大当たり終了後の遊技状態として第2時短状態が設定され得るように構成してもよい。
本第40制御例では、第1時短状態と第2時短状態とで、実質的に大当たりが確定する普図当たりBが決定される割合を異ならせることにより、通常状態と、第1時短状態と、第2時短状態とで、互いに実質的な大当たり確率を異ならせるように構成していたが、実質的な大当たり確率を異ならせる方法はこれに限られるものではない。例えば、特別図柄の大当たり確率が異なる3種類の状態を設ける構成としてもよい。即ち、特別図柄の大当たり確率が約1/320となる通常状態と、特別図柄の大当たり確率が約1/1.25となる第1時短状態と、特別図柄の大当たり確率が約1/30となる第2時短状態と、を形成してもよい。このように構成することで、中央スルーゲート67cを少なくとも廃止することができるので、盤面構成を簡素化することができる。
本第40制御例では、第1時短状態において右打ちを報知する一方で、第2時短状態においては左打ちを報知する構成としていたが、第2時短状態においても左打ちを報知する構成としてもよい。即ち、第2時短状態においても、左打ちを行った場合は、第1特別図柄の抽選を実行させることができる分、大当たりとなる可能性が高くなるため、左打ちにより若干有利度合いが高くなる。よって、第2時短状態において左打ちを報知することにより、遊技者の有利度合いを向上させることができる。
本第40制御例では、時短終了条件として、特別図柄の抽選回数の合計が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり当選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、を規定する構成としていたが、これらに加え、例えば、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、V入賞不可能な小当たり)となった回数が規定回数となったことに基づいて成立する第4終了条件を課す構成としてもよい。このように構成することで、特に、第2時短状態において、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数となるよりも前に第2時短状態が終了され得る構成とすることができるので、第2時短状態において、時短回数(普通図柄の当たり遊技の実行回数)に余裕がある場合でも、遊技者に対して緊張感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、この場合において、所定の抽選結果となった場合の変動表示演出として、所定の抽選結果となったことを遊技者が把握し得るように固定の演出を実行する(例えば、リーチ外れ演出を実行する)構成としてもよい。このように構成することで、固定の演出の実行回数により所定の抽選結果の規定回数までの残り回数を把握し得る遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第40制御例では、天井機能(大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達した場合に第2時短状態を設定する機能)を設けていなかったが、天井機能を搭載してもよい。この場合において、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される第2時短状態は、時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態と同じ有利度合い(約3%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する普図当たりの振り分け)に設定してもよいし、異なる有利度合いに設定してもよい。時短図柄当選に基づく第2時短状態よりも高い有利度合い(例えば、約10%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する普図当たりの振り分け)に設定することで、天井抽選回数に到達することをより強く期待させることができるし、時短図柄当選に基づく第2時短状態よりも低い有利度合い(例えば、約1%の割合で実質的に大当たりが確定する普図当たりBに当選する普図当たりの振り分け)に設定することで、少ない抽選回数から天井抽選回数を目指して遊技を行い、遊技者が遊技にのめり込みすぎてしまうことを抑制することができる。また、いずれの場合においても、天井機能を設けることで、所謂ハマりが発生したとしても、天井抽選回数へと到達することを目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
本第40制御例では、電動役物640aが開放されている場合に、第2入球口640へと遊技球を誘導可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、上述した第9制御例と組み合わせてもよい。即ち、所謂非電動役物(第1非電動役物)によって開閉され、第1特別図柄の抽選契機となる第1始動口と、非電動役物(第2非電動役物)によって開閉され、第2特別図柄の抽選契機となる第2始動口と、を設ける。更に、遊技球が通過することで第1非電動役物を開放させる第1非電作動ゲートと、遊技球が通過することで第2非電動役物を開放させる第2非電作動ゲートと、装置内部に入球した遊技球を第1非電作動ゲートと第2非電作動ゲートとのいずれかに振り分ける振分役物と、が設けられた入賞装置とを設け、普通図柄の当たりとなった場合に入賞装置を開放する位置に電動役物を設ける構成としてもよい。そして、普通図柄の当たりとなったことに基づいて振分役物を固定の変位動作で変位させ、普通図柄の当たり種別として、振分役物によって第1非電作動ゲートへと振り分けられる配置の間に入賞装置が開放される普図当たりAと、第2非電作動ゲートへと振り分けられる配置の間に入賞装置が開放される普図当たりBと、を設け、普図当たりBが選択される割合を、上述した第40制御例と同様に、通常状態、第1時短状態、および第2時短状態で互いに異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、上述した第40制御例と同様の挙動を実現することができる。
本第40制御例では、第2時短状態へと移行した場合に、第1特別図柄の保留球を消化している間、チャンスタイム待機演出を実行することで、第1特別図柄の保留球が0個の状態にしてから左打ちを行わせ易くし、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される基本動作から外れた動作となり難くする構成としていたが、チャンスタイム中の動作を基本動作(普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される動作)から外れ難くする方法は、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、例えば、チャンスタイム(第2時短状態)において第1特別図柄の保留球が1以上となっている場合に、第1特別図柄の変動時間を極めて短い変動時間(例えば、0.1秒間)に設定する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスタイムへと移行してから比較的短い時間で第1特別図柄の保留球を消化することができるので、チャンスタイム中の動作を基本動作(普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される動作)からより外れ難くすることができる。また、例えば、第1特別図柄、および普通図柄の保留記憶機能を廃止してもよい。このように構成することで、時短図柄が停止表示されてチャンスタイム(第2時短状態)に移行した時点において、確実に、第1特別図柄も普通図柄も変動停止状態にすることができる。よって、基本動作(普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される動作)から外れた動作となってしまうことを抑制することができる。
本第40制御例では、時短図柄当選が発生してチャンスタイムに突入した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく変動表示が終了されるまで(またはチャンスタイム突入後、特定期間が経過するまで)に渡って、チャンスタイム待機演出を実行する構成とし、チャンスタイムが開始されていないかのような演出態様に設定していたが、演出態様はチャンスタイム待機演出に限定されるものではない。例えば、時短図柄当選に基づく変動表示演出を、第1特別図柄の保留球が全て消化される期間まで継続して実行することで、チャンスタイムが開始されていないかのように遊技者に思わせる構成としてもよいし、時短図柄当選を示す第3図柄の停止表示期間を、チャンスタイム突入後も、第1特別図柄の保留球が全て消化されるまで継続して実行してもよい。また、時短図柄当選に基づく変動表示演出が終了されてから(時短図柄当選を示す第3図柄が停止表示されてから)、第1特別図柄の保留球が消化されるまで、チャンスタイムへの移行が確定したことを示す演出のみを実行し、保留球が消化された後で第1入球口64(および中央スルーゲート67c)への遊技球の入球を検出したことに基づいて、チャンスタイムが開始されたことを明確に報知する演出を実行してもよい。このように構成することで、遊技者に対してチャンスタイム(第2時短状態)が開始されていないと思わせることができるので、第1特別図柄の保留球が存在するうちに遊技者が左打ちを開始してしまい、第1特別図柄の変動表示の開始タイミングと普通図柄の変動開始タイミングとがずれてしまうことを抑制することができる。即ち、変動表示演出によって、第1特別図柄の抽選結果と、その第1特別図柄の抽選とほぼ同時に(直前に)実行された普通図柄の抽選結果と、の両方を加味した演出結果を報知する遊技性をより確実に実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第40制御例では、通常状態において普図当たりBが決定される割合を0%、第1時短状態において普図当たりBが決定される割合を80%、第2時短状態において普図当たりBが決定される割合を3%に設定する構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の割合に設定することができる。例えば、通常状態において普図当たりBが決定され得る(例えば、0.1%の割合で決定される)ように構成することで、通常状態においても、第1特別図柄の抽選で大当たりになることに加え、普通図柄の抽選で普図当たりBとなることを期待させることもできるので、通常状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。また、第2時短状態における普図当たりBの決定割合を上昇させることで、第2時短状態における変動表示演出毎の実質的な大当たり期待度を向上させることができるし、低下させることで、第2時短状態における大当たり期待度を低下させることができる。更に、第1時短状態における普図当たりBの決定割合を上昇させることで、第1時短状態に移行した場合の大当たり当選期待度(連チャン発生率)を向上させることができるし、普図当たりBの決定割合を低下させることで、第1時短状態に移行した場合の大当たり当選期待度を低下させることができる。
本第40制御例では、普通図柄の抽選が実行された場合に、遊技状態によらず、普通図柄の当たりとなる確率を1/1(100%)とする構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の確率に設定することができる。他の制御例と同様に、普通図柄の低確率状態、および普通図柄の高確率状態を設ける構成とし、通常状態および第2時短状態は普通図柄の低確率状態として取り扱われる一方で、第1時短状態は普通図柄の高確率状態として取り扱われるように構成してもよい。この場合において、普通図柄の当たりとなる確率を、普通図柄の高確率状態では1/1.25(80%)、普通図柄の低確率状態では3/100(3%)に設定し、時短状態(第1時短状態、第2時短状態)において普通図柄の当たりとなった場合は必ず普図当たりBに設定される(第2変位パターンで電動役物640aが変位される)一方で、通常状態で普通図柄の当たりとなった場合は必ず普図当たりAに設定される(第1変位パターンで電動役物640aが変位される)構成としてもよい。つまり、普通図柄の高確率状態に設定される第1時短状態では、普通図柄の抽選で80%の割合で普通図柄の当たりとなって実質的に大当たりが確定する普図当たりBが必ず決定され、普通図柄の低確率状態に設定される第2時短状態では、普通図柄の抽選で3%の割合で普通図柄の当たりとなって実質的に大当たりが確定する普図当たりBが必ず決定され、通常状態では、普通図柄の抽選で3%の割合で普通図柄の当たりとなるが、必ず普図当たりAが決定されるため第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)となるように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の当たりとなった場合に、時短状態であれば普図当たりBを決定し、通常状態であれば普図当たりAを決定するという、比較的簡単な制御により上述した第40制御例と同一の動作を実現することができるので、普通図柄の当たりに当選した後における処理負荷を低減することができる。
本第40制御例では、普図当たりAであるか普図当たりBであるかによらず、第2時短状態において普通図柄の抽選が開始されてから普通図柄の当たりが終了して次の普通図柄の抽選を実行可能となるまでの期間の長さを、第2入球口640への入球を検出しない場合に、第1特別図柄の変動時間と同一の期間となるように構成することで、第2時短状態の間、普通図柄の抽選と第1特別図柄の抽選とがほぼ同時に実行される遊技性を維持可能に構成していたが、少なくとも普図当たりBでは、普通図柄の当たり遊技が終了するまでの期間を必ずしも第1特別図柄の変動時間に一致させなくても良い。例えば、普図当たりBに当選した場合は、普通図柄の変動時間が1秒間、普通図柄のオープニング期間が7秒間、電動役物640aの開放期間が最大2秒間の、合計10秒間となるように構成してもよい。このように構成することで、普図当たりBとなる場合(即ち、大当たり演出を実行する場合)における演出期間をより長く確保することができるので、演出態様をより好適に設定することができる。
本第40制御例では、通常状態において時短図柄に当選することで、大当たりを介さずに、第2時短状態へと直接移行する構成としていたが、遊技状態の組合せはこれに限られるものではない。これに代えて、または加えて、例えば、第2時短状態において時短図柄に当選した場合に、第1時短状態(または第1時短状態と同等の普図当たりBの決定割合となる第2時短状態B)へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、第2時短状態において大当たりに当選することに加え、時短図柄当選が発生した場合にも、時短状態と大当たりとを80%の割合で繰り返す(ループする)極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、第1時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、普図当たりBの当選割合が低い遊技状態(例えば、第2時短状態、または第2時短状態と同等の普図当たりBの決定割合となる第1時短状態B)へと移行するように構成してもよい。このように構成することで、第1時短状態において左打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選と普通図柄の抽選とをほぼ同時に実行させることができることにより第1特別図柄の大当たりに当選し得る分、大当たり期待度が高くなるというメリットが生じる代わりに、時短図柄当選が発生すると、時短状態自体の有利度合いが低下してしまうというデメリットを生じさせることができるので、メリット、デメリットを勘案して遊技方法を遊技者に選択させる斬新な遊技性を実現することができる。また、遊技状態は時短状態および通常状態には限られず、例えば、特別図柄の抽選確率が通常よりも高い特別図柄の高確率状態を設け、特別図柄の低確率状態に設定される遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態)から特別図柄の高確率状態に設定される遊技状態(高確率状態、且つ、非時短状態、高確率状態、且つ、第1時短状態、高確率状態、且つ、第2時短状態)へと、大当たりを介さずに直接移行可能に構成してもよい。また、逆に、高確率状態に設定される遊技状態から低確率状態に設定される遊技状態へと大当たりを介さずに直接移行可能に構成してもよいし、高確率状態に設定される遊技状態から高確率状態に設定される他の遊技状態へと、大当たりを介さずに直接移行可能に構成してもよい。また、上記のあらゆる場合において、大当たりを介さずに遊技状態を変更する条件は、時短図柄当選に限られるものでもなく、例えば、特定領域650e3へと遊技球を入球させることが不可能な開閉扉650f1の開放パターンに設定される小当たり(非V小当たり)に当選したことを契機として、遊技状態を変更する構成としてもよいし、特別図柄の抽選回数の合計が規定回数となったことに基づいて遊技状態を変更する構成としてもよいし、第2特別図柄の抽選回数の合計が規定回数となったことに基づいて遊技状態を変更する構成としてもよいし、普通図柄の当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて遊技状態を変更する構成としてもよい。これにより、遊技性を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第41制御例>
次に、図1183から図1211を参照して、第41制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第40制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、実質的に大当たりが確定する第2特別図柄の抽選契機となる第2入球口640への入球し易さ(第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な普図当たりBに当選する割合)が異なる複数の時短状態(第1時短状態、第2時短状態)を設ける構成とすることにより、特別図柄の抽選確率が共通であるにもかかわらず、実質的な大当たり確率が異なる複数の遊技状態を設ける構成としていた。
これに対して第41制御例におけるパチンコ機10では、上述した第40制御例と同様に、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで実質的な大当たり確率(実質的に大当たりが確定する小当たりの確率)を異ならせているものの、第2特別図柄の抽選に完全外れの抽選結果を設けている点では第40制御例と相違している。即ち、本第41制御例におけるパチンコ機10では、第2特別図柄の抽選が実行された場合における実質的な大当たり確率(特別図柄の抽選で大当たりとなる確率と小当たりとなる確率との合算の確率)が約1/3となる(約2/3の確率で外れとなる)ように構成している点で第40制御例と相違している。また、本第40制御例におけるパチンコ機10では、時短回数が共通であるにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の時短状態を設けている点で相違している。より具体的には、特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aと、特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと、を設ける構成としている。ここで、本第40制御例では、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、が設けられている。時短状態Aと時短状態Bとでは、第1~第3終了条件が共通とされ、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせている。
また、本第41制御例では、時短状態A,Bに加えて、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される時短状態Cを設ける構成としている。加えて、本第41制御例では、時短状態の連続回数(通常状態を介さずに時短状態と大当たりとが繰り返される繰返し回数)に制限を設ける(時短リミット回数を設定する)構成とした上で、時短状態Cの間に大当たりに当選した場合は、時短リミット回数に到達していない限り、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定されるように構成している。つまり、一旦時短状態Cが設定されると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態を形成する構成としている。このように構成することで、時短状態Cに移行することを遊技者に対して強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第41制御例では、時短状態Cにおいて、容易に保留球を上限個数まで貯めることができるように普通図柄の変動時間や特別図柄の変動時間、普通図柄の開放パターンを設定することにより、時短状態Cと大当たりとが時短リミット回数に到達するまで繰り返されて通常状態へと移行した際に、上限個数(4回)の第2特別図柄の保留球が保留されている状態となり易く構成している。これにより、通常状態に転落した後においても、大当たり確率が約1/3の第2特別図柄の抽選を4回実行する機会を遊技者に対して与えることができるので、時短リミット回数に到達した後における有利度合いを、他の時短状態における有利度合い以上とすることができる。具体的には、第2特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aよりも大当たり期待度が高く、且つ、第2特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと同等の大当たり期待度となる有利な状態を形成することができる。よって、時短リミット回数に到達した場合も、遊技者に対して大当たりに対する大きな期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、本第41制御例では、時短状態Aや時短状態Bにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合に、小当たり開始時に第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成する一方で、時短状態Cにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合には、特定領域650e3を遊技球が通過した後で第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成している。このように構成することで、時短状態Aや時短状態Bに移行した後において小当たりに当選した場合に、時短状態の間に実行された第2特別図柄の抽選であるか、時短状態の間に保留された第2特別図柄の保留球に基づいて通常状態への移行後に開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、特定領域650e3を遊技球が通過した時点の遊技状態を通常状態に設定することができる。よって、時短状態の間に開始された第2特別図柄の抽選であるか、通常状態に移行した後で開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、大当たり当選時の有利度合いを共通化することができる。また、時短状態Cにおいては、小当たり当選した場合に、当選時の遊技状態を時短状態に固定化することができるので、時短リミット回数を超えて時短状態Cと大当たりとの繰り返しが継続してしまったり、逆に、時短リミット回数に到達する前に時短状態Cと大当たりとの繰り返しが終了されてしまうことを抑制することができる。
この第41制御例におけるパチンコ機10が、上述した第40制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第40制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第40制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1183を参照して、本第41制御例における遊技盤13の盤面構成について説明する。図1183は、本第41制御例における遊技盤13の正面図である。図1183に示した通り、本第41制御例における遊技盤13は、第40制御例における遊技盤13の盤面構成(図1149参照)に対して、第1入球口64の上方に設けられていたスルーゲート67c、および可変表示装置ユニット80の右側に設けられていた右スルーゲート67rに代えて、V入賞装置650の上流側に単一のスルーゲート67が設けられている点で相違している。図1183に示した通り、このスルーゲート67は、右打ちにより可変表示装置ユニット80の正面視右側の流路へと発射され、第2入球口640に入球しなかった遊技球が必ず通過する位置に設けられている。つまり、本第41制御例では、第40制御例に対して、右打ちを行わなければ普通図柄の抽選が実行されず、電動役物640aが開放されることもない代わりに、右打ちを行った際のスルーゲート67の通過割合が高くなる盤面構成となっている点で相違している。
次いで、図1184から図1186を参照して、本第41制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図1184を参照して、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった(所謂、初当たりに当選した)後において高い割合(95%の割合)で設定される時短状態Aにおける演出態様について説明する。まず、図1184(a)は、時短状態Aが開始されてから第2特別図柄の抽選が開始されるまでの間における演出態様を示した図である。
図1184(a)に示した通り、初当たり後に時短状態Aに移行すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821とがにらみ合う演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上方に形成される横長略長方形形状の表示領域HR10に対して、「右打ちで攻撃アイコンをストックしろ!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が表示された小表示領域Dm4が形成され、主表示領域Dmの左下には、後述する攻撃アイコンを表示するための攻撃アイコン表示領域AI1,AI2が形成される。更に、副表示領域Dsには、「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行うことにより攻撃アイコンを獲得(ストック)することができること、および怪獣のキャラクタ821を冒険者のキャラクタ811が討伐できればラッシュモード(時短状態Aよりも有利な時短状態B)に突入するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図1184(b)は、時短状態Aにおいて右打ちにより発射された遊技球が第2入球口640へと1個入球して第2特別図柄の変動表示が開始された場合の表示態様の一例を示した図である。図1184(b)に示した通り、第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の変動表示が開始されると、比較的狭い(遊技者が視認し難い)小表示領域Dm8において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示が開始される。また、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間にタイムゲージga3が表示される。このタイムゲージga3は、第2特別図柄の変動開始時に残時間表示ga3aがタイムゲージga3の全体を占める状態にて表示され、時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなるように構成されており、第2特別図柄の変動表示が開始されてから10秒が経過した時点で残時間表示ga3aの右端がタイムゲージga3の左端に到達して残時間表示ga3aの面積が0になると共に、タイムゲージga3の全体を経過時間表示ga3bが占める表示態様となるように構成されている。タイムゲージga3が0になった時点で、当該変動の抽選結果および第2特別図柄の残保留の先読み結果に応じて、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行されるか否かが決定される。
更に、第2入球口640への入球に基づいて、攻撃アイコン表示領域AI1に対して、今回の第2特別図柄の抽選結果に応じた種別の攻撃アイコンが表示される。図1184(b)の例では、「斬撃」という文字が付されたアイコンを獲得した場合を例示している。これらの表示内容により、第2特別図柄の始動入賞に基づいて、攻撃アイコンが獲得されること、および攻撃アイコンの種別によって当たりとなる(怪獣のキャラクタ821を倒す)期待度を示唆していることを遊技者に対して直感的に理解させることができる。なお、本第41制御例では、「パンチ」、「蹴り」、「斬撃」、および「必殺技」の4種類のアイコンが設けられている。「パンチ」アイコンは外れの場合に選択され易く、大当たり又は小当たりの場合に選択され難くなるように構成され、「蹴り」アイコンは時短状態Bとなる場合に他の場合よりも選択され易くなるように構成され、「斬撃」アイコンは外れの場合に選択され難くなるように構成されている。また、「必殺技」アイコンは大当たりまたは小当たりの場合にのみ選択され得る上に、大当たり後に時短状態Bへと移行する場合よりも、有利な時短状態Cへ移行する場合の方が選択割合が高くなるように構成されている。これらの選択割合により、攻撃アイコンの種別によって第2特別図柄の抽選結果を予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1185(a)を参照して、時短回数(第2特別図柄の規定抽選回数)が1回の時短状態Aにおいて1個目の第2特別図柄の保留球を獲得した場合の表示態様について説明する。図1185(a)に示した通り、1個目の第2特別図柄の保留球を獲得し、第4終了条件(時短最終変動にて第2特別図柄の保留球数が規定個数(時短状態Aの場合、1個)に到達したことで成立する時短終了条件)が成立して時短状態Aが終了された状況を示した図である。図1185(a)に示した通り、時短状態Aの1変動目(最終変動目)において第2特別図柄の保留球が1個となり、第4終了条件が成立すると、2番目の攻撃アイコン表示領域AI2に対して今回獲得した第2特別図柄の保留球の先読み結果に応じた攻撃アイコンが表示される。図1185(a)の例では、「蹴り」アイコンが獲得された場合を例示している。また、タイムゲージga3に対して、「準備完了」という文字が表示される。これらの表示内容により、時短状態Aにおいて獲得可能な第2特別図柄の保留球を全て獲得できたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、実行中の第2特別図柄の変動表示および新たに獲得した第2特別図柄の保留球のそれぞれに対応する抽選結果と、各攻撃アイコンの種別とが対応しているということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、第2特別図柄の保留球が貯まって時短状態が終了された後は、冒険者のキャラクタ811が攻撃アイコンを消費して怪獣のキャラクタ821に攻撃を仕掛ける演出が実行される。即ち、実行中の第2特別図柄の変動表示の後半(10秒経過~30秒経過)までの期間を用いて、攻撃アイコン表示領域AI1に表示された攻撃アイコン(図1185(a)の例では、「残撃」アイコン)を用いて怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。そして、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりであれば、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行される一方で、外れであれば、怪獣のキャラクタ821を倒しきれなかったことを報知する演出が実行される。怪獣のキャラクタ821を倒しきれなかった場合は、時短状態Aにおいて獲得していた第2特別図柄の保留球を用いた第2特別図柄の変動表示が開始されると共に、攻撃アイコン表示領域AI2に表示された攻撃アイコン(図1185(a)の例では、「蹴り」アイコン)を用いて怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。そして、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりであれば、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行される一方で、外れであれば、怪獣のキャラクタ821を倒しきれなかったことを報知する演出が実行される。
次に、図1185(b)を参照して、時短状態Aにおいて大当たりに当選した(所謂、連チャンが発生した)場合に、当該連チャン大当たり後に移行し得る時短状態Bにおける演出態様について説明する。図1185(b)に示した通り、主表示領域Dmの表示内容は、時短状態Aにおける演出態様と類似しており、攻撃アイコン表示領域の個数が2個から4個になっている点でのみ相違している。これは、時短状態Bにおいては、第4終了条件(時短最終変動にて第2特別図柄の保留球数が規定個数に到達したことで成立する時短終了条件)として、保留球数3個に設定されていることに対応している。つまり、時短状態Bにおいて実行される1回の第2特別図柄の抽選と、時短状態Bの間に獲得できる3個の第2特別図柄の保留球に基づく3回の第2特別図柄の抽選と、の合計4回分の第2特別図柄のそれぞれに対応する攻撃アイコンを表示させるための4個の表示領域が形成される点で相違している。また、副表示領域Dsの表示内容についても、時短状態Aと時短状態Bとでは相違している。即ち、時短状態Bでは、「攻撃がヒットすればボーナス!?敵を倒せばMAX!??」という文字が表示される。これらの表示内容により、攻撃が怪獣のキャラクタ821に当たるだけで大当たりとなる上に、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行されればMAXボーナスも確定するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、MAXボーナスとは、大当たり終了後に最も有利な(実質的に次回の大当たりまで継続する)時短状態Cへと移行することを意味している。つまり、大当たりと時短状態Cとが、時短リミット回数(3回)に到達するまで繰り返される状態への移行を意味しており、合計で4回分の大当たりが保証される極めて有利な状態を形成することを示している。本第41制御例では、第2特別図柄の大当たりとして、4ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり1回あたり600個以上の賞球の払い出しが行われるため、怪獣のキャラクタ821を倒す演出が実行されることにより、16ラウンドの大当たりに当選した(2400個以上の賞球が払い出される)のと同等の恩恵を受けることができる。よって、4ラウンドの大当たりしか搭載していないにもかかわらず、大量の賞球を一度に獲得できる機会を遊技者に対して与えることができるので、メリハリのついた遊技性を実現することができる。
図1186(a)は、時短状態Cに対応する大当たり(MAXボーナス)への当選が確定した(第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりA41に当選した)場合の演出態様を示した図である。図1186(a)に示した通り、MAXボーナスに当選した場合は、主表示領域Dmにおいて、怪獣のキャラクタ821を冒険者のキャラクタ811が撃破する演出が実行されると共に、「7」の数字を模した第3図柄が揃う演出が実行される。また、副表示領域Dsにおいて、「MAXボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してMAXボーナスに当選したということを容易に理解させることができる。
次に、図1186(b)を参照して、MAXボーナスに当選してから時短リミット回数に到達するまでの間の各時短状態Cにおける演出態様について説明する。ここで、本第41制御例では、最初に時短状態Cに対応する大当たりに当選してから時短リミット回数に到達するまでの間(MAXボーナスモード)の、4ラウンド大当たりと時短状態Cとが繰り返されている間の演出態様を、あたかも1の大当たりが継続しているかのような演出態様に設定する構成としている。つまり、初回の大当たり終了後の1回目の時短状態Cでは、4ラウンド終了後(5ラウンド前)のインターバル演出中であるかのような演出を実行し、MAXボーナスモードにおける2回目の4ラウンド大当たりでは、疑似的に大当たりの5ラウンド目から8ラウンド目であるかのような演出を実行し、2回目の時短状態Cでは、8ラウンド終了後(9ラウンド前)のインターバル演出中であるかのような演出を実行し、MAXボーナスモードにおける3回目の4ラウンド大当たりでは、疑似的に大当たりの9ラウンド目から12ラウンド目であるかのような演出を実行し、3回目(時短リミット回数における最後)の時短状態Cでは、12ラウンド終了後(13ラウンド前)のインターバル演出中であるかのような演出を実行し、MAXボーナスモードにおける4回目の4ラウンド大当たりでは、疑似的に大当たりの13ラウンド目から16ラウンド目であるかのような演出を実行するように構成している。このように構成することで、4回の大当たりを1の大当たりかのように遊技者に思わせることができるので、実際には少ないラウンド数の大当たりが繰り返されているに過ぎないにもかかわらず、ラウンド数が極めて多く、大量の賞球を獲得可能な1の大当たりに当選したかのように思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図1186(b)は、MAXボーナスモードにおける大当たり間の時短状態Cの演出態様の一例を示した図である。図1186(b)に示した通り、MAXボーナスモードにおける大当たり間の時短状態Cでは、あたかもインターバル期間中であるかのような疑似インターバル演出が実行される。即ち、冒険者のキャラクタ811が宝箱810の中から出現した大量の金貨に喜ぶ演出が実行されると共に、小表示領域Dm9に対して、次の疑似的なラウンド数を示す「5ラウンド」という文字が表示される。また、小領事領域Dm2に対して、MAXモードにおいて既に払い出された賞球数を示す文字(800)と、MAXボーナスモードにおいてトータルで払い出される賞球数を示す文字(2400)と、が表示される。また、小表示領域Dm8において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示演出が比較的目立ち難い態様で実行される。更に、副表示領域Dsに対して、「MAXボーナス中」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対してあたかも1の16ラウンド大当たりが実行されているかのように思わせることができるので、より好適な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1187を参照して、本第41制御例において初当たり発生後に時短状態Aへと移行した場合における演出態様の推移について説明する。図1187は、本第41制御例において通常モードで当選した初当たりが終了してから時短状態Aが終了して第2特別図柄の保留球を消化し、通常モードに戻るまでの間における演出態様の経時変化を示した図である。図1187に示した通り、初当たりが終了すると、まず、右打ちにより保留球(攻撃アイコン)を獲得することを促す演出(保留チャージ演出、図1184、図1185(a)参照)が実行される。保留チャージ演出は、時短状態Aにおける初回の第2特別図柄の変動表示が開始されてから10秒間が経過するまでの間実行される。なお、第2特別図柄の変動表示演出中に右打ちを継続することで、第2特別図柄に対応する始動入賞が発生して保留球数が1になると、時短状態Aが終了されて通常状態へと移行する。
図1187に示した通り、保留チャージ演出が終了してから第2特別図柄の1回目の変動表示が終了するまでの間の20秒間の期間では、怪獣のキャラクタ821に対して1個目の攻撃アイコン(攻撃アイコン表示領域AI1に表示された攻撃アイコン)に対応する攻撃を試みる演出が実行され、図柄の確定表示期間(1秒間)で演出結果が報知される。図1187では、怪獣のキャラクタ821の討伐に失敗したことを示す演出結果が報知された場合を例示しており、報知期間の終了と共に2回目の変動表示演出(時短状態Aの間に獲得した第2特別図柄の保留球に基づく変動表示演出)が開始され、2個目の攻撃アイコン(攻撃アイコン表示領域AI2に表示された攻撃アイコン)に対応する攻撃を試みる演出が実行され、図柄の確定表示期間(1秒間)で演出結果が報知される。図1187では、2回目の攻撃でも怪獣のキャラクタ821の討伐に失敗したことを示す演出結果が報知された場合を例示しており、報知期間の終了後に通常モード用の演出態様に切り替わる。
このように、時短状態Aに移行してから、時短状態Aの間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化するまでの期間において、連続性(ストーリー性)のある一連の演出でラッシュモード(時短状態B)またはMAXボーナスモードに突入するか否かの報知を行うことができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1188を参照して、MAXボーナスモードにおける演出態様について説明する。図1188は、本第41制御例において、時短状態Cへと移行する大当たりに当選してから時短リミット回数に到達するまでの間の演出態様の経時変化を示した図である。図1188に示した通り、時短状態において時短状態Cへと移行する種別の4ラウンド大当たり(大当たりA41~大当たりC41)が実行されると、まず、MAXボーナスモードにおける1ラウンド目~4ラウンド目に対応する演出が実行され、4ラウンド目が終了すると、疑似インターバル演出が実行される。そして、1回目の時短状態Cの間、疑似インターバル演出が継続され、4ラウンド大当たり(大当たりA41~D42のいずれか)に当選すると、当該4ラウンド大当たりの1ラウンド目~4ラウンド目において、疑似的に5ラウンド目~8ラウンド目であるかのような演出が実行され、疑似的な8ラウンド目が終了すると、再度疑似インターバル演出が実行される。そして、2回目の時短状態Cの間、疑似インターバル演出が継続され、4ラウンド大当たり(大当たりA41~D42のいずれか)に当選すると、当該4ラウンド大当たりの1ラウンド目~4ラウンド目において、疑似的に9ラウンド目~12ラウンド目であるかのような演出が実行され、疑似的な12ラウンド目が終了すると、再度疑似インターバル演出が実行される。そして、3回目(時短リミット回数目)の時短状態Cの間、疑似インターバル演出が継続され、4ラウンド大当たり(大当たりA41~D42のいずれか)に当選すると、当該4ラウンド大当たりの1ラウンド目~4ラウンド目において、疑似的に13ラウンド目~16ラウンド目であるかのような演出が実行され、疑似的な16ラウンド目が終了してエンディング期間に移行すると、エンディング期間の開始時点で保留されていた第2特別図柄の保留球の数(疑似インターバル演出の実行中に継続して右打ちを行っていれば、ほぼ4個)だけ攻撃アイコンを獲得する演出が実行される。そして、大当たり終了後はエンディング期間において獲得した攻撃アイコンを消費して怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける最大4回の演出が実行される。つまり、時短状態Bと同じ回数の演出が実行される。
このように、本第41制御例では、大当たり終了後に時短状態Cが設定される場合に、最初の大当たりが開始されてから時短リミット回数に到達するまでの間の4回の大当たり遊技および3回の時短状態Cの間、1の大当たり遊技が継続して実行されているかのような斬新な演出態様を実行する構成としているので、遊技者に対して1の契機で大量の賞球を獲得できたかのように思わせることができ、遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができると共に、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1189を参照して、本第41制御例における状態間の移行方法について説明する。ここで、図1189に示した通り、本第41制御例では、主として5種類の状態(モード)が設けられている。即ち、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態(第2特別図柄の抽選を実行不可能(困難)な状態)である通常状態A(通常モード)と、普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である時短状態A(チャンスモード)、時短状態B(時短モード)、および時短状態C(MAXボーナスモード)と、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、第2特別図柄の保留球が1以上存在することにより第2特別図柄の抽選が優先的に実行される状態である通常状態B(引き戻しモード)と、が少なくとも設けられている。
ここで、時短状態A~Cは、互いに異なる時短終了条件が設定される点で相違しており、第2入球口640への入球し易さについては共通となっている。より具体的には、時短状態Aでは、特別図柄の変動表示が合計10回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されることで第3終了条件が成立し、時短最終変動において第2特別図柄の保留球が1個以上貯まることで第4終了条件が成立する。このため、時短状態Aにおいて演出による示唆に従って右打ちを行い続けた場合、1回目の第2入球口640への入球に基づいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短最終変動が開始され、当該時短最終変動の間に再度第2入球口640へと遊技球が入球することで第2特別図柄の保留球が1個となって時短状態が終了されるように構成されている。時短状態が終了された後は、普通図柄の当たりとなっても第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(極めて困難)となるため、2個以上の第2特別図柄の保留球を獲得することも不可能となる。なお、本第41制御例における普通図柄の当たりでは、1個の遊技球の入球を検出することで終了条件が成立し、即座に電動役物640aが閉鎖(没入)されるため、時短状態における1回の普通図柄の当たりに基づく電動役物640aの開放期間の間に1個の遊技球のみ入球が許容される(2個以上の遊技球の入球が排除される)構成となっている。よって、時短状態Aへと移行した場合は、有利な第2特別図柄の抽選の機会を合計2回得ることができる。
また、時短状態Bは、第1~第3終了条件については時短状態Aと共通である一方で、第4終了条件が3個に設定されている点で時短状態Aと相違している。このため、時短状態Bにおいて右打ちを行い続けた場合、1回目の第2入球口640への入球に基づいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短最終変動が開始され、当該時短最終変動の間に3回第2入球口640へと遊技球が入球することで第2特別図柄の保留球が3個となって時短状態が終了されるように構成されている。これにより、時短状態Bへと移行した場合は、有利な第2特別図柄の抽選の機会を合計4回得ることができる。更に、時短状態Cでは、特別図柄の変動表示が合計100回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が100回実行されることで第3終了条件が成立し、時短最終変動において第2特別図柄の保留球が65535個以上貯まることで第4終了条件が成立する。即ち、大当たりにも小当たりにも当選しない場合、特別図柄の抽選が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成されている。ここで、本第41制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりに当選する確率が約1/3に設定されているため、100回の特別図柄の抽選に渡って大当たりにも小当たりにも当選しないという事象は、ほぼ起きることがない極めて低い確率(約2/3の100乗)となる。よって、時短状態Cは、実質的に次回の大当たりが確定するまで継続する時短状態という位置づけである。
まず、図1189の上段を参照して、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1189の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図1189に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、95%の割合で決定される大当たりB41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に5%の割合で決定される大当たりA41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Aよりも時短状態Bの方が、有利な(実質的な大当たり確率が第1特別図柄の抽選よりも高い)第2特別図柄の抽選機会を多く獲得することができるので、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA41であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1189の中段左側を参照して、時短状態A(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1189の中段左側に示した通り、時短状態A(チャンスモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1189の中段左側に示した通り、時短状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1189の中段左側に示した通り、時短状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Cは、実質的に次回の大当たりまで継続する有利な遊技状態である一方で、時短状態Bは、有利な第2特別図柄の抽選機会が合計4回のみ与えられる遊技状態である。つまり、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Aにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、2回の第2特別図柄の抽選機会の間に約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、厳密には、時短状態Aにおいて1個目の第2特別図柄の保留球を獲得した時点で通常状態に移行しているが、図1189では、時短状態Aに移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化しきるまでの間を時短状態Aと呼称している。
次に、図1189の中段右側を参照して、時短状態B(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1189の中段右側に示した通り、時短状態B(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1189の中段右側に示した通り、時短状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1189の中段右側に示した通り、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、時短状態Bにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。これらに対し、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Bに設定される(時短状態Bをループする)。これらにより、時短状態Bにおいては、時短状態Aと同様に、時短状態の間に獲得した第2特別図柄の保留球で約1/3の確率の小当たり又は大当たりに当選することを強く願うと共に、小当たりに当選した場合は、より有利な時短状態Cに設定されることをより強く願わせる遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1189の下から2段目を参照して、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1189の下から2段目に示した通り、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態へは、時短リミット回数に到達した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図1189の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。これに対して、図1189の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達である場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短様態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。なお、上述した通り、本第41制御例では、大当たりのラウンド数が全て4ラウンドであり、時短リミット回数は3回に設定されるため、時短状態への移行契機となった大当たりを含め、4回の大当たりが保証される。つまり、16ラウンド分の賞球を略一度に獲得できる有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1189の下段を参照して、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1189の下段に示した通り、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短状態Cの間に保留されていた第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1189の下段に示した通り、通常状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1189の下段に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を全て消化した(全て外れとなった)場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。
このように、本第41制御例では、時短状態A、時短状態B、および通常状態Bにおいて、約1/3という高確率で当選する小当たりに当選した場合に、小当たり種別が小当たりA41に決定されるか、小当たりB41に決定されるかによって、遊技者の得られる利益を大幅に異ならせる構成としている。よって、小当たりA41に当選して時短状態Cへと移行し、一度に大量の賞球(16ラウンド分の賞球)を獲得できるのか、小当たりB41に当選して時短状態Bへと移行するのかにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第41制御例の電気的構成>
次に、図1190(a)を参照して、本第41制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図1190(a)は、本第41制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図1190(a)に示した通り、本第41制御例におけるROM202は、上述した第40制御例におけるROM202の構成(図1159(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202ajに代えて第1当たり乱数テーブル202akが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202bjに代えて大当たり種別選択テーブル202bkが設けられている点、第2当たり乱数テーブル202cjに代えて第2当たり乱数テーブル202ckが設けられている点、変動パターン選択テーブル202djに代えて変動パターン選択テーブル202dkが設けられている点、時短付与テーブル202ejに代えて時短付与テーブル202ekが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fjに代えて小当たり種別選択テーブル202fkが設けられている点、時短種別選択テーブル202ja、および普図当たり種別選択テーブル202jbが削除されている点で相違している。その他の構成については上述した第40制御例におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図1191(a),(b)を参照して、本第41制御例における第1当たり乱数テーブル202akを構成する特別図柄1乱数テーブル202ak1、および特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図1191(a)は、本第41制御例における特別図柄1乱数テーブル202ak1の規定内容を示した図であり、図1191(b)は、本第41制御例における特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。まず、図1191(a)を参照して、本第41制御例において第1特別図柄の抽選が実行された場合に参照される特別図柄1乱数テーブル202ak1の詳細について説明する。
図1191(a)に示した通り、本第41制御例における特別図柄1乱数テーブル202ak1には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)対応付けて規定されている一方、小当たりと判定される乱数値は対応付けられていない。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は約1/320(205/65536)である。
次に、図1191(b)を参照して、本第41制御例において第2特別図柄の抽選が実行された場合に参照される特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図1191(b)は、特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。図1191(b)に示した通り、本第41制御例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~22049」の21845個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が21845個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/3(21845/65536)である。
このように、本第41制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、特別図柄の大当たりと判定される乱数値を共通としておく(即ち、大当たり確率を共通としておく)一方で、小当たりと判定される乱数値を第2特別図柄の抽選にのみ設ける構成としている。そして、本第41制御例における小当たりは、上述した第40制御例や第32制御例等の小当たりと同様に、小当たり遊技中に右打ちを行い続けるだけで、ほぼ確実に特定領域650e3を遊技球が通過して大当たりに当選することが可能となるように構成されているため、実質的に大当たり当選が確定する抽選結果である。よって、実質的な大当たり確率(大当たりと小当たりとの合算の確率)が、第1特別図柄の抽選では約1/320であるのに対し、第2特別図柄の抽選では約1/3となるため、第1特別図柄の抽選に対して、第2特別図柄の抽選の有利度合いを極めて高くすることができる。よって、メリハリのついた遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1191(c)を参照して、本第41制御例における大当たり種別選択テーブル202bkの詳細について説明する。図1191(c)は、本第41制御例における大当たり種別選択テーブル202bkの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202bkは、上述した第40制御例における大当たり種別選択テーブル202bj(図1160(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1191(c)に示した通り、本第41制御例における大当たり種別選択テーブル202bkには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA41、および大当たりB41の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC41の1種類が規定されている。
図1191(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA41」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、「大当たりB41」が対応付けて規定されている。「大当たりA41」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B(第2特別図柄の抽選機会が合計4回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。また、「大当たりB41」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態A(第2特別図柄の抽選機会が合計2回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA41」と「大当たりB41」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA41」の方が有利な第2特別図柄の抽選機会を「大当たりB41」よりも2回分多く付与されるため、「大当たりA41」は、「大当たりB41」よりも有利度合いが高い大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA41」および「大当たりB41」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個および95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA41」、「大当たりB41」に当選する割合は、それぞれ5%および95%である。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、比較的低確率(5%の割合)で有利度合いが高い時短状態Bが設定され、比較的高確率(95%の割合)で有利度合いが低い時短状態Aが設定される。なお、これは通常状態に限った話であり、時短状態において「大当たりA41」または「大当たりB41」に当選した(大当たりが開始された)場合は、時短リミット回数に到達していないことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。
また、図1191(c)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC41」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC41」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC41」が決定される。この「大当たりC41」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。ラウンド数は他の大当たりと共通であるが、大当たり終了後の遊技状態が最も有利度合いが高い時短状態Cに設定されるため、全ての大当たり種別の中で最も有利な大当たり種別である。
なお、これらの「大当たりA41」~「大当たりC41」に加えて、本第41制御例では「大当たりD41」も設けられている。この「大当たりD41」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりB41が決定されて当該小当たりB41の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が、基本的に時短状態Bに設定される4ラウンド大当たりである。なお、時短状態において「大当たりD41」に当選した場合は、他の大当たり種別と同様に、時短リミット回数に到達していないことを条件として時短状態Cが設定される。
次に、図1192(a)を参照して、本第41制御例における第2当たり乱数テーブル202ckの詳細について説明する。この第2当たり乱数テーブル202ckは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の当否を判定するために参照されるデータテーブルである。図1192(a)に示した通り、本第41制御例における第2当たり乱数テーブル202ckでは、普通図柄の通常状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0」が対応付けられている。これに対し、普通図柄の時短状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の全範囲(「0~299」の範囲)が対応付けられている。このため、本第41制御例では、普通図柄の通常状態において右打ちを行っても、低確率(1/300の確率)でしか普通図柄の当たりに当選しない一方で、普通図柄の時短状態では、普通図柄の抽選が実行される毎に普通図柄の当たりに当選する。よって、普通図柄の時短状態においては、右打ちを行うことにより容易に第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。
次に、図1192(b)を参照して、本第41制御例における変動パターン選択テーブル202dkの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dkは、上述した第40制御例における変動パターン選択テーブル202dj(図1161(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1192(b)は、この変動パターン選択テーブル202dkの構成を示したブロック図である。
図1192(b)に示した通り、本第41制御例における変動パターン選択テーブル202dkは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202dk1と、時短状態A,Bにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短用テーブル202dk2と、時短状態C(MAXボーナスモード)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照されるMAXボーナス用テーブル202dk3と、で少なくとも構成されている。まず、図1192(c)を参照して、通常用テーブル202dk1の詳細について説明する。
図1192(c)は、本第41制御例における通常用テーブル202dk1の規定内容を示した図である。図1192(c)に示した通り、通常用テーブル202dk1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。
つまり、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が大当たりである場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間あたりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、単位時間あたりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、大当たりに当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「小当たり」が規定されている。
なお、本第41制御例では、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(0.1秒間のショート開放)が設定されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第41制御例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、時短状態(時短状態A~Cのいずれか)において右打ちにより第2特別図柄の保留球を1又は複数獲得した後で、当該保留球を消化する前に時短終了条件が成立して時短状態が終了された場合である。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいて継続して右打ちを行い続けることで第4終了条件が成立した後、および時短状態Cにおいて継続して右打ちを行い続けて保留球を獲得した状態で時短リミット回数に到達して通常状態Bに移行した場合である。これらの場合の第2特別図柄の変動表示期間は、いずれも、冒険者のキャラクタ811が攻撃アイコンを使用して怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される期間であるため、抽選結果によらずに変動時間を20秒間に固定化することにより、演出期間を確実に確保することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1193(a)を参照して、上述した時短用テーブル202dk2の詳細について説明する。図1193(a)は、この時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図である。図1193(a)に示した通り、時短用テーブル202dk2には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を実行可能な時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図1193(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ロング外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ロング当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒の「ロング小当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、第2特別図柄の変動時間を30秒間に固定化することができる。よって、保留チャージ演出(図1184(b)、図1185(b)参照)の演出期間である10秒間と、冒険者のキャラクタ811が怪獣のキャラクタ821に対して攻撃アイコンに対応する攻撃を行う演出の演出期間である20秒間と、を抽選結果によらずに確保することができる。
次に、図1193(b)を参照して、上述したMAXボーナス用テーブル202dk3の詳細について説明する。図1193(b)は、このMAXボーナス用テーブル202dk3の規定内容を示した図である。図1193(b)に示した通り、MAXボーナス用テーブル202dk3には、時短用テーブル202dk2と同様に、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、時短用テーブル202dk2を参照する場合と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で時短状態Cに移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図1193(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短小当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、第2特別図柄の変動時間を5秒間に固定化することができる。変動時間を時短用テーブル202dk2よりも短くしているのは、上述した通り、時短状態Cに設定されている間は、大当たり遊技中であるかのような演出態様(疑似インターバル演出)を設定することにより、大当たりと時短状態Cが時短リミット回数に到達するまで繰り返されている間の期間を、遊技者に対して1の大当たりが継続しているかのように思わせる演出動作としているためである。つまり、変動時間を長くしすぎると、疑似インターバル演出の演出期間が長くなり過ぎてしまい、遊技者に対して不信感を抱かせてしまうと共に時短状態Cにおける遊技が間延びしてしまう虞があるため、5秒間という比較的短い期間を変動時間に設定することで、1回1回の変動時間を短く抑え、疑似インターバル演出の演出期間を最低限としている。一方で、各変動時間を短くしすぎてしまうと、時短リミット回数に到達した時点で保留球が上限個数まで貯まった状態となり難くなってしまい、通常状態Bにおける第2特別図柄の抽選機会が減ってしまう可能性があるため、0.1秒や0.5秒等の極端に短い変動時間を避ける構成としている。これにより、時短状態Cにおいて適切に第2特別図柄の保留球を貯めることを可能としつつ、時短リミット回数に到達するまでの間を1の大当たりと遊技者に思わせ易くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1194(a)を参照して、本第41制御例における時短付与テーブル202ekの詳細について説明する。この時短付与テーブル202ekは、上述した第40制御例における時短付与テーブル202ej(図1162(b)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図1194(a)は、この時短付与テーブル202ekの規定内容を示した図である。
図1194(a)に示した通り、本第41制御例における時短付与テーブル202ekには、大当たり種別毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図1194(a)に示した通り、本第41制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、時短カウンタ203hと、小当たりカウンタ203sと、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、の4つが設けられている。時短カウンタ203hは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態の最後の変動表示の実行中に貯まった第2特別図柄の保留球の個数に対応する終了条件(第4終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。
図1194(a)に示した通り、本第41制御例では、大当たり種別として「大当たりA41」~「大当たりD41」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202ekには、各大当たり種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203tの値、および規定保留球数カウンタ203kaの値(即ち、第1から第4終了条件)が対応付けて規定されている。
図1194(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA41」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「3」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりA41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数3個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定される。この時短状態Bにおいて継続的に右打ちを行い続けた場合、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、時短状態Bに移行した後、1回目の第2特別図柄の変動表示(時短最終変動)の実行中に3個の第2特別図柄の保留球を獲得することで第4終了条件が成立する場合がほとんどであるため、時短状態Bに移行した場合は、ほぼ、4回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。
一方、図1194(a)に示した通り、「大当たりA41」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「大当たりA41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数100回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数65535個が設定されている。つまり、時短状態Cに設定される。時短状態Cでは、大当たり又は実質的に大当たりが確定する小当たりに約1/3の確率で当選するため、時短状態の最終変動まで時短状態が継続する可能性はほぼ無く、第2終了条件、または大当たり当選に基づいて時短状態が終了される。
また、図1194(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりB41」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりB41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数1個が設定されている。つまり、時短状態Aに設定される。この時短状態Aにおいて継続的に右打ちを行い続けた場合、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の変動表示(時短最終変動)の実行中に1個の第2特別図柄の保留球を獲得することで第4終了条件が成立する場合がほとんどであるため、時短状態Bに移行した場合は、ほぼ、2回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。
一方、図1194(a)に示した通り、「大当たりB41」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA41」と同様に、時短状態Cが設定される。
また、図1194(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりC41」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、時短状態において「大当たりA41」や「大当たりB41」に当選した場合と同様に、時短状態Cが設定される。
更に、図1194(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりD41」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「3」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりD41」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数3個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定されて、ほぼ、4回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。
一方、図1194(a)に示した通り、「大当たりD41」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65535」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA41」と同様に、時短状態Cが設定される。
このように、本第41制御例では、通常状態において大当たりに当選した場合に、大当たり種別に応じて、時短状態A~Cのいずれかが設定される一方で、時短状態において大当たりに当選した場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な時短状態Cに設定されるように構成している。これにより、通常状態において直接または小当たり経由で大当たりに当選した場合は、大当たりの種別に注目して遊技を行わせることができる。また、時短状態において大当たりに当選した場合は、最も有利な時短状態Cが確定していることに対して安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、時短状態Cにおいて大当たりに当選したとしても、時短リミット回数に到達していれば、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。
ここで、本第41制御例においては、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には大当たり図柄の停止表示時の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態として判断する一方で、特別図柄の抽選結果が小当たりとなって特定領域650e3を遊技球が通過したことに基づいて大当たりに当選した場合には、特定領域650e3を通過した時点の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態として判断する構成としている。そして、上述した通り、時短状態Aや時短状態Bにおいては、通常の遊技方法(継続的に右打ちを行い続ける遊技方法)を行っている限り、ほぼ、1回目の第2特別図柄の変動表示の実行中に第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、1回目の第2特別図柄の変動停止タイミングよりも前に時短状態が終了されていることとなるため、1回目の特別図柄の抽選結果が大当たりであっても小当たりであっても、大当たり当選時の遊技状態を通常状態として取り扱うことができる。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいて、最初の第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合と、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れとなり、通常状態に移行してから実行された第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合とで、有利度合いを共通とすることができる。つまり、最初の第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりになったとしても、時短状態における大当たりとはならない(時短状態Cへの移行が確定しない)ため、時短状態において実行される1回目の第2特別図柄の抽選と、通常状態に移行した後で実行される2回目移行の第2特別図柄の抽選とで、同等の期待感を遊技者に対して抱かせることができる。よって、1回目の第2特別図柄の抽選が外れとなった場合でも、遊技者に対して過剰な失望感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
なお、時短状態Aや時短状態Bにおいて第4終了条件が成立しないように遊技を行った(保留球数が規定個数未満となるように遊技を行った)場合は、時短状態において開始された1回目の第2特別図柄の変動停止タイミングまで時短状態を継続させることができるが、この遊技方法の場合、実質的な大当たり確率が極めて高い(約1/3の確率)第2特別図柄の抽選機会を1回以上損してしまうこととなる。また、小当たり開始時には第2終了条件が成立してしまうため、特定領域650e3を遊技球が通過するよりも前に通常状態に移行済みとなるため、時短状態のまま大当たりを開始させることができるのは、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合のみとなる。更に、この場合、時短状態中の大当たりとして取り扱われ、時短リミット回数に対する残回数が1減算されるため、通常の遊技方法で時短状態Cに移行する場合に比較して、時短状態Cの設定回数が1回少なくなり、結果的に大当たり回数を1回損する結果となる。このため、リスクが大きい(第2特別図柄の抽選回数を1回以上損する)割にリターンが少ない(時短状態Cに設定されるが、通常よりも大当たり回数が1回分少なくなる)結果となるため、第4終了条件が成立しないように遊技を行う変則的な遊技方法を実行しようと遊技者に思わせ難くすることができる。よって、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図1194(b)を参照して、本第41制御例における小当たり種別選択テーブル202fkの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202fkは、上述した第40制御例における小当たり種別選択テーブル202fj(図1163(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1194(b)は、この小当たり種別選択テーブル202fkの規定内容を示した図である。図1194(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~53」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA41」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「54~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB41」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA41」も、「小当たりB41」も、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA41」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC41に当選する一方で、「小当たりB41」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD41に当選するように構成されている。大当たりC41は、上述した通り、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別であり、大当たりD41は、通常状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される一方で、時短状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。また、いずれの大当たりも、大当たりのラウンド数が4ラウンドである。よって、大当たりC41の方が大当たりB41よりも有利度合いが高くなるので、小当たりA41の方が、小当たりB41よりも有利度合いが高い小当たり種別となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA41」および「小当たりB41」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ54個および46個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA41」および「小当たりB41」が決定される割合は、それぞれ54%(54/100)および46%(46/100)である。
次に、図1190(b)を参照して、本第41制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1190(b)は、本第41制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1190(b)に示した通り、本第41制御例におけるRAM203は、上述した第40制御例におけるRAM203の構成(図1159(b)参照)に対して、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、時短リミットカウンタ203kbと、減算待機フラグ203kcと、当選時状態格納エリア203kdと、が追加されている点で相違している。また、普電作動カウンタ203jaが削除されている点でも相違している。
特図2カウンタ203tは、時短状態中に実行される第2特別図柄の変動回数が規定回数に到達したか否かを判別するために用いられるカウンタである。この特図2カウンタ203tは、初期値が0に設定されており、大当たり終了時に、大当たり種別に応じたカウンタ値が設定される。また、この特図2カウンタ203tは、時短状態において第2特別図柄の変動停止タイミングとなる毎に、カウンタ値が1ずつ減算して更新され(図1199のS634A参照)、値が0に更新されることで時短状態の第3終了条件が成立したと判定され、遊技状態が通常状態に設定される(図1199のS637A参照)。
規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態における最終変動において第2特別図柄の保留球数が規定個数に到達したか否かを判別するために用いられるカウンタである。この規定保留球数カウンタ203kaは、初期値が0に設定されており、大当たり終了時に、大当たり種別に応じたカウンタ値が設定される。時短状態の最終変動では、新たな第2特別図柄の始動入賞を検出する毎に、第2特別図柄の保留球数が規定保留球数カウンタ203kaの値以上となったか否か判別し(図1202のS852A参照)、第2特別図柄の保留球数が規定保留球数カウンタ203kaの値以上となった場合に、第4終了条件が成立したと判定され、遊技状態が通常状態に設定される(図1202のS853A参照)。
時短リミットカウンタ203kbは、時短リミット回数に到達したか否かを判別するために用いられるカウンタである。この時短リミットカウンタ203kbは、初期値が0に設定されており、通常状態において大当たりに当選し、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定された場合に値が3に設定される。また、この時短リミットカウンタ203kbは、時短状態において大当たりに当選する毎に値が1ずつ減算して更新され(図1206のS2409A参照)、値が0に更新された場合に、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。これにより、時短状態の連続回数を固定回数に制限することができる。
減算待機フラグ203kcは、小当たり当選時に、小当たりカウンタ203sの減算を待機させたか否かを示すフラグである。この減算待機フラグ203kcがオンであれば、小当たりカウンタ203sの減算を待機させた(小当たり当選タイミングでは小当たりカウンタ203kcを減算しなかった)ことを意味し、オフであれば、減算を待機させていないことを意味する。この減算待機フラグ203kcは、小当たり当選時の状態が時短状態C(MAXボーナスモード)である場合にオンに設定される(図1200のS712A参照)。小当たり遊技中に特定領域650e3への遊技球の入球を検出した場合は、この減算待機フラグ203kcの状態がオンである場合に、待機させていた小当たりカウンタ203sの減算処理を実行するように構成されている(図1204のS1413A参照)。このように構成することで、時短状態Cにおいて小当たりに当選しても、小当たり開始時でなく特定領域650e3への遊技球の入球後に小当たりカウンタ203sを減算することができるので、特定領域650e3への遊技球の入球時の遊技状態を、確実に、時短状態とすることができる。
当選時状態格納エリア203kdは、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを格納するための記憶領域である。この当選時状態格納エリア203kdには、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、大当たり図柄の停止タイミングにおける遊技状態を示すデータが格納される。また、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、小当たり遊技において特定領域650e3へと遊技球が入球したタイミングにおける遊技状態を示すデータが格納される(図1204のS1411A参照)。大当たり終了時には、この当選時状態格納エリア203kdに格納されたデータと、大当たり種別と、に応じた遊技状態(時短終了条件)が時短付与テーブル202ek(図1194(a)参照)から読み出されて設定される。
次に、図1195(a)を参照して、本第41制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図1195(a)は、本第41制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図1195(a)に示した通り、本第41制御例におけるROM222は、上述した第40制御例におけるROM222の構成(図1164(a)参照)に対して、攻撃アイコン選択テーブル222kaが追加されている点、および待機演出選択テーブル222jaが削除されている点で相違している。
攻撃アイコン選択テーブル222kaは、時短状態A、時短状態B、および通常状態Bにおいて、実行されるバトル演出において獲得する攻撃アイコンの種別を選択するために参照されるデータテーブルである。この攻撃アイコン選択テーブル222kaの詳細について、図1195(b)を参照して説明する。
図1195(b)は、この攻撃アイコン選択テーブル222kaの規定内容を示した図である。図1195(b)に示した通り、この攻撃アイコン選択テーブル222kaは、第2特別図柄の抽選結果毎に、第1演出カウンタ223f1の値の範囲と、攻撃アイコンの種別とが、対応付けて規定されている。より具体的には、図1195(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりA41である場合に、第1演出カウンタ223f1の値が「0~19」の範囲に対して、「必殺技」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「20~89」の範囲に対して、「斬撃」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「90~99」の範囲に対して、「蹴り」アイコンが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が大当たり又は小当たりA41である場合(即ち、有利な時短状態Cへと移行する場合)は、比較的高い割合で「斬撃」アイコンが選択され、低い割合で「蹴り」アイコンが選択される。
また、図1195(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が小当たりB41である場合(有利度合いが時短状態Cよりも低い時短状態Bへと移行する場合)に、第1演出カウンタ223f1の値が「0~4」の範囲に対して、「必殺技」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「5~49」の範囲に対して、「斬撃」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~84」の範囲に対して、「蹴り」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「85~99」の範囲に対して、「パンチ」アイコンが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が小当たりB41である場合(即ち、有利度合いが比較的低い時短状態Bへと移行する場合)は、時短状態Cへと移行する場合よりも、「必殺技」アイコンや「斬撃」アイコンの選択割合が低くなると共に、「蹴り」アイコンの選択割合が高くなる。また、時短状態Cに移行する場合には選択されない「パンチ」アイコンの選択割合が15%に設定されている。
また、図1195(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が外れである場合に、第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、「斬撃」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「10~49」の範囲に対して、「蹴り」アイコンが対応付けて規定され、第1演出カウンタ223f1の値が「50~99」の範囲に対して、「パンチ」アイコンが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が外れである場合は、「必殺技」アイコンが選択されなくなる。つまり、「必殺技」アイコンは、出現した時点で大当たり又は小当たりが確定する。また、大当たりまたは小当たりに当選する場合よりも、「パンチ」アイコンの選択割合が大幅に上昇する。
このように、第2特別図柄の抽選結果に応じて、攻撃アイコンの種別毎の選択比率を異ならせる構成としているため、時短状態Aや時短状態Bにおいて第2入球口640への始動入賞を検出する毎に、表示される攻撃アイコンの種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1196を参照して、本第41制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1196は、本第41制御例におけるRAM223の構成を示すブロック図である。図1196に示した通り、本第41制御例におけるRAM223は、上述した第40制御例におけるRAM223の構成(図1164(b)参照)に対して、アイコン情報格納エリア223kaと、残当たり回数カウンタ223kbと、が追加されている点、および待機演出フラグ223ja、待機演出回数カウンタ223jb、待機期間タイマ223jcが削除されている点で相違している。
アイコン情報格納エリア223kaは、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図1195(b)参照)を参照して選択した攻撃アイコンの種別を示すデータを格納しておくための記憶領域である。時短状態Aや時短状態B、通常状態Bにおいては、このアイコン情報格納エリア223kaに格納されているデータを参照して、第2特別図柄の保留球が0になるまで(または大当たり当選まで)のそれぞれの第2特別図柄の変動表示演出において冒険者のキャラクタ811に対して行わせる攻撃の内容を設定する(図1211のS4424A参照)。これにより、保留チャージ演出(図1184(b)、図1185(b)参照)において獲得された攻撃アイコンの種別と異なる内容の攻撃を行う演出を設定してしまうことを防止することができるので、より好適な演出態様を実現することができる。
残当たり回数カウンタ223kbは、時短状態Cへと移行した場合において、時短リミット回数に到達するまでの残りの大当たり回数を示すカウンタである。この残当たり回数カウンタ223kbは、初期値が0に設定されており、時短状態Cへと移行する大当たりに当選した場合に値が4に設定される(図1209のS3623A参照)。また、この残値回数カウンタ223kbは、大当たりのエンディング期間となる毎に値が1ずつ減算して更新される。本第41制御例では、この残当たり回数カウンタ223kbの値を参照して、時短リミット回数に到達するまでの各大当たりにおける各ラウンド数の表示を、1の大当たり遊技が継続しているかのような表示に設定している。
<第41制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1197から図1206を参照して、本第41制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1197を参照して、本第41制御例における特別図柄判定処理41(S231A)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理41(S231A)は、上述した第40制御例における特別図柄判定処理40(図1167参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄判定処理40(図1167参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。
この第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第40制御例における特別図柄判定処理40(図1167参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)では、S303の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるかを判別し(S321A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S321A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S322A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄としてセットして(S323A)、本処理を終了する。一方、S321Aの処理において、今回の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S321A:No)、S322A,S323Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図1198を参照して、本第41制御例における特別図柄変動パターン選択処理41(S232A)の詳細について説明する。この特別図柄変動パターン選択処理41(S232A)は、上述した第40制御例における特別図柄変動パターン選択処理40(図1169参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動パターン選択処理40(図1169参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。図1198は、この特別図柄変動パターン選択処理41(S232A)を示すフローチャートである。
この第41制御例における特別図柄変動パターン選択処理41(図1198参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ上述した第40制御例における特別図柄変動パターン選択処理40(図1169参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における特別図柄変動パターン選択処理41(図1198参照)では、S401の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S431A)、小当たりであると判別した場合は(S431A:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fk(図1194(b)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S432A)、処理をS403へと移行する。これに対し、S431Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S431A:No)、S432Aの処理をスキップして、処理をS403へと移行する。
次に、図1199を参照して、本第41制御例における時短更新処理41(S233A)の詳細について説明する。この時短更新処理41(S233A)は、上述した第40制御例における時短更新処理40(図1171参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理40(図1171参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。
この第41制御例における時短更新処理41(図1199参照)のうち、S601~S605、およびS607の各処理では、それぞれ上述した第40制御例における時短更新処理40(図1171参照)のS601~S605、およびS607の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における時短更新処理41(図1199参照)では、S605の処理が終了すると、特図2カウンタ203t、小当たりカウンタ203s、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットして(S631A)、処理をS607へと移行する。このS631Aの処理は、時短終了条件を判定するための各種カウンタとして、第40制御例に対して、普電作動カウンタ203kaが削除され、特図2カウンタ203tと規定保留球数カウンタ203kaとが追加されていることに伴う変更である。
また、本第41制御例における時短更新処理41(図1199参照)では、S604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合に(S604:No)、次いで、小当たりの当選回数に基づく時短終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別するための小当たり時短更新処理41を実行する(S632A)。この小当たり時短更新処理41(S632A)の詳細については、図1200を参照して後述する。S632Aの処理が終了すると、次いで、今回停止表示を設定した特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判別し(S633A)、第2特別図柄の変動表示ではない(第1特別図柄の変動表示である)と判別した場合は(S633A:No)、時短終了条件が成立する可能性がないため、そのまま本処理を終了する。一方、S633Aの処理において、第2特別図柄の変動表示であると判別した場合は(S633A:Yes)、特図2カウンタ203tのカウンタ値を1減算して更新し(S634A)、減算後の特図2カウンタ203tのカウンタ値を示す残時短回数コマンドを設定する(S635A)。
S635Aの処理が終了すると、次いで、減算後の特図2カウンタ203tの値が0であるか否かを判別し(S636A)、減算後の特図2カウンタ203tの値が0であると判別した場合は(S636A:Yes)、時短状態を終了させて通常状態に設定するためのS637A~S639Aの各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S637A)、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S638A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S639A)、本処理を終了する。これに対して、S636Aの処理において、減算後の特図2カウンタ203tの値が0ではないと判別した場合は(S636A:No)、時短状態が継続することを意味するため、S637A~S639Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図1200を参照して、上述した小当たり時短更新処理41(S632A)の詳細について説明する。図1200は、この小当たり時短更新処理41(S632A)を示すフローチャートである。この小当たり時短更新処理41(S632)が実行されると、まず、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S701)、小当たりではないと判別した場合は(S701:No)、小当たり当選回数に基づく時短終了条件(第2終了条件)が成立し得ないため、そのまま本処理を終了する。一方、S701の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S701:Yes)、次いで、現在の状態がMAXボーナスモード(時短状態C)であるか否かを判別する(S711A)。
S711Aの処理において、現在の状態がMAXボーナスモード(時短状態C)であると判別した場合は(S711A:Yes)、減算待機フラグ203kcをオンに設定することで小当たりカウンタ203sの減算を待機(遅延)させ(S712A)、本処理を終了する。時短状態Cにおいて、小当たりカウンタ203sの減算を待機させることで、V入賞(特定領域650e3への遊技球の入球)の発生タイミングまで時短状態を継続させることができる。つまり、時短状態Cにおいて小当たりに当選し、当該小当たり遊技中にV入賞が発生して大当たりに当選した場合に、当該大当たりの当選時の遊技状態を時短状態とすることができる。つまり、時短状態Cにおいて大当たりに当選した場合に、大当たり種別によらず、時短状態Cが設定されるように構成することができる。よって、時短状態Cに一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状況を確実に成立させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、S711Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモード(時短状態C)ではないと判別した場合は(S711A:No)、小当たりカウンタ203sのカウンタ値を1減算して更新し(S702)、減算後のカウンタ値が0になったか否かを判別する(S703)。S703の処理において、小当たりカウンタ203sの値が0に更新されたと判別した場合は(S703:Yes)、時短状態を終了させて通常状態に設定するためのS704,S713A、およびS706の各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S704)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S713A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S706)、本処理を終了する。これに対して、S703の処理において、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0ではないと判別した場合は(S703:No)、時短状態が継続することを意味するため、S704,S713A、およびS706の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図1201を参照して、始動入賞処理41(S112A)の詳細について説明する。この始動入賞処理41(S112A)は、上述した第40制御例(および第32制御例)における始動入賞処理(図970参照)に代えて実行される処理であり、始動入賞処理(図970参照)と同様に、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに遊技球が入球(始動入賞)したか場合に、入球に応じて取得された各カウンタ値を、入球を検出した入球口の種別に応じた記憶領域(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納するための処理である。図1201は、この始動入賞処理41(S112A)を示すフローチャートである。
この第41制御例における始動入賞処理41(図1201参照)のうち、S801~S809、およびS811~S813の各処理では、それぞれ上述した第40制御例(および第32制御例)における始動入賞処理(図970参照)のS801~S809、およびS811~S813の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における始動入賞処理41(図1201参照)では、S809の処理が終了すると、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4より小さい値であるか否かを判別し(S821A)、4より小さい値でない(即ち、上限値の4である)と判別した場合は(S821A:No)、そのまま本処理を終了する。一方で、S821Aの処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が4より小さい値であると判別した場合は(S821A:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算して更新し(S811)、次いで、更新後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が時短終了条件(第4終了条件)を満たすか否かを判定するための保留球数判別処理を実行して(S822A)、処理をS812へと移行する。この保留球数判別処理(S822A)の詳細については、図1202を参照して後述する。
このように、本第41制御例では、第2特別図柄の保留球数の上限個数を、第1特別図柄と同様に、4個に設定する構成としている。これにより、時短状態が終了されて通常状態へと戻る際の第2特別図柄の残保留球数にバリエーションを持たせることができるので、時短状態の種別に応じて実質的な第2特別図柄の抽選機会を異ならせ、大当たりとなる可能性も異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1202を参照して、上述した保留球数判別処理(S822A)の詳細について説明する。図1202は、保留球数判別処理(S822A)を示すフローチャートである。保留球数判別処理(S822A)では、まず、特図2カウンタ203tの値が1であるか否かを判別し(S851A)、特図2カウンタ203tの値が1ではないと判別した場合は(S851A:No)、時短状態における最終変動ではないことを意味し、保留球数によらず時短状態が終了され得ない(または、そもそも時短状態ではない)ことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S851Aの処理において、特図2カウンタ203tの値が1であると判別した場合は(S851:Yes)、次いで、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が、規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値以上の値であるか否かを判別し(S852A)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値未満の値であれば(S852A:No)、時短状態の終了条件(第4終了条件)が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。これに対して、S852Aの処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値以上であると判別した場合は(S852A:Yes)、第4終了条件が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS852A~S855Aの各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S853A)、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S854A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S855A)、本処理を終了する。
この保留球数判別処理(図1202参照)を実行することにより、時短状態の最終変動において保留球数が規定個数に到達したことに基づいて時短状態を終了させることができる。よって、時短状態Aと、時短状態Bとで、時短回数が同一(第2特別図柄の抽選回数1回)であるにもかかわらず、実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができる。即ち、時短状態Aでは、時短状態に移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化するまでに、第2特別図柄の抽選を最大でも2回しか実行させることができない一方で、時短状態Bでは、時短状態に移行してから第2特別図柄の保留球を全て消化するまでに、第2特別図柄の抽選を最大4回実行させることが可能となるので、時短状態の種別毎の有利度合いを大きく異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1203を参照して、本第41制御例における普通図柄変動処理41(S113A)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理41(S113A)は、上述した第40制御例における普通図柄変動処理40(図1172参照)と同様に、普通図柄の抽選を実行すると共に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aの開閉制御を設定するための処理である。図1203は、この普通図柄変動処理41(S113A)を示すフローチャートである。
この第41制御例における普通図柄変動処理41(図1203参照)のうち、S1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理では、それぞれ上述した第40制御例における普通図柄変動処理40(図1172参照)のS1101~S1108,S1111,S1113,S1115~S1117、およびS1121の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における普通図柄変動処理41(図1203参照)では、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合に(S1108:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202ck(図1192(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1109)、S1111の処理へと移行する。一方、S1108の処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S1108:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202ck(図1192(a)参照)を参照して普通図柄の抽選結果を取得し(S1110)、S1111の処理へと移行する。また、本第41制御例における普通図柄変動処理41(図1203参照)では、S1111の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合に(S1111:Yes)、普通図柄の当たり用の第2図柄表示装置84の表示態様を設定して(S1112)、処理をS1131Aへと移行する。S1131Aの処理では、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S1131A)、時短状態であると判別した場合は(S1131A:Yes)、普通図柄の変動時間を1秒間に設定して(S1132A)、本処理を終了する。これに対し、S1131Aの処理において、時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S1131A:No)、普通図柄の変動時間を10秒間に設定して(S1133A)、本処理を終了する。
また、本第41制御例における普通図柄変動処理41(図1203参照)では、S1117の処理において、今回の普通図柄の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合に(S1117:Yes)、次いで、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S1134A)、時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S1134A:No)、電動役物640aの開放パターン(変位パターン)を、第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な0.1秒間×1回のみ開放される開放パターン(変位パターン)に設定して(S1135A)、処理をS1121へと移行する。一方で、S1134Aの処理において、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S1134A:Yes)、電動役物640aの開放パターン(変位パターン)を、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な2秒間×1回の開放パターン(変位パターン)に設定して(S1136A)、処理をS1121へと移行する。
このように、本第41制御例では、時短状態(普通図柄の高確率状態)において、通常状態(普通図柄の低確率状態)よりも、普通図柄の変動時間が短くなると共に、普通図柄の当たり時の電動役物640aの開放時間が長くなるように構成している。即ち、時短状態では、普通図柄の当たり確率が上昇し、変動短縮機能が作動し、開放延長機能が作動するように構成している。これにより、時短状態において、より効率良く第2入球口640へと遊技球を入球させることができる。
次に、図1204を参照して、本第41制御例におけるV通過処理41(S114A)の詳細について説明する。このV通過処理41(S114A)は、上述した第40制御例(および第32制御例)におけるV通過処理(図975参照)に代えて実行される処理であり、V通過処理(図975参照)と同様に、V入賞装置650のV入賞スイッチ(特定領域)650e3に対する遊技球の通過を監視して、遊技球の通過を検出した場合に対応する制御を行うための処理である。
この第41制御例におけるV通過処理41(図1204参照)のうち、S1401~S1407、およびS1409の各処理では、それぞれ上述した第40制御例(および第32制御例)におけるV通過処理(図975参照)のS1401~S1407、およびS1409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例におけるV通過処理41(図1204参照)では、S1407の処理が終了すると、次いで、現在の遊技状態を示すデータを当選時状態格納エリア203kdに格納し(S1411A)、減算待機フラグ203kcがオンであるか否かを判別する(S1412A)。S1412Aの処理において、減算待機フラグ203kcがオフであると判別した場合は(S1412A:No)、小当たり開始時に既に小当たりカウンタ203sを更新済みであり、これ以上小当たりカウンタ203sの値を更新する必要がないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S1412Aの処理において、減算待機フラグ203kcがオンであると判別した場合は(S1412A:Yes)、時短状態Cにおいて小当たりに当選したことにより、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sの更新を待機(遅延)させていたことを意味するため、小当たりカウンタ203sの値を1減算して更新し(S1413A)、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0になったか否かを判別する(S1414A)。S1414Aの処理において、小当たりカウンタ203sの値が0になったと判別した場合は(S1414A:Yes)、小当たり遊技の実行回数が規定回数に到達して第2終了条件が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS1415A~S1417Aの各処理を実行する。具体的には、遊技状態格納エリア203gに対して通常状態を示すデータを格納することで遊技状態を通常状態に設定し(S1415A)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの値を全て0にリセットすることで時短終了条件をクリアする(S1416A)。次に、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S1417A)、本処理を終了する。一方で、S1414Aの処理において、減算後の小当たりカウンタ203sの値が0ではないと判別した場合は(S1414A:No)、第2終了条件が成立していないことを意味するため、時短状態を終了させるためのS1415A~S1417Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
このV通過処理41(図1204参照)を実行することにより、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合に、小当たり開始時に待機させておいた小当たりカウンタ203sの更新処理を、V入賞(特定領域650e3への入球)が発生した後で実行することができる。つまり、大当たり当選時の遊技状態を示すデータとして、時短状態に対応するデータを当選時状態格納エリア203kdに格納した後で、時短状態を終了させることができるので、大当たり終了後の遊技状態を設定する際に、時短状態中に大当たり当選した場合の遊技状態を設定することができる。つまり、大当たり種別によらず、時短状態Cを設定することができるので、時短状態Cに移行した場合に、時短リミット回数に到達するまで時短状態Cと大当たりとを確実に繰り返させることができる。よって、時短状態Cへと移行した場合に、1の16ラウンド大当たりに当選したかのように遊技者に思わせることができるので、メリハリのついた遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1205を参照して、本第41制御例における大当たり制御処理41(S1821A)の詳細について説明する。この大当たり制御処理41(S1821A)は、上述した第40制御例(および第32制御例)における大当たり制御処理(図979参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理(図979参照)と同様に、大当たり遊技の実行中における各種制御を行うための処理である。
この第41制御例における大当たり制御処理41(図1205参照)のうち、S1901~S1913の各処理では、それぞれ上述した第40制御例(および第32制御例)における大当たり制御処理(図979参照)のS1901~S1913の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における大当たり制御処理41(図1205参照)では、S1913の処理において、エンディング期間の終了タイミングであると判別した場合は(S1913:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了時処理41を実行して(S1921A)、本処理を終了する。この大当たり終了時処理41(S1921A)の詳細について、図1206を参照して説明する。
図1206は、大当たり終了時処理41(S1921A)を示すフローチャートである。大当たり終了時処理41(S1921A)では、まず、時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S2401A)、時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値が0より大きい値であると判別した場合は(S2401A:Yes)、次いで、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータが通常状態に対応するデータであるか否かを判別する(S2402A)。S2402Aの処理において、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータが通常状態に対応するデータであると判別した場合は(S2402A:Yes)、時短リミットカウンタ203kbの値を0クリアして(S2403A)、処理をS2404Aへと移行する。一方で、S2401Aの処理において、時短リミットカウンタ203kbの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S2401A:No)、S2402A,S2403Aの各処理をスキップして、処理をS2404Aへと移行する。
S2404Aの処理では、実行中の大当たり種別を読み出して(S2404A)、読み出した大当たり種別と、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータに対応する遊技状態と、に応じた時短終了条件を時短付与テーブル202ek(図1194(a)参照)に規定されているデータの中から特定し(S2405A)、特定した時短終了条件(各種カウンタ値)を時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaのそれぞれに対して設定する(S2406A)。S2406Aの処理が終了すると、時短状態を設定したか否かを判別し(S2407A)、時短状態を設定したと判別した場合は(S2407A:Yes)、時短リミットカウンタ203kbの値に3を設定して(S2408A)、処理をS2414Aへと移行する。一方で、S2407Aの処理において、時短状態を設定していないと判別した場合は(S2407A:No)、S2408Aの処理をスキップして、処理をS2414Aへと移行する。
これらに対し、S2402Aの処理において、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータが通常状態に対応するデータではない(時短状態に対応するデータである)と判別した場合は(S2402A:No)、時短リミットカウンタ203kbの値を1減算して更新し(S2409A)、減算後の時短リミットカウンタ203kbの値が0になったか否かを判別する(S2410A)。S2410Aの処理において、減算後の時短リミットカウンタ203kbの値が0ではないと判別した場合は(S2410A:No)、実行中の大当たり種別を読み出して(S2411A)、読み出した大当たり種別と、当選時状態格納エリア203kdに格納されているデータに対応する遊技状態と、に応じた時短終了条件を時短付与テーブル202ek(図1194(a)参照)に規定されているデータの中から特定する(S2412A)。次いで、特定した時短終了条件(各種カウンタ値)を時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaのそれぞれに対して設定し(S2413A)、処理をS2414Aへと移行する。
S2414Aの処理では、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、特図2カウンタ203t、および規定保留球数カウンタ203kaの各地を示す時短設定情報コマンドを設定し(S2414A)、次いで、大当たり終了後の状態に対応する状態コマンドを設定する(S2415A)。そして、大当たりの終了を設定し(S2416A)、大当たり中フラグ203kをオフに設定して(S2417A)、本処理を終了する。
この大当たり終了時処理41(図1206参照)を実行することにより、時短リミット回数を加味して大当たり終了後の遊技状態を好適に設定することができる。
<第41制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1207から図1211を参照して、本第41制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1207を参照して、本第41制御例におけるコマンド判定処理41(S3121A)の詳細について説明する。このコマンド判定処理41(S3121A)は、上述した第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)に代えて実行される処理であり、コマンド判定処理40(図1174参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第41制御例におけるコマンド判定処理41(図1207参照)のうち、S3201~S3209,S3211,S3213,S3218、およびS3231Aの各処理では、それぞれ上述した第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)のS3201~S3209,S3211,S3213,S3218、およびS3231Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第41制御例におけるコマンド判定処理41(図1207参照)では、S3209の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞情報コマンドが含まれていると判別した場合に(S3209:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された先読み結果に応じた制御を行うための入賞情報コマンド処理41を実行して(S3241A)、処理をS3218へと移行する。この入賞情報コマンド処理41(S3241A)の詳細については、図1208を参照して後述する。
また、本第41制御例におけるコマンド判定処理41(図1207参照)では、S3213の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に当たり関連のコマンドが含まれていると判別した場合に(S3213:Yes)、第40制御例における当たり関連処理40(S3232A)に代えて、当たり関連処理41を実行して(S3242A)、処理をS3218へと移行する。なお、図示については省略したが、この当たり関連処理41(S3242A)では、第40制御例における当たり関連処理(S3232A)に対して、大当たり関連処理40(図1177参照)に代えて大当たり関連処理41(S3511A)が実行される点でのみ相違している。この大当たり関連処理41(S3511A)の詳細については、図1209を参照して後述する。
次に、図1208を参照して、上述した入賞情報コマンド処理41(S3241A)の詳細について説明する。図1208は、この入賞情報コマンド処理41(S3241A)を示すフローチャートである。入賞情報コマンド処理41(S3241A)では、まず、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドにより通知された入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納し(S5801A)、次いで、現在の遊技状態が時短モード(時短状態A)、またはチャンスモード(時短状態B)であるか否かを従遊技状態格納エリア223gのデータを参照して判別する(S5802A)。S5802Aの処理において、時短モード(時短状態A)またはチャンスモード(時短状態B)であると判別した場合は(S5802A:Yes)、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図1195(b)参照)を読み出して(S5803A)、読み出した攻撃アイコン選択テーブル222kaから、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に対応する抽選結果と、第1演出カウンタ223f1のカウンタ値と、に応じた攻撃アイコン種別を決定する(S5804A)。そして、決定した攻撃アイコンの種別を報知する(攻撃アイコン表示領域AI1~AI4のいずれかに表示させる)報知演出の実行を設定し(S5805A)、決定した攻撃アイコンの種別に応じてアイコン情報格納エリア223kaの情報を更新し(S5806A)、本処理を終了する。
一方、S5802Aの処理において、現在の遊技状態が時短モードでもチャンスモードでもないと判別した場合は(S5802A:No)、今回受信した入賞情報コマンドが、第1特別図柄の始動入賞に基づく入賞情報コマンドであるか否かを判別し(S5807A)、第1特別図柄の始動入賞に基づく入賞情報コマンドであると判別した場合は(S5807:Yes)、次に、現在の遊技状態が通常モード(通常状態、且つ、第2特別図柄の保留球無し)であるか否かを判別し(S5808A)、通常モードであると判別した場合は(S5808A:Yes)、先読み演出の実行可否の抽選を行う(S5809A)。次いで、抽選結果に応じた表示態様の保留球数図柄の表示を設定して(S5810A)、本処理を終了する。一方、S5807Aの処理において、第1特別図柄の始動入賞を検出したと判別した場合(S5807A:No)、およびS5808Aの処理において、通常モードではないと判別した場合は(S5808A:No)、先読み演出の実行可否の抽選を行わずに、そのまま本処理を終了する。これにより、時短状態Aや時短状態Bにおいて獲得した第2特別図柄の残保留を消化している間は、第1特別図柄の始動入賞を検出したとしても、先読み演出を設定せずに、第2特別図柄の残保留に基づくバトル演出に注目させることができる。また、時短状態Cにおいて、疑似インターバル演出の実行中に先読み演出が実行されてしまい、大当たりのインターバル遊技中ではないと遊技者に察知されてしまうことを抑制することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1209を参照して、本第41制御例における大当たり関連処理41(S3511A)の詳細について説明する。この大当たり関連処理41(S3511A)は、上述した第40制御例における大当たり関連処理40(図1177参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理40(図1177参照)と同様に、主制御装置110から大当たり関連のコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図1209は、この大当たり関連処理41(S3511A)を示すフローチャートである。
この第41制御例における大当たり関連処理41(図1209参照)のうち、S3603,S3605,S3606,S3610、およびS3614の各処理では、それぞれ上述した第40制御例における大当たり関連処理(図1177参照)のS3603,S3605,S3606,S3610、およびS3614の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における大当たり関連処理41(図1209参照)では、S3603の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S3603:Yes)、大当たり種別と残当たり回数カウンタ223kbの値とに応じたオープニング演出を決定する(S3621A)。即ち、S3621Aの処理では、残当たり回数カウンタ223kbの値が0であれば、大当たり種別が大当たりC41である場合にMAXボーナスの開始を示すオープニング演出を決定する一方で、大当たりC41以外の大当たり種別であれば、4ラウンド大当たり用のオープニング演出を決定する。また、残当たり回数カウンタ223kbの値が1以上である場合は、MAXボーナスモード中の大当たりであることを意味し、複数回の大当たりで1の大当たりに見せる演出を実行中であることを意味するため、大当たり当選前の時短状態Cから引き続いて疑似インターバル演出が継続する演出態様のオープニング演出を決定する。
S3621Aの処理が終了すると、決定した演出態様に対応する表示用オープングコマンドを設定し(S3622A)、今回の大当たりがMAXボーナスモードにおける初回の大当たりであるか否かを判別する(S3623A)。S3623Aの処理において、MAXボーナスモードの初回の大当たりであると判別した場合は(S3623A:Yes)、残当たり回数カウンタ223kbに4を設定して(S3624A)、処理をS3614へと移行する。一方、S3623Aの処理において、今回の大当たりがMAXボーナスモードの初回の大当たりではないと判別した場合は(S3623A:No)、S3624Aの処理をスキップして、処理をS3614へと移行する。
また、本第41制御例における大当たり関連処理41(図1209参照)では、S3606の処理が終了すると、S3606の処理で抽出したラウンド数と、残当たり回数カウンタ223kbの値とに応じたラウンド数を示す表示用ラウンド数コマンドを設定して(S3625A)、処理をS3614Aへと移行する。S3625Aの処理では、残当たり回数カウンタ223kbの値が0又は4である場合に、実際のラウンド数を設定し、残当たり回数カウンタ223kbの値が3である場合に、実際のラウンド数よりも4ラウンド分多いラウンド数を設定し、残当たり回数カウンタ223kbの値が2である場合に、実際のラウンド数よりも8ラウンド分多いラウンド数を設定し、残当たり回数カウンタ223kbの値が1である場合に、実際のラウンド数よりも12ラウンド分多いラウンド数を設定するように構成されている。これにより、MAXボーナスモードにおける4回の大当たりにおいて、ラウンド数をリセットせずに前回の大当たりからラウンド数を引き継いで表示させることができるので、MAXボーナスモードに移行してから時短リミット回数に到達するまでの間において、1の16ラウンド大当たりが継続しているかのように遊技者に思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第41制御例における大当たり関連処理41(図1209参照)では、S3610の処理において、主制御装置110からエンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S3610:Yes)、エンディング演出を設定するためのエンディングコマンド処理41を実行して(S3626A)、処理をS3614へと移行する。このエンディングコマンド処理41(S3626A)の詳細について、図1210を参照して説明する。
図1210は、上述したエンディングコマンド処理41(S3626A)を示すフローチャートである。図1210に示した通り、本第41制御例におけるエンディングコマンド処理41(S3626A)では、まず、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5901A)、残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S5901A:No)、MAXボーナスモード中の大当たりではないことを意味するため、当たり種別に応じたエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定して(S5902A)、本処理を終了する。
一方、S5901Aの処理において、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値(1以上の値)であると判別した場合は(S5901A:Yes)、残当たり回数カウンタ223kbの値を1減算して更新し(S5903A)、減算後のカウンタ値が0になったか否かを判別する(S5904A)。S5904Aの処理において、減算後の残当たり回数カウンタ223kbの値が0に更新されていないと判別した場合は(S5904A:No)、大当たり終了後もMAXボーナスモードが継続することを意味するため、エンディング演出として、疑似インターバル演出が実行されるエンディング演出の開始を設定して(S5905A)、本処理を終了する。
これに対し、S5904Aの処理において、減算後の残当たり回数カウンタ223kbの値が0になったと判別した場合は(S5904A:Yes)、入賞情報格納エリア223aの各データを読み出して(S5906A)、最も古い入賞情報に対応する攻撃アイコンを、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して決定し(S5907A)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5908A)。S5908Aの処理が終了すると、次いで、前回攻撃アイコンの種別を決定するための判別において参照した入賞情報よりも新しい入賞情報に対応する攻撃アイコンを、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して決定し(S5909A)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5910A)。
S5910Aの処理が終了すると、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定したか否かを判別し(S5911A)、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定していないと判別した場合は(S5911A:No)、処理をS5909へと戻すことにより、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定してアイコン情報格納エリア223kaのデータに反映されるまで、S5909~S5911Aの各処理を繰り返し実行する。そして、S5911Aの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定したと判別した場合は(S5911A:Yes)、アイコン情報格納エリア223kaに格納されたそれぞれのデータに対応する各攻撃アイコンを報知する演出態様のエンディング演出の実行を設定して(S5912A)、本処理を終了する。
S5912Aの処理によって、時短リミット回数に到達してMAXボーナスモードが終了され、最大4個の第2特別図柄の保留球を消化する通常状態Bへと移行する場合に、通常状態Bにおいて使用される最大4個の攻撃アイコンの種別をエンディング演出によって予め遊技者に対して報知しておく斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1211を参照して、本第41制御例における変動演出設定処理41(S4311A)の詳細について説明する。この変動演出設定処理41(S4311A)は、上述した第40制御例における変動演出設定処理40(図1180参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理40(図1180参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期させて実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1211は、この変動演出設定処理41(S4311A)を示すフローチャートである。
この第41制御例における変動演出設定処理41(図1211参照)のうち、S4401、およびS4403の各処理では、それぞれ上述した第40制御例における変動演出設定処理40(図1180参照)のS4401、およびS4403の各処理と同一の処理が実行される。また、本第41制御例における変動演出設定処理41(図1211参照)では、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドではないと判別した場合に(S4403:No)、変動パターンコマンドにより通知された当該変動の抽選結果と変動パターンコマンドから抽出した変動パターンとに基づいて変動表示演出の演出態様を決定し(S4421A)、本処理を終了する。
一方、S4403の処理において、今回受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドであると判別した場合は(S4403:Yes)、現在がMAXボーナスモードであるか否かを判別し(S4422A)、MAXボーナスモードではないと判別した場合には(S4422A:No)、アイコン情報格納エリア223kaの各データのうち最も古いデータを読み出して(S4423A)、読み出したデータと今回の抽選結果とに応じた変動演出の演出態様を設定する(S4424A)。例えば、アイコン情報格納エリア223kaのデータが残撃アイコンに対応するデータであり、今回の第2特別図柄の抽選結果が外れであれば、残撃アイコンに対応する残撃攻撃を怪獣のキャラクタ821に対して仕掛け、当該残撃攻撃が避けられて外れが報知される演出態様が決定される。S4424Aの処理が終了すると、アイコン情報格納エリア223kaから今回読み出したデータを削除して(S4425A)、本処理を終了する。始動入賞時にアイコン情報格納エリア223kaに予め格納すると共に攻撃アイコン表示領域AI1~AI4に表示しておいた攻撃アイコンと同じ攻撃アイコンに対応する攻撃を確実に行わせることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
これに対し、S4422Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモードであると判別した場合は(S4422A:Yes)、疑似インターバル演出の実行中の変動表示態様(即ち、主表示領域Dmのほとんどの領域で疑似インターバル演出を行い、小表示領域Dm8において比較的目立たない態様で変動表示演出を実行する演出対応)を設定し(S4426A)、本処理を終了する。
以上説明した通り、第41制御例におけるパチンコ機10では、時短回数(特別図柄の抽選回数の合計回数の規定回数、第2特別図柄の抽選回数の合計回数の規定回数)が共通であるにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の時短状態を設けている。より具体的には、特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aと、特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと、を設ける構成としている。ここで、本第40制御例では、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数に到達したことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達したことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、を設ける構成としている。時短状態Aと時短状態Bとでは、第1~第3終了条件が共通とされ、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせている。つまり、時短状態Aでは、時短状態の最後の第2特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球数が1個になった時点で時短状態が終了される一方で、時短状態Bでは、時短状態の最後の第2特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球数が3個になった時点で時短状態が終了されるように構成することで、実質的な有利度合いを異ならせる構成としている。これにより、遊技性を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第41制御例では、時短状態A,Bに加えて、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される時短状態Cを設ける構成とした上で、時短状態の連続回数(通常状態を介さずに時短状態と大当たりとが繰り返される繰返し回数)に制限を設ける(時短リミット回数を設定する)構成としている。そして、時短状態の間に大当たり遊技の実行条件が成立した(大当たり遊技の実行が設定された)場合は、時短リミット回数に到達していない限り、大当たり終了後の遊技状態が、時短状態Cに設定されるように構成している。つまり、一旦時短状態Cが設定されると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態を形成する構成としている。このように構成することで、時短状態Cに移行することを遊技者に対して強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、本第41制御例では、時短状態Cに移行してから時短リミット回数に到達するまでの間(大当たりと時短状態Cとが繰り返されている間)の演出態様として、1の大当たり遊技が継続しているかのような一連の演出態様を設定する構成としているので、実際には4ラウンドの大当たりに4回当選しているにもかかわらず、1回の大当たり当選で16ラウンド分の賞球を獲得できたかのように遊技者に思わせることができる。つまり、一度の契機で比較的多量の賞球を獲得できる極めて幸運な状況が発生したかのように思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第41制御例では、時短状態Cにおいて、容易に保留球を上限個数まで貯めることができるように普通図柄の変動時間や特別図柄の変動時間、普通図柄の開放パターンを設定することにより、時短状態Cと大当たりとが時短リミット回数に到達するまで繰り返されて通常状態へと移行した際に、上限個数(4回)の第2特別図柄の保留球が保留されている状態となり易く構成している。これにより、通常状態に転落した後においても、有利度合いが高い(大当たりおよび小当たりの合算確率が約1/3となる上に、大当たり又は小当たりに当選した場合に比較的高い割合で最も有利な時短状態Cに設定される)第2特別図柄の抽選を4回実行する機会を遊技者に対して与えることができるので、時短リミット回数に到達した後における有利度合いを、他の時短状態における有利度合い以上とすることができる。具体的には、第2特別図柄の抽選を実質的に2回実行可能な時短状態Aよりも大当たり期待度が高く、且つ、第2特別図柄の抽選を実質的に4回実行可能な時短状態Bと同等の大当たり期待度となる有利な状態を形成することができる。つまり、時短状態Cにおいて時短リミット回数に到達したことに基づいて設定される通常状態Bを、実質的に、時短状態Bと同等の有利度合いとすることができる。そして、本第41制御例においては、初当たり時以外は、大当たり終了後の遊技状態が必ず時短状態B、時短状態C、および通常状態Bの何れかとなるように構成している。換言すれば、遊技者の見た目上、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B、または通常状態Bのどちらかとなるように構成されている(時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間は1の大当たりが継続しているかのような見た目に設定される)ため、時短状態中に大当たりが発生した場合は、大当たり終了後に付与される第2特別図柄の抽選機会を毎回同一回数(4回)とすることができる。よって、時短リミット回数に到達した場合に有利度合いが低下してしまうことを抑制し、時短状態Cへと移行する大当たり(MAXボーナス)に当選した場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
加えて、本第41制御例では、時短状態Aや時短状態Bにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合に、小当たり開始時に第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成する一方で、時短状態Cにおいて第2特別図柄の小当たり遊技が開始された場合には、特定領域650e3を遊技球が通過した後で第2終了条件が成立する(小当たりカウンタ203sを減算する)ように構成している。このように構成することで、時短状態Aや時短状態Bに移行した後において小当たりに当選した場合に、時短状態の間に実行された第2特別図柄の抽選であるか、時短状態の間に保留された第2特別図柄の保留球に基づいて通常状態への移行後に開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、特定領域650e3を遊技球が通過した時点の遊技状態(大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態)を通常状態に設定することができる。よって、時短状態の間に開始された第2特別図柄の抽選であるか、通常状態に移行した後で開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、大当たり当選時の有利度合いを共通化することができる。また、時短状態Cにおいては、小当たり当選した場合に、当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態)を時短状態に固定化することができるので、時短リミット回数を超えて時短状態Cと大当たりとの繰り返しが継続してしまったり、逆に、時短リミット回数に到達する前に時短状態Cと大当たりとの繰り返しが終了されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第41制御例では、時短リミット回数を3回に設定する構成としていたが、これに限られるものではなく、時短リミット回数は任意に定めることができる。時短リミット回数を多くすれば、MAXボーナスモードにおける大当たりの当選回数を多くすることができるので、MAXボーナスモードへと移行した場合における有利度合いをより高くすることができる。また、時短リミット回数を少なくすれば、MAXボーナスモードにおいて設定される時短状態Cの回数を少なくすることができるので、時短状態Cにおいて比較的多くの回数、連続して外れが発生することで疑似インターバル演出の演出期間が長くなってしまい、MAXボーナスモード中の遊技が間延びしてしまうという事象を発生し難くすることができる。
<第41制御例の第1の変形例>
次いで、図1212から図1215を参照して、上述した第41制御例における第1の変形例について説明する。上述した第41制御例におけるパチンコ機10では、時短状態の最終変動において、保留球数が規定個数に到達することで成立する時短終了条件(第4終了条件)を設け、第4終了条件が成立するまでの規定回数にバリエーションを設けることにより、性能(大当たり当選率)が異なる複数の時短状態を設ける構成としていた。
これに対して本第1の変形例では、第4終了条件を廃止することでよりシンプルな制御とし、且つ、上述した第41制御例におけるパチンコ機10に類似する遊技性を実現している。まず、図1212を参照して、本第1の変形例における各状態間の移行方法について説明する。図1212に示した通り、本第1の変形例では、主として4種類の状態(モード)が設けられている。即ち、上述した第41制御例における通常状態A、通常状態B、および時短状態Cが設けられている。また、時短状態A,Bが削除され、時短状態Dが新設されている。時短状態Dは、特別図柄の変動表示が合計10回実行されることで第1終了条件が成立し、小当たり遊技が1回実行されることで第2終了条件が成立し、第2特別図柄の変動表示が1回実行されることで第3終了条件が成立する遊技状態である。このため、時短状態Aにおいて右打ちを行い続けた場合、保留球数が上限(4個)まで貯まった上で、第2特別図柄の変動停止タイミングで時短状態が終了される。このように構成した場合でも、小当たり当選時は、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sの値を減算する構成としているため、特定領域650e3を通過するよりも前に時短状態を終了させておくことができる。よって、時短状態Dにおいて実行される1回の第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合と、時短状態Dにおいて実行された第2特別図柄の変動表示中に保留された保留球に基づいて通常状態への移行後に実行される最大4回の第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合とで、当選時の遊技状態を共に通常状態とすることができる。よって、時短状態の間に開始された第2特別図柄の抽選であるか、時短状態が終了されてから開始された第2特別図柄の抽選であるかによらず、MAXボーナスモードへの移行期待度を共通化することができる。よって、時短状態Dに移行してから全ての第2特別図柄の保留球が消化されるまでの各第2特別図柄の抽選において、それぞれ略同等の期待感を遊技者に対して抱かせることができる。
まず、図1212の上段を参照して、本第1の変形例において、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1212の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図1212に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、50%の割合で決定される大当たりA41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Dに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に50%の割合で決定される大当たりB41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が再度、通常状態Aに設定される。よって、通常状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たりA41であることをより強く期待させることができる。
次に、図1212の上から2段目を参照して、時短状態D(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1212の上から2段目に示した通り、時短状態D(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1212の上から2段目に示した通り、時短状態Dにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1212の上から2段目に示した通り、時短状態Dにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3.5の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Dに設定される(時短状態Dをループする)。本第1の変形例では、上述した第41制御例と同様に、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Dにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、5回の第2特別図柄の抽選機会の間に約1/3.5の確率の大当たり又は小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1212の下から2段目を参照して、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1212の下から2段目に示した通り、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態へは、時短リミット回数に到達した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図1212の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3.5の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。これに対して、図1212の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて約1/3.5の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達である場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。なお、上述した第41制御例と同様に、本第1の変形例では、大当たりのラウンド数が全て4ラウンドであり、時短リミット回数は3回に設定されるため、時短状態への移行契機となった大当たりを含め、4回の大当たりが保証される。つまり、16ラウンド分の賞球を略一度に獲得できる有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1212の下段を参照して、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1212の下段に示した通り、通常状態B(引き戻しモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短状態Cの間に保留されていた第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1212の下段に示した通り、通常状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1212の下段に示した通り、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/3.5の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Dに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を全て消化した(全て外れとなった)場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。
このように、本第1の変形例では、時短状態D、および通常状態Bにおいて、約1/3.5という高確率で当選する小当たりに当選した場合に、小当たり種別が小当たりA41に決定されるか、小当たりB41に決定されるかによって、遊技者の得られる利益を大幅に異ならせる構成としている。よって、小当たりA41に当選して時短状態Cへと移行し、一度に大量の賞球(16ラウンド分の賞球)を獲得できるのか、小当たりB41に当選して時短状態Dへと移行するのかにより注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第41制御例の第1の変形例における電気的構成>
次いで、図1214および図1215を参照して、本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第1の変形例におけるROM202は、上述した第41制御例のROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202akを構成する特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容が一部変更となっている点、大当たり種別選択テーブル202bkの規定内容が一部変更となっている点、および時短付与テーブル202ekの規定内容が一部変更となっている点で相違している。まず、図1214(a)を参照して、本第1の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図1214(a)は、特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。図1214(a)に示した通り、本第1の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、上述した第41制御例と同様に、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。一方、本第1の変形例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~18929」の18725個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている点で第41制御例から変形されている。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第41制御例と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が18725個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/3.5(18725/65536)である。
このように、本第1の変形例では、上述した第41制御例に対して、小当たり確率が低くなるように変形している。これは、時短状態Dとして、第2特別図柄の抽選機会が5回与えられる遊技状態に設定しているため、小当たり確率が第41制御例のままの確率(約1/3)では、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまう虞があるからである。
次に、図1214(b)を参照して、本第1の変形例における大当たり種別選択テーブル202bkの詳細について説明する。図1214(b)は、本第1の変形例における大当たり種別選択テーブル202bkの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択テーブル202bkは、上述した第41制御例における大当たり種別選択テーブル202k(図1191(c))に対して、大当たりA41および大当たりB41の決定割合が変更となっている点でのみ相違している。即ち、図1214(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、「大当たりA41」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりB41」が対応付けて規定されている。つまり、本第1の変形例では、「大当たりA41」と「大当たりB41」とにそれぞれ乱数値(カウンタ値)が50個ずつ振り分けられており、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に半々の割合で「大当たりA41」と「大当たりB41」とが決定されるように構成している。これは、大当たりB41の終了後の遊技状態として通常状態Aが設定されるように変更したことに伴うものであり、大当たり終了後の遊技状態が通常状態Aとなる確率が高くなり過ぎて、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制する趣旨である。
次に、図1215を参照して、本第1の変形例における時短付与テーブル202ekの詳細について説明する。図1215に示した通り、本第1の変形例では、第41制御例における時短付与テーブル202ek(図1194(a)参照)に対して、規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値が削除されている点で相違している。また、通常状態において当選した大当たりA41、大当たりD41の終了後の遊技状態が時短状態Dとなるように変更されている。つまり、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「1」が対応付けて規定されている点で相違している。更に、通常状態において当選した大当たりB41の終了後の遊技状態が通常状態Aとなるように変更している。つまり、時短カウンタ203hの値「0」、小当たりカウンタ203sの値「0」、および特図2カウンタ203tの値「0」が対応付けて規定されている点で相違している。その他の規定内容については上述した第41制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図1213を参照して、本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1213は、本第1の変形例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1213に示した通り、本第1の変形例におけるRAM203は、上述した第41制御例におけるRAM203の構成(図1190(b)参照)に対して、普電作動回数カウンタ203kaが削除されている点でのみ相違している。これは、時短終了条件として、上述した第41制御例における第4終了条件(時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことで成立する終了条件)を廃止したことに起因している。その他の構成については上述した第41制御例におけるパチンコ機10と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
以上説明した通り、本第1の変形例におけるパチンコ機10では、保留球数が規定個数に到達することで成立する時短終了条件(第4終了条件)を廃止することで、上述した第41制御例におけるパチンコ機10よりもシンプルな制御を実現し、且つ、上述した第41制御例におけるパチンコ機10に類似する遊技性を実現している。
<第41制御例における第2の変形例>
次に、図1216から図1231を参照して、上述した第41制御例における第2の変形例について説明する。上述した第41制御例におけるパチンコ機10では、時短状態の終了条件として、時短状態の最後の変動表示における第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件を導入することにより、時短状態Bにおいて保留球数が上限個数まで貯まらないように構成し、時短状態Bに移行した後における第2特別図柄の抽選機会と、時短状態Cに移行した後で時短リミット回数に到達した場合に移行する通常状態Bにおける第2特別図柄の抽選機会とを同一回数とし、時短リミット回数に到達した場合に大当たり期待度が低下してしまうことを抑制する構成としていた。つあり、時短状態Bと通常状態Bとの大当たり期待度を、実質的に同等とする構成としていた。
これに対して本第2の変形例では、上述した第41制御例における第4終了条件を採用することなく、所定の時短状態へ移行した後における第2特別図柄の抽選機会と、時短リミット回数到達後における第2特別図柄の抽選機会とを、同等にする斬新な制御を実現している。より具体的には、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されると、大当たり、小当たり、若しくは時短図柄のいずれかに当選する構成とし、且つ、第2特別図柄の保留球数の上限値を1個にする。そして、時短リミット回数に到達して通常状態Bが設定されてから、第2特別図柄の残保留に基づく抽選で時短図柄に当選し、第2時短状態が終了するまでの第2特別図柄の抽選回数を、時短状態Bにおける抽選回数と同一となるように構成した。このように構成することで、時短最終変動における保留球数を監視して時短状態の終了有無を判別するという比較的複雑な処理を行わなくても、時短状態Bが設定された場合と時短リミット回数到達後とで、第2特別図柄の抽選機会を共通化することができる。
まず、図1216および図1217を参照して、本第2の変形例における特徴的な演出態様について説明する。図1216(a)は、本第2の変形例における初当たり発生後に比較的高確率で移行する時短状態Aの演出態様の一例を示した図である。ここで、本第2の変形例における時短状態Aでは、第2特別図柄の抽選機会が5回与えられる。即ち、第2特別図柄の抽選回数が5回に到達したことに基づいて時短状態Aが終了される。また、時短状態の間は、第2特別図柄の保留球を獲得することが不可能(困難)となるように構成されている。即ち、第2特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の変動が開始されてから普通図柄の当たりが終了するまでの期間の方が確実に長くなるように構成されている。これにより、時短状態Aにおける第2特別図柄の抽選回数を毎回固定化することができるので、時短状態Aにおける大当たり期待度を毎回共通にすることができる。
図1216(a)に示した通り、時短状態Aに移行すると、冒険者のキャラクタ811と、怪獣のキャラクタ821とが睨み合う演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「5回以内に攻撃を当てろ!!」という文字が表示される。また、小表示領域Dm4に対して、「右打ち」という文字が表示され、小表示領域Dm5に対して、残りの時短回数を示す文字(図1216(a)の例では、「残り5回」という文字)が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「突破チャレンジ」という文字が表示される。これらの表示内容により、冒険者のキャラクタ811が5回の第2特別図柄の変動表示が終了するまでに怪獣のキャラクタ821に対して攻撃をヒットさせることができれば大当たりが確定すると共にラッシュ(時短モード)に移行させることができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1216(b)は、時短状態Aにおいて第2特別図柄の変動表示が開始された場合の表示態様の一例を示した図である。図1216(b)に示した通り、時短状態Aにおいて第2入球口640へと遊技球が入球し、第2特別図柄の変動表示が開始されると、第3図柄の変動表示が開始されると共に、冒険者のキャラクタ811が怪獣のキャラクタ821へと攻撃を仕掛ける演出が実行される。この演出において怪獣のキャラクタ821に攻撃をヒットさせることができれば、大当たり(または実質的に大当たりが確定する小当たり)に当選したことが報知され、攻撃が避けられた場合には、外れが報知される。
次に、図1217(a)を参照して、本第2の変形例における時短モード(時短状態B)、または引き戻しモード(通常状態B、第2時短状態)の開始時における表示態様について説明する。図1217(a)に示した通り、本第2の変形例における時短モードおよび引き戻しモードでは、時短回数が11回に設定される。これに伴って、図1217(a)に示した通り、小表示領域Dm5に表示される残時短回数が、「残り11回」に設定される。また、表示領域HR10に対して、「11回以内に攻撃を当てろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、時短モードおよび引き戻しモードでは、11回の第2特別図柄の抽選機会を与えられるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図1217(b)を参照して、本第2の変形例におけるMAXボーナスモードの最後(時短リミット回数目の)の時短状態Cにおいて大当たりまたは小当たりに当選した場合における当たり変動中の演出態様について説明する。本第2の変形例では、上述した第41制御例と同様に、時短状態Cが設定される最初の大当たりが開始されてから、時短リミット回数に到達するまでの間の期間で、1の16ラウンド大当たりが継続しているかのような一連の演出を実行する構成としている。そして、時短リミット回数に到達した後で移行する引き戻しモードでは、第2特別図柄の保留球が1個保留されていることを前提として、通常状態における最初の第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選させて第2時短状態へと移行させることにより、時短モードと引き戻しモードとでトータルの第2特別図柄の抽選回数を共通の11回とする構成としている。逆に言えば、時短リミット回数に到達した時点で第2特別図柄の保留球を獲得できていなければ、引き戻しモードが成立せず、時短リミット回数に到達した直後に不利な通常状態A(通常モード)へと移行してしまう極めて不利な状況が成立してしまう可能性がある。このため、本第2の変形例では、MAXボーナスモードにおける最後の当たり変動において、保留球を貯めることを遊技者に対して促す演出を実行する構成としている。具体的には、図1217(b)に示した通り、疑似インターバル演出の実行中に、第3図柄表示装置81に対して、「右を狙え」という文字を伴う右向きの矢印画像YGが表示される。また、タイムゲージga3により残変動時間が報知される。これらにより、タイムゲージga3の残時間表示ga3aが残っている間に第2入球口640へと遊技球を入球させるべきであるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に、当該入球に基づく先読み結果に応じて、大当たり又は小当たりとなる期待度を示すアイコンが宝箱810から出現する演出が実行される。これにより、右打ちを行うメリットがあると遊技者に対して思わせることができるので、時短リミット回数目の時短状態Cにおける当たり変動中に、確実に第2特別図柄の保留球を貯めさせることができる。よって、時短リミット回数に到達した直後に通常状態Aへと移行してしまう極めて不利な状況が成立してしまうことを抑制することができる。
次に、図1218を参照して、本第2の変形例における時短状態の間の第2特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示との対応関係について説明する。図1218に示した通り、時短状態に移行し、遊技者が右打ちを行い続けた場合、まず、スルーゲート67を通過して普通図柄の抽選が行われると共に、普通図柄の変動表示が実行される。時短状態においては、図1218に示した通り、普通図柄の変動時間が1秒間に固定化される。そして、普通図柄の変動時間が終了し、普通図柄の抽選結果が当たりであった場合、普通図柄の変動停止と共に、普通図柄の当たりが開始される。即ち、2秒間が経過するか、1個以上の遊技球が第2入球口640へと入球するまで電動役物640aが開放され、2秒間が経過するか、1個以上の遊技球が第2入球口640へと入球したことに基づいて電動役物640aが閉鎖される。電動役物640aが閉鎖されると、6秒間のエンディング期間が設定された上で、普通図柄の当たり遊技が終了される。
一方で、図1218に示した通り、第2特別図柄の変動表示は、普通図柄の当たりに伴う電動役物640aの開放期間中に遊技球が第2入球口640へと入球したことを契機として開始される。時短状態においては、第2特別図柄の変動期間が5秒間に固定化されるため、普通図柄の当たり遊技のエンディング期間が終了するよりも前に特別図柄の変動表示が終了される。このため、次の普通図柄の変動開始時には、特別図柄の変動表示が既に終了した状態となっており、特別図柄の変動表示中に追加で第2特別図柄の始動入賞を発生させることが不可能(困難)となる。つまり、第2特別図柄の保留球を獲得することが不可能となるように構成されているため、基本的に、時短状態では、設定された時短回数で終了され、通常状態へと第2特別図柄の保留球を持ち越すことは無い。例外的に、時短状態Cにおいてのみ、大当たり又は小当たりに当選した場合に、第2特別図柄の保留球を貯めることが可能な長さ(15秒間)の変動時間が設定されるため、この間のみは、保留球を貯めることが可能となる。即ち、時短リミット回数到達時に、第2特別図柄の保留球を1個所持した状態とすることができ、通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選を実行させることができる。これにより、通常状態Bにおいて第2特別図柄の残保留で大当たりにも小当たりにも当選しなかった場合に、時短図柄に当選させて第2時短状態を設定することができ、時短モードと引き戻しモードとで、実質的に第2特別図柄の抽選機会を同一とすることができる。
次に、図1219を参照して、本第2の変形例における状態間の移行方法について説明する。ここで、図1219に示した通り、本第2の変形例では、主として6種類の状態(5種類のモード)が設けられている。即ち、通常状態A,B、時短状態A~C、および第2時短状態が設けられている。通常状態Aは、上述した第41制御例と同様に、普通図柄の通常状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮無し、開放延長無し)に設定され、左打ちにより第1特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である。また、時短状態A~Cは、上述した第41制御例と同様に、普通図柄の時短状態(普通図柄の高確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である。なお、時短終了条件については、第1終了条件および第3終了条件が第41制御例から変更となっている。また、第4終了条件(時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数となった場合に成立する終了条件)が廃止されている。即ち、時短状態Aでは、特別図柄の抽選回数が合計10回となった場合に第1終了条件が成立し、第2特別図柄の抽選回数が5回となった場合に第3終了条件が成立するように構成されている。また、時短状態Bでは、特別図柄の抽選回数が合計20回となった場合に第1終了条件が成立し、第2特別図柄の抽選回数が11回となった場合に第3終了条件が成立するように構成されている。一方、時短状態Cは、第1~第3終了条件が全て第41制御例と共通となっており、第41制御例における時短状態Cに対して、第4終了条件が課されない点でのみ相違している。上述した通り、本第2の変形例では、第2特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の保留球が増加し難くなるように、普通図柄の当たり遊技の実行間隔を、第2特別図柄の変動時間よりも長くしている。つまり、普通図柄の当たりに基づく開放期間が終了されてから次の普通図柄の当たりの開放期間が開始されるまでの期間を、最短でも7秒となるように構成している一方で、第2特別図柄の変動時間を5秒間に固定化する構成としている。このように構成することで、時短状態Aや時短状態Bにおいて時短終了条件が成立し、通常状態に移行した後で、第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。つまり、時短リミット回数に到達した後の通常状態B以外の通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを防止でき、第2時短状態へと移行することを抑制することができる。
また、第41制御例には設けられていなかった第2時短状態は、普通図柄の時短状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮有り、開放延長有り)に設定され、右打ちにより第2特別図柄の抽選を行わせることで遊技を進行する状態である。この第2時短状態は、時短状態A~Cとは異なり、普通図柄の低確率状態に設定される遊技状態であるが、本第2の変形例では、普通図柄の高確率状態と普通図柄の低確率状態とで普通図柄の当たり確率が略同一(普通図柄の高確率状態が300/300、低確率状態が299/300)としているため、遊技者がその差を感じ取ることを困難とすることができる。よって、第2時短状態を、時短状態A~Cと同一の性能の時短状態であると遊技者に対して思わせることができる。
図1219の上段を参照して、通常状態A(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1219の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。即ち、図1219に示した通り、通常状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなり、95%の割合で決定される大当たりB41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Aに設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合に5%の割合で決定される大当たりA41が決定されると、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Aよりも時短状態Bの方が、有利な(実質的な大当たり確率が第1特別図柄の抽選よりも高い)第2特別図柄の抽選機会を多く獲得することができるので、通常状態Aにおいて大当たりに当選した場合は、大当たり種別が大当たりA41であることをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1219の上から2段目の左側を参照して、時短状態A(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1219の上から2段目の左側に示した通り、時短状態A(チャンスモード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短回数を消化した(第1又は第3終了条件が成立した)場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1219の上から2段目の左側に示した通り、時短状態Aにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1219の上から2段目の左側に示した通り、時短状態Aにおいて第2特別図柄の抽選で約1/7.4の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、時短状態Aにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。よって、時短状態Aにおいて与えられる5回の第2特別図柄の抽選機会の間に1/320の確率の大当たり又は約1/7.4の確率の小当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1219の上から2段目の右側を参照して、時短状態B(時短モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1219の上から2段目の右側に示した通り、時短状態B(時短モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短回数を消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1219の上から2段目の右側に示した通り、時短状態Bにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1219の上から2段目の右側に示した通り、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で約1/7.4の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、時短状態Bにおいて獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。これらに対し、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Bに設定される(時短状態Bをループする)。これらにより、時短状態Bにおいては、時短状態Aと同様に、時短状態の間に獲得した第2特別図柄の保留球で約1/320の確率の大当たり又は約1/7.4の確率の小当たりに当選することを強く願うと共に、小当たりに当選した場合は、より有利な時短状態Cに設定されることをより強く願わせる遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1219の下から2段目を参照して、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1219の下から2段目に示した通り、時短状態C(MAXボーナスモード)から他の状態へは、時短リミット回数に到達した場合にのみ移行する可能性がある。より具体的には、図1219の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて合算で約1/7.2の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に到達していた場合は、遊技状態が通常状態Bに設定される。これに対して、図1219の下から2段目に示した通り、時短状態Cにおいて合算で約1/7.2の確率の大当たり又は小当たりに当選し、時短リミット回数に未到達である場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態Cに設定される(時短状態をループする)。このため、一旦時短状態Cへと移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。なお、上述した第41制御例や第41制御例の第1の変形例と同様に、本第2の変形例でも、大当たりのラウンド数を全て4ラウンドとし、時短リミット回数を3回に設定している。このため、時短状態への移行契機となった大当たりを含め、4回の大当たりが保証される。つまり、16ラウンド分の賞球を略一度に獲得できる有利な状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1219の下段を参照して、引き戻しモード(通常状態B、および第2時短状態)から他の状態への移行方法について説明する。ここで、図1219に示した通り、本第2の変形例における引き戻しモードは、通常状態Bと、通常状態Bにおいて第2特別図柄の残保留に基づく抽選で時短図柄に当選する(大当たりにも小当たりにもならない)ことで移行する第2時短状態と、で構成されている。第2時短状態は、時短回数(第2特別図柄の抽選回数)が10回に設定されるため、時短リミット回数到達時に保留され、通常状態Bにおいて消化される1個の第2特別図柄の保留球に基づく1回の第2特別図柄の抽選と合わせて、引き戻しモードにおいて11回の第2特別図柄の抽選機会を遊技者に与えることができる。つまり、時短状態Bと同一の回数の第2特別図柄の抽選機会を与えることができ、実質的に時短状態Bと同一の性能の状態を形成することができる。
図1219の下段に示した通り、引き戻しモード(通常状態B、または第2時短状態)から他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および第2時短状態において時短回数を消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1219の下段に示した通り、引き戻しモードにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。また、図1219の下段に示した通り、引き戻しモードにおいて第2特別図柄の抽選で約1/7.4の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として54%の割合で決定される小当たりA41となった場合に、当該小当たりA41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として46%の割合で決定される小当たりB41となった場合に、当該小当たりB41において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される。上述した通り、時短状態Bよりも時短状態Cの方が有利であるため、通常状態Bにおいて小当たりに当選した場合に、小当たりA41に当選して時短状態Cが設定されることをより強く期待させることができる。これらに対し、引き戻しモードにおいて時短回数を消化した場合は、消化後の状態が通常状態Aとなる。
このように、本第2の変形例では、時短リミット回数に到達した場合に移行する、通常常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球を消化した場合、小当たりにも大当たりにも当選していなければ必ず時短図柄当選が発生する構成としている。そして、時短図柄当選が発生した場合は、時短回数が10回の第2時短状態に移行する構成としているので、通常状態Bと第2時短状態とで、合計11回の第2特別図柄の抽選機会を遊技者に与えることができる。つまり、時短状態Bと引き戻しモードとで、有利度合いを略同一とすることができるため、時短状態Cに移行した後で時短リミット回数に到達した場合に、有利度合いが下がってしまうことを抑制することができる。よって、時短状態Cへと移行した場合に、遊技者に対して一点の不満感も抱かせずに、大きな喜びを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第41制御例の第2の変形例における電気的構成>
次いで、図1220から図1223を参照して、本第2の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第2の変形例におけるROM202は、上述した第41制御例におけるROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202akを構成する特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容が一部変更となっている点、第2当たり乱数テーブル202ckの規定内容が一部変更となっている点、変動パターン選択テーブル202dkを構成する各テーブルの規定内容が一部変更となっている点、および時短付与テーブル202ekの規定内容が一部変更となっている点で相違している。その他の構成については上述した第41制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
まず、図1220(a)を参照して、本第2の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2の詳細について説明する。図1220(a)は、特別図柄2乱数テーブル202ak2の規定内容を示した図である。図1220(a)に示した通り、本第2の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、上述した第41制御例と同様に、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。一方、本第2の変形例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~9060」の8856個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている点で第41制御例から変形されている。また、図1220(a)に示した通り、本第2の変形例における特別図柄2乱数テーブル202ak2には、時短図柄当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲が追加されている。即ち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「9061~65535」の56475個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第41制御例と同様に、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が8856個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/7.4(8856/65536)である。更に、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値のうち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が56475個であるので、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する確率は、約1/1.16(56475/65536)である。
このように、本第2の変形例では、上述した第41制御例に対して、小当たり確率が低くなるように変形している。これは、時短状態Aや時短状態B、引き戻しモードにおける第2特別図柄の抽選回数を多くしたことに対するバランスをとったものである。
次に、図1220(b)を参照して、本第2の変形例における第2当たり乱数テーブル202ckの詳細について説明する。図1220(b)に示した通り、本第2の変形例では、第41制御例における第2当たり乱数テーブル202ck(図1192(a)参照)に対して、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)の範囲が変更されている点で相違している。即ち、本第2の変形例では、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「0~298」の範囲が対応付けて規定されている。つまり、本第2の変形例では、普通図柄の低確率状態でも、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲が普通図柄の高確率状態と乱数値(カウンタ値)1個分しか異ならないように構成されているため、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで、普通図柄の当たり確率がほぼ同等となる。これは、時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態(普通図柄の低確率状態、変動短縮あり、開放延長あり)が設定された場合に、他の時短状態(時短状態A~C)と同等の第2入球口640への入球し易さを実現するための変形である。
次に、図1221および図1222を参照して、本第2の変形例における変動パターン選択テーブル202dkの詳細について説明する。図1221は、本第2の変形例における変動パターン選択テーブル202dkを構成する通常用テーブル202dk1、時短用テーブル202dk2、およびMAXボーナス用テーブル202dk3のうち、通常用テーブル202dk1の規定内容を示した図であり、図1222(a)は、時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図であり、図1222(b)は、MAX用テーブル202dk3の規定内容を示した図である。まず、図1221を参照して、通常用テーブル202dk1の詳細について説明する。
図1221は、本第2の変形例における通常用テーブル202dk1の規定内容を示した図である。この通常用テーブル202dk1は、通常状態Aまたは通常状態Bにおいて特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。ここで、図1221に示した通り、本第2の変形例における通常用テーブル202dk1において、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」である場合の規定内容については、上述した第41制御例における通常用テーブル202dk1(図1192(c)参照)と同一となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
一方、図1221に示した通り、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「突時」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、変動時間が5秒間となるように構成されている。
なお、本第2の変形例では、上述した第41制御例と同様に、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(0.1秒間のショート開放)が設定されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第2の変形例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、時短状態Cにおいて右打ちにより第2特別図柄の保留球を1個獲得した状態で大当たりが開始され、当該大当たりで時短リミット回数に到達して大当たり終了後の遊技状態が通常状態Bに設定された場合である。なお、抽選結果によらずに変動時間を5秒間に固定化しているのは、時短状態A,Bにおける変動時間と合わせるためである。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいては、第2特別図柄の変動時間よりも、普通図柄の当たりに基づく電動役物640aの開放間隔が短くなるように構成することで第2特別図柄の保留球が0の状態を維持すべく、抽選結果によらずに変動時間を5秒間に固定化する構成としている。時短状態A,Bにおける第2特別図柄の変動時間と、通常状態Bにおける第2特別図柄の変動時間とを共に5秒間としておくことで、引き戻しモードに移行した場合の変動時間と、時短状態Bに移行した場合の変動時間とを共通化でき、時短状態Bと引き戻しモードとをあたかも同一の遊技状態であるかのように遊技者に思わせることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。なお、通常状態Bにおいて普通図柄の当たりが開始されたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難な電動役物640aの開閉動作が設定されるため、電動役物640aの動作に注目された場合は、引き戻しモードが時短状態Bとは異なる状態であるということを遊技者に察知される可能性がある。
次に、図1222(a)を参照して、本第2の変形例における時短用テーブル202dk2の詳細について説明する。この時短用テーブル202dk2は、時短状態A、時短状態B、または第2時短状態において特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1222(a)は、この時短用テーブル202dk2の規定内容を示した図である。図1222(a)に示した通り、本第2の変形例における時短用テーブル202dk2のうち、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」に対応する規定内容については、上述した第41制御例における時短用テーブル202dk2(図1193(a)参照)と同一である。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、第41制御例と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を実行可能な時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図1222(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、通常用テーブル202dk1(図1221参照)と共通となっている。即ち、抽選結果によらず、変動時間が5秒間に固定化されるように構成されている。よって、電動役物640aの開放間隔よりも短い期間で第2特別図柄の変動表示を終了させることができるので、時短状態Aや時短状態B、第2時短状態において、第2特別図柄の保留球を獲得することを防止することができる。なお、時短状態において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合は、時短図柄当選分の時短状態が上書きも上乗せもされずに無効となる。つまり、時短状態における時短図柄当選は、実質的に他の制御例における完全外れと同等の抽選結果という位置づけである。
次に、図1222(b)を参照して、MAXボーナス用テーブル202dk3の詳細について説明する。このMAXボーナス用テーブル202dk3は、時短状態Cにおいて特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1222(b)は、このMAXボーナス用テーブル202dk3の規定内容を示した図である。図1222(b)に示した通り、MAXボーナス用テーブル202dk3には、時短用テーブル202dk2と同様に、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、時短用テーブル202dk2を参照する場合と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で時短状態Cに移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図1222(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「突時」が規定されている。つまり、大当たり又は実質的に大当たり確定の小当たりに当選した場合は、変動時間が15秒間に設定される一方で、時短図柄当選が発生した場合は、変動時間が5秒間に設定される。
大当たりまたは小当たりにおいて設定される15秒という変動時間は、変動中に普通図柄の当たり遊技を2回前後実行可能な長さの変動時間である。即ち、時短状態Cにおいて大当たり又は小当たりに当選した場合は、第2特別図柄の保留球を貯めることが可能となり、時短図柄当選が発生した場合は、保留球を貯めることが困難となる。これにより、時短状態Cの間に継続的に右打ちを行い続けた場合、大当たり開始時に第2特別図柄の保留球(本第2の変形例では上限個数1個)が貯まった状態とすることができる。つまり、時短リミット回数に到達して通常状態Bへと移行した場合に、第2特別図柄の保留球が貯まった状態とすることができ、通常状態Bにおいて第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選を実行させて、小当たりでも大当たりでもないことを条件として、第2時短状態へと移行させることができる。つまり、通常状態Bと、第2時短状態とで、合計11回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる引き戻しモードを形成することができる。よって、時短リミット回数に到達した場合の動作を、時短状態Bに移行した場合の動作と略同一とすることができるので、時短状態Cへと移行した場合に、遊技者に対して一点の不満感も抱かせずに、大きな喜びを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1223を参照して、本第2の変形例における時短付与テーブル202ekの詳細について説明する。図1223に示した通り、本第2の変形例では、第41制御例における時短付与テーブル202ek(図1194(a)参照)に対して、規定保留球数カウンタ203kaのカウンタ値が削除されている点で相違している。また、時短状態A,時短状態Bの終了条件が第41制御例から変更になったことに伴って、通常状態において当選した大当たりA41、大当たりB41、および大当たりD41に対応付けられている各種カウンタ値が変更となっている。つまり、通常状態において当選した大当たりA41,D41に対して、時短カウンタ203hの値「20」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「11」が対応付けて規定されている。また、通常状態において当選した大当たりB41に対して、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「5」が対応付けて規定されている。
また、図1223に示した通り、本第2の変形例における時短付与テーブル202ekには、時短図柄に対する時短付与内容が追加されている点でも相違している。具体的には、通常状態において当選した時短図柄に対して、時短カウンタ203hの値「20」、小当たりカウンタ203sの値「1」、および特図2カウンタ203tの値「10」が対応付けて規定されている。一方、時短状態において当選した時短図柄に対して、時短カウンタ203hの値「0」、小当たりカウンタ203sの値「0」、および特図2カウンタ203tの値「0」が対応付けて規定されている。本第2の変形例では、時短付与条件が成立した場合に、各種カウンタに対して本時短付与テーブル202ekに規定されている各カウンタ値を加算することで時短状態を付与する構成としているため、時短状態において時短図柄に当選した場合は、各種カウンタ値に対してそれぞれ0が加算される。つまり、時短状態中に時短図柄当選が発生した場合は、実質的に時短回数に何らの影響も及ぼさないように構成している。これにより、通常状態Bにおいて時短図柄当選が発生した場合は、第2時短状態を設定することができるように構成しつつ、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、他の制御例における完全外れと同等の挙動を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第41制御例の第2の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1224から図1229を参照して、本第2の変形例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1224を参照して、本第2の変形例における特別図柄変動処理41B(S104B)について説明する。この特別図柄変動処理41B(S104B)は、上述した第41制御例における特別図柄変動処理41(S111A)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理41(S111A)と同様に、特別図柄の変動表示中における第1図柄表示装置37a,37bの表示設定等を行うための処理である。なお、第41制御例における特別図柄変動処理41(S111A)は、第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)に対して、特別図柄判定処理40(図1167参照)に代えて特別図柄判定処理41(図1197参照)が実行される点、および特別図柄変動パターン選択処理40(図1169参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理41(図1198参照)が実行される点でのみ相違しており、その図示を省略していたため、ここでは特別図柄変動処理40(図1166参照)との対比によって本第2変形例における特別図柄変動処理41B(S104B)を説明する。
この第2の変形例における特別図柄変動処理41B(図1224参照)のうち、S201~S207,S211~S223、およびS225Aの各処理では、上述した第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)のS201~S207,211~S223、およびS225Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における特別図柄変動処理41B(図1224参照)では、S207の処理、またはS214の処理のどちらかが終了すると、特別図柄判定処理40(図1167参照)に代えて特別図柄判定処理41Bを実行し(S231B)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理40(図1169参照)に代えて特別図柄変動パターン選択処理41Bを実行して(S232B)、本処理を終了する。これらの特別図柄判定処理41B(S231B)、および特別図柄変動パターン選択処理41B(S232B)の詳細については、それぞれ図1225と図1226、および図1227と図1228を参照して後述する。
また、本第2の変形例における特別図柄変動処理41B(図1224参照)では、S225Aの処理において、今回の抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合に(S225A:Yes)、次いで、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S233B)、現在の遊技状態が時短状態である場合は(S233B:Yes)、処理をS233Aへと移行する。一方、S233Bの処理において、現在の遊技状態が時短状態ではない(通常状態である)と判別した場合は(S233B:No)、今回の時短図柄種別に対応する時短終了条件(各種カウンタのカウンタ値)を時短付与テーブル202ekから読み出して、読み出した終了条件を現在の各種カウンタに対して加算することで更新し(S234B)、本処理を終了する。つまり、通常状態において時短図柄に当選した場合にのみ第2時短状態を設定し、時短状態において時短図柄に当選した場合は、実質的に時短状態に何らの変更も行わないように制御する。これにより、MAXボーナスモードが終了して通常状態Bへと移行した際に実行される第2特別図柄の抽選で第2時短状態へと移行させることを可能としつつ、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、完全外れと同様の動作を実現することができる。
次に、図1225を参照して、上述した特別図柄判定処理41B(S231B)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理41B(S231B)は、第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)に代えて実行される処理であり、第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第2の変形例における特別図柄判定処理41B(S231B)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2の変形例における特別図柄判定処理41B(図1225参照)では、S303の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、外れの種別に応じた制御を実行するための外れ時処理41Bを実行して(S321B)、本処理を終了する。この外れ時処理41B(S321B)の詳細について、図1226を参照して説明する。
図1226は、この外れ時処理41B(S321B)を示すフローチャートである。この外れ時処理41B(S321B)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2101A)、抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合は(S2101A:Yes)、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する時短図柄種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる時短図柄として設定し(S2102A)、本処理を終了する。
一方、S2101Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2101A:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2103A)、小当たりであると判別した場合は(S2103A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2104A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄として設定し(S2105A)、本処理を終了する。これに対し、S2103Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S2103A:No)、S2104A,S2105Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この外れ時処理41B(図1226参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり以外)である場合に、抽選結果に応じた第1図柄の表示を好適に設定することができる。
次に、図1227を参照して、本第2の変形例における特別図柄変動パターン選択処理41B(S232B)の詳細について説明する。図1227は、この特別図柄変動パターン選択処理41B(S232B)を示すフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理41B(S232B)は、上述した第41制御例における特別図柄変動パターン選択処理41(図1198参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第2の変形例における特別図柄変動パターン選択処理41B(図1227参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ第41制御例における変動パターン選択処理41(図1198参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における変動パターン選択処理41B(図1227参照)では、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、外れ(小当たり、時短図柄当選含む)時の変動パターンを選択するための外れ時種別決定処理41Bを実行して(S421B)、処理をS403へと移行する。この外れ時種別決定処理41B(S421B)の詳細について、図1228を参照して説明する。
図1228は、この外れ時種別決定処理(S421B)を示すフローチャートである。外れ時種別決定処理(S421B)では、まず、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2201A)、時短図柄当選であると判別した場合は(S2201A:Yes)、時短図柄の種別を時短図柄Aに決定し(S2202B)、本処理を終了する。一方、S2201Aの処理において、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2201A:No)、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2203A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S2203A:Yes)、小当たり種別選択テーブル202fk(図1194(b)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S2204A)、本処理を終了する。これに対し、S2203Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、通常の外れ(完全外れ)である)と判別した場合は(S2203A:No)、S2204Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この外れ時種別決定処理41B(図1228参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選若しくは小当たりであった場合に、時短図柄種別若しくは小当たり種別を好適に決定することができる。
次に、図1229を参照して、本第2の変形例における普通図柄変動処理41B(S113B)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理41B(S113B)は、上述した第41制御例における普通図柄変動処理41(図1203参照)と同様に、普通図柄の抽選を実行すると共に、普通図柄の当たりとなった場合に電動役物640aの開閉制御を設定するための処理である。図1229は、この普通図柄変動処理41B(S113B)を示すフローチャートである。
この第2の変形例における普通図柄変動処理41B(図1229参照)のうち、S1101~S1113,S1115~S1117,S1221、およびS1132A~S1136Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例における普通図柄変動処理41(図1203参照)のS1101~S1113,S1115~S1117,S1221、およびS1132A~S1136Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における普通図柄変動処理41B(図1229参照)では、S1108の処理において時短カウンタ203hの値が0より大きい値である(即ち、現在が時短状態である)と判別した場合に(S1108:Yes)、次いで、現在の遊技状態が第2時短状態であるか否かを判別する(S1131B)。S1131Bの処理において、現在の遊技状態が第2時短状態であると判別した場合は(S1131B:Yes)、処理をS1110へと移行する一方で、現在の遊技状態が第2時短状態ではないと判別した場合は(S1131B:No)、処理をS1109へと移行する。これにより、本第2の変形例では、第2時短状態が設定されている場合に、普通図柄の低確率時用の第2当たり乱数テーブル202ck(図1220(b)参照)を用いて普通図柄の抽選を実行することができる。つまり、第2時短状態を、普通図柄の低確率状態に設定することができる。
<第41制御例の第2の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図1230、および図1231を参照して、本第2の変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1230を参照して、本第2の変形例における変動演出設定処理41B(S4311B)の詳細について説明する。この変動演出設定処理41B(S4311B)は、上述した第41制御例における変動演出設定処理41(図1211参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理41(図1211参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期させて実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1230は、この変動演出設定処理41B(S4311B)を示すフローチャートである。
この第2の変形例における変動演出設定処理41B(図1230参照)のうち、S4401,S4403,S4421A、およびS4422Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例における変動演出設定処理41(図1211参照)のS4401,S4403,S4421A、およびS4422Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第2の変形例における変動演出設定処理41B(図1230参照)では、S4422Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモード(時短状態C)でないと判別した場合に(S4422A:No)、今回の抽選結果に応じた変動演出の演出態様を決定して(S4431B)、本処理を終了する。具体的には、抽選結果が大当たり又は小当たりであれば、怪獣のキャラクタ821に攻撃がヒットして当たりが報知される5秒間の演出を設定する一方で、大当たりでも小当たりでもなければ、怪獣のキャラクタ821に攻撃を避けられて外れが報知される5秒間の演出が実行される。
一方、S4422Aの処理において、現在の遊技状態がMAXボーナスモードであると判別した場合は(S4422B:Yes)、抽選結果に応じた小表示領域Dm8における変動表示態様を決定し(S4432B)、現在が疑似13ラウンドの前の疑似インターバル演出中であるか否かを判別する(S4433B)。S4433Bの処理において、疑似13ラウンド前の疑似インターバル演出の実行中であると判別した場合は(S4433B:Yes)、次いで、今回の抽選結果が大当たり又は小当たりのどちらかであるか否かを判別し(S4434B)、今回の抽選結果が大当たり又は小当たりのどちらかであると判別した場合は(S4434B:Yes)、疑似インターバル演出における右を狙え演出(図1217(b)参照)の実行を設定して(S4435B)、本処理を終了する。一方で、S4333Bの処理において、現在が疑似13ラウンド前の疑似インターバル演出中ではないと判別した場合(S4433B:No)、およびS4434Bの処理において、今回の抽選結果が大当たりでも小当たりでもないと判別した場合は(S4434B:No)、S4435Bの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この変動演出設定処理41B(図1230参照)を実行することにより、時短リミット回数に到達する直前の大当たり変動または小当たり変動の実行中に、右を狙え演出(図1217(b)参照)を実行して第2特別図柄の保留球を貯めさせることができる。よって、時短リミット回数に到達して通常状態Bに移行した場合に、第2特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させて時短図柄に当選させ、第2時短状態へと移行させることができる。よって、時短状態Bと引き戻しモードとを略同等の性能(大当たり期待度)の状態とすることができる。
次に、図1231を参照して、本第2の変形例における演出更新処理41B(S3121B)の詳細について説明する。図1231は、上述した第41制御例(および第40制御例)における演出更新処理40(図1182参照)に代えて実行される処理であり、演出更新処理40(図1182参照)と同様に、演出態様を更新するための処理である。
この演出更新処理41B(図1231参照)では、まず、右を狙え演出(図1217(b)参照)の実行期間中であるか否かを判別し(S4621B)、右を狙え演出の実行期間ではないと判別した場合は(S4621B:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4621Bの処理において、現在が右を狙え演出の実行期間中であると判別した場合は(S4621B:Yes)、次いで、新たな第2特別図柄の始動入賞を検出した(入賞情報コマンドを受信した)か否かを判別し(S4622B)、新たな第2特別図柄の始動入賞を検出した(入賞情報コマンドを受信した)と判別した場合は(S4622B:Yes)、検出した始動入賞の先読み結果に応じて宝箱810から出現させる報知アイコンの種別を抽選により決定し(S4623B)、決定した種別の報知アイコンが宝箱810から出現する演出態様の報知演出の実行を設定する(S4624B)。そして、右を狙え演出の終了を設定して(S4626B)、本処理を終了する。
一方で、S4622Bの処理において新たな始動入賞を検出していないと判別した場合は(S4622B:No)、右を狙え演出の演出期間が経過したか否かを判別し(S4625B)、演出期間が経過したと判別した場合は(S4625B:Yes)、処理をS4626Bへと移行する。即ち、報知アイコンを出現させることなく右を狙え演出を終了させる。一方で、S4625Bの処理において、右を狙え演出の演出期間が経過していないと判別した場合は(S4625B:No)、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理41B(図1231参照)を実行することで、右を狙え演出の実行中に右打ちを行って第2特別図柄の保留球が増加した場合にのみ、当該保留球の当たり期待度を示す報知アイコンが報知されるので、右を狙え演出の実行中に遊技者に対して積極的に右打ちを行わせることができる。
以上説明した通り、第41制御例の第2の変形例におけるパチンコ機10では、上述した第41制御例における第4終了条件(時短最終変動における第2特別図柄の保留球数が規定個数に到達したことに基づいて成立する時短終了条件)を採用することなく、所定の時短状態(時短状態B)へ移行した後における第2特別図柄の抽選機会と、時短リミット回数到達後における第2特別図柄の抽選機会とを同等にする斬新な制御を実現している。言い換えれば、第1の設定条件の成立に基づいて有利な第1遊技状態(時短状態B)が設定された場合にも、第2の設定条件の成立(時短リミット回数に到達したこと)に基づいて、第1遊技状態よりも有利度合いが低い(第2入球口640へと遊技球が入球し難い)第2遊技状態(通常状態B)が設定された場合にも、第2特別図柄の抽選が実行され得ない(実行困難な)通常状態Aへと移行するまでに、有利な第2特別図柄の抽選機会を同一の回数(11回)付与する構成としている。より具体的には、時短状態Bにおいては、第2特別図柄の保留球を貯めることが不可能となるように、特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、および普図当たりの開閉パターン(変位パターン)を設定し、第2特別図柄の抽選回数に基づく終了条件(第3終了条件)が成立した時点で第2特別図柄の保留球が必ず0となるように構成した。つまり、時短状態Bに移行した場合における第2特別図柄の抽選機会を、最大でも第3終了条件が成立するまでの抽選回数(11回)となるように構成した。そして、第2特別図柄の抽選結果を、大当たり、小当たり、若しくは時短図柄の3種類のみとし、且つ、第2特別図柄の保留球数の上限値を1個にしている。そして、時短リミット回数に到達して通常状態Bが設定されてから、第2特別図柄の残保留(1個)に基づく抽選で時短図柄に当選し、第2時短状態が終了するまでの第2特別図柄の抽選回数を、時短状態Bにおける最大の抽選回数(即ち、大当たりにも小当たりにも当選せずに通常状態Aへと移行するまでの抽選回数である11回)と同一となるように構成した。このように構成することで、時短最終変動における保留球数を監視して時短状態の終了有無を判別するという比較的複雑な処理を行わなくても、時短状態Bが設定された場合と時短リミット回数到達後とで、第2特別図柄の抽選機会を共通化することができる。
なお、本第2の変形例では、時短状態B、および通常状態Bへと移行した後における第2特別図柄の抽選機会を、共に、最大で11回とする構成としていたが、抽選機会は任意の回数に設定することができる。抽選回数を多くすれば、時短状態B、および通常状態Bに移行してから通常状態Aへと移行するまでの間の遊技をより長く楽しませ易く構成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、抽選回数を少なくした場合は、時短状態Bや通常状態Bへと移行してから大当たりに当選する、または時短状態Aへと移行するまでの期間を短くすることができるので、遊技の時間効率を向上させることができる。
本第2の変形例では、第2特別図柄の抽選結果が大当たり、小当たり、または時短図柄当選のいずれかにしかならない(完全外れが存在しない)ように構成していたが、完全外れを設ける構成としてもよい。この場合、時短リミット回数到達後の通常状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行された場合に、完全外れとなることで第2時短状態へと移行させることができなくなるため、通常状態Bにおける第2特別図柄の変動表示演出において、引き戻しモードに突入する(時短図柄当選が発生する)か否かを示すためのジャッジ演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、引き戻しモードに必ず突入する訳ではないという緊張感を遊技者に対して抱かせることができるので、MAXボーナスモードへと移行した場合に、多量の賞球が得られるものの、その後に移行する引き戻しモードの有利度合いが低くなる可能性がある遊技性となる一方で、時短状態Bへと移行する4ラウンド大当たりに当選した場合は、賞球数は少なくなるものの、大当たり終了後の遊技状態として固定回数(11回)の第2特別図柄の抽選機会が保証される遊技性となるため、当選する大当たりの種別によって遊技性を大きく異ならせることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2の変形例では、時短状態Bと引き戻しモード(通常状態B、および第2時短状態)とで、第2特別図柄の最大の抽選回数(通常状態Aへと移行するまでの抽選回数)を共通化する構成としていたが、これに限られるものではなく、抽選回数を異ならせてもよい。引き戻しモードの抽選回数を時短状態Bよりも多くすることにより、MAXボーナスモードへと移行した場合における有利度合いをより高くすることができ、MAXボーナスモードへと移行したことに対する満足感をより大きくすることができる。また、引き戻しモードの抽選回数を時短状態Bよりも少なくすることにより、MAXボーナスモードへと移行した場合に遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができる。また、MAXボーナスモードへと移行した場合に、多量の賞球が得られるものの、その後に移行する引き戻しモードの有利度合いが時短状態Bよりも低くなる遊技性となる一方で、時短状態Bへと移行する4ラウンド大当たりに当選した場合は、賞球数は少なくなるものの、大当たり終了後の遊技状態として抽選回数が多くなる遊技性となるため、当選する大当たりの種別によって遊技性を大きく異ならせることができる。これにより、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2の変形例では、通常状態Bにおいて時短図柄当選が発生した場合に付与される第2時短状態の時短回数(第2特別図柄の抽選回数の規定回数)を10回に固定化する構成としていたが、時短図柄として、時短回数が異なる複数の時短図柄を設けておき、時短図柄当選が発生した場合は複数の時短図柄の種別のうちいずれか1の時短図柄に決定されるように構成してもよい。このように構成することで、引き戻しモードの有利度合いが時短図柄の種別に応じて可変する遊技性を実現することができる。つまり、通常状態Bにおいて実行された第2特別図柄の抽選結果(選択される時短図柄の種別)に応じて、時短状態Bと共通の有利度合い(時短回数)となるか、時短状態Bよりも低い有利度合いとなるか、時短状態よりも高い有利度合いとなるかを可変させることができるので、引き戻しモードの初回の第2特別図柄の抽選結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第41制御例、およびその各種変形例では、確率変動機能を有さない所謂1種2種混合機仕様としていたが、確率変動機能を搭載した仕様に適用してもよい。つまり、時短リミット回数に代えて、確変リミット回数を適用し、所定の確変状態に移行してから確変リミット回数に到達するまでの間の期間で、1の大当たり遊技が継続しているかのような一連の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、確率変動機能を搭載したパチンコ機10についても、少ないラウンド数の大当たりのみを設けておきつつ、1の大当たり当選を契機として、あたかも極めて多いラウンド数の大当たりに当選したかのように遊技者に思わせることができる斬新な遊技性を実現することができる。また、この場合において、確変リミット回数に到達した場合に、確率変動機能のみを非作動とし、時短状態については付与するように構成してもよい。このように構成することで、確変リミット回数に到達した時点で第2特別図柄の保留球が保留されていなくても、確変リミット回数到達後に時短状態へと移行させて第2特別図柄の抽選が実行され易い状態を形成することができる。
上述した第41制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合に、V入賞(特定領域650e3への遊技球の入球)が発生した後で小当たりカウンタ203sの値が減算されるように構成することで、時短状態Cにおいて小当たり遊技の実行中にV入賞に基づいて大当たりに当選した場合に、当該大当たりの当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態)を、常に、時短状態に固定化するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、一部の小当たり種別(特定小当たり)では、時短状態の種別によらず、小当たり遊技の開始時に小当たりカウンタ203sを減算するように構成してもよい。つまり、時短状態Cにおいて特定小当たりに当選すると、V入賞の発生(大当たり遊技の実行が設定されるタイミング)よりも前に時短状態を終了させることができ、時短リミット回数までの残りの回数をリセットすることができるので、MAXボーナスモードが通常(4回分の大当たり)よりも長く継続したり、逆に、少ない継続回数となる可能性を設けることができる。特に、V入賞が発生した場合に遊技状態によらず大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される種別の大当たりに当選する小当たり種別(上述した小当たりA41)の一部を特定小当たりに設定した場合、時短リミット回数をリセットしつつMAXボーナスモードを継続させることができるので、当該特定小当たりに基づく大当たりを契機として、MAXボーナスモードが再セットされたかのような動作を実現することができるので、MAXボーナスモードがどこまで継続するかわからない斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第41制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合は、V入賞が発生した後で小当たりカウンタ203sのカウンタ値を更新する一方で、他の時短状態では、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sのカウンタ値を更新する構成としていたが、これに限られるものではない。時短状態Cにおいては、V入賞(大当たり遊技の実行が設定されたタイミング)よりも後で小当たりカウンタ203sが更新される一方で、時短状態C以外の時短状態では、V入賞よりも前に小当たりカウンタ203sが更新されるように制御できればよく、例えば、時短状態Cにおいて小当たりに当選した場合は、小当たりの開放期間が終了したタイミングや小当たり終了時(V入賞に基づく大当たり開始時)に小当たりカウンタ203sのカウンタ値を更新する構成としてもよい。また、時短状態C以外の小当たりに当選した場合は、小当たり図柄の停止タイミングや、小当たりに基づく開閉扉650f1の開放期間の開始時、小当たりに対応する変動表示の開始時等に小当たりカウンタ203sを更新する構成としてもよい。
上述した第41制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cであるか、時短状態C以外の時短状態であるかに応じて、小当たりカウンタ203sの更新条件が成立した(第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した)場合に当該小当たりカウンタ203sの更新タイミングを異ならせる構成としていた。即ち、時短状態の設定契機に応じて、時短状態中に小当たりカウンタ203sが更新されるタイミングを異ならせる構成としていたが、本制御は小当たりカウンタ203sに限られるものではない。少なくとも時短状態において更新され得るカウンタであれば、他のカウンタに適用してもよい。より具体的には、例えば、時短カウンタ203hに適用してもよい。即ち、時短状態Cにおいて特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを当選時状態格納エリア203kdに格納した(大当たり遊技の実行を設定した)後において時短カウンタ203hを更新する一方で、時短状態C以外の時短状態においては、大当たり当選時の遊技状態を示すデータを当選時状態格納エリア203kdに格納する(大当たり遊技の実行を設定する)よりも前(例えば、変動開始時)に時短カウンタ203hを更新する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Cでは、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定する際の遊技状態)が時短状態としてより取り扱われ易くなる一方で、時短状態C以外の時短状態では、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定する際の遊技状態)を、より通常状態として取り扱われ易く構成することができる。また、時短カウンタ203h以外にも、規定保留球数カウンタ203kaの更新タイミングや特図2カウンタ203tの更新タイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせる制御を採用してもよい。更に、時短状態の終了条件を判定するためのカウンタ値に限られず、例えば、確率変動機能を搭載し、確変状態の継続回数(ST回数)が予め定められている仕様において、確変状態の終了条件を判定するためのカウンタ値を更新する際の更新タイミングを、確変状態に設定された契機によって異ならせる構成としてもよい。更に、特別図柄の抽選に関するカウンタ(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別カウンタC3、変動種別カウンタCS1、第2当たり乱数カウンタC4等)や演出用のカウンタ(演出抽選カウンタ223f1,223f2等)に対して本制御を適用する構成としてもよい。
上述した第41制御例、およびその各種変形例では、天井機能(大当たり終了後の特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達した場合に第2時短状態を設定する機能)を設けていなかったが、天井機能を搭載してもよい。この場合において、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される時短状態は、実質的にMAXボーナスモードと同等の有利度合いの第2時短状態に設定してもよいし、時短モードと同等の第2時短状態に設定してもよいし、大当たり終了後(および時短図柄当選時)に開始されるいずれの時短状態とも異なる有利度合いの第2時短状態に設定してもよい。このように構成することで、所謂ハマりが発生したとしても、天井抽選回数へと到達することを目標として遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができる。
上述した第41制御例、およびその各種変形例では、時短状態Cにおいて実行された第2特別図柄の抽選で小当たりに当選し、当該小当たりにおいてV入賞(特定領域650e3への入球)が発生して大当たりに当選した場合に、V入賞が発生した後で小当たりカウンタ203sの値を減算する一方で、他の時短状態において実行された第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、小当たり開始時に小当たりカウンタ203sの値を減算することでV入賞が発生するよりも前に時短状態が終了させるように制御していた。つまり、時短状態Cにおいては、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)が時短状態として取り扱われる(時短付与テーブル202ekから時短状態で当選した場合に対応する時短終了条件が読み出されて設定される)一方で、他の時短状態においては、大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)が通常状態として取り扱われる(時短付与テーブル202ekから通常状態で当選した場合に対応する時短終了条件が読み出されて設定される)ように構成することにより、時短状態Cで実行された第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は時短リミット回数に到達していない限り必ず時短状態Cへと移行する一方で、時短状態C以外の時短状態で小当たりに当選した場合は、通常状態において小当たりに当選した場合と同一の振分けで時短状態Bと時短状態Cとのいずれかが設定されるように構成していたが、時短状態において実行された第2特別図柄の抽選では、時短状態の種別によらず、大当たり当選時の遊技状態が時短状態として取り扱われるように構成してもよい。より具体的には、例えば、大当たり当選時の遊技状態を、第2特別図柄の抽選が実行された時点の遊技状態に設定する構成としてもよい。つまり、特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりとなった場合に、その時点(特別図柄の変動開始を設定する時点)で当選時状態格納エリア203kdに対して時短状態を示すデータを格納する構成としてもよい。このように構成することで、上述した第41制御例や第41制御例の第1の変形例においては、時短状態C以外の時短状態において最初に実行される第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、最も有利な時短状態C(MAXボーナスモード)への移行が確定する一方で、時短終了後の第2特別図柄の残保留で小当たりに当選した場合には、時短状態C以外の時短状態(次回の大当たりが確定しない時短状態)へと移行する可能性があるように構成できるので、複数回の第2特別図柄の抽選機会が付与される中で、1回目の特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりに当選することをより強く期待させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、上述した第41制御例の第1の変形例や第2の変形例では、大当たり当選時の遊技状態を第2特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりとなった時点の遊技状態に設定する方法の他に、時短状態の種別によらず、V入賞が発生して大当たり遊技の実行を設定した(当選時状態格納エリア203kdに大当たり当選時の遊技状態として時短状態を示すデータを設定した)後で、小当たりカウンタ203sが更新されるように制御してもよい。このように構成することで、小当たり遊技においてV入賞が発生しなかった場合には、当選時状態格納エリア203kdへと遊技状態を示すデータを格納する制御をスキップすることができるので、無駄に当選時状態格納エリア203kdへとデータを格納する処理を行ってしまい、処理負荷が増大してしまうことを抑制することができる。
<第42制御例>
次に、図1232から図1252を参照して、第42制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第41制御例の第2の変形例におけるパチンコ機10では、時短終了条件として、複数の終了条件のうちいずれか1の終了条件が成立したことに基づいて時短状態が終了されるように構成していた。即ち、特別図柄の抽選回数が規定回数となった場合に成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となった場合に成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となった場合に成立する第3終了条件とのうち、いずれか1の終了条件が成立することで、他の終了条件の状況とは関係なく時短状態が終了されるように構成していた。
これに対して本第42制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件として、複数の異なる条件が全て成立した場合に成立する終了条件を設ける構成とした。より具体的には、小当たり種別として、実質的に大当たりが確定するV小当たりに加えて、遊技球を入球させたとしても特定領域650e3へと遊技球が誘導され得ない(切替部材650hが通常排出流路650e1側に遊技球を誘導する配置となっている期間にのみ開閉扉650f1が開放される)小当たり種別が複数設けられている。即ち、第1小当たり、第2小当たり、および第3小当たりが設けられている。本第42制御例では、時短状態に移行した後で、特別図柄の抽選で第1小当たり(第1の抽選結果)に予め定められた第1回数当選した場合に成立する第1条件と、第2小当たり(第2の抽選結果)に予め定められた第2回数当選した場合に成立する第2条件と、第3小当たり(第3の抽選結果)に予め定められた第3回数当選することで成立する第3条件と、が全て成立した場合にのみ成立する時短終了条件(第3終了条件)を設ける構成している。このように構成することで、第1条件と、第2条件と、第3条件とのうち、1又は複数の条件が成立していたとしても、少なくとも1の条件が未成立である間は、有利な時短状態が継続され得る斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第42制御例におけるパチンコ機10が、上述した第41制御例の第2の変形例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第41制御例の第2の変形例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第40制御例の第2の変形例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1232から図1237を参照して、本第42制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図1232(a)を参照して、本第42制御例における大当たり遊技の実行期間中に実行される残機ストック演出の詳細について説明する。ここで、上述した通り、本第42制御例では、特定領域650e3へと遊技球を入球させる(V入賞を発生させる)ことが不可能(困難)な小当たりとして、第1~第3小当たりを設ける構成としている。加えて、本第42制御例では、第1~第3小当たりのそれぞれの当選回数が、時短状態の種別毎に予め定められている規定回数に到達するまで時短状態が継続し得るように構成されている。即ち、他の時短終了条件(特別図柄の抽選回数の合計が規定回数に到達することで成立する第1終了条件、V入賞を発生させることが可能なV小当たりの実行回数が規定回数に到達することで成立する第2終了条件、および第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達することで成立する第3終了条件)がいずれも未成立である場合は、第1~第3小当たりのうち少なくとも1の小当たりの当選回数が規定回数(第1~第3回数)に未到達である限り、時短状態が継続されるように構成されている。本第42制御例では、これらの第1~第3小当たりの当選回数の規定回数を、演出態様によって示唆可能に構成している。より具体的には、大当たり終了後に時短状態が付与される大当たりに当選した場合に、当該大当たり終了後に設定される時短状態における第1~第3小当たりのそれぞれに対応する規定回数を示唆する数(残機)を報知する演出(残機ストック演出)を実行可能に構成している。そして、時短状態に移行した後は、大当たり中に報知された残機数を継続して表示しておき、第1~第3小当たりに当選する毎に、対応する残機数を減算することで、各小当たりが規定回数に到達しているか否かを遊技者に対して示唆する演出を実行する構成としている。
図1232(a)は、大当たり遊技の実行中に残機ストック演出が開始された場合の演出態様を示した図である。この残機ストック演出は、例えば、大当たりのオープニング期間における演出態様として実行される。図1232(a)に示した通り、残機ストック演出が実行されると、主表示領域Dsに対して、まず、冒険者のキャラクタ811aが表示される。そして、冒険者のキャラクタ811aの上方に形成される表示領域HR10に対して、「PUSHで残機をストックするんだ!!」という文字が表示され、冒険者のキャラクタ811aの正面視左方には、枠ボタン22を模したプッシュボタン画像PBおよび枠ボタン22の操作有効期間を示すゲージが内部に表示された表示領域HR11が形成される。また、冒険者のキャラクタ811aの正面視右側には、各小当たりの規定回数を示唆する画像を表示させるための表示領域Dm6a~Dm6dが形成される。表示領域Dm6aには、「残機」という文字が表示され、表示領域Dm6b~Dm6dには、それぞれ冒険者のキャラクタの顔部分の画像、ウサギのキャラクタの顔部分の画像、およびガンマンのキャラクタの顔部分の画像が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「残機ストックチャンス」という文字が表示される。これらの表示内容により、枠ボタン22を押下することで、冒険者のキャラクタ811a、ウサギのキャラクタ811b、およびガンマンのキャラクタ811cのうち、冒険者のキャラクタ811aの残機が報知されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、冒険者のキャラクタ811aの残機は、第1小当たりの規定回数(第1条件が成立するまでに要する第1小当たりの当選回数)に対応し、ウサギのキャラクタ811bは、第2小当たりの規定回数(第2条件が成立するまでに要する第2小当たりの当選回数)に対応し、ガンマンのキャラクタ811cは、第3小当たりの規定回数(第3条件が成立するまでに要する第3小当たりの当選回数)に対応している。
図1232(b)は、残機ストックチャンス演出において遊技者が枠ボタン22を押下した場合の演出態様の一例を示した図である。図1232(b)に示した通り、残機ストック演出において枠ボタン22に対する押下を検出した場合、表示されているキャラクタが今回の大当たり終了後に設定される時短状態に対応する残機(対応する小当たりの規定回数)を叫ぶ演出が実行される。図1232(b)では、冒険者のキャラクタ811aの残機として「5」が報知された状況を例示している。この場合、図1232(b)に示した通り、冒険者のキャラクタ811aが「5」と叫ぶ演出が実行される(5という文字が表示された吹き出し画像SGが形成される)。また、冒険者のキャラクタ811aの残機を示すための表示領域Dm6bにおいて、冒険者のキャラクタ811aの顔部分の画像の右側に対して、「×5」という数字が表示される。更に、表示領域HR10に対して、「5機ストック!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、冒険者のキャラクタ811aの残機が5機付与されたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。冒険者のキャラクタ811aの残機の報知が終了すると、ウサギのキャラクタ811bやガンマンのキャラクタ811cの残機についても、同様の演出によって順に報知される。これにより、大当たり終了後に設定される時短状態における各小当たりの規定回数を示唆する数(残機)を、大当たり遊技の実行中に遊技者に対して報知することができるので、時短回数がどれだけ続くかの目安を遊技者に対して予め示唆しておく斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、時短状態に移行した後は、第1~第3小当たりのいずれかに当選する毎に、対応するキャラクタの残機が減少する演出が実行され、全てのキャラクタの残機が0となることで時短状態が終了される。この時短状態における一連の演出態様について、図1233から図1236を参照して説明する。
図1233(a)は、時短状態(ラッシュ)が開始された時点の第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図1233では、大当たりにおいて冒険者のキャラクタ811a、ウサギのキャラクタ811b、およびガンマンのキャラクタ811cの残機として、それぞれ5機、3機、および1機が報知され、当該大当たりが終了して時短状態(ラッシュ)に突入した場合を例示している。図1233(a)に示した通り、時短状態(ラッシュ)が開始されると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ811a、ウサギのキャラクタ811b、およびガンマンのキャラクタ811cと、敵である怪獣のキャラクタ821とが睨み合う演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「残機が尽きる前に的を倒せ!!」という文字が表示される。また、大当たり遊技の実行中から引き続いて、表示領域Dm6a~Dm6dが主表示領域Dmにおける右端に表示され続ける。更に、副表示領域Dsに対して、「RUSH開始」という文字が表示される。これらの表示内容により、各キャラクタの残機が残っているうちは時短状態が継続するということ、および敵である怪獣のキャラクタ821を倒すことで大当たりに当選するということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
図1233(b)は、時短状態中にリーチが発生した場合の表示態様を示した図である。ここで、本第42制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たり、または小当たりとなった場合に変動表示演出としてリーチ演出を伴う変動表示態様が設定されるように構成されている。つまり、リーチが発生した時点で、大当たり、実質的に大当たりが確定するV小当たり、および第1~第3小当たりのいずれかであることが確定する構成としている。言い換えれば、リーチが発生した場合、大当たりとなるか、または第1~第3小当たりのいずれかの実行回数が1増加する(対応するキャラクタの残機が減算される)構成としている。このため、本第42制御例における時短状態では、リーチが発生した後において、敵である怪獣のキャラクタ821を討伐することで大当たりとなる一方で、怪獣のキャラクタ821に敗北することで敗北したキャラクタの残機が1減算される演出が実行される。より具体的には、図1233(b)に示した通り、リーチが発生すると、3人のキャラクタのうち1のキャラクタが選択される演出が実行される。図1233(b)の例では、ウサギのキャラクタ811bが選択された場合を例示しており、ウサギのキャラクタ811bの周囲が発光した状態に設定されると共に、他のキャラクタが黒塗りのシルエット表示に設定される。即ち、ウサギのキャラクタ811bが他のキャラクタよりも強調して表示される。また、表示領域HR10に対して、「対戦者決定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、怪獣のキャラクタ821とバトル(対戦)を行うキャラクタがウサギのキャラクタ811bに決定されたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、基本的に、抽選結果が第1小当たりとなった場合には、冒険者のキャラクタ811aが対戦者に決定され、第2小当たりとなった場合には、ウサギのキャラクタ811bが決定され、第3小当たりとなった場合には、ガンマンのキャラクタ811cが決定される。一方で、大当たり又は実質的に大当たり確定のV小当たりとなった場合には、ガンマンのキャラクタ811cの選択割合が比較的高くなり、冒険者のキャラクタ811aの選択割合が比較的低くなるように選択割合が振り分けられている。具体的には例えば、全キャラクタの残機が1以上残っている状態で大当たり又はV小当たりに当選した場合は、冒険者のキャラクタ811aの選択割合が25%、ウサギのキャラクタ811bの選択割合が30%、ガンマンのキャラクタ811cの選択割合が45%となるように構成されている。また、残機が0のキャラクタが1以上存在する場合は、残機が1以上残っているキャラクタの中から1のキャラクタが選択される。この場合も、ガンマンのキャラクタ811cの選択割合が比較的高くなり、冒険者のキャラクタ811aの選択割合が比較的低くなるように選択割合が振り分けられている。このため、リーチが発生した場合に選択されるキャラクタに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1234(a)を参照して、V入賞させることが不可能な非V小当たり(第1~第3小当たりのいずれか)に当選していた場合の演出態様について説明する。図1234(a)は、非V小当たりとして、ウサギのキャラクタ811bに対応する第2小当たりに当選していた場合の表示態様の一例を示した図である。ウサギのキャラクタ811bの残機が1以上残っている状態で第2小当たりに当選した場合は、リーチ発生時にウサギのキャラクタ811bが対戦相手として決定される演出(図1233(b)参照)を経て、図1234(a)に示した通り、最終的にウサギのキャラクタ811bがバトルに敗北する演出が実行される。また、ウサギのキャラクタ811bの残機が1減少される演出が実行される。図1234(a)では、ウサギのキャラクタ811bの残機(即ち、第2小当たりの当選回数が規定回数に到達するまでの残り回数)が3から2に減少した状況を例示しており、表示領域Dm6cに表示されているウサギのキャラクタ811bの残機数が3から2に減少されている。
次に、図1234(b)を参照して、第1~第3小当たりの当選回数が全て規定回数に到達して時短終了条件が成立した場合の演出態様について説明する。この場合、基本的な演出の流れは非V小当たりに当選して残機が減少する演出(図1233(b)、図1234(a)参照)と同様であるが、怪獣のキャラクタ821に敗北する際に、敗北したキャラクタ(図1234(b)の例ではウサギのキャラクタ811b)に対応する残機が0に更新されると共に、副表示領域Dsに対して「RUSH終了・・・」という文字が表示される点で相違している。これにより、全てのキャラクタの残機が0となったことに連動して時短状態(ラッシュ状態)が終了されたということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者にとって分かり易い演出態様を実現することができるので、好適な演出態様を実現することができる。
なお、時短状態における最後の非V小当たりに当選したことに基づいて実行される変動表示演出では、変動開始時点で保留されていた第2特別図柄の保留球の先読み結果も加味した演出態様が設定される。つまり、たとえ非V小当たりに当選して時短終了条件が成立するとしても、第2特別図柄の保留球の中に大当たりまたはV小当たりに対応する抽選結果が保留されている場合は、通常状態へと移行した直後に大当たりに当選して時短状態へと移行することとなる。この場合は、時短状態(ラッシュ)の終了を報知せずに、時短最終変動の変動表示演出として、怪獣のキャラクタ821を討伐する演出を実行して大当たりを報知する構成としている。一方、第2特別図柄の保留球が全て大当たりでもV小当たりでもない場合は、図1234(b)に示した通り、ラッシュ終了演出が実行される。このように構成することで、時短最終変動における大当たり期待度を向上させることができる。即ち、1のキャラクタの残機が残り1となり、他のキャラクタの残機が0となった状態でリーチが発生し、残機が残り1のキャラクタと怪獣のキャラクタ821とがバトルを行う演出が開始された場合に、当該変動と第2特別図柄の残保留とに少なくとも1の大当たり(またはV小当たり)が含まれていれば怪獣のキャラクタ821に勝利する演出が実行されるため、1のキャラクタの残機1、且つ、他のキャラクタの残機が0の状態で開始されたバトル演出の期待度を、他のタイミングで行われたバトル演出の期待度よりも高くすることができる。よって、メリハリのついた遊技性を実現することができる。
次に、図1235を参照して、本第42制御例における時短状態中に実行される可能性がある残機回復演出について説明する。本第42制御例では、上述した第41制御例における第2の変形例等と同様に、第2特別図柄の抽選で時短図柄当選が発生する可能性がある。本第42制御例では、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、第1~第3小当たりの規定回数が上乗せされる。即ち、時短終了条件(第2終了条件)が成立し難くなるので、時短図柄当選が発生した場合に遊技者を喜ばせることができる。図1235(a)に示した通り、時短状態(ラッシュ状態)において時短図柄に当選し、残機増加条件が成立すると、リーチ演出が発生すると共に、宝箱810が表示される。また、表示領域HR10に対して、「宝箱出現!回復薬をGETしろ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、出現した宝箱810の中に回復薬が入っていれば、遊技者にとって有利になるということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
そして、図1235(b)に示した通り、宝箱810から回復薬810dが出現する演出が実行されると、表示領域HR10に対して、「残機回復」という文字が表示される。また、冒険者のキャラクタ811aの残機、ウサギのキャラクタ811bの残機、およびガンマンのキャラクタ811cの残機に対してそれぞれ10機、7機、および3機が加算される演出が実行され、第3図柄として時短図柄当選を示すチャンス図柄が停止表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して時短図柄当選に基づいて残機が回復したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、本第42制御例では、宝箱810の中身が空であり、残機が回復することもない演出内容のガセ残機回復演出も設けられている。このガセ残機回復演出は、残機が既に0まで減少済みのキャラクタに対応する種別の非V小当たりに当選した場合に実行される。このように構成することで、既に規定回数に到達した非V小当たりに対応する変動表示演出において、残機が0になったキャラクタを更にバトルさせるという支離滅裂な演出内容になってしまうことを抑制することができると共に、遊技者に対して残機が回復することを期待させることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1236を参照して、時短状態(ラッシュ状態)の終了が報知されてから第2特別図柄の保留球が全て消化されるまでの間の期間で実行されるリザルト演出について説明する。図1236(a)は、リザルト演出が実行されている場合の表示態様を示した図である。図1236(a)に示した通り、リザルト演出が実行されると、主表示領域Dmにおける中央に形成された表示領域HR10に対して、時短状態が終了するまでに当選した大当たりの回数と、払い出された賞球数と、を示す文字が表示される。図1236(a)では、時短状態が終了するまでに6回の大当たりに当選して5850個の賞球が払い出された場合を例示しており、表示領域HR10に対して、「BONUS×6」という文字と、「total 5850pt」という文字とが表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して今回の時短状態における遊技結果を確認させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。また、小表示領域Dm8において、比較的目立ち難い表示態様(狭い表示領域)で第2特別図柄の残保留に対応する変動表示演出が実行される。更に、副表示領域Dsに対して、「RUSH終了・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して時短状態が終了したということを容易に理解させることができる。なお、本第42制御例では、通常状態における第2特別図柄の変動時間が0.5秒間に設定される。このため、上限個数(4個)の第2特別図柄の保留球が保留されていたとしても、2秒程度で残保留の消化が完了する。
図1236(b)は、時短最終変動の開始後に増加した第2特別図柄の保留球が当たり(大当たりまたはV小当たり)であった場合における、当たり保留消化時の演出態様を示した図である。ここで、上述した通り、本第42制御例では、時短最終変動において、第2特別図柄の保留球も加味した演出結果を設定する構成としているが、時短最終変動が開始されてから(即ち、変動表示演出が開始されてから)増加した第2特別図柄の保留球については、演出に反映させることができない。そこで、時短最終変動の開始後に増加した第2特別図柄の保留球が当たりであった場合には、リザルト演出において当たり保留に対応する変動表示が開始された場合に、短時間(0.5秒間)の当たり報知演出を実行可能に構成している。具体的には、図1236(b)に示した通り、リザルト演出中に当たり変動が実行されると、遊技結果を示す文字が表示された表示領域HR10の上方から当たりの組み合わせの第3図柄(同一の数字が揃った状態の第3図柄)が降下してきて、表示領域HR10を押しのける演出が実行されると共に、小表示領域Dm8において、大当たり又は小当たりを示す図柄が停止表示される。より具体的には、大当たりの場合は同一の数字が3つ停止表示され、小当たりの場合は互いに異なる奇数の数字が3つ停止表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の残保留で大当たりまたはV小当たりに当選したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図1237を参照して、本第42制御例における時短状態の一種である無敵モードについて説明する。この無敵モードは、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、および小当たりに当選した場合の一部で移行する第1時短状態Cと、天井抽選回数に到達した場合に移行する第2時短状態Aと、の2種類が設けられており、ほぼ、次に大当たりに当選するまで時短状態(第1時短状態C、又は第2時短状態A)が継続する遊技状態で構成されている。図1237に示した通り、無敵モードが設定されると、各キャラクタの残機が全て「∞」と表示される。また、副表示領域Dsに対して、「無敵モード中」という文字が表示されるこれらの表示内容により、遊技者に対して各キャラクタの残機が無限にあり、怪獣のキャラクタ821に勝利するまで時短状態が必ず継続するということを容易に理解させることができる。なお、実際には、無敵モードにおける第1~第3小当たりの規定回数が全て100回に設定される。
次に、図1238を参照して、本第42制御例における各状態間の移行方法について説明する。ここで、本第42制御例では、主として4つのモードが設けられている。即ち、遊技者に不利な通常モード(通常状態A)と、時短状態の中で最も有利度合いが低い(大当たりに当選し難い)チャンスモード(第1時短状態A)と、比較的有利度合いが高い(比較的大当たりに当選し易い)ラッシュモード(第1時短状態B、第2時短状態B)と、最も有利度合いが高い(ほぼ、次回の大当たりまで継続する)無敵モード(第1時短状態C、第2時短状態A)と、が設けられている。チャンスモードは、上述した第41制御例の第1の変形例における時短モードと同様に、時短回数が1回に設定され、当該1回の第2特別図柄の変動表示中に上限個数(4個)の第2特別図柄の保留球を貯めることができるため、実質的に5回分の特別図柄の抽選機会が与えられる遊技状態である。また、ラッシュモードは、主として、上述した第1~第3小当たりの当選回数が全て規定回数に到達した場合に時短状態が終了される状態であり、各キャラクタの残機が尽きないことを願いながら遊技を行わせることができる斬新な遊技性の遊技状態である。また、無敵モードは、実質的に次回の大当たりまで継続する最も有利な遊技状態である。
まず、図1238の上段を参照して、遊技者に不利な通常モード(通常状態A)における遊技状態の移行方法について説明する。図1238の上段に示した通り、通常状態A(通常モード)から他の状態には、特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。より具体的には、特別図柄の抽選で約1/320の確率で当選する大当たりとなった場合に5%の割合で決定(選択)される大当たりA42が大当たり種別として決定された場合に、大当たり終了後の遊技状態として第1時短状態B(ラッシュモードの一種)が設定される。また、大当たりとなった場合に95%の割合で決定される大当たりB42が大当たり種別として決定された場合に、大当たり終了後の遊技状態として第1時短状態A(チャンスモード)が設定される。一方、通常状態Aにおいて大当たりに当選せずに特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(950回)に到達した場合は、第2時短状態A(無敵モードの一種)が設定される。このため、通常状態においては、特別図柄の抽選で大当たりに当選すること、または天井抽選回数に到達することに期待して遊技を行う遊技性となる。なお、無敵モードが最も有利な遊技状態であるため、特に、ある程度多い特別図柄の抽選回数(例えば、600回)に渡って連続して外れとなった後においては、大当たりに当選することよりも、外れが天井抽選回数まで連続することを期待させることができる。よって、所謂ハマりが発生したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができる。
また、図1238の中断に示した通り、第1時短状態A(チャンスモード)から他の遊技状態には、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、時短図柄当選した場合、および時短状態の終了条件が成立して第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1238の中段に示した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態C(無敵モードの一種)に設定される。また、第2特別図柄の抽選で約1/10の確率で当選する小当たりとなった場合には、小当たり種別として5%の割合で決定される小当たりA42となった場合に、当該小当たりA42において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態C(無敵モードの一種)に設定される。一方、小当たりに当選した場合に小当たり種別として95%の割合で決定される小当たりB42~H42のいずれかとなった場合に、当該小当たりにおいて特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態B(ラッシュモードの一種)に設定される。また、第1時短状態A(チャンスモード)において第2特別図柄の抽選で1/500の確率で当選する時短図柄当選が発生した場合には、遊技状態が第2時短状態B(ラッシュモードの一種)に設定される。更に、チャンスモードにおいて保留された第2特別図柄の保留球を全て消化した(全て外れとなった)場合は、遊技者に不利な通常モードへと移行する。
次に、図1238の下段左側を参照して、ラッシュモード(第1時短状態B、第2時短状態B)から他の状態への移行方法について説明する。図1238の下段左側に示した通り、ラッシュモードから他の状態へは、大当たりに当選した場合、小当たりに当選した場合、および時短状態の終了条件が成立して第2特別図柄の保留球を全て消化した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1238の下段左側に示した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態C(無敵モードの一種)に設定される。また、第2特別図柄の抽選で約1/10の確率で当選する小当たりとなった場合には、小当たり種別として5%の割合で決定される小当たりA42となった場合に、当該小当たりA42において特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が第1時短状態C(無敵モードの一種)に設定される。また、時短終了条件が成立した場合(主として第1~第3小当たりの当選回数が全て規定回数に到達した場合)は、遊技者に不利な通常モードに設定される。これらに対し、小当たりに当選した場合に小当たり種別として95%の割合で決定される小当たりB42~H42のいずれかとなった場合に、当該小当たりにおいて特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、第1時短状態B(ラッシュモードの一種)に設定される(ラッシュモードをループする)。なお、図示については省略したが、時短図柄当選が発生した場合には、第2時短状態B(ラッシュモードの一種)に設定される(ラッシュモードをループする)。
次に、図1238の下段右側を参照して、無敵モードから他の状態への移行方法について説明する。図1238の下段右側に示した通り、無敵モードから他の状態へは、小当たりに当選した場合に移行する可能性がある。より具体的には、図1238の下段右側に示した通り、無敵モードにおいて1/10の確率で当選する小当たりとなった場合は、小当たり種別として95%の割合で決定される小当たりB42~H42のいずれかとなった場合に、当該小当たりにおいて特定領域650e3を通過して大当たりに当選したことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が再度、第1時短状態B(ラッシュモードの一種)に設定される。これに対して、無敵モードにおいて大当たりに当選した場合、小当たりA42が決定された場合、および時短図柄当選が発生した場合は、無敵モードをループする。
このように、本第42制御例では、遊技者に有利なモードとして、3種類の遊技性が大きく異なるモード(チャンスモード、ラッシュモード、および無敵モード)を設ける構成としている。即ち、固定回数で大当たり又は小当たりに当選することを期待させる遊技性のチャンスモード、および第1~第3小当たりの当選状況によって時短状態の継続回数が流動的に変化する遊技性のラッシュモード、および実質的に次回の大当たりまで継続する無敵モードの3種類が設けられている。よって、設定されるモードによって遊技性を大きく変えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第42制御例の電気的構成>
次に、図1239(a)を参照して、本第42制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図1239(a)は、本第42制御例における主制御装置110のROM202の構成を示したブロック図である。図1239(a)に示した通り、本第42制御例におけるROM202は、上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)におけるROM202の構成(図1190(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202akに代えて第1当たり乱数テーブル202amが設けられている点、大当たり種別選択テーブル202bkに代えて大当たり種別選択テーブル202bmが設けられている点、変動パターン選択テーブル202dkに代えて変動パターン選択テーブル202dmが設けられている点、時短付与テーブル202ekに代えて時短付与テーブル202emが設けられている点、および小当たり種別選択テーブル202fkに代えて小当たり種別選択テーブル202fmが設けられている点で相違している。その他の構成については上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、本第42制御例における第1当たり乱数テーブル202amの詳細について説明する。ここで、本第42制御例における第1当たり乱数テーブル202amは、上述した第41制御例の第2の変形例における第1当たり乱数テーブル202akに対して、第2特別図柄の抽選を行う際に参照されるデータテーブルの規定内容が変更されている点でのみ相違している。図1240(a)を参照して、本第42制御例における第2特別図柄の抽選を行う際に参照される特別図柄2乱数テーブル202am2の詳細について説明する。図1240(a)は、この特別図柄2乱数テーブル202am2の規定内容を示した図である。図1240(a)に示した通り、本第42制御例における特別図柄2乱数テーブル202am2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、上述した第41制御例の第1の変形例と同様に、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。一方、本第42制御例では、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「205~48270」の48066個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。なお、ここでの小当たりには、V小当たりおよび第1~第3小当たりを全て含んでいる。また、図1240(a)に示した通り、本第42制御例における特別図柄2乱数テーブル202am2には、時短図柄当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「48271~48401」の131個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が205個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、約1/320(205/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が48066個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/1.36(48066/65536)である。更に、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値のうち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が131個であるので、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する確率は、約1/500(131/65536)である。
このように、本第42制御例では、上述した第41制御例の第2の変形例に対して、小当たり確率が大幅に高くなると共に、時短図柄の確率が低くなるように変形している。
次に、図1240(b)を参照して、本第42制御例における大当たり種別選択テーブル202bmの詳細について説明する。図1240(b)は、本第42制御例における大当たり種別選択テーブル202bmの規定内容を示した図である。図1240(b)に示した通り、本第42制御例における大当たり種別選択テーブル202bmには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA42、および大当たりB42の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC42の1種類が規定されている。
図1240(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA42」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、「大当たりB42」が対応付けて規定されている。「大当たりA42」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態がラッシュモード(第1時短状態B)に設定される大当たり種別である。また、「大当たりB42」は、ラウンド数が3ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態がチャンスモード(第1時短状態A)に設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面でも、大当たり終了後の遊技状態の面でも、「大当たりA42」の方が「大当たりB42」よりも有利度合いが高くなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA42」および「大当たりB42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個および95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA42」、「大当たりB42」に当選する割合は、それぞれ5%および95%である。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、比較的低確率(5%の割合)で有利度合いが高い第1時短状態Bが設定され、比較的高確率(95%の割合)で有利度合いが低い第1時短状態Aが設定される。なお、これは通常状態に限った話であり、時短状態において「大当たりA42」または「大当たりB42」に当選した(大当たりが開始された)場合は、大当たり終了後の遊技状態が無敵モード(時短状態C)に設定される。
また、図1240(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC42」が対応付けて規定されている。この「大当たりC42」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が有利な無敵モード(第1時短状態C)に設定される大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC42」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC42」が決定される。この「大当たりC42」は、全ての大当たり種別の中で最も有利な大当たり種別である。
なお、これらの「大当たりA42」~「大当たりC42」に加えて、本第42制御例では「大当たりD42」~「大当たりJ42」も設けられている。これらの「大当たりD42」~「大当たりJ42」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりA42~H42が決定されて当該小当たり間に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が、基本的にラッシュモードに設定される大当たりである。
次に、図1241(a)を参照して、本第42制御例における変動パターン選択テーブル202dmの詳細について説明する。図1241(a)は、この変動パターン選択テーブル202dmの構成を示したブロック図である。図1241(a)に示した通り、本第42制御例における変動パターン選択テーブル202dmは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される通常用テーブル202dm1と、時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される時短用テーブル202dm2と、時短状態の最終変動において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される時短最終変動用テーブル202dm3と、で少なくとも構成されている。まず、図1241(b)を参照して、通常用テーブル202dm1の詳細について説明する。
図1241(b)は、本第42制御例における通常用テーブル202dm1の規定内容を示した図である。ここで、図1241に示した通り、本第42制御例における通常用テーブル202dm1において、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」である場合の規定内容については、上述した第41制御例の第2の変形例における通常用テーブル202dk1(図1221参照)と同一となっているため、ここではその詳細な説明については省略する。
一方、図1241に示した通り、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「完全外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が0.5秒の「超短突時」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、変動時間が0.5秒間となるように構成されている。
なお、本第42制御例では、上述した第41制御例の第2の変形例等と同様に、通常状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たりとして第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(0.1秒間のショート開放)が設定されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。本第42制御例において通常状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、チャンスモードやラッシュモードにおいて時短最終変動において右打ちにより第2特別図柄の保留球を獲得した状態で時短最終変動が終了して通常状態に移行した場合である。なお、抽選結果によらずに変動時間を0.5秒間に固定化しているのは、時短最終変動において残保留の抽選結果まで踏まえた1の演出態様を設定する際に、保留球数によって演出期間が大幅にずれてしまうことを抑制する趣旨である。
次に、図1242(a)を参照して、本第42制御例における時短用テーブル202dm2の詳細について説明する。図1242(a)は、本第42制御例における時短用テーブル202dm2の規定内容を示した図である。この時短用テーブル202dm2は、チャンスモード(第1時短状態A)、ラッシュモード(第1時短状態B、第2時短状態B)、または無敵モード(第1時短状態C、第2時短状態A)において特別図柄の抽選を実行する際に変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1242(a)は、この時短用テーブル202dm2の規定内容を示した図である。図1242(a)に示した通り、本第42制御例における時短用テーブル202dm2のうち、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」に対応する規定内容については、上述した第41制御例の第2の変形例における時短用テーブル202dk2(図1222(a)参照)と同一である。つまり、抽選結果によらず、短時間(0.5秒間)の変動時間が終了するように構成している。これは、第41制御例の第2の変形例と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上保持した状態で有利度合いが高い第2特別図柄の抽選を実行可能な時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球に基づく第1特別図柄の変動表示演出(実質的な大当たり期待度が高い第2特別図柄の抽選が実行できない期間)が長く継続してしまい、遊技者をやきもきさせてしまうことを防止する趣旨である。
一方、図1242(a)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、抽選結果が「完全外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~178」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「外れ」が規定され、変動種別カウンタCS1の値が「179~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「ガセ外れ」が規定されている。また、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長突時」が規定されている。
つまり、本第42制御例では、完全外れ以外の抽選結果となった場合に、必ず15秒間の変動パターンが選択されるようになっている。この15秒の変動時間において、怪獣のキャラクタ821とバトルを行うバトル演出(図1233(b)、図1234参照)、または残機回復演出(図1235参照)が実行される。また、小当たりの場合に小当たり種別とは無関係に比較的長い変動時間(15秒間)を設定する構成としているので、ラッシュモード(第1時短状態B、第2時短状態B)において第1~第3小当たりに当選して時短終了条件(第3終了条件)が成立する場合に、小当たり変動中に右打ちを行い続けることにより、第2特別図柄の保留球を上限個数まで貯め易くすることができる。よって、1のキャラクタの残機が1機であり、他のキャラクタの残機が0である状況下でリーチが発生し、残機が1機のキャラクタと怪獣のキャラクタ821とがバトルを行うバトル演出に発展した場合に、当該バトル演出の期待度を通常よりも高くすることができる。つまり、第2特別図柄の保留球の中に大当たり又はV小当たりが含まれている場合にもバトルに勝利する演出が選択されるので、実質的な勝利割合を通常よりも向上させることができる。よって、1のキャラクタの残機が1機であり、他のキャラクタの残機が0である状況下において、遊技者に対して大きな期待感を抱かせることができるので、ラッシュモードの最後まで遊技者のモチベーションを維持させることができる。
次に、図1242(b)を参照して、時短最終変動用テーブル202dm3の詳細について説明する。この時短最終変動用テーブル202dm3は、時短状態(チャンスモード、ラッシュモード、無敵モード)において時短回数(第2特別図柄の抽選回数の規定回数に到達するまでの抽選回数)が残り1となった場合に参照されるテーブルであり、ほぼ、時短回数が1回のチャンスモードにおいてのみ参照されるデータテーブルである。図1242(b)は、この時短最終変動用テーブル202dm3の規定内容を示した図である。図1242(b)に示した通り、第1特別図柄に対する規定内容は、上述した時短用テーブル202dm2(図1242(a)参照)と共通している。即ち、抽選結果によらず、変動時間が0.5秒間の変動パターンが設定されるように構成されている。
一方で、図1242(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「完全外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「ガセ外れ」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長小当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒の「長突時」が規定されている。つまり、抽選結果によらず、変動時間が比較的長い15秒間の変動パターンが設定される。これにより、時短最終変動において右打ちを行い続けた場合に、抽選結果によらず、第2特別図柄の保留球を上限個数まで貯めさせ易くすることができる。
次に、図1243を参照して、本第42制御例における時短付与テーブル202emの詳細について説明する。この時短付与テーブル202emは、上述した第41制御例の変形例における時短付与テーブル202ek(図1223参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。
図1243に示した通り、本第42制御例における時短付与テーブル202emには、時短状態の付与契機(大当たり種別、時短図柄当選、または天井抽選回数到達)毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図1243に示した通り、本第42制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、時短カウンタ203hと、V小当たりカウンタ203s1と、第1小当たりカウンタ203s2と、第2小当たりカウンタ203s3と、第3小当たりカウンタ203s4と、特図2カウンタ203tと、の6つが設けられている。時短カウンタ203h、および特図2カウンタ203tについては、上述した第41制御例の第2の変形例における同名のカウンタと同一のものであるため、ここではその詳細な説明については省略する。
V小当たりカウンタ203s1は、時短状態が設定された後で実行されたV小当たりの当選回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別するためのカウンタであり、上述した第41制御例の第2の変形例における小当たりカウンタ203sと同一の機能を有したカウンタである。また、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4は、それぞれ時短状態が設定された後で実行された第1~第3小当たりの当選回数に基づく終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別するためのカウンタである。ここで、上述した通り、本第42制御例では、第1~第3小当たりの全ての当選回数が、時短開始時に設定された規定回数に到達することで、時短終了条件(第3終了条件)が成立するように構成している。つまり、時短状態において第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4の全てが0に更新されるまで、第2終了条件が成立しないように構成されている。
図1243に示した通り、本第42制御例では、大当たり種別として「大当たりA42」~「大当たりJ42」の10種類が設けられていると共に、時短図柄当選、および天井抽選回数到達に基づく時短付与契機も設けられている。本第42制御例における時短付与テーブル202emには、時短付与契機毎に、時短カウンタ203h、V小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4、および特図2カウンタ203tの値(即ち、第1から第4終了条件)が対応付けて規定されている。
図1243に示した通り、大当たり種別として第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に5%の割合で決定される「大当たりA42」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「5」、第2小当たりカウンタ203s3の値「3」、第3小当たりカウンタ203s4の値「1」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりA42」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として、V小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第1小当たり遊技の実行回数5回、且つ、第2小当たり遊技の実行回数3回、且つ、第3小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第4終了条件として、第2特別図柄の変動回数100回が設定される。第2特別図柄の抽選で第1小当たり(小当たりI42)、第2小当たり(小当たりJ42)、および第3小当たり(小当たりK42)に当選する確率は、それぞれ約1/3、約1/5、および約1/10に設定されているため、通常状態において「大当たりA42」に当選して設定された時短状態(第1時短状態B)では、ほぼ、第1および第4終了条件が成立することはなく、第2終了条件、第3終了条件、または大当たり当選によって時短状態が終了される。なお、第2終了条件が成立する(V小当たり(小当たりA42~H42)に当選する)確率は、約1/10である。これに対して、第3終了条件が成立するまでに要する平均の特別図柄抽選回数は15回であるため、「大当たりA42」の終了後に設定される時短状態(第1時短状態B)で第2終了条件が成立するよりも前に大当たり又は小当たりに当選する割合は、約80.4%である。
一方、図1243に示した通り、大当たり種別「大当たりA42」、当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「100」、第2小当たりカウンタ203s3の値「100」、第3小当たりカウンタ203s4の値「100」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数が100回に到達するか、V小当たりに当選するか、または大当たりに当選するまで時短状態が終了されない第1時短状態C(無敵モード)に設定される。100回以内の特別図柄の抽選で合算約1/10の大当たり又は小当たりに当選する可能性はほぼ100%であるため、時短状態中に大当たりA42に当選した場合は、実質的に次回の大当たりまで継続する時短状態が設定される。
また、図1243に示した通り、大当たり種別として第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に95%の割合で決定される「大当たりB42」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「5」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「100」、第2小当たりカウンタ203s3の値「100」、第3小当たりカウンタ203s4の値「100」、および特図2カウンタ203tの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりB42」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数5回が設定され、第2終了条件として、V小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第1小当たり遊技の実行回数100回、且つ、第2小当たり遊技の実行回数100回、且つ、第3小当たり遊技の実行回数100回が設定され、第4終了条件として、第2特別図柄の変動回数1回が設定される。このため、通常状態において「大当たりB42」に当選した場合は、第2特別図柄の抽選が1回実行されるか、V小当たりに当選するか、または大当たりに当選するまで時短状態が継続する。時短状態において第2特別図柄の変動表示が1回実行されている間に継続して右打ちを行うことにより、上限個数(4個)の第2特別図柄の保留球を獲得することが可能であるため、5回の第2特別図柄の抽選で大当たりまたはV小当たりに当選することを目指す遊技性となる。なお、5回以内の第2特別図柄の抽選で合算約1/10の大当たり又はV小当たりに当選する割合は、約41%である。大当たり又はV小当たりに当選することで、無敵モード又はラッシュモードへと移行するため、5回の第2特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
一方、図1243に示した通り、大当たり種別「大当たりB42」、当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「100」、第2小当たりカウンタ203s3の値「100」、第3小当たりカウンタ203s4の値「100」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。つまり、時短状態中に「大当たりA42」に当選した場合と同様に、第1時短状態C(無敵モード)に設定され、実質的に次回の大当たりまで時短状態が継続する有利な状態を形成する。
また、図1243に示した通り、大当たり種別として、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるか、V小当たりの一種である小当たりA42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりC42」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「100」、第2小当たりカウンタ203s3の値「100」、第3小当たりカウンタ203s4の値「100」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。つまり、第1時短状態C(無敵モード)が対応付けて規定されている。このため、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に実質的に次回の大当たりまで時短状態が継続する有利な状態を形成する。
また、図1243に示した通り、大当たり種別として、V小当たりの一種である小当たりB42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりD42」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「5」、第2小当たりカウンタ203s3の値「3」、第3小当たりカウンタ203s4の値「1」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。つまり、通常状態において「大当たりA42」に当選した場合と同一の終了条件が規定されているので、「大当たりD42」に当選した場合は、平均15回の第2特別図柄の抽選が実行されることで第3終了条件が成立する時短状態(大当たり当選割合が約80.4%の時短状態)が設定される。
また、図1243に示した通り、大当たり種別として、V小当たりの一種である小当たりC42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりE42」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「7」、第2小当たりカウンタ203s3の値「5」、第3小当たりカウンタ203s4の値「2」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。このため、「大当たりE42」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として、V小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第1小当たり遊技の実行回数7回、且つ、第2小当たり遊技の実行回数5回、且つ、第3小当たり遊技の実行回数2回が設定され、第4終了条件として、第2特別図柄の変動回数100回が設定される。上述した通り、第2特別図柄の抽選で第1小当たり(小当たりI42)、第2小当たり(小当たりJ42)、および第3小当たり(小当たりK42)に当選する確率は、それぞれ約1/3、約1/5、および約1/10に設定されているため、第3終了条件が成立するまでに要する平均の特別図柄抽選回数は25回である。よって、「大当たりE42」の終了後に設定される時短状態(第1時短状態B)で第2終了条件が成立するよりも前に合算約1/10の大当たり又は小当たりに当選する割合は、約93.4%である。
また、図1243に示した通り、大当たり種別として、V小当たりの一種である小当たりD42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりF42」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「10」、第2小当たりカウンタ203s3の値「7」、第3小当たりカウンタ203s4の値「3」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。このため、「大当たりF42」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として、V小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第1小当たり遊技の実行回数10回、且つ、第2小当たり遊技の実行回数7回、且つ、第3小当たり遊技の実行回数3回が設定され、第4終了条件として、第2特別図柄の変動回数100回が設定される。上述した通り、第2特別図柄の抽選で第1小当たり(小当たりI42)、第2小当たり(小当たりJ42)、および第3小当たり(小当たりK42)に当選する確率は、それぞれ約1/3、約1/5、および約1/10に設定されているため、第3終了条件が成立するまでに要する平均の特別図柄抽選回数は50回である。よって、「大当たりF42」の終了後に設定される時短状態(第1時短状態B)で第2終了条件が成立するよりも前に合算約1/10の大当たり又は小当たりに当選する割合は、約99.6%である。
また、図1243に示した通り、大当たり種別として、V小当たりの一種である小当たりE42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりG42」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、V小当たりカウンタ203s1の値「1」、第1小当たりカウンタ203s2の値「3」、第2小当たりカウンタ203s3の値「2」、第3小当たりカウンタ203s4の値「1」、および特図2カウンタ203tの値「100」がそれぞれ規定されている。このため、「大当たりG42」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として、V小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第1小当たり遊技の実行回数3回、且つ、第2小当たり遊技の実行回数2回、且つ、第3小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第4終了条件として、第2特別図柄の変動回数100回が設定される。上述した通り、第2特別図柄の抽選で第1小当たり(小当たりI42)、第2小当たり(小当たりJ42)、および第3小当たり(小当たりK42)に当選する確率は、それぞれ約1/3、約1/5、および約1/10に設定されているため、第3終了条件が成立するまでに要する平均の特別図柄抽選回数は10回である。よって、「大当たりG42」の終了後に設定される時短状態(第1時短状態B)で第2終了条件が成立するよりも前に合算約1/10の大当たり又は小当たりに当選する割合は、約66.4%である。
なお、図1243に示した通り、V小当たりの一種である小当たりF42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりH42」については、上述した「大当たりD42」と全く同一の終了条件が規定されている。同様に、V小当たりの一種である小当たりG42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりI42」については、上述した「大当たりE42」と全く同一の終了条件が規定されており、V小当たりの一種である小当たりH42においてV入賞が発生した場合に決定される「大当たりJ42」、および時短図柄当選については、上述した「大当たりF42」と全く同一の終了条件が規定されているため、ここではその詳細な説明については省略する。
更に、図1243に示した通り、時短付与契機が天井抽選回数到達である場合については、時短状態中の「大当たりA42」、「大当たりB42」の当選、「大当たりC42」の当選による時短付与契機と同一の終了条件が対応付けられている。即ち、無敵モードに対応する終了条件が対応付けられている。
このように、本第42制御例では、第3終了条件(各キャラクタの残機の初期値の組み合わせ)にバリエーションを設ける構成としているため、同じラッシュモードでも、ラッシュモード中に大当たりまたはV小当たりに当選する可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1244を参照して、本第42制御例における小当たり種別選択テーブル202fmの詳細について説明する。図1244は、この小当たり種別選択テーブル202fmの規定内容を示した図である。図1244に示した通り、本第42制御例における小当たり種別選択テーブル202fmには、小当たり種別として、「小当たりA42」~「小当たりK42」の11種類の小当たり種別が設けられている。このうち、「小当たりA42」~「小当たりH42」は、V小当たりであり、「小当たりI42」~「小当たりK42」はV入賞が不可能な小当たりである。
図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~447」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA42」が対応付けて規定されている。この「小当たりA42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりC42(10ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0~447」の448個であるため、小当たり種別として「小当たりA42」が決定される割合は約0.7%(448/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「448~3130」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB42」が対応付けて規定されている。この「小当たりB42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりD42(10ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりB42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「448~3130」の2683個であるため、小当たり種別として「小当たりB42」が決定される割合は約4.1%(2683/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「3131~4740」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC42」が対応付けて規定されている。この「小当たりC42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりE42(10ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりC42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「3131~4740」の1610個であるため、小当たり種別として「小当たりC42」が決定される割合は約2.5%(1610/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「4741~4919」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりD42」が対応付けて規定されている。この「小当たりD42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりF42(10ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりD42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「4741~4919」の179個であるため、小当たり種別として「小当たりC42」が決定される割合は約0.3%(179/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「4920~7937」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりE42」が対応付けて規定されている。この「小当たりE42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりG42(3ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりE42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「4920~7937」の3018個であるため、小当たり種別として「小当たりC42」が決定される割合は約4.6%(3018/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「7938~8742」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりF42」が対応付けて規定されている。この「小当たりF42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりH42(3ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりF42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「7938~8742」の805個であるため、小当たり種別として「小当たりF42」が決定される割合は約1.2%(805/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「8743~8903」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりG42」が対応付けて規定されている。この「小当たりG42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりI42(3ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりG42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「8743~8903」の161個であるため、小当たり種別として「小当たりF42」が決定される割合は約0.2%(161/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「8904~8943」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりH42」が対応付けて規定されている。この「小当たりH42」は、V小当たりの一種であり、V入賞が発生した場合に大当たりJ42(3ラウンド大当たり)に当選する種別の小当たりである。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりH42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「8904~8943」の40個であるため、小当たり種別として「小当たりH42」が決定される割合は約0.1%(40/65536)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「8944~38728」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりI42」が対応付けて規定されている。この「小当たりI42」は、V入賞が不可能(困難)な小当たりの一種であり、当選した場合に第1小当たりカウンタ203s2の値が減算されることで冒険者のキャラクタ811aの残機が減算される契機となる小当たり種別(第1小当たり)でもある。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりI42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「8944~38728」の29785個であるため、小当たり種別として「小当たりH42」が決定される割合は約45.4%(29785/65536)である。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/1.36であるため、第2特別図柄の抽選で第1小当たり(小当たりI42)に当選する確率は、約1/3(45.4%×1/1.36)である。
また、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「38729~56599」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりJ42」が対応付けて規定されている。この「小当たりJ42」は、V入賞が不可能(困難)な小当たりの一種であり、当選した場合に第2小当たりカウンタ203s3の値が減算されることでウサギのキャラクタ811bの残機が減算される契機となる小当たり種別(第2小当たり)でもある。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりJ42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「38729~56599」の17871個であるため、小当たり種別として「小当たりJ42」が決定される割合は約27.3%(17871/65536)である。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/1.36であるため、第2特別図柄の抽選で第2小当たり(小当たりJ42)に当選する確率は、約1/5(27.3%×1/1.36)である。
更に、図1244に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「56600~65535」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりK42」が対応付けて規定されている。この「小当たりK42」は、V入賞が不可能(困難)な小当たりの一種であり、当選した場合に第3小当たりカウンタ203s4の値が減算されることでガンマンのキャラクタ811cの残機が減算される契機となる小当たり種別(第2小当たり)でもある。小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりK42」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「56600~65535」の8936個であるため、小当たり種別として「小当たりK42」が決定される割合は約13.6%(8936/65536)である。第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/1.36であるため、第2特別図柄の抽選で第2小当たり(小当たりK42)に当選する確率は、約1/10(13.6%×1/1.36)である。
次に、図1239(b)を参照して、本第42制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1239(b)は、本第42制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図1239(b)に示した通り、本第42制御例におけるRAM203は、上述した第41制御例の第2の変形例(および第1の変形例)におけるRAM203の構成(図1213参照)に対して、小当たりカウンタ203sに代えて、V小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4が設けられている点、特図抽選カウンタ203maが設けられている点、および時短リミットカウンタ203kb、減算待機フラグ203kcが削除されている点で相違している。
V小当たりカウンタ203s1は、時短状態においてV入賞可能な小当たりの当選回数に基づく時短終了条件の成立有無を判定するために参照されるカウンタであり、第1小当たりカウンタ203s2は、時短状態において第1小当たりの当選回数が規定回数に到達したか否かを判定するために参照されるカウンタであり、第2小当たりカウンタ203s3は、時短状態において第2小当たりの当選回数が規定回数に到達したか否かを判定するために参照されるカウンタであり、第3小当たりカウンタ203s4は、時短状態において第3小当たりの当選回数が規定回数に到達したか否かを判定するために参照されるカウンタである。これらのV小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4には、大当たり終了時に、大当たり種別および大当たり当選時の遊技状態に応じたカウンタ値が時短付与テーブル202em(図1243参照)から読み出されて設定される。
特図抽選カウンタ203maは、天井抽選回数への到達有無を判定するために参照されるカウンタである。この特図抽選カウンタ203maは、初期値が0に設定されており、特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ加算して更新され(図1248のS651A参照)、大当たり当選時に値が0にリセットされる。この特図抽選カウンタ203maの値が950に到達した場合に、天井抽選回数に到達したと判定されて、無敵モードの一種である第2時短状態Aが設定される。即ち、実質的に次回の大当たりまで継続する時短状態が設定される。
次に、図1245を参照して、本第42制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1245は、本第42制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図1245に示した通り、本第42制御例におけるRAM223は、上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)におけるRAM223の構成(図1196参照)に対して、終了条件格納エリア223ma、最終変動演出カウンタ223mbが追加されている点で相違する。また、アイコン情報格納エリア223ka、残当たり回数カウンタ223kbが削除されている点でも相違している。
終了条件格納エリア223maは、時短終了条件を示すデータを格納するための記憶領域である。この終了条件格納エリア223maに格納されているデータに応じて、各キャラクタの残機の表示設定や、残機の減算表示等を実行する。
最終変動演出カウンタ223mbは、時短最終変動の開始に基づいて開始されるバトル演出が継続する変動回数を示すカウンタ値が設定されるカウンタである。この最終変動演出カウンタ223mbには、最終変動の開始時に保留されている第2特別図柄の保留球数が設定され(図1252のS4453A参照)、第2特別図柄の変動表示が実行される毎に値が1ずつ減算される(図1251のS4444A参照)。
<第42制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1246から図1249を参照して、本第42制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1246を参照して、本第42制御例における特別図柄変動パターン選択処理42(S241A)の詳細について説明する。この特別図柄変動パターン選択処理42(S241A)は、上述した第41制御例の第2の変形例における特別図柄変動パターン選択処理41B(図1227参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動パターン選択処理41B(図1227参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第42制御例における特別図柄変動パターン選択処理42(図1246参照)のうつ、S401~S403,S405~S408、およびS421Bの各処理では、それぞれ上述した第41制御例の第2の変形例における特別図柄変動パターン選択処理41B(図1227参照)のS401~S403,S405~S408、およびS421Bの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第42制御例における特別図柄変動パターン選択処理42(図1246参照)では、S403の処理が終了すると、特図2カウンタ203tの値が1であるか否かを判別し(S431A)、特図2カウンタ203tの値が1であると判別した場合は(S431A:Yes)、次いで、今回の特別図柄の抽選が第2特別図柄の抽選であるか否かを判別する(S432A)。S432Aの処理において、今回の特別図柄の抽選が第2特別図柄の抽選であると判別した場合は(S432A:Yes)、今回開始させる第2特別図柄の変動表示が終了することで時短状態が終了される(今回の変動表示が時短最終変動である)ことを意味するため、時短最終変動用テーブル202dm3(図1242(b)参照)を読み出して(S433A)、処理をS405へと移行する。
一方で、S431Aの処理において、特図2カウンタ203tの値が1ではないと判別した場合(S431A:No)、およびS432Aの処理において今回の特別図柄の抽選が第2特別図柄の抽選ではない(第1特別図柄の抽選である)と判別した場合は(S432A:No)、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブルを読み出して(S434A)、処理をS405へと移行する。S434Aの処理では、遊技状態が通常状態であれば通常用テーブル202dm1(図1241(b)参照)を読み出す一方で、時短状態であれば時短用テーブル202dm2(図1242(a)参照)を読み出す。
この特別図柄変動パターン選択処理42(図1246参照)を実行することで、時短最終変動であるか否かに応じて変動パターン選択テーブルを切り替えることができるので、より好適に変動パターンを設定することができる。
次に、図1247を参照して、本第42制御例における時短更新処理42(S242A)の詳細について説明する。この時短更新処理42は、上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)における時短更新処理41(図1199参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理41(図1199参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新し、時短終了条件の成立有無を判定するための処理である。
この第42制御例における時短更新処理42(図1247参照)のうち、S601~S605,S607,S633A~S637A、およびS639Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)における時短更新処理41(図1199参照)のS601~S605,S607,S633A~S637A、およびS639Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第42制御例における時短更新処理42(図1247参照)が開始されると、まず、天井抽選回数への到達有無を判別するための天井判定処理42を実行し(S641A)、処理をS601へと移行する。この天井判定処理42(S641A)の詳細については、図1248を参照して後述する。
また、本第42制御例における時短更新処理42(図1247参照)では、S605の処理が終了すると、特図2カウンタ203t、小当たりカウンタ各種(V小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4)の値を全て0にリセットして(S641A)、処理をS607へと移行する。このS641Aの処理は、時短終了条件を判定するための各種カウンタとして、第41制御例の変形例に対して、小当たりカウンタ203sに代えてV小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4が設けられていることに伴う変更である。
また、本第42制御例における時短更新処理42(図1247参照)では、S604の処理が終了すると、第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)における小当たり時短更新処理41(図1200参照)に代えて小当たり時短更新処理42を実行し(S642A)、処理をS633Aへと移行する。この小当たり時短更新処理42(S642A)の詳細については、図1249を参照して後述する。
更に、本第42制御例における時短更新処理42(図1247参照)では、S637Aの処理が終了すると、時短カウンタ203h、および小当たりカウンタ各種(V小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4)の値を全て0にリセットして(S643A)、処理をS639Aへと移行する。このS643Aの処理は、S641Aの処理と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタとして、第41制御例の変形例に対して、小当たりカウンタ203sに代えてV小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4が設けられていることに伴う変更である。
次に、図1248を参照して、本第42制御例における天井判定処理42(S641A)の詳細について説明する。図1248は、この天井判定処理42(S641A)を示すフローチャートである。この天井判定処理42(S641A)では、まず、特図抽選カウンタ203maの値に1を加算して更新し(S651A)、加算後の特図抽選カウンタ203maの値が950になったか否かを判別する(S652A)。S652Aの処理において、特図抽選カウンタ203maの値が950になったと判別した場合は(S652A:Yes)、天井抽選回数に到達したと判定して、第2時短状態Aを設定するためのS653A~S655Aの各処理を実行する。即ち、遊技状態を第2時短状態に設定し(S653A)、天井抽選回数到達を時短付与契機とする時短終了条件を時短付与テーブル202em(図1243参照)から読み出して各種カウンタ(時短カウンタ203h、V小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4、特図2カウンタ203t)に加算して更新し(S654A)、第2時短状態を示す状態コマンドを設定して(S655A)、本処理を終了する。これに対して、S652Aの処理において、加算後の特図抽選カウンタ203maの値が950ではないと判別した場合は(S652A:No)、天井抽選回数に到達していないと判定して、S653A~S655Aの各処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
この天井判定処理42(図1248参照)を実行することにより、大当たりに当選せずに特別図柄の抽選回数が950回に到達することで有利な第2時短状態A(無敵モード)へと移行させることができるので、特に、ある程度多い特別図柄の抽選回数(例えば、600回)に渡って連続して外れとなった後においては、大当たりに当選することよりも、外れが天井抽選回数まで連続することを期待させることができる。よって、所謂ハマりが発生したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができる。
次に、図1249を参照して、上述した小当たり時短更新処理42(S642A)の詳細について説明する。この小当たり時短更新処理42(S642A)は、上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)における小当たり時短更新処理41(図1200参照)に代えて実行される処理であり、小当たり時短更新処理41(図1200参照)と同様に、小当たり当選に基づく時短終了条件の成立有無を判定するための処理である。図1249は、この小当たり時短更新処理42(S642A)を示すフローチャートである。
この第42制御例における小当たり時短更新処理42(図1249参照)のうち、S701,S704、およびS706の各処理では、それぞれ上述した第41制御例の第2の変形例(および第41制御例)における小当たり時短更新処理41(図1200参照)のS701,S704、およびS706の各処理と同一の処理が実行される。また、本第42制御例における小当たり時短更新処理42(図1249参照)では、S701の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであると判別した場合に(S701:Yes)、次いで、今回の小当たりの種別がV小当たり(小当たりA42~H42のいずれか)であるか否かを判別する(S721A)。
S721Aの処理において、今回の小当たりがV小当たりである(小当たりA42~H42のいずれかである)と判別した場合は(S721A:Yes)、V小当たりカウンタ203s1の値を1減算して更新し(S722A)、減算後のV小当たりカウンタ203s1の値が0になったか否かを判別する(S723A)。S723Aの処理において、減算後のV小当たりカウンタ203s1の値が0に更新されたと判別した場合は(S723A:Yes)、時短状態の終了条件(第2終了条件)が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS704,S724A,S706の各処理を実行する。即ち、遊技状態を通常状態に設定し(S704)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、および全ての小当たりカウンタ(V小当たりカウンタ203s1、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4)のカウンタ値を0にリセットする(S724A)。次いで、通常状態を示す状態コマンドを設定して(S706A)、本処理を終了する。これに対し、S723Aの処理において、減算後のV小当たりカウンタ203s1の値が0になっていないと判別した場合は(S723A:No)、時短状態の終了条件が成立していないことを意味するため、S704,S724A,S706の各処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
一方で、S721Aの処理において、今回の小当たりがV小当たりではないと判別した場合は(S721A:No)、今回の小当たりが第1~第3小当たり(小当たりI42~K42)のいずれかであることを意味するため、今回の小当たり種別に対応する小当たりカウンタの値を1減算して更新する(S725A)。S725Aの処理では、今回の小当たりが第1小当たり(小当たりI42)であれば、第1小当たりカウンタ203s2を1減算して更新し、第2小当たり(小当たりJ42)であれば、第2小当たりカウンタ203s3を1減算して更新し、第3小当たり(小当たりK42)であれば、第3小当たりカウンタ203s4を1減算して更新する。
S725Aの処理が終了すると、次いで、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4のカウンタ値が全て0になったか否かを判別し(S726A)、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4のカウンタ値が全て0になったと判別した場合は(S726A:Yes)、時短終了条件(第3終了条件)が成立したことを意味するため、時短状態を終了させるためのS704,S724A,S706の各処理を実行して、本処理を終了する。これに対し、S726Aの処理において、第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、および第3小当たりカウンタ203s4のうちいずれかが0になっていないと判別した場合は(S726A:No)、時短状態の終了条件(第3終了条件)が成立していないことを意味するため、時短状態を終了させるためのS704,S724A,S706の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この小当たり時短更新処理42(図1249参照)を実行することにより、第1~第3小当たりの当選回数が全て規定回数に到達するまで時短状態が継続し得る斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第42制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1250から図1252を参照して、本第42制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1250を参照して、本第42制御例における変動演出設定処理42(S4321A)の詳細について説明する。この変動演出設定処理42(S4321A)は、上述した第41制御例の第2の変形例における変動演出設定処理41B(図1230参照)に代えて実行される処理であり、変動演出設定処理41B(図1230参照)と同様に、特別図柄の変動表示に同期させて実行する第3図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1250は、この変動演出設定処理42(S4321A)を示すフローチャートである。
この第42制御例における変動演出設定処理42(図1250参照)のうち、S4401,S4403、およびS4421Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例の第2の変形例における変動演出設定処理41B(図1230参照)のS4401,S4403、およびS4421Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第42制御例における変動演出設定処理42(図1250参照)では、S4401の処理が終了すると、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判別し(S4441A)、時短状態であると判別した場合は(S4441A:Yes)、時短状態における変動表示演出の演出態様を設定するための時短中演出設定処理42を実行して(S4442A)、本処理を終了する。この時短中演出設定処理42(S4442A)の詳細については、図1251を参照して後述する。
また、本第42制御例における変動演出設定処理42(図1250参照)では、S4403の処理において、今回の特別図柄の抽選が第2特別図柄の抽選であると判別した場合に(S4403:Yes)、最終変動演出カウンタ223mbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S4443A)、最終変動演出カウンタ223mbの値が0より大きい値であると判別した場合は(S4443A:Yes)、最終変動演出カウンタ223mbの値を1減算して更新し(S4444A)、処理をS4447Aへと移行する。一方、S4443Aの処理において、最終変動演出カウンタ223mbの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S4443A:No)、次いで、抽選結果が完全外れ又は非V小当たりであるか否かを判別し(S4445A)、今回の特別図柄の抽選結果が完全外れでも非V小当たりでもない(即ち、大当たり、V小当たり、または時短図柄当選のいずれかである)と判別した場合(S4445A:No)、抽選結果を報知するための報知演出を設定して(S4446A)、処理をS4447Aへと移行する。
一方で、S4445Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が完全外れ又は非V小当たりであると判別した場合は(S4445A)、S4446Aの処理をスキップして、処理をS4447Aへと移行する。S4447Aの処理では、抽選結果に応じた小表示領域Dm8における変動表示態様を設定して(S4447A)、本処理を終了する。
次に、図1251を参照して、上述した時短中演出設定処理42(S4442A)の詳細について説明する。図1251は、この時短中演出設定処理42(S4442A)を示すフローチャートである。この時短中演出設定処理42(S4442A)が実行されると、まず、時短状態における最終変動であるか否か(即ち、特図2カウンタ203tの値が1の状態で第2特別図柄に対応する変動パターンコマンドを受信したか否か)を判別し(S4451A)、時短状態における最終変動であると判別した場合は(S4451A:Yes)、第2特別図柄の先読み結果を加味した変動表示態様を設定する(S4452A)。即ち、今回の特別図柄の抽選結果、および第2特別図柄の保留球の中に大当たりまたはV小当たりが存在する場合は、当たりを報知する(怪獣のキャラクタ821に勝利する)演出態様の変動表示態様を設定する一方で、今回の特別図柄の抽選結果も第2特別図柄の保留球も全て完全外れ又は非V小当たりであると判別した場合は、外れを報知する(怪獣のキャラクタ821に敗北する)演出態様の変動表示態様を設定する。S4452Aの処理が終了すると、最終変動演出カウンタ223mbに対して報知対象の第2特別図柄の変動表示までの変動回数を示すカウンタ値を設定して(S4453A)、本処理を終了する。S4453Aの処理では、外れを報知する演出態様の場合、現在の保留球数に対応するカウンタ値を設定する一方で、当たりを報知する演出態様の場合、当たりとなる保留球までの保留球数に対応するカウンタ値を設定する。
一方で、S4451Aの処理において、時短最終変動ではないと判別した場合は(S4451A:No)、今回の特別図柄の抽選結果が大当たり又はV小当たりのどちらかであるか否かを判別し(S4454A)、抽選結果が大当たり又はV小当たりのどちらかであると判別した場合は(S4454A:Yes)、今回の抽選結果に応じた変動演出の演出態様を決定して(S4456A)、本処理を終了する。一方、S4454Aの処理において、今回の抽選結果が大当たりでもV小当たりでもないと判別した場合は(S4454A:No)、次に、今回の抽選結果が5秒間の変動時間の完全外れ変動であるか否かを判別し(S4455A)、抽選結果が5秒間の変動時間の完全外れ変動であれば(S4455A:Yes)、処理をS4456Aへと移行する。
これに対し、S4455Aの処理において、抽選結果が5秒間の変動時間の完全外れ変動ではないと判別した場合は(S4455A:No)、今回の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S4457A)、時短図柄当選であれば(S4457A:Yes)、終了条件格納エリア223maの第1~第3小当たりに対応する規定回数にそれぞれ10回、7回、および3回を加算して更新し(S4458A)、残機回復演出(図1235参照)の実行を設定して(S4459A)、本処理を終了する。
また、S4457Aの処理において、今回の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S4457A:No)、抽選結果が非V小当たりであるか否かを判別し(S4460A)、抽選結果が非V小当たりであれば(S4460A:Yes)、非V小当たり時の演出態様を設定するための非V小当たり時処理を実行し(S4461A)、本処理を終了する。この非V小当たり時処理(S4461A)の詳細については、図1252を参照して後述する。これに対し、S4460Aの処理において、今回の抽選結果が非V小当たりでもないと判別した場合は(S4460A:No)、今回の抽選結果が15秒間の変動時間の完全外れ変動であることを意味するため、残機回復演出(図1235参照)と同様に宝箱810が出現するが、回復薬810dが出現せず、残機が回復することもないガセ残機回復演出の実行を設定して(S4462A)、本処理を終了する。
次に、図1252を参照して、上述した非V小当たり時処理(S4461A)の詳細について説明する。図1252は、この非V小当たり時処理(S4461A)を示すフローチャートである。図1252に示した通り、非V小当たり時処理(S4461A)が実行されると、まず、終了条件格納エリア223maのデータを読み出して(S4471A)、今回の非V小当たりに対応する規定回数が既に0であるか否かを判別する(S4473A)。S4473Aの処理において、今回の非V小当たりに対応する規定回数が既に0であると判別した場合は(S4473A:Yes)、ガセ残機回復演出の実行を設定して(S4472A)、本処理を終了する。
一方、S4473Aの処理において、今回の非V小当たりに対応する規定回数が0ではないと判別した場合は(S4473A:No)、今回の非V小当たりに対応する規定回数を1減算して更新し(S4474A)、今回の減算により全ての非V小当たりの規定回数が0になったか否かを判別する(S4475A)。S4475Aの処理において、全ての非V小当たりの規定回数が0になってはいないと判別した場合は(S4475A:No)、今回の非V小当たりに対応する残機減少演出(図1234(a)参照)の実行を設定して(S4476A)、本処理を終了する。
一方、S4475Aの処理において、全ての非V小当たりの規定回数が0になったと判別した場合は(S4475A:Yes)、第2特別図柄の保留球の先読み結果も加味した変動表示態様を設定する(S4477A)。即ち、今回の特別図柄の抽選結果、および第2特別図柄の保留球の中に大当たりまたはV小当たりが存在する場合は、当たりを報知する(怪獣のキャラクタ821に勝利する)演出態様の変動表示態様を設定する一方で、今回の特別図柄の抽選結果も第2特別図柄の保留球も全て完全外れ又は非V小当たりであると判別した場合は、ラッシュ終了を報知する(怪獣のキャラクタ821に敗北する)演出態様の変動表示態様を設定する。S4477Aの処理が終了すると、最終変動演出カウンタ223mbに対して報知対象の第2特別図柄の変動表示までの変動回数を示すカウンタ値を設定して(S4478A)、本処理を終了する。S4478Aの処理では、外れを報知する演出態様の場合、現在の保留球数に対応するカウンタ値を設定する一方で、当たりを報知する演出態様の場合、当たりとなる保留球までの保留球数に対応するカウンタ値を設定する。
この非V小当たり時処理を実行することで、対応するキャラクタの残機が残っていれば、非V小当たりに当選した場合に、対応するキャラクタの残機を減少させる演出を実行することができ、既に対応するキャラクタの残機が0であれば、ガセ残機回復演出を実行することができる。よって、残機が0のキャラクタが更に怪獣のキャラクタ821に敗北する矛盾した演出内容となってしまうことを防止できるので、演出態様をより好適に設定することができる。
以上説明した通り、本第42制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件として、複数の異なる条件が全て成立した場合に成立する終了条件を設ける構成とした。より具体的には、小当たり種別として、実質的に大当たりが確定するV小当たりに加えて、遊技球を入球させたとしても特定領域650e3へと遊技球が誘導され得ない(切替部材650hが通常排出流路650e1側に遊技球を誘導する配置となっている期間にのみ開閉扉650f1が開放される)小当たり種別を複数(第1小当たり、第2小当たり、および第3小当たり)設ける構成とし、時短状態に移行した後で、特別図柄の抽選で第1小当たり(第1の抽選結果)に予め定められた第1回数当選した場合に成立する第1条件と、第2小当たり(第2の抽選結果)に予め定められた第2回数当選した場合に成立する第2条件と、第3小当たり(第3の抽選結果)に予め定められた第3回数当選することで成立する第3条件と、が全て成立した場合にのみ成立する時短終了条件(第3終了条件)を設ける構成している。このように構成することで、第1条件と、第2条件と、第3条件とのうち、1又は複数の条件が成立していたとしても、少なくとも1の条件が未成立である間は、有利な時短状態が継続され得る斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第42制御例では、時短状態の設定条件が成立した場合に、第1~第3小当たりのそれぞれの当選回数の規定回数を設定し、当該時短状態において第1~第3小当たりの当選回数が全て規定回数に到達した場合に、第3終了条件が成立して時短状態が終了される一方で、少なくとも1の小当たりの当選回数が規定回数に未到達である間は、少なくとも第3終了条件が成立しない(他の終了条件は成立し得る)ように構成していたが、第3終了条件の判定対象となる小当たりの種別は、これに限られるものではなく、第42制御例における3種類よりも多くしてもよいし、少なくしてもよい。小当たり種別を少なくすることで、時短状態の遊技性をよりシンプルにすることができるので、遊技者にとって理解し易い遊技性を実現することができる。また、逆に、小当たり種別を多くすることで、時短状態中に怪獣のキャラクタ821とバトルを行う可能性があるキャラクタの種別をより多くすることができるので、演出態様を多様化させることができる。
本第42制御例では、時短状態の設定条件が成立した場合に、第1~第3小当たりのそれぞれの当選回数の規定回数を設定し、当該時短状態において第1~第3小当たりの当選回数が全て規定回数に到達した場合に、第3終了条件が成立して時短状態が終了される一方で、少なくとも1の小当たりの当選回数が規定回数に未到達である間は、少なくとも第3終了条件が成立しない(他の終了条件は成立し得る)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1~第3小当たりのうちいずれかの当選回数が規定回数に到達した場合に時短状態を終了させる構成としてもよい。即ち、時短状態において怪獣のキャラクタ821とバトルを行う可能性がある複数のキャラクタのうち、1のキャラクタの残機が0になった時点で時短状態が終了されるように構成してもよい。このように構成することで、リーチが発生した場合に、なるべく残機数が多いキャラクタが対戦相手に決定されることを願わせる遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第42制御例では、時短状態における第1~第3小当たりのそれぞれの当選回数の規定回数を、1の時短状態が終了するまでの間、固定化する構成としていたが、状況に応じて規定回数が可変するように構成してもよい。即ち、第1小当たりの当選回数が特定回数未満である場合は、第1小当たりの当選回数が特定回数未満の回数である第1回数に到達し、第2小当たりの当選回数が第2回数に到達し、第3小当たりの当選回数が第3回数に到達したことに基づいて時短状態が終了される(第3終了条件が成立する)一方で、第1小当たりの当選回数が特定回数以上となった場合は、第1小当たりの当選回数が特定回数以上の回数である第4回数に到達し、第2小当たりの当選回数が第2回数よりも多い第5回数に到達し、第3小当たりの当選回数が第3回数よりも多い第6回数に到達したことに基づいて時短状態が終了される(第3終了条件が成立する)ように構成してもよい。より具体的には、例えば、時短状態において第1小当たりの当選回数が10回未満の範囲内においては、第1小当たりの当選回数が5回以上となり、第2小当たりの当選回数が3回以上となり、第3小当たりの当選回数が1回以上となったことに基づいて第3終了条件が成立する一方で、第1小当たりの当選回数が10回以上の範囲においては、第1小当たりの当選回数が15回以上となり、第2小当たりの当選回数が6回以上となり、第3小当たりの当選回数が2回以上となったことに基づいて第3終了条件が成立するように構成してもよい。このように構成することで、時短状態の序盤においては、第1小当たりの当選回数が増加しないことを期待させる遊技性となる一方で、第1小当たりの当選回数が5回を越えて冒険者のキャラクタ811aの残機が0になった後においては、第1小当たりに多く当選して当選回数が10回を超えることを期待させる遊技性を実現することができる。言い換えれば、第1小当たりの当選回数が第1回数(5回)未満であるか、第1回数以上であるかによって、真逆となる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、状況に応じて時短回数を可変させる構成の別例として、時短状態における第2特別図柄の抽選回数が特定の抽選回数未満の範囲においては、第1小当たりの当選回数が第1回数に到達し、第2小当たりの当選回数が第2回数に到達し、第3小当たりの当選回数が第3回数に到達したことに基づいて時短状態が終了される(第3終了条件が成立する)一方で、第2特別図柄の抽選回数が特定の抽選回数以上となった場合は、第1小当たりの当選回数が第1回数よりも多い第4回数に到達し、第2小当たりの当選回数が第2回数よりも多い第5回数に到達し、第3小当たりの当選回数が第3回数よりも多い第6回数に到達したことに基づいて時短状態が終了される(第3終了条件が成立する)ように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選回数が特定回数となるまで第3終了条件を成立しなければ、第3終了条件が成立し難い状態となるため、第2特別図柄の抽選回数に注目して遊技を行わせることができる。これらの場合において、第1~第3小当たりの規定回数が増加する条件が成立した場合に、時短図柄当選が発生した場合と同様に、残機回復演出(図1235参照)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して規定回数が増加して第3終了条件が成立し難くなったということを容易に理解させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、上記の変形例では、所定条件が成立することで第1~第3小当たりの当選回数の規定回数を増加させる場合を例示していたが、逆に、一部、又は全部の小当たりの規定回数を減少させる構成としてもよい。このように構成することで、早期に大当たりまたはV小当たりに当選することをより強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第42制御例では、時短状態において、キャラクタ811a~811cの残機数を表示することで、第1~第3小当たりが全て規定回数に到達したことに基づいて成立する第3終了条件が成立するまでの各小当たりの残りの当選回数を遊技者が容易に把握可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、キャラクタの種別を秘匿して、何れかのキャラクタの残機が減った(いずれかの小当たりの規定回数までの残回数が減少した)ことのみを報知する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、第3終了条件が成立するまでの各小当たりの残りの当選回数を正確に把握することを困難にすることができるので、時短状態がいつまで続くかわからない遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第42制御例では、時短状態においてV入賞を発生させることが困難な第1~第3小当たりの当選回数がそれぞれ規定回数に到達することで第3終了条件が成立して時短状態が終了される用に構成していたが、第3終了条件を成立させ得る抽選結果は、V入賞を発生させることが困難な小当たりに限定されるものではなく、任意に定めることができる。例えば、変動時間が第1期間に設定される外れ抽選結果、第2期間に設定される外れ抽選結果、第3期間に設定される外れ抽選結果に規定回数を設定し、全ての外れ抽選結果となった回数が規定回数に当選した場合に時短状態を終了させる構成としてもよい。また、大当たり当選やV小当たり当選の回数を第3終了条件に含めてもよい。具体的には、例えば、V入賞不可能な小当たりに5回当選し、且つ、V小当たりに1回当選し、且つ、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、第3終了条件が成立するように構成してもよい。この制御は、特に、時短状態よりも通常状態において大当たり遊技の実行が設定された方が有利な仕様において、これまでにない斬新な遊技性を実現することができる。即ち、V小当たりに当選した場合に、敢えてV入賞を回避しておいて、その後にV入賞不可能な小当たりの当選回数が規定回数に到達した後で大当たりに当選した場合に、当該大当たり当選時に時短終了条件を成立させて有利度合いを高めることが可能となるため、時短状態中にV小当たりに当選した場合に、有利度合いが低くなるが、V入賞を発生させて確実に大当たり遊技を実行させる遊技方法で遊技を行うか、大当たりに当選せずに時短回数に到達して時短状態が終了されるリスクがあるが、V入賞を回避して、有利度合いが高い大当たり当選を目指すかを遊技者に選択させる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、第3終了条件を成立させ得る条件は、抽選結果に限られるものでもなく、他の条件を採用してもよい。具体的には、例えば、特別図柄の抽選回数の合計や、第2特別図柄の抽選回数を、第3終了条件を成立させ得る条件の一部又は全部として採用してもよい。具体的には、例えば、第1~第3小当たりの当選回数がそれぞれ1回以上となり、且つ、第2特別図柄の抽選回数が10回以上となることで第3終了条件が成立するように構成してもよい。このように構成することで、第3終了条件が成立するまでの最低の特別図柄の抽選回数を10回に固定化することができる。つまり、早々に第1~第3小当たりの規定回数に到達してしまったとしても、第2特別図柄の抽選回数の規定回数を満たすまでは時短状態の継続が保証されるため、遊技者を落胆させ難くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第42制御例では、時短状態において各キャラクタの残機数を、第1~第3小当たりの規定回数に対する残りの当選回数(第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4のカウンタ値)に一致させる構成としていたが、これに限られるものではない。実際にはカウンタ値が減算されていない(例えば、完全外れや既に残機が0となったキャラクタに対応する小当たりに当選した)にもかかわらず、残機が減少する演出が所定割合で実行されるように構成してもよい。また、例えば、残機ストック演出において報知される残機数として、実際の第1~第3小当たりの当選回数の規定回数よりも少ない残機数が報知され得る構成としてもよい。つまり、実際のカウンタ値よりも残機数が少なくなり得る演出動作としてもよい。この場合において、残機数が実際のカウンタ値よりも少なく報知されている状態で所定の報知条件(例えば、全てのキャラクタの残機数が0になったタイミングや、特定回数の特別図柄の抽選が実行されたタイミング)が成立した場合に、残機数を上乗せすることで実際の残機数を報知する演出を実行してもよい。このように構成することで、各キャラクタの残機数が少なくなってきたとしても、残機数を上乗せする演出が発生することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、各キャラクタの残機数と、第1~第3小当たりの規定回数に対する残りの当選回数(第1小当たりカウンタ203s2、第2小当たりカウンタ203s3、第3小当たりカウンタ203s4のカウンタ値)とが不一致となることを許容する演出制御の別例として、例えば、各キャラクタの残機数が0になり難くなるように、所定条件下で、実際に当選した小当たりの種別に対応するキャラクタとは異なるキャラクタの残機を減少可能に構成してもよい。より具体的には、例えば、冒険者のキャラクタ811aおよびガンマンのキャラクタ811cの残機が共に1、ウサギのキャラクタ811bの残機が4という状況下において、第1小当たり(冒険者のキャラクタ811aに対応する小当たり)、または第3小当たり(ガンマンのキャラクタ811cに対応する小当たり)に当選した場合、即ち、対応するキャラクタの残機を減少させることで当該キャラクタの残機が0となってしまう場合に、残機に余裕がある(残機が2以上残っている)キャラクタ(ウサギのキャラクタ811b)の残機を減少させる演出を実行する構成としてもよい。つまり、一部のキャラクタ(第1のキャラクタ)の残機が特定数(1機)となっている状況下において、残機に余裕があるキャラクタ(第2のキャラクタ)の残機数を、対応する小当たりカウンタの値よりも少ない残機数に報知する代わりに、特定数以下の残機となっている第1のキャラクタの残機を減らす演出を回避する(対応する小当たりカウンタの値よりも多い残機数を報知する)構成としてもよい。そして、実際よりも少ない残機数に報知していた第2のキャラクタの残機数が所定数以下(例えば、2機以下)となった状態で当該第2のキャラクタに対応する小当たりに当選した場合に、第2のキャラクタの残機数に代えて第1のキャラクタの残機数を減算する演出を実行することにより帳尻を合わせ、最終的に第3終了条件が成立するタイミングと、全てのキャラクタの残機が0になるタイミングとを一致させるように構成してもよい。このように構成することで、各キャラクタの残機が0となり難くすることができるので、複数のキャラクタの残機が残っていることに対する安心感を遊技者に抱かせ易くすることができる。よって、時短状態中の遊技をより安心して行わせることができる。また、逆に、一部のキャラクタの残機がより多く残り易くなるように構成してもよい。つまり、残機数が所定数以上(例えば、5機以上)残っている一部のキャラクタ(特定のキャラクタ)に対応する小当たりに当選した場合に、第1のキャラクタの残機数に代えて、残機数が1以上の他のキャラクタの残機数を減少させる構成としてもよい。そして、他のキャラクタの残機数が見た目上0になった状態(対応する小当たりカウンタの値が1以上であるにもかかわらず残機の表示のみ0になっている状態)で更に他のキャラクタに対応する小当たりに当選した場合に、特定のキャラクタの残機を減少させる演出を実行することで帳尻を合わせ、最終的に第3終了条件が成立するタイミングと、全てのキャラクタの残機が0になるタイミングとを一致させるように構成してもよい。このように構成することで、特定のキャラクタの残機数が多い状態をより長く継続させることができるため、特定のキャラクタに対応する種別の小当たりに当選し続けなければ時短状態が継続するかのように思わせることができ、時短状態がより長く継続しそうだと遊技者に対して思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第42制御例では、時短状態においてリーチ演出に発展した場合に味方キャラクタ(キャラクタ811a~811c)と対戦する(バトルを行う)敵キャラクタとして、1種類のキャラクタ(怪獣のキャラクタ821)のみを設ける構成としていたが、敵キャラクタは複数の種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、演出態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。この場合において、選択される敵キャラクタの種別によって味方キャラクタが敗北した場合の残機数の減少数を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、敵キャラクタとして第1~第3の敵キャラクタを設ける構成とし、第1の敵キャラクタに敗北した場合、対戦相手として決定された味方のキャラクタの残機数が1機減少し、第2の敵キャラクタに敗北した場合は、対戦相手として決定された味方のキャラクタの残機数が最大で2機(残機が1機以下の場合は残機数を0まで)減少し、第3の敵キャラクタに敗北した場合は、対戦相手として決定された味方のキャラクタの残機数が最大で3機(残機が2機以下の場合は残機数を0まで)減少するように構成してもよい。この場合、残機ストックチャンス演出において残機数を実際よりも多く報知する場合を設けておき(または第1~第3小当たり当選時に対応する小当たりカウンタ値が0でない場合でも所定割合でガセ残機回復演出を実行することで実際よりも多い残機数となる場合を設けておき)、所定契機で第2の敵キャラクタや第3の敵キャラクタに敗北する演出を実行して多く報知していた分の残機を減少させて残機の帳尻を合わせたり、逆に、第2の敵キャラや第3の敵キャラクタに敗北する演出を実行して実際の小当たりカウンタのカウンタ値よりも少ない残機数を報知しておいて、その後に残機上乗せ演出等により帳尻を合わせる演出動作を行う構成としてもよい。このように構成することで、残機の減少態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、この場合において、大当たりまたはV小当たり当選時に選択される割合は、第3の敵キャラクタが最も高くなり、第1の敵キャラクタが最も少なくなるように構成してもよい。このように構成することで、第3の敵キャラクタが選択された場合は、大当たり又はV小当たりの期待度が高いものの、敗北した場合に多くの残機が減少されるハイリスクハイリターンのバトル演出となり、第1のキャラクタが選択された場合は、大当たり又はV小当たりの期待度が低いものの、敗北したとしても残機が1しか減少されないローリスクローリターンのバトル演出となり、第2の敵キャラクタはこれらの中間リスクおよびリターンのバトル演出となるので、決定される敵キャラクタの種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとの組み合わせによって大当たり(またはV小当たり)となる期待度を示唆可能に構成してもよい。具体的には、例えば、基本的に、冒険者のキャラクタ811aがバトル(対戦)を行う場合、第1の敵キャラクタよりも第2の敵キャラクタの方が大当たり期待度が高くなり(第1小当たりの場合に選択され難くなり)、且つ、第2の敵キャラクタよりも第3の敵キャラクタの方が大当たり期待度が高くなる(第1小当たりの場合に選択され難くなる)一方で、ウサギのキャラクタ811bがバトルを行う場合、第2の敵キャラクタの大当たり期待度が最も高くなり、第1の敵キャラクタの大当たり期待度が最も低くなるように構成してもよい。また、ガンマンのキャラクタ811cがバトルを行う場合、第1の敵キャラクタが選択されることで大当たり又は小当たり当選が確定し(第3小当たりでは選択され得ず)、且つ、第3小当たりよりも第2小当たりの方が大当たり期待度が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、味方キャラクタと敵キャラクタとの組み合わせにも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第42制御例では、時短状態において時短図柄当選が発生した場合に、各種カウンタに対して、時短図柄に対応するカウンタ値が加算されるように構成していた。つまり、時短図柄当選が発生すると、必ず有利度合いが高くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短終了条件が異なる複数の時短図柄の種別を設ける構成とし、時短状態において時短図柄当選が発生した場合は、対応する時短終了条件を各種カウンタ値に上書きする構成としてもよい。このように構成することにより、時短図柄当選が発生した場合に、設定される時短終了条件(各キャラクタの残機)に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第42制御例では、時短終了条件として、複数の異なる条件が全て成立した場合に成立する第3終了条件を設ける構成とし、いずれか1の条件が未成立の間は、他の終了条件が成立していないことを条件として、時短状態が維持される(有利度合いが維持される)ように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態において終了条件を構成する各条件が成立する毎に、時短状態の有利度合いが可変するように構成してもよい。具体的には、例えば、終了条件を構成する条件として第1~第3条件を設ける構成とし、第1条件が成立することで、変動時間が長い変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する制御に切り替わり、第2条件が成立することで、普通図柄の当たり当選時に電動役物640aへと遊技球が入球困難となる開放パターンが選択される割合が高くなり、第3条件が成立することで、普通図柄の変動時間が長くなるように制御してもよい。そして、第1~第3条件が全て成立した場合に、時短状態が終了されるように構成してもよい。このように構成することで、条件が成立する毎に時短状態の有利度合いが低下していく遊技性を実現することができるので、各条件が成立するよりも前に大当たりまたは小当たりに当選させたいと強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、逆に、成立した条件が多くなる程時短状態の有利度合いが向上するように構成してもよい。この場合、いずれかの条件が早期に成立すること、および、全ての条件が成立しないことを遊技者に対して期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、時短状態の有利度合いが高くなる条件と、低くなる条件と、を設ける構成としてもよいし、成立する順序によって有利度合いが可変するように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が継続している間、成立した条件の種別や成立順に注目して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、同一の時短状態の有利度合いを可変させる制御に限られるものでもなく、有利な遊技状態を複数設け、条件が成立する毎に有利な遊技状態間で状態を移行するように構成し、全ての条件が成立することで不利な通常状態へと移行する構成としてもよい。具体的には、例えば、有利状態として第1有利状態、第2有利状態、および第3有利状態を設ける構成とし、条件を第1有利状態において第1条件が成立することで第2有利状態へと移行し、第1有利状態において第2条件が成立することで第3有利状態へと移行し、第2有利状態において第2条件が成立するか、第3有利状態において第1条件が成立することで、通常状態へと移行するように構成してもよい。また、これらの場合の条件については、第1~第3小当たりの当選回数に限られるものでもなく、特別図柄の抽選回数、V小当たり当選、普通図柄の当たり遊技の実行回数、第2特別図柄の保留球数、所定の種別の大当たり当選等、任意の条件を設定することができる。
<第43制御例>
次に、図1253から図1283を参照して、第43制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第43制御例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例におけるパチンコ機10と同様に、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、さらに、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件(例えば、999回)を満たした場合(天井付与条件が成立した場合)に、遊技者に有利となる特典(通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易くする状態)を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を実行させる遊技を長時間実行した遊技者に対して、特別図柄抽選の結果に関わらず特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第43制御例では、上述した第32制御例と同様に、通常状態よりも有利な遊技状態(時短状態)として、特別図柄抽選にて時短図柄に当選した場合の一部、或いは、大当たり当選すること無く連続して特別図柄抽選が実行された回数が所定回数(999回)に到達した場合において設定される第2時短状態(微時短状態)と、大当たり遊技の終了後に設定される第1時短状態(時短状態)と、を設定可能に構成している。
詳細な説明は後述するが、本第43制御例にて実行される複数種類(2種類)の時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。具体的には、何れの時短状態(第1時短状態、第2時短状態)であっても通常状態よりは有利な遊技状態となり、第2時短状態よりも第1時短状態が遊技者に有利な遊技状態となるように構成している。つまり、本第43制御例におけるパチンコ機10において設定可能な2種類の時短状態の中では、第2時短状態が最も遊技者に不利な時短状態となり、第1時短状態が最も遊技者に有利な時短状態となる。
ここで、時短状態中における遊技者への有利度合いを決定する要素としては、設定された遊技状態における特別図柄抽選の実行のし易さや、実行される特別図柄抽選の種別や、特別図柄抽選の結果に基づいて実行される大当たり遊技の種別や、特別図柄抽選の結果に基づいて大当たり遊技が実行された場合に、その大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態の種別や、時短図柄抽選に当選した場合に設定される時短状態の種別等が挙げられる。
本第43制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が、抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行され易くなるように構成しており、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が、遊技者に有利な特別図柄抽選となるように構成している。具体的には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れも同一の確率(約1/250)で大当たり当選し、第2特別図柄抽選のみ約1/25で小当たり当選するように構成している。そして、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を入球させることで、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選が実行された場合よりも、第2特別図柄抽選が実行された場合の方が、1回の特別図柄抽選の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行される確率を高めることができるので、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が、遊技者に有利な特別図柄抽選とすることができる。
また、本第43制御例では、第1特別図柄抽選が実行された場合に約1/40の確率で時短図柄当選するように構成している。そして、時短図柄当選した場合に設定される時短状態種別の設定割合を、時短図柄当選した時点で設定されている遊技状態に応じて異ならせており、通常状態にて時短図柄当選した場合よりも、時短状態にて時短図柄当選した場合の方が、遊技者に有利な時短状態種別を設定し易くなるように構成している。
具体的には、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、第2時短状態(微時短状態)が設定される割合が50%、第1時短状態(時短状態)が設定される割合が50%となり、第2時短状態にて実行される第1特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、第2時短状態(微時短状態)が設定される割合が30%、第1時短状態(時短状態)が設定される割合が70%となり、第1時短状態(時短状態)にて実行される第1特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、第2時短状態(微時短状態)が設定される割合が0%、第1時短状態(時短状態)が設定される割合が100%となるように構成している。
さらに、本第43制御例では、通常状態、或いは、第2時短状態が設定されている場合には、第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄抽選の実行を目指す左打ち遊技の方が、第2入球口640へと遊技球を入球させて第2特別図柄抽選の実行を目指す右打ち遊技よりも遊技者に有利となる(特別図柄抽選を実行させ易くする)ように構成しており、第1時短状態が設定されている場合には、第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄抽選の実行を目指す左打ち遊技よりも、第2入球口640へと遊技球を入球させて第2特別図柄抽選の実行を目指す右打ち遊技の方が遊技者に有利となるように構成している。
このように構成することで、時短図柄当選した場合における遊技者に有利な第2特別図柄抽選を実行させ易い第1時短状態の設定のし易さの点から、通常状態が最も有利者に不利な遊技状態となり、次いで、第2時短状態、第1時短状態の順に遊技者に有利な遊技状態となる。
また、本第43制御例では、第1時短状態、即ち、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態中に第1特別図柄抽選が実行され時短図柄当選した場合、例えば、第1時短状態中に誤って左打ち遊技を行い第1入球口64へと遊技球が入球してしまい第1特別図柄抽選が実行された場合や、左打ち遊技によって第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得している状態で時短図柄当選し第1時短状態が設定された後に、獲得済みの特図1保留を用いた第1特別図柄抽選が実行された場合に時短図柄当選したとしても、遊技者に最も有利な時短状態である第1時短状態から他の時短状態(第2時短状態)へと遊技状態が移行しないように構成している。
このように構成することで、第1時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選を実行させることなく第1時短状態が終了してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。なお、本第43制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、第1特別図柄抽選にて時短図柄抽選(時短図柄当選の判定)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に応じて、時短図柄抽選の実行有無を変更するように構成しても良い。この場合、例えば、第1時短状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選が実行されたとしても時短図柄抽選(時短図柄当選の判定)を実行しないように構成すると良い。このように構成した場合であっても、本第43制御例と同様に、時短図柄当選によって、遊技者に最も有利な時短状態である第1時短状態から他の時短状態(第2時短状態)へと遊技状態が移行しないように構成することができる。
また、本第43制御例では、第2時短状態(微時短状態)の設定契機に応じて、第2時短状態の継続期間を異ならせるように構成しており、時短図柄当選(第1設定契機)に基づいて第2時短状態が設定される場合には、第2時短状態が継続し得る期間(時短回数)として「1回~100回」の何れかが設定されるように構成し、大当たり当選すること無く連続して特別図柄抽選が実行された回数が所定回数(999回)に到達したこと(第2設定契機)に基づいて第2時短状態が設定される場合には、第2時短状態が継続し得る期間(時短回数)として「40回」が設定されるように構成している。そして、第1設定契機に基づく第2時短状態にて設定される時短回数の平均値が「5回」となるように構成している。
つまり、特別図柄抽選が実行される毎に成立し得る第1設定契機が成立した場合に設定される第2時短状態の方が、所定回数(999回)の特別図柄抽選が実行された場合に成立する第2設定契機が成立した場合に設定される第2時短状態よりも、短い時短回数が設定され易くなるように構成し、且つ、設定され得る時短回数の最大値が大きくなるように構成している。
このように構成することで、第1設定契機が成立したことに基づいて長期間の第2時短状態が過剰に設定されてしまうことを抑制しながらも、長期間の第2時短状態が設定されることを期待しながら毎回の特別図柄抽選を実行させることができるため、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、第2設定契機が成立した場合には、第1設定契機が成立した場合に設定され得る時短回数の平均値(5回)よりも多い時短回数(40回)が設定されるため、大当たり当選すること無く長時間の遊技を実行した遊技者に対して、過小な第2時短状態が設定されてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第43制御例では、第2時短状態中に実行される第1特別図柄抽選でも時短図柄当選するように構成しており、設定されている第2時短状態の残時短回数と、時短図柄当選したことに基づいて新たに設定される第2時短状態の時短回数と、によっては、第2時短状態の残時短回数が増加する場合と、減少する場合、或いは、変動しない場合と、を創出可能に構成している。このように構成することで、時短図柄当選によって同一の時短種別(同一時短回数の第2時短状態が設定される時短種別)が設定される場合であっても、遊技者に有利となる場合と、不利となる場合とを生じさせることが可能となるため、時短図柄抽選の結果に対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、上述した通り、時短図柄当選によって同一の時短種別(同一時短回数の第2時短状態が設定される時短種別)が設定される場合であっても、遊技者に有利となる場合と、不利となる場合とが生じることから、同一の時短種別が設定される時短図柄に当選した場合において、その抽選結果を示すための識別情報(第3図柄)の表示態様を、遊技者の有利度合いに応じて異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
さらに、本第43制御例におけるパチンコ機10では、設定されている遊技状態を遊技者に把握させ難くするために、左打ち遊技が遊技者に有利となる遊技状態(通常状態、第2時短状態)が設定されている場合には、何れの遊技状態が設定されているかを遊技者が把握可能な背景モード(専用モード)と、何れの遊技状態が設定されているかを遊技者が把握困難な背景モード(共通モード)と、を設定可能に構成し、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報の停止表示態様を、設定されている背景モードに応じて異ならせるように構成している。
具体的には、特定の時短種別に時短図柄当選した時点の遊技状態が、通常状態である場合には第1特典が付与され、第2時短状態である場合には第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典が付与される場合において、時短状態が設定されている場合であっても、背景モードとして共通モードが設定されている場合には、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報の停止表示態様として、第1特典が付与されることを示すための識別情報の停止表示態様を設定可能に構成している。
このように構成することで、設定されている遊技状態を遊技者が把握困難な背景モードが設定されている場合には、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報の停止表示態様によって遊技者に遊技状態を把握されてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第43制御例におけるパチンコ機10では、設定されている背景モードと、停止表示された識別情報の停止表示態様と、を組み合わせて把握することで、遊技者に付与される特典の内容を遊技者に把握させることができるように構成している。
具体的には、共通モードが設定されている状態で第1停止表示態様の識別情報が停止表示された場合と、専用モードが設定されている状態で第1停止表示態様の識別情報が停止表示された場合と、で異なる特典が付与されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選によって付与される特典を把握したい遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報の停止表示態様だけでなく、識別情報が停止表示された時点(特別図柄抽選が実行された時点)における背景モードの種別についても興味を持たせることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第43制御例では、時短図柄当選に基づいて時短状態(第1時短状態、第2時短状態)が設定される場合に時短回数の異なる時短状態を設定可能に構成しており、設定される時短回数に応じて、特別図柄抽選で時短図柄当選したことを示すための報知態様(識別図柄の停止表示態様)の設定を決定可能に構成している。
具体的には、設定される時短回数が少ない場合(例えば、1回の場合)では、時短図柄当選した時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)を先読みし、時短状態が設定された状態で実行される第1特別図柄抽選の結果が外れ(時短図柄非当選)であると判別した場合には、時短図柄当選したことを遊技者に報知しないように構成している。このように構成することで、時短図柄当選したにも関わらず時短状態が早期に終了していまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、先読み結果が第1特別図柄抽選の結果が外れ(時短図柄非当選)以外である場合には、少ない時短回数の時短状態が設定されることを報知可能に構成している。つまり、少ない時短回数の時短状態が設定されることが報知された場合には、その時短状態中に実行される特別図柄抽選にて何らかの特典(当たり、時短図柄)に当選している可能性を高くすることができる。
ここで、従来より、異なる時短回数の時短状態を設定可能であって、時短回数が多い時短状態が設定される場合の方が、時短回数が少ない時短状態が設定される場合よりも遊技者に有利となるパチンコ機10が知られている。そして、時短状態が設定される場合において、今回設定される時短回数の少なくとも一部を遊技者に報知可能なパチンコ機10が知られている。このような従来型のパチンコ機10では、報知される時短回数が多い程、遊技者に有利となるため、遊技者は報知される時短回数の多さにのみ興味を持つこととなり、少ない時短回数が報知された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第43制御例におけるパチンコ機10では、上述した従来型のパチンコ機10と同様に、長い時短回数が設定された方が遊技者に有利となるが、短い時短回数が設定された場合には、遊技者に有利な特別図柄抽選の結果が先読みされた場合に時短状態が設定されることを報知可能に構成しているため、少ない時短回数が設定される時短状態が設定されることに対しても遊技者に興味を持たせることができるように構成している。よって、時短状態が設定されることが報知された場合において、設定される時短回数の大小により興味を持たせることができる。
<第43制御例の遊技盤13の構成について>
まず、図1253を参照して、本第43制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。本第43制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成は、上述した第32制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成(図925参照)と同一であるため、詳細な説明を省略する。ここで、本第43制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて簡単に説明をする。本第43制御例におけるパチンコ機10では、遊技領域に発射された遊技球が第1入球口64へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第1特別図柄)と、第2入球口640へと入球したことに基づいて実行条件が成立した場合に抽選が実行される第1図柄(第2特別図柄)と、を有している。そして、第1特別図柄抽選の結果として、大当たり当選、時短図柄当選、外れの何れかが判定され、第2特別図柄抽選の結果として、大当たり当選、小当たり当選、外れの何れかが判定されるように構成している。
特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、第1可変入賞装置65の開閉扉65b(図1253参照)が開放され、特定入賞口65a(図1253参照)へと遊技球を入賞させ易くなる大当たり遊技が実行されるように構成している。特定入賞口65aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。よって、遊技者はパチンコ機10における遊技にて多くの賞球を獲得するために、特別図柄の抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合には、第2可変入賞装置(V入賞装置)650の開閉扉650f(図1253参照)が開放され、V入賞口650a(図1253参照)へと遊技球を入賞させ易くなる小当たり遊技が実行されるように構成している。V入賞口650aへと遊技球が入賞すると、入賞した遊技球1個に対して11個の賞球が払い出されるように構成されている。
加えて、本第43制御例では、V入賞口650aへと入賞した遊技球が第2可変入賞装置(V入賞装置)650内に設けられた特定領域(V領域)650e3を通過した場合には、小当たり遊技の終了後に第1可変入賞装置65の開閉扉65bを開放させる大当たり遊技を実行可能に構成している。
つまり、本第43制御例では、大当たり遊技を実行させるための実行契機として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する第1大当たり契機と、小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V領域)650e3を通過した場合に成立する第2大当たり契機と、を有している。このように構成することで、様々な契機で大当たり遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、上述した通り、本第43制御例におけるパチンコ機10では、遊技者へ賞球を付与可能な当たり遊技として、大当たり遊技と、小当たり遊技と、を実行可能に構成しており、小当たり遊技中よりも、大当たり遊技中の方が、遊技者に多くの賞球を付与可能(多くの遊技球を入賞させることが可能)となるように、各当たり遊技の内容が予め決定されている。つまり、大当たり遊技は、小当たり遊技よりも遊技者が獲得可能な賞球数の点で遊技者に有利な当たり遊技となる。
また、大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に大当たり種別に対応した遊技状態を設定可能に構成しているのに対して、小当たり遊技の終了後には、小当たり遊技が開始される時点で設定されていた遊技状態が再度設定されるように構成している。つまり、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に通常状態とは異なる遊技状態(時短状態)が設定可能となり、通常状態が設定されている状態で小当たり遊技が実行された場合には、小当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。
よって、現在設定されている遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されることを期待しながら遊技を行っている遊技者に対しては、新たな遊技状態を設定可能な大当たり遊技の方が、小当たり遊技よりも有利な当たり遊技となる。
また、本第43制御例におけるパチンコ機10では、上述した特別図柄の抽選(特別図柄抽選)以外に、普通図柄(第2図柄)の抽選を実行可能に構成しており、遊技盤13に設けられたスルーゲート67へと遊技球を通過(入球)させたことに基づいて実行条件が成立した場合に、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄(第2図柄)の抽選の結果として、当たり、外れの何れかが判定されるように構成している。普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、電動役物640a(図1253参照)を作動させることで、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くする普図当たり遊技が実行される。
つまり、普図当たり遊技が実行されることで、普図当たり遊技が実行されていない場合よりも、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、遊技者に対して、第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、スルーゲート67へと遊技球を入球(通過)させ普通図柄抽選を実行し、第2入球口640へと遊技球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行し大当たり遊技を目指す遊技と、を実行させることが可能となるため、遊技者に多彩な遊技を提供することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、詳細な説明は後述するが、本第43制御例におけるパチンコ機10では、普通図柄の確率状態として、「低確率状態」と、「高確率状態」を設定可能に構成しており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも、1回の普通図柄抽選の結果に基づいて第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となる期待度が低くなるように構成している。
具体的には、「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄(第2図柄)抽選の当たり確率がアップし、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ遊技球が入球しやすい状態となる。よって、普通図柄の高確率状態中は、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となり、特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が行われる回数を増やすことができる。
加えて、上述した第40制御例と同様に、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態であっても、普通図柄の高確率状態と同一の電動役物640aの開放制御を実行可能な遊技状態(第1時短状態)を設定可能に構成している。
なお、普通図柄の高確率状態中の普図当たり遊技として、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を長くするのではなく、または、その開放時間を長くすることに加えて、1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数を普通図柄の低確率状態中に実行される普図当たり遊技よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の普図当たり遊技で電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、普通図柄の高確率状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の普図当たり遊技で電動役物640aを開放する回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、普通図柄の低確率状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
なお、本第43制御例では、上述した通り、普通図柄の確率状態を「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成し、特別図柄の確率状態は変更されないように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄の確率状態も、上述した普通図柄の確率状態と同様に「低確率状態」、「高確率状態」と変更可能に構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)を高めるように構成すると良い。また、大当たり確率だけで無く、特別図柄の抽選結果が小当たりとなる確率(小当たり確率)を高めるように構成しても良いし、大当たり確率、小当たり確率を共に高めるように構成しても良いし、特別図柄の高確率状態が設定された場合には、特別図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、特別図柄の抽選結果が外れとなる確率(外れ確率)が低くなるように構成しても良い。
本第43制御例にて用いられる第2可変入賞装置(V入賞装置)650の具体的な構成については、上述した第32制御例の図926から図930を参照して説明をした内容と同一であるため、その説明を省略する。
<第43制御例の演出内容について>
次に、図1254から図1259を参照して、本第43制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第43制御例におけるパチンコ機10では、上述した第32制御例におけるパチンコ機10と同様に、遊技状態として通常状態と、時短状態と、を設定可能に構成している。さらに、時短状態として複数の時短状態種別を設定可能に構成しており、設定される時短状態種別に応じて遊技者への有利度合いを異ならせている。ここで、本第43制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている場合と、第2時短状態が設定されている場合と、で遊技者に対して左打ち遊技を実行させるように構成している。そして、遊技者に左打ち遊技を実行させる遊技期間、即ち、通常状態、或いは、第2時短状態が設定されている遊技期間中は、複数の背景モード(有利モード、通常モード、不利モード)を設定可能に構成し、設定されている背景モードの種別に対応した背景画像が第3図柄表示装置81の表示面(背面)に表示されるように構成している。このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を把握させ難くすることができる。
また、本第43制御例では、第1特別図柄抽選にて時短図柄当選したことに基づいて、大当たり遊技を介すること無く第2時短状態を設定可能に構成しているため、左打ち遊技を実行している遊技者が特別図柄抽選の結果に基づいて第2時短状態へと移行したか否かを把握させ難くしている。加えて、第2時短状態が継続する期間(時短回数)として、異なる期間(時短回数)を設定可能に構成しているため、時短図柄当選に基づいて第2時短状態が設定されたことを遊技者が把握したとしても、その第2時短状態が終了し、通常状態へと移行したタイミングを把握させ難くすることができる。
図1254(a)は、通常状態よりも遊技者に有利な第2時短状態が設定されたことを示すための背景モードである有利モード中の演出画面を模式的に示した図であって、図1254(b)は、通常状態が設定されたことを示すための背景モードである不利モード中の演出画面を模式的に示した図である。
図1254(a)に示した通り、有利モードが設定されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの背面画像として、天国を模した背面画像が表示され、ウサギを模したキャラクタ801と、天使を模したキャラクタ809が動的表示される。また、主表示領域Dmの中央上部には、現在設定されている背景モードが遊技者に有利な有利モードであることを示すための「有利」の文字が表示され、副表示領域Dsには、通常状態が設定されている場合よりも、第1時短状態(右打ち遊技が実行される時短状態)へと移行する確率が高い状態であることを示すための案内態様として「時短突入のチャンス」の文字が表示される。
なお、図1254(a)に示した有利モード画面は、左打ち遊技が実行される第2時短状態中を示しているため、小表示領域Dm4には、遊技者に対して左打ち遊技を促すための「左打ち」の文字が表示される。ここで、本第43制御例では、特別図柄抽選によって第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合には、当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄が停止表示されたタイミングで第2時短状態を設定するように構成しており、その次に実行される特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始される場合に、背景モードを切り替えるための処理(背景モード移行処理)が実行されるように構成している。
そして、背景モード移行処理によって、有利モードへの移行条件が成立した場合に、図1254(a)に示した背景画像が表示されるように構成している。つまり、第2時短状態が設定された場合の一部において、背景モードを有利モードへと移行させることで遊技者に第2時短状態が設定されたことを分かり易く報知することができるように構成している。
一方、有利モードを終了させるための条件は別に規定されており、例えば、第2時短状態の終了条件が成立し通常状態が設定された後に特別図柄抽選が実行される毎に、有利モードを終了させるための終了抽選を実行し、その終了抽選にて当選した場合に有利モードを終了させるように構成している。
このように構成することで、第2時短状態が設定されたことを遊技者に報知するための有利モードが設定されたことにより、第2時短状態が設定されたことを把握した遊技者に対して、有利モードがいつまで継続したのかを分かり難くすることができる。よって、第1時短状態が設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせ易くすることができる。また、有利モードが設定されていない状態であっても、内部的に第2時短状態が設定されている可能性を残すことができるため、左打ち遊技中であって、有利モードが設定されていない状況(通常モードが設定されている状況)であっても、第1時短状態が設定されることを期待させ易くすることができる。
次に、図1254(b)を参照して、不利モード中の演出画面の内容について説明をする。この不利モードは、遊技状態として通常状態が設定されていることを遊技者に報知するための演出画面である。この不利モードが設定されることによって、現在設定されている遊技状態が遊技者に有利では無い通常状態であることを報知している。このように構成することで、何れの遊技状態が設定されているのかを把握できないため、遊技者が遊技の止めどきを見つけることが出来ず、過剰に長時間の遊技を行ってしまい遊技の興味が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第43制御例では、大当たり当選すること無く所定回数(999回)の特別図柄抽選が実行された場合に、天井特典を付与可能に構成しており、天井特典が付与されるまでに要する特別図柄抽選の回数が少なくなればなるほど(大当たり当選しない特別図柄抽選回数が増加するほど)、通常状態が設定されている場合に不利モードが表示され易くなるように構成している。そして、図1254(b)に示した通り、不利モードが表示されている間は、天井特典が付与されるまでに必要な特別図柄抽選の実行回数を示すための残回数報知が小表示領域Dm7に表示されるように構成している。
具体的には、図1254(b)に示した表示画面では、小表示領域Dm7に「天井まであと50回」の文字が表示されている。よって、図1254(b)に示した表示画面は、前回の大当たり遊技が終了してから950回目の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が実行されている期間中における第3図柄表示装置81の表示画面を示した図である。
なお、図示は省略したが、本第43制御例では、背景モードとして、上述した有利モード、及び不利モードとは別に通常モードを設定可能に構成している。この通常モードは、遊技状態として通常状態が設定されている場合も第2時短状態が設定されている場合も設定可能に構成している。つまり、有利モード、不利モードは、設定された遊技状態を遊技者に報知可能な背景モードである専用モードであり、通常モードは、設定された遊技状態を遊技者に報知しない共通モードである。このように共通モードを設定可能に構成することで、通常状態と第2時短状態とが移行する毎に遊技者に専用モードが設定されてしまい、設定されている遊技状態を遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第43制御例では、背景モードの種別として、上述した3種類(不利モード、通常モード、有利モード)を設定可能に構成しているが、背景モードの種別を4種類以上にしても良い。また、本第43制御例では、遊技者に有利となる遊技方法が同一(例えば、左打ち遊技)の遊技状態として2種類の遊技状態(例えば、通常状態、第2時短状態)を設定可能に構成しているが、3種類以上の遊技状態において、遊技者に有利のとなる遊技方法が同一となるように構成しても良い。この場合、背景モードの種別として、設定されている遊技状態に対応させた背景モード(専用モード)と、設定されている遊技状態に対応していない背景モード(共通モード)と、に加え、少なくとも1の遊技状態のみを排除可能な背景モード(限定モード)と、を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、設定される背景モードの種別に応じて設定されている遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
さらに、遊技状態が移行したにも関わらず、背景モードが切り替わっていないことを示すための情報を遊技者に報知可能に構成しても良く、この場合、設定される遊技状態によって設定され得ない背景モードを設定可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技状態の移行前と移行後において共通して同一の背景モードが設定されているという情報に基づいて、現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
また、遊技状態が移行していないにも関わらず、背景モードが切り替わったことを示すための情報を遊技者に報知可能に構成しても良い。このように構成することで、切り替え前の背景モードと、切り替え後の背景モードとが、同一の遊技状態にて設定されたことを遊技者に把握させることができるため、現在の遊技状態を予測させる楽しみを提供すると共に、現在の遊技状態を把握した遊技者に対して、その遊技状態がいつから設定されていたのかを予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図1255を参照して、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選にて時短図柄当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図1255(a)は、通常モード中に時短種別「時短A」が設定される時短図柄に当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図1255(b)は、有利モード中に時短種別「時短A」に当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
本第43制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合に、時短図柄当選の判定(時短図柄抽選)を実行するように構成しており、時短図柄当選した場合には、大当たり遊技を実行すること無く、時短状態を設定可能に構成している。そして、時短図柄当選した場合には、時短図柄種別として、第2時短状態が設定される「時短A(時短図柄A)」と、第1時短状態が設定される「時短B(時短図柄B)」と、の何れかが設定されるように構成している。さらに、当選した時短図柄種別に応じて異なる時短回数が設定されるように構成している。
図1255(a)に示した表示画面は、遊技状態として通常状態が設定されている状況であって、且つ、背景モードとして「通常モード」が設定されている状態で、時短回数10回の第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための表示画面であって、主表示領域Dmの中央に表示された宝箱810Cが開き、中身810Caとして、第2時短状態が設定されることを示すための表示態様として「有利」が表示されている。そして、キャラクタ801が、今回の特別図柄抽選の結果(時短図柄抽選の結果)が遊技者に有利な結果である(当選前の遊技状態よりも当選後の遊技状態の方が遊技者に有利な遊技状態となる)ことを示すための表示態様(図ではVサインで表示)で表示され、副表示領域Dsには「有利モード突入」の文字が表示されている。
なお、図1255(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに形成される表示領域Dm1には、第1特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の表示態様として、大当たり当選を示すための大当たり表示態様(例えば、3つのぞろ目)とは異なる時短図柄表示態様(「3.5.3」)が表示されている。ここで、特別図柄抽選の結果として時短図柄当選したことを示すための表示態様は、特別図柄抽選の結果として大当たり当選も時短図柄当選もしなかった完全外れを示すための外れ表示態様とは異なる時短図柄表示態様が表示されるように構成しているが、この時短図柄表示態様は、大当たり表示態様と比べて、外れ表示態様と識別し難い表示態様で表示されるように構成している。
具体的には、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりであることを示すための大当たり表示態様としては、表示領域Dm1に「333」といった同一の数字のみの組合せが設定され、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりでも時短図柄当選でも無いことを示すための外れ表示態様としては、表示領域Dm1に「363」といった異なる数字の組合せが設定される。そして、特別図柄抽選の抽選結果が時短図柄当選であることを示すための時短図柄表示態様としては、上述した外れ表示態様と同様に異なる数字の組合せとして、特定の組合せ(例えば、353)が設定される。
つまり、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合には、大当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行されるよりも前に大当たり当選したことを遊技者に把握させることで、遊技者に対していち早く満足感を提供するために、表示領域Dm1には遊技者に識別し易い表示態様で大当たり表示態様が表示されるように構成している。
これに対して、時短図柄当選したことを示すための時短図柄表示態様と、完全外れであることを示すための外れ表示態様と、を遊技者が容易に判別し難くすることで、今回の特別図柄抽選の結果に基づいて時短状態が設定されたか否か(時短図柄当選したか否か)を遊技者に把握させ難くすることができるため、表示領域Dm1に表示される表示態様では無く、第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出(背景モード表示)に興味を持たせ易くすることができる。
図1255(a)に示した表示画面が表示され、有利モードが設定されることが報知されると、その次の特別図柄変動期間中に背景モードが通常モードから有利モードへと移行する演出が実行される。なお、本第43制御例では、時短図柄当選した特別図柄変動中に実行される演出として、図1255(a)に示した通り、時短図柄当選したことを示すための演出態様(「有利」と表示された中身810Caが表示される演出態様)で演出が実行される場合と、遊技者に時短図柄当選したことを報知しない演出態様、例えば、宝箱810Cが開き、中身810Caの表示態様として、時短図柄当選したか否かを遊技者は判別困難(不可能)な「??」が表示される演出態様で演出が実行される場合と、がある。
このように構成することで、特別図柄抽選で時短図柄当選したことを遊技者が把握可能な演出と、把握困難な演出と、を実行することができ、遊技者に対して現在設定されている遊技状態を把握させ難くすることができる。
次に、第2時短状態中に、第2時短状態(「時短A」)が設定される時短図柄に当選した場合の演出内容について説明をする。図1255(b)では、上述した図1255(a)と同一種別の時短図柄(時短回数10回の第2時短状態が設定される時短図柄)に当選したことを示すための表示態様として、表示領域Dm1には「3.5.3」が表示されている。そして、主表示領域Dmの中央部に表示されている宝箱810Cの中から、「ピンチ」の文字が付された中身810Caが表示され、副表示領域Dsには「有利期間が短くなったかも」の文字が表示される。
ここで、図1255(b)では、第2時短状態(残時短回数30回)中に実行された第1特別図柄抽選の結果が表示されており、今回の特別図柄抽選における時短図柄当選に基づいて新たに第2時短状態が設定された場合に、既に設定済の第2時短状態よりも残時短回数が少なくなることを遊技者に報知するために「ピンチ」の文字が表示されている。
つまり、有利モードが設定されている状態、即ち、第2時短状態が設定されたことを遊技者に報知するための背景モードが表示されている場合には、第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に、新たに設定される第2時短状態によって残時短回数が減少してしまうか否かを遊技者に予測させることが可能な表示態様を中身810Caの表示態様として設定可能に構成している。
一方、例え、第2時短状態が設定されている状態であっても、背景モードとして有利モードが設定されていない状況(通常モードが設定されている状況)では、第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合であっても、新たに設定される第2時短状態によって残時短回数が減少してしまうか否かを遊技者に予測させることが可能な表示態様が表示されないように構成している。
つまり、本第43制御例では、同一の遊技状態(第2時短状態)が設定されている状態で、同一種別の時短図柄(時短回数10回の第2時短状態が設定される時短図柄)に当選した場合であっても、設定されている背景モード(設定されている遊技状態を遊技者に予測させるための演出態様)の種別に応じて、今回当選した時短図柄が遊技者に不利となるか否かに関する情報(第2時短状態の残期間が短くなるか否か)の提供割合を異ならせているために、第2時短状態が設定されたことを示すための専用背景モード(有利モード)が設定されている場合の方が、その専用背景モードよりも第2時短状態が設定されているか否かを把握困難な共通背景モード(通常モード)が設定されている場合よりも、今回当選した時短図柄が遊技者に不利となるか否かに関する情報が提供され易くなるように構成している。
このように構成することで、実行中の演出態様(背景モード)の種別に応じて特別図柄抽選の抽選結果が遊技者に不利となるか否かに関する情報の得やすさを異ならせることができるため、遊技者に対して実行される演出態様の種別に興味を持たせることができる。
次に、図1256を参照して、特別図柄抽選で第1時短状態(「時短B」)が設定される時短図柄に当選した場合に実行される演出内容について説明をする。本第43制御例では、時短図柄当選した場合に時短種別として、第2時短状態が設定される時短A、或いは、第1時短状態が設定される時短Bが設定される。第1時短状態が設定されると、通常状態、及び第2時短状態よりも第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなり、第2入球口640へと遊技球を入球させるための右打ち遊技の方が、第1入球口64へと遊技球を入球させるための左打ち遊技よりも遊技者に有利となるため、右打ち遊技を促すための案内態様が表示領域Dm4に表示される。つまり、第1時短状態は、第2時短状態よりも遊技者に有利な時短状態となる。
まず、図1256(a)を参照して、背景モードとして通常モードが設定されている状態で第1時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図1256(a)は、通常モード中に「時短B」に当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図1256(a)に示した通り、「時短B」に当選した場合には、表示領域Dm1には、時短Bが設定される時短図柄に当選したことを示すための時短図柄表示態様として「3.7.3」が停止表示される。主表示領域Dmには、現在の背景モードが通常モードであることを示すための「通常」が表示され、宝箱810Cの中身810Caの表示態様として、「時短B」が設定される時短図柄に当選したことを示すための表示態様として、スイカを模した図柄が表示される。また、副表示領域Dsには、第1時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることを示すための案内態様として「ラッキー チャンスタイム突入」の文字が表示される。
そして、図1256(a)に示した表示画面が表示された後、次の特別図柄変動が開始されると、第1時短状態を示すための背景モードとしてチャンスタイムが設定され、表示領域Dm4に「右打ち」が表示される。このチャンスタイム中の表示内容については、図1257を参照して後述する。
本第43制御例では、第1時短状態が設定される「時短B」に当選した特別図柄変動が停止表示された時点で遊技状態として第1時短状態が設定されるが、次の特別図柄変動が開始された時点で第1時短状態中の背景モードへと切り替わるように構成している。つまり、図1256(a)に示した表示画面が表示された後、次の特別図柄変動が開始されない場合には、チャンスタイム突入を示す表示画面が継続して表示されるように構成している。このように構成することで、時短図柄当選した特別図柄が停止表示された時点でチャンスタイムに対応した背景モードが設定されてしまう場合と比して、チャンスタイムに突入することを遊技者に報知するための期間を長く確保し易くすることができる。
つまり、特別図柄抽選で時短当たりに当選し、その時短当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合には、時短当たり当選した特別図柄変動と、次の特別図柄変動との間に当たり遊技期間が設定されるため、遊技者に対して時短状態が設定されることを事前に案内するための期間を確保し易く遊技者に分かり易い遊技を提供することができたが、特別図柄抽選にて時短図柄当選したことに基づいて時短状態が設定される場合には、時短図柄当選した特別図柄変動と、次の特別図柄変動との間に当たり遊技期間が設定されないことから、不意に時短状態が設定されてしまい、遊技者に分かり難い遊技が提供されてしまうという問題があった。
これに対して、本第43制御例では、時短図柄当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、時短状態が設定されたタイミングよりも後に時短状態中を示す演出(チャンスタイム表示)を実行するように構成し、時短状態が設定されることを示すための演出(チャンスタイム突入表示)を実行する期間を確保可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
即ち、本第43制御例におけるパチンコ機10では、当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合と、時短図柄当選に基づいて時短状態が設定される場合とで、時短状態が設定されるタイミングに対して、時短状態中を示す演出が実行されるタイミングを異ならせている。つまり、時短状態の設定契機に応じて、時短状態の報知タイミングを異ならせている。このように構成することで、様々なタイミングで時短状態が設定されたことが報知されるため、時短状態が設定されることを常に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本第43制御例におけるパチンコ機10に用いられる構成以外であっても、時短図柄当選したことに基づいて時短状態が設定されることを遊技者に十分な期間報知すること無く時短状態中の演出が実行されてしまうことを抑制できる構成であれば良く、例えば、時短図柄当選したことを示すための特別図柄変動として60秒の変動時間が設定された場合には、最初の50秒を用いて特別図柄抽選の結果を示すための演出(変動演出)を実行し、その後、残りの10秒を用いて時短状態が設定されることを遊技者に報知可能に構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動が停止表示されたタイミングで時短状態中の演出を実行したとしても、時短状態が設定されることを遊技者に報知するための時間を十分に確保することができる。
また、本第43制御例では、図1256(a)に示した通り、第1時短状態が設定される「時短B」に当選した特別図柄変動が停止表示された時点(第1時短状態が設定された時点)では、遊技者に対して右打ち遊技を案内するための案内態様(表示領域Dm4の「右打ち」表示)を表示しないように構成している。そして、次の特別図柄抽選が実行された場合に遊技者に対して右打ち遊技を案内するための案内態様を表示するように構成している。このように構成することで、時短図柄当選した特別図柄が停止表示された時点でチャンスタイムに対応した背景モードが設定されてしまう場合と比して、遊技者に余裕を持たせて右打ち遊技を行わせることができる。また、第1時短状態が設定された後も第1特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。さらに、第1時短状態が設定された直後に第2特別図柄抽選を実行させ難くすることができるため、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数を抑制することができる。
さらに、本第43制御例では、当選した時短図柄の種別と、設定されている遊技状態に応じて、第1時短状態の時短回数として異なる時短回数を設定可能に構成している。そして、設定される時短回数を遊技者が予測可能な表示態様で第1時短状態が設定される時短図柄当選を示すための表示態様が表示されるように構成している。
ここで、図1256(b)を参照して、有利モード中に第1時短状態が設定される時短図柄(時短B)に当選した場合の演出内容について説明をする。図1256(b)は、有利モード中に「時短B」に当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
上述した通り、本第43制御例では、第1時短状態が設定される「時短B」に当選したことを示すための表示態様(宝箱810Cの中身810Caの表示態様)として、複数の食べ物(スイカ、チェリー、人参)を模したアイコンの中から1の表示態様が決定されるように構成しており、時短図柄当選した時点における遊技状態や、設定されている背景モードや、時短図柄当選によって設定される第1時短状態の時短回数に基づいて表示されるアイコンを決定するように構成している。
具体的には、遊技状態が通常状態であって、背景モードとして通常モードが設定されている場合に「時短B」に当選した場合には、スイカアイコン、チェリーアイコンの何れかが決定され、遊技状態が時短状態であって、背景モードとして通常モードが設定されている場合に「時短B」に当選した場合には、チェリーアイコン、人参アイコンの何れかが決定されるように構成している。そして、遊技状態が第2時短状態であって、背景モードとして有利モードが設定されている場合に「時短B」に当選した場合には、スイカアイコン、チェリーアイコン、人参アイコンの何れかが決定され、遊技状態が通常状態であって、背景モードとして有利モードが設定されている場合、即ち、第2時短状態が設定されたことに基づいて有利モードが設定された後、第2時短状態が終了し通常状態が設定されたにも関わらず、有利モードを終了させる条件が成立していない状態で「時短B」に当選した場合には、スイカアイコンのみが決定されるように構成している。
つまり、背景モードとして通常モードが設定されている状態で、スイカアイコンが表示された場合には、遊技者に対して「時短B」に当選した時点の遊技状態が通常状態であることを予測可能とし、通常モードが設定されている状態で、人参アイコンが表示された場合には、遊技者に対して「時短B」に当選した時点の遊技状態が時短状態であることを予測可能としている。また、背景モードとして有利モードが設定されている状態で、チェリーアイコン、人参アイコンが表示された場合には、遊技者に対して「時短B」に当選した時点の遊技状態が第2時短状態であることを予測可能としている。
このように構成することで、設定されている背景モードと、表示されたアイコンの種別とに基づいて、現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることができるため、遊技者に対して、第3図柄表示装置81の表示面に表示され、且つ、表示期間が重複する複数の表示態様(背景画像、食べ物を模したアイコン)に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した通り、「時短B」に当選した場合に同一種類のアイコン(スイカアイコン、チェリーアイコン、人参アイコン)が表示された場合であっても、設定されている背景モードの種別に応じて、表示されたアイコンの意味合いを異ならせているため、背景モードの種別に関わらず、固有の意味合いを各アイコンに持たせた場合に比べて、「時短B」に当選した場合に表示されるアイコンの意味合いを予測させる楽しみを提供することができる。
なお、本第43制御例では、通常モードが設定されている場合も、有利モードが設定されている場合も、「時短B」に当選したことを示すために決定される複数のアイコン種別を統一することで、表示画面に表示されるアイコン種別を削減し、表示データの容量軽減を図っているが、これに限ること無く、各背景モードに対応した固有のアイコン種別を用いても良く、例えば、通常モード中のみ表示されるアイコン種別として、リンゴを模したリンゴアイコンを決定可能に構成し、リンゴアイコンが表示された場合には、時短当選時の遊技状態が通常状態であって、且つ、設定される時短回数が最大(40回)であることを遊技者に報知可能に構成すると良い。このように構成することで、今回の時短当選が低確率なものであり、且つ、遊技者に最も有利なものであることを分かり易く報知することができる。
次に、図1257を参照して、第1時短状態中に実行される特別図柄変動にて実行される演出の内容について説明をする。本第43制御例におけるパチンコ機10では、時短図柄当選を示す特別図柄が停止表示された後、第1特別図柄の残保留を用いた第1特別図柄変動の変動期間を用いて、第1時短状態の時短回数を報知するための時短回数報知演出を実行するように構成している。図1257(a)は、時短回数報知演出の実行中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図1257(b)は、時短回数報知演出の演出結果が表示される表示画面の一例を示した図である。
時短回数報知演出は、今回設定された第1時短状態の終了条件が成立するまでに実行させることが可能となる第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行回数(時短回数)を遊技者に報知するための演出である。ここで、本第43制御例におけるパチンコ機10は、第1時短状態の終了条件として、第1特別図柄抽選(特図1抽選)の実行回数と、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行回数と、を合算した合算特図抽選回数が所定回数(10000回)に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、第2特別図柄抽選(特図2抽選)の実行回数が所定回数(1回~10000回)に到達した場合に成立する第2時短終了条件と、を有しており、第2時短終了条件が成立する特図2抽選回数が、第1時短終了条件が成立する合算特図抽選回数以下となるように構成している。
つまり、本第43制御例では、第1時短状態が設定されると、第2特別図柄抽選が実行され易い遊技状態となることから、第1時短状態中は遊技者が右打ち遊技を行うことになる。しかし、第1時短状態が設定された状態で第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を有している場合には、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得するまでの間に、獲得済みの特図1保留に含まれている入賞情報を用いて特図1抽選が実行されてしまうことから、第1時短状態中に第1特別図柄抽選が実行される可能性が高いものであった。
そこで、第1時短状態中に第1特別図柄抽選が実行されたことに起因して、第1時短状態中に実行させることか可能となる第2特別図柄抽選の実行回数が減少してしまうことを抑制するために、複数種類の時短終了条件を設定可能に構成している。そして、特図2抽選の実行回数のみに基づいて成立する第2時短終了条件が成立するまでの残特図2抽選回数を時短回数として遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、時短状態中に第1特別図柄抽選が実行されたとしても、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている残時短回数(第2時短終了条件が成立するまでの残特図2抽選回数)が減少することを抑制することができるため、第1時短状態中に第1特別図柄抽選が実行された場合であっても、第1時短状態中に実行可能な特図2抽選回数が減少しないことを遊技者に分かり易く報知することができる。
さらに、第1時短状態が設定される時短図柄に当選した特別図柄変動が停止表示された後に、第1特別図柄変動が開始された場合には、今回設定された第1時短状態の残時短回数を表示すること無く、時短回数報知演出を実行するように構成しているため、遊技者に対して、第1時短状態が設定されたことを確実に報知することができる。
なお、詳細な図示は省略するが、特別図柄抽選で第1時短状態が設定される時短図柄に当選した特別図柄が停止表示された後に、第2特別図柄抽選が実行される場合には、上述した時短回数報知演出が実行されること無く、第2特別図柄変動の開始に基づいて、残時短回数が表示されるように構成している。
図1257(a)に示した通り、時短回数報知演出が実行されると、主に、当選した時短図柄の種別に応じた時短回数を報知するための演出が実行される。この時短回数報知演出では、主表示領域Dmにおける左下にウサギを模したキャラクタ801が表示され、その上方において、今回設定された第1時短状態が終了するまでの第2特別図柄の抽選回数を示唆する図柄811a~811dが回転して表示される。その更に上方には、「~チャンスタイム待機中~」という文字が表示される。更に、小表示領域Dsに対しては、「チャンスタイムの回数を決めろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも第1時短状態の時短回数が未だ設定されていないかのように遊技者に思わせることができる。換言すれば、第1時短状態が未だ開始されていない(待機されている)かのように遊技者に思わせることができる。
なお、実際にはこの時短回数報知演出の開始時点では既に第1時短状態に移行している。つまり、時短回数報知演出は、時短図柄当選に伴う第1特別図柄変動表示の終了時点(時短図柄の停止表示時点)で保留されていた第1特別図柄の変動表示期間中に実行されている。このように、第1時短状態が設定された後に、新たな第1特別図柄変動が実行されたとしても、その第1特別図柄の変動表示期間を用いて時短回数報知演出を実行するように構成することで、第2特別図柄の抽選回数に基づいて成立する時短終了条件(時短回数)を遊技者に違和感を与えること無く報知することができる。
図1257(a)に示した状態は、上述した通り、第1時短状態であって第1特別図柄変動が実行されている状態であるため、主表示領域Dmにおける右上部分に形成される表示領域Dm1には、遊技者が比較的視認し難い態様(狭い表示領域)で第1特別図柄変動実行されている。また、保留図柄表示に関しても、遊技者が比較的視認し難い(表示領域が狭い)表示領域Dm9において実行される。つまり、第1特別図柄の保留球に基づいて第1特別図柄の抽選が実行されていること(第1時短状態が既に開始されていること)を遊技者に認識され難く構成している。
ここで、左打ち遊技(通常状態、第2時短状態)中に実行された第1特別図柄抽選にて時短図柄当選し第1時短状態が設定された場合や、大当たり当選し、その大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定された場合は、今回設定される第1時短状態よりも前に、第2特別図柄抽選を実行させるための右打ち遊技が実行されていない場合であるため、第1特別図柄の保留球(特図1保留)を獲得しており、且つ、第2特別図柄の保留球(特図2保留)を獲得していない状態となり易い。この場合、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定されたとしても、獲得している特図1保留に基づいて第1特別図柄抽選が実行されることとなる。
そこで、本第43制御例では、第2特別図柄抽選を実行し易い第1時短状態が設定された場合に、予め定められた回数の第2特別図柄抽選を実行させ易くするために、第1時短状態を終了させるための終了条件として、第1特別図柄の抽選回数と、第2特別図柄の抽選回数と、を合算した合算抽選回数に基づいて成立する合算終了条件に加え、第2特別図柄の抽選回数のみで成立する特図2終了条件を設け、合算終了条件として規定される回数が、特図2終了条件として規定される回数よりも多くなるように構成している。
このように構成することで、第1時短状態が設定された直後に獲得済みの特図1保留に基づいて第1特別図柄抽選が実行されたとしても、その第1特別図柄抽選が実行されたことによって、第1時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の回数が減少してしまう事態が発生することを抑制することができる。
より具体的には、本第43制御例では、特図2終了条件が成立する第2特別図柄の抽選回数に対して、合算終了条件が成立する合算抽選回数の方が、特図1保留を記憶可能な上限数(4個)に対応した特別図柄抽選回数(4回)以上多くなるように構成している。このように構成することで、第1時短状態が設定された時点で獲得済みの特図1保留の数が上限数であり、第2特別図柄抽選が実行されるよりも前に、獲得済みの特図1保留全てを用いて第1特別図柄抽選が4回実行されたとしても、その第1特別図柄抽選が実行されたことによって、第1時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の回数が減少してしまう事態が発生することを抑制することができる。よって、第1時短状態が実行されるか否かを気にすること無く、より多くの特図1保留を獲得しようと遊技者に意欲的に左打ち遊技を実行させることができる。
なお、合算終了条件が成立する合算抽選回数を、無用に多く設定するのでは無く、例えば、特図2終了条件が成立する第2特別図柄の抽選回数として10回が設定される場合には、合算終了条件が成立する合算特図抽選回数として20回程度を設定するように構成すると良い。このように構成することで、第1時短状態中に継続して左打ち遊技を実行し、第1特別図柄抽選のみを意図的に実行する遊技、即ち、特図2終了条件を成立させること無く長時間の間、第1時短状態を継続させる遊技が行われることを抑制することができる。
この場合、保留記憶可能な特図1保留の上限数に対応する第1特別図柄抽選(4回の第1特別図柄抽選)よりも多くの回数の第1特別図柄抽選が第1時短状態中に実行された場合には、遊技者に対して右打ち遊技を案内する案内態様として、通常の右打ち遊技を案内する案内態様よりも、遊技者に対して右打ち遊技を強調して案内する強調案内態様を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、強調案内態様で右打ち遊技が案内された遊技者に対して、右打ち遊技をより強調して案内することができるため、第1時短状態が設定されたことに気付かなかった遊技者が左打ち遊技を継続してしまうことを抑制することができる。
また、上述した通り、強調案内態様を設定可能に構成したパチンコ機10であれば、強調案内態様の設定条件が成立した時点(例えば、第1時短状態中における5回目の第1特別図柄抽選が実行された時点)において、上限数の特図1保留(4個)を獲得している場合であっても、強調案内態様の内容を把握した後に右打ち遊技を行うことで特図2終了条件よりも先に合算終了条件が成立してしまうことを抑制するために、特図2終了条件が成立する第2特別図柄の抽選回数よりも、合算終了条件が成立する合算特図抽選回数を10回程度多く設定すると良い。このように構成することで、強調案内態様の内容を把握した後に急いで右打ち遊技を実行したにも関わらず、特図2終了条件よりも先に合算終了条件が成立してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第43制御例では、第1時短状態が設定された状態で、遊技者に対して第1時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するまでの情報の一部を報知可能に構成している。具体的には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件のうち、特図2終了条件が成立するまでの情報(第2特別図柄の抽選回数)を、遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、今回設定された第1時短状態中に実行可能な第2特別図柄の抽選回数を遊技者に把握させることが可能となるため、遊技者に有利な第1時短状態(特図2終了条件が成立し難い第1時短状態)が設定されたか否かを遊技者に把握させ易くすることができる。
ここで、上述した通り、本第43制御例では、第1時短状態が設定された後に、第1特別図柄抽選が実行される可能性がある。この場合、第1時短状態が設定された直後に、特図2終了条件が成立するまでに実行可能な第2特別図柄の抽選回数(残時短回数)を遊技者に報知してしまうと(第3図柄表示装置81の表示面に表示してしまうと)、第1時短状態が設定された状態で特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)が実行されたにも関わらず、表示されている残時短回数が減算されず、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本第43制御例では、第1時短状態が設定されてから第2特別図柄抽選が実行されるまでの期間を用いて、今回設定された第1時短状態における特図2終了条件が成立するまでの第2特別図柄の抽選回数(時短回数)を報知する時短回数報知演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、第1時短状態が設定された直後に第2特別図柄抽選が実行されない期間(第1特別図柄抽選が実行される期間や、何れの特別図柄抽選も実行されない期間)が設定される場合であっても、その期間を有効に活用し、遊技者に興味を持たせた演出を実行することができるため、演出効果を高めることができる。
図1257(a)に戻って説明を続ける。時短回数報知演出において回転して表示される図柄(アイコン)は、例えば、時短回数が少なくとも10回以上付与されたことを示唆する「10回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811aと、時短回数が少なくとも1回以上付与されたことを示唆する「1回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811bと、時短回数報知演出が継続することを示唆する「継続」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811cと、大当たりを示唆する「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dと、で構成されている。この他にも、時短回数が100回以上付与されたことを示唆する「100回」という文字が付された示唆図柄(アイコン)や、実質的に次回の大当たりまで第1時短状態が継続することを示唆する「∞」という文字が付された示唆図柄(アイコン)も設けられている。当選した時短図柄の種別(時短回数)と、第1特別図柄の保留球数と、第1特別図柄の抽選結果と、に応じて、示唆図柄(アイコン)811a~811dとしていずれの種別の示唆図柄(アイコン)を設定するのかが抽選により決定される。
時短回数報知演出の開始から特定期間(例えば、5秒間)が経過すると、図1257(b)に示した通り、示唆図柄(アイコン)811a~811dのうち、1の示唆図柄をウサギのキャラクタ801が殴打する演出が実行され、その殴打した示唆図柄が示す示唆内容を獲得したことが報知される。図1257(b)の例では、「10回」という文字が付された示唆図柄811aが殴打される演出が実行された場合を例示している。この場合、副表示領域Dsにおいて、「10回GET!!右打ち開始!!」という文字が表示されることで、示唆図柄811aに表示されている「10回」が時短回数として付与されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示は省略するが、時短回数報知演出の実行中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dをウサギのキャラクタ801が殴打する演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「大当たりGET!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選したということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
つまり、本第43制御例では、第1時短状態が設定されてから、第1時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選が実行されるまでの間に第1特別図柄抽選が実行され、その第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、今回の第1時短状態に対して設定された時短回数を遊技者に報知すること無く、大当たり当選が報知されるように構成している。このように構成することで、複数種類の時短回数を設定可能なパチンコ機10において、数の大きい時短回数(例えば、100回)が設定されたにも関わらず、一度も第2特別図柄抽選が実行されること無く大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、時短回数報知演出の演出態様(表示される示唆図柄アイコン811a~811dの表示態様)は、上述した通り、当選した時短図柄の種別(時短回数)と、第1特別図柄の保留球数と、第1特別図柄の抽選結果と、に応じて決定されることから、時短回数報知演出の演出結果として、大当たり当選を示す「祝」という文字が付された示唆図柄(アイコン)811dが表示された場合であっても、停止表示されなかった他の示唆図柄(アイコン)811a~811cの種別に基づいて、今回の第1時短状態に対して設定された時短回数を予測する楽しみを提供することができる。
なお、本第43制御例では、第1時短状態が設定されてから、第1時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選が実行されるまでに実行された第1特別図柄抽選によって大当たり当選した場合には、その第1特別図柄変動中に実行される時短回数報知演出によって時短回数を報知すること無く大当たり当選が報知されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選が実行されるまでに実行された第1特別図柄抽選によって大当たり当選した場合には、実際に設定された時短回数よりも少ない時短回数に対応した示唆図柄アイコンを停止表示し、その後に大当たり当選を示す演出を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、少ない時短回数の第1時短状態、第1時短状態の中では遊技者にとって不利となる第2遊技状態が設定されたと遊技者に思わせることができるため、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選すること無く第1時短状態が終了してしまうよりも、第1時短状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した方が有利な遊技結果であることから、大当たり当選したことにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第43制御例では、第1時短状態における第1特別図柄の変動時間が5秒間に固定化される。これにあわせて、時短回数報知演出において1の示唆図柄を選択する(ウサギのキャラクタ801が殴打する)演出も5秒間に固定化される。そして、第1時短状態中に実行される1回目の第1特別図柄変動の変動期間を用いて時短回数報知演出が実行される。また、第1特別図柄の保留球と、第2特別図柄の保留球と、を何れも有していない状態では、必ず「継続」という文字が付された示唆図柄を選択する5秒間の演出が実行されて、その後、第1特別図柄変動が実行される場合には、その変動において新たな組み合わせの4つの示唆図柄が表示されてその中から1の示唆図柄を選択する5秒間の演出が再度実行される。また、次変動が第2特別図柄変動となる条件を満たした場合には、実行中の時短回数報知演出の演出結果として停止表示される示唆図柄アイコンを、予め決定されている示唆図柄アイコンの態様から時短回数を示すための示唆図柄アイコンの態様へと切り替えるように構成している。このように構成することで、第1時短状態が設定されてから第2特別図柄抽選が実行されるまでの期間を用いた演出(時短回数報知演出)を、好適に実行することができる。
次に、図1258(a)及び図1258(b)を参照して、第1時短状態中における第2特別図柄の変動期間中に実行される変動演出の演出内容について説明をする。図1258(a)は、時短中(第1時短状態中)における変動演出の一例を示した図であり、図1258(b)は、小当たり当選した第2特別図柄の変動期間終了時に表示される表示画面の一例を示した図である。
本第43制御例では、第1時短状態中の第2特別図柄抽選が実行されると、実行中の第2特別図柄抽選の結果を示すための示唆図柄を含む複数の示唆図柄アイコン811e~811gが変動表示される変動演出が実行され、特別図柄変動の終了タイミング(特別図柄停止表示タイミング)に合わせて、ウサギを模したキャラクタ801が変動表示中の複数の示唆図柄アイコン811e~811gを停止表示させるアクション(殴りかかるアクション)を実行し、変動表示される複数の示唆図柄アイコン811e~811gの中から、特別図柄抽選結果に対応する示唆図柄アイコンが停止表示される演出が実行される。
図1258(a)に示した通り、第1時短状態中に第2特別図柄抽選が実行されると、現在の遊技状態が第1時短状態であることを示すための表示態様として「チャンスゾーン」の文字が主表示領域Dmの上側に表示される。また、主表示領域Dmの右上側には、第2特別図柄の変動状況を示すための表示領域Dm2が形成され、第2特別図柄変動中であることを示すための表示態様(図では矢印で表示)が表示される。
主表示領域Dmの左上側には、遊技者に対して遊技方法を案内するための表示領域Dm4が形成され、第1時短状態中において遊技者に最も有利な遊技方法である右打ち遊技を案内するための「右打ち」が表示されている。主表示領域Dm4の下方には、現在設定されている第1時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するまでの情報として、特図2終了条件が成立するまでに実行可能な第2特別図柄残抽選回数(残時短回数)を示すための表示領域Dm7が形成される。この表示領域Dm7には、時短回数報知演出にて報知された時短回数、即ち、今回設定された第1時短状態に対して設定された特図2終了条件を示す第2特別図柄抽選回数(時短回数)が表示され、その後、第2特別図柄変動が実行される後に、時短回数が減算表示されるように構成している。
本第43制御例では、特図2終了条件が成立するまでの残時短回数が表示されるため、チャンスゾーン中に第1特別図柄抽選が実行されたとしても、表示領域Dm7に表示される残時短回数が減算表示されることが無い。このように、複数の時短終了条件のうち、特図2終了条件が成立するまでの時短回数を遊技者に報知可能に構成することで、第1時短状態中に実行可能な第2特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ易くすることができる。
なお、図1258(a)に示した図は、時短回数10回の第1時短状態が設定されてから7回目の第2特別図柄変動中に表示される表示画面の一例を示しており、表示領域Dm7には、残時短回数を示すための表示態様として「ラスト3回」が表示されている。この残時短回数を示すための表示態様は、時短回数10回が設定された場合には、1回目の第2特別図柄変動が開始されてから1秒が経過するまでは、「ラスト10回」が表示され、その後、回数を1回減算し「ラスト9回」が表示されるように構成している。その後は、新たな第2特別図柄変動が開始される毎に回数が減算表示されていき、特図2終了条件が成立する第2特別図柄変動(時短最終変動)が実行されると、実行中の第2特別図柄変動が時短状態中に実行される最後の特別図柄変動であることを示すための「ラスト」が表示されるように構成している。
このように構成することで、第2特別図柄抽選が実行されてからも所定期間の間(1秒間)、今回設定された時短回数を遊技者に報知することができる。
ここで、チャンスゾーン中に実行される演出にて表示される示唆図柄アイコン811e~811gの内容について説明をする。「?」の文字が付された示唆図柄アイコン811eは、特別図柄抽選の結果に関する情報を提供するための表示態様であって、実行中の特別図柄抽選の結果を遊技者に分かり難くするための表示態様である。この示唆図柄アイコン811eは、特別図柄抽選の結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)している場合も、当たり当選していない場合も、所定の確率で選択可能にしている。「V」の文字が付された示唆図柄アイコン811fは、特別図柄抽選の結果に関する情報を提供するための表示態様であって、実行中の特別図柄抽選の結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)している場合に選択される。「乗」の文字が付された示唆図柄アイコン811gは、特別図柄抽選の結果に関する情報に加え、設定されている第1時短状態の時短終了条件に関する情報を提供するための表示態様である。この示唆図柄アイコン811gは、実行中の特別図柄抽選の結果が外れであって、且つ、表示領域Dm7に表示されている残時短回数が、特図2終了条件が成立する残時短回数よりも少ない場合に選択される。
つまり、実行中の特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、示唆図柄アイコン811e、或いは、示唆図柄アイコン811gを選択可能に構成しており、実行中の特別図柄抽選の結果が「当たり」である場合には、示唆図柄アイコン811e、或いは、示唆図柄アイコン811fを選択可能に構成している。また、表示領域Dm7に表示されている残時短回数が、特図2終了条件が成立する残時短回数よりも少ない場合は、示唆図柄アイコン811gを選択可能に構成し、表示領域Dm7に表示されている残時短回数が、特図2終了条件が成立する残時短回数よりも少なく無い場合は、示唆図柄アイコン811e、示唆図柄アイコン811fを選択可能に構成している。
そして、第1時短状態における第2特別図柄変動が停止表示するタイミングでは、図1258(b)に示した通り、今回の変動演出の演出結果を示すための表示態様として、キャラクタ801のアクションに合わせて「V」を模した示唆図柄アイコン811fが停止表示され、残りの示唆図柄アイコン811e、示唆図柄アイコン811gが、主表示領域Dmからはじき出される演出が実行される。図1258(b)では、小当たり当選している第2特別図柄変動が停止表示された際の表示画面を示しており、表示領域Dm2には、小当たり当選を示す表示態様「621」で第3図柄が停止表示されており、副表示領域Dsには、今回の抽選結果が当たり当選であることを示すための「ボーナスゲット」の文字が表示されている。
なお、本制御例では、大当たり当選した場合も、小当たり当選した場合も「V」を付した示唆図柄アイコン811fが停止表示されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選と小当たり当選とで異なる態様の示唆図柄アイコンを停止表示可能に構成しても良い。また、複数の示唆図柄アイコン811e~示唆図柄アイコン811gが変動表示されてから、何れか1の示唆図柄アイコンが停止表示されるまでの変動演出の演出態様として複数の演出態様を設定可能に構成し、設定された演出態様に応じて、当たり当選の有無を遊技者が予測可能に構成しても良く、例えば、複数の示唆図柄アイコンが変動表示する速度として、第1速度とその第1速度よりも速い第2速度とを設定可能に構成し、第1速度の変動演出よりも、第2速度の変動演出の方が、抽選結果が当たり当選している場合に選択され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、変動演出の演出態様によって特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させることができるため、示唆図柄アイコンが停止表示されるまでの変動演出期間中も遊技者に飽きること無く遊技を行わせることができる。
さらに、変動演出の演出態様として、示唆図柄アイコンの変動表示速度を変更するのでは無く、変動表示される示唆図柄アイコンの数や種別を異ならせて表示することで、特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させることができるように構成しても良いし、変動演出期間の長さによって特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させることができるように構成しても良い。
次に、図1259を参照して、天井特典が付与される場合の演出内容について説明をする。図1259(a)は、通常モード中に天井特典が付与された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図1259(b)は、有利モード中に天井特典が付与された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
本第43制御例では、特別図柄抽選で外れ当選した回数(ハマり回数)が999回に到達すると、特別図柄抽選の結果に関わらず遊技者に特典(天井特典)を付与可能に構成しており、天井特典として、時短回数40回の第2時短状態を設定するように構成している。さらに、天井特典として第2時短状態が設定された場合には、時短図柄当選で第2時短状態が設定された場合とは異なり、第2時短状態中に実行される第1特別図柄抽選によって新たに第2時短状態が設定される時短図柄に当選することが無いように構成している。つまり、天井特典で付与された第2時短状態は、時短回数分(40回分)の特別図柄抽選が実行されるまで、時短図柄当選しないように構成している。このように構成することで、第2時短状態中に短い時短回数の第2時短状態が設定される時短図柄に当選してしまうことを抑制することができる。
つまり、左打ち遊技が右打ち遊技よりも遊技者に有利となり、通常状態よりも時短図柄当選時に付与される特典が有利となる第2時短状態において、その第2時短状態の設定契機によって、遊技者への有利度合いを異ならせるように構成している。このように構成することで、天井特典によって遊技者に適度な特典を付与し易くすることができる。なお、本第43制御例では、天井特典として一定回数の特別図柄抽選の実行を確保可能な第2時短状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、第1時短状態を設定可能に構成しても良いし、特定回数の第2時短状態と、特定回数の第1時短状態と、を連続して設定するように構成しても良い。
図1255(a)に示した通常モード中に天井特典が付与される場合(ハマり回数999回に到達した場合)は、999回目の特別図柄変動の抽選結果を示すための変動演出として、宝箱810Cの中から有利モードに突入することを示すための「有利」の文字と、第2時短状態が継続する回数(時短回数)を示すための「40」の文字が付された中身810Caが表示され、遊技者に有利な遊技状態へと移行することを祝福する態様でキャラクタ801が表示される。また、副表示領域Dsには、天井特典が付与されることを示すための「有利モード突入」の文字が表示される。
図1255(a)に示した表示画面が表示された後、特別図柄変動が終了(特別図柄が停止表示)すると、有利モードを示す背景画像が表示され、図1259(b)に示した表示画面が表示される。ここで、時短図柄当選に基づいて有利モード(第2時短状態)が設定された場合は、第2時短状態中に実行される第1特別図柄抽選で時短図柄当選し、即座に第2時短状態が終了してしまう可能性がある点と、第2時短状態が継続する期間を遊技者に把握させ難くすることを目的として、有利モード(第2時短状態)が継続する残期間を、遊技者に報知しないように構成していたのに対して、天井特典によって第2時短状態が設定された場合には、一定回数(40回)の特別図柄抽選が実行されるまでは、通常状態へと遊技状態が移行しないように構成しているため、表示領域Dm7に残時短回数を表示するように構成している。そして、副表示領域Dsには「有利モードが40回転転落しないよ」の文字が表示されている。
このように構成することで、天井特典によって第2時短状態(有利モード)が設定された場合には、時短図柄当選によって第2時短状態(有利モード)が設定された場合に比べて、安定した遊技を実行可能であることを遊技者に分かり易く把握させることができる。
<第43制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図1260を参照して、本第43制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図1260は、本第43制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を示した図である。図1260に示した通り、本第43制御例におけるパチンコ機10は、第1特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64(図1253参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左側領域(可変表示ユニット80よりも左側)に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる左打ち遊技状態と、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640(図1253参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、右側領域(可変表示ユニット80よりも右側)に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる右打ち遊技状態と、を設定可能に構成している。
より具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確確率状態、電動役物640の開放低頻度状態)が設定されている場合は左打ち遊技状態となり、第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態、或いは、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、電動役物640の開放高頻度状態)が設定されている場合は右打ち遊技状態となるように構成している。
ここで、時短図柄当選時に設定される時短状態(第2時短状態と、第1時短状態)について説明をする。詳細な内容は上述した第40制御例と同一であるため省略するが、時短図柄当選に基づいて時短状態(第2時短状態、第1時短状態)が設定された場合は、大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合に対して、普通図柄の高確率状態が設定されない点で相違している。
つまり、時短図柄当選に基づいて時短状態(第2時短状態、第1時短状態)が設定された場合は、通常状態と同一の普通図柄の低確率状態を維持したまま、通常状態よりも第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態が設定されるように構成している。具体的には、普通図柄変動の変動時間(普図変動時間)として、通常状態よりも短い普図変動時間(普通図柄の高確率状態中に実行される普通図柄変動と同一の普図変動時間)が設定されるように構成することで、通常状態よりも単位時間当たりに実行される普通図柄抽選の実行回数を増加させることにより、通常状態よりも第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態を構築している。
さらに、時短図柄当選に基づいて第1時短状態が設定された場合には、普通図柄抽選で当り当選した場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容として普通図柄の高確率状態と同一の普図当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、時短図柄当選に基づいて第1時短状態が設定された場合には、普通図柄の高確率状態が設定されていない状態であっても、普図変動時間、普図当たり遊技内容を普通図柄の高確率状態と同一にすることができ、遊技者に対して右打ち遊技の方が左打ち遊技よりも有利な遊技方法をすることができる。なお、第2時短状態が設定された場合には、普図当たり遊技内容が通常状態と同一の遊技内容となり、右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技状態となる。
つまり、本第43制御例では、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態として、通常状態、第1時短状態、第2時短状態の3つの遊技状態を設定可能に構成しており、第2時短状態は、通常状態よりも短い普図変動時間が設定される点が相違するだけであり、通常状態と同等に普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難な遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、開放低頻度状態)となり、第1時短状態は、普通図柄の高確率状態と同様に普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることができる遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、開放高頻度状態)となる。
なお、本第43制御例では、上述した第40制御例と同様に、普通図柄抽選で当り当選する確率が、普通図柄の低確率状態と普通図柄の高確率状態とで若干相違する程度に規定しており、右打ち遊技を実行することで発射された遊技球によって普通図柄抽選を滞ること無く実行可能に構成されたパチンコ機10において、その確率差を遊技者が認識困難に構成している。よって、普通図柄の高確率状態が設定されている状況と、普通図柄の低確率状態であって、開放高頻度状態が設定されている状況と、では、遊技者に違和感を与えること無く同一の右打ち遊技を行わせることができる。以降、右打ち遊技が遊技者に有利となる遊技状態を総称して第1時短状態と称する。
さらに、本第43制御例では、2種類の第2時短状態(第2時短状態a、第2時短状態b)を設定可能に構成しており、第2時短状態の設定契機に応じて異なる種類の第2時短状態を設定可能に構成している。具体的には、特別図柄抽選によって時短図柄当選した場合には第2時短状態aが設定され、大当たり遊技が実行されること無く連続して実行された特別図柄抽選の回数が天井特典の付与条件を満たした場合(999回に到達した場合)には第2時短状態bが設定されるように構成している。
何れの種類の第2時短状態が設定された場合も、特別図柄の確率状態、普通図柄の確率状態、普通図柄変動の変動時間、普図当たり遊技における電動役物640aの開放動作内容は同一となるように構成しており、第2時短状態中に実行される特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、時短図柄当選)した場合に付与される特典の種別を異ならせるように構成している点で相違している。
このように構成することで、同一の遊技状態(第2時短状態)が設定される場合であっても成立した設定契機に応じて、後に実行される遊技の内容を異ならせることができるため、遊技者に対して何れの遊技状態が設定されたのかだけで無く、その設定契機についても興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、以降の説明において、第2時短状態aと第2時短状態bとの両方を示す場合には単に第2時短状態と称し、詳細な種別を示す場合にはそれぞれ第2時短状態a(第2時短a)、第2時短状態b(第2時短b)と称す。
まず、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中における遊技内容について説明をする。通常状態は、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を主として実行させる遊技(特図1遊技)が行われる遊技状態である。通常状態中に第1特別図柄抽選が実行されると、1/250の確率で大当たり当選し、1/40の確率で時短図柄当選する特別図柄抽選が実行される。
詳細な説明は、図1271を参照して後述するが、本第43制御例におけるパチンコ機10では、1回の特別図柄抽選によって大当たりと、時短図柄と、重複して当選し得ないように構成している。具体的には、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無を判定(大当たり判定)し、その大当たり判定によって大当たり当選していないと判定された場合に、次に、時短図柄当選の判定を実行するように構成している。
このように構成することで、1回の特別図柄抽選にて遊技者に複数の特典(大当たり当選、時短図柄当選)が付与されること無く、遊技者に対して過剰に特典を付与してしまう事態が発生することを抑制することができる。なお、本第43制御例では、時短図柄当選の判定よりも先に大当たり判定を実行するように構成しているが、1回の特別図柄抽選によって遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制出来れば良く、例えば、時短図柄当選の判定を、大当たり判定よりも先に実行するように構成し、時短図柄当選の判定によって時短図柄当選していないと判定した場合に、大当たり当選の判定を実行するように構成しても良い。
また、本第43制御例では、1つの情報が取り得る値(第1当たり乱数カウンタC1の値)に対して、大当たり当選する値の範囲と、時短図柄当選する値の範囲と、を重複することなく規定することで、1回の特別図柄抽選(1の第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて実行される当たり判定)にて、大当たり当選と、時短図柄当選とが重複して判定されることが無いように構成しているため、1回の特別図柄抽選にて判定する順序を適宜変更するように構成しても良い。
なお、本第43制御例におけるパチンコ機10では、大当たり当選と、時短図柄当選とが重複して判定されることが無いように構成しているが、当選判定された各種特典の内容に応じて、複数の特典が重複して付与されるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合のうち、設定される大当たり種別が遊技者に不利な大当たり種別である場合には、大当たり当選した場合であっても、時短図柄当選の判定を実行可能に構成しても良い。さらに、大当たり当選と、時短図柄当選に加え、大当たり当選時に実行される大当たり遊技よりも、遊技者に不利となる小当たり遊技の実行契機となる小当たり当選判定も実行可能に構成し、1回の特別図柄抽選によって、時短図柄当選と、小当たり当選と、が重複して判定されるように構成しても良い。このように構成することで、過剰に特典が遊技者に付与されてしまうことを抑制しながらも、1回の特別図柄抽選によって付与され得る特典の内容を多様化することができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
まず、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、2種類の大当たり種別(大当たりA43、大当たりB43)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA43が10%、大当たりB43が90%の選択割合となるように規定している。
大当たり種別として、大当たりA43が設定された場合には、ラウンド遊技数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後には、時短回数10000回の第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。一方、大当たりB43が設定された場合には、ラウンド数が4ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短回数が100回の第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、開放低頻度状態)が設定される。
第1特別図柄抽選にて大当たり当選する確率(大当たり当選確率)は、1/250であり、大当たり種別として大当たりA43が設定される割合は10%であるため、左打ち遊技中に実行される第1特別図柄抽選から大当たり当選に基づいて第1時短状態が設定される確率は、1/2500となる。また、第1特別図柄抽選にて大当たり当選する確率(大当たり当選確率)は、1/250であり、大当たり種別として大当たりB43が設定される割合は90%であるため、左打ち遊技中に実行される第1特別図柄抽選から大当たり当選に基づいて第2時短状態が設定される確率は、約1/277となる。詳細な内容を後述するが、第2時短状態よりも第1時短状態の方が、遊技者に有利な遊技状態であるため、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、大当たりA43が設定された場合の方が、大当たりB43が設定された場合よりも、遊技者に有利な大当たりとなる。よって、低確率ではあるが、大当たりA43が設定される大当たりに当選することを目指して遊技者に遊技を行わせることができる。
一方、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合には1/40の確率で時短図柄当選する時短図柄判定が実行される。この時短図柄判定(時短図柄抽選)にて時短図柄当選した場合には、その第1特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に第2時短状態、或いは、第1時短状態が設定される。
本第43制御例では、特別図柄抽選において時短図柄当選した場合には、2種類の時短種別のうち何れかの時短種別が設定されるように構成しており、第2時短状態が設定される時短種別(時短A)の選択割合が50%、第1時短状態が設定される時短種別(時短B)の選択割合が50%となるように構成している。さらに、各時短種別(時短A、時短B)として、時短終了条件を異ならせた時短種別を設定可能に構成しており、例えば、第2時短状態が設定される時短種別である時短A(時短A群)として、時短A1、時短A2、時短A3、時短A4の4種類の時短種別を、第1時短状態が設定される時短種別である時短B(時短B群)として、時短B1、時短B2、時短B3の3種類の時短種別を設定可能に構成している。
各時短種別に対して設定される時短終了条件の詳細な内容は時短付与43テーブル202Ae(図1265参照)を参照して後述するが、時短図柄当選時における遊技状態に応じて異なる時短終了条件が設定されるように構成しており、何れの時短種別であっても、時短図柄当選時の遊技状態が通常状態である場合が最も成立し易い時短終了条件が設定され、次に、時短図柄当選時の遊技状態が第2時短状態である場合、第1時短状態である場合と、順に成立し難い時短終了条件が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、時短図柄当選時における遊技状態に対して遊技者に興味を持たせることができる。
また、時短A群においては、時短A1~時短A4のうち、時短A1が最も遊技者に不利な時短終了条件(成立し易い時短終了条件)が設定され、次いで、時短A2、時短A3、時短A4の順で成立し難い時短終了条件が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、時短図柄当選時に設定される時短種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
時短B群においては、時短B1~時短B3のうち、時短B1が最も遊技者に不利な時短終了条件(成立し易い時短終了条件)が設定され、次いで、時短B2、時短B3の順で成立し難い時短終了条件が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、時短図柄当選時に設定される時短種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第43制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技が実行されること無く特別図柄抽選が所定回数(999回)実行された場合に、時短回数40回の第2時短状態bが設定される天井特典を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を多数実行したにも関わらず、大当たり当選しなかった遊技者に対して、特別図柄抽選の結果では無く、特別図柄抽選の実行回数に基づいて遊技状態を移行させることができるため、遊技者に対して、長時間遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第43制御例におけるパチンコ機10では、天井特典として所定回数(時短回数40回)の第2時短状態bを設定可能に構成しているが、天井特典の内容はこれに限ること無く、第1時短状態を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、天井特典として付与される特典の有利度合いを高めることができるため、遊技者に対して天井特典が付与されることを目指した斬新な遊技性を提供することができる。
また、天井特典が付与される条件が成立した場合(特別図柄抽選を999回実行した場合)に、今回付与される天井特典の内容を複数の中から抽選で決定する天井特典決定処理を実行可能に構成しても良い。そして、天井特典決定処理により決定され得る天井特典の種類として、遊技者への有利度合いを異ならせた特典(例えば、第1時短状態を設定する特典や、第2時短状態を設定する特典、及び、各時短状態を終了させるための時短終了条件の内容)の中から、1の特典を決定可能に構成すると良い。
このように構成することで、天井特典が付与される条件が成立した場合に、今回付与される天井特典の内容が何であるかについて遊技者により興味を持たせることができる。さらに、天井特典の一部として、遊技者への有利度合いが高い特典(例えば、時短終了条件が成立し難い第1時短状態を設定する特典)を付与可能に構成した場合であっても、天井特典が付与される場合において、毎回有利度合いが高い特典が付与されることを抑制することができるため、天井特典として遊技者に過剰に有利な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
また、天井特典として付与される天井特典の内容を、天井特典が付与される条件が成立した場合では無く、天井特典が付与される条件が成立するよりも前の時点(例えば、大当たり遊技終了時)で決定可能に構成し、天井特典が付与される条件が成立するまでの期間を用いて、天井特典が付与される条件が成立した場合に付与される天井特典の内容を遊技者に示唆可能な示唆演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、天井特典の付与を目指した遊技を実行するか否かを、示唆演出の内容に基づいて遊技者に決定させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第43制御例におけるパチンコ機10では、天井特典として付与された第2時短状態の時短終了条件が成立し、再度、通常状態が設定された場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してから999回の特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、天井特典として第2時短状態(時短回数40回)が設定され、その第2時短状態中に特別図柄抽選を40回実行して時短終了条件が成立し通常状態が設定された場合には、天井特典が付与される条件を成立させるための情報の更新が実行されないように構成している。
つまり、大当たり当選間にて天井特典を付与可能な回数が1回となるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選しない遊技者に対して、過剰に天井特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第43制御例におけるパチンコ機10では、大当たり当選間に1回のみ天井特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、2回以上の天井特典を付与可能に構成しても良く、この場合、天井特典を付与可能な条件を、1回目の天井特典(第1天井)と、2回目の天井特典(第2天井)と、で異ならせても良く、さらに、第1天井と、第2天井とで、遊技者に付与される天井特典の内容(有利度合い)を異ならせても良い。
また、本第43制御例におけるパチンコ機10では、天井特典が付与される条件(天井付与条件)を成立させるための情報(天井関連情報)として、大当たり当選間の特別図柄抽選回数(ハマり回数)を用いており、特別図柄抽選にて大当たり当選しなかった場合に、特別図柄抽選回数を更新するように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果となった回数(例えば、小当たり当選回数)を計測可能な手段を設け、その手段によって計測された回数が天井付与条件(例えば、小当たり当選回数100回)を満たした場合に天井特典を付与可能に構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選が実行される毎に天井関連情報が更新されるのでは無く、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果となった場合に天井関連情報が更新されるため、天井付与条件が成立するタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。よって、遊技者の予測していないタイミングで天井特典を付与することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2時短状態は、通常状態にて実行された特別図柄抽選にて大当たり当選し、大当たり種別として大当たりBが設定された場合、時短図柄当選し、時短種別として時短A群が設定された場合、天井特典が付与された場合に設定される遊技状態であって、上述した通り、左打ち遊技の方が右打ち遊技よりも遊技者に有利となる遊技状態である。
具体的には、本第43制御例では第2時短状態の種別として第2時短状態aと、第2時短状態bとを有しており、時短図柄当選、或いは、大当たり遊技終了後には第2時短状態aが設定され、天井特典が付与された場合には第2時短状態bが設定される。第2時短状態a、第2時短状態bの何れが設定された場合であっても、特別図柄抽選における各種当たり当選の確率や、普通図柄抽選における当たり確率や、選択される特別図柄変動の変動パターン(変動時間)、選択される普通図柄変動の変動パターン(変動時間)、普通図柄抽選で当り当選した場合に実行される普図当たり遊技内容(電動役物640aの動作内容)は同一である。よって、第2時短状態が設定されている状態では特別図柄抽選や普通図柄抽選に関する遊技内容に基づいて何れの種別の第2時短状態が設定されているかを遊技者に把握させ難くすることができる。
なお、本第43制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出内容によって、設定されている第2時短状態の種別を遊技者に把握させることができるように構成している。具体的には、図1259に示した通り、天井特典が付与されたことにより第2時短状態bが設定された場合には、設定されている第2時短状態bが終了するまでに実行可能な特別図柄抽選の回数を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、同一の遊技状態が設定された場合であっても、設定された遊技状態を終了させるための終了条件に関する情報の提供有無(遊技者に理解させ易くするか否か)を遊技状態の設定契機に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して新たな遊技状態の設定契機についても興味を持たせることができる。
次に、第2時短状態中に実行される特別図柄抽選の内容について説明をする。この第2時短状態が設定されている場合も、上述した通常状態と同様に左打ち遊技によって第1特別図柄抽選(特図1抽選)を実行させる遊技が行われる。この第2時短状態は、特別図柄の確率状態、及び、普通図柄の確率状態が、通常状態と同一であることから、特別図柄抽選が実行された場合における大当たり当選確率(1/250)と、時短図柄当選確率(1/40)は、通常状態と同一である。しかしながら、時短図柄当選した場合に設定される時短種別を異ならせており、第2時短状態a中に時短図柄当選した場合は、第2時短状態aが設定される時短種別(時短A群)が設定される割合が30%、第1時短状態が設定される時短種別(時短B群)が設定される割合が70%となるように構成している。
また、第2時短状態b中に時短図柄当選した場合は、第2時短状態bが設定される割合が100%となるように構成している。つまり、天井特典が付与されることで設定される第2時短状態(第2時短状態b)は、時短図柄当選等で設定される第2時短状態(第2時短状態a)に対して、第2時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で時短図柄当選したことに基づいて、既に設定されている第2時短状態(第2時短状態a)の残時短回数よりも少ない時短回数の第2時短状態(第2時短状態a)が設定されてしまい、通常状態よりも遊技者に有利となる第2時短状態の遊技期間が短くなってしまうことを抑制することができる。
このように構成することで、同一の遊技内容で遊技が行われる第2時短状態aと、第2時短状態bとにおいて、第2時短状態bの方が第2時短状態aよりも、時短図柄当選した場合に付与される特典の有利度合いを高めることができるため、遊技者に有利な第2時短状態となる。よって、大当たり当選すること無く、長時間の遊技を行っている遊技者に対して、比較的有利な特典(第2時短状態b)を付与することができる。また、天井特典によって付与された第2時短状態が、短時間(設定された時短回数分の特別図柄抽選が行われること無く)で終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態よりも有利な第2時短状態が設定されることを目指して遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第43制御例では、第2時短状態b中に時短図柄当選した場合には、第2時短状態bが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、第1時短状態が設定される時短種別(時短B群)と、第2時短状態が設定される時短種別(時短A群)と、を選択可能に構成し、第2時短状態が設定される時短種別が選択された場合には、天井特典として付与される第2時短状態bの時短回数よりも多い時短回数が設定される第2時短状態bが設定されるように構成しても良く、この場合、第2時短状態a中に時短図柄当選した場合と、第2時短状態b中に時短図柄当選した場合とで、時短A群と時短B群との選択割合を同一にし、時短A群が選択された場合に設定される時短回数を異ならせるだけで良く、各遊技状態において実行される各処理の共通化を図ることができる。
また、本第43制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて第2時短状態が設定される場合であっても、第2時短状態a(普通図柄の低確率状態)が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態が設定される第2時短状態cを設定するように構成しても良く、この場合、第2時短状態cが設定されたとしても第2時短状態c中の遊技内容を、上述した第2時短状態aや第2時短状態bと同一の遊技内容とすると良い。このように構成することで、第2時短状態cが設定された場合であっても、第2時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、第2時短状態の種別を把握させ難くすることができる。
さらに、この場合、大当たり遊技終了後に通常状態と、第2時短状態aと、第2時短状態cとのうち何れかを設定可能に構成し、何れの遊技状態が設定された場合であっても、同一の左打ち遊技が実行されるように第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様を設定可能に構成することで、遊技者に対して設定されている遊技状態の種別を分かり難くしたうえで、時短図柄当選や大当たり当選した時点における遊技状態が通常状態である場合と、第2時短状態aである場合と、第2時短状態cである場合と、で当選に基づいて付与される特典の有利度合いを異ならせるように構成すると良く、例えば、第2時短状態cが設定されている状態で時短図柄当選した場合には、他の遊技状態と比べて第1時短状態(遊技者に有利な時短状態)が設定され易くなるように構成すると良い。
つまり、通常状態や第2時短状態aは、第1特別図柄抽選で大当たり当選しない遊技を行っている場合であっても設定され得る遊技状態であるのに対して、第2時短状態cは、大当たり遊技終了後にのみ設定可能な遊技状態であることから、第1特別図柄抽選で大当たり当選しない限り設定されない遊技状態(他の遊技状態よりも設定され難い遊技状態)となる。このように、設定され難い遊技状態が設定されている期間中(第2時短状態cが設定されている期間中)に時短図柄当選した場合の方が、それ以外の期間中(通常状態、第2時短状態aが設定されている期間中)に時短図柄当選した場合よりも遊技者に有利な特典を付与し易くすることで、時短図柄の当選タイミングに興味を持たせることができる。また、大当たり遊技の終了後に第1時短状態(右打ち遊技状態)が設定されなかった場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、通常状態中に実行された特別図柄抽選で時短図柄当選した場合よりも、第2時短状態中に実行された特別図柄抽選で時短図柄当選した場合の方が、遊技者に有利な時短状態を設定させ易くしている。このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を気にしながら遊技を行わせることができる。
ここで、左打ち遊技が実行される通常状態、及び、第2時短状態中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景モードの内容について説明をする。図1260に示した通り、通常状態が設定された場合は、背景モードとして「不利モード」と「通常モード」との何れかを設定可能に構成しており、第2時短状態が設定された場合は、背景モードとして「通常モード」と「有利モード」との何れかを設定可能に構成している。そして、第2時短状態が終了し通常状態が設定されたことに基づいて背景モード移行抽選を実行し、背景モード移行抽選に当選した場合に、通常状態に対応した背景モードを設定可能に構成している。
つまり、背景モードとして「不利モード」が設定されている場合は、現在の遊技状態が通常状態であることを遊技者が識別可能となり、「通常モード」が設定されている場合は、現在の遊技状態が通常状態であるか第2時短状態であるかを遊技者が識別し難くなり、「有利モード」が設定されている場合は、第2時短状態が設定されている、或いは、第2時短状態が終了し、背景モード移行抽選に当選していない期間であることを遊技者に識別させることが可能となるように構成している。
このように構成することで、同一の遊技方法(左打ち遊技)であって、且つ、大当たり当選確率、及び、時短図柄当選確率が同一である通常状態或いは第2時短状態が設定されている状況において、現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、第1時短状態について説明をする。この第1時短状態は、第2入球口640へと遊技球を入球させ、第2特別図柄抽選(特図2抽選)を実行させる右打ち遊技を行った場合の方が、左打ち遊技を行うよりも遊技者に有利となる遊技状態である。本第43制御例におけるパチンコ機10では、第1時短状態として、大当たり遊技終了後(大当たりAが設定される大当たり遊技の終了後)に設定される第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短図柄当選に基づいて設定される第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、開放高頻度状態)の2種類の遊技状態を設定可能に構成しているが、何れの契機で設定される第1時短状態であっても、右打ち遊技中に実行される遊技の内容は大きく相違することが無いため纏めて説明をする。
第2特別図柄抽選は、上述した第1特別図柄抽選とは異なり、時短図柄当選の判定が実行されないように構成しており、小当たり当選の判定(小当たり当選確率1/25)を実行するように構成している。第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、V入賞装置650(図1253参照)を開放させる小当たり遊技が実行され、小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した遊技球が特定領域(Vゲート)を通過するように構成し、特定領域(Vゲート)を遊技球が通過したことに基づいて、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、小当たり遊技中に適正な遊技を継続して実行することで、大当たり遊技の実行権利を容易に獲得可能に構成している。
このように構成することで、大当たり遊技の実行権利を獲得するための条件として、第1特別図柄抽選では、大当たり当選(大当たり当選確率1/250)のみであったのに対して、第2特別図柄抽選では、大当たり当選(大当たり当選確率1/250)に加え、小当たり当選(小当たり当選確率1/25)を有しているため、大当たり遊技の実行のし易さの点では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利な特別図柄抽選となる。
また、第1時短状態が設定されている状態では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、大当たり種別として大当たりAが設定され、その大当たり遊技終了後には第1時短状態が設定されるように構成している。つまり、通常状態、或いは第2時短状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第1時短状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。このように構成することで、第1時短状態が設定されている状態で第1特別図柄抽選が実行されてしまい大当たり当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に第1時短状態以外の遊技状態が設定されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第43制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、或いは、第2時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(999回)に到達した場合に、天井特典として、第2時短状態(時短回数40回)を設定可能に構成している。また、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で時短図柄当選した場合に設定され得る第2時短状態として、天井特典よりも時短回数が少ない第2時短状態と、天井特典よりも時短回数が多い第2時短状態と、を設定可能に構成している。
よって、天井特典の付与条件が成立した時点において設定されている第2時短状態の時短状況(残時短回数)によっては、例えば、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合や、第2時短状態の残時短回数が天井特典として付与される時短回数よりも少ない場合といった天井特典が付与されることが遊技者に有利な場合と、第2時短状態の残時短回数が天井特典として付与される時短回数よりも多い場合といった天井特典が付与されることが遊技者に不利な場合と、創出することができる。
このように構成することで、単に天井特典が付与されることを期待しながら遊技を行うのでは無く、遊技者に有利な特典として天井特典が付与されることを期待しながら遊技を行わせることができるため、特に天井特典の付与条件が成立する直前に実行される特別図柄抽選の結果に対して遊技者に興味を持たせ易くすることができる。
<第43制御例における電気的構成について>
次に、図1261から図1269を参照して、本第43制御例における電気的構成について説明をする。本第43御例では、上述した第40制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
上述した第40制御例におけるパチンコ機10では、設定されている遊技状態に関わらず、第1特別図柄抽選において大当たり判定以外に時短図柄判定を実行可能に構成し、第2特別図柄抽選において大当たり判定以外に小当たり判定を実行可能に構成しているのに対して、本第43制御例では、各特別図柄種別に応じて特別図柄抽選時に実行される判定の内容は上述した第40制御例と同一であるが、第1時短状態中に実行される第1特別図柄抽選では時短図柄判定が実行されないように構成している点で相違している。
つまり、本第43制御例におけるパチンコ機10では、時短図柄判定を実行可能な特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)が実行される場合において、設定されている遊技状態に応じて時短図柄判定の実行有無を決定している。このように構成することで、特別図柄抽選の抽選結果を、設定されている遊技状態に応じて異ならせることが可能となり、遊技者に多様な抽選結果を提供することで早期に飽きることの無い遊技を提供することができる。また、遊技者に有利となる第1時短状態中に実行された第1特別図柄抽選、例えば、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得している状態で第1時短状態が設定され、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得していない状態で実行される第1特別図柄抽選によって、第1時短状態が終了してしまうことを抑制することができるため、第1時短状態が設定されたにも関わらず、第2特別図柄抽選が実行されること無く第1時短状態が終了してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した第40制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選で時短図柄判定された(時短図柄当選した)場合に、左打ち遊技が遊技者に有利となる第2時短状態(本第43制御例における第2時短状態)のみを設定可能に構成していたのに対して、本第43制御例におけるパチンコ機10では、時短図柄当選した場合に、第2時短状態、第1時短状態の何れかを設定可能に構成している点で相違している。さらに、時短図柄当選した場合に設定される時短回数を、時短図柄当選した時点の遊技状態に応じて異ならせることが可能に構成している点で相違している。このように構成することで、時短図柄当選したことに基づいて設定される遊技状態の内容を多様化することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、上述した第40制御例におけるパチンコ機10では、設定された時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数、小当たり遊技の実行回数、普図当たり遊技の実行回数に基づく条件を設定可能に構成していたのに対して、本第43制御例におけるパチンコ機10では、時短終了条件として、第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した合算特図抽選回数に基づいて成立する時短終了条件と、第2特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する時短終了条件と、を設定可能に構成している点で相違している。
まず、図1261から図1266を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図1261(a)は、本第43制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図1261(a)に示した通り、本第43制御例におけるROM202の構成は、上述した第40制御例におけるROM202の構成(図1159(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202ajに代えて第1当たり乱数43テーブル202Aaを、大当たり種別選択テーブル202bjに変えて大当たり種別選択43テーブル202Abを、第2当たり乱数テーブル202cjに代えて第2当たり乱数43テーブル202Acを、変動パターン選択テーブル202djに代えて変動パターン選択43テーブル202Adを、時短付与テーブル202ejに代えて時短付与43テーブル202Aeを、小当たり種別選択テーブル202fjに代えて小当たり種別選択43テーブル202Afを、時短種別選択テーブル202jaに代えて時短種別選択43テーブルAhを設けている点と、普図当たり種別選択テーブル202jbを削除した点と、で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
次に、図1262(a),(b)を参照して、本第43制御例における第1当たり乱数43テーブル202Aaについて説明する。この第1当たり乱数43テーブル202Aaは、特別図柄抽選の抽選結果を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄抽選の判定に用いられる第1当たり乱数カウンタ値C1(0~65535)に対応させて大当たり判定値、小当たり判定値、時短図柄判定値が、規定されている。より具体的には、特別図柄抽選の種別(特別図柄種別)に応じて、異なるデータテーブルを有しており、第1特別図柄抽選の判定を行う際に参照される特別図柄1乱数43テーブル202Aa1と、第2特別図柄抽選の判定を行う際に参照される特別図柄2乱数43テーブル202Aa2と、を有している。
図1262(a)は、本第43制御例における特別図柄1乱数43テーブル202Aa1の規定内容を示した図であり、図1262(b)は、本第43制御例における特別図柄2乱数43テーブル202Aa2の規定内容を示した図である。図1262(a)に示した通り、特別図柄1乱数43テーブル202Aa1は、上述した特別図柄1乱数テーブル202aj1(図1160(a)参照)に対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲と、時短図柄当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲とを異ならせている点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図1262(a)に示した通り、本第43制御例における特別図柄1乱数43テーブル202Aa1には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~259」の260個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「260~1879」の1620個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。一方、小当たりと判定される乱数値は対応付けられていない。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が260個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は約1/250(260/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短図柄当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1620個であるので、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選する確率は約1/40(1620/65536)である。
次に、図1262(b)を参照して、特別図柄2乱数テーブル202Aa2の詳細について説明する。図1162(b)は、特別図柄2乱数テーブル202Aa2の規定内容を示した図である。図1162(b)に示した通り、本第43制御例における特別図柄2乱数テーブル202Aa2には、大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)の範囲として、「0~259」の260個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定され、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として「260~2879」の2620個の乱数値(カウンタ値)の範囲が対応付けて規定されている。一方、時短図柄当選と判定される乱数値は対応付けられていない。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が260個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選する確率は、第1特別図柄の抽選と同様に、約1/250(260/65536)である。また、第1当たり乱数カウンタC1の取り得る65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が2620個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する確率は約1/25(2620/65536)である。
次に、図1262(c)を参照して、本第43制御例における大当たり種別選択43テーブル202Abの詳細について説明する。図1262(c)は、大当たり種別選択43テーブル202Abの規定内容を示した図である。この大当たり種別選択43テーブル202Abは、上述した第40制御例における大当たり種別選択テーブル202bj(図1160(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1262(c)に示した通り、本第43制御例における大当たり種別選択43テーブル202Abには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA43、および大当たりB43の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりA43の1種類が規定されている。
図1262(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲に対して、「大当たりA43」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~99」の範囲に対して、「大当たりB43」が対応付けて規定されている。「大当たりA43」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に時短回数(第2特別図柄抽選の実行回数)が10000回の第1時短状態が設定される大当たり種別である。また、「大当たりB43」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後に時短回数(特別図柄抽選の実行回数)が100回の第2時短状態が設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面において「大当たりA43」の方が「大当たりB43」よりも遊技者に有利な大当たりとなる。また、大当たり終了後の遊技状態の面においても、「大当たりA43」の方が「大当たりB43」よりも遊技者に有利な大当たりとなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA43」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が10個、「大当たりB43」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が90個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA43」が設定される割合は10%、「大当たりB43」が設定される割合は90%である。
よって、通常状態、第2時短状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、10%の割合でしか最も有利な第1時短状態へと移行することがない。なお、第1時短状態において大当たりに当選した場合は、大当たり種別が「大当たりB43」であっても第1時短状態に移行する。つまり、第1時短状態では、大当たりに当選することで、必ず最も有利な第1時短状態が再度設定される有利な遊技状態を形成する。
また、図1262(c)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりA43」が対応付けて規定されている。この「大当たりA43」は、上述した第1特別図柄の大当たり種別として設定される「大当たりA43」と同一であるため、その説明を省略する。
次に、図1263(a)を参照して、本第43制御例における変動パターン選択43テーブル202Adの詳細について説明する。この変動パターン選択43テーブル202Adは、上述した第40制御例における変動パターン選択テーブル202dj(図1161(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1263(a)は、この変動パターン選択43テーブル202Adの構成を示したブロック図である。
図1263(a)に示した通り、本第43制御例における変動パターン選択43テーブル202Adは、通常状態、第2時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用43テーブル202Ad1と、第1時短状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される時短用43テーブル202Ad2と、で少なくとも構成されている。まず、図1263(b)を参照して、通常用43テーブル202Ad1の詳細について説明する。
図1263(b)は、本第43制御例における通常用43テーブル202Ad1の規定内容を示した図である。図1263(b)に示した通り、通常用43テーブル202Ad1には、実行される特別図柄抽選に用いられる特別図柄種別と、実行される特別図柄抽選の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に対応させて異なる変動パターン(変動時間)が規定されている。つまり、特別図柄種別と、抽選結果とに応じて異なる変動時間の変動パターンを決定可能に構成している。具体的には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が7秒の「外れ」が、「140~149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が20秒の「ガセ外れ」が、「150~179」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「180~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
また、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が40秒の「ノーマルリーチ各種」が、「30~189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が、「190~198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が140秒の「スペシャルリーチ」が規定されている。
さらに、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が80秒の「スーパーリーチ」が規定されている。
つまり、通常用43テーブル202Ad1を参照して変動パターン(変動時間)が決定される第1特別図柄抽選では、抽選結果が外れである場合の方が、抽選結果が外れ以外(大当たり、又は時短図柄)である場合よりも、短い変動時間の変動パターンが決定され易くなるように構成しており、より長い変動時間の変動パターンが決定された場合の方が、特別図柄抽選の結果が大当たり、又は時短図柄である可能性が高くなるように構成している。このように構成することで、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、抽選結果が外れである特別図柄変動が長時間継続してしまい、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が極端に少なくなってしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、単位時間当たりに実行される特別図柄抽選の実行回数が少なくなる場合、即ち、長時間の特別図柄変動が実行される場合には、当たり(大当たり、時短図柄)に当選していることへの期待感を高めることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第43制御例では、左打ち遊技が実行される遊技状態、即ち、通常状態及び第2時短状態が設定されている場合には、通常用43テーブル202Ad1を参照して特別図柄抽選の変動パターンが決定されるように構成している。よって、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンによって現在の遊技状態が遊技者に予測されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第43制御例におけるパチンコ機10では、通常状態と第2時短状態とで同一の変動パターンテーブル(通常用43テーブル202Ad1)を参照して変動パターンを決定するように構成しているが、これに限ること無く、通常状態中に参照される変動パターンテーブルに対して、一部の規定内容を異ならせた変動パターンテーブルを第2時短状態中に参照するように構成しても良く、この場合、第2時短状態中に参照される変動パターンテーブルに、通常状態中では選択され得ない変動時間の変動パターンが低確率(例えば、外れ当選時の1%)で選択されるように規定すると良い。このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンによって、遊技者に遊技状態を把握させることも可能となるため、特別図柄抽選の結果だけでなく、特別図柄変動の変動パターンについても興味を持たせることができる。
一方、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ(小当たり含む)」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「非当たり」が規定されている。
なお、本第43制御例では、上述した第40制御例と同様に、通常状態や第2時短状態において普通図柄の抽選が実行されて普通図柄の当たりに当選したとしても、普通図柄の当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を入球させることが不可能(困難)な電動役物640aの開閉パターン(第1変位パターン)が設定される普図当たりAが必ず実行されるため、通常状態において普通図柄の抽選を実行させたとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることはできない。
よって、本第43制御例において通常状態、又は第2時短状態で第2特別図柄の抽選が実行される状況としては、第1時短状態中に獲得した第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を保持した状態で、遊技状態が通常状態、又は第2時短状態へと移行し、獲得済みの特図2保留に基づいて第2特別図柄の抽選が実行された状況である。この状況は、特に、第1時短状態の時短終了条件として少ない回数(例えば、1回)の時短回数(第2特別図柄抽選の実行回数)が設定された場合に、多い回数(例えば、10000回)の時短回数が設定された場合よりも発生し易い。即ち、第1時短状態が設定された場合には、第1特別図柄抽選よりも大当たり遊技の実行権利(大当たり当選(当選確率1/250)、小当たり当選(当選確率1/25))を獲得し易い第2特別図柄抽選が実行されるため、時短回数が多い第1時短状態が設定された場合には、時短終了条件が成立するよりも前に大当たり遊技が実行される可能性が高くなり、時短回数が少ない第1時短状態が設定された場合には、大当たり遊技が実行されるよりも前に時短終了条件が成立する可能性が高くなるため、特に、第1時短状態の時短終了条件として少ない回数(例えば、1回)の時短回数(第2特別図柄抽選の実行回数)が設定された場合に、多い回数(例えば、10000回)の時短回数が設定された場合よりも発生し易くなる。
このように、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が、特定の遊技状態(通常状態、第2時短状態)で実行された場合には、抽選結果に関わらず同一の長さの変動時間が設定される変動パターンを決定するように構成することで、その特別図柄変動中に実行される特定演出の演出期間を特別図柄抽選の結果に関わらず統一することができる。
次に、図1264を参照して、上述した時短用43テーブル202Ad2の詳細について説明する。図1264は、この時短用43テーブル202Ad2の規定内容を示した図である。図1264に示した通り、時短用43テーブル202Ad2には、特別図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短外れ」が規定され、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短当たり」が規定され、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒の「短突時」が規定されている。
一方、図1264に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容としては、通常用43テーブル202Ad1(図1263(b)参照)と共通である。即ち、特別図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、抽選結果が「大当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「当たり」が規定され、特別図柄種別が「特図2(第1特別図柄)」であって、抽選結果が「外れ(小当たり含む)」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の「非当たり」が規定されている。
これらの規定内容により、第1時短状態における第1特別図柄の変動時間を5秒間に固定化できると共に、第2特別図柄の変動時間を10秒間に固定化することができる。よって、図1258で上述した通り、チャンスゾーン(第1時短状態)における、第2特別図柄変動の変動時間を固定化することで、第1時短状態中の演出期間を毎回固定化することができる。
また、第1時短状態で第1特別図柄抽選が実行される状況は、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得している状態で第1時短状態が設定された場合に発生し得る。この場合、第1時短状態が設定された後、遊技者が右打ち遊技を実行し第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得するまで、獲得済みの特図1保留に基づく第1特別図柄抽選が実行されることになる。ここで、本第43制御例では、第1時短状態が設定された場合に、時短終了条件として、合算特図抽選回数に基づいて成立する時短終了条件と、第2特別図柄抽選の実行回数(特図2抽選回数)に基づいて成立する時短終了条件と、が設定され、第3図柄表示装置81の表示面には、図1258(a)に示した通り、特図2抽選回数に基づく時短終了条件が成立するまでの残時短回数(残特図2抽選回数)が表示されるように構成している。
そして、図1257に示した通り、第1時短状態が設定された直後に第1特別図柄抽選が実行される場合には、第1時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動期間(待機期間)を用いて、今回設定された第1時短状態に対応する時短終了条件(特図2抽選回数)を遊技者に報知するための時短回数報知演出を実行するように構成している。このように構成することで、第1時短状態が設定されてから第2特別図柄抽選が実行されるまでの期間(第1特別図柄変動期間)を用いて、今回設定された第1時短状態の内容を遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
さらに、第1時短状態が設定された直後に第1時短状態に対応する時短終了条件(残特図2抽選回数)を表示し、時短終了条件(残特図2抽選回数)が表示されている状態で第1特別図柄抽選が実行される場合と比して、特別図柄抽選が実行されたにも関わらず、時短終了条件を示すための回数が減算されず、遊技者に分かり難い遊技が提供されてしまうことを抑制することができる。また、図1264に示した通り、第1時短状態中に参照される時短用43テーブル202Ad2には第1特別図柄抽選の結果に関わらず、第1特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が5秒の変動パターンが選択されるように構成している。よって、待機期間中に実行される演出(図1257参照)の演出期間を固定化することができる。
なお、第1時短状態が設定された後、最初に実行される特別図柄抽選が第2特別図柄抽選となる場合には、上述した待機期間(第1時短状態中における第1特別図柄変動期間)が設定されないため、時短回数報知演出を実行すること無く、図1258にて上述したチャンスゾーン中の演出画面が表示される。この場合、第2特別図柄抽選が実行される毎に、第3図柄表示装置81の表示面に表示される残時短回数(残特図2抽選回数)の値が減算されるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、第1時短状態中であって、図1258にて上述したチャンスゾーン中に第1特別図柄抽選が実行された場合、例えば、第1時短状態中に実行していた右打ち遊技を一旦中断し、再度右打ち遊技を実行する際に誤って第1入球口64へと遊技球を入球させ第1特別図柄抽選が実行された場合は、前回の第2特別図柄抽選の結果を示すための表示画面が、特図1変動が停止表示されるまで継続して表示されるように構成している。つまり、第1特別図柄抽選が実行されたことを遊技者に把握させ難く構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている残時短回数を減算すること無く新たな特別図柄抽選が実行されてしまい、遊技者に分かり難い遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
また、この場合、チャンスゾーン中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり当選した第1特別図柄抽選の結果が停止表示されるタイミングに対応させて前回の第2特別図柄抽選の結果を示すための表示画面が大当たり当選を示す表示画面へと切り替わるように構成している。このように構成することで、新たな第2特別図柄抽選を実行していない状態(残時短回数が減算されていない状態)で、不意に大当たり当選が報知されるため、遊技者に意外性のある斬新な遊技を提供することができる。
次に、図1265を参照して、本第43制御例における時短付与43テーブル202Aeの詳細について説明する。この時短付与43テーブル202Aeは、上述した本第40制御例における時短付与テーブル202ej(図1162(b)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図1265は、この時短付与43テーブル202Aeの規定内容を示した図である。
図1265に示した通り、本第43制御例における時短付与43テーブル202Aeには、各大当たり種別、および時短図柄種別と時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値とが当選時の遊技状態毎に対応付けられて規定されている。なお、図1265に示した通り、本第43制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、時短カウンタ203hと、特図2カウンタ203Abと、の2つのカウンタが設けられている。時短カウンタ203hは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数(合算特図抽選回数)に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、特図2カウンタ203Abは、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数(特図2抽選回数)に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。
図1265に示した通り、本第43制御例では、大当たり種別として「大当たりA43」.「大当たりB43」の2種類が設けられていると共に、時短図柄種別として「時短図柄A1」~「時短図柄B3」の7種類が設けられており、時短付与43テーブル202Aeには、各大当たり種別および各時短図柄種別に対して、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203Abの値(即ち、第1終了条件、及び第2終了条件)が対応付けて規定されている。
図1265に示した通り、大当たり種別として「大当たりA43」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「10000」、特図2カウンタ203Abの値「10000」がそれぞれ規定されている。このため、「大当たりA43」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の合算変動回数10000回が設定され、第2終了条件として第2特別図柄変動回数10000回が設定される。なお、「大当たりA43」が設定された大当たり遊技の終了後には、第1時短状態が設定されるため、「大当たりA43」が設定された場合には、時短終了条件(第1終了条件、第2終了条件)が成立すること無く、第1時短状態が終了するよりも前に次の大当たり遊技が実行されることになる。
また、図1265に示した通り、「大当たりB43」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態、及び第2時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」が規定され、当選時の遊技状態が第1時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10000」、特図2カウンタ203Abの値「10000」が規定されている。通常状態、及び第2時短状態中に実行された特別図柄抽選で大当たり当選し、「大当たりB43」が設定された場合には、その大当たり遊技の終了後に第2時短状態が設定されるように構成しており、第2時短状態の第1終了条件として、特別図柄の合算変動回数100回が設定される。なお、第2時短状態が設定された場合には、右打ち遊技を行ったとしても第2特別図柄抽選を実行させることが困難であるため、第2終了条件を設定するための値(特図2カウンタ203Aaの値)が規定されていない。
一方で、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選で大当たり当選し、「大当たりB43」が設定された場合には、その大当たり遊技の終了後に第1時短状態が設定されるように構成しており、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の合算変動回数10000回が設定され、第2終了条件として、第2特別図柄変動回数10000回が設定される。
つまり、第1時短状態中に「大当たりB43」が設定された場合には、「大当たりA43」が設定された場合と同一内容の時短状態(時短回数10000回の第1時短状態)が設定されることになる。このように構成することで、第1時短状態が設定されている場合には、何れの特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)の特別図柄抽選で大当たり当選した場合であっても、その大当たり遊技終了後に、実質次回の大当たり遊技が実行されるまで継続する第1時短状態が設定されるため、第1時短状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて、第2時短状態が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図1265を参照して、特別図柄抽選で時短図柄当選した場合に付与される時短終了条件の内容について詳細に説明する。本第43制御例では、特別図柄抽選で時短図柄当選した場合に、時短図柄種別として、第2時短状態が設定される時短図柄A群(時短A群)と、第1時短状態が設定される時短図柄B群(時短B群)と、に含まれる何れかの時短図柄種別を決定可能に構成している。
まず、時短図柄A群のうち、「時短図柄A1」に対しては、当選時の遊技状態に関わらず、時短カウンタ203hの値「1」が規定されている。このため、「時短図柄A1」に当選した場合は、第2時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)1回が設定される。ここで、本第43制御例では、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1特別図柄抽選にて時短図柄当選の判定を実行するように構成している。よって、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて「時短図柄A1」に当選した場合には、遊技状態を通常状態から第2時短状態へと移行させることができるため、遊技者に有利な特典が付与されることになる。一方、第2時短状態、及び、第1時短状態において実行される第1特別図柄抽選にて「時短図柄A1」に当選した場合には、当選時における時短状況(設定されている時短種別や、残時短回数)に関わらず、時短回数1回の第2時短状態が設定されてしまうため、遊技者に不利な特典が付与されることになる。
つまり、本第43制御例では、特別図柄抽選にて時短図柄当選した場合であっても、遊技者に不利な特典が付与され得るように構成しているため、遊技者に有利な遊技状態(例えば、第1時短状態)が設定されている間であっても、常に危機感を持たせた遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、本第43制御例では、第1特別図柄抽選のみ時短図柄判定を実行可能に構成しており、第2特別図柄抽選では時短図柄判定が実行されないように構成している。
よって、主として第2特別図柄抽選が実行される第1時短状態が設定される場合として、特図1保留を獲得している状態で第1時短状態が設定された場合、例えば、第2時短状態中に実行された第1特別図柄抽選にて時短図柄当選し、第1時短状態が設定された場合の方が、特図1保留を獲得していない状態で第1時短状態が設定された場合、例えば、第1時短状態中に実行された第2特別図柄抽選の結果に基づいて大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に再度第1時短状態が設定された場合よりも、第1時短状態中に第1特別図柄抽選が実行され易くなることから、第1時短状態の時短終了条件が成立すること無く、時短図柄当選に基づいて強制的に第1時短状態が終了する可能性が高くなるため、遊技者に不利な第1時短状態といえる。
一方、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づいて大当たり遊技が複数回実行されている状況では、長時間の間、右打ち遊技が継続して実行されているため、特図1保留が残存している可能性が極めて低くなる。よって、時短図柄当選に基づいて強制的に第1時短状態が終了する可能性が低くなり、遊技者に有利な第1時短状態といえる。このように、第1時短状態中の遊技が継続すればするほど、第1時短状態を終了させ難くすることができることから、第1時短状態が長時間継続している遊技者に対して、有利な特典を付与し易くすることができる。
次に、「時短図柄A2」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態、第2時短状態である場合には、第2時短状態が設定され、当選時の遊技状態が第1時短状態である場合には、第1時短状態が設定されるように規定されている。より具体的には、当選時が通常状態に対して時短カウンタ203hの値「10」が規定され、当選時が第2時短状態に対して時短カウンタ203hの値「20」が規定されている。一方、当選時が第1時短状態に対して時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「1」が規定されている。
つまり、通常状態中に「時短図柄A2」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)10回が規定された第2時短状態が設定され、第2時短状態中に「時短図柄A2」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)20回が規定された第2時短状態が設定され、第1時短状態中に「時短図柄A2」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)100回、第2終了条件として特図2変動回数1回が規定された第1時短状態が設定される。
次に、「時短図柄A3」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態、第2時短状態である場合には、第2時短状態が設定され、当選時の遊技状態が第1時短状態である場合には、第1時短状態が設定されるように規定されている。より具体的には、当選時が通常状態に対して時短カウンタ203hの値「30」が規定され、当選時が第2時短状態に対して時短カウンタ203hの値「50」が規定されている。一方、当選時が第1時短状態に対して時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「5」が規定されている。
つまり、通常状態中に「時短図柄A3」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)30回が規定された第2時短状態が設定され、第2時短状態中に「時短図柄A3」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)50回が規定された第2時短状態が設定され、第1時短状態中に「時短図柄A3」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)100回、第2終了条件として特図2変動回数5回が規定された第1時短状態が設定される。
次に、「時短図柄A4」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態、第2時短状態である場合には、第2時短状態が設定され、当選時の遊技状態が第1時短状態である場合には、第1時短状態が設定されるように規定されている。より具体的には、当選時が通常状態に対して時短カウンタ203hの値「70」が規定され、当選時が第2時短状態に対して時短カウンタ203hの値「100」が規定されている。一方、当選時が第1時短状態に対して時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「10」が規定されている。
つまり、通常状態中に「時短図柄A4」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)70回が規定された第2時短状態が設定され、第2時短状態中に「時短図柄A4」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)100回が規定された第2時短状態が設定され、第1時短状態中に「時短図柄A4」に当選した場合には、第1終了条件として特図変動回数(合算特図抽選回数)100回、第2終了条件として特図2変動回数10回が規定された第1時短状態が設定される。
以上、説明をした通り、本第43制御例におけるパチンコ機10は、通常状態、第2時短状態において実行された特別図柄抽選にて時短図柄当選した場合に第2時短状態が設定される時短図柄A群として、4種類の時短図柄種別(時短図柄A1~A4)を有しており、設定される時短図柄種別に応じて、成立のし易さが異なる時短終了条件(第1終了条件)が設定されるように構成している。そして、何れの時短図柄種別であっても、通常状態にて時短図柄当選した場合よりも、第2時短状態にて時短図柄当選した場合の方が、成立し難い時短終了条件(第1終了条件)が設定されるように構成している。
このように構成することで、第2時短状態中に時短図柄当選した場合において、既に設定されている第2時短状態の残時短回数よりも大きい時短回数を新たに設定し易くすることができる。
また、第1時短状態中に実行された第1特別図柄抽選で時短図柄当選し、時短図柄A群が設定された場合には、一部の時短図柄種別(時短図柄A1)以外の時短図柄種別(A2~A4)にて、第1時短状態を設定可能に構成している。このように構成することで、第1時短状態中に第1特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、第2時短状態が設定されてしまうことを抑制することができる。加えて、一部の時短図柄種別(時短図柄A1)が設定された場合には、第1時短状態の終了条件が成立していない場合であっても、新たに第2時短状態が設定され遊技者に不利な遊技結果となるため、第1時短状態中に第1特別図柄抽選を継続して実行するといった不適切な遊技を行う遊技者に対してペナルティーを課すことができる。
次に、時短図柄B群の内容について説明をする。本第43制御例では、時短図柄B群として、3種類の時短図柄種別(時短図柄B1~時短図柄B3)を有しており、何れの時短図柄種別(時短図柄B1~B3)に当選した場合であっても、当選時の遊技状態に関わらず、第1時短状態が設定されるように構成している。また、図1265に示した通り、設定される時短図柄種別に応じて、第1時短状態の終了条件が異なるように規定されており、具体的には、「時短図柄B1」であって、当選時の遊技状態が通常状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「1」が規定されている。このため、通常状態にて「時短図柄B1」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)1回が設定される。また、当選時の遊技状態が第2時短状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「8」が規定されている。このため、第2時短状態にて「時短図柄B1」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)8回が設定される。さらに、当選時の遊技状態が第1時短状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「10」が規定されている。このため、第1時短状態にて「時短図柄B1」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)10回が設定される。
次に、「時短図柄B2」であって、当選時の遊技状態が通常状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「5」が規定されている。このため、通常状態にて「時短図柄B2」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)5回が設定される。また、当選時の遊技状態が第2時短状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「15」が規定されている。このため、第2時短状態にて「時短図柄B2」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)15回が設定される。さらに、当選時の遊技状態が第1時短状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「10」が規定されている。このため、第1時短状態にて「時短図柄B2」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)10回が設定される。
次に、「時短図柄B3」であって、当選時の遊技状態が通常状態に対して、時短カウンタ203hの値「100」、特図2カウンタ203Abの値「8」が規定されている。このため、通常状態にて「時短図柄B3」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)100回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)8回が設定される。また、当選時の遊技状態が第2時短状態に対して、時短カウンタ203hの値「1000」、特図2カウンタ203Abの値「100」が規定されている。このため、第2時短状態にて「時短図柄B3」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)1000回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)100回が設定される。さらに、当選時の遊技状態が第1時短状態に対して、時短カウンタ203hの値「1000」、特図2カウンタ203Abの値「100」が規定されている。このため、第1時短状態にて「時短図柄B3」に当選した場合は、第1時短状態の第1終了条件として、特別図柄の変動回数(合算特図抽選回数)1000回が設定され、第1時短状態の第2終了条件として、第2特別図柄の変動回数(特図2変動回数)100回が設定される。
次に、図1266(a)を参照して、本第43制御例における小当たり種別選択テーブル202Afの詳細について説明する。図1266(a)は、この小当たり種別選択テーブル202Afの規定内容を示した図である。図1266(a)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~99」の全範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA43」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA43」に当選した場合に実行される小当たり遊技では、小当たり遊技の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、容易に特定領域(Vゲート)650e3へと遊技球を入球させることができるようにV入賞装置650が開放制御されるように構成している。
そして、小当たり遊技中に特定領域(Vゲート)650e3へと遊技球を入球させた場合には、大当たり遊技(大当たりA43)の実行権利を獲得し、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるように構成している。
次に、図1266(b)を参照して、本第43制御例における時短種別選択43テーブル202Ahの詳細について説明する。この時短種別選択43テーブル202Ahは、上述した第40制御例における時短種別選択テーブル202ja(図1163(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1266(b)に示した通り、時短種別選択43テーブル202Ahには、「時短図柄A1」~「時短図柄B3」の7種類の時短図柄種別のそれぞれに対して、第1当たり種別カウンタC2の値の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図1266(b)に示した通り、当選時の遊技状態が通常状態である場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~49」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A1」が対応付けて規定され、「50~59」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A2」が対応付けて規定され、「60~64」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A3」が対応付けて規定され、「65~69」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A4」が対応付けて規定され、「70~94」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B1」が対応付けて規定され、「95~98」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B2」が対応付けて規定され、「99」の値に対して、時短図柄種別として「時短図柄B3」が対応付けて規定されている。
一方、当選時の遊技状態が第1時短状態、或いは、第2時短状態である場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A1」が対応付けて規定され、「30~39」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A2」が対応付けて規定され、「40~44」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A3」が対応付けて規定され、「45~49」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A4」が対応付けて規定され、「50~79」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B1」が対応付けて規定され、「80~89」の範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B2」が対応付けて規定され、「90~99」の値に対して、時短図柄種別として「時短図柄B3」が対応付けて規定されている。
次に、図1261(b)を参照して、本第43制御例の主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図1261(b)は、本第43制御例におけるRAM203の構成を示すブロック図である。図1261(b)に示した通り、本第43制御例におけるRAM203は、上述した第40制御例におけるRAM203の構成(図1159(b)参照)に対して、普電作動カウンタ203jaに代えて特図2カウンタ203Abを設けた点と、新たに特図抽選カウンタ203Aa、天井到達済フラグ203Acを設けた点でのみ相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特図抽選カウンタ203Aaは、特別図柄抽選の実行回数を判別するためのカウンタであって、大当たり遊技が実行される場合に0にセットされる。そして、特別図柄抽選が実行される毎にカウンタの値が1加算される(図1276のS702B参照)。この特図抽選カウンタ203Aaの値に基づいて、天井特典の付与条件が成立しているか否かの判定が実行され(図1276のS704B参照)、特図抽選カウンタ203Aaの値が「999」であると判別した場合に(図1276のS704B:Yes)、天井特典が付与される。
特図2カウンタ203Abは、第2特別図柄抽選の実行回数を判別するためのカウンタであって、時短状態(第1時短状態、第2時短状態)を終了させるための時短終了条件として、第2特別図柄抽選の実行回数(特図2抽選回数)に基づいて成立する第2終了条件が設定される場合に、第2終了条件が成立するまでの特図2抽選回数に対応した値が設定される(図1270のS226A参照)。そして、第2終了条件が設定されている時短状態(第1時短状態)中に第2特別図柄変動が実行される毎にカウンタの値が1減算される(図1275のS609B参照)。この特図2カウンタ203Abの値に基づいて、時短終了条件(第2終了条件)が成立したか否かの判定が実行され(図1275のS610B参照)、特図2カウンタ203Abの値が0であると判別した場合に(図1275のS610B:Yes)、第2終了条件が成立したと判定し、時短状態を終了させる処理が実行される。
天井到達済フラグ203Acは、天井特典が付与されたことを示すためのフラグであって、天井更新処理43(図1276のS252B参照)において、天井特典を付与することが決定した場合に(図1276のS704B:Yes)、オンに設定される。そして、大当たり遊技が実行される場合にオフに設定される(図1270のS251B参照)。
本第43制御例では、前回の大当たり遊技間に実行される特別図柄抽選の実行回数が所定回数(999回)に到達した場合に、特別図柄抽選の結果に関わらず時短回数が40回の第2時短状態が設定される天井特典を付与するように構成している。そして、天井特典によって設定された第2時短状態の時短終了条件が成立した場合には、通常状態が設定されるように構成している。ここで、上述した第13制御例では、大当たり遊技間に実行される特別図柄抽選の実行回数に応じて有利度合いの異なる天井特典を段階的に付与可能に構成していたが、本第43制御例では、大当たり遊技間に天井特典が1回のみ付与されるように構成している。つまり、天井特典によって設定された第2時短状態の時短終了条件が成立し、通常状態が設定された場合には、次の大当たり遊技が実行されるまで天井特典を付与するための情報が更新されないように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選を目指すといった従来の遊技目的以外の遊技結果に基づいて遊技者に過剰に有利となる特典が付与されてしまうことを抑制することができる。また、通常状態中のパチンコ機10を遊技するにあたって、天井特典が付与されていない通常状態であるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
次に、図1267(a)を参照して、本第43制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図1267(a)は、本第43制御例におけるROM222の構成を示すブロック図である。図1267(a)に示した通り、本第43制御例におけるROM222は、上述した第40制御例におけるROM222の構成(図1164(a)参照)に対して、背景モード選択テーブル222Aa、演出図柄選択テーブル222Abが追加されている点で相違している。
背景モード選択テーブル222Aaは、左打ち遊技状態中における背景モード種別(図1254参照)を決定するために参照されるデータテーブルであって、特別図柄抽選にて第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に参照されるデータテーブルである。ここで、この背景モード選択テーブル222Aaの詳細について、図1268を参照して説明する。
図1268は、背景モード選択テーブル222Aaの規定内容を示した図である。図1268に示した通り、この背景モード選択テーブル222Aaは、時短図柄当選時の遊技状態と、当選した第2時短状態の時短終了条件(時短回数)と、獲得済みの特図1保留の先読み結果と、取得した第1演出カウンタ223f1の値とに対応させて各種背景モードがそれぞれ規定されている。
ここで、本第43制御例では、左打ち遊技状態中の背景モード種別として、「不利モード」、「通常モード」、「有利モード」の3種類の背景モード種別を設定可能に構成しており、「不利モード」が設定されている場合が最も通常状態の可能性が高く、「有利モード」が設定されている場合が最も第2時短状態の可能性が高くなるように構成している。よって、第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に参照される背景モード選択テーブル222Aaには、「不利モード」が設定され難く、「有利モード」が設定され易くなるように各背景モード種別が規定されている。
具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であって、時短回数「1回」の第2時短状態が設定される場合には、その第2時短状態中に実行され得る第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を既に有しており、且つ、その特図1保留の先読み結果が当たり当選である場合(「対象当たり保留あり」の場合)には、取得した第1演出カウンタ223f1の取り得る全範囲「0~99」に対して、背景モード種別「有利モード」が規定されており、対象当たり保留なしの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「80~84」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「85~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。
また、当選時の遊技状態が「通常状態」であって、時短回数「10回~29回」の第2時短状態が設定される場合には、対象当たり保留ありの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「50~54」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「55~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。対象当たり保留なしの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「50~54」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「55~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。
さらに、当選時の遊技状態が「通常状態」であって、時短回数「30回~」の第2時短状態が設定される場合には、対象当たり保留ありの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「30~54」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「55~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。対象当たり保留なしの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「30~34」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「35~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。
一方で、当選時の遊技状態が「第2時短状態」であって、時短回数「20回」の第2時短状態が設定される場合には、その第2時短状態中に実行され得る第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を既に有しており、且つ、その特図1保留の先読み結果が当たり当選である場合(「対象当たり保留あり」の場合)には、取得した第1演出カウンタ223f1の取り得る全範囲「0~99」に対して、背景モード種別「有利モード」が規定されており、対象当たり保留なしの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「10~14」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「15~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。
また、当選時の遊技状態が「第2時短状態」であって、時短回数「50回」の第2時短状態が設定される場合には、対象当たり保留ありの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~4」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「5~14」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「15~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。対象当たり保留なしの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~4」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「5~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。
さらに、当選時の遊技状態が「第2時短状態」であって、時短回数「100回」の第2時短状態が設定される場合には、対象当たり保留ありの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、背景モード種別「不利モード」、「30~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。対象当たり保留なしの場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~4」の範囲に対して、背景モード種別「通常モード」、「4~99」の範囲に対して「有利モード」が規定されている。
演出図柄選択テーブル222Abは、第1時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための演出用時短図柄の表示態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短図柄当選時における遊技状態と、時短図柄当選時における背景モード種別と、に基づいて、取得した第1演出カウンタ223f1の値に対応させて各演出図柄(演出用時短図柄)の表示態様が規定されている。
ここで、図1269を参照して、演出図柄選択テーブル222Abの詳細な内容について説明をする。図1269は、演出図柄選択テーブル222Abに規定されている内容を示した図である。図1269に示した通り、演出図柄選択テーブル222Abには、当選時の遊技状態、設定される時短回数、設定されている背景モード種別と、取得した第1演出カウンタ223f1の値に対応させて演出図柄として決定される図柄種別がそれぞれ規定されている。
具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であって、時短回数「1回」の第1時短状態が設定される場合であって、現在の背景モードが「不利モード」、「通常モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~69」の範囲に対して、演出図柄「スイカ」、「70~99」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」が規定されており、現在の背景モードが「有利モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、演出図柄「スイカ」が規定されている。
また、当選時の遊技状態が「通常状態」であって、時短回数「5回」の第1時短状態が設定される場合であって、現在の背景モードが「不利モード」、「通常モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、演出図柄「スイカ」、「50~99」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」が規定されており、現在の背景モードが「有利モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の範囲に対して、演出図柄「スイカ」が規定されている。
さらに、当選時の遊技状態が「通常状態」であって、時短回数「8回」の第1時短状態が設定される場合であって、現在の背景モードが「不利モード」、「通常モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」が規定されており、現在の背景モードが「有利モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の範囲に対して、演出図柄「スイカ」が規定されている。
一方、当選時の遊技状態が「第2時短状態」であって、時短回数「8回」の第1時短状態が設定される場合には、現在の背景モードが「不利モード」、「通常モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~19」の範囲に対して、演出図柄「スイカ」、「20~99」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」が規定されており、現在の背景モードが「有利モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、演出図柄「スイカ」、「50~99」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」が規定されている。
また、当選時の遊技状態が「第2時短状態」であって、時短回数「15回」の第1時短状態が設定される場合であって、現在の背景モードが「不利モード」、「通常モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~89」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」、「90~99」の範囲に対して、演出図柄「人参」が規定されており、現在の背景モードが「有利モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~69」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」、「70~99」の範囲に対して、演出図柄「人参」が規定されている。
さらに、当選時の遊技状態が「第2時短状態」であって、時短回数「100回」の第1時短状態が設定される場合であって、現在の背景モードが「不利モード」、「通常モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、演出図柄「チェリー」、「80~99」の範囲に対して、演出図柄「人参」が規定されており、現在の背景モードが「有利モード」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の範囲に対して、演出図柄「人参」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第43制御例では、同一の時短種別の第1時短状態が設定される場合であっても、設定されている背景モード種別に応じて異なる演出図柄で時短図柄当選したことを遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、遊技者は、背景モード種別と、演出図柄を組み合わせて第1時短状態の時短回数を予測することになり、演出効果を高めることができる。
<第43制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1270から図1276を参照して、本第43制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理の詳細について説明する。本第43制御例におけるパチンコ機10では、上述した第40制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理に対して、時短図柄当選した場合に実行される処理の内容と、天井特典を付与するための処理の内容を変更している点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。より具体的には、上述した第40制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄変動処理40(図1166参照)に代えて特別図柄変動処理43(図1270のS104B参照)を、時短更新処理40(図1171参照)に代えて時短更新処理43(図1275のS224B)を設けた点と、新たに、天井更新処理43(図1276のS252B参照)を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図1270を参照して、本第43制御例における特別図柄変動処理43(S104B)の詳細について説明する。図1270は、この特別図柄変動処理43(S104B)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理43(S104B)は、上述した第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)と同様に、特別図柄の変動表示中における第1図柄表示装置37a,37bの表示設定等を行うための処理である。
この第43制御例における特別図柄変動処理43(S104B)のうち、S201~S207,S211~S219,S221~S223,S209B,S210A,S225A,S226Aの各処理では、それぞれ上述した第40制御例における特別図柄変動処理40(図1166参照)のS201~S207,S211~S219,S221~S223,S209A,S210A,S225A,S226Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第43制御例における特別図柄変動処理43(S104B)では、S219の処理が終了すると、大当たり遊技を開始させるための処理として、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203Abの値を0にリセットする処理を実行し(S220B)、次いで、天井到達済フラグ203Acをオフに設定し(S251B)、S221の処理を実行して、本処理を終了する。S251Bの処理を実行することにより、大当たり遊技が終了した状態では天井到達済フラグ203Acがオフの状態となるため、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選の実行回数に対応させて特図抽選カウンタ203Aaの値を加算することができる。
また、本第43制御例における特別図柄変動処理43(図1270のS104B参照)では、S218の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別された場合に(S218:No)、次いで、今回の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S225A)、時短図柄当選である場合は(S225A:Yes)、今回当選した時短図柄の種別に対応する時短終了条件を、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203Abに対して設定し(S226A)、本処理を終了する。一方、S225Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S225A:No)、処理をS222へと移行する。
また、本第43制御例における特別図柄変動処理43(図1270のS104B参照)では、S222の処理において今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合(S222:No)、またはS223処理が終了した場合に、時短更新処理43を実行して(S224B)、その後、天井更新処理43を実行し(S252B)、本処理を終了する。なお、時短更新処理43(S224B)の詳細については、図1275を参照して後述し、天井更新処理43(S252B)の詳細については、図1276を参照して後述する。
次に、図1271を参照して、上述した特別図柄判定処理43(S209B)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理43(S209B)は、第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)に代えて実行される処理であり、第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。この第43制御例における特別図柄判定処理43(S209B)のうち、S301~S305の各処理では、それぞれ第32制御例における特別図柄判定処理(図965参照)のS301~S305の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第43制御例における特別図柄判定処理43(図1271参照)では、S303の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S303:No)、外れの種別に応じた制御を実行するための外れ時処理43を実行して(S311B)、本処理を終了する。この外れ時処理43(S311B)の詳細について、図1272を参照して説明する。
図1272は、この外れ時処理43(S311B)を示すフローチャートである。この外れ時処理43(S311B)では、まず、現在が天井中であるかを判別し(S2101B)、天井中ではないと判別した場合は(S2101B:No)、次に、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2101A)、抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合は(S2101A:Yes)、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する時短図柄種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる時短図柄として設定し(S2102A)、本処理を終了する。
一方、S2101Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合(S2101A:No)、或いは、S2101Bの処理において、天井中であると判別した場合(S2101B:Yes)は、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2103A)、小当たりであると判別した場合は(S2103A:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S2104A)、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を、第1図柄表示装置37a,37bに表示させる小当たり図柄として設定し(S2105A)、本処理を終了する。これに対し、S2103Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S2103A:No)、S2104A,S2105Aの各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この外れ時処理43(S311B)(図1272参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が外れ(大当たり以外)である場合に、抽選結果に応じた第1図柄の表示を好適に設定することができる。
次に、図1273を参照して、本第43制御例における特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)の詳細について説明する。図1273は、この特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)を示すフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理40(S210A)は、上述した第32制御例における特別図柄変動パターン選択処理(図966参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じた第1図柄の変動パターンを選択するための処理である。
この第43制御例における特別図柄変動パターン選択処理40(図1273参照)のうち、S401~S408の各処理では、それぞれ第32制御例における変動パターン選択処理(図966参照)のS401~S408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第43制御例における変動パターン選択処理40(図1273参照)では、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合に(S401:No)、外れ(小当たり、時短図柄当選含む)時の変動パターンを選択するための外れ時種別決定処理40を実行して(S421A)、処理をS403へと移行する。この外れ時種別決定処理40(S421A)の詳細について、図1274を参照して説明する。
図1274は、この外れ時種別決定処理(S421A)を示すフローチャートである。外れ時種別決定処理(S421A)では、まず、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S2201A)、時短図柄当選であると判別した場合は(S2201A:Yes)、時短種別選択43テーブル202Ah(図1266(b)参照)を参照して時短図柄の種別を決定し(S2202A)、本処理を終了する。一方、S2201Aの処理において、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合は(S2201A:No)、次いで、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S2203A)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S2203A:Yes)、小当たり種別選択43テーブル202Af(図1266(a)参照)を参照して小当たり種別を決定し(S2204A)、本処理を終了する。これに対し、S2203Aの処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、通常の外れ(完全外れ)である)と判別した場合は(S2203A:No)、S2204Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この外れ時種別決定処理40(図1274参照)を実行することにより、特別図柄の抽選結果が時短図柄当選若しくは小当たりであった場合に、時短図柄種別若しくは小当たり種別を好適に決定することができる。
次に、図1275を参照して、本第43制御例における時短更新処理43(S224B)の詳細について説明する。この時短更新処理43(S224B)は、第40制御例における時短更新処理40(図1171参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理40(図1171参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。
この第43制御例における時短更新処理43(S224B)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し(S601B)、0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S601B:No)、現在が時短状態では無いため本処理を終了する。また、S601Bの処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合は(S601B:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S602B)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S603B)、次いで、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S604B)。
S604Bの処理において、時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S604B:Yes)、特別図柄抽選の実行回数に基づく時短終了条件(第1終了条件)が成立した場合であるため、遊技状態を通常状態に設定し(S605B)、特図2カウンタ203Abの値を0に設定し(S606B)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S607B)、本処理を終了する。
一方、S604Bの処理において、時短カウンタ203hの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合は(S604B:No)、次に、今回の抽選(特別図柄抽選)が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S608B)、特図2であると判別した場合は(S608:Yes)、特図2カウンタ203Abの値を1減算し(S609B)、減算後の特図2カウンタ203Abの値が0であるかを判別する(S610B)。
S610Bの処理において、減算後の特図2カウンタ203Abが0であると判別した場合は(S610B:Yes)、第2特別図柄抽選の実行回数(特図2変動回数)に基づいて成立する時短終了条件(第2終了条件)が成立した場合であるため、遊技状態を通常状態に設定し(S611B)、時短カウンタ203hの値を0に設定し(S612B)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S613B)、本処理を終了する。また、S608Bの処理において、今回の抽選が特図2では無いと判別した場合(S608B:No)、或いは、S610Bの処理において、特図2カウンタ203Abの値が0では無い(0よりも大きい)と判別した場合は(S610B:No)、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立していない場合であるため、そのまま本処理を終了する。
なお、本第43制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数(合算特図抽選回数)に基づいて成立する第1終了条件と、第2特別図柄抽選の実行回数(特図2変動回数)に基づいて成立する第2終了条件と、を設定可能に構成しているが、時短終了条件を3種類以上設定可能に構成しても良く、例えば、上述した第40制御例におけるパチンコ機10のように、小当たり当選した回数や普通図柄抽選で当り当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技の実行回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成しても良い。
また、本第43制御例では、設定されている時短状態の種別(第2時短状態、第1時短状態)や、時短状態の設定契機(時短図柄当選、大当たり当選、天井特典)に関わらず、同一内容の時短更新処理43(図1275参照)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、設定されている時短状態の種別(第1時短状態、第2時短状態)や、時短状態の設定契機(時短図柄当選、大当たり当選、天井特典)に応じて、時短終了条件を成立させるための更新処理の内容を異ならせても良い。
次に、図1276を参照して、天井更新処理43(S252B)の処理内容について説明をする。図1276は、天井更新処理43(S252B)の処理内容を示したフローチャートである。この天井更新処理43(S252B)は、特別図柄変動処理43(図1270のS104B)において、特別図柄抽選の結果が外れ(小当たり含む)である場合に実行される処理であって、天井特典を付与するための条件(天井付与条件)に関する情報を更新するための処理と、天井付与条件が成立した場合に天井特典を付与するための処理が実行される。
天井更新処理43(S252B)が実行されると、まず、天井到達済フラグ203Acがオンに設定されているかを判別し(S701B)、天井到達済フラグ203Acがオンに設定されていると判別した場合、即ち、既に天井特典が付与された後の状態であると判別した場合には(S701B:Yes)、再度、天井付与条件を成立させることができないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S701Bの処理において、天井到達済フラグ203Acがオンに設定されていないと判別した場合は(S701B:No)、特図抽選カウンタ203Aaの値を1加算し(S702B)、特図抽選カウンタ203Aaの値を示す残回数コマンドを設定する(S703B)。このS703Bの処理によって残回数コマンドが設定されると、他の処理にて設定される各種状態コマンドの一部として音声ランプ制御装置113へと出力される。そして、音声ランプ制御装置113側で残回数コマンドを含む状態コマンドを受信することで、従遊技状態格納エリア223gに、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の実行回数の総数を示す情報(変動回数情報)が格納される。ここで格納された変動回数情報に基づいて、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が算出され、不利モード中の演出画面(図1254(b)参照)にて表示領域Dm7に、天井特典が付与されるまでの残変動回数が表示される。
なお、本第43制御例では、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選の実行回数に対応させて特図抽選カウンタ203Aaの値を加算するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技終了後に、天井付与条件が成立するまでの残変動回数に対応する値(例えば、999)を特図抽選カウンタ203Aaの値に設定し、特別図柄抽選が実行される毎に特図抽選カウンタ203Aaの値を1減算するように構成しても良い。このように構成することで、特図抽選カウンタ203Aaの値を示す情報コマンドを設定し、その情報コマンドを音声ランプ制御装置113側で受信した場合に、受信した情報コマンドに含まれる値に対応する変動回数が、天井付与条件が成立するまでの残変動回数となるため、受信した情報コマンドに含まれる値をそのまま表示領域Dm7に表示させることが可能となり、音声ランプ制御装置113にて実行される第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示態様を決定するための処理を簡素化することができる。
図1276に戻り、天井更新処理43(S252B)の説明を続ける。S704Bの処理では、S702Bの処理によって加算された特図抽選カウンタ203Aaの値が999に到達したかを判別し(S704B)、到達したと判別した場合は(S704B:Yes)、天井付与条件が成立した場合であるため、天井特典を付与するために遊技状態を第2時短状態に設定し(S705B)、時短カウンタ203hの値を「40」に設定し(S706B)、第2時短状態を示す状態コマンドを設定し(S707B)、天井到達済フラグ203Acをオンに設定し(S708B)、本処理を終了する。一方、S704Bの処理において、特図抽選カウンタ203Aaの値が999では無いと判別した場合(S704B:No)は、天井付与条件が成立していないため、天井特典を付与するためのS705B~S708Bの処理をスキップして本処理を終了する。
<第43制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1277から図1283を参照して、本第43制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1277を参照して、本第43制御例におけるコマンド判定処理43(S3113B)の詳細について説明する。このコマンド判定処理43(S3113B)は、上述した第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)に代えて実行される処理であり、コマンド判定処理40(図1174参照)と同様に、主制御装置110から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第43制御例におけるコマンド判定処理43(図1277参照)のうち、S3201~S3211,S3213、およびS3218の各処理では、それぞれ上述した第32制御例におけるコマンド判定処理(図983参照)のS3201~S3211,S3213、およびS3218の各処理と同一の処理が実行される。また、本第43制御例におけるコマンド判定処理43(図1277参照)のうち、S3232A~S3234Aの各処理は、それぞれ上述した第40制御例におけるコマンド判定処理40(図1174参照)のS3232A~S3234Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第43制御例におけるコマンド判定処理43(図1277参照)では、S3211の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合に(S3211:Yes)、状態コマンド処理43を実行し(S3231B)、本処理を終了する。この状態コマンド処理43(S3231B)の詳細については、図1278を参照して後述する。
次に、図1278を参照して、上述した状態コマンド処理43(S3231B)の詳細について説明する。この状態コマンド処理43(S3231B)は、上述した通り、第40制御例における状態コマンド処理40(図1175参照)に代えて実行される処理であり、状態コマンド処理40(図1175参照)と同様に、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。
この第43制御例における状態コマンド処理43(図1278参照)のうち、S3401,S3402の各処理、および、S3421A,S3426A~S3428Aの各処理では、それぞれ第40制御例における状態コマンド40処理(図1175参照)のS3401,S3402の各処理、および、S3421A,S3426A~S3428Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第43制御例における状態コマンド処理43(図1278参照)では、S3402の処理において、今回受信した状態コマンドが通常状態への移行を通知する状態コマンドであると判別した場合に(S3402:Yes)、時短情報更新エリア223hに記憶されている情報をクリアし(S3421A)、次いで、今回の遊技状態移行が第2時短状態から通常状態へと移行したものであるかを判別し(S3430A)、第2時短状態からの移行であると判別した場合は(S3430A:Yes)、背景モード移行抽選を実行し(S3401B)、背景モード移行抽選に当選したかを判別し(S3402B)、抽選に当選したと判別した場合に(S3402B:Yes)、当選結果に対応する背面画像(背面モード種別に対応した背面画像)を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S3403B)、報知済フラグ223Abをオフに設定し(S3404B)、本処理を終了する。
また、S3402Bの処理において、背景モード移行抽選に当選しなかったと判別した場合は(S3402B:No)、非移行フラグ223Acをオンに設定し(S3405B)、本処理を終了する。一方、S3430Aの処理において第2時短状態からの移行では無いと判別した場合は(S3430A:No)、S3401B~S3405Bの処理を実行すること無く、本処理を終了する。また、S3428Aの処理を実行した後には、待機演出設定処理43(S3429)を実行し、本処理を終了する。この待機演出設定処理43(S3429)は、第1時短状態へと移行したタイミングで新たな特別図柄変動が実行されない場合、即ち、第1時短状態移行直後にデモ画面(待機画面)が表示される場合の表示態様を決定するための処理が実行される。
次に、図1279を参照して、待機演出設定処理43(S3429B)の詳細について説明する。図1279は、この待機演出設定処理43(S3429B)を示すフローチャートである。この待機演出設定処理43(S3429B)が実行されると、まず、待機演出フラグ223jaをオンに設定し(S3451A)、次いで、第1特別図柄の保留球数が0であるか否かを判別する(S3452A)。S3452Aの処理において、第1特別図柄の保留球数が0であると判別した場合は(S3452A:Yes)、次いで、第2特別図柄の保留球数が0であるかを判別し(S3451B)、第2特別図柄の保留球数が0であると判別した場合は(S3451B:Yes)、新たな特別図柄抽選を実行させるための条件が成立していない状況であるため、今回の時短種別(時短回数)に応じた演出態様を、待機演出選択テーブル222ja(図1165参照)を参照して特定し(S3453A)、特定した演出態様の待機演出の実行を設定する(S3454A)。次いで、待機演出回数カウンタ223jbの値に1を設定して(S3455A)、報知済フラグ223Abをオンに設定し(S3452B)、本処理を終了する。
これに対し、S3452Aの処理において、第1特別図柄の保留球数が0ではない(1以上である)と判別した場合は(S3452A:No)、S3453A~S3455Aの処理をスキップして、S3452Bの処理を実行し、処理を終了する。また、S3451Bの処理において第2特別図柄の保留球数が0では無いと判別した場合(S3451B:No)、即ち、第2特別図柄抽選の実行条件が成立していると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。保留球が存在する場合は、当該保留球に基づく第1特別図柄の変動表示に同期して実行する変動表示演出の演出態様として待機演出を設定すれば良く、本処理の中で演出態様を設定する必要がないためである。
この待機演出設定処理43(S3429B)を実行することにより、第1特別図柄の保留球、及び、第2特別図柄の保留球が存在しない状況で第1時短状態に移行した場合に、第1時短状態の種別(時短回数)に応じた演出態様のチャンスタイム待機演出を実行することができる。
次に、図1280を参照して、本第43制御例における変動演出設定処理43(S4304B)の処理内容について説明をする。図1280は、変動演出設定処理43(S4304B)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理43(S4304B)では、設定されている遊技状態に応じて、異なる演出態様を決定するための処理が実行される。
具体的には、変動演出設定処理43(S4304B)が実行されると、まず、従遊技状態格納エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S4401)、遊技状態が第1時短状態であるかを判別し(S4401B)、第1時短状態では無いと判別した場合は(S4401B:No)、次に、時短図柄当選しているかを判別し(S4402B)、時短図柄当選していると判別した場合は(S4402B:Yes)、時短図柄当選時演出設定処理を実行し(S4404B)、本処理を終了する。一方、S4402Bの処理において、時短図柄当選していないと判別した場合は(S4402B:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4403B)、本処理を終了する。
また、S4401Bの処理において、第1時短状態であると判別した場合は(S4401B:Yes)、今回の特別図柄変動が特図1変動であるかを判別し(S4405B)、特図1変動では無いと判別した場合は(S4405B:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4406B)、本処理を終了する。
一方、S4405Bの処理において、特図1変動であると判別した場合は(S4405B:Yes)、報知済フラグ223Abがオンに設定されているかを判別し(S4407B)、オンに設定されている場合は(S4407B:Yes)、S4406Bの処理へ移行し、本処理を終了する。また、S4407Bの処理において、報知済フラグ223Abがオンに設定されていないと判別した場合は(S4407B:No)、時短情報更新エリア223hに格納されている時短情報を読み出し(S4408B)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4409B)、報知済フラグ223Abをオンに設定し(S4410B)、本処理を終了する。
次に、図1281を参照して、時短図柄当選時演出設定処理(S4404B)の処理内容について説明をする。図1281は、時短図柄当選時演出設定処理(S4404B)の処理内容を示したフローチャートである。この時短図柄当選時演出設定処理(S4404B)では、第1時短状態以外の遊技状態が設定されている場合(左打ち遊技中)に、実行された特別図柄抽選で時短図柄当選した場合の変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
具体的には、時短図柄当選時演出設定処理(S4404B)が実行されると、まず、今回当選した時短種別を読み出し(S5701B)、読み出した時短種別が時短A群であるかを判別し(S5702B)、時短A群であると判別した場合は(S5702B:Yes)、背景モード格納エリアから現在の背景モードを読み出し(S5703B)、背景モード選択テーブル222Aaを参照して、背景モード種別を決定し(S5704B)、次に、非移行フラグ223Acがオンに設定されているかを判別する(S5705B)。
S5705Bの処理において、非移行フラグ223Acがオンに設定されていると判別した場合は(S5705B:Yes)、非移行フラグ223Acをオフに設定し(S5706B)、決定した背景モードに対応する背面画像を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S5707B)、決定した背景モード種別を背景モード格納エリアに格納し(S5708B)、本処理を終了する。また、S5705Bの処理において、非移行フラグ223Acがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S5705B:No)、S5706Bの処理をスキップして、S5707Bの処理へ移行する。
一方、S5702Bの処理において、時短A群では無い(時短B群である)と判別した場合は(S5702B:No)、演出用時短図柄決定処理を実行し(S5709B)、本処理を終了する。
次に、図1282を参照して、演出用時短図柄決定処理(S5709B)の処理内容について説明をする。図1282は、演出用時短図柄決定処理(S5709B)の処理内容を示したフローチャートである。演出用時短図柄決定処理(S5709B)が実行されると、まず、背景モード格納エリアから現在の背景モードを読み出し(S5751B)、有利モード中であるかを判別する(S5752B)。S5752Bの処理において、有利モード中であると判別した場合は(S5752B:Yes)、入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報を読み出し(S5755B)、当たり保留があるかを判別し(S5756B)、当たり保留が有ると判別した場合は(S5756B:Yes)、演出図柄種別として「人参」を決定し(S5757B)、S5754Bの処理へ移行する。また、S5756Bの処理において、当たり保留が無いと判別した場合は(S5756B:No)、入賞情報に基づいて特定の演出図柄を決定するための条件を満たしていないため、通常の演出図柄種別を決定する処理であるS5753Bの処理へ移行する。
このように構成することで、演出モードとして有利モードが設定されている状態では、時短B群の時短図柄に当選した時点で当たり保留を有している場合には、演出図柄種別として「人参」を設定することができる。よって、特定の演出モード中においてのみ、演出図柄種別によって当たり保留の有無を報知することができる。また、時短B群として少ない時短回数の時短図柄に当選している場合、即ち、「人参」が選択され難い時短状態が設定された場合には、「人参」が表示されることにより、保留内に当たりがあるのではと遊技者に予測させることができる。
一方、S5752Bの処理において、有利モード中では無いと判別した場合は(S5752B:No)、演出図柄テーブル(演出図柄選択テーブル)222Abを参照して、演出図柄種別を決定し(S5753B)、決定した演出図柄種別に対応する表示態様を示すための表示用コマンドを設定し(S5754B)、本処理を終了する。
次に、図1283を参照して、演出更新処理43(S3112B)の処理内容について説明をする。図1283は、演出更新処理43(S3112B)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理43(S3112B)は、上述した第40制御例の演出更新処理40(図1182参照)に対して、非移行フラグ223Acがオンに設定されている状態における演出態様を決定するための処理を追加した点で相違し、それ以外の制御処理内容は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
演出更新処理43(S3112B)が実行されると、まず、上述した第40制御例の演出更新処理40(図1182参照)と同一のS4611A~S4617Aの処理を実行する。その後、非移行フラグ223Acがオンに設定されているかを判別し(S4601B)、オンに設定されていると判別した場合は(S4601B:Yes)、オンに設定されてからの経過時間が20秒に到達したかを判別する(S4602B)。S4602Bの処理で20秒経過したと判別した場合は(S4602B:Yes)、背景モード移行抽選を実行し(S4603B)、抽選に当選したかを判別し(S4604B)、抽選に当選したと判別した場合には(S4604B:Yes)、当選結果に対応する背面画像を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S4605B)、報知済フラグ223Abをオフに設定し(S4606B)、本処理を終了する。一方、S4601Bの処理において、非移行フラグ223Acがオンに設定されていないと判別した場合(S4601B:No)、S4602Bの処理において20秒が経過していないと判別した場合(S4602:No)、或いは、S4604Bの処理において、背景モード移行抽選に当選していないと判別した場合(S4604B:No)は、新たな背景画像を示すための表示用背景画像コマンドを設定すること無く、且つ、報知済フラグをオフに設定すること無く、本処理を終了する。
このように構成することで、特別図柄抽選の実行に関わらず、経過時間に基づいても背景モードを変更することが可能となるため、演出効果を高めることができる。
<第44制御例>
次に、図1284から図1316を参照して、第44制御例におけるパチンコ機10について説明をする。上述した第43制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方が変動表示されている期間は、他方の特別図柄の大当たり抽選が実行されない構成であった。これに対して、本第44制御例は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している点で相違している。
このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、本第44制御例では、第1遊技状態が連続して設定される回数に上限を設けており、第1時短状態が9回連続設定されている状態で、大当たり当選(時短リミット到達当たり当選)し、大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に強制的に通常状態が設定されるように構成している点で上述した第43制御例と相違している。このように構成することで、遊技者に有利となる特典(第1時短状態)が過剰に連続して設定されていまい、遊技者に過剰に賞球が付与されてしまうことを抑制することができる。また、1回の大当たり遊技中に獲得可能な賞球数を増加させたとしても、第1時短状態が連続して設定される回数に上限を設けているため、遊技者に過剰に賞球が付与されてしまうことを抑制することができる。加えて、第1時短状態が連続して設定される回数に上限を設けているため、第1時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選に基づいて、再度、第1時短状態が設定されることとなる大当たり遊技が実行される確率(大当たり当選確率、小当たり当選確率)を高めることができる。
さらに、本第44制御例では、時短リミット到達当たり当選に対応する第2特別図柄変動が実行されている特図変動期間中に第1特別図柄変動を実行させることにより、時短状態を終了させて通常状態を設定することにより、第1時短状態が連続して設定されている状態をリセットすることが可能に構成している。
このように構成することで、時短リミット到達当たり当選の特図変動期間中に第1時短状態を終了させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、同時変動仕様の遊技機において、一方の特別図柄抽選において大当たり(または小当たり)に当選した場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、或いは、仮停止させる(中断させる)かの一方のみを実行する仕様であることが一般的であるが、本第44制御例では、大当たり種別(または小当たり種別)によって、他方の特別図柄の変動表示を強制停止させるか、仮停止させるかを決定する構成としている。つまり、他方の特別図柄の変動を強制停止させる(破棄させる)大当たり種別と、他方の特別図柄の変動表示を仮停止させる(中断させる)大当たり種別が規定されている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態において、一方の特別図柄が停止表示されることにより遊技者に不利な遊技状態が設定され得る場合に、他の特別図柄の変動を破棄することができる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定されることを防ぐことができるが、他の特別図柄を中断させる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定され得る状況が継続するので、大当たり当選した場合に、遊技者に他の特別図柄の変動を破棄できたか否かに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第44制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10の基本的な仕様(ROM202の構成)を踏襲しており、且つ、上述した第44制御例のパチンコ機10における主制御装置110にて実行される各種制御処理を組み合わせたものである。よって、上述した各制御例において説明をした内容と重複する箇所については、その説明を省略する。
<第44制御例における遊技盤13の構成について>
まず、図1284を参照して、本第44制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。図1284は、本第44制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を示した正面図である。図1284に示した通り、本第44制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13は、上述した第12制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13(図406参照)に対して、右側領域から第1入球口1640を削除し、電動役物640が付随した第2入球口640を設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1284に示した通り、本第44制御例におけるパチンコ機10では、左打ち遊技を実行した場合に、第2入球口640よりも第1入球口64へと遊技球が入球し易く、右打ち遊技を実行した場合に、第1入球口64よりも第2入球口640へと遊技球が入球し易くなるように構成している。また、電動役物640aは、上述した第43制御例と同様に第1時短状態が設定されている状態において、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能な状態(開状態)へと可変可能に構成しているため、通常状態、第2時短状態が設定されている間は、左打ち遊技によって第1特別図柄抽選を実行させる遊技が遊技者に有利な遊技となり、第1時短状態が設定されている間は、右打ち遊技によって第2特別図柄抽選を実行させる遊技が遊技者に有利な遊技となる。
なお、図1284に示した通り、本第44制御例におけるパチンコ機10では、上述した第12制御例におけるパチンコ機10に対して、右側領域に第1特別図柄抽選の実行契機となる始動入球口を設けていない点で相違している。よって、第1時短状態中に実行される右打ち遊技によって発射された遊技球によって第1特別図柄抽選が実行されることが無い。
<第44制御例における演出内容について>
次に、図1285、および図1286を参照して、本第44制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第44制御例では、第1時短状態が設定されている状態で実行される第2特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、小当たり当選)したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後には第1時短状態が設定されるように構成している。つまり、第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて実行される大当たり遊技は、上述した第43制御例と同様に全て第1時短状態が設定される時短大当たり遊技となる。
また、本第44制御例では、上述した通り、第1時短状態が連続して設定される回数に上限を設けており、大当たり遊技を跨いで10回連続して第1時短状態が設定される条件を満たした場合には、その大当たり遊技終了後に強制的に通常状態を設定するための時短リミット処理を実行するように構成している。
そこで、本第44制御例では、時短リミット処理が実行されてしまう大当たり遊技の実行契機となる第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動期間中に、第1時短状態が連続して設定されることを回避するための遊技方法を遊技者に案内するための演出を実行可能に構成している。
具体的には、時短リミット処理が実行されてしまう大当たり遊技の実行契機となる第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動期間中に、第1特別図柄抽選を実行させることで、実行中の第2特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、第1特別図柄抽選の実行に基づいて時短終了条件を成立させ、通常状態を設定することにより、実行中の第2特別図柄変動が停止表示された時点における遊技状態を通常状態とし、時短リミット処理が実行されないようにするために、第2特別図柄変動期間中に遊技者に対して左打ち遊技を促す演出(擬似左打ち演出)を実行するように構成している。
このように構成することで、時短リミット処理が実行されることを回避するために、第2特別図柄の当たり変動期間中であっても、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
まず、図1285(a)を参照して、時短リミット非到達時における時短中当たり変動演出の内容について説明をする。図1285(a)は、時短リミット非到達の時短中当たり変動画面の一例を示した図である。
図1285(a)に示した通り、第1時短状態中に第2特別図柄の当たり変動が実行されると、上述した第43制御例の第1時短状態中の変動演出のうち、当たり期待度の高い高速変動演出が実行される。なお、図1285(a)に示した状態は、第1特別図柄変動が実行されておらず、第2特別図柄変動が実行されている状態であるため、第1特別図柄変動に対応した第3図柄として、停止表示態様(「245」で停止表示)が表示領域Dm1に表示され、第2特別図柄変動に対応した第3図柄として、動的表示態様(図では矢印で表示)が表示領域Dm2に表示されている。そして、第1時短状態中であることを示すための「チャンスゾーン」の文字が主表示領域Dmの中央部に表示され、表示領域Dm4aには、遊技者に右打ち遊技を促すための「右打ち」が表示されている。なお、図1285(a)に示した通り、主表示領域Dmの左下側には、表示領域Dm4が形成され、その中に時計回りに渦を巻いている動画像が表示されており、この渦の回転方向によって遊技者に最も有利な遊技方法を案内するように構成している。
また、副表示領域Dsには、実行中の変動演出の演出態様が遊技者に有利な演出態様であることを示すための「高速変動!!当たりのチャンス!!」のコメントが表示されている。図1285(a)に示した表示画面が表示された後は、第2特別図柄変動の停止表示タイミングに合わせて、当たり当選を示すVアイコン811fが主表示領域Dmの中央に停止表示され、遊技者に対して当たり当選したことが報知される。
次に、図1285(b)を参照して、時短リミット到達時における時短中当たり変動演出の内容について説明をする。図1285(b)は、時短リミット到達の時短中当たり変動画面の一例を示した図である。
図1285(b)に示した通り、時短リミットに到達する(大当たり遊技終了後に強制的に通常状態が設定される)当たり変動が実行されると、主表示領域Dmに「チャンスゾーン終了」の文字が表示されると共に、ウサギを模したキャラクタ801が落ち込んだ態様で表示される。そして、表示領域Dm4aには、遊技者に左打ち遊技を促すための案内態様として「左打ち」が表示される。また、残時短回数を表示するための表示領域Dm7には、残時短回数を遊技者が把握困難な態様として、爆発態様が表示される。
しかしながら、表示領域Dm2に示した通り、図1285(b)に示した状態は、第1時短状態中における第2特別図柄の当たり変動期間中である。つまり、図1285(b)は、第1時短状態中であるにも関わらず、遊技者に左打ち遊技を促す擬似左打ち演出となる。なお、表示領域Dm4には、時計回りに渦が回転しているため、遊技者に最も有利な遊技方法が右打ち遊技であることを報知している。
そして、図1285(b)に示した表示画面が表示された後、左打ち遊技を実行し第1特別図柄変動が実行されると、図1286(a)に示した演出画面が表示される。図1286(a)は、擬似左打ち演出中に第1特別図柄変動が実行された場合に表示される演出内容の一例を示した図である。
図1286(a)に示した通り、擬似左打ち演出中に第1特別図柄変動が実行されると、天使を模したキャラクタ809と、ウサギを模したキャラクタ801が表示され、主表示領域Dmの中央部に宝箱810が表示される。そして、実行されている第1特別図柄抽選に基づいて、宝箱810の中身810aを表示する演出が実行される。
また、表示領域Dm13には、時短終了条件が成立するまでの情報を示すための幸福度が表示される。この幸福度は、100%をMAXとした値であって、幸福度100%が表示された場合に、時短終了条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するように構成している。擬似左打ち演出が実行された当初の幸福度(%)は、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間や、時短終了条件を成立させるまでに必要となる第1特別図柄抽選の実行回数に基づいて決定されるように構成しており、基本的には、特別図柄抽選が1回実行される毎に、「10%」上昇するように構成している。
そして、幸福度が100%に到達すると、図1286(b)に示した通り、時短状態が終了したことを示すための表示態様として表示領域Dm13に「100%」が表示される。そして、表示領域Dm14に実行中の第2特別図柄変動の残変動時間を示す「ラッキーまであと15秒」の文字が表示される。さらに、副表示領域Dsに「幸福度MAX!!15秒後にいいことがあるよ」のコメントが表示される。また、この時点では時短状態が終了しているため、表示領域Dm4には反時計回りの渦が表示されている。
なお、図1286(a)に示した演出では、時短終了条件を成立させるために必要な遊技内容(特別図柄抽選回数)も、第2特別図柄変動の残変動時間も、明確に遊技者に報知すること無く、幸福度として表示されるパーセンテージに基づいて遊技者に予測させるように構成しているが、これに限ること無く、時短終了条件を成立させるために必要な遊技内容(特別図柄抽選回数)と、第2特別図柄変動の残変動時間とを、或いは何れか一方を、遊技者に報知可能に構成しても良い。
<第44制御例における電気的構成について>
次に、図1287から図1291を参照して、本第44制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第44制御例では、上述した第43制御例に対して、主制御装置110が有するROM202およびRAM203の構成の一部を変更している点で相違する。それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図1287に示す通り、本第44制御例における主制御装置110が有するROM202は、上述した第43制御例における主制御装置110が有するROM202に対して、変動パターン選択43テーブル202Adに代えて、変動パターン選択44テーブル202Bdを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。変動パターン選択44テーブル202Bdの内容については、図1289から図1291に示した通り、上述した第43制御例における変動パターン選択43テーブル202Ad(図1263参照)に対して、通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルを、通常用43テーブル(図1263(b)参照)から通常状態用変動パターン44テーブル(図1290参照)に代え、時短状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルを、時短用43テーブル(図1264参照)から時短状態用変動パターン44テーブル(図1291参照)に代えている点で相違している。ここで、図1290を参照して、通常状態用変動パターン44テーブル202Bd1に規定されている内容のうち、上述した通常用43テーブル(図1263(b)参照)と相違する内容について説明をする。図1290は、通常状態用変動パターン44テーブル202Bb1に規定されている内容を示した模式図である。図1290に示した通り、通常状態用変動パターン44テーブル202Bd1には、第1特別図柄(特図1)の抽選で時短図柄当選した場合に選択される変動パターンとして、大当たり当選した場合に選択される変動パターンと同一の「スーパーリーチ」を選択するように構成している点で、上述した通常用43テーブル(図1263(b)参照)と相違している。このように構成することで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、時短図柄当選した場合とで、同一の変動パターンに基づく変動演出を実行させることが可能となるため、遊技者に対して何れに当選したのかを予測する楽しみを提供することができる。次に、図1291を参照して、時短状態用変動パターン44テーブル202Bd2に規定されている内容について説明をする。図1291は、時短状態用変動パターン44テーブル202Bd2に規定されている内容を模式的に示した図である。図1291に示した通り、時短状態用変動パターン44テーブル202Bd2は、上述した時短用43テーブル(図1264参照)に対して、時短状態中に実行された第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には長い変動時間(600秒)が選択されるように変動時間が規定されている点と、時短状態中に実行された第1特別図柄抽選が外れである場合に比較的短い変動時間として、異なる長さの変動時間(1秒、3秒、10秒)が規定されている点で相違している。また、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、小当たり当選した場合に、5秒(選択割合約25%)、60秒(選択割合約50%)、180秒(選択割合約25%)の何れかの変動時間が選択されるように規定されている点で相違している。このように構成することで、時短リミットに到達することになる第2特別図柄抽選の当たり変動中に、実行させることが可能な第1特別図柄変動の回数を異ならせ易くすることができる。
次に、RAM203の詳細について、図1288を参照して説明する。図1288は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。上述した第43制御例に対して、時短リミット回数カウンタ203Baと、特図1変動時間タイマ203Bbと、特図2変動時間タイマ203Bcと、特図1仮停止フラグ203Bdと、特図2仮停止フラグ203Beと、特図1変動停止フラグ203Bfと、特図2変動停止フラグ203Bgと、時短当選変動状態フラグ203kgと、時短リミット到達フラグ203Bhと、を追加して点で相違する。それ以外の構成については、上述した第43制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
時短リミット回数カウンタ203Baは、第1時短状態が連続して設定される回数を計測するためのカウンタである。ここで、本第44制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技中を除いて、第1時短状態が連続して設定される回数(時短連続設定回数)を計測可能に構成しており、その時短連続設定回数が所定数(10回)に到達した場合(時短リミットに到達した場合)に、第1時短状態を設定可能な条件が成立している場合であっても、通常状態を強制的に設定する処理(時短リミット処理)を実行可能に構成し、遊技者に対して有利な遊技状態(第1時短状態)が過剰に連続して設定されてしまうことを抑制している。
この時短リミット回数カウンタ203Baには、通常状態、或いは第2時短状態が設定されている状態で第1時短状態が設定された場合に、初期値として「10」がセットされる(図1313のY3005参照)。そして、時短連続設定回数が更新される毎にカウンタの値が減算され(図1313のY3002参照)、時短リミットに到達したか否かの判別処理にて減算後のカウンタ値が参照される(図1313のY3003参照)。そして、時短リミットに到達した場合や、実行中の大当たり種別が普通図柄の低確率状態を設定するものである場合に時短リミット回数カウンタ203Baの値が0にクリアされる。
この時短リミット回数カウンタ203Baの値を示す情報は、大当たり終了処理において、音声ランプ制御装置113へと出力するために状態コマンドとして設定される。
なお、本第44制御例では、上述した通り、時短連続設定回数を計測するための時短リミット回数カウンタ203Baの値に、時短リミットに到達するまでの時短連続設定回数をセットし、時短連続設定回数が減算される毎に、カウンタ値を減算するように構成しているが、これに限ること無く、第1時短状態が設定された場合に時短リミット回数カウンタ203Baの値に「1」をセットし、以降、時短連続設定回数が更新される毎に、時短リミット回数カウンタ203Baの値を1加算するように構成し、加算後の時短リミット回数カウンタ203Baの値が時短リミットに到達したことを示す値(例えば、10)であるかを判別し、その判別の結果が時短リミットに到達したことを示す判別結果である場合に、時短リミット処理を実行するように構成しても良い。
このように構成した場合、例えば、特別図柄の高確率状態が連続して設定されている期間内において第2特別条件(例えば、特定の大当たり種別の大当たりに当選)が成立した場合に、時短リミットの成立条件(到達条件)を変更させるように構成した場合であっても、変更後の成立条件(到達条件)と、時短リミット回数カウンタ203Baの値とを比較するだけで、時短リミットに到達したか否かを判別することが可能となる。
なお、上述した例示内容における特別条件が成立した場合に、時短リミットの成立条件を、変更前よりも成立し難くするように変更しても良いし、変更前よりも成立し易くするように変更しても良い。また、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合に、現時点における時短リミット回数カウンタ203Baの値が時短リミットの成立条件(到達条件)を満たしているか否かを即座に判別するように構成しても良いし、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合であっても、時短リミット回数カウンタ203Baの成立条件(到達条件)を満たしているか否かの判別は大当たり遊技終了時に実行するように構成しても良い。特に、後者の場合は、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合において直ちに普通図柄の高確率状態が終了してしまうことを抑制すると共に、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中に特別図柄抽選の大当たり当選が最低限(1回分)保証されることになるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本第44制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される契機として、時短リミット回数カウンタ203Baに値を設定する契機(時短リミットをセットする契機)と、設定しない契機(時短リミットを設定しない契機)と、を設けている。このように構成することで、遊技者に対して、どのような契機で時短状態が設定されたのかについても興味を持たせることができる。
特図1変動時間タイマ203Bb、および特図2変動時間タイマ203Bcは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのタイマであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間タイマ203Bb、および特図2変動時間タイマ203Bcの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(図1300のY701、図1308のY901参照)。
特図1仮停止フラグ203Bdは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ203Bdは、抽選結果が大当たりD以外の大当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図1308のY903)、第1特別図柄変動実行中処理44(図1299参照)および第1特別図柄変動停止処理44(図1300、Y708参照)において参照される。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される。つまり、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理44(図1299参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図1299のY2801:Yes)、オフに設定される(図1299のY2803)。なお、詳細な説明および図示は省略するが、この特図1仮停止フラグ203Bdは、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が小当たりである場合にも大当たりである場合と同一の処理が実行されオンに設定される。
特図2仮停止フラグ203Beは、特図2の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図2仮停止フラグ203Beは、抽選結果が大当たりである第1特別図柄(特図1)の変動を停止する際にオンに設定され(図1300のY703)、第2特別図柄変動実行中処理44(図1307参照)および第2特別図柄変動停止処理44(図1308参照)において参照される。なお、本処理において参照される内容については、上述した特図1仮停止フラグ203Bdと同一であるため、その説明を省略する。そして、第2特別図柄変動実行中処理44(図1307参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図1307のY2901:Yes)、オフに設定される(図1307のY2903)。
特図1変動停止フラグ203Bfは、変動中の第1特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図1変動停止フラグ203Bfは、第2特別図柄に対して、大当たりDまたは小当たりBの変動が停止される場合にオンに設定される(図1308のY905、図1310のY932参照)。一方、第1特別図柄の変動中に、特図1変動停止フラグ203Bfがオンであると判別された場合にオフに設定される(図1301のY722参照)。これにより、第2特別図柄の大当たりDまたは小当たりBの変動が先に停止するタイミングに合わせて、第1特別図柄を強制的に停止させることができる。
特図2変動停止フラグ203Bgは、変動中の第2特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203Bgは、第1特別図柄が時短当選し、変動表示が開始される場合にオンに設定される(図1297のY405)。一方、第2特別図柄の変動中に、特図2変動停止フラグ203Bgがオンであると判別された場合にオフに設定される(図1309のY632)。これにより、第1特別図柄が時短当選し、変動が開始されたタイミングに合わせて、第2特別図柄を強制的に停止させることができる。
時短当選変動状態フラグ203kgは、時短当選した第1特別図柄が変動表示中であること(即ち、時短当選変動状態であること)を示すフラグである。この時短当選変動状態フラグ203kgは、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合に、オンに設定される(図1297のY403参照)。一方、時短当選した第1特別図柄が停止表示され、時短A状態が設定される場合(図1302のY8352参照)と、第2特別図柄が大当たりDまたは小当たりBに当選し、第1特別図柄の変動が破棄された場合(図1301のY726参照)にオフに設定される。これにより、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が終了するまでの期間で時短当選変動状態を設定することができる。
時短リミット到達フラグ203Bhは、普通図柄の高確率状態が連続して設定された回数(普図連続設定回数)が上限値に到達したことを示すためのフラグであり、普図連続設定回数が上限値に到達し、普通図柄の高確率状態を強制的に低確率状態へと変更する状態となった場合にオンに設定されるものである。
次に、図1292を参照して、本第44制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1292は、本第44制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図1292に示した通り、本第44制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成は、上述した第43制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成(図1267(b)参照)に対して、擬似左打ち中フラグ223Baと、幸福度カウンタ223Bbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
擬似左打ち中フラグ223Baは、第1時短状態中に実行された第2特別図柄抽選の結果が時短リミット到達当たり当選であり、且つ、その変動期間中において、第1特別図柄抽選を実行させることで時短状態を終了させることを促す擬似左打ち演出が実行されていることを示すためのフラグであって、擬似左打ち演出が実行される場合にオンに設定される。
幸福度カウンタ223Bbは、擬似左打ち演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される幸福度(%)に対応する値を計測するためのカウンタである。
<第44制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1293~図1313を参照して、第44制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第44制御例における主制御装置110の制御処理は、上述した第5制御例における主制御装置110の制御処理に対して、特別図柄変動処理5(図252参照)に代えて特別図柄変動処理44(図1293参照)、更新処理5(図256参照)に代えて遊技状態更新処理44(図1298参照)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したように、本第44制御例では、上述した第43制御例に対して、特別図柄(以下、特図と称す)である第1特別図柄(以下、特図1と称す)と、第2特別図柄(以下、特図2と称す)とが同時に(並行して)変動表示を実行可能に構成している点で大きく相違している。
まず、図1293を参照して、本第44制御例における特別図柄変動処理44(Y104)の内容について説明をする。図1293は特別図柄変動処理44(Y104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理44(Y104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し、(Y231)。大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203Bdまたは特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されているかを判別する(Y232)。このY232の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。Y232の処理において、特図1仮停止フラグ203Bdまたは特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されていると判別した場合は(Y232:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y233)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、Y231の処理において、現在が大当たり又は小当たり中ではない判別した場合は(Y231:No)、特図1変動時間タイマ203Bbの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(Y234)、特図1変動時間タイマ203Bbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y234:No)、第1特別図柄変動開始処理44(Y237)の処理を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するY238に移行する。
Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203Bbの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y234:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図1299を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)を終えると、次に、第1特別図柄変動停止処理44(Y236)を実行し、その後、Y238へ移行する。
Y238~Y241の処理では、特図1に対して実行したY234~Y237と同一の処理が実行される。Y238の処理が実行されると、まず、特図2変動時間タイマ203Bcの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(Y238)、特図2変動時間タイマ203Bcの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y238:No)、第2特別図柄変動開始処理44(Y239)を実行し、その後、本処理を終了する。
一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203Bcの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y238:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図1307を参照してその詳細な説明を後述する。
第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)を終えると、次に、第2特別図柄変動停止処理44(Y241)を実行し、本処理を終了する。
次に、図1294を参照して、特別図柄変動処理44(図1293、Y104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理44(Y237)について説明する。図237は、この第1特別図柄変動開始処理44(Y237)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理44(図1293、Y237)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(Y302)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y303)。Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y303:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(Y304)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM230の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y305の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(Y306)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y306の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄判定処理44を実行する(Y307)。この第1特別図柄判定処理44(図1294、Y307)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。なお、遊技状態更新処理44(Y309)をY307の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
Y307の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理44を実行する(図1296、Y308)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理44(Y308)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理44(Y308)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理44を実行する(Y309)。この遊技状態更新処理44(図1298、Y309)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(時短カウンタ203h)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。Y309の処理が終了すると、特図1待受フラグ2030iをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y310)、本処理を終了する。
一方、Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(Y303:No)、特図1待受フラグ2030iがオンであるか否か判別し(Y311)、オンであると判別した場合は(Y311:Yes)、本処理を終了する。Y311の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y311:No)、特図1待受フラグ2030iをオンに設定し(Y312)、オンを示す特図1待機コマンドを設定(Y313)した後、本処理を終了する。
次に、図1295を参照して、第1特別図柄判定処理44(Y307)の処理内容について説明をする。図1295は、第1特別図柄判定処理44(Y307)の処理内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄判定処理44(Y307)は、上述した第5制御例の特別図柄判定処理5(図253のS251)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(特図1時短抽選処理44)が実行される。
第1特別図柄判定処理44(Y307)が実行されると、まず、第1特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(Y8001)、第1当たり乱数43テーブル202Aaに基づいて抽選結果を取得し(Y8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8003:Yes)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8005)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8006)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8003:No)、特図1時短抽選処理44を実行し(Y8007)、本処理を終了する。
ここで、特図1時短抽選処理44(Y8007)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第44制御例では、第1特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(Y8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
次に、図1296を参照して、第1特別図柄変動開始処理44(図1294、Y237)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理44(Y308)について説明する。図1296はこの第1特別図柄変動パターン選択処理44(Y308)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理44(図1296、Y308)では、まず、第1特別図柄判定処理44(図1295、Y307)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y501)。
Y501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y501:Yes)、上述した第1特別図柄判定処理44(図1295参照)におけるY8005の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1当たり乱数43テーブル202Aaより大当たり種別を決定し(Y502)、Y503の処理へ移行する。
一方、Y501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y501:No)、Y502の処理をスキップして、Y503の処理へ移行する。
Y503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図1289~1291参照)を読み出して(Y504)、Y505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(Y506)。
Y506の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y507)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(Y508)、本処理を終了する。
次に、図1297を参照して、特図1時短抽選処理44(Y8007)の処理内容について説明をする。図1297は、特図1時短抽選処理44(Y8007)の内容を示したフローチャートである。
特図1時短抽選処理44(Y8007)が実行されると、まず、第1当たり乱数43テーブル202Aaに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y401)、時短当選しているかを判別し(Y402)、時短当選していると判別した場合は(Y402:Yes)、時短当選変動状態フラグをオンに設定し(Y403)、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y404)、特図2変動停止フラグBgをオンに設定し(Y405)、本処理を終了する。
一方、Y402の処理において時短当選していない(Y402:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y406)、本処理を終了する。
次に、図1298を参照して、遊技状態更新処理44(Y309)の内容について説明をする。図1298は、遊技状態更新処理44(Y309)の内容を示すフローチャートである。
遊技状態更新処理44(Y309)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかが判別され(Y601)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別された場合には(Y601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(Y602)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y603)。次に、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別し(Y604)、0であると判別した場合には(Y604:Yes)、時短遊技が付与されていない状態(即ち、通常状態)であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(Y606)、本処理を終了する。
一方、Y604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合(Y604:No)は、Y605の処理をスキップして本処理を終了する。また、Y601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無いと判別した場合は(Y601:No)、時短状態の終了条件の成立度合いを管理するための処理を実行する遊技状況(時短状態)では無いため、本処理を終了する。
次に、図1299を参照して、特別図柄変動処理44(図1293のY104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)の内容について説明をする。図1299は、第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されているかを判別する(Y2801)。ここで、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。特図1仮停止フラグ203Bdは、特図1が変動中において、特図2が特定の当たり(大当たりA~C、又は小当りA)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理44(図1293)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、Y231の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理44(Y235)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図1299に戻り説明を続ける。Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されていると判別した場合は(Y2801:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(Y2802)、特図1仮停止フラグ203Bdをオフに設定し(Y2803)、Y2804へ移行する。一方、Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203Bdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2801:No)、Y2802,Y2803の処理をスキップしてY2804の処理へ移行する。
Y2804の処理では特図1変動時間タイマ203Bbを1減算して更新し(Y2804)、第1図柄表示装置37の第1特別図柄の表示を更新し(Y2805)、本処理を終了する。
次に、図1300を参照して、特別図柄変動処理44(図1293、Y104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理44(Y236)について説明する。図1300はこの第1特別図柄変動停止処理44(Y236)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理44(図1300、Y236)では、まず、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(Y701)。Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(Y701:Yes)、第1特別図柄(特図1)の大当たりが設定されているか判別する(Y702)。第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(Y702:Yes)、特図2仮停止フラグ203Beをオンに設定する(Y703)。図示は省略したが、Y703の処理が実行されると、特図2仮停止フラグ203Beがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドが設定される。
Y703の処理を終えると、設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y704)。そして、選択されている大当たり種別に基づいた大当たりシナリオが設定される(Y705)。その後、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(Y706)。そして、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(Y707)、本処理を終了する。
一方、Y702の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていなければ(Y702:No)、第1特別図柄の時短当選が設定されているかを判別する(Y710)。Y710の処理において、時短当選が設定されていると判別した場合(Y710:Yes)には、時短設定処理44(Y711)を実行し、Y706の処理に移行する。この時短設定処理44(Y711)では、当選した時短種別に対応した時短状態の設定に関する処理が実行される。なお、この時短設定処理44(Y711)については、図1302を参照して詳細について後述する。
一方、Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y701:No)、次いで、特図1仮停止フラグ203Bdまたは特図1変動停止フラグ203Bfがオンであるか否かを判別する(Y708)。Y708の処理において特図1仮停止フラグ203Bdまたは特図1変動停止フラグ203Bfがオフであると判別された場合は(Y708:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y708の処理において特図1仮停止フラグ203Bdまたは特図1変動停止フラグ203Bfがオンであると判別した場合は(Y708:Yes)、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりで停止された場合であるので、実行中の第1特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図1強制停止処理44を実行する(Y709)。尚、この特図1強制停止処理44の詳細については、図1301を参照して後述する。
このように、第1特別図柄停止処理44(Y236)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y701:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(Y703からY707またはY711)が実行される。また、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に(Y708:Yes)、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理(Y709)が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には(Y702:Yes)、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。
次に、図1301を参照して、第1特別図柄変動停止処理44(図1300、Y236)の一処理である特図1強制停止処理44(Y709)について説明する。図1301は、この特図1強制停止処理44(Y709)を示すフローチャートである。
特図1強制停止処理44(図1301、Y709)では、まず、特図1変動停止フラグ203Bfがオンであるかを判別する(Y721)。特図1変動停止フラグ203Bfがオンであると判別した場合(Y721:Yes)には、特図1変動停止フラグ203Bfをオフに設定し(Y722)、次に、特図1変動停止フラグ203Bfのオフを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y723)。そして、第1特別図柄の変動種別を外れに設定し(Y724)、時短当選変動状態フラグ203kgはオンであるかを判別する(Y725)。なお、図示しないが、Y725の処理の前に第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第1特別図柄の特図1確定コマンドを設定する。
Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合)と判別した場合(Y725:Yes)には、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定し(Y726)、本処理を終了する。一方、Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンでない(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選ではなかった場合)には(Y725:No)、Y726をスキップし、本処理を終了する。
なお、第1特別図柄の変動を破棄することが可能な大当たりDに当選可能なのは時短B状態が設定されている場合のみであるため、通常状態において第2特別図柄の大当たり当選に基づいて時短当選変動状態フラグ203kgがオフに設定されることはない構成としているが、これに限るものではなく、例えば、通常状態において大当たりDに当選可能な構成としても良い。その場合、Y725の処理の後に、通常状態において大当たりDに当選した場合にスペシャルフラグをオンに設定する処理を設けて、時短B状態よりも有利な遊技状態(例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態))が設定される構成としても良い。このように構成することで、通常状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合と、時短状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合とで、異なる遊技状態が設定され、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
一方、Y721の処理において、特図1変動停止フラグ203Bfがオンでないと判別された場合(Y721:No)は、特図1仮停止フラグ203Bdがオンである場合であるため、第1特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y727)、本処理を終了する。
このように、本第44制御例では、特図1仮停止フラグ203Bdまたは特図1変動停止フラグ203Bfがオンにされる(第2特別図柄で大当たりまたは小当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第1特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断、或いは外れの判定結果として強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみ対する小当たりや大当たりを実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
また、本第44制御例では、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりの種別によって第1特別図柄の変動を強制的に外れとして停止させる場合と、仮停止(中断)させる場合と、を設ける構成としている。
上述したように本第44制御例では、時短状態の種別として、時短Aと時短Bを設定可能である。そして、時短Aは時短回数が5回(図411参照)であり、時短回数5回で第2特別図柄が大当たり(当選確率1/50)または小当たり(当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低確率であるため、時短A状態中の第2特別図柄での大当たりまたは小当たり当選はほとんど期待できない。一方、時短Bは時短回数が10000回(図411参照)であるため、時短Bが設定されると高確率で次回の大当たりまたは小当たり当選が期待できる。したがって、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短状態であると言える。
ここで、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができずに時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、この場合、時短B状態が継続するのは、時短当選した第1特別図柄の変動時間(本第44制御例では、300秒)が経過するまでの期間のみとなり、時短リミットに到達する前に時短状態が終了してしまう可能性が高くなる。
一方、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、特定の大当たり(大当たりD)または小当たり(小当たりB)に当選し、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができた場合には、時短リミット到達まで時短B状態を継続させることが可能となり、遊技者は大量の賞球を獲得可能となる。
このように、本第44制御例では、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、変動表示されている第1特別図柄を強制的に外れとして停止(破棄)し、有利な時短状態を継続させることができるかという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1302を参照して、時短設定処理44(Y711)の処理内容について説明をする。図1302は、時短設定処理44(Y711)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理44(Y711)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理44(Y711)が実行されると、まず、今回の時短種別が時短Aであるかを判別し(Y8351)、時短Aであると判別した場合に(Y8351:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定する(Y8352)し、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(Y8353)、遊技状態格納エリア203gに時短状態を設定し(Y8354)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(Y8355)、本処理を終了する。
一方、Y8351の処理において、時短Aではないと判別した場合(即ち、時短Bである場合)は(Y8351:No)、Y8352の処理をスキップし、Y8353の処理を行う。なお、図示しないが、Y8353の処理では、時短カウンタ203hの値をクリアした後、決定された時短種別に対応する値を新たに設定する。したがって、時短当選に基づいて時短A状態が設定される場合に、既に時短カウンタ203hに時短Bに対応する値(例えば、10000回)が設定されている場合には、時短Bに対応する値を破棄し、時短Aに対応する値(5回)を設定する。
このように、本第44制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。
このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
次に、図1303を参照して、特別図柄変動処理44(図1293、Y104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理44(Y239)について説明する。図239は、この第2特別図柄変動開始処理44(Y239)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理44(図1303、Y239)では、まず、特図2仮停止フラグ203Beがオンであるか判別する(Y831)。Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203Beがオンであると判別した場合には(Y831:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203Beがオンでないと判別した場合には(Y831:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得し(Y832)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y833)。Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y833:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算して(Y834)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y835)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM230の特別図柄2保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y835の処理が終了すると、次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータを一つ前のデータにシフトする(Y836)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y836の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄判定処理44を実行する(Y837)。この第2特別図柄判定処理44(図1304、Y837)については、詳しく後述するが、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
Y837の処理が終了すると、次に、第2特別図柄変動パターン選択処理44を実行する(図1306、Y838)。詳細については後述するが、この第2特別図柄変動パターン選択処理44(Y838)は、第2特別図柄の当否判定結果、および第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第2特別図柄変動パターン選択処理44(Y838)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理44を実行する(Y839(Y309))。この遊技状態更新処理44(図1298、Y839(Y309))は、第1特別図柄において実行されるものと同一の処理が実行され、細部は図1298を参照して説明しているため、詳細な説明は省略する。Y839の処理が終了すると、特図2待受フラグをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y840)、本処理を終了する。なお、遊技状態更新処理44(Y839)をY837の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
一方、Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(Y833:No)、特図2待受フラグがオンであるか否か判別し(Y841)、オンであると判別した場合は(Y841:Yes)、本処理を終了する。Y841の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y841:No)、特図2待受フラグをオンに設定し(Y842)、オンを示す特図2待機コマンドを設定(Y843)した後、本処理を終了する。
次に、図1304を参照して、第2特別図柄判定処理44(Y837)の処理内容について説明をする。図1304は、第2特別図柄判定処理44(Y837)の処理内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理44(Y837)では、上述した第1特別図柄判定処理44(図1295のY307)とは異なり、特別図柄抽選における大当たり判定において外れであると判定された場合に、時短当選の判定(特図2時短抽選処理44)に加えて小当たり当選の判定(小当たり抽選処理44)が実行される。
第2特別図柄判定処理44(Y837)が実行されると、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得し(Y8101)、第1当たり乱数43テーブル202Aaに基づいて抽選結果を取得し(Y8102)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8103:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8104)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8105)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8106)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8103:No)、小当たり抽選処理44を実行し(Y8108)、本処理を終了する。
このように、本第44制御例では、第2特別図柄の大当たり抽選において大当たり判定でなかった場合には、小当たり抽選が実行される構成となっているが、例えば、第2特別図柄の大当たり抽選において大当たり判定されなかった場合に時短図柄抽選を実行するように構成しても良い、この場合、第1特別図柄に比べて遊技者に有利な状態(時短状態)となる契機が多く設定されることになり、第2特別図柄は第1特別図柄よりもより有利な特別図柄種別となる。なお、上述したように、通常状態における第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定され、通常状態で第2特別図柄抽選のみを実行しようとする遊技者の遊技効率が悪くなるように構成している。
また、第2特別図柄抽選においても時短図柄抽選を実行する場合には、特図2時短抽選処理として、特図1時短抽選処理44(図1297のY8007)と異なり、時短当選した場合に、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かによって設定する時短種別を決定するように構成しても良い。具体的には、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである場合にのみ時短B状態が設定される。つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄が時短当選した場合にのみ時短B状態が設定され、それ以外の場合には時短A状態が設定される構成とすれば良い。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。
より具体的には、特図2時短抽選処理44が実行されると、まず、第1当たり乱数43テーブル202Aaに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し、時短当選しているかを判別する。
時短当選していると判別した場合は、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるかを判別し、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであると判別された場合には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Bをセットし、本処理を終了する。
時短当選していないと判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし、本処理を終了する。
時短当選変動状態フラグ203kgがオフであると判別された場合には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし、本処理を終了する。
このように、時短当選変動状態フラグkgがオンの場合(即ち、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示が実行中である場合)のみ、第2特別図柄が時短当選した場合に時短B状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。また、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間内で、第2特別図柄の時短当選を目指すという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1305を参照して、第2特別図柄判定処理44(図1304、Y837)の一処理である小当たり抽選処理44(Y8108)について説明する。図1305はこの小当たり抽選処理44(Y8108)を示すフローチャートである。
小当たり抽選処理44(図1305、Y8108)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が時短当選と判定されたか、即ち、第2特別図柄の時短当選が設定されているか否かを判別する(Y8301)。
Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていると判別された場合には、(Y8301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていないと判別された場合には、(Y8301:No)、第1当たり乱数43テーブル202Aaに基づいて抽選結果を取得し(Y8302)、小当たり当選であると判別された場合には(Y8304:Yes)、小当たり種別カウンタC5の値を取得し、小当たり種別選択43テーブル202Afから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットする(Y8305)。一方、Y8304の処理において、小当たり当選ではないと判別された場合には(Y8304:No)、Y8305の処理をスキップし、本処理を終了する。
このように、本第44制御例では、1度の第2特別図柄抽選において大当たり当選、時短当選、小当たり当選が重複しないことで、遊技者に複数の特典が付与されることを抑制し、遊技者が過剰に有利にならないように構成している。
なお、大当たり当選または小当たり当選と、時短当選が重複する構成としても良く、この場合、例えば、大当たり当選と時短当選が重複した場合には、大当たり当選のみした場合よりも大当たり遊技終了後に有利な時短状態が設定される構成とすることで、同種の大当たり種別の大当たりに当選した場合でも、時短当選したか否かで、大当たり遊技終了後の遊技状態に多様性を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図1306を参照して、第2特別図柄変動開始処理44(図1303、Y239)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理44(Y838)について説明する。図1306はこの第2特別図柄変動パターン選択処理44(Y838)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理44(図1306、Y838)では、まず、第2特別図柄判定処理44(図1304、Y8103)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y921)。
Y921の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y921:Yes)、上述した第2特別図柄判定処理44(図1304参照)におけるY8105の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択43テーブル202Abより大当たり種別を決定し(Y922)、Y923の処理へ移行する。
一方、Y921の処理において、第2特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y921:No)、Y922の処理をスキップして、Y923の処理へ移行する。
Y923の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y923)。次いで、遊技状態に応じた変動パターンテーブル(図1289~1291参照)を読み出して(Y924)、Y925の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y925の処理では、読み出した変動パターンテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y925)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(Y926)。
Y926の処理が終了すると、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(Y927)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(Y928)、本処理を終了する。
次に、図1307を参照して、特別図柄変動処理44(図1293のY104参照)において実行される第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)の内容について説明をする。図1307は、第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)では、第2特別図柄の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されると、まず、特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されているかを判別する(Y2901)。ここで、特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図2仮停止フラグ203Beは、特図2が変動中において、特図1が当たり(大当たり)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理44(図1293、Y104)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)が実行されることがない。そして、大当たり遊技が終了し、Y231の処理において大当たり中では無いと判別されることで、第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)が実行されることになる。このように構成することで、特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動実行中処理44(Y240)が実行される状態が、大当たり遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図1307に戻り説明を続ける。Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されていると判別した場合は(Y2901:Yes)、次に、特図2変動再開コマンドを設定し(Y2902)、特図2仮停止フラグ203Beをオフに設定し(Y2903)、Y2904へ移行する。一方、Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203Beがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2901:No)、Y2902,Y2903の処理をスキップしてY2904の処理へ移行する。
Y2904の処理では特図2変動時間タイマ203Bcを1減算して更新し(Y2904)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の表示を更新し(Y2905)、本処理を終了する。
次に、図1308を参照して、第2特別図柄変動停止処理44(Y241)の内容について説明をする。図1308は、第2特別図柄変動停止処理44(Y241)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理44(Y241)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものであって、上述した第1特別図柄変動停止処理(図1300参照)に対して、特図2の抽選結果が大当たりであった場合において、特図1の変動を中断させる(変動時間の減算を中断させる)構成に加えて、特図2の抽選結果が特定の大当たり種別(大当たりD)であった場合には、特図1の変動を強制停止する構成を設けた点と、特図2の抽選結果が小当たりの場合に実行される処理を追加した点で相違している。
第2特別図柄変動停止処理44(Y241)が実行されると、まず、第2特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(Y901)。第2特別図柄の変動時間が終了したか否かは、特図2変動時間タイマ203Bcのカウンタ値が0であるか否かによって判別される。
Y901の処理において変動時間が終了したと判別された場合には(Y901:Yes)、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たりであるかを判別し(Y902)、大当たりではない(外れである)と判別した場合は(Y902:No)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるかを判別する(Y912)。Y912の処理において、小当たりではないと判別した場合は(Y912:No)、次いで、特図2の抽選結果が時短当選であるかを判別する(Y914)。時短当選ではないと判別した場合は、第2特別図柄の確定コマンドをセットし(Y908)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の変動を停止し(Y909)、本処理を終了する。
Y914の処理において、時短当選であると判別された場合には(Y914:Yes)、時短設定処理44が実行され(Y915)、その後、Y908の処理を行う。なお、時短設定処理44は、上述した第1特別図柄変動停止処理44(図1300、Y236)の一処理として実行される時短設定処理44(Y711)と同一の処理であるため、詳細な説明は省略する。
Y912の処理において、小当たり当選であると判別された場合には(Y912:Yes)、特図2小当たり停止処理44を実行し(Y913)、その後、Y908の処理を行う。特図2小当たり停止処理44(Y913)は、当選した小当たりの小当たり種別によって、第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、仮停止させる(中断させる)か、を設定する処理を実行するものであり、詳細な説明は図1310を参照して後述する。
Y902の処理において、大当たりであると判別した場合には(Y902:Yes)、大当たり種別が大当たりDであるかを判別し(Y903)、大当たりDではないと判別された場合(Y903:No)には、特図1仮停止フラグ203Bdをオンに設定し(Y904)、設定されている停止種別を示す特図2停止種別コマンドを設定し(Y906)、大当たりシナリオを設定し(Y907)し、その後、Y908、Y909の処理を行う。
一方、Y903の処理において、大当たりDであると判別された場合には(Y903:Yes)、特図1変動停止フラグ203Beをオンに設定し(Y905)、Y906~Y909の処理を実行する。
このように本第44制御例のパチンコ機10では、大当たり種別が大当たりDである場合には、特図1変動停止フラグ203Beをオンに設定し、それ以外の大当たり種別の場合には、特図1仮停止フラグ203Bdをオンに設定することで、大当たり種別によって第1特別図柄の変動が強制的に停止される(破棄される)場合と、仮停止される(中断される)場合とを可変させることができる。
なお、図1308に示す通り、第2特別図柄が大当たりした場合に決定される大当たり種別は、実行された第2特別図柄の変動回数によって異なり、大当たりDは51回転目以降に大当たり当選した場合に、決定され易い構成としている。このように構成することで、第2特別図柄で大当たり当選できずに外れ当選が続いた場合(所謂、ハマった場合)であっても、遊技者に有利な大当たり種別が決定され易くなるため、ハマった場合の遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
Y901の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y901:No)、次いで、特図2仮停止フラグ203Beまたは特図2変動停止フラグ203Bgがオンであるか否かを判別する(Y910)。Y910の処理において特図2仮停止フラグ203Beまたは特図2変動停止フラグ203Bgがオフであると判別された場合は(Y910:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y910の処理において特図2仮停止フラグ203Beまたは特図2変動停止フラグ203Bgがオンであると判別した場合は(Y910:Yes)、第1特別図柄が大当たりで停止された場合または時短当選した場合であるので、実行中の第2特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図2強制停止処理44を実行する(Y911)。尚、この特図2強制停止処理44の詳細については、図1309を参照して後述する。
このように、第2特別図柄変動停止処理44(Y241)では、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y901:Yes)、第2特別図柄抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第1特別図柄の大当たり遊技が実行される場合、または第1特別図柄が時短当選し、時短当選変動状態が設定される場合に(Y910:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(Y911)が実行される。
次に、図1309を参照して、第2特別図柄変動停止処理44(図1308、Y241)の一処理である特図2強制停止処理44(Y911)について説明する。図1309は、この特図2強制停止処理44(Y911)を示すフローチャートである。
特図2強制停止処理44(図1309、Y911)では、まず、特図2変動停止フラグ203Bgがオンであるかを判別する(Y631)。特図2変動停止フラグ203Bgがオンであると判別した場合(Y631:Yes)には、特図2変動停止フラグ203Bgをオフに設定し(Y632)、次に、特図2変動停止フラグ203Bgのオフを示す特図2変動停止コマンドを設定する(Y633)。そして、第2特別図柄の停止種別を外れに設定する(Y634)。なお、図示しないが、Y634の処理の後に第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第2特別図柄の特図2確定コマンドを設定する。
一方、Y631の処理において、特図2変動停止フラグ203Bgがオンでないと判別された場合(Y631:No)は、特図2仮停止フラグ203Beがオンである場合であるため、第2特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y635)、本処理を終了する。
このように、本第44制御例では、特図2仮停止フラグ203Beがオンにされる(第1特別図柄で大当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第2特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断して強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみに対する大当たり遊技を実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
また、本第44制御例では、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の特図2変動停止フラグ203Bgをオンにする構成としている。本第44制御例では、上述したように、通常状態においては第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定されるため、第1特別図柄が時短当選した時点で既に第2特別図柄の変動表示が開始されている場合に、そのまま第2特別図柄の変動が継続されると、設定された時短当選変動状態が変動中の第2特別図柄の停止表示前に終了してしまい、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合が生起し得る。
ここで、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、特図2変動停止フラグ203Bgをオンにする構成とすることで、時短当選した第1特別図柄の変動が開始された場合に、変動中の第2特別図柄の変動が破棄されるため、時短当選変動状態で新たに第2特別図柄の抽選を受けることができ、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合を防ぐことができる。
次に、図1310を参照して、第2特別図柄変動停止処理44(図1308、Y241)の一処理である特図2小当たり停止処理44(Y913)について説明をする。図1310は特図2小当たり停止処理44(Y913)の内容を示すフローチャートである。
特図2小当たり停止処理44(図1310、Y913)では、まず、小当たり種別が小当たりBであるか判別し(Y931)、小当たりBであると判別された場合(Y931:Yes)には、特図1変動停止フラグ203Bfをオンに設定し(Y932)、特図1変動停止フラグ203Bfのオンを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y933)。そして、選択されている小当たり種別に対応する小当たりシナリオを設定し(Y934)、本処理を終了する。
一方、Y931の処理において、小当たりBでないと判別された場合(Y931:No)には、特図1仮停止フラグ203Bdをオンに設定し、(Y937)、特図1仮停止フラグ203Bdのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(Y938)、Y934の処理を行う。
このように、本第44制御例では、特定の大当たり種別だけでなく、特定の小当たり種別によっても、変動中の第1特別図柄を破棄させることが可能に構成されている。これにより、遊技者に小当たり種別にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第44制御例のパチンコ機10では、小当たりB当選を示す第2特別図柄の変動停止時に特図1変動停止フラグ203Bfをオンに設定する構成としたが、これに限るものではなく、小当たりBに当選した第2特別図柄の変動開始時に特図1変動停止フラグ203Bfをオンに設定する構成としても良い。また、小当たり遊技の開始時に第1特別図柄を破棄する構成としても良いし、小当たり遊技の終了時に破棄する構成としても良い。
次に、図1311を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理44(Y1004)の内容について説明をする。図1311は大当たり制御処理44(Y1004)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理44(Y1004)は、上述した第11制御例の大当たり制御処理11(図403参照)の大当たり終了処理11(S11651)に代えて、大当たり終了処理44(Y11613)を実行する点でのみ相違し、その他の処理は第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図1312を参照して、大当たり終了処理44(Y11613)の内容について説明する。図1312は大当たり終了処理44(Y11613)の内容を示すフローチャートである。大当たり終了処理44が実行されると、まず、時短リミット更新処理44(Y2701)が実行される。時短リミット更新処理44(Y2701)の詳細な説明については、図1313を参照して後述するが、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を時短リミット回数カウンタ203Baにセットしたり、設定済の時短リミット回数カウンタ203Baの値を更新(減算)したりするための処理を実行する。
ここで、図1313を参照して、大当たり終了処理44(図1312のY11613参照)内の一処理である時短リミット更新処理44(Y2701)の詳細について説明する。図1313は、時短リミット更新処理44(Y2701)の内容を示したフローチャートである。この時短リミット更新処理44(Y2701)では、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を設定したり、設定済の上限値に対する残回数数を更新するための処理が実行される。
時短リミット更新処理44(Y2701)では、まず、時短リミット回数カウンタ203Baの値が0より大きい値であるか判別する(Y3001)。時短リミット回数カウンタ203Baの値が0より大きい値ではない、即ち、大当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態であると判別した場合には(Y3001:No)、時短リミット回数カウンタ203Baの値に連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な値が設定されていないため、時短リミット回数カウンタ203Baの値に10を設定し(Y3005)、時短フラグをオンに設定する(Y3006)。そして、本処理を終了する。
一方、Y3001の処理において、時短リミット回数カウンタ203Baの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y3001:Yes)、時短リミット回数カウンタ203Baの値を1減算し(Y3002)、次に、減算後の時短リミット回数カウンタ203Baの値が0であるか否かを判別する(Y3003)。減算後の時短リミット回数カウンタ203Baの値が0であると判別した場合には(Y3003:Yes)、連続して普通図柄の高確率状態が設定できる上限値に達したため、時短リミット到達フラグ203Bhをオンに設定し(Y3004)、本処理を終了する。一方、Y3003の処理において、減算後の時短リミット回数カウンタ203Baの値が0ではないと判別した場合には(Y3003:No)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、時短リミット回数として10回が設定されるよう構成したが、これに限ることなく、20回や30回など、複数の設定回数の中から決定するよう構成してもよい。
図1312に戻り説明を続ける。時短リミット更新処理44(Y2701)を実行した後、時短リミット到達フラグ203Bhはオンであるかを判別し(Y2702)、時短リミット到達フラグ203Bhがオンであると判別された場合(Y2702:Yes)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し(Y2703)、大当たり遊技終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(Y2707)し、本処理を終了する。
一方、Y2702の処理において、時短リミット到達フラグ203Bhがオンではないと判別された場合(Y2702:No)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として時短状態(普通図柄の高確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し、(Y2704)、大当たり種別選択43テーブル202Abに基づき、実行中の大当たり種別に対応する時短回数を時短カウンタ203h、特図2カウンタ203Abのカウンタ値に設定し(Y2705)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(Y2706)、Y2707の処理を行う。
このように、本第44制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に連続して時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能な上限値を定め、遊技者に有利な状態が連続して設定される回数を制限することで、過剰に賞球を得ることにより遊技者の射幸心を煽ることを抑制することができる。
なお、本第44制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されない構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される構成としても良い。
<第44制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1314から図1316を参照して、本第44制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される制御処理について説明をする。本第44制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10に対して、図1285、及び図1286に示した通り、第1時短状態中に実行される特別図柄変動に関する演出内容を異ならせており、第1時短状態中に実行される演出の演出態様を決定するための処理を実行する点で相違している。以下、上述した相違点に関わる制御処理内容について説明をする。
なお、本第44制御例では、上述した第43制御例に対して、主制御装置110にて実行される特別図柄抽選の実行処理や特別図柄変動の実行処理に関わる制御処理等を異ならせているため、主制御装置110から出力される各種コマンドの内容も異なり、主制御装置110から出力された各種コマンドを受信したことに基づいて実行される音声ランプ制御装置113側の制御処理の内容も異なるが、この相違点については、上述した第12制御例や第13制御例といった本第44制御例におけるパチンコ機10と同様に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)されているパチンコ機10にて実行される音声ランプ制御装置113側の制御処理と同一であるため、その説明を省略する。
まず、図1314を参照して、変動演出設定処理44(図1314のS4304C)の内容について説明をする。図1314は、変動演出設定処理44(S4304C)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理44(S4304C)は、上述した第43制御例における変動演出設定処理43(図1280のS4304B参照)に対して、第1時短状態中に実行される第1特別図柄変動に対応する演出態様を設定するための特図1変動演出設定処理(S4402C)と、第1時短状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する演出態様を設定するための特図2変動演出設定処理(S4401C)と、を追加して実行する点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図1315を参照して、特図2変動演出設定処理(S4401C)の処理内容について説明をする。図1315は、特図2変動演出設定処理(S4401C)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2変動演出設定処理(S4401C)では、第1時短状態中に実行された第2特別図柄抽選の結果が当たり当選(大当たり、小当たり当選)であることを示すための第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための各種処理が実行される。
まず、特図2変動演出設定処理(S4401C)が実行されると、今回の特別図柄抽選の結果を読み出し(S4501C)、読み出した結果が当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)であるかを判別し(S4502C)、当たり当選では無いと判別した場合は(S4502C:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4503C)、本処理を終了する。
一方、S4502Cの処理において、当たり当選であると判別した場合は(S4502C:Yes)、時短情報更新エリア223hに格納されている時短情報を読み出し(S4504C)、今回の当たり当選が、時短リミット到達当たり当選であるかを判別し(S4505C)、時短リミット到達当たり当選では無いと判別した場合は(S4505C:No)、上述したS4503Cの処理へ移行する。
S4505Cの処理において、時短リミット到達当たり当選であると判別した場合、即ち、今回の特別図柄抽選の抽選結果が、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される抽選結果であるにも関わらず時短リミット処理によって通常状態が設定される場合は(S4505C:Yes)、当該変動の変動時間と、残時短回数と、に基づいて擬似左打ちモード(演出)の実行を決定する(S4506C)。
ここで、S4506Cにて実行される処理内容について詳細に説明をする。本第44制御例では、時短リミット到達当たり当選を示す第2特別図柄変動の変動期間中において、第1特別図柄抽選を実行することによって、第2特別図柄変動が停止表示されるまでに、現在設定されている第1時短状態を終了させることが可能に構成している。そして、実行中の第2特別図柄変動が停止表示されるまでの期間(残変動時間)中に、現在設定されている第1時短状態の時短終了条件を左打ち遊技によって成立させることが可能であるかを判別し、現在設定されている第1時短状態の時短終了条件を左打ち遊技によって成立させることが可能であると判別した場合に、遊技者に対して、左打ち遊技を促す擬似左打ち演出(図1285(b)、及び図1286参照)を実行するように構成している。
本第44制御例におけるパチンコ機10では、図1291を参照して上述した通り、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選した場合に、対応する第2特別図柄の変動時間として5秒、60秒、180秒のうち、何れかの変動時間を決定可能に構成している。つまり、時短リミット到達当たり当選以外の当たり当選時であれば、短い変動時間(例えば、5秒)が設定されることにより、遊技の時間効率を高めることが遊技者にとって有利となるが、時短リミット到達当たり当選時は、当たり変動時間が長いほど、その変動時間内で時短終了条件を成立させ易くなるため、長い変動時間(例えば、180秒)の方が、短い変動時間(例えば、5秒)よりも遊技者に有利となる。
S4506Cの処理では、少なくとも、当該変動の変動時間が60秒、或いは、180秒の変動時間である場合に、擬似左打ち演出(モード)の実行が決定される。なお、擬似左打ち演出(モード)の実行が決定されない場合には、時短リミット到達当たり当選であっても、擬似左打ち演出が実行されること無く、時短リミット到達当たり当選以外の当たり当選時と同一の演出態様で第2特別図柄変動演出が実行され、大当たり遊技中に今回の大当たり遊技が時短リミット到達当たり当選に基づく大当たり遊技であることが遊技者に報知される。このように、時短リミット到達当たり当選を示す第2特別図柄変動演出の一部(擬似左打ち演出が実行されない場合)と、時短リミット到達当たり当選以外の当たり当選を示す第2特別図柄変動演出とで同一の演出態様を決定可能にすることで、どのタイミングで時短リミット処理が実行されるかを遊技者に分かり難くすることができる。
S4507Cの処理において、擬似左打ちモード(演出)が決定されたと判別した場合は(S4507C:Yes)、次に、擬似左打ちモードに対応する表示用コマンドを設定し(S4508C)、次いで、現在設定されている第1時短状態の時短終了条件が成立するまでの残時短回数が3回未満であるかを判別し(S4509C)、3回未満であると判別した場合は(S4509C:Yes)、当該変動の変動期間中に第1特別図柄抽選に基づいて時短終了条件を成立させ易い状況であるため、幸福度80%の演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S4510C)、擬似左打ち中フラグ223Baをオンに設定し(S4512C)、幸福度カウンタ223Bbに決定した値を設定し(S4513C)、本処理を終了する。一方、S4507Cの処理において、擬似左打ちモード(演出)が決定されていないと判別した場合は(S4507C:No)、S4503Cの処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4509Cの処理において、残時短回数が3回未満では無いと判別した場合、即ち、当該変動の変動期間中に第1特別図柄抽選に基づいて時短終了条件を成立させ難い状況であると判別した場合は(S4509C:No)、幸福度20%の演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S4511C)、S4512C,S4513Cの処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図1316を参照して、特図1変動演出設定処理(S4402C)の処理内容について説明をする。図1316は、特図1変動演出設定処理(S4402C)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1変動演出設定処理(S4402C)では、第1時短状態が設定されており、且つ、擬似左打ち演出中に実行される第1特別図柄抽選の抽選結果に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
特図1変動演出設定処理(S4402C)が実行されると、まず。擬似左打ち中フラグ223Baがオンに設定されているかを判別し(S4601C)、オンに設定されていると判別した場合は(S4601C:Yes)、今回の第1特別図柄抽選の結果を取得し(S4602C)、今回の第1特別図柄抽選によって時短終了条件が成立するかを判別する(S4603C)。S4603Cの処理によって、時短終了条件が成立しないと判別した場合は(S4603C:No)、残時短回数に対応する幸福度の値を決定し(S4604C)、幸福度カウンタ223Bbに決定した値を加算し(S4605C)、加算後の幸福度カウンタ223Bbの値に対応する表示用コマンドを設定し(S4606C)、本処理を終了する。また、S4601Cの処理において、擬似左打ち中フラグ223Baがオンに設定されていないと判別した場合は(S4601C:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4603Cの処理において、時短終了条件が成立すると判別した場合は(S4603C:Yes)、幸福度100%に対応する演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S4607C)、実行中の特図2当たり変動の残変動時間を示すための表示用コマンドを設定し(S4608C)、擬似左打ち中フラグ223Baをオフに設定し(S4609C)、幸福度カウンタ223Bbの値を0にクリアし(S4610C)、本処理を終了する。
従来より、特別図柄抽選にて大当たり当選したことに基づいて、大当たり遊技を実行可能に構成したものがある。そして、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも特別図柄抽選が実行され易い時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成したものがある。このように時短状態を設定可能に構成されたパチンコ機10においては、より多くの大当たり遊技が実行されることを期待する遊技者に対して、特別図柄抽選を実行させ易くすることができる分、有利な遊技状態となる。
さらに、時短状態中に実行された特別図柄抽選の結果に基づいて大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に再度時短状態が設定される確率(時短状態の継続確率)を高くすることで、遊技者に対して時短状態が設定されることを目指した遊技を意欲的に行わせることができることから、時短状態の継続確率を高く設計したパチンコ機10が提案されていた。
しかしながら、時短状態の継続確率を高く設計したパチンコ機10では、遊技者に対して過剰に特典(大当たり遊技によって払い出される賞球)を付与してしまう虞があることから、1回の大当たり遊技にて付与可能な賞球数を少なくする仕様が一般的に知られている。このように構成されたパチンコ機10では、1回の大当たり遊技にて遊技者に付与される賞球数は少ないが、時短状態を複数回継続させることで多くの大当たり遊技を遊技者に提供させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるものであった。しかしながら、時短状態が設定されたにも関わらず1回の大当たり遊技が実行されただけで時短状態が終了してしまった遊技者に対しては、少ない賞球しか付与することが出来ず遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。
そこで、1回の大当たり遊技にて付与可能な賞球数を減らすこと無く、且つ、時短状態の継続確率も低下させることの無い遊技仕様として、時短状態が繰り返し設定される回数に上限を設けた遊技仕様(所謂、時短リミット)を有するパチンコ機10が提案されている。この時短リミットを用いることで、高継続で時短状態が設定されるように設計されたパチンコ機10であっても、時短状態が繰り返し設定される回数が特定回数(例えば、5回)に到達した状態で大当たり遊技が実行された場合(時短リミット回数に到達した場合)に、その大当たり遊技終了後に強制的に通常状態を設定することが可能となるため、時短状態の継続確率を高く設計したとしても、時短状態が過剰に継続してしまうことを抑制することができ、遊技者に過剰に特典(賞球)が付与されてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した時短リミットを有するパチンコ機10では、時短状態が継続する期間(有利期間)中に実行可能な大当たり遊技の回数に上限が設けられると共に、時短リミット回数に到達した場合に通常状態が設定されてしまうため、より多くの大当たり遊技を実行しようとする遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第44制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中において当たり当選する特別図柄変動が実行されている最中に、時短状態を終了させることが可能に構成している。つまり、既に当たり当選することが確定している状態であって、大当たり遊技が実行されるよりも前に時短状態を通常状態へと移行させることが可能に構成している。
具体的には、第1特別図柄抽選の抽選結果を示すための第1特別図柄変動が実行されている最中(特図1変動期間中)に、第2特別図柄抽選の抽選結果を示すための第2特別図柄変動(特図2変動)を実行させることが可能に構成し、例えば、時短状態中に主として実行される第2特別図柄抽選にて当たり当選したことを示すための特図2変動期間中に第1特別図柄抽選を実行させることで時短状態を終了させるための時短終了条件を成立させることが可能に構成している。
このように構成することで、時短リミットに到達してしまう当たり当選変動が実行された場合であっても、その当たり当選変動が停止表示されるよりも前に時短状態を終了させることができるため、時短リミットによって強制的に通常状態が設定されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第44制御例では、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動期間中に、第1特別図柄抽選を実行することによって時短終了条件を成立させることが可能な状態であるか、困難な状態であるかを判別し、時短終了条件を成立させることが可能な状態であると判別した場合、例えば、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動の変動時間として長時間(180秒)が設定されていたり、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動が実行された時点で設定されている時短状態の残時短回数が少ない場合において、第1時短状態が実行されている際中(時短リミット到達当たり当選変動中)であっても、第1時短状態が終了したことを疑似的に報知する演出を実行し、遊技者に左打ち遊技を促すための擬似左打ち演出を実行するように構成している。
このように、第1時短状態が継続していることを報知した状態で、遊技者に左打ち遊技を促すのでは無く、第1時短状態が終了したことを疑似的に報知した後に左打ち遊技を促す演出を実行することにより、遊技者に対して、円滑に左打ち遊技を実行させることができる。
なお、本第44制御例では、上述した第43制御例と同様に、時短終了条件として特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する終了条件を有しているため、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動期間中に時短終了条件を成立させることが可能か否か(時短終了条件を成立させるまで第1特別図柄抽選を実行させることが可能か否か)を、事前に判別可能であるが、例えば、時短終了条件として、特別図柄抽選の結果に基づいて成立する終了条件、例えば、第1特別図柄抽選にて小当たり当選したことや、特定の時短図柄当選した場合に成立する終了条件を設けても良く、この場合は、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動期間中に第1特別図柄抽選を複数回(例えば、2回)実行させることが可能な状況であるかを、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動の変動時間のみに基づいて判別し、第1特別図柄抽選を複数回(例えば、2回)実行させることが可能であると判別した場合に、擬似左打ち演出を実行可能に構成しても良い。
この場合、残時短回数に応じて幸福度カウンタ223Bbの値を設定すると共に、擬似左打ち演出中に実行される第1特別図柄抽選の結果に基づいて、時短終了条件が成立する場合には、幸福度カウンタ223Bbの値がいきなり100%に対応する値へと上昇させる演出態様を決定すると良い。このように構成することで、どのタイミングでも時短終了条件を成立させることが可能となるため、時短リミット到達当たり当選に対する第2特別図柄変動が実行された遊技者に対して、時短リミットに基づいて通常状態が設定されることを回避しようと、第2特別図柄変動が停止表示されるまで意欲的に第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技を行わせることができる。
<第44制御例の第1変形例>
上述した第44制御例の第1変形例について説明をする。上述した第44制御例におけるパチンコ機10は、第2特別図柄抽選によって時短リミット到達当たりに当選すると、その第2特別図柄変動が実行されている期間中に、第1特別図柄抽選を実行して時短終了条件を成立させることで、時短リミット処理の実行を回避可能に構成されていた。そして、時短リミット到達当たり当選時の第2特別図柄変動の変動パターン(変動時間)として、長さの異なる変動時間(5秒、60秒、180秒)の何れかが選択されるように構成することで、時短リミット到達当たり当選している第2特別図柄変動中における時短終了条件の成立のさせ易さを異ならせるように構成していた。
しかしながら、上述した第44制御例では、第2特別図柄抽選の結果が当たり当選(小当たり当選、大当たり当選)した場合には、その当たり種別や、時短リミット到達有無に関わらず同一の変動パターンテーブル(時短状態用変動パターン44テーブル202Bd2)を参照して変動パターン(変動時間)が決定されるように構成していたため、時短リミットに到達しない当たり当選時にも無用に長い変動時間(例えば、180秒)の変動パターンが選択されてしまい、遊技効率が低下することに伴って遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第44制御例の第1変形例では、時短状態中(第1時短状態中)に実行された第2特別図柄抽選で当たり当選した場合に参照される変動パターンテーブルの構成を異ならせている点で上述した第44制御例と相違している。
本第1変形例で用いられる変動パターンテーブルには、時短状態(第1時短状態)中に実行された第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、小当たり当選した場合と、で異なる変動パターンが選択されるように、各変動パターンが規定されている。
具体的には、時短状態(第1時短状態)中に実行された第2特別図柄抽選の結果が小当たりである場合に対して、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して変動時間「5秒」、「50~149」の範囲に対して変動時間「60秒」、「150~198」の範囲に対して変動時間「90秒」の変動パターンが規定されており、時短状態(第1時短状態)中に実行された第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に対して、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~49」の範囲に対して変動時間「90秒」、「50~149」の範囲に対して変動時間「120秒」、「150~198」の範囲に対して変動時間「180秒」の変動パターンが規定されている。
つまり、小当たり当選した場合よりも、大当たり当選した場合の方が、長い変動時間が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、時短リミット到達当たり当選として、当選確率が低い当たり(大当たり)に当選した場合の方が、当選確率が高い当たり(小当たり)に当選した場合よりも、その特別図柄変動期間中に時短終了条件を成立させ易くすることができるため、遊技者に対して当選確率が低い当たり(大当たり)に当選したことの付加価値を付与することができる。
なお、本第1変形例では、上述した通り、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか小当たり当選であるかによって異なる変動時間(例えば、小当たり当選時における変動時間「5秒」や、大当たり当選時における変動時間「180秒」等)の変動パターンを選択可能、或いは、何れにおいても選択可能な変動時間(例えば、「90秒」)の選択割合を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、当選した当たり種別に応じて、共通して選択し得る変動時間の変動パターンを無くしても良いし、共通して選択し得る変動時間の変動パターンのみを選択可能とし、各変動パターンの選択割合のみを異ならせるように構成しても良い。この場合、本第44制御例の第1変形例のように、小当たり当選した場合も、大当たり当選した場合も、選択可能な変動時間の変動パターン(共通変動パターン)を少なくとも1つ有するように構成すると良い。このように構成することで、共通変動パターンが選択された場合には、抽選結果を示すための表示態様で特別図柄が停止表示されるまで今回の特別図柄抽選の結果を遊技者に把握させ難くすることができる。
さらに、時短状態(第1時短状態)を、大当たり遊技を介して連続して設定可能に構成し、時短状態(第1時短状態)の連続設定回数を判別可能に構成した場合には、時短リミット処理が実行されるまでの当たり当選回数(残リミット回数)を把握可能に構成し、残リミット回数が示す値に基づいて異なる変動パターンが選択されるように構成しても良い。
この場合、例えば、第1時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で当たり当選した場合には、上述した残リミット回数(時短リミット回数カウンタ203Baの値)を判別し、その判別結果に基づいて異なる変動パターンテーブルを参照して第2特別図柄変動の変動パターンを決定するように構成すると良く、この場合、例えば、残リミット回数が少ない場合の方が、時短リミット回数が多い場合よりも、長い変動時間の当たり変動が実行され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、第1時短状態であって、時短リミット処理が実行されることの無い当たりに当選した場合に、無用に長い変動時間(例えば、180秒)が設定されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、上述した第44制御例におけるパチンコ機10では、時短状態(第1時短状態)中に実行される第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動パターンが、同一の変動パターンテーブル(時短状態用変動パターン44テーブル202Bd2)を参照して選択されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1時短状態中に参照される変動パターンテーブルと、時短リミット到達当たり当選変動中に参照される変動パターンテーブルと、を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、第1時短状態における非時短リミット到達当たり当選変動中に参照される変動パターンテーブルよりも、第1時短状態における時短リミット到達当たり当選変動中に参照される変動パターンテーブルの方が、第1特別図柄変動の変動パターンとして、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、時短リミット到達当たり当選変動中(擬似左打ち演出中)に実行される第1特別図柄変動の変動パターンとして短い変動時間の変動パターンを設定しながらも、時短リミット到達当たり当選変動中以外の第1時短状態において短い変動時間の変動パターンが設定されることを抑制することができるため、第1時短状態中に第1特別図柄抽選を複数回実行させ難くすることができる。
さらに、時短リミット回数カウンタ203Baの値に応じて第1特別図柄の変動パターンを決定する際に参照する変動パターンテーブルを異ならせることにより、時短リミット回数カウンタ203Baの値が「1」、即ち、次の当たり当選によって時短リミットに当選し得る第1時短状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄を短時間変動とすることができる。このように構成することで、第2特別図柄の時短リミット到達当たり当選変動が実行された時点で、第1特別図柄がロング変動(例えば、600秒変動)している最中となり、擬似左打ち演出中において第1特別図柄抽選を複数実行させ難い状況が発生し難くすることができる。
なお、これに限ること無く、一方の特別図柄抽選で当たり当選した場合に、実行中の他方の特別図柄変動を強制的に外れ停止させる処理を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、第2特別図柄抽選にて時短リミット到達当たり当選した場合に、その第2特別図柄変動が開始されるタイミングで実行中の第1特別図柄変動を停止表示させることができる。よって、擬似左打ち演出中における左打ち遊技によって第1特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
また、上述した第44制御例では、第2特別図柄抽選にて時短リミット到達当たり当選した場合において、現在設定されている第1時短状態の時短終了条件を成立させるための残時短回数や、設定された第2特別図柄変動の変動時間に基づいて、左打ち遊技によって時短リミット到達当たり当選を示す第2特別図柄変動が停止表示するまでに時短状態を終了させることが可能であるかを判別し、時短状態を終了させることが可能であると判別した場合に、擬似左打ち演出を実行可能に構成しているが、擬似左打ち演出の実行条件として、それ以外の要素を用いても良く、例えば、時短リミット到達当たり当選変動が開始される時点において、第1特別図柄変動が実行されているか否かを判別し、第1特別図柄変動が実行されていると判別した場合に、実行中の第1特別図柄の残変動時間を判別し、その残変動時間が、今回実行される第2特別図柄変動(時短リミット到達当たり当選変動)の変動時間よりも長い場合、即ち、時短リミット到達当たり当選変動中に新たな第1特別図柄変動を実行することができない場合には、擬似左打ち演出を実行しないように構成しても良いし、今回実行される第2特別図柄変動(時短リミット到達当たり当選変動)よりも、実行中の第1特別図柄変動の残変動時間が短い場合であっても、実行中の第1特別図柄変動の残変動時間と、時短リミット到達当たり当選変動の変動時間との差分時間を算出し、その差分時間が所定期間(例えば、30秒)よりも短い場合と、長い場合とで、擬似左打ち演出の実行割合を異ならせる(長い場合の方が、短い場合よりも擬似左打ち演出を実行させ易くする)ように構成しても良い。このように構成することで、擬似左打ち演出が実行されたにも関わらず、時短終了条件を成立させることができない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、上述した第44制御例では、上述した第12制御例や第13制御例と同様に、第1特別図柄が変動表示されている間に、第2特別図柄の変動表示を実行可能(第2特別図柄が変動表示されている間に、第1特別図柄の変動表示を実行可能)に構成している。そして、上述した第12制御例と同様に、一方の特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、小当たり当選)した場合には、当選した当たり種別に応じてその当り当選に対応する特別図柄変動が停止表示されるタイミングにて、実行中の他方の特別図柄変動を中断、或いは、強制的に外れを示す表示態様で停止表示するように構成しているが、これに限ること無く、当選した当たりの種別に関わらず、他方の特別図柄変動を必ず強制的に外れ当選を示す表示態様で強制的に停止表示するように構成しても良いし、他方の特別図柄変動を必ず中断するように構成しても良い。
また、上述した第44制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選と、を並行して実行可能に構成し、先に実行された特別図柄抽選の種別に関わらず、先に停止表示された特別図柄の抽選結果に基づいて、後に停止表示される特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動(1の特別図柄変動が停止表示された時点において実行中の他の特別図柄変動)の変動表示態様(停止表示態様)を可変可能に構成しているが、これに限ること無く、先に実行された特別図柄抽選の結果に基づいて、後に実行される特別図柄抽選の内容を異ならせても良い。この場合、例えば、一方の特別図柄抽選で当たり当選した場合には、その当たり当選を示すための特別図柄変動が停止表示されるまでの間は、他方の特別図柄抽選にて当たり当選することの無い抽選(無効抽選)を実行するように構成すると良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とを並行して実行することにより遊技者に対して効率の良い遊技を提供しながらも、何れの特別図柄種別においても当たり当選し、短時間のうちに遊技者に過剰に特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
さらに、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて無効抽選を実行することとなる契機(抽選結果)として、特別図柄抽選の結果が何れの当たり当選(例えば、大当たり当選、小当たり当選、時短図柄当選)である場合にも成立する契機を設けるように構成しても良いし、特定の当たり(例えば、大当たり)に当選した場合のみ無効抽選の実行契機が成立するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選の抽選結果がいずれかの当たり(例えば、大当たり、小当たり、時短図柄)に当選したことを示すための変動演出が実行されている期間中において、他方の特別図柄抽選として無効抽選が実行されているか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。なお、この場合、無効抽選の実行契機が成立しているか否かを遊技者に示唆するための示唆演出を、上述した変動演出の演出態様の一部を用いて実行可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して無効抽選が実行されているか否かを予測する楽しみを提供することができると共に、無効抽選の実行契機を把握している遊技者に対しては、示唆演出の演出態様を把握することで、実行中の特別図柄変動が何れの当たり当選を示すための特別図柄変動であるかを予測する楽しみを提供することができる。
加えて、無効抽選として実行される特別図柄抽選にて、全ての当たり(例えば、大当たり、小当たり、時短図柄)に当選しない特別図柄抽選を実行可能に構成しても良いし、何れかの当たり(例えば、大当たり)のみ当選し得ない特別図柄抽選を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、無効抽選中は、無効抽選の実行契機が成立していない通常の特別図柄抽選よりも遊技者に不利な特別図柄抽選(当たり当選し得る当たり種別が少ない特別図柄抽選)が実行されることになるが、少なくとも1の種別の当たり抽選は実行されるため、遊技者に無用となる(何れの種別の当たり抽選も実行されない)特別図柄抽選が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、この場合、設定されている第1時短状態を終了させるための時短終了条件として、リミット到達当たり当選変動中に実行される他の特別図柄抽選にて当選し得る当たり当選(例えば、小当たり当選)に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、リミット到達当たり当選変動の残変動期間中に、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する時短終了条件(時短回数終了条件)が成立させ難い状況であったとしても、当たり当選に基づいて時短終了条件を成立させることが可能となるため、遊技者に対して、リミット到達当たり当選変動が停止表示されるまでの間、時短状態を終了させるための遊技を意欲的に行わせることができる。
さらに、上述した第44制御例では、特別図柄変動が停止表示されるタイミング、即ち、特別図柄変動の終了タイミングにて時短終了条件の成立有無を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄変動が実行されるタイミング、即ち、特別図柄変動の開始タイミングにて時短終了条件の成立有無を判別可能に構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選が実行されてから時短終了条件の成立有無を判別するまでの期間を短縮させることができるため、リミット到達当たり当選変動が停止表示されるまでの期間中に、最後まで新たな特別図柄抽選を実行させようと意欲的に遊技を行わせ易くすることができる。
<第45制御例>
次に、図1317から図1328を参照して、第45制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第45制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10に対して、左打ち遊技によって実行された第1特別図柄抽選の結果として第2時短状態が設定される時短図柄(時短図柄A)に当選した場合に実行される演出内容を異ならせている点で相違している。また、左打ち遊技中(通常状態、或いは、第2時短状態における遊技中)において現在設定されている遊技状態を示唆するために実行される演出内容を異ならせている点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。
上述した第43制御例におけるパチンコ機10では、第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に、背景モード種別を選択する処理を実行し、選択された背景モード種別に対応した背景モードの画像を表示するように構成していた。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景モードによって特別図柄抽選の抽選結果が時短図柄当選であったことを遊技者に予測させることができるものであった。しかしながら上述した第43制御例では、特別図柄抽選で第2時短状態が設定される時短図柄に当選する毎に背景モード種別を選択する処理が実行されることから、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される背景モードが頻繁に切り替わってしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、本第45制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選で時短図当選したことを示すための識別情報(第2演出図柄)が停止表示した場合に、通常の演出モード(通常モード)よりも第2時短状態が設定されている可能性が高いことを示すための演出モード(高確モード)へと移行するように構成し、その高確モード中は特別図柄抽選で時短図柄当選したことを遊技者に把握させ難くする演出を実行するように構成している。
つまり、本第45制御例におけるパチンコ機10では、第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを遊技者に報知し易い演出モード(通常モード)と、報知し難い演出モード(高確モード)と、を設定可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して時短図柄当選の有無を把握させ難くすることができるため、現在の遊技状態が通常状態であるか第2時短状態であるかを遊技者に予測する楽しみを提供することができる。
加えて、演出モードとして高確モードが設定されている状態では、特別図柄抽選で第2時短状態が設定される時短図柄に当選したとしても、既に実行されている高確モード中の演出態様が切り替わることが無いため、第2時短状態が設定される時短図柄に頻繁に当選した場合であっても、演出態様が頻繁に切り替わってしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第45制御例では、第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための識別情報(第2演出図柄)の表示態様として、設定される高確モードが継続する期間の長さを異ならせた表示態様(スイカ、チェリー、人参)を選択可能に構成しており、当選した時短図柄の種別と、獲得済みの第1特別図柄保留(特図1保留)に含まれる入賞情報の先読み結果と、に基づいて第2演出図柄の表示態様が選択されるように構成している。
つまり、今回の特別図柄抽選で時短図柄当選している場合には、今回の特別図柄抽選で当選した時短図柄に基づいて設定される第2時短状態の継続期間(時短回数)と、後に実行される特別図柄抽選の結果に基づいて設定される第2時短状態の継続期間(時短回数)とに基づいて第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための第2演出図柄の表示態様を決定可能に構成している。
具体的には、今回の特別図柄抽選の結果、及び、獲得済みの特図1保留の先読み結果に基づいて、第2時短状態の継続期間を算出し、算出された継続期間の長さに応じて異なる種別の表示態様で第2演出図柄を表示するように構成している。
このように構成することで、今回当選した時短図柄が第2時短状態を短期間設定可能な時短図柄(例えば、時短1回が付与される時短図柄A1)であったとしても、先読みした入賞情報の中に時短図柄当選を含む入賞状態があるか否かによって第2演出図柄の表示態様を異ならせることができるため、今回の特別図柄抽選の結果にのみ基づいて第2演出図柄の表示態様を決定するように構成した場合に比べて、第2時短状態が長時間継続することを示唆するための表示態様で第2演出図柄を表示し易くすることができ、演出効果を高めることができる。
そして、第2演出図柄が表示された場合には、演出モードが高確モードへと移行する。この高確モードは、表示された第2演出図柄の種別に応じた期間継続するように構成しており、例えば、第2演出図柄の表示態様として「スイカ」が表示された場合には、特別図柄抽選が10回実行されるまでの期間、高確モードが継続し、「チェリー」が表示された場合には、特別図柄抽選が20回実行されるまでの期間、高確モードが継続し、「人参」が表示された場合には、特別図柄抽選が30回実行されるまでの期間、高確モードが継続するように構成している。
そして、先読み結果も含めて算出された継続期間が長い方が、短い場合よりも継続期間が長い高確モードを設定し易くしている。このように構成することで、第2演出図柄の表示態様として「スイカ」が表示されるよりも、「チェリー」や「人参」が表示された場合の方が、第2時短状態が長時間継続し得ることを遊技者に予測させることができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
また、本第45制御例では、上述した第43制御例と同様に、短期間(時短回数1回)の第2時短状態が設定される時短図柄(時短図柄A1)に当選した場合には、現在設定されている第2時短状態の残期間(残時短回数)に関わらず、時短1回の第2時短状態が設定されるように構成している。つまり、長時間の第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合(例えば、時短図柄A3)に当選した場合であっても、次に実行される特別図柄抽選で時短図柄A1に当選した場合には、最初に第2時短状態が設定されてから特別図柄抽選が2回実行されただけで第2時短状態が終了する虞がある。
この場合、上述した第43制御例におけるパチンコ機10のように、今回実行された特別図柄抽選の結果(時短図柄当選)に基づいて、時短図柄当選を示すための演出態様を決定する場合には、時短図柄A3に当選したことを示す演出(有利モードへと移行する演出)が実行された次の第1特別図柄変動中に、図1255に示した通り、遊技者に不利な抽選結果であることを示す演出図柄(「ピンチ」が付された中身810Ca)が表示され、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第45制御例では、当該特別図柄抽選の結果だけで無く、獲得済みの特図1保留に対する先読み結果に基づいて、第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための第2演出図柄の表示態様を決定することができるため、時短図柄A3に当選した場合であっても、その時点で獲得済みの特図1保留内に時短図柄A1(時短1回)に当選することを示すための入賞情報が含まれている場合には、第2演出図柄の表示態様として、継続期間が短い高確モードを示すための表示態様(「スイカ」)を表示することができる。
よって、遊技者にとって有利な第2時短状態が設定された直後に、遊技者にとって不利な第2時短状態が設定されたことを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第45制御例では、高確モードが設定されると、設定されている遊技状態に関わらず、予め定められた期間高確モードが継続し、その後通常モードへと移行するように構成している。そして、高確モードが終了した後において、第2時短状態の残期間が所定期間(例えば、残時短10回以上)である場合には、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための表示態様として、第2演出図柄と同一の表示態様で擬似第2演出図柄を停止表示可能に構成している。そして、擬似第2演出図柄が停止表示されたことに基づいて高確モードへと移行するように構成している。
つまり、本第45制御例では、第2時短状態が設定された場合に、予め定められた期間の高確モードを設定するように構成しているため、その高確モード中に実行された特別図柄抽選の抽選結果によって、高確モード終了時における遊技状態(残時短回数)が異なることになる。例えば、高確モード中に時短図柄A1に当選し、高確モード終了時に既に通常状態が設定されている場合や、高確モード終了間際に時短図柄A3に当選し、高確モード終了時に多くの残時短回数を残した第2時短状態が設定される場合が生じ得るため、高確モードが終了した時点において残時短回数が10回以上である第2時短状態が設定されている場合には、特別図柄抽選で時短図柄当選していない(外れである)場合であっても擬似第2演出図柄を停止表示することで、再度、高確モードへと移行可能に構成している。
このように構成することで、第2時短状態が設定されているにも関わらず、長時間の間、高確モードが設定されず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、実際に時短図柄当選していない特別図柄抽選の結果を示すための表示態様として第2演出図柄と同一の表示態様である擬似第2演出図柄を停止表示させるように構成しているため、通常モード中に実行された特別図柄抽選の結果を示すための表示態様として、時短図柄当選を示す第2演出図柄を停止表示させ易くすることができる。
さらに、本第45制御例では、一度高確モードが設定された場合には、その後の特別図柄抽選の結果に関わらず、固定回数(10回、20回、30回)の特別図柄抽選が実行されるまで、高確モードを継続させるように構成しているため、第2時短状態が長時間継続することを示すための表示態様(「人参」)で第2演出図柄が停止表示された場合には、少なくとも高確モードが終了するまで、遊技を継続しようと意欲的に遊技者に遊技を行わせることができる。
<第45制御例におけるパチンコ機10の演出内容について>
次に、図1317から図1319を参照して、本第45制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第45制御例では、上述した通り、左打ち遊技が実行される遊技状態(通常状態、第2時短状態)中に実行される第1特別図柄抽選の結果が時短図柄当選(時短図柄A1)したかを遊技者に示唆するための報知演出を実行可能に構成している。
図1317(a)は、通常モード中に時短A1(時短回数1回)に当選した場合に表示される表示態様の一例を示した図であって、図1317(b)は、高確モード中に実行される各種変動演出の一部を示した図であって、図1318(a)は、高確モード中に実行された特別図柄抽選で第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に表示される表示態様の一例を示した図であって、図1318(b)は、高確モードの終了画面の一例を示した図である。そして、図1319は、演出モードとして通常モードが設定されている第2時短状態であって、擬似第2演出図柄を停止表示させることで高確モードへと移行する場合に表示される表示内容の一例を示した図である。
図1317(a)に示した通り、本第45制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10と同様に、左打ち遊技が実行される通常状態、第2時短状態中は、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出として、宝箱810Cの中から特別図柄抽選の結果を示すための表示態様が表示されるように構成している。
図1317(a)は、通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で時短A1(時短図柄A1)に当選した特別図柄が停止表示された状態を示しており、表示領域Dm1には、今回の第1特別図柄抽選が時短1回の第2時短状態が設定される種別(時短図柄A1)の時短図柄に当選したことを示すための第3図柄が、「353」の表示態様で停止表示されている。さらに、副表示領域Dsに形成された表示領域Dm9には、獲得済みの特図1保留を示す表示態様として、特図1保留が3個であることを示すための保留アイコンhr1~保留アイコンhr3が表示されている。
図1317(a)に示した状態は、時短1回の第2時短状態に当選した状態であるが、獲得済みの3個の特図1保留のうち、次に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留(保留アイコンhr1に対応する特図1保留)の先読み結果が、第2時短状態中において時短20回の第2時短状態が設定される時短A2(時短図柄A2)であるため、今回の特別図柄抽選の結果を示すための第2演出図柄として、宝箱810Cの中身810Caの表示態様として「チェリー」が付された中身810Caが表示され、副表示領域Dsには、継続期間が20回(特図抽選20回)の高確モードへと移行することを遊技者に案内するための表示態様として「高確モード20回突入」の文字が表示されている。
このように、当該特別図柄抽選の結果と、特図1保留の先読み結果とに基づいて、当該特別図柄抽選の結果を示すための第2演出図柄の表示態様を決定可能に構成することで、時短図柄に連続して当選した場合であっても、第3図柄表示装置81の表示面に表示される演出態様が頻繁に切り替わってしまい、遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第45制御例では、時短終了条件が成立し易い第2時短状態(例えば、時短1回)が設定される時短図柄に当選した場合であって、且つ、獲得済みの特図1保留内に時短図柄当選を示す入賞情報が含まれていない場合であっても、低確率で「チェリー」が付された表示態様の第2演出図柄が表示されるように構成している。このように構成することで、実際は第2時短状態が即座に終了してしまう場合であっても、所定期間(特別図柄抽選が20回実行される期間)の高確モードを設定することができるため、通常状態中であっても、第2時短状態が設定されていることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
そして、図1317(a)に示した第2演出図柄(チェリー)が停止表示された後、次の第1特別図柄抽選の結果(時短A2(時短図柄A2)に当選した結果)を示すための第3図柄が停止表示される際には、図1317(b)に示した表示画面が表示される。
具体的には、第2演出図柄が停止表示されると、演出モードが通常モードから高確モードへと移行し、主表示領域Dmの中央上部には高確モード中であることを示すための「高確モード」が表示され、表示領域Dm4の下側に形成された表示領域Dm7には、高確モードの残期間を示すための表示態様として「ラスト19回」が表示されている。つまり、特別図柄抽選があと19回実行されるまでは、その間の特別図柄抽選結果に関わらず、高確モードが継続する。
そして、高確モード中に実行される特別図柄抽選で時短図柄当選した場合であって、その時短図柄当選した特別図柄抽選が既に先読み処理によって第2演出図柄の表示態様を決定する際に参照されている場合は、対象となる変動演出の演出結果が時短図柄当選を示すことの無い演出結果(第2演出図柄が停止表示されない演出結果)となる。よって図1317(b)では、時短図柄当選(時短図柄A2に当選)したことを示す表示態様「363」が表示領域Dm1に停止表示されているにも関わらず、主表示領域Dmの中央部にて実行されている変動演出の演出結果として「?」が付された中身810Caが表示される変動演出が実行されている。
一方、高確モード中に実行される特別図柄抽選で時短図柄当選した場合であって、その時短図柄当選した特別図柄抽選に関する先読み情報が、高確モードへと移行する際に停止表示された第2演出図柄の表示態様を決定する際に参照されていない場合、即ち、高確モードへと移行した時点で獲得していない特図1保留に基づく第1特別図柄抽選で時短A群の時短図柄に当選した場合には、変動演出の演出結果として、第2演出図柄を停止表示させる代わりに、天井特典が付与されるまでの残回数(残特別図柄抽選回数)を表示可能に構成している。
詳細な説明は後述するが、本第45制御例では、一度高確モードへと移行した場合には、高確モード中に実行された特別図柄抽選の結果に関わらず、高確モードを予め定められた期間継続するように構成している。よって、高確モード中に実行された特別図柄抽選で時短図柄当選し、第2時短状態の継続期間が可変したとしても、その可変度合いを遊技者に把握させ難くすることができ、遊技者に対して現在の遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
さらに、高確モード中に実行された特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、天井特典が付与されるまでの条件(残特図柄抽選回数)に関する情報を提供可能に構成している。このように構成することで、高確モード中に時短図柄当選したか否かを予測させるための情報を提供すると共に、高確モード中に時短図柄当選した場合の方が、時短図柄当選しなかった場合よりも、天井特典の付与を目指す遊技者に対して有利な情報を提供することができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第45制御例では、天井特典が付与されるまでの条件が成立し易い状況、即ち、天井特典の付与条件が成立するまでの残特図柄抽選回数が少ない程、高確モード中に時短図柄当選した場合に、残特図柄抽選回数を示すための情報を提供し易くなるように構成している。つまり、天井特典が付与されるまでの残特図柄抽選回数が少ない場合に、残特図柄抽選回数が表示され易くなるように構成している。このように構成することで、残特図柄抽選回数として大きい値(例えば、残特図抽選回数800回)が表示されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、高確モード中に第2時短状態が設定される時短A群に当選した場合には、図1318(a)に示した通り、時短図柄当選したことは報知されること無く、代わりに付与特典として、天井までの残回数(残特図抽選回数)が表示される演出が実行される。図1318(a)では、前回の大当たり遊技が終了してから、969回目の特別図柄変動中であるため、表示領域Dm7bには天井までの残回数を示すための表示態様として「天井まであと30回」が表示され、副表示領域Dsには「天井までのカウントダウン開始」が表示される。
この表示領域Dm7bは、一度形成されると、天井特典が付与されるまで、或いは大当たり遊技が実行されるまで継続して表示され、特別図柄抽選が実行される毎に残特図抽選回数が減算表示されることになる。このように、高確モード中に時短図柄当選した場合には、時短図柄当選に基づいて新たに設定される時短回数を表示しない代わりに、時短回数とは異なる情報(天井までの残回数)を遊技者に付与することができるため、演出効果を高めることができる。なお、高確モード中に実行される特別図柄抽選の結果が外れである場合も低確率(例えば、1/100)で天井までの残回数(残特図抽選回数)が表示される演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、天井までの残回数(残特図抽選回数)が表示される演出が実行された場合に時短図柄当選したか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。
そして、高確モードが終了すると、図1318(b)に示した表示態様、即ち、宝箱810Cの中から「END」が付された中身810Caが表示され、副表示領域Dsには「通常モードへ移行するよ」の文字が表示され、通常モードへと移行する。図1318(b)に示した状態は、残時短回数が20回の第2時短状態が設定されている状態であるが、高確モードは、時短図柄当選の有無に関わらず予め定められた期間のみ継続するように構成しているため、第2時短状態が設定されている状態であっても、そのまま終了し通常モードへと移行する。
その後、通常モードへと移行した状態で復活条件を満たした場合には、図1319に示した通り、特別図柄抽選が外れである場合に、疑似的に第2演出図柄を表示させて再度高確モードへと移行する演出が実行される。図1319に示した図では、第2時短状態の残時短回数が10回以上20回未満であるため、外れ当選を示す特別図柄変動が停止表示されるタイミングに合わせて、宝箱810Cから擬似第2演出図柄として「スイカ」を模したアイコンが付された中身810Caが表示され、副表示領域Dsには「高確モード10回突入」が表示される。
このように、本第45制御例では、高確モードが終了した時点で設定されている遊技状態が第2時短状態であって、且つ、その残時短回数が10回以上である場合において、疑似的に第2演出図柄を停止表示させることで、再度、高確モードへと移行可能に構成している。このように構成することで、高確モードの滞在期間と、第2時短状態の継続期間とが大きく乖離してしまうことを抑制することができる。
また、1の時短図柄当選で長期間の第2時短状態が設定された場合において、疑似的に第2演出図柄を停止表示させ易くすることで、あたかも時短図柄に複数回当選したかのような演出を実行することができるため。見た目上の時短図柄の当選確率を高めることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
次に、図1320を参照して、本第45制御例における遊技の進行状況と、実行される演出の流れについて説明をする。図1320(a)は、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)の流れを示した図であり、図1320(b)は、特図保留数(特図1保留数)の流れを示した図であり、図1320(c)は、特別図柄抽選の結果に対して設定される第2演出図柄の流れを示した図であり、図1320(d)は、設定される遊技状態の流れを示した図であり、図1320(e)は、残時短回数の流れを示した図であり、図1320(f)は設定される演出モードの流れを示した図であり、図1320(g)は、高確中カウンタ223Caの流れを示した図であり、図1320(h)は、実行されるその他演出の流れを示した図である。
図1320(a)~(h)に示した通り、通常状態が設定されている場合には、特別図柄抽選の結果が外れである場合には「?」を付した中身810Caが第2演出図柄として表示される(図1317(b)参照)。そして、3回目の特別図柄抽選ch3にて時短回数1回の第2時短状態が設定される時短A1(時短図柄A1)に当選した場合には、獲得済みの特図1保留が3個であるため(図1320(b)参照)、その3個の特図1保留に対して先読み処理を実行し、次に実行される特別図柄抽選ch4に対応する特図1保留に時短図柄A2に当選する入賞情報が含まれていると判定し、第2演出図柄としてチェリーを模した中身810Ca(図1317(a)参照)が表示され、その特別図柄変動が停止表示された後に、遊技状態が通常状態から第2時短状態へと移行すると共に、演出モードが通常モードから高確モード(20回)へと移行し(図1320(f)参照)、高確中カウンタ223Caの値に「20」がセットされる(図1320(g)参照)。なお、特別図柄抽選ch3では時短回数1回の第2時短状態のみが設定されるため、その時点では残時短回数として1回がセットされる(図1320(e)参照)。
次いで、特別図柄抽選ch4が第2時短状態中に実行され、時短図柄A2に当選するが、演出モードが高確モードであり、且つ、その抽選結果を示す先読み結果が、特別図柄抽選ch3の抽選結果を示す第2演出図柄の表示態様を決定する際に参照されているため、「?」を付した中身810Caが第2演出図柄として表示される。このように構成することで、特別図柄抽選ch4にて時短図柄に当選したことを遊技者に把握させ難くすることができる。
なお、実際には特別図柄抽選ch4にて時短回数20回の第2時短状態が設定される時短図柄A2に当選しているため、残時短回数が20回へと更新される。その後、外れ変動が複数回実行され、高確中カウンタ223Caの値が2まで減算された時点で実行される特別図柄抽選ch7にて時短図柄A2に当選した場合も、演出モードが高確モード中であるため、「?」を付した中身810Caが第2演出図柄として表示される。そして、第2時短状態中に時短図柄当選したことによる付与特典として、天井までのカウントダウン表示が実行される(図1320(h)参照)。
さらに、高確中カウンタ223Caの値が0まで減算されると、演出モードが高確モードから通常モードへと移行し、特別図柄抽選ch11が実行された場合に、高確モードへと復活条件が成立し、特別図柄抽選ch11の演出結果が外れであるにも関わらず、疑似的に「スイカ」を付した中身810Caが第2演出図柄として表示され、再度、高確モードが設定される。
<第45制御例における音声ランプ制御装置の電気的構成について>
次に、図1321から図1323を参照して、本第45制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。上述した通り、本第45制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10に対して、時短図柄当選したことを示すための識別情報の表示態様(第2演出図柄の表示態様)を異ならせている点と、左打ち遊技が実行される遊技状態(通常状態、第2時短状態)中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像の種別(演出モードの種別)を異ならせている点と、時短図柄当選した場合に天井特典が付与されるまでの条件(残特図柄抽選回数)に関する情報を表示可能に構成している点で相違しており、上述した相違点に関連する各種電気的構成を異ならせている。
具体的には、本第45制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第43制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222(図1267(a)参照)に対して、第2演出図柄選択テーブル222Caと、天井情報選択テーブル222Cbと、を追加した点で相違している。また、本第45制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第43制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図1267(b)参照)に対して、高確中カウンタ223Caと、演出モード格納エリア223Cbと、天井残回数カウンタ223Ccと、天井情報フラグ223Cdと、を追加した点と、背景モード格納エリア223Aaと、非移行フラグ223Acを削除した点と、で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図1321(a)を参照して、本第45制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の電気的構成について説明をする。図1321(a)は、本第45制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の電気的構成を模式的に示した図である。図1321(a)に示した通り、本第45制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第43制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222(図1267(a)参照)に対して、第2演出図柄選択テーブル222Caと、天井情報選択テーブル222Cbと、を追加した点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2演出図柄選択テーブル222Caは、演出モードとして通常モードが設定されている状態で実行された第1特別図柄抽選で第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合において、第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための表示態様(第2演出図柄の表示態様)を選択するために参照されるデータテーブルであって、当選した時短図柄の種別(時短図柄A1~時短図柄A4)と、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)に対する先読み処理(事前判別処理)の結果に関する情報と、に基づいて異なる表示態様が規定されている。
ここで、本第45制御例におけるパチンコ機10は、上述した通り、左打ち遊技中(通常状態、或いは、第2時短状態が設定されている遊技中)において、演出モードとして、通常モードと高確モードとを設定可能に構成しており、通常モード中は第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを示すための第2演出図柄を停止表示可能に構成している。そして、第2演出図柄が停止表示されると、演出モードが通常モードから高確モードへと移行し、停止表示された第2演出図柄の表示態様に応じた期間、高確モードが継続するように構成している。
高確モード中は、第1特別図柄抽選で第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合であっても、第2演出図柄が停止表示されないように構成している。つまり、高確モード中は、通常モード中よりも第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを遊技者に把握させ難くするように構成している。このように構成することで、第2時短状態が設定される時短図柄に当選したことを契機に高確モードへと移行可能としながらも、設定されている演出モードの種別と、実際の遊技状態(通常状態、第2時短状態)と、の対応関係を遊技者に把握させ難くすることができ、遊技状態を予測する楽しみを遊技者に提供することができる。
また、第2演出図柄の表示態様として、高確モードの継続期間が比較的短い(特別図柄抽選10回分)第1表示態様(スイカアイコン)と、高確モードの継続期間が第1表示態様(スイカアイコン)よりも長い第2表示態様(チェリーアイコン)と、高確モードの継続期間が第2表示態様(チェリーアイコン)よりも長い第3表示態様(人参アイコン)と、を設定可能に構成しており、第2時短状態が長時間継続し易い状況の方が、継続し難い状況よりも第3表示態様を設定し易く構成しており、第2時短状態が長時間継続し難い状況の方が、継続し易い状況よりも第1表示態様を設定し易く構成している。このように構成することで、停止表示される第2時短図柄の表示態様に対して遊技者に興味を持たせることができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、図1322を参照して、第2演出図柄選択テーブル222Caに規定されている詳細な内容について説明をする。図1322は、第2演出図柄選択テーブル222Caに規定されている内容を模式的に示した図である。図1322に示した通り、第2演出図柄選択テーブル222Caには、今回の第1特別図柄抽選で当選した時短種別(時短図柄種別)と、獲得済みの特図1保留に対する先読み結果と、取得した第1演出カウンタ223f1の値とに対応させて各選択図柄(第2演出図柄の表示態様)が予め規定されている。
具体的には、今回の第1特別図柄抽選で当選した時短種別(時短図柄種別)が、「時短A1(時短図柄A1)」であって、先読み結果として、先読み数が「1,2」、付与時短が「1」、大当たり当選「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~69」の範囲に対して選択図柄「スイカ」が規定されており、「70~99」の範囲に対して選択図柄「人参」が規定されており、大当たり当選「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~69」の範囲に対して「選択図柄無し」が、「70~99」の範囲に対して選択図柄「スイカ」が規定されている。
また、今回の第1特別図柄抽選で当選した時短種別(時短図柄種別)が、「時短A1(時短図柄A1)」であって、先読み結果として、先読み数が「1,2」、付与時短が「2~15」、大当たり当選「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して選択図柄「チェリー」が規定されており、大当たり当選「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して「スイカ」が規定されている。
また、今回の第1特別図柄抽選で当選した時短種別(時短図柄種別)が、「時短A1(時短図柄A1)」であって、先読み結果として、先読み数が「1,2」、付与時短が「16~29」、大当たり当選「有り」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して選択図柄「人参」が規定されており、大当たり当選「無し」の場合は、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して「チェリー」が規定されている。
また、今回の第1特別図柄抽選で当選した時短種別(時短図柄種別)が、「時短A1(時短図柄A1)」であって、先読み結果として、先読み数が「1,2」、付与時短が「30以上」の場合は、大当たり当選の有無に関わる先読み結果に関わらず、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して選択図柄「人参」が規定されている。
ここで、第2演出図柄選択テーブル222Caに規定されている情報のうち、先読み結果に関する情報について詳細に説明をする。本第45制御例におけるパチンコ機10では、通常モードが設定されている状態で実行された第1特別図柄抽選にて第2時短状態が設定される時短図柄(時短A群)に当選すると、その時点で獲得済みの特図1保留に対して先読み処理(入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報に当たり当選に対応した情報が含まれているかを特別図柄抽選が実行されるよりも前に判定する処理)を実行するように構成し、先読み処理の結果として、大当たり当選の有無と、時短図柄当選の有無と、時短図柄当選した場合に設定される時短図柄種別と、を少なくとも事前に判定可能に構成している。
そして、先読み処理の結果に基づいて、現時点で獲得済みの特図1保留に対応する第1特別図柄抽選によって付与される時短回数を算出可能に構成している。例えば、特図1保留を3個獲得している状態であって、今回当選した時短図柄が時短回数1回の第2時短状態が設定される時短図柄A1だとしても、その時点で獲得済みの特図1保留の先読み結果として、最初に実行される第1特別図柄抽選の結果が時短図柄A2である場合には、第2時短状態中に実行される第1特別図柄抽選において時短図柄A2に当選し、時短回数20回の第2時短状態が設定され、残りの特図1保留(例えば、2個)の先読み結果が全て外れである場合には、先読み対象の特図1保留を全て消化した時点では、時短図柄A2によって設定された第2時短状態が設定されている状態(残時短回数18回)となる。
この場合、時短図柄A1に当選した特別図柄抽選を基準に見ると、次変動で時短回数20回の第2時短状態が設定されることから、先読み結果によって付与される時短回数が21回となる。よって、先読み処理の結果(先読み結果)としては、先読み数「3」、付与時短「21回」、大当たり有無「無し」となる。
なお、本第45制御例では、先読み結果として、付与時短回数(第2演出図柄が停止表示される特別図柄変動を基準として、算出される時短回数の最大値を示す回数)を算出するように構成しているが、これに限ること無く、現時点で獲得済みの特図1保留に対応する第1特別図柄抽選が終了した時点における遊技状態と、残時短回数と、を算出可能に構成し、その算出結果に基づいて第2演出図柄の表示態様を選択可能に構成しても良い。このように構成した場合であっても、本第45制御例と同様の技術思想で第2演出図柄の表示態様を選択することができる。
次に、天井情報選択テーブル222Cbは、天井情報を報知するための第1条件が成立した場合に参照されるデータテーブルであって、この天井情報選択テーブル222Cbを参照した結果、天井情報を報知するための第2条件が成立した場合に、遊技者に対して、天井特典が付与される条件(天井付与条件)の成立に関する情報(残特図柄抽選回数)が報知される。
ここで、図1323を参照して、天井情報選択テーブル222Cbの内容について説明をする。図1323は、天井情報選択テーブル222Cbに規定されている内容を示した図である。図1323に示した通り、天井情報選択テーブル222Cbには、天井情報を報知するか否か(第2条件を成立させるか否か)を示す規定情報が、天井残回数カウンタ223Ccの値、当選した時短図柄種別、取得した第1演出カウンタ223f1の値に対応させて予め規定されている。
具体的には、天井残回数カウンタ223Ccの値が「999~400」であって、当選時短種別が「時短A1(時短図柄A1)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0」に対して、天井情報報知「有り」が、「1~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A2(時短図柄A2)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~5」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「6~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A3(時短図柄A3)、時短A4(時短図柄A4)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「10~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されている。
また、天井残回数カウンタ223Ccの値が「399~100」であって、当選時短種別が「時短A1(時短図柄A1)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「10~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A2(時短図柄A2)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~19」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「20~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A3(時短図柄A3)、時短A4(時短図柄A4)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「30~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されている。
さらに、天井残回数カウンタ223Ccの値が「99~40」であって、当選時短種別が「時短A1(時短図柄A1)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~39」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「40~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A2(時短図柄A2)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~49」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「50~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A3(時短図柄A3)、時短A4(時短図柄A4)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~79」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「80~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されている。
また、天井残回数カウンタ223Ccの値が「39~1」であって、当選時短種別が「時短A1(時短図柄A1)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~89」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「90~99」の範囲に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A2(時短図柄A2)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~98」の範囲に対して、天井情報報知「有り」が、「99」に対して天井情報報知「無し」が規定されており、当選時短種別が「時短A3(時短図柄A3)、時短A4(時短図柄A4)」である場合には、取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~99」の全範囲に対して、天井情報報知「有り」が規定されている。
以上、説明をした通り、本第45制御例では、高確モード中に実行された第1特別図柄抽選にて第2時短状態が設定される時短図柄(時短A群)に当選したことを契機に第1条件が成立し、第1条件が成立したことに基づいて、第2条件を成立させるか否かが天井情報選択テーブル222Cbを参照して決定される。そして、天井特典が付与されるために必要となる特別図柄抽選回数(残特図柄抽選回数)が少ない状態であるほど、つまり、天井残回数カウンタ223Ccの値が少ない程、第2条件が成立し易くなるように(天井情報報知「有り」が選択され易くなるように)構成している。このように構成することで、天井特典が付与されるまでの残特図柄抽選回数が多い状態において、天井特典が付与されるまでの残特図抽選回数が表示されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した通り、時短図柄当選時に設定され易い時短種別(時短A1(時短図柄A1))よりも、設定され難い時短種別(時短A3(時短図柄A3)、時短A4(時短図柄A4))の方が、時短図柄当選時に天井情報を報知し易く(第2条件を成立させ易く)構成している。このように構成することで、高確モード中に実行された第1特別図柄抽選の結果が発生し難い結果である場合の方が、発生し易い結果である場合よりも、遊技者に特典(天井特典が付与されるまでに要する残特別図柄抽選回数を示す情報の提供)を付与し易くすることができるため、高確モード中に実行される第1特別図柄抽選の結果に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第45制御例では、天井情報報知を実行するための第1条件、及び第2条件が成立すると、天井特典が付与されるまでの間、天井特典が付与されるまでの残特図抽選回数が継続して表示されるように構成しているが、これに限ること無く、天井情報報知を実行するための第1条件、及び第2条件が成立したタイミングに応じて、天井情報報知が実行される期間を異ならせても良く、例えば、天井特典が付与されるまでの残特図柄抽選回数が多い(例えば、400回以上)状態で第1条件、及び第2条件が成立した場合には、所定期間の経過(例えば、特別図柄抽選が10回実行された)に基づいて天井情報報知を終了させるように構成し、天井特典が付与されるまでの残特図柄抽選回数が少ない(例えば、50回以下)状態で第1条件、及び第2条件が成立した場合には、天井特典が付与されるまで継続して天井情報報知を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、天井特典が付与されるまでの残特図柄抽選回数が多い状況で天井情報報知が実行されたとしても、その報知が所定期間の経過で終了することになる。よって、次の遊技者が、天井特典が付与されるまでの残特図柄抽選回数を把握できない(し難い)状態を創出することができるため、パチンコ機10の稼働が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第45制御例では、天井情報報知を実行するための第1条件が、高確モード中に実行された第1特別図柄抽選で第2時短状態が設定される時短図柄に当選した場合に成立するように構成しているが、これに限ること無く、高確モード中に実行された第1特別図柄抽選の結果が外れである場合の一部において第1条件が成立するように構成しても良い。このように構成することで、様々なタイミングで第1条件を成立させ易くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、時短図柄当選していない場合にも、天井情報報知が実行されるため、天井情報報知の実行と、時短図柄当選と、を関連付け難くすることができる。
また、上述した通り、本第45制御例では、天井残回数カウンタ223Ccの値が少なくなる程、天井情報報知を実行するための第2条件が成立し易くなるように構成しているが、これに限ること無く、天井残回数カウンタ223Ccの値が所定の値(例えば、下一桁が7の値)、或いは、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が所定の回数(例えば、7の倍数に応じた回数)となった場合に、それ以外の場合よりも天井情報報知を実行するための第2条件が成立し易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選が999回実行されるまでの期間)において、天井情報報知を実行するための第2条件が成立し易い期間と、成立し難い期間と、を交互に設定することができるため、遊技者に飽き難い遊技を提供することができる。さらに、特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、小当たり当選、時短図柄当選など)する確率を異ならせた設定値を複数段階(例えば、3段階)設定可能に構成したパチンコ機10であれば、天井情報報知を実行するための第2条件が成立し易い期間を、設定されている設定値に応じて異ならせるように構成すると良い。
このように構成することで、天井情報報知が実行された時点における天井残回数カウンタ223Ccの値や、実行済の特別図柄抽選の回数に基づいて遊技中のパチンコ機10に対して設定されている設定値を予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図1321(b)を参照して、本第45制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1321(b)は、本第45制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。
図1321(b)に示した通り、本第45制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第43制御例のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図1267(b)参照)に対して、高確中カウンタ223Caと、演出モード格納エリア223Cbと、天井残回数カウンタ223Ccと、天井情報フラグ223Cdと、を追加した点と、背景モード格納エリア223Aaと、非移行フラグ223Acを削除した点と、で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
高確中カウンタ223Caは、高確モードの継続期間を計測するためのカウンタであって、高確モードが設定される特別図柄変動に対応して実行される第2演出図柄設定処理(図1327のS4401D参照)において、決定された第2演出図柄の表示態様に対応した値が設定される(図1327のS4457D参照)。そして、高確モード中に実行された特別図柄変動が停止表示されたことを示すための図柄確定コマンドを受信した場合に実行される確定コマンド処理45(図1325のS3202D参照)において、設定されている値が減算され、高確モードの終了を判定する際に参照される(図1325のS3256D)。
本第45制御例では、時短図柄当選したことに基づいて高確モードへと移行可能にすることで、演出モードが通常モードから高確モードへと移行した場合に、第2時短状態が設定される時短図柄に当選したこと(第2時短状態が設定されること)を遊技者に報知可能に構成している。そして、高確モードへと移行した後は、高確中カウンタ223Caの値が0になるまで高確モードが継続し、高確中カウンタ223Caの値は、特別図柄抽選で時短図柄当選したか否かに関わらず、特別図柄変動が停止表示される毎に減算されるように構成している。
つまり、本第45制御例では、高確モードへの移行タイミングでは第2時短状態が設定されることを遊技者に報知可能としているが、高確モード中に実行される第1特別図柄抽選で時短図柄当選し、新たな時短回数が設定された場合であっても、その時短回数に対応させて高確モードの終了タイミングが可変されないように構成している。このように構成することで、第2時短状態がいつまで継続しているのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
演出モード格納エリア223Cbは、現在設定されている演出モードを格納するための記憶領域であって、演出モードが切り替わった際に切り替わり後の演出モードを示すための情報が格納される。ここで格納された情報は、変動演出を設定する際に参照される。
天井残回数カウンタ223Ccは、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄抽選回数(残特図抽選回数)を示すためのカウンタであって、大当たり遊技が開始される時点、或いは、パチンコ機10を初期化した時点で「999」の値が初期値としてセットされる。その後、特別図柄変動が停止表示したことを示す確定コマンドを受信した場合に値が「1」減算される。
天井情報フラグ223Cdは、天井特典が付与されるまでに必要とされる残特図抽選回数を表示可能な状態であることを示すためのフラグであって、残特図柄抽選回数を表示可能な状態である場合にオンに設定される。この天井情報フラグ223Cdは、大当たり当選、或いは、天井到達した時点でオフに設定される。
<第45制御例における音声ランプ制御装置にて実行される制御処理内容について>
次に、図1324から図1328を参照して、本第45制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第45制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10に対して、通常状態、及び第2時短状態中に実行される演出の内容を異ならせている点で相違している。具体的には、コマンド判定処理43(図1277のS3113B参照)に代えて、コマンド処理45(図1324のS3113D)を、変動演出設定処理43(図1280のS4304B)に代えて、変動演出設定処理45(図1326のS4304D)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1324を参照してコマンド処理45(S3113D)の処理内容について説明をする。図1324は、コマンド処理45(S3113D)の処理内容を示したフローチャートである。図1324に示した通り、コマンド処理45(S3113D)では、上述したコマンド判定処理43(図1277のS3113B参照)に対して、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合(S3201D:Yes)に、確定コマンド処理45を実行する(S3202D)点について詳細に説明している点で相違している。それ以外は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図1325を参照して、コマンド処理45(図1324のS3113D)にて実行される確定コマンド処理45(S3202D)の処理内容について説明をする。図1325は、確定コマンド処理45(S3202D)の処理内容を示したフローチャートである。この確定コマンド処理45(S3202D)では、特別図柄変動が停止表示された場合における各種カウンタの更新処理が実行される。
確定コマンド処理45(S3202D)が実行されると、まず、今回の確定コマンドが大当たり当選を示すための確定コマンドであるかを判別し(S3251D)、大当たり当選を示すと判別した場合は(S3251D:Yes)、高確中カウンタ223Caの値、天井残回数カウンタ223Ccの値をクリアし(S3252D)、時短情報更新エリア223h、演出モード格納エリア223Cbの情報をクリアし(S3253D)、本処理を終了する。なお、図示は省略しているが、S3252Dの処理では、天井情報フラグ223Cdがオンに設定されている場合に、オフに設定する処理も実行される。
つまり、S3252D、及びS3253Dの処理では、大当たり遊技が実行されることに基づいて、時短状態、及び、高確モード演出をクリアするための処理が実行される。このように構成することで、大当たり遊技終了後に実行される演出が、大当たり遊技が実行される前に設定されていた情報に基づいて実行されてしまうことを抑制することができる。
一方、S3251Dの処理において、大当たり当選を示していないと判別した場合は(S3251D:No)、次に、高確中カウンタ223Caの値が0よりも大きいかを判別し(S3254D)、大きいと判別した場合は(S3254D:Yes)、高確中カウンタ223Caの値を1減算し(S3255D)、減算後の値が0であるかを判別する(S3256D)。そして、0であると判別した場合は(S3256D:Yes)、高確モードの終了タイミングであるため、通常モード移行を示すための表示用コマンドを設定し(S3257D)、S3258Dの処理へ移行する。なお、S3257Dの処理では、通常モードに関する情報を演出モード格納エリア223Cbに格納する処理も実行される。
S3254Dの処理において、高確中カウンタ223Caの値が0よりも大きく無い、即ち、現在の演出モードが通常モードであると判別した場合(S3254D:No)、或いは、S3256Dの処理において、高確中カウンタ223Caの値が0では無い、即ち、高確モードの終了タイミングでは無いと判別した場合は(S3256D:No)、そのままS3258Dの処理へ移行する。
S3258Dの処理では、天井残回数カウンタ223Ccの値が1よりも大きいかを判別し(S3258D)、大きいと判別した場合は(S3258D:Yes)、天井残回数カウンタ223Ccの値を1減算し(S3259D)、次いで、天井情報フラグ223Cdがオンに設定されているかを判別し(S3260D)、オンに設定されていると判別した場合には(S3260D:Yes)、天井までの残回数を示すための表示用コマンドを設定し(S3261D)、本処理を終了する。一方、S3258Dの処理において、天井残回数カウンタ223Ccの値が1よりも大きく無い、即ち、天井特典が既に付与されている状態、或いは、天井特典の付与が終了している状態と判別した場合(S3258D:No)、或いは、天井情報フラグ223Cdがオンに設定されていないと判別した場合は(S3260D:No)は、天井までの残回数を示す条件を満たしていないため、そのまま本処理を終了する。
なお、本第45制御例では、特別図柄変動が停止表示されたことを示すための確定コマンドを受信したことによって、上述した各種カウンタの値を更新可能に構成しているが、これに限ること無く、特別図柄変動が開始されたことを示すための変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、上述した各種カウンタの値を更新可能に構成しても良い。
次に、図1326を参照して、変動演出設定処理45(S4304D)の処理内容について説明をする。図1326は、変動演出設定処理45(S4304D)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理45(S4304D)では、上述した変動演出設定処理43(図1280のS4304B参照)に対して、遊技状態が第1時短状態では無いと判別した場合(S4401B:No)に、第2演出図柄設定処理(S4401D)を実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図1327を参照して、第2演出図柄設定処理(S4401D)の処理内容について説明をする。図1327は、第2演出図柄設定処理(S4401D)の処理内容を示したフローチャートである。この第2演出図柄設定処理(S4401D)では、第2時短状態、或いは第1時短状態中に実行される特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
第2演出図柄設定処理(S4401D)が実行されると、まず、今回の特別図柄変動が時短図柄当選変動であるかを判別し(S4451D)、時短図柄当選変動であると判別した場合は(S4451D:Yes)、当選した時短種別を読み出し(S4452D)、時短A群に当選したかを判別する(S4453D)。
S4453Dの処理において、時短A群の時短図柄に当選したと判別した場合は(S4453D:Yes)、演出モード格納エリア223Cbから現在の演出モードを読み出し(S4454D)、通常モードであるかを判別し(S4455D)、通常モードであると判別した場合は(S4455D:Yes)、第2演出図柄選択テーブル222Caを参照して第2演出図柄の表示態様を決定し(S4456D)、決定した表示態様に対応する値を高確中カウンタ223Caの値にセットし(S4457D)、本処理を終了する。
一方、S4453Dの処理において、今回当選した時短種別が時短A群では無いと判別した場合は(S4453D:No)、演出用時短図柄決定処理を実行し(S5709B)、本処理を終了する。なお、演出用時短図柄決定処理(S5709B)の処理内容は上述した第43制御例と同一であるため、その説明を省略する。
また、S4455Dの処理において、通常モードでは無い(高確モードである)と判別した場合は(S4455D:No)、天井情報報知設定処理45を実行し(S4458D)、本処理を終了する。一方、S4451Dの処理において、時短図柄当選変動ではないと判別した場合は(S4451D:No)、時短情報更新エリア223hから残時短回数を読み出し(S4459D)、残時短回数が10以上であるかを判別し(S4460D)、10以上であると判別した場合は(S4460:Yes)、演出モード格納エリア223Cbから現在の演出モードを読み出し(S4461D)、通常モードであるかを判別し(S4462)、通常モードであると判別した場合は(S4462D:Yes)、擬似第2演出図柄の表示態様を抽選で決定し(S4463D)、本処理を終了する。一方、S4460Dの処理において、残時短回数が10未満であると判別した場合(S4460D:No)、或いは、S4462Dの処理において通常モードでは無いと判別した場合(S4462D)は、本処理を終了する。
次に、図1328を参照して、天井情報報知設定処理45(S4458D)の処理内容について説明をする。図1328は、天井情報報知設定処理45(S4458D)の処理内容を示したフローチャートである。この天井情報報知設定処理45(S4458D)は、高確モードが設定されている状態において、天井までの残回数を表示するための条件を満たしているかの判別と、条件を満たしている場合と判別した場合に天井までの残回数を表示するための処理が実行される。
天井情報報知設定処理45(S4458D)が実行されると、まず、天井情報フラグ223Cdがオンに設定されているかを判別し(S4461D)、オンに設定されていると判別した場合、即ち、すでに天井までの残回数を表示するための条件が成立し、天井までの残回数(残特図柄抽選回数)が表示されていると判別した場合は(S4461D:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4461Dの処理において、天井情報フラグ223Cdがオンに設定されていないと判別した場合は(S4461D;No)、天井情報選択テーブル222Cbを参照して、天井情報報知の有無を決定し(S4462D)、天井情報報知ありかを判別し(S4463D)、報知ありと判別した場合は(S4463D:Yes)、天井残回数カウンタ223Ccの値を示すための表示用コマンドを設定し(S4464D)、天井情報フラグ223Cdをオンに設定し(S4465D)、本処理を終了する。また、S4463Dの処理において、報知なしと判別した場合は(S4463D:No)、そのまま本処理を終了する。
<第46制御例>
次に、図1329から図1339を参照して、第46制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第46制御例におけるパチンコ機10は、上述した第44制御例におけるパチンコ機10に対して、右打ち遊技が実行される時短状態中に左打ち遊技を促す各種演出を実行可能に構成している点で相違している。
上述した第44制御例では、時短状態中に時短リミットに到達する当たり当選(時短リミット到達当たり当選)変動中に左打ち遊技を実行させ、第1特別図柄抽選を実行させることにより時短状態を終了させることが可能に構成していた。このように構成することで、時短リミット到達当たりに当選してから、その当たり変動が停止表示されるまでの間に時短状態を終了させることで、時短リミット処理によって大当たり遊技終了後の遊技状態が強制的に通常状態となることを抑制することができるため、時短状態中に意欲的に左打ち遊技を行わせるという斬新な遊技性を提供するものであった。
しかしながら、時短リミット到達当たり当選変動中のみ左打ち遊技が有効となる遊技性であったため、例えば、時短リミット到達当たり変動以外のタイミングで遊技者に左打ち遊技を促すガセ演出を実行した場合には、そのガセ演出に基づいて左打ち遊技を実行した遊技者に不快感しか与えることができず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。また、ガセ演出を実行しないように構成した場合には、左打ち遊技を促す擬似左打ち演出が実行された時点で、実行中の第2特別図柄変動が時短リミット到達当たり当選変動であることを遊技者に容易に予測されてしまうという問題があった。
これに対して、本第46制御例では、時短状態中であって、且つ、時短リミット到達当たり当選変動中以外のタイミングで左打ち遊技を行ったとしても、遊技者に有利な特典を付与可能に構成している点で上述した第44制御例と相違している。
具体的には、遊技盤13の構成の一部を変更し、音声ランプ制御装置113のROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部、及び、音声ランプ制御装置113の制御処理内容の一部を変更している点で相違している。それ以外は同一である。
<第46制御例における遊技盤の構成について>
まず、図1329を参照して、本第46制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。図1329は、本第46制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成を示した正面図である。図1329に示した通り、本第46制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13は、上述した第44制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成(図1284参照)に対して、左側領域にスルーゲート67aを追加した点でのみ相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
本第46制御例では、上述した通り、左打ち遊技を実行した場合にも、スルーゲート67aへと遊技球を通過させることができ、普通図柄抽選を実行可能に構成している。そして、時短状態中において、スルーゲート67aへと遊技球を通過させることにより、現在設定されている時短状態の残時短回数を報知可能に構成している。つまり、時短状態が設定されてから継続して右打ち遊技を行っている遊技者は、残時短回数を把握できないまま遊技を行うことになり、左打ち遊技を行った遊技者は、残時短回数を把握した状態で遊技を行うことができるように構成している。
このように構成することで、時短状態中において左打ち遊技を実行することにより継続して右打ち遊技を実行する場合よりも遊技者に有利な遊技を提供し易くすることができる。なお、本第46制御例では、時短状態中における左打ち遊技によって、残時短回数を放置する特典を遊技者に付与するように構成しているが、これ以外の特典を付与可能に構成しても良く、例えば、複数段階の当たり確率を設定可能な仕様のパチンコ機10においては設定されている設定値を示唆可能な特典を付与しても良いし、左打ち遊技によってスルーゲート67aへと遊技球を通過させた数が所定数を超えた場合に、特別図柄抽選で当り当選する確率が変化する特典を付与しても良い。さらに、直接的に遊技結果には影響を与えないが、時短状態中に左打ち遊技を行いスルーゲート67aへと遊技球を通過させたことに基づいて特典映像が表示されるように構成しても良い。
また、スルーゲート67aへと遊技球を通過させたことに基づいて、時短リミットに到達するまでの残回数(残大当たり回数)を報知するように構成しても良い。
<第46制御例にて実行される演出内容について>
次に、図1330を参照して、本第46制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、上述した第44制御例におけるパチンコ機10では実行されない特徴的な演出の内容について説明をする。
まず、図1330(a)を参照して、時短状態中に表示されるチャンスゾーンの演出内容について説明をする。なお、基本的な演出態様は、上述した第44制御例のパチンコ機10にて時短状態中に実行されるチャンスゾーンの演出内容(図1285(a)参照)と同一であり、同一の演出要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図1330(a)は、チャンスゾーン中に表示される表示画面の一例を示した図である。図1330(a)に示した通り、表示領域Dm7には、残時短回数を示すための表示態様として「ラスト?回」が表示されており、残時短回数を遊技者が把握出来ない演出が実行されている。また、特図2保留数を示すための表示領域Dm9が形成され、4個の特図2保留を獲得していることを示す特図2保留アイコンhr5~hr8は表示されている。
そして、副表示領域Dsには、「左打ちでスルーに通すと時短回数わかるかも」の文字が表示され、遊技者に左打ち遊技を促す演出(チャレンジ演出)が実行される。詳細は後述するが、本第46制御例では、時短状態中に上限数の特図2保留を獲得していることに基づいてチャレンジ演出を実行可能に構成している。チャレンジ演出が実行されると、遊技者に左打ち遊技を促すために、案内表示領域Dm4aには「右打ち?」が表示される。なお、これに限ること無く、「左打ち」と表示するように構成しても良い。
そして、チャレンジ演出中に左打ち遊技を行い、スルーゲート67aへと遊技球を通過させ、残時短回数の報知条件が成立すると、図1330(b)に示した表示画面が表示される。図1330(b)は、チャンスゾーン中に左打ちでスルーに通した場合に表示される演出画面の一例を示した図である。
図1330(b)に示した通り、残時短回数の報知条件が成立すると、宝箱810dを獲得する演出が実行され、宝箱810dの中から残時短回数を示す表示態様(図では「3回」)の中身810daが表示される演出が実行される。そして、表示領域Dm7に残時短回数を示すための「ラスト3回」が表示され、チャレンジ演出が終了する。
以上、説明をした通り、本第46制御例では、時短状態中に所定条件(特図2保留数に応じて成立する条件)が成立した場合に、チャレンジ演出を実行可能に構成し、そのチャレンジ演出中にスルーゲート67aへと遊技球を通過させることで残時短回数を報知可能に構成している。このように構成することで、時短状態中であっても、遊技者に意欲的に左打ち遊技を実行させ易くすることができるため、時短リミット到達当たり当選変動中に擬似左打ち演出が実行された場合にも遊技者に違和感を与えること無く左打ち遊技を行わせることができる。
また、擬似左打ち演出のガセパターンと、チャレンジ演出とを複合して実行することにより、不要な左打ち遊技を遊技者に行わせること無く、且つ、時短リミット到達当たり当選変動が実行されていることを分かり難くすることができる。
さらに、チャレンジ演出の実行条件として、特図2保留数が所定数以上ある場合に成立する実行条件を設けているため、時短状態中に左打ち遊技を行ったことで、第2特別図柄抽選が実行されない期間が生じてしまうことを抑制することができる。
<第46制御例における電気的構成について>
次に、本第46制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第46制御例では、上述した第44制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部を変更している点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については説明を省略する。
まず、図1331(a)を参照して、本第46制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図1331(a)は、本第46制御例のパチンコ機10が有するROM222の構成を示した図である。図1331(a)に示した通り、本第46制御例のパチンコ機10が有するROM222は、上述した第44制御例のパチンコ機10が有するROM222に対して、残時短回数報知選択テーブル222Eaを追加している点で相違している。それ以外は同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
残時短回数報知選択テーブル222Eaは、チャレンジ演出中に遊技球を通過させたことに基づいて残時短回数の報知有無を決定する際に参照されるデータテーブルであって、1回のチャレンジ演出中にスルーゲート67aへと通過させた遊技球数(スルー通過カウンタ223Eaの値)と、取得した第1演出カウンタ223f1とに対応させて残時短回数報知の有無、及び、報知態様が規定されている。
具体的には、スルー通過カウンタ223Eaの値が「1」で取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~29」の範囲に対して、残時短回数報知として「有り(全回数)」が規定され、「30~99」の範囲に対して、残時短回数報知として「無し」が規定されている。また、スルー通過カウンタ223E1の値が「2~20」で取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~9」の範囲に対して、残時短回数報知として「有り(全回数)」が規定され、「10~14」の範囲に対して、残時短回数報知として「有り(上限2回)」が規定され、「15~99」の範囲に対して、残時短回数報知として「無し」が規定されている。また、スルー通過カウンタ223Eaの値が「21~」で取得した第1演出カウンタ223f1の値が「0~39」の範囲に対して、残時短回数報知として「有り(全回数)」が規定され、「40~89」の範囲に対して、残時短回数報知として「有り(上限2回)」が規定され、「90~99」の範囲に対して、残時短回数報知として「無し」が規定されている。
つまり、チャレンジ演出中にスルーゲート67aへと通過させた遊技球数が多くなるほど、残時短回数を報知し易くなるように構成している。このように構成することで、チャレンジ演出中において長時間左打ち遊技を行わせ易くすることができる。また、残時短回数報知の態様として、「全回数」を報知する態様と、「上限2回」を報知する態様と、を選択可能に構成しているため、残時短回数を徐々に増加させながら遊技者に報知することが可能となる。よって、残時短回数の全容が明らかになるまで、遊技者にチャレンジ演出を楽しませることができる。
さらに、1回目のスルーゲート67aへの遊技球の通過に基づいて、低確率(30/100)ではあるが残時短回数報知の条件を満たした場合には、全回数に対応する残時短回数が報知されるように構成しているため、チャレンジ演出が毎回無用に長引いてしまうことを抑制し、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第46制御例では、チャレンジ演出中においてスルーゲート67aへと遊技球が通過する毎にスルー通過カウンタ223Eaの値を加算し、加算後の値に基づいて残時短回数報知の有無を決定するように構成しているが、これに限ること無く、チャレンジ演出中の所定期間内にスルーゲート67aへと通過させた遊技球数を加算し、所定期間経過後に加算された値を用いて残時短回数報知の有無を決定するように構成しても良い。
次に、図1332を参照して、本第46制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1332は、RAM223の構成を示した図である。図1332に示した通り、本第46制御例のRAM223は、上述した第44制御例のRAM223(図1292参照)に対して、スルー通過カウンタ223Eaと、チャレンジ中フラグ223Ebと、を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
スルー通過カウンタ223Eaは、チャレンジ演出中にスルーゲート67aへと通過させた遊技球数を計測するためのカウンタであって、チャレンジ演出が実行される場合に0にクリアされ(図1338のS4560E参照)、チャレンジ演出中にスルーゲート67aを遊技球が通過する毎に値が1加算される(図1336のS3293参照)。そして、加算後の値を用いて残時短回数の報知態様が決定される(図1336のS3294参照)。
チャレンジ中フラグ223Ebは、チャレンジ演出が実行されていることを示すためのフラグであって、チャレンジ演出が実行される場合にオンに設定される。そして、チャレンジ演出中に実行中の特図2変動が停止表示された場合、或いは、残時短回数の全回数が報知された場合にオフに設定される。
<第46制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1333から図1339を参照して、本第46制御例の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第46制御例では、上述した第44制御例に対して、コマンド判定処理46(図1333のS3113E参照)を実行する点と、第2変動演出設定処理(図1315のS4401C参照)に代えて、第2変動演出設定処理46(図1337のS4401E)を、特図1変動演出設定処理(図1316のS4402C参照)に代えて特図1変動演出設定処理46(図1339のS4402E参照)を実行する点で相違している。それ以外の制御処理内容は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1333を参照して、コマンド判定処理46(S3113E)の処理内容について説明をする。図1333は、コマンド判定処理46(S3113E)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理46(S3113E)では、上述した第44制御例に対して、保留球数コマンドを受信した場合に、保留情報関連処理46(S3208E)を実行する点と、図柄確定コマンドを受信した場合に(S3201D:Yes)、確定コマンド処理46(S3202E)を実行する点で相違している。それ以外の制御処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
ここで、図1334を参照して、保留情報関連処理46(S3208E)の処理内容について説明をする。図1334は、保留情報関連処理46(S3208E)の処理内容を示したフローチャートである。この保留情報関連処理46(S3208E)は、コマンド判定処理46(図1333参照)にて保留球数コマンドを受信した場合に実行される処理であって、受信したコマンドから保留球数を抽出し、対応する特別図柄保留球数カウンタに格納する処理(S3301E)と、各特別図柄保留球数カウンタの値に対応する表示用コマンドを設定する処理(S3302E)に加え、受信したコマンドが特図2保留であるかを判別し(S3303E)、特図2保留であると判別した場合に(S3303E:Yes)、時短状態更新エリア223hから現在の時短状態を読み出し(S3304E)、第1時短状態(時短状態)中であるかを判別し(S3305E)、第1時短状態(時短状態)中であると判別した場合に(S3305:Yes)、特図2保留数が4であるかを判別し(S3306E)、特図2保留数が4であると判別した場合に(S3306E:Yes)、チャレンジ中フラグ223Ebをオンに設定する処理(S3307E)が実行される。
つまり、本第46制御例では、時短状態中に獲得した特図2保留が上限数に到達した場合に、チャレンジ中フラグ223Ebがオンに設定され、チャレンジ演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特図2保留数を獲得していない、或いは、獲得している特図2保留球数が少ない状況でチャレンジ演出が実行されてしまい、第2特別図柄抽選が実行されていない期間が発生してしまうことを抑制することができる。
なお、図示は省略しているが、S3307Eの処理を実行した後には、後述する図1338のS4559E、及びS4560の処理と同一の処理(チャレンジ演出実行処理)が実行されるように構成している。このチャレンジ演出実行処理の内容については、後述するためここでは省略する。
次に、確定コマンド処理46(S3202E)の処理内容について、図1335を参照して説明をする。図1335は、確定コマンド処理46(S3202E)の処理内容を示したフローチャートである。この確定コマンド処理46(S3202E)は、特別図柄変動が停止表示されたことを示すための確定コマンドを受信した場合に実行される処理であって、チャレンジ演出を終了させるための各種処理や、擬似左打ち演出を終了させるための各種処理が実行される。具体的には、確定コマンド処理46(S3202E)が実行されると、まず、チャレンジ中フラグ223Ebがオンに設定されているかを判別し(S3251E)、オンに設定されていると判別した場合は(S3251E:Yes)、特図2変動が停止する場合であるかを判別する(S3252E)。S3252Eの処理において、特図2変動停止であると判別した場合は(S3252E:Yes)、チャレンジ中演出の終了を示す表示用コマンドを設定し(S3253E)、チャレンジ中フラグ223Ebをオフに設定し(S3254E)、残時短回数を全て報知済であるかを判別する(S3255E)。S3255Eの処理において、残時短回数を全て報知していると判別した場合は(S3255E:Yes)、チャレンジ中フラグ223Ebをオフに設定し、次に、擬似左打ち中フラグ223Baがオンに設定されているかを判別し(S3257E)、オンに設定されていると判別した場合は(S3257E:Yes)、擬似左打ち演出の終了を示す表示用コマンドを設定し(S3258E)、擬似左打ち中フラグ223Baをオフに設定し(S3259E)、本処理を終了する。一方、S3251Eの処理において、チャレンジ中フラグ223Ebがオンに設定されていないと判別した場合(S3251E:No)、S3255Eの処理において、残時短回数を全て報知していないと判別した場合(S3255E:No)、は、チャレンジ中フラグ223Ebをオフに設定する処理を実行すること無く、S3257Eの処理へ移行する。また、S3257Eの処理において、擬似左打ち中フラグ223Baがオンに設定されていないと判別した場合は(S3257E:No)、S3258E,S3259Eの処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図1336を参照して、スルー通過処理(S3281E)の処理内容について説明をする。図1336は、スルー通過処理(S3281E)の処理内容を示したフローチャートである。このスルー通過処理(S3281E)は、音声ランプ制御装置113のMPU221にて定期的(1ミリ秒毎)に実行されるメイン処理(図174参照)にて実行される制御処理である。詳細な説明は省略するが、本第46制御例では、遊技盤13の左側領域に設けられたスルーゲート67a(図1329参照)を遊技球が通過したことを検知可能な検知手段を設けており、その検知手段によって遊技球の通過を検知したことを示す信号が音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。そして、スルー通過処理(S3281E)によって、スルーゲート67aを通過した遊技球の数を計測、管理可能に構成している。
スルー通過処理(S3281E)が実行されると、まず、チャレンジ中フラグ223Ebがオンに設定されているかを判別し(S3291E)、オンに設定されていると判別した場合は(S3291E:Yes)、次に、スルーゲート67aを遊技球が通過したことを示す信号を受信したかを判別し(S3292E)、受信したと判別した場合は(S3292E:Yes)、スルー通過カウンタ223Eaの値を1加算し(S3293E)、残時短回数報知選択テーブル222Eaを参照して残時短回数の報知態様(報知有無)を決定する(S3294E)。
そして、S3294Eの処理によって、残時短回数の報知があるかを判別し(S3295E)、ありと判別した場合は(S3295E:Yes)、報知対象となる回数の残時短回数を示すための表示用コマンドを設定し(S3296E)、残時短回数の全回数が報知されたかを判別する(S3297E)。
S3297Eの処理において、全回数報知されたと判別した場合は(S3297E:Yes)、全回数報知を示す表示用コマンドを設定し(S3298E)、チャレンジ中フラグ223Ebをオフに設定し(S3299E)、本処理を終了する。
S3298Eの処理によって、設定された表示用コマンドによって、表示領域Dm7に表示される残回数が、残時短回数の全回数であることを遊技者に容易に把握させることができる。また、S3298Eの処理によって表示用コマンドが設定されていない状態では、残時短回数を一部分のみが表示領域Dm7に表示されていることを遊技者に把握させることも可能となるため、残回数が増加することを期待しながらチャレンジ演出中の左打ち遊技を意欲的に行わせることができる。
次に、図1337を参照して、特図2変動演出設定処理46(S4401E)の処理内容について説明をする。図1337は、特図2変動演出設定処理46(S4401E)の処理内容を示したフローチャートである。図1337に示した通り、この特図2変動演出設定処理46(S4401E)では、上述した第44制御例の特図2変動演出設定処理(図1315のS4401C参照)に対して、当たり当選していないと判別した場合(S4502C:No)、或いは、時短リミット到達していないと判別した場合(S4505C:No)に非時短リミット時演出設定処理46(S4501E)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図1338を参照して、非時短リミット時演出設定処理46(S4501E)の処理内容について説明をする。図1338は、非時短リミット時演出設定処理46(S4501E)の処理内容を示したフローチャートである。この非時短リミット時演出設定処理46(S4501E)では、時短状態中における第2特別図柄変動の変動演出のうち、時短リミット到達当たり当選変動以外の変動演出を設定するための処理が実行される。
非時短リミット時演出設定処理46(S4501E)が実行されると、まず、今回の変動パターンが変動時間60秒以上の変動パターンであるかを判別し(S4551E)、60秒以上の変動パターンであると判別した場合は(S4551E:Yes)、当該変動の変動時間と、残時短回数と、に基づいて擬似左打ちモードの実行を決定し(S4552E)、擬似左打ちモードの実行が決定されたと判別した場合には(S4553E:Yes)、擬似左打ちモード(擬似左打ち演出)に対応する表示用コマンドを設定し(S4554E)、幸福度50%の演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S4555E)、擬似左打ち中フラグ223Baをオンに設定し(S4556E)、幸福度カウンタ223Bbに決定した値(50%に対応する値)を設定し(S4557E)、本処理を終了する。
つまり、本処理では、時短リミットに到達していない当たり変動として60秒以上の変動パターンが設定された場合、或いは、外れ変動として60秒以上の変動パターンが設定された場合であって、且つ、S4552Eの処理によって実行が決定された場合に、擬似左打ち演出のガセパターンとなる演出態様が設定されるように構成している。
このように構成することで、時短リミット到達当たり当選変動以外のロング変動(60秒以上の変動)を用いて擬似左打ち演出を実行することができるため、遊技者に対して時短リミット到達当たり当選変動を把握させ難くすることができる。なお、ガセパターンの擬似左打ち演出が実行された場合であって、対応する特別図柄変動が当たり変動である場合には、擬似左打ち演出中における第1特別図柄抽選の実行回数に関わらず、幸福度が100%の演出結果(時短リミット処理が実行されないことを示す演出結果)が表示され、対応する特別図柄変動が外れ変動である場合には、擬似左打ち演出中における第1特別図柄抽選の実行回数に関わらず、幸福度が100%未満の演出結果が表示された後に、当たり当選していなかったことを示す告知演出が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、当該変動が外れ変動であったことに感謝するという斬新な遊技性を提供することができる。
一方、S4551Eの処理において、変動パターンが60秒未満の変動時間であると判別した場合は(S4551E:No)、現在の特図2保留数が3であるかを判別し(S4558E)、3であると判別した場合は(S4558E:Yes)、チャレンジ演出の実行を決定し(S4559E)、スルー通過カウンタ223Eaの値をリセットし(S4560E)、チャレンジ中フラグ223Ebをオンに設定し(S4561E)、S4503Cの処理へ移行する。また、S4558Eの処理において、現在の特図2保留数が3では無いと判別した場合は(S4558E:No)、チャレンジ演出の実行条件を満たしていないため、そのままS4503Cの処理へ移行する。さらに、S4553Eの処理において、擬似左打ちモードの実行を決定していないと判別した場合(S4553E:No)も、S4503Cの処理へ移行する。そして、S4503Cの処理を終えると、本処理を終了する。
次に、図1339を参照して、特図1変動演出設定処理46(S4402E)の処理内容について説明をする。図1339は、特図1変動演出設定処理46(S4402E)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1変動演出設定処理46(S4402E)は、上述した第44制御例の特図1変動演出設定処理(図1316のS4402C)に対して、擬似左打ち演出中に時短終了条件を成立させた場合に表示される幸福度の値を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。
特図1変動演出設定処理46(S4402E)が実行されると、まず、上述した第44制御例の特図1変動演出設定処理(図1316のS4402C)と同一のS4601C~S4606Cの処理を実行する。そして、S4603Cの処理において、時短終了条件が成立したと判別した場合に(S4603C:Yes)、次いで、時短リミット中であるか(時短リミット到達当たり当選変動であるか)を判別し(S4601E)、時短リミット中であると判別した場合は(S4601E:Yes)、幸福度200%に対応する演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S4602E)、S4608Cの処理へ移行する。
一方、S4601Eの処理において、時短リミット中では無いと判別した場合は(S4601E:No)、幸福度100%に対応する演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S4603E)、S4608Cの処理へ移行する。そして、上述した第44制御例の特図1変動演出設定処理(図1316のS4402C)と同一のS4608C~S4610Cの処理を実行し本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第46制御例では、時短リミット到達当たり当選変動以外の変動においても、擬似左打ち演出(ガセパターン)を実行可能に構成しているため、時短終了条件を成立させた場合に表示させる幸福度のパーセンテージを異ならせることで、当該変動の抽選結果(時短リミット到達の有無)を遊技者に把握可能に構成している。
このように構成することで、左打ち遊技によって時短終了条件を成立させたことの有効性を遊技者に分かり易く把握させることができる。
<第43制御例の第1変形例について>
次に、図1340、及び図1341を参照して、上述した第43制御例の第1変形例について説明をする。上述した第43制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第2時短状態)にて時短図柄当選した場合に背景モード(通常モード、不利モード、有利モード)を切り替える演出を実行可能に構成しており、背景モード種別を選択する際に参照される背景モード選択テーブル222Aa(図1268参照)には、当選時の遊技状態と、当選した時短図柄種別、及び、先読み結果に基づいて、切り替え先の背景モードが規定されていた。
これに対して、本第1変形例では、背景モード選択テーブル222Aa(図1268参照)に代えて背景モード選択43aテーブル222Aaa(図1340参照)を用いている点で相違している。また、天井までの残回数(残特図抽選回数)が所定数未満(50回未満)となった場合に、通常状態であれば第2時短状態が設定される場合であっても、必ず不利モードが設定されるように構成している点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、その説明を省略する。
ここで、図1340を参照して、背景モード選択43aテーブル222Aaaの内容について説明をする。図1340は背景モード選択43aテーブル222Aaaに規定されている内容を示した図である。図1340に示した通り、背景モード選択43aテーブル222Aaaには、天井までの残回数(残特図抽選回数)に応じて異なる背景モードが規定されている。
具体的には、天井までの残回数が少ない程、不利モードが選択され易くなるように構成している。ここで、不利モードが選択された場合には、図1254(b)に示した通り、天井までの残回数が表示されるように構成しているため、結果として、天井までの残回数が少なくなるほど、遊技者に天井までの残回数を把握させ易くすることができる。このように構成することで、天井までの残回数が過剰に多い状態で天井までの残回数が表示されることを抑制すると共に、天井までの残回数が少なくなった場合に、天井までの残回数を表示し易くすることで、天井間際で遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができる。
さらに、対象保留内に当たりがある場合には、当たりが無い場合よりも、天井までの残回数が多い状態(例えば、999回~500回)にて不利モードが選択され易くなるように構成している。よって、天井までの残回数が過剰に多い状態で天井までの残回数が表示された場合において、遊技者に対して当たり当選する期待度を高めさせることができる。
次に、図1341を参照して、本第1変形例にて実行される時短図柄当選時演出設定処理43a(S4404Ba)の処理内容について説明をする。図1341は、時短図柄当選時演出設定処理43a(S4404Ba)の処理内容を示したフローチャートである。この時短図柄当選時演出設定処理43a(S4404Ba)は、上述した第43制御例の時短図柄当選時演出設定処理(図1281のS4404B参照)に対して、時短A群の時短図柄に当選した場合における背景モードを選択する処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、S5702Bの処理において、時短A群であると判別した場合に(S5702B:Yes)、天井までの残回数が50回未満であるかを判別し(S5701Ba)、50回未満であると判別した場合には(S5701Ba:Yes)、背景モードとして不利モードを決定し(S5702Ba)、S5705Bの処理へ移行する。
一方、S5701Baの処理において、50回未満では無いと判別した場合は(S5701Ba:No)、背景モード格納エリアから現在の背景モードを読み出し(S5703B)、背景モード選択43aテーブル222Aaaを参照して、背景モード種別を決定し(S5703Ba)、S5705Bの処理へ移行する。
つまり、時短A群の時短図柄に当選した時点における天井までの残回数が50回未満である場合には、強制的に不利モードが設定されるように構成している。このように構成することで、天井までの残回数が少なくなった場合に、天井までの残回数を表示し易くすることで、天井間際で遊技者が遊技を止めてしまうことを抑制することができる。
<第43制御例の第2変形例>
次に、図1342、及び図1343を参照して、第43制御例の第2変形例について説明をする。上述した第43制御例では、天井までの残回数に関わらず、時短図柄当選したことに基づいて背景モードを選択する処理を実行可能に構成していたのに対して、本第2変形例では、第2時短状態が設定される時短A群に当選した時点で天井までの残回数を判別し、天井特典が付与されるまで第2時短状態が継続することが確定した場合には、天井特典が付与されるよりも前に、天井特典が付与されることを示す演出態様(天井特典の背景モード)を設定可能に構成している点で相違している。
このように構成することで、天井特典に対応する演出の実行タイミングを時短図柄当選状況に応じて可変させることができるため、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。また、天井特典自体は固定期間の第2時短状態を設定するため、天井特典が付与されるよりも前から天井特典に対応する演出が実行された場合には、天井特典に対応する演出が実行される期間を長くすることができる。よって、天井特典として付与される特典の内容が複数存在していると遊技者に思わせ易くすることができる。
本第2変形例では、上述した第43制御例に対して、時短図柄当選時演出設定処理(図1281のS4404B参照)に代えて時短図柄当選時演出設定処理43b(図1342のS4404Bb参照)を実行するように構成している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
まず、図1342を参照して、時短図柄当選時演出設定処理43b(S4404Bb)の処理内容について説明をする。図1342は、時短図柄当選時演出設定処理43b(S4404Bb)の処理内容を示したフローチャートである。この時短図柄当選時演出設定処理43b(S4404Bb)では、上述した第43制御例の時短図柄当選時演出設定処理(図1281のS4404B参照)に対して、時短A群であると判別した場合(S5702B:Yes)に、天井態様決定処理(S5701Bb)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、図1343を参照して、天井態様決定処理(S5701Bb)の処理内容について説明をする。図1343は、天井態様決定処理(S5701Bb)の処理内容を示したフローチャートである。この天井態様決定処理(S5701Bb)では、第2時短状態が設定される時短図柄(時短A群)に当選した場合に、今回当選した第2時短状態が、天井特典が付与されるまで継続するかを判別し、継続すると判別した場合に、時短図柄当選に基づいて天井特典に対応した演出態様を設定する処理が実行される。
具体的には、天井態様決定処理(S5701Bb)が実行されると、まず、第1特別図柄保留球格納エリア223bに格納されている入賞情報を読み出し(S5721Bb)、今回当選した時短種別(時短A群の何れか)と、読み出した入賞情報の先読み結果と、に基づいて時短継続期間を算出する(S5722Bb)。その後、S5722Bbの処理において算出された時短継続期間が天井まで継続するかを判定し(S5723Bb)、その判定結果が天井まで継続するかを判別する(S5724Bb)。
S5724Bbの処理において、天井まで継続すると判別した場合は(S5724Bb:Yes)、天井特典の背景モードに対応する背面画像を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S5725Bb)、決定した背景モード種別を背景モード格納エリアに格納し(S5726Bb)、本処理を終了する。一方、S5724Bbの処理において、天井まで継続しないと判別した場合は(S5724Bb:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第2変形例では、天井特典が付与されるまで、天井特典が付与された場合に設定される遊技状態と同一の遊技状態が継続することが確定した場合には、確定した時点で天井特典が付与されることを示す演出を実行するように構成しているため、遊技者に対して、天井特典が様々なタイミングで付与されるように思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第2変形例では、時短図柄当選した際に、天井特典が付与される演出を天井特典が付与されるよりも前に実行可能であるかを判別し、その判別結果に基づいて実行するように構成しているが、これに限ること無く、天井特典にて付与される遊技状態(第2時短状態)と同一の遊技状態が設定されている状態において、遊技が進行し、現在設定されている遊技状態が、天井特典が付与されるタイミングまで継続することが確定した場合に、天井特典が付与されることを示す演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されることを示す演出を、天井特典が付与されるよりも前に実行させ易くすることができる。
<第47制御例>
次に、図1344から図1359を参照して、本第47制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第47制御例におけるパチンコ機10は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10と同一の遊技盤13の構成(図1253参照)を有しており、且つ、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成し、特別図柄抽選で時短図柄当選した場合にも時短状態を設定可能に構成している。
また、第1特別図柄抽選では大当たり当選の判定のみが実行され、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定に加えて、小当たり当選の判定、及び時短図柄当選の判定を実行するように構成しており、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に遊技球が特定領域(V入賞装置650内のVゲート)を通過したことに基づいて大当たり遊技が実行されるように構成している。
さらに、本第47制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として第1時短状態と、第2時短状態と、を設定可能に構成しており、何れの時短状態が設定された場合であっても、通常状態よりも第2入球口640(図1253)へと入球し易くなるように構成している。つまり、本第47制御例におけるパチンコ機10では、時短状態が設定された場合には、遊技盤13の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる。
加えて、第2特別図柄抽選の保留記憶(特図2保留)を最大で4個獲得可能に構成しており、一旦時短状態が設定されると、時短状態が終了するまで第2特別図柄抽選を実行し、時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で当り当選(大当たり当選、小当たり当選)しなかった場合には通常状態へと移行し、時短状態中に獲得済の特図2保留を用いた第2特別図柄抽選を実行可能に構成することで、遊技者に有利な時短状態が終了した後も、所定期間の間、通常よりも遊技者に有利な遊技期間(引き戻し期間)を提供可能に構成している。
ここで、従来より、時短状態が設定されたことに基づいて第2特別図柄抽選が実行される遊技期間(時短状態中における第2特別図柄抽選、及び、引き戻し期間中における第2特別図柄抽選が実行される遊技期間)を跨いで一連の期間演出を実行するものがある。例えば、特図2保留を最大で4個獲得可能に構成され、時短回数4回の時短状態が設定されるパチンコ機10であれば、時短状態が設定された場合に、第2特別図柄抽選を最大で8回実行させることが可能となることを示すための演出態様(チャンスは8回の表示等)で期間演出を実行することで、期間演出中の遊技内容(第2特別図柄抽選回数)を遊技者に分かり易く報知すると共に、その期間演出中に当たり当選を示す演出結果が表示されることを遊技者に期待させることで演出効果を高めるものがある。
このように構成された従来型のパチンコ機10では、期間演出の演出態様により工夫を凝らすことで演出効果をより高めたものがあり、例えば、期間演出中に実行される第2特別図柄変動のそれぞれに対して、個々に演出を実行するのでは無く、第2特別図柄抽選が実行される毎に演出態様を段階的に可変させていくことで、期間演出の全期間(第2特別図柄抽選が8回実行されるまでの期間)を用いてストーリー性のある演出を実行するように構成することで、同一の演出が繰り返し実行されるよりも演出効果を高めたものがある。
本第47制御例では、第2特別図柄抽選にて時短図柄に当選し得るように構成しており、時短図柄当選した場合には、当選した時短図柄の種別に応じた時短回数が再度設定されるように構成しているため、上述した期間演出中に実行された第2特別図柄抽選にて時短図柄当選した場合には、第2特別図柄抽選を実行可能な回数が増加することになる。
そこで、本第47制御例におけるパチンコ機10に対して、従来型の期間演出を用いた場合には、期間演出の実行期間中に実行可能な第2特別図柄抽選の残回数が増加することから、期間演出の演出期間を途中で延長させる必要があり、所定回数(例えば、8回)の第2特別図柄抽選(変動)が実行される期間に予め対応させていた期間演出が間延びしてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
また、期間演出の実行期間中において時短図柄当選することを想定し、期間演出の演出期間が延長された場合に実行させる期間演出の演出パターンを予め用意しておくことも考えられるが、この場合、期間演出中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄当選したタイミング(第2特別図柄抽選回数)と、時短図柄当選したことに基づいて新たに設定される時短回数と、のそれぞれに対応させた演出パターンを用意しておく必要があり、演出データの容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本第47制御例では、期間演出中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄当選した場合であっても、予め設定された期間演出をそのまま実行し、期間演出が終了したタイミングで、第2特別図柄抽選を実行させ易い期間(時短状態、特図2保留を獲得した状態の通常状態)が継続することを遊技者に報知するための第2期間演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、予め設定されていた期間演出が、時短図柄当選に基づいて間延びしてしまうことを抑制することができる。また、当たり当選の有無を示唆するための期間演出を用いて時短図柄当選の有無を遊技者に示唆することが無いため、期間演出中に実行された第2特別図柄抽選で時短図柄当選した場合において、実行中の期間演出の演出結果として、時短図柄当選したことを示すための演出結果が表示されることを抑制することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
つまり、本第47制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選にて時短図柄当選したことに基づいて所定回数の時短回数が設定された場合において、実行中の演出内容に基づいて、設定された時短回数(残時短回数)を遊技者に報知するタイミングを異ならせるように構成している。例えば、期間演出が実行されていない状態では、時短図柄当選したことを示すための第1特別図柄が停止表示されたタイミングにて今回設定される時短図柄の種別(残時短回数)等と、遊技者に報知可能に構成し、期間演出が実行されている状態では、期間演出が終了するまでの間、時短図柄当選したことを報知しない(し難くする)ように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、どのタイミングで時短図柄に当選したかを遊技者に分かり難くすることができる。
さらに、本第47制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、第1時短状態と第2時短状態と、を設定可能に構成している。第1時短状態と、第2時短状態とでは、何れも右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させるための遊技が実行させ、何れの時短状態であっても、第2入球口640への遊技球の入球のさせ易さは同一(遊技者が気付かない程度の誤差、例えば、普通図柄抽選の当たり確率に生じる若干の誤差を含む概念)となるように構成している。つまり、右打ち遊技を行っている遊技者が、現在設定されている時短状態が第1時短状態であるか第2時短状態であるかを把握することが困難となるように構成している。
そして、第1時短状態が設定されている場合よりも、第2時短状態が設定されている場合の方が、時短図柄当選した場合、小当たり当選した場合に遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成している。具体的には、時短終了条件が成立し難い時短状態(第2時短状態)が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、現在設定されている時短状態の種別を把握しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、本第47制御例におけるパチンコ機10では、少なくとも時短状態中に実行される期間演出の演出態様の一部を、設定されている時短状態の種別に応じて異ならせるように構成している。このように構成することで、実行される期間演出の演出態様を把握することで現在設定されている遊技状態(時短状態の種別)を把握させることができるため、演出効果を高めることができる。
<第47制御例における演出内容について>
次に、図1344から図1346を参照して、本第47制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第47制御例におけるパチンコ機10では、時短状態が設定されたことに基づいて設定される第2特別図柄抽選を実行可能な期間(時短状態が設定される第1期間、通常状態であって特図2保留を有している第2期間)にて実行される第1期間演出の演出内容と、第1期間演出が終了した後に実行される第2期間演出の演出内容と、に特徴を持たせている。
本第47制御例では、第1期間演出として、第2特別図柄抽選8回分の遊技期間を用いたファイナルカウントダウン演出を実行可能に構成し、第2期間演出として、上乗せ演出を実行可能に構成している。
ファイナルカウントダウン演出は、大当たり遊技終了後に時短回数4回の第1時短状態が設定された場合に実行される期間演出(第1期間演出)であって、第1時短状態が終了するまでの前半パート(第2特別図柄抽選4回分)と、特図2残保留が実行され得る後半パート(第2特別図柄抽選4回分)と、から形成されている。
まず、図1344(a)を参照して、ファイナルカウントダウン演出が開始された時点の演出内容について説明をする。図1344(a)は、ファイナルカウントダウン演出が開始された時点にて第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画面の一例を示した図である。図1344(a)に示した通り、ファイナルカウントダウン演出は、第1時短状態が設定された場合に実行される期間演出であるため、表示領域Dm4には「右打ち」が表示され、第2特別図柄が変動中であることを示すための表示態様(図では矢印で表示)が表示領域Dm2に表示されている。また、主表示領域Dmの右下部には、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)数を示すための表示領域Dm9が形成され、獲得済みの特図2保留の数を遊技者が容易に把握できるようにしている。なお、図1344(a)に示した表示画面は、特図2保留を1個も獲得していない状態(4個の丸印を破線で表示)を示しており、特図2保留を獲得する毎に、表示領域Dm9の丸印が左側から順に実線で表示されていく。
ファイナルカウントダウン演出が実行されると、主表示領域Dmの上側には、今回設定された時短状態(時短回数4回の第1時短状態)中に実行させることが可能な第2特別図柄抽選の回数を示すための表示態様として「チャンスは最大8回!!」の文字が表示されている。ここでは、時短状態における最後の第2特別図柄変動(時短最終変動)期間中に特図2保留を上限数(4個)まで獲得することにより、第1時短状態中に4回、第1時短状態終了後の通常状態中に4回の計8回の第2特別図柄抽選を実行可能であることを示している。
なお、第1時短状態は、上述した第43制御例と同様に、複数の時短終了条件を有しており、第2特別図柄抽選が4回実行されたことに基づいて成立する第1時短終了条件に加え、第1特別図柄抽選の実行回数と第2特別図柄抽選の実行回数とを合算した合算特図抽選回数が10回に到達したことに基づいて成立する第2時短終了条件も有している。
つまり、第1終了条件が成立するよりも前に第2時短終了条件を成立させた場合には、第2特別図柄抽選を4回実行させるよりも前に第1時短状態が終了するため、今回設定された時短状態(時短回数4回の第1時短状態)中に実行させることが可能な第2特別図柄抽選の回数が少なくなる。また、時短最終変動期間中に特図2保留を上限数(4個)まで獲得しなかった場合は、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選の回数が減少することになる。
なお、本第47制御例では、図1344(a)に示した通り、第1時短状態が設定された直後から「右打ち」の案内態様が表示され、案内態様の内容に従って右打ち遊技を実行することで、第1時短終了条件よりも先に第2時短終了条件が成立してしまう事態や、時短最終変動期間中に特図2保留を上限数(4個)獲得できない事態が発生することが無い(発生し難くなる)ように構成しているため、ファイナルカウントダウン演出が開始された時点で、「チャンスは最大8回!!」と表示している。
このように、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定された場合であっても、遊技者が正常な遊技を実行しなかった場合には、規定回数(8回)の第2特別図柄抽選を実行させること無く、第2特別図柄抽選を実行し難い遊技状態(左打ち遊技状態)となる。この場合、即ち、ファイナルカウントダウン演出が最後まで実行されること無く、特図2保留を獲得していない通常状態となる場合には、その状況を判別可能に構成し、ファイナルカウントダウン演出の演出結果として、強制敵にファイナルカウントダウン演出が終了したことを示す演出結果(強制終了態様)を表示するように構成している。
図示は省略するが、強制終了態様の演出結果が表示された場合には、第2特別図柄抽選の実行機会を失ったことを示すための案内態様と、実行機会が失われない遊技方法(右打ち遊技を継続する遊技方法)を示すための案内態様と、が表示される。このように構成することで、今回実行した遊技内容が遊技者に不利な遊技内容であったことを分かり易く報知すると共に、適正な遊技内容を報知することができるため、次に第1時短状態が設定された場合に、遊技者に適正な遊技を実行させ易くすることができる。
ファイナルカウントダウン演出の実行期間中は、味方キャラ801Fが敵キャラE1と戦うバトル演出が実行され、基本的には第2特別図柄抽選1回に対して1回のバトル演出が実行されるように構成している。そして、バトル演出の演出結果として、味方キャラ801Fが勝利した場合には、対象となる第2特別図柄抽選の結果が当たり(小当たり、大当たり)であることが報知され、味方キャラ801Fが倒れた場合には、対象となる第2特別図柄抽選の結果が外れ(時短図柄当選含む)であることが報知される。
図1344(a)に示した表示画面は、第1時短状態が設定されてから最初に実行された第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動期間中を示しており、今回のファイナルカウントダウン演出における1回目のバトル演出を示す表示画面として、一人目の味方キャラ801Fとして勇者を模した味方801F1が、敵キャラE1と対峙している状態が表示されている。また、主表示領域Dmの左側には、味方キャラのストック数を示す味方ストック表示態様が表示される表示領域Dm1Fが形成されている。
この表示領域Dm1Fに表示される味方ストック表示態様は、今回のファイナルカウントダウン演出にて実行される各バトル演出にて用いられる味方キャラ801の数を報知可能に構成しており、表示領域Dm1Fには最大で8体の味方キャラ801を模したストックアイコンms1~ms8を表示可能に構成している。
このストックアイコンms1~ms8は、獲得した特図2保留に対応して表示されるように構成しており、図1344(a)に示した表示画面では、表示領域Dm2、及び、表示領域Dm9に示した通り、第2特別図柄変動中であって、且つ、特図2保留を獲得していない状態であるため、バトル演出に用いられている味方キャラ801F1に対応したストックアイコンms1のみが表示されており、ストックアイコンms1が現在実行中のバトル演出に対応していることを示すための態様(図では、点灯を示す態様で表示)で表示されている。
このように構成することで、ストックアイコンms1~ms8を複数獲得している状態において、現在のバトル演出に用いられているストックアイコンの種別を遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、詳細は図1344(b)を参照して後述するが、表示領域Dm1Fに表示される味方ストック表示態様は、バトル演出に既に用いられたストックアイコンを遊技者が識別可能となる表示態様で表示されるように構成している。つまり、味方ストック表示態様を確認することで、獲得済みのストックアイコン数(特図2保留数)と、今回のファイナルカウントダウン演出にて実行されたバトル演出の数と、を遊技者に容易に把握させることができる。よって、ファイナルカウントダウン演出中に実行されるバトル演出の残回数や、今回の第1時短状態中に獲得可能な特図2保留の残数を確認しながら遊技者に分かり易い遊技を行わせることができる。
次に、図1344(b)を参照して、ファイナルカウントダウン演出中に時短図柄当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図1344(b)は、ファイナルカウントダウン演出中であって、遊技状態として通常状態が設定され、実行中のバトル演出に対応する第2特別図柄抽選で時短図柄Bに当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図1344(b)は、第1時短状態が設定されてから6回目の第2特別図柄抽選、即ち、第1時短状態中に実行される4回の第2特別図柄抽選が終了し、通常状態が設定されてから2回目の第2特別図柄抽選の結果が表示される表示画面を示しており、表示領域Dm2には、今回の第2特別図柄抽選の結果が時短図柄B当選であることを示すための「353」の表示態様で第3図柄(識別情報)が停止表示されており、主表示領域Dmの上側には、今回のファイナルカウントダウン演出にて実行されるバトル演出の回数(実行中のバトル演出も含む)が3回であることを示すための表示態様として「残り3回」が表示されている。
また、特図2保留を2個獲得している状態を示すための表示態様が表示領域Dm9に表示されており、特図2保留を示す第1特図2保留アイコンhr5と、第2特図2保留アイコンhr6が表示されている。また、表示領域Dm1Fには、過去5回分のバトル演出にて味方が倒されたことを示すための表示態様(図ではバツ印を付した表示態様)でストックアイコンms1~ms5が表示されており、実行中のバトル演出に対応する味方キャラ801Fに対応したストックアイコンms6が点灯表示している。また、特図2保留を2個獲得している状態であるため、ファイナルカウントダウン演出中に実行可能なバトル演出の残回数(第2特別図柄抽選回数)が2回であることを示すストックアイコンms7、ストックアイコンms8が表示されている。
主表示領域Dmには、実行中のバトル演出の演出結果として、ウサギを模した味方キャラ801F6が敵キャラE1に倒される演出が実行されており、副表示領域Dsには、今回のバトル演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果では無いことを示すための「残念残りチャンスは2回」が表示されている。
図1344(b)に示した通り、味方キャラ801Fは、対応する第2特別図柄抽選の結果(先読み結果)に基づいて、複数種類のキャラクタから選択されるように構成しており、選択されたキャラクタの種別に応じて、遊技者に有利な特典が付与されることへの期待度を異ならせている。例えば、図1344(a)に示した勇者を模した味方キャラ801Fは、ウサギを模した味方キャラ801Fよりも小当たり当選した場合に選択され易く構成しており、時短図柄当選した場合には、勇者を模した味方キャラ801Fよりもウサギを模した味方キャラ801Fの方が選択され易くなるように構成している。また、詳細は後述するが、当たり当選している可能性は低くなるが、時短図柄当選している可能性を高くしたカメを模した味方キャラ801Fも選択可能に構成している。
加えて、味方キャラ801Fが倒される演出結果となるバトル演出が実行される場合であっても、敵キャラE1の表示態様を異ならせることが可能に構成しており、例えば、敵キャラE1の表示態様として、第1態様(図1344(a)参照)と、対応する第2特別図柄抽選の結果が当たり当選、又は時短図柄当選した場合に、それ以外の場合よりも選択され易い第2態様(図1344(b))と、を表示可能に構成している。
そして、図1344(b)に示した図では、所定量のダメージを負っていることを示す第2態様で敵キャラE1が表示されている。このように構成することで、今回実行されたバトル演出の演出態様が、外れ当選時には選択され難い演出態様であったことを遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図1345(a)を参照して、ファイナルカウントダウン演出中に小当たり当選した場合に実行される演出内容について説明をする。図1345(a)は、ファイナルカウントダウン演出中に実行される第2特別図柄演出にて小当たり当選したことを示すための表示画面の一例である。
図1345(a)に示した通り、第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、表示領域Dm2に小当たり当選を示すための第3図柄の表示態様として「341」が停止表示されると共に、カウントダウン演出中に実行されるバトル演出の演出結果として、敵キャラE1を討伐する演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、敵を倒したことを祝福するためのメッセージとして、「敵を倒したおめでとう」の文字が表示されている。また、敵キャラE1が倒れたことによりVアイコンが出現し「Vゲット」が表示される。
図1344(b)を参照して上述した通り、ファイナルカウントダウン演出中は、時短図柄当選し、残時短回数が増加した場合であっても、残時短回数が増加したことが遊技者には報知されないため、ファイナルカウントダウン演出中に小当たり当選した場合には、ファイナルカウントダウン演出中に実行されるバトル演出(第2特別図柄抽選)の残回数は把握することはできるが、時短状態の残期間を遊技者が把握し難くなる。よって、例えば、ファイナルカウントダウン演出中に多くの時短回数が付与される時短図柄に当選し、多くの残時短回数を残した状態で小当たり当選した場合であっても、多くの時短回数が付与されたことを遊技者が把握できないため、無用に時短図柄当選したことに対して遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図1345(b)を参照して、ファイナルカウントダウン演出が終了した場合に実行される演出内容について説明をする。図1345(b)は、ファイナルカウントダウン演出の終了時に表示される表示画面の一例を示した図である。図1345(b)に示した表示画面は、上述した図1344(b)に示した状態、即ち、第1時短状態が設定されてから6回目の第2特別図柄抽選(通常状態中に実行された第2特別図柄抽選)で時短図柄Bに当選した状態から、2回の第2特別図柄抽選が実行された時点における表示画面である。
つまり、第1時短状態が設定されてから6回目の第2特別図柄抽選(通常状態中に実行された第2特別図柄抽選)で時短図柄Bに当選したことに基づいて時短回数20回の第2時短状態が設定された後、2回の第2特別図柄抽選が実行されているため、内部的には残時短回数が18回の第2時短状態が設定されている状態となる。
この場合、ファイナルカウントダウン演出が終了した後も、時短状態(第2時短状態)が継続することを示すために、ファイナルカウントダウン演出における最後のバトル演出(ストックアイコンms8に対応する味方キャラ801F8を用いたバトル演出)にて味方キャラ801F8が倒された後に、天使を模したキャラ802Fが登場し、キャラクタ801F8を復活させる演出が実行され、その後、キャラ802Fの登場に驚いた敵キャラE1が逃亡する演出が実行される。
そして、主表示領域Dmの中央付近に形成された表示領域Dm2Fには、残時短回数を示すための表示態様として「+18回」が表示され、副表示領域Dsには「天使が出現!!ラッキー」の文字が表示される。その後、残時短回数(図では18回)を用いた第2期間演出(上乗せ演出)が実行される。
次に、図1346(a)を参照して、第1期間演出(ファイナルカウントダウン演出)の終了後に実行される第2期間演出(上乗せ演出)の演出内容について説明をする。図1346(a)は、上乗せ演出の演出内容を模式的に示した図である。この上乗せ演出では、図柄アイコン811e~図柄アイコン811gが横方向(左方向)へと変動表示される変動演出が実行され、対応する第2特別図柄変動が停止表示されるタイミングに合わせて、ウサギを模したキャラクタ801が図柄アイコン811の何れかを停止表示させる演出が実行される。なお、上乗せ演出中に主表示領域Dmの中央部にて実行される変動表示演出の内容は、上述した第43制御例におけるチャンスゾーン中に実行される演出(図1258(a)参照)と同一であるため、その説明を省略する。
この上乗せ演出は、第2特別図柄抽選が実行される毎に行われるように構成しており、表示領域Dm3Fには、上乗せ演出中に実行される第2特別図柄抽選の残回数を示す表示態様として「残り18回」が表示されている。
上乗せ演出中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、図柄アイコン811fが停止表示され、時短図柄当選した場合には、図柄アイコン811gが停止表示され、外れである場合には図柄アイコン811eが停止表示される。ここで、時短図柄当選した場合には、新たに設定される時短回数に対応させて表示領域Dm3Fに表示されている残回数が増減表示される。
そして、上乗せ演出が実行される時短状態中(第2時短状態)中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選しなかった場合には、時短状態の最終変動(時短終了条件が成立した第2特別図柄変動)中に特図2保留の獲得を促す演出が実行される。なお、特図2保留の獲得を促す演出については、上述した図941(a)に示した表示画面と同様に、時短状態の最終変動の残期間を示すための演出態様と、特図2保留を上限数獲得したことを示すための演出態様と、右打ち遊技を継続させるための演出態様と、を少なくとも含む演出が実行される。
その後、表示領域Dm3Fに「ラストチャンス」が表示され、時短状態の終了時点で獲得済みの特図2保留を用いた第2特別図柄抽選(最大で4回)の抽選結果が上乗せ演出中の変動表示(図1346(a)参照)と同一の演出態様で実行される。なお、表示領域Dm3Fに「ラストチャンス」が表示されている状態で実行される変動演出は、1回の変動演出が、時短状態の終了時点で獲得済みの特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が開始されてから、全ての特図2保留が消化されるまで、或いは、何れかの第2特別図柄抽選で当り当選、又は時短図柄当選するまで継続するように構成している。
このように構成することで、獲得済みの特図2保留が全て外れである場合には、1回の変動演出として外れを示す演出結果で実行すれば良いため、遊技者に不利な演出結果となる変動演出が無用に多く実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、ファイナルカウントダウン演出中であって、第1時短状態中(前半パート中)に実行された第2特別図柄抽選で時短図柄Aに当選した場合の演出内容について図1346(b)を参照して説明をする。図1346(b)は、ファイナルカウントダウン演出中に時短図柄当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図1344(b)を参照して上述した表示画面は、ファイナルカウントダウン演出中であって通常状態中(後半パート中)に時短図柄当選した場合に表示される表示画面の一例を示したものであり、時短図柄当選したことを遊技者に報知しない(分かり難く報知する)演出を実行することで、ファイナルカウントダウン演出終了後に時短状態が継続するか否かを遊技者に把握させ難くするものであった。
一方、図1346(b)に示した表示画面は、同じファイナルカウントダウン演出中であっても、時短状態中に時短図柄当選した場合に表示される表示画面であって、時短図柄当選したことを、及び、新たに設定される時短回数(残時短回数)を遊技者に報知するものである。
本第47制御例におけるパチンコ機10では、第1時短状態として時短回数4回が必ずセットされるように構成しており、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、必ず第1時短状態が設定される時短図柄種別(時短図柄A)が選択されるように構成している。そして、第1時短状態中に実行される4回目の第2特別図柄変動に対して、1~3回目の第2特別図柄変動よりも長い20秒の変動時間が設定されるように構成している。
つまり、第1時短状態の最終変動となる第2特別図柄変動期間中(新たに第1時短状態が設定されてから4回目の第2特別図柄変動期間中)には、当たり当選の有無を示すためのバトル演出(10秒間)と、特図2保留の獲得を促す演出(10秒間)と、が実行されるように構成している。
このように構成することで、ファイナルカウントダウン演出中に実行される各第2特別図柄変動に対して、同様のバトル演出を実行させながらも、第1時短状態の最終変動中に上限数の特図2保留を獲得させ易くすることができる。
ここで、ファイナルカウントダウン演出の前半パート(第1時短状態中)にて時短図柄当選したことが遊技者に報知されなかった場合には、ファイナルカウントダウン演出の後半パートを残した状態で第1時短状態の最終変動が実行されない状態が発生してしまうため、ファイナルカウントダウン演出を用いて事前に告知されている残り回数(残バトル演出回数)と、第1時短状態の最終変動中に獲得を促す特図2保留数とが一致しない事態が発生してしまうという問題があった。
具体的には、第1時短状態が設定されてから3回目の第2特別図柄抽選(ファイナルカウントダウン演出の3回目のバトル演出)で時短図柄当選した場合には、その時点で第1時短状態が新たに設定され、残時短回数が4回となる。その後実行される第2特別図柄抽選が連続して外れとなった場合には、最初に第1時短状態が設定されてから(ファイナルカウントダウン演出が実行されてから)7回目の第2特別図柄変動が、第1時短状態の最終変動(変動時間20秒の第2特別図柄変動)となり、バトル演出終了後に特図2保留の獲得を促す演出が実行される。しかし、この時点でファイナルカウントダウン演出における7回目のバトル演出が実行されていることから、表示画面には「残り2回」の表示がされており、ファイナルカウントダウン演出中に、実行中のバトル演出を除いて後1回のバトル演出しか実行されないことを示しているため、ファイナルカウントダウン演出の開始時点で報知したバトル演出の実行回数(8回)と、第1時短状態の最終変動中に獲得済みの特図2保留数とが相違してしまい、ファイナルカウントダウン演出の演出結果が停止表示されるよりも前に、ファイナルカウントダウン演出が終了した後も、第2特別図柄抽選が実行されることを遊技者に容易に把握されてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第47制御例におけるパチンコ機10では、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、図1346(b)に示した通り、バトル演出を用いて時短図柄当選したことを遊技者に報知するように構成している。
具体的には、バトル演出として敵キャラE1と対峙しているカメを模した味方キャラ801F3が、敵キャラE1に対して攻撃を行うこと無く仲間を呼ぶ演出が実行される。そして、味方キャラ801F3の呼びかけに対応可能な味方キャラ801の数を示す表示領域Dm1Faが形成される。図1346(b)に示した表示画面では、ファイナルカウントダウン演出が実行されてから(第1時短状態が設定されてから)3回目の第2特別図柄抽選にて時短図柄当選したことを示しており、当該変動が停止表示されたタイミングで時短回数4回の第1時短状態が新たに設定されることから、残時短回数の差分値「3回」に対応させた大きさ(ストックアイコンmsを3個表示可能な大きさ)で表示領域Dm1Faが形成される。
そして、主表示領域Dmの上方には、増加する残時短回数に対応してファイナルカウントダウン演出中に実行されるバトル演出の回数が増加することを示す表示態様として「残り6回+3」が表示される。なお、図1346(b)には、実行中のバトル演出も含めた回数として「残り6回」が表示されている。その後、次の第2特別図柄変動の開始に対応させて新たなバトル演出が実行されると、主表示領域Dmの上方には「残り8回」が表示される。
このように構成することで、第1時短状態の最終変動が実行されるタイミングを、常に「残り5回」が表示される第2特別図柄変動期間とすることができる。よって、ファイナルカウントダウン演出中に表示されるバトル演出の残回数と、その時点で獲得した特図2保留数と、を一致させることができるため、ファイナルカウントダウン演出が終了する時点で第2特別図柄抽選を実行可能な遊技期間が終了してしまうか否かを予測する楽しみを提供することができ、演出効果を高めることができる。
上述した通り、時短図柄当選を報知するバトル演出が実行される場合には、味方キャラ801(味方キャラ801F3)が敵キャラE1を攻撃しない、即ち、当たり当選する演出結果(敵キャラE1を倒す演出)が表示されないことが確定する態様でバトル演出が開始されるように構成している。つまり、通常であれば、当たり当選するか否かを遊技者に予測させるためのバトル演出であるにも関わらず、条件を満たした場合(第1時短状態中に時短図柄当選した場合)には、当たり当選するか否かの演出よりも優先して時短図柄当選するか否かを示唆する演出態様でバトル演出が実行されるように構成している。このように構成することで、1の特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、優先すべき抽選結果を可変させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、図1346(b)に示したバトル演出の演出態様は、時短図柄当選した場合以外にも(外れである場合にも)低確率で設定されるように構成しており、この場合、味方キャラ801が仲間を呼ぶ演出を実行した後に、呼びかけに対して仲間の反応が無いことを示す演出結果に対応した演出態様(例えば、「・・・」の表示)の演出が実行される。
このように構成することで、味方キャラ801が仲間を呼ぶ演出が実行された場合において、時短図柄当選しているか否かを予測する楽しみを提供することができる。さらに、小当たり当選している第2特別図柄変動に対応するバトル演出として味方キャラ801Fが仲間を呼ぶ演出を実行するように構成しても良く、この場合は、味方キャラ801Fの呼びかけに対して仲間の反応が無いことを示す演出が実行された後に、怒った味方キャラ801Fが敵キャラE1を吹き飛ばす演出(逆転演出)を実行するように構成すれば良い。これにより、味方キャラ801Fが仲間を呼ぶ演出が実行されたとしても、当たり当選(小当たり当選)している可能性を残すことができるため、演出効果を高めることができる。
次に、図1347を参照して、上述した第1期間演出(ファイナルカウントダウン演出)、及び、第2期間演出(上乗せ演出)が実行される流れを、遊技の進行状況に対応させて説明する。図1347は、遊技の進行状況と、実行される演出の内容とを対応付けた図であって、図1347(a)は、パチンコ機10の遊技状態移行の流れを示した図であり、図1347(b)は、実行される特別図柄変動(第2特別図柄変動)の流れを示した図であり、図1347(c)は、時短状態における残時短回数の増減を示した図であり、図1347(d)は、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される演出の流れを示した図である。
図1347(a)~(d)に示した通り、小当たり遊技中は、特別図柄変動が実行されること無く、且つ、時短状態も設定されていない。そして、第3図柄表示装置81の表示面では、小当たり遊技中の遊技内容を示す演出(例えば、「Vを狙え」等)や、小当たり遊技を祝福するための演出が実行される。なお、小当たり遊技中に実行される小当たり遊技中演出の内容については、上述した各制御例にて説明をした小当たり遊技中に実行される演出の内容の何れかが適用されるものであり、その説明を省略する。
そして、小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過し、大当たり遊技の実行権利を獲得した場合には、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行され、大当たり遊技中演出が実行される。大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される場合には、大当たり遊技の終了タイミングに合わせて、時短状態(第1時短状態)として時短回数4回が設定され、ファイナルカウントダウン演出が開始される。
<第47制御例における遊技状態の遷移内容について>
次に、図1348を参照して、本第47制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図1348は、遊技状態の遷移内容を示した図である。図1348に示した通り、本第47制御例では、通常状態と、第1時短状態と、第2時短状態と、を設定可能に構成している。なお、図1348では、説明の便宜上、通常状態を、左打ち遊技によって第1特別図柄抽選の実行を目指す第1通常状態と、時短状態中に獲得した特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が実行される第2通常状態と、に分けて記載しているが、第1通常状態、第2通常状態は何れも同一の遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態、電サポなし状態)となる。
第1通常状態中は第1特別図柄抽選で1/250の確率で当選する大当たり当選を目指した遊技が実行される。そして、第1通常状態にて大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に時短回数4回の第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、右打ち遊技が開始される。そして、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にてファイナルカウントダウン演出が開始される。
上述した通り、ファイナルカウントダウン演出は8回の第2特別図柄抽選が実行される期間に対応した期間演出であって、第1時短状態中は、その前半期間(4回分)の演出期間となる。第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選では、1/250の確率で当選する大当たり当選以外に、1/8の確率で当選する小当たり当選、及び、1/50の確率で当選する時短図柄当選を目指した遊技が実行される。
まず、第1時短状態中に小当たり当選した場合の流れについて説明をする。第1時短状態中に小当たり当選した場合には、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技終了後に再度第1時短状態が設定される。つまり、第1時短状態中に小当たり当選した場合には、第1時短状態が繰り返し設定される遊技が実行される。一方、第1時短状態中に時短図柄当選した場合には、第1時短状態が設定される時短図柄Aと、第2時短状態が設定される時短図柄Bと、の選択割合が1:1となるように構成している。
次に、第1時短状態中に実行される4回の第2特別図柄抽選にて外れが連続し、第2通常状態へと移行すると、第1時短状態中よりも有利な第2特別図柄抽選が特図2保留数に対応した数(最大4個)実行される。具体的には、通常状態(第2通常状態)にて実行される第2特別図柄抽選にて小当たり当選した場合には、20%の割合で大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される小当たり種別である小当たりCが選択されるように構成している。さらに、時短図柄当選した場合には、必ず第2時短状態が設定される時短図柄Bが設定されるように構成している。
つまり、第1時短状態中よりも通常状態にて小当たり当選、或いは時短図柄当選した場合の方が、遊技者に最も有利な第2時短状態へと移行し易くなるように構成している。このように構成することで、最後の第2特別図柄抽選が実行されるまで期待感を持たせたまま遊技者に遊技を行わせることができる。
そして、第2時短状態が設定された場合には、小当たり当選した場合の50%が第2時短状態をループし、残りの50%が第1時短状態へと移行するように構成し、時短図柄当選した場合には、必ず第2時短状態が設定される時短図柄Bが設定されるように構成している。
よって、一度第2時短状態が設定されると、高確率で第2時短状態をループする遊技を行わせることができる。なお、本第47制御例では、第2時短状態で小当たり当選した場合に50%の確率で第2時短状態以外が設定されるように構成することで、長時間の間、第2時短状態が継続してしまうことを抑制しているが、これに限ること無く、例えば、上述した第44制御例のように、時短状態が連続して設定される回数に上限も持たせた時短リミット機能を設け、所定回数(例えば、10回)連続して時短状態が設定された場合に強制的に通常状態へと移行させるように構成しても良い。
<第47制御例における主制御装置の電気的構成について>
次に、図1349から図1352を参照して、本第47制御例におけるパチンコ機10のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。本第47制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、上述した第43制御例におけるパチンコ機10に対して各種構成に対して予め規定されている内容を異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成に対しては説明を省略する。なお、規定されている内容(情報)を異ならせている各種構成(特別図柄1乱数47テーブル202Fa1、特別図柄2乱数47テーブル202Fa2、大当たり種別選択47テーブル202Fb、変動パターン選択47テーブル202Fd、時短付与47テーブル202Fe、小当たり種別選択47テーブル202Ff、時短種別選択47テーブル202Fh)について、その用途は上述した第43制御例と同一であるため、詳細な説明を省略する。
まず、図1349(a)を参照して、特別図柄1乱数47テーブル202Fa1の構成について説明をする。図1349(a)は、特別図柄1乱数47テーブル202Fa1に規定されている内容を示した図である。この特別図柄1乱数47テーブル202Fa1は、上述した特別図柄1乱数43テーブル202Aa1(図1262(a)参照)に対して、大当たり判定値の範囲を変更している点と、時短図柄判定値を削除している点で相違している。
具体的には、本第47制御例におけるパチンコ機10は、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値の範囲が「0~999」の1000個となるように構成しており、そのうち、「0~3」の範囲が大当たりと判定される範囲となるように規定し、小当たりと判定される値や時短図柄と判定される値を規定しないように構成している。つまり、第1特別図柄抽選が実行された場合には、設定されている遊技状態に関わらず、4/1000(1/250)の確率で大当たりと判定される抽選が実行されるように構成している。
次に、図1349(b)を参照して、特別図柄2乱数47テーブル202Fa2の構成について説明をする。図1349(b)は、特別図柄2乱数47テーブル202Fa2に規定されている内容を示した図である。この特別図柄2乱数47テーブル202Fa2は、上述した特別図柄2乱数43テーブル202Aa2(図1262(b)参照)に対して、大当たり判定値の範囲、及び、小当たり判定値の範囲を変更している点と、新たに、時短図柄判定値を規定している点で相違している。なお、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値の範囲は、上述した通り、「0~999」の1000個となるように構成している。
具体的には、取得した第1当たり乱数カウンタC1が「0~39」の範囲に対して、大当たりと判定される範囲が、「40~164」の範囲に対して、小当たりと判定される範囲が、「165~184」の範囲に対して、時短図柄と判定される範囲が規定されている。つまり、第2特別図柄抽選が実行された場合には、設定されている遊技状態に関わらず、40/1000の確率で大当たりと判定され、125/1000の確率で小当たりと判定され、20/1000の確率で時短図柄当選と判定されるように構成している。
以上、説明をした通り、本第47制御例では、1/250の確率で大当たり当選する第1特別図柄抽選と、1/250の確率で大当たり当選し、1/8の確率で小当たり当選し1/50の確率で時短図柄当選する第2特別図柄抽選と、を実行可能に構成し、大当たり当選した場合、小当たり当選した場合、時短図柄当選した場合の何れにおいても、遊技者に有利な特典が付与されるように構成している。よって、第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選の方が遊技者に有利な特別図柄抽選となる。
また、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合よりも、時短状態(第1時短状態、第2時短状態)が設定されている場合の方が、第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができるように構成している。よって、通常状態よりも時短状態の方が遊技者に有利な遊技状態(有利遊技状態)となる。
次に、図1349(c)を参照して、大当たり種別選択47テーブル202Fbの内容について説明をする。図1349(c)は、大当たり種別選択47テーブル202Fbに規定されている内容を示した図である。図1349(c)に示した通り、大当たり種別選択47テーブル202Fbは、上述した大当たり種別選択43テーブル202Ab(図1262(c)参照)に対して、各特別図柄種別に対して規定されている大当たり種別の内容を異ならせている点と、小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させたことに基づいて実行される大当たり遊技専用(小当たり用)の大当たり種別を規定している点で相違している。
具体的には、特別図柄種別「特図1(第1特別図柄)」に対しては、取得した第1当たり種別カウンタC2が取り得る「0~99」の全範囲に対して、大当たり種別「大当たりA47」が規定されており、特別図柄種別「特図2(第2特別図柄)」に対しては、取得した第1当たり種別カウンタC2が取り得る「0~99」の全範囲に対して、大当たり種別「大当たりC47」が規定されており、小当たり用の大当たり種別として、大当たり種別「大当たりB47」が規定されている。
大当たり種別「大当たりA47」は、5ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に、時短回数4回の第1時短状態が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりB47」は、10ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に、時短回数4回の第1時短状態が設定される大当たり種別である。大当たり種別「大当たりC47」は、10ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技終了後に、時短回数10回の第2時短状態が設定される大当たり種別である。
つまり、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面では、大当たりA47が最も遊技者に不利な大当たり種別となり、大当たりB47、大当たりC47が最も遊技者に有利な大当たり種別となる。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、大当たりA47、大当たりB47が最も遊技者に不利な大当たり種別となり、大当たりC47が最も遊技者に有利な大当たり種別となる。全体的には、大当たりC47が最も遊技者に有利な大当たり種別となり。次いで、ラウンド遊技数が大きい分、大当たりB47が有利な大当たり種別となり、大当たりA47が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
本第47制御例では、通常状態が設定されている状態では、第1特別図柄抽選を実行させるための左打ち遊技が行われ、第1特別図柄抽選で大当たり当選(当選確率1/250)を目指す遊技が実行される。そして、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別「大当たり47」が設定され、その大当たり遊技終了後に時短回数4回の第1時短状態が設定される。そして、第1時短状態が設定されたことに基づいて実行された第2特別図柄抽選(第1時短状態中に実行される4回の第2特別図柄抽選と、通常状態移行後に実行される特図2保留分(最大4個)に対応した第2特別図柄抽選)にて、小当たり当選(当選確率1/8)、或いは、大当たり当選(当選確率1/250)を目指す右打ち遊技が行われる。
つまり、時短状態が設定されたことに基づいて規定回数のみ実行可能となる第2特別図柄抽選にて、小当たり当選よりも先に大当たり当選した場合には、遊技者に最も有利となる大当たり種別「大当たりC47」が設定されるように構成している。このように構成することで、当選し易い小当たりよりも先に当選し難い大当たりに当選したことによる付加価値を遊技者に提供することができる。
次に、図1350を参照して、変動パターン選択47テーブル202Fd(図示せず)が有する通常用47テーブル202Fd1の内容について説明をする。図1350は、通常用47テーブル202Fd1に規定されている内容を示した図である。この通常用47テーブル202Fd1は、上述した第43制御例における通常用43テーブル202Ad1(図1263(b)参照)に対して、通常状態が設定されている場合にのみ参照されるように構成した点と、特図1(第1特別図柄)抽選の結果を示すための変動パターンとして規定されている内容の一部を変更している点と、特図2(第2特別図柄)抽選の結果を示すための変動パターンとして規定されている内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、図1350に示した通り、本第47制御例では、遊技状態が移行してからの変動回数に応じて異なる変動パターンを選択可能に構成しており、特図1に対しては、変動回数「1~10000」の範囲に対して、上述した第43制御例と同一の選択割合で各種変動パターンが規定されている。次いで、特図2に対しては、変動回数「1~3」と、変動回数「4」と、変動回数「5~」と、で異なる変動パターンが選択されるように構成しており、変動回数「1~3」に対しては、取得した変動種別カウンタCS1の取り得る「0~198」の全範囲に対して変動時間が10秒の「共通変動」が規定されており、変動回数「4」に対しては、取得した変動種別カウンタCS1の取り得る「0~198」の全範囲に対して変動時間が20秒の「共通中変動」が規定されており、変動回数「5~」に対しては、取得した変動種別カウンタCS1の取り得る「0~198」の全範囲に対して変動時間が100秒の「共通長変動」が規定されている。
つまり、本第47制御例では、通常状態中に右打ち遊技を実行したとしても第2入球口640へと遊技球を入球させることができない(殆ど入球しない)ようにパチンコ機10の遊技盤13が構成されていることから、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選は、時短状態中に獲得した特図2保留を用いた第2特別図柄抽選となる。このように構成することで、適正な遊技を行っている以上、特図2保留の上限数(4個)よりも多い回数の第2特別図柄抽選(例えば、5回の第2特別図柄抽選)が通常状態中に実行されることが無い。よって、特図2保留の上限数よりも多い回数の第2特別図柄抽選が実行された場合には、適正では無い遊技が実行されている場合となり、不適正な遊技が連続して実行されてしまうことを抑制するために、長時間の変動時間(100秒)の変動パターンが選択されるように構成している。
このように構成することで、遊技盤13に設けられた各種構成に不具合(例えば、電動役物640が常時開放した故障状態となる不具合等)が発生している状態で多くの第2特別図柄抽選が実行されてしまい、遊技者に対して過剰に多くの特典が付与されてしまうことを抑制することができる。また、専用の治具を用いて通常状態中に不正に第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技が長時間実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細な図示は省略するが、本第47制御例では、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照される時短用47テーブル202Fd2(図示せず)の内容も一部変更している。具体的には、上述した通常用47テーブル202Fd1と同様に、第2特別図柄変動の変動回数に応じて、異なる変動時間の変動パターンが選択されるように構成しており、第1時短状態の最終変動(4回転目の第2特別図柄変動)に対しては、他の変動(時短状態の最終変動以外の変動)よりも長い変動時間(20秒)の変動パターンが選択されるように構成し、20秒の変動時間のうち、最初の10秒を用いてバトル演出を実行し、残りの10秒を用いて特図2保留の獲得を促すための演出を実行するように構成している。
このように構成することで、時短状態中の最終変動にて特図2保留を容易に獲得させることができる。なお、本第47制御例では、第2特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンとして、変動回数に対応した固定変動時間の変動パターンのみが選択されるように構成しているが、これに限ること無く、複数の異なる変動時間の変動パターンを選択可能に構成しても良く、この場合、異なる変動回数に対して、同一の変動時間の変動パターンと、異なる変動時間の変動パターンと、を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、選択された変動パターンによって、実行中の第2特別図柄変動が何回目の変動(新たな遊技状態が設定されてから何回目の変動)であるかを遊技者に把握させ易い状況と、把握させ難い状況と、を創出することができるため、第2特別図柄変動の変動パターンについて遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図1351(a)を参照して、時短付与47テーブル202Feの内容について説明をする。図1351(a)は、時短付与47テーブル202Feに規定されている内容を示した図である。この時短付与47テーブル202Feは、上述した第43制御例の時短付与43テーブル202Ae(図1265参照)に対して、規定されている図柄種別(大当たり種別、時短図柄種別)と、各図柄種別に対する時短付与内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、大当たり種別「大当たりA47」に対して、時短種別として「第1時短」が、時短付与内容として時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203Abの値「4」が規定されており、大当たり種別「大当たりB47」に対して、時短種別として「第1時短」が、時短付与内容として時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203Abの値「4」が規定されており、大当たり種別「大当たりC47」に対して、時短種別として「第2時短」が、時短付与内容として時短カウンタ203hの値「20」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203Abの値「10」が規定されており、時短図柄種別「時短図柄A47」に対して、時短種別として「第1時短」が、時短付与内容として時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203Abの値「4」が規定されており、時短図柄種別「時短図柄B47」に対して、時短種別として「第2時短」が、時短付与内容として時短カウンタ203hの値「20」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203Abの値「10」が規定されている。
ここで、時短付与回数として規定されている各種カウンタの値は、それぞれ異なる内容の時短終了条件を示しており、何れかのカウンタ値が「0」となった場合に、時短終了条件が成立し、時短状態が終了する処理が実行されるように構成している。具体的には、時短カウンタ203hの値は、時短状態中に特別図柄抽選が実行されたことに基づいて減算される値であって、第1特別図柄変動が停止表示した場合、或いは、第2特別図柄変動が停止表示した場合に、値が「1」減算される。つまり、時短カウンタ203hの値に基づいて成立する時短終了条件は、第1特別図柄変動回数と、第2特別図柄変動回数とを合算した合算回数が所定回数となった場合に成立する時短終了条件となる。
また、小当たりカウンタ203sは、時短状態中に小当たり当選したことに基づいて減算される値であって、小当たり当選を示す表示態様で特別図柄変動が停止表示される場合(小当たり遊技が実行される場合)に、値が「1」減算される。つまり、小当たりカウンタ203sの値に基づいて成立する時短終了条件は、時短状態中に小当たり当選した回数が所定回数となった場合に成立する時短終了条件となる。本第47制御例では、小当たり遊技中に適正に右打ち遊技を実行することで、確実に大当たり遊技の実行契機を成立させる(特定領域へと遊技球を通過させる)ことができるように構成しているため、この時短終了条件を設けることにより、当選した小当たり図柄の種別が遊技者に有利な種別であるか否かを判別し、不利な種別であると判別した場合には小当たり遊技中に特定領域へと遊技球を通過させること無く次の小当たり当選を目指す遊技が実行されることを抑制することができる。
最後に、特図2カウンタ203Abは、時短状態中に第2特別図柄抽選が実行されたことに基づいて減算される値であって、第2特別図柄変動が停止表示した場合に、値が「1」減算される。つまり、特図2カウンタ203Abの値に基づいて成立する時短終了条件は、第2特別図柄変動回数が所定回数となった場合に成立する時短終了条件となる。
以上、説明をした通り、本第47制御例では、3種類の時短終了条件を設定可能に構成している。そのうち、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件については、成立したとしても実質大当たり遊技が実行されるため、大当たり遊技が実行されること無く時短状態を終了させることとなる時短終了条件が2種類となる。そして、時短状態中に右打ち遊技を継続して実行した場合には、特図2カウンタ203Abの値に基づいて成立する時短終了条件が最も成立し易い時短終了条件となる。よって、時短状態が終了するまでの残時短回数としては、特図2カウンタ203Abの値に基づいて時短終了条件が成立するまでの第2特別図柄変動回数(残特図2変動回数)が表示されるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定された場合に実行され易くなる第2特別図柄変動の実行回数に対応した残時短回数を遊技者に報知することができるため、時短状態中に実行させることが可能な第2特別図柄変動の回数を遊技者に分かり易く理解させることができる。
また、上述した通り、時短種別として「第1時短(第1時短状態)」が設定される場合よりも、「第2時短(第2時短状態)」が設定される場合の方が、特図2カウンタ203Abの値に基づいて成立する時短終了条件が成立し難くなるように構成している。つまり、第1時短状態よりも第2時短状態の方が、第2特別図柄抽選をより多く実行させることが可能な時短状態となる。よって、第1時短状態よりも第2時短状態の方が遊技者に有利な時短状態となる。
次に、図1351(b)を参照して、小当たり種別選択47テーブル202Ffの内容について説明をする。図1351(b)は、小当たり種別選択47テーブル202Ffに規定されている内容を示した図である。この小当たり種別選択47テーブル202Ffは、上述した第43制御例の小当たり種別選択43テーブル202Af(図1266(a)参照)に対して、小当たり当選時の遊技状態と、取得した小当たり種別カウンタC5の値とに対応させて異なる小当たり種別が選択されるように各小当たり種別が規定されている点で相違している。なお、本第47制御例では、上述した第43制御例と同様に、第2特別図柄抽選でのみ小当たり当選し得るように構成しているため、特別図柄種別「特図2(第2特別図柄)」に対してのみ小当たり種別が規定されている。
具体的には、小当たり当選した時点における遊技状態が「通常(通常状態)」である場合には、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~29」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりA47」が、「30~79」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりB47」が、「80~99」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりC47」が、それぞれ規定されている。また。小当たり当選した時点における遊技状態が「第1時短(第1時短状態)」である場合には、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりA47」が、「50~99」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりB47」が規定されている。最後に、小当たり当選した時点における遊技状態が「第2時短(第2時短状態)」である場合には、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0~49」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりA47」が、「50~99」の範囲に対して、小当たり種別「小当たりC47」が、それぞれ規定されている。
ここで、各小当たり種別について説明をする。本第47制御例では、何れの小当たり種別(小当たりA47、小当たりB47、小当たりC47)が設定された場合であっても、V入賞装置650が開放動作される小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に遊技球を特定領域(Vゲート)へと容易に入球させることができるように構成している。つまり、本第47制御例では、小当たり当選した場合に略大当たり遊技の実行権利を獲得できるように構成している。このように構成することで、小当たり当選したにも関わらず大当たり遊技の実行権利を獲得できず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
そして、各小当たり種別に対して異なる大当たり種別が対応づけられており、設定された小当たり種別によって、実行される大当たり遊技の内容や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成している。具体的には。小当たりA47の小当たり遊技中に大当たり遊技の実行権利を獲得した場合には大当たり種別として「大当たりA47」が設定され、小当たりB47の小当たり遊技中に大当たり遊技の実行権利を獲得した場合には大当たり種別として「大当たりB47」が設定され、小当たりC47の小当たり遊技中に大当たり遊技の実行権利を獲得した場合には大当たり種別として「大当たりC47」が設定される。
各大当たり種別の内容については、図1349(c)を参照して上述したため、その説明を省略するが、「大当たりC47」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、次いで「大当たりB47」が有利な大当たり種別となり、「大当たりA47」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
上述した通り、第2時短状態中に小当たり当選した場合は、1/2の割合で「小当たりC47」が設定され、通常状態中に小当たり当選した場合は、1/5の割合で「小当たりC47」が設定され、第1時短状態中に小当たり当選した場合には、「小当たりC47」が設定されないように構成している。よって、小当たり当選した時点における遊技状態としては、第2時短状態が遊技者に最も有利な遊技状態となり、次いで、通常状態が有利な遊技状態となり、第1時短状態が最も不利な遊技状態となる。
本第47制御例では、第2特別図柄抽選でのみ小当たり当選し得るように構成していることから、第1特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される第1時短状態中に第2特別図柄抽選がまず実行される。そして、第1時短状態中に実行された第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される大当たり種別が設定されるため、第1時短状態をループさせる右打ち遊技が実行されることになる。
一方、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で当り当選すること無く、通常状態に移行すると、獲得済みの特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が実行される。この通常状態中に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、1/5の確率で、小当たりC47が設定されることになる。つまり、第1時短状態が設定された場合には、早期に(第1時短状態中に)小当たり当選する場合よりも、残特図2保留で小当たり当選した場合の方が、遊技者に有利な小当たりとなり易くなるように構成している。
このように構成することで、第1時短状態が設定された場合において、いち早く小当たり当選することで安心した遊技が実行されることを所望する遊技と、早期に小当たり当選することを所望すること無く、第1時短状態が設定されたことに基づいて実行され得る第2特別図柄抽選の残回数が少ない状態(通常状態中における残特図2保留を用いた第2特別図柄抽選が実行されている状態)で小当たり当選することを所望する遊技と、を行わせることができるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
さらに、一度、第2時短状態が設定されると、第1時短状態よりも成立し難い時短終了条件が設定され、第1時短状態が設定された場合よりも多くの第2特別図柄抽選を実行させることができるように構成しており、第2時短状態中に小当たり当選した場合には、1/2の確率で小当たりC47が設定されるように構成している。つまり、第2時短状態が設定された場合には、他の遊技状態が設定されている場合よりも高確率で第2時短状態が繰り返し設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、第1時短状態よりも第2時短状態の方が、遊技者により有利な遊技状態とすることができるため、第2時短状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第47制御例では、第2特別図柄抽選が実行され易い時短状態が設定された場合において、前半期間で(時短状態中に)小当たり当選するよりも、後半期間(通常状態における残特図2保留消化期間)で小当たり当選した場合の方が、遊技者に有利な特典が付与されるように構成しているが、これに限ること無く、第2特別図柄抽選が実行され易い時短状態が設定された場合において、前半期間で(時短状態中に)小当たり当選する方が、後半期間(通常状態における残特図2保留消化期間)で小当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な特典が付与されるように構成しても良い。このように構成することで、第2特別図柄抽選を実行可能な残回数が多く残っている状況、即ち、今回実行される第2特別図柄抽選の結果を深く考えることの無いタイミングであって、遊技者が遊技に集中し難いタイミングにおいて小当たり当選した場合に遊技者に有利な特典が付与されるため、時短状態が設定された直後から遊技者に対して第2特別図柄抽選の結果に興味を持たせることができる。
次に、図1352を参照して、時短種別選択47テーブル202Fhの内容について説明をする。図1352は、時短種別選択47テーブル202Fhに規定されている内容を模式的に示した図である。この時短種別選択47テーブル202Fhは、上述した第43制御例における時短種別選択43テーブル202Ah(図1266(b)参照)に対して、各遊技状態に対して規定されている時短図柄種別を異ならせている点で相違している。
具体的には、遊技状態として、通常状態、第2時短状態が設定されている場合には第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の全範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄B47」が規定されており、遊技状態として、第1時短状態が設定されている場合には第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の全範囲に対して、時短図柄種別として「時短図柄A47」が規定されている。つまり、通常状態、或いは、第2時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、必ず時短図柄B47が設定され、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄当選した場合には、必ず時短図柄A47が設定されるように構成している。
ここで、各時短図柄種別が設定された場合に付与される時短状態の内容については、図1351(a)を参照して上述したため、詳細な説明は省略するが、時短図柄A47が設定された場合には、時短回数4回の第1時短状態が設定され、時短図柄B47が設定された場合には、時短回数10回の第2時短状態が設定されるように構成している。本第47制御例では、上述した通り、第2時短状態の方が、第1時短状態よりも遊技者に有利な時短状態となるように構成しているため、第2特別図柄抽選で時短図柄当選する場合の遊技状態の有利度合いとしては、通常状態、第2時短状態が遊技者に最も有利な遊技状態となり、第1時短状態が遊技者に最も不利な遊技状態となる。
なお、本第47制御例では、図1352に示した通り、通常状態にて時短図柄当選した場合と、第2時短状態で時短図柄当選した場合とで、何れも必ず第2時短状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、何れの遊技状態においても第1時短状態と、第2時短状態とを設定可能に構成し、その選択割合を遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、第2特別図柄抽選が実行される回数が少ない通常状態で時短図柄当選した場合の方が、第2時短状態で時短図柄当選した場合よりも第2時短状態が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、限られた短期間内で時短図柄当選したことによる付加価値を遊技者に提供することができる。
一方、通常状態で時短図柄当選した場合よりも、第2時短状態で時短図柄当選した場合の方が、第2時短状態が設定され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、第2時短状態が繰り返し設定され易くすることができるため、遊技者に対して第2時短状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
<第47制御例における音声ランプ制御装置の電気的構成について>
次に、本第47制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113の電気的構成について説明をする。本第47制御例では、上述した第43制御例に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を一部変更している点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の内容については説明を省略する。
まず、図1353を参照して、本第47制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図1353は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を模式的に示した図である。図1353に示した通り、本第47制御例におけるRAM223は、上述した第43制御例におけるRAM223(図1267(b)参照)に対して、ファイナル演出中カウンタ223Faと、残時短回数カウンタ223Fbと、を追加している点で相違しており、それ以外の要素は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ファイナル演出中カウンタ223Faは、ファイナルカウントダウン演出が実行されていることを示すためのカウンタであって、ファイナルカウントダウン演出の実行契機が成立した場合(大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される場合)に、ファイナルカウントダウン演出中に実行される第2特別図柄抽選回数(8回)に対応する値「9」がセットされる(図1354のS3410F参照)。そして、ファイナルカウントダウン演出中において新たな変動演出を設定するための処理が実行される毎に値が「1」減算される(図1356のS4403F参照)。
このファイナル演出中カウンタ223Faの値が「1」以上である場合(「0」よりも大きい場合)は、ファイナルカウントダウン演出が実行されている期間となる。そして、第2特別図柄変動に対応する変動演出を設定する各種タイミングにおいて、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいかが判別され、その判別結果に基づいた変動演出の演出態様が決定される。
本第47制御例では、ファイナルカウントダウン演出が実行されている期間中において、遊技状態として第1時短状態、第2時短状態、通常状態の何れも設定され得るように構成しており、各遊技状態中に実行される変動演出の演出態様を、ファイナルカウントダウン演出の有無に応じて異ならせて決定するように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態に関わらず、ファイナルカウントダウン演出が実行される期間中に一体感のある変動演出(バトル演出)を実行することが可能となる。
残時短回数カウンタ223Fbは、現在設定されている時短状態の残時短回数(時短終了条件が成立するまでに実行可能な第2特別図柄抽選回数)を示すためのカウンタであって、時短状態が設定されたことを示すための状態コマンドを受信した場合に実行される状態コマンド処理47(図1354のS3231F参照)において、今回設定された時短状態の種別に応じた残時短回数の値がセットされる(図1354のS3409F、及び、図1355のS3503F参照)。そして、時短状態中に第2特別図柄変動が実行される毎に値が「1」減算される(図1356のS4406F参照)。
<第47制御例における音声ランプ制御装置にて実行される制御処理について>
次に、図1354から図1359を参照して、本第47制御例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容について説明をする。本第47制御例では、上述した第43制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、状態コマンドを受信した場合に実行される制御処理の内容と、特別図柄変動に対応させて変動演出を設定するための制御処理の内容と、を変更した点で相違している。より具体的には、状態コマンド処理43(図1278のS3231B参照)に代えて、状態コマンド処理47(図1354のS3231F)を、変動演出設定処理43(図1280のS4304B参照)に代えて、変動演出設定処理47(図1356のS4304F)をそれぞれ実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、状態コマンド処理47(S3231F)の制御処理の内容について、図1354を参照して説明する。図1354は、状態コマンド処理47(S3231F)の処理内容を示すためのフローチャートである。この状態コマンド処理47(S3231F)は、上述した状態コマンド処理43(図1278のS3232B参照)と同様に、主制御装置110から状態コマンドを受信したと判別した場合に実行される制御処理であって、受信した状態コマンドに含まれる内容に応じた処理が実行される。
具体的には、状態コマンド処理47(S3231F)が実行されると、まず、受信した状態コマンドに含まれる情報を解析し、現在の遊技状態を示すための情報を従遊技状態格納エリア223gに格納する(S3401)。その後、今回受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて、遊技状態が通常状態へと移行したかを判別し(S3402)、通常状態へと移行したと判別した場合、即ち、今回受信した状態コマンドの中に通常状態に対応する情報が含まれていると判別した場合は(S3402:Yes)、次に、時短情報更新エリア223hに記憶されている情報をクリアし(S3421A)、特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に基づいて、特図2保留を獲得している状態であるかを判別し(S3401F)、特図2保留があると判別した場合は(S3401F:Yes)、通常状態に移行した後も第2特別図柄抽選を実行可能であるため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3401Fの処理において、特図2保留が無いと判別した場合、即ち、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640へと遊技球を入球させないまま通常状態が設定された場合は(S3401F:No)、事前に設定された回数のバトル演出を実行させること無くファイナルカウントダウン演出を終了させるための処理として、ファイナル演出中カウンタ223Faの値を0にクリアし(S3402F)、ファイナルカウントダウン演出の終了を示すための表示用コマンドを設定し(S3403F)、残時短回数カウンタ223Fbの値を0にクリアし(S3404F)、通常モード用の背面画像を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S3405F)、本処理を終了する。
また、S3402の処理において、通常状態へ移行しないと判別した場合は(S3402:No)、次に、第1時短状態へ移行したかを判別し(S3406F)、移行したと判別した場合は(S3406F:Yes)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報更新エリア223hに格納し(S3407F)、ファイナルカウントダウン演出用の背面画像を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S3408F)、残時短回数カウンタ223Fbの値に4をセットし(S3409F)、ファイナル演出中カウンタ223Faの値に9をセットし(S3410F)、本処理を終了する。
S3406の処理において、第1時短状態へ移行しないと判別した場合は(S3406F:No)、第2時短状態へ移行したかを判別し(S3411F)、第2時短状態へ移行したと判別した場合は(S3411F:Yes)、第2時短状態移行処理(S3412F)を実行し、本処理を終了する。また、S3411Fの処理において、第2時短状態へ移行していないと判別した場合は(S3411F:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図1355を参照して、状態コマンド処理47(図1354のS3231F参照)にて実行される第2時短状態移行処理(S3412F)の処理内容について説明をする。図1355は、第2時短状態移行処理(S3412F)の処理内容を示したフローチャートである。この第2時短状態移行処理(S3412F)では、第2時短状態へと移行した時点において実行中の演出内容(ファイナルカウントダウン演出の有無)に応じて、残時短回数を表示するか否かを決定する処理が実行される。
第2時短状態移行処理(S3412F)が実行されると、まず、従遊技状態格納エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S3501F)、受信した状態コマンドに含まれる時短情報を時短情報更新エリア223hに格納し(S3502F)、受信した時短情報に対応する値を残時短回数カウンタ223Fbの値にセットする(S3503F)。
そして、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいか、即ち、ファイナルカウントダウン演出の実行中であるかを判別し(S3504F)、実行中であると判別した場合は(S3504F:Yes)、残時短回数を表示しないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S3504Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合、即ち、現在がファイナルカウントダウン演出を実行していない状態であると判別した場合は(S3504F:No)、残時短回数カウンタ223Fbの値に応じた上乗せ演出の演出態様を決定し(S3505F)、本処理を終了する。
次に、図1356を参照して、変動演出設定処理47(S4304F)の処理内容について説明をする。図1356は、変動演出設定処理47(S4304F)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理47(S4304F)では、特別図柄変動が開始されるタイミングにて各種カウンタの値を更新する処理と、設定されている遊技状態に応じた変動演出の演出態様を決定するための処理と、が実行される。
具体的には、変動演出設定処理47(S4304F)が実行されると、まず、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいかを判別し(S4401F)、大きいと判別した場合は(S4401F:Yes)、次に、今回の特別図柄変動が特図2変動であるかを判別する(S4402F)。S4402Fの処理において、特図2変動であると判別した場合には(S4402F:Yes)、ファイナル演出中カウンタ223Faの値を1減算し(S4403F)、S4404Fの処理へ移行する。
一方、S4401Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きく無いと判別した場合(S4401F:No)、或いは、S4402Fの処理において、特図2変動では無いと判別した場合は(S4402F:No)、そのままS4404Fの処理へ移行する。
S4404Fの処理では、残時短回数カウンタ223Fbの値が1よりも大きいかを判別し(S4404F)、大きいと判別した場合は(S4404F:Yes)、今回の特別図柄変動が特図2変動であるかを判別する(S4405F)。S4405Fの処理において、特図2変動であると判別した場合には(S4405F:Yes)、残時短回数カウンタ223Fbの値を1減算し(S4406F)、S4407Fの処理へ移行する。
一方、S4404Fの処理において、残時短回数カウンタ223Fbの値が1よりも大きく無いと判別した場合(S4404F:No)、或いは、S4405Fの処理において、特図2変動では無いと判別した場合は(S4405F:No)、そのままS4407Fの処理へ移行する。
S4407Fの処理では、従遊技状態格納エリア223gから現在の遊技状態を読み出し(S4407F)、遊技状態が第1時短状態であるかを判別し(S4408F)、第1時短状態であると判別した場合は(S4408F:Yes)、次に、今回の特別図柄変動が時短図柄当選しているかを判別し(S4409F)、時短図柄当選していると判別した場合は(S4409F:Yes)、時短図柄当選時演出設定処理47を実行し(S4410F)、本処理を終了する。一方、S4409Fの処理において、時短図柄当選していないと判別した場合は(S4409F:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4411F)、本処理を終了する。
また、S4408Fの処理において、第1時短状態では無いと判別した場合は(S4408F:No)、次いで、遊技状態が第2時短状態であるかを判別し(S4412F)、第2時短状態であると判別した場合は(S4412F:Yes)、第2時短状態演出設定処理47を実行し(S4413F)、本処理を終了する。
一方、S4412Fの処理において、第2時短状態では無い(通常状態である)と判別した場合は(S4412F:No)、通常状態演出設定処理47を実行し(S4414F)、本処理を終了する。
次に、図1357を参照して、時短図柄当選時演出設定処理47(S4410F)の処理内容について説明をする。図1357は、時短図柄当選時演出設定処理47(S4410F)の処理内容を示したフローチャートである。この時短図柄当選時演出設定処理47(S4410F)は、第1時短状態が設定されている状態で時短図柄当選した場合における特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
具体的には、時短図柄当選時演出設定処理47(S4410F)が実行されると、今回当選した時短種別(時短図柄種別)を読み出し(S4501F)、読み出した時短種別が時短A(時短図柄A)であるかを判別する(S4502F)。S4502Fの処理において、時短Aであると判別した場合は(S4502F:Yes)、ファイナル演出中カウンタ223Faの値に9をセットし(S4503F)、ファイナルカウントダウン演出の残回数が9に増加する演出態様を決定し(S4504F)、本処理を終了する。一方、S4502Fの処理において、時短Aでは無いと判別した場合は(S4502F:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4505F)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選で時短A(第1時短状態が設定される時短図柄種別)の時短図柄に当選した場合には、ファイナルカウントダウン演出の残回数が増加する演出を実行するように構成している。このように構成することで、ファイナルカウントダウン演出中における第1時短状態の最終変動期間を、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が5のタイミングに固定することができる。
次に、図1358を参照して、第2時短状態演出設定処理47(S4413F)の処理内容について説明をする。図1358は、第2時短状態演出設定処理47(S4413F)の処理内容を示したフローチャートである。この第2時短状態演出設定処理47(S4413F)では、第2時短状態中に実行される特別図柄変動(第2特別図柄変動)に対応する変動演出の演出態様を、実行中の演出内容に応じて異ならせて決定する処理が実行される。
具体的には、第2時短状態演出設定処理47(S4413F)が実行されると、まず、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいか、即ち、現在がファイナルカウントダウン演出中であるかを判別し(S4601F)、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4601F:Yes)、次いで、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0であるかを判別する(S4602F)。つまり、S4602Fの処理では、当該変動がファイナルカウントダウン演出の最終変動であるかを判別する。
S4602Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0であると判別した場合は(S4602F:Yes)、残時短回数カウンタ223Fbの値を読み出し(S4603F)、読み出した残時短回数カウンタ223Fbの値が1よりも大きいかを判別する(S4604F)。S4604Fの処理において、1よりも大きく無い、即ち、当該変動にて時短状態が終了すると判別した場合は(S4604F:No)、ファイナルカウントダウン演出の終了タイミングと、時短状態の終了タイミングとが一致する場合であるため、ファイナルカウントダウン演出の終了後も時短状態(第2時短状態)が継続していることを示すための上乗せ演出の演出態様を決定すること無く、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4606F)、本処理を終了する。
一方、S4604Fの処理において、残時短回数カウンタ223Fbの値が1よりも大きいと判別した場合は(S4604F:Yes)、ファイナルカウントダウン演出が終了した時点で第2時短状態が継続する状態であるため、その差分(ファイナルカウントダウン演出終了時点における第2時短状態の残時短回数を示す値)に対応する値を初期値とした上乗せ演出の演出態様を後半演出として決定し(S4605F)、上述したS4606Fの処理を実行し、本処理を終了する。
また、S4601Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きくない、即ち、現在がファイナルカウントダウン演出中では無いと判別した場合は(S4601F:No)、次に、今回の特別図柄変動が時短当選しているかを判別し(S4607F)、時短図柄当選していないと判別した場合は(S4607F:No)、S4606Fの処理を実行し、本処理を終了する。S4607Fの処理において時短当選していると判別した場合は(S4607:Yes)、残時短回数の上乗せを示唆するための演出態様を決定し(S4608F)、本処理を終了する。
次に、図1359を参照して。通常状態演出設定処理47(S4414F)の処理内容について説明をする。図1359は、通常状態演出設定処理47(S4414F)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理47(S4414F)では、通常状態中に実行される特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を、実行中の演出内容に応じて異ならせて決定する処理が実行される。
具体的には、通常状態演出設定処理47(S4414F)が実行されると、まず、今回の特別図柄変動が特図2変動であるかを判別し(S4701F)、特図2変動では無い(特図1変動である)と判別した場合は(S4701F:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4706F)、本処理を終了する。
一方、S4701Fの処理において、特図2変動であると判別した場合は(S4701F:Yes)、次に、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいか、即ち、時短状態中に獲得した特図2残保留を用いた通常状態における特図2変動であるかを判別し(S4702F)、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4702F:Yes)、次に、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が1であるか、即ち、ファイナルカウントダウン演出の最終変動であるかを判別し(S4703F)、1であると判別した場合は(S4703F:Yes)、ファイナルカウントダウン演出の終了を示すための演出態様を後半演出として決定し(S4704F)、S4706Fの処理を実行し、本処理を終了する。
また、S4702Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0よりも大きく無いと判別した場合は(S4702F:No)、ファイナルカウントダウン演出が実行されていない状態であって、且つ、第2特別図柄変動が実行された場合であるため、警告画像を表示するための表示用コマンドを設定し(S4705F)、S4706Fの処理へ移行する。つまり、本第47制御例では、通常状態中に右打ち遊技を行ったとしても、第2入球口640へと遊技球を入球させることが出来ないように構成しており、ファイナルカウントダウン演出中以外の通常状態において特図2変動が実行される場合は、遊技者が不正に遊技球を第2入球口640へと入球した場合、或いは、電動役物640aが故障し、常に開放状態となっている場合が考えられる。このような状況を放置したまま遊技を継続させてしまうと、遊技者に過剰に特典を付与してしまうことになるため、警告画像を表示するようにすることで、ホール店員に異常事態が発生していることを把握させ易くしている。なお、詳細な説明は省略するが、S4705Fの処理が実行された場合には、合わせて、異常報知を音声でも出力するように構成している。これにより、ホール店員に異常事態が発生していることをより把握させ易くすることができる。
<第47制御例の第1変形例について>
次に、図1360から図1365を参照して上述した第47制御例の第1変形例について説明をする。上述した第47制御例では、ファイナルカウントダウン演出中に実行されるバトル演出1回の演出期間が、対象となる特別図柄抽選の結果に関わらず10秒間になるように構成していた。そして、当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)以外の抽選結果(時短図柄当選、外れ)である場合には、バトル演出の演出結果として味方キャラ801Fが倒される敗北演出が実行されることで、時短図柄当選したか否かを遊技者に分かり難くするように構成することで、ファイナルカウントダウン演出が終了するタイミング、即ち、大当たり遊技終了後に設定された第1時短状態によって実行させることが可能となる回数分(8回分)、第2特別図柄抽選が実行されたタイミングにおいて、時短状態が継続する(途中で時短図柄当選していた)ことを期待させながら遊技者に遊技を行わせることで、遊技者の遊技意欲を高めることができるものであった。
これに対して、本第1変形例では、特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動時間の変動パターンを選択可能に構成し、選択された変動パターンに応じて異なる演出態様でバトル演出を実行可能に構成している。このように構成することで、バトル演出の演出態様を把握することにより、時短図柄当選の有無を遊技者に予測させるという楽しみを提供することができる。
加えて、第2特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、当たり当選している場合や、時短図柄当選している場合の方が、変動時間が10秒の通常変動パターンよりも長いロング変動パターン(変動時間20秒)が選択され易く構成しており、ロング変動パターン専用の演出態様でバトル演出(必殺技を繰り出すバトル演出)を実行可能に構成しているため、ファイナルカウントダウン演出中に必殺技を繰り出すバトル演出が実行された場合において、遊技者に対して、当たり当選を期待させながら興味深く演出を見させることができる。また、必殺技を繰り出すバトル演出にて味方キャラ801Fが倒されたとしても、時短図柄当選していることに期待をさせることができるため、ファイナルカウントダウン演出が終了するまで遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
さらに、本第1変形例では、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を先読みし、先読み結果に基づいて複数の第2特別図柄変動が実行される期間が1のバトル演出の実行期間となるように構成している。つまり、連続する複数の第2特別図柄抽選の結果を1のバトル演出(コンビバトル演出)の演出結果によって報知可能に構成している。このように構成することで、味方キャラ801Fが倒されるバトル演出の実行回数を減らすことができるため、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
また、獲得済みの特図2保留を用いた先読み結果が外れである場合よりも、当たり当選、時短図柄当選である場合の方が、コンビバトル演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、コンビバトル演出が実行された時点で当たり当選や時短図柄当選することを期待しながら遊技者にバトル演出を楽しませることができる。
また、本第1変形例では、ファイナルカウントダウン演出中の遊技状態として特定の遊技状態(例えば、第2時短状態)が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選で、特定の時短図柄種別(例えば、時短図柄B47)が設定される時短図柄に当選した場合に、バトル演出の背景画像を特殊背景画像(例えば、天国背景)へと切り替える背景チェンジ演出を実行可能に構成している。
この場合、バトル演出の演出内容は、通常のバトル演出と同様(味方キャラ801Fが倒される敗北演出)となるが、背景チェンジ演出が実行されるため、遊技者に対して時短図柄当選したことを把握させ易くすることができる。
以上、説明をした通り、本第47制御例の第1変形例では、上述した第47制御例におけるパチンコ機10に対して、ファイナルカウントダウン演出中に実行される各バトル演出の演出結果を変更すること無く、各バトル演出の演出内容として様々なバリエーションを追加するように構成した点で相違しており、遊技者に対して、バトル演出が実行される様々なタイミングで対応する第2特別図柄抽選の結果を予測させる楽しみを提供可能に構成している。なお、上述した内容に関連する構成以外は、上述した第47制御例におけるパチンコ機10と同一であるため、その説明を省略する。
<第47制御例の第1変形例における演出内容について>
次に、図1360、及び図1361を参照して、本第1変形例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、上述した第47制御例におけるパチンコ機10とは異なる特徴的な演出の内容について説明をする。図1360(a)は、ファイナルカウントダウン演出中に実行される第2特別図柄抽選の変動パターンとして20秒のロング変動が設定された場合に表示されるロングバトル演出の表示画面の一例を示した図であり、図1360(b)は、ファイナルカウントダウン演出中にコンビバトル演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図1361は、ファイナルカウントダウン演出中に背景チェンジ演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
まず、図1360(a)を参照して、ロングバトル演出の演出内容について説明をする。このロングバトル演出は、対応する第2特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が20秒のロング変動パターンが選択された場合に実行されるバトル演出である。図1360(a)では、ファイナルカウントダウン演出が実行されてから6回目の第2特別図柄変動が実行されており、通常状態中に時短図柄当選したロング変動期間中の表示画面を示している。
図1360(a)に示した通り、主表示領域Dmの中央付近では、6回目の第2特別図柄抽選に対応する味方キャラ801F6が敵キャラE1と対峙するバトル演出が開始される。このバトル演出(ロングバトル演出)と、通常のバトル演出と、では、バトル演出が開始されてから2秒が経過するまでは同一の演出態様で演出が実行されるように構成しており、2秒経過後に実行される味方キャラ801F6が攻撃を仕掛ける演出として、必殺技を繰り出すアクションが実行され、副表示領域Dsには「必殺技発動!!倒せなくてもチャンス!?」の文字が表示される。
その後、必殺技が敵に炸裂する第1演出、又は敵が回避する第2演出の何れかが実行され、第1演出が実行された場合には、そのまま敵が倒れる第3演出、又は、敵が倒れず反撃される第4演出が実行される。一方、第2演出が実行された場合には、カウンターで敵キャラE1が味方キャラ801F6を攻撃する第5演出が実行される。
図1360(a)では、1~5回目の第2特別図柄抽選の結果が全て外れであって、通常状態へ移行してから2回目の第2特別図柄抽選で時短図柄当選したことに基づくロングバトル演出が実行されているため、敵が倒れる演出(第3演出)が実行されること無く、第1演出が実行された後に第4演出が実行され、味方キャラ801F6が倒される敗北演出が実行される。詳細は後述するが、通常状態へと移行してから2回目の第2特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンとしてロング変動パターンが選択される割合は、特別図柄抽選の結果が外れである場合の約2%(4/199)となり、時短図柄当選している場合では約90%(189/199)となるように構成している。
また、第2特別図柄抽選の結果が外れとなる確率は、上述した第47制御例と同一で約85%(851/1000)であり、時短図柄当選となる確率は、2%(20/1000)である。つまり、ロングバトル演出にて敗北演出が実行された場合には、対応する第2特別図柄抽選の結果が外れである確率よりも、時短図柄当選である確率の方が高くなる。よって、敵に倒される演出結果となるバトル演出が実行された場合であっても、時短図柄当選したことを期待しながらファイナルカウントダウン演出が終了するまで遊技者の遊技意欲を低下させることなく遊技を行わせることができる。
なお、時短状態が継続している状態でファイナルカウントダウン演出が終了した場合には、上述した第47制御例と同様に、上乗せ演出が実行される。
また、詳細な説明は省略しているが、本第1変形例では敗北演出となるロングバトル演出中の演出内容として、上述した複数の演出パターン(第2演出から第5演出が実行される第1演出パターン、第1演出から第4演出が実行される第2演出パターン)を設定可能に構成しており、対応する第2特別図柄抽選の結果に応じて、各演出パターンの選択割合を異ならせている。具体的には、抽選結果が外れであるロング変動パターンの方が、抽選結果が時短図柄当選であるロング変動パターンよりも第1演出パターンが設定され易く、第2演出パターンが設定され難くなるように構成している。
このように構成することで、第2演出パターンの敗北演出が実行された場合に、第1演出パターンの敗北演出が実行された場合よりも、時短図柄当選を期待することができるため、遊技者に対して、ロングバトル演出の実行有無、及び、演出結果だけで無く、演出過程(演出パターン)についても興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
次に、図1360(b)を参照して、コンビバトル演出の演出内容について説明をする。このコンビバトル演出は、連続する複数の第2特別図柄変動の変動時間を用いて実行されるバトル演出であって、対象となる複数の第2特別図柄抽選の結果が1のバトル演出の演出結果として報知される。具体的には、新たな第2特別図柄変動に対応するバトル演出の演出態様を設定する際(変動演出の演出態様を決定する際)に、獲得済みの特図2保留の中に当たり当選、或いは、時短図柄当選に対応する入賞情報が含まれているかを判別し、その判別結果に基づいてコンビバトル演出の演出態様を設定する処理が実行される。
図1360(b)では、次変動に対応する特図2保留(特図2保留アイコンhr5)に対応する入賞情報に時短図柄Aが設定される時短図柄当選を示す情報が含まれていることに基づいて、当該変動(10秒変動)と、次変動(10変動)の第2特別図柄変動期間(合計20秒)を用いたコンビバトル演出が実行されている表示画面を示している。
図1360(b)に示した通り、コンビバトル演出が実行されると、対象となる第2特別図柄変動に対応するストックアイコンms6、ms7に対応した味方キャラ801F6、味方キャラ801F7がコンビを組んで敵キャラE1を攻撃する演出が実行され、副表示領域Dsには、コンビバトル演出が遊技者に有利な第2特別図柄抽選が実行されている(実行される)ことを示すための表示態様として「コンビで攻撃!!大チャンス!!」の文字が表示されている。
より具体的にコンビバトル演出の演出内容を説明すると、コンビバトル演出の演出期間の前半期間(6回目の第2特別図柄変動期間)中は、主表示領域Dmの上方に「残り3回」の文字が表示され、味方キャラ801F6が敵キャラE1に攻撃を仕掛ける。そして、後半期間(7回目の第2特別図柄変動期間)に到達すると、表示領域Dmの上方に「残り2回」の文字が表示され、味方キャラ801F7が敵キャラE1に追撃を仕掛ける演出が実行される。
つまり、敵キャラE1の反撃を受けること無く、味方キャラ801Fが複数回連続して攻撃を行う演出が実行される。このような演出を実行することにより、見た目上も敵キャラE1を倒しやすい演出が実行されるため、コンビバトル演出が遊技者に有利な演出であることを理解させ易くすることができる。
詳細な説明は省略するが、コンビバトル演出にてコンビを組む味方キャラ801Fの種別は、コンビバトル演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果(先読み結果)に基づいて決定されるように構成しており、コンビバトル演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果(先読み結果)が遊技者に有利な結果である場合に決定され易い種別の組合せと、決定され難い種別の組合せと、を少なくとも決定可能に構成している。このように構成することで、このコンビバトル演出が実行されて複数の味方キャラ801Fが表示された時点で、今回のコンビバトル演出の演出結果や、コンビバトル演出の対象となる第2特別図柄抽選の結果(先読み結果)を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
さらに、図示は省略するが、最大で3体の味方キャラ801Fが共闘するトリオバトル演出も実行可能であり、トリオバトル演出が実行された場合には、コンビバトル演出よりも当たり当選の期待度が高くなるように構成している。この場合、バトル演出の開始時点から、味方キャラ801Fを3体表示されるように構成しても良いし、コンビバトル演出の途中段階で3体目の味方キャラ801Fが登場するように構成しても良い。
以上、説明をした通り、本第1変形例では、上述した第47制御例に対して、固定期間(10秒間)のバトル演出では無く、20秒間を用いたバトル演出として複数の演出(ロングバトル演出、コンビバトル演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、ファイナルカウントダウン演出中に実行される個々のバトル演出の内容に対して、当たり当選の有無だけでは無く、時短図柄当選の有無を予測する楽しみを提供することができるという斬新な演出を提供することができる。
なお、本第1変形例に用いられる各種バトル演出の演出態様に加え、さらに、以下のバトル演出を実行可能に構成しても良い。例えば、先読み演出として、連続する2回の第2特別図柄変動が共に10秒変動である場合に、ロングバトル演出を実行可能に構成しても良いし、変動時間が20秒のロング変動パターンが選択された場合に、コンビバトル演出を実行可能に構成しても良い。
なお、本第1変形例で用いた先読み結果を用いて、敵キャラE1の種別や、表示態様を異ならせても良く、例えば、獲得済みの特図2保留内に当たり当選や時短図柄当選する入賞情報が含まれている場合には、その入賞情報に基づく第2特別図柄抽選が実行されるよりも前の第2特別図柄抽選に対応するバトル演出にて、通常とは異なる敵キャラE1(例えば、図1360(b)に示した痛がっている表示態様等)を表示するように構成し、その通常とは異なる敵キャラE1の表示態様が複数回のバトル演出にて継続表示されることで、獲得済みの特図2保留内に当たり当選や時短図柄当選する入賞情報が含まれている可能性を高めるように構成しても良い。
このように構成することで、敵キャラE1の表示態様として通常とは異なる表示態様が表示された場合において、後に実行される第2特別図柄抽選が遊技者に有利となる抽選結果(当たり当選や時短図柄当選)となることを期待させながら継続して遊技に興味を持たせることができる。
次に、図1361を参照して、ファイナルカウントダウン演出中における背景チェンジ演出の内容について説明をする。図1361は、背景チェンジ演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。この背景チェンジ演出は、バトル演出の演出内容を変えること無く、背景画像を切り替えることで、時短図柄当選したことを遊技者に報知可能な演出である。
上述した通り、ファイナルカウントダウン演出中に実行されるバトル演出では、対象となる第2特別図柄抽選が当り当選しているか否かを示すための演出が実行されるため、時短図柄当選している場合、即ち、当たり当選していない場合には、外れの場合と同一の演出結果(敗北演出)となるように構成している。
よって、バトル演出の演出結果からは、時短図柄当選の有無を遊技者が判別し難いという問題があった。しかしながら、バトル演出の演出結果として、時短図柄当選した場合に当たり当選した場合と同一の演出結果(勝利演出)を設定した場合には、勝利演出が実行されたにも関わらず当たり遊技が実行されないことに不快感を与えてしまうという問題があった。
さらに、時短図柄当選した場合専用の演出結果を設けた場合には、バトル演出自体が遊技者に分かり難い演出となってしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。そこで、本第1変形例では、バトル演出としては、あくまでも当たり当選の有無を遊技者に示すための演出態様を決定可能に構成し、時短図柄当選した場合の少なくとも一部において、背景画像を切り替える背景チェンジ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、バトル演出中に当たり当選の有無と、時短図柄当選の有無とを重複して遊技者に分かり易く報知することができる。
図1361に示した通り、背景チェンジ演出が実行されると、バトル演出の背景画像として天国を模した背景が表示され、副表示領域Dsには「背景が天国!!ラッキーかも」の文字が表示される。なお、実行中のバトル演出としては敗北演出が実行される。
本第1変形例では、時短図柄当選した場合に必ず背景チェンジ演出が実行されるのでは無く、時短図柄当選した場合の一部において背景チェンジ演出の実行条件を成立させるように構成している。このように構成することで、背景チェンジ演出が実行されないバトル演出であっても、時短図柄当選への期待感を損なわせることなく演出を実行させることができる。
さらに、本第1変形例では、第2時短状態中に実行される第2特別図柄抽選で時短図柄Bが設定される時短図柄に当選した場合、即ち、ファイナルカウントダウン演出の終了タイミングにて多くの(少なくとも10回以上)の残時短回数を残した第2時短状態が継続し得る場合に背景チェンジ演出の実行条件が成立するように構成している。
このように構成することで、背景チェンジ演出が実行され天国背景が表示された場合には、高確率で次の大当たり遊技を実行させることができると共に、遊技者に有利な第2時短状態が繰り返し設定される可能性が高いことを遊技者に把握させることができるため演出効果を高めることができる。
<第47制御例における第1変形例の電気的構成について>
次に、図1362を参照して、本第47制御例の第1変形例における電気的構成のうち、上述した第47制御例におけるパチンコ機10とは異なる構成について説明をする。本第47制御例の第1変形例では、上述した第47制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成を異ならせている点で相違している。具体的には、通常用47テーブル202Fd1(図1350参照)に代えて通常用47aテーブル202Fad1を用いる点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成についてはその説明を省略する。
ここで、図1362を参照して、通常用47aテーブル202Fad1の内容について説明をする。図1362は、通常用47aテーブル202Fad1に規定されている内容を示した図である。図1362に示した通り、通常用47aテーブル202Fad1には、上述した通常用47テーブル202Fd1(図1350参照)に対して、特図2変動の変動パターンを決定する際に参照されるデータテーブルに規定されている内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、変動回数「1~3」であって、抽選結果が「大当たり、外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~194」の範囲に対して変動時間が10秒の「共通変動」が規定されており、「195~198」の範囲に対して変動時間が20秒の「ロング変動」が規定されている。また、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して変動時間が10秒の「共通変動」が規定されており、「150~198」の範囲に対して変動時間が20秒の「ロング変動」が規定されている。また、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~19」の範囲に対して変動時間が10秒の「共通変動」が規定されており、「20~198」の範囲に対して変動時間が20秒の「ロング変動」が規定されている。
さらに、変動回数「4」であって、抽選結果が「大当たり、外れ」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の全範囲に対して変動時間が20秒の「共通中変動」が規定されている。また、抽選結果が「小当たり」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して変動時間が20秒の「共通中変動」が規定されており、「150~198」の範囲に対して変動時間が10秒の「通常変動」が規定されている。また、抽選結果が「時短図柄」である場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0~59」の範囲に対して変動時間が20秒の「共通中変動」が規定されており、「60~198」の範囲に対して変動時間が30秒の「特殊変動」が規定されている。
<第47制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置の制御処理内容について>
次に、図1363から図1365を参照して、本第47制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第47制御例に対して、第2時短状態演出設定処理47(図1358のS4413F)に代えて、第2時短状態演出設定処理47a(図1363のS4413Fa)を、通常状態演出設定処理47(図1359のS4414F参照)に代えて、通常状態演出設定処理47a(図1365のS5709Fa)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその説明を省略する。
まず、図1363を参照して、第2時短状態演出設定処理47a(S4413Fa)の処理内容について説明をする。図1363は、第2時短状態演出設定処理47a(S4413Fa)の処理内容を示したフローチャートである。この第2時短状態演出設定処理47a(S4413Fa)では、上述した第2時短状態演出設定処理47(図1358のS4413F)に対して、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が0では無いと判別した場合に特殊背景設定処理(S4601Fa)を実行する点で相違し、それ以外の制御処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図1364を参照して、特殊背景設定処理(S4601Fa)の処理内容について説明をする。図1364は、特殊背景設定処理(S4601Fa)の処理内容を示したフローチャートである。この特殊背景設定処理(S4601Fa)では、第2時短状態が設定されている状態で、さらに第2時短状態が設定される時短図柄(時短B)に当選したことに基づいて、残時短回数が多く残っていることを示すための演出態様(図1361参照)を設定するための処理が実行される。
特殊背景設定処理(S4601Fa)が実行されると、まず、時短当選したかを判別し(S4651Fa)、時短当選していないと判別した場合は(S4651Fa:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短当選したと判別した場合は(S4651Fa:Yes)、当選した時短図柄種別が時短図柄Bであるかを判別し(S4652Fa)、時短図柄Bであると判別した場合は(S4652Fa:Yes)、天国背景用の背面画像を示す表示用背面画像コマンドを設定し(S4653Fa)、本処理を終了する。
一方、時短図柄Bでは無いと判別した場合は(S4652Fa:No)、背景画像の移行抽選を実行し(S4654Fa)、背景画像の移行ありと判別した場合には(S4655Fa:Yes)、S4653Faの処理を実行し、本処理を終了する。また、背景画像の移行ありと判別されなかった場合は(S4655Fa:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図1365を参照して、通常状態演出設定処理47a(S5709Fa)の処理内容について説明をする。図1365は、通常状態演出設定処理47a(S5709Fa)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理47a(S5709Fa)では、上述した通常状態演出設定処理47(図1359のS4414F参照)に対して、ファイナルカウントダウン演出中に実行される演出態様を決定するための処理内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、通常状態演出設定処理47a(S5709Fa)が実行されると、上述した通常状態演出設定処理47(図1359のS4414F参照)と同一のS4701F~S4703Fの処理を実行し、S4703Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が1では無いと判別した場合は(S4703F:No)、特図2保留の入賞情報を入賞情報格納エリア223aから読み出し(S4701Fa)、小当たり当選に対応する入賞情報含まれているかを判別する(S4702Fa)。そして、小当たり情報があると判別した場合は(S4702Fa:Yes)、小当たり当選する特図2変動が停止表示するまでの期間を用いた連続演出(コンビバトル演出など)の演出態様を抽選(当選確率約1/10)で決定し(S4703Fa)、連続演出ありかを判別し(S4704Fa)、連続演出ありと判別した場合は(S4704Fa:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4704Faの処理において、連続演出無しと判別した場合は(S4704Fa:No)、当該変動の抽選結果と抽出した変動パターンとに基づいて変動演出の演出態様を決定し(S4706F)、本処理を終了する。また、S4702Faの処理において、小当たり情報無しと判別した場合は(S4702Fa:No)、連続演出の演出態様を低確率(1/60)で決定し(S4705Fa)、S4704Faの処理へ移行する。
このように構成することで、先読み処理(S4701Fa)によって、小当たり当選する特図2保留を有している場合の方が、連続演出(コンビバトル演出等)を実行し易くなるため、連続演出が実行された場合の当たり当選への期待度を高めることができ演出効果を高めることができる。
S4703Fの処理において、ファイナル演出中カウンタ223Faの値が1であると判別した場合は(S4703F:Yes)、今回の変動パターンが「特殊変動」であるかを判別し(S4706Fa)、特殊変動であると判別した場合は(S4706Fa:Yes)、時短当選を示す演出態様を決定し(S4707Fa)、本処理を終了する。また、特殊変動では無いと判別した場合は(S4706Fa:No)、S4704Fの処理へ移行し、その後、S4706の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、第47制御例、及び第47制御例の第1変形例では、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選と、時短状態が終了した後に実行される第2特別図柄抽選(残特図2保留に基づいて実行される第2特別図柄抽選)と、の抽選結果を示すための演出を、予め定めた第1期間演出(ファイナルカウントダウン演出)を用いて実行するように構成し、第1期間演出中において新たに時短図柄当選した場合であっても、その時点で残時短回数が増加したことを遊技者に報知すること無く、予め定められた演出期間を用いて実行される第1期間演出が終了した後に、残りの時短回数を用いた第2期間演出(上乗せ演出)を実行するように構成している。
このように構成することで、途中で時短図柄当選した場合であっても、第1期間演出の演出効果を低下させること無く、遊技者に好適な演出を提供することができる。
なお、上述した第47制御例では、時短図柄当選した時点における状況に応じて、残時短回数を報知するタイミングを異ならせるように構成しているが、特別図柄抽選に関して設定される様々な回数(特別図柄抽選回数、大当たり当選回数、小当たり当選回数等)や、獲得済みの特別図柄抽選の実行権利数(特図保留数)を報知可能な条件が成立した場合における他の条件の成立有無に応じて、報知するタイミングを異ならせて設定するように構成しても良い。
この場合、例えば、遊技状態が切り替わったことに基づいて報知可能な条件が成立するように構成し、遊技状態が切り替わった時点における他の遊技状況(例えば、特別図柄変動の実行有無や、特定の特別図柄種別(切り替わり後の遊技状態において実行され難くなる側の特別図柄種別)に対する特別図柄変動の実行の有無)によって報知タイミングを異ならせるように構成しても良く、切り替わり後の遊技状態(通常状態)において実行し易くなる特別図柄種別(第1特別図柄)に対応する特図保留数(特図1保留数)を、切り替わり後の遊技状態において実行され難くなる側の特別図柄種別(第2特別図柄)の特図保留(特図2保留)が全て消化された後に表示するように構成しても良い。
また、上述した第47制御例では、時短状態中に実行される変動演出として、特別図柄抽選の結果が小当たり当選しているか否かを示すための演出を優先的に実行し、時短図柄当選しているか否かを示すための演出を非優先で実行する(実行しない)変動演出を主として実行し、特定条件が成立した場合に、小当たり当選を示す演出よりも優先して時短図柄当選を示すための演出を実行するように構成している。
このように、通常主として実行される変動演出とは異なる優先度で変動演出を実行可能に構成することで、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
ここで、図1366から図1368を参照して、1の特別図柄抽選に基づいて複数種類の特典を付与可能に構成されたパチンコ機10において、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様の設定内容について、追加例で説明をする。
本追加例では、特別図柄抽選によって大当たり当選の判定と、時短図柄当選の判定と、を実行可能に構成している。なお、詳細な制御内容や電気的構成については、上述した各制御例に記載されている何れかの構成が適用されているため、その説明を省略する。
本追加例では、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様として、大当たり当選の有無を示すための演出態様(大当たり示唆演出態様)と、時短図柄当選の有無を示すための演出態様(時短図柄示唆演出態様)と、を単独で、或いは、組み合わせて設定可能に構成している。
図1366(a)は、大当たり示唆演出態様に関する表示画面を示した図であり、図1366(b)は、時短図柄示唆演出態様に関する表示画面を示した図である。通常の演出パターンであれば、変動パターンとして90秒の変動パターンが設定された場合には、図1368(a)に示した演出パターンA、或いは、演出パターンBが設定される。
つまり、図1366(a)に示した60秒のスーパーリーチ演出の演出結果として、大当たり当選を示す表示態様(777)では無く、中図柄Z3bが停止表示され、図1367に示した表示画面が表示され、その後、図1366(b)に示した時短示唆演出が実行される。つまり、演出パターンAの変動演出では、大当たり当選の有無を遊技者に優先して報知し、その後、時短図柄当選の有無が遊技者に報知される変動演出となる。
また、図1368(b)に示した演出パターンBでは、変動時間90秒の全てを用いて大当たり示唆演出態様が設定される変動演出であって、この場合も、大当たり当選の有無を時短図柄当選の有無よりも優先的に遊技者に報知する変動演出となる。
このような構成に対して、例えば、図1368(c)に示した演出パターンCを設定可能に構成すると良い。つまり、変動演出(30秒)として、大当たり示唆演出態様を設定すること無く、時短図柄演出態様のみが設定された変動演出を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、時短図柄当選の有無を大当たり当選の有無よりも優先して遊技者に報知することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。さらに、図1368(d)に示した演出パターンDを設定可能に構成しても良い。
この場合、図1366(b)に示した時短図柄示唆演出を実行した後に、図1367に示した表示画面を表示し、その後、図1366(a)に示した大当たり示唆演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、通常の演出パターン(演出パターンA)とは、優先度を入れ替えた変動演出を実行することができるため、演出効果をより高めることができる。
<第48制御例>
次に、図1369から図1408を参照して、第48制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第17制御例におけるパチンコ機10では、大当たり終了後(またはパチンコ機10の初期化後)における特別図柄の抽選回数が150の倍数となる毎に、天井抽選回数に到達したと判別して、当該天井抽選回数到達時点の遊技状態によらず、有利な第3時短状態B、または第2時短状態Bが設定される構成としていた。
これに対して本第48制御例におけるパチンコ機10では、有利な特定の遊技状態において特定条件が成立した(特別図柄の抽選回数が特定回数に到達した)場合に、特定の遊技状態の有利度合い(大当たり遊技が実行された場合に大当たり終了後の遊技状態が再度特定の遊技状態に設定される割合)を可変させる構成としている。より具体的には、本第48制御例では、遊技状態として通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の遊技状態を設ける構成とし、3種類の遊技状態のうち最も有利度合いが高い確変状態において当該確変状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(20回、40回、または60回のいずれか)に到達することにより、実質的な確変大当たりの割合をアップさせる(確変大当たり確定となるように制御する)構成としている。これにより、有利な確変状態に設定された場合に、早期に大当たりに当選するよりも、天井抽選回数まで外れ続けた後で大当たりに当選した方が、有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設けることにより遊技にメリハリをつけているものが広く一般的に知られている。更に、係る従来型の遊技機の中には、射幸性が過剰に高くなってしまうことを抑制するために、有利な遊技状態が設定されてから次の大当たりに当選するまでの期間が長くなり易くなる制御(例えば、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を従来の遊技機に比較して低確率にする制御や、特別図柄の変動時間を従来の遊技機に比較して長くする制御)を採用している遊技機も提案されている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態となってから大当たりに当選するまでの期間が長期化することによる弊害として、有利な遊技状態における遊技が単調となってしまったり、次に大当たりとなるまでに消費する(発射する)遊技球の個数が多くなり過ぎてしまったりする虞があるため、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し易くなってしまうという問題点があった。
これに対して本第48制御例におけるパチンコ機10では、有利な確変状態において予め定められた天井抽選回数に到達する前よりも、天井抽選回数に到達した後の方が、有利度合いが高くなるように構成している。即ち、天井抽選回数に到達するよりも前に大当たり遊技が実行された場合は、50%の割合で有利度合いが高い確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が再度確変状態に設定され、50%の割合で有利度合いが低い通常大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態よりも有利度合いが低い時短状態に設定される一方で、天井抽選回数に到達した後で大当たり遊技が実行された場合は、実質的に100%の割合で確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成している。このように構成することで、確変状態に設定された場合に、少なくとも天井抽選回数に到達するまでは大当たりとならずに特別図柄の抽選で外れ続けることを期待して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができるので、大当たりとなるまでに長い期間を要したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難く構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第48制御例では、天井抽選回数に到達する前後において、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するために参照する変動パターンテーブルを異ならせることにより、遊技状態を変えずに実質的な確変大当たりの比率を変更する制御を実現している。より具体的には、本第48制御例では、上述した第17制御例と同様に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並行して)実行可能な所謂同時変動仕様を採用している。そして、本第48制御例では、両方の特別図柄の変動表示の実行中に一方の特別図柄の変動表示が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に、他方の特別図柄が抽選結果によらず外れ図柄で停止表示される制御を採用した。また、本第48制御例では、確変状態(および時短状態)において右打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(右第1入球口2640a)にも第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(第2入球口1641)にも頻繁に遊技球が入球する盤面構成とした上で、確変状態においては、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも特別図柄の外れが全て小当たりとなる(完全外れの振り分けが無い)ように構成した。更に、本第48制御例では、確変状態において、天井抽選回数に到達するよりも前においては、必ず、第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなるように構成することで、基本的に第1特別図柄の抽選によってのみ大当たりに当選し得る構成とした。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合も、通常大当たりになった場合も、ほぼ第2特別図柄の変動表示が停止表示されるよりも前に第1特別図柄の大当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の大当たりの振り分けが、確変状態における大当たりの振り分けと略同一となる。これに対して、天井抽選回数に到達した後においては、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合にのみ、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が設定されるように構成した。言い換えれば、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合は、第2特別図柄の小当たり又は大当たり変動の方が先に停止表示されるため、通常大当たり変動が外れ図柄に書き替えられる(通常大当たりが破棄される)一方で、通常大当たり以外の抽選結果(確変大当たり又は小当たり)となった場合は、第1特別図柄の変動表示の方が先に停止表示されるため、実質的に、次に確変大当たりとなるまで継続する極めて有利な状態を形成する構成とした。このように構成することで、確変状態のうち、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間が短い(即ち、平均の変動時間が短い)天井抽選回数に到達するまでの期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的低い(有利度合いが低い)状態として構成できる一方で、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間のみ長くなる(即ち、平均の変動時間が長い)天井抽選回数に到達した後の期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的高い(有利度合いが高い)状態として構成することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、1の遊技状態において所定の切替条件が成立した場合に、遊技状態を変えずに特別図柄の抽選が実行された場合の変動時間(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルを異なるテーブルに切り替えることにより、選択される変動時間(変動パターン)の傾向を異ならせ、遊技にメリハリをつけている仕様の遊技機が広く知られている。しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特別図柄の抽選で外れとなった場合に長い変動時間が選択され易い傾向のテーブルが参照される状態に設定された場合に、特別図柄の抽選結果が示されるまでの期間が長くなり易くなることにより、遊技が間延びしてしまうと共に、テーブルが切り替わる前後で略同一のペースで遊技球を発射し続けた場合に、持ち球をより多く消費してしまう(遊技効率が悪くなってしまう)可能性が高くなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させ難くなってしまうという問題点がある。
これに対して本第48制御例では、通常大当たり当選時の変動時間(新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)が短いことにより平均の変動時間としても短くなる天井抽選回数到達前の状態よりも、通常大当たり当選時の変動時間(新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)が長いことにより平均の変動時間としても長くなる天井抽選回数到達後の状態の方が、同一の遊技状態でありながら、実質的な確変大当たり遊技の実行割合が高くなる極めて有利な状況を形成するため、一般的には遊技に対するモチベーションが低下し易い平均の変動時間が長い状態の方が、逆に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させ易くなるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第48制御例では、上述した通り、確変状態において天井抽選回数に到達した場合に、遊技状態を変更すること無く、確変大当たり遊技が実行される割合という、遊技者の有利度合いを大きく左右する因子を大きく異ならせる構成としている。つまり、遊技状態を変えずに有利度合いを可変させる斬新な制御を実現可能に構成している。これに伴って、本第48制御例では、天井抽選回数に到達する前と後とで、演出態様を変更することにより、有利度合いが変更されたということを遊技者が容易に把握可能に構成している。言い換えれば、本第48制御例では、遊技状態が変更されていないにもかかわらず、異なる複数の有利度合いに対応する複数の演出態様を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者にとってより理解し易い遊技性を提供することができる。更に、本第48制御例では、天井抽選回数に到達するよりも前に、天井抽選到達(有利度合いの変更)を示唆する演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井抽選回数に到達することで有利度合いが高くなるということを、天井抽選回数に到達するよりも前から遊技者に対して容易に理解させることができる。
この第48制御例におけるパチンコ機10が、上述した第17制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第17制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第17制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1369を参照して、本第48制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図1369は、本第48制御例における遊技盤13の正面図である。図1369に示した通り、本第48制御例における遊技盤13は、上述した第17制御例における遊技盤13の盤面構成(図548参照)に対して、第17制御例において盤面右下に設けられていたV入賞装置1650に代えて、第1可変入賞装置65が設けられている点、第17制御例において第1入球口64の下方に設けられていた小当たり用入賞装置2650が削除されている代わりに、第1入球口64の正面視右下側に第2可変入賞装置2065aが設けられている点、第17制御例においてV入賞装置1650の正面視右下側に設けられていた右側第1入球口64rが削除されている代わりに、盤面右側に右第1入球口2640、および右第1入球口2640を開閉するための電動役物2640aが設けられている点、スルーゲート67の配置が右側流路における上流側に変更されている点、および右打ちされた遊技球が右第1入球口2640にも第2入球口1641にも第1可変入賞装置65にも比較的頻繁に到達するように、盤面右側流路の釘配置等の盤面構成が変更となっている点で相違している。
第1可変入賞装置65は、第22制御例において設けられていた第1可変入賞装置65(図670、図671参照)と同一の入賞装置であり、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aへと入球した遊技球が誘導片65h2によって確変スイッチ65e3が設けられている特別排出口65e2へと誘導された場合に、大当たり終了後の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態)に設定される一方で、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過しなかった場合は、大当たり終了後の遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態)に設定される。即ち、第1可変入賞装置65は、大当たり終了後の遊技状態を抽選するための抽選装置としての役割を担っている。また、遊技球が入球した場合に、特定数(15個)の賞球が払い出される入賞口としての役割も担っている。本第48制御例では、誘導片65h2が、Vラウンド(1ラウンド目)の開始を契機として、大当たり種別によらない共通の作動パターン(1ラウンド目の開始を契機として、5秒間の間特別排出口65e2へと誘導する配置に設定され、以降は大当たり終了まで特別排出口65e2を閉鎖する配置に設定される作動パターン)で作動される。一方、第1特定入賞口65aを開閉する開閉扉65f1は、確変大当たりの場合、Vラウンドの開始を契機として4.5秒間開放される一方で、通常大当たりの場合、Vラウンドの開始から5秒間が経過した後で4.5秒間開放されるように構成している。このように構成することで、確変大当たりとなった場合には、Vラウンドの間右打ちを行い続けるだけで、誘導片65h2が特別排出口65e2へと誘導する配置に設定されている間に遊技球を第1特定入賞口65aへと入球させ、当該遊技球を確変スイッチ65e3へと通過させることができる。一方、通常大当たりとなった場合には、Vラウンドの間右打ちを行い続けたとしても、第1特定入賞口65aには入球するが、確変スイッチ65e3への通過を規制することができる。よって、通常大当たりにおいて、確変スイッチ65e3を通過してしまい、遊技者に過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
なお、開閉扉65f1は、Vラウンド以外の各ラウンドにおいては、各ラウンドの開始を契機として開放され、各ラウンドの開始から30秒が経過するか、または第1特定入賞口65aへの10個以上の入球を検出することで閉鎖状態に設定されて当該ラウンドが終了される。よって、Vラウンド以外の各ラウンドにおいては、右打ちを行い続けるだけで、比較的容易に10個以上の遊技球を第1特定入賞口65aへと入球させて、150個(15個×10)以上の賞球を払い出させることができる。ここで、本第48制御例では、大当たり中に右打ちされた遊技球の約半数が第1可変入賞装置65へと到達するように構成されている。そして、本第48制御例では、最短で0.6秒間隔で遊技球を発射可能に構成している。つまり、30秒間の間に最大50個(30秒/0.6秒)の遊技球を発射することができ、そのうち半数の25個前後が第1可変入賞装置65へと到達する。よって、Vラウンド以外のラウンドにおいて右打ちを行い続けた場合、ほぼ、30秒が経過するよりも前に10個の遊技球を第1可変入賞装置65のだい1特定入賞口65aへと入賞(入球)させることができる。
第2可変入賞装置2065は、小当たりにおいて開閉される入賞装置である。この第2可変入賞装置2065は、遊技球が1個入球する毎に、3個の賞球が払い出される契機となる入賞口として構成される。小当たりとなった場合には、第1特別図柄の小当たりであるか、第2特別図柄の小当たりであるかによらず、第2可変入賞装置2065が0.1秒間のみ開放される。0.1秒間の開放期間の間に第2可変入賞装置2065へと遊技球を入球させるのは極めて困難であるため、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合も、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合も、小当たり遊技中に第2特定入賞口2065へと遊技球を入球させて賞球を獲得することはほぼ不可能である。また、運良く遊技球を入球させることができたとしても、第1特定入賞口65aへの入球に比較して少ない個数の賞球しか払い出されないため、入球に対する有利度合いも低くなる。よって、小当たりに当選したとしても、第2可変入賞装置2065の開閉動作を伴わない単なる外れ(完全外れ)になった場合とほぼ同等の有利度合いとすることができる。即ち、本第48制御例では、他方の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させる(破棄する)ためだけに設けられている。即ち、確変状態における天井抽選回数に到達する前においては、全ての第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の小当たり(または大当たり)によって破棄することで、実質的に第1特別図柄の抽選のみによって遊技を進行する状況を成立させ、天井抽選回数に到達した後においては、基本的に第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の小当たり(または大当たり)によって破棄し、第1特別図柄の通常大当たりに対応する変動表示のみを、第2特別図柄の小当たり(または大当たり)によって破棄することにより、第1特別図柄の確変大当たり(または第2特別図柄の確変大当たり)に当選するまで確変状態が継続する状況を成立させるために設けられている。
右第1入球口2640は、第1入球口64と同様に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口として構成されている。この右第1入球口2640には、当該右第1入球口2640を開閉可能な電動役物2640aが付随して設けられており、電動役物2640aが閉鎖されている状態で電動役物2640aへと到達した遊技球は、電動役物2640aに阻害されて右第1入球口2640へと入球することができず、下流へと流下する。即ち、第2入球口1641の方向へとほぼ流下する。一方、電動役物2640aが開放されている状態で電動役物2640aへと到達した遊技球は、開放状態の電動役物2640aに誘導されて、ほぼ右第1入球口2640へと入球する。
次に、図1370から図1377を参照して、本第48制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図1370(a)を参照して、確変状態で、且つ、天井抽選回数に到達する前の状態(通常ラッシュモード、確変状態A)における演出態様について説明する。図1370(a)は、通常ラッシュモード(確変状態A)において第3図柄の変動表示が実行されている間の演出態様の一例を示した図である。図1370に示した通り、通常ラッシュモード(確変状態A)では、第3図柄表示装置81の表示画面のうち、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が岩山をよじ登る演出態様を背面画像として、第3図柄の変動表示が実行される。また、ウサギを模したキャラクタ801の上方には、「RUSH中」という文字が表示され、主表示領域Dmの左上部分に形成される小表示領域Dm4に対して、「右打ち」という文字が表示される。これらにより、有利なRUSH状態(通常ラッシュモード)に滞在していること、および右打ちにより遊技を進行するべきであるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、図1370(a)に示した通り、主表示領域Dmの右上に形成される小表示領域Dm1、および小表示領域Dm8には、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動表示に対応する変動表示演出が比較的狭い表示範囲で(視認し難い表示態様で)実行される。これらの表示内容により、第1特別図柄、および第2特別図柄の個別の抽選結果を遊技者に対して示すことができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。なお、確変状態においては、主表示領域Dmの中央付近の比較的広い表示範囲で(視認し易い表示態様で)実行される第3図柄の変動表示演出によって、第1特別図柄の抽選結果が報知される。即ち、破棄され難い(変動時間が短い)側の特別図柄の抽選結果を報知する変動表示演出が実行される。これにより、両方の特別図柄の変動表示演出を並行して実行する場合に比較して、表示画面を効果的に用いることができるので、好適な演出態様を実現することができる。
更に、主表示領域Dmにおける小表示領域Dm4の下方に形成された小表示領域Dm7には、「昇格チャンスまで15回」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「頂上到達で無敵RUSHに昇格!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、頂上へと到達することで、現在よりも有利度合いが高い確変状態(確変状態B、無敵モード)に昇格するということ、および小表示領域Dm7に表示された回数の変動表示が実行されることで、無敵モードに昇格するチャンスを与えられるということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、この無敵モード(無敵RUSH、確変状態B)は、天井抽選回数に到達した後の状態を意味し、上述した通り、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合は、ほぼ、第2特別図柄の小当たり(または大当たり)によって通常大当たり変動を外れ図柄で強制的に停止表示させる(通常大当たりを破棄する)ことができ、実質的に確変大当たりとなるまで他の遊技状態に移行することがない極めて有利な状態を形成する。
図1370(b)は、通常ラッシュモード(確変状態A)においてリーチが発生した場合に実行されるピンチ演出の演出態様を示した図である。ここで、上述した通り、本第48制御例では、確変状態に設定されてから天井抽選回数に到達するまでの間(通常ラッシュモードに設定されている間)は、第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合も、確変大当たりとなった場合も、第2特別図柄の変動表示(小当たり又は大当たりに対応する変動表示)よりも先に大当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の大当たり種別の振り分けが、そのまま通常ラッシュモードにおける大当たり種別の振り分けとなる。即ち、50%の割合で通常大当たりとなって有利度合いが低い時短状態が設定されてしまう。つまり、天井抽選回数到達後(通常大当たり変動のみ第2特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄されるため実質的に確変大当たりが確定する無敵モード)に比較して、大当たり当選した場合に有利度合いが低くなる可能性が高くなる。このため、本第48制御例では、通常ラッシュモード(確変状態A)において、大当たりになると遊技者にとって不利となってしまうかのような演出態様の演出が実行される。具体的には、図1370(b)に示した通り、リーチ演出が発生する変動表示演出(第1特別図柄の外れノーマルリーチ変動、外れスーパーリーチ変動、当たりノーマルリーチ変動、および当たりスーパーリーチ変動のいずれか)が実行された場合に、リーチ演出が発生したタイミングで岩山の情報からウサギを模したキャラクタ801に向けて岩861が落下してくるピンチ演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「岩を避けろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、岩861を避けなければ遊技者にとって不利益となる可能性があるということを遊技者に対して理解させることができる。また、リーチ演出が発生する毎にピンチ演出が発生するので、リーチ演出が発生することで遊技者に不利となる可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。つまり、大当たりに当選しない方が有利になるということを遊技者に対して暗示(示唆)することができる。よって、通常ラッシュモード(確変状態A)において、大当たりに当選しない(リーチ演出が発生しない)ことを願わせながら遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図1371(a)は、通常ラッシュモード(確変状態A)において大当たりに当選した場合の演出態様を示した図である。図1371(a)に示した通り、通常ラッシュモードにおいて大当たりに当選した場合は、確変大当たりであるか、通常大当たりであるかによらず、ピンチ演出(図1370(b)参照)を経て、落下してきた岩861を、ウサギを模したキャラクタ801が避けきれず、衝突してしまう演出が実行されると共に、偶数の数字を模した同一の第3図柄が停止表示される演出態様が主表示領域Dmにおいて実行される。また、副表示領域Dsに対して、「NEXT→チャレンジボーナス」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりに当選したために遊技者にとって不利益となる可能性が生じたということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、このピンチ演出により示唆される不利益とは、具体的には、確変状態よりも有利度合いが低い時短状態に移行する可能性があることである。
なお、図示については省略したが、ピンチ演出(図1370(b)参照)がノーマルリーチ外れ、若しくはスーパーリーチ外れに対応する変動表示演出において実行された場合には、ウサギを模したキャラクタ801が岩861を避けることに成功すると共に、第3図柄がリーチ外れの組み合わせで停止表示される演出が実行されて、通常ラッシュモード(確変状態A)の継続が報知される。これにより、リーチ演出が発生した場合に、大当たりとなるよりも外れとなる方が有利度合いが高くなる示唆内容に設定される斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1371(b)、および図1372(a)を参照して、通常ラッシュモード(確変状態A)において大当たり(確変大当たり、または通常大当たり)に当選した場合の大当たり遊技の実行中における演出態様について説明する。図1371(b)は、通常ラッシュモード中の大当たり(以降、チャレンジボーナスと称する)におけるオープニング期間中の演出態様の一例を示した図である。図1371(b)に示した通り、チャレンジボーナスのオープニング期間中に実行されるオープニング演出では、当該チャレンジボーナスが開始される直前まで実行されていた変動表示演出の演出態様の続きから演出が実行される。即ち、ウサギのキャラクタ801に対して岩861が衝突することでウサギのキャラクタ801が弾き飛ばされて岩山から落下する演出の続きから演出が実行される。
より具体的には、図1371(b)に示した通り、岩山から落下中のウサギのキャラクタ801の下方に、岩山の山肌から正面視左方に向かって略水平に生えている枝862を発見する演出が主表示領域Dmにおいて実行される。また、副表示領域Dsに対して、「枝を掴んでRUSHを継続させろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、ウサギのキャラクタ801が枝を掴むことに成功すれば、大当たり(チャレンジボーナス)の終了後の遊技状態が再度、確変状態に設定される(RUSHが継続する)ということを容易に理解させることができる。
また、図1371(b)に示した通り、チャレンジボーナスのオープニング期間においては、小表示領域Dmに対して「右打ち」という文字が表示されると共に、主表示領域Dmの中央上部に「~チャレンジボーナス中~」という文字が表示される。これらの表示内容により、チャレンジボーナスが開始されている(大当たりのオープニング期間中である)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1372(a)は、今回のチャレンジボーナスが通常大当たりであった場合のチャレンジボーナスのオープニング演出における演出態様の一例を示した図である。図1372(a)に示した通り、通常大当たりに当選した場合、チャレンジボーナス中演出として、ウサギのキャラクタ801が枝862を掴めずにそのまま地上まで落下してしまう演出が実行される。また、主表示領域Dmの中央上部に形成される表示領域HR10に対して、「チャレンジ失敗・・・」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「NEXT→チャンスタイム」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり終了後が確変状態ではなく時短状態(チャンスタイム)に設定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、図示については省略したが、今回のチャレンジボーナスが確変大当たりであった場合は、ウサギを模したキャラクタ801が枝862を掴むことに成功し、掴んだ枝862を伝って岩山に戻り登山を再開する演出が実行される。これらの演出内容によって、遊技者に対して大当たり(チャレンジボーナス)の終了後に確変状態が設定されるか否かを分かり易く報知することができるので、遊技者が理解し易い遊技性を実現することができる。よって、好適な演出態様を実現することができる。
なお、本第48制御例では、通常ラッシュモード中に大当たりに当選した場合に、大当たり種別(通常大当たりであるか、確変大当たりであるか)によらず、岩861を避けきれずに衝突してしまう態様のピンチ演出(図1371(a)参照)を経て、チャレンジボーナスの当選が報知される構成としていたが、必ずしも全ての大当たりにおいてチャレンジボーナスの当選を報知する必要はない。例えば、確変大当たりに当選した場合の少なくとも一部で、ピンチ演出(図1370(b)参照)において岩861を避けることに成功する演出が実行された上で、確変大当たりの当選が報知される演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、岩861を避ける演出が実行された場合に、単に確変状態が継続するのみならず、確変大当たりに当選する可能性もある構成とすることができるため、遊技者に対して岩861を避ける演出が実行されることをより強く期待させることができる。また、この場合において、上述した第48制御例では、ピンチ演出として、偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生する構成としていたが、奇数の数字を模した第3図柄でリーチが発生し得る構成としてもよい。より具体的には、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりの場合に、必ず偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生する一方で、抽選結果が外れノーマルリーチ、外れスーパーリーチ、および確変大当たりの何れかである場合に、偶数の数字を模した第3図柄でも奇数の数字を模した第3図柄でもリーチ演出が発生し得るように構成してもよい。そして、抽選結果が確変大当たりで、且つ、偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生した場合は、チャレンジボーナスの当選が報知される(図1371(a)参照)一方で、抽選結果が確変大当たりで、且つ、奇数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生した場合は、確変大当たりの当選が報知される演出(岩861を避けて大当たりが報知される演出)が実行されるように構成してもよい。このように構成することで、奇数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生した時点で、通常大当たりの可能性がない(通常ラッシュモードが継続するか、または確変大当たりに当選しているかのどちらかである)と遊技者に確信させることができるので、リーチ演出が発生した場合に、リーチ演出を構成する第3図柄の種別(偶数を模した第3図柄であるか、奇数を模した第3図柄であるか)にも注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。更に、確変大当たりとなった場合の少なくとも一部で、ピンチ演出を介さずに大当たりを報知する場合を設ける構成としてもよい。このように構成することで、ピンチ演出を伴わないリーチ演出が発生した場合に、その時点で確変大当たりに当選したということを遊技者に対して認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1372(b)、図1373、および図1374(a)を参照して、通常ラッシュモード(確変状態A)における大当たり終了後の特別図柄の変動回数が予め定められた特定回数となった場合に実行される昇格チャンス演出について説明する。ここで、本第48制御例では、通常ラッシュモード(確変状態A)が設定されてから20回、40回、または60回の特別図柄の抽選が終了することで、有利な(通常大当たりに当選しても大当たり遊技が実行されることなく破棄される(外れ図柄に書き替えられる)ため、実質的に確変大当たり遊技が実行されるまで継続する)無敵モード(確変状態B)へと移行する構成としている。無敵モード(確変状態B)へと移行するまでの抽選回数は、前回の確変大当たりの種別に応じて予め定められている。具体的には、大当たり種別が大当たりA48,D48のどちらかであれば、大当たり終了後の抽選回数が20回となった場合に天井抽選回数に到達したと判定されて無敵モードへと移行し、大当たり種別が大当たりB48,E48のどちらかであれば、大当たり終了後の抽選回数が40回となった場合に天井抽選回数に到達したと判定されて無敵モードへと移行し、大当たり種別が大当たりC48,F48のどちらかであれば、大当たり終了後の抽選回数が60回となった場合に天井抽選回数に到達したと判定されて無敵モードへと移行する。このため、本第48制御例では、無敵モードに移行する可能性がある抽選回数(確変大当たり終了後20回、40回、および60回)となる毎に、無敵モードへと移行するか否かを遊技者に対して報知するための昇格チャンス演出を実行する構成としている。
図1372(b)は、昇格チャンス演出が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図1372(b)に示した通り、昇格チャンス演出が実行されると、岩山を登山するウサギのキャラクタ801が、岩山の山肌から正面視左方に向かって略水平に生えている枝862を発見する演出が実行される。また、表示領域HR10に対して、「枝を使って頂上まで跳べ!!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「昇格チャンス」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モードに昇格する可能性がある抽選回数であるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
枝862を発見する演出が実行された後は、図1373(a)に示した通り、ウサギを模したキャラクタ801が枝862の上に乗ることで、ウサギを模したキャラクタ801の体重による負荷で枝862を下側にしならせる(枝862が水平な状態に戻ろうとする復元力を溜める)演出が主表示領域Dmにおいて実行される。これにより、しなった状態の枝862の復元力を利用してウサギのキャラクタ801が跳躍し、岩山の頂上に到達することができれば無敵モードに移行するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1373(b)は、昇格演出において昇格に失敗したことが報知された場合における演出態様の一例を示した図である。図1373(b)に示した通り、昇格演出に失敗する場合(即ち、天井抽選回数に未到達であり、無敵モードへと移行しない場合)は、枝862の復元力を受けて跳躍したウサギのキャラクタ801の跳躍方向が右上方向となり、岩山に衝突してしまう演出が実行されると共に、第3図柄が外れ(小当たり)を示す組み合わせで停止表示される演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「昇格失敗・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モードへと昇格できなかった(天井抽選回数に到達していなかった)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1374(a)は、昇格チャンス演出において昇格に成功した(天井抽選回数に到達していた)ことが報知された場合の演出態様の一例を示した図である。図1374(a)に示した通り、昇格成功が報知される場合は、枝862の復元力を利用して跳躍したウサギのキャラクタ801が、跳躍によって岩山の頂上まで到達する演出が実行されると共に、第3図柄が外れ(小当たり)を示す組み合わせで停止表示される演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「無敵RUSH昇格!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モードへと昇格できた(天井抽選回数に到達した)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1374(b)は、無敵モード(確変状態B)へと移行した(天井抽選回数に到達した)後における演出態様の一例を示した図である。図1374(b)に示した通り、無敵モード(確変状態B)へと移行した後においては、ウサギのキャラクタ801が雲の上を疾走する演出を背景に、第3変動の表示演出が実行される。また、通常ラッシュモード(確変状態A)において表示されていた小表示領域Dm7が非表示とされる。これは、小表示領域Dm7は、通常ラッシュモード(確変状態A)において昇格チャンス演出が実行されるまでの残りの抽選回数(変動表示演出の実行回数)を表示するための表示領域であるため、無敵モードに昇格した後は表示させる必要がないためである。更に、副表示領域Dsに対して、「大当たりするとRUSH確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、無敵モード(確変状態B)で大当たりに当選した場合は必ず確変大当たりになるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図1375(a)を参照して、無敵モードで第1特別図柄の抽選で通常大当たり変動が実行された場合の演出態様について説明する。図1375(a)は、第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の小当たり変動とがほぼ同時に開始され、これらの変動表示が重複して実行されている場合の演出態様の一例を示している。図1375(a)に示した通り、第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の小当たり変動とが重複して実行されている場合、偶数の数字を模した第3図柄でリーチ演出が発生し、中図柄列にリーチ図柄以外の数字を模した第3図柄のみが変動表示される変動表示演出が実行される。つまり、停止表示を待つまでもなく、外れとなることが把握可能な特殊な演出態様の変動表示演出が実行される。これにより、第1特別図柄の通常大当たり変動が第2特別図柄の小当たりによって破棄される(外れに書き替えられる)変動表示であるということを遊技者に対して示唆することができる。
なお、本第48制御例では、無敵モードで第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合の変動時間が80秒間に設定される一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合の変動時間が30秒間に設定される。これにより、最悪でも通常大当たり変動が開始されてから50秒間(80秒間-30秒間)が経過するよりも前に第2特別図柄の抽選を開始させることができれば、先に第2特別図柄が停止表示されることにより実行中の第1特別図柄の通常大当たり変動を外れ図柄で停止表示させることができる。つまり、不利な通常大当たり遊技が実行されてしまうことをほぼ確実に回避することができ、確変大当たりとなるまで無敵モード(確変状態B)を継続させることができるので、遊技者にとって極めて有利な状況を形成することができる。よって、無敵モードへと移行した場合に、遊技者に対して大きな喜びや満足感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。
次に、図1375(b)、および図1376(a)を参照して、無敵モード(確変状態B)において第2特別図柄の変動表示が実行されずに第1特別図柄の通常大当たり変動が単独で実行された場合の演出態様について説明する。ここで、本第48制御例では、確変状態や時短状態(即ち、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態)において右打ち遊技を行った場合に、右第1入球口2640と第2入球口1641との両方に略同一の比率で遊技球が入球する盤面構成としているため、確変状態や時短状態では、右打ち遊技を行い続けるだけで、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との両方を容易に増加させることができる。加えて、確変状態においては、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも大当たりと小当たりとのどちらかになる(他方の変動表示を外れ図柄に書き替える(破棄する)ことができない完全外れの抽選結果となり得ない)構成としている。このため、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを1以上有した状態となった後においては、少なくとも一方の保留球数が0となるまで、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に、ほぼ、第2特別図柄の変動表示が略同時に開始される。一方の変動表示が終了したタイミングで他方の変動表示が外れ図柄で強制的に停止表示されることにより、次の変動開始タイミングが揃う(一方の小当たり遊技若しくは大当たり遊技の終了時に同時に両方の特別図柄の変動表示が開始される)ためである。従って、無敵モードでは基本的に、右打ちを行い続けている限り、第1特別図柄の通常大当たり変動が開始されたとしても、通常大当たり変動に比較して変動時間が短い第2特別図柄の小当たり変動が同時に開始されることにより、通常大当たり変動を外れ図柄で強制停止させることができる。しかしながら、遊技者が保留球を貯めないように遊技を行う等した場合に、第1特別図柄の変動表示が単独で実行されてしまう可能性がある。
図1375(b)は、第1特別図柄の変動表示が単独で行われ、且つ、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合における演出態様の一例を示した図である。この場合、リーチ演出が発生すると、中図柄列においてリーチ図柄を含む全ての第3図柄が変動表示される演出が実行されると共に、ウサギのキャラクタ801が第3図柄を不安そうな面持ちで見つめる演出が実行される。また、小表示領域Dm4の直下に小表示領域Dm7が形成され、通常大当たり遊技の実行が確定する(有利な確変状態の終了が確定する)までの残り時間を示す文字(残時間表示)が表示される。即ち、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも、第1特別図柄の通常大当たり変動の残りの変動時間の方が短くなって、第2特別図柄の変動表示を開始させたとしても第2特別図柄の変動表示を先に停止表示させる(実行中の通常大当たり変動を外れ図柄で強制的に停止表示させる)ことが不可能となってしまうまでの残時間を表示する構成としている。更に、副表示領域Dsに対して、「右打ちで4図柄を外せ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、右打ちを行わなければ通常大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者にとって不利益になってしまうということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1376(a)は、単独で開始された(第2特別図柄の変動表示を伴わない)第1特別図柄の通常大当たり変動の実行中に右打ち遊技を行って第2入球口1641へと遊技球が入球したことにより、通常大当たり変動を外れ図柄で停止表示させることができる状況となった場合の演出態様の一例を示した図である。図1376(a)に示した通り、第2入球口1641への遊技球の入球を検出した場合は、ウサギのキャラクタ801が中図柄列において変動表示されている各第3図柄のうちリーチ図柄と同一の数字である4を模した第3図柄を殴打することにより弾き飛ばす演出が実行される。また、小表示領域Dm7において残時間表示の減算が停止されると共に、副表示領域Dsに対して、「無敵RUSH継続!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、変動表示演出において第3図柄が大当たりの組み合わせで停止表示され得なくなり、無敵RUSH(確変状態B)が継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者にとってより分かり易い演出態様を実現することができるので、好適な演出態様を実現することができる。
次に、図1376(b)を参照して、無敵モードにおいて第2特別図柄の大当たり遊技の実行が確定した場合の表示態様について説明する。ここで、本第48制御例では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、100%の割合で確変大当たりとなるように構成している。しかしながら、上述した通り、確変状態(および時短状態)においては、基本的に、第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなることにより、第2特別図柄の変動表示が実行されたとしても、第1特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の停止表示タイミングの方が先となり、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止(破棄)されてしまう。即ち、確変状態において第2特別図柄の方が先に停止表示されるのは、基本的に、無敵モード(確変状態B)において第1特別図柄の通常大当たり変動が実行された場合という極めて限定的な状況下のみである。本第48制御例では、この第2特別図柄の変動表示が先に終了される無敵モード中の第1特別図柄の通常大当たり変動の実行中において、第2特別図柄の大当たりとなっていた場合に、第2特別図柄の大当たり終了後の遊技状態を、無敵モードよりも更に有利なプレミアムラッシュモード(確変状態C)に設定する構成としている。このプレミアムラッシュモード(確変状態C)は、基本的に、第2特別図柄の変動時間の方が第1特別図柄の変動時間よりも短くなる遊技状態であり、第2特別図柄の大当たり遊技が実行された場合に、大当たり終了後の遊技状態が再度、プレミアムラッシュモード(確変状態C)に設定される状態である。このプレミアムラッシュモードでは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選し、且つ、変動パターンとして変動時間が5秒間の短当たり変動が選択された場合にのみ、第1特別図柄の変動表示が先に停止表示されて、第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行される可能性がある。つまり、大当たり終了後の遊技状態が通常ラッシュモード(確変状態A)に設定される可能性がある。プレミアムラッシュモードでは、第1特別図柄の確変大当たりに当選した場合の約1/3でのみ、5秒間の短当たり変動が選択されるように構成しているため、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなって、且つ、1/3の短当たり変動が選択されるよりも前に、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選し続ける限り、大当たりとプレミアムラッシュモードとが繰り返される極めて有利な遊技状態を形成する。更に、第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されたとしても、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるため、プレミアムラッシュモードへと移行した時点で少なくとも2回の大当たり(プレミアムラッシュモード中の少なくとも1の大当たり、および通常ラッシュモードに移行した後の少なくとも1の大当たり)が保証されることとなる。よって、プレミアムラッシュモードへと移行した場合に、遊技者に対して極めて大きな喜びと満足感とを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図1376(b)は、プレミアムラッシュモード(確変状態C)への移行が確定した場合(即ち、無敵モードにおいて第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の確変大当たり変動とが重複して実行された場合)の演出態様の一例を示した図である。図1376(b)に示した通り、プレミアムラッシュモードへの移行が確定すると、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体が突然ブラックアウトするブラックアウト演出が実行される。即ち、画面が突然真っ暗になる極めてインパクトが大きい演出が実行される。このように構成することで、ブラックアウト演出が実行された場合に、遊技者に対して大きな驚きを与えることができると共に、通常とは大きく異なる極めて特別な演出が実行されたということを直感的に理解させることができる。よって、その後にプレミアムラッシュモードが設定された場合に、プレミアムラッシュモードの仕様をよく知らない遊技者であっても、無敵モードよりも更に有利度合いが高い特別なモード(状態)に移行したということを直感的に理解させ易くすることができる。よって、より好適な演出態様を実現することができる。
図1377は、プレミアムラッシュモードにおける演出態様の一例を示した図である。図1377に示した通り、プレミアムラッシュモードでは、主表示領域Dmにおける中央部分に対して、光り輝く縦長略長方形形状の領域、および当該領域へと登るための階段が表示され、階段の周囲には、無敵モード(確変状態B)でも表示されていた雲が表示される。また、主表示領域Dmの中央上部には、「~プレミアムRUSH中~」という文字が表示される。これらの表示内容により、通常ラッシュモード(確変状態A)や無敵モード(確変状態B)よりも有利度合いが高い特別な状態に設定されているということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、主表示領域Dmの右下に形成される小領域Dm31には、「転落確率1/480」という文字が表示されると共に、副表示領域Dsに対して、「転落しても行き先はRUSHだよ」という文字が表示される。これらの表示内容により、特別な状態であるプレミアムラッシュモード(確変状態C)から、有利度合いが低い他の状態には、1/480という極めて低い確率(通常状態における大当たり確率である1/320よりも低い確率)でしか移行しない上に、移行先がRUSHモード(通常ラッシュモード、確変状態A)に限定されるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、プレミアムRUSHモード(確変状態C)が設定された場合、当該プレミアムRUSHモード自体が長く継続し易い(有利度合いが低い他の状態に移行し難い)上に、移行したとしても有利な通常ラッシュモード(確変状態A)止まりとなる(不利な通常状態や有利度合いが比較的低い(大当たり当選が保証されない)時短状態に移行する可能性がない)極めて有利な遊技状態を形成するので、プレミアムラッシュモード(確変状態C)へと移行した場合に、遊技者に対して極めて大きな喜びと満足感とを抱かせることができる。
次に、図1378を参照して、本第48制御例における各状態間の移行方法について説明する。ここで、本第48制御例では、遊技状態として、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される通常状態(非確変非時短状態)と、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される時短状態(非確変時短状態)と、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される確変状態(確変時短状態)と、の3つの遊技状態が設けられている。通常状態においては、大当たり確率が低確率(約1/320の確率)に設定される上に、電動役物2640aが開放され難い(普通図柄の変動時間が長く、普通図柄の当たり確率が低く、更に普通図柄の当たりとなった場合の電動役物2640aの開放期間が短い)ため、左打ち遊技により第1入球口64を狙って遊技球を発射する遊技を行う必要がある不利な遊技状態である。
なお、上述した通り、本第48制御例では、遊技盤13の盤面右側に、電動役物2640aが付随した右第1入球口2640に加え、右打ちにより発射された遊技球が常時入球可能な状態の第2入球口1641が設けられている。つまり、通常状態において右打ちを行った場合、右第1入球口2640には入球困難(不可能)であるものの、第2入球口1641には入球可能となり、第2特別図柄の抽選を容易に実行させることができる。しかしながら、本第48制御例における通常状態では、第2特別図柄の抽選結果によらず、変動時間として600秒という極めて長い変動時間が設定される構成としているので、通常状態において右打ちを行い続ける遊技方法を行った場合における遊技効率を極めて悪化させることができる。加えて、上述した通り、本第48制御例では、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、高確率で大当たり又は小当たりに当選する(特別図柄の高確率状態の場合、大当たりと小当たりとのどちらかに当選し、特別図柄の低確率状態の場合でも、99%以上の割合で大当たりと小当たりとのどちらかに当選する)構成としている。このため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行され、変動時間が10分間(600秒間)の変動表示の実行中に第1特別図柄の抽選が実行されてしまうと、99%以上の割合で小当たり又は大当たりとなって、当該小当たり又は大当たり図柄の停止時に第2特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止(破棄)される。つまり、通常状態において第2特別図柄の大当たりに当選させようとした場合、第1特別図柄の抽選を全く実行させることなく、10分間隔で第2特別図柄の抽選を実行させるしかないため、極めて遊技効率が悪く、且つ、変則的な遊技方法を行っているということが比較的周囲に認識され易くなる。このため、通常状態において右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させて有利な第2特別図柄の大当たりを狙う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、時短状態は、大当たり確率は通常状態と共通(約1/320)であるが、電動役物2640aが開放され易くなる(普通図柄の通常状態よりも、普通図柄の変動時間が短くなり、普通図柄の当たり確率が高くなり、更に普通図柄の当たりとなった場合の電動役物2640aの開放期間が長くなる)ので、右打ちにより右第1入球口2640へと頻繁に遊技球が入球する結果、左打ちを行った場合に比較して効率良く第1特別図柄の抽選を実行させることができる遊技状態として形成される。即ち、通常状態よりも有利度合いが高い遊技状態として形成される。なお、時短状態においては、第1特別図柄の抽選結果によらず、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が長くなるように構成しているので、基本的に第1特別図柄の抽選結果のみが導出され、第2特別図柄の抽選結果は、ほぼ、先に停止表示される第1特別図柄の小当たりまたは大当たりによって破棄される(第2特別図柄の抽選結果によらず、外れ図柄で強制停止される)。つまり、大当たりに当選した場合は、比較的有利度合いが低い第1特別図柄の振り分けとなる(50%で通常大当たりとなり、50%で確変大当たりとなる)ため、大当たりに当選した場合の有利度合いは通常状態と同等である。この時短状態は、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との少なくとも一方が50回に到達したことに基づいて終了され、不利な通常状態が設定される。
また、確変状態は、大当たり確率が高確率(約1/80)となる上に、時短状態と同様に電動役物2640aが開放され易くなるので、右打ちにより右第1入球口2640へと頻繁に遊技球が入球する結果、左打ちを行った場合に比較して効率良く第1特別図柄の抽選を実行させることができる遊技状態として形成される。また、確変状態は、次に大当たりに当選するまで継続するため、確変状態が設定された時点で、次の大当たりが確定する有利な遊技状態として構成されている。なお、確変状態には、更に、有利度合いが異なる3種類の状態に細分化されている。即ち、主として第1特別図柄の抽選結果が導出され(第2特別図柄の変動表示が破棄され)、50%の割合で確変大当たりに当選する(50%の割合で通常大当たりに当選する)確変状態A(通常ラッシュモード)と、主として第1特別図柄の抽選結果が導出されるが、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合に、当該通常大当たりを示すための変動表示が破棄されることにより、実質的に次に確変大当たり遊技が実行されるまで継続する確変状態B(無敵モード)と、主として有利度合いが高い(大当たり当選時に100%の割合で確変大当たりとなる)第2特別図柄の抽選結果が導出される上に、低確率で第1特別図柄の抽選結果が導出された場合でも、第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されるため、実質的に次に確変大当たり遊技が実行されるまで継続する確変状態C(プレミアムラッシュモード)と、の3種類の遊技状態が設けられている。確変状態Aは、通常大当たり遊技が実行される可能性があるため、確変状態A~Cの中では最も不利な遊技状態である。また、確変状態Bは、確変大当たり遊技が実行されることで大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される一方で、確変状態Cは、第2特別図柄の確変大当たりに当選し続ける限り、大当たり終了後の遊技状態が再度確変状態Cに設定されるため、大当たり終了後の遊技状態の面で、確変状態Cの方が確変状態Bよりも有利となる。以下、通常状態、時短状態、および確変状態A~Cの5つの状態のそれぞれにおける状態の移行方法について説明する。
まず、図1378の上段を参照して、通常状態(通常モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1378の上段に示したとおり、通常状態(通常モード)から他の状態には、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図1378の上段に示した通り、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合、大当たり種別が大当たりA48~F48のいずれか(いずれかの確変大当たり)であれば、確変大当たり遊技の実行中に右打ち表示に従って右打ち遊技を行い、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を遊技球が通過したことを前提として、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。一方で、大当たり種別が大当たりG48(通常大当たり)であれば、大当たり遊技の実行中に遊技球が確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)であるため、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される。このため、通常状態においては、確変大当たりに当選した方が、通常大当たりに当選するよりも有利度合いが高くなる。
次に、図1378の中段左側を参照して、確変状態A(通常ラッシュモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1378の中段左側に示した通り、確変状態A(通常ラッシュモード)から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選せずに第1特別図柄の抽選回数が規定の天井抽選回数に到達した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図1378の中段左側に示した通り、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選し、大当たり種別が大当たりG48(通常大当たり)であれば、大当たり終了後の遊技状態が有利度合いの低い時短状態に設定される。また、確変状態Aにおいて規定の天井抽選回数(20回、40回、または60回のいずれか)となった場合には、確変状態Aよりも有利度合いが高い確変状態Bに、大当たりを介さずに直接設定される。これらに対して、第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態Aに設定される(確変状態Aをループする)。このため、確変状態Aにおいては、確変大当たりに当選するか、または天井抽選回数に到達することを期待させる遊技性となる。
次に、図1378の中段右側を参照して、時短状態(チャンスモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1378の中段右側に示した通り、時短状態(チャンスモード)から他の状態には、大当たりに当選した場合の他、大当たりに当選することなく時短回数が0になった(時短回数が経過した)場合にも移行する可能性がある。具体的には、図1378の中段右側に示した通り、時短状態において第1特別図柄の抽選で確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。また、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たり(大当たりH48)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な確変状態Cに設定される。一方で、時短状態において時短回数が0になった(時短回数が経過した)場合は、時短状態が終了されて遊技者にとって最も不利な通常状態に移行する。これらに対して、時短状態において第1特別図柄の抽選で通常大当たり(大当たりG48)に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、時短状態に設定される(時短状態をループする)。よって、時短状態では、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなった場合に有利となる。
なお、図示については省略したが、時短状態において第2特別図柄の大当たり遊技が実行される可能性も極めて低確率ではあるが存在する。特別図柄の低確率状態である時短状態においては、特別図柄の高確率状態においてのみ大当たりと判定される乱数値の範囲が完全外れに設定されている。即ち、時短状態においては、約1/106.7の確率(約1/80-約1/320)で完全外れとなる。この完全外れとなった場合は、第2特別図柄の変動時間よりも短い変動時間が設定されることにより先に停止表示される点までは第1特別図柄の小当たりや大当たりと同一であるものの、完全外れ図柄が停止表示されたとしても第2特別図柄の変動表示が破棄されずに継続されるため、完全外れ変動の変動時間、および完全外れ変動の次に実行される第1特別図柄の変動表示の変動時間の合計よりも第2特別図柄の変動時間の方が短ければ、完全外れ変動の次の変動表示の実行中に先に第2特別図柄の変動時間が終了して第2特別図柄の抽選結果に応じた停止図柄が停止表示される。この場合に第2特別図柄の抽選結果が大当たりであれば、第2特別図柄の大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態Cに設定される。なお、時短状態における第2特別図柄の変動時間は抽選結果によらず30秒間固定である一方で、第1特別図柄の変動時間は3秒間、10秒間、20秒間、および25秒のいずれかの変動時間が選択される。このため、第2特別図柄の抽選結果を示す停止図柄が破棄されずに停止表示されるためには、完全外れ変動、およびその次の変動の2変動で30秒間を上回る時間となる必要がある。即ち、10秒間+25秒間、20秒間+20秒間、20秒間+25秒間、および25秒間+25秒間の4通りの何れかの組み合わせとなる必要があるが、第1特別図柄の抽選結果が完全外れの場合は大半が3秒間に設定されるため、完全外れ変動、およびその次の変動の2変動で30秒を超える変動時間となる組み合わせとなる事象がそもそも発生し難い。そして、30秒を超える変動時間になったとしても、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は低確率(約1/320)であるため、時短状態において第2特別図柄の大当たり遊技が実行されるのは極めて稀である。時短状態において第2特別図柄の大当たり遊技が実行される場合は、無敵モードにおいて第2特別図柄の大当たり遊技が実行される場合と同様に、ブラックアウト演出(図1376(b)参照)が実行されて確変状態C(プレミアムラッシュモード)への移行が報知される。
次に、図1378の下段左側を参照して、確変状態B(無敵モード)から他の状態への移行方法について説明する。図1378の下段左側に示した通り、確変状態B(無敵モード)から他の状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図1378の下段左側に示した通り、確変状態Bにおいて第1特別図柄の大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。なお、確変状態Bにおいては、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりになったとしても、通常大当たり変動の変動時間として第2特別図柄の変動時間(30秒間)よりも長い変動時間(80秒間)が設定されるため、通常大当たりの抽選結果が導出されることはない(変動中に第2特別図柄の小当たり図柄または大当たり図柄が先に停止表示されることで通常大当たり変動が破棄される)。このため、確変状態Bにおいては、第1特別図柄の大当たりとして確変大当たり遊技のみが実行され得る構成となっている。
一方、図1378の下段左側に示した通り、確変状態Bにおいて第2特別図柄の大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Cに設定される。ここで、確変状態Bにおいては、基本的に、第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなることにより、第2特別図柄の変動表示が実行されたとしても、第1特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の停止表示タイミングの方が先となり、第2特別図柄が外れ図柄で強制停止(破棄)されてしまう。確変状態Bにおいて第2特別図柄の方が先に停止表示されるのは、基本的に、第2特別図柄の変動時間(30秒間)よりも長い変動時間(80秒間)に唯一設定される第1特別図柄の通常大当たり変動が実行された場合である。つまり、第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の大当たり変動とが重複して実行されるという極めて稀な状況が発生した場合にのみ、第2特別図柄の大当たり遊技が実行されて、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Cに設定される。確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなる確率は約1/160であり、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は約1/80であるので、これらが重複する確率は約1/12800(約1/160×約1/80)である。この場合は、上述した通り、変動開始と共にブラックアウト演出(図1376(b)参照)が発生して、確変状態Cへと移行することが報知される。
次に、図1378の下段右側を参照して、確変状態C(プレミアムラッシュモード)から他の状態への移行方法について説明する。図1378の下段右側に示した通り、確変状態Cから他の状態へは、大当たりに当選した場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、第1特別図柄の大当たり遊技が実行された場合に、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。なお、確変状態Cでは、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合の100%、および確変大当たりとなった場合の約66%で、第2特別図柄の変動時間(10秒間~25秒間)よりも長い変動時間(30秒間)が設定されることにより第2特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の停止タイミングで変動が破棄される。確変状態Cにおいて第1特別図柄の大当たり遊技が実行されるのは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなり、且つ、変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも短い変動時間(5秒間)に設定された場合(確変大当たりに当選した場合の約1/3)のみである。即ち、第1特別図柄の抽選が実行された場合の約1/480(約1/80×50%×1/3)の確率で第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行される。これに対して、確変状態Cにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、確変状態Cに設定される(確変状態Cをループする)。よって、確変状態Cにおいては、約1/480の確率の第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されるよりも先に、約1/80の確率の第2特別図柄の大当たりに当選することを目指す遊技性となるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
このように、本第48制御例では、有利度合いが異なる3つの確変状態を設ける構成とし、大当たりまたは天井抽選回数到達等を契機として、有利度合いの異なる確変状態間を移行することが可能な画期的な状態移行方式を実現している。同一の遊技状態(確変状態)であるにもかかわらず、有利度合いを互いに異ならせることにより、見かけ上、遊技状態を多様に設けているかのような挙動を実現することができるので、遊技状態を増加させることなく、遊技を多様化させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第48制御例では、通常状態において右打ち遊技を行う変則的な遊技方法に対する抑制を図るために、第2特別図柄の変動時間を抽選結果によらず極端に長くする(10分間に設定する)構成としているが、通常状態における右打ち遊技の抑制方法は、これに限られるものではない。例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、確変状態ではなく、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態に設定する構成としてもよい。そして、潜確状態においては、通常状態と同様に、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなると共に、たとえ潜確状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定されるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のメリット(遊技者にとって最も有利度合いが高いプレミアムラッシュモードへと移行すること)を、通常状態(および潜確状態)に限って無くすことができるので、通常状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、1個の遊技球を発射していずれかの始動口(第1入球口2640、第2入球口1641)に入球(始動入賞)した場合は当該始動入賞に基づく変動表示が終了するまで遊技球を発射せずに待機する遊技方法(所謂、単発打ち遊技)で遊技を行った場合、第1特別図柄の変動表示を伴わずに第2特別図柄の抽選が単独で実行されてしまう可能性がある。即ち、確変状態Bにおける通常大当たり変動中以外の状況においても、第2特別図柄の抽選結果が導出されてしまう(第1特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄することができなくなってしまう)場合がある。この対策として、例えば、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、第1特別図柄の保留球数が0個の状態で第2特別図柄の抽選が実行された場合は、必ず極端に長い変動時間(例えば、1800秒)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、単発打ち遊技を行った場合の遊技効率を低下させることができると共に、仮に単発打ち遊技を実行した場合に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に極めて長い時間待機する遊技方法となり、変則的な遊技方法(単発打ち遊技)で遊技を行っていることがホールの店員にも認識され易くなるため、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第48制御例における電気的構成>
次に、図1379を参照して、本第48制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図1379は、本第48制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図1379に示した通り、本第48制御例におけるROM202は、上述した第17制御例におけるROM202の構成(図552参照)に対して、第1当たり乱数12テーブル202kaに代えて第1当たり乱数48テーブル202Gaが設けられている点、大当たり種別選択17テーブル202qbに代えて大当たり種別選択48テーブル202Gbが設けられている点、第2当たり乱数17テーブル202qcに代えて第2当たり乱数48テーブル202Gcが設けられている点、変動パターン17テーブル202qdに代えて変動パターン48テーブル202Gdが設けられている点、変動パターンシナリオテーブル202qjに代えて変動パターンシナリオ48テーブル202Gjが設けられている点、小当たり乱数17テーブル202qeに代えて小当たり乱数48テーブル202Geが設けられている点、小当たり種別選択17テーブル202qfが削除されている点、時短当たり乱数17テーブル202qhが削除されている点、時短当たり種別選択テーブル202qiが削除されている点である。まず、図1381(a)を参照して、本第48制御例における第1当たり乱数48テーブル202Gaの詳細について説明する。
図1381(a)は、本第48制御例における第1当たり乱数テーブル202Gaの規定内容を示した図である。この第1当たり乱数48テーブル202Gaは、第17制御例(および第12制御例)における第1当たり乱数12テーブル202ka(図409(a)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に特別図柄の大当たりか否かを判定するために参照されるデータテーブルである。図1381(a)に示した通り、本第48制御例における第1当たり乱数48テーブル202Gaは、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり種別カウンタC1のカウンタ値)の範囲、および特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲がそれぞれ規定されている。
より具体的には、図1381(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~204」の205個の乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。また、特別図柄の高確率状態において大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0~818」の819個の乱数値(カウンタ値)の範囲が規定されている。本第48制御例では、第1当たり乱数カウンタC1が「0~65535」の65536個の値を取り得るので、特別図柄の低確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/320(205/65536)であり、特別図柄の高確率状態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりと判定される確率は、約1/80(819/65536)である。なお、第1特別図柄の抽選でも、第2特別図柄の抽選でも、この第1当たり乱数48テーブル202Gaが参照されて大当たりか否かの判定が行われる。
次に、図1381(b)を参照して、本第48制御例における大当たり種別選択48テーブル202Gbの詳細について説明する。この大当たり種別選択48テーブル202Gbは、上述した第17制御例における大当たり種別選択テーブル202qb(図554参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図1381(b)は、本第48制御例における大当たり種別選択テーブル202Gbの規定内容を示した図である。図1381(b)に示した通り、本第48制御例における大当たり種別選択テーブル202Gbには、特別図柄の種別毎に、第1当たり種別カウンタC2の値と、選択される大当たり種別とが、対応付けて規定されている。
より具体的には、図1381(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~8」の範囲に対して、「大当たりB48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値「9」に対して、「大当たりC48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「10~17」の範囲に対して、「大当たりD48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「18~37」の範囲に対して、「大当たりE48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「38~49」の範囲に対して、「大当たりF48」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲に対して、「大当たりG48」が対応付けて規定されている。
「大当たりA48」~「大当たりC48」は、ラウンド数が10ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(10ラウンド確変大当たり)。また、「大当たりA48」~「大当たりC48」は、互いに大当たり終了後の確変状態において無敵モード(確変状態B)へと移行するまでの抽選回数(天井抽選回数)が異なって構成されている。具体的には、「大当たりA48」は、大当たり終了後の確変状態において20回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モード(確変状態B)へと移行し、「大当たりB48」は、大当たり終了後の確変状態において40回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行し、「大当たりC48」は、大当たり終了後の確変状態において60回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行する。このため、「大当たりA48」~「大当たりC48」は、大当たりのラウンド数および大当たり終了後の遊技状態の面では有利度合いが同等であるが、設定される天井抽選回数の面(即ち、より有利度合いが高い無敵モードへの移行し易さの面)では、「大当たりA48」が最も有利となり、「大当たりC48」が最も不利となる。
また、「大当たりD48」~「大当たりF48」は、ラウンド数が6ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(6ラウンド確変大当たり)。また、「大当たりD48」は、大当たり終了後の確変状態において20回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モード(確変状態B)へと移行し、「大当たりE48」は、大当たり終了後の確変状態において40回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行し、「大当たりF48」は、大当たり終了後の確変状態において60回の特別図柄の抽選が終了した場合に無敵モードへと移行するように制御される。このため、「大当たりD48」~「大当たりF48」は、大当たりのラウンド数および大当たり終了後の遊技状態の面では有利度合いが同等であるが、設定される天井抽選回数の面(即ち、より有利度合いが高い無敵モードへの移行し易さの面)では、「大当たりA48」が最も有利となり、「大当たりC48」が最も不利となる。
また、「大当たりG48」は、ラウンド数が6ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過不可能(困難)な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(6ラウンド通常大当たり)。この「大当たりG48」は、大当たりのラウンド数が第1特別図柄の大当たりの中で最も少ない上に、大当たり終了後の遊技状態が有利度合いの低い時短状態に設定される大当たり種別であるため、最も不利な大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA48」~「大当たりG48」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個、4個、1個、8個、20個、12個、および50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA48」が決定される割合は5%(5/100)であり、「大当たりB48」が決定される割合は4%(4/100)であり、「大当たりC48」が決定される割合は1%(1/100)であり、「大当たりD48」が決定される割合は8%(8/100)であり、「大当たりE48」が決定される割合は20%(20/100)であり、「大当たりF48」が決定される割合は12%(12/100)であり、「大当たりG48」が決定される割合は50%(50/100)である。即ち、確変大当たり(即ち、「大当たりA48」~「大当たりF48」のいずれか)が決定される割合は50%(5%+4%+1%+8%+20%+12%)であり、通常大当たり(即ち、「大当たりG48」)が決定される割合も50%である。また、確変大当たり(「大当たりA48」~「大当たりF48」)のうち、天井抽選回数が20回に設定される大当たり(「大当たりA48」、および「大当たりD48」)が決定される割合は13%(5%+8%)であり、天井抽選回数が40回に設定される大当たり(「大当たりB48」、および「大当たりE48」)が決定される割合は24%(4%+20%)であり、天井抽選回数が60回に設定される大当たり(「大当たりC48」、および「大当たりF48」)が決定される割合は13%(1%+12%)である。このため、確変大当たりに当選した場合における天井抽選回数の平均値は40回(20回×13%/50%+40回×24%/50%+60回×13%/50%)となる。約1/80の確率の大当たりに当選せずに平均40回の天井抽選回数に到達して確変大当たりが確定する割合は60.5%(79/80の40乗)であり、逆に、平均40回の天井抽選回数内で約1/80の大当たりに当選する割合は39.5%(100%-60.5%)であるので、確変状態おいて再度確変大当たりに当選する割合は、80.2%(60.5%×100%+39.5%×50%)となる。即ち、通常大当たりの振り分けが50%に設定されているにもかかわらず、確変状態に移行することで、実質的な確変大当たりの割合が80%以上となる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、図1381(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりH48」が対応付けて規定されている。この「大当たりH48」は、ラウンド数が4ラウンドであり、Vラウンドにおいて確変スイッチ65e3を通過可能な開閉パターンで開閉扉65f1が開閉される大当たり種別である(4ラウンド確変大当たり)。ラウンド数は全ての大当たりの中で最も少ないものの、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な確変状態Cに設定されるので、「大当たりH48」は、遊技者にとって最も喜ばしい大当たりの一種であると言える。
次に、図1382(a)を参照して、本第48制御例における第2当たり乱数48テーブル202Gcの詳細について説明する。この第2当たり乱数48テーブル202Gcは、上述した第17制御例における第2当たり乱数17テーブル202qc(図555(a)参照)と同様に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(第2当たり乱数カウンタC4のカウンタ値)の範囲が規定されたデータテーブルである。図1382(a)は、この第2当たり乱数48テーブル202Gcの規定内容を示した図である。図1382(a)に示した通り、本第48制御例における第2当たり乱数48テーブル202Gcでは、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0」のみが規定されている。これに対し、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る全範囲(「0~299」の範囲)が規定されている。このため、普通図柄の低確率(通常)状態に設定される通常状態では、普通図柄の当たり確率が1/300になる一方で、普通図柄の高確率(時短)状態に設定される時短状態や確変状態では、普通図柄の当たり確率が100%となる。よって、時短状態や確変状態において、効率良く遊技を行わせることができる。
次に、図1382(b)を参照して、本第48制御例における変動パターン48テーブル202Gdの詳細について説明する。この変動パターン48テーブル202Gdは、上述した第17制御例における変動パターン17テーブル202qd(図555(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図1382(b)は、この変動パターン48テーブル202Gdの構成を示したブロック図である。図1382(b)に示した通り、本第48制御例における変動パターン48テーブル202Gdは、通常モード(通常状態)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための通常用48テーブル202Gd1と、チャンスモード(時短状態)や通常ラッシュモード(確変状態A)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための時短・確変A用48テーブル202Gd2と、無敵モード(確変状態B)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための確変B用48テーブル202Gd3と、プレミアムラッシュモード(確変状態C)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するための確変C用48テーブル202Gd4と、通常ラッシュモード(確変状態A)で、且つ、無敵モード(確変状態B)に昇格する可能性がある抽選回数(確変大当たり後20回、40回、および60回)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される昇格演出用テーブル202Gd5と、で少なくとも構成されている。まず、図1382(c)を参照して、通常用テーブル202Gd1の詳細について説明する。
図1382(c)は、通常用テーブル202Gd1の規定内容を示した図である。図1382(c)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~139」の範囲に対して、変動時間が7秒(7000ミリ秒)の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「140~149」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ガセ外れ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~179」の範囲に対して、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「180~198」の範囲に対して、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~29」の範囲に対して、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「30~189」の範囲に対して、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「190~198」の範囲に対して、変動時間が140秒(140000ミリ秒)の「スペシャルリーチ」が対応付けて規定されている。
一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング当たり」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、通常状態においては、第1特別図柄の抽選が実行された場合よりも、第2特別図柄の抽選が実行された場合の方が極端に長い変動時間が選択されるため、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を行った場合における遊技効率を悪化させることができる。よって、左打ち遊技を行うべき遊技状態である通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図1383を参照して、上述した時短・確変A用48テーブル202Gd2の詳細について説明する。図1383は、この時短・確変A用48テーブル202Gd2の規定内容を示した図である。図1383に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が3秒(3000ミリ秒)の「短外れ」が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150~189」の範囲に対して、変動時間が10秒(10000ミリ秒)の「ガセ外れ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、時短状態や確変状態Aにおいては、抽選結果によらず、第1特別図柄の抽選に基づく変動時間よりも、第2特別図柄の抽選に基づく変動時間の方が長くなる。また、本第48制御例では、時短状態や確変状態において右打ちを行った場合、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが略同時に開始されるように構成されている。即ち、普通図柄の時短状態に設定される時短状態や確変状態では、右打ち遊技を行った場合に、右第1入球口2640と第2入球口1641との両方に略同一の比率で遊技球が入球する盤面構成としているため、確変状態や時短状態では、右打ち遊技を行い続けるだけで、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球との両方を容易に増加させることができる。加えて、本第48制御例では、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でもほぼ、大当たりと小当たりとのどちらかになる(他方の変動表示を外れ図柄に書き替える(破棄する)ことができない完全外れの抽選結果となる確率が時短状態では1/100未満となり、確変状態では0となる)構成としている。このため、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを1以上有した状態となった後においては、少なくとも一方の保留球数が0となるまで、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に、ほぼ、第2特別図柄の変動表示が略同時に開始される。一方の変動表示が終了したタイミングで他方の変動表示が外れ図柄で強制的に停止表示されることにより、次の変動開始タイミングが揃う(一方の小当たり遊技若しくは大当たり遊技の終了時に同時に両方の特別図柄の変動表示が開始される)ためである。従って、時短状態や確変状態においては、ほぼ毎回の特別図柄の抽選で変動時間が短い第1特別図柄の抽選結果が導出されると共に変動時間が長い第2特別図柄の抽選結果が外れ図柄に書き替えられる。
なお、本第48制御例では、時短状態において第1特別図柄の抽選で完全外れになった場合と、小当たりになった場合とで、同一の割合で各変動パターン(3秒間の短外れ、10秒間のガセ外れ、20秒間のノーマルリーチ、および25秒間のスーパーリーチ)を選択する構成としていたが、これに限られるものではなく、第1特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合は、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(例えば、40秒間)を必ず選択するように構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の完全外れ変動が実行された場合にのみ、第2特別図柄の抽選結果を導出させることができるので、第1特別図柄の完全外れ変動と第2特別図柄の大当たり返納が重複した場合に、確変状態B(無敵モード)で第1特別図柄の通常大当たり変動と第2特別図柄の大当たり変動とが重複した場合と同様に、第2特別図柄の確変大当たり遊技を実行させることができ、大当たり終了後に遊技者にとって極めて有利度合いが高い確変状態C(プレミアムラッシュモード)へと移行させることができる。よって、特別図柄の低確率状態においてのみ発生し得る完全外れの抽選結果にも、低確率で確変状態Cへと移行する機会を遊技者に与えるという役割を持たせることができるので、時短状態において第1特別図柄の抽選で完全外れとなった場合に、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、この場合において、時短状態において第2特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合に、極めて短い変動時間(例えば、0.5秒間)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、第1特別図柄の完全外れ変動と第2特別図柄の完全外れ変動とが重複して実行された場合に、第2特別図柄の完全外れ変動をすぐに終了させて、次の第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の完全外れ変動の残変動時間内で終了させることができる。よって、確変状態Cへと移行するチャンスである第1特別図柄の完全外れ変動が実行されたにもかかわらず、第2特別図柄の完全外れ変動によって第2特別図柄の抽選が無駄となってしまうことを抑制することができる。
次に、図1384を参照して、上述した確変B用48テーブル202Gd3の詳細について説明する。図1384は、この確変B用48テーブル202Gd3の規定内容を示した図である。図1384に示した通り、この確変B用48テーブル202Gd3は、上述した時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)に対して、第1特別図柄の大当たり時の規定内容の一部が変更となっている点でのみ相違している。具体的には、図1384に示した通り、第1特別図柄の当否判定結果が「確変大当たり」の場合は時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)の規定内容と同一である一方で、第1特別図柄の当否判定結果が「通常大当たり」の場合には、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲に対して、変動時間が80秒(80000ミリ秒)のロングリーチが対応付けて規定されている。
この規定内容により、この確変B用48テーブル202Gd3が参照される確変状態B(無敵モード)においては、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合にのみ、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも長い変動時間(80秒)が設定されるので、確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選したとしても、第2特別図柄の小当たり又は大当たり図柄の方が先に停止表示されることにより、通常大当たり当選に基づく変動表示が破棄される(外れ図柄で停止表示される)ため、確変状態Bにおいて通常大当たり遊技が実行されることを回避することができる。即ち、確変大当たりに当選するまで継続する極めて有利な遊技状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1385(a)を参照して、上述した確変C用48テーブル202Gd4の詳細について説明する。図1385(a)は、この確変C用48テーブル202Gd4の規定内容を示した図である。図1385(a)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長外れ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「確変大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~165」の範囲に対して、変動時間が5秒(5000ミリ秒)の「短当たり」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「66~198」の範囲に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。更に、当否判定結果が「通常大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(「0~198」の範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。
一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~188」の範囲に対して、変動時間が10秒間(10000ミリ秒)の「ガセ外れ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「190~196」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「197,198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。また、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~149」の範囲に対して、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が対応付けて規定されており、変動種別カウンタCS1の値が「150~198」の範囲に対して、変動時間が25秒(25000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなって変動パターンとして「短当たり」が選択されない限り、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短くなるため、確変C用テーブル202Gd4が参照される確変状態C(プレミアムラッシュモード)では、主として有利度合いが高い第2特別図柄の抽選結果が導出される遊技状態となる。第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、必ず確変大当たりとなる上に、大当たり終了後の確変状態が、確変状態Cに設定されるため、確変状態Cに移行した場合、大当たりと確変状態Cとが繰り返され易い極めて有利な状態を形成する。よって、確変状態Cへと移行した場合に、遊技者に対して大きな満足感と喜びとを抱かせることができる。なお、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選して、「短当たり」の変動パターンが選択されることにより第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行された場合は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態Aに設定される。つまり、一旦確変状態Cに移行すると、確変状態Cでの少なくとも1回以上の大当たりと、確変状態Aに設定された後の少なくとも1回以上の大当たりとの2回の大当たりが保証されるため、遊技者に対して大きな安心感を抱かせることができる。なお、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選する確率は約1/160であり、「短当たり」の変動パターンが選択される確率は約1/3であるため、確変状態Cにおいて第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行される確率は約1/480である。このため、約1/480の確率の第1特別図柄の確変大当たり遊技が実行されるよりも前に、約1/80の確率の第2特別図柄の大当たりに当選し続ける限り、確変状態Cが継続するという極めて有利な状態を形成する。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図1385(b)を参照して、上述した昇格演出用テーブル202Gd5の詳細について説明する。図1385(b)は、この昇格演出用テーブル202Gd5の規定内容を示した図である。図1385(b)に示した通り、「第1特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が15秒(15000ミリ秒)の「特殊外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が15秒(15000ミリ秒)の「特殊当たり」が対応付けて規定されている。
一方、「第2特別図柄」の抽選結果を示すための変動パターンとしては、当否判定結果が「外れ」(小当たり又は完全外れ)の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長外れ」が規定されており、当否判定結果が「大当たり」の場合、変動種別カウンタCS1の値が「0~198」の範囲(即ち、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲)に対して、変動時間が30秒(30000ミリ秒)の「長当たり」が対応付けて規定されている。
これらの規定内容により、昇格演出用テーブル202Gd5が参照される確変状態Aに移行してからの特定回数目(20回目、40回目、および60回目)の第1特別図柄の抽選が実行された場合の変動時間として、第1特別図柄が抽選結果によらず15秒間に設定され、第2特別図柄が抽選結果によらず30秒間に設定される。よって、昇格チャンス演出(図1373(a)参照)を実行するための演出期間を確実に15秒間確保することができる。
次に、図1386(a)を参照して、本第48制御例における小当たり乱数48テーブル202Geの詳細について説明する。図1386(a)は、この小当たり乱数48テーブル202Geの規定内容を示した図である。図1386(a)に示した通り、本第48制御例における小当たり乱数48テーブル202Geには、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)として、特別図柄の種別によらず、「819~65535」の範囲が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0~65535」の65536個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が64717個であるので、特別図柄の抽選で小当たりと判定される割合は約98.7%(64717/65536)である。大当たり確率を加味すると、確変状態では、100%の割合で小当たり若しくは大当りに当選する。これにより、確変状態Aでは、変動時間が長い第2特別図柄の変動表示を変動時間が短い第1特別図柄の変動表示の停止表示タイミングで破棄することができる。また、確変状態Bでは、第1特別図柄の抽選で通常大当たり以外の抽選結果となった場合は確変状態Aと同様であり、且つ、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合に、第2特別図柄の変動表示の停止タイミングで通常大当たりを破棄することができる。更に、時短状態Cでは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合の1/3でのみ、第1特別図柄の変動表示の方が先に停止表示され、それ以外の場合は第2特別図柄の変動表示の方が先に停止表示されるので、高い割合で確変状態Cと第2特別図柄の大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成することができる。
次に、図1386(b)を参照して、本痔亜48制御例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjの詳細について説明する。図1386(b)は、本第48制御例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjの規定内容を示した図である。図1386(b)に示した通り、本第48制御例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjは、第1特別図柄の抽選回数毎に、特別図柄の抽選が実行された場合に参照される変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。より具体的には、図1386(b)に示した通り、初期化後(即ち、大当たりに当選する前)の通常状態における変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数によらず、通常用テーブル202Gd1(図1382(b)参照)が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ1)が規定されている。また、図1386(b)に示した通り、大当たり終了後の遊技状態が時短状態である場合における変動パターンシナリオとして、時短状態の設定契機となった大当たり種別によらず、第1特別図柄の抽選回数が50回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が51回以上の範囲において通常用テーブル202Gd1(図1382(b)参照)が参照される変動パターンシナリオ(シナリオ2)が規定されている。
また、図1386(b)に示した通り、大当たり終了後の遊技状態が確変状態である場合における変動パターンシナリオとして、4種類の変動パターンシナリオが設けられている。即ち、大当たりA48,D48のいずれかに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が19回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が20回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が21回以上の範囲において確変B用48テーブル202Gd3(図1384参照)が参照されるシナリオ(シナリオ3)が対応付けて規定されている。つまり、大当たりA48又は大当たりD48のどちらかが終了した後は、20回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B(無敵モード)に設定される。
また、大当たりB48,E48のいずれかに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が19回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が20回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が21回から39回の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が40回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が41回以上の範囲において確変B用48テーブル202Gd3(図1384参照)が参照されるシナリオ(シナリオ4)が対応付けて規定されている。つまり、大当たりB48又は大当たりE48のどちらかが終了した後は、40回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B(無敵モード)に設定される。即ち、大当たりA48やD48よりも、確変状態B(無敵モード)へと移行するまでの抽選回数が多くなる分有利度合いが低くなる。
また、大当たりC48,F48のいずれかに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が19回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が20回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が21回から39回の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が40回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が41回から59回の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が60回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が61回以上の範囲において確変B用48テーブル202Gd3(図1384参照)が参照されるシナリオ(シナリオ5)が対応付けて規定されている。つまり、大当たりC48又は大当たりF48のどちらかが終了した後は、40回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B(無敵モード)に設定される。即ち、大当たりA48やB48やD48やE48よりも、確変状態B(無敵モード)へと移行するまでの抽選回数が多くなる分有利度合いが低くなる。
更に、大当たりH48に当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数によらず確変C用テーブル202Gd4(図1385(a)参照)が参照されるシナリオ(シナリオ5)が対応付けて規定されている。つまり、第2特別図柄の大当たりである大当たりH48が終了した後は、確変状態Cに設定されることにより、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選し、更に1/3の割合の5秒間の変動時間が選択されない限り、確変状態Cと第2特別図柄の大当たりとが繰り返される極めて有利な状態を形成する。よって、第2特別図柄の大当たり遊技が実行された場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。
次に、図1380を参照して、本第48制御例における主制御装置110のRAM203の詳細について説明する。図1380は、本第48制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図1380に示した通り、本第48制御例におけるRAM203は、上述した第17制御例におけるRAM203の構成(図553参照)に対して、特図1抽選カウンタ203Gaと、シナリオ格納エリア203Gbと、確変フラグ203Gcと、確変設定フラグ203Gdと、確変通過カウンタ203Geと、入賞個数カウンタ203Gfと、動作カウンタ203Ggと、報知カウンタ203Ghと、残丘タイマフラグ203Giと、残球タイマ203Gjと、確変有効フラグ203Gkと、確変有効タイマ203Gmと、排出個数カウンタ203Gnと、が追加されている点で相違している。また、時短カウンタ203hに代えて、特図1時短カウンタ203h1、特図2時短カウンタ203h2がそれぞれ設けられている点でも相違している。この特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2は、本第48制御例では第1特別図柄の時短回数と第2特別図柄の時短回数とを別々で設定していることに伴って、時短カウンタ203h1を第1特別図柄用のカウンタと第2特別図柄用のカウンタとに分けたに過ぎないため、ここではその詳細な説明について破省略する。更に、小当たり種別格納エリア203fa、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、時短リミット回数カウンタ203ja、特図1変動停止フラグ203ke、特図抽選カウンタ203qaが削除されている点でも相違している。これらの構成の削除は、第17制御例において採用していた、小当たり遊技においてV入賞を検出した場合に大当たりに当選する仕様(2種当たりの仕様)を本第48制御例では搭載していないことに基づく削除である。
特図1抽選カウンタ203Gaは、大当たり終了後(またはパチンコ機10の初期化(リセット)後)における第1特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この特図1抽選カウンタ203Gaは、初期値が0に設定されており、第1特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ加算して更新される(図1391のY601G参照)。特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択する際は、この特図1抽選カウンタ203Gaの値に基づいて大当たり(または初期化後)の第1特別図柄の抽選回数が判別されて、設定されている変動パターンシナリオから対応する変動パターンテーブルが特定される。
シナリオ格納エリア203Gbは、現在設定されている変動パターンシナリオを示すデータが格納される記憶領域である。このシナリオ格納エリア203Gbは、初期値がシナリオ1(初期化後の通常状態に対応するシナリオ)を示す「00H」に設定されており、大当たり終了時に、シナリオ2(大当たり終了後の時短状態に対応するシナリオ)を示す「01H」、シナリオ3(大当たりA48,D48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「02H」シナリオ4(大当たりB48,E48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「03H」、シナリオ5(大当たりC48,F48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「04H」、シナリオ6(大当たりH48の終了後の確変状態に対応するシナリオ)を示す「05H」のいずれかのデータに上書きされる(図1402のY2706G参照)。特別図柄の抽選を実行する際は、このシナリオ格納エリア203Gbが示すデータに対応するシナリオと、第1特別図柄の抽選回数(特図1抽選カウンタ203Gaの値)とに対応する変動パターンテーブルを参照して、変動パターンを選択する。
確変フラグ203Gcは、現在の遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグである。この確変フラグ203Gcがオンであれば、遊技状態が確変状態であることを示し、オフである場合は、特別図柄の低確率状態(通常状態、または時短状態)であることを示している。本第48制御例では、大当たり遊技の終了時に後述する確変設定フラグ203Gdがオンに設定されている場合に確変フラグ203Gcがオンに設定される(図1402のY2702G参照)。一方、大当たり遊技の開始時にオフに設定される(図1392のY702G、図1398のY912G参照)。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203Gdは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本第48制御例では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203Gdがオンに設定される(図1403のY2212G)。一方、この確変設定フラグ203Gdは、大当たり終了時にオフに設定される(図1402のY2705参照)。なお、この確変設定フラグ203Gdは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203Gdがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203Gdを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203Geが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203Gdのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203Geは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本第48制御例では、大当たり遊技の1ラウンド目)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203Geと後述する排出個数カウンタ203Gnとの合計により第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203Geは、確変スイッチ65e3を通過した場合に値が1ずつ加算されて更新される(図1403のY2211G)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図1404のY2311G)。なお、この確変通過カウンタ203Geは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203Gfは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。この入賞個数カウンタ203Gfは、特定入賞口65aへの遊技球の入球を検出する毎に、値が1ずつ加算されて更新される(図1403のY2203G)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203Gfの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203Gnと確変通過カウンタ203Geとの合計値)とが一致しているか判別(図1404のY2307G)された後に、初期値である「0」にリセットされる(図1404のY2311G参照)。なお、この入賞個数カウンタ203Gfの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203Ggは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本第48制御例では、大当たりの1ラウンド目が開始されたことに基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定される。これに伴い、動作カウンタ203Ggには、5秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理48(図1403)のY2209Gの処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203Ggの値が0と判別されたこと(図1403のY2214G:Yes)に基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203Ggは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203Ggを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
残球タイマフラグ203Giは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203Giがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203Giがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203Gjが1ずつ加算されて更新される(図1404のY2305G参照)。残球タイマ203Giは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203Gjは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本第48制御例では、第1可変入賞装置81に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本第48制御例では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203Gjの上限値として設定されている。この残球タイマ203Gjの上限値(本第48制御例では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図1404のY2307G)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、1ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、通常大当たり(大当たりG48)であっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203vhをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203Gkは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203Gkがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203vpがオンである期間は、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203Gmは、上述した確変有効フラグ203Gkがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203Gmにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別(計測)することができる。本第48制御例では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203Gmの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、不正に特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサーを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203Gnは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203Gnは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図1404のY2311G)。
<第48制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図1387から図1404を参照して、第48制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図1387を参照して、本第48制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理48(Y111G)について説明する。この特別図柄変動処理48(Y111G)は、上述した第17制御例における特別図柄変動処理17(図559参照)に代えて実行される処理であり、第17制御例における特別図柄変動処理17(図559参照)に対して、主として、一方の特別図柄の変動表示中に他方の特別図柄が大当たりまたは小当たり図柄で停止表示された場合に、変動表示中の一方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様に変更されたことに伴う変更が反映されたものである。図1387は、この特別図柄変動処理48(Y111G)の内容を示したフローチャートである。
この特別図柄変動処理48(Y111G)のうち、Y231、Y234、Y238、Y252、Y253、Y256およびY257の各処理では、それぞれ第17制御例における特別図柄変動処理17(図559参照)の、Y231、Y234、Y238、Y252、Y253、Y256およびY257の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特別図柄変動処理48(Y111G)では、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y234:No)、第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)に代えて第1特別図柄変動開始処理48を実行し(Y201G)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理48(Y201G)の詳細については、図1388を参照して後述する。
一方、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y234:Yes)、Y252およびY253の処理を実行し、次いで、上述した第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)に代えて第1特別図柄変動停止処理48を実行し(Y202G)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理48(Y202G)の詳細については、図1392を参照して後述する。
また、本第48制御例における特別図柄変動処理48(図1387参照)では、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbは0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y238:No)、上述した第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)に代えて第2特別図柄変動開始処理48を実行し(Y203G)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理48(Y203G)の詳細については、図1394を参照して後述する。
一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であると判別した場合には(Y238:Yes)、Y256およびY257の処理を実行し、上述した第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)に代えて第2特別図柄変動停止処理48を実行し(Y204G)、本処理を終了する。第2特別図柄変動停止処理48(Y204G)の詳細については、図1398を参照して後述する。
次いで、図1388を参照して、上述した本第48制御例における特別図柄変動処理48(図1387)の一処理である第1特別図柄変動開始処理48(Y201G)について説明する。この第1特別図柄変動開始処理48(Y201G)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)と同様に、第1特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。図1388は、この第1特別図柄変動開始処理48(Y201G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動開始処理48(Y201G)のうち、Y302~Y306の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)のY302~Y306の各処理と同一の処理が実行される。また、本第48制御例における第1特別図柄変動開始処理48(図1388参照)では、Y306の処理を実行した後、第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561参照)に代えて、第1特別図柄判定処理48を実行し(Y301G)、第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理48を実行し(Y302G)、次いで、第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて特図1遊技状態更新処理48を実行し(Y303G)、本処理を終了する。第1特別図柄判定処理48(Y301G)、第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)、および特図1遊技状態更新処理48(Y303G)の詳細については、それぞれ図1389、図1390、および図1391を参照して後述する。
次いで、図1389を参照して、上述した本第48制御例における第1特別図柄変動開始処理48(図1388参照)の一処理である第1特別図柄判定処理48(Y301G)について説明する。この第1特別図柄判定処理48(Y301G)は、上述した第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄判定処理17(図561参照)と同様に、第1特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。図1389は、この第1特別図柄判定処理48(Y301G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄判定処理48(Y301G)のうち、Y8001~Y8006およびY8011の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561参照)のY8001~Y8006およびY8011の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄判定処理48(Y301G)では、Y8003において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8003:No)、小当たり乱数48テーブル202Geに基づいて抽選結果を取得し(Y8001G)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別する(Y8002G)。抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8002G:No)、本処理を終了する。一方、Y8002Gの処理において、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8002G:Yes)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンに設定し(Y8003G)、本処理を終了する。なお、これらの第1特別図柄判定処理17(図561参照)に対する変形は、主として、本第48制御例では、時短図柄当選の抽選結果が設けられていないことに対応する変形である。
次いで、図1390を参照して、本第48制御例における第1特別図柄変動開始処理48(図1388参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図1390は、この第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)のうち、Y501~Y503、Y505~Y508およびY512の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)のY501~Y503、Y505~Y508およびY512の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)では、Y503の処理を実行した後、シナリオ格納エリア203Gbのデータと現在の特図1抽選カウンタ203Gaの値とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y501G)、処理をY512へと移行する。
この第1特別図柄変動パターン選択処理48(Y302G)により、設定されている変動パターンシナリオ、および第1特別図柄の抽選回数に応じた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定することができるので、第1特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、前回の大当たり種別に応じて、異なる抽選回数で確変状態Aから確変状態Bへと移行する遊技性を実現することができる。また、第2特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、基本的に、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄の変動時間よりも長くすることができるので、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選結果が導出され易い遊技性を実現することができる。
次いで、図1391を参照して、本第48制御例における第1特別図柄変動開始処理48(図1388参照)の一処理である特図1遊技状態更新処理48(Y303G)について説明する。この特図1遊技状態更新処理48(Y303G)は、上述した第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて実行される処理であり、遊技状態更新処理12(図422参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図1391は、この特図1遊技状態更新処理48(Y303G)の内容を示したフローチャートである。
この特図1遊技状態更新処理48(Y303G)では、まず、特図1抽選カウンタ203Gaの値に1を加算し(Y601G)、次いで、特図1時短カウンタ203h1の値が0より大きい値か否かを判別する(Y602G)。S602Gの処理において、特図1時短カウンタ203h1の値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合は(Y602G:No)、現在の遊技状態が時短状態以外の遊技状態である(通常状態、若しくは確変状態である)ことを意味し、次に大当たりに当選するまで遊技状態が変更されることがないため、そのまま本処理を終了する。一方、Y602Gの処理において、特図1時短カウンタ203h1の値が0より大きい値であると判別した場合には(Y602G:Yes)、特図1時短カウンタ203h1の値を1減算し(Y603G)、特図1時短カウンタ203h1の値を示す残時短回数コマンドを設定し(Y604G)、次いで、減算後の特図1時短カウンタ203h1の値が0である否かを判別する(Y605G)。
Y605Gの処理において、特図1時短カウンタ203h1の値が0ではないと判別した場合には(Y605G:No)、時短状態の終了タイミングではないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、Y605Gの処理において、減算後の特図1時短カウンタ203h1の値が0であると判別した場合には(Y605G:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、本処理を終了する。
この特図1遊技状態更新処理48(図1391参照)を実行することにより、第1特別図柄の抽選回数に通常状態への移行有無を判定することができる。
次いで、図1392を参照して、本第48制御例における特別図柄変動処理48(図1387)の一処理である第1特別図柄変動停止処理48(Y202G)について説明する。この第1特別図柄変動停止処理48(Y202G)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)と同様に、第1特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図1392は、この第1特別図柄変動停止処理48(Y202G)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動停止処理48(Y202G)のうち、Y701、Y704~Y707、Y721およびY723~Y727の各処理では、それぞれ第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565参照)のY701、Y704~Y707、Y721およびY723~Y727の各処理と同一の処理が実行される。また、本第48制御例の第1特別図柄変動停止処理48(Y202G)では、Y721の処理において、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y721)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンではないと判別した場合には(Y721:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないことを意味するため第17制御例における特図1外れ停止処理(図566参照)に代えて、特図1外れ停止処理48を実行し(Y701G)、本処理を終了する。なお、特図1外れ停止処理48(Y701G)の詳細については、図1393を参照して後述する。
また、本第48制御例における第1特別図柄変動停止処理48(図1392参照)では、Y704の処理を実行した後、時短カウンタ(特図1時短カウンタ203h1と特図2時短カウンタ203h2との両方)、および確変フラグ203Gcを初期値にリセットし(Y702G)、処理をY705へと移行する。
次いで、図1393を参照して、上述した本第48制御例における第1特別図柄変動停止処理48(図1392)の一処理である特図1外れ停止処理48(Y701G)について説明する。この特図1外れ停止処理48(Y701G)は、上述した第17制御例における特図1外れ停止処理(図566参照)に代えて実行される処理であり、特図1外れ停止処理(図566参照)と同様に、第1特別図柄の外れ(小当たり又は完全外れ)時における停止表示を設定するための処理である。図1393は、この特図1外れ停止処理48(Y701G)の内容を示したフローチャートである。
この特図1外れ停止処理48(Y701G)のうち、Y751およびY753~Y761の各処理では、それぞれ第17制御例における特図1外れ停止処理(図566参照)のY751およびY753~Y761の各処理と同一の処理が実行される。また、本第48制御例の特図1外れ停止処理48(Y701G)では、Y751の処理において、特図1小当たりフラグ203qcがオンであると判別した場合には(Y751:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y751G)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y751G:Yes)、次いで、特図2変動停止フラグ203kfをオンに設定し(Y752G)、特図2の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定し(Y753G)、処理をY753へと移行する。一方、Y751Gの処理において、特図2変動時間タイマ203kbの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y751G:No)、Y752G、Y753GおよびY753の処理をスキップし、処理を754へと移行する。
この特図1外れ停止処理48(図1393参照)を実行することにより、第1特別図柄の小当たりの停止表示タイミングで第2特別図柄の変動表示が実行中である場合に、第2特別図柄の変動表示を抽選結果によらず完全外れに対応する停止図柄で強制停止させる(第2特別図柄の変動表示を破棄する)ことができる。よって、基本的に第1特別図柄の変動時間の方が第2特別図柄の変動時間よりも短くなる確変状態Aや確変状態Bにおいて、主として第1特別図柄の抽選結果が導出される遊技性を実現することができる。
次いで、図1394を参照して、本第48制御例における特別図柄変動処理48(図1387)の一処理である第2特別図柄変動開始処理48(Y203G)について説明する。この第2特別図柄変動開始処理48(Y203G)は、上述した第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)と同様に、第2特別図柄の抽選を実行すると共に、抽選結果に応じた変動表示を開始させるための処理である。図1394は、この第2特別図柄変動開始処理48(Y203G)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動開始処理48(Y203G)のうち、Y832~Y836、Y851およびY852の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567参照)のY832~Y836、Y851およびY852の各処理と同一の処理が実行される。
また、本制御例の第2特別図柄変動開始処理48(Y203G)では、Y836の処理を実行した後、第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568参照)に代えて、第2特別図柄判定処理48を実行し(Y801G)、第17制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)に代えて第2特別図柄変動パターン選択処理48を実行し(Y802G)、次いで、第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて特図2遊技状態更新処理48を実行し(Y803G)、本処理を終了する。第2特別図柄判定処理48(Y801G)、第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)、特図2遊技状態更新処理48(Y803G)の詳細については、図1395、図1396、および図1397を参照して後述する。
次いで、図1395を参照して、上述した本第48制御例における第2特別図柄変動開始処理48(図1394)の一処理である第2特別図柄判定処理48(Y801G)について説明する。この第2特別図柄判定処理48(Y801G)は、上述した第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄判定処理17(図568参照)と同様に、第2特別図柄の大当たり判定を実行するための処理である。図1395は、この第2特別図柄判定処理48(Y801G)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄判定処理48(Y801G)のうち、Y8101~Y8106およびY8111の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568参照)のY8101~Y8106およびY8111の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄判定処理48(Y801G)では、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8103:No)、小当たり乱数48テーブ202Gaに基づいて抽選結果を取得し(Y8101G)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別し(Y8102G)、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8102G:No)、本処理を終了する。一方、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8102G:Yes)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンし設定し(Y8103G)、本処理を終了する。なお、これらの第2特別図柄判定処理17(図568参照)に対する変形は、主として、本第48制御例では、時短図柄当選の抽選結果が設けられていないことに対応する変形である。
次いで、図1396を参照して、本第48制御例における第2特別図柄変動開始処理48(図1394)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)について説明する。この第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)は、上述した第17制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じた第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための処理である。図1396は、この第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)のうち、Y921~Y923、Y925~Y9258およびY932の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理17(図570参照)のY921~Y923、Y925~Y9258およびY932の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)では、Y923の処理を実行した後、シナリオ格納エリア203Gbのデータと現在の特図1抽選カウンタ203Gaの値とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y901G)、処理をY932へと移行する。
この第2特別図柄変動パターン選択処理48(Y802G)により、設定されている変動パターンシナリオ、および第1特別図柄の抽選回数に応じた変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定することができるので、通常状態においては、右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させた場合の遊技効率を悪化させる(第2特別図柄の変動時間を極端に長くする)ことで通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、第1特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、基本的に、第2特別図柄の変動時間を第1特別図柄の変動時間よりも長くすることができるので、第1特別図柄の抽選結果が導出され易い遊技性を実現することができる。更に、第2特別図柄の確変大当たり後における確変状態においては、有利度合いが高い第2特別図柄の変動時間を、有利度合いが低い第1特別図柄の変動時間よりも短くなり易く構成することができるので、一旦第2特別図柄の大当たりに当選すると、有利度合いが高い確変状態Cと第2特別図柄の大当たりとが繰り返され易い遊技性を実現することができる。
次いで、図1397を参照して、本第48制御例における第2特別図柄変動開始処理48(図1394参照)の一処理である特図2遊技状態更新処理48(Y803G)について説明する。この特図2遊技状態更新処理48(Y803G)は、上述した第17制御例(および第12制御例)における遊技状態更新処理12(図422参照)に代えて実行される処理であり、遊技状態更新処理12(図422参照)と同様に、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。図1397は、この特図2遊技状態更新処理48(Y803G)の内容を示したフローチャートである。
この特図2遊技状態更新処理48(Y803G)では、まず、特図2時短カウンタ203h2の値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y851G)、特図2時短カウンタ203h2の値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y851G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y851Gの処理において、特図2時短カウンタ203h2の値が0より大きい値であると判別した場合には(Y851G:Yes)、特図2時短カウンタ203h2の値を1減算し(Y852G)、特図2時短カウンタ203h2の値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y853G)。次いで、特図2時短カウンタ203h2の値が0であるか否かを判別し(Y854G)、特図2時短カウンタ203h2の値が0ではないと判別した場合には(Y854G:No)、本処理を終了する。一方、Y854Gの処理において、特図2時短カウンタ203h2の値が0であると判別した場合には(Y854G:Yes)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y855G)、本処理を終了する。
この特図2遊技状態更新処理48(図1397参照)、および上述した特図1遊技状態更新処理48(図1391参照)によって特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2を別個に更新することにより、一方の特別図柄の抽選に偏って実行されたとしても、偏って実行された特別図柄の抽選回数が50回となった時点で時短状態を終了させることができるので、時短状態において一方の特別図柄の抽選が極端に多く実行されることを抑制することができる。
次いで、図1398を参照して、本第48制御例における特別図柄変動処理48(図1394)の一処理である第2特別図柄変動停止処理48(Y204G)について説明する。この第2特別図柄変動停止処理48(Y204G)は、上述した第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)と同様に、第2特別図柄の変動時間が経過した場合に第1特別図柄の停止表示を設定するための処理である。図1398、この第2特別図柄変動停止処理48(Y204G)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動停止処理48(Y204G)のうち、Y901、Y906~Y909、およびY921~Y925の各処理では、それぞれ第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571参照)のY901、Y906~Y909、およびY921~Y925の各処理と同一の処理が実行される。また、本第48制御例における第2特別図柄変動停止処理48(Y204G)では、Y921の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y921:No)、第17制御例における特図2外れ停止処理(図573参照)に代えて特図2外れ停止処理48を実行し(Y911G)、そのまま本処理を終了する。なお、特図2外れ停止処理48(Y911G)の詳細については、図1399を参照して後述する。また、Y906の処理を実行した後、時短カウンタ(特図1時短カウンタ203h1,特図2時短カウンタ203h2)および確変フラグ203Gcをリセットし(Y912G)、処理をY907へと移行する。
次いで、図1399を参照して、本第48制御例における第2特別図柄変動停止処理48(図1398)の一処理である特図2外れ停止処理48(Y911G)について説明する。この特図2外れ停止処理48(Y911G)は、上述した第17制御例における特図2外れ停止処理(図573参照)に代えて実行される処理であり、特図2外れ停止処理(図573参照)と同様に、第2特別図柄の外れ(小当たり又は完全外れ)時における停止表示を設定するための処理である。図1399は、この特図2外れ停止処理48(Y901G)の内容を示したフローチャートである。
この特図2外れ停止処理48(Y911G)のうち、Y951およびY953~Y961の各処理では、それぞれ第17制御例における特図2外れ停止処理(図573参照)のY951およびY953~Y961の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2外れ停止処理48(Y911G)では、Y951の処理において、特図2小当たりフラグ203qdがオンであると判別した場合には(Y951:Yes)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y951G)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y951G:Yes)、次いで、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(Y952G)、処理をY953へと移行する。一方、Y951Gの処理において、特図1変動時間タイマ203kaの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y951G:No)、Y952GおよびY953の処理をスキップし、処理を754へと移行する。
この特図2外れ停止処理48(図1399参照)を実行することにより、第2特別図柄の小当たりの停止表示タイミングで第1特別図柄の変動表示が実行中である場合に、第1特別図柄の変動表示を抽選結果によらず完全外れに対応する停止図柄で強制停止させる(第1特別図柄の変動表示を破棄する)ことができる。よって、確変状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合に,当該通常大当たり変動を、先に停止表示される第2特別図柄の小当たり若しくは大当たり図柄によって破棄することができ、確変状態Bを、実質的に第1特別図柄の確変大当たりまで継続する有利な遊技状態として構成することができる。また、基本的に第2特別図柄の変動時間の方が第1特別図柄の変動時間よりも短くなる確変状態Cにおいて、主として第2特別図柄の抽選結果が導出される遊技性を実現することができる。
次に、図1400を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理48(Y1004G)の内容について説明をする。図1400は大当たり制御処理48(Y1004G)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理48(Y1004G)のうち、Y11601、Y11602、Y11604、Y11605およびY11610~Y11612の各処理では、それぞれ第17制御例(第12制御例)における大当たり制御処理12(図436参照)のY11601、Y11602、Y11604、Y11605およびY11610~Y11612の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第48制御例における大当たり制御処理48(Y1004G)では、Y11602の処理を実行した後、大当たり開始フラグ203jをオフに、大当たり中フラグ203kをオンにそれぞれ設定し(Y1901G)、そのまま本処理を終了する。また、Y11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(Y11605:Yes)、新たなラウンドにおける開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理48を実行し(Y1902G)、本処理を終了する。なお、大当たり動作設定処理48(Y1902G)の詳細については、図1401を参照して後述する。
一方、Y11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合には(Y11605:No)、次いで、開放動作のタイミングであるかを判別し(Y1903G)、開放動作のタイミングであると判別した場合には(Y1903G:Yes)、開放ソレノイドをオンに設定し(Y1904G)、確変ソレノイドをオンに設定し(Y1905G)、本処理を終了する。一方、Y1903Gの処理において、開放動作のタイミングではないと判別した場合には(Y1903G:No)、処理をY11610へと移行する。
また、Y11612の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合には(Y11612:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理48を実行し(Y1906G)、本処理を終了する。なお、大当たり終了処理48(Y1906G)の詳細については、図1402を参照して後述する。一方、Y11612の処理において、大当たりの終了タイミングではないと判別した場合には(Y11612:No)、第1可変入賞装置65への入賞に基づく制御を行うための入賞処理48を実行し(Y1907G)、次いで、第1可変入賞装置65に対する異常入賞の有無を判定するための異常処理48を実行し(Y1908G)、本処理を終了する。なお、入賞処理48(Y1907G)および異常処理48(Y1908G)の詳細については、図1403、1404を参照して後述する。
次いで、図1401を参照して、本第48制御例における大当たり制御処理48(図1400)の一処理である大当たり動作設定処理48(Y1902G)について説明する。図1401は、この大当たり動作設定処理48(Y1902G)の内容を示したフローチャートである。
この大当たり動作設定処理48(Y1902G)では、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込む(Y1931G)。具体的には、確変ソレノイドの動作として、1ラウンド目の開始を契機として5秒間オン(特別排出口65e2を開放する位置)に可変される、5秒経過時にオフに可変され、その後の各ラウンドではオフ状態に維持される動作が読み込まれる。また、開閉扉65f1の動作として、確変大当たりの1ラウンド目では、ラウンドの開始を契機として、4.5秒が経過するか、10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれ、他のラウンドではラウンドの開始を契機として30秒が経過するか10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれる。また、通常大当たりの1ラウンド目では、ラウンドの開始から5秒経過時点を契機として、4.5秒が経過するか、10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれ、他のラウンドではラウンドの開始を契機として30秒が経過するか10個以上の遊技球の入球を検出するまで開放される開閉動作が読み込まれる。
Y1931Gの処理が終了すると、次いで、Y1931Gの処理で読み込んだ確変ソレノイドの開放動作を設定すると共に(Y1932G)、Y1931Gの処理で読み込んだ第1特定入賞口(大開放口)65aの開放動作を設定し(Y1933G)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理48(図1401参照)を実行することにより、大当たり種別およびラウンド数に応じた動作を好適に設定することができる。
次いで、図1402を参照して、本第48制御例における大当たり制御処理48(図1400)の一処理である大当たり終了処理48(Y1906G)について説明する。この大当たり終了処理48(Y1906G)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図1402は、この大当たり終了処理48(Y1906G)の内容を示したフローチャートである。
この大当たり終了処理48(Y1906G)では、まず、確変設定フラグ203Gdがオンであるか否かを判別し(Y2701G)、確変設定フラグ203Gdがオンであると判別した場合には(Y2701G:Yes)、今回の大当たり遊技のVラウンド(1ラウンド目)において遊技球が確変スイッチ65e3を通過していたことを意味するため、大当たり終了後の遊技状態を確変状態に設定するために確変フラグ203Gcをオンに設定し(Y2702G)、処理をY2704Gへと移行する。一方、Y2701Gの処理において、確変設定フラグ203Gdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y2701G:No)、今回の大当たり遊技のVラウンド(1ラウンド目)において遊技球が確変スイッチ65e3を通過していなかったことを意味するため、大当たり終了後の遊技状態を時短回数が50回の時短状態に設定するために、特図1時短カウンタ203h1の値と特図2時短カウンタ203h2の値とにそれぞれ50を設定し(Y2703G)、処理をY2704Gへと移行する。
Y2704Gでは、確変フラグ203Gcおよび時短カウンタ(特図1時短カウンタ203h1、および特図2時短カウンタ203h2)の値に基づいて状態コマンドを設定し(Y2704G)、次いで、大当たり中フラグ203kおよび確変設定フラグ203Gdをオフに設定することで大当たり遊技の終了を設定する(Y2705G)。次いで、変動パターンシナリオ48テーブル202Gj(図1386(b)参照)から今回の大当たり種別と設定した遊技状態とに応じた変動パターンシナリオを特定し(Y2706G)、特定したシナリオを示すデータ(01H~05Hのいずれか)をシナリオ格納エリア203Gbに格納し(Y2707G)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理48(図1402参照)を実行することにより、大当たり遊技中の確変スイッチ65e3に対する通過の有無に応じて大当たり終了後の遊技状態を好適に設定することができると共に、大当たり終了後に参照する変動パターンシナリオを好適に設定することができる。
次いで、図1403を参照して、本第48制御例における大当たり制御処理48(図1400)の一処理である入賞処理48(Y1907G)について説明する。この入賞処理48(Y1907G)は、上述した通り、第1特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。図1403は、この入賞処理48(Y1907G)の内容を示したフローチャートである。
この入賞処理48(Y1907G)では、まず、ラウンド有効期間であるかを判別し(Y2201G)、ラウンド有効期間ではないと判別した場合には(Y2201G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合には(Y2201G:Yes)、第1特定入賞口65aへの遊技球の入賞を検出したか否かを判別し(Y2202G)、第1特定入賞口65aへの入賞を検出したと判別した場合には(Y2202G:Yes)、入賞個数カウンタ203Gfを1加算し(Y2203G)、処理をY2204Gへと移行する。一方、Y2202Gの処理において、第1定入賞口65aへの入賞を検出していないと判別した場合には(Y2202G:No)、Y2203Gの処理をスキップし、処理をY22040Gへと移行する。
Y2204Gの処理では、入賞個数カウンタ203Gfの値が10以上の値である(即ち、第1特定入賞口65aに対する入球個数が10個以上となった)か否かを判別し(Y2204G)、入賞個数カウンタ203Gfの値が10以上の値ではない(第1特定入賞口65aに対する入球個数が10個未満である)と判別した場合には(Y2204G:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(Y2205G)、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(Y2205G:No)、処理をY2208へと移行する。
一方、Y2204Gの処理において、入賞個数カウンタ203Gfの値が10以上の値である(第1特定入賞口65aに対する入球個数が10個以上になった)と判別した場合(Y2204G:Yes)、或いは、Y2205Gの処理において、ラウンド時間が経過したと判別した場合には(Y2205G:Yes)、第1特定入賞口65aを開閉する開閉扉65f1の閉鎖を設定し(Y2206G)、残球タイマフラグ203Giをオンに設定して(Y2207G)、処理をY2208Gへと移行する。
Y2208Gの処理では、動作カウンタ203Ggの値が0より大きい値であるか否かを判別し(Y2208G)、動作カウンタ203Ggの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y2208G:Yes)、動作カウンタ203Ggの値を1減算し(Y2209G)、次いで、遊技球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別する(Y2210G)。Y2210Gの処理において、確変スイッチ65e3を通過したと判別した場合には(Y2210G:Yes)、確変通過カウンタ203Geの値に1を加算して更新し(Y2211G)、確変設定フラグ203Gdをオンに設定することで、確変スイッチ65e3の通過に基づいて大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように制御する(Y2212G)。次いで、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したこと(V入賞が発生したこと)を示すV入賞コマンドを設定し(Y2213G)、処理をY2214Gへと移行する。一方、Y2210Gの処理において、確変スイッチ65e3を通過していないと判別した場合には(Y2210G:No)、Y2211G~Y2213Gの処理をスキップし、処理をY2214Gへと移行する。
Y2214Gの処理では、動作カウンタ203Ggの値が0であるかを判別し(Y2214G)、動作カウンタ203Ggの値が0ではないと判別した場合には(Y2214G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y2214の処理において、動作カウンタ203Ggの値が0であると判別した場合には(Y2214G:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオフに設定することで特別排出口65e2を閉鎖し(Y2215G)、確変有効フラグ203Gkをオンに設定して(Y2216G)、本処理を終了する。
一方、Y2208Gの処理において、動作カウンタ203Ggの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y2208G:No)、確変有効フラグ203Gkがオンであるかを判別し(Y2217G)、確変有効フラグ203Gkがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y2217G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、確変有効フラグ203Gkがオンであると判別した場合には(Y2217G:Yes)、確変有効タイマ203Gmの値を1加算し(Y2218G)、確変有効タイマ203Gmの値が上限であるかを判別する(Y2219G)。
Y2219Gの処理において、確変有効タイマ203Gmの値が上限ではないと判別した場合には(Y2219G:No)、特別排出口65e2が閉鎖される直前に誘導片65h2によって特別排出口65e2側へと誘導された遊技球が確変スイッチ65e3を通過し得る期間であり、確変スイッチ65e3への通過を正常な通過として取り扱う球はけ期間内であることを意味するため、処理をY2210Gへと移行して、確変スイッチ65e3の通過の有無を判別する。一方、Y2219Gの処理において、確変有効タイマ203Gmの値が上限であると判別した場合には(Y2219G:Yes)、確変有効フラグ203Gkをオフに設定し(Y2220G)、確変有効タイマ203Gmの値をリセットし(Y2221G)、本処理を終了する。
次いで、図1404を参照して、本第48制御例における大当たり制御処理48(図1400)の一処理である異常処理48(Y1908G)について説明する。図1404は、この異常処理48(Y1908G)の内容を示したフローチャートである。
この異常処理48(Y1908G)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(Y2301G)、ラウンド有効期間ではないと判別した場合には(Y2301G:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y2301Gの処理において、ラウンド有効期間であると判別した場合には(Y2301G:Yes)、球排出口スイッチ65e4を通過したかを判別し(Y2302G)、球排出口スイッチ65e4を通過したと判別した場合には(Y2302G:Yes)、排出個数カウンタ203Gnの値を1加算し(Y2303G)、処理をY2304Gへと移行する。一方、Y2302Gの処理において、球排出口スイッチ65e4を通過していないと判別した場合には(Y2302G:No)、Y2303Gの処理をスキップし、処理をY2304Gへと移行する。
Y2304Gの処理では、残球タイマフラグ203Giがオンであるかを判別し(Y2304G)、残球タイマフラグ203Giがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y2304G:No)、そのまま処理を終了する。一方、Y2304Gの処理において、残球タイマフラグ203Giがオンであると判別した場合には(Y2304G:Yes)、残球タイマ203Gjの値を1加算し(Y2305G)、次いで、更新後のタイマ値が残球タイマ203Gjの上限値であるかを判別し(Y2306G)、残球タイマ203Gjの上限値ではないと判別した場合には(Y2306G:No)、そのまま処理を終了する。
これに対し、Y2306Gの処理において、残球タイマ203Gjの上限値であると判別した場合には(Y2306G:Yes)、排出個数が入賞個数と一致しているかを判別し(Y2307G)、排出個数が入賞個数と一致していないと判別した場合には(Y2307G:No)、エラーコマンドを設定して(Y2308G)、残球タイマフラグ203Giをオフに設定する(Y2309G)。一方、Y2307Gの処理において、排出個数が入賞個数と一致していると判別した場合には(Y2307G:Yes)、Y2308Gの処理をスキップし、処理をY2309Gへと移行する。
Y2309Gの処理を実行した後、残球タイマ203Gjをリセットし(Y2310G)、入賞個数カウンタ203Gf、排出個数カウンタ203Gnおよび確変通過カウンタ203Geをリセットし(Y2311G)、本処理を終了する。
<第48制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図1405から図1408を参照して、本第48制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第48制御例では、上述した第17制御例(および第1制御例)に対して、コマンド判定処理(図175参照)の1処理である大当たり関連処理(S4218)の内容が変更された点、変動表示設定処理(図182参照)の1処理である特図1演出態様設定処理(S4903)の内容が変更された点、および変動表示設定処理(図182参照)の1処理である特図2演出態様設定処理(S4907)の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第48制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第48制御例に当然適用されるものである。
まず、図1405を参照して、本第48制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理48(S4201G)について説明をする。この大当たり関連処理48(S4201G)は、上述した第17制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理(図180参照)と同様に、主制御装置110から受信した大当たり関連のコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図1405は、この大当たり関連処理48(S4201G)の内容を示したフローチャートである。
この大当たり関連処理48(S4201G)のうち、S4701,S4709,S4710,S4713、およびS4714の各処理では、それぞれ第17制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)のS4701,S4709,S4710,S4713、およびS4714の各処理と同一の処理が実行される。また、本第48制御例における大当たり関連処理48(S4201G)では、S4701の処理において、オープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S4701:Yes)、次いで、今回の大当たりが第2特別図柄の大当たり(即ち、大当たりH48)であるか否かを判別し(S4701G)、第2特別図柄の大当たりである(大当たりH48である)と判別した場合には(S4701G:Yes)、大当たり演出として、プレミアムラッシュへの突入を報知する演出態様のオープニング演出を決定し(S4702G)、処理をS4806Gへと移行する。
一方、S4701Gの処理において、第2特別図柄の大当たりではない(大当たりH48ではない)と判別した場合には(S4701G:No)、無敵モード中の確変大当たりであるか否かを判別し(S4703G)、無敵モード中の確変大当たりであると判別した場合には(S4703G:Yes)、通常ラッシュへの突入を示す演出態様のオープニング演出を決定して(S4704G)、処理をS4806Gへと移行する。一方、S4703Gの処理において、無敵モード中の確変大当たりではないと判別した場合には(S4703G:No)、遊技状態と大当たり図柄とに応じた演出態様のオープニング演出を決定して(S4705G)、処理をS4706Gへと移行する。S4705Gの処理では、具体的には、通常状態における確変大当たりである場合は、確変状態A(通常ラッシュモード)への移行を報知する演出態様のオープニング演出を決定し、通常状態における通常大当たりである場合は、時短状態(チャンスモード)への移行を報知する演出態様のオープニング演出を決定し、確変状態Aにおける確変大当たりである場合は、枝862を掴むことに成功してRUSH継続が報知される演出態様のオープニング演出を決定し、確変状態Aにおける通常大当たりである場合は、枝862を掴むことに失敗してチャンスモードへの移行が報知される演出態様(図1372(a)参照)のオープニング演出が決定される。S4702G,S4704G、およびS4705Gの何れかが終了した後で実行されるS4706Gの処理では、S4702G,S4704G、およびS4705Gの何れかの処理において決定した演出態様のオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S4706G)、本処理を終了する。
また、本第48制御例における大当たり関連処理48(図1405参照)では、S4710の処理が終了すると、次いで、今回の大当たりが確変大当たりであるか否かを判別し(S4707G)、確変大当たりであると判別した場合には(S4707G:Yes)、今回開始されるラウンドがVラウンド(1ラウンド)であるか否かを判別する(S4708G)。S4708Gの処理において、今回のラウンドがVラウンド(1ラウンド)であると判別した場合には(S4708G:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定して(S4713)、本処理を終了する。一方、S4707Gの処理において、今回の大当たりが確変大当たりではないと判別した場合(S4707G:No)、および、S4708Gの処理において、今回のラウンドがVラウンド(1ラウンド)ではないと判別した場合には(S4708G:No)、そのまま本処理を終了する。
また、本第48制御例における大当たり関連処理48(図1405参照)では、S4714の処理においてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S4714:Yes)、大当たり終了後の遊技状態(時短状態であるか、確変状態Aであるか、確変状態Cであるか)に応じた演出態様を決定し(S4709G)、決定した演出態様のエンディング演出に対応する表示用エンディングコマンドを設定し(S4710G)、本処理を終了する。
この大当たり関連処理48(図1405参照)を実行することにより、大当たり当選時の遊技状態や当選した大当たりの種別、大当たり終了後の遊技状態等に応じて、大当たり遊技の実行中における好適な演出態様を設定することができる。
次に、図1406を参照して、本第48制御例における特図1演出態様設定処理48(S4901G)の詳細について説明をする。この特図1演出態様設定処理48(S4901G)は、上述した第17制御例(および第1制御例)における特図1演出態様設定処理48(図183参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理(図183参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示演出の演出態様を決定するための処理である。図1406は、この特図1演出態様設定処理48(S4901G)の内容を示したフローチャートである。
この特図1演出態様設定処理48(S4901G)では、まず、現在が通常状態であるかを判別し(S5001G)、通常状態であると判別した場合には(S5001G:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5002G)、処理をS5009へと移行する。一方、S5001Gの処理において、現在の遊技状態が通常状態ではないと判別した場合には(S5001G:No)、現在が時短状態であるかを判別し(S5003G)、時短状態であると判別した場合には(S5003G:Yes)、時短中カウンタ223nの値を1減算し(S5004G)、処理をS5002へと移行する。
これに対し、S5003Gの処理において、時短状態ではないと判別した場合には(S5003G:No)、現在の遊技状態が確変状態であることを意味するため、まず、確変状態Aにおいて、確変状態B(無敵モード)へと移行するまでの第1特別図柄の抽選回数をカウントするための昇格カウンタの値が0より大きい値であるか否かを判別する(S5005G)。図示については省略したが、この昇格カウンタは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられており、第1特別図柄の確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)の終了時に、大当たり種別に応じた天井抽選回数(確変状態Bに移行するまでの第1特別図柄の抽選回数)に対応するカウンタ値が設定される。即ち、大当たりA48,D48の終了時にカウンタ値に20が設定され、大当たりB48,E48の終了時にカウンタ値に40が設定され、大当たりC48,F48の終了時にカウンタ値に60が設定される。
S5005Gの処理において、昇格カウンタの値が0より大きい値である(即ち、1以上の値である)と判別した場合には(S5005G:Yes)、昇格カウンタの値を1減算し(S5006G)、処理をS5007Gへと移行する。一方、S5005Gの処理において、昇格カウンタの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5005G:No)、S5506Gの処理をスキップし、処理をS5007Gへと移行する。
S5007Gの処理では、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが昇格演出用の変動パターンであるかを判別し(S5007G)、昇格演出用の変動パターンであると判別した場合には(S5007G:Yes)、次いで、昇格カウンタの値が0であるか否かを判別する(S5008G)。S5008Gの処理において、昇格カウンタの値が0であると判別した場合には(S5008G:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S5010G)、大当たりであると判別した場合(S5010G:Yes)、および、S5008Gの処理において、昇格カウンタの値が0ではないと判別した場合には(S5008G:No)、昇格失敗演出(図1373(b)参照)を伴う演出態様を決定し(S5009G)、処理をS5009へと移行する。なお、大当たりの場合には、昇格失敗演出(図1373(b)参照)を経てチャレンジボーナスへの移行が報知される演出態様が設定される。具体的には、例えば、ウサギのキャラクタ801が岩山に衝突した後で、左上方向に跳ね返ることで枝862の真上に到達すると共に、チャレンジボーナスへの移行が報知される(即ち、第3図柄が同一の偶数の数字を模した図柄で停止表示される)一連の演出態様が展開される。これにより、他の状況でチャレンジボーナスに移行した場合と同様に、枝862の上方から落下してきたウサギのキャラクタ801が枝862を掴むことに成功すれば確変状態Aへの突入が報知される一方で、失敗すれば時短状態への移行が報知されるという演出内容をそのまま用いることができる。一方、S5010Gの処理において、大当たりではないと判別した場合には(S5010G:No)、天井抽選回数に到達したことを意味するため、昇格成功演出を伴う演出態様(図1374(a)参照)を決定し(S5011G)、処理をS5009へと移行する。
これに対し、S5007Gの処理において、昇格演出用の変動パターンではないと判別した場合には(S5007G:No)、現在の状態が確変状態B(無敵モード)であるかを判別し(S5012G)、確変状態B(無敵モード)であると判別した場合には(S5012G:Yes)、確変状態B(無敵モード)における変動表示演出の演出態様を設定するための無敵モード中演出設定処理を実行し(S5013G)、処理をS5009へと移行する。なお、この無敵モード中演出設定処理(Y5013G)の詳細については、図1407(a)を参照して後述する。
一方、S5012Gの処理において、現在の状態が確変状態B(無敵モード)でなはいと判別した場合には(S5012G:No)、次いで、現在の状態が確変状態C(プレミアムラッシュモード)であるか否かを判別し(Y5014G)、確変状態C(プレミアムラッシュモード)ではないと判別した場合には(Y5014G:No)、確変状態Aで、且つ、昇格チャンス演出(図1372(b)参照)の実行タイミングでもないことを意味するため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(Y5015G)、処理をS5009へと移行する。一方、S5014Gの処理において、現在の状態が確変状態C(プレミアムラッシュモード)であると判別した場合には(Y5014G:Yes)、確変状態C(プレミアムラッシュモード)における変動表示演出の演出態様を設定するためのプレミアムラッシュ中演出設定処理を実行し(Y5016G)、処理をS5009へと移行する。なお、プレミアムラッシュ中演出設定処理(Y5016G)の詳細については、図1407(b)を参照して後述する。
S5002G,S5009G,S5011G,S5013G,S5015G、またはS5016Gの処理後に実行されるS5009の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5009)、本処理を終了する。この特図1演出態様設定処理48(図1406参照)を実行することで、第1特別図柄の抽選結果、および第1特別図柄の抽選が実行された際の状態に応じて好適に変動表示態様を設定することができる。
次に、図1407(a)を参照して、上述した特図1演出態様設定処理48(図1406参照)の一処理である無敵モード中演出設定処理(S5013G)について説明をする。好む的モード中演出設定処理(S5013G)は、上述した通り、確変状態B(無敵モード)において第1特別図柄の抽選が実行された場合に変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1407(a)は、この無敵モード中演出設定処理(S5013G)の内容を示したフローチャートである。
この無敵モード中演出設定処理(S5013G)では、まず、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが通常大当たりの変動パターンであるかを判別し(S5401G)、通常大当たりの変動パターンではないと判別した場合には(S5401G:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5402G)、本処理を終了する。一方、S5401Gの処理において、通常大当たりの変動パターンであると判別した場合には(S5401G:Yes)、第2特別図柄の保留球数が1より大きい値であるか否かを判別し(S5403G)、第2特別図柄の保留球数が1より大きい値であると判別した場合には(S5403G:Yes)、第1特別図柄の通常大当たりの変動パターンの開始と略同時に、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の小当たり又は大当たりによって通常大当たり変動が破棄される(外れ図柄で強制停止される)ことが確定しているため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域の外れ演出態様を決定し(S5404G)、本処理を終了する。
一方、S5403Gの処理において、第2特別図柄の保留球数が1より大きい値ではないと判別した場合には(S5403G:No)、第2特別図柄の変動表示が開始されることがなく、通常大当たり変動が破棄されるか否かが不定である(通常大当たり遊技が実行され得る不利な状態である)ことを意味するため、無敵モードの終了ピンチ演出(図1375(b)参照)を伴う演出態様を決定し(S5405G)、本処理を終了する。
次に、図1407(b)を参照して、本第48制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図1演出態様設定処理48(図1406参照)の一処理であるプレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)について説明をする。このプレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)は、上述した通り、確変状態C(プレミアムラッシュモード)における第1特別図柄の変動表示演出の演出態様を決定するための処理である。図1407(b)は、プレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)の内容を示したフローチャートである。
このプレミアムラッシュ中演出設定処理(S5016G)では、まず、主制御装置110から通知された変動パターンが5秒間の変動時間に対応する「短当たり」の変動パターンであるか否かを判別する(S5501G)。ここで、プレミアムラッシュモードにおいて5秒間の変動時間に対応する「短当たり」に設定されるのは、第1特別図柄の抽選で確変大当たりに当選した場合の約1/3のみである(図1385(a)参照)。つまり、第2特別図柄の変動表示よりも先に第1特別図柄の確変大当たり図柄が停止表示されることで、確変状態C(プレミアムラッシュモード)が終了されて確変状態Aへと移行する(転落する)場合のみであるので、S5501Gの処理において、5秒間の変動時間に対応する「短当たり」の変動パターンであると判別した場合には(S5501G:Yes)、確変状態Aへの転落を報知する演出(転落演出)を伴う大当たり用の演出態様を決定し(S5503G)、本処理を終了する。一方、S5501Gの処理において、5秒間の変動時間に対応する「短当たり」の変動パターンではない(第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間に対応する変動パターンである)と判別した場合には(S5501G:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果によらず、第2特別図柄の抽選結果によって破棄されるため、第2特別図柄の抽選結果に基づく変動表示演出を主表示領域Dmの多くの表示領域を用いて実行するべきであるため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm1の演出態様を決定し(S5502G)、本処理を終了する。
次に、図1408を参照して、本第48制御例における特図2演出態様設定処理48(S4903)について説明をする。この特図2演出態様設定処理48(S4902G)は、上述した第17制御例(および第1制御例)における特図2演出態様設定処理(図184参照)に代えて実行される処理であり、特図2演出態様設定処理(図184参照)と同様に、第2特別図柄の変動表示演出の演出態様を設定するための処理である。図1408は、この特図2演出態様設定処理48(S4902G)の内容を示したフローチャートである。
この特図2演出態様設定処理48(S4902G)では、まず、現在の状態が確変状態Cであるか否かを判別し(S5101G)、確変状態Cであると判別した場合には(S5101G:Yes)、特図1の「短当たり」に対応する5秒間の変動表示中であるか否かを判別し(S5102G)、特図1の「短当たり」変動中ではないと判別した場合には(S5102G:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5103G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5102Gの処理において、特図1の「短当たり」変動中であると判別した場合には(S5102G:Yes)、第1特別図柄の変動表示結果を示す停止図柄が先に停止表示されることを意味し、既に第1特別図柄の変動表示態様として転落演出を設定済みであることを意味するため、転落演出を第2特別図柄の抽選結果に対応する演出で上書きしないように、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm8の外れ演出態様を決定し(S5104G)、処理をS5107へと移行する。
これに対し、S5101Gの処理において、現在の状態が確変状態C(プレミアムラッシュモード)ではないと判別した場合には(S5101G:No)、現在の状態が確変状態Bであるかを判別し(S5105G)、確変状態Bではないと判別した場合には(S5105G:No)、通常状態、時短状態、または確変状態Aのいずれかであり、主として第1特別図柄の変動表示を実行させるべき遊技状態であることを意味するため、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm8の演出態様を決定し(S5106G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5105Gの処理において、確変状態Bであると判別した場合には(S5105G:Yes)、終了ピンチ演出(図1375(b)参照)の実行中であるかを判別し(S5107G)、終了ピンチ演出(図1375(b)参照)の実行中であると判別した場合には(S5107G:Yes)、今回の変動パターンコマンドにより通知された第2特別図柄の変動時間が、第1特別図柄の通常大当たり変動の残変動時間よりも短い時間であるか否かを判別し(S5108G)、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の通常大当たり変動の残変動時間よりも短い時間であると判別した場合には(S5108G:Yes)、当たり図柄殴打演出(図1376(a)参照)を伴う演出態様を決定し(S5109G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5108Gの処理において、第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の通常大当たり変動の残変動時間よりも短い時間ではない(通常大当たり変動の残変動時間以上の時間である)と判別した場合には(S5108G:No)、処理をS5106Gへと移行する。
一方、S5107Gの処理において、終了ピンチ演出(図1375(b)参照)の実行中ではないと判別した場合には(S5107G:No)、第1特別図柄の通常大当たり変動中であるかを判別し(S5110G)、第1特別図柄の通常大当たり変動中ではないと判別した場合には(S5110G:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する小表示領域Dm8の演出態様を決定し(S5111G)、処理をS5107へと移行する。一方、S5110Gの処理において、第1特別図柄の通常大当たり変動中であると判別した場合には(S5110G:Yes)、外れ確定リーチ演出(図1375(a)参照)を伴う演出態様を決定し(S5112G)、処理をS5107へと移行する。S5103G,S5104G,S5106G,S5109G,S5111G、およびS5112Gのいずれかが実行された後で実行されるS5107の処理では、S5103G,S5104G,S5106G,S5109G,S5111G、およびS5112Gのいずれかの処理で決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5107)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第48制御例におけるパチンコ機10では、有利な特定の遊技状態において第1特別図柄の抽選回数が特定回数に到達した場合に、特定の遊技状態の有利度合い(大当たり遊技が実行された場合に大当たり終了後の遊技状態が再度特定の遊技状態に設定される割合)を可変させる構成としている。つまり、予め定められた第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態(大当たり終了後の遊技状態が第1の割合で再度特定の遊技状態に設定される確変状態)が設定された後で特定条件が成立したこと(第1特別図柄の抽選回数が特定回数に到達したこと)に基づいて、特定の遊技状態の有利度合いを、第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合い(第1の割合とは異なる第2の割合)に設定する設定手段を備えている。より具体的には、本第48制御例では、遊技状態として通常状態、時短状態、および確変状態の3種類の遊技状態を設ける構成とし、3種類の遊技状態のうち最も有利度合いが高い確変状態において当該確変状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(20回、40回、または60回のいずれか)に到達することにより、実質的な確変大当たりの割合をアップさせる(確変大当たり確定となるように制御する)構成としている。これにより、有利な確変状態に設定された場合に、早期に大当たりに当選するよりも、天井抽選回数まで外れ続けた後で大当たりに当選した方が、有利度合いが高くなるという斬新な遊技性を実現することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設けることにより遊技にメリハリをつけているものが広く一般的に知られている。更に、係る従来型の遊技機の中には、射幸性が過剰に高くなってしまうことを抑制するために、有利な遊技状態が設定されてから次の大当たりに当選するまでの期間が長くなり易くなる制御(例えば、特別図柄の高確率状態における大当たり確率を従来の遊技機に比較して低確率にする制御や、特別図柄の変動時間を従来の遊技機に比較して長くする制御)を採用している遊技機も提案されている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利な遊技状態となってから大当たりに当選するまでの期間が長期化することによる弊害として、有利な遊技状態における遊技が単調となってしまったり、次に大当たりとなるまでに消費する(発射する)遊技球の個数が多くなり過ぎてしまったりする虞があるため、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し易くなってしまうという問題点があった。
これに対して本第48制御例におけるパチンコ機10では、有利な確変状態において予め定められた天井抽選回数に到達する前よりも、天井抽選回数に到達した後の方が、有利度合いが高くなるように構成している。即ち、天井抽選回数に到達するよりも前に大当たり遊技が実行された場合は、50%の割合で有利度合いが高い確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が再度確変状態に設定され、50%の割合で有利度合いが低い通常大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態よりも有利度合いが低い時短状態に設定される一方で、天井抽選回数に到達した後で大当たり遊技が実行された場合は、実質的に100%の割合で確変大当たり遊技が実行されて大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成している。このように構成することで、確変状態に設定された場合に、少なくとも天井抽選回数に到達するまでは大当たりとならずに特別図柄の抽選で外れ続けることを期待して遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができるので、大当たりとなるまでに長い期間を要したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難く構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第48制御例では、天井抽選回数に到達する前後において、特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定するために参照する変動パターンテーブルを異ならせることにより、遊技状態を変えずに実質的な確変大当たりの比率を変更する制御を実現している。より具体的には、本第48制御例では、上述した第17制御例と同様に、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に(並行して)実行可能な所謂同時変動仕様を採用している。そして、本第48制御例では、両方の特別図柄の変動表示の実行中に一方の特別図柄の変動表示が大当たり又は小当たり図柄で停止表示された場合に、他方の特別図柄が抽選結果によらず外れ図柄で停止表示される制御を採用した。また、本第48制御例では、確変状態(および時短状態)において右打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(右第1入球口2640a)にも第2特別図柄の抽選契機となる始動入賞口(第2入球口1641)にも頻繁に遊技球が入球する盤面構成とした上で、確変状態においては、第1特別図柄の抽選でも第2特別図柄の抽選でも特別図柄の外れが全て小当たりとなる(完全外れの振り分けが無い)ように構成した。更に、本第48制御例では、確変状態において、天井抽選回数に到達するよりも前においては、必ず、第1特別図柄の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)の方が第2特別図柄の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)よりも短くなるように構成することで、基本的に第1特別図柄の抽選によってのみ大当たりに当選し得る構成とした。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で確変大当たりになった場合も、通常大当たりになった場合も、ほぼ第2特別図柄の変動表示が停止表示されるよりも前に第1特別図柄の大当たり図柄が停止表示されるため、第1特別図柄の大当たりの振り分けが、確変状態における大当たりの振り分けと略同一となる。これに対して、天井抽選回数に到達した後においては、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合にのみ、第2特別図柄の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)よりも長い変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間)が設定されるように構成した。言い換えれば、第1特別図柄の抽選結果が通常大当たりとなった場合は、第2特別図柄の小当たり又は大当たり変動の方が先に停止表示されるため、通常大当たり変動が外れ図柄に書き替えられる(通常大当たりが破棄される)一方で、通常大当たり以外の抽選結果(確変大当たり又は小当たり)となった場合は、第1特別図柄の変動表示の方が先に停止表示されるため、実質的に、次に確変大当たりとなるまで継続する極めて有利な状態を形成する構成とした。このように構成することで、確変状態のうち、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間が短い(即ち、平均の変動時間が短い)天井抽選回数に到達するまでの期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的低い(有利度合いが低い)状態として構成できる一方で、第1特別図柄の通常大当たりの変動時間のみ長くなる(即ち、平均の変動時間が長い)天井抽選回数に到達した後の期間を、確変大当たり遊技が実行される可能性が比較的高い(有利度合いが高い)状態として構成することができる。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、1の遊技状態において所定の切替条件が成立した場合に、遊技状態を変えずに特別図柄の抽選が実行された場合の変動時間(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルを異なるテーブルに切り替えることにより、選択される変動時間(変動パターン)の傾向を異ならせ、遊技にメリハリをつけている仕様の遊技機が広く知られている。しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特別図柄の抽選で外れとなった場合に長い変動時間が選択され易い傾向のテーブルが参照される状態に設定された場合に、特別図柄の抽選結果が示されるまでの期間が長くなり易くなることにより、遊技が間延びしてしまうと共に、テーブルが切り替わる前後で略同一のペースで遊技球を発射し続けた場合に、持ち球をより多く消費してしまう(遊技効率が悪くなってしまう)可能性が高くなるため、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させ難くなってしまうという問題点がある。
これに対して本第48制御例では、1の特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間が比較的短い第1状態よりも、1の特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの期間が比較的長い第2状態の方が、有利度合いが高くなる構成としている。より具体的には、通常大当たり当選時の変動時間が短いことにより平均の変動時間としても短くなる天井抽選回数到達前の状態(確変状態A)よりも、通常大当たり当選時の変動時間が長いことにより平均の変動時間としても長くなる天井抽選回数到達後の状態(確変状態B)の方が、同一の遊技状態(確変状態)でありながら、実質的な確変大当たり遊技の実行割合が高くなる極めて有利な状況を形成するため、一般的には遊技に対するモチベーションが低下し易い平均の変動時間が長い状態の方が、逆に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させ易くなるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第48制御例では、上述した通り、特定の遊技状態(確変状態)において特定条件が成立した(天井抽選回数に到達した)場合に、遊技状態を変更することなく、確変大当たり遊技が実行される割合という、遊技者の有利度合いを大きく左右する因子を大きく異ならせる構成としている。つまり、特定条件が成立した場合に、特定の遊技状態を維持したまま、当該特定の遊技状態の有利度合いを第1の有利度合いから第2の有利度合いに可変させる斬新な制御を実現可能に構成している。これに伴って、本第48制御例では、特定の遊技状態(確変状態)における演出として、第1の実行条件が成立したこと(確変状態Aが設定されたこと)に基づいて第1演出(通常ラッシュモード用の演出)を実行可能な第1演出実行手段と、特定の遊技状態において第2の実行条件が成立したこと(確変状態Aにおいて天井抽選回数に到達したこと)に基づいてその第1演出によって示唆される有利度合いよりも高い有利度合いを遊技者に示唆可能な第2演出(無敵モード用の演出)を実行可能な第2演出実行手段と、を設ける構成とし、第1演出が実行されているか、第2演出が実行されているか(即ち、天井抽選回数に到達する前であるか後であるか)に応じて、有利度合いが異なっているということを遊技者が容易に把握可能に構成している。言い換えれば、本第48制御例では、遊技状態が変更されていないにもかかわらず、異なる複数の有利度合いに対応する複数の演出態様を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者にとってより理解し易い遊技性を提供することができる。更に、本第48制御例では、天井抽選回数に到達するよりも前に、天井抽選到達(有利度合いの変更)を示唆する演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井抽選回数に到達することで有利度合いが高くなるということを、天井抽選回数に到達するよりも前から遊技者に対して容易に理解させることができる。
<第48制御例の第1の変形例>
次に、図1409、および図1410を参照して、上述した第48制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第48制御例におけるパチンコ機10では、確変大当たりの割合が実質的に50%となる確変状態Aにおいて天井抽選回数に到達することで、確変大当たりの割合が実質的に100%となる確変状態Bに移行する構成としていた。即ち、第1特別図柄の抽選回数に応じて、実質的な確変大当たりの割合が2段階に可変する構成としていた。
これに対して第48制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10では、確変状態に設定された後における特別図柄の抽選回数に応じて、実質的な確変大当たりの割合が3段階に可変する構成としている。より具体的には、確変状態Aにおいて第1天井抽選回数(例えば、25回)に到達することで、実質的な確変大当たりの割合が75%になる確変状態B1に移行し、更に、大当たりに当選することなく第2天井抽選回数(例えば、60回)に到達することで、実質的な確変大当たりの割合が100%になる確変状態B2に移行する構成としている。
この第48制御例の第1の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第48制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点のみである。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第48制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第48制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第48制御例の第1の変形例における電気的構成>
図1409、および図1410を参照して本第1の変形例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。ここで、本第1の変形例におけるROM202は、上述した第48制御例におけるROM202の構成(図1379参照)に対して、変動パターン48テーブル202Gd、および変動パターンシナリオ48テーブル202Gjの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違している。まず、図1409(a)を参照して、本第1の変形例における変動パターン48テーブル202Gdの詳細について説明する。
図1409(a)は、本第1の変形例における変動パターン48テーブル202Gdの構成を示したブロック図である。図1409(a)に示した通り、本第1の変形例における変動パターン48テーブル202Gdは、上述した第48制御例における変動パターン48テーブル202Gdの構成(図1382(b)参照)に対して、確変B用48テーブル202Gd3に代えて、実質的な確変大当たりの割合が75%になる確変状態B1において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変B1用48テーブル202Gd31と、実質的な確変大当たりの割合が100%になる確変状態B2において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために参照される確変B2用48テーブル202Gd32と、が設けられている点でのみ相違している。ここで、本第1の変形例における確変状態B2は、上述した第48制御例における確変状態B(無敵モード)と全く同一の状態であるため、本第1の変形例における確変B2用48テーブル202Gd32の規定内容も、上述した第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3の規定内容と同一となる。よって、ここでは確変B1用48テーブル202Gd31の詳細についてのみ説明する。
図1409(b)は、上述した確変B1用48テーブル202Gd31の規定内容を示した図である。図1409(b)に示した通り、この確変B1用48テーブル202Gd3は、上述した確変B用48テーブル202Gd3(図1384参照)に対して、第1特別図柄の通常大当たり時の規定内容の一部が変更となっている点でのみ相違している。具体的には、図1409(b)に示した通り、第1特別図柄の当否判定結果が「通常大当たり」の場合に、変動種別カウンタCS1の値「0~49」の範囲に対して変動時間が20秒(20000ミリ秒)のノーマルリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「50~65」の範囲に対して変動時間が25秒(25000ミリ秒)のスーパーリーチが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「66~198」の範囲に対して変動時間が80秒(80000ミリ秒)のロングリーチが対応付けて規定されている。
この規定内容により、この確変B1用48テーブル202Gd31が参照される確変状態B1においては、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合の約2/3(133/199)の割合で、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも長い変動時間(80秒)が設定される一方で、第1特別図柄の抽選で通常大当たりに当選した場合の約1/3(66/199)の割合で、第2特別図柄の変動時間(30秒)よりも短い変動時間(20秒または25秒)が設定される。つまり、第1特別図柄の通常大当たりに当選した場合の2/3は、第2特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄され、通常大当たりに当選した場合の1/3のみが通常大当たり遊技の実行につながる状態を形成する。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で決定される確変大当たり(大当たりA48~F48のいずれか)となった場合、および50%の割合で決定される通常大当たり(大当たりG48)となって1/3の割合の25秒以下の変動時間の変動パターンに設定された場合に第1特別図柄の大当たり遊技が実行されるので、実際に実行される確変大当たりと通常大当たりとの比率は3:1である。即ち、実質的な確変大当たりの割合が75%(3/4の割合)となる比較的有利な大当たり振り分けの状態を形成することができるので、この確変B1用48テーブル202Gd31が参照される確変状態B1において、遊技者に対して確変大当たりを強く期待させることができる。
次に、図1410を参照して、本第1の変形例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjの詳細について説明する。図1410は、本第1の変形例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjの規定内容を示した図である。図1410に示した通り、本第1の変形例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjは、上述した第48制御例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gj(図1386(b)参照)に対して、確変大当たり終了後の遊技状態として確変状態が設定された場合の変動パターンシナリオの一部が変更となっている点でのみ相違する。その他のシナリオ(シナリオ1,2、および6)については、上述した第48制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図1410に示した通り、本第1の変形例における変動パターンシナリオ48テーブル202Gjでは、大当たりH48以外の確変大当たりに当選した後で設定される確変状態用の変動パターンシナリオとして、第1特別図柄の抽選回数が24回以下の範囲において時短・確変A用テーブル202Gd2(図1383参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が25回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が26回以上59回以下の範囲において確変B1用48テーブル202Gd31(図1409(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が60回の場合に昇格演出用テーブル202Gd5(図1385(b)参照)が参照され、第1特別図柄の抽選回数が61回以上の範囲において確変B2用48テーブル202Gd32が参照されるシナリオ(シナリオ7)が対応付けて規定されている。つまり、第1特別図柄の確変大当たり終了した後は、25回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、有利な確変状態B1(実質的な確変大当たりの割合が75%となる状態)に設定され、更に、60回の第1特別図柄の抽選が終了するまで大当たりに当選しなかった場合に、更に有利な確変状態B2(無敵モード)に設定されるように構成されている。また、これに伴い確変状態の有利度合い(実質的な確変大当たりの割合)の段階に応じて、段階数を遊技者が認識可能な態様の演出を実行する構成としている。具体的には例えば、確変状態Aでは上述した第48制御例と同様に、岩山を上る演出(図1370(a)参照)が展開されると共に、確変状態B1へと昇格する際は、ヘリコプターに搭乗する演出が実行され、確変状態B1では、ヘリコプターで上空を目指して飛行する演出が展開されると共に、確変状態B2へと昇格する際は、雲の上に到達する演出が実行され、確変状態B2では、上述した第48制御例と同様に、雲の上をウサギのキャラクタ801が疾走する演出が展開される。このように構成することで、ウサギのキャラクタ801の高度が高くなるほど有利度合いが高くなるということを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者にとって分かり易い演出を実現することができる。
即ち、本第1の変形例では、実質的な確変大当たりの割合が50%となる確変状態Aから、第1特別図柄の抽選回数が多くなるにつれて段階的に確変大当たりの割合が高くなっていく極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第1の変形例では、確変状態における実質的な確変大当たりの割合を3段階に可変可能に構成していたが、これに限られるものではなく、確変大当たりの割合の段階数はより多く設定してもよい。この場合、実現したい確変大当たりの割合に応じて、通常大当たりにおいて第2特別図柄の変動時間の長さ以上となる変動時間の選択割合を可変させた変動パターンテーブルを設けることにより、容易に実質的な確変大当たりの割合が異なる多段階の確変状態を形成することができる。
<第48制御例の第2の変形例>
次に、図1428、および図1429を参照して、上述した第48制御例の第2の変形例について説明する。上述した第48制御例、およびその第1の変形例では、確変状態Aにおいて、常に、第1特別図柄の変動時間よりも長くなるように構成していた。
これに対して本第2の変形例では、第2特別図柄の大当たりに当選した場合に、第1特別図柄の一部の変動時間よりも短い変動時間(例えば、19秒間)が選択される構成とした。つまり、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが略同時に実行され、第1特別図柄の変動時間が20秒以上の変動時間に設定され、且つ、第2特別図柄の抽選結果が大当たりだった場合に、第2特別図柄の大当たり変動に基づく変動時間の方が先に経過し、第2特別図柄の大当たり図柄が停止表示されると共に第1特別図柄の変動表示が外れ図柄で強制停止される構成とした。つまり、図示については省略したが、時短・確変A用48テーブル202Gd2(図1383参照)において、第2特別図柄の大当たりに対応する変動パターンを19秒にする変形のみを施した。このように構成することで、確変状態Aにおいても、プレミアムラッシュモードへと移行する場合を設けることができるので、遊技者のプレミアムラッシュモードに対する期待感をより向上させることができる。
図1428、および図1429を参照して、本第2の変形例における確変状態Aにおいて実行される特徴的な演出態様について説明する。本第2の変形例では、上述した第48制御例、およびその第1の変形例と同様に、確変状態においてほぼ毎回、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とがほぼ同時に開始される。そして、上述した通り、確変状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、比較的有利な確変大当たりに決定される割合が50%となる(不利な通常大当たりに決定される割合が50%となる)一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、有利な確変状態Cへと移行することが確定する。そして、上述した通り、本第2の変形例では、確変状態Aにおいても、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の一部(略同時に開始された第1特別図柄の変動時間が20秒以上である場合)で第2特別図柄の大当たり遊技図柄が停止表示される可能性がある。つまり、本第2の変形例では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり図柄が停止表示されるという事象と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり図柄が停止表示されるという事象と、の両方が起こり得る状態として形成している。このため、本第2の変形例では、第1特別図柄の大当たり図柄が第2特別図柄よりも先に停止表示される場合の一部、および第2特別図柄の大当たり図柄が第1特別図柄よりも先に停止表示される場合に、どちらの特別図柄の大当たり図柄が停止表示されるのかを示唆するレース演出を実行する構成としている。このレース演出の詳細について、図1428、および図1429を参照して説明する。
図1428(a)に示した通り、本第2の変形例では、確変状態Aにおいて第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが略同時に開始された場合であって、第1特別図柄の大当たり図柄が第2特別図柄よりも先に停止表示される場合の一部、および第2特別図柄の大当たり図柄が第1特別図柄よりも先に停止表示される場合に、例えば、リーチ発生を契機として、第1特別図柄に対応するウサギのキャラクタと、第2特別図柄に対応するカメのキャラクタとが徒競走を行うレース演出が実行される。図1428(a)に示した通り、レース演出が開始されると、主表示領域Dmの表示画面の左側に、ウサギのキャラクタ801とカメのキャラクタ865とが縦に並んで表示され、これらのキャラクタの正面視右側に対して、縦長略長方形形状のスタートラインが表示される。また、副表示領域Dsに対して、「レースでカメが勝てばチャンス!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、カメのキャラクタ865が競争で勝利することにより遊技者にとって有利となることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1428(b)は、レース演出においてレースが開始された場合の表示態様を示している。図1428(b)に示した通り、有利度合いが高い第2特別図柄の大当たりに対応するカメのキャラクタ865は、基本的に、有利度合いが低い第1特別図柄の大当たりに対応するウサギのキャラクタ801よりも遅いスピードでレースが展開される。そして、このレース演出では、第1特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される(第2特別図柄の変動表示が破棄される)場合には、図1429(a)に示した通り、ウサギのキャラクタ801がカメのキャラクタ865よりも先にゴールする演出が実行され(図1429(a)参照)、第2特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される(第1特別図柄の変動表示が破棄される)場合には、カメのキャラクタ865がウサギのキャラクタ801よりも先にゴールする演出が実行される(図1429(b)参照)。言い換えれば、レース演出では、ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールへと向かう一連の演出(第1演出)と、カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで向かう一連の演出(第2演出)と、を重複して実行する演出とも言える。そして、第1特別図柄の大当たりが先に停止表示される場合は、第2特別図柄の変動表示に対応するカメのキャラクタ865がゴールに向かう途中でウサギのキャラクタ801がゴールすることにより、カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで向かう一連の演出(第2演出)の途中で第2演出が打ち切られるとも言える。同様に、第2特別図柄の大当たりが先に停止表示される場合は、第1特別図柄の変動表示に対応するウサギのキャラクタ801がゴールに向かう途中でカメのキャラクタ865がゴールすることにより、ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールまで向かう一連の演出(第1演出)の途中で第1演出が打ち切られるとも言える。
第1特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示されることを示す、ウサギのキャラクタ801がカメのキャラクタ865よりも先にゴールに到達する(レースで勝利する)レース演出(図1429(a)参照)が終了された後には、チャレンジボーナスへの突入が報知され、第1特別図柄の大当たりが開始された後は、チャレンジボーナス演出(図1371(b)参照)が実行される。一方、カメのキャラクタ865が先にゴールに到達する(レースで勝利する)レース演出が終了された後には、第2特別図柄の大当たり、および時短状態Cへの移行を示すためのブラックアウト演出(図1376(b)参照)が実行される。これらの演出態様により、遊技者に対して、カメのキャラクタ865が勝利することを強く期待してレース演出を確認させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。
このように、本第2の変形例では、特定の遊技状態(確変状態)において第1の実行条件が成立したこと(第1特別図柄の保留球が1個以上存在する状態で第1特別図柄の変動表示が終了したこと)に基づいて第1演出(ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールまで走る演出)を実行可能な第1演出実行手段と、第2の実行条件が成立したこと(第2特別図柄の保留球が1個以上存在する状態で第2特別図柄の変動表示が終了したこと)に基づいて第1演出とは異なる第2演出(カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで走る演出)を実行可能な第2演出実行手段と、を有して構成され、第1演出と第2演出とが重複して実行された(ウサギのキャラクタ801とカメのキャラクタ865とが競争をするレース演出が実行された)場合に、第1演出の演出期間が先に経過する(ウサギのキャラクタ801が先にゴールに到達する)よりも、第2演出の演出期間が先に経過した(カメのキャラクタ865が先にゴールに到達した)方が、遊技者に有利となり易い構成としている。
なお、本第2の変形例では、第1特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される場合、または第2特別図柄の大当たり図柄が先に停止表示される場合にのみ、レース演出が実行され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり図柄が停止表示されない場合にも、ガセのレース演出を実行する構成としてもよい。また、第1特別図柄の変動表示演出として、ウサギのキャラクタ801がスタートからゴールまで走る演出を単独で(カメのキャラクタ865を表示させずに)実行してもよいし、第2特別図柄の変動表示演出として、カメのキャラクタ865がスタートからゴールまで走る演出を単独で(ウサギのキャラクタ801を表示させずに)実行してもよい。つまり、第1特別図柄の変動表示演出として、ウサギのキャラクタ801が制限時間内にゴールに辿り着くことで第1特別図柄の大当たり遊技が実行されることや、天井抽選回数に到達したことを報知する一方で、制限時間内にゴールに辿り着けなければ抽選結果が外れ(小当たり)であったことや、天井抽選回数に未到達であることを報知する構成としてもよい。同様に、第2特別図柄の変動表示演出として、カメのキャラクタ865が制限時間内にゴールに辿り着くことで第2特別図柄の大当たり遊技が実行されることを報知する一方で、制限時間内にゴールに辿り着けなければ抽選結果が外れ(小当たり)であったことを報知する構成としてもよい。このように構成することで、演出態様をより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、第1特別図柄の確変大当たり終了後の確変状態においては、大当たり終了後の変動回数が多くなるほど実質的な確変大当たりの割合が高くなる構成としていたが、逆に、大当たり終了後の変動回数が少ない方が確変大当たりの割合が高くなるように構成してもよい。この場合、変動パターンシナリオとして、少ない第1特別図柄の抽選回数(例えば、第1特別図柄の抽選回数が40回以下の範囲)に対して実質的な確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3や第48制御例の変形例における確変B1用48テーブル202Gd31)を対応付けると共に、比較的多い第1特別図柄の抽選回数(例えば、第1特別図柄の抽選回数が41回以上の範囲)に対して実質的な確変大当たりの割合が低くなる変動パターンテーブル(例えば、時短・確変A用48テーブル202Gd2)を対応付ける構成とすれば良い。また、例えば、特定の抽選回数の範囲(若しくは値)でのみ実質的な確変大当たりの割合が高くなる変動パターンが参照されるように構成してもよい。具体的には、例えば、確変状態Aが設定された後における第1特別図柄の抽選回数が30回~39回、50回~59回、70回~79回、100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3や第48制御例の変形例における確変B1用48テーブル202Gd31)を対応付けると共に、その他の範囲では確変大当たりの割合が低くなる変動パターンテーブル(例えば、時短・確変A用48テーブル202Gd2)を対応付ける構成としてもよい。このように構成することで、特定の抽選回数の範囲において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選することを強く期待させる遊技性を実現することができるので、確変状態における遊技にメリハリをつけることができる。この場合において、確変大当たりの種別に応じて、確変大当たりの割合が高くなる変動パターンが選択される抽選回数の範囲(ゾーン)を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、第1の種別の大当たりでは、第1特別図柄の抽選回数が30回~39回、50回~59回、70回~79回、100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3や第48制御例の変形例における確変B1用48テーブル202Gd31)を対応付け、第2の種別の大当たりでは、第1特別図柄の抽選回数が9回以下、40回~69回、100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3や第48制御例の変形例における確変B1用48テーブル202Gd31)を対応付け、第3の種別の大当たりでは、9回以下、50回~59回、および100回以上の範囲に確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3や第48制御例の変形例における確変B1用48テーブル202Gd31)を対応付ける構成としてもよい。つまり、所定の大当たり種別でしか確変状態の有利度合い(確変大当たりの割合)が向上しない範囲(第1ゾーン)と、大当たり種別によらず確変状態の有利度合いが向上する範囲(第2ゾーン)と、を設ける構成としてもよい。更に、この場合において、所定の大当たり種別でしか確変状態の有利度合いが向上しない第1ゾーン(9回以下、30回~49回、60回~79回)においては、通常の確変状態用演出(第1演出)よりも、確変状態の有利度合い(確変割合)が高くなっている可能性があることを示唆する演出態様(第1演出の演出態様とは異なる演出態様)の演出(第2演出)を実行する構成とし、大当たり種別によらず確変状態の有利度合いが向上する第2ゾーン(50回~59回、100回以上)においては、確変割合が向上していることを遊技者に報知する演出態様(第1演出の演出態様とも第2演出の演出態様とも異なる演出態様)の演出(第3演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、実行されている演出の種別から確変状態の有利度合いを推測する遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。また、例えば、ぞろ目の抽選回数(11回、22回、33回、・・・)に対してのみ、確変大当たりの割合が高くなる変動パターンテーブル(例えば、第48制御例における確変B用48テーブル202Gd3や第48制御例の変形例における確変B1用48テーブル202Gd31)を対応付ける構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり終了後の抽選回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、確変状態B(無敵モード)において第1特別図柄の抽選で通常大当たりとなった場合に、第2特別図柄の小当たり(または大当たり)によって通常大当たりが破棄され易くなるように、第1特別図柄の通常大当たり変動のみ第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間に設定する構成としていたが、これに代えて、または加えて、第1特別図柄の抽選で確変大当たりとなった場合の一部又は全部で第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間が設定される(即ち、確変大当たりの割合が確変状態Aよりも低くなる、若しくは実質的に通常大当たり確定となる)確変状態(確変状態D)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、確変状態の有利度合いを更に細分化させることができるので、設計の自由度をより向上させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、確変状態が設定された後で予め定められた抽選回数(天井抽選回数)に到達することで、確変状態の有利度合いが可変される(確変大当たりの割合が高くなる)ように構成していたが、必ずしも固定の回数で有利度合いを可変させなくてもよい。例えば、確変状態において第1特別図柄の抽選で所定の抽選結果となった場合に、有利度合いを可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、第1特別図柄の小当たり種別として、通常小当たりと、特殊小当たりとを設ける構成とし、特殊小当たりに当選した場合(例えば、約1/40の確率)に、有利度合いを可変させる(確変B用48テーブル202Gd3を参照して変動パターンを選択する状態に切り替える)構成としてもよい。また、上述した第48制御例の変形例のように、確変状態の有利度合いを3段階以上設ける構成とした上で、各有利度合いに対応する特殊小当たりを設ける構成とし、特殊小当たりに当選した場合に、当選した特殊小当たりの種別に応じた変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する状態に設定する構成としてもよい。このように構成することで、毎回の特別図柄の抽選で特殊小当たりに当選することに期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、これらの場合には、第1特別図柄の抽選で特殊小当たりに当選した場合の変動表示演出として、および通常小当たりに当選した場合の変動表示演出の一部(例えば、通常小当たりの1/10)で、昇格チャンス演出(図1373、図1374(a)参照)を実行する構成としてもよい。即ち、特殊小当たりに当選した場合に頂上に到達する演出(図1374(a)参照)を実行する一方で、通常小当たりの変動表示演出として昇格チャンス演出が実行された場合は、岩山の山肌に衝突して昇格に失敗したことを示唆する演出(図1373(b)参照)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、特殊小当たりに当選していなくても、昇格チャンス演出が実行される毎に、遊技者に対して昇格(確変割合の向上)を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。また、例えば、特図2小当たりに当選した場合に確変状態の有利度合いを可変させる構成としてもよい。具体的には例えば、第1特別図柄の抽選で所定確率(例えば、1/40の確率)で、第2特別図柄の変動時間よりも長い変動時間(例えば、60秒)に設定される小当たりに当選し得る構成とし、この長い変動時間の間に先に第2特別図柄の小当たり図柄が停止表示されることで、参照する変動パターンテーブルを確変B用テーブル202Gd3に切り替える構成としてもよい。この場合、第1特別図柄のロング変動が実行された時点で、無敵モードへ移行する可能性が高くなる上に、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでなく大当たりとなった場合には、通常ラッシュモードからプレミアムラッシュモードへと移行させることもできるため、第1特別図柄のロング変動小当たりに当選した場合における期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、特別図柄の抽選とは別で、変動パターンテーブルを切り替えるか否かの抽選を実行する構成としてもよい。このように構成することで、特別図柄の抽選結果にとらわれずに変動パターンテーブルを切り替えることができるので、変動パターンテーブルを切り替える(確変割合を可変させる)タイミングをより多様化させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、天井抽選回数目の第1特別図柄の変動表示が小当たり図柄で停止表示されることで、特定の遊技状態(確変状態)の有利度合いを、遊技状態を維持したまま変更する構成としていたが、有利度合いの変更タイミングは、これに限られるものではない。変動表示の実行中の所定タイミングで有利度合いが変更される(変動パターンテーブルが切り替わる)構成としてもよいし、変動開始後、所定期間経過で有利度合いが変更される(変動パターンテーブルが切り替わる)ように構成してもよい。また、1の変動表示中に複数回、有利度合いが変更される(変動パターンテーブルが切り替わる)ように構成してもよい。このように構成することで、有利度合いの変更タイミングをより多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、上述した第17制御例等と異なり、大当たりを介さずに直接第2時短状態が設定される時短図柄当選の抽選結果を設けていなかったが、時短図柄当選の抽選結果も設ける構成としてもよい。この場合、時短図柄当選に基づく第2時短状態では、大当たり終了後の時短状態と同じ変動パターンテーブル(時短・確変A用48テーブル202Gd2)を参照して変動パターンを選択してもよいし、異なる変動パターンテーブル(確変B用48テーブル202Gd3や、確変C用48テーブル202Gd4)を参照して変動パターンを選択するように構成してもよい。特に、有利度合いが高い変動パターンテーブル(確変B用48テーブル202Gd3や、確変C用48テーブル202Gd4)が参照される構成とした場合、通常状態において時短図柄当選の抽選結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、確変状態A(通常ラッシュモード)から確変状態B(無敵モード)や確変状態B1へと移行した場合に、通常大当たり当選時の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの時間)のみを長くすることで、平均の変動時間(特別図柄の抽選が実行されてから新たな特別図柄の抽選が実行可能となるまでの時間)が長い確変状態Bや確変状態B1の方が、平均の変動時間が短い確変状態Aよりも有利度合いが高くなるように構成していたが、通常大当たりの抽選結果以外の所定の抽選結果についても、長い変動時間(80秒間)が選択され易く構成してもよい。例えば、第1特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)の場合の一部や、確変大当たりの場合の一部においても、長い変動時間(80秒間)が選択され易くなるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選結果が導出される機会を増加させることができるので、より有利度合いが高い確変状態C(プレミアムラッシュモード)へと移行する可能性をより高くすることができる。換言すれば、第1特別図柄の変動時間として、長い変動時間(第2特別図柄の変動時間である30秒間よりも長い)の割合が増加する程、単に通常大当たり変動を破棄することができるのみに留まらず、プレミアムラッシュモードへと移行する可能性をも向上させることができるので、平均の変動時間が長くなる程、有利度合いがより高くなる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、確変状態A、確変状態B1、および確変状態B(確変状態B2)で、それぞれ実質的な確変大当たりの割合を異ならせることにより有利度合いを異ならせる構成としていたが、特定の遊技状態(確変状態)の有利度合いを、遊技状態を変えることなく変更する方法はこれに限られるものではない。例えば、確変状態の種別に応じて、第1特別図柄の小当たり遊技における第2特定入賞口2065aの開放期間の長さを可変させ、小当たり遊技の実行中に第2特定入賞口2065aに入球する遊技球の個数を異ならせる(払い出される賞球数を異ならせる)ことにより、有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、確変状態の種別に応じて普通図柄の当たりに当選した場合の電動役物2640aの開放パターンを可変させることにより、遊技効率(発射された遊技球の個数と払い出される賞球の個数との比率)を確変状態の種別毎に可変させ、有利度合いを可変させる構成としてもよい。
上述した第48制御例、およびその各種変形例では、通常状態において右打ち遊技を行う変則的な遊技方法に対する抑制を図るために、第2特別図柄の変動時間を抽選結果によらず極端に長くする(10分間に設定する)構成としているが、通常状態における右打ち遊技の抑制方法は、これに限られるものではない。例えば、通常状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、確変状態ではなく、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態に設定される潜確状態に設定する構成としてもよい。そして、潜確状態においては、通常状態と同様に、第2特別図柄の変動時間が極端に長くなると共に、たとえ潜確状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選で大当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態が再度、潜確状態に設定されるように構成してもよい。このように構成することで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合のメリット(遊技者にとって最も有利度合いが高いプレミアムラッシュモードへと移行すること)を、通常状態(および潜確状態)に限って無くすことができるので、通常状態において右打ち遊技を行って第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、1個の遊技球を発射していずれかの始動口(第1入球口2640、第2入球口1641)に入球(始動入賞)した場合は当該始動入賞に基づく変動表示が終了するまで遊技球を発射せずに待機する遊技方法(所謂、単発打ち遊技)で遊技を行った場合、第1特別図柄の変動表示を伴わずに第2特別図柄の抽選が単独で実行されてしまう可能性がある。即ち、確変状態Bにおける通常大当たり変動中以外の状況においても、第2特別図柄の抽選結果が導出されてしまう(第1特別図柄の小当たり又は大当たりによって破棄することができなくなってしまう)場合がある。この対策として、例えば、右打ち遊技によって主として第1特別図柄の抽選結果が導出される時短状態、確変状態A、および確変状態Bにおいては、第1特別図柄の保留球数が0個の状態で第2特別図柄の抽選が実行された場合は、必ず極端に長い変動時間(例えば、1800秒)が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、単発打ち遊技を行った場合の遊技効率を低下させることができると共に、仮に単発打ち遊技を実行した場合に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に極めて長い時間待機する遊技方法となり、変則的な遊技方法(単発打ち遊技)で遊技を行っていることがホールの店員にも認識され易くなるため、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
<第49制御例>
次に、図1411から図1427を参照して、第49制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第41制御例におけるパチンコ機10では、時短状態に設定されてから時短状態の間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化されて通常状態に移行するまでの第2特別図柄の抽選回数が異なる3種類の時短状態(時短状態A~時短状態C)を設ける構成とし、且つ、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される時短状態Cに一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態(MAXボーナスモード)を形成する構成としていた。しかしながら、第41制御例におけるパチンコ機10では、時短状態Cと大当たりとが繰り返される有利な状態が、確実に時短リミット回数分で終了されるため、時短状態Cに最初に移行してから時短リミット回数に到達するまでの遊技が、単に賞球を得るための作業のようになってしまい、遊技が単調となってしまいがちであるという問題点がある。
これに対して第49制御例におけるパチンコ機10では、時短状態Cにおいて予め定められた特定条件が成立した場合に、時短状態Cと大当たりとの繰り返しが、時短リミット回数に相当する回数を上回る回数に渡って繰り返され得るように構成した。より具体的には、時短状態Cにおいて、基本的には大当たりの実行を設定するタイミングよりも後(特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり遊技の実行を設定した後、若しくは小当たりとなって小当たり遊技中にV入賞を検出して大当たり遊技の実行を設定した後)で時短状態を終了させることにより、大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態を時短状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を1減算するように構成する一方で、特定の種別の小当たりに当選した場合に限り、大当たりの実行を設定するタイミングよりも前(小当たり遊技の開始時)に時短状態を終了させるように構成した。即ち、特定の種別の小当たりに当選した場合は、V入賞が発生するよりも前に時短状態が終了されていることにより、大当たり遊技の実行を設定するタイミングにおける遊技状態を通常状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を初期値である3にリセットする構成としている。これにより、時短状態Cと、第2特別図柄の大当たりとの繰り返しの間に特定の種別の小当たりに当選した場合に、そこから更に時短リミット回数分の大当たり当選が保証されるので、実質的に、特定の種別の小当たりに当選したことを契機として、時短リミット回数分の大当たりを上乗せしたかのような斬新な挙動を実現することができる。よって、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間にも、特定の種別の小当たりに当選することに期待して遊技を行わせることができるので、時短状態Cと大当たりとがどこまで続くか分からないわくわく感を遊技者に対して抱かせることができる。これにより、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
また、上述した第41制御例におけるパチンコ機10では、大当たり終了後に時短状態Cへと移行する種別の大当たりに最初に当選してから時短リミット回数目の大当たりが終了するまでの間の遊技(4回の4ラウンド大当たり、および各大当たり間の3回の時短状態Cの継続期間であるMAXボーナスモード)における演出として、あたかも1の16ラウンド大当たりが実行されているかのように遊技者に対して思わせる演出(疑似MAX大当たり演出)を実行する構成としていた。これにより、実際には4ラウンドの大当たりに4回当選しているにもかかわらず、1回の大当たり当選で16ラウンド分の賞球を獲得できたかのように遊技者に思わせることで、遊技者の興趣向上を図っていた。
これに加えて第49制御例におけるパチンコ機10では、特定の種別の小当たりに当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)が初期値にリセットされた(特定の種別の小当たり当選に基づく大当たりを含め、更に4回分の大当たりが上乗せされた)場合に、所定契機で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)のリセット(大当たりの上乗せが発生していたこと)を報知する演出を実行する構成としている。より具体的には、4回目の大当たりの終了タイミング(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似16ラウンド遊技の終了後のエンディング期間)において、大当たりが更に継続すること(疑似的なMAXラウンドである16ラウンドを突破すること)を示すMAX突破演出を実行する構成としている。そして、一旦MAX突破演出が実行された後は、大当たり毎に(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似4ラウンド遊技毎に)、MAXボーナスモードが継続するか否かを示す継続ジャッジ演出により時短リミット回数に到達していたか否かを報知する構成としている。言い換えれば、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたタイミングでは当該リセットを報知せず、予め設定されている報知タイミング(疑似16ラウンド遊技の終了タイミング)で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされていたこと(MAXボーナスモードが疑似16ラウンドを超えて継続すること)を報知する構成としている。また、1の契機でMAXボーナスモードがどこまで継続するのかを明確に報知するのでなく、疑似4ラウンド遊技単位(即ち、1の大当たり遊技単位)で継続有無を小出しにして報知する構成としている。このように構成することで、疑似4ラウンド遊技単位(即ち、1の大当たり遊技単位)で継続するか否かに注目して遊技を行わせることができるので、MAXラウンド突破演出が実行されてから継続ジャッジ演出でMAXボーナスモードの終了(時短リミット回数への到達)が報知されるまでの間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、極めて斬新、且つ、興趣性の高い演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、上述した第41制御例では、時短状態Aと時短状態Bとで、時短回数を共通にしているにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる斬新な制御を採用していた。具体的には、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、を設ける構成としていた。上述した第41制御例では、時短状態Aと時短状態Bとで、第1~第3終了条件を共通とし、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的に第2特別図柄の抽選を2回実行可能な時短状態Aと、実質的に第2特別図柄の抽選を4回実行可能な時短状態Bと、を形成していた。
これに加えて第49制御例におけるパチンコ機10では、時短状態において時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算するタイミングを条件に応じて異ならせることにより、同一の時短状態であっても、第2特別図柄の保留球の貯め易さを条件に応じて可変させ、同一の時短状態でも条件に応じて実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成としている。より具体的には、時短状態においては、特別図柄の抽選が実行されてから当該抽選結果を示すための変動表示が終了されるまでの間における第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、のうちいずれか一方のタイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算する構成とし、第1タイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算された場合は、第2タイミングで減算された場合よりも、特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなるように構成している。更に詳述すると、本第49制御例では、特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における完全外れの種別として、外れAと、外れBと、の2種類を設ける構成とし、時短状態において特別図柄の抽選で完全外れとなって外れ種別として外れAが決定された場合には、上述した第41制御例において完全外れになった場合と同様に、変動停止タイミング(第1タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算される一方で、外れ種別として外れBが決定された場合には、外れBを示す変動表示の開始タイミング(第2タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算されるように構成している。これにより、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れAが決定された場合は、変動表示の終了まで特図2カウンタ203tが減算されることがないため、時短最終変動の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、第4終了条件(第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が成立するまで第2特別図柄の保留球を貯めることができる。これに対して、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れBが決定された場合は、変動開始時に特図2カウンタ203tが減算されることで時短状態が終了されるため、変動表示の実行中は既に通常状態に転落済みの状態となる。言い換えれば、時短最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが極めて困難となるため、第2特別図柄の抽選回数を増加させることも困難となる。よって、本第49制御例では、時短最終変動において特図2カウンタ203tの減算タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定される場合よりも、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合の方が、同一の時短状態であっても第2特別図柄の抽選回数が少なくなり易くなるので、同一の時短状態であっても有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選の実質的な実行回数)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
この第49制御例におけるパチンコ機10が、上述した第41制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第41制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第41制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図1411から図1414を参照して、本第49制御例における特徴的な演出態様について説明する。まず、図1411(a)を参照して、本第49制御例におけるMAXボーナスモードのエンディング演出について説明する。ここで、本第49制御例では、上述した第41制御例と同様に、大当たり終了後に最も有利な(実質的に次回の大当たりまで継続する)時短状態Cへと移行した場合に、大当たりと時短状態Cとが、時短リミット回数(3回)に到達するまで繰り返されることにより、初回の大当たりを含めて4回分の大当たり当選が保証される極めて有利な状態を形成する構成としている。本第49制御例では、上述した第41制御例と同様に、この初回の大当たりが開始されてから時短リミット回数目の大当たりが終了するまでの4回分の第2特別図柄の大当たり遊技(4ラウンド大当たり遊技)の実行期間、および各大当たり間の時短状態Cの期間において、1の16ラウンド大当たりが継続しているかのように見せる疑似MAX大当たり演出(図1186参照)を実行する構成としている。
図1411(a)は、本第49制御例における疑似MAX大当たり演出のエンディング演出の演出態様を示した図である。ここで、疑似MAX大当たり演出のエンディング演出は、MAXボーナスモードに移行してから4回目に当選した大当たりのエンディング期間において実行される。なお、上述した通り、本第49制御例では、大当たりに4回当選する間に時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされている可能性もあるが、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされているか否かによらず、MAXボーナスモードに移行後4回目の大当たりのエンディング期間において、一旦、疑似MAX大当たり演出のエンディング演出を実行する構成としている。この疑似MAX大当たり演出のエンディング演出の演出態様としては、図1411(a)に示した通り、疑似MAX大当たり演出の他の期間と同様に、主表示領域Dmの右上に対して、MAXモードにおいて既に払い出された賞球数を示す文字(図1411(a)の例では2400)と、MAXボーナスモードにおいてトータルで払い出される賞球数を示す文字(2400)と、が示される小表示領域Dm2が形成されると共に、主表示領域Dmの左上に対して、MAXボーナスモードにおける遊技方法を示す「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4が形成される。また、主表示領域Dmの中央下部に冒険者のキャラクタ811が表示され、その冒険者のキャラクタ811の上方に、「NEXT」という文字が表示されると共に、その「NEXT」という文字の下方に「RUSHモード」という文字が付された横長略長方形形状の小表示領域Dm9が形成される。また、副表示領域Dsに対して、「MAXボーナス終了」という文字が表示される。これらの表示内容により、MAXボーナスモードが終了した可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図1411(b)は、疑似MAX大当たり演出のエンディング演出において、MAXボーナスモードが疑似16ラウンドを超えて継続することを報知するMAX突破演出が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。即ち、MAXボーナスモードの継続中に、少なくとも1回、特定の種別の小当たりに当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされていたことにより、時短リミット回数に到達するまでの大当たり(疑似4ラウンド遊技)の残り回数が1以上残存している場合に実行される演出態様の一例を示している。
MAXボーナスモードが4回の大当たりを超えて継続する場合は、4回目の大当たりのエンディング期間(疑似MAX大当たり演出のエンディング演出)において、一旦、MAXボーナスモードの終了が報知される演出(図1411(a)参照)が実行された後で、図1411(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、「継続」という文字が付された略六角形形状の継続画像KGが小表示領域Dm9の下方から飛び出してきて、小表示領域Dm9、および「NEXT」という文字を共に弾き飛ばす演出が実行される。また、副表示領域Dsに対して、「MAXラウンド突破!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、MAXボーナスモードがMAXラウンド(16ラウンド)を超えて継続するということを容易に理解させることができる。
次に、図1412を参照して、MAXラウンド突破演出(図1411(b)参照)によりMAXボーナスモードが16ラウンドを超えて継続することが報知された後の確変状態Cで実行された大当たり遊技のエンディング期間において実行される継続ジャッジ演出について説明する。ここで、本第49制御例では、MAXボーナスモードが16ラウンド(大当たり4回)を超えて継続する場合に、疑似16ラウンド遊技の終了時に、16ラウンドを超えて継続するということのみを報知する構成とし、あと何回分の大当たり遊技が終了するまでMAXボーナスモードが継続するのかについては報知しないように構成している。よって、本第49制御例では、MAXラウンド突破演出(図1411(b)参照)によりMAXボーナスモードが16ラウンドを超えて継続することを報知した後は、大当たりが終了する毎に、継続ジャッジ演出により今回の大当たりで時短リミット回数に到達したか否かを報知する構成としている。これにより、大当たりが終了する毎に、継続ジャッジ演出に注目して遊技を行わせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
図1412(a)は、この継続ジャッジ演出の開始時における演出態様の一例を示した図である。図1412(a)の例では、MAXラウンド突破演出を伴う大当たりの次の大当たりのエンディング期間において継続ジャッジ演出が発生した場合を例示している。即ち、疑似20ラウンド(疑似16ラウンド+疑似4ラウンド)の終了後に継続ジャッジ演出が実行された場合を例示している。この場合、図1412(a)に示した通り、小表示領域Dm2の表示内容(実際に払い出された賞球数/トータルで払い出される賞球数の表示)が、20ラウンド分に相当する「3000/3000」に設定される。また、小表示領域Dm9に対して、「継続ジャッジ」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける中央部分において、冒険者のキャラクタ811の上方で略円形の4つのアイコン(「終了」という文字が付された報知アイコン811a,811b、「継続」という文字が付された報知アイコン811c,811d)が回転表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「アイコンを選べ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、冒険者のキャラクタ811が「終了」という文字が付されたアイコン(報知アイコン811a,811b)を選んでしまうとMAXボーナスモードが終了される一方で、「継続」という文字が付されたアイコン(報知アイコン811c,811d)を選ぶことができればMAXボーナスモードが更に継続するということを遊技者に対して直感的に理解させることができる。
図1412(b)は、継続ジャッジ演出においてMAXボーナスモードの継続が報知された場合の演出態様の一例を示した図である。図1412(b)に示した通り、MAXボーナスモードの継続が報知される場合は、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ811が「継続」という文字が付されたアイコン(図1412(b)の例では報知アイコン811c)を剣で突き刺す演出が実行される。また、小表示領域Dm9に対して、MAXボーナスモードにおいて次に開始される疑似ラウンド数を示す文字が表示される。図1412(b)では、「21ラウンド」という文字が表示されている場合を例示している。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス継続!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、MAXボーナスモードが更に継続するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第49制御例では、MAXボーナスモードにおいて特定の種別の小当たりに当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(MAXボーナスモードが16ラウンドを超えて継続することが確定した)場合に、疑似16ラウンド遊技の終了時(疑似MAX大当たり演出のエンディング演出)において、16ラウンドを超えて継続することのみを報知するMAXラウンド突破演出(図1411(b)参照)を実行する構成としている。そして、MAXラウンド突破演出(図1411(b)参照)が実行された後のMAXボーナスモードにおいては、大当たりに当選する毎に、エンディング期間において、時短リミット回数に到達しておらず、MAXボーナスモードが継続するのか、時短リミット回数に到達したことでMAXボーナスモードが終了されるのか、のみを遊技者に報知する継続ジャッジ演出(図1412参照)を実行する構成としている。つまり、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた時点では、何ら特別な演出を行わず、予め定められたタイミング(疑似16ラウンドの終了タイミング)で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)のリセットが発生していたか否かのみを報知し、以降のMAXボーナスモードでは、大当たりに当選する毎に、今回の大当たりでMAXボーナスモードが終了されるのか否かのみを報知する構成としている。このように構成することで、疑似MAXボーナスモードが何ラウンド目まで継続するのかを遊技者に対して把握困難に構成することができるので、一旦MAXラウンド突破演出が実行された後は、疑似MAXボーナスモードがどこまで続くか分からないドキドキ感を、MAXボーナスモードが終了するまで持続的に遊技者に対して抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図1413、および図1414(a)を参照して、本第49制御例において初当たり後に時短状態Aに移行した場合の演出態様について説明する。図1413(a)に示した通り、本第49制御例においても、第41制御例と同様に、初当たり後に時短状態Aに移行すると、主表示領域Dmにおいて、冒険者のキャラクタ801と怪獣のキャラクタ821とがにらみ合う演出が実行される。また、主表示領域Dmにおける上方に形成される横長略長方形形状の表示領域HR10に対して、「右打ちで攻撃アイコンをストックしろ!」という文字が表示される。また、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が表示された小表示領域Dm4が形成される。更に、副表示領域Dsには、「敵を倒せばRUSH突入!?」という文字が表示される。
一方で、本第49制御例では、第41制御例と異なり、主表示領域Dmの左下に対して、攻撃アイコンを表示するための攻撃アイコン表示領域AI1のみが形成される。即ち、上述した第41制御例では、攻撃アイコン表示領域AI1,AI2の2つの表示領域が形成されていた(図1184(a)参照)のに対して、本第49制御例では、表示領域が1個に減らされている。これは、時短状態Aにおいて最初に実行される第2特別図柄の抽選結果によっては、第2特別図柄の保留球を獲得することが困難となる時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)の減算タイミング(即ち、変動開始タイミング)に設定される可能性があるためである。より具体的には、上述した通り、第2特別図柄の抽選結果が完全外れとなって外れ種別が外れAに決定された場合には、変動終了タイミング(第1タイミング)で時短回数が減算されることにより、変動表示の実行期間中に第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられる一方で、外れ種別が外れBに決定された場合には、変動開始タイミング(第2タイミング)で時短回数が減算されることにより、変動表示の実行期間中には既に時短状態Aが終了されていることにより第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられない(スルーゲート67を遊技球が通過しても電動役物640aが開放されない)ように構成している。よって、外れBが決定される可能性(時短状態Aが設定された後、最初に実行される第2特別図柄の抽選が最後の第2特別図柄の抽選となる可能性)を加味して、本第49制御例では、攻撃アイコン表示領域AI1の1個のみを表示させる構成としている。
図1413(b)は、時短状態Aにおいて最初に第2入球口640aへと遊技球が入球した場合の表示内容の一例を示した図である。図1413(b)に示した通り、時短状態Aにおいて最初に第2入球口640へと遊技球が入球して第2特別図柄の変動表示が開始されると、比較的狭い(遊技者が視認し難い)小表示領域Dm8において、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄の変動表示が開始される。また、第2特別図柄の抽選結果によらず、冒険者のキャラクタ811と怪獣のキャラクタ821との間に、「準備完了」という文字が付されたタイムゲージga3が表示される。更に、第2入球口640への入球に基づいて、攻撃アイコン表示領域AI1に対して、今回の第2特別図柄の抽選結果に応じた種別の攻撃アイコンが表示される。図1413(b)の例では、「斬撃」という文字が付されたアイコンを獲得した場合を例示している。これらの表示内容により、第2特別図柄の始動入賞に基づいて、攻撃アイコンが獲得されること、および攻撃アイコンの種別によって当たりとなる(怪獣のキャラクタ821を倒す)期待度を示唆していることを遊技者に対して直感的に理解させることができる。なお、第2特別図柄の抽選結果が外れBだった場合(即ち、第2特別図柄の変動表示中に追加で保留球を獲得する機会が与えられない場合)は、このまま獲得した1個の攻撃アイコンを用いて怪獣のキャラクタ821に対して攻撃を仕掛ける演出が実行される。一方、外れB以外の抽選結果であった場合は、追加で第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられることを遊技者に報知する演出が実行される。この演出の一例について、図1414(a)を参照して説明する。
図1414(a)は、時短状態Aにおける最初の第2特別図柄の抽選が外れB以外となったことにより、変動表示中に追加で第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられることを遊技者に報知する演出(攻撃アイコン上乗せ演出)が実行された場合の演出態様の一例を示した図である。図1414(a)に示した通り、攻撃アイコン上乗せ演出が実行されると、「準備完了」という文字が表示されていたタイムゲージga3が割れると共に、その背後から変動時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなる新たなタイムゲージga3が出現する演出が実行される。また、冒険者のキャラクタ811の上方に対して、「上乗せ!!」という文字が付された吹き出し画像FGが表示される。更に、攻撃アイコン表示領域AI1の上方に、新たに攻撃アイコン表示領域AI2が形成される。これらの表示内容により、追加で第2特別図柄の保留球を獲得する機会が与えられたということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、時短状態Bの場合にも同様の演出が展開される。即ち、時短状態Bの開始時には、図1413に示したように、1個分の攻撃アイコンのみを獲得させる演出が実行され、その後に、第2入球口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選結果が外れB以外の抽選結果であれば、図1414(b)に示した通り、「準備完了」という文字が表示されていたタイムゲージga3が割れると共に、その背後から変動時間の経過に応じて残時間表示ga3aの右端が正面視左方向に移動して面積が狭くなると共に、経過時間表示ga3bの面積が大きくなる新たなタイムゲージga3が出現する演出が実行される。また、冒険者のキャラクタ811の上方に対して、「上乗せ!!」という文字が付された吹き出し画像FGが表示される。更に、新たに攻撃アイコン表示領域AI2~AI4の3つの領域が形成される演出が実行される。これらの表示内容により、追加で3個の攻撃アイコンを獲得する機会を得たということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
このように、本第49制御例では、時短状態の最終変動(時短状態Aや時短状態Bの1変動目)が外れBに対応する変動表示であるか否かに応じて、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯め易さが大きく変化する構成としている。そして、本第49制御例では、上述した第41制御例と同様に、第2特別図柄の抽選1回当たりの実質的な大当たり確率(大当たりと小当たりとの合算確率)が1/3となるように構成している。即ち、第2特別図柄の保留球数が1個でも変わると、大当たり期待度が大幅に変化する構成としている。このため、攻撃アイコン上乗せ演出が発生した場合に、遊技者に対して大きな喜びと安心感とを抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第49制御例における電気的構成>
次に、図1415(a)を参照して、本第49制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図1415(a)は、本第49制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図1415(a)に示した通り、本第49制御例におけるROM202は、上述した第41制御例におけるROM202の構成(図1190(a)参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202bkに変えて大当たり種別選択テーブル202bHが設けられている点、時短付与テーブル202bkに代えて時短付与テーブル202eHが設けられている点、小当たり種別選択テーブル202fkに代えて小当たり種別選択テーブル202fHが設けられている点、および外れ種別選択テーブル202Haが追加されている点である。その他の構成については、上述した第41制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図1415(b)を参照して、本第49制御例における大当たり種別選択テーブル202bHの詳細について説明する。この大当たり種別選択テーブル202bHは、上述した第41制御例における大当たり種別選択テーブル202bk(図1191(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1415(b)は、本第49制御例における大当たり種別選択テーブル202bHの規定内容を示した図である。
図1415(b)に示した通り、本第49制御例における大当たり種別選択テーブル202bHには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA49、および大当たりB49の2種類が規定されており、第2特別図柄の大当たり種別として大当たりC49の1種類が規定されている。図1415(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~4」の範囲に対して、「大当たりA49」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「5~99」の範囲に対して、「大当たりB41」が対応付けて規定されている。「大当たりA49」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態B(第2特別図柄の抽選機会が最大で4回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。また、「大当たりB49」は、ラウンド数が4ラウンドであり、基本的に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態A(第2特別図柄の抽選機会が最大で2回与えられる時短状態)に設定される大当たり種別である。このため、ラウンド数の面では「大当たりA49」と「大当たりB49」とに差が無いが、大当たり終了後の遊技状態の面では、「大当たりA49」の方が有利な第2特別図柄の抽選機会を「大当たりB49」よりも2回分多く付与され得るため、「大当たりA49」は、「大当たりB49」よりも有利度合いが高い大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA49」および「大当たりB49」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数がそれぞれ5個および95個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に「大当たりA49」、「大当たりB49」に当選する割合は、それぞれ5%および95%である。よって、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、比較的低確率(5%の割合)で有利度合いが高い時短状態Bが設定され、比較的高確率(95%の割合)で有利度合いが低い時短状態Aが設定される。なお、これは通常状態に限った話であり、時短状態において「大当たりA49」または「大当たりB49」に当選した(大当たりが開始された)場合は、時短リミット回数に到達していないことを条件として、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される。
また、図1415(b)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、「大当たりC49」が対応付けて規定されている。第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る全範囲に「大当たりC49」が対応付けられているため、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、必ず「大当たりC49」が決定される。この「大当たりC49」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。ラウンド数は他の大当たりと共通であるが、大当たり終了後の遊技状態が最も有利度合いが高い時短状態Cに設定されるため、全ての大当たり種別の中で最も有利な大当たり種別である。
なお、これらの「大当たりA49」~「大当たりC49」に加えて、本第41制御例では「大当たりD49」、および「大当たりE49」も設けられている。「大当たりD49」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりB49が決定されて当該小当たりB49の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が、基本的に時短状態Bに設定される4ラウンド大当たりである。なお、時短状態において「大当たりD49」に当選した場合は、他の大当たり種別と同様に、時短リミット回数に到達していないことを条件として時短状態Cが設定される。また、「大当たりE49」は、小当たりに当選し、小当たり種別として小当たりC49が決定されて当該小当たりB49の小当たり遊技中に特定領域650e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される4ラウンド大当たりである。
次に、図1416(a)を参照して、本第49制御例における時短付与テーブル202eHの詳細について説明する。この時短付与テーブル202eHは、上述した第41制御例における時短付与テーブル202ek(図1194(a)参照)と同様に、時短状態を設定する際に、当該時短状態の設定契機に応じた時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。図1416(a)は、この時短付与テーブル202eHの規定内容を示した図である。
図1416(a)に示した通り、本第49制御例における時短付与テーブル202eHには、大当たり種別毎に、時短終了条件の成立有無を判定する際に参照される各カウンタの値が対応付けられて規定されている。なお、図1416(a)に示した通り、本第49制御例では、時短終了条件の成立有無を判定するためのカウンタとして、上述した第41制御例と同様に、特図2カウンタ203tと、小当たりカウンタ203sと、特図2カウンタ203tと、規定保留球数カウンタ203kaと、の4つが設けられている。特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第1終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、小当たりカウンタ203sは、時短状態が設定された後で実行された小当たり遊技の回数に対応する終了条件(第2終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、特図2カウンタ203tは、時短状態が設定された後で実行された第2特別図柄の抽選回数に対応する終了条件(第3終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタであり、規定保留球数カウンタ203kaは、時短状態の最後の変動表示の実行中に貯まった第2特別図柄の保留球の個数に対応する終了条件(第4終了条件)の成立有無を判別(判定)するためのカウンタである。
図1416(a)に示した通り、本第49制御例では、大当たり種別として「大当たりA49」~「大当たりD49」の4種類が設けられており、時短付与テーブル202eHには、各大当たり種別に対して、時短カウンタ203h、小当たりカウンタ203s、東頭2カウンタ203tの値、および規定保留球数カウンタ203kaの値(即ち、第1から第4終了条件)が対応付けて規定されている。
図1416(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりA49」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「3」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりA49」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数3個が設定されている。つまり、時短状態Bに設定される。この時短状態Bにおいて継続的に右打ちを行い続けた場合、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れB以外の抽選結果となった場合には、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。一方で、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れBとなった場合には、変動開始タイミングで時短カウンタ203hの値、および特図2カウンタ203tの値が減算されることにより、特図2カウンタ203tの値が0となって時短状態が終了される。つまり、保留球を1個も増やすこと無く、時短状態Bが終了される。よって、時短状態Bに移行した後、1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れBであるか否かに応じて、第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、外れBとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができる。
一方、図1416(a)に示した通り、「大当たりA49」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65536」がそれぞれ規定されている。このため、時短状態において「大当たりA49」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数100回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数100回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数65536個が設定されている。つまり、時短状態Cに設定される。時短状態Cでは、大当たり又は実質的に大当たりが確定する小当たりに約1/3の確率で当選するため、時短状態の最終変動まで時短状態が継続する可能性はほぼ無く、第2終了条件、または大当たり当選に基づいて時短状態が終了される。
また、図1416(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりB49」、および「大当たりD49」に対しては、当選時の遊技状態が通常状態である場合に、時短カウンタ203hの値「10」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「1」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「1」がそれぞれ規定されている。このため、通常状態において「大当たりB49」、または「大当たりD49」に当選した場合は、第1終了条件として、特別図柄の変動回数10回が設定され、第2終了条件として小当たり遊技の実行回数1回が設定され、第3終了条件として、第2特別図柄の抽選回数1回が設定され、第4終了条件として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球数1個が設定されている。つまり、時短状態Aに設定される。時短状態Aにおける最初の特別図柄の抽選結果が外れB以外である場合は、時短状態Aにおいて継続的に右打ちを行い続けることにより、ほぼ、第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の変動表示(時短最終変動)の実行中に1個の第2特別図柄の保留球を獲得することで第4終了条件が成立するため、ほぼ、2回の第2特別図柄の抽選機会を得ることができる。一方で、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れBとなった場合には、変動開始タイミングで時短カウンタ203hの値、および特図2カウンタ203tの値が減算されることにより、特図2カウンタ203tの値が0となって時短状態が終了される。つまり、保留球を1個も増やすこと無く、時短状態Aが終了される。よって、時短状態Aに移行した後、1回目の第2特別図柄の抽選結果が外れBであるか否かに応じて、第2特別図柄の抽選回数を異ならせることができるので、外れBとならないことを強く期待させる遊技性を実現することができる。
一方、図1416(a)に示した通り、「大当たりB49」、および「大当たりD49」当選時の遊技状態が時短状態である場合に、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65536」がそれぞれ規定されている。つまり、「大当たりA49」と同様に、時短状態Cが設定される。
また、図1416(a)に示した通り、大当たり種別として「大当たりC49」に対しては、当選時の遊技状態によらず、時短カウンタ203hの値「100」、小当たりカウンタ203sの値「1」、特図2カウンタ203tの値「100」、および規定保留球数カウンタ203kaの値「65536」がそれぞれ規定されている。つまり、時短状態において「大当たりA49」や「大当たりB49」に当選した場合と同様に、時短状態Cが設定される。
このように、本第49制御例では、第41制御例と同様に、通常状態において大当たりに当選した場合に、大当たり種別に応じて、時短状態A~Cのいずれかが設定される一方で、時短状態において大当たりに当選した場合には、大当たり種別によらず、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な時短状態Cに設定されるように構成している。これにより、通常状態において直接または小当たり経由で大当たりに当選した場合は、大当たりの種別に注目して遊技を行わせることができる。また、時短状態において大当たりに当選した場合は、最も有利な時短状態Cが確定していることに対して安心感を抱かせながら遊技を行わせることができる。なお、上述した通り、時短状態Cにおいて大当たりに当選したとしても、時短リミット回数に到達していれば、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される。
なお、本第49制御例においては、上述した第41制御例と同様に、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には大当たり図柄の停止表示時の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)として判断する一方で、特別図柄の抽選結果が小当たりとなって特定領域650e3を遊技球が通過したことに基づいて大当たりに当選した場合には、特定領域650e3を通過した時点の遊技状態を大当たり当選時の遊技状態(大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態)として判断する構成としている。そして、上述した通り、時短状態Aや時短状態Bにおいては、通常の遊技方法(継続的に右打ちを行い続ける遊技方法)を行っている限り、ほぼ、1回目の第2特別図柄の変動表示の実行中に第4終了条件が成立して時短状態が終了される。つまり、1回目の第2特別図柄の変動停止タイミングよりも前に時短状態が終了されていることとなるため、1回目の特別図柄の抽選結果が大当たりであっても小当たりであっても、大当たり当選時の遊技状態を通常状態として取り扱うことができる。つまり、時短状態Aや時短状態Bにおいて、最初の第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合と、最初の第2特別図柄の抽選結果が外れとなり、通常状態に移行してから実行された第2特別図柄の保留球に基づく第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりになった場合とで、有利度合いを共通とすることができる。つまり、最初の第2特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりになったとしても、時短状態における大当たりとはならない(時短状態Cへの移行が確定しない)ため、時短状態において実行される1回目の第2特別図柄の抽選と、通常状態に移行した後で実行される2回目移行の第2特別図柄の抽選とで、同等の期待感を遊技者に対して抱かせることができる。よって、1回目の第2特別図柄の抽選が外れとなった場合でも、遊技者に対して過剰な失望感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
次に、図1416(b)を参照して、本第49制御例における小当たり種別選択テーブル202fHの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202fHは、上述した第41制御例における小当たり種別選択テーブル202fk(図1194(b)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1416(b)は、この小当たり種別選択テーブル202fHの規定内容を示した図である。図1416(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0~48」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりA49」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「49~94」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりB49」が対応付けて規定されており、小当たり種別カウンタC5の値が「95~99」の範囲に対して、小当たり種別として「小当たりC49」が対応付けて規定されている。ここで、「小当たりA49」も、「小当たりB49」も、「小当たりC49」も、小当たり遊技の実行中に右打ちを行い続けるだけで、容易に特定領域650e3へと遊技球を入球させることができる小当たり種別であり、「小当たりA49」、および「小当たりC49」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりC49に当選する一方で、「小当たりB49」において特定領域650e3へと遊技球が入球した場合は大当たりD49に当選するように構成されている。
大当たりC49は、上述した通り、大当たり当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別であり、大当たりD49は、通常状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Bに設定される一方で、時短状態において当選した場合に大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定される大当たり種別である。また、いずれの大当たりも、大当たりのラウンド数が4ラウンドである。よって、大当たりC49の方が大当たりB49よりも有利度合いが高くなるので、通常状態において当選する小当たりとしては、小当たりA49および小当たりC49の方が、小当たりB49よりも有利度合いが高くなる。一方で、時短状態(MAXボーナスモード)においては、いずれの小当たりに当選したとしても、大当たり終了後の遊技状態が時短状態Cに設定されるため、一見すると有利度合いは共通であるかのようにも思われる。しかしながら、小当たりC49に当選した場合は、小当たり遊技の開始時に小当たりカウンタ203sの値が減算されて時短状態が終了される(他の小当たり種別では、V入賞が発生して大当たり遊技の実行を設定した後で時短状態が終了される)。つまり、時短状態Cにおいて小当たりC49に当選し、V入賞が発生して実行が設定された大当たりは、通常状態において当選した(実行が設定された)大当たりとして取り扱われ、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされる。これにより、MAXボーナスモードにおいて小当たりC49に当選することにより、MAXラウンド(疑似16ラウンド)を超えてMAXボーナスモードが継続するので、MAXボーナスモードにおいて小当たりに当選する毎に、小当たりC49であることに期待させることができる。よって、MAXボーナスモードにおける興趣をより向上させることができる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る「0~99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA49」、「小当たりB49」、および「小当たりC49」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)がそれぞれ49個、46個、および5個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に「小当たりA49」、「小当たりB49」、および「小当たりC49」が決定される割合は、それぞれ49%(49/100)、46%(46/100)、および5%(5/100)である。
次に、図1416(c)を参照して、本第49制御例における外れ種別選択テーブル202Haの詳細について説明する。この外れ種別選択テーブル202Haは、特別図柄の抽選で外れとなった場合に外れ種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図1416(c)は、この外れ種別選択テーブル202Haの規定内容を示した図である。図1416(c)に示した通り、第1特別図柄の完全外れ種別として、外れ種別カウンタC7の取り得る全範囲(「0~99」の範囲)に対して、外れ種別として「外れA」が対応付けて規定されている。この「外れA」は、変動停止時に時短回数(特図2カウンタ203tや時短カウンタ203h)が減算される外れ種別である。
また、図1416(c)に示した通り、第2特別図柄の完全外れ種別として、外れ種別カウンタC7の値が「0~89」の範囲に、外れ種別として「外れA」が対応付けて規定され、「90~99」の範囲に、外れ種別として「外れB」が対応付けて規定されている。この「外れB」は、変動開始時に時短回数(特図2カウンタ203tや時短カウンタ203h)が減算される外れ種別であるため、時短回数が1回に設定される(特図2カウンタ203tが1に設定される)時短状態Aや時短状態Bにおいて、1回目の特別図柄の抽選結果が外れBになった場合は、変動開始と同時に時短状態が終了され、第2特別図柄の保留球を貯める機会が得られなくなる。よって、特に、時短状態Aや時短状態Bにおいて1回目の第2特別図柄の抽選が外れBであるか、それ以外の抽選結果であるかによって、遊技者の有利度合いが大幅に変わるので、外れの種別にも注目して遊技を行わせることができる。
次に、図1417を参照して、本第49制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図1417は、本第49制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図1417に示した通り、本第49制御例におけるRAM223は、上述した第41制御例におけるRAM223の構成(図1196参照)に対して、残突破回数カウンタ223Haと、突破演出フラグ223Hbと、初回入賞済フラグ223Hcと、が追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第41制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
残突破回数カウンタ223Haは、MAXボーナスモードの途中で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたことにより、MAXボーナスモードにおける基本的な大当たり回数である4回を超えて当選する大当たりの回数をカウントするためのカウンタである。この残突破回数カウンタ223Haは、初期値が0に設定されており、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(即ち、MAXボーナスモードにおいて小当たりC49に当選した)場合に、4回を超えて当選する大当たりの回数に対応するカウンタ値が設定される(図1425のS3637G参照)。また、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続している間に再度、小当たりC49に当選した場合には、V入賞を条件として、そこから更に4回大当たりに当選するまでMAXボーナスモードが継続するため、値が4に上書きされる(図1425のS3638G参照)。大当たりのエンディング演出を設定する際は、この残突破回数カウンタ223Haの値に応じて、継続ジャッジ演出で継続を報知するか終了を報知するかが決定される。
突破演出フラグ223Hbは、MAXボーナスモードにおいて基本的な(即ち、時短リミット回数分の)大当たり回数である4回を超えてMAXボーナスモードが継続している状況であるか否かを示すフラグである。この突破演出ラグ223Hbがオンであれば、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続していることを示し、オフであれば、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続している状況ではないことを意味する。この突破演出フラグ223Hbは、MAXラウンド突破演出(図1411(b)参照)の実行を設定した場合にオンに設定される(図1426のS5909G参照)。
初回入賞済フラグ223Hcは、時短状態Aや時短状態B(即ち、第2特別図柄の抽選が1回実行されることで終了される時短状態)に移行した後において、第2入球口640に対する初回の始動入賞を既に検出済であるか否かを示すフラグである。この初回入賞済フラグ223Hcがオンであれば、既に初回の第2特別図柄の始動入賞を検出済であることを意味し、オフであれば、初回の第2特別図柄の始動入賞を未検出であることを意味する。この初回入賞済フラグ223Hcは、初期値がオフに設定されており、時短状態Aや時短状態Bにおいて初回の第2特別図柄の始動入賞を検出した場合にオンに設定される(図1423のS5835G参照)。
<第49制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図1418から図1421を参照して、本第49制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1418を参照して、本第49制御例における特別図柄判定処理49(S201G)の詳細について説明する。この特別図柄判定処理49(S201G)は、上述した第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄判定処理41(図1197参照)と同様に、特別図柄の抽選を実行するための処理である。
この第49制御例における特別図柄判定処理49(図1418参照)のうち、S301~S305およびS321A~S323Aの各処理では、それぞれ第41制御例における特別図柄判定処理41(図1197参照)のS301~S305およびS321A~S323Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第49制御例における特別図柄判定処理49(図1418参照)では、S321Aの処理において、抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S321A:No)、特別図柄の抽選結果が完全外れとなったことを意味するため、外れ種別を決定して外れ種別に応じた制御を行うための外れ時処理49の処理を実行し(S301G)、本処理を終了する。
次いで、図1419を参照して、本第49制御例における特別図柄判定処理49(図1418)の一処理である外れ時処理49(S301G)について説明する。この外れ時処理49(S301G)は、上述した通り、外れ種別を決定して外れ種別に応じた制御を行うための処理である。図1419は、この外れ時処理49(S301G)の内容を示したフローチャートである。
この外れ時処理49(S301G)では、まず、特別図柄の抽選結果を完全外れに設定し(S331G)、次いで、取得した外れ種別カウンタC7の値に基づいて、外れ種別選択テーブル202Ha(図1416(c)参照)から対応する外れ種別を特定して、その特定した外れ種別を第1図柄表示装置に表示する外れ図柄としてセットする(S332G)。次いで、外れ種別が外れBであるか否かを判別し(S333G)、外れ種別が外れBであると判別した場合には(S333G:Yes)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかを判別する(S334G)。時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別した場合には(S334G:Yes)、時短カウンタ203hの値、および特図2カウンタ203tの値をそれぞれ1減算し(S335G)、変動開始タイミングで時短回数の減算を行ったことを示すための減算済フラグをオンに設定する(S336G)。S336Gの処理が終了すると、次いで、更新後の各カウンタの値を示す残時短回数コマンドを設定し(S337G)、時短カウンタ203hの値、特図2カウンタ203tの値のいずれかが0であるか否かを判別する(S338G)。
S338Gの処理において、時短カウンタ203hの値、または特図2カウンタ203tの値のどちらかが0であると判別した場合には(S338G:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S339G)、時短カウンタ203h、特図2カウンタ203t、小当たりカウンタ203sおよび規定保留球数カウンタ203kaの値をすべて0に設定し(S340G)、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S341G)、本処理を終了する。
これに対し、S333Gの処理において、外れ種別が外れBではないと判別した場合(S333G:No)、S334Gの処理において、時短カウンタ203hの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合(S334G:No)、およびS338Gの処理において、時短カウンタ203hの値も特図2カウンタ203tの値も0ではないと判別した場合には(S338G:No)、そのまま本処理を終了する。
この外れ時処理49(図1419参照)を実行することにより、外れ種別に応じて時短回数の更新タイミングを異ならせることができる。即ち、外れ種別が外れAである場合は、変動終了時に時短回数を更新する一方で、外れBである場合には、変動開始時に時短回数を更新することができる。よって、特に、時短状態の最終変動が完全外れとなった場合に、当該最終変動中に貯めることができる第2特別図柄の保留球数を大きく異ならせることができる斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図1420を参照して、本第49制御例における時短更新処理49(S202G)の詳細について説明する。この時短更新処理49(S202G)は、上述した第41制御例における時短更新処理41(図1199参照)に代えて実行される処理であり、時短更新処理41(図1199参照)と同様に、時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。
この第49制御例における時短更新処理49(図1420参照)のうち、S601~S605、S607、S631AおよびS633A~S639Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例における時短更新処理41(図1199参照)のS601~S605、S607、S631AおよびS633A~S639Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第49制御例における時短更新処理49(図1420参照)では、S601の処理において時短カウンタ203hの値が0より大きい値(即ち、1以上の値)であると判別した場合に(S601:Yes)、次いで、減算済フラグがオンであるか否かを判別して(S601G)、減算済フラグがオンであると判別した場合は(S601G:Yes)、変動開始時に既に時短回数が減算されており、今回(変動停止時に)時短回数を減算する必要がないことを意味するため、減算済フラグをオフに設定した上で(S602G)、本処理を終了する。これに対して、S601Gの処理において、減算済フラグがオフであると判別した場合は(S601G:No)、変動開始時において時短回数が減算されていないことを意味するため、時短回数を減算するために、処理をS602へと移行する。
また、本第49制御例における時短更新処理49(図1420参照)では、S604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合に(S604:No)、第41制御例における小当たり時短更新処理41(図1200参照)に代えて小当たり時短更新処理49を実行し(S603G)、処理をS633Aへと移行する。なお、小当たり時短更新処理49(S602G)の詳細については、図1421を参照して後述する。
次いで、図1421を参照して、本第49制御例における時短更新処理49(図1420)の一処理である小当たり時短更新処理49(S602G)について説明する。この小当たり時短更新処理49(S603G)は、上述した第41制御例における小当たり時短更新処理41(図1200参照)に代えて実行される処理であり、小当たり時短更新処理41(図1200参照)と同様に、小当たり当選に基づいて時短終了条件を判定するための各種カウンタ値を更新すると共に、時短終了条件が成立したと判定した場合に時短状態を終了させるための処理である。図1421は、この小当たり時短更新処理49(S602G)の内容を示したフローチャートである。
この第49制御例における小当たり時短更新処理49(図1421参照)のうち、S701~S704、S706、およびS711A~S713Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例における小当たり時短更新処理41(図1200参照)のS701~S704、S706、およびS711A~S713Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第49制御例における小当たり時短更新処理49(図1421参照)では、S711Aの処理において、MAXボーナスモードであると判別した場合に(S711A:Yes)、次いで、今回の小当たりが小当たりC49であるかを判別し(S701G)、小当たりC49であると判別した場合には(S701G:Yes)、処理をS702へと移行する。一方、小当たりC49ではないと判別した場合には(S701G:No)、処理をS712Aへと移行する。
これにより、MAXボーナスモード(時短状態C)において小当たりC49に当選した場合は、小当たり変動の停止時に時短回数を更新することができる。即ち、時短状態を終了させることができるので、小当たり遊技が開始されてV入賞が発生し、大当たり遊技の実行が設定された時点の遊技状態を、通常状態として取り扱うことができる。これにより、時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)をリセットすることができ、今回のV入賞に基づく大当たりを含む4回分の大当たりが終了するまでMAXボーナスモードを継続させることができる。一方で、小当たりC49以外の小当たりとなった場合は、V入賞が発生して大当たり遊技の実行が設定された後で時短状態を終了させることができるので、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を減算させることができる。
<第49制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図1422から図1427を参照して、本第49制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図1422を参照して、本第49制御例(第41制御例)におけるコマンド判定処理41(図1207)の一処理である入賞情報コマンド処理49(S3201G)の詳細について説明する。図1422は、この入賞情報コマンド処理49(S3201G)を示すフローチャートである。
この第49制御例における入賞情報コマンド処理49(図1422参照)のうち、S5801A、S5802AおよびS5807A~S5810Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例における入賞情報コマンド処理41(図1208参照)のS5801A、S5802AおよびS5807A~S5810Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第49制御例における入賞情報コマンド処理49(図1422参照)では、S5802Aの処理において、時短モード又はチャンスモードであると判別した場合には(S5802A:Yes)、始動入賞に基づいて取得された入賞情報を参照して攻撃アイコンを選択するための攻撃アイコン選択処理を実行し(S5801G)、本処理を終了する。この攻撃アイコン選択処理(S5801G)の詳細について、図1423を参照して説明する。
図1423は、上述した攻撃アイコン選択処理を示すフローチャートである。この攻撃アイコン選択処理(S5801G)では、まず、攻撃アイコン選択テーブル222ka(図1195(b)参照)を読み出して(S5831G)、読み出した攻撃アイコン選択テーブル222kaから、入賞情報コマンドにより通知された入賞情報に対応する抽選結果と、第1演出カウンタ223f1のカウンタ値と、に応じた攻撃アイコン種別を決定する(S5832G)。そして、初回入賞済フラグ223Hcがオンであるかを判別し(S5833G)、初回入賞済フラグ223Hcがオンであると判別した場合には(S5833G:Yes)、決定したアイコン種別を報知する報知演出を設定し(S5834G)、処理をS5838Gへと移行する。一方、S5833Gの処理において、初回入賞済フラグ223Hcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5833G:No)、初回入賞済フラグ223Hcをオンに設定し(S5835G)、外れBに対応する入賞情報であるかを判別し(S5836G)、外れBに対応する入賞情報であると判別した場合には(S5836G:Yes)、処理をS5834Gへと移行する。
これに対し、外れBに対応する入賞情報ではないと判別した場合には(S5836G:Yes)、決定したアイコン種別を報知した後で回数上乗せ演出(図1414参照)が発生する報知演出を設定し(S5837G)、決定したアイコン種別に応じて情報格納エリアの情報を更新し(S5838G)、本処理を終了する。
この攻撃アイコン選択処理48(図1423参照)を実行することにより、時短状態Aや時短状態Bにおいて外れB以外の抽選結果に対応する第2特別図柄の変動表示が実行された場合に、回数上乗せ演出により第2特別図柄の保留球を追加で獲得する機会が与えられることを遊技者に対して報知することができる。
次に、図1424を参照して、本第49制御例における大当たり関連処理49(S3401G)の詳細について説明する。この大当たり関連処理49(S3401G)は、上述した第41制御例における大当たり関連処理41(図1209参照)に代えて実行される処理であり、大当たり関連処理41(図1209参照)と同様に、主制御装置110から大当たり関連のコマンドを受信した場合に、受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。図1424は、この大当たり関連処理49(S3401G)を示すフローチャートである。
この第49制御例における大当たり関連処理49(図1424参照)のうち、S3603,S3605,S3606,S3610、S3614および3625Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例における大当たり関連処理41(図1209参照)のS3603,S3605,S3606,S3610、S3614および3625Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第49制御例における大当たり関連処理49(図1424参照)では、S3603の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S3603:Yes)、今回の大当たりのオープニング期間中に実行するオープニング演出の演出態様を決定するためのオープニングコマンド処理49を実行し(S3601G)、処理をS3614へと移行する。なお、オープニングコマンド処理49(S3601G)の詳細については、図1425を参照して後述する。
また、本第49制御例における大当たり関連処理49(図1424参照)では、S3610の処理において、エンディングコマンドを受信したと判別した場合に(S3610:Yes)、第41制御例におけるエンディングコマンド処理41(図1210参照)に代えてエンディングコマンド処理49を実行し(S3602G)、処理をS3614へと移行する。このエンディングコマンド処理49(S3602G)の詳細については、図1426を参照して後述する。
次に、図1425を参照して、上述したオープニングコマンド処理49(S3601G)の詳細について説明する。図1425は、このオープニングコマンド処理49(S3601G)を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理49(S3601G)では、まず、大当たり種別と残当たり回数カウンタ223kbの値と残突破回数カウンタ223Haの値とに応じたオープニング演出を決定する(S3631G)。即ち、S3631Gの処理では、残当たり回数カウンタ223kbの値と残突破回数カウンタ223Haの値とが共に0であれば、大当たり種別が大当たりC49である場合にMAXボーナスの開始を示すオープニング演出を決定する一方で、大当たりC49以外の大当たり種別であれば、4ラウンド大当たり用のオープニング演出を決定する。また、残当たり回数カウンタ223kbの値と残突破回数カウンタ223Haの値とのどちらかが1以上である場合は、MAXボーナスモード中の大当たりであることを意味し、複数回の大当たりで1の大当たりに見せる演出を実行中であることを意味するため、大当たり当選前の時短状態Cから引き続いて疑似インターバル演出が継続する演出態様のオープニング演出を決定する。
S3631Gの処理が終了すると、次いで、S3631Gの処理で決定した演出態様に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S3632G)、MAXボーナスモードの初回大当たりであるかを判別する(S3633G)。S3633Gの処理において、MAXボーナスモードの初回大当たりであると判別した場合には(S3633G:Yes)、残当たり回数カウンタ223kbに4を設定し(S3634G)、そのまま本処理を終了する。
一方、S3633Gの処理において、MAXボーナスモードの初回大当たりではないと判別した場合には(S3633G:No)、次いで、今回の大当たりが小当たりC49を契機とする大当たりである(即ち、時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされている)か否かを判別し(S3635G)、今回の大当たりが小当たりC49を契機とする大当たりではないと判別した場合には(S3635G:No)、本処理を終了する。一方、今回の大当たりが小当たりC49を契機とする大当たりである(即ち、時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされている)と判別した場合には(S3635G:Yes)、次いで、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値であるか否かを判別し(S3636G)、残当たり回数カウンタ223kbの値が0より大きい値であると判別した場合は(S3636G:Yes)、4から残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値を減算した値(つまり、時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたことにより、MAXボーナスモードの基本的な大当たり当選回数である4回を超えて当選する大当たりの回数)を残突破回数カウンタ223Haに設定し(S3637G)、本処理を終了する。一方、S3636Gの処理において、残当たり回数カウンタ223kbの値が0であると判別した場合は(S3636G:No)、既にMAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続している状況で、更に時短リミット回数までの残り回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(更に4回大当たり遊技が実行されるまでMAXボーナスモードが継続する)ことを意味するため、残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値に4を上書きして(S3638G)、本処理を終了する。
次に、図1426を参照して、上述したエンディングコマンド処理49(S3602G)の詳細について説明する。このエンディングコマンド処理49(S3602G)は、上述した第41制御例におけるエンディングコマンド処理41(図1210参照)に代えて実行される処理であり、エンディングコマンド処理41(図1210参照)と同様に、エンディング演出を設定するための処理である。図1426は、このエンディングコマンド処理49(S3602G)を示すフローチャートである。
この第49制御例におけるエンディングコマンド処理49(図1426参照)のうち、S5901A~5905Aの各処理では、それぞれ上述した第41制御例におけるエンディングコマンド処理41(図1210参照)のS5901A~5905Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第49制御例におけるエンディングコマンド処理49(図1426参照)では、S5901Aの処理において、残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合に(S5901A:No)、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値であるかを判別し(S5901G)、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5901G:No)、今回の大当たりがMAXボーナスモードにおける大当たりではないことを意味するため、処理をS5902Aへと移行する。
一方、S5901Gの処理において、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値であると判別した場合には(S5901G:Yes)、残突破回数カウンタ223Haの値を1減算し(S5902G)、減算後のカウンタ値が0であるかを判別する(S5903G)。S5903の処理において、減算後の残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0ではないと判別した場合は(S5903G:No)、今回の大当たりでは時短リミット回数に到達しておらず、少なくとも次の大当たりまでMAXボーナスモードが継続することを意味するため、継続が報知される継続ジャッジ演出を伴うエンディング演出(図1412(b)参照)を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5904G)、本処理を終了する。一方、S5903Gの処理において、減算後の残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0であると判別した場合には(S5903G:Yes)、今回の大当たりで時短リミット回数に到達したことによりMAXボーナスモードの終了タイミングとなったことを意味するため、MAXボーナス終了処理を実行し(S5905G)、本処理を終了する。なお、MAXボーナス終了処理(S5905G)の詳細については、図1427を参照して後述する。
また、本第49制御例におけるエンディングコマンド処理49(図1426参照)では、S5904Aの処理において、減算後の残当たり回数カウンタ223kbのカウンタ値が0であると判別した場合に(S5904A:Yes)、残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0より大きい値であるか否かを判別し(S5906G)、残突破回数カウンタ223Haのカウンタ値が0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(S5906G:No)、上述したMAXボーナス終了処理を実行し(S5905G)、本処理を終了する。一方、S5906Gの処理において、残突破回数カウンタ223Haの値が0より大きい値であると判別した場合には(S5906G:Yes)、残突破回数カウンタ223Haの値を1減算し(S5907G)、MAXラウンド突破演出を伴うエンディング演出(図1411(b)参照)を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5908G)、次いで、突破演出フラグ223Hbをオンに設定し(S5909G)、本処理を終了する。
次に、図1427を参照して、上述したMAXボーナス終了処理(S5905G)の詳細について説明する。図1427は、このMAXボーナス終了処理(S5905G)を示すフローチャートである。図1427に示した通り、MAXボーナス終了処理(S5905G)では、まず、入賞情報格納エリア223aのデータを読み出して(S5931G)、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して最も古い入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定し(S5932G)、次いで、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5933G)。S5933Gの処理が終了すると、次いで、前回判別した入賞情報よりも新しい入賞情報に対応する攻撃アイコンを、攻撃アイコン選択テーブル222kaを参照して決定し(S5934G)、決定した攻撃アイコンに応じてアイコン情報格納エリア223kaのデータを更新する(S5935G)。
S5935Gの処理が終了すると、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したか否かを判別し(S5936G)、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定していないと判別した場合には(S5936G:No)、処理をS5934Gへと戻すことにより、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンの種別を決定してアイコン情報格納エリア223kaのデータに反映されるまで、S5934G~S5936Gの各処理を繰り返し実行する。一方、S5936Gの処理において、全ての入賞情報に対応する攻撃アイコンを決定したと判別した場合には(S5936G:Yes)、突破演出フラグ223Hbがオンであるかを判別し(S5937G)、突破演出フラグ223Hbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5937G:No)、MAXボーナスの終了が報知された後でアイコン情報格納エリア223kaのデータに応じた攻撃アイコンが報知される態様のエンディング演出に決定し(S5938G)、処理をS5941Gへと移行する。一方、S5937Gの処理において、突破演出フラグ223Hbがオンであると判別した場合には(S5937G:Yes)、突破演出フラグ223Hbをオフに設定し(S5939G)、継続ジャッジ演出で終了が報知された後でアイコン情報格納エリア223kaのデータに応じた攻撃アイコンが報知される態様エンディング演出に決定し(S5940G)、次いで、決定した演出態様のエンディング演出を示す表示用エンディングコマンドを設定し(S5941G)、本処理を終了する。
このMAXボーナス終了処理(図1427参照)を実行することにより、MAXボーナスモードの間に保留され、通常状態Bにおいて消化される4個分の第2特別図柄の保留球の期待度を、MAXボーナスモードのエンディング演出によって予め報知することができる。
以上説明した通り、第49制御例におけるパチンコ機10では、時短状態に設定されてから時短状態の間に獲得した全ての第2特別図柄の保留球を消化されて通常状態に移行するまでの第2特別図柄の抽選回数が異なる複数の遊技状態を設ける構成とした。つまり、比較的有利度合いが低い第1遊技状態(時短状態A)と、比較的有利度合いが高い第2遊技状態(時短状態C)と、これらの間の有利度合いの第3遊技状態(時短状態B)と、を設ける構成とし、且つ、ほぼ確実に次回の大当たりまで継続する時短終了条件が設定される第2遊技状態(時短状態C)に一旦移行すると、時短リミット回数に到達するまで、時短状態Cと大当たりとが繰り返される(時短リミット回数分の大当たり当選がほぼ確定する)極めて有利な状態(MAXボーナスモード)を形成する構成とした。加えて、本第49制御例では、特定のカウンタ(時短リミットカウンタ203kb)のカウンタ値に対して所定の初期値(3)を設定する初期値設定制御を実行可能な第1制御手段と、特定のカウンタのカウンタ値を所定の更新規則(時短状態中に大当たり遊技の実行が設定される毎に1減算する更新規則)に従って更新する更新制御を実行可能な第2制御手段と、を有して構成され、第1遊技状態(時短状態A)において第2遊技状態(時短状態C)が設定され得る特定特典遊技(大当たりC49)の実行条件が成立した(小当たりA49,C49のいずれかに当選した)場合に、初期値設定制御が実行され得る一方で、第2遊技状態(時短状態C)において特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、初期値設定制御が実行される第1の状況(大当たりC49の実行契機が小当たりC49である場合)と、更新制御が実行される第2の状況(大当たりC49の実行契機が小当たりA49である場合)と、のどちらかが成立し得る構成としている。これにより、時短状態Cにおいて予め定められた特定条件が成立した場合に、時短状態Cと大当たりとの繰り返しが、時短リミット回数に相当する回数を上回る回数に渡って繰り返され得る構成とすることができる。より具体的には、時短状態Cにおいて、基本的には大当たりの実行を設定するタイミングよりも後(特別図柄の抽選で大当たりとなって大当たり遊技の実行を設定した後、若しくは小当たりとなって小当たり遊技中にV入賞を検出して大当たり遊技の実行を設定した後)で時短状態を終了させることにより、大当たり遊技の実行を設定した時点の遊技状態を時短状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を1減算するように構成する一方で、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選した場合に限り、大当たりの実行を設定するタイミングよりも前(小当たり遊技の開始時)に時短状態を終了させるように構成した。即ち、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選した場合は、V入賞が発生するよりも前に時短状態が終了されていることにより、大当たり遊技の実行を設定するタイミングにおける遊技状態を通常状態とし、大当たり終了時に時短リミット回数までの残回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)を初期値である3にリセットする構成としている。これにより、時短状態Cと、第2特別図柄の大当たりとの繰り返しの間に特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選した場合に、そこから更に時短リミット回数分の大当たり当選が保証されるので、実質的に、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選したことを契機として、時短リミット回数分の大当たりを上乗せしたかのような斬新な挙動を実現することができる。よって、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間にも、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選することに期待して遊技を行わせることができるので、時短状態Cと大当たりとがどこまで続くか分からないわくわく感を遊技者に対して抱かせることができる。これにより、時短状態Cと大当たりとが繰り返されている間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。
また、本第49制御例におけるパチンコ機10では、所定の設定条件の成立(大当たり終了後に時短状態Cへと移行する種別の大当たりに最初に当選したこと)に基づいて、特定期間(大当たり遊技が4回終了するまで)に渡って遊技者に有利な特定制御(大当たり遊技と時短状態Cとが繰り返される制御)が設定される特定状態(MAXボーナスモード)を設定する特定状態設定手段を有すると共に、特定状態(MAXボーナスモード)に移行してから特定期間が終了する(時短リミット回数目の大当たりが終了する)までの間の遊技(4回の4ラウンド大当たり、および各大当たり間の3回の時短状態Cの継続期間であるMAXボーナスモード)における演出として、あたかも1の16ラウンド大当たりが実行されているかのように遊技者に対して思わせる演出(疑似MAX大当たり演出)を実行する構成としている。これにより、実際には4ラウンドの大当たりに4回当選しているにもかかわらず、1回の大当たり当選で16ラウンド分の賞球を獲得できたかのように遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。加えて第49制御例におけるパチンコ機10では、特定制御(大当たり遊技と時短状態Cとが繰り返される制御)が特定期間(4回の大当たり遊技)を超えて継続することが決定された(小当たりC49に当選して時短リミットカウンタ203kbが初期値にリセットされることが決定された)場合に、決定されたタイミングとは少なくとも異なる所定タイミング(4回目の大当たり遊技の終了タイミング)で、特定制御が特定期間を超えて継続することを遊技者に対して示唆可能な特定演出(MAXラウンド突破演出)を実行する特定演出実行手段と、を有して構成されている。つまり、特定の種別の小当たり(小当たりC49)に当選して時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされた(特定の種別の小当たり当選に基づく大当たりを含め、更に4回分の大当たりが上乗せされた)場合に、所定契機で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)のリセット(大当たりの上乗せが発生していたこと)を報知する演出を実行する構成としている。より具体的には、4回目の大当たりの終了タイミング(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似16ラウンド遊技の終了後のエンディング期間)において、大当たりが更に継続すること(疑似的なMAXラウンドである16ラウンドを突破すること)を示すMAX突破演出を実行する構成としている。そして、一旦MAX突破演出が実行された後は、大当たり毎に(即ち、疑似MAX大当たり演出における疑似4ラウンド遊技毎に)、MAXボーナスモードが継続するか否かを示す継続ジャッジ演出により時短リミット回数に到達していたか否かを報知する構成としている。言い換えれば、時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされたタイミングでは当該リセットを報知せず、予め設定されている報知タイミング(疑似16ラウンド遊技の終了タイミング)で時短リミット回数(時短リミットカウンタ203kbのカウンタ値)がリセットされていたこと(MAXボーナスモードが疑似16ラウンドを超えて継続すること)のみを報知する構成としている。また、1の契機(疑似16ラウンド遊技の終了タイミング)でMAXボーナスモードがどこまで継続するのかを明確に報知するのでなく、疑似4ラウンド遊技単位(即ち、1の大当たり遊技単位)で継続有無を小出しにして報知する構成としている。このように構成することで、疑似4ラウンド遊技単位毎(即ち、1の大当たり遊技単位)に、次の疑似ラウンドに継続するか(即ち、時短リミット回数が残っているか)否かに注目して遊技を行わせることができるので、MAXラウンド突破演出が実行されてから継続ジャッジ演出でMAXボーナスモードの終了(時短リミット回数への到達)が報知されるまでの間における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、極めて斬新、且つ、興趣性の高い演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第49制御例では、時短状態Aと時短状態Bとで、時短回数を共通にしているにもかかわらず、時短状態に移行してから当該時短状態の間に検出した全ての始動入賞に基づく第2特別図柄の抽選が終了するまでの間における実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる斬新な制御を採用している。具体的には、時短状態の終了条件として、特別図柄の抽選回数(第1特別図柄と第2特別図柄との合計の抽選回数)が規定回数となったことに基づいて成立する第1終了条件と、小当たり遊技の実行回数が規定回数となったことに基づいて成立する第2終了条件と、第2特別図柄の抽選回数が規定回数となったことに基づいて成立する第3終了条件と、に加え、時短最終変動の実行中に第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する第4終了条件と、を設ける構成としている。そして、時短状態Aと時短状態Bとで、第1~第3終了条件を共通とし、第4終了条件のみを異ならせることにより、実質的に第2特別図柄の抽選を2回実行可能な時短状態Aと、実質的に第2特別図柄の抽選を4回実行可能な時短状態Bと、を形成している。加えて、第49制御例におけるパチンコ機10では、時短状態において時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算するタイミングを条件に応じて異ならせることにより、同一の時短状態であっても、第2特別図柄の保留球の貯め易さを条件に応じて可変させ、同一の時短状態でも条件に応じて実質的な第2特別図柄の抽選回数を異ならせる構成としている。より具体的には、時短状態においては、特別図柄の抽選が実行されてから当該抽選結果を示すための変動表示が終了されるまでの間における第1タイミングと、その第1タイミングとは異なる第2タイミングと、のうちいずれか一方のタイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)を減算する構成とし、第1タイミングで時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算された場合は、第2タイミングで減算された場合よりも、特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の保留球が貯め難くなるように構成している。更に詳述すると、本第49制御例では、特別図柄の抽選結果が完全外れとなった場合における完全外れの種別として、外れAと、外れBと、の2種類を設ける構成とし、時短状態において特別図柄の抽選で完全外れとなって外れ種別として外れAが決定された場合には、上述した第41制御例において完全外れになった場合と同様に、変動停止タイミング(第1タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算される一方で、外れ種別として外れBが決定された場合には、外れBを示す変動表示の開始タイミング(第2タイミング)で時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が減算されるように構成している。これにより、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れAが決定された場合は、変動表示の終了まで特図2カウンタ203tが減算されることがないため、時短最終変動の実行中に右打ち遊技を行い続けるだけで、第4終了条件(第2特別図柄の保留球数が規定個数となったことに基づいて成立する終了条件)が成立するまで第2特別図柄の保留球を貯めることができる。これに対して、残時短回数(特図2カウンタ203tのカウンタ値)が1の状態(即ち、時短最終変動)で外れBが決定された場合は、変動開始時に特図2カウンタ203tが減算されることで時短状態が終了されるため、変動表示の実行中は既に通常状態に転落済みの状態となる。言い換えれば、時短最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが極めて困難となるため、第2特別図柄の抽選回数を増加させることも困難となる。よって、本第49制御例では、時短最終変動において特図2カウンタ203tの減算タイミングが第1タイミング(変動停止タイミング)に設定される場合よりも、第2タイミング(変動開始タイミング)に設定された場合の方が、同一の時短状態であっても第2特別図柄の抽選回数が少なくなり易くなるので、同一の時短状態であっても有利度合い(有利な第2特別図柄の抽選の実質的な実行回数)を異ならせる斬新な遊技性を実現することができる。
なお、本第49制御例では、外れ種別として、時短回数が変動停止時に減算される外れAと、変動開始時に減算される外れBと、を設ける構成として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯まり易さを可変させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の時短状態として、時短回数が変動停止時に減算される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、変動開始時に減算される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、を設ける構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり種別に応じて同じ時短状態でも第2特別図柄の保留球の貯め易さを可変させることができる。
本第49制御例では、外れ種別として、時短回数が変動停止時に減算される外れAと、変動開始時に減算される外れBと、を設ける構成として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯まり易さを可変させる構成としていたが、これに代えて、時短最終変動において所定割合(例えば、10%の割合)で極端に短い変動時間(例えば、0.1秒間)が選択される構成としてもよい。即ち、最終変動において第2特別図柄の保留球を貯めることが実質的に不可能となる変動時間が設定される場合と、容易に第2特別図柄の保留球を貯めることができる変動時間が設定される場合と、を設ける構成としてもよい。このように構成した場合、外れ種別を選択する制御処理を行う必要がないため、上述した第49制御例に比較して、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、時短状態の最終変動の変動時間を抽選により決定するのに代えて、大当たり種別によって時短最終変動の変動時間が予め定められるように構成してもよい。つまり、大当たり終了後の時短状態として、最終変動の変動時間が比較的長い変動時間(例えば、20秒)に設定される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、最終変動の変動時間が極端に短い変動時間(例えば、0.1秒)に設定される時短状態Aや時短状態Bが付与される大当たり種別と、を設ける構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり種別に応じて同じ時短状態でも第2特別図柄の保留球の貯め易さを可変させることができる。
本第49制御例では、外れ種別として、時短回数が変動停止時に減算される外れAと、変動開始時に減算される外れBと、を設ける構成として、時短最終変動における第2特別図柄の保留球の貯まり易さを可変させる構成としていたが、時短回数を減算するタイミングはこれに限られるものではない。例えば、変動開始後、所定期間(例えば、普通図柄の当たり遊技が1回以上、2回未満実行可能な長さの期間)経過時に時短回数を減算する構成としてもよい。このように構成することで、第2特別図柄の保留球の貯め易さを更に細分化して設定することができるので、設計の自由度を高めることができる。
本第49制御例では、MAXボーナスモード(時短状態C)において第2特別図柄の抽選で小当たりになった(大当たり遊技の実行条件が成立した)場合に、小当たり種別に応じて、小当たり開始時に時短状態を終了させることで時短リミットカウンタ203kbを初期値にリセットする制御(図1206のS2408A参照)と、小当たりにおいてV入賞を検出して大当たりの実行を設定した後で時短状態を終了させることで時短リミットカウンタ203kbの値を1減算して更新する制御(図1206のS2409A参照)と、のどちらかを実行する構成としていたが、大当たり遊技の実行条件が成立した場合に初期値にリセットする制御と更新する制御とのどちらも行われ得る対象は、時短リミットカウンタ203kbに限られるものではなく、遊技の制御に用いる他のカウンタに適用してもよい。例えば、時短状態Cにおいては、時短回数(特図2カウンタ203tの値)を15に設定し、大当たり当選時に特図2カウンタ203tの値を基本的に引き継ぐ(大当たり前のカウンタ値から引き継いで更新される)ように構成し、大当たり当選時の一部(例えば、特定の種別の小当たりに当選した場合)でのみ、特図2カウンタ203tのカウンタ値に時短状態C用の初期値である100を再設定する構成としてもよい。このように構成した場合、時短状態Cにおいて大当たりに当選しても、時短回数(特図2カウンタ203tの値が)が基本的に増加されず、少ない(5回以内)の抽選回数で大当たりに当選し続けなければ時短リミット回数に到達する前にMAXボーナスモードが終了されてしまう遊技性を実現することができる。よって、時短状態Cに移行した場合に、少ない抽選回数で当選することを目指させることができ、遊技に緊張感を持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を頼向上させることができる。
本第49制御例では、MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続することが決定された場合に、当該継続が決定されたタイミングによらず、4回目の大当たりのエンディング期間中に、MAXボーナスモードが疑似16ラウンド(大当たり4回)を超えて継続することを報知する構成としていたが、MAXボーナスモードの継続を報知するタイミングはこれに限られるものではない。MAXボーナスモードが大当たり4回を超えて継続した場合の一部又は全部で、決定されたタイミング(小当たりC49に対応する変動表示演出中、小当たりC49の小当たり遊技中、若しくは小当たりC49でV入賞が発生した場合に実行される大当たり遊技中)でMAXボーナスモードが4回を超えて継続することを報知する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対してMAXボーナスモードで常に、継続が示唆されることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、一旦通常状態Bに移行したと見せかけて、所定タイミング(例えば、4回目の大当たり終了後のいずれかの保留球に基づく変動表示演出中や、4回以内に大当たりに当選した場合の大当たり変動中、時短状態Cに移行した後の固定秒(例えば、5秒間)数経過時等)で、実はMAXボーナスモードが継続していたということを遊技者が認識可能な演出(復活演出)を実行し、疑似MAX大当たり演出の続きに復活させる構成としてもよい。このように構成することで、通常状態Bに移行したと思っている遊技者に対して、大きな喜びと驚きとを与えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第10実施形態>
以下、実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1430から図1484を参照し、第10実施形態について説明する。図1430は、第10実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図1431はパチンコ機10の遊技盤A13の正面図であり、図1432はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1430に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1430に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1431参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1430に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1430参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤A13(図1431参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤A13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤A13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図1433参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤A13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1430参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤A13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1430参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図1433参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図1431参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1430参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤A13正面の貼着スペースK1(図1431参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤A13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤A13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図1431に示すように、遊技盤A13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板A60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1430参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板A60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板A60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤A13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板A60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板A60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤A13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1430参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1431を参照して、遊技盤A13の構成について説明する。
遊技盤A13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤A13の正面外周が囲まれ、遊技盤A13とガラスユニット16(図1430参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤A13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤A13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図1433参照)から発射された球を遊技盤A13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図1431の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤A13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図1431の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図1431の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図1433参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物640aが開放状態の時は、開閉板がベース板A60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口640側へ入球可能となり、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成される。
なお、電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物640aが開放状態の時は、開閉板の上面を伝って球が第2入賞口640に案内され易く構成され、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなるように構成することができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板A60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板60には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレームA86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図1433参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図1433参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤A13に組み付けられ、遊技盤A13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤A13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1433参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、スルーゲート67の正面視右下側には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1433参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。なお、第2入賞口640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側でも良い。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10とは異なり、遊技盤13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機10では、「右打ち」では第1入賞口64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲート67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口64の右方には可変入賞装置65(図1431参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右方に限らず、例えば、第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側や、可変表示装置ユニット80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤A13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1430参照)を通じて視認することができる。
遊技盤A13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤A13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図1432に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図1433参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図1433参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図1433を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図1433は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物640aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータAMT1,AMT2,AMT3,AMT4等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
第3図柄表示装置81における各種の画像の表示は、上述のように背面画像と、その背面画像の手前側に配置されて視認される第3図柄等の画像とが、層状になっているように遊技者に視認される。第3図柄表示装置81を液晶表示装置として構成する場合には各層は液晶が配置される複数の層に対応し、各層の液晶の状態が切り替えられることで、どの層での表示を視認させるかが決定される。
第3図柄表示装置81の態様は、別の態様も想定される。例えば、回転ドラムで構成され、回転ドラムの停止した位置で視認される図柄により遊技者に報知を行うようにしても良いし、前後に重なる層状に配置され変位可能に構成される複数の部材がセンターフレーム86の内方で視認される状況を構成可能とし、その複数の部材により特定の記号等を遊技者に視認させることができるように構成しても良い。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図1432参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図1432参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤A13及び動作ユニットA200の構造について説明する。図1434は、遊技盤A13及び動作ユニットA200の分解正面斜視図であり、図1435は、遊技盤A13及び動作ユニットA200の分解背面斜視図である。なお、図1434及び図1435では、背面ケースA210の開口A211aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口A211aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図1434及び図1435の説明においては、図1431を適宜参照する。
動作ユニットA200は、底壁部A211と、その底壁部A211の外縁から立設される外壁部A212とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケースA210を備える。背面ケースA210は、底壁部A211の中央に矩形状の開口A211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口A211aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケースA210は、外壁部A212の正面側端部に遊技盤A13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図1431参照)において遊技盤A13に面で支持される支持板部A213を備える。
その支持板部A213が遊技盤A13に面で支持された状態で、遊技盤A13のベース板A60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤A13と動作ユニットA200とを一体的に固定することができるので、遊技盤A13及び動作ユニットA200の全体としての剛性の向上を図ることができる。
背面ケースA210の背面側には、一対の変位規制装置A214が配設される。変位規制装置A214は、背面ケースA210の背面からの手動操作により、突出状態と没入状態とで状態変化可能に構成されており、突出状態において、後述する可動役物(第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500)が演出待機状態から移動開始することを規制する。
変位規制装置A214を採用することにより、本実施形態のように、ベース板A60の中央の開口が導光板ユニットA700で閉塞される場合であっても、パチンコ機10の出荷や搬送を容易とすることができる。
詳述すると、従来、可動役物が変位する範囲に緩衝材(わた等のクッション部材)を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段により、出荷時や搬送時に可動役物が変位することを防止する場合があった。しかし、ベース板A60の中央の開口部が本実施形態のように閉塞されていると緩衝材を抜き取るための貫通箇所が無いため、遊技盤A13と背面ケースA210とを分解しないと緩衝材を抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
この対策として、本実施形態では変位規制装置A214を採用している。これにより、遊技盤A13及び背面ケースA210の固定を解除することなく、可動役物の移動を規制する突出状態と、その規制が解除される没入状態とで変位規制装置A214の状態を切り替えることができる。
なお、一対の変位規制装置A214は、それぞれ異なる可動役物の移動を規制する部材として配設されている。即ち、可動役物の個数が増減すれば、変位規制装置A214の個数を増減させることで対応することができる。
ベース板A60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板A60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板A60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
動作ユニットA200は、遊技盤A13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニットA200は、背面ケースA210と、その背面ケースA210の正面視内側右部および正面視内側上部に配設されると共に背面ケースA210の手前側寄りに配設される第1動作ユニットA400と、背面ケースA210の正面視内側左部および正面視内側上部に配設されると共に第1動作ユニットA400と背面ケースA210の底壁部A211との間に配設される第2動作ユニットA500と、背面ケースA210の正面視内側下部に配設される第3動作ユニットA600と、第1動作ユニットA400の前側において背面ケースA210の外壁部A212の前端面に締結固定される導光板ユニットA700と、を備える。
具体的には、第3動作ユニットA600は、開口A211aの下方位置において、第2動作ユニットA500は、開口A211aの左方位置および上方位置において、それぞれ背面ケースA210の底壁部A211に締結固定される。また、第1動作ユニットA400は、開口A211aの右方位置において背面ケースA210の底壁部A211に締結固定され、開口A211aの上方位置において第2動作ユニットA500の前側面に締結固定される。まず、この動作ユニットA200の動作制御の概要について説明する。
図1436から図1441は、動作ユニットA200の動作制御の一例を示す動作ユニットA200の正面図である。図1436では、演出待機状態の第1動作ユニットA400、第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600が図示され、図1437では、張出状態の第1動作ユニットA400と、演出待機状態の第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600とが図示される。
また、図1438では、張出状態の第2動作ユニットA500と、演出待機状態の第1動作ユニットA400及び第3動作ユニットA600とが図示され、図1439では、張出状態の第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500と、演出待機状態の第3動作ユニットA600とが図示され、図1440では、張出状態の第3動作ユニットA600と、演出待機状態の第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500とが図示される。
また、図1441では、演出待機状態から外形の変化を生じずに回転動作した後の第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500と、演出待機状態における外形を維持したまま上昇した後における第3動作ユニットA600とが図示される。
また、図1436から図1441において、導光板ユニットA700の補助導光板ユニットA700bの縁部と、装飾部材A808の縁部と、センターフレームA86の縁部とで囲む形状が想像線で図示される。この想像線で囲まれる形状が、正面視で第3図柄表示装置81を視認可能な実際の大きさであり、この想像線で囲まれる形状よりも外側においては(特に左右側においては)、導光板ユニットA700の補助導光板ユニットA700bや装飾部材A808に目隠しされるので、退避状態における第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500の視認性を低下させることができる。
図1437から図1439に図示されるように、第1動作ユニットA400の変位軌跡と第2動作ユニットA500の変位形跡とが、正面視で部分的に重なるが、第1動作ユニットA400の変位軌跡と第2動作ユニットA500の変位軌跡とが前後でずれている(上面視で重ならない)ので、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500は、動作中に互いに衝突しない。そのため、図1439に図示されるように、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500の双方を張出状態とすることができる。
図1437から図1440に図示されるように、第1動作ユニットA400又は第2動作ユニットA500の変位軌跡と、第3動作ユニットA600の変位軌跡とは、正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第1動作ユニットA400又は第2動作ユニットA500が張出状態の時に、第3動作ユニットA600が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニットA400や第2動作ユニットA500の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニットA600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニットA600の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニットA400が演出待機状態であり且つ第2動作ユニットA500が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニットA400又は第2動作ユニットA500と、第3動作ユニットA600とが衝突することを避けることができる。これにより、第1動作ユニットA400、第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600の配置自由度を向上することができる(変位軌跡が正面視で重なることを許容できる)。
第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500の動作態様は、回転動作中に、回転される回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さが変化する態様で実行されるよう構成されるが、詳細は後述する。
第3動作ユニットA600の動作態様は、開閉動作ユニットA600bの昇降動作と、移動部材A650の開閉動作とが、異なるタイミングで実行可能となるように構成される。即ち、開閉動作ユニットA600bが上側終端位置に配置された状態で、移動部材A650の開閉動作が実行されるように制御される。
上述したように、本実施形態では、衝突の可能性がある場合を見越して各動作ユニットA400,A500,A600の動作タイミングをずらすように制御する場合があるが、衝突の可能性をはじめから排除できていれば同時に駆動させることは当然可能であり、図1441に示すのは、各動作ユニットA400,A500,A600が演出待機状態から同時に駆動され、互いに衝突しない位置まで移動した場合に相当する。
即ち、各動作ユニットA400,A500,A600の演出待機状態から図1441に示す状態まで移動させる状態変化を、各動作ユニットA400,A500,A600がそれぞれ演出待機状態であることを条件として、各動作ユニットA400,A500,A600をそれぞれ駆動させる駆動装置を駆動させることで実現可能に構成されているので、複数の動作ユニットA400,A500,A600による一体感のある動作演出を実現可能となる。
図1441に示す状態では、第1動作ユニットA400及び第2動作ユニットA500は、回転動作中に回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さが変化し始める直前の姿勢となっている。即ち、これ以上の傾倒動作が生じた場合には回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さを変化させることに駆動力が消化されることになるので、回転動作ユニットA400b,A500bの動作抵抗が上昇することになる。そのため、その動作抵抗が変化し始める姿勢となる図1441の姿勢において動作ユニットA400,A500を停止させることを容易とすることができる。
更に傾倒動作が進めば、回転動作ユニットA400b,A500bの縦横の長さの変化量は益々大きくなることから、動作抵抗は益々大きくなる。この抵抗により、バネ弾性による弾性力に似た動作抵抗の変化を生じさせることができるので、図1441の姿勢に動作ユニットA400,A500を維持したり、傾倒し過ぎた場合であっても戻したりしやすくすることができる。
第3動作ユニットA600については、後述するように、昇降動作に利用される駆動装置と、移動部材A650を開閉させる駆動装置とは別であるので、昇降動作に利用される駆動装置の駆動のみ実行し、移動部材A650の駆動を実行しないことにより、第3動作ユニットA600を図1441の状態で停止させる制御を容易に行うことができる。
このようにして、第1動作ユニットA400、第2動作ユニットA500及び第3動作ユニットA600を同時に駆動させる制御を実行可能とし、一体感のある動作を実現しながら、各動作ユニットA400,A500,A600が衝突することを避けることができる。
各動作ユニットA400,A500,A600の配置に対応して、その後方に配置されている第3図柄表示装置81の表示が見える範囲が変わる。即ち、各動作ユニットA400,A500,A600の全てが演出待機状態にある場合が第3図柄表示装置81の表示が見える範囲(面積)が最大の状態(図1436参照)であり、張出状態となる動作ユニットA400,A500,A600に対応して、第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なるように構成される。
演出待機状態からの各動作ユニットA400,A500,A600の張出程度によっても、第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なる。また、例えば、同じ動作ユニット(例えば、第1動作ユニットA400)が動作する場合であっても、図1437に示す状態と、図1441に示す状態とでは、動作量も、回転動作ユニットA400bの外形も異なる(張出位置側の方が大きい)ことから、第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
また、例えば、同じ動作ユニット(例えば、第3動作ユニットA600)が動作する場合であっても、図1440に示す状態と、図1441に示す状態とでは、上下位置は同じであるが、移動部材A650の左右配置が異なることで第3図柄表示装置81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
また、例えば、複数の同じ動作ユニット(例えば、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA500)が動作する場合であっても、図1439に示す状態と、図1441に示す状態とでは、複数の動作ユニットA400,A500が交差しているか否かが異なることで、第3図柄表示装置81の表示領域のうち複数の動作ユニットA400,A500に隠されない範囲として連続的に視認される範囲の個数(図1439では上下左右の4個、図1441では1個)が異なっている。
このように、各動作ユニットA400,A500,A600により第3図柄表示装置81の表示領域を隠す範囲を複数種類設けることにより、第3図柄表示装置81の表示と各動作ユニットA400,A500,A600とを合わせて視認させる演出のバリエーションを多くすることができる。
即ち、第3図柄表示装置81では、各動作ユニットA400,A500,A600により隠されていない範囲において表示演出を展開するように制御されているところ、各動作ユニットA400,A500,A600により隠される範囲が複数種類で変化することから、各動作ユニットA400,A500,A600により隠されていない範囲における表示演出のバリエーションを多くすることができ、表示演出の演出効果を向上させることができる。
例えば、図1441のように、大きな範囲に広がる連続的に視認可能な表示領域が保持される場合には、全画面でアニメーションを流して遊技者に視認させることで遊技者をリラックスさせることができる一方、図1437、図1438又は図1439等のように表示領域が分割されているように視認される場合には、各分割された範囲における表示を区別させて(例えば、有利展開と不利展開とで区別された表示として)、それらの表示のうちいずれかが選択されて以後の演出展開が決まるように演出すれば、各分割された範囲における表示への注目力を向上させることができる。
次いで、図1442から図1455を参照して、第1動作ユニットA400について説明する。図1442は、第1動作ユニットA400の正面斜視図であり、図1443は、第1動作ユニットA400の背面斜視図である。
第1動作ユニットA400は、背面ケースA210(図1434参照)に保持される支持ユニットA400aと、その支持ユニットA400aに正面視右側下部に配置される回転軸棒AJ1を中心に回転動作可能に支持される回転動作ユニットA400bと、を備える。
第1動作ユニットA400では、駆動モータAMT1が左上側に配設されており、回転軸棒AJ1が右下側に配設されている。これにより、回転軸棒AJ1の付近に駆動モータAMT1を配設する場合に比較して、回転軸棒AJ1周辺の構造を簡素化でき、回転軸棒AJ1の配置を右隅に寄せることができる。
更に、回転軸棒AJ1の付近に駆動モータAMT1を配設する場合に見られるような、回転動作ユニットA400bの前側または後側に駆動モータAMT1を配設する場合に比較して、第1動作ユニットA400の前後幅を短くすることができる。従って、背面ケースA210(図1434参照)の前後方向に複数の可動役物を積層配置する場合のスペースを十分に確保することができる。
図1444は、第1動作ユニットA400の分解正面斜視図であり、図1445は、第1動作ユニットA400の分解背面斜視図である。図1444及び図1445では、支持ユニットA400aが分解されており、回転動作ユニットA400bは非分解の状態で図示される。
支持ユニットA400aは、背面ケースA210(図1434参照)に締結固定される固定支持ユニットA410と、その固定支持ユニットA410に配置が固定される駆動モータAMT1を有し、その駆動モータAMT1の駆動力を回転動作ユニットA400bに伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA420と、を備える。
固定支持ユニットA410は、背面ケースA210(図1434参照)の底壁部A211の正面視右部に締結固定される縦長部材A411と、その縦長部材A411の上端側部と前後方向で対向配置される横長部材A413と、その横長部材A413と縦長部材A411の間に配設される板金部材が前方に折曲形成される補強部材A415と、その補強部材A415の折曲形成された部分を横長部材A413との間に挟み込む配置で横長部材A413に締結固定される上カバー部材A417と、を備える。
縦長部材A411は、回転動作ユニットA400bの回転軸棒AJ1が挿通される筒状支持部A411aと、右下側に配設される変位規制装置A214(図1435参照)の突出先端が挿入される非演出用孔A411bと、メンテナンス用に締結ネジを付け外しできる大きさに貫通形成される補修用孔A411cと、回転動作ユニットA400bの配置を検出することで第1動作ユニットA400が演出待機状態または張出状態であることを検出するための検出センサA411dと、を備える。
非演出用孔A411bは、正面視において右側の装飾部材A808に目隠しされる箇所に形成される(図1437参照)。そのため、回転動作ユニットA400bの配置に関わらず、非演出用孔A411bを通して変位規制装置A214(図1435参照)が遊技者に視認されることを避け易くすることができる。
なお、このような目隠しの効果は、上側の変位規制装置A214についても同様に生じる。即ち、上側の変位規制装置A214は第2動作ユニットA500の変位を規制するためのものであるが、これについても上側の装飾部材A808に目隠しされることで、変位規制装置A214が遊技者に視認されることを避け易くすることができる。
検出センサA411dとしては、通常、フォトカプラ形式のセンサが利用されるが、これに限られるものではない。例えば、磁気センサでも良いし、接触式のセンサでも良い。
横長部材A413は、樹脂材料から横長板状に形成される板状本体A413aと、その板状本体A413aに貫通形成される案内長孔A414と、板状本体A413aの左端側において前方側に膨出された膨出部に駆動モータMT1を支持可能に貫通形成されるモータ支持孔A413bと、板状本体A413aの上端部から前方に板状に延設され、その延設先端側に雌ネジが形成された複数の突設部A413cが形成される板状延設部A413dと、を備える。
補強部材A415は、金属板から折曲形成される部材であって、板状本体A413aの背面側に張り合わせるように配置され組立状態(図1442参照)において縦長部材A411と横長部材A413との間に挟まれる板状本体A415aと、その板状本体A415aの上端から正面側へ折曲形成され複数の突設部A413cを挿通可能な複数の貫通孔A415bが穿設される折曲板A415cと、その折曲板A415cから折曲形成され金属棒AMB1が挿通される貫通孔が形成される一対の保持用折曲部A415dと、案内長孔A414を外側から囲む形状で穿設される長孔A415eと、を備える。
上カバー部材A417は、樹脂材料から形成される部材であって、横長部材A413との間に補強部材A415を挟む位置関係で貫通孔A415bに挿通される突設部A413cの雌ネジに螺入される締結ネジにより横長部材A413に締結固定される板状本体A417aと、その板状本体A417aに一端が支持される付勢バネA417bと、その付勢バネA417bの他端が支持され、付勢バネA417bの付勢力で左右方向に延びる可動域の右端に付勢されるダンパ部材A417cと、を備える。
駆動伝達ユニットA420は、駆動モータAMT1が左端側に支持される板金部材であって左右両端部において横長部材A413に締結固定される支持部材A421と、その支持部材A421の正面側に回転可能に支持される複数の回転部材から構成される伝達機構A423と、その伝達機構A423の回転部材を正面側から覆うように支持部材A421に締結固定される被覆カバーA425と、伝達機構A423と回転動作ユニットA400bとを連結する連結機構A427と、を備える。
伝達機構A423は、内周側に歯が形成される環状のベルトA423aと、そのベルトA423aの歯と噛み合う形状の歯が外周側に形成され、ベルトA423aを緩み無く支持可能となるように支持部材A421の柱状部A421aに回転可能に支持される左右一対のプーリーA423b,A423cと、駆動モータAMT1の駆動軸に相対動作不能に固定される駆動ギアA423dと、左プーリーA423cの背面側に形成されるギア部A423eおよび駆動ギアA423dに歯合されるように支持部材A421の柱状部A421aに回転可能に支持される伝達ギアA423fと、を備える。
被覆カバーA425は、支持部材A421の本体板部に形成される雌ネジと締結固定されるだけでなく、プーリーA423b,A423cや伝達ギアA423fを支持する柱状部A421aの先端に形成される雌ネジにも締結固定される。これにより、柱状部A421aの剛性を向上させることができ、プーリーA423b,A423cや伝達ギアA423fの回転を安定させることができる。
連結機構A427は、回転動作ユニットA400bの上端側部が連結されると共に正面側の凹部A427bで金属棒AMB1を受け入れることで動作方向が左右方向とされる連結部材A427aと、その連結部材A427aの凹部A427bを正面側から塞ぐように連結部材A427aに締結固定されることで連結部材A427aとの間からの金属棒AMB1の脱落を防止する防止部材A427cと、その防止部材A427cとの間にベルトA423aを挟む配置で防止部材A427cに締結固定されるベルト固定部材A427dと、を備える。
一対の凹部A427bには、金属棒AMB1が挿通される円筒状のカラーA427fが配設され、そのカラーに挿通された状態の金属棒AMB1を外周の溝部で支持する滑車A427gが回転可能に連結部材A427aに支持されている。これにより、金属棒AMB1に対する連結部材A427aの姿勢がずれることを防止し易くできると共に、動作抵抗を低減させることができる。
ベルト固定部材A427dのベルトA423aと対向配置される上面部には、ベルトA23aの内周側に形成される歯形状に対応する係合突部A427hが形成される。この係合突部A427hとベルトA423aの歯とが噛み合うようにベルトA423aを配置させ、ベルトA423aの外周側(上のベルトA423aの上側)に防止部材A427cを対向配置させるようにしてベルト固定部材A427dと防止部材A427cとを締結固定させる。
これにより、ベルトA423aが係合突部A427hから脱落することを避けることができる。また、ベルトA423aを押圧するようにして固定する場合と異なり、ベルトA423aの耐久性を向上させながら、ベルトA423aが連結機構A427に対して滑ることを防止することができる。
このような構造により、連結機構A427は、駆動モータAMT1が駆動回転され、歯合伝達により左プーリーA423cが回転されることでベルトA423aの左右に延びている箇所が左右方向に移動されることに伴って、金属棒AMB1に案内されて左右方向に移動される。
連結部材A427aは、回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448が挿通される上下方向に延びる案内長孔A427eを備える。回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448は、案内長孔A427e及び固定支持ユニットA410の案内長孔A414に挿通されることで、連結機構A427が左右方向に移動されることに伴って、回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448が上下方向かつ左右方向に移動される。
このように左右方向に移動する連結機構A427を介して、回転動作ユニットA400bに駆動力が伝達され、回転動作ユニットA400bが変位される。以下、回転動作ユニットA400bの詳細について説明する。
図1446は、回転動作ユニットA400bの分解正面斜視図であり、図1447は、回転動作ユニットA400bの分解背面斜視図である。図1446及び図1447に図示されるように、回転動作ユニットA400bは、下端側に回転軸棒AJ1が嵌合される基礎板部材A430と、回転軸棒AJ1と直交する平面上において回転軸棒AJ1を通る直線方向にスライド移動可能となるように基礎板部材A430に連結される移動部材A440と、基礎板部材A430及び移動部材A440に挿通され移動部材A440のスライド移動時に、そのスライド移動と直交する方向に移動可能とされる方向切替部材A450と、その方向切替部材A450の移動により配置または姿勢が変化されることで回転動作ユニット400bの短手方向の長さが変化するように遊技者に見せるための装飾部材A460と、基礎板部材A430との間に形成される空間に方向切替部材A450を配置するようにして基礎板部材A430に嵌合または締結固定され方向切替部材A450を正面側から覆う形状で形成される覆設部材A470と、を備える。
基礎板部材A430は、回転軸棒AJ1が嵌合される長尺板状の板状本体A431と、その板状本体A431に回転軸棒AJ1を通る同一直線上に穿設される上下一対の案内長孔A432と、その一対の案内長孔A432の間の位置において案内長孔A432の延びる方向と直交する方向に延びるように穿設される複数の補助長孔A433と、上側の案内長孔A432の下端付近における板状本体A431の短手方向端部に案内長孔A432と平行な長孔として形成される一対の支持長孔A434と、板状本体A431から背面側に筒状に突設される誤動作防止筒部A435と、案内長孔A432が配置される直線と平行に延びる形状で板状本体A431の下端部正面から突設される一対の案内延設部A436と、板状本体A431の下端部から下方へ板状に張り出す板状検出片A437と、を備える。
誤動作防止筒部A435は、右側の変位規制装置A214(図1435参照)の突出先端が挿通可能な大きさで形成される貫通孔である。この誤動作防止筒部A435は、第1動作ユニットA400の演出待機状態において非演出用孔A411b(図1437参照)の前方に配置されている。
変位規制装置A214の突出先端が前方に突出する突出状態にされると、その突出先端は非演出用孔A411bを通り誤動作防止筒部A435に挿通されることで、回転動作ユニットA400bの回転動作が規制される。
板状検出片A437は、検出センサA411d(図1444参照)の検出溝に配置可能となる前後位置に形成されている。板状検出片A437は、回転軸棒AJ1が支持される側(背面側)において形成されている。これにより、回転軸棒AJ1の変形等により回転軸棒AJ1が曲がる(傾斜する)事態が生じた場合であっても、板状検出片A437の位置ずれを最小限にとどめることができるので、板状検出片A437が検出センサA411dの検出溝に収まる前後位置から外れる位置に配置されることを回避し易くすることができる。
検出センサA411d(図1444参照)により板状検出片A437の配置が検出されることで、回転動作ユニットA400bの姿勢を把握することができるので、複数の動作ユニットA400~A600が個別の駆動源で駆動される場合であっても、互いに衝突する事態が生じることを回避できる。
移動部材A440は、内部に配設される発光基板の発光手段から照射される光によって正面側の装飾板A441を明るく照らす演出を実行可能に構成され、その装飾板A441との間で発光基板を挟むように配設される板状本体A442と、その板状本体A442の背面に突設される一対の挿通突部A443と、基礎板部材A430の補助長孔A433に対応する位置において上下方向と左右傾斜する方向とを組合せた形状で穿設される複数の機能長孔A444と、一対の挿通突部A443が配置される直線と平行に延設される延設部A445と、板状本体A422の右上隅部から背面側に突設され駆動伝達ユニットA420の案内長孔A427e(図1444参照)に挿通される柱状突設部A448と、を備える。
装飾板A441は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A441aと、その透光性領域A441aの短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A441bと、を備える。
これにより、機能長孔A444を形成する関係上、基板の配置が短手方向中央部寄りに制限される場合であっても、発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A441aで行い、その他の鍍金領域A441bでは鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
挿通突部A443は、基礎板部材A430の案内長孔A432に挿通されると共に先端に螺入されるネジ及びカラー部材AC1により案内長孔A432からの脱落が防止されるよう構成される。
機能長孔A444は、上下一対の長孔と、一対の挿通突部A443を結ぶ直線で反転した形状となるもう一組の上下一対の長孔との、4つの長孔から構成されており、各長孔の形状は、反転の関係を除き共通とされている。
複数の機能長孔A444のうち、上下一対の長孔は、一方の長孔を、一対の挿通突部A443を結ぶ直線に沿って平行移動させた位置に形成されている。即ち、上下一対の長孔の対応する箇所は、同一直線上に延びるか、平行配置される関係が維持される。
延設部A445は、基礎板部材A430の一対の案内延設部A436の間隔よりも若干短い幅長さで形成され、移動部材A440の移動時のガイドとして機能している。また、延設部A445は、延設方向断面が正面側を開放したコの字状に形成されているが、この形状により、剛性の向上だけでなく、基板に接続される配線A449の断線防止にも機能している。即ち、コの字の開放された側から延設部A445に配線A449を保持させることにより、他の動作部材と配線A449との接触を避けることができる。
配線A449は、フラットケーブルで構成されており、回転軸棒AJ1周りの回転に対応する方向に撓み可能な配線と、延設部A445の延びる方向に撓み可能な配線とで構成される。
本実施形態では、駆動モータAMT1を回転軸棒AJ1から離れた位置に配設していることから(図1443参照)、回転軸棒AJ1周りにスペースを確保し易くでき、このスペースを配線A449が撓むためのスペースとして利用できる。これにより、配線A449に無理な負荷が加えられることを避けることができ、配線A449の耐久性を向上させることができる。
方向切替部材A450及び装飾部材A460についてまとめて説明する。方向切替部材A450は、左右一対の部材から構成されており、板状本体A451と、その板状本体A451の左右内側部において背面から上下一対で突設される柱状部A452と、板状本体A451の左右外側部において穿設される上下一対の貫通孔A453と、を備える。
柱状部A452は、移動部材A440の機能長孔A444と、基礎板部材A430の補助長孔A433とに順に挿通されており、移動部材A440の配置に応じて、一対の挿通突部A443を結ぶ直線と直交する方向に変位可能となっている。即ち、移動部材A440の配置に応じて、方向切替部材A450は、一対の挿通突部A443を結ぶ直線と直交する方向に変位され得る(移動部材A440の移動方向に対して直交する方向に変位され得る)。
装飾部材A460は、左右一対の平行移動部材A461と、左右一対の回転移動部材A465と、を備える。平行移動部材A461は、板状本体A462と、その板状本体A462の左右外側における下方隅部から背面側へ突設される柱状部A463と、板状本体A462の左右外側における中央側部から背面側へ突設される長尺柱状部A464と、を備える。
回転移動部材A465は、板状本体A466と、その板状本体A466の上端部において背面から突設される柱状部A467と、その柱状部A467よりも下側において穿設される貫通孔A468と、を備える。
柱状部A463は、先端に雌ネジが形成されている。その雌ネジに方向切替部材A450の下側の貫通孔A453に挿通される締結ネジが螺入されることで、装飾部材A460と方向切替部材A450とが締結固定される。
長尺柱状部A464は、先端に雌ネジが形成されているが、締結固定に利用されるものではなく、部材の脱落を防ぐ目的で利用される。即ち、長尺柱状部A464が挿通される回転移動部材A465は、平行移動部材A461に対して回転動作可能に構成される。
長尺柱状部A464は、先に方向切替部材A450の上側の貫通孔A453に挿通され、その後から回転移動部材A465の貫通孔A468に挿通される。長尺柱状部A464の先端にネジ頭の大きなネジが固定されることにより、回転移動部材A465が長尺柱状部A464から脱落することを防止することができる。
回転移動部材A465の柱状部A467は、基礎板部材A430の支持長孔A434に支持されることで、変位は小さくされる。このように構成することで、貫通孔A468を変位させる方向切替部材A450の変位よりも、回転移動部材A465の柱状部A467の反対側の端部(下端部)の変位を大きくすることができる。
覆設部材A470は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A471と、その透光性領域A471の短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A472と、を備える。
これにより、方向切替部材A450や装飾部材A460が配設されることで移動部材A440側から照射される光が遮られ易い短手方向両側位置においても演出効果を高く維持することができる。即ち、発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A471で行い、その他の鍍金領域A472では鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
覆設部材A470は、下端部において背面側に突設される一対の突設部A473を備える。突設部A473は、基礎板部材A430の案内延設部A436の正面側端部と対応する位置に配置される。
このように配置することにより、組立状態において、覆設部材A470と基礎板部材A430とで移動部材A440の延設部A445が挿通される開口部を形成することができる。これにより、移動部材A440の移動方向を延設部A445の延設方向に安定させることができる。
図1448(a)、図1448(b)、図1449(a)及び図1449(b)は、回転動作ユニットA400bの背面図である。図1448(a)、図1448(b)、図1449(a)及び図1449(b)では、回転動作ユニットA400bの移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動する様子が時系列で図示される。
即ち、第1動作ユニットA400の演出待機状態(図1436参照)における回転動作ユニットA400b(図1448(a)参照)から、張出状態(図1437参照)における回転動作ユニットA400b(図1449(b)参照)までの、相対移動の様子が図示される。なお、図1448及び図1448の紙面における上下は、実際の上下方向とは異なっており、移動部材A440のスライド移動の方向が紙面の上下と合致する姿勢で図示されている。
機能長孔A444は、一対の挿通突部A443を通る直線に対して平行に延びる第1平行部A444aと、その第1平行部A444aに一端が連なるように形成され第1平行部A444aに対して傾斜する方向に直線状に延びる傾斜部A444bと、その傾斜部A444bの他端に連なるように形成され第1平行部A444aの延びる方向に対して平行に延びる第2平行部A444cと、を備える。
ここで、図1448(a)では、方向切替部材A450の柱状部A452が第1平行部A444aの端部側に配置された状態が図示され、図1448(b)では、方向切替部材A450の柱状部A452が第1平行部A444aと傾斜部A444bとの交差位置に配置された状態が図示され、図1449(a)では、方向切替部材A450の柱状部A452が傾斜部A444bと第2平行部A444cとの交差位置に配置された状態が図示され、図1449(b)では、方向切替部材A450の柱状部A452が第2平行部A444cの端部側に配置された状態が図示される。
第1平行部A444aの長さは十分に長く形成されている。これにより、移動部材A440が、図1448(a)に示す状態から、基礎板部材A430に対して相対移動を開始しても、暫くは(図1448(b)に示す状態までは)、方向切替部材A450が移動部材A440の短手方向に移動されることが無く、短手方向幅の短い外観を維持した状態で回転動作ユニットA400bを回転動作させることができる。
傾斜部A444bは、第1平行部A444aが形成される位置から移動部材A440の短手方向外側へ向けて延びる。そのため、第1平行部A444aに方向切替部材A450の柱状部A452が配置されている状態から移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動し、柱状部A452が傾斜部A444bに入ると、方向切替部材A450が移動部材A440の短手方向外側へ向けて移動する。
方向切替部材A450の一対の柱状部A452は、一対の補助長孔A433に挿通されており、一対が平行に案内される。そのため、方向切替部材A450の基礎板部材A430に対する相対移動は、基礎板部材A430の短手方向への平行移動となる。
その移動の速度は、傾斜部A444bが直線状に形成されていることにより、移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動する速度に対して比例する。そのため、移動部材A440と、方向切替部材A450及び装飾部材A460とが、連動する動作演出を実行させ易くすることができる。
第2平行部A444cは、第1平行部A444a程の長さは無く、必要最小限の長さで形成される。第2平行部A444cを形成する目的は、回転動作ユニットA400bの演出効果の向上のためである。
即ち、第1動作ユニットA400が張出状態まで駆動され駆動モータAMT1(図1444参照)が停止された場合に、ダンパ部材A417cに付勢バネA417bから与えられる付勢力で連結機構A427が若干押し戻され、移動部材A440が基礎板部材A430に対して逆方向(戻る方向)に相対移動した場合であっても、第2平行部A444cがあることで、移動部材A440の短手方向における方向切替部材A450の位置を変化させないようにすることができる。
これにより、第1動作ユニットA400の張出状態において駆動モータAMT1の駆動を停止させるという制御を採用する場合に生じ得る付勢バネA417bの付勢力による押し戻し動作が、生じた場合であっても、張出状態における第1動作ユニットA400の外観(回転動作ユニットA400bの短手方向の長さ)を維持し易くすることができる。
図1448(a)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第1長さAD1とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第1角度Aθ1とされる。
図1448(b)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第2長さAD2とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第2角度Aθ2とされる。
第2長さAD2は第1長さAD1よりも長くなるよう構成される(第1長さAD1<第2長さAD2)。第2角度Aθ2は第1角度Aθ1よりも小さくなるよう構成される(第1角度Aθ1>第2角度Aθ2)。
図1449(a)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第3長さAD3とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第3角度Aθ3とされる。
第3長さAD3は第2長さAD2よりも長くなるよう構成される(第1長さAD1<第2長さAD2<第3長さAD3)。第3角度Aθ3は第2角度Aθ2よりも小さくなるよう構成される(第1角度Aθ1>第2角度Aθ2>第3角度Aθ3)。
図1449(b)に示す状態では、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第4長さAD4とされ、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度は第4角度Aθ4とされる。
第4長さAD4は第3長さAD3よりも長くなるよう構成される(第1長さAD1<第2長さAD2<第3長さAD3<第4長さAD4)。第4角度Aθ4は第3角度Aθ3よりも小さくなるよう構成される(第1角度Aθ1>第2角度Aθ2>第3角度Aθ3>第4角度Aθ4)。
従って、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態となるまでにおいて、回転動作ユニットA400bは、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が徐々に長くなるように変化され、それに伴い、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を通る直線と、一対の挿通突部A443を通る直線との間の角度が徐々に小さくなるように変化される。
図1450、図1451及び図1452は、第1動作ユニットA400の正面図である。図1450、図1451及び図1452では、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態へ向けて駆動される様子が時系列で図示される。
図1450では、第1動作ユニットA400の演出待機状態が図示され、図1451では、第1動作ユニットA400の演出待機状態と張出状態との間の状態であって、回転動作ユニットA400bの外観が姿勢変化を除いて演出待機状態と同じとなる状態が図示され、図1452では、第1動作ユニットA400の張出状態が図示される。
図1450に示す状態では、板状検出片A437が検出センサA411dの検出溝に配置される。これにより、第1動作ユニットA400が演出待機状態にあることを、対応する制御装置に把握させることができる。
案内長孔A414は、図1451に示す柱状突設部A448よりも右側に形成される回転軸棒AJ1を中心とする円弧形状に沿う円弧部A414aと、図1451に示す柱状突設部A448よりも左側において直線状に形成され円弧部A414aと滑らかに連なる(連なる部分における円弧部A414aの接線方向に延びる)直線部A414bと、を備える。
即ち、柱状突設部A448が円弧部A414aに配置されている状態では(図1450及び図1451参照)、回転動作ユニットA400bの回転動作が生じても、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離は第1長さAD1(図1448(a)参照)に維持され、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じないので、回転動作ユニットA400bの外観は維持される。
図1451に示す状態から、図1452に示す状態への回転動作の過程において、回転動作ユニットA400bの短手方向に回転移動部材A465が張り出すように、回転動作ユニットA400bの外観が変化される。
図1451に示す状態から図1452に示す状態までの間において、柱状突設部A448が案内される直線部A414bは、回転軸棒AJ1を中心とする円と1点で交差する配置とされているので、柱状突設部A448の配置と、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448の間の距離とが、一対一で対応する。
回転移動部材A465の張出量は、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448の間の距離に対応するよう構成されているので(図1448及び図1449参照)、回転移動部材A465が張出始める柱状突設部A448の位置や、柱状突設部A448の位置に対応した回転移動部材A465の張出量を、構造面から特定できる。
そのため、回転動作ユニットA400bの姿勢変化と回転移動部材A465の張出とを個別の駆動源で実行する場合に問題となり得る、回転動作ユニットA400bの姿勢の変化量(角度)が不十分な状態で回転移動部材A465が張り出して背面ケースA210(図1434参照)と衝突するという事態を回避することができる。
駆動モータAMT1(図1444参照)の駆動力が伝達されベルトA423aが動作されると、連結機構A427が金属棒AMB1に案内されて左右方向にスライド変位される。本実施形態では、駆動モータAMT1の駆動量の制御によって、回転動作ユニットA400bが図1450に示す状態と図1451に示す状態とを往復するように動作させたり、回転動作ユニットA400bが図1451に示す状態と図1452に示す状態とを往復するように動作させたり、回転動作ユニットA400bが図1450に示す状態と図1452に示す状態とを往復するように動作させたりすることができる。
張出状態の側(左側)において、連結機構A427はダンパ部材A417cと当接し付勢バネA417bからの弾性力で減速される。これにより、第1動作ユニットA400を張出状態とする向きでベルトA423aを高速で動作させた場合であっても、連結機構A427が張出状態の側(左側)で跳ね返る等して、ベルトA423aに過大な負荷が加えられることを回避し易くすることができ、ベルトA423a及び連結機構A427の耐久性を向上させることができる。
図1450に示す第1動作ユニットA400の演出待機状態から回転動作ユニットA400bが始動する場合、柱状突設部A448の始動方向は回転軸棒AJ1を中心とし柱状突設部A448を通る円の接線方向AT1へ向くことになる。
本実施形態では、図1450に示す状態において、接線方向AT1と金属棒AMB1が延びる方向(左右方向)との成す角度が小さくなるように構成されているので、駆動モータAMT1の駆動力を効率的に伝達して回転動作ユニットA400bの回転動作を実行させることができる。
図1451に示す状態において、接線方向AT1の向きが直線部A414bと平行となる。そのため、図1451に示す状態から回転動作ユニットA400bを正面視反時計回りに回転動作させる場合の回転方向の抵抗を小さくすることができる。
図1451に示す状態から図1452に示す状態までの間に、接線方向AT1の向きと、金属棒AMB1が延びる方向(左右方向)との成す角度が漸増し、接線方向AT1の下方向の成分が大きくなる。そのため、回転動作ユニットA400bを回転動作させる力は自重の割合が増え、駆動モータAMT1の駆動力に余剰が生まれる。この余剰分の駆動力を、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動に利用することができる。
このように、駆動モータAMT1の駆動力を、回転動作ユニットA400bの回転動作にも、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動にも、利用するという構成を採用しながら、それら複数の動作に駆動力が必要となるタイミングをずらすように構成することで、一時点で必要とされる駆動力の最大値を下げることができ、駆動モータAMT1の小形化を図ることができる。
図1452に示すように、回転軸棒AJ1と、駆動力の伝達箇所としての柱状突設部A448とを結ぶ直線と金属棒AMB1の延びる方向とが成す角度よりも、移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動する方向としての移動方向AM1と金属棒AMB1の延びる方向とが成す角度の方が小さくなるように構成される。
本実施形態では、移動方向AM1と金属棒AMB1の延びる方向とが成す角度が鋭角とされており、金属棒AMB1の延びる方向で伝達される駆動モータAMT1の駆動力の移動方向AM1へ向く成分を確保し易くすることができるので、移動部材A440の基礎板部材A430に対する相対移動よりも先に、回転動作ユニットA400bを回転動作させる方向で駆動力が伝達されてしまい、回転動作ユニットA400bの動作抵抗が大きくなる事態が発生することを避けることができる。なお、本実施形態では、移動方向AM1が、回転動作ユニットA400bの長手方向と一致する。
柱状突設部A448に駆動モータAMT1からの負荷が左右方向で伝達されると、その負荷は移動方向AM1で移動部材A440を相対移動させる下向きの負荷と、回転動作ユニットA400bを回転軸棒AJ1中心に回転させる(起こす)方向の上向きの負荷とに分解される。駆動モータAMT1からの負荷が左右方向(真横方向)であるからこそ、このように、上下方向への負荷の分解をスムーズに生じさせることができる。
この時、移動方向AM1に分解される負荷の方向には、回転軸棒AJ1は配置されていないので、その負荷も、回転軸棒AJ1を中心として回転動作ユニットA400bを回転させるように作用する。
即ち、本実施形態では、柱状突設部A448が、回転軸棒AJ1を通り移動方向AM1と平行な直線からずれた位置に配置されているので、移動部材A440を移動方向AM1で相対移動させる成分の負荷が、回転動作ユニットA400bの回転方向にも生じるので、柱状突設部A448から回転軸棒AJ1に向かう負荷が過大になる場合のように、回転動作不良が生じることを回避し易くすることができる。
図1453、図1454及び図1455は、第1動作ユニットA400の背面図である。図1453、図1454及び図1455では、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態へ向けて駆動される様子が時系列で図示され、縦長部材A411の図示が省略される。
図1453では、第1動作ユニットA400の演出待機状態が図示され、図1454では、第1動作ユニットA400の演出待機状態と張出状態との間の状態であって、回転動作ユニットA400bの外観が姿勢変化を除いて演出待機状態と同じとなる状態が図示され、図1455では、第1動作ユニットA400の張出状態が図示される。
即ち、図1453が、図1450に示す状態の回転動作ユニットA400bの背面図に相当し、図1454が、図1451に示す状態の回転動作ユニットA400bの背面図に相当し、図1455が、図1452に示す状態の回転動作ユニットA400bの背面図に相当する。
主に図1454を参照して、第1動作ユニットA400の演出待機状態を起点とした回転動作ユニットA400bの動作について説明する。なお、図1448及び図1449を適宜参照する。
図1454に示す状態から、回転動作ユニットA400bが背面視時計回りに回転され、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第2長さAD2(図1448(b)参照)になるまでにおいては、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じるが、移動部材A440の短手方向への方向切替部材A450の移動は生じない。そのため、回転動作ユニットA400bの外観は、長手方向に延びるように変化し、短手方向の変化は生じない。
回転動作ユニットA400bが背面視時計回りに更に回転され、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第2長さAD2の状態から第3長さAD3(図1449(a)参照)になるまでにおいては、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じ、更に移動部材A440の短手方向への方向切替部材A450の移動が生じる。
そのため、回転動作ユニットA400bの外観は、長手方向に延びるように変化し、且つ、短手方向の幅が広くなるように変化する。このように、回転動作ユニットA400bの外観の変化は、回転動作ユニットA400bの回転動作中において、長手方向のみが変化する状態と、長手方向が変化すると共に短手方向が変化する状態とで、2段階で生じるように構成される。
回転動作ユニットA400bが背面視時計回りに更に回転され、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448との間の距離が第3長さAD3の状態から第4長さAD4(図1449(b)参照)になるまでにおいては、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じるが、移動部材A440の短手方向への方向切替部材A450の移動は生じない。そのため、回転動作ユニットA400bの外観は、長手方向に延びるように変化し、短手方向の変化は生じない。
これにより、第1動作ユニットA400の張出状態(図1455参照)において駆動モータAMT1の駆動を停止させるという制御を採用する場合に生じ得る、付勢バネA417b(図1450参照)の付勢力による押し戻し動作が生じた場合であっても、張出状態における第1動作ユニットA400の外観(回転動作ユニットA400bの短手方向の長さ)を維持し易くすることができる。
このように、回転動作ユニットA400bの傾倒動作においては、各区間で基礎板部材A430に対して相対動作する部材の個数が異なる。この相対動作する部材の個数に対応させて駆動モータAMT1の制御負荷を切り替えるよう制御することで(例えば、部材の個数が多くなる範囲で制御負荷を増加させ、部材の個数が少なくなる範囲で制御負荷を減少させることで)、動作抵抗の変化の影響を抑えることができ、回転動作ユニットA400bの動作速度が局所的に変化することを防止し易くすることができる。
図1454に示す状態から、柱状突設部A448が左方の速度成分が一定で移動する場合における、回転動作ユニットA400bの回転角度の変化について説明する。まず、図1454に示す状態において、回転軸棒AJ1及び柱状突設部A448を結ぶ直線と、案内長孔A414の直線部A414bとは、直交する。
図1454に示す状態から、柱状突設部A448が左方の速度成分が一定で移動する場合、柱状突設部A448が案内長孔A414の直線部A414bに案内されることから、回転動作ユニットA400bの回転角度Aφ1は、図1455に示すように、回転軸棒AJ1と柱状突設部A448とを結ぶ直線を斜辺とし、図1454に示す回転軸棒AJ1と柱状突設部A448とを結ぶ直線を底辺とし、直線部A414bに沿う直線を高さAX1とする直角三角形の鋭角の角度として特定される。
ここで、第1長さAD1を単位長さと仮定した場合、直角三角形の関係式として三角関数から式1[tanAφ1=AX1]が成立するので、その逆関数として式2[Aφ1=arctanAX1]が成立する。
式2から、柱状突設部A448が左方の速度成分一定で移動することに伴い高さAX1が一定速度で増加する場合、回転角度Aφ1の変化量は漸減することになる。従って、本実施形態において、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させ、連結機構A427の連結部材A427a(図1450参照)を一定速度で左右方向に移動させる場合に、図1454に示す状態から図1455に示す状態へ向けての始動時における回転角度Aφ1の変化量を最大として、徐々に回転角度Aφ1の変化量が減少するという動作態様で回転動作ユニットA400bを回転動作させることができる。
即ち、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させるという単純な制御を採用しながら、回転動作ユニットA400bについては、回転速度を徐々に減少させるという動作態様を実現することができる。
これにより、第1動作ユニットA400が演出待機状態から張出状態へ向けて動作する場合には、始動時は高速で回転させつつも、張出状態に近づく程、回転動作ユニットA400bの回転速度を減少させる。そのため、回転動作ユニットA400bの登場時の驚きを遊技者に与えつつ、張出状態においては回転動作ユニットA400bの配置や姿勢を維持することで遊技者の視界に残し易くすることを、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させる制御で実現することができる。
一方、第1動作ユニットA400が張出状態から演出待機状態へ向けて動作する場合には、始動時は遅速で回転させつつも、演出待機状態へ近づく程、回転動作ユニットA400bの回転速度を増加させる。そのため、回転動作ユニットA400bの退避側への始動時の余韻を残しつつ、演出待機状態付近においては回転動作ユニットA400bの回転速度を高速とすることで、回転動作ユニットA400bを速やかに退避させることを、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させる制御で実現することができる。
これにより、回転動作ユニットA400bの動作として、回転方向の変位と直動方向の変位とを同時に生じさせながら、回転方向の変位が目立つ(回転速度が大きい)動作状態と、回転方向の変位が目立たない(回転速度が小さい)状態であって直動方向の変位が目立つ動作状態とを、構成することができる。
即ち、第1動作ユニットA400の演出待機状態(図1453参照)から背面視時計回りの回転動作を実行させる場合に、図1454に示す状態までは、移動部材A440の基礎板部材A430に対する相対移動をほとんど生じさせないようにされ、更に、図1454に示す状態からの回転動作において、駆動モータAMT1を一定速度で駆動させる場合における第1動作ユニットA400の回転速度が漸減するようにされている。
これにより、第2長さAD2の直線の先端が案内長孔A414の中心線と一致する位置に柱状突設部A448が配置される状態を境とする、回転方向の変位が目立つ動作状態と、回転方向の変位が目立たずに直動方向の変位が目立つ動作状態との、動作状態の移行を違和感なく且つスムーズに生じさせることができる。
図1453から図1455に示すように、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの回転動作にあたっては、図1453からの回転開始時から図1454に示す状態までは、柱状突設部A448が円弧部A414aに案内されることから、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動は生じず、回転動作のみが生じる。
図1454に示す状態から図1455に示す状態までは、回転動作ユニットA400bの回転動作に伴い、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動が生じる。相対移動の態様は、図1448及び図1449に示す順序で生じる。
図1454では、図1448及び図1449に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4が、対応して図示される。図1454に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4の姿勢が、図1448及び図1449に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4の各状態における回転動作ユニットA400bの姿勢に対応する。
即ち、図1454に示す状態から、第2長さAD2の姿勢まで回転動作ユニットA400bが回転する際には、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動のみが生じる(図1448(a)及び図1448(b)参照)。
更に、第2長さAD2の姿勢から第3長さAD3の姿勢まで回転動作ユニットA400bが回転する際には、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動に加え、方向切替部材A450の相対移動も生じる(図1448(b)及び図1449(a)参照)。
更に、第3長さAD3の姿勢から第4長さAD4の姿勢まで回転動作ユニットA400bが回転する際には、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動のみが生じる(図1449(a)及び図1449(b)参照)。
このように、本実施形態では、回転動作ユニットA400bの回転動作に伴い、他の複数の部材の相対動作も生じるように構成されているが、各部材の相対動作の開始タイミングが同じではなく、互いにずれるように構成されている。これにより、回転動作ユニットA400bの動作に必要な駆動力が急激に増大することを避けることができる。
図1454に図示される第1長さAD1、第2長さAD2、第3長さAD3、第4長さAD4の長さの変化と、姿勢の変化との対応関係について説明する。右側に図示される第1長さAD1と第2長さAD2との間の角度と、第2長さAD2と第3長さとの間の角度とは、ほとんど変わらないが(約18度)、第1長さAD1と第2長さAD2との差と、第2長さAD2と第3長さAD3との差は、後者の方が前者よりも3倍以上ある。
そのため、回転動作ユニットA400bが右側に図示される第1長さAD1の姿勢から第2長さAD2の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さよりも、回転動作ユニットA400bが第2長さAD2の姿勢から第3長さAD3の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さの方が3倍以上長くなる。
更に、回転動作ユニットA400bが第2長さAD2の姿勢から第3長さAD3の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さよりも、回転動作ユニットA400bが第3長さAD3の姿勢から第4長さAD4の姿勢まで回転する場合の、単位角度あたりの基礎板部材A430に対する移動部材A440の移動長さの方が長くなる。
これにより、回転動作ユニットA400bの動作態様を、回転動作が主の状態から、基礎板部材A430に対する移動部材A440の相対移動(直線的な動作)が主の状態へ、段階的に移行させることができる。
ここで、第1動作ユニットA400の張出状態へ向けた回転動作の終盤(例えば、図1454の第3長さAD3の姿勢から第4長さAD4の姿勢までの状態)において、回転軸棒AJ1を中心として背面視時計回り方向に移動する柱状突設部A448に対して、移動方向AM1を背面視反時計回り方向に戻すように構成される(図1448及び図1449参照)。
即ち、回転動作ユニットA400bの回転角度を部分的に相殺するように、柱状突設部A448と移動方向AM1との間の角度が小さくされるので、図1455に示される状態における移動方向AM1(図1452参照)の角度変化をおさえることができる。これにより、例えば、ダンパ部材A417cを介して付勢バネA417bの付勢力で回転動作ユニットA400bが若干押し戻されたとしても(図1452参照)、それによる移動方向AM1の角度変化を抑えることができる。
これにより、第1動作ユニットA400の張出状態において、回転動作ユニットA400bの短手方向幅が変化し難いように構成される(図1449参照)だけでなく、移動方向AM1の角度変化も抑えることができるので、第1動作ユニットA400を張出状態で安定させ易くすることができる。
また、回転動作ユニットA400bによれば、張出状態へ向かうほど長手方向に長くなるように構成されているので、回転動作ユニットA400bに回転方向からかけられる空気抵抗は傾倒終端側ほど大きくなる。そのため、空気抵抗による制動作用を効果的に生じさせることができる。
更に、回転動作ユニットA400bによれば、張出状態へ向かうほど方向切替部材A450や装飾部材A460が短手方向に張り出すことで、前後方向視の面積が大きくなる。そのため、前後方向への倒れに対する空気抵抗を大きくすることができるので、回転動作ユニットA400bの前後方向への倒れを防止し易くすることができる。
次いで、図1456から図1463を参照して、第2動作ユニットA500について説明する。図1456は、第2動作ユニットA500の正面斜視図であり、図1457は、第2動作ユニットA500の背面斜視図である。
第2動作ユニットA500は、背面ケースA210(図1434参照)に保持される支持ユニットA500aと、その支持ユニットA500aに正面視左側下部に配置される回転軸棒AJ2を中心に回転動作可能に支持される回転動作ユニットA500bと、を備える。
第2動作ユニットA500では、駆動モータAMT2が右上側に配設されており、回転軸棒AJ2が左下側に配設されている。これにより、回転軸棒AJ2の付近に駆動モータAMT2を配設する場合に比較して、回転軸棒AJ2周辺の構造を簡素化でき、回転軸棒AJ2の配置を左隅に寄せることができる。
更に、回転軸棒AJ2の付近に駆動モータAMT2を配設する場合に見られるような、回転動作ユニットA500bの前側または後側に駆動モータAMT2を配設する場合に比較して、第2動作ユニットA500の前後幅を短くすることができる。従って、背面ケースA210(図1434参照)の前後方向に複数の可動役物を積層配置する場合のスペースを十分に確保することができる。
更に、駆動モータAMT2の軸線の方向を上下方向とすることで、前後幅を駆動モータAMT2の本体部の直径程度の前後幅に抑えている。これにより、第2動作ユニットA500の前後幅を短くすることができる。
また、駆動モータAMT1(図1443参照)の軸線の方向と駆動モータAMT2の軸線の方向とを直交させていることにより、片方の駆動モータAMT1の駆動時に生じる振動(軸線と直交する平面上の振動)により、もう片方の駆動モータAMT2が動かされる(誤動作される)ことを回避し易くすることができる。
図1458は、第2動作ユニットA500の分解正面斜視図であり、図1459は、第2動作ユニットA500の分解背面斜視図である。図1458及び図1459では、支持ユニットA500aが分解されており、回転動作ユニットA500bは非分解の状態で図示される。
支持ユニットA500aは、背面ケースA210(図1434参照)に締結固定される固定支持ユニットA510と、その固定支持ユニットA510に配置が固定される駆動モータAMT2を有し、その駆動モータAMT2の駆動力を回転動作ユニットA500bに伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA520と、を備える。
固定支持ユニットA510は、背面ケースA210(図1434参照)の底壁部A211の正面視右部に締結固定される縦長部材A511と、その縦長部材A511の上端側部に締結固定される横長部材A513と、その横長部材A513の背面側に配設される板金部材から折曲形成される補強部材A515と、縦長部材A511の下側部に配設され回転動作ユニットA500bの下端部を前側から覆うように構成される覆設部材A517と、を備える。
横長部材A513は、樹脂材料から横長板状に形成される板状本体A513aと、その板状本体A513aに貫通形成される案内長孔A514と、板状本体A513aの右端側において前方側に二股状に突出された突出部で駆動伝達ユニットA520の駆動ギアA523dを支持可能に形成される支持部A513bと、その板状本体A513aに一端が支持される付勢バネA513cと、その付勢バネA513cの他端が支持され、付勢バネA513cの付勢力で左右方向に延びる可動域の左端に付勢されるダンパ部材A513dと、を備える。
なお、案内長孔A514の形状は、第1動作ユニットA400で上述した案内長孔A414(図1453参照)の形状と左右対称とされる。これにより、回転動作ユニットA500bの回転動作の関係(回転角度と長手方向の移動幅との関係)は、左右対称であることを除き、回転動作ユニットA400bで説明した回転動作(図1450から図1455参照)と同じなので、第2動作ユニットA500についての回転動作の説明は省略する。
なお、案内長孔A514は、上側の変位規制装置A214(図1435参照)の突設先端が挿通される箇所に相当する。上側の変位規制装置A214が突出状態とされると、その突設先端が柱状突設部A546(図1457参照)と干渉し、柱状突設部A546の移動を制限するように構成される。
補強部材A515は、金属板から折曲形成される部材であって、板状本体A513aの背面側に張り合わせるように配置される板状本体A515aと、その板状本体A515aから折曲形成され金属棒AMB2が挿通される貫通孔が形成される一対の保持用折曲部A515bと、案内長孔A514を外側から囲む形状で穿設される長孔A515cと、を備える。
覆設部材A517は、樹脂材料から形成される部材であって、板状部の左右側端部および下側端部が背面側に延設される形状から形成される本体部A517aと、その本体部A517aに形成され回転動作ユニットA500bの回転軸棒AJ2が挿通される筒状支持部A517bと、回転動作ユニットA500bの配置を検出することで第2動作ユニットA500が演出待機状態または張出状態であることを検出するための検出センサA517cと、を備える。
検出センサA517dとしては、通常、フォトカプラ形式のセンサが利用されるが、これに限られるものではない。例えば、磁気センサでも良いし、接触式のセンサでも良い。
駆動伝達ユニットA520は、横長部材A513の右端部に締結固定され駆動モータAMT2が支持される支持部材A521と、その支持部材A521の上面側において回転可能に支持される複数の回転部材から構成される伝達機構A523と、その伝達機構A523の左端の回転部材を保持し横長部材A513に締結固定される左端保持部材A525と、伝達機構A523と回転動作ユニットA500bとを連結する連結機構A527と、を備える。
伝達機構A523は、内周側に歯が形成される環状のベルトA523aと、そのベルトA523aの歯と噛み合う形状の歯が外周側に形成され、ベルトA523aを緩み無く支持可能となるように支持部材A521及び左端保持部材A525を介して横長部材A513に回転可能に支持される左右一対のプーリーA523b,A523cと、駆動モータAMT2の駆動軸に相対動作不能に固定される駆動ギアA523dと、右プーリーA523bの下面から回転軸線を中心とする筒状に延設される筒状部の下端部に形成されるギア状部であって駆動ギアA523dと噛み合う伝達ギア部A523eと、を備える。
プーリー523b,523c及び駆動ギアA523dの回転軸線は、互いに平行に構成される。これにより、駆動モータAMT2が駆動され、駆動ギアA523dが回転されると、その回転が伝達ギア部A523eに伝達されることで右プーリーA523bが回転されることで、ベルトA523aの左右方向に延びている箇所が左右方向に移動される態様でベルトA523aが駆動される。
左端保持部材A525は、樹脂材料から形成され板状本体A513aに締結固定され左プーリーA523cを回転可能に支持する上側部材A525aと、金属材料から形成され上側部材A525aとの間で左プーリーA523cを挟み込む配置で上側部材A525aに締結固定される下側部材A525bと、を備える。
連結機構A527は、回転動作ユニットA500bの上端側部が連結されると共に正面側の凹部A527bで金属棒AMB2を受け入れることで動作方向が左右方向とされる連結部材A527aと、その連結部材A527aの凹部A527bを正面側から塞ぐように連結部材A527aに締結固定されることで連結部材A527aとの間からの金属棒AMB2の脱落を防止する防止部材A527cと、を備える。
連結部材A527aは、上端部にベルト523aの後面と当接される平面板状の当接部A527dを備え、防止部材A527cは、当接部A527dと対応する位置に鋸歯状の鋸状当接部A527eを備える。
当接部A527dがベルトA523aの平面状部(外周側部)と対向配置され、鋸状当接部A527eがベルトA523aの鋸歯状部(内周側部)と対向配置される状態で、当接部A527d及び鋸状当接部A527eでベルトA523aを挟み込むようにすることで、ベルトA523aに対する平面当接部A527d及び鋸状当接部A527eの滑りによる位置ずれを防止することができる。
防止部材A527cとの締結固定のために連結部材A527aには柱状の締結部が形成されるが、その内の一つに滑車A527gが回転可能に支持され、滑車A527gの外周の溝に金属棒AMB2が配置されるよう連結機構A527が設計される。これにより、連結機構A527と金属棒AMB2との間で生じる動作抵抗を低減することができるので、第2動作ユニットA500を動作させるために駆動モータAMT2に要求される駆動力を低減することができ、駆動モータAMT2の小形化を図ることができる。
このような構造により、連結機構A527は、駆動モータAMT2が駆動回転され、歯合伝達により右プーリーA523bが回転されることでベルトA523aの左右に延びている箇所が左右方向に移動することに伴って、金属棒AMB2に案内されて左右方向に移動される。
連結部材A527aは、回転動作ユニットA500bの柱状突設部A546が挿通される上下方向に延びる案内長孔A527fを備える。回転動作ユニットA500bの柱状突設部A546は、案内長孔A527f及び固定支持ユニットA510の案内長孔A514に挿通されることで、連結機構A527が左右方向に移動されることに伴って、回転動作ユニットA500bの柱状突設部A546が上下方向かつ左右方向に移動される。
このように左右方向に移動する連結機構A527を介して、回転動作ユニットA500bに駆動力が伝達され、回転動作ユニットA500bが変位される。以下、回転動作ユニットA500bの詳細について説明する。
図1460は、回転動作ユニットA500bの分解正面斜視図であり、図1461は、回転動作ユニットA500bの分解背面斜視図である。図1460及び図1461に図示されるように、回転動作ユニットA500bは、下端側において回転軸棒AJ2に回転可能に支持される基礎部材A530と、回転軸棒AJ2と直交する平面上において回転軸棒AJ2を通る直線方向にスライド移動可能となるように基礎部材A530に連結される移動部材A540と、基礎部材A530及び移動部材A540に挿通され移動部材A540のスライド移動時に、そのスライド移動と直交する方向に移動可能とされる方向切替部材A550と、その方向切替部材A550の移動により配置または姿勢が変化されることで回転動作ユニット500bの短手方向の長さが変化するように遊技者に見せるための変化部材A560と、その変化部材A560よりも前側に配設固定され基礎部材A530との間に形成される空間に移動部材A540及び方向切替部材A550を配置するようにして固定支持部材A565を介して基礎部材A530に固定される覆設部材A570と、を備える。
基礎部材A530は、長尺板状の板状本体A531と、その板状本体A531の長尺方向と平行な長孔として穿設される上下一対の案内長孔A532と、その一対の案内長孔A532の間の位置において上下方向と左右傾斜する方向とを組合せた形状で穿設される複数の機能長孔A533と、板状本体A531との間に空間を形成するようにして板状本体A531の下端部の短手方向両端に締結固定される空間構成部材A534と、その空間構成部材A534に前後方向で穿設され回転軸棒AJ2に支持される支持孔A535と、空間構成部材A534が締結固定される位置よりも上側において板状本体A531の短手方向に張り出すように形成され締結ネジの挿通部として機能する一対の張出挿通部A536と、を備える。
機能長孔A533は、上下一対の長孔と、その一対の長孔に対して反転した形状となるもう一組の上下一対の長孔との、4つの長孔から構成されており、各長孔の形状は、反転の関係を除き共通とされている。
複数の機能長孔A533のうち、上下一対の長孔は、一方の長孔を、案内長孔A532の長手方向に沿って平行移動させた位置に形成されている。即ち、上下一対の長孔の対応する箇所は、同一直線上にあるか、平行配置される関係が維持される。
機能長孔A533のうち、上下一対の長孔と、もう一組の上下一対の長孔とは、案内長孔A532の延びる方向に沿って、配置がずらされている。このように構成することで、配置がずらされていない場合に比較して空きスペースを利用し易くなり、板状本体A531の短手方向の長さを抑えながら板状本体A531の短手方向の機能長孔A533の長さを確保し易くすることができる。
空間構成部材A534は、正面側下端部を起点として支持孔A535から離れる方向に板状に張り出す板状検出片A534aを備える。板状検出片A534aは、検出センサA517c(図1459参照)の検出溝に配置可能となる前後位置に形成されている。
板状検出片A534aは、回転軸棒AJ2が支持される側(正面側)において形成されている。これにより、回転軸棒AJ2の変形等により回転軸棒AJ2が曲がる(傾斜する)事態が生じた場合であっても、板状検出片A534aの位置ずれを最小限にとどめることができるので、板状検出片A534aが検出センサA517cの検出溝に収まる前後位置から外れる位置に配置されることを回避し易くすることができる。
検出センサA517cにより板状検出片A534aの配置が検出されることで、回転動作ユニットA500bの姿勢を把握することができるので、複数の動作ユニットA400~A600が個別の駆動源で駆動される場合であっても、互いに衝突する事態が生じることを回避できる。
移動部材A540は、樹脂材料から形成される板状本体A541と、その板状本体A541の正面側に締結固定され正面側に複数のLED等の発光手段が配設される発光基板A542と、発光基板A542の上側部を覆う形状とされ発光基板A542の発光手段からの光を透過可能な部分を有するように構成され板状本体A541に締結固定される装飾部材A543と、基礎部材A530の案内長孔A532に挿通される程度に突設される一対の挿通突部A544と、基礎部材A530の機能長孔A533に対応する位置において案内長孔A532の延びる方向と直交する方向に延びるように穿設される複数の補助長孔A545と、板状本体A541の左上隅部から背面側に突設され駆動伝達ユニットA520の案内長孔A527f(図1459参照)に挿通される柱状突設部A546と、を備える。
移動部材A540をこのように構成することで、発光基板A542に配設される発光手段から照射される光によって装飾部材A543を明るく照らす演出が実行可能となる。加えて、発光基板A542に配設されるLED等の発光手段は、光軸が前向き(基板前面と直交する方向)に配置されるLEDだけでなく、特に短手方向端部において、光軸が横向き(基板前面と平行な方向)に配置されるLEDを備える。これにより、光を利用した演出効果を向上させることができるが、詳細は後述する。
移動部材A540の下端部は、第2動作ユニットA500の演出待機状態(図1456参照)において、基礎部材A530の板状本体A531と空間構成部材A534との間に形成される空間に配置される。即ち、正面視で、移動部材A540が支持孔A535に挿通される回転軸棒AJ2と重なり得るよう構成されており、移動部材A540の配置自由度を向上させることができる。
装飾部材A543は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A543aと、その透光性領域A543aの短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A543bと、を備える。
これにより、機能長孔A533や補助長孔A545を形成する関係上、基板の配置が短手方向中央部寄りに制限される場合であっても、正面向きの発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A543aで行い、その他の鍍金領域A543bでは鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
また、装飾部材A543の短手方向端部は背面側へは延びておらず、発光基板A542の側面を覆っていない。これにより、発光基板A542の横方向に照射される光が装飾部材A543で減衰されることなく、発光演出において、対象物を十分に照らすことができる。
挿通突部A544は、基礎部材A530の案内長孔A532に挿通されると共に先端に螺入されるネジ及びカラー部材AC1により案内長孔A532からの脱落が防止されるよう構成される。このように構成することで、移動部材A540が、案内長孔A532に沿って基礎部材A530に対して相対移動可能に構成される。
方向切替部材A550は、左右対応する部材の組から構成されており、対応する板状本体A551と、その板状本体A551の左右内側部において正面側へ突設される長手方向に一対で配置される正面柱状部A552と、その正面柱状部A552の突設方向と同一直線上で背面側へ突設される長手方向に一対で配置される背面柱状部A553と、板状本体A551の左右外側部において長手方向に穿設される貫通孔A554と、板状本体A551との間に移動部材A540を配置可能な空間を保つようにして板状本体A551の左右外側および上側の外周端部において板状本体A551に締結固定される移動装飾部材A555と、その移動装飾部材A555の下端部から長手方向(貫通孔A554と平行な方向)に穿設される貫通孔A556と、を備える。
本実施形態では、板状本体A551及び移動装飾部材A555は、演出を考慮して有色透明の光透過性の樹脂材料から形成される。特に、樹脂の色を黄色で構成していることから、移動部材A540の鍍金領域A543b(金色の鍍金)との色の連続性を良くすることができ、動作時の発光演出効果を向上することができる。
板状本体A551及び移動装飾部材A555は、全く違わない同形状の部材で構成することができれば、部材を共通化できる可能性があり好ましい場合がある。これに対し、本実施形態では、板状本体A551及び移動装飾部材A555は対応する2部材で構成されており、全く同じ形状で構成されているものではないが、この形状の違いは機能的な要求から設計されたものである。
例えば、上端部における形状の違いは、移動部材A540の柱状突設部A546がある側において、柱状突設部A546との干渉を避けるための切欠きが形成されていることで、異なる形状となっている。
また、例えば、正面柱状部A552や背面柱状部A553の配置の違いは、機能長孔A533や補助長孔A545が左右非対称な位置に配設されていることで、異なる形状となっている。
このような機能的な要求を背面側の構成に受け持たせることにより、遊技者に視認される移動装飾部材A555の正面側の形状の設計自由度を向上させることができ、本実施形態では左右対称形状とすることで、回転動作ユニットA500bの演出効果を向上させることができる。
正面柱状部A552は、移動部材A540の補助長孔A545に挿通され、背面柱状部A553は、基礎部材A530の機能長孔A533に挿通されている。これにより、方向切替部材A550は、基礎部材A530に対する移動部材A540の配置に応じて、補助長孔A545の延びる方向に変位可能となっている。
背面柱状部A553は、基礎部材A530の機能長孔A533に挿通されると共に先端に螺入されるネジ及びカラー部材AC1により機能長孔A533からの脱落が防止されるよう構成される。
一方で、基礎部材A530に対して、移動部材A540は挿通突部A544により連結され、方向切替部材A550は背面柱状部A553により連結されることで脱落の防止としては十分なので、正面柱状部A552においては、移動部材A540との間にカラー部材AC1が配設され、ネジの螺入による脱落の防止は行われていない。
これにより、発光基板A542を補助長孔A545のすぐ近くまで形成させても、カラー部材AC1と発光基板A542との擦れが生じることが無いので、発光基板A542の耐久性が落ちることは無く、発光基板A542の形状の設計自由度を向上させることができる。
また、ネジ頭が移動装飾部材A555と干渉することを避けることができ、移動装飾部材A555と移動部材A540との前後間隔を短くすることができる。これにより、方向切替部材A550の前後厚さを短くすることができる。
変化部材A560は、左右一対の部材から構成されており、方向切替部材A550の貫通孔A554に変位可能(回転変位および貫通孔A554の延びる方向の変位が可能)に支持される案内支持部材A561と、その案内支持部材A561が背面側に締結固定される翼状部材A562と、その翼状部材A562に回転可能に支持される中間変位部材A563と、その中間変位部材A563を翼状部材A562との間に挟む配置で翼状部材A562に締結固定される固定部材A564と、基礎部材A530の張出挿通部A536に締結固定され中間変位部材A563を回転可能に支持する固定支持部材A565と、その固定支持部材A565との間に中間変位部材A563を挟む配置で固定支持部材A565に締結固定される固定部材A566と、を備える。
翼状部材A562は、中間変位部材A563を回転可能に支持する柱状部であって、先端部に形成される雌ネジに締結ネジが螺入されることで固定部材A564が締結固定される支持締結部A562aと、案内支持部材A561が締結固定される被締結部A562bと、を備える。
中間変位部材A563は、板状に形成される部材であって、支持締結部A562aが挿通される第1貫通孔A563aと、固定支持部材A565が挿通され固定支持部材A565に回転可能に支持される第2貫通孔A563bと、方向切替部材A550の貫通孔A556に挿通され変位可能(回転変位および貫通孔A556の延びる方向の変位が可能)に支持される挿通突部A563cと、を備える。
固定支持部材A565は、円弧状部の外周部から直線上の一対の脚部が形成される左右対称形状とされ、脚部の下端から背面側へ柱状に突設され基礎部材A530の張出挿通部A536に締結固定される柱状固定部A565aと、円弧状部の左右上端部において背面側に突設される柱状部であって中間変位部材A563の第2貫通孔A563bを回転可能に支持する柱状支持部A565bと、を備える。
柱状支持部A565bは、先端に雌ネジが形成されており、その雌ネジに固定部材A566の挿通孔A566aに挿通された締結ネジが螺入されることで、中間変位部材A563の固定支持部材A565からの脱落を防止する態様で固定支持部材A565に固定部材A566を締結固定することができる。
なお、本実施形態では、固定部材A566の締結ネジの挿通部として、挿通孔A566aのみではなく、間に他の部材を挟むことなく固定支持部材A565と締結固定するための締結ネジを挿通する挿通孔A566bも用意されている。
そのため、締結ネジの螺入位置は、臨機応変に変更することができる。例えば、挿通孔A566a,A566bの全てに締結ネジを挿通し螺入しても良い。この場合、柱状支持部A565bの強度を締結ネジの強度により向上することができるので、柱状支持部A565bが破損して中間変位部材A563が抜け落ちることを回避し易くすることができる。
また、例えば、挿通孔A566a又は挿通孔A566bのいずれか一方に締結ネジを挿通し螺入しても良い。この場合、締結ネジの必要個数を削減することができるので、製品の製造コストを低減することができる。
覆設部材A570は、短手方向中央部において長手方向に延びる透光性領域A571と、その透光性領域A571の短手方向両側において鍍金が塗布されている鍍金領域A572と、その鍍金領域A572の背面側において短手方向外側端部から背面側へ延設され、その延設端部から折曲形成される一対の爪状部A573と、固定支持部材A565に締結固定される複数の被締結柱状部A574と、を備える。
透光性領域A571及び鍍金領域A572により、発光基板A542の形状が補助長孔A545と干渉しない形状に制限される場合においても、発光演出の演出効果を高く維持することができる。即ち、発光演出については短手方向中央部寄りの透光性領域A571で行い、その他の鍍金領域A572では鍍金からの反射で演出を行うことで、演出効果の低下を避けることができる。
爪状部A573は、移動部材A540の装飾部材A543の短手方向両側を案内可能に支持するよう構成される。これにより、移動部材A540の前後方向の位置ずれを抑制することができるので、特に、張出状態(図1438参照)において移動部材A540が基礎部材A530に対して前倒れしたり後倒れしたりすることを防止し易くすることができる。
被締結柱状部A574は、固定支持部材A565の一対の脚部の中央側部および円弧状部の中央部に対応する位置に配置され、各位置において固定支持部材A565に挿通される締結ネジが螺入されることで、固定支持部材A565に締結固定される。
図1462(a)、図1462(b)、図1463(a)及び図1463(b)は、回転動作ユニットA500bの背面図である。図1462(a)、図1462(b)、図1463(a)及び図1463(b)では、回転動作ユニットA500bの移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動する様子が時系列で図示される。なお、図1462(a)、図1462(b)、図1463(a)及び図1463(b)では、カラー部材AC1の図示が省略される。
図1462(a)、図1462(b)、図1463(a)及び図1463(b)では、第2動作ユニットA500の演出待機状態(図1436参照)における回転動作ユニットA500b(図1462(a)参照)から、張出状態(図1438参照)における回転動作ユニットA500b(図1463(b)参照)までの、相対移動の様子が図示される。
案内長孔A532は、平行に延びる一対の長孔であるが、一直線上に形成されているものではない。上側の案内長孔A532は基礎部材A530の短手方向中央部に形成される一方、下側の案内長孔A532は回転軸棒AJ2を避けるように短手方向中央部から少しずれた位置に配設される。
このように、案内長孔A532を若干ずらした場合であっても、移動部材A540を一対の案内長孔A532で支持しているので、移動部材A540を案内長孔A532の延びる方向にスムーズに移動させることができる。また、このように案内長孔A532の配置をずらすことで、回転軸棒AJ2を基礎部材A530の短手方向中央位置に配設することができる。
機能長孔A533は、案内長孔A532が延びる方向に対して平行に延びる第1平行部A533aと、その第1平行部A533aに一端が連なるように形成され第1平行部A533aに対して傾斜する方向に直線状に延びる傾斜部A533bと、その傾斜部A533bの他端に連なるように形成され第1平行部A533aの延びる方向に対して平行に延びる第2平行部A533cと、を備える。
ここで、図1462(a)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が第1平行部A533aの端部側に配置された状態が図示され、図1462(b)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が第1平行部A533aと傾斜部A533bとの交差位置に配置された状態が図示され、図1463(a)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が傾斜部A533bと第2平行部A533cとの交差位置に配置された状態が図示され、図1463(b)では、方向切替部材A550の背面柱状部A553が第2平行部A533cの端部側に配置された状態が図示される。
第1平行部A533aの長さは十分に長く形成されている。これにより、移動部材A540が、図1462(a)に示す状態から、基礎部材A530に対して相対移動を開始しても、暫くは(図1462(b)に示す状態までは)、方向切替部材A550が移動部材A540の短手方向に移動し難いように構成される。
第2動作ユニットA500の動作において、移動部材A540の基礎部材A530に対する相対移動は、回転軸棒AJ2を中心とする回転動作ユニットA500bの回転動作と同時に行われることになるが、図1462(a)に示す状態から図1462(b)に示す状態までは、短手方向幅の短い外観を維持した状態で回転動作ユニットA500bを回転動作させることができる。
傾斜部A533bは、第1平行部A533aが形成される位置から基礎部材A530の短手方向外側へ向けて延びる。そのため、第1平行部A533aに方向切替部材A550の背面柱状部A553が配置されている状態から移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動し、背面柱状部A553が傾斜部A533bに入ると、方向切替部材A550が移動部材A540の短手方向外側へ向けて移動する。
方向切替部材A550の一対の背面柱状部A553は、一対の補助長孔A545(図1461参照)に挿通されており、一対が平行に案内される。そのため、方向切替部材A550の移動部材A540に対する相対移動は、移動部材A540の短手方向への平行移動となる。
その移動の速度は、傾斜部A533bが直線状に形成されていることにより、移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動する速度に対して比例する。そのため、移動部材A540及び方向切替部材A550が連動する動作演出を実行させ易くすることができる。
第2平行部A533cは、第1平行部A533a程の長さは無く、必要最小限の長さで形成される。第2平行部A533cを形成する目的は、回転動作ユニットA500bの演出効果の向上のためである。
即ち、第2動作ユニットA500が張出状態まで駆動され駆動モータAMT2(図1458参照)が停止された場合に、ダンパ部材A513dに付勢バネA513cから与えられる付勢力で連結機構A527が若干押し戻され、移動部材A540が基礎部材A530に対して逆方向(戻る方向)に相対移動した場合であっても、第2平行部A533cがあることで、移動部材A540の短手方向における方向切替部材A550の位置を変化させないようにすることができる。
これにより、第2動作ユニットA500の張出状態において駆動モータAMT2の駆動を停止させるという制御を採用する場合に生じ得る、付勢バネA513c(図1458参照)の付勢力による押し戻し動作が生じた場合であっても、張出状態における第2動作ユニットA500の外観(回転動作ユニットA500bの短手方向の長さ)を維持し易くすることができる。
ここで、第2動作ユニットA500の回転動作ユニットA500bと、第1動作ユニットA400の回転動作ユニットA400bとの違いについて説明する。まず、回転動作ユニットA500bでは、案内長孔A532が一直線上に配置されていないことは上述した通りである。
第2動作ユニットA500の回転動作ユニットA500bでは、機能長孔A533が基礎部材A530の短手方向に並べられるのではなく、長手方向に配置がずらされている。これにより、基礎部材A530の長手方向に並設される機能長孔A533間の隙間に短手方向反対側に形成される機能長孔A533の一部を入り込ませることができるので、基礎部材A530の短手方向の長さを短くすることができる。
方向切替部材A550の背面柱状部A553の配置は、機能長孔A533の配置の上下ずれの寸法に合わせて、上下にずれるように構成している。これにより、左右の方向切替部材A550の相反する方向(移動部材A540の短手方向)への動作タイミングを合致させることができる。
回転動作ユニットA400bでは、移動部材A440に機能長孔A444が形成されていたが、回転動作ユニットA500bでは、機能長孔A533が基礎部材A530に形成されている。
このことから、第1動作ユニットA400では、回転動作ユニットA400bが回転動作し移動部材A440が基礎板部材A430に対して相対移動することに伴い機能長孔A444も基礎板部材A430に対して相対移動したが(図1448及び図1449参照)、第2動作ユニットA500では、回転動作ユニットA500bが回転動作し移動部材A540が基礎部材A530に対して相対移動しても、機能長孔A533の配置は基礎部材A530に対して相対移動することは無い。
逆に、第1動作ユニットA400では基礎板部材A430に補助長孔A433(図1446参照)が形成されていたのが、第2動作ユニットA500では移動部材A540に補助長孔A545が形成されおり(図1461参照)、対応関係が逆となっている。
この関係から、第2動作ユニットA500の回転動作ユニットA500bに形成される機能長孔A533は、第1動作ユニットA400の回転動作ユニットA400bに形成される機能長孔A444と上下の関係が逆になっている。
このように、機能長孔A444,A533と補助長孔A433,A545の配置の対応関係が逆とされていることに、機能長孔A444,A533の上下の関係を逆にして対応することで、回転動作ユニットA500bにおいても、長手方向に延びる過程で回転動作ユニットA500bの短手方向の長さが増大するという、回転動作ユニットA400bと同様の動作態様を実現させることができる。
第2動作ユニットA500では、回転動作ユニットA500bの長手方向における方向切替部材A550の配置は、移動部材A540の補助長孔A545の配置に対応することになる。そのため、移動部材A540が基礎部材A530に対して回転動作ユニットA500bの長手方向に相対移動することに伴い、方向切替部材A550は、移動部材A540の移動量と同様の移動量で回転動作ユニットA500bの長手方向に移動し、それと同時に、移動部材A540の短手方向に移動する。
即ち、方向切替部材A550の移動は、移動部材A540に対しては移動部材A540の短手方向(案内長孔A532の延びる方向と直交する方向)への相対移動となり、基礎部材A530に対しては機能長孔A533の形成方向に沿う相対移動となる。
変化部材A560は、第2貫通孔A563bが基礎部材A530に固定される固定支持部材A565の柱状支持部A565bに支持される一方、挿通突部A563cは変位可能な方向切替部材A550の貫通孔A556に支持され、案内支持部材A561は変位可能な貫通孔A554に支持される。これにより、変化部材A560に対して、基礎部材A530を支点とする移動部材A540の短手方向への変位量に対応して回転するという、移動部材A540の変位とも方向切替部材A550の変位とも異なる変位を生じさせることができる。
なお、第2動作ユニットA500が演出待機状態から張出状態となるまでにおいて、回転動作ユニットA500bは、回転軸棒AJ2と柱状突設部A546との間の距離が徐々に長くなるように変化され、それに伴い、回転軸棒AJ2及び柱状突設部A546を通る直線と、回転動作ユニットA500bの長手方向(移動部材A540の移動方向)に延びる直線との間の角度が徐々に小さくなるように変化されることは、図1448及び図1449を参照して第1動作ユニットA400の説明で上述したのと同じであるので、ここでは説明を省略する。
次いで、図1464から図1471を参照して、第3動作ユニットA600について説明する。図1464は、第3動作ユニットA600の正面斜視図であり、図1465は、第3動作ユニットA600の背面斜視図である。
第3動作ユニットA600は、背面ケースA210(図1434参照)に保持される支持ユニットA600aと、その支持ユニットA600aに昇降動作可能に支持される開閉動作ユニットA600bと、を備える。
図1466は、第3動作ユニットA600の分解正面斜視図であり、図1467は、第3動作ユニットA600の分解背面斜視図である。図1466及び図1467では、支持ユニットA600aが分解されており、開閉動作ユニットA600bは非分解の状態で図示される。
支持ユニットA600aは、背面ケースA210(図1434参照)に締結固定される固定支持ユニットA610と、その固定支持ユニットA610に配置が固定される駆動モータAMT3を有し、その駆動モータAMT3の駆動力を開閉動作ユニットA600bに伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA620と、を備える。
固定支持ユニットA610は、背面ケースA210(図1434参照)の底壁部A211の正面視下部に締結固定される横長部材A611と、その横長部材A611の右上側部に締結固定される装飾部材A613と、その装飾部材A613の下側において横長部材A611に締結固定される右側部材A615と、横長部材A611の左側部との間に駆動伝達ユニットA620が移動可能な空間を空けて締結固定される左側部材A617と、を備える。
横長部材A611は、板状本体A611aと、その板状本体A611aの上下端部から正面側に折曲形成される一組の支持形成部A611bと、その支持形成部A611bに上下方向で挿通され固定される金属製の円柱状部材から形成される昇降支持棒A611cと、を備える。
昇降支持棒A611cは、開閉動作ユニットA600bの背面側部に挿通された状態で支持形成部A611bに支持されることで、開閉動作ユニットA600bの昇降の方向を案内し、板状本体A611aに対する開閉動作ユニットA600bの前後方向の配置を維持するように機能する。
装飾部材A613は、背面側が開放された箱状に形成される本体部A613aと、その本体部A613aの正面側側面の左側端部から左方へ張り出し形成される張出部A613bを備える。張出部A613bは、第3動作ユニットA600の演出待機状態における開閉動作ユニットA600bの前倒れを抑制するよう機能するが、詳細は後述する。
右側部材A615は、左側部材A617と共同で、導光板ユニットA700(図1434参照)を支持し、導光板ユニットA700が締結固定される部材である。即ち、開閉動作ユニットA600bは、第3動作ユニットA600の演出待機状態において導光板ユニットA700の後方に配置され、張出状態へ状態変化されることで導光板ユニットA700の中央側へ向けて上昇変位されるよう構成される。
左側部材A617は、板状本体A617aと、その板状本体A617aの背面側から円柱状に突設形成される支持部A617bと、その支持部A617bを中心とする円弧に沿って穿設される扇状貫通孔A617cと、支持部A617bと同軸となる配置で板状本体A617aに配設される金属棒に巻かれ、一端が固定され他端が扇状貫通孔A617cを臨む位置に配設される上昇方向付勢の捩りバネA617dと、板状本体A617aの下側において背面側が開放された箱状に形成される箱状部A617eと、その箱状部A617eの背面側から円柱状に突設形成される支持部A617fと、駆動モータAMT3の駆動ギアAMG3を挿通可能な大きさで箱状部A617eに穿設される挿通孔A617gと、その挿通孔A617gの下側縁部から背面側へ断面円弧状で延設され延設端部において挿通孔A617gを部分的に覆う覆設部A617hと、支持部A617f側に検出隙間を向ける姿勢で箱状部A617eの背面側に締結固定される検出センサA617iと、を備える。
覆設部A617hは、駆動ギアAMG3が駆動モータAMT3の駆動軸から抜けて、駆動ギアAMG3が背面側へ脱落することを防止するストッパとして機能する。これにより、駆動ギアAMG3が駆動モータAMT3から脱落する事態を回避することができる。
検出センサA617iは、駆動伝達ユニットA620の配置を検出することで、第3動作ユニットA600が演出待機状態なのか、張出状態なのかを、把握可能とするための装置である。
駆動伝達ユニットA620は、横長部材A611と左側部材A617との間において回転動作可能となるように支持部A617bに支持され開閉動作ユニットA600bに連結される回転動作部材A621と、その回転動作部材A621に駆動モータAMT3の駆動力を伝達可能となるように支持部A617fに回転可能に支持される伝達部材A625と、を備える。
回転動作部材A621は、板状本体A621aと、その板状本体A621aの端部において左側部材A617の支持部A617bを挿通可能に穿設される挿通孔A621bと、長手方向の直線が挿通孔A621bを通る長孔として穿設される伝達長孔A621cと、挿通孔A621bに近い上端部から正面側に突設され捩りバネA617dの他端を受けるバネ受突部A621dと、板状本体A621aの挿通孔A621bが配設される端部と反対側の端部において正面側に円柱状に突設され開閉動作ユニットA600bに挿通される挿通突部A621eと、を備える。
回転動作部材A621は、支持部A617bが挿通孔A621bに挿通されることで、左側部材A617に回転可能に支持される。支持部A617bの先端に螺入される抜け止め用のネジは、横長部材A611の貫通孔A611dを通して付け外し可能な構成となっている。即ち、本実施形態では、左側部材A617を横長部材A611に締結固定した後で、支持部A617bの先端にネジを螺入させるという組立手順を採用することができる。
伝達部材A625は、駆動ギアAMG3と歯合される本体ギア部A625aと、その本体ギア部A625aの背面側において全周からフランジ状に張り出す張出部A625bと、その張出部A625bの外周側端部から背面側に円柱状に突設される挿通突部A625cと、張出部A625bの外周側端部から折曲形成され回転軸から離れる方向に延設される延設部A625dと、を備える。
挿通突部A625cは、カラー部材AC1を介して回転動作部材A621の伝達長孔A621cに挿通される。これにより、伝達部材A625の回転と回転動作部材A621の回転とを連動させることができる。
延設部A625dは、検出センサA617iの検出隙間を横切ることが可能な位置に配設される。即ち、延設部A625dが検出センサA617iの検出隙間に配置されているか否かにより、伝達部材A625の姿勢を対応する制御装置に把握させることができる。
図1468は、開閉動作ユニットA600bの分解正面斜視図であり、図1469は、開閉動作ユニットA600bの分解背面斜視図である。開閉動作ユニットA600bは、樹脂材料から形成される板状部材A630と、その板状部材A630との間に空間を形成するように板状部材A630の正面側に締結固定される空間形成部材A640と、板状部材A630と空間形成部材A640との間の空間に移動可能に支持される一対の移動部材A650と、板状部材A630に締結固定される駆動モータAMT4と、その駆動モータAMT4の駆動力を移動部材A650に伝達可能に構成される駆動伝達ユニットA660と、その駆動伝達ユニットA660を板状部材A630との間に挟むように板状部材A630に締結固定される背面カバー部材A670と、その背面カバー部材A670との間で昇降支持棒A611cを挟むように背面カバー部材A670に締結固定される案内ユニットA680と、を備える。
板状部材A630は、板状本体A631と、その板状本体A631の背面側に円柱状に突設される突設支持部A632と、その突設支持部A632を中心とする円弧状に穿設される一対の円弧状孔A633と、突設支持部A632と平行に突設される突設支持部A634と、背面カバ―部材A670との間の空間を形成するために板状本体A631の外縁部に沿う枠状で背面側へ突設される枠状部A635と、を備える。
空間形成部材A640は、骨組みを形成する本体部材A641と、その本体部材A641の正面側に締結固定される透光性の透光部材A642と、その透光部材A642を囲むように内部がくり抜かれ正面側に鍍金が塗布された状態で本体部材A641に締結固定される非透過性の鍍金部材A643と、透光部材A642の全域に光を照射可能に形成され本体部材A641に締結固定される発光基板A644と、移動部材A650の配置を検出するために本体部材A641の背面側に配設される検出センサA645と、を備える。
本体部材A641は、背面側に左右方向に長い一対の案内溝部A641aと、その案内溝部A641aの端部付近に突設形成されるストッパ部A641bと、を備える。案内溝部A641aは、上下に平行に並べられる一対の溝であり、左上から右下へ向かう直線状の長尺溝であって、移動部材A650の移動を案内可能に構成される。ストッパ部A641bは、移動部材A650が空間形成部材A640から脱落することを防止するための突部であり、移動範囲の終端位置に配置された移動部材A650と係合可能に構成される。
発光基板A644から延びるフラットケーブルA644aにより、移動部材A650への電力供給が可能となっている。本実施形態では、フラットケーブルA644aが案内溝部A641aの長尺方向に沿って延びるように配設されている。これにより、移動部材A650の移動時にフラットケーブルA644aに過大な負荷が与えられることを回避し易くすることができ、フラットケーブルA644aの耐久性を向上させることができる。
移動部材A650は、回転対称に配置される同一形状の一対の部材から構成され骨組みを形成する本体部材A651と、異なる形状で形成され対応する本体部材A651に締結固定される装飾部材A655と、を備える。
このように構成することで、駆動力が伝達される箇所については形状を共通化することで、伝達機構の簡素化および樹脂型の兼用を図ることができる一方で、遊技者に視認される側には装飾部材A655を配設することで、簡素化された形状が演出面にまで影響を与えることを避けることができる。
本体部材A651は、長尺方向を案内溝部A641aの長尺方向に沿わせる姿勢で配設され左右方向外側への移動時に先頭になる側から正面側へ延設されることで上面視L字状に形成される長尺本体部A652と、回転可能に構成され案内溝部A641aの内側に配置可能な大きさで形成される一対のローラー部材A653と、を備える。
長尺本体部A652は、左右方向外側への移動時にストッパ部A641bと対向配置され当接し得る被ストッパ部A652aと、長手方向略中央部から短手方向に板状に張り出す被検出部A652bと、短手方向に延びる矩形状で背面側から凹設される凹設部A652cと、を備える。
被検出部A652bは、検出センサA645の検出溝を横切ることができる形状で配設される。被検出部A652bが検出センサA645の検出溝に配置されることで、移動部材A650が移動終端に配置されたことを対応する制御装置に把握させることができる。
本実施形態では、検出センサA645は下側の本体部材A651の下側にのみ配置されているので、被検出部A652bは下側の本体部材A651に配設されていれば十分であり、上側の本体部材A651には被検出部A652bは不要であるが、樹脂型を共通化する関係上、上側の本体部材A651にも被検出部A652bが形成されている。
ローラー部材A653は、移動部材A650の案内溝部A641aに対する動作抵抗を低下させるように機能する。即ち、移動部材A650が案内溝部A641aに対して摺動する場合に比較して、ローラー部材A653が転がることで摩擦力を低減することができるので、移動部材A650の移動をスムーズに行わせることができる。
装飾部材A655は、本体部材A651の被ストッパ部A652aが配設される側の端部とは反対側の端部の前側部に締結固定される部材であって、光透過性の樹脂材料から形成される透光部材A656と、その透光部材を囲む枠状に形成される枠状部材A657と、透光部材A656及び枠状部材A657側に光を照射するLED等の発光手段を備える発光基板A658と、を備える。
装飾部材A655と本体部材A651との締結により、上面視で左右方向の一方が開放されたコの字を形成することができる。このコの字の内側にフラットケーブルA644aが配設され、フラットケーブルA644aの一端が発光基板A658に接続される。このように構成することで、フラットケーブルA644aが本体部材A651や装飾部材A655の外方にはみ出し、遊技者から視認されることを回避することができる。
装飾部材A655は、互いに近接配置される移動部材A650の閉状態(図1436参照)では、透光部材A642の前側を覆うように配設され、互いに離れる移動部材A650の開状態(B5参照)では、透光部材A642の前側から退き透光部材A642及び装飾部材A655を同時に視認させるように配設される。
即ち、装飾部材A655のみを視認させて発光演出を行う状態と、装飾部材A655の間に透光部材A642を配置させ、これらを同時に視認させて発光演出を行う状態と、を移動部材A650の配置に応じて切り替えることができる。
駆動伝達ユニットA660は、駆動モータAMT4の駆動軸に相対回転不能に固定される駆動ギアA661と、板状部材A630の突設支持部A632に回転可能に支持される回転板部材A662と、板状部材A630の突設支持部A634に回転可能に支持され駆動ギアA661と回転板部材A662とを連動させる伝達ギアA663と、を備える。
回転板部材A662は、突設支持部A632を挿通可能に穿設される貫通孔A662aと、その貫通孔A662aを中心とする扇状に形成される一対の扇状板部A662bと、一方の扇状板部A662bの円弧状部に伝達ギアA663と歯合されるギア歯が形成される円弧状ギア部A662cと、貫通孔A662aを中心とする回転対称となる位置(本実施形態では、180度ずれた位置)において扇状板部A662bの正面側に円柱状に突設される一対の突設部A662dと、を備える。
回転板部材A662が、円形の円板状部材では無く、円の一部をくり抜いたような形状から形成されていることにより、回転板部材A662と板状本体A631との間で擦れが生じる面積を低減することができる。これにより、回転板部材A662の回転時に生じる抵抗を低減することができるので、駆動モータAMT4に要求される駆動力を低減させることができる。
突設部A662dは、板状部材A630の円弧状孔A633を通り、移動部材A650の凹設部A652cに挿通される。即ち、突設部A662dの配置が変化されることで、凹設部A652cの配置が連動して変化されることに伴い移動部材A650の移動が生じる。
背面カバー部材A670は、板状部材A630の枠状部A635と同一形状の外形を有し板状部材A630に締結固定される板状本体A671と、その板状本体A671の右端から板状に張り出す張出部A672と、板状本体A671の背面側に突設され案内ユニットA680の回転部材の回転軸を支持する上下一対の突設支持部A673と、回転板部材A662の回転軌跡と関連して板状本体A671に穿設される複数の円弧状貫通孔A674と、を備える。
張出部A672は、演出待機状態において張出部A613b(図1466参照)の後方に配置される部分であって、仮に開閉動作ユニットA600bが前倒れした状態で張出状態から演出待機状態に戻る場合等において、張出部A613bから後ろ向きの負荷を受けることで、開閉動作ユニットA600bの姿勢を元に戻す(後倒れさせる)部分として機能する。
案内ユニットA680は、正面側が開放された箱状に形成される箱状本体A681と、その箱状本体A681の内部に配置される左右方向に延びる回転軸で回転可能に構成される上下一対のローラー部材A682と、箱状本体A681の内部に配置され前後方向に延びる回転軸で回転可能に構成される左右一組が上下一対で配設される滑車状部材A683と、左右に長い形状で穿設される長尺貫通孔A684と、を備える。
ローラー部材A682が箱状本体A681の貫通孔A681aから背面側にはみ出すよう構成されているので、箱状本体A681の背面が固定支持ユニットA610(図1466参照)の板状本体A611aと対向配置された場合に、板状本体A611aとの接触の関係を、箱状本体A681の擦れではなく、ローラー部材A682の転がりとすることができる。これにより、開閉動作ユニットA600bの昇降動作時に固定支持ユニットA610から受ける抵抗を低減し易くすることができる。
滑車状部材A683の間には、箱状本体A681の凹設部A681bを通された昇降支持棒A611c(図1466参照)が配設される。これにより、案内ユニットA680は昇降支持棒A611cに案内されて上下方向に昇降動作されることから、開閉動作ユニットA600bの動作方向を安定させることができる。
長尺貫通孔A684は、回転動作部材A621の挿通突部A621e(図1466参照)が挿通される長孔である。即ち、長尺貫通孔A684を介して、駆動モータAMT3(図1466参照)の駆動力が開閉動作ユニットA600bに伝達される。
図1470及び図1471は、第3動作ユニットA600の開閉動作ユニットA600bの背面図である。図1470では、第3動作ユニットA600の演出待機状態における開閉動作ユニットA600bが図示され、図1471では、第3動作ユニットA600の張出状態における開閉動作ユニットA600bが図示される。
なお、図1470及び図1471では、理解を容易とするために、背面カバー部材A670及び案内ユニットA680の図示が省略され、背面カバー部材A670の円弧状貫通孔A674の配置が想像線で図示され、回転板部材A662の突設部A662dの配置が想像線で図示される。
図1470及び図1471に示すように、開閉動作ユニットA600bの動作態様は、回転板部材A662の回転に伴い突設部A662dの配置が突設支持部A632を中心とする円弧に沿って変化することに伴い、一対の移動部材A650が突設支持部A632の上側および下側で、対応する案内溝部A641a(図1469参照)の形成方向(互いに平行な方向)に沿って、逆方向に平行移動するというものである。
ここで、上述のように、移動部材A650の本体部材A651は、回転対称に配置される同一形状の一対の部材から構成されており、且つ、突設部A662dの配置も、本体部材A651の回転対称の回転軸となる突設支持部A632を中心に対称な位置とされているので、突設部A662dから移動部材A650に与えられる影響は、一対の部材で共通に与えられる。
即ち、例えば、回転板部材A662が高速で回転すれば、一対の移動部材A650が共通の速度で高速で平行移動するし、回転板部材A662が突然反転動作(回転方向を変える動作)する場合でも、一対の移動部材A650を同時に反転動作させることができる。
回転板部材A662の扇状板部A662bと、背面カバー部材A670の円弧状貫通孔A674との配置関係について説明する。扇状板部A662bと円弧状貫通孔A674とが前後方向で重なる面積は回転板部材A662の回転の過程で変化する。扇状板部A662bと背面カバー部材A670との間には挟まれる空気による空気抵抗が生じるが、背面カバー部材A670に円弧状貫通孔A674が形成されている箇所においては、その空気抵抗が低減されることになる。
図1471に、第3動作ユニットA600の演出待機状態における回転板部材A662の扇状板部A662bの配置範囲(図1470参照)の角度幅が第1領域AE21で図示され、図1470に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転された後の扇状板部A662bの配置範囲の角度幅が第2領域AE22で図示され、その第2領域AE22に扇状板部A662bに配置された状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転された後の扇状板部A662bの配置範囲の角度幅が第3領域AE23で図示され、第3動作ユニットA600の張出状態における回転板部材A662の扇状板部A662bの配置範囲の角度幅が第4領域AE24で図示される。
図1470に示すように、本実施形態では、回転板部材A662の姿勢に関わらず、一方の扇状板部A662bは少なくとも1つの円弧状貫通孔A674と対向配置される。そのため、図1470に示す状態(扇状板部A662bが第1領域AE21に配置される状態)は、扇状板部A662bと円弧状貫通孔A674との重なる面積が最も小さい状態、即ち、扇状板部A662bにかけられる空気抵抗が最大となる状態として図示される。
第1領域AE21に配置される状態において、扇状板部A662bの背面視時計回り側の縁部は、円弧状貫通孔A674と調度重ならない位置に配置される。そのため、回転板部材A662が背面視時計回りに回転を開始すると、扇状板部A662bと元々重なっていた円弧状貫通孔A674(左右に配置される円弧状貫通孔A674)に加えて、他の円弧状貫通孔A674(上下に配置される円弧状貫通孔A674)とも重なり始め、その状態は扇状板部A662bが第2領域AE22に配置される状態まで継続される。
他の円弧状貫通孔A674と扇状板部A662bとの重なる面積は、回転板部材A662の回転角度が大きくなるにつれて大きくなるので、回転板部材A662の回転開始から空気抵抗を徐々に小さくでき、更に回転が進むにつれて回転板部材A662にかけられる空気抵抗が更に小さくなるようにすることができる。これにより、回転板部材A662の回転および移動部材A650の移動をスムーズに実行することができる。
扇状板部A662bが第2領域AE22に配置される状態では、扇状板部A662bの背面視反時計回り側の縁部は、調度、左右に配置される円弧状貫通孔A674の背面視反時計回り側の縁部に重なる位置に配置される。即ち、回転板部材A662が背面視時計回りに回転すると、扇状板部A662bの背面視反時計回り側の縁部が背面視で円弧状貫通孔A674の内部に入り込むことになる。
そのため、回転板部材A662が背面視時計回りに回転を継続すると、左右に配置される円弧状貫通孔A674と扇状板部A662bとの重なる面積が徐々に小さくなるが、一方で、他の円弧状貫通孔A674(上下に配置される円弧状貫通孔A674)と扇状板部A662bとの重なる面積は徐々に大きくなる。これらは、同じ角度ずつの変化となるので、結局のところ、円弧状貫通孔A674と扇状板部A662bとの重なる面積は一定に維持される。
この状態は、扇状板部A662bが第3領域AE23に配置される状態まで継続される。即ち、扇状板部A662bが第2領域AE22に配置される状態から、第3領域AE23に配置される状態までは、回転板部材A662にかかる空気抵抗を一定に維持することができる。
扇状板部A662bが第3領域AE23に配置される状態から、扇状板部A662bが第4領域AE24に配置される状態までは、扇状板部A662bが左右に配置される円弧状貫通孔A674と重なる面積が徐々に小さくなることから、回転板部材A662の回転が進むにつれて回転板部材A662にかけられる空気抵抗が大きくなるようにすることができるので、回転板部材A662及び移動部材A650の減速をスムーズに行うことができる。
扇状板部A662bが第4領域AE24に配置される状態は、扇状板部A662bの背面視反時計回り側の縁部が左右に配置される円弧状貫通孔A674の背面視時計回り側の縁部に調度重なる位置とされる。
そのため、図1471に示す状態から背面視反時計回り方向に回転板部材A662を回転させる場合(第3動作ユニットA600の張出状態における配置から演出待機状態における配置に動作させる場合)においても、上述と同様の空気抵抗の変化を生じさせることができる。
従って、図1470に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転動作する場合か、図1471に示す状態から回転板部材A662が背面視反時計回りに回転動作する場合かに関わらず、双方向で、上述のような空気抵抗の変化を生じさせることができる。
また、回転板部材A662を介する駆動力伝達により動作される移動部材A650は上下に一対で構成されており、移動部材A650から回転板部材A662に与えられる荷重の向きは、回転板部材A662の動作方向に関わらず同じである。
即ち、図1470に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転動作する場合には、上側の移動部材A650からの負荷が左向きに生じ、下側の移動部材A650からの負荷が右向きに生じる一方で、図1471に示す状態から回転板部材A662が背面視反時計回りに回転動作する場合には、上側の移動部材A650からの負荷が右向きに生じ、下側の移動部材A650からの負荷が左向きに生じる。
即ち、回転板部材A662に与えられる負荷は、方向が逆転しているだけで、回転方向の違いによる変化はない。従って、図1470に示す状態から回転板部材A662が背面視時計回りに回転動作する場合か、図1471に示す状態から回転板部材A662が背面視反時計回りに回転動作する場合かに関わらず、双方向で、生じる動作抵抗を同じとすることができ、動作速度を共通化とすることができる。
次いで、図1472から図1477を参照して、導光板ユニットA700について説明する。図1472は、導光板ユニットA700の分解正面斜視図であり、図1473は、導光板ユニットA700の分解背面斜視図である。
図1472及び図1473に示すように、導光板ユニットA700は、背面ケースA210(図1434参照)に保持され背面ケースA210の正面側開口の大部分を覆う大きさで形成される覆設導光板ユニットA700aと、その覆設導光板ユニットA700aの左側部に締結固定される補助導光板ユニットA700bと、を備える。
覆設導光板ユニットA700aは、板状の導光板A701と、その導光板A701に向けて光を照射するLED等の複数の発光手段を有し導光板A701の左側に配設される左発光基板A702と、導光板A701に向けて光を照射するLED等の複数の発光手段を有し導光板A701の上側に配設される上発光基板A703と、それら導光板A701、左発光基板A702及び上発光基板A703の位置ずれを防止するように固定する前後一組の枠状部材A710と、を備える。
導光板A701は、光透過性の樹脂材料から矩形の平板状に形成され、右下部に切り欠きA701aを備える。導光板A701の裏面には、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭に沿って溝部が形成されており、左発光基板A702や上発光基板A703から導光板A701へ光が入射されると、その溝部で光が屈折され、遊技者に対して特定のキャラクター等の輪郭に沿うライン状の光を視認させることができる。
左発光基板A702及び上発光基板A703は、複数のLEDの光軸が、導光板A701の端面に直角に入射するように配設される。導光板A701に入射する方向を2方向で構成していることで、上述のライン状の光は、少なくとも、左発光基板A702からの光のみを入射する場合と、上発光基板A703からの光のみを入射する場合との2種類を生じさせることができる。
枠状部材A710は、矩形の枠状から導光板A701の切り欠きA701aが分断された形状から形成され、背面ケースA210(図1434参照)の外壁部A212の前端部に締結固定される一組の左右固定部A711と、第3動作ユニットA600(図1434参照)の右側部材A615や左側部材A617に締結固定される一対の下固定部A712と、第1動作ユニットA400の支持部材A421(図1442参照)に前後方向で当接する当接支持部A713と、を備える。
当接支持部A713は、上下に並ぶベルトA423a(図1444参照)の間に配置される。上側のベルトA423aに連結機構A427が配設されることから、当接支持部A713を下側のベルトA423a寄りの位置に配設させることで、連結機構A427の移動を阻害することなく、枠状部材A710の当接支持部A713の支持に支持部材A421の剛性を利用することができる。
図1474は、補助導光板ユニットA700bの分解正面斜視図であり、図1475は、補助導光板ユニットA700bの分解背面斜視図である。補助導光板ユニットA700bは、表裏面にLEDが配設される板状の発光基板A720と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され発光基板A720のLEDから照射される光を受光可能となるように発光基板A720の正面側に配設される前側板部材A730と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され発光基板A720のLEDから照射される光を受光可能となるように発光基板A720の背面側に配設される後側板部材A740と、光透過性の樹脂材料から形成され発光基板A720との間に前側板部材A730を挟むように配設される前カバー部材A750と、を備える。
発光基板A720は、上下に長尺の板状本体A721と、その板状本体A721から右方に先端円弧状に膨らむように形成される複数の膨出板部A722と、その膨出板部A722と対応する位置で板状本体A721の左側部において凹設される複数の凹設部A723と、板状本体A721の正面側において上下に並べられる複数の指向性の高いLED等の発光手段であって光軸が左方へ向けられる複数の正面発光部A724と、その正面発光部A724に対応する板状本体A721の背面側の位置(矢印F―B上で平行移動させた位置)において上下に並べられる指向性の低いLED等の発光手段であって光軸が左方へ向けられる複数の背面発光部A725と、を備える。
膨出板部A722が上下方向の複数位置に形成されていることで、前側板部材A730や後側板部材A740と発光基板A720との支持面積(互いに面接触する面積)を大きく確保することができる。これにより、組立状態における発光基板A720の姿勢の安定を図ることができる。
正面発光部A724からの光は、前側板部材A730に受光される。複数の正面発光部A724の光の光軸は、それぞれ左方を向き互いに平行とされるので、前側板部材A730を広い範囲で均一に光らせることができる。
背面発光部A725からの光は、後側板部材A740に受光される。複数の背面発光部A725の光の光軸は、それぞれ左方を向き互いに平行とされるので、後側板部材A740を広い範囲で均一に光らせることができる。
上述のように、正面発光部A724と背面発光部A725とが、前後方向で対応する位置に配置されているので、正面発光部A724により照らされる前側板部材A730の範囲と、背面発光部A725により照らされる後側板部材A740の範囲とを対応させることができる。
これにより、正面発光部A724及び背面発光部A725の両方を発光させた場合には、それらの光が合わさることで、前側板部材A730及び後側板部材A740における正面発光部A724又は背面発光部A725に照らされる範囲を、より明るく視認させることができる。
一方で、正面発光部A724又は背面発光部A725の片側を発光させる場合においても、前側板部材A730又は後側板部材A740の明るくなる箇所は、位置ずれすることが無いので、演出の違和感を生じさせにくくすることができる。
正面発光部A724又は背面発光部A725により明るく照らされる範囲が同じにされるので、例えば、正面発光部A724のみを発光させた状態から、背面発光部A725のみを発光させる状態へ移行させたとしても、遊技者が受ける平面的な光の明暗のパターン(正面視でどの位置が明るく、どの位置が暗くなるかというパターン)が変化することを避けることができる。これにより、遊技者の疲労間を低減させることができる。
前側板部材A730は、正面側側面が平滑面として形成される板状本体A731と、その板状本体A731の背面側側面において、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭に沿って形成されるライン状溝部A732と、板状本体A731の背面側に円柱状に突設され先端に形成される雌ネジにネジが螺入されることで枠状部材A710(図1472参照)に締結固定される複数の締結部A733と、前カバー部材A750との締結固定のために円形に穿設される挿通貫通孔A734と、前カバー部材A750との位置合わせのために上下方向に長い長孔上に穿設される位置合わせ長孔A735と、を備える。
正面発光部A724からの光が前側板部材A730に受光された場合、ライン状溝部A732で光が屈折されることにより、上記イラストの形状の輪郭がライン状に明るく視認される。
後側板部材A740は、前側板部材A730の正面視外形と同一形状で光透過性の樹脂材料から形成される板状本体A741と、その板状本体A741の正面視外形と同一形状から形成され板状本体A741の背面側に配設される光不透過(又は透過性の低い)白色のシートA742と、板状本体A741の正面視外形と同一形状から形成され板状本体A741の正面側に配設される光透過性の薄肉樹脂板A743と、左上隅部において板状本体A741、シートA742及び薄肉樹脂板A743を前後方向に貫くように同位置に形成される第1貫通孔A741a,A742a,A743aと、下側部において板状本体A741、シートA742及び薄肉樹脂板A743を前後方向に貫くように同位置に形成される第2貫通孔A741b,A742b,A743bと、を備える。
板状本体A741は、正面側側面が平滑面で形成され、背面側側面に無数のシボが形成される。これにより、板状本体A741に受光された光のうち、背面側へ抜けた光がシートA742に反射されると、その光は無数のシボで拡散され、面発光される。これにより、板状本体A741の背面側部を効率的に明るくすることができる。
薄肉樹脂板A743には、ライン状溝部A732の輪郭の元となるイラストが描かれており、本実施形態では、イラストに対応する色が塗られている。そのため、背面発光部A725からの光が後側板部材A740に受光された場合、薄肉樹脂板A743に描かれたイラストが、板状本体A741の背面側のシボにより面発光で明るく視認される。
前カバー部材A750は、背面側に無数の半球状の突設部が形成される板状本体A751と、その板状本体A751の上縁部および右縁部から背面側に板状に延設される延設縁部A752と、板状本体A751の左端部において発光基板A720の位置合わせに利用される突設部および締結に利用される雌ネジ部から構成される締結部A753と、板状本体A751の右端部から背面側に円柱状に突設される複数の円柱状締結部A754と、その円柱状締結部A754よりも細径で突設長さが短い突設部A755と、正面側に装飾が施され板状本体A751の正面側に貼り付けられる光透過性の装飾シールA756と、を備える。
組立において、突設部A755が前側板部材A730の位置合わせ長孔A735に挿通され、円柱状締結部A754が前側板部材A730の挿通貫通孔に挿通されることで、前側板部材A730を前カバー部材A750に対して位置合わせすることができる。
更に続けて、前側板部材A730に重ねるようにして発光基板A720を締結部A753で位置合わせし、その発光基板A720に重ねるようにして後側板部材A740を配置する。この時、円柱状締結部A754が後側板部材A740の第1貫通孔A741a,A742a,A743aに挿通され、前側板部材A730の右下の締結部A733が後側板部材A740の第2貫通孔A741b,A742b,A743bに挿通されることで、後側板部材A740を前側板部材A730に対して位置合わせすることができる。
前カバー部材A750に前側板部材A730、発光基板A720及び後側板部材A740を位置合わせした状態で、補助導光板ユニットA700bを覆設導光板ユニットA700a(図1472参照)に締結固定する場合、前側板部材A730の締結部A733及び前カバー部材A750の円柱状締結部A754に押圧力(締結力)がかけられる。
本実施形態では、締結部A733及び円柱状締結部A754が、発光基板A720の外方に配設されているので、組立において押圧力(締結力)が意図せず過大になった場合であっても、発光基板A720が割れたり破損したりする事態を回避し易くすることができる。
前カバー部材A750の右上に配置される円柱状締結部A754により、前側板部材A730、後側板部材A740及び前カバー部材A750の位置合わせと、発光基板A720に対する前側板部材A730及び後側板部材A740の押し付け(押圧)とを、一箇所で行うことができる。これにより、組立の工数を削減することができる。
図1476は、補助導光板ユニットA700bの背面図であり、図1477(a)は、図1476のMCDXVIa-MCDXVIa線における補助導光板ユニットA700bの断面図であり、図1477(b)は、図1476のMCDXVIb-MCDXVIb線における補助導光板ユニットA700bの断面図である。図1477(a)では、円柱状締結部A754の中心を通る断面が図示される。
補助導光板ユニットA700bの組立時には、前カバー部材A750に前側板部材A730を位置合わせして組み付けた後で、発光基板A720を前カバー部材A750に組み付ける際に、締結部A753の雌ネジが形成される締結部の端面と、膨出板部A722が面で当接する前側板部材A730の背面側側面との高さ(前後方向位置)が合うようになっており、発光基板A720の姿勢が安定するようになっている。
更に、発光基板A720の後ろから後側板部材A740を組み付けると、後側板部材A740の前側側面が膨出板部A722と広範囲で面で当接することで、後側板部材A740の姿勢の安定と、局所的な負荷の低減とを図っている。
図1476及び図1477(a)に示すように、前側板部材A730と後側板部材A740とが発光基板A720と重なる形状が同じとなるように形成されているので、円柱状締結部A754に螺入される締結ネジによる押圧力が、前側板部材A730及び後側板部材A740を介して発光基板A720にバランスよく伝えられる。押圧力が、発光基板A720をせん断する力として機能することを避けることができるので、発光基板A720の割れや欠けを避けることができる。
発光基板A720の縁部に前側板部材A730及び後側板部材A740から押圧力をかけられることで、前側板部材A730と後側板部材A740とが、発光基板A720の表裏面に押し付けられる。
これにより、発光基板A720の板状本体A721に対する前側板部材A730及び後側板部材A740の前後位置を正確に合わせることで、正面発光部A724に対する前側板部材A730の前後位置および背面発光部A725に対する後側板部材A740の前後位置を容易に合わせることができるので、前側板部材A730及び後側板部材A740への受光位置を合わせ易くすることができる。
円柱状締結部A754は、正面発光部A724及び背面発光部A725の光軸と重ならない位置(間の位置)に配設される。これにより、前側板部材A730に受光される正面発光部A724からの光の光軸を円柱状締結部A754が遮ることが無いので、前側板部材A730を利用した発光演出の演出効果を向上させることができる。
図1477(b)は、下から3個目の背面発光部A725の中心を通る断面として図示される。図1476及び図1477(b)に示すように、締結部A733は、背面発光部A725の光軸と重なる位置に配設されている。
このように締結部A733を配設する場合であっても、締結部A733は前側板部材A730を貫通するような部分では無く、正面発光部A724の光を遮ることはない。また、後側板部材A740で受光される光は、後側板部材A740を面発光させるために指向性を若干低くされることから(指向性の低いLEDが選定され易いので)、光軸上に締結部A733が配置されていたとしても光が完全に遮られるものではないので、発光演出への影響を少なくすることができる。即ち、後側板部材A740を利用した発光演出の演出効果を下げることなく、前側板部材A730の締結部A733の配設自由度を向上させることができる。
前カバー部材A750に対する後側板部材A740の締結固定においては、板状本体A741の正面側面が薄肉樹脂板A743の左側縁部を板状本体A721の背面側面との間で挟むように締結固定されることで、薄肉樹脂板A743が板状本体A741から浮き上がることが防止される。
この場合、薄肉樹脂板A743に与えられる負荷が、締結ネジのように点で生じる負荷ではなく、発光基板A720の板状本体A721との間で薄肉樹脂板A743の左側縁部に沿って線(面)で生じる負荷となるので、薄肉樹脂板A743にかけられる単位面積当たりの押圧力を低減させることができる。これにより、薄肉樹脂板A743の割れや欠けを回避し易くすることができる。
図1477(a)及び図1477(b)で示すように、指向性の高いLEDから選定される正面発光部A724からの照射光の進行経路AL1は、前側板部材A730に受光された後、前側板部材A730の前後面で全反射する態様でライン状溝部A732に到達するまでは左右方向に延び、ライン状溝部A732に到達すると屈折され、正面側へ向きが変えられる。
そのため、正面側から前側板部材A730を視認する際に正面発光部A724から光が照射されている場合には、ライン状溝部A732から正面側に向かう光が遊技者の目に届くので、ライン状溝部A732の元となる形状としての、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭が光っているように視認させることができる。
背面発光部A725からの光は、正面発光部A724からの光よりも指向性が低いものとされているので、背面発光部A725からの光は後側板部材A740内を全反射する態様にはなく、後側板部材A740を均一に照らすように機能する。
図1477に示すように、前側板部材A730の正面発光部A724側の端部および後側板部材A740の背面発光部A725側の端部は、発光基板A720の正面発光部A724及び背面発光部A725の照射方向側(右側)の端部よりも、正面発光部A724及び背面発光部A725側に配置される。
これにより、発光基板A720の板状本体A721を遮蔽板として利用することができるので、正面発光部A724(背面発光部A725)から照射された光が前側板部材A730(後側板部材A740)に受光される前に漏れることを避けることができる。これにより、例えば、正面発光部A724から照射される光が後側板部材A740に受光される事態や、背面発光部A725から照射される光が前側板部材A730に受光される事態を回避し易くすることができ、発光演出が不良となることを避け易くすることができる。
板状本体A751は、背面側に形成される無数の半球状の突設部A751aにより、正面側からの光を受光した場合に、その光を拡散させて面発光させる。これにより、光演出の効果を向上させることができると共に、前カバー部材A750の背面側の視認性を低くできるので、発光基板A720の目隠しとして利用することができる。
板状本体A751の背面側には発光基板A720の正面発光部A724が配設されるが、正面発光部A724から照射される光は板状本体A751側へ向く方向と直交する方向で前側板部材A730に入射され、前側板部材A730内で全反射されることから、板状本体A751は正面発光部A724から照射される光で照らされにくい構成となっており、暗く視認され、演出領域として使いにくいという事情がある。
これに対し、本実施形態では、板状本体A751の背面側に形成される無数の半球状の突設部A751aにより、受光した光を拡散させることができるので、遊技者に板状本体A751を明るい状態で視認させることができる。
更に、板状本体A751の正面側面全域を覆う形状の装飾シールA756が板状本体A751の正面側に貼り付けられることで、光により板状本体A751の背面側に形成される無数の突設部A751aの形状が目立つ効果を低減し、明るく照らされた装飾シールA756の正面側の装飾の視認性を良くすることができる。
図1478(a)から図1478(f)は、補助導光板ユニットA700bの視認態様を模式的に示す補助導光板ユニットA700bの模式正面図である。説明の便宜上、補助導光板ユニットA700bを矩形状の外形で図示し、その内側に三角形のイラストAIL1,AIL2が図示される場合として模式的に図示する。この三角形のイラストAIL1,AIL2が、薄肉樹脂板A743やライン状溝部A732(図1475参照)により形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭の一例に該当する。
図1478(a)から図1478(f)では、正面発光部A724(図1474参照)の点灯または消灯の違いや、背面発光部A725(図1475参照)の点灯または消灯の違いによる、補助導光板ユニットA700bの見映えの違いの一例が図示される。
図1478(a)では、正面発光部A724(図1474参照)が消灯され、背面発光部A725(図1475参照)が消灯される場合が図示される。この場合には、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2が視認可能とされる。
図1478(b)では、正面発光部A724(図1474参照)が消灯され、背面発光部A725(図1475参照)が点灯される場合が図示される。この場合には、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2が照らされた状態で視認可能とされる。
図1478(c)では、正面発光部A724(図1474参照)が点灯され、背面発光部A725(図1475参照)が消灯される場合が図示される。この場合には、ライン状溝部A732(図1475参照)に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2の形状の輪郭が照らされ、ライン状の光として視認されることになる。この場合、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1,AIL2の形状はライン状の光により遮られ、視認性が低下される。
図1478(d)では、正面発光部A724(図1474参照)が点灯され、背面発光部A725(図1475参照)が点灯される場合が図示される。この場合には、図1478(c)に図示される状態よりも、補助導光板ユニットA700bの正面側部の明るさを向上させることができる。
図1478(e)では、板状本体A721の上下半分位置よりも上側の正面発光部A724(図1474参照)が消灯され、板状本体A721の上下半分位置よりも下側の正面発光部A724が点灯され、板状本体A721の上下半部位置よりも上側の背面発光部A725(図1475参照)が点灯され、板状本体A721の上下半部位置よりも下側の背面発光部A725(図1475参照)が消灯される場合が図示される。
この場合には、補助導光板ユニットA700bの上側半分では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1が照らされた状態で視認可能とされ、補助導光板ユニットA700bの下側半分では、ライン状溝部A732(図1475参照)に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL2の形状の輪郭が照らされ、ライン状の光として視認される。
図1478(f)では、板状本体A721の上下半分位置よりも上側の正面発光部A724(図1474参照)が点灯され、板状本体A721の上下半分位置よりも下側の正面発光部A724が消灯され、背面発光部A725(図1475参照)が消灯される場合が図示される。
この場合には、補助導光板ユニットA700bの上側半分では、ライン状溝部A732(図1475参照)に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL1の形状の輪郭が照らされ、ライン状の光として視認され、補助導光板ユニットA700bの下側半分では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストAIL2が視認可能とされる。
図1478(a)から図1478(f)に示すように、本実施形態では、補助導光板ユニットA700bの正面側の視認態様を、正面発光部A724(図1474参照)の点灯、消灯、及び背面発光部A725(図1475参照)の点灯、消灯の組合せのバリエーションに対応して変化させることができる。
図1479は、遊技盤A13の分解正面斜視図であり、図1480は、遊技盤A13の分解背面斜視図である。図1479及び図1480に示すように、遊技盤A13は、ベース板A60の窓部A60aにセンターフレームA86が正面側から締結固定され、そのセンターフレームA86の左右を遊技球が流下可能となるように構成されている。
遊技盤A13は、光透過性の樹脂材料から遊技球の流下を分岐させる突設部を有する形状で形成されセンターフレームA86の左上側に配設される流下分岐部材A801と、光透過性の樹脂材料から遊技球の流下を案内する流路として左右に並んで設けられる2本の案内流路を構成する形状で形成されセンターフレームA86の右方前側に配設される案内部材A802と、その案内部材A802の下方においてベース板A60に固定され光透過性の樹脂材料から遊技球の流下を案内する流路として左右に並んで設けられる2本の案内流路を構成する形状で形成される下流側案内部材A803と、センターフレームA86の内側に配設される光透過性の装飾部材A808の背面側に配設され装飾部材A808に光を照射可能に構成される補助導光板ユニットA810と、を備える。
流下分岐部材A801は、センターフレームA86がベース板A60に配設された場合において窓部A60aの内側の領域の前方に配置される。この場合、補助導光板ユニットA810から流下分岐部材A801へ向かう光は、ベース板A60を通らず、ベース板A60の板厚よりも薄いセンターフレームA86を通り流下分岐部材A801に到達することになるので、流下分岐部材A801に到達する光の減衰を抑えることができる。
案内部材A802は、ベース板A60の窓部A60aの右上領域A60bを正面側から覆う形状から形成される板状本体A802aと、その板状本体A802aから正面側に板状に延設される一対の延設板A802bと、遊技球を減速させるために板状本体A802a又は延設板A802bから突設される複数の減速突部A802cと、を備え、右上領域A60bの上下位置においてベース板A60に締結固定される。
案内部材A802の背面側には、右上領域A60bに収められベース板A60の板厚よりも板厚の薄いセンターフレームA86の張出板部A86aを挟んで、補助導光板ユニットA810が配設される。この場合、補助導光板ユニットA810から案内部材A802へ向かう光は、ベース板A60を通らず、ベース板A60の板厚よりも薄いセンターフレームA86の張出板部A86aを通り案内部材A802に到達することになるので、案内部材A802に到達する光の減衰を抑えることができる。
減速突部A802cは、左側の流路については、向かい合う一対の延設板A802bの両方から突設されており、これにより流下する遊技球を左右に揺らすことができる。右側の流路については、右側の延設板A802bから突設されると共に、板状本体A802aから前方に突設されており、これにより流下する遊技球を左右および前後方向に揺らすことができる。
このように、案内部材A802により形成される2本の流路を流下する遊技球は、どちらも減速突部A802cからの減速を受けるが、その流下態様は、どちらの流路を流下するかによって異なる。これにより、遊技者は、遊技球の流下態様を見ることで、遊技球がどちらの流路を流下しているかを即座に把握することができる。
また、このように構成することで、外縁部材73(図1431参照)に減速突部を形成する必要が無いので、外縁部材73を共通部品として構成することができる。これにより、製品のコスト削減を図ることができる。
本実施形態では、案内部材A802により、一本の流路よりも左右幅の広い二本の流路を構成することになるので、強度面での問題が生じやすい。これに対し、本実施形態では、流路を形成する延設板A802bが板状本体A802aの中央に配置されており、案内部材A802の補強材としての役割も担っている。これにより、案内部材A802を厚みの薄い部材として構成しても、強度不足となることを避け易くすることができる。
下流側案内部材A803は、板状本体A803aと、その板状本体A803aの背面から延設される延設板A803bと、を備え、それらの前後関係が案内部材A802と逆とされる。
案内部材A802により形成される2本の流路と異なり、下流側案内部材A803により形成される2本の案内流路は、その流路形状自体が、左右で異なる。即ち、左側の流路は、左下方に傾斜する流路であるが、右側の流路は、左右に蛇行する経路として形成される。これにより、いずれの流路を流下するかにより、遊技球の流下態様を大きく変化させることができる。
図1481は、補助導光板ユニットA810の分解正面斜視図であり、図1482は、補助導光板ユニットA810の分解背面斜視図である。補助導光板ユニットA810は、表面にLEDが配設される一組の板状の正面発光基板A820と、裏面にLEDが配設される一組の板状の背面発光基板A830と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され正面発光基板A820のLEDから照射される光を受光可能となるように正面発光基板A820の正面側に配設される前側板部材A840と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され背面発光基板A830のLEDから照射される光を受光可能となるように背面発光基板A830の背面側に配設される後側板部材A850と、光透過性の低い白色の樹脂材料から形成され背面発光基板A830との間に後側板部材A850を挟むように配設されるベース部材A860と、を備える。
正面発光基板A820は、上側に配設される上側基板A821と、右側に配設される右側基板A825と、を備える。上側基板A821は、板状本体A822と、板状本体A822の正面側において右下隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が右側へ向けられる複数のエッジ発光部A823と、そのエッジ発光部A823よりも左側に配設される複数のLED等の発光手段であって光軸が正面側へ向けられる複数の面発光部A824と、を備える。
エッジ発光部A823からの光は、前側板部材A840に受光される。複数のエッジ発光部A823の光の光軸は、それぞれ右側を向き、前側板部材A840の前平面に対して平行とされるので、前側板部材A840を広い範囲で光らせることができる。
更に、エッジ発光部A823は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真右を向くのではなく、光軸の間隔が右側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A823からの光を前側板部材A840の広範囲に導光させることができる。
面発光部A824からの光は、正面側に配設される装飾部材A808(図1479参照)に受光される。複数の面発光部A824の光の光軸は、それぞれ正面側を向き互いに平行とされるので、装飾部材A808を広い範囲で均一に光らせることができる。
右側基板A825は、板状本体A826と、板状本体A826の正面側において左上隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が上側へ向けられる複数のエッジ発光部A827と、そのエッジ発光部A827よりも下側に配設される複数のLED等の発光手段であって光軸が正面側へ向けられる複数の面発光部A828と、を備える。
エッジ発光部A827からの光は、前側板部材A840に受光される。複数のエッジ発光部A827の光の光軸は、それぞれ上側を向き、前側板部材A840の前平面に対して平行とされるので、前側板部材A840を広い範囲で光らせることができる。
更に、エッジ発光部A827は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真上を向くのではなく、光軸の間隔が上側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A827からの光を前側板部材A840の広範囲に導光させることができる。
上側基板A821のエッジ発光部A823からの光が前側板部材A840の左端から受光されるのに対し、エッジ発光部A827からの光は前側板部材A840の下端から受光されるようになっているので、前側板部材A840が正面視で中央側において括れ部A844を有するように括れた形状となっている場合であっても、前側板部材A840の全域に光が届き易くすることができる。
面発光部A828からの光は、正面側に配設される装飾部材A808(図1479参照)に受光される。複数の面発光部A828の光の光軸は、それぞれ正面側を向き互いに平行とされるので、装飾部材A808を広い範囲で均一に光らせることができる。
背面発光基板A830は、上側に配設される上側基板A831と、右側に配設される右側基板A835と、を備える。上側基板A831は、板状本体A832と、板状本体A832の背面側において右下隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が右側へ向けられる複数のエッジ発光部A833と、を備える。
エッジ発光部A833からの光は、後側板部材A850に受光される。複数のエッジ発光部A833の光の光軸は、それぞれ右側を向き、後側板部材A850の前平面に対して平行とされるので、後側板部材A850を広い範囲で均一に光らせることができる。
更に、エッジ発光部A833は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真右を向くのではなく、光軸の間隔が右側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A833からの光を後側板部材A850の広範囲に導光させることができる。
右側基板A835は、板状本体A836と、板状本体A836の正面側において左上隅部に並べられる複数のLED等の発光手段であって光軸が上側へ向けられる複数のエッジ発光部A837と、を備える。
エッジ発光部A837からの光は、後側板部材A850に受光される。複数のエッジ発光部A837の光の光軸は、それぞれ上側を向き、後側板部材A850の前平面に対して平行とされるので、後側板部材A850を広い範囲で均一に光らせることができる。
更に、エッジ発光部A837は複数のLEDから構成されており、各LEDの光軸は真上を向くのではなく、光軸の間隔が上側ほど広がるような放射状方向に向くように構成されている。これにより、エッジ発光部A837からの光を後側板部材A850の広範囲に導光させることができる。
上側基板A831のエッジ発光部A833からの光が後側板部材A850の左端から受光されるのに対し、エッジ発光部A837からの光は後側板部材A850の下端から受光されるようになっているので、後側板部材A850が正面視で中央側において括れた形状となっている場合であっても、後側板部材A850の全域に光が届き易くすることができる。
正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827と、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837とが、前後方向で対応する位置(矢印F―B上で平行移動させた位置)に配置されているので、エッジ発光部A823,A827により照らされる前側板部材A840の範囲と、エッジ発光部A833,A837により照らされる後側板部材A850の範囲とを対応させることができる。
これにより、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827と、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837との両方を発光させた場合には、それらの光が合わさることで、前側板部材A840及び後側板部材A850におけるエッジ発光部A823,A827又はエッジ発光部A833,A837に照らされる範囲を、より明るく視認させることができる。
一方で、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827又は背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837の片側を発光させる場合においても、前側板部材A840又は後側板部材A850の明るくなる箇所は、位置ずれすることが無いので、演出の違和感を生じさせにくくすることができる。
正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827又は背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837により明るく照らされる範囲が同じにされるので、例えば、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827のみを発光させた状態から、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837のみを発光させる状態へ移行させたとしても、遊技者が受ける平面的な光の明暗のパターン(正面視でどの位置が明るく、どの位置が暗くなるかというパターン)が変化することを避けることができる。これにより、遊技者の疲労間を低減させることができる。
前側板部材A840は、正面側側面が平滑面として形成される板状本体A841と、その板状本体A841の背面側側面において、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭に沿って形成されるライン状溝部A842と、ベース部材A860との締結固定のために円形に穿設される挿通貫通孔A843と、板状本体A841の中腹部が括れるように形成される括れ部A844と、を備える。
正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827からの光が前側板部材A840に受光された場合、ライン状溝部A842で光が屈折されることにより、上記イラストの形状の輪郭がライン状に明るく視認される。
括れ部A844を有する板状本体A841の形状は、ライン状溝部A842の元となるイラストの形状の外形に合わせた結果の形状である。即ち、ライン状に光る形状は、板状本体A841の全域で視認されることになるので、板状本体A841に演出上無駄な箇所を生じさせないようにすることができる。
後側板部材A850は、前側板部材A840の正面視外形と同一形状で光透過性の樹脂材料から形成される板状本体A851と、その板状本体A851の正面視外形と同一形状から形成され板状本体A851の正面側に配設される光透過性の薄肉樹脂板A855と、左上隅部において板状本体A851及び薄肉樹脂板A855を前後方向に貫くように同位置に形成される第1貫通孔A851a,A855aと、下側部において板状本体A851及び薄肉樹脂板A855を前後方向に貫くように同位置に形成される第2貫通孔A851b,A855bと、を備える。
板状本体A851は、前側板部材A840の括れ部A844と対応する位置において括れ部A844と同様の形状から形成される括れ部A852を備え、正面側側面が平滑面で形成され、背面側側面に無数のシボが形成される。これにより、板状本体A851に受光された光のうち、背面側へ抜けた光が白色のベース部材A860に反射されると、その光は無数のシボで拡散され、面発光される。これにより、板状本体A851の背面側部を効率的に明るくすることができる。
板状本体A851は、括れ部A852を備えており、括れ部A852の片側から受光された光が括れ部A852を通過した後においては括れ部A852の幅に制限された範囲で進行し易いため、本実施形態の板状本体A851のように、括れ部A852の両側において括れ部A852の幅よりも幅広に形成される場合には、括れ部A852の片側から受光された光を板状本体A851の全域に広げることは難しい。
そこで、本実施形態では、括れ部A852の上側においてはエッジ発光部A833からの光が板状本体A851に受光され、括れ部A852の下側においてはエッジ発光部A837からの光が板状本体A851に受光されるように構成することで、括れ部A852を採用しながらも、括れ部A852の上側または下側のみから光を受光する場合に比較して、板状本体A851の全域に光を受光させることを可能にしている。これにより、板状本体A851の全域を効率的に明るくすることができる。
薄肉樹脂板A855には、ライン状溝部A842の輪郭の元となるイラストが描かれており、本実施形態では、イラストに対応する色が塗られている。そのため、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837からの光が後側板部材A850に受光された場合、薄肉樹脂板A855に描かれたイラストが、板状本体A851の背面側のシボにより面発光で明るく視認される。
ベース部材A860は、白色の樹脂材料から形成される部材であって、正面視略L字状に形成される板状本体A861と、その板状本体A861に支持される後側板部材A850の位置合わせを行う位置合わせ突部A862と、後側板部材A850が締結固定される締結部A863と、背面発光基板A830が位置合わせ及び締結固定される基板締結部A864と、板状本体A861から正面側に台状に形成される台部A865と、板状本体A861の正面から台部A865の正面側側面に合う高さで円柱状に突設され先端に雌ネジが形成される円柱状締結部A866と、板状本体A861の正面から円柱状に突設され先端に雌ネジが形成され、円柱状締結部A866の突設長さよりも正面発光基板A820の厚さ分突設方向に長くされる板挟み締結部A867と、を備える。
補助導光板ユニットA810の組立は、ベース部材A860に対して、後側板部材A850、背面発光基板A830、正面発光基板A820、前側板部材A840の順で締結固定されることで行われる。
まず、ベース部材A860に対する後側板部材A850の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する後側板部材A850の締結固定は、対応する位置合わせ突部A862に第1貫通孔A851a及び第2貫通孔A851bを挿通させた状態で板状本体A851に挿通される締結ネジが締結部A863に螺入されることで、行われる。
この時、締結ネジは板状本体A851には挿通されるが、薄肉樹脂板A855には挿通されない。そのため、板状本体A851をベース部材A860に締結固定した状態で、対応する位置合わせ突部A862に第1貫通孔A855a及び第2貫通孔A855bを挿通させることで、ベース部材A860及び板状本体A851に対する薄肉樹脂板A855の位置合わせを容易に行うことができる。
更に、締結時の押圧力により薄肉樹脂板A855が割れる事態を避けることができる。また、板状本体A851の締結は維持したままで、薄肉樹脂板A855の交換を行うことも可能となる。
次に、ベース部材A860に対する背面発光基板A830の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する背面発光基板A830の締結固定は、背面発光基板A830が基板締結部A864に締結固定されることで行われる。
基板締結部A864は、それぞれ後側板部材A850の貫通孔A853に挿通されていることで、後側板部材A850のベース部材A860に対する位置合わせとしても機能する。
ベース部材A860に対する背面発光基板A830の締結固定においては、上側基板A831の板状本体A832の背面側面が薄肉樹脂板A855の左側縁部を板状本体A851の正面側面との間で挟むように締結固定され、右側基板A835の板状本体A836の背面側面側が薄肉樹脂板A855の右下側縁部を板状本体A851の正面側面との間で挟むように締結固定されることで、薄肉樹脂板A855が板状本体A851から浮き上がることが防止される。
この場合、薄肉樹脂板A855に与えられる負荷が、締結ネジのように点で生じる負荷ではなく、左側縁部に沿って線(面)で生じる負荷となるので、薄肉樹脂板A855にかけられる単位面積当たりの押圧力を低減させることができる。これにより、薄肉樹脂板A855の割れや欠けを回避し易くすることができる。
上述のように、背面発光基板A830の締結固定においては、板状本体A832の背面側面が後側板部材A850の正面側面と面で当接するように構成しているので、背面発光基板A830のエッジ発光部A833,A837の光軸と、後側板部材A850との、前後方向(後側板部材A850の正面側面が向く方向)における位置合わせを容易に行うことができる。これにより、後側板部材A850への受光を良好とすることができる。
次に、ベース部材A860に対する正面発光基板A820の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する正面発光基板A820の締結固定は、正面発光基板A820の背面側面の左下側部が台部A865に面で当接された状態で、正面発光基板A820が円柱状締結部A866に締結固定されることで行われる。
正面発光基板A820と背面発光基板A830とは平行となるように配設されており、それらの間には間隔が開けられているので、正面発光基板A820と、背面発光基板A830及び後側板部材A850との間では、押圧力が生じないように構成される。
次に、ベース部材A860に対する前側板部材A840の締結固定について説明する。ベース部材A860に対する前側板部材A840の締結固定は、前側板部材A840が板挟み締結部A867に締結固定されることで行われる。
板挟み締結部A867の配置は、正面発光基板A820の外方かつ近傍とされているので、板挟み締結部A867への締結固定時に生じる押圧力が、点での荷重として正面発光基板A820に与えられることを避けることができる。これにより、正面発光基板A820の割れや欠けを防止することができる。
前側板部材A840には、正面発光基板A820に配設されるエッジ発光部A823等のLEDの配置位置を確保するための貫通孔A845が形成されており、この貫通孔A845を除く板状本体A841の背面側面が、正面発光基板A820の板状本体A822,A826に対して面で押圧力をかけるようにして、ベース部材A860に締結固定される。これにより、正面発光基板A820の板状本体A822,A826を利用して、前側板部材A840の支持面積を増大させることができる。
ベース部材A860に対する前側板部材A840の締結固定においては、前側板部材A840の板状本体A841の背面側面が正面発光基板A820の正面側面と面で当接するように構成しているので、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827の光軸と、前側板部材A840との、前後方向(前側板部材A840の正面側面が向く方向)における位置合わせを容易に行うことができる。これにより、後側板部材A850への受光を良好とすることができる。
上述のように、正面発光基板A820、背面発光基板A830、前側板部材A840及び後側板部材A850は、それぞれ、ベース部材A860に形成される各構成部分に位置合わせされ、締結固定される。これにより、ベース部材A860の正面側面と平行な方向における正面発光基板A820、背面発光基板A830、前側板部材A840及び後側板部材A850の位置合わせを容易に行うことができる。
また、基板が前後に並ぶ一組ずつの正面発光基板A820及び背面発光基板A830で構成される場合であっても、光が受光される部材として対応する前側板部材A840又は後側板部材A850と、前後方向で当接するように締結固定させることで、ベース部材A860の正面側面と交差する方向における正面発光基板A820、背面発光基板A830、前側板部材A840及び後側板部材A850の位置合わせを容易に行うことができる。
図1483は、補助導光板ユニットA810の正面図であり、図1484は、図1483のMCDXXIII-MCDXXIII線における補助導光板ユニットA810の断面図である。図1483では、装飾部材A808の外形および右上領域A60b(図1479参照)の外形が想像線で図示され、正面発光基板A820の外形の内で前側板部材A840と重なる箇所が隠れ線で図示され、図1484では、ベース部材A860の中央側に配置される円柱状締結部A866(図1481参照)の中心を通る断面が図示される。
図1483に示すように、正面発光基板A820は、正面視で装飾部材A808の外形内に収まるよう配設されており、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827からの光を受光する前側板部材A840は、正面視で装飾部材A808からはみ出して配設されている。
これにより、正面発光基板A820を装飾部材A808で目隠ししながら、補助導光板ユニットA810全体の前後厚さを抑えることができる。即ち、補助導光板ユニットA810の前側板部材A840の背面側に発光基板を配置して前側板部材A840の発光演出を行う場合、前側板部材A840を発光させるのに適切な距離だけ離して発光基板を配置する必要があるので、ユニットの前後幅が嵩むことになり、その後方に動作役物を配置するスペースが削られることになる。
これに対し、本実施形態では、正面発光基板A820の配置を前側板部材A840の後方ではなく、前側板部材A840に対して左右または前後方向にずらした位置とすることで、補助導光板ユニットA810の前後幅を短くすることができるので、補助導光板ユニットA810の後方に動作役物を配置するスペースを十分に確保することができる。
本実施形態では、案内部材A802(図1479参照)を採用することで、窓部A60aの右上領域A60bの前方にも遊技領域が形成される。補助導光板ユニットA810の右端部は、右上領域A60bに入り込んでいる。即ち、前後方向でベース板A60の板厚よりも内側に配置されている。
これにより、ベース板A60の後方に補助導光板ユニットA810が配置される場合に比較して、遊技盤A13(図1479参照)の前後厚さを低減させることができる。更に、ベース板A60の後方に補助導光板ユニットA810が配置されベース板A60の板厚分を透過して遊技領域に到達する光に比較して、遊技領域に進入する光の減衰が生じ難くなるようにすることができるので、右上領域A60bの前方の遊技領域を明るく照らすことができる。
前側板部材A840は、正面発光基板A820の縁部と重なる形状から形成される。即ち、前側板部材A840が正面発光基板A820の正面側からベース部材A860に締結固定される際に前側板部材A840から正面発光基板A820に与えられる押圧力は、正面発光基板A820の縁部に沿って分けられることになるので、単位面積あたりの荷重を低減させることができる。
これにより、正面発光基板A820と前側板部材A840との間にかけられる負荷が過剰となることを避けながら、正面発光基板A820と前側板部材A840とを面接触させることができるので、正面発光基板A820のエッジ発光部A823,A827の光軸と、前側板部材A840との位置合わせを容易に行うことができる。
図1484で示すように、指向性の高いLEDから選定されるエッジ発光部A823,A827からの照射光の進行経路AL2は、前側板部材A840に受光された後、前側板部材A840の前後面で全反射する態様でライン状溝部A842に到達するまでは左右方向に延び、ライン状溝部A842に到達すると屈折され、正面側へ向きが変えられる。
そのため、正面側から前側板部材A840を視認する際にエッジ発光部A823,A827から光が照射されている場合には、ライン状溝部A842から正面側に向かう光が遊技者の目に届くので、ライン状溝部A842の元となる形状としての、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状の輪郭が光っているように視認させることができる。
なお、エッジ発光部A833,A837(図1482参照)を構成するLEDは、エッジ発光部A823,A827を構成するLEDよりも指向性の低いLEDが採用される。これにより、後側板部材A850の全域を均一に発光させることができる。
即ち、エッジ発光部A833,A837(図1482参照)からの光は、後側板部材A850からの光は後側板部材A850内を全反射する態様にはなく、後側板部材A850を均一に照らすように機能する。
図1431に戻って説明する。図1431に示すように、正面視におけるセンターフレームA86の右下側に、下流側案内部材A803が配設される。下流側案内部材A803は、案内部材A802に案内された遊技球が、スルーゲート67を通過するか否かに関わらず案内される流路を構成する。
図1485は、下流側案内部材A803の分解正面斜視図であり、図1486は、下流側案内部材A803の分解背面斜視図である。なお、図1485及び図1486では、下流側案内部材A803が固定されるベース板A60の一部のみが図示され、ベース板A60のその他の部分についての図示が省略される。
下流側案内部材A803は、板状本体A803aと、その板状本体A803aの背面から延設される延設板A803bと、を有する前側部材A803zと、その前側部材A803zの背面側に配置され前側部材A803zとの間に遊技球が流下可能な経路を形成するように前側部材A803zに締結固定された状態でベース板A60に締結固定される光透過性の樹脂材料から形成される後側部材A804と、前側部材A803zの板状本体A803aの前面に貼り付けられる装飾板部材A805と、を備え、組立状態(図1431参照)において、案内部材A802に案内された遊技球が、板状本体A803aと後側部材A804との間の領域を流下可能に構成される。
延設板A803bは、板状本体A803aの左縁部から延設され上下方向に延びる板部と左下方向に延びる傾斜板部から形成される左延設板A803cと、その左延設板A803cと対応する形状から形成されると共に対向配置され左延設板A803cとの間の領域に左側流路ATL1を形成する中側左延設板A803dと、その中側左延設板A803dの途中位置から枝分かれして右方に延設される部分を有し左右に屈曲しながら下方へ延びるように形成される中側右延設板A803eと、その中側右延設板A803eと対向配置され中側右延設板A803eとの間の領域に右側流路ATL2を形成する右延設板A803fと、を備える。
左側流路ATL1を流下する遊技球は、左延設板A803c及び中側左延設板A803dの延びる方向である左下方向へ流下する途中で、左延設板A803cと中側左延設板A803dとの間に配設され組立状態において後側部材A804のセンサ支持部A804aに保持される球検出用の検出センサASE1を通過して、後側部材A804の開口部A804bを通りベース板A60の後方へ向けて排出される。そのため、左側流路ATL1に流入した遊技球は、第2入賞口640や特定入賞口65a(図1431参照)に案内されることはない。
左側流路ATL1の延びる方向(左下方向)は、右側流路ATL2から離れる方向なので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方が視認可能な場合に左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
検出センサASE1で遊技球が検出された場合の制御としては、種々の態様が考えられるが、本実施形態では、検出センサASE1で遊技球の通過が検出された場合、1個の賞球が払い出されるように制御される。
なお、賞球の個数は一例であり、1個に限られることはなく、2個でも、それ以上の個数でも良い。一方で、本実施形態のように賞球個数を1個とすることで、右打ちされた遊技球が左側流路ATL1を流れた場合の球減りを抑えることができる。
また、賞球の個数が2個またはそれ以上の個数の場合には、発射球を差し引いても、遊技者に払い出される賞球により遊技者の持ち球が増加する。これにより、左側流路ATL1に球が流入した場合の残念感を低減することができる。
右側流路ATL2に流入した遊技球は、中側右延設板A803eの上流側において右下方向へ延びる傾斜面A803e1に沿って流下する。この場合、球の流下する向きは右側流路ATL2と隣り合って設けられる左側流路ATL1から離れる向きとなるので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方が視認可能な場合に、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
傾斜面A803e1を転動する球は板状本体A803aの上縁付近を右方に流れるので、自由落下と類似の態様で球を流下させる左側流路ATL1を流下する球に比較して、下流側案内部材A803を上から覗き込むような方向視で見る場合の球の視認性を高くすることができる。換言すれば、下流側案内部材A803を上から覗き込むような方向視で球が視認される期間を引き延ばすことができる。
右側流路ATL2を流下する遊技球は、右延設板A803fの内側から左方へ延設される延設板A803f1を転動し、その転動球を受け入れるように円弧状に湾曲形成される中側右延設板A803eの湾曲面A803e2に沿って流下する。
延設板A803f1を転動する球は左側流路ATL1に近づく向きで流下することになるが、湾曲面A803e2が左側流路ATL1との間に隙間を空けて配置されており、湾曲面A803e2に沿って流下する球は左側流路ATL1から離れる向きで流下するように構成されることから、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
また、左側流路ATL1を流下する球の流下態様が重力方向に沿って左に傾斜しながら流下する態様であるのに対して、右側流路ATL2を流下する球の流下態様が左右に蛇行しながら流下する態様であることからも、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方が視認可能な場合に、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
また、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とで、下流側案内部材A803の内部流路に滞在する期間を異ならせることができる。例えば、左側流路ATL1と右側流路ATL2とに同時に球が流入した場合に、左側流路ATL1を流下する球は素早く下方へ流され、右側流路ATL2を流下する球は左右方向に蛇行することから、左側流路ATL1と右側流路ATL2とを流下する球が同じ高さに位置する期間を短くすることができる(球の高さ位置を異ならせることができる)。これにより、左側流路ATL1を流れる遊技球と、右側流路ATL2を流れる遊技球とを見間違えることを回避し易くすることができる。
右側流路ATL2を通過した遊技球は、ベース板A60の正面側を下方へ流下し、第2入賞口640や特定入賞口65a(図1431参照)側へ向けて案内される。そのため、下流側案内部材A803を流下する球の内、右側流路ATL2を流下した球に限って、第2入賞口640又は特定入賞口65aに入球し得るように構成される。
上述したように、右側流路ATL2は左右に蛇行する流路として形成されているので、球が自由落下する場合に比較して、球の上下方向の速度を低減させることができる。これにより、第2入賞口640又は特定入賞口65aに到達した時における球の上下方向の速度を低減させることができるので、球との衝突で電動役物640aの開閉板や可変入賞装置65の開閉板が破損する事態の発生を防止し易くすることができる。
装飾板部材A805は、樹脂材料から形成され、視認させる方向に関わらず同程度に光を透過させる透明シートA805aと、視認させる方向により光の透過性が変化するように構成される視認態様変化シートA806と、を備える。
視認態様変化シートA806は、正面視で左側流路ATL1を含む大きさで形成され、透明シートA805aは、正面視で右側流路ATL2を含む大きさで形成されており、視認態様変化シートA806及び透明シートA805aから構成される装飾板部材A805が板状本体A803aの外縁部よりも若干小さな領域を占めるような形状から形成される。
図1487は、視認態様変化シートA806の構成を模式的に示す模式図である。視認態様変化シートA806は、視野角制御シートとも言い換えることができるものであり、透明シリコーンゴムA806aと黒色シリコーンゴムA806bとを交互に配置したルーバーフィルムの表裏に透明樹脂フィルムA806cを張り合わせた構造とされており、製造時に黒色シリコーンゴムA806bの配置間隔や姿勢を異ならせることにより透過する光の角度範囲(視野角)を設計することが可能となっている。
視認態様変化シートA806は、図1485に示すように板状本体A803aの正面側に貼り付けられるシートであり、ガラスユニット16との間の隙間という限られた範囲に配置されるものであるため、その肉厚は非常に薄いことが求められる。本実施形態においても、透明樹脂フィルムA806cはポリカーボネートを材料とする厚さ約0.2mmのフィルムで、黒色シリコーンゴムA806bの配置間隔(ピッチ)は約0.1mmという、微細に設計されたシートが利用される。
図1488(a)及び図1488(b)は、方向視の違いによる下流側案内部材A803の見え方の変化を示す模式図である。図1488(a)では、図1487の矢印AEL1方向視における見え方が図示され、図1488(b)では、図1487の矢印AEL2方向視における見え方が図示される。なお、図1488では、方向視の違いによる外形の変化が生じ得るが、便宜上外形の変化を無視し同形状で図示される。また、図1488では、視認態様変化シートA806を透過して視認される左側流路ATL1及び右側流路ATL2の内側面が実線で図示される。
本実施形態では、視認態様変化シートA806を透過させて視認態様変化シートA806の奥側を視認可能な視野角が約30度になるように黒色シリコーンゴムA806b(図1487参照)の配置間隔や姿勢を設計している。
即ち、図1488(a)に示すように、矢印AEL1(図1487参照)の方向視で視認態様変化シートA806を視認させた場合(下流側案内部材A803の真正面から視認させた場合)には、視認態様変化シートA806を透過させて奥側に配置されている左側流路ATL1を視認させることができる。
一方で、図1488(b)に示すように、視野角よりも大きな角度の矢印AEL2(図1487参照)の方向視で視認態様変化シートA806を視認させた場合(下流側案内部材A803の真正面から横にずれた位置、例えば、第3図柄表示装置81(図1431参照)の真正面から斜めに視認させた場合)には、視認態様変化シートA806を透過させることができず視認態様変化シートA806の正面側を視認させることになるので(表面に図形やイラスト等の装飾が施されている場合にはその装飾を視認させることになるので)、左側流路ATL1を流下する球を視認させ難くすることができる。
このように、本実施形態では、矢印AEL2の方向視で下流側案内部材A803を視認させる場合よりも、矢印AEL1の方向視で下流側案内部材A803を視認させる場合の方が、遊技者は左側流路ATL1を流下する遊技球を視認し易い。
上述したような視認態様変化シートA806の機能を利用して、下流側案内部材A803を通る球の内、遊技者にとって利益の大きな側の球のみを遊技者に視認させるように演出することができる。このことについて詳述する。
パチンコ機10で遊技を行う遊技者は、基本的には、第3図柄表示装置81(図1431参照)の表示領域や、その手前側を動作する可動役物(例えば、動作ユニットA400~A600)により展開される演出を視認しながら遊技を行うため、遊技領域の特定の範囲を凝視することは稀となることが多く、下流側案内部材A803についても、第3図柄表示装置81を正面から視認するそのままの姿勢で横目に見る(例えば、図1487の矢印AEL2の方向視で見る)ということが多くなる。
例えば、第2入賞口640や特定入賞口65a(図1431参照)へ向けて球を発射するために右打ち遊技を行う時短中や確変中においても、遊技者は第3図柄表示装置81(図1431参照)の表示領域における演出に注目したいため、下流側案内部材A803を横目に見て遊技球が確かに流下していることを確認したら、下流側案内部材A803から視線を外して、第3図柄表示装置81の表示領域に注目することが通常である。
そのような短い時間でしか視認されない下流側案内部材A803において、本実施形態では、左側流路ATL1に流入した遊技球は第2入賞口640や特定入賞口65a(図1431参照)側へは流れず遊技領域から排出されてしまう。このような構成は、パチンコ機10の単位時間当たりの賞球性能を規格内に収めるために(遊技の時間調整や賞球調整のために)採用されるものであるが、遊技者にとっては、左側流路ATL1に流れる球は余り好ましい球では無い。
そのような好ましくない球の流下を見せられることにより、遊技者の興趣は下げられてしまい、再びパチンコ機10を遊技しようという意欲を削ぐ結果を招き易く、好ましくない場合がある。
これに対し、本実施形態では、視認態様変化シートA806により、遊技者が下流側案内部材A803を横目に見るような方向視(例えば、矢印AEL2の方向視)では、左側流路ATL1を流れる遊技球については視認させず、右側流路ATL2を流れる遊技球のみを視認させるようにしている。
即ち、下流側案内部材A803を横目に見る場合には右側流路ATL2を流下する球しか見せないようにすることで、下流側案内部材A803を遊技球が流下する流路を左側流路ATL1と右側流路ATL2との複数で用意しながら、遊技者に右側流路ATL2を流下する遊技球のみを視認させることができるので、遊技者に対して、発射した球の全てが第2入賞口640や特定入賞口65a側へ案内されている(無駄なく案内されている)ように思わせることができ、遊技者の興趣を向上させることができるので、遊技者の再遊技の意欲を向上させることができる。
このように、本実施形態では、視認態様変化シートA806の利用により、第3図柄表示装置81の表示領域で展開される表示演出を視認しながら遊技をしている遊技者が、左側流路ATL1を流下する不利益な球(第2入賞口640や特定入賞口65a側へ案内されない球)を見ないで済むように構成でき、右側流路ATL2を流下する都合の良い球(第2入賞口640や特定入賞口65a側へ案内される球)のみを見られるようにすることができる。
一方、遊技者によっては、左側流路ATL1を流下するような不利益な球についても、視認したいと要望する。この場合には、第3図柄表示装置81の前方から頭を動かして、下流側案内部材A803の正面からの方向視(図1487の矢印AEL1の方向視)で見ることで左側流路ATL1を流れる球を視認することができるので、左側流路ATL1を流下するような不利益な球についても視認したいと要望する遊技者の不満が蓄積することを回避することができ、このような遊技者の再遊技の意欲が低減されることを防止することができる。
図1489を参照して、第11実施形態について説明する。第10実施形態では、第1動作ユニットA400の回転動作ユニット400bが、傾倒動作に伴い長手方向(回転軸棒AJ1と回転先端とを結ぶ方向)に延びるように構成される場合を説明したが、第11実施形態の第1動作ユニットA2400では、回転動作ユニット400bの傾倒動作に伴い長手方向に延びたり縮んだりするように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1489は、第11実施形態における第1動作ユニットA2400の背面図である。図1489では、演出待機状態における第1動作ユニットA2400が図示される。なお、第11実施形態における第1動作ユニットA2400では、回転動作ユニット400bは第10実施形態と同一である一方で、支持ユニットA2400aは第10実施形態の支持ユニットA400aに対して、特に案内長孔A2414が異なる。なお、図1489の説明では、図1448及び図1449を適宜参照する。
支持ユニットA2400aは、第10実施形態で上述した案内長孔A414の代わりに、回転動作ユニットA400bの柱状突設部A448が案内される案内長孔A2414を備える。
案内長孔A2414は、右端部から左方へ円弧状に延びる第1円弧部A2414aと、その第1円弧部A2414aよりも左側において第1円弧部A2414aよりも半径の短い円弧状に形成される第2円弧部A2414bと、その第2円弧部A2414bよりも左側において第1円弧部A2414aよりも半径の長い円弧状に形成される第3円弧部A2414cと、第1円弧部A2414aの左端部と第2円弧部A2414bの右端部とを繋ぐ直線孔状に形成される第1直線部A2414dと、第2円弧部A2414bの左端部と第3円弧部A2414cの右端部とを繋ぐ直線孔状に形成される第2直線部A2414eと、を備える。
第1円弧部A2414aは、半径が第2長さAD2(図1448(b)参照)とされる第2半径AR2の回転軸棒AJ1を中心とする円弧状に形成され、第2円弧部A2414bは、半径が第1長さAD1(図1448(a)参照)とされる第1半径AR1の回転軸棒AJ1を中心とする円弧状に形成され、第1直線部A2414dは、傾斜した直線状に形成される。
そのため、第1動作ユニットA2400の演出待機状態から駆動モータAMT1が駆動され、回転動作ユニットA400bが傾倒動作を開始すると、柱状突設部A448が第1円弧部A2414aを移動する間は回転動作ユニットA400bの長手方向の長さは変化せず回転動作のみが継続される。
更に、柱状突設部A448が第1直線部A2414dを移動する間は回転動作ユニットA400bの長手方向の長さが縮む方向に変化しながら回転動作が継続されるので、駆動抵抗が増加する。
更に、柱状突設部A448が第2円弧部A2414bを移動する間は回転動作ユニットA400bの長手方向の長さは変化せず回転動作が継続されるので、その分、駆動抵抗が減少する。
このように、案内長孔A2414によれば、柱状突設部A448が第1直線部A2414dに進入する際に駆動抵抗を増加させるように構成されていることから、柱状突設部A448が第1直線部A2414dに進入する際の姿勢で回転動作ユニットA400bを急停止させるような動作制御を容易に行うことができる。
柱状突設部A448が、第1円弧部A2414a、第1直線部A2414d、第2円弧部A2414bの順で移動する際には、回転動作ユニットA400bの長手方向の長さが変化するだけであり(図1448(a)及び図1448(b)参照)、回転動作ユニットA400bの幅方向の長さの変化は生じない。
第2直線部A2414eは、回転軸棒AJ1の中心を通る直線AVL2上を延びる傾斜した直線状に形成される。そのため、第2直線部A2414eを柱状突設部A448が移動する際には、回転動作ユニットA400bの回転動作は停止され、長手方向に延びる変位のみが生じる。
第2直線部A2414eを柱状突設部A448が左側へ向けて移動する間に、柱状突設部A448と回転軸棒AJ1との間の長さが第2長さAD2よりも長くなると、回転動作ユニットA400bの長手方向に延びる変位に加えて、回転動作ユニットA400bの短手方向に広がる変位が生じる(方向切替部材A450及び装飾部材A460の左右外側への変位、図1449参照)。
そのため、柱状突設部A448が第2直線部A2414eを移動する間において、駆動モータAMT1にかけられる抵抗として、回転動作ユニットA400bの長手方向に延びる変位に伴う抵抗がかけられる状態から、その抵抗に加えて回転動作ユニットA400bの短手方向に広がる変位に伴う抵抗がかけられる状態へ移行される。
これにより、回転動作ユニットA400bの変位の抵抗を増加させることができるので、駆動モータAMT1からの駆動力が一定とされる場合において、回転動作ユニットA400bに生じる変位の速度を変化させることができる。即ち、柱状突設部A448と回転軸棒AJ1との間の長さが第2長さAD2よりも短い状態に比較して、柱状突設部A448と回転軸棒AJ1との間の長さが第2長さAD2よりも長い状態における変位の速度を遅くさせることができるので、回転動作ユニットA400bの短手方向の変位を遊技者に印象付けることができる。
第3円弧部A2414cは、半径が第4長さAD4(図1449(b)参照)とされる第4半径AR4の回転軸棒AJ1を中心とする円弧状に形成され、回転動作ユニットA400bの傾倒先端側ほど下側に配置される。
これにより、柱状突設部A448が第2直線部A2414eから第3円弧部A2414cに進入した後は、回転動作ユニットA400bが長手方向にも短手方向にも最大まで変位した状態(図1449(b)参照)における、回転動作(傾倒動作)を生じさせることができるので、回転動作ユニットA400bの回転動作の迫力を大きくすることができる。
なお、第3円弧部A2414cの左端部の位置は、第10実施形態における案内長孔A414の左端部と同じ位置とされる。第3円弧部A2414cの左端部に柱状突設部A448が配置される状態から、回転動作ユニットA400bを傾倒動作させる方向とは逆方向に駆動モータAMT1を駆動させた場合に、柱状突設部A448が案内長孔A2414を右側へ案内されることで回転動作ユニットA400bが起き上がる方向に回転動作されることは、第10実施形態における第1動作ユニットA400と同様である。
図1490から図1492を参照して、第12実施形態について説明する。第10実施形態では、第1動作ユニットA400の回転動作ユニット400bが、起立した状態から傾倒動作に伴い倒れていくように動作する場合を説明したが、第12実施形態の第1動作ユニットA3400では、水平方向に延びる状態から傾倒動作に伴い倒れていくように動作するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1490から図1492は、第12実施形態における第1動作ユニットA3400の模式背面図である。図1490では、第1動作ユニットA3400の第1の演出待機状態が模式的に図示され、図1491では、第1動作ユニットA3400の張出状態が模式的に図示され、図1492では、第1動作ユニットA3400の第2の演出待機状態が模式的に図示される。また、図1490から図1492では、配置関係の把握を容易とするために、背面ケースA210(図1436参照)の外形位置(下側部において図示が一部省略されている)と、第3図柄表示装置81(図1431参照)の外形位置とが想像線で図示される。
第1動作ユニットA3400は、背面ケースA210の内側において背面ケースA210に締結固定される支持部材A3400aと、その支持部材A3400aに固定配置される回転軸棒AJ3を中心として回転動作可能に支持される回転動作ユニットA3400bと、を備える。
支持部材A3400aは、回転動作ユニットA3400bの変位を案内するための案内長孔A3414を備えている。案内長孔A3414は、回転軸棒AJ3を中心とする円弧状に形成される円弧部A3414aと、その円弧部A3414aの下端部から直線状に延設され延設先端側の方が回転軸棒AJ3に近い直線部A3414bと、その直線部A3414bの下側端部から下方に凹設される凹設部A3414cと、を備える。
なお、支持部材A3400aと回転動作ユニットA3400bとが重なって図が見難くなることを避ける目的で、支持部材A3400aは、外形が想像線で図示され、その外形の内側においては案内長孔A3414を除き図示が省略される。
回転動作ユニットA3400bは、回転軸棒AJ3に回転可能に支持される基端側部材A3430と、その基端側部材A3430の回転先端側に配設され基端側部材A3430に対して回転軸棒AJ1を中心とする円の径方向に変位可能に構成される先端側部材A3440と、を備える。
先端側部材A3440は、移動本体A3441と、その移動本体A3441の回転軸棒AJ3に近い側から前後方向に突設され、案内長孔A3414に挿通される被案内突部A3442と、を備える。
第12実施形態における駆動力の伝達は、第10実施形態においてベルトA423aに案内される連結部材A427aの案内長孔A427eが左右方向に移動することに伴い、柱状突設部A448(図1444及び図1445参照)に駆動力が左右方向にかけられることで回転動作ユニットA400bが変位されるのと同様に構成される。
即ち、第12実施形態における第1動作ユニットA3400では、ベルトA423a、連結部材A427a及び案内長孔A427e(図示せず)の姿勢を90度変化させて上下方向に移動させるように構成しており、これらが上下方向に移動することに伴い、案内長孔A427eに挿通されている被案内突部A3442に駆動力が上下方向にかけられることで回転動作ユニットA3400bが変位される。
第1動作ユニットA3400の、第1の演出待機状態からの回転動作について説明する。第1の演出待機状態(図1490参照)から被案内突部A3442を下方へ移動させるように駆動力が生じると、回転動作ユニットA3400bは回転軸棒AJ3を中心とする回転動作を開始する。
ここで、被案内突部A3442が案内長孔A3414の円弧部A3414aに案内されている間は、基端側部材A3430に対する先端側部材A3440の相対移動(回転動作ユニットA3400bの長手方向の変位)は生じない(図1491参照)。
図1491に図示される状態から更に、被案内突部A3442を下方へ移動させるように駆動力が生じると、被案内突部A3442が案内長孔A3414の直線部A3414bに入ることになるので、回転が進むほど被案内突部A3442が回転軸棒AJ3に近づくことになる。
そのため、回転動作ユニットA3400bは回転軸棒AJ3を中心とする回転動作に加えて、先端側部材A3440が基端側部材A3430に近づく方向への相対移動が開始されるので、駆動抵抗が増加する。
回転動作ユニットA3400bの傾倒が終端まで進むと、図1492に図示されるように、被案内突部A3442が案内長孔A3414の凹設部A3414cに入り込む分、直線部A3414bの下端側に配置されている場合に比較して、被案内突部A3442と回転軸棒AJ3との間の距離が長くなる方向に先端側部材A3440が基端側部材A3430に対して相対移動する。
即ち、第1の演出待機状態から回転動作ユニットA3400bが傾倒動作する場合、回転動作ユニットA3400bの先端側部材A3440は、基端側部材A3430に対して相対移動しない状態から基端側部材A3430に対して近づく方向に相対移動する状態へ移行し、その後、基端側部材A3430に対して近づく方向に相対移動する状態から基端側部材A3430に対して離れる方向に相対移動する状態へ移行する。このように、回転動作ユニットA3400bが傾倒動作する場合における先端側部材A3440の基端側部材A3430に対する相対移動のバリエーションを増加させることができる。
図1492に図示される状態において、被案内突部A3442の回転軸棒AJ3を中心とする回転方向への移動は凹設部A3414cにより防止される。そのため、回転動作ユニットA3400bの傾倒動作を高速で実行させた場合であっても、回転方向の戻り動作(反動による逆方向の回転動作)が生じることを、被案内突部A3442が凹設部A3414cに食い止められることにより防止することができる。
なお、図1492に図示される状態から上方向の駆動力を生じさせることにより、被案内突部A3442が逆方向に案内される態様で回転動作ユニットA3400bを回転動作(起き上がり動作)させることができる。
上述のように、第12実施形態では、回転動作ユニットA3400bの傾倒動作の方向が自重で回転動作するような方向に設定されるので、傾倒動作開始時に要求される駆動力を低減することができる。
また、傾倒動作中に回転動作ユニットA3400bが長手方向に縮むという外観の変化を生じさせることができる。これにより、傾倒動作中に回転動作ユニットA3400bをコンパクトにする側に変形させる演出を実行することができ、その演出の際に生じる遠心力を低減させることで、途中で停止させる位置や、終端における停止を安定させることができる。
また、先端側部材A3440の変位を規定するための案内長孔A3414が回転軸棒AJ3の近傍に配置されるので、案内長孔A3414を形成するための支持部材A3400aを小形化することができる。加えて、背面ケースA210における回転動作ユニットA3400bの回転先端側の領域(図1490において第3図柄表示装置81よりも右側の領域)にまで第1動作ユニットA3400の構成を配設することを不要とすることができるので、背面ケースA210における動作ユニットの配置の自由度を向上させることができる。
図1493を参照して、第13実施形態について説明する。第10実施形態では、固定された下流側案内部材A803により遊技領域を流下する球の視認性が変化する場合を説明したが、第13実施形態の球案内ユニットA4900では、球の視認性を変化させる部分が変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1493(a)及び図1493(b)は、第13実施形態における球案内ユニットA4900の断面図である。図1493(a)では、電動役物640aが閉鎖された状態が図示され、図1493(b)では、電動役物640aが開放された状態が図示される。
図1493では、電動役物640aの中間部を通り左右方向と直交する平面における断面図が図示され、理解を容易とするために、ベース板A60及びガラスユニット16が想像線で図示され、電動役物640aについては開閉板のみが図示されその他の駆動機構についての図示が省略される。
図1493に示すように、球案内ユニットA4900は、ガラスユニット16とベース板A60との間において球の流下経路を形成するユニットであって、光透過性の樹脂材料から形成されベース板A60に締結固定される流路形成部材A4910と、その流路形成部材の前面に沿って昇降動作可能に構成され光透過性の樹脂材料から形成される導光変位部材A4920と、その導光変位部材A4920を流路形成部材A4910とは反対側から挟むように配設され光透過性の樹脂材料から形成されベース板A60に締結固定される覆設部材A4930と、導光変位部材A4920を駆動させるためのソレノイドA4940と、を備える。
流路形成部材A4910は、ベース板A60の表面に沿って形成される背面側板部A4911と、その背面側板部A4911の正面側に球の直径よりも若干長い間隔を空けて平行配置される正面側板部A4912と、背面側板部A4911及び正面側板部A4912の下端部を繋ぐ肉厚本体部A4913と、を備える。
背面側板部A4911には、電動役物640aを貫通させる貫通孔A4911aが形成されており、その貫通孔A4911aにより電動役物640aが正面側板部A4912に近接配置される閉鎖状態(図1493(a)参照)と、後方に退避される開放状態(図1493(b)参照)とで、前後に平行移動可能に構成される。
導光変位部材A4920は、流路形成部材A4910の正面側板部A4912の前側面に対向配置され前側面に変位を案内される被案内板部A4921と、その被案内板部A4921の下端部から後方へ延設される延設部A4922と、を備える。
被案内板部A4921は、上側部の背面側から溝状に切りかかれる複数のライン状溝部A4921aを備える。ライン状溝部A4921aは、被案内板部A4921の端部から入射した光を屈折させ正面側へ向けて出射させるように機能する(第10実施形態で上述したライン状溝部A732(図1477参照)と同様の機能を有する)。
覆設部材A4930は、被案内板部A4921の前側面に対向配置され、流路形成部材A4910の正面側板部A4912と共に被案内板部A4921の変位を案内するように構成される前側案内板部A4931と、その前側案内板部A4931の下端部から後方へ延設され後端部がベース板A60に締結固定される延設部A4932と、その延設部A4932の前側端部の上面側に固定配置され上方へ向けて光を照射するLED等の発光手段A4933aを有する発光基板A4933と、を備える。
発光手段A4933aは、光軸が導光変位部材A4920の被案内板部A4921の延設方向(上下方向)に沿うように配置および設計され、光が被案内板部A4921の下端部から被案内板部A4921の内側を上方向に導光されるように構成される。即ち、発光手段A4933aから照射された光は、ライン状溝部A4921aまで到達するように構成される。
本実施形態では、発光手段A4933aから光が照射されると、ライン状溝部A4921aで屈折された光が正面側へ進行することになるので、ライン状溝部A4921aが明るく発光し、ライン状溝部A4921aを通した視認性が低下する。
そのため、ライン状溝部A4921aと重なる方向視で視認する場合には、その後方を流下する球の視認性が低下する。ライン状溝部A4921aを前後方向の方向視で視認するよりも、ライン状溝部A4921aを斜め下方に見下ろすような方向ADL1の方向視で視認する方が、電動役物640a上を転動する球を視認し易くなる。
一方、図1493(a)において電動役物640aの上面を転動する球を斜め上方から視認する方向ADL1の方向視における位置から目の位置を変えずに、電動役物640aよりも下側を転動する球(図1493(b)で図示される位置の球に相当)を斜め上方から視認するために方向ADL2の方向視で視認しようとする場合には、目線上にライン状溝部A4921aが入り込むことになり、球の視認性が悪くなる。
そのため、球を視認性良く見たい遊技者は、電動役物640aの開閉の度に目の位置を変える必要が生じることになるので、球の発射は右打ち遊技を行えばよいので遊技者の遊技負担を減らせているが、目の位置を頻繁に変えることによる遊技負担が増大することになる。
これに対し、本実施形態では、電動役物640aの動作タイミングとソレノイドA4940の駆動タイミングとが同期するように制御される。即ち、電動役物640aが開放状態となるのに合わせて、ソレノイドA4940が駆動され、導光変位部材A4920が下方へ変位することで、電動役物640aよりも下側を転動する球への視線をライン状溝部A4921aが遮る状態を解消するようにしている。
これにより、遊技者は、目の位置を変えずに視線の方向を方向ADL1と方向ADL2とで変えるだけでも、電動役物640aの開閉に応じて球の転動位置が変わっても球の視認性が損なわれることは無いので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、図1493(a)に示す状態において球案内ユニットA4900を前後方向視で見る場合、電動役物640aよりも下側を転動する球がある場合には、その球への視線はライン状溝部A4921aに遮られることはない。そのため、電動役物640aが開放状態から閉鎖状態に切り替えられた直後に電動役物640aの真下を流下する球が存在する場合(例えば、オーバー入賞球が存在する場合)、その球については、前後方向視で遊技者に視認させることで、球を問題なく視認させることができる。
図1493(a)に示す状態に比較し、図1493(b)に示す状態の方が、発光手段A4933aと被案内板部A4921との間の距離が短い。そのため、発光手段A4933aからの光が被案内板部A4921へ向けて照射される場合に、図1493(a)に示す状態に比較して図1493(b)に示す状態の方が光の漏れが少ないことから、発光手段A4933aから照射される光量が同じでも図1493(a)に示す状態に比較して図1493(b)に示す状態の方がライン状溝部A4921aを明るく照らすことができる。
一方、図1493(b)に示す状態に比較して、図1493(a)に示す状態の方が、ライン状溝部A4921aの位置を遊技者側(上側)に寄せることができるので、ライン状溝部A4921aにより屈折される光により照らされる覆設部材A4930の範囲をより遊技者側(上側)に寄せることができる。
覆設部材A4930の前側案内板部A4931の前側面には図形やイラスト等の装飾が施されており、この装飾の照らされる範囲をより遊技者側(上側)に寄せるようにすることができるので、前側案内板部A4931による演出効果を向上させることができる。
なお、導光変位部材A4920に対して下方から光が照射される場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、導光変位部材A4920への光の照射は、左右側からでも良いし、上側からでも良いし、背面側からでも、正面側からでも良い。
図1494を参照して、第14実施形態について説明する。第10実施形態では、第1動作ユニットA400の柱状突設部A448が移動部材A440の背面側から突設形成されており、板状本体A442に対して相対移動し得ない場合を説明したが、第14実施形態の第1動作ユニットA5400では、移動部材A5440に対して相対移動可能に配設される柱状突設部材A5448が構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1494(a)及び図1494(b)は、第14実施形態における回転動作ユニットA5400bの背面図である。図1494(a)では、演出待機状態(図1436参照)に対応する状態における回転動作ユニットA5400bの様子が図示され、図1494(b)では、張出状態(図1436参照)に対応する状態における回転動作ユニットA5400bの様子が図示される。
以下では、第10実施形態で説明した回転動作ユニットA400bとの違いに焦点を当てて、回転動作ユニットA5400bの構成について説明する。本実施形態における回転動作ユニットA5400bでは、第10実施形態における柱状突設部A448と対応する部材として、柱状突設部材A5448が移動部材A5440に対して相対移動可能に配設されている。
即ち、柱状突設部材A5448は、移動部材A5440の板状本体A5442に穿設される案内長孔A5442aに突設先端部分(背面側端部)が後方へ向けて挿通されて張り出す一方で、突設基端部(正面側部)が案内長孔A5442aよりも大きな形状から形成されることで抜け止めとして機能する結果、柱状突設部材A5448が板状本体A5442に対して案内長孔A5442aに沿って相対移動可能に構成される。
柱状突設部材A5448は、一方向の付勢力を生じるバネなどの付勢部材(図示せず)により案内長孔A5442aの右側端部(図1494(b)において柱状突設部材A5448が配置される端部)へ向けて付勢される。
案内長孔A5442aは、演出待機状態において回転軸棒AJ1を中心とする円弧に沿って延びる湾曲した長孔として形成される。これにより、柱状突設部材A5448の配置が案内長孔A5442aの内部で変化した場合であっても、その変化によって柱状突設部材A5448が案内長孔A414の円弧部A414a(図1453参照)から外れることを回避することができる。
これにより、演出待機状態から回転動作ユニットA5400bが傾倒動作する場合に、柱状突設部材A5448と円弧部A414aとの間で生じる動作抵抗が増加することを回避し易くすることができる。
回転動作ユニットA5400bでは、基礎板部材A5430が、長手方向先端部(図1494(a)上側端部)の短手方向片側(図1494(a)左側)から延設される延設案内部A5438を備える。
延設案内部A5438は、案内長孔A5442aのどこに柱状突設部材A5448が配置されている場合であっても、柱状突設部材A5448と当接し得る位置まで延設されており、当接時に生じる荷重により柱状突設部材A5448を案内長孔A5442aに沿って移動させることができるようになっている。
即ち、図1494(b)に図示されるように柱状突設部材A5448が案内長孔A5442aの一端(図1494(b)紙面左側端部)に配置されている状態から、移動部材A5440が基礎板部材A5430に対して回転軸棒AJ1側へ移動する場合に、その移動途中で柱状突設部材A5448が延設案内部A5438の上側面に当接することで荷重を受けて案内長孔A5442aの他端(図1494(a)紙面右側端部)へ向けて移動される。そして、最終的には、移動部材A5440の移動方向としての回転軸棒AJ1を通る直線上に柱状突設部材A5448が配置される。
上述のような構成により、第1動作ユニットA5400の演出待機状態からの傾倒動作時における、回転動作ユニットA5400bへの駆動力伝達を良好とすることができることについて説明する。
ここで、張出状態からの駆動力伝達においては、第10実施形態で上述した通り、柱状突設部A448に与えられる荷重のうちの、移動部材A440の基礎板部材A430に対する相対移動方向(回転軸棒AJ1を通る直線方向)に平行な成分は、回転軸棒AJ1を通らず、回転軸棒AJ1を中心とする回転方向の力を生じさせるので、回転動作ユニットA400bの張出状態からの移動を良好とすることができる。
第10実施形態では、この効果を生じさせるために、敢えて柱状突設部A448の配置を移動部材A440の短手方向の中心からずらしている。一方で、柱状突設部A448の配置がずれた状態のまま回転動作ユニットA400bを起立させ、その起立状態を柱状突設部A448で支えて維持する場合、回転動作ユニットA400bの長手方向が鉛直方向に向く姿勢ではバランスが取りにくく、若干傾斜した姿勢にしがちである(図1453参照)という難点があった。
これに対し、本実施形態によれば、柱状突設部材A5448を移動部材A5440に対して相対移動可能に構成しているので、回転動作ユニットA5400bを起立させる際に(図1494(a)参照)、回転動作ユニットA400bの長手方向が鉛直方向に向く姿勢でバランスを取り易くすることができる。
本実施形態では、案内長孔A5442aの長さの設計次第で、回転動作ユニットA5400bを起立させる状態における回転動作ユニットA5400bの姿勢を任意に設計することができる。このように、本実施形態では、張出状態からの駆動力伝達を良好とする効果を維持しながら、演出待機状態における姿勢の設計自由度を向上させることができる。
図1495を参照して、第15実施形態について説明する。第10実施形態では、視認態様変化シートA806により、方向視が左右方向に角度変化した場合における球流下経路(遊技領域)の見え方が変化する場合を説明したが、第15実施形態の流路前側構成部材A6900では、方向視が上下方向に角度変化した場合における球流下経路(遊技領域)の見え方が変化するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1495は、第15実施形態における流路前側構成部材A6900の断面図である。図1495では、球が通過可能な箇所において、上下方向の辺と前後方向の辺とにより構成される平面で流路前側構成部材A6900が断面視される。なお、流路前側構成部材A6900と対向配置されるベース板A60の前後側面が想像線で図示される。
流路前側構成部材A6900は、ベース板A60の前側に対向配置され非透過性の樹脂材料から形成される目隠し部材A6910と、その目隠し部材A6910の正面側に貼り付けられる(又は締結固定される)光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、正面側に装飾が施される化粧板A6920と、目隠し部材A6910をベース板A60に締結固定する締結固定用部A6930と、を備える。
目隠し部材A6910は、上下方向に板状に延びる一対の板状本体A6911(図1495にはその片側が図示されている)と、その一対の板状本体A6911の間を左右方向に延び、一対の板状本体A6911とで左右方向に延びる矩形長孔A6912を構成する複数のルーバー部A6913と、を備える。
矩形長孔A6912及びルーバー部A6913の左右方向長さは、球の直径よりは長くされており、配置箇所における遊技領域の左右幅に対応させた長さで形成される。また、ルーバー部A6913の上下間隔は、球の直径よりも小さくなるように設計されている。
目隠し部材A6910の製造方法としては、種々の態様が例示される。例えば、板状本体A6911に複数のルーバー部A6913が固定されるような態様でも良いし、板状本体A6911の前後長さに対応する厚みの板にドリル加工等で孔を空けて矩形長孔A6912を形成した残りの部分として複数のルーバー部A6913が形成されるような態様でも良い。
ルーバー部A6913は、前後方向に若干幅広に形成されており、その上下側面に装飾用のイラストが施されている。矢印AEL61の方向視で流路前側構成部材A6900を視認した場合、ルーバー部A6913に視線が遮られることとなるので、その背面側を流下する球AB61を視認し難い状況が生まれる。この場合、遊技者にはルーバー部A6913の上側面に施されるイラストを視認させることにより演出効果の低下を避けている。
一方、矢印AEL62の方向視(前後方向に沿う方向視)で流路前側構成部材A6900を視認した場合、ルーバー部A6913の上下側面と視線とが重なることは無く、ルーバー部A6913の上下厚みで隠される以外の部分、即ち、矩形長孔A6912を通して球AB61を視認させることができる。
本実施形態では、図1495に示すように、ルーバー部A6913が前後幅よりも上下厚みが短い形状とされているので、矢印AEL62の方向視で流路前側構成部材A6900を視認させる場合の方が、矢印AEL61の方向視で流路前側構成部材A6900を視認させる場合に比較して、流路前側構成部材A6900の後方を流下する球AB61の視認性を向上させることができる。
次いで、図1496から図1506を参照して、第16実施形態における基板ボックスW100について説明する。まず、図1496から図1500を参照して、基板ボックスW100の概略構成について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1496は、第16実施形態におけるパチンコ機W10の背面図であり、図1497は、基板ボックスW100の正面斜視図であり、図1498は、基板ボックスW100の背面斜視図であり、図1499は、基板ボックスW100の正面図であり、図1500(a)は、基板ボックスW100の背面図であり、図1500(b)は、図1500(a)の矢印MCDXXXIXb方向視における基板ボックスW100の側面図であり、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外された状態が図示される。図1501(a)は、基板ボックスW100の部分正面斜視図であり、図1501(b)は、基板ボックスW100の部分背面斜視図であり、図1501(a)及び図1501(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500及び封印シールWSLが取り外された状態が図示される。
なお、図1496から図1500における矢印F-B、矢印L-R及び矢印U-Dは、基板ボックスB100の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれ示している。なお、以下の各図においても同様であるので、その説明は省略する。
また、第16実施形態におけるパチンコ機W10は、第10実施形態におけるパチンコ機10に対し、基板ボックスW100を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
図1496から図1500に示すように、基板ボックスW100は、ボックスカバーW200と、そのボックスカバーW200により開口が覆われるボックスベースW300と、それらボックスカバーW200及びボックスベースW300を開封不能に連結(かしめ構造による連結)する封印ユニットW400と、その封印ユニットW400により連結されたボックスカバーW200及びボックスベースW300の封印ユニットW400とは反対側の端部に配設される保護カバーW500及び封印シールWSLとを備え、主制御基板(図示せず)が収納される。なお、基板ボックスW100はに、サブ制御基板、発光演出または放音演出に伴う基板、各種スイッチ、コネクタ、遊技盤、役物または役物を駆動させるための駆動モータが収納されても良い。
封印ユニットW400には、回転軸W410が形成される。回転軸W410は、基板ボックスW100を内枠12(図1430参照)の背面側に回転可能に軸支するための軸であり、基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の上下方向(矢印U-D方向)に平行、且つ、基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の左右方向(矢印L-R方向)に直交する軸として形成される。
また、回転軸W410は、背面視(矢印F方向視)において、基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の右方側(矢印R方向側)に配設される。なお、回転軸W410を基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の左方側(矢印L方向側)に配設しても良く、回転軸W410を基板ボックスW100(ボックスカバーW200)の上方側(矢印U方向側)、下方側(矢印D方向側)、正面側(矢印F方向側)、或いは、背面側(矢印B方向側)に配設しても良い。
ボックスカバーW200は、正面視略横長矩形の板状に形成される背面壁部W201と、その背面壁部W201の4辺からボックスベースW300側(矢印F方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部を連結する左壁部W202及び右壁部)と、左壁部W202から左方側へ突出されるカバー側被係合部W210とを主に備える。ボックスカバーW200は、各壁部によりボックスベースW300側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスカバーW200は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
カバー側被係合部W210には、後述するベース側被係合部W310と共に、保護カバーW500が取り付けられる。カバー側被係合部W210は、左壁部W202から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ向けて突出されるベース部W211と、ベース部W211の突出先端部に形成される側壁部W212と、側壁部W212から封印ユニットW400とは反対側へ突出される平面部W220、上側張出部W213a及び下側張出部W213bと、ベース部W211及び平面部W220の背面からボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ向けて突出されるカバー部W214とを主に備える。
ベース部W211は、左壁部W202と側壁部W212とを連結するための部位であり、板状に形成される。側壁部W212は、保護カバーW500の封印ユニットW400側(矢印R方向側)への変位を規制するための部位であり、板状に形成される。
側壁部W212には、上側張出部W213a、下側張出部W213b及び平面部W220が配設される。上側張出部W213aは、平面部W220よりも上方側(矢印U方向側)となる位置に配設され、下側張出部W213bは、平面部W220よりも上側張出部W213aとは反対側(矢印D方向側)となる位置に配設される。
下側張出部W213bの背面は、側壁部W212の背面および後述する保護カバーW500の立設部W540よりもボックスベースW300側(矢印F方向側)に配設される。
平面部W220は、封印シールWSLが貼着される部位であり、板状に形成される。平面部W220は、ボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ向けて突出される突起W221及び一対の立設部W222と、平面部W220の上下方向(矢印U-D方向)の両端に配設される一対の両端壁部W223と、平面部W220の背面に凹設される凹部W224a,W224bと、平面部W220の板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して穿設される一対の締結孔W225と、平面部W220の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における端部に切り欠かれる切欠き部W226(図1505参照)とを主に備える。
突起W221は、保護カバーW500の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)への変位を規制するための突起である。突起W221には、封印ユニットW400とは反対側から封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向かうにつれてボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部W221aが形成される。
立設部W222及び両端壁部W223は、側壁部W212と保護カバーW500との間に形成される隙間から不正に挿入された針金が平面部W220と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制するための部位である。
一対の立設部W222は、側壁部W212から所定の距離を隔てて上下方向(矢印U-D方向)に延びて形成される。上下方向における一対の立設部W222の両端部は、一対の両端壁部W223に接合され、一対の立設部W222と一対の両端壁部W223との間には隙間が非形成とされる。
一対の両端壁部W223は、板状に形成され、一対の両端壁部W223の板厚方向が対向された姿勢で上下方向(矢印U-D方向)における平面部W220の両端部に配設される。一対の両端壁部W223のボックスベースW300側(矢印F方向側)の端部およびボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)の端部は、平面部W220の正面および背面よりもボックスベースW300側およびボックスベースW300とは反対側へそれぞれ突出して形成される。また、一対の両端壁部W223の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部は、平面部W220の封印ユニットW400とは反対側の端部よりも封印ユニットW400とは反対側へ突出して形成される。なお、一対の両端壁部W223の正面は、立設部W222の突出面と略同一面上に配設される。
凹部W224a,W224bは、封印シールWSLの貼着面と平面部W220との間に空間を形成させるための部位である。凹部W224a,W224bがそれぞれ分離して形成されることにより、平面部W220と封印シールWSLとが貼着される面積を大きくできる。
なお、凹部W224a,W224bは、それぞれ連結して形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200の成形性を確保し易くできると共に、製造コストを低減できる。また、凹部W224a,W224bは、平面部W220の板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200の成形性を確保し易くできる。
左右方向(矢印L-R方向)における凹部W224aの寸法は、後述する保護カバーW500の連結片W531aの左右方向における寸法と略同一またはやや大きく形成され、上下方向(矢印U-D方向)における凹部W224aの寸法は、連結片W531aの上下方向における寸法の略3倍の大きさに形成される。上下方向における凹部W224bの寸法は、保護カバーW500の連結片W531bの上下方向における寸法と略同一またはやや大きく形成され、左右方向における凹部W224bの寸法は、連結片W531bの左右方向における寸法の略3倍の大きさに形成される。
一対の締結孔W225は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300を締結するねじ(図示せず)が挿入される孔である。一対の締結孔W225を挿通したねじがボックスベースW300に締結されることにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が締結される。
切欠き部W226は、後述するボックスベースW300の切欠き部W325と共に、封印シールWSLの貼着面側(矢印R方向側)に空間を形成させるための部位である。切欠き部W226は、平面部W220の上端から下端にかけて連続して形成される。また、切欠き部W226は、側壁部W212側(矢印R方向側)から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W325とは反対側(矢印B方向側)へ傾斜して形成される。
カバー部W214は、ベース部W211及び平面部W220からボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部の右方側の端部を連結する右壁部)と、上壁部、下壁部および右壁部の立設先端部を連結する背面壁部W214aとを主に備える。カバー部W214及び平面部W220により封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)が開放された箱状に形成される。
上壁部および下壁部は、左右方向(矢印L-R方向)に延びて形成され、上下方向(矢印U-D方向)において、突起W221及び一対の立設部W222の間にそれぞれ配設される。背面壁部W214aは、板状に形成される。背面壁部W214aの封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部は、突起W221よりも封印ユニットW400側(矢印R方向側)に配設され、背面視(矢印F方向視)において、突起W221は、視認可能とされる。これにより、突起W221と後述する保護カバーW500の係合孔W533との係合を視認可能とでき、ボックスカバーW200と保護カバーW500との係合状態を確認できる。
なお、背面視において、背面壁部W214aの封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部が突起W221に重なる位置まで背面壁部W214aが突出して形成されても良い。これにより、突起W221と係合孔W533との係合を解除させ難くできる。
ボックスベースW300は、正面視略横長矩形の板状に形成される正面壁部W301と、その正面壁部W301の4辺からボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部を連結する左壁部W302及び右壁部)と、左壁部W302から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ突出されるベース側被係合部W310とを主に備える。ボックスベースW300は、各壁部により背面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスベースW300は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
ベース側被係合部W310には、カバー側被係合部W210と共に、保護カバーW500が取り付けられる。ベース側被係合部W310は、左壁部W302から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ突出される上側張出部W311、カバー部W312及び平面部W320を主に備える。
上側張出部W311は、正面視(矢印B方向視)において、カバー側被係合部W210の上側張出部W213aに対応する位置に配設される。また、上側張出部W311の正面は、正面壁部W301の正面と略同一面上に配設される。
カバー部W312は、板状に形成される正面壁部W312aと、封印ユニットW400側(矢印R方向側)の辺を除く正面壁部W312aの3辺からボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部、下壁部、それら上壁部および下壁部の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部を連結する左壁部W312b)とを主に備える。上壁部、下壁部および左壁部W312bは、板状に形成され、それら上壁部、下壁部および左壁部W312bの立設先端部は平面部W320に接合される。
正面壁部W312aの背面には、上下方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて一対の突起W312cがボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて突出される。一対の突起W312cは、保護カバーW500の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)への変位を規制するための突起である。一対の突起W312cには、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)から封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向かうにつれてボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部W312dが形成される。
左壁部W312bには、側面視(矢印R方向視)において、一対の突起W312cに対応する位置に一対の挿通孔W312eが板厚方向(矢印L-R方向)に貫通して穿設される。一対の挿通孔W312eの内形は、一対の突起W312cの外形よりも大きく形成され、側面視において、一対の突起W312cが視認可能とされる。
平面部W320は、封印シールWSLが貼着される部位であり、板状に形成される。平面部W320は、上下方向(矢印U-D方向)における平面部W320の両端部に配設される一対の両端壁部W321と、平面部W320の板厚方向に(矢印F-B方向)にに貫通して穿設される一対の締結孔W322と、平面部W320からボックスカバーW200とは反対側(矢印F方向側)へ向けて突出される一対の抑制部W323と、平面部W320からボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けて突出される突出部W324とを主に備える。
一対の両端壁部W321は、板状に形成され、一対の両端壁部W321の板厚方向を上下方向(矢印U-D方向)に沿わせた姿勢で平面部W320に配設される。一対の両端壁部W321のボックスカバーW200とは反対側(矢印F方向側)の端部は、平面部W320の正面よりも突出して形成される。また、一対の両端壁部W321の封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)の端部は、平面部W320の封印ユニットW400とは反対側の端部よりも突出して形成される。
一対の締結孔W322は、ボックスカバーW200に穿設される一対の締結孔W225を挿通したねじ(図示せず)が締結される孔であり、一対の締結孔W322の内周にはめねじが設けられる。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が締結される。
一対の抑制部W323は、保護カバーW500と封印シールWSLとが当接することを抑制するための部位である。一対の抑制部W323の突出長さは、封印シールWSL厚さ寸法よりも長く形成される。上下方向(矢印U-D方向)において、一対の抑制部W323は、一対の挿通孔W312eに対応する位置に配設される。
突出部W324は、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における平面部W320の端部に配設され、突出部W324の突出先端部には、切欠き部W325が切欠き形成される(図1505参照)。突出部W324のボックスカバーW200側(矢印B方向側)へ向けての突出長さは、平面部W220の正面に対する一対の両端壁部W223の突出長さと同一に形成される。これにより、突出部W324及び平面部W220が当接した状態において、一対の両端壁部W321と一対の両端壁部W223との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の内側に針金が不正に挿入されることを抑制できる。
切欠き部W325は、ボックスカバーW200の切欠き部W226と共に、封印シールWSLの貼着面側(矢印R方向側)に空間を形成させるための部位である。切欠き部W325は、平面部W320(突出部W324)の上端から下端にかけて連続して形成され、前後方向(矢印F-B方向)において切欠き部W226に対向して配設される。また、切欠き部W325は、左壁部W302側(矢印R方向側)から封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W226とは反対側(矢印F方向側)へ傾斜して形成される。
保護カバーW500は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に貼着された封印シールWSLを遮蔽するためのものであり、正面視略縦長矩形の板状に形成される背面壁部W510と、その背面壁部W510から正面側(矢印F方向側)へ所定の間隔を隔てて対向され正面視略縦長矩形の板状に形成される正面壁部W520と、右方側(矢印R方向側)を除く背面壁部W510及び正面壁部W520の3辺を連結する壁部(上壁部、下壁部W501および左壁部W502)と、背面壁部W510及び正面壁部W520に連結され板状に形成される係合部W530a,W530bと、下壁部W501から下方側(矢印D方向側)へ向けて立設され板状に形成される立設部W540とを主に備える。
保護カバーW500は、各壁部により右方側(矢印R方向側)が開放された箱状に形成される。なお、保護カバーW500は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
左右方向(矢印L-R方向)における背面壁部W510及び正面壁部W520の長さは、平面部W220及び平面部W320の長さよりも長く形成される。また、背面壁部W510及び正面壁部W520の対向間の距離は、ボックスカバーW200の両端壁部W223の背面からボックスベースW300の両端壁部W321の正面までの距離と略同一またはやや大きく形成される。また、保護カバーW500の上壁部および下壁部W501の対向間の距離は、一対の両端壁部W223(両端壁部W321)の対向面とは反対側の面どうしの距離よりも大きく形成される。
これらにより、保護カバーW500の内側にカバー側被係合部W210及びベース側被係合部W310が配設可能とされると共に、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた状態において前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW500の変位が規制される。
背面壁部W510は、上下方向(矢印U-D方向)に沿って断続して形成され、本実施形態では、1箇所において非形成とされる。背面壁部W510は、上下方向において非形成とされる側であり、左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ向けて立設されるリブ部W511と、そのリブ部W511の先端どうしを連結する連結部W512とを主に備える。
背面壁部W510の背面は、ボックスカバーW200の側壁部W212の背面よりもやや正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、背面壁部W510の背面が側壁部W212の背面よりも背面側(矢印B方向側)に配設され、背面壁部W510が側壁部W212よりも背面側へ突出した態様で背面壁部W510及び側壁部W212の間に段差が形成されることを抑制できる。その結果、かかる段差を利用してボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外すことを抑制できる。
リブ部W511及び連結部W512は、係合部W530aを支持するための部位である。リブ部W511が背面壁部W510の左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から立設されることにより、背面壁部W510及び係合部W530bの隙間から不正に挿入された針金が平面部W220と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制できる。
リブ部W511の立設長さは、ボックスカバーW200の平面部W220に対する両端壁部W223の背面側(矢印B方向側)へ向けての突出長さよりも短く形成される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた状態において、リブ部W511が封印シールWSLに当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
連結部W512は、左方側(矢印L方向側)におけるリブ部W511どうしを連結して配設され、左右方向(矢印L-R方向)における連結部W512の長さは、背面壁部W510の長さよりも短く形成される。
正面壁部W520は、上下方向(矢印U-D方向)に沿って断続的に形成され、本実施形態では、2箇所において非形成とされる。なお、上下方向において背面壁部W510に非形成部が形成される位置は、正面壁部W520に非形成部が形成される位置とは異なる位置とされる。正面壁部W520は、上下方向において非形成とされる側であり、左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて立設されるリブ部W521と、そのリブ部W521の先端どうしを連結する連結部W522とを主に備える。
正面壁部W520の正面は、ボックスベースW300の上側張出部W311の正面と略同一面上またはやや背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、正面壁部W520の正面が上側張出部W311の正面よりも正面側(矢印F方向側)に配設され、正面壁部W520が上側張出部W311よりも正面側へ突出した態様で正面壁部W520及び上側張出部W311の間に段差が形成されることを抑制できる。その結果、かかる段差を利用してボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外すことを抑制できる。
リブ部W521及び連結部W522は、係合部W530bを支持するための部位である。リブ部W521が正面壁部W520の左右方向(矢印L-R方向)に延びる端縁部から立設されることにより、正面壁部W520及び係合部W530aの隙間から不正に挿入された針金が平面部W320と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制できる。
リブ部W521の立設長さは、ボックスベースW300の平面部W320に対する両端壁部W321の正面側(矢印F方向側)へ向けての突出長さよりも短く形成される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた状態において、リブ部W521が封印シールWSLに当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
連結部W522は、左方側(矢印L方向側)におけるリブ部W521どうしを連結して配設され、左右方向(矢印L-R方向)における連結部W522の長さは、正面壁部W520の長さよりも短く形成される。
係合部W530a,W530bは、保護カバーW500をボックスカバーW200及びボックスベースW300に係合させるための部位である。本実施形態では、保護カバーW500における背面壁部W510側には一つの係合部W530aが配設され、正面壁部W520側には上下方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて一対(二つ)の係合部W530bが配設される。
係合部W530aは、上下方向(矢印U-D方向)において一対の係合部W530bの間に配設される。これにより、上下方向において、ボックスカバーW200及びボックスベースW300と保護カバーW500との係合位置を分散させることができ、不正にボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を取り外しにくくできる。
係合部W530a,W530bの左方側(矢印L方向側)の端部に形成される複数(本実施形態では、3個)の連結片W531と、係合部W530a,W530bにおける連結片W531とは反対側(矢印R方向側)の端部に形成される傾斜部W532と、その傾斜部W532と連結片W531との間に穿設される係合孔W533とを主に備える。
係合部W530a,W530bは、連結片W531を介して背面壁部W510(リブ部W511)又は正面壁部W520(リブ部W521)に連結される。これにより、係合部W530a,W530bは、背面壁部W510又は正面壁部W520よりも背面壁部W510及び正面壁部W520の対向間側に配設される。その結果、係合部W530a(係合部W530b)が背面壁部W510(正面壁部W520)と略同一面上に配設される場合と比較して、保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた(係合された)状態では、係合部W530a(係合部W530b)及び封印シールWSLの対向間の距離を小さくできる。
係合部W530a,W530bの右方側(矢印R方向側)の端部は、正面壁部W520及び背面壁部W510の右方側の端部よりも右方側へ突出して形成される。係合部W530aに形成される傾斜部W532及び係合孔W533は、係合部W530bに形成される傾斜部W532及び係合孔W533と形状が異なるものの、本実施形態では、同一の符号を付して説明する。
連結片W531のうち、係合部W530a,W530bの左方側(矢印L方向側)の端部から左方側へ向けて突出される連結片W531を連結片W531a、係合部W530a,W530bの左方側における上下方向(矢印U-D方向)の両端部から上下方向へ向けて突出される一対の連結片W531を連結片W531bとそれぞれ定義する。連結片W531aは、背面壁部W510又は正面壁部W520の連結部W512,W522に支持され、一対の連結片W531bは、背面壁部W510又は正面壁部W520のリブ部W511,W521に接合される。
連結片W531a,W531bは、背面視において略矩形の板状に形成される。板厚方向(矢印F-B方向)における連結片W531a,W531bの厚さ寸法は、係合部W530a,W530bと略同一に形成され、連結片W531a,W531bの正面および背面は、係合部W530a,W530bの正面および背面と略同一面上にそれぞれ配設される。即ち、連結片W531a,W531bと係合部W530a,W530bとの間には、段差が非形成とされる。これにより、連結片W531a,W531bと係合部W530a,W530bとの間に段差が形成される場合と比較して、連結片W531a,W531bと係合部W530a,W530bとの間に応力集中が生じることを抑制でき、連結片W531a,W531bの強度を確保できる。
連結片W531a,W531bにおいて封印シールWSLに対向する面および封印シールWSLに対向する面とは反対側の面を連結する一対の面(以下「連結片W531a,W531bの側面」と定義する)は、連結片W531a,W531bの封印シールWSLに対向する面および封印シールWSLに対向する面とは反対側の面に直交して形成される。なお、連結片W531a,W531bの正面および背面とは、保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた(係合された)状態において、封印シールWSLに対し平行に形成される面であり、連結片W531a,W531bの一対の側面は、封印シールWSLに対し直交して形成される面である。
ここで、連結片W531bと係合部W530bの先端部との間の距離は、連結片W531bと係合部W530aの先端部との間の距離よりも大きく形成される。また、上述したように、板厚方向(矢印F-B方向)における係合部W530bの厚さ寸法は、係合部W530aの厚さ寸法よりも小さく形成される。これらにより、係合部W530bは、係合部W530aよりも弾性変形し易く形成される。
傾斜部W532は、係合部W530a,W530bを弾性変形させ易くするための部位であり、右方側(矢印R方向側)から左方側(矢印L方向側)へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)に傾斜して形成される。
係合孔W533は、ボックスカバーW200の突起W221又はボックスベースW300の突起W312cを取り囲むための部位である。係合孔W533の内周面と突起W221,W312cの右方側(矢印R方向側)の面とが当接することにより、保護カバーW500の左方側(矢印L方向側)への変位が規制される。
立設部W540は、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられることを抑制するための部位である。
立設部W540は、下壁部W501から上壁部とは反対側(矢印D方向側)へ向けて突出され、立設部W540の突出長さは、上方側(矢印U方向側)に配設される両端壁部W223,W321と上側張出部W213aとの間の距離よりも大きく形成される。
また、立設部W540は、下側張出部W213bよりも背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させた場合において、立設部W540と下側張出部W213bとが当接することを抑制でき、保護カバーW500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられる。
一方で、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させた場合、立設部W540と上側張出部W311とが当接され、保護カバーW500の右方側への変位が規制される。これにより、保護カバーW500が右方側へ向けて変位され、係合部W530aとボックスベースW300の左壁部W312bとが当接する、又は、係合部W530bとボックスカバーW200の側壁部W212とが当接することを抑制できる。その結果、係合部W530a,W530bが破損することを抑制できる。なお、立設部W540は、非形成とされても良い。
封印シールWSLは、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封を抑制するためのものであり、シート状に形成される。封印シールWSLは、上面視において略コ字状に折り曲げられ、平面部W220、平面部W320及び突出部W324にかけて貼着される。封印シールWSLは、裏面側に接着剤が塗布される接着シートと、表面側に識別情報がプリントされる表示シートとを主に備え、接着シートの表面と表示シートの裏面とが貼着されて形成される。
上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの寸法は、一対の両端壁部W223,W321の対向間の距離よりもやや小さく形成される。封印シールWSLが平面部W220、平面部W320及び突出部W324にかけて貼着されることにより、一対の両端壁部W223,W321側を除いて、切欠き部W226,W325が封印シールWSLにより遮蔽される。従って、切欠き部W226,W325を視認させ難くでき、不正を行う者が切欠き部W226,W325を利用して封印シールWSLを容易に切断させ難くできる。
接着シートの裏面は、ボックスカバーW200の平面部W220及びボックスベースW300の平面部W320に貼着される部位であり、接着シートと表示シートとの接着力よりも接着シートと平面部W220及び平面部W320との接着力が強く形成される。これにより、平面部W220及び平面部W320から封印シールWSLを剥がそうとする場合、接着シートと表示シートとの接着が解除され、接着シートから表示シートが分離され、接着シートと平面部W220及び平面部W320との接着が維持される。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封を抑制し易くできる。
表示シートの表面には、識別情報として、複数の数字、パチンコ機W10の名称(機種名)、メーカー名、又は、基板情報等が記載される(図示せず)。識別情報は、平面部W220に貼着される位置に記載される。これにより、内枠12(図1430参照)が開放されることにより識別情報が視認可能とされる。その結果、識別情報が平面部W320に貼着される位置に記載される場合と比較して、識別情報を視認するために内枠12に対し基板ボックスW100を回転させる操作を不要とできる。
また、表示シートの表面には、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより視認可能となる特殊インキが模様を成して塗布される。
封印シールWSLの外周縁は、鋸刃状に形成される。これにより、平面部W220及び平面部W320から封印シールWSLを剥がす場合、鋸刃状の凹部に応力集中を生じさせ易くでき、封印シールWSLを分断させ易くできる。その結果、封印シールWSLの少なくとも一部を平面部W220及び平面部W320に貼着させた状態に維持させ易くでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封を抑制し易くできる。
なお、封印シールWSLは、ICチップを備えても良い。ICチップに格納されるID情報をスキャナーで受信することにより、基板ボックスW100が不正に取り換えられていないかを確認できる。また、不正を試みる者が封印シールWSLを不正に入手することや、封印シールWSLを偽造することを一層困難とできる。
次いで、図1502及び図1503を参照して、ボックスカバーW200及びボックスベースW300への保護カバーW500の取り付けについて説明する。図1502(a)及び図1502(b)は、基板ボックスW100の部分正面図であり、図1502(c)及び図1502(d)は、基板ボックスW100の部分背面図である。図1503(a)は、図1502(b)のMCDXLIIa-MCDXLIIa線における基板ボックスW100の部分断面図であり、図1503(b)は、図1502(b)のMCDXLIIb-MCDXLIIb線における基板ボックスW100の部分断面図である。
なお、図1502(a)及び図1502(c)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられる前の状態が図示され、図1502(b)及び図1502(d)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に保護カバーW500が取り付けられた後の状態が図示される。また、図1502(a)及び図1502(b)では、突起W312cが破線により図示され、図1502(c)及び図1502(d)では、凹部W224a,W224bが破線により図示される。また、一対の係合部W530bと一対の突起Ws328との係合の態様については、一方(上方)及び他方(下方)において同一であるため、一方における断面図を図示して説明し、他方における説明は省略する。
図1502(a)及び図1502(c)に示すように、上下方向(矢印U-D方向)において、係合部W530a,W530bの係合孔W533の位置をボックスカバーW200の突起W221及びボックスベースW300の突起W312cの位置に合わせた状態から(図1501参照)、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させる。
保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530aの傾斜部W532と突起W221の傾斜部W221aとが当接し、係合部W530bの傾斜部W532と突起W312cの傾斜部W312dとが当接する(図1501参照)。係合部W530a,W530bの傾斜部W532と突起W221の傾斜部W221a及び突起W312cの傾斜部W312dとが当接された状態から保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530a,W530bが背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形される。
係合部W530a,W530bが背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形されることにより、保護カバーW500を背面側へ向けて回転させ易くできる。これにより、係合部W530aが背面側(正面側)へ向けて弾性変形され、係合部W530bが正面側(背面側)へ向けて弾性変形される場合と比較して、係合部W530a,W530bの弾性変形量を小さくできる。その結果、係合部W530a,W530bの破損を抑制し易くできる。
係合部W530a,W530bが背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形される状態から続けて保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、図1502(b)、図1502(d)及び図1503に示すように、係合部W530aの係合孔W533の内側に突起W221が配設され(係合部W530aと突起W221とが係合され)、一対の係合部W530bの係合孔W533の内側に一対の突起W312cが配設される(一対の係合部W530bと一対の突起W312cとが係合される)。これにより、係合部W530a,W530bの弾性変形が解除される。
以下、係合部W530aの係合孔W533の内側に突起W312cが配設され、係合部W530bの係合孔W533の内側に突起W221が配設された状態を規制状態と定義する。なお、一対の係合部W530bと一対の突起W312cとの係合の態様については、一方側(上方側)及び他方側(下方側)において同一であるため、一方側における断面のみを図示し、他方側における断面図は省略して説明する。
背面壁部W510及び正面壁部W520の対向間の距離は、ボックスカバーW200の両端壁部W223の背面からボックスベースW300の両端壁部W321の正面までの距離と略同一またはやや大きく形成されるため、規制状態では、前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW500の変位が規制される。これにより、係合部W530a(係合部W530b)と突起W221(突起W312c)との係合が解除されることが抑制される。
また、規制状態では、突起W221の傾斜部W221aとは反対側(矢印R方向側)の面と係合部W530aの係合孔W533の内側面とが当接し、突起W312cの傾斜部W312dとは反対側(矢印R方向側)の面と係合部W530bの係合孔W533の内周面とが当接することにより、保護カバーW500の左方側(矢印L方向側)への変位が規制される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300に貼着された封印シールWSLが露出されることを抑制できる。
また、規制状態では、背面視において、連結片W531a,W531bが凹部W224a,W224bに重なる位置に配設される。詳細には、連結片W531aは、上下方向(矢印U-D方向)において、凹部W224aの略中央となる位置に配設され、連結片W531bは、左右方向(矢印L-R方向)において、凹部W224bの略中央となる位置に配設される。
また、規制状態では、背面壁部W510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部W520の右方側の端部がボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302に当接される。また、係合部W530aの右方側の端部が側壁部W212に当接される。これらにより、保護カバーW500の右方側への変位が規制される。なお、背面壁部W510の右方側の端部、係合部W530aの右方側の端部あるいは正面壁部W520の右方側の端部の少なくともいずれか一つがボックスカバーW200の側壁部W212或いはボックスベースW300の左壁部W302に当接されても良い。
ここで、保護カバーW500の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、背面壁部W510の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212との間に隙間が形成され、かかる隙間を利用して保護カバーW500の内側へ針金が不正に挿入される虞がある。これにより、平面部W220と封印シールWSLとの貼着が不正に解除される虞がある。
これに対し、平面部W220に一対の立設部W222が配設されることにより、保護カバーW500の内側へ針金が不正に挿入された場合であっても、その不正に挿入された針金を一対の立設部W222に当接させることができる。これにより、平面部W220と封印シールWSLとの貼着が不正に解除されることを抑制できる。
また、一対の両端壁部W223の正面は、立設部W222の突出面と略同一面上に配設されるため、一対の両端壁部W223の正面(立設部W222の突出面)と背面壁部W510の内面とが当接した状態において、立設部W222の突出面(一対の両端壁部W223の正面)と背面壁部W510の内面との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、かかる隙間を利用して針金が不正に挿入され、平面部W220と封印シールWSLとの貼着が解除されることを抑制できる。
次いで図1504から図1506を参照して、ボックスカバーW200及びボックスベースW300からの保護カバーW500の取り外しについて説明する。図1504(a)は、基板ボックスW100の部分正面図であり、図1504(b)は、基板ボックスW100の部分背面図である。図1505は、図1504(b)のMCDXLIV-MCDXLIV線における基板ボックスW100の部分断面図である。図1506(a)は、基板ボックスW100の部分正面図であり、図1506(b)は、基板ボックスW100の部分背面図である。
なお、図1504(a)及び図1504(b)では、保護カバーW500から係合部W530a,W530bが切断された状態が図示される。また、図1506(a)及び図1506(b)では、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外された状態が図示され、保護カバーW500から切断された係合部W530a,W530bが二点鎖線により図示される。
また、図1505では、係合部W530aの一対の連結片W531bの一方が図示され、一対の連結片W531bの一方における切断について説明するが、一対の連結片W531bの他方および連結片W531aの切断の態様については、一対の連結片W531bの一方と同一であるため、一対の連結片W531bの他方および連結片W531aの切断の説明は省略する。また、係合部W530bの連結片W531a,W531bの切断については、係合部W530aの態様と同一であるため、係合部W530bの連結片W531a,W531bの切断の説明は省略する。
図1504に示すように、係合部W530a,W530bの連結片W531a,W531bが切断工具(図示せず)により切断されることで、保護カバーW500(背面壁部W510及び正面壁部W520)から係合部W530a,W530bが分離される。なお、切断工具としては、ニッパ―、ハサミ、カッターナイフ又はナイフ等が例示される。
例えば、切断工具がニッパ―やハサミから構成され、一対の刃の間に連結片W531a,W531bを挟み込んで連結片W531a,W531bを切断する場合は、連結片W531a,W531bの一対の側面に一対の刃がそれぞれ当接され、一対の側面の対向側へ向けて一対の刃が変位することで連結片W531a,W531bが切断される。
また、例えば、切断工具がカッターナイフやナイフから構成され、単一の刃を用いて連結片W531a,W531bを切断する場合は、連結片W531a,W531bの一対の側面の一方に刃を当接させ、一対の側面の他方へ向けて刃が変位することで連結片W531a,W531bが切断される。
上述したように、背面視において、保護カバーW500の連結片W531bは、凹部W224bに重なる位置に配設される(図1502参照)。即ち、図1505に示すように、凹部W224bは、封印シールWSLを介して係合部W530bの連結片W531bと対向して封印シールWSLとは反対側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。これにより、封印シールWSLと凹部W224bとの間に空間を形成でき、連結片W531bを切断するために背面壁部W510及び係合部W530aの間に切断工具の先端(図示せず)が挿入された場合、切断工具の先端を凹部W224bに受け入れ可能とできる。その結果、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
即ち、連結片W531bが切断された場合に、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成できる。これにより、封印シールWSLの痕跡の有無に基づいて、封印シールWSLの状態(封印シールWSLが新品であるか再利用したものであるか)を確認可能とできる。また、封印シールWSLに痕跡が形成されることで、封印シールWSLが再利用されることを抑制できる。
また、連結片W531bは、左右方向(矢印L-R方向)における凹部W224bの略中央となる位置に配設される。また、連結片W531bは、背面視において、凹部W224bに重なる位置に配設される(図1502参照)。従って、連結片W531bを切断するために切断工具(図示せず)の先端が連結片W531bの側面側に配設された状態において、切断工具の先端を凹部W224bに受け入れ易くできる。その結果、連結片W531bの切断動作により封印シールWSLが破損させ易くでき、封印シールWSLの痕跡(破損)を作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、係合部W530a(連結片W531b)は、リブ部W511に連結されるため、背面壁部W510と封印シールWSL(平面部W220)との対向間隔よりも、連結片W531bと封印シールWSL(平面部W220)との対向間隔が小さく形成される。これにより、切断工具の先端を封印シールWSLに近づけることができ、凹部W224bに受け入れ易くできる。その結果、封印シールWSLを破損させ易くできる。
なお、上述したように、背面視において、保護カバーW500の連結片W531aは、凹部W224aに重なる位置に配設される(図1502参照)。これにより、連結片W531bを切断するのと同様、連結片W531aを切断するために、背面壁部W510及び係合部W530aの間に切断工具の先端(図示せず)が挿入された場合、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
連結片W531aは、係合部W530a,W530bから左方側(矢印L方向側)へ向けて突出され、連結片W531bは、係合部W530a,W530bから上下方向へ向けて突出される。これにより、連結片W531aを切断する場合と連結片W531bを切断する場合とで切断工具(図示せず)の向きを変更させる必要が生じる。その結果、不正を行う者が連結片W531a,W531bを切断するために要する時間を引き延ばすことができ、不正行為の抑制を図ることができる。
図1506に示すように、保護カバーW500から係合部W530a,W530bが切断されることにより、規制状態が解除され、保護カバーW500が左方側(矢印L方向側)へ向けて変位可能とされる。
このように、連結片W531a,W531bを切断する際に切断工具の先端(図示せず)で封印シールWSLが破損され易くすることで、例えば、不正に連結片W531a,W531bが切断され(係合部W530a,W530bが分離され)保護カバーW500が取り外された後、係合部W530a,W530bが接着剤により接合された保護カバーW500が取り付けられた状態であっても、封印シールWSLの痕跡(破損)により連結片W531bが切断されたこと、即ち、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
なお、不正を行う者が連結片W531a,W531bが切断されていない状態の保護カバーW500を所持し、連結片W531a,W531bが切断された保護カバーW500に代えて、連結片W531a,W531bが切断されていない状態の保護カバーW500を取り付けた状態であっても、封印シールWSLの痕跡(破損)により不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、不正を行う者が平面部W220(平面部W320)から封印シールWSLを不正に剥がし主制御基板(図示せず)に不正操作を行った後、その剥がした封印シールWSLを平面部W220(平面部W320)に再び貼着することにより封印シールWSLの貼着の解除を作業者(店員)に認識させ難くする場合であっても、不正を行う者による主制御基板への不正操作の虞を封印シールWSLの痕跡(破損)により作業者(店員)に認識させ易くできる。
ここで、保護カバーW500と比較して、不正を試みる者が封印シールWSLを不正に入手することや、封印シールWSLを偽造することは困難である。従って、本実施形態のように、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外す際、封印シールWSLを破損させ易く(痕跡を付与し易く)することで主制御基板(図示せず)への不正操作の虞を作業者(店員)に認識させ易くすることが特に有効となる。
また、基板ボックスW100が内枠12(図1430参照)の背面側(矢印B方向側)に配設(軸支)され、凹部W224a,W224bが基板ボックスW100の背面側を構成するボックスカバーW200に形成されるため、内枠12が開放され内枠12の背面側が視認可能とされた状態では、封印シールWSLの痕跡(破損)が視認可能とされる。これにより、例えば、凹部W224a,W224bが基板ボックスW100の正面側(矢印F方向側)を構成するボックスベースW300(平面部W320)に凹設され、内枠12に対し基板ボックスW100を回転させることにより封印シールWSLの破損が視認可能とされる場合と比較して、作業者(店員)に封印シールWSLの痕跡(破損)を容易に認識させ易くできる。
封印シールWSLに痕跡(破損)が無い場合は、封印シールWSLに不正操作が施されていない可能性が高いと判断できる。一方で、封印シールWSLに痕跡(破損)が有る場合には、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外され、封印シールWSLが剥がされた後に封印シールWSLが再度、貼着された可能性が高いと判断できる。又は、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外され、その際に封印シールWSLに痕跡(破損)が形成されたことにより、不正を試みた可能性が高いと判断できる。
次いで、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封について説明する。ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500が取り外された状態において、ボックスカバーW200及びボックスベースW300と封印シールWSLとの貼着を解除する、又は、ボックスカバーW200(平面部W220)及びボックスベースW300(突出部W324)の境界において、封印シールWSLを切断する。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が開封される。
ここで、平面部W220及び平面部W320に切欠き部W226,W325が形成され、前後方向(矢印F-B方向)において切欠き部W226,W325が対向して配設されることにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300が組み合わされた状態では、断面視において、略V字状の空間が封印シールWSLの貼着面側(矢印R方向側)に形成される。これにより、切断工具の先端を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くでき、封印シールWSLを切断させ易くできる(図1505参照)。また、ボックスカバーW200及びボックスベースW300を組み合わせることにより、封印シールWSLの貼着面側に空間を容易に形成でき、突出部W324に凹部を形成する場合と比較して、ボックスベースW300の製造コストを低減できる。
また、切欠き部W226が側壁部W212側(矢印R方向側)から平面部W220の先端側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W325とは反対側(矢印B方向側)へ傾斜して形成され、切欠き部W325が左壁部W302側(矢印R方向側)から平面部W320の先端側(矢印L方向側)へ向かうにつれて切欠き部W226とは反対側(矢印F方向側)へ傾斜して形成されることにより、平面部W220及び突出部W324の境界において、平面部W220及び突出部W324と封印シールWSLとの間に非貼着とされる領域が形成される(図1505参照)。その結果、封印シールWSLを切断することにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の係合を解除させ易くできる。
次いで、図1507(a)及び図1507(b)を参照して、第17実施形態における基板ボックスW2100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1507(a)は、第17実施形態における基板ボックスW2100の部分背面図であり、図1507(b)は、図1507(a)のMCDXLVIb-MCDXLVIb線における基板ボックスW2100の部分断面図である。なお、図1507(a)では、ボックスカバーW2200の両端壁部W223及び両端突出部W2223aが破線により図示され、図1507(b)では、保護カバーW2500から係合部W2530a,W2530bが切断された状態が図示される。
図1507(a)及び図1507(b)に示すように、第17実施形態における基板ボックスW2100の保護カバーW2500では、連結片W2531bが背面壁部W2510及び正面壁部W2520に接続される。
連結片W2531bは、上下方向(矢印U-D方向)における背面壁部W2510及び正面壁部W2520の端縁部から前後方向(矢印F-B方向)に延びる垂下部W2531cと、その垂下部W2531cの先端から上下方向に延びる平行部W2531dとを備え、断面視において略L字状に形成される。また、第16実施形態における背面壁部W510及び正面壁部W520と比較して、背面壁部W2510及び正面壁部W2520の対向間の距離が大きく形成される。
ボックスカバーW2200の一対の両端壁部W223は、両端壁部W223から背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて突出される両端突出部W2223aを備え、ボックスベースW2300の一対の両端壁部W321は、両端壁部W321から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ向けて突出される両端突出部W2321aを備える。
両端突出部W2223aの突出長さは、両端壁部W223及び背面壁部W510の対向間の距離と略同等またはやや小さく形成される。また、左右方向(矢印L-R方向)における両端突出部W2223aの長さは、両端壁部W223の略1/3に形成され、側壁部W212側(矢印R方向側)における両端突出部W2223aの一端は、側壁部W212に当接して配設される。
両端突出部W2321aの突出長さは、両端壁部W321及び正面壁部W520の対向間の距離と略同等またはやや小さく形成される。また、左右方向(矢印L-R方向)における両端突出部W2321aの長さは、両端壁部W321の略1/3に形成され、カバー部W312側(矢印R方向側)における両端突出部W2321aの一端は、左壁部W312bに当接して配設される(図1501参照)。
これらにより、規制状態においては、両端突出部W2223a(両端突出部W2321a)及び背面壁部W510(正面壁部W520)が当接することにより、前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW2500の変位が規制される。その結果、係合部W530a(係合部W530b)と突起W221(突起W312c)との係合が解除されることが抑制される(図1503参照)。
ボックスカバーW2200及びボックスベースW2300からの保護カバーW2500の取り外しは、連結片W531a及び連結片W2531bの垂下部W2531cが切断工具(図示せず)により切断され、保護カバーW2500から係合部W2530a,W2530bが分離されることにより行われる。
左右方向(矢印L-R方向)において、保護カバーW2500が両端突出部W2223a(両端突出部W2321a)よりも側壁部W212(左壁部W312b)とは反対側(矢印L方向側)へ変位された状態では、両端突出部W2223a(両端突出部W2321a)及び背面壁部W510(正面壁部W520)が非当接とされ、前後方向(矢印F-B方向)における保護カバーW2500の変位の規制が解除される。
ここで、連結片W2531bに垂下部W2531cが形成されることにより、連結片W2531bに垂下部W2531cが非形成の場合と比較して、前後方向(矢印F-B方向)において垂下部W2531cに形成される切断部と封印シールWSLとの対向間の距離を小さくできる。これにより、切断工具の先端や(図示せず)、連結片W2531bの切断部を封印シールWSLに当接させ易くでき、封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、垂下部W2531cに形成される切断部を封印シールWSLに対向させることができ、ボックスカバーW2200及びボックスベースW2300から保護カバーW2500を取り外す際、垂下部W2531cに形成される切断部により封印シールWSLを破損させ易くできる。これらにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1507(c)を参照して、第18実施形態における保護カバーW3500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1507(c)は、第18実施形態における保護カバーW3500の部分断面図であり、図1507(a)のMCDXLVIb-MCDXLVIb線における断面図に対応する。
図1507(c)に示すように、第18実施形態における保護カバーW3500では、背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)とが略同一面上に形成され、連結片W3531bを介して背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)とが連結される。
連結片W3531bは、上下方向(矢印U-D方向)における係合部W3530a,W3530b、背面壁部W3510及び正面壁部W3520の端縁部から背面壁部W3510及び正面壁部W3520の対向側へ向けて延びる一対の垂下部W3531cと、一対の垂下部W3531cの先端どうしを連結する平行部W3531dとを備え、断面視において略コ字状に形成される。
ボックスカバーW200及びボックスベースW300からの保護カバーW3500の取り外しは(図1507(b)参照)、連結片W3531bの平行部W3531dが切断工具(図示せず)により切断され、保護カバーW3500から係合部W3530a,W3530bが分離されることにより行われる。
背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)とが略同一面上に形成されることにより、背面壁部W3510(正面壁部W3520)と係合部W3530a(係合部W3530b)との間に段差が形成されることを抑制できる。これにより、保護カバーW3500に指を引っ掛け難くでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーW500を不正に取り外すことを抑制し易くできる。
一対の垂下部W3531cが形成されることにより、背面壁部W3510(正面壁部W3520)と封印シールWSLとの対向間隔よりも、連結片W3531bと封印シールWSLとの対向間隔が小さく形成される(図1507(b)参照)。これにより、切断工具の先端を封印シールWSLに近づけることができ、封印シールWSLを破損させ易くできる。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1508を参照して、第19実施形態における基板ボックスW4100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1508(a)は、第19実施形態における基板ボックスW4100の部分背面図であり、図1508(b)は、図1508(a)のMCDXLVIIb-MCDXLVIIb線における基板ボックスW4100の部分断面図であり、図1508(c)は、図1508(a)のMCDXLVIIc-MCDXLVIIc線における基板ボックスW4100の部分断面図であり、図1508(d)は、図1508(a)のMCDXLVIId-MCDXLVIId線における基板ボックスW4100の部分断面図である。
図1508に示すように、第19実施形態における基板ボックスW4100の保護カバーW4500は、突起W4534を備える。突起W4534は、係合部W4530a,W4530bの突出先端において、係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて四角錐状に突出して形成される。
なお、係合部W4530a,W4530bに突起W4534が形成されることにより、平面部W4220(平面部W4320)が突起W4534の突出量だけ正面側(背面側)に形成される。これにより、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300に保護カバーW4500を取り付ける際、突起W4534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
また、突起W4534が係合部W4530a,W4530bの突出先端に配設されるため、規制状態において、突起W4534は、封印シールWSLよりも側壁部W212側(カバー部W312側)に配設される。
ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300から保護カバーW4500を不正に取り外すために、係合部W4530a,W4530bを切断せず、係合部W4530a,W4530bを弾性変形させることにより係合部W4530a(係合部W4530b)と平面部W4220の突起W221(平面部W4320の突起W312c)との係合を解除することが考えられる。
本実施形態では、突起W4534が係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて突出して形成されるため、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300からの保護カバーW4500の取り外しの際、突起W4534及び封印シールWSLを当接させ易くできる。また、突起W4534が四角錐状に形成されるため、突起W4534及び封印シールWSLが当接することにより、封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、突起W4534が封印シールWSLよりも側壁部W212側(カバー部W312側)に配設されるため、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300からの保護カバーW4500の取り外しの際、封印シールWSLの貼着面および貼着面に対向する表面を連結する側面に突起W4534を当接させることができる。
これにより、封印シールWSLの表面に突起W4534が当接され、突起W4534が封印シールWSLの表面を滑りながら(突起W4534が封印シールWSLを破損させないまま)ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300からの保護カバーW4500が取り外される場合と比較して、封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、突起W4534は、上下方向(矢印U-D方向)における係合部W4530a,W4530bの両端部に一対が形成される。一対の突起W4534により封印シールWSLが破損された場合、係合部W4530a(係合部W4530b)と背面壁部W510(正面壁部W520)との隙間から封印シールWSLの破損を視認させ易くできる。
これらにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、突起W4534を利用することにより、ボックスカバーW4200及びボックスベースW4300の開封(封印シールWSLの切断)を容易に行うことができる。詳細に説明すると、保護カバーW4500から係合部W4530a(係合部W4530b)を分離させ、突起W4534を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させることにより、封印シールWSLを切断し易くできる。
これにより、切断工具(図示せず)の携行を不要とできる。また、係合部W4530a(係合部W4530b)は、保護カバーW4500に対し小さく形成されるため、一対の両端壁部W223や一対の両端壁部W321との干渉を抑制できるので、封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。その結果、封印シールWSLの切断を好適に行うことができる。
次いで、図1509(a)から図1509(c)を参照して、第20実施形態における基板ボックスW5100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図1509(a)から図1509(c)では、係合孔W533が破線により図示される。また、図1509(a)から図1509(c)の説明においては、図1502(c)を適宜参照する。
図1509(a)から図1509(c)は、第20実施形態における基板ボックスW5100の部分断面図であり、図1502(b)のMCDXLVIIIa-MCDXLVIIIa線における断面図に対応する。なお、図1509(a)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーW5500を取り付けるために係合部W5530bが弾性変形された状態が図示され、図1509(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーW5500を不正に取り外すために係合部W5530bが弾性変形され、突起W312cと係合孔W533との係合が解除された状態が図示され、図1509(c)は、図1509(b)における状態から保護カバーW5500が左方側(矢印L方向側)へ向けて変位された状態が図示される。
図1509(a)から図1509(c)に示すように、第20実施形態における基板ボックスW5100のボックスベースW5300は、凹部W5326を備え、保護カバーW5500は、突起W5534を備える。
なお、係合部W5530bに突起W5534が形成されることにより、平面部W5320が突起W5534の突出量だけ背面側に形成される。これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーW5500を取り付ける際、突起W5534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
凹部W5326は、封印シールWSLの貼着面と平面部W5220との間に空間を形成させるための部位であり、平面部W5320の正面に凹設される。凹部W5326は、規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成され、右方側(矢印R方向側)における凹部W5326の内側面は、突起W5534よりも右方側に配設される。
左右方向(矢印L-R方向)における凹部W5326の長さは、ボックスベースW5300の突起W312cの左右方向における寸法よりも大きく形成され、係合孔W533が突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)となる位置まで保護カバーW5500が左方側へ向けて変位された状態においても、左方側における凹部W5326の内側面は、突起W5534よりも左方側に配設される。
突起W5534は、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーW5500を不正に取り外すために係合部W5530bを弾性変形させた際、封印シールWSLを破損させるための突起であり、封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて突出して形成される。
即ち、突起W5534が箱状に形成される保護カバーW5500の内側へ向けて突出されるため、基板ボックスW5100や保護カバーW5500の製造作業や運搬作業等において、作業者(店員)が突起W5534に接触し、負傷することを抑制できる。
突起W5534は、上下方向(矢印U-D方向)における係合部W5530bの両端側に一対が形成される。これにより、係合部W5530bと正面壁部W520との隙間から封印シールWSLの破損を視認させ易くできる(図1502(c)参照)。
次いで、図1509(b)を参照して、係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態について説明する。図1509(b)に示すように、突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるため、係合部W5530bが不正に突起W312cの突出寸法よりも大きく封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形された状態では、一対の突起W5534の先端が凹部W5326により形成される空間に配設され、一対の突起W5534により封印シールWSLが破損される。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
図1509(c)は、図1509(b)における状態から係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態を維持しつつ保護カバーW5500を左方側(矢印L方向側)へ向けて変位させ、係合孔W533が突起W312cよりも左方側に位置した状態(係合孔W533と突起W312cとの係合が解除された状態)が図示される。
上述したように、左右方向(矢印L-R方向)における凹部W5326の長さは、突起W312cの寸法よりも大きく形成されるため、係合孔W533が突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)となる位置まで保護カバーW5500が左方側へ向けて変位された状態においても、凹部W5326により形成される空間に一対の突起W5534の先端を配設させることができる。これにより、封印シールWSLが破損される領域を大きくでき、封印シールWSLの破損を作業者(店員)に認識させ易くできる。
このように、係合部W5530bの連結片W531a,W531bを切断することなく、係合部W5530bを弾性変形させて係合孔W533と突起W312cとの係合を解除させる場合には、封印シールWSLに痕跡(破損)が付与され易くできる。
次いで、図1509(d)を参照して、第21実施形態における基板ボックスW6100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図1509(d)では、係合孔W533が破線により図示される。
図1509(d)は、第21実施形態における基板ボックスW6100の部分断面図であり、図1502(b)のMCDXLVIIIa-MCDXLVIIIa線における断面図に対応する。なお、図1509(d)は、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500を不正に取り外すために係合部W5530bが弾性変形され、突起W312cと係合孔W533との係合が解除された状態が図示される。
図1509(d)に示すように、第21実施形態における基板ボックスW6100のボックスベースW6300は、凹部W6326を備える。凹部W6326は、第20実施形態における凹部W5326と比較して、左右方向(矢印L-R方向)における凹設寸法が短く形成される。なお、本実施形態では、凹部W6326の凹設形状は、保護カバーW5500の突起W5534の外形と略同一に形成される。また、凹部W6326は、規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。
これらにより、係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態では、突起W5534の先端が凹部W6326により形成される空間に配設され、突起W5534が凹部W6326の内側に当接することにより、保護カバーW5500の左方側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制される。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が不正に取り外されることを抑制できる。
また、係合部W5530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて不正に弾性変形された状態では、一対の突起W5534の先端が凹部W6326により形成される空間に配設され、一対の突起W5534により封印シールWSLが破損される。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1510を参照して、第22実施形態における基板ボックスW7100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1510(a)は、第22実施形態における基板ボックスW7100の部分背面図であり、図1510(b)は、図1510(a)のMCDXLIXb-MCDXLIXb線における基板ボックスW7100の部分断面図である。なお、図1510(a)では、一対の締結孔W7225が破線により図示される。
図1510に示すように、第22実施形態における基板ボックスW7100の平面部W7220及び平面部W7320には、一対の締結孔W7225及び一対の締結孔W7322が保護カバーW500の連結片W531bと上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される。即ち、一対の締結孔W7322は、封印シールWSLを介して係合部W530bの連結片W531bと対向して封印シールWSLとは反対側(矢印F方向側)へ向けて穿設される。
締結孔W7322は、背面視において、円状に形成され、締結孔W7322の直径は、左右方向(矢印L-R方向)における連結片W531bの寸法よりも大きく形成される。
これらにより、ボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結させるねじと封印シールWSLとの間に空間を形成でき、連結片W531bを切断するために背面壁部W510及び係合部W530aの間に切断工具の先端(図示せず)が挿入された場合、切断工具の先端を締結孔W7322に受け入れ可能とできる。その結果、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くでき、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
締結孔W7322を利用して(切断工具の先端を締結孔W7322に受け入れ可能として)ボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結するためのねじに対応する位置に封印シールWSLの痕跡(破損)が形成されるため、封印シールWSLによりボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結するためのねじが遮蔽される場合であっても、封印シールWSLの痕跡(破損)に基づいてかかるねじの位置を把握できる。これにより、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
また、ボックスカバーW7200及びボックスベースW7300を締結するためのねじを挿通させるための機能と、切断工具の先端(図示せず)を配設させるための空間を形成するための機能とを一対の締結孔W7225に兼用させることができる。これにより、平面部W7220に凹部W224b(図1501参照)を形成することを抑制でき、製造コストを低減できる。
次いで、図1511(a)を参照して、第23実施形態における保護カバーW8500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1511(a)は、第23実施形態における基板ボックスW8100の部分断面図であり、図1505(a)のLXXXIIa部における断面に対応する。
図1511(a)に示すように、第23実施形態における保護カバーW8500の連結片W8531bは、断面視において平行四辺形に形成される。本実施形態では、連結片W8531bの一対の側面が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成される。
詳細には、封印シールWSLとは反対側(矢印B方向側)から封印シールWSL側(矢印F方向側)へ向かうにつれて右方側(矢印R方向側)に傾斜して形成される。なお、封印シールWSLとは反対側から封印シールWSL側へ向かうにつれて左方側(矢印L方向側)に傾斜して形成されても良い。
これにより、切断工具(図示せず)を用いて連結片W8531bを切断する際、封印シールWSLとは反対側(矢印B方向側)から封印シールWSL側(矢印F方向側)へ向かう方向に対し右方側(矢印R方向側)へ向けて切断工具の先端を回転させ易くできる。その結果、切断工具の先端を凹部W224bに受け入れ可能とでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。従って、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1511(b)及び図1511(c)を参照して、第24実施形態における保護カバーW9500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1511(b)は、第24実施形態における基板ボックスW9100の部分背面図であり、図1511(c)は、図1511(b)のMCDLc-MCDLc線における基板ボックスW9100の部分断面図である。
図1511(b)及び図1511(c)に示すように、第24実施形態における保護カバーW9500の連結片W9531bは、断面視において前後方向(矢印F-B方向)に延び縦長略矩形に形成される第1部W9531b1と、その第1部W9531b1の係合部W530a及びリブ部W511(連結部W512)側の端部に配設され、リブ部W511(連結部W512)の延びる方向に沿って延び、断面視において、横長略矩形に形成される第2部W9531b2とを備える。
第1部W9531b1は、第2部W9531b2の延びる方向における略中央に配設される。第1部W9531b1及び第2部W9531b2の封印シールWSLとは反対側に形成される面は、略同一面上に配設され、第1部W9531b1と封印シールWSLとの間の対向間隔よりも第2部W9531b2と封印シールWSLとの間の対向間隔が小さくされる。
これにより、切断工具(図示せず)により第1部W9531b1を切断する際、切断工具の先端を凹部W224bにより形成される空間に受け入れさせ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。従って、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
また、左右方向(矢印L-R方向)において、第1部W9531b1は、第2部W9531b2よりも小さく形成される。これにより、第2部W9531b2よりも第1部W9531b1を切断し易くできる。
なお、断面視において、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の断面積は、略同一に形成される。これにより、保護カバーW9500を樹脂金型により成形する際には、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の断面積の相違を抑制でき、保護カバーW9500(連結片W9531b)の成形性を確保できる。
次いで、図1512を参照して、第25実施形態における基板ボックスWa100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1512(a)及び図1512(c)は、第25実施形態における基板ボックスWa100の部分断面図であり、図1502(b)のMCDXLIIb-MCDXLIIb線における断面に対応する。図1512(b)は、図1512(a)のMCDLIb-MCDLIb線における基板ボックスWa100の部分断面図である。なお、図1512(c)は、図1512(a)における状態から保護カバーWa500が左方側(矢印L方向側)へ向けて変位された状態が図示される。また、図1512の説明においては、図1502を適宜参照する。
図1512(a)及び図1512(b)に示すように、第25実施形態における基板ボックスWa100の保護カバーWa500は、その保護カバーWa500の左壁部W502の内側面から突出される切断部Wa550を備える。切断部Wa550は、封印シールWSLを切断するための部位である。
切断部Wa550が左壁部W502の内側面から突出されることにより、保護カバーWa500(の左壁部W502)の強度を向上できる。これにより、保護カバーWa500を破損させ難くできる。
切断部Wa550の突出量は、規制状態における左壁部W502と封印シールWSLとの対向間の距離よりも小さく形成される。これにより、規制状態において、切断部Wa550が封印シールWSLを切断することを抑制できる。
切断部Wa550は、左右方向(矢印L-R方向)において、平面部W220及び平面部W320に形成される切欠き部W226,W325に対向して配設される。上下方向(矢印U-D方向)における切断部Wa550の寸法は、一対の両端壁部W223,W321の対向間の距離よりもやや小さく形成され、上下方向における封印シールWSLの両端の間の距離よりも大きく形成される。
また、切断部Wa550は、前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の略中央から背面壁部W510側(矢印B方向側)へ偏った位置に配設される。これにより、例えば、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた場合、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向して配設されることを抑制できる。従って、切断部Wa550の機能を奏することを抑制できる。
切断部Wa550は、保護カバーWa500の内側面から切断部Wa550の突出先端側(矢印R方向側)へ向かうにつれて前後方向(矢印F-B方向)における寸法が小さく形成される。また、切断部Wa550の突出先端側(矢印R方向側)は、図1512(b)に示す断面視において、鋸刃状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)に屈曲を繰り返して形成される。これらにより、切欠き部W226,W325に形成される空間へ向けて切断部Wa550が変位されることで、封印シールWSLを切断させ易くできる。
図1512(a)に示すように、保護カバーWa500の背面壁部Wa510及び正面壁部Wa520は、第16実施形態における保護カバーW500の背面壁部W510及び正面壁部W520と比較して、左右方向(矢印L-R方向)における寸法が小さく形成される。これにより、規制状態において、背面壁部Wa510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部Wa520の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302との間には隙間が形成される(図1502(b)及び図1502(d)参照)。かかる隙間は、切断部Wa550に形成される鋸刃状において、封印シールWSLとは反対側に形成される凹部と封印シールWSLとの間の距離よりも大きく形成される。
一方で、係合部W530aの右方側(矢印R方向側)の端部がボックスカバーW200の側壁部W212に当接される。これにより、保護カバーWa500の右方側への変位が規制され、規制状態が維持される。なお、係合部W530bの右方側(矢印R方向側)の端部がボックスベースW300の左壁部W302に当接されることにより(図1503参照)、保護カバーWa500の右方側への変位が規制されても良い。
次いで、図1512(c)を参照して、切断部Wa550による封印シールWSLの切断について説明する。図1512(c)に示すように、係合部W530a,W530bが切断されることにより(図1504参照)、保護カバーWa500は、封印ユニットW400側(矢印R方向側、図1497参照)へ向けて変位可能とされる。保護カバーWa500を封印ユニットW400側へ向けて変位させることにより、切断部Wa550は、切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れ可能とされ、切断部Wa550により封印シールWSLが切断される。
ここで、一対の両端壁部W223,W321と背面壁部W510及び正面壁部W520とが当接されることにより、保護カバーWa500が前後方向(矢印F-B方向)に変位されることを抑制できる。従って、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向された状態を維持でき、切断部Wa550による封印シールWSLの切断が容易とされる。
本実施形態では、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーWa500を取り外すために係合部W530a,W530bを切断する作業と保護カバーWa500を封印ユニットW400側(矢印R方向側、図1497参照)へ向けて変位可能とさせる作業とを別々に行う必要がなく、一連の作業として効率的に行うことができる。
上述したように、規制状態において、背面壁部Wa510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部Wa520の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302との間に形成される隙間は、切断部Wa550に形成される鋸刃状において、封印シールWSLとは反対側に形成される凹部と封印シールWSLとの間の距離よりも大きく形成されるため、切断部Wa550に形成される鋸刃状の全体を切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れ可能とできる。これにより、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの両端の間において封印シールWSLが切断され、封印シールWSLが平面部W220側と平面部W320側とに分離される。
また、保護カバーWa500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、背面壁部Wa510の右方側(矢印R方向側)の端部および正面壁部Wa520の右方側の端部とボックスカバーW200の側壁部W212及びボックスベースW300の左壁部W302とが当接される(図1503参照)。これにより、保護カバーWa500の右方側へ向けての変位が規制される。
なお、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に当接されることにより、保護カバーWa500の右方側へ向けての変位が規制されても良い。この場合、切断部Wa550により切欠き部W226,W325に封印シールWSLを貼着させることができる。言い換えると、切欠き部W226,W325から封印シールWSLを剥がしにくくできる。これにより、切欠き部W226,W325から封印シールWSLを剥がす際、封印シールWSLを破損させ易くでき、封印シールWSLの痕跡(破損)を作業者(店員)に認識させ易くできる。
本実施形態では、保護カバーWa500を側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより封印シールWSLを容易に切断できる。これにより、例えば、作業者(店員)が切断工具を所持していない場合であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易に行うことができる。
切断部Wa550は、左右方向(矢印L-R方向)において、平面部W220及び平面部W320に形成される切欠き部W226,W325に対向して配設されるため、封印シールWSLにより切欠き部W226,W325が遮蔽された状態であっても、切断部Wa550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くできる。
切断部Wa550は、左壁部W502の内側面から突出されるため、箱状に形成される保護カバーWa500から露出されることを抑制できる。これにより、封印シールWSLの切断作業、基板ボックスWa100や保護カバーWa500の製造作業や運搬作業等において、作業者(店員)が切断部Wa550に接触し、負傷することを抑制できる。
また、切断部Wa550は、左壁部W502の内側面から突出されるため、切断部Wa550は、保護カバーWa500と比較して小さく形成される。言い換えると、保護カバーWa500は、切断部Wa550と比較して大きく形成される。従って、作業者(店員)は、保護カバーWa500を把持することにより切断部Wa550を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
保護カバーWa500(切断部Wa550)は、樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形されるため、例えば、金属材料を用いて鋭利に形成される切断工具と比較して封印シールWSLの切断性が低い。これに対し、封印シールWSLの貼着面側に切欠き部W226,W325による空間が形成されるため、切断部Wa550の切断性が低い場合であっても、封印シールWSLを切断させ易くできる。
次いで、図1513及び図1514を参照して、第26実施形態における基板ボックスWb100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1513(a)は、第26実施形態における基板ボックスWb100の保護カバーWb500の正面図であり、図1513(b)は、図1513(a)の矢印MCDLIIb方向視における保護カバーWb500の側面図であり、図1513(c)は、図1513(b)の矢印MCDLIIc方向視における保護カバーWb500の背面図である。図1514(a)は、基板ボックスWb100の背面図であり、図1514(b)は、図1514(a)の矢印MCDLIIIb方向視における基板ボックスWb100の側面図であり、図1514(c)は、図1514(b)のMCDLIIIc-MCDLIIIc線における基板ボックスWb100の部分断面図である。
なお、図1513及び図1514では、係合部Wb530a,Wb530bが保護カバーWb500から切断された状態が図示される。また、図1513では、係合部Wb530a,Wb530bが二点鎖線により図示され、図1514(b)では、切断部Wb550及びガイド部Wb560が破線により図示される。また、保護カバーWb500から係合部Wb530a,Wb530bが切断されることにより、保護カバーWb500に形成される空間をそれぞれ空間WS1,WS2と定義する。
図1513に示すように、第26実施形態における基板ボックスWb100の保護カバーWb500は、背面壁部W510に連結される係合部Wb530a及び切断部Wb550と、正面壁部W520に連結される係合部Wb530b及びガイド部Wb560とをを備える。
係合部Wb530aは、逃がし部Wb534aを備える。逃がし部Wb534aは、係合部Wb530aと切断部Wb550との当接を抑制するための部位であり、背面視において、切断部Wb550に重なる位置において係合部Wb530aの上面から下方側(矢印D方向側)へ向けて凹設される。
逃がし部Wb534aの底面(下方側に形成される面)は、後述する切断部Wb550の刃部Wb552よりも下方側(矢印D方向側)に形成され、左右方向(矢印L-R方向)における逃がし部Wb534aの側面は、後述する切断部Wb550の支持部Wb551及び刃部Wb552よりも左右方向両端側に形成される。これにより、係合部Wb530aと切断部Wb550との当接が抑制される。
係合部Wb530aが切断される前の状態において、逃がし部Wb534aは、切断部Wb550を取り囲んで形成される。これにより、作業者(店員)が切断部Wa550に接触し、負傷することを抑制できる。
切断部Wb550は、封印シールWSLを切断するための部位であり、上方側(矢印U方向側)に配設されるリブ部W511から係合部Wb530a側(矢印D方向側)へ向けて突出される支持部Wb551と、その支持部Wb551の突出先端部から係合部Wb530aの先端側(矢印R方向側)へ向けて突出される刃部Wb552とを備える。
支持部Wb551は、リブ部W511と刃部Wb552との間に所定の間隔を設けて刃部Wb552を支持するための部位である。刃部Wb552は、支持部Wb551に支持され円柱状に形成される基部とその基部の突出先端部において、円錐状に形成される先端部とを備える。先端部が円錐状に形成されることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
なお、切断部Wb550は、下方側(矢印D方向側)に配設されるリブ部W511から係合部Wb530a側(矢印U方向側)へ向けて突出され、逃がし部Wb534aは、係合部Wb530aの下面から上方側(矢印U方向側)へ向けて凹設されても良い。
係合部Wb530bは、上方側(矢印U方向側)に配設される一対のリブ部W521及び連結部W522に連結され、逃がし部Wb534bを備える。逃がし部Wb534bは、係合部Wb530bとガイド部Wb560との当接を抑制するための部位であり、正面視において、ガイド部Wb560に重なる位置において係合部Wb530bの下面から上方側(矢印U方向側)へ向けて凹設される。
逃がし部Wb534bの底面(上方側に形成される面)は、ガイド部Wb560の突出先端部よりも上方側(矢印U方向側)に形成され、左右方向(矢印L-R方向)における逃がし部Wb534bの側面は、ガイド部Wb560の左右方向における側面よりも左右方向両端側に形成される。これにより、係合部Wb530bとガイド部Wb560との当接が抑制される。
また、逃がし部Wb534bが形成されることにより、係合部Wb530bが保護カバーWb500から分離された状態では、係合孔W533と突起W312cとの係合を解除させるため(図1502参照)、係合部Wb530bを変位させる際の係合部Wb530bとガイド部Wb560との当接を抑制させ易くでき、ボックスベースWb300からの係合部Wb530bの取り外しを容易とできる。
ガイド部Wb560は、切断部Wb550により封印シールWSLを切断する際、保護カバーWb500の姿勢を維持させるための部位であり、上方側(矢印U方向側)に配設される一対のリブ部W521のうちの下方側(矢印D方向側)に配設されるリブ部W521から上方側へ向けて突出される。ガイド部Wb560は、左右方向(矢印L-R方向)において、切断部Wb550の刃部Wb552先端部よりも左方側(矢印L方向側)に配設される。
なお、ガイド部Wb560は、下方側(矢印D方向側)に配設される一対のリブ部W521のうちの上方側(矢印U方向側)に配設されるリブ部W521から下方側へ向けて突出され、係合部Wb530bは、逃がし部Wb534bは、下方側に配設される一対のリブ部W521及び連結部W522に連結される係合部Wb530bの上面から下方側へ向けて凹設されても良い。
次いで、図1514を参照して、保護カバーWb500(切断部Wb550)による封印シールWSLの切断について説明する。なお、本実施形態では、ボックスベースWb300の突出部Wb324の突出長さが第16実施形態における突出部W324の突出長さよりも小さく形成され、平面部W220及び平面部W320の対向する側の面とは反対側の面どうしの間隔が小さく形成される。また、平面部W220及び平面部W320には、一対の両端壁部W223,W321(図1501参照)が非形成とされる。
図1514は、係合部Wb530a,Wb530bが切断されて空間WS1,WS2が形成された保護カバーWb500を矢印MCDLIIIb方向視において、反時計回りに回転させ、空間WS1,WS2に平面部W220及び平面部W320が配設され、切欠き部W226,W325により形成される空間に刃部Wb552が配設された状態が図示される。
このように、本実施形態では、保護カバーWb500は、切断部Wb550を備えるため、作業者(店員)が切断工具を所持していない場合であっても、ボックスカバーWb200及びボックスベースWb300の開封作業を容易に行うことができる。
切断部Wb550は、空間WS1に配設されることにより、視認可能とされる。これにより、切断部Wb550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設し易くでき、封印シールWSLを切断させ易くできる。
また、空間WS2に平面部W220及び平面部W320が配設されることにより、ガイド部Wb560と突出部W324とを当接させることができる。これにより、上下方向(矢印U-D方向)を回転軸として保護カバーWb500が回転されることを抑制でき、切断部Wb550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設し易くできる。
切断部Wb550は、保護カバーWb500のリブ部W511から突出されるため、切断部Wb550は、保護カバーWb500と比較して小さく形成される。言い換えると、保護カバーWb500は、切断部Wb550と比較して大きく形成される。従って、作業者(店員)は、保護カバーWb500を把持することにより切断部Wb550を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
次いで、図1515を参照して、第27実施形態における基板ボックスWc100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1515(a)は、第27実施形態における基板ボックスWc100の保護カバーWc500の側面図であり、図1515(b)は、図1502(b)のMCDXLIIb-MCDXLIIb線における基板ボックスWc100の部分断面図である。なお、図1515(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースWb300から取り外された保護カバーWc500を用いて封印シールWSLを切断する状態が図示される。
図1515(a)に示すように、第27実施形態における基板ボックスWc100の保護カバーWc500は、切断部Wc550を備える。切断部Wc550は、封印シールWSLを切断するための部位であり、立設部Wc540の下方側(矢印D方向側)の端部において背面壁部W510側(矢印B方向側)から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成される。
保護カバーWc500の下壁部W501に対する立設部Wc540の下壁部W501とは反対側(矢印D方向側)への立設長さは、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される。
次いで、図1515(b)を参照して、保護カバーWc500(切断部Wc550)による封印シールWSLの切断について説明する。なお、図1515(b)では、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から取り外された保護カバーWc500の姿勢が変更された状態とされる。詳細には、切断部Wc550(立設部Wc540)が左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かう姿勢とされる。
保護カバーWc500は、切断部Wc550を備えるため、作業者(店員)が切断工具を所持していない場合であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易に行うことができる。
上述したように、下壁部W501に対する立設部Wc540の下壁部W501とは反対側(矢印D方向側)への立設長さは、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介して下壁部W501を平面部W220に当接させることにより、切断部Wc550を切欠き部W226,W325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、切断部Wc550の位置と切欠き部W226,W325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部W226,W325が遮蔽された状態であっても、切断部Wc550を切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くできる。下壁部W501と平面部W220との当接を維持しつつ、保護カバーWc500を上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
切断部Wc550は、保護カバーWc500の立設部Wc540から突出されるため、切断部Wc550は、保護カバーWc500と比較して小さく形成される。言い換えると、保護カバーWc500は、切断部Wc550と比較して大きく形成される。従って、作業者(店員)は、保護カバーWc500を把持することにより切断部Wc550を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
次いで、図1516を参照して、第28実施形態における基板ボックスWd100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1516(a)は、第28実施形態における基板ボックスWd100の保護カバーWd500の正面図であり、図1516(b)は、図1516(a)の矢印MCDLVb方向視における保護カバーWd500の側面図であり、図1516(c)は、図1502(b)のMCDXLIIb-MCDXLIIb線における基板ボックスWd100の部分断面図である。なお、図1516(b)は、切断された係合部Wd530aが立設部Wd540に取り付けられた状態が図示され、図1516(c)は、ボックスカバーW200及びボックスベースWb300から取り外された保護カバーWd500を用いて封印シールWSLを切断する状態が図示される。
図1516(a)及び図1516(b)に示すように、第28実施形態における基板ボックスWd100の保護カバーWd500は、ガイド部Wd560を備える。立設部Wd540は、左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)において、下壁部W501の略中央となる位置に配設される。
左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)における立設部Wd540の寸法は、下壁部W501の板厚方向(矢印U-D方向)における係合部Wd530aの係合孔W533の寸法と略同一またはやや小さく形成される。また、背面壁部W510と正面壁部W520との対向方向(矢印F-B方向)における立設部Wd540の寸法は、左壁部W502の板厚方向における係合孔W533の内側面どうしの寸法と略同一またはやや小さく形成される。これらにより、図1516(b)に示すように、立設部Wd540を係合孔W533に嵌合(係合)でき、保護カバーWd500から切断された係合部Wd530aを保護カバーWd500に取り付ける(保持する)ことができる。
なお、左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)における立設部Wd540の寸法が下壁部W501の板厚方向(矢印U-D方向)における係合部Wd530aの係合孔W533の寸法よりもやや大きく形成され、背面壁部W510と正面壁部W520との対向方向(矢印F-B方向)における立設部Wd540の寸法が左壁部W502の板厚方向における係合孔W533の内側面どうしの寸法よりもやや大きく形成されても良い。立設部Wd540を弾性変形させつつ立設部Wd540と係合孔W533とが係合されることにより、保護カバーWd500から係合部Wd530aが外れることを抑制できる。また、保護カバーWd500に係合部Wd530aが取り付けられた状態において、保護カバーWd500に対する係合部Wd530aの姿勢が変化させることを抑制できる。その結果、係合部Wd530aを用いて封印シールWSLを切断することを容易に行える。
立設部Wd540に正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)で保護カバーW500がボックスカバーWb200及びボックスベースWb300に取り付けられることを抑制する機能と係合部Wd530aを取り付ける(保持する)機能とを兼用させることができ、これらの機能を備えた部位がそれぞれ保護カバーWd500に配設される場合と比較して保護カバーWd500の製造コストを低減できる。また、係合部Wd530aの取り付け部(保持部)を簡素化できる。また、保護カバーWd500の外面に配設される部位を低減させることができ、保護カバーWd500の配設の自由度を向上させることができる。
背面壁部W510には連結部W512が非形成とされ(図1501参照)、係合部Wd530aの連結片W531aが左壁部W502に連結される。また、連結部W512が非形成とされることにより、第16実施形態における係合部W530aと比較して(図1502参照)、左壁部W502の板厚方向における係合部Wd530aの寸法が大きく形成される。本実施形態では、連結片W531a側(矢印L方向側)における係合孔W533の内側面と連結片W531aと間の距離が、正面壁部W520側(矢印F方向側)における立設部Wd540の正面と背面壁部W510とは反対側に形成される正面壁部W520の正面との間の距離よりも大きく形成される。
これにより、係合部Wd530aを保護カバーWd500に取り付けた状態において、連結片W531aの切断面を正面壁部W520よりも背面壁部W510とは反対側へ配設できる。
ガイド部Wd560は、保護カバーWd500(係合部Wd530a)を用いて封印シールWSLを切断する際、平面部W220の切欠き部W226及び平面部W320の切欠き部W325により形成される空間に係合部Wd530aの連結片W531aを配設させ易くするための部位である。ガイド部Wd560は、板状に形成され、そのガイド部Wd560の板厚方向を左壁部W502の板厚方向(矢印L-R方向)に沿わせた姿勢で配設される。
ガイド部Wd560における下壁部W501側(矢印D方向側)に形成されるガイド面Wd561と下壁部W501の外側面との間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される(図1516(c)参照)。
次いで、図1516(c)を参照して、保護カバーWd500(係合部Wd530a)による封印シールWSLの切断について説明する。なお、図1516(c)では、ボックスカバーW200及びボックスベースWb300から取り外された保護カバーWd500の姿勢が変更された状態とされる。詳細には、左右方向(矢印L-R方向)において正面壁部W520がボックスベースW300の突出部W324に対向した姿勢とされる。
上述したように、ガイド部Wd560における下壁部W501側(矢印D方向側)に形成されるガイド面Wd561と下壁部W501の外側面との間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスカバーW200の平面部W220の背面と切欠き部W226,W325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介してガイド部Wd560のガイド面Wd561を平面部W320の正面に当接させることにより、切断された係合部Wd530aの連結片W531aを切欠き部W226,W325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、連結片W531aの位置と切欠き部W226,W325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部W226,W325が遮蔽された状態であっても、連結片W531aを切欠き部W226,W325により形成される空間に配設させ易くできる。ガイド面Wd561と平面部W320の正面との当接を維持しつつ、保護カバーWd500を上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
保護カバーWd500は、係合部Wd530aよりも大きく形成されるため、作業者(店員)は、保護カバーWd500を把持することにより係合部Wd530a(連結片W531a)を用いて封印シールWSLを切断でき、切断作業を容易に行える。
次いで、図1517(a)及び図1517(b)を参照して、第29実施形態における基板ボックスWe100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1517(a)は、第29実施形態における基板ボックスWe100の保護カバーWe500の部分背面図であり、図1517(b)は、図1502(b)のMCDXLIIb-MCDXLIIb線における基板ボックスWe100の部分断面図である。なお、図1517(b)は、切断された係合部Wd530aを用いて封印シールWSLを切断する状態が図示される。
図1517(a)に示すように、第29実施形態における基板ボックスWe100の保護カバーWe500は、連結片W531bが非形成とされ(図1501参照)、係合部We530aと連結部W512と連結する一対の連結片We531aを備える。
係合部We530aと連結部W512との間の距離、即ち、一対の連結片We531aの延設長さは、切欠き部We226,We325により形成される空間の凹設深さよりも短く形成される。
切欠き部We226,We325は、平面部e220及び突出部We324の対向面とは反対側へ向けてそれぞれ凹設して形成され、切欠き部We226,We325により形成される空間は、断面視において、略コ字状に形成される。切欠き部We226,We325の対向間の距離は、上下方向(矢印U-D方向)における一対の連結片We531aの幅寸法と略同等またはやや大きく形成される。これにより、切欠き部We226,We325により形成される空間に切断された一対の連結片We531aを受け入れ可能とできる。
また、側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けての切欠き部We226,We325の切欠き寸法は、左右方向(矢印L-R方向)における一対の連結片We531aの延設寸法よりもやや大きく形成される。
一対の連結片We531aの対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される(図1517(b)参照)。
次いで、図1517(b)を参照して、係合部We530aによる封印シールWSLの切断について説明する。なお、図1517(b)では、保護カバーWe500から分離された係合部We530aの姿勢が変更された状態とされる。詳細には、左右方向(矢印L-R方向)において係合部We530aの一対の連結片We531aがボックスベースWe300の突出部We324に対向した姿勢とされる。
上述したように、一対の連結片We531aの対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介して一対の連結片We531aの一方の対向面を平面部We320の正面に当接させることにより、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、一対の連結片We531aの他方の位置と切欠き部We226,We325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部We226,We325が遮蔽された状態であっても、一対の連結片We531aの一方における一対の連結片We531aの対向面を平面部We320の正面に当接させることにより、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に受け入れ可能とできる(配設できる)。一対の連結片We531aの一方の対向面と平面部We320の正面との当接を維持しつつ、係合部We530aを上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
また、側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けての切欠き部We226,We325の切欠き寸法は、左右方向(矢印L-R方向)における一対の連結片We531aの延設寸法よりもやや大きく形成されることにより、切断された一対の連結片We531aの切断側の端部が側壁部W212側における切欠き部We226,We325の底面と当接することを抑制でき、切欠き部We226,We325の破損を抑制できる。
このように、本実施形態では、保護カバーWe500に対し小さく形成される係合部We530aを用いて封印シールWSLを切断できるので、係合部We530aと平面部W220及び平面部W320の一対の両端壁部W223,W321(図1501参照)との干渉を抑制して、封印シールWSLの切断を容易に行うことができる。
また、一対の連結片We531aが保護カバーWe500に連結される状態(一対の連結片We531aが切断される前の状態)では、一対の連結片We531aには切断部が非形成とされるため、作業者(店員)が一対の連結片We531aの切断部に接触し、負傷することを抑制できる。
次いで、図1517(c)及び図1517(d)を参照して、第30実施形態における保護カバーWf500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1517(c)は、第30実施形態における保護カバーWf500の部分背面図であり、図1517(d)は、図1517(c)のMCDLVId-MCDLVId線における保護カバーWf500の部分断面図である。
図1517(c)及び図1517(d)に示すように、第30実施形態における保護カバーWf500の係合部Wf530aは、切断部Wf550を備える。
係合部Wf530aは、第16実施形態における係合部W530aと比較して(図1502参照)、連結片W531bが連結部W512と反対側(矢印R方向側)へ向けて所定の距離だけ変位されて配設され、連結部W512側(矢印L方向側)における係合部Wf530aの端部に切断部Wf550が形成される。なお、切断部Wf550は、一対のリブ部W511に対向して一対形成される。
切断部Wf550は、上下方向(矢印U-D方向)において、係合部Wf530aの中央側から両端側へ向かうにつれて板厚方向における寸法が小さく形成される。即ち、切断部Wf550の先端部は、鋭利に形成される。これにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
一方で、切断部Wf550は、一対の連結片W531bよりも連結部W512側(矢印L方向側、係合孔W533とは反対側)に配設されるため、係合孔W533とボックスカバーW200の突起W221との係合に影響を与えない(図1503参照)。言い換えると、切断部Wf550が形成されることにより、係合部Wf530aの弾性が小さくされることを抑制できる。
従って、ボックスカバーW200及びボックスベースW300(図1502参照)に保護カバーWf500を取り付けるための係合力が、切断部Wf550の形成により低下されることを抑制できる。
また、切断部Wf550は、リブ部W511及び連結部W512に対向して配設される。これにより、保護カバーWf500から係合部Wf530aが分離される前の状態において、作業者(店員)が切断部Wf550に接触し、負傷することを抑制できる。
次いで、図1518(a)及び図1518(b)を参照して、第31実施形態における保護カバーWg500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1518(a)は、第31実施形態における保護カバーWg500の部分背面図であり、図1518(b)は、図1518(a)のMCDLVIIb-MCDLVIIb線における保護カバーWg500の部分断面図である。
図1518(a)及び図1518(b)に示すように、第31実施形態における保護カバーWg500は、連結片W531bが非形成とされ(図1501参照)、係合部Wg530aと連結部W512と連結する一対の連結片Wg531aを備える。
一対の連結片Wg531aは、連結部W512側および係合部Wg530a側からその連結部W512および係合部Wg530aの対向間へ向かうにつれて図1518(b)に示す断面視において断面積が小さく形成される。言い換えると、一対の連結片Wg531aは、連結部W512側および係合部Wg530a側からその連結部W512および係合部Wg530aの対向間へ向けて一対の四角錐台が連結された形状に形成される。
これにより、保護カバーWg500から係合部Wg530aを分離させる際、一対の連結片Wg531aを切断し易くできる。また、一対の連結片Wg531aの切断面は、連結部W512および係合部Wg530aの対向間において図1518(b)に示す断面積が一定に形成される場合と比較して小さく形成されるので、一対の連結片Wg531aの切断部が鋭利に形成される。その結果、封印シールWSLを切断させ易くできる。
次いで、図1518(c)を参照して、第32実施形態における基板ボックスWh100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1518(c)は、第32実施形態における基板ボックスWh100の部分背面図である。
図1518(c)に示すように、第32実施形態における基板ボックスWh100の保護カバーWh500は、規制部Wh570を備える。
規制部Wh570は、係合部W530aが不正に弾性変形されることを規制するための部位である。規制部Wh570は、一対の連結片W531bよりも係合部W530aの先端側(矢印R方向側)に配設され、係合部W530aよりも正面壁部W520(図1501参照)とは反対側(矢印B方向側)に配設される。
これにより、平面部W220の突起W221と係合部W530aの係合孔W533との係合解除するために係合部W530aが不正に弾性変形された場合であっても、係合部W530aと規制部Wh570とが当接することで係合部W530aの弾性変形を規制できる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースW300(図1501参照)から保護カバーWh500が不正に取り外されることを抑制し易くできる。
次いで、図1519を参照して、第33実施形態における基板ボックスWi100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1519(a)は、第33実施形態における基板ボックスWi100の保護カバーWi500の側面図であり、図1519(b)は、基板ボックスWi100の側面図であり、図1519(c)は、図1519(b)のMCDLVIIIc-MCDLVIIIc線における基板ボックスWi100の断面図である。なお、図1519では、保護カバーWi500から係合部W530aが分離された状態が図示される。
図1519(a)に示すように、第33実施形態における基板ボックスWi100の保護カバーWi500は、第16実施形態における保護カバーW500の正面壁部W520に代えて、背面壁部W510が配設される。詳細に説明すると、前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の両端部に一対の背面壁部W510が配設される。なお、一対の背面壁部W510は、図1519(a)に示す側面視において対称となる姿勢で配設される。また、一対の背面壁部W510は,第29実施形態における係合部We530及び一対の連結片We531aを備える(図1517(c)及び図1517(d)参照)。
次いで、図1519(b)及び図1519(c)を参照して、保護カバーWi500による封印シールWSLの切断について説明する。なお、図1519(b)及び図1519(c)では、保護カバーWi500の姿勢が変更された状態とされる。詳細には、左右方向(矢印L-R方向)において保護カバーWi500の一対の連結片We531aがボックスベースWe300の突出部We324に対向した姿勢とされる。なお、本実施形態では、連結部W512側よりも係合部We530a側において一対の連結片We531aが切断された状態が図示される。
一対の連結片We531aの対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成されるため、封印シールWSLを介して一対の連結片We531aの一方の対向面を平面部We320の正面に当接させることにより、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に対向させることができる。言い換えると、一対の連結片We531aの他方の位置と切欠き部We226,We325により形成される空間の位置とが前後方向において略同一となる。
これにより、封印シールWSLにより切欠き部We226,We325が遮蔽された状態であっても、一対の連結片We531aの他方を切欠き部We226,We325により形成される空間に配設させ易くできる。一対の連結片We531aの一方の対向面と平面部We320の正面との当接を維持しつつ、係合部We530aを上下方向(矢印U-D方向)へスライド変位させることにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
本実施形態では、保護カバーWi500に形成される一対の連結片We531aを用いて封印シールWSLを切断させることにより、第29実施形態における係合部We530aに形成される一対の連結片We531aを用いて封印シールWSLを切断させる場合と比較して作業者(店員)は、保護カバーWi500を把持し易く、切断作業を容易に行える。
次いで、図1520から図1522を参照して、第34実施形態における基板ボックスWj100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1520(a)は、第34実施形態における基板ボックスWj100の部分背面図であり、図1520(b)は、図1520(a)の矢印MCDLIXb方向視における基板ボックスWj100の部分側面図であり、図1520(c)は、保護カバーWj500の背面図である。図1521(a)及び図1521(c)は、図1520(a)のMCDLXa部における基板ボックスWj100の背面図であり、図1521(b)は、図1521(a)のMCDLXb-MCDLXb線における基板ボックスWj100の部分断面図であり、図1521(d)は、図1521(c)のMCDLXd-MCDLXd線における基板ボックスWj100の部分断面図である。図1522(a)は、図1520(a)のMCDLXa部における基板ボックスWj100の背面図であり、図1522(b)は、図1522(a)のMCDLXIb-MCDLXIb線における基板ボックスWj100の部分断面図である。
なお、図1520(a)及び図1520(b)では、ボックスカバーWj200及びボックスベースW300から保護カバーWj500が取り外された状態が図示される。また、図1521(a)、図1521(c)及び図1522(a)では、背面壁部Wj214aの図示が一部省略される。
図1520(a)及び図1520(b)に示すように、第34実施形態における基板ボックスWj100のボックスカバーWj200は、第16実施形態における突起W221に代えて(図1501参照)、弾性変形規制手段Wj230を備える。
カバー部Wj214の背面壁部Wj214aは、第16実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成され、背面視において、弾性変形規制手段Wj230に重なる位置に配設される。背面壁部Wj214aの正面には、後述する第2規制状態において、第2規制部Wj250に対向する位置に第2規制部Wj250側(矢印F方向側)へ向けて突出される規制壁部Wj214bが形成される。規制壁部Wj214bは、保護カバーWj500の係合部Wj530aの弾性変形を規制するための部位である。
平面部Wj220には、弾性変形規制手段Wj230に対応する位置に切欠きWj227が形成され、その切欠きWj227により形成される空間に後述する弾性変形規制手段Wj230の第2規制部Wj250が配設される。
上下方向(矢印U-D方向)における平面部Wj220及び平面部Wj320の寸法は、第16実施形態における平面部W220及び平面部W320の寸法(図1501参照)よりも小さく形成され、保護カバーWj500の内側に平面部Wj220及び平面部Wj320が配設された状態において、保護カバーWj500は、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300に対し上下方向に変位可能とされる。
弾性変形規制手段Wj230は、規制状態において保護カバーWj500の係合部Wj530aが不正に弾性変形されることを抑制するためのものであり、第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250とを備える。なお、弾性変形規制手段Wj230の説明においては、図1521及び図1522を適宜参照する。
第1規制部Wj240は、規制状態において、左方側(矢印L方向側)へ向けての保護カバーWj500の変位を規制するための部位であり、平面部Wj220の背面から背面壁部Wj214a側(矢印B方向側)へ向けて突出される。第1規制部Wj240には、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面壁部Wj214a側へ傾斜する傾斜部Wj241が形成される。
第2規制部Wj250は、規制状態において、下方側(矢印D方向側)へ向けての保護カバーWj500の変位を規制するための部位であり、上下方向(矢印U-D方向)において第1規制部Wj240に対向して配設される。第2規制部Wj250は、切欠きWj227により形成される平面部Wj220の側壁から第1規制部Wj240側(矢印D方向側)へ向けて突出される板状の支持部Wj251と、その支持部Wj251の突出先端部から規制壁部Wj214b側(矢印B方向側)へ向けて突出される係合部Wj252とを備える。
支持部Wj251は、その支持部Wj251の板厚方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢で配設され、支持部Wj251の板厚は、平面部Wj220の板厚よりも小さく形成される。これにより、前後方向における外力が第2規制部Wj250に作用された場合、平面部Wj220に対して支持部Wj251を弾性変形させることができる。
係合部Wj252は、第1規制部Wj240側(矢印D方向側)から第1規制部Wj240とは反対側(矢印U方向側)へ向かうにつれて規制壁部Wj214b側(矢印B方向側)へ向けて傾斜して形成される。第1規制部Wj240とは反対側(矢印U方向側)に形成される係合部Wj252の上面は、上下方向(矢印U-D方向)に直交して形成される。
図1520(c)に示すように、保護カバーWj500の係合部Wj530aは、第16実施形態における係合部W530aと比較して上下方向(矢印U-D方向)における寸法が小さく形成される。これにより、保護カバーWj500の内側に平面部Wj220及び平面部Wj320が配設された状態から、保護カバーWj500を上下方向に変位させた場合であっても係合部Wj530aとカバー部Wj214との当接を抑制できる。
次いで、図1521及び図1522を参照して、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300への保護カバーWj500の取り付けについて説明する。まず、上下方向(矢印U-D方向)において、カバー部Wj214の規制壁部Wj214bが形成されていない位置に保護カバーWj500の係合部Wj530aを対向させ、保護カバーWj500をボックスカバーWj200及びボックスベースWj300側(矢印R方向側)へ向けて変位させる。
係合部Wj530aの先端部と第1規制部Wj240の傾斜部Wj241とが当接することにより、係合部Wj530aは、第1規制部Wj240の突出先端側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形される。
図1521(a)及び図1521(b)に示すように、背面壁部Wj510と側壁部W212とが当接することにより、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300に対する右方側(矢印R方向側)へ向けての保護カバーWj500の変位が規制される(以下「第1規制状態」と称す)。
第1規制状態においては、保護カバーWj500の係合孔W533の内側に第1規制部Wj240が配設され、係合部Wj530aの弾性変形が解除される。また、第1規制状態においては、係合孔W533の内壁と第1規制部Wj240の右方側(矢印R方向側)に形成される面とが当接することにより、保護カバーWj500の左方側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制される。
次いで、図1521(c)及び図1521(d)に示すように、第1規制状態から保護カバーWj500を上方側(矢印U方向側)へ向けて変位させることにより、係合部Wj530aの上端部と第2規制部Wj250の係合部Wj252とが当接し、第2規制部Wj250がカバー部Wj214の背面壁部Wj214aとは反対側(矢印F方向側)へ向けて弾性変形される。
ここで、支持部Wj251の板厚が平面部Wj220の板厚よりも小さく形成されるため、係合部Wj530aの上端部により支持部Wj251が弾性変形され、保護カバーWj500の上方側(矢印U方向側)へ向けての変位が許容される。
次いで、図1522(a)及び図1522(b)に示すように、係合孔W533の内壁と第1規制部Wj240の下方側(矢印D方向側)に形成される面とが当接することにより、保護カバーWj500の上方側(矢印U方向側)へ向けての変位が規制される(以下「第2規制状態」と称す)。
第2規制状態においては、係合孔W533の内壁と係合部Wj252の上方側(矢印U方向側)に形成される面とが当接することにより、保護カバーWj500の下方側(矢印D方向側)へ向けての変位が規制される。その結果、第2規制状態から第1規制状態へ向けての保護カバーWj500の変位が規制される。
また、第2規制状態においては、前後方向(矢印F-B方向)において係合部Wj530aの少なくとも一部が規制壁部Wj214bに重なる位置に配設される。従って、係合部Wj530aの背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制壁部Wj214bに当接することにより規制される。言い換えると、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300から保護カバーWj500を不正に取り外すために、第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250と係合部Wj530a(係合孔W533)と係合が解除されることが規制壁部Wj214bにより規制される。
上述したように、背面視において、背面壁部Wj214aが弾性変形規制手段Wj230に重なる位置に配設されるため、第2規制部Wj250を遮蔽できる。これにより、第2規制部Wj250を不正に弾性変形させ、第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250と係合部Wj530a(係合孔W533)との係合を解除させ難くできる。
これらにより、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300から保護カバーWj500が不正に取り外されることを抑制できる。
次いで、図1523及び図1524を参照して、第35実施形態における基板ボックスWk100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1523(a)は、第35実施形態における基板ボックスWk100の部分正面図であり、図1523(b)は、図1523(a)のMCDLXIIb-MCDLXIIb線における基板ボックスWk100の部分断面図であり、図1523(c)は、図1523(a)のMCDLXIIc-MCDLXIIc線における基板ボックスWk100の部分断面図である。図1524(a)及び図1524(c)は、図1523(a)のMCDLXIIb-MCDLXIIb線における基板ボックスWk100の部分断面図であり、図1524(b)及び図1524(d)は、図1523(a)のMCDLXIIc-MCDLXIIc線における基板ボックスWk100の部分断面図である。
なお、図1523では、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500が取り外された状態が図示される。また、本実施形態では、保護カバーW500において、上方側(矢印U方向側)に配設される係合部W530bを係合部W530b1、下方側(矢印D方向側)に配設される係合部W530bを係合部W530b2とそれぞれ異なる符号を付して説明する(図1501参照)。
図1523に示すように、第35実施形態における基板ボックスWk100のボックスベースWk300は、第16実施形態における一対の突起W312cのうちの下方側(矢印D方向側)に配設される突起W312cに代えて(図1502参照)、突起Wk312cを備える。また、ボックスベースWk300のカバー部Wk312は、係止部Wk312fを備える。
突起Wk312cは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印L方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部Wk312dを備える。突起Wk312cは、左右方向(矢印L-R方向)において突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)に配設される。詳細には、傾斜部Wk312dと正面壁部W312aとの境界は、突起W312cの傾斜部W312dと正面壁部W312aとの境界よりも左方側に形成され、右方側に形成される突起Wk312cの側面は、右方側に形成される突起W312cの側面よりも左方側に形成される。また、左右方向における突起Wk312の寸法は、左右方向における突起W312の寸法の略1/2に形成される。
これらにより、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300に保護カバーW500を取り付ける際、係合部W530b1と突起W312cとの当接よりも係合部W530b2と突起Wk312cとの当接を早く行える(図1524参照)。また、係合部W530b1と突起W312cとの係合(係合部W530b1の係合孔W533の内側に突起W312cが配設されること)よりも係合部W530b2と突起Wk312cとの係合を早く行える。また、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態において、保護カバーW500を左右方向(矢印L-R方向)に変位させることができる。
係止部Wk312fは、背面側(矢印B方向側)への係合部W530bの変位を規制するための部位であり、左壁部W302から左方側(矢印L方向側)へ向けて突出される。係止部Wk312fは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印L方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部Wk312gを備える。
左右方向における係止部Wk312fと突起Wk312cとの間の距離は、係合部W530bと係合孔W533の内側面との間の距離よりも大きく設定される。また、傾斜部Wk312gは、左右方向(矢印L-R方向)において突起Wk312に重なる位置に形成される。これらにより、係合部W530bが突起Wk312cに係合された状態から右方側(矢印R方向側)へ向けて保護カバーW500を変位させることにより、係合部W530bの先端部を傾斜部Wk312gに当接させることができる。
次いで、図1524を参照して、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300への保護カバーW500の取り付けについて説明する。なお、図1524(a)及び図1524(b)は、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300へ保護カバーW500が取り付けられる途中であり、係合部W530b1が弾性変形された状態が図示され、図1524(c)及び図1524(d)は、規制状態における基板ボックスWk100が図示される。
上下方向(矢印U-D方向)において、係合部W530a,W530b1,W530b2の係合孔W533の位置をボックスカバーW200の突起W221及びボックスベースWk300の突起W312c,Wk312cの位置に合わせた状態から(図1501及び図1502参照)、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530b2の先端部が突起Wk312cの傾斜部Wk312dに当接する。係合部W530b2が背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形されることにより、保護カバーW500の右方側へ向けての変位が許容される。
次いで、係合部W530b2の係合孔W533の内側に突起Wk312cが配設されることにより、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が解除され、図1524(b)に示すように、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合される。
上述したように、突起Wk312cは、左右方向(矢印L-R方向)において突起W312cよりも左方側(矢印L方向側)に配設されるため、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態では、図1524(a)に示すように、係合部W530b1の先端部が突起W312cの傾斜部W312dに当接し、係合部W530b1は、背面側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形された状態とされる。
また、左右方向(矢印L-R方向)における突起Wk312の寸法は、左右方向における突起W312の寸法の略1/2に形成されるため、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態において、保護カバーW500の右方側(矢印R方向側)へ向けての変位が許容される。
次いで、係合部W530b2と突起Wk312cとが係合された状態から保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、図1524(c)に示すように、係合部W530b1と突起W312cとが係合され、係合部W530b1の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が解除され、基板ボックスWk100が規制状態となる。
上述したように、傾斜部Wk312gは、左右方向(矢印L-R方向)において突起Wk312に重なる位置に形成されるため、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、図1524(d)に示すように、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接し、係合部W530b2が正面側(矢印F方向側)へ向けて弾性変形される。その結果、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制される。
このように、本実施形態では、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制されることにより、係合部W530b2が背面側へ向けて不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
また、保護カバーW500を右方側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより、係合部W530b2の背面側(矢印B方向側)へ向けての弾性変形が規制されるため、保護カバーW500をボックスカバーW200及びボックスベースWk300に取り付ける動作(保護カバーW500の右方側へ向けての変位)と係合部W530b2の背面側へ向けての弾性変形を規制させる動作とを同一とでき、基板ボックスWk100の規制状態への動作を容易とできる。
なお、係合部W530b1と突起W312cとが係合とが係合されることにより、保護カバーW500の左方側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制され、係合部W530b2の正面側(矢印F方向側)へ向けての弾性変形が解除されることを抑制できる。
また、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接されることにより、保護カバーW500を正面側(矢印F方向側)へ向けて変位させることができ、背面壁部W510と立設部W222との間に隙間が形成されることを抑制できる。これにより、背面壁部W510と立設部W222との間に形成される隙間から不正に挿入された針金が平面部W220と封印シールWSLとの貼着を解除することを抑制し易くできる。
次いで、図1525及び図1526を参照して、第36実施形態における基板ボックスWl100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1525(a)は、第36実施形態における基板ボックスWl100の部分背面図であり、図1525(b)は、図1525(a)のMCDLXIVb-MCDLXIVb線における基板ボックスWl100の部分断面図であり、図1525(c)は、図1525(a)のMCDLXIVc-MCDLXIVc線における基板ボックスWl100の部分断面図であり、図1525(d)は、保護カバーWl500の背面図であり、図1525(e)は、図1525(d)のXCVIe-XCVIe線における保護カバーWl500の断面図である。図1526(a)は、図1525(a)のMCDLXVa部における基板ボックスWl100の背面図であり、図1526(b)は、図1525(a)のMCDLXIVb-MCDLXIVb線における基板ボックスWl100の部分断面図であり、図1526(c)は、図1525(a)のMCDLXIVc-MCDLXIVc線における基板ボックスWl100の部分断面図である。
なお、図1525(a)から図1525(c)では、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500が取り外された状態が図示される。また、図1526(a)では、先端部Wl436が破線により図示される。
図1525(a)から図1525(c)に示すように、第36実施形態における基板ボックスWl100のボックスカバーWl200は、第16実施形態における突起W221に代えて(図1501参照)、弾性変形規制手段Wl230を備える。
弾性変形規制手段Wl230は、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500が不正に取り外されることを抑制するためのものであり、平面部W220から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される第1規制部Wl240と、第2規制部Wl250とを備える。
第1規制部Wl240及び第2規制部Wl250は、上下方向(矢印U-D方向)において、後述する保護カバーWl500の連結部Wl535の上下方向における寸法だけ隔てて配設される。これにより、第1規制部Wl240及び第2規制部Wl250の対向間に連結部Wl535が配設可能とされる。
第1規制部Wl240には、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する傾斜部Wl241が形成される。左右方向(矢印L-R方向)において傾斜部Wl241とは反対側に形成される面である係止面Wl242は、前後方向(矢印F-B方向)に沿って形成される。
第2規制部Wl250には、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜する第1傾斜部Wl251及び第1傾斜部Wl251における右方側の端部から右方側へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)へ傾斜する第2傾斜部Wl252が形成される。上下方向(矢印U-D方向)において、第1規制部Wl240の係止面Wl242に重なる位置に第2傾斜部Wl252が配設される。
図1525(d)及び図1525(e)に示すように、保護カバーWl500の係合部Wl530aは、連結部Wl535と、その連結部Wl535の先端に配設される先端部Wl536とを備える。
連結部Wl535は、左右方向(矢印L-R方向)における係合部Wl530aの略中央から右方側(矢印R方向側)へ向けて突出される。連結部Wl535の突出寸法は、左右方向における第1規制部Wl240の寸法よりも大きく形成され、左右方向における第2規制部Wl250の寸法よりも小さく形成される。
連結部Wl535の下面に形成される傾斜部Wl535aは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜して形成される。即ち、連結部Wl535は、先端部Wl536との連結部よりも係合部Wl530aとの連結部が小さく形成される。これにより、係合部Wl530aに対し連結部Wl535(先端部Wl536)を変形させ易くできる。
先端部Wl536は、上下方向(矢印U-D方向)に延びて形成される。本実施形態では、連結部Wl535よりも上方側(矢印U方向側)における先端部Wl536を上側先端部Wl536a、連結部Wl535よりも下方側(矢印D方向側)における先端部Wl536を下側先端部Wl536bとそれぞれ符号を付して説明する。
次いで、図1526を参照して、規制状態における基板ボックスWl100について説明する。上述したように、連結部Wl535の突出寸法は、左右方向における第1規制部Wl240の寸法よりも大きく形成されるため、第1規制部Wl240は、係合部Wl530aと上側先端部Wl536aとの間に形成される空間に配設される。
一方で、連結部Wl535の突出寸法は、左右方向における第2規制部Wl250の寸法よりも小さく形成されるため、第2規制部Wl250の第2傾斜部Wl252と下側先端部Wl536bとが当接する。これにより、連結部Wl535(先端部Wl536)は、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として回転され(捩じられ)、下側先端部Wl536bが背面側(矢印B方向側)へ向けて変位され、上側先端部Wl536aが正面側(矢印F方向側)へ向けて変位される。
上述したように、傾斜部Wl535aは、左方側(矢印L方向側)から右方側(矢印R方向側)へ向かうにつれて背面側(矢印B方向側)へ傾斜して形成されるため、係合部Wl530aに対し連結部Wl535(先端部Wl536)を回転させ易くできる。
上側先端部Wl536aが正面側(矢印F方向側)へ向けて変位されることにより、上側先端部Wl536aと第1規制部Wl240との係合量を大きくできる(左右方向における上側先端部Wl536aと第1規制部Wl240との重なりを大きくできる)。これにより、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500を不正に取り外し難くできる。
また、下側先端部Wl536bと第2規制部Wl250と係合を不正に解除するために、下側先端部Wl536bを背面側(矢印B方向側)へ向けて変位させる場合、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として回転され(捩じられ)上側先端部Wl536aが正面側(矢印F方向側)へ向けて変位されるため、上側先端部Wl536aと第1規制部Wl240との係合量を大きくできる。これにより、ボックスカバーWl200及びボックスベースW300から保護カバーWl500を不正に取り外し難くできる。
次いで、図1527を参照して、第37実施形態における基板ボックスWm100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1527(a)は、第37実施形態における基板ボックスWm100の部分正面図であり、図1527(b)は、図1527(a)のMCDLXVIb-MCDLXVIb線における基板ボックスWm100の部分断面図である。なお、本実施形態における封印シールWSLは、第16実施形態における封印シールWSLに対し上下方向(矢印U-D方向)における寸法が小さい以外は同一に形成されるため、同一の符号を付して説明する。また、図1527(a)では、ボックスカバーWm200及びボックスベースWm300から保護カバーWm500が取り外された状態が図示される。
図1527に示すように、第37実施形態における基板ボックスWl100のボックスベースWm300は、一対の弾性変形規制手段Wm330を備える。なお、平面部Wm320には、弾性変形規制手段Wm330に対応する位置に切欠きWm327が形成され、その切欠きWm327により形成される空間に弾性変形規制手段Wm330が配設される。また、ボックスカバーWm200の平面部Wm220は、規制突起Wm228を備え、保護カバーWm500の係合部Wm530bは、突起Wm534を備える。
弾性変形規制手段Wm330は、規制状態において保護カバーWm500の係合部Wm530bが不正に弾性変形されることを抑制するためのものであり、切欠きWm327から突出される連結部Wm331と、その連結部Wm331の突出先端部から左右方向(矢印L-R方向)に延設される延設部Wm332と、その延設部Wm332の両端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される当接部Wm333及び規制部Wm334とを備える。
連結部Wm331は、板状であり、切欠きWm327により形成される平面部Wm320の側壁から封印シールWSL側へ向けて突出される。連結部Wm331の正面に形成される傾斜部Wm331aは、上方側(矢印U方向側)から下方側(矢印D方向側)へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)へ傾斜して形成される。即ち、連結部Wm331は、延設部Wm332との連結部よりも平面部Wj220の側壁との連結部が小さく形成される。これにより、平面部Wj220の側壁に対し延設部Wm332(当接部Wm333及び規制部Wm334)を変形させ易くできる。
当接部Wm333は、後述する保護カバーWm500の突起Wm534が当接される部位であり、延設部Wm332の延設方向(矢印L-R方向)における延設部Wm332の一方側(矢印L方向側)の端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される。
規制部Wm334は、延設部Wm332の延設方向(矢印L-R方向)における当接部Wm333とは反対側(矢印R方向側)の端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出され、規制状態において、保護カバーWm500の係合部Wm530bの背面側(矢印B方向側)となる位置に形成される。
平面部Wm220の規制突起Wm228は、背面側(矢印B方向側)へ向向けての弾性変形規制手段Wm330の変位を規制するための突起であり、平面部Wm220からボックスベースWm300の平面部Wm320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。前後方向(矢印F-B方向)において、規制突起Wm228は、左右方向(矢印L-R方向)におい延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設される。なお、規制突起Wm228は、前後方向において、連結部Wm331又は規制部Wm334に重なる位置に配設されても良い。
保護カバーWm500の突起Wm534は、弾性変形規制手段Wm330を変形(回転)させるための突起であり、係合部Wm530bの背面から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される。突起Wm534は、係合部Wm530bの先端部から弾性変形規制手段Wm330の延設部Wm332の延設寸法と略同等の距離を隔てて配設される。これにより、規制状態において、当接部Wm333及び規制部Wm334の正面側(矢印F方向側)に係合部Wm530bの先端部および突起Wm534を配設できる。
図1527(b)に示すように、規制状態において、係合部Wm530bの突起Wm534と弾性変形規制手段Wm330の当接部Wm333とが当接当接する。これにより、連結部Wm331(延設部Wm332)は、上下方向(矢印U-D方向)を回転軸として回転され(捩じられ)、当接部Wm333が背面側(矢印B方向側)へ向けて変位され、規制部Wm334が正面側(矢印F方向側)へ向けて変位される。
上述したように、傾斜部Wm331aは、上方側(矢印U方向側)から下方側(矢印D方向側)へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)へ傾斜して形成されるため、平面部Wj220の側壁に対し連結部Wm331(延設部Wm332)を回転させ易くできる。
規制部Wm334が正面側(矢印F方向側)へ向けて変位されることにより、規制部Wm334と係合部Wm530bの先端部との間の距離を小さくできる。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。なお、規制状態において、規制部Wm334は、係合部Wm530bの背面に当接されても良い。
上述したように、前後方向(矢印F-B方向)において、規制突起Wm228が左右方向(矢印L-R方向)におい延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設されるため、規制突起Wm228と延設部Wm332とが当接することにより延設部Wm332(当接部Wm333及び規制部Wm334)が背面側(矢印B方向側)へ向けて変位されることを規制できる。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。
次いで、図1528を参照して、第38実施形態における基板ボックスWn100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1528(a)は、第38実施形態における基板ボックスWn100の部分正面図であり、図1528(b)は、図1528(a)の矢印MCDLXVIIb方向視における保護カバーWn500の側面図であり、図1528(c)は、図1528(a)のMCDLXVIIc-MCDLXVIIc線における基板ボックスWn100の部分断面図である。なお、図1528(a)では、ボックスカバーW200及びボックスベースWn300から保護カバーWn500が取り外された状態が図示され、保護カバーWn500の突起Wn534及び一対の壁部Wn538が破線により図示される。
図1528に示すように、第38実施形態における基板ボックスWn100のボックスベースWm300は、一対の爪部Wm340を備え、保護カバーWn500の係合部Wn530bは、突起Wn534及び一対の壁部Wn538を備える。
ボックスベースWm300の正面壁部Wn312aには、一対の爪部Wm340に対応する位置に切欠きが形成され、その切欠きにより形成される空間に一対の爪部Wm340が配設される。一対の爪部Wm340は、正面壁部Wn312aの背面から左方側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成され、正面壁部Wn312aよりも背面側(矢印B方向側)に配設される。
一対の爪部Wm340は、ボックスカバーW200及びボックスベースWn300に保護カバーWn500を係合させるための部位であり、規制状態では、前後方向(矢印F-B方向)において、保護カバーWn500の係合部Wn530bに重なる位置に配設される。一対の爪部Wm340には、その爪部Wm340の突出先端側(矢印L方向側)となる位置に係合孔Wm341が穿設される。
係合孔Wm341は、後述する保護カバーWn500の突起Wn534の外形よりもやや大きく形成され、係合孔Wm341の内側に突起Wn534が配設(係合孔Wm341に突起Wn534が係合)されることにより、保護カバーWn500がボックスカバーW200及びボックスベースWn300に係合される。
係合部Wn530bは、その係合部Wn530bの上下方向(矢印U-D方向)における両端部において、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離を隔てて一対の連結片W531bをそれぞれ備える。これにより、係合部Wn530bの弾性変形が抑制される。
また、係合部Wn530bは、第16実施形態における係合部W530bと比較して正面側(矢印F方向側)に形成され、本実施形態では、正面壁部W520と略同一面上に配設される。
突起Wn534は、係合部Wn530bから背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて突出される。突起Wn534は、規制状態では、前後方向(矢印F-B方向)において、係合孔Wm341に重なる位置に配設される。これにより、保護カバーWn500をボックスカバーW200及びボックスベースWn300に係合できる。
一対の壁部Wn538は、正面壁部W520と係合部Wn530bとの間に形成される隙間から不正に挿入された針金が係合孔Wm341と突起Wn534との係合を解除することを抑制するための部位である。一対の壁部Wn538は、係合部Wn530bにおいて、正面壁部W520に対向する側の端部に形成される。これにより、一対の壁部Wn538の対向間に突起Wn534が配設される。また、一対の壁部Wn538は、係合部Wn530bから背面壁部W510側(矢印B方向側)へ向けて突出される。
図1528(c)に示すように、規制状態において、係合孔Wm341の内側に突起Wn534が配設され、係合孔Wm341の内側壁と突起Wn534とが当接することにより、保護カバーWn500の左方側(矢印L方向側)への変位が規制される。
また、係合部Wn530bは、正面壁部W520と略同一面上に配設され、一対の爪部Wm340は、正面壁部Wn312aよりも背面側(矢印B方向側)に配設されるため、規制状態において、係合部Wn530bよりも背面壁部W510側(矢印B方向側)に一対の爪部Wm340が配設される。従って、保護カバーWn500により一対の爪部Wm340が遮蔽される。これにより、一対の爪部Wm340が不正に弾性変形されることを抑制でき、ボックスカバーW200及びボックスベースWn300から保護カバーWn500が不正に取り外されることを抑制できる。
次いで、図1529を参照して、第39実施形態における基板ボックスWo100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1529(a)は、第39実施形態における基板ボックスWo100の部分背面図であり、図1529(b)は、図1529(a)のMCDLXVIIIb-MCDLXVIIIb線における基板ボックスWo100の部分断面図である。なお、図1529(a)では、抜け止めピンWo580の図示が省略される。
図1529に示すように、第39実施形態における基板ボックスWo100の保護カバーWo500は、抜け止めピンWo580を備え、平面部Wq220は、凹部Wo229を備える。
なお、保護カバーWo500が抜け止めピンWo580を備えることにより、平面部Wo220は、係合部Wo530aに対する正面側(矢印F方向側)へ向けての抜け止めピンWo580の突出量だけ正面側に形成される。これにより、抜け止めピンWo580と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
カバー部Wo214の背面壁部Wo214aは、第16実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成される(図1502参照)。背面壁部Wo214aには、規制状態における背面視において、係合部Wo530aの係合孔W533に重なる位置に突起Wo214bが平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。突起Wo214bは、ボックスカバーWo200と保護カバーWo500(係合部Wo530a)とを係合させるため(保護カバーWo500の側壁部W212とは反対側への変位を規制するため)の部位である。
平面部Wo220には、前後方向(矢印F-B方向)において、抜け止めピンWo580に重なる位置に凹部Wo229が凹設される。凹部Wo229は、平面部Wo220の背面からボックスベースW300の平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。これにより、凹部Wo229と封印シールWSLとの間に空間が形成される。
凹部Wo229は、背面視において、円状に形成され、凹部Wo229の内径は、後述する頭部Wo581の外径と略同一またはやや大きく形成される。これにより、係合部Wo530aが変位(弾性変形)されると、凹部Wo229の内側へ抜け止めピンWo580の一部を受け入れ可能とできる。
保護カバーWo500の係合部Wo530aは、連結片W531aと係合孔W533との対向間に挿通孔Wo538を備える。挿通孔Wo538は、後述する抜け止めピンWo580のピン部Wo582を挿通させるための孔であり、背面視において、円状に形成される。
抜け止めピンWo580は、樹脂材料を素材とし、板状に形成される頭部Wo581と、その頭部Wo581から板厚方向に立設され板状に形成される一対のピン部Wo582と備える。
頭部Wo581は、背面視において、円状に形成され、頭部Wo581の外径は、挿通孔Wo538の内径よりも大きく形成される。
一対のピン部Wo582の立設長さは、封印シールWSLとは反対側における係合部Wo530aの背面と封印シールWSLとの間の寸法よりも小さく形成される。一対のピン部Wo582は、板厚方向に所定の間隔を隔てて配設される。また、一対のピン部Wo582はたわみ変形可能な板厚に形成され、一対のピン部Wo582は、互いに近接する方向に変形可能とされる。
ピン部Wo582の立設先端部には、対向面側とは反対側へ向けて突出される係止部Wo583が形成される。係止部Wo583の対向面側とは反対側の部位には、立設先端側へ向かうにつれて係止部Wo583の対向面側へ傾斜して形成される傾斜部o584が形成され、立設先端側における係止部Wo583の外形は、挿通孔Wo538を挿通可能な大きさに形成される。
頭部Wo581側(立設先端側とは反対側)における係止部Wo583の外形は、挿通孔Wo538を挿通不能な大きさに形成される。また、頭部Wo581側における係止部Wo583の外形は、一対のピン部Wo582が互いに近接する方向へ向けてたわみ変形された場合には、挿通孔Wo538を挿通可能な大きさに形成される。また、立設先端側における係止部Wo583の外形は、挿通孔Wo538を挿通可能な大きさに形成される。
これらにより、抜け止めピンWo580は、一対のピン部Wo582が互いに近接する方向へ向けてたわみ変形されることにより、係止部Wo583が挿通孔Wo538を挿通される。一方で、一対のピン部Wo582のたわみ変形が解除されることにより、係止部Wo583は、係合部Wo530aに当接され、挿通方向(矢印F方向)とは反対方向(矢印B方向)への変位が規制される。
傾斜部o584が立設先端側へ向かうにつれて係止部Wo583の対向面側へ傾斜して形成されるため、傾斜部o584と挿通孔Wo538の内周とが当接することにより、一対のピン部Wo582が互いに近接する方向へ向けてたわみ変形される。
頭部Wo581の外径は、挿通孔Wo538の内径よりも大きく形成されることにより、頭部Wo581が係合部Wo530aに当接し、抜け止めピンWo580の挿通方向(矢印F方向)への変位が規制される。これにより、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
一方で、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300から不正に保護カバーWo500を取り外すために、係合部Wo530aが正面側(矢印F方向側)へ向けて不正に弾性変形された場合では、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接する。これにより、正面側(矢印F方向側)へ向けての係合部Wo530aの弾性変形が規制され、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300からの保護カバーWo500の取り外しが抑制される。
また、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接することにより、封印シールWSLが破損される。これにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
なお、前後方向(矢印F-B方向)において、抜け止めピンWo580(一対のピン部Wo582)に重なる位置における平面部Wo220には、封印シールWSLとは反対側(矢印F方向側)へ向けて凹部が凹設されても良い。これにより、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接することにより、封印シールWSLを破損させ易くできる。
次いで、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300への保護カバーWo500の取り付けについて説明する。ボックスカバーWo200及びボックスベースW300へ保護カバーWo500を取り付ける際は、保護カバーWo500に抜け止めピンWo580が非係合とされ、ボックスカバーWo200及びボックスベースW300に保護カバーWo500が取り付けられた状態において、保護カバーWo500に抜け止めピンWo580を係合させる。
これにより、抜け止めピンWo580が係合された保護カバーWo500がボックスカバーWo200及びボックスベースW300に取り付けられる場合と比較して、抜け止めピンWo580(係止部Wo583)による封印シールWSLの破損を抑制できる。
次いで、図1530を参照して、第40実施形態における保護カバーWp500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1530は、第40実施形態における保護カバーWp500の背面図である。なお、本実施形態では、保護カバーWp500が取り付けられるボックスカバー及びボックスベースの図示は省略し、ボックスカバー及びボックスベースからの保護カバーWp500の取り外しの概念について説明する。また、図1530の説明においては、図1529を適宜参照する。
図1530に示すように、第42実施形態における保護カバーWp500は、第2係合部Wp590を備える。保護カバーWp500は、保護カバーWp500の上壁部および下壁部W501の略中央において上壁部(下壁部W501)と平行な面に対し対称(図1530上下対称)に一対が形成される。また、保護カバーWp500の正面壁部Wp520には係合部W530bが非形成とされる(図1501参照)。
係合部Wp530aは、その係合部Wp530aの上下方向(矢印U-D方向)における両端部において、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離を隔てて一対の連結片W531bをそれぞれ備える。一対の連結片W531bのうちの左方側(矢印L方向側)に配設される連結片W531bは、背面壁部Wp510に連結され、一対の連結片W531bのうちの右方側(矢印R方向側)に配設される連結片W531bは、第2係合部Wp590に連結される。
第2係合部Wp590は、抜け止めピンWo580が係合される部位である。第2係合部Wp590は、挿通孔Wo538、連結片W531a及び一対の連結片W531bを備える。連結片W531aは、第2係合部Wp590の左方側(矢印L方向側)の端部と背面壁部Wp510とに連結され、連結片W531bは、第2係合部Wp590の上下方向(矢印U-D方向)の両端部と係合部Wp530aの上端部(下端部)及び上壁部(下壁部W501)とに連結される。
ボックスカバー及びボックスベースには、上下方向(矢印U-D方向)において、一対の係合部Wp530a一方の係合孔W533に対応する位置に、その係合孔W533に係合される突起をそれぞれ備える。それら突起は、背面壁部Wp510及び正面壁部Wp520の略中央において背面壁部Wp510(正面壁部Wp520)と平行な面に対し対称に配設される。
これにより、ボックスカバーに形成される突起と一対の係合部Wp530aの一方(他方)の係合孔W533とが係合可能された状態では、ボックスベースに形成される突起および一対の係合部Wp530aの他方(一方)の係合孔W533は非係合とされる。
ボックスカバーに形成される突起と一対の係合部Wp530aの一方(他方)の係合孔W533とが係合可能された状態では、一方(他方)の係合部Wp530aに連結される第2係合部Wp590の挿通孔Wo538に抜け止めピンWo580が挿通され、第2係合部Wp590と抜け止めピンWo580とが係合される。
ボックスカバー及びボックスベースから不正に保護カバーWp500を取り外すために、一方(他方)の係合部Wp530aが正面側(矢印F方向側)へ向けて不正に弾性変形された場合では、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接する。これにより、正面側(矢印F方向側)へ向けての一方(他方)の係合部Wp530aの弾性変形が規制され、ボックスカバー及びボックスベースからの保護カバーWp500の取り外しが抑制される。
また、一対のピン部Wo582の立設先端部と封印シールWSLとが当接することにより、封印シールWSLが破損される。これにより、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
ボックスカバー及びボックスベースからの保護カバーWp500の取り外しは、一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590に連結される連結片W531a,W531bが切断工具(図示せず)により切断され、保護カバーWp500から一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590が分離されることにより行われる。
ここで、一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590が分離された保護カバーWp500は、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として180度回転(反転)させることにより、ボックスベースに形成される突起および一対の係合部Wp530aの他方(一方)の係合孔W533とが係合可能とされる。
これにより、ボックスカバー及びボックスベースの開封を抑制するために、保護カバーWp500を2回用いることが(再利用)できる。その結果、ボックスカバー及びボックスベースの開封する毎に保護カバーWp500が廃棄される場合と比較して、パチンコ機W10のメンテナンスコストを低減できる。
また、保護カバーWp500から一方(他方)の係合部Wp530a及び第2係合部Wp590が分離されているか否かにより、保護カバーWp500が再利用されてボックスカバー及びボックスベースに取り付けられる状態か、新しい保護カバーWp500がボックスカバー及びボックスベースに取り付けられる状態かを区別できる。従って、パチンコ機W10のメンテナンス記録と照合することにより、例えば、メンテナンス記録では、保護カバーWp500が再利用される状態が記載されているのに対し、新しい保護カバーWp500をボックスカバー及びボックスベースに取り付けられている場合、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1531を参照して、第41実施形態における基板ボックスWq100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1531(a)は、第41実施形態における基板ボックスWq100の部分背面図であり、図1531(b)は、図1531(a)のMCDLXXb-MCDLXXb線における基板ボックスWq100の部分断面図である。
図1531に示すように、第41実施形態における基板ボックスWq100の保護カバーWq500は、第2係合部Wq590及び一対の突起Wq534を備える。なお、保護カバーWq500が第2係合部Wq590を備えることにより、上下方向(矢印U-D方向)における背面壁部Wq510の寸法が第16実施形態における背面壁部W510の寸法よりも短く形成される。
また、係合部Wq530aに一対の突起Wq534が形成されることにより、平面部Wq220が一対の突起Wq534の突出量だけ正面側(矢印F方向側)に形成される。これにより、ボックスカバーWq200及びボックスベースW300に保護カバーWq500を取り付ける際、一対の突起Wq534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
平面部Wq220には、前後方向(矢印F-B方向)において、一対の突起Wq534に重なる位置に凹部Wq229が凹設される。凹部Wq229は、平面部Wq220の背面からボックスベースW300の平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。これにより、凹部Wq229と封印シールWSLとの間に空間が形成される。
カバー部Wq214の背面壁部Wq214aは、第16実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成される(図1502参照)。背面壁部Wq214aには、規制状態における背面視において、係合部Wq530aの係合孔W533(図1502参照)に重なる位置に突起Wq214bが平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。突起Wq214bは、ボックスカバーWq200と保護カバーWq500(係合部Wq530a)とを係合させるため(保護カバーWq500の側壁部W212とは反対側への変位を規制するため)の部位である。また、カバー部Wq214には、下方側(矢印D方向側)における側壁が非形成とされる。
第2係合部Wq590は、係合部Wq530aの下方側(矢印D方向側)における端部に配設され、一対の突起Wq534は、係合部Wq530aにおける第2係合部Wq590とは反対側(矢印U方向側)の端部に配設される。また、一対の突起Wq534は、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離を隔てて配設される。
第2係合部Wq590には、挿通孔Wo538が穿設される(図1529参照)。その挿通孔Wo538を挿通して抜け止めピンWo580のピン部Wo582が挿通された状態で、抜け止めピンWo580が第2係合部Wq590に係合される。
次いで、ボックスカバーWq200及びボックスベースW300からの保護カバーWq500の取り外しについて説明する。保護カバーWq500から係合部Wq530aが分離された状態において、ボックスカバーWq200から係合部Wq530aを取り外す場合、カバー部Wq214には下方側(矢印D方向側)における側壁が非形成とされるため、係合部Wq530aを下方側へ向けて変位させることでボックスカバーWq200からの係合部Wq530aの取り外しが容易とされる。
ここで、係合部Wq530aの係合孔W533と背面壁部Wq214aの突起Wq214bとの係合を解除するために、係合部Wq530aを平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて変位させる必要がある。
一方で、第2係合部Wq590に抜け止めピンWo580が係合され、ピン部Wo582の突出先端部が第2係合部Wq590よりも平面部W320側(矢印F方向側)に配設されるため、ピン部Wo582の突出先端部が背面壁部Wq510に当接され易い。
従って、ピン部Wo582の突出先端部と背面壁部Wq510との当接を抑制するために、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として抜け止めピンWo580が平面部W320とは反対側(矢印B方向側)へ向けて回転される。これにより、一対の突起Wq534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転され、一対の突起Wq534により封印シールWSLが破損される。
また、一対の突起Wq534が封印シールWSLと凹部Wq229との間に形成される空間に受け入れられ易く、一対の突起Wq534により封印シールWSLを破損させ易くできる。また、封印シールWSLにおいて、一対の突起Wq534により破損された領域を大きくできる。
このように、本実施形態では、ボックスカバーWq200からの係合部Wq530aの取り外しにおいて、封印シールWSLを破損させ易くすることで主制御基板(図示せず)への不正操作の虞を作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1532(a)を参照して、第42実施形態における基板ボックスWr100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1532(a)は、第42実施形態における基板ボックスWr100の部分断面図であり、図1502(b)のMCDXLIIb-MCDXLIIb線に対応する。なお、図1532(a)の説明においては、図1503(a)を適宜参照する。
図1532(a)に示すように、第42実施形態における基板ボックスWr100のボックスカバーWr200は、第16実施形態における突起W221に代えて(図1501参照)、突起Wr214bを備える。
なお、平面部Wr220には突起W221が非形成とされ、背面視において、係合部W530aに重なる位置には係合孔W533よりも側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)となる位置まで切欠きが形成される。これにより、係合部W530aが平面部Wr220側(矢印F方向側)へ向けて弾性変形された場合においても、係合部W530aが平面部Wr220に当接し、係合部W530aの弾性変形が規制されることを抑制できる。
カバー部Wr214の背面壁部Wr214aは、第16実施形態における背面壁部W214aよりも突出先端側(矢印L方向側)へ向けて突出して形成される(図1502参照)。背面壁部Wr214aには、背面視において、係合部W530aの係合孔W533に重なる位置に突起Wr214bが平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出される。突起Wr214bは、ボックスカバーWr200と保護カバーWr500(係合部W530a)とを係合させるため(保護カバーWr500の側壁部W212とは反対側への変位を規制するため)の部位である。
突起Wr214bが背面壁部Wr214aから平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出されることにより、ボックスカバーWr200と保護カバーWr500とを係合させるために係合部W530aを正面壁部W520側(平面部Wr220側)へ向けて弾性変形させることができる。
一方で、一対の係合部W530bは、ボックスベースW300と保護カバーWr500とを係合させるために背面壁部W510側(平面部W320側、矢印B方向側)へ向けて弾性変形される(図1503(a)参照)。従って、ボックスカバーWr200及びボックスベースW300と保護カバーW500との係合を不正に解除させるために係合部W530aを弾性変形(変位)させる方向(矢印F方向)と一対の係合部W530bを弾性変形(変位)させる方向(矢印B方向)とを反対方向とすることができる。
これにより、係合部W530a(一対の係合部W530b)と突起Wr214b(一対の突起W312c)との係合を解除させるために係合部W530a(一対の係合部W530b)を弾性変形(変位)させると、その係合部W530a(一対の係合部W530b)の弾性変形(変位)に伴い一対の係合部W530b(係合部W530a)を一対の突起W312c(突起Wr214b)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーWr200及びボックスベースW300から保護カバーWr500が不正に取り外されることを抑制できる。
また、突起Wr214bが背面壁部Wr214aから平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて突出されることにより、突起Wr214bと係合孔W533との係合が背面壁部Wr214aにより遮蔽される。これにより、突起Wr214bと係合孔W533との係合が不正に解除され難くできる。
次いで、図1532(b)を参照して、第43実施形態における基板ボックスWs100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1532(b)は、第43実施形態における基板ボックスWs100の部分断面図であり、図1502(b)のMCDXLIIa-MCDXLIIa線に対応する。なお、図1532(b)の説明においては、図1503(b)を適宜参照する。
図1532(b)に示すように、第43実施形態における基板ボックスWs100のボックスベースWs300は、第16実施形態における一対の突起W312cに代えて(図1502参照)、一対の突起Ws328を備える。なお、一対の係合部W530bと一対の突起Ws328との係合の態様については、一方(上方)及び他方(下方)において同一であるため(図1502参照)、一方における断面図を図示して説明し、他方における説明は省略する。
ボックスベースWs300の正面壁部W312aには、突起W312cが非形成とされ、正面視において、一対の係合部W530bの係合孔W533に重なる位置まで平面部Ws320が伸びて形成される。その平面部Ws320の延出先端部には、正面視において、一対の係合部W530bの係合孔W533に重なる位置に一対の突起Ws328が平面部W220側(矢印B方向側)へ向けて突出される。一対の突起Ws328は、ボックスベースWs300と保護カバーW500(一対の係合部W530b)とを係合させるため(保護カバーW500の左壁部W302とは反対側への変位を規制するため)の部位である。
一対の突起Ws328が平面部Ws320から正面壁部W312aとは反対側(矢印F方向側)へ向けて突出されることにより、ボックスベースWs300と保護カバーW500とを係合させるために一対の係合部W530bを正面壁部W312a側(平面部W220とは反対側)へ向けて弾性変形させることができる。
一方で、係合部W530aは、ボックスカバーW200と保護カバーW500とを係合させるために正面壁部W520とは反対側(平面部W220とは反対側、矢印B方向側)へ向けて弾性変形される(図1503(b)参照)。従って、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300と保護カバーW500との係合を不正に解除させるために係合部W530aを弾性変形(変位)させる方向(矢印B方向)と一対の係合部W530bを弾性変形(変位)させる方向(矢印F方向)とを反対方向とすることができる。
これにより、係合部W530a(一対の係合部W530b)と突起W221(一対の突起Ws328)との係合を解除させるために係合部W530a(一対の係合部W530b)を弾性変形(変位)させると、その係合部W530a(一対の係合部W530b)の弾性変形(変位)に伴い一対の係合部W530b(係合部W530a)を一対の突起Ws328(突起W221)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
次いで、図1533を参照して、第44実施形態における基板ボックスWt100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1533(a)は、第44実施形態における基板ボックスWt100の部分背面図であり、図1533(b)は、図1533(a)のMCDLXXIIb-MCDLXXIIb線における基板ボックスWt100の部分断面図である。なお、図1533では、基板ボックスWt100から保護カバーW500が取り外された状態が図示される。
図1533に示すように、第44実施形態における基板ボックスWt100のボックスカバーWt200(平面部Wt220)は、第16実施形態における凹部W224bに代えて、(図1502参照)、突部Wt224bを備える。
突部Wt224bは、平面部Wt220の背面から平面部W320とは反対側(矢印B方向側)へ向けて突出し、断面視において、略矩形状に形成される。突部Wt224bにより、平面部Wt220の強度を確保できる。
突部Wt224bには、一対の切欠きWt224b1が形成される。切欠きWt224b1により形成される突部Wt224bの対向面どうしの間に形成される空間を切断空間WS3と定義する。切断空間WS3は、規制状態では、背面視において、係合部W530aの連結片W531bに重なる位置に配設される。
切欠きWt224b1により形成される突部Wt224bの対向面どうしの間の距離は、上下方向(矢印U-D方向)における連結片W531b(図1502参照)の延設寸法と略同等またはやや大きく形成される。これにより、連結片W531bを切断する際、切断工具(図示せず)の先端を切断空間WS3に受け入れ可能とできる。
突部Wt224bは、上下方向(矢印U-D方向)に延び一対の両端壁部W223を連結して形成される。これにより、切断空間WS3を除き、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの両端の間において封印シールWSLを突部Wt224bに貼着できる。従って、上下方向における封印シールWSLの両端側が突部Wt224bに貼着されない場合と比較して、封印シールWSLにしわが生じることを抑制でき、平面部Wt220の背面と封印シールWSLとの間に空間が生じることを抑制できる。その結果、平面部Wt220の背面から封印シールWSLが剥がされ易くなることを抑制できる。
また、突部Wt224bと一対の両端壁部W223とが連結されることにより、一対の両端壁部W223の強度を確保できる。
なお、突部Wt224bは、上下方向(矢印U-D方向)において、封印シールWSLの両端よりも一対の両端壁部W223側に延びて形成されていれば、一対の両端壁部W223に非連結とされても良い。
上下方向(矢印U-D方向)において、突部Wt224bの突設先端部と一対の両端壁部W223の突出先端部との間の距離は、係合部W530aの正面(正面壁部W520に対向する面)と背面壁部W510の正面(正面壁部W520に対向する面)との間の距離よりも大きく形成される(図1501参照)。これにより、ボックスカバーWt200及びボックスベースW300に保護カバーW500を取り付ける際、突部Wt224bに貼着された封印シールWSLと係合部W530aとが当接し、封印シールWSLが破損することを抑制できる。
なお、上下方向(矢印U-D方向)において、突部Wt224bの突設先端部と一対の両端壁部W223の突出先端部との間の距離は、係合部W530aの正面(正面壁部W520に対向する面)と背面壁部W510の正面(正面壁部W520に対向する面)との間の距離が略同一に形成されても良い。
左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法は、係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成される。
次いで、突部Wt224bへの封印シールWSLの貼着について説明する。封印シールWSLは、突部Wt224bの突出形状に沿って貼着され、突部Wt224bの突出先端面と平面部Wt220とを連結する一対の側面および突出先端面に貼着される。
一方で、封印シールWSLは、切欠きWt224b1により形成される突部Wt224bの対向面や切断空間WS3における平面部Wt220には貼着されない。従って、封印シールWSLは、切断空間WS3を取り囲んだ態様で突部Wt224bに貼着される。
これにより、連結片W531bを切断する際(図1502参照)、切断工具(図示せず)の先端を切断空間WS3に配設させ易くできる。その結果、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
また、左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法は、係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成されるため、封印シールWSLに対向する態様で切断工具(図示せず)の先端を配設させることができる。これにより、封印シールWSLに形成される痕跡(破損)を大きくできる。
次いで、図1534を参照して、第45実施形態における基板ボックスWu100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1534は、第45実施形態における基板ボックスWu100の部分背面図であり、図1502(b)のMCDXLVIIIa-MCDXLVIIIa線における断面図に対応する。
図1534に示すように、第45実施形態における基板ボックスWu100の保護カバーWu500は、突起Wu534を備える。突起Wu534は、第20実施形態における突起W5534に対し、係合部Wu530bの突出先端側(矢印R方向側)に形成される突起Wu534の側面Wu534cが突出先端側へ向けて凸となる円弧上に湾曲して形成される。係合部Wu530bの突出先端とは反対側(矢印L方向側)に形成される突起Wu534の側面Wu534dは、係合部Wu530b及び突起Wu534の突出先端を直線状に連結して形成される。
これにより、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーWu500を取り付けるために係合部Wu530bが封印シールWSL側(矢印B方向側)へ向けて弾性変形されると、突起Wu534の側面Wu534cが封印シールWSLに対向される。従って、ボックスベースW5300や保護カバーWu500の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、突起Wu534の側面Wu534cと封印シールWSLとが当接される場合においても、保護カバーWu500をカバー部W312側(矢印R方向側)へ向けて変位させる際、封印シールWSLが破損されることを抑制し易くできる。
言い換えると、保護カバーWu500が突起Wu534を備える場合であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300への保護カバーWu500の取り付け時においては、封印シールWSLの破損が抑制され易い。
一方で、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーWu500を不正に取り外すために、係合部Wu530bを弾性変形させつつ保護カバーWu500をカバー部W312とは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させる場合、側面Wu534c,Wu534dの連結部(突起Wu534の突出先端部)により封印シールWSLを破損させ易くできる。
このように、本実施形態では、保護カバーWu500が突起Wu534を備え、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300から保護カバーWu500を不正に取り外す場合、封印シールWSLが破損され易い構成であっても、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300に保護カバーWu500を取り付ける際、封印シールWSLが破損されることを抑制し易くできる。
なお、側面Wu534dは、側面Wu534c側(矢印R方向側)へ向けて凹状に湾曲して形成されても良い。これにより、側面Wu534c及び側面Wu534dの連結部を鋭利に形成でき、封印シールWSLを破損させ易くできる。
次いで、図1535を参照して、第46実施形態における基板ボックスWv100について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1535(a)は、第46実施形態における基板ボックスWv100の部分背面図であり、図1535(b)は、図1535(a)のMCDLXXIVb-MCDLXXIVb線における基板ボックスWv100の部分断面図である。なお、図1535(a)では、凹部Wv229及び封印シールWSLの外形が破線により図示される。また、図1535の説明においては、図1531を適宜参照する。
図1535に示すように、第46実施形態における基板ボックスWv100のボックスカバーWv200は、第41実施形態におけるボックスカバーWq200に加え、凹部Wv229を備える。
凹部Wv229は、規制状態における背面視において、抜け止めピンWo580に重なる位置に凹設される。凹部Wv229は、背面視において、円状に形成され、凹部Wv229の内径は、頭部Wo581の外径よりもやや大きく形成される。封印シールWSLは、凹部Wv229よりも側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)において平面部Wv220に貼着される。言い換えると、封印シールWSLは、凹部Wv229には非貼着とされる。
また、保護カバーWv500(係合部Wv530a)に形成される一対の突起Wv534の突出量は、第41実施形態における一対の突起Wq534よりも短く形成される。詳細には、保護カバーWv500に抜け止めピンWo580が配設(係合)された状態において、一対の突起Wv534の突出先端部は、抜け止めピンWo580の係止部Wo583の突出先端部よりもボックスベースW300とは反対側(矢印B方向側)に形成される。
また、一対の突起Wv534のうち、左壁部W502側(矢印L方向側)に配設される突起Wv534は、背面視において、封印シールWSLに重なる位置に配設される。これにより、一対の突起Wv534がボックスベースW300側(矢印F方向側)向けて変位(回転)された場合、左壁部W502側に配設される突起Wv534と封印シールWSLとの当接させることができる。
なお、係合部Wv530aに一対の突起Wv534が形成されることにより、平面部Wv220が一対の突起Wv534の突出量だけボックスベースW300側(矢印F方向側)に形成される。これにより、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300に保護カバーWv500を取り付ける際、一対の突起Wv534と封印シールWSLとの当接を抑制でき、封印シールWSLの破損を抑制できる。
一方で、規制状態において、保護カバーWv500に抜け止めピンWo580が配設(係合)されることにより、抜け止めピンWo580の係止部Wo583の突出先端部は、一対の突起Wv534の突出先端部よりもボックスベースW300側(矢印F方向側)に配設される。これにより、係止部Wo583の突出先端部は、凹部Wv229により形成される空間に受け入れられる。
これらにより、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300に保護カバーWv500を取り付ける際は、抜け止めピンWo580が非配設(非係合)とされた状態の係合部Wv530aを弾性変形させ、係合部Wv530aの係合孔W533(図1532(a)参照)とボックスカバーWv200の突起Wq214bとが係合できる。
規制状態において、保護カバーWv500に抜け止めピンWo580が配設(係合)された状態では、係止部Wo583が凹部Wv229の底面に当接することにより係合部Wv530aの弾性変形が規制される。これにより、係合部Wv530aとボックスカバーWv200との係合の解除が抑制される。
また、係合部Wv530aの係合孔W533(図1502参照)と背面壁部Wq214aの突起Wq214bとの係合を解除するために、係合部Wv530aを不正に弾性変形させた状態で保護カバーWv500を側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させた場合、係止部Wo583が凹部Wv229の内周面に当接されることにより保護カバーWv500の側壁部W212とは反対側へ向けての変位が規制される。これにより、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300からの保護カバーWv500の取り外しを抑制できる。
次いで、ボックスカバーWv200及びボックスベースW300からの保護カバーWv500の取り外しについて説明する。保護カバーWv500から係合部Wv530aが分離された状態において、ボックスカバーWv200から係合部Wv530aを取り外す場合、係合部Wv530aの係合孔W533と背面壁部Wq214aの突起Wq214bとの係合を解除すると共に、ピン部Wo582の突出先端部と凹部Wv229の内周面との当接を抑制するために、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として抜け止めピンWo580が平面部W320とは反対側(矢印B方向側)へ向けて回転される。これにより、一対の突起Wv534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転される。この状態から係合部Wv530aを側壁部W212とは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させることにより、一対の突起Wv534と封印シールWSLとが当接され、封印シールWSLが破損される。
このように、本実施形態では、ボックスカバーWv200からの係合部Wv530aの取り外しにおいて、封印シールWSLを破損させ易くすることで主制御基板(図示せず)への不正操作の虞を作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1536(a)を参照して、第47実施形態における保護カバーWw500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1536(a)は、第47実施形態における基板ボックスWw100の部分断面図であり、図1505(a)のLXXXIIa部における断面に対応する。
図1536(a)に示すように、第47実施形態における保護カバーWw500の連結片Ww531bは、異なる樹脂材料を用いて二色成形により成形される。言い換えると、連結片Ww531bが剛性の異なる複数(本実施形態では、2種類)の部位から形成される。
連結片Ww531bは、第1連結片Ww531b1及び第1連結片Ww531b1とは異なる剛性を有する樹脂材料から形成される第2連結片Ww531b2から構成され、第1連結片Ww531b1及び第2連結片Ww531b2は、係合部W530a(図1505参照)の突出方向(矢印L-R方向)に並んで配設される。
これにより、切断工具(図示せず)を用いて連結片Ww531bを切断する際、切断工具の先端を回転させ易くできる。詳細には、例えば、第1連結片Ww531b1が第2連結片Ww531b2よりも硬度が高い樹脂材料を用いて成形され、切断工具がニッパ―やハサミから構成され、一対の刃の間に連結片Ww531bを挟み込んで連結片Ww531bを切断する場合、第1連結片Ww531b1に対し第2連結片Ww531b2が切断され易い。
従って、第1連結片Ww531b1に対し第2連結片Ww531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1536(b)を参照して、第48実施形態における保護カバーWx500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1536(b)は、第48実施形態における基板ボックスWx100の部分断面図であり、図1505(a)のLXXXIIa部における断面に対応する。
図1536(b)に示すように、第48実施形態における保護カバーWx500の連結片Wx531bは、第1連結片Wx531b1及び正面壁部W520から背面壁部W510へ向かう方向(矢印F-B方向、図1505参照)における寸法が第1連結片Wx531b1よりも小さく形成される第2連結片Wx531b2から構成される。
第1連結片Wx531b1及び第2連結片Wx531b2は、係合部W530a(図1505参照)の突出方向(矢印L-R方向)に並んで配設され、断面視において、連結片Wx531bは略L字状に形成される。
これにより、切断工具がニッパ―やハサミから構成され、一対の刃の間に連結片Wx531bを挟み込んで連結片Wx531bを切断する場合、第1連結片Wx531b1に対し第2連結片Wx531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。その結果、不正を行う者により主制御基板(図示せず)に不正操作が行われた虞があることを作業者(店員)に認識させ易くできる。
次いで、図1536(c)を参照して、第49実施形態における保護カバーWy500について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図1536(c)は、第49実施形態における基板ボックスWy100の保護カバーWy500の部分背面図である。なお、図1536(c)の説明においては、図1517(b)を適宜参照する。
図1536(c)に示すように、第49実施形態における基板ボックスWy100の保護カバーWy500は、切断部Wy550を備える。また、連結片We531aが切断部Wy550と所定の距離を隔てて配設される。
切断部Wy550は、係合部Wy530aから連結部W512側(矢印L方向側)へ向かうにつれて一対の連結片W531bを連結する方向(矢印U-D方向)における幅寸法が小さく形成される。言い換えると、切断部Wy550は、背面視において、鋭角状に形成される。これにより、封印シールWSLを切断させ易くできる。
なお、保護カバーWy500に係合部Wy530aが連結された状態では、切断部Wy550が背面壁部W510及び連結部W512に取り囲まれて配設される。これにより、作業者(店員)が切断部Wy550に接触し、負傷することを抑制できる。
連結片W531a及び切断部Wy550の対向間の距離は、前後方向(矢印F-B方向)におけるボックスベースWe300の平面部We320の正面と切欠き部We226,We325により形成される空間との間の距離と略同一に形成される(図1517(b)参照)。
これにより、保護カバーWy500から係合部Wy530aを分離させ、切断部Wy550側(矢印D方向側)における連結片We531aの側面を平面部We320の正面に当接させることにより、切断部Wy550を切欠き部We226,We325により形成される空間に受け入れ可能とできる(配設できる)。その結果、切欠き部We226,We325を探す手間を抑制でき、封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。
以下、図1537から図1550を参照し、第50実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10について説明する。図1537は、第50実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図1538はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図1539はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1537に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1537に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1538参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1537に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1537参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図1538参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図1540参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1537参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1537参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図1540参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図1538参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1537参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図1538参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図1538に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、普通入賞口(スルーゲート)66,67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1537参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60の構成は樹脂材料に限られるものではない。例えば、薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成されるようにしても良い。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1537参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1538を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1537参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
なお、上述の遊技領域は狭義の解釈であり、広義の意味として、遊技領域を、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域として表現しても良い。この意味において、遊技領域は、遊技盤13の正面側の領域に限られるものではない。例えば、後述するセンサSEの上流側に配置される経路も遊技領域に含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図1540参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図1538の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図1538の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口66,67(又は後述する普通入賞口(スルーゲート)765)を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64へ入球した遊技球が後述するセンサSEに検出された場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球した遊技球が下流側のセンサ(図示せず)に検出された場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、特定入賞口65aへの入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特別遊技のラウンド数や、特別遊技終了後における電動役物640aの作動パターンが異なるように構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒~60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行しても良い。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが駆動され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、0.1秒または1秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口66,67,765を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口66,67,765についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa、大当たりb)と、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となる場合(例えば、後述する大当たりC、大当たりc)と、が用意されている。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が次に大当たりとなるまでの間継続される場合を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるようにしても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変化しないが、第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、普通図柄の当たり確率は変化しないが、第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、「通常状態」とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率も変化しておらず、第2入賞口640へ球が入賞し易いわけでもない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間が変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが励磁された状態(励磁状態、後述する移動板部材641が前側位置に配置され第1送球経路KR1に進入している状態)にある場合は、その電動役物640aが非励磁とされ退避した状態(非励磁状態、後述する移動板部材641が後側位置に配置され第1送球経路KR1から退避している状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図1538の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図1540参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
この第1図柄表示装置37A,37Bにおいて特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37A,37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入賞口64の下流側に配置されるセンサSE、および第2入賞口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64の下流側に配置されるセンサSE、第2入賞口640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、8R確変大当たり、4R通常大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「8R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。
また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことであり、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで電動役物640aの作動パターンが変化すること(又は第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップすること)で第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2入賞口640への入賞のし易さもアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入賞口(スルーゲート)66,67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83と、普通入賞口66,67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプ84と、が設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図1540参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図1540参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図1540参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が通常大当たりであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、確変大当たりであれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aにより遊技球が案内され易くなるので、電動役物640aが配置される遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大賞球個数を獲得できる大当たり(大当たりa,b,c)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入賞口640へと球を入球させることが難しいため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが第2入賞口640に球を案内し難いよう制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
本実施形態では、右打ちを行っているか否かの判断方法として、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)67(図1538参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)67(図1538参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞口65aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置65に負荷を与えて特定入賞口65aを開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、特定入賞口65aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の最上位置(図1538における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
次に、可変入賞装置65において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、可変入賞装置65の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず特定入賞口65aへの入球を検出した場合などが例示される。
可変入賞装置65において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)66,67は、可変表示装置ユニット80の両側の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。また、普通入賞口(スルーゲート)765は、経路構成装置700の内部流路を流下する遊技球を検出可能に配設される。
普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、ベース板60に配設される普通入賞口(スルーゲート)66,67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、1つでも良いし、その他の複数(例えば、3つ以上)であっても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)66,67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右いずれか一方でも良いし、可変表示装置ユニット80の上方や下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチとしてのセンサSEがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1540参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図1540参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64及び第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると、第1入賞口スイッチとしてのセンサSE又は第2入賞口スイッチ(流下する球が連続で通過することが無いよう配置される各スイッチ)がオンとなることに基づいて5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。
なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数や賞球数の大小関係を逆にしても良い。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aはスライド移動可能に構成されており、通常は電動役物640aが非励磁状態(退避状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが励磁状態(進入状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
なお、上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなるようにしても良い。即ち、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなるようにしても良い。
特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(特別遊技状態における賞球個数)が得られる大当たり(大当たりA,a,b,c)となる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが非励磁状態(退避状態)にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが励磁状態(進入状態)となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、電動役物640aが配設される側へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64、または第2入賞口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させる。加えて、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を後方に退避させ、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左右側や上側でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1537参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図1539に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図1540参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図1540参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図1540を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図1540は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図1539参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図1539参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図1541から図1543を参照して、経路構成装置700の全体構成について説明をする。図1541は、経路構成装置700の分解正面斜視図であり、図1542は、経路構成装置700の部分拡大正面図であり、図1543(a)及び図1543(b)は、図1542のMCDLXXXIIa-MCDLXXXIIa線における経路構成装置700の部分断面図である。
図1542では、振分け部材760の内周面、シーソー部材762、連通孔751及び回収孔752の外形が破線で図示される。また、図1543(a)では、電動役物640aが後述する第1送球経路KR1から退避している退避状態が図示され、図1543(b)では、電動役物640aが第1送球経路KR1に進入している進入状態が図示される。
図1541に示すように、経路構成装置700は、遊技盤13のセンターフレーム86の下側に配設され、ベース板60に対して正面側に配置される正面側形成部710と、ベース板60に対して背面側に配置される背面側形成部720と、を主に備えて形成される。
正面側形成部710は、ベース板60の正面側に取着される入賞部材730と、その入賞部材730の左右両側における正面側に配設される屈曲部材740と、を主に備えて形成される。
背面側形成部720は、ベース板60の背面側に取着される介設部材750と、その介設部材750の背面側に配設される振分け部材760と、介設部材750にソレノイド640sが固定配置される電動役物640aと、を主に備えて形成される。
入賞部材730は、ベース板60の板正面に配設され貫通孔60aを覆う形状で薄肉に形成されベース板60に装着される覆設板部711と、その覆設板部711の左右中央位置において前後方向に穿設される上側球通過孔713と、その上側球通過孔713の下側に配置され前後方向に穿設される下側球通過孔714と、覆設板部711の左右方向中央上部に位置する第1入賞口64と、その第1入賞口64の下側(下側球通過孔714の下側)に位置する第2入賞口640と、左右方向両側に位置し前後方向に貫通形成される貫通孔731と、その貫通孔731の下側に位置し前後方向に貫通形成される下側挿通孔732と、右側の下側挿通孔732よりも左側において前後方向に貫通形成される球通過孔734aを有する第1球送球部734と、その第1球送球部734の下縁部右端から右上方向に延びる長孔として前後方向に貫通形成される貫通孔735と、右側の下側挿通孔732よりも右側において前後方向に貫通形成される球通過孔736aを有する第2球送球部736と、上側球通過孔713を基準として第1球送球部734と左右対称に形成される第3球送球部737と、を主に備えて形成される。
貫通孔731は、その内部に後述する屈曲部材740の上側突出部741が挿通される部材であり、上側突出部741の背面視における外形よりも少し大きく開口する正面視略矩形状に形成される。
下側挿通孔732は、背面側に配設される介設部材750の回収孔752と連通される孔であり、介設部材750の回収孔752と対向する位置に形成される。また、下側挿通孔732は、下面側が湾曲される正面視略D字形状に開口される。
下側挿通孔732の背面には、球の通過を検知するセンサSEは配設される。センサSEは、正面視略矩形状に形成されると共に、その側面に球の直径よりも少し大きい直径の貫通孔が形成される部材であり、その貫通孔の内部を球が通過することで球の通過を検出することができる。センサSEは、貫通孔の軸が下側挿通孔732の下面側の円弧軸と同軸上に位置して配設される。これにより、貫通孔の開口方向を背面側に向かうに従って少し下方に傾斜する様態とすることができるので、センサSEの貫通孔内部を通過する球が貫通孔の内側に留まることを抑制できる。
第1球送球部734は、介設部材750の第1傾斜溝755の上流側端部に連通される位置に配置される球通過孔734aと、その球通過孔734aの正面視U字形状の縁部が正面側に突設される突設縁部734bと、その突設縁部734bの下流側部において球経路側に突設され、その突設先端が背面側へ傾斜する形状であることから流下してきた球を背面側に送球可能とされる下流側送球部734cと、を備える。
貫通孔735は、移動板部材641が前後方向に挿通可能な形状から形成される。即ち、移動板部材641の右側案内部643及び左側案内部645とそれらを連結する連結部との正面視における外形よりも若干大きな形状で形成される。
これにより、移動板部材641の退避状態では、貫通孔735により移動板部材641の前端部が支持され、移動板部材641の進入状態では、貫通孔735により移動板部材641の後端側が支持されることで、移動板部材641の配置を安定させることができる。
第2球送球部736は、介設部材750の第2傾斜溝757の上流側端部に連通される位置に配置される球通過孔736aと、その球通過孔736aの正面視U字形状の縁部が正面側に突設される突設縁部736bと、その突設縁部736bの下流側部において球経路側に突設され、その突設先端が背面側へ傾斜する形状であることから流下してきた球を背面側に送球可能とされる下流側送球部736cと、を備える。
第3球送球部737は、第1球送球部734の左右対称に形成される一方で、電動役物640aにより遊技球が案内されるようには構成されていない。左方向からの球の入球を許容する形状であり、球の入球の頻度を少なくすることができる。第3球送球部737は一般入賞口63(図1538参照)と同様の機能を有している。即ち、球の入球により、5個~15個の球が賞球として払い出される。なお、第3球送球部737への入球が稀なことから、入球した場合の遊技者の利益の最大化を図るために、賞球個数は最大(15個)で設定される。
屈曲部材740は、上述した入賞部材730の貫通孔731と下側挿通孔732との正面側に配設される部材であり、正面視におけるベース板60(図1538参照)の左右方向略中央位置を対称に2つ配設され、その外形形状は概略左右対称に形成される。
また、屈曲部材740は、正面視において、遊技領域を形成する内レール61(図1538参照)との間に、球が通過可能な大きさの隙間が形成される位置に配置される。これにより、屈曲部材740の下側の遊技領域を流下する球が、屈曲部材740と内レール61との間に挟まれて遊技領域に留まることが抑制される。
屈曲部材740は、正面視略矩形の板状体から形成され、その背面から突出する上側突出部741と、その上側突出部741よりも下方から突出する下側突出部743と、上側突出部741及び下側突出部743の対向間に形成される開口744と、を備えて形成される。
上側突出部741は、背面視において下側が開放する略U字形状に形成され、その外形が、入賞部材730の貫通孔731の内形よりも少し小さく設定される。これにより、屈曲部材740を入賞部材730に配置する際には、上側突出部741を貫通孔731の内部に挿入して配設できる。よって、屈曲部材740を入賞部材730へ配置する際には、上側突出部741を挿入して位置決めすることができるので、その組み付け工程を簡易にできる。
下側突出部743は、上側突出部741の下側に形成されると共に、上側が開放される背面視略U字形状に形成される。即ち、背面視すると、上側突出部741と下側突出部743との互いの開放部分が上下方向に対向する様態に形成される。
下側突出部743は、入賞部材730の貫通孔731から屈曲部材740側に送球される球を入賞部材730の下側挿通孔732に送球するための経路(以下、「第2送球経路KR2」と称す)を形成するための部材であり、下側挿通孔732と前後方向に対向する位置に形成される。
下側突出部743の背面側への突出距離は、球の直径よりも大きい寸法に設定される。また、下側突出部743の突出先端面が入賞部材730と当接した状態で屈曲部材740が入賞部材730に配置される。よって、屈曲部材740と入賞部材730との対向間の距離寸法が球の直径よりも大きくされ、屈曲部材740と入賞部材730との対向間に球が鉛直方向に送球される送球路(以下、「第1送球経路KR1」と称す)が形成される。
屈曲部材740には、上側突出部741の上部内面から下側突出部743の下部内面に亘って突出する案内部742が形成される。案内部742は、側面視において背面側が開放される略U字形状に突出される。
案内部742は、入賞部材730の貫通孔731から屈曲部材740(第1送球経路KR1)に送球される球を鉛直方向に送球した後に、入賞部材730の下側挿通孔732に送球する突壁であり、下側の内縁部の上下方向高さは、背面に配置される下側挿通孔732の下側の内縁部の高さよりも少し小さく形成される。
案内部742は、背面側に配置される貫通孔731の正面視における左右方向中央線に沿って形成される。これにより、案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)されるので、球を容易に左右方向に位置ずれさせることができる。
開口744は、上側突出部741と下側突出部743との対向間に形成される所定の隙間であり、背面視における左右方向両側に形成される。また、開口744は、側面視において、背面側が開放する略U字形状に形成される。
開口744は、背面側端部の上端の高さが、同じ前後位置の案内部742の先端側部と略同一の上下方向高さに設定されると共に、背面側端部の下端の高さが、移動板部材641の右側案内部643の下側面と略同一の上下方向高さに設定される。開口744は、第1送球経路KR1と第4送球経路KR4との連結部分の左右方向の側面に開口して形成される。
振分け部材760は、正面視横長矩形に形成されると共に、正面側が開放された箱状体に形成される。また、振分け部材760は、正面視において左右方向略中央位置で屈曲されており、左右方向略中央位置から左右方向外側に向かうに従って下側に傾斜して形成される。また、振分け部材760の左右方向の両端部は、上述した入賞部材730の貫通孔731と対向する位置に設定される。
振分け部材760は、正面視における左右方向中央位置から左右両側へ向けて下方傾斜する一対の傾斜面761と、その互いの傾斜面761の中央に配置されるシーソー部材762と、シーソー部材762の上方に形成される送球口763と、シーソー部材762の回転を規制するための規制壁部764と、右側の傾斜面761に案内される球が通過可能な位置に配設される普通入賞口(スルーゲート)765と、を主に備えて形成される。
一対の傾斜面761は、左右反対方向に延びる傾斜面であって、水平面に対する傾斜角度が左右対称となるように形成される。なお、本実施形態では、上流側において若干急な傾斜角度となる領域を設け、その下流側において傾斜角度が緩やかとなる領域の傾斜角度が水平面に対して5度で形成される。
送球口763は、振分け部材760の正面側に開口を形成するための部材であり、入賞部材730の第1入賞口64と対向する位置に形成される。これにより、振分け部材760が後述する介設部材750に配設されると、送球口763と介設部材750との対向間に空間を形成することができる。
その空間は、球の外径よりも大きい空間(即ち、球が通過可能な空間)に形成されると共に、ベース板60に穿設された貫通孔60bを介して入賞部材730の第1入賞口64の内部空間と連結される。これにより、第1入賞口64に入賞される球を送球口763と介設部材750との対向間の空間に送球して、その空間の内部を送球させることができる。
軸部762bは、シーソー部材762を軸周りに回転させるための軸支部であり、円柱形状に形成されると共に、シーソー部材762の円環内側に挿通される。この状態で、軸部762bが、介設部材750と振分け部材760との間に挟持されることで、シーソー部材762は軸部762bを軸に回転可能に配置される。
突起762aは、上述した送球口763と介設部材750との対向間の空間から球が送球される際に、球を左右の傾斜面761に交互に一球ずつ振り分けるための突起であり、中央部の突起762aの先端が位置する方向と左右方向反対側に球が送球される。両端に突設される突起762aは、シーソー部材762の変位を規制すると共に、球の通過した際にかかる重みにより、中央部の突起762aの先端が位置する方向を変位させる(シーソー部材762を回転させる)部材であり、突起762aの先端面と規制壁部764とが当接することでシーソー部材762の回転が規制される。
一方、規制壁部764と当接していない突起762aは、球が中央部の突起762aに案内されると、案内された球がその突起762aと衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が規制壁部764と当接してその変位が規制される。
傾斜面761は、上述したシーソー部材762によって左右に振り分けられた球が転動して送球される経路(以下、「第3送球経路KR3」と称す)の転動面であり、振分け部材760の左右方向中央位置から外側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、振分け部材760のシーソー部材762によって左右に振り分けられた球は、傾斜面761上を転動されて、傾斜面761の下降側の端部に送球(転動)される。
傾斜面761の下降側の端部には、その端部に向かうに従って、背面側の側面が前方に厚みを増すように介設部材750へ近接する方向へ傾斜して形成される。これにより、傾斜面761を転動してその端部まで送球された球を、振分け部材760の前方に配設される介設部材750の連通孔751に送球することができる。
普通入賞口(スルーゲート)765は、介設部材750と振分け部材760との間に配設され、介設部材750と振分け部材760とが連結固定されることで内側に固定配置される。
普通入賞口(スルーゲート)765の球通過孔の内側面であって、傾斜面761に沿う側の面が、傾斜面761の上面と面位置となるように、普通入賞口(スルーゲート)765の配置は設計される。
これにより、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過する際に、球に与えられる抵抗を最小限に抑えることができ、普通入賞口(スルーゲート)765が配設される右側の傾斜面761を流下する球と、普通入賞口(スルーゲート)765が配設されていない左側の傾斜面761を流下する球との、流下速度を均一化することができる。
普通入賞口(スルーゲート)765の機能は、上述した普通入賞口(スルーゲート)66,67と共通である。即ち、普通入賞口(スルーゲート)765は、球が通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる検出口としての機能を有する。
また、第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過すると、その通過回数は、普通入賞口(スルーゲート)66,67の通過回数と共同で最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。
なお、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
介設部材750は、屈曲部材740と振分け部材760との前後間に介在する部材であって、正面視横長矩形状に形成されると共に、正面視における左右方向の中央下部に上述した可変入賞装置65と、左右両側に前後方向に貫通される連通孔751と、その連通孔751の下側に開口される回収孔752と、連通孔751及び回収孔752の間で前後方向に左右長尺の形状で貫通形成される支持凹部753と、左右中央位置を下流側端部として正面視左側へ向かって下降傾斜する直線状の第1傾斜溝755と、その第1傾斜溝755の下方において左右中央位置を下流側端部として正面視左側へ向かって下降傾斜する直線状の第2傾斜溝757と、その第2傾斜溝757の下方に配置される第2回収孔758と、を主に備えて形成される。
連通孔751は、振分け部材760の左右両端部の正面側に形成されると共に、入賞部材730の貫通孔731の背面側に形成される。よって、振分け部材760の左右両端部の空間と、入賞部材730の貫通孔731の内部空間とが連通孔751を介して連結される。従って、上述した振分け部材760の傾斜面761の上部を転動する球を、連通孔751を通過させて、入賞部材730の貫通孔731に送球する経路(以下、「第4送球経路KR4」と称す)を形成することができる。
回収孔752は、上述したように、入賞部材730の下側挿通孔732の背面側に開口形成される開口である。即ち、回収孔752は、センサSEの背面側に連結されており、センサSEを通過する球が、その回収孔752の開口に送球される。回収孔752は、店舗に設置される球を循環する装置に連結されており、回収孔752に回収された球は、循環装置により循環されて遊技球として再び球発射ユニット112aから打出しされる。
支持凹部753は、移動板部材641の右側案内部643が前後方向に移動するために十分な空間を確保するために形成される凹設溝部である。右側案内部643の下面と上下方向で対向する支持凹部753の下底面は、左右方向に水平な平面形状で形成される。また、右側案内部643の上面と上下方向で対向する支持凹部753の上天面は、傾斜面643aと同様の傾斜角度の平面形状で形成される。
即ち、支持凹部753は、左側から右側へ凹設されており、左側が広く右側が狭い楔形状に形成され、機能的には、正面視における右側案内部643の上下幅よりも若干大きな上下幅(若干大きな楔形状)から形成される。
これにより、移動板部材641の利用において、前後方向にスライド移動させる際には、右側案内部643が支持凹部753の内側を案内されることになるので移動をスムーズに実行することができ、右側案内部643を第1送球経路KR1に進入させて流下してきた球を受け止める際には、支持凹部753の下底面により右側案内部643を下支えすることができる。即ち、支持凹部753は、移動板部材641の移動を円滑にさせる効果と、移動板部材641の上下位置を安定させる効果とを奏する。
第1傾斜溝755は、上流側端部が球通過孔734aに連通する位置に配設され、下流側端部に到達した球を正面側形成部710の上側球通過孔713を通して正面側に送球可能な形状で構成される。
第2傾斜溝757は、上流側端部が球通過孔736aに連通する位置に配設され、下流側端部に到達した球を正面側形成部710の下側球通過孔714を通して正面側に送球可能な形状で構成される。
本実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757は、直線状溝形状で形成され、各溝が沿う直線が互いに平行となる関係で形成される。
第2回収孔758は、第2入賞口640に入球した球が送球される開口であり、第2入賞口スイッチ(図示せず)よりも上流側に配設される。第2回収孔758は、店舗に設置される球を循環する装置に連結されており、第2回収孔758に回収された球は、循環装置により循環されて遊技球として再び球発射ユニット112aから打出しされる。
上側球通過孔713と下側球通過孔714とは、鉛直方向に沿う直線上に並べられ、その同一直線上における下側球通過孔714の下側に第2入賞口640が配置される(図1542参照)。
そのため、上側球通過孔713を通して正面側に送球された球は下側球通過孔714の正面側を通過して第2入賞口640に入球する。また、下側球通過孔714を通して正面側に送球された球は、上側球通過孔713から正面側に送球された球の流下経路と合流し、第2入賞口640に入球する。
球の流下経路の合流位置において、上側球通過孔713から流下する球の流下方向は鉛直方向となっており、合流位置における落下速度を大きくすることができるので、上側球通過孔713及び下側球通過孔714から案内された球が合流位置に同時に到達したとしても、上側球通過孔713から流下する球を勢いで下方に通過させることができるので、球詰まりが生じることを回避し易い。
また、下側球通過孔714の左右縁部から正面側に延設される壁部714aにより、合流位置から球が左右に逸れることを防止し易くすることができる。また、壁部714aは、左右外側から第2入賞口640へ球が入球することを防止するようにも作用する。
上側球通過孔713の左右縁部および上側縁部から正面側に延設される壁部713aにより、上側球通過孔713から正面側に送球された直後の球に対して、ベース板60の正面側を流下してきた球が衝突することを防止することができる。また、壁部713aは、ベース板60の正面側を流下してきた球が第2入賞口640側へ向けて流下することを妨げるようにも作用する。
電動役物640aは、介設部材750に固定配置されるソレノイド640sと、そのソレノイド640sと連動可能に連結され、ソレノイド640sの駆動により前後方向にスライド移動する移動板部材641と、を備える。
移動板部材641は、ソレノイド640sの駆動力が伝達される板状部であって上下方向に延設される伝達板部642と、その伝達板部642の正面側端部に配設され正面側に突設形成される左側案内部645と、その左側案内部645の右方に延設される右側案内部643と、を備える。
右側案内部643は、球の転動面となる上面が右側へ向けて下降傾斜する傾斜面643aとして形成され、正面視で連通孔751と回収孔752との間に配設される。
左側案内部645は、球の転動面となる上面が左側へ向けて下降傾斜する傾斜面645aとして形成され、正面視で屈曲部材740と第1球送球部734とを繋ぐように配設される。傾斜面645aの下流側端部の上面は、第1球送球部734の突設縁部734bの下側端部の上面と面位置となるよう配置される。
第1送球部734の突設縁部734bが上方に開放された皿状ではなく、開放側は右側に向けられることで上側に蓋がある形状となっているので、左側案内部645で転動する球の受入をスムーズに行いながら、左側案内部645で跳ねた球や、第1送球部734に上側から到達するような経路で流下する球が、球通過孔734aに飛び込み入球することは生じ難いようにすることができる。なお、突設蓋部734bの形状を皿状に形成して、上側からの球の飛び込みを可能とする形状を採用しても良い。
なお、左側案内部645に着地した球であっても、跳ね返りが収まるまでは第1送球部734に入りにくい。そのため、左側案内部645での跳ね返りを小さくする構成を採用することが好ましい。
例えば、左側案内部645の上方において球と衝突可能な釘を密に配置したり、覆設板部711の正面側に突設される減速凸部を複数配置したりすることで、球の流下の勢いを予め落とすようにしても良い。また、傾斜面645aにクッション性の高いシート部材を貼り付けるようにして、球のバウンドを抑制するようにしても良い。
移動板部材641は、ソレノイド640sが非励磁とされる非励磁状態では、第1送球経路KR1から退避する退避状態とされ(図1543(a)参照)、ソレノイド640sの励磁状態(駆動力が生じている状態)では、第1送球経路KR1に進入する進入状態とされる(図1543(b)参照)。
以上のように構成される経路構成装置700により、遊技球が次のように送球される。第1入賞口64から入る球は、振分け部材760に送球されて振分け部材760のシーソー部材762により左右方向どちらか一方の第3送球経路KR3に送球される。第3送球経路KR3を送球される球は、その第3送球経路KR3の端部まで送球されると、正面側に配置される介設部材750の連通孔751の内部の第4送球経路KR4に送球される。第4送球経路KR4を送球される球は、屈曲部材740の背面側の第1送球経路KR1に送球される。第1送球経路KR1を送球される球は、屈曲部材740の下側突出部743に案内されて第2送球経路KR2に送球される。第2送球経路KR2を送球される球は、入賞部材730の下側挿通孔732を通過して介設部材750の回収孔752に送球され、センサSEの内部を通過する。
第4送球経路KR4から第1送球経路KR1に送球される球は、ベース板60の正面側へ向けて流下することになり、その球は、遊技者視線で遊技者に近づいてきているように見える。これにより、遊技領域を下方に流下する他の遊技球との流下態様の違いが明確化されるので、第4送球経路KR4から第1送球経路KR1に送球される球の存在感を高めることができる。
次いで、図1544及び図1545を参照して、球の流下態様の設定について説明する。図1544(a)、図1544(b)、図1545(a)及び図1545(b)は、図1542の範囲MCDLXXXIIIaにおける経路構成装置700の部分正面図である。
図1544(a)、図1544(b)、図1545(a)及び図1545(b)では、第1入賞口64に3個の球P1~P3が間を空けずに連続で入球した場合における流下態様が、0.5秒間隔の時系列で図示される。
即ち、図1544(a)の状態から0.5秒後の状態として図1544(b)が図示され、図1544(b)の状態から0.5秒後の状態として図1545(a)が図示され、図1545(a)の状態から0.5秒後の状態として図1545(b)が図示される。なお、一例として、図1544(a)では、中央部の突起762aの先端が左側を向いた状態が図示される。
図1544(a)に図示するように、球P1が中央部の突起762aに案内されると、案内された球P1が両端部の突起762aの一方と衝突して下方に押し下げられる。これにより反対側の突起762aが上方に変位されると共に、下方に変位された突起762aの先端が規制壁部764と当接してその変位が規制される(図1544(b)参照)。
この状態で、シーソー部材762を押し下げた球P1は右側へ向けて流下しており、同時に次の球P2が中央部の突起762aに案内される。この時、球P2が中央部の突起762aに到達すると同時に、先にシーソー部材762を押し下げた球P1は普通入賞口(スルーゲート)765を通過する(図1544(b)参照)。
球P2は、シーソー部材762によって左側へ向けて流下され、同時に次の球P3が中央部の突起762aに案内される。この時、球P3が中央部の突起762aに到達すると同時に、球P1は右側案内部643の下側に配置される(図1545(a)参照)。その後、球P3は、シーソー部材762によって右側へ向けて流下される(図1545(b)参照)。
このように、本実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765の配置が電動役物640aの配置との関係で規定されている。即ち、球P1が普通入賞口(スルーゲート)765を通過してから、右側案内部643の下側に配置されるまでの間に、次の球P3が普通入賞口(スルーゲート)765に到達しないように設計されている。
ここで、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されると、予め設定されている作動パターンに基づいて電動役物640aの動作が実行される。電動役物640aの動作は、作動パターンの途中で割り込みが生じるというものではない。作動パターンに基づく電動役物640aの動作が継続されている時に普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されたとしても、その検出に因る電動役物640aの動作の実行は、現在実行されている作動パターンに基づく電動役物640aの動作が完了するまで保留される。
そのため、球の流下時間を基準として普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ影響を与えられるように電動役物640aの作動パターンを設定しても、電動役物640aの動作の実行が保留される事態が生じると、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ与える影響が予想外のものになる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、球が右側案内部643に到達するまでの時間幅で電動役物640aの作動パターンを設定するという前提において、次の球P3が普通入賞口(スルーゲート)765に検出される時まで、先の球P1が普通入賞口(スルーゲート)765に検出されたことに伴う電動役物640aの動作が継続されている事態を回避することができる(事前に電動役物640aの動作が終了する)。
従って、球の通過が普通入賞口(スルーゲート)765で検出されたら、電動役物640aの動作の実行が保留されることなく即座に、予め設定されている作動パターンに基づいて電動役物640aの動作を実行させることができる。これにより、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球へ与える影響が予想外のものになる可能性を低くすることができる。
図1546(a)、図1546(b)、図1547(a)及び図1547(b)は、図1542の範囲MCDLXXXIIIaにおける経路構成装置700の部分正面図である。図1546(a)及び図1546(b)と、図1547(a)及び図1547(b)とでは、右側の傾斜面761を球が流下する様子の異なる一例が、時系列で図示される。
即ち、図1546(a)では、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過している状態が図示され、図1546(b)では、球の通過時に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態(図1543(a)参照)で維持され、球が回収孔752に案内されている状態が図示される。
また、図1547(a)では、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過している状態(図1546(a)と同様の状態)が図示され、図1547(b)では、球の通過直前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入する進入状態とされ(図1543(b)参照)、球が第2球送球部736側に案内される状態が図示される。
なお、図1547(b)において移動板部材641にドットが描画されているのは、移動板部材641が正面側にスライド移動しており手前側を球が通過することを許容しない状態であることを模式的に示すものである。
ここで、移動板部材641は、ソレノイド640sが非励磁とされる非励磁状態では、第1送球経路KR1から退避する退避状態とされ(図1543(a)参照)、ソレノイド640sの励磁状態(駆動力が生じている状態)では、第1送球経路KR1に進入する進入状態とされる(図1543(b)参照)から、非励磁状態では、正面視で移動板部材641の上面に到達した球は移動板部材641の正面側を通過して下方向に流下する一方で、励磁状態では、正面視で移動板部材641の上面に到達した球は移動板部材641の傾斜面643a又は傾斜面645aを転動して左右方向に流下する。
例えば、図1547(b)に示す矢印に沿って流下する。詳述すれば、移動板部材641の励磁状態において、第1送球経路KR1に到達した球は傾斜面643aの上面を転動して開口744を通過後落下して第2球送球部736に受け入れられる。
なお、移動板部材641の励磁状態において、右側の屈曲部材740と第1球送球部734との間を流下しようとする球は傾斜面645aの上面を転動して球通過孔734aに案内され、第2入賞口640に入球することになる。
図1548は、図1538の範囲MCDLXXXVIIにおける遊技盤13の部分正面図である。図1548では、ソレノイド640sが励磁状態とされ移動板部材641の進入状態が図示されている。
上述したように、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の機能は共通であるので、経路構成装置700に入球した球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過することに因る場合に限らず、上述の右打ち遊技を行う場合に、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過することに因っても電動役物640aは作動する。
この場合、右打ち遊技で発射された遊技球は第1入賞口64に案内される球よりも右側の屈曲部材740の天井面に到達する球の方が多くなるので(約10倍となるので)、移動板部材641の進入状態において、球は、電動役物640aの右側案内部643よりも左側案内部645に到達し易い。
左側案内部645に到達した球は、流下して第1球送球部734に到達するまでソレノイド640sが励磁状態で維持されていれば第2入賞口640に入球することになり、第1球送球部734に到達する前にソレノイド640sが非励磁状態に切り替えられたとしても、その真下に流下するだけであり、球が回収孔752に案内されることは無い。即ち、球が左側案内部645に到達した球により特別図柄1の抽選を獲得する事態を防止することができる。
進入状態における左側案内部645に到達した球は、着地位置に関わらず約1.0秒あれば、第1球送球部734に受け入れられる。一方で、0.5秒等のごく短い時間で移動板部材641が退避状態に変化する場合には、進入状態における左側案内部645の左端付近に球が着地した場合であっても、第1球送球部734への入球が阻害される可能性がある。
そのため、第1入賞口64に入球せずに流下する球が、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765での球の検出による抽選の結果動作されて進入状態とされる左側案内部645にタイミングよく到達した場合に、その球が第1球送球部734に受け入れられるかどうかは、電動役物640aの作動態様による。
特に、通常状態における作動パターン(後述する第4の作動パターン)では、移動板部材641が進入状態とされる期間が0.5秒よりも短いため、球が第1球送球部734に受け入れられる確率は極端に低くされている。
第1入賞口64に入球した球においては、第1送球経路KR1に到達したタイミングで移動板部材641が進入状態であれば、右側案内部643に案内されて最終的に第2入賞口640に入球することになるので、センサSE(図1543(b)参照)を通過することはなく、特別図柄1の抽選を獲得する事態を防止することができる。一方で、球が第1送球経路KR1に到達したタイミングで移動板部材641が退避状態であれば、第2送球経路KR2に案内されてセンサSEを通過することから、特別図柄1の抽選を獲得することになる。
このように、本実施形態の電動役物640aによれば、球が右側案内部643に到達し得る経路(第1入賞口64に入球した後の経路)で流下するか、左側案内部645に到達し得る経路で流下するか、によって、その球による特別図柄1の抽選の獲得の可能性(特別図柄2の抽選の獲得の可能性)を異ならせることができる。
また、右側案内部643へは、球が間隔をあけて到達することは上述した通りであるが、左側案内部645へは、シーソー部材762の作用で間隔が空けられるものではないので、普通入賞口(スルーゲート)67側を流下した複数の球が同時に到達し得る。従って、左側案内部645は、右側案内部643に比較して丈夫に形成しておくことが好ましい。
そのため、本実施形態では、左側案内部645を伝達板部642(図1541参照)に配設させるという構成を採用している。即ち、ソレノイド640sに近い側(駆動力伝達経路の上流側)である伝達板部642に左側案内部645を配設させることで、左側案内部645の姿勢変化を抑制するようにしている。これにより、左側案内部645に複数の球が乗ることで重みがかけられた場合であっても、左側案内部645が過度に姿勢変化して移動板部材641の動作抵抗が上昇することを避けることができる。
なお、左側案内部645を丈夫に形成する手段は、上述したものに限られるものではない。例えば、左側案内部645の板厚を右側案内部643の板厚よりも厚く形成しても良いし、左側案内部645の下部と伝達板部642とを連結するリブを形成しても良い。
図1549を参照して、ROM202(図1540参照)の内容について説明する。図1549(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図1549(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図1549(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図1549(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図1549(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図1549(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図1549(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第2の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図1549(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図1549(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図1549(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第1の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図1549(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物640aの作動パターンが後述する第3の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に関わらず15ラウンドの大当たり遊技を実行可能である一方で、大当たり遊技終了後の電動役物640aの作動パターンの振分けが特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合と異なるように設定される。特に、大当たりcで違いが顕著となるが、詳細は後述する。
第2当たり乱数テーブル202c(図1549(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図1549(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図1549(c)の202c2参照)。
本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図1550(a)から図1550(d)は、普通入賞口(スルーゲート)765における球の通過の検出と、電動役物640aの状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図1550(a)では、第1の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1550(b)では、第2の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1550(c)では、第3の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1550(d)では、第4の作動パターンにおける計時変化が図示される。
なお、第4の作動パターンは、通常中や、大当たりC,c(図1549(b)参照)の終了後に特別図柄の抽選が100回終了した後において採用される作動パターンである。
図1550(a)から図1550(d)では、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されたことによる第2図柄の変動表示がされ(本実施形態では約0.1秒後)、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出された時を基準とする電動役物640aの各作動パターンの内、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1(本実施形態では約0.5秒)の時間長さにおける電動役物640aの状態の意味について詳述する。
基準時間Td1の長さは、球が普通入賞口(スルーゲート)765を通過してから右側案内部643を通過するまでの時間に該当する時間として設定されている。
図1550(a)に示すように、第1の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、第2図柄の変動表示の終了後(普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから0.1秒経過後)において基準時間Td1に亘って電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した進入状態(図において、「進」とも示す。以降の図において同様である)で維持される。
第1の作動パターンでは、基準時間Td1を超えて、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約3.0秒後まで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約3.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に到達した球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持することができる。これにより、球を第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
加えて、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内し易くすることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ易くすることができる。
図1550(b)に示すように、第2の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、基準時間Td1の経過直前に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態に変化し、基準時間Td1の経過直後に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態(図において、「退」とも示す。以降の図において同様である)に変化する。
第2の作動パターンでは、基準時間Td1を超えて、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約1.0秒後まで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約1.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に球が到達した場合であっても、球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持するとは言えないため、右打ち遊技で球を第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内し易くすることができる。球が右側案内部643に到達してから0.5秒間は、移動板部材641が進入状態に維持されるので、球を第2球送球部736側へ安定して送球することができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ易くすることができる。
図1550(c)に示すように、第3の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、第2図柄の変動表示の終了後(普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから0.1秒経過後)、電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態で維持され、基準時間Td1の経過直前に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態(図において、「退」とも示す。以降の図において同様である)に変化し、基準時間Td1の経過直後に電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態に変化する。
第3の作動パターンでは、基準時間Td1経過後において、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから約3.0秒間に到達するまで電動役物640aが第1送球経路KR1に進入した状態が維持される(普通図柄の変動終了までに約3.0秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に到達した球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持することができる。これにより、球を第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内する事態の発生を抑えることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ難くすることができる。
なお、シーソー部材762によって右側に流された球が普通入賞口(スルーゲート)765に検出されるタイミングで普通図柄(第2図柄)の変動が継続中であった場合には、その球が第1送球経路KR1に到達する際に電動役物640aが進入状態とされることは生じ得る。この場合は、シーソー部材762により右側に流された球が第2入賞口640に入球され、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
図1550(d)に示すように、第4の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765で球の通過が検出されてから、電動役物640aの移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した退避状態で維持され、移動板部材641が進入状態に変化した後、基準時間Td1の経過直前に再び電動役物640aの移動板部材641が退避状態に変化する。第4の作動パターンでは、基準時間Td1で制御が完結する(普通図柄の変動終了までに約0.5秒経過する)。
これにより、右打ちの実行により普通入賞口(スルーゲート)67により球の通過が検出される場合に、左側案内部645に球が到達した場合であっても、球を第1球送球部734に案内するのに十分な長さで移動板部材641が第1送球経路KR1に進入した状態を維持するとは言えないため、右打ち遊技で球を第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。
一方、普通入賞口(スルーゲート)765で通過が検出された球が右側案内部643を通過する前に移動板部材641が第1送球経路KR1から退避した状態にすることができるので、球を右側案内部643の上面で転動させ、右側に流すことで第2球送球部736に案内する事態の発生を抑えることができる。
これにより、第1入賞口64に入球した球の内、シーソー部材762によって右側に流された球が、センサSEに検出され特別図柄1の抽選を獲得する事態に比較して、第2入賞口640に入球され特別図柄2の抽選を獲得する事態の方が、生じ難くすることができる。即ち、第1入賞口64に複数の球が入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるよう構成することができる。
以上詳述した各作動パターンによれば、特別図柄1又は特別図柄2の抽選の獲得により大当たりの獲得を目指す遊技状態において、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。
例えば、第1の作動パターン及び第3の作動パターンでは、右打ち遊技において特別図柄2の抽選の獲得を目指すことができるので、第3図柄表示装置81において上述した「右打ちナビ」を表示することが好ましい。
更に、第1の作動パターンでは、移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している状態(図1543(b)参照)で維持される期間が長く、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している状態とされるので、第1入賞口64に入球した場合であっても、シーソー部材762で右側に流された球の一部で特別図柄2の抽選を獲得することができる。これにより、右打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が受ける不利益を低く抑えることができる。
一方、第3の作動パターンでは、移動板部材641が進入状態(図1543(b)参照)で維持される期間が長いが、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1から退避している退避状態とされるので、普通入賞口(スルーゲート)765での球の通過と同時に普通図柄(第2図柄)の変動が開始される場合において、その球は移動板部材641の正面側を通過して、センサSEに案内される。
即ち、第1入賞口64に入球した場合に、シーソー部材762で右側に流された球で特別図柄2の抽選を獲得する可能性を低くすることができる。これにより、右打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が受ける不利益を第1の作動パターンでの場合に比較して高くすることができる。
例えば、第2の作動パターン及び第4の作動パターンでは、右打ち遊技において特別図柄2の抽選の獲得を目指すことは、電動役物640aの動作時間が短すぎることから困難であるので、第3図柄表示装置81において上述した「右打ちナビ」を表示することはせず、左打ち遊技を推奨することが好ましい。
この場合において、第2の作動パターンでは、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が第1送球経路KR1に進入している進入状態(図1543(b)参照)とされるので、第1入賞口64に入球した場合であっても、シーソー部材762で右側に流された球の一部で特別図柄2の抽選を獲得することができる。
これにより、左打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が獲得できる特別図柄の抽選を、特別図柄1と特別図柄2との交互で生じさせることができる。なお、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が進入状態とされる場合に特別図柄2の抽選を獲得できるのは、普通入賞口(スルーゲート)765での球の通過と同時に普通図柄(第2図柄)の変動が開始される場合なので、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出された時に普通図柄(第2図柄)の変動が継続している場合には、特別図柄2の抽選を獲得し易いという効果を奏することができない。
一方で、第2の作動パターン(又は第4の作動パターン)では、普通入賞口(スルーゲート)765での球の検出から電動役物640aの動作制御の終了までが0.5秒間で設定されるので、同時間幅が3秒間で設定される第1,第3の作動パターンに比較して、普通図柄(第2図柄)の変動が保留される事態が生じる可能性を低くすることができる。従って、特別図柄2の抽選を獲得し易いという効果を高確率で奏することができる。
一方、第4の作動パターンでは、移動板部材641の進入状態(図1543(b)参照)は第2の作動パターン同様に短いことに加え、普通入賞口(スルーゲート)765で球の通過が検出されてから基準時間Td1経過時において移動板部材641が退避状態とされるので、第1入賞口64に入球した場合に、シーソー部材762で右側に流された球で特別図柄2の抽選を獲得する可能性を低くすることができる。これにより、左打ち遊技中に第1入賞口64に球が入球した場合に遊技者が獲得できる特別図柄の抽選のほとんどを、特別図柄1の抽選で占めることができる。
以上詳述したように、各作動パターンによれば、特別図柄1又は特別図柄2の抽選の獲得により大当たりの獲得を目指す遊技状態において、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。
図1549(b)に戻って特別図柄1の大当たりと特別図柄2の大当たりとの、遊技者が得られる利益の違いについて説明する。
まず、最大ラウンド(本実施形態において、15ラウンド)の大当たりを獲得する確率は、特別図柄2の方が高い。特別図柄1の大当たりの内、最大ラウンドの大当たりは20%であるのに比較して、特別図柄2の大当たりは100%で最大ラウンドとなる。従って、少なくとも賞球個数の面から、特別図柄2の大当たりにより遊技者が得られる利益の方が、特別図柄1の大当たりにより遊技者が得られる利益に比較して大きい。
また、大当たり遊技終了後に高確率状態となる場合において、特別図柄2の大当たりであれば100%で右打ち遊技となり、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得することができるが、特別図柄1の大当たりの内の30%(大当たりB)では、右打ち遊技とはならず左打ち遊技が推奨され、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選が交互に生じることになる。
この場合、左打ち遊技では、右打ち遊技に比較して特別図柄の抽選を獲得する時間効率が落ちることに加え、1/2で特別図柄1の抽選が実行されることから最大ラウンドの大当たりを獲得するまでのハードルが多くなる。
また、大当たり遊技終了後に低確率状態となる場合において、特別図柄2の大当たり(大当たりc)であれば右打ち遊技となり、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得することができるが、特別図柄1の大当たり(大当たりC)では、右打ち遊技とはならず左打ち遊技が推奨され、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選が交互に生じることになる。
この場合、左打ち遊技では、右打ち遊技に比較して特別図柄の抽選を獲得する時間効率が落ちることに加え、1/2で特別図柄1の抽選が実行されることから最大ラウンドの大当たりを獲得するまでのハードルが多くなる。
更に、特別図柄の抽選が100回という条件は同じであるが、大当たりcであれば特別図柄2の抽選を100回獲得することが容易であることに対して、大当たりCでは、特別図柄1の抽選が50回、特別図柄2の抽選が50回で100回の抽選が終了してしまうので、実質的には特別図柄2の抽選を50回しか獲得することができない。
まとめると、特別図柄2の抽選による大当たりは、特別図柄1の抽選による大当たりに比較して、少なくとも、第1に、最大ラウンドの大当たりを獲得し易いこと、第2に、特別図柄2の抽選を繰り返し獲得する遊技状態にし易いこと、第3に、右打ち遊技により特別図柄の抽選を獲得する時間効率を高い状態で維持し易いこと、という有利な点を有する。
上記第50実施形態では、特別図柄2での抽選が優先的に実行される場合において、抽選に係る変動時間が3秒~5分程度の選択肢から確率で選択される前提で説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行する場合において、特別図柄2の抽選に係る変動時間を意図的に長く設定する遊技状態を構成しても良い。
即ち、例えば、大当たりBの終了後や、大当たりCの終了後の特別図柄の100回の抽選において、特別図柄2の抽選の変動時間が常に10分で設定されるようにしても良い。この場合、第1入賞口64に入球した球がセンサSEを通過する場合と、第2入賞口640を通過する場合とが交互に生じる前提において、特別図柄2の保留個数が満タンとなった後に第1入賞口64に入球させると、球が第2入賞口640を通過しても特別図柄2の抽選を獲得することができず、特別図柄1の抽選が繰り返し実行されることになる。
また、遊技者は、特別図柄2の保留個数が満タンの場合には第1入賞口64には入球させないように遊技することもできるが、この場合には遊技の時間効率を悪くすることができ、同一時間内における大当たりの発生回数を低減させることができる。これにより、遊技機店側の経営が赤字となることを回避し易くすることができる。
上述の遊技状態では、シーソー部材762から右側に流される球は、特別図柄2の保留個数が満タンになるまでは、特別図柄2の抽選を獲得する利益と賞球の払い出しを受ける利益とを遊技者に与えるので、特別図柄1の抽選を獲得する利益と賞球の払い出しを受ける利益とを遊技者に与えるものとしての、シーソー部材762から左側に流される球よりも遊技者が得られる利益が大きい。
一方で、特別図柄2の保留個数が満タンになっている状態では、シーソー部材762から右側に流される球は、賞球の払い出しを受ける利益を遊技者に与えるのみとなるので、特別図柄1の抽選を獲得する利益が加算されている分だけシーソー部材762から左側に流される球よりも遊技者が得られる利益が小さい。
即ち、シーソー部材762から右側に流される球と、左側に流される球との、遊技者に与えられる利益の大小を、特別図柄2の保留個数が満タンか否かにより切り替えることができる。
なお、上述の遊技状態において、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことに基づく移動板部材641の動作は複数の作動パターンから抽選で選択されるよう構成しても良い。
例えば、第2の作動パターンでの動作が5%であり、残りの95%は第4の作動パターンで動作するように制御しても良い。この場合、第2の作動パターンで移動板部材641が動作すれば特別図柄2の抽選を獲得できるという利点があるので、移動板部材641に対する注目力を向上することができる。
一方で、特別図柄2の保留個数が満タンの場合には、第4の作動パターンで動作すれば特別図柄1の抽選を獲得できる一方で、第2の作動パターンで移動板部材641が動作すると特別図柄1,2の抽選共に獲得することができないという不利益があるので、この場合にも移動板部材641に対する注目力を向上することができる。即ち、特別図柄2の保留個数が満タンである場合も、満タンでない場合も、移動板部材641に対する注目力を向上することができる。
なお、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行する場合において、特別図柄1の抽選に係る変動時間を意図的に長く設定する遊技状態を構成しても良い。例えば、特別図柄1の抽選の変動時間を常に10分で設定することで、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選との両方が生じ得る遊技状態において、特別図柄1の抽選の結果が出る前に特別図柄2の抽選を複数回実行することができる。これにより、特別図柄1の抽選による大当たりが意図せず発生し、遊技者に不利益を与える可能性を低くすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
普通入賞口(スルーゲート)765が配設される右側の傾斜面761を流下する球と、普通入賞口(スルーゲート)765が配設されていない左側の傾斜面761を流下する球との、流下速度の均一化を図ることができる。
また、第1入賞口64に入球した球が第2入賞口640側の流路に分岐される位置(例えば、第1送球経路KR1)や、第2入賞口640側に落下する位置(例えば、上側球通過孔713、下側球通過孔714)において、球の流下方向が前後方向成分を有する。これにより、第2入賞口640への球の流下に関係が深い箇所を目立たせることができる。
また、第2入賞口640への経路は下側球通過孔714の正面側で合流することになるが、この合流位置は移動板部材641から十分離れている。これにより、合流位置で衝突した球からの負荷が移動板部材641に付与される事態を避けることができる。なお、上側球通過孔713と下側球通過孔714との左右位置をずらすと共に第2入賞口640の左右幅を球2個分以上に拡大することで、下側球通過孔714の正面側における流路の合流を避けるようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されてから普通図柄の変動表示が終了するまでに、次の球が普通入賞口(スルーゲート)765で検出されないように管理することが可能な場合を形成可能である。これにより、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球に、その球が検出されたことにより動作制御される電動役物640aをタイミングよく作用させることができる。
また、移動板部材641は、普通入賞口(スルーゲート)765を通過した球に対しても、普通入賞口(スルーゲート)66,67を通過した球に対しても作用可能に配設される。これにより、移動板部材641の利用可能性を高めることができる。
即ち、移動板部材641を、第1入賞口64への入球を狙う左打ち遊技が推奨される遊技状態においても、普通入賞口(スルーゲート)67への入球を狙う右打ち遊技が推奨される遊技状態においても、有効に利用することができる。なお、これは左右対称盤面に限定された効果ではなく、例えば、非対称盤面(例えば、普通入賞口(スルーゲート)66が省略された構成)においても奏する効果である。
また、移動板部材641に乗る球の個数について、左側案内部645では同時に複数の球が乗り得る一方で、右側案内部643に乗る球の個数を1個に限定している。これにより、左側案内部645よりも右側案内部643を丈夫に構成することで、移動板部材641の耐久性を向上させることができる。
また、電動役物640aの作動パターンを複数用意することで、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。例えば、第1入賞口64に繰り返し入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンと、を切り替えることができる。
また、特別図柄の抽選の獲得パターンとして、右打ち遊技を推奨する場合において、図らずも第1入賞口64に入球した場合に、特別図柄1の抽選を繰り返し獲得し易いパターンと、シーソー部材762で右側に流された球については高確率で特別図柄1の抽選の獲得が回避されるパターンと、を切り替えることができる。
次いで、図1551から図1560を参照して、第51実施形態について説明する。第50実施形態では、経路構成装置700により振り分けられる一方の経路を球が流下する場合に普通入賞口(スルーゲート)765を球が通過する場合を説明したが、第51実施形態の振分ユニット980では、球が振り分けられる複数の経路において球が普通入賞口(スルーゲート)としての検出装置SE4,SE5を通過するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1551は、第51実施形態における遊技盤13の分解正面斜視図である。なお、図1551では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニットの図示が省略される。
図1551に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図1538参照)が取り付けられる中央開口の下側にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔2060aがルータ加工によって形成される。
貫通孔2060aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
入賞口ユニット930は、正面ユニット940と、その正面ユニット940の背面側に配設される特定入賞口ユニット950と、その特定入賞口ユニット950の背面側に配設される駆動ユニット960と、その駆動ユニット960の駆動力で上下方向に動作可能に構成される変位部材966とを主に備えて形成される。なお、変位部材966の説明は後述する。
特定入賞口ユニット950は、正面ユニット940に形成される特定入賞口65aの内側に一部が挿入されており、特定入賞口65aを介して遊技球を特定入賞口ユニット950の内側に送球可能とされる。
駆動ユニット960は、特定入賞口ユニット950の背面側に配設されると共に、変位部材966を介して正面ユニット940に配設される羽部材945に連結される。これにより、駆動ユニット960の駆動力で変位部材966を動作させることに伴い、羽部材945を回転変位させることができる。なお、羽部材945の動作についての詳しい説明は後述する。
次いで、図1552から図1554を参照して、正面ユニット940の詳細な説明をする。図1552(a)は、正面ユニット940の正面図であり、図1552(b)は、正面ユニット940の背面図である。図1553は、正面ユニット940の分解正面斜視図であり、図1554は、正面ユニット940の分解背面斜視図である。なお、図1552(a)及び図1552(b)では、羽部材945の外形が隠れ線で図示される。
図1552から図1554に示すように、正面ユニット940は、ベース板60に締結される背面ベース941と、その背面ベース941に遊技球の直径よりも大きい距離を隔てて配設される正面ベース943と、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に回転可能な状態で配設される2個(一対)の羽部材945とを主に備えて形成される。
背面ベース941は、正面視における外形が上下反対向きの略T字状に形成されると共に、所定の板厚を備える板状体から形成される。また、背面ベース941は、無色透明の樹脂材料から形成されており、入賞口ユニット930(正面ユニット940)がベース板60に配設された状態において、背面ベース941を介してベース板60の貫通孔2060aの内部を視認できる。
背面ベース941は、下端部に切り欠き形成される第1アウト口71と、その第1アウト口71の上方に位置し水平方向に長い矩形状に貫通形成される特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの上方に貫通形成される第2入賞口640と、第1アウト口71と反対側の縁部(上縁部)に切り欠き形成される第1入賞口64とを主に備える。
背面ベース941は、外縁部に板厚方向に貫通する貫通孔941aを複数個備える。貫通孔941aは、正面側から背面側に向かって縮径する第1貫通孔941a1と、背面側から正面側に向かって縮径する第2貫通孔941a2とから形成される。
第1貫通孔941a1は、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に締結固定するためのタッピングネジを挿通する孔であり、内径がタッピングネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。
また、第1貫通孔941a1は、上述したように、正面側から背面側に向かって縮径して形成されるので、タッピングネジの頭部を正面側の拡径部分に収容することができる。従って、タッピングネジの頭部が遊技領域に突出することを抑制できる。さらに、第1貫通孔941a1の近傍には、背面ベース941の背面から円柱状に突出する位置決め突起942aが形成される。
位置決め突起942aは、ベース板60の貫通孔2060aの周囲に形成される位置決め孔に対応する位置に形成されると共に、位置決め孔の内径と略同一の外径に形成される。これにより、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に対して位置決めして配設できる。
第2貫通孔941a2は、背面ベース941と正面ベース943とを締結するためのネジを背面ベース941側から挿通する孔であり、内径がネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。即ち、正面ベース943は、背面ベース941の背面側からネジで締結される。この場合、正面ベース943の背面ベース941からの取り外しの作業は、入賞口ユニット930をベース板60から取り外した状態とする必要がある。従って、遊技者が不正をして遊技盤13の前面側(遊技領域側)から正面ベース943のみを取り外すことを抑制できる。
また、第2貫通孔941a2は、上述したように、背面側から正面側に向かって縮径して形成されるので、ネジの頭部を背面側の拡径部分に収容することができる。従って、背面ベース941の背面側にネジの頭部が突出することを抑制できる。その結果、背面ベース941の背面側に後述する特定入賞口ユニット950を配設する場合に、ネジの頭が特定入賞口ユニット950に当接することを抑制できる。
背面べース941は、重力方向下側端部の外形が、遊技盤13の内レール61(図1538参照)の内縁に沿って形成される。第1アウト口71は、切欠き底部の縁部(重力方向上側の縁部)が内レール61の内縁と遊技球の直径以上離間する寸法に形成される。これにより、遊技盤13の前面に形成される遊技領域を流下する遊技球のうち第1入賞口64、第2入賞口640、特定入賞口65a及び一般入賞口63(図1538参照)のいずれにも流入しなかった遊技球を、第1アウト口71を介して遊技盤13の背面側(遊技領域の反対側)に送球できる。
第1入賞口64は、第1アウト口71と反対側の端部を半円形状に切り欠いて形成される。また、第1入賞口64は、その内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。これにより、後述する第1受部941gの内部に流入する遊技球を第1入賞口64を介して背面側(遊技領域の反対側(図1552(b)紙面手前側)に送球できる。
第1入賞口64の縁部には、遊技領域側(図1552(a)紙面手前側)に突出すると共にカップ状に形成される第1受部941gと、遊技領域と反対側(図1552(b)紙面手前側)に断面U字状に突出する第1送球部942gとが形成される。
第1受部941gは、内側に1球分の遊技球を受け入れ可能な大きさに形成される。これにより、第1受部941g(第1入賞口64)の重力方向上側から遊技領域を流下する遊技球を第1受部941gの内側に流入させることができる。
また、第1受部941gは、底面が背面側に下降傾斜して形成される。これにより、第1受部941gに流入した遊技球を第1入賞口64を介して背面側(第1送球部942g側)に送球できる。
さらに、第1受部941gは、ベース板60の短手方向(図1552左右方向)両端の上端部から、下側に向けて左右方向外側に傾斜して延設される案内部941g1を備える。案内部941g1は、所定の厚みを備える板状体に形成されると共に、遊技領域と反対側(背面側)の側面が、背面ベース941の前面側に連結される。これにより、第1受部941gの剛性を高めることができ、流下領域を流下する遊技球が第1受部941gに衝突して、第1受部941gが破損することを抑制できる。
また、背面ベース941に第1入賞口64、第2入賞口640及び特定入賞口65を一体に形成すると、遊技領域を流下する遊技球に変化を与える遊技釘の配置が足りなくなる可能性があるため、遊技球の流下方向を変化させ難くなる。従って、遊技者の興趣が損なわれる恐れがあるところ、案内部941g1に遊技球を衝突させることで、遊技球の流下方向に変化を与えることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、案内部941g1は、背面ベース941の正面側を第2入賞口640側に向かって流下する遊技球が衝突した場合に、その遊技球を左右方向外側に案内できる。これにより、第2入賞口640に遊技球が入球する確率が過度に高くなることを防止することができる。
第1送球部942gは、重力方向上側が開放するU字に形成されており、その内縁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。また、第1送球部942gは、底面が背面側に向かって下降傾斜して形成されると共に、突出先端側が、後述する送球ユニット970の流入口982dの縁部に当接される。これにより、第1受部941gの内側から第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球される遊技球を背面側に転動させて、送球ユニット970に送球することができる。
第1送球部942gは、突出先端の上方端部が、側面視矩形状に切り欠かれる第1凹欠部942g1を備える。第1凹欠部942g1は、後述する送球ユニット970の第2突起982d1が載置される切欠きであり、第2突起982d1の側面視形状と略同一の大きさに凹欠される。なお、第1送球部942g及び送球ユニット970の配置についての詳しい説明は後述する。
第2入賞口640は、正面視において上方が湾曲した略D字状に貫通形成されると共に、内縁が遊技球の外径よりも大きく形成される。これにより、後述する羽部材945の対向間に送球される遊技球を第2入賞口640から背面側に送球できる。
第2入賞口640には、その縁部に、正面側に突出する正面側壁部941bと、背面側に突出する第2送球部942cとが形成される。
正面側壁部941bは、ベース板60の短手方向における第2入賞口の両側縁部に沿って形成される。正面側壁部941bは、その突出先端面が後述する正面ベース943の送球ガイド部943dと当接する大きさに設定される。
第2送球部942cは、第2入賞口640の下側縁部の両端のそれぞれに背面視略L字に屈曲して形成される。第2送球部942cは、重力方向(図1552(b)上下方向)における寸法が遊技球の半径よりも大きく設定される。これにより、後述する正面ベース943の転動部943aを転動する遊技球が転動部943aの上面から落下することを抑制できる。
一対の第2送球部942cは、ベース板60の短手方向(図1552(b)左右方向)における対向間の距離寸法が後述する正面ベース943の転動部943aのベース板60の短手方向(図1552(b)左右方向)における長さ寸法と略同一に設定され、内側に転動部943aが配設される。
第2送球部942cは、組立状態において変位部材966の内側に配置され、上下左右方向で変位部材966と対向配置される。第2送球部942cの外側面間の左右幅が変位部材966の第2開口966cの内側面間の左右幅よりも若干短く形成される。これにより、第2送球部942cにより、変位部材966の左右方向変位を制限することができる。
背面ベース941は、第2入賞口640の近傍の上側(第1入賞口64側)に、背面ベース941の遊技領域側から遊技領域と反対側に向かって円形状に2箇所に凹設される第1軸孔941dと、その第1軸孔941dの軸を中心に湾曲して背面ベース941に貫通形成される2箇所の第1開口941eと、その2箇所の第1開口941eの対向方向外側に位置し背面側に突設される第1ガイド壁942bと、を備えて形成される。
第1軸孔941dは、後述する羽部材945を軸支する軸部材945aを支持可能とされ、軸部材945aの外径と略同一の内径に形成される。これにより、軸部材945aの一端を第1軸孔941dに挿入して支持できる。
第1開口941eは、第1軸孔941dの中心を軸とする円弧状に開口される。また、第1開口941eは、羽部材945の突起945bを挿通可能とされ、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの最大幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に突起945bが第1開口941eの内面に当接することを抑制できる。
一対の第1ガイド壁942bは、後述する変位部材966が変位される際に、変位部材966の上下方向変位を案内する壁であり、一対の第1ガイド壁942bの対向間における距離寸法が、変位部材966の短手方向(左右方向)の距離寸法よりも若干大きく設定される。
また、一対の第1ガイド壁942bは、背面視略L字に形成され、屈曲部分が互いに近づく方向に延設される。これにより、変位部材966の突出部966aを第1ガイド壁942bの屈曲部分に当接させて、変位部材966の変位距離を規制できる。
特定入賞口65aは、一対の羽部材945の対向方向(図1552(b)左右方向)に長い矩形状に開口形成されており、その開口の内側に後述する特定入賞口ユニット950の開閉板が配設される。
背面ベース941は、特定入賞口65aと第2送球部942cとの対向間に膨出する膨出部942hと、特定入賞口65aの外枠から第1ガイド壁942b側(図1552(b)上側)に突出する第2ガイド壁942dとを備える。
膨出部942hは、背面ベース941の背面側に膨出すると共に、特定入賞口65aの外枠と第2送球部942cとに連結される。これにより、後述する変位部材966を背面ベース941の背面側に配設した場合に、変位部材966と背面ベース941の背面との接触面積を小さくすることができ、変位部材966の摩擦(摺動)抵抗を抑えることができる。
第2ガイド壁942dは、変位部材966の下端部分の変位を案内する壁面であり、一対の第2ガイド壁942dの対向間の距離寸法が変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。従って、変位部材966を一対の第2ガイド壁942dの対向間に配設した場合に、変位部材966の下端部分の変位部材966の短手方向(左右方向)への変位距離を規制できる。
従って、変位部材966は、上述した第2送球部942cが内側に配置されて左右方向の変位が制限されるだけでなく、第2ガイド壁942dが外側に配置されて左右方向の変位が制限される。これにより、変位部材966の左右方向変位を長期間にわたって制限することができる。
背面ベース941は、特定入賞口65aの左右両端の上側縁部に下側に向かって半円状に切り欠いて形成される第2アウト口941fを備える。第2アウト口941fは、正面ベース943に形成される第3受部944aに流入した遊技球をベース板60の背面側に送球するための切り欠きであり、遊技球の直径よりも大きい形状に形成される。
また、第2アウト口941fの縁部には、背面視略U字状に形成され背面側に突出する第3送球部942eが形成される。これにより、第2アウト口941fの内側を介して背面側に送球した遊技球を第3送球部942eの内側に送球できる。
第3送球部942eは、背面視U字の湾曲部分(下側部分)が背面側に突出するに従って重力方向下側に傾斜して形成されており、第2アウト口941fから送球された遊技球を背面側に転動させることができる。
背面ベース941は、第1開口941eの上側端部から上方に直線的に延びる形状で貫通形成される第3貫通孔941iと、その第3貫通孔941iの上端部から左右外側へ向けて第1軸孔941dの軸を中心とする円弧形状で貫通形成される第4貫通孔941jと、一対の第3貫通孔941iの間に遊技球が通過可能な大きさで穿設される送球孔941kと、その送球孔941kの下縁部を基端として背面側へ延びる転動板部941lと、を備えて形成される。
第3貫通孔941iは、羽部材945の組み付け時に延設部945d及び板状部945eを背面側へ通すための貫通孔である。また、第4貫通孔941jは、羽部材945の動作時に延設部945dの変位を許容するための貫通孔であり、正面視(軸部材945aの軸方向視)における延設部945dの変位軌跡を丸ごと含む形状で穿設される。なお、板状部945eは背面ベース941を通過して背面側に配置されているので、板状部945eの変位軌跡まで考慮することは不要である。
送球孔941kは、羽部材945の開放状態において板状部945eの上面を転動した球を正面側に送球するための開口である。送球孔941kの正面側においては送球孔941kの下方が開け放されているので(図1553及び図1554参照)、送球孔941kに正面側から球が進入する可能性を低くすることができる。
即ち、送球孔941kの前側領域を、板状部945eの上面を転動した球と、羽状本体945の上面を転動した球との合流位置として形成しながら、送球孔941kを通しての球の流れは専ら正面側へ向く流れとすることができる。
転動板部941lは、背面側へ向けて上昇傾斜する傾斜板として形成されており、延設先端側で乗った球を基端側(正面側)へ流下させるよう構成されている。転動板部941の上面を転動して基端側まで到達した球は、送球孔941kを通って背面ベース941の正面側(背面ベース941と正面ベース943との間の空間)に到達し、その後、流下することになる。
正面ベース943は、正面視における外形が背面ベースよりも小さい上下反対の略T字状に形成される。また、正面ベース943は、無色透明な板状体から形成される。これにより、正面ベース943と背面ベース941との対向間を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。
正面ベース943は、上述した背面ベース941の第2入賞口640及び第2アウト口941fのそれぞれに対応する位置に突設される第2受部943c及び第3受部944aを主に備えて形成される。
第2受部943cは、背面視略U字に形成され、正面視において内側に背面ベース941の第2入賞口640が配置される。また、第2受部943cの開放側(U字の開放側)には、後述する一対の羽部材945が配設される。
さらに、第2受部943cの背面ベース941側への突出距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。よって、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に遊技球を送球することができると共に、遊技球が後述する一対の羽部材945の対向間の外側から第2入賞口640に流入することを抑制できる。
また、第2受部943cは、その内縁から内側に突設される送球ガイド部943dと、湾曲部分の内側から背面ベース側に突設される転動部943aとを備える。
送球ガイド部943dは、一対の羽部材945の下側に一対形成される。また、一対の送球ガイド部943dは、背面ベース941の正面側壁部941bと対応する位置にそれぞれ形成されており、背面ベース941と正面ベース943とが組み合わされると、その端面同士が当接される。これにより、一対の羽部材945の対向間に流入した遊技球を送球ガイド部943dの対向間に送球できる。
転動部943aは、一対の送球ガイド部943dの対向間の下側に形成されると共に、上側の端面943a1が背面ベース941側に向かって下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部943aは、背面ベース941と正面ベース943とが締結された(組み合わされた)状態において、第2入賞口640の内側下端に配置されると共に、先端が背面ベース941の背面側に突出される。
これにより、一対の送球ガイド部943dの対向間に送球された遊技球を転動部943aの端面943a1に送球できると共に、その遊技球を端面943a1の上部を転動させて、背面ベース941の背面側に送球できる。
また、正面ベース943は、第2受部943cの開口側(上側)に、背面ベース941の第1軸孔941dと対向する位置に円環状に突設される円環突起943bを備える。円環突起943bは、その内縁の第2軸孔943b1を備え、その第2軸孔943b1の内側に後述する羽部材945を軸支する軸部材945aの他端を挿入できる。上述したように、軸部材945aは、一端が背面ベース941の第1軸孔941dに挿入される。よって、背面ベース941と正面ベース943との対向間に軸部材945aを挟持して支持できる。
第3受部944aは、背面視略U字形成されており、その内側に背面ベース941の第2アウト口941fが配置される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を第3受部944aの内側に流入させることができると共に、第3受部944aに流入した遊技球を第2アウト口941fを介して背面側に送球することができる。
羽部材945は、正面視において、背面ベース941に形成される第2入賞口640を間に挟んで一対配設される。羽部材945は、有色の半透明材料から形成されており、正面ベース943を介して遊技者から視認可能とされる。
羽部材945は、正面視略三角形状に形成されると共に、背面ベース941と正面ベース943との対向間幅よりも厚みが小さく形成される羽状本体945mと、その羽状本体945mの背面側から突出する突起945bと、羽状本体945mの厚み方向(背面ベース941側から正面ベース943側)に貫通形成される挿通孔945cと、羽状本体945mの端部であって挿通孔945cが配置される側とは反対側の端部から背面側へ延設される連結部945dと、その延設部945dの先端側から羽状本体945mの長手方向(図1552(a)上下方向)に板状で延設される板状部945eと、を主に備える。
延設部945d及び板状部945eは、組立状態(図1552(a)参照)において貫通孔941i,941jを通過し、振分ユニット980の内部において動作可能に構成される部分であるが、詳細は後述する。
挿通孔945cは、背面ベース941と正面ベース943との対向間に支持される軸部材945aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、背面ベース941と正面ベース943とを締結(組立)する際に、挿通孔945cに軸部材945aを挿通させることで、羽部材945を回転可能な状態で背面ベース941と正面ベース943との対向間に配設できる。これにより、羽部材945は、回転先端側が近接する閉鎖状態(図1552(a)参照)と、回転先端側が左右両外側に開くように変位される開放状態とで変位可能とされる。
突起945bは、後述する変位部材966の摺動溝966a2に挿通され、駆動ユニット960の駆動力が伝達される伝達部分である。突起945bは、その先端が背面ベース941の第1開口941eを通って背面ベース941の背面側に突出して、摺動溝966a2に挿通可能な寸法に設定される。
変位部材966は、正面視において上側が開放したコ字形状で形成されており、上側端部から左右方向外側に突出する突出部966aと、下側端部から背面側に膨出する膨出部966bと、を備え、正面視略中央位置に第2開口966cが貫通形成される。
第2開口966cは、正面視における内縁の形状が第2入賞口640よりも大きく形成されると共に、内側に第2入賞口640が配置される。これにより、第2入賞口640を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
突出部966aは、変位部材966の短手方向両外側に位置すると共に長手方向に延設される当接部966a1と、変位部材966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝966a2と、を備える。
摺動溝966a2は、内側に上述した羽部材945の突起945bが挿入される長孔であり、変位部材966の短手方向に長い長穴に形成される。また、摺動溝966a2は、幅寸法が羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に、突起945bが摺動溝966a2の幅方向に対向する両内面に当接して、羽部材945の動作が規制されることを抑制できる。
膨出部966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔966b1が形成される。連結孔966b1は、駆動ユニット960の伝達部材が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材の先端の外形よりも大きく設定される。
駆動ユニット960の伝達部材を介して変位部材966が下側位置に配置されることに対応して、羽部材945は閉鎖状態とされる。一方で、駆動ユニット960の伝達部材を介して変位部材966が上側位置に配置されることに対応して、羽部材945は開放状態とされる。
次いで、図1555及び図1556を参照して、振分けユニット980について説明する。図1555(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図1555(b)は、振分けユニット980の背面図であり、図1556(a)は、図1555(a)のMCDXCVa-MCDXCVa線における振分けユニット980の断面図であり、図1556(b)は、図1556(a)のMCDXCVb-MCDXCVb線における振分けユニット980の断面図である。
振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、を主に備えて形成される。なお、振分け部983は、第50実施形態におけるシーソー部材762に対応する部材である。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b~985g)と、その複数の開口の上側に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986bとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、を備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
凹部985hは、ベース部985aの短手方向(左右方向)略中央位置において正面ベース981側から背面側に向かって凹設される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、下側内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981の反対側(背面側)に転動させることができる。
開口985eは、左右中央位置よりも開口985b側に形成され、開口985fは、左右中央位置よりも開口985c側に形成される。以下において、開口985e,985fでは同様の構成が採用されるので、第2通路TR2を流下した球を受け入れ可能な開口985fのについて詳細な説明を行い、第1通路TR1を流下した球を受け入れ可能な開口985eの説明は省略する。
開口985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985f3と、重力方向に延設され流入通路985f1及び排出通路985f3を連結する中間通路985f2と、その中間通路985f2において遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4と、を主に備えて形成される(図1555(b)及び図1556(a)参照)。
流入通路985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985f1に流入させることができる。
中間通路985f2は、重力方向に延設して形成され、上側が流入通路985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985f1を通過する遊技球を中間通路985f2に流入させることができる。
凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
検出装置SE3は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、検出装置SE3の長手方向の一方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向の他方に検出装置SE1を制御する検出基板SE1bが配設される。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985f2の上側から流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
凹設部985f4は、流入通路985f1及び排出通路985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985f3は、中間通路985f2の下側に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、通路ユニット990の挿通孔に連結される。これにより、中間通路985f2を通過する遊技球を、排出通路985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、左右中央位置における背面ベース985の下端部に形成される。また、開口985gは、下側の内面が正面ベース981側と反対側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
背面ベース985は、後述する第1通路TR1又は第2通路TR2に検出装置SE4,SE5を配置するための切り欠きである開口部985kが、背面視において検出装置SE4,SE5の外形と略同一の形状で形成される。これにより、検出装置SE4,SE5をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。なお、検出装置SE4,SE5の構造は検出装置SE3の構造として上述したものと同様なので、説明は省略する。
また、検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aの軸方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と第1通路TR1又は第2通路TR2の空間とが略一致する位置に配置される。
これにより、遊技球が第1通路TR1又は第2通路TR2の上側から流下する場合に、検出装置SE4,SE5の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1又は第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が第1通路TR1又は第2通路TR2と検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
検出装置SE4,SE5は、検出孔SE1aに球が通過したと検出された場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる装置として構成される。
開口部985kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の空間と連なって形成される。即ち、第1通路TR1又は第2通路TR2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、第1通路TR1又は第2通路TR2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース985の反対側)に膨出する膨出部982と、を主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981fと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図1551参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って正面側に立設される側壁部981bを備えて形成される。
また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口640に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口640に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942c(図1554参照)と当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、下側の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1(図1554参照)よりも下側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。
膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略左右中央位置において背面ベース985側に向かって延びる壁状に形成される立設壁982aと、重力方向下の複数箇所において遊技球を背面側へ送球可能な湾曲面として形成される凹部982e~982jとを主に備えて形成される。
また、膨出部982は、立設壁982aの下側において前後方向で穿設される送球開口982kと、その送球開口982kの左右両側において前後方向に縦長矩形状で穿設される挿通開口982lと、その挿通開口982lの上端部から左右外側に延設される形状で穿設される回転許容開口982mと、を備える。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、上側縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1(図1554参照)の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの下側端面までの距離寸法L14(図1555(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの下側内縁までの距離寸法L15(図1552(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの下側に形成されると共に、上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁との水平方向間隔が遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの上側には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の下側の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球は、図示しない球排出路へと案内される。即ち、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球は、第1アウト口71に流入した球と同様、いかなる利益を遊技者に与えることなく排出される。
なお、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された球により遊技者に与えられる利益については、種々の変更が可能である。例えば、予め設定された個数の賞球が払い出される利益として設計しても良いし、普通図柄の抽選や大当たり抽選を行うための検出装置に球が検出されることで得られる利益として設計しても良い。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の下側の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、下側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第2通路TR2は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985fに流入可能とされる。
送球開口982kは、凹部982h及び凹部982jの間に形成される。また、送球開口982kの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2の間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3の下側に形成される転動面982gは、正面側に向けて下降傾斜する傾斜面として形成される。これにより、第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の背面側を流下した遊技球が正面ベース981の正面側に通過可能となる通路となる。
本実施形態では、第3分岐通路BK3は、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されており、その受け入れた遊技球は、送球開口982k及び送球孔941k(図1552(a)参照)を通して正面側へ流れ、第2入賞口640に入球可能となるように構成されている。
膨出部982の傾斜部982bは、膨出部982の下側に形成されると共に、下側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、膨出部982の左右幅方向に亘って形成される。
これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1及び第2分岐通路BK2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b~985f側(背面側)に案内して開口985b~985fに流入させ易くできる。
一方、第3分岐通路BK3を流下する遊技球を転動面982gに当接させることで、流下する遊技球を送球開口982k側(正面側)に案内して、送球開口982kに流入させ易くすることができる。
転動面982gは、正面視で左右対称形状ではなく、左側部の方が右側部よりも下側に形成されることで左右非対称形状とされる。これにより、第3分岐通路BK3に左右から同時に球が到達した場合に第3分岐通路BK3において球が左右に並ぶことを避け易くすることができ、球の並ぶ方向(直列方向)が上下方向成分を有するようにすることができる。これにより、第3分岐通路BK3で球詰まりが生じることを避け易くすることができ、球詰まりと関連して羽部材945が動作不能となる事態を避けることができる。
挿通開口982lは、ベース部材60に入賞口ユニット930及び送球ユニット970を組み付ける際に、羽部材945の延設部945d及び板状部945eを膨出部982の背面側へ挿通させるための開口である。
即ち、入賞口ユニット930の組立状態において背面ベース941の第3貫通孔941iに挿通され背面側に張り出した延設部945d及び板状部945e(図1552(b)参照)は、送球ユニット970の挿通開口982lにも挿通され、延設部945dが挿通開口982lを貫いている状態で、膨出部982の背面側に板状部945eが配置される。
回転許容開口982mは、膨出部982を貫いている延設部945dの変位が規制されることを避けるために必要となる範囲に貫通形成される開口である。回転許容開口982mが最小限の大きさ(遊技球の直径よりも小さな幅)で形成されることにより、回転許容開口982mを通して遊技球が正面側に送球されることを避けることができる。次いで、図1557を参照して羽部材945の開閉動作に伴う板状部945eの変位について説明する。
図1557(a)及び図1557(b)は、図1556(a)のMCDXCVb-MCDXCVb線における振分けユニット980の断面図である。図1557(a)では、閉鎖状態における羽部材945(板状部945e)が図示され、図1557(b)では、開放状態における羽部材945(板状部945e)が図示される。
図1557(a)に示すように、羽部材945の閉鎖状態では、第1通路TR1及び第2通路TR2から退避されており、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球は開口985e,985fに流される。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下した球が第3分岐通路BK3側に案内されることの防止を図ることができる。
図1557(b)に示すように、羽部材945の開放状態では、第1通路TR1及び第2通路TR2に板状部945eが進入しており、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球は第3分岐通路BK3側に流される。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下した球が開口985e,985fに案内されることの防止を図ることができる。
即ち、羽部材945は、開放状態と閉鎖状態とで切り替えられることで、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球が案内される側を切り替え可能に構成される。換言すれば、羽部材945は、羽状本体945m(図1553参照)が配置される背面ベース941と正面ベース943との間の領域を流下する球の案内方向を切り替えるように作用するのみならず、板状部945eが配置される振分ユニット980の内部領域を流下する球の案内方向を切り替えるように作用する。
球が上流分岐位置BK0に到達した直後に羽部材945が開閉動作する場合について説明する。上流分岐位置BK0は、流下する球が羽部材945の作用を受ける位置の直前の位置として設定される。羽部材945の開放状態において球が上流分岐位置BK0に到達した直後に、羽部材945が閉鎖状態へ向けて開閉動作すると、球は板状部945eにより第3分岐通路BK3側に押し込まれる。
一方で、羽部材945の閉鎖状態において球が上流分岐位置BK0に到達した直後に、羽部材945が開放状態へ向けて開閉動作すると、球は開口985e,985fに案内されるか、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内される。
このように、羽部材945の動作方向側が閉塞されることなく、動作方向側に球を案内可能な程度の空間が形成されるので、羽部材945と膨出部982との間で球が挟まることで球詰まりが生じる事態の発生を回避し易くすることができる。
開口985e,985fに案内された場合には、球は検出装置SE3に検出されることで特別図柄1の抽選を獲得可能であり、賞球の払い出しの利益を受けることができるが、第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2に案内された場合には、特別図柄1の抽選も、賞球の払い出しの利益も、得ることはできない。
従って、羽部材945が閉鎖状態の時に上流分岐位置BK0に球が到達した場合には、その直後に羽部材945が開閉動作することにより遊技者が不利益を受ける可能性がある。そのため、上流分岐位置BK0及び羽部材945に対する注目力を向上することができる。
図1557(b)に示すように、羽部材945及び羽状部945eは左右対称形状で構成されるので、第1通路TR1で流下した球と、第2通路TR2で流下した球とで、羽部材945による拾い易さに差は生じないようにすることができる。なお、左右から同時に球が案内された場合における球詰まりの防止は、第3分岐通路BK3の転動面としての転動面982gの形状を上述したように左右非対称とすることにより図っている。
図1555及び図1556に戻って説明する。振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L17(図1556(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。
また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも下側に設定される。これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。
よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
次いで、駆動ユニット960の駆動による羽部材945の作動パターンについて説明する。まず、図1557を参照して、第1入賞口64に入球した球の流下に要する時間の関係について説明する。
第1入賞口64に入球した球は、送球通路TR0に到達した後、振分け部983を傾倒動作させて左右片側に流下される。この傾倒動作は、図1544(a)及び図1544(b)においてシーソー部材762の動作として説明した内容と重複するので説明は省略するが、本実施形態では、その傾倒動作に要する時間を十分長く確保する目的で、磁性体988b,988cの磁力が大きくなるように設計している。即ち、本実施形態では、振分け部983の傾倒動作(図1544(a)に示す状態から図1544(b)に示す状態までの動作)に少なくとも0.8秒かかるように設計されている。
振分け部963の傾倒動作後、球が送球通路TR0から第1通路TR1側に流れた場合、その球が検出装置SE4に検出されるまでに0.4秒間要するように通路が設計される。また、振分け部963の傾倒動作後、球が送球通路TR0から第2通路TR2側に流れた場合、その球が検出装置SE5に検出されるまでに0.2秒間要するように通路が設計される。即ち、検出センサSE4と検出センサSE5との上下方向の距離は、球の流下速度で0.2秒間を要する距離として設定される。
流下する球が羽部材945の作用を受ける直前の位置として、上流分岐位置BK0が左右一対で設定される。送球通路TR0から第1通路TR1側又は第2通路TR2側に球が流れてから、上流分岐位置BK0に到達するまでに0.6秒間を要するように設計される。
即ち、検出装置SE4に球が検出されてから、その球が上流分岐位置BK0に到達するまでに0.2秒間を要する。また、検出装置SE5に球が検出されてから、その球が上流分岐位置BK0に到達するまでに0.4秒間を要する。
上流分岐位置BK0に球が到達したタイミングで羽部材945が閉鎖状態であれば、球は開口985b,985c又は開口985e,985fを通過する一方で、上流分岐位置BK0に球が到達したタイミングで羽部材945が開放状態であれば、球は第3分岐通路BK3側に案内され、送球開口982k(図1555(a)参照)を通過する。
上述のような流路構成によれば、駆動ユニット960の駆動による羽部材945の作動パターンを、検出装置SE4,SE5で球が検出されてから0.6秒よりも短い時間で終了する作動パターンで設計するようにすれば、第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合であっても、検出装置SE4,SE5で球が検出したら即座に普通図柄の変動を開始することができる。
例えば、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が第1通路TR1側に流れて検出装置SE4で検出された場合、次の球が第2通路TR2側に流れるまでには0.8秒の空きがあり、検出装置SE5の方が0.2秒分だけ検出装置SE4よりも上側にあるとしても0.6秒の空きが確保される。即ち、先の球が検出装置SE4で検出されてから、次の球が検出装置SE5で検出されるまでに0.6秒を要する。
例えば、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が第2通路TR2側に流れて検出装置SE5で検出された場合、次の球が第1通路TR1側に流れるまでには0.8秒の空きがあり、検出装置SE4の方が0.2秒分だけ検出装置SE5よりも下側にあるので1.0秒の空きが確保される。即ち、先の球が検出装置SE5で検出されてから、次の球が検出装置SE4で検出されるまでに1.0秒を要する。
このように、第1入賞口64に複数の球が間隔をあけずに入球した場合において、先の球が左右どちらに流れた場合であっても、球が検出装置SE4,SE5に検出される間隔は0.6秒以上となる。
この前提のもと、本実施形態で説明する第11の作動パターン~第14の作動パターンは、それぞれ球が検出装置SE4,SE5で検出されてから0.5秒で完了する(普通図柄の変動表示の終了までに0.5秒を要する)ように設計されているので、第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合であっても、検出装置SE4,SE5で球が検出したら即座に普通図柄の変動を開始することができる。そのため、検出装置SE4,SE5での球の検出から羽部材945の動作が実行されるまでに時間遅れが生じることを防止することができる。
図1558(a)から図1558(d)は、検出装置SE4,SE5における球の通過の検出と、羽部材945の状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図1558(a)では、第11の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1558(b)では、第12の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1558(c)では、第13の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1558(d)では、第14の作動パターンにおける計時変化が図示される。
図1558(a)から図1558(d)では、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されたことによる第2図柄の変動表示(0.1秒)の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83(図1538参照)に表示された場合における羽部材945の状態の計時変化について説明する。
図1558(a)に示すように、第11の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.4秒間維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においても、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においても、羽部材945が開放状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下するか第2通路TR2で流下するかに関わらず、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができる。即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選よりも特別図柄2の抽選の方が多くなる。
図1558(b)に示すように、第12の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.2秒間維持される。その後の0.2秒間は、閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においては羽部材945が開放状態で維持されるが、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においては羽部材945が閉鎖状態とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができるが、球が第2通路TR2で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させることはできないので、その球は検出装置SE3(図1556(a)参照)に検出される。
即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に生じる。球が第1通路TR1で流下する場合が特別図柄2の抽選に対応する。
図1558(c)に示すように、第13の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)、0.2秒後に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その開放状態が0.2秒間維持される。その後、閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においては羽部材945が閉鎖状態とされるが、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においては羽部材945が開放状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させることはできないので、その球は検出装置SE3(図1556(a)参照)に検出されるが、球が第2通路TR2で流下する場合には、その球を第3分岐通路BK3側に案内することができ、第2入賞口640に入球させ易くすることができる。
即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に生じる。球が第2通路TR1で流下する場合が特別図柄2の抽選に対応する。
図1558(d)に示すように、第14の作動パターンでは、検出装置SE4,SE5で球の通過が検出されてから普通図柄が停止表示された後(0.1秒後)、0.4秒が経過する直前に羽部材945が開放状態(図において、「開」とも示す。以降の図において同様である)とされ、その直後に閉鎖状態(図において、「閉」とも示す。以降の図において同様である)とされる。
これにより、第1入賞口64に入球した球が検出装置SE4,SE5に検出される場合に、検出装置SE4に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.2秒後においても、検出装置SE5に検出されてから上流分岐位置BK0に到達するまでに経過する0.4秒後においても、羽部材945が閉鎖状態で維持される。
これにより、第1入賞口64に入球した球が第1通路TR1で流下するか第2通路TR2で流下するかに関わらず、その球を第3分岐通路BK3側に案内することはできず、第2入賞口640に入球させ易くすることはできない。即ち、第1入賞口64への入球に基づいて獲得される抽選は、特別図柄2の抽選よりも特別図柄1の抽選の方が多くなる。
図1558(a)から図1558(d)に示すように、羽部材945の作動パターンを異ならせることにより、第1入賞口64に入球した場合に獲得される抽選が、特別図柄1の抽選となるか特別図柄2の抽選となるかを切り替えることができる。
即ち、第11の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、特別図柄2の抽選を連続で獲得可能とされる。また、第14の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、特別図柄1の抽選を連続で獲得可能とされる。
第12の作動パターン又は第13の作動パターンで羽部材945が動作する場合には、第1通路TR1で流下する球と第2通路TR2で流下する球とで獲得される抽選の特別図柄が異なり、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されることになる。
ここで、特別図柄1の抽選による大当たりで遊技者が得られる利益と、特別図柄2の抽選による大当たりで遊技者が得られる利益とが異なる場合、その大当たりが特別図柄1の抽選によるものか、特別図柄2の抽選によるものかについての遊技者の注目度合いは大きい。
従来、振分け部983で左右に球が振り分けられる遊技機では、振分け部983により左右一方側(通常は左側)に流された球により特別図柄1の抽選を獲得でき、左右他方側(通常は右側)に流された球により特別図柄2の抽選を獲得できるように構成されていた。
そのため、振分け部983により球が左右どちらに流されるかを確認できれば、その後は球から目を離しても、これから実行される抽選が特別図柄1の抽選か特別図柄2の抽選かを把握することができた。この場合、振分け部983の下流側における球の流下経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として有効利用できていないという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態では、第12の作動パターンでは第1通路TR1で流下する球により特別図柄2の抽選を獲得でき、第13の作動パターンでは第2通路TR2で流下する球により特別図柄2の抽選を獲得できる。そのため、球が振分け部983により左右どちらに流されるかを確認するだけでは、その球が特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを把握することはできない。
即ち、振分け部983の下流側において、球が羽部材945の板状部945eに拾われるか否かを確認したり、球が送球孔941k(図1554参照)を通り手前側に流れて第2入賞口640に入球するか否かを確認したりしないと、その球が特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを把握することはできないように構成できる。これにより、振分け部983の下流側における球の流下経路に対する注目力を向上することができ、遊技領域を演出領域として有効利用することができる。
なお、各作動パターンにおいて、主に第1入賞口64に入球した球と羽部材945との関係について説明したが、羽部材945の羽状本体945mは背面ベース941(図1551参照)よりも正面側に配置されていることから、背面ベース941の正面側を流下する球が、羽部材945が開放状態となったタイミングでちょうどよく羽部材945に到達した場合には、その球が第2入賞口640に案内されることは当然生じ得る。
図1559は、図1552(a)のMCDXCVIII-MCDXCVIII線における遊技盤13の断面図であり、図1560(a)及び図1560(b)は、図1559のMCDXCIXa-MCDXCIXa線における入賞口ユニット930及び送球ユニット970の部分断面図である。
図1560(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図1560(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。なお、図1559及び図1560の説明では、図1558を適宜参照する。
図1559に示すように、振分ユニット980の送球開口982kよりも転動板部941l及び送球孔941kが正面側に配置されるので、振分ユニット980の内部流路で第3分岐通路BK3に案内された球は正面側へ向けて流下する。
この球は、遊技者目線で自分側に近づいてくるように見えるので、遊技領域を下方に流下する球や、第1入賞口64や第3受部944a等に入球する球のように後方へと流れることで、遊技者から遠ざかるように見える球とは明確に異なる流下態様で視認される。
これにより、遊技者に、自分側に近づいてくるように見える球に注目して遊技させることで、遊技者は、第1入賞口64に入球した球が振分ユニット980の内部流路から抜け出して第2入賞口640側へ流れる事態が生じた場合に、その事態の発生に容易に気づくことができる。
従って、遊技者が気づかないうちに球が第2入賞口640に入球し、遊技者が気づかないうちに特別図柄2の抽選が実行される事態の発生を回避し易くすることができる。
また、振分ユニット980の正面側(背面ベース941の正面側)において流下する球は遊技者の視線を遮るように作用し得る。そのため、振分ユニット980の内部経路を流下している時の球の視認性を低下させ易くすることができるので、第3分岐通路BK3に案内され、自分側に近づいてくるように見える遊技球をより一層目立たせることができる。
なお、送球孔941kは正面ベース943の背面側に配置されるので、正面ベース943が不透明の樹脂材料から形成される場合には、送球孔941k及び送球孔941kを通り正面側に案内される球の視認性を低下させることができる。
この場合、第1入賞口64に入球する球は容易に確認できるが、その球が送球孔941kを正面側に流下することの把握を困難とすることができるので、第1入賞口64に入球した球が、遊技者が気づかないうちに第2入賞口640に入球し、特別図柄2の抽選が実行される事態を容易に発生させることができる。
図1559に示すように、第2入賞口640の下流側(背面側)には、球の通過を検出可能な検出装置SE6が配設される。検出装置SE6は、検出装置SE3と同様の構成からなる遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。
検出装置SE3に球が通過することにより獲得できる抽選が特別図柄1の抽選であることに対して、検出装置SE6に球が通過することにより獲得できる抽選は、特別図柄2の抽選とされる。
第11の作動パターン~第14の作動パターン(図1558参照)の内、どの作動パターンで羽部材945が動作するかは、第1当たり種別選択テーブル202b(図1549参照)に基づいて、予め設定される。
本実施形態では、大当たり種別が大当たりA,a,bの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第11の作動パターンに設定される。大当たり種別が大当たりB,Cの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第12の作動パターンに設定される。大当たり種別が大当たりcの場合に、その後の羽部材945の作動パターンが第13の作動パターンに設定される。第11~第13の作動パターンの継続期間以外の期間においては、羽部材945の作動パターンが第14の作動パターンに設定される。
これにより、第1入賞口64に入球し左右側に球が振り分けられるという同一の事象に対して、球により特別図柄1の抽選を獲得できるのか、特別図柄2の抽選を獲得できるのかを、どの作動パターンで動作するかにより変化させることができる。従って、第1入賞口64に入球した球の流下経路に対する注目力を向上することができ、遊技者の視線を引き付けることができる。
図1558で図示した他に、羽部材945の作動パターンとしては、検出装置SE4,SE5や普通入賞口(スルーゲート)66,67(図1538参照)で球が検出されたタイミングから羽部材945が長時間(約2秒間)開放する長開放の作動パターンも用意されている。
長開放の作動パターンで羽部材945が動作される場合には、ベース板60(図1551参照)の手前側を流下した球が羽状本体945m(図1553参照)で拾われ易くすることができる。加えて、第1入賞口64に入球した球が第3分岐通路BK3側に案内され易くすることができる(図1557(b)参照)。
このように、羽状本体945mに拾われた球が第2入賞口640に繰り返し入球する状態を構成し易い。これに加え、第1入賞口64に一旦入球した球を板状部945e(図1557(b)参照)によって第3分岐通路BK3側に案内して最終的には第2入賞口640に入球するように構成し易い。従って、特別図柄1での抽選を避け、特別図柄2での抽選を繰り返し獲得する遊技態様を遊技者に提供することができる。
図1560(b)に示すように、羽部材945の開放状態において、背面ベース941の正面側において羽状本体945mに乗った球P21と、背面ベース941の背面側において板状部945eに乗った球P22とを、異なる前後位置(切り分けられた位置)で同時に案内することができる。
そのため、この状態で羽部材945が閉鎖状態に変化しても、球P21と球P22とが衝突する事態が発生することを回避できる。これにより、羽部材945の開閉動作を球が邪魔して、開閉動作が完了しないという動作不良を避けることができる。
更に、羽状本体945mに同時に乗せられる球P21の個数(本実施形態では、片側に1個)よりも、板状部945eの球P22を乗せられる分、羽部材945の開放状態において同時に案内可能な球の個数を増やすことができる。
例えば、全球を羽部材945へ向けて発射する遊技態様では、羽部材945が開放状態の時に片側の羽部材945の羽状本体945mに同時に乗せられる球は1個であり、複数の球を同時に乗せることは困難である。
一方で、一部の球を羽部材945へ向けて発射して、残りの球を第1入賞口64へ向けて発射する遊技態様では、羽状本体945mに球が乗っているか否かに関わらず、板状部945eに球を乗せることができるので、片側の羽部材945に球が同時に乗る状態となり易い。
即ち、全球を羽部材945へ向けて発射する遊技態様か、一部の球を羽部材945の他に第1入賞口64へ向けて発射する遊技態様かで、羽部材945に同時に乗せられる球の個数を変化させることができる。
第1入賞口64を経由して羽部材945に到達する球P22と、第1入賞口64を経由せずに羽部材945に到達する球P21とでは、到達前の球の流下方向が異なることから、到達後の球の流下速度が異なることから、同時に到達した球でも見え方が異なる。
即ち、球P22は、第1通路TR1又は第2通路TR2を鉛直下方に流下して、羽部材945の板状部945eに到達する一方、球P21は、案内部941g1(図1552(a)参照)よりも左右外側から左右内側に向く速度成分を有する流下方向で羽状本体945mに到達する。
従って、左右方向の速度成分が大きい分だけ、球P21の方が球P22に比較して、羽部材945到達後の左右内側への流下速度が速くなる。従って、球P21と球P22とが羽部材945に同時に到達したとしても、球P21と球P22とが正面視で重なる時間を短くすることができるので、羽部材945を転動する球の視認性を向上させることができる。
球P22が転動板部941lの上面を転動して送球孔941kを通過して背面ベース941の正面側に流れるタイミングによっては、球P21と衝突し得る(経路が合流する)。
ここで、送球孔941kの下縁の上下位置よりも、羽部材945の回転基端側における上面高さ上下位置の方が下側に配置される。これにより、転動板部941lを転動した球が背面ベース941の正面側に飛び込む上下位置と、羽状本体945mを転動した球が一対の羽部材945の間の空間に飛び込む上下位置とを、上下方向でずらすことができる。
そのため、球同士が衝突した場合に、それらの球の上下位置をずらすことができるので、自重に任せて流下させることで複数の球を順番に流下させることができる。これにより、球詰まりの抑制を図ることができる。
なお、羽部材945の長開放の作動パターンでは、開放の継続期間が0.6秒を超えていることからも分かるように、例えば第1入賞口64に間隔をあけずに複数の球が入球した場合において普通図柄の変動開始に待ち時間が生じる(普通図柄の変動が保留され得る)。
そのため、図1558で説明したような、検出装置SE4,SE5で球が検出されたタイミングと羽部材945の開閉タイミングとを球の流下に要する時間と対応させて設定した場合と異なり、球の配置と羽部材945の開閉とを対応させることが困難となる。
従って、全ての球を第2入賞口640側に案内できるものではなく、第1入賞口64に入球する球の内、いくつかは羽部材945が閉鎖状態(図1557(a)参照)のタイミングで上流分岐位置BK0に到達する可能性はある。
一方で、長開放の作動パターンにおいて、羽部材945が閉鎖状態で維持される時間(動作待ち時間、動作後待ち時間)を短時間(例えば、0.1秒)に設定することで、羽部材945が閉鎖状態(図1557(a)参照)のタイミングで上流分岐位置BK0に到達する事態が生じる確率を極力低下させることができる。
板状部945eの上面を転動する球P22は、振分け部983の動作の影響で、少なくとも1.8秒間隔をあけて球が到達する。即ち、複数の球が同時に乗ることは無いように構成される。
一方で、羽状本体945mに球P21が到達する間隔は何ら制限されているものではなく、同時に複数の球が到達し得る。そのため、板状部945eに比較して羽状本体945mを丈夫に形成することが好ましい。
この点、本実施形態では、板状部945eよりも羽状本体945mの方が、板厚が大きく形成されることで、丈夫に形成されている。また、羽状本体945mは軸部材945aに直接支持されることで、球の重みによる前後方向の姿勢変化や撓みを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ベース板60の正面側に配設される羽部材945の羽状本体945mから背面側に板状部945eを張り出させることで、ベース板60の内部に配設される振分けユニット980の内部を流下する遊技球に作用可能とすることができる。
即ち、羽部材945は、ベース板60の正面側を流下する遊技球を第2入賞口640側に案内し易い状態と、第2入賞口640側への流下を防止する状態とを切り替えることに加えて、第1入賞口64に入球した遊技球を第2入賞口640側に案内し易い状態と、第2入賞口640側への流下を防止する状態とを切り替えることができる。
更に、羽状本体945mの上面を転動している球と、板状部945eの上面を転動している球との間には、仕切り板として機能する背面ベース941が配設されており、球同士の任意の位置での衝突を回避することができる。
これにより、羽状本体945mを転動している球と板状部945eを転動している球とが衝突することで球が羽部材945から零れる(第2入賞口640に案内される側の反対側に零れる)事態が発生することを回避することができる。
また、第1入賞口64に入球した球が第2入賞口640側の流路に分岐される位置(例えば、第3分岐通路BK3)において、球の流下方向が前後方向成分を有する。これにより、第2入賞口640への球の流下に関係が深い箇所を目立たせることができる。
また、検出装置SE4,SE5で球が検出されてから普通図柄の変動表示が終了するまでに、検出装置SE4,SE5で検出されないように管理することが可能な場合を形成可能である。これにより、検出装置SE4,SE5を通過した球に、その球が検出されたことにより動作制御される羽部材945をタイミングよく作用させることができる。
第1通路TR1に球が送球されるタイミングと、第2通路TR2に球が送球されるタイミングとは、少なくとも0.8秒間隔が空けられるので、第3分岐通路BK3に左右から同時に球が進入することは無いが、加えて転動面982gが左右非対称に形成されることで、第3分岐通路BK3で球詰まりが生じることをより避け易くすることができる。これにより、球の流下経路の合流位置が羽部材945に近い構成であっても、球詰まりを原因とする羽部材945の動作不良が生じることを防止することができる。
また、ベース板60の正面側において羽部材945の上面を転動する球の速度と、ベース板60の内部において羽部材945の上面を転動する球の速度とが異なるように構成される。これにより、前後で球が重なった状態が持続的に続くことを避けることができ、羽部材945の上面を転動している球の個数を把握し易くすることができる。
また、羽部材945に乗る球の個数について、羽状本体945mでは同時に複数の球が乗り得る一方で、板状部945eに乗る球の個数を1個に限定している。これにより、板状部945eよりも羽状本体945mを丈夫に構成することで、羽部材945の耐久性を向上させることができる。
また、電動役物640aの作動パターンを複数用意することで、異なる態様における特別図柄の抽選の獲得パターンを作ることができる。例えば、第1入賞口64に繰り返し入球した場合に、特別図柄1の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンと、特別図柄2の抽選が繰り返し獲得されるパターンと、を切り替えることができる。
また、特別図柄1の抽選と特別図柄2の抽選とが交互に獲得されるパターンにおいて、左右どちらの遊技球が特別図柄2の抽選に対応するかが反対となるパターンを形成することができる。これにより、振分け部983で球が左右どちらに流れたかを確認するだけでは情報として不十分となるので、振分け部983の下流側の領域に対する注目力を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選の獲得パターンとして、右打ち遊技を推奨する場合において、図らずも第1入賞口64に入球した場合に、特別図柄1の抽選を獲得し易いパターンと、高確率で特別図柄1の抽選の獲得が回避されるパターンと、を切り替えることができる。
次いで、図1561を参照して、第52実施形態について説明する。第50実施形態では、経路構成装置700により振り分けられる一方の経路を球が流下する場合に普通入賞口(スルーゲート)765を球が通過する場合を説明したが、第52実施形態の経路構成装置3700では、他方の経路を球が流下する場合に球の通過を検出可能な普通入賞口(スルーゲート)3765が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1561は、第52実施形態における遊技盤13の部分正面図である。経路構成装置3700では、振分け部材760により左右に振り分けられる経路の内、左側の経路に普通入賞口(スルーゲート)3765が配設される。
普通入賞口(スルーゲート)3765は、シーソー部材762からの左右方向距離が、シーソー部材762と普通入賞口(スルーゲート)765との左右方向距離と同じとなるように配設される。
第1入賞口64に入球した遊技球が右側に流れる場合だけでなく、左側に流れる場合も普通図柄の抽選を獲得することができるので、電動役物640aの動作頻度を高めることができる。
上記第50実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765の通過回数が最大4回まで保留される場合を説明した。この場合、保留が途切れることなく電動役物640aを連続動作させ易く、右打ち遊技をスムーズに実行させることができるという利点がある。
これに対し、本実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)66,67,765,3765の通過回数が最大1回まで保留されるように構成される。そして、保留球数が0個の時において普通図柄の抽選で選択される作動パターンと、保留球数が1個の時において普通図柄の抽選で選択される作動パターンとが、異なるように構成されている。保留球数が満タン(1個)という状態は、保留球数が4個の場合に比較して生じ易いので、作動パターンの違いが頻繁に生じる。
本実施形態では、一例として、確変状態において、普通図柄の保留球数が0個の時には、第2の作動パターンが選択され易く、普通図柄の保留球数が1個の時には、第1の作動パターンが選択され易いよう構成される。
この前提で、第1入賞口64に連続で入球した場合(図1544及び図1545参照)に、3個目の球P3が移動板部材641に到達するタイミングで電動役物640aを進入状態に維持し易くすることができる。
即ち、球P1が普通入賞口(スルーゲート)765に検出され、その検出から基準時間Td1が経過するよりも前に球P2が普通入賞口(スルーゲート)3765に検出されることになるので、球P2の検出による普通図柄の抽選で選択される作動パターンは第1の作動パターンになり易い。
そのため、球P3が移動板部材641に到達する前から電動役物640aが進入状態で維持されることになるので、図1544(a)に示すような状態から、球P1,P2の双方を第2球送球部736に案内することができる。
なお、図1544(a)では、球P1が右側に流れる場合を説明したが、シーソー部材762の傾きが逆となっており、球P1が左側に流れる場合においても、球P2の検出による普通図柄の抽選で選択される作動パターンは第1の作動パターンになり易い。そのため、球P2が移動板部材641に到達する前から電動役物640aが進入状態で維持されることになるので、球P2を第2球送球部736に案内することができる。
なお、本実施形態では、一例として普通図柄の保留球数が1個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第50実施形態での説明と同様に、普通図柄の保留球数を4個で設定しても良い。
次いで、図1562を参照して、第53実施形態について説明する。第50実施形態では、移動板部材641が、第1入賞口64に入球した遊技球を案内する右側案内部643と、第1入賞口64に入球しなかった遊技球を案内する左側案内部645と、を備え、案内部643,645間が仕切られる場合を説明したが、第53実施形態の経路構成装置4700では、第1入賞口64に入球しなかった遊技球が右側案内部643側まで案内可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1562は、第53実施形態における遊技盤13の部分正面図である。図1562に示すように、電動役物4640aの状態が退避状態と進入状態とで切り替えられることで前後方向にスライド移動する移動板部材4641が、右側案内部643と、その右側案内部643の傾斜面643aの傾斜に沿って右側案内部643の左側端部から左上方向に延設される上流側案内部4645と、を備える。
上流側案内部4645は、球を転動させる傾斜面4645aが右側へ向けて下降傾斜しており、その傾斜角度が右側案内部643の傾斜角度と同じ角度(水平に対して約5度)で形成される。
本実施形態では、屈曲部材740の左右内側壁部に、移動板部材4641の上面を転動する球が通過可能となる大きさの開口が形成される。即ち、開口744(図1543(a)参照)と同様の開口部が、屈曲部材740の左右内側壁部(右側案内部643の左側の壁部)に貫通形成される。
これにより、第1送球経路KR1への流入経路として、第1入賞口64を通過した球の経路の他に、上流側案内部4645を転動して右側案内部643に至る経路を用意することができる。
図1562に示すように、上流側案内部4645から右側案内部643を経て球が転動する場合、移動板部材4641の動作タイミング次第で、球が回収孔752に受け入れられる場合もあるし、第2球送球部736に受け入れられる場合もある。
即ち、球が第1送球経路KR1上に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に切り替えられると、球は回収孔752へ向けて流下する。一方で、球がKR1上に配置されている時に依然として電動役物4640aが進入状態を維持していると、球は右側案内部643を右側に通過し、第2球送球部736へ向けて流下する。即ち、厳雄板部材4641の上面を右側へ転動する球を、回収孔752又は第2球送球部736へ向けて流下させることができる。
移動板部材4641は、右下方向に下降傾斜しているが、右打ちにより発射された球が屈曲部材740の上方を左方に通過して移動板部材4641に到達する場合、左方向への勢いで移動板部材4641を左向きに通過する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第1球送球部734の突設縁部734bが、移動板部材4641の左端部よりも上側に張り出すように配設される。即ち、移動板部材4641の左端部を通過しそうになった球を突設縁部734bに衝突させることで、球を跳ね返らせることができ、移動板部材4641の上面において球が右向きに転動する状態を形成し易くすることができる。
更に、球の跳ね返りの反発力が右向きに大きくなるほど、球が移動板部材4641の右端に到達するまでの時間を短縮することができる。即ち、突設縁部734bによって、球が移動板部材4641の左端部から零れ落ちることを防止する効果だけでなく、移動板部材4641が進入状態で維持されている間に球を移動板部材4641の右端部まで到達させ易くすることができる。
なお、移動板部材4641の左端部は球通過孔734aよりも上側に配置されている。そのため、電動役物4640aが進入状態の時に、球が移動板部材4641の上面を左側に進行して、左側端部に到達する直前に移動板部材4641が退避状態に変化する場合、球が放物線を描いて左向きに飛ぶことになり、低確率ではあるが、第1球送球部734の球通過孔734aに球を入球させることができる。
次いで、図1563から図1612を参照し、第54実施形態のパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)B10について説明する。図1563は、第54実施形態におけるパチンコ機B10の正面図であり、図1564はパチンコ機B10の遊技盤B13の正面図であり、図1565はパチンコ機B10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1563に示す状態のパチンコ機B10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1563に示す状態のパチンコ機B10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1564参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機B10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1563に示すように、パチンコ機B10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠B11と、その外枠B11と略同一の外形形状に形成され外枠B11に対して開閉可能に支持された内枠B12とを備えている。外枠B11には、内枠B12を支持するために正面視(図1563参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジB18が取り付けられ、そのヒンジB18が設けられた側を開閉の軸として内枠B12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠B12には、多数の釘BKG1や入賞口B63,B64等を有する遊技盤B13(図1564参照)が着脱可能に装着される。この遊技盤B13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠B12には、球を遊技盤B13の前面領域に発射する球発射ユニットB112a(図1566参照)やその球発射ユニットB112aから発射された球を遊技盤B13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
なお、釘BKG1の図示は、特に詳述しない限り釘BKG1の長さ方向視における外形を示す。即ち、釘BKG1は一般的には正面側の先端部が膨らんだ形状(まち針に類似の形状)で形成されるが、その膨らんだ部分の形状が図示されており、ベース板B60に打ち込まれる細径部の形状は図示されていない。従って、図1564において、釘BKG1間の隙間が球の直径未満の長さであった場合でも、釘BKG1の図示されていない細径部の間の隙間が球の直径以上の長さであれば、球が通過することはあり得る。
内枠B12の前面側には、その前面上側を覆う正面枠B14と、その下側を覆う下皿ユニットB15とが設けられている。正面枠B14および下皿ユニットB15を支持するために正面視(図1563参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジB19が取り付けられ、そのヒンジB19が設けられた側を開閉の軸として正面枠B14および下皿ユニットB15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠B12の施錠と正面枠B14の施錠とは、シリンダ錠B20の鍵穴B21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠B14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部B14cが設けられている。正面枠B14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニットB16が配設され、そのガラスユニットB16を介して遊技盤B13の前面がパチンコ機B10の正面側に視認可能となっている。
正面枠B14には、球を貯留する上皿B17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿B17に賞球や貸出球などが排出される。上皿B17の底面は正面視(図1563参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿B17に投入された球が球発射ユニットB112a(図1566参照)へと案内される。また、上皿B17の上面には、枠ボタンB22が設けられている。この枠ボタンB22は、例えば、第3図柄表示装置B81(図1564参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠B14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部B14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部B29~B33が設けられている。パチンコ機B10においては、これら電飾部B29~B33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部B29~B33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠B14の正面視(図1563参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプB34が設けられている。
また、右側の電飾部B32下側には、正面枠B14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓B35が形成され、遊技盤B13前面の貼着スペースBK1(図1564参照)に貼付される証紙等がパチンコ機B10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機B10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部B29~B33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材B36が取り付けられている。
窓部B14cの下方には、貸球操作部B40が配設されている。貸球操作部B40には、度数表示部B41と、球貸しボタンB42と、返却ボタンB43とが設けられている。パチンコ機B10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部B40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部B41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタンB42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿B17に供給される。返却ボタンB43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿B17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部B40が不要となるが、この場合には、貸球操作部B40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿B17の下側に位置する下皿ユニットB15には、その中央部に上皿B17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿B50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿B50の右側には、球を遊技盤B13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドルB51が配設される。
操作ハンドルB51の内部には、球発射ユニットB112aの駆動を許可するためのタッチセンサB51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチB51bと、操作ハンドルB51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルB51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサB51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤B13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルB51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサB51aおよび発射停止スイッチB51bがオフとなっている。
下皿B50の正面下方部には、下皿B50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーB52が設けられている。この球抜きレバーB52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿B50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーB52の操作は、通常、下皿B50の下方に下皿B50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿B50の右方には、上述したように操作ハンドルB51が配設され、下皿B50の左方には灰皿B53が取り付けられている。
図1564に示すように、遊技盤B13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板B60に、球案内用の多数の釘BKG1や風車BWFの他、レールB61,B62、一般入賞口B63、第1入賞口B64、第2入賞口B640、第3入賞口B64b、可変入賞装置B65、上側可変入賞装置B700、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67、可変表示装置ユニットB80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠B12(図1563参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板B60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板B60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口B63、第1入賞口B64及び第2入賞口B640が配設される入賞ユニットB400、第3入賞口B64bが配設される可変入賞装置B65、上側可変入賞装置B700、可変表示装置ユニットB80は、ルータ加工によってベース板B60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤B13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板B60の構成は樹脂材料に限られるものではない。例えば、薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板B60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成されるようにしても良い。
遊技盤B13の正面中央部分は、正面枠B14の窓部B14c(図1563参照)を通じて内枠B12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1564を参照して、遊技盤B13の構成について説明する。
遊技盤B13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールB62が植立され、その外レールB62の内側位置には外レールB62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールB61が植立される。この内レールB61と外レールB62とにより遊技盤B13の正面外周が囲まれ、遊技盤B13とガラスユニットB16(図1563参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤B13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤B13の正面であって2本のレールB61,B62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材B73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
なお、上述の遊技領域は狭義の解釈であり、広義の意味として、遊技領域を、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域として表現しても良い。この意味において、遊技領域は、遊技盤B13の正面側の領域に限られるものではない。例えば、後述する検出センサB462の上流側経路も遊技領域に含まれ得る。
2本のレールB61,B62は、球発射ユニットB112a(図1566参照)から発射された球を遊技盤B13上部へ案内するために設けられたものである。内レールB61の先端部分(図1564の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤B13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールB62の先端部(図1564の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムB69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムB69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レールB61の右下側の先端部と外レールB62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材B70がベース板B60に打ち込んで固定されている。
遊技盤B13の正面側における遊技領域B301は、内側中央位置に配置されるセンターフレームB86に対して、左側遊技領域B302、右側遊技領域B303及び下側遊技領域B304で大きく分かれている。
左側遊技領域B302は、遊技球の発射強度を抑えて発射する左打ちをされた遊技球が流下する遊技領域であり、右側遊技領域B303は、左打ちよりも遊技球の発射強度を増大させて発射する右打ちをされた遊技球が流下する遊技領域である。また、下側遊技領域B304は、左側遊技領域B302又は右側遊技領域B303を通過した遊技球が流下する遊技領域である。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機B10では、第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口B66,B67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。
第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)では、特別図柄の大当たりか否か(外れか)の当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
第2入賞口B640への入球に対して行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)では、特別図柄の大当たりか、外れか、又は小当たりかの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われ、特別図柄の小当たりと判定された場合にはその小当たり種別の判定も行われる。
即ち、第2入賞口B640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に対して行われる特別図柄の抽選により大当たりか否かの判定が行われることに加えて、大当たりでは無い場合に、小当たりか外れかの判定が行われる。
本実施形態では、外れ以外であるが、大当たりとは異なる性質の当選として小当たりが用意されている。即ち、大当たりは、高確率状態や時短状態などに遊技状態を移行させる契機(遊技の節目)を発生させるが、小当たりは、遊技状態を移行させる契機を発生しない。
なお、高確率状態で小当たりに当選しても、その小当たりの終了を契機として高確率状態が終了することはなく(上限回数に達した場合を除く)、通常状態や時短状態で小当たりに当選しても、その小当たりの終了を契機として高確率状態に移行することはない。但し、小当たりは、大当たりと同様に可変入賞装置B65を作動させる条件を満たすものとして位置づけられている。
なお、本パチンコ機B10では、特別図柄の低確率状態では、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、32分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、大当たりの確率は一例であり、特別図柄の低確率状態における確率が特別図柄の高確率状態における確率の10分の1未満にならない関係を満たす限りにおいて、種々の数値で設定可能である。
なお、説明の便宜上、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ遊技球が入球した場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口B640へ遊技球が入球した場合に行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
また、本パチンコ機B10では、特別図柄の低確率状態では、320分の318の確率で特別図柄2の抽選において特別図柄の小当たりと判定され、特別図柄の高確率状態では、320分の309の確率で特別図柄2の抽選において特別図柄の小当たりと判定される。なお、小当たりの確率は一例であり、種々の数値で設定可能である。
特別図柄の小当たりになる(当選する)と、小当たり遊技が行われて可変入賞装置B65が開閉動作する。遊技者は小当たり遊技中に可変入賞装置B65の内側に配置される特定入賞口B65aに遊技球を入球させることで、ある程度の賞球を獲得することができる。本実施形態の小当たり遊技は、可変入賞装置B65が開放されてから1.8秒後に閉鎖するという動作が実行される。
なお、特別図柄の小当たりにおける可変入賞装置B65の作動パターンとしては、単一のパターンとしても良いし、複数種類のパターンを設けても良い。例えば小当たり種別によって、特定入賞口B65aの開閉動作の回数や、開放および閉鎖時間により設定される作動パターンが異なるように構成されるようにしても良い。具体的には、1.8秒間の開放する作動パターンでも良いし、0.12秒間の開放が数秒間隔で15回(累計1.8秒間の開放)繰り返される作動パターンでも良いし、その他の作動パターンでも良い。
特別図柄の大当たりになる(当選する)と、パチンコ機B10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65a又は上側可変入賞装置B700の第2特定入賞口B700aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aへの入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特別遊技のラウンド数や、特別遊技終了後における電動役物B640aの作動パターンが異なるように構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒~60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて変動表示が行われている間に球が第1入賞口B64、第3入賞口B64b、または第2入賞口B640へと入球すると、その入球回数は入賞口への入球に基づいて行われる抽選に対応する特別図柄の種別(特別図柄1又は特別図柄2)毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置B37A,B37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置B81においても示される。第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて変動表示が終了した場合に、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bについての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口B640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合であっても、特別図柄1と特別図柄2とは、対応する先の特別図柄(特別図柄1又は特別図柄2)の変動表示が終了した場合に、対応する次の特別図柄(特別図柄1又は特別図柄2)の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。換言すれば、対応しない特別図柄(例えば、特別図柄1に対する特別図柄2)の変動が終了していなくても、対応する先の特別図柄の変動表示が終了すれば、対応する次の特別図柄の抽選が行われる。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合であっても、特別図柄1と特別図柄2とは、対応する先の特別図柄の変動表示が終了した場合に、対応する次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始されるよう構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良い。
また、特別図柄2の保留球に基づく抽選が特別図柄1の保留球に基づく抽選よりも優先的に実行されるように構成しても良く、この場合は、特別図柄2の保留球が0個よりも多い状態が維持される間、特別図柄1の保留球に基づく抽選が実行されることを回避できる。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒、2.0秒または3.9秒)だけ第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが駆動され、第2入賞口B640へ球が入球し得る状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口B640へ入球し得る状態となり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置B83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、0.05秒または1秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置B83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口B66,B67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置B37A,B37Bにより表示されると共に、第2図柄保留ランプB84においても示される。第2図柄表示装置B83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口B66,B67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機B10が特別図柄の特殊確変状態(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりA、大当たりa)と、パチンコ機B10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するように構成される場合(例えば、後述する大当たりB、大当たりb、大当たりc)と、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となる場合(例えば、後述する大当たりC、大当たりc)と、が用意されている。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が次に大当たりとなるまでの間継続される場合を説明したが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるようにしても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。また、時短状態となる特別図柄の抽選回数と、特別図柄の確変状態が付与される特別図柄の抽選回数とが異なるように設定されても良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
本実施形態における「特別図柄の特殊確変状態(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の確変中)」は、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時であり、且つ、高頻度で小当たりを伴う状態であり、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い状態で遊技を行いながら、特別遊技状態へ移行する前から、小当たり遊技によってまとまった数の賞球を獲得することができる遊技の状態のことである。普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第2入賞口B640へ球が入賞し易い遊技の状態として形成される。電動役物B640aは、後述する第3の作動パターンで動作される。
本実施形態における「特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)」は、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。普通図柄(第2図柄)の当たり確率はアップして、第3入賞口B64bへ球が入賞し易い遊技の状態として形成される。電動役物B640aは、後述する第2の作動パターンで動作される。
一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、特別図柄の低確率状態の一態様であり、普通図柄の当たり確率はアップして、後述する入賞ユニットB400の作用により第3入賞口B64bへ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。電動役物B640aは、後述する第2の作動パターンで動作される。
また、「通常状態」とは、特別図柄の低確率状態(高確率状態ではない状態)の一態様であり、普通図柄の時短中ではない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率も変化しておらず、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ球が入賞し易いわけでもない状態)のことをいう。電動役物B640aは、後述する第1の作動パターンで動作される。
特別図柄の特殊確変中や、特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aの作動パターンが変更され、基本的に通常状態に比較して、第2入賞口B640又は第3入賞口B64b側に遊技球が案内され易い状態が長い時間維持されるよう設定される。
本実施形態では、電動役物B640aが非励磁とされた状態(非励磁状態、即ち、後述する移動板部材B641が前側位置に配置され第1送球経路BKR1に進入している状態)にある場合は、その電動役物B640aが励磁された状態(励磁状態、即ち、後述する移動板部材B641が後側位置に配置され第1送球経路BKR1から退避している状態)にある場合と比較して、第2入賞口B640又は第3入賞口B64b側に遊技球が案内され易い状態となる。よって、特別図柄の特殊確変中、特別図柄の確変中、及び普通図柄の時短中は、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ球が入球し易い状態となり、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物B640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変化せずに、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが開放される時間、および電動役物B640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが開放される時間や、電動役物B640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図1564の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置B37A,B37Bが配設されている。第1図柄表示装置B37A,B37Bは、主制御装置B110(図1566参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機B10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置B37A,B37Bは、球が、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入賞したか、第2入賞口B640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入賞した場合には、第1図柄表示装置B37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口B640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置B37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置B37A,B37Bは、LEDにより、パチンコ機B10が特殊確変中か確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が特殊確変大当たりに対応した図柄か確変大当たりに対応した図柄か通常大当たりに対応した図柄か小当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機B10の各種遊技状態を示唆することができる。
この第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口B64、第3入賞口B64b、または第2入賞口B640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎(即ち特別図柄の種別ごとであって、特別図柄1に対応する第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球回数と、特別図柄2に対応する第2入賞口B640への入球回数とが別々)にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置B37A,B37Bにより示されると共に、第3図柄表示装置B81においても示される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球、及び第2入賞口B640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
なお、本パチンコ機B10では、第1入賞口B64、第3入賞口B64b又は第2入賞口B640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機B10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R特殊確変大当たり、8R確変大当たり、4R大当たりが用意されている。第1図柄表示装置B37A,B37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R特殊確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に特殊確変状態(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の高確率状態)へ移行する確変大当たりのことであり、「8R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。
また、「4R大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となるか、又は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する大当たりのことである。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口B63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットB80が配設されている。
可変表示装置ユニットB80には、第1入賞口B64、第3入賞口B64b、第2入賞口B640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置B37A,B37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置B81と、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置B83と、普通入賞口B66,B67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプB84と、が設けられている。
また、可変表示装置ユニットB80には、第3図柄表示装置B81の外周を囲むようにして、センターフレームB86が配設されている。このセンターフレームB86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置B81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置B81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置B114(図1566参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中および右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置B81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置B81は、主制御装置B110(図1566参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置B37A,B37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置B37A,B37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置B81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機B10においては、後述する主制御装置B110(図1566参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。
一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。また、特別図柄の抽選結果が小当たりであった場合は、特定の小当たり用図柄が最終的に停止する変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が通常大当たりであれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特殊確変大当たり又は確変大当たりであれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。また、特別図柄の抽選結果が小当たりであれば、「賞球用意」との文字が付加された図柄が表示装置の表示領域の中央に停止する変動表示が行われる。
第2図柄表示装置B83は、球が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機B10では、球が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置B83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置B83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機B10は、第2図柄表示装置B83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口B640に付随された電動役物B640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの上流側に配置される電動役物B640aに遊技球が拾われる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第3入賞口B64b又は第2入賞口B640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物B640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第3入賞口B64b又は第2入賞口B640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物B640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)B66,B67は、可変表示装置ユニットB80の両側の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技領域B301に発射された球の内、左側遊技領域B302又は右側遊技領域B303を流下する球が必ず通過する位置に配設されている(上流側の釘BKG1配置が、球を普通入賞口(スルーゲート)B66,B67に集めるように構成されている)。
なお、遊技領域B301に発射された球と普通入賞口(スルーゲート)B66,B67との関係はこれに限られるものではない。例えば、遊技領域B301に発射された球のうち、流下する球の一部が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過するように構成しても良い。
球の普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置B37A,B37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプB84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプB84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置B81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置B83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置B37A,B37B及び第3図柄表示装置B81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプB84の点灯を第3図柄表示装置B81の一部で行うようにしても良い。また、第1図柄表示装置B37A,B37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプB84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
また、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、ベース板B60に配設される普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、1つでも良いし、その他の複数(例えば、3つ以上)であっても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67の組み付け位置は可変表示装置ユニットB80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットB80の左右いずれか一方でも良いし、可変表示装置ユニットB80の上方や下方でも良い。
可変表示装置ユニットB80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口B64が配設されている。この第1入賞口B64へ球が入賞すると遊技盤B13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(後述する検出センサB442)に球の通過が検出され、第1入賞口スイッチがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図1566参照)で特別図柄1の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置B37Aで示される。
一方、第1入賞口B64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口B640が配設されている。第2入賞口B640へ球が入賞すると遊技盤B13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(後述する検出センサB462)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図1566参照)で特別図柄2の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置B37Bで示される。
なお、第2入賞口B640へは、入賞ユニットB400の内部を経由した球のみが入賞するよう構成され、入賞ユニットB400を介さない入賞が防止されるよう構成されているが、詳細は後述する。
また、第2入賞口B640の正面視下方には、球が入賞し得る第3入賞口B64bが配設されている。第3入賞口B64bへ球が入賞すると遊技盤B13の裏面側に設けられる第3入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第3入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図1566参照)で特別図柄1の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置B37Aで示される。
なお、第3入賞口B64bへは、入賞ユニットB400の内部を経由した球のみが入賞するよう構成され、入賞ユニットB400を介さない入賞が防止されるよう構成されているが、詳細は後述する。
また、第1入賞口B64、第3入賞口B64b及び第2入賞口B640は、それぞれ、球が入賞すると、第1入賞口スイッチ、第3入賞口スイッチ又は第2入賞口スイッチがオンとなることに基づいて5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。
なお、本実施形態においては、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口B640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口B640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口B640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数や賞球数の大小関係を逆にしても良い。
第2入賞口B640(及び第3入賞口B64b)には電動役物B640aが付随されている。この電動役物B640aは、通常は電動役物B640aが非励磁状態(前進閉鎖状態)となって、球が第2入賞口B640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置B83に表示された場合、電動役物B640aが励磁状態(後退開放状態)となり、球が第2入賞口B640へ入賞しやすい状態となる。
特別図柄の特殊確変中は、通常状態に比較して、第2入賞口B640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口B64は、第2入賞口B640に設けられているような電動役物B640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口B64に球が入賞した場合と第2入賞口B640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(特別遊技状態における賞球個数)が得られる大当たり(大当たりA,a)となる確率は、第2入賞口B640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口B64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
よって、通常中においては、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの上流側に配置される電動役物B640aにより、遊技球が第2入賞口B640に入賞しづらいので、電動役物B640aのない第1入賞口B64へ球が到達し易い発射強度で球を発射し、第1入賞口B64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の特殊確変中や特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67に球を通過させることで、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの上流側に配置される電動役物B640aが動作制御された場合に電動役物B640aに球が拾われ易く、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bに入賞しやすい状態であるので、電動役物B640aへ球が到達し易い発射強度で球を発射し、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過させて電動役物B640aを動作させると共に、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへの入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機B10は、パチンコ機B10の遊技状態(特殊確変状態であるか、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか等)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を、第1入賞口B64に球が到達し易い発射強度での発射と、電動役物B640aへ球が到達し易い発射強度での発射とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
なお、本実施形態では、大当たり遊技中においては、電動役物B640aが特別図柄の通常状態と同様の作動パターンで駆動される。そのため、大当たり遊技中において第2入賞口B640や第3入賞口B64bに入球し難いよう構成することができる。
なお、本実施形態では、左側遊技領域B302を流下した球も、右側流下領域B303を流下した球も、第1入賞口B64又は電動役物B640aに到達し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口B64へは左側流下領域B302を流下した球のみが到達し、電動役物B640aへは右側流下領域B303を流下した球のみが到達するよう構成しても良い。
この場合、通常中においては、第1入賞口B64へ向けて、可変表示装置ユニットB80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口B64への入賞によって大当たりの抽選の機械を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の特殊確変中や特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67に球を通過させることで、第2入賞口B640に付随する電動役物B640aが動作制御された場合に電動役物B640aに球が拾われ易く、第2入賞口B640に入賞しやすい状態であるので、電動役物B640aが配置される側へ向けて、可変表示装置ユニットB80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)B67を通過させて電動役物B640aを動作させると共に、第2入賞口B640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
これにより、パチンコ機B10の遊技状態に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
また、この場合、「右打ち」を行うべき状況において、第3図柄表示装置B81に特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の(特殊)確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成しても良い。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置B81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤B13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
また、「左打ち」をすべき状況にも関わらず、遊技者が「右打ち」を実行している場合に、推奨される遊技態様と、実行中の遊技態様とが異なることを遊技者に対して報知できることが好ましい。例えば、第3図柄表示装置B81において警告画像を表示するようにしても良い。
この警告画像は、遊技者が遊技盤B13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置B81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
例えば、通常状態において電動役物B640aが第2入賞口B640に球を案内し難いよう制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口B640へと球を入球させにくい)パチンコ機を想定する。この場合、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口B64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成する。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置B81の画面に、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
右打ちを行っているか否かの判断方法としては、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)B67(図1564参照)に対して球が入球したか否かによって判断するようにすれば良い。
また、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)B67(図1564参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成することが容易だが、これに限られるものではない。例えば、大当たり遊技中や小当たり遊技中以外の状態において、特定入賞口B65aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置B65に負荷を与えて特定入賞口B65aを開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、大当たり遊技中や小当たり遊技中以外の状態において、特定入賞口B65aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機B10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニットB80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニットB80の最上位置(図1564における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
本実施形態では、第1入賞口B64の下側には可変入賞装置B65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)B65aが設けられている。
パチンコ機B10においては、第2入賞口B640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で小当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、小当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置B37A又は第1図柄表示装置B37Bを点灯させる。加えて、その小当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置B81に表示させて、小当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技として、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65aが、所定時間(例えば、1.8秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
また、パチンコ機B10においては、第1入賞口B64、第3入賞口B64b、または第2入賞口B640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置B37A又は第1図柄表示装置B37Bを点灯させる。加えて、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置B81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置B65は、具体的には、特定入賞口B65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口B65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前方に傾倒させ、球が特定入賞口B65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。なお、第2特定入賞口B700aの開閉態様については後述する。
可変入賞装置B65は、入賞ユニットB400の内部を経由した球のみでなく、入賞ユニットB400には入球せずに入賞ユニットB400の左右外方を釘BKG1に案内されて流下する球も入球し得るように、横方向の長さが設計されている。即ち、特定入賞口B65aの横幅は、入賞ユニットB400の横幅よりも長くなるように設計されている。
入賞ユニットB400の内部に案内され易いか否かは、入賞ユニットB400よりも上流側に配設される釘BKG1の状態によって変化するが、本実施形態では、釘BKG1の状態によって、遊技者が有利になりすぎたり不利になりすぎたりすることを防止することができる(有利さのバランスをとることができる)。
即ち、例えば、入賞ユニットB400の内部に球が高い確率で案内され易い場合、入賞ユニットB400の内部を介して球が案内される第2入賞口B640や第3入賞口B64bに球を通過させて抽選を受ける時短中や、確変中においては、特別図柄の抽選を頻繁に受けることができ遊技者にとって有利となる。
一方で、大当たり遊技や小当たり遊技において可変入賞装置B65に球を入球させる場合には、入賞ユニットB400の内部に入った球は可変入賞装置B65に到達する前に第2入賞口B640や第3入賞口B64bに拾われてしまい、特定入賞口B65aにまで到達する球は少なくなる。加えて、入賞ユニットB400から逸れて、入賞ユニットB400の左右外方を流下する球も少ないとなれば、特定入賞口B65aへの入球により頻度よく賞球の払い出しを受けるという遊技には不利である。
また、例えば、入賞ユニットB400の内部に球が案内される確率が低い場合、入賞ユニットB400の内部を介して球が案内される第2入賞口B640や第3入賞口B64bに球を通過させて抽選を受ける時短中や、確変中においては、特別図柄の抽選を受ける間隔が長くなり易く、遊技効率の面から遊技者にとって不利となる。
一方で、大当たり遊技や小当たり遊技において可変入賞装置B65に球を入球させる場合には、入賞ユニットB400の内部に入る球自体が少ないので、第2入賞口B640や第3入賞口B64bに拾われてしまい、特定入賞口B65aにまで到達することができないという球自体が少なくなる。加えて、入賞ユニットB400から逸れて、入賞ユニットB400の左右外方を流下する球は多くなるので、特定入賞口B65aが開状態となった時に、多数の球を特定入賞口B65aに入球させ、多量の賞球の払い出しを受けることが期待できるので、遊技者にとって有利となる。
このように、釘BKG1の状態によって入賞ユニットB400の内部に球が案内され易い場合と球が案内され難い場合とが生じたとしても、釘BKG1の状態が、特別図柄の抽選を獲得し大当たりを目指す期間において遊技者にとって有利に働く場合には、大当たり遊技中において遊技者にとって不利に働かせることができる一方で、釘BKG1の状態が、特別図柄の抽選を獲得し大当たりを目指す期間において遊技者にとって不利に働く場合には、大当たり遊技中において遊技者にとって有利に働かせることができる。これにより、釘BKG1の状態によって、遊技者が有利になりすぎたり不利になりすぎたりすることを防止することができる(有利さのバランスをとることができる)。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置B37A,B37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが所定時間開放され、その特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aの開放中に、球が特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700a内へ入賞することを契機として特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
また、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aは2つに限るものではなく、1つや、3以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口B64の下側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットB80の左右側や上側でも良い。
遊技盤B13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースBK1が設けられ、貼着スペースBK1に貼られた証紙等は、正面枠B14の小窓B35(図1563参照)を通じて視認することができる。
遊技盤B13には、第1アウト口B71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口B63,B64,B64b,B65a,B640,B700aにも入賞しなかった球は、第1アウト口B71、左アウト口B71L又は右アウト口B71Rを通って図示しない球排出路へと案内される。
第1アウト口B71は、第1入賞口B64の下方に配設される。左アウト口B71Lは、特定入賞口B65aの左方に配設され、右アウト口B71Rは、特定入賞口B65aの右方に配設される。
本実施形態では、特定入賞口B65aの配置を遊技領域の下縁付近としているので、内レールB61と特定入賞口B65aとの間の隙間が狭い。そのため、特定入賞口B65aの左右外方において遊技領域の下縁を転動する複数の球が全て第1アウト口B71へ向かうように構成すると、内レールB61と特定入賞口B65aとの間に球詰まりが生じる可能性があり、遊技を中断させる要因となる。
これに対し、本実施形態では、左アウト口B71L及び右アウト口B71Rが配設されることで、特定入賞口B65aの左右外方において遊技領域の下縁を転動する球が第1アウト口B71へ向かう前に、その球を、左アウト口B71L又は右アウト口B71Rを通って図示しない球排出路へと排出することができる。これにより、内レールB61と特定入賞口B65aとの間で球詰まりが生じる事態を回避することができるので、遊技が中断することを回避することができる。
遊技盤B13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘BKG1が植設されているとともに、風車BWF等の各種部材(役物)とが配設されている。
図1565に示すように、パチンコ機B10の背面側には、制御基板ユニットB90,B91と、裏パックユニットB94とが主に備えられている。制御基板ユニットB90は、主基板(主制御装置B110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置B113)と表示制御基板(表示制御装置B114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットB91は、払出制御基板(払出制御装置B111)と発射制御基板(発射制御装置B112)と電源基板(電源装置B115)とカードユニット接続基板B116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットB94は、保護カバー部を形成する裏パックB92と払出ユニットB93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置B110、音声ランプ制御装置B113および表示制御装置B114、払出制御装置B111および発射制御装置B112、電源装置B115、カードユニット接続基板B116は、それぞれ基板ボックスB100~B104に収納されている。基板ボックスB100~B104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスB100(主制御装置B110)および基板ボックスB102(払出制御装置B111および発射制御装置B112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスB100,B102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスB100,B102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスB100,B102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットB93は、裏パックユニットB94の最上部に位置して上方に開口したタンクB130と、タンクB130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールB131と、タンクレールB131の下流側に縦向きに連結されるケースレールB132と、ケースレールB132の最下流部に設けられ、払出モータB216(図1566参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置B133とを備えている。タンクB130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置B133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールB131には、当該タンクレールB131に振動を付加するためのバイブレータB134が取り付けられている。
また、払出制御装置B111には状態復帰スイッチB120が設けられ、発射制御装置B112には可変抵抗器の操作つまみB121が設けられ、電源装置B115にはRAM消去スイッチB122が設けられている。状態復帰スイッチB120は、例えば、払出モータB216(図1566参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみB121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチB122は、パチンコ機B10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図1566を参照して、本パチンコ機B10の電気的構成について説明する。図1566は、パチンコ機B10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置B110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPUB201が搭載されている。MPUB201には、該MPUB201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMB202と、そのROMB202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMB203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置B110では、MPUB201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置B37A,B37Bおよび第3図柄表示装置B81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機B10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置B111や音声ランプ制御装置B113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置B110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置B110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMB203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUB201の内部レジスタの内容やMPUB201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMB203は、パチンコ機B10の電源の遮断後においても電源装置B115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMB203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMB203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMB203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機B10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMB203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMB203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUB201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路B252からの停電信号BSG1が入力されるように構成されており、その停電信号BSG1がMPUB201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置B110のMPUB201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインB204を介して入出力ポートB205が接続されている。入出力ポートB205には、払出制御装置B111、音声ランプ制御装置B113、第1図柄表示装置B37A,B37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口B65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドB209が接続され、MPUB201は、入出力ポートB205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポートB205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチB208、電源装置B115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路B253が接続され、MPUB201は各種スイッチB208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路B253より出力されるRAM消去信号BSG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置B111は、払出モータB216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUB211は、そのMPUB211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMB212と、ワークメモリ等として使用されるRAMB213とを有している。
払出制御装置B111のRAMB213は、主制御装置B110のRAMB203と同様に、MPUB211の内部レジスタの内容やMPUB211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMB213は、パチンコ機B10の電源の遮断後においても電源装置B115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMB213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置B110のMPUB201と同様、MPUB211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路B252から停電信号BSG1が入力されるように構成されており、その停電信号BSG1がMPUB211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置B111のMPUB211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインB214を介して入出力ポートB215が接続されている。入出力ポートB215には、主制御装置B110や払出モータB216、発射制御装置B112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置B111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置B111に接続されるが、主制御装置B110には接続されていない。
発射制御装置B112は、主制御装置B110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルB51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットB112aを制御するものである。球発射ユニットB112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルB51に触れていることをタッチセンサB51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチB51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルB51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドルB51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置B113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)B226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部B29~B33、表示ランプB34など)B227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置B114で行われる第3図柄表示装置B81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUB221は、そのMPUB221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMB222と、ワークメモリ等として使用されるRAMB223とを有している。
音声ランプ制御装置B113のMPUB221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインB224を介して入出力ポートB225が接続されている。入出力ポートB225には、主制御装置B110、表示制御装置B114、音声出力装置B226、ランプ表示装置B227、その他装置B228、枠ボタンB22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置B113は、主制御装置B110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置B81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置B114へ通知する。また、音声ランプ制御装置B113は、枠ボタンB22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタンB22が操作された場合は、第3図柄表示装置B81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置B114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置B81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置B114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置B81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置B114は、この音声ランプ制御装置B113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置B81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置B113は、表示制御装置B114から第3図柄表示装置B81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置B113では、表示制御装置B114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置B81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置B226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置B227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置B114は、音声ランプ制御装置B113および第3図柄表示装置B81が接続され、音声ランプ制御装置B113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置B81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置B114は、第3図柄表示装置B81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置B113へ送信する。音声ランプ制御装置B113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置B226から音声を出力することで、第3図柄表示装置B81の表示と音声出力装置B226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置B115は、パチンコ機B10の各部に電源を供給するための電源部B251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路B252と、RAM消去スイッチB122(図1565参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路B253とを有している。電源部B251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置B110~B114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部B251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチB208などの各種スイッチや、ソレノイドB209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置B110~B114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路B252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置B110のMPUB201および払出制御装置B111のMPUB211の各NMI端子へ停電信号BSG1を出力するための回路である。停電監視回路B252は、電源部B251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号BSG1を主制御装置B110および払出制御装置B111へ出力する。停電信号BSG1の出力によって、主制御装置B110および払出制御装置B111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部B251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置B110および払出制御装置B111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路B253は、RAM消去スイッチB122(図1565参照)が押下された場合に、主制御装置B110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号BSG2を出力するための回路である。主制御装置B110は、パチンコ機B10の電源投入時に、RAM消去信号BSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置B111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置B111に対して送信する。
次いで、入賞ユニットB400の全体構成について説明する。図1567は、入賞ユニットB400の正面斜視図であり、図1568は、入賞ユニットB400の背面斜視図である。図1567及び図1568に示すように、入賞ユニットB400は、ベース板B60(図1564参照)の開口部を塞ぐようにしてベース板B60の正面に締結固定される場合にベース板B60に螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通孔B411が穿設される板部材B410を備える。
即ち、板部材B410よりも正面側の部分は、ベース板B60(図1564参照)とガラスユニットB16(図1563参照)との間に配設される部分であり、板部材B410よりも背面側の部分は、ベース板B60のガラスユニットB16に対向する前側面よりも背面側に配設される部分である。
入賞ユニットB400の板部材B410は、上端部左右中央位置に、上方からの球を受け、その球を後方へ送球可能な形状で形成される球受部B412を備え、球受部B412から後方へ送球された球が遊技盤B13の第1入賞口B64(図1564参照)に入球する。
入賞ユニットB400の内側に案内された球の内、一部の球は第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図1564参照)に入賞するよう構成されている。その球は、入賞ユニットB400の内側において一度後方へ送球されてから、流下方向が前後逆転し、再び板部材B410の正面側に配置された後で、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ入賞するが、球の流下の詳細は後述する。
図1569及び図1571は、入賞ユニットB400の分解正面斜視図であり、図1570及び図1572は、入賞ユニットB400の分解背面斜視図である。図1569及び図1570では、電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)が図示され、図1571及び図1572では、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)が図示される。なお、非励磁状態と励磁状態とにおける電動役物B640aの配置の詳細については後述する。
図1569から図1572に図示されるように、入賞ユニットB400は、ベース板B60(図1564参照)に締結固定される板部材B410と、その板部材B410の正面側に配設され板部材B410に締結固定される前意匠部材B420と、板部材B410の背面側に配設され板部材B410に締結固定される中段部材B430と、その中段部材B430の上側に配設され中段部材B430に締結固定される上段部材B440と、中段部材B430と上段部材B440との間において中段部材B430に前後スライド移動可能に支持され電動役物B640aを構成するスライド部材B450と、を備える。
板部材B410は、光透過性の樹脂材料から形成され、左右中央位置において球が通過可能の左右幅で上下方向に長い略矩形状で穿設される中央開口部B413と、その中央開口部B413の上端部よりも右上側においてスライド部材B450の前側先端部に乗った後の球が通過可能な大きさで穿設される球通過開口B414と、その球通過開口B414の下側に連続的に形成され球通過開口B414の左右幅よりも左右外側に拡大されスライド部材B450が挿通可能とされる摺動開口B415と、その摺動開口B415の下側に連続的に形成され中段部材B430の突出部B437aの外形に対応する略矩形状で穿設され突出部B437aが挿通支持される支持開口B416と、その支持開口B416の下側に連続的に形成され球が通過可能な左右幅で穿設される球排出開口B417と、を備える。
なお、球通過開口B414、摺動開口B415、支持開口B416及び球排出開口B417は、左右対称に構成されることから、左側の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
中央開口部B413は、中段部材B430の中央流路B431に案内され正面側へ流下した球が正面側に通過する開口である。また、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)では、球が背面側に通過して第2入賞口スイッチ(後述する検出センサB462)に案内される開口としても機能するが、詳細は後述する。
球通過開口B414は、板部材B410の正面側において非励磁状態(図1567参照)におけるスライド部材B450に乗った球が通過可能となる開口である。即ち、スライド部材B450上に受け止められた球は球通過開口B414を通過することで板部材B410の背面側に案内される。
摺動開口B415は、スライド部材B450の前後動作時においてスライド部材B450の先端部B451を摺動させる態様で支持する開口である。板部材B410は、摺動開口B415の左右端部から、摺動開口B415の内側面の形状を維持しながら後方に延設されるスライド支持部B418を備える。これにより、摺動開口B415よりも後方位置でスライド部材B450を支持することができるので、スライド部材B450が摺動開口B415の前後幅以上の変位幅でスライド変位する場合であっても、スライド部材B450の変位を安定させることができる。
支持開口B416を通して、中段部材B430の突出部B437aが正面側に張り出される。中段部材B430の突出部B437aには、板部材B410よりも前側において球の通過を検出可能な検出センサB435の開口B435aが配設されている。即ち、非励磁状態のスライド部材B450に受け止められた球の内、スライド部材B450が励磁状態とされる前に球通過開口B414を通過しなかった球は、その真下において支持開口B416の前側に配設される開口B435aを通過する。
球排出開口B417は、支持開口B416の前側に配設される開口B435aを通過した球の通過を許容して、背面側に送球するための開口部である。
前意匠部材B420は、光透過性の樹脂材料から形成され、意匠面を構成する前板部B421と、その前板部B421の左右中央位置上端部において球受部B412の下縁部を受け入れ可能な形状で背面側に突設形成される接合部B422と、その接合部B422の下端部から左右一対で下方に延設される一対の仕切り板B423と、その仕切り板B423の下側部において中段部材B430の突出部B437aを支持可能な高さ位置で左右外方に突出形成される支持部B424と、その支持部B424よりも下側において球の流下経路を構成する湾曲壁として前板部B421から後方に突出形成される湾曲壁部B425と、接合部B422の上縁部から左右外側へ向けて突設形成され球の流下方向を変化可能に形成される左右一対の軒部B426と、その軒部B426よりも左右外側かつ下側において前板部B421の後側面から後側に突設形成される左右一対の球案内突条B427と、を備える。
前意匠部材B420が光透過性の樹脂材料から形成されていることから、前板部B421が前側から覆う態様であっても、前板部B421を通してその背面側の構成や、流下する球を視認することができる。即ち、電動役物B640a(スライド部材B450や、傾倒部材B470)の状態や、前板部B421の背面側における球の流下態様を、遊技者は視認することができる。
接合部B422が、板部材B410の球受部B412の下縁との継ぎ目が目立たないように球受部B412を受入可能な形状から形成されているので、球受部B412と前板部B421とを正面視で一体的に見せることができる(図1567参照)。
そのため、球受部B412と前板部B421とに別々の意匠を形成する設計ばかりでなく、球受部B412と前板部B421とを組み合わせて完成する意匠を形成するよう設計しても良い。
接合部B422は、板部材B410の正面側における球の流下方向を制限する機能をも有している。即ち、非励磁状態のスライド部材B450上に受け止められた球が左右内側に流下する勢いで、直接左右中央位置に流れ込むことは、接合部B422と衝突することにより防止される。即ち、スライド部材B450上に受け止められた球の流下経路は、スライド部材B450の状態と、接合部B422とにより制限されることになる。
そのため、非励磁状態のスライド部材B450に受け止められた球はスライド部材B450に乗って後方へ案内されるか、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられることで、支持開口B416の前側に配設される開口B435aへ案内されることになる。
仕切り板B423は、板部材B410の正面側における球の流下方向を制限する機能を有している。即ち、仕切り板B423が配設されることにより、中央開口部B413を正面側に通過した球が左右外側に排出されることを防止して、専ら下方に流下するように球の流下経路を制限している。
湾曲壁部B425は、球の流下経路が左右外側へ流れるように形成されている。これにより、湾曲壁部B425に案内されて球排出開口B417を通り後方へ流れる球と、中央開口部B413を通り後方へ流れる球と、を正面視で区別し易くしている。
また、球の流下経路が左右外側へ流れないよう形成される場合と異なり、中央開口部B413の前後位置と球排出開口B417の前後位置との左右間隔を空けることで、特定の部材を配置するスペースを確保することができる。なお、本実施形態では、電動役物B640aに駆動力を伝達させるための部材(第1部材B481)を配置するためのスペース(受入凹部B465)が形成されるが、詳細は後述する。
軒部B426は、上側面が、接合部B422の上側面と同一傾斜の平滑面として形成され、接合部B422の左右側上側面に乗った球の流下方向を左右外側方向へ切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
球案内突条B427は、スライド部材B450に乗った球の内、検出センサB435の開口B435aへ向けて流下する球の流下経路に沿って形成されており、流下する球と接触する部分として機能する。
これにより、長期間使用して球と擦れることにより前板部B421の後側面が摩耗してすり減る場合であっても、球案内突条B427の先端部からすり減らすことができるので、球と前板部B421の後側面との接触面積を小さいまま維持することができる。
また、前意匠部材B420は光透過性の樹脂材料から形成されているので、正面側に生じるか背面側に生じるかに寄らず、擦り傷により透過の程度が低下する。換言すれば、擦り傷が発生する面積が大きいほど、前意匠部材B420を通して前意匠部材B420の後ろ側に配設される部材を視認し難くなる。本実施形態では、前意匠部材B420の背面側を流下する球の視認性を確保するために、前意匠部材B420の透過の程度を高く維持しておくことが望ましい。
これに対し、本実施形態では、擦り傷の発生箇所を、球案内突条B427に限定することができるので、前意匠部材B420に生じる擦り傷を最低限に抑え、且つ、流下する球の視認性を確保することができる。
中段部材B430は、スライド部材B450を下支えする部材であって、スライド部材B450に左右方向から挟まれる位置に形成される中央流路B431と、非励磁状態におけるスライド部材B450の下側に配設される左右一対の検出センサB435と、を備える。
中央流路B431は、球の直径よりも若干長い左右幅で形成され正面側へ向けて下降傾斜する底面部B431aと、底面部B431aの左右において球の通過を防止するように上方へ立設される左壁部B432及び右壁部B433と、底壁部431aの後方において球の通過を防止するように上方へ立設される後壁部B434と、を備える。
左壁部B432は、後壁部B434との間に球の直径よりも若干長い前後幅の隙間B432aを確保するよう構成され、右壁部B433は、後壁部B434との間に球の直径よりも若干長い前後幅の隙間B433aを確保するよう構成される。
隙間B433aは、隙間B432aよりも正面側にずれた位置に配置されている。本実施形態では、隙間B432aの前側端部と隙間B433aの後側端部との前後方向位置がおおよそ合致するよう隙間B432a,B433aが配設される。
左壁部B432は、後端部から上半部が切り欠かれたような形状で位置合わせ部B432bが形成される。右壁部B433は、後端部から上半部が切り欠かれたような形状で位置合わせ部B433bが形成される。位置合わせ部B432b,B433bは、上段部材B440を中段部材B430に組み付ける際の位置合わせに利用されるが、詳細は後述する。
左壁部B432は、後側部において、中央流路B431に面する右側面は平滑面とされる一方で、中央流路B431に面していない左側面に前側部よりも左右幅が短くなるよう切欠き部B432cが形成される。
右壁部B433は、後側部において、中央流路B431に面する左側面は平滑面とされる一方で、中央流路B431に面していない右側面に前側部よりも左右幅が短くなるよう切欠き部B433cが形成される。
切欠き部B432c,B433cは、同様の前後幅で形成され、スライド移動時のスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aとの干渉を回避するよう機能するが、詳細は後述する。
後壁部B434は、隙間B432a,B433aの後端部を結ぶ湾曲壁部として形成される。これにより、隙間B432aを通過して後壁部B434に当接した球を、正面側へ滑らかに方向転換させることができる。
検出センサB435は、球の通過が検出されても図柄の抽選を伴わない検出センサとして構成される。即ち、球が検出センサB435を通過した場合に、特別図柄の抽選も普通図柄の抽選も実行されず、賞球の払い出しが実行される。本実施形態では、検出センサB435に1個の球の入賞が検出されることに対応して、5個の賞球が払い出されるよう制御される。
上段部材B440は、光透過性の樹脂材料から形成され、球受部B412に受け入れられた球が流下するための後方へ下降傾斜する流路を構成する上側流路構成部B441と、その上側流路構成部B441を流下した球を検出する検出センサB442と、上側流路構成部B441の上蓋として締結固定され検出センサB442を上側流路構成部B441に固定するための上蓋部材B443と、少なくとも中段部材B430の中央流路B431の天井部を構成する天井構成部B444と、スライド部材B450の上面を転動する球の流下を案内する左側壁部B445及び右側壁部B446と、を備える。
上段部材B440が光透過性の樹脂材料から形成されていることで、ベース板B60を介して入賞ユニットB400を見下ろす遊技者視線において、上段部材B440の下側にある球流路(中央流路B431及びスライド部材B450に案内される流路)を、上段部材B440越しに視認させることができる。即ち、遊技者は、スライド部材B450上を転動し、中央流路B431を流下する球を視認することができる。
検出センサB442は、第1入賞口B64(図1564参照)に入球した球を検出する。即ち、球が検出センサB442を通過した場合に、特別図柄1の抽選が実行され、賞球の払い出しが実行される。
上蓋部材B443は、左側へ球が流れる経路が左側壁部B445の後端部よりも後側に配置されている。これにより、上側流路構成部B441を流下する球が左壁部445により案内される流路の上側に配置される事態が生じることを回避することができる。これにより、左壁部445により案内される球の視認性が、上側流路構成部B441を流下する球により低下することを回避することができる。
左側壁部B445は、前後方向に延び、後方端部で左右中央側へ向けて湾曲する壁部として形成される。湾曲部分の左右中央側の先端部の前後位置は、中段部材B430の後壁部B434の左側端部の前後位置と合致する。
右側壁部B446は、前後方向に延び、後方端部で左右中央側へ向けて湾曲する壁部として形成される。湾曲部分の左右中央側の先端部の前後位置は、中段部材B430の後壁部B434の右側端部の前後位置と合致する。
即ち、左側壁部B445及び右側壁部B446は共に、中段部材B430の隙間B432a,B433aの後端部を形成する後壁部B434と連なるように形成され、隙間B432a,B433aに球を案内するよう構成されている。つまり、左側壁部B445の後端部よりも、右側壁部B446の後端部の方が、正面側にずれた位置に配置されている。
スライド部材B450は、非透過性の樹脂材料から形成され、左右一対の先端部B451と、その先端部B451の左右内側部から後方に延設される左案内板部B452及び右案内板部B453と、左案内板部B452及び右案内板部B453を後方端部において連結固定する中央固定部B454と、を備える。
スライド部材B450が非透過性の樹脂材料から形成されることにより、スライド部材B450の下側を流下する球(例えば、下段部材B460の左右経路B463を流下する球)をスライド部材B450により隠す(見え難いように遮蔽する)ことができる。これにより、中段部材B430が光透過性の樹脂材料から形成される場合においても、スライド部材B450上を転動する球と、スライド部材B450の下側を流下する球(例えば、下段部材B460の左右経路B463を流下する球)とが、遊技者目線(入賞ユニットB400を正面側から斜め下方向に見下ろす目線)方向で重なって見える事態の発生を回避することができる。
一対の先端部B451は、中央流路B431を挟んで左右対称形状に形成されると共に、中央流路B431を挟んで左右対称の位置に配置され、水平に対する同角度で左右一対が左右内側へ向けて下降傾斜し、且つ、後側へ向けて左右一対が同角度で下降傾斜する姿勢の板状に形成されている。
左案内板部B452及び右案内板部B453は、先端部B451の傾斜に従いながら後方へ延設されており、その延設長さは、左案内板部B452の方が右案内板部B453よりも長い。従って、後端部における上下位置は、左案内板部B452の方が、右案内板部B453よりも低い。
左案内板部B452は、後側略半部の右縁部付近に、板上面の右方へ向けた下降傾斜の程度が大きくなるように形成される傾斜面部B452aを備える。また、右案内板部B453は、後側略半部の左縁部付近に、板上面の左方へ向けた下降傾斜の程度が大きくなるように形成される傾斜面部B453aを備える。
傾斜面部B452a,B453aは、スライド部材B450が、非励磁状態か、励磁状態かに関わらず、隙間B432a,B433aに対して左右方向で対向配置されるのに十分な前後幅で形成される。
即ち、スライド部材B450の上面を転動する球が隙間B432a,B433aを通過するタイミングにおいて、スライド部材B450が非励磁状態か、励磁状態かに関わらず、球を傾斜面部B452a,B453aの傾斜に沿って流すことができるので、流下方向を左右内側へ向く方向に寄せることができる。
右案内板部B453の方が延設長さを短くされることから、右案内板部B453の後側にスペースを確保することが可能である。本実施形態では、その空いたスペースに電動役物B640aを駆動するためのソレノイドBSOL41を配設することで、入賞ユニットB400をソレノイドBSOL41の収まりよく(上面視で略正方形となる形状で)構成することができる。
なお、傾斜面部B452a,B453aの形成幅(左右幅)は任意に設定可能とされる。例えば、中央流路B431の底面部B431aの上方側まで張り出し、上面視で部分的に重なるように構成しても良い。この場合、球の流下をスムーズにすることができる。
図1573及び図1575は、入賞ユニットB400の分解正面斜視図であり、図1574及び図1576は、入賞ユニットB400の分解背面斜視図である。図1573から図1576では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、中段部材B430よりも下層の部材についても分解して図示される。また、図1573及び図1574では、入賞ユニットB400を斜め上から視認する状態が図示され、図1575及び図1576では、入賞ユニットB400を斜め下から視認する状態が図示される。
入賞ユニットB400は、中段部材B430の下側に配設され中段部材B430に締結固定される下段部材B460と、中段部材B430と下段部材B460との間において下段部材B460に前後傾倒可能に支持され電動役物B640aを構成する傾倒部材B470と、ソレノイドBSOL41の駆動力をスライド部材B450及び傾倒部材B470に伝達する伝達部材B480と、を備える。
まず、図1573から図1576を参照して、入賞ユニットB400の、板部材B410、前意匠部材B420、中段部材B430、上段部材B440及びスライド部材B450の構成について追加の説明をする。
前意匠部材B420は、一対の仕切り板B423の左右中間位置から左右外側に若干ずれた位置において、球の流下を案内する一対の突条部として形成される球案内突条B428を備える。
球案内突条B428の突設先端部(後端部)は、前側へ向けて下降傾斜する形状とされているので、後側から到達した球が案内される場合に、球に下向きの負荷を与えやすくすることができ、球が後側に跳ね返ることを回避し易くすることができる。
球案内突条B428は、板部材B410の中央開口部B413を正面側に通過した球の流下経路に沿って形成されており、流下する球と接触する部分として機能する。球案内突条B428は、流下する球の左右中心よりも左右外側にずれた一対の突条から形成されている。これにより、球案内突条B428の左右内側角部に球が接触し易くすることができるので、球案内突条B428の摩耗が角部から生じるようにすることができる。これにより、球案内突条B428の左右中央部の破損を抑制することができる。
これにより、長期間使用して球と擦れることにより前板部B421の後側面が摩耗してすり減る場合であっても、球案内突条B428の先端部からすり減らすことができるので、球と前板部B421の後側面との接触面積を小さいまま維持することができる。
また、前意匠部材B420は光透過性の樹脂材料から形成されているので、正面側に生じるか背面側に生じるかに寄らず、擦り傷により透過の程度が低下する。換言すれば、擦り傷が発生する面積が大きいほど、前意匠部材B420を通して前意匠部材B420の後ろ側に配設される部材を視認し難くなる。本実施形態では、前意匠部材B420の背面側を流下する球の視認性を確保するために、前意匠部材B420の透過の程度を高く維持しておくことが望ましい。
これに対し、本実施形態では、擦り傷の発生箇所を、球案内突条B428に限定することができるので、前意匠部材B420に生じる擦り傷を最低限に抑え、且つ、流下する球の視認性を確保することができる。
中段部材B430は、左壁部B432及び右壁部B433よりも左右外側に延設され検出センサB435を上側から押さえて支える支持延設部B436と、検出センサB435を乗せる板形状部材であって支持延設部B436が左右端部において締結固定されるベース板B437と、を備える。
左壁部B432及び右壁部B433の間に配置される底面部B431aの反対面側(下面側)において、後端側寄りの位置から鉛直下方に向けて係止板部B431bが板状に突設される。係止板部B431bは、スライド部材B450の移動終端を規定する部分として機能するが、詳細は後述する。
支持延設部B436は、上側面が前後方向に沿う平滑面として形成され、検出センサB435の開口B435aの上方を開放し球が通過可能な矩形状で穿設される開口部B436aと、上側面に左右方向に延びる態様で上方へ向けて突設形成される突条部B436bと、を備える。
突条部B436bは、中段部材B430の組立状態(図1571参照)において前側面が検出センサB435の開口B435aの縁部と滑らかに連通する位置に配設される。これにより、スライド部材B450の励磁状態(図1571参照)において先端部B451の正面側を下方に流れる球が先端部B451と検出センサB435との隙間に入り込んでしまい、意図せず流下が滞ることを回避することができる。即ち、突条部B436bにより球の流下を案内することができ、球の流下を滑らかにすることができる。
また、突条部B436bは、スライド部材B450の非励磁状態(図1569参照)において、先端部B451と左案内板部B452又は右案内板部B453とのつなぎ目の真下に配置される。そのため、先端部B451に球が乗った場合に、その球の重みで先端部B451と左案内板部B452又は右案内板部B453とが前倒れする方向に撓み変形する事態になったとしても、先端部B451と左案内板部B452又は右案内板部B453とのつなぎ目を突条部B436bで下から支えることができるので、上記撓み変形を抑制することができる。
ベース板B437は、所々、上下方向に穿設されることで開口部が形成される。即ち、検出センサB435を配設させるために前側に突出形成される突出部B437aには、検出センサB435の開口よりも大きな開口が検出センサB435の開口を塞がない配置で穿設され、右後端部では、嵌合支持されるソレノイドBSOL41の下側部においてソレノイドBSOL41のプランジャ―BSOL41aを貫通させるための開口部B437bが形成され、中央後端部では、伝達部材B480の第2部材B485を貫通させ変位を許容するために十分な前後幅の開口部B437cが形成される。
ベース板B437は、下側面において、傾倒部材B470に駆動力を伝達する伝達部材B480の第1部材B481を受け入れるための部分として前後方向に延びる受入凹部B437dと、下段部材B460に案内される球の経路の天井を構成し後方へ向けて下降傾斜する傾斜面部B437eと、その傾斜面部B437eの左右端部から下方に延設される一対の延設壁の前端部において後方へ向けて下降傾斜する傾斜ストッパB437fと、を備える。
傾斜ストッパB437fにより、傾倒部材B470の非励磁状態における姿勢を真上に起立する姿勢よりも若干傾斜した姿勢に設定しつつも、球の経路を塞ぐことができるので、傾倒部材B470の開閉角度を小さく抑えることができる。これにより、傾倒部材B470の開閉動作に要する時間を短縮できることから、球噛みの発生を抑えることができるが、詳細は後述する。
上段部材B440の天井構成部B444は、中段部材B430の底面部B431aと上下方向で対向配置され前方へ向かう程上昇傾斜する傾斜面部B444aと、その傾斜面部B444aよりも左右両側に配置される部分の後端部から断面L字形状で下方へ延設される一対の延設部B444bと、を備える。
傾斜面部B444aは、中央流路B431の天井部を構成しており、傾斜面部B444aが前方へ向かう程上昇傾斜していることから、中央流路B431の断面積(開口面積)が前方へ向かう程大きくなる。即ち、下流側へ向かう程に流路面積が大きくなるので、中央流路B431を前方へ向けて流れるという流下態様において、球詰まりの発生を抑制することができる。
延設部B444bは、上段部材B440を中段部材B430に組み付ける場合に、後端部の左右内側端部を中段部材B430の位置合わせ部B432b,B433bに係合させることで位置合わせ可能に設計されている。
このように組み付けることで、延設部B444bの後側面の前後位置が、左壁部B432及び右壁部B433の後端部(隙間B432a,B433aの前端)の前後位置と一致する。即ち、延設部B444bには、前後方向で対向配置される左側壁部B445又は右側壁部B446との間に隙間B444cが設けられ、この隙間B444cは、隙間B432a,B433aの真上に配置され隙間B432a,B433aと連続的につながるよう構成される。
換言すれば、球が通過する開口の下側部を隙間B432a,B433aが構成し、その隙間B432a,B433aが下側部を構成する開口の上側部は、隙間B444cにより構成される。これにより、隙間B432a,B433aの上側部が開放され、球が跳ねた場合には隙間B432a,B433aを飛び越えて球が流下できる場合と異なり、球が隙間B432a,B433a,B444cから外れた位置を通過することを防止することができる。
スライド部材B450は、前後方向に延びる態様で左案内板部B452及び右案内板部B453の下側面から下方に突設形成される一対の突条部B455を備える。突条部B455は、左右幅が左案内板部B452や右案内板部B453の左右幅よりも細く設計され、突設端部(下端部)が、スライド部材B450の移動方向(前後方向)に沿う形状とされている。
スライド部材B450の前後移動時には、突条部B455が中段部材B430の支持延設部B436に下支えされるが、この場合に、スライド部材B450と支持延設部B436との接触面積を抑えることができるのでスライド部材B450の移動抵抗を抑えることができると共に、左案内板部B452や右案内板部B453が上面に乗る球の重さによる前倒れ変位(変形)を抑制することができる。
突条部B455は、左案内板部B452及び右案内板部B453に沿って形成され、リブとして機能することで、前後方向に長尺の左案内板部B452及び右案内板部B453の剛性を高めることができる。
突条部B455は、先端部B451よりも後方に配設される。換言すれば、先端部B451の下側面に突条部B455は形成されておらず、先端部B451の剛性までを高めるものではない。
これにより、スライド部材B450の弾性変形のし易さを、部位ごとに変化させることができる。即ち、先端部B451は、ある程度の弾性変形は許容するよう構成することで、例えばスライド部材B450が前方へ移動する場合に、スライド部材B450の前端部と前意匠部材B420との間に球が噛み込んだとしても、先端部B451の弾性変形および弾性回復により生じる負荷により球の噛み込みを早期に解消することができる。
先端部B451が弾性変形する場合に、左案内板部B452及び右案内板部B453までもが弾性変形すると、左案内板部B452及び右案内板部B453が前後方向に長尺な形状であることも影響し、左案内板部B452及び右案内板部B453の上面を流下する球の流下経路の断面積が狭められる可能性がある。
この場合、既に球通過開口B414を通過済みであって左案内板部B452又は右案内板部B453の上面を転動する球の流下抵抗が大きくなり、左案内板部B452又は右案内板部B453の上面を球が通過する時間が通常より長くなる要因となり得る。
これに対し、本実施形態では、左案内板部B452及び右案内板部B453には突条部B455が形成されており、その突条部B455がリブとして機能することで左案内板部B452及び右案内板部B453までもが弾性変形することを回避することができる。これにより、左案内板部B452及び右案内板部B453の上面を流下する球の流下経路の断面積の大きさを維持することができ、左案内板部B452又は右案内板部B453の上面を球が通過する時間を管理し易くすることができる。
従って、先端部B451が弾性変形し易いことによる効果と、左案内板部B452及び右案内板部B453が弾性変形し難いことによる効果と、の両方を同時に奏することができる。
次に、入賞ユニットB400の、板部材B410、前意匠部材B420、中段部材B430、上段部材B440及びスライド部材B450以外の構成について説明する。
下段部材B460は、球の転動経路を複数構成する。即ち、下段部材B460は、傾倒部材B470に拾われた球を転動させる中央経路B461と、検出センサB435を通過した球を転動させる左右経路B463と、を備える。中央経路B461を転動した球は、その後方に配設される検出センサB462に通過を検出される。
検出センサB462は、第2入賞口B640(図1564参照)に入球した球の通過を検出する。即ち、球が検出センサB462を通過した場合に、特別図柄2の抽選が実行され、賞球の払い出しが実行される。
また、下段部材B460は、傾倒部材B470を傾倒可能に軸支する受部の下半部を構成する軸受部B464と、傾倒部材B470に駆動力を伝達する伝達部材B480の第1部材B481を受け入れるための部分として前後方向に延びる受入凹部B465と、スライド部材B450に駆動力を伝達する伝達部材B480の第2部材B485を傾倒可能に軸支する受部の下半部を構成する軸受部B466と、を備える。
軸受部B464は、上方が開放される凹部として構成され、傾倒部材B470の被支持突部B473が配置された状態で中段部材B430が下段部材B460に締結固定されることで、軸受部B464と中段部材B430とによって傾倒部材B470が傾倒可能に軸支される。
受入凹部B465は、前後方向に長い第1部材B481を受け入れるために前後方向に十分に長く、且つ、第1部材B481の上下方向変位を許容するために十分な深さを有する領域として、中央経路B461と左右経路B463との間の位置に形成される。受入凹部B465から第1部材B481が脱落することが防止されることで、第1部材B481の左右方向への変形を抑制することができる。
軸受部B466は、上方が開放される凹部として構成され、伝達部材B480の第2部材B485が配置された状態で中段部材B430が下段部材B460に締結固定されることで、軸受部B466と中段部材B430とによって第2部材B485が傾倒可能に軸支される。
傾倒部材B470は非励磁状態では、図1573に示すように起き上がり、中央経路B461側への入球を規制する姿勢とされる一方、励磁状態では傾倒変位し(図1571参照)、中央経路B461側への入球を許容する姿勢とされる。
傾倒部材B470は、先端へ向かう程に緩やかに内巻き(上向き)に湾曲する板状部B471と、その板状部B471の下端部において左右方向に円柱形状で突設される一対の円柱部B472と、その円柱部B472の左右端部から円柱部B472と同軸かつ円柱部B472よりも小径の円柱形状で突設される被支持突部B473と、右側の円柱部B472の外周部から側面視でC字形状に延設され伝達部材B480の第1部材B481と当接して負荷伝達を受ける被伝達部B474と、を備える。
板状部B471は、球の直径程度の左右幅で形成されており、複数の球が同時に着地することを防止できるように構成される。
円柱部B472は、被支持突部B473と同様に、下段部材B460に回転可能に軸支される部分である。円柱部B472が構成されることで、回転時の摺動負荷や、球からの負荷により生じる重力方向の負荷を受け持つ面積を確保することができるので、被支持突部B473だけで軸支される場合に比較して、機械的な摩耗を抑えることができる。
伝達部材B480は、後端部においてプランジャ―BSOL41aが左右方向で差し込まれることで上下方向での脱落が規制されるよう構成される第1部材B481と、その第1部材B481と連動する第2部材B485と、を備える。
プランジャ―BSOL41aがベース板B437の開口部B437bにより上下方向を除く前後左右への移動が制限されており、そのプランジャ―BSOL41aが左右方向で差し込まれる第1部材B481は、受入凹部B465により左右方向への移動が制限されることから、第1部材B481とプランジャ―BSOL41aとが左右方向で脱落する等して連結が解除されることを防止し易くすることができる。
ソレノイドBSOL41の励磁状態が切替られプランジャ―BSOL41aが上下方向に変位することで、第1部材B481は、上下方向に変位し、第2部材B485は、前後に傾倒する方向で変位するが、詳細は後述する。
図1577(a)は、入賞ユニットB400の正面図であり、図1577(b)は、図1577(a)の矢印MDXVIb方向視における入賞ユニットB400の側面図であり、図1577(c)は、図1577(a)の矢印MDXVIc方向視における入賞ユニットB400の上面図である。
図1577(a)から図1577(c)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示される。また、図1577(b)及び図1577(c)には、入賞ユニットB400が組み付けられるベース板B60の前後側面の位置が想像線で図示される。本実施形態では、ベース板B60の前側面の正面側を流下した球が、入賞ユニットB400に到達する。
図1577(c)に示すように、電動役物B640aの非励磁状態では、軒部B426よりも左右外側にスライド部材B450の先端部B451が配置され、その先端部B451は、図1577(b)に示すように後方へ向けて下降傾斜している。
そのため、ベース板B60の正面側を流下する球が球受部B412から逸れて、軒部B426を介して先端部B451に乗った球や、軒部B426を介さず直接的に先端部B451に乗った球(飛び込み球)は、先端部B451の傾斜に沿って後方に寄せられる。そして、球が球通過開口B414(図1573参照)を通過可能な位置に到達した場合には、先端部B451の傾斜に沿ってスライド部材B450の上面を伝って左案内板部B452又は右案内板部B453側へ流れる。
図1578(a)及び図1578(b)は、図1577(c)のMDXVIIa-MDXVIIa線における入賞ユニットB400の断面図である。図1578(a)では、電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の非励磁状態が図示され、図1578(b)では、電動役物B640aの励磁状態が図示される。また、図1578(a)及び図1578(b)では、ベース板B60に植設される一部の釘BKG1が図示される。
スライド部材B450の状態の切り替えは、前後方向へのスライド移動であり、正面視で非励磁状態と励磁状態との違いを判別し難いよう構成される。これにより、スライド部材B450へ向けて流下する遊技球がスライド部材B450の上面を転動するか先端部B451の正面側を下方へ流れるかを予想し難くすることができる。
傾倒部材B470の状態の切り替えは、傾倒動作であり、非励磁状態と励磁状態との違いを判別し易いよう構成される。これにより、球が第2入賞口B640(図1564参照)に入球し得る状態か否かの判別を容易とすることができる。
図1578(a)及び図1578(b)を参照して、入賞ユニットB400に到達する球の流下態様について説明する。なお、図1578(a)及び図1578(b)で図示される断面において入賞ユニットB400は左右対称形状から形成されるので、左右片側での説明に留め、反対側の説明は省略する。
図1578(a)に示すように、球受部B412を逸れて流下する球は、例えば軒部B426を介して流れる経路BDR1で流下する。この場合、軒部B426に遮られることで球通過開口B414への最短距離で球が流下することはなく、先端部B451上での滞在時間が延ばされる。また、軒部B426の傾斜により左右外側への速度成分を有して流下するので、スライド部材B450に着地して跳ねた後の球は、左右外側へ向けて跳ね返り易い。
これに対して、本実施形態では、スライド部材B450の上面が左右内側へ向けて下降傾斜していることから、球の跳ね返りの方向を左右内側に寄せることができる。これにより、経路BDR1で流下した球がスライド部材B450の先端部B451の左右外側に零れる事態を回避し易くすることができる。
更に、本実施形態では、スライド部材B450の先端部B451を左右外側へ向けて流れる球と対向する位置に釘BKG1が植設されている。そのため、球が先端部B451の左右外側へ向けて流れた場合であっても、勢いの大きな球ほど、釘BKG1との衝突によりスライド部材B450側に戻り易いようにすることができる。先端部B451の左右外側へ向けて球が流れた場合に、その球の勢いが不十分であると、釘BKG1との衝突によっても跳ね戻らず、釘BKG1とスライド部材B450の先端部B451との間を球が流下することになる。
経路BDR1とは異なる経路で流下する場合も、釘BKG1の配置との影響から、通常は経路BDR1がスライド部材B450に到達する地点と同一の地点BDR1aに到達し、スライド部材B450に案内される。
スライド部材B450の上面を転動する球と対向配置される位置に連なって植設される釘BKG1の上を流下して地点BDR1aに到達する球は、スライド部材B450の先端部B451が釘BKG1側に張り出して形成されていることから、スライド部材B450の先端部B451と釘BKG1との間に脱落することが抑制される。
なお、釘BKG1で跳ね飛ばされた球が先端部B451の左右内側部(球通過開口B414の前方位置)へ向かって飛ぶ場合もあるが、その球と軒部B426とが衝突し易いよう軒部B426の配置が設計されている。即ち、本実施形態では、球が釘BKG1で跳ね飛ばされることによるイレギュラーな流下態様においても、球が地点BDR1aを経由せずに球通過開口B414の前方位置に到達する事態の発生を抑制している。本実施形態では、釘BKG1で跳ね飛ばされて、地点BDR1aを経由せずに球通過開口B414の前方位置に到達する球の頻度は、釘BKG1で跳ね飛ばされる球の10個に1個程度となるように調整して設計される。
図1578(b)に示すように、電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の励磁状態において球が経路BDR1で流下する場合、球はスライド部材B450に着地することはなく、軒部B426の傾斜により生じた左右方向の速度成分を維持しつつ流れる。
スライド部材B450の先端部B451の左右外側への張出代がない分、釘BKG1との間の隙間を狭くする作用を見込むことができず、球は開口部B436aの左右外方へ逸れて流下する。また、上述した軒部B426の設計から、球が釘BKG1で跳ね飛ばされることによるイレギュラーな流下態様で、球が球通過開口B414の前方位置に到達する事態の発生は抑制されており、球が検出センサB435の開口B435aを通過する事態の発生が抑制されている。
即ち、経路BDR1に例示されるように球が流下する場合、スライド部材B450の非励磁状態であれば球は先端部B451の上面を左右内側へ案内され易く、スライド部材B450の励磁状態でれば球は検出センサB435の開口B435aに直接入球する事態は生じ難く、前意匠部材B420の左右外側を流下し易い。
次いで、非励磁状態のスライド部材B450の先端部B451に乗った後の球の流下態様について説明する。スライド部材B450の先端部B451に乗った球が、先端部B451の傾斜に沿って左右内側へ向けて流れ、球通過開口B414を通過するまでスライド部材B450が非励磁状態で維持される場合には、その球は問題なく先端部B451よりも後側へ流れ、第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図1564参照)に入球する可能性が高まる。
それ以外の場合として、球が先端部B451に乗っている間にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられる場合を説明する。
図1578(a)の球配置BB1は、スライド部材B450の左右外側端部に乗っている状態として図示される。球配置BB1に球がある場合にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、その球の後方は板部材B410により遮られているので、スライド部材B450の移動と共にその球が後方に移動することはできず、その球は前意匠部材B420の左右外側を流下する。
図1578(b)の球配置BB2は、中段部材B430の開口部B436aの左右外側縁部の上方に球の中心が配置される状態として図示される。球配置BB2に球がある場合にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、その球の後方は板部材B410により遮られているので、スライド部材B450の移動と共にその球が後方に移動することはできない。
一方で、前意匠部材B420の左右外側を流下するか、開口部B436a側へ流下するかは、その時の球の勢いや、球の中心位置の偏りにより変化する。開口部B436a側へ流下した球は検出センサB435の開口B435aを通過し、遊技者には賞球の払い出しが行われる。
そのため、球配置BB2に球がある時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合の球の行方は不確定であり、且つ、球の行方次第で遊技者が得られる利益が変化するので、球配置BB2に球がある時のスライド部材B450に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
図1578(b)の球配置BB3は、球通過開口B414の正面に球が配置される状態として図示される。球配置BB3に球がある場合にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、その球の後方は球通過開口B414で開放されているので、スライド部材B450の移動と共にその球がスライド部材B450から受ける負荷により後方に移動する(スライド部材B450により押し込まれる形で後方に移動する)。
即ち、球配置BB3に球が配置される時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられたとしても、その球(1個のみ)については、球通過開口B414の後方へ流下させることができる。この場合において、スライド部材B450の先端部B451の上側面は後方へ向けて下降傾斜しているので、スライド部材B450の移動中に球が前側に零れることを防止し易くすることができる。
なお、本実施形態によれば、球配置BB3は左右対称に形成されるので、左右両側の球配置BB3の両方に球が乗っている状態でスライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、球は2個ともスライド部材の移動と共に後方に移動し、球通過開口B414の後方へ流下する。
このように、本実施形態によれば、先端部B451に球が乗っている状態からスライド部材B450が励磁状態に切り替えられるという同様の状態変化であっても、先端部B451上の球の配置次第で、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられた後の球の流下経路が変化するよう構成されている。そのため、先端部B451に球が乗っている状態において、その球およびスライド部材B450の移動態様に対する注目力を向上させることができる。
そして、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられる時の球配置BB1~BB3は、下流側(球配置BB3側)へ向かう程、遊技者が得られる可能性のある利益は大きくなる。そのため、スライド部材B450上に球が乗った後も、遊技者が得られる可能性のある利益は増大し続けることになるので、その球の流下に対する注目力を向上させることができる。
また、スライド部材B450上の球は、1個に限定されるものではなく、例えば、球配置BB1と球配置BB3とに同時に球が配置される可能性もある。この場合は、球配置BB3の球が球通過開口B414を後方へ通過し、球配置BB1の球が球配置BB3側へ到達するまで(本実施形態では約0.2秒間)、スライド部材B450が非励磁状態で維持されている方が遊技者の得られる可能性のある利益は高くなるので、球およびスライド部材B450の動きに対する注目力を向上させることができる。
図1579は、図1577(c)のMDXVIII-MDXVIII線における入賞ユニットB400の断面図であり、図1580は、図1577(c)のMDXIX-MDXIX線における入賞ユニットB400の断面図であり、図1581は、図1577(c)のMDXX-MDXX線における入賞ユニットB400の断面図である。図1579から図1581では、電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)が図示される。
電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)では、図1579から図1581に示すように、スライド部材B450が前進位置に配置され、傾倒部材B470が閉鎖位置に配置される。
まず、図1579及び図1581を参照して、スライド部材B450の上面を転動する球の流路の構成について説明する。スライド部材B450が前進位置に配置されると、前意匠部材B420とスライド部材B450との間の前後幅が球の直径未満になるので、検出センサB435の開口B435aへの球の流入は防止されることになり、先端部B451に乗った球は球通過開口B414の後方へ導入される。
球通過開口B414を通過した球は、中段部材B430と上段部材B440とに囲まれる領域に沿ってスライド部材B450上を転動する。上段部材B440は、スライド部材B450の上面に対向配置される天井面B447を備える。
天井面B447は、スライド部材B450の上面の傾斜とは異なり、前後方向(本実施形態では、スライド部材B450の変位方向)に沿って延設される平面として形成される。そのため、天井面B447とスライド部材B450との上下間に形成される流路の断面積が後方側(下流側)へ向かう程大きくなるので、球詰まりの発生を抑制することができたり、球の流下抵抗が上昇することを回避したりすることができる。
また、これにより、スライド部材B450上を後方へ向けて転動する球が上方へ跳ねた場合や、球が後方に押される負荷を受けて後方へ跳ねた場合であっても、球が天井面B447と衝突する事態が生じることを回避し易くすることができる。
図1581に示すように、天井面B447の上下位置よりも天井構成部B444の傾斜面部B444aの上下位置の方が下側とされる。そのため、天井面B447近くまで球が跳ねていた場合であっても、隙間B444cを通って球が中央流路B431に合流する前に、球の高さ位置を傾斜面部B444aまで落とすことができる。
即ち、球の勢いを落としてから中央流路B431に合流させることができる。これにより、中央流路B431に左右から球が任意のタイミングで導入され、衝突し得るような場合であっても、新たに中央流路B431に案内される球から中央流路B431に既に配置されていた球に対して、その球を逆流させる程の大きな負荷が与えられる事態が発生することを回避し易くすることができる。従って、中央流路B431内での球の逆流を抑制し、球流れを円滑化(スムーズに)することができる。
なお、この作用は、天井面B447の高さ位置は左右で同一とされることから、右案内板部B453に案内される球だけでなく、左案内板部B452に案内される球にも同様に生じる。
天井面B447は、後端部において湾曲面として形成され左側壁部B445及び右側壁部B446と滑らかに連結される湾曲案内部B447aを備える。球がスライド部材B450の上面で跳ねて湾曲案内部B447aと衝突した場合、湾曲案内部B447aの形状に沿って球の流下方向を下方に向けることができるので、球をスライド部材B450側に近づけることができる。
これにより、球を傾斜面部B444aの上下位置よりも下側にスムーズに変位させることができるので、中央流路B431への球の合流をスムーズに行わせることができる。
図1579及び図1581に示すように、スライド部材B450の上面を転動する球の前後方向の移動幅は、数センチメートル(約3~5センチメートル)におよぶが、ベース板B60の正面側で占める長さ(左右幅)は、左右片側において約1~2センチメートルに抑えられている(図1578参照)。
即ち、スライド部材B450は、球を案内する経路長さに比較して、ベース板B60の正面側においてスライド部材B450が配設される範囲(正面視で占める面積)を小さくすることができるよう構成される。これにより、球をスライド部材B450で案内する長さを十分に確保しながら、スライド部材B450が占める遊技領域のスペースを小さくすることができるので、他の電動役物や、入賞口等を配設するスペースを遊技領域に確保することができる。
図1581に示すように、上段部材B440の傾斜面部B444aと、スライド部材B450の右案内板部B453(及び左案内板部B452、図1579参照)とは、前後方向の傾斜角度が同一とされている。これにより、右案内板部B453から中央流路B431へ球が通過する右開口部BRT(右側の隙間B444c、傾斜面部B444a及び右案内板部B453に区画される開口部)と、左案内板部B452から中央流路B431へ球が通過する左開口部BLT(左側の隙間B444c、傾斜面部B444a及び左案内板部B452に区画される開口)との面積が同一に確保される。
即ち、左右の開口部BLT,BRTは前後位置が異なるため、後方の左開口部BLTの方が傾斜面部B444aの上下位置が低くなることで開口部BLT,BRTの面積(上下幅)が小さくなる可能性があるが、本実施形態では、傾斜面部B444aの上下位置が低くなることに対応してスライド部材B450の右案内板部B453(及び左案内板部B452、図1579参照)の上下位置が同様に低くなるので、左右の開口部BLT,BRTの上下幅を同一に確保することができる。
これにより、球が右案内板部B453に案内されるか、左案内板部B452に案内されるかによって、球が中央流路B431に合流する際の流下抵抗が変化する事態の発生を防止し易くすることができる。
一方で、球が右案内板部B453に案内されるか、左案内板部B452に案内されるかによって、スライド部材B450上を球が転動する前後長さは異なる(左案内板部B452の方が右案内板部B453に比較して約11mm(球の直径分)以上長い)ので、球通過開口B414を球が通過してから中央流路B431に合流するまでに要する時間は異なるが、球の流下に要する時間についての詳細は後述する。
なお、図1579~図1581では、左右の開口部BLT,BRTが、スライド部材B450が前進位置に配置されている場合の開口配置として想像線で図示される。また、他の実線との重なりを避けるために若干小さく図示されるが、形状が小さいものに限定する意図では無く、左案内板部B452又は右案内板部B453から中央流路B431に滑らかに案内されるのに十分な大きさ及び配置で形成される。
次いで、図1580を参照して、中央流路B431について説明する。スライド部材B450に案内された球は、左右両側において前後で位置が異なる開口部BLT,BRTで、傾斜面部B452a,B453aの傾斜に沿って中央流路B431に導入される。
その導入された球は、中央流路B431に沿って正面側へ向けて流下し、傾倒部材B470が閉鎖位置にある場合には、球案内突条B428に衝突した後で下方へ流下し、入賞ユニットB400から脱落して第3入賞口B64b(図1564参照)へ向けて流下する。
ここで、上側流路構成部B441には球受部B412に受け入れられた球が順番に流下することから、突然に球の個数が増えることは無く、上蓋部材B443の傾斜は上側流路構成部B441と平行となっている。一方で、中央流路B431には左右から同時に球が案内される等、同時期に中央流路B431に複数の球が配置され、球が連なったり、球同士で生じる負荷により球が浮き上がったりする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中央流路B431の天井部を構成する傾斜面部B444aは、前方へ向かう程上昇傾斜していることから、中央流路B431の断面積(開口面積)が前方へ向かう程大きくなる。即ち、下流側へ向かう程に流路面積が大きくなるので、中央流路B431を前方へ向けて流れるという流下態様において、球詰まりの発生を抑制することができる。即ち、途中位置で球が合流するという流路構成であっても、流路面積が大きく確保されていることから、球の流下抵抗が上昇することを回避することができる。
図1582は、図1577(c)のMDXVIII-MDXVIII線における入賞ユニットB400の断面図であり、図1583は、図1577(c)のMDXIX-MDXIX線における入賞ユニットB400の断面図であり、図1584は、図1577(c)のMDXX-MDXX線における入賞ユニットB400の断面図である。図1582から図1584では、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)が図示される。
なお、図1582~図1584では、左右の開口部BLT,BRTが、図1579~図1581での図示と同様に、スライド部材B450が前進位置に配置されている場合の開口配置として想像線で図示される。
電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)では、図1582から図1584に示すように、スライド部材B450が後退位置に配置され、傾倒部材B470が開放位置に配置される。
図1582及び図1584に示すように、スライド部材B450が後退位置に配置されると、スライド部材B450の先端部B451は板部材B410の前側面よりも後方に配置される。これにより、スライド部材B450への新たな球の着地を防止することができる。
即ち、スライド部材B450の下流側に配置される中央流路B431よりも下流側に配置される第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図1564参照)へ向けた新たな球の導入が生じない。そのため、スライド部材B450に乗っていた球が傾倒部材B470の正面側を流れきるまでに要する時間を超えて励磁状態を維持すれば、入賞ユニットB400に案内されている球は全て傾倒部材B470に拾われ得る。加えて、スライド部材B450に案内される球が加算されることはないので、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへの入球個数が過大となることを防止できる。なお、球の入球制御の詳細については後述する。
図1582及び図1584に示すように、スライド部材B450の下面には細幅の突条部B455が形成されており、その細幅の突条部445が中段部材B430の支持延設部B436に下支えされている。これにより、スライド部材B450が前後方向に傾倒する姿勢変化を抑制すると共に、スライド部材B450の前後移動時のスライド部材B450と支持延設部B436との接触面積を低減することで摩擦抵抗を低減することができる。
スライド部材B450が励磁状態に切り替えられ、前進位置から後退位置に変位する時に左案内板部B452又は右案内板部B453に球が乗っている場合、左案内板部B452及び右案内板部B453の上面が後方へ向けて下降傾斜していることから球滑りが抑制され、スライド部材B450と一体的に(スライド部材B450の変位量と同一の変位量で)後方へ移動する。加えて、スライド部材B450を介して与えられる負荷により球が後方へ加速される。
一方で、スライド部材B450が励磁状態から非励磁状態に切り替えられ、後退位置から前進位置に変位する時に左案内板部B452又は右案内板部B453に球が乗っている場合、スライド部材B450の上面の傾斜との関係により、球が配置される前後位置におけるスライド部材B450の上下高さは下降し、スライド部材B450と球との上下間隔が広げられる。
即ち、球はスライド部材B450に対して浮いた状態を介して、再びスライド部材B450に着地することになり、球がスライド部材B450と一体的に前方に移動することは回避される。
加えて、スライド部材B450の変位開始時(球とスライド部材B450との上下間隔が空く前)に球に前転方向のスピンがかけられる場合には、スライド部材B450上の球の流下速度を増加させることができる。
スライド部材B450が非励磁状態から励磁状態に切り替えられる際、左案内板部B452又は右案内板部B453に既に乗っている球は、そのまま左案内板部B452又は右案内板部B453に乗ったままとされ、より下流側で流下経路の分岐が確定する。
一方、スライド部材B450が非励磁状態から励磁状態に切り替えられる際、球通過開口B414の前方に配置された球は、検出センサB435の開口B435aへ向けて落下する可能性があることは、図1578で上述した通りである。即ち、球通過開口B414の前方の位置において、検出センサB435の開口B435aを通過して遊技領域外に排出されるか、別の流下経路で流れるかという、球の流下経路の分岐が確定する可能性がある。
本実施形態では、検出センサB435の開口B435aの方が、左案内板部B452及び右案内板部B453よりも正面側に位置するよう構成されている。これにより、検出センサB435への注目力を向上させることができ、検出センサB435の開口B435a側に流下経路が分岐し、開口B435aを通過する球を視認し易くすることができる。
図1583に示すように、スライド部材B450が後退位置に配置されている場合であっても、傾斜面部B452aが左開口部BLTに配置される。即ち、傾斜面部B452aは、スライド部材B450の配置に関わらず左開口部BLTに配置されるのに十分な前後幅で形成される。傾斜面部B453aも同様である。
中央流路B431に導入された球が中央流路B431を通過した時に、依然として傾倒部材B470が開放位置に配置されている場合、その球は傾倒部材B470に拾われて検出センサB462を通過する。
即ち、傾倒部材B470の前方の位置は、球が検出センサB462を通過して遊技領域外に排出されるか、別の流下経路で流れるかという、球の流下経路の分岐が確定する位置である。
本実施形態では、傾倒部材B470の方が、左案内板部B452及び右案内板部B453よりも正面側に位置するよう構成されている。これにより、傾倒部材B470への注目力を向上させることができ、検出センサB462側に流下経路が分岐し、検出センサB462側へ流下する球を視認し易くすることができる。
このように、入賞ユニットB400では、球の流下経路の分岐が確定する位置を正面側に配置するように構成している。更に、球の流下経路の分岐が確定する複数の位置(球通過開口B414の前方の位置や、傾倒部材B470の前方の位置)を、球が間を空けずに通過するのではなく、十分な時間を空けて通過するよう構成することで、球に注目する遊技者が視線を動かす余裕を作ることができる。
加えて、球の流下経路の分岐が確定する複数の位置(球通過開口B414の前方の位置や、傾倒部材B470の前方の位置)間の、正面視における間隔を狭める(図1578参照)ことにより、球に注目する遊技者が視線を動かす余裕を作ることができる。
図1583に示すように、傾倒部材B470の回転軸としての被支持突部B473は、中央流路B431の前端部よりも後方に奥まった位置に配置されている。加えて、閉鎖位置における傾倒部材B470は、中段部材B430の傾斜ストッパB437fの傾斜に対応して若干前倒れしている(図1580参照)。
これにより、閉鎖位置における傾倒部材B470の前方に流下中の球が配置されている時に、傾倒部材B470が励磁状態とされ開放位置へ向けて変位したとしても、傾倒部材B470の前面は既に前方へ向けて傾斜しているので、球に対して下方向の負荷を与えやすく、球を早期に下方へ排出することができる。即ち、球が傾倒部材B470と前意匠部材B420との間で挟まり、傾倒部材B470の開放位置への変位が阻害される時間が長引く事態を回避し易くすることができる。
また、傾倒部材B470の開閉動作における回転角度を小さくすることができるので、開閉動作に要する時間を短くすることができる。従って、開閉のタイミングを制御し易くすることができると共に、過入球を防止し易くすることができる。
本実施形態では、傾倒部材B470の板状部B471の左右幅が球の直径程度の長さで形成され(図1578参照)、開放位置から閉鎖位置へ変位する間において複数の球を拾うことはできないように構成されていることからも、過入球を防止し易くすることができる。
傾倒部材B470に拾われた球が流下する流路の天井部を構成する傾斜面部B437eは、後側部において中央経路B461と平行な傾斜面として形成され、傾倒部材B470に近い側としての前側部において、前方へ向けた上昇傾斜の角度が増すように構成されている。
これにより、傾倒部材B470に拾われた球が傾倒部材B470との衝突により跳ねた場合であっても、その球を中央経路B461と傾斜面部B437eとの間の経路にスムーズに導入させることができる。従って、傾倒部材B470に乗った球の重さや、その球の中央経路B461と傾斜面部B437eとの間の経路への流入抵抗が高いことにより球に変位を妨げられることにより、傾倒部材B470の閉鎖位置へ向けた変位が遅れる事態の発生を回避することができる。
図1584に示すように、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられると、同一の前後位置におけるスライド部材B450の上下位置が上がるので、右開口部BRTの下縁がせり上がり、球が通過可能な面積が小さくなる。左開口部BLTも同様である。
この時、左側壁部B445又は右側壁部B446の後端部に到達した球は、その位置においてスライド部材B450の上下位置が上がることの影響で、跳ね上がる。これにより、球の運動エネルギーが増大する可能性がある。
一方で、傾斜面部B444aとスライド部材B450との上下間隔は、スライド部材B450が前進位置に配置されていた状態よりも狭められることで球の流下抵抗が上がり、傾斜面部B444aにより球の勢いが落とされる作用が増強されている。これにより、球の勢い(運動エネルギー)を十分に落としてから中央流路B431に球を案内することができる。
図1585(a)及び図1585(b)は、図1577(c)のMDXXIVa-MDXXIVa線における入賞ユニットB400の断面図である。図1585(a)では、電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の非励磁状態が図示され、図1585(b)では、電動役物B640aの励磁状態が図示される。なお、図1585(a)及び図1585(b)では、隙間B444cの前後方向の中間位置を通る断面が図示される。
本実施形態では、左開口部BLTと右開口部BRTとが前後に位置ずれしているため、左右の開口部が左右方向に延びる直線上に配置される場合にしばしばみられるような、開口部を通過する球同士が左右方向で衝突し、球同士で生じさせ合う負荷が左右方向外側に向くことでバランスしてしまい、球の流下が滞るという不具合を回避することができる。
一方、本実施形態では、左案内板部B452上の球が中央流路B431に導入される左開口部BLTよりも正面側に配置される右開口部BRTを通して、右案内板部B453上の球が中央流路B431に導入されるよう構成されるので、右開口部BRTを通過しようとする球と、中央流路B431を流下している球とが衝突する可能性がある(図1585(a)参照)。この場合、流路形状上はそうなり難いように設計していても、球が互いに与え合う負荷がバランスしてしまい球の流れが停止する事態が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられ後退位置へ変位する場合に、中央流路B431を流下している球の上下位置には影響しない一方で、右案内板部B453に乗っている球の上下位置が上げられることで、中央流路B431に配置されている球と、右案内板部B453に乗っている球との間に一瞬ではあるが間隔を空けることができる。この間に中央流路B431に配置されている球が中央流路B431の傾斜に沿って流れることで、球が互いに与え合う負荷のバランスを崩すことができる。
また、スライド部材B450が非励磁状態に切り替えられ前進位置へ変位する場合に、中央流路B431を流下している球の上下位置には影響しない一方で、右案内板部B453の上下位置が下げられることで、右案内板部B453の上方の球と右案内板部B453との間に一瞬ではあるが間隔を空けることができる(浮かせることができる)。この間隔を埋めるように右案内板部B453の上方の球が下方へ変位する際に、その球は中央流路B431に配置されている球からの負荷に押されて左右外側へ変位すると考えられるので、球が互いに与え合う負荷のバランスを崩すことができる。
このように、本実施形態では、中央流路B431への合流位置で球が互いに与え合う負荷がバランスする事態が生じたとしても、スライド部材B450の状態が切り替えられることで、負荷がバランスしている一方の球の配置を変えることができ、負荷のバランスを崩すことができるよう構成されている。これにより、スライド部材B450から中央流路B431を介する球の流れをスムーズに保つことができる。
なお、上述の負荷のバランスを崩す作用は、スライド部材B450の状態が切り替えられるタイミングで生じることから、この作用を見込んで、スライド部材B450の作動パターンを設計しても良い。即ち、スライド部材B450の状態の切り替えの頻度が高い方が、流下中の球同士の負荷のバランスを崩し易いので、球の流下を滑らかにすることができる。
次いで、図1586から図1590を参照して、スライド部材B450の先端部B451が配置される位置に到達した球の流下経路のバリエーションについて説明する。
図1586(a)から図1586(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図1586(a)から図1586(d)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図1586(a)から図1586(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図1586(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図1578(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、図1586(b)に示すように球通過開口B414を通過して、スライド部材B450上を上段部材B440の左側壁部B445又は右側壁部B446に沿って流下する。
その後、図1586(c)に示すようにスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aを介して中央流路B431に流入し、中央流路B431の傾斜に沿って正面側へ流下する。その後、図1586(d)に示すように、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を通過した球は下方へ流下する。
図1586(a)から図1586(d)に示すように、入賞ユニットB400を球が通過する期間に亘って電動役物B640aが非励磁状態で維持される場合、先端部B451に着地した球は中央開口部B413の前側を落下して第3入賞口B64b(図1564参照)へ向けて流下する。
図1587(a)から図1587(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図1587(a)及び図1587(b)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図1587(c)及び図1587(d)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、図1587(a)から図1587(d)では、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図1587(a)から図1587(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図1587(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図1578(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、球通過開口B414の正面側へ向けて左右内側へ流下し、図1587(b)に示すように球配置BB2(図1578(a)参照)を経由する。
流下中の球が球配置BB2に配置されている時に、図1587(c)に示すように電動役物B640aが励磁状態に切り替えられると、球は慣性で左右内側へ流れ、図1587(d)に示すように球は球通過開口B414の正面側を下方へ流下して、検出センサB435の開口B435aを通過する。
図1587(a)から図1587(d)に示すように、先端部B451に球が乗った後、短時間の内に電動役物B640aが励磁状態に切り替えられた場合、先端部B451に乗っていた球は球通過開口B414の前側を落下して検出センサB435の開口B435aを通過し得る。
もっとも、慣性が左右内側に作用しないほど極めて短時間の内に電動役物B640aが励磁状態に切り替えられた場合には、先端部B451に乗っていていた球は開口B435aから外れて検出センサB435の左右外側を流下し得る。
図1588(a)から図1588(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図1588(a)及び図1588(b)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図1588(c)及び図1588(d)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、図1588(a)から図1588(d)では、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図1588(a)から図1588(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図1588(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図1578(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、図1588(b)に示すように球通過開口B414を通過して、スライド部材B450上を上段部材B440の左側壁部B445又は右側壁部B446に沿って流下する。
その後、図1588(c)に示すようにスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aを介して中央流路B431に流入し、中央流路B431の傾斜に沿って正面側へ流下する。その後、図1588(d)に示すように、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を通過した球は下方へ流下して、傾倒部材B470に拾われて後方へ流下する。
図1588(a)から図1588(d)に示すように、入賞ユニットB400を球が通過する間に電動役物B640aが非励磁状態から励磁状態に切り替えられ、励磁状態で維持される場合、先端部B451に着地した球は中央開口部B413の前側を落下して傾倒部材B470に拾われ第2入賞口B640(傾倒部材B470により開閉される開口、図1564参照)に入球する。
図1589(a)から図1589(d)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図1589(a)、図1589(b)及び図1589(d)では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図1589(c)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、図1589(a)から図1589(d)では、先端部B451に乗った後の球の流れが時系列で図示される。なお、図1589(a)から図1589(d)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
上述したように、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450の先端部B451への球の着地は、図1589(a)に示すように先端部B451の左右外側部(球配置BB1、図1578(a)参照)において生じ易い。先端部B451に着地した球はその後、図1589(b)に示すように球通過開口B414を通過して、スライド部材B450上を上段部材B440の左側壁部B445又は右側壁部B446に沿って流下する。
その後、図1589(c)に示すようにスライド部材B450の傾斜面部B452a,B453aを介して中央流路B431に流入し、中央流路B431の傾斜に沿って正面側へ流下する。この時点では、図1588(c)に示すのと同様に、図1589(c)に示すように電動役物B640aが励磁状態とされている。
その後、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を球が通過するよりも前に、図1589(d)に示すように電動役物B640aが非励磁状態に切り替えられる。その後、図1589(d)に示すように、中央流路B431の前端側で中央開口部B413を通過した球は下方へ流下する。
図1589(a)から図1589(d)に示すように、入賞ユニットB400を球が通過する間に電動役物B640aが非励磁状態から励磁状態に切り替えられ、再び非励磁状態に切り替えられた場合、先端部B451に着地した球は中央開口部B413の前側を落下して第3入賞口B64b(図1564参照)へ向けて流下する。
このように、本実施形態では、球通過開口B414を球が通過した後で電動役物B640aが励磁状態に切り替えられた時点では、その球が傾倒部材B470に拾われるか否かが不明とされる。
即ち、球通過開口B414を球が通過してからの傾倒部材B470の状態変化の態様次第で、球が傾倒部材B470の正面側を落下して第3入賞口B64bへ向けて流下するか、傾倒部材B470に拾われて第2入賞口B640へ向けて流下するかが変わるのであり、どちらへ向けて流下するかは球が傾倒部材B470に到達するまで不明とされる。これにより、球通過開口B414を通過して傾倒部材B470の正面側位置へ向けて流下する球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
先端部B451に球が乗る時には、その球が球通過開口B414へ流入するか否かの分岐点となることから注目力を向上し、球が中央開口部B413を通過する時には、その球が傾倒部材B470に拾われるか否かの分岐点として注目力を向上することができる。これにより、入賞ユニットB400の内部を流下する球に対する注目力を複数位置で向上させることができる。
図1590(a)及び図1590(b)は、入賞ユニットB400の正面斜視図である。図1590(a)及び図1590(b)では、電動役物B640aの励磁状態が図示され、先端部B451の正面側を流下する球の流れが矢印で図示される。なお、図1590(a)及び図1590(b)では、流下する球の視認性を向上するために、板部材B410、前意匠部材B420及び上段部材B440の図示が省略されており、球の流下を案内する箇所について想像線で図示されている。
図1590(a)に示すように、スライド部材B450が前進位置に配置される場合には先端部B451の左右外側部に着地する左右位置(球配置BB1、図1578(a)参照)を通る経路で球が流下した場合、球は開口部B436aの左右外側へ流れる。即ち、球は検出センサB435の開口B435aを通過しない。
図1590(b)に示すように、スライド部材B450の前側位置へ向けて、左右内方への速度成分を有する球が飛び込むように流下する場合、その球が検出センサB435の開口B435aに入球する可能性はある。
一方で、スライド部材B450の先端部B451の配置が後方に奥まっていることから(図1582参照)、飛び込むように流下する球が先端部B451に乗ることは防止されている。この防止の作用は、球通過開口B414と先端部B451とで囲われる開口面積が減少されることによっても強化されている。
即ち、先端部B451が後方へ向けて下降傾斜するよう形成されていることから、スライド部材B450が前進位置に配置される場合(図1579参照)において球通過開口B414と共に開口部を形成するスライド部材B450の部分(先端部B451の後縁部に相当)の上下位置よりも、スライド部材B450が後退位置に配置される場合(図1582参照)において球通過開口B414と共に開口部を形成し得るスライド部材B450の部分(先端部B451の前縁部に相当)の上下位置の方が、高い。
そのため、スライド部材B450が後退位置に配置される方が、球通過開口B414と先端部B451とで囲われる開口の下辺(先端部B451により形成される辺に相当)の上下位置が上がることで、開口面積が減少される。これにより、スライド部材B450の前側位置へ向けて左右内方への速度成分を有する球が飛び込むように流下する場合に、その球が先端部B451側に進入することを防止し易くすることができる。
このように、電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の前側位置を流下する球は、概ね入賞ユニットB400の左右外側へ逸れて流れ、一部は検出センサB435の開口B435aに入球する。
一方で、電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の前側位置を流下する球はスライド部材B450上に乗ることは防止されるので、電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の下流側に配置される第2入賞口B640(図1564参照)や第3入賞口B64bへ向けた新たな球の導入が行われる事態を回避することができる。
図1586から図1590に示すように、入賞ユニットB400は、スライド部材B450の先端部B451に乗った球の流下を複数位置で分岐させることができる。まず、非励磁状態のスライド部材B450の先端部B451に球が乗った直後において(第1の分岐位置)、スライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合、その球は検出センサB435の開口B435aへ向けて流下し得る(図1587(c)参照)。
一方で、開口B435aに流下しなかった球は、先端部B451から傾斜に沿って流れる。その球が、左案内板部B452又は右案内板部B453に乗っている時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合には、その球は、依然としてスライド部材B450に乗ったままとなる。また、底面部B431aに乗っている時にスライド部材B450が励磁状態に切り替えられた場合(図1588(c)参照)には、その球は、依然として底面部B431aに乗ったままとなる。
左案内板部B452又は右案内板部B453を後方へ向けて流下する球は、左案内板部B452又は右案内板部B453の前後幅全域に亘って形成される左右方向の傾斜によって、常時左右内側に寄せられながら、後方へ向けて流下する。これにより、球が左案内板部B452又は右案内板部B453の後端部に到達するよりも前から、球を下流の中央流路B431側に寄せることができる。従って、左案内板部B452又は右案内板部B453の後端部に球が到達してから初めて中央流路B431側に方向転換するよりも、中央流路B431側への球の流入をスムーズにすることができる。
中央流路B431に流入した球は、中央流路B431の傾斜に沿って前方へ向けて転動する。中央流路B431の前端部から球が落下する際に(第2の分岐位置)、電動役物B640aの傾倒部材B470が非励磁状態で閉鎖位置に配置されていれば、球は下方へ落下し(図1586(d)参照)、電動役物B640aの傾倒部材B470が励磁状態で開放位置に配置されていれば、球は傾倒部材B470に拾われて後方へ流下する(図1588(d)参照)。
本実施形態では、スライド部材B450を転動する遊技球の流下方向を前後方向を含むように設定することで、正面視におけるスライド部材B450及び傾倒部材B470の寸法以上の経路長さで遊技球を転動させることができる。
パチンコ機B10の開発の条件として、例えば、電動役物B640aの正面視における幅寸法は無制限に延ばせるものではなく、長さの限界が設定される(例えば、55mm)が、本実施形態によれば、正面視における電動役物B640aの左右幅寸法はパチンコ機B10の開発の条件を満たしつつ、電動役物B640aを介する実際の球の転動長さを更に延ばすことができる。これにより、電動役物B640a上を流れて下流側の入賞口へ球が案内される構成において、正面視における電動役物B640aの配置スペースを狭めながら、球の流下に要する時間を長くすることができる。
更に、電動役物B640aとして、流下する遊技球に当接する箇所(先端部B451及び傾倒部材B470)を離れた位置に設けている。これにより、その間の中央流路B431の長さの分、電動役物B640aの形状を超えて遊技球の流下長さを稼ぐことができる。
図1591(a)及び図1591(b)は、図1577(b)のMDXXXa-MDXXXa線における入賞ユニットB400の部分断面図である。図1591(a)では、スライド部材B450が前進位置に配置された状態(非励磁状態)が図示され、図1591(b)では、図1591(a)に示す状態からスライド部材B450が後退位置に配置された状態(励磁状態)に切り替えられた直後の状態が図示される。また、図1591(a)及び図1591(b)では、スライド部材B450がスライド移動した時にスライド部材B450又は中央流路B431に球が配置されていた球について図示される。
図1591(a)及び図1591(b)に示すように、スライド部材B450がスライド移動した時に左案内板部B452に乗っていた球は、スライド部材B450と共にスライド移動の変位量だけ後方に変位する。更に、左案内板部B452が後方へ向けて下降傾斜する傾斜面を構成するので(図1579参照)、球に後向きの負荷が与えられ、球は加速される。
一方で、スライド部材B450がスライド移動した時に中央流路B431に乗っていた球は、特段後方に変位することもなく、固定の床面を転動する。従って、同様の経路を球が流下する場合であっても、スライド部材B450がスライド移動する時に左案内板部B452に乗っていた球と、スライド部材B450がスライド移動する時に左案内板部B452に乗っておらず中央流路B431に乗っていた球とでは、流下に要する時間が異なるが、要する時間の違いの詳細については後述する。
なお、図1591(a)及び図1591(b)では、スライド部材B450及び中央流路B431により形成される流下領域に2個の球が配置される場合において、スライド部材B450及び中央流路B431にそれぞれ1個ずつ球が配置される状態が図示されているが、これに限られるものではない。例えば、左案内板部B452又は右案内板部B453にのみ球が配置される場合も考えられるし、中央流路B431にのみ球が配置される場合も考えられる。また、配置される球の個数は2個に限られるものではなく、1個の場合もあるし、3個以上の複数の場合もある。
図1592(a)及び図1592(b)は、図1577(b)のMDXXXa-MDXXXa線における入賞ユニットB400の部分断面図である。図1592(a)では、スライド部材B450が前進位置に配置された状態(非励磁状態)が図示され、図1592(b)では、図1592(a)に示す状態からスライド部材B450が後退位置に配置された状態(励磁状態)に切り替えられた直後の状態が図示される。また、図1592(a)及び図1592(b)では、スライド部材B450がスライド移動した時にスライド部材B450又は中央流路B431に球が配置されていた球について図示される。
図1592(a)及び図1592(b)に示すように、スライド部材B450がスライド移動した時に右案内板部B453に乗っていた球は、左案内板部B452に乗っていた球と同様に、スライド部材B450と共にスライド移動の変位量だけ後方に変位する。更に、右案内板部B453が後方へ向けて下降傾斜する傾斜面を構成するので(図1581参照)、球に後向きの負荷が与えられ、球は加速される。
一方で、スライド部材B450がスライド移動した時に中央流路B431に乗っていた球は、特段後方に変位することもなく、固定の床面を転動する。従って、同様の経路を球が流下する場合であっても、スライド部材B450がスライド移動する時に右案内板部B453に乗っていた球と、スライド部材B450がスライド移動する時に右案内板部B453に乗っておらず中央流路B431に乗っていた球とでは、流下に要する時間が異なるが、要する時間の違いの詳細については後述する。
球がスライド部材B450上を流下して中央流路B431の前端を通過するまでに要する時間について説明する。本実施形態では、球通過開口B414を通過した球が右案内板部B453を転動して流下する場合、球の流下中にスライド部材B450のスライド動作が生じなければ、球通過開口B414を通過した球は約2.0秒で中央流路B431の前端を通過する。
一方、球通過開口B414を通過した球が左案内板部B452を転動して流下する場合、球の流下中にスライド部材B450のスライド動作が生じなければ、球通過開口B414を通過した球は約2.4秒で中央流路B431の前端を通過する。
スライド部材B450は、球通過開口B414を通過してから中央流路B431の前端を通過するまでの経路の半分を構成する。即ち、球通過開口B414を通過した球が右案内板部B453上を流下する場合、球が球通過開口B414を通過してから約1.0秒を経過する前にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受ける一方、球が球通過開口B414を通過してから約1.0秒を経過した後にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受けることはない。
また、球通過開口B414を通過した球が左案内板部B452上を流下する場合、球が球通過開口B414を通過してから約1.2秒を経過する前にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受ける一方、球が球通過開口B414を通過してから約1.2秒を経過した後にスライド部材B450がスライド動作する場合には、その球はスライド部材B450から負荷を受けることはない。
本実施形態では、左右一対の球通過開口B414に球が同じタイミングで入球した場合であっても、スライド部材B450のスライド動作のタイミングによっては、球がスライド部材B450から後向きの負荷を受ける場合と、球がスライド部材B450から後向きの負荷を受けない場合とが同時に生じ得る。
即ち、球が球通過開口B414を通過してから約1.0秒を経過した後であって、約1.2秒を経過する前にスライド部材B450がスライド動作する場合には、左案内板部B452上を流下していた球が後向きの負荷を受け、右案内板部B453上を流下していた球は後向きの負荷を受けない。
球がスライド部材B450に乗っている時にスライド部材B450が後方へ向けてスライド動作した場合、球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するまでに要する時間が約0.5秒短縮される。
この0.5秒の内訳としては、概略で、スライド部材B450の前後方向の変位量(約12mm)により約0.3秒短縮され、スライド部材B450から球に与えられる負荷による加速により0.2秒短縮される。
左案内板部B452又は右案内板部B453を後方へ向けて転動した球は、隙間B432a又は隙間B433aを通り(図1586(b)参照)、中央流路B431に流入する。隙間B432aと隙間B433aとが、前後に位置ずれしていることから、隙間B432aにおける球の通過と、隙間B433aにおける球の通過とが同時に生じた場合に、それらが左右方向で正面衝突を起こすことを避けることができる。これにより、隙間B432a又は隙間B433aを通過した球が、球との衝突により押し戻されて逆流する事態を避けることができる。
電動役物B640aの励磁状態においてスライド部材B450の前側位置を流下する球がスライド部材B450上に到達することは防止されるので(図1590参照)、電動役物B640aが励磁状態に切り替えられてから傾倒部材B470に到達するまでに最も時間がかかるのは、電動役物B640aの励磁状態への切り替え時点にスライド部材B450の先端部B451上に乗っていた球であり、その球以降は傾倒部材B470に球が到達することはない。
図1593(a)から図1593(c)は、電動役物B640aの状態の計時変化の一例を示した図である。なお、図1593(a)では、第1の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1593(b)では、第2の作動パターンにおける計時変化が図示され、図1593(c)では、第3の作動パターンにおける計時変化が図示される。
図1593(a)から図1593(c)では、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67で球の通過が検出されたことにより動作制御される電動役物B640aの作動パターンについて説明する。
なお、図1564に示すように、本実施形態では、電動役物B640aへ向けて流下する球は漏れなく普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過するように釘配置が設計され、球の発射間隔(0.6秒間隔)に比較して、球が普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を通過すること(普通図柄の単一の抽選)を契機とする電動役物B640aの作動時間(基準の作動パターンでの作動時間、普通図柄の抽選の間隔に相当)の方が長くされるので、弾球遊技中は普通図柄の保留球数が途切れ難く、普通図柄の保留球数が常に0よりも多い状態で維持され易い。そのため、電動役物B640aの動作は、基準の作動パターンが間隔を空けずに繰り返し実行される。
図1593(a)に示すように、第1の作動パターンでは、待機時間Bt1a(本実施形態では0.1秒間)でスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt1b(本実施形態では3.9秒間)でスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持されるパターンを基準の作動パターンBRP1として、これが繰り返される。
なお、詳細には、非励磁状態を構成する0.1秒間の内訳として、0.05秒間で第2図柄の変動表示が行われ、その終了後に0.05秒間スライド部材B450が前進位置で維持されている。
スライド部材B450が前進位置に配置されると、球はスライド部材B450の先端部B451に乗ることができるが、0.1秒間は、球が球配置BB1から球配置BB3(図1578(a)参照)まで変位するのに要する時間(約0.2秒間)に比較して十分ではない。
そのため、電動役物B640aが第1の作動パターンで動作制御される状態では、球が球通過開口B414を通過することが防止され、球が中央流路B431に導入されることが防止されるので、球が第2入賞口B640や第3入賞口B64b(図1564参照)に入球することを防止することができる。
図1593(b)に示すように、第2の作動パターンでは、待機時間Bt2a(本実施形態では1.8秒間)でスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt2b(本実施形態では0.2秒間)でスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持され、その後、待機時間Bt2aでスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt2bでスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持されるパターンを、基準の作動パターンBRP2として、これが繰り返される。
なお、詳細には、非励磁状態を構成する1.8秒間の内訳として、0.05秒間で第2図柄の変動表示が行われ、その終了後に1.75秒間スライド部材B450が前進位置で維持されている。
スライド部材B450が前進位置に配置されると、球はスライド部材B450の先端部B451に乗ることができ、その後もスライド部材B450が0.2秒間前進位置で維持されていれば、球は球通過開口B414を通過してスライド部材B450上を転動し、中央流路B431側へ案内される。
球が到達する位置およびタイミングと、球が中央流路B431の前端を通過するまでに経過する時間との対応関係について説明する。球配置BB1からBB3に到達するまでに約0.2秒を要するので、球が球通過開口B414を通過し始めるのはスライド部材B450が前進位置に配置されてから0.2秒後である。
球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第1左入球期間BTIL1(本実施形態では0.2~0.6秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.4秒後である第1左排出期間BTOL1(本実施形態では2.6~3.0秒)後に中央流路B431の前端を通過する。この場合、球は、スライド部材B450が動作する前に中央流路B431に到達するので、スライド部材B450からの負荷による球の流下速度変化は生じない。
また、球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第2左入球期間BTIL2(本実施形態では0.6秒~1.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が0.5秒短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.9秒後である第2左排出期間BTOL2(本実施形態では2.5~3.7秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
一方、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第1右入球期間BTIR1(本実施形態では0.2~0.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.0秒後である第1右排出期間BTOR1(本実施形態では2.2~2.8秒)後に中央流路B431の前端を通過する。この場合、球は、スライド部材B450が動作する前に中央流路B431に到達するので、スライド部材B450からの負荷による球の流下速度変化は生じない。
また、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第2右入球期間BTIR2(本実施形態では0.8秒~1.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.5秒後である第2右排出期間BTOR2(本実施形態では2.3~3.3秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
そのため、電動役物B640aが第2の作動パターンで動作制御される状態では、球が球通過開口B414を通過した場合に、球が中央流路B431の前端を通過するタイミングで電動役物B640aが非励磁状態(スライド部材B450が前進位置に配置され、傾倒部材B470が閉鎖位置に配置される状態)とされているので、球は傾倒部材B470に拾われないことから第2入賞口B640(図1564参照)へは案内されず、第3入賞口B64b(図1564参照)側へ案内される。
このように、本実施形態では、球の配置によって(遅く入球した球に対して)、スライド部材B450の動作時に球に負荷が与えられ、球の通過に要する時間が短縮される。これにより、スライド部材B450が非励磁状態で維持される場合に球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するのに要する時間(左案内板部B452を介して流下する場合に要する時間(本実施形態では約2.4秒間))よりも短い周期の作動パターンでスライド部材B450を動作させながらも、そのスライド部材B450の作動パターンの周期内で、球を中央流路B431の前端から通過させることができる。
従って、1回目(n回目)に前進位置にスライド部材B450が配置されている状態において球通過開口B414を通過した球を、スライド部材B450が後退位置に配置される状態を経由して、2回目(n+1回目)に前進位置にスライド部材B450が配置されている状態において中央流路B431の前端から通過させることができる。
即ち、球通過開口B414の球の通過と、中央流路B431の前端からの球の通過とを、スライド部材B450が前進位置に配置されるn回目の状態およびn+1回目の状態を1セットで完結させることができる。
図1593(c)に示すように、第3の作動パターンでは、待機時間Bt3a(本実施形態では2.0秒間)でスライド部材B450が非励磁状態(前進位置)で維持され、その後、動作時間Bt3b(本実施形態では2.0秒間)でスライド部材B450が励磁状態(後退位置)で維持されるパターンを基準の作動パターンBRP3として、これが繰り返される。
なお、詳細には、非励磁状態を構成する2.0秒間の内訳として、0.05秒間で第2図柄の変動表示が行われ、その終了後に1.95秒間スライド部材B450が前進位置で維持されている。
スライド部材B450が前進位置に配置されると、球はスライド部材B450の先端部B451に乗ることができ、その後もスライド部材B450が0.2秒間前進位置で維持されていれば、球は球通過開口B414を通過してスライド部材B450上を転動し、中央流路B431側へ案内される。
球が到達する位置およびタイミングと、球が中央流路B431の前端を通過するまでに経過する時間との対応関係について説明する。球配置BB1からBB3に到達するまでに約0.2秒を要するので、球が球通過開口B414を通過し始めるのはスライド部材B450が前進位置に配置されてから0.2秒後である。
球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第3左入球期間BTIL3(本実施形態では0.2~0.8秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.4秒後である第3左排出期間BTOL3(本実施形態では2.6~3.2秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
また、球が左案内板部B452に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第4左入球期間BTIL4(本実施形態では0.8秒~2.0秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.9秒後である第4左排出期間BTOL4(本実施形態では2.7~3.9秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
一方、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第3右入球期間BTIR3(本実施形態では0.2~1.0秒)後に球通過開口B414を通過した球は、その2.0秒後である第3右排出期間BTOR3(本実施形態では2.2~3.0秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
また、球が右案内板部B453に案内される場合、スライド部材B450が前進位置に配置されてから第4右入球期間BTIR4(本実施形態では1.0秒~2.0秒)後に球通過開口B414を通過した球は、スライド部材B450から後向きの負荷を受けることで通過期間が短縮されて、球通過開口B414を通過してから1.5秒後である第4右排出期間BTOR4(本実施形態では2.5~3.5秒)後に中央流路B431の前端を通過する。
そのため、電動役物B640aが第3の作動パターンで動作制御される状態では、球が球通過開口B414を通過した場合に、球が中央流路B431の前端を通過するタイミングで電動役物B640aが励磁状態(スライド部材B450が後退位置に配置され、傾倒部材B470が開放位置に配置される状態)とされているので、球は傾倒部材B470に拾われて、漏れなく第2入賞口B640(図1564参照)に案内され、第3入賞口B64b(図1564参照)側へは案内されない。
このように、本実施形態では、球の配置によって(遅く入球した球に対して)、スライド部材B450の動作時に球に負荷が与えられ、球の通過に要する時間が短縮される。これにより、スライド部材B450が非励磁状態で維持される場合に球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するのに要する時間(左案内板部B452を介して流下する場合に要する時間(本実施形態では約2.4秒間))よりも、スライド部材B450が後退位置で維持される期間が短い作動パターンであっても、スライド部材B450が後退位置で維持される間に球を中央流路B431の前端から通過させることができる。
従って、基準の作動パターンにおいて、電動役物B640aの非励磁状態において前進位置に配置されるスライド部材B450に乗り中央流路B431側へ流下した球を、電動役物B640aの励磁状態において開放位置に配置される傾倒部材B470で拾いきることができる。即ち、球通過開口B414の球の通過と、中央流路B431の前端からの球の通過とを、基準の作動パターンBRP3で完結させることができる。
上述したように、電動役物B640aに案内された球は、電動役物B640aの作動パターンに対応して、異なる入球口を通過することになる。まず、第1の作動パターンで電動役物B640aが動作制御される場合、球は球通過開口B414を通過せず、検出センサB435の開口B435aを通過するか、開口B435aから逸れて落下する。
そのため、特別図柄の抽選に関するサポートが生じるものではなく、特別図柄の抽選は専ら第1入賞口B64への入球によるものとなるので、特別図柄の抽選を間隔を空けずに頻繁に生じさせることは難しい。スライド部材B450の正面側を流下した球が開口B435aを通過した場合に賞球の払い出しが生じることで遊技者の手持ちの遊技球を増やす面でのサポートのみが生じる。
次に、第2の作動パターンで電動役物B640aが動作制御される場合、球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するタイミングでは電動役物B640aは非励磁状態とされ、傾倒部材B470は閉鎖位置に配置されるので、球は傾倒部材B470の正面側を第3入賞口B64b(図1564参照)側へ向けて流下する。
そのため、特別図柄1の抽選を頻繁に生じさせることができる。また、第3入賞口B64bに球が入球した場合に賞球の払い出しが生じることで遊技者の手持ちの遊技球を増やす面でのサポートも生じる。
次に、第3の作動パターンで電動役物B640aが動作制御される場合、球通過開口B414を通過した球が中央流路B431の前端を通過するタイミングでは電動役物B640aは励磁状態とされ、傾倒部材B470は開放位置に配置されるので、球は傾倒部材B470に拾われて第2入賞口B640(図1564参照)へ向けて、即ち、検出センサB462(E5参照)へ向けて流下する。
そのため、特別図柄2の抽選を頻繁に生じさせることができる。また、第2入賞口B640に球が入球した場合に賞球の払い出しが生じることで遊技者の手持ちの遊技球を増やす面でのサポートも生じる。
このように第1の作動パターンから第3の作動パターンが設定可能とされることで、電動役物B640aが常時開閉駆動される設計においても、第2入賞口B640への入球が生じる場合と、第2入賞口B640への入球が防止される場合とを、切り替えることができる。
即ち、電動役物B640aの駆動制御が、第1の作動パターン又は第2の作動パターンで実行される場合には、球の第2入賞口B640への入球が防止され、電動役物B640aの駆動制御が、第3の作動パターンで実行される場合には、球の第2入賞口B640への入球が頻繁に生じる。
図1594は、保留種別、遊技状態、特別図柄の種別および変動時間の関係を説明する図である。なお、理解を容易とするために、特別図柄2についてのみ図示し、特別図柄1についての図示を省略する。
特別図柄1では、変動時間は、低確率状態でも高確率状態でも同様に設定されており、特別図柄1の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合、変動時間は5秒または20秒に決定され、特別図柄1の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は20秒に決定される。
一方、本実施形態では、特別図柄2の抽選の状態が上述した低確率状態または高確率状態のいずれかに設定され、設定されている遊技状態に基づいて変動時間が異なるようにして遊技が進行する。
図1594に示すように、低確率状態(本実施形態における通常状態または時短状態)において、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合または小当たり図柄が決定された場合、変動時間は10分間に決定される。一方で、低確率状態において、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は20秒に決定される。
変動時間を10分と長い時間で設定しているのは、低確率状態において第2入賞口B640に球が入球した場合に遊技者が得られる利益を低くするためである。これにより、入賞ユニットB400の内部を流下する球が偶発的に第2入賞口B640に入球する事態が生じたとしても、遊技状態が高確率状態に移行されない限り、特別図柄2の変動を長引かせることができるので、特別図柄2の抽選による利益を遊技者が得られ難いようにすることができる。
本実施形態では、特別図柄2の保留球数は4個まで許容されるので、特別図柄2の保留球で大当たり図柄が決定されている場合、その決定に基づく大当たりが10分後~30分後に発生する(特別図柄の変動が停止する)という事態が生じ得る。
そのため、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定されたタイミングで遊技をしている遊技者と、その保留された特別図柄2に基づく大当たりが発生したタイミングで遊技をしている遊技者が異なる事態や、大当たりが発生するタイミングで遊技をしている遊技者がいない事態が生じ得る。
このような場合、大当たりが発生したタイミングで即座に特別遊技状態に移行すると、現在遊技をしている遊技者や、近くの別のパチンコ機で遊技をしている遊技者が、突然特別遊技が始まったことに驚いてしまい、遊技者に故障かと疑われる可能性がある。
これに対し、大当たりが決定された場合において、特別遊技状態に移行する条件を定めることができる。本実施形態では、大当たりが決定された後(特別図柄の変動が停止した後)で第3図柄表示装置B81の表示画面に表示される指示に従いスルーゲートB66,B67に球を通過させることで、特別遊技状態に移行させることができる。
即ち、スルーゲートB66,B67に球が通過するまでは、特別遊技状態へ移行されることは無いように制御されることで、遊技者に故障かと疑われる可能性を低くすることができる。なお、特別遊技状態へ移行させるために球を通過させる箇所はスルーゲートB66,B67に限定されるものではなく、例えば、一般入賞口B63を球が通過することで、特別遊技状態に移行されるように制御しても良い。
また、高確率状態(本実施形態における確変状態または特殊確変状態)において、特別図柄2の保留に基づいて外れ図柄が決定された場合、変動時間は5秒または20秒に決定される。
また、高確率状態において、特別図柄2の保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合、変動時間は2秒に決定される。一方、高確率状態において、特別図柄2の保留に基づいて大当たり図柄が決定された場合、変動時間は20秒に決定される。
高確率状態では、特に特別図柄2の保留に基づいて小当たり図柄が決定された場合の変動時間が短く設定されているので、第2入賞口B640に球が頻繁に入球する状態(本実施形態では、電動役物B640aの駆動制御が第3の作動パターンで実行される場合)では、遊技者は、頻繁に小当たり遊技を実行させ特定入賞口B65aを開放させることができるので、特定入賞口B65aへの入球に基づく賞球を頻繁に得ることができる。
なお、特別図柄の変動時間の設定はこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、各図柄の変動時間として多種多様なバリエーションを加えても良いし、特別図柄の保留個数に対応して変動時間の長短が変わるようにしても良い。特別図柄の保留個数に対応して変動時間の長短が変わる場合には、一般的には、保留個数が少ない場合の方が、保留個数が多い場合(満タンに近い場合)に比較して、変動時間が長くなるように設定される。
本実施形態では、従来の機種に見られたような、不適切なタイミングで特別図柄2の抽選を獲得するように球を発射することで遊技者に不測の利益が生じるという問題点を解消することができる。
即ち、従来の機種においても、本実施形態のように特別図柄1の抽選に係る第1入球口への入球頻度が高くなる状態と、特別図柄2の抽選に係る第2入球口への入球頻度が高くなる状態とを切り替えられるように構成する例が見られた。
しかし、電動役物B640aの設置個数が1個に限定される場合、第1入球口または第2入球口の何れか一方に付随するよう電動役物B640aが設置され、他方の入球口には電動役物B640aが設置されず、常に球が入球可能な状態とされることが想定される。
この場合において、遊技盤B13の中央に配置される一方の入球口(第1入賞口B64に相当、図1564参照)よりも、他方の入球口の入球効率が高い場合や、他方の入球口への入球による抽選で大当たりとなった場合に遊技者が得られる利益が極めて高い場合などには、パチンコ機B10が提供するゲームとしては一方の入球口に球を入賞させるべきタイミングであると報知していても、遊技者が他方の入球口へ向けて球を発射する可能性がある。
低確率状態における特別図柄2の変動時間を超長期とすることで他方の入球口の入球に基づく変動の消化効率を下げるという対策を行ったとしても、特別図柄2の保留個数に因らず特別図柄1の保留に基づく変動が開始される場合には、予め他方の入球口に入球させて特別図柄2を変動させた上で一方の入球口に球を入賞させるゲームを進行させることで、パチンコ機B10が提供する遊技を行っている間に特別図柄2の変動時間を消化させることができるとすれば、その抑止力は低いと言える。
パチンコ機B10が提供するゲームとしては一方の入球口に球を入賞させるべきタイミングであっても、他方の入球口への入球により大当たりとなると特別遊技状態に移行することになり、パチンコ機B10が提供するゲームとして意図されていない利益を遊技者に与えることになるとすれば、遊技の公平性の面で問題がある。
これに対し、本実施形態では、単一のソレノイドBSOL41により駆動される電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)により、特別図柄1の抽選に係る第1入球口(第3入賞口B64bに相当)への入球頻度を上げるようにサポートする状態(電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動制御される状態)では、特別図柄2の抽選に係る第2入球口(第2入賞口B640に相当)への入球頻度を下げることができる一方で、特別図柄2の抽選に係る第2入球口への入球頻度を上げるようにサポートする状態(電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動制御される状態)では、特別図柄1の抽選に係る第1入球口への入球頻度を下げることができる。
更に、特別図柄1の抽選に係る第1入球口(第3入賞口B64bに相当)への入球頻度も、特別図柄2の抽選に係る第2入球口(第2入賞口B640に相当)への入球頻度も、共に低くする状態(電動役物B640aが第1の作動パターンで駆動制御される状態)を構成することもできる。
これにより、パチンコ機B10が提供するゲームとして意図されていない利益を遊技者に与えることを防止することができ、遊技の公平性の面で改良することができる。
図1595から図1597は、図1585(a)のMDXXXIV-MDXXXIV線におけるスライド部材B450、傾倒部材B470及び伝達部材B480の断面図である。図1595から図1597では電動役物B640aの非励磁状態から励磁状態への切替動作が時系列で図示されており、図1595では、電動役物B640aの非励磁状態が図示され、図1596では、第1部材B481が上昇する一方でスライド部450の配置が前進位置で維持される状態が図示され、図1597では、電動役物B640aの励磁状態が図示される。また、図1595から図1597では、配置の参考として板部材B410の外形が想像線で図示される。
図1595から図1597で図示されるように、電動役物B640aの非励磁状態から励磁状態への切替動作は、スライド部材B450の動作タイミングと傾倒部材B470の動作タイミングとにずれがある。
即ち、動作開始から途中位置までは傾倒部材B470のみが動作し(図1595及び図1596参照)、途中位置からは傾倒部材B470及びスライド部材B450が動作する(図1596及び図1597参照)。この時、動作終了タイミングは、スライド部材B450と傾倒部材B470とでほぼ同時となる(図1597参照)。
以下で詳しく説明する。第1部材B481は、ソレノイドBSOL41のプランジャ―BSOL41a(図1573参照)と一体的に動作することから、ソレノイドBSOL41の駆動タイミングに同期して上下動作する。
一方で、第1部材B481の後端部に形成される一対の伝達板部B482を介して第1部材B481から第2部材B485への駆動力伝達が行われる構成において、電動役物B640aの非励磁状態では、上板部B482aが第2部材B485の偏心突部B486と当接される一方で、下板部B482bと偏心突部B486との間に隙間が確保されている。
第2部材B485は、回転軸部B485aを中心に回転動作可能に支持されており、スライド部材B450を介して係止板部B431bに係止される(図1580参照)ことで、非励磁状態(図1595参照)における配置が前転方向変位の終端位置となるように構成されている。
非励磁状態から第1部材B481が上昇する過程において、下板部B482bと偏心突部B486とが当接されるまでは第2部材B485の姿勢およびスライド部材B450の配置は維持され、傾倒部材B470のみが傾倒動作する。即ち、ソレノイドBSOL41の駆動力は傾倒部材B470に集中して伝達される。
第1部材B481が上昇する過程において、下板部B482bと偏心突部B486とが当接した後は、下板部B482bに偏心突部B486が持ち上げられる態様で第2部材B485が回転軸部B485aを中心に後転方向に回転動作する。
このように、同一のソレノイドBSOL41(図1573参照)の駆動力を利用しながら、電動役物B640aを励磁状態から非励磁状態に切り替える場合に、傾倒部材B470に駆動力が必要となるタイミングと、スライド部材B450に駆動力が必要となるタイミングとをずらしている。
特に、スライド部材B450への駆動力伝達が開始される状態(図1596参照)以降において、第1部材B481の上方から傾倒部材B470の被伝達部B474が退避されていることから、傾倒部材B470の動作は自重に任せ、ソレノイドBSOL41の駆動力がスライド部材B450の移動に費やされる。
また、上述のように、電動役物B640aの非励磁状態から励磁状態への切替動作において、傾倒部材B470の傾倒動作が先行して開始されるので、スライド部材B450の動作抵抗によらず傾倒部材B470の傾倒動作を開始することができる。
従って、スライド部材B450に球が乗っている場合であっても、その球の重さの影響で傾倒部材B470の傾倒動作が遅れるという事態の発生を回避することができるので、傾倒部材B470が開放位置に配置されることにより球が第2入賞口B640へ向けて案内される期間の開始タイミングが制御とずれる事態の発生を回避することができる。
また、傾倒部材B470の変位開始時に正面側に球が配置されており、傾倒部材B470と前意匠部材B420(図1580参照)との間で球を挟むような場合であっても、スライド部材B450に駆動力が割り振られることなく傾倒部材B470に駆動力が伝達されていることから、球を下方に排斥するのに十分な力を生じさせることができる。そのため、傾倒部材B470と前意匠部材B420との間に球が挟まった状態を早期に解消することができる。
一方で、スライド部材B450にソレノイドBSOL41(図1574参照)の駆動力が伝達される段階では(図1596及び図1597参照)、傾倒部材B470へ割り振られる駆動力は極めて少なくなり駆動力をスライド部材B450に集中させることができるので、スライド部材B450上に球が配置されている場合に、その球に対してスライド部材B450を介して与えられる後向きの負荷を確保することができる。
本実施形態では、傾倒部材B470へ向けて流下する球の経路が板部材B410と前意匠部材B420とに囲まれ、球が傾倒部材B470から逸れないように構成されている(図1583参照)。そのため、図1596に示すように、傾倒部材B470が全開放する前の状態であっても、傾倒部材B470に球の重みが与えられることで傾倒部材B470が開放位置へ変位される(押し下げられる)ことから、球が傾倒部材B470に拾われ易く構成することができる。
電動役物B640aの励磁状態から非励磁状態への切替動作(図1597から図1595へ戻る動作)においても、スライド部材B450の動作タイミングと傾倒部材B470の動作タイミングとにずれがある。
即ち、動作開始(図1597参照)から途中位置(図1596参照)までは伝達部材B480の第1部材B481に傾倒部材B470の被伝達部B474が押し下げられると共に、第1部材B481の下板部B482bに第2部材B485の係止突設部B487が押し下げられることで、傾倒部材B470及びスライド部材B450が共に動作する。一方で、途中位置(図1596参照)でスライド部材B450が前進位置に既に到達しているので、途中位置からは傾倒部材B470のみが動作される。
これにより、電動役物B640aの励磁状態から非励磁状態への切替動作において、傾倒部材B470の動作完了よりも先にスライド部材B450を前進位置に配置させることができる。そのため、球が先端部B451に乗り易いようにすることができる(先端部B451に球が拾われる期間をなるべく延ばすことができる)と共に、傾倒部材B470に球が拾われ易くすることができる(傾倒部材B470が閉鎖位置に到達するまでの期間を引き延ばすことができる)。
また、本実施形態では、スライド部材B450の先端部B451の下側には突条部B455が形成されておらず、先端部B451において上下方向の弾性変形が許容される。そのため、励磁状態(図1597参照)から非励磁状態(図1595参照)への切替動作において、スライド部材B450と前意匠部材B420(図1582参照)との間に球が挟まり、スライド部材B450の変位が抑制され得る事態が生じたとしても、先端部B451を弾性変形させてスライド部材B450の前方変位を継続することができるので、スライド部材B450と連動する傾倒部材B470の起き上がり動作が不良となることを回避し、傾倒部材B470の起き上がり動作を確実に完了させることができる。
本実施形態では上述のように、同一のソレノイドBSOL41(図1573参照)の駆動力を利用しながら、電動役物B640aを非励磁状態から励磁状態に切り替える場合に、傾倒部材B470に駆動力が必要となるタイミングと、スライド部材B450に駆動力が必要となるタイミングとをずらしている。
上述のように、本実施形態では、電動役物B640aが非励磁状態から励磁状態に切替動作される場合には、傾倒部材B470の動作開始が先行し、その後でスライド部材B450の動作が開始され、傾倒部材B470及びスライド部材B450の動作終了のタイミングはほぼ同じとなるように設定されている。
スライド部材B450側からの負荷伝達について説明する。図1595に示すように、第2部材B485の下端部(回転軸部B485aの下方の部分)には回転軸部B485aの軸方向に沿って係止突設部B487が突設形成される。
係止突設部B487は、前後方向で第1部材B481の下板部B482bと当接するよう配設される。この当接部分に生じる摩擦力により、電動役物B640aの非励磁状態における第1部材B481の意図せぬ上昇(浮き上がり)を抑制することができ、傾倒部材B470を閉鎖位置に維持し易くすることができる。
更に、電動役物B640aの非励磁状態において、スライド部材B450を後ろ向きに移動させ、連動して第2部材B485を後転方向に回転変位させる方向の負荷(後向きの負荷)がスライド部材B450に与えられた場合であっても、係止突設部B487の移動方向に下板部B482bが配置されていることにより、第2部材B485の回転変位が止められ、スライド部材B450の後方への変位も止められる。
この場合において、係止突設部B487の移動方向(回転軸部B485aを中心とした円に沿う方向)と、第1部材B481の移動方向(上下方向)とが交差する(直交する)ことから、係止突設部B487を介して伝達される負荷によって第1部材B481が上下方向に変位することを防止している。これにより、非励磁状態において、スライド部材B450が予期せず後方に変位する事態の発生を回避し易くすることができる。
これにより、例えば、パチンコ機B10(図1563参照)の外部から遊技領域内に不正に金属細線(ピアノ線や針金等)を進入させて、その金属細線を介してスライド部材B450に負荷を与え、電動役物B640aの配置を変化させる不正行為への対策とすることができる。
特に、非励磁状態においてベース板B60(図1564参照)の正面側に張り出しており、不正行為を行う者が負荷を与えることが容易であると考えるであろうスライド部材B450について対策を行うことで、不正行為の継続の抑制を図ることができる。
図1598は、図1577(c)のMDXIX-MDXIX線における板部材B410、ベース板B437、スライド部材B450、傾倒部材B470及び伝達部材B480の断面図である。図1598では、構造の理解を容易とするための入賞ユニットB400の不要な構成の図示が省略されており、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態に切り替えられる途中において傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間に球が挟まることで傾倒部材B470の動作が一時的に停止した状態が図示される。
上述したように、傾倒部材B470とスライド部材B450との動作は伝達部材B480を仲立ちとして連動する。本実施形態では、図1598に示すように、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間で球が挟まった(球噛みが生じた)場合において、スライド部材B450の前進が抑えられており、板部材B410の球通過開口B414(図1578参照)の正面側を流下する球が、スライド部材B450に拾われにくいように構成されている。
従って、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間で球が挟まった(球噛みが生じた)場合に、入賞ユニットB400の内部に想定外に多量の球が滞留する事態が生じることを回避し易くすることができる。
これにより、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとの間に球が挟み込まれた場合に、スライド部材B450に次々に球が拾われ、傾倒部材B470側に向けて次々に球が流下して、傾倒部材B470と傾斜面部B437eとで挟み込まれた球に対して後追いの球が次々に重なり、傾倒部材B470の動作不良を引き起こす事態が生じることを回避することができる。
図1564に戻って説明する。本実施形態では、遊技領域の左右幅略中央位置において、センターフレームB86の上側部を構成するようにして、上側可変入賞装置B700が配設される。レールB61,B62に沿って打ち出された球の一部は、釘に衝突しながら上側可変入賞装置B700に到達する。
図1599(a)及び図1599(b)は、図1564の範囲MDXXXVIIIaにおける上側可変入賞装置B700の拡大正面図である。図1599(a)では、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態が図示され、図1599(b)では、上側可変入賞装置B700の開放状態が図示される。
上側可変入賞装置B700は、ベース板B60に前後方向で穿設される開口を塞ぐようにベース板B60に締結固定されガラスユニットB16(図1563参照)との間で球を流下させる経路を構成する基礎板部材B710と、その基礎板部材B710の上側部に前後方向で穿設される逆V字開口B711を通って前後方向にスライド移動可能とされる移動上蓋部材B730と、その移動上蓋部材B730の正面側を通過した遊技球が通過(入賞)可能に構成される第2特定入賞口B700aが形成される検出センサと、基礎板部材B710の下側部に前後方向で穿設される矩形開口B712を通って前後方向にスライド移動可能とされる移動床部材B740と、球が通過可能な開口部B751が基礎板部材B710の正面側に配置され基礎板部材B710の正面側を流下する球の通過を検出可能に構成される複数の検出センサB750と、を備える。
また、移動床部材B740の正面側を通過した遊技球は、内レールB61や外レールB62と同様に帯状の金属板で湾曲形状に形成されベース板B60の正面側に植立される中間レール部材B781に受け止められる。
中間レール部材B781の最下端部の後方位置において、ベース板B60に球抜き開口B782が形成されている。中間レール部材B781に受け止められた球は球抜き開口B782を通って、図示しない球排出路へと案内される。
上側可変入賞装置B700は、正面側に配設されるガラスユニットB16との間で遊技領域を形成するように配置される。ガラスユニットB16は透明なため、遊技者は正面視で第2特定入賞口B700aや検出センサB750の開口部B751を視認することができる。
なお、ガラスユニットB16の背面側に、正面視で第2特定入賞口B700aや検出センサB750の開口部B751と重なる大きさの樹脂板部材を配置し、その樹脂板部材と基礎板部材B710との間で球が流下するように構成しても良い。この場合、樹脂板部材として透過性の部材を採用するか、不透過性の部材を採用するかで、遊技球の視認性を異ならせることができる。例えば、不透過性の部材を採用した場合には、上側可変入賞装置B700を、特定入賞口700aや開口部B751への球の通過を視認困難なものとして構成することができる。
基礎板部材B710は、上側部において左右端部がセンターフレームB86の左右中央側の端部に近接する細幅の逆V字形状で穿設される逆V字開口B711と、下側部において左右長尺の矩形状で穿設される矩形開口B712と、逆V字開口B711の下側において正面側に延設される板状部であって第2特定入賞口B700a側へ向けて下降傾斜する左右一対の傾斜転動板部B713と、その傾斜板部713よりも下側かつ検出センサB750よりも左右外側の位置において正面側に延設される板状部であって検出センサB750側へ向けて下降傾斜する左右一対の傾斜外壁板部B714と、第2特定入賞口B700aの下方において第2特定入賞口B700aを通過した球を受け入れ可能な間隔を空けて正面側に延設される一対の板状部であって下端部が矩形開口B712に近接配置される左右一対の貯留板部B715と、検出センサB750の下方において開口部B751を通過した球を内側に受け入れ可能な左右幅のU字形状で正面側に延設される左右一対の受入部B716と、その受入部B716の内側の形状で前後方向に穿設され受入部B716で受け入れられた球を背面側へ排出する左右一対の排出開口B717と、を備える。
傾斜転動板部B713、傾斜外壁板部B714、貯留板部B715及び受入部B716は、ガラスユニットB16との間に球をこぼさないために十分な位置まで延設される。即ち、正面視において、球は傾斜転動板部B713、傾斜外壁板部B714、貯留板部B715及び受入部B716を貫通することはなく、その形状に沿って流下する。
傾斜外壁板部B714は、検出センサB750の上側において傾斜転動板部B713との間に球が入り込み得る隙間を構成する。これにより、検出センサB750の上側において左右外側へ逸れた球を、傾斜に沿って検出センサB750側へ案内することができる。
貯留板部B715は、第2特定入賞口B700aの中心軸から左右に同距離だけ離れた位置に配置される。即ち、第2特定入賞口B700aの中心軸が、貯留板部B715の左右側面と平行な平面であって一対の貯留板部B715の中間位置に配置される平面上に配置される。これにより、第2特定入賞口B700aに入球した球が一対の貯留板部B715の間の隙間に流入し易くすることができる。
移動上蓋部材B730は、左右外側へ向けて下降傾斜する正面視逆V字形状に屈曲した板部B731を有し、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態では板部B731がベース板B60の正面側に張り出し、移動上蓋部材B730に乗った球は板部B731の傾斜に沿って左右外側へ流される。
上側可変入賞装置B700の開放状態に切り替えられると、板部B731はベース板B60の前端面よりも後方に退避され、板部B731上に乗っていた球は傾斜転動板部B713へ向けて落下する。
この時、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態において板部B731の傾斜に沿って流下していた球は左右外側へ向けた速度を有しているため、傾斜転動板部B713の左右外側部に着地し易い。その上で、傾斜転動板部B713の左右内側へ向けた傾斜に沿って流れて、第2特定入賞口B700aを通過することになる。
即ち、板部B731の上面を流れる球の流下方向を、第2特定入賞口B700aに最短距離で向かう方向に比べて迂回した方向にさせ易く、第2特定入賞口B700aを球が通るまでの時間を長引かせることができる。
移動上蓋部材B730が左右両側に傾斜していることで、第2特定入賞口B700aを球が通るまでの時間を長引かせるという上記の効果を複数経路で生じさせることができるので、球の流下が遅くなることによって球の流下が滞ることを抑制することができる。
つまり、球が通るまでの時間を長引かせつつも、球の滑らかな流下を保ち易いので、球詰まりを疑って遊技者が球の発射を止めるという事態の発生を避けることができる。即ち、球の発射を促進することができる。
更に、球が通るまでの時間を長引かせることで複数の球が第2特定入賞口B700aの上側近辺に配置された場合であっても、それらは必ず第2特定入賞口B700aを通過するという構成なので、遊技者は第2特定入賞口B700aを視界に入れておくことで、移動上蓋部材B730の前側を通過した球を見失う事を避けられる。
なお、板部B731と傾斜転動板部B713との上下間隔は、左右中央側において最長となり、左右外側へ向かうにつれて短くなるよう構成されている。更に、左右外側端部においては、その上下間隔は球の直径未満となるように構成されている。
そのため、例えば、球が傾斜転動板部B713の左右外側端部に乗っている場合に、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態に切り替えられることで移動上蓋部材B730の板部B731が正面側にスライド移動すると、板部B731から球に対して左右内側へ押し込む方向の負荷が生じる。
これにより、板部B731の正面側を通過した球が傾斜転動板部B713の左右外側端部で滞留することを回避できると共に、その球が第2特定入賞口B700aに到達するまでの期間が過度に長くなることを回避することができる。
移動上蓋部材B730と、移動床部材B740とは、後述するソレノイドB763の駆動力により、同期して前後反対方向に動作する。図1599(a)及び図1599(b)では、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の外形は、ガラスユニットB16との間の隙間が、球を通過させないための長さとして十分に短い場合には実線で図示され、ガラスユニットB16との間を球が通り得る程度にガラスユニットB16との間の隙間が長い場合には想像線で図示される。
即ち、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態では、移動床部材B740は後側へ退避され、貯留板部B715の下方へ球が排出可能とされ(図1599(a)参照)、上側可変入賞装置B700の開放状態では、移動床部材B740は前側へ張り出され、貯留板部B715の下方への球の排出が不能とされる(図1599(b)参照)。
上側可変入賞装置B700の開放状態において移動上蓋部材B730の前側を流下した球が第2特定入賞口B700aに通過を検出されると賞球の払い出しが行われる一方、検出センサB750の開口部B751は、入球を契機として遊技状態を変化させるための特定領域として機能する。即ち、大当たり遊技中に球が開口部B751を通過したことを要件として、大当たり遊技終了後の遊技状態を高確率状態とするように制御されるが、詳細は後述する。
図1600(a)から図1600(c)は、図1564の範囲MDXXXVIIIaにおける上側可変入賞装置B700の拡大正面図である。図1600(a)から図1600(c)では、上側可変入賞装置B700への球の入球態様の一例が時系列で図示される。
図1600(a)から図1600(c)において、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の外形が、実線で図示される意味と、想像線で図示される意味とは、図1599(a)及び図1599(b)での図示における意味と同様である。
図1600(a)に示すように、上側可変入賞装置B700の開放状態では、移動上蓋部材B730の前側を通過した球は、傾斜転動板部B713を転動し第2特定入賞口B700aを通過するか、または、例えば第2特定入賞口B700aの真上から落下するような球は傾斜転動板部B713を介さずに第2特定入賞口B700aに直接流入する。
第2特定入賞口B700aを通過した球は、図1600(b)に示すように貯留板部B715と移動床部材B740とにより構成される領域に順番に貯留される。そして、球で貯留板部B715の上端付近まで満たされた場合に(貯留板部B715の上端部付近に4個目で第2特定入賞口B700aを通過した球BP1が配置された状態で)、球BP1の後追いで第2特定入賞口B700aを通過した球BP2は、貯留板部B715の間の隙間に入球することはできず、左右に流れて開口部B751を通過する(図1600(c)参照)。
即ち、貯留板部B715の上端部付近まで球で満たされた場合に、貯留板部B715の内側に配置された球ではなく、その後追いで貯留板部B715の上端部付近に到達した球が開口部B751を通過する。
図1600に示す例によれば、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球が第2特定入賞口B700aを通過すれば、球は開口部B751を通過することになる。
図1601(a)から図1601(c)は、図1564の範囲MDXXXVIIIaにおける上側可変入賞装置B700の拡大正面図である。図1601(a)から図1601(c)では、上側可変入賞装置B700への球の入球態様の一例が時系列で図示される。
図1601(a)から図1601(c)において、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の外形が、実線で図示される意味と、想像線で図示される意味とは、図1599(a)及び図1599(b)での図示における意味と同様である。
図1601(a)に示すように、上側可変入賞装置B700の開放状態では、貯留板部B715と移動床部材B740とにより構成される領域に球が貯留されている状態が維持され、移動上蓋部材B730の前側を通過した球は、傾斜転動板部B713を転動し第2特定入賞口B700aを通過するか、または、例えば第2特定入賞口B700aの真上から落下するような球は傾斜転動板部B713を介さずに第2特定入賞口B700aに直接流入する。
図1601(a)に示す状態は、図1600(b)に示す状態と同様に、貯留板部B715の間に貯留される球に乗ることで貯留板部B715の上端部付近に配置され得る球BP1が流下している。
この状態で、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態に切り替えられると、移動床部材B740が後方へ退避し、貯留板部B715の間の領域に貯留されていた球が下から順に排出される(図1601(b)参照)。
図1601(b)及び図1601(c)では、球が1個だけ排出された状態が図示されるが、排出される球の個数は、移動床部材B740が後方へ退避している時間の長さに対応しており、短時間であれば一部の球が排出され、長時間であれば全球が排出される。
貯留板部B715の間の領域から球が排出されていることから、4個目で第2特定入賞口B700aを通過した球BP1は、貯留板部B715の上端部付近よりも球一つ分(即ち、排出個数分)だけ下方に配置され、図1601(c)に示すように球BP1の後追いで第2特定入賞口B700aを通過した球BP2も、貯留板715の間の領域に入球することになり、球BP2が貯留板部B715の上端部付近に配置されることになる。
図1601(c)に示す状態から、更に球BP2の後追いで第2特定入賞口B700aを通過した球は、貯留板部B715の間の隙間に入球することはできず、左右に流れて開口部B751を通過する。
即ち、図1601に示す例によれば、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球が第2特定入賞口B700aを通過したとしても、必ずしも球は開口部B751を通過するとは限らない。
球が開口部B751を通過するか否かは、後追いの球BP2が第2特定入賞口B700aを通過して貯留板部B715の上端部付近に到達するまで、貯留板部B715の上端部付近に球BP1が配置されている状態(図1600(c)参照)が維持されるか否かに因る。
貯留板部B715からの球の排出は、移動上蓋部材B730が閉鎖されるタイミングで生じ(図1601(b)参照)、排出される球の個数は開閉動作の長さに関係するので、移動上蓋部材B730の開閉動作の発生が頻繁であるほど、また、移動上蓋部材B730が閉鎖される時間が長いほど、貯留板部B715の上端部付近に球BP1が配置されている状態(図1600(c)参照)が維持され難くなり、球が開口部B751を通過し難くなる。なお、移動上蓋部材B730の動作制御の詳細については後述する。
図1602(a)から図1602(c)は、図1599(a)のMDXLIa-MDXLIa線における移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の断面図である。図1602(a)から図1602(c)では、ベース板B60の前端面および後端面が想像線で図示され、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態から開放状態へ切り替えられる様子が時系列で図示される。なお、図1602(a)から図1602(c)では、理解を容易とするために、駆動伝達装置B760が断面図ではなく、右方向から視認する側面図として図示される。
駆動伝達装置B760は、ベース板B60の背面側寄りの位置で固定配置される回転軸BJ1に軸支される第1部材B761と、ベース板B60の正面側寄りの位置で固定配置される回転軸BJ2に軸支される第2部材B762と、電磁力によりプランジャ―B763aを上下方向にスライド移動可能に構成されるソレノイドB763と、そのソレノイドB763のプランジャ―B763aが嵌め込まれそのプランジャ―B763aのスライド移動に同期して上下方向にスライド移動する伝達部材B764と、を備える。
上側可変入賞装置B700の閉鎖状態(図1602(a)参照)では、第1部材B761が前倒姿勢でベース部材60側の下支え部(図示せず)に下支えされ、移動上蓋部材B730が前進位置に配置され、第2部材B762が後倒姿勢でベース部材60側の下支え部(図示せず)に下支えされ、移動床部材B740が後退位置に配置される。
上側可変入賞装置B700の開放状態(図1602(c)参照)では、第1部材B761が後倒姿勢とされ、移動上蓋部材B730が後退位置に配置され、第2部材B762が前倒姿勢とされ、移動床部材B740が前進位置に配置される。
第1部材B761は、右側面から右方に突設部B761aが断面円形状で突設形成され、伝達部材B764は、突設部B761aの下方に位置するように突設部B761a側(本実施形態では、後側)に延設される後方延設部B764aと、その後方延設部B764aの上側において後方延設部B764aと平行に突設部B761a側に延設され先端が屈曲形成される屈曲延設部B764bと、を備える。
第2部材B762は、右側面から右方に突設部B762aが断面円形状で突設形成され、伝達部材B764は、突設部B762aの上方に位置するように突設部B762a側(本実施形態では、後側)に延設される後方延設部B764cと、その後方延設部B764cの下側において後方延設部B764cと平行に突設部B762a側に延設され先端が屈曲形成される屈曲延設部B764dと、を備える。
ソレノイドB763は、電磁力が発生することで(励磁状態)、プランジャ―B763aを上方に引き上げるよう構成され、電磁力が消えると(非励磁状態)、コイルバネの付勢力および重力によってプランジャ―B763aが下方に下ろされる。
移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の連動について説明する。図1602(a)に示すように、ソレノイドB763の非励磁状態においてプランジャ―B763aが下方側終端位置に配置されることに伴い、駆動伝達装置B760の伝達部材B764が下方側終端位置に配置される。
ソレノイドB763が励磁状態とされることで、伝達部材B764が上方へスライド移動されるが、そのスライド移動の過程で、まず屈曲延設部B764dの上面に突設部B762aが押し上げられる態様で第2部材B762が前転方向に回動し始める(図1602(b)参照)。
この間、後方延設部B764aも同様に上方へスライド移動されるが、後方延設部B764aと突設部B761aとの隙間が埋められるに留まり、突設部B761aは後方延設部B764aから負荷を与えられない。即ち、第1部材B761は依然として前倒姿勢を維持している。
図1602(b)の状態から更に伝達部材B764が上方へスライド移動すると、後方延設部B764aの上面に突設部B761aが押し上げられる態様で第1部材B761が後転方向に回動し、後倒姿勢に変化する(図1602(c)参照)。
本実施形態では、第1部材B761が前倒姿勢から後倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量と、第2部材B762が後倒姿勢から前倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量とが同じとされる。
そのため、第1部材B761が後倒姿勢になる前に、第2部材B762は前倒姿勢になる。本実施形態では、屈曲延設部B764dの後方への延設長さが、第2部材B762の前倒姿勢における突設部B762aの前端部を超えない長さとされているので、第2部材B762が前倒姿勢となった後において屈曲延設部B764dから第2部材B762へ上向きの負荷が生じることが防止される。
更に、屈曲延設部B764dの後端側において下方へ延びる部分の後面が突設部B762aと当接し、斜め前下方への変位を規制することで、第2部材B762の後転方向への回動を防止している。
この場合において、突設部B762aから伝達部材B764にかけられる負荷は主に前後方向の負荷となるので、突設部B762aを介して伝達される負荷により伝達部材B764が上下方向に変位することを防止し易くすることができ、伝達部材B764の配置を維持し易くすることができる。
図1602(a)から図1602(c)に示すように、上側可変入賞装置B700の閉鎖状態から開放状態への切替動作は、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に動作するものではなく、動作タイミングに時間差がある。
即ち、事前に移動床部材B740が前進位置へ向けた動作を開始し、その後で移動上蓋部材B730が後退位置へ向けた動作を開始する。これにより、移動上蓋部材B730が後退位置に変位した直後に移動上蓋部材B730の正面側を球が通過したとしても、その時には既に移動床部材B740が前進位置に配置されているようにすることができる。
これにより、移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が通り過ぎるまで移動床部材B740が前進位置に配置されず、球が移動床部材B740の正面側を通り過ぎてしまい、貯留板部B715の間に球が貯留されない事態を回避することができる。
なお、これに加えて、本実施形態では移動上蓋部材B730の形状から、板部B731の上面を転動した球が第2特定入賞口B700aを通過するまでの期間が長くなるように図っていることからも、貯留板部B715の間に球が貯留されない事態を回避することができる。
図1603(a)から図1603(c)は、図1599(a)のMDXLIa-MDXLIa線における移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の断面図である。図1603(a)から図1603(c)では、ベース板B60の前端面および後端面が想像線で図示され、上側可変入賞装置B700が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる様子が時系列で図示される。なお、図1603(a)から図1603(c)では、理解を容易とするために、駆動伝達装置B760が断面図ではなく、右方向から視認する側面図として図示される。
移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の連動について説明する。図1603(a)に示すように、ソレノイドB763の励磁状態においてプランジャ―B763aが上方側終端位置に配置されることに伴い、駆動伝達装置B760の伝達部材B764が上方側終端位置に配置される。
ソレノイドB763が非励磁状態とされることで、ソレノイドB763に設けられるコイルバネの付勢力および重力によりプランジャ―B763aが下方へ移動され、伝達部材B764が下方へスライド移動されるが、そのスライド移動の過程で、まず屈曲延設部B764bの下面に突設部B761aが押し下げられる態様で第1部材B761が前転方向に回動し始める(図1603(b)参照)。
この間、後方延設部B764cも同様に下方へスライド移動されるが、後方延設部B764cと突設部B762aとの隙間が埋められるに留まり、突設部B762aは後方延設部B764cから負荷を与えられない。即ち、第2部材B762は依然として前倒姿勢を維持している。
図1603(b)の状態から更に伝達部材B764が下方へスライド移動すると、後方延設部B764cの下面に突設部B762aが押し下げられる態様で第2部材B762が後転方向に回動し、後倒姿勢に変化する(図1603(c)参照)。
本実施形態では、第1部材B761が後倒姿勢から前倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量と、第2部材B762が前倒姿勢から後倒姿勢まで到達するまでに伝達部材B764に要求される上下方向変位量とが同じとされる。
そのため、第2部材B762が後倒姿勢になる前に、第1部材B761は前倒姿勢になる。本実施形態では、屈曲延設部B764bの後方への延設長さが、第1部材B761の前倒姿勢における突設部B761aの前端部を超えない長さとされているので、第1部材B761が前倒姿勢となった後において屈曲延設部B764bから第1部材B761へ下向きの負荷が生じることが防止される。
更に、屈曲延設部B764bの後端側において上方へ延びる部分の後面が突設部B761aと当接し、斜め前上方への変位を規制することで、第1部材B761の後転方向への回動を防止している。
この場合において、突設部B761aから伝達部材B764にかけられる負荷は主に前後方向の負荷となるので、突設部B761aを介して伝達される負荷により伝達部材B764が上下方向に変位することを防止し易くすることができ、伝達部材B764の配置を維持し易くすることができる。
図1603(a)から図1603(c)に示すように、上側可変入賞装置B700の開放状態から閉鎖状態への切替動作は、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に動作するものではなく、動作タイミングに時間差がある。
即ち、事前に移動上蓋部材B730が前進位置へ向けた動作を開始し、その後で移動床部材B740が後退位置へ向けた動作を開始する。これにより、移動上蓋部材B730が閉鎖するきっかけとなる球(例えば、規定個数目で第2特定入賞口B700aを通過する球)について、その球が貯留板部B715の上端部付近に到達するまでの時間を引き延ばすことができる。
即ち、移動床部材B740が後退位置へ移動され、貯留板部B715から球が排出され始めるまでの時間を引き延ばすことができるので、移動上蓋部材B730が閉鎖するきっかけとなる球が検出センサB750の開口部B751を通過する可能性を高めることができる。
特に、移動上蓋部材B730が閉鎖するきっかけとなる球は、板部B731の前側を通過するので、板部B731の傾斜の影響を受けておらず、左右内側向きの速度を有したまま流下することが多い。そのため、第2特定入賞口B700aへの到達までの期間を短くすることができるので、移動床部材B740が後退位置へ変位する前に貯留板部B715の上端部付近に到達することへの遊技者の期待感を高めることができる。
更に、本実施形態では、第2特定入賞口B700aから検出センサB750までの距離が短いことに加え、貯留板部B715の上端部付近が第2特定入賞口B700aの真下に配置されることから、第2特定入賞口B700aを通りさえすれば、その球が検出センサB750の開口部B751を通過するかもしれないと思わせることができ、遊技者の期待感を上げることができる。
次いで、図1604を参照して、本実施形態の大当たり遊技における1ラウンド目に開放される第2特定入賞口B700aの開放パターンについて説明する。なお、図1604の説明では、図1564、図1566及び図1599から図1603を適宜参照する。
図1604(a)は、第1の特別作動パターンにおける第2特定入賞口B700aの計時変化を示した図であり、図1604(b)は、第2の特別作動パターンにおける第2特定入賞口B700aの計時変化を示した図であり、図1604(c)は、第3の特別作動パターンにおける第2特定入賞口B700aの計時変化を示した図である。
MPUB201(図1566参照)は、大当たりを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当たり遊技の制御を開始する。以下、大当たり遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の作動制御について説明する。
なお、図1604(a)から図1604(c)において、上開下閉は、移動上蓋部材B730が後退位置に配置されており且つ移動床部材B740が前進位置に配置されている状態を意味し、上閉下開は、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されており且つ移動床部材B740が後退位置に配置されている状態を意味する。本実施形態では、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の変位のタイミングがずれることは上述の通りであるが、図1604(a)から図1604(c)では、タイミングのずれを表現しない形で簡略して図示される。
まず、第1の特別作動パターンの動作が実行される場合について説明する。本実施形態では、後述するように、第1の特別作動パターンに基づいて移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が動作するようMPUB201がソレノイドB763を駆動制御する大当たり種別が用意されている。この大当たり種別の大当たりを決定した場合、MPUB201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間BOP1(10秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、オープニング時間BOP1の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材B730を前進位置から後退位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを開放するようソレノイドB763を駆動制御して、移動上蓋部材B730に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材B730を前進位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを閉鎖するようソレノイドB763を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の特別作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて移動床部材B740が前進位置に配置された状態が常に継続されるので、図1600を参照して上述したように、規定個数の球を第2特定入賞口B700aに通過させる過程において、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球を貯留板部B715側へ向けて流下させることができる。従って、球が開口部B751を通過する場合を容易に生じさせることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間BInt1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間BInt1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
ラウンド間第1インターバル時間BInt1は、移動上蓋部材B730が前進位置へ変位される直前に移動上蓋部材B730の前側を通過した球が移動床部材B740の前側を通過するのに十分な時間として設定されればよく、本実施形態では約2秒間とされる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に特定入賞口B65aが開放される。そして、ラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、特定入賞口B65aを閉鎖し、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間BInt1を挟んで3ラウンド目~最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、特定入賞口B65aが開閉される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間BInt1およびエンディング時間ED(例えば、11秒)が経過するまで特定入賞口B65aが閉鎖状態で保持され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
次に、第2の特別作動パターンの動作が実行される場合について説明する。本実施形態では、後述するように、第2の特別作動パターンに基づいて移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が動作するようMPUB201がソレノイドB763を駆動制御する大当たり種別が用意されている。この大当たり種別の大当たりを決定した場合、MPUB201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間BOP1(10秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、オープニング時間BOP1の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材B730を前進位置から後退位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを開放するようソレノイドB763を駆動制御して、移動上蓋部材B730に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材B730を前進位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを閉鎖するようソレノイドB763を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の特別作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて移動上蓋部材B730が後退位置に配置されると共に移動床部材B740が前進位置に配置される状態と、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されると共に移動床部材B740が後退位置に配置される状態とが約1秒毎に切り替えられる。
換言すれば、第2特定入賞口B700a側へ球を誘導できると共に貯留板部B715の間の位置に球を貯留可能な状態と、第2特定入賞口B700a側への球の誘導が制限されると共に貯留板部B715の間の位置に貯留された球が排出される状態とが約1秒毎に切り替えられる。
本実施形態では、貯留板部B715の間の位置からの球の排出は1個当たり約0.2秒で完了されるよう形成される。そのため、移動床部材B740が後退位置に約1秒間配置されている間に貯留板部B715の間の位置から最大で5個の球が移動床部材B740の前側を流下可能となる。また、パチンコ機B10に許容される球の発射間隔(本実施形態では、0.6秒間隔)から考えて、移動上蓋部材B730が後退位置に約1秒間配置されている間に移動上蓋部材B730の前側を通過する球の個数は多くて3個程度である。
そのため、図1601を参照して上述したように、規定個数の球を第2特定入賞口B700aに通過させる過程において、貯留板部B715の間の隙間に貯留された球が排出され得る状態が構成される。その上で、単位時間(約1秒間)当たりに貯留板部B715の間の隙間側へ誘導できる球の個数よりも、貯留板部B715の間の隙間から排出できる球の個数の方が多いので、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球を貯留板部B715の間の隙間に貯留させる状態を構成することが困難である。従って、球が開口部B751を通過する場合を生じさせることが困難である。
一方で、見かけ上は開口部B751が閉鎖されていないことから、球のイレギュラーな流下態様や、パチンコ機B10の設置時の傾斜等により、稀に開口部B751への入球が生じる可能性があるかもしれないと遊技者に思わせることができるので、上側可変入賞装置B700に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了した後の制御は、第1の特別作動パターンで動作する場合と同様なので、説明を省略する。
次に、第3の特別作動パターンの動作が実行される場合について説明する。本実施形態では、後述するように、第3の特別作動パターンに基づいて移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が動作するようMPUB201がソレノイドB763を駆動制御する大当たり種別が用意されている。この大当たり種別の大当たりを決定した場合、MPUB201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間BOP1(10秒)が経過するまで移動上蓋部材B730を前進位置に保持するようソレノイドB763を駆動制御し、オープニング時間BOP1の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間BT1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材B730を前進位置から後退位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを開放するようソレノイドB763を駆動制御して、移動上蓋部材B730に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間BT1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材B730を前進位置へ変位させて第2特定入賞口B700aを閉鎖するようソレノイドB763を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第3の特別作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて移動上蓋部材B730を後退位置で、且つ移動床部材B740を前進位置で約1秒間維持する状態と、移動上蓋部材B730を前進位置で、且つ移動床部材B740を後退位置で約0.2秒間維持する状態とが、交互に切り替えられる。
換言すれば、第2特定入賞口B700a側へ球を誘導できると共に貯留板部B715の間の位置に球を貯留可能な状態が約1秒間維持される態様と、第2特定入賞口B700a側への球の誘導が制限されると共に貯留板部B715の間の位置に貯留された球が排出される状態が約0.2秒間維持される態様とが、交互に繰り返される。この時間設定によれば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態は、1ラウンド目のラウンド遊技において最大で約25回形成可能とされる。
本実施形態では、貯留板部B715の間の位置からの球の排出は1個当たり約0.2秒で完了されるよう形成される。そのため、移動床部材B740が後退位置に約0.2秒間配置されている間に貯留板部B715の間の位置から最大で1個の球が移動床部材B740の前側を流下可能となる。また、パチンコ機B10に許容される球の発射間隔(本実施形態では、0.6秒間隔)から考えて、移動上蓋部材B730が後退位置に1秒間配置されている間に移動上蓋部材B730の前側を通過する球の個数は多くて3個程度である。
そのため、図1601を参照して上述したように、規定個数の球を第2特定入賞口B700aに通過させる過程において、貯留板部B715の間の隙間に貯留された球が排出され得る状態が構成される。
その上で、単位時間(約1秒間)当たりに貯留板部B715の間の隙間側へ誘導できる球の個数よりも、第2単位時間(約0.2秒間)当たりに貯留板部B715の間の隙間から排出できる球の個数の方が少ないので、貯留板部B715の間の隙間に貯留され得る球の最大個数(本実施形態では、4個)よりも多い個数の球を貯留板部B715の間の隙間に貯留させる状態を構成することが、第2の特別作動パターンで上述する場合よりも容易とされる。従って、球が開口部B751を通過する場合を第2の特別作動パターンで上述する場合よりも生じさせることが容易とされる。
一方で、貯留板部B715の間の隙間に貯留された球は移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の変位が生じる毎に(約1.2秒間隔)、1個の割合で排出されるので、移動上蓋部材B730の前側を球が通過する頻度や、時間間隔によっては、球が開口部B751を通過せずに1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する場合も生じうる。
本実施形態における第3の特別作動パターンによれば、球が移動上蓋部材B730の前側を通過する頻度を上げることで、球が開口部B751を通過する可能性を高めることができるので、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける遊技における球の発射態様を継続打ち(球の発射を止めることなく、パチンコ機B10に許容される球の発射間隔(本実施形態では、0.6秒間隔)で球を連続で発射させる態様)にさせ易い。
これにより、遊技者が単発打ち(超過賞球等の利益を得るための技術介入として、球の発射を意図的に止めて0.6秒間隔以上の間隔を空けて球を一発ずつ発射する態様)を行うことを防止し易くすることができので、遊技者の経験の多少に関わらず遊技者が得られる利益の均一化を図ることができる。
なお、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了した後の制御は、第1の特別作動パターンで動作する場合と同様なので、説明を省略する。
図1605を参照して、ROMB202(図1566参照)の内容について説明する。図1605(a)は、主制御装置B110内のROMB202の電気的構成を示すブロック図である。図1605(a)に示すように、主制御装置B110のROMB202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブルB202a、第1当たり種別選択テーブルB202b、第2当たり乱数テーブルB202c、および変動パターン選択テーブルB202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブルB202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブルB202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
変動パターン選択テーブルB202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、第1当たり種別選択テーブルB202b及び第2当たり乱数テーブルB202cの詳細は後述する。
図1605(b)は、第1当たり乱数テーブルB202aの内容を模式的に示した模式図であり、図1605(c)は、特別図柄1乱数テーブルB202a1における第1当たり乱数カウンタC3と判定値との対応関係を模式的に示した模式図であり、図1605(d)は、特別図柄2乱数テーブルB202a2における第1当たり乱数カウンタC3と判定値との対応関係を模式的に示した模式図である。
第1当たり乱数テーブルB202aは、図1605(b)に示す通り、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブルB202a1と、第2入賞口B640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブルB202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブルB202a1は、図1605(c)に示す通り、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく、特別図柄1の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。特別図柄1の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1~319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブルB202a2は、図1605(d)に示す通り、第2入賞口B640への入球に基づく、特別図柄2の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。特別図柄2の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1~318」であるか判別されて、「1~318」であれば小当たりであると判別される。その他、「319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本制御例のパチンコ機B10における第1当たり乱数カウンタC3は、0~319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく特別図柄1の抽選時に、特別図柄1の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄1の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。
一方で、第2入賞口B640への入球に基づく特別図柄2の抽選時に、特別図柄2の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄2の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は318であるので、特別図柄2の小当たりとなる確率は「318/320」となる。
特別図柄1乱数テーブルB202a1及び特別図柄2乱数テーブルB202a2における上記の説明は、本実施形態における低確率状態に該当する。高確率状態では、「0」に加えて更に、取得した第1乱数カウンタC3の値が「1~9」であれば大当たりであると判別されるよう変更される。従って、高確率状態において特別図柄1又は特別図柄2の大当たりとなる確率は、「1/32」となる。
図1606(a)は、第1当たり種別選択テーブルB202bにおける第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図1606(b)は、第2当たり乱数テーブルB202cにおける第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
第1当たり種別選択テーブルB202b(図1606(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機B10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブルB202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図1606(a)のB202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
この場合、遊技状態は単なる確変中ではなく、特殊確変中(高頻度で小当たりを伴う特別図柄の確変中)に対応する。そのため、遊技者は、次の大当たりを獲得する前に、小当たりにより開放される特定入賞口B65aに球を入賞させることができ、多くの賞球の払い出しを受けることができる。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
1ラウンド目において開口部B751を球が通過しないというシチュエーションは、上側可変入賞装置B700への球の発射が満足にされずに、所定時間(例えば、30秒)が経過して1ラウンド目のラウンド遊技が終了した場合が想定される。
球発射ユニットB112aの球詰まりや、遊技領域における球詰まりにより、そのような事態が生じる可能性はある。これに対し、本実施形態では、特別図柄の大当たりが決定された場合に、スルーゲートB66,B67を球が通過するまでは大当たり遊技が開始されないように制御されているので、球詰まりに気づかずに大当たり遊技が開始される状況を避け易くすることができる。
なお、特別図柄の大当たりが決定された後における第3図柄表示装置B81での表示は、スルーゲートB66,B67を狙うのか、上側可変入賞装置B700を狙うのか、遊技者が混乱しないように工夫することが好ましい。例えば、大当たりが決定された直後は、スルーゲートB66,B67及び上側可変入賞装置B700の位置に向けた矢印を表示する等して狙わせ、大当たり遊技が開始された後はスルーゲートB66,B67の位置に向けた矢印の表示を消し、上側可変入賞装置B700の位置に向けた矢印の表示のみを残すようにしても良い。これにより、スルーゲートB66,B67に球を通過させた後で上側可変入賞装置B700に球を入球させるという遊技の流れをスムーズに行わせることができる。
なお、上側可変入賞装置B700へ向けて発射された球は、上側可変入賞装置B700が閉鎖状態であれば、移動上蓋部材B730の傾斜に沿って左右に流され、遊技領域B301を流れてスルーゲートB66,B67を通過することになる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図1606(a)のB202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
この場合、遊技状態は確変中に対応する。そのため、遊技者は、基本的には次の大当たりを獲得する前に多くの賞球の払い出しを受けることはできないので、短時間で次の大当たりを獲得できるようにと遊技を進行させることになる。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図1606(a)のB202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第2の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が通過することが困難とされるので、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
この場合、遊技状態は時短中に対応する。そのため、遊技者は、基本的には次の大当たりを獲得する前に多くの賞球の払い出しを受けることはできないので、短時間で次の大当たりを獲得できるようにと遊技を進行させることになる。
また、電動役物B640aの作動パターンが大当たりBの後の遊技状態と同一とされるので、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかは、電動役物B640aの動作態様からは判別できない。そのため、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知しなければ、遊技者に予想させるという遊技態様を構成することができる。一方で、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知するようにしても良い。
特別図柄1の抽選(第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口B640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~29」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図1606(a)のB202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンに設定される状態(特殊確変中に対応する)が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「30~49」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図1606(a)のB202b5参照)。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、15ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
大当たりbとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第1の特別作動パターンとされ、検出センサB750の開口部B751を球が容易に通過する。1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態(確変中に対応する)が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図1606(a)のB202b6参照)。
なお、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、8ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
大当たりcとなった場合は、1ラウンド目における上側可変入賞装置B700の作動パターンが第3の特別作動パターンとされ、遊技者の球の発射態様次第で、検出センサB750の開口部B751を球が通過する場合と、開口部B751を球が通過しない場合とが形成される。
1ラウンド目において開口部B751を球が通過した場合、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態(確変中に対応する)が、次に大当たりを獲得するまで継続する。
一方、1ラウンド目において開口部B751を球が通過しなかった場合、4ラウンドの大当たり遊技(特別遊技)を実行した後における遊技状態が低確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態(時短中に対応する)が、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する。
このいずれの場合も、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンで同じなので、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかは、電動役物B640aの動作態様からは判別できない。そのため、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知しなければ、遊技者に予想させるという遊技態様を構成することができる。
一方で、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを報知するようにしても良い。現に、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかは、1ラウンド目において開口部B751を球が通過するか否かに因るので、開口部B751を遊技者が視認可能とされる本実施形態のパチンコ機B10においては、遊技者は、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを把握できている場合が多い。
そのため、仮に、現在実行中の遊技状態が高確率状態なのか低確率状態なのかを遊技者が把握できていないという前提で第3図柄の変動演出を設計する場合には、1ラウンド目において開口部B751を視認し難くする工夫や、開口部B751から目を逸らさせるような工夫を設けることが好ましい。
例えば、開口部B751を視認し難くする工夫としては、上側可変入賞装置B700に光を照射する照射手段の光量を、特に開口部B751付近において落としたり、開口部B751付近において極めて強くして眩しくさせたりすることで、開口部B751自体の視認性を落とすようにしても良いし、第3図柄表示装置B81で実行する演出に遊技者の視線を集めることで、開口部B751への注目力を相対的に低下させるようにしても良い。
特別図柄2の抽選(第2入賞口B640への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、30%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。
一方で、15ラウンドの大当たりを獲得できる可能性が、特別図柄1の抽選に比較して高く設定されている。そのため、特別図柄1の抽選を受ける状況に比較して、特別図柄2の抽選を受ける状況の方が、15ラウンドの大当たりが獲得できるかもしれないという期待感を高めることができる。
第2当たり乱数テーブルB202c(図1606(b)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図1606(b)のB202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~239」が規定されている(図1606(b)のB202c2参照)。
本実施形態のパチンコ機B10では、普通入賞口(スルーゲート)B66,B67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブルB202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
そして、普通図柄の高確率状態でも、普通図柄の低確率状態でも、頻繁に普通図柄の当たりとなる。そのため、電動役物B640aが頻繁に作動する状態を構成させることができる。
次いで、本実施形態におけるエンディング演出について説明する。まず、パチンコ機B10の上皿B17と、上皿B17付近に配置される操作ボタン群について説明する。
図1607は、正面枠B14及び外枠B11の上面図である。正面枠B14には、球を貯留する上皿B17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿B17に賞球や貸出球などが排出される。上皿B17の底面は正面視(図1563参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿B17に投入された球が球発射ユニットB112a(図1566参照)へと案内される。
また、上皿B17の上面には、枠ボタンB22が設けられている。この枠ボタンB22は、例えば、第3図柄表示装置B81(図1564参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作されることが一般的であるが、本実施形態では、大当たり遊技中(大当たり演出中)に操作されることで特定の演出を実行させるために利用されるものであり、詳細は後述する。
また、上皿B17の上面には、上述の貸球操作部B40と同様の機能を有する第2貸球操作部B40bが配設されている。第2貸球操作部B40bには、第2度数表示部B41bと、第2球貸しボタンB42bと、第2返却ボタンB43bとが設けられている。
パチンコ機B10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で第2貸球操作部B40bが操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。
具体的には、第2度数表示部B41bはカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。第2球貸しボタンB42bは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿B17に供給される。第2返却ボタンB43bは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿B17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では第2貸球操作部B40bが不要となるが、この場合には、第2貸球操作部B40bの設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
また、上皿B17の上面における第2貸球操作部B40bの左方には球抜き操作部B44が配設される。球抜き操作部B44を押込み操作すると、球を上皿B17から下皿B50(図1563参照)へ向けて流下させることができるので、遊技者は、上皿B17に貯留された球を全球発射せずとも、任意のタイミングで遊技を終了することができる。
また、上皿B17の上面における枠ボタンB22の右方には、方向操作部B45が配設される。方向操作部B45は、上面視で上下左右の各方向に対応した位置に配置される独立操作可能な4個の操作部を有しており、例えば、パチンコ機B10から出力される音量の大小の調整を行ったり、第3図柄表示装置B81等の表示装置やLED等の発光手段の発光強度の調整を行ったり、遊技に関する演出(例えば変動演出)のタイプを複数態様で切り替え可能とされる場合にその切り替えを行ったりする場合に、遊技者等により操作される。
ここで、図1608を参照して、第3図柄表示装置B81の表示内容について説明する。図1608は、第3図柄表示装置B81の表示画面を説明するための図面であり、図1608(a)は、変動演出の表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図1608(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機B10においては、主制御装置B110(図1566参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」又は「大当たりa」(図1606参照)であれば奇数番号「7」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」又は「大当たりb」(図1606参照)であれば、「7」を除く奇数番号である「1,3,5,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われ、「大当たりC」又は「大当たりc」(図1606参照)であれば偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。
一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。なお、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が外れである場合に、特別図柄の大当たりになる可能性が高いことを示唆(予告)する連続予告演出が行われることがあり、その場合には、変動表示が行われると、所定の主図柄の組み合わせ(例えば、有効ラインLB1上に、主図柄の組み合わせが左図柄列BZ1から順に「3」「4」「1」)である、所謂「チャンス目」が必ず表示される。
図1608(a)に示すように、第3図柄表示装置B81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域BDm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域BDsとなっている。
主表示領域BDmは、左・中・右の3つの表示領域BDm1~BDm3に区分けされており、その3つの表示領域BDm1~BDm3に、それぞれ3つの図柄列BZ1,BZ2,BZ3が表示される。各図柄列BZ1~BZ3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列BZ1~BZ3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列BZ1~BZ3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列BZ1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列BZ2及び右図柄列BZ3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域BDmには、各図柄列BZ1~BZ3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域BDmの中段部が有効ラインLB1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列BZ1→右図柄列BZ3→中図柄列BZ2の順に、有効ラインLB1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインLB1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域BDsは、主表示領域BDmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域BDs1~BDs3に等区分されている。このうち、小領域BDs1は、第1入賞口B64,第3入賞口B64b又は第2入賞口B640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域BDs2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図1608(b)に示すように、主表示領域BDmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域BDsにおいては、右の小領域BDs3に動画(図示せず)が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域BDs2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
第3図柄表示装置B81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域BDsの小領域BDs1においても示される。小領域BDs1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(本実施形態では、「麦わら帽子」の図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域BDs1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域BDs1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
同様に、第3図柄表示装置B81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第2入賞口B640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域BDsの小領域BDs1においても示される。小領域BDs1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄(本実施形態では、「星形状」の図柄)が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域BDs1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域BDs1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
本実施形態では、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへ入球した場合の保留球数が小領域BDs1の上半部に横並びで表示されるのに対し(図1608(b)参照)、第2入賞口B640へ入球した場合の保留球数が小領域BDs1の下半部に横並びで表示される。
なお、本実施形態においては、第1入賞口B64又は第3入賞口B64bへの入球、及び第2入賞口B640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域BDs1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置B81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置B81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニットB80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
続けて、図1609を参照して、第3図柄表示装置B81において行われる大当たり演出について説明する。図1609(a)は、大当たり演出の流れの一例を説明するための概略図であり、図1609(b)は、エンディング演出の流れの一例を説明するための概略図であり、図1609(c)、図1609(d)及び図1609(e)は、大当たり演出の一部であるエンディング演出において表示されるエンディング表示演出の表示画面を例示した図である。
主制御装置B110では、第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、特別図柄の抽選が行われ、その後、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、図1609(a)に示すように、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドが送信され、その結果、第3図柄表示装置B81では、第1図柄表示装置37の変動表示に応じて第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置B81において第3図柄の変動表示が行われる場合には、まず、第3図柄の高速変動表示が開始され、その後、予め定められた時間(例えば、1秒~60秒など)が経過すると、第3図柄の中速変動表示へ切り替わり、更に、第3図柄の低速変動表示へ切り替わる。ここで、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃う停止表示が行われ変動演出が終了し、続けて、大当たり演出が開始される。一方、特別図柄の抽選結果が外れである場合には、同一番号の主図柄(第3図柄)が揃わない停止表示が行われて変動演出が終了し、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。
図1609(a)に示すように、大当たり演出は、ファンファーレ演出が行われる期間と、ラウンド演出が行われる期間と、エンディング演出が行われる期間との3つの期間に分けられる。
ファンファーレ演出は、これからパチンコ機B10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが繰り返し開放されることを遊技者に報知して、遊技者の期待感を高めるための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知し、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aに向けて球を発射させるように促し、多数の賞球を払い出すことを報知するための演出である。
図1609(b)に示すように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了を遊技者に報知すると共に、大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(特別図柄の大当たり確率の大小、次の大当たりを獲得するまでにまとまった賞球の払い出しが期待できるか否か、普通図柄の時短期間等)を遊技者に報知するエンディング表示演出が実行される。
また、エンディング演出には、場合に応じて、パチンコ機B10の製造会社を報知する社名表示演出や、遊技終了時や離席時に残額が存在するカード等(記録媒体、他にコイン等)の返却のための操作するように示唆するカード忘れ防止表示演出が、実行されるが、詳細は後述する。
第3図柄表示装置B81において大当たり演出が行われる場合には、図1609(a)に示すように、まず、第3図柄の停止表示がなされるタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へファンファーレコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、変動演出に続けて、ファンファーレ演出が開始される。
次に、ファンファーレ演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ第1ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、ファンファーレ演出に続けて、第1ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。本実施形態では、パチンコ機B10が特別遊技状態へ移行した後、その状態は、特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aの開閉が大当たり種別に応じた回数だけ繰り返されるまで(最大15ラウンド、図1606(a)参照)継続される。
第1ラウンドが開始され、第2特定入賞口B700aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、第2特定入賞口B700aが閉鎖されると共に、第1ラウンドが終了する。すると、ラウンド間インターバル時間Int1(図1604参照)を挟んで直ぐに第2ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ第2ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、第1ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第2ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。
第2ラウンドが開始され、特定入賞口B65aが開放された後、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)が経過すると、特定入賞口B65aが閉鎖されると共に、第2ラウンドが終了する。すると、ラウンド間インターバル時間Int1(図1604参照)を挟んで直ぐに第3ラウンドの開始タイミングとなり、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ第3ラウンドを示すラウンド数コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、第2ラウンドに対応するラウンド演出に続けて、第3ラウンドに対応するラウンド演出が開始される。
第3ラウンドが開始されると、第2ラウンドの場合と同様に、特定入賞口B65aの開閉制御が行われる。その後は、新たなラウンドが開始されるタイミングとなる毎に、新たなラウンド数を示すラウンド数コマンドが主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ送信されると共に、特定入賞口B65aの開閉制御が行われる。これにより、第1ラウンドから最終ラウンド(最大15ラウンド)までの各ラウンド演出が順番に実行される。
そして、最終ラウンドの特定入賞口B65aの開閉が終了したタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へエンディングコマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、エンディング演出が開始される。上述したように、エンディング演出では、特別遊技状態の終了が遊技者に報知されると共に、エンディング表示演出において大当たり終了後に遊技者に付与される遊技価値(特別図柄の大当たり確率の大小、次の大当たりを獲得するまでにまとまった賞球の払い出しが期待できるか否か、普通図柄の時短期間等)が遊技者に報知される。
エンディング表示演出では、例えば、図1609(c)に示すように、第3図柄表示装置B81の画面中央よりも若干上寄りの位置で、大当たり遊技において払い出された賞球個数を示す賞球表示B801が表示され、第3図柄表示装置B81の画面右下に、「チャンス100回」との内容を示す識別表示B802が表示される。また、その識別表示B802の上側に「まだ諦めるな」との内容を示す信頼度表示B803が表示され、識別表示B802の下側に後述する時間表示B811が表示される。
時間表示B811は、エンディング演出(エンディング表示演出のみの場合を含む)の終了時を報知する役割を有し、適切なタイミングから終端位置B812へ向けて右端部が移動するが、詳細は後述する。
この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりC」(図1606参照)である場合か、抽選結果が「大当たりc」であって大当たり遊技中に検出センサB750の開口部B751(図1599参照)を球が通過しなかった場合に表示されるものであり、識別表示B802が、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでは電動役物B640aが第2の作動パターンで動作制御される状態が継続され、特別図柄の大当たり確率は低確率(本実施形態では、320分の1)であることを意味する。
このように表示を構成することで、識別表示B802の意味を遊技者が理解できない場合であっても、信頼度表示B803により、次回大当たりの可能性が少ないながらあることを遊技者は認識することができる。
即ち、第3図柄表示装置B81の画面のエンディング表示演出を視認することで、遊技者に次回大当たりの期待感を持たせることができるので、意欲的に遊技を継続させることができる。
また、エンディング表示演出では、例えば、図1609(d)に示すように、第3図柄表示装置B81の画面中央よりも若干上寄りの位置で、大当たり遊技において払い出された賞球個数を示す賞球表示B801が表示され、第3図柄表示装置B81の画面右下に、「確率変動突入」との内容を示す識別表示B802が表示される。また、その識別表示B802の上側に「期待大」との内容を示す信頼度表示B803が表示され、識別表示B802の下側に後述する時間表示B811が表示される。
この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりB」又は「大当たりb」(図1606参照)である場合に表示されるものであり、識別表示B802が、大当たり終了後から特別図柄の次回大当たりとなるまでは、電動役物B640aが第2の作動パターンで動作制御される状態が継続され、特別図柄の大当たり確率は高確率(本実施形態では、32分の1)であることを意味する。
また、この画面における識別表示B802、信頼度表示B803及び時間表示B811は、抽選結果が「大当たりc」であって大当たり遊技中に検出センサB750の開口部B751(図1599参照)を球が通過した場合にも表示されるが、その場合には、賞球表示B801が図1609(d)に示す数値と異なり、図1609(c)に示す「600」とされる。
このように表示を構成することで、識別表示B802の意味を遊技者が理解できない場合であっても、信頼度表示B803により、次回大当たりに期待できることを遊技者は認識することができる。
即ち、第3図柄表示装置B81の画面のエンディング表示演出を視認することで、遊技者に次回大当たりの期待感を持たせることができるので、意欲的に遊技を継続させることができる。
なお、識別表示B802及び信頼度表示B803の内容は、これに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、識別表示B802に「次回大当たり確定」と表示し、信頼度表示B803に「更なる賞球準備中」と表示するようにしても良い。
また、エンディング表示演出では、例えば、図1609(e)に示すように、第3図柄表示装置B81の画面中央よりも若干上寄りの位置で、大当たり遊技において払い出された賞球個数を示す賞球表示B801が表示され、第3図柄表示装置B81の画面右下に、「ラッシュ突入」との内容を示す識別表示B802が表示される。また、その識別表示B802の上側に「超期待大」との内容を示す信頼度表示B803が表示され、識別表示B802の下側に後述する時間表示B811が表示される。
この画面は、特別図柄の抽選がなされ、抽選結果が「大当たりA」又は「大当たりa」(図1606参照)である場合に表示されるものであり、識別表示B802が、大当たり終了後から特別図柄の次回大当たりとなるまでは、電動役物B640aが第3の作動パターンで動作制御される状態が継続され、特別図柄の大当たり確率は高確率(本実施形態では、32分の1)であることを意味する。
このように表示を構成することで、識別表示B802の意味を遊技者が理解できない場合であっても、信頼度表示B803により、次回大当たりに期待できることに加えて、それ以上の利益を獲得可能であることを遊技者は認識することができる。
即ち、第3図柄表示装置B81の画面のエンディング表示演出を視認することで、遊技者に次回大当たりの期待感に加えて、それ以上の利益(例えば、次の大当たりを獲得する前の段階において、小当たりを利用した入賞により賞球の増加が見込めること)に対する期待感を持たせることができるので、意欲的に遊技を継続させることができる。
このように、識別表示B802は、大当たり遊技終了後の遊技状態に対応して表示を変化させるように構成されており、遊技者は、エンディング表示演出を視認することで、大当たり遊技終了後に得られる利益の予想を立てることができる。
なお、識別表示B802及び信頼度表示B803の内容は、これに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、「ラッシュ突入」に代えて、「超確変突入」でも良いし、「小当たりラッシュ突入」でも良いし、「超有利モード」等の特有の名称を付して表示しても良い。
次いで、エンディング演出における社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出について説明する。図1609(b)に示す例におけるエンディング演出では、エンディング表示演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へ社名表示コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、エンディング表示演出に続けて、社名表示演出が開始される。
次に、社名表示演出が終了するタイミングに合わせて、主制御装置B110から音声ランプ制御装置B113へカード忘れ防止表示コマンドが送信される。その結果、第3図柄表示装置B81では、社名表示演出に続けて、カード忘れ防止表示演出が開始される。
カード忘れ防止表示演出が終了することで、エンディング演出が終了する。エンディング演出の終了後は、保留されている始動入賞があれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、次の変動演出が開始される。一方で、保留されている始動入賞が無ければ(保留球数が0個であれば)、第3図柄表示装置B81では変動待機画面が表示される。
図1610(a)は、エンディング演出において表示される社名表示演出の表示画面を例示した図であり、図1610(b)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図1610(a)及び図1610(b)では、エンディング表示演出に次いで社名表示演出が実行され、その社名表示演出に次いでカード忘れ防止表示演出が実行される場合(図1609(b)参照)について説明する。
図1610(a)及び図1610(b)で示す例では、エンディング演出の実行時間が、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出でそれぞれ均等に分けられ、エンディング演出の実行時間が15秒に設定される。この場合には、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出はそれぞれ5秒ずつ割り当てられる。
図1610(a)に示すように、社名表示演出では、第3図柄表示装置B81の画面の中央付近における特定表示B810として、パチンコ機B10の製造会社名(Aカンパニー)が表示される。
また、図1610(b)に示すように、カード忘れ防止表示演出に切り替わると、第3図柄表示装置B81の画面の中央付近における特定表示B810として、カードユニットの差込口からカードが返却される様子を示す静止画(又は動画)が表示され、その下方に「カードの取り忘れにご注意下さい」とのコメントが表示される。
図1610(a)及び図1610(b)で示す例におけるエンディング演出では、5秒間実行されるエンディング表示演出の終了後、社名表示演出が5秒間実行され、カード忘れ防止表示演出が5秒間実行されることから、エンディング表示演出の終了時から次の変動演出の開始まで10秒の間が空くことになる。本実施形態では、その空いた時間を有効に利用することができるよう工夫されている。
図1610(a)及び図1610(b)に図示されるように、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の実行中に共通して、第3図柄表示装置B81の画面の下端部付近には時間経過とともに右先端部が右方へ移動する時間表示B811が表示され、第3図柄表示装置B81の画面の右上隅部には枠ボタンB22を模式的に示す枠ボタン表示B813が表示され、その枠ボタン表示B813の右側には目盛りが上下に並んでおり現在の発光強度(パチンコ機B10に配設されるLED(例えば、電飾部B29~B33や表示ランプB34(図1563参照))等の発光手段の発光強度や、第3図柄表示装置B81の画面の明るさ)の設定値を遊技者に把握可能に表示する(5段階の内、上から2番目の設定値であると表示する)目盛り表示B814が表示され、枠ボタン表示B813及び目盛り表示B814の下方には「長時間の光に注意して下さい」という内容の注意コメント表示B815が表示される。
本実施形態では、エンディング演出中では、枠ボタン表示B813が第3図柄表示装置B81の画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の押し込み操作が有効になるように制御される。即ち、エンディング演出中では、枠ボタン表示B813が第3図柄表示装置B81の画面に表示されていない場合における枠ボタンB22の操作は無効とされる。
第3図柄表示装置B81の画面において、枠ボタン表示B813及び目盛り表示B814は、カード忘れ防止表示演出の途中(残り4秒の時点)で非表示とされるが、特定表示B810、時間表示B811及び注意コメント表示B815は、カード忘れ防止表示演出が終了するまで表示が継続される。
ここで、遊技球が第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bに入球したとしても、エンディング演出の実行中は特別図柄の変動が停止されるので、特別図柄の保留球数が減少しない。そのため、特別図柄の保留球数が満タンの場合に第1入賞口B64、第2入賞口B640又は第3入賞口B64bに入球しても、遊技者は特別図柄の抽選を受けることができない。一方で、エンディング演出が終了した後であれば、特別図柄の変動が開始されるので、特別図柄の保留球数が満タンから減少し、始動口に球を入球させることで遊技者が特別図柄の抽選を受けることができる可能性が高まる。
また、エンディング演出中を含む大当たり遊技中は、電動役物B640aの作動パターンが通常中の作動パターンとされる。本実施形態では、第1の作動パターン(図1593(a)参照)となるので、遊技球がスライド部材B450に拾われ難い。一方で、エンディング演出が終了すれば、大当たり種別に対応した作動パターンで電動役物B640aが駆動されることになるので、遊技球がスライド部材B450に拾われ易くなるので、遊技球が第2入賞口B640又は第3入賞口B64b(図1564参照)に入球し易くなる。
このような事情から、遊技者は、ラウンド遊技が終了した後は、エンディング演出の終了後に球を発射開始した方が、損が少ないと考え易いところ、従来の遊技機では、エンディング演出がいつ終わるのかが分かり難かった。即ち、遊技結果としてはエンディング表示演出で示されているので、遊技者としてはすぐに変動演出が始まると思いやすく、エンディング表示演出から画面が切り替わるや否や球を発射すると考えられるが、実は社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の分だけエンディング演出が残っている場合があり、そのことに気付いた時には既に球は発射されており、遊技者はエンディング演出中に発射して数発の球を無駄にしたと不満に感じる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、時間表示B811の移動態様は、エンディング演出の終了と同時に時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するように設定されている。即ち、時間表示B811の右端部が時間経過と共に右方へ移動し、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達した後で変動演出が開始されるので、エンディング演出の長さと、エンディング演出の終了時を把握し易くすることができるので、エンディング演出中に球を発射するという事態を回避し易くすることができる。
なお、時間表示B811の移動態様は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、時間表示B811及び終端位置B812の表示態様が、時間表示B811の左端部と終端位置B812との間の長さを10秒分の長さの目安として設計されている。エンディング演出の開始時にエンディング演出の終了までが10秒以上である場合には、エンディング演出の終了まで約10秒となるタイミングまでは、時間表示B811の右端部は停止されたままとなるか極めて遅い速度で移動するように設定され、エンディング演出の終了まで約10秒となるタイミングで、時間表示B811の右端部が時間経過と共に右方へ等速で移動を開始するように設定される。
一方で、エンディング演出の開始時にエンディング演出の終了までが10秒未満である場合には、時間表示B811の右端部は即座に移動開始される。この場合において、時間表示B811の移動速度は、エンディング演出の終了と同時に時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する速度として設定される(即ち、エンディング演出の終了までが5秒であれば、10秒間かけて終端位置B812まで移動する場合の速度の2倍の速度で設定される)。
なお、本実施形態では、図1610(a)及び図1610(b)に示すように、終端位置B812の上方に遊技球の打ち出し開始を示唆する「GO」の文字が常に表示されるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達した時または時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する数秒前(例えば、発射された球がスルーゲートB66,B67に到達するまでに要する平均的な秒数前)に「GO」の文字を表示させるようにしても良い。この場合の表示は、「GO」の文字が非表示の状態から表示されるものでも良いし、「GO」が半透明で表示される状態から実体化するように表示されるものでも良い。
この場合、「GO」の文字が表示されることを目印にして球の発射を開始すれば、エンディング演出の終了前に球がスルーゲートB66,B67を通過することを回避し易くすることができるので、遊技者は移動する時間表示B811を目で追う必要が無くなる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、「GO」の文字の表示態様は、何ら限定されるものではない。例えば、「球発射開始」や、「バーが到達したら打ち出し開始」というコメントと入れ替えても良い。また、「GO」の文字の大きさが常に同じである必要はない。例えば、時間表示B811の右端部が移動するにつれて「GO」の文字が徐々に大きくなっていく態様でも良い。この場合において、「GO」の文字の最大の大きさが半透明で表示されており、徐々に大きくなる「GO」の文字の大きさが、半透明で示される最大の大きさと一致するタイミングを、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングと合わせるように制御しても良い。
図1610に示す状態において、遊技者が枠ボタンB22の操作を実行しなかった場合には、図1610(b)に示すカード忘れ防止表示演出の継続中に時間表示B811が終端位置B812に到達した後で、第3図柄表示装置B81の画面は図1608(b)に示したような画面に切り替わり、変動演出が開始される。
図1610に示すように、枠ボタン表示B813が第3図柄表示装置B81の画面に表示されている場合、一般的には枠ボタンB22の操作が可能であることを示している。図1610に示す状態において、遊技者が枠ボタンB22の操作を実行した場合の第3図柄表示装置B81の画面の切り替わりについて説明する。
図1611(a)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図であり、図1611(b)は、エンディング演出終了直後における表示画面を例示した図である。
図1611(a)では、図1610(b)に示す状態(枠ボタン表示B813が表示されている状態)において、遊技者が枠ボタンB22(図1607参照)を操作した場合に切り替えられる第3図柄表示装置B81の画面が図示される。
枠ボタンB22を操作して第3図柄表示装置B81の画面が図1611(a)に示す状態に切り替えられた場合も、枠ボタンB22を操作しなかった場合と同様に、時間表示B811の右端部が時間経過と共に右方へ移動し、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達した後で第3図柄表示装置B81の画面は図1611(b)に示したような画面に切り替わり、変動演出が開始される。
図1611(a)に示すように、遊技者が枠ボタンB22を操作すると、特定表示B810としての、カードユニットの差込口からカードが返却される様子を示す静止画(又は動画)及び「カードの取り忘れにご注意下さい」とのコメントは、第3図柄表示装置B81の画面の左上隅に移動されると共に、表示態様が縮小される。これにより、特定表示B810の識別性を低下させることができ、遊技者の注意力を特定表示B810以外の部分に向けさせ易くすることができる。
画面の中央付近には方向操作部B45を模式的に示す方向操作部表示B816が表示され、その方向操作部表示B816の左側には、目盛りが上下に並んでおり現在の発光強度の設定値を遊技者に把握可能に表示する(5段階の内、上から2番目の設定値であると表示する)縦目盛り表示B817が表示され、方向操作部表示B816の下側には、目盛りが左右に並んでおり現在の音量の大小の設定値を遊技者に把握可能に表示する(5段階の内、上(右)から3番目の設定値であると表示する)横目盛り表示B818が表示される。
更に、注意コメント表示B815の下側には、「長時間の音に注意して下さい」という内容の第2注意コメント表示B819が表示される。注意コメント表示B815及び第2注意コメント表示B819は、遊技者が設定値を確認できる対象の種類に対応して表示されている。
図1611(a)に示すように、方向操作部表示B816が表示画面に表示されている状態では、方向操作部B45の上下方向のボタンを操作することで、縦目盛り表示B817の設定値を変更することができる。即ち、目盛りが並ぶ方向と、目盛りの設定値を変更するために操作するボタンの方向とが対応しており、遊技者に操作方法を容易に理解させることができる。
図1611(a)に示すように、方向操作部表示B816が表示画面に表示されている状態では、方向操作部B45の左右方向のボタンを操作することで、横目盛り表示B818の設定値を変更することができる。即ち、目盛りが並ぶ方向と、目盛りの設定値を変更するために操作するボタンの方向とが対応しており、遊技者に操作方法を容易に理解させることができる。
また、方向操作部表示B816が表示画面に表示されていない状態では方向操作部B45の操作は無効となるように制御されている。これにより、遊技者は、方向操作部表示B816の有無を確認するだけで現在行う方向操作部B45の操作が有効か無効かを認識することができる。
縦目盛り表示B817の端部付近に電球を模した表示がされており、縦目盛り表示B817により発光強度(パチンコ機B10に配設されるLED(例えば、電飾部B29~B33や表示ランプB34(図1563参照))等の発光手段の発光強度や、第3図柄表示装置B81の画面の明るさ)を設定可能であることを遊技者に容易に理解させることができる。また、横目盛り表示B818の端部付近に音符を模した表示がされており、横目盛り表示B818により音量の大小を設定可能であることを遊技者に容易に理解させることができる。
図1611(b)に示す状態では、特別図柄の変動演出が開始される状態として同様とされる図1608(b)に示す状態と異なり、方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛り表示B818が縮小された状態で小領域BDs3に配置される。
そのため、エンディング演出が終了して、変動演出が実行された後もしばらくは、方向操作部表示B816が継続して表示され、発光強度の設定を変更したり、音量の大小の設定を変更したりすることができる。
本実施形態では、方向操作部表示B816は、エンディング演出の終了後に開始される1回目の変動演出の高速変動表示中には継続して表示され、その変動演出の高速変動表示終了後に非表示とされる。
これにより、少なくとも、図柄が停止表示され変動演出が終了するタイミングでは方向操作部表示B816は非表示とされ、方向操作部B45の操作は無効とされることから、遊技者が方向操作部B45を操作する事態は生じないので、方向操作部B45を操作することに集中しており図柄の停止表示を見逃すという事態を避けることができる。
また、高速変動中は、保留球数に空きができることから、特別図柄の抽選を受けるために遊技者は球の発射を開始することになるが、方向操作部B45は片手操作が可能とされるので、球の発射を害することを回避することができる。遊技者が球を数発発射している間に(発射している状態を経て)、方向操作部表示B816は非表示とされる。
エンディング演出の終了後に開始される2回目の変動演出からは、方向操作部表示B816が非表示とされる。即ち、第3図柄表示装置B81の画面は図1608(b)に示すような状態とされ、変動演出が実行される。
図1612は、エンディング演出と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。図1612に示すように、本実施形態では、エンディング表示演出は、大当たり種別に関わらず実行される(図1612中、○で表記)。
また、社名表示演出は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態が、遊技者にとって最も有利な状態となる場合に実行されるので、社名表示演出を視認した遊技者に対して、大当たり遊技終了後の遊技状態に対する期待感を持たせることができる。
本実施形態では、大当たり遊技終了後に特殊確変状態に突入する大当たり種別である「大当たりA」又は「大当たりa」のエンディング演出において社名表示演出が実行され(図1612中、○で表記)、その他の大当たり種別の大当たり遊技のエンディング演出において社名表示演出は実行されない(図1612中、×で表記)。
なお、社名表示演出の実行の条件は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態に対応するものであり、大当たり遊技における払い出し個数に対応するものではない。即ち、大当たり遊技における払い出し個数が例えば0個であっても、社名表示演出は実行される。
なお、本実施形態では、「大当たりA」又は「大当たりa」の大当たり遊技における払い出し個数は全大当たり種別の内で最大個数であるので、社名表示演出が実行された場合に、遊技者に対して、払出賞球個数が最大個数の大当たり遊技が実行されたことを実感させることができる。
また、カード忘れ防止表示演出は、大当たり遊技における払い出し個数が8ラウンド分の個数以上(所定の個数以上)である場合に実行されるので、カード忘れ防止表示演出を視認した遊技者に対して、多くの賞球を獲得した喜びを実感させることができる。
本実施形態では、15ラウンドの大当たり種別である「大当たりA」又は「大当たりa」及び8ラウンドの大当たり種別である「大当たりB」又は「大当たりb」のエンディング演出においてカード忘れ防止表示演出が実行され(図1612中、○で表記)、その他の大当たり種別の大当たり遊技のエンディング演出においてカード忘れ防止表示演出は実行されない(図1612中、×で表記)。
このように、本実施形態では、大当たり種別に対応して、エンディング演出の内容が異なる。エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出は、それぞれ5秒間の演出となるので、組み合わせの違いに対応して、エンディング演出の実行時間が異なることになる。
例えば、大当たり種別が「大当たりA」又は「大当たりa」の大当たり遊技におけるエンディング演出は、15秒間かけて実行され、大当たり種別が「大当たりB」又は「大当たりb」の大当たり遊技におけるエンディング演出は、10秒間をかけて実行され、大当たり種別が「大当たりC」又は「大当たりc」の大当たり遊技におけるエンディング演出は、5秒間をかけて実行される。
このような事情から、遊技者からすると、エンディング演出の終了時点を図りがたく球の発射タイミングに迷う可能性があるが、本実施形態では、時間表示B811(図1610参照)によりエンディング演出の終了時点を把握可能になっている。
即ち、エンディング演出の時間が違っても、時間表示B811の右端部の移動スピードが変更されること(又は、時間表示B811の移動開始点が変更されること)により、時間表示B811が終端位置B812に到達した時にエンディング演出が終了することは同一とされており、時間表示B811を視認することで、遊技者が球の発射タイミングに迷うことがないようにすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
なお、大当たり種別に対応して規定され不変なのはエンディング演出の実行時間であり、エンディング演出中における内容は可変である。例えば、実行時間としては15秒のエンディング演出であっても、ある条件が満たされれば(又はランダムで)、エンディング表示演出を10秒として、残りの5秒で社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出を実行するようにしても良い。特に、初回の大当たり時には、エンディング表示演出を長めに設定することで、遊技者の興趣を向上させることができる。
次いで、図1613及び図1614を参照して、第55実施形態について説明する。第54実施形態では、入賞ユニットB400において中央流路B431を流下する球を下支えする部分としての底面部B431aが固定の板部として構成される場合を説明したが、第55実施形態の入賞ユニットB2400では、中央流路B2431を流下する球を下支えする部分の形状が変化するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1613及び図1614は、図1577(c)のMDXIX-MDXIX線における第55実施形態における入賞ユニットB2400の断面図である。図1613では、電動役物B640aの非励磁状態(前進閉鎖状態)が図示され、図1614では、電動役物B640aの励磁状態(後退開放状態)が図示される。
電動役物B640aは、第54実施形態と同じ傾倒部材B470と、第54実施形態のスライド部材B450と部分的に形状が異なるスライド部材B2450と、を備える。なお、スライド部材B2450は形状が部分的に異なるだけであり、動作態様は第54実施形態のスライド部材B450と同じである。
スライド部材B2450の、第54実施形態におけるスライド部材B450との違いについて説明する。スライド部材B2450は、中央固定部B454の前端部から下方に突設される下突設部B2456と、中央固定部B454の前端部から前方に突設される前突設部B2457と、を備える。
第54実施形態における入賞ユニットB400では、図1583に示すように、中央固定部B454の配置と、中段部材B430の後壁部B434の配置とが、上下方向で重なっておらず、中段部材B430にスライド部材B450を上から被せるようにして組み付けることが可能であったが、第55実施形態における入賞ユニットB2400では、前突設部B2457が後壁部B434の後端部よりも前側に張り出す形状とされており、そのままでは組み付け方法を流用することができない。
これに対して、本実施形態では、図1613に示す断面を中心とする左右幅(本実施形態では、約3mm程度の左右幅)で、底面部B431a、係止板部B431b及び後壁部B434に連続的に切れ込みB2431dが形成される。即ち、切れ込みB2431dは、後壁部B434の上端部から下端部までを切り、その位置から底面部B431aの途中位置まで、且つ、係止板部B431bの途中位置まで続く開放部として形成される。
切れ込みB2431dの左右幅が、前突設部B2457の左右幅よりも若干長い左右幅として形成されていることで、図1614に示す配置において、スライド部材B2450の前突設部B2457の配置と、中段部材B2430の切れ込みB2431dの配置とを重ねることができる。
そのため、切れ込みB2431dを通してスライド部材B2450の前突設部B2457は中段部材B2430を上下方向に通過することができるので、中段部材B2430にスライド部材B2450を上から被せるようにして組み付けることが可能となっている。
下突設部B2456は、切れ込みB2431dの外側における係止板部B431bの後面と当接可能な位置まで突設される、スライド部材B2450の前側移動終端を規定するための部分である。
第54実施形態では、中央固定部B454の前端部が係止板部B431bの後面に突き当たる位置でスライド部材B450の前側移動終端が規定されていたが(図1580参照)、第55実施形態においても、中央固定部B454の前端部から真下に突設される下突設部B2456の前面が係止板部B431bの後面に突き当たる位置でスライド部材B2450の前側移動終端が規定されるので、第55実施形態におけるスライド部材B2450の前側移動終端位置と、第54実施形態におけるスライド部材B450の前側移動終端位置とは、同じ位置とされる。
前突設部B2457は、上方へ向けて突設される一対の球干渉突設部B2458a,B2458bを備える。球干渉突設部B2458a,B2458bは、切れ込みB2431dに進入可能な左右位置において前後に並ぶように配設されており、後側の球干渉突設部B2458bよりも、前側の球干渉突設部B2458aの方が、上端位置が低くなるように形成される。
球干渉突設部B2458bの上端位置と、球干渉突設部B2458aの上端位置とを通る直線の前後方向傾斜角度は、中段部材B2430の底面部B431aの上面の前後方向傾斜角度と同じとなるように形成される。
球干渉突設部B2458a,B2458bの突設長さは、スライド部材B2450が前進位置に配置された場合に、底面部B431aの上面から上方に1~2mmだけ張り出す程度の長さとされている(図1613参照)。これにより、スライド部材B2450が後退位置に配置された場合に、底面部B431aの上面からはみ出さないように、球干渉突設部B2458a,B2458bの上端位置を切れ込みB2431dの内側(中段部材B2430の上下方向の肉厚寸法の内側)に収めることができる。
これにより、スライド部材B2450が前進位置に配置される場合には、中央流路B2431を流下する球に対して、球干渉突設部B2458a,B2458bを当接させることができる一方、スライド部材B2450が後退位置に配置される場合には、中央流路B2431を流下する球と、球干渉突設部B2458a,B2458bとが当接しないよう構成することができる。
図1613及び図1614で説明した構成により、第55実施形態における入賞ユニットB2400では、第54実施形態で説明した入賞ユニットB400により生じる作用に加えて、中央流路B2431を流下する球の流下速度を場合により変化させることができる。
例えば、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)になった場合には、球干渉突設部B2458a,B2458bが中央流路B2431の外方に退避するので、中央流路B2431を流下する球が球干渉突設部B2458a,B2458bとの当接により減速されることはなくなる。
加えて、第54実施形態で上述したように、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化する際に左案内板部B452又は右案内板部B453(図1569参照)に乗っている球は、左案内板部B452又は右案内板部B453により後方に押し込まれることで流下方向(矢印B方向)に加速される。
従って、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化した場合には、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全区域において、球の流下速度が速くなり易い。
また、例えば、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)になった場合には、球干渉突設部B2458a,B2458bが底面部B431aの上面から中央流路B2431側に張り出すので、中央流路B2431を流下する球が球干渉突設部B2458a,B2458bに当接し減速される。これにより、中央流路B2431での球の流下の減速作用が、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)である場合に比較して生じ易くなり、球の流下態様を落ち着かせることができる(整流させることができる)。
加えて、第54実施形態で上述したように、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化する際に左案内板部B452又は右案内板部B453(図1569参照)に球が乗っていたとしても、左案内板部B452又は右案内板部B453は球との間に隙間を生じさせる方向(球を押込まない方向、矢印F方向)に変位するので、球の流下速度の変化は抑制される(加速されるわけではない)。
従って、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化した場合には、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全区域において、球の流下速度が遅くなり易い。
このように、本実施形態では、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化した場合には、球の流下速度を速める作用が、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全体で生じる一方で、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化した場合には、球の流下速度を遅くする作用が、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路の全体で生じる。
そのため、スライド部材B2450が非励磁状態(前進位置)に変化した場合と、スライド部材B2450が励磁状態(後退位置)に変化した場合とで、左案内板部B452又は右案内板部B453と、中央流路B2431と、により構成される球の流下経路を通過するのに要する期間の違い(長短の差)を大きくすることができる。
次いで、図1615を参照して、第56実施形態について説明する。第54実施形態では、入賞ユニットB400において内部流路が前後に延びる流路として形成される場合を説明したが、第56実施形態の入賞ユニットB3400では、内部流路が左右に延びる流路として形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1615(a)は、第56実施形態における入賞ユニットB3400を模式的に示す模式図であり、図1615(b)は、入賞ユニットB3400の別例として入賞ユニットB3400bを模式的に示す模式図である。なお、図1615において、釘BKG1は、ベース板B60に打ち込まれる細径部が実線で図示され、正面側先端部の膨らんだ部分が想像線で図示される。
入賞ユニットB3400は、例えば、右側遊技領域B303(図1564参照)におけるスルーゲートB67の下流側などに配置され、遊技領域B301に配置される球の流下を案内するユニットとして構成される。
入賞ユニットB3400は、遊技盤B13のベース板B60(図1564参照)とガラスユニットB16(図1563参照)との間に配設される板状部材から形成される流路構成部B3410と、遊技領域の内方に配置される突出状態(前進位置の状態に相当)と遊技領域の外方に退避する退避状態(後退位置の状態に相当)とで状態変化するように前後方向にスライド変位されるスライド部材B3420と、を備える。
スライド部材B3420は、流路構成部B3410の球入口B3411付近の第1スライド部材B3421と、球出口B3412付近の第2スライド部材B3422と、が分かれて配置されており、これらが背面側で一体的に構成されることで、一体的にスライド変位する。
即ち、第1スライド部材B3421が突出状態となるのに同期して第2スライド部材B3422が突出状態となり、第1スライド部材B3421が退避状態となるのに同期して第2スライド部材B3422が退避状態となるように、スライド部材B3420が一体的に構成される。
入賞ユニットB3400に入球した球の流下態様のバリエーションについて説明する。球入口B3411を通り入球した球が第1スライド部材B3421と干渉する位置に到達した時に、第1スライド部材B3421が退避状態であった場合や、第1スライド部材B3421が突出状態であったとしても極めて短時間(球が右側に案内されるのに要する時間(例えば、0.2秒)よりも短い時間)で退避状態に切り替えられた場合には、球は途中排出部B3413から流路構成部B3410の外方(左側外方)に排出される。途中排出部B3413を通過した球は、本実施形態では、第2入賞口B640や第3入賞口B64bを逸れて流下するように構成される。
一方、球入口B3411を通り入球した球が第1スライド部材B3421と干渉する位置に到達した時に、第1スライド部材B3421が、球を案内するのに十分な長さ(例えば、0.2秒)で突出状態を維持した場合、球は流路構成部B3410の内部に案内される。
流路構成部B3410の内部に案内された球が球出口B3412に到達するタイミングで第2スライド部材B3422が突出状態となっているか、退避状態となっているかで、その後の球の流下経路が変化する。
即ち、第2スライド部材B3422が突出状態となっていれば、球は第2入賞口B640の真上を第2スライド部材B3422の上面を転動しながら通過して、第3入賞口B64b側へ流下する。なお、本実施形態では、第3入賞口B64bの上流側に球の通過を検出可能な検出センサBSE1が配置されており、この検出センサBSE1が第54実施形態における検出センサB442(図1569参照)と同様の働きをする。
即ち、検出センサBSE1により、球が球通過開口BSE1aを通過したことが検出されると、第1入賞口スイッチがオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図1566参照)で特別図柄1の抽選がなされるよう構成される。
一方で、第2スライド部材B3422が退避状態となっていれば、球は第2入賞口B640側へ流下する。なお、本実施形態では、第2入賞口B640の上流側に球の通過を検出可能な検出センサBSE2が配置されており、この検出センサBSE2が第54実施形態における検出センサB462(図1573参照)と同様の働きをする。
即ち、検出センサBSE2により、球が球通過開口BSE2aを通過したことが検出されると、第2入賞口スイッチがオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置B110(図1566参照)で特別図柄2の抽選がなされるよう構成される。
第2スライド部材B3422の真下に第2入賞口B640が配置されており、球が第2入賞口B640に入り易い配置となっているが、検出センサBSE2とその真上の釘BKG1との間隔や、その反対側(右側)における検出センサBSE2と流路構成部B3410との間隔は、球の直径よりも長くなるように設計されている。即ち、第2スライド部材B3422が退避状態とされており、第2入賞口B640側へ流下した球の内の何個かは、第2入賞口B640から逸れて流下し得るよう構成される。
なお、図示はしていないが、入賞ユニットB3400の下側に小当たり遊技で開閉動作される可変入賞装置B65が配設されることで、入賞ユニットB3400よりも下方に流れた球(第2入賞口B640にも第3入賞口B64bにも入球せずに逸れた球、例えば、途中排出部B3413側に流れた球)を小当たり遊技で開放された特定入賞口B65aに入球させることができる。
図1615(b)に示すように、途中排出部B3413の形成を省略し、第1スライド部材B3421の真下に一般入賞口B63を配置しても良い。この時、球入口B3411を通り入球した球が第1スライド部材B3421と干渉する位置に到達した時に、第1スライド部材B3421が退避状態であった場合や、第1スライド部材B3421が突出状態であったとしても極めて短時間(球が右側に案内されるのに要する時間(例えば、0.2秒)よりも短い時間)で退避状態に切り替えられた場合には、その球は一般入賞口B63に入球する。
なお、図1615(b)に示す実施形態では、一般入賞口B63の上流側に球の通過を検出可能な検出センサBSE3が配置されており、この検出センサBSE3が第54実施形態における検出センサB435(図1573参照)と同様の働きをする。即ち、検出センサBSE3により、球が球通過開口BSE3aを通過したことが検出されると、特別図柄の抽選も普通図柄の抽選も実行されず、賞球の払い出しが実行される。
図1615(b)に示すように、球出口B3412から左側へ排出された球を零すことが無いように、入賞口を近接配置させるようにしても良い。なお、図1615(b)に示す実施形態では、球出口B3412に第3入賞口B64bが近接配置されることで、第2スライド部材B3422の突出状態において流路構成部B3410の外方(左方)に案内された球が確実に第3入賞口B64bに入球される。
これにより、釘BKG1に衝突して流下経路が変化する等して第3入賞口B64bから球が逸れる事態が生じ得る図1615(a)に示す実施形態に比較して、第2スライド部材B3422の突出状態において流路構成部B3410の外方(左方)に案内された球による賞球が得られない事態が発生することを避けることができる。
次いで、図1616を参照して、第57実施形態について説明する。第54実施形態では、入賞ユニットB400において電動役物B640aが離れて配置される複数の部材から構成され、上流側の部材が球に当たるタイミングと下流側の部材が球に当たるタイミングとの間隔を長くする場合を説明したが、第57実施形態の入賞ユニットB4400では、電動役物B4420が単一の部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1616(a)及び図1616(b)は、第57実施形態における入賞ユニットB4400を模式的に示す模式図である。図1616(a)では、電動役物B4420が、ベース板B60(図1564参照)とガラスユニットB16(図1563参照)との間の領域(遊技領域)に張り出して配置される前進位置とされる状態が図示され、図1616(b)では、電動役物B4420が、遊技領域から退避して後方に配置される後退位置とされる状態が図示される。
図1616(a)及び図1616(b)では、電動役物B4420の部分の内、入賞ユニットB4400の内部において、球の通過を遮る位置に配置されている部分の外形を実線で図示すると共に内部をドット模様で塗って図示する一方、球の通過を遮らない(許容する)位置に配置されている部分の外形を想像線で図示する。
なお、図1616において、釘BKG1は、ベース板B60に打ち込まれる細径部が実線で図示され、正面側先端部の膨らんだ部分が想像線で図示される。
入賞ユニットB4400は、遊技盤B13のベース板B60(図1564参照)とガラスユニットB16(図1563参照)との間に配設される板状部材から形成され球の流下経路を構成する流路構成部B4410と、その流路構成部B4410の内方に配置され球の流下経路を変化させる電動役物B4420と、を備える。
電動役物B4420は、球を転動させる上面を有し前後方向に変位可能に案内される転動板部B4421と、その転動板部B4421の下流側端部から突出形成され、球の流下を妨害可能な程度の強度で形成される妨害棒部B4425と、を備える。
本実施形態では、流路構成部B4410の上流側端部に開放形成される球入口B4411を通り流路構成部B4410に入った球が電動役物B4420の配置される位置に到達した時に、電動役物B4420が前進位置に配置されているか、後退位置に配置されているかで、球の流下経路が異なる。
まず、流路構成部B4410に入った球が電動役物B4420の配置される位置に到達した時に電動役物B4420が前進位置に配置されている場合(図1616(a)参照)、球は転動板部B4421の上面を転動して流路構成部B4410を左側(特定入賞口B65a側)へ流れる。
この時、妨害棒部B4425は、ベース板B60の前面に対して球の直径の1.5倍以上に離れた位置に配置される。例えば、流路構成部B4410とガラスユニットB16との間に配設され流路構成部B4410を前側から覆う板状部材に形成される開口部に入り込むことで、流路構成部B4410内を流下する球の流下を妨害しない位置に配置される。
一方、流路構成部B4410に入った球が電動役物B4420の配置される位置に到達した時に電動役物B4420が後退位置に配置されている場合(図1616(b)参照)、球は転動板部B4421の正面側を流下して流路構成部B4410を下側(第2入賞口B640側)へ流れる。
この時、妨害棒部B4425は、流路構成部B4410を流下する球と衝突し球の通過を妨害(防止)可能な前後位置に配置される。これにより、電動役物B4420が後退位置に配置されている場合(図1616(b)参照)において、流路構成部B4410の板状部(例えば、転動板部B4421の下側に配置される板状部B4412)で跳ねた球が妨害棒部B4425に向けて飛んだとしても、その妨害棒部B4425を超えて(通過して)、特定入賞口B65a側へ球を案内する案内部B4413を流れることを防止することができる。
即ち、妨害棒部B4425に向けて飛んだ球は、その妨害棒部B4425に左方への勢いを殺され、真下に落下して第2入賞口B640に入球するか、又は右方へ跳ね返された後に、板状部B4412の上面を転動して第2入賞口B640に入球することになる。
このように、本実施形態では、電動役物B4420が前進位置に配置されるか後退位置に配置されるかによって、球入口B4411に入球した球は、電動役物B4420を下方へ通過して板状部B4412上を転動して流下する方向か、電動役物B4420を左方へ通過して案内部B4413上を転動して流下する方向か、のいずれかの方向に分けられる。
入賞ユニットB4400のように経路および入賞口B65a,B640を形成する目的の一つに、球入口B4411に入球した球の大多数を特定入賞口B65a側に案内する状態(案内状態)と、球入口B4411に入球した球の大多数を特定入賞口B65a側に案内しない状態(非案内状態)と、を切り替え可能に電動役物B4420の動作を制御することが考えられる。
この制御は、電動役物B4420の作動パターン(開閉の長さ)を切り替えることにより達成可能だが、電動役物B4420の転動板部B4421の左右長さが短いと、非案内状態とされていても、球が特定入賞口B65a側に案内される事態が生じ易い。
例えば、転動板部B4421が前進位置に配置される時間を、転動板部B4421が前進位置に配置された数秒後に到達した球が転動板部B4421を通過するのに要する時間よりも短く設定したとしても、電動役物B4420が前進位置に配置されるのと同時に球が到達した場合(球の到達タイミングと電動役物B4420が前進位置に配置されるタイミングとのずれがほとんど無い場合)や、球が通常よりも勢いが大きい状態(例えば、加速する方向の回転が生じている状態)で到達した場合には、転動板部B4421が前進位置に配置されている内に球が案内部B4413側へ通過してしまう事態が生じ得る。
この対策として、第1に、通常は左右長さが55mm以下で設計される転動板部B4421の左右長さを、それ以上の長さ(例えば、77mmや、100mm)で設計しても良い。この場合、電動役物B4420の非案内状態として、転動板部B4421が前進位置に配置される時間の設計自由度を向上させることができる。
また、転動板部B4421の左右幅を長く設計することにより、電動役物B4420が前進位置に配置されている状態において転動板部B4421に乗る球の個数を増加させることができる。
通常の左右長さ(55mm以下)で転動板部B4421が形成されている場合、転動板部B4421に同時に乗る球はせいぜい2個~3個といったところであるが、それ以上の長さ(例えば、100mm)で転動板部B4421が形成される場合、転動板部B4421に同時に4個以上の球が乗る状態を生じさせることができる。
転動板部B4421に同時に4個以上の球が乗っている状態で電動役物B4420が後退位置に変位すると、4個以上の球が一度に第2入賞口B640側へ案内されるので、短時間で特別図柄2の保留個数を4個(満タン)にすることができる。
また、第54実施形態で説明したように、球が1個ずつ電動役物640に案内される場合と異なり、電動役物B4420の上面に乗っている複数個の球は、電動役物B4420が後退位置に変位した直後に同時に第2入賞口B640側へ落下するので、複数個の球を第2入賞口B640側に流下させるために電動役物B4420が後退位置に配置を維持することが要求される時間長さを短くすることができる。即ち、電動役物B4420の作動パターンの設計自由度を向上させることができる。
次の対策として、第2に、転動板部B4421が前進位置から後退位置へ変位する間際に転動板部B4421の下流側端部から案内部B4413へ移る球の流れを、妨害棒部B4425により断ち切ることができるよう構成することができる。
即ち、妨害棒部B4425の配設位置が、転動板部B4421の下流側端部よりも案内部B4413側へ張り出す位置(本実施形態では、転動板部B4421の上面と直交して斜め左上方向に張り出すことで案内部B4413側に張り出している)とすることで、電動役物B4420の案内状態(図1616(a)参照)において転動板部B4421の下流側端部を球が通過しようとする場合であっても、その直後に電動役物B4420が非案内状態(図1616(b)参照)とされれば、その通過した球の流れを妨害棒部B4425により遮ることができる。
これにより、転動板部B4421の左右長さが短い場合であっても、電動役物B4420が前進位置に配置される状態から、後退位置に配置される状態に切り替わる直前に、案内部B4413へ移る球が特定入賞口B65a側に案内されがたくすることができる。
換言すれば、転動板部B4421を左側に通過しようとする球を妨害棒部B4425により第2入賞口B640側に引き戻すことができる。これにより、転動板部B4421の左右長さを最大限に使って、電動役物B4420が前進位置に配置される状態において電動役物B4420に乗る球の個数を増やすことができ、電動役物B4420が後退位置に配置されることで第2入賞口B640側へ落下させる球の個数を増やすことができる。
また、これにより、転動板部B4421の左右長さから想定される球の個数よりも多くの球を、電動役物B4420が前進位置から後退位置に変位した直後に第2入賞口B640側に流下させることができる。
即ち、転動板部B4421に乗っている球に加えて、転動板部B4421の下流側端部を通過しかけた後で妨害棒部B4425に引き戻される(逆流させられる)球をも第2入賞640側に流下させることができるので、第2入賞口B640の入賞頻度を向上させることができる。
一方で、流路構成部B4410は、球入口B4411を除き電動役物B4420側に球が流入しないように流路を上から覆う態様で天井部B4414が形成される。即ち、電動役物B4420への球の導入は、球入口B4411に限定されることから、電動役物B4420上に滞留する球の個数が想定を超えて多くなる事態(例えば、球が2段以上に積み重なるような態様で滞留する事態)の発生を防止することができる。
このように、本実施形態によれば、転動板部B4421上を球が通過するか否かで球の流下経路が切り替えられる。即ち、電動役物B4420が前進位置で維持される期間が、転動板部B4421上を球が通過するのに要する時間を超える場合に、初めて球が特定入賞口B65a側へ流れることになる。
この点は、上述の第54実施形態で説明したように、先端部B451さえ通過していれば左案内板部B452又は右案内板部B453上を球が通過していようがいまいが、球の流下経路の切り替えには影響しない場合とは異なる。
なお、図1616(a)に図示される電動役物B4420の状態が、上述した第54実施形態における電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の非励磁状態に相当し、図1616(b)に図示される電動役物B4420の状態が、上述した第54実施形態における電動役物B640a(スライド部材B450及び傾倒部材B470)の励磁状態に相当する。この場合において、転動板部B4421がスライド部材B450に相当し、妨害棒部B4425が傾倒部材B470に相当する。
次いで、図1617を参照して、第58実施形態について説明する。第54実施形態では、上側可変入賞装置B700が、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の隙間へ向かって流下する場合を説明したが、第58実施形態の上側可変入賞装置B5700では、第2特定入賞口B700aを通過した球の流下を切り替えるための切替装置B5770が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1617(a)及び図1617(b)は、図1564の範囲MDXXXVIIIaにおける第58実施形態における上側可変入賞装置B5700の正面図である。図1617(a)では、上側可変入賞装置B5700の閉鎖状態が図示され、図1617(b)では、上側可変入賞装置B5700の開放状態が図示される。
図1617(a)及び図1617(b)に示すように、第58実施形態における上側可変入賞装置B5700は、第54実施形態における基礎板部材B710の構成を部分的に流用して形成される基礎板部材B5710を備える。
基礎板部材B5710は、傾斜外壁板部B714から下側の構成の配置を下方に下げ、それにより傾斜転動板部B713と傾斜外壁板部B714との間にできた空間に、左右一対の中間板部B5718と、その中間板部B5718の一部と縁部が沿う形状で前後方向に穿設され中間板部B5718に受け入れられた球を背面側へ排出する左右一対の排出開口B5719と、を備える。
中間板部B5718は、傾斜転動板部B713と傾斜外壁板部B714との間にできた空間に向けて正面側に延設される板状部であって、左右外側端部からの球の零れを防止するための防止壁部B5718aと、その防止壁部B5718aの下端部と接続され第2特定入賞口B700aの左右方向位置側へ向けて上昇傾斜する方向に延設される傾斜板部B5718bと、その傾斜板部B5718bの延設端部と接続され切替装置B5770の球受回転部材B5771の回転軸BJ51を中心として球受回転部材B5771の半径よりも若干長い曲率半径の円弧形状で形成される円弧板部B5718cと、を備える。
切替装置B5770は、回転軸BJ51を回転中心として回転動作可能に構成される球受回転部材B5771と、その球受回転部材B5771に左右から対向配置される位置に左右一対で配設される流下規制部材B5778と、を備える。
流下規制部材B5778は、回転軸BJ51を中心として球受回転部材B5771の半径よりも若干長い曲率半径の円弧形状で形成され、基礎板部材B5710の部材前面よりも正面側に張り出して球受回転部材B5771から排出される球の通過を規制する前進位置と、基礎板部材B5710の部材前面よりも背面側に退避して球受回転部材B5771から排出される球の通過を許容する後退位置と、で変位可能に構成される。
球受回転部材B5771は、第2特定入賞口B700aの左右中心の真下に配置され前後方向に延びる回転軸BJ51を中心に回転動作可能とされる円板形状部材であって、第2特定入賞口B700aを通過した球を受け入れ可能となるように外周側から凹設される球受凹部B5772が90度間隔で4箇所形成される。
球受回転部材B5771を駆動する駆動装置と、流下規制部材B5778を駆動する駆動装置とは、ソレノイドB763(図1602参照)とは異なる駆動装置(図示せず)が利用される。この場合において、球受回転部材B5771を駆動する駆動装置が流下規制部材B5778を駆動する駆動装置に兼用されても良い。
本実施形態では、1ラウンド目のラウンド遊技において、ソレノイドB763は第1の特別作動パターン(図1604(a)参照)で駆動され、球受回転部材B5771は、90度/秒の回転速度で時計回り方向に常時回転される。
流下規制部材B5778は、1ラウンド目のラウンド遊技における動作態様が、大当たり種別に応じて変化可能に設定される。例えば、大当たりA,B,a,b(図1606参照)では、常に前進位置で固定され、大当たりCでは、常に後退位置で固定され、大当たりcでは、1秒ごとに前進位置と後退位置とが切り替えられるよう駆動される。
第2特定入賞口B700aを通過した球の流下態様について説明する。本実施形態では、第2特定入賞口B700aを通過した球は、球受回転部材B5771のいずれかの球受凹部B5772に必ず受け入れられる。
球が球受凹部B5772に受け入れられた状態で球受回転部材B5771が回転することで、球受凹部B5772の配置の変化に伴って、球受凹部B5772に受け入れられた球も変位する。
球受回転部材B5771の回転中において、球受凹部B5772の下側縁部(球受凹部B5772の回転軸BJ51を中心とした径方向外側端部における一対の縁部の内の下側の縁部。球の流下面を形成する側)が傾斜板部B5718bの上面と面一になった時に、流下規制部材B5778が後退位置に配置されている場合、傾斜板部B5718bと面一になった球受凹部B5772から球が排出されることになり、その球は排出開口B5719を通り上側可変入賞装置B5700から排出される。このように排出される球は、一対の貯留板部B715の間の隙間に貯留されることは無い。
一方、球受回転部材B5771の回転中において、球受凹部B5772の下側縁部が傾斜板部B5718bの上面と面一になった時に、流下規制部材B5778が前進位置に配置されている場合、球の排出が流下規制部材B5778により規制され、球受凹部B5772から球が排出されることなく球受回転部材B5771の回転が継続される。その後、球受凹部B5772が左右一対の円弧板部B5718cの間の位置に配置されると、球は一対の円弧板部B5718cの隙間を通って、一対の貯留板部B715の間の隙間へ向かって流下し、貯留され得る。
即ち、本実施形態では、切替装置B5770の動作態様に対応して、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の隙間へ向かって流下する場合と、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の隙間に到達することなく排出される場合と、を構成することができる。
そのため、第1の特別作動パターンで移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が駆動されることで、ラウンド遊技中は一対の貯留板部B715の間の隙間に案内された球が排出されずに貯留される態様であっても、特に大当たりcの場合のように、ラウンド遊技中における流下規制部材B5778の配置が切り替わる場合には、第2特定入賞口B700aへの入球タイミング次第で、一対の貯留板部B715に案内される球の個数が十分多くなる場合(本実施形態では、5個以上となる場合)と、それよりも少ない場合とが生じ得るので、遊技者の上側可変入賞装置B700に対する注目力を向上させることができる。
また、切替装置B5770から一対の貯留板部B715側に球が1個通過すれば良いのではなく、1対の貯留板部B715の間の位置を満タンにする個数を超える個数(本実施形態では5個以上)の球が通過して初めて開口部B751に球を確実に通過させることができるようになるので、遊技者の上側可変入賞装置B700に対する注目力を長い間高い状態で維持することができる。
本実施形態によれば、球が第2特定入賞口B700aを通過するまでよりも、球が第2特定入賞口B700aを通過して球受回転部材B5771により変位されている時の方が、球の流下速度が遅くされる。これにより、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715の間の位置に到達するまでの時間を遅らせることができる。従って、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された直後に移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が即座に一対の貯留板部B715の間の位置に到達することを回避することができる。
次いで、図1618から図1620を参照して、第59実施形態について説明する。第54実施形態では、時間表示B811により大当たり遊技のエンディング演出の終了時を把握できる場合を説明したが、第59実施形態における発射時間表示B6811では、エンディング演出の終了時直前における適切な球の発射タイミングを把握できるように第3図柄表示装置B81の表示が設計される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1618(a)及び図1618(b)は、第59実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図1618(a)では、枠ボタンB22(図1607参照)を操作することにより特定表示B810が中央から移動された後における表示画面が図示され、図1618(b)では、図1618(a)に示す状態において枠ボタンB22を操作することで切り替えられた後における表示画面が図示される。
本実施形態では、図1618(b)に示すように、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタンB22を操作すると、方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛表示818が、球を発射して狙うと遊技者が利益を得られる可能性がある位置を示唆する発射位置示唆表示B6820に切り替えられ、時間表示B811に重ねて、発射時間表示B6811が表示される。
発射位置示唆表示B6820は、遊技領域(の少なくとも一部)のイラストや写真等を(模式的に)表示する遊技領域表示B6821と、その遊技領域表示B6821の一部を矢印などで指し示し、球を発射して狙うべきであることが遊技者に分かるように表示する目標示唆表示B6822と、を備える。
本実施形態では、発射位置示唆表示B6820は、遊技領域表示B6821として、遊技盤B13(図1564参照)の全体が表示され、目標示唆表示B6822として、スルーゲートB66,B67(図1564参照)が指し示されると共に「ここを狙って」とのコメントが表示される。
なお、発射位置示唆表示B6820はこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技領域表示B6821として遊技盤B13の全体を表示するのではなく、遊技盤B13の一部を表示するようにしても良い。例えば、スルーゲートB66,B67を含む一部として、風車BWF(図1564参照)よりも上側の部分のみが表示されるようにしても良いし、スルーゲートB66,B67周辺(又はスルーゲートB66,B67のいずれかの周辺)のみが表示されても良い。
遊技盤B13の一部を表示するような場合において、遊技領域表示B6821は静止画として表示されても、動画として表示されても良い。例えば、発射位置示唆表示B6820において、これから発射される球の周辺を模式的に表示するものとして遊技領域表示B6821を構成し、その球が発射されて流下してスルーゲートB66,B67に到達するという経路に沿って遊技領域表示B6821を動かして(動画として表示して)、球がスルーゲートB66,B67に到達したら遊技領域表示B6821をスルーゲートB66,B67周辺の表示で固定する(静止画として表示する)ようにしても良い。
また、例えば、目標示唆表示B6822として、球を発射して狙う位置を指し示すために矢印を表示するのではなく、その位置を光らせるように表示しても良いし、その位置を除く他の部分を暗く表示することで相対的に目立たせるように表示しても良い。
また、目標示唆表示B6822により指し示される位置は初めから固定されても良いし、移動した後で固定されるようにしても良い。例えば、球が発射される経路に沿って光を移動させて、その光がスルーゲートB66,B67まで到達したら、スルーゲートB66,B67に到達した位置で光を固定するようにしても良い。
このように、発射位置示唆表示B6820が表示されることで、遊技者は、エンディング演出の終了後にどこを狙って球を発射するべきなのかを容易に把握することができる。これにより、エンディング演出の終了後における遊技の進行をスムーズにすることができる。
発射時間表示B6811は、時間表示B811と同様に、時間経過とともに右先端部が右方へ移動するものとして表示され、その移動速度は時間表示B811の移動速度と同じとされる。また、発射時間表示B6811の右先端部は、時間表示B811の右先端部よりも終端位置B812側に配置されており、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するよりも前に、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達する。
本実施形態では、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングから、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングまでに経過する時間長さは、球が発射されてからスルーゲートB66,B67(目標示唆表示B6822により指し示される位置)に到達するまでに経過する平均的な長さよりも若干長くなるように設計される。
そのため、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングで発射された球がスルーゲートB66,B67を通過するまでに、現在実行中の大当たり遊技のエンディング演出が終了する。
このように、発射時間表示B6811を目安にして球を発射することで、発射した球がスルーゲートB66,B67を大当たり遊技中(エンディング演出の終了前)に通過することを避けることができる。これにより、スルーゲートB66,B67に球が検出されることにより実行される第2図柄の抽選において遊技者が得られる利益の最大化を図ることができる。
即ち、一般的には大当たり遊技中にスルーゲートB66,B67に球が検出されることにより実行される第2図柄の抽選は、通常中の確率で行われるので、遊技者が得られる利益は最小となる。大当たり遊技の終了後であれば、大当たり種別に応じて第2図柄の抽選の確率が上昇し得るので、球がスルーゲートB66,B67を大当たり遊技中に通過することを避けることで、第2図柄の抽選において遊技者が得られる利益(電動役物B640aの作動パターンの違いにより変化する利益)の最大化を図ることができる。
更に、発射時間表示B6811を目安にして球を発射することで、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達してから球を発射する場合に比較して、大当たり遊技終了から、その大当たり遊技終了後において球が初めてスルーゲートB66,B67を通過するまでの時間長さを短くすることができる。
このように、発射時間表示B6811を目安にして球を発射することで、大当たり遊技終了間際に発射した球が大当たり遊技中(エンディング演出の終了前)にスルーゲートB66,B67を通過する事態の発生を最小限に抑えることで遊技者が得られる利益の最大化を図りながら、大当たり遊技終了後に球がスルーゲートB66,B67を通過するまでの期間を短縮することで遊技の進行をスムーズにすることができる。
図1619は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図1619では、図1618(b)に示す状態から発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達した時における表示画面が図示される。
図1619に示すように、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達すると、目標示唆表示B6822の表示態様が切り替わる。本実施形態では、目標示唆表示B6822においてコメントを囲む枠の形状が変化されると共に、「狙って」の部分が拡大される。
即ち、目標示唆表示B6822の「狙って」の部分が拡大されるタイミングは、発射示唆表示6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングと一致する。そのため、遊技者に発射時間表示B6811を視認させずとも、発射位置示唆表示B6820を視認させるようにすれば、目標示唆表示B6822の変化のタイミングから適切な発射タイミングで球を発射させるように遊技者に促すことができる。
これにより遊技者は、発射位置示唆表示B6820を視認することで、球を発射して狙う位置だけでなく、球を発射するタイミングをも把握することができる。従って、第3図柄表示装置B81の表示から必要な上方を取捨選択して遊技する遊技者の遊技負担を低減することができる。
図1620(a)及び図1620(b)は、エンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図1620(a)では、図1618(a)に示す状態からエンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67で球の通過が検出された場合に切り替えられる表示画面が図示される。
また図1620(b)では、図1620(a)の表示から時間が経過して、仮に発射示唆表示6811が表示されていた場合に発射示唆表示6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングにおける表示が図示される。即ち、図1620(b)における時間表示B811の右先端部の配置は、図1619における時間表示B811の右先端部の配置と同じである。
図1620(a)に示すように、図1618(a)に表示される状態から枠ボタンB22(図1607参照)を操作することなく遊技者が球を発射した場合において、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67で球の通過が検出された場合、方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛表示818が、遊技者に球の発射を停止することを促すための遊技停止示唆表示B6831に切り替えられる。
本実施形態では、遊技停止示唆表示B6831として、鉄道の踏切に設置される遮断機を模したイラストであって、遮断機が降りている状態の静止画が表示されると共に、「止めろ」とのコメントが表示される。これにより、球の発射を止めることを遊技者に促すことができるので、エンディング演出の終了前に発射される球の個数を減少させることができる。
図1620(b)に示すように、遊技停止示唆表示B6831が表示された状態から時間が経過すると、遊技停止示唆表示B6831は、遊技者に球の発射の準備を促すための遊技準備示唆表示B6841に切り替えられる。
本実施形態では、遊技準備示唆表示B6841として、鉄道の踏切に設置される遮断機を模したイラストであって、遮断機が上がっている状態の静止画が表示されると共に、「始め」とのコメントが表示される。これにより、球の発射を停止する期間が終了したことを遊技者に把握させることができ、遊技者に球の発射の準備をするように促すことができる。
本実施形態では、遊技者が枠ボタンB22を操作しない場合には発射時間表示B6811(図1618(b)参照)は表示されないが、遊技停止示唆表示B6831から遊技準備示唆表示B6841に切り替えられるタイミングは、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングと一致する。
そのため、図1618(a)に示す状態で枠ボタンB22を操作することで得られる利益(即ち、発射時間表示B6811を視認することで適切な球の発射タイミングを把握できる利益)と同様の利益を、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67で球が検出された場合に得ることができる。
これにより、例えば、枠ボタンB22の故障などにより枠ボタンB22の操作が行われない場合に、遊技者が得られる利益が過度に減少することを避けることができる。即ち、枠ボタンB22の操作が行われないことで発射位置示唆表示B6820(図1618(a)参照)の表示が行われないために、遊技者が適切な球の発射タイミングを把握することができずに、エンディング演出の終了前にも関わらず遊技者が球の発射を開始した場合であっても、遊技停止示唆表示B6831又は遊技準備示唆表示B6841が表示されることで、遊技者に球の発射を停止させたり、適切なタイミングで遊技者に球の発射の準備をさせたりすることができる。
なお、遊技停止示唆表示B6831や遊技準備示唆表示B6841の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遮断機のイラストではなく、パチンコ機B10のハンドルB51(図1563参照)の絵に×マークが付されたイラストを表示するようにしても良い。例えば、静止画ではなく動画として構成しても良い。例えば、第3図柄表示装置B81の表示画面の一部ではなく表示画面の全体で表示するように構成しても良い。
なお、注意コメント表示B815や第2注意コメント表示B819の内容は、図1620に図示した内容に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、球の発射に対応した内容としても良い。即ち、ハンドルB51(図1563参照)を模したイラストを表示して、ハンドルB51に反時計回りの矢印を併記することで、球の発射を停止することを示唆するようにしたり、ハンドルB51に時計回りの矢印を併記することで、球の発射開始タイミングを示唆するようにしたりしても良い。また、特別図柄の保留球数に対応するコメント(「満タン」、とか「空き1個あり」とか)を表示するようにしても良い。
次いで、図1621及び図1622を参照して、第60実施形態について説明する。第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタンB22を操作すると、第3図柄表示装置B81の表示画面に方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛り表示B818が表示され、光量の強弱や音量の大小の調整が可能となる場合を説明したが、第60実施形態における状況示唆表示B7821では、遊技者により行われた光量や音量の設定に対する、現在実行中の光量や音量の設定についてのコメントが表示されるように設計される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1621(a)、図1621(b)及び図1622は、第60実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を例示した図である。図1621(a)及び図1622では、エンディング演出として同じタイミング(時間表示B811の右先端部の位置が同じタイミング)の異なる大当たり遊技における表示画面が図示され、図1621(b)では、図1621(a)に示す状態から時間が経過した後における表示画面が図示される。
本実施形態では、図1621(a)に示すように、エンディング演出における枠ボタン表示B813(図1610(b)参照)に従って枠ボタンB22(図1607参照)を操作すると、第3図柄表示装置B81の表示画面に方向操作部表示B816、縦目盛り表示B817及び横目盛り表示B818が表示されると共に、その上方に状況示唆表示B7821が表示される。
状況示唆表示B7821は、種々のコメントが表示されるように設計されているが、図1621(a)では「キャンセル」と記載されており、光量や音量の設定の変更が初期化された(最大値に戻された)ことを示唆している。
即ち、本実施形態では、光量や音量の設定が、設定変更の実行から規定の時間が経過することにより音声ランプ制御装置B113(図1566参照)により初期化される(最大値に戻される)よう設定されており、その初期化が実行された後における最初の大当たり遊技のエンディング演出において、状況示唆表示B7821に「キャンセル」のコメントが表示されるようになっている。
これにより、例えば、方向操作部B45(図1607参照)の左スイッチ及び下スイッチ(音量や光量を弱める側に変化させるために操作するスイッチ)は機能するが、右スイッチ及び上スイッチ(音量や光量を強める側に変化させるために操作するスイッチ)は故障している場合に、光量や音量を一度最低まで下げたら、それ以降は遊技者が変わっても光量や音量を一切上げることができないという事態の発生を避けることができる。
遊技者は状況示唆表示B7821に「キャンセル」のコメントが表示されたことを視認することで、光量や音量の設定の変更が初期化された(最大値に戻された)ことを把握できる。直前に光量や音量の設定の変更を行った遊技者と、現在遊技を行っている遊技者とが同じ場合、光量や音量の設定を、初期化(最大値に戻される)の直前の状態に戻したいと考えると思われる。
これに対し、本実施形態では、その初期化が実行された後における最初の大当たり遊技のエンディング演出において、その初期化(最大値に戻される)の直前の状態における光量の設定が、縦目盛り表示B817に過去光量表示B7817として残され(薄塗りで図示される部分に相当)、その初期化(最大値に戻される)の直前の状態における音量の設定が、横目盛り表示B818に過去音量表示B7818として残される(薄塗りで図示される部分に相当)。
そのため、遊技者は、過去光量表示B7817を目印に方向操作部B45を操作して光量の設定変更を行い、且つ過去音量表示B7818を目印に方向操作部B45を操作して音量の設定変更を行うことで、光量や音量の設定を、初期化(最大値に戻される)の直前の状態に容易に復帰させることができる。
上述したように、過去光量表示B7817及び過去音量表示B7818は、光量や音量の初期化が音声ランプ制御装置B113(図1566参照)により実行された後における最初の大当たり遊技のエンディング演出において表示される一方で、そのタイミングを逃すと表示が消失するように設定され、光量や音量の設定の変更の手間が増える(難易度が上がる)ようになっている。
これにより、過去光量表示B7817及び過去音量表示B7818が表示されているタイミングで方向操作部B45を操作するように遊技者に仕向けることができるので、第3図柄表示装置B81の表示画面に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
図1621(b)に示すように、遊技者が方向操作部B45を操作することで光量や音量の設定が初期化(最大値に戻される)の直前の状態に復帰されると、状況示唆表示B7821の「キャンセル」とのコメントが、「復帰完了」とのコメントに切り替えられる。
遊技者は状況示唆表示B7821に「復帰完了」のコメントが表示されたことを視認することで、光量や音量の設定が、初期化(最大値に戻される)の直前の状態に復帰できたことを把握することができる。これにより、設定変更が実行できたので、規定の時間が経過するまでは、音声ランプ制御装置B113(図1566参照)による光量や音量の初期化(最大値に戻される)は行われない。
図1622に示す表示では、状況示唆表示B7821に「自動継続」とのコメントが表示されており、音量や光量の設定は、遊技者により設定された状態で維持されている。そのため、遊技者は音量や光量の設定の変更を行う必要が無いので、時間表示B811の動きに注視し、球の発射タイミングを図ることに集中することができる。
このように、エンディング演出における状況示唆表示B7821の内容を変化させ、その内容次第で、遊技者に光量や音量の設定の変更のための方向操作部B45の操作を促せるように構成することで、エンディング演出に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
次いで、図1623から図1625を参照して、第61実施形態について説明する。第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中において常に枠ボタン表示B813が表示されており枠ボタンB22の操作が可能となる場合を説明したが、第61実施形態における枠ボタン表示B8813は、カード忘れ防止表示演出の実行中における、更に限定された期間において実体として表示され、枠ボタンB22の操作が可能となる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1623(a)、図1623(b)及び図1624は、第61実施形態におけるエンディング演出において表示されるカード忘れ防止表示演出の表示画面を時系列で例示した図である。図1623(a)、図1623(b)及び図1624では、枠ボタン表示B8813の表示は、半透明に表示されている場合が想像線で図示され、実体として表示されている場合が実線で図示される。
本実施形態においてカード忘れ防止表示演出が開始されると、図1623(a)に示すように、第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に特定表示B810が表示されることに加えて、複数の半透明の枠ボタン表示B8813が表示画面の縁部付近に点在するように表示される。枠ボタン表示B8813は、時間経過に伴って表示画面の中央に向けて移動する。
半透明の枠ボタン表示B8813が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に到達して合体すると、図1623(b)に示すように枠ボタン表示B8813が実体化する。枠ボタン表示B8813が実体化した状態において枠ボタンB22の入力が有効となるように制御されており、枠ボタンB22の入力が有効に検出されると第3図柄表示装置B81の表示画面に操作有効表示B8813a(本実施形態では、「Gооd」とのコメント)が表示され、その後、第3図柄表示装置B81の表示画面が第54実施形態で説明した図1611(a)に図示される状態に移行する。
遊技者が枠ボタンB22の操作を実行して、第3図柄表示装置B81の表示画面を図1611(a)に図示される状態に移行させたい場合、枠ボタン表示B8813が実体化するタイミングを図るために、遊技者は移動する枠ボタン表示B8813を目で追うことになる。
枠ボタン表示B8813の移動経路上には特定表示B810が表示されているので、枠ボタン表示B8813を目で追う遊技者の視界に特定表示B810が入るように仕向けることができる。また、枠ボタン表示B8813が実体化する位置を特定表示B810が表示される位置と重ねることで、遊技者が枠ボタン表示B8813の背後に表示される特定表示B810に注目するように仕向けることができる。
そもそも、カード忘れ防止表示演出が開始されてから、枠ボタン表示B8813が実体化するまでの期間は、特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に表示されるので、カード忘れ防止表示演出の開始直後に枠ボタンB22を操作可能とされ特定表示B810を即座に表示画面の隅に移動させられる場合に比較して、特定表示B810が遊技者の視界に入り易くすることができる。
枠ボタン表示B8813が実体化した状態で枠ボタンB22を操作しなかった場合、図1624に示すように、第3図柄表示装置B81の表示画面の中央位置から外側へ向けて半透明に表示される枠ボタン表示B8813が移動する。
図1624に示す状態では、枠ボタンB22の入力が無効となるように制御されており、枠ボタンB22が入力操作されても第3図柄表示装置B81の表示画面に操作無効表示B8813b(本実施形態では、「Miss」とのコメント)が表示されるだけであり、表示画面は図1611(a)に図示される状態には移行されず、特定表示B810が表示画面の中央に配置される状態で維持される。
このように、本実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中における枠ボタンB22の操作タイミングを限定することで、以下のような好ましい作用を生じさせることができる。
即ち、枠ボタン表示B8813の表示態様が半透明の表示から実体としての表示に変わることで枠ボタンB22を操作可能なタイミングを示唆する場合において、枠ボタン表示B8813の表示態様が変わるまでは特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に配置され、遊技者の視界に入り易いように構成されているので、特定表示B810に対する注目力を向上することができる。
更に、カード忘れ防止表示演出の途中において枠ボタン表示B8813が実体としての表示から半透明の表示に切り替えられることで、枠ボタンB22を操作して表示画面が図1611(a)に図示される状態に移行されるタイミングから、カード忘れ防止表示演出期間の終端までの期間が短くなりすぎることを回避することができる。
これにより、遊技者が枠ボタンB22を有効に操作したにも関わらず、カード忘れ防止表示演出が終了するまでに光量や音量の設定を変更するのに十分な時間を確保できなかったために、光量や音量を好みの設定まで変更させることができない事態が生じることを避けることができる。
従って、せっかく枠ボタンB22を操作しても光量や音量の設定を好みの状態まで変更させることができなかったという経験をした遊技者が、枠ボタンB22の操作の価値を低く見積もるという事態が発生することを避けることができる。これにより、遊技者の枠ボタンB22の操作(エンディング演出中の操作のみならず、遊技中における操作)に対する意欲が低下するという事態の発生を未然に回避することができる。
なお、枠ボタン表示B8813に音符のマークや、電球のマークを付属させることで、枠ボタンB22の操作により調整できる対象を示唆するようにしても良い。この場合、遊技者が音量の調整をしたいと考えている時には、音符のマークが付属されている場合には枠ボタン表示B8813への注目力を向上させることができ、電球のマークが付属されている場合には枠ボタン表示B8813から注意を逸らすことができる。
図1625は、カード忘れ防止表示演出における枠ボタン表示B8813の計時変化、枠ボタンB22の操作の有効性の計時変化および枠ボタンB22の操作の一例を示した図である。図1625では、一例として、カード忘れ防止表示演出の期間を等分に三分割し、半透明の枠ボタン表示B8813が点在する第1期間BT81(図1623(a)参照)と、枠ボタン表示B8813が合体して実体化する第2期間BT82(図1623(b)参照)と、再び半透明になり枠ボタン表示B8813が点在する第3期間BT83(図1624参照)と、にそれぞれ割り当てられた場合が図示されている。
カード忘れ防止表示演出の期間中にいつでも枠ボタンB22を操作できた第54実施形態と異なり、本実施形態では、第2期間BT82においてのみ枠ボタンB22の操作が有効とされる。第2期間BT82で枠ボタンB22を操作すれば、第3図柄表示装置B81の表示画面が図1611(a)に図示される状態に移行され、光量や音量の設定変更が可能となる。一方で、第1期間BT81や第3期間BT83で枠ボタンB22をいくら操作しても、光量や音量の設定変更は不可能となるように制御されている。
図1625では、各期間BT81,BT82,BT83が同じ場合を図示したが、各期間BT81,BT82,BT83の長さは目的に応じて種々の態様に変更可能とされる。以下、第1期間81の長さの変化または第3期間BT83の長さの変化により期待できる作用の一例について説明する。
例えば、第1期間BT81をより短く設定することで、枠ボタンB22の操作が有効となる第2期間BT82への移行が早まる。そのため、光量や音量の設定の変更に費やせる期間の最大長さを長くすることができる。
第1期間BT81を短くする設定は、例えば、初当り(連荘の一回目の大当たり)の大当たり遊技におけるエンディング演出で採用することが効果的である場合がある。時短状態や確変状態や大当たり遊技中においては、特定の歌が流れる場合があり、通常状態における音声には興味が無いが、特定の歌は聞きたいという遊技者がいる。
このような遊技者は、通常状態では音量を下げて遊技を行っていても、通常状態から大当たり遊技状態を経て、時短状態や確変状態へ移行する場合において、特定の歌が聞こえる程度まで音量を上げたいと考えている。
そのため、特に、初当りの大当たり遊技におけるエンディング演出において、光量や音量の設定の変更に費やせる期間の最大長さを長くすることで、通常状態から大当たり遊技状態を経て、時短状態や確変状態へ移行する適切なタイミングにおいて音量の設定変更を行うことが容易となり、上記特定の歌は聞きたいという遊技者の遊技に対する満足感を向上させることができる。
また、例えば、第1期間BT81をより長く設定することで、枠ボタンB22の操作が有効となる第2期間BT82への移行が遅くなる一方で、特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に表示される期間を長く維持することができる。
第1期間BT81を長くする設定は、例えば、連荘中の大当たり遊技におけるエンディング演出で採用することが効果的である場合がある。音量や光量の設定変更は、初当り時に行えば多くの場合十分であり、連荘中に音量や光量の設定変更をしたくなる事態が発生する可能性は低いため、第2期間BT82への移行が遅くなることで音量や光量の設定変更に費やせる期間の最大長さが短くなっても、遊技者が受ける不利益は少ない。
一方で、連荘が続く程、遊技者の興奮の度合いは高くなるので、興奮のあまり、遊技を終了する際にカードユニットに挿入されたカード等の返却を忘れる可能性が高くなる。これに対し、第1期間BT81が長く設定されている場合、カード忘れ防止表示演出中において特定表示B810が第3図柄表示装置B81の表示画面の中央に表示される期間を長く維持できるので、遊技者がカード等の返却に意識を向けるように仕向けることができる。
また、例えば、第2期間BT82をより短く設定することで、枠ボタンB22が操作され図1611(a)に図示される状態に移行されることを困難とすることができる。この場合、移動する枠ボタン表示B8813で遊技者の視線を特定表示B810に誘導できることに加え(図1623(a)参照)、複数の枠ボタン表示B8813が合体した状態での操作を失敗するように仕向けることができ、第3図柄表示装置B81の表示画面を図1624に示す状態まで移行させる可能性を高くすることができる。
これにより、カード忘れ防止表示演出中に亘り特定表示B810を表示画面の中央に維持することができることに加えて、枠ボタン表示B8813が移動することで、特定表示B810に遊技者の視線を誘導する効果を期待できる。従って、枠ボタン表示B8813が無い場合に比較して、遊技者に特定表示B810の印象を強く残すことができる。
また、例えば、第2期間BT82をより長く設定することで、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を長く維持することができるので、枠ボタンB22の操作機会を確保することができる。
また、例えば、第3期間BT83をより短く設定することで、相対的にT82を長くすることができ、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を長く維持することができるので、枠ボタンB22の操作機会を確保することができる。
また、例えば、第3期間BT83をより長く設定することで、第2期間BT82において枠ボタンB22を操作することで図1611(a)に図示される状態に移行した後の、カード忘れ防止表示演出の残り期間を長く確保することができるので、光量や音量の設定の変更が中途半端になることを回避し易くすることができる。
なお、各期間BT81,BT82,BT83の長さを、上記した理由以外の理由で変更するようにしても良い。例えば、大当たり遊技中において既に第1図柄の抽選が済んでいる保留球に大当たりがある場合に、第1期間BT81が極めて短くされ、その分だけ第2期間BT82が長くなるように制御されるようにしても良い。
この場合、カード忘れ防止表示演出が、図1623(a)の状態を経由せずに、図1623(b)の状態から開始されたかのように遊技者に見せることができるので、遊技者に違和感を与えることができる。この違和感により保留球に大当たりがあることを把握することができるようになると遊技者に分からせることで、カード忘れ防止表示演出に遊技者が注目するように仕向けることができるので、カード忘れ防止表示演出に対する注目力を向上させることができる。これにより、カードユニットに挿入されたカード等の返却について遊技者に意識させることができ、実際に遊技者がカード等を忘れる事態の発生を抑制することができる。
次いで、図1626から図1641を参照して、第62実施形態におけるセンターフレームC86について説明する。
上記各実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第62実施形態におけるセンターフレームC86は、上側フレームC86aと下側フレームC86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1626は、第62実施形態における遊技盤C13の正面図である。図1626に示すように、センターフレームC86は、ベース板60の窓部60a(図1578参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームC86aと下側フレームC86bとを備える。
上側フレームC86aは、ベース板60の窓部60a(図1578参照)における上側(図1626上側)及び左右(図1626左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームC86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図1626下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームC86a及び下側フレームC86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームC86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図1626下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームC86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームC86bについて説明する。図1627は、下側フレームC86bの正面斜視図であり、図1628は、下側フレームC86bの背面斜視図である。なお、図1627及び図1628では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図1627及び図1628に示すように、下側フレームC86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COPinと、その受入口COPinに連通される第1通路CRt1と、その第1通路CRt1を案内された球が流下される第2通路CRt2と、その第2通路CRt2を案内された球(第2通路CRt2をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第3通路CRt3と、その第3通路CRt3を案内された球が振分部材C170により振り分けられて流下される第4通路CRt4及び第5通路CRt5と、第4通路CRt4を案内された球が流下される第6通路CRt6と、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COPoutとが形成される(図1635及び図1636参照)。
なお、上側フレームC86aには、上側フレーム通路CRt0(図1626参照)が形成される。上側フレーム通路CRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図1626左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路CRt0の下流端に下側フレームC86bの受入口COPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路CRt0に流入(入球)した球は、受入口COPinを介して、上側フレーム通路CRt0から下側フレームC86bの第1通路CRt1へ流入(入球)される。
下側フレームC86bには、球の重さにより動作する振分部材C170が配設されており(図1635及び図1636参照)、連なった状態の球が第3通路CRt3を案内される場合には、先行する球が第4通路CRt4へ振り分けられる一方、後行する球が第5通路CRt5へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第4通路CRt4へ振り分けられる。
ここで、第5通路CRt5の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図1626参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt5へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt6には、その第6通路CRt6を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図1626左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt6には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt4へ振り分けられた球は、第6通路CRt6において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt5へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC86bは、連なった状態の球が第3通路CRt3へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第4通路CRt4)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt5))へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1627から図1628に加え、図1629から図1641を参照して、下側フレームC86bの詳細構成について説明する。
図1629は、下側フレームC86bの分解正面斜視図であり、図1630は、下側フレームC86bの分解背面斜視図である。図1631は、下側フレームC86bの上面図であり、図1632は、下側フレームC86bの正面図であり、図1633は、下側フレームC86bの背面図である。図1634(a)は、図1632の矢印MDLXXIIIa方向視における下側フレームC86bの側面図であり、図1634(b)は、図1632の矢印MDLXXIIIb方向視における下側フレームC86bの側面図である。
図1635及び図1636は、図1631のMDLXXIV-MDLXXIV線における下側フレームC86bの断面図であり、図1637は、図1632のMDLXXVI-MDLXXVI線における下側フレームC86bの断面図である。図1638(a)は、図1635のMDLXXVIIa部における下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図1638(b)は、図1631のMDLXXVIIb-MDLXXVIIb線における下側フレームC86bの部分拡大断面図である。なお、図1635では、振分部材C170が第1位置に配置された状態が、図1636では、振分部材C170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1627から図1638に示すように、下側フレームC86bは、正面部材C110と、その正面部材C110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C120と、正面部材C110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C130と、その背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C140と、背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される第2中間部材C150と、背面部材C130及び第2中間部材C150の対向間に介設される第1介設部材C160及び振分部材C170と、正面部材C110並びに第1及び第2中間部材C140,C150の対向間に介設される第2介設部材C180と、背面部材C130の背面に配設される装飾部材C190及び迂回部材C200と、を備える。
なお、下側フレームC86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C170及び装飾部材C190が背面部材C130に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1627参照)。
また、下側フレームC86bは、振分部材C170及び装飾部材C190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C170及び装飾部材C190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt1から第6通路CRt6を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C170による振り分け動作とその動作に伴う装飾部材C190の変位を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC86bは、第1中間部材C140または第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第3通路CRt3における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C170による振り分け動作との少なくとも一方または両方を遊技者に視認させられる一方で、後行する球が振分部材C170により第5通路CRt5に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態ではほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt5を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C170及び装飾部材C190は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt3を通過する球や振分部材C170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112と、それら正面部C111及び底面部C112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部C113とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図1626参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C180の底面が対向配置され、底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、第2介設部材C180に貫通形成した貫通孔を第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
連結部C113には、受入口COPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口COPinは、上述したように、上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0から球を受け入れる開口である。なお、ベース板60にセンターフレームC86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームC86aの背面が正面部C111及び連結部C113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路CRt0の下流端と受入口COPinとが連通される。
皿部材C120は、通路の底面を形成する上側底面部C121及び下側底面部C122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C123及び下側側壁部C124とを備える。
上側底面部C121は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口COPinから離間する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部C121は、受入口COPinよりも鉛直方向下方(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路CRt0との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材C120は、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部C121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝C121aが凹設される(図1638参照)。凹溝C121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝C121の溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝C121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝C121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部C121上の球を2箇所(上側底面部C121と凹溝C121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝C121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路CRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を落下させると共に、上側底面部C121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121(第1通路CRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部C121(第1通路CRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部C123は、上側底面部C121(第1通路CRt1)の上流側および下流側の端部と、上側底面部C121(第1通路CRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部C123には、上側底面部C121(第1通路CRt1)の下流側の端部に切り欠き部C123aが切り欠き形成され、この切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1638(b)参照)。
下側側壁部C124は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C122(第2通路CRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C122は、上面視において、上側底面部C121と平行に並設され、上側底面部C121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部C122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C123における切り欠き部C123aに対応する位置では、下側側壁部C124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側側壁部C124には、円弧状に湾曲した下側底面部C122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C122の長手方向における一端側)に上側底面部C121(第1通路CRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ流入する場合に、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C122(第2通路CRt2)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図1631参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C122(第2通路CRt2)に流下した球が、かかる下側底面部C122(第2通路CRt2)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図1638参照)。これにより、下側底面部C122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C122(第2通路CRt2)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C122(第2通路CRt2)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C122の円弧形状(下側底面部C122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図1638(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材C120は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部C122(第2通路CRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材C130は、板状に形成される本体部C131と、その本体部C131の正面から立設される下ストッパ部C132、上ストッパ部C133及び軸支座部C134とを備える。
本体部C131には、その本体部C131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt5)を連通するための開口である開口C131aが開口形成される。開口C131aの下方には、本体部C131の外縁を窪ませた凹部C131bが形成される。凹部C131bは、迂回部材C200との対向間に第5通路CRt5の一部を形成する。
下ストッパ部C132は、振分部材C170が下方へ変位された際に、その振分部材C170の下面に当接可能に形成され、振分部材C170の第2位置を規定する(図1636参照)。一方、上ストッパ部C133は、振分部材C170が上方へ変位された際に、その振分部材C170の上面に当接可能に形成され、振分部材C170の第1位置(所定位置)を規定する(図1635参照)。
軸支座部C134は、軸C192を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C192は、装飾部材C190に固着されており、本体部C131の背面から挿通された軸C192に振分部材C170が回転不能に連結されることで、振分部材C170及び装飾部材C190が一体となって本体部C131(軸支座部C134)に回転可能に軸支される。また、軸C192は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C134に軸支される。
第1中間部材C140は、板状の本体部C141と、その本体部C141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C142、天面部C143及び通路部C144とを備え、背面部材C130の正面視左側に配設される。
第1中間部材C140が背面部材C130に配設された状態では、底面部C142、天面部C143及び通路部C144の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。これにより、背面部材C130と第1中間部材C140(本体部C141、底面部C142及び天面部C143)とに区画された空間により第3通路CRt3が形成されると共に、背面部材C130と第1中間部材C140(通路部C144)と第2位置にある振分部材C170とにより区画された空間により第4通路CRt4が形成される(図1636参照)。
なお、底面部C142は、皿部材C120側から振分部材C170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C144は、第2位置にある振分部材C170に対向する位置に形成される対向部C144aと、球の転動面を形成する底面部C144bとを備え、底面部C144bは、第2位置にある振分部材C170側から対向部C144a側へ向けて下降傾斜されると共に、背面部材C130側から正面部材C110側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、第2位置へ変位した振分部材C170から球を第4通路CRt4に受け入れると共にその球を第6通路CRt6へ流出(転動)させることができる。
ここで、皿部材C120の下側底面部C122(第2通路CRt2)は前後方向(矢印F-B方向)に沿って球を転動させ、皿部材C120から底面部C142へは、左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)球が流下され、底面部C142(第3通路CRt3)は皿部材C120から流下された球を左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)転動させる。
この場合、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動によって先行の球CB1及び後行の球CB2(図1639参照)の間隔が決定されるところ、それら両球CB1,CB2は、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ左右方向に沿って流下されると共に、底面部C142(第3通路CRt3)を左右方向に沿って流下(転動)されるので、両球CB1,CB2の間隔を正面視により確認可能とし、遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C150は、板状の本体部C151と、その本体部C151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C152とを備え、背面部材C130の正面視右側に配設される。第2中間部材C150が背面部材C130に配設された状態では、底面部C152の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。
本体部C151には、その外縁を窪ませた凹部C151aが形成される。底面部C152は、その下面に迂回部材C200(樋部C203)が対向配置され、凹部C151a及び底面部C152と迂回部材C200(樋部C203)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、迂回部材C200を筒状に形成して第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
第1介設部材C160は、第5通路CRt5の一部における球の転動面を形成する部材であり、背面部材C130と第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、背面部材C130と第2中間部材C150(本体部C151)と第1介設部材C160とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される。
第1介設部材C160は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1636参照)。よって、振分部材C170によって第1介設部材C160(第5通路CRt5)に振り分けられた球を、第1介設部材C160上で往復動させた後、開口C131aへ流出させることができる。
これにより、例えば、振分部材C170によって振り分けられた球を開口C131aへ直接流出させる構成と比較して、開口C131aへ流出するまでに要する時間を長くすることができる。即ち、第1入賞口64に入球(入賞)する確率が高い状態の形成を期待する遊技者に対し、かかる状態が形成されたことを気づかせ易くできると共に、かかる状態を楽しむ時間を確保させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1介設部材C160には、背面部材C130の開口C131aに対応する位置(即ち、第1介設部材C160の転動面の内の鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C160aが凹設される。流出面C160aは、第1介設部材C160を案内される球を、開口C131aへ流出させるための部位であり、開口C131aへ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
振分部材C170は、嵌合穴C171aが一側に形成される本体部C171と、その本体部C171の嵌合穴C171aが形成される側と反対側となる他側に形成される受入部C172と、本体部C171の上面側に形成される転動部C173とを備え、嵌合穴C171aに嵌合された軸C192(軸支座部C134)を中心として回転可能とされる。
嵌合穴C171aは、断面D字状の穴として形成され、その断面形状に一致した断面形状を有する軸C192が嵌合されることで、本体部C171に軸C192が回転不能に固着される。軸C192は、装飾部材C190にも回転不要に固着されており、よって、軸C192を介して、本体部C171(振分部材C170)と装飾部材C190とが一体化(1のユニットとして形成)される。
この場合、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットは、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C170と反対側、図1635右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C170は、受入部C172側が上昇され(正面視において軸C192を中心として時計回りに回転され)、上ストッパ部C133に回転が規制された状態(第1位置(所定位置)に配置された状態)とされる(図1635参照)。
一方、振分部材C170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C170が配設される側、図1635左側)に偏心される。よって、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C170は、受入部C172側が下降され(正面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C132に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図1636参照)。
装飾部材C190は、本体部C191の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされ、振分部材C170の第1位置と第2位置との間の変位(回転)に伴って、装飾部材C190(本体部C191)も回転され、遊技者から視認される位置(形態)が変化される。よって、かかる装飾部材C190の位置(形態)に基づいて、振分部材C170の状態(即ち、球の振り分け方向)を遊技者に認識させることができる。また、振分部材C170を変位させるための錘としての役割と、球の振り分け方向を認識させる部位としての役割とを装飾部材C190に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
なお、振分部材C170が第2位置に配置された後、受入部C172から第1中間部材C140の通路部C144へ球が排出(流出)されると、振分部材C170は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重心位置の軸C192からの偏心)の作用により、第1位置(所定位置)へ復帰される。
このように、振分部材C170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C173へ到達させる可能性を付与できる(図1639から図1641参照)。
受入部C172は、第1位置において第3通路CRt3に対向する位置に形成される対向部C172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C172bとを備える。
受入部C172は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交し、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図1635参照)。
ここで、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C172aの転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第3通路CRt3へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C172aは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から受け入れた球を対向部C172aにより受け止めて、第3通路CRt3へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142(通路部C144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C172に受け入れた球が早期に第1中間部材C140の通路部C144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C172bは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C172に受け入れた球が第1中間部材C140の通路部C144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C170を第2位置に確実に到達させることができる。
なお、上述した理由(第3通路CRt3への逆流防止)により、対向部C172aを、転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C172は、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の通路部C144へ向けて下降傾斜するように形成される(図1636参照)。これにより、受入部C172に受け入れた球を、第1中間部材C140の通路部C144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C172bを転動している間、その球の重量を振分部材C170に作用させ、振分部材C170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C173(第5通路CRt5)へ案内可能な状態)に維持しやすくできる。
転動部C173は、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球を、第2介設部材C160(第5通路CRt5)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)の下流端と、第2介設部材C160(第5通路CRt5)の上流端との間に位置(架設)される。
転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)は、受入部C172の対向部C172aから突出して形成される。即ち、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)には、対向部C172aから上流側(第1中間部材C140(第3通路CRt3)側、矢印L方向)へ向けて突出される板状の部位が形成される。この板状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球が受入部C172へ流入されると、その球の重量で振分部材C170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C170の下面が下ストッパ部C132に当接されることで、振分部材C170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C132に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C142(転動面)の下流端と転動部C173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C142の下流端よりも転動部C173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
更に、振分部材C170は、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)が、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成される。即ち、転動部C173の上流側の端面は、転動部C173の転動面側の縁部よりも、受入部C172(対向部C172a)側の縁部の方が、第1中間部材C140に近接される形状に形成される。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
受入部C172と転動部C173とは、C192に対して、同じ側(球の重量により振分部材C170を回転させる方向が同じとなる側)に配置される。よって、受入部C172に受け入れた球の重量により振分部材C170が第2位置に配置された後、球が受入部C172から排出されたとしても、転動部C173を転動する球の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持することができる。即ち、第5通路CRt5へ案内する球がある場合、その球の重量を利用して、振分部材C170の姿勢を、球を第5通路CRt5へ案内するための姿勢に維持させることとができる。
よって、受入部C172に受け入れた球(底面部C172bを転動する球)の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持する必要がなく、かかる底面部C172bの延設長さを短くすることができ、その分、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
ここで、振分部材C170は、底面部C142(第3通路CRt3)から受入部C172へ向けて球が転動する方向(受入部C172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C172が球を受け入れる方向と受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C170(受入部C172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C172に滞留される球の重量を利用して振分部材C170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C173において球を安定して転動させることができる。
また、球の反転を利用して、その滞留時間を確保できることで、その分、受入部C172における底面部C172bの延設長さを短くして、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
第2介設部材C180は、第6通路CRt6における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C111と第1中間部材C140及び第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、正面部材C110と第1中間部材C140及び第2中間部材C150と第2介設部材C180とに区画された空間により第6通路CRt6が形成される。
第2介設部材C180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C180(第6通路CRt6)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt6の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C110の底面部C112との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。
装飾部材C190は、板状に形成される本体部C191と、その本体部C191に固着される軸C192とを備え、上述したように、軸C192を介して、振分部材C170に連結(一体化)される。なお、本体部C191の正面には、キャラクターなどの図柄が印刷やシールの添付により表示され、そのキャラクターの動き(変位)に基づいて、振分部材C170の動作が遊技者に視認可能とされる。
なお、軸C192は、ベース板60(図1626参照)に直交する姿勢で配置される。よって、下側フレームC86bの前後方向(矢印F-B方向)寸法の小型化を図ることができる。
迂回部材C200は、板状の本体部C201と、その本体部C201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C202と、その壁面部C202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C203とを備え、開口C131aに対向する位置において、背面部材C130の背面側に配設される。
迂回部材C200が背面部材C130に配設された状態では、壁面部C202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C130(本体部C131)の背面に当接され、且つ、樋部C203の立設先端(矢印F方向側)が第2中間部材C150(本体部C151)の背面に当接されると共に、樋部C203の縁部が第2中間部材C150(底面部C152)の底面に当接される。
これにより、背面部材C130(本体部C131)と迂回部材C200(本体部C201及び壁面部C202)とに区画された空間、及び、第2中間部材C150(底面部C152)と迂回部材C200(樋部C203)とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される(図1637参照)。
なお、樋部C203は、背面部材C130側から第2中間部材C150側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C130の開口C131aから迂回部材C200内へ流入された球を樋部C203上を転動させて、正面部材C110の底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt5へ流入させることができる。
次いで、振分部材C170による球の振り分け動作について説明する。図1639から図1641は、振分部材C170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図1631のMDLXXIV-MDLXXIV線における断面に対応する。
なお、図1639(a)及び図1639(b)は、振分部材C170が第1位置に配置された状態を示し、図1635に対応する。図1640(b)及び図1641は、振分部材C170が第2位置に配置された状態を示し、図1636に対応する。
図1639(a)に示すように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、受入部C172は、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C172は、底面部C142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C172aが配置され、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C172bが配置される。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C173は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C173は、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C172bが配置される。なお、転動部C173と、底面部C142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の天面部C143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。但し、かかる間隔を球の直径よりも大きな間隔としても良い。
第1中間部材C140の底面部C142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図1639(b)に示すように、球CB1が振分部材C170の受入部C172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C172aに当接され(受け止められ)、受入部C172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。上述したように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、天面部C143の下流端と、転動部C173の上流端との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定されるので、球CB2が、球CB1を乗り越えて、転動部C173へ流入されることを抑制できる。即ち、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図1639(b)に示すように、球CB1が受入部C172に受け入れられると、図1640(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C170に作用される。
ここで、受入部C172は、対向部C172aの底面部C172bに連結される側の領域と、底面部C172bの対向部C172aに結される側の領域とが、即ち、対向部C172aと底面部C172bとの連結部分が、軸C192側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図1640(a)と図1640(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C172(対向部C172aと底面部C172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C192と反対側の外縁)よりも、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)の軌跡が、軸C192に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図1640(a)に示す状態から振分部材C170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、球CB1が通路部C144へ向けて底面部C172bを転動されると共に、球CB2が転動部C173に流下される(転動部C173に受け入れられる)。
図1640(b)及び図1641に示すように、振分部材C170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C172から通路部C144(第4通路CRt4)へ流入されると共に、球CB2が転動部C173を転動して、第1介設部材C160(第5通路CRt5)へ流入される。
球CB1,CB2が第4通路CRt4及び第5通路CRt5へ流入された後は、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。なお、振分部材C170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C173到達し、その転動部C173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C173を転動して第5通路CRt5へ流入(案内)される。
上述したように、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)は、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成されるので、振分部材C170が第2位置から第1位置へ変位(回転)を開始した後であっても、転動部C173の上流側の傾斜面(端面)を利用して、第3の球を転動部C173へ流入させ易くできる。
なお、振分部材C170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第4通路CRt4へ振り分けられる。
以上のように、第62実施形態における下側フレームC86bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図1642から図1657を参照して、第63実施形態におけるセンターフレームC2086について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1642は、第63実施形態における下側フレームC2086bの正面斜視図であり、図1643は、下側フレームC2086bの背面斜視図である。なお、図1642及び図1643では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC2086bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図1642及び図1643に示すように、下側フレームC2086bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COP2000inと、その受入口COP2000inに連通される第1通路CRt2001と、その第1通路CRt2001を案内された球(第1通路CRt2001をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第2通路CRt2002と、その第2通路CRt2002を案内された球が振分部材C2170により振り分けられて流下される第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004と、第3通路CRt2003を案内された球および第4通路CRt2004から落下した球(第4通路CRt2004の終端に到達しなかった球)が流下される第6通路CRt2006と、第4通路CRt2004を案内された球(第4通路CRt2004の終端に達した球)が流下される第5通路CRt2005と、その第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COP2000outとが形成される(図1650及び図1651参照)。
なお、第63実施形態におけるセンターフレームは、上側フレーム(図示せず)と下側フレームC2086bとから構成される。第63実施形態における上側フレームは、その上側フレーム通路(図示せず)の形状が、第62実施形態における上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0と異なる点を除き、他の構成は第62実施形態における上側フレームC86aと同一の構成であるので、その説明は省略する。
上側フレーム通路は、遊技領域のうちの正面視左側(図1626左側)の領域(センターフレーム(上側フレーム)とレール61(図1626参照)との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路の下流端に下側フレームC2086bの受入口COP2000inが連通される。即ち、遊技領域から上側フレーム通路に流入(入球)した球は、受入口COP2000inを介して、上側フレーム通路から下側フレームC2086bの第1通路CRt2001へ流入(入球)される。
下側フレームC2086bには、球の重さにより動作する振分部材C2170が配設されており(図1650及び図1651参照)、連なった状態の球が第2通路CRt2002を案内される場合には、先行する球が第3通路CRt2003へ振り分けられる一方、後行する球が第4通路CRt2004へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第3通路CRt2003へ振り分けられる。
ここで、第4通路CRt4の終端に達した球は、第5通路CRt5へ流下されるところ、第5通路CRt2005の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図1626参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt2005を案内された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt2006には、その第6通路CRt2006に案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図1626左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt2006には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt2004へ振り分けられた球は、第6通路CRt2006において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt2005を案内される球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC2086bは、第62実施形態の場合と同様に、連なった状態の球が第2通路CRt2002へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第3通路CRt2003)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt2005))へ球を流下させる第4通路CRt2004へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、本実施形態では、第4通路CRt2004を案内される球が途中で第6通路へ落下可能に形成され、落下せずに第4通路CRt2004の終端に達した球のみが第5通路CRt2005へ流下(流入)可能とされる。そのため、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、連なった状態の球のうちの後行する球が第4通路CRt2004に振り分けられた後は、かかる第4通路CRt2004の終端まで球が落下せずに達することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1642から図1643に加え、図1644から図1657を参照して、下側フレームC2086bの詳細構成について説明する。
図1644は、下側フレームC2086bの分解正面斜視図であり、図1645は、下側フレームC2086bの分解背面斜視図である。図1646は、下側フレームC2086bの上面図であり、図1647は、下側フレームC2086bの正面図であり、図1648は、下側フレームC2086bの背面図である。図1649(a)は、図1647の矢印MDLXXXVIIIa方向視における下側フレームC2086bの側面図であり、図1649(b)は、図1647の矢印MDLXXXVIIIb方向視における下側フレームC2086bの側面図である。
図1650及び図1651は、図1646のMDLXXXIX-MDLXXXIX線における下側フレームC2086bの断面図である。図1652は、図1648のMDXCI-MDXCI線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図1653は、図1648のMDXCII-MDXCII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。なお、図1650では、振分部材C2170が第1位置に配置された状態が、図1651では、振分部材C2170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1642から図1653に示すように、下側フレームC2086bは、正面部材C2110と、その正面部材C2110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C2120と、正面部材C2110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C2130と、その背面部材C2130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C2140、第2中間部材C2150、第1介設部材C2160、磁性部C2400及び受け部材C2500と、背面部材C2130及び第1中間部材C2140の対向間に介設される振分部材C2170と、正面部材C2110及び背面部材C2130の対向間に介設される第2介設部材C2180と、背面部材C2130の背面に配設される迂回部材C2200及び磁石C2300と、を備える。
なお、下側フレームC2086bは、各部材どうしそれぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C2170が背面部材C2130及び第1中間部材C2140に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1642参照)。
また、下側フレームC2086bは、振分部材C2170を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C2170が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt2001から第6通路CRt2006を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C2170による振り分け動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC2086bは、少なくとも第1中間部材C2140が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第2通路CRt2002における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C2170による振り分け動作とを遊技者に視認させられると共に、後行する球が振分部材C2170により第4通路CRt2004に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態では第5通路CRt2005に流入されれば、ほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt2005を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C2170は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C2140が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C2140に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt2003を通過する球や振分部材C2170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C2110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC2086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図1626参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C2180の底面が対向配置される。なお、底面部C112には、流出口COPoutに連通する筒状の部位が形成され、この筒状の部位が第5通路CRt2005の一部とされる。よって、第5通路CRt2005の内壁面に正面部材C2110と第2介設部材C180との重なり部分(継ぎ目)が形成されないので、流出口COPoutから第5通路CRt2005内を遊技者が覗き込んだ際の外観を良くすることができると共に、重なり部分(継ぎ目)から針金等の異物が侵入されることを回避できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
皿部材C2120は、通路の底面を形成する上側底面部C2121及び下側底面部C2122と、通路の側壁を形成する側壁部C2124を備える。
上側底面部C2121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、受入口COP2000inから離間する方向(矢印方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
下側底面部C2122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1638(b)参照)。
側壁部C2124は、上側底面部C2121(第1通路CRt2001)の通路幅と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C2122は、上面視において、上側底面部C2121と略90度に交差され、上側底面部C2121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C2122の長手方向における一端側(矢印F方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
側壁部C2124には、円弧状に湾曲した下側底面部C2122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)から底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C2122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C2122の長手方向における一端側)に上側底面部C2121から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C2121から下側底面部C2122(第1通路CRt2001)へ流入する場合に、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C2122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を案内される球を、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出させるための部位であり、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C2122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C2142(第2通路CRt2002)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C2122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図1646参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C2124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C2124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C2122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C2122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に流下した球が、かかる下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C2122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図1650参照)。これにより、下側底面部C2122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する側壁部C2124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C2122(第1通路CRt2001)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C2122の円弧形状(下側底面部C2122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図1638(b)及び図1649(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させ易くできる。
背面部材C2130は、板状に形成される本体部C2131と、その本体部C2131の正面から立設される軸支座部C2134とを備える。
本体部C2131には、その本体部C2131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt2005)を連通するための開口である開口C2131aと、振分部材C2170(錘C2175)との干渉を回避するための開口である開口C2131cとが開口形成される。開口C2131aの下方には、本体部C2131の外縁を窪ませた凹部C2131bが形成される。凹部C2131bは、迂回部材C2200との対向間に第5通路CRt2005の一部を形成する。
軸支座部C2134は、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C2174は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C2134と第1中間部材C2140の軸支座部C2141bとに軸支される。
第1中間部材C2140は、板状の本体部C2141と、その本体部C2141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2142、天面部C2143、通路部C2144及び下ストッパ部C2145とを備え、背面部材C2130の正面視左側に配設される。
本体部C2141には、その本体部C2141の正面側と背面側とに形成される通路(第3通路CRt2003及び第6通路CRt2006)を連通するための開口である開口C2141aが形成される。また、本体部C2141の背面からは、軸支座部C2141bが立設される。軸支座部C2141bは、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。
第1中間部材C2140が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2142及び天面部C2143の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。これにより、背面部材C2130と第1中間部材C2140(本体部C2141、底面部C2142及び天面部C2143)とに区画された空間により第2通路CRt2002が形成されると共に、背面部材C2130と第1中間部材C2140(底面部C2142及び通路部C2144)と第2位置にある振分部材C2170とにより区画された空間により第3通路CRt2003が形成される(図1651参照)。
底面部C2142は、皿部材C2120側から振分部材C2170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C2144は、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)と開口C2141aとの対向間に位置し、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)側から開口C2141a側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、通路部C2144は、第2位置へ変位した振分部材C2170から球を受け入れると、その球を開口C2141aを介して第6通路CRt2006へ流出(転動)させることができる。
なお、底面部C2142は、振分部材C2170(底面部C2172b)が上方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の上面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第1位置を規定する(図1650参照)。一方、下ストッパ部C2145は、振分部材C2170(底面部C2172b)が下方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の下面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第2位置を規定する(図1651参照)。
なお、振分部材C2170は、第1位置から第2位置に変位(回転)されると、転動部C2173の上面(転動面)が上方へ変位(上昇)される。即ち、振分部材C2170が第2位置に配置された状態における底面部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態における底面部C2173の上面(転動面)よりも上方(矢印U側)に位置される。
第2中間部材C2150は、板状の本体部C2151と、その本体部C2151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2152及び壁面部C2153,C2154とを備え、第1中間部材C2140との間に所定の間隔を隔てつつ、背面部材C2130の正面視右側に配設される。
なお、本実施形態では、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との間の対向間隔(矢印L-R方向の間隔)が、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)寸法に球の直径の少なくとも2倍以上の大きさを加算した寸法よりも大きな値に設定される。よって、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側(第1中間部材C2140との間、及び、第2中間部材C2150との間の両方)に、球が通過可能な空間をそれぞれ確保することができる。よって、球の流下する方向の種類(バリエーション)を増やし、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152が、背面部材C2130の開口C2131aに連通可能となる位置に配置されると共に、開口2131aへ向けて下降傾斜される。よって、底面部C2152は、第4通路CRt2004の終端に達した球(磁性部C2400の終端から落下した球)を受け入れると、その球を開口C2131a内へ流入(転動)させることができる。即ち、底面部C2152の上面側に第5通路CRt2005の一部が形成される。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152及び壁面部C2153,C2154の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。また、底面部C2152の上面(転動面)の縁部に沿って本体部C2151及び壁面部C2153,C2154が所定量だけ上方(矢印U方向)へ突出される。
磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153は、第4通路CRt2004を案内される球の移動方向(磁性部C2400の下縁(球を吸着する縁部)に沿う方向)の延長線と交差する面を形成する。これにより、第4通路CRt2004から排球された(磁性部C2400から落下した)球を、壁面部C2153により直接受け止めて、或いは、底面部C2152でバウンドした(跳ね上がった)後に壁面部C2153により受け止めて、底面部C2152上へ落下させることができる。なお、実施形態では、壁面部C2153は、磁性部C2400の終端(矢印R方向の端部)における下縁(球が吸着される縁部)よりも高い位置まで形成される。
一方、底面部C2152の上面からの突出寸法は、磁性部C2400に近い側に位置する壁面部C2154の突出寸法、及び、本体部C2151の突出寸法が、磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153の突出寸法よりも小さく(低く)される。これにより、底面部2152(第5通路CRt2005)から第1介設部材C2160又は第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)へ球が落下可能として、遊技の興趣を高められる。なお、壁面部C2154及び本体部C2151の突出寸法は、球の直径よりも小さくされることが好ましい。
受け部材C2500は、上面(転動面)を形成する第1底面部C2501及び第2底面部C2502を備え、第1中間部材C2140と第2中間部材2150との対向間であって、磁性部C2400の下方(矢印U方向側)となる位置に配設される。よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を第1底面部C2501及び第2底面部C2502で受け止めて、第1介設部材C2160へ流下(転動)させることができる。
第1底面部C2501は、第2底面部C2502との接続部から第1中間部材C2140側(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成され、第2底面部C2502は、第1底面部C2501との接続部から第2中間部材C2150側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、第1底面部C2501及び第2底面部C2502は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて下降傾斜される(図1653参照)。
上述したように、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側には、第1中間部材C2140及び第2中間部材C2150との間に少なくとも球1個分の空間がそれぞれ形成される。
よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させて、第1介設部材C2160へ流下させることができる。この場合、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を受け止めた部位(第1底面部C2501又は第2底面部C2502)に応じて、その球を流下させる方向を異ならせることができる。
また、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させた上で、それら第1底面部C2501又は第2底面部C2502の下流端から第1介設部材C2160へ流下させることができる。これにより、かかる球を、第1介設部材C2160の長手方向に沿って転動させ易くできる。
なお、第1底面部C2501及び第2底面部C2502の少なくとも一方または両方は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて上昇傾斜されていても良く、或いは、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて非傾斜(即ち、水平)とされていても良い。
また、受け部材C2500は、その長手方向(矢印L-R方向)の一側のみに球が通過可能な空間が確保される形態(即ち、第1中間部材C2140又は第2中間部材C2150の一方との間のみに球が流下(通過)可能な空間が形成され、他方との間では球の流下(通過)が不能とされる形態)でも良い。この場合には、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向寸法を確保して、その分、球の転動時間を長くできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
第1介設部材C2160は、受け部材C2500から流下された球を、第2介設部材C2180へ流下させる転動面を形成する部材であり、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との対向間に介設される。
第1介設部材C2160の上面(転動面)には、球を第2介設部材C2180へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C2161及び側方流出面C2162)が形成される。中央流出面C2161は、第2介設部材C2180の中央流出面C181(即ち、第1入賞口64)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)され、側方流出面C2162は、中央流出面C2161から遊技盤13の幅方向(図1626左右方向)へ位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。また、第1介設部材C2160の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C2162が形成され、起伏の頂部に中央流出面C2161が形成される。
なお、側方流出面C2162は、第2介設部材C2180の側方流出面C182に対して、遊技盤13の幅方向(図1626左右方向)における外側(矢印L方向または矢印R方向)へ位置を異ならせて形成(配置)される。よって、側方流出面C2162から流下される球を、第2介設部材C2180の側方流出面C182よりも外側(即ち、側方流出面C182へ向けて下降傾斜する第2介設部材C2180の上面(転動面))へ流下させることができる。従って、かかる球を、第2介設部材C2180の長手方向に沿って転動させ易くできる。その結果、第2介設部材C2180の中央流出面C181から流下させる(即ち、第1入賞口64へ入球(入賞)する)機会を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
振分部材C2170は、軸C2174が軸支される本体部C2171と、その本体部C2171の一側に形成される受入部C2172と、本体部C2171の上面側に形成される転動部C2173と、軸C2174を挟んで受入部C2172と反対側となる位置において本体部C2171に配設(取着)される真鍮製の錘C2175とを備え、軸C2174(軸支座部C2134,C2141b)を中心として回転可能とされる。
振分部材C2170は、その重心位置が回転中心(軸C2174)に対して他側(錘C2175が配設される側、即ち、軸C2174を挟んで受入部C21720と反対側、図1650右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が上昇され(正面視において軸C2174を中心として時計回りに回転され)、底面部C2142に回転が規制された状態(第1位置に配置された状態)とされる(図1650参照)。
一方、振分部材C2170の受入部C2172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C2174)に対して一側(受入部C2172が形成される側、即ち、軸C2174に対して錘C2175と反対側、図1651左側)に偏心される。よって、受入部C2172に球を受け入れた状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が下降され(正面視において軸C2174を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C2145に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図1651参照)。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された後、受入部C2172から第1中間部材C2140の通路部C2144へ球が排出(流出)されると、振分部材C2170は、振分部材C2170の自重(重心位置の軸C2174からの偏心)の作用により、第1位置へ復帰される。
このように、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C2170の自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C2170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C2173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C2173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C2173へ到達させる可能性を付与できる(図1654から図1656参照)。
受入部C2172は、第1位置において第2通路CRt2002に対向する位置に形成される対向部C2172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C2144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C2172bとを備える。
受入部C2172は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交し、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図1650参照)。
ここで、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C2172aの転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C2172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第2通路CRt2002へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C2172aは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から受け入れた球を対向部C2172aにより受け止めて、第3通路CRt2003へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142(通路部C2144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C2172に受け入れた球が早期に第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C2170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C2170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C2172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C2172に受け入れた球が第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C2170を第2位置に確実に到達させることができる。
この場合、本実施形態では、底面部C2172bは、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、対向部C2172aに接続される基端側(図1650右側、矢印R方向側)の領域における上昇傾斜の角度が、対向部C2172aと反対側となる先端側(図1650左側、矢印L方向側)の領域における上昇傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。また、言い換えると、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aと反対側となる先端側(図1650左側)の領域における下降傾斜の角度が、対向部C2172aに接続される基端側(図1650右側)の領域における下降傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。
よって、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)される初期段階では、底面部C2172bの基端側(図1650右側)の領域における上昇傾斜を利用して、受入部C2172(底面部C2172b)における球の保持を確実としつつ、後期段階では、底面部C2172bの先端側(図1650左側)の領域における下降傾斜を利用して、通路部C2144(第3通路CRt2003)への球の排球をスムーズに行わせることができる。
なお、上述した理由(第2通路CRt2002への逆流防止)により、対向部C2172aを、転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C2172は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の通路部C2144へ向けて下降傾斜するように形成される(図1651参照)。これにより、受入部C2172に受け入れた球を、第1中間部材C2140の通路部C2144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C2172bを転動している間、その球の重量を振分部材C2170に作用させ、振分部材C2170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C2173(第4通路CRt4)へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
転動部C2173は、受入部C2172(底面部2172b)に対して軸C2174を挟んで反対側となる領域に形成される。即ち、受入部C2172に受け入れられた球の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、その回転に伴って上方(矢印U方向)へ上昇される領域を少なくとも含む領域に転動部C2173が形成される。即ち、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、転動部C2173の下流側が上方へ持ち上げられ、磁性部C2400との間の距離が短縮される。よって、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
この場合、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、転動部C2173が、軸C2174を挟んで水平方向(矢印L-R方向)反対側のみに形成されていると、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いによって、振分部材C2170が第1位置へ向けて回転される虞がある。よって、転動部C2173の高さ位置(鉛直方向位置)が下がり、磁性部C2400との間の距離が拡大されることで、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)られない虞がある。
これに対し転動部C2173は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、軸C2174と鉛直方向において重なる範囲(領域)にわたって形成される(図1651参照)。即ち、転動部C2173の上流側(第2通路CRt2002側)の領域は、軸C2174よりも水平方向一側(矢印L方向側)に位置し、その上流側を転動する球の重量を、振分部材C2170を第2位置に維持する方向の力として作用させることができる。
よって、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いを利用して、第2位置にある状態を維持させる方向の慣性力を振分部材C2170に作用させ、その慣性力の作用により第2位置にある状態を維持する方向へ振分部材C2170が変位(回転)しようとしている間に、球を転動部C2173の下流側の領域まで転動させることができる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
受入部C2172の底面部C2172bの延設長さ(球を案内する方向の長さ)は、転動部C2173の延設長さよりも大きな寸法に設定される。よって、転動部C2173を球が転動する間、同時に、受入部C2172の底面部C2172bを別の球が転動する状態を形成しやすくできる。即ち、転動部C2173を球が転動する間、受入部C2172の底面部C2172bに別の球の重量を振分部材C2170に作用させておくことができる。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
特に、受入部C2172の底面部C2172bは、軸C2174から離間する方向(軸C2174に直交する方向)へ延設されるので、底面部C2172bを球が転動するに従って、力の作用点(球の重量が作用する位置)と支点(回転中心)との距離を大きく(増加)させることができる。即ち、底面部C2172bを球が転動するに従って、振分部材C2170を第2位置へ維持し易くできる(第2位置に配置された振分部材C2170を第1位置へ変位(回転させる)のに必要な力を大きくできる)。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
ここで、振分部材C2170は、底面部C2142(第2通路CRt2002)から受入部C2172へ向けて球が転動する方向(受入部C2172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C2172を球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C2172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C2172が球を受け入れる方向と受入部C2172を球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C2170(受入部C2172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C2172に滞留される球の重量を利用して振分部材C2170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C2173において球を安定して転動させることができる。
転動部C2173は、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球を、磁性部C2400(第4通路CRt2004)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C2170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)の下流端と、磁性部C2400(第4通路CRt2004)の上流端との間に位置(架設)される。
上述したように、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間で変位(回転)されることで、その上面(転動面)の高さ位置が上下方向(矢印U-D)方向へ変位(昇降)される。これにより、転動部C2173を磁性部C2400よりも下方となる位置に配置できる。
その結果、振分部材C2170を第2位置に配置して、転動部C2173を上方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400に近づけて、重力の作用に抗して、球を吸着させ易くできる一方、振分部材C2170を第1位置に配置して、転動部C2173を下方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400から離間させて、重力の作用も利用して、球を吸着させない態様を確実に形成できる。
転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)と受入部C2172の対向部C2172aとの連結部分は、上流側(第1中間部材C2140(第2通路CRt2002)側、矢印L方向)へ向けて突出される鋭角な突部形状に形成される。この突部形状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球が受入部C2172へ流入されると、その球の重量で振分部材C2170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C2170の下面が下ストッパ部C2145に当接されることで、振分部材C2170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C2145に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C2170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C2170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C2170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C2170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C2173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C2172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C2142(転動面)の下流端と転動部C2173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C2170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C2142の下流端よりも転動部C2173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C2170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
なお、第62実施形態の場合と同様に、転動部C2173の上流側の端面(第1中間部材C2140に対向する側の面、矢印L方向側の面)を、転動部C2173から第1中間部材C2140(底面部C2142)へ向けて下降傾斜させても良い。即ち、転動部C2173の上流側の端面を、転動部C2173の転動面側の縁部よりも、受入部C2172(対向部C2172a)側の縁部の方が、第1中間部材C2140に近接される断面形状としても良い。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C2170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
磁性部C2400は、金属製の長尺板状体であり、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C2400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C2400の上流端へ飛び付く。即ち、磁性部C2400の下縁(正面(矢印F方向の面)と下面(矢印D方向の面)とが交差して形成される稜線)に吸着される(図1657参照)。磁性部C2400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C2400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿って移動される。
この場合、球の状態(振分部材C2170の転動部C2173から磁性部C2400へ飛び付く際の球の速度や球の位置、球の回転状態など)に応じて、磁性部C2400の下縁から球が落下する可能性(終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態を形成できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
特に、磁性部C2400(第4通路CRt2004)は、振分部材C2170と第5通路CRt2005との間の通路を形成するので、遊技の興趣を高めることができる。即ち、振分部材C2170によって第4通路CRt2004に振り分けられる球は、先行する球CB1との間の距離が所定量より小さい状態(即ち、先行する球CB1と連なった状態)で第2通路CRt2002を流下(転動)する球(後行する球CB2)だけであり、かかる後行する球B2が発生する可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て振分部材C2170に到達した球(後行する球B2)を、落下する可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)がある不安定な状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
磁性部C2400の厚み寸法は、球の直径よりも小さい値(本実施形態では、球の直径の6%)に設定される。よって、磁性部C2400の下縁に外面点CP1が吸着された球は、位置CP1よりも下方となる位置の外面点CP2が本体部C2131の正面に当接される。この場合、球の重心は、外面点CP2よりも本体部C2131の正面から離れて位置するので、球の自重(重心に作用する重力)が、外面点CP1を支点として、外面点CP2を本体部2131の正面に押し当てる方向の力(即ち、図1657において外面点CP1を中心として球を右回り(時計まわり)に回転させる力)として作用される(図1657参照)。
これにより、磁性部C2400に球が吸着されると、かかる球を、外面点CP1と外面点CP2との2点で支持することができ、その結果、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿った球の移動を安定化できる。また、外面点CP2における本体部2131の正面との間の摩擦抵抗を利用して、球の移動速度を緩やか(低速化)することができる。よって、これによっても、球の移動を安定化できると共に、第4通路CRt2004の通過に要する時間を嵩ませて、球が落下せずに第5通路CRt2005に到達することを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、背面部材C2130の本体部c2131を挟んで、磁石C2300と磁性部C2400を配設し、磁性部C2400に沿って球を移動(摺動)させる構成とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化とを容易としつつ、球の通過経路を簡素な構造で形成できる。
第2介設部材C2180は、第6通路CRt2006における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160との対向間に介設される。即ち、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160と第2介設部材C2180に区画された空間により第6通路CRt2006が形成される。
第2介設部材C2180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt2006の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C2110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C2180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C2180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C2180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C2110の底面部C112との対向間に第5通路CRt2005の一部が形成される。
迂回部材C2200は、板状の本体部C2201と、その本体部C2201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C2202と、その壁面部C2202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C2203とを備え、開口C2131aに対向する位置において、背面部材C2130の背面側に配設される。
迂回部材C2200が背面部材C2130に配設された状態では、壁面部C2202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C2130(本体部C2131)の背面に当接され、且つ、樋部C2203の立設先端(矢印F方向側)が第2介設部材C2180の背面に当接されると共に、樋部C2203の縁部が第1介設部材C2160の底面に当接される。
これにより、背面部材C2130(本体部C2131)と迂回部材C2200(本体部C2201及び壁面部C2202)とに区画された空間、及び、第1介設部材C2160と迂回部材C2200(樋部C2203)とに区画された空間により第5通路CRt2005の一部が形成される(図1652及び図1653参照)。
なお、樋部C2203は、背面部材C2130側から第2介設部材C2180側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C2130の開口C2131aから迂回部材C2200内へ流入された球を樋部C2203上を転動させて、正面部材C2110の底面部C112と第2介設部材C2180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt2005へ流入させることができる。
次いで、振分部材C2170による球の振り分け動作について説明する。図1654から図1656は、振分部材C2170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図1646のMDLXXXIX-MDLXXXIX線における断面に対応する。図1657は、図1656(b)のMDXCVI-MDXCVI線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。
なお、図1654(a)及び図1654(b)は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態を示し、図1650に対応する。図1656(a)及び図1656(b)は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態を示し、図1651に対応する。
図1654(a)に示すように、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、受入部C2172は、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C2172は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C2172aが配置され、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C2172bが配置される。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、転動部C2173と対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C2173は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C2172bが配置される。なお、転動部C2173と、底面部C2142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを抑制できる。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の天面部C2143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを許容できる。
この場合、振分部材C2170が第1位置にある状態では、転動部C2173が、水平方向(矢印L-R方向)において、軸C2174を挟んで、底面部C2142(第2通路CRt2002)と反対側に位置し、且つ、底面部C2142(第2通路CRt2002)から離間する方向(矢印R方向)へ向かって下降傾斜される。
よって、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入したとしても、かかる球により、振分部材C2170が第2位置へ向けて回転される(即ち、転動部C2173が上方へ持ち上げられる)ことを抑制できると共に、転動部C2173の下降傾斜に沿って球を第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下させることができる。その結果、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付いて(吸着されて)、第4通路CRt2004を流下する(第5通路CRt2005へ到達する)ことを抑制できる。
但し、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付く(吸着される)ことが可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。即ち、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さく、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1を乗り越える場合に、球CB2が磁性部C2400に飛び付き(吸着)可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。球CB2は、本来は、第4通路CRt2004へ振り分けられるべき球であるので、かかる球が第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されることを抑制して、遊技者に不利になることを抑制できる。
第1中間部材C2140の底面部C2142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図1654(b)に示すように、球CB1が振分部材C2170の受入部C2172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C2172aに当接され(受け止められ)、受入部C2172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。これにより、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図1654(b)に示すように、球CB1が受入部C2172に受け入れられると、図1655(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C2170に作用される。
ここで、受入部C2172は、対向部C2172aの底面部C2172bに連結される側の領域と、底面部C2172bの対向部C2172aに連結される側の領域とが、即ち、対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分が、軸C2174側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図1655(a)と図1655(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C2170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C2170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C2170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C2170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C2172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C2172(対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C2174と反対側の外縁)よりも、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)の軌跡が、軸C2174に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C2173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C2172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C2173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図1655(a)に示す状態から振分部材C2170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、図1655(b)に示すように、球CB1が通路部C2144へ向けて底面部C2172bを転動されると共に、球CB2が転動部C2173に流下される(転動部C2173に受け入れられる)。
図1656(a)及び図1656(b)に示すように、振分部材C2170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C2172から通路部C2144(第3通路CRt2003)へ流入されると共に、転動部C2173を転動した球CB2が、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入される。
球CB1,CB2が第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004へ流入された後は、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C2170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C2173到達し、その転動部C2173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C2173を転動する。この場合、球CB1が受入部C2172(底面部C2172b)上にあるか否か、第3の球の転動速度(勢い)などに起因して、第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されるか、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入されるかが決定される。即ち、2つの状態を形成可能とできる。
なお、振分部材C2170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C2172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第3通路CRt2003へ振り分けられる。
以上のように、第63実施形態における下側フレームC2086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第3通路CRt2003へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C2170により球CB2を上方へ持ち上げて第4通路CRt2004へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第3通路CRt2003へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図1658から図1661を参照して、第64実施形態におけるセンターフレームC3086について説明する。
上記第62実施形態では、振分部材C170が回転される場合を説明したが、第63実施形態における振分部材C3170は、スライド変位される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1658及び図1660は、第64実施形態における下側フレームC3086bの部分拡大断面図であり、図1659及び図1661は、下側フレームC3086bの背面図である。なお、図1658及び図1659では、振分部材C3170が第1位置に配置された状態が、図1660及び図1661では、振分部材C3170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図1658及び図1660は、図1631のMDLXXIV-MDLXXIV線における断面に対応する。
ここで、第64実施形態における下側フレームC3086bは、第62実施形態における下側フレームC86bに対し、振分部材C3170を変位させる構造および振分部材C3170に装飾部材C3190を連動ささせる構造が異なる点を除き、その他の構成は同一に構成される。
図1658から図1661に示すように、背面部材C3130の本体部C131には、直線状の2本の案内溝C3131cが互いに平行な姿勢で上下方向に沿って延設される。これら2本の案内溝C3131cは、下方側(矢印D方向側)ほど第1中間部材C140に近接する方向に傾斜する姿勢で配設される。
即ち、第2位置における振分部材C3170の水平方向(矢印L-R方向)位置は、第1位置における振分部材C3170の水平方向位置よりも中間部材C140に近接する側(矢印L側)に位置されるる。
振分部材C3170には、上下一対を一組とする合計4本の軸C3171aが本体部C3171の背面から突出される。軸C3171aは、案内溝C3131cに摺動可能に挿通される被案内部であり、かかる軸C3171aが案内溝C3131cに沿って摺動されることで、振分部材C3170が第1位置と第2位置との間をスライド変位(直動)される。
左右の案内溝C3131cには、軸C3171aが一組ずつ配設される。よって、振分部材C3170は、回転による姿勢の変化を生じさせずに(即ち、底面部C172b及び転動部C173の傾斜角度を一定に維持させたまま)、第1位置と第2位置との間をスライド変位可能とされる。
なお、案内溝C3131cに挿通された軸C3171aの先端には、案内溝C3131cの溝幅よりも大径のカラーCWが配設され、かかるカラーCWが、軸C3171aが案内溝C3131cから抜け出ることを規制する抜け止めとされる。
振分部材C3170は、案内溝C3131cの上端(矢印U方向の端部)に軸c3171aが当接して、上方への変位が規制されることで、第1位置に規定(配置)され(図1658及び図1659参照)、振分部材C3170の下面に下ストッパ部C132が当接して、下方への変位が規制されることで、第2位置に規定(配置)される(図1660及び図1661参照)。
装飾部材C3190は、本体部C191と一体に形成され、軸C192を中心として径方向外方へ延設されるアーム部C3193を備え、アーム部C3193には、直線状の案内溝C3193aが軸C192を中心とする径方向に沿って延設される。案内溝C3193aには、軸C3171aが摺動可能に挿通される。
装飾部材C3190は、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C3170と反対側、図1659左側)に偏心される。よって、無負荷状態では、装飾部材C3190は、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされ(背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、図1659参照)、振分部材C3170は、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、第1位置に配置された状態とされる(図1658及び図1659参照)。
一方、振分部材C3170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、振分部材C3170及び装飾部材C3190全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C3170が配設される側、図1661右側)に偏心される。即ち、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C3170は、球の重量により案内溝C3131cに沿って下降され、第2位置に配置される。また、装飾部材C3190は、アーム部C3193が軸C3171aにより下方へ押し下げられ、背面視において軸C192を中心として時計回りに回転された状態とされる(図1661参照)。
第2位置において、受入部C172から通路部C144へ球が排球されると、装飾部材C3190が、その重心位置の偏心を利用して、背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされる。これに伴い、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、振分部材C3170が第1位置に配置(復帰)される(図1658及び図1659参照)。
振分部材C3170が第1位置と第2位置との間でスライド変位されることによる球CB1及び球CB2の振り分け動作については、上述した第62実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、第64実施形態における下側フレームC3086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
ここで、第62実施形態の場合のように、振分部材C170が軸C192を中心として回転される構造では、受入部C172の変位量を確保する(第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能とする)ために、軸C192と受入部C172との間の長さ(距離)を大きくする必要があり、幅方向(軸C192と受入部C172とを結ぶ方向)における振分部材C170の大型化を招く。
これに対し、本実施形態では、振分部材C3170を上下方向にスライド変位させるので、受入部C172の変位量を確保(即ち、第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能と)しつつ、回転中心(軸C192)と受入部C172とを連結する部位を設ける必要がない分、幅方向における振分部材C3170の小型化を図ることができる。即ち、振分部材C3170の幅方向の寸法を、転動部C173の転動面の長さ寸法(矢印L-R方向寸法)とすることができる。
次いで、図1662を参照して、第65実施形態における皿部材C4120について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1662(a)は、第65実施形態における皿部材C4120の上面図であり、図1662(b)は、図1662(a)のMDCIb-MDCIb線における皿部材C4120の断面図であり、図1662(c)は、図1662(a)のMDCIc-MDCIc線における皿部材C4120の断面図である。
皿部材C4120は、通路の底面を形成する上側底面部C4121及び下側底面部C4122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C4123及び下側側壁部C4124を備える。
上側底面部C4121は、上面視において略直線状の通路(第1通路CRt4001)として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、下側底面部C4122へ近接する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
上側側壁部C4123は、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の通路幅を区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。但し、通路幅は、複数の球を並列の状態で案内可能な寸法(球の2倍よりも大きい寸法)であっても良い。
上側側壁部C4123には、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の下流側の端部に切り欠き部C4123aが切り欠き形成され、この切り欠き部c4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上面視において、前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設され、その延設方向一端側および他端側における形状が略直線状の直線部C4122aと、それら一対の直線部C4122aの間において、上面視において、流出面C122a側が凹となる円弧状に湾曲する円弧部C4122bとから形成される。なお、円弧部C4122bは、前後方向の略中央において、上側底面部C4121の延設方向(矢印L-R方向)上流側(矢印L方向側)へ最も張り出した形状とされる。
また、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、一対の直線部C4122aでは円弧部C4122bへ向かうにつれて鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて下降傾斜する平面として形成され、円弧部C4122bでは略水平に形成される。即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される。
下側側壁部C4124は、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C4122の直線部C4122aは、上面視において、上側底面部C4121に対し、略直交して配設され、上側底面部C4121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C4122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部、直線部C4122aの上昇傾斜側)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C4123における切り欠き部C4123aに対応する位置では、下側側壁部C4124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)における下側側壁部C4124には、円弧部C4122bの前後方向の略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)から底面部C142(第3通路CRt3、図1635参照)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上述したように、一対の直線部C4122a及び円弧部C4122bから形成され、直線部C4122aの上昇傾斜側(下側底面部C4122の長手方向における一端側)に上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3、図1635参照)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ流入する場合に、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C4122の円弧部C4122bには、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)における略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される(図1635参照)。
よって、下側底面部C4122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる(図1635参照)。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C4122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側、矢印L方向側)に位置する下側側壁部C4124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C4124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C4112を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C4122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に流下した球が、かかる下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C4122が円弧状に湾曲して形成され、その円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)に切り欠き部C124aが形成される。よって、円弧部C4122bを転動する球には切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124へ向けて遠心力が作用され、これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3、図1635参照)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
次いで、図1663(a)を参照して、第66実施形態における下側フレームC5086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1663(a)は、第66実施形態における下側フレームC5086bの断面図であり、図1648のMDXCII-MDXCII線における断面に対応する。なお、図1663(a)では、下側フレームC5086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C5400の断面のみ図示される。
磁性部C5400は、金属製の長尺体であり、背面部材C2130と反対側(矢印F方向側)における端部から突部が鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される。よって、磁性部C5400は、断面形状が略L字状に形成される。また、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな間隔を隔てた位置に配設されると共に、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される。
磁性部C5400は、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C5400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C5400の上流端へ飛び付く(図1656参照)。即ち、磁性部C5400の突部の底面に吸着される。磁性部C5400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C5400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C5400の長手方向に沿って磁性部C5400の下流端へ移動される。これにより、磁性部C5400に沿って流下された球を第5通路CRt2005(図1651参照)へ案内できる。
上述したように、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな距離隔てた位置に配設されるため、磁性部C5400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することが抑制される。よって、球に摩擦力が作用されることが抑制できるので、球の流下速度を高くすることができる。また、球が背面部材C2130の正面に支持されないことで、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1663(b)を参照して、第67実施形態における下側フレームC6086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1663(b)は、第67実施形態における下側フレームC6086bの断面図であり、図1648のMDXCII-MDXCII線における断面に対応する。なお、図1663(b)では、下側フレームC6086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C6400の断面のみ図示される。
第67実施形態における磁性部C6400は、第66実施形態における磁性部C5400に対し、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される点を除き、他の構成は第66実施形態における磁性部C5400と同一の構成である。
磁性部C6400の突部の底面に吸着された球は、その底面の傾斜と、磁石部C2300から直接作用される磁力との効果により、背面部材C2130に当接される。従って、球に摩擦力を作用させることができ、磁性部C6400に沿って流下する球の流下速度を遅くできる。これにより、球の移動時間を長くでき、遊戯の興趣を高めることができる。
また、磁性部C6400の突部と背面部材C2130とで球を挟み込むことができ、球が磁性部C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
次いで、図1664から図1676を参照して、第68実施形態におけるセンターフレームD86について説明する。
上記各実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第68実施形態におけるセンターフレームD86は、上側フレームD86aと下側フレームD86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1664は、第68実施形態における遊技盤D13の正面図である。図1664に示すように、センターフレームD86は、ベース板60の窓部60a(図1578参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームD86aと下側フレームD86bとを備える。
上側フレームD86aは、ベース板60の窓部60a(図1578参照)における上側(図1664上側)及び左右(図1664左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームD86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図1664下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームD86a及び下側フレームD86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームD86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図1664下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームD86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームD86bについて説明する。図1665は、下側フレームD86bの正面斜視図であり、図1666は、下側フレームD86bの背面斜視図である。なお、図1665及び図1666では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームD86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図1665及び図1666に示すように、下側フレームD86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口DOPinと、その受入口DOPinに連通される第1通路DRt1と、その第1通路DRt1を案内された球が流下される第2通路DRt2と、その第2通路DRt2を案内された球(第2通路DRt2をその長手方向(矢印F-B方向)に沿って往復動した球)が流下される第3通路DRt3と、その第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)が、第3通路DRt3から流下される位置に応じて振り分けられる第4通路DRt4、第5通路DRt5及び第6通路DRt6と、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球が流下される第7通路DRt7と、第6通路DRt6を案内された球が流下される第8通路DRt8と、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOPoutとが形成される(図1673から図1675参照)。
なお、第6通路DRt6及び第8通路DRt8は、第6通路DRt6の下流端に第8通路DRt8の上流端が連通(接続)されており、1本の通路を形成する。即ち、該通路は、上流側の一部(前半)が第6通路DRt6により、下流側の一部(後半)が第8通路DRt8により、それぞれ形成される。
また、上側フレームD86aには、上側フレーム通路DRt0(図1664参照)が形成される。上側フレーム通路DRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図1664左側)の領域(センターフレームD86(上側フレームD86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路DRt0の下流端に下側フレームD86bの受入口DOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路DRt0に流入(入球)した球は、受入口DOPinを介して、上側フレーム通路DRt0から下側フレームD86bの第1通路DRt1へ流入(入球)される。
第3通路DRt3の通路幅は、所定間隔を隔てて対向する側壁(中間部材D140の側壁部D142と背面部材D130の側壁部D132と)により区画されるところ、これら通路幅を区画する側壁の一方(背面部材D130の側壁部D132)は、一部が分断され(側壁が非形成とされ)、その分断された領域と上面視において隣接する位置に、球が流下可能な流下口DOPflが開口される。
第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)は、流下口DOPflを介して、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれかへ流下(入球)可能とされる。
流下口DOPflは、第3通路DRt3の長手方向と直交する方向(矢印B方向)へ張り出し、第3通路DRt3の長手方向に沿って延設される上面視略矩形の空間(開口)として形成される。なお、流下口DOPflは、背面部材D130の本体部D131及び連結部D133により区画される。
流下口DOPflには、第3通路DRt3の長手方向に沿って、第4通路DRt4、第第6通路DRt6及び5通路DRt5の上流端(上流側の開口)が順に並設される。即ち、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)は、流下口DOPflの長手方向中央に位置し、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上流端(上流側の開口)は、第6通路DRt6の上流端を挟んで、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側)にそれぞれ位置する。
よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央を含む領域へ流下する球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)又は他側(矢印R方向側)を含む領域へ流下する球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。即ち、第3通路DRt3を案内される球が、第4通路DRt4から第6通路DRt6のいずれに振り分けられるかは、第3通路DRt3から流下する位置(領域)に応じて決定される。
ここで、第6通路DRt6を案内された球は、第8通路DRt8へ流下(流入)されるところ、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図1664参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球は、第7通路DRt7へ流下(流入)されるところ、第7通路DRt7には、その第7通路DRt7を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面D151が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図1664左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面D152が形成(配置)される。また、第7通路DRt7には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が形成され、起伏の頂部に中央流出面D151が形成される。
そのため、第4通路DRt4又は第5通路DRt5に振り分けられた球は、第7通路DRt7において、中央流出面D161から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面D162から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第6通路DRt6へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられることで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って球が往復動する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第6通路DRt6に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、本実施形態における下側フレームD86bでは、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)に、一対の変位部材D180が開閉可能(閉鎖位置と開放位置との間で変位可能)に配設される。一対の変位部材D180は、基端側が回転可能に軸支され、基端側の反対側となる先端側が上方側(矢印U方向側)となる姿勢で配設され、基端側を回転軸として、先端側を互いに近接または離間する方向へ変位(回転)させることで、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)とされる。
一対の変位部材D180は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に所定間隔を隔てて配置され、それら一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)した球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)されなかった球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。
一対の変位部材D180の先端側の対向間隔は、開放位置での対向間隔が閉鎖位置での対向間隔よりも大きくされ、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)されると、閉鎖位置にある場合と比較して、第6通路DRt6へ流入(入球)可能な領域が拡大され、第4及び第5通路DRt4,DRt5に流入(入球)可能な領域が縮小される。即ち、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の間隔(寸法)に対し、一対の変位部材D180の先端側の対向間隔が占める割合は、開放位置における割合が閉鎖位置における割合よりも大きくされる。よって、一対の変位部材D180が開放位置にある状態では、閉鎖位置にある状態と比較して、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすい。
この場合、一対の変位部材D180は、後述するように、第6通路DRt6に球が流入(入球)されると、その球の重量(質量)を利用して、閉鎖位置から開放位置へ変位(回転)される。具体的には、第6通路DRt6には、転動部材D170が配設され、その転動部材D170上を球が転動している間は、一対の変位部材D180が開放位置に配置(変位)され、転動部材D170上に球が存在しない間は、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置(変位)される。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第6通路DRt6に球が流入(入球)された場合に、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)され(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされ)、これにより、第6通路DRt6へ入球された球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
よって、第6通路DRt6へ第1の球が入球されれば、一対の変位部材D180の開放位置への変位(回転)により、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その後行する第2の球の第6通路DRt6への入球に起因して(第2の球の重量を利用した変位部材D180の開放位置への変位により)、次に後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、以降、これらの態様を繰り返すことができる。よって、第6通路DRt6への球の入球により、第6通路DRt6への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施例では、一対の変位部材D180は、閉鎖位置に変位(回転)された状態では、対向間隔の最小値が球の直径よりも若干大きな寸法(例えば、球の直径の1.3倍)に設定され、開放位置に変位(回転)された状態では、先端側における対向間隔が球の直径の約3倍に設定される。
次いで、図1665から図1666に加え、図1667から図1676を参照して、下側フレームD86bの詳細構成について説明する。
図1667は、下側フレームD86bの分解正面斜視図であり、図1668は、下側フレームD86bの分解背面斜視図である。図1669は、下側フレームD86bの上面図であり、図1670は、下側フレームD86bの正面図であり、図1671は、下側フレームD86bの背面図である。
図1672(a)は、図1670の矢印MDCXIa方向視における下側フレームD86bの側面図であり、図1672(b)は、図1670の矢印MDCXIb方向視における下側フレームD86bの側面図である。
図1673(a)、図1674(a)及び図1675(a)は、下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図1669のMDCXIIa-MDCXIIa線における断面に対応する。図1673(b)、図1674(b)及び図1675(b)は、下側フレームD86bの部分拡大背面図である。
なお、図1673(a)及び図1673(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図1675(a)及び図1675(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
また、図1674(a)及び図1674(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態が図示される。
また、図1674(a)及び図1675(a)では、転動部材D170上を転動する球の図示が省略され、図1673(b)、図1674(b)及び図1675(b)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。
図1676(a)は、図1669のMDCXVa-MDCXVa線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図1676(b)は、図1669のMDCXVb-MDCXVb線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図1676(c)は、図1673のMDCXVc-MDCXVc線における下側フレームD86bの部分拡大断面図である。
図1665から図1676に示すように、下側フレームD86bは、正面部材D110と、その正面部材D110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材D120と、正面部材D110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材D130と、正面部材D110及び背面部材D130の対向間に介設され、正面部材D110の背面および背面部材D130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される中間部材D140と、正面部材D110及び中間部材D140の対向間に介設される第1介設部材D150と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に介設される第2介設部材D160と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に配設される転動部材D170及び変位部材D180と、背面部材D130の背面側に配設される伝達部材D190及び迂回部材D200と、背面部材D130に変位可能に配設(回転可能に軸支)され、一側(矢印F方向側)に変位部材D180が固着されると共に他側(矢印B側側)が伝達部材D190に当接可能とされる軸支部材D210と、を備える。
転動部材D170及び変位部材D180は、中間部材D140及び背面部材D130の対向間において、変位(回転)可能に配設され、伝達部材D190は、背面部材D130の背面側において、変位(回転)可能に配設される。
なお、下側フレームD86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190が背面部材D130にそれぞれ変位可能に配設(回転可能に軸支)されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1665参照)。
また、下側フレームD86bは、変位部材D180及び伝達部材D190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、変位部材D180及び伝達部材D190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路DRt1から第8通路DRt8を通過する球を遊技者に視認させると共に、変位部材D180の開閉動作(開閉状態)を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。或いは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の一部の正面側に位置する領域のみが光透過性の樹脂材料から構成される形態でも良い。変位部材D180を視認できれば、その開閉状態に基づいて、第6通路DRt6へ球が流下(入球)されやすい状態か否かを遊技者が把握でき、仮に、変位部材D180が視認できなくても、転動部材D170を視認できれば、その転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)に基づいて、変位部材D180の開閉状態を遊技者が把握でき、遊技の興趣を高めることができるからである。
よって、転動部材D170を有色の樹脂材料から構成することが好ましい。転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)を遊技者に視認させやすくできるからである。
なお、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、これら変位部材D180又は転動部材D170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材D110は、正面を形成する板状の正面部D111と、その正面部D111の背面から立設される板状の底面部D112と、それら正面部D111及び底面部D112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部D113とを備える。
正面部D111には、その正面部D111の下側(矢印D方向側)及び側方側(矢印L方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔D111aが板厚方向に穿設される。下側フレームD86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔D111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部D111には、第1入賞口64(図1664参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口DOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口DOPoutは、上述したように、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部D112は、その上面に第1介設部材D150の底面が対向配置され、底面部D112と第1介設部材D150(凹部D153)との対向間に第8通路DRt8の一部(最下流となる部分)が形成される。よって、例えば、第1介設部材D150に貫通形成した貫通孔を第8通路DRt8の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部D112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、その底面部D112の立設先端(矢印B方向側)が、中間部材D140における底面部D144の立設先端(矢印F方向側)に全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD86bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
なお、底面部D112は、第8通路DRt8を区画する部分の正面部D111からの立設寸法が、底面部D112の他の部分における立設寸法よりも大きくされ、底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分は、その立設先端が、中間部材D140の本体部D141の正面に当接される。
連結部D113の上面側(矢印U方向側)には、皿部材D120が配設され、タッピングネジにより締結固定される。
皿部材D120は、受入口DOPinと、その受入口DOPinから受け入れた球を案内する通路の底面を形成する上側底面部D121及び下側底面部D122と、通路の側壁を形成する上側側壁部D123及び下側側壁部D124とを備える。
受入口DOPinは、上述したように、上側フレームD86aの上側フレーム通路DRt0から球を受け入れる開口である(図1664参照)。なお、ベース板60にセンターフレームD86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームD86aの背面が正面部D111及び連結部D113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路DRt0の下流端と受入口DOPinとが連通される。
上側底面部D121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口DOPinから離間する方向(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部D121は、上側フレーム通路DRt0の下流端よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路DRt0の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部D121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝D121aが凹設される(図1638参照)。凹溝D121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝D121aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝D121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝D121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部D121上の球を2箇所(上側底面部D121と凹溝D121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝D121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路DRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を落下させると共に、上側底面部D121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121(第1通路DRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部D121(第1通路DRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部D123は、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側(矢印B方向側)の端部と、上側底面部D121(第1通路DRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する壁部であり、鉛直方向(矢印F-B方向)に立設された板状体として形成される。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部D123には、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側の端部に切り欠き部D123aが切り欠き形成され、この切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1675参照)。
なお、下側底面部D122は、上側底面部D121の下流端(切り欠き部D123aが形成される部分)よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側底面部D121の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側底面部D121から下側底面部D122へ球を自由落下させる構成とされる。
下側側壁部D124は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向(球を案内する方向、矢印F-B方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部D122(第2通路DRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部D122は、上面視において、上側底面部D121と平行に並設され、上側底面部D121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部D122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部D123における切り欠き部D123aに対応する位置では、下側側壁部D124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下(落下)可能とされる。
下側側壁部D124には、円弧状に湾曲した下側底面部D122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部D124aが切り欠き形成され、この切り欠き部D124aを介して、下側底面部D122(第2通路DRt2)から第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その一方の上昇傾斜側(下側底面部D122の長手方向における一端側)に上側底面部D121(第1通路DRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部D124aから第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ流入する場合に、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部D122には、切り欠き部D124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面D122aが凹設される。流出面D122aは、下側底面部D122(第2通路DRt2)を案内される球を、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出させるための部位であり、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部D122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面D122aを利用して、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面D122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部D122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部D124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図1669参照)。
また、上面視において、切り欠き部D124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部D124に球を当接させた状態では、球が流出面D122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部D124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部D124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面D122aが形成される(球が下側底面部D122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面D122aを横切る)。
本実施形態では、下側底面部D122は、その延設方向(矢印F-B方向)に直交し鉛直方向(矢印U-D方向)に平行な平面での断面形状が、水平方向(矢印F-B方向)に平行な直線形状に形成される。但し、上述した実施形態の場合(図1638参照)のように、下側底面部D122を切り欠き部D124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜させても良い。
流出面D122aの形成位置は、下側底面部D122の長手方向(下側底面部D122を往復動する球の転動方向、矢印F-B方向)中央よりも一端側(本実施形態では、上側底面部D121の下流端側、矢印B方向側)に偏った(近接した)位置に配設される(図1675参照)。
この場合、下側底面部D122の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置は、長手方向一端側(矢印B方向側の端部)と他端側(矢印F方向側の端部)とで同一とされ、下側底面部D122の円弧形状(下側底面部D122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状)は、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の曲率が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の曲率よりも大きくされる。即ち、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の半径が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の半径よりも小さくされる。
これにより、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の領域において、先行する球に後行する球を追いつかせ易くできると共に、追いついた際の衝突を緩やかとして(即ち、後行の球が先行の球に衝突した際の衝撃で、両球の間隔が広がることを抑制して)、先行する球と後行する球とが連なった状態を形成し易くできる。その結果、両球を、連なった状態で、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材D120は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部D122(第2通路DRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材D130は、板状に形成される本体部D131と、本体部D131よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D131と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D132と、それら本体部D131及び側壁部D132を連結する連結部D133と、本体部D131の背面から立設される区画壁D134と、を備える。
本体部D131には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D131aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支孔D131bと、伝達部材D190の胴部D192が挿通される挿通孔D131cと、球を通過可能とする開口D131d,D131eと、球に当接可能とされる突部D131fとが形成される。
軸支部D131aは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)に軸受として形成され、中間部材D140の背面には、軸支部D131aに対面する位置に、軸支部D141aが形成される。転動部材D170は、その幅方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の側面および他側の側面から軸D171の端部がそれぞれ突出される。軸D171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸D171の両端が、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとにそれぞれ軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に転動部材D170が回転可能に配設される。
軸支孔D131bは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通する孔として形成され、中間部材D140の背面には、軸支孔D131bに対面する位置に、軸支部D141bが形成される。軸支部材D210の軸D211は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で、本体部D131の軸支孔D131bと変位部材D180の軸孔とに順に挿通され、変位部材D180の一側(中間部材D140側)の側面から突出された軸D211の一端が、中間部材D140の軸支部D141bに軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に変位部材D180が回転可能に配設される。
挿通孔D131cは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成され、伝達部材D190の胴部D192の回転を許容する大きさの開口(孔)として形成される。伝達部材D190は、胴部D192の軸方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の端面および他側の端面から軸D191の端部がそれぞれ突出され、これら軸D191の両端が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とにそれぞれ軸支される。これにより、中間部材D140と迂回部材D200との対向間であって、背面部材D130の背面側において、伝達部材D190が回転可能に配設される。
開口D131d,D131eは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、本体部D131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路DRt5及び第8通路DRt8)を連通するための開口として形成される。なお、開口D131d,D131eは、1球のみが通過可能(同時に2球が通過不能)な大きさに設定される。
ここで、第6通路DRt6は、背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140との対向間)に形成され、第8通路DRt8は、上流側(前半部分)が背面部材D130(本体部D131)の背面側(迂回部材D200との対向間)に形成されると共に、下流側(後半部分)が背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140の内部、正面部材D110及び第1介設部材D150の対向間)に形成される。
よって、第6通路DRt6の下流端と第8通路DRt8の上流端とが開口D131dにより接続され、第8通路DRt8の上流側(前半部分)と下流側(後半部分)とが開口D131eにより接続される。即ち、第6通路DRt6を流下(案内)された球は、開口D131dを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の正面側から背面側へ移動され、第8通路DRt8へ流入される。また、第8通路DRt8の上流側(前半部分)を流下(案内)された球は、開口D131eを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の背面側から正面側へ移動され、第8通路DRt8の下流側(後半部分)へ流入される。
突部D131fは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では5箇所)に配設される(図1676(c)参照)。なお、突部D131fの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
突部D131fの下端(矢印D方向側の端部)は、正面視において、第2位置に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の半径よりも小さくなる位置に設定される(図1675参照)。よって、転動部材D170が第2位置に配置された状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
また、突部D131fの上端(矢印U方向側の端部)は、正面視において、初期位置(第1位置)に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の直径よりも大きくなる位置に設定される(図1673参照)。よって、第2位置に配置された転動部材D170(本体部D172)の上面から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
複数の突部D131fの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D131fは、中間部材D140(本体部D141)の背面から突設される複数の突部D141gに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図1676(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持し易く(長く)できる。
突部D131fの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D131fの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D131fは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D131fを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D131fに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D132は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、中間部材D140の側壁部D142と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
区画壁D134は、本体部D131及び迂回部材D200と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D134により区画された領域が第8通路DRt8とされる。区画壁D134により区画される領域は、背面視(矢印F方向視)において、横長の略矩形状に形成され、長手方向一端側(矢印L方向側)に開口D131dが、長手方向他端側(矢印R方向側)に開口D131eが、それぞれ配設されると共に、長手方向一端側から他端側へ向けて下降傾斜される。
中間部材D140は、板状に形成される本体部D141と、本体部D141よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D141と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D142と、それら本体部D141及び側壁部D142を連結する連結部D143と、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141の背面から立設される区画壁(第4通路区画壁D145L、第5通路区画壁D145R、第6通路区画壁D146、第8通路区画壁D147)と、を備える。
本体部D141には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D141aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支部D141bと、伝達部材D190の軸D191を軸支する軸支部D141cと、球を通過可能とする開口D141d,D141e,D141fと、球に当接可能とされる突部D141gとが形成される。
軸支部D141a,D141b,D141cは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、上述したように、背面部材D130の軸支部D131a、軸支孔D131b及び迂回部材D200の軸支部D201と対面する位置にそれぞれ形成される。
即ち、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとに転動部材D170の軸D171が、背面部材D130の軸支孔D131bと中間部材D140の軸支部D141bとに軸支部材D210の軸D211が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とに伝達部材D190の軸D191が、それぞれ軸支される。なお、転動部材D170の軸D171、軸支部材D210の軸D211、伝達部材D190のいずれも、その軸方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設される。
開口D141d,D141e,D141fは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
開口D141d,D141eは、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の出口(第7通路DRt7へ球を流出させる開口)としてそれぞれ形成され、第1介設部材D150の上面(球の転動面)よりも上方に形成される。即ち、第4通路DRt4及び第5通路DRt5を案内された球は、開口D141d,D141eを介して、第7通路DRt7へ流出(流下)される。
開口D141fは、中間部材D140(本体部D141)の背面側に位置する第8通路DRt8の下流端と、中間部材D140(本体部D141)の正面側に位置する第8通路DRt8の上流端とを連通させる連通口(開口)として形成される。即ち、開口D141dは、中間部材D140の本体部D141を貫通する通路(第8通路DRt8)の一部として形成される。
突部D141gは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では6箇所)に配設される(図1676(c)参照)。なお、突部D141gの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
複数の突部D141gの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D141gは、背面部材D130(本体部D131)の正面から突設される複数の突部D131fに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図1676(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
本実施形態では、背面部材D130の本体部D131の正面と中間部材D140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径よりも大きい寸法に設定され、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径と略同一または球の直径よりも若干小さい寸法に設定される。但し、両仮想面の間の対向間隔を球の直径よりも大きい寸法に設定しても良い。
突部D141gの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D141gの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D141gを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D141gに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D142は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、上述したように、背面部材D130の側壁部D132と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
連結部D143は、側壁部D142の下方側(矢印D方向側)の縁部と本体部D141の上方側(矢印U方向側)の縁部とを長手方向(矢印L-R方向)の全域にわたって連続して連結し、その連結部D143の上面側(矢印U方向側)に第2介設部材D160が配設される。
連結部D143は、中間部材D140の第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rと上下方向(矢印U-D方向)に所定間隔を隔てて対向し、それらの対向間に第4通路DRt4及び第5通路DRt5がそれぞれ形成される。即ち、連結部D143は、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上面(上側の内面)を形成する。
底面部D144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、その底面部D144の立設先端(矢印F方向側)が、正面部材D110における底面部D112の立設先端(矢印B方向側)に当接される。即ち、底面部D144は、開口D141fが開口される領域およびその近傍の領域において分断して形成される。
底面部D144が分断された領域(開口D141fを含む領域)では、上述したように、正面部材D110における底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分の立設先端が、開口D141fの下方側(矢印D方向側)と左右の側方側(矢印L方向側および矢印R方向側)とにおいて、本体部D141の正面に当接される。
第4通路区画壁D145Lは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第4通路DRt4を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第4通路区画壁D145Lは、転動部が左右方向(矢印L-R方向)に延設され、転動部は、長手方向一端側(矢印R方向側)が上面視において流下口DOPflに重なる位置(流下口DOPflに入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設されると共に、長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて下降傾斜され、長手方向他端側が開口D141dの下縁と重なる位置まで延設され、その延設端(長手方向他端)には、上下方向(矢印U-D方向)に沿う縦壁部が連結される。
なお、第4通路区画壁D145Lは、長手方向他端側(矢印L方向側)の一部(開口D141dと重なる領域)が開口D141dへ向けても下降傾斜され、第4通路区画壁D145L(転動面)の長手方向他端に達した球を開口D141dへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第4通路DRt4へ入球された球は、第4通路区画壁D145Lの長手方向一端側(矢印R方向側)に受け入れ(受け止め)られ、第4通路区画壁D145L上を長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて転動される。長手方向他端に到達した球は、長手方向他端に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141dを介して、第7通路DRt7(第1介設部材D150)へ流出(流下)される。
第5通路区画壁D145Rは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第5通路DRt5を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
なお、第5通路区画壁D145Rは、正面視において、第4通路区画壁D145Lに対して、変位部材D180を中心として、左右対称に形成され、その構成および作用は、上述した第4通路区画壁D145Lの構成および作用と実質同一であるので、説明を省略する。
第6通路区画壁D146は、本体部D141と第4通路区画壁D145Lと背面部材D130の本体部D131と転動部材D170と共に第6通路DRt6を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第6通路区画壁D146は、転動部材D170の長手方向一端側(矢印L方向側、転動部材D170を転動する球の転動方向の延長線上)に並設され、その転動部材D170を転動した球を受け入れ可能に形成される転動部と、その転動面の端部(転動部材D170と反対側)に連結され上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成される縦壁部とを備える。
なお、第6通路区画壁D146は、転動部の上面(転動面)が開口D141fへ向けて下降傾斜され、転動部材D170から受け入れた球を開口D141fへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第6通路DRt6へ入球され、転動部材D170を転動した球は、第6通路区画壁D146の転動部(転動面)に受け入れられ、その転動部の端部に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141fを介して、第8通路DRt8へ流出(流下)される。
第8通路区画壁D147は、第8通路DRt8の一部(背面部材D130と中間部材D140との間に形成される部分)を区画する部位であり、断面略矩形(枠状)の筒状に形成され、開口D141fと背面部材D130の開口D131eとを連通させる。即ち、背面部材D130の開口D131eから流出された球は、第8通路区画壁D147により区画される通路(空間)へ流入され、その通路(空間)を流下(転動)した後、開口D141fから流出され、第8通路DRt8の残部(正面部材D110と第1介設部材D150との間に形成される部分)へ流入される。
第1介設部材D150は、第7通路DRt7における球の転動面を形成する部材であり、正面部材D110と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、正面部材D110と中間部材D140と第1介設部材D150とに区画された空間により第7通路DRt7が形成される。第1介設部材D150の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第4通路DRt4(開口D141d)又は第5通路DRt5(開口D141e)から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
第1介設部材D150の上面(転動面)には、上述したように、第1介設部材D150(第7通路DRt7)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D151及び側方流出面D152)が形成される。また、第7通路DRt7の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面D151が配置される。
なお、正面部材D110の正面部D111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面D151及び側方流出面D152が形成される領域を除き、第1介設部材D150の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第1介設部材D150の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面D151又は側方流出面D152からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第1介設部材D150の底面には、凹部D153が凹設され、上述したように、かかる凹部D153と正面部材D110の底面部D112との対向間に第8通路DRt8の一部が形成される。
第2介設部材D160は、第3通路DRt3における球の転動面を形成する部材であり、背面部材D130と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、背面部材D130と中間部材D140と第2介設部材D160とに区画された空間により第3通路DRt3が形成される。第2介設部材D160の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第2通路DRt2から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
なお、本実施形態では、第2介設部材D160の上面(転動面)は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置が最も低くされ、第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向かうに従って高さ位置が高くなるように形成される。
即ち、第2介設部材D160の上面(転動面)は、一対の変位部材D180の対向空間に対応する位置から長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向けて上昇傾斜して形成される。よって、第3通路DRt3の長手方向(矢印L-R方向)に沿って球が往復動可能とされる。
第2介設部材D160の上面(転動面)には、球を第2介設部材D160(第3通路DRt3)から流下口DOPflへ流出させるために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D161及び側方流出面D162)が形成(凹設)される。
中央流出面D161は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置に配設(形成)される。一方、側方流出面D162は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間よりも第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)となり、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間に対応する(変位部材D180の先端よりも対向空間の中央側となる)位置に配設(形成)される。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球は一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされ、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球は第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ入球可能とされる。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球と、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球との両者が、一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされる。
本実施形態では、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4及び第5通路DRt5へ球が流下(入球)可能な寸法に設定される。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間には、上面視において、球の直径よりも大きな隙間(間隔)が流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に確保(形成)される。これにより、変位部材D180が開放位置に配置されても、第6通路DRt6だけでなく、第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流下(入球)も可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
但し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法を、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4又は第5通路DRt5の少なくとも一方へ球が流下(入球)不能な寸法に設定しても良い。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間の隙間(間隔)を、上面視において、球の直径よりも小さい寸法(球が通過不能な寸法)としても良い。これにより、変位部材D180が開放位置に配置された場合には、第6通路DRt6のみへ球を流下(入球)可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
中央流出面D161は、上面視において、その凹面の延設長さ(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に直交する方向(矢印F-B方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも大きくされる。また、中央流出面D161は、上面視において、その凹面の幅(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に沿う方向(矢印L-R方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の幅よりも大きくされる。
よって、中央流出面D161の形成個数(1箇所)が、側方流出面D162の形成個数(2箇所)よりも少ない場合であっても、第3通路DRt3を往復動する球が中央流出面D161から流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)する確率を確保できる。
なお、凹面の延設長さ及び幅を、中央流出面D161と側方流出面D162とにおいて、同一に設定しても良い。また、本実施形態とは逆に、中央流出面D161(凹面)の延設長さを側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも小さくしても良い。これらの場合には、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、第3通路DRt3を往復動する球を流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)させ難くして、相対的に、変位部材D180が開放位置に配置された場合の有利度を顕著とできる。
また、中央流出面D161又は側方流出面D162の少なくとも一方または両方の形成(第2介設部材D160の上面への凹設)を省略しても良い。第3通路DRt3を往復動する球が、流下口DOPflへ流下する位置を流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に沿って均等として、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれの通路へ球が流下(入球)するかのランダム性を高めることができる。
転動部材D170は、軸D171と、その軸D171が長手方向一端側に配設される長尺板状の本体部D172と、その本体部D172の長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側)に配設される伝達部D173と、軸D171を挟んで伝達部D173(本体部D172)の反対側に配設される錘部D174とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D171を中心として回転可能に配設される。
軸D171は、上述したように、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。よって、軸D171を中心に転動部材D170が変位(回転)されることで、本体部D172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D172は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D171は、本体部D172の内部に埋設され、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171を越える位置まで形成される。即ち、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方側(矢印U方向側)を通過した後、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ転動(流入)される。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置を境として、伝達部D173側が平坦面として形成され、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、軸D171に直交する平面で切断した形状が、伝達部D173側では直線形状とされ、錘部D174側では軸D171と同芯の円弧形状とされる(図1673参照)。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171よりも伝達部D173側が平坦面として形成されるので、その領域を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D172の上面は、断面直線である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
ここで、本体部D172の上面(転動面)を転動する球を、軸D171に到達する前に、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)させる構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用によって、転動部材D170の本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位されている状態(転動部材D170(本体部D172)が初期位置(第1位置)に復帰される前の状態)で、球が本体部D172の上面から排球されるため、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受け、転動部材D170にばたつきが発生する。転動部材D170がばたつくと、変位部材D180の開閉状態が不安定となり、遊技の興趣の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を越えて転動されるため、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用を抑制し、転動部材D170の本体部D172が初期位置(第1位置)に復帰された状態で、球を本体部D172の上面から排球させることができる。よって、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受けても、転動部材D170にばたつきが発生することを抑制できる。その結果、変位部材D180の開閉状態を安定させ、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、上述したように、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を境として、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。よって、本体部D172の上面を転動する球が軸D171の上方(矢印U方向)を通過した後は、本体部D172の上面への球の重量は非作用とされる。即ち、本実施形態では、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置よりも伝達部D173側の領域とされ、軸D171の上方となる位置よりも錘部D174側となる領域は、転動面としては機能されない。
伝達部D173は、転動部材D170の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、本体部D172の長手方向他端側から軸D171と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設される。伝達部D173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D190の被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D170がその上面を転動する球の重量によって軸D171を中心に変位(回転)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図1673から図1675参照)。
錘部D174は、転動部材D170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D172の長手方向一端側から本体部D172の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、転動部材D170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D170は、錘部D174の重さ(重心位置の軸D171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる。
即ち、転動部材D170は、無負荷状態(本体部D172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D170の本体部D172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D170は、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D170の第1位置(初期位置)は、本体部D172の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の縦壁部と反対側の端面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、本体部D172が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の上方への変位(軸D171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図1673参照)。
一方、転動部材D170の第2位置は、錘部D174の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の下面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、錘部D174が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の下方への変位(軸D171を中心とする正面視時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図1675参照)。
転動部材D170は、第1位置に配置された状態では、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D170(本体部D172)上の球を開口D141f(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D170は、軸D171を中心として回転可能に軸支され、本体部D172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも小さくされる。
これにより、本体部D172の上面(転動面)を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が本体部D172の上面を通過するのに要する時間を嵩ませる(長くする)ことができる。その結果、転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されいてる時間を長くして、変位部材D180が開放位置に配置された状態(少なくとも一対の変位部材D180の対向間隔が、閉鎖位置に配置された状態における対向間隔よりも広くされた状態)を維持しやすく(長く)できる。
本実施形態では、転動部材D170は、1球の球の重量が本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央に作用された状態において、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合うように形成される(転動部材D170全体としての重心位置が軸D171を通過する鉛直線上に位置される)。
よって、1球の球のみが転動部材D170の本体部D172を転動する場合、その球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側(軸D171と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
一方、球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側(伝達部D173と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)される(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転される)。
転動部材D170の本体部D172を2球以上の球が転動する場合(本体部D172に2球以上の球の重量が作用される場合)には、それら各球の転動位置(本体部D172の長手方向における位置)に関わらず、転動部材D170の重心位置が、軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
このように、転動部材D170の転動面(本体部D172)の長手方向(矢印L-R方向)の途中(本実施形態では長手方向中央)につり合い位置を設けることで、そのつり合い位置を球が通過した後は、転動部材D170を第2位置から第1位置へ徐々に変位(回転)させることができる。その結果、変位部材D180を開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
なお、1球の球の重量が作用した場合に、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合う位置は、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側であっても良く、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側であっても良い。
変位部材D180は、第3通路DRt3から流下口DOPflへ流下(入球)された球を第6通路DRt6へ向けて案内するための部材であり、上述したように、軸支部材D210に軸支され、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される。
軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に固着される軸D211と、その軸D211の軸方向と直交する方向(径方向外方)へ張り出す張出部D212と、その張出部D212から軸D211と平行な姿勢(矢印F-B方向に沿う姿勢)で突出され、伝達部材D190に連結される連結ピンD213とを備える。
軸支部材D210は、上述したように、軸D211が中間部材D140(本体部D141)の軸支部D141b及び背面部材D130(本体部D131)の軸支孔D131bに軸支される。張出部D212は、背面部材D130(本体部D131)の背面側に配設され、連結ピンD213は、軸D211と平行な姿勢で背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される。
軸支部材D210の軸D211は、変位部材D180に固着される。また、連結ピンD213は、軸D211に対して軸方向と直交する方向(径方向)に位置を異ならせる(軸D211に対して偏心した位置に配置される)。よって、伝達部材D190の変位(回転)に伴い、連結ピンD213が変位されると、その連結ピンD213の変位が軸D211の回転に変換され、軸D211と共に変位部材D180が変位(回転)される。
なお、連結ピンD213は、軸D211よりも外側(一対の変位部材D180が対向する空間と反対側)に配設される。よって、連結ピンD213が下方(矢印D方向)へ変位される(押し下げられる)ことで、変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、連結ピンD213が上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)ことで、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)される。
変位部材D180の閉鎖位置および開放位置は、変位部材D180の基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで規定される。即ち、変位部材D180は、基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで、一対の変位部材D180どうしを互いに近接させる方向(対向間隔が小さくなる方向)又は互いに離間させる方向(対向間隔が大きくなる方向)への変位が規制され、閉鎖位置または開放位置に配置される((図1673から図1675参照)。
また、変位部材D180及び軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に軸支部材D210の軸D211が固着されることで、一体化(ユニット化)される。
これら変位部材D180及び軸支部材D210が一体化された部品(以下「変位部材D180ユニット」と称す)は、少なくとも閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180ユニット全体としての重心位置が、軸D211よりも他方の変位部材D180ユニット側に位置(偏心)される。即ち、軸D211(矢印F-B)方向視において、軸D211を通過する仮想線よりも他方の変位部材D180ユニット側に重心位置が位置(偏心)される。
その結果、変位部材D180ユニットは、重心位置の軸D211からの偏心を利用して(即ち、重心位置の偏心が、一対の変位部材D180を互いに近接させる方向へ回転させる力として作用され)、閉鎖位置に配置された姿勢の維持が可能とされる。
伝達部材D190は、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180(軸支部材D210)へ伝達するための部材であり、軸D191と、その軸D191が軸方向一側(矢印F方向側)の端面および他側(矢印B方向側)の端面から突出される円柱状の胴部D192と、その胴部D192の軸方向一側の外周面から径方向外方へ延設される被伝達部D193と、胴部D192の軸方向他側の外周面から径方向外方へ延設される本体部D194及び錘部D195とを備える。
軸D191は、前後方向(矢印F-B)に沿う姿勢で配設され、上述したように、軸D191の一端は、胴部D192が背面部材D130の挿通孔D131cに挿通されることで、中間部材D140の軸支部D141cに軸支され、軸D191の他端は、迂回部材D200の軸支部D201に軸支される。
被伝達部D193は、転動部材D170(伝達部D173)から転動部材D170の変位(回転)が伝達される部位であり、背面部材D130における本体部D131の正面側(矢印F方向側)に配設される。
上述したように、被伝達部D193の延設先端側(矢印L方向側)は、転動部材D170の伝達部D173の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図1673から図1675参照)。
ここで、伝達部材D190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)において、所定の隙間が形成され、球の重量を受けた転動部材D170が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される場合には、上述した所定の隙間を埋めた後に、転動部材D170の伝達部D173が伝達部材D190の被伝達部D193に当接可能とされる。即ち、転動部材D170は、上述した隙間を埋めるだけの変位(下降)をしなければ、伝達部材D190の被伝達部D193を下方へ押し下げることができない。
これにより、転動部材D170の変位が比較的小さい場合には、転動部材D170の変位を変位部材D180へ伝達させないようにすることができる。よって、例えば、遊技機を叩いて転動部材D170を変位(下降)させることや、針金等の異物で転動部材D170を変位(下降)させようとする不正を成功し難くできる。
本体部D194は、伝達部材D190の変位(回転)を軸支部材D210の連結ピンD213へ伝達するための部位であり、背面部材D130における本体部D131の背面側(矢印B方向側)に配設される。
本体部D194には、溝D194L,D194Rが形成され、これら溝D194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。よって、転動部材D170の変位(回転)が伝達され、伝達部材D190が変位(回転)されると、伝達部材D190の挿通溝D194L,D194Rにおける内壁面により連結ピンD213が下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。これにより、変位部材D180ユニットが変位(回転)され、変位部材D180が開放位置または閉鎖位置に配置される。
溝D194Rは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、溝の幅寸法(連結ピンD213が相対的に摺動変位する方向と直交する方向の寸法)が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、軸D191を中心とする円弧と交差する方向に沿って直線状に延設される。よって、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、伝達部材D190が変位(回転)されている間、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。
溝D194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)における溝の幅寸法が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)へ向かうに従って溝の幅寸法が増加される。
詳細には、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191から遠い側の内壁面は、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされ、軸D191に近い側の内壁面は、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部)から上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)へ向かうに従って軸D191からの距離が大きくされる円弧状に湾曲して形成される。
なお、軸支部材D210は、軸D211に対して連結ピンD213が偏心されるため、連結ピンD213と伝達部材D190の軸D191との間の距離は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において最大とされ、変位部材D180が開放位置へ向けて変位されるに従って減少される。即ち、連結ピンD213は、下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態ほど、伝達部材D190の軸D191との間の距離が小さくされる。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も上方(矢印U方向)へ変位された(押し上げされた)状態、図1673参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けない(当接されない)。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態、図1675参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191に近い側の内壁面から作用を受け(当接され)、その作用により徐々に上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)。
このように、連結ピンD213は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、伝達部材D190が変位(回転)されても、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面から作用を受けないため、下方へ変位されず(押し下げられず)、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)に達してから(図1674参照)、その上方側の延設端部における内壁面によって下方へ変位される(押し下げられる)。
これにより、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる。即ち、一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる。
即ち、本実施形態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図1673参照)。
転動部材D170が球の重量を受けて初期位置(第1位置)から変位(回転)され、伝達部材D190の変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、下方へ変位されず(押し下げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が閉鎖位置に維持される。
転動部材D170の初期位置(第1位置)からの変位(回転)に伴って、伝達部材D190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置から開放位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、内壁面)に達すると(図1674参照)、その上方側の延設端部(内壁面)により下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の閉鎖位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も下方へ変位され(押し下げられ)、一対の変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、転動部材D170が第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置される。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングを異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180の開放位置への変位(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球))を期待する遊技者に対し、開放状態に変化を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
錘部D195は、伝達部材D190の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D194の長手方向一端側から軸D191と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部材D190は、錘部D195の重量により、伝達部材D190全体としての重心位置が、軸D191よりも錘部D195側に位置(偏心)される。その結果、伝達部材D190は、錘部D195の重さ(重心位置の軸D191からの偏心)を利用して、初期位置(変位部材D180を閉鎖位置とする位置、図1673参照)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰(即ち、変位部材D180の閉鎖位置への復帰)が可能とされる。
即ち、伝達部材D190は、被伝達部D193が転動部材D170の伝達部D173によって下方(矢印D方向)へ変位されて(押し下げられて)いない状態では、本体部D194が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(背面視において、軸D191を中心として反時計回りに回転され)、初期位置に配置される(変位部材D180を閉鎖位置に配置させる)と共に、初期位置に維持される。これにより、伝達部材D190を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
迂回部材D200は、背面部材D130の区画壁D134による区画領域よりも背面視において大きな外形を有する板状に形成され、区画壁D134の立設先端面(矢印B方向側の面)に配設されることで、区画壁D134と共に第8通路DRt8を区画する。また、迂回部材D200には、区画壁D134による区画領域よりも背面視において外方となる領域に、軸支部D201が形成される。
次いで、図1673から図1675と図1676(c)とを参照して、変位部材D180の開閉動作について説明する。
図1673に示すように、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)されていない状態では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置される。そのため、伝達部材D190は、転動部材D170から作用を受けず、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
この状態において、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球(図示せず)が流入(入球)されると、かかる球は、一対の変位部材D180の対向間を通過(流下)し、転動部材D170の本体部D172における長手方向他端側(軸D171と反対側、矢印R方向側)の上面(転動面)に落下された後、本体部D172の上面を長手方向一端側(軸D171側、矢印L方向側)へ向けて転動される。
図1674に示すように、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を球が転動する状態では、その球の重量を受けて、転動部材D170が第2位置へ向けて変位(回転)され、図1675に示すように、転動部材D170が更に変位(回転)されて第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置され、それら変位部材D180の対向間隔が最大に拡大される。
転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球(図示せず)は、本体部D172の長手方向一端側(軸D171側、矢印L側)から、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)され、開口D131dを介して、第8通路DRt8へ転動(流入)される。
その後、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に球が存在しなくなると、転動部材D170が自重により初期位置(第1位置)へ復帰され、これに伴って、伝達部材D190が自重により初期位置へ復帰されることで、変位部材D180が閉鎖位置へ配置される(図1673参照)。
このように、本実施形態では、転動部材D170(本体部D172)が軸D171を中心として回転可能に軸支され、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)された球が、軸D171側(矢印L方向側)へ向けて転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動される。
上述したように、転動部材D170は、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に落下させることができる。
ここで、例えば、本体部D172の上面(転動面)を転動する球の転動方向が、軸D171から離間する方向に設定される構造では、球が転動部材D170(本体部D172)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離が近いため、球が所定距離だけ転動して軸D171からの距離(力点と支点との間の距離)が確保されるまでの間は、錘部D174の重量に対抗することができず、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができない。
これに対し、本実施形態によれば、球が本体部D172の上面を転動する際に、その初期段階において、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を確保して、錘部D174の影響を小さくできるので、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させやすくできる。
即ち、球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された直後に、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させ、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
特に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に直接落下させることができるので、球の重量の作用のみでなく、球の落下する勢い(運動エネルギー)を利用して、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができる。この点においても、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への球の流下(入球)を見届けた遊技者に対し、その直後に変位部材D180の開放位置への変位を開始させることができ、テンポの良い演出を行うことができる。
また、第3通路DRt3上を複数の球が転動する場合に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合に、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)されやすくできる。
転動部材D170は、その上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171へ近づく方向とされるので、転動部材D170の本体部D172の上面を球が転動するに従って、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を徐々に短くして、錘部D174の影響を大きくできる。よって、転動部材D170を第2位置から初期位置(第1位置)へ向けて徐々に復帰させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、開放位置に配置されていた変位部材D180を閉鎖位置へ向けて徐々に変位(回転)させることができる。これにより、例えば、第3通路DRt3上を他の球が往復動されている場合に、その他の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放されている有利な状態(少なくとも閉鎖位置に配置された状態よりも開放量が大きい状態)に間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、転動部材D170は、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が転動部材D170に落下される場合に、落下された球を、転動部材D170の上下方向(矢印U-D方向)における変位量が大きい側(軸D171から離間された側)で受け止めることができる。
よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位(回転)、即ち、錘部D174を上方へ持ち上げるためのエネルギーとして吸収(消費)できる。その結果、本体部D172の上面(転動面)に落下した球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材D170に安定して作用させ、変位部材D180の状態を安定させる(例えば、閉鎖位置へ向けて変位部材D180が一時的に変位(回転)されることを抑制)できる。
また、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170とは別の部材(固定された非変位の部材、例えば、背面部材D130や中間部材D140の一部)に落下させる場合には、その別の部材の破損を招きやすくなるところ、上述のように、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位により吸収(消費)できることで、球の衝突による転動部材D170やその転動部材D170を軸支する背面部材D130及び中間部材D140の破損を抑制できる。その結果、球の落下を許容できる分(球の落下高さの上限を緩やかとできる分)、設計の自由度を高めることができる。
第6通路DRt6の側壁(内側面)を形成する背面部材D130の本体部D131及び中間部材D140の本体部D141には、突部D131f,D141g(作用手段)が突設され、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球に作用可能に形成される。
即ち、突部D131f,D141gは、所定間隔を隔てて対向配置される本体部D131,D141から第6通路DRt6内へ向けて突設されると共に上下方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設される。
よって、球が第6通路DRt6を通過する際には、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する場合だけでなく、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)から浮いた状態で移動する場合であっても、突部D131f,D141gを球に当接させ、抵抗を付与することで、球の速度を低くすることができる。
その結果、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
この場合、突部D131f,D141gは、第6通路DRt6(転動部材D170の本体部D172)を挟んだ両側に形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置されるので、球が第6通路DRt6を通過する際に、球を突部D131f,D141gに交互に当接させることができる。
これにより、球に抵抗を付与するだけでなく、球の速度成分に横方向(転動方向に直交する方向)の速度成分を付加することができる(球の進路を、直進ではなく、ジグザグとできる)。よって、球が第6通路DRt6を通過するのに要する時間を長くできる。従って、この点からも、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
一方で、突部D131f,D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材D170(本体部D172)の上面(転動面)から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により転動部材D170の本体部D172が上方へ変位された場合でも、かかる転動部材D170の本体部D172に球の重量を速やかに作用させ、本体部D172を元の状態に速やかに復帰させることができる。
その結果、転動部材D170の本体部D172を球が通過する間は、本体部D172に球の重量を作用させ、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態を維持し易くできる。
転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)が平坦面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成され、段差が非形成とされる。よって、本体部D172の上面を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、変位部材D180が変位(回転)可能に形成され、その変位(回転)によって、第6通路DRt6への球の流入(入球)のされやすさを変化させる構造において、変位部材D180は、第6通路DRt6へ球が入球された場合に、第6通路DRt6へ球が入球されやすくなる側(開放位置)へ変位されるので、第6通路DRt6へ1の球が入球されれば、その球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
即ち、第6通路DRt6へ第1の球が流入(入球)されれば、その第1の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第2の球(第1の球の後続となる第2の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その第2の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第3の球の以降も、これらの態様を繰り返すことができる。
よって、第6通路DRt6への1の球の流入(入球)により、第6通路DRt6への球の入球の連鎖が発生することを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
この場合、変位部材D180の球が入球されやすくなる側(開放位置)への変位は、第6通路DRt6に流入(入球)された球の重量を利用して行われる。よって、変位部材D180を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
特に、本実施形態では、第6通路DRt6の球の転動面を転動部材D170により形成し、転動する球の重量の作用により転動部材D170が変位(回転)される構成であるので、球の重量を利用できる時間を確保できる。その結果、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすくされた状態を維持しやすくできる。
次いで、図1677を参照して、第69実施形態について説明する。第68実施形態では、変位部材D180が外部から強制的に開放可能とされたが、第69実施形態の変位部材D180は、外部から強制的に開放されることを規制可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1677(a)及び図1677(b)は、第69実施形態における下側フレームD2086bの断面図であり、図1669のMDCXIIa-MDCXIIa線における断面に対応する。なお、図1677(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図1677(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1677に示すように、伝達部材D2190は、係合部D2196を備える。なお、伝達部材D2190は、第68実施形態における伝達部材D190に対し、係合部D2196を更に備える点のみで相違し、その他の構成は同一である。
係合部D2196は、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)を許容し、且つ、転動部材D170が初期値(第1位置)に配置された状態において、閉鎖位置にある変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されることを規制するための部位であり、被伝達部D193の上面(矢印U方向側の面)から立設され、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に外面(軸D191と反対側の面)を対面させて配設される。
係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が軸D171を中心として回転される際の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)の変位軌跡と交差しない形状(変位軌跡に接する形状、又は、変位軌跡との間に隙間を有する形状)に形成される。よって、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が許容される(図1677(b)参照)。
よって、第6通路DRt6へ球が流入(入球)され、その球が転動部材D170の本体部D172の上面を転動する際には、その球の重量を利用して、転動部材D170を第2位置へ変位させることができる。その結果、転動部材D170の伝達部D173により伝達部材D2190の被伝達部D193を下方へ変位させ(押し下げ)、変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができる。
また、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図1677(a)左回り、即ち、開放位置に配置された変位部材D180が開放位置へ向けて変位される方向)の回転を規制可能な形状に形成される。
具体的には、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図1677(a)左回り)に回転され、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)が、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に当接して押圧する際に、その伝達部D173の延設先端が軸D171へ向かう方向へ押圧される(伝達部D173の延設先端に係合部D2196から作用される力の延長線上に軸D171が位置される)。
よって、転動部材D170を変位(回転)させるための力成分が形成されず、転動部材D170が初期位置(第1位置)に維持される(回転不能とされる)ことで、伝達部材D2190の正面視反時計回り(図1677(a)左回り)の回転が規制される(図1677(a)参照)。即ち、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けての変位(回転)が規制される。
このように、本実施形態によれば、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球の重量が作用されていない状態)では、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)を規制することができる。即ち、例えば、針金等の異物を挿入して、閉鎖位置にある変位部材D180を、開放位置へ向けて強制的に変位させる不正(第6通路DRt6へ球が流入(入球)しやすくする不正)を抑制できる。
この場合、本実施形態では、転動部材D170を利用する(転動部材D170の伝達部D173に伝達部材D2190の係合部D2196を係合させる)ことで、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)が規制される。よって、変位部材D180が強制的に変位(回転)されることを規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達部材D190を流用することができるので、その分、変位部材D180を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
次いで、図1678を参照して、第70実施形態について説明する。第68実施形態では、転動部材D170を転動する球の転動方向が軸D171へ近づく方向とされたが、第70実施形態の転動部材D3170は、球の転動方向が軸D3171から遠ざかる(離間される)方向とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1678(a)及び図1678(b)は、第70実施形態における下側フレームD3086bの部分拡大断面図であり、図1669のMDCXIIa-MDCXIIa線における断面に対応する。なお、図1678(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図1678(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1678に示すように、転動部材D3170は、軸D3171と、その軸D3171が長手方向他端側(矢印R方向側)に配設される長尺板状の本体部D3172と、その本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)に配設される錘部D3174と、その錘部D3174を挟んで本体部D3172の反対側に配設される伝達部D3173とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D3171を中心として回転可能に配設される。
なお、転動部材D3170の各部D3171~D3174は、第68実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、伝達部材D3190は、第68実施形態における伝達部材D3190に対し、被伝達部D3193の向き(延設方向)のみが相違し、その他の構成は同一である。
軸D3171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D130と中間部材D140とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D3171を中心に転動部材D3170が変位(回転)されることで、本体部D3172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D3172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D3171が配設される側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D3172は、第2位置に配置された状態(姿勢)では、その長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
本体部D3172の上面(転動面)は、平坦面として形成される。よって、転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D3174の作用により本体部D3172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D3172の上面は、平坦面(軸D3171に直交する平面で切断した断面が断面直線)である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
錘部D3174は、転動部材D3170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)から本体部D3172の延設方向と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D3173は、転動部材D3170の変位(回転)を伝達部材D3190へ伝達するための部位であり、錘部D3174の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から軸D3171と反対側(矢印R方向側)へ向けて更に延設される。伝達部D3173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D3190の被伝達部D3193の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D3170がその上面を転動する球の重量によって軸D3171を中心に変位(回転)され、伝達部D3173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D3173によって伝達部材D3190の被伝達部D3193が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D3190が軸D3191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
なお、本実施形態では、伝達部D3173から被伝達部D3193へ向けて突起が突設(立設)される。但し、被伝達部D3193から伝達部D3173へ向けて突起が突設(立設)されても良い。即ち、転動部材D3170の変位(回転)が、伝達部D3173及び被伝達部D3193を介して、伝達部材D3190に伝達可能とされれば足りる。
転動部材D3170(本体部D3172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D3172上を球が転動していない状態)では、転動部材D3170全体としての重心位置が、軸D3171よりも錘部D3174(及び伝達部D3173)側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D3170は、錘部D3174(及び伝達部D3173)の重さ(重心位置の軸D3171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる(図1678(a)参照)。
即ち、転動部材D3170は、無負荷状態(本体部D3172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D3172が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D3171を中心として時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D3170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D3170の本体部D3172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D3170全体としての重心位置が本体部D3172側(軸D3171を挟んで錘部D3174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D3170は、本体部D3172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D3171を中心として反時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D3170の第1位置(初期位置)は、本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、本体部D3172がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の下方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図1678(a)参照)。
一方、転動部材D3170の第2位置は、錘部D3174の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、錘部D3174がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の上方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図1678(b)参照)。
転動部材D3170は、第1位置に配置された状態では、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D3170(本体部D3172)上の球を開口D131d(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D3170は、軸D3171を中心として回転可能に軸支され、本実施形態では、本体部D3172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも大きくされる。
即ち、本実施形態では、第6通路DRt6へ流入(入球)した球は、本体部D3172の上面(転動面)であって、軸D3171の近傍となる位置に落下され、本体部D3172の上面を軸D3171から離間される方向(遠ざかる方向)へ向けて転動される。
これにより、球が転動部材D3170の本体部D3172の上面(転動面)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D3171(支点)との距離を短くし、錘部D3174の重量を支配的としておき、球が本体部D3172の上面を転動するに従って、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)を徐々に大きく(長く)し、錘部D174の重量に対抗させることができる。その結果、転動部材D3170を初期位置(第1位置)から第2位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ徐々に変位(回転)させ、その開放量(一対の変位部材D180の対向間隔)を徐々に増加させることができる。これにより、例えば、第2の球が第3通路DRt3を往復動する場合に、その第2の球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)する期待を徐々に高まらせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合でも、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)させやすくできる。
一方で、転動部材D3170の上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171から遠ざかる(離間する)方向とされることで、少なくとも球が本体部D3172の終端(長手方向一端側、矢印L方向側の端部)に達した際には、転動部材D3170が第2位置に配置された状態とされる。
即ち、本体部D3172の上面(転動面)から中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)される直前の状態では、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)が最大とされ、球の重量が本体部D3172に最大に作用されていたところ、本体部D3172の上面から第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)されると、球の重量の作用が瞬間的になくなり、錘部D3174の作用のみとなる。
そのため、転動部材D3170が第2位置から初期位置(第1位置)へ最大の速度で復帰させ、開放位置に配置されていた変位部材D180を即座に閉鎖位置に配置させることができる。よって、テンポの良い演出を行うことができる。また、第2の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放位置へ向けて徐々に変位(回転)されている間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)を転動する球が1球とされる場合には、その球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)へ向けて転動されるに従って転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて徐々に変位(回転)され、球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)に達した際には(少なくとも球が中間部材D140の第6通路区画壁D146へ転動(流入)する前に)、転動部材D3170が第2位置に配置されるように構成される。
次いで、図1679を参照して、第71実施形態について説明する。第68実施形態では、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中に転動部材D170のみが配設されたが、第71実施形態における一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中には、転動部材D170及び第2転動部材D4220が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1679(a)及び図1679(b)は、第71実施形態における下側フレームD4086bの部分拡大背面図であり、軸D4221に直交する平面で区画壁D4134及び第2転動部材D4220を切断した状態が図示される。
なお、図1679(a)では、第2転動部材D4220が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図1679(b)では、第2転動部材D4220が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1679に示すように、背面部材D4130は、その背面から立設される区画壁D4134を備える。
区画壁D4134は、本体部D131、迂回部材D200及び第2転動部材D4220と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D4134と第2転動部材D4220により区画された領域が第8通路DRt8とされる。
第2転動部材D4220は、軸D4221と、その軸D4221が長手方向一端側(矢印L方向側)に配設される長尺板状の本体部D4222と、その本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)に配設される錘部D4224と、その錘部D4224を挟んで本体部D4222の反対側に配設される伝達部D4223とを備え、背面部材D4130と迂回部材D200との間に軸D4221を中心として回転可能に配設される。
なお、第2転動部材D4220の各部D4221~D4224は、第68実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、背面部材D4130の区画壁D4134は、第68実施形態における区画壁D134に対し、球の転動面を形成する壁部の一部が省略される(第2転動部材D4220の本体部D4222に置き換えられる)点で相違し、その他の構成は同一である。
軸D4221は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D4130と迂回部材D200とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D4221を中心に第2転動部材D4220が変位(回転)されることで、本体部D4222は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D4222は、その上面が第8通路DRt8における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)を、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D4221が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、開口D131dの下流側(開口D131dから流下する球を受け入れ(受け取り)可能な位置)に配設される。
本体部D4222は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)の上面が、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D4221は、本体部D4222の内部に埋設され、本体部D4222の上面(転動面)は、軸D4221を越える位置まで形成される。即ち、本体部D4222の上面を転動する球は、軸D4221の上方側(矢印U方向側)を通過した後、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部へ転動(流入)される。
錘部D4224は、第2転動部材D4220の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)から本体部D4222の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D4223は、第2転動部材D4220の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、錘部D4224の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から伝達部材D190(錘部D195)へ向けて延設される。伝達部D4223の延設先端側(矢印U方向側)は、伝達部材D190の錘部D195の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、第2転動部材D4220がその上面を転動する球の重量によって軸D4221を中心に変位(回転)され、伝達部D4223が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D4223によって伝達部材D190の錘部D195が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
第2転動部材D4220(本体部D4222)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D4222上を球が転動していない状態)では、第2転動部材D4220全体としての重心位置が、軸D4221よりも錘部D4224(及び伝達部D4223)側に位置(偏心)される。その結果、第2転動部材D4220は、錘部D4224(及び伝達部D4223)の重さ(重心位置の軸D4221からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置(第1位置)への復帰が可能とされる(図1679(a)参照)。
即ち、第2転動部材D4220は、無負荷状態(本体部D4222上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D4222が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D4221を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、第2転動部材D4220を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、第2転動部材D4220の本体部D4222上を球が転動する際には、その球の重量により、第2転動部材D4220全体としての重心位置が本体部D4222側(軸D4221を挟んで錘部D4224と反対側)に位置(偏心)される。これにより、第2転動部材D4220は、本体部D4222が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D4221を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、第2転動部材D4220の第1位置(初期位置)は、本体部D4222の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面(矢印L方向側の面)が、第2転動部材D4220の第2位置は、本体部D4222の長手方向他端側(矢印R方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、それぞれ区画壁D4134に当接されることで規定される。
第2転動部材D4220は、第1位置に配置された状態では、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、第2転動部材D4220(本体部D4222)上の球を開口D131eへ向けて確実に転動させることができる。
このように、本実施形態によれば、第6通路DRt6に転動部材D170が配設されると共に、その第6通路DRt6の下流となる第8通路DRt8に第2転動部材D4220が配設される。よって、第68実施形態と比較して、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)の長さが同一であっても、第2転動部材D4220が配設される分、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。その結果、変位部材D180が開放位置へ変位された状態(変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持(長く)しやすくできる。
ここで、1の部材(転動部材D170(本体部D172))の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成では、下側フレームD86bの限られたスペース(幅方向(矢印L-R方向)寸法)に、長手方向寸法を延長した転動部材D170を配設することが困難となる。一対の変位部材D180の配設位置を下側フレームD86bの幅方向一側(矢印L方向側)に偏らせれば、その分、転動部材D170(本体部D172)の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長することは可能であるが、その延長できる長さには限界がある。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とすることができず、遊技の興趣が低下する。
これに対し、本実施形態によれば、複数の部材(本実施形態では、転動部材D170及び第2転動部材D4220)を配設して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成であるので、下側フレームD4086bの限られたスペースを有効に活用して、球の重量を利用できる区間を十分に確保(長く)できる。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とでき、遊技の興趣を向上できる。
即ち、転動部材D170の背面側(矢印B方向側)に第2転動部材D4220を配設し、これらを前後方向(矢印F-B方向)に重ねる構成であるので、下側フレームD4086bのデッドスペースとなる前後方向の厚みを有効に活用して、転動部材D170及び第2転動部材D4220により、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。
また、このように、球の重量を利用できる区間を確保(長く)しつつ、一対の変位部材D180を下側フレームD4086bの幅方向(矢印L-R)中央に配設できるので、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状(幅方向中央へ向けて下降傾斜する形状)とでき、遊技の興趣を向上できる。
経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の所定の変位(球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)が1回形成されるのみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の上述した所定の変位を複数回(本実施形態では2回)形成できる。変位部材D180の開放と閉鎖を繰り返されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する遊技者に、変位部材D180の変位状態と第3通路DRt3上の他の球との関係を着目させ、遊技の興趣を向上できる。
また、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を複数(2以上)の球が通過しても、変位部材D180の変位態様は1通り(即ち、球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)のみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を複数の球が通過する間に形成できる変位部材D180の変位態様を複数通りとできる。即ち、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方と他方とに球の重量が作用するタイミング(球が転動するタイミング)の組み合わせにより、変位部材D180の変位態様を多様とできる。その結果、意外性のある演出を行うことができる。
転動部材D170の伝達部D173は、伝達部材D190における被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に位置し、本体部D172に球の重量が作用した場合には、被伝達部D193を下方へ変位させる(押し下げる)。第2転動部材D4220の伝達部D4223は、伝達部材D190における錘部D195の下方側(矢印D方向側)に位置し、本体部D4222に球の重量が作用した場合には、錘部D195を上方へ変位させる(押し上げる)。
即ち、転動部材D170及び第2転動部材D4220が球の重量の作用により動作して、伝達部材D190を変位(回転)させる場合、伝達部材D190の変位(回転)方向が同方向とされ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の動作が対抗されない。同様に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方が初期位置へ復帰する動作(球の重量が作用されず錘部D174,D4224の重量で変位(回転))する場合、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方の動作の状態に関わらず、一方の動作と他方の動作は対抗されない(一方の動作と他方の動作との両方が許容される)。
このように、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量が作用された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して伝達部材D190へ伝達でき、且つ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量の作用が解除された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して行わせることができる。
よって、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)を複数の球が通過する場合には、それら球の転動する位置に応じて、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方または他方の動作のみに起因して伝達部材D190を変位(回転)させることも、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方および他方の両者の動作に起因して伝達部材D190を変位(回転)させることもでき、これらの組み合わせにより、変位部材D180が変位する態様を多様化できる。
例えば、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用されれば、その一方の動作により変位部材D180を、閉鎖位置へ向けた変位の途中で、開放位置へ向けて変位させることができる。
また、例えば、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用され、その一方の動作により変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方に球の重量が作用され、その他方の方が球の重量の作用が大きい(変位部材D180を変位させる力が強い)場合には、他方の動作により、変位部材D180を、より速い変位速度で、開放位置へ変位させることができる。
また、本実施形態によれば、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)と、第2転動部材D4220の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)とを別々に設ける必要がなく、かかる部材(伝達手段)として、伝達部材D190を共用できる。よって、部品点数を低減して、構造の簡素化を図ることができる。その結果、動作の信頼性の向上と製品コストの低減とを達成できる。
次いで、図1680を参照して、第72実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1680は、第72実施形態における下側フレームD5086bの部分拡大背面図であり、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。なお、図1680(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が図示される。
図1680に示すように、本体部D5194には、溝D5194L,D194Rが形成され、これら溝D5194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。
なお、伝達部材D5190は、第68実施形態における伝達部材D190に対し、溝D194Lの形状のみが相違し、その他の構成は同一である。
溝D5194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、溝の幅寸法が連結ピンD213の直径よりも大きな寸法に設定される。溝の幅寸法は、溝D5194Lの延設方向に沿って一定とされる。
詳細には、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面は、軸D191から遠い側の内壁面と軸D191に近い側の内壁面との両者が、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされる。
よって、連結ピンD213は、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けず(当接されず)、溝D5194Lの下方側または上方側の延設端部(矢印D方向側または矢印U方向側の端部)からのみ作用を受ける(下方側または上方側の延設端部における内壁面によって上方または下方へ変位される(押し下げ又は押し下げられる)。
これにより、本実施形態によれば、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ変位させる場合だけでなく、開放位置から閉鎖位置へ変位させる場合においても、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる(一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる)。
具体的には、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図1675参照)。
転動部材D170の第2位置から初期位置(第1位置)への変位(回転)が開始され、これに伴い、伝達部材D5190の初期位置への変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、上方へ変位されず(押し上げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が開放位置に維持される。
転動部材の第2位置からの変位(回転)に伴って、伝達部材D5190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置から閉鎖位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、内壁面)に達すると、その下方側の延設端部(内壁面)により上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の開放位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も上方へ変位され(押し上げられ)、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)され、伝達部材D190が初期位置に達すると、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置される(図1673参照)。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングだけでなく、開放位置から閉鎖位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングも異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180が開放された状態(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球)がされやすい状態)を期待する遊技者に対し、閉鎖位置へ変位される態様に変化を持たせ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1681から図1684を参照して、第73実施形態における下側フレームD6086bについて説明する。
第68実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)された球は全て第8通路DRt8(流出口DOPout)へ案内される場合を説明したが、第73実施形態の第6通路DRt6には、その途中に第9通路DRt9が接続され、第6通路DRt6に流入(入球)された球が、第8通路DRt8(流出口DOPout)又は第9通路DRt9(流出口DOP6out)のいずれか一方へ案内される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1681は、第73実施形態における下側フレームD6086bの分解正面斜視図であり、図1682は、下側フレームD6086bの分解背面斜視図である。図1683は、下側フレームD6086bの正面図であり、図1684(a)及び図1684(b)は、下側フレームD6086bの部分拡大断面図である。
なお、図1684(a)は、図1669のMDCXIIa-MDCXIIa線における断面に対応し、図1684(b)は、図1673のMDCXVc-MDCXVc線における断面に対応する。
図1681から図1684に示すように、第73実施形態における下側フレームD6086bは、第6通路DRt6の途中に接続される第9通路DRt9と、その第9通路DRt9に案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOP6outとが形成される。
即ち、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8へ流入(入球)され、第8通路DRt8を流下した後、流出口DOPoutから遊技領域へ流出される一方、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の途中で第9通路DRt8へ流入(入球)された球は、第9通路DRt9を流下した後、流出口DOP6outから遊技領域へ流出される。
ここで、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図1664参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6から第8通路DRt8へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第9通路DRt9の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOP6outは、第1入賞口64(図1664参照)に対して水平方向一側へ位置を異ならせて配設される(鉛直方向下方に第1入賞口64が重ならない位置に形成(配置)される)。そのため、第6通路DRt6から第9通路DRt9へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第8通路DRt8へ流下された球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD6086bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられた場合、その第6通路DRt6を流下する球は、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6の終端まで球が流下されれば、球の重量(重さ)が転動部材D170に作用される時間を最大限確保して、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされた)状態を維持しやすくできる。一方、第6通路DRt6を流下する球が、途中で第9通路DRt9へ流下されると、球の重量(重さ)を転動部材D170へ作用させることができなくなり、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)される(第6通路DRt6へ球が入球され難くなる)。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された状態を維持して、第3通路DRt3から第6通路DRt6へ球が振り分けられやすくするために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、この点からも遊技の興趣を高めることができる。
正面部材D6110は、正面部D111に開口形成される開口DOP6outと、正面部D111の背面から立設される板状の底面部D6112を備え、中間部材D6140は、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141に開口形成される開口D6148と、を備える。
底面部D6112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、底面部D6144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、底面部D6112の立設先端(矢印B方向側)と底面部D6144の立設先端(矢印F方向側)とが全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD6086bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
底面部D6112,D6144の一部(中間部材D6140における開口D6148の下方に位置する部分)は、第9通路DRt9の転動面を形成する。かかる転動面を形成する部分は、第1介設部材D150の底面との間に所定間隔(球の直径よりも大きな間隔)を隔てて形成される。
また、底面部D6112,D6144における上述した転動面を形成する部分は、その長手方向(矢印L-R方向)の略中央へ向けて下降傾斜して形成され、その鉛直方向における高さ位置が最も低い部分(長手方向の略中央となる部分)には、流出面D6112a,D6144aがそれぞれ凹設される。
流出面D6112a,D6144aは、底面部D6112,D6144(転動面を形成する部分)を案内される球を、流出口DOP6outへ流出させるための部位であり、流出口DOP6outへ向けて下降傾斜する凹面として一体に形成される。即ち、開口DOP6outは、流出面D6112a,D6144aに対応する位置(球が流出可能な位置)に開口形成される。
中間部材D6140の開口D6148は、転動部材D170(第6通路DRt6)を転動する球を第9通路DRt9へ受け入れる開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、開口6148は、第6通路DRt6を区画する一対の側壁のうちの一方の側壁に開口形成され、開口6148を介して、第6通路DRt6の途中に第9通路DRt9の上流端が接続される。
開口D6148の転動部材D170の長手方向における寸法は、複数の球(本実施形態では3球)が同時に通過可能な大きさに設定される。また、開口D6148の下縁は、球の重量(重さ)により第2位置(最下方へ押し下げられた位置)に配置された転動部材D170の上面よりも下方(矢印U方向側)となる位置に形成され(図1684(a)参照)、開口D6148の上縁は、球の重量(重さ)が作用されず初期位置(第1位置、最上方に復帰した位置)に配置された転動部材D170の上面との間に球の直径よりも大きな間隔を隔てる位置に形成される。よって、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、球が開口D6148を通過可能とされる。
開口D6148の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図1684(a)右側)に位置する側縁(以下「上流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図1684(a)右側)の縁部よりも下流側(矢印L方向側、図1684(a)左側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の上流側側縁は、一対の変位部材D180の基部における対向空間と鉛直方向において重ならない位置(下流側となる位置)に配設される。即ち、一対の変位部材D180のうちの第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図1684(a)左側)に位置する変位部材D180の基部(上流側に位置する変位部材D180と対向する対向面)よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における下流側に位置する。
これにより、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が即座に開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避し、転動部材D170を球が転動する形態を形成できる。よって、球の重量(重さ)を転動部材D170に作用させ、一対の変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができると共に、第6通路DRt6の終端まで球が達するか否かを遊技者に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本体部D141には、開口D6148の上流側側縁に対して、第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図1684(b)右側)となる位置に突部D141gが突設される。よって、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170をその長手方向に沿って転動する際には、突部D141gの作用(当接)により球の転動を遅延させ(速度を低下させ)、転動部材D170を転動する球を遊技者に把握させやすくできると共に、突部D141gの作用(当接)により球を開口D6148と反対側(本体部D131側)へ移動させ、第6通路DRt6の終端まで球が達することを遊技者に期待させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
開口D6148の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図1684(a)左側)に位置する側縁(以下「下流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図1684(a)左側)の縁部(軸D171)よりも上流側(矢印R方向側、図1684(a)右側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の下流側側縁は、開口D131dと正面視において重ならない位置(上流側となる位置)に配設される。即ち、開口D131dの第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図1684(a)右側)の側縁よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における上流側に位置する。
これにより、第6通路DRt6の終端に球が達したにも関わらず、その球が開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避できる。よって、開口D6148の下流側側縁を球が通過すれば、第8通路DRt8へ球を確実に流入(入球)させられるとの安心感を遊技者に感じさせるとができる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
但し、開口D6148の下流側側縁を、開口D131dと正面視において重なる位置(開口D131dの下流側側縁と重なる位置または下流側となる位置)に配設しても良い。この場合には、第6通路DRt6の終端に球が達した後も、かかる球の流入(入球)先が第8通路DRt8又は第9通路DRt9のいずれとなるのかを未確定とできる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、上述したように、突部D131f,D141gは千鳥状に配置され、開口D6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側には、突部D131fが本体部D131から突設される。よって、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170を転動する際には、突部D131fの作用(当接)により球を開口D6148側(本体部D141側)へ移動(転動方向を変化)させることができる。即ち、突部D131fの作用を受けた球が、開口6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図1684(a)及び図1684(b)右側)に位置する本体部D141に衝突(当接)し、開口D6148から離間する側へ球を跳ね返されるのか、或いは、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)されるのかを遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、開口D6148の上流側側縁および下流側側縁の間には、正面視において重なる位置に、本体部D131の複数の突部D131fが配設される(図1684(a)参照)。これにより、転動部材D170を転動する球に突部D131fを作用(当接)させ、球の転動方向に変化(開口D6148側へ向く転動方向の成分)を付与することができる。これにより、突部D131fとの当接により、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ球が流入(入球)される可能性を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、パチンコ機10は、鉛直方向に対して、1~2度程度、傾斜させた姿勢(所謂「寝かせ」が付与された姿勢、即ち、パチンコ機10の底面に対して上面を背面側(矢印B方向側)に位置させた姿勢)で設置される。この場合、本実施形態では、開口D6148は、第6通路DRt6を区画する壁部のうちの正面側(パチンコ機10の正面側、矢印F方向側)に位置する壁部(本体部D141)に開口形成される。
よって、転動部材D170をその長手方向に沿って球が転動する際には、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側を通過させやすくでき、その結果、球に突部D131fを作用させやすくできる。一方で、転動部材D170の転動面(上面)は、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側から開口D6148側へ向けて上昇傾斜されるため、突部D131fの作用を受けて開口D6148へ向けて移動された球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ移動させることができる。
これにより、球に突部D131fが比較的強く作用(当接)された場合には、球が、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)される一方、球に突部D131fが比較的弱く作用(当接)された場合には、開口D6148側へ向かった球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ戻すことができる。よって、突部D131fの球への作用の態様(当接する際の球の速度や球の進入角度など)に応じて、球の転動態様に変化を付与でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、このように、パチンコ機10の「寝かせ」を利用することで、下側フレームD6086bの各部材を互いに直交する関係で構成できる。即ち、本体部D131と本体部D141とを平行に配置し、それら本体部D131,D141に対して、転動部材D170の転動面(上面)を直交させる(即ち、軸D171を本体部D131,D141に直交した姿勢で軸支させる)構成とできる。よって、これら各部材の一部の部材のみを他の部材に対して傾斜させた姿勢としたり、傾斜した姿勢で軸D171を軸支させたりする必要がなく、その分、構造の簡素化をして、各部品の成型性や組み立て性の向上を図ることができる。その結果、製品コストの低減を図ることができる。
次いで、図1685を参照して、第74実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1685(a)から図1685(c)は、第74実施形態における下側フレームD7086bの部分拡大背面図であり、転動部材D170が初期位置(第1位置)と第2位置との間で変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される際の遷移状態が図示される。
なお、図1685(a)から図1685(c)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。また、図1680(a)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態に(図1673参照)、図1685(c)は、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態に(図1675参照)、それぞれ対応する。図1685(b)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態(図1674参照)に対応する。
図1685(a)から図1685(c)に示すように、第74実施形態における伝達部材D7190は、本体部D194の外縁に配設され、その本体部D194の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設される表示部D7197を備える。詳細には、表示部D7197は、軸D191と反対側の端部となる本体部D194の長手方向端部から上方(矢印U方向)へ向けて延設される。
ここで、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)と、中間部材D140の側壁部D142の上縁(矢印U方向側の縁部)とは、上下方向(矢印U-D方向)における位置(高さ位置)が略同一とされる。
図1685(a)に示すように、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図1673参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も上方(矢印U方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出(配置)され、その突出した部分が遊技者から視認可能とされる。
一方、図1685(c)に示すように、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図1675参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も下方(矢印D方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも下方に表示部D7197の全体が没入(配置)される(表示部D7197の全体が側壁部D132の背面側に配置される)。よって、表示部D7197を遊技者が直接視認することが不能とされる。なお、中間部材D140及び背面部材D130を通して表示部D7197を透視することは可能とされる。
このように、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)から表示部D7197の延設先端側(一部)が突出する突出量(突出寸法)は、図1685(a)に示すように、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図1673参照)において最大とされる。図1685(b)に示すように、転動部材D170に球の重量が作用され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位されるに従って、上述した突出量(遊技者から視認可能な部分の大きさ)が徐々に減少され、変位部材D180が開放に配置された状態(図1675参照)において最小(非突出とされ遊技者から視認不能)とされる。
よって、遊技者は、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出しているか否かを視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置または閉鎖位置のいずれにあるか)を把握することができる。更に、その突出量(突出寸法)を視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置から閉鎖位置までの間のいずれの位置にあるか)を把握することができる。
次いで、図1686から図1688を参照して、第75実施形態における下側フレームD8086bについて説明する。
第73実施形態では、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、転動部材D170側への突部D131fの突設量(突設寸法)が一定とされる場合を説明したが、第75実施形態の突部D131fは、転動部材D170の変位(回転)位置に応じて、転動部材D8170側への突設量(突設寸法)が変化(増減)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、第75実施形態における下側フレームD8086bは、突部D131fが第2突部D131faを備える点、及び、転動部材D8170の錘部D8174の重量が異なる点を除き、他の構成(例えば、形状や配設数)は第73実施形態のD6086bの構成とされる。よって、第2突部D131fa及び転動部材D6087を除く他の構成についての説明は省略する。
図1686(a)及び図1686(b)は、第75実施形態における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図1669のMDCXIIa-MDCXIIa線における断面に対応する。なお、図1686(a)では、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図1673参照)が、図1686(b)では、転動部材D8170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図1675参照)が、それぞれ図示される。
図1687(a)は、図1686(a)のMDCXXVIa-MDCXXVIa線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図1687(b)は、図1686(b)のMDCXXVIb-MDCXXVIb線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図である。図1688は、下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図1673のMDCXVc-MDCXVc線における断面に対応する。
図1686から図1688に示すように、背面部材D8130に配設される複数(本実施形態では5本)の突部D131fには、所定(本実施形態では2本)の突部D131fから転動部材D8170へ向けて第2突部D131faが突設される。なお、本実施形態では、第2突部D131faが突設される(所定の)突部D131fは、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる3本の突部D131fのうちの下流側(矢印L方向側)に位置する2本の突部D131fとされる。
転動部材D8170の本体部D172には、背面部材D8130と対向する側の側面(縁部)に、上面視において突部D131fの突設方向(突部D131fを受け入れる方向)へ凹設される凹部が形成される(図1688参照)。凹部は、転動部材D8170の本体部D172の長手方向に沿って所定間隔(本実施形態では略等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では4箇所)に配設される。即ち、凹部は、突部D131fに対向する位置にそれぞれ形成(凹設)される。
なお、本実施形態では、凹部の上面視形状は、円弧状に湾曲した形状とされる。但し、矩形形状であっても良い。即ち、転動部材D8170が変位(回転)される際に、第2突部D131faと干渉しない大きさであれば、その形状は限定されない。
第2突部D131faは、突部D131fの正面(矢印F方向側の面)から上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部へ向けて突設され、その第2突部D131faの突設先端側(一部)が、上面視において(図1688参照)、上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部に受け入れられる(凹部の内部空間に位置される)。即ち、上面視において、転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)の一部が第2突部D131faにより形成される。
なお、第2突部D131faの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、第2突部D131faの断面形状を略矩形状としても良い。また、第2突部D131faの突設方向は、突部D131fの突設方向と同方向とされる。但し、第2突部D131faの突設方向を、突部D131fの突設方向と異なる方向(傾斜する方向)としても良い。
第2突部D131faの高さ位置(矢印U-D方向位置)は、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)と略同一または若干低い位置となり(図1687(a)参照)、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置となる(図1687(b)参照)ように設定される。
即ち、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図1686(a)及び図1686(b)右側の面)が本体部D172の上面(球の転動面)よりも低い位置(矢印D方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させない(作用させない)ようにできる。
一方、転動部材D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて所定量だけ変位(回転)された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図1686(a)及び図1686(b)右側の面)の少なくとも一部が本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させる(作用させる)ことができる。
なお、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置される第2突部D131faの側面の面積が最大とされる。よって、この場合には、転動面をバウンドしながら球が転動(第6通路DRt6を移動)する場合であっても、かかる球に第2突部D131faの側面を当接(作用)させやすくできる。
第2突部D131faは、転動部材D8170(本体部D172)を挟んで、開口D6148と反対側に形成される。即ち、第2突部D131faは、開口D6148へ向けて突設される。本体部D172の上面(転動面)を転動する球が、第2突部D131faから作用を受けると(第2突部D131faに当接されると)、その作用(当接)の反動で開口D6148(第9通路DRt9)へ転動され、かかる開口D6148(第9通路DRt9)へ流入(入球)され易くなる。即ち、球が第6通路DRt6の終端に到達し難くなる。
転動部材D8170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、上述したように、転動部材D8170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D8174側に位置(偏心)され、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に維持(又は復帰)される。一方、転動部材D8170の本体部D172上を球が転動し、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D8174と反対側)に位置(偏心)される状態では、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(第2位置に配置される)。
この場合、本実施形態では、本体部D172の位置DP(図1686参照)に1球の球が位置する状態(1球の球の重量が位置DPに作用する状態)において、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171上に位置するように、錘部D8174の重量が設定される。
即ち、球が非転動とされる静的な状態を仮定すると、本体部D172の位置DPよりも上流側(軸D171と反対側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第2位置へ向かう方向へ変位(回転)され、本体部D172の位置DP上に1球の球が位置する(球の重量が作用する)状態では、転動部材D8170は軸D171を中心として釣り合い(即ち、転動部材D8170を変位(回転)させる力が非形成とされ)、本体部D172の位置DPよりも下流側(軸D171側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第1位置へ向かう方向へ変位(回転)される。
このように構成される転動部材D8170によれば、第3通路DRt3から1球の球が初期位置(第1位置)にある転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)に流下されると、その球の重量(及び落下の勢い)により、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位され、転動部材D8170が第2位置に配置される。
かかる球が本体部D172の上面を下流側(位置DP)へ向かって転動されると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171へ徐々に近接されることで、本体部D172が上方(矢印U方向)へ徐々に変位(回転)され、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)される。
本体部D172の上面を転動する球が位置DPに達すると、それまでの転動部材D8170の変位(回転)に伴う慣性力の影響により、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が継続され、球が位置DPを越えると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が錘部D8174側に偏心されることで、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が加速される。
本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球が、位置DPを越えた後、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faに達する前に、転動部材D8170が第2位置に配置される。即ち、1球の球のみが第6通路DRt6に流下(入球)された場合には、本体部D172の上面を転動する球に第2突部D131faは作用(当接)されない。
但し、球の第3通路DRt3からの流下位置や流下方向、流下途中での変位部材D180との衝突などの要素に起因して、下流側へ向かる球の速度(転動速度)が平均的な速度よりも速い場合には、転動部材D8170が第2位置に配置される前に、本体部D172の上面を転動する球が上流側(又は下流側)の第2突部D131faに到達して、球が第2突部D131faから作用を受けることもある。即ち、1球のみの球が転動する場合であっても、第2突部D131faの作用を球に付与できる場合を形成でき、上述した要素の影響を遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faと位置DPとの間の距離は、球の直径の略2倍に設定される。但し、かかる距離は、任意に設定可能である。1球の球のみが転動される場合には、上述した距離を短くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与しやすくできる一方、上述した距離を長くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与し難くできる。
ここで、本実施形態では、本体部D172上に2球の球が位置する状態(2球の球の重量が作用する状態)では、それら2球の球のそれぞれの位置に関わらず(例えば、2球とも位置DPよりも下流側(軸D171と位置DPとの間)に位置していたとしても)、それらの球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に偏心するように、錘部D8174の重量が設定される。
よって、例えば、1球の球のみが本体部D172上を転動し、その球の転動位置が位置DPを越えたことで、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球に第2突部D131faが作用(当接)されず、第6通路DRt6の終端への球の到達が期待される状態)であっても、他の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)される(転動部材D8170(本体部D172)の上面に2球の球が位置する状態とされる)と、転動部材D8170が第2位置に配置され(又は、少なくとも第2位置へ向けて変位(回転)され)、球に第2突部D131faが作用(当接)可能な状態(第9通路DRt9へ球が流入(入球)され易い状態)を形成できる。
このように、本実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)した球(転動部材D8170(本体部D172)を転動する球)が1球のみであれば、球に第2突部D131faが作用(当接)し難くして、第6通路DRt6の終端に球を到達させ易くできる(第1入賞口64へ入賞させることができる)一方、第1の球が転動されている状態で、更に第2の球が第6通路DRt6へ流下(入球)されると、第1の球に第2突部D131faを作用(当接)させ、第6通路DRt6の終端に第1の球を到達させ難くすることができる。
即ち、第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8を介して、第1入賞口64(図1664参照)に入賞されるため、遊技者は、転動部材D8170上に球が存在しない状態では、第3通路DRt3から第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する。一方で、第1の球が第6通路DRt6に流入(入球)した後は、その第1の球に第2突部D131faが作用(当接)しないように、逆に、次の球(第2の球)が第6通路DRt6に更に流入(入球)しないことを期待する。このように、常に第6通路DRt6への流入(入球)を期待させるのではなく、第6通路DRt6への球の入球数に応じて期待する状況を変化させて、遊技の興趣を向上できる。
特に、本実施形態では、上述したように、第1の球が位置DPへ近づくに従い、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)される。第1の球が位置DPを越えると、転動部材D8170が第1位置に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
即ち、第1の球が第2突部D131faに近づくに従い、変位部材D180を徐々に閉鎖位置へ向けて変位(回転)させ、第2の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)し難くできる。よって、第1の球が第6通路DRt6の終端に達することの遊技者の期待度を高めることができる。
次いで、図1689から図1701を参照して、第76実施形態におけるセンターフレームE86について説明する。
図1689は、第76実施形態における遊技盤E13の正面図である。図1689に示すように、センターフレームE86は、ベース板60の窓部60a(図1578参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームE86aと下側フレームE86bとを備える。
上側フレームE86aは、ベース板60の窓部60a(図1578参照)における上側(図1689上側)及び左右(図1689左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームE86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図1689下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームE86a及び下側フレームE86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームE86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図1689下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームE86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図1690から図1691を参照して下側フレームE86bについて説明する。図1690は、下側フレームE86bの正面斜視図であり、図1691は、下側フレームE86bの背面斜視図である。なお、図1690及び図1691では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームE86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。また、図1692から図1710についても同様である。
図1690及び図1691に示すように、下側フレームE86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される一対の受入口EOPinと、その一対の受入口EOPinに連通される一対の第1通路ERt1と、その一対の第1通路ERt1を案内された球が流下される一対の第2通路ERt2と、その一対の第2通路ERt2を案内された球が流下される一対の第3通路ERt3と、その一対の第3通路ERt3に案内された球が後述する振分通路E150に形成される突起部E151により振り分けられて流下される第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6と、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6を案内された球が第4通路ERt4へ案内される第7通路ERt7と、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口EOPoutとが形成される。
なお、一対の受入口EOPin、第1通路ERt1、第2通路ERt2及び第3通路ERt3は、遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1689左右対称)にそれぞれ形成される。
また、上側フレームE86aには、一対の上側フレーム通路ERt0が配設される(図1689参照)。上側フレーム通路ERt0は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路ERt0の下流端に下側フレームE86bの受入口EOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球は、受入口EOPinを介して、上側フレーム通路ERt0から下側フレームE86bの第1通路ERt1へ流入(入球)される。
下側フレームE86bには、駆動モータE191により動作する振分通路E150が配設されており、球は、振分通路E150に形成される突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)され、第3通路ERt3から第4通路ERt4、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6のいずれかに振り分けられる。
ここで、第4通路ERt4の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口EOPoutは、第1入賞口64(図1689参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第4通路ERt4へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
また、第7通路ERt7へ振り分けられた球は、第4通路ERt4へ案内されるため、第1入賞口64へ入賞し易い。
また、第6通路ERt6には、その第6通路ERt6を案内される球を第7通路ERt7へ案内するために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第7通路ERt7の正面側(矢印F方向側)に第1流出面E141aが形成(配置)される。そのため、第6通路ERt6の第1流出面E141aに案内される球は、第1入賞口64へ入賞し易い。
一方、第5通路ERt5は、第6通路ERt6側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、第5通路ERt5と第7通路ERt7との境界の背面側(矢印B方向側)には一対の立て壁部E135cがそれぞれ配設される。従って、第5通路ERt5へ振り分けられた球は、第7通路ERt7よりも第6通路ERt6へ案内され易い。
第6通路ERt6には、第1流出面E141aに対して遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第2流出面E141bが形成(配置)される。
なお、第6通路ERt6には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面E141bが形成され、起伏の頂部に第1流出面E141aが形成される。従って、第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第1流出面E141aから第7通路ERt7へ送球されるよりも第2流出面E141bから遊技領域へ流出され易い。
即ち、第3通路ERt3から第5通路ERt5もしくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームE86bは、球が振分通路E150に形成される突起部E151に当接することにより第4通路ERt4から第6通路ERt6のいずれかに振り分けられた場合に、第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球は第1入賞口64(図1689参照)への入賞が容易となる(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)一方、第3通路ERt3から第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第7通路ERt7(および第7通路ERt7の下流に形成される第4通路ERt4)を移動して第1入賞口64へ入賞することが困難となる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第3通路ERt3を案内される球が第4通路ERt4に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1690から図1691に加え、図1692から図1697を参照して、下側フレームE86bの詳細構成について説明する。
図1692は、下側フレームE86bの分解正面斜視図であり、図1693は、下側フレームE86bの分解背面斜視図である。図1694は、下側フレームE86bの上面図であり、図1695は、下側フレームE86bの正面図であり、図1696は、下側フレームE86bの背面図である。図1697(a)は、図1695の矢印MDCXXXVIa方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図1697(b)は、図1695の矢印MDCXXXVIb方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図1697(c)は、図1695のMDCXXXVIc-MDCXXXVIc線における下側フレームE86bの断面図である。
図1690から図1697に示すように、下側フレームE86bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E130と、正面部材E110及びベース部材E130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E130に配設される振分通路E150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E180と、そのカバー部材E180の内側に配設される駆動手段E190と、を備える。
駆動手段E190は、カバー部材E180に往復動可能に配設される。また、振分通路E150が駆動手段E190に係合されることで、振分通路E150は、ベース部材E130に往復動可能に配設される。
中央通路E160、流路調整ブロックE170及びカバー部材E180は、タッピングネジによりベース部材E130にそれぞれ締結固定され、誘導部材E120及びベース部材E130は、タッピングネジにより正面部材E110にそれぞれ締結固定される。
介設部材E140は、正面部材E110とベース部材E130とに挟持される。これらにより、下側フレームE86bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1690参照)。
また、下側フレームE86bは、振分通路E150及び駆動手段E190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分通路E150及び駆動手段E190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路ERt1から第7通路ERt7を移動する球を遊技者に視認させると共に、振分通路E150の往復動を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、振分通路E150及び駆動手段E190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームE86bは、駆動手段E190の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、駆動手段E190が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材E110は、正面を形成する板状の正面板E111と、その正面板E111の背面から立設される板状の底面部E112とを備える。
正面板E111は、その長手方向両端に鉛直方向に延設される一対の鉛直部と、それら鉛直部どうしを連結し、長手方向両端から中央へ向けて鉛直方向下方に傾斜される傾斜部とから形成される。
正面板E111には、その正面板E111の外縁に沿って複数の挿通孔E111aが板厚方向に穿設される。下側フレームE86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔E111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板E111には、受入口EOPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口EOPinは、上述したように、上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球を受け入れる開口である(図1689参照)。
正面板E111には、第1入賞口64(図1689参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口EOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口EOPoutは、正面視円状であり、球の外形よりもやや大きく形成される。流出口EOPoutは、上述したように、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
正面板E111には、上述したように、第1流出面E141aの正面側(矢印F方向側)に張出し部E111bが突設される。また、第2流出面E141bの正面側(矢印F方向側)に正面視において第2流出面E141bと略同一の形状の切欠き部E111cが形成される。切欠き部E111cを通過することで、第6通路ERt6を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される。
正面板E111の背面には、傾斜部の長手方向外側に一対の規制部E111dが突設される。正面部材E110とベース部材E130との間には介設部材E140が挟持されており、規制部E111dが介設部材E140の転動部E141の上面に当接することで、介設部材E140がベース部材E130から上方(矢印U方向)へ脱離することを抑制できる。これにより、正面部材E110若しくはベース部材E130に対して介設部材E140をタッピングネジにより締結固定することを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
底面部E112は、正面板E111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
誘導部材E120は、正面部材E110と共に第1通路ERt1を形成するためのものであり、一対の側面部E121と、一対の側面部E121を連結する背面部E122と、を備える。
一対の側面部E121は、側面視縦長略矩形の板状体に形成される。一対の側面部E121は、短手方向一端側の面(矢印F方向側の面)が正面板E111(正面部材E110)の背面(矢印B方向側の面)に当接した状態で、左右方向(矢印L-R方向)に球の直径よりも大きな間隔を隔てて対向配置される。
背面部E122は、一対の側面部E121の短手方向他端どうし及び上端どうしを連結すると共に、側面部E121の短手方向一端から他端へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
誘導部材E120及び正面板E111(正面部材E110)によって球が移動(流下、落下)可能に区画された空間により、第1通路ERt1が形成される。また、第1通路ERt1の下方(矢印D方向)は開放される。これにより、受入口EOPinを通過して第1通路ERt1に流入した球の流下方向を下方に変更(変化)して第2通路ERt2に案内できる。
ベース部材E130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E133と、その一対の第1斜面部E133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。ベース部材E130については、図1690から図1697に加え、図1698から図1701を参照して詳細構成について説明する。
湾曲部E131は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1697(c)参照)。
湾曲部E131には、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置に流出面E131aが凹設される。流出面E131aは、湾曲部E131を案内される球を振分通路E150へ流出させるための部位であり、振分通路E150へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
壁板E132には、切欠き部E132aが振分通路E150側(一対の壁板E132の対向する側)に切欠き形成される。この切欠き部E132aを通過することで湾曲部E131から振分通路E150へ球が流下可能とされる。また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成される(本実施形態では球の直径の約5倍の大きさ)。切欠き部E132aの大きさが大きいほど、前後方向において任意の位置から球を振分通路E150へ流下できる。
湾曲部E131と壁板E132とに区画された空間により第2通路ERt2が形成される。なお、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、誘導部材E120(第1通路ERt1)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設され、第1通路ERt1との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、第1通路ERt1から第2通路ERt2へ球が自由落下される。
また、誘導部材E120(第1通路ERt1)は、湾曲部E131の正面側(矢印F方向側)における鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1通路ERt1から第2通路ERt2の正面側の端部へ球を送球できる。
これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)の正面側の端部へ流下された球は、湾曲部E131の円弧状に湾曲した形状に沿って前後方向(矢印F-B方向)へ往復動できる。これにより、前後方向への速度成分を有した状態で湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を送球できる。
第1斜面部E133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E133には、挿通孔E133aと、規制部E133bと、溝部E133cとが形成される。
挿通孔E133aは、第1斜面部E133の略中央に開口形成(板厚方向に穿設)され、後述する振分通路E150の被係合部E153が挿通可能に形成される(図1692、図1699(b)参照)。
規制部E133bは、第1斜面部E133の下面において挿通孔E133aの正面側の縁から立設され、その下面は第1斜面部E133の傾斜面に対し平行に形成される(図1699(b)、図1700(b)参照)。
溝部E133cは、第1斜面部E133の前後方向略中央において傾斜方向に沿って形成される溝であり、挿通孔E133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。溝部E133cには、後述する振分通路E150の被ガイド部E152が傾斜方向に摺動可能に配設される(図1692、図1699(a)、図1701(a)参照)。溝部E133cの周囲には、溝部E133cの破損を抑制するためのガイド壁が立設される。
第1斜面部E133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE202とが配設される。
円柱体E201は、第1斜面部E133における振分通路E150の変位を容易とするためのものであり、円柱状に形成され、また、その軸を中心として軸孔が形成される。軸孔に回転軸が挿通され、その回転軸が前後方向(矢印F-B方向)に沿った状態で第1斜面部E133に配設される。これにより、円柱体E201は、第1斜面部E133に回転可能に配設される。円柱体E201が軸周りに回転することにより、円柱体E201の外周面に当接する振分通路E150は容易に変位できる。
カバーE202は、円柱体E201を第1斜面部E133に保持するためのものであり、第1斜面部E133の外形よりやや小さい板状に形成される。カバーE202は、第1斜面部E133の挿通孔E133aに対応する位置に挿通孔E133aよりも大きな孔が穿設され、一対の溝部E133cに対応する位置に溝部E133cの外形と略同一の溝が形成される。また、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
カバーE202は、その上面が第1斜面部E133の傾斜面と平行な状態で第1斜面部E133の上面に配設される。
カバーE202の円柱体E201に対応する位置に穿設される孔よりも長い回転軸が円柱体E201に挿通され、円柱体E201及び回転軸を第1斜面部E133に配設し、タッピングネジにより第1斜面部E133とカバーE202とが締結固定されることで、カバーE202は、回転軸および回転軸が挿通された円柱体E201を第1斜面部E133に保持できる。
なお、円柱体E201は、カバーE202に形成される孔を通して、その側面(外周面)の一部がカバーE202の上面から突出して配設され、これにより、円柱体E201と振分通路E150とが当接可能となる。
取付け部E134は、第1斜面部E133の傾斜方向下降側の端部より鉛直方向下方(矢印D方向)において略水平に形成される。また、取付け部E134の前端は、第1斜面部E133の前端より背面板E137側(矢印B方向側)に配設される。
取付け部E134及び第1斜面部E133と第2斜面部E135とを連結して湾曲部E134aが配設され、湾曲部E134aは、背面板E137側へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
第2斜面部E135は、第5通路ERt5(の一部)を形成するための部位であり、取付け部E134よりも鉛直方向下方(矢印D方向)において背面板E137から正面部材E110へ向けて下降傾斜して形成される。第2斜面部E135には、挿通孔E135aと、中央通路E135bと、一対の立て壁部E135cと、仕切り部E135dと、送球壁E135eとが形成される。
第2斜面部E135と取付け部E134と湾曲部E134aと背面板E137とに区画された空間に第5通路ERt5が形成される。
挿通孔E135aは、第2斜面部E135の略中央に球の外形よりも大きく開口形成(板厚方向に穿設)される。挿通孔E135aの外周には、後述する中央通路E160の円筒壁E163の下端を挿入するための凹部が挿通孔E135aの外縁に沿って凹設される。
中央通路E135bは、第7通路ERt7を形成するための部位であり、鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、その湾曲形状は球の外形よりも大きく形成される。これにより、中央通路E135bに球が送球されると、中央通路E135bから第2斜面部E135の傾斜面へ球が送球(流出)されることを抑制できる。
中央通路E135bは、第2斜面部E135の正面側(矢印F方向側)の縁と挿通孔E135aとを連結し、第2斜面部E135の正面側の縁から挿通孔E135aへ向けて下降傾斜して形成される。これにより中央通路E135bに案内された球を挿通孔E135aへ向けて送球できる。即ち、中央通路E135bの円弧状に湾曲した空間により第7通路ERt7が形成される。
なお、中央通路E135bは、左右方向(矢印L-R方向)において第1流出面E141aと重なる位置に配設される。これにより、第1流出面E141aから送球される球を中央通路E135bへ案内できる。
一対の立て壁部E135cは、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)とを区切るための部位であり、中央通路E135bの左右方向(矢印L-R方向)両端の背面板E137側(矢印B方向側)に鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対の立て壁部E135cの前後方向(矢印F-B方向)の長さは、中央通路E135bの長さよりも短く形成され、中央通路E135bの挿通孔E135a側(矢印B方向側)に配設される。
これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cの正面側(矢印F方向側)において第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることで、球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される。一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cに当接することで、(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることが抑制され、球は、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下し第6通路ERt6へ案内される。このように、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ球が送球され難くすることにより、遊技の興趣を高めることができる。
仕切り部E135dは、鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設され、挿通孔E135aの外縁と背面板E137とを連結して形成される。これにより、一方の振分通路E150(第3通路ERt3)から流下された球が、第2斜面部E135の他方の振分通路E150(第3通路ERt3)側へ案内されることを抑制できる。
送球壁E135eは、第2斜面部E135の下面から立設して形成される(図1699(a)参照)。送球壁E135eは、挿通孔E135aの背面側(矢印B方向側)の縁に沿った円弧部と、その円弧部の両端から正面側(矢印F方向側)に延設される直線部とから、下面視略U字状に形成される。これにより、送球壁E135eで囲まれた空間を球が送球可能に形成され、挿通孔E135aを通過した球を後述するカバー部材E180の背面側通路E181bへ送球できる。
張出し部E136は、湾曲部E131側から第2斜面部E135側へ向けて下降傾斜して形成され、張出し部E136には、ガイド部E136aが形成される。
ガイド部E136aは、ベース部材E130への介設部材E140の組み付けを容易とするための部位であり、張出し部E136の対向する側(左右方向内側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対のガイド部E136aの対向間に後述する介設部材E140の下側通路E143が配設される。
背面板E137は、正面視横長略矩形の板状から形成される。背面板E137は、一対の第1斜面部E133、一対の取付け部E134及び第2斜面部E135の背面側の端部に当接して配設され、背面板E137の上端は、振分通路E150(第3通路ERt3)及び第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球よりも上方(矢印U方向)に位置する。これにより、背面板E137は、振分通路E150(第3通路ERt3)又は第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が背面板E137の背面側(矢印B方向側)に案内されることを抑制できる。
介設部材E140は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される転動部E141と、その転動部E141の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて突設される板状の当接部E142と、その当接部E142の背面から立設される下側通路E143と、を備える。
転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成される。
転動部E141の上面は、正面部材E110側(矢印F方向側)からベース部材E130側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部E141の上面には、背面側(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される第1流出面E141aと、正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される第2流出面E141bとが形成される。
また、転動部E141には、起伏が形成され、その頂部が中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。起伏の底部に第2流出面E141bが配置される一方、起伏の頂部に第1流出面E141aが配置される。従って、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。
なお、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配置され、これにより、第1流出面E141aを流下する球を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内できる。
転動部E141の上面の左右方向(矢印L-R方向)両端には切欠き部E141cが形成され、その切欠き部E141cには、正面部材E110の突設部E111eが当接される。また、介設部材E140は、張出し部E136の上面に当接して配設される。これにより、介設部材E140は、ベース部材E130(正面部材E110)に固定される。その結果、介設部材E140(転動部E141の上面)とベース部材E130と正面部材E110(正面板E111の背面)とに区画された空間により第6通路ERt6が形成される。
当接部E142には、流出口EOPoutの背面となる位置に通路口E142aが開口形成(板厚方向に穿設)される。通路口E142aは、正面視略矩形であり、球の外形よりもやや大きく形成される。
下側通路E143は、通路口E142aの外縁からカバー部材E180側(矢印B方向側)へ向けて突設され、その下側通路E143により区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
下側通路E143は、カバー部材E180側から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、下側通路E143の側面および下面は上面よりカバー部材E180側に突出して形成される。即ち、下側通路E143は、カバー部材E180側の上面が開放される。
また、下側通路E143の下面には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝E143aが凹設される(図1698(a)参照)。凹溝E143aは、下側通路E143の下面の突出方向に沿って略直線状に延設される。
凹溝E143aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝E143aの溝深さ(下側通路E143の下面に垂直方向の寸法)は、凹溝E143aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、下側通路E143の下面上の球を2箇所(下側通路E143の下面と凹溝E143aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝E143aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球を安定した状態で案内できる。詳しく説明すると、凹溝E143aにより球が挟み込まれた態様となることで、幅方向に変位することを抑制された状態で幅方向中央を流下できる。
その結果、寸法公差や組立公差に起因して流出口EOPoutと通路口E142aとの中心位置がずれ、通路口E142aの正面に正面部材E110(正面板E111)が一部配設された場合(通路口E142aの外縁の一部が正面部材E110(正面板E111)に塞がれた状態)においても、下側通路E143(第4通路ERt4)を流下した球は、流出口EOPoutを通過して遊技領域へ流出される。
上述したように、下側通路E143は、張出し部E136の一対のガイド部E136aの対向間に配設される。これにより、下側フレームE86bの組立ての際、一対のガイド部E136aに下側通路E143を当接させることで、ベース部材E130への下側通路E143(介設部材E140)の配設を容易に行える。
振分通路E150は、その上面を球が移動(流下、転動)するためのものであり、第1斜面部E133(カバーE202)の上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1斜面部E133と同様、振分通路E150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される。振分通路E150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E150の下面から立設される一対の被ガイド部E152と、その一対の被ガイド部E152の間に立設される被係合部E153と、を備える。振分通路E150については、図1690から図1697に加え、図1698から図1701を参照して詳細構成について説明する。
突起部E151は、球の移動(流下)方向を変化させるための部位であり、振分通路E150の上面に規則的に、それら突起部E151どうしの間を球が移動(流下、転動)可能な間隔を備えて複数配設される。突起部E151の形状は、振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される。その略六角形状は、振分通路E150の傾斜方向に平行に配設される2辺が他の4辺よりも長い、言い換えると、前後方向(矢印F-B方向)よりも振分通路E150の傾斜方向に沿った方向に長く形成される。また、長く形成される2辺を除いた他の4辺は同一長さに形成される。また、突起部E151の側面は、振分通路E150に対し傾斜(本実施形態においては振分通路E150の上面に対して略45度傾斜)して形成され、突起部E151は、六角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E150に平行な平面での断面積が、振分通路E150の上面から離れるに従い小さく形成される。
突起部E151は、長い辺同士を平行にして前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔(本実施形態においては振分通路E150の上面における対向間距離が球の直径の略4分の1)を隔てて形成される。また、前後方向に列をなして配設される一の組の突起部E151郡に対しその傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、突起部E151の前後方向における配設間距離の半分だけ前後方向にずれて配設される。即ち、前後方向において、傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、一の組の突起部E151郡の対向間にそれぞれ配設される。これにより、前後方向における一対の突起部E151の長い辺の間を流下した球を、傾斜方向下降側に配設される突起部E151に当接させることができる。
また、突起部E151の短い辺どうしの対向間隔は、突起部E151の長い辺同士の対向間隔と同一に形成される。これにより、一の突起部E151は、その周囲に配設される突起部E151から同一の距離だけ隔てた態様で振分通路E150に配設される。振分通路E150の上面および突起部E151の傾斜した側面E151aに区画された空間により、第3通路ERt3が形成される。
なお、本実施形態における突起部E151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる。また、突設先端における突起部E151どうしの対向間隔は球の直径よりも小さく形成される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、隣り合う突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)できる。即ち、突起部E151は、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、突起部E151に当接することで球の流下方向が変更(変化)され、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)に形成される突起部E151の対向間に案内される。このように、突起部E151は、傾斜方向に沿って流下した球の流下方向を変更(変化)できる。
また、前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う突起部E151の長い辺どうしの間を移動(流下、転動)することで、球は、振分通路E150の傾斜方向に沿って湾曲部E131側から中央通路E160へ移動(流下、転動)できる。
また、振分通路E150を流下する球は、突起部E151に当接することで、その流下速度が減少される。これにより、振分通路E150が突起部E151を備えない場合と比較して、振分通路E150を流下する球の流下時間を長くできる。
また、突起部E151は、振分通路E150の上面から突設して形成されるため、遊技者に視認し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させ易くできる。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面を移動(流下、転動)する球は比較的移動速度が低く、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面の移動(流下、転動)に比較的時間を要するところ、突起部E151との当接により球の移動(流下、転動)に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
このように、本実施形態では、突起部E151により振分通路E150を流下する球の流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを一つの部位(突起部E151)が行うことで、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
なお、振分通路E150は傾斜して配設されるため、球の流下速度が減少した場合においても、球の自重により流下速度が増加されることで、第3通路ERt3を流下できる。
振分通路E150の前後の縁に接して配設される突起部E151は、略六角形状の一部のみ形成される、言い換えると、突起部E151の形状が振分通路E150の前後の縁で切り取られた態様に形成される。これにより、振分通路E150により多くの第3通路ERt3を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
被ガイド部E152は、振分通路E150の前後方向(矢印F-B方向)の略中央に被係合部E153を挟んで左右方向(矢印L-R方向)に一対配設される(図1699(a)、図1701(a)参照)。被ガイド部E152の前後方向の寸法は、ベース部材E130の溝部E133cの溝幅と同等またはやや小さく形成される。被ガイド部E152が溝部E133cに挿入されることで、振分通路E150のベース部材E130に対する前後方向への変位が規制される。
上述したように、溝部E133cの周囲にはガイド壁が立設されるため、被ガイド部E152が溝部E133cのガイド壁に当接することで、溝部E133cが破損することを抑制できる。
被係合部E153には、その背面が正面側(矢印F方向側)へ凹設される係合凹部E153aと、被係合部E153の下端に正面に向けて突設される規制片E153bとが形成される(図1699(b)参照)。
係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成される。規制片E153bは、第1斜面部E133(振分通路E150)の傾斜面に対し平行であり、第1斜面部E133の規制部E133bの下方(矢印D方向)に配設される。これにより、振分通路E150が傾斜方向に変位する場合、規制片E153bと規制部E133bとが当接することを抑制できる。一方、規制片E153bと規制部E133bとが当接することで、振分通路E150が上方(矢印U方向)に変位することを抑制できる。
振分通路E150は、カバーE202の上面から突出する円柱体E201の側面と当接した状態で、第1斜面部E133の傾斜面と平行に配設される。円柱体E201がその軸を回転軸として回転することで、振分通路E150の変位を容易に行うことができる。
また、振分通路E150は、少なくとも一部が湾曲部E131の下方に配設される、即ち、振分通路E150が湾曲部E131の下方から取付け部E134側へ抜けきらない位置に配設され、振分通路E150と湾曲部E131との間の距離は、球の半径よりも小さく配設される(図1699(a)、図1701(a)参照)。これにより、振分通路E150に送球された球が、湾曲部E131の下方からベース部材E130の長手方向両端から流出することを抑制できる。また、湾曲部E131と振分通路E150とで球が挟持されることを抑制できる。
振分通路E150は、その傾斜面に垂直な方向視において傾斜方向に長い略矩形の板状体に形成される。これにより、振分通路E150の長手方向一端側(下降傾斜側)に配設される第2斜面部E135(第5通路ERt5)若しくは中央通路E160(第4通路ERt4)よりも短手方向である正面側(矢印F方向側)に配設される介設部材E140(第6通路ERt6)へ球を送球し易くできる。
また、振分通路E150の短手方向となる前後方向(矢印F-B方向)の長さは、少なくとも球の直径の2倍よりも大きい寸法、本実施形態においては球の直径の略4.5倍の寸法に形成される。これにより、振分通路E150の傾斜方向下降側に複数(本実施形態では2箇所)の球の移動(流下、落下)領域を形成できる。この結果、振分通路E150を流下した球が複数形成される通路(第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6)の内、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い第4通路ERt4へ振り分けられることを期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、下側フレームE86bに不正を行っても、その不正を働き難くできる。詳細に説明すると、第4通路ERt4よりも第1入賞口64に球が入賞する確率の低い第5通路ERt5又は第6通路ERt6の一方に第4通路ERt4へ球が流下する不正を行っても、第5通路ERt5又は第6通路ERt6の他方を球が移動(流下、落下)することで、その不正を働き難くできる。
振分通路E150の傾斜方向下降側は、その正面側の一部に切欠き部E150aが形成される。切欠き部E150aを通過することで、振分通路E150を流下(落下)した球を流路調整ブロックE170に当接し易くできる。
中央通路E160は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される架設通路E161と、その架設通路E161の左右方向略中央に開口形成(板厚方向に穿設)される上方孔E162と、架設通路E161の下面から上方孔E162に沿って立設される円筒壁E163と、架設通路E161の左右方向両端に配設される据付部E164と、を備える。
架設通路E161の幅寸法(架設通路E161の延設方向および鉛直方向に垂直な方向、矢印F-B方向)は、球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球を架設通路E161の左右方向略中央(架設通路E161の鉛直方向の最下方)に形成される上方孔E162へ案内できる。
架設通路E161には、その後端側(矢印B方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される背面壁E161aが形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その背面側から落下することを抑制できる。
架設通路E161は、その延設方向に直交する平面での断面形状が鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その正面側から流下(落下)することを抑制できる。
上方孔E162は、上面視円状であり、第2斜面部E135に形成される挿通孔E135aと略同一の大きさに、即ち、球の外形よりも大きく形成される。上方孔E162の周囲には上方へ向けて突設される突起部E162aが形成される。これにより、架設通路E161を流下する球が上方孔E162に案内され難くできる。
円筒壁E163は、上方孔E162と略同一の内径を有する円筒状に形成され、その下端が、第2斜面部E135の挿通孔E135aの外周に凹設される凹部に挿入した状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、円筒壁E163の下端と第2斜面部E135の上面との間に隙間が形成されることを抑制できる。また、第2斜面部E135に対し中央通路E160の位置決めを行うことができる。
左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E135bに対応する位置には、円筒壁E163に切欠き部E163aが切欠き形成され、その切欠きは球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161の円弧状に湾曲した空間および円筒壁E163により囲まれた空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
据付部E164は、上面視縦長略矩形であり、中央通路E160がベース部材E130(取付け部E134)に固定(配設)された状態では、据付部E164の上面は、第1斜面部E133に配設されるカバーE202の上面と面一に形成される。これにより、振分通路E150が変位されても、振分通路E150と中央通路E160(据付部E164)とが当接することを抑制できる。
流路調整ブロックE170は、球の流下方向を変更(変化)させるためのものであり、略三角錐状に形成される。流路調整ブロックE170には、ベース部材E130の正面と平行な正面壁E171と、湾曲部E134aに対向する外壁E172と、中央通路E135bに対向する内壁E173とが形成される。一対の流路調整ブロックE170は、中央通路E135bの長手方向(矢印L-R方向)両側にそれぞれ配設される。
流路調整ブロックE170は、上面視、第2斜面部E135の傾斜方向下降側(矢印F方向側)へ向かうに従いその幅が大きくなる三角形状に形成され、正面壁E171とベース部材E130の正面とが面一に形成された状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を流下する球が流路調整ブロックE170に当接することを抑制できる。
外壁E172は、湾曲部E134aへ向けて凸状に湾曲して形成され、内壁E173は、中央通路E135bから流路調整ブロックE170の中心へ向けて凹状に湾曲して形成される。外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間は、球の外形よりも大きくそれぞれ配設され、これにより、外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間を球がそれぞれ流下できる。
カバー部材E180は、ベース部材E130の下方(矢印D方向)に配設される正面側カバー部材E181と、その正面側カバー部材E181の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側カバー部材E182と、を備える。
なお、カバー部材E180及び後述する駆動手段E190においては、図1690から図1697に加え、図1699を適宜参照して説明する。
正面側カバー部材E181には、正面視横長略矩形に形成される本体部E181aと、本体部E181aの長手方向略中央に正面側カバー部材E181側(矢印F方向側)から背面側カバー部材E182側(矢印B方向側)へ向けて凹設される背面側通路E181bと、本体部E181aの長手方向一側(矢印L方向側)に配設されるモータ取付け面E181cと、モータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)に配設される第1上面板E181dと、モータ取付け面E181cの長手方向他側(矢印R方向側)において第1上面板E181dから鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てて平行に配設される第1下面板E181eと、第1下面板E181eの長手方向他側(矢印R方向側)において鉛直方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて平行に立設される第2上面板E181f及び第2下面板E181gと、第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面に配設される複数の(本実施形態では5個)スライド突起E181hと、鉛直方向(矢印U-D方向)における第1下面板E181eと第2下面板E181gとの間に配設される軸支部E181iとが形成される。
なお、モータ取付け面E181c、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gは、本体部E181aの背面から立設される。
背面側通路E181bには、その下面から立設される送球板E181b1と、送球板E181b1に対して長手方向(矢印L-R方向)両側に立設される一対の支持板E181b2とが形成される。
長手方向における送球板E181b1は、第2斜面部E135の挿通孔E135aの中心に対応する位置に配設され、送球板E181b1の上面の背面側(矢印B方向側)には、背面側へ向けて上昇傾斜する送球傾斜部E181b3が形成される。これにより、中央通路E160の円筒壁E163内を案内された球は、送球傾斜部E181b3に当接し、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)される。
一対の支持板E181b2は、送球板E181b1上を流下する球を案内するための部位であり、送球壁E135eの直線部の鉛直方向下方にそれぞれ形成される。
背面側通路E181bの上面は、開口形成され、その開口を通して第2斜面部E135の送球壁E135eが背面側通路E181bに挿入され、第2斜面部E135の下面、送球板E181b1、送球壁E135e及び一対の支持板E181b2に区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
モータ取付け面E181cは、後述する駆動手段E190の取付け部材E192が配設(固定)される部位であり、モータ取付け面E181cには、長手方向略中央に中央切欠きE181c1が形成され、その切欠き形状は、背面側(矢印B方向側)が開口された上面視略U字状に形成される。
第1上面板E181dと第2上面板E181fとは平行して配設される。従って、第1下面板E181eと第2下面板E181gとも平行に配設される。第1上面板E181dと第1下面板E181eとにより区画された空間、第2上面板E181fと第2下面板E181gとにより区画された空間は、後述する駆動手段E190の第1伝達部材E194、第2伝達部材E195をそれぞれ配設するための空間である。
第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面には、前後方向(矢印F-B方向)に突起E181e1がそれぞれ複数(本実施形態では第1下面板E181eは2箇所、第2下面板E181gは4箇所)形成される。突起E181e1と第1伝達部材E194もしくは第2伝達部材E195とが当接することにより、第1下面板E181eと第1伝達部材E194との間、第2下面板E181gと第2伝達部材E195との間に発生する摩擦力を低減し、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位を容易に行える(図1698(b)参照)。
スライド突起E181hは、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位をガイドするためのものであり、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gに対して平行して配設される。
軸支部E181iは、本体部E181aの背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、背面側カバー部材E182の正面には、軸支部E181iに対面する位置に、軸支部E182dが形成される。後述する駆動手段E190のピニオンギヤE196は、その側面(前後方向の面、矢印F-B方向の面)から軸E197の端部がそれぞれ突出される。軸E197は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸E197の両端が、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとにそれぞれ軸支される。これにより、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182との対向間にピニオンギヤE196が回動可能に配設される。
背面側カバー部材E182には、正面視横長略矩形に形成される本体部E182aと、本体部E182aの長手方向一側(矢印L方向側)において本体部E182aの正面から立設される第1上面板E182bと、本体部E182aの長手方向他側(矢印R方向側)において本体部E182aの正面から立設される第2上面板E182cと、正面側カバー部材E181の軸支部E181iに対面する位置において本体部E182aの正面に配設される軸支部E182dと、を備える。
第1上面板E182b、第2上面板E182cには、正面側(矢印F方向側)が開口された第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1がそれぞれ形成される。第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1には、後述する第1伝達部材E194の係合ベースE194b、第2伝達部材E195の係合ベースE194bがそれぞれ挿通される。
軸支部E182dは、駆動手段E190の軸E197を軸支するためのものであり、本体部E182aの正面(矢印F方向側の面)に軸受けとして形成され、上述したように、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと対面する位置に形成される。
即ち、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとに駆動手段E190の軸E197が軸支され、その軸方向は、前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢とされる。
駆動手段E190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E194と、第1伝達部材E194に係合される第2伝達部材E195と、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との間に介設されるピニオンギヤE196と、ピニオンギヤE196の軸心を挿通する軸E197と、を備える。
駆動モータE191は、振分通路E150をその傾斜方向へ変位させるためのものであり、その軸を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けた状態で配設される。これにより、軸を前後方向(矢印F-B方向)へ向けて配設する場合と比較して、前後方向における配設スペースを小さくできる。
取付け部材E192は、駆動モータE191を正面側カバー部材E181に固定(配設)するためのものであり、取付け部材E192には、上面視略矩形の板状に形成されるベース部E192aと、ベース部E192aの外縁に沿って鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて立設される周壁部E192bとが形成される。
ベース部E192aには、その略中央に駆動モータE191の軸を挿通するための挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に駆動モータE191の軸が挿通した状態で駆動モータE191が取付け部材E192に固定(配設)される。駆動モータE191の軸の上端は、周壁部E192bの上端よりも鉛直方向上方に配設される。
駆動力伝達部材E193は、駆動モータE191の駆動力を第1伝達部材E194へ伝達するためのものであり、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも小さい円柱状に形成され、その軸心には駆動モータE191の軸が固着される。駆動力伝達部材E193には、軸心とは異なる位置に配設される偏心軸E193aと、駆動力伝達部材E193の側壁から突設されるフランジ部E193bとが形成される。
偏心軸E193aは、第1伝達部材E194に係合される部位であり、駆動力伝達部材E193の直径よりも小さな円柱状に形成され、上面視、偏心軸E193aの外縁は、駆動力伝達部材E193の外縁に内接して配設される。従って、偏心軸E193aの軸心は、駆動力伝達部材E193の軸心とは異なる位置に配設される、即ち、駆動モータE191の軸に対し偏心して配設される。よって、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心とした円状に変位する。
フランジ部E193bは、駆動力伝達部材E193の鉛直方向上方(矢印U方向)への変位を規制するための部位であり、鉛直方向(矢印U-D方向)において駆動モータE191側(矢印D方向側)の端部に配設される。フランジ部E193bの外形は、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも大きな円状に形成され、これにより、フランジ部E193bは、モータ取付け面E181cに当接できる。その結果、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1に挿通された駆動力伝達部材E193がモータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)へ脱離することを抑制できる。
第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達するためのものである。
第1伝達部材E194には、上面視略矩形の板状に形成される本体部E194aと、その本体部E194aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bから正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cと、本体部E194aの他側(矢印R方向側)における側面から突設される第1ラック部E194dと、本体部E194aの下面に凹設される伝達凹部E194eとが形成される。
本体部E194aは、駆動力伝達部材E193の上方(矢印U方向)に配設される。本体部E194aの前後方向(矢印F-B方向)の大きさは、駆動力伝達部材E193の外形よりも大きく形成され、本体部E194aの前端と後端との間、即ち、上面視、本体部E194aと重なる位置に駆動力伝達部材E193が配設される。
係合部E194cは、正面視略円状であり、その外形は、係合凹部E153aの左右方向(矢印L-R方向)の内壁の対向間距離と同等またはやや小さく形成される。これにより、係合部E194cを係合凹部E153aに挿入できる。係合部E194cと係合凹部E153aの左右方向の内壁とが当接することにより、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達できる。
また、係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設されるため、係合部E194cは、係合凹部E153a内を鉛直方向に変位できる。即ち、鉛直方向における駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ非伝達とできる。
このように、係合部E194cは、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ伝達する一方、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ非伝達とすることで、振分通路E150は、ベース部材E130の第1斜面部E133の傾斜面に沿って変位できる。
第1ラック部E194dには、その下面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、第1伝達部材E194の左右方向への変位によりピニオンギヤE196が回動される。
伝達凹部E194eは、前後方向(矢印F-B方向)に延設され、正面端から背面端まで形成される。また、伝達凹部E194eの凹溝の幅(左右方向(矢印L-R方向)における内壁の対向間距離)は、偏心軸E193aの外形と同等またはやや大きく形成される。偏心軸E193aを伝達凹部E194eに挿入することで、駆動モータE191の駆動力が駆動力伝達部材E193を介して第1伝達部材E194に伝達される。
詳細に説明すると、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心として円状に変位する。伝達凹部E194eの左右方向の内壁と偏心軸E193aとが当接することにより、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの左右方向の変位が第1伝達部材E194に伝達され、第1伝達部材E194が左右方向に変位する。
一方、伝達凹部E194eは、本体部E194aの正面端から背面端まで形成される、即ち、駆動力伝達部材E193の外形よりも長く形成されるため、偏心軸E193aと伝達凹部E194eの前後方向の内壁とは非当接とされる。従って、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの前後方向の変位は第1伝達部材E194に非伝達とされ、第1伝達部材E194が前後方向に変位することを抑制できる。
また、偏心軸E193aは、上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194の左右方向への変位を所定量に設定できる、即ち、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向へ変位することを抑制できる。また、第1伝達部材E194の左右方向への変位を往復動とすることができる。
第2伝達部材E195は、背面視横長略矩形の本体部E195aと、その本体部E195aの一側(矢印L方向側)における側面から突設される第2ラック部E195bと、本体部E195aの長手方向略中央に配設されるガイド溝E195cと、本体部E195aの他側(矢印R方向側)の上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cとが形成される。
第2ラック部E195bには、その上面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196の回動により、第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)へ変位される。
ガイド溝E195cは、長手方向(左右方向、矢印L-R方向)に延設され、その内側に正面側カバー部材E181に形成され、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182とを締結固定するための締結部が挿通される。正面側カバー部材E181の締結部がガイド溝E195cに挿通されることで、第2伝達部材E195の左右方向への変位をガイドできる。また、正面側カバー部材E181の締結部にはタッピングネジが螺合されるため、タッピングネジの剛性を利用して、正面側カバー部材E181の締結部とガイド溝E195cとの当接による破損を抑制できる。
ピニオンギヤE196は、その軸方向が前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。軸方向に穿設される挿通孔に軸E197が挿通され、軸E197が、正面側カバー部材E181及び背面側カバー部材E182に配設される軸支部E181i,E182dに軸支されることで、ピニオンギヤE196は、カバー部材E180に回動可能に配設される。
次いで、図1698から図1701を参照して、駆動手段E190による振分通路E150の変位(往復)動作について説明する。図1698(a)及び図1700(a)は、正面部材E110の図示が省略された状態における下側フレームE86bの正面図であり、図1698(b)及び図1700(b)は、背面側カバー部材E182の図示が省略された状態における下側フレームE86bの部分拡大背面図であり、図1698(c)及び図1700(c)は、下側フレームE86bの上面図である。
図1699(a)は、図1698(c)のMDCXXXVIIIa-MDCXXXVIIIa線における下側フレームE86bの断面図であり、図1699(b)は、図1699(a)のMDCXXXVIIIb-MDCXXXVIIIb線における下側フレームE86bの断面図であり、図1699(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。図1701(a)は、図1700(c)のMDCXLa-MDCXLa線における下側フレームE86bの断面図であり、図1701(b)は、図1701(a)のMDCXLb-MDCXLb線における下側フレームE86bの断面図であり、図1701(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。
なお、図1698及び図1699では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図1700及び図1701では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1698及び図1699に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第1位置に配置された状態において、中央通路E160の据付部E164の上方には振分通路E150が配置される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球しやすくできる。
また、振分通路E150の切欠き部E150aは、上面視、流路調整ブロックE170の外壁E172に近づいた位置に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を外壁E172に当接させ易くできる。これにより、球の送球方向を変更(変化)でき、遊技の興趣を高めることができる。
図1700及び図1701に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第2位置に配置された状態において振分通路E150は、上面視その傾斜方向下降側の端部が、据付部E164の左右方向における略中央に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を通過(流下、転動)した球は据付部E164の上面を転動できる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球されるまでの時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150と第1伝達部材E194、第2伝達部材E195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることで係合される。上述したように、係合凹部E153aは、背面視鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成されるため、係合凹部E153a内において、係合部E194cは鉛直方向(矢印U-D方向)に変位できる。これにより、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)に変位する場合においても、振分通路E150は、左右方向に変位すると共に、鉛直方向に変位できる。これにより、振分通路E150は、その傾斜方向(第1斜面部E133の傾斜方向)に沿って変位できる。即ち、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向と平行な方向(振分通路E150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向かう方向)に振分通路E150及びその上面に形成される突起部E151を変位(往復動)させることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向に変化(変更)を付与し易くできる。また、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
また、上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球が、突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)可能に配設されるため、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。よって、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制するために、振分通路E150(第3通路ERt3)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、駆動手段E190を簡素化できる。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
上述したように、偏心軸E193aを第1伝達部材E194の伝達凹部E194eに挿入されるため、偏心軸E193aの変位と同様、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2ラック部E195b、即ち、第2伝達部材E195は、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
このように、ピニオンギヤE196を介して第1伝達部材E194の変位が第2伝達部材E195へ伝達される。これにより、駆動モータE191の配設個数を抑制して、製品コストの削減を図ることができる。また、第1伝達部材E194の変位に連動して第2伝達部材E195が変位できる、即ち、第1伝達部材E194の変位と第2伝達部材E195の変位の同期を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、ピニオンギヤE196を介するため、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との変位を逆方向(逆位相)とすることができる。即ち、ベース部材E130(第1斜面部E133)上において、一対の振分通路E150が変位(往復動)する際に発生する左右方向(矢印L-R方向)の振動を互いに打ち消すことができる。これにより、制振部材を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位は、第1位置から第2位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。なお、振分通路E150、第1伝達部材E194の変位の方向、第2伝達部材E195の変位の方向、及び、ピニオンギヤE196の回動の方向以外は第1位置から第2位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保つことで、振分通路E150を第1位置と第2位置との間で左右方向(矢印L-R方向)へ往復動させることができる。詳細に説明すると、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かう変位では、振分通路E150を第1位置から第2位置へ変位させる。また、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かう変位では、振分通路E150を第2位置から第1位置へ変位させる。
このように、偏心軸E193aを上面視円状に変位させることで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保った状態で振分通路E150を第1位置と第2位置との間で往復動させることができる。これにより、駆動モータE191の駆動方向を切り替えることを抑制できる。その結果、駆動モータE191を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、偏心軸E193aは上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向への変位することを抑制できる。例えば、駆動力伝達部材E193を介せず、駆動モータE191が第1伝達部材E194に係合される形態では、駆動モータE191の誤作動やセンサの制御不良等で、第1伝達部材E194が所定量を超えて変位する虞がある。
これに対し、本実施形態では、偏心軸E193aは上面視円状に変位することで第1伝達部材E194は所定の範囲内において左右方向へ変位するため、第1伝達部材E194が他の部材(例えば、中央通路E160)に当接することを抑制できる。また、駆動モータE191の駆動方向の切り替え(駆動の停止や再駆動)による振動の発生を抑制でき、振分通路E150の往復動を滑らかにできる。
図1690から図1697に戻って、下側フレームE86bを流下する球について説明する。
正面板E111に形成される受入口EOPinを通過することで、球は、第1通路ERt1へ案内され、次いで、球の自重により第1通路ERt1を落下することで、湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内される。
湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内された球は、その形状により、前後方向(矢印F-B方向)へ往復動しつつ、壁板E132の切欠き部E132aを通過することで、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される球は、前後方向への速度成分を有した状態で切欠き部E132aを通過できる。
また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成されるため、切欠き部E132aの任意の位置から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を案内できる。
これらにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ流下される球を不規則にでき、従って、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、上述したように、突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)される。ここで、球の流下方向が、背面側(矢印B方向側)に変更(変化)され、ベース部材E130の背面板E137に当接すると共に背面板E137の正面側(矢印F方向側)に配設される突起部E151の側面E151aに当接する、即ち、背面板E137と突起部E151とに挟持されることで、球の流下が抑制される虞がある。
これに対し、本実施形態においては、駆動モータE191により振分通路E150が振分通路E150(第1斜面部E133)の傾斜方向に沿って往復動するため、背面板E137と突起部E151とにより球が挟持されることを抑制できる。また、振分通路E150が変位(往復動)することで、球と突起部E151との当接を不規則にでき、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化できる。これにより、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、突起部E151に当接し、流下する球の速度が減少することで、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。また、流下方向が変更(変化)されることで、架設通路E161(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に案内される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が中央通路E160の架設通路E161(第4通路ERt4)に送球されると、架設通路E161の左右方向略中央に形成される上方孔E162へ向けて案内される。架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその案内方向が変更(変化)されることなく流下することで、上方孔E162を通過し、円筒壁E163(第4通路ERt4)内を鉛直方向下方(矢印D方向)へ流下(落下)する。
円筒壁E163内を流下(落下)した球は、第2斜面部E135の挿通孔E135aを通過し、正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内され、送球板E181b1の送球傾斜部E181b3に当接することで、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)され、送球板E181b1の上面を流下する(図1697(c)参照)。
送球板E181b1の上面を流下した球は、そのまま介設部材E140の下側通路E143(第4通路ERt4)を流下し、当接部E142の通路口E142aを通過し、正面部材E110の流出口EOPoutから遊技領域へ流出される。
架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその流下方向が変更(変化)される場合、架設通路E161の正面側(矢印F方向側)から第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球されると、介設部材E140(第6通路ERt6)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて案内される。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を介設部材E140(第6通路ERt6)へ向けて流下される球が、第2斜面部E135に配設される流路調整ブロックE170に当接することで、その流下方向が変更(変化)される。流路調整ブロックE170の内壁E173に当接した球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される可能性があり、これにより、遊技の興趣を高めることができる。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて流下される球のうち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界の背面側(矢印B方向側)に配設される一対の立て壁部E135cに当接することで、球が中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることが抑制される。
中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内された球は、その傾斜方向により第2斜面部E135の挿通孔E135a(矢印B方向)へ向けて流下し、挿通孔E135aを通過して正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内される。
ここで、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球のうち、中央通路E160よりも背面板E137側(矢印B方向側)に送球された球は、円筒壁E163に当接することで、挿通孔E135aを通過することが抑制される。
また、第2斜面部E135に形成される仕切り部E135dに当接することにより、球が振分通路E150の左右方向(矢印L-R方向)一側から他側もしくは他側から一側へ送球されることを抑制できる。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球が、取付け部E134の側面(左右方向に形成される面)に当接しその流下方向が変更(変化)されることで、中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることを抑制できる。
また、仕切り部E135dに当接することにより、球が円筒壁E163の背面側(矢印B方向側)を流下することを抑制できる。これにより、遊技者が第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球を見失うことを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)の前端(矢印F方向側の端部)、もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)から送球される球は、介設部材E140(第6通路ERt6)の転動部E141を、その延設方向中央へ向けて転動する。ここで、転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成されるため、介設部材E140(第6通路ERt6)へ流下された球は、転動部E141の形状に沿って延設方向(左右方向)へ往復動し、第1流出面E141aから中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される、もしくは第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)される。
なお、流路調整ブロックE170は、正面視左右方向(矢印L-R方向)において第2流出面E141bと重なる位置に配設される。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が、そのまま第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)されることを抑制できる。従って、転動部E141を転動させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)に突起部E151を形成することで、球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。言い換えると、球の移動(流下、転動)方向にランダム性を付与できる。即ち、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、突起部E151を機能させることができる。
同様に、駆動手段E190を備えることで球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)でき、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、駆動手段E190を機能させることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)し、中央通路E160側の端部を通過した(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球は、架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)のどちらかの通路に案内される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下(流下方向側の端部を通過)した球が架設通路E161(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)、即ち、第1入賞口64に球が入賞する確率の低い通路へ送球(案内)される。言い換えると、振分通路E150を長手方向に渡り切らなかった球は、第1入賞口64に球が入賞する確率が低くなる。
これにより、振分通路E150の中央通路E160側(流下方向側)の端部を通過し(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球が送球(案内)されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、突起部E151に当接することで振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下速度を遅くでき、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、突起部E162aにより、架設通路E161(第4通路ERt4)に案内された球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球できる。
一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に形成される中央通路E135b(第7通路ERt7)により、第2斜面部E135(第5通路ERt5)、介設部材E140(第6通路ERt6)に案内された球を第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)背面側通路E181b(第4通路ERt4)に送球できる。これにより、球が遊技領域に流出(流下)されるまで、球が背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1702から図1703を参照して、第77実施形態における下側フレームE2086bについて説明する。
上記第76実施形態では、振分通路E150の上面に突起部E151が突設される場合を説明したが、第77実施形態における振分通路E2150の上面は、円弧状に湾曲して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1702は、第77実施形態における下側フレームE2086bの部分拡大断面図であり、図1698のMDCXXXVIIIa-MDCXXXVIIIa線における断面に対応する。なお、図1702(a)は、振分通路E2150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図1702(b)は、図1702(a)に対し、コイルばねとして構成される弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。図1703(a)は、振分通路E2150の正面斜視図であり、図1703(b)は、図1703(a)の矢印MDCXLIIb方向視における振分通路E2150の正面図であり、図1703(c)は、図1703(b)の矢印MDCXLIIc方向視における振分通路E2150の下面図であり、図1703(d)は、図1703(b)の矢印MDCXLIId方向視における振分通路E2150の側面図である。
図1702及び図1703に示すように、下側フレームE2086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E2130と、正面部材E110及びベース部材E2130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E2130に配設される振分通路E2150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、を備える(図1690参照)。
ベース部材E2130は、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の平面部E2133と、中央通路E160側において一対の平面部E2133の上方(矢印U方向)に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E2130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図1692参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。
平面部E2133は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2133aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2133bがそれぞれ形成される。
支持突起E2133aは、円柱状に形成される。支持部E2133bは側面視略矩形の板状体であり、平面部E2133の上面から突設され、その突設方向先端側(矢印U方向側)には後述する支持軸E20jを挿通するための挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。複数の支持突起E2133a及び複数の支持部E2133bは、前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔ててそれぞれ配設される。
振分通路E2150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形に形成される。振分通路E2150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2150bがそれぞれ形成される。
支持突起E2150aは、上面視、支持突起E2133aに対応する位置にそれぞれ配設される。支持部E2150bは、支持部E2133bに対し、上面視前後方向に異ならせた位置にそれぞれ配設される。詳細には、一対の支持部E2133bの対向間に支持部E2150bがそれぞれ配設される。
支持部E2150bには、支持部E2133bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。
振分通路E2150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E2151が形成され、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。この円弧状に湾曲した空間により第3通路ERt203が形成される。
介設部材E140側(矢印F方向側、図1690参照)における転動面E2151の端部は、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に形成される。従って、転動面E2151を流下する球は、背面板E137側における転動面E2151の端部を通過して背面板E137に当接するよりも、介設部材E140側における転動面E2151の端部を通過して介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球され易い(図1690参照)。
弾性ばねE2190は、上述したように、コイルばねとして構成され、その内径は、支持突起E2133a,E2150aの外径と同等またはやや大きく形成される。支持突起E2133a,E2150aを弾性ばねE2190の内側に挿通することで、支持突起E2133a,E2150aは、弾性ばねE2190を支持できる。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に支持軸E20jを挿通することで、振分通路E2150を平面部E2133へ係合できる。
なお、支持軸E20jは、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150を回動可能に係合するためのものであり、支持部E2133b,E2150bの挿通孔と同等またはやや小さな外径を有する棒状の円柱体として形成され、前後方向に沿った姿勢で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に挿通される。
これらにより、一対の振分通路E2150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E2150は、ベース部材E2130(平面部E2133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ係合される。また、一対の振分通路E2150の長手方向(矢印L-R方向)両端側は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E2151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E2151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E2151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E2150を流下する球について説明する。湾曲部E131(第2通路ERt2)を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E2150に案内された球は、転動面E2151(第3通路ERt203)を前後方向へ往復動しつつ、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
前後方向への往復動により、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、背面板E137と当接することで、再び転動面E2151(第3通路ERt203)へ案内される。
一方、前後方向への往復動により、介設部材E140側(矢印F方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内される(図1690参照)。
転動面E2151の介設部材E140側(矢印F方向側)における端部を通過せず、即ち、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内されず、転動面E2151の傾斜方向下降側の端部を通過した球は、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される。
このように、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に転動面E2151が湾曲して形成されることで球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に球を案内できる(図1690参照)。即ち、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E2151(第3通路ERt203)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E2150は、支持軸E20jを回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、振分通路E2150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1697(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E2151(第3通路ERt203)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E2151(第3通路ERt203)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)を流下中に後行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)に案内されることで、先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E2150の傾斜をさらに小さくできる。その結果、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1704を参照して、第78実施形態における下側フレームE3086bについて説明する。
上記第77実施形態では、振分通路E2150の上面が、円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、第78実施形態における振分通路E3150の上面は、平面状に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1704は、第78実施形態における下側フレームE3086bの部分拡大断面図であり、図1698(c)のMDCXXXVIIIa-MDCXXXVIIIa線における断面に対応する。なお、図1704(a)は、振分通路E3150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図1704(b)は、図1702(a)に対し、弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。
図1704に示すように、下側フレームE3086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E3130と、正面部材E110及びベース部材E3130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E3130に配設される振分通路E3150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、ボールジョイントE3200と、を備える(図1690参照)。
ベース部材E3130は、第77実施形態におけるベース部材E2130に対し、支持部E2133bに代えてボールジョイントE3200のソケットE3220が平面部E3133に配設される以外は同一に形成される。
平面部E3133の支持突起E2133aよりも中央通路E160側における平面部E3133の前後方向(矢印F-B方向)略中央には、ボールジョイントE3200のソケットE3220が配設される。
ここで、ボールジョイントE3200について説明する。ボールジョイントE3200は、ボール部材E3210と、ソケットE3220とから形成される。
ボール部材E3210には、球状に形成される球部E3211と、その球部E3211に結合される固定部E3212とが形成される。ソケットE3220には、その上面に球部E3211の外径と同等またはやや大きく形成される受け口E3221が凹設される。球部E3211が受け口E3221に挿入されることで、ソケットE3220に対してボール部材E3210が、変位可能に係合される。
振分通路E3150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形の板状体から形成される。振分通路E3150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側にボール部材E3210が形成される。
支持突起E2150a及びボール部材E3210は、上面視、平面部E3133に形成される支持突起E2133a及びソケットE3220に対応する位置にそれぞれ配設される。
板状体に形成される振分通路E3150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E3151が形成される。転動面E3151により第3通路ERt303が形成される。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で平面部E3133の上面に配設されるソケットE3220(受け口E3221)に振分通路E3150の下面に配設されるボール部材E3210(球部E3211)を挿入することで、振分通路E3150を平面部E3133へ係合できる。
これらにより、一対の振分通路E3150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E3150は、ベース部材E3130(平面部E3133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ配設される。また、一対の振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)両端は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設されており、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E3150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E3151の傾斜方向下降側(矢印D方向側)の端部、即ち、転動面E3151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E3151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E3151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E3150を流下する球について説明する。湾曲部E131を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E3150に案内された球は、転動面E3151(第3通路ERt303)を前後方向へ変位可能であり、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
ここで、前後方向における転動面E3151(第3通路ERt303)への球の当接(落下)位置により、振分通路E3150は、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)へ傾斜する(図1690参照)。
詳細に説明すると、ボールジョイントE3200を介して振分通路E3150がベース部材E3130(平面部E3133)に係合されるため、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図1690参照)側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、背面板E137側から介設部材E140側へ向けて下降傾斜する。一方、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、介設部材E140側から背面板E137側へ向けて下降傾斜する。即ち、前後方向において、球が当接(落下)した側へ転動面E3151(第3通路ERt303)が下降傾斜する。
これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)(図1690参照)のいずれかの通路に球を案内できる。即ち、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E3151(第3通路ERt303)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E3150は、ボールジョイントE3200を回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、長手方向(矢印L-R方向)における振分通路E3150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図1697(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E3151(第3通路ERt303)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)を流下中に、後行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)に案内されることで先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)における傾斜をさらに小さくできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることで、前後方向(矢印F-B方向)における振分通路E3150の傾斜方向を変更(変化)できる場合がある。
例えば、先行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図1690参照)側を流下している状態において、後行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側に当接(落下)した場合、前後方向における転動面E3151の傾斜の下降方向を介設部材E140側から背面板E137側に変更(変化)できる場合がある。このように、転動面E3151(第3通路ERt303)を球が流下中に、前後方向における転動面E3151の傾斜方向が変更(変化)することで、球の送球先を変更でき、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態においては、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aに、同一の弾性ばねE2190がそれぞれ配設される場合を説明したが、異なる弾性ばね、即ち、異なる弾性係数を有する弾性ばねがそれぞれ配設されてもよい。
例えば、介設部材E140側(矢印F方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数を背面板E137側(矢印B方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数よりも小さくすることで、振分通路E3150を介設部材E140側に下降傾斜させ易くできる(図1690参照)。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球が、転動面E3151と背面板E137とに当接した(挟持された)状態で転動面E3151(第3通路ERt303)を流下し、中央通路E160と背面板E137との間を流下(落下)して第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内されることを抑制できる。
次いで、図1705から図1706を参照して、第79実施形態における下側フレームE4086bについて説明する。
上記第76実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第79実施形態では、一対の振分通路E150に加え、一対の第2振分通路E4150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1705(a)及び図1706(a)は、第79実施形態における下側フレームE4086bの正面図であり、図1705(b)及び図1706(b)は、下側フレームE4086bの背面図である。なお、図1705及び図1706は模式的に図示され、図1705(a)及び図1706(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略される。また、図1705(b)及び図1706(b)では、理解を容易とするため、振分通路E150、第2振分通路E4150及び駆動手段E4190のみが表示される。また、図1705では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図1706では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1705から図1706に示すように、下側フレームE4086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E4130と、正面部材E110及びベース部材E4130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E4130に配設される振分通路E150、第2振分通路E4150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E4130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E4180と、そのカバー部材E4180の内側に配設される駆動手段E4190と、を備える(図1690参照)。
ベース部材E4130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131(図1690参照)と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E4133と、その一対の第1斜面部E4133の対向間に形成される一対の第3斜面部E4139と、その一対の第3斜面部E4139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E4130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図1692参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E4137と、を備える。
第3斜面部E4139が形成されるため、第76実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E4133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3斜面部E4139は、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E4133と取付け部E134との間に配設され、第1斜面部E4133に平行に形成される。
背面板E4137は、第1斜面部E4133と同様、第76実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第2振分通路E4150は、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一であるため、その説明は省略する。第2振分通路E4150に突起部E151が形成されることで、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成される。第2振分通路E4150は、鉛直方向(矢印U-D方向)において振分通路E150(第3通路ERt3)と中央通路E160(第4通路ERt4)との間に配設される。即ち、第2振分通路E4150は、振分通路E150(第3通路ERt3)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)であり、中央通路E160(第4通路ERt4)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。
駆動手段E4190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E4194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E4195及び第3伝達部材E4198と、第2伝達部材E4195に係合される第4伝達部材E4199と、複数(本実施形態では3個)のピニオンギヤE196と、を備える。
なお、本実施形態における複数のピニオンギヤE196は全て同一であるが、理解を容易とするため、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196a、第1伝達部材E4194と第3伝達部材E4198との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196b、第2伝達部材E4195と第4伝達部材E4199との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196cと符号を付して区別する。
第1伝達部材E4194は、第76実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E4194dの上面にピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第76実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、本体部E4195aの上面であって長手方向(矢印L-R方向)一方側(矢印L方向側)にピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、駆動モータE191の駆動力を第2振分通路E4150へ伝達するためのものである。
第3伝達部材E4198には、本体部E4198aと、その本体部E4198aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図1692参照)とが形成される。本体部E4198aの下面には、ピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196bの回動により、第3伝達部材E4198が左右方向へ変位される。
第4伝達部材E4199には、本体部E4199aと、その本体部E4199aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図1692参照)とが形成される。本体部E4199aの下面には、ピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196cの回動により、第4伝達部材E4199が左右方向へ変位される。
図1705に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに離間した位置に配設される。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態において、第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する、即ち、上面視、第2振分通路E4150の全体が振分通路E150と重なる位置に配置される。従って、第2振分通路E4150は、球の通路を非形成とする位置に配置される。
これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球は、第2振分通路E4150を移動(流下、転動)せず、架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球(落下)される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることができる。この結果、振分通路E150(第3通路ERt3)から流下(落下)した球が、架設通路E161に当接し跳ね返ることで、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ流下(落下)させ易くできる。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160(第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ球を送球できる場合がある。これにより、球が架設通路E161を転動して上方孔E162へ向けて流下する場合と比較して、突起部E162aとの当接による第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)することを抑制できる(図1694参照)。
このように、本実施形態では、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、第76実施形態と比較して架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図1689参照)へ入賞し難くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を低くできる)。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161を流下することなく、即ち、球が突起部E162aに当接することなく上方孔E162へ送球されることで、球が上方孔E162を通過し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球が、架設通路E161を流下せず、直接、上方孔E162を通過することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
図1706に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに近づいた位置に配設される。
なお、振分通路E150が第2位置に配置された状態において第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向上昇側の端部よりも上方孔E162側に位置する。即ち、上面視、第2振分通路E4150の一部は視認可能な位置に配設される。これにより、振分通路E150を流下した球を第2振分通路E4150に案内できる。その結果、第2振分通路E4150を流下した球を、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ送球し易くできる。
ここで、第2振分通路E4150は、振分通路E150よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設されるため、球が第2振分通路E4150から架設通路E161へ流下(落下)された場合、振分通路E150から架設通路E161へ流下(落下)された場合と比較して、架設通路E161に当接することによる球の跳ね返り量を小さくできる。これにより、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)を抑制できる。
これらのように、振分通路E150から第2振分通路E4150へ案内されることで、架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図1689参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。よって、第2振分通路E4150に球が案内される(振分通路E150が第2位置に配置された状態において振分通路E150から球が送球される)ことを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分通路E150が第2位置に配置された状態においては、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成されるため、第76実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、第2振分通路E4150に形成される突起部E151の上面に当接させることができる。従って、湾曲部E131から振分通路E150への流下(落下)に加え、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、突起部E151の上面を移動(流下、転動)させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。詳しく説明すると、平面状に形成される突起部E151の上面を移動(流下、転動)することで、球が第3通路ERt3を移動(流下、転動)することを抑制できるため、第3通路ERt3を移動(流下、転動)する態様と第3通路ERt3を移動(流下、転動)しない態様との両方を形成し易くできる。
次いで、駆動手段E4190による振分通路E150及び第2振分通路E4150の往復動作について説明する。
第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195と振分通路E150、及び、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199と第2振分通路E4150とは、係合部E194cが被係合部E153の係合凹部E153aに挿入されることでそれぞれ係合される(図1699参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から壁板E132側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から壁板E132側に変位することで、第1伝達部材E4194は中央通路E160側から壁板E132側に変位する。これにより、第1伝達部材E4194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E4194の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第1ラック部E4194dの下面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196aは、背面視時計回りに回動され、第1ラック部E4194dの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196bは、背面視反時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196aと歯合する第2伝達部材E4195(第2ラック部E195b)は、中央通路E160側から壁板E132側に変位し、第2伝達部材E4195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。また、ピニオンギヤE196bと歯合する第3伝達部材E4198(本体部E4198a)は、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第3伝達部材E4198に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
また、第2伝達部材E4195の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第2伝達部材E4195の本体部E4195aの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196cは、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196cと歯合する第4伝達部材E4199の本体部E4199aは、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第4伝達部材E4199に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の中央通路E160側から壁板E132側への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
ここで、振分通路E150、第2振分通路E4150、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位方向およびピニオンギヤE196a,E196b,E196cの回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E4194の変位により第2伝達部材E4195から第4伝達部材E4199を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位を連動させることができる。これにより、一対の振分通路E150と一対の第2振分通路E4150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図1707から図1710を参照して、第80実施形態における下側フレームE5086bについて説明する。
上記第76実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第80実施形態では、振分通路E150に加え、一対の振分通路E150の対向間に第3振分通路E5150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1707(a)及び図1709(a)は、第80実施形態における下側フレームE5086bの正面図であり、図1707(b)及び図1709(b)は、下側フレームE5086bの背面図である。図1708及び図1710は、下側フレームE5086bの上面図である。なお、図1707から図1710は模式的に図示され、図1707(a)及び図1709(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略され、図1708(a)及び図1710(a)では、誘導部材E120の図示が省略される。また、理解を容易とするため、図1707(b)及び図1709(b)では、振分通路E150、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが表示される。また、図1708(b)及び図1710(b)では、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが図示されると共に、第3振分通路E5150は、その外形のみが図示される。また、図1707及び図1708では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図1709及び図1710では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図1707から図1710に示すように、下側フレームE5086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120(図1690参照)と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E5130と、正面部材E110及びベース部材E5130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E5130に配設される振分通路E150、第3振分通路E5150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E5130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E5180と、そのカバー部材E5180の内側に配設される駆動手段E5190と、を備える。
ベース部材E5130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E5133と、その一対の第1斜面部E5133の対向間に形成される一対の第3取付け部E5139と、その一対の第3取付け部E5139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E5130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図1692参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E5137と、を備える。
第3取付け部E5139が形成されるため、第76実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E5133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3取付け部E5139は、第3振分通路E5150を変位可能に係合するためのものであり、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E5133と取付け部E134との間に配設され、その上面は水平に形成される。
長手方向他側(矢印R方向側)における第3取付け部E5139の上面には、後述する第3振分通路E5150の被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される第3ガイド部E5139aが形成される。
第3ガイド部E5139aは、上面視縦長略矩形の板状体と、その板状体の延設方向(矢印F-B方向)両端から第3取付け部E5139へ向けて突設される一対の板状体とから形成され、側面視コ字状に形成される。この第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される。
背面板E5137は、第1斜面部E5133と同様、第76実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第3振分通路E5150は、その上面を球が流下するためのものであり、上面視横長略矩形の板状体から形成され、その上面に形成される突起部E151と、長手方向他側(矢印R方向側)に形成される被ガイド部E5152と、長手方向一側(矢印L方向側)に形成される被係合部E5153とを備える。
第3振分通路E5150に突起部E151が形成されるため、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成される。また、第3振分通路E5150の上面への突起部E151の配設の態様は、振分通路E150の配設の態様と同様とされる。
被ガイド部E5152は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、上述したように、被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に挿通されることで、第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)へ変位できる。
被係合部E5153は、駆動モータE191の駆動力を第3振分通路E5150へ伝達するためのものであり、第3振分通路E5150の長手方向一側(矢印L方向側)の端面から下方(矢印D方向)に突設される。被係合部E5153の下端であって長手方向他側(矢印R方向側)における側面にはラックギヤE194d1が刻設される。
第3振分通路E5150の長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、第2位置に配設された一対の振分通路E150の対向間よりも大きく形成される。従って、振分通路E150から流下(落下)した球が、第3振分通路E5150の長手方向両端に配設される被ガイド部E5152又は被係合部E5153に当接することを抑制できる。これにより、被ガイド部E5152又は被係合部E5153が破損することを抑制できる。
被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aに挿通され、被係合部E5153に刻設されるラックギヤE194d1と後述する第2ピニオンギヤE5196とが歯合した状態で第3振分通路E5150は第3取付け部E5139(ベース部材E5130)に配設される。
駆動手段E5190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E5194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E5195と、ピニオンギヤE196と、第2ピニオンギヤE5196と、を備える。
第1伝達部材E5194は、第76実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に第2ピニオンギヤE5196と歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第76実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成される。
第2ピニオンギヤE5196は、その軸方向が鉛直方向(矢印U-D方向)に沿う姿勢で配設され、ピニオンギヤE196に対し、軸方向における寸法(厚さ)が大きく形成される点で相違し、その他の構成は同一である。なお、第2ピニオンギヤE5196の軸方向における寸法(厚さ)は、第1伝達部材E5194の第1ラック部E5194dの鉛直方向における寸法と第3振分通路E5150の被係合部E5153の下端に形成されるラックギヤE194d1の鉛直方向における寸法との合計よりも大きく形成される。これにより、第2ピニオンギヤE5196は、鉛直方向に位置を違えて第1ラック部E5194dと被係合部E5153とに歯合可能に形成される。
図1707及び図1708に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160と背面板E5137との間に配設される(以下「第3位置」と称す)。これにより、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内されることで、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160と背面板E5137との間に流下(落下)される球が第5通路ERt5に送球されることを抑制できる。その結果、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が中央通路E160(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。また、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成されるため、第76実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、前後方向において第3振分通路E5150と背面板E5137との対向間距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、第3振分通路E5150と背面板E5137とで球が挟持されることを抑制でき、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)上を球が流下できる。
図1709及び図1710に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第3振分通路E5150は、少なくともその一部が上面視、中央通路E160に重なる位置、即ち、中央通路E160の上方(矢印U方向)に配設される(以下「第4位置」と称す)。これにより、振分通路E150から第3振分通路E5150に案内することで、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを抑制できる。なお、第3振分通路E5150に案内された球は、第3振分通路E5150の前端もしくは後端を横切って第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球される。
また、第3振分通路E5150は、前後方向における背面板E5137との対向間距離が球の直径よりも大きく形成される位置に配設される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から第3振分通路E5150と背面板E5137との間に流下される球を、第3振分通路E5150に当接することなく、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
このように、本実施形態においては、第76実施形態と比較して、振分通路E150が第1位置に配設され、第3振分通路E5150が第3位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。一方、振分通路E150が第2位置に配設され、第3振分通路E5150が第4位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。即ち、第3振分通路E5150(振分通路E150)の配設位置により、中央通路E160(第4通路ERt4)への送球の難易度を変化でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、第3振分通路E5150は、一対の振分通路E150の対向間に配設されるため、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)を流下した球を中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内できる場合がある。即ち、第3通路ERt3を流下する球を、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)に加え、中央通路E135b(第7通路ERt7)にも送球できることで、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、駆動手段E5190による振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動作について説明する。
振分通路E150と第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることでそれぞれ係合される(図1699参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から湾曲部E131側に変位することで、第1伝達部材E5194は中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E5194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2伝達部材E5195の第2ラック部E195bは、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E5195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に形成されるラックギヤE194d1と歯合する第2ピニオンギヤE5196は、上面視反時計回りに回動される。
これにより、第2ピニオンギヤE5196と歯合する第3振分通路E5150の被係合部E5153は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ変位し、これにより、第3振分通路E5150は、第3位置から第4位置へ変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第4位置から第3位置への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
なお、振分通路E150、第3振分通路E5150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195の変位方向、ピニオンギヤE196及び第2ピニオンギヤE5196の回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E5194の変位により第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E5194、第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150の変位を連動させることがでる。これにより、一対の振分通路E150と第3振分通路E5150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、第2ピニオンギヤE5196には、鉛直方向に位置を違えて被係合部E5153と第1ラック部E5194dとが歯合される(本実施形態においては、鉛直方向上方(矢印U方向)に被係合部E5153が歯合され、鉛直方向下方(矢印D方向)に第1ラック部E5194dが歯合される)。これにより、第1伝達部材E5194と第3振分通路E5150との変位の方向を直交できる、即ち、第1伝達部材E5194がベース部材E5130の長手方向(矢印L-R方向)に変位すると共に、第3振分通路E5150をベース部材E5130の短手方向(矢印F-B方向)に変位できる。これにより、ピニオンギヤの配設個数を抑制でき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図1711(a)を参照して、第81実施形態における下側フレームE6086bについて説明する。
上記第76実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第81実施形態では、第1斜面部E6133に対する振分通路E6150の配設角度が変化(変更)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1711(a)は、第81実施形態における下側フレームE6086bの部分拡大断面図である。なお、図1711(a)は、図1700(c)のMDCXLa-MDCXLa線における断面に対応する。また、下側フレームE6086bは、遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1689左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第81実施形態における下側フレームE6086bは、第76実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E6130及び振分通路E6150についてのみ説明する。
図1711(a)に示すように、ベース部材E6130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E6133と、その一対の第1斜面部E6133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E6130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E6137と、を備える(図1692参照)。
第1斜面部E6133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E6133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E6133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図1699(b)、図1700(b)参照)と、溝部E133cと、突出部E6133dとが形成される。
突出部E6133dは、長手方向(矢印L-R方向)におけるベース部材E6130の湾曲部E131側において第1斜面部E6133の上面から突出して形成される。
第1斜面部E6133には、振分通路E6150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E6201と、カバーE6202とが配設される。
円柱体E6201は、第76実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
カバーE6202は、円柱体E6201の外形が大きく形成された分、円柱体E6201に対応する位置に円柱体E6201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
長手方向(矢印L-R方向)における中央通路E160側に配設される一対の円柱体E6201は、第1斜面部E6133に配設されるのに対し、長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E131側に配設される一対の円柱体E6201は、突出部E6133dに配設される。これにより、第1斜面部E6133の傾斜角度に対し振分通路E6150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E6133に対し振分通路E6150の変位(往復動)を非平行とできる。
背面板E6137は、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第76実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E6150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E6150の下面から立設される一対の被ガイド部E6152と、その一対の被ガイド部E6152の間に立設される被係合部E6153と、を備える。
上述したように、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が、上方(矢印U方向)に配設されるため、第76実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E6152及び被係合部E6153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E6153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E6153aも被係合部E6153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E6152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E6150のベース部材E6130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図1711(b)及び図1711(c)を参照して、第82実施形態および第83実施形態における下側フレームE7086b,E8086bについて説明する。
上記第76実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第82実施形態および第83実施形態では、振分通路E7150,E8150の変位に伴い、振分通路E7150,E8150の配設角度が変化(変更)する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1711(b)は、第82実施形態における下側フレームE7086bの部分拡大断面図であり、図1711(c)は、第83実施形態における下側フレームE8086bの部分拡大断面図である。なお、図1711(b)及び図1711(c)は、図1700のMDCXLa-MDCXLa線における断面に対応する。また、下側フレームE7086b,E8086bは、遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1689左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第82実施形態および第83実施形態における下側フレームE7086b,E8086bは、第76実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E7130,E8130及び振分通路E7150,E8150についてのみ説明する。
図1711(b)に示すように、第82実施形態におけるベース部材E7130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E7133と、その一対の第1斜面部E7133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E7130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E7137と、を備える(図1692参照)。
第1斜面部E7133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E7133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E7133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図1699(b)、図1700(b)参照)と、溝部E133cとが形成される。
第1斜面部E7133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201a及び複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201bと、カバーE7202とが配設される。
円柱体E7201aは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の中央通路E160側に配設される。なお、円柱体E7201aは、第76実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
円柱体E7201bは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の湾曲部E131側に配設される。なお、円柱体E7201bの外形は、円柱体E7201aの外形よりも大きく形成される。これにより、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。また、第1斜面部E7133の傾斜角度に対し振分通路E7150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E7133に対し振分通路E7150の変位(往復動)を非平行とできる。
カバーE7202は、円柱体E7201a,7201bの外形が大きく形成された分、円柱体E7201a,7201bに対応する位置に円柱体E7201a,7201bの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
背面板E7137は、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第76実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E7150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E7150の下面から立設される一対の被ガイド部E7152と、その一対の被ガイド部E7152の間に立設される被係合部E7153と、湾曲部E131側における振分通路E7150の下面に形成される斜面部E7154と、を備える。
上述したように、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第76実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E7152及び被係合部E7153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E7153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E7153aも被係合部E7153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E7152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E7150のベース部材E7130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E7153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
斜面部E7154は、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて下降傾斜して形成され、その斜面部E7154に円柱体7201bが当接する。従って、振分通路E7150は、第1位置から第2位置へ向かうにつれてその傾斜角度を大きくされる。即ち、振分通路E7150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
図1711(c)に示すように、第83実施形態におけるベース部材E8130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E8133と、その一対の第1斜面部E8133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E8130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E8137と、を備える(図1692参照)。
第1斜面部E8133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E8133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E8133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図1699(b)、図1700(b)参照)と、溝部E133cと、湾曲ガイド部E8133dとが形成される。
第1斜面部E8133には、振分通路E8150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体7201aと、カバーE8202とが配設される。
カバーE8202は、円柱体E7201aの外形が大きく形成された分、円柱体E7201aに対応する位置に円柱体E7201aの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
湾曲ガイド部E8133dは、振分通路E8150の傾斜角度を変化(変更)させるための部位であり、第1斜面部E8133の湾曲部E131側において湾曲ガイド部E8133dの上面から突出して形成され、その上面は下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。
湾曲ガイド部E8133dの円弧状の湾曲面には、振分通路E8150の湾曲部E131側の端部が当接され、円柱体E7201aと共に振分通路E8150を支持(保持)する。振分通路E8150が第1位置から第2位置へ向かうにつれて変位することにより、湾曲部E131側の端部は、湾曲ガイド部E8133dの湾曲面に沿って上方側(矢印U方向側)に変位する。これにより、振分通路E8150の傾斜角度を大きくできる。即ち、振分通路E8150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
背面板E8137は、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第76実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E8150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E8150の下面から立設される一対の被ガイド部E8152と、その一対の被ガイド部E8152の間に立設される被係合部E8153と、を備える。
上述したように、第76実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第76実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E8152及び被係合部E8153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E8153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E8153aも被係合部E8153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E8152が第1斜面部E8133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E8150のベース部材E8130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E8153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図1712を参照して、第84実施形態および第85実施形態における下側フレームE9086b,E10086bについて説明する。
上記第76実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第84実施形態および第85実施形態では、振分通路E150がベース部材E9130,E10130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に変位(往復動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1712(a)は、第84実施形態における下側フレームE9086bの部分上面図であり、図1712(b)は、第85実施形態における下側フレームE10086bの部分上面図である。なお、図1712では理解を容易とするため、振分通路E150の図示が省略される。また、下側フレームE9086b,E10086bは、遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1689左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第84実施形態および第85実施形態における下側フレームE9086b,E10086bは、第76実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E9130,E10130についてのみ説明する。
図1712(a)に示すように、第84実施形態におけるベース部材E9130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E9133と、その一対の第1斜面部E9133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E9130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図1692参照)。
第1斜面部E9133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E9133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E9133には、挿通孔E9133aと、規制部E133b(図1699(b)、図1700(b)参照)と、溝部E9133cとが形成される。
第1斜面部E9133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE9202とが配設される。
円柱体E201は、溝部E9133cに沿って(平行に)配設され、カバーE9202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E9133aに対応する位置に挿通孔E9133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
溝部E9133cは、挿通孔E9133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。
挿通孔E9133a及び一対の溝部E9133cは、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に延設される。詳細には、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて前方(矢印F方向)に傾斜して延設される。従って、振分通路E150(図1694参照)は、溝部E9133cの延設方向に沿って(平行に)変位される。
即ち、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合、振分通路E150は中央通路E160側から湾曲部E131側へ変位すると共に、後方側(矢印B方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の前方側(矢印F方向側)に振分通路E150の突起部E151(図1694参照)を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を後方側(矢印B方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し難くできる。
一方、振分通路E150が第2位置から第1位置へ変位する場合、振分通路E150は湾曲部E131側から中央通路E160へ変位すると共に、前方側(矢印F方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の後方側(矢印B方向側)に振分通路E150の突起部E151を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を前方側(矢印F方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し易くできる。
なお、係合凹部E153a(図1699(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
このように、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合と第2位置から第1位置へ変位する場合とで、球の移動(流下、転動)し易い方向を変化(変更)できるため、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
図1712(b)に示すように、第85実施形態におけるベース部材E10130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E10133と、その一対の第1斜面部E10133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E10130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図1692参照)。
第1斜面部E10133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E10133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E10133には、挿通孔E10133aと、規制部E133b(図1699(b)、図1700(b)参照)と、溝部E10133cとが形成される。
第1斜面部E10133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE10202とが配設される。
カバーE10202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E10133aに対応する位置に挿通孔E10133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
挿通孔E10133aは、第76実施形態における挿通孔E133aに対し前後方向の幅(開口部)が大きく形成される。これにより、振分通路E150(図1694参照)が長手方向(矢印L-R方向)に変位(往復動)すると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても、挿通孔E10133aと被係合部E153(図1699(a)参照)とが当接することを抑制できる。
溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される。また、溝部E10133cは、挿通孔E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。これにより、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する場合において、振分通路E150を長手方向(矢印L-R方向)に変位させると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。その結果、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する過程において振分通路E150を前方側(矢印F方向側)へ変位させる態様と後方側(矢印B方向側))へ変位させる態様と作り出すことができ、球の移動(流下、転動)し易い方向の変化(変更)の回数を多くできる。
なお、係合凹部E153a(図1699(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
次いで、図1713(a)及び図1702を参照して、第86実施形態における振分通路E11150について説明する。
上記第77実施形態では、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150が回動される場合を説明したが、第86実施形態では、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150が回動される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1713(a)は、第86実施形態における振分通路E11150の正面斜視図である。振分通路E11150は、第77実施形態における振分通路E2150の支持部E2150bの配設個数および配設位置が異なる以外は振分通路E2150と同一に形成されるため、振分通路E11150の支持部E11150b以外の説明は省略する。
図1713(a)に示すように、振分通路E11150の支持部E11150bは、振分通路E11150の中央通路E160側における下面から中央通路E160側に向けて突出して形成される。支持部E11150bは、振分通路E11150の前後方向(矢印F-B方向)における略中央に配設される。
支持部E11150bには、支持部E2150bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が支持部E11150bの上面に垂直な方向に穿設される。
これにより、第86実施形態における下側フレームE11086bでは、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150を回動できる。詳細には、支持部E11150bに穿設された挿通孔の軸心を回動軸として振分通路E11150の湾曲部E131側を前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。これにより、振分通路E11150の転動面E2151を移動(流下、転動)する球に前後方向への速度成分を付与でき、球の移動(流下、転動)を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図1713(b)から図1713(e)を参照して、第87実施形態から第90実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150について説明する。なお、第87実施形態から第90実施形態においては適宜、図1690を参照して説明する。
上記第76実施形態では、突起部E151が振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される場合を説明したが、第87実施形態から第90実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、その形状が様々な態様に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1713(b)は、第87実施形態における振分通路E12150の振分通路E12150に垂直な方向視の図であり、図1713(c)は、第88実施形態における振分通路E13150の振分通路E13150に垂直な方向視の図であり、図1713(d)は、第89実施形態における振分通路E12150の部分拡大断面図であり、図1713(e)は、第90実施形態における振分通路E13150の部分拡大断面図である。なお、図1713(d)及び図1713(e)は、図1700のMDCXLa-MDCXLa線における断面に対応する。また、突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の上面に規則的に配設されるため、その一部のみを図示する。
図1713(b)に示すように、第87実施形態における振分通路E12150の突起部E12151は、振分通路E12150の上面から球状に突出して形成される。これにより、振分通路E12150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E12151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができ、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
なお、突起部E12151どうしの対向間距離は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、球は、振分通路E12150に留まることを抑制でき、振分通路E12150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向けて振分通路E12150の傾斜方向に沿って(平行に)移動(流下、転動)できる。その結果、球が振分通路E12150に留まることを抑制するために、振分通路E12150を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制でき、駆動手段E190を簡素化できる。
図1713(c)に示すように、第88実施形態における振分通路E13150の突起部E13151は、振分通路E13150の上面から突出され、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成される。また、突起部E13151は、第76実施形態における突起部E151と同様、四角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E13150に平行な平面での断面積が、振分通路E13150の上面から離れるに従い小さく形成される。
これにより、第76実施形態における突起部E151に対し傾斜方向に沿って(平行に)形成される直線部を省略できるため、振分通路E13150の上面において傾斜方向への球の移動(流下、転動)を少なくできる。言い換えると、振分通路E13150の上面において傾斜方向に垂直な方向への球の移動(流下、転動)を多くできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかに案内されるまでに球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)回数を増やすことができ、遊技の興趣を向上できる。
図1713(d)に示すように、第89実施形態における振分通路E14150の突起部E14151は、振分通路E14150の上面から円錐状に突出して形成される。これにより、振分通路E14150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E14151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができると共に、突起部E14151を乗り越えて球が移動(流下、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできると共に、突起部E14151による球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
図1713(e)に示すように、第90実施形態における振分通路E15150の突起部E15151は、その側面が、突起部E15151の中心に向けて凹設される。これにより、振分通路E15150の上面を移動(流下、転動)する球が、突起部E15151を乗り越え易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図1714(a)を参照して、第91実施形態における下側フレームE16086bについて説明する。
上記第79実施形態では、第2振分通路E4150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第91実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1714(a)は、第91実施形態における下側フレームE16086bの部分拡大上面図である。なお、図1714(a)は、振分通路E150が第2位置に配置された状態が図示される。
第91実施形態おける下側フレームE16086bは、第79実施形態おける下側フレームE4086bに対し、第2振分通路E4150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第2振分通路E16150についてのみ説明する。
図1714(a)に示すように、第2振分通路E16150は、正面視において振分通路E150に対し平行に配設される、即ち、第2振分通路E16150は、壁板E132から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される(図1706(a)参照)。第2振分通路E16150は、第2振分通路E16150に垂直な方向視において略矩形の板状体に形成され、前後方向(矢印F-B方向)の長さは、振分通路E150の中央通路E160側における前後方向の長さと略同一に形成される。これにより、振分通路E150が第2位置に配置された状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第2振分通路E16150に送球(案内)できる。言い換えると、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。
第2振分通路E16150の外縁には、案内部E16154が立設され、案内部E16154には案内切欠き部E16154aが中央通路E160側に切欠き形成される。案内切欠き部E16154aは球の直径よりもやや大きく形成され、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160(架設通路E161)に対応する位置に形成される。これにより、第2振分通路E16150の案内切欠き部E16154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E16154により、第2振分通路E16150に送球(案内)された球が案内切欠き部E16154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第2振分通路E16150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150が第2位置に配置される、即ち、振分通路E150から第2振分通路E16150に送球(案内)可能な状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図1689参照)。
一方、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過すること期待させることができる。
また、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、振分通路E150の端部から流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に振分通路E150が第2位置に配置された状態において球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1714(b)を参照して、第92実施形態における下側フレームE17086bについて説明する。
上記第80実施形態では、第3振分通路E5150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第92実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1714(b)は、第92実施形態における下側フレームE17086bの部分拡大上面図である。なお、図1714(b)は、振分通路E150が第1位置に配置された状態が図示される。
第92実施形態おける下側フレームE17086bは、第80実施形態おける下側フレームE5086bに対し、第3振分通路E5150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第3振分通路E17150についてのみ説明する。
図1714(b)に示すように、第3振分通路E17150は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。また、第3振分通路E17150は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して配設される。
第3振分通路E17150の外縁には、案内部E17154が立設され、案内部E17154には案内切欠き部E17154aが介設部材E140側(矢印F方向側)に切欠き形成される。案内切欠き部E17154aは球の直径よりもやや大きく形成され、左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E160の上方孔E162に対応する位置に形成される。これにより、案内切欠き部E17154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を上方孔E162(第4通路ERt4)、もしくは、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E17154により、第3振分通路E17150に送球(案内)された球が案内切欠き部E17154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に上方孔E162(第4通路ERt4)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第3振分通路E17150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過し、且つ、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)された球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図1689参照)。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から上方孔E162(第4通路ERt4)に送球(案内)でき、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から中央通路E135b(第7通路ERt7)に送球(案内)できる。即ち、振分通路E150が第1位置および第2位置のどちらに配置された状態においても、球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
一方、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過したものの、中央通路E160(第4通路ERt4)および第3振分通路E17150に送球(案内)されなかった球、即ち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球(案内)された球は、第1入賞口64へ入賞し難く(第1入賞口64へ入賞する確率を低く)される。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することに加え、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)されることを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1715から図1732を参照して、第93実施形態におけるセンターフレームF86について説明する。
図1715は、第93実施形態における遊技盤F13の正面図である。図1715に示すように、センターフレームF86は、ベース板60の窓部60a(図1436参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームF86aと下側フレームF86bとを備える。
上側フレームF86aは、ベース板60の窓部60a(図1436参照)における上側(図1715上側)及び左右(図1715左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームF86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図1715下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームF86a及び下側フレームF86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81(図1573参照)が視認可能とされる。
なお、上側フレームF86aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図1715下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームF86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる(図1573参照)。
次いで、図1715に加え、図1716から図1717を参照して下側フレームF86bについて説明する。図1716は、下側フレームF86bの正面斜視図であり、図1717は、下側フレームF86bの背面斜視図である。なお、図1716から図1717では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームF86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。また、図1716から図1732についても同様である。
図1715から図1717に示すように、下側フレームF86bには、球が移動(流下、転動)可能に形成される第1通路FRt1と、その第1通路FRt1を案内された球が移動(流下、転動)される第2通路FRt2及び一対の第3通路FRt3と、第2通路FRt2若しくは一対の第3通路FRt3の一端側を案内された球が移動(流下、転動)される第4通路FRt4と、一対の第3通路FRt3の他端側もしくは第4通路FRt4を案内された球が移動(流下、転動)される第5通路FRt5と、第5通路FRt5を案内された球が流下される第6通路FRt6と、第1入賞口64を案内された球が移動(流下、転動)される第7通路FRt7と、第5通路FRt5を案内された球が第6通路FRt6へ案内(流入、送球)される開口として形成される流入口FOPf1(図1718参照)と、第6通路FRt6を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout1と、第7通路FRt7を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout2とが形成される。
なお、一対の第3通路FRt3は、遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1715左右対称)に配設される。
上側フレームF86aには、上側フレーム通路FRt0が配設される(図1715参照)。上側フレーム通路FRt0は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路FRt0の下流端に第1通路FRt1の上流端が連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路FRt0に流入(入球)した球は、第1通路FRt1の上流端を介して、上側フレーム通路FRt0から下側フレームF86bの第1通路FRt1へ流入(入球)される。なお、遊技領域から上側フレーム通路FRt0に流入(入球)した球は、上側フレーム通路FRt0から下側フレームF86bの第1通路FRt1若しくは第5通路FRt5へ流入(入球)されても良い。
ここで、第6通路FRt6の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout1は、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路FRt5の流入口FOPf1(図1718参照)を通過して第5通路FRt5から第6通路FRt6へ振り分けられた(案内された)球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
なお、第5通路FRt5には、第1入賞口64に対して遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F112bが形成(配置)される。そのため、第5通路FRt5の流出面F112bへ案内(送球、流下)される球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf1を通過して第5通路FRt5から第6通路FRt6へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
また、第5通路FRt5には、起伏F112aが形成され、起伏F112aの底部に流出面F112bが形成される。また、起伏F112aの頂部は、流入口FOPf1(図1718参照)へ向けて下降傾斜される。従って、第5通路FRt5のうち、起伏F112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられ、第5通路FRt5の延設方向(図1715左右方向)に沿って移動(流下、転動)される球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)されるよりも流出面F112bから遊技領域へ流出され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
一方、起伏F112aの頂部の上方から起伏F112aの頂部へ振り分けられた球は、流入口FOPf1(図1718参照)へ向けての下降傾斜に沿って第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
第1通路FRt1には、その第1通路FRt1を案内される球を第2通路FRt2、第3通路FRt3へ案内するために正面側(図1715紙面手前側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第1流出面F114a、第2流出面F114bがそれぞれ形成(配置)される。第2流出面F114bは、第1流出面F114aに対して遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。
なお、第1通路FRt1には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面F114bが形成され、起伏の頂部に第1流出面F114aが形成される。従って、第1通路FRt1へ振り分けられた球は、第1流出面F114aから第2通路FRt2へ送球されるよりも第2流出面F114bから第3通路FRt3へ流出され易い。
第2通路FRt2には、その第2通路FRt2を案内される球を第4通路FRt4へ案内するために第2通路貫通孔F171b(図1722参照)が形成(配置)される。第2通路貫通孔F171bは、上面視において、第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aに重なる位置に配置される。これにより、第2通路FRt2へ振り分けられた球は、第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aを通過し易い。
第4通路FRt4には、その第4通路FRt4を案内される球を第5通路FRt5へ案内するために第1振り分け孔F161a及び複数(本実施形態においては2箇所)の第2振り分け孔F161bがそれぞれ形成(配置)される。
第1振り分け孔F161aは、第5通路FRt5の起伏F112aの頂部の上方に形成(配置)され、複数の第2振り分け孔F161bは、遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)において、第5通路FRt5の起伏F112aの頂部と底部(流出面F112b)との間にそれぞれ配置される。
従って、第1振り分け孔F161aを通過した球は、第5通路FRt5において、流入口FOPf1(図1718参照)へ向けての起伏F112aの下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易く(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させやすく)できる。従って、第2通路FRt2に振り分けられた球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い。
一方、複数の第2振り分け孔F161bを通過した球は、第5通路FRt5において、その第5通路FRt5の延設方向(図1715左右方向)に沿って起伏F112aの頂部から底部(流出面F112b)へ向けて移動(流下、転動)し、流出面F112bから遊技領域へ流出され易い(本実施形態では、第1入賞口64に球を入賞させ難い)。
第3通路FRt3には、その第3通路FRt3を案内される球を第4通路FRt4或いは第5通路FRt5へ振り分ける(案内する)ために第3通路流出面F131a、第3通路貫通孔F131dがそれぞれ形成(配置)される。
第3通路流出面F131aは、第3通路FRt3の延設方向において第4通路FRt4側に形成され、第3通路貫通孔F131dは、第4通路FRt4(第3通路流出面F131a)とは反対側に形成される。また、第3通路貫通孔F131dは、第5通路FRt5の起伏F112aの頂部および底部に対して遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)に位置を異ならせて形成される。従って、第3通路貫通孔F131dを通過して第5通路FRt5へ振り分けられた球は、第5通路FRt5の延設方向(図1715左右方向)に沿って移動(流下、転動)する。
また、第3通路FRt3には起伏が形成され、起伏の頂部は、第1通路FRt1の第2流出面F114bの鉛直方向(図1715上下方向)における位置が最も低い位置よりも第4通路FRt4側に配置される。従って、第3通路FRt3へ振り分けられた(案内された)球は、第3通路流出面F131aから第4通路FRt4へ振り分けられる(案内される)よりも第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5へ振り分けられ(案内され)易い。
第7通路FRt7には、球の重さにより変位(回転)する可動通路F193が配設される(図1729参照)。可動通路F193の変位(回転)に連動して演出手段F120が動作することで、球が第7通路FRt7に案内された(球が第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くできる。
下側フレームF86bには、球の重さにより変位(回転)する変位部材F130及びその変位部材F130の動作に連動する確定通路F140が配設される。なお、確定通路F140の一対の遮断部F143aは、正面視において、流入口FOPf1の縁よりも内側に配置され(図1726参照)、第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf1を通過し難い(第6通路FRt6へ振り分けられ難い)。言い換えると、一対の遮断部F143aは、第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球が流入口FOPf1を通過することを妨げ易い位置に配設される。
なお、変位部材F130は、第3通路FRt3に案内された球が第3通路貫通孔F131dへ向けて移動(流下、転動)することで動作する。確定通路F140は、変位部材F130の動作に連動することで変位し、動作後においては、正面視、一対の遮断部F143aは、流入口FOPf1の縁よりも外側へ変位される(図1727参照)。
なお、本実施形態では、確定通路F140の遮断部F143aが流入口FOPf1の縁よりも内側に配置されることを確定通路F140が流入口FOPf1を閉塞させる、遮断部F143aが流入口FOPf1の縁よりも外側へ変位されることを確定通路F140が流入口FOPf1を開放させる、とそれぞれ定義する。
従って、第3通路FRt3に振り分けられた球が第3通路貫通孔F131dへ向けて移動(流下、転動)することで確定通路F140が流入口FOPf1を開放させた状態では(図1727参照)、一対の遮断部F143aの対向間の距離が大きくされる方向へ一対の遮断部F143aが変位される。これにより、第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf1を通過して第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
なお、確定通路F140が流入口FOPf1を閉塞させた状態では(図1726参照)、第3通路FRt3の第3通路流出面F131aから第4通路FRt4へ案内(送球、流下)された球が第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aを通過する確率は、第3通路FRt3の第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5へ案内(送球、流下)された球が第5通路FRt5の流入口FOPf1を通過する確率よりも高く設定される。従って、第3通路FRt3へ振り分けられた球は、第3通路貫通孔F131dよりも第3通路流出面F131aへ向けて移動(流下、転動)する方が流入口FOPf1を通過して第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
このように、本実施形態における下側フレームF86bは、第1通路FRt1をその延設方向に沿って移動(流下、転動)する球が第2通路FRt2に振り分けられる(案内される)ことで、第1入賞口64に入賞し易く(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させ易く)できる。
また、確定通路F140が流入口FOPf1を閉塞させた状態において(図1726参照)、第1通路FRt1をその延設方向に沿って移動(流下、転動)する球が第3通路FRt3に振り分けられ(案内され)、次いで、第3通路流出面F131aから第4通路FRt4に振り分けられる(案内される)ことで、第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5に振り分けられる(案内される)場合よりも第1入賞口64に入賞し易くできる。
また、第3通路貫通孔F131dから第5通路FRt5に振り分けられ(案内され)、第5通路FRt5の延設方向に沿って球が移動(流下、転動)している状態において、その第5通路FRt5を移動(流下、転動)する球の後続となる球が第3通路FRt3を第3通路貫通孔F131dへ向けて移動(流下、転動)する(変位部材F130を動作させ、確定通路F140が流入口FOPf1を開放させる)ことで、第5通路FRt5を移動する(第3通路FRt3を第3通路貫通孔F131dへ向けて移動する球の先行となる)球を第6通路FRt6へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64に入賞し易くできる)。
よって、第4通路FRt4の第1振り分け孔F161aを非通過の球(第1入賞口64へ入賞する確率が低い球)であっても、変位部材F130を変位(回転)させる(確定通路F140が流入口FOPf1を開放させる)ことで球を第6通路FRt6へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率が高められる)。これにより、第5通路FRt5の延設方向に沿って球が移動(流下、転動)している状態において、変位部材F130を移動(流下、転動)する球の有無を遊技者に意識させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1716から図1717に加え、図1718から図1725を参照して、下側フレームF86bの詳細構成について説明する。
図1718は、下側フレームF86bの分解正面斜視図であり、図1719は、下側フレームF86bの分解背面斜視図である。図1720(a)は、確定通路F140の分解正面斜視図であり、図1720(b)は、駆動手段F180の分解正面斜視図であり、図1721(a)は、確定通路F140の分解背面斜視図であり、図1721(b)は、駆動手段F180の分解背面斜視図である。図1722は、下側フレームF86bの上面図であり、図1723は、下側フレームF86bの正面図であり、図1724は、下側フレームF86bの背面図である。図1725(a)は、図1723の矢印MDCLXIVa方向視における下側フレームF86bの側面図であり、図1725(b)は、図1723の矢印MDCLXIVb方向視における下側フレームF86bの側面図であり、図1725(c)は、図1723のMDCLXIVc-MDCLXIVc線における下側フレームF86bの断面図である。
図1716から図1725に示すように、下側フレームF86bは、通路部材F110と、その通路部材F110の正面板F111の背面側(矢印B方向側)に配設される演出手段F120と、その演出手段F120に変位(回転)可能に係合(支持)され、通路部材F110の立て壁部F113の正面側(矢印F方向側)に配設される一対の変位部材F130と、演出手段F120の背面側に配設される確定通路F140と、その確定通路F140の背面側に配設される背面部材F150と、その背面部材F150に固定され、通路部材F110の立て壁部F113の正面側に配設される振分通路F160と、その振分通路F160に固定され、通路部材F110の立て壁部F113の正面側に配設される第2通路部材F170と、背面部材F150の背面側に配設される駆動手段F180と、を備える。
通路部材F110及び演出手段F120には流出口FOPout1及び下方孔F121aがそれぞれ形成され、それら流出口FOPout1及び下方孔F121aに確定通路F140の通路部F141bが挿通される。また、通路部材F110及び演出手段F120には第1切欠き部F113b及び上方孔F121bがそれぞれ形成され、第1切欠き部F113b及び上方孔F121bに振分通路F160の固定部F162が挿通される。
変位部材F130は、演出手段F120に変位(回転)可能に係合(支持)される。変位部材F130には、確定通路F140の連結部材F145が回転不能に係合(固着)されており、変位部材F130が変位(回転)することで連結部材F145が変位(回転)する。これにより、確定通路F140の開閉部材F143(遮断部F143a)が流入口FOPf1を開放させる。
また、駆動手段F180には、演出手段F120の可動部材F122が係合されており、駆動手段F180が駆動することで可動部材F122が上下方向(矢印U-D方向)に往復動する。
また、通路部材F110には背面部材F150がタッピングネジにより締結固定される。演出手段F120、確定通路F140、振分通路F160及び駆動手段F180は、タッピングネジにより背面部材F150にそれぞれ締結固定され、第2通路部材F170は、タッピングネジにより振分通路F160に締結固定される。これらにより、下側フレームF86bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1716、図1717参照)。
また、通路部材F110の下方側(矢印D方向側)であって、演出手段F120の正面側(矢印F方向側)には、第7通路F190がタッピングネジによりベース板60に締結固定される。
下側フレームF86bは、通路部材F110、背面部材F150、振分通路F160及び第2通路部材F170が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、演出手段F120、変位部材F130、確定通路F140及び駆動手段F180が有色の樹脂材料から構成される。また、第7通路F190は、光透過性の樹脂材料から構成される。
なお、変位部材F130の正面側(矢印F方向側)に配設される壁部F132の上端は、変位部材F130を移動(流下、転動)する球の上端よりも低く形成される。よって、第1通路FRt1から第7通路FRt7を移動する球を遊技者に視認させると共に、変位部材F130、演出手段F120及び確定通路F140の動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、演出手段F120、変位部材F130及び確定通路F140は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームF86bは、駆動手段F180の正面側(矢印F方向側)に配設される演出手段F120が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、駆動手段F180が遊技者に視認不能とされる。なお、駆動手段F180は、演出手段F120が光透過性の樹脂材料から構成されることで、駆動手段F180が遊技者に視認可能となるように構成されても良い。
通路部材F110は、第1通路FRt1及び第5通路FRt5を形成するためのものであり、正面を形成する板状の正面板F111と、その正面板F111の背面から突設される下側通路F112と、その下側通路F112の背面側(矢印B方向側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に延設される立て壁部F113と、その立て壁部F113の背面から突設される上側通路F114と、下側通路F112及び上側通路F114の左右方向両端側の端部から鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される一対の留め部F115と、を備える。
背面部材F150、立て壁部F113及び上側通路F114により区画された空間により第1通路FRt1が形成され、正面板F111、下側通路F112及び立て壁部F113により区画された空間により第5通路FRt5が形成される。
正面板F111は、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球が遊技領域へ流出されることを抑制するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される中央部と、その中央部の左右方向両端側から外側へ向けて鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜される傾斜部とから形成される。正面板F111の傾斜部の上端は、下側通路F112の上面よりも鉛直方向上方に形成される。これにより、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球は、正面板F111の傾斜部の背面に当接可能となり、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球の遊技領域への流出が抑制される。
正面板F111には、その正面板F111の外縁に沿って複数の挿通孔F111aが板厚方向に穿設される。下側フレームF86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔F111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板F111の中央部には、第1入賞口64(図1715参照)の鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置に流出口FOPout1が開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口FOPout1は、正面視略矩形状であり、球の外形よりもやや大きく形成される。上述したように、流出口FOPout1は、第6通路FRt6を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口である。
正面板F111には、流出口FOPout1の鉛直方向上方(矢印U方向)に張出し部F111bが鉛直方向上方へ向けて突設される。また、正面視における形状が下側通路F112の流出面F112bの形状と略同一となる切欠き部F111cが流出面F112bの正面側(矢印F方向側)に形成される。張出し部F111bにより、下側通路F112の上面を移動(流下、転動)する球の遊技領域への流出が抑制され、切欠き部F111cを通過することで、第5通路FRt5へ振り分けられた球が遊技領域へ流出(流下)される。
下側通路F112は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、立て壁部F113側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、下側通路F112は、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、下側通路F112へ案内(送球、流下)された球を立て壁部F113に当接させつつ左右方向に沿って揺動(移動、転動)させることができる。
なお、下側通路F112には、流入口FOPf1の正面側(矢印F方向側)となる位置に起伏F112aが形成され、起伏F112aの底部、言い換えると、左右方向(矢印L-R方向)へ向かうにつれて下降傾斜して形成される面と起伏F112aとの境界には、一対の流出面F112bが凹面として形成(配置)される。起伏F112aは、起伏F112aの頂部から左右方向へ向けて下降傾斜されると共に、背面側(矢印B方向側、流入口FOPf1側)へ向けて下降傾斜して形成される。一方、流出面F112bは、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される。
従って、起伏F112aの頂部の上方(矢印U方向)から起伏F112aへ案内(送球、流下)された球は、起伏F112aの頂部を背面側(矢印B方向側、流入口FOPf1側)へ向けて移動(流下、転動)し、流入口FOPf1を通過して(流入口FOPf1へ流入して)第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され易い。一方、起伏F112aの頂部とは異なる位置へ案内(送球、流下)された球は、流出面F112bへ向けて移動(流下、転動)し、流出面F112bから遊技領域へ流出され易い。
立て壁部F113は、下側通路F112と上側通路F114とを連結するための部位である。立て壁部F113には、下側通路F112の起伏F112aの背面側(矢印B方向側)となる位置に膨出部F113aが形成され、その膨出部F113aには、流入口FOPf1が開口形成(板厚方向に穿設)される。
膨出部F113aは、正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成される。これにより、立て壁部F113に当接しつつ下側通路F112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球が起伏F112aを通過する際、その起伏F112aを通過する球へ正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分を付与できる。その結果、起伏F112aを通過する球を第6通路FRt6へ案内(送球、流下)させ難くできる(流入口FOPf1へ流入させ難くできる)。
流入口FOPf1の左右方向(矢印L-R方向)における寸法は、球の外形よりも大きく形成され、詳細には、球の外形の略3倍の大きさに形成される。なお、正面視において流入口FOPf1の縁により囲まれた領域のうち、左右方向略中央を除いた領域には確定通路F140の一対の開閉部材F143(遮断部F143a)が配設される。これにより、下側通路F112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)され難い。
なお、一対の開閉部材F143の対向間は球の外形よりもやや大きく形成され、一対の開閉部材F143の対向間を通過した(開閉部材F143の対向間へ流入した)球は、第6通路FRt6へ案内(送球、流下)される。
流入口FOPf1の上方側(矢印U方向側)における内周面には、上方へ向けて切り欠かれる第1切欠き部F113bが形成され、その第1切欠き部F113bの上方側における内周面には、上方へ向けて切り欠かれる第2切欠き部F113cが形成される。また、流入口FOPf1の左右方向両端側における立て壁部F113には、一対の挿通孔F113dが板厚方向に開口形成(板厚方向に穿設)される。
第1切欠き部F113bは、振分通路F160の固定部F162が挿通される切欠きであり、第2切欠き部F113cは、第2通路部材F170の固定部F172が挿通される切欠きである。また、一対の挿通孔F113dは、変位部材F130の軸F133が挿通される孔である。
立て壁部F113の上端は、上側通路F114の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に形成される。これにより、上側通路F114の上面を移動(流下、転動)する球を立て壁部F113の背面に当接させることができ、上側通路F114の上面を移動(流下、転動)する球が下側通路F112(第5通路FRt5)へ流出(流下)されることを抑制できる。
また、立て壁部F113には、正面視における形状が上側通路F114の第1流出面F114a及び第2流出面F114bの形状と略同一となる第3切欠き部F113e及び第4切欠き部F113fが第1流出面F114a及び第2流出面F114bの正面側(矢印F方向側)にそれぞれ形成される。
第3切欠き部F113eを通過することで、第1通路FRt1を案内された球が第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内(送球、流出)され、第4切欠き部F113fを通過することで、第1通路FRt1を案内された球が変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)される。
上側通路F114は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。
なお、上側通路F114(第1通路FRt1)の左右方向(矢印L-R方向)における略中央には起伏が形成され、起伏の頂部から左右方向へ向かうにつれて下降傾斜される。また、起伏の頂部には第2通路部材F170側(正面側、矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第1流出面F114aが形成(配置)され、起伏の底部、言い換えると、左右方向に下降傾斜して形成される面と起伏面との境界には、変位部材F130側(正面側、矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として一対の第2流出面F114bが形成(配置)される。
従って、上側通路F114(第1通路FRt1)へ振り分けられた(案内された)球は、第1流出面F114aから第3切欠き部F113eを通過して第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内されるよりも第2流出面F114bから第4切欠き部F113fを通過して変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)され易い。
また、上側通路F114は、背面部材F150側(矢印B方向側)に向けて下降傾斜して形成される。これにより、上側通路F114(第1通路FRt1)の左右方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(流下、転動)する球は、第1流出面F114a又は第2流出面F114bを通過し易く、第2通路部材F170(第2通路FRt2)若しくは変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)されることに要する時間を嵩ませることができる。その結果、第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ振り分けられる(案内される)ことを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
留め部F115には、複数(本実施形態においては2箇所)の挿通孔F115aが板厚方向に穿設され、その挿通孔F115aに挿通したタッピングネジが背面部材F150に締結されることで、通路部材F110に背面部材F150が固定(配設)される。
演出手段F120は、球が第7通路FRt7に案内された(第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くするためのものであり、固定部材F121と、その固定部材F121の下方(矢印D方向)であり、且つ、背面側(矢印B方向側)に配設される可動部材F122と、固定部材F121及び可動部材F122の背面側(矢印B方向側)に配設される着色部材F123と、を備える。
固定部材F121は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される本体部と、その本体部の左右方向両端側から下方(矢印D方向)へ向けて突出される突出部とから形成される。可動部材F122は、左右方向に延設される本体部と、その本体部の左右方向両端側から上方(矢印U方向)へ向けて突出される突出部とから形成される。固定部材F121の本体部および突出部と可動部材F122の本体部および突出部とにより囲まれた空間に開口部が形成される。
詳細は後述するが、可動部材F122は上下方向(矢印U-D方向)に往復動可能に配設される。これにより、固定部材F121及び可動部材F122により形成される開口部の大きさが変化可能に形成される。なお、可動部材F122は、固定部材F121の背面側(矢印B方向側)に配設されることで、固定部材F121と可動部材F122との当接が抑制される。
固定部材F121には、左右方向(矢印L-R方向)略中央に配設される下方孔F121aと、その下方孔F121aの上方側(矢印U方向側)に配設される上方孔F121bと、その上方孔F121bの左右方向両端側に配設される一対の挿通孔F121cとが開口形成(板厚方向に穿設)される。また、固定部材F121の背面には、一対の挿通孔F121cの左右方向中央側となる位置に一対の規制片F121d(図1726参照)が形成される。
下方孔F121a及び上方孔F121bは、通路部材F110の流入口FOPf1及び第1切欠き部F113bの背面側(矢印B方向側)にそれぞれ形成される。下方孔F121aを介して確定通路F140の開閉部材F143が固定部材F121の正面側(矢印F方向側)に配設される。また、上方孔F121bを介して振分通路F160の第4通路部F161が通路部材F110の立て壁部F113の正面側に配設される。
一対の挿通孔F121cは、変位部材F130の軸F133を挿通させるための孔であり、通路部材F110の第2流出面F114bの下方(矢印D方向)に穿設される。挿通孔F121cの正面側(矢印F方向側)および背面側(矢印B方向側)における端部にはブッシュ(図示せず)がそれぞれ配設される。それらブッシュを介して軸F133が固定部材F121に回転可能に係合(軸支)される。
一対の規制片F121dは、確定通路F140(連結部材F145)の変位(回転)を規制するための部位であり、連結部材F145の錘支持部F145cに当接可能に形成される(図1726参照)。
可動部材F122は、球の外形よりも大きく形成され、詳細には、可動部材F122の左右方向(矢印L-R方向)における寸法が球の外形の略20倍の大きさに形成される。これにより、球と比較して、可動部材F122の動作(変位)を遊技者に視認させ易くできる。
可動部材F122は、駆動手段F180に係合されており、駆動手段F180が駆動することで可動部材F122は上下方向(矢印U-D方向)に往復動される。なお、駆動手段F180は、球が第7通路FRt7に案内されたことを契機として駆動する。よって、可動部材F122が上下方向に往復動することで、球が第7通路FRt7に案内された(球が第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くできる。
着色部材F123は、駆動手段F180を遊技者に視認不能とさせるためのものであり、着色された板状体から形成される。着色部材F123の下端は、最も下方(矢印D方向)に位置した状態における可動部材F122の本体部の上端よりも下方に形成される。
また、着色部材F123は、可動部材F122とは異なる色に着色される。これにより、可動部材F122の上下方向(矢印U-D方向)における往復動を遊技者に視認させ易くでき、下側フレームF86bに振り分けられた(案内された)球が第7通路FRt7に案内された(球が第1入賞口64へ入賞された)ことを遊技者に視認させ易くできる。
変位部材F130は、確定通路F140の開閉部材F143を動作(変位、回転)させるためのものであり、通路部F131と、その通路部F131の正面端に配設される壁部F132と、を備える。通路部F131、壁部F132及び通路部材F110の立て壁部F113により区画された空間により第3通路FRt3が形成される。また、変位部材F130には、軸F133が前後方向(矢印F-B方向)に沿った姿勢で配設(固着)される。
通路部F131は、上側通路F114の第2流出面F114bから案内(送球、流下)された球を振分通路F160(第4通路FRt4)もしくは通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分ける(案内させる)ための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される板状体から形成される。
通路部F131には左右方向(矢印L-R方向)へ向かうにつれて下降傾斜される起伏が形成され、起伏の頂部よりも振分通路F160側(左右方向中央側)が上述した第3通路流出面F131aとして形成される。起伏の頂部よりも振分通路F160側(第3通路流出面F131aとは反対側、左右方向両端側)には転動面F131bが形成され、第3通路流出面F131aと転動面F131bとの境界が起伏の頂部として形成される。また、通路部F131には転動面F131bの先端となる位置に下方側(矢印D方向側)に凹設される凹部F131cが形成される。
通路部F131の延設方向(矢印L-R方向)において、第3通路流出面F131aに対向する位置(第3通路流出面F131aの端部よりも左右方向中央側となる位置)には、振分通路F160における背面側(矢印B方向側)が配置される。これにより、第3通路流出面F131aから振り分けられた(案内された)球を振分通路F160の中央とは異なる位置(偏心した位置)へ案内(送球、流下)できる。
通路部F131の前後方向(矢印F-B方向)における幅寸法は、球の直径よりも大きく形成され、転動面F131bは、起伏の頂部から凹部F131cへ向かうにつれて前後方向における幅寸法が徐々に大きく形成される。
第3通路流出面F131a及び転動面F131bは、通路部F131の延設方向(左右方向)において、起伏の頂部とは反対側へ向かうにつれて下降傾斜してそれぞれ形成される。また、転動面F131bは、壁部F132側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。これらにより、転動面F131bへ振り分けられた(案内された)球を壁部F132へ当接させつつ転動面F131bを移動(流下、転動)させることができる。
凹部F131cは、円筒状に形成され、その凹部F131cの底面F131c1には上述した第3通路貫通孔F131dが形成(穿設)される。言い換えると、底面F131c1は、第3通路貫通孔F131dの周囲に沿って連続して形成される。第3通路貫通孔F131dは、球の直径よりもやや大きな直径を有する円状に形成され、その第3通路貫通孔F131dの中心は、凹部F131cの中心軸上に配置される。
凹部F131cの内径は、球の直径の略1.5倍の大きさに形成され、凹部F131cの内周面と第3通路貫通孔F131dの内周面との間の距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、凹部F131cへ案内(送球、流下)された球の重心を第3通路貫通孔F131dの内周面よりも中心側へ位置させることができ、球の重量を利用して凹部F131cへ案内(送球、流下)された球を、第3通路貫通孔F131dへ向けて変位させることができる。
また、凹部F131cの凹設深さは、球の直径よりも小さく形成される。これにより、凹部F131cに案内(送球、流下)された球を遊技者に視認させることができる。また、凹部F131cの底面F131c1は、平坦面に形成される。言い換えると、底面F131c1の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さが第3通路貫通孔F131dの周囲に沿って連続して同一に設定される。
上述したように、転動面F131bが壁部F132側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、転動面F131bを移動(流下、転動)する球を壁部F132に当接させつつ凹部F131cへ案内(送球、流下)できる。言い換えると、凹部F131c(第3通路貫通孔F131d)の中心軸に対し、偏心した位置(中心軸とは異なる位置)へ向けて球を移動(流下、転動)させることができる。
これにより、球に作用する遠心力を利用して凹部F131cへ案内(送球、流下)された球を凹部F131cの内周面(第3通路貫通孔F131dの周囲)に沿って移動(流下、転動)させることができる。また、凹部F131cの内周面(第3通路貫通孔F131dの周囲)に当接した状態で球が移動(流下、転動)することで球の速度を低下させることができる。その結果、第3通路貫通孔F131dへ流入して凹部F131cから球が案内(送球、流下)されることを遅延させることができる(球が第3通路貫通孔F131dへ流入することに要する時間を嵩ませることができる)。
また、通路部F131には、起伏の頂部よりもやや左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に下方側(矢印D方向側)に突出する連結部が形成され、その連結部には断面D字状の穴として形成される嵌合穴F131eが連結部の背面から正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設される。嵌合穴F131eは、軸F133を回転不能に嵌合(固着)させるための孔である。
壁部F132は、通路部F131の第3通路流出面F131a若しくは転動面F131bを移動(流下、転動)が通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位である。
壁部F132は、有色の樹脂材料から構成されており、通路部F131の起伏を遊技者に視認不能とできる。これにより、通路部F131(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)された球が第3通路流出面F131a若しくは転動面F131bへ案内(送球、流下)されるかを遊技者に判別させ難くでき、遊技の興趣を高めることができる。
一方、壁部F132の上端と通路部F131の上面との間の距離は球の直径よりも小さく形成される。これにより、通路部F131(第3通路FRt3)を移動(流下、転動)する球を遊技者に視認可能とできる。
軸F133は、金属材料から棒状に形成され、その軸F133の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢でブッシュ(図示せず)を介して固定部材F121に回転可能に係合される。
軸F133の前端側及び後端側は、嵌合穴F131eの断面形状および確定通路F140の連結本体部F145aに穿設される挿通孔F145a1の断面形状に一致した外形にそれぞれ形成される。嵌合穴F131eに軸F133の前端側が嵌合(固着)されることで通路部F131に軸F133が回転不能に配設(軸支)され、挿通孔F145a1に軸F133の後端側が嵌合されることで連結本体部F145aに軸F133が回転不能に配設(軸支)される。軸F133を介することで、変位部材F130と確定通路F140とが一体化(1のユニットとして形成)される。
確定通路F140は、通路部材F110の流入口FOPf1を通過した(流入口FOPf1へ流入した)球を第1入賞口64へ案内(送球、流下)するためのものであり、第6通路部材F141と、その第6通路部材F141に配設される軸F142と、その軸F142に回転可能に係合される開閉部材F143と、その開閉部材F143に係合するとともに左右方向(矢印L-R方向)に変位するスライド部材F144と、そのスライド部材F144と変位部材F130の軸F133とを連結する連結部材F145と、その連結部材F145に配設される錘F146と、を備える。
第6通路部材F141は、取付け部F141aと、その取付け部F141aの正面から突設される通路部F141b及び一対の球受け部F141cと、取付け部F141aの背面から突設される軸受け部F141dと、その軸受け部F141dの左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される複数(本実施形態においては4個)の締結部F141eと、を備える。
取付け部F141aは、正面視、横長略矩形の板状体から形成される。第6通路部材F141へ案内(送球、流下)された球が取付け部F141aに当接することにより、球が背面側(矢印B方向側)へ変位することが規制される。
通路部F141bは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される底面部F141b1と、その底面部F141b1の左右方向両端側から上方(矢印U方向)へ向けて突設される一対の壁部F141b2と、を備え、正面視において略U字状に形成される。一対の壁部F141b2の対向面間の距離は球の外形よりもやや大きく形成され、底面部F141b1及び一対の壁部F141b2により区画された空間により第6通路FRt6が形成される。
通路部F141bは、通路部材F110の流出口FOPout1の背面側(矢印B方向側)に配設され、流出口FOPout1を通過させることで、通路部F141b(第6通路FRt6)を移動(流下、落下)する球が遊技領域へ流出(第1入賞口64へ案内)される。
底面部F141b1の上面には、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて一対の突部F141b3が突設される。突部F141b3は、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設されると共に、突部F141b3の上面は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、一対の突部F141b3の対向面間の距離は、球の直径よりも小さくされると共に、突部F141b3の正面端における突設長さ(矢印U-D方向の寸法)は、底面部F141b1の上面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、底面部F141b1上の球を2箇所(突部F141b3の上端部における対向面側の一対の稜線部分)で位置決めすることができる。よって、一対の突部F141b3が非形成の場合と比較して、通路部F141bの左右方向(矢印L-R方向)における球の移動(流下、転動)位置を一定とし易くできる。よって、通路部材F110の流出口FOPout1を通過した球を第1入賞口64へ入賞(案内)させ易くできる。
球受け部F141cは、流入口FOPf1を通過した球を通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)するための部位である。球受け部F141cは、左右方向(矢印L-R方向)に延設される板状体から形成され、左右方向両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。
球受け部F141cの下面は、通路部F141bの壁部F141b2の上端に当接して配設される。これにより、壁部F141b2に第6通路FRt6を形成する機能と球受け部F141cを支持(補強)する機能とを兼用させることができ、球受け部F141cの破損を抑制し易くできる。
軸受け部F141dは、軸F142を支持するための部位であり、その軸受け部F141dの上面には、下方(矢印D方向)へ向けて凹部が凹設される。その凹部に軸F142の下端側が配設(係合)されることで、軸F142が軸受け部F141dに支持される。
締結部F141eは、確定通路F140と背面部材F150とを締結固定するためのタッピングネジが螺合される部位である。締結部F141eが取付け部F141aの背面から突設されることにより、取付け部F141aと背面部材F150との間に所定の空間を形成することができる。その空間を利用して軸F142や一対のスライド部材F144が配設される。
軸F142は、開閉部材F143を変位(回転)させる際の回転軸である。軸F142は、金属材料から円柱状に形成され、その軸F142の外径は、第6通路部材F141の軸受け部F141dに形成される挿通穴の内径よりもやや小さく形成される。
開閉部材F143は、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を流入口FOPf1へ流入させ難くするためのものである。開閉部材F143は、左方側(矢印L方向側)に配設される左側開閉部材F143Lと右方側(矢印R方向側)に配設される右側開閉部材F143Rとから構成され、それら左側開閉部材F143L及び右側開閉部材F143Rは、一対の球受け部F141cの正面側(矢印F方向側)にそれぞれ配設される。
左側開閉部材F143Lは、遮断部F143aと、その遮断部F143aの背面端から下方側(矢印D方向側)に突出する連結部F143bと、その連結部F143bの下端から背面側(矢印B方向側)に突設する突出部F143cと、を備える。
右側開閉部材F143Rは、左側開閉部材F143Lに対し、連結部F143bが省略され、突出部F143cが遮断部F143aの上端から背面側(矢印B方向側)に突出する点を除いて、遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1715左右対称)に形成される。よって、右側開閉部材F143Rにおける左側開閉部材F143Lと対称に形成される部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
遮断部F143aは、板状体から形成され、遮断部F143aの上端側は背面側(矢印B方向側)に屈曲して形成される。その遮断部F143aの屈曲された部位の背面端に連結部F143bが配設される。遮断部F143aは、正面視において、通路部材F110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。言い換えると、遮断部F143aは、流入口FOPf1の縁よりも内側に配設される。従って、遮断部F143aは、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球と当接可能に配設される。
一対(左側開閉部材F143L及び右側開閉部材F143R)の遮断部F143aの対向間の距離は、球の直径よりもやや大きく形成される。これにより、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ難くできる(第6通路FRt6へ案内させ難くできる)。
また、遮断部F143aは、軸F142を中心とする円弧状に湾曲して形成される。言い換えると、遮断部F143aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側から左右方向中央側へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)に凸となる湾曲状に形成される。
これにより、遮断部F143aに当接した球を通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)させると共に、正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)させることができる。その結果、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を流出面F112bへ案内(送球、流下)し易くできる(第6通路FRt6へ案内させ難くできる)。
連結部F143bは、左側開閉部材F143Lの突出部F143cと右側開閉部材F143Rの突出部F143cとが当接することを抑制するための部位である。左側開閉部材F143Lに連結部F143bが形成されることで、左側開閉部材F143Lに形成される突出部F143cが右側開閉部材F143Rに形成される突出部F143cの下方(矢印D方向)に配設される。
突出部F143cは、軸F142に軸支されると共に、スライド部材F144に係合される部位である。突出部F143cの連結部F143b側(正面側、矢印F方向側)には、軸支孔F143dが穿設され、その軸支孔F143dよりも背面側(矢印B方向側)となる位置には、係合孔F143eが穿設される。
軸支孔F143dは、軸F142の外径と同等またはやや大きく形成され、軸支孔F143dに軸F142が挿通されることで、左側開閉部材F143Lが軸F142を回転軸として回転可能に係合(軸支)される。
係合孔F143eには、左側スライド部材F144Lの第1係合部F144cが挿通(係合)される。係合孔F143eは、上面視、前後方向(矢印F-B方向)に長い長孔状に形成される。詳細には、係合孔F143eに左側スライド部材F144Lの第1係合部F144cが挿通(係合)された状態において、係合孔F143eの内周面と第1係合部F144cとの間に左側開閉部材F143Lの回転(変位)による突出部F143cの前後方向(矢印F-B方向)の変位量よりも大きな隙間が形成される。
これにより、左側スライド部材F144Lの左右方向(矢印L-R方向)への変位に対し、係合孔F143eの前後方向(矢印F-B方向)における内周面と第1係合部F144cとが当接し、左側開閉部材F143Lの回転(変位)が規制されることを抑制できる。
スライド部材F144は、開閉部材F143を動作(変位、回転)させるためのものである。スライド部材F144は、左側開閉部材F143Lに係合される左側スライド部材F144Lと、右側開閉部材F143Rに係合される右側スライド部材F144Rとから構成される。
左側スライド部材F144Lは、スライド本体部F144aと、そのスライド本体部F144aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の下端部から左右方向中央側へ向けて延設される延設部F144bと、その延設部F144bから上方(矢印U方向)へ突出される第1係合部F144cと、スライド本体部F144aから正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される第2係合部F144dと、を備える。
右側スライド部材F144Rは、左側スライド部材F144Lに対し、延設部F144bがスライド本体部F144aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の上端部から延設され、第1係合部F144cが下方(矢印D方向)へ向けて突出される点を除いて、遊技盤F13の幅方向(図1715左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1715左右対称)に形成される。よって、右側スライド部材F144Rにおける左側スライド部材F144Lと対称に形成される部位には同一の符号を付してその説明は省略する。
スライド本体部F144aは、板状体から形成され、スライド本体部F144aの左右方向(矢印L-R方向)両端部は背面側(矢印B方向側)に屈曲して形成される。その背面側に屈曲される部位には板厚方向(矢印L-R方向)に挿通孔F144a1がそれぞれ穿設される。
挿通孔F144a1には、背面部材F150のスライド棒F158が挿通(係合)され(図1726参照)、これにより、スライド部材F144はスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位可能に配設(係合)される。
左側スライド部材F144Lに形成される延設部F144bと右側スライド部材F144Rに形成される延設部F144bとは上下方向(矢印U-D方向)に所定の距離だけ隔てて配設される。これにより、右側スライド部材F144Rの第1係合部F144c及び右側開閉部材F143Rの突出部F143cは、左側スライド部材F144Lの第1係合部F144c及び左側開閉部材F143Lの突出部F143cの上方(矢印U方向)に配設される。これにより、第1係合部F144c及び突出部F143cを上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置にそれぞれ配設でき、確定通路F140(開閉部材F143及びスライド部材F144)の設計の自由度を向上させることができる。
第1係合部F144cは、開閉部材F143の係合孔F143eに挿通(係合)される部位であり、円柱状に形成される。左側スライド部材F144Lがスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に変位し係合孔F143eの内周面を押進することで、開閉部材F143が軸F142を回転軸として回転する。
第2係合部F144dは、連結部材F145のスライド係合部F145bに挿通(係合)される部位であり、円柱状に形成される。第2係合部F144dとスライド係合部F145bとの係合により、連結部材F145の変位(回転)にスライド部材F144が連動して変位する。
連結部材F145は、スライド部材F144を動作(変位)させるためのものであり、連結本体部F145aと、その連結本体部F145aから下方(矢印D方向)へ突出されるスライド係合部F145bと、連結本体部F145aから左右方向(矢印L-R方向)中央側へ突出される錘支持部F145cと、を備える。
連結本体部F145aは、円柱状に形成される。連結本体部F145aには、前後方向(矢印F-B方向)に沿って断面D字状の孔として形成される挿通孔F145a1が穿設される。挿通孔F145a1に変位部材F130の軸F133が回転不能に配設(固着)されることで、変位部材F130の変位(回転)に連動して連結部材F145を変位(回転)させることができる。
スライド係合部F145bは、円柱状に形成され、そのスライド係合部F145bには、スライド部材F144の第2係合部F144dが挿通(係合)される挿通孔F145b1が穿設される。
挿通孔F145b1は、正面視、上下方向(矢印U-D方向)に長い長孔状に形成される。詳細には、挿通孔F145b1にスライド部材F144の第2係合部F144dが挿通(係合)された状態において、挿通孔F145b1の内周面と第2係合部F144dとの間に連結部材F145の変位(回転)によるスライド係合部F145bの上下方向(矢印U-D方向)の変位量よりも大きな隙間が形成される。
これにより、左側スライド部材F144Lの左右方向(矢印L-R方向)への変位に対し、挿通孔F145b1の上下方向における内周面とスライド部材F144の第2係合部F144dとが当接し、連結部材F145の変位(回転)が規制されることを抑制できる。
錘支持部F145cは、背面側(矢印B方向側)から正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設される円筒状に形成され、錘支持部F145cの内周面は、錘F146の外径よりもやや大きく形成される。錘支持部F145cの内周面に錘F146が配設(係合)されることで、錘F146が連結部材F145に配設(支持)される。
錘F146は、連結部材F145の重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F146が挿通孔F145a1よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設されることで、連結部材F145及び錘F146の全体の重心は、挿通孔F145a1よりも左右方向両端側にに位置する。
背面部材F150は、下側フレームF86bの背面を形成するためのものであり、背面壁部F151と、その背面壁部F151の左右方向(矢印L-R方向)両端、且つ、下端から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出される一対の第1固定部F152と、一対の第1固定部F152の上方(矢印U方向)において正面側へ向けて突出される一対の第2固定部F153と、一対の第2固定部F153の左右方向中央側において正面側へ向けて突出される一対の締結部F154と、一対の締結部F154の左右方向中央側において正面側へ向けて突出される一対の第1支持部F155と、一対の第1支持部F155の左右方向中央側において正面側へ向けて突出される第2支持部F156と、背面壁部F151の背面から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される突出部F157と、を備える。また、背面部材F150には、一対のスライド棒F158が配設(係合)される。
背面壁部F151は、横長略矩形の板状体から構成され、背面壁部F151には、一対の第1逃がし孔F151aと、一対の第1逃がし孔F151aよりも下方側(矢印D方向側)に形成される一対の第2逃がし孔F151bとが板厚方向にそれぞれ開口形成(板厚方向に穿設)される。また、背面壁部F151の下端には、切欠き部F151cが上方(矢印U方向)へ向けて切欠き形成される。
第1逃がし孔F151aは、連結部材F145の錘支持部F145cの外形よりも大きく形成され、第1逃がし孔F151aの内側に錘支持部F145cが配設される。これにより、下側フレームF86bの前後方向(矢印F-B方向)の厚み寸法を小さくできる。
第2逃がし孔F151bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて凸となる半円状の湾曲部F151b1と、その湾曲部F151b1の左右方向中央側において上下方向(矢印U-D方向)に延設される直線部F151b2とから構成される。湾曲部F151b1は、駆動手段F180の連結部材F184の外形よりもやや大きく形成され、第2逃がし孔F151b(湾曲部F151b1)を挿通して背面部材F150の正面側(矢印F方向側)へ連結部材F184が配設される。
直線部F151b2は、駆動手段F180の連結部材F184が上下方向(矢印U-D方向)に往復動するための逃がし孔である。直線部F151b2の上端は、湾曲部F151b1の上端と一体に形成され、直線部F151b2の下端は、湾曲部F151b1の下端よりも下方(矢印D方向)に形成される。これにより、連結部材F184が下方に変位した状態においては、連結部材F184の背面側(矢印B方向側)には背面壁部F151が位置する(湾曲部F151b1が非形成とされる)。このように、背面壁部F151に開口形成(穿設)される湾曲部F151b1を小さく形成することで、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
切欠き部F151cは、駆動手段F180の駆動モータF181と第7通路F190のスイッチF192とを電気的に接続する配線(図示せず)を挿通させる部位であり、これにより、背面部材F150の正面側(矢印F方向側)に配置されるスイッチF192と背面部材F150の背面側(矢印B方向側)に配置される駆動手段F180の駆動モータF181とが電気的に接続される。
第1固定部F152は、ベース板60に背面部材F150を締結固定するための部位であり、四角柱状に形成される。第1固定部F152には挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、背面部材F150がベース板60に固定(配設)される。通路部材F110の正面板F111に加え、第1固定部F152がベース板60に固定(配設)されることで、下側フレームF86bのベース板60に対する姿勢の安定化を図ることができる。
また、第1固定部F152が背面壁部F151の下端に配設されるため、上下方向(矢印U-D方向)において、第1固定部F152と正面板F111との間の距離を大きく設定でき、下側フレームF86bのベース板60に対する姿勢の安定化を一層図ることができる。
第2固定部F153及び締結部F154は、通路部材F110に背面部材F150を締結固定するための部位であり、第2固定部F153は四角柱状に、締結部F154は円柱状に、それぞれ形成される。
留め部F115の挿通孔F115aを挿通したタッピングネジが第2固定部F153に締結固定されることで、背面部材F150が通路部材F110に固定(配設)される。また、締結部F154には、前後方向(矢印F-B方向)に沿って挿通孔が穿設され、その挿通孔にタッピングネジが挿通されることで、背面部材F150が通路部材F110に固定(配設)される。
第1支持部F155及び第2支持部F156は、スライド棒F158を支持するための部位である。第1支持部F155及び第2支持部F156には左右方向(矢印L-R方向)に沿って挿通孔がそれぞれ穿設され、それら挿通孔にスライド棒F158が挿通されることで、背面部材F150にスライド棒F158が配設(支持)される。
また、第2支持部F156には、その第2支持部F156の正面側(矢印F方向側)に、上下方向(矢印U-D方向)に沿って挿通孔F156aが穿設され、第2支持部F156の正面端には係止部F156bが突出して形成される。
挿通孔F156aの内径は、軸F142の外径よりもやや大きく形成され、挿通孔F156aに軸F142が挿通される。軸F142が確定通路F140の軸受け部F141d及び第2支持部F156(挿通孔F156a)により支持(係合)されることで、軸F142が下側フレームF86bに配設される。係止部F156bは、確定通路F140の開閉部材F143の変位(回転)を規制する部位である。
突出部F157は、駆動手段F180のガイド部材F185を挿通したタッピングネジが締結固定される部位であり、円柱状から形成される。突出部F157が背面壁部F151の背面から突出されることで、タッピングネジの締結代を大きくできる。
スライド棒F158は、確定通路F140のスライド部材F144をスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位させるためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。スライド棒F158の外周面には、第1支持部F155よりもやや左右方向(矢印L-R方向)中央側となる位置に、径方向へ向けての切り込みが形成され、その切り込みには金属リング状のCリング(図示せず)が嵌合される。これにより、スライド棒F158は、第1支持部F155及び第2支持部F156に抜去不能に支持される。
スライド棒F158は、そのスライド棒F158の延設方向(軸方向)が左右方向(矢印L-R方向)に沿った姿勢で第1支持部F155及び第2支持部F156に支持(配設)される。スライド棒F158がスライド部材F144の挿通孔F144a1に挿通(係合)されることで、スライド部材F144がスライド棒F158に配設(係合)される。
振分通路F160は、振分通路F160に形成された複数の振り分け孔に応じて下側通路F112(第5通路FRt5)の異なる位置へ球を案内(送球、流下)するためのいわゆるクルーンと呼ばれる装置である。振分通路F160は、第4通路部F161と、その第4通路部F161の背面端から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出して形成される固定部F162と、を備える。
第4通路部F161は、上面視において円状であり、上方(矢印U方向)から下方(矢印D方向)へ向けて凹設して形成され、第4通路部F161の凹設底面は、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる湾曲状に形成される。また、第4通路部F161は、固定部F162から正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される。
これらにより、第4通路部F161へ案内(送球、流下)された球を第4通路部F161の中央へ向けて移動(流下、転動)させると共に、その第4通路部F161の中央においては、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて移動(流下、転動)させることができる。
第4通路部F161の凹設底面には、第1振り分け孔F161a及び複数(本実施形態においては2箇所)の第2振り分け孔F161bが板厚方向に穿設される。第1振り分け孔F161a及び複数の第2振り分け孔F161bは、通路部材F110の下側通路F112と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に穿設され、これにより、第1振り分け孔F161a若しくは第2振り分け孔F161bを通過した球を下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分ける(案内させる)ことができる。
第1振り分け孔F161aは、下側通路F112の起伏F112aの頂部の上方(矢印U方向)となる位置に穿設される。複数の第2振り分け孔F161bは、左右方向(矢印L-R方向)において第1振り分け孔F161aとは異なる位置であり、第1振り分け孔F161aより正面側(矢印F方向側)に穿設される。
第1振り分け孔F161aを通過して下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)球は、起伏F112aの頂部へ案内(送球、流下)されで、立て壁部F113の流入口FOPf1へ流入して確定通路F140(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
また、第1振り分け孔F161aは、第2振り分け孔F161bよりも第4通路部F161の流入口FOPf1側(矢印B方向側)に穿設される。これにより、第1振り分け孔F161aを通過した球が起伏F112aの頂部を移動(流下、転動)する距離を小さくでき、球を確定通路F140(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)させ易くできる。
一方、第2振り分け孔F161bを通過して下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)球は、左右方向(矢印L-R方向)において起伏F112aの頂部とは異なる位置へ案内(送球、流下)されるため、起伏F112aの頂部から左右方向へ向けての下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、正面板F111の切欠き部F111cを通過して遊技領域に流出(流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
また、第2振り分け孔F161bは、第1振り分け孔F161aよりも第4通路部F161の遊技領域側(矢印F方向側、流入口FOPf1とは反対側)に穿設される。これにより、第2振り分け孔F161bを通過した球と流入口FOPf1との間の距離を大きくでき、球を流入口FOPf1へ案内させ難くできる(下側通路F112の流出面F112bへ案内させ易くできる)。
従って、振分通路F160に振り分けられた球が第2振り分け孔F161bよりも第1振り分け孔F161aを通過することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
固定部F162は、振分通路F160を背面部材F150に締結固定させるためのものである。固定部F162の上面には下方(矢印D方向)へ向けて凹設される凹部が形成され、その凹部に第2通路部材F170の固定部F172が挿入(内嵌)される。
第2通路部材F170は、上側通路F114の第1流出面F114aを案内された球を振分通路F160へ振り分ける(案内する)ためのものであり、通路部F171と、その通路部F171の下面から背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される固定部F172と、を備える。
通路部F171は、その通路部F171の上面を球が移動(流下、転動)する部位であり、通路部材F110の立て壁部F113よりも正面側(矢印F方向側、遊技領域側)に配設される。また、通路部F171は、第1流出面F114a(第3切欠き部F113e)の正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、通路部F171は、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて延設すると共に、正面側へ向かうにつれて下降傾斜して形成される。立て壁部F113との当接部を除く通路部F171の外縁には、立設部F171aが上方(矢印U方向)へ向けて立設され、その立設部F171aに区画された空間により、第2通路FRt2が形成される。
通路部F171の先端には球の外形よりもやや大きく形成される第2通路貫通孔F171bが穿設される。第2通路貫通孔F171bは、振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方(矢印U方向)に形成される(上面視において第2通路貫通孔F171bと第1振り分け孔F161aとが重なる位置に形成される)。第2通路貫通孔F171bを通過することで、通路部F171(第2通路FRt2)へ振り分けられた(案内された)球は、振分通路F160の第1振り分け孔F161aへ案内される。
通路部F171の上面には、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて一対の突部F171cが突設される。突部F171cは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設されると共に、突部F171cの上面は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、一対の突部F171cの対向面間の距離は、球の直径よりも小さくされると共に、突部F171cの正面端における突設長さ(矢印U-D方向の寸法)は、通路部F171の上面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、通路部F171上の球を2箇所(突部F171cの上端部における対向面側の一対の稜線部分)で位置決めすることができる。よって、一対の突部F171cが非形成の場合と比較して、通路部F171の左右方向(矢印L-R方向)における球の移動(流下、転動)位置を一定とし易くできる。これにより、第2通路貫通孔F171bを通過した球を振分通路F160の第1振り分け孔F161aへ案内させ易くできる。
固定部F172は、略矩形の直方体から形成され、固定部F172の外形は振分通路F160の固定部F162に形成される凹部の内形と同等またはやや小さく形成される。固定部F172が固定部F162に形成される凹部に配設(固定、内嵌)されることで、振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方に(矢印U方向)に第2通路貫通孔F171bを配設し易く(正確に配設)できる。
ここで、例えば、第2通路部材F170を背面部材F150に固定(配設)させる場合、背面部材F150へ振分通路F160及び第2通路部材F170を固定する際の誤差(組立公差)や背面部材F150、振分通路F160及び第2通路部材F170の加工精度(寸法公差)等の要因に起因して、第2通路貫通孔F171bが振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方(矢印U方向)に配置されない(上面視において、第2通路貫通孔F171bの中心と第1振り分け孔F161aの中心とが一致しない)虞がある。この場合、第2通路貫通孔F171bを通過した球が第1振り分け孔F161aを通過せず、第2振り分け孔F161bへ振り分けられる(案内される)虞がある。
これに対し、第2通路部材F170が振分通路F160に固定(配設)されることで、第1振り分け孔F161aの上方に(矢印U方向)に第2通路部材F170の第2通路貫通孔F171bを配設し易く(正確に配設)でき、第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内された球は、第1振り分け孔F161aを通過して確定通路F140(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
駆動手段F180は、演出手段F120の可動部材F122を動作させるためのものであり、駆動力を発生させる駆動モータF181と、その駆動モータF181を支持(固定)する支持部材F182と、その支持部材F182を左右方向(矢印L-R方向)に貫通して配設される伝達軸F183と、その伝達軸F183の端部に係合される連結部材F184と、その連結部材F184の左右方向両端側において連結部材F184を係合(支持)するガイド部材F185と、を備える。なお、駆動手段F180の駆動については、図1730及び図1732を適宜参照して説明する。
駆動モータF181は、演出手段F120の可動部材F122を動作(上下方向に往復動)させる駆動力を与えるためのものであり、その駆動モータF181の軸を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けた状態で配設される。これにより、軸を前後方向(矢印F-B方向)へ向けて配設する場合と比較して、前後方向における配設スペースを小さくできる。また、駆動モータF181の軸にはギア(図示せず)が配設(固着)される。
支持部材F182は、駆動モータF181を支持(固定)するためのものであり、箱状に形成される。支持部材F182は、タッピングネジにより背面部材F150の背面に締結固定される。支持部材F182の下面には、駆動モータF181の外形よりもやや大きく形成される挿通孔が穿設され、その挿通孔を挿通して駆動モータF181の軸が支持部材F182の内側に配設される。
伝達軸F183は、駆動モータF181の駆動力を連結部材F184へ伝達するためのものであり、軸部F183aと、その軸部F183aの左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される伝達部F183bと、その伝達部F183bの左右方向両端側の端面から突出する偏心軸F183cと、を備える。
軸部F183aは、左右方向(矢印L-R方向)に沿った棒状に延設され、軸部F183aは、支持部材F182を貫通して配設される。軸部F183aには、支持部材F182の内側となる位置にギア(図示せず)が配設(固着)され、その軸部F183aに配設されるギアと駆動モータF181の軸に配設されるギア(図示せず)とが噛合することで、駆動モータF181の駆動力が伝達軸F183に伝達される。
伝達部F183bは、円柱状に形成され、その伝達部F183bの軸心は、左右方向(矢印L-R方向)に沿った姿勢で配設される。伝達部F183bの軸心に軸部F183aが固定(配設)され、伝達部F183bの軸心とは異なる位置に偏心軸F183cが配設される。即ち、偏心軸F183cは、伝達部F183bの軸心に偏心して配設される。これにより、伝達部F183bが軸部F183aを回転軸として回転することで、側面視において偏心軸F183cは、伝達部F183bの軸心(軸部F183a)を中心とした円状に変位する。
連結部材F184は、演出手段F120の可動部材F122を動作(上下方向に往復動)させるためのものであり、本体部F184aと、その本体部F184aの左右方向(矢印L-R方向)両端側の端面から突出される一対の被ガイド部F184bと、本体部F184aの正面に配設される取付け部F184cと、を備える。
本体部F184aには、前後方向(矢印F-B方向)に沿ってスライド溝F184a1が開口形成される。スライド溝F184a1は、伝達軸F183の偏心軸F183cが配設可能に形成され、スライド溝F184a1の前後方向における長さは偏心軸F183cの前後方向における変位量と同等またはやや大きく形成される。これにより、伝達軸F183を介して駆動モータF181の駆動力が連結部材F184に伝達される。
詳細に説明すると、駆動モータF181が駆動することで、側面視において、偏心軸F183cは、伝達部F183bの軸心(軸部F183a)を中心として円状に変位する。スライド溝F184a1の前後方向(矢印F-B方向)に沿った内壁を偏心軸F183cが押進することにより、偏心軸F183cの上下方向の変位が連結部材F184に伝達され、連結部材F184が上下方向に変位する。
一方、スライド溝F184a1の前後方向(矢印F-B方向)における長さは、偏心軸F183cの前後方向における変位量と同等またはやや大きく形成されるため、偏心軸F183cとスライド溝F184a1の前後方向両側に形成される内壁とは非当接とされる。従って、偏心軸F183cの前後方向の変位は連結部材F184に非伝達とされ、連結部材F184が前後方向に変位することを抑制できる。
また、偏心軸F183cは、側面視において円状に変位するため、連結部材F184の上下方向(矢印U-D方向)への変位を所定量に設定できる、即ち、連結部材F184が所定量を超えて上下方向へ変位することを抑制できる。また、偏心軸F183cを一定方向に変位させることで上下方向における連結部材F184の変位を往復動とすることができる。これにより、駆動モータF181の駆動方向を切り替えるための制御を不要とできる。
一対の被ガイド部F184bは、前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔ててそれぞれ配設される。一対の被ガイド部F184bが一対のガイド溝F185aにそれぞれ係合(挿通)されることで、ガイド部材F185に対する連結部材F184の回転が抑制される。
取付け部F184cは、前後方向(矢印F-B方向)を板厚方向とする板状に形成される。取付け部F184cには、複数の挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが演出手段F120の可動部材F122に締結されることで、連結部材F184に可動部材F122が固定(配設)される。
ガイド部材F185は、連結部材F184が上下方向(矢印U-D方向)へ変位(往復動)することを案内(連結部材F184が前後方向へ変位することを規制)するためのものである。ガイド部材F185には、複数の挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F150の突出部F157に締結されることで、背面部材F150にガイド部材F185が固定(配設)される。
ガイド部材F185には、連結部材F184の一対の被ガイド部F184bに対応する位置に一対のガイド溝F185aが穿設される。ガイド溝F185aは、上下方向(矢印U-D方向)に沿って延設され、ガイド溝F185aの上下方向における延設長さは、被ガイド部F184bの上下方向における変位量よりもやや大きく形成される。ガイド溝F185aに、被ガイド部F184bが挿通(配設)されることで、連結部材F184(被ガイド部F184b)がガイド溝F185aの延設方向(上下方向)に沿って変位可能とされると共に、連結部材F184(被ガイド部F184b)の前後方向(矢印F-B方向)への変位が規制される。
第7通路F190は、第1入賞口64へ入賞した球を遊技領域へ流出(流下)させるためのものであり、背面通路部材F191と、その背面通路部材F191の正面側(矢印F方向側)に配設されるスイッチF192と、そのスイッチF192の上方(矢印U方向)に配設される可動通路F193と、を備える。
背面通路部材F191は、第1入賞口64へ入賞した球が背面側(矢印B方向側)に変位することを規制するための部材であり、正面視において横長略矩形の板状体から形成される。背面通路部材F191は、ベース板60の背面から球の外形よりもやや大きな距離だけ隔てて配設され、ベース板60、背面通路部材F191及び可動通路F193により囲まれた空間により第7通路FRt7が形成される。
背面通路部材F191は、その背面通路部材F191の周縁部に配設される複数(本実施形態においては4個)の係合突部F191aと、背面通路部材F191の下端に配設されるスイッチ受け部F191bと、を備える。また、背面通路部材F191の下端側には、切欠き部F191cが切欠き形成される。
係合突部F191aには、挿通孔が穿設されており、その挿通孔に挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。また、係合突部F191aの突設長さは、球の外形よりも大きく形成され、係合突部F191aの突設先端をベース板60の背面に当接させることで、ベース板60と背面通路部材F191との間に球を案内(送球、流下)可能な空間を形成できる。
スイッチ受け部F191bは、背面通路部材F191の下端から正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成され、スイッチ受け部F191bの上面にスイッチF192が支持(配設)される。切欠き部F191cは、可動通路F193の外形に沿った形状に切り欠かれ、これにより、背面通路部材F191と可動通路F193とが当接することが抑制される。
スイッチF192は、駆動手段F180の駆動モータF181を駆動させる信号を出力するためのものであり、スイッチF192と駆動モータF181とは、配線(図示せず)により電気的に接続される。スイッチF192がオンされ、このオン動作に基づいて駆動モータF181へ信号が出力される。
可動通路F193は、スイッチF192をオンするためのものであり、被軸支部F193aと、その被軸支部F193aから正面側に突設される軸F193bと、被軸支部F193aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の端部に形成される通路部F193cと、を備える。
軸F193bがベース板60に穿設される挿通孔に挿通されることで、可動通路F193は、ベース板60に回転可能に支持される。また、可動通路F193の重心は、軸F193bよりも通路部F193c側に位置し、通路部F193cがスイッチF192に当接することで、可動通路F193の変位(回転)が規制される。なお、可動通路F193(通路部F193c)に球が非配設の状態においては、スイッチF192はオフの状態とされる。
通路部F193cは、可動通路F193(第7通路FRt7)へ案内(送球、流下)された球を遊技領域に流出(流下)させるための部位であり、通路部F193cには、通路部F193cの背面側(矢印B方向側)の端部から上方(矢印U方向)へ向けて突出する壁部F193c1と、通路部F193cの下面から下方(矢印D方向)へ向けて突出される押部F193c2と、通路部F193cの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置に配設される流出面F193c3と、が形成される。
通路部F193cは、背面通路部材F191側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成されると共に、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる湾曲状に形成される。これにより、通路部F193cへ案内(送球、流下)された球を壁部F193c1に当接させつつ左右方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)させることができ、球が遊技領域に流出(流下)されることを遅延させることができる。
また、通路部F193cの被軸支部F193aとは反対側における端部が第1入賞口64の下方(矢印D方向)に位置する。これにより、第1入賞口64から通路部F193cへ案内(送球、流下)された球を通路部F193cに沿って揺動(移動、転動)させ易くできる。
押部F193c2は、スイッチF192をオンさせるための部位であり、スイッチF192に当接した状態で配設される。可動通路F193(通路部F193c)に球が非配設の状態においては、スイッチF192はオフの状態であり、スイッチF192により可動通路F193の変位(回転)が規制される。可動通路F193(通路部F193c)に球が振り分けられ、可動通路F193の重量が増加することで、可動通路F193は、軸F193bを中心軸として変位(回転)し、スイッチF192がオンされる。
流出面F193c3は、ベース板60側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として形成(配置)される。また、流出面F193c3は、ベース板60の流出口FOPout2の背面に形成され、これにより、通路部F193cへ案内(送球、流下)された球が流出口FOPout2へ流入して遊技領域へ流出(流下)される。
なお、本実施形態におけるベース板60は、上記各実施形態におけるベース板60に対し、流出口FOPout2が穿設される以外は同一に形成されるため、同一の符号を付して説明する。
次いで、図1726から図1727を参照して、変位部材F130の変位(回転)に対する確定通路F140の開閉部材F143の変位(回転)について説明する。図1726(a)及び図1727(a)は、下側フレームF86bの部分拡大正面図であり、図1726(b)及び図1727(b)は、下側フレームF86bの部分拡大背面図である。
なお、図1726は、変位部材F130の変位(回転)前(以下「閉塞状態」と称す)における下側フレームF86bが、図1727は、変位部材F130の変位(回転)後(以下「開放状態」と称す)における下側フレームF86bが、それぞれ図示される。また、図1726(a)及び図1727(a)においては、通路部材F110の張出し部F111bの図示が省略され、図1726(b)及び図1727(b)においては、背面部材F150の図示が省略される。
また、図1727では、右方側(矢印R方向側)に配置された変位部材F130の変位(回転)後における下側フレームF86bが図示されるが、左方側(矢印L方向側)に配置された変位部材F130が変位(回転)した状態や、一対の変位部材F130が変位(回転)した状態においても下側フレームF86bの開放状態と定義する。
図1726に示すように、閉塞状態において、一対の開閉部材F143の遮断部F143aの対向面側の側面が背面部材F150の係止部F156bに当接することで開閉部材F143の変位が規制される。
上述したように、遮断部F143aは、正面視において、通路部材F110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。従って、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf1へ流入し難く、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され難い。
一対の遮断部F143aの対向間の距離は、球の直径よりもやや大きく形成される。言い換えると、一対の遮断部F143aは、流入口FOPf1の左右方向中央側には非配設とされ、流入口FOPf1で囲まれた領域における左右方向両側に配設される。
これにより、閉塞状態においても、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球は、一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入して、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)可能となる。
また、一対の遮断部F143aの対向間は、下側通路F112の起伏F112aの頂部の背面側(矢印B方向側)に形成される。これにより、下側通路F112の起伏F112aの頂部へ振り分けられた球は、起伏F112aの背面側(矢印B方向側)へ向けての下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、一対の遮断部F143aの対向間へ流入して、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い。
閉塞状態において、変位部材F130、連結部材F145及び錘F146の全体の重心は、軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。これにより、一対の遮断部F143aの対向する面と背面部材F150の係止部F156bとの当接状態が維持され、下側フレームF86bが閉塞状態に維持される。
以下に図1720及び図1721を適宜参照して詳細に説明する。変位部材F130、連結部材F145及び錘F146の全体の重心が軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置することで、変位部材F130には、軸F133を回転軸として凹部F131c側(左右方向両端側、図1722参照)が上方(矢印U方向)へ向けて回転する力が作用する。
軸F133と連結部材F145とは回転不能に係合(固着)されるため、連結部材F145のスライド係合部F145bには、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて回転する力が作用し、スライド係合部F145bに係合されるスライド部材F144(第2係合部F144d)には、左右方向両端側へ向けて変位する力が作用する。
スライド部材F144(第1係合部F144c)には、開閉部材F143(係合孔F143e)が係合されるため、スライド部材F144に左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位する力が作用することで、開閉部材F143には、軸F142を回転軸として係合孔F143eが左右方向両端側へ向けて回転する力が作用する。
なお、遮断部F143aと係合孔F143eとは、軸F142を挟んで前後方向(矢印F-B方向)に配設される。従って、遮断部F143aには、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて回転する力が作用し、これにより、一対の遮断部F143aの対向面側の側面と背面部材F150の係止部F156bとの当接状態が維持され、下側フレームF86bが閉塞状態に維持される。
次いで、下側フレームF86bの閉塞状態から開放状態への動作について説明する。上側通路F114の第2流出面F114b(第1通路FRt1)を案内された球が変位部材F130の転動面F131bへ案内(送球、流下)され(図1716参照)、球が左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて移動(流下、転動)することで、転動面F131bを移動(流下、転動)する球を含む変位部材F130、連結部材F145及び錘F146の全体の重心が、軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。
これにより、変位部材F130は、軸F133を回転軸として凹部F131c側(左右方向両端側、図1722参照)が下方(矢印D方向)へ向けて回転し、連結部材F145の連結本体部F145aが上方(矢印U方向)へ向けて回転する。上方へ回転した連結本体部F145aが演出手段F120の規制片F121dに当接することで、変位部材F130及び確定通路F140の動作が規制され、下側フレームF86bが開放状態に配置(維持)される。
なお、変位部材F130及び確定通路F140の各部材には上述した下側フレームF86bの閉塞状態の維持とは反対方向に力が作用することで下側フレームF86bが開放状態へ動作されるため、その詳細な説明は省略する。
図1727に示すように、下側フレームF86bの開放状態において、遮断部F143aは、通路部材F110の立て壁部F113の背面側(矢印B方向側)に配置される。言い換えると、遮断部F143aは、正面視において、通路部材F110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認不能となる位置に変位される。従って、下側フレームF86bの閉塞状態と比較して、一対の遮断部F143aの対向間の距離が大きくなり、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を、一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ易くできる。
下側フレームF86bの開放状態において、変位部材F130は、変位(回転)された状態に維持される。これにより、下側フレームF86bの開放状態を遊技者に視認させ易くできる。
このように、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)を移動(流下、転動)する球が変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ案内(送球、流下)されることで(図1716参照)、球の重量を利用して変位部材F130が閉塞状態から開放状態へ向けて変位(回転)する。これにより、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を、一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ易くでき、確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。
従って、下側通路F112(第5通路FRt5)を球が移動(流下、転動)している場合に、変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bを移動(流下、転動)する球の有無を遊技者に意識させ、興趣を高めることができる。
なお、下側フレームF86bの解放状態から閉塞状態へ向けての動作は、変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bから球が流出される(転動面F131bに球の重量が非作用となる)ことで行われる。下側フレームF86bの解放状態から閉塞状態へ向けての力(重力)の作用、は閉塞状態の維持と同様であるためその説明は省略する。
このように、球の重量を利用して下側フレームF86bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させることができるため、駆動装置を不要とでき、製造コストを低減できる。
ここで、遊技の興趣を高めるを高めるために、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)を移動(流下、転動)する球(以下「先行の球」と称す)が変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ振り分けられることで(図1716参照)、その先行の球の後続となる球(以下「後続の球」と称す)が第2通路部材F170(第2通路FRt2)若しくは振分通路F160(第4通路FRt4)へ振り分けられ易く(第1入賞口64へ入賞され易く)なる場合が考えられる。
この場合、下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)先行の球は、流出面F112bから遊技領域へ流出され易く(第1入賞口64へ入賞し難く)、従って、遊技者に最後まで注視され難い。
これに対し、本実施形態では、後続の球が変位部材F130の転動面F131b(第3通路FRt3)へ振り分けられる(案内される)ことで、先行の球を一対の遮断部F143aの対向間および流入口FOPf1へ流入させ易くできる(第1入賞口64へ入賞させ易くできる)。これにより、下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた先行の球を遊技者に最後まで注視させることができる。
また、後続の球が転動面F131bを移動(流下、転動)することで、先行の球だけでなくその先行の球よりも先に下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)球(以下「先々行の球」と称す)を第1入賞口64へ入賞させ易くできる。
従って、下側通路F112(第5通路FRt5)へ複数(2個以上)の球が振り分けられた(案内された)状態において、後続の球が転動面F131bへ振り分けられることで、下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する複数の球の全てを第1入賞口64へ入賞させ易くできるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、先行の球が変位部材F130の転動面F131b(第3通路FRt3)へ振り分けられる(案内される)ことで、先々行の球を第1入賞口64へ入賞させ易くでき、先行の球が下側通路F112(第5通路FRt5)へ振り分けられた(案内された)状態では、先行の球は第1入賞口64へ入賞可能となる。このように、先々行の球を第1入賞口64へ入賞させ易くする役割と第1入賞口64へ入賞する役割とを兼用させることができ、球の価値を高めることができる。
図1716から図1725に戻って、下側フレームF86bを流下する球について説明する。遊技領域を流下する球のうち、上側フレームF86aに配設される上側フレーム通路FRt0(図1715参照)を案内された球は、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)の上流端に流入(入球)される。
上側通路F114(第1通路FRt1)の上流端に流入(入球)された球は、上側通路F114(第1通路FRt1)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って上側通路F114の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)し、第1流出面F114a若しくは第2流出面F114bから第2通路部材F170(第2通路FRt2)若しくは変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)される。
第2通路部材F170(第2通路FRt2)へ案内(送球、流出)された球は、通路部F171の突出方向(矢印F方向)に沿って移動(流下、転動)し、通路部F171に穿設される第2通路貫通孔F171bを通過して振分通路F160(第4通路FRt4)へ案内(送球、流出)される。
変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)された球は、変位部材F130の延設方向(矢印L-R方向)に沿って第3通路流出面F131a若しくは転動面F131b上を移動(流下、転動)する。第3通路流出面F131aを移動(流下、転動)した球は、振分通路F160(第4通路FRt4)へ案内(送球、流出)され、転動面F131b上を移動(流下、転動)した球は、第3通路貫通孔F131dを通過して通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)へ案内(送球、流出)される。
ここで、変位部材F130の通路部F131に形成される起伏の頂部(第3通路流出面F131aと転動面F131bとの境界)は、上側通路F114(第1通路FRt1)の第2流出面F114bの鉛直方向(矢印U-D方向)における位置が最も低い位置よりも振分通路F160(第4通路FRt4)側となる位置に形成される。これにより、上側通路F114(第1通路FRt1)から通路部F131(第3通路FRt3)へ案内(送球、流下)された球は、第3通路流出面F131a(振分通路F160、第4通路FRt4)よりも転動面F131b(下側通路F112、第5通路FRt5)へ案内(送球、流下)され易い。
変位部材F130(第3通路FRt3)へ案内(送球、流出)された球が転動面F131bへ案内(送球、流下)されることで、下側フレームF86bが開放状態に配置され、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。
上述したように、変位部材F130の軸F133は、通路部材F110の第2流出面F114bの下方(矢印D方向)に配設されるため、第2流出面F114bから案内(送球、流下)された球を軸F133の上方(矢印U方向)における通路部F131へ案内(送球、流下)させることができる。これにより、通路部F131へ球が案内(送球、流下)された際の衝撃を通路部F131に加え軸F133により受け止めることができ、通路部F131の破損を抑制し易くできる。
また、転動面F131bを球が転動(送球、流下)するに従って、変位部材F130及び確定通路F140を徐々に変位(回転)させることができる。これにより、連結部材F145の連結本体部F145aと演出手段F120の規制片F121dとが当接する際の衝撃を小さくでき、連結本体部F145a又は規制片F121dの破損を抑制し易くできる。
ここで、図1728を参照して、変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)について説明する。図1728は、変位部材F130の部分上面図であり、図1728(a)は、下側フレームF86bの閉塞状態、図1728(b)から図1728(d)は、下側フレームF86bの開放状態における変位部材F130が図示される(図1726、図1727参照)。
図1728(a)に示すように、通路部材F110の上側通路F114(第1通路FRt1)(図1722参照)から変位部材F130(第3通路FRt3)の転動面F131bへ案内(送球、流下)された球CB1は、転動面F131bに形成される下降傾斜に沿って凹部F131cへ向けて移動(流下、転動)される。
図1728(b)に示すように、転動面F131bが壁部F132側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、球CB1は、壁部F132に当接しつつ凹部F131cへ向けて移動(流下、転動)される。このように、球CB1を壁部F132に当接しつつ移動(流下、転動)させることで、壁部F132との間に生じる摩擦力を利用して球の移動速度を低減できる。これにより、下側フレームF86bの開放状態における期間を長くできる。
図1728(c)に示すように、球CB1が壁部F132に当接しつつ移動(流下、転動)されることにより、球CB1は、凹部F131cにおける壁部F132側(矢印F方向側)へ案内される。即ち、球CB1は、凹部F131cの軸心(第3通路貫通孔F131dの中心)から偏心した位置へ向けて案内される。
図1728(d)に示すように、凹部F131cの軸心(第3通路貫通孔F131dの中心)から偏心した位置へ球CB1が案内されることで、球CB1は、凹部F131cの内周面に沿って周回され易い。これにより、球CB1が第3通路貫通孔F131dへ流入して変位部材F130(第3通路FRt3)から流出(流下)されることを遅延させることができる。その結果、変位部材F130に球CB1の重量が作用している期間を長くでき、下側フレームF86bの開放状態における期間を長くできる。
また、凹部F131cの内周面に沿って球CB1を移動(流下、転動)させることで、凹部F131cの内周面との間に生じる摩擦力を利用して球の移動速度を低減でき、球CB1が第3通路貫通孔F131dへ流入することを遅延させることができる。
ここで、凹部F131cの内周面および底面F131c1は、平坦面に形成される、言い換えると、凹部F131cの内周面が径方向において同一に形成され、底面F131c1が鉛直方向(矢印U-D方向)において同一に形成される。従って、、凹部F131cの内周面および底面F131c1に高低差が無く、球CB1を凹部F131cの内周面に沿って周回させ易くできる。
また、凹部F131cの内周面および底面F131c1が連続して形成される、言い換えると、凹部F131cの内周面および底面F131c1に間欠部が非形成とされるため、球CB1を凹部F131cの内周面に沿って周回させ易くできる。
図1716から図1725に戻って説明する。上述したように、通路部F131の延設方向(矢印L-R方向)において、第3通路流出面F131aに対向する位置には、振分通路F160における背面側(矢印B方向側)が配置される。
これにより、第3通路流出面F131a(第3通路FRt3)から第4通路部F161(第4通路FRt4)へ振り分けられた(案内された)球を円状に湾曲して形成される第4通路部F161の凹設側面に沿って移動(流下、転動)させることができ、第1振り分け孔F161a若しくは第2振り分け孔F161bを通過して下側通路F112(第5通路FRt5)へ案内(送球、流出)されることを遅延させることができる。その結果、遊技者に第1振り分け孔F161aを通過することを期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
第2通路部材F170の第2通路貫通孔F171bは、振分通路F160の第1振り分け孔F161aの上方(矢印U方向)に形成される(上面視において第2通路貫通孔F171bと第1振り分け孔F161aとが重なる位置に形成される)ため(図1722参照)、第2通路部材F170(第2通路FRt2)から振分通路F160(第4通路FRt4)へ振り分けられた(案内された)球は、振分通路F160の第1振り分け孔F161aを通過し易い。
一方、振分通路F160の第4通路部F161は、固定部F162から正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成され、且つ、第2振り分け孔F161bは、第1振り分け孔F161aより正面側に穿設されるため、変位部材F130(第3通路FRt3)から振分通路F160(第4通路FRt4)へ振り分けられた(案内された)球は、第2振り分け孔F161bを通過し易い。
振分通路F160(第4通路FRt4)の第1振り分け孔F161aを通過した球は、下側通路F112(第5通路FRt5)に形成される起伏F112aの頂部のへ案内(送球、流出)される。起伏F112aの背面側(矢印B方向側)へ向けての下降傾斜により、起伏F112aの頂部へ案内(送球、流出)された球は、流入口FOPf1へ向けて移動(流下、転動)し、開閉部材F143の一対の遮断部F143aの対向間へ流入して確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
一方、振分通路F160(第4通路FRt4)の第2振り分け孔F161bを通過、若しくは、変位部材F130(第3通路FRt3)の第3通路貫通孔F131dを通過した球は、下側通路F112(第5通路FRt5)に形成される起伏F112aの頂部とは異なる位置へ案内(送球、流出)される。
下側通路F112(第5通路FRt5)の流出面F112bは、起伏F112aの底部に形成されるため、起伏F112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられた球は、下側通路F112(第5通路FRt5)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)し、流出面F112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
また、立て壁部F113には膨出部F113aが正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成されるため、下側通路F112(第5通路FRt5)の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、膨出部F113aに沿って移動(流下、転動)することで、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分が付与される。従って、下側通路F112(第5通路FRt5)の左右方向中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、立て壁部F113に穿設される流入口FOPf1へ流入し難く、流出面F112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
ここで、下側フレームF86bの閉塞状態では、一対の遮断部F143aは、流入口FOPf1の縁部の内側に配設される。一方、下側フレームF86bの開放状態では、遮断部F143aは、通路部材F110の立て壁部F113の背面側(矢印B方向側)に配置され、閉塞状態よりも一対の遮断部F143aの対向間の距離が大きくされる。これにより、下側通路F112(第5通路FRt5)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、閉塞状態よりも開放状態において流入口FOPf1(一対の遮断部F143aの対向間)へ流入し、確定通路F140の第6通路部材F141(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
従って、下側通路F112(第5通路FRt5)を球が移動(流下、転動)している状態において、下側フレームF86bが開放状態となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
流入口FOPf1(一対の遮断部F143aの間)へ流入した球は、確定通路F140の第6通路部材F141(第6通路FRt6)へ案内(送球、流下)され、第6通路部材F141の通路部F141bに形成された一対の突部F141b3に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。次いで、通路部材F110の流出口FOPout1を通過して第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)される。
次いで、図1729から図1732を参照して、演出手段F120の可動部材F122の動作(上下方向の往復動)について説明する。図1729及び図1731は、下側フレームF86bの正面図である。図1730(a)及び図1732(a)は、下側フレームF86bの背面図であり、図1730(b)は、図1730(a)の矢印MDCLXIXb方向視における下側フレームF86bの側面図であり、図1732(b)は、図1732(a)の矢印MDCLXXIb方向視における下側フレームF86bの側面図である。
なお、図1729及び図1730は、可動部材F122が最も下方(矢印D方向)に配置された状態が図示され、図1731及び図1732は、可動部材F122が最も上方(矢印U方向)に配置された状態が図示される。
また、図1729及び図1731においては、ベース板60及び第7通路F190の背面通路部材F191の図示が省略され、図1730及び図1732においては、駆動手段F180のガイド部材F185の外形が二点鎖線で図示される。
図1729及び図1730に示すように、可動部材F122が最も下方(矢印D方向)に配置された状態では、固定部材F121の本体部および突出部と可動部材F122の本体部および突出部とにより囲まれた空間に開口部が形成され、その開口部から着色部材F123が露出される(着色部材F123が遊技者に視認可能とされる)。また、駆動手段F180の伝達軸F183に配設される偏心軸F183c及び連結部材F184は、最も下方(矢印D方向)に位置する。
次いで、可動部材F122の上方(矢印U方向)への動作(変位)について説明する。第1入賞口64から第7通路F190(第7通路FRt7)へ振り分けられた(案内された)球が可動通路F193の通路部F193cに案内(送球、流出)されることで、球および可動通路F193の重量により、可動通路F193は、軸F193bを回転軸として通路部F193cが下方側(矢印D方向側)へ向けて変位(回転)する。
これにより、スイッチF192がオンされ、駆動モータF181が駆動される。駆動モータF181の駆動により、伝達軸F183が回転し、偏心軸F183cが上方(矢印U方向)へ向けて変位する。偏心軸F183cと連結部材F184のスライド溝F184a1との係合により、連結部材F184が上方(矢印U方向)へ向けて変位することで、連結部材F184に固定(配設)される可動部材F122が上方へ向けて動作(変位)する。
可動部材F122の動作(変位)により、遊技者は、球が第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)されたことを視認でき、遊技者が第1入賞口64を注視することを不要とできる。なお、可動通路F193へ案内(送球、流出)された球は、通路部F193cの流出面F193c3からベース板60の流出口FOPout2を通過して遊技領域へ流出(流下)される。
図1731及び図1732に示すように、可動部材F122が最も下方(矢印D方向)に配置された状態と比較して、可動部材F122が最も上方(矢印U方向)に配置された状態では、固定部材F121の本体部および突出部と可動部材F122の本体部および突出部とにより囲まれた開口部は小さく、その開口部から露出される着色部材F123の露出面積が減少する。このように、可動部材F122の動作(変位)により、着色部材F123の露出面積が変化(減少あるいは増加)することで、可動部材F122が動作(変位)したこと、即ち、球が第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)されたことを遊技者に視認させ易くできる。
なお、可動部材F122が最も上方(矢印U方向)に配置された状態では、可動部材F122の本体部の下端は、着色部材F123の下端よりも下方(矢印D方向)に配設され、可動部材F122の下方から着色部材F123が露出することが抑制される。これにより、可動部材F122が上方(矢印U方向)に変位するにつれて着色部材F123の露出面積を減少させ続ける(可動部材F122の下方から着色部材F123が露出されることを抑制する)ことができ、可動部材F122が動作(変位)したことを遊技者に視認させ易くできる。
次いで、図1733を参照して、第94実施形態における下側フレームF2086bについて説明する。上記第93実施形態では、確定通路F140の開閉部材F143とスライド部材F144とが係脱不能に係合される場合を説明したが、第94実施形態における確定通路F2140の開閉部材F2143とスライド部材F2144とは係脱可能に係合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1733(a)及び図1733(c)は、第94実施形態における下側フレームF2086bの部分拡大正面図であり、図1733(b)及び図1733(d)は、下側フレームF2086bの部分拡大上面図である。なお、図1733(a)及び図1733(b)は、下側フレームF2086bの閉塞状態が図示され、図1733(c)及び図1733(d)は、右方側(矢印R方向側)に配置された変位部材F130が変位(回転)した場合における下側フレームF2086bの開放状態が図示される。また、図1733では、下側フレームF2086bの変位部材F130と、確定通路F2140の軸F142、開閉部材F2143、スライド部材F2144及び連結部材F145と、背面部材F150の一対のスライド棒F158と、が模式的に図示される。
図1733に示すように第94実施形態における開閉部材F2143の遮断部F143aには、左右方向(矢印L-R方向)両端側における背面から背面側(矢印B方向側)に突設する被規制部F2143fが形成される。また、スライド部材F2144のスライド本体部F144aには、被規制部F2143fの背面側となる位置に正面側(矢印F方向側)へ向けて突出する規制部F2144eが形成される。
また、開閉部材F2143の突出部F2143cに形成される係合孔F2143eには、左右方向(矢印L-R方向)両端側に切欠きF2143e1が形成される。これらにより、不正に開閉部材F2143を操作して開閉部材F2143を変位(回転)させることを抑制できる。
詳細に説明すると、図1733(a)及び図1733(b)に示すように、外力により軸F142を回転軸として開閉部材F2143を回転させる場合、係合孔F2143eに切欠きF2143e1が形成されるため、開閉部材F2143の突出部F2143c(係合孔F2143e)とスライド部材F2144の第1係合部F144cとは非係合となる。
これにより、開閉部材F2143の回転に対し、スライド部材F2144は、背面部材F150のスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位されず、閉塞状態の位置に留まる。その結果、被規制部F2143fと規制部F2144eとが当接し、開閉部材F2143の変位(回転)が抑制される。
図1733(c)及び図1733(d)に示すように、変位部材F130の変位(回転)に連動してスライド部材F2144が背面部材F150のスライド棒F158の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位される場合、スライド部材F2144の規制部F2144eは、開閉部材F2143の被規制部F2143fの背面側(矢印B方向側)とは異なる位置へ変位する。これにより、開閉部材F2143が変位(回転)可能となり、スライド部材F2144の変位に連動して開閉部材F2143が変位(回転)される。
なお、開閉部材F2143には、図示しない付勢ばね(例えば、ねじりばね)が係合され、その付勢ばねにより、開閉部材F2143の遮断部F143aには左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて変位する付勢力が作用される。これにより、変位部材F130(第3通路FRt3)から球が流出(流下、落下)されると、下側フレームF2086b(開閉部材F2143)は、開放状態から閉塞状態に動作される。
次いで、図1734を参照して、第95実施形態における下側フレームF3086bについて説明する。第95実施形態における下側フレームF3086bでは、確定通路F3140の錘支持部F3145cが破損して脱落した場合、スライド部材F3144の変位が規制される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1734(a)及び図1734(b)は、第95実施形態における下側フレームF3086bの部分拡大背面図であり、図1734(a)は、下側フレームF3086bの閉塞状態が図示され、図1734(b)は、下側フレームF3086bの開放状態が図示される。
なお、図1734(b)では、右方側(矢印R方向側)に配置された変位部材F130が変位(回転)した場合における下側フレームF3086bの開放状態であり、左方側(矢印L方向側)に配置された確定通路F3140の錘支持部F3145cが破損して連結本体部F145aから脱落した状態が模式的に図示される。
また、図1734では、演出手段F3120の固定部材F3121、変位部材F130、確定通路F3140、背面部材F150のスライド棒F158及び振分通路F160のみが図示される。
図1734に示すように第95実施形態における確定通路F3140は、スライド部材F3144のスライド本体部F3144aの上面が背面部材F150のスライド棒F158の上端と略同一の高さに形成され、スライド部材F3144には、スライド本体部F3144aの上端から突設される規制部F3144eが形成される。
規制部F3144eは、スライド部材F3144において左右方向(矢印L-R方向)両端側に形成され、その規制部F3144eの上端には、左右方向両端側へ向かうにつれて上昇傾斜する呼び込み部F3144fが形成される。
また、演出手段F3120の固定部材F3121の背面には、規制部F3121eが形成される。規制部F3121eは、左右方向(矢印L-R方向)において、スライド部材F3144の規制部F3144eと対面して配設され、下側フレームF3086bの閉塞状態において、規制部F3144eと所定(連結部材F3145の錘支持部F3145cの外形よりもやや大きい寸法)の距離を隔てて配設される。
確定通路F3140の錘支持部F3145cは、四角柱状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)において、スライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間に配設される。
本実施形態における下側フレームF3086bでは、錘支持部F3145cが演出手段F3120の規制片F121dに当接した際の衝撃や連結本体部F145aから錘支持部F3145cを不正に切断する等により、連結部材F3145から錘支持部F3145cが脱落した場合、その錘支持部F3145cは、スライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間に落下される。脱落した錘支持部F3145cは、スライド部材F3144のスライド本体部F3144aの上面および背面部材F150のスライド棒F158により支持される。
連結部材F3145から錘支持部F3145cが脱落した場合、1のユニットとして形成される変位部材F130及び確定通路F3140の全体の重心が軸F133よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。これにより、スライド部材F3144は、左右方向中央側へ向けて変位され、下側フレームF3086bは開放状態へ向けて動作(変位)する。
ここで、本実施形態おける下側フレームF3086bでは、脱落した錘支持部F3145cがスライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間に落下することで、錘支持部F3145cによりスライド部材F3144の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位が規制される。これにより、錘支持部F3145cの脱落に起因して下側フレームF3086bが開放状態となることを抑制できる。
また、スライド部材F3144が左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて変位され、スライド部材F3144の規制部F3144eと固定部材F3121の規制部F3121eとの間の距離が錘支持部F3145cの外形の寸法よりも小さい状態(下側フレームF3086bの開放状態)においては、錘支持部F3145cが呼び込み部F3144fに当接することで、スライド部材F3144を左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位させることができる。これにより、下側フレームF3086bを閉塞状態とできる。言い換えると、錘支持部F3145cが脱落することにより、下側フレームF3086bが開放状態に維持されることを抑制できる。
次いで、図1735から図1736を参照して、第96実施形態における下側フレームF4086bについて説明する。第96実施形態における下側フレームF4086bでは、変位部材F4130が変位(回転)することで、振分通路F160の第2振り分け孔F161bを球が通過することが抑制される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1735(a)及び図1736(a)は、第96実施形態における下側フレームF4086bの上面図であり、図1735(b)及び図1736(b)は、下側フレームF4086bの部分拡大正面図である。なお、図1735は、下側フレームF4086bの閉塞状態が図示され、図1736は、下側フレームF4086bの開放状態が図示される。また、図1735及び図1736では、変位部材F4130の抑制部F4134の一部が破線にて図示される。
図1735から図1736に示すように第96実施形態における変位部材F4130には、第93実施形態における変位部材F130に加え、抑制部F4134が形成される。抑制部F4134は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状体から形成され、その抑制部F4134の左右方向両端側の端部は、通路部F131に連結される。抑制部F4134の左右方向中央側の端部は、振分通路F160の第2振り分け孔F161bの下方側(矢印D方向側)へ向けて延設して形成される。また、抑制部F4134の左右方向中央側の端部には、上方側(矢印U方向側)へ向けて突出する突出部F4134aが突設される。
突出部F4134aは、円柱状から形成され、その突出部F4134aの外径は、振分通路F160(第4通路FRt4)の第2振り分け孔F161bの内径よりも小さく形成される。
突出部F4134aは、軸F133よりも下方側(矢印D方向側)に配設され、軸F133を回転軸として変位部材F4130が変位(回転)することで、突出部F4134aは、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて回転(変位)される。
また、図1735に示すように、下側フレームF4086bの閉塞状態においては、突出部F4134aは、振分通路F160の第2振り分け孔F161bの内周面よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される。これにより、振分通路F160(第4通路FRt4)の第2振り分け孔F161bを通過した球が突出部F4134aに当接することを抑制できる。
一方、図1736に示すように、下側フレームF4086bの開放状態においては、軸F133を回転軸として変位部材F4130が変位(回転)することで、突出部F4134aは、振分通路F160の第2振り分け孔F161bを挿通した状態に配設される。
従って、下側フレームF4086bの開放状態においては、第4通路部F161(第4通路FRt4)へ案内された球は、第2振り分け孔F161bを通過することが抑制され、第1振り分け孔F161aへ案内(送球、流出)させることができる(第1入賞口64へ入賞し易くできる)。
本実施形態における下側フレームF4086bでは、開放状態において、通路部材F110の下側通路F112(第5通路FRt5)を移動(流下、転動)する球を確定通路F140の通路部F141b(第6通路FRt6)へ振り分け易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できると共に、振分通路F160の第4通路部F161(第4通路FRt4)を移動(流下、転動)する球を通路部F141b(第6通路FRt6)へ振り分け易くできる。
言い換えると、変位部材F4130の通路部F131(第3通路FRt3)へ振り分けられた球が、第3通路流出面F131a若しくは第3通路貫通孔F131dのどちらへ向けて移動(流下、転動)する場合であっても通路部F141b(第6通路FRt6)へ振り分け易く(第1入賞口64へ入賞し易く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1737から図1749を参照して、第97実施形態における下側フレームF5086bについて説明する。上記第93実施形態では、球が変位部材F130の通路部F131へ振り分けられる(案内される)ことで開閉部材F143が変位(回転)する場合を説明したが、第97実施形態における下側フレームF5086bでは、変位手段F5150の変位部材F5155に球が保持されることで開閉部材F5158が変位(回転)する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1737は、第97実施形態における遊技盤F5013の正面図である。図1737に示すように、センターフレームF5086は、ベース板60の窓部60a(図1436参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームF5086aと下側フレームF5086bとを備える。
上側フレームF5086aは、ベース板60の窓部60a(図1436参照)における上側(図1737上側)及び左右(図1737左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームF5086bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図1737下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームF5086a及び下側フレームF5086bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81(図1573参照)が視認可能とされる。
なお、上側フレームF5086aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60aにおける下側(図1737下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームF5086bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図1737に加え、図1738から図1739を参照して下側フレームF5086bについて説明する。図1738は、下側フレームF5086bの正面斜視図であり、図1739は、下側フレームF5086bの背面斜視図である。
図1738から図1739に示すように、下側フレームF5086bには、球が移動(流下、転動)可能に形成される第1通路FRt51と、その第1通路FRt51を案内された球が移動(流下、転動)される第2通路FRt52及び一対の第3通路FRt53と、第2通路FRt52若しくは一対の第3通路FRt53を案内された球が移動(流下、転動)される第4通路FRt54と、第4通路FRt54を案内された球が流下される第5通路FRt55と、第4通路FRt54を案内された球が第5通路FRt55へ案内(流入、送球)される開口として形成される流入口FOPf51と、第5通路FRt55を流下された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout1とが形成される。
なお、一対の第3通路FRt53は、遊技盤F5013の幅方向(図1737左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1737左右対称)に配設される。
上側フレームF5086aには、上側フレーム通路FRt50が配設される(図1737参照)。上側フレーム通路FRt50は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路FRt50の下流端に第1通路FRt51の上流端が連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路FRt50に流入(入球)した球は、第1通路FRt51の上流端を介して、上側フレーム通路FRt50から下側フレームF5086bの第1通路FRt51へ流入(入球)される。なお、遊技領域から上側フレーム通路FRt50に流入(入球)した球は、上側フレーム通路FRt50から下側フレームF5086bの第1通路FRt51若しくは第4通路FRt54へ流入(入球)されても良い。
ここで、第5通路FRt55の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout1は、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第4通路FRt54の流入口FOPf51を通過して第4通路FRt54から第5通路FRt55へ振り分けられた(案内された)球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
なお、第4通路FRt54には、第1入賞口64に対して遊技盤F5013の幅方向(図1737左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F5112bが形成(配置)される。そのため、第4通路FRt54の流出面F5112bへ案内(送球、流下)される球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf51を通過して第4通路FRt54から第5通路FRt55へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
また、第4通路FRt54には、起伏F5112aが形成され、起伏F5112aの底部に流出面F5112bが形成され、起伏F5112aの頂部は、第5通路FRt55(流入口FOPf51)に向けて下降傾斜される。従って、第4通路FRt54のうち、起伏F5112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられ、第4通路FRt54の延設方向に沿って移動(流下、転動)される球は、第5通路FRt55へ案内(送球、流下)されるよりも流出面F5112bから遊技領域へ流出され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
一方、起伏F5112aの頂部へ振り分けられた球は、その起伏F5112aの下降傾斜に沿って第5通路FRt55へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
第1通路FRt51には、その第1通路FRt51を案内される球を第2通路FRt52、第3通路FRt53へ案内するために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第1流出面F5114a、第2流出面F5114bがそれぞれ形成(配置)される。第2流出面F5114bは、第1流出面F5114aに対して遊技盤F5013の幅方向(図1737左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。
なお、第1通路FRt51には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面F5114bが形成され、起伏の頂部に第1流出面F5114aが形成される。従って、第1通路FRt51へ振り分けられた球は、第1流出面F5114aから第2通路FRt52へ送球されるよりも第2流出面F5114bから第3通路FRt53へ流出され易い。
第2通路FRt52及び第3通路FRt53には、その第2通路FRt52若しくは第3通路FRt53を案内される球を第4通路FRt54へ案内するために遊技盤F5013の幅方向(図1737左右方向)の中央側から両端側へ向けて下降傾斜してそれぞれ形成される。
第2通路FRt52の下流端には、案内された球の重さにより動作(変位)する変位手段F5150の変位部材F5155が配設され、動作(変位)後における変位部材F5155は、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部とは異なる配置される。従って、第2通路FRt52へ案内された球は、第4通路FRt54の流出面F5112bへ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
また、第3通路FRt53の下流端は、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部に対して遊技盤F5013の幅方向(図1737左右方向)に異ならせた位置にそれぞれ配置されるため、第4通路FRt54の流出面F5112bへ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
下側フレームF5086bには、球の重さにより動作(変位)する変位手段F5150の開閉部材F5158が配設される。なお、開閉部材F5158は、正面視において流入口FOPf51の内周面よりも内側に配置され、第4通路FRt54を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf51を通過して第5通路FRt55へ振り分けられ(案内され)難い。
変位手段F5150は、第2通路FRt52を案内された球が変位部材F5155へ案内(送球、流下)されることで動作(変位)する。開閉部材F5158は、変位部材F5155の動作に連動することで変位し、正面視において流入口FOPf51の内周面よりも外側へ変位される(図1749参照)。
従って、第2通路FRt52に振り分けられた球が変位部材F5155へ案内(送球、流下)され、変位部材F5155が動作(変位)している、言い換えると、開閉部材F5158が流入口FOPf1を開放させた状態では、第4通路FRt54を移動(流下、転動)する球は、流入口FOPf51を通過して第5通路FRt55へ案内(送球、流下)され易くなる(第1入賞口64へ入賞し易くなる)。
また、一対の開閉部材F5158の右側開閉部材F5158Rは、一対の変位部材F5155の右側変位部材F5155Rに非連動とされ、第5通路FRt55へ少なくとも一球が案内(送球、流下)されるまで動作(変位)後における位置に留まり、右側開閉部材F5158Rは流入口FOPf51を開放させた状態となり続ける(図1749参照)。
このように、本実施形態における下側フレームF5086bは、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられ(案内され)、第4通路FRt54の延設方向に沿って球が移動(流下、転動)している状態において、その第4通路FRt54の延設方向に沿って移動(流下、転動)する球の後続となる球が第2通路FRt52へ案内(送球、流下)され、変位部材F5155が動作(変位)することで、第4通路FRt54の延設方向に沿って移動する(変位部材F5155へ案内された球の先行となる)球を第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させやすくできる(第1入賞口64に入賞し易くできる)。
また、一対の変位部材F5155の右側変位部材F5155Rが動作(変位)することで、第5通路FRt55へ少なくとも一球が案内(送球、流下)されるまで、第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ易い(第1入賞口64に入賞し易い)状態に維持できる。
よって、第4通路FRt54の起伏F5112aの頂部とは異なる位置へ振り分けられた(第1入賞口64へ入賞する確率が低い)球であっても、変位部材F5155が動作することで第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率が高められる)。その結果、第4通路FRt54を球が移動(流下、転動)している状態において、変位部材F5155、特に、右側変位部材F5155Rが動作することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1738から図1739に加え、図1740から図1747を参照して、下側フレームF5086bの詳細構成について説明する。
図1740は、下側フレームF5086bの分解正面斜視図であり、図1741は、下側フレームF5086bの分解背面斜視図である。図1742は、変位手段F5150の分解正面斜視図であり、図1743は、変位手段F5150の分解背面斜視図である。図1744は、下側フレームF5086bの上面図であり、図1745は、下側フレームF5086bの正面図であり、図1746は、下側フレームF5086bの背面図である。図1747(a)は、図1745の矢印MDCLXXXVIa方向視における下側フレームF5086bの側面図であり、図1747(b)は、図1745の矢印MDCLXXXVIb方向視における下側フレームF5086bの側面図であり、図1747(c)は、図1745のMDCLXXXVIc-MDCLXXXVIc線における下側フレームF5086bの断面図である。
図1738から図1747に示すように、下側フレームF5086bは、通路部材F5110と、その通路部材F5110の立て壁部F5113の正面側(矢印F方向側)に配設される第2通路部材F5120と、通路部材F5110の背面側(矢印B方向側)に配設される背面部材F5130と、その背面部材F5130と通路部材F5110との間に配設される第5通路部材F5140と、背面部材F5130の背面側に配設される変位手段F5150と、その変位手段F5150の下方側(矢印D方向側)に配設される維持手段F5160と、を備える。
通路部材F5110には流出口FOPout1が形成され、その流出口FOPout1に第5通路部材F5140の第5通路部F5141が挿通される。また、通路部材F5110及び背面部材F5130には第1挿通孔F5113b及び第2逃がし孔F5131bがそれぞれ形成され、第1挿通孔F5113b及び第2逃がし孔F5131bに変位手段F5150の変位部材F5155が挿通される。
また、背面部材F5130には第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dが形成され、第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dに変位手段F5150の一対の開閉部材F5158が挿通され、第4逃がし孔F5131dに及び維持手段F5160の通路部材F5162が挿通される。
動作(変位)後における一対の変位部材F5155の右側変位部材F5155Rは、維持手段F5160に係合されることで、その動作(変位)後における位置に留まる。維持手段F5160に球が案内(送球、流下)されることで、右側変位部材F5155Rと維持手段F5160との係合が解除され、右側変位部材F5155Rは、動作(変位)前の位置へ復帰する。
通路部材F5110には、背面部材F5130及び第2通路部材F5120がタッピングネジによりそれぞれ締結固定される。第5通路部材F5140、変位手段F5150及び維持手段F5160は、タッピングネジにより背面部材F5130にそれぞれ締結固定される。これらにより、下側フレームF5086bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1738、図1739参照)。
下側フレームF5086bは、通路部材F5110、第2通路部材F5120及び維持手段F5160や変位部材F5155を除く変位手段F5150が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、第5通路部材F5140及び変位手段F5150の変位部材F5155が有色の樹脂材料から構成される。また、変位手段F5150の振り分け部材F5154は、その振り分け部材F5154の一部(表示部F5154d)に塗装が施される。よって、第1通路FRt51から第5通路FRt55を移動する球を遊技者に視認させると共に、変位部材F5155及び振り分け部材F5154の表示部F5154dの動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第5通路部材F5140及び変位手段F5150の変位部材F5155は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームF5086bは、維持手段F5160の正面側(矢印F方向側)に位置する第5通路部材F5140が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、維持手段F5160が正面側から遊技者に視認不能とできる。なお、維持手段F5160は、第5通路部材F5140が光透過性の樹脂材料から構成されることで、維持手段F5160が正面側から遊技者に視認可能となるように構成されても良い。
通路部材F5110は、第1通路FRt51及び第4通路FRt54を形成するためのものであり、正面を形成する板状の正面板F5111と、その正面板F5111の背面から突設される下側通路F5112と、その下側通路F5112の背面側(矢印B方向側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に延設される立て壁部F5113と、その立て壁部F5113の背面から突設される上側通路F5114と、下側通路F5112及び上側通路F5114の左右方向両端側の端部から鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される一対の留め部F5115と、を備える。
背面部材F5130、立て壁部F5113及び上側通路F5114により区画された空間により第1通路FRt51が形成され、正面板F5111、下側通路F5112及び立て壁部F5113により区画された空間により第4通路FRt54が形成される。
正面板F5111は、下側通路F5112の上面を移動(流下、転動)する球が遊技領域へ流出されることを抑制するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される中央部と、その中央部の左右方向両端側から外側へ向けて鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜される傾斜部とから形成される。正面板F5111の傾斜部の上端は、下側通路F5112の上面よりも鉛直方向上方に形成される。これにより、下側通路F5112の上面を移動(流下、転動)する球は、正面板F5111の傾斜部の背面に当接可能となり、下側通路F5112の上面を移動(流下、転動)する球の遊技領域への流出が抑制される。
正面板F5111には、その正面板F5111の外縁に沿って複数の挿通孔F111aが板厚方向に穿設される。下側フレームF5086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔F111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板F5111の中央部には、第1入賞口64(図1737参照)の鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置に流出口FOPout1が開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口FOPout1は、第5通路FRt55を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口である。
正面板F5111には、流出口FOPout1の鉛直方向上方(矢印U方向)に張出し部F5111bが鉛直方向上方へ向けて突設される。また、正面視における形状が下側通路F5112の流出面F5112bの形状と略同一となる切欠き部F5111cが流出面F5112bの正面側(矢印F方向側)に形成される。切欠き部F5111cを通過することで、第4通路FRt54を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される。
下側通路F5112は、第93実施形態における下側通路F112に対し、左右方向(矢印L-R方向)における起伏F5112a及び一対の流出面F5112bの形状や、下側通路F5112の前後方向(矢印F-B方向)における寸法が異なる以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
起伏F5112aは、第93実施形態における起伏F112aと比較して、左右方向(矢印L-R方向)方向の幅寸法が大きく形成される。また、流出面F5112bは、第93実施形態における流出面F112bと比較して、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向かうにつれて左右方向(矢印L-R方向)における凹設寸法が大きく形成される。従って、下側通路F5112(第1通路FRt51)の正面側を移動(流下、転動)する球は、流出面F5112bを左右方向に通過する(横切る)よりも流出面F5112bから遊技領域へ流出され易い。
立て壁部F5113は、下側通路F5112と上側通路F5114とを連結するための部位である。立て壁部F5113には、左右方向(矢印L-R方向)中央側に膨出部F5113aが形成され、その膨出部F5113aには、流入口FOPf51が開口形成(板厚方向に穿設)される。
また、立て壁部F5113には、流入口FOPf51の左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される一対の第1挿通孔F5113bと、その第1挿通孔F5113bの上方側(矢印U方向側)に配設される一対の第2挿通孔F5113cと、流入口FOPf51の上方に配設される第3挿通孔F5113dと、が開口形成(板厚方向に穿設)される。
流入口FOPf51の左右方向(矢印L-R方向)における寸法は、球の外形よりも大きく形成され、詳細には、球の外形の略5倍の大きさに形成される。上述したように、流入口FOPf51は、第4通路FRt54を案内された球が第5通路FRt55へ流出される際の出口となる開口である。なお、正面視において流入口FOPf51の内周面により囲まれた領域のうち、左右方向左右方向略中央を除いた領域には変位手段F5150の開閉部材F5158が配設される。これにより、下側通路F5112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球を第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ難くできる。
膨出部F5113aは、正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成される。これにより、立て壁部F5113に当接しつつ下側通路F5112(第4通路FRt54)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球が起伏F5112aを通過する際、起伏F5112aを通過する球へ正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分を付与できる。その結果、起伏F5112aを通過する球を第5通路FRt55へ案内(送球、流下)させ難くできる(流入口FOPf1を通過させ難くできる)。
第1挿通孔F5113bは、変位手段F5150の変位部材F5155を挿通させるための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜して配設される。これにより、変位部材F5155を変位させる(変位部材F5155と第1挿通孔F5113bとが当接することを抑制する)ための開口を小さくでき、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
第1挿通孔F5113bには、上方側(矢印U方向側)へ向けて切欠かれる切欠き部F5113b1が切欠き形成される。その切欠き部F5113b1へ変位手段F5150の変位部材F5155を変位させることで、変位手段F5150の第2軸受け部材F5152に対し、変位部材F5155を上方側(矢印U方向側)へ変位させることができ、変位部材F5155と第2軸受け部材F5152との係合を解除できる。
第2挿通孔F5113cには、タッピングネジが挿通され、その第2挿通孔F5113cを挿通したタッピングネジが第2通路部材F5120に締結されることで、第2通路部材F5120が立て壁部F5113に固定(配設)される。
第3挿通孔F5113dは、変位手段F5150の振り分け部材F5154を挿通させるための部位であり、これにより、変位手段F5150の振り分け部材F5154が立て壁部F5113の正面側(矢印F方向側)に配設される。
立て壁部F5113の上端は、上側通路F5114の上面よりも鉛直方向上方に形成される。これにより、上側通路F5114の上面を移動(流下、転動)する球は、立て壁部F5113の背面に当接可能となり、第4通路FRt54へ流出(流下)されることを抑制できる。
また、立て壁部F5113の上端には、正面視における形状が上側通路F5114の第1流出面F5114a及び第2流出面F5114bの形状と略同一となる切欠きが第1流出面F5114a及び第2流出面F5114bの正面側(矢印F方向側)にそれぞれ形成される。それら切欠きを通過することで、第1通路FRt51を案内された球が第2通路FRt52、或いは、第3通路FRt53へ流出(流下)される。
上側通路F5114は、第93実施形態における上側通路F114に対し、第1流出面F5114a及び一対の第2流出面F5114bの形状や、上側通路F5114の前後方向(矢印F-B方向)における寸法が異なる以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
第1流出面F5114aは、第93実施形態における第1流出面F114aと比較して、左右方向(矢印L-R方向)における幅寸法が大きく形成される。従って、上側通路F5114(第1通路FRt51)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、第1流出面F5114aへ案内され易く、第1流出面F5114aから第2通路FRt52へ案内(送球、流下)され易い。
一方、第2流出面F5114bは、第93実施形態における第2流出面F114bと比較して、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向かうにつれて左右方向(矢印L-R方向)における幅寸法が大きく形成される。従って、上側通路F5114(第1通路FRt51)の正面側を移動(流下、転動)する球は、第2流出面F114bを左右方向に通過する(横切る)よりも第2流出面F114bから第2通路部材F5120(第2通路FRt52)へ流出され易い。
留め部F5115は、第93実施形態における留め部F115に対し、留め部F5115の形状が異なることや、留め部F5115の板厚方向に穿設される挿通孔F115aが1箇所であること以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
第2通路部材F5120は、第2通路FRt52及び第3通路FRt53を形成するためのものであり、第2通路部F5121と、その第2通路部F5121の左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される湾曲部F5122と、第2通路部F5121の正面端から突設される第2通路壁部F5123と、第2通路部F5121の正面側(矢印F方向側)に配設される一対の第3通路部F5124(図1744参照)と、その第3通路部F5124の外縁に配設される第3通路壁部F5125と、一対の第3通路壁部F5125の間に配設される中央壁部F5126と、を備える。
第2通路部F5121、第2通路壁部F5123及び通路部材F5110の立て壁部F5113により区画された空間により第2通路FRt52が形成され、第3通路部F5124(図1744参照)、第3通路壁部F5125及び通路部材F5110の立て壁部F5113(膨出部F5113a)により区画された空間により第3通路FRt53が形成される。
第2通路部F5121は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から形成される。第2通路部F5121は、左右方向(矢印L-R方向)中央側から両端側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第2通路部F5121へ案内(送球、流下)された球を左右方向に沿って移動(流下、転動)させることができる。
また、第2通路部F5121は、立て壁部F5113側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第2通路部F5121を移動(流下、転動)する球が第3通路部F5124へ案内(送球、流出)されること、若しくは、湾曲部F5122に当接すること無く第2通路部F5121から移動(流下、落下)されることを抑制できる。
また、第2通路部F5121の左右方向(矢印L-R方向)中央側には、切欠き部F5121aが切欠き形成される。切欠き部F5121aは、通路部材F5110の立て壁部F5113の第3挿通孔F5113dを挿通した変位手段F5150の振り分け部材F5154を第2通路部F5121の上面に配設させるための切欠きである。
湾曲部F5122は、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球の変位の方向を変化させるための部位であり、上面視において左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて凹となる湾曲状に形成される。湾曲部F5122に当接することで、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球の変位の方向が第2通路部F5121の延設方向先端側(左右方向両端側)から正面側(矢印F方向側)へ向けて変更される。
第2通路壁部F5123は、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球が通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位であり、第2通路部F5121の正面端から上方(矢印U方向)へ向けて立設して形成される。
第2通路壁部F5123の立設高さは、球の外形よりもやや小さく形成され、これにより、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球が遊技者に視認可能とされる。なお、第2通路壁部F5123の立設高さは、球の外形よりもやや小さく形成されても良い。この場合においても、第2通路壁部F5123が光透過性の樹脂材料から構成されるため、第2通路部F5121の上面を移動(流下、転動)する球が遊技者に視認可能とされる。
第3通路部F5124は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、第3通路部F5124は、左右方向(矢印L-R方向)中央側から両端側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、第3通路部F5124へ案内(送球、流下)された球を通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)させることができる。
第3通路壁部F5125は、第3通路部F5124の上面を移動(流下、転動)する球が通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位であり、第3通路部F5124の正面端及び左右方向(矢印L-R方向)中央側の端部から上方(矢印U方向)へ向けて立設して形成される。
なお、第3通路壁部F5125は、第3通路部F5124の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部には非形成であり、その非形成部を通過することで、第3通路部F5124の上面を移動(流下、転動)する球が通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)される。
また、第3通路壁部F5125の上方側(矢印U方向側)には、第2通路壁部F5123に連結する連結部F5125aが形成される。連結部F5125aが第2通路壁部F5123に連結されることで、第3通路壁部F5125に球が当接する等により第3通路壁部F5125が破損することを抑制し易くできる。
なお、連結部F5125aは、第3通路部F5124の上面から球の外形よりも大きな距離だけ上方側(矢印U方向側)に隔てた位置に配設され、これにより、第3通路部F5124の上面を移動(流下、転動)する球は、連結部F5125aと第3通路部F5124との間を通過して通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)される。
中央壁部F5126は、上側通路F5114の第1流出面F5114aから第2通路部F5121へ案内(送球、流下)された球が通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制するための部位であり、一対の第3通路壁部F5125の間において、第2通路部F5121の正面端から上方(矢印U方向)へ向けて立設して形成される。
背面部材F5130は、下側フレームF5086bの背面を形成するためのものであり、背面壁部F5131と、その背面壁部F5131の左右方向(矢印L-R方向)両端側から突出される一対の固定部F5132と、を備える。
背面壁部F5131は、横長略矩形の板状体から構成され、背面壁部F5131には、左右方向(矢印L-R方向)中央側に形成される第1逃がし孔F5131aと、第1逃がし孔F5131aよりも下方側(矢印D方向側)であって第1逃がし孔F5131aよりも左右方向両端側に形成される一対の第2逃がし孔F5131bと、右方側(矢印R方向側)に形成される第2逃がし孔F5131bの下方側に形成される第3逃がし孔F5131cと、左方側(矢印L方向側)に形成される第2逃がし孔F5131bの下方側に形成される第4逃がし孔F5131dと、が板厚方向にそれぞれ開口形成(板厚方向に穿設)される。
第1逃がし孔F5131aは、変位手段F5150の振り分け部材F5154及び第2係合部F5157cを挿通させるための部位であり、横長略矩形に形成される。
第2逃がし孔F5131bは、変位手段F5150の変位部材F5155を挿通させるための部位であり、横長略矩形にそれぞれ形成される。第2逃がし孔F5131bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜してそれぞれ配設される。これにより、変位部材F5155を変位させる(変位部材F5155と第2逃がし孔F5131bとが当接することを抑制する)ための開口を小さくでき、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dは、変位手段F5150の開閉部材F5158を挿通させるための部位であり、横長略矩形に形成される。また、第4逃がし孔F5131dには、維持手段F5160が挿通される。
第3逃がし孔F5131c及び第4逃がし孔F5131dは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜してそれぞれ配設される。これにより、開閉部材F5158を変位させる(開閉部材F5158と第3逃がし孔F5131c又は第4逃がし孔F5131dとが当接することを抑制する)ための開口を小さくでき、針金等の異物の侵入を抑制し易くできる。
固定部F5132は、ベース板60に背面部材F5130を締結固定するための部位である。通路部材F5110の正面板F5111に加え、固定部F5132がベース板60に固定(配設)されることで、下側フレームF5086bのベース板60に対する姿勢の安定化を図ることができる。
また、通路部材F5110の留め部F5115に穿設される挿通孔F115aを挿通したタッピングネジが固定部F5132に締結固定されることで、背面部材F5130が通路部材F5110に固定(配設)される。
固定部F5132の正面端は、ベース板60に当接して配設される。また、固定部F5132の下方端は、変位手段F5150の変位部材F5155や開閉部材F5158よりも下方(矢印D方向)に配設される。これらにより、針金等の異物の侵入を抑制し易くでき、変位手段F5150の変位部材F5155や開閉部材F5158を不正に操作することを抑制し易くできる。
第5通路部材F5140は、第5通路FRt55を形成するためのものであり、第5通路部F5141と、その第5通路部F5141の背面側(矢印B方向側)であって、第5通路部F5141の上方側(矢印U方向側)に配設される一対の誘導部F5142と、を備える。
第5通路部F5141は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される底面部F5141aと、その底面部F5141aの左右方向両端側から上方(矢印U方向)へ向けて突設される一対の壁部F5141bと、を備え、正面視において略U字状に形成される。また、底面部F5141aの上面には、幅方向(矢印L-R方向)中央から所定の距離だけ離れた位置に一対の突部F5141cがそれぞれ突設される。底面部F5141a及び一対の壁部F5141bにより区画された空間により第5通路FRt55が形成される。
第5通路部F5141は、第93実施形態における確定通路F140の通路部F141bに対し、前後方向(矢印F-B方向)における延設長さが異なる以外は同一に形成されるため、その説明は省略する。
第5通路部材F5140が背面部材F5130に固定された状態において、第5通路部F5141は、通路部材F5110の流出口FOPout1の背面側(矢印B方向側)に配設され、流出口FOPout1を通過させることで、第5通路部F5141(第5通路FRt55)を移動(流下、落下)する球を遊技領域へ流出させることができる。
誘導部F5142は、流入口FOPf51を通過した球を維持手段F5160の通路部材F5162へ案内(送球、流下)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。
変位手段F5150は、その変位手段F5150の動作(変位)に応じて通路部材F5110の下側通路F5112を移動(流下、落下)する球の第5通路部材F5140(第5通路FRt55)への案内のされ易さを変化させるためのものであり、第1軸受け部材F5151と、その第1軸受け部材F5151から左右方向(矢印L-R方向)両端側に所定の距離だけ隔てて配設される一対の第2軸受け部材F5152と、第1軸受け部材F5151及び第2軸受け部材F5152に固定(配設)されるスライド棒F5153と、第1軸受け部材F5151に回転可能に係合される振り分け部材F5154と、第2軸受け部材F5152に回転可能に係合される変位部材F5155と、その変位部材F5155に配設される錘F5156と、スライド棒F5153及び変位部材F5155に係合されるスライド部材F5157と、そのスライド部材F5157に係合される開閉部材F5158と、その開閉部材F5158を回転可能に保持する保持部材F5159と、を備える。
本実施形態においては、左右方向(矢印L-R方向)における左方側(矢印L方向側)に配設される変位部材F5155、スライド部材F5157及び開閉部材F5158を左側変位部材F5155L、左側スライド部材F5157L及び左側開閉部材F5158Lと、右方側(矢印R方向側)に配設される変位部材F5155、スライド部材F5157及び開閉部材F5158を右側変位部材F5155R、右側スライド部材F5157R及び右側開閉部材F5158Rと、それぞれ符号を付して区別する。
第1軸受け部材F5151は、第2軸受け部材F5152と共にスライド棒F5153を保持するためのものであり、第1軸受け部材F5151には、第1軸受け部材F5151の背面から背面側(矢印B方向側)へ突出して形成される規制部F5151aと、第1軸受け部材F5151の上面から上方(矢印U方向)へ突出して形成される軸部F5151bとが形成される。
また、第1軸受け部材F5151には、複数(本実施形態においては2箇所)の挿通孔が穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130の背面壁部F5131に締結されることで、第1軸受け部材F5151が背面壁部F5131に固定(配設)される。
規制部F5151aは、板状体であり、第1軸受け部材F5151における下方側(矢印D方向側)に配設される。規制部F5151aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成される。また、規制部F5151aには、スライド棒F5153を挿通するための挿通孔が形成される。
軸部F5151bは、円柱状に形成され、軸部F5151bには、振り分け部材F5154が回転可能に係合される。これにより、振り分け部材F5154は、軸部F5151bを回転軸として回転(変位)可能に係合される。
第2軸受け部材F5152は、背面部材F5130の背面壁部F5131に固定(配設)される。なお、第2軸受け部材F5152は、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに対して垂直となる方向に所定(スライド棒F5153の軸方向寸法よりも小さい)距離だけ隔てた位置に配設される。
第2軸受け部材F5152には、第2軸受け部材F5152の背面から背面側(矢印B方向側)へ突出して形成される規制部F5152aが形成される。規制部F5152aは、板状体であり、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに対し平行に配設される。また、規制部F5152aには、スライド棒F5153を挿通するための挿通孔が形成される。
規制部F5152a若しくは第1軸受け部材F5151の規制部F5151aにスライド部材F5157が当接することで、スライド部材F5157の変位が規制される。
また、第2軸受け部材F5152には、複数(本実施形態においては2箇所)の挿通孔が穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130の背面壁部F5131に締結されることで、第2軸受け部材F5152が背面壁部F5131に固定(配設)される。
また、第2軸受け部材F5152には、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向かうにつれて上昇傾斜する方向に突出する突出部(図示せず)が突設され、その突出部に玉軸受F5152bが配設される。
玉軸受F5152bは、内輪と、その内輪の外周面に配設される複数の玉と、それら複数の玉を介して内輪に回転可能に配設される外輪と、から構成される。玉が自転することで、内輪の外周面と外輪の内周面とが当接する場合と比較して内輪と外輪との間に生じる摩擦が低くなり、内輪に対して外輪が容易に回転できる。第2軸受け部材F5152の突出部(図示せず)に内輪を外嵌することで、玉軸受F5152bは、突出部に支持(配設)される。
スライド棒F5153は、そのスライド棒F5153の延設方向に沿ってスライド部材F5157を変位させるためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。スライド棒F5153の外周面には、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aよりもやや左右方向(矢印L-R方向)中央側となる位置および第2軸受け部材F5152の規制部F5152aよりもやや左右方向両端側となる位置に、径方向へ向けての切り込みがそれぞれ形成される。
第1軸受け部材F5151の軸部F5151b及び第2軸受け部材F5152の規制部F5152aに穿設される挿通孔にスライド棒F5153を挿通した状態でスライド棒F5153に形成される切り込みに金属リング状のCリング(図示せず)をそれぞれ嵌合することで、スライド棒F5153は、第1軸受け部材F5151及び第2軸受け部材F5152に抜去不能に支持される。
また、スライド棒F5153は、そのスライド棒F5153の延設方向(軸方向)が第1軸受け部材F5151の規制部F5151a(第2軸受け部材F5152の規制部F5152a)に垂直な方向に沿った姿勢で第1軸受け部材F5151及び第2軸受け部材F5152に支持される。従って、スライド棒F5153は、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて上昇傾斜した姿勢で配設される。
振り分け部材F5154は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)方向を変更させるためのものであり、被係合部F5154aと、その被係合部F5154aの正面端から立設される中間部F5154bと、その中間部F5154bの上端から正面側(矢印F方向側)へ向けて突設される振り分け部F5154cと、中間部F5154bの正面に配設される表示部F5154dと、を備える。
被係合部F5154aは、板状体から形成され、被係合部F5154aのの背面側(矢印B方向側)における端部には挿通孔が穿設される。その挿通孔に第1軸受け部材F5151の軸部F5151bが挿通されることで、振り分け部材F5154は、第1軸受け部材F5151の軸部F5151bに軸支される。
また、被係合部F5154aの延設方向(矢印F-B方向)の略中央には、上方(矢印U方向)へ向けて軸部F5154a1が突設される。軸部F5154a1は、円柱状から形成され、軸部F5154a1には、スライド部材F5157の第2係合部F5157cが係合される。
中間部F5154bは、板状体から形成され、通路部材F5110の第3挿通孔F5113d及び第2通路部材F5120の切欠き部F5121aを通過して通路部材F5110の立て壁部F5113と第2通路部材F5120の中央壁部F5126との間に配設される。中間部F5154bの上端は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121よりも上方(矢印U方向)に配設され、これにより、振り分け部F5154cは、第2通路部F5121の上方(矢印U方向)に配設される。
また、中間部F5154bは、第2通路部材F5120の切欠き部F5121aに沿って湾曲して形成される。これにより、振り分け部材F5154が回転(変位)した場合において、中間部F5154bと第2通路部材F5120の第2通路部F5121とが当接することを抑制できる。
振り分け部F5154cは、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から形成される。振り分け部F5154cの上面には起伏が形成され、起伏の頂部は、振り分け部F5154cの左右方向の略中央に配設される。起伏は、左右方向両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、振り分け部F5154cへ振り分けられた球は、その下降傾斜に沿って左右方向中央側から左右方向両端側へ向けて移動(流下、落下)する。
表示部F5154dは、振り分け部F5154cの位置を示す部位であり、振り分け部F5154cの下方(矢印D方向)に配設される。表示部F5154dは、着色されており、表示部F5154d(振り分け部F5154c)の位置を遊技者に視認させ易くできる。
変位部材F5155は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121から振り分けられた(案内された)球を通路部材F5110の下側通路F5112へ案内(送球、流下)するためのものであり、第2軸受け部材F5152の玉軸受F5152bに軸支(係合)される軸支部F5155aと、その軸支部F5155aの外周面から正面側(矢印F方向側)に突設する腕部F5155bと、軸支部F5155aの外周面から背面側(矢印B方向側)に突設する錘支持部F5155cと、腕部F5155bの先端に配設される本体部F5155dと、その本体部F5155dの背面側(矢印B方向側)に配設される保持部F5155eと、その保持部F5155eの左右方向(矢印L-R方向)中央側に配設される規制壁F5155fと、を備える。
軸支部F5155aは、玉軸受F5152bの軸方向に沿って凹設される円筒状に形成され、軸支部F5155aの内周面は、玉軸受F5152bの外径よりもやや大きく形成される。軸支部F5155aの内周面に玉軸受F5152bが内包されることで、変位部材F5155は、玉軸受F5152bに回転可能に軸支される。
腕部F5155bは、板状体であり、背面部材F5130の第2逃がし孔F5131b及び通路部材F5110の第1挿通孔F5113bを挿通して配設される。腕部F5155bの延設長さは、背面部材F5130の背面壁部F5131と通路部材F5110の立て壁部F5113との間の距離よりも長く形成される。これにより、軸支部F5155aが玉軸受F5152bに軸支された状態において腕部F5155bの先端は、通路部材F5110の立て壁部F5113よりも正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、パチンコ機10(図1572参照)に衝撃等が加えられた場合、腕部F5155bを撓ませ易く(軸支部F5155aに対し、腕部F5155bの先端を変位させ易く)できる。
腕部F5155bの外形は、背面部材F5130の第2逃がし孔F5131b及び通路部材F5110の第1挿通孔F5113bよりも小さく形成される。これにより、腕部F5155bに外力が加えられた場合、腕部F5155bは、第2逃がし孔F5131b及び第1挿通孔F5113bに挿通された状態において、左右方向(矢印L-R方向)又は上下方向(矢印F-B方向)に変位可能に配設される。
また、軸支部F5155aが玉軸受F5152bに軸支された状態では、腕部F5155bの上面と通路部材F5110の第1挿通孔F5113bの上方側(矢印U方向側)における縁との間の距離は、玉軸受F5152bの軸方向寸法よりも小さく形成される。これにより、腕部F5155bが玉軸受F5152bの軸方向に変位した場合において、軸支部F5155aと玉軸受F5152bとの軸支が解除されることを抑制できる。
なお、通路部材F5110の第1挿通孔F5113bに形成される切欠き部F5113b1へ腕部F5155bを案内させることで、玉軸受F5152bの軸方向への腕部F5155bの変位量を大きくでき、軸支部F5155aと玉軸受F5152bとの軸支を解除できる。
錘支持部F5155cは、玉軸受F5152bの軸方向に沿って凹設される円筒状に形成され、錘支持部F5155cの内周面は、錘F5156の外径よりもやや大きく形成される。錘支持部F5155cの内周面に錘F5156が内包されることで、錘F5156が錘支持部F5155cに配設(支持)される。
また、錘支持部F5155cの上面には、玉軸受F5152bの軸方向に沿って突出する突出部F5155c1が突設され、突出部F5155c1がスライド部材F5157の第2挿通孔F5157a2に挿通されることで、変位部材F5155とスライド部材F5157とが係合される。
本体部F5155dは、着色され、これにより、変位部材F5155が動作(回転、変位)していることを遊技者に視認させ易くできる。本体部F5155dには、下方側(矢印D方向側)に円筒状に凹設される凹部F5155d1が形成され、その凹部F5155d1の底面には貫通孔F5155d2が円状に穿設される。凹部F5155d1と貫通孔F5155d2とは同一軸上に配置される。
凹部F5155d1の内径は、球の直径の略1.5倍の大きさに形成され、凹部F5155d1の内周面と貫通孔F5155d2の内周面との間の距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球の重心を貫通孔F5155d2の内周面よりも内側へ位置させることができ、球の自重を利用して凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球を、貫通孔F5155d2へ向けて変位させることができる。
また、凹部F5155d1の凹設深さは、球の直径よりも小さく形成される。これにより、凹部F5155d1に球が案内(送球、流下)されたことを遊技者に視認させることができる。
保持部F5155eは、前後方向(矢印F-B方向)に球の直径よりも小さい距離だけ隔てて配設される一対の直線部F5155e1と、一対の直線部F5155e1の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部どうしを連結する湾曲状の湾曲部F5155e2とを備え、上面視において略U字状に形成される。
保持部F5155eは、左右方向(矢印L-R方向)において、第2通路部材F5120の湾曲部F5122と第2通路壁部F5123との間であって、第2通路部F5121の正面側(矢印F方向側)且つ下方側(矢印D方向側)に配設される。これにより、湾曲部F5122に案内(送球)され、湾曲部F5122と第2通路壁部F5123との間から正面側へ向けて移動(流下、落下)した球は、保持部F5155eへ案内(送球、流下)される。
保持部F5155eは、正面側(矢印F方向側)へ向かうにつれて上昇傾斜して配設される。これにより、正面側に配設される直線部F5155e1に当接させることで、保持部F5155eへ案内(送球、流下)された球の正面側へ向けての変位を規制できる。その結果、保持部F5155eへ案内(送球、流下)された球が、保持部F5155eから通路部材F5110の下側通路F5112へ移動(流下、落下)することを抑制し易くできる。
また、保持部F5155eは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して配設される。これにより、保持部F5155eへ案内(送球、流下)された球を湾曲部F5155e2に当接させた状態に維持でき、一対の直線部F5155e1及び湾曲部F5155e2により球を保持できる。
保持部F5155eは、本体部F5155dにおける背面側(矢印B方向側)に配設され、本体部F5155dの背面側における内周面へ向けた姿勢で配設される。言い換えると、一対の直線部F5155e1の略中央を本体部F5155dの中心軸とは異なる位置(偏心した位置)へ向けた姿勢で配設される。これにより、保持部F5155eから振り分けられた(案内された)球を本体部F5155dの凹部F5155d1(貫通孔F5155d2)の中心軸とは異なる位置(偏心した位置)へ案内(送球、流下)でき、貫通孔F5155d2へ流入することを遅延させることができる。
規制壁F5155fは、板状体であり、上面視において、背面側(矢印B方向側)へ向けて凸となる湾曲状に形成される。規制壁F5155fの左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部は、保持部F5155eの背面側に配設される直線部F5155e1の端部に連結され、規制壁F5155fの左右方向中央側の端部は、本体部F5155dの凹部F5155d1の内周面の上方(矢印U方向)に配設される。
これにより、規制壁F5155fに沿って保持部F5155eから本体部F5155dの凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球を凹部F5155d1の内周面側、言い換えると、凹部F5155d1(貫通孔F5155d2)の中心軸とは異なる位置へ球を案内(送球、流下)できる。その結果、凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球をその凹部F5155d1の内周面に沿って変位させる(凹部F5155d1の中心軸へ向けて変位させ難くする)ことができ、凹部F5155d1へ案内(送球、流下)された球が貫通孔F5155d2を通過することに要する時間を嵩ませることができる。
錘F5156は、変位部材F5155の重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F5156が玉軸受F5152bの回転軸よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に配設されることで、変位部材F5155及び錘F5156の全体の重心は、玉軸受F5152bよりも背面側(矢印B方向側)に位置する。
スライド部材F5157は、変位部材F5155と開閉部材F5158とを連結するためのものである。左側スライド部材F5157Lは、スライド本体部F5157aと、そのスライド本体部F5157aの下方側(矢印D方向側)に配設される第1係合部F5157bと、スライド本体部F5157aの上方側(矢印U方向側)に配設される第2係合部F5157cと、を備える。
右側スライド部材F5157Rは、左側スライド部材F5157Lに対し、第2係合部F5157cが省略されると共に、被係合部F5157dが配設される点を除いて、同一に形成される。よって、右側スライド部材F5157Rについては、被係合部F5157dについてのみ説明し、その他の部位における詳細な説明は省略する。
スライド本体部F5157aは、板状体から形成され、スライド本体部F5157aの左右方向(矢印L-R方向)両端部は背面側に屈曲して形成される。その背面側に屈曲される部位には板厚方向に第1挿通孔F5157a1がそれぞれ穿設される。第1挿通孔F5157a1には、スライド棒F5153が挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157はスライド棒F5153の延設方向に沿って変位可能に係合される。
また、スライド本体部F5157aの下端部は、背面側に屈曲して形成され、その背面側に屈曲される部位には板厚方向に第2挿通孔F5157a2が穿設される。第2挿通孔F5157a2には、変位部材F5155の突出部F5155c1が挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157と変位部材F5155とが係合される。
第1係合部F5157bは、板状体であり、スライド本体部F5157aの正面端から下方側(矢印D方向側)に延設される。また、第1係合部F5157bの下端は正面側(矢印F方向側)に屈曲して形成され、その屈曲された部位には、挿通孔F5157b1が穿設される。
挿通孔F5157b1には、開閉部材F5158の突出部F5158cが挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157と開閉部材F5158とが係合される。挿通孔F5157b1は、前後方向(矢印F-B方向)に延びる長孔状に形成され、開閉部材F5158の突出部F5158cは、前後方向に変位可能に挿通(係合)される。
第2係合部F5157cは、板状体であり、スライド本体部F5157aの正面端から上方側(矢印U方向側)に延設される。また、第2係合部F5157cの上端は正面側(矢印F方向側)に屈曲して形成され、その屈曲された部位には、挿通孔F5157c1が穿設される。挿通孔F5157c1には、振り分け部材F5154の軸部F5154a1が挿通(係合)され、これにより、スライド部材F5157と振り分け部材F5154とが係合される。
被係合部F5157dは、板状体から形成される。被係合部F5157dには挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが第1係合部F5157bに締結されることで、被係合部F5157dが第1係合部F5157bに固定(配設)される。
被係合部F5157dの右方側(矢印R方向側)は、背面側(矢印B方向側)へ向けて屈曲して形成され、その屈曲部には磁性材料から構成される磁性体(図示せず)が配設される。その磁性体が維持手段F5160の磁性体F5164に磁着されることで、右側スライド部材F5157Rが磁性体F5164係合(固定)される。
開閉部材F5158は、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、落下)する球が流入口FOPf51を通過し難くするためのものであり、遮断部F5158aと、その遮断部F5158aの下端から背面側(矢印B方向側)へ向けて延設される連結部F5158bと、その連結部F5158bの下面から下方(矢印D方向)に突出する突出部F5158cと、を備える。
遮断部F5158aは、通路部材F5110の膨出部F5113aに沿って湾曲して形成される。言い換えると、遮断部F5158aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向かうにつれて正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。
これにより、遮断部F5158aに当接することで、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を左右方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、左右方向に沿って揺動(移動、転動)すると共に遮断部F5158aの湾曲形状に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。その結果、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を流出面F5112bがへ案内(送球、流下)し易くでき、第5通路FRt55へ案内させ難くできる(流入口FOPf51を通過させ難くできる)。
連結部F5158bは、保持部材F5159に係合(軸支)されるための部位であり、背面側(矢印B方向側)における連結部F5158bには、挿通孔F5158b1が穿設される。挿通孔F5158b1には、保持部材F5159の軸支部F5159cが挿通(係合、軸支)され、これにより、開閉部材F5158は、軸支部F5159cに回転可能に係合(軸支)される。
突出部F5158cは、円柱状に形成され、正面側(矢印F方向側)における連結部F5158bに配設される。突出部F5158cがスライド部材F5157の挿通孔F5157b1に挿通されることで、開閉部材F5158とスライド部材F5157とが係合される。
ここで、スライド部材F5157の挿通孔F5157b1は、前後方向(矢印F-B方向)に延びる長孔状に形成されるため、スライド部材F5157が左右方向(矢印L-R方向)に変位し、開閉部材F5158(突出部F5158c)が保持部材F5159の軸支部F5159c回転軸として回転する(前後方向に変位する)場合においても、係合部F5158c1と挿通孔F5157b1の内周面とが当接することを抑制できる。
また、開閉部材F5158は、正面側(矢印F方向側)に配設される突出部F5158c及び背面側(矢印B方向側)に配設される挿通孔F5158b1により、スライド部材F5157及び保持部材F5159に係合(支持)される。これにより、前後方向(矢印F-B方向)に距離を隔てた2箇所で開閉部材F5158を係合(支持)でき、開閉部材F5158の姿勢を安定化させることができる。
保持部材F5159は、開閉部材F5158を回転可能に係合(軸支)するためのものであり、固定部F5159aと、その固定部F5159aから正面側(矢印F方向側)に突出する突出部F5159bと、その突出部F5159bから上方側(矢印U方向側)に突出する軸支部F5159cと、を備える。
固定部F5159aは、板状体から形成される。また、固定部F5159aには挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130に締結されることで、保持部材F5159が背面部材F5130に固定(配設)される。突出部F5159bは、板状体から形成され、固定部F5159aの正面から正面側(矢印F方向側)に突出して形成される。
軸支部F5159cは、開閉部材F5158を回転可能に軸支するための部位であり、円柱状に形成される。軸支部F5159cは、その軸支部F5159cの軸方向が玉軸受F5152bの軸方向と平行となる姿勢で突出部F5159bに配設される。
また、軸支部F5159cは、突出部F5159bの突出先端側(矢印F方向側)に配設される。これにより、開閉部材F5158の連結部F5158bの前後方向(矢印F-B方向)への延設寸法を短くでき、開閉部材F5158が軸支部F5159cを回転軸として回転する際の開閉部材F5158の姿勢の安定化を図ることができる。
維持手段F5160は、変位手段F5150の右側スライド部材F5157Rの変位後における状態を維持するためのものであり、軸配設部材F5161と、その軸配設部材F5161に回転可能に軸支される通路部材F5162及び係合部材F5163と、係合部材F5163に配設される磁性体F5164と、を備える。
軸配設部材F5161は、板状体から形成され、背面部材F5130の背面壁部F5131に対し平行に配設される第1壁部F5161aと、その第1壁部F5161aの左方側(矢印L方向側)における端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて延設される第2壁部F5161bと、を備える。
また、軸配設部材F5161には、挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが背面部材F5130に締結されることで、維持手段F5160が背面部材F5130に固定(配設)される。なお、軸配設部材F5161に形成される挿通孔の一部は、保持部材F5159の固定部F5159aに形成される挿通孔に対応する位置に形成される。これにより、保持部材F5159を背面部材F5130に固定(配設)するためのタッピングネジを軸配設部材F5161の固定(配設)に兼用でき、製品コストの削減を図ることができる。
第1壁部F5161aには、背面側(矢印B方向側)へ向けて突出する第1軸部F5161cが突設され、第2壁部F5161bには、左方側(矢印L方向側)へ向けて突出する第2軸部F5161dが突設される。第1軸部F5161c及び第2軸部F5161dは、係合部材F5163及び通路部材F5162を軸支するための部位である。
通路部材F5162は、係合部材F5163を変位(回転)させるためのものであり、通路部F5162aと、その通路部F5162aの背面から背面側(矢印B方向側)へ向けて延設される被軸支部F5162bと、その被軸支部F5162bの背面側の端部から右方側(矢印R方向側)へ向けて突出する伝達部F5162cと、を備える。
通路部F5162aは、板状体から形成され、正面側(矢印F方向側)を除く端部には、上方側(矢印U方向側)へ向けて突出する壁部が形成される。通路部F5162aは、第5通路部材F5140の第5通路部F5141の背面側(矢印B方向側)に配設され、通路部F5162a及び第5通路部F5141により区画された空間により第5通路FRt55が形成される。通路部F5162aへ振り分けられた球は、壁部が非形成とされる正面側(矢印F方向側)の端部を通過して、第5通路部材F5140の第5通路部F5141へ案内(送球、流下)される。
被軸支部F5162bは、前後方向(矢印F-B方向)に延びる棒状体から形成される。被軸支部F5162bには挿通孔が形成され、その挿通孔に第2軸部F5161dが挿通されることで、通路部材F5162が軸配設部材F5161に回転可能に軸支される。
伝達部F5162cは、円柱状に形成される。伝達部F5162cと係合部材F5163の被伝達部F5163bとが係合することで、通路部材F5162の回転(変位)に伴い、係合部材F5163を変位(回転)させることができる。
係合部材F5163は、変位手段F5150の右側スライド部材F5157Rの変位を規制するためのものであり、被軸支部F5163aと、その被軸支部F5163aの延設方向一端に配設される被伝達部F5163bと、被軸支部F5163aの延設方向他端に配設される保持部F5163cと、を備える。
被軸支部F5163aは、左右方向(矢印L-R方向)に延びる棒状体から形成される。被軸支部F5163aには挿通孔が形成され、その挿通孔に第1軸部F5161cが挿通されることで、係合部材F5163が軸配設部材F5161に回転可能に軸支される。
被伝達部F5163bは、通路部材F5162側(矢印L方向側)における被軸支部F5163aの端部に配設される。被伝達部F5163bは、連結部F5163b1と、その連結部F5163b1の上下方向(矢印U-D方向)における端部から平行に突出される一対の突出部F5163b2と、一対の突出部F5163b2の突出先端であって、一対の突出部F5163b2の対向面から突出する係合部F5163b3と、を備える。
一対の係合部F5163b3の突出先端は、湾曲して形成される。また、一対の係合部F5163b3の突出先端の対向間の距離は、通路部材F5162の伝達部F5162cの外径と同等またはやや大きく形成される。一対の係合部F5163b3の間に伝達部F5162cが配設されることで被伝達部F5163bと伝達部F5162cとが上下方向(矢印U-D方向)において係合される。
なお、一対の突出部F5163b2(係合部F5163b3)は平行に配設されるため、一対の係合部F5163b3と伝達部F5162cとは前後方向(矢印F-B方向)において非係合とされる(一対の突出部F5163b2に対して伝達部F5162cが前後方向に変位可能とされる)。これらにより、第2軸部F5161dを回転軸とする通路部材F5162の回転に対し、第1軸部F5161cを回転軸として係合部材F5163を回転させることができる。
また、一対の係合部F5163b3の突出先端が湾曲して形成され、伝達部F5162cが円柱状に形成されるため、一対の係合部F5163b3と伝達部F5162cとの接触面積を小さくでき、一対の係合部F5163b3と伝達部F5162cとの間に生じる摩擦力を低減できる。これにより、通路部材F5162又は係合部材F5163の動作不良や被伝達部F5163b又は伝達部F5162cの破損を抑制できる。
保持部F5163cは、磁性体F5164を保持(固定)するための部位である。保持部F5163cは、被伝達部F5163bとは反対側(矢印R方向側)における被軸支部F5163aの端部から上方側(矢印U方向側)へ向けて突出して形成される。
磁性体F5164は、右側スライド部材F5157Rの変位を規制するためのものであり、鉄、コバルト、ニッケル又はそれらの合金等の磁性材料から構成される板状体に形成される。磁性体F5164には挿通孔が穿設され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが保持部F5163cに締結されることで、磁性体F5164が保持部F5163cに保持(固定)される。
右側スライド部材F5157Rが磁性体F5164側(矢印R方向側)へ向けて変位した場合、磁性体F5164と右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dに配設される磁性体(図示せず)とが磁着する。これにより、右側スライド部材F5157Rが変位前の状態へ復帰(変位)することを規制できる。
ここで、維持手段F5160の通路部材F5162、係合部材F5163及び磁性体F5164の全体の重心は、軸配設部材F5161にの第2軸部F5161dよりも背面側(矢印B方向側)に位置する。これにより、通路部材F5162は、第2軸部F5161dを回転軸として伝達部F5162cが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)し、通路部F5162aが上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する。通路部F5162aが第5通路部材F5140に当接することで、通路部材F5162の回転(変位)が規制される。
次いで、図1748から図1750を参照して、変位手段F5150の変位部材F5155の変位(回転)に対する開閉部材F5158の変位(回転)について説明する。なお、開閉部材F5158の変位(回転)の説明においては、図1742から図1743を適宜参照して説明する。
図1748は、変位部材F5155(左側変位部材F5155L及び右側変位部材F5155R)の変位(回転)前における下側フレームF5086bを、図1749は、左側変位部材F5155Lの変位(回転)後における下側フレームF5086bを、図1750は、右側変位部材F5155Rの変位(回転)後における下側フレームF5086bを、それぞれ図示しており、図1748(a)、図1749(a)及び図1750(a)は、下側フレームF5086bの正面図であり、図1748(b)、図1749(b)及び図1750(b)は、下側フレームF5086bの背面図である。
なお、図1748から図1750において、第2通路部材F5120の中央壁部F5126の図示が省略され、第3通路壁部F5125の一部が破断された状態が図示される。また、下側フレームF5086bにおいて、変位部材F5155が変位(回転)する前の状態を閉塞状態、変位部材F5155が変位(回転)した後の状態を開放状態、とそれぞれ称す。
図1748に示すように、下側フレームF5086bの閉塞状態において、スライド部材F5157(左側スライド部材F5157L及び右側スライド部材F5157R)のスライド本体部F5157aが第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに当接することでスライド部材F5157の変位が規制され、開閉部材F5158の遮断部F5158aは、正面視において、通路部材F5110に形成される流入口FOPf1を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。言い換えると、規制部F5151aは、流入口FOPf51の縁よりも内側に配設される。
なお、一対の遮断部F5158aの対向面間の距離は、球の直径よりもやや大きく形成される。言い換えると、一対の遮断部F5158aは、流入口FOPf51の左右方向中央側には非配設とされ、流入口FOPf51で囲まれた領域における左右方向両側に配設される。
これにより、閉塞状態においても、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球は、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入して、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)可能となる。
また、一対の遮断部F5158aの対向間は、下側通路F5112の起伏F5112aの頂部の背面側(矢印B方向側)に形成される。これにより、起伏F5112aの頂部へ振り分けられた球は、起伏F5112aの背面側(矢印B方向側)へ向けての下降傾斜に沿って移動(流下、転動)し、一対の遮断部F5158aの対向間へ流入して、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)され易い。
閉塞状態において、変位部材F5155、錘F5156、スライド部材F5157及び開閉部材F5158の全体の重心は、玉軸受F5152bよりも背面側(矢印B方向側)に位置する。玉軸受F5152bは、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向かうにつれて下降傾斜する方向へ傾いて配設されており、玉軸受F5152bよりも背面側が下方側(矢印D方向側)へ向けて変位する。
これにより、スライド部材F5157のスライド本体部F5157aには、下方側(矢印D方向側)へ向けて変位する力が作用する。その結果、スライド部材F5157のスライド本体部F5157aと第1軸受け部材F5151の規制部F5151aとの当接状態が維持され、下側フレームF5086bは、閉塞状態に維持される。
次いで、下側フレームF5086bの閉塞状態から開放状態への動作について説明する。第2通路部材F5120の第2通路部F5121を案内された球が変位部材F5155の保持部F5155eへ案内(送球、流下)、保持されることで、変位部材F5155、錘F5156、スライド部材F5157及び開閉部材F5158に保持部F5155eに保持された球を加えた全体の重心が、正面側(矢印F方向側)に位置する。
これにより、変位部材F5155の本体部F5155dには、下方側(矢印D方向側)へ向けて変位する力が作用し、スライド部材F5157のスライド本体部F5157aには、上方側(矢印U方向側)へ向けて変位する力が作用する。
スライド本体部F5157aが上方側(矢印U方向側)へ向けて変位し、第2軸受け部材F5152の規制部F5152aに当接することで、スライド部材F5157の変位が規制され、下側フレームF5086bが開放状態に配置(維持)される。
ここで、下側フレームF5086bの開放状態への動作は、第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)から振り分けられた(案内された)球が変位手段F5150の保持部F5155eへ案内(送球、流下)され、球と共に変位部材F5155が変位(回転)することにより行われる。
上述したように、本実施形態においては、腕部F5155bが撓み易く(軸支部F5155aに対し、腕部F5155bの先端が変位し易く)形成され、保持部F5155eから球が移動(流下、落下)され易く形成される。
ここで、第93実施形態における下側フレームF86bでは、球が変位部材F130の通路部F131(第3通路FRt3)へ振り分けられる(案内される)ことで閉塞状態から開放状態へ動作される。従って、パチンコ機10(図1572参照)に衝撃等が加えられた場合、変位部材F130が変位することで第1入賞口64へ入賞し易い状態(開放状態)となる。
これに対し、本実施形態における下側フレームF5086bでは、変位手段F5150の保持部F5155eに保持されることで閉塞状態から開放状態へ動作され、パチンコ機10(図1572参照)に衝撃等が加えられた場合、保持部F5155eから球が移動(流下、落下)され易い。これにより、パチンコ機10に衝撃等が加えられた場合、第1入賞口64へ入賞し難い状態(閉塞状態)とできることで、パチンコ機10に衝撃等が加えられることを抑制し易くできる。
図1749及び図1750に示すように、下側フレームF5086bの開放状態において、遮断部F5158aは、通路部材F5110の立て壁部F5113の背面側(矢印B方向側)に配置される。言い換えると、遮断部F5158aは、正面視において、通路部材F5110に形成される流入口FOPf51を介して遊技者から視認不能となる位置に配設される。従って、下側フレームF5086bの閉塞状態と比較して、一対の遮断部F5158aの対向間の距離が大きくなり、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入させ易くできる。
下側フレームF5086bの開放状態において、変位部材F5155は、変位(回転)された状態に維持される。これにより、下側フレームF5086bの開放状態を遊技者に視認させ易くできる。
このように、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)を移動(流下、転動)する球が第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)されることで(図1738参照)、球の重量を利用して変位部材F5155が閉塞状態から開放状態へ向けて変位(回転)する。これにより、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入させ易くでき、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。
従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)を球が移動(流下、転動)している場合に、第2通路部F5121(第2通路FRt52)を移動(流下、転動)する球の有無を遊技者に意識させ、興趣を高めることができる。
なお、下側フレームF5086bの解放状態から閉塞状態へ向けての動作は、変位部材F5155から球が流出される(変位部材F5155に球の重量が非作用となる)ことで行われる。下側フレームF5086bの解放状態から閉塞状態へ向けての力(重力)の作用は開放状態の維持と同様であるためその説明は省略する。
このように、球の重量を利用して下側フレームF5086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させることができるため、駆動装置を不要とでき、製造コストを低減できる。
ここで、閉塞状態において、振り分け部材F5154の振り分け部F5154cの起伏の頂部は、通路部材F5110の第1流出面F5114aの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置よりも右方側(矢印R方向側)となる位置に配設される。
これにより、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)の第1流出面F5114aから第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球は、振り分け部F5154cに案内され、左側変位部材F5155Lへ向けて移動(流下、転動)される。
第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球が、左側変位部材F5155Lへ振り分けられ、玉軸受F5152bを回転軸として左側変位部材F5155Lが回転することで、左側スライド部材F5157Lが、左方側(矢印L方向側)へ向けて変位される。
また、左側スライド部材F5157Lの第2係合部F5157cと振り分け部材F5154の被係合部F5154aとは係合されるため、左側スライド部材F5157Lの変位に連動して振り分け部F5154cが左方側(矢印L方向側)へ向けて変位される。その結果、振り分け部F5154cの起伏の頂部は、第1流出面F5114aの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置よりも左方側(矢印L方向側)となる位置に配設される。
なお、開放状態のうち、振り分け部材F5154、左側変位部材F5155L、左側スライド部材F5157L及び左側開閉部材F5158Lが動作(回転、変位)した状態を「第1開放状態」と称す。
従って、第1開放状態において、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)の第1流出面F5114aから第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球は、振り分け部F5154cに案内され、右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)される。
ここで、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用されている状態において、第2の球(第1の球に後行する球であって、第1流出面F5114aから第2通路FRt52へ流下される球)が、第2通路FRt52又は第3通路FRt53から左側変位部材F5155Lへ向けて流下して、左側変位部材F5155Lへ衝突されると、左側変位部材F5155Lから第1の球が脱落(流下)する虞がある。第1の球が左側変位部材F5155Lから脱落(流下)されると、遮断部F5158aが閉塞状態に復帰されてしまい、流入口FOPf51へ球が流入され難くなる。
特に、第4通路FRt54上に第3の球がある状態で、左側変位部材F5155Lへ第1の球の重量が作用され、遮断部F5158aが開放状態となることで、流入口FOPf51への第3の球の流入を遊技者が期待していた場合には、第1の球の脱落(遮断部F5158aの遮蔽状態への復帰)は、期待を中断させ、遊技の興趣の低下を招く。
これに対し、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用されている状態では、第2の球を、振り分け部F5154cの案内により、右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)させることができる。即ち、第2の球が、左側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)することを規制(抑制)できる。
これにより、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用されている状態において、かかる左側変位部材F5155Lが第2の球の影響を受ける(第2の球が、第2通路FRt52又は第3通路FRt53から左側変位部材F5155Lへ向けて流下して、別の第2の球の左側変位部材F5155Lへの衝突により、左側変位部材F5155Lから第1の球が脱落(流下)する)ことを抑制できる。即ち、第2の球の衝突によって、遮断部F5158aの状態が変化する(開放状態から閉塞状態となる)ことを抑制できる。その結果、流入口FOPf51への球の流入のし易さが途中で変化されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用された状態では、第2の球を所定位置(例えば、第1通路FRt51上)に保留する(移動を停止させる)構成も考えられる。
これに対し、振り分け部F5154cは、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用された状態において、第2の球を、所定位置に保留するのではなく、右側変位部材F5155Rへ案内する(左側変位部材F5155Lよりも右側変位部材F5155Rへ移動し易くする)ので、流入口FOPf51への球(例えば、第4通路FRt54上にある第3の球)の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。
即ち、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(第2の球が左側変位部材F5155Lに衝突し、第1の球が左側変位部材F5155Lから脱落する)ことを抑制しつつ、第2の球を右側変位部材F5155Rに受け取らせ、その受け取った第2の球の重量が右側変位部材F5155Rに作用された状態を形成することで、右側変位部材F5155Rによっても、流入口FOPf51への球(第3の球)の流入がし易くされた状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
また、第2通路FRt52及び第3通路FRt53の正面側(矢印F方向側)には、第2通路壁部F5123及び第3通路壁部F5125が立設されるので、左側変位部材F5155Lに第1の球の重量が作用されている状態において、第2通路FRt52又は第3通路FRt53から流下する球が左側変位部材F5155Lの側面に衝突(当接)され難くできる。これにより、左側変位部材F5155Lから第1の球が脱落(流下)することを抑制して、流入口FOPf51への球の流入のし易さが途中で変化されることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、左側変位部材F5155Lに重量を作用させていた第1の球に別の球(第2の球)が当接する場合には、第1の球が左側変位部材F5155Lから脱落しても、その第1球に代わって、別の球(第2の球)が左側変位部材F5155Lに重量を作用させることができる場合がある。また、左側変位部材F5155Lの上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位、保持部5155e又は凹部F5155d1)に別の球(第2の球)が当接する(受け取られる)場合には、重量を作用させていた第1の球に加え、或いは、第1の球に置き換わって、別の球(第2の球)が左側変位部材F5155Lに重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球(第2の球)が少なくとも左側変位部材F5155Lの側面へ衝突(当接)し難くできれば有効となる。即ち、玉軸受F5152bを回転軸として回転される左側変位部材F5155Lに対し、第2通路壁部F5123及び第3通路壁部F5125が有効となる。
この場合、左側変位部材F5155Lは、玉軸受F5152bを回転軸として回転されることで、第2通路FRt52の流下部(左側変位部材F5155Lへ球を流下させる部位、第2通路壁部F5123が非形成とされる部位)及び第3通路FRt53の流下部(左側変位部材F5155Lへ球を流下させる部位、第3通路壁部F5125が非形成とされる部位)から離れる方向へ変位することができる。これにより、流下部から流下した別の球(第2の球)が左側変位部材F5155の側面に衝突(当接)し難くできる。
なお、第2通路FRt52及び第3通路FRt53の通路長さは任意に設定可能であり、本実施形態の場合よりも短い長さに設定されることが好ましい。また、振り分け部F5154cの大きさ(矢印L,R方向寸法)を本実施形態の場合よりも大きくして、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用された状態では、第2流出面F5114b(一対の第2流出面F5114bのうちの左側変位部材F5155L側に位置するもの)から第2通路FRt52へ流下される球も右側変位部材F5155Rへ案内されるように構成しても良い。また、第2流出面F5114bの形成を省略しても良い。いずれの場合においても、第1の球の重量が左側変位部材F5155Lに作用されている状態において、かかる左側変位部材F5155Lが第2の球の影響を受けることを抑制し易くできる。
第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球は、右側変位部材F5155Rへ振り分けられ、右側変位部材F5155R、右側スライド部材F5157R及び右側開閉部材F5158Rが動作(回転、変位)することで下側フレームF5086bが開放状態となる。以下、開放状態のうち、右側変位部材F5155R、右側スライド部材F5157R及び右側開閉部材F5158Rが動作(回転、変位)した状態を「第2開放状態」と称す。
下側フレームF5086bの第2開放状態においては、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dに配設される磁性体(図示せず)が、維持手段F5160の磁性体F5164に磁着される。これにより、変位部材F5155の本体部F5155dから球が流出(流下)された状態においても、右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)が動作(回転、変位)する(第2開放状態から閉塞状態へ動作する)ことを抑制できる。従って、下側フレームF5086bは、第2開放状態(一対の遮断部F5158aの対向間の距離が大きくされた状態)に維持される。
これにより、右側変位部材F5155Rから球が流出(流下)され、球の重量が右側変位部材F5155Rに非作用の状態においても、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球を一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入させ易い状態を維持できる。
このように、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)から第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球が、右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)することで、左側変位部材F5155Lへ向けて移動(流下、転動)する場合と比較して、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)する球が一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入されることを遊技者に期待させ易くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)から第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)された球(先行の球)が、左側変位部材F5155Lへ向けて移動(流下、転動)することで、その先行の球の後続となる球(後続の球)を右側変位部材F5155Rへ向けて移動(流下、転動)させることができる。言い換えると、先行の球が左側変位部材F5155Lへ振り分けられてから所定の時間内に後続の球が上側通路F5114(第1通路FRt51)から第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流下)されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、下側フレームF5086bの第2開放状態において、右側変位部材F5155Rは、変位された状態に維持されるため、下側フレームF5086bが第2開放状態であることを遊技者に理解させ易くできる。
次いで、第2開放状態から閉塞状態への動作(変位)について説明する。一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ流入した球が維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)されることで、通路部材F5162、係合部材F5163及び磁性体F5164に球を加えた全体の重心は軸配設部材F5161の第2軸部F5161dよりも正面側(矢印F方向側)に位置する。これにより、通路部材F5162は第2軸部F5161dを回転軸として通路部F5162a(伝達部F5162c)が下方側(上方側)へ向けて回転する。
通路部F5162aの下方側へ向けての回転により、係合部材F5163は第1軸部F5161cを回転軸として保持部F5163cが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転し、右側スライド部材F5157Rと維持手段F5160との係合(着磁)が解除される。その結果、下側フレームF5086bが閉塞状態に配置される。
このように、下側フレームF5086bが第2開放状態(第1入賞口64へ入賞され易い状態)へ動作されると、少なくとも一球が維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)される(第1入賞口64へ入賞される)までの間、下側フレームF5086bを第2開放状態に維持することができる。
これにより、第2開放状態において、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51への球の流入を確実化できる。言い換えると、一対の遮断部F5158aの対向間および流入口FOPf51へ球が流入されないまま、下側フレームF5086bが第2開放状態から閉塞状態へ動作されることを抑制できる。その結果、遊技者に安心感を付与でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、下側フレームF5086bを流下する球について説明する。遊技領域を流下する球のうち、上側フレームF5086aに配設される上側フレーム通路FRt50(図1737参照)を案内された球は、通路部材F5110の上側通路F5114(第1通路FRt51)の上流端に流入(入球)される。
上側通路F5114(第1通路FRt51)の上流端に流入(入球)された球は、上側通路F5114(第1通路FRt51)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って上側通路F5114の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)し、第1流出面F5114a若しくは第2流出面F5114bから第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)若しくは第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ案内(送球、流出)される。
第1流出面F5114aから第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)された球は、振り分け部材F5154の振り分け部F5154cの傾斜方向に沿って左側変位部材F5155L側(矢印L方向側)へ向けて移動(流下、転動)し、湾曲部F5122に当接することで移動方向が正面側(矢印F方向側)へ変更される。これにより、第2通路部F5121の正面側に配設される左側変位部材F5155Lへ球が案内(送球、流出)される。
ここで、湾曲部F5122は、上面視において左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて凹となる湾曲状に形成されるため、第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)された球の移動速度の大きさを維持したまま、球の移動の方向を正面側(矢印F方向側)へ変更できる。これにより、湾曲部F5122が非形成の場合と比較して、早く左側変位部材F5155Lへ球を案内(送球、流出)できる。
また、左側変位部材F5155Lは、玉軸受F5152bに軸支されるため、玉軸受F5152bが非配設の場合と比較して、左側変位部材F5155Lへ球が案内(送球、流出)されてから左側変位部材F5155Lが回転(変位)するまでの時間を短くでき、第1開放状態となるまでの時間を短くできる。
これにより、左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)された球の後続となる球が、続けて左側変位部材F5155Lへ向けて第2通路部F5121(第2通路FRt52)を移動(流下、転動)する(振り分け部F5154cの変位前に第1流出面F5114aから第2通路部F5121へ案内される)場合であっても、後続の球が先行の球(左側変位部材F5155Lへ案内された球)に当接することを抑制でき、先行の球が左側変位部材F5155Lから落下(流出)することを抑制できる。
左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)された球は、左側変位部材F5155Lと共に玉軸受F5152bを回転軸として回転(変位)し、流入口FOPf51側(左右方向中央側)へ向けて変位される。
ここで、玉軸受F5152bは、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向かうにつれて下降傾斜して配設されるため、左側変位部材F5155Lは、左右方向両端側から中央側へ向かうにつれて下方側(矢印D方向側)へ変位する。言い換えると、左側変位部材F5155Lは、通路部材F5110の下側通路F5112の傾斜部の傾斜方向に沿って変位する。
これにより、左側変位部材F5155Lが下側通路F5112と第2通路部材F5120との間において変位する場合であっても、左側変位部材F5155Lと下側通路F5112又は第2通路部材F5120とが当接することを抑制するための空間を小さくできる。即ち、下側通路F5112と第2通路部材F5120との配設間距離を小さくでき、下側フレームF5086bを小型化できる。
また、鉛直方向(矢印U-D方向)において、第2通路部F5121(第2通路FRt52)と左側変位部材F5155Lとの距離(段差)を小さくできる。これにより、第2通路部F5121(第2通路FRt52)を移動(流下、転動)する球を左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)させ易くできる。
また、鉛直方向(矢印U-D方向)において、左側変位部材F5155Lと下側通路F5112(第4通路FRt54)との距離を小さくできる。これにより、左側変位部材F5155Lから振り分けられた球が下側通路F5112(第4通路FRt54)に当接する際の衝撃力を小さくでき、下側通路F5112の破損を抑制できる。
左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流出)された球は、保持部F5155eに保持される。これにより、左側変位部材F5155Lの回転(変位)時、左側変位部材F5155Lから球が落下(流出)することを抑制できる。
ここで、図1748から図1750に加え、図1751を参照して、左側変位部材F5155Lの変位および左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)について説明する。図1751は、左側変位部材F5155Lの部分上面図であり、図1728(a)は、下側フレームF5086bの閉塞状態、図1751(b)から図1751(d)は、下側フレームF5086bの第1開放状態における左側変位部材F5155Lが図示される。
図1751(a)に示すように、第2通路部F5121(第2通路FRt52)(図1744参照)から左側変位部材F5155Lへ案内(送球、流下)された球CB51は、保持部F5155eにより左側変位部材F5155Lに保持される(保持部F5155eから変位することが抑制される)。
図1751(b)に示すように、左側スライド部材F5157Lのスライド本体部F5157aが第2軸受け部材F5152の規制部F5152aに当接することで左側スライド部材F5157L(左側変位部材F5155L)の変位が規制され、下側フレームF5086bは、第1開放状態に配置される。
下側フレームF5086bの第1開放状態において、球CB51は、保持部F5155eに保持された状態に維持される。このように、下側フレームF5086bの閉塞状態から第1開放状態への動作において、球CB51の移動(流下、転動)が停止される(球CB51が保持部F5155eに保持された状態に維持される)ことで、球CB51が貫通孔F5155d2へ流入することを抑制できる。これにより、下側フレームF5086bの第1開放状態における期間を長くできる。
なお、左側変位部材F5155Lの変位が規制される(下側フレームF5086bが第1開放状態に配置される)ことで慣性力が作用することにより、保持部F5155eに保持された球CB51は、本体部F5155dへ向けて移動(流下、転動)される。このように、球CB51に作用する慣性力を利用して球CB51が移動(流下、転動)を再開できる(保持部F5155eによる保持が解除される)ことで、保持部F5155eによる保持を解除させる駆動装置を不要とできる。
また、下側フレームF5086bの第1開放状態では閉塞状態と比較して、保持部F5155eの左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれての下降傾斜の角度が小さく形成される。これにより、球CB51の移動(流下、転動)を確実化させ易く(保持部F5155eによる保持が解除され易く)できる。
図1751(c)に示すように、球CB51が規制壁F5155fに当接しつつ移動(流下、転動)されることにより、球CB51は、凹部F5155d1における規制壁F5155f側(矢印B方向側)へ案内される。即ち、球CB51は、凹部F5155d1の軸心(貫通孔F5155d2の中心)から偏心した位置へ案内される。
図1751(d)に示すように、凹部F5155d1の軸心(貫通孔F5155d2の中心)から偏心した位置へ球CB51が案内されることで、球CB51は、凹部F5155d1の内周面に沿って周回され易い。これにより、球CB51が貫通孔F5155d2へ流入して左側変位部材F5155Lから流出(流下)されることを遅延させることができる。その結果、左側変位部材F5155Lに球CB51の重量が作用している期間を長くでき、下側フレームF5086bの開放状態における期間を長くできる。
また、凹部F5155d1の内周面に沿って球CB51を移動(流下、転動)させることで、凹部F5155d1の内周面との間に生じる摩擦力を利用して球の移動速度を低減でき、球CB51が貫通孔F5155d2へ流入することを遅延させることができる。
ここで、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3は、平坦面に形成される、言い換えると、凹部F5155d1の内周面が径方向において同一に形成され、底面F5155d3が鉛直方向(矢印U-D方向)において同一に形成される。従って、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3に高低差が無く、球CB51を凹部F5155d1の内周面に沿って周回させ易くできる。
また、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3が連続して形成される、言い換えると、凹部F5155d1の内周面および底面F5155d3に間欠部が非形成とされるため、球CB51を凹部F5155d1の内周面に沿って周回させ易くできる。
図1748から図1750に戻って下側フレームF5086bを流下する球について説明する。下側フレームF5086bの第1開放状態において、左側変位部材F5155Lの貫通孔F5155d2(図1744参照)は、通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)の正面側(矢印F方向側)における上方(矢印U方向)に配設される。上述したように、下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流下)された球は、立て壁部F5113に当接しつつ左右方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)する、即ち、下側通路F5112(第4通路FRt54)の背面側(矢印B向側)を揺動(移動、転動)する。
これにより、本体部F5155d(貫通孔F5155d2)から下側通路F5112(第4通路FRt54)へ振り分けられた球が下側通路F5112(第4通路FRt54)を揺動(移動、転動)する球に当接することを抑制できる。
また、下側フレームF5086bの第1開放状態において、左側変位部材F5155Lの本体部F5155dは、通路部材F5110の流出面F5112bの上方(矢印U方向)に配設される。これにより、本体部F5155dから振り分けられた球を遊技領域へ流出(流下)させ易くできる。
次いで、下側フレームF5086bの第2開放状態について説明する。下側フレームF5086bが第1開放状態に動作(変位)されると、振り分け部材F5154の振り分け部F5154cの頂部は第1流出面F5114aの鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置よりも左方側(矢印L方向側)となる位置に配設される。これにより、第1流出面F5114aから第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)された球は、振り分け部F5154cの傾斜方向に沿って右側変位部材F5155R側(矢印R方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。これにより、右側変位部材F5155Rへ球が案内(送球、流出)される。
球が右側変位部材F5155Rへ振り分けられてから下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流出)されるまでの右側変位部材F5155Rの動作(回転、変位)については、遊技盤F5013の幅方向(図1737左右方向)における中心に対し左側変位部材F5155Lと線(面)対称(図1737左右対称)であるため、その詳細な説明については省略する。これにより、下側フレームF5086bが第2開放状態に動作(変位)する。
ここで、右側変位部材F5155Rが動作(回転、変位)することで、右側スライド部材F5157Rは、維持手段F5160の保持部F5163cへ向けて変位する。これにより、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dに配設される磁性体(図示せず)が維持手段F5160の磁性体F5164に磁着される。その結果、右側変位部材F5155Rから球が流出(流下)された状態においても、下側フレームF5086bは第2開放状態に維持される。
次いで、図1744を参照して、上側通路F5114(第1通路FRt51)に形成される第2流出面F5114bから案内(送球、流出)される球の動作(変位)について説明する。第2流出面F5114bから案内(送球、流出)された球は、まず、第2通路部材F5120の第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ振り分けられる(案内される)。
第2流出面F5114bは、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ振り分けられた(案内された)球は、正面側へ向けて移動(流下、転動)し、次いで、第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ振り分けられる(案内される)。
ここで、第2流出面F5114bから振り分けられた(案内された)球を一旦、第2通路部F5121(第2通路FRt52)へ案内(送球、流出)することで、第2通路部F5121(第2通路FRt52)を左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて移動(流下、転動)する球に当接させることができる。
これにより、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて移動(流下、転動)する球を第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ案内(送球、流出)可能とできる。言い換えると、第1流出面F5114aから第2振り分けられた(案内された)球が変位部材F5155へ案内(送球、流出)不能とでき、下側フレームF5086bを開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ動作させ難くできる。
その結果、第1流出面F5114aから振り分けられた(案内された)球と第2流出面F5114bから振り分けられた(案内された)球とが非当接となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第3通路部F5124(第3通路FRt53)へ案内(送球、流出)された球は、左右方向(矢印L-R方向)中央側から両端側へ向けて移動(流下、転動)し、第3通路部F5124(第3通路FRt53)の左右方向両端側の端部から通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流下)される。
ここで、第3通路部F5124(第3通路FRt53)の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部の下方(矢印D方向)には、変位部材F5155の動作(変位)範囲が形成される。これにより、第3通路部F5124(第3通路FRt53)から振り分けられた(案内された)球が動作(変位)中の変位部材F5155の腕部F5155bに当接可能とできる。
上述したように、腕部F5155bが撓み易く(軸支部F5155aに対し、腕部F5155bの先端が変位し易く)形成されるため、球が腕部F5155bに当接することで、変位部材F5155の保持部F5155eに保持された球を落下(流出)させ易くできる。これにより、下側フレームF5086bが閉塞状態から開放状態へ動作することを抑制可能とできる。
従って、第3通路部F5124(第3通路FRt53)から振り分けられた(案内された)球が変位部材F5155に非当接となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
図1738から図1747に戻って説明する。通路部材F5110の下側通路F5112(第4通路FRt54)へ案内(送球、流下)された球は、下側通路F5112(第4通路FRt54)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(流下、転動)し、開閉部材F5158の一対の遮断部F5158a及び流入口FOPf51へ流入して第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内される、若しくは、下側通路F5112の流出面F5112bから遊技領域へ流出(流下)される。
ここで、一対の遮断部F5158aは、正面視において、流入口FOPf51を介して遊技者から視認可能となる位置に配設される。言い換えると、一対の遮断部F5158aは、流入口FOPf51の縁部の内側に配設される。従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)へ振り分けられた(案内された)球は、流入口FOPf51へ流入し難く、流出面F5112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
また、立て壁部F5113には膨出部F5113aが正面側(矢印F方向側)へ向けて突出して形成されるため、下側通路F5112(第4通路FRt54)の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、膨出部F5113aに当接することで、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分が付与される。従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)する球は、立て壁部F5113に穿設される流入口FOPf51へ流入し難く、流出面F5112bから遊技領域へ流出(流下)され易い。
ここで、下側フレームF5086bの閉塞状態では、一対の遮断部F5158aは、流入口FOPf51の縁部の内側に配設される。一方、下側フレームF5086bの開放状態では、遮断部F5158aは、通路部材F5110の立て壁部F5113の背面側(矢印B方向側)に配置され、閉塞状態よりも一対の遮断部F5158aの対向間の距離が大きくされる。これにより、下側通路F5112(第4通路FRt54)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球は、閉塞状態よりも開放状態において流入口FOPf51(一対の遮断部F5158aの対向間)へ流入し、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞され易い)。
従って、下側通路F5112(第4通路FRt54)を移動(流下、転動)している状態において、下側フレームF5086bが開放状態となることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
流入口FOPf51(一対の遮断部F5158aの対向間)へ流入した球は、維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)される。上述したように、通路部F5162aへ球が案内(送球、流下)されることで、係合部材F5163は第1軸部F5161cを回転軸として保持部F5163cが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転する。これにより、下側フレームF5086bが第2開放状態に配置される場合においては(図1750参照)、右側スライド部材F5157Rと維持手段F5160との係合(着磁)が解除され、下側フレームF5086bが閉塞状態に配置される。
維持手段F5160の通路部F5162aへ案内(送球、流下)された球は、次いで、第5通路部材F5140の第5通路部F5141(第5通路FRt55)へ案内(送球、流下)され、第5通路部F5141に形成された一対の突部F5141cに沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)し、通路部材F5110の流出口FOPout1を通過して第1入賞口64へ入賞(案内、送球、流出)される。
次いで、図1752から図1764を参照して、第98実施形態における下側フレームF6086bについて説明する。上記第93実施形態では、流入口FOPf1及び流出面F112bが同一の通路(第5通路FRt5)に形成される場合を説明したが、第98実施形態における下側フレームF6086bでは、流入口FOPf61と流入口FOPf62とが異なる通路にそれぞれ形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1752は、第98実施形態における遊技盤F6013の正面図である。図1752に示すように、センターフレームF6086は、ベース板60の窓部60a(図1436参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームF6086aと下側フレームF6086bとを備える。
上側フレームF6086aは、ベース板60の窓部60a(図1436参照)における上側(図1752上側)及び左右(図1752左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームF6086bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図1752下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームF6086a及び下側フレームF6086bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81(図1573参照)が視認可能とされる。
なお、上側フレームF6086aは、上記各実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図1436参照)における下側(図1752下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームF6086bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、上記各実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図1752に加え、図1753から図1754を参照して下側フレームF6086bについて説明する。図1753は、下側フレームF6086bの正面斜視図であり、図1754は、下側フレームF6086bの背面斜視図である。
図1753から図1754に示すように、下側フレームF6086bには、球が移動(流下、転動)可能に形成される一対の第1通路FRt61と、一対の第1通路FRt61を案内された球が移動(流下、転動)される第2通路FRt62と、その第2通路FRt62を案内された球が移動(流下、転動)される一対の第3通路FRt63及び一対の第4通路FRt64と、一対の第3通路FRt63を案内された球が移動(流下、転動)される第5通路FRt65と、その第5通路FRt65を案内された球が流下される第6通路FRt66と、第5通路FRt65及び第2通路FRt62を案内された球が第6通路FRt66及び第4通路FRt64へ案内(流入、送球)される開口として形成される流入口FOPf61及び流入口FOPf62と、第6通路FRt66及び第4通路FRt64を流下された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口FOPout1及び流出口FOPout62とが形成される。
なお、一対の第1通路FRt61、一対の第3通路FRt63及び一対の第4通路FRt64は、遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1752左右対称)にそれぞれ配設される。
上側フレームF6086aには、上側フレーム通路FRt60が配設される(図1752参照)。上側フレーム通路FRt60は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路FRt60の下流端に第1通路FRt61の上流端が連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路FRt60に流入(入球)した球は、第1通路FRt61の上流端を介して、上側フレーム通路FRt60から下側フレームF6086bの第1通路FRt61へ流入(入球)される。
なお、図示は省略するが、上側フレーム通路FRt60は、遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1752左右対称)にそれぞれ配設される。従って、遊技領域から上側フレーム通路FRt60に流入(入球)した球は、遊技盤F6013の右方側(図1752右方側)に配設された上側フレーム通路FRt60から遊技盤F6013の右方側に配設される第1通路FRt61へ流入(入球)される。
ここで、第6通路FRt66の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout1は、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路FRt65の流入口FOPf61を通過して第5通路FRt65から第6通路FRt66へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
また、第2通路FRt62には、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面としておが形成(配置)される。そのため、第2通路FRt62の流出面F6112bに沿って案内(送球、流下)される球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第4通路FRt64の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口FOPout62は、第1入賞口64に対して遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。そのため、第4通路FRt64へ案内(送球、流下)される球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf1を通過して第5通路FRt65から第6通路FRt66へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
なお、第2通路FRt62には、起伏F6112aが形成され、起伏F6112aの底部は流入口FOPf62の正面側(矢印F方向側、遊技領域側)に配設される。また、第2通路FRt62は、背面側(矢印B方向側、遊技領域とは反対側)へ向けて下降傾斜して形成されており、起伏の底部へ案内(送球、流下)される球は、第4通路FRt64へ振り分けられる確率が高い。
また、流出面F6112bは起伏F6112aの頂部に形成される。従って、第2通路FRt62へ振り分けられた球は、流出面F6112bから第1入賞口64へ送球されるよりも起伏F6112aの底部から第4通路FRt64へ流出され易い。
結果として、起伏の底部へ案内(送球、流下)される球は、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した流入口FOPf61を通過して第5通路FRt65から第6通路FRt66へ振り分けられた球や第2通路FRt62の流出面F6112bから振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
第3通路FRt63には、その第3通路FRt63へ振り分けられた球を第5通路FRt65へ案内(送球、流下)するための当接部F6154が形成(配置)される。第3通路FRt63は、鉛直方向下方(矢印D方向)に凹となる湾曲状に形成されており、当接部F6154は、第3通路FRt63において第1通路FRt61とは反対側の端部に配設される。
第1通路FRt61から第3通路FRt63に振り分けられた球の速度(運動エネルギー)が所定量よりも大きい場合は、球は第3通路FRt63の湾曲面を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて移動(流下、転動)し、当接部F6154に当接する。これにより、球の移動(流下、転動)方向が変更され、第5通路FRt65へ振り分けられる。
なお、第3通路FRt63の湾曲底面には、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F6114aが形成(配置)されており、球の速度(運動エネルギー)が所定量以下の場合は当接部F6154に当接できず、流出面F6114aから第2通路FRt62へ振り分けられる。
第5通路FRt65には、流入口FOPf61及び一対の挿通孔F6121bが形成(配置)されており、第5通路FRt65へ振り分けられた球は、流入口FOPf61若しくは一対の挿通孔F6121bを通過して第6通路FRt66若しくは第2通路FRt62へ案内(送球、流下)される。
なお、一対の挿通孔F6121bは、第2通路FRt62の起伏F6112aの頂部(流出面F6112b)に対して遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)に位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。そのため、一対の挿通孔F6121bを通過した球は、第2通路FRt62の起伏F6112aの頂部(流出面F6112b)へ案内され難く、起伏F6112aの底部から第4通路FRt64へ案内され易い(第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
下側フレームF6086bには、球の重さにより動作する振分手段F6170の変位部材F6173に形成される当接部F6173bが当接部F6154よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に配設されており(図1764参照)、当接部F6173bが第3通路FRt63に配置された状態においては、第3通路FRt63の湾曲面を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量以下の場合であっても当接部F6173bに当接することにより球の移動(流下、転動)方向が変更され、球は第4通路FRt64へ振り分けられる。
よって、第3通路FRt63をその延設方向に沿って移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量以下の場合であっても、振分手段F6170(変位部材F6173)が動作することで第5通路FRt65へ案内(送球、流下)させ易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率が高められる)。その結果、第3通路FRt63を球が移動(流下、転動)している状態において、振分手段F6170(変位部材F6173)が動作することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1753から図1754に加え、図1755から図1762を参照して、下側フレームF6086bの詳細構成について説明する。
図1755は、下側フレームF6086bの分解正面斜視図であり、図1756は、下側フレームF6086bの分解背面斜視図である。図1757は、振分手段F6170の分解正面斜視図であり、図1758は、振分手段F6170の分解背面斜視図である。図1759は、下側フレームF6086bの上面図であり、図1760は、下側フレームF6086bの正面図であり、図1761は、下側フレームF6086bの背面図である。図1762(a)は、図1760の矢印MDCCIa方向視における下側フレームF6086bの側面図であり、図1762(b)は、図1760の矢印MDCCIb方向視における下側フレームF6086bの側面図であり、図1762(c)は、図1760のMDCCIc-MDCCIc線における下側フレームF6086bの断面図である。
図1753から図1762に示すように、下側フレームF6086bは、通路部材F6110と、その通路部材F6110の立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)に配設される第5通路部材F6120と、通路部材F6110の下側通路F6112の下方側(矢印D方向側)に配設される第6通路部材F6130と、その第6通路部材F6130の背面側(矢印D方向側)に配設される中間通路部材F6140と、その中間通路部材F6140の背面側に配設される背面部材F6150と、その背面部材F6150の左右方向(矢印L-R方向)両端側に配設される一対の第1通路部材F6160と、背面部材F6150の背面側に配設される振分手段F6170と、を備える。
通路部材F6110には流出口FOPout1及び流出口FOPout62が形成され、流出口FOPout1に第6通路部材F6130の第6通路部F6131が挿通され、流出口FOPout62に第6通路部材F6130の第4通路部F6132が挿通される。また、通路部材F6110には、流入口FOPf61及び流入口FOPf62が形成され、流入口FOPf61及び流入口FOPf62は、中間通路部材F6140の第1凹部F6141及び第2凹部F6142に対応する位置にそれぞれ配設される。
中間通路部材F6140及び背面部材F6150には貫通孔F6143が形成され、貫通孔F6143に振分手段F6170の変位通路部材F6174が挿通される。また、背面部材F6150には挿通孔F6151bが形成され、挿通孔F6151bに振分手段F6170の変位部材F6173が挿通される。
通路部材F6110には第5通路部材F6120及び背面部材F6150がタッピングネジによりそれぞれ締結固定される。第6通路部材F6130は、タッピングネジにより中間通路部材F6140に締結固定され、中間通路部材F6140、第1通路部材F6160及び振分手段F6170は、タッピングネジにより背面部材F6150にそれぞれ締結固定される。これらにより、下側フレームF6086bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図1753、図1754参照)。
下側フレームF6086bは、通路部材F6110、第5通路部材F6120、第6通路部材F6130、背面部材F6150、第1通路部材F6160及び振分手段F6170の変位通路部材F6174が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、中間通路部材F6140及び振分手段F6170の変位部材F6173が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路FRt61から第6通路FRt66を移動する球を遊技者に視認させると共に、振分手段F6170の変位部材F6173の動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、中間通路部材F6140及び振分手段F6170の変位部材F6173は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームF6086bは、振分手段F6170の連結部材F6175の正面側(矢印F方向側)に位置する中間通路部材F6140が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、振分手段F6170の連結部材F6175が正面側から遊技者に視認不能とできる。なお、中間通路部材F6140が光透過性の樹脂材料から構成されることで、振分手段F6170の連結部材F6175が正面側から遊技者に視認可能となるように構成されても良い。
通路部材F6110は、第2通路FRt62及び第3通路FRt63を形成するためのものであり、正面を形成する板状の正面板F6111と、その正面板F6111の背面から突設される下側通路F6112と、その下側通路F6112の前後方向(矢印F-B方向)における略中央から鉛直方向上方(矢印U方向)に延設される立て壁部F6113と、その立て壁部F6113の端部から背面側(矢印B方向側)に延設される上側通路F6114と、下側通路F6112の左右方向(矢印L-R方向)両端側の端部から鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される一対の留め部F6115と、を備える。
正面板F6111、下側通路F6112、立て壁部F6113及び背面部材F6150により区画された空間により第2通路FRt62が形成され、上側通路F6114及び背面部材F6150により区画された空間により第3通路FRt63が形成される。
正面板F6111には、複数の挿通孔F111aが板厚方向に穿設され、流出口FOPout1及び流出口FOPout62が開口形成(板厚方向に穿設)される。本実施形態における流出口FOPout1は、第6通路FRt66を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口であり、流出口FOPout62は、第4通路FRt64を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される際の出口となる開口である。
正面板F6111には、正面視における形状が下側通路F6112の流出面F6112bの形状と略同一となる切欠き部F6111bが流出面F6112bの正面側(矢印F方向側)に形成される。切欠き部F6111bを通過することで、第2通路FRt62を案内された球が第1入賞口64へ送球される。
下側通路F6112は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、下側通路F6112は、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、下側通路F6112へ案内(送球、流下)された球を背面部材F6150若しくは立て壁部F6113に当接させつつ左右方向に沿って揺動(移動、転動)させることができる。
なお、下側通路F6112の左右方向(矢印L-R方向)における略中央には起伏F6112aが形成され、起伏F6112aの頂部には、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F6112bが形成(配置)される。
また、起伏F6112aの底部、言い換えると、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成される部位と起伏F6112aとの境界は、立て壁部F6113の流入口FOPf62の正面(矢印F方向)に形成(配置)される。従って、下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球は、流出面F6112bから第1入賞口64へ案内されるよりも起伏F6112aの底部から立て壁部F6113の流入口FOPf62を通過して第4通路FRt64へ案内され易い(遊技領域へ流出され易い)。
立て壁部F6113は、下側通路F6112と上側通路F6114とを連結するための部位である。上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)両端は下側通路F6112と面一に形成されており、従って、立て壁部F6113は、左右方向における下側通路F6112の両端とは非連結に形成される。言い換えると、立て壁部F6113の左右方向における延設長さは、下側通路F6112の左右方向における延設長さよりも小さく形成される。
立て壁部F6113には、流入口FOPf61及び一対の流入口FOPf62が開口形成(板厚方向に穿設)される。流入口FOPf61の左右方向(矢印L-R方向)における寸法は、球の外形よりもやや大きく形成される。流入口FOPf62の左右方向における寸法は、球の外形の略2倍の大きさに形成される。上述したように、流入口FOPf61及び流入口FOPf62は、第5通路FRt65を案内された球が第6通路FRt66へ流出される際の出口となる開口である。
立て壁部F6113は、正面側(矢印F方向側)へ向けて凸となる湾曲状に形成され、これにより、立て壁部F6113に当接しつつ下側通路F6112の延設方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球が下側通路F6112の起伏F6112aを通過する際、その球へ正面側(矢印F方向側、遊技領域側)への速度成分が付与される。その結果、起伏F6112aを通過する球を流出面F6112b(第1入賞口64)へ案内し易くでき、第4通路FRt64へ案内させ難くできる。
立て壁部F6113の上端は、上側通路F6114の上面の形状と略同一に形成される。これにより、上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内された球を上側通路F6114の正面から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ流出(流下、落下)させることができる。
上側通路F6114は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、上側通路F6114は、下方側(矢印D方向側)へ向けて凹となる湾曲状に形成される。また、上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)両端は、下側通路F6112の上面と面一に形成され、これにより、下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する球を上側通路F6114(第3通路FRt63)へ振り分け易く(案内し易く)できる。
また、上側通路F6114は、背面部材F6150側(矢印B方向側)に向けて下降傾斜して形成される。これにより、上側通路F6114(第3通路FRt63)の左右方向(矢印L-R方向)に沿って移動(流下、転動)する球を下側通路F6112(第2通路FRt62)へ流出(流下、落下)させ難くできる。
上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)中央側における上方(矢印U方向)には、背面部材F6150の当接部F6154が配設される。左右方向両端側から中央側へ向けて上側通路F6114を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量よりも大きい場合、球は、当接部F6154に当接できる。
一方、左右方向両端側から中央側へ向けて上側通路F6114を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が所定量よりも小さい場合、球は、当接部F6154に非当接であり、上側通路F6114の湾曲形状に沿って左右方向両端側へ向けて移動(流下、転動)する。言い換えると、球は、上側通路F6114の延設方向(矢印L-R方向)に沿って揺動(移動、転動)する。
なお、上側通路F6114の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置(湾曲凹部)には、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として流出面F6114aが形成(配置)される。従って、上側通路F6114へ振り分けられた球のうち、背面部材F6150の当接部F6154に非当接となる球は、流出面F6114aから下側通路F6112へ案内(送球、流下)される。
また、上側通路F6114の上方側(矢印U方向側)には、切欠きF6114bが形成される。切欠きF6114bの内周面は、振分手段F6170の変位部材F6173に形成される当接部F6173bの外形よりもやや大きく形成され、切欠きF6114bを通過することで、当接部F6173bは、上側通路F6114の下面側から上面側へ変位可能に配設される。
なお、上側通路F6114において、流出面F6114aよりも左右方向(矢印L-R方向)中央側における上側通路F6114を第1傾斜部F6114c、左右方向両端側における上側通路F6114を第2傾斜部F6114d、とそれぞれ符号を付して説明する。
留め部F6115には、挿通孔F115aが板厚方向に穿設され、その挿通孔F115aに挿通したタッピングネジが背面部材F6150に締結されることで、通路部材F6110に背面部材F6150が固定(配設)される。
留め部F6115は、ベース板60の背面に当接して配設される。また、下側通路F6112は、正面板F6111の左右方向(矢印L-R方向)一端から他端において連続的に形成される。これらにより、針金等の異物の侵入が抑制される。なお、留め部F6115は、ベース板60の背面から所定の距離を隔てて配設され、留め部F6115とベース板60の背面とが非当接とされても良い。
第5通路部材F6120は、第5通路FRt65を形成するためのものであり、第5通路部F6121と、その第5通路部F6121の外縁から立設される壁部F6122と、その壁部F6122の左右方向(矢印L-R方向)両端から背面部材F6150側(矢印B方向側)へ向けて突設される連結部F6123と、を備える。また、壁部F6122の正面には有色部材F6124が配設される。第5通路部F6121、壁部F6122及び通路部材F6110の立て壁部F6113により区画された空間により第5通路FRt65が形成される。
第5通路部F6121は、その上面を球が移動(流下、転動)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から形成される。第5通路部F6121には、流出面F6121aと、その流出面F6121aの左右方向(矢印L-R方向)両側に配設される一対の挿通孔F6121bとが形成される。
第5通路部F6121は、通路部材F6110の上側通路F6114よりも正面側(矢印F方向側)に配設される。これにより、上側通路F6114を移動(流下、転動)する球が第5通路部材F6120(第5通路部F6121)に当接することを抑制できる。また、第5通路部F6121は、背面部材F6150の当接部F6154よりも下方(矢印D方向)に配設される。これにより、当接部F6154に当接した球を第5通路部F6121へ案内(送球、流下)できる。
第5通路部F6121の左右方向(矢印L-R方向)中央側は、正面側(矢印F方向側)へ向けて張り出して形成され、その張り出し部に一対の挿通孔F6121bが穿設される。第5通路部F6121の背面側(矢印B方向側)の端部(立て壁部F6113)と挿通孔F6121bとの間の部位の寸法は球の外形よりも大きく形成され、かかる部位を球が移動(流下、転動)可能に形成される。
第5通路部F6121は、左右方向(矢印L-R方向)両端側から中央側へ向けて下降傾斜して形成されると共に、立て壁部F6113側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。
流出面F6121aは、第5通路部F6121の左右方向略中央であって、立て壁部F6113の流入口FOPf61の正面側(矢印F方向側)となる位置に形成される凹面として形成される。従って、第5通路部F6121へ案内(送球、流下)された球は、流出面F6121aへ案内(送球、流出)され易く、中間通路部材F6140の第1凹部F6141(流入口FOPf61)へ案内(送球、流出)され易い。
挿通孔F6121bは、第5通路部F6121へ振り分けられた球を下側通路F6112へ流出(流下、落下)させるための部位である。これにより、第5通路部F6121へ振り分けられた球を中間通路部材F6140の第1凹部F6141(流入口FOPf61)へ非案内とでき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第5通路部F6121には、挿通孔F6121bが非形成とされても良い。これにより、第5通路部材F6120に案内(送球、流出)された球を確実に中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第1入賞口64)へ案内(送球、流下)できる。
壁部F6122は、第5通路部F6121の上面を移動(流下、転動)する球が、下側通路F6112へ流出(流下)することを抑制するための部位であり、壁部F6122の突設高さは、球の外形よりも小さく形成される。これにより、第5通路部F6121の上面を移動(流下、転動)する球を遊技者に視認させ易くできる。
壁部F6122には、流出面F6121aの上方(矢印U方向)(一対の挿通孔F6121bの対向間)となる位置に突部F6122aが流入口FOPf61側(矢印B方向側)へ向けて突出して形成される。突部F6122aに当接することで、第5通路部F6121の上面を移動(流下、転動)する球を背面側(矢印B方向側)へ向けて移動(流下、転動)させることができ、挿通孔F6121bへ案内され難くできる。
連結部F6123は、第5通路部材F6120を背面部材F6150に固定(配設)させるための部位である。連結部F6123の下端と通路部材F6110の上側通路F6114の上面との間の寸法は、球の外形よりも大きく形成される。これにより、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が連結部F6123に当接することを抑制できる。
有色部材F6124は、有色の樹脂材料から構成される。これにより、第5通路部F6121を移動(流下、転動)する球が、流出面F6121aから流入口FOPf61を通過して第6通路FRt66へ案内(送球、流出)される、或いは、挿通孔F6121bを通過して下側通路F6112へ流出(流下、落下)されることを遊技者に視認させ難くでき、遊技の興趣を高めることができる。
第6通路部材F6130は、中間通路部材F6140から振り分けられた(案内された)球を遊技領域へ流出させるためのものであり、第6通路部材F6130の左右方向(矢印L-R方向)略中央に形成される第6通路部F6131と、その第6通路部F6131の左右方向両側に形成される一対の第4通路部F6132と、を備える。
第6通路部F6131は、中間通路部材F6140の第1凹部F6141から振り分けられた球を遊技領域へ流出させるための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)に延設される底面部F6131aと、その底面部F6131aの左右方向両端から上方(矢印U方向)へ向けて突設される一対の壁部F6131bと、を備え、正面視において略U字状に形成される。一対の壁部F6131bの対向面間の距離は球の外形よりもやや大きく形成され、底面部F6131a、一対の壁部F6131b及び通路部材F6110の下側通路F6112により区画された空間により第6通路FRt66(の一部)が形成される。
第6通路部F6131は、通路部材F6110の流出口FOPout1の背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、第6通路部F6131へ振り分けられた(案内された)球は、流出口FOPout1を通過し、を遊技領域へ流出される。
底面部F6131aの上面には、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて一対の突部F6131cが突設される。突部F6131cは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設されると共に、突部F6131cの上面は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、一対の突部F6131cの対向面間の距離は、球の直径よりも小さくされると共に、突部F6131cの正面端における突設長さ(矢印U-D方向の寸法)は、底面部F6131aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、底面部F6131a上の球を2箇所(突部F6131cの上端部における対向面側の一対の稜線部分)で位置決めすることができる。よって、一対の突部F6131cが非形成の場合と比較して、第6通路部F6131の幅方向(矢印L-R方向)における球の移動(流下、転動)位置を一定とし易くできる。よって、通路部材F6110の流出口FOPout1を通過した球を第1入賞口64へ入賞(案内)させやすくできる。
第4通路部F6132は、振分手段F6170の変位通路部材F6174から振り分けられた球を遊技領域へ流出させるための部位であり、前後方向(矢印F-B方向)に延設される底面部F6132aと、その底面部F6132aの左右方向(矢印L-R方向)中央側の端部から上方(矢印U方向)へ向けて突設される側壁部F6132bと、底面部F6132aの背面側の端部から上方へ向けて突設される背面壁F6132cと、側壁部F6132bと背面壁F6132cとを連結する湾曲部F6132dと、背面壁F6132cの上面から上方へ向けて突設される規制壁F6132eと、を備える。底面部F6132a、側壁部F6132b、背面壁F6132c、湾曲部F6132d及び通路部材F6110の下側通路F6112により区画された空間により第4通路FRt64(の一部)が形成される。
第4通路部F6132は、通路部材F6110の流出口FOPout62の背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、第4通路部F6132へ振り分けられた(案内された)球は、流出口FOPout62を通過し、を遊技領域へ流出される。
底面部F6132aの上面には、前後方向(矢印F-B方向)に沿って下方側(矢印D方向側)へ凹設する凹部F6132a1が形成される。凹部F6132a1は、正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、これにより、球の自重を利用して第4通路部F6132へ案内(送球、流下)された球を遊技領域へ流出させることができる。
また、凹部F6132a1は、底面部F6132aの左右方向(矢印L-R方向)略中央に形成される。これにより、第4通路部F6132へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)位置を第4通路部F6132の左右方向の略中央とできる。
ここで、中間通路部材F6140へ第6通路部材F6130を固定する際の誤差(組立公差)やベース板60へ通路部材F6110固定する際の誤差(組立公差)等の要因に起因して、第4通路部F6132と流出口FOPout62との相対的位置が設計された位置とは異なって配設され、第4通路部F6132を移動(流下、転動)する球が通路部材F6110の正面板F6111へ当接する虞がある。この場合、第4通路部F6132に球が滞留し易くなり、振分手段F6170の変位通路部材F6174から第4通路部F6132へ球が振り分けられ(案内され)難くなる。従って、変位通路部材F6174に球が滞留する虞がある。
これに対し、底面部F6132aの上面に凹部F6132a1が形成され、第4通路部F6132の左右方向(矢印L-R方向)の略中央を球が移動(流下、転動)することで、球が通路部材F6110の正面板F6111に当接することを抑制でき、第4通路部F6132を移動(流下、転動)する球を遊技領域に流出させ易くできる。その結果、振分手段F6170の変位通路部材F6174から第4通路部F6132へ球を振り分け(案内され)易くでき、変位通路部材F6174に球が滞留することを抑制できる。
背面壁F6132cには、挿通孔が形成され、その挿通孔に挿通したタッピングネジが中間通路部材F6140に締結されることで、第6通路部材F6130が中間通路部材F6140に固定(配設)される。
湾曲部F6132dは、左右方向(矢印L-R方向)中央側(背面側)へ向けて凹となる湾曲状に形成される。湾曲部F6132dに当接することで、左右方向中央側へ向けて移動(流下、転動)する球の速さを小さくすることなく球を正面側(矢印F方向側)へ案内できる。これにより、第4通路部F6132に球を滞留させ難くでき、変位通路部材F6174に球を滞留させ難くできる。
規制壁F6132eは、上面視において、略L字状に形成され、左右方向(矢印L-R方向)に延設される直線部とその直線部の左右方向中央側の端部から正面側(矢印F方向側)へ向けて延設される屈曲部とから形成される。通路部材F6110の下側通路F6112から振り分けられた(案内された)球を規制壁F6132eの屈曲部に当接させることで球が左右方向両端側(振分手段F6170の変位通路部材F6174)へ向けて変位することを規制でき、流入口FOPf62を通過した球が変位通路部材F6174へ振り分けられる(案内される)ことに要する時間を嵩ませることができる。
これにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた(案内された)球が変位通路部材F6174を移動(流下、転動)している状態において、言い換えると、変位通路部材F6174から第4通路部F6132へ振り分けられる(案内される)前に変位通路部材F6174へ振り分けられた球の後続となる球を下側フレームF6086bに案内(流入)させ易くできる。
中間通路部材F6140は、第5通路部材F6120の第5通路部F6121や通路部材F6110の下側通路F6112から振り分けられた(案内された)球を第6通路部材F6130の第6通路部F6131や振分手段F6170の変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)させるためのものである。
中間通路部材F6140は、その中間通路部材F6140の左右方向(矢印L-R方向)略中央に形成される第1凹部F6141と、その第1凹部F6141の左右方向両側に形成される一対の第2凹部F6142と、その第2凹部F6142の下方側(矢印D方向側)に形成される一対の貫通孔F6143と、を備える。
第1凹部F6141及び通路部材F6110の立て壁部F6113により区画された空間により第6通路FRt66(の一部)が形成され、第2凹部F6142及び立て壁部F6113により区画された空間により第4通路FRt64(の一部)が形成される。
第1凹部F6141は、背面側(矢印B方向側)へ向けて球の外形よりも大きく凹設して形成される。また、第1凹部F6141は、上下方向(矢印U-D方向)に延設され、その第1凹部F6141の上端は、通路部材F6110の流入口FOPf61の背面側に、第1凹部F6141の下端は、第6通路部材F6130の第6通路部F6131の背面側に、それぞれ配設される。これにより、球の自重を利用して、第5通路部材F6120の第5通路部F6121(通路部材F6110の流入口FOPf61)から振り分けられた球を第6通路部材F6130の第6通路部F6131へ案内(送球、流下)できる。
第2凹部F6142は、背面側(矢印B方向側)へ向けて球の外形よりも大きく凹設して形成される。第2凹部F6142において球が当接する面として形成される転動面F6142aは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、球の自重を利用して、通路部材F6110の下側通路F6112(流入口FOPf62)から振り分けられた球を振分手段F6170の変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)できる。
貫通孔F6143は、振分手段F6170の変位通路部材F6174を挿通させるための部位である。貫通孔F6143を挿通することで、振分手段F6170の変位通路部材F6174を中間通路部材F6140の正面側(矢印F方向側)に配設できる。
背面部材F6150は、第5通路部材F6120、中間通路部材F6140、第1通路部材F6160及び振分手段F6170を支持するためのものであり、背面板F6151と、その背面板F6151の左右方向(矢印L-R方向)両端に配設される一対の側板F6152と、背面板F6151の下端に配設される下板F6153と、背面板F6151の正面から突設される当接部F6154と、背面板F6151の背面から突出される突出板F6155と、を備える。
背面板F6151は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状体から構成される。背面板F6151の左右方向中央側における下方側(矢印D方向側)には、背面側(矢印B方向側)へ向けて凹設される凹部F6151aが形成される。凹部F6151aの上面は非形成とされ、言い換えると、凹部F6151aは上方側が開放して形成され、その開放部を通過して振分手段F6170の連結部材F6175の下端が凹部F6151aの正面側(矢印F方向側)に配設される。
また、背面板F6151には、当接部F6154の下方側(矢印D方向側)であって、通路部材F6110の切欠きF6114bの背面側(矢印B方向側)となる位置に挿通孔F6151bが板厚方向に穿設される。挿通孔F6151bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて延設して形成され、その挿通孔F6151bには、振分手段F6170の当接部F6173bが挿通される。
側板F6152は、上下方向(矢印U-D方向)に延びる板状体から構成され、側板F6152の下端は、下板F6153に連結して形成される。また、側板F6152の対向面とは反対側の面には一対の突起F6152aがそれぞれ形成される。
突起F6152aは、円柱状に形成され、前後方向(矢印F-B方向)に所定の距離だけ隔てて配設される。突起F6152aに第1通路部材F6160の固定孔F6164aが嵌合されることで、第1通路部材F6160が背面部材F6150に固定(配設)される。
下板F6153は、左右方向(矢印L-R方向)に延びる板状体から構成される。下板F6153は、一対の側板F6152に連結して配設され、下板F6153と一対の側板F6152との間には隙間が非形成とされる。
また、下板F6153の正面と一対の側板F6152の正面とは面一に形成され、下板F6153及び一対の側板F6152の正面は、ベース板60の背面に当接される。これらにより、背面部材F6150の内側への針金等の異物の侵入が抑制される。
なお、一対の側板F6152と下板F6153とは非連結(非当接)に配設され、下板F6153と一対の側板F6152との間には隙間が形成されても良い。また、下板F6153の正面と一対の側板F6152の正面とは非面一に形成され、下板F6153の正面または一対の側板F6152の正面は、ベース板60の背面に非当接とされても良い。
当接部F6154は、通路部材F6110の上側通路F6114を移動(流下、転動)する球を第5通路部材F6120へ振り分けるための部位である。当接部F6154は、上側通路F6114の上面から所定の距離だけ隔てて配設される。なお、所定の距離とは、球の半径よりも大きく且つ球の直径よりも小さく設定される。これにより、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球を当接部F6154に当接させることができる。また、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が当接部F6154を乗り越えることを抑制できる。
当接部F6154は、板状体から構成される。当接部F6154は、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、上側通路F6114の上面と略平行に配設される。当接部F6154の傾斜方向下側の面、言い換えると、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球に対向する面には、傾斜方向上側(上側通路F6114の上面を移動する球が近接する方向)へ向けて凹となる湾曲面F6154aが湾曲して形成される。
上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)し、当接部F6154の湾曲面F6154aに当接した球は、その球の移動(流下、転動)方向が正面側(矢印F方向側)へ変更され、これにより、球が上側通路F6114から第5通路部材F6120へ振り分けられる(案内される)。
突出板F6155は、振分手段F6170の錘支持部材F6176の変位を規制するための部位であり、板状体から構成される。突出板F6155の下面に錘支持部材F6176が当接することで、錘支持部材F6176の上方側(矢印U方向側)へ向けての変位が規制される。
第1通路部材F6160は、上側フレーム通路FRt60(図1752参照)から振り分けられた(案内された)球を通路部材F6110の下側通路F6112へ案内(送球、流下)させるためのものである。第1通路部材F6160は、上側フレーム通路FRt60の下流端に連通される溝部F6161と、その溝部F6161の下流端に連通される凹部F6162と、凹部F6162の下面から突設される案内部F6163及び固定部F6164と、を備える。溝部F6161や凹部F6162により区画された空間により第1通路FRt61が形成される。
溝部F6161は、溝状に形成され、その溝部F6161の溝形状は、球の外形と略同等に形成(凹設)される。また、溝部F6161は、上流端(上側フレーム通路FRt60(図1752参照)に連通される側の端部)から下流端(凹部F6162に連通される側の端部)へ向けて下降傾斜して形成される。これにより、球の自重を利用して、上側フレーム通路FRt60から振り分けられた球を凹部F6162へ向けて移動(流下、転動)させることができる。
溝部F6161の溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、球の半径と略同等に形成される。これにより、上側フレーム通路FRt60(図1752参照)から振り分けられた(案内された)球を溝部F6161に沿って移動(流下、転動)させることができ、溝部F6161の下流端以外の部位(溝部F6161の上流端と下流端との間の部位)から凹部F6162へ案内(送球、流下)されることを抑制できる。
溝部F6161は、前後方向(矢印F-B方向)に延設して形成される直線部と、その直線部の下流端から湾曲して形成される湾曲部と、から形成される。溝部F6161の湾曲部は、凹部F6162の凹設側面に連結して形成される。
凹部F6162は、上方(矢印U方向)が開放された円筒状に形成され、その凹部F6162の底面は、下方側(矢印D方向側)へ凹となるすり鉢状に形成される。また、凹部F6162の底面には、凹設側面から球の外形よりも大きい距離だけ隔てて一対の挿通孔F6162aが穿設される。
上述したように、溝部F6161の湾曲部と凹部F6162の凹設側面とが連結して形成されることで、溝部F6161から振り分けられた(案内された)球を凹部F6162の内周面に沿って移動(流下、転動)させることができる。これにより、一対の挿通孔F6162aを通過させ難くできる。その結果、一対の挿通孔F6162aを通過する第1の球と、その第1の球の後続となる第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。
挿通孔F6162aは、凹部F6162から通路部材F6110の下側通路F6112へ球を振り分ける(案内する)ための部位であり、球の外形よりもやや大きく形成される。一対の挿通孔F6162aは、凹部F6162の中心軸から前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔てて形成される。
なお、正面側(矢印F方向側)に形成される孔を挿通孔F6162a1、背面側(矢印B方向側)に形成される孔を挿通孔F6162a2とそれぞれ異なる符合を付して区別する。挿通孔F6162a1は、通路部材F6110の立て壁部F6113よりも正面側(矢印F方向側)に穿設され、挿通孔F6162a2は、立て壁部F6113よりも背面側(矢印B方向側)に穿設される。
これにより、例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過した球は、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過して右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160へ向けて下側通路F6112の上面を移動(流下、転動)する。これに対し、左方側に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、立て壁部F6113の正面を通過せず、下側通路F6112の左方側から左方側に形成される上側通路F6114へ案内(送球、流出)される。
案内部F6163は、凹部F6162の挿通孔F6162a1,F6162a2を通過した球を通路部材F6110の下側通路F6112へ案内(送球、流出)するための部位であり、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて下降傾斜して形成される。凹部F6162と下側通路F6112との間に案内部F6163を介設することで、下側通路F6112へ案内(送球、流出)される際の球の衝撃を小さくでき、下側通路F6112の破損を抑制できる。また、下側通路F6112に当接した際の跳ね返り量を小さくでき、通路部材F6110の正面板F6111を超えて下側通路F6112から遊技領域へ球が流出(流下、落下)されることを抑制できる。
案内部F6163には、挿通孔F6162a1,F6162a2の下方側(矢印D方向側)となる位置に一対のガイド凹部F6163aが下側通路F6112側(左右方向両端側)へ向けて凹設して形成される。ガイド凹部F6163aは、球の外形と略同等の形状に湾曲して形成され、これにより、案内部F6163に案内(送球、流出)された球は、前後方向(矢印F-B方向)への変位が規制される。
その結果、挿通孔F6162a1を通過した球が、上側通路F6114へ案内(送球、流出)されることや、挿通孔F6162a2を通過した球が、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過することを抑制できる。
固定部F6164は、第1通路部材F6160を背面部材F6150(側板F6152)へ固定(配設)させるための部位であり、固定部F6164には、一対の固定孔F6164aが板厚方向に穿設される。固定孔F6164aは、側板F6152の突起F6152aが挿通可能に形成され、前後方向(矢印F-B方向)に延びる長孔状に形成される。これにより、前後方向(矢印F-B方向)において、通路部材F6110(下側通路F6112)に対する第1通路部材F6160の配設位置を変更可能とできる。
その結果、一方の第1通路部材F6160に形成される挿通孔F6162a1を通過した球が、一方の第1通路部材F6160側に配設される上側通路F6114へ案内(送球、流出)されることや、一方の第1通路部材F6160に形成される挿通孔F6162a2を通過した球が、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過し、他方の第1通路部材F6160へ向けて下側通路F6112を移動(流下、転動)する(立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過する)ことを生じさせることができる。
振分手段F6170は、球の重さにより動作して、通路部材F6110の上側通路F6114を移動(流下、転動)する球の移動方向を変更させるためのものであり、支持部材F6171と、その支持部材F6171に支持される第1軸F6172と、その第1軸F6172に軸支される一対の変位部材F6173と、その変位部材F6173に係合される一対の変位通路部材F6174と、その変位通路部材F6174と変位部材F6173とを連結する一対の連結部材F6175と、その連結部材F6175に配設される一対の錘支持部材F6176と、その錘支持部材F6176に配設される一対の錘F6177と、連結部材F6175を軸支する一対の第2軸F6178と、を備える。
変位部材F6173、変位通路部材F6174、連結部材F6175、錘支持部材F6176、錘F6177及び第2軸F6178は、遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1752左右対称)にそれぞれ配設される。
また、連結部材F6175を介することで、変位部材F6173と変位通路部材F6174とが一体化(1のユニットとして形成)される。なお、本実施形態においては、連結部材F6175に錘支持部材F6176が固定(配設)され、その錘支持部材F6176に錘F6177が配設(支持)されることで、変位部材F6173、変位通路部材F6174、連結部材F6175、錘支持部材F6176及び錘F6177が一体化(1のユニットとして形成)される。
支持部材F6171は、板状体から構成され、支持部材F6171の左右方向(矢印L-R方向)両端側には、正面側(矢印F方向側)へ向けて屈曲される一対の屈曲部F6171aが形成される。屈曲部F6171aには、挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に第1軸F6172が挿通されることで、第1軸F6172が支持部材F6171に支持される。
また、支持部材F6171の下端には、切欠きF6171bが上方(矢印U方向)へ向けて切欠き形成される。切欠きF6171bに錘支持部F6176bが当接することで、変位部材F6173(変位通路部材F6174)の変位が規制される。
支持部材F6171及び一対の屈曲部F6171aにより区画された空間に第1軸F6172、一対の変位部材F6173及び一対の連結部材F6175を配設することで、針金等の異物の侵入が抑制される。
第1軸F6172は、一対の変位部材F6173を変位可能に係合(支持)するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。第1軸F6172には、支持部材F6171の一対の屈曲部F6171aの左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に切り込みが形成され、その切り込みには金属リング状のCリング(図示せず)が嵌合される。これにより、第1軸F6172は、支持部材F6171に抜去不能に支持される。
変位部材F6173は、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球の移動方向を変更させるためのものであり、板状体から構成される本体部F6173aと、その本体部F6173aから正面側(矢印F方向側)へ向けて突出する当接部F6173bと、本体部F6173aから背面側(矢印B方向側)へ向けて突出する被支持部F6173c及び係合部F6173dと、を備える。
変位部材F6173は、着色されて構成される。これにより、変位部材F6173が変位したことを遊技者に視認させ易くできる。ここで、一対の変位部材F6173は、異なる色に着色される。これにより、一対の変位部材F6173の一方または他方が変位された状態を遊技者に視認させ易くできる。なお、一対の変位部材F6173は、同色に着色されても良い。
本体部F6173aは、板状体から構成され、背面部材F6150の背面板F6151の背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、通路部材F6110の上側通路F6114を移動(流下、転動)する球が本体部F6173aに当接することを抑制できる。
なお、本体部F6173aは、一対の変位部材F6173の一方と他方とで外形が異なるものの、その本体部F6173aの外形は、変位部材F6173の機能に関与しないので同一の符号を付して説明する。
当接部F6173bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、通路部材F6110の上側通路F6114の上面と略平行に配設される。当接部F6173bの外形は、上側通路F6114の切欠きF6114bの内周面よりもやや小さく形成され、当接部F6173bは、切欠きF6114bの内側に配設される。
当接部F6173bは、板状体から構成され、上側通路F6114の上面と略平行であると共に、略面一に配設される。当接部F6173bの傾斜方向下側の面、言い換えると、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球に対向する面には、傾斜方向上昇側(上側通路F6114の上面を移動する球が近接する方向)へ向けて凹となる湾曲面F6173b1が湾曲して形成される。
詳細は後述するが、当接部F6173bが通路部材F6110の上側通路F6114の上面から所定の距離だけ隔てた位置に配設され、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球と当接可能な位置に変位された場合、湾曲面F6173b1に当接することで、球の移動(流下、転動)方向が正面側(矢印F方向側)へ変更される。これにより、球が上側通路F6114から第5通路部材F6120へ振り分けられる(案内される)。
なお、湾曲面F6173b1は、正面側(矢印F方向側)へ向かうにつれて傾斜方向上昇側(上側通路F6114の上面を移動する球が近接する方向)へ傾斜して形成されても良い。
被支持部F6173c及び係合部F6173dは、板状体からそれぞれ構成され、被支持部F6173c及び係合部F6173dには、板厚方向に穿設される挿通孔がそれぞれ形成される。それら挿通孔に第1軸F6172が挿通されることで、変位部材F6173は、第1軸F6172に左右方向(矢印L-R方向)への変位が可能に支持される。
なお、被支持部F6173cは、当接部F6173bの背面側(矢印B方向側)に配設される。これにより、当接部F6173bに球が当接した際の被支持部F6173cに生じるモーメントを低減でき、被支持部F6173cの破損を抑制できる。
また、第1軸F6172に対し、被支持部F6173c及び係合部F6173dの2箇所により変位部材F6173を支持することで、第1軸F6172との支持が1箇所の場合と比較して、当接部F6173bに球が当接した際の衝撃により被支持部F6173c又は係合部F6173dが破損することを抑制し易くできる。
また、被支持部F6173c及び係合部F6173dは、左右方向(矢印L-R方向)に所定の距離だけ隔てて配設される。これにより、当接部F6173bに球が当接した際の変位部材F6173の姿勢の変化を抑制し易くできる。
係合部F6173dには、係合部F6173dの背面側(矢印B方向側)の端部が左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて屈曲される屈曲部F6173d1が形成される。その屈曲部F6173d1には板厚方向に穿設される挿通孔F6173d2が形成される。挿通孔F6173d2は、連結部材F6175の被係合部F6175b1が挿通可能に形成され、上下方向(矢印U-D方向)に延びる長孔状に形成される。これにより、変位部材F6173と変位通路部材F6174とが係合されると共に、被係合部F6175b1は、挿通孔F6173d2に対し、上下方向に変位可能に係合される。
変位通路部材F6174は、中間通路部材F6140の転動面F6142aを移動(流下、転動)する球を第6通路部材F6130の第4通路部F6132へ振り分ける(案内する)ためのものであり、通路部F6174aと、その通路部F6174aの左右方向(矢印L-R方向)両端側の縁部から立設される外側壁部F6174bと、通路部F6174aの正面側(矢印F方向側)の縁部から立設される正面壁部F6174cと、通路部F6174aの左右方向中央側の縁部から立設される内側壁部F6174dと、通路部F6174aの背面側(矢印B方向側)の縁部から立設される連結部F6174eと、を備える。
通路部F6174aは、前後方向(矢印F-B方向)に延びる板状体から構成され、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて下降傾斜して配設される。通路部F6174aには、その通路部F6174aの上面から突設される突部F6174a1が形成される。
突部F6174a1は、前後方向(矢印F-B方向)に延びる直線部と、その直線部の前端から左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて屈曲される屈曲部と、から構成され、直線部の上面は、正面側(矢印F方向側)へ向かうにつれて下降傾斜して形成され、屈曲部の上面は、左右方向中央側へ向かうにつれて下降傾斜して形成される。
突部F6174a1の直線部は、外側壁部F6174b及び内側壁部F6174dから球の半径よりも小さい距離だけ隔てて配設される。また、突部F6174a1の屈曲部は、正面壁部F6174c及び内側壁部F6174dの正面端から球の半径よりも小さい距離だけ隔てて配設される。これらにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた球は、突部F6174a1の上面を転動可能となり、球の自重を利用して第6通路部材F6130の第4通路部F6132へ案内(送球、流下)される。
外側壁部F6174b及び正面壁部F6174cの突設高さは、球の半径よりも大きく形成される。これにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた球が外側壁部F6174b及び正面壁部F6174cを乗り越え、ベース板60と背面部材F6150の背面板F6151との間に脱落することを抑制できる。また、正面壁部F6174cの突設高さは、球の直径よりも小さく形成される。これにより、変位通路部材F6174へ振り分けられた球を遊技者に視認させ易くできる。
また、外側壁部F6174b及び内側壁部F6174dには、通路部F6174aの突部F6174a1側(左右方向における通路部F6174aの中央側)へ向けて突設する突起F6174b1,F6174d1がそれぞれ形成される。突起F6174b1,F6174d1は、突設先端へ向けて前後方向(矢印F-B方向)の幅寸法が小さくなるテーパ状に形成される。また、突起F6174b1は、突起F6174d1よりも背面側(矢印B方向側)に形成される。
突部F6174a1の上面を移動(流下、転動)する球が突起F6174b1,F6174d1に当接することで、その球の正面側(矢印F方向側)への移動(流下、転動)速度を小さくできる。これにより、変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)された球が変位通路部材F6174を通過することに要する時間を嵩ませることができる。
また、突起F6174b1に当接することで、突部F6174a1の上面を移動(流下、転動)する球に左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて変位させることができる。これにより、突起F6174b1に当接した球を突起F6174d1に当接させ易くできる。
連結部F6174eは、変位通路部材F6174と連結部材F6175とを締結固定するためのタッピングネジが螺合される部位である。変位通路部材F6174が連結部材F6175に固定され、連結部材F6175と変位部材F6173とが係合されることで、変位通路部材F6174の変位に連動して変位部材F6173を変位させることができる。
連結部材F6175は、変位通路部材F6174の変位に変位部材F6173を連動させるためのものであり、被軸支部F6175aと、その被軸支部F6175aの外周面から上方側(矢印U方向側)へ向けて突出する第1連結部F6175bと、被軸支部F6175aの外周面から左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて突出する第2連結部F6175cと、を備える。
被軸支部F6175aは、円柱状に形成され、その被軸支部F6175aの中心軸を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢で配設される。また、被軸支部F6175aには、被軸支部F6175aの中心軸に沿って挿通孔が穿設され、その挿通孔に第2軸F6178が挿通されることで、連結部材F6175が第2軸F6178に軸支される。
第1連結部F6175bは、前後方向(矢印F-B方向)において、第1軸F6172と変位部材F6173の屈曲部F6173d1との間に配設される。第1連結部F6175bの上端部には、背面側(矢印B方向側)へ向けて突出する被係合部F6175b1が形成され、被係合部F6175b1が変位部材F6173の挿通孔F6173d2に挿通されることで、変位部材F6173と変位通路部材F6174とが係合される。
ここで、本実施形態における第1連結部F6175bは、第2軸F6178を回転軸として回転変位されるのに対し、変位部材F6173は、第1軸F6172に左右方向(矢印L-R方向)への変位が可能に支持される。よって、第1連結部F6175b(被係合部F6175b1)は、変位部材F6173に対して上下方向(矢印U-D方向)に相対変位しつつ変位部材F6173を左右方向へ変位させる。
上述したように、変位部材F6173の挿通孔F6173d2は、上下方向(矢印U-D方向)に延びる長孔状に形成され、詳細には、挿通孔F6173d2に被係合部F6175b1が挿通された状態では、挿通孔F6173d2の上下端と被係合部F6175b1とが当接不能に形成される。
これにより、振分手段F6170の動作時において、被係合部F6175b1と挿通孔F6173d2の側面(上下方向に延びる内周面)とが当接することで、変位部材F6173が左右方向(矢印L-R方向)に変位される。一方、挿通孔F6173d2の上下端と被係合部F6175b1とが当接不能なため、変位部材F6173が上下方向(矢印U-D方向)に変位することを抑制できる。
また、変位部材F6173の屈曲部F6173d1が係合部F6173dの背面側(矢印B方向側)の端部から左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて屈曲され、その屈曲部F6173d1の正面側(矢印F方向側)に第1連結部F6175bが配設される。従って、屈曲部F6173d1と第1連結部F6175bとの間に形成される隙間のうち、左右方向両端側が係合部F6173dにより遮蔽される。
ここで、屈曲部F6173d1と第1連結部F6175bとの間に形成される隙間が露出される場合、かかる隙間に針金等の異物を挟み入れることで第1連結部F6175b又は変位部材F6173の変位が抑制される虞がある。これに対し、本実施形態では、係合部F6173dが第1連結部F6175bと屈曲部F6173d1との間に形成される隙間のうち、少なくとも左右方向(矢印L-R方向)両端側を遮蔽することで、針金等の異物が挟み込まれることを抑制し易くできる。
第2連結部F6175cは、被軸支部F6175aと変位通路部材F6174とを連結するための部位であり、第1連結部F6175bよりも正面側(矢印F方向側)において被軸支部F6175aに配設される。第2連結部F6175cの上面には、下方側(矢印D方向側)へ向けて切欠きが形成され、これにより、第2連結部F6175cと錘支持部材F6176とが当接することを抑制できる。
錘支持部材F6176は、錘F6177を支持するためのものであり、延設部F6176aと、その延設部F6176aの先端に形成される錘支持部F6176bと、を備える。
延設部F6176aは、左右方向(矢印L-R方向)へ延びる板状体から構成され、延設部F6176aの一端(基端)は、タッピングネジ等により連結部材F6175の第1連結部F6175bに締結固定される。なお、延設部F6176aの延設方向は、連結部材F6175の第2連結部F6175cの延設方向とは反対側、即ち、第2連結部F6175cが被軸支部F6175aから左右方向両端側へ向けて延設されるのに対し、延設部F6176aは、連結部材F6175の第1連結部F6175bから左右方向中央側へ向けて延設される。
延設部F6176aの一端(基端)は、遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)における中心に対し、遊技盤F6013の一側に配設され、延設部F6176aの他端(先端)は、遊技盤F6013の幅方向における中心に対し、遊技盤F6013の他側に配設される。言い換えると、延設部F6176aの他端(先端)は、遊技盤F6013の幅方向における中心に対し、延設部F6176aの一端(基端)とは反対側に配設される。
例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される連結部材F6175の第1連結部F6175bに締結固定される延設部F6176aの一端(基端)は、遊技盤F6013の幅方向(図1752左右方向)における中心よりも左方側に配設され、延設部F6176aの他端(先端)は、遊技盤F6013の幅方向における中心よりも右方側(矢印R方向側)に配設される。
ここで、左方側(矢印L方向側)に配設される錘支持部材F6176は、連結部材F6175の正面に固定(配設)され、右方側(矢印R方向側)に配設される錘支持部材F6176は、連結部材F6175の背面に固定(配設)される。これにより、一対の連結部材F6175が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合においても一対の錘支持部材F6176が当接することを抑制できる。
錘支持部F6176bは、正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設される円筒状に形成され、錘支持部F6176bの内周面は、錘F6177の外径よりもやや大きく形成される。錘支持部F6176bの内周面に錘F6177が内包されることで、錘F6177が錘支持部F6176bに配設(支持)される。
また、錘支持部F6176bが正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設されるため、振分手段F6170が背面部材F6150に配設された(組み付けられた)状態においても、錘F6177を挿脱できる。
錘F6177は、重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F6177が錘支持部F6176bに配設されることで、1のユニットとして形成される変位部材F6173、変位通路部材F6174、連結部材F6175、錘支持部材F6176及び錘F6177の全体(以下「振分手段F6170の可動部」と称す)の重心が第2軸F6178よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。
第2軸F6178は、連結部材F6175を軸支(回転可能に係合)するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。第2軸F6178は、前後方向(矢印F-B方向)に沿った姿勢で配設され、第2軸F6178は、連結部材F6175の被軸支部F6175aに穿設される挿通孔に挿通される。これにより、連結部材F6175は第2軸F6178を回転軸として回転可能に形成される。
連結部材F6175と変位部材F6173とが係合されることで、連結部材F6175の変位(回転)に連動して変位部材F6173は、第1軸F6172の延設方向(矢印L-R方向)に沿って変位可能に形成される。
次いで、図1763から図1764を参照して、振分手段F6170の動作について説明する。図1763(a)及び図1764(a)は、図1762(c)のMDCCIIa-MDCCIIa線における下側フレームF6086bの部分拡大断面図であり、図1763(b)及び図1764(b)は、下側フレームF6086bの部分拡大背面図である。
なお、図1763(b)及び図1764(b)では、背面部材F6150の背面板F6151の図示が省略される。また、図1763は、振分手段F6170の可動部の動作前における下側フレームF6086bを、図1764は、振分手段F6170の可動部の動作後における下側フレームF6086bを、それぞれ図示しており、振分手段F6170の可動部が動作する前の状態を動作前状態、振分手段F6170の可動部が動作した後の状態を動作後状態、とそれぞれ定義する。
図1763に示すように、下側フレームF6086bの動作前状態において、変位通路部材F6174の内側壁部F6174dが中間通路部材F6140の貫通孔F6143の内周面に当接することで変位通路部材F6174の動作(変位)が規制され、変位部材F6173の当接部F6173bは、通路部材F6110の上側通路F6114の上面に対し面一となる位置に配設される。
これにより、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することを抑制できる。また、上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球が、当接部F6173bの上面を移動(流下、転動)可能となり、背面部材F6150の当接部F6154に当接可能となる。
なお、当接部F6173bが上側通路F6114の上面と面一に形成された状態では、当接部F6173bは、上側通路F6114の一部とみなす。このように、当接部F6173bを上側通路F6114の一部とすることで、例えば、球を移動(流下、転動)可能とするために、切欠きF6114bに嵌め込み可能に形成される嵌め込み部材を省略でき、製造コストを低減できる。
ここで、下側フレームF6086bの動作前状態において、当接部F6173bが背面部材F6150の背面側(矢印B方向側)に配設され、当接部F6173bが前後方向(矢印F-B方向)に変位される構成が考えられる。この場合、前後方向における振分手段F6170の寸法が大きくなり、下側フレームF6086bが大型化する虞がある。
これに対し本実施形態における当接部F6173bは、上側通路F6114の上面と面一に形成されるため、前後方向(矢印F-B方向)における振分手段F6170の寸法を小さくできる。また、上側通路F6114の左右方向(矢印L-R方向)中央側における空間を有効に活用でき、下側フレームF6086bを小型化できる。
また、動作前状態において、振分手段F6170の可動部の重心は、第2軸F6178よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。これにより、変位通路部材F6174が上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、変位通路部材F6174の内側壁部F6174dと中間通路部材F6140の貫通孔F6143の内周面との当接が維持される。その結果、下側フレームF6086bは、動作前状態に維持される。
次いで、下側フレームF6086bの動作前状態から動作後状態への動作について説明する。変位通路部材F6174に球が案内(送球、流下)されることで、球を加えた振分手段F6170の可動部の重心が第2軸F6178よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。
これにより、振分手段F6170の可動部には、変位通路部材F6174が下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、錘支持部材F6176の錘支持部F6176bは、上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する。
その結果、変位部材F6173は、第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位し、当接部F6173bは、通路部材F6110の上側通路F6114の上面から所定の間隔だけ隔てた位置に変位し、上側通路F6114を移動(流下、転動)する球と当接可能な位置に配置される。なお、所定の間隔は、球の直径よりもやや小さい間隔に設定される。これにより、上側通路F6114の上面と当接部F6173bとの間に球が挟まることを抑制できる。
また、錘支持部F6176bは、背面部材F6150の突出板F6155や支持部材F6171に当接し、これにより、振分手段F6170の可動部の動作(変位)が規制され、下側フレームF6086bが動作後状態に配置(維持)される。
上述したように、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の錘支持部材F6176は、連結部材F6175の正面に固定(配設)されるのに対し、右方側(矢印R方向側)に配設される振分手段F6170の錘支持部材F6176は、連結部材F6175の背面に固定(配設)される。そのため、右方側(矢印R方向側)に配設される錘支持部材F6176の錘支持部F6176bは、背面部材F6150の突出板F6155とは非当接となる位置に配設される。
これにより、振分手段F6170の可動部のうち、左方側(矢印L方向側)に配設される錘支持部材F6176は、突出板F6155に当接し、右方側(矢印R方向側)に配設される錘支持部材F6176は、支持部材F6171の切欠きF6171bの内周面に当接する。従って、左方側と右方側とで、振分手段F6170の可動部の変位量が異なる虞がある。
これに対し、支持部材F6171に切欠きF6171bが形成されることで、動作前状態における突出板F6155及び切欠きF6171bと一対の錘支持部F6176bとの間の距離を同一とできる。これにより、振分手段F6170の可動部の左方側と右方側とで動作(変位)量を同一とできる。
また、振分手段F6170の可動部の動作時において、連結部材F6175の被係合部F6175b1は、第2軸F6178の上方(矢印U方向)を横切って左右方向(矢印L-R方向)中央側から左右方向両端側へ向けて変位する。これにより、被係合部F6175b1が第2軸F6178よりも左右方向中央側に位置する状態においては、被係合部F6175b1は上方へ向けて変位し、被係合部F6175b1が第2軸F6178よりも左右方向両端側に位置する状態においては、被係合部F6175b1は下方(矢印D方向)へ向けて変位する。
従って、長孔状に形成される挿通孔F6173d2の上下方向(矢印U-D方向)における寸法を小さくでき、係合部F6173d(屈曲部F6173d1)を小さく形成できる。その結果、振分手段F6170の設計の自由度を向上や製品コストの削減を図ることができる。
ここで、下側フレームF6086bの動作前状態において、当接部F6173bが上側通路F6114の上面と面一に形成されるため、動作前状態から動作後状態における当接部F6173bの変位量を小さくでき、動作前状態から動作後状態への動作に要する時間を短縮できる。
例えば、当接部F6173bが前後方向(矢印F-B方向)に変位される構成では、当接部F6173bの変位量は、球の直径よりも大きく設定される。これにより、当接部F6173bの変位量を小さくでき、動作前状態から動作後状態への動作に要する時間を短縮できる。
また、例えば、上側通路F6114の上面から球の直径よりも大きな間隔だけ隔てて当接部F6173bが配設される構成では、当接部F6173bの変位量は、球の半径よりも大きく設定される。また、かかる構成では、下側フレームF6086bの動作前状態から動作後状態への動作により、上側通路F6114の上面と当接部F6173bとの間に球が挟まる虞がある。
図1764に示すように、下側フレームF6086bの動作後状態においては、変位部材F6173が左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位され、変位部材F6173の当接部F6173bは、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球に当接可能な位置に配置される。
当接部F6173bは、背面部材F6150の当接部F6154よりも下方側(矢印D方向側)に配設される。これにより、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が背面部材F6150の当接部F6154に当接不能な速度(運動エネルギー)であっても、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで上側通路F6114(第3通路FRt63)から第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分けられる。
下側フレームF6086bの開放状態において、変位部材F6173は、変位された状態に維持される。これにより、下側フレームF6086bの開放状態を遊技者に視認させ易くできる。
このように、通路部材F6110の上側通路F6114の上面を移動(流下、転動)する球を当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接させることで、上側通路F6114(第3通路FRt63)の上面を移動(流下、転動)する球を第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)させ易く(第1入賞口64へ入賞し易く)できる。これにより、下側フレームF6086bが動作後状態となる、言い換えると、変位通路部材F6174を移動する球の有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、当接部F6173bが流出面F6114aよりも左右方向(矢印L-R方向)中央側、言い換えると、上側通路F6114の上面を球が上昇する位置に配置される。これにより、上側通路F6114の上面を上昇する球は徐々に速度が低下され、球の移動(流下、転動)と、球と当接部F6173bとの当接とを遊技者に視認させ易くできる。
なお、下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態へ向けての動作は、変位通路部材F6174から球が流出される(変位通路部材F6174に球の重量が非作用となる)ことで行われる。下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態へ向けての力(重力)の作用、は動作前状態の維持と同様であるためその説明は省略する。
このように、球の重量を利用して下側フレームF6086bを動作前状態から動作後状態、或いは、動作後状態から動作前状態へ向けて動作させることができるため、駆動装置を不要とでき、製造コストを低減できる。
図1753から図1762に戻って、下側フレームF6086bを流下する球について説明する。遊技領域を流下する球のうち、上側フレームF6086aに配設される上側フレーム通路FRt60(図1752参照)を案内された球は、第1通路部材F6160の溝部F6161(第1通路FRt61)の上流端に流入(入球)される。
第1通路部材F6160の溝部F6161の上流端に流入(入球)された球は、凹部F6162へ案内(送球、流出)され、凹部F6162の底面に穿設される挿通孔F6162a1若しくは挿通孔F6162a2から通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)される。
下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)された球は、下側通路F6112(第2通路FRt62)の延設方向(矢印L-R方向)に沿って下側通路F6112の左右方向中央側へ向けて移動(流下、転動)する。
なお、一方側(例えば、右方側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた(案内された)球は、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過して、下側通路F6112(第2通路FRt62)の他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。
ここで、下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)することや立て壁部F6113に当接することにより、球には摩擦力が作用し、球の速度(運動エネルギー)が減少する。
これにより、下側フレームF6086bの動作前状態においては、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)され、上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇する球は、背面部材F6150の当接部F6154に当接不能とされる。従って、球は、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cと第2傾斜部F6114dとを往復動した後、他方側の上側通路F6114に形成される流出面F6114aから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)される。
また、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)された球は、凹面として形成される流出面F6114aを通過することで球の速度(運動エネルギー)が減少される。
これにより、上側通路F6114(第3通路FRt63)を移動(転動)する球と当接部F6154との当接を抑制し易くできる。このように、上側通路F6114(第3通路FRt63)へ振り分けられた(案内された)球を下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)させる機能と、上側通路F6114を移動(転動)する球の速度(運動エネルギー)を減少させる機能とを流出面F6114aに兼用させることができ、製品コストの削減を図ることができる。
流出面F6114aから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)された球は、流出面F6112bから第1入賞口64へ案内(送球、流下)される、若しくは、起伏F6112aの底部から立て壁部F6113の流入口FOPf62へ流入して中間通路部材F6140の第2凹部F6142(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)される。
次いで、球が他方側(左方側)に配設される第2凹部F6142(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された場合について説明する。
他方側(左方側)に配設される第2凹部F6142(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された球は、他方側に配設される振分手段F6170の変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)される。これにより、下側フレームF6086bが動作前状態から動作後状態へ動作される。詳細には、他方側の変位部材F6173が変位された状態における動作後状態へ動作される。
他方側(左方側)に配設される変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された球は、次いで、他方側に配設される第6通路部材F6130の第4通路部F6132(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)される。これにより、下側フレームF6086bが動作後状態から動作前状態へ動作される。他方側に配設される第4通路部F6132(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)された球は、通路部材F6110の流出口FOPout62を通過して遊技領域へ流出される。
なお、下側フレームF6086bの動作後状態、詳細には、球が他方側(左方側)に配設される振分手段F6170の変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)を移動(流下、転動)している状態においては、その他方側に配設される変位通路部材F6174を移動する球(以下「第1の球」と称す)の後続となる球(以下「第2の球」と称す)であり、一方側(右方側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1へ流入された第2の球は、他方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。
ここで、図1765を参照して、下側フレームF6086bの動作後状態において、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球の移動(流下、転動)について説明する。図1765は、下側フレームF6086bの部分上面図である。なお、図1765では、変位部材F6173に形成される当接部F6173bを除く振分手段F6170の図示が省略される。
図1765(a)に示すように、下側フレームF6086bの動作後状態において、当接部F6173bは、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cを上昇する球CB61に当接可能な位置に配設される。
詳細には、下側フレームF6086bの動作前状態において、第1傾斜部F6114cを上昇する球CB61が最も上方側(矢印U方向側)へ到達する位置よりも下方側(矢印D方向側)に当接部F6173bが配設される。
次いで、図1765(b)に示すように、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB61は、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで、第1傾斜部F6114cを上昇すると共に、湾曲面F6173b1に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)される。言い換えると、球CB61には、正面側へ向けての速度成分が付与される。
ここで、球CB61が最も上方側(矢印U方向側)へ到達した位置では、球の速度が0となり(又は速度が小さくなり)球の勢いが弱い。そのため、球CB61が最も上方側へ到達する位置に当接部F6173bが配設された場合、球CB61が当接部F6173bに当接しても正面側(矢印F方向側)へ向けて案内されない虞がある。
これに対し、本実施形態では、第1傾斜部F6114cを上昇する球CB61が最も上方側(矢印U方向側)へ到達する位置よりも下方側(矢印D方向側)に当接部F6173bが配設されるため、球CB61の勢いが強い(速度が確保される)。これにより、球CB61の勢いを利用して、当接部F6173bに当接した球CB61を正面側(矢印F方向側)へ向けて案内し易くできる。
次いで、球CB61が正面側(矢印F方向側)へ向けて変位することにより、図1765(c)に示すように、球CB61は、第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられ、壁部F6122に当接することで、正面側(矢印F方向側)へ向けての移動(流下、転動)が規制される。
ここで、下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態への動作では、当接部F6173bは、左右方向(矢印L-R方向)両端側から左右方向中央側へ向けて変位される。また、第1傾斜部F6114cを上昇する(当接部F6173bへ向けて移動する)球CB61には、左右方向中央側および上方側(矢印U方向側)へ向けて移動する。従って、下側フレームF6086bの動作後状態から動作前状態への動作における当接部F6173bの変位方向には、第1傾斜部F6114cを当接部F6173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれる。
これにより、球CB61と当接部F6173bとの当接により球CB61の移動方向(左右方向中央側へ向けての方向)へ当接部F6173bを変位させ(下側フレームF6086bの動作前状態における当接部F6173bの配設位置へ向けて後退させ)、衝撃を吸収できる。その結果、当接部F6173bの破損を抑制できる。
次いで、図1765(d)に示すように、第5通路部F6121の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての下降傾斜に沿って球CB61は移動(流下、転動)され、流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入される。或いは、挿通孔F6121bへ流入して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)される(図1753参照)。
図1753から図1762に戻って説明する。このように、下側フレームF6086bが動作後状態へ動作される(第1の球が変位通路部材F6174へ案内(送球、流下)される)ことで、第2の球や第2の球の後続となる球を第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分ける(案内させる)ことができる。上述したように、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分けられた(案内された)球は、第1入賞口64へ入賞し易く、従って、下側フレームF6086bの動作後状態において、第2の球や第2の球の後続となる球が下側フレームF6086bへ振り分けられる(案内される)ことを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、球の当接により変位部材F6173に作用する力の方向と変位部材F6173の動作後状態から動作前状態への変位の方向(左右方向中央側)との少なくとも一部を一致させることができる。これにより、球が当接した際、変位部材F6173を動作前状態へ向けて変位させることで変位部材F6173に加わる衝撃力を小さくでき、変位部材F6173が破損することを抑制できる。
なお、下側フレームF6086bの動作後状態において、一方側(右方側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過して他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)された球は、球の速度(運動エネルギー)が減少した状態で変位部材F6173の当接部F6173bに当接される。従って、球が当接した際の当接部F6173bに加わる衝撃力を小さくでき、変位部材F6173が破損することを抑制できる。
次いで、他方側(左方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)について説明する。他方側に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から振り分けられた(案内された)球は、立て壁部F6113の正面(矢印F方向)を通過せず、他方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。
この場合、挿通孔F6162a1から振り分けられた(案内された)球と比較して下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する球の移動量が小さい。また、立て壁部F6113に非当接とされる。これらにより、球に作用する摩擦力が小さく、球の速度(運動エネルギー)の減少が抑制される。
その結果、下側フレームF6086bの動作前状態において、一方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)された球は、背面部材F6150の当接部F6154に形成される湾曲面F6154aに当接可能となる。
ここで、図1766を参照して、下側フレームF6086bの動作前状態において、他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球の移動(流下、転動)について説明する。図1766は、下側フレームF6086bの部分上面図である。なお、図1766では、振分手段F6170の図示が省略される。
図1766(a)に示すように、第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から振り分けられた(案内された)球CB62は、挿通孔F6162a1から振り分けられた(案内された)球と比較して速度(運動エネルギー)が大きく、当接部F6173bに形成される湾曲面F6173b1に当接される。
これにより、図1766(b)に示すように、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB62は、第1傾斜部F6114cを上昇すると共に、湾曲面F6173b1に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて移動(流下、転動)される。言い換えると、球CB62には、正面側へ向けての速度成分が付与される。
次いで、図1766(c)に示すように、球CB62は、第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられ、壁部F6122に当接することで、正面側(矢印F方向側)へ向けての移動(流下、転動)が規制される。
なお、湾曲面F6173b1は、その湾曲面F6173b1の正面側(矢印F方向側)における先端が左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて突出して形成されるため、当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接する場合と比較して(図1765参照)、左右方向両端側における壁部F6122に当接する。
第5通路部F6121は、背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成されるため、球CB62は、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)するに従い、背面側(壁部F6113)へ向けて移動(流下、転動)する。
これにより、図1766(d)に示すように、球CB62は、挿通孔F6162a1から振り分けられた(案内された)球と比較して挿通孔F6121bへ流入されるよりも流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入され易い。
図1753から図1762に戻って説明する。下側フレームF6086bの動作後状態において、他方側(左方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2から下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)については、上述した一方側(右方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1から下側通路F6112(第2通路FRt62)振り分けられた(案内された)場合と同様であるため、その説明は省略する。
なお、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1を通過した球と他方側(左方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球とでは、他方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)を移動(流下、転動)する球の速度(運動エネルギー)が異なる。詳細には、他方側の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、一方側の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過した球と比較して速度(運動エネルギー)が大きい。
これにより、下側フレームF6086bの動作後状態において、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1を通過した球と他方側(左方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球とで、変位部材F6173の当接部F6173bに当接した衝撃による変位部材F6173の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位量を異ならせることができる。
また、本実施形態においては、動作前状態から動作後状態へ向けての動作中において変位部材F6173の当接部F6173bに球が当接可能とされる。これにより、変位部材F6173(変位通路部材F6174)の変位の程度により、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121への振り分け位置を異ならせることができる。言い換えると、壁部F6122への当接位置を異ならせることができる。
これらにより、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分けられた(案内された)球が、第5通路部材F6120の流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入される、或いは、挿通孔F6121bへ流入して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流出)されるかを遊技者に判断させ難くすることができ、興趣を向上させることができる。
流入口FOPf61へ流入された球は、順に中間通路部材F6140の第1凹部F6141、第6通路部材F6130の第6通路部F6131へ案内(送球、流下)され、通路部材F6110の流出口FOPout1から流出された後、第1入賞口64へ入賞される。
第5通路部材F6120の挿通孔F6121bから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)については、上述した上側通路F6114(第3通路FRt63)の流出面F6114aから下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)された球の移動(流下、転動)と同一であるため、その説明は省略する。
なお、複数(2球以上)の球(例えば、第1の球および第1の球の先行となる球)が変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ続けて案内(送球、流下)される、言い換えると、変位通路部材F6174に作用する球の重量が大きくなることで、変位部材F6173の当接部F6173bと球との当接による変位部材F6173の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位量を小さくできる。
これにより、例えば、球との当接による変位部材F6173の左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けての変位量が小さい場合、球を左右方向(矢印L-R方向)両端側における第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ振り分け易く(案内し易く)できる。その結果、挿通孔F6121bへ流入されるよりも流出面F6121aから流入口FOPf61へ流入させ易くできる。
従って、複数の球が変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)に続けて案内(送球、流下)される、言い換えると、通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する球が連なった状態で変位通路部材F6174(第4通路FRt64の一部)へ案内(送球、流下)されることを遊技者に期待させることができ、興趣を向上させることができる。
また、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1と挿通孔F6162a2とが前後方向(矢印F-B方向)に並設される。これにより、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)から通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球が、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過するか否かを遊技者に視認させ難くできる。
言い換えると、一方側(右方側)の第1通路部材F6160(第1通路FRt61)から通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球が、一方側の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流下)される、もしくは、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過し他方側(左方側)の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流下)されるかを遊技者に視認させ難くできる。その結果、下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられた球を遊技者に注視させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1767から図1769を参照して、第99実施形態における下側フレームF7086bについて説明する。第99実施形態における下側フレームF7086bでは、第98実施形態よりも動作後状態を長く維持するために、変位通路部材F7174の左右方向(矢印L-R方向)両端側に第2変位通路F7180(第7通路FRt77)が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1767(a)及び図1768(a)は、第99実施形態における下側フレームF7086bの断面図であり、図1767(b)及び図1768(b)は、下側フレームF7086bの背面図である。図1769は、第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aへの球の振り分けを模式的に図示したものであり、図1769(a)、図1769(c)及び図1769(e)は、下側フレームF7086bの上面模式図であり、図1769(b)、図1769(d)及び図1769(f)は、図1769(a)の矢印CCCXLb、図1769(c)の矢印CCCXLd及び図1769(e)の矢印CCCXLf方向視における下側フレームF7086bの正面模式図である。
なお、図1767(a)及び図1768(a)は、第2変位通路F7180の前後方向(矢印F-B方向)中央において前後方向に垂直な平面で切断した断面に対応する。また、図1767は、振分手段F7170及び第2変位通路F7180の動作前における状態を、図1768は、振分手段F7170及び左方側(矢印L方向側)に配設される第2変位通路F7180の動作後における状態を、それぞれ図示している。また、図1767(b)及び図1768(b)では、背面部材F6150の背面板F6151の図示が省略される。
また、図1769(a)、図1769(c)及び図1769(e)は、下側フレームF7086bにおける第6通路部材F6130の第4通路部F6132、中間通路部材F6140の転動面F6142aの一部、振分手段F7170の変位通路部材F7174及び第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの一部のみが図示され、図1769(b)、図1769(d)及び図1769(f)は、下側フレームF7086bにおける第6通路部材F6130の第4通路部F6132、中間通路部材F6140の転動面F6142aの一部、正面壁部F6174cを除く振分手段F7170の変位通路部材F7174及び第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの一部のみが図示される。
また、図1769では、所定の間隔を隔てた2球が中間通路部材F6140の第2凹部F6142(第4通路FRt64)へ振り分けられた状態が図示され、図1769(a)及び図1769(b)は、それら2球が第2凹部F6142の転動面F6142aを移動(流下、転動)する状態、図1769(c)及び図1769(d)は、第4通路FRt64へ振り分けられた球のうち、先行となる球(以下「先行の球CB71」と称す)が振分手段F7170の変位通路部材F7174へ振り分けられた状態、図1769(e)及び図1769(f)は、先行の球CB71の後続となる球(以下「後続の球CB72」と称す)が第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aへ振り分けられた状態、がそれぞれ図示される。
図1767から図1768に示すように第99実施形態における振分手段F7170には、第98実施形態における振分手段F6170に加え、変位通路部材F7174の左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に一対の第2変位通路F7180が配設される。
第2変位通路F7180は、その第2変位通路F7180の変位(回転)により変位部材F6173を動作(変位)させるためのものであり、第2変位通路部材F7181と、その第2変位通路部材F7181を軸支する軸F7182と、第2変位通路部材F7181に配設される錘F7183と、を備える。
第2変位通路部材F7181は、球の通路となる第2変位通路部F7181aと、その第2変位通路部F7181aに一端が固定(配設)される支持部F7181bと、その支持部F7181bの他端に固定(配設)される被軸支部F7181cと、その被軸支部F7181cに固定(配設)される錘支持部F7181dと、を備える。
第2変位通路部F7181aは、中間通路部材F6140の転動面F6142aから振り分けられた(案内された)球が移動(流下、転動)するための部位であり、転動面F7181a1と、その転動面F7181a1の縁部から立設される壁部F7181a2と、を備える。転動面F7181a1及び壁部F7181a2により区画された空間により第7通路FRt77が形成される。
転動面F7181a1は、左右方向(矢印L-R方向)両端側が正面側(矢印F方向側)に屈曲される、上面視において略L字状の板状体から構成される。また、転動面F7181a1(第7通路FRt77)の延設長さは、変位通路部材F7174の延設長さの略3倍の延設長さに形成される(図1757参照)。
壁部F7181a2は、第2変位通路部F7181aに案内(送球、流下)された球の変位を規制するための部位であり、変位通路部材F7174側(左右方向中央側)の端部(第2変位通路部F7181aの上流端)および正面側(矢印F方向側)に屈曲される部位の正面側の端部(第2変位通路部F7181aの下流端)を除く縁部から立設される。
転動面F7181a1において、上流端に壁部F7181a2が非形成とされることで、中間通路部材F6140の転動面F6142aから第2変位通路部F7181aへ球が案内(送球、流下)され、転動面F7181a1の下流端に壁部F7181a2が非形成とされることで、第2変位通路部F7181aから遊技領域に球が流出される。
なお、ベース板60には、転動面F7181a1の下流端の正面(矢印F方向)となる位置に挿通孔(図示せず)が穿設され、かかる挿通孔を通過させることで、球が遊技領域に流出される。
壁部F7181a2の突設高さは、球の半径よりも大きく形成される。これにより、第2変位通路部F7181aへ振り分けられた球が壁部F7181a2を乗り越え、ベース板60と背面部材F6150との間に脱落することを抑制できる。
支持部F7181bは、第2変位通路部F7181aと被軸支部F7181cとを連結するための部位であり、棒状体から構成される。被軸支部F7181cは、筒状に形成され、その被軸支部F7181cの内周側に軸F7182が挿通される。これにより、軸F7182(被軸支部F7181c)を回転軸として第2変位通路部材F7181が回転可能に形成される。
錘支持部F7181dは、錘F7183を支持するための部位である。錘支持部F7181dは、一端(基端)が被軸支部F7181cに固定(配設)され、錘支持部F7181dの他端(先端)には錘F7183を固定(配設)するための凹部が正面側(矢印F方向側)へ向けて凹設して形成される。
軸F7182は、第2変位通路部材F7181を回転可能に係合(軸支)するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。軸F7182は、前後方向(矢印F-B方向)に沿った姿勢で配設され、背面部材F6150の背面板F6151と下板F6153とにより支持される。これにより、第2変位通路部材F7181は軸F7182を回転軸として回転可能に形成される。
錘F7183は、第2変位通路F7180の重心の位置を調整するためのものであり、金属材料から円柱状に形成される。錘F7183が錘支持部F7181dに配設されることで、第2変位通路F7180の重心は、軸F7182よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側に位置する。
振分手段F7170の変位通路部材F7174は、第98実施形態における変位通路部材F6174に対し外側壁部F7174bの突設高さが異なる以外は同一に形成され、その外側壁部F7174bの突設高さは、球の直径よりもやや大きく形成される。これにより、変位通路部材F7174に球が案内(送球、流下)された状態では、上下方向(矢印U-D方向)において球の最も上方側(矢印U方向側)の部位は、外側壁部F7174bの突設先端よりも下方側(矢印D方向側)となる。
また、外側壁部F7174bの突設高さは、動作後状態において、第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの上面よりも下方側(矢印D方向側)となる寸法に形成される。これにより、中間通路部材F6140の転動面F6142aを移動(流下、転動)する球は、第2変位通路部F7181aへ振り分け可能とされる。
次いで、第2変位通路F7180の動作について説明する。図1767に示すように、下側フレームF7086bの動作前状態において、第2変位通路F7180の錘支持部F7181dと振分手段F7170の錘支持部材F6176とは当接、或いは、所定の距離(例えば、1mm)だけ隔てて配設される。また、第2変位通路F7180の壁部F7181a2の上端が背面部材F7150の側板F7152から突設される突部F7152bに当接することで第2変位通路F7180の動作(変位)が規制される。
また、動作前状態において、一対の第2変位通路F7180の重心は、軸F7182よりも左右方向(矢印L-R方向)中央側にそれぞれ位置する。これにより、第2変位通路F7180には、第2変位通路部F7181aが上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、第2変位通路F7180の壁部F7181a2の上端と背面部材F7150の側板F7152から突設される突部F7152bとの当接が維持される。その結果、下側フレームF7086bは、動作前状態に維持される。
次いで、下側フレームF7086bの動作前状態から動作後状態への動作について説明する。第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aに球が案内(送球、流下)されることで、球を加えた第2変位通路F7180の全体の重心が軸F7182よりも左右方向(矢印L-R方向)両端側に位置する。
これにより、第2変位通路F7180には、第2変位通路部F7181aが下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)する方向に重力が作用し、錘支持部F7181dは、上方側(矢印U方向側)へ向けて回転(変位)する。その結果、振分手段F7170の錘支持部材F6176が上方側へ向けて回転(変位)し、変位部材F6173は、第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位される(下側フレームF7086bが動作後状態へ動作される)。
ここで、図1769を参照して第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aへの球の振り分けについて説明する。図1769(a)及び図1769(b)に示すように、先行の球CB71および後続の球CB72が転動面F6142aを移動(流下、転動)する状態(動作前状態)では、変位通路部材F7174の外側壁部F7174bの少なくとも一部が第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの上面よりも上方側(矢印U方向側)となる位置に配設される。これにより、先行の球CB71は、外側壁部F7174bに当接可能となり、転動面F6142aから第2変位通路部F7181aへ案内される(変位通路部材F7174へ非案内とされる)ことを抑制できる。
次いで、図1769(c)及び図1769(d)に示すように、先行の球CB71が変位通路部材F7174へ案内(送球、流下)されることで、先行の球CB71の重量により変位通路部材F7174が下方側(矢印D方向側)へ向けて回転(変位)し、下側フレームF7086bは、動作後状態へ動作される(図1768参照)。
ここで、先行の球CB71は、変位通路部材F7174の突起F6174b1に当接することで、先行の球CB71の正面側(矢印F方向側)への移動(流下、転動)速度を小さくでき、また、左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて移動(流下、転動)させることができる。これにより、図1769(e)及び図1769(f)に示すように、後続の球CB72を第2変位通路F7180へ振り分けやすくできる。
詳細には、先行の球CB71が左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて、即ち、後続の球CB72へ向けて移動(流下、転動)することで、左右方向における先行の球CB71と後続の球CB72との距離を小さくできる。また、先行の球CB71の正面側(矢印F方向側)への移動(流下、転動)速度を小さくすることで、前後方向(矢印F-B方向)において先行の球CB71と後続の球CB72とが離間することを抑制できる。
これにより、突起F6174b1が非形成の場合と比較して、先行の球CB71の上方側(矢印U方向側)の部位に後続の球CB72を当接(落下)させることができる。その結果、後続の球CB72の下方側(矢印D方向側)への変位(落下、流下)量を小さくでき、第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181aの上面へ後続の球CB72を案内(送球、流下)し易くできる。
図1767から図1768に戻って説明する。転動面F7181a1(第7通路FRt77)の延設長さは、変位通路部材F7174の延設長さよりも長く形成されるため(図1757参照)、球が第2変位通路F7180の第2変位通路部F7181a(第7通路FRt77)を移動(流下、転動)することに要する時間を変位通路部材F7174を移動(流下、転動)することに要する時間よりも嵩ませることができる。これにより、変位通路部材F7174へ球が振り分けられる場合と比較して、第2変位通路部F7181a(第7通路FRt77)へ球が振り分けられることで動作後状態となる時間を嵩ませることができる。
従って、通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)を移動(流下、転動)する2球が所定の間隔よりも小さい間隔だけ隔てた状態で中間通路部材F6140の第2凹部F6142(第4通路FRt64)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1770を参照して、第100実施形態における下側フレームF8086bについて説明する。第100実施形態における下側フレームF8086bでは、動作前状態と動作後状態とで、第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球の第1入賞口64への入賞し易さが異なる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1770は、第100実施形態における下側フレームF8086bの部分拡大上面図であり、図1770(a)は、動作前状態における下側フレームF8086bが、図1770(b)は、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の当接部F6173bが変位した動作後状態における下側フレームF8086bが、それぞれ図示される。
図1770に示すように、第100実施形態における第5通路部材F8120の挿通孔F8121bは、第98実施形態における挿通孔F6121bと比較して、左右方向(矢印L-R方向)両端側となる位置に穿設される。
詳細には、動作後状態において、振分手段F6170の当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)に案内(送球、流下)された球の移動方向の延長線上に穿設される。これにより、動作後状態において、当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)に案内(送球、流下)された球を挿通孔F8121bへ向けて移動(流下、転動)させ易くできる。
また、第5通路部材F8120には、挿通孔F8121bの縁に沿って立設部F8121b1が配設される。立設部F8121b1の立設高さは、所定以上の速度を有する球が乗り越え可能な高さに形成される。
また、背面部材F8150の当接部F8154に形成される湾曲面F8154aの正面端は、第98実施形態における湾曲面F6154aの正面端と比較して、左右方向(矢印L-R方向)中央側となる位置に形成される。これにより、動作前状態において、当接部F8154に当接することで第5通路部材F8120(第5通路FRt65)に案内(送球、流下)された球を一対の挿通孔F8121bの間へ向けて移動(流下、転動)させ易くできる。言い換えると、一対の挿通孔F8121bへ向けて移動(流下、転動)させ難くできる。
本実施形態における下側フレームF8086bでは、動作後状態において、例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)に振り分けられた球は、立て壁部F6113の正面を通過せず、左方側に形成される上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)され、速度(運動エネルギー)の減少が抑制された状態で球が第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
上述したように、挿通孔F8121bは、振分手段F6170の当接部F6173bに当接した球の移動方向の延長線上に穿設されるため、第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、挿通孔F8121bへ向けて移動(流下、転動)され易く、第5通路部材F8120の壁部F8122に当接され難い。
これらにより、動作後状態において、一方側(上述の例では左方側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過し、当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、立設部F8121b1を乗り越え挿通孔F8121bを通過し易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
一方、動作後状態において、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a1を通過して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)に振り分けられた球は、速度(運動エネルギー)が減少した状態で第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
従って、当接部F6173bに当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、立設部F8121b1を乗り越え難く(挿通孔F8121bを通過し難く)、流出面F6121aから中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
また、動作前状態においては、背面部材F8150の当接部F8154は、当接部F6173bよりも上方側(矢印U方向側)に配設されるため、当接部F8154に当接した球は、速度(運動エネルギー)が減少した状態で第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
また、当接部F8154に当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、一対の挿通孔F8121bの間へ向けて移動(流下、転動)し、第5通路部材F8120の壁部F6122に当接され易く、挿通孔F8121bへ案内され難い。
従って、当接部F8154に当接されることにより第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された球は、立設部F8121b1を乗り越え難く(挿通孔F8121bを通過し難く)、流出面F6121aから中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
上述したように、動作前状態においては、一対の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、挿通孔F6162a1を通過した球と比較して第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)され易く、第1入賞口64へ入賞し易い。
一方、動作後状態、例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の当接部F6173bが変位した動作後状態においては、左方側に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球は、第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)された後、挿通孔F8121bを通過して通路部材F6110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し難い)。
このように、動作前状態と動作後状態とで、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球の第1入賞口64への入賞し易さを変化させることで、動作前状態では、球が挿通孔F6162a2を通過することを遊技者に期待させ、動作後状態では、振分手段F6170の当接部F6173bが変位した側(上述の例では左方側)の挿通孔F6162a2を球が通過しないことを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1を通過した球は、左方側(矢印L方向側)に配設される上側通路F6114(第3通路FRt63)から第5通路部材F8120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。この場合、球は、立設部F8121b1を乗り越え難く(挿通孔F8121bを通過し難く)、流出面F6121aから中間通路部材F6140の第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)され易い(第1入賞口64へ入賞し易い)。
従って、動作後状態では、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)へ振り分けられた(案内された)球は、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160へ振り分けられた(案内された)球よりも第1入賞口64へ入賞し易い。これにより、動作後状態を契機として、右方側に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)へ球が振り分ける(案内する)ことを遊技者に意図させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1771及び図1772を参照して、第101実施形態における下側フレームF9086bについて説明する。第101実施形態における下側フレームF9086bでは、動作前状態と動作後状態とで、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球の第1入賞口64への入賞し易さが異なる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1771(a)及び図1772(a)は、第101実施形態における下側フレームF9086bの部分拡大上面図であり、図1771(b)及び図1772(b)は、下側フレームF9086bの部分拡大正面図である。
なお、図1771は、動作前状態における下側フレームF9086bが、図1772は、左方側(矢印L方向側)に配設される振分手段F6170の当接部F6173bが変位した動作後状態における下側フレームF9086bが、それぞれ図示される。また、図1771(b)及び図1772(b)では、中間通路部材F9140に形成される連結孔F9144が破線で図示される。
図1771及び図1772に示すように第101実施形態における中間通路部材F9140には、中間通路部材F9140の上面と第1凹部F6141とを貫通する連結孔F9144が穿設される。また、連結孔F9144の上方側(矢印U方向側)における通路部材F9110には、挿通孔F9116が板厚方向に穿設される。
また、右方側(矢印R方向側)における背面部材F9150には当接部F6154が配設される一方、左方側(矢印L方向側)における背面部材F9150には当接部F6154が非配設とされる。
次いで、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球の移動(流下、転動)について説明する。第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球は、通路部材F9110の下側通路F6112(第2通路FRt62)へ振り分けられ、立て壁部F6113の正面を通過せず、上側通路F6114(第3通路FRt63)へ案内(送球、流出)される。従って、下側通路F6112(第2通路FRt62)に振り分けられた球は、速度(運動エネルギー)の減少が抑制された状態で上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する。
図1771に示すように、動作前状態において、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、通路部材F9110の挿通孔F9116に到達し、中間通路部材F9140の連結孔F9144を介して第1凹部F6141(第6通路FRt66)へ案内(送球、流下)される。
よって、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球を第1入賞口64へ入賞し易く(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させ易く)できる。
一方、動作前状態において、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、背面部材F9150の当接部F6154に当接して第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。
第5通路部材F6120の第5通路部F6121には、一対の挿通孔F6121bが穿設される。従って、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球と比較して右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、第1入賞口64へ入賞し難い。
次いで、図1772に示すように、動作後状態において、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、振分手段F6170の当接部F6173bに当接して第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。言い換えると、通路部材F9110の挿通孔F9116へ案内(送球、流下)されることが当接部F6173bに抑制される。従って、動作前状態と比較して第1入賞口64へ入賞し難い。
なお、動作後状態において、右方側(矢印R方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過して上側通路F6114(第3通路FRt63)を上方側(矢印U方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、振分手段F6170の当接部F6173bに当接して第5通路部材F6120(第5通路FRt65)へ案内(送球、流下)される。従って、動作前状態と動作後状態とで第1入賞口64への入賞されやすさはほぼ同一である。
このように、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a2を通過した球は、動作前状態では、ほぼ確実に第1入賞口64へ入賞できるのに対し、動作後状態では、動作前状態と比較して第1入賞口64へ入賞され難い。
従って、左方側(矢印L方向側)に配設される第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球が、動作前状態において、上側通路F6114を上方側へ向けて移動(流下、転動)することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図1773を参照して、第102実施形態における下側フレームF10086bについて説明する。第102実施形態における下側フレームF10086bでは、第98実施形態における下側フレームF6086bの当接部F6154が非配設とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1773(a)は、第102実施形態における下側フレームF10086bの部分拡大上面図であり、図1773(b)は、下側フレームF10086bの部分拡大正面図である。
なお、図1773は、動作後状態における下側フレームF10086bが図示される。また、図1773(a)では、変位部材F10173の当接部F10173bを除く振分手段の図示が省略され、図1773(b)では、第5通路部材F6120の図示が省略される。
図1773に示すように、第102実施形態における当接部F10173bには、上側通路F6114の傾斜における上昇方向(図1773(b)矢印J方向、以下「上昇方向」と称す)側に第2湾曲面F10173b2が湾曲して形成される。第2湾曲面F10173b2は、上側通路F6114の傾斜における下降方向(図1773(b)矢印K方向、以下「下降方向」と称す)側へ向けて凹設される。
次いで、通路部材F6110の上側通路F6114(第3通路FRt63)へ振り分けられた(案内された)球の移動(流下、転動)について説明する。下側フレームF10086bの動作前状態において、上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇方向(矢印J方向)へ向けて移動(流下、転動)する球は、当接部F10173bにおける上側通路F6114と面一に形成される案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも上昇方向側へ案内される。
上側通路F6114(第3通路FRt63)を上昇方向(矢印J方向)へ向けて移動(流下、転動)する球は、次第に速度が小さくなり、一旦止まった後、下降方向(矢印K方向)へ向けて移動(流下、転動)する。上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向(矢印K方向)へ向けて移動(流下、転動)する球は、再度、当接部F10173bの案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも下降方向側へ案内される。
一方、球が当接部F10173bの案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも上昇方向側(矢印J方向側)へ案内されてから当接部F10173bの案内面F10173b3を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)するまでの間に、下側フレームF10086bが動作後状態に動作された場合、当接部F10173bは、球と当接可能となる位置へ向けて変位されるため、上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)する球は、第2湾曲面F10173b2に当接される。
第2湾曲面F10173b2に当接されることにより、球は、第2湾曲面F10173b2の湾曲面に沿って正面側(矢印F方向側)へ向けて変位され、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられる。
ここで、当接部F10173bに第2湾曲面F10173b2が非形成、例えば、上側通路F6114の上昇方向側(矢印J方向)が前後方向(矢印F-B方向)に沿って平坦な面として形成される場合、その当接部F10173bの平坦面に球が当接し、球の移動(流下、転動)が規制される虞がある。
この場合、下側フレームF10086bが動作前状態に動作されることにより、球は、上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)し、第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ球が振り分けられない(非案内となる)虞がある。
従って、球が当接部F10173bの案内面F10173b3を通過して当接部F10173bよりも上昇方向側(矢印J方向側)へ案内されてから当接部F10173bの案内面F10173b3を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)するまでの間に、下側フレームF10086bが動作後状態に動作された場合であっても、球が第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ球が振り分けられず(非案内となり)、遊技の興趣が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態では、当接部F10173bに第2湾曲面F10173b2が形成されるため、上側通路F6114(第3通路FRt63)を下降方向側(矢印K方向側)へ向けて移動(流下、転動)球を第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられることができ、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
次いで、図1774及び図1775を参照して、第103実施形態における下側フレームF11086bについて説明する。上記第98実施形態では、変位通路部材F6174に球の重量を利用して、変位部材F6173が動作(変位)される場合を説明したが、第103実施形態では、球の重量の利用に加え、アクチュエータ(ソレノイドF11002)の駆動力によっても、変位部材F6173が動作(変位)可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1774は、第103実施形態における下側フレームF11086bの背面斜視図であり、図1775は、下側フレームF11086bの部分拡大上面図である。第103実施形態における下側フレームF11086bは、第98実施形態における下側フレームF6086bに対し、センサF11001と、ソレノイドF11002とを更に備える。
なお、図1775では、第1領域F11003a及び第2領域F11003bがハッチングを付した領域として模式的に図示される。第1領域F1103aは、挿通孔F6162a2へ球が流入可能な領域(位置)であり、挿通孔F6162a2と同心の円環状の範囲として定義される。第2領域F1103bは、挿通孔F6162a1へ球が流入可能な領域(位置)であり、挿通孔F6162a1と同心の円環状の範囲として定義される。本実施形態では、第1領域F1103aと第2領域F1103bとは同一の大きさとされる。
図1774及び図1775に示すように、センサF1101は、挿通孔F6162a2(即ち、凹部F6162に穿設される一対の挿通孔F6162aのうちの背面側(矢印B方向側)に形成される孔)を通過する球を検出するためのセンサ(貫通孔の内周を通過する球を検出する近接スイッチ)であり、挿通孔F6162a2に連なるガイド凹部F6163aの下流端に配設される。
なお、センサF1101は、一対(正面視左方側(矢印L方向側)及び右方側(矢印R方向側))の第1通路部材F6160における挿通孔F6162a2のそれぞれに配設される。また、センサF1101は、ガイド凹部F6163aによる球の案内方向に影響を与えない態様で配設される。例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の第1通路部材F6160の挿通孔F6162a2を通過した球は、立て壁部F6113の正面側ではなく、下側通路F6112から正面視左方側(矢印L方向側)の上側通路F6114へ案内(送球、流出)される。
ソレノイドF11002は、一対の変位部材F6173をそれぞれ独立して変位させるためのアクチュエータであり、背面板F6151の背面に一対が向かい合わせの姿勢(プランジャーF11002bを変位部材F6173に連結させた姿勢)で配設(固着、取着)される。
ソレノイドF11002は、コイル、固定鉄心および戻りばねが収容されるケースF11002aと、そのケースF11002aに対して出没(直線変位)可能とされるプランジャーF11002bとを備え、プランジャーF11002bの直線変位の方向を第1軸F6172と平行とする姿勢で配設される。
なお、ソレノイドF11002は、プル(吸引)ソレノイドとして構成される。即ち、非通電時には、戻りばねの弾性力によりプランジャーF11002bが突出した状態とされ、変位部材F6173が初期位置(当接部F6173bに球が当接不能な位置)に配置され、通電時には、プランジャーF11002bがプル(吸引)動作されることで、変位部材F6173が第1軸F6172に沿って変位(スライド)され、かかる変位部材F6173が突出位置(上側通路F6114の上面から突出され、当接部F6173bに球が当接可能な位置)に配置される。
なお、戻りばねの弾性力は、変位通路部材F6174に球の重量が作用した場合に、その球の重量によっても、変位部材F6173を動作(変位)可能な大きさに設定される。但し、変位通路部材F6174に球の重量が作用しても、その球の重量では、変位部材F6173を動作(変位)不能となるように構成しても良い。或いは、変位通路部材F6174及びその変位通路部材F6174の変位(球の重量が作用することによる変位)を変位部材F6173へ伝達する機構を省略しても良い(即ち、ソレノイドF11002の駆動によってのみ変位部材F6173が変位する構成としても良い)。
本実施形態では、センサF11001によって球の通過が検出されたことを契機(条件)として、ソレノイドF11002の所定時間の通電が実行される。具体的には、センサF110001により球の通過が検出されると、その検出から即座にソレノイドF11002の通電が実行され、かかる通電が5秒間継続される。
なお、センサF110001により球の通過が検出されてからソレノイドF11002の通電が開始されるまでの時間は、任意であり、球の通過の検出後、所定時間の経過を待って(待機して)、通電が開始されても良い。即ち、通電を開始するタイミングを球の通過の検出から遅延させても良い。後続の球に対する変位部材F6173(当接部F6173b)の影響(後続の球が流入口FOPf61へ流入し易くされる態様)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、遅延の時間として、複数種類を準備し、それら複数種類からランダムに設定されても良い。
また、ソレノイドF11002の通電を継続する時間は任意であり、上記例示した時間(5秒)より短くても長くても良い。
ソレノイドF11002の通電は、断続的に行われても良い。例えば、第1の時間(例えば、0.5秒)の通電と、第2の時間(例えば、1秒)の非通電とが所定時間(例えば、5秒)の間、繰り返される態様が例示される。この場合、第1の時間と第2の時間とはどちらが長くても良く、同じ長さでも良い。第1の時間および(又は)第2の時間が、毎回、異なる長さであっても良い。
所定時間(例えば、5秒)の間、通電(例えば、0.5秒)と非通電(例えば、1秒)とを繰り返す態様を1セットとして、かかる1セットを複数回(例えば、15回)実行しても良い。
また、センサF11001によって球の通過が検出され、且つ、所定確率(例えば、199分の1)の抽選の結果、当選した場合に、ソレノイドF11002の通電が実行されるようにしても良い。
ソレノイドF11002の通電を実行する条件は、上記各態様を組み合わせても良い。
挿通孔F6162a2から下側通路F6112へ流入した球は、第98実施形態の場合と同様に、挿通孔F6162a1から下側通路F6112へ流入した球よりも、流入口FOPf61へ流入し易くされる。よって、第1通路部材F6160(凹部F6162)へ流入した球が、挿通孔F6162a1,F6162a2のどちらから下側通路F6112へ流入するか、即ち、球が流下する位置(第1領域F11003a又は第2領域F11003b)を遊技者に注視(意識)させることができる。その結果、第1領域F1103a(挿通孔F6162a2)からの流下を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
一方で、センサF11001によって球の通過が検出されたことを契機(条件)として、ソレノイドF11002の所定時間の通電が実行され、これにより、流入口FOPf61へ球が流入し易くなるように、変位部材F6173の変位が行われる。よって、第2領域F1103b(挿通孔F6162a1)からの流下であっても、流入口FOPf61への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1通路部材F6160(凹部F6162)は、第1領域F11003aと第2領域F11003bとの間を球が移動可能に形成されるので、第1領域F11003a又は第2領域F11003bのどちらから球が流下されるのか、凹部F6162における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
また、挿通孔F6162a1,F6162a2から変位部材F6173までの球の経路は、挿通孔F6162a2(第1領域F11003a)から流下した球が変位部材F6173まで移動する第1経路と、挿通孔F6162a1(第2領域F11003b)から流下した球が変位部材F6173まで移動する第2経路とを備えるところ、これら第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成される。
これにより、挿通孔F6162a2(第1領域F11003a)から流下した球が変位部材F6173へ到達可能な経路と、挿通孔F6162a1(第2領域F11003b)から流下した球が変位部材F6173へ到達可能な経路との種類を、一定のスペース内において、より多く確保することができる。その結果、球の移動のバリエーションを多くして、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1経路とは、例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の第1通路部材F6160(凹部F6162)における挿通孔F6162a2(第1領域F11003a)から流下した球が、正面視左方側(矢印L方向側)の下側通路F6112における背面板F6151側の領域と、正面視左方側(矢印L方向側)の上側通路F6114とを、順に、正面視左方側(矢印L方向側)の変位部材F6173まで移動する経路である。
一方、第2経路とは、例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の第1通路部材F6160(凹部F6162)における挿通孔F6162a1(第2領域F11003b)から流下した球が、正面視左方側(矢印L方向側)の下側通路F6112における正面板F6111側の領域と、正面視中央の下側通路F6112(正面板F6111と立て壁部F6113との間の領域)と、正面視右方側(矢印R方向側)の下側通路F6112における正面板F6111側の領域と、正面視右方側(矢印R方向側)の下側通路F6112における背面板F6151側の領域と、正面視右方側(矢印R方向側)の上側通路F6114とを、順に、正面視右方側(矢印R方向側)の変位部材F6173まで移動する経路である。
また、挿通孔F6162a1,F6162a2から球が流下する際には、挿通孔F6162a1,F6162a2への進入状態(進入角度、進入速度など)や進入時における挿通孔F6162a1,F6162a2の内周面との接触状態(接触角度、接触強さ等)等に起因して、流下方向や流下速度、球の回転方向が変化される。そのため、第1経路と第2経路との間で球が移動可能に形成されていることが有効となり、これにより、挿通孔F6162a2(挿通孔F6162a1)から流下したとした球が、第1経路の途中で第2経路へ(第2経路の途中で第1経路へ)移動するなどの種々の形態を形成することができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、下側通路F6112及び上側通路F6114とには、球の転動面から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の突起(当接手段)が形成されていても良い。この場合には、第1経路または(及び)第2経路を移動する球が突起(当接手段)に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、突起(当接手段)の突設位置は、任意である。突起(当接手段)の配置としては、例えば、第1経路と第2経路との境界(例えば、正面視左方側(矢印L方向側)の下側通路F6112上であって、挿通孔F6162a2から流下した球が上側通路F6114へ向かう経路と挿通孔F6162a1から流下した球が正面視中央の下側通路F6112(正面板F6111と立て壁部F6113との間の領域)へ向かう経路とを隔て、正面板F6111と背面板F6151とに平行な仮想線)に沿って、所定間隔(球が間を通過可能な間隔)を隔てつつ、複数のが列設される形態が例示される。
以下、図1776から図1785を参照し、第104実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)H10について説明する。
図1776は、第104実施形態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図1777は、パチンコ機H10の背面図であり、図1778は、外枠H11に対して内枠H12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1779は、外枠H11に対して内枠H12を開放した状態で裏パックユニットH94を内枠H12に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1780は、外枠H11に対して内枠H12を閉鎖すると共に正面枠H14を開放(展開)した状態を示すパチンコ機H10の正面斜視図であり、図1781は、正面枠H14を取り外した状態におけるパチンコ機H10の正面図であり、図1782は、遊技盤H13及び内枠H12の分解正面斜視図であり、図1783は、正面枠H14の分解斜視正面図であり、図1784は、正面枠H14の分解斜視背面図である。なお、図1781では、発射位置送球ユニットH170から球発射ユニットH112aに球を送球するための背面側開口H172が2点鎖線で図示される。
また、以下の説明では、図1776に示す状態のパチンコ機H10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1776に示す状態のパチンコ機H10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1776参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機H10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
また、特段の説明がない限り、パチンコ機H10を遊技する遊技者は、パチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に位置し、パチンコ機H10の背面側(矢印B方向側)に視線を向けた状態(パチンコ機H10の正面側と対面した状態)で遊技するものとして説明する。
図1776~図1784に示すように、パチンコ機H10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠H11と、その外枠H11と略同一の外形形状に形成され外枠H11に対して開閉可能に支持された内枠H12と、その内枠H12と略同一の外形形状に形成され内枠H12に対して開閉可能に支持された正面枠H14とを主に備えている。
外枠H11には、内枠H12を支持するために正面視(図1776参照)左側(矢印L方向側)の上下(矢印U-D方向)2カ所に金属製のヒンジH18が取り付けられ、そのヒンジH18が設けられた側を開閉の軸として内枠H12が正面枠H14と共に正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている。
パチンコ機H10は、外枠H11を島設備に取り付け固定することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機H10において外枠H11は必須の構成ではなく、外枠H11又は外枠H11と同一の内形を有し、外枠H11の内枠H12支持構造(ヒンジH18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良い。
外枠H11は、上方側(矢印U方向側)に配設される上方板H11aと、下方側(矢印D方向側)に配設される下方板H11bと、それら上方板H11a及び下方板H11bの左右(矢印L-R方向)の両端同士を上下方向に連結する左方板H11c及び右方板H11dとを組み合わせて枠状に形成される。
なお、外枠H11は、木材で形成されるものに限られるものではなく、アルミ等の金属材料やプラスチック等の樹脂材料で形成されていても良く、それら木材、金属材料、又は、樹脂材料から形成される部材(上方板H11a,下方板H11b,左方板H11c,右方板H11d)を組み合わせて形成されるものであっても良い。
また、本実施形態では、外枠H11の正面視左側(矢印L方向側)にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視右側(矢印R方向側)を正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能とされるが、外枠H11の正面視右側にヒンジH18が取り付けられ、外枠H11に対して内枠H12の正面視左側を正面手前側へ開閉可能としても良く、又、ヒンジH18を外枠H11の正面視下側(矢印D方向側)の左右(矢印L-R方向)両端に取り付け、外枠H11に対して内枠H12の正面視上側(矢印U方向側)を正面手前側へ開閉可能とするものであっても良い。
内枠H12は、外枠H11と外形がほぼ同一の長方形状に形成される枠形成ユニットH12aと、その枠形成ユニットH12aの背面側(矢印B方向側)に回動可能に支持される裏パックユニットH94とを主に備えて形成され、裏パックユニットH94が正面視で左側(矢印L方向側)を回動基端側(開閉基端側)とし、右側(矢印R方向側)を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている(図1779参照)。
また、内枠H12には、枠形成ユニットH12aと裏パックユニットH94とで正面側(矢印F方向側)が開放する略箱状に形成された内側に多数の釘や入賞口H63,H64等を有する遊技盤H13(図1781及び図1782参照)が配設される。この遊技盤H13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。
なお、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、左側(矢印L方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の左端部を支持する目的の左端支持部H12a1と、右側(矢印R方向側)の内面の上下隅部に遊技盤H13の右端部を支持する目的の盤面支持装置H12a2が配設される。遊技盤H13は、左端支持部H12a1にベース板H60の左側端部が挿入されつつ内枠H12の背面側(矢印B方向側)に押し込まれた後、盤面支持装置H12a2が操作されて盤面支持装置H12a2がベース板H60の正面と係合する(ベース板H60の正面を支持する)ことで内枠H12の内側に固定される。
また、内枠H12の枠形成ユニットH12aは、球を遊技盤H13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニットH112a(図1781参照)と、正面枠H14(上下皿ユニットH15)に球を送球する皿通路形成部材H160と(図1781参照)を主に備えて形成される。
さらに、内枠H12の枠形成ユニットH12aには、正面枠H14を支持するために正面視左側(矢印L方向側)の上下2カ所に金属製のヒンジH19が取り付けられ、そのヒンジH19が設けられた側を開閉の軸として正面枠H14が正面手前側(矢印F方向側)へ開閉可能に支持されている(図1780参照)。なお、内枠H12の施錠と正面枠H14の施錠とは、枠形成ユニットH12aに配設されるシリンダ錠H20の鍵穴H21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
球発射ユニットH112aは、上皿H17から発射位置送球ユニットH170を介して1球ずつ所定のタイミングで送球される球を受け入れ可能に形成され、遊技盤H13(内レールH61及び外レールH62)への球の送球方向に延設される発射レールH112a1と、回転可能に軸支され発射レールH112a1上に送球された球に回転して当接可能に形成される回転体H112a2と、その回転体H112a2を回転させるための駆動モータ(図示しない)とを主に備えて形成される。
球発射ユニットH112aから遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)への球の発射(送球)は、発射レールH112a1上に球が送球された後、回転体H112a2を回転させて発射レールH112a1上に送球された球に回転体H112a2を衝突させることで行われる。
なお、本実施形態では、回転する回転体H112a2により球発射ユニットH112aから球が発射(送球)されるが、球を発射する構造は回転する部材(回転体H112a2)に限られるものではない。例えば、球の発射方向にスライド変位可能なスライド体と、そのスライド体をスライド変位させるソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁によりスライド体を変位させて球に衝突させることで球の発射(送球)が行われるように構成しても良い。
また、球発射ユニットH112aは、内枠H12に配設されるものに限られるものでなく、パチンコ機H10の演出装置としてベース板H60の背面側(矢印B方向側)に(遊技盤H13に)配設することも可能である。例えば、センターフレームH86やベース板H60に開口した開口部からベース板H60の背面側に配設される発射レールH112a1上に球を送球して、その球を回転体H112a2により発射して第3図柄表示装置H81の正面側を球が通過するように構成しても良い。
皿通路形成部材H160は、図1781に示すように、本体側上皿通路部H161と本体側下皿通路部H162とを有している。本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162は、背面側(矢印B方向側)の端部が内枠H12に前後方向(矢印F-B方向)に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側(矢印B方向側)へ向けて開放され、正面側(矢印F方向側)の端部が下方(矢印D方向)へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、払出装置H133から払い出された球は内枠H12の貫通孔を通り、皿通路形成部材H160の背面側の端部から皿通路形成部材H160に進入し、正面側の端部から排出される。
なお、皿通路形成部材H160の下側部分には、図1781に示すように、本体側上皿通路部H161及び本体側下皿通路部H162からの球の流出を規制するシャッタH163が設けられている。シャッタH163は、両通路の出口部分を狭め球の流出を阻止する阻止位置と、球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられており、内枠H12に対して正面枠H14を閉鎖した状態とされる場合に許容位置に配置され、内枠H12に対して正面枠H14を開放した状態(図1780に示す状態)とされる場合に阻止位置に配置される。これにより、本体側上皿通路部H161又は本体側下皿通路部H162に球が貯留されている状態で正面枠H14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。
正面枠H14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠H14dと、その本体枠H14dに配設され、その本体枠H14dの上方側(矢印U方向側)の正面に配設される上側装飾ユニットH14aと、その上側装飾ユニットH14aの左右(矢印L-R方向)の両側から下方(矢印D方向側)に向けて延設される左側装飾ユニットH14b及び右側装飾ユニットH14cと、本体枠H14dの下方側の正面を覆う上下皿ユニットH15と、本体枠H14dを介して上下皿ユニットH15の背面側(矢印B方向側)に配設される通路形成ユニットH140と、その通路形成ユニットH140の背面側に配設される発射位置送球ユニットH170とを主に備えて構成され、内枠H12に回動可能に取り付けられている。
また、正面枠H14の回動基端側には、図1783及び図1784に示すように、前扉取付金具H57,H58が設けられ、この前扉取付金具H57,H58(前扉取付金具H57は円柱状部、前扉取付金具H58は軸孔を有する金属板)が内枠H12に係合することにより、内枠H12に対して正面枠H14が回動可能に支持される。
詳細には、前扉取付金具H57は、内枠H12の上側のヒンジH19の下方位置において内枠H12の正面側端部から正面側(矢印F方向側)へ延設され先端から背面側(矢印B方向側)へ前扉取付金具H57が内嵌可能な大きさで凹設される嵌合凹部H12e1(図1782参照)を有する軸支板部H12eに軸支される。また、前扉取付金具H58は、内枠H12の下側のヒンジH19から上方(矢印U方向)に突設される段付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が小さい形状)の支持ピンH19aに外嵌されることで軸支される。
また、正面枠H14には、上側装飾ユニットH14aと左側装飾ユニットH14bと右側装飾ユニットH14cと上下皿ユニットH15とにより囲まれた領域の窓部H14eが形成され、その窓部H14eを塞ぐように正面枠H14(本体枠H14d)の背面側(矢印B方向側)に2枚の板ガラスを有するガラスユニットH16が配設される(図1776参照)。なお、パチンコ機H10は、ガラスユニットH16(窓部H14e)を介してパチンコ機H10の正面側から遊技盤H13の正面が視認可能となっている。
ガラスユニットH16は、図1776及び図1780に示すように、窓部H14eより大きな外形で光透過性(透明性)を有する前後一対の透明ガラスH16a,H16bと、これら透明ガラスH16a,H16bを一体化する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、樹脂材料により透明ガラスH16a,H16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラスH16a,H16bの外周縁が固定枠に接着されることでガラスユニットH16は一体化された複層ガラスとされている。
なお、ガラスユニットH16は、透明ガラスH16a,H16bによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく樹脂材料によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機H10前方からガラスユニットH16を通じて遊技領域を視認可能であれば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
また、2枚の透明ガラスH16a,H16bは、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態で配設しても良い。透明ガラスH16a,H16bの対向間に所定の隙間を有した状態とする場合には、それら2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間に変位可能な変位手段を配設して、遊技盤H13よりも前方側(矢印F方向側)で変位手段による演出を可能にしても良い。この場合の変位手段とは、例えば、紙やナイロン等の部材から形成される複数の変位部材を固定枠に形成した孔から送り出す風により吹き飛ばす演出をするものや、固定枠に変位可能に配設した変位部材を音声ランプ制御装置H113(図1785参照)により2枚の透明ガラスH16a,H16bの対向間で変位させるものである。また、2枚の透明ガラスH16a,H16bを固定する固定板に発光手段を配設し、その発光手段から出射される光を前方側の透明ガラスH16aまたは背面側(矢印B方向側)の透明ガラスH16bの一方に照射して、透明ガラスH16a,H16bの一方に照射された光を遊技者に視認させる演出をするようにしても良い。
正面枠H14(上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14c)において窓部H14eの周囲には、図1776に示すようにLED等の発光手段を内蔵した電飾部H29~H33が複数設けられている。これら電飾部H29~H33では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、窓部H14eの上側(矢印U方向側)の電飾部H30には、払出球が不足する等の所定のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
また、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cの電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、電飾部H29~H33から出射される光を非透過とする非透過性の樹脂材料から形成される。これにより、電飾部H29~H33の発光(点灯や点滅)を遊技者に注目させやすい構造となっている。
なお、電飾部H29~H33が配設される領域以外の部分は、非透過に形成されるものに限られず、透過性の樹脂材料から形成して電飾部H29~H33に発光(点灯や点滅)があった場合に正面枠H14の全体から光を出射(透過)可能に構成しても良い。また、電飾部H29~H33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材を配設して煌びやかさを醸し出すように構成しても良い。
上側装飾ユニットH14aの左側(矢印L方向側)及び右側(矢印R方向側)には(窓部H14eの右上側及び左上側には)、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカー組立体(音声出力装置H226(図1785参照))を覆うスピーカーカバーH27(パンチングメタルから形成される薄板部材)が設けられており、スピーカーカバーH27を介してスピーカーの音をパチンコ機H10の正面側(矢印F方向側)に放音可能に構成されている。
窓部H14eの下方(矢印B方向)には、図1776に示すように、上皿H17と下皿H50とが手前側へ膨出して配置されると共にそれら上皿H17と下皿H50とが上下に並設される上下皿ユニットH15が配設される。
上皿H17は、上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿H17に賞球や貸出球などが排出される。また、上皿H17は、払出装置H133(図1777参照)より払い出された球を一旦貯留し、一列に整列させながら球発射ユニットH112a(図1781参照)側へ導く機能を有しており、底面が正面視右側(矢印R方向側)に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿H17に投入された球を発射位置送球ユニットH170へと案内可能に形成される。なお、上皿H17から発射位置送球ユニットH170に送球された球は、発射位置送球ユニットH170の動作により1球ずつ球発射ユニットH112aへ案内される。
下皿H50は、上面を開放した略箱状に形成され、上皿H17内にて余剰となった球を貯留する機能を有している。また、下皿H50の背面側(矢印B方向側)側面には、前後方向(矢印F-B方向)に開口され球が下皿H50に案内される球案内開口H53が形成される。
下皿H50の正面側(矢印F方向側)の下方(矢印D方向)部には、下皿H50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバーH52が設けられている。この球抜きレバーH52は、常時、右方向(矢印R方向)に付勢されており、その付勢に抗して左方向(矢印L方向)へスライドさせることにより、下皿H50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバーH52の操作は、通常、下皿H50の下方に下皿H50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
なお、球抜きレバーH52の操作により、千両箱に球を排出するものに限らず、島設備に連通する回収口に球を排出するものであっても良い。また、上皿H17と下皿H50とに分けて複数箇所に球を貯留する部位を設ける必要はなく、下皿H50を廃止して上皿H17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良い。
上皿H17(球の貯留領域)の手前側(矢印F方向側)には、遊技者らにより手動操作される操作ユニットH180が設けられている。操作ユニットH180は、第3図柄表示装置H81の表示画面等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。
この操作ユニットH180には、上面側にボタン部材H181が配設される。ボタン部材H181は、左右方向(矢印L-R方向)に延設される軸を中心に下方側に向けて押圧操作可能とされ、例えば、第3図柄表示装置H81(図1781参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
なお、操作ユニットH180は、上皿H17以外に下皿H50周辺等の別の部位に設けられても良いし、複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成としても良い。
操作ユニットH180の右側には、上下皿ユニットH15の上面側に貸球操作部H40(図1783参照)と機能調整操作部H190と、球排出レバーH54とが配設されている。貸球操作部H40には、度数表示部H41と、球貸しボタンH42と、返却ボタンH43とが設けられている。パチンコ機H10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部H40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部H41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。
球貸しボタンH42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿H17に供給される。返却ボタンH43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿H17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部H40が不要となるが、この場合には、貸球操作部H40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
機能調整操作部H190は、決定ボタンH191と、その決定ボタンH191を中心とする十字状の4方向外側の位置に配設される上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195と備える。
機能調整操作部H190は、上側装飾ユニットH14aに配設されるスピーカー(音声出力装置H226)の音量、第3図柄表示装置H81の表示画面の明るさ、上側装飾ユニットH14a,左側装飾ユニットH14b,右側装飾ユニットH14cに配設される電飾部H29~H33の明るさなどを変更するための操作部である。遊技者は、決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195を操作することで、自身(遊技者)の好みに合うように音量や明るさを変更可能とされる。
また、音量や明るさを変更する際には、第3図柄表示装置H81の一部に音量や明るさの調整度合いが数値やボリューム等で表示されるようになっている。これにより、遊技者が別のパチンコ機H10を遊技し始める場合に音量や明るさの調整を簡易に行うことができる。
なお、機能調整操作部H190による変更は、音量や明るさに限られるものではなく、第3図柄表示装置H81に表示される演出等を変更可能とするものであっても良い。また、音量や明るさの調整度合いを第3図柄表示装置H81に表示するものに限られるものではなく、例えば、第3図柄表示装置H81に表示しなくても操作と同時に変更(調整)後の音や表示をして調整させるものでも良いし、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に調整度合いを表示するものであっても良い。
球排出レバーH54は、上皿H17に貯留された球を下皿H50に送球する際に遊技者が操作するレバーであり、図示しない付勢手段(バネ)により上方側(矢印U方向側)に付勢された状態で配設される。なお、球排出レバーH54は、操作される(下方側(矢印D方向側)に押し込まれる)ことにより上皿H17から発射球送球ユニットH170に連通される通路を上皿H17から下皿H50(ファール球通路H145)に連通する状態に切替可能に構成される。これにより、上皿H17に貯留された球を下皿H50に排出することができる。
下皿H50の右側(矢印R方向側)には、遊技者が遊技時に操作する操作ハンドルH51が配設される。操作ハンドルH51の内部には、球発射ユニットH112aの駆動を許可するためのタッチセンサH51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチH51bと、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドルH51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサH51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤H13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドルH51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサH51aおよび発射停止スイッチH51bがオフとなっている。
通路形成ユニットH140は、樹脂材料により成形されており、上皿H17に通じる前扉側上皿通路部H141と、下皿H50に通じる前扉側下皿通路部H142と、ファール球通路部H145と、を有している。
通路形成ユニットH140の上側隅部(正面枠H14の回動基端側の隅部)には後方(矢印B方向)に突出し上方に開放された払出球受口部H143が形成されており、その払出球受口部H143が仕切壁H144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部H141の通路入口と前扉側下皿通路部H142の通路入口とがそれぞれ形成されている(図1783参照)。
なお、前扉側上皿通路部H141の通路入口には、内枠H12の本体側上皿通路部H161(図1781参照)が連通されており、前扉側下皿通路部H142の通路入口には、内枠H12の本体側下皿通路部H162(図1781参照)が連通される。これにより、払出装置H133から送球される球は、上皿H17又は下皿H50に送球されることとなる。
ファール球通路部H145(図1783参照)は、球発射ユニットH112aから発射された球のうち遊技領域まで至らなかった球をファール球として下皿H50に排出する通路を形成する部位である。
ファール球通路部H145には、図1784に示すように、上方側(矢印U方向側)が開放したファール球受口部H146が設けられる。このファール球受口部H146に受け入れられたファール球は、ファール球通路部H145(図1783参照)の内部通路を流下した後で、下皿H50に排出される。なお、ファール球通路部H145は、下皿H50でなく、上皿H17に接続され、ファール球が上皿H17に排出される構成としても良い。
また、ファール球通路部H145は、遊技者が球排出レバーH54を操作することにより上皿H17から下皿H50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路(図示しない)と合流するように形成される。
発射位置送球ユニットH170は、上皿H17に貯留される球を1球ずつ球発射ユニットH112aに送球するためのユニットである。発射位置送球ユニットH170は、上皿H17の送球経路の開口部に連なる正面側開口H171と、その正面側開口H171から流入した球を背面側から排出可能な背面側開口H172と、それら正面側開口H171から背面側開口H172までを通過する通路上に変位可能に配設される切替手段(図示しない)と、その切替手段を駆動させるソレノイド(図示しない)とを主に備えて形成される。
発射位置送球ユニットH170の切替手段は、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが可能な位置と、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置とに変位可能に構成されており、上皿H17から正面側開口H171に球を流入させることが不可能な位置に変位された場合に発射位置送球ユニットH170の通路上にある球を背面側開口H172から球発射ユニットH112a(発射レールH112a1)に流入可能に形成される。これにより、切替手段の位置の切り替え(1往復の変位)に伴って1球ずつ球を背面側開口H172から排出することが可能となっている。
なお、背面側開口H172は、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1の上方(矢印U方向)の正面側(矢印F方向側)に位置する(図1781参照)。従って、球発射ユニットH112aの発射レールH112a1に発射位置送球ユニットH170から1球ずつ球が送球されることとなる。
また、図1781に示すように、背面側開口H172は、発射レールH112a1の球の送球方向における発射レールH112a1の両端部の間に形成される。従って、背面側開口H172から発射レールH112a1上に送球される球は、発射レールH112a1上を左右(矢印L-R方向)の両方向に転動可能となるが、発射レールH112a1は一方側(回転体H112a2から離れる側)が上方(矢印U方向)に向かって傾斜した状態で配設されるので、背面側開口H172から発射レールH112a1に送球された球(回転体H112a2により発射前の球)が回転体H112a2から離れる方向に転動することが抑制される。
図1781に示すように、遊技盤H13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板H60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール部材H61,H62、一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変入賞装置H65、スルーゲートH67、可変表示装置ユニットH80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12の裏面側に取り付けられる。
ベース板H60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側(矢印F方向側)からベース板H60の背面側(矢印B方向側)に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口H63、第1入賞口H64、第2入賞口H640、可変表示装置ユニットH80は、ルータ加工によってベース板H60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤H13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板H60は、光透過性の樹脂材料から形成されるものに限られるものではなく、薄い板材を張り合わせた木材から形成されるものであっても良いし、非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても良い。なお、これらの場合、装飾がされたシール等をベース板H60の正面側(矢印F方向側)の全域に貼付してベース板H60の装飾性を確保することが好ましい。
遊技盤H13の正面中央部分は、正面枠H14の窓部H14e(図1776参照)の一部を通じて内枠H12の正面側(矢印F方向側)から視認することができる。以下に、主に図1781を参照して、遊技盤H13の構成について説明する。
遊技盤H13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールH62が植立され、その外レールH62の内側位置には外レールH62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールH61が植立される。この内レールH61と外レールH62とにより遊技盤H13の正面外周が囲まれ、遊技盤H13とガラスユニットH16(図1776参照)とにより前後(矢印F-B方向)が囲まれることにより、遊技盤H13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤H13の正面であって2本のレール部材H61,H62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材H73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。なお、2本のレール部材H61,H62、金属板である必要なく、樹脂材料から帯状に形成されるものであっても良い。
2本のレール部材H61,H62は、球発射ユニットH112aから発射された球を遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)へ案内するために設けられたものである。内レールH61の先端部分(図1781の左上部)には戻り球防止部材H68が取り付けられる。
戻り球防止部材H68は、内レールH61側から外レールH62側に延設される樹脂製の板部材から形成され、内レールH61側の一端側を軸に他端側を外レールH62から離間する方向に回転可能とされる。また、戻り球防止部材H68は、一端側に錘を備え、その錘により他端側が外レールH62に近づく方向に付勢される。
これにより、遊技盤H13の上方側(矢印U方向側)に案内される球の勢いで戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62から離間する方向に回転させることができると共に、戻り球防止部材H68を超える位置(遊技盤H13の上方側)に球が案内された際に戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62に近づく方向に回転させることができ、一旦、遊技盤H13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
なお、戻り球防止部材H68は、樹脂材料から形成される必要はなく、金属材料から形成されていても良い。また、錘以外に磁石などの磁力やねじりバネなどの付勢力によって戻り球防止部材H68の他端側を外レールH62側に付勢する構成としても良い。
外レールH62の先端部(図1781の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムH69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムH69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図1781の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bは、主制御装置H110(図1785参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機H10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、球が、第1入賞口H64へ入賞したか、第2入賞口H640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口H64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口H640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置H37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置H37A,H37Bは、LEDにより、パチンコ機H10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機H10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機H10では、第1入賞口H64及び第2入賞口H640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機H10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
なお、大当たりのラウンド数は、15Rと4Rに限られるものではなく、パチンコ機H10の機種により他のラウンド数に変更しても良く、又、2種以上のラウンド数を有するものであっても良い。また、時短状態における所定の変動回数は、100変動回数に限られるものではなく、例えば、1変動回数や1000変動回数に設定しても良い。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口H640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機H10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物H640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物H640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物H640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしても良い。また、確変中や時短中において、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物H640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであっても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口H63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニットH80が配設されている。可変表示装置ユニットH80には、第1入賞口H64及び第2入賞口H640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置H81と、スルーゲートH67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニットH80には、第3図柄表示装置H81の外周を囲むようにして、センターフレームH86が配設されている。
なお、センターフレームH86は、遊技領域を流下する球がベース板H60の中央開口を介して第3図柄表示装置H81側に流下することを防止するための部材であり、ベース板H60の正面側(矢印F方向側)に張り出して形成される。また、センターフレームH86の一部には、遊技領域を流下する球を受け入れると共に第3図柄表示装置H81の周囲を通過させて第1入賞口H64側から排出するワープ通路(図示せず)が一部に形成される。本実施形態では、ベース板H60よりも正面側を球が通過するようにワープ通路が構成されるが、ベース板H60よりも背面側を球が通過するようにワープ通路を形成することも可能である。
第3図柄表示装置H81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図1785参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。なお、第3図柄表示装置H81は、9インチ以外のサイズで構成されていても、2枚以上の複数の液晶ディスプレイを並設して構成されていても良い。
第3図柄表示装置H81の各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置H81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置H81は、主制御装置H110(図1785参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置H81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートH67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機H10では、球がスルーゲートH67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。なお、第2図柄表示装置は、第3図柄表示装置H81の一部を用いて図柄を表示されるものであって良いし、第3図柄表示装置H81と別の表示装置とのどちらにも図柄を表示させるものであっても良く、本実施形態では、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示される。
パチンコ機H10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口H640に付随された電動役物H640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口H640の電動役物H640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としても良い。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしても良いし、また、1回の当たりに対する電動役物H640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしても良い。
スルーゲートH67は、可変表示装置ユニットH80の左右の領域において遊技盤H13に組み付けられ、遊技盤H13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートH67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートH67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。なお、本実施形態では、第2図柄保留ランプは、第3図柄表示装置H81の一部を用いて表示されるように構成されるが、第3図柄表示装置H81とは別の表示装置に点灯表示するものであっても良い。例えば、スルーゲートH67への球の通過に伴って点灯する4つのLEDを第3図柄表示装置H81の下方に配設して点灯表示するものであっても良い。
また、スルーゲートH67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートH67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲートH67の組み付け位置は可変表示装置ユニットH80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットH80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニットH80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口H64が配設されている。この第1入賞口H64へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1785参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、第1入賞口H64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口H640が配設されている。この第2入賞口H640へ球が入賞すると遊技盤H13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1785参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。
また、第1入賞口H64および第2入賞口H640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口H64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口H640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても良い。
第2入賞口H640には電動役物H640aが付随されている。この電動役物H640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物H640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口H640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートH67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口H640へ入賞しやすい状態となる。
なお、本実施形態では、第2入賞口H640の左右(矢印L-R方向)両側に開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設され、電動役物H640aが開放状態となった場合に第2入賞口H640の左右両側から球が第2入賞口H640に入賞可能に構成されるが、左右方向の一方側の流路を塞ぐ壁を形成して、他方側からのみ第2入賞口H640に球が入賞可能となるように構成しても良い。この場合、第2入賞口H640の他方側にのみ開閉する羽部材(電動役物H640a)が配設される。
また、電動役物H640aは、回転する羽部材に限られるものではなく、第2入賞口H640を開放する位置と閉鎖する位置とに移動するものであればスライド変位するものであっても良い。例えば、電動役物H640aは、上下方向(矢印U-D方向)にスライド変位するものや、前後方向(矢印F-B方向側)にスライド変位するものであっても良い。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物H640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物H640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口H640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
本実施形態におけるパチンコ機H10は、遊技盤H13の構成が左右対称とされるため、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「右打ち」)、第1入賞口H64を狙うことも、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射して(所謂「左打ち」)第2入賞口H640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機H10は、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
なお、低確率状態であっても高確率状態でも大当たりとなる確率が変わらない(低確率状態の大当たり確率と高確率状態の大当たり確率とが同じ確率である)構成としても良い。この場合には、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率が、第2入賞口H640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口H64へ球が入賞した場合よりも高く設定されるように構成すると共に、「左打ち」側の流路に第1入賞口H64を配設し、「右打ち」側の流路に第2入賞口H640を配設する構成(遊技盤H13の構成を左右非対称)とすることが好ましい。
この構成によれば、通常中においては、第2入賞口H640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口H640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口H64へ向けて、可変表示装置ユニットH80の左方(矢印L方向)を球が通過するように球を発射し(「左打ち」)、第1入賞口H64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲートH67に球を通過させることで、第2入賞口H640に付随する電動役物H640aが開放状態となりやすく、第2入賞口H640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口H640へ向けて、可変表示装置ユニットH80の右方(矢印R方向)を球が通過するように球を発射し(「右打ち」)、スルーゲートH67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口H640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
従って、パチンコ機H10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができ、遊技者の興趣を維持できる。
第1入賞口H64の下方には可変入賞装置H65(図1781参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口H65aが設けられている。パチンコ機H10においては、第1入賞口H64又は第2入賞口H640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置H81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口H65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口H65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口H65aが所定時間開放される。この特定入賞口H65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口H65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口H65aが所定時間開放され、その特定入賞口H65aの開放中に、球が特定入賞口H65a内へ入賞することを契機として特定入賞口H65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口H65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口H64の下方右側や、第1入賞口H64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニットH80の左方でも良い。
遊技盤H13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠H14のガラスユニットH16を介して視認することができる。
遊技盤H13には、アウト口H71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口H63,H64,H65a,H640にも入賞しなかった球は、アウト口H71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口H71は、特定入賞口H65aの下方(矢印D方向側)に配設される。
また、遊技盤H13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車(図示しない)等の各種部材(役物)とが配設されている。さらに、第3図柄表示装置H81を取り囲む態様でベース板H60の中央開口部に配設されるセンターフレームH86の一部は、上方側(矢印U方向側)の遊技領域まで背面側(矢印B方向側)の側面が延設され、その延設された領域に正面側(矢印F方向側)に向かって突出する突出部を複数備える。遊技盤H13の遊技領域を流下する球は、多数の釘や、センターフレームH86の突出部、風車等に衝突しつつ流下されることで、球の落下方向が適宜分散される。
なお、本実施形態では、センターフレームH86の一部が延設される方向が上方側(矢印U方向)に設定されているが、右側(矢印R方向側)や左側(矢印L方向側)に延設されていても良く、その延設部分に突出部だけでなくスルーゲートH67や各入賞口H63,H64,H65a,H640を配置する構成としても良い。また、センターフレームH86は、延設部分や突出部を備えない構成としても良い。
風車は、前後方向(矢印F-B方向)の軸を中心に回転可能に形成される。また、風車は、正面視において回転軸を中心とする円形に形成されベース板H60の正面から1球分の距離を隔てた位置に配設される円盤部材と、その円盤部材の一部からベース板H60側(矢印B方向側)に向かって突出され風車の回転方向に沿って所定の角度(本実施形態では120度)で分散配置される複数(本実施形態では3枚)の球当接部とを備えて形成されており、遊技盤H13を流下する球が球当接部に当接した衝撃で回転しつつ当接した球を複数(2以上)の方向に案内可能に形成される。
また、風車は、全体が光透過性の樹脂材料から形成される。これにより、球当接部に当接した球の流下方向を遊技者に視認させやすくできると共に、風車の回転方向を遊技者に認識させにくくできる。
なお、遊技盤H13は、ベース板H60に必ずしも風車を備えている必要はなく風車を備えない構成としても良い。また、センターフレームH86のワープ通路(図示しない)や、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ入球した球が通過する通路(図示しない)の通路途中に風車を配設して、風車により球の通路を変更するように構成することも可能である。さらに、風車は、一部が非透過性の樹脂材料から形成されるものであっても、全部が非透過性のアルミ等の金属製の材料から形成されるものであっても良く、球が当接した際に球を複数の方向に案内可能であれば形状、色、材質は何でも良い。例えば、風車は、1球ずつ交互に異なる方向に球を振り分け可能に構成されていても良い。
図1777に示すように、パチンコ機H10の背面側には、制御基板ユニットH90,H91と、裏パックユニットH94とが主に備えられている。制御基板ユニットH90は、主基板(主制御装置H110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置H113)と表示制御基板(表示制御装置H114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニットH91は、払出制御基板(払出制御装置H111)と発射制御基板(発射制御装置H112)と電源基板(電源装置H115)とカードユニット接続基板H116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニットH94は、保護カバー部を形成する裏パックH92と払出ユニットH93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置H110、音声ランプ制御装置H113及び表示制御装置H114、払出制御装置H111及び発射制御装置H112、電源装置H115、カードユニット接続基板H116は、それぞれ基板ボックスH100~H104に収納されている。基板ボックスH100~H104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックスH100(主制御装置H110)及び基板ボックスH102(払出制御装置H111及び発射制御装置H112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックスH100,H102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックスH100,H102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックスH100,H102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニットH93は、裏パックユニットH94の最上部に位置して上方に開口したタンクH130と、タンクH130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールH131と、タンクレールH131の下流側に縦向きに連結されるケースレールH132と、ケースレールH132の最下流部に設けられ、払出モータH216(図1785参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置H133とを備えている。タンクH130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置H133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレールH131には、当該タンクレールH131に振動を付加するためのバイブレータH134が取り付けられており、このバイブレータH134の振動によりタンクレールH131内に球が詰まることが抑制される。なお、バイブレータH134は、タンクレールH131に取り付けられるだけでなく、他のレール部分(通路)に取り付けることも可能である。例えば、上皿H17や下皿H50に球を送球する球送通路(皿通路形成部材H160)や、上皿H17から球発射装置H117aに球を送球する送球通路(発射位置送球ユニットH170)に配設しても良い。
また、払出制御装置H111には状態復帰スイッチH120が設けられ、発射制御装置H112には可変抵抗器の操作つまみH121が設けられ、電源装置H115にはRAM消去スイッチH122が設けられている。状態復帰スイッチH120は、例えば、払出モータH216(図1785参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみH121は、スピーカー(音声出力装置H226)から放音される音の大きさを店舗側で調整するために操作される。RAM消去スイッチH122は、パチンコ機H10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図1785を参照して、本パチンコ機H10の電気的構成について説明する。図1785は、パチンコ機H10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置H110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU(マイクロプロセッサー)H201が搭載されている。MPUH201には、該MPUH201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM(半導体メモリ)H202と、そのROMH202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM(ランダムアクセスメモリ)H203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置H110では、MPUH201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置H81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機H10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置H111や音声ランプ制御装置H113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置H110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置H110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAMH203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPUH201の内部レジスタの内容やMPUH201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAMH203は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAMH203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAMH203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機H10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAMH203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAMH203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPUH201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路H252からの停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置H110のMPUH201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH204を介して入出力ポートH205が接続されている。入出力ポートH205には、払出制御装置H111、音声ランプ制御装置H113、第1図柄表示装置H37A,H37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口H65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイドH209が接続され、MPUH201は、入出力ポートH205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、ソレノイドH209は、大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドだけでなく、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源(駆動モータ)や、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、上皿H17へ球を送球するための払出装置H133を駆動する駆動モータ(図示しない)等を含む構成としても良い。
入出力ポートH205には、図示しないスイッチ群およびスルーゲートH67を通過したことを検出するセンサ(スルーゲートH67)、各入賞口H63,H64,H65a,H640へ球が入賞したことを検知する入賞検出センサ(図示しない)、パチンコ機H10に振動が入力されたことを検出する振動検出センサ(図示しない)、遊技盤H13の遊技領域に磁石等が近づけられたことを検出する磁力検出センサ等のセンサ群などからなる各種スイッチH208、電源装置H115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路H253が接続され、MPUH201は各種スイッチH208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路H253より出力されるRAM消去信号HSG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、各種スイッチH208は、音声ランプ制御装置H113における枠ボタンH22(操作ユニットH180の操作ボタン部材H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)を含む構成としても良い。
払出制御装置H111は、払出モータH216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPUH211は、そのMPUH211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH212と、ワークメモリ等として使用されるRAMH213とを有している。
払出制御装置H111のRAMH213は、主制御装置H110のRAMH203と同様に、MPUH211の内部レジスタの内容やMPUH211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAMH213は、パチンコ機H10の電源の遮断後においても電源装置H115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAMH213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置H110のMPUH201と同様、MPUH211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路H252から停電信号HSG1が入力されるように構成されており、その停電信号HSG1がMPUH211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置H111のMPUH211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH214を介して入出力ポートH215が接続されている。入出力ポートH215には、主制御装置H110や払出モータH216、発射制御装置H112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置H111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置H111に接続されるが、主制御装置H110には接続されていない。
発射制御装置H112は、主制御装置H110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドルH51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニットH112aを制御するものである。
球発射ユニットH112aの回転体H112a2は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドルH51に触れていることをタッチセンサH51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチH51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドルH51の回動操作量(回動位置)に対応して駆動モータから駆動力が伝達され、操作ハンドルH51の操作量に応じた速度で回転体H112a2が回転される。これにより、操作ハンドルH51の操作量に応じた強さで球発射ユニットH112aから内レールH61及び外レールH62の対向間に球が発射される。
音声ランプ制御装置H113は、音声出力装置(図示しないスピーカーなど)H226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部H29~H33など)H227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置H114で行われる第3図柄表示装置H81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPUH221は、そのMPUH221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMH222と、ワークメモリ等として使用されるRAMH223とを有している。
音声ランプ制御装置H113のMPUH221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインH224を介して入出力ポートH225が接続されている。入出力ポートH225には、主制御装置H110、表示制御装置H114、音声出力装置H226、ランプ表示装置H227、その他装置H228、ボタン部材H181などがそれぞれ接続されている。
なお、その他装置H228には、遊技盤H13に配設される役物装置の駆動源だけでなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示しない)や、第2入賞口H640の電動役物H640aを含む構成としても良い。
音声ランプ制御装置H113は、主制御装置H110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置H81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置H114へ通知する。
また、音声ランプ制御装置H113は、ボタン部材H181からの入力を監視し、遊技者によってボタン部材H181が操作された場合は、第3図柄表示装置H81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置H81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置H114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置H81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置H114は、この音声ランプ制御装置H113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置H81に各種の画像を表示する。
さらに、音声ランプ制御装置H113は、機能調整操作部H190(決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195)からの入力を監視し、遊技者によって機能調整操作部H190が操作された場合は、スピーカー(音声出力装置H226)の音量を変更したり、第3図柄表示装置H81の明るさを変更したり、電飾部H29~H33の明るさを変更したりするように、表示制御装置H114へ指示する。音量や明るさが変更される場合は、音量や明るさの調整度合いが第3図柄表示装置H81に表示される主要な表示の前方側に数値やボリューム等で一時的に表示される。
なお、図1785では、操作ユニットH180の操作ボタン部材H181や機能調整操作部H190の決定ボタンH191,上ボタンH192,下ボタンH193,左ボタンH194,右ボタンH195をまとめて枠ボタンH22として図示している。
また、音声ランプ制御装置H113は、表示制御装置H114から第3図柄表示装置H81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置H113では、表示制御装置H114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置H81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置H226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置H227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置H114は、音声ランプ制御装置H113及び第3図柄表示装置H81が接続され、音声ランプ制御装置H113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置H81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置H114は、第3図柄表示装置H81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置H113へ送信する。音声ランプ制御装置H113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置H226から音声を出力することで、第3図柄表示装置H81の表示と音声出力装置H226からの音声出力とをあわせることができる。
なお、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208が、音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に接続されるように構成して、MPUH221が、各種スイッチH208から出力される信号に基づいて各種処理を実行しても良い。また、主制御装置H110における入出力ポートH205に接続される各種スイッチH208とは別に音声ランプ制御装置H113における入出力ポートH225に各種スイッチを接続しても良い。この場合には、主に遊技盤H13に配設される役物装置の位置検出センサ等のセンサ群を各種スイッチとして構成することが好ましい。
電源装置H115は、パチンコ機H10の各部に電源を供給するための電源部H251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路H252と、RAM消去スイッチH122(図1785参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路H253とを有している。電源部H251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置H110~H114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部H251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチH208などの各種スイッチや、ソレノイドH209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置H110~H114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路H252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置H110のMPUH201及び払出制御装置H111のMPUH211の各NMI端子へ停電信号HSG1を出力するための回路である。停電監視回路H252は、電源部H251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号HSG1を主制御装置H110及び払出制御装置H111へ出力する。停電信号HSG1の出力によって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部H251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置H110及び払出制御装置H111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路H253は、RAM消去スイッチH122(図1785参照)が押下された場合に、主制御装置H110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号HSG2を出力するための回路である。主制御装置H110は、パチンコ機H10の電源投入時に、RAM消去信号HSG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置H111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置H111に対して送信する。
次いで、図1786から図1846を参照し、第105実施形態におけるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)K10について説明する。図1786は、第105実施形態におけるパチンコ機K10の正面図であり、図1787はパチンコ機K10の遊技盤K13の正面図である。
なお、以下の説明では、図1786に示す状態のパチンコ機K10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1786に示す状態のパチンコ機K10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図1787参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機K10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、符号について、第104実施形態におけるパチンコ機H10が本実施形態ではパチンコ機K10とされているように、共通の機能を有するものに対して類似の符号が設定されている。
即ち、本実施形態では、パチンコ機K10は、少なくとも、正面枠K14(第104実施形態の正面枠H14に相当)と、ベース板K60(第104実施形態のベース板H60に相当)と、内レールK61(第104実施形態の内レールH61に相当)と、外レールK62(第104実施形態の外レールH62に相当)と、一般入賞口K63(第104実施形態の一般入賞口H63に相当)と、第1入賞口K64(第104実施形態の第1入賞口H64に相当)と、第2入賞口K640(第104実施形態の第2入賞口H640に相当)と、電動役物K640a(第104実施形態の電動役物H640aに相当)と、第1可変入賞装置K65(第104実施形態の可変入賞装置H65に相当)と、第1特定入賞口K65a(第104実施形態の特定入賞口H65aに相当)と、スルーゲートK67(第104実施形態のスルーゲートH67に相当)と、戻り球防止部材K68(第104実施形態の戻り球防止部材H68に相当)と、返しゴムK69(第104実施形態の返しゴムH69に相当)と、アウト口K71(第104実施形態のアウト口H71に相当)と、を備える。
更に、本実施形態では、パチンコ機K10は、少なくとも、外縁部材K73(第104実施形態の外縁部材H73に相当)と、可変表示装置ユニットK80(第104実施形態の可変表示装置ユニットH80に相当)と、第3図柄表示装置K81(第104実施形態の第3図柄表示装置H81に相当)と、センターフレームK86(第104実施形態のセンターフレームH86に相当)と、を備える。
図1787に示すように、遊技盤K13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板K60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車KWFの他、レールK61,K62、一般入賞口K63、第1入賞口K64、第2入賞口K640、第1可変入賞装置K65、第2可変入賞装置K650、スルーゲートK67、可変表示装置ユニットK80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠H12(図1786参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板K60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口K63、第1入賞口K64、第2入賞口K640、可変表示装置ユニットK80は、ルータ加工によってベース板K60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤K13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板K60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板K60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤K13の正面中央部分は、正面枠K14に配設されるガラスユニットH16(図1786参照)を通じて内枠H12の正面側から視認することができる。以下に、主に図1787を参照して、遊技盤K13の構成について説明する。
遊技盤K13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レールK62が植立され、その外レールK62の内側位置には外レールK62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レールK61が植立される。この内レールK61と外レールK62とにより遊技盤K13の正面外周が囲まれ、遊技盤K13とガラスユニットH16(図1786参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤K13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤K13の正面であって2本のレールK61,K62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材K73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレールK61,K62は、球発射ユニットH112a(図1785参照)から発射された球を遊技盤K13上部へ案内するために設けられたものである。内レールK61の先端部分(図1787の左上部)には戻り球防止部材K68が取り付けられ、一旦、遊技盤K13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レールK62の先端部(図1787の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴムK69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴムK69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図1787の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置H37A,H37Bが配設されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bの機能は第104実施形態において説明したので、ここでは説明を省略する。
尚、本パチンコ機K10では、第1入賞口K64及び第2入賞口K640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機K10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R時短有通常大当たり、4R時短有通常大当たり、15R時短無し通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置H37A,H37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
本パチンコ機K10では、時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物K640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物K640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短中は、第2入賞口K640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる。電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも前方に張り出すことで、開閉板の上面を遊技球が転動可能となり、その転動した遊技球が第2入賞口K640へ入球可能となり、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも後方に退避され、遊技球を第2入賞口K640まで橋渡しすることができなくなることで遊技球が第2入賞口K640に入球し難くなるように構成される。
なお、電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化が前後にスライド変位可能な開閉板の開閉動作により生じる例として、電動役物K640aの下方に第2入賞口K640が配置され、電動役物K640aが開放状態の時に開閉板が後方に退避され、電動役物K640aが閉鎖状態の時に開閉板が前方に張り出すように構成しても良い。即ち、電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板がベース板K60の前面よりも後方に退避され、遊技球が第2入賞口K640側へ入球可能となり、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口K640との間を塞ぐことで球が第2入賞口K640に入球し難くなる(左方へ流される)ように構成されるようにしても良い。
また、電動役物K640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じるようにしても良い。この場合、電動役物K640aが開放状態の時は、開閉板の上面に拾われた遊技球が第2入賞口K640に案内され易く、電動役物K640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口K640との間を塞ぐことで球が第2入賞口K640に入球し難くなるように構成することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口K63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板K60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニットK80が配設されている。可変表示装置ユニットK80には、第1入賞口K64及び第2入賞口K640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置K81と、スルーゲートK67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板K60には、第3図柄表示装置K81を正面視で囲むようにして、センターフレームK86が配設されている。
第3図柄表示装置K81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置H114(図1785参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置K81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置K81は、主制御装置H110(図1785参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置H37A,H37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置H37A,H37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置K81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲートK67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機K10では、球がスルーゲートK67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機K10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口K640に付随された電動役物K640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口K640の電動役物K640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物K640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物K640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲートK67は、可変表示装置ユニットK80の右側の領域において遊技盤K13に組み付けられ、遊技盤K13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲートK67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲートK67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置H37A,H37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置K81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置H37A,H37B及び第3図柄表示装置K81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置K81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲートK67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートK67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲートK67の組み付け位置は可変表示装置ユニットK80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニットK80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置H37A,H37Bにより保留球数が示される場合等には、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニットK80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口K64が配設されている。この第1入賞口K64へ球が入賞すると遊技盤K13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1785参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Aで示される。
一方、スルーゲートK67の正面視左下側には、球が入賞し得る第2入賞口K640が配設されている。この第2入賞口K640へ球が入賞すると遊技盤K13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置H110(図1785参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置H37Bで示される。なお、第2入賞口K640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口K64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側(例えば、第1入賞口K64よりも正面視左下側)でも良い。
また、第1入賞口K64および第2入賞口K640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口K64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口K640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。この場合の賞球個数の大小関係は逆転しても良い。
第2入賞口K640には電動役物K640aが付随されている。この電動役物K640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物K640aが閉鎖状態(退避状態)となって、球が第2入賞口K640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲートK67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物K640aが開放状態(張出状態)となり、球が第2入賞口K640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物K640aが開放状態(張出状態)となる回数が増える。更に、時短中は、電動役物K640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口K640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口K64に球が入賞した場合と第2入賞口K640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は同一(約1/319)である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R時短有通常大当たりとなる確率は、第2入賞口K640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口K64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口K64は、第2入賞口K640にあるような電動役物K640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口K640に入賞しづらいので、電動役物K640aのない第1入賞口K64へ向けて、可変表示装置ユニットK80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口K64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、時短中は、スルーゲートK67に球を通過させることで、第2入賞口K640に付随する電動役物K640aが開放状態となりやすく、第2入賞口K640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口K640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲートK67を通過させて電動役物K640aを開放状態にすると共に、第2入賞口K640への入賞によって15R時短有通常大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機K10とは異なり、遊技盤K13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口K64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口K640を狙うこともできる。この場合、遊技者から球の打ち方を変化させる煩わしさを取り去ることができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機K10では、「右打ち」では第1入賞口K64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲートK67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機K10は、パチンコ機K10の遊技状態(時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口K64の右方には第2可変入賞装置K650(図1787参照)が配設されており、その下流側位置に第2特定入賞口K650aが設けられている。パチンコ機K10においては、第1入賞口K64又は第2入賞口K640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置H37A又は第1図柄表示装置H37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置K81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口K650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2特定入賞口K650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口K650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口K650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
抽選された大当たりが時短有通常大当たりだった場合、大当たり遊技終了後の時短中に右打ち遊技を行うことで、第2入賞口K640へ遊技球を入賞させることができる。本実施形態では、付与される時短の回数は3回とされ、第2入賞口K640に遊技球が入賞すると、約1/2の確率で小当たりが発生し、第1図柄表示装置H37A,H37Bにおいて小当たりに対応したLEDが点灯する。この小当たりにより、第2特定入賞口K650aよりも上流側に配置される第1特定入賞口K65aが所定時間開放され、その第1特定入賞口K65aの開放中に、球が第1特定入賞口K65a内へ入賞し、その特定入賞口K65aの下流側の特定領域K65cを通過することを契機として特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。
このように、本パチンコ機K10では、右打ち遊技において、第2入賞口K640へ遊技球が入球すると約1/2の確率で特別遊技状態へ遊技状態を遷移させることが可能になり、これは左打ち遊技における大当たり確率(約1/319)よりも著しく高い確率となるので、右打ち遊技状態に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特定入賞口K65a,K650aの個数は限定されるものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口K64の右方に限らず、例えば、第1入賞口K64の下方右側や、第1入賞口K64の下方左側や、可変表示装置ユニットK80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤K13には、アウト口K71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口K63,K64,K65a,K640,K650aにも入賞しなかった球は、アウト口K71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤K13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
なお、本実施形態におけるその他装置H228(図1785参照)には、駆動ソレノイドKSOL41や駆動モータKMT41a,KMT41b,KMT51,KMT61,KMT71,KMT81,KMT82等が含まれる。
なお、本実施形態においても、その他装置H228(図1785参照)には、上述の役物装置の駆動源だけではなく、球発射ユニットH112aの駆動モータ(図示せず)や、第2入賞口K640の電動役物K640aの駆動源等(駆動ソレノイドK247及び駆動ソレノイドK253等)を含む構成としても良い。
また、本実施形態における各種スイッチH208(図1785参照)には、検出センサK413,K418,K556a,K556b,K556c,K565,K711e,K716,K858等が含まれる。
次いで、遊技盤K13及び動作ユニットK300の構造について説明する。図1788は、遊技盤K13及び動作ユニットA200の分解正面斜視図である。なお、図1788の説明においては、図1787を適宜参照する。
動作ユニットK300は、遊技盤K13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されているが、詳細は後述する。動作ユニットK300の支持板部K313が遊技盤K13に面で支持された状態で、遊技盤K13のベース板K60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤K13と動作ユニットK300とが一体的に固定され、遊技盤K13及び動作ユニットK300の全体としての剛性の向上が図られている。
ベース板K60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板K60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板K60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
図1789は、遊技盤K13の分解正面斜視図である。図1789では、入賞ユニットK200から化粧カバーK220が分解された状態が図示されている。また、図1787と同様に球案内用の釘の図示が省略されると共に、それと加えて風車KWF(図1787参照)の図示も省略されている。
図1790は、入賞ユニットK200の分解正面斜視図であり、図1791は、入賞ユニットK200の分解背面斜視図である。図1790及び図1791に図示されるように、入賞ユニットK200は、ベース板K60の前面に締結固定されるベース部材K201と、そのベース部材K201の正面側に配置されベース部材K201と共に球の流下経路を構成する化粧カバーK220と、ベース部材K201の背面側から進退動作する電動役物K640aを有する第1電動役物K240と、その第1電動役物K240よりも下側においてベース部材K201の背面側に配設され、ベース部材K201の背面側から進退動作する可動板K251を有する第2可変入賞装置K650としての第2電動役物K250と、を備える。
ベース部材K201は、背面側に突条状に形成される突条縁部の内側において光拡散形状が形成される板状本体K202と、その板状本体K202に穿設される案内開口K203と、案内開口K203の正面側を流下する球を減速させるよう正面側に突設される複数の減速突起K204と、案内開口K203よりも下側において板状本体K202に穿設される案内開口K205と、その案内開口K205の下縁に沿って正面側に突設される突条部K206と、案内開口K205の上側において板上本体K202に凹設される複数の減速凹部K207と、案内開口K203よりも下側であり案内開口K205よりも上側の位置において左右方向に長尺の突条状に形成される長尺突条K208と、案内開口K205の上縁に沿って背面側に延設される延設部K209と、案内開口K205よりも下側において球を背面側へ案内可能に形成される複数の球案内部K210と、板状本体K202の光拡散形状が形成されている箇所に光を照射可能なLED等の複数の発光部K212を有しており板状本体K202の背面側に締結固定される電飾基板K211と、を備える。
化粧カバーK220は、ベース部材K201の板状本体K202と共に球の流下経路の前後を区画する板状本体K221と、その板状本体K221から背面側へ延設され球の流下経路を形成する延設形成部K222と、その延設形成部K222で縁取られる領域の内側において板状本体K221から背面側に突設形成され流下経路を分岐させる分岐形成部K223と、延設形成部K222で縁取られる領域の内側において板状本体K221から背面側に突設形成されベース部材K201の案内開口K203へ向けて球を案内する傾斜面が後面に形成される傾斜形成部K224と、ベース部材K201の減速凹部K207の前方位置に対応して板状本体K221から背面側に突設形成される複数の減速突起K225と、延設形成部K222で縁取られる領域よりも下側の箇所に光を照射可能なLED等の複数の発光部K228を有しており延設形成部K222の延設先端と略面一を形成することで板状本体K221と十分な距離を開けて化粧カバーK220に締結固定される電飾基板K227と、を備える。
第1電動役物K240は、第2入賞口K640と、案内開口K203を通り前方に配置される張出状態(開放状態)において球を第2入賞口K640へ向けて案内可能な電動役物K640aと、その電動役物K640aを駆動させる駆動ソレノイドK247が内部に配設され電動役物K640aを下側から支える支持箱部材K246と、電動役物K640aが前後方向に変位できるように電動役物K640aの上面を案内すると共に第2入賞口K640への経路の天井部を形成する上カバー部材K248と、を備える。
電動役物K640aは、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、左方へ向けて下降傾斜する第1形成面K241と、その第1形成面K241の下流側端部に連設され後方へ向けて下降傾斜する第2形成面K242と、その第2形成面K242における第1形成面K241に対する左右方向逆側(左側)において左前部を頂点として右方および後方へ向けて下降傾斜する第3形成面K243と、を備える。
第2電動役物K250は、案内開口K205を通り前後方向に進退動作可能な可動板K251と、その可動板K251を駆動させる駆動ソレノイドK253が内部に配設され可動板K251を下側から支える支持箱部材K252と、を備える。
可動板K251は、有色(本実施形態では赤色)不透明の樹脂材料から形成され、駆動ソレノイドK253が非励磁の状態において前方側に張り出す張出状態(閉鎖状態)では、第2特定入賞口K650aへの入球が防止され、駆動ソレノイドK253が励磁された状態において後方に退避する退避状態(開放状態)では、第2特定入賞口K650aへの入球が許容される。
可動板K251の張出状態では、可動板K251を傾倒させる方向に球の重みが作用した場合に、突条部K206が可動板K251の下面と当接することで、その傾倒が防止される。
更に、可動板K251の後端側上方には延設部K209が配設されているので、延設部K209が可動板K251の上面と当接することで、可動板K251の傾倒が防止される。このように、複数箇所での当接により、可動板K251の傾倒を防止することができる。
図1792は、図1787のMDCCXXXI部における遊技盤K13の部分拡大正面図であり、図1793は、図1792のMDCCXXXII-MDCCXXXII線における遊技盤K13の断面図である。図1792では、化粧カバーK220の内側の形状が想像線で図示される。
図1792に図示されるように、分岐形成部K223は、電動役物K640aの右端部へ向けて上面に到達した球を案内可能に配置されている。また、傾斜形成部K224は、右側へ張り出す部分が、第1電動役物K240の第3形成面K243に対応して、正面視で右方へ向けて下降傾斜する。
これにより、第1電動役物K240の電動役物K640aの張出状態において、電動役物K640aの上面に球が衝突して電動役物K640aに上下方向に跳ねるような変位が生じた場合における第3形成面K243と傾斜形成部K224との衝突を面での衝突とすることができるので、衝突時の荷重が点で生じる場合に比較して、第3形成面K243が受ける荷重を分散させることができ、電動役物K640aの破損を回避し易くすることができる。
図1792では、化粧カバーK220の板状本体K221の正面側に施される大形意匠K221aと、小形意匠K221bとが、図示される。ここで、本実施形態では大形意匠K221aの縁取りの色として電動役物K640a及び可動板K251と同じ赤が選択され、縁取り以外の部分は、基本的には無色透明とされ、特に電飾基板K227と前後で重なる位置においては白色で不透明に施され、小形意匠K221bは有色(本実施形態では白)不透明の装飾として形成される。これに対応して、大形意匠K221aには赤色を示す網掛けを付し、小形意匠K221bには網掛けを付さずに図示する。
小形意匠K221bは、電動役物K640aの上面を転動する球の流下経路に沿う方向を示す矢印先端部形状(左下側に頂点を有するカッコ形状)としてデザインされており、小形意匠K221bを視認した遊技者に対して球の流下経路について示唆するよう機能する。
このように、化粧カバーK220の装飾としての大形意匠K221aと、電動役物K640a及び可動板K251との色を合わせることにより、電動役物K640a及び可動板K251を装飾の一部として遊技者に視認させることが可能となる。
本実施形態では、図1792に図示されるように、電動役物K640a及び可動板K251の傾斜の方向(左側へ向けて下降傾斜する方向)と、大形意匠K221aの傾斜が揃っているので、電動役物K640a及び可動板K251と大形意匠K221aとを合わせて「一つの装飾模様」として視認させることができる。そして、この場合において、電動役物K640a及び可動板K251の配置の違いによる見え方の違いを利用して、視認される上述の「一つの装飾模様」を変化させることができる。
図1792に図示されるように、電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)の前方は、板状本体K221が無色透明とされており、視認性が良い。そのため、電動役物K640a又は可動板K251により案内される球の視認性を向上させることができる。
更に、電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)の上下位置の前方は、板状本体K221の大形意匠K221aとして有色(本実施形態では赤)透明とされており、無色透明よりも視認性が低下されている。これにより、遊技者の視線を視認性の良い電動役物K640a又は可動板K251による球の案内経路(上面に沿う経路)へ誘導することができるので、電動役物K640a又は可動板K251により球が案内されている場合に、その球を判別させ易くすることができる。
図1793では、第1電動役物K240及び第2電動役物K250の非励磁状態における電動役物K640a(退避状態)及び可動板K251(張出状態)の配置が実線で図示され、第1電動役物K240及び第2電動役物K250の励磁状態における電動役物K640a(張出状態)及び可動板K251(退避状態)の配置が想像線で図示される。
電動役物K640aは、励磁状態(張出状態)において上面が球の流下面として機能する。即ち、案内開口K203を通り第2入賞口K640(図1790参照)へ案内される球は図1793に想像線で図示される張出状態の電動役物K640aの上面を転動する。
そのため、電動役物K640aよりも下側かつ可動板K251よりも上側に配置され電動役物K640aを斜め下方に見下ろす方向視KDR21で視認する遊技者が視認可能な光を照射するLEDとして図1793に図示される発光部K212からの光が、電動役物K640aを転動する球に隠されて遊技者の目に届かなくなる事態を回避することができる。
即ち、図1793に図示される発光部K212からの光は、電動役物K640aよりも下側を通り遊技者の目に届くので、電動役物K640aの上面を転動する球の有無により発光部K212からの光の視認態様が変化することが防止される。
また、発光部K212からの光が電動役物K640a自体を明るく照らすように作用することで、電動役物K640a上を明るくすることができる。発光部K212からの光が電動役物K640aに到達するよりも前に、電動役物K640a上を転動する球に遮蔽されることは無いので、電動役物K640a上に球が有るか否かに因らず電動役物K640aの明るさ(見映え)が変わることを防止できる。このように、電動役物K640a上に球が有るか否かに因らず電動役物K640aを明るくすることができ、電動役物K640a上を転動する球の視認性を向上させることができる。
この場合において、第1形成面K241の形成部のように板厚の寸法がより小さい部分において電動役物K640a上を明るくする程度を高めることができるので、電動役物K640aの明るさは、第3形成面K243の形成部よりも第1形成面K241の形成部を明るくすることができる。
これにより、電動役物K640a上を転動する球の流下経路の下流側よりも上流側に遊技者の視線を誘導することができ、分岐形成部K223における球の分岐に注目させることができる。
これにより、分岐形成部K223の上面を左に流れて電動役物K640aの上面に案内され得る球の存在と、分岐形成部K223の上面を右に流れて電動役物K640aには案内されずに下流側へ流下する球の存在とを、遊技者に把握させることができるので、発射球数よりも第2入賞口K640(図1790参照)へ案内される球数が少ないことから、遊技領域から球が漏れたり、球の発射が適切に行われなかったりという遊技機不良が生じていると思い込み、遊技者が遊技を止めてしまう事態が生じることを防止し易くすることができる。
図1793に図示されるように、第2電動役物K250の可動板K251は、左右縁部が前後方向に延びる突条状に下方に突設され、その突設先端がベース部材K201の突条部K206に下支えされることで、張出状態における可動板K251の前傾方向の姿勢変化が防止されている。
また、可動板K251の上側には延設部K209が形成されており、可動板K251が前傾方向に姿勢変化する場合に、その姿勢変化を規制する。即ち、本実施形態では、可動板K251の姿勢変化を抑制するための形状部がベース部材K201に形成されており、化粧カバーK220には形成されていない。
このように構成することで、可動板K251の姿勢変化を抑制するという作用は生じさせつつ、化粧カバーK220に凹凸形状が形成される領域を狭めることができるので、化粧カバーK220を介して球の流下経路を視認する場合における流下経路の視認性を向上させることができる。
なお、延設部K209は、下面の形状が、前方または斜前上方向からの光を全反射させるように湾曲した形状とされている。これにより、延設部K209の基端部が配設される板状本体K202よりも後側に延びている可動板K251の後側部が遊技者に視認されることを避けることができ、可動板K251については、専ら、板状本体K202よりも前側に張り出している部分に注目させることができる。
なお、本実施形態では、延設部K209の形状の設計により延設部K209の下側の構造物を視認させないようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部K209の表面に、ミラーテープや、遮光テープを貼り付けることで、光の透過を防止するように構成しても良い。
また、可動板K251付近を前後方向の方向視KDR22で視認する場合において、減速凹部K207の上縁部K207aを介して張出状態における可動板K251の上面を視認できるように、減速凹部K207が形成される。即ち、上縁部K207aが鏡のように機能して、可動板K251の色(本実施形態では赤色)で上縁部K207aを視認させることができる。
一方、可動板K251が退避状態とされると、可動板K251の先端は上縁部K207aよりも後方に退避するので、上縁部K207aが鏡のように機能して、突条部K206の上面付近の色(本実施形態では無色透明であり、上縁部K207aと同じ)で上縁部K207aを視認させることができる。
即ち、上縁部K207aの視認態様(色味)を、可動板K251が張出状態とされるか(赤色で視認される)、可動板K251が退避状態とされるか(無色透明で視認される)で変化させることができる。これにより、可動板K251の状態が変化した場合における可動板K251付近の視認態様の変化の程度を大きくすることができる。
上縁部K207aは、中央と右側の減速凹部K207では、可動板K251の上面に略平行なライン状で形成されているので、可動板K251の上面を転動する球よりも若干上側において、球の流下方向に平行に延びる上縁部K207aが可動板K251と同じ赤色で視認される。これにより、可動板K251の上面を転動する球の流下方向を、可動板K251とは異なる位置にある上縁部K207aにより遊技者に把握させることができる。
更に、上縁部K207aは、左側の減速凹部K207では、可動板K251の上面を左側へ案内された球が案内される流路(可動板K251よりも左側の流路)へ向けた左方向へ下降傾斜するライン状で形成されているので、可動板K251の左端部を過ぎて流下する球の流下方向に沿って延びる上縁部K207aが可動板K251と同じ赤色で視認される。これにより、可動板K251の上面を左方へ通り過ぎた後の球の流下方向を、可動板K251とは異なる位置にある上縁部K207aにより遊技者に把握させることができる。
図1792及び図1793を参照して、更に上縁部K207aについて説明する。上縁部K207aが形成される減速凹部K207は、球が進入可能となるように上下幅が球の直径よりも長くなるように形成されている。
そのため、遊技者が方向視KDR22で可動板K251付近を視認している場合に、可動板K251の上面を球が転動する場合であっても、その球により上縁部K207aが隠されることはない。従って、可動板K251の上面を転動する球の上下において、可動板K251と、その可動板K251と同様に左下方へ傾斜する上縁部K207aとにより、2本の赤色のライン状の装飾を遊技者に視認させることができる。
ここで、方向視KDR22に対して上縁部K207aが鏡として作用して可動板K251を視認させる場合の光の通り道は、減速凹部K207を通るので、可動板K251上を流下する球がある場合であっても、球が減速凹部K207に進入していなければ上縁部K207aの視認態様に影響はない。
また、球が減速凹部K207に進入している場合であっても、球は球体である一方で減速凹部K207の凹設側端部は平面であり、減速凹部K207が球により満たされることはないので、球に遮蔽されずに進行する光が上縁部K207aで反射されて遊技者の目に届くことになる。
従って、可動板K251上を球が流下する場合であっても、上縁部K207aの視認態様の変化を小さくすることができる。即ち、上縁部K207aが赤色で視認される状態は、可動板K251上に球が有る場合にも、無い場合にも、共通に生じさせることができる。
図1792に図示されるように、本実施形態では、化粧カバーK220の大形意匠K221aの縁取りの内側に、上縁部K207a及び可動板K251が沿うように配置されており、化粧カバーK220の大形意匠K221aの縁取りの色と、可動板K251の色とは共通とされる。
そのため、可動板K251が張出状態の場合には、大形意匠K221aの縁取りを部分的に太くするように上縁部K207aが作用し、可動板K251が退避状態の場合には、上縁部K207aが透明に視認されることで、大形意匠K221aの縁取りが均一となるように視認される。
大形意匠K221aの縁取りとして視認される形状が部分的に太い場合が可動板K251の張出状態に対応し、大形意匠K221aの縁取りとして視認される形状の太さが均一である場合が可動板K251の退避状態に対応することから、遊技者は、大形意匠K221aの縁取りの太さを視認することで可動板K251の状態を把握することができる。
可動板K251上を転動する球の流下経路の手前側には、化粧カバーK220の減速突起K225が位置する。減速凹部K207とは違い、減速突起K225の上下幅は球の直径よりも小さくされる(球の半径よりも小さくされる)。これにより、可動板K251上を球が転動する場合に、球が減速突起K225により隠されて(見え難くされて)、遊技者が球の位置を把握できなくなる事態を避けることができる。
図1794、図1795、図1796及び図1797は、斜め下方に見下ろす方向視KDR21における入賞ユニットK200の斜視図である。図1794、図1795、図1796及び図1797では、電動役物K640aや可動板K251の配置の違いに伴う化粧カバーK220の大形意匠K221a及び小形意匠K221bの視認態様の違いを説明するために、化粧カバーK220については、板状本体K221の外形が想像線で図示されると共に大形意匠221aおよび小形意匠K221bの位置が図示され、背面側に張り出す形状部としての分岐形成部K223、傾斜形成部K224及び減速突起K225の配置が想像線で図示される。
また、図1794、図1795、図1796及び図1797では、赤色の大形意匠K221aの縁取り、電動役物K640a及び可動板K251に、共通の網掛けが付される。なお、入賞ユニットK200に案内された球の流下経路の詳細については図示が省略されているので、流下経路の詳細について図1792を適宜参照する。
図1794では、第1電動役物K240において電動役物K640aが退避状態(非励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が張出状態(非励磁状態)とされる。この状態は、主に通常状態に対応する。
図1794に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図1790参照)に案内されることは無く、第2特定入賞口K650aに案内されることもない(図1792参照)状態である。
この状態において、大形意匠K221aは、縁取りの内側の上下中央部に可動板K251が進入しているように視認され、大形意匠K221a自体の形状があたかも切断されているように遊技者に印象付けることができる。
従って、大形意匠K221a自体の形状があたかも切断されているように視認されている場合と、第2入賞口K640及び第2特定入賞口K650aに球が案内されない状態とが対応するので、遊技者は、大形意匠K221aの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
図1795では、第1電動役物K240において電動役物K640aが張出状態(励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が張出状態(非励磁状態)とされる。この状態は、主に時短状態や確変状態において頻繁に生じる状態に対応する。
図1795に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図1790参照)に案内され得る一方で、第2特定入賞口K650aに案内されることはない(図1792参照)状態である。
この状態において、小形意匠K221bは、大形意匠K221aの縁取りの内側に進入しているように視認される電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される。この場合、図1794で図示されるように背景色が無色の場合に比較して、白色の小形意匠K221bを目立たせることができる。
従って、小形意匠K221bが電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される場合と、第2入賞口K640に球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、小形意匠K221bの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球が第2入賞口K640に入球され得るかどうかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
ここで、化粧カバーK220に施される小形意匠K221bを判別し易い装飾とすると、その装飾が邪魔になり球自体の流れが見え難くなる可能性があり、逆に、球の流れを見え易くするために淡い装飾とすると、装飾としては見え難い演出効果の小さいものになる可能性がある。光照射により形状を浮かび上がらせる導光パネル等を利用する手もあるが、高価であったり、ある程度の厚みを要する等の設計に絡む条件から配置が限定されたりするといった問題点があり、万能ではない。
これに対し、本実施形態では、化粧カバーK220の前面の装飾で完結させるのではなく、小形意匠K221bの見映えに、電動役物K640aが影響を及ぼし得るように構成することで、装飾の見映えと、球の見え易さとを両立させている。
即ち、小形意匠K221b単体では目立たない装飾とすることで、電動役物K640aが退避状態とされている場合には、小形意匠K221bを目立たせないことで化粧カバーK220の背面側を流下する球自体に注目させるようにする一方、電動役物K640aが張出状態とされる場合には、小形意匠K221b自体を目立たせて、第2入賞口K640への入球に期待させる装飾としての演出効果を向上させることができる。
電動役物K640aを背景として小形意匠K221bを目立たせる場合、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入すると、小形意匠K221bの見栄えが変化することが懸念される。
ベース部材K201の板状本体K202と化粧カバーK220の板状本体K221(図1790参照)とで形成される流路の前後幅は球の直径よりも十分に長くされていること(約19mm)、パチンコ機K10は一般的に数度(約1度)だけ後側へ傾斜されていること、を考慮すれば、電動役物K640aの上面を転動する球は後側に配置されるベース部材K201の板状本体K202に接しながら流下する可能性が高いので、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入する前提となる球が化粧カバーK220側に寄る(前側寄りで流下する)事態が生じる可能性を低くすることができる。
従って、小形意匠K221bと電動役物K640aとの間に球が進入する事態を生じ難くすることができるので、電動役物K640a上を球が転動している状態における小形意匠K221bの見栄えの変化を防止し易くすることができる。
図1796では、第1電動役物K240において電動役物K640aが退避状態(非励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が退避状態(励磁状態)とされる。この状態は、主に特別遊技状態のラウンド遊技中の状態に対応する。
図1796に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図1790参照)に案内されることは無く、第2特定入賞口K650a(図1792参照)に案内され得る状態である。
退避状態の可動板K251は、先端部が案内開口K205の後側まで十分に収納され(図1793参照)、方向視DR21では視認不能とされる。また、退避状態の可動板K251の上側を覆う延設部K209(図1793参照)の全反射の作用により、延設部K209を介して可動板K251を視認することが不可能とされるので、図1796に図示される状態において、可動板K251を完全に隠すことができる。
図1796に図示される状態において、電動役物K640aが小形意匠K221bの背景色を構成することはなく、大形意匠K221aの縁取りの内側において可動板K251が視認されることも無いので、遊技者に対して、大形意匠K221a自体の形状を印象的に視認させることができる。
従って、大形意匠K221a自体の形状が切断されない状態で視認されている場合と、第2特定入賞口K650aに球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、大形意匠K221aの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
なお、本実施形態では、方向視DR21において、可動板K251が大形意匠K221aの縁取りの内側に視認されるか否かで状態の切替を把握可能に構成される一方で、方向視DR22において、図1792で上述したように、上縁部K207aが赤色で視認されることで大形意匠K221aの縁取りの太さが部分的に変化するか否かで状態の切替を把握可能に構成される。
このように、本実施形態では、見栄えの変化を生じさせる主体は可動板K251で共通としつつも、見栄えが変わる対象を複数設けてあるので、遊技者が入賞ユニットK200を視認する方向視が遊技中に変化したとしても、大形意匠K221aの視認態様から入賞ユニットK200に入球した球がどのように流下するかを予測させるという目的を達成させることができる。
図1797では、第1電動役物K240において電動役物K640aが張出状態(励磁状態)とされ、第2電動役物K250において可動板K251が退避状態(励磁状態)とされる。この状態は、主に特別遊技状態のラウンド遊技中において、第2図柄の抽選で当たりとなり、電動役物K640aが駆動された状態に対応する。
図1797に図示される状態は、入賞ユニットK200を流下する球が、第2入賞口K640(図1790参照)に案内され得るか、又は、第2特定入賞口K650a(図1792参照)に案内され得る状態である。
この状態において、小形意匠K221bは、大形意匠K221aの縁取りの内側に進入しているように視認される電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される。この場合、図1794で図示されるように背景色が無色の場合に比較して、白色の小形意匠K221bを目立たせることができる。
従って、小形意匠K221bが電動役物K640aの赤色を背景色とするワンポイントの装飾のように視認される場合と、第2入賞口K640に球が案内され得る状態とが対応するので、遊技者は、小形意匠K221bの視認態様から、入賞ユニットK200に入球した球が第2入賞口K640に入球され得るかどうかを予測することができる。そのため、入賞ユニットK200に入球した球の流下の把握(予測)のために球自体を視認する必要がある場合に比較して、遊技者の疲労度合を低減させることができる。
一方、特別遊技状態では電動役物K640aの励磁時間が極端に短くされるので、実際に球が第2入賞口K640に入球する事態は発生し難いように構成されている。従って、電動役物K640aを利用して、小形意匠K221bの見映えを変化させるだけの(第2入賞口K640への入球による賞球は発生させ難い)演出を実行させることができる。
図1798は、遊技盤K13の背面斜視図であり、図1799は、遊技盤K13の分解背面斜視図である。図1798に図示されるように、ベース板K60は、内部においてセンターフレームK86を内嵌可能な形状で開口形成される開口部K60wを備えている。また、ベース板K60は、内レールK61及び外レールK62(図1787参照)により外縁が区画される遊技領域の形成範囲においては強度面から肉厚が十分に確保されており、遊技領域の形成範囲の外方において、背面側から凹設されるようにして肉厚が削られる形成凹部K60a~K60dを備える。
開口部K60wは、センターフレームK86を前後幅に亘って支持する目的から、ベース板K60の厚み方向(前後方向)の位置が異なっても同一形状となるように形成される。これにより、センターフレームK86を安定的に支持することができる。
左上側の第1形成凹部K60aは、外レールK62(図1787参照)の左上側に配設される樹脂製の遮蔽部材K74の後方に配置されており、遮蔽部材K74により第1形成凹部K60aが目隠しされる。
右上側の第2形成凹部K60bは、外縁部材K73(図1787参照)及び外縁部材K73よりも上側の範囲の後方に配置されており、外縁部材K73により第2形成凹部K60bが目隠しされる。
左下側の第3形成凹部K60cは、外レールK62(図1787参照)の左下側に配置され第1図柄表示装置H37A,H37Bが内蔵される樹脂製の遮蔽部材K75の後方に配置されており、遮蔽部材K75により第3形成凹部K60cが目隠しされる。
図1799に図示されるように、遊技盤K13は、ベース板K60の下側部の背面側に締結固定される左右長尺の樋用前側部材K91と、その樋用前側部材K91の背面側に締結固定され樋用前側部材K91と共同で球を流下させる樋を構成する樋用後側部材K92と、その樋用後側部材K92の背面側に締結固定され正面側へ光を照射するLEDが配置される電飾基板K93と、その電飾基板K93の取り外しを防止可能となるように電飾基板K93を挟む用にして樋用後側部材K92に締結固定される防止部材K94と、その防止部材K94と共同で球を流下させる樋を構成する補助部材K95と、樋用後側部材K92に製造条件から生じる不要な開口部を塞ぐ機能を有すると共に電気配線を結束バンドで束ねる支持部としての機能する閉塞部材K96と、を備える。
電飾基板K93からの光は、遊技領域の左下側に配置される一般入賞口K63へ向けて照射される。即ち、電飾基板K93に配置されるLEDを点灯させることにより、一般入賞口K63を明るく視認させることができるので、遊技者の一般入賞口K63への注目力を、電飾基板K93に配置されるLEDの点灯または消灯により変化させることができる。
右下側の第4形成凹部K60dは、外レールK62の下縁よりも下側において外縁部材K73の下端側形成部K73a(図1789参照)の後方の領域を含むように配置されており、その下端側形成部K73aにより第4形成凹部K60dの少なくとも一部が目隠しされる。
第4形成凹部K60dの後方には樋用前側部材K91及び樋用後側部材K92の左側部が配置されており、第4形成凹部K60dの後方の領域を球が流下可能に構成されている。
図1800は、動作ユニットK300の分解正面斜視図である。なお、図1800の説明においては、図1788を適宜参照する。動作ユニットK300は、左右に長尺に形成され正面視で第3図柄表示装置K81の表示領域の上側に配設される上側装飾部材K330と、上下に長尺で形成され正面視で第3図柄表示装置K81の表示領域の左側に配設される左側装飾部材K350と、上側装飾部材K330及び左側装飾部材K350が正面側に締結固定される前層側可動装置K400と、その前層側可動装置K400の後側に配設される後層側可動装置K800と、前層側可動装置K400及び後層側可動装置K800が収容され締結固定される背面ケースK310と、を備える。
背面ケースK310は、底壁部K311と、その底壁部K311の外縁から立設される外壁部K312とから正面側が開放された箱状に形成される。背面ケースK310は、底壁部K311の中央に矩形状の開口K311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口K311aは、第3図柄表示装置K81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置K81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケースK310は、外壁部K312の正面側端部に遊技盤K13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図1787参照)において遊技盤K13に面で支持される支持板部K313を備える。
その支持板部K313が遊技盤K13に面で支持された状態で、遊技盤K13のベース板K60に締結ネジを螺入することにより、遊技盤K13と動作ユニットK300とを一体的に固定することができるので、遊技盤K13及び動作ユニットK300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
前層側可動装置K400は、左右長尺に構成され初期位置としての上端位置から上下移動可能な第1可動装置K401と、第1可動装置K401の下側の左右中心位置において昇降移動可能に構成される第2可動装置K701と、を備える。
上側装飾部材K330は、内部に発光基板が配設され、発光基板から前側に照射される光が透光性の装飾部分に照射されることで発光演出を行う一方で、初期位置の第1可動装置K401を目隠しすることが可能な大きさで形成される。
左側装飾部材K350は、内部に発光基板が配設され、発光基板から前側に照射される光が透光性の装飾部分に照射されることで発光演出を行う一方で、第1可動装置K401の左側における駆動力伝達機構を目隠しすることが可能な大きさで形成される。
後層側可動装置K800は、前側に前層側可動装置K400が配置される関係上、その前層側可動装置K400よりも背面ケースK310における奥側(後側)に配設されることから、前層側可動装置K400よりも可変表示装置ユニットK80に近い位置に配設される。
後層側可動装置K800は、前後に層状に配置される板状部材が左右方向にスライド移動されることで、第3図柄表示装置K81の表示領域を露出させたり、隠したりするように動作する第3可動装置K801を備える。
後層側可動装置K800は、背面ケースK310の底壁部K311に締結固定され、前層側可動装置K400は、後層側可動装置K800よりも外側を通る締結部を介して背面ケースK310の底壁部K311に締結固定されると共に、後層側可動装置K800の非可動部分に締結固定される。まず、動作ユニットK300の動作制御の概要について例示して説明する。
図1801から図1807は、動作ユニットK300の動作制御の一例を示す動作ユニットK300の正面図である。図1801では、第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801がそれぞれ演出待機状態である場合について図示される。即ち、図1801において、第1可動装置K401は上側装飾部材K330に隠されており、第3可動装置K801は前層側可動装置K400に隠されているため、第1可動装置K401及び第3可動装置K801を正面視で視認することはできない。
図1802では、第2可動装置K701が演出待機状態よりも下降された下降配置状態とされることで、空いたスペースに第1可動装置K401が進入するように落下することで第1可動装置K401が落下位置状態とされ、第3可動装置K801は演出待機状態とされる場合について図示される。
第1可動装置K401の位置と第2可動装置K701の位置とが前後にずれておらず(上面視で重なっており)、第2可動装置K701が演出待機状態のままだと落下後の第1可動装置K401と衝突してしまうことから、予め第2可動装置K701が下降配置状態とされた後で第1可動装置K401が落下するように駆動制御される。
第1可動装置K401は、少なくとも最背面側の部材(長尺装置K540の本体部K541)が非透過となるように構成されているので、第1可動装置K401と重なる部分については第3図柄表示装置K81による表示が隠される。従って、図1802に示す状態において、遊技者は第3図柄表示装置K81の表示領域における表示を正面視で完全には視認することができない。
図1803では、第1可動装置K401及び第2可動装置K701がそれぞれ演出待機状態とされ、第3可動装置K801が第3図柄表示装置K81の手前側を塞ぐ閉塞状態とされる場合について図示される。
第3可動装置K801は、正面視矩形状に形成される板状部K811,K821,K831は、光透過性に形成されており、その透過の度合いを部分的に異ならせている。これにより、図1803に示すように板状部K811,K821,K831により第3図柄表示装置K81の表示領域の全域が塞がれる場合に、第3図柄表示装置K81の表示が視認され易い部分と、第3図柄表示装置K81の表示が板状部K811,K821,K831に隠されて板状部K811,K821,K831の表面の装飾が視認され易い部分とを構成することができる。
図1804では、第1可動装置K401が落下位置状態における上下位置を保ったまま、移動装置K560が左側にスライド移動された後で、下降配置状態とされていた第2可動装置K701が演出待機状態に変化されており、第3可動装置K801が閉塞状態とされる場合が図示される。
移動装置K560を左右にスライド移動させ第2可動装置K701と干渉しない位置(図1804参照)まで移動させた上で、第2可動装置K701を移動させることで、移動装置K560と第2可動装置K701との間隔を狭め、且つ、動作ユニットK300の正面視中央側に第2可動装置K701を寄せて、第1可動装置K401及び第2可動装置K701を遊技者に視認させ易くしている。
図1804に図示されるように、第1可動装置K401の変位軌跡と第3可動装置K801の変位軌跡とが、正面視で部分的に重なるが、第1可動装置K401の変位軌跡と第3可動装置K801の変位軌跡とが前後でずれている(上面視で重ならない)ので、第1可動装置K401及び第3可動装置K801は、動作中に互いに衝突しない(干渉しない)。そのため、図1804に図示されるように、第1可動装置K401を演出待機状態から落下位置状態へ変化させた状態において、第3可動装置K801を演出待機状態から閉塞状態に変化させることができる。
このようにして、第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801を、それぞれ演出待機状態から駆動させる制御を実行可能とし、一体感のある動作を実現しながら、各可動装置K401,K701,K801が衝突することを避けることができる。
図1804に示す状態では、第3可動装置K801の左側に描かれる装飾、第1可動装置K401の移動装置K560に描かれる装飾、第2可動装置K701に描かれる装飾および入賞ユニットK200の化粧カバーK220に描かれる装飾を一連で視認させることで意味を持たせる演出を実行可能とされる(第3可動装置K801に描かれる装飾については本図では図示を省略する。詳細は後述する)。
図1805では、第1可動装置K401及び第3可動装置K801が演出待機状態とされ、第2可動装置K701が上昇配置状態とされる場合が図示される。第2可動装置K701は、演出待機状態ではセンターフレームK86の下側部と大部分が重なり視認性が悪いが(図1787参照)、上昇配置状態では、半分以上がセンターフレームK86の下側部よりも上側に配置されることで、第2可動装置K701の視認性が向上される。
図1806では、第2可動装置K701及び第3可動装置K801が演出待機状態とされ、第1可動装置K401の右側のみが途中位置まで落下した片側落下状態とされる場合が図示され、図1807では、図1806の状態から第1可動装置K401の移動装置K560が可動域の右端部まで変位された場合が図示される。
第1可動装置K401において、演出待機状態と片側落下状態との変化が生じる際には、移動装置K560の位置は左右方向中央側に維持される。これにより、昇降変位時に第1可動装置K401の左右バランスが崩れることを避けることができる。
図1807に図示される片側落下状態では、移動装置K560の姿勢が右斜め下に倒れる態様で傾くため、移動装置K560の正面側の意匠が傾いてしまい、見栄えが悪くなる。これに対し、本実施形態では、演出待機状態から片側落下状態へ変化し、更に演出待機状態に変化するまでの間、移動装置K560の正面側の意匠を回転させ続けるように制御される。これにより、移動装置K560の正面側の意匠が傾いて見栄えが悪くなるという事態を避けることができる。
本実施形態では、移動装置K560の正面側の意匠の回転は、移動装置K560が正面視右方に移動する際には正面視時計回り(右向き前転方向)とされ、移動装置K560が正面視左方に移動する際には正面視反時計回り(左向き前転方向)とされる。これにより、移動装置K560の左右方向の移動と、回転動作とを遊技者に関連して把握させることができ、統一的な動作演出とすることができる。
図1801から図1807に示すように、各可動装置K401,K701,K801の状態に対応して、その後方に配置されている第3図柄表示装置K81の表示が見える範囲が変わる。即ち、各可動装置K401,K701,K801の全てが演出待機状態にある場合が第3図柄表示装置K81の表示が見え易い範囲(面積や位置)が最大の状態(図1801参照)であり、演出待機状態から状態が変化される可動装置K401,K701,K801に対応して、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なるように構成される。
演出待機状態からの各可動装置K401,K701,K801の状態の変化の程度によっても、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なる。また、例えば、同じ可動装置(例えば、第1可動装置K401)が動作する場合であっても、図1802に示す状態と、図1807に示す状態とでは、動作量や、第3図柄表示装置K81の表示領域と重なる第1可動装置K401の面積や位置が異なることから、第3図柄表示装置K81の表示領域の隠される範囲(面積や位置)が異なっている。
即ち、第3図柄表示装置K81では、各可動装置K401,K701,K801により隠されない範囲(可動装置K401,K701,K801を透視することで表示を視認可能な範囲を含む)における表示演出を視認させるように制御が設計されているところ、各可動装置K401,K701,K801により隠される範囲(可動装置K401,K701,K801を透視することで表示を視認可能な範囲を除く)が複数種類で変化することから、各可動装置K401,K701,K801により隠されない範囲における表示演出のバリエーションを多くすることができ、表示演出の演出効果を向上させることができる。
次いで、図1808から図1829を参照して、第1可動装置K401について説明する。図1808は、前層側可動装置K400の正面分解斜視図であり、図1809は、前層側可動装置K400の背面分解斜視図である。
前層側可動装置K400の内、第2可動装置K701を除く部分を構成する第1可動装置K401は、略左右対称形状の部材から左右一対で構成され背面ケースK310に締結固定される一対の支持部材K410と、その支持部材K410の下側部において回転可能に支持される一対の回転部材K430と、その回転部材K430を回転させる駆動力を発生させる一対の駆動モータKMT41a,KMT41bと、回転部材K430の回転の状態に対応して昇降可能に構成される昇降装置K500と、を備える。
更に、第1可動装置K401は、支持部材K410の前方の開放部に蓋をするように支持部材K410に締結固定される左右一対の前カバー部材K440と、右側の前カバー部材K440に前側から締結固定され昇降装置K500の動作態様を切り替える切替装置K460と、回転部材K430の回転の状態に対応して昇降装置K500の下降を許容する許容状態と昇降装置K500の下降を防止する防止状態とで変化される左右一対の状態変化装置K470と、を備える。
更に、第1可動装置K401は、左側の前カバー部材K440の下側部に正面側から締結固定され光透過性樹脂から形成される装飾部材K402と、その装飾部材K402へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板K403と、右側の前カバー部材K440の下側部に正面側から締結固定され光透過性樹脂から形成される装飾部材K404と、その装飾部材K404へ光を照射するLED等の発光手段が配設される電飾基板K405と、前層側可動装置K400の組立状態(図1800参照)における支持部材K410及び前カバー部材K440と第2可動装置K701との隙間を上側から塞ぐ上カバー部材K406と、を備える。
前カバー部材K440の詳細について説明する。前カバー部材K440は、略L字状に形成される板状本体K441と、その板状本体K441に上下方向に延びる長孔として穿設され昇降装置K500の昇降を案内する案内長孔K442と、その案内長孔K442の下端部近傍に配設される樹脂部材であって昇降装置K500の下降時の衝撃を吸収可能な吸収部材K443と、板状本体K441の背面から回転部材K430へ向けて突設される突設部K444と、案内長孔K442の前方に配置され案内長孔K444を前側に通過した昇降装置K500の締結部K533に連結される連結部材K445と、を備える。
図1810は、第1可動装置K401の分解正面斜視図であり、図1811は、第1可動装置K401の分解背面斜視図である。図1810及び図1811では、第1可動装置K401の内、支持部材K410、回転部材K430及び状態変化装置K470が図示され、前カバー部材K440及び切替装置K460の図示は省略される。
図1810及び図1811に示すように、支持部材K410は、正面視略L字状に形成される本体部K411と、その本体部K411の下側部の正面側に円筒状に突設され回転部材K430を回転可能に支持する支持部K412と、その支持部K412の左右方向外側に回転部材K430の姿勢を検出するために配設される検出センサK413と、本体部K411の下端部の正面側に円筒状に突設され状態変化装置K470の下側回転部材K471を回転動作可能に支持する支持部K414と、昇降装置K500を案内可能に上下方向に延びる長孔として形成される案内長孔K415と、その案内長孔K415に沿ってギア歯が形成されるラックK416と、本体部K411の背面側に上下方向に並べて形成され状態変化装置K470の連動部材K473の昇降移動を案内する案内突設部K417と、本体部K411の上端部の正面側に配設され昇降装置K500が演出待機状態における位置に配置されているか否かを検出可能な検出センサK418と、本体部K411に上端部が吊り下げられ下端部が昇降装置K500の鉤状部K515に引っかけられるコイルスプリングK419と、を備える。
更に、支持部材K410は、昇降装置K500の昇降動作を案内するものとして上下方向に延びる金属棒K421と、その金属棒K421の下端が差し込まれる支持受部K422と、金属棒K421に昇降装置K500を沿わせるために昇降装置K500との間で金属棒K421を挟む位置で昇降装置K500に締結固定される被固定部材K423と、金属棒K421の上端が支持部材K410の本体部K411から上方向および前方向に抜けないようにするための抜け止めとしての補助部材K424と、を備える。
なお、本実施形態では、左側の金属棒K421に対しては前カバー部材K440の板状本体K441が補助部材K424と同様の機能を果たすように構成されることで、補助部材K424は右側にのみ配設されている。
回転部材K430は、駆動モータKMT41a,KMT41bの駆動軸に固定される駆動ギアKG42の回転を支持部材K410の本体部K411に支持される中間ギアKG43を介して伝達するために背面側の全周に亘ってギア歯K432が形成される円板状の本体部K431と、その本体部K431の中心部において円形に穿設され支持部材K410の支持部K412が挿通される回転中心孔K433と、本体部K431の外周側縁部において回転部材K430の回転軸線と平行な回転軸線で回転自在に連結され昇降装置K500を下支えする伝達筒状部K434と、回転中心孔K433の同心円形状の突条において支持部材K410の検出センサK413が検出可能な幅で形成される切り欠き部K435と、本体部K431の外周側付近において背面側に突設される一組の突条により形成される案内溝K436と、を備える。
状態変化装置K470は、支持部材K410の支持部K414に回転動作可能に支持される下側回転部材K471と、その下側回転部材K471の左右内側端部から回転部材K430側へ向けて突設され案内溝K436に受け入れられる切替突部K472と、下側回転部材K471の左右外側端部に配設される軸部を介して互いに相対動作可能に連結される連動部材K473と、連動部材K473の上下端部を構成する板状部に上下に長い長孔として穿設され支持部材K410の案内突設部K417が挿通されることで連動部材K473の動作方向を上下方向とするための複数の案内長孔K474と、連動部材K473の上端部付近において正面側に突設される切替突部K475と、支持部材K410の本体部K411に回転動作可能に支持され切替突部K475の配置に対応して回転方向の姿勢が変化する上側回転部材K476と、を備える。
昇降装置K500は、回転部材K430の伝達筒状部K434に下支えされた状態において、回転部材K430の伝達筒状部K434の上下位置が上方向に変化する際に持ち上げられることで、上昇移動可能に構成される。
図1812は、昇降装置K500の分解正面斜視図であり、図1813は、昇降装置K500の分解背面斜視図である。昇降装置K500は、回転部材K430の伝達筒状部K434に直接的に押し上げられ得る左右一組の下側部材K510と、その下側部材K510の上端部の背面側に回転可能に支持される左右一対の変速ギアK520と、下側部材K510の昇降移動量が変速ギアK520により増減されて伝達されるように変速ギアK520に歯合されるラックK532を有しており下側部材K510と連動して昇降移動する左右一組の上側部材K530と、その上側部材K530に左右両端部が支持される長尺装置K540と、その長尺装置K540の長尺方向にスライド移動可能に構成される移動装置K560と、を備える。
下側部材K510は、正面視略L字形状に形成される本体部K511と、その本体部K511の下端において下側部材K510の移動方向(上下方向)と直交する平面状に形成される平面部K512と、本体部K511の背面側から円筒状に突設される内部に雌ネジが形成されており変速ギアK520を支持可能に構成される支持締結部K513と、金属棒K421(図1810参照)に案内される被案内部K514と、本体部K511の上端部の正面側に鉤形状に形成されコイルスプリングK419(図1810参照)の下端部が引っかけられる鉤状部K515と、を備える。
支持締結部K513に締結されるネジは、変速ギアK520の抜け止めとして機能し、その頭部が支持部材K410の案内長孔K415の内側に配置される。これにより、支持締結部K513に締結されるネジの頭部の張り出し分を吸収することができ、変速ギアK520の背面側面を支持部材K410の本体部K411の前側面で支持することができる。更に、支持締結部K513に締結されるネジの移動方向が案内長孔K415に制限されることによって、下側部材K510を安定して上下方向に移動させることができる。
鉤状部K515を介して、下側部材K510は、コイルスプリングK419(図1810参照)により上向きに付勢される。これにより、コイルスプリングK419の付勢力で昇降装置K500の上昇移動を補助することができる。
変速ギアK520は、中間円板K521の背面側に第1ギアK522が形成され、中間円板K521の正面側に第1ギアK522と同軸で第2ギアK523が形成される。中間円板K521は、第1ギアK522の直径よりも直径が大きく、且つ、第2ギアK523の直径よりも直径が大きい円形状の板部として形成されており、これにより、第1ギアK522又は第2ギアK523と歯合している相手部材が前後方向に位置ずれして、反対の第2ギアK523又は第1ギアK522と歯合する事態が生じることが防止される。
第1ギアK522は、支持部材K410のラックK416(図1810参照)と歯合され、第2ギアK523は、上側部材K530のラックK532と歯合される。第1ギアK522の歯数は8であり、第2ギアK523の歯数は12である。
従って、下側部材K510が昇降移動した場合に、その下側部材K510の昇降移動量の1.5倍の移動量で、上側部材K530が下側部材K510に対して相対移動することになるが、昇降移動の詳細については後述する。
上側部材K530は、上下方向に長尺の本体部K531と、その本体部K531の背面側において左右外側に向けて上下方向に延設されるラックK532と、本体部K531の正面側に上下一対で突設される円筒状部であって内部に雌ネジが形成される締結部K533と、本体部K531の背面側に円筒状に突設されており長尺装置K540を回転動作可能に支持する回転軸部K534と、その回転軸部K534と平行な方向で円筒状に突設される補助突部K535と、金属棒K421(図1810参照)に案内される被案内部K536と、上側回転部材K476(図1810参照)に下支えされる湾曲面として形成される湾曲受部K537と、を備える。
締結部K533には、連結部材K445(図1808参照)が締結固定される。即ち、前カバー部材K440の案内長孔K442(図1808参照)を前側へ貫通した締結部K533の先端に連結部材K445が締結固定される。これにより、締結部K533の移動が案内長孔K442に制限されることになるので、上側部材K530の昇降移動を安定させることができる。
上側部材K530は被案内部K536に、下側部材K510は被案内部K514によって、それぞれ金属棒K421(図1810参照)に案内されるので、下側部材K510及び上側部材K530の前後左右方向の倒れを防止することができる。
図1814は、長尺装置K540の分解正面斜視図であり、図1815は、長尺装置K540の分解背面斜視図である。図1814及び図1815では、位置関係の理解を容易とするために上側部材K530及び移動装置K560が図示される。
長尺装置K540は、左右長尺の板状に形成される本体部K541と、その本体部K541の左右中央部において背面側に円筒状に突設される支持軸部K542と、その支持軸部K542に回転可能に支持される中央ギアK543と、支持軸部K542と平行な方向に円筒状に突設される複数の案内突設部K544と、その案内突設部K544に案内され本体部K541の長尺方向にスライド移動可能に構成される一対のスライドラックK545と、を備える。
本体部K541の前側部には、左右外側端部よりも内側に終端位置が形成される左右長尺の凹部K541aが形成される。凹部K541aは、長尺装置K540の組立状態(図1812参照)において、移動装置K560の背面側下端部が受け入れられる部分として機能している。
スライドラックK545は、図1815に示す状態における左右外側の上下幅よりも左右内側の上下幅の方が短くされる左右一組の板状部材であって、左右外側端の下端部において前後方向に穿設され上側部材K530の回転軸部K534が受け入れられる受入部K546と、その受入部K546を中心とする円弧形状で穿設され補助突部K535が受け入れられる円弧状部K547と、図1815に示す状態における左右方向に長い長孔形状で穿設され案内突設部K544が受け入れられる複数の案内長孔K548と、中央ギアK543に歯合されるラックK549と、を備える。
スライドラックK545のスライド移動方向は、案内長孔K548が延設される方向(図1815に占めす状態における左右方向、本体部K541の長尺方向)に設定される。そのため、左右の上側部材K530の上下位置が一致している時(最近接位置)を基準として、上側部材K530同士の上下方向の位置ずれ寸法が大きくなるにつれて、本体部K541の長尺方向外側へ向けて相対移動することになるが、詳細は後述する。
更に、長尺装置K540は、本体部K541に正面側から締結固定される化粧部材K551と、その化粧部材K551の内部に配設され正面側に光を照射するLEDが配設される電飾基板K552と、化粧部材K551の左側端部に締結固定されるモータ支持部材K553と、そのモータ支持部材K553に支持される駆動モータKMT51の駆動力を伝達可能な伝達ギア群KG52を介して回転されることで移動装置K560の軸線方向の位置を変化させるように構成されるネジ軸K554と、化粧部材K551の背面側においてネジ軸K554の両端部が回転可能に受け入れられる支持受部K555と、電飾基板K552の背面側において検出溝を背面側へ向けた姿勢で化粧部材K551の後側板部を貫通する位置に設けられるフォトカプラ形式の検出センサK556a~K556cと、を備える。
ネジ軸K554の軸線方向は本体部K541の長手方向と一致しており、移動装置K560のネジ軸K554の軸線方向の移動は、凹部K541aの形成されている範囲に制限される。
検出センサK556a~K556cは、移動装置K560の配置を検出可能に構成されている。即ち、移動装置K560が、第1可動装置K401の演出待機状態における左右中央位置に配置されている場合には、中央検出センサK556bに検出され、移動装置K560が、ネジ軸554の軸線方向に沿って左右にスライド移動し、その移動範囲の右側終端位置に配置されている場合には右側検出センサK556aに検出され、移動範囲の左側終端位置に配置されている場合には左側検出センサK556cに検出される。
図1816は、移動装置K560の分解正面斜視図であり、図1817は、移動装置K560の分解背面斜視図である。移動装置K560は、本体部K561と、その本体部K561の上端部に締結固定される前側受部K571と、その前側受部K571に後面側から締結固定される後側受部K572と、前側受部K571と後側受部K572との間に保持され自らの開口方向(図1816における矢印L-R方向)を回転軸とする回転が防止されるように構成されるナットKNT61と、を備える。
ナットKNT61は、長尺開口部KNT61aの内周側において、ネジ軸K554(図1814をご参照下さい)の外周に螺旋状に切られる溝部に対応するように形成される突条が、螺旋状に形成されている。
これにより、長尺開口部KNT61aにネジ軸K554が挿通されている状態でネジ軸K554が回転駆動されると、その回転駆動量に対応して、ナットKNT61はネジ軸K554の軸線方向に移動される。即ち、駆動モータKMT51(図1814参照)の駆動に対応して、移動装置K560のネジ軸K554の軸線方向の配置が変化するよう構成される(ボールネジの構造が流用される)。
前側受部K571は、ナットKNT61の配設位置よりも下方から正面側へ板状に突設される被検出板部K571aを備える。長尺装置K540の検出センサK556a~K556c(図1815参照)の検出溝に被検出板部K571aが位置する場合と、位置しない場合とで、検出センサK556a~K556cからの出力を異ならせることができる。この検出センサK556a~K556cの出力の違いから、音声ランプ制御装置H113(図1785参照)に、移動装置K560が、第1可動装置K401の演出待機状態における左右中央位置に配置されているか、移動範囲の左右方向終端位置に配置されているか、そのいずれでもないか、を判断させることができる。
更に、移動装置K560は、本体部K561の下端部に締結固定されるモータ受部K575と、そのモータ受部K575に保持される駆動モータKMT61と、その駆動モータKMT61の駆動軸に固定され本体部K561とモータ受部K575との間に配設される駆動ギアKMG62と、その駆動ギアKMG62に歯合される位置で本体部K561の支持軸部K562に回転可能に支持される伝達ギアKMG63と、その伝達ギアKMG63に歯合される終端ギアKMG64と、本体部K561の円形開口部K563に挿通される中心挿通部K579が終端ギアKMG64に締結固定される回転装飾部材K578と、を備える。
更に、移動装置K560は、本体部K561の正面側に配設され円形開口部K563に対応する位置に円形開口K564aが形成される電飾基板K564と、その電飾基板K564の円形開口K564aに対応する位置に円形開口K567aが形成され、光透過性の樹脂材料から形成され電飾基板K564からの照射光を屈折可能(乱反射可能)なカットが形成される受光部材K567と、を備える。
電飾基板K564及び受光部材K567は、電飾基板K564、受光部材K567の順で本体部K561に重ねられ、円形開口部K563の中心軸線に円形開口K564a及び円形開口K567aの中心軸線が合致するように配置され、本体部K561に締結固定される。
電飾基板K564は、背面側にフォトカプラ形式の検出センサK565が配設される。検出センサK565の検出溝は、本体部K561に穿設される開口部K561aの背面側に位置し、伝達ギアKMG63の環状リブを受け入れ可能とされる。
伝達ギアKMG63の環状リブには切り欠き部KMG63aが等間隔(180度間隔)で切り欠き形成されており、検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する場合と、位置しない場合とで、検出センサK565からの出力を異ならせることができる。この検出センサK565の出力の違いから、音声ランプ制御装置H113(図1785参照)は伝達ギアKMG63の位相を判断でき、回転装飾部材K578の位相を判断できる。
本実施形態では、伝達ギアMG63の歯数に対する終端ギアKMG64の歯数が1/2の関係にあるので、伝達ギアMG63が半回転することで終端ギアKMG64が一回転する。検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する位相から伝達ギアMG63が半回転すると、再び検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する。
即ち、検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが位置する場合、その切欠き部KMG63aがどちらの切り欠き部KMG63aであったとしても、終端ギアKMG64及び回転装飾部材K578の位相は同じとされる。
図1818(a)及び図1818(b)は、前層側可動装置K400の部分拡大正面図である。図1818(a)及び図1818(b)では、主に切替装置K460が図示されており、便宜上、手前側の装飾部分を部分的に破り図示することで、内部構造を視認可能となるようにしている。図1818(a)では、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされる状態が図示され、図1818(b)では、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態が図示される。
図1818(a)及び図1818(b)に図示されるように、切替装置K460は、右側の前カバー部材K440の板状本体K441に締結固定される基板部材K461と、基板部材K461に支持孔部K462bを中心とする回転動作が可能に支持されるストッパ部材K462と、基板部材K461に締結固定される駆動ソレノイドKSOL41と、基板部材K461に支持孔部K463bを中心とする回転動作が可能に支持され、駆動ソレノイドKSOL41の駆動力をストッパ部材K462に伝達可能に構成される伝達部材K463と、を備える。
ストッパ部材K462は、支持孔部K462bが端部に穿設されるアーム部K462aと、そのアーム部K462aの長手方向に延びる長孔形状で穿設される案内長孔K462cと、アーム部K462aの長手方向における支持孔部K462bが形成される端部の反対側の端部から背面側に突設される突設受部K462dと、を備える。
伝達部材K463は、支持孔部K463bが形成されるアーム部K463aと、そのアーム部K463aとは異なる方向に支持孔部K463bから延びる補助アーム部K463cと、その補助アーム部K463cの延設先端部から後側に突設され駆動ソレノイドKSOL41の直進動作部KSOL41aの直進変位により伝達部材K463が回転動作される態様で連結される伝達基端突部K463dと、アーム部K463aの先端部から後側に突設されストッパ部材K462の案内長孔K462cに受け入れられる伝達先端突部K463eと、を備える。
切替装置K460の作用について説明する。基板部材K461は、連結部材K445の移動軌跡に入り込まないよう連結部材K445よりも前側に配設されている一方で、ストッパ部材K462の突設受部K462dは、基板部材K461よりも下側において基板部材K461よりも後側まで延びており、状態次第で、連結部材K445の移動軌跡に入り込む。
図1818(a)に図示されるように、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態では、突設受部K462dが案内長孔K442の前方に配置されており、連結部材K445の移動軌跡に入り込む。
即ち、図1818(a)に図示される状態における連結部材K445の下降変位は、突設受部K462dにより途中停止される、この場合、連結部材K445を介して昇降装置K500等の荷重が突設受部K462dにかけられることになるが、突設受部K462dが支持孔部K462bを起点とする鉛直下方(連結部材K445を介した荷重の方向)に配置されていることから、連結部材K445を介する昇降装置K500等の荷重によりストッパ部材K462が回転動作することを回避し易くすることができる。
これにより、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態において、連結部材K445の移動を案内長孔K442の長さの途中位置で停止させることができる。また、連結部材K445の途中停止が頻繁に生じる動作制御を行う場合であっても、連結部材K445の途中停止のために駆動ソレノイドKSOL41を励磁させる必要はないので、励磁状態とする回数の増加を抑えることができ、駆動ソレノイドKSOL41の寿命の長期化を図ることができる。
図1818(b)に図示されるように、図1818(a)に図示される状態から駆動ソレノイドKSOL41が励磁されると、直進動作部KSOL41aの上下変位により伝達部材K463が回転動作され、その回転動作と連動してストッパ部材K462が回転動作されることで、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡から退避する。
これにより、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態では、連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに停止されることはなく、連結部材K445が案内長孔K442の終端まで移動可能とされる。
これにより、連結部材K445が締結固定される締結部K533を有する上側部材K530(図1812参照)の移動可能量を、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされる状態(図1818(a)参照)と、駆動ソレノイドKSOL41の励磁状態(図1818(b)参照)とで切り替えることができる。
図1819から図1824は、第1可動装置K401の部分拡大正面図である。図1819から図1824では、昇降装置K500の右側部が、回転部材K430が正面視反時計回り方向で回転動作される第1の動作態様に基づいて昇降移動する様子が時系列で図示される。
なお、図1819から図1824では、可動部の理解を容易とするために、支持部材K410の本体部K411の右下端部および右上部、下側部材K510の本体部K511の前側面部、変速ギアK520の中間円板K521及び第2ギアK523、及び、上側部材K530の本体部K531の前側面部が、部分的に破られて図示される。
図1819では、演出待機状態における第1可動装置K401が図示される。即ち、回転部材K430は切り欠き部K435(図1811参照)が検出センサK413の検出溝に配置される位相とされ、上側部材K530は湾曲受部K537が進入状態の上側回転部材K476に下支えされることで上下移動が防止され、上側部材K530の上下移動が防止されることに伴い変速ギアK520の回転も防止され、その変速ギアK520が支持される下側部材K510の上下移動も防止される。
即ち、図1819に図示されるように、回転部材K430の伝達筒状部K434が下側部材K510の下方から退避している状態であっても、上側部材K530の上下移動が上側回転部材K476により防止されることで、下側部材K510の上下移動が防止されることになる。
図1820では、図1819に図示される状態から回転部材K430が正面視反時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動される。回転部材K430の回転中において、伝達筒状部K434が突設部K444の湾曲面に対向配置される。突設部K444が伝達筒状部K434よりも回転部材K430の回転中心側に配設されること、及び、突設部K444の突設先端(後側先端)が回転部材K430の前側面と対向配置されることにより、伝達筒状部K434が回転部材K430の径方向に位置ずれするような姿勢ずれ(回転軸に対して回転部材K430が傾斜する姿勢ずれ)を防止することができる。
これにより、回転部材K430が、偏心した位置において本体部K431を回転軸線に対して傾斜させる方向の荷重を受けた場合であっても、回転部材K430の姿勢変化を抑制することができるので、回転部材K430の回転抵抗を低減することができる。
図1820では、下側回転部材K471の切替突部K472が、依然として案内溝K436の大径溝K436aに維持される。切替突部K472が大径溝K436aに維持される間は、状態変化装置K470の状態は図1819に図示される状態で維持されており、昇降装置K500の上下位置も維持される。
また、図1819では、駆動ソレノイドKSOL41(図1818(b)参照)が非励磁の状態(図1818(a)参照)が図示され、図1820以降は、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡から退避するように、駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)が図示される。
図1821では、図1820に図示された状態から、回転部材K430が正面視反時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動され、下側回転部材K471の切替突部K472が受け入れられる部位が、案内溝K436の大径溝K436aから小径溝K436bに切り替えられ、昇降装置K500が落下を開始する直前の状態が図示される。
切替突部K472が小径溝K436bに受け入れられるようになると、下側回転部材K471が支持部材K410の支持部K414を中心に回転動作され、下側回転部材K471の回転動作により連動部材K473及び切替突部K475が上下移動されることで、上側回転部材K476が支持孔K476aを中心に進入状態から退避状態へ回転移動される。
上側回転部材K476は、湾曲受部K537と対向配置される回転先端部K476bが、支持孔K476aにおける回転中心を中心とする円弧形状面として形成されている。また、湾曲受部K537は、進入状態(図1819参照)における上側回転部材K476の回転先端部K476bと面当たり可能な曲面形状から形成される。
これにより、進入状態における上側回転部材K476の回転先端部K476bに湾曲受部K537が当接している状態から、上側回転部材K476を退避状態へ回転移動させる際に生じる抵抗を摩擦抵抗に限定することができ、抵抗が過大となることを防止することができる。
また、進入状態における上側回転部材K476に対して湾曲受部K537を介して与えられる昇降装置K500の自重は、上側回転部材K476が退避状態へ向かう方向の反対方向(図1821の反時計回り方向)の荷重として上側回転部材K476に付与される。
従って、湾曲受部K537と上側回転部材K476との間の動作抵抗を小さくしながらも、湾曲受部K537を介して上側回転部材K476へ付与される昇降装置K500の自重により上側回転部材K476が退避状態へ変化する事態が生じることを防止することができる。
また、上述した上側回転部材K476の形状により、第1可動装置K401の片側落下状態のように左右バランスが崩れた場合に、自重のみではなく左右方向成分を有する荷重が湾曲受部K537から上側回転部材K476に与えられる場合に、その荷重を上側回転部材K476の回転中心へ向けるようにすることができる。これにより、上側回転部材K476の姿勢を安定させることができ、昇降装置K500の支持を安定させることができる。
図1822では、図1821に図示された状態から、昇降装置K500が落下した後の状態としての落下位置状態(図1802参照)が図示される。なお、落下位置状態に至るまでには、昇降装置K500の右側部だけでなく、左側部も回転部材K430が回転され上側回転部材K476が回転移動されているが、左側部における回転部材K430の第1の動作態様における回転方向は、右側部における回転部材K430の第1の動作態様における回転方向(正面視反時計回り方向)の逆方向(正面視時計回り方向)になる。
昇降装置K500の落下による移動は、上側部材K530が前カバー部材K440の吸収部材K443(図1809参照)に停止される位置まで生じるように構成されており、下側部材K510が回転部材K430の伝達筒状部K434に衝突するまで生じるようには構成されていない。
そのため、昇降装置K500の落下時の衝撃荷重が伝達筒状部K434に伝達される事態が生じることを回避することができる。即ち、昇降装置K500の落下の衝撃が伝達筒状部K434や下側部材K510に伝達されることによる破損の発生を回避し易くすることができる。
昇降装置K500の下側部材K510、変速ギアK520及び上側部材K530の昇降移動の詳細について説明する。まず、下側部材K510及び上側部材K530は、それぞれ共通の金属棒K421によって上下方向にスライド移動可能に案内される。
下側部材K510が図1821に示す状態から下降する場合、変速ギアK520が支持部材K410のラックK416との歯合により回転され、その回転により上側部材K530のラックK532が変速ギアK520に対して上下方向に相対移動する。
即ち、上側部材K530は、下側部材K510が上下方向に移動した場合に、下側部材K510の移動による変速ギアK520の上下方向の移動量に加えて、変速ギアK520の回転時に歯合する上側部材K530のラックK532の移動量分、下側部材K510に対して相対移動する。
本実施形態では、上側部材K530のラックK532と歯合する第2ギアK523の歯数は、下側部材K510の移動に伴い支持部材K410のラックK416と歯合して回転する第1ギアK522の歯数の1.5倍に設計されているので、上側部材K530は、下側部材K510の移動量に下側部材K510の移動量の1.5倍の長さが加算された移動量で移動される。
従って、上側部材K530は、下側部材K510の移動量KVD1の2.5倍の移動量KVD2で上下移動される(KVD1:KVD2=2:5)。これにより、上側部材K530の上下方向の移動距離が、駆動モータKMT41a,KMT41b(図1810参照)により回転される回転部材K430の伝達筒状部K434の上下方向の移動距離に限定されることを避けることができる。
即ち、回転部材K430の直径を小さく抑えつつ、上側部材K530の上下方向の移動距離は長く設計することができるので、上側部材K530や回転部材K430の配置の設計自由度を向上することができる。
下側部材K510よりも左側において突設部K444が配設され、下側部材K510の左端部は突設部K444の右側平面部に上下方向に案内される。これにより、下側部材K510の左側への位置ずれを突設部K444により防止することができる。
図1823では、図1822に図示された状態から回転部材K430が更に反時計回り方向に回転されることで伝達筒状部K434により下側部材K510が持ち上げられ、且つ、依然として下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の小径溝K436bに受け入れられている状態が図示される。
回転部材K430の回転により伝達筒状部K434が下側部材K510の下面と擦れながら回転移動することになるが、下側部材K510の下面が平面部K512として形成されているので、伝達筒状部K434と下側部材K510との間で生じる動作抵抗を低減することができる。
更に、コイルスプリングK419から下側部材K510に付与される上向きの付勢力により、下側部材K510から伝達筒状部K434へ向けて下向きに与えられる荷重が低減されることによっても、伝達筒状部K434と下側部材K510との間で生じる動作抵抗を低減することができる。
図1824では、図1823に図示される状態から、回転部材K430が更に反時計回りに回転され、下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の大径溝K436aに受け入れられている状態が図示される。
図1824では、上側回転部材K476が、図1823に図示される退避状態から、進入状態へ変化している。この際、上側部材K530の湾曲受部K537が上側回転部材K476の回転先端部K476bよりも上側に配置されており、湾曲受部K537と回転先端部K476bとの間に隙間が生じている。これにより、上側回転部材K476の動作抵抗を低減することができる。
ここで、退避状態の上側回転部材K476を進入状態に変化させるためには、自重に抵抗して連動部材K473を上方へ変位させる必要があるので、進入状態の上側回転部材K476を退避状態に変化させる場合よりも大きな力が必要となる。
これに対し、本実施形態では、退避状態の上側回転部材K476を進入状態に変化させる場合において湾曲受部K537と回転先端部K476bとの間に隙間を生じさせることで、上側回転部材K476の動作抵抗を低減させ、状態の変化に必要な力が過大となることを回避している。
図1824に図示される状態から回転部材K430が更に反時計回りに回転されると、図1819に図示される状態に戻る。このように、回転部材K430が反時計回りに回転され続ける場合、昇降装置K500の上下移動は循環可能とされる。即ち、回転部材K430の第1の動作態様は、昇降装置K500の上下移動を循環させることができる動作態様である。
図1825及び図1826は、第1可動装置K401の部分拡大正面図である。図1825及び図1826では、図1819に図示される状態から回転部材K430が時計回りに回転されることに基づいて昇降装置K500の右側部が下降する第2の動作態様の一部が時系列で図示される。
第2の動作態様は、演出待機状態(図1819参照)から図1825、図1826の順に変化した後で、回転部材K430を反時計回りに回転駆動させ演出待機状態に復帰するまでの動作態様である。
なお、図1825及び図1826では、可動部の理解を容易とするために、支持部材K410の本体部K411の右下端部および右上部、下側部材K510の本体部K511の前側面部、変速ギアK520の中間円板K521及び第2ギアK523、及び、上側部材K530の本体部K531の前側面部が、部分的に破られて図示される。
また、図1825及び図1826では、ストッパ部材K462の突設受部K462dが連結部材K445の移動軌跡に侵入するように、駆動ソレノイドKSOL41(図1818(a)参照)が非励磁の状態が図示される。
図1825では、図1819に図示される状態から回転部材K430が正面視時計回りに回転する方向に駆動ギアKG42が駆動される。下側回転部材K471の切替突部K472が回転部材K430の小径溝K436bに受け入れられることに基づいて、上側回転部材K476が退避状態に変化されているが、回転部材K430の伝達筒状部K434に下側部材K510が下支えされることにより、昇降装置K500は落下しない。
即ち、下側部材K510は、自重により回転部材K430の伝達筒状部K434に押し付けられる状態を維持しており、回転部材K430の回転に伴って、平面部K512と伝達筒状部K434との当接が維持されるように上下移動する。
図1826では、図1825に図示される状態から回転部材K430が正面視時計回りに回転され、連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに受け止められ下降が停止される状態が図示される。
これにより、連結部材K445が締結固定される上側部材K530の下降も停止され、それに伴い下側部材K510の下降も停止されるので、図1826に図示される状態から回転部材K430が更に正面視時計回りに回転された場合には、回転部材K430の伝達筒状部K434は下側部材K510の平面部K512から離れる。
図1826に図示される状態から演出待機状態への復帰の際には、回転部材K430を反対方向(図1826において反時計回り方向)に回転させ、伝達筒状部K434で下側部材K510を押し上げる。
この場合において、回転部材K430の回転が図1826に図示される状態から開始されるか、図1826に図示される状態よりも回転部材K430が正面視時計回りに若干回転された状態から開始されるかに関わらず、昇降装置K500から伝達筒状部K434にかけられる荷重は、図1826に図示される状態から生じる。
図1826に図示される状態は、伝達筒状部K434が回転部材K430の回転軸としての支持部K412の真右に配置され、伝達筒状部K434の移動方向(伝達筒状部K434の移動軌跡に引かれた接線の方向)が上下方向を向く状態であるので、下側部材K510に対して上向きの荷重を効率的に付与することができる。これにより、図1826に図示される状態からの演出待機状態への復帰動作を迅速に行わせることができる。
なお、図1826に図示される状態から回転部材K430が更に正面視時計回りに回転される場合、回転部材K430の伝達筒状部K434は下側部材K510の上面に当接し、下側部材K510に対して下側へ向く荷重を伝達させ得る。即ち、下側部材K510を上昇させる方向の荷重を生じさせることができないので、回転部材K430を正面視時計回りに回転させ続ける駆動制御では、昇降装置K500の動作は循環しない。
図1827及び図1828は、第1可動装置K401の部分拡大背面図である。図1827では、演出待機状態(図1801参照)における第1可動装置K401が図示され、図1828では、片側落下状態(図1806参照)における第1可動装置K401が図示される。
図1827に図示される第1可動装置K401の演出待機状態では、左右両側の上側部材K530が上側回転部材K476により支持される(図1820参照)。一方、図1828に図示される第1可動装置K401の片側落下状態では、左側の上側部材K530は上側回転部材K476により支持される一方で、右側の上側部材K530は、締結固定される連結部材K445がストッパ部材K462の突設受部K462dに支持されることにより(図1826参照)、長尺装置K540が傾けられる。
図1828に図示される状態では、図1827に図示される状態から左右の回転軸部K534間の距離が延びており、この延びた寸法の分だけ、スライドラックK545が長尺装置K540の長手方向に変位する。
一対のスライドラックK545は、互いに共通の中央ギアK543に歯合されており、長尺装置K540の長手方向に沿って相反する方向に変位することになるので、長尺装置K540の長手方向に沿う変位量は互いに共通である。
即ち、演出待機状態からの右側のスライドラックK545の移動量KSDaと、演出待機状態からの左側のスライドラックK545の移動量KSDbとは同じである(KSDa=KSDb)。
これにより、図1827に図示される状態から、図1828に図示される状態への変化における中央ギアK543の左右方向の位置ずれを抑制することができるので、その中央ギアK543を支持する本体部K541の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
ここで、第1可動装置K401が演出待機状態から落下位置状態へ変化される場合、左右の回転部材K430(図1811参照)が第1の動作態様で回転駆動され、左右の上側回転部材K476(図1821参照)が演出待機状態における進入状態から同時に退避状態に変化されることにより、左右の上側部材K530(図1822参照)が同時に落下することが好ましい。更に、上昇動作時には、左右の回転部材K430が同じ回転角度で回転動作されることで、左右の高さのずれが無い状態で昇降装置K500を上昇させることができる。
しかし、左右の回転部材K430(図1811参照)の動作抵抗を全く同じにすることは困難であるし、それぞれ対応する駆動モータKMT41a,KMT41b(図1811参照)により駆動されるところ、駆動モータKMT41a,KMT41bの品質により、同じ電圧を供給した場合であっても若干回転速度のずれが生じ得る。そのため、昇降装置K500の上下動作にあたり、昇降装置K500の左右側の高さ位置にずれが生じる可能性がある。
更に、本実施形態では、回転部材K430の回転による伝達筒状部K434の上下位置変化が、下側部材K510から上側部材K530へ伝達される際に2.5倍に増大させられる(図1819から図1824参照)。そのため、回転部材K430の位相のずれが小さくても、そのずれは2.5倍になって上側部材K530に支持される長尺装置K540の左右側の高さ位置のずれとして現れる。
このように、本実施形態では、昇降装置K500の左右側の高さ位置のずれが生じ得る。昇降装置K500の左右側の高さ位置のずれが生じる場合、昇降装置K500の上下移動中に長尺装置K540の姿勢が前後方向を向く直線を軸にして傾くことになり、見栄え悪くなり易い。
これに対し、本実施形態では、上述したように左右のスライドラックK545の移動量KSDa,KSDbが同じになるように構成されているので、長尺装置K540の姿勢が傾いた場合であっても、長尺装置K540の左右中心位置の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
これにより、演出待機状態において長尺装置K540の左右中央位置に配置される移動装置K560の、昇降装置K500の上下移動中における左右方向の位置ずれを抑制することができる。
スライドラックK545は、回転軸部K534側における基端側の構造が共通とされる一方、中央ギアK543と歯合されるラックK549の配置は上下で異なるように構成されている。
本実施形態では、図1828に図示される片側落下状態が頻繁に生じるように制御される一方、その逆側(左側が下端となるように傾斜する姿勢)となるように制御されることは極めて少ない(無い)。
そのため、本実施形態では、片側落下状態における中央ギアK543とラックK549との歯合状態を適正化し易いようにスライドラックK545を形成している。即ち、片側落下状態において、中央ギアK543に覆いかぶさる側(回転軸部K534が上側となる側)のラックK549が中央ギアK543の上側に配置されるように形成している。
更に、回転軸部K534をラックK549の下端に配置することにより、中央ギアK543に覆いかぶさる側のラックK549の中央ギアK543側への張出量を長くしている。これにより、中央ギアK543に覆いかぶさる側のラックK549の自重により、そのラックK549と中央ギアK543との歯合態様を適正化し易くすることができる。
図1828に図示されるように、第1可動装置K401の片側落下状態は、演出待機状態から、左側の上側部材K530の回転軸部K534を基端側として傾倒することで変化される状態であって、その傾倒動作の基端側に駆動モータKMT51が配設される。
即ち、重量物としての駆動モータKMT51の配置を基端側とすることで、重心を基端側に寄せることができ、演出待機状態から片側落下状態への変化の際に上下移動する傾倒動作の先端側(右側)の重量を軽くすることができる。これにより、片側落下状態において連結部材K445からストッパ部材K462の突設受部K462dが受ける荷重(図1826参照)を低減することができる。
図1829を参照して、移動装置K560の駆動制御の一例について説明する。図1829(a)、図1829(b)、図1829(c)及び図1829(d)は、第1可動装置K401の部分正面図である。
図1829(a)、図1829(b)、図1829(c)及び図1829(d)では、第1可動装置K401の落下位置状態(図1802参照)の上下位置に長尺装置K540が配置された状態における移動装置K560の移動が時系列で図示されており、移動装置K560の左右位置については、図1829(a)に図示される配置が図1802の配置と同じであり、図1829(d)に図示される配置が図1804の配置と同じである。
まず、図1829に図示される駆動制御が実行される場合には、第1可動装置K401の長尺装置K540が演出待機状態(図1801参照)における上下位置から落下位置状態(図1802参照)における上下位置まで下降(落下)移動される。この移動の開始から落下位置状態に到達した後も継続して、移動装置K560の回転装飾部材K578は、駆動モータKMT61(図1816参照)が正方向(正面視時計回り方向)に回転される際の駆動力により正面視時計回り方向に継続的に回転される。
図1829(a)で図示されるように移動装置K560が左右中央位置KC41に配置される状態で継続される回転中に、伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63a(図1816参照)の検出センサK565(図1817参照)の検出溝への配置間隔から、音声ランプ制御装置H113(図1785参照)は、回転装飾部材K578の実際の回転速度KVR1を検出する。
その回転速度KVR1が、予め規定される設計値に収まっていれば、音声ランプ制御装置H113(図1785参照)による制御により、検出センサK565の検出間隔の中間のタイミング(図1829(b)参照)で、駆動モータKMT51(図1814参照)が正方向(移動装置K560を右方へ移動させる方向、矢印Lの方向視時計回り方向)に回転駆動され、移動装置K560が速度KVS1で移動される。
図1829(b)からの駆動モータKMT51の駆動開始後、検出センサK565からの出力により検出センサK565の検出溝に伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63aが配置されたと判定されたことに基づいて、音声ランプ制御装置H113(図1785参照)は、駆動モータKMT61(図1816参照)及び駆動モータKMT51(図1814参照)の駆動を停止するように制御される。
即ち、回転装飾部材K578の姿勢が検出センサK565の検出溝に切り欠き部KMG63aが配置される際の適切な姿勢(上下左右の方向が合っている姿勢)で停止するタイミングと、移動装置K560の左右方向への移動が停止されるタイミングとを合致させることができる。
図1829(c)に図示される右側途中位置KR42に配置される状態から、駆動モータKMT61(図1816参照)が逆方向へ回転駆動されると同時に、駆動モータKMT51(図1814参照)が逆方向に回転駆動されることで、移動装置K560が図1829(d)に図示される左側途中位置KL43まで移動される。
この時、駆動モータKMT61の回転速度KVR2は、回転速度KVR1よりも遅く設定され、駆動モータKMT51の回転速度は同じとされることで移動装置K560の左右方向の移動速度は速度KVS1に維持される。
図1829(c)から駆動モータKMT61(図1816参照)が回転駆動された後、最初に伝達ギアKMG63の切り欠き部KMG63aが検出センサK565の検出溝に配置されたことに基づいて、音声ランプ制御装置H113(図1785参照)は、駆動モータKMT61(図1816参照)及び駆動モータKMT51(図1814参照)の駆動を停止するように制御される。
ここで、図1829(b)から図1829(c)までは回転装飾部材K578が半回転しており、図1829(c)から図1829(d)までは回転装飾部材K578が一回転している。そのため、速度関係が同じであれば、図1829(c)に図示される右側途中位置KR42と、図1829(d)に図示される左側途中位置KL43とは、左右中央位置KC41を境に左右対称な位置となる。
これに対し、本実施形態では、回転速度KVR1よりも回転速度KVR2の方が遅く設定されているので(KVR1>KVR2)、左右中央位置KC41から右側途中位置KR42までの距離よりも、左右中央位置KC41から左側途中位置KL43までの距離の方が長くなる。このように、移動装置K560の停止位置を左右非対称に設定することができる。
本実施形態では、移動装置K560が左側途中位置KL43に配置された状態が、被検出部K571aが中央検出センサK556bの検出溝の外方に出始める配置に対応する(中央検出センサK556bの出力が切り替わる配置となる)。
この場合、被検出部K571a(図1816参照)は、移動装置K560の左右中心から左右方向に対称に延設されていることから、被検出部K571aが中央検出センサK556b(図1815参照)の検出溝の外方に出るか否かは、左右いずれかに関わらず左右中央位置KC41からの移動装置K560の移動量に因ることになる。
即ち、図1829(a)、図1829(b)及び図1829(c)に図示される状態では、依然として被検出部K571a(図1816参照)は中央検出センサK556b(図1815参照)の検出溝に配置されており、図1829(d)に図示される状態で初めて、被検出部K571aが中央検出センサK556bの検出溝の外方に出る(この条件を満たす左右長さで被検出部K571aが設計される)。
図1829(d)に図示される状態は、上述のように図1804に図示される状態に対応しているので、中央検出センサK556b(図1815参照)の検出溝から被検出部K571aが出ていること、及び中央検出センサK556bの検出溝から被検出部K571aが出る際に駆動モータKMT51(図1814参照)が逆方向に駆動されていたと音声ランプ制御装置H113(図1785参照)で判定されたことに基づいて第2可動装置K701(図1804参照)が駆動されることで、移動装置K560と第2可動装置K701が動作中に接触することを回避することができる。
本実施形態では、上述の回転速度KVR1,KVR2及び速度KVS1が、図1829に時系列で図示される一連の動作直後に被検出部K571a(図1816参照)が中央検出センサK556b(図1815参照)の外方に配置されることを実現可能な関係の速度で設計される。
以上、詳述したように、第1可動装置K401では、回転部材K430の回転に伴う伝達筒状部K434の変位が増大されて、昇降装置K500の変位が生じる。これにより、回転部材K430の回転角度が小さい場合であっても、昇降装置K500の変位量を大きく確保することができる。
また、第1可動装置K401では、演出待機状態からの回転部材K430の回転方向により、2種類の変位態様で昇降装置K500を変位させることができるように構成される。この時、昇降装置K500の変位量を変化させるものとしての切替装置K460が同期して制御されることにより、昇降装置K500の変位速度だけでなく、変位範囲を変化させることができるので、演出のバリエーションを増加させることができる。
また、第1可動装置K401では、昇降装置K500の左右側の上下方向のスライド量にずれが生じても、スライドラックK545の移動量KSDa,KSDbが同じになるように構成されることで移動装置K560の左右方向変位を抑制するよう構成される。これにより、昇降装置K500の上下方向変位時の移動装置K560の左右位置のずれを抑えることができ、演出効果を向上させることができる。
また、第1可動装置K401では、移動装置K560の左右方向のスライド移動の速度や停止タイミングが、回転装飾部材K578の回転の速度や停止タイミングの検出を元に決められる。これにより、異なる駆動源で駆動される動作部材の動作を統一させることができ、演出に一体感を持たせることができる。
移動装置K560の左右方向のスライド移動には、ボールネジに利用される構造を流用しているので、移動装置K560の移動速度や、停止位置の制御を正確に行うことができる。これにより、演出の再現性を向上させることができる。
また、第1可動装置K401では、移動装置K560のスライド移動の方向と、回転装飾部材K578の回転動作の方向とが対応するように動作制御される。これにより、複数の可動部材の動作に一体感を持たせることができ、演出効果を向上させることができる。
図1808及び図1809に戻って説明する。図1808及び図1809に図示されるように、前層側可動装置K400には、第1可動装置K401の下側の左右中心位置において一対の支持部材K410を連結するように第2可動装置K701が配設される。以下で、第2可動装置K701の詳細について説明する。
図1830は、第2可動装置K701の分解正面斜視図であり、図1831は、第2可動装置K701の分解背面斜視図である。第2可動装置K701は、骨格を構成する部材であって一対の支持部材K410(図1808参照)に連結固定されるベース部材K710と、そのベース部材K710に対して上下方向にスライド移動可能に支持される上下スライド部材K720と、ベース部材K710に配設され上下スライド部材K720を駆動させる駆動力を発生させる駆動モータKMT71と、その駆動モータKMT71の駆動力を上下スライド部材K720に伝達する伝達装置K730と、上下スライド部材K720の正面側に配置され上下スライド部材K720に追従する移動が可能に構成される追従可能部材K740と、その追従可能部材K740及び上下スライド部材K720の両方に支持されており、追従可能部材K740及び上下スライド部材K720の移動に連動する一対の連動部材K750と、追従可能部材K740及び連動部材K750を挟むようにして正面側から上下スライド部材K720に締結固定される主装飾部材K760と、を備える。
ベース部材K710は、正面視矩形状の本体部K711と、その本体部K711の正面側に互いに平行に突設される複数の円筒状の支持部K712と、上下方向に延びる姿勢で本体部K711の正面視左側に配設固定される金属棒K713と、金属棒K713の延設方向と平行な上下方向に延びる長孔K714と、ベース部材K710の背面側において長孔K714の後方と長孔K714の上端部から左方に延びる範囲の後方とで略L字に形成される支持領域K715と、ベース部材K710に配設され伝達装置K730が演出待機状態にあることを検出可能とされる検出センサK716と、ベース部材K710の背面側に固定部材K717により固定される中継基板K718と、を備える。
本体部K711には、下端部において正面側から横長のカバー部材K711aが締結固定される。カバー部材K711aは、金属棒K713を前側から本体部K711に押さえる部材であって、金属棒K713の下方への脱落を防止する下側防止片K711bと、駆動モータKMT71の駆動軸から駆動ギアKMG72が脱落することを防止する前側防止片K711cと、を備える。
また、本体部K711には、長孔K714の中間部右側位置において正面側へ張り出す張出部K711dが形成され、その張出部K711dの内側に検出溝が前側に配置される検出センサK711eが配設される。また、金属棒K713の左側において正面側へ張り出す張出部K711fが形成される。検出センサK711eの出力の切替により、上下スライド部材K720が第2可動装置K701の下降配置状態にあるか否かを判別可能に構成されるが、詳細は後述する。
支持部K712の内、第1支持部712aは、駆動モータKMT71の駆動軸に固定される駆動ギアKMG72に歯合される伝達ギアKMG73を回転可能に支持する。なお、他の支持部712b~712dについては後述する。
支持領域K715の左上終端部においてコイルスプリングKSP74の一端が支持され、そのコイルスプリングKSP74は、支持領域K715の交差位置の内側に円筒状に突設される支持部K715aに回転可能に支持されるリング状のセットカラーKRG75の外形円弧に沿って曲げられる。
コイルスプリングKSP74の他端は、長孔K714を貫通する上下スライド部材K720の締結部K723に締結固定されることで締結部K723と共に上下方向にスライド移動可能な被案内部材KLG76に引っかけられる。即ち、コイルスプリングKSP74が、被案内部材KLG76を介して上下スライド部材720を上方向に向けて付勢するように構成される。
検出センサK716は、演出待機状態において伝達装置K730の駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出溝に入ることに基づいて、第2可動装置K701が演出待機状態であることを検出可能に構成される。
中継基板K718は、支持領域K715の後側開放部を部分的に塞ぐように形成される。即ち、中継基板K718が支持領域K715の後側開放部を塞ぐことにより、コイルスプリングKSP74が後側に脱落することを回避し易くすることができる。
上下スライド部材K720は、板状の本体部K721と、その本体部K721の左下部において金属棒K713が挿通可能となるように上下方向に貫通される矩形の筒状に形成される被挿通部K722と、ベース部材K710の長孔K714に挿通され被案内部材KLG76が締結固定される上下一対の締結部K723と、互いに平行に左右方向に延びて連動部材K750の移動を案内する複数の長孔K724と、伝達装置K730の伝達終端部材K737を支持するために本体部K721の背面側へ円筒状に突設される複数の支持部K725と、位置検出に用いられ本体部K721の右上部から後方に延設される被検出片K726と、小形コイルスプリングKSP77の上端を吊り下げ可能な爪部を有するバネ支持部K727と、を備える。
被挿通部K722が金属棒K713に案内されることにより、上下スライド部材K720は、金属棒K713の延設方向である上下方向に案内される。同様に、締結部K723がベース部材K710の長孔K714に案内されることによっても、上下スライド部材K720は上下方向に案内される。従って、上下スライド部材K720の移動方向は上下方向に制限される。
伝達装置K730は、支持部K712の第2支持部K712bに回転可能に支持され前層ギア部K731aが伝達ギアKMG73に歯合される駆動側二層ギアK731と、支持部K712の第3支持部K712cに回転可能に支持され駆動側二層ギアK731の後層伝達部K731bと係合する伝達側二層ギアK733と、支持部K712の第4支持部K712dに回転可能に支持され伝達側二層ギアK733の前層ギア部K733aと基端側ギア部K735aが歯合されることで伝達側二層ギアK733の回転と連動して回転動作するアーム部材K735と、そのアーム部材K735の回転先端部K735bに下側先端部K737cが連結される伝達終端部材K737と、を備える。
駆動側二層ギアK731の後層伝達部K731bは、全周にギア歯が形成されるものではなく、一部にギア歯が形成されずに外形が回転軸を中心とする円弧状に形成される円弧状部K732を備え、その円弧状部K732の最外径部は回転軸と平行な方向である後方へ向けて延設されており、この円弧状部K732の延設先端が検出センサK716の検出溝に進入可能に構成される。
伝達側二層ギアK733の後層伝達部K733bは、全周にギア歯が形成されるものではなく、一部にギア歯が形成されずに、回転軸側へ張り出す円弧状(凹形状)に形成される円弧状部K734を備え、この円弧状部K734と駆動側二層ギアK731の円弧状部K732とが面で当接可能に構成されるが、詳細は後述する。
伝達終端部材K737は、板状に形成されており、支持部K725の内の上下スライド部材K720の上端部に形成される第1支持部K725aに回転可能に支持される基端側支持孔K737aと、その基端側支持孔K737aを中心とする円弧状に形成され支持部K725の内の第2支持部K725bが挿通される案内孔K737bと、アーム部材K735の回転先端部K735bに対して相対回転可能に連結される下側先端部K737cと、を備える。
追従可能部材K740は、板状に形成される本体部K741と、その本体部K741に上下方向に長い長孔上に穿設される複数(本実施形態では、左右中央と左右両端との3箇所)の上下長孔K742と、上下スライド部材K720の長孔K724と対応する位置において長孔K724の左右長さと同等の左右長さで形成され、本体部K741の左右中心側へ向けて下降傾斜する逆ハの字形状に形成される複数(本実施形態では、左右に上下一対ずつ)の傾斜長孔K743と、本体部K741の左端側下部から後方に延設される左側受部K744と、本体部K741の右端側下部から後方に延設される右側受部K745と、小形コイルスプリングKSP77の下端に吊り下げられる爪部を有するバネ支持部K746と、を備える。
追従可能部材K740は、小形コイルスプリングKSP77の付勢力により上下スライド部材K720の動作に追従するように構成されている一方で、常に追従するのでは無く、上下スライド部材K720の上昇の途中で、左側受部K744が張出部K711fに、右側受部K745が張出部K711dにせき止められることで、追従可能部材K740が置き去りにされる態様での上下スライド部材K720の移動を構成可能とされるが、詳細は後述する。
連動部材K750は、板状に形成される左右一対の本体部K751と、その本体部K751の背面側に上下一対で円筒状に突設される締結突設部K752と、を備える。
締結突設部K752は、正面側から、追従可能部材K740の傾斜長孔K743、上下スライド部材K720の長孔K724の順で挿通され、先端に形成される雌ネジに螺入されるネジのネジ頭により脱落が防止される。
主装飾部材K760は、内部に電飾基板K761aが配設され、その電飾基板K761aからの光が照射される前側面が光透過性の板状部材から形成される本体部K761と、その本体部K761の背面から突設される複数の締結部K762と、を備える。
締結部K762は、正面側から追従可能部材K740の上下長孔K742に挿通された状態で、上下スライド部材K720の本体部K721に締結固定される。即ち、主装飾部材K760の上下配置は上下スライド部材K720の上下配置と同一とされ、上下スライド部材K720と追従可能部材K740との上下方向の相対移動量は、追従可能部材K740の上下長孔K742の寸法に制限される。
図1832(a)、図1832(b)、図1833(a)及び図1833(b)は、第2可動装置K701の正面図である。なお、図1832(a)、図1832(b)、図1833(a)及び図1833(b)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ変化する様子が時系列で図示されており、第2可動装置K701の構成の内、上下スライド部材K720が想像線で図示され、その上下スライド部材K720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図1830参照)の図示が省略される。
図1832(a)に図示されるように、第2可動装置K701の演出待機状態では、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732に対して、伝達側二層ギアK733の円弧状部K734が面で当接されている。
この状態において、円弧状部K732は、円弧状部K734の最大径位置(円周方向の両端部)よりも伝達側二層ギアK733の回転軸に近い位置まで張り出していることにより、伝達側二層ギアK733の回転を規制することができる。これにより、伝達側二層ギアK733よりも駆動力の伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737を停止した状態で安定させることができる。
図1832(a)に図示される第2可動装置K701の演出待機状態において、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が、検出センサK716の検出溝に入っている。本実施形態では、円弧状部K732の円弧方向の形成長さは検出溝を形成する検出センサK716の厚みよりも長い。そのため、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態を検出しても駆動側二層ギアK731の位相を正確に判定することはできない。
一方、本実施形態では、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態においては伝達側二層ギアK733が回転することは無い(図1832(a)に図示される状態を維持する)ように構成されている(歯合回転が開始されないようにギア歯の形成位置が設計されている)ので、その伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側にあるアーム部材K735や伝達終端部材K737が演出待機状態における配置にあるか否かの判定は、検出センサK716に円弧状部K732が入っている状態を検出することで行うことができる。
このように、検出センサK716に検出される状態における円弧状部K732の配置には許容幅を持たせつつも、検出センサK716に円弧状部K732が検出されてさえいれば、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が第2可動装置K701の演出待機状態おける配置に維持されていると音声ランプ制御装置H113(図1785参照)に判定させることができるので、第2可動装置K701に演出待機状態を形成させる駆動側二層ギアK731の位相にある程度の幅を持たせることができる。
換言すれば、図1832(a)に図示される状態から、駆動側二層ギアK731が正逆方向にある程度(本実施形態では45度未満の角度)回転し、位相がずれたとしても、伝達側二層ギアK733に回転は生じず、そのままの状態が維持されるよう構成されている。
その前提に対応して、円弧状部K732は、駆動側二層ギアK731の回転軸を中心とする角度が90度となるように形成されているので、検出センサK716が円弧状部K732の円弧方向中央位置に配置される状態から、正逆方向に45度未満の角度で回転したとしても、円弧状部K732が検出センサK716の検出溝に入っている状態が維持される。
従って、第2可動装置K701のアーム部材K735及び伝達終端部材K737を、演出待機状態における配置にするための駆動側二層ギアK731の位相に約90度分の許容幅を持たせることができる。そのため、駆動側二層ギアK731の停止時の位相が正確には定まりにくいほどの過大な速度での駆動から、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を瞬間的に停止させるような一般的には困難とされる動作態様を容易に実現することができる。
即ち、駆動側二層ギアK731については約90度分の許容幅で停止させれば良く、その許容幅における駆動側二層ギアK731の回転開始時から回転継続中に亘ってアーム部材K735及び伝達終端部材K737が第2可動装置K701の演出待機状態に維持されることから、駆動側二層ギアK731が停止するよりも前にアーム部材K735及び伝達終端部材K737を第2可動装置K701の演出待機状態における配置で停止させることができる。
図1832(b)では、図1832(a)に図示される状態から駆動側二層ギアK731が正面視反時計回りに45度を超える角度で回転されることに伴い、伝達側二層ギアK733が回転し始めた状態が図示される。
図1832(b)に図示される状態は、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出センサK716の検出溝から出た瞬間に相当する。図1832(b)に図示される状態からはギア歯の歯合回転により駆動側二層ギアK731から伝達側二層ギアK733に駆動力が伝達されることになるので、検出センサK716の検出溝から円弧状部K732が出た時点から駆動ギアKMG72の回転角度を適切に制御することで、伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737の配置を制御することができる。
即ち、第2可動装置K701のアーム部材K735は、演出待機状態から、アーム部材K735が上側へ90度回転した上昇配置状態まで回転動作可能とされることから、その回転動作に必要となる駆動ギアKMG72の回転角度をギア比の関係から予め算出しておき、その回転角度で駆動ギアKMG72を回転させることにより、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を上昇配置状態の位置に配置することができる。従って、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が上昇配置状態の位置に配置されたことを検出するための検出装置を不要とすることができる。
図1833(a)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ向けて動作する際の略中間の状態が図示されており、この状態において追従可能部材K740の右側受部K745(図1831参照)がベース部材K710の張出部K711d(図1830参照)の下面に当接し、追従可能部材K740のそれ以上の上昇が防止される。なお、追従可能部材K740のそれ以上の上昇が防止されることによる演出効果については後述する。
図1833(b)では、第2可動装置K701の上昇配置状態が図示される。第2可動装置K701の上昇配置状態では、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78上に配置される。
これにより、第2可動装置K701の上昇配置状態において上下スライド部材K720や上下スライド部材K720に配設される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760の重力方向(下向き)の変位を抑制することができる。
換言すれば、上下スライド部材K720の第1支持部K725aを介して伝達終端部材K737に伝達される重力方向(下向き)の負荷は、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)上およびアーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)上へ向かうことから、この負荷により伝達終端部材K737及びアーム部材K735が回転動作する事態を避け易くすることができる。
これにより、駆動側二層ギアK731や伝達側二層ギアK733の回転を停止させるための荷重を要することなく第2可動装置K701を上昇配置状態で維持することができるので、第2可動装置K701を上昇配置状態で維持しながら駆動モータKMT71(図1830参照)を非励磁とすることができるので、駆動モータKMT71の耐用年数を長くすることができる。
図1834(a)及び図1834(b)は、第2可動装置K701の正面図である。なお、図1834(a)及び図1834(b)では、第2可動装置K701が演出待機状態(図1832(a)参照)から動作開始してから下降配置状態へ変化する様子が時系列で図示されており、第2可動装置K701の構成の内、上下スライド部材K720が想像線で図示され、その上下スライド部材K720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図1830参照)の図示が省略される。
図1834(a)では、図1832(a)に図示される状態から駆動側二層ギアK731が正面視時計回りに45度を超える角度で回転されることに伴い、伝達側二層ギアK733が回転し始めた状態が図示される。
図1834(a)に図示される状態は、駆動側二層ギアK731の円弧状部K732が検出センサK716の検出溝から出た瞬間に相当する。図1834(a)に図示される状態からはギア歯の歯合回転により駆動側二層ギアK731から伝達側二層ギアK733に駆動力が伝達されることになるので、検出センサK716の検出溝から円弧状部K732が出た時点から駆動ギアKMG72の回転角度を適切に制御することで、伝達側二層ギアK733よりも駆動力伝達方向下流側に配設されるアーム部材K735及び伝達終端部材K737の配置を制御することができる。
即ち、第2可動装置K701のアーム部材K735は、演出待機状態から、アーム部材K735が下側へ90度回転した下降配置状態まで回転動作可能とされることから、その回転動作に必要となる駆動ギアKMG72の回転角度をギア比の関係から予め算出しておき、その回転角度で駆動ギアKMG72を回転させることにより、アーム部材K735及び伝達終端部材K737を下降配置状態の位置に配置することができる。従って、アーム部材K735及び伝達終端部材K737が下降配置状態の位置に配置されたことを検出するための検出装置を不要とすることができる。
なお、本実施形態では、第2可動装置K701が下降配置状態に変化したことが、上下スライド部材K720の被検出片K726がベース部材K710の検出センサK711eの検出溝に入ることにより判定されるように構成される。検出センサK711eによる検出は、他の可動装置との連動を伴う動作制御で利用されることになるが、詳細は後述する。
図1834(b)では、第2可動装置K701の下降配置状態が図示される。第2可動装置K701の下降配置状態では、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78上に配置される。
これにより、第2可動装置K701の上昇配置状態において上下スライド部材K720や上下スライド部材K720に配設される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760の上向きの変位を抑制することができる。
換言すれば、上下スライド部材K720の第1支持部K725aを介して伝達終端部材K737に伝達されるコイルスプリングKSP74による上向きの付勢力は、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)からベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)へ向かう方向とされることから、この付勢力により伝達終端部材K737及びアーム部材K735が回転動作する事態を避け易くすることができる。
これにより、駆動側二層ギアK731や伝達側二層ギアK733の回転を停止させるための荷重を要することなく第2可動装置K701を下降配置状態で維持することができるので、第2可動装置K701を下降配置状態で維持しながら駆動モータKMT71(図1830参照)を非励磁とすることができるので、駆動モータKMT71の耐用年数を長くすることができる。
この場合、駆動モータKMT71の駆動力で下降配置状態に変化させた後においてはコイルスプリングKSP74の付勢力の大小に関わらず下降配置状態で維持することができるので、コイルスプリングKSP74の付勢力の設計の幅を広げることができ、コイルスプリングKSP74の付勢力を十分に大きく設定しておくことで、十分な補助が得られ、下降配置状態からの駆動開始に必要となる駆動力を低減することができる。
図1835(a)、図1835(b)及び図1835(c)は、上下スライド部材K720、追従可能部材K740及び連動部材K750の模式正面図である。図1835(a)から図1835(c)では、第2可動装置K701が演出待機状態から上昇配置状態へ変化するまでの上下スライド部材K720、追従可能部材K740及び連動部材K750の配置の変化が時系列で模式的に図示される。
図1835(a)に図示されるように、第2可動装置K701の演出待機状態においては、上下スライド部材K720に対して追従可能部材K740が小形コイルスプリングKSP77の付勢力により引き付けられており、上下スライド部材K720の上下方向動作に対して追従可能部材K740も一体的に動作する。
連動部材K750の配置は上下スライド部材K720と追従可能部材K740との配置関係により決まるように構成されるため、上下スライド部材K720の上下方向動作に対して追従可能部材K740が一体的に動作する状況においては、連動部材K750も上下スライド部材K720と一体的に動作する。なお、連動部材K750の動作原理についての詳細は後述する。
図1835(b)では、追従可能部材K740の右側受部K745がベース部材K710の張出部K711dの下面に当接した状態が図示される(図1833(a)参照)。図1835(b)における配置が、追従可能部材K740の移動範囲の上端位置となっており、これ以上に上下スライド部材K720が上昇を続ける場合には、上下スライド部材K720及び追従可能部材K740の一体性は崩れ、相対移動することになる。
図1835(c)では、第2可動装置K701の上昇配置状態が図示される(図1833(b)参照)。図1835(c)に図示されるように、上昇配置状態では、演出待機状態に比較して追従可能部材K740に対して上下スライド部材K720が相対的に移動する。これにより、小形コイルスプリングKSP77は引き延ばされ、上下スライド部材K720の長孔K724と追従可能部材K740の傾斜長孔K743とが重なる左右位置が変化される。
上下スライド部材K720の長孔K724と追従可能部材K740の傾斜長孔K743とが重なる位置に連動部材K750の締結突設部K752が配置されることから、追従可能部材K740に対して上下スライド部材K720が相対的に移動することに伴って連動部材K750の左右位置が変化する。即ち、左右内側の配置から、左右外側へ配置されるように左右位置が変化している。
このように、第2可動装置K701の上昇動作と連動して、連動部材K750の左右方向の動作をさせるように構成されているので、単純に上昇動作するのみの可動役物に比較して、上昇動作時の注目力を向上させることができる。
図1835(c)に図示される状態から上下スライド部材K720が下降される場合、図1835(b)に図示される状態に到達するまでは小形コイルスプリングKSP77の付勢力により追従可能部材K740の配置が維持され、図1832(b)に図示される状態に到達してからは上下スライド部材K720及び追従可能部材K740が一体的に下降され、図1835(a)に図示される状態に戻ることになる。即ち、上下スライド部材K720の下降動作は、図1835(c)、図1835(b)、図1835(a)の順の時系列で生じる。
以上、詳述したように、第2可動装置K701では、アーム部材K735の動作範囲の途中位置において、ある程度の角度範囲でアーム部材K735が回転した場合であっても、主装飾部材K760の位置が安定するように構成される。これにより、途中位置に主装飾部材K760を高速移動させ、停止させることが容易となる。
また、第2可動装置K701では、アーム部材K735の動作範囲の終端位置では、荷重の方向をアーム部材K735の回転軸へ向く方向に設定することで、アーム部材K735を終端位置において安定させることができる。
図1800に戻って説明する。図1800に図示されるように、前層側可動装置K400よりも背面側において、背面ケースK310に後層側可動装置K800が配設される。以下で、後層側可動装置K800の詳細について説明する。なお、構造の説明を先に行うために、第3可動装置K801に形成される装飾についての図示は省略し、装飾の詳細については後述する。
図1836は、後層側可動装置K800の分解正面斜視図であり、図1837は、後層側可動装置K800の分解背面斜視図である。後層側可動装置K800は、第3図柄表示装置K81(図1802及び図1803参照)の正面側を開閉動作可能に構成される第3可動装置K801と、その第3可動装置K801を背面側から支持する支持部材K850と、その支持部材K850の上側支持部材K851に正面側から第3可動装置K801を挟むように配設され上側支持部材K851に締結固定される上前カバー部材K861と、上側支持部材K851に背面側から締結固定される上後カバー部材K864と、を備える。
更に、後層側可動装置K800は、左右一対で配置される駆動モータKMT81,KMT82と、その駆動モータKMT81,KMT82の駆動力を伝達するために上側支持部材K851に回転可能に支持されるギア部材群であって上側支持部材K851と上後カバー部材K864との間に配設される左右一対の伝達装置K870と、その伝達装置K870の動作に伴い左右方向にスライド移動する左右一対の基端側スライド部材K880と、を備える。
支持部材K850は、上述の上側支持部材K851と、伝達装置K870のギア群を回転可能に支持するように円筒状に突設される複数の支持部K852と、基端側スライド部材K880をスライド移動可能に支持するための左右方向に延設される複数の長孔K853と、正面側において左右方向に延びるようにギア歯が刻設される左右一対の上側延設ギア歯K854および下側延設ギア歯K855と、第3可動装置K801の金属棒KMB83,KMB84の左右端部を支持する端側支持部K856と、金属棒KMB83,KMB84の略中間位置を上側支持部材K851との間で挟持するように上側支持部材K851に締結固定される複数の中間支持部材K857と、上側支持部材K851の背面側に配設され基端側スライド部材K880が第3可動装置K801の演出待機状態における位置に配置されていることを検出する左右一対の検出センサK858と、第3可動装置K801の下端側を後側から支持する部材であって、背面ケースK310(図1800参照)に締結固定される下側支持部材K859と、を備える。
長孔K853は、右側においては二本、左側においては一本で形成されているが、基端側スライド部材K880を支持するという機能は共通である。即ち、右側の基端側スライド部材K880の形状が、長孔K853に挿通される複数の円柱状突部K882の上下位置が異なるため、対応する平行な二本の長孔K853が形成される一方、左側の基端側スライド部材K880の形状が、長孔K853に挿通される複数の円柱状突部K882の上下位置が同じため、左右に延びる長い一本の長孔K853に複数の円柱状突部K882が両方共支持される。
上前カバー部材K861は、背面側から突設される複数の円柱状部K862を備える。円柱状部K862は、左右に一対ずつ形成されており、それぞれが左右方向に延びる一本の直線上に形成される。
上後カバー部材K864は、左側の基端側スライド部材K880の左右方向の移動を案内するために左右方向に延設されるように穿設される案内長孔K865を備える。左側の基端側スライド部材K880は、案内長孔K865から背面側へ貫通される抜け止め突部K888に抜け止め用のネジが固定され、この抜け止め用のネジのネジ頭が案内長孔K865に干渉することにより抜け止めされる。
伝達装置K870は、駆動モータKMT81,KMT82の回転軸に固定される駆動ギアK871と、その駆動ギアK871の回転が伝達される中間ギアK872,K873と、中間ギアK873と歯合する円周ギア部K875を有する延設回転部材K874と、を備える。
延設回転部材K874は、上述の円周ギア部K875と、その円周ギア部K875よりも背面側において回転中心から径方向外側へ延設される延設部K876と、を備える。延設部K876には、その延設先端部において背面側へ円柱状に突設される円柱突部K876aが形成される。
伝達装置K870では、駆動モータKMT81,KMT82が回転駆動されると、駆動ギアK871から中間ギアK872,K873を介して延設回転部材K874へ駆動力が伝達され、延設部K876が回転動作されることに伴って、円柱突部K876aが変位され、その変位により基端側スライド部材K880が左右方向に変位される。
基端側スライド部材K880は、板状の本体部K881と、支持部材K850の長孔K853に案内される複数の円柱状突部K882と、左右中心側の円柱状突部K882の左右方向外側に配置され円柱状突部K882よりも正面側へ突設され第3可動装置K801のピニオンK825を回転可能に支持する回転支持部K883と、本体部K881に上下方向に延びる形状で前後方向に穿設される長孔K884と、左右方向外側端部から下方に延設され支持部材K850の検出センサK858の検出溝に進入可能に形成される被検出部K885と、を備える。
左側の基端側スライド部材K880には、背面側へ円柱状に突設され上後カバー部材K864の案内長孔K865に挿通された上で、先端部から抜け止め用のネジ部材が締結固定される抜け止め突部K888を備える。
図1838は、第3可動装置K801の分解正面斜視図であり、図1839は、第3可動装置K801の分解背面斜視図である。なお、図1838及び図1839の説明では、図1836及び図1837を適宜参照する。
第3可動装置K801は、支持部材K850の端側支持部K856に固定される左右方向に長尺の金属棒KMB83に左右方向にスライド移動可能に案内される後側開閉部材K810と、金属棒KMB83よりも正面側において支持部材K850の端側支持部K856に固定される左右方向に長尺の金属棒KMB84に左右方向にスライド移動可能に案内される中側開閉部材K820と、その中側開閉部材K820よりも正面側において上前カバー部材K861の円柱状部K862(図1837参照)に左右方向にスライド移動可能に支持される前側開閉部材K830と、を備える。
後側開閉部材K810は、上下に長尺の左右一対の板状部K811と、その板状部K811の上端部との間で金属棒KMB83を挟む位置に配置され板状部K811に締結固定され正面側に軸受構造が形成される軸受構造部材K813と、その軸受構造部材K813の上面にギア歯が刻設されるラック部K814に歯合され中側開閉部材K820の支持部K826に回転可能に支持されるピニオンK815と、支持部材K850の下側支持部材K859(図1836参照)に締結固定され下側支持部材K859との間で板状部K811の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する溝形成部材K818と、を備える。
中側開閉部材K820は、上下に長尺の左右一対の板状部K821と、その板状部K821の上端部との間で金属棒KMB84を挟む位置に配置され板状部K821に締結固定され板状部K821の上端部との間で軸受構造を形成する軸受構造部材K823と、板状部K821の背面側に突設される突設部の上面にギア歯が刻設されるラック部K824に歯合され基端側スライド部材K880の回転支持部K883に回転可能に支持されるピニオンK825と、を備える。
更に、中側開閉部材K820は、板状部K821の背面側に円筒状に突設され後側開閉部材K810のピニオンK815を回転可能に支持すると共に先端に螺入されるネジのネジ頭によりピニオンK815の抜け止めを行う支持部K826と、板状部K821の上端側における左右外側端部から正面側に突設され前側開閉部材K830と左右方向で当接可能とされる突設部K827と、後側開閉部材K810の溝形成部材K818の正面側に締結固定され溝形成部材K818との間で板状部K821の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する第2溝形成部材K828と、を備える。
前側開閉部材K830は、上下に長尺の左右一対の板状部K831と、その板状部K831の上端側で左右方向に延設される部分に左右方向長尺形状で前後方向に穿設され上前カバー部材K861の円柱状部K862(図1837参照)に挿通されることで支持される長孔K833と、その長孔K833よりも下側において中側開閉部材K820の突設部K827を受け入れ可能に板状部K831に凹設される凹設部K835と、中側開閉部材K820の第2溝形成部材K828の正面側に締結固定され第2溝形成部材K828との間で板状部K831の下端部を案内する左右方向に延びる溝部を形成する第3溝形成部材K838と、を備える。
上述の構成から第3可動装置K801に生じる駆動力伝達は以下のようになる。即ち、基端側スライド部材K880の左右方向の移動量がピニオンK825を介して中側開閉部材K820の板状部K821に伝達され、その板状部K821の移動量がピニオンK815を介して後側開閉部材K810の板状部K811に伝達される。板状部K821及び板状部K811の移動は、歯合により生じる。
また、中側開閉部材K820の板状部K821の移動量が、突設部K827が凹設部K835の左右内側面を押進することにより前側開閉部材K830の板状部K831に伝達される。板状部K831の移動は、中側開閉部材K820から押進されることにより生じる。
従って、板状部K821の移動に伴い板状部K811は常時連動することになる一方で、板状部K821が移動しても、突設部K827が凹設部K835の左右内側面を押進しない範囲においては、板状部K831は静止したままとなる。
図1840(a)、図1840(b)及び図1840(c)は、上後カバー部材K864、延設回転部材K874、基端側スライド部材K880及びピニオンK825の正面図である。図1840(a)、図1840(b)及び図1840(c)では、第3可動装置K801の演出待機状態からの延設回転部材K874の動作例が時系列で図示される。
まず、図1840(a)に図示されるように、第3可動装置K801の演出待機状態では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される位置で、延設回転部材K874が回転方向で上後カバー部材K864の上側構成部K866に当接され、それ以上の回転が防止される。
即ち、円柱突部K876aが延設回転部材K874の回転中心よりも左右外側へ向けて回転する回転動作では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される位置で停止され、それ以上の回転は生じないように構成される。
図1840(a)に図示される状態から円柱突部K876aが左右内側へ向けて回転すると、円柱突部K876aの左右位置が変化することに伴い、円柱突部K876aが挿通されている長孔K884を有する基端側スライド部材K880が連動して、支持部材K850の長孔K853(図1837参照)に案内される左右方向にスライド移動し、図1840(b)に図示される連動切替状態へ移行する。
図1840(b)に図示されるように、第3可動装置K801の連動切替状態では、延設回転部材K874の円柱突部K876aの変位方向が左右方向に沿うことにより、基端側スライド部材K880へ伝達される左右方向の力が最大となる。
図1840(b)に図示される状態から更に延設回転部材K874が回転されることにより、円柱突部K876aの左右位置が変化することに伴い、円柱突部K876aが挿通されている長孔K884を有する基端側スライド部材K880が連動して、支持部材K850の長孔K853(図1837参照)に案内される左右方向にスライド移動し、図1840(c)に図示される閉塞状態へ移行する。
図1840(c)に図示されるように、第3可動装置K801の閉塞状態では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置される位置で、延設回転部材K874が回転方向で上後カバー部材K864の傾斜形成部K867に当接され、それ以上の回転が防止される。
即ち、円柱突部K876aが延設回転部材K874の回転中心よりも左右内側へ向けて回転する回転動作では、円柱突部K876aの中心が、延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置される位置で停止され、それ以上の回転は生じないように構成される。
これにより、第3可動装置K801が閉塞状態へ移行した後において基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重において、延設回転部材K874の回転軸が受ける割合を減らすことができる。
即ち、第3可動装置K801の閉塞状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの中心が延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線上に配置される場合、基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重の全てが延設回転部材K874の回転軸に与えられることになるので、延設回転部材K874の耐久性が低下する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第3可動装置K801の閉塞状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの中心が延設回転部材K874の回転中心を通る左右方向に延びる直線よりも上側に配置されるので、基端側スライド部材K880を介して延設回転部材K874に左右方向外側向きに生じる荷重が、延設回転部材K874の回転軸が受ける成分と、傾斜形成部K867が受ける成分とに分解されるので、荷重の集中を避けることができ、延設回転部材K874の耐久性を向上させることができる。
なお、正面視左側における上側構成部K866及び正面視右側における傾斜形成部K867は、上側支持部材K851(図1837参照)から背面側に突設形成されており、正面視左側における傾斜形成部K867及び正面視右側における上側構成部K866は、上後カバー部材K864の上縁部として形成されている。
また、第3可動装置K801が閉塞状態において、円柱突部K876aの中心と延設回転部材K874の回転中心とを結ぶ直線が、左右方向に延びる直線に対する角度は5度とされる。
そのため、円柱突部K876aの中心と延設回転部材K874の回転中心との長さを25mmとした場合に、延設回転部材K874が5°過回転することで基端側スライド部材K880が左右方向外側に戻る変位量は、0.1mmであり(25-25cоs(5°))、遊技者に認識されるほどの距離とはならないので、例えば、延設回転部材K874が過回転することにより板状部K811(図1838参照)が左右方向外側に戻ることで演出効果が低下するといった事態が生じる可能性を低減できる。
更に、基端側スライド部材K880の回転支持部K883に支持されるピニオンK825と、上側延設ギア歯K854及びラック部K824とのバックラッシュが0.1mm程度となるように設計しておけば、延設回転部材K874が5°過回転することによる基端側スライド部材K880の左右方向の変位は上述のバックラッシュに収まり、ラック部K824を有する中側開閉部材K820の板状部K821や、その板状部K821と連動する後側開閉部材K810の板状部K811が左右方向外側に変位することを避けることができる。以下、図1841を参照して、板状部K821と板状部K811との連動について説明する。
図1841は、後層側可動装置K800の部分拡大正面図である。図1841では、内部構造を分かり易くするために、上前カバー部材K861及び前側開閉部材K830の図示が省略され、中側開閉部材K820の板状部K821が部分的に破られて図示されると共に中側開閉部材K820の外形が想像線で図示される。また、ピニオンK815は、上側において支持部材K850の下側延設ギア歯K855と歯合する大径ギアK815aが図示され、下側において後側開閉部材K810のラック部K814と歯合する小径ギアK815bが図示される。
図1841を参照して、駆動力の伝達方法について説明する。まず、駆動モータKMT81,KMT82の駆動力が伝達され伝達装置K870の延設回転部材K874が回転動作されることにより基端側スライド部材K880が左右方向にスライド移動され(図1840参照)、それにより移動される回転支持部K883を回転中心とするピニオンK825が上側延設ギア歯K854との噛み合いで回転される(図1841において回転支持部K883が左側に移動する場合には正面視時計回りに回転される)。
ピニオンK825の回転により、下側で歯合されているラック部K824が左方へ移動されることになるので、中側開閉部材K820の板状部K821が左方へ移動する。この時、ピニオンK825が上側延設ギア歯K854と噛み合う歯数と、ピニオンK825がラック部K824と噛み合う歯数とが同じなので、回転支持部K883の左右方向の移動量の倍の移動量で中側開閉部材K820の板状部K821を移動させることができる。
従って、板状部K821を目的の距離移動させるために必要な基端側スライド部材K880の移動量を短くすることができるので、基端側スライド部材K880の配置に要するスペースを削減することができる。
中側開閉部材K820が左右方向に移動されると、支持部K826に支持されるピニオンK815の大径ギアK815aが下側延設ギアK855との噛み合いで回転される(図1841において支持部K826が左側に移動する場合には正面視時計回りに回転される)。
ピニオンK815の回転により、下側で小径ギアK815bと歯合されているラック部K814が左方へ移動されることになるので、後側開閉部材K810の板状部K811が左方へ移動する。
この時、大径ギアK815aの歯数が23で形成される一方、小径ギアK815bの歯数が11で形成されることから、支持部K826の左右方向の移動量の34/23倍の移動量で後側開閉部材K810の板状部K811を移動させることができる。
このように構成することで、基端側スライド部材K880を介する駆動力伝達を、移動量の最も大きい後側開閉部材K810ではなく、中側開閉部材K820に対して行うことが可能となる。
ここで、移動量の最も大きい後側開閉部材K810に基端側スライド部材K880を介して駆動力を伝達するようにしても第3可動装置K801の開閉動作は実行可能であるところ、この場合、基端側スライド部材K880の移動量を後側開閉部材K810の移動量に合わせて長く設定する必要が生じるので、延設回転部材K874(図1840参照)の長さが過大に必要となり、延設回転部材K874を利用した伝達機構を採用することができなくなる要因となる。
こうなった場合、回転速度が同じであっても、延設回転部材K874(図1840参照)の姿勢に対応して左右方向の速度が変化するという延設回転部材K874に特有の作用効果を生じさせることができなくなる。
これに対し、本実施形態では、基端側スライド部材K880を介する駆動力伝達を中側開閉部材K820に対して行う構成を採用した上で、左右方向にスライド移動するピニオンK815を採用することにより、中側開閉部材K820の板状部K821の移動量よりも後側開閉部材K810の板状部K811の移動量を増大させることで、後側開閉部材K810の移動量を最大としている。
これにより、板状部K811の移動量は大きく確保したまま、基端側スライド部材K880の移動量は抑えることができるので、延設回転部材K874(図1840参照)の長さが過大となることを防止することができ、延設回転部材K874に特有の作用効果を生じさせることができる。
図1842、図1843及び図1844は、後層側可動装置K800の正面図である。図1842、図1843及び図1844では、演出待機状態から閉塞状態へ向けて第3可動装置K801の状態が変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図1842では、第3可動装置K801の演出待機状態が図示され(図1802参照)、図1843では、第3可動装置K801の連動切替状態が図示され、図1844では、第3可動装置K801の閉塞状態が図示される(図1803参照)。図1842から図1844では、連動の理解を容易にするために、中側開閉部材K820の突設部K827の配置と、前側開閉部材K830の凹設部K835の配置とが想像線で図示される。
また、図1842で図示される状態は図1840(a)に図示される状態に対応しており、図1843で図示される状態は図1840(b)に図示される状態に対応しており、図1844で図示される状態は図1840(c)に図示される状態に対応している。
図1842に図示されるように、第3可動装置K801の演出待機状態では、中側開閉部材K820の突設部K827が凹設部K835の左右外側縁部と当接し、前側開閉部材K830の左右内側への移動が規制される。
板状部K821,K811が左右内側へ移動する過程(図1841参照)において、図1842に図示される演出待機状態から図1843に図示される連動切替状態までは、突設部K827は凹設部K835の内部を移動し、左右内側縁部と当接することは無い。
そのため、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じない。従って、図1842に図示される状態から図1843に図示される状態までにおいて、前側開閉部材K830の板状部K831の配置は維持される。
また、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じないので、図1842に図示される演出待機状態から中側開閉部材K820及び後側開閉部材K810を動作させるために要する駆動力を低減させることができる。
更に、突設部K827を介する中側開閉部材K820と前側開閉部材K830との間での負荷伝達は生じないので、図1842に図示される状態と図1843に図示される状態との間で板状部K821,K811を往復させる態様で駆動させる場合(中間往復駆動)に駆動モータKMT81,KMT82(図1836参照)が受ける抵抗を低減させることができ、駆動モータKMT81,KMT82に蓄積される疲労を低減させることができる。
板状部K821,K811が左右内側へ移動する過程(図1841参照)において、図1843に図示される連動切替状態から図1844に図示される閉塞状態までは、突設部K827が凹設部K835の左右内側縁部を押進するように当接するので、板状部K821,K811の移動に伴って前側開閉部材K830の板状部K831も左右内側へ向けて移動される。
図1843に図示される連動切替状態は、板状部K831が移動を開始する状態なので、板状部K831の静止摩擦を上回る駆動力を要することになるが、本実施形態では、連動切替状態において、延設回転部材K874の円柱突部K876aの移動方向が板状部K831の移動方向である左右方向に向くようにされ、力を効率的に伝達することができるよう構成される(図1840(b)参照)。
これにより、板状部K831の静止摩擦以上の十分な駆動力を板状部K831に伝達することができるので、板状部K831との連動開始時における板状部K821,K811の移動速度の減少量を抑えることができ、板状部K821,K811と板状部K831との連動を滑らかに生じさせることができる。
図1844に図示される閉塞状態から、突設部K827の左右方向外側へ向けた移動が生じた場合、その移動の開始から突設部K827が凹設部K835の内側を移動する間においては、突設部K827から前側開閉部材K830の板状部K831へ向けて駆動力が伝達されることは無く、板状部K831は図1844に図示される配置で維持される。
従って、図1844に図示される閉塞状態から板状部K821,K811を左右方向外側へ向けて移動開始させる際には板状部K831からの抵抗を受けないので、板状部K821,K811の移動に要する駆動モータKMT81,KMT82(図1836参照)の駆動力を低減することができる。同様のことが、図1842に図示される演出待機状態から板状部K821,K811を左右方向内側へ向けて移動開始させる際にも言える。
また、これにより、上述した延設回転部材K874の過回転(図1840(c)参照)による左右方向外側への戻り移動分がギアのバックラッシュに収まらない場合であっても、突設部K827の左右方向外側への移動により板状部K831が左右方向外側へ移動することを回避することができるので、板状部K831の配置を維持することができる。
図1842に図示される状態から図1843に図示される状態に変化した後、延設回転部材K874の回転方向を変えるように駆動させ、図1842に戻るように駆動制御させることも可能である。
この場合、図1843に図示される状態に変化するまで継続的に延設回転部材K874に駆動力を伝達させるように制御しても良いし、図1843に図示される状態に変化するよりも前に駆動力の発生を停止させるように制御しても良い。
後者の場合であっても、延設回転部材K874の自重により図1840(b)に図示される姿勢までは回転が継続され、且つ、図1843に図示される状態で板状部K831の静止摩擦がかけられることから延設回転部材K874を図1840(b)に図示される状態で停止させ易い。
即ち、延設回転部材K874が図1840(b)に到達する程度の時間を空けて逆方向に駆動させるように制御する(パルス的に駆動力を発生させる)ことで、図1806に図示される状態と図1843に図示される状態とを往復する動作演出を実行することができる。
以上、詳述したように、第3可動装置K801では、3枚の板状部K811,K821,K831を連動させる動作態様ながら、その連動のタイプを変えることができる。即ち、動作開始時は板状部K811,K821のみの連動としながら、動作途中から板状部K831も連動させるように構成される。これにより、動作を複雑化し、演出効果を向上することができる。
また、第3可動装置K801では、板状部K811,K821,K831を移動終端まで移動させた後で延設回転部材K874が過回転し、板状部K811,K821,K831からの反動による荷重の全てが回転軸に与えられることを避けている。これにより、延設回転部材K874の耐用年数を上げることができる。
更に、延設回転部材K874の過回転の寸法を、板状部K811,K821,K831の移動が生じない程度に抑えることで、板状部K811,K821,K831の戻り動作による演出効果の低下(板状部K811間に隙間が生じる等の問題)を避けることができる。
図1786に戻って説明する。本実施形態におけるパチンコ機K10では、正面枠K14の内側に配設されるガラスユニットH16の上下左右を囲むようにして、表示ランプK900が配設される。
表示ランプK900は、ガラスユニットH16の上側に横長形状に形成されるトップランプK910と、ガラスユニットH16の右側に縦長形状に形成される右側サイドランプK920と、ガラスユニットH16の左側に縦長形状に形成される左側サイドランプK930と、を備える。
表示ランプK900は、パチンコ機K10にエラーが発生している場合や、賞球の払い出しが生じている場合等に、パチンコ機K10の内部状態に対応した機能用表示態様で発光したり、ガラスユニットH16を通して視認される動作ユニットK300(図1788参照)や第3図柄表示装置K81(図1787参照)等で行われる演出に対応した演出用表示態様で発光したりするように音声ランプ制御装置H113(図1785参照)に制御される。以下で、パチンコ機K10が演出用表示態様で制御される際の一例について説明する。
図1845(a)から図1845(f)及び図1846(a)から図1846(e)は、パチンコ機K10の模式正面図である。図1845(a)から図1845(f)及び図1846(a)から図1846(e)では、パチンコ機K10で実行される演出制御の一例が時系列で図示される。
図1845(a)では、第3図柄表示装置K81で大当たりに対応した第3図柄が左右に揃った状態(停止していない状態)が表示され、大当たりが示唆されている状態が図示される。この状態において、表示ランプK900は白色で発光され、遊技盤K13は、背後からのLED等照射により全体的に白色で発光される(白色の発光を第1の網掛けで図示する)。
ここから、動作ユニットK300及び第3図柄表示装置K81における演出動作の後で、第3図柄が停止表示された状態を経て、大当たり遊技が開始される。演出動作の詳細について以下で説明する。
図1845(b)では、検出センサK711e(図1834(b)参照)からの出力が変化され、第3図柄表示装置K81の正面側に配置される第2可動装置K710が下降配置状態になったと音声ランプ表示装置H113(図1785参照)が判定した後で、第1可動装置K401が落下位置状態に変化した状態が図示される。
第1可動装置K401の回転装飾部材K578は、移動装置K560が落下動作される前から既に正面視時計回り方向に回転動作されており、第1可動装置K401が落下位置状態に変化した後も回転動作が継続される。
遊技領域の背面側では、動作ユニットK300側からの発光が抑えられ、遊技盤13が暗転しているように視認される。表示ランプK900では、遊技者に虹色の光を視認させるように発光態様が制御される(虹色の発光を第2の網掛けで図示する)。これにより、パチンコ機K10全体の煌びやかさは維持しながら、遊技者の視線を遊技領域ではなく第3図柄表示装置K81の内側へ誘導することができる。
図1845(c)では、移動装置K560の回転動作が継続される状態で、駆動モータKMT51(図1815参照)が正方向に駆動されることで移動装置K560が右方に移動され、右側検出センサK556a(図1815参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動方向が逆方向に反転され、移動装置K560が左方に移動され、左側検出センサK556c(図1815参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動方向が正方向に反転され、移動装置K560が右方に移動され、中央検出センサK556b(図1815参照)の出力が変化されると、駆動モータKMT51の駆動が停止される様子が図示される。
この時、移動装置K560の回転装飾部材K578の回転方向は、移動装置K560が右方に移動している状態では右へ向けて前転する回転方向とされ、移動装置K560が左方に移動している状態では左へ向けて前転する回転方向とされる。これにより、移動装置K560の左右方向のスライド移動と、回転装飾部材K578の回転方向とを対応させて、一体感のある動作演出を実行することができる。
移動装置K560の電飾基板K564(図1816参照)では、回転装飾部材K578を虹色に発光させるようにLEDの発光色が設計される。なお、電飾基板K564に限らず、LEDによる光を虹色に視認させるための設計は、LEDの発光色を予め決めておいて遊技者が虹色に視認可能に発光させるLEDを選択するように設定しても良いし、各LEDを複数の発光色で発光可能に構成して発光色の切替を遊技者に虹色に視認させ易い順番で行うようにしても良い。
第3図柄表示装置K81では、前側のレイヤーで移動装置K560の位置に対応する位置で移動装置K560の外形よりも若干大きな円形の虹色の渦巻きが表示される。即ち、渦巻きの表示も移動装置K560の左右方向の移動に伴い移動される。更に、後側のレイヤーで表示領域全体に虹色の雲状の表示がされる。
遊技領域の背面側では、動作ユニットK300側からの発光が抑えられ、遊技盤13が暗転しているように視認される。表示ランプK900では、遊技者に虹色の光を視認させるように発光態様が制御される。これにより、パチンコ機K10全体の煌びやかさは維持しながら、遊技者の視線を遊技領域ではなく第3図柄表示装置K81の内側へ誘導することができる。
図1845(d)では、中央検出センサK556bの出力により移動装置K560が左右方向中央位置に配置されたことが把握されている状態で第1可動装置K401が演出待機状態へ変化された後の状態が図示される。
第1可動装置K401が演出待機状態へ変化されるまでの間、回転装飾部材K578は正面視時計回り方向の回転が継続される。即ち、第1可動装置K401は、回転装飾部材K578が回転動作されている状態で長尺装置K540及び移動装置K560が上昇される。
第1可動装置K401が演出待機状態へ変化され、移動装置K560が上側装飾部材K330に隠されると同時に、入賞ユニットK200の発光部K212(図1790参照)、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図1801参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照)から一斉に光が照射される。更に、第3図柄表示装置K81では、前側のレイヤーで男性キャラクターが力を溜める様子が表示される。
図1845(e)では、第3図柄表示装置K81を除く発光が、左右内側へ向けて消灯していく様子が図示される。即ち、右側サイドランプK920及び左側サイドランプK930から消灯し始め、次に、トップランプK910の左右外側、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板における左右外側、左側装飾部材K350(図1801参照)の内部の発光基板および入賞ユニットK200の発光部K212(図1790参照)が消灯し、最後にトップランプK910の左右内側、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板における左右内側および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照)が消灯し、第3図柄表示装置K81を除いてパチンコ機K10が暗く視認される状態が形成される。
これにより、遊技者の視線を徐々に遊技領域の中央側、即ち、第3図柄表示装置K81の中央側へ誘導することができ、この後実行される演出に向けた期待感を上昇させることができる。そして、遊技者の視線を誘導し終えたタイミングで、第3図柄表示装置K81に表示されていた男性キャラクターの溜めた力を開放する動作が表示されており、この直後に第1可動装置K401が演出待機状態から落下位置状態へ変化される。
図1845(f)では、第1可動装置K401が落下位置状態へ変化された状態で、回転装飾部材K578の回転が維持されている様子が図示される。第1可動装置K401が落下位置状態へ変化されるのと同時に、パチンコ機K10は全体的に明るく視認される。
即ち、入賞ユニットK200の発光部K212(図1790参照)、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図1801参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照)から一斉に光が照射される。この光の態様は、白色光でも良いし、虹色でも良いし、白色光から虹色に変化する発光態様でも良い。
更に、第1可動装置K401においては、電飾基板K564(図1816参照)からの光により回転装飾部材K578が虹色に視認されることに加えて、電飾基板K552(図1814参照)から白色光が照射されることで化粧部材K551も全体的に明るく視認される。
図1846(a)では、第1可動装置K401の移動装置K560が回転装飾部材K578を回転させながら右側途中位置KR42(図1829(c)参照)まで移動してから停止した状態が図示される。
この状態において、遊技領域とその内側の範囲では、回転装飾部材K578のみが電飾基板564(図1816参照)からの光で明るく照らされ、その他の電飾基板(入賞ユニットK200の発光部K212(図1790参照)、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図1801参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照)等)は消灯される。
第3図柄表示装置K81の表示領域では、前側のレイヤーにおいて回転装飾部材K578の周辺に集中させる形状の光が表示され、後側のレイヤーが黒背景で表示されることで、回転装飾部材K578に注目させる演出が実行される。
図1846(b)では、第1可動装置K401の移動装置K560が回転装飾部材K578を回転させながら左側途中位置KL43(図1829(d)参照)まで移動してから停止した状態が図示される。
この動作の過程で、第3図柄表示装置K81の表示領域において黒背景から白背景に表示が変化されることに合わせて、第3可動装置K801が演出待機状態から閉塞状態へ変化される。これにより、遊技領域よりも内側における視界が明るくされる。
図1846(c)では、第1可動装置K401の被検出板部K571a(図1816参照)が中央検出センサK556b(図1815参照)の検出溝から出たと、中央検出センサK556bの出力の変化から音声ランプ制御装置H113(図1785参照)に判定された場合において、第2可動装置K701が下降配置状態から演出待機状態へ変化させた状態が図示される。
この状態において、第3図柄表示装置K81では第3可動装置K801の板状部K811,K821,K831に施された装飾(図1846(b)中に「S」字の装飾として図示)を強調する表示が実行され、板状部K811,K821,K831を通して表示が遊技者に視認されることで、板状部K811,K821,K831のみが視認される場合とは異なる態様で視認される。
図1846(c)に図示される状態において、遊技者に対して、「SFME」(SienceFictionMyEnergyの頭文字を想定)との文字の羅列からなる一連の演出表示を視認させることができる。なお、本実施形態では例としてローマ字の羅列による一連の表示として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、仮名文字や漢字の羅列でも良いし、イラストや形状による羅列でもいい。
また、図1846(b)から図1846(c)に変化する過程において、入賞ユニットK200の発光部K212(図1790参照)、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図1801参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照)から一斉に白色光が照射される。更に、第1可動装置K401においては、電飾基板K564(図1816参照)からの光により回転装飾部材K578が明るく視認されることに加えて、電飾基板K552(図1814参照)から白色光が照射されることで化粧部材K551も全体的に明るく視認される。
更に、図1846(c)に変化した後(第2可動装置K701が演出待機状態へ変化され各可動装置が停止した後)において、板状部K811,K821,K831に施された上記装飾に対応する第3図柄表示装置K81の表示領域で虹色に表示される。それに加えて、入賞ユニットK200の発光部K212(図1790参照)、上側装飾部材K330(図1801参照)の内部の発光基板、左側装飾部材K350(図1801参照)の内部の発光基板および第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照)及び第1可動装置K401の電飾基板K564(図1816参照)からの光により、パチンコ機K10が全体で虹色を形成するように発光される。
このように、各可動装置が停止する前と停止した後とで、発光態様を統一的に変化させることで、遊技者に対して、各可動装置が移動中である期間と、各可動装置の移動が停止された後とを区別し易くすることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
図1846(d)では、パチンコ機K10が全体で虹色を形成するように発光される状態は維持されたままで、回転装飾部材K578が回転されながら移動装置K560が左右中央位置まで到達した状態が図示される。回転装飾部材K578の回転は、移動装置K560が左右中央に到達した後も継続される。
図1846(e)では、第1可動装置K401が演出待機状態への変化を開始する(上昇移動する)のに合わせて第3可動装置K801が閉塞状態から演出待機状態へ向けて変化される。第3可動装置K801の状態が変化されるのに合わせて、第3図柄表示装置K81の表示は、板状部K811,K821,K831に施された装飾を強調する表示から第3図柄が左右に揃った状態の表示に切り替えられる。
即ち、第3図柄表示装置K81の前側のレイヤーで板状部K811,K821,K831に施された装飾を強調する表示が板状部K811,K821,K831の移動に追従するように移動されるように表示され、後側のレイヤーで第3図柄が左右に揃った後、停止表示される様子が表示される。即ち、図1846(e)に図示されるように停止図柄が第3図柄表示装置K81に表示され、大当たりの発生が示された後で、大当たり遊技が開始される。
第3図柄が表示されてから停止表示されるまでの間に、第1可動装置K401の検出センサK418(図1810参照)の出力が変化され、昇降装置K500が演出待機状態における高さに配置されていることが音声ランプ制御装置H113(図1785参照)に判定され、第2可動装置K701が演出待機状態に変化させるように制御される。
なお、上記演出制御の一例では、各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)で視認させる内容と、第3図柄表示装置K81の表示領域で視認させる内容とを異なるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面に各可動装置が配置される際の視認態様と同様の視認態様で遊技者に視認させるように、第3図柄表示装置K81の表示領域に各可動装置の形状や模様の表示(動画表示、静止画表示)を行うことができるよう構成しても良い。
正面視であれば、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面に各可動装置が配置される場合と、第3図柄表示装置K81の表示領域に各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)の形状や模様が表示される場合とで、視認態様を似せることができる。この場合、各可動装置のいずれかが故障して動かなくなった場合であっても、故障した各可動装置に対応する表示で補うことにより、演出効果の低下を最小限に抑えることができる。
第3図柄表示装置K81の表示領域に各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)に対応する表示を行う表示態様は、なにも各可動装置が故障した時にのみ実行されるものに限られるものではない。例えば、実行される演出に対応して、各可動装置が動作される場合と、各可動装置の動作は行われずに、各可動装置に対応する表示が第3図柄表示装置K81で行われる場合とが生じるようにしても良い。
この場合において、各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)を動作させない場合において、各可動装置の電飾(第1可動装置K401の電飾基板K564(図1816参照)や、第2可動装置K701の電飾基板K761a(図1831参照))の発光をオフにしたり、目隠しとなる部材の背面側に隠したりすることで、遊技者の視線を第3図柄表示装置K81で行われる各可動装置に対応する表示に誘導し易くすることができる。
また、各可動装置(第1可動装置K401、第2可動装置K701及び第3可動装置K801)に対応する表示が第3図柄表示装置K81で行われる場合としては、各可動装置自体を表示する場合に限られるものではない。例えば、第1可動装置K401において、回転装飾部材K578に対応する位置が白抜きされ、正面視で回転装飾部材K578の外方に対応する位置に表示を行うことで、表示を回転装飾部材K578の移動に対応させるようにしても良い。
この場合において、例えば、長尺装置K540(図1829参照)を光透過性の樹脂材料から構成し長尺装置K540を通して第3図柄表示装置K81の表示が視認可能に構成されていると、あたかも、回転装飾部材K578が第3図柄表示装置K81の表示領域に浮いているかのように視認させることができる。
この場合において、更に第1可動装置K401が故障で動作しなくなった場合には、回転装飾部材K578に対応する位置として白抜きされていた位置に、回転装飾部材K578の形状や模様を表示することで、第1可動装置K401の動作に基づく視認態様と似た視認態様を表示による実行することができるので、遊技者に対して違和感を与え難くすることができる。
また、移動により第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置される第1可動装置K401や第3可動装置K801では問題とならないが、移動により第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に一部しか配置されない第2可動装置K701については、第3図柄表示装置K81と重なる配置における表示態様のみを設定するようにしても良いし、第3図柄表示装置K81の枠の下縁を、正面視における演出待機状態(又は上昇配置状態)の第2可動装置K701と重なる位置にまで下げるようにして表示領域を広げるようにしても良い。
この場合において、第3図柄表示装置K81の表示領域おける第2可動装置K701の配置可能位置と同じ位置(表示領域の下側範囲)に、第2可動装置K701の形状や模様を表示するようにすることで、第2可動装置K701を動作させずとも、第2可動装置K701が動作しているかのように視認させることができる。
この場合において、第2可動装置K701が故障して動作不可能となった場合には、第2可動装置K701を下降配置状態に維持して、電飾基板K761a(図1831参照)を消灯しておくことで、第2可動装置K701の動作で実現されていた演出効果は第3図柄表示装置K81の表示により補うようにし、且つ、第2可動装置K701については目立たせなくすることで、取り外しなどの修理作業を省略することができる。
図1847から図1852を参照して、第106実施形態について説明する。第105実施形態では、ベース板K60の背面側に形成される形成凹部K60a~K60dの内側が空間として機能する場合を説明したが、第106実施形態では、ベース板K2060の第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bの内側に光照射装置K2100が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1847は、第106実施形態におけるベース板K2060及び光照射装置K2100の背面図であり、図1848は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の背面斜視図である。図1847及び図1848に図示されるように、光照射装置K2100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K2060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
これにより、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図1788参照)の配置位置が光照射装置K2100により制限されることを回避することができる。換言すれば、光照射装置K2100の有無に関係なく、動作ユニットK300の配置をベース板K2060に寄せることができる。
また、光照射装置K2100がベース板K2060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、遊技領域後方の視認性が光照射装置K2100により低下されたり、視線が遮断されたりすることを防止することができる。即ち、光照射装置K2100の有無に関わらず、遊技者は、ベース板K2060を透視して背面側の動作ユニットK300(図1788参照)を容易に視認することができる。
ベース板K2060は、形成凹部K60a~K60dの遊技領域側の縁部を構成すると共に遊技領域を形成する領域の外形の後方に位置する外形傾斜部K2060eと、環状に形成される遊技領域の内側位置において、背面側へ向かうにつれて内形が拡大する方向の傾斜面が全周において形成される傾斜開口部K2060wを備える。
本実施形態では、外形傾斜部K2060eは、形成凹部K60a~K60dの凹設先端側(前側)における形状よりも、ベース板K2060の後端側における形状の方が一回り小さくされ、ベース板K2060を横断した場合の断面形状においてベース板K2060の後側面に対する傾斜角度が約45度となるように形成される。
また、傾斜開口部K2060は、ベース板K2060の前端側における形状よりも、ベース板K2060の後端側における形状の方が一回り大きくされ、ベース板K2060を横断した場合の断面形状においてベース板K2060の前側面に対する傾斜角度が約45度となるように形成される。
図1849は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の分解背面斜視図であり、図1850は、ベース板K2060及び光照射装置K2100の分解正面斜視図である。
光照射装置K2100は、LED等からなる複数の発光手段K2111が配設される電飾基板K2110と、その電飾基板K2110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K2060に締結固定される中間部材K2120と、を備える。
光照射装置K2100は、共通の構成で共通の機能を有する部材の組が左右一対で配置されているので、右側の電飾基板K2110及び中間部材K2120の組について説明を行い、左側の電飾基板K2110及び中間部材K2120の組については説明を省略する。
電飾基板K2110の正面視外形形状は、ベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状に沿って複数の発光手段K2111が間隔を空けて配置されている。
中間部材K2120の正面視外形形状は、電飾基板K2110と同様にベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状部側において、発光手段K2111の前方の領域を含むようにライン状に傾斜面K2121が形成される。
傾斜面K2121は、背面側ほど円弧形状の径が大きくなる方向で傾斜形成され、傾斜の角度が略45度となるように設計されている。
本実施形態では、ベース板K2060の形成凹部K60a~K60dの凹設端面、外形傾斜部K2060e、傾斜開口部K2060w及び中間部材K2120の傾斜面K2121に、無数の凹凸から形成されるシボ加工が施される。
図1851は、図1847のMDCCXC-MDCCXC線におけるベース板K2060及び光照射装置K2100の部分断面図である。図1851では、一の発光手段K2111の中心を通ると共に外形傾斜部K2060eの円弧と直角に交差する平面で断面視された形状が図示される。
また、図1851では、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の視認態様の違いが生じる原因となる、3段階で異なる位置を進行する進行方向KLD21~KLD23について図示される。
図1851に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121を透過する光は進行方向KLD21で進行するので、遊技者は遊技領域の外縁の後方に対応する外形傾斜部K2060eよりも若干外側の位置を明るく視認することができる。
傾斜面K2121及び第2形成凹部K60bの凹設端面には上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜面K2121の形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁の若干外側を明るく視認させることができる。
図1851に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121で反射された後、外形傾斜部K2060eで屈折された光は進行方向KLD22で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、遊技領域の外縁の後方に位置する外形傾斜部K2060eに対応する位置を明るく視認することができる。
外形傾斜部K2060eには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、外形傾斜部K2060eの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁付近を明るく視認させることができる。
図1851に図示されるように、一の発光手段K2111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K2120の傾斜面K2121で反射された後、外形傾斜部K2060eを透過し、傾斜開口部K2060wで反射された光は進行方向KLD23で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、傾斜開口部K2060wの縁部に対応する位置(センターフレームK86(図1789参照)の配置に対応する位置)を明るく視認することができる。
傾斜開口部K2060wには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K2111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜開口部K2060wの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の中央部において遊技領域を区画するセンターフレームK86の外縁部を明るく視認させることができる。
図1851に図示されるように、本実施形態によれば、電飾基板K2110を遊技領域の外方に配置しながら、電飾基板K2110の発光手段K2111からの光を遊技領域の外縁の若干外側、遊技領域の外縁付近およびセンターフレームK86(図1789参照)の外縁部を通して遊技者に視認させることができるので、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させることができる。
このように、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させるために発光手段K2111を構成することで、発光手段K2111の配置スペースを低減できるので電飾基板K2110の小形化を図ることができる。
また、図1851に図示されるように、光照射装置K2100がベース板K2060の板厚に収まる位置(光照射装置K2100の後端面がベース板K2060の板状部の後端面と面一)とされていることで、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図1788参照)の配置自由度を向上させることができる。即ち、ベース板K2060の板状部の後端面に密着する態様で動作ユニットK300を配置したとしても、光照射装置K2100を配設することが可能であり、ベース板K2060を明るく視認させることができる。
図1851に図示されるように、発光手段K2111からの光が遊技領域を通過する前に上下左右方向に進行する場合、その光の進行はベース板K2060の前端面よりも後側において生じる。即ち、上下左右方向に進行する範囲において、光は遊技領域を通過しないので、上下左右方向に進行する範囲において光が遊技領域に位置する球に遮られる事態は生じない。
そのため、遊技領域における球の配置状況によって、進行方向KLD21~KLD23の光の量が変化することを回避することができるので、遊技領域の外方から遊技領域の内側へ向けて光を進行させる構成を採用しながら、弾球遊技中において球に光が遮蔽されてベース板K2060の明るさが低下するといった事態を回避することができる。
なお、光照射装置K2100の配設位置は、第1形成凹部K60aや第2形成凹部K60bに限定されるものではなく、第3形成凹部K60cに配設するようにしても良い。この場合、一般入賞口K63(図1789参照)に入球した球の流下経路に発光手段K2111からの光が進入し得るので、一般入賞口K63に球が入球した場合、その球により光が遮断される。
この球による遮断の作用は、遊技領域の中央側へ進行する光の見え方に影響を与えることになる。即ち、発光手段K2111から照射され傾斜開口部K2060wまで進行する光が、一般入賞口K63に球が入球した場合に、その球に遮断されることで傾斜開口部K2060wに届かなくなる。
これにより、一般入賞口K63への入球と、傾斜開口部K2060wの視認態様とが対応するので、遊技者は、一般入賞口K63を視認せずとも、傾斜開口部K2060wを視認しておくことで、一般入賞口K63への入球を把握することができる。
この場合、傾斜開口部K2060wは第3図柄表示装置K81(図1787参照)の前方の開口を縁取るセンターフレームK86(図1787参照)に対応する位置にあるので、傾斜開口部K2060wで反射される光を視認可能な視界としておくことで、一般入賞口K63への入球の有無を把握しながら、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示演出を楽しんで視認することができる。
なお、実際は、ベース板K2060で屈折したり、反射したりする関係上、発光手段K2111からの光の進行方向は屈折し得るが、図1851においては、発光手段K2111からの光の進行方向は、理解を容易とするために上下左右方向で模式的に記載した。
図1852は、パチンコ機K10の模式正面図である。図1852では、パチンコ機K10にベース板K2060及び光照射装置K2100を配設した場合における、視認態様が図示される。
図1852に図示されるように、ベース板K2060の背面側に配設される光照射装置K2100からの光が傾斜開口部K2060wを介してセンターフレームK86に照射される。これにより、センターフレームK86を明るく照らすことができる。
この時、動作ユニットK300に配設される電飾基板や発光基板に配設されるLEDを消灯させた状態で、光照射装置K2100からは光を照射させることで、センターフレームK86を目立たせることができ、その内側に配置される第3図柄表示装置H81に注目させることができる。
また、センターフレームK86は、上側装飾部材K330よりも前側に配置されているので、上側装飾部材K330の内部に配設される発光基板のLEDを点灯させた状態で光照射手段K2100から光を照射させることで、正面視において、発光される上側装飾部材K330がセンターフレームK86に沿って視認される光により分断されているように見せることができる。
図1853から図1855を参照して、第107実施形態について説明する。第105実施形態では、ベース板K60の背面側に形成される形成凹部K60a~K60dの内側が空間として機能する場合を説明したが、第107実施形態では、ベース板K2060の第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bの内側に光照射装置K3100が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1853は、第107実施形態におけるベース板K2060及び光照射装置K3100の分解背面斜視図であり、図1854は、ベース板K2060及び光照射装置K3100の分解正面斜視図である。
光照射装置K3100は、LED等からなる複数の発光手段K3111が配設される電飾基板K3110と、その電飾基板K3110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K2060に締結固定される中間部材K3120と、を備える。
光照射装置K3100は、共通の構成で共通の機能を有する部材の組が左右一対で配置されているので、右側の電飾基板K3110及び中間部材K3120の組について説明を行い、左側の電飾基板K3110及び中間部材K3120の組については説明を省略する。
電飾基板K3110の正面視外形形状は、ベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁に対応する円弧形状に沿って複数の発光手段K3111が間隔を空けて配置されている。
中間部材K3120は、正面視外形形状が電飾基板K3110と同様にベース板K2060の第2形成凹部K60bに収まるように設計されており、発光手段K3111の前方において、遊技領域の外縁に対応する円弧形状の中心側に開放側が向くU字形状に穿設される複数の開口部K3121と、その開口部K3121のU字形状の内側の構成部においてU字形状の凹端部へ向かうにつれて背面側へ傾斜するように形成される複数の傾斜面K3122と、を備える。
傾斜面K3122は、中間部材K3120の遊技領域側の円弧と直交する方向で対向配置される開口部K3121の壁部との間隔が背面側へ向かう程狭くなる方向で傾斜形成され、傾斜の角度が略45度となるように設計されている。
本実施形態では、ベース板K2060の形成凹部K60a~K60dの凹設端面、外形傾斜部K2060e及び傾斜開口部K2060wに、無数の凹凸から形成されるシボ加工が施される。
図1855は、図1847のMDCCXC-MDCCXC線に対応する線におけるベース板K2060及び光照射装置K3100の部分断面図である。図1855では、一の発光手段K3111の中心を通ると共に外形傾斜部K2060eの円弧と直角に交差する平面で断面視された形状が図示される。
図1855に図示されるように、光照射装置K3100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K2060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
また、図1855では、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の視認態様の違いが生じる原因となる、3段階で異なる位置を進行する進行方向KLD31~KLD33について図示される。
図1855に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122を透過する光は進行方向KLD31で進行するので、遊技者は遊技領域の外縁の後方に対応する外形傾斜部K2060eよりも若干外側の位置を明るく視認することができる。
第2形成凹部K60bの凹設端面には上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるが、開口部K3121で空間が閉じられていることにより光の拡散が開口部K3121内で抑制される。これにより、発光手段K3111の配置に対応した光であって、開口部K3121の大きさに拡大された点在光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁の若干外側を明るく視認させることができる。
図1855に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122で反射された後、外形傾斜部K2060eで屈折された光は進行方向KLD32で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、遊技領域の外縁の後方に位置する外形傾斜部K2060eに対応する位置を明るく視認することができる。
外形傾斜部K2060eには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K3111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、外形傾斜部K2060eの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の外縁付近を明るく視認させることができる。
図1855に図示されるように、一の発光手段K3111から前方へ向けて照射される光の内、中間部材K3120の傾斜面K3122で反射された後、外形傾斜部K2060eを透過し、傾斜開口部K2060wで反射された光は進行方向KLD33で進行するので、遊技者は、ベース板K2060の前面において、傾斜開口部K2060wの縁部に対応する位置(センターフレームK86(図1789参照)の配置に対応する位置)を明るく視認することができる。
傾斜開口部K2060wには上述のようにシボ加工が形成されており、光が拡散されるので、発光手段K3111の配置間隔に依存した点在する光ではなく、傾斜開口部K2060wの形状に合うライン状の光として光を視認させることができる。これにより、遊技領域の中央部において遊技領域を区画するセンターフレームK86の外縁部を明るく視認させることができる。
図1855に図示されるように、本実施形態によれば、電飾基板K3110を遊技領域の外方に配置しながら、電飾基板K3110の発光手段K3111からの光を遊技領域の外縁の若干外側、遊技領域の外縁付近およびセンターフレームK86(図1789参照)の外縁部を通して遊技者に視認させることができるので、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させることができる。
このように、ベース板K2060を広範囲で明るく視認させるために発光手段K3111を構成することで、発光手段K3111の配置スペースを低減できるので電飾基板K3110の小形化を図ることができる。
また、図1855に図示されるように、光照射装置K3100がベース板K2060の板厚に収まる位置(光照射装置K3100の後端面がベース板K2060の板状部の後端面と面一)とされていることで、ベース板K2060の背面側に配設される動作ユニットK300(図1788参照)の配置自由度を向上させることができる。即ち、ベース板K2060の板状部の後端面に密着する態様で動作ユニットK300を配置したとしても、光照射装置K3100を配設することが可能であり、ベース板K2060を明るく視認させることができる。
図1855に図示されるように、発光手段K3111からの光が遊技領域を通過する前に上下左右方向に進行する場合、その光の進行はベース板K2060の前端面よりも後側において生じる。即ち、上下左右方向に進行する範囲において、光は遊技領域を通過しないので、上下左右方向に進行する範囲において光が遊技領域に位置する球に遮られる事態は生じない。
そのため、遊技領域における球の配置状況によって、進行方向KLD31~KLD33の光の量が変化することを回避することができるので、遊技領域の外方から遊技領域の内側へ向けて光を進行させる構成を採用しながら、弾球遊技中において球に光が遮蔽されてベース板K2060の明るさが低下するといった事態を回避することができる。
なお、光照射装置K3100の配設位置は、第1形成凹部K60aや第2形成凹部K60bに限定されるものではなく、第3形成凹部K60cに配設するようにしても良い。この場合、一般入賞口K63(図1789参照)に入球した球の流下経路に発光手段K3111からの光が進入し得るので、一般入賞口K63に球が入球した場合、その球により光が遮断される。
この球による遮断の作用は、遊技領域の中央側へ進行する光の見え方に影響を与えることになる。即ち、発光手段K3111から照射され傾斜開口部K2060wまで進行する光が、一般入賞口K63に球が入球した場合に、その球に遮断されることで傾斜開口部K2060wに届かなくなる。
これにより、一般入賞口K63への入球と、傾斜開口部K2060wの視認態様とが対応するので、遊技者は、一般入賞口K63を視認せずとも、傾斜開口部K2060wを視認しておくことで、一般入賞口K63への入球を把握することができる。
この場合、傾斜開口部K2060wは第3図柄表示装置K81(図1787参照)の前方の開口を縁取るセンターフレームK86(図1787参照)に対応する位置にあるので、傾斜開口部K2060wで反射される光を視認可能な視界としておくことで、一般入賞口K63への入球の有無を把握しながら、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示演出を楽しんで視認することができる。
なお、実際は、ベース板K2060で屈折したり、反射したりする関係上、発光手段K2111からの光の進行方向は屈折し得るが、図1851においては、発光手段K2111からの光の進行方向は、理解を容易とするために上下左右方向で模式的に記載した。
図1856から図1883を参照して、第108実施形態について説明する。上記各実施形態では、移動装置K560の回転装飾部材K578の前面に装飾が施されている場合を説明したが、第108実施形態では、移動装置K4560の前面側に表示が可能な小型の表示装置K4580が移動装置K4560に設けられている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1856は、第108実施形態における動作ユニットK4300の正面図である。図1856に図示されるように、動作ユニットK4300では、移動装置K4560の略中央部に表示装置K4580が配設される。
表示装置K4580は、正面側に表示面が向けられた小形の液晶ディスプレイで構成されており、その周囲には内側の縁部が表示装置K4580の表示領域を囲むように略円形状から形成される回転装飾部材K4578が設けられている。
回転装飾部材K4578は、正面視における外形が略四角形とされ、その内側に開口が形成されており、その開口の内側縁部が表示装置K4580の表示領域を囲むように形成されることにより、表示装置K4580の表示領域の枠を構成する。
移動装置K4560の背面側には駆動モータKMT4061が配設されており、駆動モータKMTの駆動力が不図示の伝達機構を介して伝達されることで、回転装飾部材K4578が正逆方向に回転可能に構成される。
回転装飾部材K4578は、前後方向に開口される視認窓部K4578aを備える。視認窓部K4578aは、回転装飾部材K4578の回転中心から放射線状に延びる2本の直線と、回転装飾部材K4578の回転中心と同軸の円弧として形成される2本の湾曲線とにより囲まれる略扇形状に形成される。
視認窓部K4578aは、表示装置K4580の表示領域を囲う枠部K4581(即ち、表示装置K4580の表示領域の外側端部を形成する部分)よりも正面視内側に形成されている。そのため、視認窓部K4578aを通して、表示装置K4580の表示領域における表示を視認させることができる。
図1857(a)、図1857(b)、図1857(c)及び図1857(d)は、移動装置K4560の正面図である。図1857(a)、図1857(b)、図1857(c)及び図1857(d)では、移動装置K4560の視認態様の変化の一例が時系列で図示される。
図1857(a)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の回転装飾部材K4578の動作パターンが時系列で図示される。図1857(a)に図示されるように、まず第1の演出制御例では、回転装飾部材K4578は、視認窓部K4578aが回転軸の上方に配置される状態(上から1番目に図示される状態)から、時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の右方に配置される状態に変化され(上から2番目に図示される状態)、続けて反時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の上方に配置される状態に戻る(上から1番目に図示される状態に相当)ことで、第1の演出制御例が終了される。
次に、第2の演出制御例では、回転装飾部材K4578は、視認窓部K4578aが回転軸の上方に配置される状態(上から1番目に図示される状態)から、反時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の左方に配置される状態に変化され(上から3番目に図示される状態)、続けて時計回りに約90度回転されることで視認窓部K4578が回転軸の上方に配置される状態に戻る(上から4番目に図示される状態に相当)ことで、第2の演出制御例が終了される。
図1857(a)では、説明の便宜上、第1の演出制御例と第2の演出制御例とを繋げて説明したが、回転装飾部材K4578の動作制御としてはこれに限られるものではない。例えば、第1の演出制御例または第2の演出制御例で繰り返し回転動作されるような状態を構成可能にしても良いし、第2の演出制御例から第1の演出制御例につながるように回転動作されるような状態を構成可能にしても良いし、第1の演出制御例と第2の演出制御例とが交互に連続で実行されるような状態を構成可能にしても良い。
図1857(b)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の第1の視認態様が図示される。図1857(b)に図示されるように、第1の演出制御例および第2の演出制御例の第1の視認態様では、視認窓部K4578aが回転軸の右方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される円形状の第1視認対象物K4580xを視認可能とされる。
更に、第2の演出制御例の終了後に、回転装飾部材K4578の内周側における表示装置K4580の表示領域に、「〇GET」との表示がされる。これにより、遊技者は、表示装置K4580の表示領域を通して、何らかの遊技価値(遊技上の利益)を獲得したことを把握することができる。
図1857(c)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の第2の視認態様が図示される。図1857(c)に図示されるように、第1の演出制御例および第2の演出制御例の第2の視認態様では、視認窓部K4578aが回転軸の左方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される丸形状および三角形状の第2視認対象物K4580yを視認可能とされる。
更に、第2の演出制御例の終了後に、回転装飾部材K4578の内周側における表示装置K4580の表示領域に、「〇△GET」との表示がされる。これにより、遊技者は、表示装置K4580の表示領域を通して、何らかの遊技価値(遊技上の利益)を獲得したことを把握することができる。また、「〇GET」や「〇△GET」との表示の違いから、遊技者に対して、得られる遊技価値の違いを想起させることができる。
図1857(d)では、第1の演出制御例および第2の演出制御例における移動装置K4560の第3の視認態様が図示される。図1857(d)に図示されるように、第1の演出制御例および第2の演出制御例の第3の視認態様では、視認窓部K4578aが回転軸の右方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される円形状の第1視認対象物K4580xを視認可能とされ、視認窓部K4578aが回転軸の左方に配置された状態において視認窓部K4578を通して、表示装置K4580から表示される丸形状および三角形状の第2視認対象物K4580yを視認可能とされる。
更に、第2の演出制御例の終了後に、回転装飾部材K4578の内周側における表示装置K4580の表示領域に、「〇GET、〇△GET」との表示がされる。これにより、遊技者は、表示装置K4580の表示領域を通して、何らかの遊技価値(遊技上の利益)を獲得したことを把握することができる。また、「〇GET」や「〇△GET」との表示の違いから、遊技者に対して、得られる遊技価値の違いを想起させることができる。
上述した、第1の演出制御例および第2の演出制御例により移動装置K4560が動作制御される第1の演出用途例について説明する。この第1の演出用途例では、大当たり遊技状態において、移動装置K4560が遊技者から視認される位置に移動され(図1856参照)、上述の第1の演出制御例および第2の演出制御例で動作制御される。
第1の演出用途例では、大当たり遊技状態における各ラウンド遊技の終了時に、第1の演出制御例および第2の演出制御例により移動装置K4560が動作制御され、右打ちで発射された遊技球の流下が相対的に右寄りとなる遊技球が入球され易い第2特定入賞口K650a(図1787参照)に遊技球が入球した個数に対応して第1視認対象物K4580xが表示され、第2特定入賞口K650aに入球される遊技球よりは相対的に左寄りの経路を流下する遊技球が入球され易い第2入賞口K640(図1787参照)に遊技球が入球した個数に対応して第2視認対象物K4580yが表示される。
そのため、各ラウンド遊技において規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が第2特定入賞口K650aに入球されることで各ラウンド遊技が終了されることが通常であるので、基本的には、第1視認対象物K4580xは、10個の丸形状で視認されることになり、「〇GET」(図1857(b)参照)との表示についても、入球個数に対応して「〇×10GET」等の表示がされる。これにより、遊技者は、払い出される賞球個数を予想することができる。
一方で、遊技態様によっては、10個以上の遊技球が入球される場合も、入球される遊技球が1個や2個にも関わらず、時間経過によりラウンド遊技が終了される場合もある。この場合には、入球された遊技球の個数に対応した数で、第1視認対象物K4580xが表示される。
また、各ラウンド遊技における電動役物K640a(図1787参照)の開放時間は、遊技球の入球に満たない程度に短くされるので、第2入賞口K640(図1787参照)への入球は基本的には生じず、第2視認対象物K4580yが視認されるのは稀である。
一方、稀であっても、第2入賞口K640へ遊技球が入球された場合には、ラウンド遊技中にも関わらず、賞球だけでなく、特別図柄の抽選をも獲得することができる。本実施形態では、賞球の払い出しのみに対応する表示として第1視認対象物K4580xを表示し、賞球の払い出しに加えて別の利益(例えば、特別図柄の抽選)も遊技者に付与され得る表示として第2視認対象物K4580yを表示することで、遊技者に付与され得る利益を区別して報知するようにしている。これにより、遊技者の遊技負担を低減すると共に、視認対象物K4580x,K4580yに対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の第1の演出用途例では、視認される視認対象物K4580x,K4580yの有無によらず、各ラウンド遊技の終了時に第1の演出制御例および第2の演出制御例により移動装置K4560が動作制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、視認対象物K4580x,K4580yが視認されるように動作させる一方で、視認対象物K4580x,K4580yが視認されない場合(表示されていない場合)には動作を実行しないようにしても良い。即ち、例えば、第1視認対象物K4580xが表示されており、第2視認対象物K4580yが表示されていない場合には、第1の演出制御例による動作のみを実行し、第2の演出制御例による動作は実行しないようにしても良い。
この場合、各ラウンド遊技の終了時において回転装飾部材K4578を動作させる時間長さを短くできるので、回転装飾部材K4578の動作期間をラウンド間インターバルに容易に収めることができる。また、第2の演出制御例による動作が実行されないことを把握すれば、第2視認対象物K4580yが表示されていないことを遊技者は把握でき、第2入賞口K640に入球していないことも把握できるので、第2視認対象物K4580yを視認して確認する必要がある場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
また、例えば、第1視認対象物K4580xが表示されておらず、第2視認対象物K4580yが表示されている場合には、第1の演出制御例による動作を実行せず、第2の演出制御例による動作のみを実行させるようにしても良い。
この場合、各ラウンド遊技の終了時において回転装飾部材K4578を動作させる時間長さを短くできるので、回転装飾部材K4578の動作期間をラウンド間インターバルに容易に収めることができる。また、第1の演出制御例による動作が実行されないことを把握すれば、ラウンド遊技中にも関わらず第2特定入賞口K650aに入球されていないという異常事態であることに遊技者が気付けるので、球の発射が実行されているか(球は供給されているか、球詰まりが生じていないか等)や、第2可変入賞装置K650は正常に作動しているのか等を確認するように促すことができる。
また、例えば、第1視認対象物K4580xが表示されておらず、第2視認対象物K4580yも表示されていない場合には、第1の演出制御例による動作も、第2の演出制御例による動作も実行せずに、ラウンド遊技を終了させるようにしても良い。
この場合、各ラウンド遊技の終了時において回転装飾部材K4578を動作させる時間長さを短くできる(無くせる)ので、回転装飾部材K4578の動作期間をラウンド間インターバルに容易に収めることができる。また、第1の演出制御例による動作が実行されないことを把握すれば、ラウンド遊技中にも関わらず第2特定入賞口K650aに入球されていないという異常事態であることに遊技者が気付けるので、球の発射が実行されているか(球は供給されているか、球詰まりが生じていないか等)や、第2可変入賞装置K650は正常に作動しているのか等を確認するように促すことができる。
また、第1視認対象物K4580xが表示されておらず、第2視認対象物K4580yも表示されていない場合とは、そもそも遊技者が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに狙って遊技球を打ち出していない状況(遊技者が遊技をやめた状況や、遊技者が敢えて左打ちで球を発射させる変則打ちを行っている状況等)が想定されるので、このような状況にまで回転装飾部材K4578を回転させても、遊技者の注目力を集めることはできないことから、回転動作を実行させないようにしても良い。
なお、第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yが視認される位置が、回転装飾部材K4578の回転軸の右方または左方の位置である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸の右方または左方の位置から、回転装飾部材K4578の回転軸を中心として上方に回転移動された上流側位置において第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yが視認されるようにしても良いし、その上流側位置で視認された状態から、回転装飾部材K4578の回転に伴う視認窓部K4578aの移動に伴い第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yも回転移動するように構成しても良い。
なお、第2視認対象物K4580yの「△GET」の部分は、特別図柄の抽選が獲得できることを暗に示唆する意味合いのある報知である。そのため、例えば、入球による特別図柄の抽選が獲得できない状態(例えば、保留球数が満タンである状態)において第2入賞口K640に入球した場合には、特別図柄の抽選が獲得できないことと対応させて、「〇△GET」の代わりに「〇GET」との表示をするようにしても良い。
図1858は、前層側可動装置K4400の第1可動装置K4401の部分背面図である。図1858では、演出待機状態における長尺装置K540の外形(図1827参照)が想像線で図示される。
図1858では、左側の上側部材K530は演出待機状態における配置から変化されず、右側の上側部材K530が移動範囲の最下端まで下降した状態が実線で図示される。即ち、右側の上側部材K530のみが、落下位置状態(図1802,図1822参照)における配置に位置している。
図1858に想像線で図示される演出待機状態は、左右共に、上側部材K530の下方への変位が進入状態の上側回転部材K476に規制されている状態であり(図1819参照)、図1858に実線で図示される状態は、右側の上側回転部材K476が退避状態とされ右側の上側部材K530のみが下方へ変位した状態である(図1822参照)。
右側の上側部材K530の上下位置は、回転部材K430の伝達筒状部K434の配置次第で複数のバリエーションが生じ得る(図1822,1762,1763,1765参照)。従って、長尺装置K540の姿勢の傾斜角度も複数のバリエーションが生じ得る。本実施形態では、左側の上側部材K530の回転軸部K534を支点として、長尺装置K540の右側を回転動作の先端側とする変位を実行可能とされ、その変位に基づく長尺装置K540の姿勢の傾斜角度は何ら限定されるものではなく、(左右に沿う姿勢から約45度未満で)任意の傾斜角度が可能とされる。
長尺装置K540には、回転装飾部材K4578が回転動作可能に支持されている。回転装飾部材K4578の回転動作は、長尺装置K540が演出待機状態における位置(左右両側共に進入状態の上側回転部材K476に下方への変位が規制される位置)にあるか、右側の上側回転部材K476が退避状態とされ長尺装置K540の姿勢が傾斜した位置にあるかに関わらず、実行可能に構成される。
図1858に実線で図示されるように、長尺装置K540の姿勢が傾斜された状態から、演出待機状態における位置として長尺装置K540の姿勢が左右方向に沿わされるまでの、上側回転部材K476の動作態様は、長尺装置K540の動作と連動されることを説明する。
長尺装置K540を支持する上側部材K530は、下側部材K510を介して、回転部材K430の伝達筒状部K434から押し上げ方向の荷重を受け得る(図1823参照)。伝達筒状部K434の配置は、回転部材K430の表面側の状態に対応する(図1811参照)。
上側回転部材K476は、下側回転部材K471が回転部材K430の案内溝K436を介して受ける荷重により支持部K414を中心に回転動作(姿勢変化)されることにより、進入状態(図1820参照)と退避状態(図1821参照)とで変化される。案内溝K436の状態(位相)は、回転部材K430の裏面側の状態に対応する(図1811参照)。
そのため、回転部材K430を介して、上側部材K530と上側回転部材K476とが連動され得る。即ち、図1858に図示される右側の上側部材K530が上昇方向に移動され、上側部材K530が上側回転部材K476に対応する上下高さ位置を通過することに基づいて(図1823参照)、上側回転部材K476が退避状態から進入状態に変化される(図1824参照)。
これにより、長尺装置K540の戻り動作が防止されることになり、長尺装置K540が左右に沿わされた姿勢に維持される。このようにして、長尺装置K540が、演出待機状態における位置に維持される。
上側回転部材K476の進入状態への維持は、駆動力によるものではなく、回転部材K430の案内溝K436の形状的特徴から、下側回転部材K471の姿勢が維持されることによる。即ち、下側回転部材K471の切替突部K472が大径溝K436aに維持されることによる。
そのため、回転部材K430を駆動する駆動モータKMT41a,KMT41b(図1811参照)の駆動力が解除された状態であっても、上側回転部材K476を進入状態で維持することができる。
これにより、長尺装置K540を演出待機状態における位置に維持するための消費電力を低減させることができる。また、パチンコ機K4010の電源が遮断された場合(突然の停電や、店舗営業時間外の時)であっても、上側回転部材K476の状態を進入状態で維持することができる。これにより、長尺装置K540の配置を演出待機状態の位置で安定させることができ、電源を遮断して行うメンテナンス作業を容易とすることができる。
長尺装置K540の姿勢の水平線に対する傾斜角度は、図1858に図示される状態で最大となる(右第2傾斜姿勢)。この傾斜は、右が下になる傾斜のみならず、左右の上側部材K530の上下位置が反転されることで、傾斜が左右逆の姿勢を構成することが可能である(左第2傾斜姿勢)。
ここで、スライドラックK545が利用されることなく、長尺装置K540の左右いずれか(図1858における左側)の端部が回転軸部K534を軸に回転動作するのみである場合(例えば、スライドラックK545と本体部K541(図1814参照)とが一体成形される場合)、その回転軸部K534を中心とする長尺装置K540の回転動作により姿勢が傾斜することに伴い、移動装置K4560の移動範囲の左右側終端(上述の回転軸部K534側終端)で、移動装置K4560と支持部材K410とが干渉する可能性がある。
この場合、移動装置K4560の移動幅が、長尺装置K540の姿勢が傾斜していない場合と、長尺装置K540の姿勢が傾斜している場合とで異なることから、演出効果を低下させる可能性がある。
また、長尺装置K540の回転先端側(図1858における右側)への移動装置K4560の移動終端位置は、長尺装置K540の傾斜が大きくなるほど回転軸としての回転軸部K534側(図1858における左側)に寄ることからも、移動装置K4560の移動範囲を狭める原因となり得る。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態同様、図1858に図示されるように、長尺装置K540が傾斜される際に、案内突設部K544に対して、移動量KSDMだけスライドラックK545が左右外側へスライド移動される。これにより、移動装置K4560の役物移動幅KSDFの左右配置も調整される(回転軸部K534から離れる方向に変位する)。
これにより、長尺装置K540が傾斜された状態に移動装置K4560と支持部材K410とが干渉することを避けることができるので、移動装置K4560を一対の支持部材K410の間(第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側(図1802参照)の領域からはみ出させることなく、十分な移動幅を確保することができる。
加えて、長尺装置K540の回転先端側(図1858における右側)への移動装置K4560の移動終端位置が回転先端側へ延ばされることからも、移動装置K4560の移動範囲を十分に確保することができる。これにより、長尺装置K540の傾斜の大小に関わらず、演出領域の左右幅を大きく使った演出を構成可能とすることができる。
図1859は、前層側可動装置K4400の第1可動装置K4401の部分背面図である。図1859では、片側落下状態における長尺装置K540の外形(図1828参照)が想像線で図示される。
図1859では、右側の上側部材K530は片側落下状態における配置から変化されず、左側の上側部材K530が移動範囲の最下端まで下降した状態が実線で図示される。即ち、左側の上側部材K530のみが、落下位置状態(図1802,図1822参照)における配置に位置している。
図1859では、長尺装置K540の姿勢の水平線に対する傾斜角度は、図1858に図示される状態よりも小さい(左第1傾斜姿勢)。この傾斜は、左が下になる傾斜のみならず、左右の上側部材K530の上下位置が反転されることで、傾斜が左右逆の姿勢を構成することが可能である(右第1傾斜姿勢)。
本実施形態では、上記各実施形態同様、右第1傾斜姿勢は、想像線で図示される片側落下状態における姿勢に他ならない。即ち、本実施形態では、左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と、右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置とでは、上下位置が異なる。
なお、本実施形態では、上記各実施形態同様、切替装置K460が左右片側(本実施形態では右側)にのみ配置されることから(図1808参照)、図1859に図示されるように右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置との上下配置が異なるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものでは無い。
例えば、切替装置K460を左右両側に配置するように構成し、上側部材K530を左右いずれでも途中停止させられるものであれば、右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置との上下位置を同じにすることは可能である。なお、切替装置K460を左側にのみ配置するよう構成すれば、右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置と左第1傾斜姿勢における長尺装置K540の配置の上下関係が、本実施形態における上下関係とは逆となる演出装置を構成することが可能となる。
また、落下のように急速な変位を必要としない場合には、切替装置K460の有無に関わらず、上側部材K530の配置を片側落下状態における下側の配置(図1859に図示される右側(矢印R側)の上側部材K530の配置)にすることが、回転部材K430の回転制御により可能とされる(図1826参照)。
そのため、左右一対の回転部材K430の制御の設定次第で、長尺装置K540の上下配置を異ならせることなく右第1傾斜姿勢にしたり左第1傾斜姿勢にしたりすることもできるし、長尺装置K540の上下配置を異ならせて右第1傾斜姿勢にしたり左第1傾斜姿勢にしたりすることもできる(図1859参照)。
ここで、スライドラックK545が利用されることなく、長尺装置K540の左右いずれか(図1859に図示される右側(矢印R側))の端部が回転軸部K534を軸に回転動作するのみである場合(例えば、スライドラックK545と本体部K541(図1814参照)とが一体成形される場合)、その回転軸部K534を中心とする長尺装置K540の回転動作により姿勢が傾斜することに伴い、移動装置K4560の移動範囲の左右側終端(上述の回転軸部K534側終端)で、移動装置K4560と支持部材K410とが干渉する可能性がある。
この場合、移動装置K4560の移動幅が、長尺装置K540の姿勢が傾斜していない場合と、長尺装置K540の姿勢が傾斜している場合とで異なることから、演出効果を低下させる可能性がある。
また、長尺装置K540の回転先端側(図1859に図示される左側(矢印L側))への移動装置K4560の移動終端位置は、長尺装置K540の姿勢が水平に近づく程に回転先端側に寄ることからも、移動装置K4560が支持部材K410と干渉する可能性があり、移動装置K4560の移動範囲を狭める原因となり得る。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態同様、片側落下状態(図1828参照)から長尺装置K540が図1859に図示される状態に変化するまでの間にスライドラックK545がスライド変位する。即ち、まず長尺装置K540が水平姿勢になるまでに、案内突設部K544に対して、移動量KSDa,KSDb(図1828参照)だけスライドラックK545が左右内側へスライド移動される。次に、長尺装置K540が図1859に図示される左第1傾斜姿勢になるまでに、案内突設部K544に対して、移動量KSDa,KSDb(図1828参照)だけスライドラックK545が左右外側へスライド移動される。
これにより、移動装置K4560の役物移動幅KSDFの左右配置も調整される。即ち、役物移動幅KSDFが、長尺装置K540の姿勢が水平姿勢に近づく程、回転軸としての(図1859に図示される右側(矢印R側)の)回転軸部K534に近づく側に移動されるよう構成されている。
これにより、長尺装置K540が傾斜された状態においては、移動装置K4560と支持部材K410とを離すことができ、これらが干渉することを避けることができるので、移動装置K4560を一対の支持部材K410の間(第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側(図1802参照)の領域からはみ出させることなく、十分な移動幅を確保することができる。
加えて、長尺装置K540の姿勢が水平に近づく際に役物移動幅KSDFの左右配置を回転軸部K534に寄せることにより、長尺装置K540の回転先端側(図1859に図示される左側(矢印L側))が、その回転先端側の支持部材K410に入り込むことを防止することができる。これにより、長尺装置K540の傾斜の有無に関わらず、一対の支持部材K410の間(第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側(図1802参照))の領域の左右幅を大きく使った演出を構成可能とすることができる。
本実施形態では、上記各実施形態と同様、移動装置K4560の配置は、回転駆動されるネジ軸K554とナットKNT61(図1814及び図1816参照)とにより制御される。ネジ軸K554及びナットKNT61はボールネジの構造を構成しているので、長尺装置K540の姿勢が傾斜したとしても、自重で下降変位する(ネジ軸K554の延びる方向、即ち、長尺装置K540の長手方向に変位する)ことは防止される。
即ち、ネジ軸K554(図1814参照)が駆動モータKMT51の駆動により回転されれば、移動装置K4560はネジ軸K554の延びる方向(長尺装置K540の長手方向)に変位される一方、ネジ軸K554が回転されることが無ければ、移動装置K4560の配置がネジ軸K554の延びる方向(長尺装置K540の長手方向)に対して変位することが防止される。
図1860(a)から図1860(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図であり、図1861は、パチンコ機K4010の模式正面図である。図1860(a)では、長尺装置K540が右第1傾斜姿勢(図1807参照)とされた場合における視認態様の一例が図示され、図1860(b)では、長尺装置K540が右第2傾斜姿勢(図1858参照)とされた場合における視認態様の一例が図示され、図1860(c)では、長尺装置K540が左第2傾斜姿勢とされた場合における視認態様の一例が図示される。なお、図1860の説明では、図1787を適宜参照する。
図1860(a)に図示される状態は、第1可動装置K4401の第1の動作パターンの途中状態として図示される。即ち、第1可動装置K4401の第1の動作パターンでは、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1827参照)から、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作される状態で長尺装置K540が右第1傾斜姿勢となるように制御され(図1828参照)、回転装飾部材K4578の回転動作は継続したまま移動装置K4560が移動可能範囲の右端までスライド移動される(図1860(a)参照)。
更にその後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転される(反時計回りにされる)と共に移動装置K4560が左右中央までスライド移動されて戻り(図1828参照)、その後、第1可動装置K4401の演出待機状態(図1827参照)へ戻るように右側の上側部材K530を上昇させるよう制御されることで、第1の動作パターンが完了される。
図1860(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域に右第1傾斜姿勢における長尺装置K540の傾斜に平行な矢印形状の第1背面表示K81aが複数表示されると共に、表示装置K4580にはローマ字の「V」を意味する第1前面表示K4580aが表示される(第1前面表示K4580aは「Vを狙え」を意味する表示でも良い)。これにより、遊技者に第1可変入賞装置K65の第1特定入賞口K65aへ向けて遊技球を発射させ、特定領域K65c(図1787参照)の通過を狙わせるように報知することができる。
なお、表示装置K4580の表示態様と、第3図柄表示装置K81の表示態様とが連動するように構成しても良い。例えば、表示装置K4580に第1前面表示K4580aが表示される状態で、特定領域K65cに遊技球が入球することに基づいて、表示装置K4580における第1前面表示K4580aは消えて、第3図柄表示装置K81に「V」の表示が移動されるように構成しても良い(例えば、第1前面表示K4580aが、表示装置K4580から第3図柄表示装置K81に移動するように見えるように第3図柄表示装置K81と表示装置K4580とで描画の設定をして、遊技者に視認させるようにしても良い)。
上述の報知の実行中において、回転装飾部材K4578は、時計回り方向に回転動作される。これにより、回転装飾部材K4578の動作態様を視認した遊技者に対して、遊技球の流下する方向を直感的に把握させることが可能となる。
即ち、第1可変入賞装置K65(図1787参照)へ向けて遊技球を発射するように右打ちする状況において、回転装飾部材K4578の上側をセンターフレームK86(図1787参照)に沿って右方に通過した遊技球は、回転装飾部材K4578の右側を流下することを、回転装飾部材K4578の動作態様と対応させて遊技者に直感的に把握させることができるので、遊技球を遊技者が目で追うことを容易にさせることができる。
図1860(a)に図示されるように、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580が右側へ移動されることにより、右打ちされた遊技球が流下する範囲(第3図柄表示装置K81の表示領域よりも右側の範囲)と、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580とを近づけることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と、流下する遊技球とを遊技者の視界に同時に収め易くすることができる。
これにより、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580を視認する遊技者に対して、遊技球の発射が問題なく実行されていることを目視で確認させることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と遊技球の流下範囲とが離れており同時に視認することができない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、回転装飾部材K4578の回転の継続と停止との態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、反時計回りに反転するまでは時計回りの回転動作が継続されるようにしても良いし、時計回りの回転動作が間欠的に生じるようにしても良い。
時計回りの回転動作が間欠的に生じる場合、その回転動作の開始の間隔は、例えば、一定の期間を開けて回転動作が再開始されるようにしても良いし、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定されるものでも良い。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、スルーゲートK67(図1787参照)を遊技球が通過したことを検出したことに基づいて回転装飾部材K4578が回転開始されるようにすることで、回転装飾部材K4578の近傍を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578の回転開始タイミングとを合わせることができる。これにより、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
なお、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図1787参照)を通過する確率は、そのスルーゲートK67の上流側の釘配置などの条件によるが、右打ちされた遊技球が全てスルーゲートK67を通過する場合には、回転装飾部材K4578の右側を遊技球が流下する場合に、もれなく回転装飾部材K4578を回転動作させることができる。
また、右打ちされた遊技球が全てはスルーゲートK67(図1787参照)を通過するものではない(一部はスルーゲートK67を外れ得る)場合であっても、スルーゲートK67を遊技球が通過した特定の時点を契機として、パチンコ機K4010の球発射間隔を空けて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させる(例えば、0.6秒間隔で回転動作させる)ことで、スルーゲートK67を通過するか否かに関わらずスルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングに合わせて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させることができる。
従って、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図1787参照)を通過する確率に関わらず、スルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578を回転動作させるタイミングとをおおよそ合致させることができるので、遊技者は、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、遊技球が第1特定入賞口K65a又は特定領域K65c(図1787参照)に入球することに基づいて、回転装飾部材K4578を回転動作させるようにしても良い。この場合、遊技者は、第1特定入賞口K65a又は特定領域K65cに注視していなくても、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することで、遊技球が第1特定入賞口K65a又は特定領域K65cに入球したことを把握することができる。
これにより、遊技球が第1特定入賞口K65a又は特定領域K65c(図1787参照)に入球したことを、第3図柄表示装置K81の表示領域から目を逸らすことなく把握することができるので、第1特定入賞口K65a又は特定領域K65cへ向けて遊技球を発射するように要求される期間において、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、保留個数に係る報知(特に、保留が満タンか否か)でも良いし、オーバー入賞(規定個数以上の入賞による超過賞球払い出しの発生)の報知でも良いし、遊技モード選択に係る報知でも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に係る報知でも良いし、大当たり遊技中におけるラウンド数に係る報知や入賞個数(又は払い出し個数)に係る報知でも良い。
図1860(a)に図示される状態から移動装置K4560が左方向へスライド移動するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、第1特定入賞口K65a(図1787参照)の開放期間が終了するタイミングと対応させても良いし、特定領域K65c(図1787参照)を遊技球が通過するタイミングと対応させても良いし、入球態様に関わらない特定のタイミングでスライド移動するように制御しても良い。
特に、第1特定入賞口K65a(図1787参照)の開放期間が終了するタイミングと対応させる場合、移動装置K4560の動作態様を視認する遊技者に対して、移動装置K4560が移動した場合に右打ちを終了すると無駄球を減少させられる可能性があることを報知する手段として移動装置K4560を機能させることができる。
また、この場合には、遊技球を右打ちしないタイミングに、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作されることになる。そのため、回転装飾部材K4578が時計回りで回転動作する状況と、右打ちを継続する状況とを関連付けて把握している遊技者に対して、第1特定入賞口K65a(図1787参照)の開放期間が終了した後にまで遊技球を右打ち発射しないようにさせるための報知を回転装飾部材K4578で実行することができる。
図1860(b)に図示される状態は、図1860(a)に図示される状態よりも水平に対する長尺装置K540の傾斜角度が大きい状態であり、第1可動装置K4401の第2の動作パターンの途中状態として図示される。即ち、第1可動装置K4401の第2の動作パターンでは、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1827参照)から、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作される状態で長尺装置K540が右第2傾斜姿勢となるように制御され(図1858参照)、回転装飾部材K4578の回転動作は継続したまま移動装置K4560が移動可能範囲の右端までスライド移動される(図1860(b)参照)。
更にその後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転される(反時計回りにされる)と共に移動装置K4560が左右中央までスライド移動されて戻り(図1858参照)、その後、第1可動装置K4401の演出待機状態(図1827参照)へ戻るように右側の上側部材K530を上昇させるよう制御されることで、第2の動作パターンが完了される。
図1860(b)では、第3図柄表示装置K81の表示領域に右第2傾斜姿勢における長尺装置K540の傾斜に平行な矢印形状の第2背面表示K81bが複数表示されると共に、表示装置K4580にローマ字の「R」を意味する第2前面表示K4580bが表示される。
図1860(a)に図示される状態よりも水平に対する長尺装置K540の傾斜角度が大きくされることで、図1860(a)に図示される状態よりも、遊技者の視線を斜め下方向(本実施形態では、左斜め下方向)に誘導することができる。これにより、遊技者に、第1特定入賞口K65aの左斜め下方向に位置する第2特定入賞口K650a(図1787参照)へ向けて遊技球を発射させるように報知することができる。
この場合、表示装置K4580に描画される第2前面表示K4580bの「R」をラウンド遊技と対応付けることができるので、ラウンド数と対応付けて、第2前面表示K4580bを「R1」や「R5」等に表示を切り替えることで、表示装置K4580の表示により遊技の進行度合いを報知することができる。
また、第2特定入賞口K650aと第2入賞口K640との配置関係から、図1860(b)に図示される状態で、遊技者に第2入賞口K640(図1787参照)へ向けて遊技球を発射させるように報知することもできる。
この場合、表示装置K4580に描画される第2前面表示K4580bの「R」をラッシュ(確変遊技等)と対応付けることができるので、確変状態や時短状態の残り抽選回数と対応付けて「R100」や「R2」等に第2前面表示K4580bを切り替えることで、表示装置K4580の表示により遊技の進行度合いを報知することができる。
上述の報知の実行中において、回転装飾部材K4578は、時計回り方向に回転動作される。これにより、回転装飾部材K4578の動作態様を視認した遊技者に対して、遊技球の流下する方向を直感的に把握させることが可能となる。
即ち、第2入賞口K640又は第1特定入賞口K65a(図1787参照)へ向けて遊技球を発射するように右打ちする状況において、回転装飾部材K4578の上側をセンターフレームK86(図1787参照)に沿って右方に通過した遊技球は、回転装飾部材K4578の右側を流下することを、回転装飾部材K4578の動作態様と対応させて遊技者に直感的に把握させることができるので、遊技球を遊技者が目で追うことを容易にさせることができる。
図1860(b)に図示されるように、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580が右側へ移動されることにより、右打ちされた遊技球が流下する範囲(第3図柄表示装置K81の表示領域よりも右側の範囲)と、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580とを近づけることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と、流下する遊技球とを遊技者の視界に同時に収め易くすることができる。
これにより、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580を視認する遊技者に対して、遊技球の発射が問題なく実行されていることを目視で確認させることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と遊技球の流下範囲とが離れており同時に視認することができない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、回転装飾部材K4578の回転の継続と停止との態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、反時計回りに反転するまでは時計回りの回転動作が継続されるようにしても良いし、時計回りの回転動作が間欠的に生じるようにしても良い。
時計回りの回転動作が間欠的に生じる場合、その回転動作の開始の間隔は、例えば、一定の期間を開けて回転動作が再開始されるようにしても良いし、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定されるものでも良い。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、スルーゲートK67(図1787参照)を遊技球が通過したことを検出したことに基づいて回転装飾部材K4578が回転開始されるようにすることで、回転装飾部材K4578の近傍を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578の回転開始タイミングとを合わせることができる。これにより、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
なお、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図1787参照)を通過する確率は、そのスルーゲートK67の上流側の釘配置などの条件によるが、右打ちされた遊技球が全てスルーゲートK67を通過する場合には、回転装飾部材K4578の右側を遊技球が流下する場合に、もれなく回転装飾部材K4578を回転動作させることができる。
また、右打ちされた遊技球が全てはスルーゲートK67(図1787参照)を通過するものではない(一部はスルーゲートK67を外れ得る)場合であっても、スルーゲートK67を遊技球が通過した特定の時点を契機として、パチンコ機K4010の球発射間隔を空けて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させる(例えば、0.6秒間隔で回転動作させる)ことで、スルーゲートK67を遊技球が通過したか否かに関わらずスルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングに合わせて回転装飾部材K4578を間欠的に回転動作させることができる。
従って、右打ちされた遊技球がスルーゲートK67(図1787参照)を通過する確率に関わらず、スルーゲートK67付近を遊技球が流下するタイミングと、回転装飾部材K4578を回転動作させるタイミングとをおおよそ合致させることができるので、遊技者は、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
なお、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合、例えば、遊技球が第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)に入球することに基づいて、回転装飾部材K4578を回転動作させるようにしても良い。この場合、遊技者は、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aに注視していなくても、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することで、遊技球が第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aに入球したことを把握することができる。
これにより、遊技球が第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)に入球したことを、第3図柄表示装置K81の表示領域から目を逸らすことなく把握することができるので、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aへ向けて遊技球を発射するように要求される期間において、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、保留個数に係る報知(特に、保留が満タンか否か)でも良いし、オーバー入賞(規定個数以上の入賞による超過賞球払い出しの発生)の報知でも良いし、遊技モード選択に係る報知でも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に係る報知でも良いし、大当たり遊技中におけるラウンド数に係る報知や入賞個数(又は払い出し個数)に係る報知でも良い。
図1860(b)に図示される状態から移動装置K4560が左方向へスライド移動するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、第2入賞口K640a(図1787参照)に遊技球が入球し易い期間(時短中または確変中の期間)が終了するタイミングと対応させても良いし、第2特定入賞口K650a(図1787参照)が開放される期間(大当たり遊技におけるラウンド中の期間または大当たり遊技中の期間)が終了するタイミングと対応させても良いし、入球態様に関わらない特定のタイミングでスライド移動するように制御しても良い。
特に、第2入賞口K640a(図1787参照)に遊技球が入球し易い期間(時短中または確変中の期間)が終了するタイミングと対応させる場合、又は、第2特定入賞口K650a(図1787参照)が開放される期間(大当たり遊技におけるラウンド中の期間または大当たり遊技中の期間)が終了するタイミングと対応させる場合、移動装置K4560の動作態様を視認する遊技者に対して、移動装置K4560が移動した場合に右打ちを終了すると無駄球を減少させられる可能性があることを報知する手段として移動装置K4560を機能させることができる。
また、この場合には、遊技球を右打ちしないタイミングに、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作されることになる。そのため、回転装飾部材K4578が時計回りで回転動作する状況と、遊技球が回転装飾部材K4578の上方位置を通り回転装飾部材K4578の右側を流れる状況(右打ちを継続する状況)とを関連付けて把握している遊技者に対して、第2入賞口K640a又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)の開放期間が終了した後にまで遊技球を右打ち発射しないようにさせるための報知を回転装飾部材K4578で実行することができる。
なお、第3図柄表示装置K81に、長尺装置K540の傾斜に対応した第1背面表示K81aや第2背面表示K81bを表示する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域自体が傾斜したように遊技者に見得るように第3図柄表示装置K81内の表示を構成しても良い。即ち、第3図柄表示装置K81による表示を全体的に傾ける。これにより、あたかも長尺装置K540の姿勢が傾斜すると共に第3図柄表示装置K81の姿勢も傾斜したかのように見せる演出を実行することができる。
なお、図1860(a)及び図1860(b)についての上述の説明では、第1の動作パターンと第2の動作パターンとを独立した動作パターンとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図1860(a)に図示される状態から、長尺装置K540が上昇されるのではなく、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁される(図1818(b)参照)ことにより更に落下され、図1860(b)に図示される状態に変化し、その後で長尺装置K540の右側が上昇されることで演出待機状態(図1827参照)に戻るといった動作パターンを設定しても良い。
この動作パターンは、例えば、右打ち遊技における遊技の一組の流れが、遊技球を第1特定入賞口K65aに入球させ、特定領域K65c(図1787参照)を通過させた後で、第2特定入賞口K650a(図1787参照)に遊技球が入球し易くなる期間や、第2入賞口K640(図1787参照)に遊技球が入球し易くなる期間が開始されるものである場合に、特に有効である。
この遊技の一組の流れとしては、例えば、特定領域K65cに遊技球が入球することに基づいて特別遊技が開始され、第2特定入賞口K650aが開放されるという遊技の流れや、特別遊技の期間の終了後に第2入賞口K640が開放されるという遊技(特別遊技の終了後に時短状態となる遊技)の流れ等が想定される。
この場合、上述の右打ち遊技における遊技の一組の流れでは、遊技球の入賞箇所としての注目箇所が変化(即ち、第1特定入賞口K65a及び特定領域K65c近傍から第2特定入賞口K650a及び第2入賞口K640近傍へ変化)することになるが、この変化のタイミングで、図1860(a)の状態から図1860(b)の状態に変化させるようにすれば、遊技者に対して注目箇所が変化したことをリアルタイムに報知することができる。これにより、遊技者が注目箇所の変化に対応できず、遊技球の入賞を見逃すという事態を避け易くすることができる。
図1860(c)に図示される状態は、図1860(b)に図示される状態と長尺装置K540の傾斜が左右対称である状態であり、第1可動装置K4401の第3の動作パターンの途中状態として図示される。即ち、第1可動装置K4401の第3の動作パターンでは、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1827参照)から、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作される状態で長尺装置K540が左第2傾斜姿勢となるように制御され(図1860(c)参照)、回転装飾部材K4578の回転動作は継続したまま移動装置K4560が移動可能範囲の左端までスライド移動される(図1860(c)参照)。
更にその後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転される(時計回りにされる)と共に移動装置K4560が左右中央までスライド移動されて戻り、その後、第1可動装置K4401の演出待機状態(図1827参照)へ戻るように左側の上側部材K530を上昇させるよう制御されることで、第3の動作パターンが完了される。
図1860(c)では、第3図柄表示装置K81の表示領域に左右方向で左側を向く大きな矢印形状の第3背面表示K81cが一つ表示されると共に、表示装置K4580には漢字の「左」を意味する第3前面表示K4580cが表示される。これにより、遊技者に、左打ちで遊技球を発射させるように報知することができる。
この報知の実行中において、回転装飾部材K4578は、反時計回り方向に回転動作される。これにより、回転装飾部材K4578の動作態様を視認した遊技者に対して、遊技球の流下する方向を直感的に把握させることが可能となる。
即ち、遊技領域の左側に配置される一般入賞口K63や第1入賞口K64(図1787参照)へ向けて遊技球を発射するように左打ちする状況において、回転装飾部材K4578の上側をセンターフレームK86(図1787参照)に沿って左方に流下した遊技球は、回転装飾部材K4578の左側を流下することを、回転装飾部材K4578の動作態様と対応させて遊技者に直感的に把握させることができるので、遊技球を遊技者が目で追うことを容易にさせることができる。
図1860(c)に図示されるように、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580が左側へ移動されることにより、左打ちされた遊技球が流下する範囲(第3図柄表示装置K81の表示領域よりも左側の範囲)と、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580とを近づけることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と、流下する遊技球とを遊技者の視界に同時に収め易くすることができる。
これにより、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580を視認する遊技者に対して、遊技球の発射が問題なく実行されていることを目視で確認させることができるので、回転装飾部材K4578及び表示装置K4580と遊技球の流下範囲とが離れており同時に視認することができない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、回転装飾部材K4578の回転の継続と停止との態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、時計回りに反転するまでは反時計回りの回転動作が継続されるようにしても良いし、反時計回りの回転動作が間欠的に生じるようにしても良い。
反時計回りの回転動作が間欠的に生じる場合、その回転動作の開始の間隔は、例えば、一定の期間を開けて回転動作が再開始されるようにしても良いし、遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定されるものでも良い。
遊技球の流下態様と対応させて回転動作の開始時期が設定される場合の一例について説明する。例えば、内レールK61と外レールK62との間を通過する遊技球を検出可能な検出装置を設けると共に、遊技領域に入球した遊技球が図1860(c)に図示される状態における移動装置K4560の左方を通過するまでにかかる概略の必要流下期間を予め設定する。
この場合において、上述の検出装置により遊技球の通過が検出されてから、上述の必要流下期間だけ遅延させたタイミングで回転装飾部材K4578の回転動作を開始させることで、遊技球が移動装置K4560の左方を通過するタイミングと、回転装飾部材K4578が回転動作を開始するタイミングとを合わせることができる。これにより、遊技球自体を視認しなくても、回転装飾部材K4578の動作を視認することで、遊技球の流下位置の予想を立てることができる。
また、遊技球の流下態様に対応させて回転動作の開始時期が設定される場合について、例えば、遊技球が第1入賞口K64又は一般入賞口K63(図1787参照)に入球することに基づいて、回転装飾部材K4578を回転動作させるようにしても良い。この場合、遊技者は、第1入賞口K64又は一般入賞口K63に注視していなくても、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することで、遊技球が第1入賞口K64又は一般入賞口K63に入球したことを把握することができる。
これにより、遊技球が第1入賞口K64又は一般入賞口K63(図1787参照)に入球したことを、第3図柄表示装置K81の表示領域から目を逸らすことなく把握することができるので、第1入賞口K64又は一般入賞口K63へ向けて遊技球を発射するように要求される期間において、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知を見逃す可能性を低くすることができる。
なお、第3図柄表示装置K81に表示される種々の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、保留個数に係る報知(特に、保留が満タンか否か)でも良いし、オーバー入賞(規定個数以上の入賞による超過賞球払い出しの発生)の報知でも良いし、遊技モード選択に係る報知でも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に係る報知でも良いし、大当たり遊技中におけるラウンド数に係る報知や入賞個数(又は払い出し個数)に係る報知でも良い。
図1860(c)に図示される状態から移動装置K4560が右方向へスライド移動するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、第1入賞口K64(図1787)に数球(1個でも良いし、複数個でも良い)の遊技球が入球したタイミングと対応させても良いし、第1入賞口K64の保留が数個溜まったタイミングと対応させても良いし、アウト口71(図1787参照)を数球の遊技球が通過したタイミングと対応させても良いし(この場合において、スルーゲートK67で遊技球の通過が検出されないことを前提としても良いし、その前提を不要としても良い)、入球態様に関わらない特定のタイミングでスライド移動するように制御しても良い。
なお、移動装置K4560がスライド移動する場合に回転装飾部材K4578が回転され、その回転方向がスライド移動の方向に対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。回転装飾部材K4578の回転動作と移動装置K4560のスライド移動とは、独立した駆動装置により実行されるので、動作態様の対応関係は制御プログラム次第である。
例えば、図1860(c)で図示した第3の動作パターンにおいて、演出待機状態に戻る途中動作として移動装置K4560が右方にスライド移動する場合における回転装飾部材K4578の回転方向を、反時計回り方向にしても良い(維持しても良い)。これにより、移動装置K4560を演出待機状態における配置(図1827参照)に戻す動作を実行しながら、回転装飾部材K4578の回転方向により、左打ち遊技を継続させるように遊技者に仕向けることができる。
また、例えば、図1860(c)で図示した第3の動作パターンにおいて、演出待機状態に戻る途中動作として移動装置K4560が右方にスライド移動する場合における回転装飾部材K4578の回転を、停止させても良い。これにより、移動装置K4560を演出待機状態における配置(図1827参照)に戻す動作を実行しながら、回転装飾部材K4578の状態と、遊技球の流下方向との関係性を切断させるように演出することができる。
また、例えば、上述の回転装飾部材K4578の回転を停止させる制御を、第1入賞口K64又は第2入賞口K640への入球に基づく特別図柄の抽選で大当たりが生じた場合に実行可能に制御しても良い。特別図柄の抽選で大当たりが生じていれば、その大当たりの告知まで特別図柄の保留が減少しないので、保留が満タンとなった以降は遊技球をいくら第1入賞口K64又は第2入賞口K640に入球させても特別図柄の抽選を得られず、無駄球が生じ易い状況が生じ得る。
そのため、遊技者は早急に球の発射を停止し、大当たりが告知されることを待つ方が得な場合が多い。即ち、回転装飾部材K4578の回転が停止された状態と、回転装飾部材K4578の左右いずれにも遊技球が流下しない状態とを対応付けて報知することで、遊技者に遊技球の発射を停止するように仕向けることができる。
更には、回転装飾部材K4578の回転が一度停止された状況において、第1入賞口K64又は第2入賞口K640に遊技球が入球された場合に、回転装飾部材K4578の回転動作を再開させるようにしても良い。これにより、遊技者の意図によらず発射が継続されている場合(例えば、操作ハンドルH51(図1776及び図1786参照)の回動位置は戻しておらず発射停止スイッチH51b(図1776参照)で球の発射を停止させる操作をしている場合に、発射停止スイッチH51bの押し込みが甘い場合)であっても、回転装飾部材K4578の動作態様を遊技者に視認させることで、発射が継続されていることを遊技者に気づかせることができる。これに気付いた遊技者は、操作の改良をする(例えば、発射停止スイッチH51bを強く押し込む)ことで、球の発射を停止させることで、無駄球の発射個数を抑えることができる。
これにより、回転装飾部材K4578の左右いずれにも遊技球を流下させることなく、演出に注視し、大当たりの告知のタイミングを待つように遊技者に仕向けることができる。そのため、遊技者は、回転装飾部材K4578の回転が停止していることを確認できれば、遊技球の発射を停止することにより無駄球を低減させることができることに加え、大当たりが得られることを把握することができる。従って、回転装飾部材K4578への遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、図1860(a)から図1860(c)に図示した表示態様は例示であり、何ら限定されるものではない。例えば、図1860(b)で図示される第2背面表示K81bの矢印を、左右反転させたうえで、図1860(c)に図示される状態における第3図柄表示装置K81の表示に採用しても良いし、図1860(c)で図示される第3背面表示K81cの矢印を、左右反転させたうえで、図1860(a)又は図1860(b)に図示される状態における第3図柄表示装置K81の表示に採用しても良い。
また、図1860(a)から図1860(c)では、第3図柄表示装置K81において、矢印が下降傾斜する姿勢で表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、矢印が上昇傾斜する姿勢で表示されるようにしても良い。
この表示(例えば、第2背面表示K81bの上下を反転した形状の表示)を図1860(c)に図示される左第2傾斜姿勢で採用することで、正面枠K14の表示ランプK900の一部として右上隅に配設される右上ランプK940へ向けた矢印として視認させることができる。
右上ランプK940は、例えば、通常は消灯されているが、特別図柄の抽選が大当たりとなった場合等の遊技者にとって利益となる事象が生じた場合や、球の払い出しが生じている場合等に基づいて点灯または点滅するよう制御される。そのため、遊技者にとって興味関心の大きな発光部であるが、第3図柄表示装置K81の表示領域に注目力が集中する通常の遊技態様では、視界に収まりにくいほど外側の位置(正面枠K14の右上隅)に配置されているので、きっかけが無ければ、右上ランプK940が点灯または点滅したことに遊技者が気づけない可能性がある。
これに対し、右上ランプK940が点灯または点滅するタイミングに合わせて、上述の表示(例えば、第2背面表示K81bの上下を反転した形状の表示)を図1860(c)に図示される左第2傾斜姿勢で採用することで、第3図柄表示装置K81における表示により、正面枠K14に配設される右上ランプK940へ向けて遊技者の視線を誘導することができる。
これにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置K81の表示領域よりも外方であって、正面枠K14に配設される右上ランプK940に誘導することができるので、第3図柄表示装置K81の表示領域を遊技者が見続ける場合に比較して、遊技者の目の疲労を低減させることができる。
この場合、遊技者の視界を、第3図柄表示装置K81の表示領域および遊技領域の一部が収まる程度の狭い範囲から、正面枠K14も含めた範囲まで広げさせるように仕向けることで、遊技者の目の位置を後退させることができる。これにより、遊技者の目の疲労を低減することができる。
なお、右上ランプK940に視線誘導するための表示を、第3図柄表示装置K81の表示領域の前方に収める必要はない。例えば、上側装飾部材K330の内部に配置されるLEDの内、右上ランプK940から離れた側のLEDから右上ランプK940に近い側のLEDの順番でLEDを光らせることで光の筋(帯)を形成し、右上ランプK940側に視線を誘導するようにしても良い。
また同様の発光のさせ方を、遊技領域の後方から前方へ向けて光を照射するLEDや、ガラスユニットH16の外方に配置される表示ランプK900において実行させるようにしても良い。これにより、右上ランプK940への視線誘導を広い範囲で行うことができる。
なお、演出効果の観点から、長尺装置K540の移動時に回転装飾部材K4578が回転動作している場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、回転装飾部材K4578が回転していない状態で長尺装置K540の移動を実行させても良い。この場合、長尺装置K540の落下時に回転装飾部材K4578が破損するという事態を避け易くすることができる。
また、回転装飾部材K4578の停止中における移動装置K4560のスライド移動を可能に構成しても良い。この場合、移動装置K4560のスライド移動にバリエーションを持たせることができるので、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
また、回転装飾部材K4578の回転駆動制御の設定は、上述したものに限られるものではない。例えば、表示装置K4580の表示や、移動装置K4560の移動方向に関わらず、電源投入から一定の方向の回転が継続されるように制御してもいいし、等間隔で回転装飾部材K4578の回転方向が反転されるように制御しても良い。
また、遊技球の流下に対応して回転装飾部材K4578が回転されるように構成しても良い。この場合、遊技球が特定の範囲を流下した場合に回転装飾部材K4578が回転するように構成することで、遊技者は、回転装飾部材K4578を視認したままで、遊技球が特定の範囲を流下したことを把握することができるので、遊技負担の軽減を図ることができる。
なお、遊技球が特定の範囲を流下した場合の検出は、遊技球の通過を検出するためのセンサを設けても良いし、特定の範囲を流下する遊技球からの荷重により、回転装飾部材K4578の回転が生じるように構成されても良い。後者の場合において、遊技球の重さが伝達されることで回転装飾部材K4578の回転力が生じるように構成しても良いし、遊技球の荷重により回転装飾部材K4578の回転を規制するためのロックが解除され、回転装飾部材K4578の回転が許容される構成でも良い。
特に、四角形状の回転装飾部材K4578の外形には、回転軸から遠い部分と、近い部分とが形成されていることから、引っかかりとなり、荷重を回転方向に伝達させ易くすることができる。
また、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)における遊技球の通過が検出されることに基づいて、表示装置K4580の表示領域が発光したり、スピーカー等の音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声が出力されたりするように制御しても良い。
表示装置K4580の表示領域が発光される場合において、その発光態様の設定については何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の何れで遊技球の通過が検出されたかに関わらず表示装置K4580の表示領域の全範囲を発光させるようにしても良いし、発光を入賞位置に対応させたものに設定しても良い。
前者の場合、表示装置K4580の表示領域の発光に気付いた遊技者は、その発光態様のみからでは、遊技球が入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)のどこを通過したのかを把握することができないので、遊技者の注目力を入賞口K65a,K640,K650aの配置位置側へ移させることができる。これにより、遊技者の目線を表示装置K4580の表示領域から遊技領域側へ誘導させることができる。
後者の場合、例えば、比較的右側に配置される第1特定入賞口K65a(図1787参照)で遊技球の通過が検出された場合には表示装置K4580の表示領域の右側部を発光させる一方、第1特定入賞口K65aよりも左側に配置される第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)で遊技球の通過が検出された場合には表示装置K4580の表示領域の左側部を発光させるようにしても良い。この場合、表示装置K4580の発光態様(発光範囲)を視認した遊技者に対して、遊技球がどこを通過したのかを予想させ易くさせることができる。
なお、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)を通過する遊技球を一律に扱っても良いし、又は、遊技球を区別して扱い、その区別に対応して発光の有無および音声出力の有無を切り替えるようにしても良い。
例えば、第1特定入賞口K65a又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)を通過する遊技球を、特別遊技状態におけるラウンド遊技の規定個数(本実施形態では10個)に収まる遊技球か、それを超えて通過する遊技球(オーバー入賞の遊技球)かで区別可能に構成しても良い。
この場合において、規定個数に収まる遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させない一方、規定個数を超えた遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させるように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させた場合に、規定個数を超えた遊技球の通過が第1特定入賞口K65a又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)において生じることに伴う賞球の払い出しが得られることを同時に把握させることができるので、遊技の興趣の向上を図ることができる。
または、規定個数に収まる遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させる一方、規定個数を超えた遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させないように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させたとしても、規定個数を超えた遊技球の通過が第1特定入賞口K65a又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)において生じているか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。そのため、オーバー入賞球の発生により、特別遊技状態で払い出される賞球にばらつきが生じる場合であっても、そのばらつきが遊技者に気付かれ難くすることができ、遊技者の不満が蓄積される事態を避け易くすることができる。
例えば、第2入賞口K640(図1787参照)を通過する遊技球を、第2入賞口K640の入賞により抽選される第1図柄(例えば、特別図柄2)の保留球数に空きがある場合に通過した遊技球か、特別図柄2の保留球数が満タンである場合に通過した遊技球(オーバーフローの遊技球)かで区別可能に構成しても良い。
この場合において、特別図柄2の保留球数が満タンである場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させない一方、特別図柄2の保留球数に空きがある場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させるように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させることで、第2入賞口K640(図1787参照)の遊技球の通過により特別図柄2の抽選を得られたことを遊技者に把握させることができる。
または、特別図柄2の保留球数が満タンである場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させ、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させる一方、特別図柄2の保留球数に空きがある場合の遊技球の通過である場合に、表示装置K4580の表示領域を発光させず、音声出力装置H226(図1785参照)から入賞用の音声を出力させないように制御しても良い。
この制御態様の場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力を遊技者に確認させることで、第2入賞口K640(図1787参照)を遊技球が通過したにも関わらず特別図柄2の抽選が得られていないことを遊技者に把握させることができる。
この場合、遊技者に対して、このまま球の発射を継続するか(球の発射を継続しておけば特別図柄2の保留球数に空きが出るや否や第2入賞口K640(図1787参照)に入球を生じさせて特別図柄2の抽選を得られる可能性があるので遊技の迅速さが高まる一方でアウト球の個数が多くなり易い)、特別図柄2の保留球数に空きが出るまで球の発射を一時中断するか(球の発射を停止すればアウト球は発生しなくなるが入球間隔は長くなる可能性が高く遊技の迅速さは低下し易い)の、遊技態様の選択に役立つ情報を提供することができ、遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、表示装置K4580の表示領域の発光と、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力とは、必ずしもセットで生じさせる必要はない。例えば、表示装置K4580の表示領域の発光は生じるが音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力は生じない場合や、表示装置K4580の表示領域の発光は生じずに音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力のみが生じる場合等が設定されても良い。
なお、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の通過により表示装置K4580の表示領域の発光と、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力がされる場合に限られるものではない。例えば、入賞口K65a,K640,K650aの通過により、対応するLEDが発光されるようにしても良い。
即ち、例えば、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)に遊技球が入球した場合に、その後方から光を照射する発光部K212(図1790参照)から光が照射されるようにしても良い。これにより、明るく視認される箇所と、遊技球の入球箇所とを対応づけることができるので、遊技者は、明るく視認される箇所から、入球により得られる利益を予想し易くなる。
また、表示装置K4580の表示と明るくされる入賞ユニットK200とが近づけられている場合(図1860(b)参照)、表示装置K4580における表示と入賞ユニットK200の前側における意匠(「E」の記号)とを一連で視認させることができる。これにより、表示装置K4580だけで視認される態様とも、入賞ユニットK200だけで視認される態様とも異なる態様で視認させることができるので、演出のバリエーションを増加させることができる。
なお、上述のように、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力のタイミングが、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)を遊技球が通過した場合に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。
例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の上流側に配置される開閉板(例えば、入賞口K65aを開閉する開閉板K65b、第2入賞口K640を開閉する電動役物K640a(図1787参照)、第2特定入賞口K650aを開閉する第2電動役物K250(図1792参照))の何れかが、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させることができる開放状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光され、音声出力装置H226(図1785参照)から特定の音声が出力される一方、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させ難くする閉鎖状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光されず、音声出力装置H226(図1785参照)から特定の音声が出力されないように制御しても良い。
この場合、遊技者に対して、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様を確認させることで、遊技球を右打ちで発射させる期間と、遊技球の打ち出しを停止させる期間とを、判別させ易くすることができる。
即ち、遊技者は、表示装置K4580の表示領域において発光され、音声出力装置H226(図1785参照)から特定の音声が出力された場合に、遊技球を発射する一方で、表示装置K4580の表示領域において発光されず、音声出力装置H226(図1785参照)から特定の音声が出力されない場合に、遊技球の発射を停止させることで、発射された球が入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)のいずれにも入球せず遊技領域から排出されるという事態が生じる可能性を低くすることができ、遊技における無駄球の個数を削減させることができる。
または、入賞口K65a,K640,K650aの上流側に配置される開閉板(例えば、入賞口K65aを開閉する開閉板K65b、第2入賞口K640を開閉する電動役物K640a(図1787参照)、第2特定入賞口K650aを開閉する第2電動役物K250(図1792参照))の何れかが、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させることができる開放状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光されず、音声出力装置H226(図1785参照)から特定の音声が出力されない一方、対応する入賞口K65a,K640,K650aへ遊技球を流下させ難くする閉鎖状態とされた場合に、表示装置K4580の表示領域において発光され、音声出力装置H226(図1785参照)から特定の音声が出力されるように制御しても良い。
この場合であっても、発光の有無や音声の出力の有無と、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の何れかへの入球とを関連づけることができるので、遊技者に対して、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様を確認させることで、遊技球を右打ちで発射させる期間と、遊技球の打ち出しを停止させる期間とを、判別させ易くすることができる。
なお、入賞口K65a,K640,K650aの上流側に配置される開閉板(例えば、入賞口K65aを開閉する開閉板K65b、第2入賞口K640を開閉する電動役物K640a(図1787参照)、第2特定入賞口K650aを開閉する第2電動役物K250(図1792参照))の何れかが、現在、開放状態か閉鎖状態かに関連して、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様を切り替える制御に限らず、種々の制御態様が例示される。なお、音声の出力態様の切り替えとは、音の発生は継続している上で変化を生じさせることでも良いし、音が発生される状態と消音される状態(ミュート)との変化でも良い。
例えば、開閉板の状態が切り替えられるよりも前における一時点から、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様を切り替えるように制御しても良い。
この場合において、例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の上流側に配置される開閉板が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる数秒前に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるようにしても良い。
この場合、その切り替え時点を遊技球の発射開始の目安とすることで、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)が開放状態となってから球を発射する場合に生じ易い、入賞口K65a,K640,K650aが開放状態となってからの一球目の遊技球の入賞タイミングが、発射球が入賞口K65a,K640,K650aに到達するまでの移動時間(タイムラグ)分だけ遅れるという事態を解消することができる。
特に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるタイミングを、開閉板が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる時点よりも、発射球が入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)に到達するまでの移動時間(タイムラグ)分だけ前の時点とすることで、発射球が入賞口K65a,K640,K650aに到達する直前に、入賞口K65a,K640,K650aの上流側に配置される開閉板が開放状態に切り替えられる状況を生じさせることができることから、遊技をスムーズに進行させることができる。
また、例えば、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の上流側に配置される開閉板が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる数秒前に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるようにしても良い。
この場合、その切り替え時点を遊技球の発射停止の目安とすることで、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)が閉鎖状態となってから球の発射を停止する場合には防ぐことのできない、入賞口K65a,K640,K650aの何れもが閉鎖状態となっているにも関わらず、既に発射してしまっている球が第3図柄表示装置K81の右側を流下し、何れの入賞口K65a,K640,K650aにも入球せずにアウト口K71(図1787参照)から排出されるという事態を解消することができる。
特に、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様が切り替えられるタイミングを、開閉板が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる時点よりも、発射球が入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)に到達するまでの移動時間(タイムラグ)分だけ前の時点とすることで、その時点で球の発射を停止すれば、その前に発射された球については入賞口K65a,K640,K650aが開放状態の時に到達させることができることから、無駄球の低減を図ることができる。
なお、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)を特定せず、いずれかの入賞口K65a,K640,K650aが開放された場合に報知を行うようにしても良いし、開放された入賞口K65a,K640,K650aに対応した報知を行っても良い。例えば、開放された入賞口K65a,K640,K650aに対応するLEDが発光されるようにしても良い。
即ち、例えば、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)が開放された場合に、その後方から光を照射する発光部K212(図1790参照)から光が照射されるようにしても良い。これにより、明るく視認される箇所と、遊技球の入球可能箇所とを対応づけることができるので、遊技者は、明るく視認される箇所から、入球により得られる利益を予想し易くなる。
図1862を参照して、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)の上流側に配置される開閉板の状態が切り替えられるよりも前における一時点から、表示装置K4580の表示領域における発光態様や、音声出力装置H226(図1785参照)からの特定の音声の出力態様を切り替えるように制御される第3の演出制御例について説明する。なお、以下では便宜的に、第1特定入賞口K65aの開閉板の状態が切り替えられるよりも前における一時点からの演出態様について説明するが、同様の演出を、第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aでも適用させることは可能である。
図1862(a)及び図1862(b)は、パチンコ機K4010の部分正面図である。図1862(a)及び図1862(b)では、第3の演出制御例が実行される場合における、第1特定入賞口K65aの開閉板K65b(図1787参照)が開放状態に変化される数秒前における第3図柄表示装置K81の表示領域内における変化が時系列で図示される。
即ち、図1862(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域にサイズが縮小されたパチンコ機K4010の正面図K4010Fが表示され、図1862(b)では、第3図柄表示装置K81よりも手前側の層において長尺装置K540が右第2傾斜姿勢(図1858参照)に変化された後、移動装置K4560が移動範囲の右端に到達したことが右側検出センサK556a(図1815参照)により検出された状態が図示される。
この場合において、移動装置K4560の回転装飾部材K4578の環形状が所謂虫眼鏡のレンズ枠に見立てられ、表示装置K4580には、第3図柄表示装置K81に表示されるパチンコ機K4010の正面図K4010Fにおける第1可変入賞装置K65(図1787参照)付近の拡大正面図K65Fが表示される。
表示装置K4580の表示は、第3図柄表示装置K81に表示されるパチンコ機K4010との位置関係に合わせて変化されるように制御されており、図1862(b)の位置では、第1可変入賞装置K65(図1787参照)付近の拡大正面図K65Fが表示される。
このように、表示装置K4580の表示が、第3図柄表示装置K81に表示されるパチンコ機K4010の全体から一部に寄っていくように変化されることで、第3図柄表示装置K81に表示される正面図K4010Fと、表示装置K4580に表示される拡大正面図K65Fとを一連で視認させ易くすることができ、遊技者に対して、表示装置K4580の表示がパチンコ機K4010の一部を意味することを理解させ易くすることができる。
これにより、表示装置K4580の表示が何を意味しているのか、又は、表示装置K4580の表示がパチンコ機K4010を意味していることが理解できても表示がパチンコ機K4010のどの部分を意味しているかについて、遊技者が理解できないために、表示装置K4580の表示が意味をなさなくなるという事態の発生を回避し易くすることができる。
更に、第3図柄表示装置K81に正面図K4010Fが表示される前後位置よりも、拡大正面図K65Fが表示される前後位置の方が前側(遊技者側)とされることで、パチンコ機K4010の全体から、一部に変化される際に、表示が遊技者側に近づいてきているように、遊技者に錯覚させることができる。これにより、臨場感のある表示演出を構成することができる。
図1862(b)に図示される状態において、第3図柄表示装置K81の表示領域の内、長尺装置K540の右上側の範囲において、表示装置K4580に向かう矢印と「狙え」との文字が表示され、音声出力装置H226(図1785参照)からは「ここを狙って球を打ち出せ」との音声が出力される。
これにより、第1特定入賞口K65aの開閉板K65b(図1787参照)が開放状態に変化される前から、遊技球をどこに向かって発射すれば良いのか、どのタイミングで発射すれば良いのかを遊技者に把握させ易くなるため、遊技者の遊技負担を低減させることができる。以降、第3の演出制御例について続けて説明する。
第3の演出制御例では、図1862(b)の表示に基づいて遊技者が右打ちで球を発射し、その球が第1特定入賞口K65a(図1787参照)に入球されると(1球目の入球検出に基づいて)、表示装置K4580の表示が、上述したように右向きの矢印の模様(図1861参照)に切り替えられ、第3図柄表示装置K81における正面図K4010Fの表示が消される。代わりに、第3図柄表示装置K81では、第1特定入賞口K65aへの入球が検出される度に、「+15」等の賞球の払い出しを想起させる数字表示(他に、「ポイントGET」や、コインの表示等でも良い)が表示される。
第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65aへの入球が検出される度に表示装置K4580に矢印形状(図1861参照)が表示され、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作されるが、その表示態様および回転動作態様が一定ではなく、変化し得るように制御される。
即ち、第3の演出制御例では、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状(図1861参照)の大きさおよび回転装飾部材K4578の回転速度に比較して、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状の大きさおよび回転装飾部材K4578の回転速度が、同じか、それ以上となるように制御される。
これにより、第1特定入賞口K65a(図1787参照)に入球される球数が多くなるほど、表示装置K4580に表示される矢印形状(図1861参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が大きくなり易い状況を構成することができる。更に、第1特定入賞口K65aに入球される球数が多くなるほど、第3図柄表示装置K81に表示される「+15」等の賞球の払い出しを想起させる数字表示の表示数が多くなるため、回転装飾部材K4578の回転と数字表示の表示(数)とを一連で視認させることができる。
従って、遊技者は、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球個数と、表示装置K4580に表示される矢印形状(図1861参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度とを対応付けて把握することができる。この場合、表示装置K4580に表示される矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度から、払い出される賞球個数の多少を予想し易くすることができるので、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
なお、第3の演出制御例において、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状(図1861参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度に対する、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度の変化量(速度上昇量)は、毎回同じでも良いし、異なるようにしても良い。
例えば、矢印形状(図1861参照)の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、先の遊技球の入球に基づく矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が第1段階だった場合に、その後の遊技球の入球に基づく矢印形状の大きさ及びおよび回転装飾部材K4578の回転速度が第2段階に変化するパターンのみならず、第3~5段階に変化するパターンをも実行可能に構成しても良い。
この場合に、例えば、表示される矢印形状(図1861参照)の大きさが変化しきる前に、次の球が入球した(短時間で2球連続入球した)場合に矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が一段階増加し、更に次の球に基づいて表示される矢印形状の大きさが変化しきる前に更に次の球が入球した(短時間で3球連続入球した)場合に矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度が二段階増加するように構成しても良い。この場合、矢印形状の大きさ及び回転装飾部材K4578の回転速度の変化態様から、高頻度の入球が生じたことを遊技者に把握させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口K65aに入球されず、第2電動役物K250の可動板K251の上面を左方へ流されることで第2特定入賞口K650aにも入球されなかった球が、左側の球案内部K210(図1792参照)に入球した場合に、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
右側の球案内部K210(図1792参照)がアウト口K71(図1787参照)と同様の機能を備える一方で、左側の球案内部K210(図1792参照)は一般入賞口K63(図1787参照)と同様の機能を備えており、入球に基づき賞球の払い出しが行われる。即ち、左側の球案内部K210(図1792参照)への入球と同様、一般入賞口K63に入球した場合にも、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65a(図1787参照)に入球せずに下流に流れた球の存在に気付かせることができるので、開閉板K65bが閉鎖状態の時に球の発射をしていないか、球の発射強度は適切か、といった、操作ハンドルH51(図1786参照)の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、第1特定入賞口K65a(図1787参照)に発射球の全てが入球される状況下では、表示装置K4580の表示の切り替えは生じずに図1862(b)に図示される状態が維持され、回転装飾部材K4578の回転動作も生じない一方で、第1特定入賞口K65aに発射球の一部が入球されない状況下においては、表示装置K4580の表示の切り替えを生じ、回転装飾部材K4578も回転動作される。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65aに適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側の球案内部K210(図1792参照)への入球では表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作を生じさせず、一般入賞口K63(図1787参照)への入球に基づいて、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65a(図1787参照)側、即ち、回転装飾部材K4578の上側を右方へ案内されずに、回転装飾部材K4578の左側へ案内され流れた球の存在に気付かせることができるので、球の発射強度が弱くなっていないか、といった、操作ハンドルH51(図1786参照)の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が右方に流下し続ける状況が維持される時には表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行されることはなく、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が一つでも左方に流下する場合に表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行され得る。
そのため、表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行された場合、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が左方に流下する程度に、発射強度が弱まっている証拠になるので、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作を視認した遊技者に対して、操作ハンドルH51(図1786参照)の操作強度を見直させるよう促すことができる。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65a(図1787参照)に適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578の回転動作が、遊技球の入球に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、表示装置K4580の表示または回転装飾部材K4578の回転動作の少なくとも一方が、遊技球の入球に因らず発生するようにしても良い。
この場合において、回転装飾部材K4578の回転速度が、操作ボタン部材H181(図1786参照)の操作(押し込み、連打、長押し等)に基づいて増加可能に構成されても良い。例えば、回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、操作ボタンH181の操作によりどの段階まで増加するのか(増加上限)と、遊技者が得られる利益の期待値(大当たり遊技における払い出し賞球個数の多少(獲得した大当たりのラウンド数の多少)、特図抽選の大当たり期待度など)とを対応させることにより、操作ボタン部材H181の操作意欲を向上させることができる。
なお、上述した増加上限の設定を、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球に基づいて表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作が生じる場合の、矢印形状(図1861参照)の大きさや回転装飾部材K4578の回転速度の増加上限に適用しても良い。これにより、表示装置K4580や回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
上述した第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球に基づいて表示装置K4580に表示される矢印形状(図1861参照)の大きさや、回転装飾部材K4578の回転速度が変化され得る(増加され得る)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上述の大きさや回転速度が減少され得るように制御しても良いし、増加と減少との両方の変化が可能とされるように制御しても良い。
また、表示装置K4580の表示領域で表示される色彩や、回転装飾部材K4578を発光させる電極基板K564(図1816参照)のLEDからの発光色の変化が生じるようにしても良い。即ち、色彩の変化に段階(例えば、初めは青色で発光されていたものが、青の次が緑色の発光、緑色の次が紫色の発光、紫色の次が赤色の発光、赤色の次が虹色の発光と、変化する順番)が設けられ、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球に基づいて表示装置K4580で表示される色彩が変化されるように制御しても良い。
この場合、遊技者は、表示装置K4580で表示される内容や、回転装飾部材K4578の回転速度といった、一瞬での認識が困難となる可能性がある情報よりも、容易に一瞬で認識できる色彩という情報により、第1特定入賞口K65a(図1787参照)への入球態様に基づく情報を得ることができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
なお、入球により、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力の切り替えが生じる入球口として、上流側に開閉板のある入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板の無い、第1入賞口K64、一般入賞口K63、スルーゲートK67、アウト口K71等(図1787参照)でも良い。
この場合、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力の切り替えの態様から、対応する入賞口への入球頻度(通過頻度)を遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者に対して遊技を継続するか否かの判断に有用な情報を提供することができる。
また、入球に基づいて光が照射される位置は、必ずしも表示装置K4580の表示領域に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、対応する入賞口の上流側の位置(遊技領域内の位置)でも良いし、対応する入賞口に案内される球が貯留され得る(一時滞留され得る)位置(例えば、第1特定入賞口K65aよりも上流側であり開閉板K65bよりも下流側の位置や、第2入賞口K640よりも上流側であり電動役物K640a上方の位置や、第2特定入賞口K650aよりも上流側であり可動板K251よりも下流側の位置(図1787,図1792参照))でも良い。この場合、対応する入賞口に未だ入球していない球が配置され得る位置が明るく照らされることにより、遊技球に対する視界を明るくすることができ、遊技球の視認性を向上させることができる。
この場合において、上述した表示装置K4580で実行される発光制御を、上述の対応する入賞口の上流側の位置や、対応する入賞口に案内される球が貯留され得る位置に光を照射する装置でも実行可能に構成される場合、発光制御を実行する位置を、表示装置K4580か、その他の位置かで状況に応じて切り替えることで、遊技者に注目させる位置を切り替えさせることができる。
上述のように、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)への入球により、表示装置K4580の表示領域の発光や、音声出力装置H226(図1785参照)からの入賞用の音声の出力の切り替えが生じることで、入球したことを遊技者に把握させることが可能となる。
一方で、入賞口K65a,K640,K650a(図1787参照)に遊技球がこれから入球する可能性があることを報知することによっても、遊技者の期待感を高めることができる。以下では、遊技球がこれから入球し得ることを報知する報知態様の一例について説明する。
図1863は、図1787のMDCCXXXI部に対応する範囲における遊技盤K13の部分拡大正面図である。図1863では、入賞ユニットK200が図示されており、化粧カバーK220の内部形状が想像線で図示され、電飾基板K211,K227の発光部K212,K228が、隠れ線で図示される(図1790及び図1791参照)。
発光部K212,K228はLEDから形成されており、正面側へ光軸が向けられる。即ち、化粧カバーK220の板状本体K221に対して照射される光は、図1863で図示される発光部K212,K228の配置を中心とする略円形の範囲において、その中心から離れるほど光量が落ちるような視認態様で視認される。
光が視認される範囲(円の直径)は、採用するLED次第であるが、本実施形態では、隣り合う円の直径同士が外接する程度の関係となるように発光部K212,K228を構成する。なお、円の直径が、隣の発光部K212,K228と重なるほど広いと淡く弱い光で視認され易く、円の直径が、隣の発光部K212,K228には届かない程度の大きさとすると中心部は強力な光となるが各個独立した光として視認され易い。LEDの採用時には、これらのバランスを考えて、演出効果の観点から選択するようにすれば良い。
本実施形態では、上記各実施形態と同様に、化粧カバーK220に大形意匠K221a及び小形意匠K221b(図1790参照)が施されている分、意匠による演出効果を高めることができる一方で、化粧カバーK220の背面側を流下する遊技球の視認性が低下する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態と同様に、球の流下経路よりも背面側から化粧カバーK220側(正面側)へ向けて照射される光により、遊技球がどこへ向かって流下しているのかを遊技者に把握させることができるように構成される。
まず、球の流下態様の種類について説明する。遊技領域の右側を流下して第1可変入賞装置K65(図1787参照)側から入賞ユニットK200に入球した遊技球は、まず第1流下態様KFL51で流下する。
第1流下態様KFL51で流下した遊技球は、分岐形成部K223に到達し、左右方向に分岐される。分岐形成部K223で遊技球が左側へ流れた場合に、電動役物K640aが開放状態で維持される場合(図1795参照)、遊技球は第2流下態様KFL52で流下する。第2流下態様KFL52で流下した遊技球は、案内開口K203を通過し、第2入賞口K640(図1787参照)に入球する。
分岐形成部K223で遊技球が左側へ流れた場合に、遊技球が通過しきる前に電動役物K640aが閉鎖状態に変化されると(図1794参照)、遊技球は第3流下態様KFL53で流下する。第3流下態様KFL53で流下した遊技球は、減速凹部K207の正面側に到達する。
分岐形成部K223で遊技球が右側へ流れた場合において、延設形成部K222の一部であって球案内部K210に連結される排出延設部K222aから逸れた場合、遊技球は第4流下態様KFL54で流下する。第4流下態様KFL54で流下した遊技球は、可動板K251に上流側端部から到達するように流れ、第3流下態様KFL53と合流し得る。
分岐形成部K223で遊技球が右側へ流れた場合において、延設形成部K222の一部であって球案内部K210に連結される排出延設部K222aに導入された場合、遊技球は第5流下態様KFL55で流下する。第5流下態様KFL55で流下した遊技球は、右側の球案内部K210を通り遊技領域から排出される。
第3流下態様KFL53又は第4流下態様KFL54で遊技球が流下している場合に、可動板K251が閉鎖状態で維持されると(図1794参照)、球は第6流下態様KFL56で流下する。第6流下態様KFL56で流下した遊技球は、入賞ユニットK200の左側から遊技領域へ排出される。
第3流下態様KFL53又は第4流下態様KFL54で遊技球が流下している場合に、可動板K251が開放状態にされると(図1796及び図1797参照)、球は第7流下態様KFL57で流下する。第7流下態様KFL57で流下した遊技球は、第2特定入賞口K650aに入球する。
上述のように、入賞ユニットK200に入球した遊技球の流下態様には複数のバリエーションがあるので、各バリエーションに対応させるものとして、遊技球の流下範囲の後方に複数の発光部K212(各発光部K212a~K212w)が配置される。
発光部K212からの光は、その前方(光照射方向)に球が位置する場合には球により部分的に遮られる一方、前方に球が位置しない場合には化粧カバーK220の板状本体K221に投影される。
本実施形態では、球に当接して影響を与える凹凸形状の構成をベース部材K201の板状本体K202の前面側に集めて、板状本体K221の後面は大部分が平滑面となるように構成している。
これにより、板状本体K221に投影された光が凹凸形状により屈折する部分を狭めることができ、板状本体K221に投影された光を最大限に広い範囲で視認させることができる。更に、板状本体K221の板厚のばらつきを抑えることで、化粧カバーK220の明るさをほぼ均一にすることができる。
また、第4流下態様KFL54で流下する遊技球を可動板K251へ案内する位置において後方へ向かうほど下降傾斜する形状で形成される傾斜面部K229(図1791参照)が形成されている。
傾斜面部K229は、流下中の球の前後配置を後方側寄りに修正することで、その下流側における流下態様を調整し易くできる。即ち、可動板K251の上面を球が流下し始める当初から減速凹部K207側に球を寄せることで、十分な減速作用を生じさせることができる。
また、可動板K251が開放状態とされていた場合(図1796及び図1797参照)に第7流下態様KFL57で流下し始める当初から球を後方側に寄せることで、可動板K251の下流側で球が滞留することを回避でき、第2特定入賞口K650aの通過を迅速に生じさせることができる。
傾斜面部K229に発光部K212から光が照射された場合には、傾斜面部K229の面で反射させることにより発光部K212からの光の向きを上方へ変化させることができるが、詳しくは後述する。
発光部K212は、黄色の光を照射可能な上流側発光部K212a,K212bと、赤色の光を照射可能な下流側発光部K212c,K212dと、白色の光を照射可能な分散発光部K212g,K212wと、を備える。
第1上流側発光部K212aは、第1流下態様KFL51で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第1上流側発光部K212aから光が照射されている状態において第1流下態様KFL51で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の黄色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、光の黄色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化したことを視認することで、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握することができる。
第2上流側発光部K212bは、第2流下態様KFL52で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第2上流側発光部K212bから光が照射されている状態において第2流下態様KFL52で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の黄色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後も継続して光の黄色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が第2流下態様KFL52で流下していると予測を立てることができる。
第1下流側発光部K212cは、第3流下態様KFL53で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第1下流側発光部K212cから光が照射されている状態において第3流下態様KFL53で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の赤色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が可動板K251側へ流下していると予測を立てることができる。
第2下流側発光部K212dは、第4流下態様KFL54で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第2下流側発光部K212dから光が照射されている状態において第4流下態様KFL54で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の赤色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が可動板K251側へ流下していると予測を立てることができる。
ここで、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化されたことを視認したとしても、それだけでは、遊技球が第3流下態様KFL53で流下しているのか、遊技球が第4流下態様KFL54で流下しているのかを区別することは困難である。
一方で、第3流下態様KFL53で流下した球は可動板K251の左右長さの途中位置に到達するのに対し、第4流下態様KFL54で流下した球は可動板K251の上流側端部から到達するため、球が可動板K251に到達してから可動板K251が開放されるまでの時間が同じ場合、第3流下態様KFL53で流下した球に比較して第4流下態様KFL54で流下した球の方が第2特定入賞口K650aに入球され易い。
そのため、遊技球が第3流下態様KFL53で流下しているのか、遊技球が第4流下態様KFL54で流下しているのかを区別できた方が、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様と可動板K251の動作態様とを共に把握した場合に、球が第2特定入賞口K650aに入球し得るか否かを正確に把握できるようになる。
この観点から、本実施形態では、第1下流側発光部K212cから照射される光の見え方と、第2下流側発光部K212dから照射される光の見え方とを異ならせることにより、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様の変化が第1下流側発光部K212cからの光が遮蔽されたことによるものなのか、第2下流側発光部K212dからの光が遮蔽されたことによるものなのかを区別可能に構成される。
即ち、第1下流側発光部K212cからの光は、前後方向で照射される光が化粧カバーK220に到達されるものなので、正面視で第1下流側発光部K212cを中心に広がる略円形の光として視認される一方、第2下流側発光部K212dからの光は、傾斜面部K229で反射されて上方へ延びて化粧カバーK220に到達されるものなので、正面視で第2下流側発光部K212dを下端して上方に延びる帯状に視認される。
そのため、光の赤色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化されることは同じであっても、その視認態様が変化される光により視認される形状が略円形であれば、球は第3流下態様KFL53で流下していることを遊技者が把握でき、視認態様が変化される光により視認される形状が帯状であれば、球は第4流下態様KFL54で流下していることを遊技者が把握できる。
このように、本実施形態によれば、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様を、球が第3流下態様KFL53で流下している場合と、球が第4流下態様KFL54で流下している場合とで、異ならせることができる。
第1分散発光部K212gは、第5流下態様KFL55又は第6流下態様KFL56で流下する球に照射光の少なくとも一部が照射され得る位置に配置される。そのため、第1分散発光部K212gから光が照射されている状態において第5流下態様KFL55又は第6流下態様KFL56で球が流下する場合、球により光が遮られ、化粧カバーK220に到達する光の白色成分が弱められることにより、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の白色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される場合に、遊技球が入賞ユニットK200から排出されていると予測を立てることができる。
なお、分散発光部K212gは、第5流下態様KFL55で流下する球に光を照射可能な位置に配置されるLEDと、第6流下態様KFL56で流下する球に光を照射可能な位置に配置されるLEDとがある。これらは、第5流下態様KFL55で流下する球は球案内部K210を通して遊技領域から排出される一方、第6流下態様KFL56で流下する球は遊技領域に戻されるという点で異なるが、入賞ユニットK200から排出されることは共通である。
即ち、遊技者は、入賞ユニットK200に遊技球が入球したことを把握した後に光の白色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される場合に、入賞ユニットK200に入球した遊技球が第2入賞口K640にも第2特定入賞口K650aにも入球されずに化粧カバーK200から排出されると予測をたてることができる。
第2分散発光部K212wは、入賞ユニットK200を流下する球に照射光が遮られない(正面視で球と重ならない)位置に配置される。そのため、第2分散発光部K212wから照射される光は、入賞ユニットK200の内部を流下する遊技球の影響を受けることなく化粧カバーK220に到達する。これにより、入賞ユニットK200の内部における球の流下の有無に因らず、化粧カバーK220(図1790参照)の正面視での明るさを確保することができる。
即ち、化粧カバーK220(図1790参照)に最低限の明るさを確保させることにより、化粧カバーK220の内部を球が流下する際に生じる上述した化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様の変化(色の強弱を伴う変化)を認識し易くすることができる。
なお、第2分散発光部K212wの発光制御は、球の入球によらず一定のパターンで発光制御されるものでも良いし、球の入球によって発光の強弱が変化されるように制御されても良い。
例えば、球が案内開口K203を通過して第2入賞口K640(図1787参照)を通過したことが検出された場合に、約0.2秒、第2分散発光部K212wの発光強度が強くなるように発光制御することで、化粧カバーK220(図1790参照)を介した白色の光の視認態様の変化から、第入賞口K640に遊技球が入球したことを遊技者が把握することができる。
同様のことを、発光部K228の発光制御で行っても良い。即ち、球が第2特定入賞口K650aを通過したことが検出された場合に、約0.2秒、発光部K228の発光強度が強くなるように発光制御することで、化粧カバーK220(図1790参照)を介した白色の光の視認態様の変化から、第2特定入賞口K650aに遊技球が入球したことを遊技者が把握することができる。
上述した入賞ユニットK200の構成によれば、化粧カバーK220の後方を流下する球自体を視認せずとも、化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様の変化により、入賞ユニットK200に球が入球したことを把握させることができる。
入賞ユニットK200に球が入球した後、後方からの光により化粧カバーK220に球の影が形成され、その影が大形意匠K221aや小形意匠K221bといった、他の領域よりも透過性の低い領域と重なることで化粧カバーK220の視認性を変化させ、演出効果の向上が図られている。
更に、球の影が大形意匠K221aや小形意匠K221bと重なる位置を流下している間において第2入賞口K640(図1787参照)や第2特定入賞口K650aへの入球の可能性が残されている一方、球の影が大形意匠K221aや小形意匠K221bから離れる(球が第5流下態様KFL55や第6流下態様KFL56で流下する)と第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aへの入球の可能性が無くなる。
従って、球の影が大形意匠K221aや小形意匠K221bの近くを流下するか否かについて注目させることができるので、球の影のみではなく、大形意匠K221aや小形意匠K221bの注目力をも向上させることができる。
また、球がどこへ向けて流下しているのかを把握させることができる。即ち、光の黄色成分の強弱が変化するように化粧カバーK220(図1790参照)の視認態様が変化される状態が維持される場合には、球は第2入賞口K640(図1787参照)へ向かっており、光の赤色成分の強弱が変化する状態に化粧カバーK220の視認態様が変化された場合には、球が第2特定入賞口K650aに向かうようになっており、光の白色成分の強弱が変化する状態に化粧カバーK220の視認態様が変化された場合には、球が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに入球されず入賞ユニットK200から排出されるようになっていることを、遊技者に把握させることができる。
なお、傾斜面部K229を球が衝突可能な位置に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球の流下範囲からは離して、球と衝突しない位置に傾斜面部K229と同様の形状部を構成しても良い。この場合、球との衝突により傾斜面部K229が破損する可能性が低いので、傾斜面部K229による光屈折の作用を長期に亘り生じさせることができる。
また、傾斜面部K229の傾斜面を、後方へ向かうほど下降傾斜する傾斜面としたが、光の屈折を生じさせる目的からすれば、これに限られるものではなく、後方へ向かうほど左右方向に傾斜するでも良いし、後方へ向かうほど上昇傾斜する傾斜面としても良い。
例えば、減速突起K204(図1792参照)が位置する範囲の正面側において、化粧カバーK220の背面に後方へ向かうほど上昇傾斜する傾斜面を形成すると、減速突起K204が位置する範囲において正面側へ照射される光を下方へ屈折させることで、化粧カバーK220に沿う上下方向に延びる帯状の光を遊技者に視認させることができる。即ち、傾斜面部K229で屈折され上方へ進行する光とは逆に、屈折した後で光を下方に進行させることによる光の帯を視認させることができる。
なお、上述の実施形態では発光部K212,K228は基本的には発光したままで維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技のラウンド遊技において発光部K212,K228を点灯させる場合に、ラウンド間インターバルでも点灯を継続させても良いし、ラウンド間インターバルにおいては点灯を止めても良い。
前者の場合、ラウンド間インターバルを遊技者に意識させることなく、楽に遊技させることができる。後者の場合、ラウンド間インターバルを遊技者に意識させることで、大当たり遊技における区切りを分かり易くし、大当たり遊技があとどれくらいで終了するのかを予測させ易くすることができる。これにより、遊技者が大当たり遊技のエンディング演出時にまで球の発射を継続して多量の無駄球が発生する事態を回避させ易くすることができる。
また、上述の実施形態では発光部K212,K228は基本的には発光したままで維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aへの入賞時に発光態様が変更され、入賞ユニットK200の視認態様を変更可能に構成しても良い。
この場合において、第2入賞口K640への入賞においては、第2入賞口K640の入賞に対応する特別図柄の保留個数が満タンの時の入賞の場合にも発光態様が変更されるように構成されても良いし、特別図柄の保留個数が満タンの時の入賞では発光態様の変更が生じないようにしても良い。
前者の場合、発光態様の変更が賞球の払い出しと対応するので、遊技者に対して、賞球の払い出しが生じることを認識させることができる。後者の場合、発光態様の変更と特別図柄の抽選の発生とを対応づけることができるので、遊技者に対して、特別図柄の抽選が生じることを認識させることができる。
第2特定入賞口K650aへの入賞においては、第2特定入賞口K650aへの入賞がラウンド遊技における規定個数を超えた入賞の場合に発光態様が変更されるように構成されても良いし、規定個数を超えた入賞では発光態様の変更が生じないようにしても良い。
前者の場合において、規定個数を超えた入賞の場合の発光態様の変化を、規定個数までの入賞と同様の態様としておけば発光態様の変更と賞球の払い出しの発生とを対応させることができ遊技者に賞球の払い出しの発生を認識させることができるが、規定個数までの入賞とは異なる態様で行うようにしても良い。
規定個数を超えた入賞の場合の発光態様の変化を、規定個数までの入賞とは異なる態様で行うようにする場合、第2特定入賞口K650aへの超過入賞が発生したことを遊技者に意識させ易くすることができる。なお、規定個数を超えた入賞の場合の変化については、第3図柄表示装置K81での表示に反映させても良い。
後者の場合、超過入賞については遊技者に意識させないようすることができるので、超過入賞が発生し易いのか、し難いのかを、遊技者に認識させ難くすることができ、大当たり遊技において超過入賞を狙って遊技球の発射間隔を変える等の特殊な発射態様を促す事態の発生を回避し易くすることができる。
なお、上述の入賞ユニットK200では、小形意匠K221bの視認性が正面視よりも斜め方向視からの方が向上し得ることで、遊技者に斜め方向視から視認しての遊技を促すことができる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、斜め方向視では、入賞ユニットK200内を流下する遊技球を視認し難くなるように構成しても良い。
即ち、例えば、小形意匠K221bが背面側に張り出して形成されることで、正面視では小形意匠K221b同士の隙間から奥側が視認し易い一方で、斜め方向視では小形意匠K221bの張り出した部分が重なって見えることで隙間が狭まり(無くなり)奥側が視認し難くなるように構成しても良い。
この場合、斜め方向視から視認したとしても入賞ユニットK200の内部の状態を把握し難くすることができるので、遊技者に対して、斜め方向視から視認することを意識させないようにし、正面視での遊技を促すことができる。これにより、正面視で意匠性が最も高まるように設計されている小形意匠K221bと大形意匠K221aとの組合せによる意匠を、綺麗に視認させる状態を維持することができる。このように遊技者の視線を誘導できる場合には、大形意匠K221a又は小形意匠K221bの一方を遊技球の流下範囲よりも後方に形成した場合であっても、小形意匠K221bと大形意匠K221aとの組合せによる意匠を綺麗に見せることができる。
図1864(a)から図1864(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1864(a)から図1864(c)では、第1可動装置K4401の水平落下動作パターンが時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)とされることが拡大図示される。
水平落下動作パターンでは、図1864(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1801,図1819参照)から、左側の回転部材K430が時計回りに、右側の回転部材K430が反時計回りに、同期して回転動作され、左右の回転部材K430が第1解除姿勢(図1822参照)とされる。
図1864(b)に図示されるように、切替装置K460のストッパ部材K462が連結部材K445の移動軌跡から退避する退避位置に配置されており(図1818(b)参照)、第1可動装置K4401が切替装置K460に支持される状態ではない。そのため、昇降装置K4500の左右両側の支持が解除され、落下動作が生じることで、図1864(b)に図示されるように、第1可動装置K4401は演出待機状態から落下位置状態(図1802参照)に変化される。
この場合、昇降装置K4500において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の中間位置(図1864(b)参照)に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。即ち、左右両端部で両持ち支持される長尺装置540の中間位置に移動装置K4560を配置させることにより、長尺装置K540の撓みによる衝撃吸収効果を利用して移動装置K4560に伝達される衝撃を低減させることができる。
図1864(c)に図示されるように、図1864(b)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻される。これにより、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
なお、水平落下動作パターンの動作中、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御される、表示装置K4580の表示領域においても、回転装飾部材K4578の回転と同方向および同速度で回転する態様で表示されるように制御される。これにより、左右の回転部材K430の片側に動作不良が生じ、長尺装置K540の姿勢の水平が崩れた場合であっても、移動装置K4560の見映えの低下を最低限に抑えることができる。
即ち、移動装置K4560が傾いて視認される場合に比較して、移動装置K4560の傾きを目立たせなくすることができるので、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
図1865(a)から図1865(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1865(a)から図1865(c)では、第1可動装置K4401の水平下降動作パターンが時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)とされることが拡大図示される。
水平下降動作パターンでは、図1865(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1801,図1819参照)から、左側の回転部材K430が反時計回りに、右側の回転部材K430が時計回りに、同期して回転動作され、左右の回転部材K430が第2解除姿勢(図1825参照)とされる(図1865(b)参照)。
回転部材K430の第2解除姿勢では、上側回転部材K476が退避状態とされることから(図1825参照)、左側の回転部材K430を反時計回りに、右側の回転部材K430を時計回りに更に回転させることで、昇降装置K4500を下降させることができる(図1826参照)。左右の回転部材K430の回転を同期させていることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を代表途中停止位置まで下降させることができる(図1865(c)参照)。
図1865(c)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻される。これにより、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
なお、水平下降動作パターンの動作中、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御される、表示装置K4580の表示領域においても、回転装飾部材K4578の回転と同方向および同速度で回転する態様で表示されるように制御される。これにより、左右の回転部材K430の片側に動作不良が生じ、長尺装置K540の姿勢の水平が崩れた場合であっても、移動装置K4560の見映えの低下を最低限に抑えることができる。
即ち、移動装置K4560が傾いて視認される場合に比較して、移動装置K4560の傾きを目立たせなくすることができるので、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
なお、図1865(a)から図1865(c)では、切替装置K460のストッパ部材K462が連結部材K445の移動軌跡から退避する退避位置に配置される(図1818(b)参照)場合を説明したが、回転部材K430が図1865(c)に図示される姿勢に到達するまでは、ストッパ部材K462が連結部材K445の移動を妨げることはなく(図1826参照)、ストッパ部材K462の配置が昇降装置K4500の姿勢に影響を与えるものではない。そのため、切替装置K460を非励磁(図1818(a)参照)としたままで長尺装置K540を、水平下降動作パターンで動作させることも可能である。
一方、下降動作としては、図1865(c)で図示される代表途中停止位置で長尺装置K540を停止させる態様に限らず、回転部材K430の回転を更に継続させて長尺装置K540を下降させる動作も可能であるところ、この場合には、切替装置K460が非励磁(図1818(a)参照)であると、ストッパ部材K462が連結部材K445の移動の妨げとなり、長尺装置K540の姿勢の水平が崩れることになる。
このように、水平下降動作パターンでは、回転部材K430の回転の反転位置(図1865(c)参照)にバリエーションを設けることにより長尺装置K540の下降到達位置を異ならせることができるところ、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)とされることで、長尺装置K540の下降到達位置の自由度を向上させることができる(より低い位置まで水平姿勢で到達できる)。
なお、回転部材K430が図1865(a)に図示される状態から、第2解除姿勢(図1865(b)参照)に到達するまでに、長尺装置K540が上昇されるので(図1824参照)、長尺装置K540の配置を通して、回転部材K430が回転動作していることが遊技者に把握される可能性がある。
この場合、回転部材K430の状態が把握されてしまうと、この後に水平落下動作パターンで動作が生じるのか、水平下降動作パターンで動作が生じるのかを予測される可能性があり、第1可動装置K4401の演出効果が低減する可能性がある。前カバー部材K440の板状本体K441により回転部材K430への視界が遮蔽され(図1801,図1808参照)、回転部材K430の状態を正面視で視認することはできないようにされる本実施形態でも、回転部材K430の回転に連動される長尺装置K540の動作を視認することで、回転部材K430の状態が予想される可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上記各実施形態同様、図1865で図示される水平下降動作パターンの他に、図1865(a)に図示される状態から、左側の回転部材K430が反時計回りに、右側の回転部材K430が時計回りに、同期して回転動作され、図1865(b)に図示される状態に到達する前の第1反転姿勢(図1824参照)で回転方向が反転され、図1865(a)に図示される状態に戻る第1途中反転動作パターンも実行可能とされる。
ここで、第1反転姿勢(図1824参照)は、回転部材K430が長尺装置K540を移動範囲の上方端位置に到達させる姿勢であるので、第1反転姿勢に到達後も回転部材K430が同方向に回転を継続する水平下降動作パターンと、第1反転姿勢に到達後に回転部材K430が回転方向を反転させる第1途中反転動作パターンとで、長尺装置K540の配置および移動方向は変化しない。
従って、長尺装置K540を視認可能である一方、回転部材K430を視認不可能とされる遊技者に対して、現在、回転部材K430が何れの姿勢とされているのか(即ち、第1反転姿勢から何れの方向に回転したのか)を把握し難くさせることができる。
なお、水平下降動作パターンでの動作か、第1途中反転動作パターンでの動作かに関わらず、回転部材K430の第1反転姿勢に到達した時に回転部材K430の回転を一時停止させるように駆動制御しても良い。この場合、回転部材K430の反転時に必然的に生じる長尺装置K540の停止状態を、回転部材K430を第1反転姿勢で反転させない場合にも生じさせることができるので、遊技者が回転部材K430の姿勢の予想をすることをより困難にさせることができる。
また、第1反転姿勢で回転部材K430の回転方向を反転させる以外にも、第2解除姿勢(図1865(b)参照)で回転部材K430の回転方向を反転させて、図1865(a)に図示される状態に戻る第2途中反転動作パターンも実行可能にしても良い。
本実施形態では、上記各実施形態同様、図1865(a)に図示される状態における長尺装置K540の上下位置(図1819参照)と、図1865(b)に図示される状態における長尺装置K540の上下位置(図1825参照)とが同一とされる。
遊技中においては、遊技者が常に長尺装置K540に注目するということは無く、遊技者の注目力は遊技領域を流下する遊技球や、賞球の払い出し位置や、第3図柄表示装置K81の表示内容等に移り動く。そのため、回転部材K430を図1865(a)に図示される状態と図1865(b)に図示される状態とで行き来させる動作を単に繰り返すだけでも、それにより生じる長尺装置K540の上下動作の回数を遊技者が逐一計測しているわけではないので、遊技者に対して、回転部材K430が図1865(a)に図示される状態なのか、図1865(b)に図示される状態なのかを、把握させ難くすることができる。
このように、第1途中反転動作パターンや、第2途中反転動作パターンでの動作を実行可能とすることで、長尺装置K540の配置高さが同じであっても、それが図1864(a)に図示される状態なのか、図1865(b)に図示される状態なのかを、遊技者に把握され難くすることができる。尚且つ、長尺装置K540の配置高さが同じ状態から、水平落下動作パターンでの動作も、水平下降動作パターンでの動作も、実行可能に構成されているので、第1可動装置K4401の演出効果を向上させることができる。
なお、上述のように長尺装置K540が演出待機状態の高さ位置に配置される場合における回転部材K430の姿勢(位相)が複数態様想定される場合において、回転部材K430の姿勢(位相)に対応した報知が実行可能となるように構成しても良い。この報知は、遊技者側には報知されないシステム内部における報知でも良いし、遊技者側に認識される光照射を伴う報知でも良いし、スピーカー等の音声出力装置H226(図1785参照)から音声が出力される報知でも良い。
図1866(a)から図1866(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1866(a)から図1866(c)では、第1可動装置K4401の第11の動作パターン及び第12の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態(図1818(a)参照)とされることが拡大図示される。
第11の動作パターン及び第12の動作パターンでは、図1860(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1801参照)から、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)された後で、ストッパ部材K462に支持されることで、図1866(a)に図示されるように、第1可動装置K4401は演出待機状態から片側落下状態(図1806参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の右端に到達したことが右側検出センサK556a(図1815参照)により検出されることに基づいて、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照、回転部材K430が左右逆なので図1822の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)されることで、図1866(b)に図示されるように、長尺装置K540が左第1傾斜姿勢(図1859参照)とされる。
この場合、昇降装置K4500の右側の変位に比較して左側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の左側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の右端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4560の左側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、反時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の左端に到達することに基づいて停止される(図1866(c)参照)。
図1867(a)から図1867(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1867(a)から図1867(c)では、第1可動装置K4401の第11の動作パターンの一部(上昇方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態(図1818(a)参照)とされることが拡大図示される。
第11の動作パターンでは、図1866(c)に図示される状態の後、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間に到達したことが中央検出センサK556b(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中央に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図1867(a)参照)。スライド移動の停止後も、回転装飾部材K4578の回転動作は継続される。
その後、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、中間支持姿勢(図1826参照)とされる。この過程において、昇降装置K4560の左側では、伝達筒状部K434を介して下側部材K510(図1822参照)が押し上げられることで、長尺装置K540の左側が上昇される。
一方、昇降装置K4560の右側は、ストッパ部材K462に支持された状態であり、回転部材K430が中間支持姿勢(図1826参照)となるまでは伝達筒状部K434を介する下側部材K510への荷重の伝達は生じない。そのため、図1867(a)に図示される状態と図1867(b)に図示される状態とで、昇降装置K4560の右側の上下位置は維持される。
即ち、左右一対の回転部材K430が同期して回転動作するが、左側の回転部材K430では昇降装置K4560の左側を押し上げる負荷が生じるが、右側の回転部材K430では昇降装置K4560を押し上げる関係にはならず、負荷が生じない。
その後、左右一対の回転部材K430の同期回転が継続され、第1可動装置K4401が演出待機状態に戻ることで(図1867(c)参照)、第11の動作パターンが完了される。図1867(b)に図示される状態からは、左右両側で、伝達筒状部K434を介して下側部材K510(図1822参照)が押し上げられ、長尺装置K540が上昇される。
ここで、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図1822参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第11の動作パターンによれば、左右一対の回転部材K430の回転開始のタイミングをずらして制御するのではなく、同時に回転開始させることにより、昇降装置K4560の動作態様を、左右の上昇タイミングがずれる態様とすることができる。
図1868(a)から図1868(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1868(a)から図1868(c)では、第1可動装置K4401の第12の動作パターンの一部(上昇方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)とされることが拡大図示される。
第12の動作パターンでは、図1866(c)に図示される状態の後、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁される(図1818(b)参照)と共に、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される(図1868(a)参照)。この状態において、長尺装置K540の姿勢は略左右水平とされる。
図1868(a)に図示される状態からの移動装置K4560の右方への移動に先立って、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が、演出待機状態(図1801参照)から下降配置状態(図1802参照)へ変化される。これにより、移動装置K4560と第2可動装置K4701とが衝突する事態を回避することができる。第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態に変化したことは、検出センサK711eの出力が切り替えられることにより判別可能とされる(図1834参照)。
検出センサK711eの出力が切り替えられ、第2可動装置K4701が下降配置状態に変化したと判定されたら、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間に到達したことが中央検出センサK556b(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中央に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図1868(b)参照)。スライド移動の停止後も、回転装飾部材K4578の回転動作は継続される。
その後、図1868(c)に図示されるように、図1868(b)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻され、第12の動作パターンが完了される。
このように、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図1822参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第12の動作パターンによれば、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させることにより動作パターンを第11の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させる際に長尺装置K540の重量が抵抗になり、駆動ソレノイドKSOL41に必要とされる駆動力が過大となる可能性があるが、本実施形態では、上記各実施形態同様、移動装置K4560をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータKMT51(図1814参照)とは左右反対側に駆動ソレノイドKSOL41が配設されている。
これにより、駆動モータKMT51の重さで長尺装置K540の重心を左側に寄せながら、その反対側(右側)において駆動ソレノイドKSOL41を動作させるよう構成することにより、駆動ソレノイドKSOL41にかけられる長尺装置K540の重さを低減させることができ、駆動ソレノイドKSOL41に必要とされる駆動力を低減させることができる。
図1869(a)から図1869(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1869(a)から図1869(c)では、第1可動装置K4401の第13の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)とされることが拡大図示される。
第13の動作パターンでは、図1869(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1801参照)から、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)される。この時、駆動ソレノイドKSOL41が励磁されており、連結部材K445(図1818(b)参照)の下方からストッパ部材K462が退避されることで連結部材K445がストッパ部材K462に支持されないので、図1869(a)に図示されるように、第1可動装置K4401は演出待機状態から、長尺装置K540が右第2傾斜姿勢(図1858参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の右端に到達したことが右側検出センサK556a(図1815参照)により検出されることに基づいて、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照、回転部材K430が左右逆なので図1822の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)されることで、図1869(b)に図示されるように、長尺装置K540の姿勢は略左右水平とされる。
図1869(a)から図1869(b)への変化では、昇降装置K4500の右側の変位に比較して左側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の左側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の右端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4560の左側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、反時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の左端に到達することに基づいて停止される(図1869(c)参照)。
図1869(b)に図示される状態からの移動装置K4560の左方への移動に先立って、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が、演出待機状態(図1801参照)から下降配置状態(図1802参照)へ変化される。これにより、移動装置K4560と第2可動装置K4701とが衝突する事態を回避することができる。第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態に変化したことは、検出センサK711eの出力が切り替えられることにより判別可能とされる(図1834参照)。
検出センサK711eの出力が切り替えられ、第2可動装置K4701が下降配置状態に変化したと判定されたら、回転装飾部材K4578の反時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560は、移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の左端に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図1869(c)参照)。
なお、スライド移動の停止後も回転装飾部材K4578の回転動作が継続されるように制御しても良いし、スライド移動の停止に基づいて回転装飾部材K4578の回転動作が停止されるように制御しても良い。
図1869(c)に図示される状態の後は、上述の第12の動作パターンと同様、図1868(b)及び図1868(c)に図示される状態を経て、演出待機状態まで戻され、第13の動作パターンが完了される。
即ち、第13の動作パターンでは、図1869(c)に図示される状態から、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始され、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間に到達したことが中央検出センサK556b(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中央に到達することに基づいてスライド移動が停止される(図1868(b)参照)。スライド移動の停止後も、回転装飾部材K4578の回転動作は継続される。
その後、図1868(c)に図示されるように、図1868(b)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、長尺装置K540が演出待機状態まで戻され、第13の動作パターンが完了される。
このように、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図1822参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第13の動作パターンによれば、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させることにより動作パターンを第11の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11の動作パターン(及び第12の動作パターン)と同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
図1870(a)から図1870(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1870(a)から図1870(c)では、第1可動装置K4401の第21の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が非励磁の状態(図1818(a)参照)とされることが拡大図示される。
第21の動作パターンでは、図1870(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1801参照)から、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照、回転部材K430が左右逆なので図1822の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)される。これにより、第1可動装置K4401は演出待機状態から、長尺装置K540が左第2傾斜姿勢(図1860(c)参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が反時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図1815参照)により検出されることに基づいて、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)される。この時、駆動ソレノイドKSOL41が非励磁とされており、連結部材K445(図1818(b)参照)の下方にストッパ部材K462が配置されることで連結部材K445がストッパ部材K462に支持されることで、図1870(b)に図示されるように、長尺装置K540が左第1傾斜姿勢(図1859参照)に変化される。
図1870(a)から図1870(b)への変化では、昇降装置K4500の左側の変位に比較して右側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の右側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の左端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4560の右側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。移動装置K4560は、移動範囲の中間位置に到達したことが中央検出センサK556b(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中間位置に到達することに基づいて停止される(図1870(c)参照)。
なお、スライド移動の停止後も回転装飾部材K4578の回転動作が継続されるように制御しても良いし、スライド移動の停止に基づいて回転装飾部材K4578の回転動作が停止されるように制御しても良い。
なお、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が演出待機状態(図1801参照)である場合に、図1870(b)に図示される状態から図1870(c)に図示される状態に変化しても、移動装置K4560と第2可動装置K4701との衝突は生じないので、図1870(c)に図示されるように、第2可動装置K4701は演出待機状態で維持される。
図1870(c)に図示される状態の後は、上述の第11の動作パターンと同様、図1867(b)及び図1867(c)に図示される状態を経て、演出待機状態まで戻され、第21の動作パターンが完了される。
即ち、第21の動作パターンでは、図1870(c)に図示される状態から、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、長尺装置K540が演出待機状態まで戻され、第21の動作パターンが完了される。
このように、第21の動作パターンによれば、動作パターンを第11~13の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11~13の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
なお、第21の動作パターンにおいて、図1870(b)に図示される状態以降において、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)を維持されることで、図1870(b)に図示される長尺装置K540の左第1傾斜姿勢から、長尺装置K540の右側が落下して姿勢が水平にされた後で、長尺装置K540が上昇移動される動作パターンを第22の動作パターンとして設定しても良い。
即ち、第22の動作パターンにおいても、動作パターンを第11~13,21の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11~13,21の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
第22の動作パターンの場合、連結部材K445(図1818(b)参照)がストッパ部材K462の突設受部K462dに上下方向で当接し、重みがかかった状態でストッパ部材K462が回転動作するのに十分な駆動力を生じさせる必要があるが、本実施形態では、上述の各実施形態同様、連結部材K445の下側先端が湾曲面から形成されているので、連結部材K445と突設受部K462dとの接触面積を小さくすることができる。これにより、摩擦抵抗を低減することができ、ストッパ部材K462の回転動作に要する駆動力を低減させることができる。
図1871(a)から図1871(c)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。なお、図1871(a)から図1871(c)では、第1可動装置K4401の第23の動作パターンの一部(下降方向期間)が時系列で図示されており、対応する状態における一対の回転部材K430の状態が模式的に図示されると共に、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁された状態(図1818(b)参照)とされることが拡大図示される。
第23の動作パターンでは、図1871(a)に図示されるように、まず第1可動装置K4401の演出待機状態(図1801参照)から、左側の回転部材K430が時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照、回転部材K430が左右逆なので図1822の左右対称姿勢に対応)とされる。
これにより、昇降装置K4500の左側の支持が解除され、左側が下降(落下)される。これにより、第1可動装置K4401は演出待機状態から、長尺装置K540が左第2傾斜姿勢(図1860(c)参照)に変化される。この間、回転装飾部材K4578が反時計回り方向に回転動作を継続するよう制御されており、この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って左側へ向けてスライド移動される。
移動装置K4560が移動範囲の左端に到達したことが左側検出センサK556c(図1815参照)により検出されることに基づいて、右側の回転部材K430が反時計回りに回転され、第1解除姿勢(図1822参照)とされる。
これにより、昇降装置K4500の右側の支持が解除され、右側が下降(落下)される。この時、駆動ソレノイドKSOL41が励磁されており、連結部材K445(図1818(b)参照)の下方からストッパ部材K462が退避されることで連結部材K445がストッパ部材K462に支持されないので、図1871(b)に図示されるように、長尺装置K540の姿勢が略左右水平の姿勢に変化される。
図1871(a)から図1871(b)への変化では、昇降装置K4500の左側の変位に比較して右側の変位量(落下距離)が長く、昇降装置K4500の右側において生じる衝撃が大きくなる可能性がある。これに対し、本動作パターンでは、移動装置K4560が予め移動範囲の左端に位置されることから、移動装置K4560に伝達される衝撃を小さくすることができる。
昇降装置K4500の右側が下降(落下)されることに基づいて、回転装飾部材K4578の回転方向が反転され、時計回り方向の回転動作が開始される。この回転動作を維持したまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
図1871(b)に図示される状態からの移動装置K4560の右方への移動に先立って、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が、演出待機状態(図1801参照)から下降配置状態(図1802参照)へ変化される。これにより、移動装置K4560と第2可動装置K4701とが衝突する事態を回避することができる。第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態に変化したことは、検出センサK711eの出力が切り替えられることにより判別可能とされる(図1834参照)。
検出センサK711eの出力が切り替えられ、第2可動装置K4701が下降配置状態に変化したと判定されたら、回転装飾部材K4578の時計回りの回転動作が維持されたまま、移動装置K4560が長尺装置K540に沿って右側へ向けてスライド移動される。
なお、図1871(b)では、昇降装置K4500の右側が下降(落下)される時点において第2可動装置K4701が下降配置状態に変化している場合が図示されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K4500の右側が下降(落下)された後で第2可動装置K4701が下降配置状態に変化するように制御されても良い。
この場合、昇降装置K4500の右側が下降(落下)した時点においては、第2可動装置K4701が移動装置K4560の移動と干渉する位置に配置されていることから、移動装置K4560が右に移動するのか、それとも移動せずに昇降装置K4500が上昇動作するのかを、遊技者に予測させ難くすることができる。これにより、第2可動装置K4701及び移動装置K4560に対する注目力を向上させることができる。
移動装置K4560は、移動範囲の中間位置に到達したことが中央検出センサK556b(図1815参照)により検出されるまでスライド移動され、移動範囲の中間位置に到達することに基づいて停止される(図1871(c)参照)。
なお、スライド移動の停止後も回転装飾部材K4578の回転動作が継続されるように制御しても良いし、スライド移動の停止に基づいて回転装飾部材K4578の回転動作が停止されるように制御しても良い。
図1871(c)に図示される状態の後は、上述の第12の動作パターンと同様である。即ち、図1868(c)に図示されるように、図1871(c)に図示される状態から、左側の回転部材K430は時計回りに、右側の回転部材K430は反時計回りに、同期して回転動作され、演出待機状態まで戻され、第23の動作パターンが完了される。
このように、左右一対の回転部材K430の回転は同期されているので、伝達筒状部K434の配置は左右対称ではあるものの、上下位置は同じとされる。そのため、下側部材K510(図1822参照)の上下位置は左右で同一とされることから、長尺装置K540の姿勢の水平を保ちながら、長尺装置K540を上昇させることができる。
このように、第23の動作パターンによれば、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41を励磁させることにより動作パターンを第21,22の動作パターンとは異ならせながら、長尺装置K540の上昇時に必要とされる左右一対の回転部材K430の回転動作パターンは第11~13,21,22の動作パターンと同様とすることができる。即ち、異なる動作パターン間で、左右一対の回転部材K430の動作パターンを部分的にでも兼用させることにより、制御プログラムの容量の削減を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、回転装飾部材K4578等を備える移動装置K4560が正面視でセンターフレームK86(図1787参照)の内方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、正面視でセンターフレームK86(図1787参照)の外方に配置されるようにしても良い。この場合、回転装飾部材K4578の回転中心を固定した方が、センターフレームK86の外方を流下する遊技球と前後方向視で重なる範囲を限定することができるので、遊技球が回転装飾部材K4578と前後方向で重なることで遊技球を見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
また、例えば、正面視で右上ランプK940とセンターフレームK86(図1787参照)との間に移動装置K4560が配置される場合、移動装置K4560が第3図柄表示装置K81の表示と右上ランプK940の発光態様とを繋ぐ役割を果たし、右上ランプK940、第3図柄表示装置K81の表示および表示装置K4580の表示を一連で視認させ易くすることができる。
これらは、右上ランプK940との間に限らず、他の表示ランプK900との間に移動装置K4560が配置される場合にも、同様のことが言える。例えば、移動装置K4560が左側サイドランプK930と第3図柄表示装置K81との間に配置される場合に、回転装飾部材K4578が時計回りに回転され、左側サイドランプK930において光が上方に立ち昇るように視認させるように左側サイドランプK930の内部に配置されるLEDの発光タイミングが制御され、第3図柄表示装置K81の左側範囲において光が下方に下げられるように視認させるような動画表示を行う場合、あたかも、左側サイドランプK930及び第3図柄表示装置K81により視認される光が回転装飾部材K4578を回転させているかのように遊技者に視認させることができる。このように、左側サイドランプK930による光と、回転装飾部材K4578の動作と、第3図柄表示装置K81による表示とを、一連で視認させることができる。
また、例えば、移動装置K4560を左側装飾装置K350の正面側に配置される場合、左側装飾装置K350の内部の発光基板からの光により、移動装置K4560の外形部の明るさを確保することができる。これにより、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
また、移動装置K4560が正面視でセンターフレームK86(図1787参照)の外方に配置される場合、ベース板K13(図1861参照)の背面側に配置されるようにしても良いし、ベース板K13の正面側に配置されるようにしても良い。
ベース板K13の正面側に移動装置K4560が配置される場合、ガラスユニットH16(図1861参照)の背面側に配置されても良いし、ガラスユニットH16の正面側に配置されるようにしても良い。遊技者に対して近い方が、より遊技者に認識させ易く、演出性の向上を図ることができる。
移動装置K4560がガラスユニットH16(図1861参照)の正面側に配置される場合に、移動装置K4560がガラスユニットH16に回転可能に固定されるように構成しても良く、第3図柄表示装置K81(図1861参照)から照射される光により照らされ得るようにしても良い。これにより、第3図柄表示装置K81の光により、ガラスユニットH16の背面側に配置される動作ユニットK300(図1788参照)を構成する可動部だけでなく、ガラスユニットH16の正面側に配置される可動部(移動装置K4560)をも照らすことができる。
図1872(a)、図1872(b)及び図1873は、第2可動装置K4701の正面図である。なお、図1872(a)、図1872(b)及び図1873では、第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が下降配置状態(図1834(b)参照)からアーム部材K735が正面視時計回りに回転動作されることで上下スライド部材K4720が上昇移動される突破上昇動作パターンが時系列で図示されており、第2可動装置K4701の構成の内、上下スライド部材K4720が想像線で図示され、その上下スライド部材K4720よりも手前側に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図1830参照)の図示が省略される。
図1872(a)、図1872(b)及び図1873では、理解を容易とするために、正面視で重なる伝達終端部材K4737、アーム部材K735及び駆動側二層ギアK731が部分的に破断されたり、想像線で図示されたりすることで、奥側の構成が視認可能となるように図示される。
本実施形態における第2可動装置K4701は、上述の第2可動装置K701から多くの構成を流用しながらも、第2可動装置K701では不可能とされていた下降配置状態からのアーム部材K735の時計回り方向の回転動作を可能とするために、一部の構成が変更されている。
例えば、金属棒K713の配置が、下降配置状態から時計回り方向に回転動作するアーム部材K735と干渉しないように左方に移動されている。これに伴い、上下スライド部材K4720の左右幅も拡大されている。
加えて、案内孔K4737bは終端が延長されており、下降配置状態から伝達終端部材K4737が正面視時計回り方向に回転動作しても、上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の第2支持部K725b(図1831参照)と干渉しない構成としている。
上記各実施形態では、金属棒K713の右側においてベース部材K710の本体部K711から正面側に延設されるストッパ部K711gの右側面がアーム部材K735に回転方向から当接する(左右方向で当接する)ことで、アーム部材K735及び伝達終端部材K4737の回転動作を下降配置状態で停止させる(せき止める)ように構成されていたが(図1834(b)参照)、本実施形態では、ストッパ部K711gとアーム部材K735とは当接しないため、この作用は望めない。
一方で、本実施形態においても、上記各実施形態と同様に、下降配置状態において、ベース部材K710の第4支持部K712dの中心(円形状の中心)、アーム部材K735の回転先端部K735bの中心(円形状の中心)及び伝達終端部材K4737の基端側支持孔K737aの中心(円形状の中心)が、略上下方向に延びる直線KVL78と正面視で重なる位置に配置される。
そのため、第4支持部K712dを中心にアーム部材K735が下降配置状態から左右どちらの方向に回転動作した(振れた)場合、その回転動作に伴い基端側支持孔K737aの高さ位置が上昇することになるが、その上昇変位を押し戻す方向(基端側支持孔K737aの高さ位置を下げる方向)に、上下スライド部材K4720や、その上下スライド部材K4720に配置される追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図1830参照)の自重がかけられるので、アーム部材K735の姿勢を下降配置状態における姿勢(図1872(a)参照)で安定させることができる。
即ち、演出待機状態(図1832(a)参照)からアーム部材K735を正面視時計回り方向に回転動作させ下降配置状態に変化させる動作制御において、アーム部材K735を90度回転させるための回転量で駆動ギアKMG72を回転させるように制御されるところ、制御不良が生じてアーム部材K735の回転角度に88度~92度といったばらつきが生じたとしても、そのばらつきが上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)、追従可能部材K740、連動部材K750及び主装飾部材K760(図1830参照)の自重で修正されることで、アーム部材K735の姿勢を下降配置状態における姿勢(図1872(a)参照)で安定させることができる。
図1872(b)では、アーム部材K735の鉛直方向に対する傾斜角度が、図1834(a)に図示される状態と同じであり、左右が反転された状態が図示される。即ち、基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の高さ位置は、図1834(a)に図示される状態と同じである。
図1873では、突破上昇動作パターンの動作終端状態が図示される。即ち、突破上昇動作パターンの動作終端状態は、後層伝達部K731bのギア歯と伝達側二層ギアK733の後層伝達部K733bのギア歯との噛み合いが解消する直前の回転角度の状態として設定される。
図1873に図示される状態において、アーム部材K735は上昇配置状態(図1833参照)における配置までは到達しない。即ち、下降配置状態からアーム部材K735を時計回りに回転動作させる突破上昇動作パターンの動作終端状態における基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の高さ位置は、下降配置状態からアーム部材K735を反時計回りに回転動作させる階段上昇動作パターンの動作終端状態における基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)の高さ位置(図1833(b)参照)よりも低い。
このような構成により、第2可動装置K4701によれば、下降配置状態を中心としてアーム部材K735を左右方向に往復回動させる(振動させる)ことにより、基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)を上下に往復動作(振動)させることができる。更に、下降配置状態を起点とした2通りの動作態様を、駆動モータKMG71(図1831参照)を一定の速さで駆動継続させることは同一としながら、アーム部材K735の回転方向を異ならせる(駆動モータKMG71の駆動方向を異ならせる)ことにより生じさせることができる。
第1に、下降配置状態からアーム部材K735を反時計回り方向に回転動作させる階段上昇動作パターンの場合、下降配置状態から基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)が上昇された後(図1834(a)参照)、演出待機状態における配置で上昇動作が一時停止され(図1832(a)参照)、その後で上昇配置状態における高さ位置まで上昇移動される(図1832(b),1772(a),1772(b)参照)。
第2に、下降配置状態からアーム部材K735を時計回り方向に回転動作させる突破上昇動作パターンの場合、下降配置状態から基端側支持孔K737a及び上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)が上昇されるまでは階段上昇動作パターンと同じであるが(図1834(a)及び図1872(b)参照)、上昇動作が一時停止されることはなく、動作終端状態まで一気に上昇移動される(図1873参照)。
第2可動装置K4701によれば、特に下降配置状態付近では、アーム部材K735の前側に配置される上下スライド部材K4720によりアーム部材K735への視界が遮られることで、下降配置状態からアーム部材K735が時計回り方向に回転したのか、反時計回り方向に回転したのかを、遊技者が判別困難となるように構成されている。
そのため、第2可動装置K4701が下降配置状態から上昇移動された場合に、ある程度の上昇高さまでは(図1834(a)及び図1872(b)参照)、第2可動装置K4701が階段上昇動作パターンで動作されているのか、突破上昇動作パターンで動作されているのかを判別できないようにすることができる。
この場合において、第2可動装置K4701が階段上昇動作パターンで動作するか、突破上昇動作パターンで動作するかによって、その後の演出展開が変化したり、特図変動の大当たり期待度が変化したりするような設定を設けることで、第2可動装置K4701に対する注目力を向上させることができる。
ここで、途中停止させる動作パターンと、途中停止させない動作パターンとの切替は、上下スライド部材K4720に上下方向で当接可能な状態と、上下スライド部材K4720の移動軌跡から退避する状態とで切り替え可能な可動のストッパ部材を設けることでも実現可能である。この場合、円弧状部K732,K734を構成する必要もなくなる。
一方、ストッパ部材との当接により上下スライド部材K4720を停止させる構成の場合、動作速度が高速であるほど生じる負荷は大きくなるので、上下スライド部材K4720又はストッパ部材が破損する可能性が高くなる。破損を避けるために当接前にブレーキを生じさせたり、動作速度を遅くしたりする場合、途中停止させる動作パターンと、途中停止させない動作パターンとの違いが分かり難くなるため、演出効果が低くなる可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、階段上昇動作パターンにおいて上下スライド部材K4720(上記各実施形態における上下スライド部材K720に相当)が途中停止する状態は、円弧状部K734に対して円弧状部K732が擦れている状態であり(図1832(a)参照)、動作速度がどれだけ高速になったとしても破損する程の衝撃が生じるものではなく、むしろ回転方向の荷重が駆動力の伝達方向下流側(駆動側二層ギアK731よりも下流側の伝達側二層ギアK733、アーム部材K735及び伝達終端部材K4737等)に伝達されにくいように構成されているため、途中位置(図1834(a)及び図1872(b)参照)でのブレーキの必要は無く、高速動作が可能となる。
これにより、階段上昇動作パターンでは、高速で上昇動作していたものが突然止まるように演出できる一方、階段上昇動作パターンにおいて上昇速度を高めることができることに基づいて、その階段上昇動作パターンと紛らわしくさせる突破上昇動作パターンの上昇速度も高めることが可能となる。これにより、上昇移動の動作速度の設定自由度を向上させることができ、第2可動装置K4701の演出効果を向上させることができる。
図1874は、後層側可動装置K4800の後側開閉部材K4810の板状部K4811、中側開閉部材K4820の板状部K4821及び前側開閉部材K4830の板状部K4831を模式的に示す正面模式図である。後側開閉部材K4810、中側開閉部材K4820及び前側開閉部材K4830は、上記各実施形態で上述した後層可動装置K800の後側開閉部材K810、中側開閉部材K820及び前側開閉部材K830と略同一の構造を備えている一方で、板状部K4811,K4821,K4831に施される装飾に違いがあるので、改めて説明する。
板状部K4811,K4821,K4831には、各板状部K4811,K4821,K4831と正面視で外形が同一形状のシールが貼り付けられることに因り、正面視において略全体がそのシールの色で視認される。
板状部K4811,K4821,K4831に施される装飾は、シールに印刷された形状によるものである。左側の板状部K4821,K4831にローマ字の「S」の形状の輪郭KOL481が施されるのは上記各実施形態と同様である(図1846(b)参照)。
更に、本実施形態では、右側の板状部K4811,K4821にローマ字の「G」の形状の内側輪郭KOL482aと、その内側輪郭KOL482aの外側を囲うローマ字の「G」の形状の外側輪郭KOL482bとが施され、右側の板状部K4821にローマ字の「O」の形状の輪郭KOL483が施され、右側の板状部K4831に図形の「王冠」の形状の輪郭KOL484が施される。
本実施形態では、無色透明のシールに赤色で形状部分が印刷される。輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側における範囲が赤色で印刷されていることから、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側においては赤色で視認され、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側においては無色透明で視認される。
実際の遊技中においては、閉塞状態(図1874参照)における板状部K4811,K4821,K4831は、それ単体で視認されるものではなく、板状部K4811,K4821,K4831の後方にある第3図柄表示装置K81も透けて見える(図1846(b)及び図1846(c)参照)。そのため、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様は、第3図柄表示装置K81の表示に対応して変化し得る。
図1875(a)は、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面図であり、図1875(b)は、図1875(a)に図示される第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の正面図であり、図1876(a)は、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面図であり、図1876(b)は、図1876(a)に図示される第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の正面図である。
図1875(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域において、板状部K4811,K4821,K4831に貼り付けられたシールと同じ赤色(同じ濃さの赤色)の光で一面発光されるように表示される(第1態様)。
この場合、図1875(b)に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側が表示領域の表示と同様に赤色で視認されることになり、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側の赤色と区別がつき難くなり、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484が判別し難くなる。
従って、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に遊技者の注目力が行き難くなり、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様としては、単に一面赤色で塗りつぶされているような印象を与える。
図1876(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域において、板状部K4811,K4821,K4831に貼り付けられたシールの赤色に対して、赤以外の色も含む光(例えば、白色光)で一面発光されるように表示される(第2態様)。
この場合、図1876(b)に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側に配置された板状部K4811,K4821,K4831の輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側では第3図柄表示装置K81の表示領域で照射される(赤以外の色も含む)光の色で視認される一方で、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側では、第3図柄表示装置K81の表示領域で照射される光の色の内、赤以外の色がシールに吸収され、赤色で視認される。
そのため、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側における(赤以外の色も含む)光の色と、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側および内側輪郭KOL482aの内側における赤色とで、区別させ易くなり、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484を判別させ易くなる。
従って、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に遊技者の注目力を向かわせ易くなり、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様としては、遊技者に対する何らかの示唆が生じているような印象を与える。
このように、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示を一面同色の表示とする態様(図1875(a)及び図1876(a)参照)を採用しながらも、色の異なる第1態様と第2態様とでは、表示される光と板状部K4811,K4821,K4831のシールに印刷される色との関係から、板状部K4811,K4821,K4831を通した視認態様の印象を異ならせることができる。
なお、上述の実施形態では、無色透明の樹脂材料から形成される板状部K4811,K4821,K4831に色付きのシールが貼り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、非透過のプリントシールを貼り付けるようにしても良いし、色付きの樹脂材料(透明の樹脂材料でも良いし、非透過の樹脂材料でも良い)から板状部K4811,K4821,K4831を形成しても良い。
この場合に、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484による形状の構成は、2色成形により作っても良いし、形状に合わせたリール部材を貼り付けるようにしても良いし、形状に合わせた凹部や凸部を形成することで光の透過性を異ならせ視認態様を調整するようにしても良い。
樹脂材料に付けられる色は、硬化剤の色である場合等、無色透明の樹脂材料に比較して材料強度や材料の粘りを向上させる場合が多い。そのため、色付きの樹脂材料から板状部K4811,K4821,K4831を形成する場合、形状の設計自由度を向上させたままで十分な材料強度を発揮させることができる。
また、板状部K4811,K4821,K4831に形成される輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484を、貼り付けられるシールに形成される形状として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の形状により輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484を視認させるようにしても良い。
即ち、例えば、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に沿う形状で板状部K4811,K4821,K4831の背面側から後方に突条状に突設形成されるリブ部を形成しても良い。
リブ部が形成される箇所において、板状部K4811,K4821,K4831の厚み寸法が大きくなるので、透過性が低くされ、暗く視認される。即ち、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に沿って暗く視認されるラインが形成されることで、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484の内側との境界部を認識させ易くすることができ、演出性を向上させることができる。
更に、リブ部により、板状部K4811,K4821,K4831の材料強度を向上させることができ、板状部K4811,K4821,K4831の曲げ変形や、折れ変形を防止し易くすることができる。
このように、板状部K4811,K4821,K4831に輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484に沿ったリブ部を形成することで、演出性を向上させつつ、板状部K4811,K4821,K4831の耐久性の向上も図ることができる。
上述の構成によれば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされているままで、第3図柄表示装置K81の表示領域の表示態様を切り替えることで、板状部K4811,K4821,K4831を通した視認態様の印象を瞬時に切り替えることができる。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされているままで、第3図柄表示装置K81の表示領域の表示態様を一面赤色の表示(図1875(a)参照)から一面多色(例えば、赤色以外を含む色)の表示(図1876(a)参照)に切り替えることで、板状部K4811,K4821,K4831を通した視認態様を図1875(b)に図示される態様から図1876(b)に図示される態様に瞬時に切り替えることができる。
このように、本実施形態によれば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態という同じ状態を構成している場合において、板状部K4811,K4821,K4831の輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484が判別され易く、輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側および内側輪郭KOL482aの外側を通して見える表示に注目させ易い(第3図柄表示装置K81の表示領域に注目させ易い)場合と、輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484が判別され難く一面同じ色で視認されるために手前側の板状部K4811,K4821,K4831に注目させ易い場合とを切り替えることができる。
即ち、板状部K4811,K4821,K4831が透過性の材料から形成される場合に特有の、板状部K4811,K4821,K4831よりも後側に配置される第3図柄表示装置K81による表示に注目させるという機能(図1876(b)参照)に加えて、板状部K4811,K4821,K4831が非透過の材料から形成される場合に特有の、板状部K4811,K4821,K4831自体に注目させて後側の第3図柄表示装置K81の表示領域には注目させ難くするという機能(図1875(b)参照)をも生じさせることができる。
図1876(a)及び図1876(b)を参照して、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示態様の設定の一例を説明する。上述した説明では、第3図柄表示装置K81の表示領域で一面同じ態様(色味)の光を見せるように制御する場合を説明したが、例えば、図1876(a)に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域を複数の範囲に分割し、それぞれの範囲で別々の表示態様で表示可能に構成しても良い。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされている場合において、輪郭KOL481を正面視で含む範囲において第1扉演出表示KER481が実行可能とされ、外側輪郭KOL482bを正面視で含む範囲において第2扉演出表示KER482が実行可能とされ、輪郭KOL483を正面視で含む範囲において第3扉演出表示KER483が実行可能とされ、輪郭KOL484を正面視で含む範囲において第4扉演出表示KER484が実行可能とされるように設定する。
各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484として、赤以外の色を含む表示を行う場合、その表示範囲は対応する各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484よりも大きいが、各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の外側においてはシールに赤色以外の色が吸収されることにより、赤以外の色の表示が視認されるのは各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側に限定される。
例えば、第1扉演出表示KER481において、虹色の七色を等間隔で縞状に並べたような表示を行うようにしても良い。この場合、輪郭KOL481の内側のみを虹色で視認させ、輪郭KOL481の外側は赤色で視認させることができるので、遊技者に対して、ローマ字の「S」を虹色で視認させることができる。これにより、遊技者に対して、何らかの利益を獲得可能であること(例えば、特別図柄の抽選で大当たりとなったこと)を示唆することができる。
例えば、第2扉演出表示KER482において、縦方向に延びる黄色の帯状部が左方に移動する表示が等間隔で実行され、第3扉演出表示KER483において、横方向に延びる黄色の帯状部が上方に移動する表示が等間隔で実行されるようにしても良い。
この場合、内側輪郭KOL482aの外側および外側輪郭KOL482bの内側のみで黄色部が左方に移動し、輪郭KOL483の内側のみで黄色部が上方に移動するように視認させ、内側輪郭KOL482aの内側、外側輪郭KOL482bの外側および輪郭KOL483の外側は赤色で視認させることができるので、遊技者に対して、ローマ字の「GO」を黄色部が動く態様で視認させることができると共に、黄色部の移動方向として視線を左上方向に誘導させることができる。
これにより、遊技者の視線が第3図柄表示装置K81の表示領域の右半分に偏っていたとしても、遊技者の視線を左方側へ誘導することができるので、輪郭KOL481を視界に入れさせることで、虹色のローマ字の「S」の表示に気付かせることができる。
例えば、第4扉演出表示KER484において、一面金色で、表示したり、消したりを交互に繰り返す(点滅させる)ように制御しても良い。この場合、表示中には、輪郭KOL484の内側のみを金色で視認させることで、「王冠」を印象付ける一方で、表示を消した場合には、「王冠」が無いかのように視認させることができる。
この場合において、表示する時間と、表示が消される時間との比を異ならせることにより、その印象を異ならせることができる。即ち、表示する時間の方が、表示が消される時間に比較して長い場合、「王冠」は濃く視認され、より実体化される。一方、表示する時間の方が、表示が消される時間に比較して短い場合、「王冠」は薄く視認され(透けて視認され)、残像のような印象を与える。
このように、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484の外縁形状を単なる矩形という単純な形状としながらも、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484の表示態様にのっとった形で各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の形状を遊技者に視認させることができる。
従って、第3図柄表示装置K81における表示態様を、前方に配置される各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の形状を表示する場合に比較して簡素なパターンとすることができるので、描画に要する時間を短くしつつ、遊技者には、各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の形状に対応した模様を視認さえることができる。
各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側の発光は、第3図柄表示装置K81の表示領域の発光を利用していることから、面発光で視認させることができる。そのため、点光源により発光される移動装置K4560(上述の各実施形態における移動装置K560に相当、図1816参照)等に比較して、各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484の内側を、より明るく、より均一に光らせることができ、視認性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484を開閉動作する板状部K4811,K4821,K4831の各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484のみに対応させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831と同様に開閉動作可能な第2扉状可動役物が板状部K4811,K4821,K4831の前層側(又は後層側)に配設されても良い。その第2扉状可動役物の板状部にもシールが貼り付けられ、第2扉状可動役物の閉塞状態において正面視で各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484と重なる位置において、シールに各輪郭KOL481,KOL482b,KOL483,KOL484とは異なる輪郭が施される。
この場合、各扉演出表示KER481,KER482,KER483,KER484の表示態様が同じであっても、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図1803参照)であって第2扉状可動役物が演出待機状態(図1801参照)とされる場合と、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1801参照)であって第2扉状可動役物が閉塞状態(図1803参照)とされる場合とで、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側における視認態様を異ならせることができる。
板状部K4811,K4821,K4831は、上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831と同様に、閉塞状態(図1840(c)及び図1844参照)における停止と、連動切替状態(図1840(b)及び図1843参照)における停止とを容易に行うことができる。即ち、駆動力の停止タイミングが若干ずれた場合であっても、板状部K4811,K4821,K4831を、閉塞状態または連動切替状態で停止させることを容易に行うことができる。
左右の板状部K4811,K4821,K4831は、上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831と同様に、左右それぞれで独立の駆動モータKMT81,KMT82(図1837参照)により駆動されるため、左右それぞれで動作タイミングを合わせた駆動や、左右独立で動作させる駆動が可能とされる。
即ち、上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831の状態として説明した、演出待機状態(図1842参照)、連動切替状態(図1843参照)、閉塞状態(図1844参照)は、左右同時に動作される場合に限らず、左右いずれかが取り得る状態としても構成され得る。
ここで、左右の板状部K4811,K4821,K4831が、相手側の扉と当接して停止される場合には、片側だけを動作させた場合の停止位置が定まらない可能性がある。これに対して、本実施形態では、上述の各実施形態と同様に、板状部K4811,K4821,K4831を、閉塞状態または連動切替状態で停止させることを、相手側の部材(左右反対側の部材)との当接に因ることなく行うことができるので、左右の板状部K4811,K4821,K4831の左右一方のみを動作させる場合でも、閉塞状態または連動切替状態で正確に停止させることができる。
左右の板状部K4811,K4821,K4831の動作速度について説明する。上述の各実施形態における板状部K811,K821,K831への駆動力伝達の上流側に位置する基端側スライド部材K880(図1840及び図1841参照)と同様に、駆動モータKMT81,KMT82(図1837参照)が一定の駆動速度で駆動されている場合であっても、基端側スライド部材K880の移動速度を連動切替状態(図1840(b)参照)において最大とすることができる。
図1877は、後層側可動装置K4800の後側開閉部材K4810の板状部K4811、中側開閉部材K4820の板状部K4821及び前側開閉部材K4830の板状部K4831を模式的に示す正面模式図である。図1877では、連動切替状態(図1840(b)及び図1843参照)における視認態様が図示される。
後層側可動装置K4800は、動作により、板状部K4811,K4821,K4831が、おおよそ重なることなく輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484の内容が明確に理解できる状態(図1874参照)と、板状部K4811,K4821,K4831が、部分的に重なることで輪郭KOL481,KOL482a,KOL482b,KOL483,KOL484(例えば、輪郭KOL482a,KOL482b)が見え難くなる状態(図1877参照)とで、切替可能とされる。これにより、板状部K4811,K4821,K4831による視認態様のバリエーションを増やして、注目力の向上および演出効果の向上を図ることができる。
図1877に図示されるように、板状部K4811,K4821,K4831の少なくとも一部が前後で重ねられることにより全体の左右幅が縮められることに加え、板状部K4811に形成される内側輪郭KOL482aの外側および外側輪郭KOL482bの内側(無色透明)と板状部K4821に形成される輪郭KOL482の外側(赤色)との重なる位置、及び、板状部K4811に形成される内側輪郭KOL482aの内側および外側輪郭KOL482bの外側(赤色)と板状部K4821に形成される輪郭KOL482の内側(無色透明)との重なる位置では、板状部K4811に形成される内側輪郭KOL482aの内側および外側輪郭KOL482bの外側の色(赤色)で視認されることになることから、輪郭KOL482a,KOL482bとして判別し易い(無色透明で視認される)部分の面積が減少される。
従って、図1874に図示される状態に比較して、輪郭KOL482a,KOL482bとして形成される装飾の判別をし難くすることができる。仮に、板状部K4811,K4821,K4831の前後方向の重なり加減が変化することなく左右にスライド移動することがあった場合に比較して、本実施形態では輪郭KOL482a,KOL482bが第3図柄表示装置K81の前方の外方へ退避する前から重なり始める分、本実施形態の方が、輪郭KOL482a,KOL482bとして視認される(無色透明で視認される)面積の減少が早期に生じることになり、輪郭KOL482の判別をし難くさせることができる。
これにより、図1874に図示される状態と、図1877に図示される状態との、輪郭KOL482a,KOL482bの判別のし易さの違いを、より際立たせることができ、視認態様のバリエーションの差を大きくすることができる。
図1877に図示される状態で、太い幅の想像線で図示される第3図柄表示装置K81の表示領域の内、板状部K4811,K4821,K4831の後方に位置する範囲において上述の第1態様の表示を実行することにより、板状部K4811,K4821,K4831を第3図柄表示装置K81の表示領域の左右側に配置される左右幅の長い枠構成部(フレームの一部)として視認させることができ、第3図柄表示装置K81の表示を視認させる領域を板状部K4811の間隔に狭めることができる(縮小表示態様)。
即ち、第3図柄表示装置K81の表示領域の大きさが変化したように見せることができるので、遊技者に対して、第3図柄表示装置K81自体の表示領域の大きさに適した表示演出だけではなく、見かけ上変化された(小さくされた)表示領域の大きさに適した表示演出を見せることを、同一の第3図柄表示装置K81により実行することができる。
一方、第3図柄表示装置K81の表示領域の内、板状部K4811,K4821,K4831の後方に位置する範囲において、板状部K4811,K4821,K4831のシールの色よりも濃い赤での濃淡による形状を視認させる表示(第3態様の表示)を行い(赤はシールにより吸収されないので板状部K4811,K4821,K4831越しに濃淡による形状を遊技者が視認可能)、板状部K4811の間隔に置いても赤の濃淡による形状を視認させる表示を行うようにしても良い。
例えば、図1877に図示されるように、第3図柄表示装置K81の表示領域の上側範囲において左右方向に帯状に延びる第4背面表示K81dを板状部K4811,K4821,K4831のシールと同じ濃さの赤色で表示し、その第4背面表示K81dの内側に右方向を向く矢印形状の第5背面表示K81eを板状部K4811,K4821,K4831のシールの赤色よりも濃い赤色で表示する。
この場合、板状部K4811の内側端部で第3図柄表示装置K81の表示領域が仕切られているような印象を与えることはなく、板状部K4811,K4821,K4831越しに第3図柄表示装置K81の表示領域における第4背面表示K81d及び第5背面表示K81eを透けて見せることができる。
この態様によれば、第5背面表示K81eが板状部K4811の内側縁部と重なっていても遊技者に違和感を与えることがないので、第5背面表示K81eを左右方向(例えば、矢印の向く右方向)にスライド移動する動的表示として表示する場合においても、遊技者に違和感を与えることが無い。
このように、板状部K4811,K4821,K4831を第3図柄表示装置K81の正面側に配置したまま、第3図柄表示装置K81自体の表示領域の大きさに適した表示演出を実行することができる(非縮小表示態様)。
このように、本実施形態では、上述の各実施形態と同様に、板状部K4811,K4821,K4831が第3図柄表示装置K81の正面側に配置された状態において、遊技者に対して、第3図柄表示装置K81自体の表示領域の大きさに適した表示演出だけではなく、見かけ上変化された(小さくされた)表示領域の大きさに適した表示演出を見せることができ、これらは、第3図柄表示装置K81の表示態様を切り替えることにより実現される。
なお、上述した縮小表示態様や、非縮小表示態様において、板状部K4811,K4821,K4831の後方の表示範囲の指定は、板状部K4811,K4821,K4831の投影範囲に限られるものではない。
例えば、縮小表示態様において、上述した第1態様の表示を実行させる範囲の左右内側端は、板状部K4811の左右内側先端側(互いに対向配置される側)縁部よりも左右外側にずらすようにしても良い。この場合、板状部K4811,K4821,K4831の動作(停止位置)が不安定となったとしても、第1態様の表示が板状部K4811,K4821,K4831に覆われずに露出する事態の発生を回避し易くすることができる。
また、縮小表示態様において、板状部K4811の左右内側先端側において上下方向に延びる帯状の表示を行うことで、左右の板状部K4811の間隔における第3図柄表示装置K81の表示範囲と、板状部K4811,K4821,K4831の後方における表示範囲とを区別させ易くすることができるが、この帯状の表示の位置についても、板状部K4811の左右内側先端の投影範囲に限られるものではない。
例えば、左右の板状部K4811の対向する側(左右内側)にずらすようにしても良い。この場合、板状部K4811,K4821,K4831の動作(停止位置)が不安定となったとしても、帯状の表示が板状部K4811,K4821,K4831に覆われて、帯状の表示が視認され難くなる事態を回避し易くすることができる。
図1878(a)、図1878(b)及び図1878(c)は、第3図柄表示装置K81及び後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831の上面図である。図1878(a)、図1878(b)及び図1878(c)では、第3図柄表示装置K81と板状部K4811,K4821,K4831との位置関係が模式的に図示される。
図1878(a)に図示されるように、本実施形態では、第3図柄表示装置K81の表示領域を覆う大きさで第3図柄表示装置K81の正面側に配設され、左右側端部が第3図柄表示装置K81の左右側の枠に接着される透明フィルムK4891と、その透明フィルムK4891の上下両側に一対で配設され透明フィルムK4891を把持する把持部K4892と、その把持部K4892を前後方向にスライド変位させる第1駆動装置K4893と、その第1駆動装置K4893を左右方向にスライド変位させる第2駆動装置K4894と、が第3図柄表示装置K81に配設される。
把持部K4892が初期位置(図1878(a)参照)に配置されている状態では、透明フィルムK4891の前面は第3図柄表示装置K81の表示面K81sと平行とされており、透明フィルムK4891を通して視認される表示は、透明フィルムK4891が配設されていない場合と大きな変化はない。
図1878(b)に図示されるように、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置される場合、透明フィルムK4891は、上面視で把持部K4892を頂点とする三角形状の2辺を形成する態様で変形され、透明フィルムK4891の前面が形成される平面KS49は第3図柄表示装置K81の表示面K81sと非平行とされる。この場合、透明フィルムK4891を通して視認される表示は、透明フィルムK4891が配設されていない場合と変化し得る。
図1878(c)では、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置され、後層側可動装置K4800の右側の板状部K4811,K4821,K4831は演出待機状態における配置とされる一方で、左側の板状部K4811,K4821,K4831は閉塞状態における配置とされた状態が図示される。
図1878(c)に図示されるように、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置されることで、正面視における、透明フィルムK4891の板状部K4811,K4821,K4831側の縁と、板状部K4811,K4821,K4831の透明フィルムK4891側の縁との前後間隔が狭められている。
更に、上下一対の把持部K4892が前方位置に配置される場合における透明フィルムK4891の前面が形成される平面KS49と、閉塞状態における配置とされた板状部K4811,K4821,K4831が並べられる方向KL50とが略平行とされる。
透明フィルムK4891は、第3図柄表示装置K81側から入射された光を屈折させることで、平面KS49と垂直な方向に進行させ、遊技者に視認させる。これにより、透明フィルムK4891の前面を視認面として視認される第3図柄表示装置K81からの表示と、板状部K4811,K4821,K4831の前面を通して視認される装飾とを、一連で視認させ易くすることができる。
なお、透明フィルムK4891を通して視認させる第3図柄表示装置K81側の表示は、遊技者が平面KS49と直交する方向視で視認する可能性を考慮して、把持部K4892の左右位置よりも若干左右方向に超えて(図1878(c)において左側にまで超えて)連続的に形成されるようにしても良い。この場合、遊技者が平面KS49と直交する方向視で視認した場合であっても、透明フィルムK4891と板状部K4811との間に隙間が視認されることを防止し易くすることができると共に、遊技者が正面視で視認している場合には、把持部K4892よりも左側の範囲においては板状部K4811とオーバーラップすることで、ほぼ板状部K4811の色(本実施形態では、赤色)で視認されることにより、把持部K4892の配置される左右中央位置で視認態様を区切ることができる。
なお、把持部K4892の前後位置は、第1駆動装置K4893を駆動させることにより変更可能とされる。そのため、透明フィルムK4891の前面が形成される平面KS49の傾斜角度は、任意に設定可能である。即ち、板状部K4811,K4821,K4831と透明フィルムK4891との前後間隔を調整することで視認性(一連で視認されるか、一連ではないように視認されるか)を調整したり、板状部K4811,K4821,K4831が並べられる方向に対する平面KS49の角度を敢えて傾斜させたりすることができる。
なお、把持部K4892の左右位置は、第2駆動装置K4894を駆動させることにより変更可能とされる。そのため、板状部K4811の端部が配置される左右位置と、把持部K4892の左右位置を合わせることで、板状部K4811の左右位置に関わらず、正面視における、透明フィルムK4891の板状部K4811,K4821,K4831側の縁と、板状部K4811,K4821,K4831の透明フィルムK4891側の縁との前後間隔を狭めることができる。
なお、本実施形態では、透明フィルムK4891が第3図柄表示装置K81の左右端を頂点として延ばされた場合に板状部K4811,K4821,K4831の並ぶ方向KL50に沿う位置関係で構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831と第3図柄表示装置K81との前後間隔が図1878に図示される配置よりも短い場合には、透明フィルムK4891が第3図柄表示装置K81の左右端部よりも左右内側の部分を頂点として延ばされるよう構成することで、平面KS49と方向KL50とが平行な状態を構成することができる。
また、例えば、板状部K4811,K4821,K4831と第3図柄表示装置K81との前後間隔が図1878に図示される配置よりも長い場合には、透明フィルムK4891の端が固定される位置を第3図柄表示装置K81の外枠から前方に離れた位置とすることで、平面KS49と方向KL50とが平行な状態を構成することができる。
なお、本実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831の移動方向が左右方向であることに基づいて透明フィルムK4891の変形方向を設計したが、板状部K4811,K4821,K4831の移動方向が変われば、透明フィルムK4891の変形方向も変わり得るのは当然である。例えば、板状部K4811,K4821,K4831が前後方向にスライド移動するのであれば、把持部K4892を第3図柄表示装置K81の左右に配置して透明フィルムK4891の変形を生じさせることも考えられる。
また、把持部K4892が上下片側に一つずつ配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、把持部K4892が上下片側に複数配置されるようにしても良い。この場合、変位する把持部K4892を場合ごとに切り替えることで透明フィルムK4891の変形態様を切り替えることができるし、複数の把持部K4892を同時に変位させることでも透明フィルムK4891の変形態様を異ならせることができる。
なお、本実施形態では、板状部K4811の厚み分、平面KS49と方向KL50との間に間隔が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811のスライド先端側(把持部K4892側)端部において、延ばされた透明フィルムK4891(図1878(b)参照)と干渉しないように傾斜形成(鋭利に形成)されることで、平面KS49と方向KL50とが上面視で面一となるように構成しても良い。この場合、透明フィルムK4891と板状部K4811,K4821,K4831とを一連で視認させ易くすることができる。
図1879(a)、図1879(b)、図1879(c)、図1879(d)、図1879(e)、図1879(f)、図1879(g)、図1879(h)及び図1879(i)は、図1860(a)のMDCCCXVIII部におけるパチンコ機K4010の部分拡大正面図である。
図1879(a)では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)とされた場合が図示される。図1879(b)では、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)とされると共に右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図1844参照)とされた場合が図示される。
図1879(c)では、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)とされると共に左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図1844参照)とされた場合が図示される。図1879(d)では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図1844参照)とされた場合が図示される。
図1879(e)では、右側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図1843参照)とされると共に左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)とされた場合が図示される。
図1879(f)では、左側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図1843参照)とされると共に右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)とされた場合が図示される。図1879(g)では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図1843参照)とされた場合が図示される。
図1879(h)では、左側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図1843参照)とされると共に右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図1844参照)とされた場合が図示される。
図1879(i)では、右側の板状部K4811,K4821,K4831が連動切替状態(図1843参照)とされると共に左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態(図1844参照)とされた場合が図示される。
このように、後層側可動装置K4800(図1874参照)への電圧印加の態様に対応する状態の違いにより、左右の板状部K4811,K4821,K4831の配置態様が変化される。これにより、第3図柄表示装置K81の表示領域における視認態様が変化されることになる。
本実施形態では、上記各実施形態と同様に、図1879(a)から図1879(i)に図示される状態を切り替えることで、第3図柄表示装置K81の表示領域の見せ方を切り替えることができる。
例えば、板状部K4811,K4821,K4831で覆われる範囲において、第3図柄表示装置K81の表示を上述の第1態様で設定する場合、板状部K4811,K4821,K4831で覆われる範囲では一面同じ濃さの赤色で視認されることになり動的表示を視認させることができないので、図1879(b)~図1879(i)に図示される状態で動的表示を視認させることができる実質的な表示範囲(例えば、第3図柄表示装置K81や表示装置K4580等のように、枠状に囲まれて視認される表示範囲)は、図1879(a)に図示される表示範囲よりも狭くなる。
また、例えば、図1879(a)に図示される状態から図1879(b)に図示される状態に変化することで、右側の範囲が隠されるところ、その後で図1879(a)に図示される状態に再び変化された場合に、右側の範囲に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、例えば、図1879(e)に図示される状態と図1879(f)に図示される状態とが交互に生じるように変化させることで、動的表示を視認させることができる実質的な表示範囲が左右に往復変位されているように遊技者に視認させることができる。この場合に、第3図柄表示装置K81の表示領域における表示が板状部K4811,K4821,K4831の変位と連動して左右にスライド移動されるように見えるように描画の設定を行うことで、実際に第3図柄表示装置K81を左右にスライド移動させることをしなくても、あたかも第3図柄表示装置K81が左右にスライド移動しているかのように見える演出を実現することができる。
これに限らず、図1879(b)に図示される状態と図1879(c)に図示される状態とが交互に生じるように変化させる場合や、図1879(h)に図示される状態と図1879(i)に図示される状態とが交互に生じるように変化させる場合においても、同様の演出を実現することができる。
図1880(a)、図1880(b)及び図1880(c)は、図1860(a)のMDCCCXVIII部におけるパチンコ機K4010の部分拡大正面図である。図1880(a)、図1880(b)及び図1880(c)では、パチンコ機K4010の変化の一例が時系列で図示される。なお、板状部K4811,K4821,K4831の模様や、色彩の図示が省略される。
図1880(a)では、上述した第11の動作パターン(図1866及び図1867参照)の左右対称の動作パターンで第1可動装置K4401が動作され、後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831は左右共が閉塞状態(図1874参照)で維持される第1の複合動作パターンが時系列で図示される。このような動作パターンは、切替装置K460(図1866参照)を左側にも配置して、第11の動作パターンにならって切替装置K460を適切に制御することで実現可能である。
移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831の後方に配置される第3図柄表示装置K81から照射される光を板状部K4811,K4821,K4831を介して受ける。
板状部K4811,K4821,K4831は、シール部材により赤色で視認されるものであり、この板状部K4811,K4821,K4831を介する第3図柄表示装置K81からの光は、赤みがかった色となるので、移動装置K4560も外周あたりが赤みがかった色で視認されることになる。
図1880(b)では、第2の複合動作パターンが時系列で図示される。第2の複合動作パターンは、途中まで(上から1,2枚目の図に対応)は、上述した第1の複合動作パターン(図1866及び図1868参照)で第1可動装置K4401が動作される。
一方、左右共が閉塞状態における後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831の内、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)に途中で変化され(上から3枚目の図に対応)、その直後に左側の切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁されることで、長尺装置K540の左側が落下され、長尺装置K540が水平姿勢となる(上から4枚目の図に対応)。
上述した第12の動作パターンでは、移動装置K4560が移動範囲の左端に到達した後で駆動ソレノイドKSOL41(図1868(a)参照)が励磁されたが、第2の複合動作パターンでは、移動装置K4560が右端に到達するよりも早いタイミングで駆動ソレノイドKSOL41が励磁される。
即ち、移動装置K4560が移動範囲の左端と中央との間を移動中とされるタイミング(上から3枚目の図に対応)において、左側の板状部K4811,K4821,K4831が駆動されるのと合わせて駆動ソレノイドKSOL41(図1868(a)参照)が励磁される。
この場合、左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされる間は移動装置K4560が長尺装置K540の長手方向に沿って右下方向にスライド移動されるが、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化されることに合わせて、まず移動装置K4560が下方へ変位し、その後の移動装置K4560の移動方向の傾斜も水平寄りになる。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831の動作が生じる側(左側)と、移動装置K4560の移動方向の変化(右下方向から下方向への変化)が生じる側とを合わせることができるので、遊技者に対して、移動装置K4560と板状部K4811,K4821,K4831とを一体的に視認させる動作演出を実行させることができる。
移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831の後方に配置される第3図柄表示装置K81から照射される光を、途中までは板状部K4811,K4821,K4831を介して受ける。
板状部K4811,K4821,K4831は、シール部材により赤色で視認されるものであり、この板状部K4811,K4821,K4831を介する第3図柄表示装置K81からの光は、赤みがかった色となるので、移動装置K4560も外周あたりが赤みがかった色で視認されることになる。
一方、移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化した後においては、板状部K4811,K4821,K4831を介することなく第3図柄表示装置K81から照射される光を受ける。
そのため、板状部K4811,K4821,K4831により生じていた赤みがかった変色が無くなり、移動装置K4560の外周あたりが第3図柄表示装置K81からの光で発光され、その光の色の影響を受けた態様で視認されることになる。
これにより、第3図柄表示装置K81による表示が切り替えられなくても、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態から演出待機状態に切り替えられることで、移動装置K4560の見映えを変化させる演出を実行することができる。
図1880(c)では、第3の複合動作パターンが時系列で図示される。第3の複合動作パターンは、途中まで(上から1,2枚目の図に対応)は、図1880(b)に図示される第2の複合動作パターンと同様に第1可動装置K4401が動作されるものであり、上述した第11の動作パターンに沿う図1880(a)とも同様である。
一方、左右共が閉塞状態における後層側可動装置K4800の板状部K4811,K4821,K4831の内、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態(図1842参照)に途中で変化され(上から3枚目の図に対応)、その直後に左側の切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41が励磁されることで(図1868(a)参照)、長尺装置K540の左側が落下され、長尺装置K540が水平姿勢となる(上から4枚目の図に対応)。
上述した第12の動作パターンでは、移動装置K4560が移動範囲の左端に到達した後で駆動ソレノイドKSOL41(図1868(a)参照)が励磁されたが、第3の複合動作パターンでは、移動装置K4560が右端に到達するよりも早いタイミングで駆動ソレノイドKSOL41が励磁される。
即ち、移動装置K4560が移動範囲の中央と右端との間を移動中とされるタイミング(上から3枚目の図に対応)において、左側の板状部K4811,K4821,K4831が駆動されるのと合わせて駆動ソレノイドKSOL41(図1868(a)参照)が励磁される。
この場合、右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態とされる間は移動装置K4560が長尺装置K540の長手方向に沿って右下方向にスライド移動されるが、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化されることに合わせて、まず移動装置K4560が下方へ変位し、その後の移動装置K4560の移動方向の傾斜も水平寄りになる。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831の動作が生じる側(右側)と、移動装置K4560の移動方向の変化(右下方向から下方向への変化)が生じる側とを合わせることができるので、遊技者に対して、移動装置K4560と板状部K4811,K4821,K4831とを一体的に視認させる動作演出を実行させることができる。
移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831の後方に配置される第3図柄表示装置K81から照射される光を、途中までは板状部K4811,K4821,K4831を介して受ける。
板状部K4811,K4821,K4831は、シール部材により赤色で視認されるものであり、この板状部K4811,K4821,K4831を介する第3図柄表示装置K81からの光は、赤みがかった色となるので、移動装置K4560も外周あたりが赤みがかった色で視認されることになる。
一方、移動装置K4560は、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化した後においては、板状部K4811,K4821,K4831を介することなく第3図柄表示装置K81から照射される光を受ける。
そのため、板状部K4811,K4821,K4831により生じていた赤みがかった変色が無くなり、移動装置K4560の外周あたりが第3図柄表示装置K81からの光で発光され、その光の色の影響を受けた態様で視認されることになる。
これにより、第3図柄表示装置K81による表示が切り替えられなくても(同様の発光状態を維持した状態でも)、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態から演出待機状態に切り替えられることで、移動装置K4560の見映えを変化させる演出を実行することができる。
上述した第1~3の複合動作パターンでの移動装置K4560及び板状部K4811,K4821,K4831の動作演出を可能とすることで、閉塞状態における板状部K4811,K4821,K4831の前を移動装置K4560が斜め右方向に流下する態様の変位に対する遊技者の注目力を向上させることができる。なお、移動装置K4560及び板状部K4811,K4821,K4831の動作を全て左右対称に変更することで、移動装置K4560が斜め左方向に流下する態様の変位を実行することもできる。
更に、移動装置K4560の斜め右方向への変位が、右側終端まで継続される場合(図1880(a)参照)に比較して、移動装置K4560の変位方向が途中で変化される場合(図1880(b)及び図1880(c)参照)の方が、遊技者が得られる利益が高い(例えば、大当たりの可能性が高かったり、払い出される賞球が多かったりする)ように演出される場合、遊技者に対して、斜め右方向に流下する態様で変位する移動装置K4560を変位方向が変わるように願いながら目で追うように仕向けることができる。
これにより、移動装置K4560に視線を合わせさせながらも、それだけでなく、その視界(移動装置K4560を中心とする視界)の後方にある板状部K4811,K4821,K4831に対する注目力をも向上させることができる。
なお、図1880(a)から図1880(c)では、移動装置K4560の後方に位置する板状部K4811,K4821,K4831が変位し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装置K4560の後方から外れた位置に配置される板状部K4811,K4821,K4831が変位する場合を構成しても良い。
例えば、移動装置K4560が図1880(b)の上から2枚目の位置から、図1880(b)の上から3枚目の位置まで変位した状態において、左側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態のまま維持され、右側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化される動作パターンを構成しても良い。
この場合において、左側の切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41は非励磁で維持される(図1866(c)参照)。更に、この動作パターンでは、移動装置K4560が左右中央位置(図1880(a)の3枚目の位置に相当)に到達する前に右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態に変化されることから、移動装置K4560が左右中央位置に到達した後は、第1の複合動作パターンと同様に右下方向へスライド移動される。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831が変位した場合であっても、移動装置K4560の移動方向の変化が生じない状況を構成することができるので、板状部K4811,K4821,K4831は視界に入れながらも移動装置K4560については注目しないという遊技を避けさせ易くすることができる。
また、例えば、移動装置K4560が図1880(c)の上から2枚目の位置から、図1880(c)の上から3枚目の位置まで変位した状態において、右側の板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態のまま維持され、左側の板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化される動作パターンを構成しても良い。
この場合において、切替装置K460の駆動ソレノイドKSOL41は非励磁で維持される(図1866(c)参照)。そのため、この動作パターンでは、移動装置K4560が左右中央位置に到達した後は、第1の複合動作パターンと同様に右下方向へスライド移動される。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831が変位した場合であっても、移動装置K4560の移動方向の変化が生じない状況を構成することができるので、板状部K4811,K4821,K4831は視界に入れながらも移動装置K4560については注目しないという遊技を避けさせ易くすることができる。
なお、図1880(b)及び図1880(c)では、閉塞状態から演出待機状態に変化する板状部K4811,K4821,K4831が左右片側である場合として第2の複合動作パターン及び第3の複合動作パターンを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、異なる複合動作パターンとして、第2,3の複合動作パターンにおいて、板状部K4811,K4821,K4831が左右共に閉塞状態から演出待機状態に変化する複合動作パターンで動作可能に構成しても良い。
この複合動作パターンであれば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態から演出待機状態に変化するタイミングにおける移動装置K4560の配置が限定されるものではない。例えば、左右中央に配置される場合(図1880(a)の3枚目参照)でも良いし、スライド移動範囲の任意の配置で良い。
この複合動作パターンの場合、板状部K4811,K4821,K4831の状態が変化しさえすれば、移動装置K4560の配置に因らず、移動装置K4560の変位方向が途中で変化されることになるので、移動装置K4560に対する注目力よりも板状部K4811,K4821,K4831に対する注目力の方が高い状況を構成することができる。
板状部K4811,K4821,K4831の方が正面視での面積が大きいことから、視界に収める際のストレスは低くなるので、移動装置K4560を目で追う必要がある場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、上述した各複合動作パターンは、それぞれ独立した制御態様で限定されるものではなく、各複合動作パターンの部分同士を組み合わせて別の複合動作パターンとすることは当然可能である。
なお、上述した各複合動作パターンを実行している際に、第3図柄表示装置K81から正面側へ向けて光が照射されるようにしても良い。この場合において、第3図柄表示装置K81の表示領域の全体から光が照射されるようにしても良いし、板状部K4811,K4821,K4831の状態に対応して光を照射するようにしても良い。
例えば、閉塞状態の板状部K4811,K4821,K4831に覆われる範囲においては光を照射せず(又は、目立たない赤色の光を照射するようにして)、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変位され正面側が覆われなくなった箇所から鮮やかな光(例えば、白色光)を照射するようにしても良い。
即ち、例えば、図1880(b)の3枚目の状態において第3図柄表示装置K81の左半分の領域において前方へ向けて光が照射されるようにしたり、図1880(c)の3枚目の状態において第3図柄表示装置K81の右半分の領域において前方へ向けて光が照射されるようにしたりしても良い。
ここで、第3図柄表示装置K81側からの照射される光により移動装置K4560が照らされることで、移動装置K4560の視認態様(例えば、色味)が変化される。特に、回転装飾部材K4578の外形付近が、第3図柄表示装置K81側からの照射される光の色で視認されることになり、回転装飾部材K4578の演出効果の向上を図ることができる。
回転装飾部材K4578の内部にまで第3図柄表示装置K81側からの照射される光による色の影響が生じるものではないが、例えば、表示装置K4580の見え方を考慮して、第3図柄表示装置K81側からの照射される光の態様を設計するようにしても良い。
例えば、第3図柄表示装置K81側から赤色の光が照射されている場合に、表示装置K4580からも赤色の光を照射するようにすることで、あたかも、第3図柄表示装置K81側からの光が回転装飾部材K4578の内側を透過したかのように視認させることができる。
また、例えば、第3図柄表示装置K81側から白色の光が照射されている場合に、表示装置K4580からは黒色(又は銀色)の光を照射するようにし、回転装飾部材K4578の電飾を白色の光で点灯させることで、白色の背景(第3図柄表示装置K81側からの光および回転装飾部材K4578からの光)の中でひときわ目立つ黒色(又は銀色)の球体が斜め下方へ移動しているような印象を遊技者に与える演出を実行することができる。
即ち、表示装置K4580の視認態様に基づいて、移動装置K4560がより目立つように第3図柄表示装置K81側から照射される光の色を設計することで、移動装置K4560に対する注目力をより向上させることができ、移動装置K4560による演出効果を向上させることができる。
なお、図1880(b)及び図1880(c)で上述した各複合動作パターンにおいて、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化することに基づいて移動装置K4560が落下した後で、移動装置K4560が演出待機状態における配置に戻る前に板状部K4811,K4821,K4831が再び閉塞状態(例えば、図1880(b)の2枚目の状態を参照)に変化するように動作させるようにしても良い。
この場合に、板状部K4811,K4821,K4831の配置により、第3図柄表示装置K81側からの光が板状部K4811,K4821,K4831を通り移動装置K4560に到達するか、第3図柄表示装置K81側からの光が板状部K4811,K4821,K4831を通らずに移動装置K4560に到達するかの違いが生じ、同じ位置に移動装置K4560が配置される場合であってもその視認態様が変化される。これにより、移動装置K4560の演出効果を向上させることができる。
また、図1880(b)及び図1880(c)で上述した各複合動作パターンにおいて、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化した後で再び閉塞状態に戻る態様を採用し、閉塞状態に戻るまでの期間にバリエーション(長短)を設けても良い。
この場合において、期間の長短に関わらず、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化することに基づいて移動装置K4560が落下方向に変位するようにしても良いし、又は、閉塞状態に戻るまでの期間が基準(例えば、0.2秒や1秒等、短期間)よりも短い場合には、板状部K4811,K4821,K4831が演出待機状態に変化しても長尺装置K540の傾斜姿勢が維持され、移動装置K4560は落下されずに斜め下方への移動を継続するように構成しても良い。
これにより、板状部K4811,K4821,K4831の動作と移動装置K4560の落下とが一対一で対応する場合に比較して、移動装置K4560の変位がどのような態様で実行されるかの予測をされ難くすることができるので、移動装置K4560への注目力を向上させることができる。
なお、上述の実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831を照らす広範囲の光が第3図柄表示装置K81から照射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831に貼り付けられるシール部材の赤色よりも濃い赤色の、長尺装置K540の傾斜と平行な直線状の帯状の模様が、長尺装置K540の上方または下方に少し離れて重ならない位置に表示されるようにしても良い。
これにより、長尺装置K540の左側部が落下した後においても、帯状の模様が残る(板状部K4811,K4821,K4831を通して視認される)ことにより、移動装置K4560の元の移動経路を遊技者が継続して視認可能にすることができる。そのため、遊技者が演出の時系列(例えば、移動装置K4560がどのような動きをして落下位置状態の位置に至ったか)を見失うことを避け易くすることができ、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
更に、板状部K4811,K4821,K4831が変位した場合には、この帯状の模様も板状部K4811,K4821,K4831の変位に付き従って左右方向に変位するように表示態様を制御しても良い。
この場合において、移動装置K4560の落下前において、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態に変化するように変位した場合に、板状部K4811,K4821,K4831の帯状の模様と移動装置K4560とが正面視で重なり始める位置関係となった場合に、あたかも帯状の模様と移動装置K4560とが干渉する(衝突する)ように移動装置K4560及び板状部K4811,K4821,K4831を動作させる制御をしても良い。
例えば、閉塞状態へ向けて左右内側に進行する板状部K4811,K4821,K4831の進行側端部に移動装置K4560が押されて、移動装置K4560が加速されるように動作させても良い。
又は、移動装置K4560と帯状の模様とが離れている時に比較して、移動装置K4560と帯状の模様とが正面視で重なり始める状態の方が板状部K4811,K4821,K4831の移動速度が減速されるようにしても良い。この場合、あたかも板状部K4811,K4821,K4831が移動装置K4560から荷重を受けて、板状部K4811,K4821,K4831の移動抵抗が増加されているかのように視認させることができる。
なお、図1880(a)から図1880(c)では、長尺装置K540の傾斜が、左端部を切替装置K460に支持される場合の姿勢で維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺装置K540の傾斜が僅かにずらされるようにして、移動装置K4560の移動方向が一直線方向だけではなく、その直線方向と交差する方向をも含むようにしても良い。
例えば、左側の回転部材K430が、中間支持姿勢(図1826参照)と、その中間支持姿勢から回転部材K430が約15度時計回りに回転された姿勢とで、交互に切り替えられるような動作制御を行っても良い。この場合、長尺装置K540の左側端部が上下に往復変位されることから、移動装置K4560の移動方向の傾斜角度を、移動装置K4560のスライド移動中に変化させることができる。
また、例えば、右側の回転部材K430が、第1解除姿勢(図1867(a)参照)と、その第1解除姿勢から回転部材K430が中間支持姿勢(図1867(b)参照)とで、交互に切り替えられるような動作制御を行っても良い。この場合、長尺装置K540の右側端部が上下に往復変位されることから、移動装置K4560の移動方向の傾斜角度を、移動装置K4560のスライド移動中に変化させることができる。
この場合において、右側の回転部材K430が中間支持姿勢とされた場合、左右の回転部材K430の姿勢が合致されることで長尺装置K540が水平姿勢とされる。即ち、移動装置K4560の移動方向を、水平方向に対して下降傾斜する方向と、水平方向とで、変化させることができる。
また、例えば、左右の回転部材K430を共に動作させて、長尺装置K540に両側から作用するようにしても良い。この場合、移動装置K4560の移動方向のバリエーションを増加させることができる。左右の回転部材K430の動作タイミングを合わせることで長尺装置K540に作用するタイミングをずらしても良いし、片側の回転部材K430の動作中にもう片方の回転部材K430を動作させるようにしても良い。
また、回転部材K430の回転を、長尺装置K540が落下位置状態における位置(図1880(b)の4枚目参照)に配置されている状態で実行するようにしても良い。例えば、図1880(b)の4枚目に図示される状態から、左右両側の回転部材K430を中間支持姿勢(図1867(b)参照)にしてから、再び第1解除姿勢(図1867(a)参照)にするように動作させるようにしても良い。
この場合、第2可動装置K4701が下降配置状態(図1869(c)参照)における配置に位置しておらず演出待機状態(図1869(b)参照)における配置に位置している場合であっても、移動装置K4560が第2可動装置K4701の上方を離れて移動することになるので、移動装置K4560が第2可動装置K4701に移動を妨げられることを防止しつつ、移動装置K4560を右下の領域に到達させることができる。
言い換えれば、移動装置K4560を右下の領域に到達させる場合の経路として、長尺装置K540が落下位置状態における配置に位置した後で移動装置K4560が上昇方向へ移動することは無い上述の経路とは異なる移動経路を構成することができる。
なお、上記説明では、移動装置K4560の移動方向が回転部材K430の回転動作に基づいて変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺装置K540と対向配置される板状部K4811,K4821,K4831(図1856参照)から、長尺装置K540が移動する領域側(正面側)へ向けて障害部が棒状に突設され、その障害部がスライド移動中の移動装置K4560と干渉するように作用することで、移動装置K4560の移動方向が変化するように構成しても良い。
即ち、例えば、図1880(b)の2枚目に図示される移動装置K4560の回転装飾部材K4578の右下側から当接する位置に第1の障害部が配置されている場合、移動装置K4560が図1880(b)の2枚目に図示される状態から更に右下方向へスライド移動される場合、第1の障害部と移動装置K4560とが干渉するので、第1の障害部を避けるように長尺装置K540ごと上方に変位される。そして、第1の障害部を右側へ越えると、長尺装置K540の姿勢が自重により図1880(b)の2枚目に図示される状態に戻される。
又は、自重による復帰では動きが不安定になる場合等、長尺装置K540の姿勢変化を安定させたい場合には、上述の第1の障害部と同様の作用を生じさせる第2の障害部を、移動装置K4560の右上側から当接する位置に配置するようにすれば良い。これにより、第2の障害部を移動装置K4560と干渉させることができ、長尺装置K540の姿勢を図1880(b)の2枚目の状態(元の姿勢)に確実に戻すことができるので、移動装置K4560のスライド移動方向を戻すことができる。
なお、上述の第1の障害部や第2の障害部は、板状部K4811,K4821,K4831(図1856参照)から突設されるものに限定されるものではない。例えば、移動装置K4560よりも前側の層に配置される板状部から移動装置K4560側へ張り出すように設けられても良い。この場合、移動装置K4560との衝突で板状部K4811,K4821,K4831に荷重が加えられることを回避することができるので、板状部K4811,K4821,K4831の耐久性を向上させることができると共に、板状部K4811,K4821,K4831の動作をスムーズにさせることができる。
この場合において、移動装置K4560よりも前側の層に配置される板状部から張り出す正面視での形状は、移動装置K4560の移動する方向(左右方向に対して傾斜する方向)に対して交差する方向(直交する方向または略上下に延びる方向)に長尺の突条形状でも良い。この場合、移動装置K4560と障害物との衝突により、移動装置K4560のスライド方向を、前後方向の成分を有する方向に変化させることができ、立体感のある演出を実行することができる。
また、同様の障害物が板状部K4811,K4821,K4831から移動装置K4560側へ形成されても良い。この場合において、前方向に突設される障害物の正面視での配置と、後方向に突設される障害物の正面視での配置とは、重なるものでも良いし、ずれがあっても良い。重なる場合には移動装置K4560の前後位置のずれを修正し易くすることができ、ずれがある場合には移動装置K4560の前後変位を促進させることができる。
図1881(a)及び図1881(b)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。図1881(a)では、演出待機状態(図1801参照)における第2可動装置K4701(上記各実施形態における第2可動装置K701に相当)が実線で図示され、その第2可動装置K4701が上昇配置状態(図1805参照)とされた場合における外形の輪郭KG4701が想像線で図示され、第3図柄表示装置K81の表示領域において演出待機状態における第2可動装置K4701の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第1下側演出表示KER471が図示される。
また、図1881(b)では、上昇配置状態(図1805参照)における第2可動装置K4701が実線で図示され、第3図柄表示装置K81の表示領域において上昇配置状態における第2可動装置K4701の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第2下側演出表示KER472が図示される。
第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472を利用する第4の演出制御例について説明する。第4の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472が、第2可動装置K4701の駆動の実行と対応して表示される。
第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472の表示のタイミングと、第2可動装置K4701の駆動実行のタイミングとは、同時でも、ずれがあって良い。例えば、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472の表示のタイミングの方が早い場合、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472を表示させ、遊技者に視認させることにより、遊技者に対して、第2可動装置K4701が動作されるかもしれないという期待感を持たせることができる。
また、第4の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第2演出表示KRER472の表示が、第2可動装置K4701の動作に連動して切り替えられる。即ち、第2可動装置K4701が演出待機状態の場合には第1下側演出表示KER471が表示される(図1881(a)参照)一方、第2可動装置K4701が上昇配置状態に変化されるのに合わせて第2下側演出表示KER472が表示される(図1881(b)参照)。
これにより、第2可動装置K4701が動作される場合に、遊技者に視認される動作対象を、第2可動装置K4701の実際の大きさよりも大きく見せることができる。これにより、動作演出の迫力を増加させることができる。
第2可動装置K4701の動作中における外形に対応した形状の中間表示を、第1下側演出表示KER471と第2下側演出表示KER472との間の位置で表示可能に構成する場合、演出待機状態から上昇配置状態へ向けた第2可動装置K4701の移動に合わせて第3図柄表示装置K81の表示領域で表示する対象を、第1下側演出表示KER471から、中間表示、第2下側演出表示KER472の順に変化させることで、第2可動装置K4701の近傍における表示を、第2可動装置K4701と共に移動しているように視認させることができる。
また、同様に、上昇配置状態から演出待機状態へ向けた第2可動装置K4701の移動に合わせて第3図柄表示装置K81の表示領域で表示する対象を、第2下側演出表示KER472から、中間表示、第1下側演出表示KER471の順に変化させることで、第2可動装置K4701の近傍における表示を、第2可動装置K4701と共に移動しているように視認させることができる。
なお、第3図柄表示装置K81の表示領域において、第1下側演出表示KER471が表示される層と、第2下側演出表示KER472が表示される層とは、同じでも良いし、前後で異なるようにしても良い。例えば、第1下側演出表示KER471が表示される層よりも前側の層に第2下側演出表示KER472が表示されるように構成する場合には、第1下側演出表示KER471を表示しながら第2下側演出表示KER472を表示したとしても、第2下側演出表示KER472に第1下側演出表示KER471が隠されるように視認されることから(図1881(b)参照)、表示が重なることで見映えが悪くなるという事態が生じない。これにより、第2下側演出表示KER472を第1下側演出表示KER471との切り替えの制御を簡素化することができる。
なお、第4の演出制御例では、第2可動装置K4701の動作タイミングに合わせて第1下側演出表示KER471と第2下側演出表示KER472とが切り替えられる場合を説明したが、演出制御は必ずしもこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。
例えば、第2可動装置K4701が演出待機状態で維持されている状態において、第2下側演出表示KER472の表示が開始される状況を構成可能としても良い。この場合、遊技者に対して、第2可動装置K4701が上昇配置状態へ向けた動作を開始するかもしれないという期待感を遊技者に持たせることができ、第2可動装置K4701に対する注目力を向上させることができる。
この場合において、第2下側演出表示KER472の表示の透明度にバリエーションを持たせ、透明度が低い(実体に近い)程、第2可動装置K4701が上昇配置状態へ向けた動作を開始する可能性が高いように構成することで、第2下側演出表示KER472に対する注目力をも向上させることができる。
また、例えば、第2可動装置K4701が上昇配置状態から演出待機状態に変化した後において、第2下側演出表示KER472が消えずに維持される状況を構成可能としても良い。この場合、第2可動装置K4701が上昇配置状態に位置されている状態では部材同士が干渉するために実行不能とされている第1可動装置K4401の水平落下動作パターン(図1802及び図1864参照)を、第2下側演出表示KER472を維持することであたかも第2可動装置K4701が上昇配置状態に残っているかのように見せながら実行することができる。
これにより、動作役物同士では動作軌跡の干渉が生じることで実現不可能な動作態様を、第3図柄表示装置K81の表示を利用して疑似的に実現させることができるので、演出の迫力を向上させることができる。
なお、第4の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第2下側演出表示KER472の輪郭を、第2可動装置K4701の外形に対応した形状として形成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2可動装置K4701を含む範囲として、第3図柄表示装置K81の枠の内周に沿って帯状に延びる輪郭の表示として形成しても良い。
この場合において、表示が第2可動装置K4701を起点として左右両側へ向けて第3図柄表示装置K81の枠に沿って延びるように移動し、合流した後で枠状(環状)に形成されても良い。また、表示が枠状(環状)に形成されている状態で、第2可動装置K4701の変化(動作や発光等)に合わせて、追加の表示が枠状(環状)の表示に重なり延びるように形成されたり、枠状(環状)の表示の幅が変化するように制御されたり、枠状(環状)の表示の色や明るさが変化するように制御されても良い。
この場合、第2可動装置K4701の変化の影響を、第3図柄表示装置K81の表示領域の全周に生じさせることができるので、遊技者が第2可動装置K4701を視認しておらず第2可動装置K4701の変化に気づかないという事態を回避し易くすることができる。
図1882(a)から図1882(c)、図1883(a)及び図1883(b)は、パチンコ機K4010の模式正面図である。図1882(a)では、下降配置状態(図1802参照)における第2可動装置K4701が実線で図示され、第1可動装置K4401は演出待機状態に位置されており、第3図柄表示装置K81の表示領域において第1下側演出表示KER471と、演出待機状態における移動装置K4560の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第1上側演出表示KER451が図示される。
更に、図1882(a)では、第3図柄表示装置K81の表示領域の中央において、制限時間を示すバーとボタン部材H181とを模式的に表示して、ボタン部材H181(図1786参照)の操作を促す演出表示が実行される。
第1下側演出表示KER471及び第1上側演出表示KER451を利用する第5の演出制御例について説明する。第5の演出制御例では、第1下側演出表示KER471及び第1上側演出表示KER451が、後に動作が実行される可能性がある可動部材を示唆する位置に表示される。即ち、第1上側演出表示KER451は、第1可動装置K4401の動作可能性を示唆する表示として表示され、第1下側演出表示KER471は、第2可動装置K4701の動作可能性を示唆する表示として表示される。
第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作は、遊技者がボタン部材H181(図1786参照)を操作することに応じて実行される。そのため、遊技者に対して、第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701が動作することを願いながらボタン部材H181を操作させるように促すことができるので、ボタン部材H181の操作タイミングにおける遊技者の注目を、第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701が移動して来得る位置(例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の内方位置)に集めることができる。
なお、遊技者がボタン部材H181(図1786参照)の操作を実行しなかった場合における制御態様は種々の態様が例示される。例えば、操作待ち期間の終了後に第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作が実行されるようにしても良いし、予め遊技者が操作を実行しないという意思表示をしている場合(自動操作を有効としている場合)等において、操作待ち期間の途中で第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作が実行されるようにしても良いし、ボタン部材H181の操作が実行されなかった場合には第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701の動作が実行されないようにしても良い。
図1882(b)では、第5の演出制御例における第1操作後報知態様が図示される。第1操作後報知態様では、図1882(a)で図示される状態を経て、第1可動装置K4401が代表途中停止位置(図1865(c)参照)よりも上方の位置まで変位され、第1上側演出表示KER451が消され、第2可動装置K4701が上昇配置状態に変化され、第2下側演出表示KER472が表示される。
これにより、第2可動装置K4701に形成される「M」の模様が遊技者に注目されることになる。「M」は、例えば「MAX」の頭文字と意味づけることができ、入賞ユニットK200の「E」と合わせて「MAX-Energy」と読めることから大きな利益を得られる可能性を遊技者に示唆できる。
一方、図1882(c)では、第5の演出制御例における第2操作後報知態様が図示される。第2操作後報知態様では、図1882(a)で図示される状態を経て、第2可動装置K4701は演出待機状態における位置まで変位され、第1下側演出表示KER471が消され、第1可動装置K4401が代表途中停止位置(図1865(c)参照)に変化され、代表途中停止位置における移動装置K4560の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の第2上側演出表示KER452が表示される。
これにより、移動装置K4560の表示装置K4580に表示される「P」の表示が遊技者に注目されることになる。「P」は、例えば「Petit」の頭文字と意味づけることができ、入賞ユニットK200の「E」と合わせて「Petit-Energy」と読めることから小さな利益を得られる可能性を遊技者に示唆できる。
第5の演出制御例による演出が、第1操作後報知態様へ進むか、第2操作後報知態様へ進むかによって、遊技者が得られる利益に差を設けるように制御することで、第1可動装置K4401又は第2可動装置K4701が移動して来得る位置(例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の内方位置)に対する遊技者の注目力をより向上させることができ、ボタン部材H181(図1786参照)の操作に対する操作意欲を上昇させることができる。
図1883(a)では、第5の演出制御例における第3操作後報知態様が図示される。第3操作後報知態様では、図1882(a)で図示される状態を経て、第1可動装置K4401(上記各実施形態の第1可動装置K401に相当)が落下位置状態(図1802参照)に変化され、第2可動装置K4701(上記各実施形態の第2可動装置K701に相当)が下降配置状態(図1802参照)で維持され、板状部K4811,K4821,K4831(上記各実施形態の板状部K811,K821,K831に相当)が閉塞状態に変化される。
この場合、第3図柄表示装置K81の表示領域の正面側で「SPME」と視認させ、「SPecial-MAX-Energy」と読めることから多大に大きな利益を得られる可能性を遊技者に示唆できる。
第5の演出制御例において、第2可動装置K4701が下降配置状態で維持されるのは第3操作後報知態様のみに設定されている。これに対応して、例えば、第1下側演出表示KER471(図1881(a)参照)で表示される影状(又は、例えば、オーラ状、炎状、集中線状、放射線状)の表示の変動方向が通常は上方向(立ち昇る方向)であるところ、第3操作後報知態様が予定されている状況においては表示の変動方向が下方向になる場合がある(例えば、2回に1回は下方向になる)ように設定することで、第1下側演出表示KER471を視認した遊技者に対して、ボタン部材H181(図1786参照)の操作前から、第3操作後報知態様の演出動作が実行される可能性があるという期待感を持たせることができる。
図1883(b)では、第5の演出制御例における第4操作後報知態様が図示される。第4操作後報知態様では、図1882(a)で図示される状態を経て、第1可動装置K4401(上記各実施形態の第1可動装置K401に相当)が代表途中停止位置(図1865(c)参照)よりも上方の位置まで変位され、第2可動装置K4701(上記各実施形態の第2可動装置K701に相当)が突破上昇動作パターンの動作終端状態(図1873参照)に変化され、板状部K4811,K4821,K4831(上記各実施形態の板状部K811,K821,K831に相当)が連動切替状態(図1843参照)に変化され、第3図柄表示装置K81ではガラス板が割れたような表示がされる。
このような表示を行うことで、遊技者に対して、抽選の外れを報知すると共に、あたかも第3図柄表示装置K81の周囲の可動役物の動作による衝撃で第3図柄表示装置K81の表示面K81s(図1878参照)が割れたかのように視認させることで、遊技者を驚かせ、遊技者の集中力を高めることができる。
第5の演出制御例による演出が、第1操作後報知態様へ進むか、第2操作後報知態様へ進むか、第3操作後報知態様へ進むか、第4操作後報知態様へ進むかによって、遊技者が得られる利益に差を設けるように制御することで、第3図柄表示装置K81の表示領域の内方位置に対する遊技者の注目力をより向上させることができ、ボタン部材H181(図1786参照)の操作に対する操作意欲を上昇させることができる。
なお、第3図柄表示装置K81の周囲の可動役物の動作と第3図柄表示装置K81の表示領域における表示とを関連させる表示態様は、上述のものに限られるものでない。例えば、第3図柄表示装置K81にゴム状の部材が表示され、可動役物が第3図柄表示装置K81の表示領域の前方に張り出すと共に、あたかも可動役物によりゴム状の部材が曲げられる(押し縮められる)ように動画表示しても良い。これにより、可動役物と表示とを一連で視認させることができる。
また、例えば、第3図柄表示装置K81に回転するルーレットが表示され、可動役物が第3図柄表示装置K81の表示領域の前方に張り出すことに合わせてルーレットが停止されるように動画表示しても良い。これにより、あたかも可動役物から表示領域におけるルーレットに荷重がかけられたような状況を表現することができ、遊技者に対して可動役物と表示とを一連で視認させることができる。
また、例えば、板状部K4811,K4821,K4831が閉塞状態における配置から演出待機状態における配置へ向けて移動される際に、第3図柄表示装置K81の表示領域において板状部K4811の内側端部に左右内側から掌を当てる人間の手が表示され、板状部K4811の移動速度と同じ移動速度で同方向に移動されるように動画表示しても良い。これにより、あたかも表示領域における表示から可動役物(板状部K4811)に荷重がかけられたような状況を表現することができ、遊技者に対して可動役物と表示とを一連で視認させることができる。
なお、板状部K4811,K4821,K4831の背面側に配置され、板状部K4811,K4821,K4831側へ光を照射するのは、第3図柄表示装置K81に限定されるものではない。例えば、電飾基板が配置されLED光が板状部K4811,K4821,K4831側へ照射されるものでも良い。また、電飾基板が移動不能に固定されているものでも良いし、移動可能(例えば、可動役物に配置されることで移動可能)に構成されているものでも良い。また、パトランプや警告灯のように、ランプ状の発光手段から板状部K4811,K4821,K4831側へ光が照射されるように構成しても良い。
また、板状部K4811,K4821,K4831は、センターフレームK86内に配置される場合に限られるものではない。例えば、遊技盤K13(図1863参照)のベース板K60の(開口部の)前側に配置され、その開口部を開閉するように構成しても良いし、ベース板K60の背面側で開閉することで遊技領域の背景を変更可能に構成しても良い。いずれの場合でも、開閉される領域の視認態様を変更することで演出効果の向上を図ることができる。
図1884から図1891を参照して、第109実施形態について説明する。上記各実施形態では、遊技球が流下する遊技領域がセンターフレーム86の外方に形成される場合を説明したが、第109実施形態では、正面視でセンターフレームK5086の内側の位置においても遊技球が流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1884及び図1885は、第109実施形態におけるパチンコ機K5010の正面図である。図1884では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が右第1傾斜姿勢(図1807参照)とされた状態が図示され、図1885では、長尺装置K5540が右第2傾斜姿勢(図1858参照)とされた状態が図示される。
長尺装置K5540は、上述した長尺装置K540に内方されていた電飾基板K552(図1815参照)が取り除かれ、各構成部材が光透過性の樹脂材料から形成されており、移動装置K4560がスライド移動可能に配設される。
この場合、長尺装置K5540がセンターフレームK5086の正面視内方に登場した場合(図1884及び図1885参照)に、移動装置K4560の配置位置を通して後方の第3図柄表示装置K81が視認されることは無い(視線が遮断される)が、長尺装置K5540の配置位置では長尺装置K5540が透けることにより、第3図柄表示装置K81による表示が視認される。
これにより、遊技者に対して、移動装置K4560が浮いているように視認させることができ、移動装置K4560の四方八方において第3図柄表示装置K81からの報知態様(光や、表示)を視認させることができるので、移動装置K4560及び第3図柄表示装置K81による視認態様のバリエーションを増加させることができる。
センターフレームK5086は、演出待機状態における移動装置K4560の配置位置(左右中央位置、図1827参照)よりも左側において遊技球が流下可能に形成される左側流路K5086Lと、演出待機状態における移動装置K4560の配置位置よりも右側において遊技球が流下可能に形成される右側流路K5086Rと、を備える。
左側流路K5086Lは、少なくとも後側面が光透過性の樹脂材料から形成される流路構造であって、センターフレームK5086の内方位置に遊技球を受け入れる第1流路K5086aと、その第1流路K5086aの下流側端部の分岐位置から遊技球を左側へ案内する第2流路K5086bと、その第2流路K5086bにおける遊技球の流下を検出可能な左側検出センサK5086cと、第1流路K5086aの下流側端部の分岐位置から遊技球を右側へ案内する第3流路K5086dと、その第3流路K5086dにおける遊技球の流下を検出可能な右側検出センサK5086eと、を備える。
左側流路K5086Lを流下した遊技球の内、第2流路K5086bを流下した遊技球は、遊技領域の左右方向中央位置よりも左側においてベース板K5060(上記各実施形態におけるベース板K60に相当、図1787参照)の前方に排出され、一般入賞口K63又はアウト口K71(図1787参照)を通して遊技領域から排出される。
左側流路K5086Lを流下した遊技球の内、第3流路K5086dを流下した遊技球は、遊技領域の左右方向中央位置に位置する第1入賞口K64(図1787参照)の上方においてベース板K5060(上記各実施形態におけるベース板K60に相当、図1787参照)の前方に排出される。第3流路K5086dの排出孔は、遊技球の排出位置を左右でばらつかせることができる程度に横長に形成されており、第3流路K5086dから排出された遊技球は、第1入賞口K64に入球するか、又は第1入賞口K64の左右側を逸れて流下しアウト口K71(図1787参照)を通して遊技領域から排出される。
右側流路K5086Rは、少なくとも後側面が光透過性の樹脂材料から形成される流路構造であって、センターフレームK5086の内方位置に遊技球を受け入れる受入流路K5086jと、その受入流路K5086jにおける遊技球の流下を検出可能な検出センサK5086kと、受入流路K5086jの下流側端部の分岐位置から左側へ流れた遊技球を左側流路K5086Lの第3流路K5086dに案内可能となるように第3流路K5086dに連結される連結流路K5086lと、受入流路K5086jの下流側端部の分岐位置から右側へ流れた遊技球をスルーゲートK67(図1787参照)の上流側において遊技領域に排出する右排出流路K5086mと、を備える。
右側流路K5086Rを流下した遊技球の内、連結流路K5086lを流下した遊技球は、上述の左側流路K5086Lの第3流路K5086dを流下した遊技球と同様に、第1入賞口K64に入球するか、又は第1入賞口K64の左右側を逸れて流下しアウト口K71(図1787参照)を通して遊技領域から排出される。
右側流路K5086Rを流下した遊技球の内、右排出流路K5086mを流下した遊技球は、上述した「右打ち」で発射された遊技球と同様に、第3図柄表示装置K81よりも右側を流下し、第1特定入賞口K65a、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650a(図1787参照)に入球する可能性がある。また、第1特定入賞口K65a、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aのいずれの入賞口にも入球しなかった場合には、アウト口K71(図1787参照)を通して遊技領域から排出され得る。
左側流路K5086L及び右側流路K5086Rは、遊技球が入球しさえすれば内部の振分け次第で第1入賞口K64へ遊技球が入球する可能性があるので、第3図柄表示装置K81の左側において遊技球を流下させる「左打ち」と同じ目的の別の球発射方法として、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rへ入球させる球発射方法をするように遊技者に促すことができる。
本実施形態では、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rの上流側端部に一定間隔で前後方向にスライド動作し左側流路K5086L及び右側流路K5086Rを開閉する開閉弁K5086Vが配設される。即ち、開閉弁K5086Vが開放状態の時に遊技球を左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球させることができる一方、開閉弁K5086Vが閉鎖状態の時には遊技球を左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球させるができないように構成される。
開閉弁K5086Vの開閉動作のパターンは、電源投入から一定動作であればよく、種々の態様が例示される。例えば、閉鎖状態を10秒維持した後で0.5秒だけ開放状態となり再び閉鎖状態を維持することの繰り返しの動作パターンでも良い。
また、閉鎖状態の時間間隔が同一である必要は無く、10秒閉鎖され開閉弁K5086Vが開放された直後の閉鎖状態は20秒間維持され、そこから開閉弁K5086Vが開放された直後の閉鎖状態は30秒間維持され、そこから開閉弁K5086Vが開放された直後の閉鎖状態は10秒間維持されるという繰り返しの動作パターンでも良い。
また、開放状態で維持される時間間隔が毎回0.5秒であっても良いし、0.5秒の場合と1.0秒の場合とが交互に生じるようにしても良いし、一定のパターンに準じて開放状態で維持される時間間隔が変化されるようにしても良い。
なお、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rの上流側の構成はこれに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rの上流側における遊技領域において、不図示の複数本の釘により、左側流路K5086Lや右側流路K5086R側に案内される遊技球の個数が過多とならないように調整されるようにしても良い。
遊技者としては、「左打ち」で球を発射した方が第1入賞口K64に球を入球させ易いのか(発射球数に対する入球の割合が高いのか)、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを狙って球を発射した方が第1入賞口K64に球を入球させ易いのか、を確認しながら球発射方法を変えることができる。これにより、遊技者の遊技態様のバリエーションを増加させることができ、好みの球発射方法を選択させることが可能となる。
ここで、「左打ち」を推奨される遊技状態においては、遊技者は第1入賞口K64に入球させ大当たりを獲得することを目的としているので、遊技球が左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球することで生じる不利益は無い場合が多い。
一方、「右打ち」を推奨される遊技状態(時短中や、確変中等)では、第2入賞口K640へ入球させ、抽選においてより有利な振分を獲得して、有利な状態を継続させる(連荘させる)ことが可能であるところ、この状態において第1入賞口K64へ入球した場合に不利な振分の大当たりを獲得する可能性があり、場合によっては有利な状態が途切れる危険性がある。即ち、「右打ち」を推奨させる遊技状態(時短中や、確変中等)では、左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに遊技球を入球させることで遊技者に不利益が生じる可能性がある。
そのため、遊技者に対して、「右打ち」を推奨させる遊技状態(時短中や、確変中等)における球の発射強度を、最強に維持して、球が左側流路K5086Lや右側流路K5086Rに入球することを防止させるように仕向けることができる。
これにより、「右打ち」を推奨させる遊技状態(時短中や、確変中等)における球の発射強度が遊技者によって変化するという事態を回避し易くすることができ、遊技領域の球の流下として想定される流下態様での遊技を実現させ易くすることができる。
例えば、スルーゲートK67の上流側の釘(不図示)の配置が、最強の発射強度で球を発射した場合にスルーゲートK67に球が案内され易いよう設計されているにも関わらず、遊技者が80%程度の発射強度で発射を継続していることによりスルーゲートK67にあまり球が案内されないという事態が生じ、遊技者に不満を持たせてしまうことを回避し易くすることができる。
本実施形態では、遊技球が左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを流下することに基づいて、回転装飾部材K4578が回転動作可能に構成されるところ、球の流下態様が同じでも、回転装飾部材K4578に対する遊技球の流下位置が異なれば回転装飾部材K4578の回転動作の態様が異なるように構成される。
例えば、図1884に図示されるように、長尺装置K5540が右第1傾斜姿勢(図1807参照)とされ、移動装置K4560が移動可能範囲の右端に配置されている場合には、左側検出センサK5086cで遊技球の通過が検出されることに基づいては回転装飾部材K4578の回転動作は生じず、右側検出センサK5086eで遊技球の通過が検出されることに基づいて回転装飾部材K4578が反時計回りに回転動作され、検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されることに基づいて回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作される。
即ち、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを流下する遊技球が、回転装飾部材K4578から十分に離れている場合(回転装飾部材K4578の外形の外方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づく回転装飾部材K4578の回転動作は生じない。一方で、回転装飾部材K4578に近い位置を流下する場合(回転装飾部材K4578の外形の内方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作され、その回転動作の方向は回転装飾部材K4578の回転軸に対して遊技球が流下する方向に対応する回転方向とされる。
これにより、遊技者は、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rの全体(広範囲)を注視せずとも、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することにより、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rにおける遊技球の流下の有無や、遊技球の流下位置を把握することができる。
例えば、図1885に図示されるように、長尺装置K5540が右第2傾斜姿勢(図1858参照)とされ、移動装置K4560が移動可能範囲の右端に配置されている場合には、左側検出センサK5086cで遊技球の通過が検出されることに基づいては回転装飾部材K4578の回転動作は生じず、右側検出センサK5086eで遊技球の通過が検出されることに基づいて回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作され、検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されることに基づいては回転装飾部材K4578の回転動作は生じない。
即ち、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを流下する遊技球が、回転装飾部材K4578から十分に離れている場合(回転装飾部材K4578の外形の外方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づく回転装飾部材K4578の回転動作は生じない。一方で、回転装飾部材K4578に近い位置を流下する場合(回転装飾部材K4578の外形の内方で視認される場合)には、遊技球の流下に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作され、その回転動作の方向は回転装飾部材K4578の回転軸に対して遊技球が流下する方向に対応する回転方向とされる。
これにより、遊技者は、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rの全体(広範囲)を注視せずとも、回転装飾部材K4578の動作態様を視認することにより、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rにおける遊技球の流下の有無や、遊技球の流下位置を把握することができる。
例えば、図1885に図示される状態で「右打ち」遊技が実行される場合において、回転装飾部材K4578の回転動作が生じるのは遊技球が左側流路K5086Lに入球した場合のみとされるので、回転装飾部材K4578の回転動作を視認した遊技者に対して、遊技球の発射強度が低下している可能性を示唆することができる。
上述したように、同じ位置を流下する遊技球が検出センサK5086kに検出される場合であっても、検出センサK5086kによる検出に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作されない場合(図1885参照)と、検出センサK5086kによる検出に基づいて回転装飾部材K4578が回転動作される場合(図1884参照)とを、構成することができる。
換言すれば、回転装飾部材K4578に対する遊技球の位置が異なる場合に、遊技球の流下と回転装飾部材K4578の回転動作の態様との関係が変化されるということである。又は、流下する遊技球の後方に配置される長尺装置K5540の長手方向に対する遊技球の流下方向(傾斜)が異なる場合に遊技球の流下と回転装飾部材K4578の回転動作の態様との関係が変化されるということでもある。
これにより、回転装飾部材K4578を漫然と視認するのではなく、回転装飾部材K4578の配置を意識しながら、回転装飾部材K4578を視認したり、左側流路K5086L又は右側流路K5086Rを視認したりするように仕向けることができるので、遊技者の視線を一箇所に集中させるのではなく、複数箇所に動かすことができる。
なお、検出センサK5086e,K5086kで遊技球の通過が検出されることに基づく回転装飾部材K4578の回転動作の態様は、種々の態様が例示される。例えば、検出センサK5086e,K5086kでの遊技球の通過が検出されることに基づいて、一定速度で回転装飾部材K4578が回転動作されても良いし、既に回転動作されている場合に追加で検出センサK5086e,K5086kでの遊技球の通過が検出された場合に回転装飾部材K4578の回転速度が増減(同一方向への回転動作であれば加速、相反する方向の回転動作であれば減速)されるようにしても良い。
即ち、図1884に図示される状態において検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されたことに基づく回転装飾部材K4578の時計回り方向の回転動作が生じている場合に、検出センサK5086kで遊技球の通過が検出される場合には、回転装飾部材K4578の回転速度が増加され時計回り方向に回転動作される。
一方、図1884に図示される状態において検出センサK5086kで遊技球の通過が検出されたことに基づく回転装飾部材K4578の時計回り方向の回転動作が生じている場合に、右側検出センサK5086eで遊技球の通過が検出される場合には、回転装飾部材K4578の回転方向が相反するため、回転装飾部材K4578の回転速度が減速された後、反時計回り方向に回転動作される。
図1886は、遊技盤K5013の背面図であり、図1887は、図1886のMDCCCXXVI-MDCCCXXVI線における遊技盤K5013の部分断面図である。なお、図1886では、ベース板K5060の形状の把握を用意とするために、入賞ユニットK200(図1789参照)等の構成部材や樋用前側部材K91等の排出経路構成部材(図1799参照)等の図示が省略される。また、図1887では、センターフレームK5086の図示が省略される。
ベース板K5060では、上記各実施形態で上述したベース板K60の形状を流用しながら、上記各実施形態で上述したベース板K2060の外形傾斜部K2060e及び傾斜開口部K2060wの形状を流用する。
図1886及び図1887に図示されるように、遊技盤K5013では、ベース板K5060の後側面に板状の導光部材K5150が固定されており、その導光部材K5150が端部から光を受光した場合にその光を導光部材K5150の内方位置において正面側に屈折させることで遊技者に対して光による形状を視認可能に構成される。
ベース板K5060の形成凹部K60a,K60bの内側には、光照射装置K5100が配設される。即ち、光照射装置K5100は、遊技領域を形成する領域の背面側におけるベース板K5060の厚み寸法内で収まるように第1形成凹部K60a及び第2形成凹部K60bに配設されている。
光照射装置K5100は、上述の光照射装置K2100(図1849及び図1850参照)と同様に、LED等からなる複数の発光手段K2111が配設される電飾基板K2110と、その電飾基板K2110が締結固定される部材であり、光透過性の樹脂材料から形成されベース板K5060に締結固定される中間部材K2120と、を備え、更に、電飾基板K2110の背面側に配設され電飾基板K2110の背面に沿う方向に光を照射可能とされるLED等からなる複数の第2発光手段K5112を備える。
電飾基板K2110の正面視外形形状は、ベース板K5060の形成凹部K60a,K60bに収まるように形状が設計されており、遊技領域の外縁を構成する外形傾斜部K2060eに沿って複数の発光手段K2111が間隔を空けて配置されている。この発光手段K2111が電飾基板K2110の正面側に配設されており、電飾基板K2110を挟んで発光手段K2111の前後反対側(前後方向で対応する位置)に第2発光手段K5112が配設される。
なお、便宜上、第2発光手段K5112と発光手段K2111とが前後方向で重なる位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第2発光手段K5112の配置は、導光部材K5150により実現させる光演出の態様次第で変わり得る。
導光部材K5150は、センターフレームK5086(図1884参照)が配設されるベース板K5060の中央開口を覆うような大きさで形成されており、所々に光を屈折させるために切り欠き形成される光屈折部K5151を備える。
第2発光手段K5112から照射される光は、導光部材K5150に端部から受光され得るように構成されており、全反射されながら導光部材K5150の内部を導光される。導光される光が光屈折部K5151で屈折されることで、光は導光部材K5150の正面側に進行方向を変えられることになり、遊技者の目に届く。
即ち、第2発光手段K5112が点灯している状態において、光屈折部K5151が発光しているように遊技者に視認させることができる。そのため、第2発光手段K5112の配置は正面視で形成凹部K60a,K60bに収まる位置におさえながら、光屈折部K5151を広い範囲で形成することで大きな形状の光を遊技者に視認させることができる。
また、第2発光手段K5112の並びは外形傾斜部K2060eに沿うライン状としながら、光屈折部K5151の形状の設計次第で、複雑な形状の光を遊技者に視認させることができる。
本実施形態では、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、遊技領域後方の視認性が光照射装置K5100により低下されたり、視線が遮断されたりすることを防止することができる。即ち、光照射装置K5100の有無に関わらず、遊技者は、ベース板K5060を透視してベース板K5060の背面側の構造(例えば、動作ユニットK4300(図1856参照)を視認し易くすることができる。
また、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の正面視内方に配設されている場合、電飾基板K2110を遊技者に直接視認させないようにするための目隠し部材(例えば、電飾基板K2110を囲うケース部材や、視認性を悪くするためにシボ加工を形成した板状部材)を配設するスペースが余分に必要となり、演出に利用できるスペースが制限される可能性があった。
これに対し、本実施形態では、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、そもそも遊技者の目線が光照射装置K5100自体に向けられる可能性が低く、敢えて新たに目隠し部材を配設する必要はない。これにより、演出に利用できるスペースを確保することができる。
ここで、光照射装置K5100に代替される光照射部が正面視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内方に配置され、導光部材K5150も正面視でセンターフレームK5086の内方に配置されることで、光照射装置K5100による視線の遮断作用が遊技領域と重なる位置で生じないようにする場合には、光屈折部K5151の配置がセンターフレームK5086の内方に制限されるため、例えば、第3図柄表示装置K81(図1884参照)の表示領域がセンターフレームK5086よりも大きいと、光屈折部K5151の配置や形状が第3図柄表示装置K81の表示領域の全域には届かなくなり、演出効果が低下する可能性がある。
一方、本実施形態によれば、光照射装置K5100がベース板K5060の正面側に形成される遊技領域の後方領域の外方に配設されていることから、導光部材K5150の大きさがセンターフレームK5086の大きさに制限されることが無い。そのため、第3図柄表示装置K81(図1884参照)の表示領域がセンターフレームK5086の大きさよりも大きい場合でも、光屈折部K5151の配置や形状を第3図柄表示装置K81の表示領域の全域に届かせることが可能となるので、演出効果を向上させることができる。
上述のように、本実施形態では、導光部材K5150がセンターフレームK5086の外方にまで広がっているので、光屈折部K5151の形成次第で、センターフレームK5086の外方において、第2発光手段K5112からの光を遊技者に視認させることができる。以下で、複数の態様を例示して説明する。
まず、第2発光手段K5112の組を分ける。即ち、図1886に図示されているように、複数の第2発光手段K5112は、右側の光照射装置K5100における第1範囲KG51、第2範囲KG52、第3範囲KG53及び第4範囲KG54と、左側の光照射装置K5100における第5範囲KG55、第6範囲KG56及び第7範囲KG57に分けられる。
各範囲KG51~KG54からの光は左下方向へ、各範囲KG55~KG57からの光は右下方向へ、導光部材K5150に沿って直線方向で進行されるところ、導光部材K5150には、線状の切り欠き部K5155a~K5155dが形成されており、交差する光の進行を遮断する。
第1切り欠き部K5155aは、第2範囲KG52から照射される光の進行範囲の左側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第6範囲KG56から照射される光の進行範囲に対応した長さ及び位置とされる。
即ち、第1切り欠き部K5155aにより、第2範囲KG52から照射される光が第1切り欠き部K5155aよりも左上側に漏れることが防止され、第6範囲KG56から照射される光が第1切り欠き部K5155aよりも右下側に通過することが防止される。
第2切り欠き部K5155bは、第4範囲KG54から照射される光の進行範囲の右側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第4範囲KG54側の端部から第7範囲KG57から照射される光の進行範囲に到達する直前までとされる。
即ち、第2切り欠き部K5155bにより、第3範囲KG53から照射される光が第2切り欠き部K5155bよりも左上側に漏れることが防止され、第4範囲KG54から照射される光が第2切り欠き部K5155bよりも右下側に漏れることが防止される一方、第7範囲KG57から照射される光は遮断されることなく進行可能とされる。
第3切り欠き部K5155cは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲の右側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第2切り欠き部K5155bにつながる端部から、第3範囲KG53から照射される光の進行範囲に対応した長さ及び位置とされる。
即ち、第3切り欠き部K5155cにより、第7範囲KG57から照射される光が第3切り欠き部K5155cよりも右上側に漏れることが防止され、第3範囲KG53から照射される光が第3切り欠き部K5155cよりも左下側に通過することが防止される。
第4切り欠き部K5155dは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲の左側において光の進行方向(直線方向)に沿って形成されており、その形成範囲は、第7範囲KG57側の端部から第4範囲KG54から照射される光の進行範囲に到達する直前までとされる。
即ち、第4切り欠き部K5155dにより、第6範囲KG56から照射される光が第4切り欠き部K5155dよりも右上側に漏れることが防止され、第7範囲KG57から照射される光が第4切り欠き部K5155dよりも左下側に漏れることが防止される一方、第4範囲KG54から照射される光は遮断されることなく進行可能とされる。
導光部材K5150の光屈折部K5151は、第2発光手段K5112の配置に対応して異なる位置に異なる形状で形成される複数の屈折形状部K5151a~K5151fを備える。
第1屈折形状部K5151aは、第1範囲KG51から照射される光の進行範囲に形成され、左斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第1屈折形状部K5151aは、前後方向視でセンターフレームK5086の内方かつ右側の範囲に形成される。
第2屈折形状部K5151bは、第2範囲KG52から照射される光の進行範囲に形成され、第2範囲KG52側端部近傍から左下方向に広がる放射線状で凹設形成される。また、第2屈折形状部K5151bは、前後方向視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内外両側に亘って形成される横断部K5151b1と、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲を挟んで横断部K5151b1の反対側に横断部K5151b1の延長線上に形成される延長部K5151b2と、を備える。
このように、第2屈折形状部K5151bは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲において凹設形成されていないので、第7範囲KG57から光が照射された場合に第2屈折形状部K5151bが光って見えることを防止し易くすることができる。
第3屈折形状部K5151cは、第3範囲KG53から照射される光の進行範囲に形成され、右斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第3屈折形状部K5151cは、前後方向視でセンターフレームK5086(図1884参照)の外方かつ右側の範囲に形成される。
第4屈折形状部K5151dは、第4範囲KG54から照射される光の進行範囲に形成され、右斜め下側に頂点を有する三角形形状で凹設形成される。また、第4屈折形状部K5151dは、前後方向視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内方かつ上側の範囲に形成される。
第5屈折形状部K5151eは、第5範囲KG55から照射される光の進行範囲に形成され、右斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第5折形状部K5151eは、前後方向視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内方かつ左側の範囲に形成される。
第6屈折形状部K5151fは、第6範囲KG56から照射される光の進行範囲に形成され、左斜め下方向へ向く矢印形状で凹設形成される。また、第6屈折形状部K5151fは、前後方向視でセンターフレームK5086(図1884参照)の外方かつ左側の範囲に形成される。
第7屈折形状部K5151gは、第7範囲KG57から照射される光の進行範囲に形成され、左斜め下側に頂点を有する三角形形状で凹設形成される。また、第7屈折形状部K5151gは、前後方向視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内方かつ上側の範囲に形成される。
上述した導光部材K5150の形成態様により、光照射装置K5100からの光の照射態様の違いに対応して、異なる形状の光を遊技者に視認させることができる。以下、光の形状の視認態様の一例について説明する。
図1888は、パチンコ機K5010の正面図である。図1888では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が右第1傾斜姿勢(図1807参照)とされた状態が図示されると共に、第1の光演出態様が図示される。なお、図1888では、理解を容易とするために左側流路K5086L及び右側流路K5086Rの図示を省略している。
図1888に図示される第1の光演出態様では、第3図柄表示装置K81の表示領域の左側において、右上方向を指す矢印形状の第6背面表示K81fが表示される。更に、第2発光手段K5112(図1886参照)の第1範囲KG51と第2範囲KG53とから光が照射されることによって、導光部材K5150(図1886参照)の第1屈折形状部K5151a及び第3屈折形状部K5151cの形状で光って視認される。
更に、移動装置K4560の回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作され、表示装置K4580の表示領域に、右斜め下方向を向く矢印形状からなる第4前面表示K4580dが表示される。
この場合、図1888に図示されるように、各矢印形状によって、第6背面表示K81fの下側終端を始点として、第3屈折形状部K5151c、第4前面表示K4580d、第1屈折形状部K5151aの順で、時計回り方向に視線を誘導する作用を生じさせることができる。これにより、遊技者に対して、視線誘導の方向に沿って、遊技球を遊技領域の右側へ向けて発射するように促すことができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置される移動装置K4560及び導光部材K5150の第1屈折形状部K5151aや、表示領域の外方に形成される第3屈折形状部K5151cをも同時に発光させることにより、遊技者に対して一連の装飾として視認させることができる。
特に、第3屈折形状部K5151cは、遊技領域に重なる矢印形状を遊技者に視認させることができるので、正面視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内方に表示領域が収まる第3図柄表示装置K81で矢印を表示する場合に比較して、遊技球を発射して狙うべき位置を、遊技者に正確に把握させることができる。
図1889は、パチンコ機K5010の正面図である。図1889では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が上方に退避された状態(演出待機状態)が図示されると共に、第2の光演出態様が図示される。
図1889に図示される第2の光演出態様では、第3図柄表示装置K81の表示領域において第3背面表示K81cが表示される。更に、第2発光手段K5112(図1886参照)の第5範囲KG55と第6範囲KG56とから光が照射されることによって、導光部材K5150(図1886参照)の第5屈折形状部K5151e及び第6屈折形状部K5151fの形状で光って視認される。
この場合、図1889に図示されるように、各矢印形状によって、遊技領域の右側への球の発射を止めて、第3図柄表示装置K81の左側を流下させるように遊技者の球発射強度を誘導する作用を生じさせることができる。これにより、遊技者に対して、遊技球を遊技領域の左側へ向けて発射するように促すことができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置される導光部材K5150の第5屈折形状部K5151eや、表示領域の外方に形成される第6屈折形状部K5151fをも同時に発光させることにより、遊技者に対して一連の装飾として視認させることができる。
特に、第6屈折形状部K5151fは、遊技領域に重なる矢印形状を遊技者に視認させることができるので、正面視でセンターフレームK5086(図1884参照)の内方に表示領域が収まる第3図柄表示装置K81で矢印を表示する場合に比較して、遊技球を発射して狙うべき位置を、遊技者に正確に把握させることができる。
図1890は、パチンコ機K5010の正面図である。図1890では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が右第2傾斜姿勢(図1885参照)とされた状態が図示されると共に、第3の光演出態様が図示される。なお、図1890では、理解を容易とするために左側流路K5086L及び右側流路K5086Rの図示を省略している。
図1890に図示される第3の光演出態様では、表示装置K4580の表示領域においてエクスクラメーションマークからなる第5前面表示K4580eが表示される。更に、第2発光手段K5112(図1886参照)の第2範囲KG52から光が照射されることによって、導光部材K5150(図1886参照)の第2屈折形状部K5151bの形状で光って視認される。更に、右上ランプK940が点灯制御される。
この場合、図1890に図示されるように、第2屈折形状部K5151bが正面視でセンターフレームK5086を突き抜けて右上方向に延びるように視認されるため、第5前面表示K4580eに注目した遊技者の視線を、第2屈折形状部K5151bにより形成されるラインにより右上方向に誘導することができ、右上ランプK940の点灯に気付かせることができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置される移動装置K4560や、表示領域の内外に亘って形成される導光部材K5150の第2屈折形状部K5151bをも同時に発光させることにより、遊技者に対して一連の装飾として視認させることができ、遊技者の視線を遊技領域の外方にまで誘導することができる。
特に、第2屈折形状部K5151bは、遊技領域に重なる位置においてもライン状の形状に沿った光を遊技者に視認させることができるので、正面視でセンターフレームK5086の内方に表示領域が収まる第3図柄表示装置K81での表示を遊技者に視認させる場合に比較して、第2屈折形状部K5151bによるラインが遊技領域で遮断されない分、遊技者の視線をガラスユニットH16の外方に配設される右上ランプK940まで遊技者の視線を誘導させ易くすることができる。
なお、表示装置K4580における表示の実行タイミングと、第2範囲KG52からの光の照射タイミングとの関係は、種々の態様が例示される。例えば、同時にでも良いし、時間差があっても良い。
例えば、表示装置K4580で第5前面表示K4580eを実行した後で第2範囲KG52からの光照射を実行することで、遊技者の視線を、表示装置K4580の表示領域に一端集めてから第2屈折形状部K5151bに映すように演出することができる。これにより、表示装置K4580による表示と第2屈折形状部K5151bでの光の形状とが生じた後においては右上ランプK940を含めた一連の視認態様を形成する一方で、その形成過程において、遊技者の視線を右上ランプK940に効果的に誘導することができる。
図1891は、パチンコ機K5010の正面図である。図1891では、長尺装置K5540(上記各実施形態における長尺装置K540に相当)が上方に退避された状態(演出待機状態)が図示されると共に、第4の光演出態様が図示される。
図1891に図示される第4の光演出態様では、第3図柄表示装置K81の表示領域において「光ればオーブンだ」とのコメントからなる第7背面表示K81gが表示される。更に、第2発光手段K5112(図1886参照)の第4範囲KG54と第7範囲KG57とから光が照射されることによって、導光部材K5150(図1886参照)の第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gの形状で光って視認される。
第2発光手段K5112(図1886参照)の第4範囲KG54と第7範囲KG57におけるLEDは、開閉弁K5086V(図1884参照)の開放時に点灯制御される。この場合、遊技者は、図1891に図示されるように、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gの形状の光を視認できれば、開閉弁K5086Vの状態変化を視認し難い場合であっても、左側流路K5086L又は右側流路K5086R(図1884参照)に遊技球を入球させられるタイミングを把握することができる。これにより、遊技者に対して、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gの光り方に注目して、球を発射させるという遊技態様を提供することができる。
このように、本実施形態によれば、第3図柄表示装置K81の表示領域だけでなく、表示領域の前方に配置され、且つ、表示領域の外方に形成される第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gを発光制御させることにより、遊技者に対してこれらを一連の装飾として視認させることができる。
特に、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gは、ベース板K5060の背面側に固定されているから(図1887参照)、第3図柄表示装置K81よりも、左側流路K5086L及び右側流路K5086R(図1884参照)との距離が近い(前後方向でも近いし、前後方向と交差する方向でも近い)。
そのため、遊技者に対して、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gに注目させつつ、第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gが光ったら第4屈折形状部K5151d及び第7屈折形状部K5151gめがけて球を発射させるように促すことができるので、注目箇所と発射球で狙う箇所とが異なる場合に比較して、遊技者に違和感を持たれにくくすることができる。
図1892から図1893を参照して、第110実施形態について説明する。上記各実施形態では、第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aの正面側に配置される化粧カバーK220に大形意匠K221aや小形意匠K221bが施される場合を説明したが、第110実施形態では、スルーゲートK67から第1特定入賞口K65aまでの経路の正面側に装飾が施される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図1892は、第110実施形態における遊技盤K5013の正面図である。図1892に示すように、遊技盤K5013では、スルーゲートK67の下流側において第1特定入賞口K65aへの流路を構成する第2入賞ユニットK5270が配設される。
第2入賞ユニットK5270は、スルーゲートK67よりも下流に流下した遊技球を、第1特定入賞口K65a、又は、より下流の入賞ユニットK200に振り分け可能に構成される。
第2入賞ユニットK5270は、遊技球の流路を構成すると共にベース板K60に固定される流路構成部材K5271と、その流路構成部材K5271の正面側に固定され流路構成部材K5270と共に流路の前側部を構成する化粧カバーK5280と、を備える。
流路構成部材K5271及び化粧カバーK5280は、光透過性の樹脂材料から構成されており、背面側に配置される電飾基板K405(図1808参照)からの光照射により、流路構成部材K5271及び化粧カバーK5280が明るくされる光演出が実行される。
図1893(a)は、図1892のMDCCCXXXIIa部における遊技盤K5013の部分拡大正面図であり、図1893(b)は、図1893(a)の部分拡大正面図である。図1893(b)では、各形成部K5282,K5284の非変化領域K5282c,K5284cが図示される。
図1893(a)に図示されるように、流路構成部材K5271により構成される遊技球の流路の正面側において、化粧カバーK5280に記号(本実施形態では、「A」、「B」等の記号)を視認させる模様が施されることにより、遊技球の流下に伴う演出性の向上を図っている。以下、詳述する。
流路構成部材K5271は、スルーゲートK67(図1892参照)の下流に流下した遊技球を着地させるよう左右に亘って配置形成されると共に右方へ向けて下降傾斜する第1傾斜部K5272と、その第1傾斜部K5272の下流側端部に到達した遊技球を下方に流下させるよう鉛直方向に延びる鉛直構成部K5273と、その鉛直構成部K5273の下流側端部に到達した遊技球を着地させた後で左方へ流下させるように左方へ向けて下降傾斜する第2傾斜部K5274と、を備える。
即ち、スルーゲートK67の下流側には、流路構成部材K5271により、遊技球を右方に迂回させて流下させる迂回流路が形成されるので、遊技球が鉛直下方に落下される場合に比較して、化粧カバーK5280を通して遊技球が視認される期間が長くされると共に、遊技球が視認される範囲も広くなる。
化粧カバーK5280は、光透過性の樹脂材料から形成されるシールが前側面に貼り付けられており、そのシールに印刷される模様として、「A」との記号を形成する第1輪郭部K5281と、その第1輪郭部K5281の内側に形成される第1形成部K5282と、「B」との記号を形成する第2輪郭部K5283と、その第2輪郭部K5283の内側に形成される第2形成部K5284と、「!!」との記号を形成する第3輪郭部K5285と、その第3輪郭部K5285の内側に形成される第3形成部K5286と、を備え、「AB」、「A!!」、「B!!」又は「AB!!」という一連の装飾を視認させることが可能となるように構成している。
化粧カバーK5280側に流路構造の一部を設けることも可能だが、本実施形態では、化粧カバーK5280を単純な板部材として構成している。これにより、装飾を変更する(例えば、「AB」を「CD」に変更する。「AB」が数字の場合は、別の数字に変更する等)希望が生じた場合に、化粧カバーK5280を、別の装飾が形成される化粧カバーK5280と取り替えることで対処できるので、装飾の変更に伴う労力を低減させることができる。
なお、一連で視認させたい記号の選択は、遊技者に委ねるようにしても良いが、例えば、特定の記号(の組)に光を照射し、他の記号には光を照射しないようにして、特定の記号を一連で視認させ易いように構成しても良い。この場合に、「A」、「B」の全体ではなく、一部に光をあてることで、「A」、「B」とは異なる記号を視認させることが可能に構成しても良いし、同時に「!!」に光をあてて、一連の装飾として視認させても良い。
本実施形態では、第1輪郭部K5281、第2輪郭部K5283及び第3輪郭部K5285が黒色とされ、透過性が低く形成される一方、第1形成部K5282、第2形成部K5284及び第3形成部K5286は、黄色とされ、第1輪郭部K5281、第2輪郭部K5283及び第3輪郭部K5285に比較して光が透過し易いように形成される。
第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の幅は、球の直径よりも短くされる。これにより、化粧カバーK5280の背面側を球が流下し、第1輪郭部K5281又は第2輪郭部K5283の後方に球が位置する場合に、正面視で第1輪郭部K5281又は第2輪郭部K5283の内側に球が全て入り、球の視認性が極端に悪くなる事態が発生することを避けることができる。
このように構成することで、例えば、第1輪郭部K5281と第2輪郭部K5283とが隣り合って配置されている場合に、第1輪郭部K5281と第2輪郭部K5283との間に若干でも隙間がありさえすれば、その後方の第1流下位置KPD51に球が位置したとしても、正面視で第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の内側に球が全て入り、球の視認性が極端に悪くなる事態が発生することを避けることができる。
更に、本実施形態では、第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の幅が、球の半径よりも短くされている。これにより、例えば、第1輪郭部K5281との間に隙間を空けずに第2輪郭部K5283が配置された場合において、その後方の第2流下位置KPD52に球が位置したとしても、正面視で第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283の内側に球が全て入り、球の視認性が極端に悪くなる事態が発生することを避けることができる。
第3輪郭部K5285及び第3形成部K5286により構成される模様は、流路構成部材K5271により構成される流路とはずれた位置に配置される。そのため、第3輪郭部K5285及び第3形成部K5286により化粧カバーK5280を介した球が隠される事態は生じ得ないので、設計の自由度が高い。現に、本実施形態では、第3輪郭部K5285が、左右方向の寸法が球の直径よりも長くなるように構成されており、装飾性の向上が図られている。
以上の構成から、図1893(a)に図示されるように、第1輪郭部K5281、第1形成部K5282、第2輪郭部K5283及び第2形成部K5284の後方を球が流下可能に構成されていることから、無色透明の板を介して視認する場合に比較して、背面側の流路を球が通っているのか否かを分かり難くさせることができると共に、化粧カバーK5280のシールに印刷される模様を強調させて、化粧カバーK5280を目立たせることができる。
また、化粧カバーK5280の背面側を実際に球が通ると、化粧カバーK5280を介して視認される球の透け具合として、透過され易い場合と、透過されにくい場合とが繰り返されることで、長期に亘る球の見え方の変化を生じさせることができ、演出性を向上させることができる。
更に、化粧カバーK5280に球の影が映されることで、化粧カバーK5280の背面側を流下する球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。この球の影と、各輪郭部K5281,K5283や各形成部K5282,K5284とが重ねて視認されることにより、球が流下していない状況とは異なる模様を遊技者に視認させることができる。
流路構成部材K5271により構成される流路が迂回する略コの字状の流路とされ、左右方向および上下方向に球が流下する各位置において、第1輪郭部K5281や第2輪郭部K5283と球とが交差される。即ち、一球の遊技球が流下する場合であっても、透過され易い場合と、透過されにくい場合との変化を複数回生じさせることができるので、球が複数個流下して初めて球の見え方の変化が繰り返し生じる場合に比較して、演出性の向上をより容易に図ることができる。
背面側に配置される電飾基板K405(図1808参照)から白色光が照射される場合、流路構成部材K5271及び化粧カバーK5280が明るくされる。一方で、球が流路構成部材K5271により形成される流路を流下している場合には、球の影が化粧カバーK5280に映されることで、化粧カバーK5280に形成される模様の見え方が変化する。
まず、球が流下していない時には、第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283と、第1形成部K5282及び第2形成部K5284との色の差が大きいため、「AB」との記号が鮮明に視認される。この「AB」との記号は、「AdvanceBase(有利状態)」の頭文字を意味しており、この「AB」との記号を明るく視認させることで、遊技者に対して、通常状態よりも有利な状態であることを報知することができる。
一方で、球が流下している時には、球の影と、第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283との色の違いが小さいため、球の影と第1輪郭部K5281及び第2輪郭部K5283との見分けがつきにくく、第1形成部K5282及び第2形成部K5284に球形状の影の虫食いができたように視認される。この虫食いを視認することで、遊技者は、球が流下していることを把握することができる。
第1形成部K5282及び第2形成部K5284は、後方を球が流下することで球形状の影の虫食いができたように視認され得る変化領域K5282b,K5284bと、球の流下経路とは重ならないことでそもそも後方を球が流下することは無く、球形状の虫食いが生じ得ない非変化領域K5282c,K5284cと、を備える。
非変化領域K5282c,K5284cは、上述の「AB」との記号の一部をなす領域である一方で、図1893(b)に図示されるように、「HK」との記号をなす領域でもある。この「HK」との記号は、「HoleKeep(開口維持)」の頭文字を意味しており、この「HK」との記号を明るく視認させることで、遊技者に対して、例えば、下流側の第1特定入賞口K65a(図1892参照)が開放され、球が入球可能な状態であることを報知することができる。
上述のように、非変化領域K5282c,K5284cには球の影が生じ無いので、流下する複数の球の間隔に関わらず、非変化領域K5282c,K5284cを完全な状態(虫食いの無い状態)で視認させ易くすることができる。
ここで、第2傾斜部K5274を球が流下している最中において既に、第1形成部K5282及び第2形成部K5284に球形状の影の虫食いができたように視認されるところ、この状況において第1傾斜部K5272を球が流下する場合がある。即ち、化粧カバーK5280の後方位置を球が流下する場合、その個数が一球の場合も複数球の場合も、第1形成部K5282及び第2形成部K5284に球形状の影の虫食いができたように視認されることは同じであり、結局何球の球が流下しているのかを判別し難い場合がある。
これに対して、本実施形態では、第1形成部K5282の下端部に非透過形成部K5282aが形成される。非透過形成部K5282aは、略矩形の形状で非透過(透過性の低い)で白色に形成される。隣接する第1形成部K5282の色(本実施形態では、黄色)と色の区別がつき難い色関係であり、背面側に配置される電飾基板K405(図1808参照)が消灯されている場合や、背面側に配置される電飾基板K405(図1808参照)からの白色光により照らされている場合には非透過形成部K5282aが遊技者に認識され難い。
一方、背面側に配置される電飾基板K405(図1808参照)からの白色光により照らされている場合に、非透過形成部K5282aの後方に遊技球が配置されると、球の影が非透過形成部K5282aの周囲に映されることになる。この場合、非透過形成部K5282aの色(本実施形態では白)に対して、球の影が黒色なので、色の区別がつき易くなり、非透過形成部K5282aが遊技者に認識され易くなる。即ち、遊技者は、非透過形成部K5282aを認識した回数をカウントすることで、化粧カバーK5280の後方を流下した遊技球の個数を正確に計数することができる。
なお、上述の各実施形態では、各輪郭部K5281,K5283が同じ幅で形成され、各形成部K5282,K5284が同じ幅で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。各輪郭部K5281,K5283をそれぞれ異なる幅で形成しても良いし、各形成部K5282,K5284をそれぞれ異なる幅で形成しても良いし、各幅を部位ごとに異ならせるデザインとしても良い。
また、各輪郭部K5281,K5283の方が各形成部K5282,K5284よりも幅が広い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各形成部K5282,K5284の方が各輪郭部K5281,K5283よりも幅が広くなるように模様が形成されても良い。この場合において、各輪郭部K5281,K5283は、その内外に関わらず、隣り合う部分と隙間を生じても良いし、隙間が埋められることで各輪郭部K5281,K5283の間の構成が排斥されるように構成しても良い。
なお、上記各実施形態では、化粧カバーK5280に「AB」との記号が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、「波模様」、「波紋」、「星形状」、「稲妻形状」など、広がりのある形状でも良い。
なお、上記各実施形態では、化粧カバーK5280の背面側に形成される流路がベース板K60の前側面よりも前側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K60の前側面よりも後ろ側に形成される流路の前側に模様が形成されても良い。
即ち、例えば、球が流下する樋を構成する樋用前側部材K91(図1799参照)に模様が形成されても良い。この場合、模様の背面側を球が通ることもできるし、模様の前面側を球が通ることもできるので、模様の視認態様の変化のバリエーションを増加させることができる。
なお、上記各実施形態では、各輪郭部K5281,K5283と各形成部K5282,K5284との透過性の違いを色の違い実現した(黄色よりも黒色の方が、光を遮光するフィルターとしてより多くの色の光を遮光できる)が、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、各輪郭部K5281,K5283の板厚の方が各形成部K5282,K5284の板厚よりも分厚く構成されることで、各輪郭部K5281,K5283の方が各形成部K5282,K5284よりも光を透過し難いように構成されても良い。この場合、各輪郭部K5281,K5283と各形成部K5282,K5284との色を同じとしても、板厚が大きい方が光の吸収がされ易いことから、透過性の違いを生じさせることができる。
この場合に、各形成部K5282,K5284に対して各輪郭部K5281,K5283が前後方向に突設形成されることになるが、その形成方向は、前側でも、後側でも、前後両側でも良い。球が流下する領域側に形成される場合には球の流下方向に影響を与えることができるし、逆に、球が流下する領域とは反対側に形成されるようにすれば、球との衝突で削られることが無いので、各輪郭部K5281,K5283と各形成部K5282,K5284との透過性の違いを長期に亘り維持することができる。
また、各輪郭部K5281,K5283を挟んで各形成部K5282,K5284の反対側の領域(無色透明の領域)の板厚については、各形成部K5282,K5284と同様としても良いし、各形成部K5282,K5284よりも薄く形成しても良い。各形成部K5282,K5284よりも薄い方が、各輪郭部K5281,K5283の内側の領域に対する注目力を向上させ易くすることができる。
なお、上記各実施形態では、化粧カバーK5280の背面側に配置される電飾基板K405(図1808参照)から白色光が照射され化粧カバーK5280が明るくされる場合を説明したが、そのバリエーションの一例について説明する。
例えば、右打ち遊技を促すものとして、大当たり遊技中や時短中において電飾基板K405(図1808参照)から白色光を照射する一方で、右打ち遊技を促さない通常状態においては、電飾基板K405は消灯させるようにして、「AB」との記号を暗くして視認し難くしても良い。
この場合、電飾基板K405(図1808参照)から常時光が照射される場合に比較して、遊技者が化粧カバーK5280の「AB」との記号を見て、有利状態であると勘違いし、誤って右打ち遊技を行う事態を回避し易くすることができる。
また、例えば、変化領域K5282b,K5284bを照らすLEDと、非変化領域K5282c,K5284cを照らすLEDとを別で用意しても良い。この場合、「AB」との記号の全体が明るくされる状況の他に、LEDの点灯パターン次第で、変化領域K5282b,K5284bのみが照らされる状況や、非変化領域K5282c,K5284cのみが照らされる状況を構成することができる。
この場合において、例えば、下流側の第1特定入賞口K65a(又は、第2入賞口K640、第2特定入賞口K650a、図1892参照)が開放されている期間において、変化領域K5282b,K5284bのみを照らすLEDを消灯し、非変化領域K5282c,K5284cのみを照らすLEDを点灯させるようにしても良い。これにより、非変化領域K5282c,K5284cにより形成される「HK」を遊技者に認識させ易くでき、第1特定入賞口K65a(又は、第2入賞口K640、第2特定入賞口K650a、図1892参照)へ向けた球の発射を実行するタイミングであることを容易に把握させることができる。
また、例えば、光の色は白に限られるものではなく、色付きの光を照射しても良いし、各記号で照射する光の色を異ならせても良いし、色が順番に変化する(例えば、虹の七色で順番(赤橙黄緑青蘭紫)に変化する)ように照射する光を制御しても良い。
また、例えば、光の照射態様(タイミング)は、化粧カバーK5280の「AB」との記号の全体を同時に明るくさせるように複数のLEDが同時に点灯されても良いし、記号を読ませる順序を考慮して、左から右の順で明るくなるように、複数のLEDの点灯タイミングをずらすようにしても良い。
以上、上記実施形態に基づき各種技術思想を説明したが、上述した各技術思想は上記形態に何ら限定されるものではなく、上述した各種技術思想の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上述した各種制御例(特に第32制御例から第47制御例)にて説明をしたパチンコ機10に対して、上述した各種実施形態(特に第108実施形態から第110実施形態)に用いた各種構造を適用しても勿論良い。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。以下に示す変形例(別実施形態)においても同様であり、一の変形例における構成の一部または全部を、他の変形例における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の変形例としても良い。以下に示す変形例の適用対象となる実施形態は任意であり、いずれの変形例(変形例の組み合わせ又は置き換え)をいずれの実施形態に適用しても良い。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bが傾倒と拡大とを合わせたような動作態様で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基礎板部材A430の移動と移動部材A440の移動とを利用して、左右方向にスライド移動する扉状の扉部材を移動させるようにしても良い。
この場合、基礎板部材A430の回転先端部から前方へ向けて突設される円柱状部を基礎板部材A430の正面側に配置される第1扉部材に形成される上下方向に延びる長孔形状の第1支持部に支持させ、移動部材A440の回転先端部から前方へ向けて突設される円柱状部を移動部材A440の正面側に配置される第2扉部材に形成される上下方向に延びる長孔形状の第2支持部に支持させることで、回転動作ユニットA400bの傾倒動作と連動させる形で第1扉部材および第2扉部材を左右方向にスライド移動させることができる。
第1扉部材は第2扉部材よりも第3図柄表示装置81の表示領域の外方側に配置され、第1扉部材および第2扉部材のスライド移動中において、基礎板部材A430の回転先端部は第1支持部を上下方向に案内され、移動部材A440の回転先端部は第2支持部を上下方向に案内される。
この場合における第1扉部材および第2扉部材の左右位置および移動速度は、基礎板部材A430及び移動部材A440の回転先端部の左右位置および移動速度に対応する。そのため、回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分に基づいて移動する第1扉部材に対して、回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分に加えて移動部材A440の長手方向の延びの分だけ移動量が大きくなることから、第1扉部材の移動速度よりも第2扉部材の移動速度を大きく構成することができる。
基礎板部材A430が演出待機状態から張出状態へ向かうにつれて回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分が徐々に小さくなることから、第1扉部材が左右外側に退避する位置からの第1扉部材の左右方向の移動速度も徐々に小さくなるように構成される(駆動モータMT1の駆動速度が一定の場合に第1扉部材の左右方向の移動速度が徐々に小さくなる)。
一方、移動部材A440の回転軸棒AJ1を中心とする回転変位の左右方向成分も、基本的には張出状態へ向かうにつれて徐々に小さくなるが、移動部材A440は傾倒終端側に近づくほど長手方向に延びる量が大きくなる。そのため、第2扉部材が左右外側に退避する位置からの第2扉部材の左右方向の移動速度は、移動部材A440の延びが生じる傾倒終端側で大きくなる(駆動モータMT1の駆動速度が一定の場合に第2扉部材の左右方向の移動速度が駆動モータMT1寄りに大きくなる)。
そのため、特に回転動作ユニットA400bの傾倒終端側において、同時点における第1扉部材の移動速度と第2扉部材の移動速度とを大きく異ならせることができ、扉部材を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1動作ユニットA400と第2動作ユニットA500とが左右一対で構成されているので、各動作ユニットA400,A500でそれぞれ扉部材を動かすように構成し、第3図柄表示装置81の正面側で扉を閉める(左右の扉部材の移動方向先端側の縁部の間に正面視で隙間が無い状態とする)演出を実行可能な演出装置を構成しても良い。
また、第1動作ユニットA400で左右方向に移動させる扉部材により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分(又は全体)を隠すことができるように構成しても良い。この場合において、第2動作ユニットA500で左右方向に移動させる扉部材によっても第3図柄表示装置81の表示領域の大部分(又は全体)を隠すことができるように構成しても良い。
本実施形態では、第1動作ユニットA400の方が第2動作ユニットA500の手前側に配置されるので、例えば、第1動作ユニットA400により移動される扉部材により第3図柄表示装置81の表示領域の全体が隠されている状態で、第2動作ユニットA500の配置を遊技者に分からせない(隠す)ように構成することもできる。これにより、第1動作ユニットA400により移動される扉部材が第3図柄表示装置81の手前側から退避するように動いたとしても、第2動作ユニットA500により移動される扉部材によって第3図柄表示装置81が隠されていたことで、第3図柄表示装置81の表示を依然として見せない状態を構成することができる。これにより、遊技者の扉部材に対する注目力を向上させることができる。
上記第10実施形態では、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、機能長孔A444の形状により、移動部材A440の長手方向への変位が先に生じ、その後で、移動部材A440の長手方向と交差する方向への方向切替部材A450の変位が生じたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能長孔A444の形状を、第1平行部A444aを省略して、第1平行部A444aの長さ分だけ傾斜部A444bの形成位置を移動部材A440の回転先端側へ平行移動させ、同様に第2平行部A444cも傾斜部A444bの端部と連結されるように延ばすようにしても良い。このような形状によれば、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、移動部材A440の変位と方向切替部材A450の変位とが同時に生じる状態から開始され、その後で、移動部材A440の変位のみ生じる状態へ移行するような変位を生じさせることができる。
また、傾斜部A444bの回転軸棒AJ1側端部から、回転軸棒AJ1に近づくほど移動部材A440の短手方向中心側へ向けて傾斜する長孔により形成される逆傾斜部が形成されるようにしても良い。このような形状によれば、演出待機状態からの回転動作ユニットA400bの外形の変化が、移動部材A440が長手方向に延びる方向の変位と方向切替部材A450が短手方向に広がる方向の変位とが同時に生じる状態から開始され、その後で、移動部材A440が長手方向に延びる方向の変位と方向切替部材A450が短手方向に近づく(中心側に寄る)方向の変位とが同時に生じる状態へ移行するような変位を生じさせることができる。
上記第10実施形態では、機能長孔A444の形状が、一対が対称形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対を非対称で構成しても良い。この場合、左側の方向切替部材A450が変位開始するタイミングや変位量と、右側の方向切替部材A450が変位開始するタイミングや変位量とが異なる演出役物を構成することができるので、周囲の状況に合った変位態様を構成することができる(障害物に当たらないような変位量や変位タイミングを考慮して、左右で異なる変位を生じさせることができる)。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bが回転動作する際に、移動部材A440が基礎板部材A430に対する直線方向に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作ユニットA400bが回転動作する際に、回転動作ユニットA400bに配設される別の回転部材が回転動作するように構成しても良い。この場合、回転動作ユニットA400bの外形の変化とは異なる視認態様の変化を生じさせることができる。
上記第10実施形態では、傾倒開始時において回転動作ユニットA400bの外形が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒開始時から回転動作ユニットA400bの外形が変化されるように案内長孔A414の形状を設計することで、傾倒開始時における回転動作ユニットA400bの動作抵抗を増加させることができるので、傾倒開始時の姿勢での回転動作ユニットA400bの姿勢維持を容易とすることができる。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bの傾倒方向動作および起き上がり方向動作の双方を駆動力により動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、途中位置からは駆動力の発生を解除して自重で傾倒を実行させるなど、駆動力によらない移動態様を実行可能としても良い。この場合、駆動力で動作させる場合と駆動力に因らずに動作させる場合とで、回転動作ユニットA400bの動作態様を異ならせ、動作のバリエーションを増やすことができる。更に、駆動の継続時間を短くすることができことから、駆動モータAMT1の耐用年数を延ばすことができる。
上記第10実施形態では、基礎板部材A430の正面側に移動部材A440が部分的に重なるように配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基礎板部材A430に回転先端方向へ延びる金属棒が配設されており、その金属棒の回転先端側に、金属棒の延びる方向にスライド変位可能に案内されるように移動部材A440が配設されるようにすることで、基礎板部材A430と移動部材A440とが正面視で重ならないようにしても良い。この場合、基礎板部材A430の正面側が移動部材A440に隠されないので、基礎板部材A430の正面側部分を演出に利用することができる。
上記第10実施形態では、回転動作ユニットA400bの外形の変化が回転動作ユニットA400bの姿勢に対応して生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外形の変化の有無を切り替えるための別の駆動装置を用意しても良い。この駆動装置により、案内長孔A414の形状を切り替えたり、機能長孔A444の形状を切り替えたりすることにより、回転動作ユニットA400bの姿勢に対応した回転動作ユニットA400bの外形の態様を複数種類用意することができる。
また別の駆動装置により、移動部材A440と方向切替部材A450とを駆動変位させるように構成することで、回転動作ユニットA400bの姿勢の変化が生じていない時に移動部材A440及び方向切替部材A450を同時に変位可能に構成しても良い。例えば、回転動作ユニットA400bが外形の変化を伴わずに傾倒終端に到達し、傾倒終端において別の駆動装置で移動部材A440と方向切替部材A450とを同時に駆動変位させることもできるように構成することで、回転動作ユニットA400bの演出効果の向上を図ることができる。
上記第10実施形態では、駆動モータAMT1の動作速度を一定とし、回転動作ユニットA400bの回転動作の角速度が漸減する態様で動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、角速度の減少量を考慮して、駆動モータAMT1の駆動速度を漸増させることで、回転動作ユニットA400bの回転動作の角速度が一定となる制御態様でも、回転動作ユニットA400bの回転動作を実行可能にしても良い。
上記第10実施形態では、回転板部材A662にかかる空気抵抗の変化により、回転板部材A662の動作抵抗が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転板部材A662にかけられる摩擦抵抗(例えば、移動方向と直交する方向から当接する板部材による接触抵抗)が変化するようにしても良いし、回転板部材A662にかけられる粘性抵抗(例えば、ダンパ部材等による抵抗)が変化するようにしても良い。
上記第10実施形態では、前側板部材A730と後側板部材A740に挟まれる発光基板A720からの光照射について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光基板の照射面側が前側板部材A730及び後側板部材A740の端面と対向配置されるように配置されても良い。
この場合において、前側板部材A730(又は後側板部材A740)には、発光基板A720からの光照射(板の延びる方向に沿う方向への照射)が行われる一方、後側板部材A740(又は前側板部材A730)へは、その後側板部材A740(又は前側板部材A730)の光入射端面に光照射部の配置面が対向配置される別の発光基板(発光基板A720に対して姿勢が90度異なる発光基板)からの光照射が行われるように構成しても良い。これにより、発光基板A720によっては対応が難しいと考えられる、前側板部材A730又は後側板部材A740の厚みが大きい場合にでも、適切な位置に光を入射させ易くすることができる。
上記第10実施形態では、前カバー部材A750の突設部A751aと発光基板A720とは間隔を空けて配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部A751aが発光基板A720に押圧力を付与し得る寸法関係で設計しても良い。この場合、発光基板A720にかけられる押圧力を突設部A751aの数だけ分割させることができるので、発光基板A720の配置を安定させることができる。
前カバー部材A750の突設部A751aは、光を拡散させることを一つの目的とし、それぞれ同形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、正面発光部A724よりも左側位置(照射方向の逆側位置、前側板部材A730の外方側)における突設部A751aの曲率よりも、正面発光部A724よりも右側位置(照射方向側の位置、前側板部材A730の内方側)における突設部A751aの曲率を大きくするように構成しても良い。この場合、前側板部材A730に近い側における突設部A751aの拡散角を小さくできるので、拡散した光が前側板部材A730を広く照らしてしまい、ライン状溝部A732によるライン状の光の視認性を低下させることを避けることができる。
上記第10実施形態では、発光基板A720には前側板部材A730及び後側板部材A740に光を照射する発光部A724,A725が配設されることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、発光基板A720から前カバー部材A750に光を照射する発光部が配設されても良い。この場合、発光部A724,A725が発光基板A720の端部付近に配設されていることから、発光部A724,A725から照射される光と干渉しない位置に前カバー部材A750に光を照射する発光部を設けることを容易とすることができ、光の干渉を避けることができる。
上記第10実施形態では、薄肉樹脂板A743に形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状に合わせて前側板部材A730のライン状溝部A732が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ライン状溝部A732を、薄肉樹脂板A743に形成されるイラストとは別の図形やイラストの形状で形成しても良い。この場合、ライン状溝部A732が発光される場合(ライン状溝部A732の形状が発光される場合)と、ライン状溝部A732が発光されない場合(薄肉樹脂板A743に形成されるイラストが見える場合)との見映えの違いを大きくすることができる。
なお、前側板部材A730のみではなく薄肉樹脂板A743にもライン状溝部A732を形成するようにしても良い(又は、発光基板A720の前後に前側板部材A730を配置しても良い)。この場合に、背面発光部A725にも指向性の高いLEDを採用すれば、薄肉樹脂板A743においてもライン状の光を視認させる光演出を実現することができる。
また、薄肉樹脂板A743のみではなく前側板部材A730にも特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストが形成されるようにしても良い(又は、発光基板A720の前後に後側板部材A740を配置しても良い)し、前側板部材A730と後側板部材A740の前後配置を逆にしても良い。
これらの各場合において、正面発光部A724や背面発光部A725の指向性は目的に合わせて選択すれば良い(指向性を高くすれば全反射をさせ易く、指向性を低くすればば全反射が生じにくいので板部材の側面の広い範囲を光らせやすい)。また、発光基板A720の前側に配置される部材と後側に配置される部材とで、形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状を同じにしても良いし、異ならせても良い。
上記第10実施形態では、前カバー部材A750から突設される部分により、前側板部材A730、発光基板A720及び後側板部材A740が位置決めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前側板部材A730から前後に突設される部分により、前カバー部材A750、発光基板A720及び後側板部材A740が位置決めされても良い。この場合、前側板部材A730から突設される部分の突設長さを短くすることができるので、組立中に前側板部材A730を落とす等して誤って突設部分を破損する可能性を低めることができる。
また、後側板部材A740から突設される部分により前側板部材A730、発光基板A720及び前カバー部材A750が位置決めされるようにしても良い。後側板部材A740はライン状溝部が形成される部材とは異なるので、突設される部分の位置がライン状溝部により制限されることが無い。そのため、突設される部分の配置自由度を向上させることができる。
また、発光基板A720、前側板部材A730及び後側板部材A740の位置決めのみを行い、前カバー部材A750との間では位置決めを行わないようにしても良い。この場合、発光基板A720、前側板部材A730及び後側板部材A740の位置は合わせたままで前カバー部材A750を取り外すことができる。これにより、装飾部分としての前カバー部材A750の取り替え(汚れた場合の取り替え、スペック変更に伴う取り替え等)を容易に行うことができる。
位置決めのために突設される部分の形成位置は、種々の態様が例示される。例えば、前カバー部材A750との位置決めを想定するのであれば前カバー部材A750の後方位置に形成される方が良い。一方で、前カバー部材A750との位置決めを想定しないのであれば、締結部A733がそうであるように、前カバー部材A750の後方位置とは異なる位置に形成しても良い。
上記第10実施形態では、視認態様変化シートA806により左右方向での視線の方向の傾斜角度の違いにより、下流側案内部材A803の後方流路を流下する球の視認性が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。左右方向での視線の方向の傾斜角度の違いで視認性を変化させる場合には、隣で遊技している遊技者に球の流下をのぞき見される可能性を低くできるという効果があるが、例えば、視認態様変化シートA806を、上下方向での視線の方向の傾斜角度の違いにより下流側案内部材A803の後方流路を流下する球の視認性が変化するように構成する場合には、遊技者の後ろ側で立っている他者にのぞき見される可能性を低くできるという効果がある。
上記第10実施形態では、前側部材A803zの板状本体A803aの正面側に視認態様変化シートA806が貼り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設板A803bの左右外側面に視認態様変化シートA806を貼り付けるようにしても良い。この場合、左側流路ATL1や右側流路ATL2に対して左右方向側からの方向視で視認する場合に、左側流路ATL1や右側流路ATL2を視認し易い方向視と、左側流路ATL1や右側流路ATL2を視認し難い方向視とをつくることができる。
上記第10実施形態では、視認態様変化シートA806により、第3図柄表示装置81の正面側に頭を配置した遊技者が横目で下流側案内部材A803側を見る場合における球の視認性の低下について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の表示面全体に視認態様変化シートA806と同様の機能を生じるシートを貼り付け、下流側案内部材A803の正面側に頭を配置した遊技者が横目で第3図柄表示装置81の表示を見難い(視認態様変化シートA806に遮光される)ように構成しても良い。この場合、下流側案内部材A803の後方を流下する球に注目している状況において第3図柄表示装置81の表示を視認させないことで遊技者の気を散らさないようにすることができ、更に、第3図柄表示装置81から照射される光が遊技者に到達しないような構成とすることができるので、遊技者は、眩しい光を目に受ける状況を回避することができ、目を休めることができる。
上記第10実施形態では、視認態様変化シートA806により、左側流路ATL1を視認し難い場合を構成するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、視認し難い場合を構成するのは右側流路ATL2としても良いし、左側流路ATL1及び右側流路ATL2としても良く、その選択は任意である。右側流路ATL2は第2入賞口640へ球を案内する流路であるところ、左側流路ATL1の形状を変形して左側流路ATL1を流下した球が特定入賞口65aへ案内されるように構成することで、視認態様変化シートA806の設計次第で、第2入賞口640へ案内される球のみを視認し易くしたり、特定入賞口65aへ案内される球のみを視認し易くしたりするといった演出が可能となる。
例えば、視認態様変化シートA806を左側流路ATL1及び右側流路ATL2の正面側を覆うように配置する前提において、左側流路ATL1の正面側を覆う視認態様変化シートA806は正面視と左斜め方向からの方向視とでは透過性が高い一方で右斜め方向からの方向視では透過性が低くなるように設計され、右側流路ATL2の正面側を覆う視認態様変化シートA806は正面視と右斜め方向からの方向視とでは透過性が高い一方で左斜め方向からの方向視では透過性が低くなるように設計される場合、正面視では左側流路ATL1及び右側流路ATL2の透過性を高くし、左斜め方向からの方向視では左側流路ATL1の透過性は高くする一方で右側流路ATL2の透過性を低くし、右斜め方向からの方向視では左側流路ATL1の透過性は低くする一方で右側流路ATL2の透過性を高くすることができる。
また、この場合において、正面視では左側流路ATL1及び右側流路ATL2の透過性を低くするように構成しても良い。この場合、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の両方共を同時に視認可能な状況を排除することができるので、左側流路ATL1及び右側流路ATL2の双方を同時に見たい遊技者に対して下流側案内部材A803を上側から覗き込ませるという遊技をさせるように仕向けることができる。
視認態様変化シートA806の表面には、特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状等の装飾を付すようにしても良い。
上記第10実施形態では、流下する球の視認性を視認態様変化シートA806により変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後一対の光透過性板の間に光を非透過のルーバー板部が配置され、そのルーバーが首振り動作したり、撓んだりすることで、遊技者の視線を遮る場合と、透過させる場合とを切り替えられるようにしても良い。
また、前後一対の非透過の板部材に開口が形成されており、例えば前側の板部材が後側の板部材に対して平行移動できるよう構成される場合に、各板部材に形成される開口の位置の正面視でのずれにより、前後の開口の内部を通る方向視については奥側を視認することができる一方で、前後いずれかの開口から外れる方向視については板部材に視線が遮られることで奥側を視認することができないように構成しても良い。
上記第10実施形態では、検出センサSE1に球が検出されることで賞球が払い出される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球の払い出しは無くても良い。賞球の払い出しが無い場合の用途として、例えば、検出センサSE1での球の検出に基づいて大当たり遊技の種類(ラウンド数等)を選択させるような遊技機への利用が想定される。このような遊技機では、大当たり遊技の種類を選択させるタイミング以外では検出センサSE1に対する注目力は極端に下がることが考えられるため、その前側に視認態様変化シートA806を配置して検出センサSE1を隠すことに意味がある。
また、賞球の払い出しが無い場合の別の用途として、例えば、検出センサSE1が特定入賞口65aの下流側に配置され、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入球した球の通過が検出された場合に大当たり終了後の遊技状態が所定の有利状態に移行するように制御される「V入賞口(特定領域)」として利用される遊技機への利用が想定される。このような遊技機では、大当たり遊技中以外では検出センサSE1に球が案内されることは無いので、大当たり遊技中以外では検出センサSE1に対する注目力は極端に下がることが考えられるため、その前側に視認態様変化シートA806を配置して検出センサSE1を隠すことに意味がある。
なお、大当たり中において、視認態様変化シートA806の正面位置に遊技者が頭を移動させれば、視認態様変化シートA806を透視して、その背面側の検出センサSE1を視認することが可能となるので、大当たり遊技中において検出センサSE1が見難いという不満を解消することができる。
また、例えば、賞球の払い出しがある場合に、球の検出に対応して第3図柄表示装置81において払い出し個数に対応した数字(「+1」や「+3」等)を表示するようにしても良い。この場合、遊技者は、下流側案内部材A803の後方を流下する球を視認できない場合であっても、第3図柄表示装置81の表示から賞球の払い出しが生じたことを理解することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第10実施形態では、補助導光板ユニットA810において、前側板部材A840がライン状溝部A842を備えることで光の輪郭を視認させるような光演出を可能とする一方で、後側板部材A850にはライン状溝部A842は形成されず、均一な面発光での光演出を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、前側板部材A840のみではなく後側板部材A850にもライン状溝部A842を形成するようにしても良い。この場合に、エッジ発光部A833,A837にも指向性の高いLEDを採用すれば、後側板部材A850においてもライン状の光を視認させる光演出を実現することができる。
また、後側板部材A850のみではなく前側板部材A840にも特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストが形成されるようにしても良いし、前側板部材A840と後側板部材A850の前後配置を逆にしても良い。
これらの各場合において、エッジ発光部A823,A827,A833,A837の指向性は目的に合わせて選択すれば良い(指向性を高くすれば全反射をさせ易く、指向性を低くすればば全反射が生じにくいので板部材の側面の広い範囲を光らせやすい)。また、前側板部材A840と後側板部材A850とで、形成される特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストの形状を同じにしても良いし、異ならせても良い。
上記第10実施形態では、正面発光部A724及び背面発光部A725は、複数のLEDの光軸がそれぞれ互いに平行とされるよう構成され、エッジ発光部A823,A827及びエッジ発光部A833,A837は、複数のLEDの光軸がそれぞれ互いに放射状となる関係で構成される(進行方向先端側ほど隣の光軸との間隔が広がる態様で設定される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これらの光軸の関係を、逆にしても良い。
上記第11実施形態では、案内長孔A2414の直線状部が傾斜する方向に延びる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線状部の延びる方向が水平方向に延びるよう構成しても良い。この場合、往路と復路とでの動作抵抗の違いを小さくすることができる。
上記第13実施形態では、導光変位部材A4920を駆動させるソレノイドA4940を個別に用意する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物640aの駆動装置を兼用しても良い。この場合、電動役物640aの動作タイミングと導光変位部材A4920の動作タイミングとを合わせ易くすることができる。
また、導光変位部材A4920の代わりに、主には第3図柄表示装置81の正面側に張り出す動作を行う可動役物(例えば、第1動作ユニットA400)をセンターフレームA86の内部領域を通してベース板A60の前側に張り出し可能に構成し、球の流路への視線を遮る位置まで移動可能に構成することで、可動役物を球の流路への視線を遮るために利用しても良い。この場合、可動役物に個別の駆動装置を、球の流路への視線を遮るための駆動装置に兼用すれば良いので、ソレノイドA4940を不要とすることができる。
上記第13実施形態において、覆設部材A4930の前側案内板部A4931に特定のキャラクターやロゴ等を含むイラストを形成するようにすれば、そのイラストによりライン状溝部A4921aを見え難くすることができる。これにより、発光手段A4933aを点灯させていない場合における球案内ユニットA4900の見映えを良くすることができる。また、前側案内板部A4931に形成されるイラストに対応した形状でライン状溝部A4921aを形成することで、演出効果を向上させることができる。
上記第13実施形態において、導光変位部材A4920の被案内板部A4921に視認態様変化シートA806を貼り付けるようにしても良い。この場合、遊技者の視線が変化しなくても、導光変位部材A4920が変位することで遊技者の視線と視認態様変化シートA806との相対的な位置関係が変化するので、遊技者が視線を変化させていないにも関わらず、導光変位部材A4920の後方を流下する球の視認性を変化させる場合を生じさせることができる。
上記第13実施形態において、導光変位部材A4920の被案内板部A4921への光の入射、発光手段の個数や配置、点灯させる発光手段の選択、及び構造の設計に、第10実施形態で説明した補助導光板ユニットA700bや補助導光板ユニットA810の構造の全て又は全部を流用するようにしても良い。
上記第14実施形態では、延設案内部A5438に柱状突設部材A5448が押進されることで移動部材A5440に対して相対変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作ユニットA5400bの傾倒角度に基づいて歯合回転するギア及びラックと柱状突設部材A5448とが連動するように構成することで、回転動作ユニットA5400bの傾倒角度に対応して柱状突設部材A5448を変位させても良いし、柱状突設部材A5448を駆動させるための駆動装置を回転動作ユニットA5400bに配設させて駆動装置の駆動制御により柱状突設部材A5448を駆動変位させても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態では、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510に一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが連結(配設)され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520に一対の(二つの)係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが連結(配設)される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a或いは係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが省略されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態において、凹部W224a,W224bが平面部W320,W4320,We320,Wj320,Wm320,Ws320の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530b側における正面に凹設され、正面視おいて、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの連結片W531a,W531bが凹部W224a,W224bに重なる位置に配設されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態において、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500の背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510において正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520と対向する側の面に立設部W222が立設されても良い。立設部W222が背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510における先端側(左壁部W502とは反対側)に配設されることにより、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500を取り外す際、立設部W222により封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第16実施形態から第49実施形態において、立設部W540,Wc540,Wd540を用いて封印シールWSLを切断しても良く、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの傾斜部W532(突出先端部)を用いて封印シールWSLを切断しても良い。これにより、傾斜部W532に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを弾性変形させ易くさせる機能と封印シールWSLを切断する機能とを兼用させることができ、製造コストを低減できる。
上記第16実施形態から第49実施形態において、立設部W540,Wc540,Wd540が非成形とされ、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が前後反対とされた状態でボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200のカバー側被係合部W210及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300のベース側被係合部W310に受け入れ可能とされても良い。これにより、不正を行う者が誤って保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が前後反対とされた状態でボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200のカバー側被係合部W210及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300のベース側被係合部W310に係合させようと試み、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530a,W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bと封印シールWSLとを当接させ、封印シールWSLを破損させる機会を付与できる。
上記第16実施形態から第49実施形態では、一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、二つ以上(複数)の係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設されても良い。係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが複数配設される場合、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aの少なくとも一つが第42実施形態おけるカバー部Wr214の突起Wr214bにより係合される構成としても良い。即ち、複数の係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aにおいて、弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、例えば、第16実施形態おける突起W221との係合を解除させるために突起W221に係合される係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aを弾性変形(変位)させることにより、第42実施形態おける突起Wr214bに係合される係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aを突起Wr214bとの係合が維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300から保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第16実施形態から第49実施形態では、一対(二つ)の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが一つ配設されても良く、三つ以上配設されても良い。係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが三つ以上配設される場合、係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの少なくとも一つが第43実施形態おける平面部Ws320の突起Ws328により係合される構成としても良い。即ち、複数の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bにおいて、弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、例えば、第16実施形態おける突起W312cとの係合を解除させるために突起W312cに係合される係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを弾性変形(変位)させることにより、第43実施形態おける突起Ws328に係合される係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bを突起Ws328との係合が維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200,W2200,W4200,W7200,Wb200,We200,Wj200,Wl200,Wm200,Wo200,Wq200,Wr200,Wt200,Wv200及びボックスベースW300,W2300,W4300,W5300,W6300,Wb300,We300,Wj300,Wk300,Wm300,Wn300,Ws300,Wu300から保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第16実施形態から第49実施形態では、保護カバーW500,W2500,W3500,W4500,W5500,W8500,W9500,Wa500,Wb500,Wc500,Wd500,We500,Wf500,Wg500,Wh500,Wi500,Wj500,Wk500,Wl500,Wm500,Wn500,Wo500,Wp500,Wq500,Wu500,Wv500,Ww500,Wx500,Wy500における背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側には一つの係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側には一対(二つ)の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが配設され、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側と正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側とで異なる数の係合部が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側と正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側とで係合部が同数だけ配設されても良い。例えば、背面壁部W510,W2510,W3510,Wp510,Wq510側に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが二つ配設され、正面壁部W520,W2520,W3520,Wp520,Wq520側に係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bが二つ配設されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態では、上下方向(矢印U-D方向)において一対の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの間に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、背面視において、一対の係合部W530b,W2530b,W3530b,Wb530b,Wm530b,Wn530b,Wu530bの一方に重なる位置に係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが配設されても良い。即ち、係合部W530a,W2530a,W3530a,Wb530a,We530a,Wf530a,Wg530a,Wj530a,Wl530a,Wo530a,Wp530a,Wq530a,Wv530a,Wy530aが上下方向において、一方に偏って配設されても良い。
上記第16実施形態から第49実施形態において、切欠き部W226,We226,W325,We325により形成される傾斜面が直線状に形成されても良く、封印シールWSLの貼着面とは反対側へ向けて凹となる湾曲状に形成されても良い。
上記第19実施形態では、突起W4534が係合部W4530a,W4530bから背面壁部W510及び正面壁部W520の対向側へ向けて四角錐状に突出して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、三角錐状等の多角錐状、円錐状、四角柱や三角柱状等の多角柱状、円柱状に形成されても良い。多角柱状や円柱状に形成される場合、封印シールWSLの破断面を引きちぎった形状とでき、破断(破損)された封印シールWSLが再利用された場合、破断(破損)の痕跡を作業者に認識させ易くできる。
上記第19実施形態から第21実施形態、第41実施形態および第46実施形態において、ボックスカバーW200,W4200,Wq200,Wv200及びボックスベースW300,W5300,W6300に保護カバーW4500,W5500,Wq500,Wv500を取り付ける際、突起W4534,W5534,Wq534,Wv534により、封印シールWSLが破損されても良い。
上記第20実施形態および第21実施形態において、一対の両端壁部W223,W321の一部が非形成とされても良い。例えば、一対の両端壁部W223,W321において、封印ユニットW400とは反対側(矢印L方向側)における一部が非形成とされる場合、ボックスカバーW200及びボックスベースW5300,W6300への保護カバーW5500の取り付けにおいて係合部W5530bの係合孔W533と突起W312cとが係合される前の状態、又は、またはボックスカバーW200及びボックスベースW5300,W6300からの保護カバーW5500の取り外しにおいて係合孔W533と突起W312cとの係合が解除された後の状態では、保護カバーW5500を前後方向(矢印F-B方向)へ変位可能とされる。これにより、突起W5534を封印シールWSLに当接させることができ、封印シールWSLを破損させることができる。
上記第20実施形態および第21実施形態において、保護カバーW5500から切断された係合部W5530bの突起W5534を利用して封印シールWSLを切断しても良い。これにより、切断工具(図示せず)の携行を不要とでき、ボックスカバーW200及びボックスベースW300の開封作業を容易とできる。
上記第21実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)に延びて形成されても良い。例えば、凹部W6326が突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの突起W312c側(矢印R方向側)の半分(不正に取り外すために変位させる範囲のうちの前半部分)まで伸びて形成されることで、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成することと、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が取り外されることを抑制することを両立させることができる。
即ち、連結片W531a,W531bを切断せずに係合部5530bを弾性変形させて突起W312cと係合孔W533との係合が解除された際には、突起W5534が凹部W6326に受け入れられるので、係合部5530bを突起W312cとは反対側(矢印L方向側)へ向けて変位させることで、封印シールWSLに痕跡(破損)を形成できる。一方で、突起W5534が凹部W6326の突起W312cとは反対側の内壁に当接されることで、係合部5530bの突起W312cとは反対側(矢印L方向側)へ向けての変位が規制され、ボックスカバーW200及びボックスベースW6300から保護カバーW5500が取り外されることを抑制できる。
上記第21実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)において突起W312c側(矢印R方向側)へ延びて形成されても良い。例えば、凹部W6326が突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの突起W312cとは反対側(矢印L方向側)の半分(不正に取り外すために変位させる範囲のうちの後半部分)まで伸びて形成されても良い。
上記第21実施形態では、凹部W6326が規制状態において、突起W5534と上下方向(矢印U-D方向)に重なる位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突起W5534よりも突起W312cとは反対側(矢印L方向側)となる位置に形成されても良い。突起W312cと係合孔W533との係合を解除させるために保護カバーW5500が変位される範囲のうちの途中に形成されても良い。
上記第23実施形態において、連結片W8531bの封印シールWSLに対向する面または封印シールWSLに対向する側とは反対側の面が封印シールWSLに対し非平行に形成されても良い。
上記第23実施形態において、連結片W8531bにおける一対の側面の少なくとも一方が対向する側とは反対側へ向けて凸となる曲面に形成されても良い。これにより、連結片W8531bの一対の側面の少なくとも一方に形成される曲面に沿って切断工具を回転させ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第23実施形態において、連結片W8531bにおける一対の側面の少なくとも一方が対向する側へ向けて凹となる曲面に形成されても良い。
上記第23実施形態では、連結片W8531bの一対の側面が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、連結片W8531bの一対の側面の一方が封印シールWSL(平面部W220)に対し傾斜して形成され、一対の側面の他方が封印シールWSL(平面部W220)に対し直交して形成されても良い。
上記第24実施形態において、断面視では、連結片W9531bの第1部W9531b1及び第2部W9531b2が略楕円形に形成されても良い。これにより、曲面に沿って切断工具を回転させ易くでき、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第24実施形態において、連結片W9531bの第1部W9531b1及び第2部W9531b2の境界に段部が形成される(第1部W9531b1と第2部W9531b2とが直接連結される)場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、第1部W9531b1と第2部W9531b2との間に、滑らかに連結する連結部が介設されても良い。即ち、介設部は、第1部W9531b1から第2部W9531b2へ向かうに従い、その介設部の断面形状が第1部W9531b1の断面形状から第2部W9531b2の断面形状に徐々に変化する形状の部位として形成される。これにより、第1部W9531b1及び第2部W9531b2の連結部に応力集中が生じることを抑制でき、連結片WV9531bの強度を確保できる。また、介設部により切断工具を第2部W9531b2から第1部W9531b1へ向けて変位させ易くできる。
上記第24実施形態において、係合部W530aが不正に弾性変形された場合、第1部W9531b1により封印シールWSLを破損させても良い。
上記第25実施形態において、切断部Wa550が前後方向(矢印F-B方向)における左壁部W502の略中央から正面壁部W520側(矢印F方向側)へ偏った位置に配設され、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢(正面壁部W520の正面側に背面壁部W510が対向される姿勢)保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられた場合、切断部Wa550が切欠き部W226,W325に対向される位置に配設されても良い。これにより、係合部W530a,W530bが切断され、保護カバーWa500が封印ユニットW400側(矢印R方向側)へ向けて変位させた状態においても、封印シールWSLが切断させることを抑制できる。一方で、ボックスカバーW200及びボックスベースW300から保護カバーWa500を取り外し、正面壁部W520と背面壁部W510とが反対の姿勢で保護カバーWa500がボックスカバーW200及びボックスベースW300に取り付けられることにより切断部Wa550を切欠き部W226,W325に対向される位置に配設でき、切断部Wa550を用いて封印シールWSLを切断できる。その結果、不正を行う者に切断部Wa550を利用させ難くできる。
上記第25実施形態では、切断部Wa550が鋸刃状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、直線状に形成されても良く、切断部Wa550の突出先端部が、0度から180度までのsin波を連結した形状から形成されても良い。なお、切断部Wa550が直線状に形成される場合、封印シールWSLに対し平行に形成されても良く、少なくとも一部が傾斜して形成されても良い。切断部Wa550が封印シールWSLに対し平行に形成されることにより、封印シールWSLを切断する際、封印シールWSLの破断面が引きちぎられた態様に形成できる。これにより、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。
上記第25実施形態では、切断部Wa550に形成される鋸刃状の全体が切欠き部W226,W325により形成される空間に受け入れられ、封印シールWSLが平面部W220側と平面部W320側とに分離される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、平面部W220側および平面部W320側における封印シールWSLが一部において連結されても良い(少なくとも一部が切断されれば良い)。言い換えると、切断部Wa550により封印シールWSLにミシン目(上下方向において、所定の間隔を隔てて切断部と連結部とが形成される形状)が形成されても良い。これにより、封印シールWSLを切断(平面部W220側と平面部W320側とに分離)させ易くできる。一方で、封印シールWSLに形成される連結部を切断(破断)させる際、その破断面を引きちぎった形状とでき、切断(破断)された封印シールWSLが再利用された場合、切断の痕跡を作業者に認識させ易くできる。また、保護カバーWa500を側壁部W212側(矢印R方向側)へ向けて変位させることにより封印シールWSLにミシン目を形成することを容易に行うことができる。
上記第26実施形態では、刃部Wb552が円錐状に形成される先端部を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではい。例えば、刃部Wb552の先端部が円柱状に形成され、刃部Wb552の先端部における断面形状が突出方向(矢印L-R方向)において一定とされても良い。言い換えると、刃部Wb552の先端部が鋭利に形成されなくても良い。これにより、刃部Wb552を用いて封印シールWSLを切断する際、封印シールWSLの破断面が引きちぎられた態様に形成できる。これにより、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。また、刃部Wb552の先端部が三角錐や四角錐等の多角錐状に形成されても良く、刃部Wb552の先端部が三角柱や四角柱等の多角柱状に形成されても良い。
上記第26実施形態から第29実施形態、第33実施形態および第49実施形態において、ボックスカバーW200,Wb200,We200の平面部W220,We220又はボックスベースW300,We300の平面部W320,We320における封印シールWSLが貼着される面(ガイド部Wb560,Wd560、下壁部W501又は連結片We531aを沿わせる面)に凹凸が形成されても良い。これにより、ボックスカバーW200,Wb200,We200の平面部W220,We220又はボックスベースW300,We300の平面部W320,We320に沿ってガイド部Wb560,Wd560、下壁部W501又は連結片We531aを一対の両端壁部W223の一方から他方へ向けて変位させた場合、上下方向(矢印U-D方向)における封印シールWSLの一端と他端との間において封印シールWSLに形成される破断面の位置を前後方向(矢印F-B方向)に変化させることができる。その結果、不正を行う者が封印シールWSLの破断面どうしを隙間なく接合し、封印シールWSLを再利用することを行い難くできる。
上記第28実施形態において、立設部Wd540と係合孔W533との嵌合(係合)に加え、保護カバーWd500が係合部Wd530aを係合するための係合部を備えても良い。例えば、保護カバーWd500の背面壁部W510に係合部が形成され、係合部Wd530aの連結片W531aとは反対側(傾斜部W532側)の端部が背面壁部W510に形成される係合部に係合されても良い。これにより、保護カバーWd500の異なる2箇所において係合部Wd530aを係合でき、保護カバーWd500に対する係合部Wd530aの取り付けを強固にできる。また、係合部Wd530aの姿勢を維持し易くできる。その結果、係合部Wd530aを用いることによる封印シールWSLの切断作業を容易に行うことができる。
上記第34実施形態では、弾性変形規制手段Wj230(第1規制部Wj240及び第2規制部Wj250)が平面部Wj220に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、弾性変形規制手段Wj230が平面部Wj320の背面側(矢印B方向側)の面に形成され、ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300が組み合わされることにより、規制状態において、弾性変形規制手段Wj230が係合部Wj530aの係合孔W533の内側となる位置に配設されても良い。ボックスカバーWj200及びボックスベースWj300が組み合わされることにより、弾性変形規制手段Wj230と係合部Wj530aとが係合される。ボックスカバーWj200は、カバー部Wj214及び弾性変形規制手段Wj230を備えるため、ボックスカバーWj200の樹脂成形型が複雑化するのに対し、弾性変形規制手段Wj230がボックスベースWj300に形成されることにより、ボックスカバーWj200の樹脂成形型を簡略化できる。その結果、製造コストを低減できる。
上記第35実施形態において、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに非当接とされても良い(係合部W530b2が弾性変形されなくても良い)。これにより、一対の係合部W530bの一方と他方とが異なる方向にそれぞれ弾性変形されることを抑制できる。その結果、一対の係合部W530bの一方(他方)の弾性変形量を小さくでき、一対の係合部W530bの一方(他方)破損させ難くできる。
上記第35実施形態では、カバー部Wk312の係止部Wk312fがボックスベースWk300に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、係止部Wk312fが側壁部W212の正面側(矢印F方向側)の面に形成され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300が組み合わされることにより、規制状態において、係止部Wk312fが係合部W530b2の先端部に当接される位置に配設されても良い。ボックスカバーW200及びボックスベースWk300が組み合わされることにより、係合部W530b2の先端部が係止部Wk312fの傾斜部Wk312gに当接される。ボックスベースWk300は、カバー部Wk312を備えるため、ボックスベースWk300の樹脂成形型が複雑化するのに対し、係止部Wk312fがボックスカバーW200に形成されることにより、ボックスベースWk300の樹脂成形型を簡略化できる。その結果、製造コストを低減できる。
上記第35実施形態において、保護カバーW500に係合部W530b1又は係合部W530b2が2箇所以上に形成され、ボックスベースWk300に突起W312c又は突起Wk312cが2箇所以上に形成されても良い。例えば、上下方向(矢印U-D方向)における保護カバーW500の両端側に係合部W530b2が一対形成され、それら一対の係合部W530b2の間に係合部W530b1が形成される場合、係合部W530b1のボックスカバーW200側(矢印B方向側)への弾性変形が係合部W530b1の両端において抑制され易くでき、係合部W530b1が不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500を不正に取り外し難くできる。また、例えば、上下方向(矢印U-D方向)における保護カバーW500の両端側に係合部W530b1が一対形成され、それら一対の係合部W530b1の間に係合部W530b2が形成される場合、背面視において、係合部W530b2を係合部W530aに重なる位置に配設できる。これにより、係合部W530aを不正に弾性変形され、ボックスカバーW200及びボックスベースWk300から保護カバーW500を不正に取り外し難くできる。
上記第36実施形態において、連結部Wl535に切欠きが形成されても良い。これにより、連結部Wl535を回転させ(捩じられ)易くできる。
上記第37実施形態では、規制突起Wm228が左右方向(矢印L-R方向)において延設部Wm332の略中央に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、規制部Wm334の下方に配設されても良い。これにより、係合部Wm530bを不正に弾性変形させ難くできる。
上記第43実施形態では、一対の突起Ws328を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、一対の突起Ws328の一方(他方)のみが形成され、一対の突起Ws328の他方(一方)に対応する位置には、第16実施形態における突起W312cが形成されても良い。言い換えると、上下方向(矢印U-D方向)における一方(他方)には突起Ws328が形成され、他方(一方)には突起W312cが形成されても良い。これにより、保護カバーW500の一対の係合部W530bの一方と他方とで弾性変形させる方向を反対方向とできる。従って、一方(他方)の係合部W530bと突起Ws328(突起W312c)との係合を解除させるために一方(他方)の係合部W530bを弾性変形(変位)させることにより、他方(一方)の係合部W530bと突起W312c(突起Ws328)との係合を維持させる方向へ向けて変位させることができる。その結果、ボックスカバーW200及びボックスベースWs300から保護カバーW500が不正に取り外されることを抑制できる。
上記第44実施形態において、突部Wt224bに形成される一対の切欠きWt224b1に突部Wt224bどうしを連結する連結部が形成されても良い。これにより、突部Wt224bの強度を確保できる。
上記第44実施形態では、突部Wt224bが断面視において、略矩形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、断面視において、平面部Wt220とは反対側へ向けて凸となる湾曲状に形成されても良い。これにより、突部Wt224bに封印シールWSLを貼着させ易くできる(突部Wt224bから封印シールWSLが剥がれ難くできる)。
上記第44実施形態では、左右方向(矢印L-R方向)において、突部Wt224bの寸法が係合部W530aの連結片W531bの寸法と略同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも小さく形成されても良く、大きく形成されても良い。
左右方向(矢印L-R方向)における突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも小さく形成される場合、突部Wt224bに貼着された封印シールWSLが連結片W531bにより遮蔽され、不正を行う者から視認不能とできる。これにより、不正を行う者が切断工具により封印シールWSLを破損させ易くできる。
左右方向(矢印L-R方向)における突部Wt224bの寸法が連結片W531bの寸法よりも大きく形成される場合、切断工具の先端を連結片W531bの一対の側面に対向させることにより、連結片W531bを切断する操作を行うことなく切断工具を封印シールWSLに当接させることができ、封印シールWSLを破損させることができる。
上記第46実施形態において、凹部Wv229が一対の突起Wv534とは反対側(矢印D方向側)へ向けて延びて形成されても良い。これにより、保護カバーWv500から分離された係合部Wv530aをボックスカバーWv200から取り外す際、左右方向(矢印L-R方向)を回転軸として突起Wv534が平面部W320側(矢印F方向側)へ向けて回転され、突起Wv534が封印シールWSLに当接した状態を維持しつつ係合部Wv530aを凹部Wv229の延びる方向(矢印D方向)へ向けて変位させることができる。その結果、封印シールWSLに形成される痕跡(破損)を大きくできる。
上記第48実施形態において、第1連結片Wx531b1及び第2連結片Wx531b2が異なる樹脂材料を用いて二色成形により成形されても良い。例えば、第1連結片Wx531b1が第2連結片Wx531b2よりも高い剛性を有する樹脂材料を用いて成形される場合、第1連結片Wx531b1の形状(第2連結片Wx531b2よりも正面壁部W520から背面壁部W510へ向かう方向における寸法が大きく形成される形状)に加え、剛性の高い樹脂材料を用いて成形されるため、第1連結片Wx531b1に対し第2連結片Wx531b2を切断させ易くでき、切断工具の刃を一層回転させ易くできる。これにより、切断工具の先端で封印シールWSLを破損させ易くできる。
上記第48実施形態では、連結片Wx531bが断面視において、略L字状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではく、断面視において、略コ字状に形成され、開放される側が封印シールWSLに対向する姿勢で配設されても良い。これにより、切断中において、前後方向(矢印F-B方向)における連結片Wx531bの切断抵抗を変化させることができ、切断工具(図示せず)を回転させ易くできる。
上記各実施形態では、第1入賞口64に入球した球が可動の電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64に入球した球の流下経路に、球の流下のランダム性を上昇させるための釘が配設し、釘との衝突により確率で球が第2入賞口640側に案内されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作は、普通図柄の抽選により決定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の電源投入から一定パターンで動作するように制御されるものでも良い。この場合、電動役物640a又は羽部材945に対する注目力を向上させることができる。
また、電動役物640a又は羽部材945が一定動作する場合において、スルーゲート765や検出装置SE4,SE5を依然として配置するようにしても良い。例えば、球の通過が検出されることにより、第3図柄表示装置81や音響装置やLED等により、球が通過したことを遊技者に報知するように制御しても良い。この場合、球が電動役物640a又は羽部材945の近くを流下するタイミングであることを遊技者が把握し易くすることができる。
上記各実施形態では、普通図柄の抽選を保留可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、普通図柄の抽選が保留されず、普通図柄の変動中に普通入賞口66等で球の通過が検出されたとしても、普通図柄の抽選がされないように構成しても良い。
上記各実施形態では、球の流下経路の分岐位置にシーソー部材762又は振分け部983が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、分岐位置に釘を配置しても良いし、分岐位置に樹脂材料から形成される突設部を配置しても良い。これらと球とが衝突することで、球の流下経路を分岐させることができる。この場合、球が交互に流下する場合だけでなく、片側に連続で流下する場合(タイミング)を生じさせることができる。
上記各実施形態では、電動役物640a又は羽部材945の動作時間を、0.5秒~3秒程度の短い時間で設定したが、必ずしもこれに限れるものではない。例えば、通常状態における普通図柄の抽選の内の約10%の確率で、3秒よりも長い時間(例えば、5秒間)において、電動役物640aが進入状態で維持され、又は、羽部材945が開放状態で維持されるような長開放作動パターンで動作されるよう設定しても良い。
長開放作動パターンで動作されている場合、第1入賞口64に入球した球を電動役物640a又は羽部材945により第2入賞口640側に案内し易くすることができる。そのため、長開放作動パターンで動作している時に発射した球(1分に100球が上限という発射間隔から考えて限られた球数の球)の内、第1入賞口64に入球した球が、第2入賞口640側へは案内されないという事態を回避することができる。
長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作している場合には、電動役物640a又は羽部材945にめがけて球を発射する方が、特別図柄2の抽選を獲得し易いので遊技者にとって有利である。そのため、長開放作動パターンで電動役物640a又は羽部材945が動作開始する前に、第3図柄表示装置81や、音響装置や、LED等の手段により、遊技者に電動役物640a又は羽部材945めがけて球を発射させるように、予め報知するように制御しても良い。
報知は、電動役物640a又は羽部材945の配置次第で変更されるものであるが、第50実施形態では、右打ちを示唆するよう報知する方が、球が電動役物640に到達し易いので望ましい。
一方、第51実施形態では、左打ち又は右打ちのどちらで球を発射しても羽部材945に到達し易さに差は無いが、それまでの発射状態を継続する意味で、左打ちを示唆するように報知する方が望ましい。なお、通常状態から右打ち遊技を行う遊技者向けに、発射を継続させるような内容で報知しても良い。
上記第50実施形態では、センサSEで通過が検出されることにより特別図柄1の抽選を獲得可能とされ、第2入賞口640を球が通過して下流側のスイッチに球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側のセンサSEで通過が検出される場合および第2入賞口640の下流側のスイッチで球が検出される場合に特別図柄1の抽選を獲得可能とし、右側のセンサSEで通過が検出される場合に特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
この場合、シーソー部材762により球が右側に流された場合に、電動役物640aの退避状態において球が第1送球経路KR1を通過した方が遊技者の利益が大きくなるという遊技性を構成することができる。
上記第50実施形態では、シーソー部材762の回転動作(左右傾倒動作)が0.5秒よりも短い時間で完了する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸部のクリアランスを小さくする等して、動作抵抗を増加させ、シーソー部材762の回転動作にかかる時間を1.0秒以上に設定しても良い。この場合、第1入賞口64に球が連球で入球したとしても、普通入賞口(スルーゲート)765で球が検出されたことによる変動表示が終了してから、次の球がシーソー部材762により左側に流されるという遊技性を構成することができる。
上記第50実施形態では、案内部742が上側突出部741の内部に形成される流路の左右中央位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内部742が左右に並列されるよう構成しても良い。この場合、互いの突出先端面は、互いの対向する面に近づくほど、基部側に向かって傾斜して形成されるようにすることで、2つの案内部742と当接して案内(背面側に折り返し)される球が、左右方向に位置ずれすることを効果的に抑制できる。
上記第50実施形態では、普通入賞口(スルーゲート)765と屈曲部材740との間が樹脂製の経路でつながれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、釘で球を案内する経路を構成しても良い。この場合、球の流下速度をばらつかせることができる。
上記第50実施形態では、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が平行な直線形状溝として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755及び第2傾斜溝757が、非平行でも良い。また、湾曲経路で形成されても良い。湾曲の場合は、金属レールのように球の下側の案内面が湾曲する態様でも良いし、前後に蛇行する態様で湾曲するものでも良い。
上記第50実施形態では、移動板部材641が進入状態の時に左側案内部645が覆設板部711の正面側に配置され、その上面を球が転動可能となる場合を説明した。この場合において、覆設板部711の正面側に球の転動経路と交差する方向に延びる突条が突設されても良い。これにより、左側案内部645の上面を転動する球を突条に衝突させることによる球の減速を図ることができる。
上記第50実施形態では、右側案内部643により右側に流された球は漏れなく第2球送球部736に受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643が第2球送球部736の上側位置まで延長して形成されており、第2球送球部736の右隣に一般入賞口63が配設されるようにしても良い。
この場合、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が退避状態に変化すれば球は第2球送球部736に受け入れられるが、第2球送球部736の鉛直上方に球が配置されているタイミングで移動板部材641が依然として進入状態で維持される場合には、球は第2球送球部736を右側に通過し、一般入賞口63に受け入れられる。
即ち、右側案内部643により球が右側に流された時点では、球が第2球送球部736に案内されるのか、一般入賞口63に案内されるのか判別できないので、球に対する注目力を向上させることができる。
上記第50実施形態では、大当たり種別に対応した電動役物640aの作動パターンが一つで制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別に対応して複数の作動パターンが予め設定されており、普通入賞口(スルーゲート)765での球通過検出時にいずれの作動パターンで制御されるかが確率で選択され、選択された作動パターンで電動役物640aの動作が実行されるようにしても良い。
上記第50実施形態では、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第1の作動パターンか第2の作動パターンで設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、高確率状態における電動役物640aの作動パターンが第4の作動パターンとなる場合を含むようにしても良い。この場合、高確率状態なのか、低確率状態なのかの判別をし難くすることができる。
上記第50実施形態では、第1入賞口64に入球した球がシーソー部材762を経由して下流側に流れる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、シーソー部材762及び左側流路の形成を省略するようにしても良い。即ち、第1入賞口64及び右側経路のみから流路が構成去れるようにしても良い。
この場合、連球で入球する場合を排除し難くなるが、例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設して、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第50実施形態では、第1入賞口64に入球した球は、右側案内部643に乗り、左側案内部645とは反対側に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右側案内部643の傾斜が左側案内部645側に下降傾斜する形状とされ、第1入賞口64に入球した球が右側案内部643から左側案内部645側に流れ、第1球送球部734に案内されるように構成しても良い。
この場合、十分長く移動板部材641が進入状態で維持された場合に、第1送球経路KR1に配置されていた球を第1球送球部734に案内することができ、特別図柄2の抽選を獲得することができる。
一方で、移動板部材641の進入状態が短い場合には第1球送球部734と屈曲部材740との間に球が落下することになるが、この位置に、球を受け入れることで遊技者に所定の利益を付与する受入口を配置しても良い。
その受入口に球が入球した場合における利益は、賞球の払い出しでも良いし、特別図柄1又は特別図柄2の抽選でも良いし、普通図柄の抽選でも良いし、転落抽選(高確率状態から低確率状態へ遊技状態を変化させる抽選)でも良いし、その他の利益でも良い。いずれにせよ、移動板部材641の上面を転動する球に対する注目力を向上することができる。
なお、右側案内部643の右端からより右側に上昇傾斜するように板を延長して、屈曲部材740の右側において落下した球を受け止め可能に構成しても良い。この場合において、屈曲部材740の右側から移動板部材641の上面を転動する球が第1送球経路KR1に到達するように構成される場合、球が第1送球経路KR1に配置されている状態で移動板部材641が退避状態となるように動作することで、球が第1送球経路KR1で落下してセンサSEに検出され、特別図柄1の抽選を獲得可能となる。
上記第50実施形態では、遊技領域の左側に普通入賞口(スルーゲート)66が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側に配置される普通入賞口(スルーゲート)66の配設を省略しても良い。この場合、左打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)765に限定され、右打ちで普通図柄の抽選を獲得するのは普通入賞口(スルーゲート)67,765とされる。
即ち、左打ちで球を発射させることで、電動役物640aの動作を普通入賞口(スルーゲート)765での普通図柄の抽選による動作に限定することができるので、第1の作動パターン又は第2の作動パターンで電動役物640aが動作する場合に、右側案内部643に案内されずにセンサSEに検出される事態の発生を回避し易くすることができる。
一方で、右打ちで球を発射させた方が、普通図柄の抽選は獲得し易いので、遊技効率を上げやすい。即ち、遊技者は、遊技効率は低下するがセンサSEに球が検出される事態の発生を回避し易いように遊技を実行するか、遊技効率は上がるがセンサSEに球が検出される可能性が若干上がる遊技を実行するか、好みで選択することができる。
上記第50実施形態では、移動板部材641が屈曲部材740の外方まで張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側案内部645の形成が省略されても良い。この場合において、第2球送球部736を第2入賞口640として機能させても良い。
上記第50実施形態では、右側案内部643へ球が振分け部材760により形成される経路から案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60の正面側から右側案内部643に案内されるものでも良い。この場合、右側案内部643の左端部から同一傾斜で左側に板部が延設され、その板部の上面を転動する球が屈曲部材740の内部に進入できるように屈曲部材740の左側面に開口を形成すればよい。
上記第50実施形態では、移動板部材641の上面を転動し左右異なる方向に転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1傾斜溝755の下端側において球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良いし、第2送球部736の後方に球の通過を検出する検出装置が配設され、その検出装置に球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能にしても良い。
即ち、第2傾斜溝757の形成を省略する等して、左側案内部645の上面を転動した球を検出する位置と、右側案内部643の上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第51実施形態では、羽部材945の上面を前後異なる位置で転動した球の経路が下流側で合流する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3分岐通路BK3の後方に球通過孔が形成され、その下流側に検出装置が配設され、その検出装置により球の通過が検出されることで、検出装置SE6と同様に、特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。
即ち、送球孔941k及び送球開口982kの形成を省略する等して、羽状本体945mの上面を転動した球を検出する位置と、板状部945eの上面を転動した球を検出する位置とを別々に設けるようにしても良い。
上記第51実施形態では、板状部945eが羽部材945の回転先端側で羽状本体945mに連結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設部945dが羽部材945の回転基端側に形成されても良いし、回転径方向の中間位置で形成されても良い。特に、延設部945dの回転基端側に形成される場合には、第4貫通孔941jや回転許容開口982mの形成幅を小さくすることができ、孔形成に伴い生じる背面ベース941や膨出部982の強度低下を最小限に抑えることができる。
なお、板状部945eに球が乗る場合、延設部945dを起点として板状部945eは撓み変形される可能性があるが、延設部945dが羽部材945の回転先端側に形成されている場合には、板状部945eが撓み変形から弾性回復する際に生じる弾性力が、球を第3分岐通路BK3側へ入れ込む方向で生じる。これにより、板状部945eの上面に到達した球を安定して第3分岐通路BK3側へ案内することができる。
上記第51実施形態では、一対の羽部材945の両方に延設部945d及び板状部945eが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の羽部材945にのみ延設部945d及び板状部945eが形成されても良い。
上記第51実施形態では、羽部材945の開放状態において、羽状本体945mの転動面と、板状部945eの転動面とが、同一の傾斜面で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの傾斜角度の方が、羽状本体945mの傾斜角度に比較して、浅い(水平との角度が小さい)ように形成しても良い。
この場合、羽状本体945mを転動する球の速度の方が、板状部945eを転動する球の速度よりも速くなり易くすることができる。そのため、前後に配置された球が正面視で重なった状態が維持される事態を回避し易くすることができる。
また、羽状本体945mに1個の球が乗っている場合に比較して、板状部945eに1個の球が乗っている場合の方が、球から羽部材945にかけられる動作抵抗が大きくなるようにすることができ、羽部材945の動作速度を低下させることができる。
また、羽部材945が前後方向のスライド移動で出没するよう構成される場合において、同様に、羽状本体945mの傾斜角度と板状部945eの傾斜角度とを異ならせても良い。この場合、板状部945e及び羽状本体945mに同時に球が乗った場合であっても、羽部材945の動作長さによっては、板状部945e又は羽状本体945mの一方で転動する球が転動板部941lに到達する一方で、板状部945e又は羽状本体945mの他方で転動する球が転動板部941lに到達する前に落下する状態を生じさせることができる。
上記第51実施形態では、羽部材945の開放状態における羽状本体945mの上面近傍から延設部945dが延設されることで羽状本体945mの上面と板状部945eの上面とが前後で重なって見える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部945eの上面と、羽状本体945mの上面とを、上下でずらすように形成しても良い。この場合、板状部945eに球が乗っている状態で羽状本体945mに球が乗ったとしても、その上下位置にずれがあるので、前側の球で後側の球が完全に隠される事態を回避し易くすることができる。
上記第51実施形態では、板状部945eが左右対称位置に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状本体945mを左右対称形状としながら、左側の板状部945eよりも右側の板状部945eの方が上側に配置される(左右非対称で配置される)ように構成しても良い。この場合、正面から見易い羽状本体945mの見映えは左右対称を維持しながら、その背面側においてに配設される板状部945eの上面を転動する球の流下経路を左右非対称とすることができる。これにより、対称線上に球が到達した場合に左右方向の負荷がバランスして球詰まりが生じる事態を回避し易くすることができる。
上記第51実施形態では、磁性体988b,988cを利用して振分け部983の動作抵抗を設計し、球の流下間隔の最短側を規定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86から第1入賞口64までの流下経路上に、前後方向の回転軸で一定速度で回転する回転体であって外周円の所定位置で球を収容可能な凹設部が配設される回転体を配設しても良い。この場合、凹設部に収容された球が回転体の回転により第1入賞口64の上方に到達した場合にのみ第1入賞口64に球が受け入れられるように構成することで、第1入賞口64への連球での入球を防止することができる。
即ち、任意のタイミングでの第1入賞口64への入球を回転体によって防止することができるので、第1入賞口64への入球間隔を回転体の回転速度で規定することができる。
上記第53実施形態では、上流側案内部4645の傾斜面4645aと右側案内部643の傾斜面643aとが、同一傾斜である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも大きくしても良い。この場合、傾斜面4645a上を転動する球の右側への加速を大きくすることができるので、第1送球経路KR1に球が配置されている状態で電動役物4640aが退避状態となったとしても、勢いで第2球送球部736側に流れるという状態を構成することができる。即ち、右方向の加速が大きくなることで、球が回収孔752に流下する事態を回避し易くすることができる。この意味で、第1入賞口64に入球した球に比較して、傾斜面4645aを転動して流下する球の方が、第2球送球部736に入球し易くすることができる。
また、例えば、傾斜面4645aの傾斜角度が、傾斜面643aの傾斜角度よりも小さくしても良い。この場合、傾斜面643a上に球が滞在する時間を長くすることができるので、球が第1送球経路KR1に配置されている時に電動役物4640aが退避状態に変化し、球が回収孔752に流下する事態が生じ易くなる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400の動作を複数態様で制御することで、入賞ユニットB400の内部を通る球が、ほぼ第2入賞口B640に案内される状態と、ほぼ第3入賞口B64bに案内される状態とを切り替え可能とされることを利用して、大当たり遊技後の遊技状態として、小当たり遊技が頻繁に生じる(ほぼ毎回の特別図柄の変動で生じる)よう設定され、小当たり遊技において開放された特定入賞口B65aに球を入賞させることで大当たり遊技に移行される前から多量の賞球の払い出しを受けることができる特殊確変状態と、小当たり遊技は頻繁には生じない確変状態とを構成可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たり遊技が頻繁に生じるような設定とはされず(必ずしも特定入賞口B65aは必要とはされず)、入賞ユニットB400を利用して、特別図柄1の抽選を受けるための入賞口(第3入賞口B64bに相当)側に球を案内し易い状態と、特別図柄2の抽選を受けるための入賞口(第2入賞口B640に相当)側に球を案内し易い状態とで切り替え可能とされても良い。
この場合、大当たり遊技終了後に移行される遊技状態において、遊技としては入賞ユニットB400へ向けて球を発射するという共通の遊技態様としながら、大当たりを獲得した場合に期待される大当たりの大当たり種別の振分けを変えられるパチンコ機を構成することができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400が、第2入賞口B640にも第3入賞口B64bにも球を案内し難い第1の作動パターンか、第3入賞口B64bに球を案内し易い第2の作動パターンか、第2入賞口B640に球を案内し易い第3の作動パターンか、で電動役物B640aが動作可能に構成させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口B640及び第3入賞口B64bの双方に球を案内し易い作動パターンで電動役物B640aが動作可能としても良い。
そのための実現手段としては、例えば、第3の作動パターンにおける基準の作動パターンBRP3の動作時間Bt3bを1.0秒として、残りの1.0秒はスライド部材B450が非励磁状態で維持されるようにすれば、待機時間Bt3aの間に先端部B451に拾われた球が第2入賞口B640に案内される場合と、第3入賞口B64bに案内される場合とを生じさせることができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、前進位置に配置されたスライド部材B450の先端部B451に球が乗っている状態でソレノイドBSOL41を駆動させた場合に、先端部B451に乗っている球が先端部B451の上面に押し込まれる形で球通過開口B414を通過可能に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450が後退位置に配置された状態では、先端部B451の上面と球通過開口B414の上縁との間の寸法が球の直径未満の長さに設計するようにしても良い。
即ち、先端部B451の上面は、前方へ向かう程に上昇傾斜する傾斜面として形成されているところ、スライド部材B450の変位方向は前後方向なので、先端部B451の上面と球通過開口B414の上縁との間の寸法は、スライド部材B450が前進位置に配置される場合よりも、スライド部材B450が後退位置に配置される場合の方が短くなる。
これを利用して、スライド部材B450が前進位置に配置される場合には球が球通過開口B414を通過可能とされる一方で、スライド部材B450が前進位置から後退位置に変位する際に先端部B451に乗っている球については、球通過開口B414の上縁部に球が引っかかる寸法関係で設計することで、スライド部材B450が前進位置から後退位置に変位する際に先端部B451に乗っている球が球通過開口B414を通過することを防止することができる。これにより、球通過開口B414への球の入球確率を下げることができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、左壁部B432及び右壁部B433が球の左右方向の通過を遮る程度の高さで形成されており、左案内板部B452又は右案内板部B453から中央流路B431側への球の導入は、左壁部B432又は右壁部B433の後側に配置される左開口部BLT又は右開口部BRTを通る態様に限定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左壁部B432及び右壁部B433の上下高さを低く設計して、球が左壁部B432及び右壁部B433の上側を通過可能にしても良い。
また、例えば、スライド部材B450の上面の上下位置が、スライド部材B450が前進位置に配置される場合と後退位置に配置される場合とで異なることを利用して、左壁部B432及び右壁部B433の高さを、スライド部材B450が前進位置に配置される場合(上面の上下位置が低い場合)には、左壁部B432及び右壁部B433の上側を球が通過することを遮るのに十分とする(例えば、スライド部材B450の上面の上下位置よりも左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置の方が上側となるように設計する)一方で、スライド部材B450が後退位置に配置される場合(上面の上下寸法が高い場合)には、左壁部B432及び右壁部B433の上側を球が通過することを許容できる(球が通過可能とする、例えば、スライド部材B450の上面の上下位置よりも左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置の方が下側となるように設計する)ようにしても良い。
この場合、スライド部材B450の上面を転動して中央流路B431側へ流下する球の流下経路のバリエーションとして、左壁部B432又は右壁部B433の後側に配置される左開口部BLT又は右開口部BRTを通る流下経路の他に、スライド部材B450が後退位置に配置された状態において左壁部B432又は右壁部B433の上側を通る流下経路を構成することができる。
また、スライド部材B450の上面の上下位置と、左壁部B432及び右壁部B433の上端の上下位置との関係を、左右で異ならせるようにしても良い。例えば、左壁部B432の上側を球が通過することを許容する状態で右壁部B433の上側を球が通過することは制限するように構成したり、右壁部B433の上側を球が通過することを許容する状態で右壁部432の上側を球が通過することは制限するように構成したりしても良い。
この場合、スライド部材B450に案内される球の流下経路を、球が左側を流下するか、球が右側を流下するかで大きく異ならせることができる。
上記第54実施形態では、球を拾うための構造としてスライド部材B450の先端部B451と傾倒部材B470の板状部B471とを備え、先端部B451が正面視で板状部B471の左右外側かつ上側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450の二股の構造をやめて、先端部B451に対応する部分が板状部B471の真上に配置されるようにしても良い。
この場合、ベース板B60とガラスユニットB16との間の領域における先端部B451と板状部B471との間の位置に、球の通過を規制する固定の規制板を設けることで、先端部B451に拾われなかった球が板状部B471に拾われる入賞態様を避けることができる。
これにより、入賞ユニットB400の左右方向寸法を低減することができる。また、先端部B451を1つとすることで、入賞ユニットB400内の経路において球の合流が生じることを無くせるので、入賞ユニットB400の設計自由度を向上することができる(設計を簡素化することができる)。
上記第54実施形態では、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が水平方向に延びるように形成されており、中央流路B431の上側に配置される天井構成部B444の傾斜面部B444aが正面側へ向かうほど上昇傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が、後方へ向かう程に下降傾斜する面として構成しても良い。この場合、スライド部材B450の上面を流下する球の流下経路の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)が大きくなりすぎて、流下中の球がバタつくことを避けることができる。
例えば、スライド部材B450の上側に配置される天井面B447が、後方へ向かう程に上昇傾斜する面として構成しても良い。この場合、スライド部材B450の上面を流下する球の流下経路の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)を大きく確保することができるので、スライド部材B450が後方へ変位する際に、スライド部材B450の上面に乗っていた球が後方へ押し込まれてスライド部材B450の後方側位置における球の密度が高くなったとしても、それによってスライド部材B450の上側で球詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
例えば、中央流路B431の上側に配置される天井構成部B444が、正面側へ向かうほど下降傾斜するように構成しても良いし、水平方向に延びるように構成しても良い。この場合、中央流路B431の下流側における球の流下領域(球の通過可能な面積)が大きくなりすぎて、流下中の球がバタつくことを避けることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450に拾われた球が通過する球通過開口B414や、傾倒部材B470に拾われた球が通過する中央開口部B413の左右幅が、球の直径よりも若干長い程度とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414や中央開口部B413の左右幅を球の直径の複数倍(例えば、2倍)よりも若干長い程度の寸法で設計し、合わせて、スライド部材B450の左案内板部B452及び右案内板部B453、中央流路B431及び傾倒部材B470の左右幅も同様の左右幅で設計しても良い。この場合、スライド部材B450や傾倒部材B470で一度に拾うことができる球の個数を増加させることができるので、入賞効率を上げることができる。
上記第54実施形態では、球通過開口B414の左右幅と、中央開口部B413の左右幅とを合わせている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414の左右幅を球の直径よりも若干長い程度で設計し、中央開口部B413の左右幅を球の直径の複数倍よりも若干長い程度の寸法で設計するようにしても良く、合わせて中央流路B431の左右幅および傾倒部材B470の左右幅を中央開口部B413の左右幅と同様の思想で設計しても良い。
この場合、中央流路B431から下流側の領域において球が左右に並んで流下できるようになるので、左右一対の球通過開口B414を同時に球が通過した場合であっても、中央流路B431で球が合流してしまい流下抵抗が増加するという事態を避け易くすることができる。
また、例えば、球通過開口B414の左右幅を球の直径の複数倍よりも若干長い程度の寸法で設計し、中央開口部B413の左右幅を球の直径よりも若干長い程度で設計するようにしても良く、合わせてスライド部材B450の先端部B451、左案内板部B452及び右案内板部B453の左右幅を球通過開口B414の左右幅と同様の思想で設計しても良い。
この場合、スライド部材B450と傾倒部材B470とが連動するという条件下において、入賞ユニットB400の内部経路の最上流側(入口側)における第1入球効率(スライド部材B450に球が拾われる効率)を向上しながら、その第1入球効率よりも入賞ユニットB400の内部経路の最下流側(出口側)における第2入球効率(傾倒部材B470に球が拾われる効率)を低減することができる。
これにより、遊技者に対して、入賞ユニットB400の入口に入る見かけ上の入球効率(第1入球効率)が高いように見せて、実際に傾倒部材B470に球が拾われる確率(第2入球効率)は低減されるよう構成することができる。これにより、遊技者の入賞ユニットB400への入球効率についての印象を良くすることができ、遊技者が遊技を継続するように仕向けることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450の左案内板部B452の傾斜角度と、右案内板部B453の傾斜角度とが同じとなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右案内板部B453の傾斜角度を左案内板部B452の傾斜角度よりも大きくしても良いし、左案内板部B452の傾斜角度を右案内板部B453の傾斜角度よりも大きくしても良い。
特に、後者の場合、左案内板部B452及び右案内板部B453の前後長さの違いによる球の流下時間の差を、球の流下速度で補わせることができるので、左右の先端部B451が同時に球を受けた場合に、それらの球が中央流路B431に到達するタイミングを合わせ易くすることができる。
また、前者の場合は逆に、左案内板部B452及び右案内板部B453の前後長さの違いによる球の流下時間の差を、球の流下速度が助長することになるので、左右の先端部B451が同時に球を受けた場合に、それらの球が中央流路B431に到達するタイミングを異ならせ易くすることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450が、遊技領域から球を受ける先端部B451のみでなく、その後方流路においても球を転動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端部B451のみで球と接触し、先端部B451の下流側へ流れた球は、左案内板部B452や右案内板部B453等を上から覆う固定板部(変位しない部分)の上面を転動するようにしても良い。この場合、スライド部材B450の変位により球が加速されたり減速されたりする範囲を狭くすることができる。
また、この場合、先端部B451の構成および動作態様を変更し、前方に傾倒する動作態様(傾倒部材B470で例示される動作態様)としても良い。即ち、非励磁状態において、傾倒部材B470で説明した開放位置とされ、励磁状態において、傾倒部材B470で説明した閉鎖位置とされるように構成しても良い。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、先端部B451に拾われた球が傾倒部材B470に到達するまでの経路において固定の底面部B431aを転動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、底面部B431aがスライド部材B450の動作と連動して動作するように構成しても良い。この場合、入賞ユニットB400の内部流路において球詰まりが生じていたとしても、内部流路の全体で動作が生じることから、球をほぐすことができ、球詰まりの解消を図ることができる。なお、底面部B431aの動作としては、スライド部材B450の逆方向に動作するものでも良いし、スライド部材B450と一体的に構成する等して同方向に動作するものでも良い。
上記第54実施形態では、固定の底面部B431aが球を直線的に転動させる傾斜面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、底面部B431aが湾曲形成されることで球の流下方向が湾曲するようにして球の流下速度の変化が顕著になるように構成しても良いし、流下中に球が落下する範囲を有するよう構成し球が跳ねることで流下態様がばらつくようにしても良いし、球が蛇行して流下するよう流路を繰り返し屈曲させることで球が通過するまでの時間を長くするようにしても良い。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、球通過開口B414が単なる開口部である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球通過開口B414に球通過を検出する検出センサが配設され、球通過開口B414への入球を検出可能に構成しても良い。この場合、球通過開口B414への入球を検出した場合に、第3図柄表示装置B81等で遊技者に対して報知することで、遊技者に対して球通過開口B414を球が通過したことに気付かせることができ、入賞ユニットB400の注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400において、先端部B451に拾われた球が必ず傾倒部材B470側まで案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内部流路に排出用開口が形成され、一部の球は排出用開口を通り排出されることで、先端部B451に拾われた球の一部しか傾倒部材B470まで案内されることは無いように構成しても良い。この場合において、スライド部材B450は排出用開口を開閉させる部材としても機能するように構成しても良い。
上記第54実施形態では、スライド部材B450の左案内板部B452及び右案内板部B453が、前後方向で同一傾斜の板状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、途中で傾斜が変わるようにしても良いし、上面が階段状に形成されるようにしても良い。この場合、スライド部材B450上における球の配置次第で、スライド部材B450が後方に変位した際に球が受ける負荷の大きさを変化させることができる(例えば、階段状に形成される場合に、段の近くに球が配置されており段の側面から負荷を受けるか、段から離れて球が配置されており段の上面と滑るようにして負荷を受けるかで異ならせることができる)。
例えば、上流側(前側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度に比較して、下流側(後側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度を小さく形成する場合、上流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷を、下流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷よりも大きくすることができる。これにより、スライド部材B450上の上流側および下流側に配置される複数の球の間隔を、スライド部材B450の変位により狭める(縮める、密にする)ことができる。
また、例えば、上流側(前側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度に比較して、下流側(後側)における左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜角度を大きく形成する場合、上流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷を、下流側においてスライド部材B450の後方への変位により球が受ける負荷よりも小さくすることができる。これにより、スライド部材B450上の上流側および下流側に配置される複数の球の間隔を、スライド部材B450の変位により広げる(拡大する、疎にする)ことができる。
また、例えば、流下経路に沿って左案内板部B452及び右案内板部B453の水平面に対する傾斜の大小が複数回変化するように構成しても良い。この場合、球の配置によって、スライド部材B450の変位により球同士の間隔が縮まる場合と、球同士の間隔が広がる場合との両方を生じさせることができる。
また、例えば、左案内板部B452における上面の傾斜角度と、右案内板部452における上面の傾斜角度とを異ならせるようにしても良い。即ち、左案内板部B452の上面は前後方向で水平面に対する傾斜が同一の板状に形成される一方で、右案内板部B453の上面は水平面に対する傾斜が途中で変化するように形成されても良い。この場合、スライド部材B450の変位により球が受ける負荷の態様を、球が左案内板部B452上に配置されているか、球が右案内板部452上に配置されているかで異ならせることができる。
上記第54実施形態では、スライド部材B450と傾倒部材B470とが、伝達部材B480が間に介在することにより連動するものであり、スライド部材B450又は傾倒部材B470の一方で球噛み等の不具合が生じると、他方の動作にも影響を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、伝達部材B480の第2部材B485の部分であってスライド部材B450と対向配置される回動先端部の前側と、スライド部材B450の中央固定部B454とが対向する位置(間の位置)に前後方向で伸縮可能なコイルスプリングを介在させるように構成する。常には、第2部材B485側にスライド部材B450がコイルスプリングの付勢力で押し付けられており第2部材B485とスライド部材B450とが連動するように構成する一方で、スライド部材B450の前端と前意匠部材B420との間に球が挟み込まれた(球噛みした)場合には、スライド部材B450の前方への変位が妨害される分だけコイルスプリングが縮むことでカバーされるように構成することで、スライド部材B450が前進位置に配置されていなくても第2部材B485を前方に傾倒させることができる。
これにより、第1部材B481の動作が第2部材B485に妨害されることを回避することができるので、スライド部材B450側で生じた球噛みにより、傾倒部材B470の動作が途中で停止することを回避し易くすることができる。
このように、伝達部材B480を利用して駆動力の伝達経路を複数設けるような場合であっても、一の伝達経路にコイルスプリング等の部材(緩衝材などでも良い)を介在させることで、一の伝達経路で生じた不具合が、他の伝達経路にまで伝わることを避けることができる。
上記第54実施形態では、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態へ切替動作される場合に、下板部B482bに係止突設部B487が押し下げられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、係止突設部B487の形成を省略しても良い。電動役物B640aの励磁状態では、下板部B482bが第2部材B485の偏心突部B486と当接される一方で、上板部B482aと偏心突部B486との間に隙間が確保されている。
第2部材B485の自重による回転方向の負荷は、回転径方向外端部において第2部材B485に当接されるスライド部材B450と中段部材B430との間の静止摩擦を下回っており、第2部材B485が自重で前転方向に変位することは防止される。即ち、下板部B482bと偏心突部B486との当接が解除されても、第2部材B485の姿勢は維持される。
そのため、電動役物B640aが励磁状態から非励磁状態へ切替動作される場合に、上板部B482aに偏心突部B486が押し下げられるまでスライド部材B450が後退位置で維持され、傾倒部材B470のみが起き上がり動作する。即ち、ソレノイドBSOL41の駆動力は傾倒部材B470に集中して伝達される。この場合、スライド部材B450の動作開始タイミングと傾倒部材B470の動作開始タイミングとがずれることになる。
即ち、動作開始から途中位置までは傾倒部材B470のみが動作し、途中位置からは傾倒部材B470及びスライド部材B450が動作する。第1部材B481が下降する過程において、上板部B482aと偏心突部B486とが当接した後は、上板部B482aに偏心突部B486が押し下げられる態様で第2部材B485が回転軸部B485aを中心に前転方向に回転動作する。動作終了タイミングは、スライド部材B450と傾倒部材B470とでほぼ同時となる。
この場合、励磁状態から非励磁状態への切替動作において、スライド部材B450と前意匠部材B420との間に球が挟まり、スライド部材B450の変位が抑制され得る事態が生じたとしても、スライド部材B450の変位に先行して傾倒部材B470の起き上がり動作が開始されているので、傾倒部材B470の起き上がり動作まで抑制されることを防止することができる。
これにより、スライド部材B450の変位が抑制されることと連動して、傾倒部材B470の起き上がり動作が遅れ、予期せぬタイミングで球が傾倒部材B470に拾われる事態を回避し易くすることができる。
なお、第2部材B485の自重による回転方向の負荷は、回転径方向外端部において第2部材B485に当接されるスライド部材B450と中段部材B430との間の静止摩擦を下回っており、第2部材B485が自重で前転方向に変位することは防止される場合を例にしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2部材B485の重心が傾倒先端側に寄るように設計されることで、第2部材B485が自重で前転方向に変位し得るようにしても良い。
上記第54実施形態では、スライド部材B450と傾倒部材B470とが単一のソレノイドBSOL41の駆動力により連動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド部材B450を駆動する駆動装置と、傾倒部材B470を駆動する駆動装置とを別々に構成し、非連動で動作可能に構成しても良い。
この場合において、例えば、スライド部材B450が後退位置に配置されてから約3秒経過(入賞ユニットB400の内部に流入した球が通過しきるのに十分な時間が経過)してから傾倒部材B470が開放位置に変位されるようにし、その後でスライド部材B450が前進位置に配置される際には傾倒部材B470が閉鎖位置に配置されるような作動パターンを追加しても良い。この場合、傾倒部材B470に球が拾われることを防止し易くすることができる。
上記第54実施形態では、傾倒部材B470が閉鎖する際に球を挟んだ場合においても先端部B451で球を拾い難く構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、そもそも、傾倒部材B470に球が到達し得るタイミングにおいて傾倒部材B470の閉鎖動作が生じないようにソレノイドBSOL41を駆動させるように設定しても良い。この場合、傾倒部材B470の閉鎖をスムーズに実行することができる。
また、傾倒部材B470に球が到達し得るタイミングにおいては、傾倒部材B470は開放動作のみが生じるようにソレノイドBSOL41を駆動させるように設定しても良い。この場合、球の重みが傾倒部材B470を開放させる方向に作用することから、傾倒部材B470の開放を補助することができると共に、傾倒部材B470から第1部材B481及び第2部材B485を介してスライド部材B450に負荷を伝達させることにより、スライド部材B450の後退位置へ向けた動作をスムーズに行わせることができる。
上記第54実施形態では、待機時間Bt1a~Bt3a及び動作時間Bt1b~Bt3bから設定される作動パターンBRP1~BRP3が繰り返し実行されることにより、入賞ユニットB400を流下する球の流下経路が切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基準の作動パターンとしては動作時間のみが設定され、待機時間の代わりに第2図柄の変動表示にかかる時間が設定されるようにしても良い。
例えば、基準の作動パターンとして動作時間を3.9秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を0.1秒で設定する場合、その0.1秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第1の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
また、例えば、基準の作動パターンとして動作時間を0.2秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を1.8秒で設定する場合、その1.8秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第2の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
また、例えば、基準の作動パターンとして動作時間を2.0秒で設定し、第2図柄の変動表示にかかる時間を2.0秒で設定する場合、その2.0秒が非励磁状態で維持される時間となるので、結果的に第3の作動パターンで動作するのと同様の動作態様を実現できる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に釘BKG1が配設され、釘BKG1の状態次第で、入賞ユニットB400の内部流路から下方へ流下した球の第3入賞口B64bへの入球確率が変化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に、第58実施形態で説明した切替装置B5770が配設され、切替装置B5770の動作に対する球の入球タイミング次第で、第3入賞口B64bに入球されるか否かが決定されるものでも良い。この場合、釘BKG1の状態に左右されずに第3入賞口B64bへ入球させることができる。
また、例えば、入賞ユニットB400と第3入賞口B64bとの間に、2個(又はN個)に1個の割合で第3入賞口B64b側に球を導入する振分装置(例えば、シーソー機構)を配設しても良い。この場合、釘BKG1の状態に左右されずに、振分装置により2個(又はN個)に1個は第3入賞口B64bに入球させることができるので、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
上記第54実施形態では、スルーゲートB66,B67の上側を流下する球が、釘BKG1によりスルーゲートB66,B67に導かれるように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、スルーゲートB66,B67への案内に、釘BKG1に代えて、又は釘BKG1と組み合わせて、樹脂材料による構造物を使用しても良い。この場合、樹脂材料による構造体が釘BKG1よりも状態の変化が生じにくいので、スルーゲートB66,B67への球の案内を安定させることができる。
また、例えば、釘BKG1の配設個数を減らしたり、配設位置を変えたりすることにより、スルーゲートB66,B67の上側を流下する球が全てスルーゲートB66,B67を通過するのではなく、一部の球はスルーゲートB66,B67から逸れて流下するように構成しても良い。
上記第54実施形態では、傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能であり、傾倒部材B470に拾われなかった球が第3入賞口B64bに入球することで特別図柄1の抽選を獲得可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、抽選を獲得可能な特別図柄の割り振りを逆転させる(傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄1の抽選を獲得可能であり、傾倒部材B470に拾われなかった球が第3入賞口B64bに入球することで特別図柄2の抽選を獲得可能とされる)ようにしても良い。この場合、大当たり終了後の電動役物B640aの作動パターンを、大当たりA,aの場合に第2の作動パターンとして、大当たりB,C,b,cの場合に第3の作動パターンとすれば、第54実施形態で説明した遊技性と同様の遊技性を保つことができる。更に、第54実施形態で説明した場合と異なり、第3入賞口B64bに球が入球し易い状態において小当たり遊技が発生し易く、特定入賞口B65aに球が入球し易いよう構成されることから、第3入賞口B64bから零れた球が特定入賞口B65aに拾われる事態を生じさせ易くすることができる。
また、例えば、傾倒部材B470に拾われた球が検出されることで特別図柄2の抽選を獲得可能な条件下で、第3入賞口B64bに入球することでも特別図柄2の抽選を獲得可能としても良い。この場合、特定入賞口B65aを入賞ユニットB400の左右外端よりも左右方向外側に張り出さない寸法および位置で配設するようにしても良い。
電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下したほとんどの球が入賞ユニットB400から排出され第3入賞口B64b側へ流下する。一方で、電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下したほとんどの球が傾倒部材B470に拾われることで、第3入賞口B64b側へは流れ出ない。そして、特定入賞口B65aは、入賞ユニットB400から排出され第3入賞口B64b側へ流下した球の内、第3入賞口B64bから零れた球を受け入れるよう配設されることで、新たな遊技性を構成することができる。
即ち、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動されるか、第3の作動パターンで駆動されるかに関わらず、特別図柄2の抽選を獲得可能とされる。そのため、小当たり遊技として特定入賞口B65aの開閉が頻繁に生じ得る。
ここで、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動される場合には、先端部B451に拾われて入賞ユニットB400の内部を流下した球のほとんどが第3入賞口B64b側へ流下するので、その内の何割かが第3入賞口B64bから零れて特定入賞口B65aに入球することで、遊技者は多量の賞球の払い出しを受けることができる。
一方、電動役物B640aが第3の作動パターンで駆動される場合には、ほとんどの球が特定入賞口B65a側に向かわない(傾倒部材B470に拾われる)ので、特定入賞口B65aへの入球が生じ難く、遊技者は多量の賞球の払い出しを受けることはできない。
このように、電動役物B640aが第2の作動パターンで駆動されるか、第3の作動パターンで駆動されるかに関わらず、遊技者は特別図柄2の抽選を獲得可能とされることから特定入賞口B65aの開閉が頻繁に生じるが、電動役物B640aの作動パターンの違いによって特定入賞口B65aへ球が案内される確率が変化することで、特定入賞口B65aの開放時(小当たり遊技発生時)に特定入賞口B65aに入球させ多量の賞球が得られる場合と、そうでない場合とを生じさせるという遊技性を構成することができる。
上記第54実施形態では、入賞ユニットB400に流入した球により遊技者が得られる利益として、球が検出センサB435の開口B435aを通過した場合には特別図柄の抽選はされず、賞球の払い出しのみがされる一方で、球が第3入賞口B64bを通過した場合には特別図柄1の抽選がされ、賞球の払い出しもされるよう設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が検出センサB435の開口B435aを通過した場合に特別図柄1の抽選がされ、賞球の払い出しもされる一方で、球が第3入賞口B64bを通過した場合に特別図柄の抽選はされず、賞球の払い出しのみがされるよう設定しても良い。
この場合、第1の作動パターンでは、球が稀に開口B435aを通過することで、第1入賞口B64への入球数に加えて開口B435aを通過することで特別図柄1の抽選頻度が増加する。
第2の作動パターンでは、球は先端部B451に拾われ電動役物B640aの励磁状態において傾倒部材B470の正面側を通り第3入賞口B64bに入賞しやすくされるので、入賞ユニットB400に流入した球によって特別図柄の抽選頻度は増加されず、賞球の払い出しが多くなる。入賞ユニットB400は、開口B435aを球が通過可能に開放されている場合においても開口B435aの球の通過は10個に1個の割合とされることから、動作時間Bt2bの開口B435aの開放では球が開口B435a側に流入することはほとんどない。そのため、第2の作動パターンにおいて、特別図柄1の抽選頻度の上昇はほとんど起きない。
第3の作動パターンでは、待機時間Bt3aにおいて先端部B451に拾われた球は、動作時間Bt3bにおいて傾倒部材B470に拾われ易いので、特別図柄2の抽選頻度が増加する。また、動作時間Bt3bにおいては、先端部B451の正面側を球が通り開口B435aを通過し得るので、特別図柄1の抽選頻度も増加する。
また、検出センサB435aの開口B435aを、アウト口(賞球の払い出し無し、図柄抽選無しであり、遊技領域から球を排出する開口部)として、単に球の通過を計数するためのセンサとして利用しても良い。この場合、開口B435aにより、開口B435aを球が通過する頻度を計測することができる。
また、第2入賞口B640の機能と、第3入賞口B64bの機能とを逆で設定しても良い。この場合、特殊確変状態とする場合の作動パターンを第2の作動パターンとし、確変状態とする場合の作動パターンを第3の作動パターンに設定すれば良く、第3入賞口B64bに球が入球する抽選で小当たりを発生させ、第3入賞口B64bから逸れた球が特定入賞口B65aに入球し得るパチンコ機を構成することができる。
これにより、第3入賞口B64bの真上に配置される釘BKG1の状態として、球が第3入賞口B64bに入り易ければ、小当たりは生じ易いが第3入賞口B64bから逸れる球は少ないために特定入賞口B65aの入賞数が過多となることは抑制できる一方で、第3入賞口B64bの真上に配置される釘BKG1の状態として、球が第3入賞口B64bに入り難ければ、小当たりは生じ難いが第3入賞口B64bから逸れる球は多いために一旦特定入賞口B65aが開放されれば多量の球を特定入賞口B65aに入球させ得る。即ち、第3入賞口B64bへ入球し易いかどうか(有利不利)と、特定入賞口B65aへ入球し易いかどうか(不利有利)とがバランスするパチンコ機を構成することができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700において、貯留板部B715間に球が4個まで貯留可能な場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715が間に球を1個だけ配置可能な形状で形成されるようにしても良い。この場合、貯留板部B715間で停留される球は移動床部材B740に乗っており、その球に衝突した球を検出センサB750の開口部B751に流入させることができる。この場合、球が検出センサB750の開口部B751を通り易い状態にあるか否かを、貯留板部B715間における球の有無を確認することで容易に把握することができるので、貯留板部B715間の球の個数を数える必要がある場合に比較して遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700において、貯留板部B715の左右両側において複数の検出センサB750が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサB750の配設個数は1個でも良い。また、1個配置する場合において、貯留板部B715の左右に配置されるいずれかを残し、何れかを除外するようにしても良いし、貯留板部B715の前後に位置ずれして検出センサB750が配置されるようにしても良い。
貯留板部B715の正面側に検出センサB750が配置される場合には開口部B751を通過する球を遊技者に見せ易くすることができる。一方、貯留板部B715の背面側に検出センサB750が配置される場合には開口部B751を通過する球が貯留板部B715に貯留される球に隠される作用を付加することができるので、開口部B751に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700において、ラウンド遊技における規定個数と貯留板部B715間に貯留可能な球の個数との関係が、10個対4個である場合を説明したが、個数の関係は任意に定められるものであり、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、10個対10個とする場合、上側可変入賞装置B700に対して、規定個数を超える個数の球の入賞(11個以上の入賞、オーバー入賞)があった場合に、開口部B751を球が通過するパチンコ機を構成することができる。この場合、規定個数の入球に留まる場合に比較してラウンド遊技において得られる賞球個数が増加する喜びと、大当たり遊技が終了した後に移行される遊技状態が有利な状態になることに対する喜びとを、遊技者に同時に与えることができる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730を駆動する駆動装置とは別で移動床部材B740を駆動する駆動装置を設けるようにしても良い。
この場合の動作パターンは、上記第54実施形態で説明したような動作パターンに加えて、多種多様な動作パターンを構成することができる。例えば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された場合に、移動床部材B740を後退位置に配置することもできる。この場合、移動上蓋部材B730の正面側を通過した球が貯留板部B715の間の位置に貯留されないようにすることができるので、球が開口部B751に入球する可能性を低めることができる。
また、例えば、移動上蓋部材B730が後退位置に配置された場合に、移動床部材B740を単独で前後(繰り返し)動作させるようにしても良い。この場合において、移動床部材B740が後退位置に維持される期間が0.2秒よりも長い場合には貯留板部B715の間の位置から球を排出させることができ、一方、移動床部材B740が後退位置に維持される期間が0.2秒よりも短い場合には貯留板部B715の間の位置に球を留めることができる。
また、例えば、移動上蓋部材B730が前進位置に配置された場合に、移動床部材B740を前進位置に配置することもできる。この場合、ラウンド遊技中に移動上蓋部材B730が開閉を繰り返すような駆動態様であっても、貯留板部B715の間の位置に球が貯留される状態を維持することができる。更に、移動上蓋部材B730が前進位置に配置されてから、移動床部材B740を前進位置から後退位置に変位させるまでに数秒のタイムラグが生じるようにすることで、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される直前に多数の球がまとまって入球したような場合に、それらの球が開口部B751側に到達し、開口部B751を通過し得るタイミングまで貯留板部B715の間の位置から球を排出しないようにすることができる。
上記第54実施形態では、上側可変入賞装置B700は、大当たり遊技において開閉される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側可変入賞装置B700が小当たり遊技において開閉されるよう構成し、検出センサB750を、開口部B751を球が通過することにより大当たり遊技を実行可能とするための検出センサとして構成しても良い。
ここで、小当たり遊技における上側可変入賞装置B700の開放時間の合計が1.8秒までとされる場合において、移動上蓋部材B730を後退位置に配置したら0.12秒経過する度に前進位置に配置させるという規則で移動上蓋部材B730を前後に繰り返し変位させる状態において、移動上蓋部材B730を後退位置に15回まで配置することができる(0.12×15=1.8)。
移動上蓋部材B730が前進位置に配置される場合において貯留板部B715の間の位置に配置される球が排出されないよう移動床部材B740が駆動される場合、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態で移動上蓋部材B730の正面側を流下した球を貯留板部B715の間の位置に貯留することができ、球を開口部B751に入球させ易い。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満とされる駆動態様に対応する。
一方、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される場合において貯留板部B715の間の位置に配置される球が排出され得るよう移動床部材B740が駆動される場合、移動上蓋部材B730が後退位置に配置される状態で移動上蓋部材B730の正面側を流下した球が貯留板部B715の間の位置から次々に排出され、球を開口部B751に入球させ難い。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上とされる駆動態様に対応する。
小当たり遊技は、予め規定された駆動パターンで移動上蓋部材B730及び移動床部材B740が開閉されることになる。移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合には、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間に多数の球を上側可変入賞装置B700に入球させることが好ましいが、例えば、0.1秒と0.3秒との違いを見分けることは困難である。
そこで、小当たり遊技の駆動パターンとして、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間よりも、発射した球が到達するまでの期間だけ前倒ししたタイミングで、上側可変入賞装置B700へ向けて球を発射することを促す報知を実行するようにしても良い。この報知に従い球を発射すれば、貯留板部B715の間の位置に球を貯留させ開口部B751に球を入球させ易くすることができる。このように、球の発射の適切なタイミングを報知するようにすることで、報知外のタイミングで球を発射することによる球損の発生を回避し易くすることができる。
小当たり遊技の駆動パターンとして、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される期間が2回用意され、その間に移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上の状態が繰り返される期間が配置されるようにする場合、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される1回目の期間において球が開口部B751に入球しなかった場合に、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒未満の状態が繰り返される2回目の期間の前に、上側可変入賞装置B700へ向けて球を発射することを促す報知を実行するようにしても良い。
この場合、例えば、球発射装置の詰まりなどで球を発射できていなかった場合においても、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される状態が0.2秒以上の状態が繰り返される期間が長めに(例えば、15秒で)設定される場合には、その間に球発射装置の詰まりを修復できる可能性を高めることができる。
なお、発射した球が到達するまでの期間だけ前倒ししたタイミングは、上側可変入賞装置B700の配置次第で変更され得る。上記第54実施形態のように遊技領域の上端部付近に配置される場合には1~2秒とされるが、遊技領域の右下端位置等に配置される場合にはもっと長く、その上流側における球経路(釘BKG1により形成される経路または樹脂部材により流路形成される経路)の長さによっては、5~10秒程度の長さまで幅が生じる。
また、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが連動する場合を例示したが、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが独立で駆動するように構成される場合において、移動床部材B740が後退位置に配置される期間が0.2秒未満となる駆動態様で繰り返し動作される期間を狙って、上述の報知を行うようにしても良い。
この場合、移動床部材B740の動作態様と、移動上蓋部材B730の動作態様とは対応しないので、移動上蓋部材B730が前進位置に配置される期間の長さを見て、移動床部材B740の動作と対応付けることは困難となる。従って、上述の報知に対する注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間に球が貯留されている間において、球を開口部B751に入球させ易い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、動作により、開口部B751に球を誘導する誘導状態と、誘導しない非誘導状態とで状態が変化される状態変化手段が配設され、その状態変化手段の動作は、一対の貯留板部B715から排出された球の運動エネルギーにより行われるよう構成しても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間から球が排出された後において開口部B751に入球させ易くできる遊技機を構成することができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715への球の進入を、球によって妨害する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の貯留板部B715の間の領域への球の入球の可否を切り替える開閉手段を配設しても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間の位置が球で満タンになる前においても、開閉手段により一対の貯留板部B715の間に球が進入できない状態を構成することができ、球が開口部B751を通過する事態を生じさせることができる。
この場合において、開閉手段の大きさとして種々の態様を例示することができるが、正面視における大きさが球の大きさよりも小さくすることで、開閉手段を目立たせないようにすることができ、球が開口部B751へ流入するタイミングを遊技者に予測され難くすることができる。
また、開閉手段の正面視における大きさを球の大きさよりも大きくすることで、開閉手段の状態を遊技者に把握させ易くすることができ、球が開口部B751へ流入するか否かを判別し易くすることができる。
上記第54実施形態では、第2特定入賞口B700aを通過した球は一対の貯留板部B715の間の領域に高確率で案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715と第2特定入賞口B700aとの間に球と接触可能な配置で釘BKG1が配設されるようにしても良い。
これにより、一対の貯留板部B715の間の領域が満タンになる前に、釘BKG1と衝突した球が検出センサB750の開口部B751を通過するイレギュラー入賞が誘発され易くなるようにすることができる。特に、第2特定入賞口B700aを複数の球が連なって通過した時など、球同士の接触により流下が乱れた場合にイレギュラー入賞が誘発され易くなる。
一方で、釘BKG1は、一対の貯留板部B715に貯留されている球とは非接触となるような位置に配置される。これにより、一対の貯留板部B715に貯留された球の排出をスムーズに行わせることができる。
なお、球と接触可能な配置で配設されるのは、必ずしも釘である必要はない。例えば、基礎板部材B710から前側に突設される突設部を構成し、この突設部と球とが衝突するようにしても良い。この場合、釘BKG1の場合に比較して、突設部の形状の設計自由度を向上させることができる。例えば、左右方向に長く開口部B751に近づく程に下降傾斜する突条状に形成することで、開口部B751に球が案内される可能性を高めることができる。
また、例えば、基礎板部材B710の正面側に可動部材を配設するようにし、その可動部材に衝突した球が、可動部材により勢いを付けられることで、球が開口部B751に案内され得るようにしても良い。可動部材の動作は、回転動作でも良いし、直線方向のスライド動作でも良いし、それらの組合せによる動作でも良い。
また、例えば、第2特定入賞口B700aが左右方向に往復変位したり、検出センサB750及び貯留板部B715が左右方向に往復変位したりすることで、タイミング次第で、第2特定入賞口B700aを通過した球が一対の貯留板部B715側ではなく、検出センサB750の開口部B751側に流れる場合が生じるようにしても良い。
上記第54実施形態では、第2特定入賞口B700aの真下に球が貯留される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B700aの下流側に斜め下方に延びる球通路が形成され、その球通路の下流側端部に検出センサB750の開口部B751が形成され、球通路の途中位置において球貯留部が下方に延び、その球貯留部の下端に移動床部材B740が配設される構成において、球貯留部が満タンになると後追いの球が球貯留部の最上部の球の上を転動して球通路を下流側に流れ、その球が検出センサB750の開口部B751を通過するように構成しても良い。
また、第2特定入賞口B700aの開口方向は斜め方向に向いていても良く、その第2特定入賞口B700aを開閉する部材はスライド変位するものでなくても、回動変位するもの(例えば、一対の開閉部材で構成されるチューリップタイプの一の開閉部材を利用したもの)でも良い。
なお、第2特定入賞口B700aの下流側に斜め下方に延びる球通路の方向は何ら限定されるものではない。例えば、正面視で斜め下方(左右側へ向かうにつれて下方へ向かう斜め)でも良いし、左右方向視で斜め下方(前後側へ向かうにつれて下方へ向かう斜め)でも良い。
特に、後側へ向かうにつれて下方へ向かう斜めの場合、開口部B751を、球貯留部よりも手前側に配置することができる。これにより、球貯留部に貯留される球よりも、開口部B751を通過する球を目立たせることができるので、開口部B751における球の通過を遊技者が視認し易くすることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の上端部に球が配置されるために一対の貯留板部B715の間に配置する必要のある球の個数が一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間経過に合わせて移動床部材B740の上面の上下位置が上下方向に変化することや、移動床部材B740として貯留板部B715の下端の球を乗せる板部材が複数枚で上下方向に並設され上から順に開放されるように動作すること等により、一対の貯留板部B715の間に配置される複数の球の内、最下端に配置される球の上下位置を変化させることで、一対の貯留板部B715の上端部に球が配置されるために一対の貯留板部B715の間に配置する必要のある球の個数が変化するようにしても良い。
また、一対の貯留板部B715の左右間隔が変化するように貯留板部B715が変位可能に構成されても良い。この場合において、左右間隔が球の直径よりも若干長い間隔である場合には4個で満タンになるとしても、左右間隔が球の直径の2倍よりも若干長い間隔である場合には8個で満タンになるので、検出センサB750の開口部B751に球を通過させる難易度を変化させることができる。
また、4個で満タンになるように構成する場合であっても、一対の貯留板部B715の左右間隔が球の直径よりも若干長い間隔である場合に比較して、一対の貯留板部B715の左右間隔が球の直径の2倍よりも若干長い間隔である場合の方が、貯留板部B715の上下長さを半分にすることができるので、球を貯留するための高さ寸法を短くすることができる。これにより、貯留板部B715の設計自由度を向上させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に配置される球を常に視認できるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715の間の位置における球の視認性を低下可能に構成する(例えば、可動部材で目隠しするように構成したり、光の加減で見え難くするように構成したりする)ようにしても良い。この場合、一対の貯留板部B715の間の位置で球が満タンになるタイミングを遊技者に予想され難くすることができる。
なお、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留される球の個数が4個の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。0個でも良いし、1個でも良いし、3個でも良いし、5個以上でも良い。例えば8個(規定個数に近い数字)とすることで、第3の特別作動パターンにおいて検出センサB750の開口部B751に球が通過する可能性を大きく低下させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留され、移動床部材B740が後退位置に配置されることで流下される球は球抜き開口B782を通り遊技領域から排出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動床部材B740が後退位置に配置されることで流下される球が、複数孔を有するクルーンに排出されるようにしても良い。
このクルーンは、複数孔の内の1つを検出センサB750の開口部B751と同様の機能を有する特定孔とすることで、ラウンド遊技中に球が開口部B751を通過することが確認できないままに移動床部材B740が後退位置に配置され、一対の貯留板部B715の間の位置から球が流されたとしても、遊技者はクルーンの特定孔に球が入球することによる利益を獲得できる可能性があるので、一対の貯留板部B715の間の位置から流された球に対する注目力を向上させることができる。
上記第54実施形態では、一対の貯留板部B715の間の位置に貯留された球ではなく、その貯留された球の後追いの球が開口部B751を通過し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貯留板部B715の途中部分が開閉可能に構成されており、その開閉部分の下流側にも検出センサB750が配設されており、貯留板部B715の途中部分が開放されることで、一対の貯留板部B715の間に貯留された球の内のいずれかが流され、検出センサB750の開口部B751を通過し得るように構成しても良い。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730の駆動装置と移動床部材B740の駆動装置とが共にソレノイドB763であり、移動上蓋部材B730の動作と移動床部材B740の動作とが連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動床部材B740の駆動用にソレノイドB763とは別の駆動装置を設け、互いに独立して動作可能にしても良い。この場合、上記第54実施形態で説明した動作態様に加えて、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の双方が前進位置に配置される場合や、移動上蓋部材B730及び移動床部材B740の双方が後退位置に配置される場合を構成可能となる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730が左右両側に下降傾斜する板形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730を一方向に傾斜する平板形状で形成しても良い。この場合であっても、移動上蓋部材B730が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動床部材B740が前進位置へ変位するという動作の順番が好適に機能して、移動上蓋部材B730が後退位置に変位するのと同時に移動上蓋部材B730の正面側を流れた球が、移動床部材B740が前進位置に配置されるよりも前に移動床部材B740の正面側を通過するという事態を避けることができる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動床部材B740が前進位置へ変位する動作順序である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に変位しても良いし、動作順序が逆でも良い。
また、移動床部材B740が後退位置へ向けて変位開始するよりも若干早く移動上蓋部材B730が前進位置へ変位する動作順序である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730と移動床部材B740とが同時に変位しても良いし、動作順序が逆でも良い。
上記第54実施形態では、前進位置に配置される移動上蓋部材B730の上面を転動する球の背面側に配設される基礎板部材B710の前面が平滑面である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730の上面を転動する球の流下方向と交差する方向(例えば、上下方向)に長尺な突条形状で基礎板部材B710の前面から正面側へ突設される複数の減速突起が、球の流下方向に沿って並べられるようにしても良い。この代わりに、又はこれに加えて、移動上蓋部材B730の上面を階段状に形成して、球の流下速度を減速させるように構成しても良い。
これにより、移動上蓋部材B730の上面を転動流下する球の流下速度を低下させることができるので、移動上蓋部材B730の一度の開放(前進位置から後退位置に変位すること)で移動上蓋部材B730の正面側を通過する球の個数を多くすることができるので、移動上蓋部材B730が閉鎖状態(前進位置に配置された状態)とされた場合に一対の貯留板部B715の間から球が抜けていくという構成であっても、一対の貯留板部B715の間に球を溜めやすくすることができ、検出センサB750の開口部B751を球が通過する可能性を高めることができる。
上記第54実施形態では、移動上蓋部材B730の下流側に一対の貯留板部B715や移動床部材B740や検出センサB750が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材B730の構成を省略し、球が一対の貯留板部B715や移動床部材B740や検出センサB750の側へ常に流下可能な状態とされていても良い。
上記第54実施形態では、大当たり遊技において、1ラウンド目では移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能とされ、2ラウンド目以降のラウンド遊技では特定入賞口B65aが開放され特定入賞口B65aに入球可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。どのラウンド遊技でどちらの特定入賞口B65a,B700aに入球可能となるように制御するかは任意に設定可能とされる。
例えば、2ラウンド目以降のラウンド遊技においても移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御されても良い。この場合、特定入賞口B65aへの入球が小当たり遊技でのみ生じるように構成することができる(全ラウンド遊技において移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される場合に相当)ので、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数の設定が、大当たり遊技における賞球個数に影響を与えることを回避することができる。
そのため、例えば、第2特定入賞口B700aへの入球に対する賞球の払い出し個数よりも、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数を多く設定することで、大当たり遊技による賞球個数を抑える一方で、小当たり遊技による賞球個数が増大される遊技機を構成することができる。
また、例えば、第2特定入賞口B700aへの入球に対する賞球の払い出し個数よりも、特定入賞口B65aへの入球に対する賞球の払い出し個数を少なく設定することで、小当たり遊技による賞球個数を抑える(例えば、発射球と同等の賞球個数を維持する程度に抑える)一方で、大当たり遊技による賞球個数が増大される遊技機を構成することができる。
なお、複数のラウンド遊技において移動上蓋部材B730が動作され第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される場合、大当たり遊技後の遊技状態が開口部B751に遊技球が通過するか否かで変化するという事象については、第2特定入賞口B700aに入球可能となるように制御される少なくとも1のラウンド遊技において遊技球が開口部B751を通過すれば、開口部B751に遊技球が通過したと認められる。
上記第54実施形態では、特別図柄1の抽選で小当たりと判定されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない、例えば、特別図柄1でも特別図柄2でも小当たりと判定され得るようにしても良いし、特別図柄1で小当たりと判定され得る一方で特別図柄2では小当たりと判定され得ないように構成しても良い。
上記第54実施形態では、通常中の電動役物B640aの作動パターンが第1の作動パターンとされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、通常中の電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンとなるように構成しても良い。
この場合、通常中(特別図柄の低確率状態)から第2入賞口B640に球が入球し得ることになるが、特別図柄の低確率状態における特別図柄2の変動時間は、大当たりを除き長期間(本実施形態では10分)で設定されるので、特別図柄2の抽選で大当たりを獲得するようなことは稀であり、基本的には第1入賞口B64への入球による特別図柄1の抽選で大当たりを目指す遊技性を構築することができる。
この場合において、例えば、大当たりBの大当たり遊技を実行した後における遊技状態が次に大当たりを獲得するまでは高確率状態とされ、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が特別図柄の抽選が100回終了するまで継続するように設定すると、101回目の特別図柄の抽選以降において電動役物B640aを第3の作動パターンで動作させることになり、これは大当たりAの大当たり遊技を実行した後における遊技状態と同じである。即ち、大当たり遊技終了後に規定回数(上記第54実施形態では100回)の特別図柄の抽選を挟んで特殊確変状態に移行する場合を構成可能とすることができる。
なお、大当たりCの場合も、電動役物B640aの作動パターンが第2の作動パターンに設定される状態が特別図柄の抽選が100回終了するまで継続するように構成され、101回目の特別図柄の抽選以降において電動役物B640aは第3の作動パターンで動作するように制御されるが、特別図柄の低確率状態なので、単に通常状態へ移行することになる。
上記第54実施形態では、大当たり種別の振分けが特別図柄1と特別図柄2とで異なる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄1と特別図柄2とで大当たり種別の振分けが同じとなるように設定しても良い。この場合、どちらの特別図柄で大当たりを獲得したとしても差が生じないので、特別図柄1の大当たりに係る抽選と特別図柄2の大当たりに係る抽選とを同一視することができる。この場合、例えば、特別図柄2の抽選が長時間変動で実行される場合(例えば、10分の変動)を除外し、特別図柄1の抽選で選択される変動時間と同様の変動時間とすることで、あたかも、特別図柄の保留球数が8個(特別図柄1の保留球数4個と特別図柄2の保留球数4個との合計)である遊技機を構成することができる。
また、例えば、特別図柄1の大当たりの内、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別と、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる大当たり種別との比率(上記第54実施形態において1:1)と、特別図柄2の大当たりの内、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別と、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる大当たり種別との比率(上記第54実施形態において1:1)とを異ならせるように構成しても良い。
この場合において、特別図柄2の大当たりの方が、特別図柄1の大当たりに比較して、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態となる大当たり種別の割合が大きいように構成することで、特別図柄2の大当たりが連続して発生し易い状態に移行可能な遊技機を構成することができる。
上記第54実施形態では、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の表示と同時に方向操作部表示B816を表示可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出の後に、方向操作部表示B816を表示して音量光量を調整可能となる調整期間を設けるようにしても良い。この場合、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、調整期間の終了タイミングを意味すると同時に、大当たり遊技終了後の変動演出の開始タイミングを意味するので、遊技者は時間表示B811を視認しておけば、調整期間における音量光量の調整から変動演出の開始タイミング後の球発射までの行動を、適切なタイミングでスムーズに行うことができる。
エンディング演出の期間は大当たり種別により規定されるところ、エンディング演出の内部構成については大当たり種別が同じであっても変更可能となる。調整期間を設ける場合、調整期間が設けられていない場合に比較して、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出を実行する期間が狭められることになるが、いずれかの演出の継続時間を短くしたり、複数の演出を同時に行ったりすることで、遊技者に違和感を与えることなくエンディング演出を実行することができる。
調整期間を設けるか否かは、任意に設定することができるが、例えば、大当たり遊技中に実行される演出が、複数のバリエーションの内、特に光量が強くなり易い(光量最強)演出または特に音量が大きくなり易い(音量最大)とされた場合に、エンディング演出において調整期間を設けるようにしても良い。これにより、遊技者の遊技負担を低下させることができる。
調整期間を設けるかどうかとは無関係に、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の長さを変更することができる。例えば、大当たりが連荘している最中において、短期間に何度も見ても情報量が増加するわけではない社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の長さを短くしたり同時に表示したりすれば、その分だけエンディング表示演出を長くすることができる。エンディング表示演出は、実際に獲得できた賞球個数(現在実行中の大当たり遊技のみでも良いし、連荘中における累積でも良い)や、大当たり遊技終了後の遊技状態という、遊技者にとっての重要性が高い情報が表示されるので、表示期間を長くすることで、遊技者がその情報を見逃す可能性を低くすることができる。
例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態となる場合、連荘が途絶える可能性が高いので、その後遊技者が遊技を終えて離席する可能性が高い。そのため、エンディング演出においてカード忘れ防止表示演出の長さを長くすることで、遊技者がカードを持ち帰り忘れる可能性を低くすることができる。
例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が特殊確変状態へ移行する場合、遊技者の出玉への期待感が最も高まっているタイミングであるので、このタイミングにおいて社名表示演出を視認させることで、現在遊技しているパチンコ機および製造会社への印象が良くなるように図ることができる。また、大当たりが連荘すれば、ますます遊技者の期待感が高まっていくことから、連荘数が上がっていくほどに社名表示演出を長くするように設定することで、印象をよりよくさせることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において音量光量の調整が可能とされる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出において音量光量の調整が実行されたかを判定し、その判定結果が、エンディング演出終了後の変動演出の決定に影響を与えるよう構成しても良い。
例えば、変動演出として、通常の主図柄停止の報知に比較して、光量や音量が大きくなり易い特定演出(一発告知演出など)が用意されている場合に、直前のエンディング演出中に光量を下げる調整が実行されたにも関わらず、特定演出を実行すると、ただでさえ光で目が疲労していると考えられる遊技者に対して、更なる疲労を与える可能性があり、途中で遊技を中断する可能性がある。そこで、直前のエンディング演出中に光量を下げる調整が実行された場合には、特定演出は実行されないように制御することで、遊技者の疲労の回復を待ちながら遊技を継続させることができる。
また、大当たり遊技中において、大当たり遊技の終了後の遊技状態で流れる曲を変更する操作を遊技者が行った場合には、遊技者はその曲を聞きたいと感じているはずなので、現在実行中の大当たり遊技のエンディング演出において、方向操作部表示B816を表示する期間を確保するようにしても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出の終了タイミングで時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の終了タイミングにおいて普通図柄の変動表示が継続中であり、エンディング演出の終了タイミングと普通図柄の次変動の開始タイミングとの間に時間差がある場合には、その時間差の分、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングをエンディング演出の終了タイミングに対してずらす(遅らせる)ようにしても良い。これにより、エンディング演出の後で球を発射しているにも関わらず、大当たり遊技中から継続中の作動パターン(通常状態における作動パターン、第1の作動パターン)で電動役物B640aが動作している状態の入賞ユニットB400に球が入球するという事態を回避することができる。
即ち、エンディング演出の後で発射した球を、大当たり遊技終了後から移行した後の作動パターン(第2の作動パターン又は第3の作動パターン)で電動役物B640aが動作している状態の入賞ユニットB400に入球させることができる。
この場合においても、エンディング演出が終了したら、特別図柄の保留球があれば、エンディング演出の終了後に特別図柄の変動が開始される。一方で、時間表示B811の表示は継続して残したいので、例えば、主表示領域BDmにおいてはエンディング演出の表示を継続し、副表示領域BDsの小領域BDs3において特別図柄の変動を表示し、普通図柄の次変動が開始されるタイミングとなり次第、小領域BDs3の表示が主表示領域BDm3に拡大されながら移動するように構成しても良い。
画面上で特別図柄を移動させることになるので、低速変動中(リーチ等)になる前段階で移動させることが好ましい。そのため、上述のような表示態様(特別図柄の移動)は、エンディング演出の終了タイミングから普通図柄の次変動の開始タイミングまでの時間差の方が、特別図柄の低速変動中に移行するまでにかかる時間よりも短いという特定の条件が整った場合にのみ行うようにしても良い。
但し、変動演出の決定は、変動開始時にされるので、エンディング演出の終了よりも後になる。そのため、上述のような表示態様を行うことができるかどうかは、エンディング演出中には不明となるので、エンディング演出終了後に、上記特定の条件が整っていると音声ランプ制御装置B113に判定された場合に、終端位置B812を右方に移動させたり、「+2秒」等の数字を表示させたりすることで、球発射タイミングが後倒れしたことを報知するように構成しても良い。この場合、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達することで遊技者は球の発射を開始すると考えられるが、その直後に球発射タイミングが後倒れしたことの報知がされれば、それを見た遊技者は球の発射を停止させることができる。これにより、球損を最小限とさせることができる。
上記第54実施形態では、特定表示B810や枠ボタン表示B813等の表示が、第3図柄表示装置B81の表示画面の一部に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示画面の全体に表示される(全画面表示される)ように構成しても良いし、表示画面の異なる部分に表示されるようにしても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出において時間表示B811が初めから表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の途中から表示されても良いし、枠ボタンB22の操作により表示されるようにしても良い。また、枠ボタンB22の操作を行う度に、時間表示B811が表示されたり、時間表示B811の表示が消えたりするようにしても良い。
上記第54実施形態では、時間表示B811がバーとして表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示画面に任意の数字を表示し、その数字を目標値(例えば0(ゼロ))までカウントダウンさせていく表示としたり、目標値(例えば、600)までカウントアップさせていく表示としても良い。この場合、表示が目標値となるタイミング(時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングに相当)を遊技者が図り易くすることができる。
また、この表示は、第3図柄表示装置B81の表示画面において表示する場合に限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置B81とは別の第2の表示装置や、7セグメント表示器を用意して、それら第2の表示装置や、7セグメント表示器においてカウントダウン又はカウントアップさせる表示を実行しても良い。
なお、時間表示B811を、バーとカウントダウン(カウントアップ)との両方で表現するようにしても良い。例えば、時間表示B811をバーとして表示することに加えて、時間表示B811が終端位置B812に到達する数秒前(例えば3秒前)から、表示画面に数字(例えば3)を表示し、その数字をカウントダウンさせていく表示を実行しても良い。この場合、表示が0(ゼロ)となるタイミング(時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングに相当)を遊技者が図り易くすることができる。
上記第54実施形態では、枠ボタン表示B813が表示画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の操作が有効になる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813が表示されていなくても枠ボタンB22の操作が有効となる状態を構成可能としても良い。
上記第54実施形態では、枠ボタン表示B813が表示画面に表示されている場合において、枠ボタンB22の操作が有効になる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22の内部に発光手段が配設され、枠ボタンB22が操作可能なタイミングで発光手段が発光するように制御しても良い。この場合、操作対象(枠ボタンB22)の位置を遊技者に把握させ易くすることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において、社名表示演出は、大当たり遊技終了後に突入する遊技状態が、遊技者にとって最も有利な状態となる場合に実行され、カード忘れ防止表示演出は、大当たり遊技における払い出し個数が8ラウンド分の個数以上(所定の個数以上)である場合に実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出が実行される条件と、カード忘れ防止表示演出が実行される条件とを入れ替えても良い。
また、社名表示演出またはカード忘れ防止表示演出の少なくとも一方は、大当たり種別によらず、大当たり遊技の度に常に実行されるように設定しても良いし、所定の大当たり回数目(例えば、連荘中において奇数回目の大当たりとか、3の倍数の大当たり等)で実行されるように設定しても良い。
なお、エンディング演出の内容は、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、「パチンコは遊技です。のめり込みに注意しましょう」という、遊技者を落ち着かせるための文字列を表示したり、不慣れな遊技者等に向けて店員呼び出しボタンの説明をする動画を表示したり、可動役物を待機位置に復帰させるためのボタン操作について説明する動作を表示したりしても良い。これらいずれの表示を実行している間においても、枠ボタン表示B813を表示して枠ボタンB22の操作を促したり、時間表示B811を表示して次演出への移行タイミングを報知したりすることができる。
上記第54実施形態では、遊技者にとって最も有利な状態は、特殊確変状態である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技終了後の状態が、確変状態か時短状態(通常状態)かで異なる場合(特殊確変状態には移行しない場合)には、遊技者にとって最も有利な状態は確変状態とされる。
また、大当たり遊技終了後の状態が時短状態のみであり、時短状態が継続する抽選回数に差がある場合には、時短状態が継続する抽選回数が最も多くなる状態が、遊技者にとって最も有利な状態とされる。
また、大当たり遊技終了後の状態が確変状態のみであり、一方の大当たり種別では次回大当たりまで確変状態が継続される一方で、他方の大当たり種別では所定の抽選回数後は特殊確変状態に移行される場合(通常状態の電動役物B640aの作動パターンが第3の作動パターンとされる場合等)には、他方の大当たり種別の方が特殊確変状態において小当たり遊技中に得られる賞球分有利なので、遊技者にとって最も遊技な状態とされるのは他方の大当たり種別の大当たり終了後の状態とされる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において、エンディング表示演出が常に実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出が実行されない大当たり種別を構成しても良い。特に、賞球の払い出し個数が他の大当たり種別に比較して極端に少ない大当たり種別(例えば、突然確変大当たりや、突然通常大当たり等)の時には、エンディング表示演出を省略した方が賞球の払い出しが極端に少ないことを遊技者に意識させないようにすることができ、且つ、大当たり遊技終了後の図柄の変動を早期に開始させることができる。
また、特に、特殊確変状態と大当たり遊技との境目を目立たせずに遊技を行わせるための演出(例えば、小当たり遊技における賞球個数と大当たり遊技における賞球個数とを合算して表記する演出)を構成する際には、連荘中にはエンディング表示演出を省略し、連荘の終了時にエンディング表示演出を実行することで、遊技者に対して特殊確変状態と大当たり遊技とをまとめて一つの有利状態として見せることができる。
また、上述の内容はエンディング表示演出に限られるものではない。例えば、社名表示演出やカード忘れ防止表示演出についても、連荘に突入する最初の大当たりのエンディング表示において表示させる一方で、連荘中は大当たり種別に関わらず表示させないようにしても良い。
上記第54実施形態では、賞球表示B801と識別表示B802とが同じタイミングで画面に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球表示B801が画面に表示されてから、表示が切り替わった後で識別表示B802が表示されるようにしても良い。この場合、大当たり遊技で獲得した利益と、大当たり遊技から移行された後で獲得できる利益とを、分けて遊技者に理解させることができるので、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出におけるエンディング表示演出と、社名表示演出と、カード忘れ防止表示演出との長さをそれぞれ同一(5秒)に設定したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各演出の長さは、大当たり種別ごとに任意に設定することができる。例えば、カード忘れ防止表示演出の実行期間を他の演出に比較して長くする(例えば、10秒等)ようにしても良いし、カード忘れ防止表示演出を繰り返し実行するように構成しても良い。
また、繰り返し実行する場合には、連続で繰り返しても良いし、他の演出を挟んで繰り返すようにしても良い。例えば、カード忘れ防止表示演出の終了後に、エンディング表示演出(2回目)を表示させるように構成しても良い。この時、1回目のエンディング表示演出では賞球表示B801は表示するが識別表示B802及び信頼度表示B803を表示せず、2回目のエンディング表示演出において識別表示B802及び信頼度表示B803を表示して賞球表示は表示しないようにしても良い。
これにより、大当たり遊技で遊技者が獲得できた利益(賞球個数)を報知するタイミングと、大当たり遊技の終了後における遊技の状態を報知するタイミングとを分けることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。また、エンディング演出の終盤に遊技者の興味関心の高い内容(上述の例では識別表示B802)を表示することで、エンディング演出に対する遊技者の注目力を高い状態で維持することができる。
また、エンディング演出の所定のタイミングにおいて遊技者の興味関心の高い内容(上述の例では識別表示B802を表示可能とする場合に、その表示への切り替えタイミングの前に枠ボタンB22の操作を実行させるように演出しても良い。即ち、枠ボタン表示B813を行うことで、第3図柄表示装置B81に対する遊技者の注目力を高めると共に、枠ボタンB22の操作により遊技に参加している感覚を遊技者に与えることができ、枠ボタンB22の操作直後に識別表示B802を表示することで遊技者が識別表示B802を見逃す事態を回避し易くすることができる。
なお、エンディング演出の長さは数秒間に限定されるものではなく、その長さは任意に(例えば、大当たり種別に応じて)設定可能である。即ち、数秒で終了するエンディング演出の他に、数分を要するエンディング演出が用意されても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出におけるエンディング表示演出と、社名表示演出と、カード忘れ防止表示演出との長さをそれぞれ同一(5秒)に設定し、実行される演出の組合せ次第でエンディング演出の実行期間が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出の実行期間は固定にして、社名表示演出が短く設定される場合には、代わりにカード忘れ防止表示演出が長くなるように構成しても良い。
この場合、社名表示演出が短い期間で終了したことを把握できた遊技者は、その時点でカード忘れ防止表示演出が長くなることを知ることができるので、音量や光量の設定変更にかけられる時間が長くなることを把握することができ、遊技者の枠ボタンB22を操作する意欲を向上させることができる。
上記第54実施形態では、エンディング表示演出の後に社名表示演出が実行され、その社名表示演出の後に、カード忘れ防止表示演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出の表示順は任意に設定可能であり、社名表示演出の前にカード忘れ防止表示演出が実行されるようにしても良い。
また、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出のいずれか2つの演出が同時に実行される(並列で実行される)ように構成しても良い。この場合、表示の重なりを避けるために、第3図柄表示装置B81における表示位置を分けるようにすると良い。これによれば、エンディング表示演出、社名表示演出およびカード忘れ防止表示演出が順に実行される(直列で実行される)場合に比較して、演出を同時に実行させている分だけエンディング演出に要する時間を短くすることができる。
上記第54実施形態では、社名表示演出が実行されるとカード忘れ防止表示演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング表示演出と社名表示演出とが実行され、カード忘れ防止表示演出が省略される大当たり種別を用意しても良い。
上記第54実施形態では、エンディング表示演出の後で枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示され、設定を変更することができようになる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示され設定を変更することができる期間が経過した後で、エンディング表示演出が実行されるようにしても良い。
この場合において、枠ボタン表示B813や方向操作部表示B816が表示される期間は、エンディング演出に入ってから(最終ラウンドのラウンド遊技が終了してから)開始されるようにしても良いし、大当たり遊技における終盤のラウンド遊技の消化中から開始されるようにしても良い。いずれの場合でも、エンディング表示演出から変動演出への移行をスムーズにすることができる。
なお、方向操作部表示B816が表示され方向操作部B45を操作可能となるタイミングは、枠ボタンB22を操作した後に限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813が表示されず、枠ボタンB22の操作を介することなく、方向操作部表示B816が表示され方向操作部B45を操作可能とする場合があっても良い。
上記第54実施形態では、方向操作部表示B816が表示画面の中央に表示され、音量や光量の調整を行っている最中にも特定表示B810が表示画面の端側に移動した状態で視認可能とされており、カード忘れ防止表示演出が継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、離席しようとしている遊技者が音量や光量を改めて調整するはずがないという判断から、音量や光量の調整が実行されたらカード忘れ防止表示演出が消えるように構成しても良い。
上記第54実施形態では、枠ボタン表示B813の表示中に枠ボタンB22を操作したら調整画面に移行するように説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を押している間は調整画面に移行し、枠ボタンB22を離すと操作前の画面に戻るようにしても良い。これにより、音量や光量の設定変更のためには両手操作が最適であることを遊技者に分からせることができ、ハンドルB51から手を離させることができるので、エンディング演出中における球発射を抑制することができる。
なお、遊技者が枠ボタンB22を操作するまえから、「枠ボタンを押した状態で光量や音量の設定変更が可能です」と表示させても良い。これにより、両手操作が必要であることを遊技者に一度で把握させることができる。エンディング演出において両手操作をさせることで、発射しても遊技者にとって利益率の悪いタイミングにおける球の発射を抑制することができる。即ち、報知は、遊技球の発射を抑えた方が遊技者にとって利益が高くなる可能性があるタイミングにおいて、複数の操作手段を同時に操作させる態様で行うようにすれば良い。
また、例えば、枠ボタンB22を操作する度に、音量の設定変更が可能な状態(表示態様)と、光量の設定変更が可能な状態(表示態様)とを、切り替えられるようにしても良い。
また、例えば、エンディング演出中は、枠ボタンB22を押している間は調整画面に移行し、枠ボタンB22を離すと操作前の画面に戻るように制御される一方で、エンディング演出が終了して変動演出の表示画面に移行したら、枠ボタンB22を押していなくても音量や光量の調整を実行できるように制御しても良い。これにより、エンディング演出の終了後にまで両手操作が強いられることを防止することができるので、遊技者は、ハンドルB51を操作しながら音量や光量の設定変更をすることができる。
上記第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出の実行中に枠ボタン表示B813に従って枠ボタンB22を操作した場合に特定表示B810が画面の端側に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、社名表示演出の実行中に枠ボタン表示B813に従って遊技者が枠ボタンB22を操作した場合には、特定表示B810としての製造会社名(Aカンパニー)が第3図柄表示装置B81の画面の左上隅(端側)に移動され、それに続けて、特定表示B810にカード取り忘れ防止表示が表示されるようにしても良い。社名表示演出の実行中に、第3図柄表示装置B81の画面中央に方向操作部表示B816を表示させ、遊技者に対して音量や光量の設定変更が可能であることを報知するようにしても良い。
また、特定表示B810が表示画面の端側に表示された状態となっても、規定時間以内(例えば2秒以内)に音量や光量の設定変更が実行されなかった場合には、特定表示B810が画面中央(移動前の配置)に戻るように設定しても良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出において音量や光量の設定の変更を行うことができるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、エンディング演出から移行する特殊確変中、確変中や時短中における特別図柄の変動演出のパターンにバリエーション(第1の態様、第2の態様)が設けられている場合に、そのいずれを選択するかの設定の変更を行うことができるようにしても良い。ここで、第1の態様と第2の態様との組合せとしては、任意に設定可能であるが、例えば、白黒表示態様とカラー表示態様との組合せや、漫画的な表示態様とアニメ的な表示態様との組合せや、枠ボタンB22の連打操作を要求する表示態様と枠ボタンB22の長押し操作を要求する表示態様との組合せ等が例示される。
また、例えば、大当たり演出中や、変動演出中に流れる曲(主題歌等)の設定を変更可能な場合は、エンディング演出において曲の設定の変更を行うことができるようにしても良い。エンディング演出ではなく、ファンファーレ演出中でも良いし、ラウンド遊技中でも良いし、ラウンド間インターバル中でも良いし、それらを跨いだ期間でも良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出中に、時間表示B811及び終端位置B812によってエンディング演出の終了タイミングを報知したり、枠ボタンB22の操作に伴って表示演出が変化したりすることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出の終了タイミング又は発生タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、図柄の変動中やリーチ中に行われても良いし、エンディング演出を除く大当たり遊技中の演出中に行われても良い。
例えば、図柄の変動中やリーチ中に行われる場合において、報知される演出の終了タイミングは、特別図柄の変動が停止されるタイミングでも良いし、演出としての疑似連続変動が開始されるタイミングでも良い。前者の場合、特別図柄の保留球数が1減ることで新たな特別図柄の抽選を獲得できるようになるので、遊技者に対して球の発射を促すタイミングとして適切である。後者の場合、特別図柄の変動自体は数分にわたる場合に、その途中のタイミングで短く区切ることで、遊技者の集中力を保つことができる。
リーチ終盤での枠ボタン表示B813に伴う枠ボタンB22の操作が行われると、大当たりであれば大当たり用の表示画面に移行し、はずれであれば、はずれ用の表示画面に移行するように構成することで、枠ボタン表示B813を見ている遊技者に対して特別図柄の変動の結果を分からせ易くすることができる。
例えば、エンディング演出を除く大当たり遊技中の演出中に行われるようにしても良い。ラウンド中における、枠ボタン表示B813及び枠ボタンB22の操作は、例えば、昇格演出(例えば、ファンファーレ演出では4ラウンド大当たりであると演出上報知したが実際は15ラウンド大当たりであることを報知する演出など、ファンファーレ演出での報知により遊技者が得られると予想される利益よりも高い利益を遊技者が得られる大当たりであることを報知する演出)に利用することができる。
特に、上記第54実施形態のように、ラウンド遊技において開口部B751を球が通過するか否かで大当たり遊技終了後の遊技状態が変化する場合において、そのラウンド遊技中に枠ボタン表示B813を表示するようにし、遊技者に対して枠ボタンB22の操作を促すことで、遊技者の注意を開口部B751から逸らし、開口部B751を球が通過したか否かの確認をし損なう事態を生じさせることができる。
パチンコ機B10が、表示画面の正面側に張り出す可動役物を備える場合に、ラウンド中の枠ボタン表示B813に従う枠ボタンB22の操作があり、昇格演出を実行する時に可動役物が表示画面の正面側に張り出すように制御されると、遊技者としては可動役物の動きで昇格演出に成功したことが分かり易い。ラウンド中の枠ボタン表示B813に従う枠ボタンB22の操作があったとしても、昇格演出を実行しない時(ファンファーレ演出での報知と実際の報知が同じである場合)には可動役物が表示画面の正面側に張り出さないように制御することで遊技者に対して昇格演出に失敗したことを分からせ易い。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、所定時間第1図柄の抽選が行われないと実行される遊技説明表示演出(デモ画面)中に実行するようにしても良い。この場合、報知により、遊技説明表示演出が一巡したことを遊技者に分からせることができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、所定時間内で所定の検出口に球を通過させる遊技に関する演出において、所定時間内において所定の検出口を依然として球が通過していない場合に実行するようにしても良い。この場合、報知により、遊技者に球が検出口を通過していないことに気付かせることができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、大当たり遊技におけるファンファーレ演出中や、ラウンド間インターバルにおいて実行するようにしても良い。この場合、演出の終了タイミングで特定入賞口B65a又は第2特定入賞口B700aが開放されることになるので、遊技者は、球を発射するのに適したタイミングを容易に把握することができる。
また、例えば、演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化は、大当たり遊技におけるラウンド遊技およびラウンド間インターバルを複数含む期間中に行われるようにしても良い。これにより、単一のラウンド遊技やラウンド間インターバルとして設定される時間よりも長時間の演出を構成することができ、その長時間の演出の終了タイミングの報知や、枠ボタンB22の操作に伴う表示される演出の変化を実行可能とすることにより、遊技者を飽きさせることなく遊技に集中させることができる。
上記第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出がエンディング演出において実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1図柄の保留球数が0になってから、所定時間が経過した時に実行されるようにしても良い。この場合、大当たりを獲得する前の遊技者に対しても、カード忘れ防止表示演出を視認させることができる。
また、例えば、長時間(例えば、60秒以上)の第1図柄の変動開始時に実行されるようにしても良い。この場合、空き時間で飲み物等の購入をしようと考えている遊技者に対して、長時間の第1図柄の変動が開始されることを報知できると共に、離席時にカード忘れを起こさないように注意喚起することができる。
上記第54実施形態では、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間は、エンディング演出の終了までや、エンディング演出終了後の初回の変動中等までとされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1図柄の変動中における第3図柄の高速変動表示中や、第3図柄の中速変動表示中に設定されても良い。この場合、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間が終了するタイミングから、高速変動表示中から中速変動表示中へ移行するタイミングや、中速変動表示中から低速変動表示中(リーチ表示中等)へ移行するタイミングを、遊技者は把握可能となる。
また、特別図柄の変動中に亘って(低速変動表示中も含めて)、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間を構成可能としても良い。この場合において、方向操作部表示B816を小領域BDs3に表示するようにしても良いし、小領域BDs3と主表示領域BDmとで表示を入替可能としても良い。
この場合において、特別図柄の変動表示中において、調整可能とされる期間が用意されていることを示唆する報知が実行され、その後でその期間の報知が実行され、枠ボタン表示B813等がされ、方向操作部表示B816を表示可能となり音量や光量の調整が可能とされるというように、報知を段階的に行うように構成しても良い。この場合、特別図柄の変動表示中であっても、遊技者の興味を段階的に移すことができるので、調整可能とされる期間が用意されていることに遊技者が気づかない事態が生じることを回避し易くすることができる。
これに加えて、音量光量の調整が次変動以降も有効となるように制御しても良いし、音量光量の調整を行った際に変動していた特別図柄が大当たりとなった場合に、音量光量の調整を維持した状態で大当たり遊技を行うことができるように制御しても良い。
また、例えば、初回の変動中までに限られず、複数回目の変動が終了するまでは光量や音量が調整可能とされる期間が継続するように構成しても良いし、第1図柄の変動が所定の態様(例えば、長時間の変動や、大当たりを獲得する変動など)となるまでは光量や音量が調整可能とされる期間が継続するように構成しても良い。
また、大当たりとなった変動演出の後半においてや、ファンファーレ演出において、方向操作部表示B816が表示され光量や音量が調整可能とされる期間が用意されても良い。この場合、大当たり中の音量設定を行うことができ、期間の終了のタイミングから大当たり遊技の開始タイミングを遊技者は把握することができる。
上記第54実施形態では、終端位置B812が固定されており、時間表示B811が時間経過と共に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811の移動速度は一定速度とされても良いし、時間表示B811の移動速度が途中で変化可能に構成されても良い。また、例えば、時間表示B811の右端部が逆方向(左側)に移動する場合があるように構成しても良い。
また、例えば、終端位置B812が動くことができるように構成しても良い。即ち、時間表示B811の移動中に、終端位置B812も移動することで、時間表示B811が終端位置B812に到達するまでの時間を予想し難くすることができる。
なお、終端位置B812の移動は、時間表示B811が到達するのを待って、時間表示B811が到達した直後に移動するように構成しても良いし、時間表示B811が終端位置B812に到達する前において移動するように構成しても良い。
また、時間表示B811の移動先としての終端位置B812の移動方向は、左右方向に限定されるものではない。例えば、上下方向に移動しても良いし、渦を巻くように移動しても良い。これにより、時間表示B811が終端位置B812に到達するまでの時間を予想され難くすることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで、方向操作部816が表示画面の中央に表示され、特定表示B810は表示画面に隅に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を操作する前から特定表示B810が表示画面の隅に配置されていても良い。また、例えば、枠ボタンB22を操作することで表示画面の中央付近まで可動役物が張り出し、その可動役物に隠されない位置に特定表示B810の表示位置が変化するようにしても良い。
また、例えば、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで、特定表示B810が消えるように設定しても良いし、エンディング演出において枠ボタンB22を操作することで始めて時間表示B811および終端位置B812が表示されるように構成しても良いし、これらの組合せでも良い。
上記第54実施形態では、エンディング演出において音量を変更した場合、表示画面における横目盛り表示B818の表示態様が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これに加えて、又はこれに代えて、音量を変更した場合に所定のセリフが出力されるようにしても良い。
例えば、「カードの取り忘れにご注意下さい」というセリフが出力されるように構成する場合、遊技者が音量を変更する度に、遊技者に対してカード忘れに対する注意喚起を行うことができる。
また、セリフの内容、音量または音声(声色)が、変更後の音量に対応して変化するようにしても良い。特に、セリフの内容(例えば、「カードの取り忘れにご注意下さい」又は「カードを確実にお持ち帰り下さい」)や声色が変わる場合(例えば、異なるキャラクターの声色)には、遊技者が自分の好みの音量に設定することを容易にすることができる。
上記第54実施形態では、エンディング演出で注意コメント表示B815や第2注意コメント表示B819に表示されるコメントが、遊技者が設定変更できる対象と一致する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者が設定変更できる対象と一致しないコメントが表示されるようにしても良い。
この場合において、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合に、注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に「大当たり!?」や「大チャンス発生中」という期待表示(大当たりが獲得可能であるかもしれないと遊技者に期待させるコメント表示)を行うことで、遊技者はエンディング演出中に次の大当たりの獲得に期待することができるので、エンディング演出に対する遊技者の注目力を向上させることができると共に、遊技者の枠ボタンB22の操作意欲を高めることができる。
注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に期待表示がされ、既に大当たりの獲得が期待できる場合、球の無駄打ちを避けるため、大当たり遊技が開始されるまでは球の発射を控えることが通常である。そのため、エンディング演出の終了時点に合わせて時間表示B811を終端位置B812に到達させるようにしても、遊技者の注目力を高めることができない可能性が高い。
そこで、時間表示B811を、エンディング演出の終了時点で終端位置B812に到達させる態様ではなく、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成しても良い。この場合、時間表示B811及び終端位置B812に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
この場合において、時間表示B811及び終端位置B812は、エンディング演出において表示開始され大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングまで表示が継続されるようにしても良いし、エンディング演出においては表示されずにその後の変動演出への移行後に表示されるようにしても良い。
前者の場合、エンディング演出を見ている段階から既に大当たりを獲得できていることに遊技者は気付けるので、大当たり遊技の終了直後に球を発射する必要性はないことを遊技者は把握することができる。そのため、遊技者は球の打ち出しを抑えることができる。
後者の場合、エンディング演出から変動演出へ移行されたら大当たりとなる抽選の変動演出を待たずに時間表示B811及び終端位置B812が表示されても良いし、大当たりとなる抽選の変動演出が開始された後または変動演出の開始と同時に表示されるようにしても良い。いずれの場合であっても、遊技者は、変動演出が終了する前から大当たりとなることを把握することができるので、例えば、変動演出が長時間となる(例えば、1変動に10分を要する)場合であっても、遊技者は球の打ち出しを抑えることができるし、保留している始動入賞に大当たりがあることに気付かずに遊技機を離席するという事態を回避し易くすることができる。
なお、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合に、エンディング演出では期待表示を表示しないが、変動演出中に時間表示B811及び終端位置B812が表示され、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成しても良い。
なお、保留されている始動入賞の内に大当たりとなるものがある場合において、大当たりとなる始動入賞の個数に対応して表示態様を変えるようにしても良い。例えば、大当たりとなる始動入賞の個数が2個の場合に、「大当たり×2!?」との期待表示を注意コメント表示B815又は第2注意コメント表示B819に表示するようにしても良いし、「複数回大当たり!?」との期待表示として、複数の大当たりとなるが、大当たりとなる始動入賞が何個あるかは不明とするようにしても良い。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
この時、時間表示B811を、大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングで終端位置B812に到達させる態様で構成する場合には、エンディング演出の終了から最初に大当たりとなる抽選の変動演出が終了するタイミングとすることで、遊技者の気持ちを大当たり遊技へスムーズに移行させることができる。
また、遊技者が設定変更できる対象と一致しないコメントの表示位置を、小領域BDs3に設定し、枠ボタン表示B813の表示中に枠ボタンB22が操作されることで枠ボタン表示B813が消えたら、そのコメントを視認可能とするように構成しても良いし、コメントの表示を表示画面全体(全画面表示)に設定しても良い。この場合、遊技者の枠ボタンB22の操作意欲を高めることができる。
上記第54実施形態では、カード忘れ防止表示演出から次の変動演出に移行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、カード忘れ防止表示演出と次の変動表示画面との間に、第3図柄表示装置B81の表示画面に一枚絵(静止画)を表示させるようにしても良い。この場合において、一枚絵の表示開始時点で、図柄変動が開始される場合には、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、一枚絵が表示開始される時点に合うように設定すると良い。
また、大当たり遊技終了後の変動表示画面に移行してから暫くしてから図柄変動が開始されるようにしても良い。この場合には、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達するタイミングは、大当たり遊技終了後の変動表示画面に移行してからのタイミングに設定すると良い。
上記第54実施形態では、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達したタイミングを、遊技者が球を発射開始するのに適したタイミングとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811が、遊技者が球を発射することで所定の利益を得られる期間中に表示され、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達したタイミングを、遊技者が球の発射を終了するのに適したタイミングとして構成するようにしてもいい。この場合、時間表示B811が右方に移動している期間中において、遊技者に球を発射させることを促すことができ、且つ、適切なタイミングで球の発射を止めるように遊技者に促すことができる。
また、この場合において、時間表示B811の右端部が終端位置B812に到達する前のタイミングにおいて規定の条件が満たされた場合には、第3図柄表示装置B81の表示画面に「準備完了」等の文字列を表示したり、表示画面の表示を切り替えたりして、規定の条件が満たされたことを遊技者に報知するようにしても良い。この場合において、規定の条件が満たされた後においても時間表示B811の表示を維持したままにしても良いし、規定の条件が満たされた場合には時間表示B811の表示を消すようにしても良い。
例えば、特別図柄1(特別図柄2、又は両方)の保留球数が4個(満タン)になることを条件として表示画面に文字列が表示されるように遊技機が制御されていれば、遊技者は文字列を確認することで、球をこれ以上発射しても特別図柄1(特別図柄2、又は両方)の抽選を獲得することができないことを把握することができる。これにより、時間表示B811の移動速度を急激に変化させる等の制御をすることなく、適切なタイミングで球の発射を止めるように遊技者に促すことができる。
上記第54実施形態では、枠ボタンB22を押す前は注意コメント表示B815が表示されており、枠ボタンB22を押した後で第2注意コメント表示B819が表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、枠ボタンB22を押した後も注意コメント表示B815のみが表示され、方向操作部816及び縦目盛り表示B817は表示されるが、横目盛り表示B818の表示はされないように制御しても良い。この場合、枠ボタンB22を押す前から表示されていた注意コメント815の内容と、枠ボタンB22を操作することで設定の変更が可能になる対象(光量)が一致するので、枠ボタンB22の操作に対する遊技者の満足感を高めることができる。
例えば、枠ボタンB22を押す前において注意コメント表示B815が消えており第2注意コメント表示B819のみが表示されている場合には、枠ボタンB22を押した後も第2注意コメント表示B819が表示され注意コメント表示B815の表示はされず、方向操作部816及び横目盛り表示B818は表示されるが、縦目盛り表示B817の表示はされないように制御しても良い。この場合、枠ボタンB22を押す前から表示されていた第2注意コメント819の内容と、枠ボタンB22を操作することで設定の変更が可能になる対象(音量)が一致するので、枠ボタンB22の操作に対する遊技者の満足感を高めることができる。
これにより、遊技者は、自分が設定を変更したい対象(音量または光量)の設定を変更できるか否かを予め確認した上で、枠ボタンB22を操作するか否かを選択することができるので、枠ボタンB22の操作負担を低減することができる。
また、枠ボタン表示B813と、枠ボタンB22を操作した場合における操作対象とが別箇所に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B813の三角マークが音符になっている場合には、枠ボタンB22の操作により音量の調整が可能である一方で、枠ボタン表示B813の三角マークが電球マークになっている場合には、枠ボタンB22の操作により光量の調整が可能となるように制御しても良い。即ち、枠ボタン表示B813自体の表示態様を変化させることで、枠ボタンB22の操作により調整可能となる対象を報知するようにしても良い。
また、枠ボタンB22に対応する操作手段が複数あり、それぞれ形状が異なる場合には、枠ボタン表示B813として異なる形状に対応した表示を構成することができるので、枠ボタン表示B813によりどの操作手段を操作すればよいかを遊技者に報知することができる。この場合において、操作される操作手段に対応して、調整可能となる対象が変わるように構成しても良い。
上記第55実施形態では、スライド部材B2450が前突設部B2457と一体成形される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前突設部B2457とスライド部材B2450とが別体で成形され、スライド部材B2450が前後方向にスライド移動することに伴う負荷伝達により、前突設部B2457が上下方向に出没変位することで、球干渉突設部B2458a,B2458bが底面部B431aの上面から張り出す場合と、底面部B431aの上面から張り出さない場合とが切り替えられるように構成しても良い。
この場合、球干渉突設部B2458a,B2458bが前後方向に変位する場合に比較して、球干渉突設部B2458a,B2458bから球に対して与えられる負荷の、中央流路B2431における球の流下方向に沿う成分を小さくすることができるので、球干渉突設部B2458a,B2458bが前方へ変位した際に誤って球を加速させる事態が生じることを避け易くすることができる。
上記第57実施形態では、転動板部B4421と妨害棒部B4425とが一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動板部B4421に妨害棒部B4425を組み付け可能に構成することで、妨害棒部B4425を組み付けずに使用する場合と、妨害棒部B4425を転動板部B4421に組み付けて使用する場合とで、転動板部B4421を兼用することができ、転動板部B4421を共通部品化することによるコストダウンを図ることができる。
また、例えば、転動板部B4421と妨害棒部B4425とを別体で形成し、転動板部B4421の動作時に妨害棒部B4425が連動するよう構成しても良い。これにより、転動板部B4421と妨害棒部B4425との配置の自由度を向上することができる。なお、この場合において、転動板部B4421を駆動する駆動装置を、妨害棒部B4425を駆動する駆動装置と兼用するようにしても良いし、別の駆動装置を用意しても良い。
上記第57実施形態では、転動板部B4421の下流側端部が、案内部B4413の右端部よりも右側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動板部B4421の下流側端部が左方に延長され、案内部B4413の上面に被さるように形成されても良い。この場合、転動板部B4421の上面を転動して流下する球をスムーズに案内部B4413に乗せることができる。即ち、球の重みで転動板部B4421の高さ位置が下がり(沈み込み)、転動板部B4421の上面が案内部B4413の上面よりも低位置に配置され、転動板部B4421の下流側に到達した球が案内部B4413側に移る際の流下抵抗が大きくなる事態が生じることを防止することができる。転動板部B4421の上流側端部や、可変入賞装置B65の開閉部材の両端部においても同様のことがいえる。
上記第57実施形態では、電動役物B4420が前後方向にスライド変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動変位するように構成しても良い。回動変位の回転軸は、例えば、上記第57実施形態において転動板部B4421が出没する開口部(流路構成部B4410の背面側に形成される横長の開口部)において開口部に沿う方向に延びるように配設されても良い。
その回転軸から下方に垂れ下がるように横長矩形状の開閉板を形成する。開閉板が垂れ下がった状態が非案内状態に対応し、この状態において開閉板の下流側端部において妨害棒部B4425に対応するように球の通過を妨害可能な妨害部分が形成される。非案内状態から開閉板が起き上がる方向(後転方向)に90度回動されることで、開閉板が案内部B4413側に球を案内可能な状態とされ、この状態が案内状態に対応する。この状態において、妨害部分は流路構成部B4410の背面側に退避される。
このように構成することで、非案内状態において回転軸よりも板状部B4412側へ球が流れた場合であっても、開閉板が後転方向に変位する際の球の配置次第で、球を回転軸よりも上側に救い上げることができる。
また、回動変位の回転軸は、例えば、上記第57実施形態において転動板部B4421が出没する開口部の下端部において前後方向に延びるように配設されるようにしても良い。回転軸から、第57実施形態における案内状態と同様の方向に開閉板が延びる状態を案内状態として構成する。案内状態から、回転軸を中心に反時計回りに90度回転する状態(非案内状態に対応する)にまで開閉板が回動変位できるように、球入口B4411及び天井部B4414の上下配置が上方に引き上げられている。即ち、本構成によれば、案内状態から、開閉板が反時計回りに90度回動された状態が非案内状態として構成されることとなり、第57実施形態における転動板部B4421と、妨害棒部B4425とが、同じ部分により構成されることになる。
このように構成することで、開閉板が案内状態から非案内状態へ向けて回動される場合に、案内状態において開閉板の上面に乗っている球を、残らず案内部B4413側へ案内することができる。これにより、第57実施形態において電動役物B4420が案内状態から非案内状態へ向けてスライド変位される場合に、案内状態において転動板部B4421の上面に乗っている球がほとんど板状部B4412側に流下することに比較して、案内部B4413側へ球を容易に案内させることができる。
上記第58実施形態では、第2特定入賞口B700aと開口部B751との間に回転変位する球受回転部材B5771が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右に首振り可能に構成される回動部から形成され、球の流下経路を左右いずれかに振り分けるように動作可能としても良い。
また、例えば、スライド変位する開閉板を配設するようにしても良い。この場合において、開閉板を、一対の貯留板部B715の間の領域への流路または開口部B751の開閉に利用するようにしても良い。
また、開閉板が、一対の貯留板部B715の間の領域への流路または開口部B751上に配置されるように構成することで、球の流下経路を切り替えるように構成しても良い。即ち、一対の貯留板部B715の間の領域への流路が開放される一方で開口部B751が閉鎖される状態と、一対の貯留板部B715の間の領域への流路が閉鎖される一方で開口部B751が開放される状態と、を開閉板により切り替え可能に構成しても良い。
上記第58実施形態では、球受凹部B5772に球が1個ずつ受け入れられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1を超える所定数(例えば、2個ずつ)受け入れられるように構成しても良い。この場合、球受回転部材B5771が一定速度で回転動作する場合に、一対の貯留板部B715の間の位置に複数個(所定数)の球をまとめて入球させることができる。
上記第58実施形態では、球受回転部材B5771が時計回り方向に常に回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、常時回転動作することは同じとして、所定間隔で反時計回り方向に回転する動作タイミングを入れるようにしても良い。この場合、例えば、球受凹部B5772と流下規制部材B5778との間で球噛みが生じた場合であっても、回転方向が反転することにより球噛みの解消を図ることができる。
また、所定の大当たり種別の場合に、ラウンド遊技の初めの10秒間は球受回転部材B5771が停止され、10秒間が経過した後で球受回転部材B5771が回転動作されるようにしても良い。この場合、初めの10秒間において一対の貯留板部B715側(開口部B751側)に球が流下しないようにすることができるので、釘BKG1の状態として移動上蓋部材B730側に導かれる球よりも逸れる球の方が多いような状態の方が、初めの10秒間における第2特定入賞口B700aの入球個数を減らせることから、開口部B751を球が通過する可能性を高めることができる。
また、大当たり種別ごとに、球受回転部材B5771の回転方向や、回転速度(一定か可変かも含めて)や、回転方向の反転の有無等を設定するようにしても良い。この場合、球受回転部材B5771に対する注目力を向上させることができる。
上記第58実施形態では、第2特定入賞口B700aと球受回転部材B5771との間の距離が、第2特定入賞口B700aから球受凹部B5772に球が流れる際に球が横に零れない程度に狭い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B700aと球受回転部材B5771との間の距離が球の直径よりも長くされ、球受凹部B5772が球で満たされている場合に第2特定入賞口B700aを通過した球は横に零れて傾斜板部B5718bへ流れるように構成しても良い。
この場合、球受回転部材B5771の回転が停止されても第2特定入賞口B700aへの入球が滞ることが無いので、球受回転部材B5771を所定のタイミングで停止させる制御を行うことができる。
ラウンド遊技中において球受回転部材B5771を停止させる時には、次に球受回転部材B5771が動作開始されるまで球が一対の貯留板部B715の間の位置に流入しないようにすることができるので、一対の貯留板部B715の間の位置に球が導入されるタイミングや、開口部B751を球が通過するタイミングを遅らせることができる。
上記第59実施形態では、発射時間表示B6811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングから、時間表示B811の右先端部が終端位置B812に到達するタイミングまでに経過する所定の時間長さは、球が発射されてからスルーゲートB66,B67(目標示唆表示B6822により指し示される位置)に到達するまでに経過する平均的な長さよりも若干長くなるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球が発射されてからスルーゲートB66,B67に到達するまでに経過する平均的な長さを比較対象として、スルーゲートB66,B67への入球確率を加味して、より長い時間で上述の所定の時間長さを設計するようにしても良い。
上記第59実施形態では、第3図柄表示装置B81の表示画面に目標示唆表示B6822としてスルーゲートB66,B67を狙うことを促す表示を構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、大当たり遊技や、時短状態、確変状態または特殊確変状態における遊技が右打ちで行われる遊技機では、目標示唆表示B6822の代わりに「右打ち」との表示を表示画面に表示させるようにしても良い。また、目標示唆表示B6822が拡大されるタイミングでは、「右打ち」の表示が全体として大型化されるように構成しても良い。または、エンディング演出中に亘り「右打ち」の表示が第3図柄表示装置B81の表示画面のどこかにされるよう構成しても良いし、エンディング演出の途中から「右打ち」の表示が第3図柄表示装置B81の表示画面のどこかにされるよう構成しても良い。
例えば、目標示唆表示B6822がファンファーレ演出で表示される場合、上側可変入賞装置B700の第2特定入賞口B700aや開口部B751を狙うことを示唆するように目標示唆表示B6822を設計しても良い。この場合において、開口部B751で球の通過が検出されるまで、目標示唆表示B6822が、1ラウンド目のラウンド遊技中において表示画面に維持されるように設定される場合、遊技者は目標示唆表示B6822が消えることで球が開口部B751を通過したことを把握することができるため、目標示唆表示B6822に対する注目力を向上させることができる。
また、目標示唆表示B6822のように表示画面においてスルーゲートB66,B67を狙うことを促す方法の他に、例えば、遊技盤B13のスルーゲートB66,B67付近を発光させる発光手段を配設させておき、目標示唆表示B6822がされるタイミングに倣って発光手段を発光させるようにしても良い。これにより、遊技者は、光を頼りにして球を狙う位置を把握することができる。
また、目標示唆表示B6822は、エンディング演出において表示される場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、エンディング演出から変動演出に移行する場合に、その変動演出においても、所定期間は継続して目標示唆表示B6822の表示を維持するように構成しても良い。また、目標示唆表示B6822の表示期間は、所定の時間幅で設定されても良いし、目標とされる入球口での球の入球が(所定個数、例えば第1図柄の保留球数として許容される個数、本実施形態では4個)検出されるまで継続されても良い。
上記第59実施形態では、遊技停止示唆表示B6831が球の発射の停止を促すために使用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技停止示唆表示B6831を、枠ボタンB22の操作の停止を促すために使用するようにしても良い。これにより、枠ボタンB22の操作として不適切なタイミングとは知らずに枠ボタンB22を操作するような遊技者に対して、不適切なタイミングで枠ボタンB22を操作していることを分からせることができるので、遊技負担を低減させることができる。
また、遊技停止示唆表示B6831を、「右打ち」の実行を停止させることを促し、「左打ち」については停止させないような表記(例えば、「左打ちに戻してください」というコメント)で構成しても良い。
また、遊技停止示唆表示B6831の代わりに、電飾部B29~B33や表示ランプB34等を強烈に発光させたり、異常色(例えば、濃赤色)で発光させたりしても良いし、スピーカーから大音量で「球の発射を止めてください」とか「左打ちに戻してください」等のコメントを出力したりしても良い。
上記第59実施形態では、遊技停止示唆表示B6831が、エンディング演出の終了前にスルーゲートB66,B67での球の通過が検出された場合に表示されると説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、所定の入球口への球の入球が予定されていない期間であるにも関わらず、所定の入球口での入球が検出された場合に表示するようにしても良い。
所定の入球口としては、スルーゲートB66,B67に限られるものではなく、様々な入球口(一般入賞口B63、第1入賞口B64、第2入賞口B640、スルーゲートB67、特定入賞口B65a、第2特定入賞口B700a、開口部B751等)が例示される。
例えば、球の入球が予定されていない期間としては、エンディング演出の実行中の他に、右打ち機(時短状態など所定の期間において右打ちで遊技を行う遊技機)において、所定の期間以外の期間が例示される。即ち、所定の期間以外の期間に、遊技領域の右側に配置される入球口での入球が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示されるように設定することで、不適切なタイミングで遊技者が右打ちすることを抑止することができる。
また、例えば、球の入球が予定されていない期間としては、大当たり遊技におけるファンファーレ演出中やラウンド間第1インターバル時間BInt1が例示される。即ち、ファンファーレ演出中やラウンド間第1インターバル時間BInt1に、入球口での入球が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示されるように設定することで、特定入賞口B65aや第2特定入賞口B700aへの流下経路が開放されていない(閉鎖されている)タイミングにおける球の発射を抑制でき、無駄球の発生を最小限に抑えることができる。
上記第59実施形態では、遊技停止示唆表示B6831により即時の球の発射の停止を促す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の始動口(例えば、第2入賞口B640)の入球に伴う抽選の保留球数に対応して表示を変えるようにしても良い。
即ち、例えば、球の発射により所定の始動口への入球が期待できるよう制御され、保留球数が満タン(4個)となるまで余裕がある場合には(例えば、保留球数が2個の場合には)、遊技停止示唆表示B6831としてその余裕分として遊技者が把握できるコメントを表示したり(例えば、「あと2個」)、遊技停止示唆表示B6831は表示せずに遊技準備示唆表示B6841を表示したりして、保留球数が満タンとなったら、上記第59実施形態で説明したような遊技停止示唆表示B6831や、「準備完了」等のコメントのように球の発射が不要であることを示唆するように構成しても良い。
上記第59実施形態では、球の発射が検出された場合に遊技停止示唆表示B6831が表示され、球の発射の停止を促す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技停止示唆表示B6831の代わりに、又は遊技停止示唆表示B6831に合わせて、遊技者に利益の有る情報が表示(報知)されるように構成しても良い。これにより、球を無駄打ちしたという残念感だけが遊技者に与えられる場合に比較して、遊技者の残念感を低減させることができる。そればかりか、場合によっては、エンディング演出において遊技者が好んで球を発射するように仕向けることができる。
この場合において、遊技者に利益の有る情報としては、例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が第1図柄の低確率状態なのか第1図柄の高確率状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか確変状態なのか特殊確変状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後に所定の抽選回数が経過した後に電動役物B640aの作動パターンが変化するのか変化しないのかという情報や、現在保留されている第1図柄の抽選の保留球の中に大当たりとなるものがあるのか無いのかという情報や、遊技機が第1図柄の大当たり確率の設定を変更できる(例えば、低確率状態の大当たり確率を、1/320で設定する(設定1)か、1/256で設定する(設定2)かを変更でき、高確率状態の大当たり確率を、1/32で設定する(設定1)か、1/26で設定する(設定2)かを変更できる)よう構成される場合に現在の大当たり確率の設定が示唆される情報などが例示される。
上記第60実施形態では、光量や音量の設定変更を実行してから規定の時間が経過すると、設定変更がキャンセル(初期化)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、設定変更がキャンセルされる条件としては種々の態様が例示される。例えば、遊技が開始される前に表示画面において実行される遊技説明表示(所謂デモ画面)への移行を設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、時刻を判定できるように制御しておいて規定の時刻になることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、当日または複数日での大当たり回数が規定の大当たり回数とることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
また、所定のタイミング(例えば、遊技開始前における遊技説明表示において枠ボタン表示B813が表示されているタイミングや、遊技中において枠ボタン表示B813が表示されていないタイミング等)において枠ボタンB22が操作されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、エンディング演出中に所定の入賞口またはスルーゲートB66,B67で球の通過が検出されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、所定の大当たり種別の大当たりを獲得することを設定変更がキャンセルされる条件としても良いし、上皿B17に貯留される球の量が許容量を超えた場合に報知される球抜き報知が実行されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
また、右打ち遊技すべきではないタイミングにおいてスルーゲートB67で球の通過が検出されるなど球が右側遊技領域B303を流下していると判定された場合に行われるよう設定される報知であって、遊技者に左打ちで遊技を行うことを促すための報知(例えば、「左打ちに戻してください」等の音声を出力する報知、第3図柄表示装置B81の表示画面に左向きの矢印と「左打ちに戻してください」というコメントを表示する報知)が実行されることを設定変更がキャンセルされる条件としても良い。
上記第60実施形態では、エンディング演出において音量も光量も設定変更可能である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音量のみを変更できる状態と、光量のみを変更できる状態と、音量も光量も変更できる状態と、を切り替え可能に構成しても良い。この切り替えは、枠ボタンB22の操作で切り替えても良いし、実行される演出に対応して音声ランプ制御装置B113により切り替えられるようにしても良い。
上記第60実施形態では、音量や光量の設定変更がキャンセルされる直前における音量や光量の設定が過去光量表示B7817や過去音量表示B7818により遊技者が把握可能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、現在の状態と、直前の設定値との差を表す数値を、「+1」や「-2」等の表示や音声で報知しても良い。この場合、キャンセルされる前の設定に戻すために必要な操作を遊技者に把握させ易くすることができる。
上記第60実施形態では、音量や光量の設定がキャンセルされる前の状態における設定を示唆する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者が音量や光量の設定変更を実行している際に、設定変更前の設定が示唆されるように構成しても良い。この場合、遊技者が意図的に変更をかけたとしても、実際変更してみたら気に入らなかったというのであれば、元の設定に容易に戻すことができる。そのため、音量や光量の設定変更に対するハードルを下げることができる。
上記第61実施形態では、点在する枠ボタン表示B8813が合体したら実体化し、枠ボタンB22の操作が有効となる表示態様を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22の操作を促す表示としてではなく(操作に関わる表示であるか否かに関わらず)、エンディング演出の経過時間の目安となる演出として、半透明の枠ボタン表示B8813が所定のタイミングで実体化するように構成しても良い。
また、例えば、半透明な単一の枠ボタン表示B8813が移動または停止しており、所定のタイミングで半透明な状態と実体化される状態とで切り替えられるように表示しても良い。この場合、枠ボタン表示B8813が実体化されるタイミングを遊技者が予想し難くすることができるので、枠ボタン表示B8813に対する注目力を向上させることができる。
上記第61実施形態では、枠ボタン表示B8813が実体化するタイミングを枠ボタンB22の操作タイミングとして表示する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時間表示B811が移動する横長形状の枠に枠ボタンB22の操作タイミングを示唆するマークやコメント(「PUSH」等)などを表示するようにしても良い。この場合、時間表示B811を、エンディング演出の終了タイミングを示唆する目的と、枠ボタンB22の操作タイミングを示唆する目的とで兼用することができる。
上記第61実施形態では、点在している枠ボタン表示B8813が、移動して合体した後で更に離れる方向に移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B8813が合体して実体化した後、枠ボタンB22の操作が有効となる期間を過ぎたら、枠ボタン表示B8813が消えるように制御しても良い。
上記第61実施形態では、枠ボタン表示B8813が半透明か実体化しているかが、枠ボタンB22の操作が有効となるか無効となるかに対応する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタン表示B8813が実体化している期間において、枠ボタンB22の操作が無効となる状態と、枠ボタンB22の操作が有効となる状態とを構成しても良い。
例えば、枠ボタンB22の操作の有効または無効の切替のタイミングは上記第61実施形態で説明した態様と同じに設定しながら、カード忘れ防止表示演出が開始された直後から枠ボタン表示B8813が表示画面の中央で実体化されて表示されるように構成しても良い。
上記第61実施形態では、各期間BT81,BT82,BT83が枠ボタンB22の操作が無効になる期間と有効になる期間との区切りとして設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各期間BT81,BT82,BT83はそれぞれ枠ボタンB22の操作が有効とされ、各期間BT81,BT82,BT83の違いは、枠ボタンB22の操作により移行する演出態様の違いとして設定されるようにしても良い。
即ち、第1期間BT81において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更が可能となるが光量の設定変更は可能とならない調整表示画面に移行し、第2期間BT82において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更も光量の設定変更も可能となる調整表示画面に移行し、第3期間BT83において枠ボタンB22を操作した場合には、音量の設定変更が可能とならず光量の設定変更は可能となる調整表示画面に移行するようにしても良い。また、これとは別に、各期間BT81,BT82,BT83の違いを、枠ボタンB22の操作により移行する演出表示(表示が実行される動画)の違いとして設定されるようにしても良い。
上記第61実施形態では、各期間BT81,BT82,BT83が同じ長さに設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。各期間BT81,BT82,BT83の長さは任意に設定可能であり、その設定内容は種々の条件に対応させることができる。
例えば、大当たり種別ごとに各期間BT81,BT82,BT83の長さの設定を変えるようにしても良いし、確変状態が複数回続く連荘継続中においては今更設定を変更する可能性は少ないとして第2期間BT82を短くするように設定しても良い。
また、特に音量や光量が大きくなる大当たり種別(最大ラウンドの大当たりや、格別に演出が激しい(長い)大当たり)の場合には設定変更を実行し易いように第2期間BT82を長くするように設定しても良い。この場合において、第1期間BT81を短く設定しておくと、エンディング演出において音量や光量の設定変更を実行する期間を長く確保することができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記第61実施形態では、枠ボタン表示B8813の表示態様に従い枠ボタンB22を操作することで光量や音量の設定変更を実行可能となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、枠ボタンB22を操作することで、遊技者に利益の有る情報が表示されるようにしても良い。
この場合において、遊技者に利益の有る情報としては、上述したのと同様に、例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が第1図柄の低確率状態なのか第1図柄の高確率状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか確変状態なのか特殊確変状態なのかという情報や、大当たり遊技終了後に所定の抽選回数が経過した後に電動役物B640aの作動パターンが変化するのか変化しないのかという情報や、現在保留されている第1図柄の抽選の保留球の中に大当たりとなるものがあるのか無いのかという情報や、遊技機が第1図柄の大当たり確率の設定を変更できる(例えば、低確率状態の大当たり確率を、1/320で設定する(設定1)か、1/256で設定する(設定2)かを変更でき、高確率状態の大当たり確率を、1/32で設定する(設定1)か、1/26で設定する(設定2)かを変更できる)よう構成される場合に現在の大当たり確率の設定が示唆される情報などが例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図1626左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図1626右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400,C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400,C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400,C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第62実施形態から第103実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400,C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が開放位置へ変位(回転)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、変位部材D180が開放位置に配置され、転動部材D170,D3170,D8170が第2位置に配置された状態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置されるように形成しても良い。この場合には、第6通路DRt6に球が流下(入球)されると、第6通路DRt6に球が流下(入球)され難くなる側へ変位部材D180が変位(回転)される。よって、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)し、その第1の球が第6通路DRt6の終端に達するまでの間に、第2の球が第6通路DRt6に流下(入球)されることを、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)される場合よりも困難として、遊技の興趣を高めることができる。
なお、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成する場合には、転動部材D170,D3170,D8170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190に伝達される構造を、上述した場合(第68実施形態から第75実施形態の場合)と逆向きとすれば良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が上述した場合と逆方向に回転されるように、伝達部D173,D3173と被伝達部D193,D3193の位置関係を設定すれば良い。
具体的には、被伝達部D193を転動部材D170から離間する方向(図1673(a)右側、矢印R方向)へ延設させると共に、その被伝達部D193の上方まで伝達部D173を延設し、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D173が被伝達部D193を下方(矢印D方向)へ押し下げる(即ち、第68実施形態の場合とは逆回り(図1673(a)において時計回り)に伝達部材D190を回転させる)構成とすれば良い。
また、被伝達部D3193を転動部材D170側(図1678(a)左側、矢印L方向)へ延設させると共に、その被伝達部D3193の下方まで伝達部D3173を延設し、転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D3173が被伝達部D3193を上方(矢印U方向)へ押し上げる(即ち、第70実施形態の場合とは逆回り(図1678(a)において時計回り)に伝達部材D3190を回転させる)構成とすれば良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により変位させる(転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により一対の変位部材D180へ伝達する)場合を説明したが、2の伝達部材を設け、一対の変位部材D180の一方を第1の伝達部材により、他方を第2の伝達部材により、それぞれ変位させる(転動部材D170,D3170又は第2転動部材D4220の変位を第1の伝達部材および第2の伝達部材により一対の変位部材D180の一方および他方へそれぞれ伝達する)構成としても良い。
この場合、例えば、転動部材D170の変位を第1の伝達部材により、第2転動部材D4220の変位を第2の伝達部材により、それぞれ伝達する構成としても良い。これにより、変位部材D180の変位態様を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第6通路DRt6において、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面と中間部材D140,D6140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされ、また、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされる場合を説明したが、これら両対向間隔のうちの少なくとも一方の対向間隔を上下方向に沿って変化させても良い。
例えば、上方(矢印U方向、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から離間する方向)へ向かうに従って、対向間隔が狭くされるようにしても良い。これにより、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から跳ね上がった球を速やかに下降させ、球の重量を作用させやすくできる。かかる技術思想は、第8通路DRt8における対向間隔においても同様である。
上記第62実施形態から第103実施形態では、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面から突部D131f,D141gをそれぞれ突設する場合を説明したが、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面に凹部をそれぞれ凹設する構成としても良い。凹部によっても球の通過(転動)を遅延させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の通過を遅延させる遅延手段の一例として、突部D131f,D141gを例示したが、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を通過(転動)する球が当接可能な位置に配設され、その当接により変位または変形される手段(例えば、風車、金属製の弾性ばね(板ばねやコイルばね)、樹脂製の弾性片、ゴムシートなど)が例示される。即ち、球との当接により発生するエネルギー(運動エネルギーや粘性抵抗)を利用して、球の通過を遅延させる手段が例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を平坦面とする場合を説明したが、その上面(転動面)に凹凸や段差を設けても良い。これにより、球に抵抗を付与して、その通過(転動)を遅延させられる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)しやすくされる場合を説明したが、これとは逆の構成としても良い。即ち、変位部材D180の初期位置を開放位置とし、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、変位部材D180を閉鎖位置へ配置することで、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)され難くなるようにしても良い。この場合には、第6通路DRt6への球の流入(入球)よりも第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流入(入球)の方が有利な遊技状態としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ伝達する伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を設ける場合を説明したが、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を省略しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220と変位部材D180(変位部材D180ユニット)とを直接連結し、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ直接伝達する構成としても良い。
例えば、転動部材D170,D3170,8170又は第2転動部材D4220に、伝達部材D190(本体部D194)の溝D194L,D194Rを設け、その溝D194L,D194Rに軸支部材D210の連結ピンD213を連結(挿通)させる。これにより、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190が省略される分、部品点数を削減して、製品コストを低減できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される一方、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されない場合を説明したが、これらを逆としても良い。
即ち、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されず、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される構成としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180が回転可能とされる場合を説明したが、一対の変位部材D180の少なくとも一方(又は両方)がスライド変位可能とされる構成でも良い。スライド変位される構成であっても、第6通路DRt6への球の入球のしやすさを変化させ、遊技の興趣を向上できる。なお、スライド変位の態様としては、直線に沿って変位される態様、曲線に沿って変位される態様、直線と曲線とを組み合わせた形状に沿って変位される態様が例示される。
この変位態様については、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190についても同様であり、これらのうちの少なくとも1つ(又は全部)がスライド変位可能とされる構成でも良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が自重により初期位置へ復帰可能に構成される場合を説明したが、初期位置へ復帰させる方向へ付勢力を付与する付勢手段を設けても良い。これらの初期位置への復帰を速やかに行わせることができれば、変位部材D180の閉鎖位置への速やかな配置を可能とでき、遊技の興趣を向上できる。なお、付勢手段としては、コイルばね、板ばね、ねじりばね、ゴム状弾性体などが例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位部材D180が一対配設される場合を説明したが、変位部材D180の配設数は、1個であっても良く、3個以上であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化される場合を説明したが、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されない形態であっても良い。例えば、一対の変位部材D180の一方と他方との変位(回転)方向が同方向とされる形態(対向間隔を一定としつつ、変位部材D180の先端側の開放部分の位置が左右(矢印L-D方向)に変位される形態)であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の変位部材D180の一方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動し、一対の変位部材D180の他方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる場合を説明したが、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動する構成としても良く、或いは、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる構成としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突部D131f,D141gが延設方向(上下方向)に沿って連続して形成される場合を説明したが、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って非連続に形成(断続的に形成)しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗を付与しやすくできる。この場合、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って千鳥状に配置しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗をより付与しやすくできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、説明を省略したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)され、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下した球が、本体部D172,D3172における転動方向と逆方向(矢印R方向)へ移動することを規制する規制手段を設けても良い。規制手段は、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれに設けても良い。また、規制手段としては、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれかから立設され、球に当接可能に形成される形状の部位が例示される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下される場合を説明したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140に形成される部位(受け部)の上面に落下され、その受け部から転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172へ球が流入(転動)される構成でも良い。落下の衝撃が収まった(小さくなった)状態で、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172が球を受け取れるので、球の重量が作用する初期段階での変位部材D180のばたつき(振動)を抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とが、上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される(即ち、前後方向(矢印F-B方向)に位置を違えて配設される)場合を説明した。この場合には、下側フレームD86b~D8086bの上下方向(矢印U-D方向)の寸法を抑制できる。但し、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とを、正面視(矢印B方向視)において並列に配設(並設)する(即ち、上下方向(矢印U-D方向)に位置を違えて配設する)構成でも良い。この場合、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とは、上面視(矢印D方向視)において、重なることが好ましい。その分、下側フレームD86b~D8086bの前後方向(矢印F-B方向)の寸法を抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D170と第2転動部材D4220とが上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される場合を説明したが、転動部材D170と第2転動部材D4220とを上面視(矢印D方向視)において直列に配設(長手方向に沿って直線状に配設)しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、表示部D7197を本体部D194に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示部D7197を錘部D195に配設しても良い。即ち、表示部D7197を、錘部D195の外縁に配設し、その錘部D195の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設させても良い。
この場合には、表示部D9197の配置を上述した場合とは逆の配置とする(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態で表示部D7197を遊技者から視認不能とし、変位部材D180が開放位置に配置された状態で、表示部D7197の突出量を最大とする)ことができる。また、表示部D7197の重量を利用して、錘部D195に埋設する金属製の錘の量を減らす(又は省略する)ことができ、その分、部品点数を低減して、材料コストの低減を図ることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2突部D131faが複数(本実施形態では5本)の突部D131fのうちの一部(本実施形態では2本)のみに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2突部D131faの形成本数は任意であり、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数の突部D131fの全部に第2突部D131faを形成しても良い。また、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良く、正面視において中間部材D140の開口D6148と重ならない突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、転動部材D8170が第1位置に配置された状態において、第2突部D131faの上面が本体部D172の上面(転動面)から突出する寸法は、上流側(軸D171から遠い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各第2突部D131faにおいて同一の寸法としても良い。或いは、下流側(軸D171に近い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法としても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、介設部材E140の転動部E141の長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E134aと流路調整ブロックE170との間に対応する位置には、転動部E141の上面が背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される傾斜面が形成されても良い。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を往復動する球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球する可能性を生じさせることができる。第5通路ERt5へ送球された球は、第7通路ERt7へ案内される可能性があるため、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、中央通路E160の架設通路E161には背面壁E161aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面壁E161aに加え、架設通路E161の前端側(矢印F方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される前面壁が形成されてもよい。これにより、架設通路E161に案内された球が、架設通路E161の前端側の縁を通過して第2斜面部E135へ流下(落下)されることを抑制できる。従って、架設通路E161に案内された球が上方孔E162を通過し易くできる、即ち、第4通路ERt4を流下して第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、正面板E111に張出し部E111bが突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出し部E111bが突設されなくても良い。これにより、介設部材E140の転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ送球される可能性を生じさせることができる。即ち、転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、駆動モータE191により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位(往復動)し、上記第62実施形態から第103実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位(回動)する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バイブレータにより振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位されても良い。これにより、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を左右方向(矢印L-R方向)へ変位(往復動)できるのに加え、前後方向(矢印F-B方向)へも変位(往復動)できる。その結果、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150上を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)させ易くできる。また、上記第62実施形態から第103実施形態では、背面板E137と突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151との間に球が挟持されることを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が前後方向(矢印F-B方向)に並設されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第1伝達部材E194の第1ラック部E194dと第2伝達部材E195の第2ラック部E195bとの間にピニオンギヤE196が一つ配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数のピニオンギヤが配設されてもよい。この場合、各ピニオンギヤの歯数を異ならせる、即ち、減速機として作用させることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度とを異ならせることができる。また、ピニオンギヤが偶数個配設されることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)との変位方向を同一にできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、挿通孔E133a,E9133a,E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に形成される溝部E133c,E9133c,E10133cが、同一形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非同一形状に形成されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150を左右方向(矢印L-R方向)に往復動させると共に、上面視において鉛直方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動する態様に変位させることができる。詳細には、被係合部E153(係合凹部E153a)を回動軸として振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の湾曲部E131側と中央通路E160側とで前後方向(矢印F-B方向)に異なる方向に変位させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面から突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面に凹設される凹部に形成されても良い。また、凹部は、その外縁が不連続とされても良く、突出される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151どうしの間に形成される空間が凹部とされても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突起部E151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に垂直な方向視において略六角形状に形成され、第87実施形態では、突起部E12151は、球状に形成され、第88実施形態では、突起部E13151は、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成され、第89実施形態では、突起部E14151は、振分通路E14150に垂直な方向視において円状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、略五角形状や略七角形状など略多角形状、もしくは、多角錐状に形成されても良い。また、円柱状に形成されても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されても良い。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度は同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度が各側面でそれぞれ異なっていても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を略直交とさせることで、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。また、例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を傾斜方向上昇側に形成される側面の傾斜角度よりも小さくすることで、球を傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)させ易くできる。その結果、球の移動(流下、落下)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に複数の突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一つの突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されれば良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面の一部に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面への突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔は一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔がそれぞれ異なっても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向(矢印F-B方向)中央側に配設される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔を大きくすることで、前後方向両端側に送球された場合と比較して、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する回数を減らすことができる。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側において、球は、傾斜方向に沿って流下し易くなる。即ち、球の流下方向が変更(変化)され難くできる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側に送球された球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。また、突起部E151,E13151,E14151,E15151の対向間距離(配設間隔)が、球の直径の略4分の1より大きくてもよく、球の直径の略4分の1より小さくても良い。対向間距離(配設間隔)を大きくすることで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面を移動(流下、転動)する球の流下速度を大きくした状態で球を突起部E151,E13151,E14151,E15151に当接させることができ、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が連続的に変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動を断続的に行うことで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が断続的に変位されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を流下する球に慣性力を付与でき、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する際の衝撃力を変更(変化)でき、球の移動(流下、転動)方向の変更(変化)を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が駆動モータE191により駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ソレノイドや弾性ばねにより駆動されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、駆動モータE191の軸に駆動力伝達部材E193が固着され、駆動モータE191の一方向への回動により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が往復動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動方向を切り換えることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を往復動させても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球が流下可能に振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151により球の流下が抑制されても良い。これにより、後行する球は、流下が抑制された先行する球に当接することができ、後行する球の流下方向を変更(変化)できる。即ち、流下が抑制された先行する球は、後行する球に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151と同様の効果を奏することができ、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を流下する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。また、球の流下方向を不規則に変更(変化)できる。なお、流下が抑制された先行する球に後行して流下する球が当接することで、先行する球が流下を再開できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して略45度傾斜して形成され、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面が45度よりも大きく傾斜しても良く、45度よりも小さく傾斜しても良い。また、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1よりも高く形成されても良く、球の半径の略2分の1よりも低く形成されてもよい。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を大きく、もしくは、突設高さを高くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。一方、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を小さく、もしくは、突設高さを低くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。また、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151を乗り越えて振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)し易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に規制片E153bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制片E153bが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150はその傾斜面に対し垂直な方向に変位できる。詳細に説明すると、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に流下(落下)する球の自重が作用することで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150は、第1伝達部材E194,E4194,E5194、第2伝達部材E195,E4195,E5195、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199に係合される係合部E194cを軸として回動できる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の傾斜角度を変更(変化)でき、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)を流下する球の移動(流下、転動)時間を延長(変化)できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150に切欠き部E150aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切欠き部E150aが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の上面に形成される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の数を増やすことができる。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150から中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球し易くできる、即ち、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが同一の態様に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで、配設される突起部E151の配設個数又は配設間隔が異なっていても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150がそれぞれ遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1689左右対称)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが非対称に変位しても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が形成されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150が弾性ばねE2190により変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150に加え、湾曲部E131及び壁板E132が弾性ばねE2190により変位されても良い。これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)を移動(流下、転動)する球の前後方向(矢印F-B方向)の変位速度を変化(変更)させることができ、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接しなくても良い。この場合、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径よりも小さくすることで、球が湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との間から流出することを抑制できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、平面部E2133と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設されても良い。この場合、弾性ばねE2190は伸びた状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との当接状態が維持される、もしくは、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径より小さい状態に維持される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータやソレノイドにより変位されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、支持軸E20jにより平面部E2133と振分通路E2150,E3150とが係合され、弾性ばねE2190がコイルばねとして構成され、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位(回動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弾性ばねE2190がねじりばねとして構成されても良い。この場合、ねじりばねを支持軸E20jに係合しておけばよく、これにより、弾性ばねE2190を係合するための支持突起E2133a,E2150aの配設を抑制できる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E2150,E3150が前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として回動され、第86実施形態では、振分通路E11150が上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150が左右方向(矢印L-R方向)を回動軸として回動されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150を移動(流下、転動)する球を前後方向(矢印F-B方向)に移動させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向の変化を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、平面部E2133の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持部E2133bが支持突起E2133aよりも中央通路E160側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部E2133bが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持突起E2133aが支持部E2133bよりも中央通路E160側に形成されても良い。また、支持突起E2133aが長手方向両端側と、その支持突起E2133aよりも長手方向中央側に形成され、長手方向におけるそれら支持突起E2133aの間に支持部E2133bが形成されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に突起部E151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151が配設されなくても良い。即ち、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面が平坦に形成されても良い。これにより、振分通路E150から流下(落下)される球の変位を遊技者に予測し易くできる。また、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の一部には突起部E151が配設され、残りの他部には突起部E151が配設されなくても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2振分通路E4150が、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150の前後方向(矢印F-B方向)における長さが、振分通路E150の前後方向における長さよりも大きく形成されても良い。これにより、第2振分通路E4150に移動(流下、転動)された球を介設部材E140へ案内(送球)し易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、振分通路E150が第1位置に配置された状態において第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも上方孔E162(中央通路E160)側に位置しても良い。これにより、振分通路E150を流下(落下)した球を第2振分通路E4150,E16150へ送球させ易くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図1689参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150,E17150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第3振分通路E5150,E17150は、短手方向(矢印F-B方向)における全部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設されても良い。これにより、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前後方向(矢印F-B方向)において、第3振分通路E5150,E17150が、中央通路E160よりも介設部材E140側(矢印F方向側)に配設されても良い。これにより、第3振分通路E5150が第3位置に配設される場合と同様、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が架設通路E161(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、斜面部E7154が直線状に形成され、第83実施形態では、湾曲ガイド部E8133dが円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、斜面部E7154が円弧状に湾曲して形成され、湾曲ガイド部E8133dが直線状に形成されても良い。また、斜面部E7154又は湾曲ガイド部E8133dが直線と円弧を組み合わせた形状に形成されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームE9086bは、遊技盤E13の幅方向(図1689左右方向)における中心に対し線(面)対称(図1689左右対称)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下側フレームE9086bが非対称に形成されても良い。例えば、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方に形成される溝部E9133cは、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成され、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の他方に形成される溝部E9133cは、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成されても良い。例えば、上面視においてベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方と他方とで溝部E9133cが同一に形成され、振分通路E150の変位の態様が同一であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、単一の曲線から形成されても良く、また、直線と曲線とが組み合わされた形状に形成されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁には、案内切欠き部E16154a,E17154aを除き、案内部E16154,E17154が立設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも外縁の一部に形成されれば良い。これにより、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁に案内部E16154,E17154が非形成の場合と比較して、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位部材F130の壁部F132の背面または転動面F131bの上面に突部が形成されても良い。これにより、転動面F131b(第3通路FRt3)を移動(流下、転動)する球が凹部F131cへ振り分けられる(案内される)ことを遅延させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086b(確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143a)が変位(回転)されても良い。例えば、変位部材F130に検出手段が配設され、変位部材F130の転動面F131bへ球が案内された、又は、変位部材F130が変位(回転)されたことを検出手段が検出することで、駆動装置を駆動させても良い。
なお、検出手段としては、カメラ、重量センサ、変位センサ、トルクセンサ等が挙げられる。また、例えば、ソレノイドがスライド部材F144のスライド本体部F144aを左右方向(矢印L-R方向)中央側へ向けて押進することや、駆動モータが開閉部材F143を回転させることで遮断部F143aが変位(回転)される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、一方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、他方側に配設される確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが変位しても良く、一対の遮断部F143aが変位しても良い。例えば、左方側(矢印L方向側)に配設される変位部材F130の変位(回転)により、右方側(矢印R方向側)に配設される確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが変位しても良く、一対の遮断部F143aが変位しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、伝達軸F183の偏心軸F183cが伝達部F183bの軸心(軸部F183a)に偏心して配設され、伝達部F183bの軸心を中心とした円状に変位されることで、演出手段F120の可動部材F122が動作(上下方向に往復動)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動手段F180がラックアンドピニオン機構(ラック部材およびピニオン部材)から構成されることで可動部材F122が動作されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、確定通路F140,F2140,F3140の遮断部F143aが一対配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遮断部F143aが1個配設されても良い。例えば、一方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、遮断部F143aが一方側へ向けて変位され、他方側に配設される変位部材F130の変位(回転)により、遮断部F143aが他方側へ向けて変位されることで遮断部F143aの変位の態様を増やすことができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、上側フレーム通路FRt0,FRt50に流入(入球)した球は、上側通路F114,F5114、或いは、下側通路F112,F5112へ送球されても良い。これにより、下側通路F112,F5112へ球が振り分けられ易くなり、下側フレームF86b,F2086b,F3086b,F4086b,F5086bが開放状態に動作されることを遊技者に一層期待させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、上側フレーム通路FRt0,FRt50は、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の幅方向における中心に対し線(面)対称に配設される、即ち、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013のの右方側に配設されても良く、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の幅方向における中心に対し線(面)対称にそれぞれ配設されても良い。従って、遊技領域から上側フレーム通路FRt0,FRt50に流入(入球)した球は、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の右方側に配設された上側フレーム通路FRt0,FRt50から遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の右方側に配設される第1通路FRt1,FRt51へ流入(入球)されても良く、遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の左方側または右方側に配設された上側フレーム通路FRt0,FRt50の一方から遊技盤F13,F2013,F3013,F4013,F5013の左方側または右方側に配設される第1通路FRt1,FRt51の一方へ流入(入球)されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合、かかる開閉部材F2143の変位(回転)を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合には、開閉部材F2143の変位(回転)に連動して変位(スライド又は回転)可能とされ、且つ、変位部材F130が球の重量により変位されることで、開閉部材F2143が変位(回転)された場合には、開閉部材F2143に連動せず、非変位とされる所定部材を流入口FOPf1よりも上流に設け、不正に開閉部材F2143が操作(開放方向へ変位(回転))された場合、所定部材が変位(スライド又は回転)され、かかる所定部材によって、流入口FOPf1へ球が流入し難くなるように構成しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF5086bを閉塞状態から開放状態、或いは、開放状態から閉塞状態へ向けて動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により変位手段F5150の開閉部材F5158が変位(回転)されても良い。例えば、変位部材F5155に検出手段が配設され、変位部材F5155の本体部F5155dへ球が案内された、又は、変位部材F5155が変位(回転)されたことを検出手段が検出することで、駆動装置を駆動させても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、右側スライド部材F5157Rの被係合部F5157dと維持手段F5160の磁性体F5164とが磁着されることで右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)の動作(回転、変位)が規制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1軸受け部材F5151の規制部F5151aとスライド部材F5157のスライド本体部F5157aとの対向間にソレノイドが突出されることでスライド部材F5157の変位が規制されることや、スライド本体部F5157aに磁性体が配設され、その磁性体が第1軸受け部材F5151の規制部F5151aに配設される電磁石に着磁されることで右側スライド部材F5157R(右側開閉部材F5158R)の動作(回転、変位)が規制されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球CB51に作用する慣性力を利用して球CB51の移動(流下、転動)が再開される(保持部F5155eによる保持が解除される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下側フレームF5086bの開放状態における保持部F5155eの下方(上方)となる位置に磁性体が配設され、その磁性体と球CB51との間に作用する反発力により、球CB51の移動(流下、転動)が再開されても良い。また、下側フレームF5086bに駆動装置(例えば、ソレノイドや駆動モータ)が配設され、駆動装置の駆動により球CB51が変位されることで球CB51の移動(流下、転動)が再開されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位部材F5155のうちの左側変位部材F5155L及び右側変位部材F5155Rが同時に球を受け取り可能(第2通路FRt52から球が流入可能)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。
例えば、左側変位部材F5155Lと右側変位部材F5155Rとが連動するように構成し、且つ、左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方が球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された状態では、他方が球を受け取り不能な位置(球の重量が作用した場合に変位可能な範囲の終端)に配置されるようにしても良い。即ち、左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方が球を受け取ると、その球の重量により、上記変位可能な範囲の終端へ向けて一方が変位されると共に、球を受け取り可能な位置(初期位置)へ向けて他方が変位され、球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された他方が球を受け取ると、その球の重量により、上記変位可能な範囲の終端へ向けて他方が変位されると共に、球を受け取り可能な位置(初期位置)へ向けて一方が変位される。
この場合、球を受け取り可能な位置(初期位置)に配置された変位部材F5155(左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの一方)に対応する開閉部材F5158(左側開閉部材F5158L又は右側開閉部材F5158Rの一方)は、流入口FOPf51へ球を流入し難くさせる位置へ配置され、上記変位可能な範囲の終端に配置された変位部材F5155(左側変位部材F5155L又は右側変位部材F5155Rの他方)に対応する開閉部材F5158(左側開閉部材F5158L又は右側開閉部材F5158Rの他方)は、流入口FOPf51へ球が流入し易くする位置へ配置される。但し、その逆の配置であっても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、第1通路部材F6160(第1通路FRt61)の挿通孔F6162a1と挿通孔F6162a2とが前後方向(矢印F-B方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左右方向(矢印L-R方向)に並設され、例えば、挿通孔F6162a1が挿通孔F6162a2よりも左右方向両端側に並設されても良い。これにより、球が挿通孔F6162a1へ流入される、或いは、挿通孔F6162a2へ流入されることを遊技者に視認させ易くできる。
この場合、下側通路F6112(第2通路FRt62)を正面側(背面側)へ向けて下降傾斜される。これにより、一方側の挿通孔F6162a1へ流入した球は一方側の挿通孔F6162a2へ流入した球と比較して正面側(背面側)へ向けての変位量が大きく、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過して他方側の上側通路F6114へ案内(送球)され、挿通孔F6162a2へ流入した球は、立て壁部F6113の正面側(矢印F方向側)を通過せずに一方側の上側通路F6114へ案内(送球)される。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球が上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cと第2傾斜部F6114dとを往復動可能となる位置に当接部F6173bが配設されても良い。これにより、当接部F6173bと当接可能となる位置に球を複数回到達させることができ、球を流入口FOPf61へ流入させ易くできる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作後状態において、第1傾斜部F6114cを上昇する(左右方向中央側へ向けて移動する)球CB61が当接部F6173bの湾曲面F6173b1に当接することで、球CB61が第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側通路F6114(第3通路FRt63)の第1傾斜部F6114cが正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜される、背面部材F6150の背面板F6151に電磁石が配設される、又は、背面板F6151に正面側へ向けて風を送る送風装置が配設されることにより、球CB61が第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ振り分けられても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、変位通路部材F6174の通路部F6174a又は第2変位通路F7180の転動面F7181a1の上面に突部が形成されても良い。これにより、通路部F6174a又は転動面F7181a1から球が流出(流下、排出)されることを遅延させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bを動作前状態から動作後状態、或いは、動作後状態から動作前状態へ向けて動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動装置により下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bが動作され(振分手段F6170の変位部材F6173,F10173が変位され)ても良い。例えば、変位通路部材F6174又は第2変位通路F7180に検出手段が配設され、変位通路部材F6174の通路部F6174a又は第2変位通路F7180の転動面F7181a1へ球が案内された、又は、変位通路部材F6174又は第2変位通路F7180が変位(回転)したことを検出手段が検出することで、駆動装置が駆動されても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、動作後状態における振分手段F6170の状態を維持する(変位を規制する)ための維持手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bに形成されても良い。これにより、変位通路部材F6174から球が流出(流下、排出)された場合、言い換えると、変位通路部材F6174に球の重量が作用されない状態においても、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bを動作後状態に維持でき、遊技の興趣を高めることができる。例えば、変位通路部材F6174の底面に磁性体が配設され、貫通孔F6143の内周面に電磁石が配設され、それら磁性体と電磁石とが着磁されることで振分手段F6170の変位が規制される。
なお、かかる維持手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bに形成される場合、少なくとも1球が流入口FOPf61へ流入されることを契機として維持手段による振分手段F6170の変位の規制を解除する解除手段が下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086bに形成されても良い。これにより、流入口FOPf61への球の流入が確実化される。即ち、少なくとも1球が流入口FOPf61へ流入されるまでの間、遊技者に安心感が付与され、興趣を高めることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作後状態から動作前状態への動作における当接部F6173b,F10173bの変位方向には、第1傾斜部F6114cを当接部F6173b,F10173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、動作前状態から動作後状態への動作における当接部F6173b,F10173bの変位方向に、第1傾斜部F6114cを当接部F6173b,F10173bへ向けて移動する球CB61の移動方向成分が含まれても良い。これにより、球CB61と当接部F6173b,F10173bとの当接により当接部F6173b,F10173bが動作前状態における配設位置へ変位されることを抑制でき、球CB61を第1傾斜部F6114cから第5通路部材F6120(第5通路FRt65)の第5通路部F6121へ確実に振り分けることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、下側フレームF6086b,F7086b,F8086b,F9086b,F10086b,F11086bの動作前状態から動作後状態への動作において、変位部材F6173,F10173が第1軸F6172に沿って左右方向(矢印L-R方向)両端側へ向けて変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変位部材F6173,F10173が前後方向(矢印F-B方向)を軸として回転されても良い。これにより、変位部材F6173,F10173を左右方向に変位させるための空間を不要とでき、設計の自由度を向上させることができる。
上記第62実施形態から第103実施形態では、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により変位部材F6173を変位させ、流入口FOPf61への球の流入のし易さを変化させる形態を説明したが、かかる形態を他の実施形態に適用しても良い。
例えば、所定位置(例えば、上側フレーム通路FRt0よりも上流(遊技盤F13上の遊技領域(球の流下加納な領域))、又は、上側フレーム通路FRt0よりも下流(下側フレームF86bの遊技領域(球の流下加納な領域))にセンサF11001を配設し、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により開閉部材F143を変位(開放または閉鎖)させ、流入口FOPf1への球の流入のし易さを変化(流入し易くする、又は、流入し難くする)させても良い。
また、例えば、所定位置(例えば、上側フレーム通路FRt0よりも上流(遊技盤F13上の遊技領域(球の流下加納な領域))、又は、上側フレーム通路FRt0よりも下流(下側フレームF86bの遊技領域(球の流下加納な領域))にセンサF11001を配設し、センサF11001により球の通過が検出された場合(又は球の通過が検出され、所定の条件を満たす場合)に、ソレノイドF11002の駆動力により抑制部F4134(変位部材F4130)を変位(開放または閉鎖)させ、第2振り分け孔F161b(第1振り分け孔F161a、即ち、流入口FOPf1)への球の流入のし易さを変化(流入し易くする、又は、流入し難くする)させても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、センサF11001を挿通孔F6162a2に配設したが、その配設位置は任意に設定できる。例えば、挿通孔F6162a1に配設しても良い。
上記第62実施形態から第103実施形態では、球の重量を利用して、所定の部材を変位させ、かかる所定の部材の変位により、他の球が第1の流入口へ入球し易くされ、その結果、かかる他の球が第2の流入口へ入球し易くなる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、球の重量を利用して、所定の部材を変位させ、かかる所定の部材の変位により、他の球が第1の流入口へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が第2の流入口へ入球し易くなるように構成しても良い。
例えば、第1入賞口64を第5通路FRt5の流出面F112bの鉛直方向下方に配置し、且つ、変位部材F130に球の重量が作用した場合、開閉部材F143(遮断部F143a)が流入口FOPf1を閉鎖させる(球を流入し難くさせる)方向へ変位される形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf1に流入した球よりも、流入口FOPf1に流入せず流出面F112bから流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位部材F130を変位させ、かかる変位部材F130の変位(開閉部材F143による流入口FOPf1の閉鎖)により、他の球が流入口FOPf1へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出面F112bを利用して、第1入賞口64へ入球し易くされる。
また、例えば、第1入賞口64を第4通路FRt54の流出面F5112bの鉛直方向下方に配置し、且つ、変位部材F5130に球の重量が作用した場合、開閉部材F5158が流入口FOPf51を閉鎖させる(球を流入し難くさせる)方向へ変位される形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf51に流入した球よりも、流入口FOPf51に流入せず流出面F5112bから流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位部材F5130を変位させ、かかる変位部材F5130の変位(開閉部材F5158による流入口FOPf51の閉鎖)により、他の球が流入口FOPf51へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出面F5112bを利用して、第1入賞口64へ入球し易くされる。
また、例えば、第1入賞口64を流出口FOPout62の鉛直方向下方に配置し、且つ、変位通路部材F6174に球の重量が作用した場合、変位部材F6173が球に作用(当接)不能な位置に方向へ変位される(変位通路部材F6174に球の重量が作用していない状態では、変位部材F6173が球に作用(当接)可能な位置に配置(上側通路F6114の上面から突出されている)形態が例示される。かかる形態によれば、流入口FOPf61に流入した球よりも、流入口FOPf61に流入せず流出口FOPout62から流出する球の方が第1入賞口64へ入球する確率が高くなる。即ち、球の重量を利用して、変位通路部材F6174を変位させ、かかる変位通路部材F6174の変位(変位部材F6173に当接した他の球の進行方向が変更されることの回避)により、他の球が流入口FOPf61へ「入球し難く」され、その結果、かかる他の球が、流出口FOPout62から第1入賞口64へ入球し易くされる。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200の第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態に応じて入賞ユニットK200の見え方が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御することにより、入賞ユニットK200の見え方が変化するように構成しても良い。
この時、入賞ユニットK200の第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態に対応させるようにして、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御しても良いし、第1電動役物K240や第2電動役物K250の状態とは無関係に発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を変化させるように制御しても良い。
例えば、第1電動役物K240の電動役物K640aが開放状態の時に光を強化するようにしたり、第2電動役物K250の可動板K251が開放状態の時に光を強化するようにしたりしても良いし、逆に弱くするようにしても良い。
また、入賞ユニットK200の発光部K228から照射される光の色や、光の強弱を、球が第2入賞口K640や第2特定入賞口K650aに入球した場合に変化させるように制御しても良い。この場合、入賞ユニットK200の見え方の違いから、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aへの入賞を把握させることができる。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200の板状本体K202の裏側に拡散形状が形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状本体K202の裏側面または表裏面が平滑に形成されても良い。この場合、板状本体K202の透過性を向上させることができるので、入賞ユニットK200内を流下する球や、第1電動役物K240の電動役物K640aや、第2電動役物K250の可動板K251等の視認性を向上させることができる。
上記各実施形態では、発光部K228からの光が電動役物K640a上を転動する球に遮られないものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光部K228を、電動役物K640a上を転動する球の経路の後方や、可動板K251上を転動する球の経路の後方に配置しても良い。この場合、発光部K228からの光が、電動役物K640a上を転動する球や、可動板K251上を転動する球に遮られ得る。
これにより、発光部K228を点灯制御させている場合に、光が明滅しているように視認させることができ、発光部K228からの光の見え方を変化させることができる。この時、電動役物K640a上を転動する球による光の明滅により、第2入賞口K640へ入球することを示唆することができる一方、可動板K251上を転動する球による光の明滅により、第2特定入賞口K650aに入球せずに球が可動板K251上を左方に通過し得ることを示唆することができる。
上記各実施形態では、電動役物K640aや、可動板K251が、有色で不透明である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640a又は可動板K251の少なくとも一方が、有色透明の樹脂材料から形成されても良い。この場合、化粧カバーK220と重ねて視認される場合の作用は維持しながら、電動役物K640a又は可動板K251を通過する光により入賞ユニットK200の視認態様を変化させ易くすることができる。また、電動役物K640a又は可動板K251の少なくとも一方が、無色透明の樹脂材料から形成されても良い。この場合であっても、電動役物K640a又は可動板K251を通過する光により入賞ユニットK200の視認態様を変化させ易くすることができる。
上記各実施形態では、可動板K251から反射した光が上縁部K207aを介して視認可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aから反射した光を電動役物K640aとは異なる位置で反射させて遊技者に視認させ、電動役物K640aの状態を把握可能とさせるための反射部を上縁部K207aとは別で設けても良い。
なお、反射部は入賞ユニットK200の内側に配置されても良いし、入賞ユニットK200の外方に配置されるようにしても良い。この場合、入賞ユニットK200とは異なる位置を視認して、電動役物K640aの状態を把握させることができる。また、上縁部K207aの機能を奏する部分についても、入賞ユニットK200の内側に限らず、入賞ユニットK200の外方に配置されるようにしても良い。
上記各実施形態では、電動役物K640aや可動板K251が前後方向でスライドし、遊技者側に見せる面が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右方向に沿う回転軸で前後方向に回転動作するように構成しても良い。この場合、閉状態で遊技者に見せる面(前面)と、開状態で遊技者に見せる面(閉状態での後面、開状態での上面)とが異なるので、表裏の面の態様を異ならせる(例えば、色を変える)ことで、開状態か閉状態かで、化粧カバーK220(小形意匠K221b等)の背景色を変化させることができる。
上記各実施形態では、電動役物K640a及び可動板K251が赤色で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、電動役物K640aと可動板K251とが異なる色で形成されても良いし、赤以外の青や黄色等あらゆる色を採用可能である。また、小形意匠K221bの色は白色に限定されるものでなく、金や黄色等あらゆる色を採用可能である。何れの色を採用した場合であっても、小形意匠K221bの背景色となる場合と、ならない場合とを構成でき、小形意匠K221bの見え方を変化させることができる。この時、色の選択として、相対的に判別しやすい関係で色を選択した方が、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、昇降装置K500の上下変位が回転部材K430の変位に対して増大されるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500の変位量が回転部材K430の変位量と一致しても良い。この場合、昇降装置K500の動作をより安定させることができる。
上記各実施形態では、切替装置K460により昇降装置K500の右側構成部の下降が制限されることで、昇降装置K500が右側を下方にする傾斜姿勢で片側落下状態を構成可能であることを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500が右側を下方にする傾斜姿勢から、左側構成部を落下位置状態まで変位させることで、左側を下方にする第2の傾斜姿勢を構成可能にしても良い。この場合、演出待機状態から第2の傾斜姿勢に変化するように制御しても良い、片側落下状態を経由して第2の傾斜姿勢に変化するように制御しても良い。前者の方が、昇降装置K500による状態変化を顕著にすることができる一方で、後者の方が、状態変化後の昇降装置K500の姿勢を安定させ易くすることができる。
上記各実施形態では、回転装飾部材K578の回転速度を方向に因らず一定として、移動装置K560の左右方向のスライド速度を変化させるよう制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K578の回転速度または移動装置K560の左右方向のスライド速度の少なくとも一方を、方向に対応して変化させるように制御するようにできれば良い。
上記各実施形態では、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まっている場合の動作制御について説明したが、回転装飾部材K578の動作制御は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まらなかった場合にエラー信号を出して演出役物の動作を実行しないようにするのではなく、回転装飾部材K578の回転速度から新たに駆動モータKMT51の回転速度を算出して、その新たに算出された回転速度により移動装置K560を左右方向にスライド移動させるようにしても良い。これにより、回転装飾部材K578の回転後の停止位置と、移動装置K560の移動後の停止位置とを対応付けやすくすることができ、回転装飾部材K578の回転速度が予め規定される設計値に収まる場合と同様に、連動を適切に実行させることができる。
なお、速度の再計算をするのではなく、回転装飾部材K578を停止させるタイミングを、移動装置K560のスライド移動を停止させるタイミングとずらすことができるように制御しても良い。
上記各実施形態では、昇降装置K500の昇降動作と、状態変化装置K470の動作とが、共通の回転部材K430の動作に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、昇降装置K500の昇降動作と、状態変化装置K470の動作とが、異なる駆動装置からの駆動力で動作されるように制御しても良い。
上記各実施形態では、第2可動装置K701において、アーム部材K735が回転動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向にスライド移動する可動ラックを構成し、この可動ラックの昇降量が主装飾部材K760に伝達されるようにしても良い。この場合、可動ラックにより左右幅を抑えて構成することができる。
上記各実施形態では、第2可動装置K701において、円弧状部K732,K734が面で当接することでアーム部材K735の回転を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、アーム部材K735を途中位置で停止させる位置に配置可能な可動のストッパ部材を設けるようにしても良い。この場合、ストッパ部材の配置により、アーム部材K735を途中位置で停止させ易い場合と、途中停止させない場合とを構成することができる。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874の回転開始は、延設回転部材K874の長尺方向が左右方向に沿う姿勢から生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設回転部材K874の長尺方向が上方向を向く姿勢から生じさせるものでも良い。この場合、延設回転部材K874の長尺方向が下方向を向くまでの回転角度を大きくすることができる。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874の過回転を小さく抑えることで、板状部K811,K821,K831の戻り動作が生じないように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長孔K884の短手方向幅を十分に確保して円柱突部K876aとの間に隙間を確保したり、円柱突部K876aの回転軸側の肉部を削ることで長孔K884との隙間を確保したり、長孔K884の先端部に円柱突部K876aの移動軌跡に沿う円弧形状部を設けることで円柱突部K876aと長孔K884との干渉を避けるようにしても良い。
上記各実施形態では、第3可動装置K801において、延設回転部材K874が回転終端で面と当接して止まる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転終端で円柱突部K876aが凹部に収容させることで止まるように構成しても良い。
上記各実施形態では、ベース板K2060の外形傾斜部K2060eや、傾斜開口部K2060wや、光照射装置K2100の傾斜面K2121や、光照射装置K3100の傾斜面K3122等の傾斜角度として一例を記載したが、必ずしもこれに限られるものではなく、光を屈折させたり反射させたりして、光らせる対象に光が届くような形状から形成されていればよい。
上記各実施形態では、発光手段K2111,K3111が湾曲線に沿って並ぶ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右や上下等の所定の方向に延びる直線上に並ぶように構成しても良い。
上記各実施形態では、発光手段K2111,K3111からの光が正面側に進行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域内方へ向けて光が進行するように形成されても良い。この場合、正面視では隠される範囲(遊技領域外方の範囲)からの光によっても遊技領域を照らすことができるので、遊技領域をより明るくすることができる。
上記各実施形態では、光がベース板K2060の開口を通過する前における傾斜開口部K2060wにおいて光が反射または屈折し正面側に進行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K2060の開口を通過した後における傾斜開口部K2060wの縁部における反射または屈折によっても光を正面側へ進行させるようにしても良い。また、ベース板K2060の開口内に、光を反射または屈折可能な物体を配置して、その物体によりベース板K2060の開口内で光の進行方向を変化させて正面側に光を進行させるようにしても良い。この場合、ベース板K2060の開口縁部以外の箇所からも遊技者へ光を届けることができる。
上記各実施形態では、第1可動装置K401,K4401、第2可動装置K701,K4701及び後層側可動装置K800,K4800のそれぞれで、駆動力の伝達機構について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一の装置の伝達機構を、他の装置の伝達機構に流用することは可能である。この場合において、左右方向を上下方向に変えて採用することは当然可能であるし、左右一対のものを片方だけで利用したり、その逆を採用したりすることも可能である。
上記各実施形態では、第1視認対象物K4580xと第2視認対象物K4580yとが、異なる形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、同一形状の対象物として視認させても良い。
上記各実施形態では、回転装飾部材K4578の外形形状が四角形とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、六角形や、八角形でも良い。この場合において、中心を特定できる多角形とすることで、回転させた場合の視認態様を美しくすることができる。また、中心と特定できる形状であれば多角形でなくてもよく、外形が曲線で構成された形状でも良い。
また、視認される物は表示される対象に限られるものではない。例えば、移動装置K4560の内部に収容されるか、又は、移動装置K4560に外方(例えば、長尺装置K540を介する経路)から供給される物体が視認窓部K4578aを通して視認可能な位置(回転装飾部材K4578の後方位置)に適切なタイミングで移動可能に構成されても良い。
上記各実施形態では、視認窓部K4578aが回転装飾部材K4578に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K4578の内周の内側における表示装置K4580の表示領域に、第1視認対象物K4580xや第2視認対象物K4580yを視認可能な視認部が表示されるように構成しても良い。
上記各実施形態では、視認窓部K4578aが開口形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、視認窓部K4578aとして形成される範囲の板厚を、他の部分の板厚よりも薄くして、透過性を高くすることで背面側を視認可能とするように構成しても良い。
上記各実施形態では、視認窓部K4578aが回転移動される第1の演出制御例および第2の演出制御例で、一方向への回転角度が90度である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、90度より大きい角度(例えば、120度)でも良いし、90度より小さい角度でも良い。この場合に、流下する球の速度に対応して回転角度が変化するようにしても良い。
上記各実施形態では、第1視認対象物K4580xが回転装飾部材K4578の回転軸の右側に、第2視認対象物K4580yが回転装飾部材K4578の回転軸の左側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右逆でも良いし、回転軸の上と下とに配置されるものでも良い。どの場合であっても、回転装飾部材K4578の回転軸を基準として正反対となる異なる位置で異なる視認対象物K4580x,K4580yを視認させることができるので、遊技者の見間違いを避け易くすることができる。
上記各実施形態では、表示装置K4580の表示領域に右側を向いた矢印形状が表示される第3の演出制御例と、第1の演出用途例とを別で説明したが、これらを同時に実行しても良いし、別個独立で実行するようにしても良い。同時に実行する場合には、ラウンド遊技中においては、入球の検出のたびに回転装飾部材K4578が回転され、表示装置K4580の中央部付近に矢印形状を点灯表示し、ラウンド遊技の終了時になったら第1の演出用途例における制御を実行するようにしても良い。これにより、回転装飾部材K4578の内側における視認態様を複雑にすることができる。
上記各実施形態では、表示装置K4580を介して、第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yが表示される場合と、矢印形状が表示される場合とを説明したが、表示態様は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yの表示の代わりに矢印形状を表示するようにしても良いし、矢印形状の表示の代わりに第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yを表示するようにしても良い。これにより、視認態様のバリエーションを増やすことができる。
上記各実施形態では、表示装置K4580を介して、第1視認対象物K4580x又は第2視認対象物K4580yが表示される場合と、矢印形状が表示される場合とを説明したが、視認態様は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装置K4560の内側が空洞に形成されており、その空洞の内側において、回転装飾部材K4578(又は回転装飾部材K4578の内周側を閉塞する透過性板が形成される場合にその透過性板)を通して視認可能な位置に、第1視認対象物K4580x、第2視認対象物K4580yと同様の形状の物体を配置可能に構成されていても良い。この場合、物体同士が衝突することによる視認態様の変化により、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、長尺装置K540が前後方向の回転軸を中心として姿勢を傾斜させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右方向の回転軸や、上下方向の回転軸を中心として姿勢を傾斜させられるように構成しても良い。この場合、移動装置K560,K4560の前面側の見え方(見える角度)を変化させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、例えば、上下方向の回転軸を中心として姿勢を傾斜させるように構成する場合において、透明フィルムK4891による平面KS49と長尺装置K540の長手方向とが平行となるような姿勢を構成可能としても良い。
上記各実施形態では、上側部材K530の湾曲受部K537を上側回転部材K476が下側から支えることで長尺装置K540を演出待機状態における配置で維持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側回転部材K476とは別で、上側部材K530を上側から挟むように支持する部材を構成しても良い。この部材に、上側回転部材K476側へ向かう付勢力を与えることで、上側部材K530の上向きの変位に対する抵抗力を生じさせることができる。これにより、搬送時における長尺装置K540の位置変化を防止することができる。
上記各実施形態では、上側回転部材K476の全体が樹脂材料により構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側部材K530と当接する回転先端部K476bには樹脂材料を構成し、上側部材K530と当接しない支持孔K476a付近は金属材料により構成するようにしても良い。これにより、金属材料により耐久性を向上させることができると共に、回転先端部K476bと当接する上側部材K530の摩耗を最小限に抑えることができる。
上記各実施形態では、回転装飾部材K4578が、中央側に開口が形成されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K4578が光透過性の樹脂材料から、内側の開口が閉塞するような形状で構成され、表示装置K4580の表示領域を前側から覆うように構成しても良い。この場合、回転装飾部材K4578の回転による光の反射による視認性の変化を、表示装置K4580の表示領域全体に及ぼすことができるので、演出性を向上させることができる。
上記各実施形態では、遊技球の入賞に対応して、表示装置K4580に矢印形状が表示される場合を説明したが、表示装置K4580の表示領域に表示される内容は、上述の態様に限られるものではない。例えば、表示装置K4580の表示領域に、球状体が流れる様子が表示されても良い。
この球状体は、表示装置K4580の表示領域の中央を真下に流下するように表示されても良いし、表示領域の中央に対して左右にずれた位置を流下するように表示されても良い。左右にずれた位置を流下するようにすれば、遊技者に対して、方向を示唆する視認態様を報知することができる。また、球状体の流下には、転動面上を球状体が転動する場合も含まれる。
この場合において、左右いずれか一方を流下する球状体の速度と、その直後に左右いずれか他方を流下する球状体の速度とが異なるように構成しても良い。例えば、右側を流下する球状体の速度よりも、その直後に左側を流下する球状体の方がゆっくりと流下するように表示させても良い。
表示装置K4580の表示領域に表示される球状体の流下方向は、真下方向でも良いし、左右成分を持つ方向でも良い。例えば、右側を流下する球状体は右下方向へ流下し、左側を流下する球状体は左下方向へ流下するように表示される場合、球状体が表示領域の右側を流下する場合と、表示領域の左側を流下する場合との、表示領域の視認態様の違いを大きくすることができる。
また、回転装飾部材K4578の回転駆動制御の設定として、表示装置K4580の表示領域に表示される球状体が流下する位置と、回転装飾部材K4578の回転方向とを対応させるように制御しても良い。
例えば、表示装置K4580の表示領域の左右中央よりも右側を球状体が流下する場合に回転装飾部材K4578が正面視時計回りに回転され、表示装置K4580の表示領域の左右中央よりも左側を球状体が流下する場合に回転装飾部材K4578が正面視反時計回りに回転されるようにしても良い。または、球状体の流下方向と回転装飾部材K4578の回転方向との関係が上述の逆に設定されるものでも良い。
この場合、表示装置K4580の表示領域を視認せずとも、回転装飾部材K4578の回転方向から、表示装置K4580の表示領域のどこを球状体が流下しているのかを予想することができる。従って、表示装置K4580の表示領域を無理に大きくする必要を無くすことができるので、表示装置K4580を低コストで実装できると共に、表示装置K4580の背面側に配置される第3図柄表示装置K81の視認面積を大きく確保することができる。
この場合において、球状体の流下速度と、回転装飾部材K4578の回転速度とを対応させるようにしても良い。例えば、球状体がゆっくり流下する場合には回転装飾部材K4578の回転速度がゆっくりとなり、球状体が高速で流下する場合には回転装飾部材K4578の回転速度も高速となるように構成しても良い。これにより、表示装置K4580の表示領域と、回転装飾部材K4578とで、一体感のある動作態様を遊技者に視認させることができる。
また、表示装置K4580の表示領域の表示態様を、回転装飾部材K4578の回転時と停止時とで異ならせるようにしても良い。例えば、上述のように、回転装飾部材K4578が回転される場合には、表示装置K4580の表示領域に流下する球状体を表示させる一方で、回転装飾部材K4578が停止される場合には、表示装置K4580の表示領域に流下する球状体とは異なる形状のロゴ、キャラクター又は装飾形状が静止画として表示されるように構成しても良い。または、静止画ではなく動画表示されるように構成しても良い。
この場合、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578によって、表示装置K4580の表示領域に球状体が流下される態様を伴う視認態様と、表示装置K4580の表示領域に球状体が流下される態様を伴わない視認態様とを創出することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578の演出効果を向上させることができる。
また、表示装置K4580の表示領域に表示される球状体の流れる位置、流下速度、流下方向を、遊技球が実際に通過した遊技領域の位置、実際の流下速度、実際の流下方向と対応させるようにしても良い。
例えば、右打ち遊技の期間において長尺装置K540が右第2傾斜姿勢となるように制御され、右打ちした遊技球が流下する経路上に配置される第1特定入賞口K65a、第2入賞口K640及び第2特定入賞口K650aを遊技球が通過したと検出されることに基づいて、表示装置K4580の表示領域に球状体が表示されるように制御しても良い。
この場合において、入賞口の実際の配置、及び入賞口に入球した遊技球の実際の流下方向に対応させて球状体を表示させることで、遊技者に対して、実際に遊技球が流下した位置を把握させ易くすることができる。
即ち、第1特定入賞口K65aで遊技球が検出された場合には、検出される度に、表示装置K4580の表示領域の右側範囲において、鉛直下方へ流下し、その後で右斜め下方へ流下する経路で、球状体が表示され、同時に、回転装飾部材K4578が時計回りに回転されるように駆動される。
また、第2入賞口K640又は第2特定入賞口K650aで遊技球が検出された場合には、検出される度に、表示装置K4580の表示領域の左側範囲において、鉛直下方へ流下し、その後で左斜め下方へ流下する経路で、球状体が表示され、同時に、回転装飾部材K4578が反時計回りに回転されるように駆動される。
これにより、遊技者は、入賞口K65a,K640,K650aを注視しなくても、表示装置K4580の表示態様や、回転装飾部材K4578の回転方向を視認することで、遊技球がどこを流下してどの入賞口K65a,K640,K650aを通過したのかを把握することができることから、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技球の流下速度は、入賞口K65a,K640,K650aの配置高さから、力学的エネルギーに基づき検討すると、配置高さの同等な入賞口K65a,K640を通過する際の遊技球の流下速度の絶対値は概ね同じと考えられる。配置高さの低い第2特定入賞口K650aを通過する際の遊技球の流下速度の絶対値は、位置エネルギーが運動エネルギーに変換される分、入賞口K65a,K640を通過する際の遊技球の流下速度の絶対値よりも大きいと考えられる。
従って、第1特定入賞口K65a又は第2入賞口K640を遊技球が通過したことが検出された場合における、表示装置K4580の表示領域で表示される球状体の流下速度の絶対値および回転装飾部材K4578の回転速度の絶対値に比較して、第2特定入賞口K650aを遊技球が通過したことが検出された場合における、表示装置K4580の表示領域で表示される球状体の流下速度の絶対値および回転装飾部材K4578の回転速度の絶対値が大きくなるように(高速になるように)制御される。
これにより、第2入賞口K640を遊技球が通過した場合と第2特定入賞口K650aを遊技球が通過した場合とで、表示装置K4580の表示領域における球状体の表示位置や回転装飾部材K4578の回転方向が同じであっても、球状体の流下速度や回転装飾部材K4578の回転速度を遊技者に把握させることで、遊技球が第2入賞口K640を通過したのか、第2特定入賞口K650aを通過したのかを遊技者に判別させることができる。
そのため、遊技者は、入賞口K65a,K640,K650aを注視しなくても、表示装置K4580の表示態様や、回転装飾部材K4578の回転方向および回転速度を視認することで、遊技球がどこを流下してどの入賞口K65a,K640,K650aを通過したのかを把握することができることから、遊技者の遊技負担を低減することができる。
上記各実施形態では、第3の演出制御例として、第1特定入賞口K65aへの入球が検出される度に表示装置K4580に矢印形状が表示され、回転装飾部材K4578が時計回りに回転動作され、その表示態様および回転動作態様が一定ではなく、変化し得るように制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
即ち、第3の演出制御例では、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の速度および回転装飾部材K4578の回転速度に比較して、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の速度および回転装飾部材K4578の回転速度が、同じか、それ以上となるように制御される。
これにより、第1特定入賞口K65aに入球される球数が多くなるほど、表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が大きくなり易い状況を構成することができる。更に、第1特定入賞口K65aに入球される球数が多くなるほど、第3図柄表示装置K81に表示される「+15」等の賞球の払い出しを想起させる数字表示の表示数が多くなるため、回転装飾部材K4578の回転と数字表示の表示(数)とを一連で視認させることができる。
従って、遊技者は、第1特定入賞口K65aへの入球個数と、表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度とを対応付けて把握することができる。この場合、表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度から、払い出される賞球個数の多少を予想し易くすることができるので、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
なお、第3の演出制御例において、先の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度に対する、その後の遊技球の入球に基づいて表示装置K4580に表示される球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度の変化量(速度上昇量)は、毎回同じでも良いし、異なるようにしても良い。
例えば、球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、先の遊技球の入球に基づく球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が第1段階だった場合に、その後の遊技球の入球に基づく球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が第2段階に変化するパターンのみならず、第3~5段階に変化するパターンをも実行可能に構成しても良い。
この場合に、例えば、表示される球状体が表示装置K4580の下方へ流れきる前に、次の球が入球した(短時間で2球連続入球した)場合に球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が一段階増加し、更に次の球に基づいて表示される球状体が表示装置K4580の下方へ流れきる前に更に次の球が入球した(短時間で3球連続入球した)場合に球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度が二段階増加するように構成しても良い。この場合、球状体の流下速度および回転装飾部材K4578の回転速度の変化態様から、高頻度の入球が生じたことを遊技者に把握させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65aへの入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1特定入賞口K65aに入球されず、第2電動役物K250の可動板K251の上面を左方へ流されることで第2特定入賞口K650aにも入球されなかった球が、左側の球案内部K210に入球した場合に、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
右側の球案内部K210がアウト口K71と同様の機能を備える一方で、左側の球案内部K210は一般入賞口K63と同様の機能を備えており、入球に基づき賞球の払い出しが行われる。即ち、左側の球案内部K210への入球と同様、一般入賞口K63に入球した場合にも、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65aに入球せずに下流に流れた球の存在に気付かせることができるので、開閉板K65bが閉鎖状態の時に球の発射をしていないか、球の発射強度は適切か、といった、操作ハンドルH51の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、第1特定入賞口K65aに発射球の全てが入球される状況下では、表示装置K4580の表示の切り替えは生じず、回転装飾部材K4578の回転動作も生じない一方で、第1特定入賞口K65aに発射球の一部が入球されない状況下においては、表示装置K4580の表示の切り替えを生じ、回転装飾部材K4578も回転動作される。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65aに適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、第1特定入賞口K65aへの入球に基づいて表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側の球案内部K210への入球では表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作を生じさせず、一般入賞口K63への入球に基づいて、表示装置K4580の表示が切り替えられ、回転装飾部材K4578が回転動作されるように構成しても良い。
この場合、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作により、遊技者に対して、第1特定入賞口K65a側、即ち、回転装飾部材K4578の上側を右方へ案内されずに、回転装飾部材K4578の左側へ案内され流れた球の存在に気付かせることができるので、球の発射強度が弱くなっていないか、といった、操作ハンドルH51の操作の見直しを遊技者に促すことができる。
即ち、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が右方に流下し続ける状況が維持される時には表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行されることはなく、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が一つでも左方に流下する場合に表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行され得る。
そのため、表示装置K4580の表示の切り替えや回転装飾部材K4578の回転動作が実行された場合、回転装飾部材K4578の上流側の位置を遊技球が左方に流下する程度に、発射強度が弱まっている証拠になるので、表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作を視認した遊技者に対して、操作ハンドルH51の操作強度を見直させるよう促すことができる。
これにより、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578を、第1特定入賞口K65aに適切に入球させられているかを遊技者に報知するためのバロメーターとして利用することができるので、表示装置K4580及び回転装飾部材K4578に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、上述の第3の演出制御例では、表示装置K4580の表示および回転装飾部材K4578の回転動作が、遊技球の入球に基づいて生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、表示装置K4580の表示または回転装飾部材K4578の回転動作の少なくとも一方が、遊技球の入球に因らず発生するようにしても良い。
この場合において、回転装飾部材K4578の回転速度が、操作ボタン部材H181の操作(押し込み、連打、長押し等)に基づいて増加可能に構成されても良い。例えば、回転装飾部材K4578の回転速度として、第1段階(遅速)から第5段階(高速)まで5種類の速度を設定可能に構成されている場合に、操作ボタンH181の操作によりどの段階まで増加するのか(増加上限)と、遊技者が得られる利益の期待値(大当たり遊技における払い出し賞球個数の多少(獲得した大当たりのラウンド数の多少)、特図抽選の大当たり期待度など)とを対応させることにより、操作ボタン部材H181の操作意欲を向上させることができる。
なお、上述した増加上限の設定を、第1特定入賞口K65aへの入球に基づいて表示装置K4580の表示や回転装飾部材K4578の回転動作が生じる場合の、球状体の流下速度や回転装飾部材K4578の回転速度の増加上限に適用しても良い。これにより、表示装置K4580や回転装飾部材K4578に対する注目力を向上させることができる。
上記各実施形態では、球状体が表示装置K4580の中央部付近に表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球状体が、回転装飾部材K4578の視認窓部K4578aを通して視認されるようにしても良い。この場合、例えば、回転装飾部材K4578の回転と共に球状体が回転移動するように構成しても良い。これにより、球状体の移動態様を大きな円弧で構成することができる。
また、例えば、球状体の移動態様は上下方向に流下した後で、斜め左右方向に流下する態様を維持しつつも、斜め左右方向に流下する球の通過経路に視認窓部K4578aが配置されるように回転装飾部材K4578が回転動作された後で停止されるようにしても良い。これにより、表示としての球状体と、回転装飾部材K4578とが一体動作しているように視認させることができる。
上記各実施形態では、電動役物K640aの開放状態において、背景色との違いから小形意匠K221bの視認性が向上される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aの閉鎖状態における小形意匠K221bの視認性が向上されるものでも良い。例えば、方向視KDR21で視認する遊技者が視認可能な光を照射するLEDとして、下流側発光部K212cがあるが、下流側発光部K212cから照射される光の色が赤色であるため、電動役物K640aの開放状態と同様に小形意匠K221bの背景色を赤色(光の色)とすることができ、これにより小形意匠K221bの視認性を向上させることができる。
なお、電動役物K640aの開放状態において、下流側発光部K212cからの光が電動役物K640aを透過して遊技者の目に届く場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物K640aにより下流側発光部K212cからの光が遮蔽されるようにしても良い。
この場合、電動役物K640aの状態の切り替えのたびに、電動役物K640aによる背景色が視認される場合と、下流側発光部K212cからの光による背景色が視認される場合とが切り替えられるので、それらの背景色の違いによる視認態様の変化を利用した演出を実行することができる。これにより、電動役物K640aの状態の切り替えの態様に対応した視認態様の変化(バリエーション)を生じさせることができる。
なお、下流側発光部K212cからの光により小形意匠K221bの視認性が向上される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下流側発光部K212cからの光の色が白色とされる場合、小形意匠K221bの色と背景色(光の色)との差が小さくされることで、小形意匠K221bの識別性を低下させることができる。
なお、発光部K212の発光態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入賞ユニットK200における開閉の状態に関わらず常時点灯(消灯)されるようにされても良いし、入球検出で態様変更(色変化、光強さ変化)するような制御でも良いし、第3図柄表示装置K81の表示演出と連関して、態様変更(色変化、光強さ変化)するような制御でも良い。
上記各実施形態では、入賞ユニットK200に入球した球による光の遮り方により、光の視認態様が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、流下経路に複数の検出センサを設けて、その検出センサを球が通過することに基づいて光の照射態様が変化されるように制御しても良い。この場合、球の流下経路以外の部分においても、光の視認態様を変化させることができる。
上記各実施形態では、可動板K251や電動役物K640aが有色の樹脂材料から形成されることで、有色樹脂に特有の粘り、丈夫さを利用できることから、厚みの設計自由度や、形状の自由度も向上させつつ、耐久性を向上させることで、球からの衝突による破損を抑制できる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、無色透明の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、可動板K251や電動役物K640aと球とが重なったとしても、球が見えなくなることが無いので、流下する球の視認性を向上させることができる。
上記各実施形態では、小形意匠K221bを球が左右方向に下降傾斜して流下する位置の前方に配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内開口K203のように、球が前後方向に下降傾斜して流下する位置の前方に配置するようにしても良い。この場合、鉛直方向の落下に比べて球の上下位置の変化がゆっくりとされることに加え、球の左右位置も変化されないことから、正面視で小形意匠K221bと球とが重なる期間をより長くすることができ、小形意匠K221bによる模様の見映えの変化を長く生じさせることができる。
上記各実施形態では、後層側可動装置K800の傾斜形成部K867が固定片として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設回転部材K874の回転方向に数度移動可能に構成され、延設回転部材K874の停止時の位相を変更可能に構成しても良い。この場合、延設回転部材K874の戻りが防止される状態(傾斜形成部K867が延設回転部材K874の回転軸よりも上側に配置されている状態)と、延設回転部材K874の戻りが防止されない状態(傾斜形成部K867が延設回転部材K874の回転軸よりも下側に配置されている状態)とを切り替えることができる。
上記各実施形態では、左右の板状部K4811,K4821,K4831が左右から同じ距離張出可能に構成され、閉塞時には左右の板状部K4811,K4821,K4831の対向辺が左右中央位置付近に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右の板状部K4811,K4821,K4831の境界位置が、左右中央部から左右いずれかにずれる状態を構成可能にしても良い。
この場合、境界位置が左右中央部よりも左側にあれば、第2可動装置K4701は右側の板状部K4811,K4821,K4831により開閉される範囲の下側に配置され、境界位置が左右中央部よりも右側にあれば、第2可動装置K4701は左側の板状部K4811,K4821,K4831により開閉される範囲の下側に配置される。これにより、板状部K4811,K4821,K4831と第2可動装置K4701との設計自由度を向上させることができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831が背面からの光を透過可能に構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の背面側に電飾基板が配設され、その電飾基板に配設されるLEDの発光態様により、板状部K4811,K4821,K4831の視認態様(色や模様)が変更可能に構成されても良い。この場合、開閉により第3図柄表示装置K81の目隠しを形成する作用を生じさせ易くすることができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831の背面側にリブが形成され、透過性を異ならせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の背面側が湾曲面で構成されることで、厚みが不均一とされても良い。この場合、背面側の形状(例えばレンズ形状)により光を屈折させる態様を部分ごとに異ならせることができ、演出効果を向上させることができる。
また、板状部K4811,K4821,K4831では、輪郭KOL481等に沿ってリブが形成される(内側部においてリブが形成される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の外形に沿ってリブが形成されるようにしても良い。この場合において、全外形に沿うリブが形成される場合ばかりではなく、平行な2辺にリブが形成されるようにしても良く、板状部K4811,K4821,K4831の剛性を高めることで、板状部K4811,K4821,K4831の移動抵抗を低減することができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831が光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状部K4811,K4821,K4831の代わりに、矩形の枠に複数枚のルーバーを備える開閉可能部材を配設しても良い。この場合、ルーバーを非透過性の材料から形成するようにすれば、ルーバーの状態次第で、ルーバーの板面の模様を視認させる状態と、ルーバーの板間から背面側に配置される第3図柄表示装置K81の表示を視認させる状態とを切り替えることができる。
また、ルーバーを透過性の材料から形成するようにすれば、ルーバーの状態次第で、ルーバーの板面の模様を第3図柄表示装置K81からの光で照らす状態と、ルーバーの板間から背面側に配置される第3図柄表示装置K81の表示を視認させる状態とを切り替えることができる。
上記各実施形態では、左右スライドする板状部K4811,K4821,K4831が、複数枚の板状部材が一連で連動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右スライドする板状部材は一枚でも良い。この場合、連動させる構成よりも故障する可能性を低くすることができる。
また、板状部K4811,K4821,K4831のスライド方向は、左右方向に限られるものではなく、上下方向でも良いし、斜め方向でも良いし、前後方向成分を有する方向でも良い。即ち、直線方向でも良いし、所定の軸を中心とする曲線方向でも良い。
上記各実施形態では、移動装置K4560が斜めにスライド移動している際に、板状部K4811,K4821,K4831の閉塞状態からの変位に基づいて長尺装置K540の右側端部が落下され、移動装置K4560の移動方向が変化する場合を説明したが、この場合に、移動装置K4560の移動速度は、移動方向の変化前後で同じでも良いし、変わるようにしても良い。例えば、移動方向の変化前の方が移動装置K4560の移動速度を遅くする場合、板状部K4811,K4821,K4831の変位を望ませながら移動装置K4560が左側端部まで移動しきるまでの期間を長くすることができるので、移動装置K4560への注目力を向上させることができる。
上記各実施形態では、左右一対の板状部K4811,K4821,K4831の移動方向は左右対称にしたが、必ずしもこれに限れるものではない。例えば、上下方向でも良い。この場合に、上下対称でも良いし、配置位置は左右のままで、共に上方(又は下方)に移動することで退避されるように構成しても良い。また、移動方向が前後方向の成分を有するようにしても良い。
上記各実施形態における移動装置K4560の大きさは何ら限定されるものではない。直径10mm程度の大きさから、センターフレームK86を超える程の大きさまで、任意に設定可能である。
また、表示装置K4580による表示は、何ら限定されるものではない。一面同色で表示されても良いし、遊技者側に光を反射するように視認される態様(ミラー状等)に形成されても良い。この場合、遊技者に対して表示装置K4580の表示領域を介して自分の表情を視認させることができ、演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、移動装置K4560が単体でスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動装置K4560が前後に複数ならべて配置され、複数の移動装置K4560が板状部K4811,K4821,K4831の正面側を順番にスライド移動するように構成しても良い。この場合、板状部K4811,K4821,K4831の変位に伴う複数の移動装置K4560の変位態様のバリエーションを増やすことができ、移動装置K4560の視認態様のバリエーションを増やすことができる。
上記各実施形態では、第3図柄表示装置K81が正面視でセンターフレームK86の内方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置K81の表示領域の少なくとも一部がセンターフレームK86の外方に位置するようにしても良い。この場合、流下する遊技球を、第3図柄表示装置K81からの光により照らして演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、一連で視認させる態様として、例えば、「SFME」といったように、特定の意味を有する記号を順番に視認させる態様を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、4文字である必要は無く、「SF」、「SME」、「FE」といった、任意の文字列に注目させて一連で視認させるようにしても良い。また、任意の文字列には、上側装飾部材K330に形成される「F」の記号も採用可能である。注目させたい部分を発光させ、それ以外の部分を発光させないようにすることで、任意の文字列に注目させ易くすることができ、遊技者に読み間違いをさせないようにすることができる。
また、記号の内で、方向性を有する2つ以上の記号(例えば、矢印)をつなげて視認させる態様でも良い。また、記号同士のつながりでなく、可動役物同士のつながりとして、互いに近づく方向または遠ざかる方向に移動される連動を視認させる態様でも良い。この場合において、片方が停止されていても構わない。
例えば、第2背面表示K81bは、長尺装置K540の傾斜に平行な表示として説明したが、これを、長尺装置K540が演出待機状態に位置する(水平姿勢)場合には、傾斜されずに右方向に向く矢印として表示され、長尺装置K540の動作に連動して、傾斜する方向の表示に切り替えられるようにしても良い。これにより、長尺装置K540の動作前から第2背面表示K81bを表示するように演出することができる。
また、例えば、一連で視認させる態様には、同種の対象がまとまって視認される視認態様や、関連する視認態様を別領域に分ける仕切りとなるように視認される視認態様が含まれ得る。例えば、長尺装置K540が第3図柄表示装置K81の正面側に配置され、長尺装置K540を挟む各領域における表示が互いに関連する表示である場合、それらは一連の視認態様で視認される。
なお、互いに関連する表示とは、例えば、一連の視認態様で視認される表示(例えば、記号のまとまり、大人同士、見方同士、等)の組や、相対する関係にある表示(例えば、男女、敵味方、勝ち負け、等)の組等が想定される。
上記各実施形態では、板状部K4811,K4821,K4831に模様が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺装置K540の正面側において模様が形成されるようにしても良い。この場合において、長尺装置K540の正面側に形成される模様と、板状部K4811,K4821,K4831に形成される模様とを一連の視認態様で視認可能に構成しても良い。
また、長尺装置K540の視認される範囲は、長尺装置K540そのものの配置や姿勢に加え、移動装置K4560により隠される範囲によっても変わり得る。移動装置K4560の配置に対応して、視認される一連の視認態様が切り替えられ得るように構成しても良い。
また、長尺装置K540の配置により、長尺装置K540の上側または下側のみに板状部K4811,K4821,K4831が視認される場合も、長尺装置K540の上側にも下側にも板状部K4811,K4821,K4831が視認される場合も生じ得るところ、少なくともその一方において、長尺装置K540の正面側に形成される模様と、板状部K4811,K4821,K4831に形成される模様とを一連の視認態様で視認可能に構成しても良い。
上記各実施形態では、演出表示KER471,KER472が、第2可動装置K4701の周囲の一部分を囲むように範囲表示される影状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2可動装置K4701の正面視における視認態様を動画表示するようにしても良い。この場合、第2可動装置K4701の故障により第2可動装置K4701が動かなくなっても、第3図柄表示装置K81の表示により第2可動装置K4701の動作態様を視認させることができる。また、第2可動装置K4701を動作させる場合と異なり、駆動音や、振動が生じないという利点がある。
上記各実施形態では、動作ユニットK4300に配置される動作ユニットと、入賞ユニットK200に形成される模様とを一連の視認態様で視認させ得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側装飾装置K350の正面側に、動作ユニットK4300に配置される動作ユニットに形成される模様と一連の視認態様で視認され得る模様が形成されるようにしても良いし、動作ユニットK4300に配置される動作ユニットに形成される模様や入賞ユニットK200に形成される模様と、第2入賞ユニットK5270に形成される模様とが、一連の視認態様で視認され得るよう構成しても良い。これにより、一連の視認態様で視認され得る領域を広げることができる。
上記各実施形態では、板状部K4811,4821,4831が第3図柄表示装置K81の表示領域の上下に亘る長さで形成され、板状部K4811,4821,4831の動作と連動して長尺装置K540が動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右の板状部K4811,4821,4831が、特定の傾斜姿勢の長尺装置K540の上側または下側の領域を覆うことができるよう形成され(即ち、傾斜姿勢の長尺装置K540の下側に形成される三角形を、閉塞状態において全体で形成する形状から構成され)るようにしても良い。
この場合、長尺装置K540を挟んで左右の板状部K4811,4821,4831が配設されていない側において、第3図柄表示装置K81の表示領域において動画表示を行うことで、移動装置K4560のスライド移動と対応した動画表示を実行させることができる。
また、この場合において、左右の板状部K4811,4821,4831を挟んで長尺装置K540の反対側において、第3図柄表示装置K81の表示が視認可能となるように、左右の板状部K4811,4821,4831の長尺装置K540の長手方向と交差する方向における形成長さを短くするようにしても良い。これにより、左右の板状部K4811,4821,4831を挟んで長尺装置K540の反対側の領域においても、移動装置K4560のスライド移動と対応した動画表示を実行させることができる。
上記各実施形態において、球の検出位置に対応して回転装飾部材K4578が回転動作される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転装飾部材K4578の回転動作を、時計回りの動作が、第1の演出用途例において説明した第1の演出制御例とし、反時計回りの動作が第1の演出用途例において説明した第2の演出制御例としても良い。これにより、遊技球の流下が頻度高く生じても、回転装飾部材K4578の回転を小刻みに生じさせることができる。なお、第1の演出制御例および第2の演出制御例における動作の反転位置において、視認窓部K4578aを通して第1視認対象物K4580が視認されるように表示制御される。
上記各実施形態において、導光部材K5150に入射された光を正面側に屈折させる光屈折部K5151について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板K5060の背面に光屈折部を形成して、その屈折部を利用してベース板K5060に入射された光を正面側に屈折させるように構成しても良い。この場合、屈折された光の視認される位置を導光部材K5150よりも前側に位置させることができるので、遊技者にとって視認させ易くすることができる。
また、ベース板K5060自体に光屈折部が配設されるので、ベース板K5060の背面側に樋用前側部材K91が締結固定されることで導光部材K5150を配設できない範囲においても光屈折による演出効果を生じさせることができる。
なお、光屈折部の配置を、光を一連の視認態様で視認させることを目的とするばかりではなく、特定の位置に注目させるために設計しても良い。例えば、光屈折部K5151を介して視認される光が、第1入賞口K64や第1特定入賞口K65a等の入賞口やスルーゲートK67、入賞ユニットK200等の付近を光らせるように光屈折部K5151が配置されても良い。
上記各実施形態では、化粧カバーK5280にローマ字による記号を視認可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、数字による記号を視認可能に構成しても良い。この場合において、「80%」等、遊技性(例えば、スペック表示)に関連する数字とすると、遊技者が遊技をする前に、ガラスユニットH16越しに遊技性の報知を行うことができる。
その上で、化粧カバーK5280の背面を遊技球が流下することで影が生じ、数字による記号の見え方が変化する(例えば、上下中央部の左隅部が暗く視認され、見え方が「30%」に変化する)ように構成することで、遊技を開始して初めて把握できる数字による報知も行うことができる。
例えば、初めに見えた「80%」は、化粧カバーK5280側を流下させない左打ち遊技を行う際に入球可能な第1入賞口K64で抽選が開始される第1特別図柄の大当たりの確変割合を示し、右打ち遊技により化粧カバーK5280の背面側を球が流下する場合に見える「30%」は、右打ち遊技で入球可能な第2入賞口K640で抽選が開始される第2特別図柄の大当たりの内の最高ラウンド大当たりの割合を示すようにすれば、視認される数字の変化を有効に利用して、遊技者に意味のある報知を行うことができる。
なお、「%」は、第3輪郭部K5285や第3形成部K5286と同様に、球の流下経路と正面視で重ならない位置に形成することで、遊技球の流下の有無に因らず同様の視認態様で視認させることができる。
また、上述の「80%」の内、輪郭で囲まれる領域に、白色の小さな文字で「設定6の場合の値」と形成しておいて、遊技球が化粧カバーK5280の背面を遊技球が流下しない内は白色光を白色の文字に当てて認識し難いようにし、遊技球が化粧カバーK5280の背面を遊技球が流下する場合における球の影で白い文字を認識できるように構成しても良い。報知の内容は、「設定6と、それとは異なる設定とを選択できるが、設定6の時には80%で、他の設定の時のことまでは言及しない」というものである。この場合、はじめから報知している内容は「設定6の場合に80%」で共通であるが、球を右打ちで発射する前においては「設定6の場合」の部分を見え難くすることで、設定が判別された後か前かに関わらず、遊技機を魅力的に飾ることができる。
上記各実施形態では、流路構成部材K5271により屈曲経路が形成される前方に化粧カバーK5280が配置され、流下する球と重なる位置に模様が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、流下経路が形成されず、遊技球が自由落下可能な範囲の正面側に化粧カバーK5280を配設するようにしても良い。この場合、流下する球と化粧カバーK5280の模様とが重なる期間を短くすることができるので、模様の視認性を維持し易くすることができる。
また、流路構成部材K5271により形成される流路は、左右方向に傾斜する直線経路が複数組み合わされた屈曲経路として構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路に曲線部が含まれても良いし、流下経路が曲線のみで構成されても良い。
また、流下経路が前後方向に延びる(前後方向に向かう程に傾斜する)部分を有しても良い。この場合、流下する遊技球の正面視における変位をゆっくりとさせることができるので、遊技球と化粧カバーK5280の模様とが重なる期間を長くすることができる。
上記各実施形態では、非透過形成部K5282aが矩形状に形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、矢印形状で形成されても良いし、その他の任意の記号で形成されるようにしても良い。これにより、遊技者に対して、記号の意味するところを報知することができ、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
また、非透過形成部K5282aは光を透過させないものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、形成部K5282よりも透過性が低いが、非透過ではなく、光を透過するものとしても良い。これにより、非透過形成部K5282aを利用した光演出を実行可能とすることができる。
上記各実施形態では、流路構成部材K5271の正面側で化粧カバーK5280が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、化粧カバーK5280が第1輪郭部K5281の左下端部付近を軸に時計回りに回転動作可能に構成されることで、模様が球流路の前方に配置される状態と、模様が球流路の前方から退避される状態と、を構成可能にしても良い。これにより、流路構成部材K5271により流下される球の視認性を切り替えることができる。
この場合において、模様全体が回転動作されても良いし、模様の一部が回転動作されても良い。例えば、非変化領域K5282c,K5284cの下側における変化領域K5282b,K5284bのみが回転動作され、非変化領域K5282c,K5284c及び非変化領域K5282c,K5284cの上側における変化領域K5282b,K5284bは配置が維持されても良い。この場合、回転動作によらず、非変化領域K5282c,K5284cにおける模様の位置を不変とすることができ、非変化領域K5282c,K5284cによる報知を常時実行することができる。
上記各実施形態では、枝分かれ分岐の無い球流路の前に化粧カバーK5280が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2傾斜部K5274の下流側端部において流路が分岐するようにしても良い。この場合において、分岐流路の全ての前側に非透過形成部K5282aが配置されるようにしても良いし、一方の分岐流路の前側に非透過形成部K5282aが配置され、他方の分岐流路の前側には非透過形成部K5282aが配置されないようにしても良い。後者の場合、非透過形成部K5282aと球の影とが重なることを視認することで、球が、どちらの分岐流路を流下したかを遊技者に把握させ易くすることができる。
上記各実施形態では、第1輪郭部K5281を代表例として、背後を通る遊技球の視認性を維持するための種々の特定を行ったが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、同様の特定を、大形意匠K221aや小形意匠K221bに行うようにしても良い。この場合、入賞ユニットK200を球が流下する場合に、第1輪郭部K5281で説明したと同様の効果を生じさせることができる。
本明細書に記載されている各種技術思想を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<その他記載>
従来より、特定の遊技期間(例えば、大当たり遊技期間)において、楽曲を再生すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面に再生されている楽曲に対応する歌詞を表示することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させるものがある。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうという問題があった。具体的には、大当たり遊技が実行され、楽曲の再生タイミングが到来した場合には、音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226に対して対応する楽曲の音声データを再生(出力)するためのコマンドを出力し、表示制御装置114に対しては、大当たり遊技の進行状況に合わせて、第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示内容を示すコマンドを出力するように構成しているため、楽曲の再生と、歌詞の表示とは、開始タイミングを合わせることは可能であるが、それ以降において楽曲の再生状況と、歌詞の表示状況とを同期させることができず、楽曲再生処理、或いは、歌詞の表示処理にて処理が停滞した場合等に再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうという問題があった。
また、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうことを懸念して、最初から歌詞を表示しない構成を有しているパチンコ機10もあるが、再生されている楽曲の歌詞が表示されないことで、楽曲の意味を遊技者が把握できず演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、従来型のパチンコ機10と同様に、楽曲の再生タイミングに合わせて歌詞表示を行い、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレ得る事象が発生した場合にのみ歌詞を非表示にするように構成している。そして、歌詞を非表示する事態が発生した場合には、再生されている楽曲に関する情報(歌詞とは異なる情報)を歌詞の代わりに表示するように構成すると良い。
このように構成することで、再生されている楽曲と、表示されている歌詞とがズレてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができると共に、歌詞が非表示となったとしても演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
<記載技術まとめ>
<まとめA>(ボタン操作演出のひっかかり期間)
遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン22)と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段(バトル演出における第2パート演出にて特別図柄抽選の結果に応じて操作有効期間を決定する処理)と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に、前記操作手段に対して所定の前記操作が実行されたことを判別可能な操作判別手段(長押し操作を判定する処理)と、その操作判別手段により前記所定の操作が実行されたと判別されたことに基づいて、演出態様(HP値)を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段(HP値の減少に応じてHPゲージ890の表示態様を可変させる処理)と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段(残HP値が0となった場合に処理演出を実行する処理)と、を有した遊技機において、前記演出態様を可変させることが可能な第1期間(非減少期間が設定されていない期間)と、その第1期間よりも前記演出態様を可変させることが困難な第2期間(非減少期間)とを、前記演出態様を可変させることが可能な状態(残HP値が最終HP値では無い状態)で実行される前記所定の操作(長押し操作)に基づいて決定可能な期間決定手段(非減少期間の突入抽選)を有することを特徴とする遊技機A1。
<まとめB>(長押し操作演出において、長押しキャンセルした方が演出が進みやすい)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に前記操作手段に対して所定期間継続して操作が実行される継続操作が実行されていることを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記継続操作が実行されていると判別されている間、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記継続操作を第1期間継続して実行する場合の方が、前記第1期間よりも短い第2期間で前記継続操作を終了する場合よりも、前記演出態様を前記第2態様へと可変させ易い第1演出制御(非減少期間が設定されていない場合における長押し操作に基づくHP値を減少させる制御)と、前記継続操作を第1期間継続して実行する場合よりも、前記第1期間よりも短い第2期間で前記継続操作を終了する場合の方が、前記演出態様を前記第2態様へと可変させ易い第2演出制御(非減少期間が設定されている状態において、長押し操作を中断することで非減少期間を解除する制御)と、を実行可能な演出制御手段を有することを特徴とする遊技機B1。
<まとめC>(連打演出中に、連打操作した場合と長押し操作した場合とで異なる演出制御を実行)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、その信号判別手段による判別結果が所定の実行条件を満たした場合に、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、その演出可変手段によって前記演出態様を可変させることが可能となる最終態様を前記複数の態様の中から決定可能な最終態様決定手段(最終HP値を決定する処理)と、を有した遊技機において、前記演出可変手段は、前記所定の実行条件として、第1実行条件が成立した場合(押下操作と判別された場合)と、その第1実行条件とは異なる第2実行条件が成立した場合(長押し操作と判別された場合)とで、異なる可変態様で前記演出態様を前記最終態様へと可変させるものであることを特徴とする遊技機C1。
<まとめD>(強制チャンス演出実行制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記演出実行手段により実行される前記演出に関する情報に基づいて演出値を更新可能な更新手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定(チャンス予告演出を実行するか否かを決定する抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出の演出態様を決定)と、前記更新手段によって更新される前記演出値が実行条件を満たした場合に前記判別手段による前記判別結果に関わらず前記第1演出態様を前記演出態様として決定する第2決定(演出実行カウンタ223aahの値に基づいて強制的にチャンス予告演出の演出態様を決定)と、を実行可能であることを特徴とする遊技機D1。
<まとめE>(激アツ外れ予告発生後の大当たり演出で外した激アツ予告を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記特定の判別結果以外の前記判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される前記演出の演出態様として前記第1演出態様が決定されたことを示す決定情報を所定期間記憶可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記特定の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される前記演出の演出態様として、前記記憶手段に前記決定情報が記憶されている場合に、前記第1演出態様を決定する第2決定(チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている外れ演出に用いられた演出態様を当たり演出に用いる処理)と、を実行可能であることを特徴とする遊技機E1。
<まとめF>(操作有効期間が通常よりも長いロングボタン表示)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記操作手段への操作が有効に判別される有効期間を設定する有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定された前記有効期間の少なくとも一部期間を遊技者に報知可能な有効期間報知手段と、その有効期間報知手段により前記有効期間が報知されている状態で前記操作判別手段により前記操作手段の操作が判別されたことに基づいて、前記判別手段による前記判別の結果を示すための操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有した遊技機において、前記有効期間設定手段は、前記有効期間として、第1有効期間と、その第1有効期間よりも長い第2有効期間を設定可能であり、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも、前記第2有効期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機F1。
<まとめG>(絆60秒ミッション)
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記取得手段が前記取得情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により実行される複数回の前記判別の結果に関する情報に基づいて演出態様が決定される期間演出を実行可能な期間演出実行手段(残確変回数が20回以降に実行される各モード演出を実行する手段)を有し、前記遊技機は、前記期間演出の前記演出態様を決定する際に参照される前記情報に含まれる前記判別の範囲を異ならせる(先読み結果を対象にするか否かを決定、遊技者によって範囲を選択)ことが可能であることを特徴とする遊技機G1。
<技術思想まとめ1>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設けており、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成している。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、大当たり遊技とは異なる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果の種別の多様化を図りやすくすることができる。
さらに、上述した第5制御例では、設定されている遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立のし易さを異ならせており、具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成し、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無のみを判定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選における大当たり当選、或いは、時短当選が成立可能となり、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選における大当たり当選が成立可能となる。即ち、時短当選の有無が判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立し易くなるように構成している。よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。
加えて、上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶可能(保留記憶可能)に構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが時短当選し易くなるように構成している。
つまり、普通図柄の高確率状態が設定されている何れかの遊技状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと遊技状態が移行した場合(遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合)において、移行後の通常状態中に、移行前の普通図柄の高確率状態にて保留記憶された第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づく第2特別図柄抽選が実行された場合に時短当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合にも所定期間の間、遊技者に有利な遊技状態へと復帰し易い特別図柄抽選を遊技者に実行させることができるため、遊技者に不利となる遊技状態である通常状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、通常状態中により多くの第2特別図柄抽選を実行させるために、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)獲得した状態で普通図柄の高確率状態を終了させようと、普通図柄の高確率状態が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。
上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で時短当選した場合にも普通図柄の高確率状態を設定可能に構成しており、大当たり当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、時短当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)とで、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件の成立のし易さを異ならせている。
具体的には、第1時短の終了条件として設定される時短回数よりも第2時短の終了条件として設定される時短回数のほうが多くなり易くなるように構成している。このように、普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その設定契機(普通図柄の高確率状態を設定するための成立契機)に応じて有利度合いを異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能とすることにより、普通図柄の高確率状態が設定されるか否かだけで無く、どのような契機で普通図柄の高確率状態が設定されるのかという遊技の過程についても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態において遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、時短終了条件の成立のし易さ(時短回数)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、第1時短が設定された場合と、第2時短が設定された場合とで、第2特別図柄抽選の保留記憶の獲得のし易さ(電動役物640aの開放パターン)を異ならせたり、普通図柄の高確率状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の有利度合い(例えば、大当たり遊技中に付与される賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別)を異ならせたりするように構成しても良い。
次に、上述した第5制御例の第1変形例は、通常状態が設定されている場合に実行される第1特別図柄抽選でも時短当選し得るように構成している点で上述した第5制御例と相違している。
上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている状態で第2特別図柄抽選を実行する遊技を行わせ、普通図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能に構成していた。そして、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態において実行した場合に、大当たり抽選に加え、時短抽選も実行されるように構成することで、遊技者に有利となる普通図柄の高確率状態中の遊技(有利遊技)を体験した遊技者に対して、有利遊技が終了した後に、通常時よりも高確率で有利遊技へと復帰し易い遊技(引き戻し遊技)を実行させることができるものであった。
しかしながら、上述した第5制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)にて大当たり当選し、普通図柄の高確率状態が設定された遊技(有利遊技)を実行しない限り、時短抽選の恩恵を受けることが出来ないため、時短抽選の恩恵を受けること無く遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、上述した第5制御例の第1変形例では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選においても時短当選し得るように構成しているため、遊技者に対して時短抽選の恩恵を受け易くすることができる。
さらに、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)よりも、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(時短状態)のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長くなり易くなるように構成していた。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合に、次の大当たり当選まで普図高確期間を継続させ易くするという特典を遊技者に付与可能に構成していた。
これに対して、上述した第5制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合には、短期間(例えば、時短回数1回)の時短状態を設定可能に構成し、その短期間の時短状態が設定される期間(普図高確期間)において、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得させる遊技を実行可能に構成している。つまり、本第1変形例では、上述した第5制御例における引き戻し遊技を、大当たり当選すること無く実行させ得るように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、上述した第5制御例の第1変形例では、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動パターンとして、複数の変動時間を選択可能に構成している。本第1変形例では、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選にて時短当選すると、所定の変動時間の変動を経て時短当選を示すための表示態様(時短図柄)で第1特別図柄が停止表示された後に時短状態(時短回数1回)が設定され、次に実行される特別図柄変動が停止表示されるまでの間、時短状態が継続するように構成している。
つまり、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間に対応して時短状態が継続する期間の長さが決定することになる。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間が長ければ長い程、時短状態中に多くの特図2保留を獲得し易くなるため遊技者に有利な時短状態とすることができる。
次に、上述した第5制御例の第2変形例では、上述した第5制御例に対して更なる興趣向上を目指すために、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の内容を、普通図柄の高確率状態が設定された契機(第1時短又は第2時短)に応じて異ならせるように構成している。つまり、第1時短中に大当たり当選した場合と、第2時短中に大当たり当選した場合とで、同一の大当たり種別が設定された場合に付与される特典の内容を異ならせている。このように構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定された場合において、どの契機で時短状態が設定されたのかについても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド数が少なく、且つ、1回のラウンド遊技の遊技時間が短い大当たり遊技(2R大当たり)を実行可能に構成し、その2R大当たり遊技が実行された後に、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合、即ち、第1時短が設定される場合と、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が設定される場合、即ち、第2時短が設定される場合とで、実行される遊技の内容の相違を遊技者に気付かれ難くすることができる。
加えて、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短が設定される過程において実行される変動演出と、第2時短が設定される過程において実行される変動演出と、を同様の演出態様で実行可能に構成している。具体的には、第1時短が設定される大当たり当選(2R大当たり当選)したことを示すための特別図柄変動が開始されてから、その特別図柄変動が停止表示され、その後、2R大当たり遊技が終了するまでの第1期間と、第2時短が設定される時短当選したことを示すための特別図柄変動の変動時間である第2期間と、が略同期間となるように設定し、その期間を用いて共通の演出態様で演出を実行するように構成している。
このように構成することで、第1時短が設定される場合と、第2時短が設定される場合とで、特別図柄変動が開始されてから、時短状態が設定されるまでの期間において共通の演出態様の演出を実行させることができるため、何れの契機で時短状態が設定されたのかを遊技者により分かり難くすることができる。
次に、上述した第6制御例では、通常状態以外の遊技状態が設定されている状態においても特別図柄抽選で時短当選し得るように構成している点で上述した第5制御例とは大きく相違している。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定されている状態において、新たに時短当選した場合に、時短状態が継続する残期間を更新可能とすることができる。よって、時短状態がいつまで継続するかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、時短状態が継続する残期間を更新させる場合において、現状の残期間よりも時短状態が継続する期間が長くなるように更新(有利更新)される場合と、短くなるように更新(不利更新)される場合とが発生するように構成している。つまり、時短抽選において時短当選するタイミングと、時短当選した場合に設定される時短回数(時短期間)とによって、時短当選が遊技者に有利な特典となる場合と、不利な特典となる場合が発生するように構成している。このように構成することで、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性と、を備える斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、上述した第6制御例では、大当たり当選すること無く、連続して時短当選すればするほど遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。具体的には、遊技者の有利度合いを異ならせた時短種別が複数規定されており、時短状態中に時短当選する程、有利な時短種別が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり当選しない期間が長くなればなるほど、遊技者に有利な特典を付与し易くすることができる。
加えて、遊技者に最も有利な時短種別が設定されている場合には、その時短種別よりも不利な時短種別が設定されている場合よりも、遊技者に不利な時短種別へと移行し易くなるように構成している。つまり、有利度合いを異ならせた複数段階の時短種別を有し、時短当選に基づいて徐々に有利度合いの高い時短種別が設定されていき、最高段階の時短種別に到達した場合には、最低段階の時短種別へと転落し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な時短種別が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した第6制御例のように、時短状態が設定されている状態で時短抽選を実行可能に構成したパチンコ機10、即ち、時短状態が設定されている状態で新たな時短状態の設定条件が成立した場合における処理内容として、既に設定されている時短状態の内容(残時短期間)に関わらず、新たな時短状態を設定する処理を実行するように構成しても良いし、既に設定されている時短状態の内容(残時短期間)と、新たに設定条件が成立した時短状態の内容(時短期間)とを判別し、その判別結果に基づいて、新たな時短状態を設定するか否かを決定する処理を実行するように構成しても良いし、既に設定されている時短状態の内容と、新たに設定条件が成立した時短状態の内容との差分を算出し、その差分に対応する情報(時短期間)を、既に設定されている時短状態の残時短期間に加算(減算)する処理を実行するように構成しても良い。
また、既に設定されている時短状態が終了するまで、新たに設定条件が成立した時短状態が設定されることを待機させる処理を実行可能に構成しても良い。この場合、既に設定されている時短状態が終了するまでの間に、時短状態の設定条件が複数成立した場合には、設定条件が成立した全ての時短状態を順に設定するように構成しても良いし、待機中の時短状態のうち、遊技者に有利となる時短状態を所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶されている時短状態のみを順に設定するように構成しても良い。
なお、上述した第6制御例に記載された各技術思想を、上述した各制御例に適用して勿論良く、また、時短状態の設定条件として、上述した第13制御例に記載された技術思想、即ち、天井特典として時短状態を設定可能な技術思想を上述した第6制御例に適用しても良い。
次に、上述した第7制御例では、1回の特別図柄抽選で大当たり当選と、時短当選と、を重複して判定可能に構成している。また、上述した第7制御例では、大当たり当選の判定が実行される前に時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選にて大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、時短状態が設定されている状態で当該特別図柄抽選における大当たり当選の判定を実行し、当該特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されるタイミングにて時短状態を終了させることが可能に構成している。
具体的には、通常状態における第1特別図柄抽選で時短当選した場合において、上述した通り、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行されるタイミングを含む短期間の間、時短状態となるように構成している。つまり、上述した第5制御例では、次の大当たり当選に向けて遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行させ易い遊技)を、大当たり遊技を介すること無く所定期間(最大で10000回)実行させるために特別図柄抽選にて時短当選可能な機能(時短期間設定機能)を設けていたのに対して、上述した第7制御例では、上述した時短期間設定機能に加え、通常状態において、特別図柄抽選を実行させ易くすること無く、特別図柄抽選による大当たり判定が実行されるタイミングが時短状態となるように構成することで通常状態にて実行される遊技(左打ち遊技)の最中に時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行可能にする機能(特殊抽選機能)を設けている。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄抽選で時短当選したことを把握され難くしながら時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行することができるため、特別図柄抽選の結果として意外性のある抽選結果を報知することが可能となる。
また、上述した第7制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に付与される特典を、通常状態にて大当たり当選した場合と、時短状態にて大当たり当選した場合とで、異ならせており、通常状態よりも時短状態で大当たり当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり遊技)が付与されるように構成している。つまり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、時短当選と大当たり当選とに重複当選した場合のほうが、大当たりのみ当選した場合よりも有利な特典が付与されることになる。
加えて、上述した第7制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、大当たり当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、を設定可能に構成している。
つまり、実行される変動演出の演出態様を把握することで実行中の特別図柄抽選に対して実行された大当たり判定の結果と、時短当選判定の結果と、を遊技者に予測させることが可能に構成している。さらに、変動演出として、時短当選の有無を報知するタイミングと、大当たり当選の有無を報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選に対して異なる複数の特典を付与するための判定を実行可能なパチンコ機10において、少なくとも1の判定結果を把握(予測)した状態で、他の判定結果を示唆するための示唆態様を把握させることができる。
また、上述した第7制御例では、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様を含む演出(時短演出)の演出結果が、時短非当選を示唆する示唆態様を含む演出結果であった場合のほうが、時短演出が実行されない場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように、付与判定を異ならせた複数の特典を1回の特別図柄抽選にて付与可能な構成を用いたパチンコ機10において、1の特典に対する付与判定の結果を示唆可能な判定結果示唆演出が実行された場合に、その判定結果示唆演出の演出結果が1の特典が付与されないことを示唆する演出結果であることで、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて他の特典が付与される期待度が高くなるように構成することで、判定結果示唆演出が実行された時点で、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて、何れかの特典が付与され易い状態であることを遊技者に報知することができる。
上述した第7制御例のように、1回の特別図柄抽選が実行されることに基づいて、複数の特典を重複して付与可能な構成を、上述した各制御例に適用しても勿論良く、例えば、1回の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、大当たり抽選と時短抽選とに重複して当選可能に構成する技術思想を上述した第13制御例から第16制御例に適用しても良いし、上述した第5制御例から第8制御例に対して、上述した第13制御例から第18制御例に用いられた天井特典に関する技術思想を適用しても良い。
例えば、第7制御例に対して、天井特典に関する技術思想を付加した場合には、1回の特別図柄抽選が実行されることにより最大で3つの異なる特典(大当たり当選、時短当選、天井特典)を遊技者に付与することが可能となり、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果により興味を持たせることができる。また、この場合、付与され得る3つの特典を全て提供可能に構成しても良いし、少なくとも1の特典が破棄されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な特典を提供してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、上述した第8制御例は、通常状態において実行される第1特別図柄抽選、及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、高確率(外れ当選の殆ど)で時短当選するように構成し、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)が、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となるように構成している。
加えて、上述した第8制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが交互に実行され易くなるように遊技盤13が構成されており、上述した第2時短の終了条件として、一方の種別の特別図柄抽選が連続して実行された場合に成立する終了条件が設定されるように構成している。
このように構成された上述した第8制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている状態にて実行される特別図柄抽選にて大当たり当選(大当たり確率1/300)しなかった場合には、高確率(298/300)で時短当選することより第2時短が設定される。そして、第2時短の終了条件が成立するまで、第2時短で特別図柄抽選が実行される。
また、第2時短の終了条件として、第2時短中に実行された特別図柄抽選の合算回数が特定数(100回)に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、所定の順序で特別図柄抽選が実行された場合に成立する第2時短終了条件とが設定されるように構成しており、第2時短終了条件は、第1時短終了条件が成立するよりも前に成立し得るように構成している。
よって、第2時短が設定された場合には、いち早く第2時短を終了させるために第2時短終了条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、通常状態において実行される特別図柄抽選の種別に応じて、遊技者への有利度合いを異ならせるように構成しており、通常状態で実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、通常状態で実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に有利な遊技状態を設定し易くなるように構成している。
このように構成することで、第2時短が終了した後に実行される特別図柄抽選の種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、上述した第8制御例では、時短状態が設定された直後に実行される特別図柄抽選の種別が特定条件(時短状態が設定された特別図柄と同一種別)を満たす場合に、その直後に実行される特別図柄抽選によって時短終了条件を成立させる(短縮時短終了条件を成立させる)ように構成しているが、短縮時短終了条件を成立させるための構成は、これに限られること無く、例えば、時短状態が設定されている状態においても、時短抽選を実行可能に構成し、且つ、時短状態中に時短当選した場合には、新たに時短当選した内容の時短状態が設定されるように構成しても良い。
上述した第8制御例では、第2特別図柄抽選において不利時短当選した場合には、その不利時短状態が終了するまでの間、第1特別図柄抽選においても、通常状態よりも不利となる特別図柄抽選が実行されるように構成している。換言すれば、1の特別図柄抽選の結果に応じて、他の特別図柄抽選に対してペナルティを課すことができるように構成している。
このようなペナルティを課す遊技方法として、例えば、上述した第12制御例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)されたパチンコ機10において、特定の遊技状態(通常状態)において、適正では無い遊技を実行することで第2特別図柄抽選を実行した場合に、不利時短状態が設定され、不利時短状態が設定されている間は、第1特別図柄抽選にて通常状態よりも遊技者に不利な特別図柄抽選が実行されるように構成しても良い。
次に、上述した第12制御例は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している。このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、上述した第12制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の両方で時短抽選を実行可能に構成し、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合よりも、一方の特別図柄が時短当選し、その特別図柄の変動表示が停止するまでの期間で、他方の特別図柄でも時短当選した場合に遊技者に有利な特典が付与されるように構成している。
上述した第12制御例では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が時短当選した場合に時短A状態が設定される。一方、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合には、長時間(300秒)の変動時間が設定され(時短当選変動状態)、第1特別図柄の変動が終了するまで(つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまで)の期間で第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利な時短B状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、一方の特別図柄が時短当選した場合に、他方の特別図柄でも時短当選することで遊技者に有利な特典が付与されるため、一方の特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す特別図柄の変動中に、他方の特別図柄でも時短当選したいと遊技者に思わせることで、意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、大当たり遊技終了後に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に通常状態(普通図柄の低確率状態)を設定させるための処理を実行する構成としている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が長時間に渡って継続することで遊技者が過剰に有利になることを抑制し、遊技者の射幸心の向上を抑制することができる。
また、同時変動仕様の遊技機において、一方の特別図柄抽選において大当たり(または小当たり)に当選した場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、或いは、仮停止させる(中断させる)かの一方のみを実行する仕様であることが一般的であるが、上述した第12制御例では、大当たり種別(または小当たり種別)によって、他方の特別図柄の変動表示を強制停止させるか、仮停止させるかを決定する構成としている。つまり、他方の特別図柄の変動を強制停止させる(破棄させる)大当たり種別と、他方の特別図柄の変動表示を仮停止させる(中断させる)大当たり種別が規定されている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態において、一方の特別図柄が停止表示されることにより遊技者に不利な遊技状態が設定され得る場合に、他の特別図柄の変動を破棄することができる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定されることを防ぐことができるが、他の特別図柄を中断させる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定され得る状況が継続するので、大当たり当選した場合に、遊技者に他の特別図柄の変動を破棄できたか否かに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した第12制御例における遊技性、即ち、同時変動仕様の遊技性を、上述した各制御例に対して適用しても勿論良い。また、同時変動仕様のパチンコ機10において、一方の特別図柄抽選に基づいて、他方の特別図柄抽選の結果を破棄する構成として、例えば、一方の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、時短当選した場合や、天井特典が付与された場合に、実行中の他方の特別図柄抽選(変動)を破棄する構成を用いても良い。
<技術思想まとめ2>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる技術思想について、上述した第5制御例のパチンコ機10によれば、第2入球口640に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄抽選の実行権利を取得する手段を有し(情報を取得することが可能な取得手段)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)まで保留記憶可能な手段を有する(取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段)。そして、保留記憶されている第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づいて、第2特別図柄抽選が実行される(記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段)。そして、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(第1判別結果)であることに基づいて大当たり遊技(特定遊技)が実行される。そして、大当たり遊技が終了した後には、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態(特定設定)が、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)が成立するまでの間継続する。また、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定とは別に時短当選判定を実行可能に構成しており、時短当選判定において時短当選したと判別された場合は(第2判別結果であると判別された場合は)、大当たり遊技を実行すること無く、普通図柄の高確率状態(特定設定)を設定可能である。さらに、上述した第5制御例では、複数の遊技状態を設定可能に構成しているが、その中で、通常状態(特定期間)が設定されている状態においてのみ、時短当選判定を実行可能である。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技の終了タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定される。よって、普通図柄の高確率状態を設定されるタイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせることができる。
また、時短当選判定を実行可能な期間(通常状態が設定されている期間)と、実行不可能な期間(通常状態が設定されていない期間)と、を設けることができるため、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。なお、上述した第5制御例では、通常状態でのみ時短当選判定を実行するように構成しているが、時短当選判定を実行可能な期間と、実行しない期間と、を設ければ良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)において時短当選判定を実行可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において時短当選判定を実行しないように構成しても良い。
さらに、時短当否判定の実行の有無を設定されている遊技状態に応じて切り替えるのでは無く、時短当否判定において時短当選する確率を遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、通常状態が設定されている場合における時短当否判定では1/6の確率で時短当選し、それ以外の遊技状態においては、1/200の確率で時短当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選し易い遊技状態と、時短当選し難い遊技状態と、を設定することができるため、上述した技術思想と同様に効果、即ち、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した第5制御例では、遊技球が入球することにより、第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64(遊技球が入球可能な第1入球手段)と、第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640(その第1入球手段とは異なる第2入球手段)と、を設けており、時短当選判定は、第2特別図柄抽選でのみ実行可能に構成している。
つまり、第1特別図柄抽選では、何れの遊技状態が設定されていても時短当選判定が実行されず、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能としている。このように構成することで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、ひいては、第1入球口64への遊技球の入球と、第2入球口640への遊技球の入球とで、後に遊技者へと付与される価値の量を大きく異ならせることができる。
なお、上述した第5制御例では、第1特別図柄抽選では時短当選判定を実行せずに、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特定期間(通常状態)においては第2特別図柄抽選のみ時短当選判定を実行し、第1特定期間とは異なる第2特定期間(第2確変状態)においては、第1特別図柄抽選のみが時短当選判定を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、設定されている期間によって、第1入球口64への遊技球の入球が、第2入球口640への遊技球の入球より遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、第1入球口64への遊技球の入球よりも、第2入球口640への遊技球の入球が遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、を創出することが可能となる。よって、遊技者に対してより有利な価値が付与され易い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、この場合、図329に示した変形例のように、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1入球口64への遊技球の入球度合いと、第2入球口640への遊技球の入球度合いとが同様となるようにパチンコ機10の遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、遊技者の判断によって、何れの入球口へと遊技球を入球させるかを選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、各制御例に記載した通り、大当たり当選に基づいて設定される時短状態(第1時短)よりも、時短当選判定により時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)のほうが、遊技者に有利な時短状態、即ち、時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、時短状態の設定契機に応じて、設定された時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。これにより、時短状態(特定設定)が設定される期間(時短終了条件)を判別された判別結果(設定契機)により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
この場合、時短状態が設定される前の遊技状態に応じて、第1時短よりも第2時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、第2時短よりも第1時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、を設けると良い。このように構成することで、どの状況で時短状態が設定されたかについても遊技者に興味を持たせることができる。
より具体的には、例えば、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が所定数を超えた場合のほうが、超えていない場合よりも、有利な時短状態となり易くなるように構成しても良い。
次に、上述した第7制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選と、時短当選とに重複して当選可能に構成している(図315参照)。これにより、大当たり当選(第1判別結果)と時短当選(第2判別結果)とを重複して判別することが可能に構成されているので、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選、時短当選、大当たりと時短との両方に当選と、様々な抽選結果を期待することができる。さらに、第7制御例では、時短当選と大当たり当選とが重複した場合に、重複して当選しなかった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が実行されるように構成している(図306(b)参照)。よって、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
なお、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、遊技者に有利な特典を付与する構成として、上述した第7制御例の構成以外を用いても良く、例えば、大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、有利な遊技状態(例えば、確変状態、時短状態等)を設定可能に構成しても良い。
また、上述した第7制御例では、時短当選の判定(第2判別結果であるか否かの判別)を実行した後に、大当たり判定(第1判別結果であるか否かの判別)を実行するように構成しており、1の特別図柄抽選において、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態で実行することができるように構成している。このように構成することで、重複当選した場合に実行される特典遊技の有利度合いと、重複当選しなかった場合に実行される特典遊技の有利度合いと、を異ならせることができる。
次に、上述した第5制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)と、で普通図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典の種別(大当たり遊技終了後に付与される時短回数)を異ならせている(図280(b)参照)。よって、設定種別(第1時短、第2時短)に応じて特典遊技の種別における選択割合(大当たり遊技の内容と、付与される時短回数)が可変されるので、同じ普通図柄の高確率状態(第2遊技状態)であっても遊技者へと付与される特典を異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、上述した第5制御例の第2変形例では、設定種別(第1時短と第2時短)に応じて、付与される時短回数に差を設けているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技の内容(例えば、ラウンド遊技数)を異ならせるように構成しても良い。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短よりも第2時短が設定された場合、即ち、大当たり遊技が実行されること無く普通図柄の高確率状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技中に賞球を獲得すること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合、即ち、第1時短よりも普通図柄の高確率状態が設定されるまでに付与される特典が少ない第2時短のほうが、普通図柄の高確率状態を長くすることができるため、遊技者に対して公平に特典を付与することができるという効果がある。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、上述した第5制御例や第5制御例の第1変形例と同様に、通常状態でのみ時短当選判定(第2判別結果の判別)を実行可能に構成している。換言すれば、通常状態以外では、時短当選判定が実行されることを規制している。よって、遊技状態に応じて時短当選判定が実行されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
加えて、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを、遊技者に判別させ難くするように、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を設定可能に構成している(図278、及び図279参照)。つまり、第1時短が設定される場合には、特別図柄変動時間と、その後の大当たり遊技期間とを合算した第1期間に対して特定演出(図278(a)参照)を実行し、第2時短が設定される場合には、特別図柄変動時間(確定時間含む)である第2期間に対して特定演出(図278(b)参照)を実行するように構成している。
より具体的には、上述した第1期間と第2期間とが略同一期間となるように、各特別図柄抽選結果に対応させて変動時間や、大当たり遊技期間を予め規定しておき、特定演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出として、演出期間、及び、演出態様が同一の特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態を示す演出が実行されることになる。よって、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出を注視している遊技者に対して、何れの設定契機で普通図柄の高確率状態が設定されたのかを判別させ難くすることができる。
次に、上述した第6制御例では、時短状態(第2遊技状態)中においても時短当選判定を実行可能に構成しており、時短状態(第2遊技状態)中に時短当選した場合には、時短終了条件が成立し難い(時短回数が多い、又は、時短当選確率が高い)時短種別の時短状態(第2遊技状態)を設定可能に構成している。
これにより、時短状態が設定されている期間が長くなるほど、時短終了条件が成立し難い時短種別の時短状態が設定され易くなるため、特典遊技が実行され易くすることができる。
なお、上述した第6制御例では、図286(a)に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、時短当選確率を異ならせているが、時短当選確率を同一に規定しても良い。また、遊技状態に応じて時短当選確率を異ならせているが、それ以外に例えば、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数に応じて時短当選確率を異ならせても良い。この場合、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、200回)を超えた場合に、時短当選確率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で長時間大当たり当選していない遊技者に対して、大当たり遊技とは異なる時短当選という特典を付与し易くすることができる。なお、本技術思想は、他の制御例にも適用可能であることは言うまでも無い。
以上、説明をした各実施形態、或いは各制御例に用いたパチンコ機10の構成として、以下の構成を用いても良い。
<普通図柄の高確率状態に関する構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、その大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態を設定可能に構成していたが、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の設定契機を設けても良く、例えば、大当たり当選することなく特別図柄変動の実行回数が所定回数(例えば、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選で大当たり当選する確率の分母の値の2倍)に到達した場合に、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり当選しない特別図柄抽選(変動)が繰り返し実行される状況、即ち、遊技者の遊技意欲が低下し易い状況が発生した場合に、遊技者に有利な特典(普通図柄の高確率状態)を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した設定契機を成立させるための要素である特別図柄変動の実行回数を、遊技状況に応じて可変可能に構成しても良く、例えば、設定されている遊技状態に応じて普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を異ならせるように構成しても良い。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合と、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態の種別に応じて設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される期待度を、設定されている遊技状態に応じて異ならせることができる。
なお、この場合、特別図柄の高確率状態が設定されている第2確変状態のほうが、特別図柄の低確率状態が設定されている通常状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選し易いため(特別図柄抽選の大当たり確率が高いため)、第2確変状態が設定されている場合のほうが、通常状態が設定されている場合よりも、少ない特別図柄変動の実行回数で普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成すると良い。このように構成することで、何れの遊技状態が設定されている状態であっても、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機の成立のし易さを同程度にすることが可能となる。
一方、第2確変状態が設定されている場合よりも、通常状態が設定されている場合のほうが、少ない特別図柄変動の実行回数で普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成しても良い。つまり、特別図柄の確率状態においても遊技者に不利な低確率状態が設定されている通常状態(遊技者に最も不利な遊技状態)において、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し易くすることができるため、遊技者に過剰に不利な遊技を実行され難くすることができる。また、特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する設定契機に基づいて普通図柄の高確率状態が設定され易くなるため、大当たり当選すること無く普通図柄の高確率状態が設定されるという意外性のある遊技を遊技者に提供し易くすることができる。
さらに、設定されている遊技状態に応じて普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を異ならせるように構成した場合において、設定されている遊技状態の一部において、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し得ない(し難い)遊技状態を設けても良く、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)として複数の種別(例えば、通常AA、通常AB)を設定可能に構成し、通常AAの遊技状態が設定されている場合よりも、通常ABの遊技状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、通常状態が設定されている遊技機で遊技を行っている遊技者に対して、どのタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されるか?或いは、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し得る遊技状態であるか?を、予測させながら遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、この場合、現在設定されている遊技状態(種別毎の遊技状態)が、普通図柄の高確率状態の設定契機が成立し易い遊技状態であるか否かを遊技者に予測させることが可能な演出を実行可能に構成すると良い。
さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典(大当たり遊技内容や、大当たり遊技終了に設定される遊技状態)が遊技者に有利となり易い遊技仕様を有する遊技機においては、普通図柄の高確率状態が設定される設定契機が成立するまでの残期間(残特別図柄変動回数)を示す情報と、特別図柄抽選の抽選結果を示すための情報(又は、特別図柄抽選の抽選結果を事前に判別した事前判別結果(先読み結果)を示すための情報)と、に基づいて演出態様を異ならせた演出を実行可能に構成すると良い。
例えば、特別図柄抽選で大当たりに当選している場合のほうが、当選していない場合よりも実行され易い演出(例えば、リーチ演出)の演出態様を決定する際に、普通図柄の高確率状態が設定される設定契機が成立するまでの残期間(残特別図柄変動回数)を参照し、残特別図柄変動回数が少ない場合、即ち、普通図柄の高確率状態が間もなく設定される第1状況と、残特別図柄変動回数が多く場合、即ち、普通図柄の高確率状態が暫く設定されることが無い第2状況と、で異なる演出態様が決定されるように構成し、第1状況のほうが、第2状況よりも、遊技者に有利な状況であることを報知可能な演出態様でリーチ演出が実行され易くなるようにリーチ演出の演出態様を決定すると良い。
このように構成することで、大当たり当選を示唆するためのリーチ演出が実行されるタイミングと、普通図柄の高確率状態が設定されるタイミングと、によって異なる演出態様のリーチ演出を実行することが可能となるため、様々な演出態様でリーチ演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。加えて、実行されるリーチ演出の演出態様に基づいて、リーチ演出が実行されたタイミングの有利度合い(普通図柄の高確率状態が設定される直前であるか否か)を遊技者に把握させることが可能となるため、実行中のリーチ演出の演出結果が外れ(特別図柄抽選の結果が外れであることを示す演出結果)となることを遊技者に期待させるという斬新な演出を提供することができる。
また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、大当たり当選すること無く特別図柄抽選が100回実行された場合に、普通図柄の高確率状態が設定されるように構成している場合であって、普通図柄の低確率状態中に大当たり当選した場合よりも、普通図柄の高確率状態中に大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成した遊技機において、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出として、別図柄抽選で大当たりに当選している場合のほうが、当選していない場合よりも実行され易い特定演出(例えば、リーチ演出)を実行可能に構成し、且つ、特定演出の演出態様として、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定される大当たりに当選していることを示唆する第1演出態様と、単に大当たり当選を示唆する第2演出態様と、を決定可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されるまでの特別図柄変動の残回数に関わらず、第1演出態様の特定演出が実行される頻度を固定し、第2演出態様の特定演出が実行される頻度を、普通図柄の高確率状態が設定されるまでの特別図柄変動の残回数が少なくなるほど低くするように構成しても良い。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される特別図柄変動回数に近付くほど、特定演出が実行された場合における第1演出態様の選択割合を高くすることができるため、普通図柄の高確率状態が設定される特別図柄変動回数に近い状態(例えば、前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が90回~99回の間)において特定演出が実行された場合であっても、遊技者を落胆させること無く、特定演出の演出結果に興味を持たせることができる。
また、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を決定するための回数抽選手段を設け、その回数抽選手段の抽選結果に基づいて設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を決定しても良い。この場合、例えば、回数抽選手段により決定され得る実行回数の範囲として、最も設定契機が成立し易い実行回数として、特別図柄変動の実行回数が「0」を決定可能に構成すると良い。
このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定される大当たり種別が設定された場合であっても、実質、普通図柄の高確率状態が設定された場合と同一の遊技状態を設定することが可能となる。
つまり、同一の遊技状態が設定されている状態で、同一の大当たり種別(普通図柄の低確率状態が設定される大当たり種別)が設定された場合においても、回数抽選手段の抽選結果に基づいて、大当たり遊技終了後(1回目の特別図柄変動が実行されるまで)に設定される遊技状態(普通図柄の確率状態)を異ならせることができる。
よって、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測させ難くすることができると共に、意外性のある遊技を遊技者に提供することができる。
また、上述した回数抽選手段が実行されるタイミングは適宜設定すれば良く、例えば、大当たり遊技が終了するタイミングでも良いし、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行可能に構成しても良い。この場合、回数抽選手段の抽選結果として決定された特別図柄変動の実行回数を既に経過している場合には、回数抽選手段による抽選が実行された直後に普通図柄の高確率状態が設定されるように構成すれば良い。
このように、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行可能に構成することにより、大当たり当選すること無く特別図柄変動が複数回実行している期間内で、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機の内容(設定契機が成立する特別図柄変動回数)を異ならせることが可能となる。よって、どのタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されるかを遊技者に予測させ難くすることができる。なお、この場合、大当たり遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの間における回数抽選手段による回数抽選の実行回数に基づいて、抽選によって決定される特別図柄変動の実行回数の範囲を異ならせると良く、具体的には、回数抽選の実行回数が増加するほど、普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり間で実行された特別図柄変動回数が増加するほど、普通図柄の高確率状態を設定し易くすることができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうこうと抑制することができる。
加えて、上述した回数抽選手段では、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立する特別図柄変動回数を決定するための抽選が実行されるものであったが、これに限ること無く、例えば、回数抽選手段が実行されてから、普通図柄の高確率状態が設定されるまでに要する特別図柄変動回数を決定するように回数抽選手段の内容を構成しても良い。
さらに、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行する構成、即ち、特別図柄変動の実行に基づいて所定の抽選条件が成立した場合に回数抽選手段を実行可能に構成した遊技機において、上述した回数抽選手段に代えて、普図高確抽選手段を設け、この普図高確抽選手段に当選した場合に、普通図柄の高確率状態を設定するように構成しても良い。
なお、普通図柄の高確率状態の設定契機としてさらに別の設定契機を設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外の特定の抽選結果(例えば、小当たり当選)となった回数を計測する計測手段を設け、その計測手段の計測結果が所定の計測結果である場合に、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立するように構成しても良いし、前回の大当たり遊技が終了してからの遊技結果(出玉の増減)が所定範囲を超えた場合(例えば、出玉の減少度合いが著しく激しい場合)に普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立するように構成しても良い。
さらに、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機の成立度合い(成立のし易さ)を、過去の遊技結果に応じて異ならせても良く、例えば、過去の当選した大当たりが、遊技者に不利な大当たりに偏っている場合、即ち、遊技者に不利となる遊技が所定期間継続している場合において、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立し易くなるように構成しても良いし、遊技者に有利となる遊技が所定期間継続している場合において、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立し難くなるように構成しても良い。このように構成することで、長時間遊技を行っている遊技者に対して、過剰に不利な遊技、或いは、過剰に有利な遊技が継続して実行されてしまうことを抑制することができる。
上述した各実施形態においては、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において時短終了条件が成立した場合に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定するように構成している。そして、時短終了条件として、特別図柄変動回数が所定回数(例えば、100回)実行された(される)場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
なお、時短終了条件の内容はこれに限ること無く、例えば、特別図柄の種別に応じて異なる時短終了条件を設定しても良く、具体的には、第1特別図柄の変動回数が第1回数実行された場合や、第2特別図柄の変動回数が第2回数実行された場合や、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数との合算回数が第3回数実行された場合等で時短終了条件が成立するように構成しても良い。
また、特別図柄変動の実行回数に基づいて成立する時短終了条件を設定する場合には、その時短終了条件が成立する特別図柄変動回数として、様々な回数を設定可能に構成しても良く、上述した各実施形態に示した通り、特別図柄変動回数が100回に到達した場合以外に、特別図柄変動回数が100回よりも多い回数(例えば、200回)実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しても良いし、100回よりも少ない回数(例えば、50回)実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、時短状態を設定させるために成立した設定契機(大当たり種別や特別図柄変動回数等)に応じて、時短終了条件の内容を異ならせても良く、1の設定契機が成立した場合よりも、他の設定契機が成立した場合のほうが、時短終了条件が成立し易くなるように、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数を少なくするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態が設定された場合において、どのタイミングで時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができると共に、どの設定契機が成立したことに基づいて時短状態が設定されたのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
加えて、時短終了条件を成立させる要素として特別図柄変動の実行回数以外の要素を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たり)となった回数が所定回数に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。
また、時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングとしては、対応する特別図柄変動(抽選)の開始タイミングでも良いし、対応する特別図柄変動の停止タイミングでも良いし、対応する特別図柄変動の次の特別図柄抽選が実行されるまでの特定タイミングでも良い。さらに、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の開始タイミングや、終了タイミングで時短状態を終了させても良いし、普通図柄変動の開始タイミングや停止タイミング、普図当たり遊技の開始タイミングや終了タイミングで時短状態を終了させても良い。
この場合、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、同一のタイミングで時短状態を終了させるように構成しても良いし、成立した時短終了条件の種別に応じて異なるタイミングで時短状態を終了させるように構成しても良く、例えば、特別図柄変動の実行回数に基づいて時短終了条件が成立した場合には、特別図柄変動に関わる所定タイミングで時短状態を終了させ、特別図柄抽選の結果に基づいて時短終了条件が成立した場合(小当たり当選等)には、その抽選結果に基づいて実行される当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)に関わる所定タイミングで時短状態を終了させるように構成すると良い。このように構成することで、成立した時短終了条件の種別に応じて、時短状態を終了させるタイミングを異ならせることができるため、時短状態がいつまで継続するのかをより分かり難くすることができる。
上述した各実施形態では、遊技状態として、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合において、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能な遊技性(頻繁に発生する小当たり遊技によって出玉を増加させることが可能な遊技性)で遊技が実行されるように構成しているが、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能な遊技性として、異なる遊技性を用いることにより、他の遊技状態が設定されている状態であっても、出玉を増加させることが可能となるように構成しても良い。
例えば、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に球が入球し易くなる入球口(例えば、右第1入球口64b2)に球が入球した場合に払い出される賞球数として多くの賞球数を設定することにより、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能となるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄の当たり当選を目指す遊技と、を遊技者に重複して実行させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
さらに、普通図柄の高確率状態が設定される第1遊技状態(時短状態)と、第2遊技状態(確変状態)とで、単位時間当たりにおける出玉数を異ならせるために普通図柄変動時間の長さを異ならせたり、普図当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の遊技期間のうち、実際に球を右第1入球口64b2へと入球させることが可能な期間の長さを異ならせたりすることができるように構成しても良く、第1遊技状態のほうが、第2遊技状態よりも、単位時間当たりにおいて多くの出玉を獲得可能に構成しても良い。
なお、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で、大当たり当選すること無く出玉を増加させることが可能な性能を有した遊技機に対して、普通図柄の高確率状態を設定させるための設定契機として上述した設定契機(特別図柄変動回数に基づいて成立する設定契機)を設けると良い。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態において大当たり当選すること無く長時間の間、特別図柄変動(抽選)を実行している遊技者に対して、普通図柄の高確率状態を設定し、出玉を増加させる遊技(救済遊技)を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して過剰に不利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
上述した通り、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において大当たり当選すること無く実行される遊技によって出玉を増加させることが可能な構成としては、例えば、時短状態中に継続して発射される球数に対して、払い出される賞球数が同等或いは、若干(発射された球数の1倍~1.2倍程度の範囲)多くなるように構成すれば良い。このように構成することで、時短状態中の遊技が長くなり易い遊技仕様(例えば、特別図柄の大当たり確率が低い遊技仕様や、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして比較的長い変動時間が設定される遊技仕様)の遊技機であっても、長時間継続する時短状態中の遊技に対して遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、普通図柄の高確率状態に関する構成について説明をしたが、同様の内容を特別図柄の高確率状態に関する構成として適用しても良い。この場合、上述した内容の普通図柄に対応する要素を、特別図柄へと変更した内容の構成を適用すれば良い。このように構成することで、特別図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に対しても、どのタイミングで設定されるかを遊技者に分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上させることが出来る。さらに、普通図柄、特別図柄の何れに対しても、上述した内容の構成を用いても良い。
<特別図柄の高確率状態に関する構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合が予め規定されている構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能な大当たり種別が設定されている状態(特別図柄の高確率状態を設定するための権利を獲得している状態)において、大当たり遊技中に球を特定領域へと通過させることにより、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定するように構成し、第1特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技と、第2特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技とで、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させることが可能な有利大当たり遊技と、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させ難い不利大当たり遊技と、の実行割合を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合を予め規定している場合であっても、実際に特別図柄の高確率状態が設定される割合を、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、で異ならせることが可能となる。
なお、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別とで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合を異ならせて予め規定するように構成しても良い。この場合、さらに、大当たり当選した時点における遊技状態(当選時遊技状態)におうじて、同一の特別図柄種別に対して、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合を異ならせるように予め規定するように構成しても良い。
また、所定の設定抽選を実行可能に構成し、その設定抽選の結果に基づいて、各特別図柄の大当たり種別に対して大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるか否かを決定する情報を付与するように構成しても良い。つまり、予め定められている大当たり種別に対して、当該大当たり種別が設定された場合において設定される遊技状態の種別を、遊技状況に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状況としては、例えば、所定期間内における大当たり当選状況や、大当たり遊技間に実行された特別図柄変動回数や、遊技者が獲得している出玉量等があり、遊技状況の判別結果が、遊技者に不利な判別結果である場合のほうが、遊技者に有利な判別結果である場合よりも、特別図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して過剰に不利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
また、同様に、特別図柄の高確率状態が設定されている状態において大当たり当選した場合に、その大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合に対しても、上述した内容を適用して構成しても良い。
上述した各実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態における特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合が予め規定されている構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能な大当たり種別が設定されている状態(特別図柄の高確率状態を設定するための権利を獲得している状態)において、大当たり遊技中に球が特定領域を通過しなかったことにより、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態を設定するように構成し、第1特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技と、第2特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技とで、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させることが可能な有利大当たり遊技と、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させ難い不利大当たり遊技と、の実行割合を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合を予め規定している場合であっても、実際に特別図柄の低確率状態が設定される割合を、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、で異ならせることが可能となる。
なお、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別とで、特別図柄の高確率状態中に当選した大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合を異ならせて予め規定するように構成しても良い。この場合、さらに、大当たり当選した時点における遊技状態(当選時遊技状態)に応じて、同一の特別図柄種別に対して、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合を異ならせるように予め規定するように構成しても良い。
また、所定の設定抽選を実行可能に構成し、その設定抽選の結果に基づいて、各特別図柄の大当たり種別に対して大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定されるか否かを決定する情報を付与するように構成しても良い。つまり、予め定められている大当たり種別に対して、当該大当たり種別が設定された場合において設定される遊技状態の種別を、遊技状況に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状況としては、例えば、所定期間内における大当たり当選状況や、大当たり遊技間に実行された特別図柄変動回数や、遊技者が獲得している出玉量等があり、遊技状況の判別結果が、遊技者に有利な判別結果である場合のほうが、遊技者に不利な判別結果である場合よりも、特別図柄の低確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して過剰に有利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
さらに、上述した各実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選の大当たり当選に基づく終了条件を設定可能に構成しており、特別図柄の高確率状態が設定された場合において、次の大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態が継続するように構成していたが、これ以外の終了条件を設けても良く、上述した各実施形態における普通図柄の高確率状態を終了させるための時短終了条件として用いた構成を、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として用いても良い。
具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動回数が特定回数(例えば、150回)に到達した場合に終了条件が成立するように構成しても良い。これにより、大当たり当選する確率が高い特別図柄の高確率状態を、大当たり当選することなく終了させることが可能となるため、特別図柄の高確率状態が設定されている遊技状態を遊技している遊技者に対して、終了条件が成立するよりも前に大当たり当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した終了条件と、時短終了条件と、を両方有するように遊技機を構成しても良く、この場合、終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数と、時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数と、が異なる実行回数となるように構成すると良い。このように構成することで、各終了条件が成立する毎に遊技状態を切り替えることが可能となるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
さらに、終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
また、終了条件として設定される特別図柄変動回数を異ならせることが可能に構成した遊技機に対して、特別図柄変動回数に関わる終了条件を設定可能に構成する場合には、終了条件として設定可能な特別図柄変動回数のうち、第1変動回数を、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数よりも少ない変動回数とし、第1変動回数とは異なる第2変動回数を、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数よりも多い変動回数とするように構成すると良い。このように構成することで、設定される終了条件に応じて、終了条件と時短終了条件とのうち、先に成立する条件を異ならせることができる。
よって、例えば、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状況において、次に設定される遊技状態が第2確変状態)(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)となるか、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)となるかを、設定されている終了条件の内容に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して、設定されている終了条件の内容に興味を持たせながら、次に設定される遊技状態を予測させる遊技を実行させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、このように、終了条件や時短終了条件として異なる内容を設定可能に構成した遊技機においては、現在設定されている各条件の内容を示すための情報を、遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、各条件が成立し得るタイミングや、設定されている各条件の内容を、遊技者に予測させるための情報を遊技者に付与することができるため、実行される報知演出に対して興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
以上、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として、特別図柄変動の実行回数に基づいて成立する終了条件について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための抽選(転落抽選)を、特別図柄の大当たり抽選(特別図柄抽選)とは別に実行可能に構成し、その転落抽選に当選した場合に終了条件が成立するように構成しても良い。この場合においても、転落抽選の当選確率や、特別図柄抽選が1回実行される期間における転落抽選の実行回数を異ならせることが可能に構成することで特別図柄の高確率状態中における終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態が設定されてから終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
<高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)について>
特別図柄の確率状態として高確率状態と低確率状態を、普通図柄の確率状態として高確率状態と低確率状態を、それぞれ設定可能であって、設定される確率状態に応じて異なる有利度合いの遊技状態を設定可能な遊技機において、遊技者に有利となる確率状態(例えば、高確率状態)が連続して設定される回数に上限を設定し、上限に到達した場合に遊技者に有利となる確率状態(例えば、高確率状態)を、その確率状態よりも不利な確率状態(例えば、低確率状態)を強制的に設定する機能(リミット機能)を設けることで、遊技者に有利な遊技状態が過剰に設定されてしまい、遊技者に対して過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
このようなリミット機能を有する遊技機において、成立するリミット設定条件に応じて、リミット機能の発動条件を異ならせるように構成しても良く、具体的には、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に基づいて、リミット機能が発動し易い第1発動条件と、その第1発動条件よりも発動し難い第2発動条件と、のうち、何れかの発動条件を選択し、設定するように構成しても良い。
具体的には、特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限を設定し、上限に到達した場合に特別図柄の低確率状態を強制的に設定する確変リミット機能を有する遊技機において、大当たり種別に応じて確変リミット機能が発動するまでの上限値を異ならせて設定可能に構成し、第1大当たり種別が設定された場合には上限が「5回」、第1大当たり種別とは異なる第2大当たり種別が設定された場合には上限が「3回」となるように発動条件を設定可能に構成すると良い。
このように構成することで、発動条件として設定された値に応じて、遊技者に有利な遊技状態で遊技を継続して実行可能な有利遊技期間の長さを、設定される大当たり種別に基づいて異ならせることができる。
なお、上述した例では、特別図柄の高確率状態に対するリミット機能(確変リミット機能)について説明をしたが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態に対するリミット機能(時短リミット機能)に対して上述した内容を適用しても良いし、各リミットに対して、上述下内容を複合させて適用しても良い。さらに、図柄種別の確率状態として、低確率状態のほうが高確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態となり得る遊技仕様の遊技機に対しては、低確率状態が連続して設定される回数に対して上限を設定し、上限に到達した場合に高確率状態を強制的に設定するリミット機能を設けても良い。
加えて、上述した例では、遊技者に過剰に有利な遊技の実行を抑制することを目的として上述したリミット機能を用いているが、リミット機能を他の目的のために用いても良く、例えば、遊技者に不利な遊技状態(低確率状態)が連続して設定される回数に上限を設け、上限に到達した場合に、遊技者に有利な遊技状態(高確率状態)を強制的に設定するリミット機能を設けても良い。このように構成することで、遊技者に過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
<特定領域を球が通過したことに基づいて当たり遊技を実行可能な構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に、大当たり遊技を実行可能に構成していた。遊技者に有利な大当たり遊技の実行契機として別の実行契機を設けても良く、例えば、球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと球が入球したことに基づいて動作条件が成立した場合に、第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態とに可変可能な可変パターンで開放動作される可変手段と、その可変手段が第1状態へと可変された場合に、第2状態へと可変された場合よりも球が入球し易い第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した球が通過可能な特定領域と、その特定領域へと球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段と、を有する構成、即ち、球が特定領域を通過したことに基づいて大当たり遊技の実行契機が成立するように構成した遊技機(所謂、2種仕様)としても良い。このように構成することで、第2入球手段へと入球した球の挙動によって、大当たり遊技が実行されるか否かが決定されるため、遊技者に対して球の挙動を楽しませることができる。
なお、このような2種仕様の遊技機において、上述した入球手段へと球が入球したことに基づいて動作条件が成立するように構成しても良いし、入球手段へと球が入球したことに基づいて動作抽選を実行し、その動作抽選に当選した場合に動作条件が成立するように構成しても良く、前者の場合は、入球手段へと球が入球したことにより必ず動作条件を成立させることができるため、遊技者に対して球の挙動に興味を持たせ易くすることができる。一方、後者の場合は、入球手段へと球が入球したとしても動作抽選で当選しない限り動作条件が成立しないため、入球手段への球の入球頻度を高めることができる。
さらに、上述した2種仕様の遊技機において、第2入球手段へと入球した球の流路として、特定領域を通過可能な第1流路と、その第1流路よりも特定領域を通過困難な第2流路とを少なくとも含む複数の流路を設け、さらに、第2入球手段へと入球した球を複数の流路の何れかへと振分可能な振分手段を設け、その振分手段の振分状況に応じて第2入球手段に入球した球が特定領域を通過する割合を可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、振分手段の振分状況によって、大当たり遊技の実行契機の成立度合いを異ならせることができるため、第2入球手段へと入球した球がどのタイミングで振分手段へと到達するのかに興味を持たせることができる。
上述した通り、振分手段の振分状況によって、大当たり遊技の実行契機の成立度合いを異ならせることが可能な構成を有する遊技機においては、振分手段の振分動作内容として、パチンコ機10に電源が投入されてから常時一定の動作が実行されるように構成しても良いし、入球手段への球の入球、動作条件の成立、或いは、第2入球手段への球の入球の何れかに基づいて、常時一定の動作が実行されるように構成しても良い。
さらに、振分手段の振分動作内容を成立条件に応じて異ならせても良く、例えば、動作抽選に当選した場合における当選種別に応じて、特定領域を球が通過し易い第1振分動作内容と、第1振分動作内容よりも特定領域を球が通過し難い第2振分動作内容とを少なくとも含む複数の振分動作内容のうち何れかの振分動作内容を決定し、振分手段を動作させるように構成しても良い。
また、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、特定領域を球が通過した場合と、の何れにおいても大当たり遊技の実行契機が成立可能に構成された遊技機(所謂、1種2種混合仕様)において、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過することにより、実行中の大当たり遊技の実行期間を延長可能、換言すれば、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過することにより、実行中の大当たり遊技が途中で終了すること無く継続可能となるように構成しても良い。即ち、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過しなかった場合には、実行中の大当たり遊技が延長されない(強制的に終了される)ように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果と、特定領域に向けて流下する球の挙動との両方に対して遊技者に興味を持たせることができる。
<球の落下方向に変化を与えるための構成について>
パチンコ機10に構成される遊技盤13に形成される遊技領域を流下する球の流下方向(落下方向)に変化を与えるための構成として、上述した各実施形態にて用いた釘部材、即ち、重力方向に逆らうことの無い範囲で球の流下方向に変化を与えることが可能な部材とは別に、重力方向とは異なる方向(例えば、上昇方向)に向けて球を移動させるための手段を設けても良く、例えば、電気的駆動源を用いたり、他の球の移動エネルギーを用いたりすることで、重力方向とは異なる方向(例えば、上昇方向)に向けて球を移動させる(例えば、上昇させる)ための移動手段を設けても良い。
このように構成することで、遊技領域を流下する球の移動方向を、重力方向とは異なる方向も含めた様々な方向にすることができるため、球の挙動を注視する遊技者に対して意外性のある球の移動を提供することができる。また、遊技領域の最下流付近に到達した球、即ち、遊技者に特典が付与される入球口へと入球しなかった球を、遊技領域の上流側へと移動(上昇)させることが可能となるため、1の球の挙動に対して最後まで遊技者に期待を持たせることができる。
さらに、例えば、球が通過可能なゲート部材を遊技領域に設け、そのゲート部材を球が通過した場合に所定の特典を付与可能に構成した遊技機において、そのゲート部材を通過した球が到達し得る領域に移動手段を設け、移動手段によってゲート部材よりも上方に球が排出されるように構成すると良い。このように構成することで、1の球によって複数の特典を遊技者に付与可能という斬新な遊技性を提供することが可能となる。
また、上述した移動手段を、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中に球が入球し易くなる領域(例えば、当たり遊技中に開放される入賞装置の内部領域)に設けても良い。このように構成することで、入賞装置の内部において球を上昇させることが可能となるため、例えば、大当たり遊技の特定ラウンド中に球を特定領域へと通過させることで遊技者に有利な特典を付与可能に構成された遊技機において、特定ラウンドよりも前のラウンドで入賞装置へと入賞した球を、移動手段によって上昇させることで、所定期間の間、滞留させ、滞留されている球が排出されるタイミングに応じて、特定ラウンド中に特定領域を通過可能に構成することが可能となる。
このように、球を所定期間の間、特定の領域範囲内で滞留させるために移動手段を用いても良い。このように構成することで、特定の領域範囲内から球が排出されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。
<入球口への球の入球に作用して、別の入球口を開放させる構成について>
遊技球が入球可能な第1作動口と、その第1作動口へと遊技球が入球したことに作用して、第1作動口へと遊技球が入球し易くなる第1状態に作動する第1作動部材と、を設け、第1作動部材が、第1作動口へと所定数(例えば、2個)の遊技球が入球したことに作用して、第1状態よりも第1作動口へと遊技球が入球し難くなる第2状態へと作動するように構成する。
そして、第1作動口へと入球した遊技球が特定領域に入球したことに作用して、第1作動口とは異なる第2作動口へと遊技球が入球可能な第3状態へと作動する第2作動部材を設ける。この第2作動部材は、第2作動口へと所定数(例えば、1個)の遊技球が入球した場合に第3状態よりも第2作動口へと遊技球が入球し難い第4状態へと作動するように構成する。
このように構成することにより、第1作動口へと遊技球が入球したことに基づいて、第2作動部材が第3状態へと作動することにより第2作動口へと遊技球を入球させることが可能となり、その状態で第2作動口へと遊技球を1個入球させることにより第2作動部材が第4状態へと作動する。そして、第1作動部材が第1状態である第1作動口へと再度遊技球を入球させることにより、第2作動部材を再度第3状態へと再度作動させ、第2作動口へと遊技球を入球させることが可能となる。
より具体的には、第1作動部材が第2状態である状態で第1作動口へと遊技球を入球させた場合に、最大で4個の球を作動口(第1作動口、第2作動口)へと入球させることが可能になる。さらに、第2作動口へと入球した遊技球が、第2特定領域へと入球したことに基づいて第1当否抽選(第1普通図柄の抽選)を実行し、第1当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/2)である場合に、第1可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第1普通電動役物を第1閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは、4個入賞)が成立するまで開放動作(第1可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させる。そして、第1可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な第3特定領域へと入球したことに基づいて、第2当否抽選(第2普通図柄抽選)を実行し、第2当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/1)である場合に、第2可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第2普通電動役物を第2閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは、4個入賞)が成立するまで開放動作(第2可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させる。そして、第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な第4特定領域へと入球したことに基づいて、第3当否抽選(第3普通図柄抽選)を実行し、第3当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/1)である場合に、第3可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第3普通電動役物を第3閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは10個入賞)が成立するまで開放動作(第3可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させるように構成すると良い。
この場合、第1作動口へと遊技球を入球(入賞)させたことに基づいて各作動口へと入賞させることが可能となる遊技球の最大入賞数を、第1作動口への最大入賞数「2」に、第1作動口への最大入賞数(2)に対して、第1作動口へと遊技球を入賞させる毎に、入賞可能となる第2作動口への最大入賞数(1)を乗じた値「2」を加算させた「4」と算出しても良いし、第1作動口へと遊技球を入球(入賞)させたことに基づいて実行される当たり遊技(複数の普通電動役物を用いた当たり遊技)が実行されるまでの期間において各作動口へと入賞させることが可能となる遊技球の数を最大入賞数、即ち、当たり遊技を1回実行させるまでに要する入賞数(第1作動口への入球数「1」に、第2作動口への入球数「1」を加算した「2」)として算出するように構成しても良いし、第1作動口への最大入賞数に、第1作動口への最大入賞数に対して、第1作動口へと遊技球を入賞させる毎に、入賞可能となる第2作動口への最大入賞数を除した値を加算させたものを最大入賞数としても良い。
そして、最大入賞数が予め定められた制限数に到達した場合に当たり遊技を終了させるように構成し、切替条件が成立したことに基づいて、制限数に到達したか否かを判別する際に算出される最大入賞数の値を、上述した様々な算出式により算出された値(最大入賞数)の中から切り替えて参照するように構成しても良い。そして、切り替えられた値が制限数に到達していない場合は、切り替えた後の最大入賞数が制限数に到達するまで当たり遊技を延長可能に構成しても良い。
つまり、算出後の値を異ならせることが可能な様々な算出式を用いて、第1作動口へと遊技球が入賞した場合において一連の遊技の流れで複数の作動口へと入賞させることが可能な遊技球数が制限数となるように各作動口への最大入賞数を規定しておき、条件に応じて、最大入賞数を特定するための算出式を異ならせて特定し、特定した算出式に対応して規定された各作動口への最大入賞数に基づいて当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、特定された算出式によって、当たり遊技の内容(各作動口、各可変入球手段への合計入賞数)を異ならせることができる。
また、上述した最大入賞数の値を条件に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、第1条件が成立した場合には、第1作動口への最大入賞数を「2」から「3」へと変更し、第1条件とは異なる第2条件が成立した場合には、第1作動口への最大入賞数を「2」から「1」へと変更するように構成しても良い。このように構成することで、成立する条件に応じて、第1作動口へと遊技球が入球したことを契機に実行される当たり遊技(各作動口、可変入球手段へと遊技球を入球させる遊技)の内容を異ならせることができるため、遊技者に有利な有利成立条件(当たり遊技中に付与される賞球数の合計が多くなる設定がされる成立条件)が成立すること、及び有利成立条件が成立している状態で当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
<複数段階の設定値を設定可能な遊技機について>
大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、複数段階の設定値が設けられているパチンコ機において、設定された設定値を変更することにより、特別図柄抽選によって当たり当選(大当たり当選、小当たり当選等)する確率を異ならせる構成以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選で当たり当選する確率として第1確率が設定される第1遊技状態(特別図柄の低確率状態)と、その第1確率よりも当たり当選する確率が高い第2確率が設定される第2遊技状態(特別図柄の高確率状態)と、を設定可能な遊技機であって、第2遊技状態が継続する期間として特定期間、例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数となるまで継続する期間や、所定の終了抽選(所謂、転落抽選)に当選するまでの期間が設定される場合において、設定された設定値に応じて特定期間の長さを異ならせるように構成しても良く、例えば、遊技者に有利な設定値が設定された場合のほうが、遊技者に不利な設定値が設定された場合よりも、第2遊技状態が継続する特定期間が長くなり易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の当たり確率を設定値に応じて変更する構成を用いなくても、第2遊技状態が継続する長さを異ならせることで、設定された設定値に応じて特別図柄抽選による当たり当選頻度を異ならせることができる。
上述した例では、複数段階の設定値が設けられているパチンコ機において、遊技状況に関わらず遊技者に有利な設定値と、遊技者に不利な設定値と、を設定可能に構成した例を示しているが、これに限ること無く、パチンコ機10において設定される各種遊技状況(例えば、特別図柄の確率状態と普通図柄の確率状態との組合せにより設定される複数種類の遊技状態のうち、特定の遊技状態が設定されている遊技状況、大当たり遊技が実行されている遊技状況、小当たり遊技が実行されている遊技状況)のうち、少なくとも1の遊技状況において、遊技者に有利となる設定値と、遊技者に不利となる設定値と、を設定可能に構成しても良いし、特定の設定値が設定されている場合のほうが、特定の設定値以外の所定の設定値が設定されている場合よりも、特定の遊技状況において遊技者に有利となり、特定の設定値が設定されている場合よりも、特定の設定値以外の所定の設定値が設定されている場合のほうが、特定の遊技状況以外の所定の遊技状況において遊技者に有利となるように各設定値に対応して設定される遊技の内容を規定しても良い。
このように構成することで、設定されている設定値に対して、絶対的な有利不利が排除され、実行される遊技状況に応じて各設定値の相対的な有利度合いを切り替えることが可能となるため、どのような設定値が設定されている場合であっても、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、設定されている設定値を把握した遊技者に対して、設定されている設定値が他の設定値よりも相対的に有利となる遊技状況における遊技を期待させながら遊技を行わせることができる。つまり、設定されている設定値に応じて遊技者が所望する遊技状況として異なる遊技状況を設定することが可能となる。よって、遊技者が早期に飽きることの無い遊技を提供することができる。
なお、上述した例では、設定された設定値に応じて遊技者の有利度合いを異ならせることを目的とした構成について説明をしたが、それ以外の目的で複数段階の設定値を設けるように構成しても良く、例えば、遊技者への有利度合いを変えること無く、その有利度合いに対応した特典が遊技者に付与されるまでの遊技過程が設定値に応じて異なるように構成しても良く、例えば、設定されている設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせたパチンコ機10において、所定期間内に大当たり当選する確率(期待度)が設定値によって異ならない(大きく相違しない)ように、設定値に応じて所定期間の長さを異ならせても良く、例えば、設定値「1」が設定された場合には、特別図柄抽選が10回実行されるまでの特定期間の間、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/10となる遊技(特定期間中に大当たり当選する確率が、約65%)を実行可能にし、設定値「6」が設定された場合には、特別図柄抽選が9回実行されるまでの特定期間の間、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/9となる遊技(特定期間中に大当たり当選する確率が、約65%)を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、各設定値に応じて特別図柄抽選の大当たり確率を変更した場合であっても、遊技者への有利度合いを大きく変えること無く、遊技内容のみを異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して多様な遊技を実行させることができる。
また、上述した複数段階の設定値をパチンコ機への電源投入に基づく処理(初期設定処理)の一環として設定(変更)可能に構成すると良い。このように構成することで、パチンコ機に電源が投入されている状況において設定値が変更されることを抑制することができるため、例えば、遊技中の遊技者が不正に設定値を操作するという不正遊技が行われ難くすることができる。
なお、設定値を設定(変更)可能なタイミングとして、それ以外のタイミングを用いても良く、例えば、パチンコ機の遊技結果として、出玉(パチンコ機から払い出された球数からパチンコ機での遊技に用いた球数を差し引いた値)が上限数以上払い出されたことに基づいて現在設定されている設定値から異なる設定値(遊技者に不利となる設定値)へと変更させたり、出玉(パチンコ機から払い出された球数からパチンコ機での遊技に用いた球数を差し引いた値)が下限数よりも払い出されなかったことに基づいて現在設定されている設定値から異なる設定値(遊技者に有利となる設定値)へと変更させたりするように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な遊技や、過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(AN)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(AN)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはAL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域(遊技領域)を異ならせるように構成しているが、これに限られること無く、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しても良い。また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
大当たり種別の振り分け(割合)や、大当たり終了後の時短回数や確変回数(ASAT回数)、大当たり確率や小当たり確率、普通図柄の当たり確率、各入賞口への入賞に対する賞球数や、確変リミット回数等の遊技の仕様に関する数値(確率)は、上記各実施形態の数値に限定されるものではなく、各実施形態の趣旨を変更しない範囲で任意に変更することができる。有利な大当たり種別の割合を高くしたり、時短回数やASAT回数を多くしたり、大当たり確率や小当たり確率を高くしたり、賞球数を多くしたり、確変リミット回数を多くすることで、遊技者の有利度合いをより高めることができる。また、逆に、有利な大当たり種別の割合を低くしたり、時短回数やASAT回数を少なくしたり、大当たり確率や小当たり確率を低くしたり、賞球数を少なくしたり、確変リミット回数を少なくすることで、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、AVゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
さらに、複数段階の設定を設定可能なパチンコ機10においては、設定されている設定値に基づいて、主制御装置110にて変動パターンを選択する際に参照される変動パターン選択テーブル202bの種別を異ならせたり、音声ランプ制御装置113にて第3図柄の変動パターン(変動演出)を選択する際に参照される変動パターン選択テーブル222aの種別を異ならせたり、変動演出として実行される詳細な演出態様を選択する際に参照される各種選択テーブルの種別を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、実行される変動演出の内容に応じて、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、遊技者が興味を持つ変動演出を実行することができる。
また、操作演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルを、パチンコ機10に設定されている設定値に基づいて異ならせる場合には、操作演出の演出態様として、設定されている設定値を示唆するための「設定示唆」の演出態様を、各設定値に対して用いられる各データテーブルで選択割合が同一となるように規定しておき、「設定示唆」の演出態様で実行される操作演出の演出内容を、各設定値に応じて異ならせるように構成し、その他の演出態様の選択割合を設定値に応じて可変させるように構成すると良い。このように構成することで、設定値を直接示唆する「設定示唆」の操作演出が実行された場合には、その演出内容を、それ以外の操作演出が実行された場合には、各演出態様の選択割合を、複合的に把握することにより、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、実行される様々な操作演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した通り、操作演出における各演出態様の選択割合は、設定されている遊技状態に応じても異ならせるように構成しているため、例えば、遊技者に不利となる設定「1」から遊技者に有利となる設定「6」までの6段階で設定値を設定可能なパチンコ機10において、設定「1」~「3」が設定されており、且つ、遊技者に有利な第1遊技状態(確変状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合と、設定「4」~「6」が設定されており、且つ、第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態(時短状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合とを同一にすることで、遊技者に不利となる設定値が設定されているパチンコ機10を遊技している遊技者に対しても、遊技者に有利となる設定値が設定されているのではと思わせることができる。
このように、パチンコ機10に設定されている設定値と、その他の遊技状況(大当たりの抽選結果、設定されている遊技状態、選択された変動パターン(変動時間))とに基づいて演出態様の選択割合を可変させるように構成することで、パチンコ機10に設定されている設定値を遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<経路構成手段を通る球が被通過手段の目隠しになるポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、所定方向視における、前記被通過手段の上流側で前記経路構成手段を流下する第1の遊技球の手前側で、その第1の遊技球の少なくとも一部と重なる位置に配置可能な変位可能手段を備えることを特徴とする遊技機AA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成される遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302により常に球検出孔431を認識し難く構成されているので、球検出孔431への入球を確認して遊技球の発射の継続または停止を行うという遊技態様に対応できず、遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、遊技球の発射操作と関連する部分において改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AA1によれば、経路構成手段において第1の遊技球の視認性を低下させる手段が所定の変位可能手段であるので、第1の遊技球が見え易い状態を構成可能とされる。従って、第1の遊技球が見え易い状態においては、第1の遊技球の流下を確認して、遊技球の発射操作の継続または停止の判断を行い易くなることから、遊技球の発射操作と関連する部分において改善することができる。
なお、所定の変位可能手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、別の遊技球でも良いし、遊技球の流下経路とガラスユニットとの間で変位可能に構成される装飾用部材でも良い。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
遊技機AA1において、前記変位可能手段は、前記第1遊技球の上流側を流下する第2の遊技球であることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、被通過手段へ向けて案内される遊技球を利用して第1の遊技球の視認性を変化させることができるので、変位可能手段として他の装飾部材を用意する場合に比較して、材料コストや設計コストを低減することができる。
遊技機AA2において、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路を備えることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA2の奏する効果に加え、第1の遊技球の正面側に、第2の遊技球を配置可能に前後方向経路が構成されるので、正面視において、第2の遊技球で第1の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。
遊技機AA3において、前記前後方向経路は、前記第1の遊技球と前記第2の遊技球とが、発射装置に設定された発射間隔で前記経路構成手段を流下した場合に、前記第2の遊技球が前記第1の遊技球の少なくとも一部を隠すよう構成されることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA3の奏する効果に加え、発射間隔のままで経路構成手段を複数の遊技球が流下した場合に、第1の遊技球を第2の遊技球で認識し難くする効果を奏することができる。これにより、認識し難い状況を平常時から生じさせることができる。
遊技機AA3又はAA4において、前記前後方向経路は、正面側構成部が、背面側構成部よりも遊技領域の中央側に配置されることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA3又はAA4の奏する効果に加え、被通過手段を見る遊技者の視線に沿う傾きを有する経路として前後方向経路を構成することができるので、第1の遊技球が第2の遊技球に隠される状態を生じ易くすることができる。即ち、目隠しの効果を向上させることができる。
遊技機AA5において、前記正面側構成部は、被通過手段を見る遊技者の視線上に配置されることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA5の奏する効果に加え、前後方向経路に配置される第1の遊技球と第2の遊技球との間隔の長短に関わらず、同様の目隠し効果を生じさせることができる。
即ち、通常であれば、第1の遊技球と第2の遊技球とが近接しているほど、目隠し効果を向上させることができると考えられるが、視線上に第1の遊技球および第2の遊技球が配置されている場合には、間隔の長短が及ぼす影響を無くすことができる。
遊技機AA2からAA6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路と、その前後方向経路の上流側で遊技球が左右方向に流下可能な左右幅で形成される左右方向経路と、を備えることを特徴とする遊技機AA7。
遊技機AA7によれば、遊技機AA2からAA6のいずれかの奏する効果に加え、左右方向経路を流下する遊技球によっても遊技者の視線を遮ることができるので、遊技者が、被通過手段に対して左右に位置ずれしない視線で被通過手段を視認する場合に限らず、左右に位置ずれして、覗き見るような視線に対しても、目隠し効果を生じさせることができる。即ち、遊技者の視線の方向に寄らず、被通過手段への入球態様を認識し難くすることができる(全方位で目隠し効果を生じさせることができる)。
この作用は、前後方向に延びる流路の左右片側を壁部で封じることにより顕著に生じる。即ち、左右片側が壁部で封じられている構成では、左右片側においては壁部が目隠しとなるので、被通過手段への視界が通らない状態を構成し易くできる。
遊技機AA1からAA7のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球が前記被通過手段を第1の態様で通過する第1の流下経路と、遊技球が第2の態様で通過する第2の流下経路と、を備え、前記第1の遊技球が、前記経路構成手段のいずれの流下経路を流下するかに関わらず、前記所定の変位可能手段に少なくとも一部を覆われて視認され得るよう構成されることを特徴とする遊技機AA8。
遊技機AA8によれば、遊技機AA1からAA7のいずれかの奏する効果に加え、被通過手段の通過の有無に関わらず、経路構成手段を流下する遊技球の流下態様を認識し難くし得るので、経路構成手段を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、第1の態様や、第2の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、球の流下方向が違う態様でも良いし、球が通過する検出センサが異なる態様でも良い。
遊技機AA1からAA8のいずれかにおいて、前記被通過手段の上流側において遊技球の流下方向を分ける分岐手段を備え、前記分岐手段は、受け入れた遊技球の流下方向を切り替える切替手段を備え、前記経路構成手段は、分岐手段で流下経路が分けられる遊技球であって前記切替手段に到達した遊技球が、所定区間は同じ経路を流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AA9。
遊技機AA9によれば、遊技機AA1からAA8のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に到達した遊技球が所定区間は同じ経路を流下するので、切替手段に到達した遊技球が即座にその後の流下経路に対応した流下態様となる場合に比較して、遊技球の流下の把握を困難とすることができる。これにより、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。
遊技機AA9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球側に突設される突設部を備え、その突設部は、前記分岐手段における遊技球の分岐に作用することを特徴とする遊技機AA10。
遊技機AA10によれば、遊技機AA9の奏する効果に加え、突設部で遊技球の分岐に作用することができるので、例えば、弁体の移動により分岐を生じさせる場合に比較して、構造の耐久性を向上させることができる。
遊技機AA10において、前記突設部は、所定方向に延びる第1突設部と、その第1突設部とは異なる方向に延びる第2突設部と、を備え、前記第1突設部の突設量と前記第2突設部の突設量とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機AA11。
遊技機AA11によれば、遊技機AA10の奏する効果に加え、遊技球の流下態様に応じて、第1突設部が遊技球に与える影響と、第2突設部が遊技球に与える影響とを異ならせることができる。これにより、固定の第1突設部および第2突設部を利用しながら、遊技球の流下態様に応じた所定のルールで遊技球を分岐させる作用を生じさせることができる。
<経路構成手段を通る球が被通過手段への導入をアピールするポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、前記被通過手段よりも上流側を構成する所定部を備え、その所定部は、前記被通過手段よりも目立つ側に配置され、前記被通過手段へ遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成され、大入賞部品300の状態の違いによって、化粧板302から外れた位置を遊技球が流下したり、化粧板302の後方に隠されるようにして遊技球が流下したりする遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302から外れて流下する視認性の良い遊技球は、むしろ球検出孔431を逸れて流下するよう構成され、化粧板302の後方に隠されるように流下する遊技球の一部が球検出孔431に案内されるので、遊技球の見え易さの良し悪しと、遊技者が得られる利益の多少とが対応しておらず、遊技球に注目したことが無駄になり易いので遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、注目を集めた後の遊技球の流下態様を、注目する意義があるものにするという点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AB1によれば、目立つ側に配置される所定部を流下した遊技球が、被通過手段へ案内可能に構成されていることから、遊技球に対する注目力の向上度合いと、遊技球が被通過手段を通過することとを対応づけることができる。従って、所定部を流下した遊技球が被通過手段を通過する可能性を向上させることができるので、注目を集めた後の遊技球に注目する意義があるという点で改善することができる。
また、このように構成することで、所定部を流下する遊技球で遊技者の視線を誘導し易くすることができ、被通過手段に遊技球が向かうことを遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
なお、目立つ側の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者の目を引き易い表示装置側でも良いし、入賞口側や始動口側でも良いし、遊技者にとって視認し易い前方側(手前側)でも良いし、特定の入球口への入球確率が際立って高くなる箇所として視線が集まり易い部分としてのステージ(主に、センターフレームにより形成される枠の下縁部において遊技球を一時滞留させる箇所)側や、大当たり獲得に直結するV入賞口側や、操作対象としての球貸し装置側や、演出操作ボタン側や、入球口から逸れた遊技球が流下する範囲(遊技者が、悔しくてついつい目で追ってしまう範囲)側や、発光手段での明暗での切替として明るい側や、その他の側でも良い。また、目立ちがたい側を敢えて形成し、相対的に目立たせるようにしても良い。
遊技機AB1において、前記経路構成手段は、その経路構成手段へ入球した遊技球を、入球時よりも目立たなくする第2所定部を備え、前記所定部は、前記第2所定部よりも目立つ側に配置されることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部を流下する前に、第2所定部において注目力を下げることで、所定部を流下する際の遊技球の注目力を際立たせることができる。
遊技機AB1又はAB2において、前記所定部は、遊技球の流下速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB1又はAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下速度に差が無い場合に比較して、遊技者の視線を集める効果を向上することができる。
遊技機AB3において、前記所定部を流下する遊技球の第1流下速度よりも、前記第2所定部を流下する遊技球の第2流下速度の方が高速となるよう構成されることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB3の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部に到達するまでの期間を短縮することができる。
遊技機AB1からAB4のいずれかにおいて、前記所定部は、所定方向視における遊技球の変位速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1からAB4のいずれかの奏する効果に加え、実際の遊技球の流下速度の大小に関わらず、所定方向視における見かけ上の遊技球の変位速度が異なる区間を構成することができるので、任意の所定箇所において所定方向視における遊技球の変位速度を小さくすることにより、遊技者の視線を所定箇所に容易に集め、その他の部分から目を逸らさせることができる。
なお、見かけ上の遊技球の変位速度を異ならせる態様は何ら限定されるものではない。例えば、正面視において前後方向と直交する平面に配置される直線上を変位する場合と、前後方向成分を有する直線上を変位する場合とでの異なりでも良いし、直線上を変位する場合と、曲線状または蛇行状に変位する場合とでの異なりでも良いし、その他の異なりでも良い。
遊技機AB1からAB5のいずれかにおいて、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能に構成される導入手段を備え、前記所定部は、所定方向視において前記導入手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機AB6。
遊技機AB6によれば、遊技機AB1からAB5のいずれかの奏する効果に加え、導入手段の視認性を確保することができる。従って、導入手段の視認性の確保と、被通過手段を通過する可能性の高い遊技球の注目力の向上とを両立させることができる。
遊技機AB1からAB6のいずれかにおいて、前記経路構成手段の正面側における遊技球が、前記被通過手段へ向けた視線または前記所定部を避けるよう流下するように構成する回避手段を備えることを特徴とする遊技機AB7。
遊技機AB7によれば、遊技機AB1からAB6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の正面側において遊技球が流下可能に構成され、遊技球の流下経路が被通過手段へ向けた視線を避けるようにするための回避手段を備えているので、遊技領域の大きさの確保と、被通過手段へ向けた遊技球の視認性の確保と、を両立させることができる。
なお、回避手段の影響を受けた遊技球の流下態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被通過手段の正面位置を避けて流下するものでも良いし、被通過手段と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、被通過手段へ向かう遊技球を遊技者が確認できる最後の位置を基準として、その位置の正面位置を避けて流下するものでも良いし、上述の最後の位置と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、その他でも良い。
遊技機AB7において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、その受入状態変化手段は、前記受入状態から前記非受入状態への状態変化において、前記受入状態において受入状態変化手段に到達していた遊技球を経路構成手段側へ案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB8。
遊技機AB8によれば、遊技機AB7の奏する効果に加え、受入状態変化手段に到達してから橋渡しされるように流下した遊技球が、被通過手段へ向けた視線を遮ることを防止することができる。
遊技機AB7又はAB8において、正面視で前記被通過手段の上方に配設され、遊技領域を区画する区画手段を備え、その区画手段は、遊技球が左右外側を流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AB9。
遊技機AB9によれば、遊技機AB7又はAB8の奏する効果に加え、区画手段によって、被通過手段の正面位置を遊技球が流下する事態を避けることができるので、被通過手段へ向けた視界を確保し易くすることができる。
なお、区画手段の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下面を構成する板状部でも良いし、遊技球が入球可能な入球口構成手段でも良い。また、区画手段は、形状(外観)固定の手段でも良いし、形状(外観)可変の手段でも良い。
遊技機AB9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記区画手段の前記受入状態変化手段側の部分が、遊技球を前記受入状態変化手段側へ案内し易く構成されることを特徴とする遊技機AB10。
遊技機AB10によれば、遊技機AB9の奏する効果に加え、受入状態変化手段へ受け入れられる途中の遊技球を、区画手段によって受入状態変化手段へ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。これにより、受け入れられる途中の状態で横滑りした遊技球が、受入状態変化手段から逸れて被通過手段の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができる。
例えば、受入状態変化手段として、左右方向軸で傾倒変位する開閉板を備える特別入賞装置が想定され、区画手段として特別入賞装置の特別入賞口の上方に配置される第1入賞口が想定される。開閉板の閉鎖間際に特別入賞口に到達した遊技球は、しばしば、開閉板の回動先端と、開閉板に蓋をされる開口の縁部との間に挟まれ、縁部の形成方向(開閉板の回動軸方向)に横滑りする。
横滑りした後の遊技球は、開閉板の回動先端の形成範囲のいずれの位置にも到達し得るので、開閉板の少なくとも一部が被通過手段の上方に配置される場合には、横滑りした後の遊技球が正面側に落下した後で被通過手段の正面位置を通過する可能性があり、横滑りした後の遊技球を正面側に落下させるべきでは無い。
横滑りした後の遊技球の正面側への落下を回避できない場合には、被通過手段の正面視上位置を避けて開閉板を配置する必要が生じるので、開閉板の設計自由度が低下することになる。
これに対し、遊技機AB10によれば、横滑りした後の遊技球が開閉板の正面側へ落下することを回避し易くすることができ、開閉板の設計自由度を向上することができる。
遊技機AB7からAB10のいずれかにおいて、前記経路構成手段を流下する遊技球と、前記経路構成手段の正面側を流下する遊技球とが、類似の流下態様で流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AB11。
遊技機AB11によれば、遊技機AB7からAB10のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を流下し被通過手段を通過する可能性のある遊技球と、経路構成手段の正面側を流下し被通過手段を通過しない遊技球と、を区別し難くすることで、経路構成手段を流下する遊技球の個数を判別し難くすることができる。
換言すれば、経路構成手段に遊技球が入り易い場合と、入りにくい場合とを、経路構成手段付近を流下する遊技球から判別することを困難とすることができる。
遊技機AB1からAB11のいずれかにおいて、前記所定部を流下する球の後側から光を照射する発光手段を備えることを特徴とする遊技機AB12。
遊技機AB12によれば、遊技機AB1からAB11のいずれかの奏する効果に加え、所定部を流下する球の前側が光で反射し、球が見え難くなることを回避し易くすることができる。
<V通口への経路長さを省スペースで確保するポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、遊技球が前記被通過手段に流下可能な第1状態とその第1状態とは異なる第2状態とで切り替え可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球の上下方向の変位を遅らせる遅延手段を備え、その遅延手段により遊技球を前記被通過手段へ向けて流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AC1。
パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口12に入球した遊技球の流下経路に左右に移動可能に構成される振分部75が配設され、振分部75の配置によって遊技球の流下方向を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特定領域73への誤入賞や振分部75による球かみを防止するための振分部75の短期間動作が不可欠とされており、遊技者によっては振分部75の挙動を不信と感じ、安心して遊技を継続できない場合があった。
この解決のための手段の一例として、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長くすることが想定される。例えば、振分部75の配置を、第2大入賞口12の真下から、遊技領域の左右中央部付近(第1大入賞口10付近)の位置に変えることで、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長く確保することができる。これにより、特定領域73への誤入賞の可能性を低くすることができると考えられる。
一方、この手段を実行すると、第2大入賞口12から第1大入賞口10までの広範囲に亘って遊技球の流下経路の視認性を確保する必要が生じ、この範囲において遊技領域の設計自由度が制限される。即ち、特定領域73への誤入賞を回避するために、遊技領域の設計自由度が広範囲で制限されるという問題点があった。
換言すれば、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AC1によれば、経路構成手段が所定の遅延手段を備えることから、正面視における経路構成手段の上下長さを短くし省スペースに抑えた場合でも、経路構成手段に入球した遊技球が被通過手段を通過するまでに経過する時間を長く確保することができる。
そのため、被通過手段への遊技球の入球の可否を切り替えるために状態切替手段を作動させる必要が生じるタイミングを経路構成手段への遊技球の入球から所定時間後にすることができるので、経路構成手段への入球の可否を切り替える開閉装置を短期間動作させることなく、誤入賞を回避することができる。そのため、開閉手段が慌ただしく動作しているという印象を遊技者に与えることを回避することができる。これにより、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避することができる。
なお、遅延手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、流下経路に減速用の凸部を構成する態様でも良いし、前後方向成分を有する流下経路で遊技球を流下させる所定の流下経路を備える態様でも良い。
遊技機AC1において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、背面側へ向かう流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、所定の流下経路を流下する遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1又はAC2において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、前後位置を維持して流下する流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC1又はAC2の奏する効果に加え、手前側を流れる遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。これにより、所定の流下経路を流下する遊技球に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1からAC3のいずれかにおいて、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、所定方向視で前記被通過手段の手前に配置される手前位置を遊技球が通るように構成されることを特徴とする遊技機AC4。
遊技機AC4によれば、遊技機AC1からAC3のいずれかの奏する効果に加え、手前位置に遊技球が配置された場合に、被通過手段付近の視認性を低下させることができる。これにより、被通過手段付近の範囲に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AC4において、前記手前位置を複数個構成可能とされることを特徴とする遊技機AC5。
遊技機AC5によれば、複数の手前位置に遊技球が配置されることにより、手前側の遊技球によって奥側の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。被通過手段は奥側の遊技球よりも背面側に配置されているので、被通過手段へ向けた視界を複数の遊技球で遮ることができ、被通過手段の視認性を低下させることができる。
この場合、所定の流下経路への遊技球の入球間隔が短い場合、手前位置のいずれかに常に遊技球が配置される状態を構成可能となるので、被通過手段を視認不能な状態を構成可能となる。
遊技機AC1からAC5のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、上面視で渦を巻く態様で視認されるように形成されることを特徴とする遊技機AC6。
遊技機AC6によれば、遊技機AC1からAC5のいずれかの奏する効果に加え、同じ長さの経路構成手段を配設するために要する上下幅を短くすることができる。
また、折り返し経路が形成される場合に比較して、経路壁の厚みを薄くする必要が無いので、流路の強度を向上することができるし、180度で折り返される折り返し経路に比較して、球の詰まり等が生じる可能性を低くできる。
遊技機AC1からAC6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、前後方向に延びる前後流路部を備えることを特徴とする遊技機AC7。
遊技機AC7によれば、遊技機AC1からAC6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の左右幅を抑えられるので、左右対称で一対の経路構成手段を抑えられた左右幅で構成することができる。
遊技機AC1からAC7のいずれかにおいて、前記被通過手段は、前記経路構成手段の球受入部を基準として、斜め下後方に配置されることを特徴とする遊技機AC8。
遊技機AC8によれば、遊技機AC1からAC7のいずれかの奏する効果に加え、正面側から視認する遊技者の視界に被通過手段と経路構成手段の球受入部とを収め易くすることができる。
遊技機AC1からAC8のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球を受け入れ可能に構成される第1受入手段と、その第1受入手段とは異なる手段であって遊技球を受け入れ可能に構成される第2受入手段と、を備え、前記第1受入手段および前記第2受入手段の遊技球の受入態様により、遊技者が得られる利益が変化するように構成されることを特徴とする遊技機AC9。
遊技機AC9によれば、遊技機AC1からAC8のいずれかの奏する効果に加え、第1受入手段および第2受入手段が遊技球を常時受入可能に構成されており、更に、第1受入手段および第2受入手段の遊技球の受入態様により遊技者が得られる利益が変化するので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、遊技球の受入態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、第1受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第2受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第1受入手段に所定個数受け入れられ第2受入手段に所定個数受け入れられる態様でも良い。また、各受入手段に対する入球の頻度が異なる態様でも良いし、入球位置が異なる態様でも良い。
遊技機AC9において、遊技者が得られる利益の変化は、前記第1受入手段または前記第2受入手段の片方に限定して遊技球が受け入れられるか、前記第1受入手段および前記第2受入手段の両方に遊技球が受け入れられるかにより生じることを特徴とする遊技機AC10。
遊技機AC10によれば、遊技機AC9の奏する効果に加え、遊技者が得られる利益の大小の設定の仕方により、遊技者が、遊技球を所定の発射態様で打ち出し易いようにすることができる。
なお、遊技者が得られる利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、流下する遊技球の認識し易さでも良いし、流下する遊技球により得られる遊技に関連する利益(賞球の払い出し、大当たりの獲得、大当たり終了後の遊技状態が確変状態となること、遊技状態が通常状態になること(転落すること)等)でも良い。
遊技機AC9又はAC10において、前記経路構成手段は、第1受入手段および第2受入手段から前記被通過手段までが左右対称で構成されることを特徴とする遊技機AC11。
遊技機AC11によれば、遊技機AC9又はAC10の奏する効果に加え、左右どちらを主にして遊技球を発射しても、遊技者が不利益を被る可能性を低くすることができる。
遊技機AC9からAC11のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記受入態様は、前記受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により変化することを特徴とする遊技機AC12。
遊技機AC12によれば、遊技機AC9からAC11のいずれかの奏する効果に加え、受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により受入態様が変化するので、遊技球の発射に関する遊技者の技術の熟練度が遊技者の得られる利益に与える影響を低くすることができる。
遊技機AC12において、前記受入状態変化手段の状態変化の態様が、複数種類で構成されることを特徴とする遊技機AC13。
遊技機AC13によれば、遊技機AC12の奏する効果に加え、一定の発射態様で遊技球が発射されている場合であっても、第1受入手段および第2受入手段への遊技球の受入態様を変化させることができる。これにより、受入状態変化手段の状態変化の態様から、遊技者が得られる利益を調整することができる。
<球の流下方向と平行に移動する開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記経路構成手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記状態変化において生じる変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機XAA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下方向と大入賞部品300の開閉板の開閉方向とが略直角方向であり、開閉が遊技球の転動に関与することなく開閉動作が完了することから、開閉板(状態切替手段)の役割について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XAA1によれば、状態切替手段の変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されるので、遊技球が状態切替手段に近接または当接している状態で状態切替手段の変位を生じさせることで、遊技球の転動態様を変化させるように影響させることができる。これにより、状態切替手段の役割を改善することができる。
例えば、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を右方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の順方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球を加速させることができる。
また、逆に、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を左方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の逆方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球の回転を遅らせることができる。
また、転動する遊技球の下端部をかすめるように状態切替手段がスライド移動すると、遊技球の転動方向のみではなく、転動方向に直交する方向の成分も有する負荷を遊技球に与えることができるので、遊技球の流下態様の変化を複雑かつ不規則に生じさせることができる。
これらの遊技球の流下態様に与える影響により、状態切替手段の開閉動作時に状態切替手段に乗っていた球の流下態様を様々に変化させることができるので、遊技球を視認する遊技者を飽きさせることなく、遊技に集中させることができる。
また、状態切替手段の開閉動作と遊技球との配置関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の側面と擦れる配置関係でも良いし、遊技球に流下方向で対抗して遊技球と衝突するような配置関係でも良い。
遊技球と衝突する態様で変位する状態切替手段において、閉鎖動作の方向は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下方向と対抗する方向で閉鎖動作し、遊技球を跳ね返せるように構成しても良いし、遊技球の流下方向の順方向で閉鎖動作し、それ以降の遊技球の導入を抵抗少なく規制可能に構成しても良い。
遊技機XAA1において、前記状態切替手段の状態変化は、前記状態切替手段と遊技球とが当接しながら実行可能に構成されることを特徴とする遊技機XAA2。
遊技機XAA2によれば、遊技機XAA1の奏する効果に加え、状態切替手段の状態変化によって、遊技球に回転を生じさせることができる。
遊技機XAA1又はXAA2において、前記状態切替手段は、前記変位の方向と交差する方向に負荷の方向を変化させる変化手段を備えることを特徴とする遊技機XAA3。
遊技機XAA3によれば、遊技機XAA1又はXAA2の奏する効果に加え、状態切替手段の変位中に遊技球から与えられる負荷を逃がすことができ、状態切替手段に与えられる負荷を低減することができる。
<開放時は第1方向へ、閉鎖時は第2方向へ球を流す開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記被通過手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記被通過手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記導入状態で遊技球を第1方向に案内可能とされ、前記非導入状態で遊技球を第2方向に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XAB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、下側可動体371は前側に張り出す状態では遊技球を右方に案内するものの、後側に退避する状態では、遊技球とは当接せず自由落下となり、案内はしない。換言すれば、遊技球の流下に下側可動体371が影響しない。そのため、後側に退避している状態では、下側可動体371以外で遊技球の流下を案内する部分(枠部等)を用意することが必要であり、遊技球の流下を案内するための構成(部材)の個数を削減するという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XAB1によれば、状態切替手段が導入状態と、非導入状態とで、遊技球を異なる方向に案内するよう構成されるので、遊技球の流下経路を案内するための専用部材を不要とできるので、必要な構成(部材)の個数を削減することができる。これにより、限られたスペースで遊技球の流下方向の多様化を図ることができる。
なお、第1方向と第2方向との関係は何ら限定されるものではない。例えば、方向間の角度が鋭角でも良いし、直角でも良いし、鈍角でも良い。例えば、直角の場合において、前後方向に沿って流下する遊技球に対し、第1方向が下方、第2方向が左右方向に設定するようにしても良い。この場合、正面視において、状態切替手段に案内される前は遊技球の変位が僅かしか認められないようにしながら、状態切替手段による案内が開始された後の方向の差(違い)の最大化を図ることができる。
状態切替手段による案内の作用を生じさせる案内部の配置は何ら限定されるものではない。例えば、状態切替手段が備える可動部材に案内部が配設されても良いし、案内部は状態切替手段の周辺の非可動部に配設されており可動部材の動作によって遊技球が案内部に近接または当接し易い状態に切り替えられるように構成しても良い。
案内部が可動部材に配設される場合には、導入状態と非導入状態との状態切替が完了した後における案内に留まらず、状態を切り替える動作中において遊技球に与える影響も考慮した設計とすることが好ましい。
例えば、遊技球の流下方向に対抗する方向で変位する可動部材を状態切替手段が備える場合、流下方向と直交する平面形状の壁部を設けるよりは、流下方向と傾斜する面(平面、曲面等)形状の壁部を設ける方が、可動部材が遊技球に衝突した際に生じる負荷が、遊技球を逆流させる方向に大きくなる事態を回避し易くすることができる。これにより、遊技球の逆流を回避し易くすることができる。
遊技機XAB1において、前記状態切替手段の状態変化は第3方向への変位により生じるものであり、前記第3方向は、前記第1方向および第2方向と直交することを特徴とする遊技機XAB2。
遊技機XAB2によれば、遊技機XAB1の奏する効果に加え、案内されている遊技球から与えられる負荷により状態切替手段の動作不良が生じる可能性を低くすることができる。
遊技機XAB1又はXAB2において、前記経路構成手段は、左右一対の経路を備え、前記状態切替手段は、前記左右一対の経路からそれぞれ遊技球を受け入れ可能な一対の案内部を備え、それら一対の案内部において、前記第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されることを特徴とする遊技機XAB3。
遊技機XAB3によれば、遊技機XAB1又はXAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下する経路を複雑化することができる。また、一対の案内部において、第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されるので、一対の案内部が遊技球から受ける負荷により状態切替手段が受ける変位を、左右で対称とすることができる。
これにより、例えば、左右一対の経路に遊技球を略同等の個数で入球させる場合等、遊技球から案内部が受ける負荷によって、状態切替手段の配置を均一化し易くすることができる。
遊技機XAB3において、前記状態切替手段は、前記第3方向と交差する方向で張り出すように形成される張出部を備えることを特徴とする遊技機XAB4。
遊技機XAB4によれば、遊技機XAB3の奏する効果に加え、張出部により他の部材との接触面積を低減することができ、状態切替手段の変位抵抗を低減することができる。
遊技機XAB3又はXAB4において、前記状態切替手段の導入状態または非導入状態において当接可能に構成される当接手段を備え、その当接手段との当接により、前記状態切替手段の左右方向の変位を修正可能に構成されることを特徴とする遊技機XAB5。
遊技機XAB5によれば、遊技機XAB3又はXAB4の奏する効果に加え、遊技球からの負荷を左右いずれの方向からも受け得るので、変位態様が無秩序になり易い状態切替手段の変位を、当接手段の作用により秩序的に戻すことができる。
<分離、反転、合体、回転が一連動作>
視認される面が変化するように変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成されることを特徴とする遊技機AD1。
パチンコ機等の遊技機において、ベースアーム220の先端部に配設される回動ベース214が複数回回転可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動ベース214が回転変位するものの、遊技者側に見えている面は同一なので、変位手段への注目力を維持し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機AD1によれば、変位手段の視認される面を、変位に伴い変化可能に構成されるので、変位手段への注目力を維持することができる。
また、第1変位部材と第2変位部材とが相対変位することで、変位手段の外観を変化させることができるので、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AD1において、前記所定態様の変位は、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが集合配置される集合部を基準として近接離反する第1の変位と、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが前記集合部を基準として回転動作する第2の変位と、を少なくとも含むことを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、第1変位部材と第2変位部材との相対動作を動的に生じさせ易くすることができる。即ち、集合部を基準とした変位として、第1の変位だけでは、集合部からの距離が最短または最長となる終端部において第1変位部材と第2変位部材との変位が低減され易く、第1変位部材と第2変位部材とが止まって見えてしまい、演出効果が低くなる可能性があるところ、第2の変位を混ぜることで、終端部においても回転方向の変位を生じさせることができるので、演出効果を向上させることができる。
遊技機AD1又はAD2において、前記所定態様の変位は、前記変位手段の視認される面が反転する第3の変位を少なくとも含むことを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD1又はAD2の奏する効果に加え、第3の変位により視認される面を反転させることで、第3の変位の前後で遊技者に視認させる装飾を顕著に異ならせることができる。
遊技機AD1からAD3のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、吸着または接着により固定可能に構成され、その固定に係る負荷は、前記第1変位部材および前記第2変位部材の変位を制限する向きで作用することを特徴とする遊技機AD4。
遊技機AD4によれば、遊技機AD1からAD3のいずれかの奏する効果に加え、固定に係る負荷が第1変位部材および第2変位部材の変位を制限する向きで作用するので、固定に係る負荷を加味して、第1変位部材および第2変位部材の変位を設計することができる。
例えば、ギアに寄る駆動力伝達の場合に、形状の変形を加味しない場合には機械的に変位が生じる場合に、固定に係る負荷を加味すれば、その負荷による部材の弾性変化が顕在化することで、部材の変位タイミングの遅れを生じさせることができる。
また、固定の程度が第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して異なるよう構成しても良い。
この場合、固定による作用が視認される面に対応して異なるので、遊技者が視認される側面における固定の程度に強弱を設けることができる。
これにより、例えば、同じ変位手段の、反転された面について、一方の面は固く合体して一体的に視認させ易く、他方の面は緩く合体して相対変位し易い状態で視認させ易くすることができる。
また、例えば、第1変位部材および第2変位部材の吸着の程度が固定位置ごとに異なるよう構成することで、第1変位部材および第2変位部材の固定の程度が異なる状態を構成することができる。
なお、吸着可能にする態様は何ら限定されるものではない。例えば、粘着テープで接着する態様でも良いし、磁石と金属部との吸着力を利用するものでも良い。また、磁石に吸着する金属部として、例えば、固定用のビス、ネジ等を利用するように第1反転部材や第2反転部材を設計しても良い。
遊技機AD1からAD4のいずれかにおいて、前記変位手段は、正逆方向に変位可能に構成され、所定状態において、正方向へは、第1変位態様で変位し、逆方向へは、前記第1変位態様とは異なる第2変位態様で変位し、前記第2変位態様は、所定態様での変位後、前記第1変位態様で変位するよう構成されることを特徴とする遊技機AD5。
遊技機AD5によれば、遊技機AD1からAD4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様が、正逆方向で異なるように構成され、第2変位態様は第1変位態様の前に所定態様が追加された変位態様として構成されるので、変位手段を退避させる際に変位手段に必要とされる変位量を低減することができる。これにより、退避時における変位手段への注目力を低減することができるので、相対的に、演出位置で変位する変位手段の注目力を向上させることができる。
従来機では、回転の態様が正逆方向で同様なので、演出位置(液晶表示領域の正面側位置)へ張り出して演出した後で、退避位置(液晶表示領域の外方位置)へ退避するまでに逆方向に再び複数回回転する必要があった。この場合、演出位置から退避する部材に視線が集まり易くなることが問題視される可能性があった。
なお、変位態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、回転変位でも良いし、直動変位でも良い。また、変位は平面上におけるものでも良いし、複数平面にまたがるものでも良いし、3次元的なものでも良い。
遊技機AD5において、前記変位手段は、動作抵抗が所定量よりも大きくなると負荷伝達を解除するように構成される解除手段を備えることを特徴とする遊技機AD6。
遊技機AD6によれば、遊技機AD5の奏する効果に加え、変位手段の変位態様の変化を、変位手段の内部の構成の動作抵抗の大小により生じさせることができる。
遊技機AD1からAD6のいずれかにおいて、前記変位手段へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、視認される面が一側か、他側かで、発光手段からの光の視認態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AD7。
遊技機AD7によれば、遊技機AD1からAD6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段からの光に関して変位手段の見え方を、第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して変化させることができる。
例えば、第1変位部材および第2変位部材が個別に発光しているように視認される場合と、第1変位部材および第2変位部材が一体的に発光しているように視認される場合とで変化させることができる。
遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の配置を検出する検出手段を備え、前記検出手段は、前記変位手段の変位が許容可能な状態か否かを検出可能に構成されることを特徴とする遊技機AD8。
遊技機AD8によれば、遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の変位を許容可能な状態を検出手段により検出可能なので、変位手段が変位中に周囲の構造部と衝突することを回避することができる。
また、検出手段により変位手段の変位可能な区間を検出しつつ、変位手段の変位を実行することができるので、ある程度、演出位置から退避位置へ向けて変位した後で拡大縮小を含む変位態様で変位するように制御することで、演出位置から退避位置に変位する際に変位開始時から拡大縮小を含む変位態様で変位する場合に比較して、変位手段に対する注目力の上昇を押さえることができる。
遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の状態を検出する検出手段を備え、その検出手段は、前記変位手段の変位について2種類以上の数値を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機AD9。
遊技機AD9によれば、遊技機AD1からAD7の奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。なお、変位手段の変位についての数値の種類としては、種々の態様が例示される。例えば、異なる可動部材のそれぞれの配置や姿勢についての数値でも良いし、所定タイミングで動作態様が変化する場合にその動作態様の変化に関与する数値でも良い。
また、検出手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位基端側に検出手段を配置することで、その変位手段の変位先端側に連結される第2変位手段の配置や姿勢を検出する構造を構成し易い。
遊技機AD1からAD9のいずれかにおいて、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、その第1変位部材および前記第2変位部材は遊技者側に向ける面が一側の面となる姿勢と、他側の面となる姿勢とで反転動作可能に構成され、前記第1変位部材および前記第2変位部材が一側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別可能とされる一方、前記第1変位部材および前記第2変位部材が他側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別不能に構成されることを特徴とする遊技機AD10。
遊技機AD10によれば、遊技機AD1からAD9のいずれかの奏する効果に加え、一側が遊技者側に向けられている場合の第1変位部材および第2変位部材の状態に関わらず、反転動作が生じることに対する遊技者の期待感を高く維持することができる。
<複数の被視認面を備える変位手段の配置により視認容易面を変えるポイント>
視認可能に構成される第1視認可能面および第2視認可能面を備える変位手段を備え、その変位手段は、配置に応じて、前記第1視認可能面が視認し易い第1状態と、前記第2視認可能面が視認し易い第2状態と、を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機AE1。
パチンコ機等の遊技機において、反転可能に構成される反転動作部71を備え、視認される面を変化させることで遊技者に視認される外観を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、反転動作部71の反転は、位置が固定された状態で行われるので、視認される面の変化により遊技者の視線を変化させることはできない。即ち、遊技者の視線を効率よく変化させるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AE1によれば、変位手段が、配置に応じて、第1視認可能面が視認し易い状態と、第2視認可能面が視認し易い状態とが切り替えられるので、第1視認可能面または第2視認可能面を見たいと考える遊技者の視線を、変位手段の配置変化の経路に沿う態様で変化させることができる。
遊技機AE1において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記変位手段は、前記開放部側が視認され易いように構成されることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、開放部を通して奥側を視認する遊技者が、変位手段の第1視認可能面または第2視認可能面を容易に視認できる。
遊技機AE2において、前記変位手段は、開放部の中央側に配置される場合よりも、開放部の縁側に配置される場合の方が、配置が背面側に寄ることを特徴とする遊技機AE3。
遊技機AE3によれば、遊技機AE2の奏する効果に加え、変位手段が開放部の中央側に配置される場合に変位手段を手前側で大きく視認可能としながら、変位手段が開放部の縁側に配置される場合に変位手段を見る際の視線の動きを少なくすることができる。これにより、変位手段の視認性と、変位手段を目で追う遊技者の疲労抑制と、の両立を図ることができる。
遊技機AE1からAE3のいずれかにおいて、前記変位手段は、複数組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を備え、一の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面が視認可能な状態において、他の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を視認し難く構成することを特徴とする遊技機AE4。
遊技機AE4によれば、遊技機AE1からAE3のいずれかの奏する効果に加え、第1視認可能面および第2視認可能面に、組ごとに異なる文字や図形を施しておくことで、変位手段を視認する遊技者に対して、異なる文字や図形を視認させることができ、且つ、視認させることを目的としない組の第1視認可能面および第2視認可能面に関しては視認し難く構成することで、変位手段の外観がみっともなくなることを回避することができる。
例えば、第1の組には、抽選結果が大当たりである期待感が低いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示され、第2の組には、抽選結果が大当たりである期待感が高いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示される場合に、変位手段の配置に関わらず、変位手段を通して、大当たりの期待感の高低を確認することができる。この場合において、変位手段が表示装置の表示領域の正面側から退避した後においても、変位手段による大当たりの期待感についての表示を維持できるので、液晶表示装置から目線を外した遊技者に対しても、大当たりの期待感についての表示を視認させることを継続することができる。
なお、視認し難く構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者側とは異なる側の面(後側面、左右外側面、等)に配置するようにしても良いし、遮蔽手段で遮蔽することで視認性を落とすように構成しても良い。
遊技機AE4において、視認される前記第1視認可能面および前記第2視認可能面の組を切り替える動作は、動作中において、前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を認識され難いよう構成されることを特徴とする遊技機AE5。
遊技機AE5によれば、遊技機AE4において、視認される第1視認可能面および第2視認可能面の組を切り替える動作中(確定前)に、遊技者側に表示される第1視認可能面および第2視認可能面の組を予測されることを回避し易くすることができる。これにより、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の切り替える動作中において第1視認可能面および第2視認可能面を認識され難いよう構成される態様については、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段を高速で回転動作させ認識され難くしても良いし、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分とを結合分離可能に構成し、それら一部とその他の部分とを分離した状態で動作させることで認識され難くしても良いし、発光手段による明暗の設定により相対的に暗くする部分を作り認識され難くしても良い。
なお、この場合において、分離した状態の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、上述の切り替える動作中において、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分との一方のみが視認され、他方は視認されないように背面側を向いて動作するよう構成しても良いし、それら一部とその他の部分とが同時に視認可能であるが配置がずれて視認される状態で動作するよう構成しても良い。
遊技機AE5において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記切り替える動作は、前記変位手段が前記開放部の中央側に配置されている状態で実行されることを特徴とする遊技機AE6。
遊技機AE6によれば、遊技機AE5の奏する効果に加え、切り替える動作を遊技者に視認させ易くすることができ、切り替える動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AE5又はAE6において、前記切り替える動作中において、前記第1視認可能面の一部とその他の部分との、一方は正面側を向き、他方は正面側とは異なる側を向くことを特徴とする遊技機AE7。
遊技機AE7によれば、遊技機AE5又はAE6の奏する効果に加え、動作中において第1視認可能面の一部を視認可能とし、全体は視認不可能とすることで、動作中において第1視認可能面を認識され難くすることができる。
遊技機AE1からAE7のいずれかにおいて、前記第2視認可能面への視線の少なくとも一部を遮蔽可能に構成される第2変位手段を備え、前記変位手段は、前記第2変位手段と共に前記第1視認可能面を視認させるための第3状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機AE8。
遊技機AE8によれば、遊技機AE1からAE7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段により第2視認可能面の少なくとも一部を視認し難く構成することにより、変位手段の演出位置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機AE1からAE8のいずれかにおいて、前記変位手段は、変位に伴って、所定方向視で視認される面を第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化させるように構成されることを特徴とする遊技機AE9。
遊技機AE9によれば、遊技機AE1からAE8のいずれかの奏する効果に加え、所定方向視で視認される面が第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化するので、遊技者の視線の変化量に依存せずに、視認し易い面を任意に変更することができる。
遊技機AE9において、前記第1状態と前記第2状態とで前記変位手段の姿勢が変化することを特徴とする遊技機AE10。
遊技機AE10によれば、遊技機AE9の奏する効果に加え、第1状態における変位手段の外観と第2状態における変位手段の外観との違いを、変位手段の姿勢を違えることにより大きくすることができる。
遊技機AE9又はAE10において、前記変位手段に近接配置可能に構成される補助手段を備え、前記第1状態では、前記変位手段は前記補助手段に近接配置され、前記第2状態では、前記変位手段は前記補助手段から離れて配置されることを特徴とする遊技機AE11。
遊技機AE11によれば、遊技機AE9又はAE10の奏する効果に加え、補助手段を変位手段に近接配置させ、一体的に視認させる状態と、補助手段と変位手段とを分けて視認させる状態とを構成することができ、変位手段が遊技者に与える印象を複数構成することができる。
なお、補助手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、配置が固定された手段でも良いし、可動の手段でも良い。
遊技機AE11において、前記補助手段は、前記変位手段と一体的に視認させる状態と、前記変位手段とは分離して視認させる状態と、を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機AE12。
遊技機AE12によれば、遊技機AE11の奏する効果に加え、変位手段と補助手段とを一体的に視認させるか分離して視認させるかを切り替えることができるので、部材個数に対する視認可能態様のバリエーションを増やすことができる。
<変位手段の変位量と配設手段の変位量との同時点での比が区間で異なるポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に第1の部分が配設される配設手段と、前記配設手段の第2の部分を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位中における前記第1の部分を基準とした前記第2の部分の配置を制御可能に構成されることを特徴とする遊技機AF1。
パチンコ機等の遊技機において、傾倒変位可能なベースアーム220と、そのベースアーム220の傾倒先端側に回動可能に取り付けられた回動役物211と、その回動役物211を回動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、を備え、ベースアーム220の変位と独立して回動役物211を回動可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動役物211がベースアーム220の先端においてぐらつき易く、ベースアーム220の傾倒変位中に回動役物211を回動させると機構に不具合が生じる可能性がある結果、回動役物211の回動変位はベースアーム220の停止中に行うと想定されることから、変位の自由度が低くなっていた。
即ち、変位可能な部分の変位の設計自由度を高くするという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AF1によれば、配設手段が変位手段と支持手段とに少なくとも2点で支持され、その2つの支持点が変位手段の変位中に相対変位するように構成されており、支持手段により、第1の部分を基準とする第2の部分の配置を制御可能としているので、配設手段を安定的に支持しながら、変位手段の変位中に配設手段を変位させることができる。これにより、配設手段(変位可能な部分)の変位の設計自由度を高めることができる。
なお、支持手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、固定のベース手段に形成される案内溝に変位を制限される態様で支持されても良いし、変位可能な第2の変位手段に連結されて支持されても良い。また、支持手段による制御は、電子制御に限定されるものではなく、第2の部分の変位を壁部で規制(案内)する等の機械的な制御も含まれる。
遊技機AF1において、前記変位手段は、第1の区間および第2の区間を、変位可能に構成され、前記支持手段は、前記変位手段が前記第1区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第1範囲と、前記変位手段が前記第2区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第2範囲と、を備え、前記第1範囲において前記第2の部分が変位する方向と、前記第2範囲において前記第2の部分が変位する方向とが異なるよう構成されることを特徴とする遊技機AF2。
遊技機AF2によれば、遊技機AF1の奏する効果に加え、変位手段の変位速度を一定とする場合であっても、配設手段の変位速度を異ならせることができ、支持手段は、第2の部分の変位方向の変化を許容するように構成されるので、第2の部分の変位方向が不規則に変化するとしても配設手段の変位を滑らかにすることができる。
遊技機AF1又はAF2において、前記支持手段は、前記第2の部分の変位を制限する制限部を備えることを特徴とする遊技機AF3。
遊技機AF3によれば、遊技機AF1又はAF2の奏する効果に加え、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)において第2の部分の変位を制限することができるので、第2の部分を変位の大きい側から小さい側へ向けて変位させる場合に、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)で第2の部分を停止し易くすることができる。
なお、第2の部分の第1の部分を基準とした変位に要する負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分が引かれる態様でも良いし、第2の部分が押進される態様でも良い。
なお、制限部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分の変位抵抗の増減を設定する態様でも良いし、第2の部分の変位方向を切り替える態様でも良い。
遊技機AF2又はAF3において、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも前記変位手段の変位範囲の終端側に配置され、前記第2の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量は、前記第1の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量に比較して小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機AF4。
遊技機AF4によれば、遊技機AF2又はAF3の奏する効果に加え、変位手段の変位途中位置において、変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量が小さくなる区間を構成することができるので、変位手段の変位終端位置の他に、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を設けることができ、結果として、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を増やすことができる。
遊技機AF1からAF4のいずれかにおいて、前記第1の部分の変位速度を基準とした前記第2の部分の変位速度(の比)を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AF5。
遊技機AF5によれば、遊技機AF1からAF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位速度が一定の場合であっても、支持手段側における配設手段の第2の部分の変位速度を変化させることができるので、駆動手段の簡易な駆動制御(等速駆動)で、配設手段の変位速度を可変とするような動作演出を構成することができる。
遊技機AF1からAF5のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記第2の部分の変位終端における変位速度を低減するよう構成されることを特徴とする遊技機AF6。
遊技機AF6によれば、遊技機AF1からAF5の奏する効果に加え、第2の部分の跳ね戻りを防止することができ、変位終端において配設手段を早期に停止させ易くすることができる。
なお、第2の部分の跳ね戻りを防止する手法については何ら限定されるものではない。例えば、変位終端における第2の部分の変位速度(例えば、第1の部分が所定の単位長さ変位する場合の第2の部分の変位量)を低減するように構成する手法でも良いし、第1の部分が停止した状態における第2の部分の変位方向に壁を立てる等の形状的工夫により第2の部分の変位を規制するような手法でも良い。
また、第2の部分の変位量を低減する手法に限らず、第2の部分の変位抵抗を増加させるようにしても良い。例えば、第2の部分の変位終端において磁力等により負荷を与え、第2の部分の変位抵抗を向上するようにしても良いし、コイルスプリング等の付勢力で変位抵抗を向上するようにしても良い。
遊技機AF6において、前記支持手段は、前記第1の部分の変位に伴う前記第2の部分の変位の変位軌跡と、前記第1の部分が変位終端で停止した場合の前記第2の部分の変位の変位軌跡とが、交差するよう構成されることを特徴とする遊技機AF7。
遊技機AF7によれば、遊技機AF6の奏する効果に加え、第1の部分の変位に伴う第2の部分の変位を案内する機能を有する支持手段により、第1の部分が停止した場合における第2の部分の戻り変位(バウンド)を低減することができる。
遊技機AF1からAF7のいずれかにおいて、前記配設手段に変位可能に支持される被支持手段を備え、その被支持手段は、前記変位手段を基準とした前記配設手段の相対的変位量に応じた変位量で変位するように構成されることを特徴とする遊技機AF8。
遊技機AF8によれば、遊技機AF1からAF7のいずれかの奏する効果に加え、配設手段と共同で変位する被支持手段により、複雑な演出を実行することができる。
なお、被支持手段の変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、配設手段が変位する所定平面上を配設手段と並走するように変位する態様でも良いし、配設手段が変位する所定平面とは離れた位置において配設手段の変位態様(例えば、所定平面上のスライド変位態様)とは異なる変位態様(例えば、所定の軸を中心とした回転変位態様)でも良い。
なお、配設手段の変位量に係る配設手段の変位の態様については、何ら限定されるものではない。例えば、姿勢変化でも良いし、姿勢を維持したままでの変位でも良い。
遊技機AF8において、前記第1の部分が所定方向に変位する間に、前記第2の部分は、前記第1の部分の変位軌跡と交差する方向に往復変位可能な区間を備えることを特徴とする遊技機AF9。
遊技機AF9によれば、遊技機AF8の奏する効果に加え、第1の部分が変位している間に、第1の部分に対する第2の部分の相対変位量が戻り変化する(例えば、増加後に減少する)態様とすることができるので、第2の部分の配置は維持しながら、被支持手段の変位量は大きくするという変位態様を実現することができる。
遊技機AF8又はAF9において、前記配設手段を基準とした前記被支持手段の(相対)回転の変位速度は、前記変位手段の変位速度と同等となるよう構成されることを特徴とする遊技機AF10。
遊技機AF10によれば、遊技機AF8又はAF9の奏する効果に加え、被支持手段の変位態様を、配設手段を挟んで変位手段と同等することができる。これにより、あたかも、被支持手段が独自の駆動手段で変位しているように遊技者に錯覚させることができる。
遊技機AF1からAF10のいずれかにおいて、前記配設手段は、自らの変位に伴い遊技者側に向ける面を第1面と第2面とで切り替えるように姿勢変化する姿勢変化手段を備え、その姿勢変化手段は、前記第2の部分が変位終端に配置された状態において、前記第1面または前記第2面が遊技者側に向けられる姿勢となるように構成されることを特徴とする遊技機AF11。
遊技機AF11によれば、遊技機AF1からAF10のいずれかの奏する効果に加え、姿勢変化手段の第1面または第2面が遊技者側に向けられることで、第2の部分が変位終端に到達したことを遊技者が把握できるので、変位手段による演出動作の終期を分かり易く構成することができる。
遊技機AF1からAF11のいずれかにおいて、前記第2の部分を通して前記配設手段に電気配線が挿通されるよう構成され、前記電気配線が内部に配置されると共に前記第2の部分に固定される配置手段を備え、前記配置手段は、前記電気配線を挿通可能な開口部を備え、その開口部は、周囲に形成される周囲部分との前記電気配線の接触を避けるよう変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AF12。
遊技機AF12によれば、遊技機AF1からAF11のいずれかの奏する効果に加え、電気配線が周囲部分と接触することを避けることができる。
配置手段は、第2の部分が複数部材で構成される場合にそれら複数部材を合体させるための手段として構成しても良いし、第2の部分に別部材が配設される場合に、その別部材の第2の部分からの脱落を防止するための手段として構成しても良い。
<特徴BA群>
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第2識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BA1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BA1によれば、第2識別情報の動的表示期間中に実行される演出態様が記憶されている第2情報の数によって可変されるので、その後に実行されることが可能となっている第2識別情報の動的表示の回数に対応させた演出の実行が可能となり、特定の第2判定結果を示すための第2識別情報が表示されない場合にも、その後の遊技に対して継続して興味を持たせることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機BA1において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるものであり、前記演出態様実行手段は、特定の前記第2動的表示態様が実行されている場合に前記演出態様を実行するものであることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、特定の第2動的表示態様が実行されることで、第2情報が記憶されることに意欲を抱かせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BA1またはBA2において、前記演出態様は、前記第2情報が記憶されている数に対応して前記実行されている前記第2動的表示態様の期間が終了した後に連続して実行される次の前記第2識別情報の動的表示に跨がった期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA1またはBA2の奏する効果に加え、演出態様は複数回連続して実行される第2識別情報の動的表示期間に跨がって実行可能に構成されているので、複数回の第2動的表示態様を1の動的表示のように見せて興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1からBA3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA1からBA3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴BB群>(変動パターンの実行中の途中で特図2保留数によって、演出可変)
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BB1によれば、第1識別情報が動的表示の開始時に決定された第1動的表示態様で動的表示されている期間に実行される演出態様が第2情報の記憶されている数に基づいて決定されるので、第1判別の結果だけでなく、第2判別が実行されることが可能であることに関する情報も演出態様から判別することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機BB1において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記第2情報の数と動的表示されている前記第1識別情報の動的表示態様とに基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、実行されている第1動的表示態様とその実行中における第2情報が記憶されている数により演出態様が選択されるので、多様な演出態様を実行できるという効果がある。
遊技機BB1またはBB2において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるように構成され、前記演出態様は、その後に実行される前記第2識別情報の動的表示態様に関連する演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1またはBB2の奏する効果に加え、第2情報が記憶されている場合には、実行されている第1識別情報が終了した後には、第2識別情報の動的表示が開始されることになり、その第2動的表示態様と関連する演出態様を第2識別情報の動的表示の開始前に実行することができるので、優先して実行される第2識別情報の動的表示が開始されることを早期に遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機BB1からBB3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BB4。
遊技機BB4によれば、遊技機BB1からBB3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴BC群>(特図2変動の疑似演出として、特図1変動演出を用いる)
第1の判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第1特典遊技実行手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、前記第1判別が実行されたことに基づいて、当該第1判別の判別結果を示すための第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2判別が実行されたことに基づいて、当該第2判別の判別結果を示すための演出として前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、少なくとも予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第1演出の演出期間において実行され易い特定の演出態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BC1によれば、第2判別の判別結果を示すための演出として第1演出を実行可能とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1において、前記第2演出実行手段は、前記第1演出の演出態様として、前記第1判別の結果を示す表示態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、第1判別の判別結果を示す表示態様を用いた第2演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC2において、前記第2演出実行手段は、第2判別の判別結果を示す1の演出内で前記第2判別の判別結果を示すための第2演出態様と、前記演出態様とを実行するものであることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC2の奏する効果に加え、より意外性のある演出を実行することができるという効果がある。
<特徴BD群>(通常当たりでも確変含むダブル表示)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第1識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第1判別手段による第1判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第2識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第2判別手段による第2判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記第1判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第1識別図柄が停止表示された場合または前記表示手段に特定の前記第2判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第2識別図柄が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段は、前記特定の組み合わせのうち、第1特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記特典として第1特典を付与可能であり、前記第1特定組み合わせとは異なる第2特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記第1特典よりも遊技者に有利な第2特典を付与可能に構成され、前記遊技機は、前記特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定可能な決定手段を有し、前記第1動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第1識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を前記第1特定組み合わせと前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第1識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機BD1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を複数の図柄の組み合わせで報知する場合に、表示された図柄の種類によりその後に付与される特典が異なるように構成することで、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者が望む特典よりも低い特典が付与されない組み合わせを構成する一部の図柄が停止表示されることで、結果が報知されるよりも前に遊技に対する興趣が低下してしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BD1によれば、特定期間に識別図柄が特定の組み合わせで表示される場合に複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、第1特典に対応した組み合わせと第2特典に対応した組み合わせの双方が表示される期待を長く持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BD1において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第1判別結果である場合に前記第1特典を決定するものであることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、決定手段により第1特典が決定される特定期間であっても、複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、特定期間に第1判別が実行された場合にも第2特典が付与されることへの期待感を持ちやすくすることができるという効果がある。
遊技機BD2において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第2判別結果である場合に前記第2特典を決定するものであり、前記第2動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第2識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を2以上の異なる前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる特別複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第2識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD2の奏する効果に加え、特定期間では、遊技者に有利な第2特典が特定の第2判定結果である場合に必ず付与されることを早期に認識させることができるという効果がある。
<特徴BE群>(確変当たり時のパンクED制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、特定の前記特典遊技が実行される場合に、遊技球が通過可能となる特定領域と、その特定領域を遊技球が通過した場合に前記特典遊技の実行後に設定される遊技状態として通常遊技状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、前記特典遊技が終了する場合に、該特典遊技の実行後に設定される前記遊技状態を示唆可能な示唆態様を実行する示唆態様実行手段と、を有した遊技機において、前記示唆態様は、第1示唆態様と第2示唆態様とが組み合わされて構成されており、前記通常遊技状態を示唆するための第2示唆態様と前記有利遊技状態を示唆するための第2示唆態様とは同一の期間で構成された示唆態様で構成されているものであることを特徴とする遊技機BE1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりとなり、その当たり種別によって異なる当たり遊技を実行して、特定の種別の当たり遊技中には、遊技球が入球可能な状態と困難な状態とに可変される可変入球領域が入球可能な状態に可変され、遊技球が入球することで当たり遊技後の遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることで遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、特定の種別の当たり遊技が実行されても、可変入球領域に遊技球が入球しない場合が発生することで、その場合の報知制御における制御負荷が増大してしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、制御負荷を軽減できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BE1によれば、第2示唆態様を同一の期間としたことで、示唆態様を表示させる期間が可変することを抑制しながら特定領域への入球状態によって示唆する態様を設定することで特典遊技の終了時における示唆態様の報知制御を容易にして制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機BE1において、前記特典遊技が実行される場合に、実行される特典遊技の種別に対応して前記示唆態様実行手段により実行される前記示唆態様を設定する示唆態様設定手段と、前記特定の特典遊技中に前記特定領域に遊技球が入球しなかった場合に設定されている前記示唆態様のうち、前記第2示唆態様を前記特定の特典遊技以外に対応した第2示唆態様に切替えることが可能な切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、特典遊技の終了時における制御負荷が集中することを抑制するように開始時に示唆態様を設定する構成であっても、示唆態様を表示するための期間を変動させることなく通常遊技状態に対応した示唆態様に切替えて示唆することができるので、制御負荷を抑制して正しい示唆を実行することができるという効果がある。
<特徴BF群>(大当たり種別に応じて異なる長さのED期間を設ける)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための期間として、実行中の前記特典遊技の種別に応じた長さの期間を設定する期間設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BF1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BF1によれば、特典遊技の種別に応じて異なる期間を設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1において、前記期間設定手段により設定された前記期間を用いて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機BF2。
遊技機BF2によれば、遊技機BF1の奏する効果に加え、特典遊技の種別に応じて設定される異なる期間にて特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1またはBF2において、前記特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合に、前記期間設定手段により設定された前記期間の長さを異なる長さに切替可能な期間切替手段を備えることを特徴とする遊技機BF3。
遊技機BF3によれば、遊技機BF1またはBF2の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合にも期間の長さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BG群>(ED期間をV入賞の有無で可変させる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行中に遊技球が通過可能となる特定領域と、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための特定期間を設定する特定期間設定手段と、を備え、前記特定期間設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの前記特定期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BG1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BG1によれば、特典遊技の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの特定期間を設定可能にしているため、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機BG1において、前記特定期間中に特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、特定期間内に特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG2において、前記特定演出は、前記特典遊技中における前記特定領域への遊技球の通過状況を報知するための報知態様を少なくとも含むものであることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、特定演出に報知態様が含まれるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することが出来るという効果がある。
<特徴BH群>(ボタン操作の制限制御)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて操作に対応した設定を実行することが可能な設定実行手段と、前記識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に前記操作手段が操作されたことに基づく前記設定の実行を規制する規制手段と、を有することを特徴とする遊技機BH1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数の演出モードを予め容易しておき、各演出モードに対して特別図柄変動期間中に実行される変動演出の態様を異ならせるように構成しているものがある。
このように構成された遊技機では、演出モードが切り替わることにより、異なる変動演出を遊技者に提供することができるため、同一の変動演出ばかり提供されることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで、任意に演出モードを切替可能とする遊技機もある(例えば、特許文献1:特開2012-249877号公報)。このような遊技機では、複数の演出モードのうち、最も興味のある演出モードを遊技者自身が選択することができるため、興味の低い変動演出が実行されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、演出モードを切り替えるために遊技者自身が操作手段を操作する必要があることから遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、遊技者が操作手段を操作することで、任意のタイミングで演出モードを切替可能とした場合には、例えば、特別図柄抽選の結果が停止表示される直前や、特別図柄変動期間として短時間の変動期間が設定される場合において、演出モードが切り替わることにより、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなってしまうため、操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BH1によれば、識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、操作手段が操作されたことにより不具合が発生することを抑制することができる。
遊技機BH1において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記特定条件は、前記短遊技状態が設定されていることが少なくとも成立条件の1つとして設定されているものであることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BH1またはBH2において、前記設定実行手段により実行された設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH1またはBH2の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BH1からBH3のいずれかにおいて、特定設定を実行可能な特定設定手段を有し、前記規制手段は、前記特定条件が設定されている場合に前記操作手段の操作に基づいて前記設定実行手段による前記設定の実行をさせずに前記特定設定手段による特定設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とするBH4。
遊技機BH4によれば、遊技機BH1からBH3のいずれかの奏する効果に加え、特定条件が成立している期間に操作手段を操作することで設定の実行が規制される場合にも、特定設定が実行されるので操作手段を操作した遊技者に対して操作手段を操作したことによる作動を提供することで、操作手段の操作を意味のある行為にすることができるという効果がある。
遊技機BH4において、前記特定設定に基づいて、前記識別情報が停止表示されるよりも前に停止表示される前記識別情報の情報を示唆可能な示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH4の奏する効果に加え、特定条件が成立している場合には、停止表示される識別情報の情報が示唆演出により停止表示前に識別可能となり、特定条件が成立している場合に操作することで多様な演出を実行して遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴BI群>(複数の遊技状態を跨いだ有利期間を報知)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、遊技状態として第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利となり、前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態と、を少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技実行手段に実行される前記特典遊技の終了後に、前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において第1設定条件が成立した場合に前記第3遊技状態を設定可能であり、前記第3遊技状態が設定されている状態において前記第1設定条件とは異なる第2設定条件が成立した場合に前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技状態設定手段により、前記第2遊技状態が設定された場合に、前記第2設定条件が成立するまでの期間に基づいて有利期間を決定する有利期間決定手段と、その有利期間決定手段により決定された前記有利期間を報知可能な報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BI1。
従来より、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定された場合に、その有利遊技状態が継続する期間(特別図柄変動回数)を遊技者に報知するものがある。具体的には、有利遊技状態が継続する期間を示す残期間表示態様として「100回」を表示し、特別図柄抽選が実行される毎に、残期間表示態様の値を1減算表示するものがある。これにより、現在設定されている有利遊技状態中にあと何回の特別図柄抽選を実行することができるのかを遊技者に容易に把握させることができるものであった。
また、近年の遊技機では、遊技者にとって有利となる有利遊技状態として複数の状態種別を設定可能なものがあり、有利遊技状態として、第1有利遊技状態(例えば、時短状態)と、その第1有利遊技状態よりもさらに有利な第2有利遊技状態(例えば、確変状態)と、を設定可能なものがある。
このように構成された遊技機では、例えば、第1有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている場合に第1有利遊技状態が継続する期間(残期間)を遊技者に報知することは可能であるが、第1有利遊技状態が終了した後に、どの遊技状態が設定されるのかを報知することができないという問題があった。つまり、遊技者は第1有利遊技状態が終了した場合に、第1有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されるのか、それとも第1有利遊技状態よりも遊技者に不利となる遊技状態が設定されるのかを把握することができず、第1有利遊技状態中において何を目指して遊技を行えば良いのか分かり難く遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BI1によれば、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が設定された場合に、報知手段により、再度第1遊技状態が設定されるまでの期間に基づいて決定された有利期間が報知されるため、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態を複数有する遊技機であっても、第1遊技状態よりも有利な遊技状態が設定される期間を把握することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI1において、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記遊技状態設定手段により設定されている前記遊技状態を示唆するための示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、第1遊技状態が設定されるまでの有利期間を遊技者に報知しながらも、現在設定されている遊技状態を示唆することができるため、実行される示唆演出の内容に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2において、前記示唆演出実行手段は、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記遊技状態設定手段により設定されていた前記遊技状態を示唆するための過去示唆演出も実行可能であることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、示唆演出実行手段により、過去に設定されていた遊技状態を遊技者に示唆することができる。よって、過去示唆演出の内容に基づいて現在の遊技状態を予測したり、有利期間中における過去の遊技内容を解析したりすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2またはBI3において、前記報知手段は、前記有利期間の残期間を示すための残期間表示態様を表示手段に表示可能であり、前記示唆演出実行手段は、前記残期間表示態様を可変させることで、現在設定されている遊技状態、或いは、過去に設定されていた遊技状態を示唆可能であることを特徴とする遊技機BI4。
遊技機BI4によれば、有利期間の残期間を示すための残期間表示態様を可変させることにより、遊技状態に関する示唆演出が実行されるため、有利期間の残期間を注視する遊技者に対して示唆演出を分かり易く実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI4の何れかにおいて、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記第1設定条件が成立し得るタイミングを示唆可能な第2示唆演出手段を有することを特徴とする遊技機BI5。
遊技機BI5によれば、有利期間中において遊技状態が切り替わるタイミングを遊技者に予測させることができるため、有利期間中における遊技に遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BI1からBI5の何れかにおいて、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態のうち、遊技者に有利となる遊技状態を遊技者に報知可能な有利報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機BI6。
遊技機BI6によれば、有利期間中に設定される複数の遊技状態の優劣を遊技者が把握することができるため、現在設定されている遊技状態が何れの遊技状態であるかの予測により興味を持たせることができる。
<特徴BJ群>(複数の図柄表示制御で1の図柄列を変動表示させる)
判別結果を示唆可能な示唆情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記示唆情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための特定表示態様が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記示唆情報は、複数の図柄で構成された図柄列で構成された第1図柄列と、その第1図柄列とは異なる複数の図柄で構成された図柄列で構成された第2図柄列とが少なくとも設定されており、前記動的表示手段は、第1図柄列を第1方向に動的表示させている期間に、前記第2図柄列を前記第1方向とは異なる第2方向に動的表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、図柄列を形成する各図柄の順序を可変させることなく、図柄列単位で第3図柄を変動表示させるだけであるため、例えば、各図柄列の変動表示の速度を可変させたり、各図柄列の変動方向を可変させたり、各図柄列が表示される大きさを可変させたりする程度のバリエーションしか無く、図柄列の変動表示を用いた変動演出の演出効果をより高めることでさらなる遊技の興趣向上が求められているという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BJ1によれば、第1図柄列と第2図柄列とが互いに異なる方向に動的表示されるので第1図柄列と第2図柄列とを区別し易くなり判別結果を示唆情報より判別し易くできるという効果がある。
遊技機BJ1において、前記示唆情報が動的表示されることが可能な動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段を有し、前記第1図柄列は、前記動的表示期間の開始に基づいて前記第1方向に動的表示されるように構成され、前記第2図柄列は、特定条件の成立に基づいて前記第2方向へと前記第1図柄列で動的表示された図柄と前記第2図柄列を構成する図柄の一部が少なくとも重なる位置で前記第2方向へと動的表示されるものであることを特徴とする遊技機BJ2。
遊技機BJ2によれば、遊技機BJ1の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とが重なる位置で動的表示されるので、表示領域を有効に利用した演出を実行することができるという効果がある。
遊技機BJ2において、前記示唆情報が動的表示されることが可能な動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段を有し、前記第1図柄列と第2図柄列とは、前記動的表示期間の開始に基づいて前記第1方向と前記第2方向とにそれぞれ動的表示されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ3。
遊技機BJ3によれば、遊技機BJ2の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とは、動的表示期間の開始に基づいてそれぞれ第1方向と第2方向とにそれぞれ動的表示されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BJ1からBJ3の何れかにおいて、前記示唆情報を表示制御可能な表示制御手段を有し、前記表示制御手段は、前記第1図柄列の表示態様により前記判別結果を表示するように前記第1図柄列を表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ4。
遊技機BJ4によれば、遊技機BJ3の奏する効果に加え、第1図柄列の表示態様を用いて判別結果が表示されるため、第1図柄列の動的表示の表示態様を判別結果に基づいて表示制御すれば良く、第2図柄列の動的表示の表示態様を自由に設定することが可能となる。よって、示唆情報の動的表示における演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ4において、前記第1図柄列を動的表示可能な第1表示画層と、前記第2図柄列を動的表示可能な第2表示画層と、を有し、前記遊技機は、前記第1表示画層における第1表示領域と、前記第2表示画層における第2表示領域との少なくとも一部が重複するように構成されるものであり、前記第1表示領域と、前記第2表示領域とが重複する箇所では、前記第1図柄列が前記第2図柄列よりも優先して遊技者に視認可能となるように表示可能であることを特徴とする遊技機BJ5。
遊技機BJ5によれば、遊技機BJ4の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とが重複する場合には、第1図柄列のほうが遊技者に視認可能となるように表示される。よって、表示領域を有効に利用した演出を実行しながらも、判別結果を示すための表示態様を遊技者に分かり易く表示することができるという効果がある。
遊技機BJ4またはBJ5において、前記表示制御手段は、前記第1図柄列を構成する前記複数の図柄と、前記第2図柄列を構成する前記複数の図柄と、が所定の順序で配置された合算図柄列で構成されているように前記第1図柄列と前記第2図柄列とを表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ6。
遊技機BJ6によれば、遊技機BJ4またはBJ5の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とを合算図柄列として動的表示させることができるため、遊技者に対して、合算図柄列が構成されていると思わせることができる。その中で、第1図柄列と第2図柄列とを逆方向に動的表示させることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BJ6において、前記表示制御手段は、前記判別結果が前記特定の判別結果である場合よりも、前記特定の判別結果以外である場合のほうが、前記合算図柄列として前記第1図柄列と前記第2図柄列とを動的表示させ易くなるように表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ7。
遊技機BJ7によれば、遊技機BJ6の奏する効果に加え、判別結果が特定の判別結果である場合のほうが、合算図柄列として第1図柄列と第2図柄列とを動的表示され難くすることができる。よって、第1図柄列の動的表示と第2図柄列の動的表示とが異なる態様となった場合に、特定の判別結果への期待感を高めさせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴BK群>(V確機のベロ制御をアタッカ入球数に基づいて実行)
遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、遊技球が入球困難な第1状態からその第1状態よりも入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な第1特定領域と、その第1特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な第1検出手段と、前記第1特定領域を通過した遊技球が通過可能な第2特定領域と、その第2特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な第2検出手段と、前記第1特定領域を通過した遊技球を前記第2特定領域へと誘導可能な誘導路と、前記第2特定領域に遊技球が通過可能な許容状態と通過困難な規制状態とに可変可能な可変手段とを有し、前記可変手段は、前記第1検出手段により所定数の遊技球が検出されたことに基づいて前記規制状態から前記許容状態へと可変条件が成立するまで可変されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BK1。
従来より、大当たり遊技中に開放動作されるアタッカ内に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、その大当たり遊技終了後に確変状態を設定する遊技機(所謂、V確機)があった(例えば、特許文献1:特開2015-119807号公報)。このような遊技機では、大当たり遊技が開始されてからの経過期間に基づいて特定領域を遊技球が通過し易い第1状態を所定期間設定することにより、確変状態が設定される割合を予め規定可能に構成していた。
しかしながら、従来型の遊技機では、大当たり遊技が実行されてからの経過期間に基づいて第1状態が設定されてしまうため、例えば、大当たり遊技中に遊技機のトラブルによって遊技球をアタッカに入賞させることができない事態が発生したまま、第1状態が設定される所定期間が経過してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BK1によれば、可変入球手段に入球した遊技球の計測結果に基づいて、可変手段が許容状態へと可変されるので、可変入球手段に入球した数によって第2特定領域へと遊技球を通過させることが可能となり、遊技者に可変入球手段に入球させた数に対して興味を持たせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BK1において、前記可変手段は、前記第1特定領域を前記所定数目となる遊技球が前記許容状態に可変された状態の前記可変手段へと到達可能となる期間で前記許容状態へと可変されるものであることを特徴とする遊技機BK2。
遊技機BK2によれば、遊技機BK1の奏する効果に加え、第1特定領域を通過した所定数目の遊技球を第2特定領域へと入球させることが可能となり、第2特定領域を通過する遊技球を制御して、第2特定領域への入球数を制限することができるという効果がある。
遊技機BK1またはBK2において、前記第1特定領域を前記所定数目の遊技球が通過した後に、前記第2検出手段に遊技球が検出されるまでの期間を判別することが可能な期間判別手段と、前記期間判別手段の判別結果に基づいて異常処理を実行可能な異常処理手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BK3。
遊技機BK3によれば、遊技機BK1またはBK2の奏する効果に加え、第1特定領域を所定数の遊技球を通過したにもかかわらず、誘導路上で滞留している場合等の不具合を早期に発見することができるという効果がある。
遊技機BK1からBK3の何れかにおいて、前記終了条件は、前記所定数目の遊技球が前記第2検出手段に検出された後に、次の遊技球が前記可変手段に到達する期間よりも短い期間が経過した場合に成立するように設定されているものであることを特徴とする遊技機BK4。
遊技機BK4によれば、遊技機BK1からBK3の何れかの奏する効果に加え、確実に所定数目の遊技球を第2特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機BK1からBK4の何れかにおいて、前記第2検出手段に遊技球が検出されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機BK5。
遊技機BK5によれば、遊技機BK1からBK4の何れかの奏する効果に加え、特典遊技が実行された場合にも、第2特定領域へ遊技球を入球させることに対する意欲を持たせることができ、特典遊技が退屈になる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴BL群>(図柄列を可変させることで、図柄列内の一部図柄を切り替える)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別図柄が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別図柄が動的表示された後、特定の前記判別結果を示すための前記識別図柄が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与される特典種別を決定することが可能な特典種別決定手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄が動的表示される期間を少なくとも含む動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間では第1の結果を示すための前記識別図柄として第1識別図柄が表示され、第2期間では前記第1の結果とは異なる第2の結果を示すためのものであって、前記第1識別図柄とは異なる第2識別図柄が少なくとも表示されるように設定可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BL1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BL1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL1において、前記動的表示手段は、前記第1期間の終了時に前記第1識別図柄を停止表示可能であり、前記第2期間は、少なくとも前記第1期間が経過した後の期間であることを特徴とする遊技機BL2。
遊技機BL2によれば、遊技機BL1の奏する効果に加え、第1期間が終了し、第2期間が始まることを遊技者に分かり易く報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BL2において、前記動的表示手段は、前記第1の結果として、前記判別手段の判別結果が、前記特定の判別結果であることを示すための前記第1識別図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機BL3。
遊技機BL3によれば、遊技機BL2の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間が経過するよりも前に、判別手段の判別結果を遊技者に報知することができるため、いち早く判別手段の判別結果を把握しようとする遊技者に対して、動的表示手段により実行される識別図柄の動的表示を注視させることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL3において、前記動的表示手段は、前記第2の結果として、前記特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示すための前記第2識別図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機BL4。
遊技機BL4によれば、遊技機BL3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2期間の終了後に前記特典種別を示すための識別図柄を表示することができる。つまり、判別手段の判別結果を表示した後に、特典種別決定手段により決定された特典種別を表示することができる。よって、判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを遊技者に報知した後に、特典種別決定手段により決定された特典種別を遊技者に報知することができるため、少なくとも特典遊技が実行されるという安心感を持たせた状態で第2期間の動的表示を実行することができるという効果がある。
遊技機BL4において、前記特典種別決定手段は、少なくとも、第1特典種別と、その第1特典種別よりも遊技者に有利となる第2特典種別とを含む複数の特典種別のうち、何れかの特典種別を決定するものであり、前記第2識別図柄は、少なくとも前記特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示すための情報が含まれている表示態様で表示されるものであることを特徴とする遊技機BL5。
遊技機BL5によれば、遊技機BL4の奏する効果に加え、第2識別図柄の表示態様が前記特典種別決定手段によって決定された特典種別を示しているため、第2識別図柄が動的表示されている期間中においても、決定された特典手段を遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BL5において、前記動的表示手段により動的表示される複数の前記識別図柄が所定の順序で表示される図柄列を設定可能な図柄列設定手段を有し、前記動的表示手段は、前記図柄列設定手段により設定された前記図柄列に基づいて前記識別図柄を動的表示可能であり、前記図柄列設定手段は、第1期間中に設定される第1図柄列の少なくとも一部を形成する前記第1識別図柄を、前記第2識別図柄へと切り替えた第2図柄列を設定可能であることを特徴とする遊技機BL6。
遊技機BL6によれば、遊技機BL5の奏する効果に加え、第1図柄列の少なくとも一部を形成する第1識別図柄を第2識別図柄へと切り替えた第2図柄列が設定されるため、第1図柄列が有する識別図柄の数と、第2図柄列が有する識別図柄の数と、同一にすることができる。よって、動的表示手段により実行される識別図柄の動的表示態様を、設定される図柄列の種別に応じて可変させる必要が無いため、識別図柄を動的表示させるための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機BL6において、前記図柄列設定手段は、前記判別手段の同一の判別結果を示すための第1識別図柄を重複させた前記第1図柄列を形成可能であり、前記第2図柄列を設定する場合、前記重複している前記第1識別図柄の何れかを前記第2識別図柄へと切替可能であることを特徴とする遊技機BL7。
遊技機BL7によれば、第1図柄列に重複して含まれる第1識別図柄を第2識別図柄へと切り替えるため、第2期間中においても、第1期間中に実行された動的表示にて表示されていた各第1識別図柄を確認することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴BM群>(ボタン操作の制限制御中に別操作で制限解除)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作の種別として、第1操作と、その第1操作とは異なる第2操作と、を少なくとも判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいた設定を実行することが可能な設定実行手段と、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制する規制手段と、を有し、前記設定実行手段は、前記規制手段による前記規制中において、前記操作判別手段により前記第2操作が判別された場合に、前記第1設定を実行可能であることを特徴とする遊技機BM1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数の演出モードを予め容易しておき、各演出モードに対して特別図柄変動期間中に実行される変動演出の態様を異ならせるように構成しているものがある(例えば、特許文献1:特開2012-249877号公報)。
このように構成された遊技機では、演出モードが切り替わることにより、異なる変動演出を遊技者に提供することができるため、同一の変動演出ばかり提供されることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで、任意に演出モードを切替可能とする遊技機もある。このような遊技機では、複数の演出モードのうち、最も興味のある演出モードを遊技者自身が選択することができるため、興味の低い変動演出が実行されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、演出モードを切り替えるために遊技者自身が操作手段を操作する必要があることから遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、遊技者が操作手段を操作することで、任意のタイミングで演出モードを切替可能とした場合には、例えば、特別図柄抽選の結果が停止表示される直前や、特別図柄変動期間として短時間の変動期間が設定される場合において、演出モードが切り替わることにより、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなってしまうため、操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BM1によれば、第1操作に基づく第1設定が規制されている状態であっても、第2操作を実行することで第1設定を実行することができる。よって、様々な操作を実行しようと意欲的に遊技者に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BM1において、前記設定実行手段は、前記規制手段による前記規制中において、前記操作判別手段により前記第1操作が判別された場合に、前記第1設定とは異なる第2設定を実行可能であることを特徴とする遊技機BM2。
遊技機BM2によれば、遊技機BM1の奏する効果に加え、規制中に第1操作を実行した場合に、第2設定が実行されるため、第1操作を実行したにも関わらず設定実行手段が何も実行しない事態を抑制することができる。よって、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BM1またはBM2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記規制手段は、前記短遊技状態が設定されている状態であって、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制し得るものであることを特徴とする遊技機BM3。
遊技機BM3によれば、遊技機BM1またはBM2の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BM3において、前記設定実行手段により実行された設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BM4。
遊技機BM4によれば、遊技機BM3の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BM1からBM4の何れかにおいて、前記操作手段は、前記第1操作を実行するための第1操作部と、前記第2操作を実行するための前記第1操作部とは異なる第2操作部と、を有するものであることを特徴とする遊技機BM5。
遊技機BM5によれば、遊技機BM1からBM4のいずれかの奏する効果に加え、第1操作を実行する場合と、第2操作を実行する場合とで、異なる操作部に対して操作を実行することになるため、遊技者が第1操作と第2操作とを間違えて実行してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BM5において、前記第2操作部は、前記第1操作部よりも遊技中の遊技者が操作し難い箇所に設けられていることを特徴とする遊技機BM6。
遊技機BM6によれば、遊技機BM5の奏する効果に加え、各操作部の操作のし易さを異ならせることにより、第1操作部を用いる第1操作を通常の操作とし、第2操作部を用いる第2操作を非常用の操作とすることが可能となる。よって、遊技者が何れの操作を実行するか悩んでしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BN群>(ボタン操作の制限制御中に操作で別内容を実行)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて操作に対応した第1設定を実行することが可能な第1設定実行手段と、前記操作手段が操作されたことに基づく前記第1設定の実行を規制する規制手段と、その規制手段により前記第1設定の実行が規制されている状態で、前記操作手段を操作した場合に前記第1設定とは異なる第2設定を実行する第2設定実行手段と、を有することを特徴とする遊技機BN1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BN1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BN1によれば、第1設定が規制されている状態で操作手段が操作された場合に、第2設定が実行されるため、操作手段を操作したにも関わらず何も実行されない事態を抑制することができる。よって、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BN1において、前記規制手段は、前記識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に前記第1設定の実行を規制可能であることを特徴とする遊技機BN2。
遊技機BN2によれば、遊技機BN1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が実行されている間に規制手段により第1設定の実行が規制されるため、第1設定が実行されたことにより、識別情報の動的表示結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記規制手段は、前記短遊技状態が設定されている状態であって、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制し得るものであることを特徴とする遊技機BN3。
遊技機BN3によれば、遊技機BN1またはBN2の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BN3において、前記設定実行手段により実行された前記第1設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BN4。
遊技機BN4によれば、遊技機BN3の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN1からBN4の何れかにおいて、前記操作手段は、第1操作を実行するための第1操作部と、前記第1操作とは異なる第2操作を実行するための前記第1操作部とは異なる第2操作部と、を有するものであることを特徴とする遊技機BM5。
遊技機BN5によれば、遊技機BN1からBN4の何れかの奏する効果に加え、第1操作を実行する場合と、第2操作を実行する場合とで、異なる操作部に対して操作を実行することになるため、遊技者が第1操作と第2操作とを間違えて実行してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BN5において、前記第2操作部は、前記第1操作部よりも遊技中の遊技者が操作し難い箇所に設けられていることを特徴とする遊技機BN6。
遊技機BN6によれば、遊技機BN5の奏する効果に加え、各操作部の操作のし易さを異ならせることにより、第1操作部を用いる第1操作を通常の操作とし、第2操作部を用いる第2操作を非常用の操作とすることが可能となる。よって、遊技者が何れの操作を実行するか悩んでしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BO群>(ステージチェンジし難い状態でステージチェンジしたらチャンス)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて、演出モードとして第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段と、その演出モード設定手段による前記演出モードの設定を実行可能な第1期間と、その第1期間よりも前記演出モードの設定を実行し難い第2期間と、を設定可能な期間設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記演出モードの設定が、前記第2期間中に実行されたほうが、前記第1期間中に実行されるよりも遊技者に有利な情報を提供可能であることを特徴とする遊技機BO1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BO1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BO1によれば、演出モードが設定され難い第2期間において演出モードの設定がされた場合に、遊技者に有利な情報を提供することができるため、第2期間中において演出モードが設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BO1において、前記演出モード設定手段は、前記第2期間中に前記演出モードの設定を実行する場合に、前記第1演出モード、及び前記第2演出モードとは異なる第3演出モードを設定可能であることを特徴とする遊技機BO2。
遊技機BO2によれば、遊技機BO1の奏する効果に加え、第3演出モードが設定されることで、第2期間中に演出モードが設定されたことを遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機BO1からBO3の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記期間設定手段は、前記短遊技状態が設定されている場合に前記第2期間を設定可能であることを特徴とする遊技機BO4。
遊技機BO4によれば、遊技機BO1からBO3の何れかの奏する効果に加え、短遊技状態中において、演出モードが設定され難くすることができるため、演出モードが設定されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BO1からBO4の何れかにおいて、前記期間設定手段により前記第2期間が設定されることを、前記第2期間が設定されるよりも前に遊技者に報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機BO5。
遊技機BO5によれば、遊技機BO1からBO4の何れかの奏する効果に加え、遊技者に対して第2期間が設定されることを事前に把握させることができるため、所望の演出モードを設定した状態で第2期間を設定させることができる。よって、遊技者が所望しない演出モードにて第2期間が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BP群>(先読みでステージチェンジのし易さを可変)
情報取得条件の成立に基づいて情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることを示すための識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を、その情報に基づく前記判別手段による判別が実行されるよりも前に事前判別可能な事前判別手段と、切替条件が成立した場合に、第1演出モードから、その第1演出モードとは異なる第2演出モードへと演出モードを切替可能な切替手段と、を有し、前記切替条件は、前記事前判別手段の事前判別結果が第1事前判別結果である場合よりも、前記第1事前判別結果とは異なる第2事前判別結果である場合のほうが、成立し易いものであることを特徴とする遊技機BP1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1~9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BP1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BP1によれば、事前判別手段による事前判別結果に応じて切替条件の成立のし易さを異ならせることができるため、演出モードが切り替わった場合における事前判別手段の事前判別結果を遊技者に予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BP1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を判別可能な操作判別手段と、を有し、前記切替条件は、前記操作判別手段により前記操作が判別された場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機BP2。
遊技機BP2によれば、遊技機BP1の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作した場合にも切替条件が成立させることができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BP2において、前記切替手段は、前記事前判別手段の判別結果が前記第2事前判別結果である場合に、前記第1演出モードから前記第2演出モードとは異なる第3演出モードへと切替可能であることを特徴とする遊技機BP3。
遊技機BP3によれば、遊技機BP2の奏する効果に加え、第3演出モードが設定されることで、事前判別手段による事前判別の結果が第2事前判別結果であることを遊技者に報知することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機BP1からBP3の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記切替条件は、前記短遊技状態が設定されている場合のほうが、前記短遊技状態が設定されていない場合よりも成立し難いものであることを特徴とする遊技機BP4。
遊技機BP4によれば、遊技機BP1からBP3の何れかの奏する効果に加え、短遊技状態中において、演出モードを切替難くすることができるため、演出モードが設定されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BP1からBP4の何れかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記短遊技状態が設定されることを、前記短遊技状態が設定されるよりも前に遊技者に報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機BP5。
遊技機BP5によれば、遊技機BP1からBP4の何れかの奏する効果に加え、遊技者に対して短遊技状態が設定されることを事前に把握させることができるため、短遊技状態が設定されるよりも前に切替条件を成立させようと操作手段を意欲的に操作させることができる。これにより、所望の演出モードを設定した状態で短遊技状態を設定させ易くすることができるため、遊技者が所望しない演出モードにて短遊技状態が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5066シリーズ>
<特徴CA群>(時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、特定期間が設定されている場合に前記第2判別結果を判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA1。
遊技機CA1によれば、特定期間が設定されている場合に第2判別結果と判別されることが可能にされているので、特定期間が設定されると第2判別結果と判別されることで特定設定が設定されることで、特定設定が通常時と異なるタイミングで設定されることとなり、特定遊技が実行されることだけでなく、特定期間が設定される期間にも期待度を高めることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CA1において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記取得手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第1情報を取得可能であり、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第2情報を取得可能であり、前記判別手段は、前記第2情報に基づいて前記第2判別結果を判別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成されているので、第1入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、特定期間が設定されている場合に第2情報が記憶されているように遊技を行わせるようにでき、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機CA1またはCA2において、前記第2判別結果が判別されたことに基づいて設定される前記特定設定は、特定遊技の実行後に設定される特定設定よりも長い期間設定されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA1またはCA2の奏する効果に加え、特定設定が設定される期間を判別された判別結果により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴CB群>(1回の特図抽選で大当たりと時短とに重複当選した場合に、何れか一方に当選した場合よりも有利な特典と付与)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定条件が成立していることに基づいて特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、前記第1判別結果と前記第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CB1によれば、第1判別結果と第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているので、特定条件が成立しなかった場合にも特定設定が設定されることが可能にでき、特定設定がされるタイミングを多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機CB1において、前記判別手段により前記第1判別結果と前記第2判別結果とが重複して判別されたことに基づいて前記特定遊技として重複して判別されなかった場合よりも遊技者に有利となる特定遊技の種別が実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機CB1またはCB2において、前記設定制御手段は、前記判別手段により前記第2判別結果と判別された後に前記第1判別結果であるかを判別する期間で前記特定設定を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB1またはCB2の奏する効果に加え、前記第2判別結果と判別されると、その後に実行される第1判別結果であるかの判別がされる期間に特定設定がされるので、特定設定がされた状態で第1判別結果であるかを判別することができ、多様な状態で判別を行わせることができるという効果がある。
<特徴CC群>(時短成立契機に応じて、時短状態中に時短大当たり当選した場合の有利度合いを異ならせる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも実行可能であり、前記遊技機は、前記設定種別に応じて、前記第2遊技状態中に実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果であることに基づいて実行される前記特典遊技の種別の選択割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機CC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら有利状態が設定された場合には、遊技当否抽選が実行され易くなるという効果はあるが、有利状態中において、遊技の当否抽選の結果が当たりとなった場合には、常に同一の特典が付与されることから遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CC1によれば、設定種別に応じて特典遊技の種別における選択割合が可変されるので、同じ第2遊技状態であっても異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CC1において、前記第2遊技状態は、終了条件が成立するまで継続して設定されるものであり、前記第2設定が設定されている場合に前記特典遊技が実行された場合には、その特典遊技が実行された後に、前記終了条件が成立するまでの期間を長くなるようにすることが可能な設定がされ易いものであることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、前記第2設定がされることで、第2遊技状態が設定される期間を長くすることが可能となるので、第2遊技状態において特典遊技が実行された場合に終了条件が設定されるまでの期間について興味をより持たせることができるという効果がある。
遊技機CC1またはCC2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC1またはCC2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴CD群>(ハマればハマるほど時短成立時に有利時短が設定され易い)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い設定がされる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に設定されることが可能な設定情報を判別可能な設定情報判別手段を有し、前記設定情報判別手段により前記第1設定情報よりも後に設定される第2設定情報が判別された場合に、前記特典遊技の終了後に前記終了条件が成立し難い前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機CD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CD1によれば、第2遊技状態が設定されている期間が長くなるほど特典遊技が実行された場合に終了条件が成立し難くされているので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待する期間と、特典遊技が実行されることを期待させない期間とを切り替えて設定することができ、遊技を多様にして遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機CD1において、前記特定の第1判別結果とは異なる特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づいて前記設定情報を設定することが可能な設定情報設定手段を有し、前記設定情報設定手段は、設定されている設定情報の種別に対応した設定情報を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CD2。
遊技機CD2によれば、遊技機CD1の奏する効果に加え、設定情報の履歴に応じて設定される設定情報を規則的に可変させることができるので第2遊技状態の設定されている期間を容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機CD1またはCD2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機CD3。
遊技機CD3によれば、遊技機CD1またはCD2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴CE群>(大当たり抽選+時短抽選を実行可能な特図1と、大当たり抽選+小当たり抽選を実行可能な特図2)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により実行される前記第1判別の結果が、第1判別結果であることに基づいて第1特典を付与可能であり、前記第1判別の結果が、前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が、第3判別結果であることに基づいて前記第1特典を付与可能であり、前記第2判別の結果が前記第3判別結果とは異なる第4判別結果であることに基づいて、前記第1特典及び前記第2特典とは異なる第3特典を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1判別手段により実行される前記第1判別に基づいて前記第3特典が付与されることが無く、且つ、前記第2判別手段により実行される前記第2判別に基づいて前記第2特典が付与されることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機CE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、当選した場合に付与される特典が同一であることから、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CE1によれば、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
<特徴CF群>(第1有利条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に第2有利条件が成立した場合に、特定有利状態を設定可能)
第1条件が成立したことを判別するための第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により前記第1条件が成立したと判別されたことに基づいて第1有利状態を設定可能な第1状態設定手段と、第1条件とは異なる第2条件が成立したことを判別するための第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により前記第2条件が成立したと判別されたことに基づいて第2有利状態を設定可能な第2状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1判別手段により前記第1条件が成立したと判別されてから前記第1状態設定手段により前記第1有利状態が設定されるまでの間に、前記第2判別手段により前記第2条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記第1有利状態、及び前記第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態を設定可能な第3状態設定手段を有することを特徴とする遊技機CF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、抽選結果が特典が付与される抽選結果となった場合に、それぞれに対応する特典が付与されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CF1によれば、第1条件が成立したことに基づいて第1有利状態が設定され、第2条件が成立したことに基づいて第2有利状態が設定される。そして、第1条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に、第2条件が成立した場合には、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態が設定される。よって、第1条件が成立するタイミングと、第2条件が成立するタイミングとに対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
<特徴CG群>(特定周期で有利抽選を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果であることに基づいて、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機CG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、常に同一内容の当否抽選が実行されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CG1によれば、第2遊技状態が設定されている間は、第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第1遊技状態が設定されている期間にて第3遊技状態が設定される遊技を目指すことになる。よって、遊技状況に応じて有利度合いの異なる遊技を実行することが可能となるため、遊技が単調とすることを抑制できるという効果がある。
遊技機CG1において、前記判別手段は、前記判別の結果が前記第2判別結果となる確率よりも前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機CG2。
遊技機CG2によれば、遊技機CG1の奏する効果に加え、第3判別結果となるよりも第2判別結果となり易いため、遊技者に対して、判別手段の判別結果が第2判別結果となり、第3遊技状態が設定され難い第2遊技状態へと遊技状態が移行してしまうことを避けながら、第3遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG1またはCG2において、前記終了条件として、前記第2遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能な終了条件設定手段を有することを特徴とする遊技機CG3。
遊技機CG3によれば、遊技機CG1またはCG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に実行された判別の回数が所定回数に到達した場合に第2遊技状態を終了させることができるため、少なくとも特定周期で第1遊技状態における判別手段の判別を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG3において、前記終了条件設定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が特定判別結果であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能であることを特徴とする遊技機CG4。
遊技機CG4によれば、遊技機CG3の奏する効果に加え、第2終了条件が成立することにより、特定周期よりも短い間隔で第2遊技状態を終了させることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機CG1からCG4の何れかにおいて、前記判別手段は、前記第1遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率よりも前記第2遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機CG5。
遊技機CG5によれば、遊技機CG1からCG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも第1遊技状態のほうが、第3遊技状態が設定されやすいため、第2遊技状態が設定されていない状況で判別が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴CH群>(終わらせた方が良い時短と、終わらせない方が良い時短とを設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも設定可能な種別設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記種別設定手段により設定された前記設定種別に応じて、前記第1遊技状態よりも有利となる有利第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも不利となる不利第2遊技状態と、を設定可能であることを特徴とする遊技機CH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行された後に有利状態が設定されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CH1によれば、第1遊技状態よりも有利な遊技状態と、第1遊技状態よりも不利な遊技状態と、を設定可能とすることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
<5068の技術思想>
<特徴DA群>(時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、特定期間が設定されている場合に前記第2判別結果を判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA1。
遊技機DA1によれば、特定期間が設定されている場合に第2判別結果と判別されることが可能にされているので、特定期間が設定されると第2判別結果と判別されることで特定設定が設定されることで、特定設定が通常時と異なるタイミングで設定されることとなり、特定遊技が実行されることだけでなく、特定期間が設定される期間にも期待度を高めることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DA1において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記取得手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第1情報を取得可能であり、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第2情報を取得可能であり、前記判別手段は、前記第2情報に基づいて前記第2判別結果を判別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成されているので、第1入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、特定期間が設定されている場合に第2情報が記憶されているように遊技を行わせるようにでき、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DA1またはDA2において、前記第2判別結果が判別されたことに基づいて設定される前記特定設定は、特定遊技の実行後に設定される特定設定よりも長い期間設定されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1またはDA2の奏する効果に加え、特定設定が設定される期間を判別された判別結果により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴DB群>(1回の特図抽選で大当たりと時短とに重複当選した場合に、何れか一方に当選した場合よりも有利な特典と付与)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定条件が成立していることに基づいて特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、前記第1判別結果と前記第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DB1によれば、第1判別結果と第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているので、特定条件が成立しなかった場合にも特定設定が設定されることが可能にでき、特定設定がされるタイミングを多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DB1において、前記判別手段により前記第1判別結果と前記第2判別結果とが重複して判別されたことに基づいて前記特定遊技として重複して判別されなかった場合よりも遊技者に有利となる特定遊技の種別が実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DB1またはDB2において、前記設定制御手段は、前記判別手段により前記第2判別結果と判別された後に前記第1判別結果であるかを判別する期間で前記特定設定を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1またはDB2の奏する効果に加え、前記第2判別結果と判別されると、その後に実行される第1判別結果であるかの判別がされる期間に特定設定がされるので、特定設定がされた状態で第1判別結果であるかを判別することができ、多様な状態で判別を行わせることができるという効果がある。
<特徴DC群>(時短成立契機に応じて、時短状態中に時短大当たり当選した場合の有利度合いを異ならせる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも実行可能であり、前記遊技機は、前記設定種別に応じて、前記第2遊技状態中に実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果であることに基づいて実行される前記特典遊技の種別の選択割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機DC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら有利状態が設定された場合には、遊技当否抽選が実行され易くなるという効果はあるが、有利状態中において、遊技の当否抽選の結果が当たりとなった場合には、常に同一の特典が付与されることから遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DC1によれば、設定種別に応じて特典遊技の種別における選択割合が可変されるので、同じ第2遊技状態であっても異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DC1において、前記第2遊技状態は、終了条件が成立するまで継続して設定されるものであり、前記第2設定が設定されている場合に前記特典遊技が実行された場合には、その特典遊技が実行された後に、前記終了条件が成立するまでの期間を長くなるようにすることが可能な設定がされ易いものであることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、前記第2設定がされることで、第2遊技状態が設定される期間を長くすることが可能となるので、第2遊技状態において特典遊技が実行された場合に終了条件が設定されるまでの期間について興味をより持たせることができるという効果がある。
遊技機DC1またはDC2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1またはDC2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴DD群>(ハマればハマるほど時短成立時に有利時短が設定され易い)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い設定がされる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に設定されることが可能な設定情報を判別可能な設定情報判別手段を有し、前記設定情報判別手段により前記第1設定情報よりも後に設定される第2設定情報が判別された場合に、前記特典遊技の終了後に前記終了条件が成立し難い前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DD1によれば、第2遊技状態が設定されている期間が長くなるほど特典遊技が実行された場合に終了条件が成立し難くされているので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待する期間と、特典遊技が実行されることを期待させない期間とを切り替えて設定することができ、遊技を多様にして遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機DD1において、前記特定の第1判別結果とは異なる特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づいて前記設定情報を設定することが可能な設定情報設定手段を有し、前記設定情報設定手段は、設定されている設定情報の種別に対応した設定情報を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DD2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、設定情報の履歴に応じて設定される設定情報を規則的に可変させることができるので第2遊技状態の設定されている期間を容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機DD1またはDD2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1またはDD2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴DE群>(大当たり抽選+時短抽選を実行可能な特図1と、大当たり抽選+小当たり抽選を実行可能な特図2)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により実行される前記第1判別の結果が、第1判別結果であることに基づいて第1特典を付与可能であり、前記第1判別の結果が、第2判別結果であることに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が、特定の第2判別結果であることに基づいて前記第1特典を付与可能であり、前記第2判別の結果が前記第3判別結果とは異なる第4判別結果であることに基づいて、前記第1特典及び前記第2特典とは異なる第3特典を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1判別手段により実行される前記第1判別に基づいて前記第3特典が付与されることが無く、且つ、前記第2判別手段により実行される前記第2判別に基づいて前記第2特典が付与されることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機DE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、当選した場合に付与される特典が同一であることから、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DE1によれば、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
<特徴DF群>(第1有利条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に第2有利条件が成立した場合に、特定有利状態を設定可能)
第1条件が成立したことを判別するための第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報が表示される表示手段と、前記第1識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させた後に前記第2判別結果を示すための態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有した遊技機において、遊技者に有利となることが可能な有利遊技状態が設定される前記第1識別情報の動的表示が開始された場合に特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態が設定されている場合には、前記第2判別手段により遊技者に有利となる前記第2判別結果が判別され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機DF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、特典が付与される抽選結果となった場合に、それぞれに対応する特典が付与されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DF1によれば、第1条件が成立したことに基づいて第1有利状態が設定され、第2条件が成立したことに基づいて第2有利状態が設定される。そして、第1条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に、第2条件が成立した場合には、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態が設定される。よって、第1条件が成立するタイミングと、第2条件が成立するタイミングとに対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機DF1において、前記有利遊技状態が設定される前記第1識別情報の動的表示では、前記特定遊技状態で実行される前記第2識別情報の動的表示が複数回実行可能な期間より長い期間の動的表示が選択され易い動的表示態様群より動的表示態様が選択されるように制御され、前記特定遊技状態が設定されている場合には、前記第2識別情報の動的表示として通常の遊技状態よりも短い動的表示期間で構成された動的表示態様が選択され易い動的表示態様群より動的表示態様が選択されるものであることを特徴とすることを特徴とする遊技機DF2。
遊技機DF2によれば、遊技機DF1の奏する効果に加え、第1識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が選択されることで特定遊技状態を長く設定でき、その特定遊技状態では、第2識別情報の動的表示期間が短く設定されることで第2識別情報の動的表示を多回数実行することで、遊技者に第2識別情報の動的表示をより多く実行させるように意欲を持たせやすくして、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DF1またはDF2において、前記特定遊技状態が設定されている場合に、特定の前記第2判別結果であることに基づいて前記有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態を設定可能にされているものであることを特徴とする遊技機DF3。
遊技機DF3によれば、遊技機DF1またはDF2の奏する効果に加え、第2識別情報が特定の第2判別結果となると有利遊技状態よりも有利な遊技状態が特定遊技状態において設定されることとなるので、特定遊技状態の残り期間によって遊技者に与える特典を可変させることができ、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DF1からDF3のいずれかにおいて、前記第2識別情報の動的表示が停止表示され、特定条件が成立していることにより動的表示されている前記第1識別情報の動的表示を前記有利遊技状態が設定されないように強制的に停止表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DF4。
遊技機DF4によれば、遊技機DF1からDF3のいずれかにおいて、第2識別情報の動的表示によって設定されるはずの有利遊技状態を強制的に破棄させることができるので、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DF1からDF4のいずれかにおいて、前記特定遊技状態が設定されている場合に前記第2識別情報の動的表示が終了することで特典遊技が実行される場合には、動的表示されている前記第1識別情報の動的表示期間を中断し、前記特典遊技の実行が終了した後に再開して動的表示を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DF5。
遊技機DF5によれば、遊技機DF1からDF4のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技がされている期間には、第1識別情報の動的表示が中断された後に、特典遊技の終了後に再開されるので、特典遊技が実行されることで、有利遊技状態への期待を低減させて、特典遊技の価値を低下させる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機DF1からDF5のいずれかにおいて、前記有利遊技状態は、前記第1識別情報の動的表示後に実行される特典遊技が実行される前記第1識別情報の動的表示がされた場合に設定される第1設定条件と、前記特典遊技の実行されない前記第1識別情報の動的表示がされた場合に設定される第2設定条件と、に基づいて少なくとも設定可能にされているものであることを特徴とする遊技機DF6。
遊技機DF6によれば、遊技機DF1からDF5のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行されなくとも有利遊技状態が設定されるように構成することで、有利遊技状態が設定されるタイミングを予測困難とすることができ、遊技に新鮮味を持たせることができるという効果がある。
<特徴DG群>(特定周期で有利抽選を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果であることに基づいて、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、常に同一内容の当否抽選が実行されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DG1によれば、第2遊技状態が設定されている間は、第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第1遊技状態が設定されている期間にて第3遊技状態が設定される遊技を目指すことになる。よって、遊技状況に応じて有利度合いの異なる遊技を実行することが可能となるため、遊技が単調とすることを抑制できるという効果がある。
遊技機DG1において、前記判別手段は、前記判別の結果が前記第2判別結果となる確率よりも前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機DG2。
遊技機DG2によれば、遊技機DG1の奏する効果に加え、第3判別結果となるよりも第2判別結果となり易いため、遊技者に対して、判別手段の判別結果が第2判別結果となり、第3遊技状態が設定され難い第2遊技状態へと遊技状態が移行してしまうことを避けながら、第3遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DG1またはDG2において、前記終了条件として、前記第2遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能な終了条件設定手段を有することを特徴とする遊技機DG3。
遊技機DG3によれば、遊技機DG1またはDG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に実行された判別の回数が所定回数に到達した場合に第2遊技状態を終了させることができるため、少なくとも特定周期で第1遊技状態における判別手段の判別を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DG3において、前記終了条件設定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が特定判別結果であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能であることを特徴とする遊技機DG4。
遊技機DG4によれば、遊技機DG3の奏する効果に加え、第2終了条件が成立することにより、特定周期よりも短い間隔で第2遊技状態を終了させることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機DG1からDG4の何れかにおいて、前記判別手段は、前記第1遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率よりも前記第2遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機DG5。
遊技機DG5によれば、遊技機DG1からDG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも第1遊技状態のほうが、第3遊技状態が設定されやすいため、第2遊技状態が設定されていない状況で判別が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴DH群>(終わらせた方が良い時短と、終わらせない方が良い時短とを設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、特定の前記判別結果であることを示すための識別情報が表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、第2遊技状態の設定が終了される終了条件が成立することで遊技者に有利な遊技状態が設定される第1状態と、前記終了条件が成立しない方が終了する場合よりも遊技な遊技状態が設定される第2状態と、を設定可能な状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機DH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行された後に有利状態が設定されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DH1によれば、第2遊技状態が設定された場合に、第1状態と第2状態との設定により終了条件が成立することへの期待度を可変させることができるので、第2遊技状態が終了したことによる興趣を可変させて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DH1において、前記第1状態が設定される場合に前記終了条件が成立することで前記第1遊技状態が設定され、その第1遊技状態が設定されている状態から前記第2遊技状態が設定されることに基づいて前記第2状態が設定されるものであることを特徴とする遊技機DH2。
遊技機DH2によれば、遊技機DH1の奏する効果に加え、第1状態が設定された後に、第1遊技状態を経て、第2状態が設定される第2遊技状態が設定されるので、遊技状態の設定される順序によって有利な遊技状態が設定されることとなり、徐々に期待度を高めながら遊技を継続させ易くできるという効果がある。
遊技機DH1またはDH2において、前記第2遊技状態は、前記特典遊技が実行される前記識別情報の動的表示がされた場合に設定されることが可能な第1条件と、前記特典遊技が実行されない前記識別情報の動的表示がされた場合に設定されることが可能な第2条件と、に基づいて設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DH3。
遊技機DH3によれば、遊技機DH1またはDH2の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されるタイミングを多様にすることができ、新鮮味のある遊技を提供できるという効果がある。
<特徴DI群>(通常状態で特図2抽選を実行した場合に、所定期間、特図1抽選にもペナルティ)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、を有した遊技機において、前記第1判別手段と前記第2判別手段とが第1順序で判別された場合に設定されることが可能な第1設定と、前記第1順序とは異なる第2順序で判別された場合に設定されることが可能な第2設定と、を設定可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機DI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の契機によりそれぞれ当たり等の判別を所定の順序で実行し、判別結果に基づいた報知を遊技者にし、当たり等の特定の報知がされた場合に遊技者に有利な特典が付与される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、当たり等の判別が実行される順序が異なった場合であっても、個々の判別結果に基づく遊技が実行されるだけで有り、順序を異ならせたことにより遊技性の異なる遊技が実行されることが無いため、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DI1によれば、第1判別と第2判別との実行順序に応じて異なる設定がされるため、判別が実行される順序に興味を持たせることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別が実行されたことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、次に第1判別が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI2。
遊技機DI2によれば、遊技機DI1の奏する効果に加え、第1遊技状態を周期的に設定することが可能となり、遊技状態を一定周期で可変させて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI2において、前記遊技状態設定手段は、前記第2判別が実行されたことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、次に前記第2判別が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI3。
第1判別と第2判別とが交互に実行されることで第1遊技状態を継続して設定することが可能となり、判別の順序に興味を持たせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI1からDI3のいずれかにおいて、前記第1設定では、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果に基づいて第1特典遊技が実行され、前記第2設定では、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果に基づいて第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技が実行されるものであることを特徴とする遊技機DI4。
遊技機DI4によれば、遊技機DI1からDI3のいずれかの奏する効果に加え、第2設定がされることで遊技者に有利とすることができ、判別の順序で遊技の興趣を可変させることができるという効果がある。
遊技機DI2からDI4の何れかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定する契機となった前記第1判別の次に、前記第2判別が実行された場合には、複数回の前記第1判別が少なくとも実行されることで成立可能な設定条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI5。
<特徴DJ群>(通常状態、有利状態、超有利状態の3つの遊技状態を設定可能であり、通常状態からは有利状態、超有利状態の何れにも移行可能で、有利状態からは超有利状態へと移行し難い遊技性)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利となる第3遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の終了後に前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第3遊技状態を設定可能であり、前記判別手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行される前記判別の方が、前記第2遊技状態が設定されている状態で実行される前記判別よりも、前記第2判別結果を判別し易いものであり、前記遊技機は、前記第2遊技状態が設定されている状態で前記判別が実行されるよりも、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記判別が実行される場合の方が、前記第3遊技状態が設定され易くなるように構成していることを特徴とする遊技機DJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の遊技状態を設定し、その遊技状態を当たり等の条件が成立することで切り替えることで、遊技者に多様な遊技状態が切り替えられるように構成して、遊技の意欲を高めた構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、複数の遊技状態として遊技者への有利度合いの異なる遊技状態を設定可能に構成し、有利度合いの低い遊技状態から徐々に有利度合いの高い遊技状態へと遊技状態を切り替えることにより、遊技者に対して現在よりも更に有利な遊技状態へと切り替わることを目指させることで高い遊技意欲を維持させるものがある。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、定期的に遊技状態が切り替わる場合には遊技者が遊技に早期に飽きること無く、高い遊技意欲を継続させることができるものであったが、遊技状態が切り替わること無く、有利度合いの低い遊技状態が長時間継続した場合には、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DJ1によれば、第2遊技状態よりも、第2遊技状態よりも遊技者に不利となる第1遊技状態のほうが、第2遊技状態よりも遊技者に有利となる第3遊技状態が設定され易い判別が実行される。よって、第1遊技状態が設定されている遊技者に対して、特典遊技が実行された後に第2遊技状態が設定されることを目指す遊技と、第3遊技状態が設定されることを目指す遊技と、を並行して実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことの無い遊技機を提供することができるという効果がある。
また、第2遊技状態へと遊技状態が切り替わること無く、第1遊技状態が長時間継続することにより、第3遊技状態へと遊技状態が切り替わる可能性を高めることができるため、遊技者に不利な第1遊技状態が継続した場合においても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機DJ1において、前記判別手段は、第1判別条件の成立に基づいて第1判別を実行可能であり、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて第2判別を実行可能であり、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態では、前記第2判別条件の成立が規制され、前記第3遊技状態では、前記第2判別条件の成立が許容される設定が実行可能にされているものであることを特徴とする遊技機DJ2。
遊技機DJ2によれば、遊技機DJ1の奏する効果に加え、遊技状態によって判別条件の成立し易さが種別毎に変更されるので遊技方法を可変させることができ、遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機DJ1またはDJ2において、遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態が設定されている場合に、前記第2判別により特定の判別結果と判別された場合に、前記第2遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DJ3。
遊技機DJ3によれば、遊技機DJ1またはDJ2の奏する効果に加え、第3遊技状態の後も有利な遊技状態である第2遊技状態へ移行させることができ、遊技者に有利な状態をより長い期間継続させることができるという効果がある。
<特徴DK群>(時短中の保留を貯めろ演出の演出態様を、保留先読み結果に基づいて異ならせる)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を、所定数を上限に記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を、前記判別手段により前記判別されるよりも前に判別可能な事前判別手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記入球手段へと遊技球を入球させ易くすることが可能な第2遊技状態と、を前記情報に基づいて成立可能な条件に基づいて設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第2遊技状態が設定されている場合に前記事前判別手段による事前判別結果に基づいて第1条件が成立していることにより前記第1遊技状態では実行されない特定演出を実行可能に構成された特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機DK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技球が始動口等に入球することにより乱数値等の情報が取得されて、その乱数値等に基づいて抽選が実行されることで遊技者に有利な特典を付与するか否かを決定する構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、取得した情報を、所定個数を上限に記憶することが可能に構成されると共に、遊技状態として、始動口等へと遊技球を入球させることが困難な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技球を入球させ易い第2遊技状態と、を設定可能にする構成が提案されていた。
このような従来型の遊技機では、より多くの情報を記憶している状態で第2遊技状態を終了させることが遊技者に最も有利な遊技となり易いため、第2遊技状態中において始動口等へと多くの遊技球を入球させるための遊技が遊技者によって行われていた。
しかしながら、既に獲得している情報に基づく抽選の内容によっては、現在設定されている第2遊技状態が終了した後にも、再度、第2遊技状態が設定させる権利を獲得している場合があり、遊技者に対して無用に始動口等へと多くの遊技球を入球させるための遊技を実行させてしまう虞があった。また、第2遊技状態が終了する間際の遊技が単調となり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DK1によれば、第2遊技状態中における事前判別の結果に基づいて特定演出が実行されることで第1条件が成立していることを早期に識別することが可能となり、第2遊技状態が設定されていることへの価値を高めて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DK1において、前記入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、が配置されており、前記判別手段は、前記第1入球手段に入球したことに基づいて第1判別を実行し、前記第2入球手段に入球したことに基づいて前記第1判別よりも有利となる第2判別を実行可能であり、前記第2遊技状態は、前記可変手段を前記第1状態から前記第2状態へと可変させ易くするものであることを特徴とする遊技機DK2。
遊技機DK2によれば、遊技機DK1の奏する効果に加え、第2遊技状態では、第2入球手段に入球させる頻度を高くすることができ遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DK1またはDK2において、前記第2遊技状態の終了条件として第1終了条件と、その第1終了条件よりも遊技者に有利な第2終了条件とが設定可能に構成されており、前記第1条件は、前記事前判別により前記第2終了条件が成立可能と判別されたことに基づいて成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機DK3。
遊技機DK3によれば、遊技機DK1またはDK2の奏する効果に加え、第1条件が成立することで、情報をより多く記憶させて有利な第2判別をより多く実行させることが可能となるので、特定演出が実行されることで、第2判別がより多く実行されることを早期に判別でき、遊技に対する期待を事前に高めることができるという効果がある。
<5072の技術思想>
<特徴EA群>(異なる状態(天井や演出)を設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態が設定されている場合に特定条件の成立に基づいて第1設定を設定可能であり、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態が設定されている場合に前記特定条件の成立に基づいて前記第1設定とは異なる第2設定を設定可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EA1によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで特定条件が成立した場合における設定種別が異なるので、遊技の設定を多様に可変させることができ、第1遊技状態で特定条件が成立するか、第2遊技状態で特定条件が成立するかについて興味を持たせることで遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機EA1において、前記特定条件は、前記識別情報が動的表示された回数に対応した条件が成立することで成立可能に設定されており、前記回数は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと移行した場合にもカウントされている値が維持されるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態が可変した場合にも回数のカウント値が維持されるので、多様に遊技状態を可変させながら、特定条件が成立するまでの回数へ到達させることができるという効果がある。
遊技機EA1またはEA2において、前記第1設定は、遊技者に有利となる有利状態を第1期間において設定することが可能であり、前記第2設定は、前記第1期間よりも長い第2期間で前記有利状態を設定することが可能であることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA1またはEA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2設定がされることで、有利状態が長期間設定されることが可能となるので、特定条件の成立により有利度合いを可変させることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EA1からEA3のいずれかにおいて、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、前記第2遊技状態を前記識別情報の動的表示が開始される前に設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA1からEA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別結果となることで、第2遊技状態へと移行されるので、遊技状態を多様に可変させることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた所定回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EA5。
遊技機EA5によれば、遊技機EA1からEA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立するまでの回数がカウントされるまでに、第1遊技状態と第2遊技状態とをそれぞれ移行させることができ、特定条件が成立するまでの回数が経過するまでの期間を多様にすることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA5の何れかにおいて、前記特定条件が成立するよりも前に、前記第2遊技状態が設定されていることを示唆可能な示唆演出実行手段を有することを特徴とする遊技機EA6。
遊技機EA6によれば、遊技機EA1からEA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に第2遊技状態が設定されていることを把握することが可能となるため、特定条件が成立する時点において設定される遊技状態を予測する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機EA3からEA6の何れかにおいて、少なくとも、前記判別手段による前記判別結果が前記特定の判別結果であることに基づいて、前記第2期間の前記有利状態を設定可能な有利状態設定手段を有することを特徴とする遊技機EA7。
遊技機EA7によれば、遊技機EA3からEA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて第2期間の有利状態を設定することが可能となるため、特定条件が成立するよりも前に遊技者に第2期間の有利状態を提供することができる。よって、遊技者に対しては、特定条件として様々な条件が設定されていると思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EA7において、前記判別手段による前記判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果であることに基づいて前記第2期間の前記有利状態を設定可能であることを特徴とする遊技機EA8。
遊技機EA8によれば、遊技機EA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される判別結果では無い場合でも、第2期間の有利状態を設定することができるので、あたかも識別情報が動的表示された回数に対応して第2期間の有利状態が設定されたと遊技者に思わせ易くすることができる。よって、遊技者に対しては、特定条件として様々な条件が設定されていると思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA8の何れかにおいて、前記特定条件が成立しない期間が特定期間継続した場合に、前記第2設定よりも遊技者に有利となる第3設定を実行可能な第3設定実行手段を有することを特徴とする遊技機EA9。
遊技機EA9によれば、遊技機EA1からEA8の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立しない期間が長期間継続した場合に、遊技者に有利となる第3設定を実行することができるため、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
<特徴EB群>(発動回数をランダム化)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、前記第1設定が実行されている場合に、特定条件が成立することで前記第1設定とは異なる第2設定を実行可能な第2設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EB1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機EB1において、前記第1設定が実行されている場合に、前記第1特典が付与された後に前記第1設定を設定しないものであることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることで第1設定が解除されるので、特典が長期間付与されない場合に、第2設定を実行させることが可能となり、一定期間以上で特典が付与されないことを遊技者に有利に感じさせることができるという効果がある。
遊技機EB1またはEB2において、前記第2設定が実行されることで、前記第1設定が設定されている場合よりも遊技者に有利な状態とすることが可能な手段を有するものであることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB1またはEB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2設定が実行されることで、遊技者に有利な状態とできることで、長期間特典が付与されない状態が発生しても、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
遊技機EB1からEB3の何れかにおいて、前記特定条件が成立しない期間が特定期間継続した場合に、前記第2設定よりも遊技者に有利となる第3設定を実行可能な第3設定実行手段を有することを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立しない期間が長期間継続した場合に、遊技者に有利となる第3設定を実行することができるため、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
<特徴EC群>(ランダム化その2)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、その解除手段により前記第1設定が解除された場合に、第1条件の成立に基づいて第2設定を実行することが可能な第2設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EEC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EC1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機EC1において、前記第2設定手段は、前記識別情報の動的表示が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて前記第2設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、より第2設定が実行されるまでの動的表示回数をランダムにすることができるという効果がある。
遊技機EC1またはEC2において、前記第2設定手段は、前記判別手段による判別結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に、前記第2設定を実行可能であることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の条件によって第2設定が実行されるため、第2設定が実行された契機を遊技者に把握させ難くすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴ED群>(ランダム化その3)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、前記識別情報の動的表示が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて第2設定を実行可能な第2設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1設定が実行されている場合に前記識別情報の動的表示が開始された場合には、前記特定回数をカウントするためのカウント値が更新されないものであることを特徴とする遊技機ED1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ED1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機ED1において、前記第2設定は、前記第1設定よりも遊技者に有利となる設定で構成されているものであることを特徴とする遊技機ED2。
遊技機ED2によれば、遊技機ED1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定が設定されていない状態で特定回数の動的表示が実行されることで第2設定が設定されることで、遊技者に有利な設定が付与されるまでの期間をランダムとすることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機ED1またはED2において、前記特典が遊技者に付与された場合に、前記特定回数をカウントするカウント値が初期値に更新されるものであることを特徴とする遊技機ED3。
遊技機ED3によれば、遊技機ED1またはED2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることで、特定回数をカウントするカウント値が初期値に更新されることで、遊技が遊技者に有利となり過ぎてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機ED1からED3のいずれかにおいて、前記判別手段により前記第1判別結果と判別されたことを示すための動的表示が実行された場合に前記特定回数となった場合には、前記第1設定は設定されず、前記第2設定が設定されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機ED4。
遊技機ED4によれば、遊技機ED1からED3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定よりも有利となる第2設定が優先して設定されることで、遊技者により有利な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機ED1からED4のいずれかにおいて、前記識別情報の動的表示回数を計測するための第1計測手段と、前記カウント値を計測するための第2計測手段と、を有し、前記第1計測手段による第1計測結果と、前記第2計測手段による第2計測結果と、に基づいた演出を実行可能な演出実行手段を有することを特徴とする遊技機ED5。
遊技機ED5によれば、遊技機ED1からED4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により実行される演出に基づいて、第2計測手段による計測値が特定回数に到達するまでの残回数を予測させ易くすることができるため、遊技者に対して第2設定が実行されるまでの残期間を予測させ易くすることができるという効果がある。
<特徴EE群>(状態移行時の抽選制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記遊技機は、前記第1遊技状態で設定された情報が記憶された状態で前記第2遊技状態へ移行し、前記情報が記憶された状態で前記第2遊技状態が解除されることで遊技者に有利な期間が付与され易くする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EE1によれば、遊技状態が移行しても情報が記憶された状態で維持されることで遊技者に有利な期間が付与され易くされるので、情報が維持されているかに対して興味を持たせることができ、遊技状態の可変に対する興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EE1において、前記情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記識別情報として第1識別情報が動的表示されている期間には、前記記憶手段に記憶された情報が維持されるものであることを特徴とする遊技機EE2。
遊技機EE2によれば、遊技機EE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1識別情報の動的表示を継続させることで情報の記憶が維持されるので、第1識別情報の動的表示を期待させて遊技をさせることができ、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機EE1またはEE2において、第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報が記憶される第1記憶手段と、を有し、前記第1識別情報は、第1情報に基づいて前記判別手段により前記判別が実行された場合に動的表示が実行されるものであることを特徴とする遊技機EE3。
遊技機EE3によれば、遊技機EE1またはEE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報の記憶が維持されるように第1情報が取得されることを期待させることができるので、第2遊技状態が解除されるまで第1情報の取得に対する期待を高めることができ、第1情報が取得される価値を期間によって可変させることができるという効果がある。
<特徴EF群>(Vアイコン制御その1)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EF1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EF1において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EF2。
遊技機EF2によれば、遊技機EF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EF1またはEF2において、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EF3。
遊技機EF3によれば、遊技機EF1またはEF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EFa群>(Vアイコン制御その1)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EFa1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EFa1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EFa1において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合に、前記特定演出の前記実行タイミングとなるまでの待機期間において、前記特定演出の実行が待機していることを示すための報知態様を表示可能であることを特徴とする遊技機EFa2。
遊技機EFa2によれば、遊技機EFa1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知態様が表示されることによって特定演出の実行が待機されていることを遊技者が容易に認識可能となるため、特定演出の実行が決定されているにも関わらず、特定演出が実行されることを遊技者が気付かずに特定演出が実行される前に遊技を止めてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機EFa2において、特定条件が成立した場合には、前記報知態様が表示されている状態における前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間に前記特定演出を実行させないことが可能であることを特徴とする遊技機EFa3。
遊技機EFa3によれば、遊技機EFa2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行が待機していることを示す報知態様が表示されている期間に特定演出が実行されない場合であっても、特定の判別結果であることを示す識別情報が表示される場合があるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機EFa1からEFa3のいずれかにおいて、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される前記情報が複数記憶されている状態で前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合に、先に実行される前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示と、後に実行される前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示と、の何れの前記動的表示期間において前記設定手段により前記特定演出の前記実行タイミングが設定され易いかを、遊技者が予め選択可能な選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機EFa4。
遊技機EFa4によれば、遊技機EFa1からEFa3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、先に実行される特定の判別結果と判別される情報に対応した識別図柄の動的表示期間で特定演出が実行され易い設定を予め選択している遊技者には、特定演出が実行された時点で記憶手段に残っている情報の中に特定の判別結果と判別される情報があるか否かを予測する楽しみを提供することが可能となり、後に実行される特定の判別結果と判別される情報に対応した識別図柄の動的表示期間で特定演出が実行され易い設定を予め選択している遊技者には、識別情報の動的表示期間において特定演出が実行されなかったにも関わらず特定の判別結果であることを示すための識別情報が表示されるという意外性のある遊技を提供することが可能となるため、遊技者の好みに合わせた遊技を提供することができる。
<特徴EG群>(割合可変制御)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を前記記憶手段に記憶されている前記情報の個数情報に基づいて決定可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EG1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EG1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EG2。
遊技機EG2によれば、遊技機EG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EG1またはEG2において、前記決定手段は、所定期間に記憶された前記情報の個数に対応した前記個数情報に基づいて前記特定演出の実行を決定する確率を可変可能に設定されているものであることを特徴とする遊技機EG3。
遊技機EG3によれば、遊技機EG1またはEG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間に記憶された情報の個数によって決定確率が可変されるので、特定演出が実行されるタイミングを記憶された情報の個数に対応させて制御して、より興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EG1からEG3のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EG4。
遊技機EG4によれば、遊技機EG1からEG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EG1からEG4のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EG5。
遊技機EG5によれば、遊技機EG1からEG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EGa群>(割合可変制御)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、その決定手段により前記特定演出の実行が決定された後、特定条件が成立するまでに前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EGa1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EGa1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EGa1において、前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示が実行されるまでに、新たに前記記憶手段に記憶させることが可能な前記情報の数が多い程、前記特定演出の実行を決定し易いものであることを特徴とする遊技機EGa2。
遊技機EGa2によれば、遊技機EGa1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている特定の判別結果と判別される情報に対応した識別情報の動的表示が実行されるまでに、新たに記憶手段に記憶させることが可能な情報の数が多い程、決定手段により特定演出の実行が決定され易いため、特定演出が実行された時点で記憶手段に記憶されている情報の内、その特定演出の実行が決定された時点で事前判別手段による事前の判別を受けていない情報の数が多くなり易く、特定演出が実行された後に記憶手段に残っている情報の判別結果を遊技者が予測し難くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機EGa1またはEGa2において、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が所定数である場合には、前記記憶手段に記憶されている前記情報の内、前記特定の判別結果と判別される前記情報の数が1の場合よりも、前記特定の判別結果と判別される前記情報の数が複数ある場合の方が、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定され易いものであることを特徴とする遊技機EGa3。
遊技機EGa3によれば、遊技機EGa1またはEGa2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に特定の判別結果と判別される情報が複数存在する場合に、決定手段により特定演出の実行が決定され易いため、特定演出の実行が決定された場合に、複数の特典が付与されることを遊技者に期待させることによって、遊技意欲を向上させることができる。
<特徴EH群>(使用箇所決定)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、その決定手段により前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能な実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EH1によれば、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となる情報が記憶されていることが早期に遊技者が認識させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。また、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EH1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応する前記識別情報の動的表示が実行される場合に、決定されている前記特定演出の実行を決定することが可能な実行決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EH2。
遊技機EH2によれば、遊技機EH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行決定手段により特定演出を実行する識別情報の動的表示に対して、それぞれ動的表示の開始時に決定可否の判断がされるので、新たに記憶された情報の内容によって、実行タイミングを設定することができるという効果がある。
遊技機EH1またはEH2のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EH3。
遊技機EH3によれば、遊技機EH1からEH2のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EH1からEH3のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EH4。
遊技機EH4によれば、遊技機EH1からEH3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EI群>(使用頻度可変)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示態様を決定可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定された動的表示態様の種別に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることを示すための特定演出の実行を決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EI1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EI1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EI2。
遊技機EI2によれば、遊技機EI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EI1またはEI2において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EI3。
遊技機EI3によれば、遊技機EI1またはEI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EI2またはEI3において、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EI4。
遊技機EI4によれば、遊技機EI2またはEI3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EJ群>(ラウンドで制御)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段により付与される特典を複数の特典種別より決定することが可能な特典種別決定手段と、前記記憶されている前記情報に基づいて前記特典付与手段により付与される特典の種別を事前に判定したことに対応する判定情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることを示すための特定演出の実行を決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EJ1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EJ1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EJ2。
遊技機EJ2によれば、遊技機EJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EJ1またはEJ2において、前記特典は、特典遊技を前記特典の種別に対応した回数実行されるものであり、前記決定手段は、前記判定情報として所定回数以上の前記特典遊技が実行されることが決定されている場合に前記特定演出の実行を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EJ3。
遊技機EJ3によれば、遊技機EJ1またはEJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が所定回数以上決定されている場合に特定演出の実行が決定されているので、遊技者は、所定回数未満の特典遊技が実行されて特典遊技が終了した場合には、その後に特定の判別結果となることを容易に認識でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ3のいずれかにおいて、前記所定回数は、複数回の特典が付与された場合に実行される特典遊技の回数よりも多く設定されているものであることを特徴とする遊技機EJ4。
遊技機EJ4によれば、遊技機EJ1からEJ3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が実行されることで特典が付与される回数に対して期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ4のいずれかにおいて、前記特定演出が実行された場合に、前記特典遊技の実行中に実行されている前記特定演出の態様を残りの特典遊技が実行される回数を示唆する態様に可変させることが可能な手段を有するものであることを特徴とする遊技機EJ5。
遊技機EJ5によれば、遊技機EJ1からEJ4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されることで、残りの特典遊技の実行回数を特定態様で示唆することができ、遊技者により多い残り回数を期待させながら、遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ5のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EJ6。
遊技機EJ6によれば、遊技機EJ1からEJ5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EJ2からEJ5のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EJ7。
遊技機EJ7によれば、遊技機EJ2からEJ6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<5071系の特徴群>
<特徴FA群>(予め定められた特定回数の特図抽選の終了後に設定される有利状態と他の契機で設定される有利状態とで有利度合いを異ならせる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態よりも前記判別条件が成立し易くなる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定可能な第1設定手段と、予め定められた特定条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第1状態よりも前記判別条件が成立し易くなる状態であって前記第2状態とは有利度合いが異なる第3状態を設定する第2設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球することで遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものが存在する。さらに、係る遊技機の中には、当たり遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行されるものも存在する(例えば、特開2012-217766号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、時短遊技が設定された条件によらず、時短遊技の有利度合いが共通であるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機FA1によれば、特典遊技が実行されない期間が続くと第3状態に可変されて判別条件が成立し易くなるので、特典遊技が実行されない期間が長く続いたとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FA1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いられる判別情報を取得可能な判別情報取得手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を第1可変制御と、その第1可変制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変制御と、を少なくとも含む複数の可変制御を実行可能な可変制御手段と、を備え、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2可変制御で前記可変手段が制御され易い状態で構成されていることを特徴とする遊技機FA2。
遊技機FA2によれば、遊技機FA1の奏する効果に加え、第1状態よりも第2状態の方が入球手段へと遊技球が入球し易くなるので、所定の設定条件が成立した場合に、第2状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FA2において、前記第3状態は、前記第1状態よりも前記第2可変制御で前記可変手段が制御され易い状態であって、前記第2状態よりも前記所定の可変条件が成立し難い状態で構成されていることを特徴とする遊技機FA3。
遊技機FA3によれば、遊技機FA2の奏する効果に加え、第2状態を第3状態よりも判別手段の判別が実行され易い状態として構成することができるという効果がある。
遊技機FA2又はFA3において、遊技球が入球可能に構成され、前記入球手段とは異なる位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、を備え、前記判別手段は、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別よりも、前記第2判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別の方が遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第3状態は、前記第2状態よりも、前記第2判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機FA4。
遊技機FA4によれば、遊技機FA2又はFA3の奏する効果に加え、第3状態では第2判別情報取得手段により取得された判別情報を用いた有利度合いの高い判別が実行され易くなるので、第2状態よりも第3状態へと移行することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FA4において、前記入球手段と前記第2入球手段とに遊技球が到達し得る第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも遊技球を発射可能に構成された発射手段と、その発射手段により前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第3入球手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記入球手段に遊技球が入球した場合と前記第3入球手段に遊技球が入球した場合とで前記判別情報を取得可能に構成されているものであり、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した方が前記判別手段による判別の実行頻度が高くなり易く構成されているものであり、前記第2状態と前記第3状態とは、前記第2方向へと遊技球を発射するよりも、前記第1方向へと遊技球を発射した方が前記判別手段による判別の実行頻度が高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機FA5。
遊技機FA5によれば、遊技機FA4の奏する効果に加え、第1状態と、第2状態および第3状態とで、遊技球の発射方向を異ならせることができるので、遊技にメリハリをつけることができるという効果がある。
遊技機FA1からFA5のいずれかにおいて、遊技機の設定を初期化する初期化手段を備え、前記特定条件は、少なくとも前記初期化手段により遊技機の設定が初期化された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機FA6。
遊技機FA6によれば、遊技機FA1からFA5のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技が一度も実行されていなくても有利な第3状態が設定される斬新な挙動を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FA6において、前記特定条件は、前記初期化手段により遊技機の設定が初期化されたことに基づいて成立する第1特定条件と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機FA7。
遊技機FA7によれば、遊技機FA6の奏する効果に加え、初期化後、または特典遊技の実行後における判別回数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FA7において、前記特定条件は、前記第1特定条件と、前記第2特定条件と、前記第3状態が設定されたことに基づいて成立する第3特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機FA8。
遊技機FA8によれば、遊技機FA7の奏する効果に加え、第3状態が設定された後も、特定回数の判別で連続して第2の判別結果となれば再度第3状態が設定されるので、第3状態が一旦終了したとしても、再度第3状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴FB群>(予め定められた特定回数の特図抽選の終了後に消化される保留球に対する先読み演出の実行を抑制する)
取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いた判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、その判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いて、当該判別情報が前記判別手段の判別に用いられるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定する事前特定手段と、その事前特定手段により前記判別手段の判別結果が特定されたことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第2条件の成立後に前記判別手段の判別に用いられる前記判別情報が前記第1遊技状態において取得されたことに基づいて、前記特定演出実行手段により所定の演出態様の前記特定演出が実行されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技が付与される可能性を示す演出を、図柄の変動表示が開始されるよりも前(例えば、始動入賞を検出した際)から示唆可能な示唆演出を実行することにより、遊技者の興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、示唆演出を無条件に実行する構成とした場合、不具合が発生してしまう虞がある。よって、演出態様を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FB1によれば、第2条件が成立して第2遊技状態が設定されることに対してより注目して遊技を行わせることができるので、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機FB1において、前記第2条件は、前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に少なくとも成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FB2。
遊技機FB2によれば、遊技機FB1の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1の判別結果とならなくても、有利度合いが異なる第2遊技状態が設定されるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FB1又はFB2において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様よりも前記事前特定手段によって前記第1の判別結果となった場合に決定され易い第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記抑制手段は、少なくとも前記第2演出態様の実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機FB3。
遊技機FB3によれば、遊技機FB1又はFB2の奏する効果に加え、特定演出の演出態様に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FB3において、前記演出態様決定手段は、前記第1演出態様と、前記第2演出態様と、前記第1演出態様よりも前記第2条件が成立する場合に決定され易い第3演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定可能に構成されているものであり、前記抑制手段は、少なくとも前記第2演出態様と前記第3演出態様との実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機FB4。
遊技機FB4によれば、遊技機FB3の奏する効果に加え、特定演出の演出態様によって、第1の判別結果となる可能性、および第2条件が成立する可能性の両方を示唆することができるので、演出態様をより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機FB1からFB4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において予め定められた第3条件が成立したことに基づいて前記第2遊技状態を終了させる終了手段を備え、前記第1遊技状態において取得された前記判別情報であって前記第1の判別結果に対応する前記判別情報は、前記第2遊技状態の間に前記判別手段の判別に用いられた方が、前記第2遊技状態が前記終了手段によって終了された後で前記判別手段の判別に用いられた場合よりも有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機FB5。
遊技機FB5によれば、遊技機FB1からFB4のいずれかの奏する効果に加え、第2条件が成立する前に取得され、第2遊技状態へと移行した後で用いられる判別情報が第1の判別結果となる可能性が高いのか否かを特定演出の演出態様から把握困難にすることができるので、第1の判別結果になる可能性が高い場合にのみ第2遊技状態の間に抽選に用いられるように判別情報の使用順序を調節する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機FB5において、前記終了手段により前記第2遊技状態が終了されたことに基づいて前記第1遊技状態に設定されるように構成されていることを特徴とする遊技機FB6。
遊技機FB6によれば、遊技機FB5の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するよりも前に第1の判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FB5又はFB6において、前記第1遊技状態において取得された前記判別情報であって前記第1の判別結果とは異なる外れ判別結果に対応する前記判別情報は、前記第2遊技状態の間に前記判別手段の判別に用いられるよりも、前記第2遊技状態が前記終了手段によって終了された後で前記判別手段の判別に用いられた方が有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機FB7。
遊技機FB7によれば、遊技機FB5又はFB6の奏する効果に加え、第2条件が成立する前に取得され、第2遊技状態へと移行した後で用いられる判別情報が第1の判別結果となる可能性が高いのか否かを特定演出の演出態様から把握困難にすることができるので、第1の判別結果になる可能性が低い場合に、第2遊技状態が終了してから抽選に用いられるように判別情報の使用順序を調節する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機FB5からFB7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報として第1判別情報を取得し、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報として第2判別情報を取得することが可能に構成されているものであり、前記判別手段は、前記第1判別情報を用いた判別よりも、前記第2判別情報を用いた判別の方が遊技者の有利度合いが高くなり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変され易い遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機FB8。
遊技機FB8によれば、遊技機FB5からFB7のいずれかが奏する効果に加え、第2遊技状態の有利度合いをより高くすることができるので、第2遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴FC群>(第1状態に移行する場合と第2状態に移行する場合とで、外端の同一のチャンネルから互いに出力態様が異なる信号を出力する)
所定装置へ向けて所定の信号を出力可能な複数の信号出力端子で構成される信号出力部と、予め定められた第1の出力条件が成立したことに基づいて、前記複数の信号出力端子のうち予め定められた特定の信号出力端子から予め定められた第1の出力態様の信号が出力されるように制御する第1信号制御手段と、前記第1の出力条件とは異なる第2の出力条件が成立したことに基づいて、前記特定の信号出力端子から予め定められた第2の出力態様の信号が出力されるように制御する第2信号制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技の状況に応じて、所定装置(例えば、ホールコンピュータ等)へと遊技に関する情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した遊技に関する情報に基づいて、遊技機において行われている遊技の状況を所定装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定装置へと出力する情報が増大すると、信号を出力するための信号出力端子の数が増大してしまう可能性がある。よって、信号を好適に所定装置へと出力することが困難になってしまう虞がある。
これに対して遊技機FC1によれば、第1の出力条件が成立した場合と第2の出力条件が成立した場合とで、同一の信号出力端子から信号の出力態様を異ならせて所定装置へと信号を出力することができるので、信号出力端子の端子数を削減することができるという効果がある。
遊技機FC1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記第2の設定条件が成立した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機FC2。
遊技機FC2によれば、遊技機FC1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることを示す信号、および有利な第2遊技状態が設定されることを示す信号を、共通の信号出力端子から出力することができるので、信号出力端子の端子数を削減することができるという効果がある。
遊技機FC2において、前記第2の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったこととは少なくとも異なる条件で構成されていることを特徴とする遊技機FC3。
遊技機FC3によれば、遊技機FC2の奏する効果に加え、特定の判別結果とならなくても有利度合いが高い遊技状態に設定されるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FC3において、前記第2の設定条件は、予め定められた特定条件が成立した後で実行される予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立するように構成されていることを特徴とする遊技機FC4。
遊技機FC4によれば、遊技機FC3の奏する効果に加え、外れ判別結果が連続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FC3又はFC4において、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1遊技状態よりも有利な第3遊技状態を設定可能な第3遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とのどちらかが設定されてからその設定された前記第2遊技状態または前記第3遊技状態が終了されるまでの間、前記特定の信号出力端子とは異なる第1の信号出力端子から第3の出力態様の信号が出力されるように制御する第3信号出力制御手段と、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて遊技状態を判別する遊技状態判別手段と、その遊技状態判別手段により前記第2遊技状態と判別されたことに基づいて、前記特定の信号出力端子から第4の出力態様の信号が出力されるように制御する第4信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC5。
遊技機FC5によれば、遊技機FC3又はFC4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入された時点の遊技状態が第2遊技状態であるか第3遊技状態であるかを、第4の出力態様の信号の有無によって所定装置に対して容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機FC4において、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記特定条件が成立した後で前記外れ判別結果が連続した回数を特定する連続回数特定手段と、その連続回数特定手段によって特定された連続回数に応じた出力態様の信号が所定の信号出力端子から出力されるように制御する第5信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC6。
遊技機FC6によれば、遊技機FC4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入された時点の外れ判別結果の連続回数を所定装置に対して把握させることができるという効果がある。
遊技機FC6において、遊技機の電源が遮断されたことに基づいて、前記特定条件が成立した後で前記外れ判別結果が連続した回数を特定する遮断時連続回数特定手段と、その遮断時連続回数特定手段によって特定された連続回数に応じた出力態様の信号が前記所定の信号出力端子から出力されるように制御する第6信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FC7。
遊技機FC7によれば、遊技機FC6の奏する効果に加え、電源が遮断された時点の外れ判別結果の連続回数と、電源が投入された際の連続回数とを所定装置に対して把握させることができるので、仮に、電源が遮断された際の連続回数と次に電源が投入された際の連続回数とに齟齬がある場合に、所定装置において遊技機に対する不正行為の可能性を判断することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができるという効果がある。
<特徴FD群>(ハマり回数を外端から出力)
所定装置へ向けて所定の信号を出力可能な信号出力部を備えた遊技機において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも特定の遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数を計数する計数手段と、前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記信号出力部から前記計数手段の計数する回数に応じた信号を出力させる信号制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機FD1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技の状況に応じて、所定装置(例えば、ホールコンピュータ等)へと遊技に関する情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した遊技に関する情報に基づいて、遊技機において行われている遊技の状況を所定装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定装置へと出力可能な情報に限りがあるため、信号を好適に所定装置へと出力することが困難になってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FD1によれば、遊技機に対して電源が投入された場合に所定装置に対して計数手段の計数値を把握させることができるという効果がある。
遊技機FD1において、前記特定の遊技状態が設定された後において前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記特定の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態を設定可能な有利遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機FD2。
遊技機FD2によれば、遊技機FD1の奏する効果に加え、第2の判別結果が連続することを期待する斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FD1又はFD2において、前記信号制御手段は、前記遊技機の電源が遮断されたことに基づいて、前記信号出力部から前記計数手段の計数する回数に応じた信号を出力させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FD3。
遊技機FD3によれば、遊技機FD1又はFD2の奏する効果に加え、電源が遮断された際の計数手段の計数値を所定装置に対して把握させることができるという効果がある。
遊技機FD3において、前記所定装置は、前記遊技機の電源が遮断された際に前記信号出力部から出力された前記計数手段の計数する回数に応じた情報を、少なくとも前記遊技機に対して次に電源が投入されて前記計数手段の計数する回数に応じた情報を受信するまで記憶可能な記憶手段を備えることを特徴とする遊技機FD4。
遊技機FD4によれば、遊技機FD3の奏する効果に加え、遊技機に対して電源が遮断されている間に計数手段の計数する回数が書き替えられる等の不正行為が行われた場合に、次回の電源投入時に当該不正行為を所定装置側で容易に把握することができるという効果がある。
<特徴FE群>(演出表示用のディスプレイとは異なる他の装置へと所定の信号を出力する際に、ディスプレイにおいて所定演出を実行)
受信した信号の種別に応じた視認態様が設定される特定装置に対して信号を出力する信号出力手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定装置が特定の視認態様に設定され得る特定種別の信号が前記特定装置に対して出力されるように制御する信号制御手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定装置が前記特定の視認態様となっていることを遊技者が確認し易くなる演出態様で構成されている第1演出を実行する第1演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機FE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、遊技機において実行される興趣演出として、より斬新な演出態様が求められている。即ち、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることが求められている。
これに対して遊技機FE1によれば、特定装置と遊技機とが連動して特典遊技が実行されることを報知しているかのように遊技者に思わせることができる斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FE1において、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となってから少なくとも前記第1演出が実行されるまでの間、前記特定の判別結果となったことを遊技者に認識困難とさせる第2演出を実行する第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機FE2。
遊技機FE2によれば、遊技機FE1の奏する効果に加え、第1演出および特定の視認態様によって突然特定の判別結果が報知されたかのような印象を遊技者に対して抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FE2において、前記特定装置の視認態様を視認可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定装置の視認態様が視認困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、その可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記可変手段は、少なくとも前記第2演出が実行されている間、前記第2位置に可変され、前記第1演出が実行されたことに基づいて前記第1位置に可変されるように構成されていることを特徴とする遊技機FE3。
遊技機FE3によれば、遊技機FE2の奏する効果に加え、第2演出の実行中は、特定装置が特定の視認態様に設定されているか否かを視認することを物理的に困難とすることができるので、第1演出が実行される前から特定装置を視認していたとしても、特定の判部結果となることを第2演出の実行中に遊技者が察知することを困難とすることができるという効果がある。
遊技機FE1からFE3のいずれかにおいて、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて遊技者に不利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記信号制御手段は、前記第2条件が成立したことに基づいて、前記特定装置が前記特定の視認態様とは異なる第1視認態様に設定され得る第1種別の信号が前記特定装置に対して出力されるように制御可能に構成されているものであり、前記第1演出実行手段は、前記第2条件が成立する場合に、前記第1演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE4。
遊技機FE4によれば、遊技機FE1からFE3のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技が実行されることだけでなく、第2遊技状態が設定されることについても特定装置と遊技機とが連動しているかのような演出によって報知することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FE4において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いる判別情報を取得可能な判別情報取得手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記所定の可変条件が成立し易い遊技状態で構成されているものであり、前記第1演出実行手段は、前記第2条件が成立してから前記可変手段が前記可変制御手段により前記第1位置へと可変されるまでの期間が予め定められた特定期間以上になると前記第2条件が成立するよりも前に判別された場合に、前記第2遊技状態に設定された後で最初に前記可変手段が前記第1位置に可変したことに基づいて前記第1演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE5。
遊技機FE5によれば、遊技機FE4の奏する効果に加え、実際に入球手段へと遊技球を入球させることが可能となってから第2遊技状態を報知することができるので、遊技者が遊技球を無駄に発射してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FE1からFE5のいずれかにおいて、前記特定の視認態様は、前記特典遊技の実行中であること遊技者に報知可能な視認態様で構成されていることを特徴とする遊技機FE6。
遊技機FE6によれば、遊技機FE1からFE5のいずれかが奏する効果に加え、特定装置によって特典遊技の実行中であることを明確に報知することができるという効果がある。
遊技機FE1からFE6のいずれかにおいて、前記信号制御手段は、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて第2種別の信号が前記特定装置に出力されるように制御可能に構成されているものであり、前記特定装置は、前記信号出力手段から出力された前記第2種別の信号の回数に応じて、前記判別手段による判別の実行回数を遊技者に示唆可能な視認態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE7。
遊技機FE7によれば、遊技機FE1からFE6のいずれかが奏する効果に加え、特定装置の視認態様によって実行された判別の回数を確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機FE7において、前記特定装置は、前記信号出力手段から出力された前記特定種別の信号の回数に応じて、前記特典遊技が実行された回数を遊技者に示唆可能な視認態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FE8。
遊技機FE8によれば、遊技機FE7の奏する効果に加え、特定装置の視認態様によって実行された特典遊技の回数を確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴FF群>(RAMクリアの有無によらず、当たり後の抽選回数が特定の抽選回数になることで天井時短を発動させる)
識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作内容の操作が行われた状態で前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記遊技機の設定を予め定められた初期設定に初期化することが可能な初期化手段と、前記初期化手段により前記初期化が行われる場合に、前記規定情報を選択するための情報が変更されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶ディスプレイ等の表示手段に複数の図柄を動的表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、動的表示された複数の図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する(例えば、特許文献1:特開2003-230714号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、好適に動的表示態様を決定することが困難となってしまう可能性があった。
これに対して遊技機FF1によれば、初期化されたとしても規定情報を選択するための情報が変更されないように抑制されるので、初期化後においても規定情報を好適に選択することができるという効果がある。
遊技機FF1において、前記特典の付与が終了した後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段を備えることを特徴とする遊技機FF2。
遊技機FF2によれば、遊技機FF1の奏する効果に加え、判別手段の判別で特定の判別結果にならなくても、特定回数の判別が実行されることにより有利な特定遊技状態が設定されるので、特定の判別結果とならない期間が長く継続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難くすることができるという効果がある。
遊技機FF2において、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が実行された回数をカウントするカウント手段と、前記初期化手段により前記初期化が行われる場合に、前記カウント手段がカウントするカウント値が初期化されることを抑制する第2抑制手段を備え、前記設定手段は、前記カウント手段のカウント値が前記特定回数に対応するカウント値になったことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FF3。
遊技機FF3によれば、遊技機FF2の奏する効果に加え、遊技機が初期化されてもカウント手段のカウント値が維持されるので、遊技機が初期化されたとしても特定遊技状態に設定されるまでの判別手段の判別回数が電源遮断時から増加することを抑制することができる。よって、遊技者に、初期化された遊技機で遊技を行うことを敬遠されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FF3において、前記規定情報選択手段は、前記カウント手段のカウント値に少なくとも基づいて前記規定情報を選択可能に構成されていることを特徴とする遊技機FF4。
遊技機FF4によれば、遊技機FF3の奏する効果に加え、特定遊技状態を設定するか否かを判別するために判別手段の判別回数を読み出す場合にも、規定情報を選択するために判別手段の判別回数を読み出す場合にも、共通してカウント手段のカウント値を用いることができ、両者がずれてしまう可能性を排除することができるので、規定情報を好適に選択することができるという効果がある。
遊技機FF2からFF4のいずれかにおいて、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な第2設定手段を備えることを特徴とする遊技機FF5。
遊技機FF5によれば、一旦特定遊技状態が設定された後も、特典が付与されなければ判別回数が特定回数に到達することで再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に有利度合いが高くなる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機FF5において、前記特定遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウント手段のカウント値を初期化可能な第2初期化手段を備えることを特徴とする遊技機FF6。
遊技機FF6によれば、遊技機FF5の奏する効果に加え、特定遊技状態が設定されたことを契機としてカウント値を初期化することができるので、特定遊技状態が未設定の状況であっても、一旦特定遊技状態が設定された後の状況であっても、特定回数に対応するカウント値になったか否かによって特定遊技状態を設定するか否かを判別することができ、設定手段と第2設定手段とで制御を共通化することができるという効果がある。
遊技機FF2からFF6のいずれかにおいて、前記特典付与手段による前記特典の付与が終了したことに基づいて前記カウント手段のカウント値を初期化する第3初期化手段を備えることを特徴とする遊技機FF7。
遊技機FF7によれば、遊技機FF2からFF6のいずれかが奏する効果に加え、特典の付与が終了する毎にカウント手段のカウント値が初期化されるので、特典が付与されたタイミングによらず、特典の付与が終了してから判別手段の判別回数が特定回数になることで特定遊技状態を設定することができるという効果がある。
<特徴FG群>(RAMクリア後の抽選で最初に当たりとは異なる所定の抽選結果となった場合に変動パターンシナリオをセットし、2回目以降の所定の抽選結果ではシナリオのセットを回避する)
遊技に関する所定の制御を行う制御手段を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定制御が前記制御手段によって行われるように設定する特定制御設定手段と、前記所定の設定条件の成立時点において予め定められた特定条件が成立している場合に、前記特定制御設定手段の設定を抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機FG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FG1によれば、特定条件の成立下において特定制御が行われることを回避することができるので、より好適に制御を行わせることができるという効果がある。
遊技機FG1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定するための情報である動的表示期間情報と、前記判別手段の判別が前記特定の判別結果とは異なる判別結果となった回数である判別回数と、の対応関係が少なくとも規定された規定情報を複数記憶した規定情報記憶手段と、前記判別条件が成立したことに基づいて、前記規定情報記憶手段似記憶されている複数の前記規定情報のうち1の前記規定情報に応じて前記判別回数に対応する前記動的表示期間情報を特定する動的表示期間情報特定手段と、その動的表示期間情報特定手段により特定された前記動的表示期間情報に応じて前記動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を備え、前記制御設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記規定情報記憶手段に記憶されている複数の前記規定情報のうち、前記動的表示期間情報特定手段による前記動的表示期間情報の特定に用いるための1の前記規定情報を特定する制御を前記特定制御として前記制御手段によって行われるように設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機FG2。
遊技機FG2によれば、好適に動的表示期間を決定することができるという効果がある。
遊技機FG2において、前記所定の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは少なくとも異なる第1の判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機FG3。
遊技機FG3によれば、遊技機FG2の奏する効果に加え、第1の判別結果となった場合に規定情報を特定することができるので、第1の判別結果の前後で決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるという効果がある。
遊技機FG3において、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作内容の操作が行われた状態で前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記遊技機の設定を予め定められた初期設定に初期化することが可能な初期化手段と、を備え、前記判別手段は、判別結果が前記特定の判別結果と前記第1の判別結果とのどちらかになるように構成されていることを特徴とする遊技機FG4。
遊技機FG4によれば、遊技機FG3の奏する効果に加え、遊技機の初期化後に判別手段の判別が実行され、特定の判別結果にならなければ、規定情報を特定することができるので、ほぼ、遊技機の初期化後に判別手段の判別が1回実行されることで規定情報を特定することができる。よって、規定情報が特定されていない状態が長く続いてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FG4において、前記特定条件は、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化された後で最初に前記第1の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FG5。
遊技機FG5によれば、遊技機FG4の奏する効果に加え、第1の判別結果となる毎に、繰り返し規定情報が特定されることを抑制できるという効果がある。
遊技機FG4又はFG5において、前記制御手段は、前記特定制御として、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化され、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて1の前記規定情報を特定する第1特定制御と、前記特典遊技の実行が終了したことに基づいて1の前記規定情報を特定する第2特定制御と、を少なくとも行うことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FG6。
遊技機FG5によれば、遊技機FG4又はFG5の奏する効果に加え、特典遊技の実行が終了した場合にも規定情報を特定することができるので、特典遊技の終了を契機として、決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FG4からFG6のいずれかにおいて、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化された後における前記判別回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を設定する有利遊技状態設定手段を備え、前記特定制御は、少なくとも前記特定回数に到達するまでの間のそれぞれの前記判別回数と、前記動的表示期間情報と、の対応関係を規定した前記規定情報を特定する制御で構成されていることを特徴とする遊技機FG7。
遊技機FG7によれば、遊技機FG4からFG6のいずれかが奏する効果に加え、遊技機が初期化され、判別手段の判別結果が第1の判別結果となったことに基づいて特定された規定情報を、有利遊技状態が設定されるまでの間、使用し続けることができるので、有利遊技状態が設定されるまでに規定情報を切り替える制御を行う必要がなく、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機FG4からFG7のいずれかにおいて、前記初期化手段により前記遊技機が初期化され、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて特定演出を実行する演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機FG8。
遊技機FG8によれば、遊技機FG4からFG7の奏する効果に加え、特定演出が実行された場合に、特定条件が成立したことを遊技者に理解させることができるという効果がある。
遊技機FG8において、前記演出実行手段は、前記遊技機に対して電源が投入され、前記初期化手段によって前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化されなかった場合に、前記特定演出の実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機FG9。
遊技機FG9によれば、遊技機FG8の奏する効果に加え、特定演出が実行されるか否かによって遊技機が初期化されたか否かを遊技者に理解させることができるので、遊技機に対して電源が投入された場合に、少なくとも特定条件が成立するまで遊技を行って初期化の有無を判別したいと遊技者に思わせることができる。よって、特に、遊技機を設置しているホールの開店直後における遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機FG2からFG9のいずれかにおいて、前記動的表示期間情報は、前記動的表示期間として決定され得る複数の異なる期間が少なくとも規定されている情報で構成されていることを特徴とする遊技機FG10。
遊技機FG10によれば、遊技機FG2からFG9のいずれかが奏する効果に加え、動的表示期間を多様化させることで判別手段の判別結果が示されるまでの期間にバリエーションを持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴FH群>(天井抽選回数到達を契機として変動パターンシナリオを再セットする)
識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に予め定められた特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、前記規定情報記憶手段から1の規定情報を選択させるための情報である選択情報として、複数の異なる選択情報のうち1の選択情報を特定する選択情報特定手段と、その選択情報特定手段によって特定された前記選択情報に応じて、規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、を備え、前記選択情報特定手段は、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、1の前記選択情報を特定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶ディスプレイ等の表示手段に複数の図柄を動的表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、動的表示された複数の図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する(例えば、特許文献1:特開2003-230714号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、好適に動的表示態様を決定することが困難となってしまう可能性があった。
これに対して遊技機FH1によれば、選択情報を好適に特定することができるという効果がある。
遊技機FH1において、前記選択情報特定手段は、前記特典が付与されたことに基づいて前記選択情報として第1選択情報を特定し、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて前記第1選択情報とは異なる第2選択情報を特定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH2。
遊技機FH2によれば、遊技機FH1の奏する効果に加え、特典の付与が修了された場合と特定遊技状態が設定される場合とで異なる選択情報を特定することができるので、決定される規定情報の傾向を多様化することができるという効果がある。
遊技機FH1又はFH2において、前記設定手段は、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH3。
遊技機FH3によれば、遊技機FH1又はFH2の奏する効果に加え、特定遊技状態が1回設定された後も、特典が付与されなければ再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に特定遊技状態が設定される斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機FH3において、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて特定される前記選択情報は、前記判別手段の判別回数が前記特定回数よりも少ない第1回数未満の範囲で前記規定情報選択手段に対して第1規定情報を選択させ、前記第1回数となったことに基づいて前記第2規定情報を選択させることが可能な情報で構成されていることを特徴とする遊技機FH4。
遊技機FH4によれば、特定遊技状態に設定された後で第1回数の判別が実行された場合に、決定される動的表示態様の傾向を異ならせることができるので、動的表示態様の傾向の変化によって特定回数が近づいてきたと遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機FH4において、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて特定される前記選択情報は、前記判別手段の判別回数が前記特定回数よりも少なく、前記第1回数よりも多い第2回数となったことに基づいて前記規定情報選択手段に対して前記第2規定情報を選択させ、前記判別手段の判別回数が前記第1回数よりも多く、前記第2回数未満の範囲で前記第1規定情報を選択させることが可能な情報で構成されていることを特徴とする遊技機FH5。
遊技機FH5によれば、遊技機FH4の奏する効果に加え、特定遊技状態の設定後に実行された判別手段の判別回数が第1回数となった場合、および第2回数となった場合に、その他の回数の場合とは決定される動的表示態様の傾向を異ならせることができるので、動的表示態様の傾向が可変する毎に、段階的に、特定回数が近づいていると遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機FH3からFH5のいずれかにおいて、前記特典の付与が終了された後で最初に設定された前記特定遊技状態と、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて設定された前記特定遊技状態とで、有利度合いを可変させることが可能な有利度合い可変手段を備えることを特徴とする遊技機FH6。
遊技機FH6によれば、同じ特定遊技状態でも設定されるタイミングによって有利度合いを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FH6において、前記有利度合い可変手段は、前記特典の付与が終了された後で最初に設定された前記特定遊技状態よりも、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて設定された前記特定遊技状態の方が有利度合いが高くなるように有利度合いを可変可能に構成されていることを特徴とする遊技機FH7。
遊技機FH7によれば、遊技機FH6の奏する効果に加え、より長い期間特典が付与されていない状態で設定された特定遊技状態の方が有利度合いを高くすることができるので、特典が付与されないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴FI群>(周期的に制御を可変させる周期制御中に優先度の高い所定の制御の割り込みが発生し、当該所定の制御が終了された場合に、所定の制御が実行されなかったと仮定した場合の制御位置から周期制御を再開させる)
予め定められた第1の実行条件の成立に基づいて第1制御を実行し、前記第1制御の実行中に予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第1制御とは異なる第2制御を実行する制御手段と、少なくとも前記第1制御の実行中に予め定められた第3の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1制御とも前記第2制御とも異なる第3制御が前記制御手段によって実行されるように設定する第3制御設定手段と、前記第3制御の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて第3制御を終了させる終了手段と、その終了手段により前記第3制御が終了された時点で予め定められた特定条件が成立している場合に前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記特定条件が成立していない場合に前記第1制御が前記制御手段によって実行されるように設定する終了後制御設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FI1によれば、第3制御の終了時点における特定条件の成立有無に応じて、第3制御の終了後に第1制御を実行させるか第2制御を実行させるかを切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FI1において、前記終了後制御設定手段は、前記第1制御の実行中に前記第3の実行条件が成立しなかったと仮定した場合に前記終了条件の成立時点で前記第2制御の実行中であれば、前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記終了条件の成立時点で前記第1制御の実行中であれば、前記第1制御が前記制御手段によって実行されるように設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FI2。
遊技機FI2によれば、遊技機FI1の奏する効果に加え、第3制御が終了される場合に、第3制御が実行されなかったと仮定した場合の制御内容を設定することができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FI1又はFI2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記第1の実行条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機FI3。
遊技機FI3によれば、遊技機FI1又はFI2の奏する効果に加え、第2の判別結果となった回数が特定回数となることで異なる制御に切り替えることができるので、有利な特典遊技が実行されない状況下において延々と第1制御が実行され続けてしまうことを抑制することができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FI3において、前記終了後設定手段は、前記終了条件の成立時点で、前回の前記第1の実行条件の成立後に前記第2の判別結果となった回数が前記特定回数以上である場合に前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記第2の判別結果となった回数が特定回数未満である場合に前記第1制御が実行されるように設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FI4。
遊技機FI4によれば、遊技機FI3の奏する効果に加え、第2の判別結果の回数に応じて第3制御の終了後における制御内容を切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FI3又はFI4において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間を決定するための情報が規定された所定の規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の規定情報を記憶した規定情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1制御として、前記第1規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御し、前記第2制御として、前記第2規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FI5。
遊技機FI5によれば、第1制御が実行されるか、第2制御が実行されるかによって決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるので、判別手段の判別結果が示されるまでの期間の傾向も異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FI3からFI5のいずれかにおいて、予め定められた特定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定された後において前記判別手段の判別結果が前記特定回数よりも多い予め定められた第1回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の実行条件は、前記特定の設定条件が成立した場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FI6。
遊技機FI6によれば、遊技機FI3からFI5のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態の間に第1制御から第2制御に切り替えることができるので、第2遊技状態が設定されるまでの間の遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FI6において、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果の一部である第3の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第3の実行条件は、前記判別手段の判別結果が前記第3の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FI7。
遊技機FI7によれば、遊技機FI6の奏する効果に加え、第1遊技状態から第3遊技状態に切り替わった場合に制御も切り替えることができるので、遊技状態に応じた制御を実行することができるという効果がある。
遊技機FI7において、前記第1遊技状態設定手段は、前記第3の判別結果となった後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に設定可能に構成されているものであり、前記終了条件は、前記第3の判別結果となった後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数に渡って連続して前記第2の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FI8。
遊技機FI8によれば、第3遊技状態が終了して第1遊技状態に戻る際に、第2の判別結果の回数に応じて第1制御を実行させるか第2制御を実行させるかを切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
<特徴FJ群>(有利状態の設定条件が成立した時点で、当該有利状態中に再度有利状態の設定条件が成立すると判別された場合に、後で設定される有利状態を加味した有利度合いを報知する)
予め定められた特定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、少なくとも前記第1遊技状態において成立し得る所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態の間に前記第2遊技状態の設定条件が再度成立する場合に、前記再度成立する設定条件を加味した有利度合いを遊技者に示唆する特定演出を、少なくとも前記第2遊技状態が設定されるよりも前に実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機FJ1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられているものの知られており、有利度合いが高い遊技状態へと移行する際に、表示演出等によって有利度合いを報知するものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、単に直近で設定される有利状態の有利度合いのみを判別して有利度合いを報知する構成としているため、実際の有利度合いと報知される有利度合いとにずれが生じてしまう可能性がある。
これに対して遊技機FJ1によれば、第2遊技状態が設定されること、および第2遊技状態の間に再度第2遊技状態を設定するための設定条件が成立することが予め分かっている場合に、第2遊技状態が設定されるよりも前に、第2遊技状態が重複して設定されることを加味した有利度合いを遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FJ1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2遊技状態を終了させる終了手段と、を備え、前記特定演出は、前記第2遊技状態が前記終了手段により終了されるまでの前記判別手段の判別回数を示唆することが可能な演出で構成されていることを特徴とする遊技機FJ2。
遊技機FJ2によれば、遊技機FJ1の奏する効果に加え、特定演出によって第2遊技状態が終了するまでの判別回数を示唆することができるので、特定演出に注目させることができるという効果がある。
遊技機FJ2において、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2遊技状態が前記終了手段により終了されるまでの前記判別手段の判別回数として、第1回数と、その第1回数よりも多い第2回数と、を少なくとも含む複数のうち1の回数を決定する終了回数決定手段を備えることを特徴とする遊技機FJ3。
遊技機FJ3によれば、終了回数決定手段により決定され得る回数が複数設けられているので、特定演出により示唆される回数により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FJ2又はFJ3において、前記所定の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果に含まれる判別結果である第3の判別結果となった場合に成立する第1設定条件と、その第1設定条件とは異なる第2設定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機FJ4。
遊技機FJ4によれば、遊技機FJ2又はFJ3の奏する効果に加え、有利な遊技状態が設定される条件として複数の条件が設けられているため、第2遊技状態へと移行することを期待できる場面をより多くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機FJ4において、前記第2設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第3回数に渡って前記第2の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機FJ5。
遊技機FJ5によれば、遊技機FJ4の奏する効果に加え、有利度合いが低い第1遊技状態において第1の判別結果にならなくても、判別手段の判別が第3回数に渡って第2の判別結果となることで有利度合いが高い第2遊技状態が設定されるので、第1遊技状態において第1の判別結果とならない期間が長く継続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FJ5において、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の演出態様として、前記第1設定条件が成立し、当該第1設定条件の成立に基づいて設定される前記第2遊技状態において前記特定回数の前記判別手段の判別が実行されるまでに前記判別手段の判別回数が前記第3回数に到達する場合に、前記第1設定条件が成立してから前記判別手段の判別結果が前記第3回数に到達したことに基づいて設定される前記第2遊技状態が終了するまでの間に実行可能な判別回数に応じた演出態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FJ6。
遊技機FJ6によれば、遊技機FJ5の奏する効果に加え、特定演出の演出態様として、実際に第2遊技状態が終了されるまでの判別回数に応じた演出態様を設定することができるので、特定演出に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機FJ6において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、設定される前記第2遊技状態において前記第1の判別結果とならない場合に少なくとも第4回数の判別を実行可能であることを示す第1演出態様と、前記第4回数よりも多い第5回数の判別を実行可能であることを示す第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記演出態様決定手段は、設定される前記第2遊技状態において前記第1の判別結果とならない場合に実行可能な判別の回数が第1回数以上であり、且つ、第2回数未満である場合に、前記第1演出態様を決定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FJ7。
遊技機FJ7によれば、遊技機FJ6の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するまでの判別回数が第1回数以上、且つ、第2回数未満である場合に、一律で第1演出態様を決定することができるので、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機FJ7において、演出態様を表示可能な表示手段と、前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、当該設定された前記第2遊技状態が終了されるまでに実行可能な判別回数を示す情報として、当該第2遊技状態が設定されるよりも前に実行された前記特定演出の演出態様に応じた判別回数を示す情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別が行われる毎に、前記表示手段に表示される前記判別回数を示す情報を、判別回数が1少ない情報に更新する更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機FJ8。
遊技機FJ8によれば、遊技機FJ7の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するまでの判別回数が表示手段に表示されるので、第2遊技状態がいつまで継続するのかを遊技者にとって分かり易く構成することができるという効果がある。
<特徴FK群>(所定範囲でカウンタを更新し、カウンタ値が第1カウンタ値となった場合に、カウンタ値を第2カウンタ値に更新する)
予め定められた特定の更新条件が成立したことに基づいて、特定のカウンタのカウンタ値を所定範囲内の1の値に更新することが可能な更新手段と、その更新手段により前記特定のカウンタのカウンタ値が予め定められた第1のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、前記更新手段により前記特定のカウンタのカウンタ値が前記第1のカウンタ値に更新されたことに基づいて、前記特定のカウンタのカウンタ値を前記所定範囲内の値であって前記第1のカウンタ値とは異なる値である第2のカウンタ値に設定するカウンタ値設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FK1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、より好適な制御が求められている。
これに対して遊技機FK1によれば、特定のカウンタ値が第1のカウンタ値に更新された場合に、第2のカウンタ値に更新することができるので、カウンタ値を好適に更新することができる。よって、特定の制御をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機FK1において、前記第1のカウンタ値は、前記第2のカウンタ値よりも大きい値で構成されているものであり、前記更新手段は、前記特定のカウンタのカウンタ値を更新前よりも大きいカウンタ値に更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK2。
遊技機FK2によれば、遊技機FK1の奏する効果に加え、第2のカウンタ値に更新された後でカウンタ値の更新が繰り返されることで再度第1のカウンタ値に更新され得るので、特定制御が再度実行されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機FK1又はFK2において、識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に予め定められた特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、を備え、前記更新条件は、前記判別条件の成立に基づいて成立するように構成されており、前記特定制御実行手段は、前記特定制御として、前記規定情報選択手段に対して前記規定情報記憶手段から1の規定情報を選択させるための情報である選択情報として予め規定されている複数の選択情報のうち、予め定められた特定の選択情報を特定する制御を実行可能に構成されているものであり、前記規定情報選択手段は、前記特定のカウンタのカウンタ値と、特定されている前記選択情報と、に応じて1の規定情報を選択可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK3。
遊技機FK3によれば、選択情報を好適に特定することができるという効果がある。
遊技機FK3において、前記特典が付与されたことに基づいて前記選択情報として前記特定の選択情報とは異なる第1選択情報を特定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK4。
遊技機FK4によれば、遊技機FK3の奏する効果に加え、特典が付与された場合にも選択情報を特定することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機FK3又はFK4において、前記設定手段は、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機FK5。
遊技機FK5によれば、遊技機FK3又はFK4の奏する効果に加え、特定遊技状態が1回設定された後も、特典が付与されなければ再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に特定遊技状態が設定される斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴FL群>(周期的に制御を可変させる周期制御中に優先度の高い第1の制御の割り込みが発生し、当該第1の制御が終了された場合に、周期制御とは異なる第2の制御を実行する)
予め定められた第1の実行条件の成立に基づいて第1制御を実行し、前記第1制御の実行中に予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第1制御とは異なる第2制御を実行する制御手段と、少なくとも前記第1制御の実行中に予め定められた第3の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1制御とも前記第2制御とも異なる第3制御が前記制御手段によって実行されるように設定する第3制御設定手段と、前記第3制御の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて第3制御を終了させる終了手段と、その終了手段により前記第3制御が終了されたことに基づいて、前記第1の制御とも前記第2の制御とも異なる第4制御が前記制御手段によって実行されるように設定する終了後制御設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機FL1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001-276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機FL1によれば、第3制御が終了した場合に、第4制御を実行することができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機FL1において、前記第1の実行条件は、少なくとも前記第4制御の実行中に成立し得る条件で構成されていることを特徴とする遊技機FL2。
第4制御の実行中に第1の実行条件が成立することにより第1の制御が再び実行されるので、第4制御の実行中に第1の実行条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機FL1又はFL2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記第1の実行条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機FL3。
遊技機FL3によれば、遊技機FL1又はFL2の奏する効果に加え、第2の判別結果となった回数が特定回数となることで異なる制御に切り替えることができるので、有利な特典遊技が実行されない状況下において延々と第1制御が実行され続けてしまうことを抑制することができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機FL3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間を決定するための情報が規定された所定の規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の規定情報を記憶した規定情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1制御として、前記第1規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御し、前記第2制御として、前記第2規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機FL4。
遊技機FL4において、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果に含まれる第3の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段を備え、前記第3の実行条件は、前記判別手段の判別結果が前記第3の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記第3制御は、前記動的表示期間決定手段に対して前記第1規定情報とも前記第2規定情報とも異なる第3規定情報を用いて前記動的表示期間を決定させるための制御で構成されていることを特徴とする遊技機FL5。
遊技機FL5によれば、特定遊技状態が設定された場合に決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5073(ベース)系の特徴群>
<特徴βA群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に表示された演出態様を可変させることが可能な可変表示手段と、前記演出態様が表示されている位置に報知態様を配置することが可能な報知手段と、前記複数の演出態様が表示されている場合に、前記報知態様が配置させることで可変可能な前記演出態様を示唆することが可能な示唆制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βA1によれば、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βA1において、前記判別手段により判別されることが可能な情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出態様表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に、前記演出態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機βA2。
遊技機βA2によれば、遊技機βA1の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の個数を演出態様が表示されている個数で判別することができ、判別され得る回数を予測することができるという効果がある。
遊技機βA2において、前記記憶手段に記憶された前記情報が前記判別手段により判別されるよりも前に判別を実行することが可能な事前判別手段を有し、前記可変表示手段は、前記事前判別手段の判別結果に基づいて可変させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βA3。
遊技機βA3によれば、遊技機βA1またはβA2の奏する効果に加え、演出態様が事前判別手段による判別結果に基づいて可変されるので、演出態様が可変されることで判別結果を予測することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴βB群>
所定の報知態様を報知可能な報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて設定を可変させるための情報を設定することが可能な設定手段と、可変された前記設定に対応した演出態様を実行することが可能な演出実行手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記設定される情報に対応した識別態様を表示手段に表示させることが可能な識別態様表示手段と、通常期間よりも前記識別態様が視認困難となる特定期間を設定可能な設定手段と、前記識別態様が表示されない期間には、第1態様が実行され、特定期間に前記操作手段が操作された場合には、前記識別態様を示唆するための前記第1態様とは異なる第2態様が実行される態様実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行され、遊技機に設けられた遊技者が操作可能な操作手段を操作することで遊技の態様を可変させることが可能である遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、操作手段を操作した場合に、遊技の態様が可変されたかを判別することが困難な場合があり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βB1によれば、識別態様が視認困難な特定期間である場合には、識別態様を示唆するための第2態様が実行されるので、通常時は異なる第1態様が実行される態様実行手段を利用して、識別態様を遊技者に示唆することが可能となり遊技者に分かり易く遊技をさせることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βB1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記識別情報が動的表示されていない期間に前記操作手段が操作されたことで可変された設定に基づいて、その後に実行される前記識別情報の動的表示期間中に可変して前記演出を実行することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βB2。
遊技機βB2によれば、遊技機βB1の奏する効果に加え、動的表示されていない期間に操作された内容についてもその後に実行される動的表示期間中に反映されるので、識別情報の動的表示と合わせて演出を楽しむことができるという効果がある。
遊技機βB1またはβB2において、前記態様実行手段は、前記特定期間である場合に前記識別態様が表示されていた位置に移動されて実行されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βB3。
遊技機βB3によれば、遊技機βB1またはβB2の奏する効果に加え、態様実行手段が識別態様の表示されていた位置に移動されて実行されるので、識別態様の代わりに第2態様が実行されていることを分かり易くでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴βC群>(扉開閉)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出が実行されている期間に特定条件が成立することに基づいて前記識別情報の態様を可変させることが可能な可変手段と、前記識別情報の動的表示期間が経過するまでの期間に、前記特定条件の成立回数を可変して決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として複数の図柄を動的表示させた後に、抽選結果を報知する組み合わせで図柄を停止表示させる遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、図柄の動的表示態様が単調となり易く、図柄が停止表示されるよりも前に報知される組み合わせを予測できてしまうことで遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βC1によれば、特定条件が成立する毎に識別情報が可変することで、特定の判別結果を示す態様へと可変されることを特定条件が成立する毎に期待させることができるので、決定手段により決定された回数に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βC1において、前記識別情報の動的表示は、前記識別情報を特定の前記判別結果を示す態様で表示されることが可能な態様で少なくとも一部の識別情報を仮停止させる仮停止態様を実行可能に構成され、前記特定条件は、前記仮停止態様が実行されている期間に成立可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βC2。
遊技機βC2によれば、遊技機βC1の奏する効果に加え、仮停止されている期間に特定条件が成立して、識別情報の態様が可変されることで、可変したことを識別し易くすることができるという効果がある。
遊技機βC1またはβC2において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて表示させることで、前記特定の判別結果を示す態様を構成可能にされ、前記可変手段は、前記図柄の組み合わせを可変させるものであることを特徴とする遊技機βC3。
遊技機βC3によれば、遊技機βC1またはβC2の奏する効果に加え、特定条件が成立する毎に図柄の組み合わせを可変させることができ、特定の判別結果への期待を高めることができるという効果がある。
<特徴βD群>
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて遊技の設定を可変させることが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記演出が実行されている期間に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記演出の実行期間中に可変された遊技の設定に基づく演出を実行することが可能な遊技機βD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として、抽選により演出内容が決定され当否判定の期待度等を抽選結果が報知される前に予告演出として実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、実行される演出態様の内容が決定される頻度等が一定となり易く遊技の興趣が低下する問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βD1によれば、演出の実行中に操作手段を操作することで遊技の設定が可変され、演出の実行期間中に可変された設定に基づいた演出を実行することができるので、遊技者の要望に合わせた設定に対応した状態で早期に遊技をさせて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βD1において、前記演出が実行される場合に、複数の設定に対応した演出態様を設定することが可能な演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機βD2。
遊技機βD2によれば、遊技機βD1の奏する効果に加え、演出が実行される場合に、複数の設定に対応した演出態様が設定されることで、容易に演出の実行中に演出態様を可変させることができるという効果がある。
遊技機βD1またはβD2において、前記特定の演出が実行される演出が実行されている期間に前記操作手段が操作されて前記設定が可変されることに基づいて特殊演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機βD3。
遊技機βD3によれば、遊技機βD1またはβD2の奏する効果に加え、設定を可変させることで、特定の演出が実行されることを早期に識別可能となり、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴βE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄で構成されており、前記図柄が停止表示される場合に、停止される図柄種別に対応した演出態様を実行可能な演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機βE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として、複数の図柄が動的表示された後に抽選結果を示す図柄の組み合わせで停止表示される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、単純に図柄の動的表示と停止が繰り返されることで遊技が単調となる遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βE1によれば、停止図柄の種別に対応した演出態様が実行されるので、停止した図柄種別を分かり易くして遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βE1において、前記識別情報は、前記複数の図柄のそれぞれに識別態様を付加させて構成されており、前記識別態様は、前記図柄の種別に対応せずに決定されて付加されるものであることを特徴とする遊技機βE2。
遊技機βE2によれば、遊技機βE1の奏する効果に加え、識別態様が図柄に種別に対応せずに付加されるので、識別情報のバリエーションを多様にすることができるという効果がある。
遊技機βE1またはβE2において、前記特定の判別結果を示すための態様は、特定の組み合わせで前記識別態様が表示されることで構成されているものであることを特徴とする遊技機βE3。
遊技機βE3によれば、遊技機βE1またはβE2の奏する効果に加え、図柄の種別に関わらず識別態様の組み合わせで特定の判別結果が報知されるので、図柄を識別態様に柔軟に組み合わせて報知することができるという効果がある。
<特徴βF群>(保留図柄シフト時の動作パターンによって期待度を示唆)
情報を取得することが可能な取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記情報に基づく判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な表示手段と、前記取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報の個数を示すための識別図柄を前記表示手段に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶された前記情報の個数が変化した場合に、前記識別図柄の表示位置を新たな前記情報の個数に対応する表示位置に変更する表示位置変更手段と、その表示位置変更手段により前記識別図柄の表示位置が変更される場合の前記識別図柄の動作態様を設定可能な動作態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機βF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
前記遊技機βF1によれば、動作態様設定手段により識別図柄の表示位置が変更される場合の動作態様を設定可能であるため、識別図柄の動作態様を用いた演出を実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
前記遊技機βF1において、前記動作態様設定手段は、前記識別図柄に対応する前記識別情報が前記特定の判別結果を示すための前記識別情報である場合に、特定動作態様を設定可能であることを特徴とする遊技機βF2。
前記遊技機βF2によれば、識別図柄が表示位置を変更する場合に特定動作態様で動作することで、遊技者はその識別図柄に対応する識別情報が特定の判別結果を示すための識別情報であることを認識できるため、識別図柄の動作態様にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴βG群>(リーチ演出中に当該保留図柄以外の保留図柄を非表示とする演出)
情報を取得することが可能な取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記情報に基づく判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な表示手段と、その表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記表示手段を視認困難な状態とすることが可能な遮断手段と、その遮断手段により視認困難な状態とする範囲を設定可能な範囲設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機βG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、複数の演出が同時に実行される場合に、遊技者がどの演出に注目すれば良いのか分からず、演出効果が低下する虞があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βG1によれば、範囲設定手段により範囲が設定され、その範囲が遮断手段により遮断されることで遊技者が視認困難な状態となるため、視認可能な範囲で実行される演出態様に遊技者を注目させることができるという効果がある。
遊技機βG1において、前記取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に、前記演出態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機βG2。
遊技機βG2によれば、遊技機βG1の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の個数を演出態様が表示されている個数で判別することができ、判別され得る回数を予測することができるという効果がある。
遊技機βG2において、前記記憶手段は、前記情報を、特定数を上限に記憶可能であることを特徴とする遊技機βG3。
遊技機βG3によれば、遊技機βG2の奏する効果に加え、判別手段による判別に用いられる情報の記憶数に上限を設けることができるため、過剰に多くの判別が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴βH群>(図柄ストックリーチ)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄列で構成された識別図柄を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示した後に、前記判別結果を示すための表示態様で前記識別図柄を停止表示する表示制御手段と、前記判別手段により特定の判別結果を示すための停止表示態様で前記識別図柄が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の判別結果であることを示すための停止表示態様は、前記複数の図柄列が特定の図柄の組み合わせで停止表示されるものであり、前記表示制御手段は、前記複数の図柄列のうち、少なくとも2以上の図柄列を前記特定の判別結果を示すための組み合わせの一部となる図柄の組み合わせで停止または仮停止表示させるリーチ表示態様で表示させることが可能に構成されており、前記リーチ表示態様が表示されている状態で動的表示されている前記図柄列に停止表示される前記識別図柄の表示態様を示唆するための示唆演出を実行可能であり、前記遊技機は、前記示唆演出によって示唆された前記識別図柄の表示態様に基づいて、前記リーチ表示態様を示す前記識別図柄の表示態様を可変可能であることを特徴とする遊技機βH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βH1によれば、リーチ表示態様が表示されている状態にて実行される示唆演出によって、動的表示中の識別図柄の停止表示態様を示唆しながら、リーチ表示態様を示す識別図柄を可変させることも可能となる。よって、示唆演出の内容に応じて、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変すること無く、動的表示中の識別図柄が停止表示されることを期待させる遊技と、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変することを期待させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βH1において、前記示唆演出は、識別図柄の表示態様に対応する情報を有する装飾図柄を複数表示させた後に、前記複数表示された前記装飾図柄の中から、演出結果を示すための所定数の前記装飾図柄を表示させるものであることを特徴とする遊技機βH2。
遊技機βH2によれば、示唆演出の演出結果を示すための装飾図柄を含む複数の装飾図柄を表示させることによって、示唆演出の演出結果を予測させる楽しみを提供することができる。また、表示される複数の装飾図柄が有する情報を把握することにより、今回の示唆演出によってリーチ表示態様を示す識別図柄が可変すること無く、動的表示中の識別図柄が停止表示されることを期待させる遊技と、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変することを期待させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βH2において、前記示唆演出は、前記複数の装飾図柄を順に表示させるものであり、前記リーチ表示態様で表示されている前記識別図柄に対応する情報以外の情報を有する前記装飾図柄を最初に表示させるものであることを特徴とする遊技機βH3。
遊技機βH3によれば、リーチ表示態様が表示されている状態で最初に表示される装飾図柄を、リーチ表示態様で表示されている識別図柄に対応する情報以外の情報を有している装飾図柄とすることができるため、特定の判別結果を示すための識別図柄が停止表示されたと遊技者が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴βI群>(画面プレス予告)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための表示画像を作成可能な表示画像作成手段と、その表示画像作成手段により作成された前記表示画像を所定の表示領域に表示可能な表示手段と、前記表示画像作成手段により作成された前記表示画像を可変制御可能な画像制御手段と、を有した遊技機において、前記表示画像作成手段は、複数の画層を重ね合わせて前記表示画像を作成可能であり、前記画像制御手段は、前記画層単位で前記表示画像を可変制御可能であることを特徴とする遊技機βI1。
従来より、液晶表示装置等の表示装置を用いて、判別手段の判別結果を示すための変動演出を実行するものがあり、多彩な変動演出を実行させることで演出効果を高めるために、液晶表示装置等の表示画面に様々な表示画像を表示させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、変動演出の種類を増加させるほど、表示画像を作成するための表示データの量が大きくなり、製造コストを圧迫してしまうという問題が発生するため、表示画像を作成するための表示データ量の増加を抑えながらも、多様な変動演出を実行させることで、演出効果を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βI1によれば、表示画像作成手段により作成された表示画像を形成する複数の画層単位で、表示画像を可変制御させることができるため、同一の表示画像を用いて様々な表示態様を表示領域に表示させることができる。よって、表示画像を作成するための表示データ量の増加を抑えながらも、多様な変動演出を実行させることができるという効果がある。
遊技機βI1において、前記画像作成手段は、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報の表示画像を、前記複数の画層のうち特定の第1画層に作成可能であり、前記画像制御手段によって前記第1画層が可変制御される場合に、前記識別情報を視認困難とさせる補正制御を実行可能な補正手段を有することを特徴とする遊技機βI2。
遊技機βI2によれば、遊技機βI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、画像制御手段によって、識別情報の表示画像が可変制御される場合には、補正手段により可変制御された識別情報の表示画像を遊技者に視認させ難くすることができるため、表示手段に表示されている識別情報を遊技者が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機βI2において、前記複数の画像として、少なくとも、前記第1画層よりも前面側に第2画層を有し、前記画像制御手段は、前記第1画層と、前記画層とに同一内容の特定可変制御を実行するものであり、前記補正手段は、前記特定可変制御が実行された場合に、前記第2画層に表示される表示画像によって前記第1画層に表示される前記識別情報の表示画像を視認困難とさせるものであることを特徴とする遊技機βI3。
遊技機βI3によれば、遊技機βI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御された識別情報を示すための表示画像を視認困難とさせるために、識別情報の表示画像が作成される第1画層と、同一内容の特定可変制御が実行される第2画層に表示される表示画像を用いているため、どの様な可変制御が実行されたとしても、識別情報の表示画像の表示位置とズレること無く、第2画層の表示画像を表示させ易くすることができるという効果がある。
<特徴βJ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に表示された演出態様を可変させることが可能な可変表示手段と、前記複数の演出態様が表示されている位置に対応した表示態様を決定可能な表示態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βJ1によれば、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機βJ1において、前記可変表示手段は、前記表示態様決定手段により決定された前記表示態様に応じて、前記演出態様の可変度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機βJ2。
遊技機βJ2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、決定された表示態様に応じて演出態様の可変度合いを異ならせることができるため、表示される表示態様に興味を持たせ易くすることができるという効果がある。
遊技機βJ2において、前記演出態様が表示されている位置に報知態様を配置することが可能な報知手段と、前記複数の演出態様が表示されている場合に、前記報知態様が配置させることで可変可能な前記演出態様を示唆することが可能な示唆制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機βJ3。
遊技機βJ3によれば、遊技機βJ2の奏する効果に加え、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴βK群>
所定の報知態様を報知可能な報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて設定を可変させるための情報を設定することが可能な設定手段と、可変された前記設定に対応した演出態様を実行することが可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記設定手段により前記情報が設定されたことに基づいて、特典を付与可能な特典付与手段を有することを特徴とする遊技機βK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行され、遊技機に設けられた遊技者が操作可能な操作手段を操作することで遊技の態様を可変させることが可能である遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012-217766号公報)しかしながら、操作手段を操作した場合に、遊技の態様が可変されたかを判別することが困難な場合があり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機βK1によれば、情報を設定することに基づいて特典が付与されるため、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βK1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の判別結果である場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記判別手段の結果が前記特定の判別結果があることを前記特典遊技が実行されるよりも前に報知するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機βK2によれば、遊技機βK1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることを特典付与手段により遊技者にいち早く報知することができるため、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機βK2において、前記特典付与手段は、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている間に、前記設定手段により前記情報が設定された場合に前記特典を付与可能であることを特徴とする遊技機βK3。
遊技機βK3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、識別情報の動的表示期間中においても、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<5073(追加)系の特徴群>
<特徴GA群>(ボタン操作演出のひっかかり期間)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に前記操作が実行されたことに基づいて、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記操作有効期間として、第1状態と、その第1状態よりも前記演出態様を可変させることが困難な第2状態とを、設定可能な状態設定手段を有し、前記状態設定手段は、前記第1状態が設定されている状態で前記操作手段が操作されたことに基づいて前記第2状態を設定可能であることを特徴とする遊技機GA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なものがある。そして、操作演出の演出態様として、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)を設け、遊技者に有利な特典を付与可能な場合に、ゲージ減少演出の演出結果として、敵キャラの体力値が0となる演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
しかしながら、従来型のゲージ減少演出では、特典を付与可能な状態であるか否かに応じて最終的に減少させることが可能な体力値が決定されるため、遊技者は操作手段への操作に基づいて体力値の減少度合いのみに注視することとなり、ゲージ減少演出中に体力値の減少が途中で停止してしまうと、今回の演出結果が遊技者に不利な演出結果であることを演出結果が表示されるよりも前に容易に予測されてしまい、演出効果を高めることができないという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、ゲージ減少演出において減少させることが可能な体力値に到達するよりも前の段階で強制的に体力値の減少が停止される期間を設定することにより、ゲージ減少演出中に体力値の減少が所定期間停止した場合であっても、更なる体力値の減少を遊技者に期待させることで遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GA1によれば、第1状態中に実行される操作手段への操作に基づいて第2状態を設定することができるため、所定の操作を実行したにも関わらず演出態様が可変し難くなった場合に、第2態様へと演出態様が可変しないのか、それとも、第2状態が設定されただけなのかを遊技者に予測させ難くすることができる。よって、操作有効期間が経過するまでの間、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機GA1において、前記第2状態が設定されている状態で解除条件が成立した場合に、前記第1状態を設定可能な状態切替手段を有することを特徴とする遊技機GA2。
遊技機GA2によれば、遊技機GA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出態様を可変させることが困難な第2状態が設定された場合であっても、解除条件を成立させることによって、演出態様を可変させることが可能な第1状態が設定されることで演出態様を可変させ易くすることができる。よって、第2状態が設定された場合であっても、演出態様を第2状態へと可変させる遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GA2において、前記第2状態中に実行される前記所定の操作に基づいて前記解除条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GA3。
遊技機GA3によれば、第2状態中に所定の操作を実行することによって、解除条件が成立し得るため、第2状態が設定された遊技者に対して、操作手段への所定の操作を継続して実行させることが可能となり、遊技者の操作手段への操作意欲を高めることができるという効果がある。
<特徴GB群>(長押し操作演出において、長押しキャンセルした方が演出が進みやすい)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の前記操作が継続して実行されていることを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記所定の操作が特定期間継続して実行していると判別されたことに基づいて、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様へと可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記所定の操作が前記特定期間よりも短い第2期間継続した状態で所定条件が成立した場合に、前記演出態様を前記第2態様へと可変させることが可能な演出制御を実行可能な演出制御手段を有することを特徴とする遊技機GB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なものがある。そして、操作演出の演出態様として、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)を設け、遊技者に有利な特典を付与可能な場合に、ゲージ減少演出の演出結果として、敵キャラの体力値が0となる演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
また、操作手段を繰り返し押下操作(連打操作)する代わりに、操作手段を継続押下操作(長押し)することで、連打操作した場合と同様にゲージ減少演出を進行させることが可能な機能を有する遊技機も提案されている。
しかしながら、長押し操作に基づいて実行されるゲージ減少演出では、長押し操作を継続すればするほど、演出が進行(ゲージが減少)するように構成されるものが一般的であり、遊技者の操作手段への操作方法が単調となってしまい、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GB1によれば、所定の操作を継続する期間が特定期間となる前に、演出態様を第2態様へと可変させることが可能となるため、継続して所定の操作を実行している遊技者に対して、どのタイミングで特定演出が実行されるかを把握させ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GB1において、前記演出制御手段により前記演出制御が実行されていることを報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機GB2。
遊技機GB2によれば、遊技機GB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知手段によって演出制御が実行されていることを遊技者に報知することができるため、遊技者に対して、所定条件が成立し得る状態であることを分かり易く把握させることができるという効果がある。
遊技機GB1またはGB2において、前記所定の操作を第1期間継続して実行する場合よりも、前記第1期間よりも短い第2期間で前記所定の操作を終了した場合に、前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GB3。
遊技機GB3によれば、遊技機GB1またはGB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、継続して実行している所定の操作を終了した場合に所定条件が成立するため、遊技者に対して、所定の操作を継続するか否かを選択させるという斬新な遊技性を提供することが出来る。よって、遊技者の操作手段に対する操作意欲を向上させることが出来るという効果がある。
遊技機GB3において、前記操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段を有し、前記演出制御手段は、前記操作有効期間中における第1期間にて前記演出制御を実行可能であり、前記第1期間が経過したことに基づいて前記演出態様を可変させることが可能な第2演出可変手段を有することを特徴とする遊技機GB4。
遊技機GB4によれば、遊技機GB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出制御が実行される第1期間が経過した場合にも、第2演出可変手段によって演出態様を可変させることが可能となる。よって、演出制御が実行されている状態において、所定の操作を継続した場合であっても、後に演出態様を可変させることができるため、遊技者に対して、継続している所定の操作を終了するか否かを選択させるという斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機GB4において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、前記演出制御が実行される前記第1期間として、通常期間と、その通常期間よりも長い特殊期間と、を含む複数の期間の中から1の期間を決定可能な期間決定手段と、を有し、前記特定演出実行手段は、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合に、前記特定演出を実行可能であり、前記期間決定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果以外の判別結果である場合よりも、前記特殊期間を決定し易いことを特徴とする遊技機GB5。
遊技機GB5によれば、遊技機GB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出制御が実行される期間として特殊期間が設定された場合に、判別手段の判別結果が特定の判別結果である可能性を高くすることができるため、演出制御が実行された場合において、演出制御が継続する期間の長さを把握するか否かに応じて、所定の操作を終了させるタイミングを遊技者に選択させることができる。即ち、演出制御が実行される期間の長さを把握したい遊技者には、少なくとも、通常期間が経過するまで所定の操作を継続し、今回の演出制御として特殊期間が設定されていることを把握した後に、所定の操作を継続するか否かを選択する遊技を行わせ、演出制御が実行される期間の長さを把握する必要が無い遊技者には、演出制御が実行された直後から、所定の操作を継続するか否かを選択する遊技を行わせることができる。
よって、継続している所定の操作を終了させるタイミングを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を遊技者に提供することができるという効果がある。
<特徴GC群>(連打演出中に、連打操作した場合と長押し操作した場合とで異なる演出制御を実行)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、その信号判別手段による前記判別の結果が所定の実行条件を満たした場合に、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる最終態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記最終態様として、第2態様を含む複数の態様の中から1の態様を決定可能な最終態様決定手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出可変手段は、前記所定の実行条件として、第1実行条件が成立した場合と、その第1実行条件とは異なる第2実行条件が成立した場合とで、異なる可変パターンで前記演出態様を前記最終態様へと可変可能であることを特徴とする遊技機GC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なものがある。そして、操作演出の演出態様として、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)を設け、遊技者に有利な特典を付与可能な場合に、ゲージ減少演出の演出結果として、敵キャラの体力値が0となる演出が実行される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
また、操作手段を繰り返し押下操作(連打操作)する代わりに、操作手段を継続押下操作(長押し)することで、連打操作した場合と同様にゲージ減少演出を進行させることが可能な機能を有する遊技機も提案されている。
しかしながら、従来型の遊技機では、操作手段に対して、長押し操作を実行した場合に、連打操作が実行されている場合と同一の演出態様でゲージ減少演出が実行されるものが一般的であった。つまり、操作手段に対して、連打操作を実行することが困難な遊技者に対する遊技サポートの意味合いで長押し操作をした場合にも連打操作を実行した場合と同一の演出態様でゲージ減少演出を実行可能とするという技術思想を有するものが一般的であって。
このような従来型の遊技機では、遊技者に対して、長押し操作という単純な操作を実行するだけで、連打操作を実行した場合と同一の演出態様でゲージ減少演出を実行することが可能となるため、遊技者にゲージ減少演出を楽しませ易くすることができるものであったが、連打操作を実行した場合と、長押し操作を実行した場合とで、実行されるゲージ減少演出の演出態様が類似するため、遊技者に対して、操作手段への操作方法を選択させる楽しみを提供することができず、操作演出に対して遊技者が早期に飽きてしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GC1によれば、成立する実行条件の種別に応じて異なる可変パターンで演出態様を最終態様へと可変させることが可能となる。つまり、操作手段に対して異なる操作を実行した場合に、異なる演出を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して、操作手段への操作を選択させる楽しみを提供することができるため、遊技者が操作手段への操作に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GC1において、前記第1実行条件が成立したことに基づいて、前記演出可変手段により可変される前記演出態様の前記可変態様を決定可能な可変態様決定手段と、前記第2実行条件が成立している継続期間を判別可能な期間判別手段と、を有し、前記演出可変手段は、前記可変態様決定手段により決定された前記可変態様へと前記演出態様を可変させる第1可変と、前記期間判別手段により判別された前記継続期間に応じて前記演出態様を可変させる第2可変と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GC2。
遊技機GC2によれば、遊技機GC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1実行条件が成立する場合には、第1実行条件が成立したことに基づいて決定された可変態様へと演出態様が可変し、第2実行条件が成立する場合には、第2実行条件が成立している継続期間の長さに応じて演出態様が可変する。つまり、成立する実行条件の種別に応じて、演出態様の可変契機を異ならせている。よって、操作手段への操作方法に応じて異なる可変態様で演出態様を可変させることが可能となると共に、演出態様を可変させるタイミングも異ならせることができる。これにより、成立する実行条件の種別に応じて、演出態様の可変態様を大きく異ならせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機GC1またはGC2において、前記信号判別手段による前記判別が有効となる1の操作有効期間内に、前記第1実行条件と、前記第2実行条件と、の何れも成立させることが可能であることを特徴とする遊技機GC3。
遊技機GC3によれば、遊技機GC1またはGC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の操作有効期間中の第1実行条件と、第2実行条件と、の何れも成立させることが可能である。つまり、1の操作有効期間中に、操作手段への操作方法を切り替えることで成立する実行条件の種別を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、操作手段を操作している最中に、操作方法を別の操作方法へと切り替えるという斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
<特徴GD群>(強制チャンス演出実行制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記演出実行手段により実行される前記演出に関する情報に基づいて演出値を更新可能な更新手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記更新手段によって更新される前記演出値が実行条件を満たした場合に前記判別手段による前記判別結果に関わらず前記演出態様として前記第1演出態様を決定する第2決定と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示されるものであって、図柄が停止表示されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆態様を遊技者に報知する報知演出を実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、示唆態様の種別として、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い第1種別と、その第1種別よりも抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定可能に構成し、抽選によって報知される示唆態様の種別を決定可能に構成することで、実行される報知演出に多様性を持たせ、演出効果の向上を図っていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、示唆態様の種別が抽選によって決定されるため、長期間の間、報知演出が実行されなかったり、特定種別の示唆態様が決定されなかったりする事態が発生することで、予め用意されている多種の演出を遊技者に提供するまでに、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
特に、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い第1種別は、抽選結果が遊技者に有利では無い抽選結果(例えば、外れ)である場合においては、第2種別よりも決定され難くいため、第1種別が決定された示唆態様を含む報知演出が実行されるまでに遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GD1によれば、演出実行手段により実行される演出に関する情報に基づいて更新される演出値が実行条件を満たした場合に、判別手段の判別結果に関わらず、第1演出態様の演出を実行することができるため、第1演出態様の演出が実行されるよりも前に遊技者が遊技に飽きてしまう事態が発生することを抑制することができるという効果がある。
遊技機GD1において、前記更新手段は、前記演出実行手段により実行される前記演出の前記演出態様の種別に応じて更新される前記演出値を異ならせることを特徴とする遊技機GD2。
遊技機GD2によれば、遊技機GD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行される演出の演出態様に応じて、更新手段により更新される演出値を異ならせることができるため、演出値が実行条件を満たすまでに実行される判別手段による判別回数を異ならせることが可能となる。よって、第1演出態様の演出が実行された場合に、第1決定に基づいて第1演出態様の演出が実行されたのか、第2決定に基づいて第1演出態様の演出が実行されたのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、第2決定に基づいて第1演出態様の演出が実行された場合であっても、対応する判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを期待させ易くすることができるという効果がある。
遊技機GD2において、前記演出態様決定手段は、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され難い第2演出態様と、前記第1演出態様、及び前記第2演出態様とは異なる第3演出態様と、を決定可能であり、前記更新手段は、前記第2演出態様が決定された前記演出が実行された場合の方が、前記第3演出態様が決定された前記演出が実行された場合よりも、前記演出値を、前記実行条件が成立し易くなるように更新可能であることを特徴とする遊技機GD3。
遊技機GD3によれば、遊技機GD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される可能性が低い演出が実行された場合には、特典が付与される可能性が低い演出が実行されない場合よりも、第2決定に基づく第1演出態様の演出を実行させ易くすることができる。よって、特典が付与される可能性が低い演出のみが実行され続けてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GD3において、前記更新手段は、前記第2演出態様、及び、3演出態様が決定された前記演出が実行された場合の方が、前記第1演出態様が決定された前記演出が実行された場合よりも、前記演出値を、前記実行条件が成立し易くなるように更新可能であることを特徴とする遊技機GD4。
遊技機GD4によれば、遊技機GD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される可能性が低い演出が実行された方が、特典が付与される可能性が高い演出が実行された場合よりも、短期間で第2決定に基づいて第1演出態様の演出を実行させ易くすることができる。よって、第1演出態様の演出が頻繁に実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴GE群>(激アツ外れ予告発生後の大当たり演出で外した激アツ予告を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記特定の判別結果以外の前記判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される前記演出の演出態様として前記第1演出態様が決定されたことを示す決定情報を所定期間記憶可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記記憶手段に記憶されている前記決定情報に基づいて前記第1演出態様を決定する第2決定と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示されるものであって、図柄が停止表示されるよりも前に、抽選結果を示唆するための示唆態様を遊技者に報知する報知演出を実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
さらに、示唆態様の種別として、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い第1種別と、その第1種別よりも抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定可能に構成し、抽選によって報知される示唆態様の種別を決定可能に構成することで、実行される報知演出に多様性を持たせ、演出効果の向上を図っていた。
しかしながら、従来型の遊技機では、示唆態様の種別が抽選によって決定されるため、例えば、抽選結果が遊技者に不利となる抽選結果(例えば、外れ)である場合に、第1種別が複数回決定されてしまい、第1種別の示唆態様を含む報知演出が見た目上、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い示唆態様となってしまう虞があった。
ここで、従来より、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が高い演出の演出態様は、抽選結果が遊技者に有利となる抽選結果(例えば、当たり)である可能性が低い演出の演出態様よりも、遊技者に注視させるために派手な演出態様が規定されているものが一般的である。よって、示唆態様の種別が抽選によって決定される構成では、派手な演出態様で実行される演出が、抽選結果が外れである場合に連続して実行されてしまい、演出効果が著しく低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GE1によれば、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される演出の演出態様として、特定の判別結果である場合の方が、特定の判別結果以外である場合よりも決定され易い第1演出態様が決定された場合に、その情報を記憶しておき、次に、特定の判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される演出の演出態様を決定する場合に、記憶手段に記憶された情報に基づいて第1演出態様が決定されるように構成しているため、第1演出態様の演出が、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される演出として連続して実行されてしまうことを抑制することができる。
よって、判別手段の判別結果を示すために実行される演出の演出態様を、予め定めている規則に従って実行させ易くすることができ、演出効果が著しく低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GE1において、前記演出態様決定手段は、前記特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される前記演出の演出態様として、前記記憶手段に前記決定情報が記憶されている場合に、前記第1演出態様以外を決定する第3決定を実行可能であることを特徴とする遊技機GE2。
遊技機GE2によれば、遊技機GE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に決定情報が記憶されている間は、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される演出の演出態様として、第1演出態様が決定され難くすることができる。つまり、第1演出態様が、特定の判別結果以外の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される演出の演出態様として連続して決定され難くすることができる。よって、判別手段の判別結果を示すために実行される演出の演出態様を、予め定めている規則に従って実行させ易くすることができると共に、連続して第1演出態様の演出が実行された場合に、特定の判別結果である可能性をより高めることができるため、遊技者に対して、実行される演出の演出態様に注視させ易くすることができるという効果がある。
遊技機GE1またはGE2において、前記判別手段による前記判別が所定回数実行された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記決定情報を消去可能な消去手段を有することを特徴とする遊技機GE3。
遊技機GE3によれば、遊技機GE1またはGE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている決定情報が、判別手段により実行される判別の回数に基づいて消去されるため、第2決定が実行される期間に制限を設けることができる。よって、第1決定に基づいて演出態様を決定させ易くすることができ、多種の演出を遊技者に提供することで演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴GF群>(操作有効期間が通常よりも長いロングボタン表示)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記操作手段への操作が有効に判別される有効期間を設定する有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定された前記有効期間の少なくとも一部期間を遊技者に報知可能な有効期間報知手段と、その有効期間報知手段により前記有効期間が報知されている状態で前記操作判別手段により前記操作手段の操作が判別されたことに基づいて、前記判別手段による前記判別の結果を示すための操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有した遊技機において、前記有効期間設定手段は、前記有効期間として、第1有効期間と、その第1有効期間よりも長い第2有効期間を設定可能であり、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも、前記第2有効期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機GF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作を有効に判別可能な有効期間を一定期間設定し、その有効期間中に実行された操作手段への操作内容に基づいた操作演出を実行可能な遊技機がある。そして、有効期間が設定された場合には、有効期間が設定されたこと、及び、設定された有効期間の長さを遊技者に報知するための表示態様(有効期間ゲージ)を表示することで、遊技者に対して有効期間中に操作手段を操作させ易くする構成が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機では、操作演出を実行可能な期間として設定される有効期間の長さが常に一定であることから、表示される有効期間の長さが常に一定となるため、有効期間が表示された場合における遊技者への操作手段に対する操作意欲に高低を設けることが困難であった。
よって、操作演出の演出結果として、遊技者に不利となる演出結果が設定されたため、意欲的に操作手段を操作したにも関わらず、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったり、遊技者に有利となる演出結果が設定されているにも関わらず、操作手段への操作が疎かになり、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったりする事態が発生してしまい、遊技者が操作演出に飽きてしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が操作演出に飽きることを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GF1によれば、判別手段による判別の結果が特定の判別結果である場合の方が、操作手段への操作が有効に判別される有効期間の長さとして、第2有効期間が設定され易くなり、設定された有効期間の少なくとも一部期間が遊技者に報知される。このように構成することで、遊技者に対して、設定された有効期間の長さを異ならせて報知可能となるため、報知された有効期間の長さに応じて、遊技者に対して、操作手段に対する操作意欲に高低を設けることが可能となる。
よって、有効期間が設定される毎に、対応する判別手段による判別の結果に関わらず、同一の操作意欲で操作手段を操作させる従来型の遊技機に比べて、操作手段を操作する前段階において操作手段への操作意欲を異ならせることができるため、遊技者に不利となる演出結果が設定されたため、意欲的に操作手段を操作したにも関わらず、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったり、遊技者に有利となる演出結果が設定されているにも関わらず、操作手段への操作が疎かになり、遊技者に有利となる演出結果が表示されなかったりする事態が発生してしまうことを抑制することができ、遊技者が操作演出に対して飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GF1において、前記有効期間として、前記第1有効期間と前記第2有効期間とを少なくとも含む複数の有効期間の中から1の有効期間を決定可能な有効期間決定手段を有し、前記有効期間設定手段は、前記有効期間決定手段により決定された前記有効期間を設定可能であり、前記有効期間決定手段により決定された前記有効期間の長さを示すための情報を、前記有効期間設定手段により前記決定された有効期間が設定されるまでに報知可能な有効期間事前報知手段を有することを特徴とする遊技機GF2。
遊技機GF2によれば、遊技機GF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効期間が設定されるよりも前に、事前報知手段により設定される有効期間の長さを示すための情報を報知することができる。よって、今回設定される有効期間の長さを遊技者に予測させた状態で有効期間を設定することができるため、事前報知手段による報知内容に対応した操作意欲で有効期間の序盤から操作手段を操作させることが可能となるため、遊技者の操作意欲に応じた操作演出を実行させ易くすることができるという効果がある。
遊技機GF1またはGF2において、前記有効期間報知手段は、前記有効期間設定手段により設定された前記有効期間を段階的に報知する第1報知と、前記有効期間設定手段により設定された前記有効期間を一度に報知する第2報知と、を実行可能であることを特徴とする遊技機GF3。
遊技機GF3によれば、遊技機GF1またはGF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効期間報知手段により報知された有効期間の長さを、途中で増加させる第2報知を実行することができるため、遊技者に対して、今回設定されている有効期間の長さを、把握させ難くすることができる。よって、実際に設定されている有効期間が長いことを遊技者に期待させながら有効期間中に意欲的に操作手段を操作させ易くすることができるという効果がある。
<特徴GG群>(絆60秒ミッション)
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を、その判別情報に基づく前記判別が実行されるよりも前に事前判別することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段による前記事前判別の結果に基づいて事前演出を実行可能な事前演出実行手段と、その事前演出実行手段により実行される前記事前演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有した遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報のうち、第1の範囲に含まれる複数の前記判別情報に対する前記事前判別の結果に基づいて第1演出態様を、前記第1の範囲よりも後の第2の範囲に含まれる複数の前記判別情報に対する前記事前判別の結果に基づいて第2演出態様を、それぞれ決定可能であり、前記遊技機は、所定条件が成立した場合に、前記第2の範囲に含まれる前記複数の判別情報の少なくとも一部を、前記前記第1の範囲に含ませることが可能であることを特徴とする遊技機GG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に所定条件が成立している場合には、遊技状態として、遊技者に有利となる有利遊技状態を所定期間設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、取得した抽選情報を、所定個数を上限に記憶可能な記憶手段を設け、記憶手段に記憶されている抽選情報を、抽選が実行されるよりも前に事前判別し、これから実行される抽選の結果を事前に示唆可能な事前示唆演出を実行可能な構成も提案されていた。
さらに、複数の抽選情報に対する事前判別の結果を、1の事前示唆演出を用いて事前に示唆可能とする構成も提案されていた。
上述した従来型の遊技機では、複数の抽選情報に対する事前判別の結果を、1の事前示唆演出を用いて示唆可能であるため、例えば、複数の抽選情報に対する事前判別の結果が、何れも外れであった場合において、1の事前示唆演出の演出結果として、外れを示す演出結果を遊技者に報知すれば良く、抽選が実行される毎に、抽選結果が外れであることを報知する場合に比べて、抽選結果が外れであることを報知する演出の実行回数を減らすことができる。よって、実行される演出の演出結果として抽選結果が外れであることを示す演出結果が連続して表示されることで遊技者の遊技意欲が低下してしまう事態が発生することを抑制できるものであった。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、事前示唆演出に含まれる複数の抽選情報の範囲が一定であるため、長時間遊技をしている遊技者には、事前示唆演出の演出結果が、外れを示す演出結果である場合に、何回分の抽選結果が纏めて表示されているかを容易に把握されてしまうという問題があった。
また、事前示唆演出として、当たりを示す演出結果の事前示唆演出が実行される割合と、外れを示す演出結果の事前示唆演出が実行される割合と、が常に一定になるため、事前示唆演出の演出効果を高めることが困難であるという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GG1によれば、所定条件が成立した場合に、第1演出態様を決定する際に用いられる判別情報として、通常であれば第2演出態様を決定する際に用いられる第2の範囲に含まれる判別情報も用いることができるため、第1演出態様の演出態様を決定する際に用いられた判別情報の数を遊技者に分かり難くすることができる。よって、後に実行される遊技の内容が遊技者に容易に把握されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、第1演出態様を決定する際に用いられる判別情報の数が増加した場合には、第1演出態様として特定の判別結果となり得る事前判別結果を示すための演出態様が決定され易くなり、第2演出態様として特定の判別結果となり得る事前判別結果を示すための演出態様が決定され難くすることができる。よって、連続して実行される複数回の事前演出に対して、異なる演出態様を決定させ易くすることができるため、様々な演出を遊技者に提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機GG1において、前記判別情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されている状態において、前記判別手段により実行される前記判別の回数が終了条件を満たした場合に前記第1遊技状態を終了させることが可能な終了手段と、を有し、前記事前演出実行手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記終了条件を満たすまでの前記判別の残回数が特定回数となった場合に、前記第1演出態様の前記事前演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GG2。
遊技機GG2によれば、遊技機GG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態中に実行される判別のうち、事前示唆演出によって判別結果が遊技者に示唆されていない判別の残回数を遊技者に把握させ難くすることができるため、後に実行される遊技の内容が遊技者に容易に把握されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
また、事前示唆演出の演出態様として、特定の判別結果以外の判別結果に対応する演出結果を示す演出態様が決定された場合であっても、事前示唆演出によって判別結果が遊技者に示唆されていない判別の残回数を遊技者に把握させ難くすることで、第1遊技状態中により多くの判別が実行されることを期待させながら遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機GG2において、前記事前演出実行手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行される複数回の前記判別に対応する前記事前判別結果を用いて前記第2演出態様の前記事前演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GG3。
遊技機GG3によれば、遊技機GG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出態様の事前演出の後に実行される第2演出態様の事前演出も、第1遊技状態が設定されている状態で実行される判別に対応する事前判別結果に基づいて実行される。つまり、第1遊技状態が設定されている状態で終了条件を満たすまでの判別の残回数が特定回数となった場合に、連続して第1演出態様の事前演出と、第2演出態様の事前演出とが実行される。よって、遊技者に対して、第1遊技状態が設定されている状態で実行可能な判別の残回数を分かり難くすることができるという効果がある。
遊技機GG1からGG3の何れかにおいて、前記判別情報として、前記第1の範囲に含まれる前記判別情報の次に前記判別が実行される特定判別情報に対応する前記事前判別の結果が前記特定の判別結果を示すための判別結果である場合に前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GG4。
遊技機GG4によれば、遊技機GG1からGG3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の範囲に含まれる判別情報の次に判別が実行される特定判別情報に対応する事前判別の結果が特定の判別結果を示すための判別結果である場合に、特定判別情報に対応する事前判別の結果を用いて第1演出態様を決定することができるため、第1演出態様の事前演出が実行される演出期間が無用に長くなってしまうことを抑制することができ、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができるという効果がある。
また、第2の範囲に含まれる判別情報のうち、最初に判別が実行される判別情報が特定の判別結果となることを第2演出態様の事前演出を用いて報知する場合に比べて、事前演出が実行されてから演出結果を報知するまでの演出期間を長く確保することができるため、遊技者に分かり易い事前演出を実行し易くすることができるという効果がある。
遊技機GG1からGG4のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により前記表示手段に動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記特定判別情報に基づく前記判別の結果を示すための前記識別情報の動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも決定可能であり、前記遊技機は、前記特定判別情報に基づく前記判別の結果を示すための前記識別情報の動的表示期間として前記第1動的表示期間が決定される場合に、前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機GG5。
遊技機GG5によれば、遊技機GG1からGG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定判別情報に基づく判別の結果を示すための識別情報の動的表示期間として短い動的表示期間が決定される場合に、特定判別情報に対応する事前判別の結果を用いて第1演出態様を決定することができるため、第1演出態様の事前演出が実行される演出期間が無用に長くなってしまうことを抑制することができ、遊技者に違和感を与えることの無い演出を実行することができるという効果がある。
<特徴GH群>(大当たり遊技中の払い出し数と、保留連の有無とに基づいて大当たり演出の演出態様を決定)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、異なる特典を付与可能な複数の特典種別の中から1の特典種別を決定可能な特典種別決定手段と、前記特典遊技が実行されることを報知するための特典演出を実行可能な特典演出実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、前記特典演出実行手段により実行される前記特典演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、特定の前記特典種別が決定された前記特典遊技が実行される場合と、前記特定の特典種別とは異なる前記特典種別が決定された前記特典遊技が実行され、且つ、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合とで、同一の特定演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機GH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技として、有利度合いの異なる特典遊技の何れかが実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
加えて、特典遊技中に付与される特典の内容を、特典遊技が実行されてから遊技者に報知することで、特典遊技が実行されるよりも前に特典の内容を報知する場合に比べて、より有利な特典が付与されることに対する期待感を継続して抱かせることができるようする構成が提案されていた。
また、取得した抽選情報を、所定個数を上限に記憶可能な記憶手段を設け、記憶手段に記憶されている抽選情報を、抽選が実行されるよりも前に事前判別し、例えば、特典遊技中において、記憶されている抽選情報の中に当たり当選する抽選結果となる抽選情報が含まれていることを遊技者に報知可能な構成も提案されていた。
上述した従来型の遊技機では、特典遊技が実行されている間に、実行中の特典遊技によって付与される特典の内容や、新たに別の特典遊技が実行される可能性を遊技者に報知する演出を実行することができるため、特典遊技中の遊技者を実行される演出に注視させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら従来型の遊技機では、実行中の特典遊技によって付与される特典の内容と、新たに別の特典遊技が実行されることが、別の演出によって報知されるため、遊技者に対して後に実行される遊技の内容を容易に把握させてしまうことから、特典遊技中に実行される演出の内容によっては、演出の内容を把握した遊技者の遊技に対する遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GH1によれば、特定の特典種別が決定された特典遊技が実行される場合と、特定の特典種別とは異なる特典種別が決定された特典遊技が実行され、且つ、事前判別手段により特定の判別結果と判別される情報が記憶されていると判別された場合とで、特典演出の演出態様として、同一の特定演出態様を決定することができるため、特典演出の演出内容を把握した遊技者に対して、後に実行される遊技内容を予測する楽しみを提供することができるため、特典演出の内容を把握した遊技者の遊技に対する遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GH1において、前記特典演出実行手段は、複数回の前記特典遊技が実行される期間の少なくとも一部を前記演出期間として前記特典演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GH2。
遊技機GH2によれば、複数回の特典遊技を跨ぐように前記特典演出を実行することができるため、特定の特典種別が決定された特典遊技が実行される場合と、特定の特典種別とは異なる特典種別が決定された特典遊技が実行され、且つ、事前判別手段により特定の判別結果と判別される情報が記憶されていると判別された場合とで、同一の演出態様で特典演出を実行した場合であっても遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機GH1またはGH2において、前記特典遊技が終了した後に、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技機は、前記特定の特典種別が決定された前記特典遊技の方が、前記特定の特典種別以外の特典種別が決定された前記特典遊技よりも、前記特典遊技の終了後に前記第2遊技状態が設定され易く構成され、前記特典演出実行手段は、前記特定の特典種別とは異なる前記特典種別が決定された前記特典遊技が実行され、且つ、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて実行される前記特典遊技が終了した後に、前記第2遊技状態が設定された場合に前記特定演出態様の前記特典演出を実行可能であることを特徴とする遊技機GH3。
遊技機GH3によれば、遊技機GH1またはGH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の特典遊技に対応させて特定の演出態様の特典演出が実行される場合には、対応する特典遊技が終了した後に第2遊技状態が設定されるため、特定の演出態様の特典演出が実行された場合に、第2遊技状態が設定される期待度を高めることができるという効果がある。
<特徴GI群>(複合演出に用いられる各演出要素を個々に報知する順序を、成立条件に応じて切り替える)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記判別手段による前記判別の結果を示すための演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、複数の演出情報を順に報知可能な演出情報報知手段を有し、前記演出実行手段は、前記演出として、前記演出情報報知手段により報知された前記演出情報に対応する演出態様を含む複合演出を実行可能であり、前記遊技機は、前記演出情報報知手段により報知される前記演出情報の順序を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機GI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであって、抽選結果を示すための演出を実行することにより遊技者に対して抽選結果を予測させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2015-208557号公報)。
さらに、演出に用いられる演出態様を示す演出情報の少なくとも一部を、その演出が実行されるよりも前に遊技者に報知することで、これから実行される演出の内容を遊技者に予め予測させる楽しみを提供可能にする構成が提案されていた。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、特定の順序で演出情報が報知されるため、例えば、先に報知される演出情報(第1演出情報)の方が、後に報知される演出情報(第2演出情報)よりも抽選結果を遊技者が予測し易い演出情報である場合には、遊技者に対して早期に抽選結果を予測されてしまい、後に報知される演出情報の内容に対して遊技者が興味を持たなくなるという問題があった。
また、第1演出情報よりも第2演出情報の方が、抽選結果を遊技者が予測し易い演出情報となるように構成することで、特定の順序で演出情報を報知した場合であっても、第2演出情報が報知されるまで、抽選結果を遊技者に予測させ難くすることが可能となるが、この場合、第1演出情報の報知に対して遊技者が興味を持たなくなり、演出情報を順に報知することの演出効果を高めることが出来ないという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GI1によれば、複合演出に含まれる演出態様に対応する複数の演出情報の報知順序を異ならせることができるため、複合演出の演出内容を遊技者に予測させる楽しみを継続させ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機GI1において、前記複合演出の種別として、第1種別と、その第1種別とは異なる第2種別と、を含む複数の種別の中から1の種別を決定可能な演出種別決定手段と、その演出種別決定手段により決定された前記種別を報知可能な種別報知手段と、を有し、前記種別報知手段は、前記演出情報が報知されるよりも前に決定された前記種別を報知可能であり、前記遊技機は、前記演出種別決定手段により決定された前記複合演出の種別に応じて前記演出情報報知手段により報知される前記演出情報の順序を異ならせることが可能であり、演出情報報知手段により先に報知される第1演出情報よりも、その第1演出情報よりも後に報知される第2演出情報の方が、判別手段の判別結果を予測し易い演出情報が決定され易いように構成していることを特徴とする遊技機GI2。
遊技機GI2によれば、遊技機GI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、決定された複合演出の種別に応じて演出情報の報知順序を異ならせることができ、判別手段の判別結果を予測し易い演出情報が第2演出情報に決定されるため、演出情報報知手段により複数の演出情報が報知される期間において、判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機GI2において、前記演出種別決定手段は、前記第1種別及び前記第2種別とは異なる第3種別を決定可能であり、前記種別報知手段は、前記複合演出の種別として前記第3種別が決定された場合には、前記演出情報が報知された後に決定された前記種別を報知可能であり、前記遊技機は、前記判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果以外の判別結果である場合よりも前記複合演出の種別として前記第3種別が決定され易くなるように構成していることを特徴とする遊技機GI3。
遊技機GI3によれば、遊技機GI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、決定された複合演出の種別に応じて、複合演出の種別を報知するタイミングを異ならせることができるため、複合演出が実行されるまでの期間において遊技者に対して様々な演出を提供し易くすることができるという効果がある。
<特徴GJ群>(複数回のバトルが実行されるバトル演出において、最終より前に実行される攻撃パターンによって、最終バトルにて特定攻撃パターンが実行された場合の演出結果を限定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記判別手段による前記判別の結果を示すための演出を実行可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記演出実行手段は、前記演出として、第1特定演出と、第2特定演出と、少なくとも連続して実行可能であり、前記第1特定演出の演出態様として、第1特定演出態様を含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段を有し、前記遊技機は、前記第2特定演出の演出結果によって前記判別の結果を報知可能であり、前記第1特定演出態様の前記第1特定演出が実行された場合の方が、前記第1特定演出態様以外の演出態様で前記第1特定演出が実行された場合よりも、前記第2特定演出の演出態様として、第2特定演出態様が決定された場合における演出結果を遊技者に予測させ易くすることが可能であることを特徴とする遊技機GJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものであって、抽選結果を示すための演出を実行することにより遊技者に対して抽選結果を予測させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2015-208557号公報)。
さらに、同一態様の演出を複数回実行し、最後に実行される演出の結果によって、抽選結果を遊技者に報知することで、抽選結果を報知するまでに実行される演出の多様化を図り演出効果の向上を図った構成が提案されている。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、演出を複数回実行することにより、演出の多様化を図ることは可能であったが、最後に実行される演出の結果によって抽選結果が報知されることから、複数回の演出のうち、最後以外に実行される演出の内容に遊技者が興味を持たず、演出効果が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出効果を高めることで遊技者の遊技に対する興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機GJ1によれば、第1特定演出の演出態様によって、第2特定演出態様で第2特定演出が実行された場合における第2特定演出の演出結果の予測のさせ易さを異ならせることができるため、第1特定演出の演出内容に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。また、第1特定演出態様で第1特定演出が実行されたことを把握した遊技者に対して、特定第2演出態様で第2特定演出が実行されることを期待させながら実行される演出の内容を注視させることができるという効果がある。
遊技機GJ1において、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果以外の判別結果である場合よりも、前記第1特定演出態様を決定し易いことを特徴とする遊技機GJ2。
遊技機GJ2において、前記演出実行手段により実行される前記演出の結果として、遊技者に有利となる第1演出結果と、遊技者に不利となる第2演出結果と、前記第2演出結果より遊技者に有利となる前記第3演出結果と、の何れかを決定可能な演出結果決定手段を有し、前記遊技機は、前記第2特定演出の演出結果として前記第2演出結果以外の演出結果が決定された場合に、前記第1特定演出態様が決定された前記第1特定演出が実行された後に実行される前記第2特定演出の演出態様として前記第2特定演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機GJ3。
遊技機GJ3によれば、遊技機GJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段の判別結果を示すために実行される演出の演出結果として、遊技者に不利となる第2演出結果以外の演出結果が決定された場合に、第1特定演出態様の第1特定演出と、第2特定演出態様の第2特定演出と、を連続して実行することができるため、第1特定演出態様で第1特定演出が実行されたことを把握した遊技者に対して、特定第2演出態様で第2特定演出が実行されることを期待させながら実行される演出の内容を注視させることができるという効果がある。
<5075系の特徴群>
<特徴HA群>(特定の遊技状態において共通の終了条件を設定しつつ継続率を可変させる)
予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合よりも高い第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い特定の遊技状態(例えば、時短遊技状態)の終了条件を複数設ける構成とし、特定の遊技状態が設定された契機に応じて異なる終了条件を設定することにより、同じ特定の遊技状態でも設定契機に応じて有利度合いを異ならせているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、設定契機毎の終了条件をROM等の記憶装置に対して予め規定しておく必要があるため、終了条件が増えるほど遊技機の記憶容量が増大してしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HA1によれば、予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合よりも高い第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備える。
これにより、同じ第1遊技状態であっても、第1制御が実行されるか第2制御が実行されるかによって特典遊技が実行される可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HA1において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HA2。
遊技機HA2によれば、遊技機HA1の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されているので、第1制御であるか、第2制御であるかによって特定条件の成立し易さを可変させることができる。よって、特定条件が成立するよりも前に特定の実行条件が成立する可能性を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HA1又はHA2において、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HA3。
遊技機HA3によれば、遊技機HA1又はHA2の奏する効果に加え、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されている。
これにより、第1の判別の実行回数が特定回数未満の範囲においては第1遊技状態が維持されるので、第1遊技状態において特定回数の第1の判別の実行を保証することができるという効果がある。
遊技機HA3において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されていることを特徴とする遊技機HA4。
遊技機HA4によれば、遊技機HA3の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されているので、第2遊技状態が設定されるまでに実行される第2の判別の実行回数を異ならせることで、実質的に特定の実行条件の成立割合を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HA3又はHA4において、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HA5。
遊技機HA5によれば、遊技機HA3又はHA4の奏する効果に加え、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されている。
これにより、第1特定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることで第2の判別の実行回数を異ならせて特定の実行条件が成立する割合を異ならせるという斬新な制御を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HA5において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1の判別の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1制御は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2制御よりも高くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HA6。
遊技機HA6によれば、遊技機HA5の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1の判別の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1制御は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2制御よりも高くなる制御で構成されている。
これにより、第1制御と第2制御とで、期間選択手段により選択される動的表示期間の傾向を異ならせることで実質的に第1特定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることができるという効果がある。
遊技機HA6において、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HA7。
遊技機HA7によれば、遊技機HA6の奏する効果に加え、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第1の識別情報の動的表示を、第2の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第1の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HA7において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HA8。
遊技機HA8によれば、遊技機HA7の奏する効果に加え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第2の識別情報の動的表示を、第1の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第2の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HA3からHA8のいずれかにおいて、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HA9。
遊技機HA9によれば、遊技機HA3からHA8のいずれかが奏する効果に加え、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、第1の判別よりも第2の判別が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴HB群>(1の時短状態の間に大当たりに当選する可能性を示す演出を実行し、遊技の状況に応じて演出態様が示す可能性を更新する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記第2の設定条件が成立するよりも前に前記特定の判別結果となる可能性が低い予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記第2の設定条件が成立する前に前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定期間内(例えば、保留球を全て消化しきるまでの間)に当たり遊技が実行される期待度を示す興趣演出を実行可能に構成されたものも存在し、実行中の変動表示だけでなく、複数回の変動表示に渡って当たり遊技が実行される期待感を持続的に抱かせ続けることが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、比較的少ない回数分の変動表示を対象としてしか、当たり遊技が実行される期待度を示す演出を実行することができないため、興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機HB1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記第2の設定条件が成立するよりも前に前記特定の判別結果となる可能性が低い予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記第2の設定条件が成立する前に前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特定演出の演出態様によって第1遊技状態の間に特定の判別結果となる可能性を遊技者に示すことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HB1において、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HB2。
遊技機HB2によれば、遊技機HB1の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されているので、第1遊技状態において状況が変化した場合に、変化した状況に応じて特定演出の演出態様を切り替えることができる。よって、特定演出によって遊技者に対して正確な状況を示すことができるという効果がある。
遊技機HB1又はHB2において、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HB3。
遊技機HB3によれば、遊技機HB1又はHB2の奏する効果に加え、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特典遊技の実行中に、第1演出によって特典遊技の終了後の第1遊技状態において特定の判別結果となる可能性を遊技者に対して示すことができるので、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HB1からHB3のいずれかにおいて、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されていることを特徴とする遊技機HB4。
遊技機HB4によれば、遊技機HB1からHB3のいずれかが奏する効果に加え、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されているので、特定の判別結果となる機会をより多く獲得できる。よって、第2演出態様の特定演出が実行されることを強く期待させることができるという効果がある。
遊技機HB4において、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記第2の設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HB5。
遊技機HB5によれば、遊技機HB4の奏する効果に加え、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記第2の設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されている。
これにより、第1の状況でも、第2の状況でも、第1の判別の実行回数が特定回数になることで第2の設定条件が成立して第2遊技状態が設定されるにもかかわらず、第1の状況と第2の状況とで特定の判別結果となる可能性を異ならせることができる斬新な制御を実現できるという効果がある。
遊技機HB5において、前記第2の設定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記特定回数となったことに基づいて成立する第1設定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い回数であって前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の回数である予め定められた第2回数となったことに基づいて成立する第2設定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機HB6。
遊技機HB6によれば、遊技機HB5の奏する効果に加え、前記第2の設定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が、前記特定回数となったことに基づいて成立する第1設定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い回数であって前記第1の状況と前記第2の状況とで共通の回数である予め定められた第2回数となったことに基づいて成立する第2設定条件と、で少なくとも構成されているので、第2の設定条件として第1の状況と第2の状況とによらない共通の設定条件を設定しているにもかかわらず、状況によって特定の判別結果となる可能性を異ならせることができる斬新な制御を実現できるという効果がある。
遊技機HB5又はHB6において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1の状況は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2の状況よりも高くなることを特徴とする遊技機HB7。
遊技機HB7によれば、遊技機HB5又はHB6の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示す第1の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示す第2の識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、その動的表示期間設定手段により設定される前記動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間と、を少なくとも含む複数のうち1の期間を選択する期間選択手段と、を備え、前記第1の状況は、前記期間選択手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2の状況よりも高くなる。
これにより、第1の状況と第2の状況とで、期間選択手段により選択される動的表示期間の傾向を異ならせることで実質的に第1設定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせ、第1設定条件が成立するまでに実行可能な第2判別手段の判別の実行回数を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HB7において、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HB8。
遊技機HB8によれば、遊技機HB7の奏する効果に加え、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段による前記第2の識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第1の識別情報の動的表示を、第2の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第1の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HB8において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HB9。
遊技機HB9によれば、遊技機HB8の奏する効果に加え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段による前記第1の識別情報の動的表示が行われている間に前記第2の識別情報の動的表示を開始可能に構成されているので、第2の識別情報の動的表示を、第1の識別情報の動的表示の状況によらず開始させることができる。よって、第2の判別を頼効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HB5からHB9のいずれかにおいて、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HB10。
遊技機HB10によれば、遊技機HB5からHB9のいずれかが奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、第1判別手段の判別よりも第2判別手段の判別が実行されることを強く期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴HC群>(有利状態終了後に有利側の保留が貯まり得る遊技方法を遊技者に促す演出を実行する)
遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向よりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機HC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者にとって有利な遊技方法(遊技球の発射方向)を遊技状態毎に異ならせることにより、遊技状態に応じて遊技方法を変更する楽しみを遊技者に与えることが可能に構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、各遊技状態における遊技の状況によらずに、遊技状態に対応する遊技方法が報知するのが一般的であるため、状況によっては有利度合いが低下してしまう可能性があるという問題点がある。
これに対して遊技機HC1によれば、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向よりも前記第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備える。
これにより、第2方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易い第2状態において、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HC1において、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HC2。
遊技機HC2によれば、遊技機HC1の奏する効果に加え、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されている。
これにより、基本的に第2方向へと遊技球を発射した方が有利となる第2状態において、特定条件が成立して第1方向へと遊技球を発射した方が有利となる状況となった場合に、第2演出により第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者が損をしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機HC2において、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HC3。
遊技機HC3によれば、遊技機HC2の奏する効果に加え、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されているので、第1状態が開始されてから第2状態に移行し、且つ、特定条件が不成立の状態となるまで、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を第1演出および第2演出によって示唆し続けることができる。よって、第1状態が終了された後も、特定条件が不成立の状態となるまで第1状態であるかのように遊技者に思わせることができるので、第1状態が実際よりも長く継続しているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機HC1からHC3のいずれかにおいて、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機HC4。
遊技機HC4によれば、遊技機HC1からHC3のいずれかが奏する効果に加え、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されている。
これにより、有利度合いが低い第2状態においても所定期間の間は、第1状態と同様に、第1判別手段の判別が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機HC4において、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が第1の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記第2状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が前記第1の割合以上の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記所定期間は、前記第1判別手段の判別が実行されてから当該判別の判別結果が示されるまでの期間が、前記所定期間以外の期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする遊技機HC5。
遊技機HC5によれば、遊技機HC4の奏する効果に加え、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が第1の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記第2状態は、前記第1方向へと遊技球を発射し続けた場合に当該発射された遊技球が前記第1の割合以上の割合で前記第1入球手段へと入球するように構成され、前記所定期間は、前記第1判別手段の判別が実行されてから当該判別の判別結果が示されるまでの期間が、前記所定期間以外の期間よりも短くなるように構成されている。
これにより、第2状態でも第1入球手段へと遊技球が第1の割合以上の割合で入球するので、第2演出の実行中に第1方向へと遊技球を発射した遊技者に損をさせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機HC4又はHC5において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、特定の情報数を上限として、前記第1の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記特定の情報数の判別情報が前記判別情報記憶手段に記憶された状態で1の前記判別情報が前記第1の判別に用いられてから前記特定の情報数における最後の前記判別情報を用いた前記第1の判別の判別結果が示されるまでの期間で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機HC6。
遊技機HC6によれば、遊技機HC4又はHC5の奏する効果に加え、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1の判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、特定の情報数を上限として、前記第1の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記特定の情報数の判別情報が前記判別情報記憶手段に記憶された状態で1の前記判別情報が前記第1の判別に用いられてから前記特定の情報数における最後の前記判別情報を用いた前記第1の判別の判別結果が示されるまでの期間で少なくとも構成されている。
これにより、所定期間が設定された場合に、特定の情報数分の第1の判別の実行が保証されるので、所定期間が設定された場合に遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機HC6において、前記所定期間は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて設定される期間で構成されていることを特徴とする遊技機HC7。
遊技機HC7によれば、遊技機HC6の奏する効果に加え、前記所定期間は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて設定される期間で構成されているので、有利度合いが低い第2状態に設定された直後に少なくとも特定の情報数分の第1の判別の実行を保証することができるという効果がある。
遊技機HC4からHC7のいずれかにおいて、前記第1の判別は、前記第2の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HC8。
遊技機HC8によれば、遊技機HC4からHC7のいずれかが奏する効果に加え、前記第1の判別は、前記第2の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、所定期間における有利度合いを高めることができる。よって、所定期間が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴HD群>(1の時短状態において、所定条件下で時短回数の減算タイミングを可変させる)
カウンタ値を記憶可能なカウンタ手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記カウンタ手段に対して予め定められた第1のカウンタ値を設定するカウンタ値設定手段と、予め定められた第1条件が成立してから前記第1条件とは異なる第2条件が成立するまでの間に、前記カウンタ手段のカウンタ値を更新する更新手段と、その更新手段により前記カウンタ手段のカウンタ値が予め定められた第2のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、を備え、前記更新手段は、前記第1条件が成立してから前記第2条件が成立するまでの間における第1タイミングで前記カウンタ値を更新する第1更新制御と、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記カウンタ値を更新する第2更新制御と、のどちらかで前記カウンタ値を更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD1。
パチンコ機等の遊技機には、所定契機で所定のカウンタ(例えば、時短回数をカウントするカウンタ)に対して所定の初期値を設定し、カウンタ値が特定値となるまで更新処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、より好適なカウンタ値の更新方法が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、複数の特別図柄(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄)を設けると共に、各特別図柄の抽選結果を示す変動表示を、互いに独立して実行可能に構成されているものも存在する。係る仕様の遊技機においては、異なる特別図柄の当たり遊技が重複して実行されることを避けるべく、例えば、1の当たり遊技を示す変動表示が終了した時点で、他の特別図柄の変動表示を強制的に当たりとは異なる図柄で停止表示させる制御等が採用される。
しかしながら、係る遊技機において、強制的に当たりとは異なる図柄で停止表示される変動表示でも、所定のカウンタのカウンタ値が更新されてしまうため、実質的に抽選回数を1回損してしまうという事象が発生してしまう問題点がある。
これに対して遊技機HD1によれば、カウンタ値を記憶可能なカウンタ手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、前記カウンタ手段に対して予め定められた第1のカウンタ値を設定するカウンタ値設定手段と、予め定められた第1条件が成立してから前記第1条件とは異なる第2条件が成立するまでの間に、前記カウンタ手段のカウンタ値を更新する更新手段と、その更新手段により前記カウンタ手段のカウンタ値が予め定められた第2のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、を備え、前記更新手段は、前記第1条件が成立してから前記第2条件が成立するまでの間における第1タイミングで前記カウンタ値を更新する第1更新制御と、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記カウンタ値を更新する第2更新制御と、のどちらかで前記カウンタ値を更新可能に構成されている。
これにより、カウンタ値を更新するタイミングとして異なる複数のタイミングを設定することができるので、カウンタ値をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記カウンタ値設定手段は、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウンタ手段に対して前記第1のカウンタ値を設定可能に構成されているものであり、前記第1条件は、前記判別条件が成立した場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記識別情報の動的表示が終了した場合に成立するものであり、前記特定の制御は、遊技状態を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に可変させる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HD2。
遊技機HD2によれば、遊技機HD1の奏する効果に加え、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記カウンタ値設定手段は、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウンタ手段に対して前記第1のカウンタ値を設定可能に構成されているものであり、前記第1条件は、前記判別条件が成立した場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記識別情報の動的表示が終了した場合に成立するものであり、前記特定の制御は、遊技状態を前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に可変させる制御で構成されている。
これにより、判別条件が成立してから当該判別の判別結果を示すための識別情報の動的表示が終了するまでの間において、カウンタ手段の更新タイミングを可変させることができるので、第2遊技状態が設定されてから第1遊技状態に可変されるまでの間にカウンタ手段を好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD2において、前記第1タイミングは、前記第1条件の成立時に成立するものであり、前記第2タイミングは、前記第2条件の成立時に成立するものであることを特徴とする遊技機HD3。
遊技機HD3によれば、遊技機HD2の奏する効果に加え、前記第1タイミングは、前記第1条件の成立時に成立するものであり、前記第2タイミングは、前記第2条件の成立時に成立するものである。
これにより、カウンタ手段の更新タイミングを、状況に応じて判別条件が成立したタイミングと識別情報の動的表示が終了したタイミングとのどちらかに設定することができるので、カウンタ手段をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD2又はHD3において、前記更新手段は、前記第1遊技状態に可変させるまでの前記カウンタ手段の残りの更新回数が1回である状況下において前記第1タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成され、前記カウンタ手段の残りの更新回数が2回以上である状況下において前記第2タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD4。
遊技機HD4によれば、遊技機HD2又はHD3の奏する効果に加え、前記更新手段は、前記第1遊技状態に可変させるまでの前記カウンタ手段の残りの更新回数が1回である状況下において前記第1タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成され、前記カウンタ手段の残りの更新回数が2回以上である状況下において前記第2タイミングで前記カウンタ手段を更新可能に構成されている。
これにより、第1遊技状態に可変させる前の最後の更新を第1タイミングで行い、それ以外の更新を第2タイミングで行うことができるので、カウンタ手段をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機HD2からHD4のいずれかにおいて、判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記動的表示手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成され、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段により前記第2識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始可能に構成され、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD5。
遊技機HD5によれば、遊技機HD2からHD4のいずれかが奏する効果に加え、判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成され、前記動的表示手段は、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、で少なくとも構成され、前記第1動的表示手段は、前記第2動的表示手段により前記第2識別情報の動的表示が行われている間に前記第1識別情報の動的表示を開始可能に構成され、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示と第2識別情報の動的表示とを並列して実行することができるので、判別手段の判別をより効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機HD5において、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させる停止表示手段を備えることを特徴とする遊技機HD6。
遊技機HD6によれば、遊技機HD5の奏する効果に加え、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させる停止表示手段を備えるので、第1判別手段の判別と第2判別手段の判別とで重複して特定の判別結果になったとしても、特典遊技が重複して実行されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機HD6において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段へと入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とも前記外れ判別結果とも異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から所定期間、前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記停止表示手段は、前記第2判別手段の判別結果が前記第1判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD7。
遊技機HD7によれば、遊技機HD6の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段へと入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とも前記外れ判別結果とも異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から所定期間、前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記停止表示手段は、前記第2判別手段の判別結果が前記第1判別結果となったことに基づいて実行された前記第2識別情報の動的表示の終了時に前記第1識別情報が動的表示されている場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記外れ判別結果を示すための外れ識別情報で停止表示させることが可能に構成されている。
これにより、特定の判別結果と第1判別結果とが重複した場合に、特典遊技と可変遊技とが重複して実行されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機HD6又はHD7において、前記更新手段は、前記停止表示手段によって前記外れ識別情報で停止表示された前記第1識別情報の動的表示において前記カウンタ手段が更新されることを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機HD8。
遊技機HD8によれば、遊技機HD6又はHD7の奏する効果に加え、前記更新手段は、前記停止表示手段によって前記外れ識別情報で停止表示された前記第1識別情報の動的表示において前記カウンタ手段が更新されることを抑制可能に構成されているので、外れ識別情報で停止表示される遊技者にとって無駄な判別を契機としてカウンタ手段が更新されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴HE群>(小当たりに当選した後で当たりに当選するよりも、当たりに当選した後で小当たりに当選した方が有利度合いが高くなり易い)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別結果となった場合に成立し得る第1の状況が成立した方が、前記第1の状況とは異なる第2の状況が成立した場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たりが実行されるものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たりとして、当たり遊技終了後の遊技状態が当選した当たりの種別に対応する遊技状態に設定される大当たり遊技と、当たり遊技終了後の遊技状態が当たり当選時の遊技状態のまま維持される小当たり遊技と、が設けられているものも存在する。しかしながら、小当たり遊技が実行されたとしても、実行されたタイミングによらず、遊技状態が変更されないため、小当たり遊技が実行されることにより興趣を向上させることが比較的困難であった。
これに対して遊技機HE1によれば、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、特定の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別結果となった場合に成立し得る第1の状況が成立した方が、前記第1の状況とは異なる第2の状況が成立した場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されている。
これにより、第1の判別結果となった後で第2の判別結果となることを強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HE1において、前記第2の状況は、前記第2の判別結果となった後で前記第1の判別結果となった場合に成立し得る状況で構成されていることを特徴とする遊技機HE2。
遊技機HE2によれば、遊技機HE1が奏する効果に加え、前記第2の状況は、前記第2の判別結果となった後で前記第1の判別結果となった場合に成立し得る状況で構成されているので、特定の遊技状態において、第1の判別結果となるよりも前に第2の判別結果となるか、後で第2の判別結果となるかによって有利度合いが可変する斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HE1又はHE2において、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果となった方が、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果とならなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HE3。
遊技機HE3によれば、遊技機HE1又はHE2の奏する効果に加え、前記判別手段は、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果となった方が、前記第1判別手段の判別で前記第1の判別結果となった後で前記第2の判別で前記第2の判別結果とならなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されている。
これにより、特定の遊技状態において第1判別手段の判別で第1の判別結果となった場合に、第2判別手段の判別で第2の判別結果となることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HE3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段によって前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示の実行中に前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始された方が、前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始されなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HE4。
遊技機HE4によれば、遊技機HE3の奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段によって前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されているものであり、前記特定の遊技状態は、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示の実行中に前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始された方が、前記第2の判別結果に対応する前記第2識別情報の動的表示が開始されなかった場合よりも、有利度合いが高くなり易く構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示の実行中に第2識別情報の動的表示によって第2の判別結果に対応する識別情報が表示されることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HE4において、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2の判別結果を示す前記第2識別情報が前記表示手段に対して停止表示されたことに基づいて、前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す第1識別情報が前記表示手段に対して停止表示されるように制御する停止制御手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されており、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別手段の判別よりも、前記第1の判別結果となった場合に、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態の設定割合が高くなるように構成されていることを特徴とする遊技機HE5。
遊技機HE5によれば、遊技機HE4の奏する効果に加え、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に、前記第2の判別結果を示す前記第2識別情報が前記表示手段に対して停止表示されたことに基づいて、前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す第1識別情報が前記表示手段に対して停止表示されるように制御する停止制御手段を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、その特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能に構成されており、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別手段の判別よりも、前記第1の判別結果となった場合に、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態の設定割合が高くなるように構成されている。
これにより、第1判別手段の判別で第1の判別結果となり、有利度合いが低い第1遊技状態が設定される可能性が高い状況となったとしても、第1の判別結果を示す第1識別情報が停止表示されるよりも前に第2の判別結果を示す第2識別情報が停止表示されることで、第1判別手段の判別結果が第1の判別結果ではなく外れ判別結果に書き替えられるので、有利な特定の遊技状態が終了されて有利度合いが低い第1遊技状態へと移行することを抑制することができる。よって、第1遊技状態において第1判別手段の判別結果が第1の判別結果となった場合に第2の判別結果を示す第2識別情報が先に停止表示されることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機HE3からHE5のいずれかにおいて、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の間に前記第2の判別が実行された場合に、前記第1の判別結果となることが抑制されることを特徴とする遊技機HE6。
遊技機HE6によれば、遊技機HE3からHE5のいずれかが奏する効果に加え、前記第1の判別結果に対応する前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間の間に前記第2の判別が実行された場合に、前記第1の判別結果となることが抑制されるので、第1判別手段の判別で第1の判別結果となった後で、第2判別手段の判別で第1の判別結果となって重複して特典遊技が実行されてしまう不具合を抑制することができるという効果がある。
遊技機HE4からHE6のいずれかにおいて、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第1動的表示時間設定手段と、前記第2動的表示手段による前記第2識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第2動的表示時間設定手段と、を備え、前記第1動的表示時間設定手段は、前記特定の遊技状態において、前記第1の判別結果に対応する動的表示時間として、前記第2識別情報の動的表示を複数回実行可能な長さの動的表示期間を選択するように構成されていることを特徴とする遊技機HE7。
遊技機HE7によれば、遊技機HE4からHE6のいずれかが奏する効果に加え、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第1動的表示時間設定手段と、前記第2動的表示手段による前記第2識別情報の動的表示における動的表示時間を設定する第2動的表示時間設定手段と、を備え、前記第1動的表示時間設定手段は、前記特定の遊技状態において、前記第1の判別結果に対応する動的表示時間として、前記第2識別情報の動的表示を複数回実行可能な長さの動的表示期間を選択するように構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示の実行中に第2識別情報の動的表示によって第2の判別結果に対応する識別情報が停止表示される機会を複数回与えることができるという効果がある。
遊技機HE1からHE7のいずれかにおいて、前記特定の遊技状態は、次に前記特典遊技が実行されるまで継続可能に構成されていることを特徴とする遊技機HE8。
遊技機HE8によれば、遊技機HE1からHE7のいずれかが奏する効果に加え、前記特定の遊技状態は、次に前記特典遊技が実行されるまで継続可能に構成されているので、特定の遊技状態になることで、実質的に次の特典遊技も確定する。よって、特定の遊技状態が設定されることを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機HE1からHE8のいずれかにおいて、前記可変遊技は、前記第2の判別結果となった時点の遊技状態が、前記可変遊技の終了後も維持されるように構成されていることを特徴とする遊技機HE9。
遊技機HE9によれば、遊技機HE1からHE8のいずれかが奏する効果に加え、前記可変遊技は、前記第2の判別結果となった時点の遊技状態が、前記可変遊技の終了後も維持されるように構成されているので、特定の遊技状態において第2の判別結果になったとしても、他の遊技状態に移行してしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴HF群>(一方の特図の変動回数に応じて他方の特図が回り易い状態と回り難い状態とが切り替わる)
予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1の判別の判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2の判別の判別結果を示すための第2識別情報と、を少なくとも表示可能な表示手段と、前記第1の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、予め定められた特定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立している状況下において、前記第1識別情報の動的表示の頻度よりも前記第2識別情報の動的表示の頻度の方が高くなり易い第1制御を実行し、前記特定の遊技状態において前記特定条件が成立していない状況下において、前記第1制御よりも前記第1識別情報の動的表示の頻度が高くなり易い第2制御を実行することが可能な制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機HF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞口を複数設けると共に、入賞を検出した始動入賞口の種別に応じて異なる特別図柄の抽選を実行するものも存在する。係る遊技機においては、遊技状態毎に入賞し易い始動入賞口の種別を異ならせることで遊技状態毎の有利度合いを異ならせ、興趣向上を図っていた。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技状態毎に抽選が実行され易い特別図柄の種別が固定化されるため、同一の遊技状態が長く続いてしまうと、遊技が単調となってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HF1によれば、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第1の判別の判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2の判別の判別結果を示すための第2識別情報と、を少なくとも表示可能な表示手段と、前記第1の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、予め定められた特定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立している状況下において、前記第1識別情報の動的表示の頻度よりも前記第2識別情報の動的表示の頻度の方が高くなり易い第1制御を実行し、前記特定の遊技状態において前記特定条件が成立していない状況下において、前記第1制御よりも前記第1識別情報の動的表示の頻度が高くなり易い第2制御を実行することが可能な制御手段と、を備える。
これにより、特定条件の成立有無に応じて第1識別情報の動的表示の頻度を異ならせることができるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HF1において、前記制御手段は、前記特定の遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行されるまで前記第1制御を実行し、前記特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行された後で前記第2制御を実行することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機HF2。
遊技機HF2によれば、遊技機HF1の奏する効果に加え、前記制御手段は、前記特定の遊技状態が設定されてから予め定められた特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行されるまで前記第1制御を実行し、前記特定回数の前記第1識別情報の動的表示が実行された後で前記第2制御を実行することが可能に構成されているので、特定の遊技状態が設定された後における第1識別情報の動的表示の回数に応じて第1制御と第2制御とが切り替わる。よって、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機HF2において、前記特定の設定条件は、第1の設定条件と、その第1の設定条件とは異なる第2の設定条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定回数は、前記第1の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に予め定められた第1特定回数に設定され、前記第2の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に前記第1特定回数よりも多い第2特定回数に設定されるように構成されていることを特徴とする遊技機HF3。
遊技機HF3によれば、遊技機HF2の奏する効果に加え、前記特定の設定条件は、第1の設定条件と、その第1の設定条件とは異なる第2の設定条件と、で少なくとも構成されているものであり、前記特定回数は、前記第1の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に予め定められた第1特定回数に設定され、前記第2の設定条件の成立に基づいて前記特定の遊技状態が設定された場合に前記第1特定回数よりも多い第2特定回数に設定されるように構成されている。
これにより、特定の遊技状態の設定契機によって第1制御が実行される回数が可変するので、特定の遊技状態の設定契機に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機HF3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1の設定条件は、前記第1特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものであり、前記第2の設定条件は、前記第2特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機HF4。
遊技機HF4によれば、遊技機HF3の奏する効果に加え、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1の設定条件は、前記第1特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものであり、前記第2の設定条件は、前記第2特典遊技の実行が終了したことに基づいて成立するものである。
これにより、特典遊技の種別によって設定される特定の遊技状態における有利度合いを異ならせることができるので、特典遊技の種別に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機HF1からHF4のいずれかにおいて、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記動的表示期間設定手段によって長い動的表示期間が設定され易くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HF5。
遊技機HF5によれば、遊技機HF1からHF4のいずれかが奏する効果に加え、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記動的表示期間設定手段によって長い動的表示期間が設定され易くなる制御で構成されている。
これにより、第1制御が実行されている間は、第1識別情報の動的表示における動的表示期間として長い動的表示期間が選択され易くなることにより第2識別情報の動的表示の頻度を高くすることができるという効果がある。
遊技機HF5において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の判別結果を示す前記第2識別情報が停止表示された場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す前記第1識別情報で停止表示させる停止表示手段と、を備えることを特徴とする遊技機HF6。
遊技機HF6によれば、遊技機HF5の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが前記特定の判別結果とは異なる第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記第1識別情報の動的表示が行われている間に前記第1の判別結果を示す前記第2識別情報が停止表示された場合に、前記第1識別情報の動的表示の状況によらず、前記第1識別情報を前記特定の判別結果とも前記第1の判別結果とも異なる外れ判別結果を示す前記第1識別情報で停止表示させる停止表示手段と、を備える。
これにより、第1の判別結果を示す第2識別情報が停止表示されると、第1識別情報の動的表示が外れ判別結果で終了されてしまうため、特に、第1制御が実行されている状況において、第1識別情報の動的表示の頻度が高くなってしまう可能性がある。よって、第1制御が実行されている間において、第2の判別の判別結果が第1の判別結果とならないことを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機HF6において、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に第1演出を実行する第1演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機HF7。
遊技機HF7によれば、遊技機HF6の奏する効果に加え、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記第1の判別結果となった場合に、当該第1の判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に第1演出を実行する第1演出実行手段を備えるので、第1演出が実行された場合に第1の判別結果となったことを遊技者に対して理解させることができる。よって、可変手段に注目しなくても第1の判別結果となったか否かを遊技者が判別することが可能となる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機HF7において、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記外れ判別結果となった場合に、当該外れ判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に、前記第1演出と区別し難い特定の演出態様を含む第2演出を実行可能な第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機HF8。
遊技機HF8によれば、遊技機HF7の奏する効果に加え、前記第1の制御が実行されている間に実行された前記第2の判別で前記外れ判別結果となった場合に、当該外れ判別結果を示すための前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間の間に、前記第1演出と区別し難い特定の演出態様を含む第2演出を実行可能な第2演出実行手段を備えるので、特定の演出態様が実行された場合に、第2演出が実行されていることを強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴HG群>(電サポの状態は共通だが、有利な特図2抽選の実行頻度が互いに異なる遊技状態を設ける)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、所定の変位条件の成立に基づいて、前記変位手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと変位させる変位制御手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態とは前記第2入球手段に対する遊技球の入球し易さが異なる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態に設定される遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第1判別手段の判別の実行頻度が高くなり易い第2遊技状態と、が少なくとも設けられていることを特徴とする遊技機HG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞口を複数設けると共に、入賞を検出した始動入賞口の種別に応じて異なる特別図柄の抽選を実行するものも存在する。係る遊技機においては、特定の始動入賞口へと遊技球が入球困難となる非時短状態と、特定の始動入賞口へと遊技球が入球容易となる時短状態と、を切り替えることにより、入賞し易い始動入賞口の種別を異ならせ、興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、非時短状態であるか、時短状態であるかによって抽選が実行され易い特別図柄の種別が固定化されるため、同一の状態が長く続いてしまうと、遊技が単調となってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HG1によれば、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行可能な第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、所定の変位条件の成立に基づいて、前記変位手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと変位させる変位制御手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態とは前記第2入球手段に対する遊技球の入球し易さが異なる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態に設定される遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第1判別手段の判別の実行頻度が高くなり易い第2遊技状態と、が少なくとも設けられている。
これにより、第2入球手段に対する遊技球の入球し易さが共通となる第1遊技状態と第2遊技状態とで、第1判別手段の判別の実行頻度が可変する斬新な制御を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HG1において、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されていることを特徴とする遊技機HG2。
遊技機HG2によれば、遊技機HG1の奏する効果に加え、前記第2の判別は、前記第1の判別よりも有利度合いが高い判別で構成されているので、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が、有利度合いが低い第1の判別の実行頻度を低くすることができるという効果がある。
遊技機HG1又はHG2において、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記特定の判別結果となる確率が高い遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機HG3。
遊技機HG3によれば、遊技機HG1又はHG2の奏する効果に加え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記特定の判別結果となる確率が高い遊技状態で構成されているので、第1遊技状態では、有利度合いが低い第1判別手段の判別の実行頻度が比較的高くなる反面、特定の判別結果となる確率が高くなる遊技性となり、第2遊技状態では、有利度合いが低い第1判別手段の判別の実行頻度が比較的低くなる反面、特定の判別結果となる確率が低くなる遊技性となる。よって、同じ第1状態に設定される遊技状態でも、遊技性を真逆にすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HG1からHG3のいずれかにおいて、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態よりも、前記第2遊技状態の方が、長い動的表示期間を設定し易く構成されていることを特徴とする遊技機HG4。
遊技機HG4によれば、遊技機HG1からHG3のいずれかが奏する効果に加え、識別情報を表示可能な表示手段と、前記第1判別手段の判別結果を示すための第1識別情報を前記表示手段において動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判別手段の判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段において動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1動的表示手段による前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を備え、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている間に前記第2識別情報の動的表示を開始可能に構成されており、前記動的表示期間設定手段は、前記第1遊技状態よりも、前記第2遊技状態の方が、長い動的表示期間を設定し易く構成されている。
これにより、第1識別情報の動的表示における動的表示期間を遊技状態毎に異ならせることにより、第1識別情報の動的表示が実行されている間に実行可能な第2識別情報の動的表示の回数を異ならせ、第1の判別の実行頻度を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HG1からHG4のいずれかにおいて、前記第1遊技状態が設定された後で前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第1回数となったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機HG5。
遊技機HG5によれば、遊技機HG1からHG4のいずれかが奏する効果に加え、前記第1遊技状態が設定された後で前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第1回数となったことに基づいて、前記第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段を備えるので、第1判別手段の判別の実行頻度が高い第1遊技状態と、第1判別手段の判別の実行頻度が低い第2遊技状態とが連続して設定される。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HG5において、前記第2遊技状態が設定された後で前記前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第2回数となったことに基づいて、前記第2状態に設定される第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機HG6。
遊技機HG6によれば、遊技機HG5の奏する効果に加え、前記第2遊技状態が設定された後で前記前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が予め定められた第2回数となったことに基づいて、前記第2状態に設定される第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備えるので、第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とが連続して設定される。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機HG1からHG6のいずれかにおいて、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2入球手段に対して遊技球が入球し難くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機HG7。
遊技機HG7によれば、遊技機HG1からHG6のいずれかが奏する効果に加え、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2入球手段に対して遊技球が入球し難くなる状態で構成されているので、第2入球手段に対して遊技球が比較的入球し易い第1状態が設定される第1遊技状態と第2遊技状態とで、第1判別手段の判別の実行頻度を異ならせることができる。よって、比較的有利な遊技状態における遊技性を異ならせることができるという効果がある。
<特徴HH群>(特定の遊技状態において継続率を可変させる)
予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合とは異なる第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の状態を設定可能にすることで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い特定の遊技状態(例えば、時短遊技状態)の終了条件を複数設ける構成とし、特定の遊技状態が設定された契機に応じて異なる終了条件を設定することにより、同じ特定の遊技状態でも設定契機に応じて有利度合いを異ならせているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、設定契機毎の終了条件をROM等の記憶装置に対して予め規定しておく必要があるため、終了条件が増えるほど遊技機の記憶容量が増大してしまうという問題点がある。
これに対して遊技機HH1によれば、予め定められた特定の実行条件の成立に基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、遊技者に有利な第1遊技状態を設定可能な第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が第1の割合となる第1制御がされる遊技と、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定条件が成立するまでの間に前記特定の実行条件が成立する割合が前記第1の割合とは異なる第2の割合となる第2制御がされる遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技を設定可能な設定手段と、を備える。
これにより、同じ第1遊技状態であっても、第1制御が実行されるか第2制御が実行されるかによって特典遊技が実行される可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HH1において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されていることを特徴とする遊技機HH2。
遊技機HH2によれば、遊技機HH1の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記特定条件が成立し易くなる制御で構成されているので、特定条件が成立するよりも前に特定の実行条件が成立する可能性を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HH1又はHH2において、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HH3。
遊技機HH3によれば、遊技機HH1又はHH2の奏する効果に加え、予め定められた第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記特定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて成立する条件で構成されている。
これにより、第1の判別の実行回数が特定回数未満の範囲においては第1遊技状態が維持されるので、第1遊技状態において特定回数の第1の判別の実行を保証することができるという効果がある。
遊技機HH3において、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されていることを特徴とする遊技機HH4。
遊技機HH4によれば、遊技機HH3の奏する効果に加え、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定回数の前記第1の判別が実行されるまでの間に実行される前記第2の判別の実行回数が少ない回数となり易い制御で構成されているので、第2遊技状態が設定されるまでに実行される第2の判別の実行回数を異ならせることで、実質的に特定の実行条件の成立割合を異ならせることができるという効果がある。
遊技機HH3又はHH4において、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機HH5。
遊技機HH5によれば、遊技機HH3又はHH4の奏する効果に加え、特定条件は、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数が前記特定回数となったことに基づいて成立する第1特定条件と、前記第1遊技状態が設定された後における前記第1の判別の実行回数と前記第2の判別の実行回数との合計が前記特定回数よりも多い第1回数となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されており、前記第1制御と前記第2制御とは、前記第2特定条件が成立するよりも前に前記第1特定条件が成立し易くなるように構成されており、前記第1制御は、前記第2制御よりも、前記第1特定条件が成立するまでに要する期間が短くなり易く構成されている。
これにより、第1特定条件が成立するまでに要する期間の長さを異ならせることで第2の判別の実行回数を異ならせて特定の実行条件が成立する割合を異ならせるという斬新な制御を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴HI群>(1の遊技状態が終了するまでの間に大当たりに当選する可能性を示す演出を実行する)
所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、所定期間内(例えば、保留球を全て消化しきるまでの間)に当たり遊技が実行される期待度を示す興趣演出を実行可能に構成されたものも存在し、実行中の変動表示だけでなく、複数回の変動表示に渡って当たり遊技が実行される期待感を持続的に抱かせ続けることが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、比較的少ない回数分の変動表示を対象としてしか、当たり遊技が実行される期待度を示す演出を実行することができないため、興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機HI1によれば、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、予め定められた第1の状況である場合に第1演出態様を決定し、前記第1の状況よりも前記特定の判別結果となる可能性が高い第2の状況である場合に第2演出態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特定演出の演出態様によって第1遊技状態の間に特定の判別結果となる可能性を遊技者に示すことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HI1において、前記第1の状況は、前記第2の状況よりも、前記第2の設定条件が成立するまでに前記特定の判別結果となる可能性が低い状況であることを特徴とする遊技機HI2。
遊技機HI2によれば、遊技機HI1の奏する効果に加え、前記第1の状況は、前記第2の状況よりも、前記第2の設定条件が成立するまでに前記特定の判別結果となる可能性が低い状況であるので、第2の設定条件が成立するよりも前に特定の判別結果となる可能性を特定演出の演出態様によって示唆することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機HI1又はHI2において、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HI3。
遊技機HI3によれば、遊技機HI1又はHI2の奏する効果に加え、前記特定演出実行手段は、前記第1演出態様の前記特定演出の実行中に前記第2の状況となったことに基づいて、前記第2の演出態様の前記特定演出を実行可能に構成されているので、第1遊技状態において状況が変化した場合に、変化した状況に応じて特定演出の演出態様を切り替えることができる。よって、特定演出によって遊技者に対して正確な状況を示すことができるという効果がある。
遊技機HI1からHI3のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機HI4。
遊技機HI4によれば、遊技機HI1からHI3のいずれかが奏する効果に加え、前記特典遊技の実行中に予め定められた第1演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様として、実行中の前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第1の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第1演出態様に対応する第3演出態様を決定し、前記第2の状況に対応する前記第1遊技状態が設定される場合に前記第2演出態様に対応する第4演出態様を決定することが可能に構成されている演出態様決定手段と、を備える。
これにより、特典遊技の実行中に、第1演出によって特典遊技の終了後の第1遊技状態において特定の判別結果となる可能性を遊技者に対して示すことができるので、特典遊技の実行中における遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HI1からHI4のいずれかにおいて、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されていることを特徴とする遊技機HI5。
遊技機HI5によれば、遊技機HI1からHI4のいずれかが奏する効果に加え、前記第2の状況は、前記第1の状況よりも、前記第1遊技状態が設定されてから前記特定の判別結果とならずに前記第2の設定条件が成立するまでの間に実行される前記判別手段の判別の回数が多くなり易い状況で構成されているので、第2の状況では、第1の状況よりも判別手段の判別回数が多くなるため、特定の判別結果となる機会をより多く獲得できる。よって、第2演出態様の特定演出が実行されることを強く期待させることができるという効果がある。
<特徴HJ群>(有利状態終了後に有利側の保留が貯まり得る遊技方法を遊技者に促す演出を実行する)
遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1の設定条件とは異なる第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射した場合の有利度合いが前記第1状態よりも低くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機HJ1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、遊技者にとって有利な遊技方法(遊技球の発射方向)を遊技状態毎に異ならせることにより、遊技状態に応じて遊技方法を変更する楽しみを遊技者に与えることが可能に構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、各遊技状態における遊技の状況によらずに、遊技状態に対応する遊技方法が報知するのが一般的であるため、状況によっては有利度合いが低下してしまう可能性があるという問題点がある。
これに対して遊技機HJ1によれば、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能に構成された発射手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易く構成された第1状態を設定する第1状態設定手段と、前記第1の設定条件とは異なる第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射した場合の有利度合いが前記第1状態よりも低くなり易く構成された第2状態を設定する第2状態設定手段と、前記第1状態において予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2状態において所定期間、前記第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を遊技者に示唆可能な演出態様を少なくとも含んで構成される第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備える。
これにより、第1方向へと遊技球を発射しても第1状態ほど有利度合いが高くならない第2状態において、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HJ1において、前記第2の設定条件は、前記第1状態において成立し得る条件であることを特徴とする遊技機HJ2。
遊技機HJ2によれば、遊技機HJ1の奏する効果に加え、前記第2の設定条件は、前記第1状態において成立し得る条件であるので、第1状態において第2条件が成立して第2状態が設定された後も、第1演出によって示唆される遊技と同一の遊技を示唆することができる。よって、第1状態が継続しているかのように思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機HJ1又はHJ2において、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機HJ3。
遊技機HJ3によれば、遊技機HJ1又はHJ2の奏する効果に加え、前記第2状態は、予め定められた特定条件が成立している間、前記第2方向よりも前記第1方向へと遊技球を発射した方が有利度合いが高くなり易くなるように構成されており、前記第2演出実行手段は、少なくとも前記特定条件が成立している間、前記第2演出を実行可能に構成されている。
これにより、基本的に第2方向へと遊技球を発射した方が有利となる第2状態において、特定条件が成立して第1方向へと遊技球を発射した方が有利となる状況となった場合に、第2演出により第1方向へと遊技球を発射することを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者が損をしてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機HJ3において、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機HJ4。
遊技機HJ4によれば、遊技機HJ3の奏する効果に加え、前記特定条件は、前記第2の設定条件が成立したことに基づいて成立する条件で構成されているので、第1状態が開始されてから第2状態に移行し、且つ、特定条件が不成立の状態となるまで、第1方向へと遊技球を発射する遊技方法を第1演出および第2演出によって示唆し続けることができる。よって、第1状態が終了された後も、特定条件が不成立の状態となるまで第1状態であるかのように遊技者に思わせることができるので、第1状態が実際よりも長く継続しているかのように思わせることができるという効果がある。
遊技機HJ1からHJ4のいずれかにおいて、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機HJ5。
遊技機HJ5によれば、遊技機HJ1からHJ4のいずれかが奏する効果に加え、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第2方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行可能な第1判別手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別と前記第2の判別とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1状態は、前記第2状態よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成され、前記第2状態は、前記所定期間において、前記所定期間以外の期間よりも、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に前記第1判別手段の判別が実行され易くなる状態で構成されている。
これにより、有利度合いが低い第2状態においても所定期間の間は、第1状態と同様に、第1判別手段の判別が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<5076シリーズ>
<特徴IA群>
演出態様を可変させる可変演出を実行可能な可変演出実行手段と、を有した遊技機において、前記可変演出にて前記演出態様を可変させることが可能な回数を決定可能な決定手段を有し、前記遊技機は、前記演出態様を特定の態様で可変させるための追加演出を実行可能な追加演出実行手段を有することを特徴とする遊技機IA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいて演出態様を可変させる操作演出を複数回実行することで、演出態様を段階的に可変させる期間演出を実行可能なものがある。そして、期間演出の演出結果として、演出態様が特定段階まで可変された場合に、遊技者に有利な特典が付与される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、期間演出の演出結果のみが予め決定されており、各操作演出の演出結果が予め決定されていないため、期間演出中に実行される複数回の操作演出の全てを用いること無く、期間演出の演出結果に対応する段階まで演出態様が可変されてしまい、期間演出の演出結果が低下してしまう問題があった。また、各操作演出の演出結果を予め決定しておき、各操作演出中における操作手段への操作内容に関わらず、各操作演出が終了した時点で、予め決定された演出結果に対応する段階まで演出態様を可変させるように構成された遊技機も提案されている。しかしながら、このような遊技機では、操作演出中における操作手段への操作内容に関わらず、操作演出の演出結果として予め決定された演出結果が表示されてしまうため、遊技者が操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。さらに、各操作演出に対して、予め決定された演出結果が必ず表示されてしまうため、バリエーション豊富な演出態様で期間演出を実行するためには、各操作演出の演出結果を異ならせた期間演出の演出データを予め用意する必要があり、期間演出を実行するための演出データ量が増加してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、期間演出にて実行される各操作演出における操作手段への操作内容に応じて異なる演出結果で各操作演出が実行されるように構成することで、操作演出中における操作手段への操作意欲を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。また、予め決定されている期間演出の演出態様の種類よりもバリエーション豊かな期間演出を実行可能に構成することで、期間演出の演出効果を高めることで、遊技者の遊技に対する興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IA1によれば、可変演出が決定された回数実行された後にも、演出態様を特定の態様で可変させるための追加演出が実行されるので、設定された回数を超えて演出を可変させることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IA1において、情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記判別手段により判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段により前記特定の判別結果と判別される場合に、前記前記演出態様が予め定められた報知態様に可変されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機IA2。
遊技機IA2によれば、遊技機IA1の奏する効果に加え、演出態様が報知態様に可変されることで、事前に特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、演出態様の可変に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IA1またはIA2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記演出態様は、前記操作手段が操作されたことに基づいて可変されることが可能にされているものであることを特徴とする遊技機IA3。
遊技機IA3によれば、遊技機IA1またはIA2の奏する効果に加え、遊技者が操作するタイミングによって可変させることができるので、遊技者の操作によって、報知される内容が可変するように思わせることができるという効果がある。
遊技機IA1からIA3のいずれかにおいて、前記演出態様の可変は、複数段階に分けて実行されるものであり、前記追加演出実行手段は、前記回数における演出の可変が終了した後に、前記決定された回数と、前記複数段階の可変タイミングにおける情報とに基づいた前記追加演出を実行するものであることを特徴とする遊技機IA4。
遊技機IA4によれば、遊技機IA1からIA3のいずれかにおいて、回数と可変される複数段階の可変タイミングにおける情報とに基づいて追加演出が実行されるので、演出態様の可変に対応させた追加演出を実行することができるという効果がある。
<特徴IB群>
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の種別を決定可能な演出種別決定手段と、移行条件が成立したことに基づいて前記演出の種別を異なる種別へと移行させることが可能な前記演出種別移行手段と、第1状態と、その第1状態よりも前記移行条件が成立し難い第2状態と、を設定可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記第2状態が設定されている状態では、遊技者に有利な特典を付与可能な付与条件が成立した場合に前記移行条件を成立させることが可能であることを特徴とする遊技機IB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の演出ステージが切り替わるように構成され、大当たり抽選の結果を示すための変動演出の演出態様を、設定されている演出ステージに対応させて決定することで、変動演出が単調となることを抑制することが可能な遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。また、大当たり抽選が所定回数実行されることによって演出ステージの移行条件が成立した場合に演出ステージが自動的に切り替わるように構成し、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制する遊技機も提案されている。しかしながら、演出ステージが自動的に切り替わる従来型の遊技機では、遊技者の意思に関わらず演出ステージが切り替わってしまうため、遊技者の趣味に合った演出ステージから、遊技者の趣味に合わない演出ステージへと切り替わった場合に、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。また、遊技者が任意に演出ステージを設定可能に構成した場合には、全ての演出ステージを体験すること無く、特定の演出ステージのみで遊技を行ってしまう遊技者が発生してしまい、遊技機が予め有している演出内容を遊技者に十分に提供することができない事態が発生してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出ステージを固定した場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下しないように他の演出ステージへと切り替え可能に構成することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制しながら、多様な演出を遊技者に提供することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることを目的とする。
遊技機IB1によれば、状態設定手段によって、移行条件の成立のし易さを異ならせることができ、移行条件が成立し難い第2状態が設定されている状態で移行条件が成立した場合には特典が付与されるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機IB1において、情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を、所定個数を上限に記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、前記移行条件を設定するための移行条件設定手段と、を有し、前記移行条件設定手段は、少なくとも、前記判別手段により実行された前記判別の回数が特定回数となった場合に成立する第1移行条件を設定可能であり、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて、前記第1移行条件が成立するよりも前に、前記第1移行条件が成立し得ることを示すための移行示唆演出を実行可能な以降演出実行手段を有することを特徴とする遊技機IB2。
遊技機IB2によれば、遊技機IB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1移行条件が成立するよりも前に、移行示唆演出を実行することができるため、遊技者に対して、移行条件が成立するタイミングを予測させ易くすることができるという効果がある。
遊技機IB1またはIB2において、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記状態設定手段は、前記操作手段への操作に基づいて、前記第2状態を設定可能であることを特徴とする遊技機IB3。
遊技機IB3によれば、遊技機IB1またはIB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が任意のタイミングで第2状態を設定することができるため、第2状態を設定した状態で移行条件が成立するか否かを確認可能な遊技を遊技者に選択して実行させ易くすることができるという効果がある。
遊技機IB3において、前記移行示唆演出が実行されている状態において、前記第2状態が設定された場合には、前記第1移行条件が成立する前記判別手段の前記判別の結果が、前記特定の判別結果である場合には前記第1移行条件を成立させ、前記特定の判別結果では無い場合には前記第1移行条件を成立させないことを特徴とする遊技機IB4。
遊技機IB4によれば、遊技機IB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、移行示唆演出が実行されている状態で第2状態が設定された場合は、対象となる判別手段の判別結果が特定の判別結果である場合にのみ、第1移行条件を成立させ、演出の種別を異ならせることができる。即ち、第2状態が設定された場合であっても、移行示唆演出をそのまま実行可能であるため、実行される演出を制御するための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
<特徴IC群>
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、所定の遊技情報を示すための特定演出の実行可能な特定演出実行手段と、を有し、前記特定演出は、特定条件が成立している場合に、前記特定条件が成立していない場合よりも実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機IC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否抽選が実行され、その抽選結果が当たり当選であることに基づいて当たり遊技が実行されるものがある。そして、遊技の当否抽選を実行するための実行権利を所定個数を上限に保留記憶可能に構成し、当たり遊技中に保留記憶されている実行権利の中に、当たり当選し得る実行権利が含まれている場合において、当たり遊技中に実行される当たり遊技演出を用いて、次回の当たり当選を遊技者に事前に報知する連続当たり演出が実行可能な遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
このような従来型の遊技機では、当たり遊技中において、当たり当選し得る実行権利が保留記憶されている場合に、高確率で連続当たり演出を実行してしまうと、当たり遊技中に連続当たり演出が実行されなかった時点で、保留記憶されている実行権利の中に当たり当選し得る実行権利が含まれていない可能性が高くなる。上記した例のように、演出の実行されやすさが常に同じであることにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機IC1によれば、特定条件が成立することで特定演出が実行され易くなるので、遊技者に遊技情報が報知される頻度を可変させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機IC1において、前記判別手段による前記判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて事前判別を実行可能な事前判別手段を有し、前記特定演出実行手段は、前記事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に前記特定演出を実行可能であり、前記特定条件は、前記特定演出が実行されたことで成立するものであることを特徴とする遊技機IC2。
遊技機IC2によれば、遊技機IC1の奏する効果に加え、特定演出が実行されることで、特定条件が成立するので、1度特定演出が実行されることで、その後に特定演出が連続して実行され易くでき、特定演出の連続演出を遊技者に楽しませることができるという効果がある。
遊技機IC1またはIC2において、前記特定演出の実行契機となった前記情報を用いた前記判別の結果に基づいて前記特典遊技が実行されている期間を設定可能であることを特徴とする遊技機IC3。
遊技機IC3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出によって、実行されることが事前に報知された特典遊技の実行期間中を設定可能であるため、一度特定演出が実行された場合には、連続して特定演出を実行させ易くすることができる。よって、特定演出を連続して実行させようと意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機IC1からIC3のいずれかにおいて、前記特典遊技が実行されている期間を用いて実行中の前記特典遊技の内容を示すための特典演出を実行可能な特典演出実行手段と、その特典演出実行手段により実行される前記特典演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記特定演出が連続して実行される場合に、前回実行された前記特典遊技の内容を引き継いだ演出態様を決定可能であることを特徴とする遊技機IC4。
遊技機IC4によれば、遊技機IC1からIC3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が連続して実行された場合には、特典演出の内容を、複数の特典遊技を跨いで決定することができるため、遊技者に対して、特定演出を連続して実行させようとより意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機IC4において、前記特典遊技実行手段は、前記特典遊技として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利となる第2特典遊技と、のうち、何れかの前記特典遊技を実行可能であり、前記特典演出実行手段により実行される前記特典演出の内容が、前記第2特典遊技よりも遊技者に有利となる前記特典遊技の内容よりも遊技者に有利となる内容となった場合に、特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段を有することを特徴とする遊技機IC5。
遊技機IC5によれば、遊技機IC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が連続して実行されたことにより、複数の特典遊技の内容を累積した特典演出の内容が、1回の第2特典遊技の内容よりも遊技者に有利となった場合に特殊演出が実行されるため、特殊演出を実行させようと、意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴ID群>
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、遊技球は前記特定領域へ入球させることが可能な領域へと遊技球を発射させるための案内報知を実行可能な報知実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記案内報知が実行された後に、次に実行される演出が開始されるまでの期間を異ならせることが可能にされていることを特徴とする遊技機ID1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ID1によれば、案内報知が実行されてから、次の演出が開始されるまでの期間を異ならせることができるため、案内報知を最適な期間で実行させることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機ID1において、前記次の演出は、前記特定領域に遊技球が入球した場合に、入球したことを示すための演出であり、前記案内報知が実行されてから第1期間が経過するまでは、前記特定領域に遊技球が入球した場合にも前記次の演出の実行が規制されるものであることを特徴とする遊技機ID2。
遊技機ID2によれば、遊技機ID1の奏する効果に加え、案内報知が実行された直後に遊技球が特定領域へと入球した場合であっても、第1期間は案内報知が終了することが無いため、案内報知の内容を遊技者が把握できないまま案内報知が終了してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機ID2において、前記案内報知が実行されてから前記第1期間が経過した場合は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、前記案内報知が終了することを特徴とする遊技機ID3。
遊技機ID3によれば、遊技機ID2の奏する効果に加え、第1期間が経過した場合には、特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて案内報知が終了するため、遊技者に対して、無用に長い期間、案内報知が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機ID2またはID3において、前記特定領域へと遊技球が入球してから前記第1期間が経過するまでの残余期間を用いて、特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有することを特徴とする遊技機ID4。
遊技機ID4によれば、遊技機ID2またはID3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出を実行させようと、特定領域へと遊技球を入球させる遊技を遊技者に意欲的に行わせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴IE群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間として、異なる動的表示期間が予め規定されている動的表示期間群が予め複数記憶されている動的表示期間群記憶手段と、その動的表示期間群記憶手段に記憶されている前記動的表示期間群の中から1の前記動的表示期間群を決定可能な動的表示期間群決定手段と、その動的表示期間群決定手段により決定された前記動的表示期間群を用いて、前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、を有した遊技機において、前記動的表示期間群決定手段は、前記判別手段により実行された前記判別に関する情報に基づいて移行条件が成立した場合に、現在決定されている前記動的表示期間群とは異なる前記動的表示期間群を決定可能であり、前記動的表示期間群には移行先の前記動的表示期間群を示す情報が予め規定されていることを特徴とする遊技機IE1。
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせる遊技機が提案されており、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。具体的には、大当たり遊技の終了後に通常状態が設定された場合において、特別図柄変動が100回実行される毎に、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブルを切り替えることで、異なる変動パターン(変動時間)を設定可能に構成するものがある。このように構成された従来型の遊技機によれば、同一の遊技状態が長時間継続する場合であっても、特別図柄変動の実行回数に応じて全く異なる変動パターンを設定することができるため、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるものであったが、特別図柄変動の実行回数に応じて変動パターンテーブルを切り替えるための規定内容(変動パターン選択シナリオ)として、莫大な特別図柄変動回数に対応したデータを規定する必要があり、遊技機の処理負荷を増大させてしまう虞があった。また、特別図柄変動の実行回数と、参照される変動パターンテーブルと、を完全に対応付けてしまうと、どのタイミングでどの変動パターンが選択され易くなるのかが遊技者に予測され易くなってしまうため、特別図柄変動の実行回数と、参照される変動パターンテーブルと、の組合せを多様化し、どのタイミングでどの変動パターンが選択され易くなるのかを遊技者に予測させ難くすることが望まれるが、このような構成を用いた場合には、変動パターン選択シナリオの規定内容がより多様化してしまい、遊技機の処理負荷をより増大させてしまうという虞があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の処理負荷を増大させること無く、特別図柄変動の実行回数に基づいて異なる変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定可能にすることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供することを目的とする。
遊技機IE1によれば、動的表示期間群決定により1の動的表示期間群が決定されている状態で実行された判別に基づいて移行条件が成立した場合に、予め規定されている動的表示期間群へと移行させることができるため、遊技機の処理負荷が増大してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機IE1において、前記動的表示期間群記憶手段に記憶されている前記動的表示期間群のうち、少なくとも2以上の前記動的表示期間群に対して、前記移行先の動的表示期間群として同一の動的表示期間群を示す情報が予め規定されていることを特徴とする遊技機IE2。
遊技機IE2によれば、遊技機IE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、異なる動的表示期間群が決定されている状態であっても、移行条件が成立した場合に、同一の動的表示期間群へと移行させることができるため、様々な組合せで動的表示期間群を切り替えることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IE1またはIE2において、前記動的表示期間群記憶手段に記憶されている前記動的表示期間群のうち、少なくとも1の前記動的表示期間群が、複数の前記移行条件を有することを特徴とする遊技機IE3。
遊技機IE3によれば、遊技機IE1またはIE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間群に対して、複数の移行条件を設けることにより、様々な条件で動的表示期間群を切り替えることが可能となるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IE3において、成立する前記移行条件に応じて、異なる動的表示期間群へと移行させることが可能であることを特徴とする遊技機IE4。
遊技機IE4によれば、成立した移行条件によって、異なる動的表示期間群へと移行するため、遊技者に対して、どの移行条件が成立したかについて興味を持たせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴IF群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報の動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定された前記動的表示期間を記憶可能な記憶手段と、前記表示手段に特定の前記判別の結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別の結果に基づいて、主動的表示期間を決定可能な主動的表示期間を決定可能な主動的表示期間決定手段と、前記判別手段による前記判別の結果に基づいて、前記主動的表示期間とは異なる副動的表示期間を決定可能な副動的表示期間決定手段と、を有し、前記動的表示期間決定手段は、前記主動的表示期間と、前記副動的表示期間と、を合算した合算動的表示期間を前記動的表示期間として決定可能であり、前記遊技機は、前記合算動的表示期間が第1期間よりも短い場合には、前記合算動的表示期間を示すための情報を前記記憶手段へと記憶させ、前記第1期間以上である場合には、前記合算動的表示期間を示すための前記情報に特殊処理を実行した処理後情報を前記記憶手段へと記憶させることを特徴とする遊技機IF1。
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせる遊技機が提案されており、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。このような従来型の遊技機において、様々な変動パターン(変動時間)を決定可能とするために、変動時間に関する情報を複数決定可能にし、決定された複数の情報に含まれる変動時間を合算することで変動パターンを決定するように構成された遊技機がある。このような遊技機では、複数の変動時間を組み合わせることにより、様々な変動パターンを決定することができ、遊技者に対して飽きの来ない遊技を実行させることが可能となるが、例えば、組み合わされる複数の変動時間として、長い変動時間がそれぞれ決定された場合に、合算後の変動パターンとして長時間の変動パターンが決定されてしまうことから、変動時間を記憶するためのデータ領域として、最長となる変動パターンに対応する変動時間に関する情報を格納できるようにデータ領域を大きく確保する必要があり、遊技機のデータ領域を圧迫してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機のデータ領域が圧迫されてしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IF1によれば、合算後の動的表示期間の長さが第1期間以上となった場合に、動的表示期間の長さを示すための情報に対して特殊処理を実行させた処理後情報を記憶手段へと記憶させることができるため、動的表示期間として第1期間以上の長さが決定された場合であっても、記憶手段へと記憶させる情報を簡素化することが可能となる。よって、遊技機のデータ領域を圧迫してしまうという問題が発生してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機IF1において、前記合算動的表示期間が前記第1期間を超えたことを示すための超過情報を記憶可能な第2記憶手段を有し、前記動的表示手段は、前記合算動的表示期間が前記第1期間を超えた場合に、前記記憶手段に記憶されている前記処理情報と、前記第2記憶手段に記憶されている前記超過情報と、に基づいて、前記識別情報を動的表示可能であることを特徴とする遊技機IF2。
遊技機IF2によれば、遊技機IF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算動的表示期間が第1期間を超えたことを示すための超過情報と、処理情報とに基づいて識別情報を動的表示させることができるため、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間に対応させて確実に識別情報を動的表示させることができるという効果がある。
遊技機IF1またはIF2において、前記特殊処理は、前記合算動的表示期間から前記第1期間を減算した減算値を算出するものであることを特徴とする遊技機IF3。
遊技機IF3によれば、遊技機IF1またはIF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算動的表示期間から第1期間を減算した減算値が記憶手段に記憶されるため、第1期間よりも長い期間を示すための情報が記憶手段に記憶されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機IF3において、前記遊技機は、前記合算動的表示期間として算出され得る期間の上限が、前記第1期間の2倍を超えることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機IF4。
遊技機IF4によれば、遊技機IF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、合算動的表示期間が、第1期間を2倍した期間よりも短くなるため、第2記憶手段に合算動的表示期間が第1期間を超過したことを示す超過情報のみを記憶させるだけで、合算動的表示期間を的確に再現することができるという効果がある。
遊技機IF1からIF4の何れかにおいて、前記主動的表示期間決定手段により決定される前記主動的表示期間は、何れも前記第1期間よりも短い期間であることを特徴とする遊技機IF5。
遊技機IF5によれば、遊技機IF1からIF4の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主動的表示期間のみで、第1期間よりも長い動的表示期間が設定されることが無いため、特殊処理が実行される頻度を抑制することができるという効果がある。
<特徴IG群>
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報の数に対応させた第1図柄を、所定の動的態様で表示手段に表示可能な判別情報表示手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により実行される前記演出の種別を決定可能な演出種別決定手段と、移行条件が成立したことに基づいて、前記演出実行手段により実行される前記演出の種別を異なる種別へと移行させることが可能な前記演出種別移行手段と、を有した遊技機において、前記判別情報数報知手段は、前記第1図柄が特定の前記動的態様で表示されている状態で前記移行条件が成立した場合に、前記特定の動的表示態様とは異なる特殊動的態様で前記第1図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機IG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報を、所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶された抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた。また、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄を表示可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。上述した従来型の遊技機では、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄の表示態様が単調であり、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、保留図柄を用いて演出効果をより高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IG1によれば、移行条件の成立タイミングと、第1図柄の動的態様の表示タイミングに応じて、移行条件が成立した後の第1図柄の動的態様を異ならせることができるため、第1図柄の動的態様を用いた演出の演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機IG1において、前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を、その判別情報が前記判別手段による前記判別に用いられるよりも前に事前判別可能な事前判別手段と、前記事前判別手段による前記事前判別の結果に基づいて前記第1図柄の動的態様を決定可能な動的態様決定手段と、を有し、前記動的態様決定手段は、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていると判別された場合の方が、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていないと判別された場合よりも、決定し易い第1動的態様を決定可能であり、前記遊技機は、前記第1動的態様で前記第1図柄が表示されている状態で前記移行条件が成立した場合に、前記特殊動的態様で前記第1図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機IG2。
遊技機IG2によれば、遊技機IG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特殊動的態様で第1図柄が表示された場合に、特典遊技が実行される可能性を高くすることができるため、特殊動的態様で第1図柄が表示されることを期待させながら遊技を行わせることができる。よって、移行条件が成立するタイミングに対して、より遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IG2において、前記第1動的態様は、少なくとも、前記第1図柄を、1の表示態様で動的表示される第1期間と、その第1期間よりも後の期間であって、前記1の表示態様とは異なる他の表示態様へと可変させる第2期間と、を含む動的表示期間にて前記第1図柄を動的表示させるものであって、前記判別情報数報知手段は、前記第1期間にて前記移行条件が成立した場合と、前記第2期間にて前記移行条件が成立した場合と、で異なる動的態様で前記第1図柄を動的表示可能であることを特徴とする遊技機IG3。
遊技機IG3によれば、遊技機IG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的態様で第1図柄が動的表示されている期間の経過状況に応じて、移行条件が成立した後の動的態様を異ならせることができるため、移行条件が成立するタイミングに対して、より遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IG3において、前記第2期間は、前記第1期間よりも短く設定され、前記動的態様決定手段は、前記第1期間にて前記移行条件が成立した場合よりも、前記第2期間にて前記移行条件が成立した場合の方が、前記第1図柄の動的態様として、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていると判別された場合の方が、前記事前判別手段により前記特定の判別結果となる前記判別情報が記憶されていないと判別された場合よりも、決定し易い特殊第1動的態様を決定し易いことを特徴とする遊技機IG4。
遊技機IG4によれば、遊技機IG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、短い期間である第2期間中に移行条件が成立した場合に、特殊第1動的態様が決定され易いため、移行条件が成立するタイミングに対して、より遊技者に興味を持たせることができるという効果がある。
<特徴IH群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄列で構成された識別図柄を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示した後に、前記判別結果を示すための表示態様で前記識別図柄を停止表示する表示制御手段と、前記判別手段により特定の判別結果を示すための停止表示態様で前記識別図柄が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄は、第1図柄と、その第1図柄とは異なる第2図柄とを複合させて形成され、前記表示制御手段は、前記第1図柄に対する第1表示制御と、前記第2図柄に対する第1表示制御と異ならせて実行可能であることを特徴とする遊技機IH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IH1によれば、第1図柄と第2図柄とを複合させて形成された識別図柄を用いて判別手段の判別結果を表示可能となり、且つ、表示制御手段によって、第1図柄と第2図柄とに対して別々の表示制御を実行することができるため、表示手段に表示される識別図柄を多彩な表示態様で表示することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IH1において、前記表示制御手段は、前記第1表示制御によって前記第1図柄が動的表示されるタイミングよりも遅らせて前記第2表示制御によって前記第2図柄を動的表示させることが可能であることを特徴とする遊技機IH2。
遊技機IH2によれば、遊技機IH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別図柄を形成する第1図柄と、第2図柄とのうち、第2図柄が動的表示されるタイミングを遅らせることができるため、識別図柄が動的表示される際の表示態様を遊技者に注視させることができる。よって、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機IH1またはIH2において、前記表示制御手段は、前記第1表示制御として、通常第1表示制御と、特定第1表示制御と、を実行可能であり、前記第2表示制御として、通常第2表示制御と、特定第2表示制御と、を実行可能であり、前記遊技機は、少なくとも、前記通常第1表示制御が実行される場合において、前記第2表示制御として、前記通常第2表示制御が実行される通常表示と、前記特定第2表示制御が実行される特定表示と、を実行可能であることを特徴とする遊技機IH3。
遊技機IH3によれば、遊技機IH1またはIH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1図柄に対して通常第1表示制御を実行する場合に、第2図柄に対して通常第2表示制御を実行する通常表示と、特定第2表示制御を実行する特定表示と、を実行可能であるため、第1図柄の動的表示と、第2図柄の動的表示と、を組み合わせることで、バリエーションの富んだ識別図柄の動的表示を実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機IH1からIH3の何れかにおいて、前記表示制御手段は、特定条件が成立した場合に、前記第2図柄を用いること無く、前記第1図柄のみで前記判別手段の判別結果を報知可能であることを特徴とする遊技機IH4。
遊技機IH4によれば、遊技機IH1からIH3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立した場合に、第1図柄のみで判別手段の判別結果を報知することができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができるという効果がある。
<特徴II群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別結果が特定の前記判別結果である場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が表示される期間に前記識別情報が表示されることが可能な領域に視認可能な状態で識別図柄を配置させる動的表示手段と、前記識別図柄の動的表示パターンを決定することが可能な動的表示パターン決定手段と、を有し、前記動的表示パターン決定手段は、前記識別情報が表示される期間に前記識別図柄を動的表示させるタイミングにより、前記識別情報と配置される前記識別図柄との位置関係が特定の位置関係となることを規制可能な動的表示パターンを決定させることが可能であることを特徴とする遊技機II1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機II1によれば、識別図柄の動的表示開始タイミングにより判別されて、そのタイミングに合わせた動的表示パターンが決定されることで特定の位置関係となることが規制されることで設計上不都合のある位置関係となることを抑制することができ、識別図柄の動的表示タイミングを柔軟に決定することが可能となるので、より遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機II1において、前記動的表示パターン決定手段は、複数の前記識別図柄を動的表示させるための動的表示パターンを決定することが可能にされているものであることを特徴とする遊技機II2。
遊技機II2によれば、遊技機II1の奏する効果に加え、動的表示パターンによって、複数の識別図柄を動的表示させることが可能となるので、識別図柄を動的表示させるための制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機II1またはII2において、前記識別情報が表示される期間のうち、前記識別図柄を動的表示開始させるタイミングを決定可能な許容期間が予め設定されているものであることを特徴とする遊技機II3。
遊技機II3によれば、遊技機II1またはII2の奏する効果に加え、識別情報が表示される期間のうち、識別図柄を動的表示させるタイミングを限定することで、識別情報が表示される期間が終了した後にも識別図柄が所定の位置に配置されない不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴IJ群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の識別図柄を組み合わせて構成されており、特定条件の成立に基づいて、前記識別図柄とは異なる特殊図柄を所定の位置に配置させるための設定をすることが可能な特殊図柄設定手段と、第1の期間では、前記複数の識別図柄を特定の組み合わせで停止表示させることで前記判別結果に基づく第1演出を実行し、前記第1の期間とは異なる第2の期間では、前記特殊図柄を少なくとも含む特定の組み合わせ態様で前記特殊図柄を配置させることで前記判別結果に基づく第2演出を実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機IJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IJ1によれば、識別図柄のみで判別結果に基づく演出を実行する期間と、特殊図柄を含む組み合わせで判別結果に基づく演出を実行する期間とを切り替えて設定することができるので、第1演出と第2演出とで遊技者が判別結果に対する期待を可変させることができ、遊技が単調となる不具合を抑制し、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IJ1において、第1条件が成立している場合に、前記特殊図柄を含む組み合わせが形成される有効ラインと、第2条件が成立している場合に、前記特殊図柄を含む組み合わせが形成される有効ラインとが異なるようにされるものであることを特徴とする遊技機IJ2。
遊技機IJ2によれば、遊技機IJ1の奏する効果に加え、有効ラインが成立している条件により可変されるので、遊技者が識別する有効ラインを予測して遊技を行うことができ、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機IJ1またはIJ2において、前記特殊図柄が配置される期間において、前記特殊図柄と組み合わせされない前記識別図柄を通常の状態よりも視認困難な状態に可変させることが可能な可変手段を有するものであることを特徴とする遊技機IJ3。
遊技機IJ3によれば、遊技機IJ1またはIJ2の奏する効果に加え、特殊図柄と組み合わせされない識別図柄が視認困難な状態に可変されるので、遊技者が特殊図柄の組み合わせを容易に判別できるという効果がある。
<特徴IK群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させる動的表示手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示されることが可能な期間に前記表示手段の前面側で駆動することが可能な第1駆動手段と、その第1駆動手段の所定位置を識別することが識別手段と、前記第1駆動手段を所定の駆動パターンで駆動させることが可能な駆動パターン手段と、を有し、前記駆動パターン手段は、前記駆動パターンで駆動させた場合に所定タイミングで前記所定位置が識別されないことに基づいて、実行する駆動パターンのうち、一部の実行がされないようにされていることを特徴とする遊技機IK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、表示される図柄の態様が単調となってしまい、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、様々な態様で図柄を表示可能にすることで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し、遊技者の遊技に対する興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IK1によれば、第1駆動手段を駆動パターンで駆動させる際に、所定位置を識別することができない場合には、駆動パターンのうち、一部を駆動させないことにより、第1駆動手段が他の構造物等と接触して破損してしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機IK1において、前記第1駆動手段は、回動可能な回動手段を有しており、前記識別手段は、前記回動手段の原点位置を前記所定位置として識別可能にされているものであることを特徴とする遊技機IK2。
遊技機IK2によれば、回動手段の原点位置を識別できない場合に、駆動パターンに一部が実行されないことで、回動手段が正規の位置で回動停止できずに、第1駆動手段を使用した演出が遊技者に正しく伝わらない不具合を抑制できるという効果を有する。
遊技機IK2において、前記回動手段の前面側には前記原点位置が正規の位置となる文字情報が付されていることを特徴とする遊技機IK3。
遊技機IK3によれば、遊技機IK2の奏する効果に加え、文字情報が付されていることで、原点位置に配置された場合に、遊技者に文字情報を容易に識別させることができるという効果がある。
<特徴IL群>
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて演出態様を可変させる可変演出を実行可能な可変演出実行手段と、を有した遊技機において、1の前記操作に基づいて前記可変演出により可変された前記演出態様は、異なる2以上の遊技者に有利となる特典が付与されることを報知可能にされているものであることを特徴とする遊技機IL1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいて演出態様を可変させる操作演出を複数回実行することで、演出態様を段階的に可変させる期間演出を実行可能なものがある。そして、期間演出の演出結果として、演出態様が特定段階まで可変された場合に、遊技者に有利な特典が付与される遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。しかしながら、従来型の遊技機では、期間演出の演出結果のみが予め決定されており、各操作演出の演出結果が予め決定されていないため、期間演出中に実行される複数回の操作演出の全てを用いること無く、期間演出の演出結果に対応する段階まで演出態様が可変されてしまい、期間演出の演出結果が低下してしまう問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出中における操作手段への操作意欲を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IL1によれば、1の操作に基づいて2以上の遊技者に有利となる特典が報知可能にされているので、操作手段を操作することによる特典を増大させることが可能となり遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機IL1において、情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための態様で前記識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記判別手段により判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段により前記特定の判別結果と判別される場合に、前記前記演出態様が予め定められた報知態様に可変されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機IL2。
遊技機IL2によれば、遊技機IL1の奏する効果に加え、演出態様が報知態様に可変されることで、事前に特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、演出態様の可変に興味を持たせることができるという効果がある。
遊技機IL1またはIL2のいずれかにおいて、前記演出態様の可変は、複数段階に分けて実行されるものであり、前記回数における演出の可変が終了した後に、前記複数段階の可変タイミングにおける情報に基づいた追加演出が追加可能に構成されていることを特徴とする遊技機IL3。
遊技機IL3によれば、遊技機IL1からIL3のいずれかにおいて、複数段階の可変タイミングにおける情報に基づいて追加演出が実行されるので、演出態様の可変に対応させた演出を実行することができるという効果がある。
<特徴IM群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別の結果を示すための前記識別情報が停止表示された場合に遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技の制御に必要な第1情報値を決定可能な第1情報値決定手段と、遊技の制御に必要な第2情報値を決定可能な第2情報値決定手段と、前記第1情報値と前記第2情報値とに基づいて特定条件が成立する場合に特殊処理を実行することが可能な特殊処理実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機IM1。
従来より、設定されている遊技状態と、特別図柄抽選の結果とに基づいて、異なる変動パターン(変動時間)を決定することで、単位時間当たりに実行させることが可能となる特別図柄抽選の回数を、遊技状態に応じて異ならせるように構成し、遊技者に対して、単位時間当たりに実行させることが可能な特別図柄抽選の回数が多くなる遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせる遊技機が提案されており、大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄変動の回数に基づいて、異なる変動パターン(変動時間)が決定されるように構成することで、同一の遊技状態で長時間の遊技を実行している遊技者に対して、飽きの来ない遊技を実行可能に構成している遊技機がある(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。このような従来型の遊技機において、様々な変動パターン(変動時間)を決定可能とするために、変動時間に関する情報を複数決定可能にし、決定された複数の情報に含まれる変動時間を合算することで変動パターンを決定するように構成された遊技機がある。このような遊技機では、複数の変動時間を組み合わせることにより、様々な変動パターンを決定することができ、遊技者に対して飽きの来ない遊技を実行させることが可能となるが、例えば、組み合わされる複数の変動時間として、長い変動時間がそれぞれ決定された場合に、合算後の変動パターンとして長時間の変動パターンが決定されてしまうことから、変動時間を記憶するためのデータ領域として、最長となる変動パターンに対応する変動時間に関する情報を格納できるようにデータ領域を大きく確保する必要があり、遊技機のデータ領域を圧迫してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、柔軟に決定される情報値に基づく制御を実行した場合にも制御負荷を軽減することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IM1によれば、第1情報値と第2情報値とに基づいて特定条件が成立する場合に特殊処理が実行されることで、特殊処理が実行される頻度を軽減することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機IM1において、前記特定条件は、前記第1情報値と前記第2情報値とを加算した場合に、特定値以上となる場合に成立するものであることを特徴とする遊技機IM2。
遊技機IM2によれば、遊技機IM1の奏する効果に加え、第1情報値と第2情報値とを加算した値が特定値以上となる場合に、特殊処理が実行されるので、データ量が多いものに対して特殊処理を実行させることができるという効果がある。
遊技機IM2において、前記特殊処理は、加算した値が特定値以上であることを示す情報を付与し、前記加算した値より特定値を減算した値を示す情報を設定するための処理であることを特徴とする遊技機IM3。
遊技機IM3によれば、遊技機IM2の奏する効果に加え、特殊処理によって特定値以上であることを示す情報が付与されるので、容易に減算した値に特定値を加算することで、少ないデータ量で加算値を判別することができるという効果がある。
<特徴IN群>
所定数を上限に情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数に対応させた識別図柄を、所定の態様で表示手段に表示可能な情報表示手段と、を有した遊技機において、前記情報表示手段は、前記識別図柄のうち、少なくとも一つの態様を所定の抽選情報に基づいて可変させて表示させることが可能であり、前記可変させて表示させた前記識別図柄の態様が可変させる前の状態で表示させる設定がされた場合に、再度、所定の抽選情報に基づいて可変されていた前記識別図柄を可変させて表示させることが可能にされていることを特徴とする遊技機IN1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて抽選情報を取得し、取得した抽選情報を、所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶された抽選情報に基づいて遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた。また、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄を表示可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。上述した従来型の遊技機では、記憶されている抽選情報の個数を遊技者に報知するための保留図柄の表示態様が単調であり、演出効果を高めることが出来ないという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、演出効果が低下することを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IN1によれば、識別図柄が例えば、電源断等のアクシデント等により初期の態様で表示された場合にも、再度、可変して表示されることが可能に設定されているので、演出効果が低下することを抑制できるという効果がある。
遊技機IN1において、前記情報表示手段は、前記識別図柄が可変されて表示されている状態で、電源が断した後に、電源が再度供給された場合に、前記可変されていた前記識別図柄を初期状態の前記識別図柄で表示させた後に、可変条件の成立に基づいて前記識別図柄を可変させて表示させることが可能にされているものであることを特徴とする遊技機IN2。
遊技機IN2によれば、遊技機IN1の奏する効果に加え、電源が復旧した後に、識別図柄を再度可変させることができるので、遊技者が可変していた識別図柄に対して興味を継続して持たせることができるという効果がある。
遊技機IN1またはIN2において、前記識別図柄は、特定の周期で動的表示されて表示されるものであり、前記可変されて表示された識別図柄は、可変される前の識別図柄とは異なる動的表示態様で表示されるものであることを特徴とする遊技機IN3。
遊技機IN3によれば、遊技機IN1またはIN2の奏する効果に加え、遊技者に可変された識別図柄であることを動的表示態様から識別し易くでき、遊技者が見逃す不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴IO群>
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、遊技球は前記特定領域へ入球させることが可能な領域へと遊技球を発射させるための案内報知を実行可能な報知実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技機は、前記案内報知が実行された後に成立した実行条件により実行される演出が開始されるまでの期間を遅延させることが可能にされていることを特徴とする遊技機IO1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機IO1によれば、案内報知が実行されてから開始が成立した演出が開始されるまでの期間を遅延せることができるため、案内報知を最適な期間で実行させることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<5077系の特徴群>
<特徴JA群>(不利な第1遊技状態において特定の抽選結果となった場合に、当たりを介さずに実質的な大当たり確率が第1遊技状態よりも高い第2遊技状態を設定する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、第1の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技を介さずに前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機JA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の実行が終了した後に設定される遊技状態として、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設ける構成とすることで、当たり遊技の終了後の遊技状態として、より有利度合いが高い遊技状態が設定されることを期待させる遊技性を実現しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが比較的低い遊技状態に設定された場合、当たり遊技が実行されない限り、より有利度合いが高い遊技状態へと移行する可能性が無いため、当たり遊技が実行されることのみを期待する遊技性となってしまい、遊技が単調になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機JA1によれば、第1遊技状態では、特典遊技を介さずに有利度合いが高い第2遊技状態が設定されるので、遊技者に対して特定の判別結果に加え、第2の設定条件が成立することにも期待させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JA1において、前記第2の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機JA2。
遊技機JA2によれば、遊技機JA1の奏する効果に加え、判別手段の判別が実行された場合に、遊技者に対して特定の判別結果となることに加え、第1の判別結果となることにも期待させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JA1又はJA2において、前記第2遊技状態において、当該第2遊技状態の遊技方法を遊技者に対して示唆可能な特定表示を表示させることが可能な表示制御手段を備え、前記第1遊技状態は、前記特典遊技が実行される割合が、前記判別手段の判別1回あたり第1の割合となる遊技状態であり、前記第2遊技状態は、少なくとも前記特定表示により示唆される遊技方法で遊技を行った場合に、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記特典遊技が実行され得る遊技状態であることを特徴とする遊技機JA3。
遊技機JA3によれば、遊技機JA1又はJA2の奏する効果に加え、特典遊技を介さずに、特典遊技が比較的実行され難い遊技状態から実行され易い遊技状態に移行するという極めて斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JA3において、前記判別手段は、前記判別条件として予め定められた第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記判別条件として前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されており、前記第1判別手段の判別が実行されると、前記第1の割合で前記特典遊技が実行され、前記第2判別手段の判別が実行されると、実質的に前記第1の割合よりも高い割合で前記特典遊技が実行されることを特徴とする遊技機JA4。
遊技機JA4によれば、遊技機JA3の奏する効果に加え、第1判別手段の判別が実行されるか、第2判別手段の判別が実行されるかによって特典遊技が実行される割合が異なるので、第2判別手段の判別が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JA4において、前記第1遊技状態は、前記第2の判別条件が成立困難な遊技状態であり、前記第2遊技状態は、前記特定表示により示唆される遊技方法で遊技を行った場合に、成立する前記判別条件のうち特定割合が前記第2の判別条件となることで、前記第2の割合で前記特典遊技が実行される遊技状態であることを特徴とする遊技機JA5。
遊技機JA5によれば、遊技機JA4の奏する効果に加え、遊技状態によって第2の判別条件が成立する割合を可変させて遊技状態毎に特典遊技が実行される割合を異ならせることができるという効果がある。
遊技機JA5において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1判別手段の判別に用いる第1判別情報を取得可能な第1情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得可能な第2情報取得手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて特定の判別を実行する特定判別手段と、その特定判別手段の判別結果が所定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記第1位置へと可変される期間が前記第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第1期間に設定される第1可変遊技と、前記第2入球手段へと遊技球が入球困難となる第2期間に設定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2可変遊技が決定され得ない遊技状態であり、前記第2遊技状態は、所定割合で前記第2可変遊技が決定される遊技状態であることを特徴とする遊技機JA6。
遊技機JA6によれば、遊技機JA5の奏する効果に加え、第1遊技状態であるか、第2遊技状態であるかによって第2入球手段へと遊技球を入球させることができるか否かが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JA6において、前記第1入球手段は、前記通過手段を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられていることを特徴とする遊技機JA7。
遊技機JA7によれば、特定判別手段の判別と第1判別手段の判別とを毎回略同時に実行させることができるという効果がある。
遊技機JA7において、前記第2の割合は、前記第1判別手段の判別で特定の判別結果となる割合と、前記特定判別手段の判別で所定の判別結果となり、前記種別決定手段により前記第1可変遊技が決定され、当該第1可変遊技の実行中に前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて実行される前記第2判別手段の判別で前記特典遊技が実行される割合と、の合算であることを特徴とする遊技機JA8。
遊技機JA8によれば、遊技機JA7の奏する効果に加え、第2遊技状態では、第1遊技状態と同様に第1入球手段を狙って遊技球を発射することで、第1判別手段の判別で特典遊技が実行されることを期待できる上に、第1可変遊技が実行されて第2入球手段へと遊技球が入球し、第2判別手段の判別で特典遊技が実行されることも期待できる特殊な柚木状態を形成するので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴JB群>(第1契機で設定された時短状態では第1タイミングで時短回数が更新され、第2契機で設定された時短状態では第2タイミングで更新される)
予め定められた第1の設定条件と、その第1の設定条件とは異なる第2の設定条件とのうちいずれかの設定条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた更新条件が成立したことに基づいて、特定のカウンタ値を所定の更新規則に従って更新する更新手段と、その更新手段により前記特定のカウンタ値が予め定められた特定値に更新されたことに基づいて、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態では、前記更新条件として第1の更新条件が成立したことに少なくとも基づいて前記更新手段により前記特定のカウンタ値が更新され得る構成であり、前記第2の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態では、前記更新条件として前記第1の更新条件とは異なる第2の更新条件が成立したことに少なくとも基づいて前記更新手段により前記特定のカウンタ値が更新され得る構成であることを特徴とする遊技機JB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、所定契機で所定のカウンタ(例えば、時短回数をカウントするカウンタ)に対して所定の初期値を設定し、カウンタ値が特定値となるまで更新処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、より好適なカウンタ値の更新方法が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の実行を設定する際の遊技状態に応じて、当たり遊技終了後の遊技状態の有利度合いを異ならせることが可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る遊技機においては、同一の遊技状態で同一の当たり遊技の実行が設定された場合に、当たり遊技終了後の遊技状態として必ず同一の遊技状態が設定されてしまうため、例えば、遊技者に有利な遊技状態として、終了条件を異ならせることで同一の遊技状態でありながら当たり遊技の実行可能性が異なる複数の状態を設ける構成とした場合に、当たり遊技の実行可能性以外の有利度合いに差をつけることが困難になってしまうという問題点がある。
これに対して遊技機JB1によれば、第1遊技状態が設定された契機に応じて特定のカウンタ値の更新タイミングを異ならせることができるので、特定のカウンタ値をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機JB1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1遊技状態において前記第1特典遊技のが実行が設定された場合と、前記第2遊技状態において前記第1特典遊技の実行が設定された場合とで、有利度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機JB2。
遊技機JB2によれば、遊技機JB1の奏する効果に加え、第1特典遊技の実行が設定されるタイミングが第1遊技状態であるか第2遊技状態であるかによって有利度合いが可変するので、第1特典遊技が実行されるタイミングに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JB2において、前記第1の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態では、前記第2の設定条件の成立を契機として設定された前記第1遊技状態よりも、前記第1遊技状態において前記第1特典遊技の実行を設定させることが困難であることを特徴とする遊技機JB3。
遊技機JB3によれば、遊技機JB2の奏する効果に加え、第1の設定条件の成立を契機として設定された第1遊技状態であるか、第2の設定条件の成立を契機として設定された第1遊技状態であるかによって第1遊技状態の間における第1特典遊技の実行され易さを異ならせることができるので、設定条件に応じて第1遊技状態の有利度合いを異ならせることができるという効果がある。
遊技機JB2又はJB3において、前記第1の更新条件は、前記判別条件が成立してから新たな判別条件が成立し得る状態となるまでの間における予め定められた第1タイミングで成立し得る条件であり、前記第2の更新条件は、前記判別条件が成立してから新たな判別条件が成立し得る状態となるまでの間において前記第1タイミングよりも後のタイミングである第2タイミングで成立し得る条件であり、前記特典遊技は、前記第1タイミングよりも後のタイミングであり、前記第2タイミングよりも前のタイミングである第3タイミングで実行が設定され得る構成であることを特徴とする遊技機JB4。
遊技機JB4によれば、遊技機JB2又はJB3の奏する効果に加え、第1遊技状態において特典遊技の実行が設定される場合に、第2タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新される前に特典遊技の実行を設定することができるため第1遊技状態の間に特典遊技の実行を設定し易くなる一方で、第1タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新された後で特典遊技の実行が設定されるため、第1遊技状態の間に特典遊技の実行を比較的設定し難くなるという効果がある。
遊技機JB4において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段へと遊技球が入球困難な第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技の実行を設定する特典遊技実行設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機JB5。
遊技機JB5によれば、遊技機JB4の奏する効果に加え、可変遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に特典遊技の実行が設定されるので、入球手段へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JB5において、前記第1タイミングは、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの間のタイミングであり、前記第2タイミングは、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記可変遊技において前記入球手段へと遊技球が入球したタイミングよりも少なくとも後のタイミングあることを特徴とする遊技機JB6。
遊技機JB6によれば、遊技機JB5の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1の判別結果となって可変遊技が実行される場合に、第2タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新される前に特典遊技の実行を設定することができるため第1遊技状態の間に特典遊技の実行を設定し易くなる一方で、第1タイミングで特定のカウンタ値が更新される第1遊技状態であれば、特定のカウンタ値が更新された後で特典遊技の実行が設定されるため、第1遊技状態の間に特典遊技の実行を比較的設定し難くなるという効果がある。
遊技機JB1からJB6のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態であることを特徴とする遊技機JB7。
遊技機JB7によれば、遊技機JB1からJB6のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態の方が第2遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態であるので、特定のカウンタ値が特定値に更新されないことを遊技者に願わせることができるという効果がある。
<特徴JC群>(有利な第1遊技状態において第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件と、を少なくとも含む複数の条件の全てが成立したことに基づいて、不利な第2遊技状態を設定する)
所定の設定条件の成立に基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定された後で、予め定められた第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件と、を少なくとも含む複数の条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機JC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが高い遊技状態が設定されている状況下で予め定められた複数の終了条件のうち1の条件が成立することで有利な遊技状態が終了されて不利な遊技状態へと移行するものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、他の条件の成立状況とは無関係に、複数の終了条件のうち1の終了条件が成立した時点で有利な遊技状態が終了されてしまうため、他の終了条件が成立するまでに比較的余裕がある状況であるにもかかわらず、1の終了条件が成立しただけで有利な遊技状態が終了されてしまい、遊技者に対して理不尽感を抱かせてしまう可能性がある。
これに対して遊技機JC1によれば、複数の条件が成立するまで有利度合いの高い第1遊技状態が継続するので、複数の条件の成立状況に注目する斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JC1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JC2。
遊技機JC2によれば、遊技機JC1の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果となること、および第2の判別結果とならないことを期待させることができるので、判別手段の判別結果により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JC2において、前記第2条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とも前記第2の判別結果とも異なる第3の判別結果となった場合に成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JC3。
遊技機JC3によれば、遊技機JC2の奏する効果に加え、先に第1条件が成立した後は、第3の判別結果とならないことをより強く期待させることができる一方で、先に第2条件が成立した場合は、第2の判別結果とならないことをより強く期待させることができるので、条件の成立順に応じて異なる判別結果を避けたいと思わせることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC3において、前記第1条件は、前記第1遊技状態が設定された後で予め定められた第1回数、前記第2の判別結果になった場合に成立する条件であり、前記第2条件は、前記第1遊技状態が設定された後で予め定められた第2回数、前記第2の判別結果になった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機JC4。
遊技機JC4によれば、遊技機JC3の奏する効果に加え、第2判別結果になった回数、および第3判別結果となった回数の両方に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC1からJC4のいずれかにおいて、前記第1遊技状態が設定された後で、前記複数の条件が成立する順序によらず、前記複数の条件のうち少なくとも1の条件が未成立の状態である間は前記第1遊技状態を維持可能であることを特徴とする遊技機JC5。
遊技機JC5によれば、遊技機C1からC4のいずれかが奏する効果に加え、少なくとも1の条件が未成立の間は、条件の成立順によらず有利な第1遊技状態が維持されるので、全ての条件が成立しないことを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機JC4において、前記第1遊技状態が設定された後で前記第1条件が成立し、且つ、前記第2条件が未成立の状況において、前記第2の判別結果の回数が前記第1回数よりも多い第3回数になったことに基づいて、前記第3の判別結果の回数が前記第2回数とは異なる第4回数になった場合に第2条件が成立するように変更する変更手段を備えることを特徴とする遊技機JC6。
遊技機JC6によれば、遊技機JC4の奏する効果に加え、第1条件の成立後も第2の判別結果となり続けて第2の判別結果の回数が第3回数に到達した場合に、第2条件を成立させるための第3の判別結果の回数を異ならせることができるので、第1条件の成立後においては、第2の判別結果の回数が第3回数に到達するか否かにより注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC6において、前記第4回数は、前記第2回数よりも多い回数であることを特徴とする遊技機JC7。
遊技機JC7によれば、遊技機JC6の奏する効果に加え、第2の判別結果の回数が第3回数に到達することで、第2条件を成立させるために要する第3の判別結果の規定回数が増加し、第1遊技状態が長く継続し易くなるので、第1条件が成立するまでは、第2の判別結果とならないことを期待させる遊技性とし、第1条件の成立後は、第2の判別結果となることを期待させる遊技性とすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JC1からJC7のいずれかにおいて、前記第2遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記複数の条件のいずれとも異なる予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記複数の条件の成立状況によらず、前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機JC8。
遊技機JC8によれば、遊技機JC1からJC7の何れかが奏する効果に加え、第1遊技状態において特定条件が成立すると、複数の条件の成立状況によらずに強制的に第2遊技状態が設定されるので、第1遊技状態が極端に長く継続しすぎてしまい、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JC8において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記特定条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とならずに予め定められた特定回数実行されたことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JC9。
遊技機JC9によれば、第1遊技状態を特定回数以内の判別回数で終了させることができるので、遊技者にとって過剰に有利となり過ぎてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴JD群>(時短状態を終了させ得る第1条件が成立する可能性を示唆する演出と、第2条件が成立する可能性を示唆する演出と、をそれぞれ独立して実行可能)
所定の設定条件の成立に基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態を終了させ得る第1条件が成立したか判別する第1条件判別手段と、前記第1遊技状態を終了させ得る条件であって前記第1条件とは異なる条件である第2条件が成立したか判別する第2条件判別手段と、前記第1条件が成立する可能性を示唆可能な第1演出と、前記第2条件が成立する可能性を示唆可能な第2演出と、を少なくとも実行可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態のそれぞれに対応する演出態様の演出を実行可能に構成されていると共に、有利度合いが高い遊技状態の少なくとも一部において、当該遊技状態の終了条件が成立する可能性(遊技回数)を示す報知を行うことが可能に構成されたものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、複数の終了条件が設けられていたとしても、最も成立し易い1の終了条件の成立可能性のみを報知するのが通常であるため、他の終了条件の成立可能性を遊技者が把握困難となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機JD1によれば、第1演出と第2演出とを確認することで、第1遊技状態が終了される可能性を遊技者に対してより正確に把握させることができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機JD1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて成立し得る条件であり、前記第2条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JD2。
遊技機JD2によれば、遊技機JD1の奏する効果に加え、第1遊技状態において、判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JD2において、前記第1条件は、1の前記第1遊技状態において予め定められた第1回数、前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する条件であり、前記第2条件は、1の前記第1遊技状態において予め定められた第2回数、前記第2の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JD3。
遊技機JD3によれば、遊技機JD2の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果の回数と第2の判別結果の回数とにそれぞれ注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JD3において、前記第1演出は、1の前記第1遊技状態において前記第1の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であり、前記第2演出は、1の前記第1遊技状態において前記第2の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であることを特徴とする遊技機JD4。
遊技機JD4によれば、第1演出および第2演出を確認することで、第1の判別結果となった回数および第2の判別結果となった回数を推測することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機JD3又はJD4において、前記第1遊技状態として、前記第1回数と前記第2回数とのうち少なくとも一方が互いに異なる回数に設定される複数が設けられており、前記第1遊技状態が設定されるよりも前に、当該第1遊技状態において設定される前記第1回数と前記第2回数とのうち少なくとも一方を遊技者に示唆可能な示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機JD5。
遊技機JD5によれば、第1遊技状態にバリエーションを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JD3からJD5のいずれかにおいて、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段を備え、前記第1の判別結果と前記第2の判別結果とは、いずれも前記特定の判別結果とは少なくとも異なる判別結果であることを特徴とする遊技機JD6。
遊技機JD6によれば、遊技機JD3からJD5のいずれかが奏する効果に加え、第1の判別結果も第2の判別結果も特定の判別結果とは異なる条件であるので、第1遊技状態において特定の判別結果となることを強く期待させることができるという効果がある。
遊技機JD1からJD6のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記第1条件と前記第2条件との一方が成立したとしても、他方が成立していない間は継続され得る遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機JD7。
遊技機JD7によれば、遊技機JD1からJD6のいずれかが奏する効果に加え、第1条件と第2条件との両方が成立するまで第1遊技状態が継続され得る斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴JE群>(第1遊技状態が設定された場合と、その第1遊技状態とは時短回数が異なる第2遊技状態が設定された場合とで、特図2の抽選回数を共通化する)
取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1の形成条件の成立に基づいて第1状態を形成する第1状態形成手段と、前記第1の形成条件とは異なる第2の形成条件の成立に基づいて第1状態とは異なる第2状態を形成する第2状態形成手段と、前記第1状態が形成された後で予め定められた第1条件が成立したことに基づいて、前記取得条件が成立し難い特定状態を形成する第1特定状態形成手段と、前記第2状態が形成された後で前記第1条件とは異なる第2条件が成立したことに基づいて、前記特定状態を形成する第2特定状態形成手段と、を備え、前記第1状態が設定されてから、前記特定状態が形成されるよりも前に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間の前記判別手段の判別回数が、前記第2状態が設定されてから、前記特定状態が形成されるよりも前に取得された全ての前記判別情報を用いた判別が終了するまでの間の前記判別手段の判別回数に一致し得る構成であることを特徴とする遊技機JE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞口として、有利度合いが比較的低い抽選が実行される第1始動口と、有利度合いが比較的高い抽選が実行される第2始動口と、を設け、第2始動口への入賞に基づいて実行される第2特別図柄の抽選が実行され難い不利な遊技状態と、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態と、を形成可能に構成されているものも存在する。係る従来型の遊技機においては、有利な遊技状態に移行して殻実行された第2特別図柄の抽選回数が規定回数に到達することにより、有利な遊技状態が終了されて不利な遊技状態に設定されるものが通常である。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが高い複数の状態において、終了条件が成立して不利な遊技状態に設定されるまでの第2特別図柄の抽選機会を共通化することが困難となる虞がある。
これに対して遊技機JE1によれば、異なる状態にもかかわらず同じ回数の判別を実行可能となるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JE1において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段を備え、前記第1状態は、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて形成され得る状態であり、前記第2状態は、前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて形成され得る状態であることを特徴とする遊技機JE2。
遊技機JE2によれば、遊技機JE1の奏する効果に加え、異なる遊技状態が設定されているにもかかわらず、第1状態と第2状態とで判別手段の判別回数を共通化することができるという効果がある。
遊技機JE2において、前記第1遊技状態において第1回数の前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第1遊技状態とも前記第2遊技状態とも異なる第3遊技状態を設定可能な第3遊技状態設定手段を備え、前記第2遊技状態は、前記第1回数よりも多い第2回数の前記判別手段の判別を実行可能な遊技状態であり、前記第3遊技状態は、前記第2回数よりも少ない第3回数の前記判別手段の判別を実行可能な遊技状態であることを特徴とする遊技機JE3。
遊技機JE3によれば、第2状態が形成されると、第2遊技状態において第1回数の判別を実行した後で第3遊技状態において第3回数の判別を実行させることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JE3において、前記第1条件は、前記第3遊技状態において前記第3回数の前記判別手段の判別が実行された場合に成立し得る条件であり、前記第2条件は、前記第2遊技状態において前記第2回数の前記判別手段の判別が実行された場合に成立し得る条件であり、前記第2回数は、前記第1回数と前記第3回数との和に一致することを特徴とする遊技機JE4。
遊技機JE4によれば、第1状態と第2状態とで、判別手段の判別回数を確実に一致させることができるという効果がある。
遊技機JE3又はJE4において、前記判別情報取得手段は、第1の取得条件の成立に基づいて第1の判別情報を取得し、前記第1の取得条件とは異なる第2の取得条件の成立に基づいて第2の判別情報を取得することが可能であり、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて前記第1の判別情報を用いて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて前記第2の判別情報を用いて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されており、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別手段の判別よりも有利度合いが高く構成され、前記第3遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記第1回数の前記第2判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記第3遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態は、前記第2回数の前記第2判別手段の判別を実行可能な遊技状態であり、前記第3遊技状態は、前記第3回数の前記第2判別手段の判別を実行可能な遊技状態であることを特徴とする遊技機JE5。
遊技機JE5によれば、有利度合いが高い第2判別手段の判別回数を、第1状態と第2状態とで共通化することができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JE5において、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、当該判別情報を用いた前記判別手段の判別が実行されるまで記憶可能な判別情報記憶手段を備え、前記特定状態は、前記判別情報記憶手段に前記第2の判別情報が記憶されていない前記第1遊技状態であることを特徴とする遊技機JE6。
遊技機JE6によれば、第2の判別情報を記憶させた状態で第1遊技状態が設定されれば第2の判別を実行可能な第3遊技状態が設定され得る一方で、第2の判別情報が記憶されていなければ不利な特定状態を形成するため、第1遊技状態が設定された時点における第2の判別情報の記憶数に注目させることができるという効果がある。
遊技機JE6において、前記第1の形成条件が成立する場合に、前記第1遊技状態が設定されるよりも少なくとも前に、前記第2の判別情報が前記判別情報記憶手段に対して記憶され易くなる遊技方法を報知する報知演出を実行可能な演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機JE7。
遊技機JE7によれば、遊技機JE6の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されるよりも前に報知演出を実行して判別情報記憶手段に第2の判別情報を記憶させることができるので、第1遊技状態において第2判別手段の判別を確実に実行可能にすることができる。よって、確実に、第1状態と第2状態とで第2判別手段の判別回数を一致させることができるという効果がある。
<特徴JF群>(1種2種の時短リミット機でリミット到達後に引き戻し)
第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて前記第1の判別よりも有利度合いが高い第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1の判別の判別結果と前記第2の判別の判別結果とのどちらかが予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、第1の設定条件の成立に基づいて、前記第2の判別条件が成立し易い第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第2遊技状態が設定されてから特定条件が成立するまでの間、前記第2の判別が実行され易い特定状態を形成可能であることを特徴とする遊技機JF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技の実行が終了した後に設定される遊技状態として、有利度合いが高い特定の遊技状態が規定回数に渡って連続して設定された後で、更に、特定の遊技状態に対応する当たり遊技が実行されたとしても、強制的に有利度合いが低い遊技状態を設定する制御を採用しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが低い遊技状態に設定された場合、当たりとなる期待度が大きく低下してしまい、遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に低下させてしまうという問題点がある。
これに対して遊技機JF1によれば、有利度合いが低い第2遊技状態が設定されたにもかかわらず有利度合いが高い第2の判別が実行され易い状態を形成することができるので、第2遊技状態が設定されたことに対する失望感を軽減させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JF1において、所定の取得条件の成立に基づいて前記第2判別手段の判別に用いるための判別情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記判別情報を、予め定められた特定の情報数を上限として、前記第2判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定状態は、少なくとも前記特定の情報数よりも多い情報数の前記判別情報を用いた前記第2の判別を実行可能な状態であることを特徴とする遊技機JF2。
遊技機JF2によれば、遊技機JF1の奏する効果に加え、特定状態が形成されることで、比較的多い回数の第2の判別が実行されるため、特定状態が形成された場合に遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機JF1又はJF2において、前記特典遊技の終了後の遊技状態として、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を決定する遊技状態決定手段を備え、前記第1遊技状態は、予め定められた第1条件が成立していない状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記遊技状態決定手段により前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態が決定され易くなり、前記第1条件が成立している状態で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1条件が成立していない状態よりも、前記遊技状態決定手段により前記第2遊技状態が決定され易くなる遊技状態であることを特徴とする遊技機JF3。
遊技機JF3によれば、遊技機JF1又はJF2の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1条件が成立していない間に特定の判別結果となることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JF3において、前記第1条件は、予め定められた特定回数の前記特典遊技に渡って連続して、前記遊技状態決定手段によって前記第1遊技状態が決定されたことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JF4。
遊技機JF4によれば、遊技機JF3の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されると、特定回数の特典遊技に渡って連続して、有利な第1遊技状態に設定され易い極めて有利な状況を形成するので、第1遊技状態が設定された場合に遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機JF1からJF4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第2の判別条件が成立し易い第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第2の設定条件の成立に基づいて設定された前記第2遊技状態では、前記第2の設定条件とは異なる設定条件の成立に基づいて設定された前記第2遊技状態よりも前記第2条件が成立し易くなる構成であることを特徴とする遊技機JF5。
遊技機JF5によれば、遊技機JF1からJF4のいずれかが奏する効果に加え、第2の設定条件の成立に基づいて設定された第2遊技状態の有利度合いを、他の契機で設定された第2遊技状態よりも高くすることができる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機JF5において、前記第2条件は、前記第2遊技状態において前記第2判別手段の判別で前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JF6。
遊技機JF6によれば、遊技機JF5の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2判別手段の判別が実行された場合に、判別結果により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機JF6において、前記第1判別手段の判別は、前記第1判別結果となり得ない判別であることを特徴とする遊技機JF7。
遊技機JF7によれば、遊技機JF6の奏する効果に加え、第1判別手段の判別が実行されても第1判別結果とならないため、第2遊技状態において第2判別手段の判別が実行されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機JF6又はJF7において、前記第2判別手段の判別は、前記第1判別結果とならなかった場合に前記特典遊技の実行が実質的に確定する構成であることを特徴とする遊技機JF8。
遊技機JF8によれば、遊技機JF6又はJF7の奏する効果に加え、第2判別手段の判別が第2遊技状態において実行されると、特典遊技が実行されるか、第3遊技状態が実行されるかのどちらかであるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JF8において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第2判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変する可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記第1判別手段の判別は、前記第2判別結果となり得ない判別であり、前記第2判別手段の判別は、前記特定の判別結果と前記第1判別結果と前記第2判別結果とのいずれかになる判別であることを特徴とする遊技機JF9。
遊技機JF9によれば、遊技機JF8の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2判別手段の判別が実行されると、特定の判別結果となって特典遊技が実行されるか、第1判別結果となって第3遊技状態が設定されるか、第2判別結果となって可変遊技が実行されるので、第1の判別結果にも第2の判別結果にもなり得ない第1判別手段の判別に比較して、極めて有利度合いを高くすることができる。よって、第2判別手段の判別が実行された場合に、遊技者に対して大きな期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴JG群>(遊技状態が変更されてから変更前の遊技状態で獲得した保留球が消化されるまでの期間で所定演出を実行)
所定の設定条件が成立したことに基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、その第1演出の実行中に予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態であることを遊技者が認識可能な演出態様で構成された第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設け、遊技状態毎に対応する演出態様の演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の遊技状態が終了されて設定されたと同時に設定された遊技状態に対応する演出を実行し、当該設定された遊技状態に対応する遊技方法の遊技を遊技者が即座に開始してしまうと、演出を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機JG1によれば、第2演出を確認することで、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に対して認識させることができるので、演出を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機JG1において、所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JG2。
遊技機JG2によれば、遊技機JG1の奏する効果に加え、判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了してから第2演出を実行することができるので、判別情報記憶手段に判別情報が記憶されている間に第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JG2において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別に基づく前記識別情報の動的表示が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JG3。
遊技機JG3によれば、遊技機JG2の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されるよりも前に取得された判別情報に基づく識別情報の動的表示の実行中に遊技者が第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機JG2又はJG3において、前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別の回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する第1の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第1終了手段と、前記第1遊技状態において前記第1の終了条件とは異なる第2の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第2遊技状態を設定する第2終了手段と、を備え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態に設定された直後に前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合と、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合とで、いずれも前記第1の終了条件が成立するよりも前に前記第2の終了条件が成立し易くなることを特徴とする遊技機JG4。
遊技機JG4によれば、遊技機JG2又はJG3の奏する効果に加え、第1演出の間、遊技者が遊技を行わずに第1演出を確認し続け、第2演出の開始に基づいて第1遊技状態に対応する遊技方法の遊技を行ったとしても、遊技者が損をすることを抑制することができるという効果がある。
遊技機JG1からJG4のいずれかにおいて、前記第1演出は、前記第1遊技状態が設定されていないと遊技者に思わせ得る演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機JG5。
遊技機JG5によれば、遊技機JG1からJG4のいずれかが奏する効果に加え、第2演出が実行されるまで、第1遊技状態が設定されていないと遊技者に思わせることができるので、特定の実行条件が成立するよりも前に遊技者が第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴JH群>(所定の遊技状態を終了させ得る特定条件が成立する可能性を示唆する演出)
所定の設定条件の成立に基づいて遊技者に有利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態を終了させ得る第1条件が成立したか判別する条件判別手段と、前記第1条件が成立する可能性を示唆可能な第1演出を少なくとも実行可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
これに対して遊技機H1によれば、第1演出を確認することで、第1遊技状態が終了される可能性を遊技者に把握させることができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機JH1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JH2。
遊技機JH2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1遊技状態において、判別手段の判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機JH2において、前記第1条件は、1の前記第1遊技状態において予め定められた第1回数、前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JH3。
遊技機JH3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果の回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JH3において、前記第1遊技状態を終了させ得る条件であって前記第1条件とは異なる第2条件が成立したか判別可能な第2条件判別手段と、前記第2条件が成立する可能性を示唆可能な第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を備え、前記第2条件は、1の前記第1遊技状態において前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数、前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて成立する条件であることを特徴とする遊技機JH4。
遊技機JH4によれば、遊技機JH3の奏する効果に加え、第1遊技状態において、第1の判別結果の回数と第2の判別結果の回数との両方に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機JH4において、前記第1演出は、1の前記第1遊技状態において前記第1の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であり、前記第2演出は、1の前記第1遊技状態において前記第2の判別結果となった回数に応じて演出態様が可変し得る演出であることを特徴とする遊技機JH5。
遊技機JH5によれば、第1演出および第2演出を確認することで、第1の判別結果となった回数および第2の判別結果となった回数を推測することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴JI群>(遊技状態が変更された後の所定期間で所定演出を実行)
所定の設定条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、その第1演出の実行中に予め定められた特定の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1演出とは異なる演出態様の第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機JI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態を設け、遊技状態毎に対応する演出態様の演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の遊技状態が終了されて設定されたと同時に設定された遊技状態に対応する演出を実行し、当該設定された遊技状態に対応する遊技方法の遊技を遊技者が即座に開始してしまうと、演出を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機JI1によれば、演出を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機JI1において、前記第2演出は、前記第1遊技状態であることを遊技者が認識可能な演出態様で構成されていることを特徴とする遊技機JI2。
遊技機JI2によれば、遊技機JI1の奏する効果に加え、第2演出を確認することで、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に対して認識させることができるという効果がある。
遊技機JI1又はJI2において、所定の取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JI3。
遊技機JI3によれば、遊技機JI1又はJI2の奏する効果に加え、判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了してから第2演出を実行することができるので、判別情報記憶手段に判別情報が記憶されている間に第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機JI3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、を備え、前記特定の実行条件は、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別に基づく前記識別情報の動的表示が終了した後で成立し得る条件であることを特徴とする遊技機JI4。
遊技機JI4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、第1遊技状態が設定されるよりも前に取得された判別情報に基づく識別情報の動的表示の実行中に遊技者が第1遊技状態に対応する遊技を開始してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機JI3又はJI4において、前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別の回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する第1の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第1遊技状態よりも有利度合いが低い第2遊技状態を設定する第1終了手段と、前記第1遊技状態において前記第1の終了条件とは異なる第2の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態を終了させて前記第2遊技状態を設定する第2終了手段と、を備え、前記第1遊技状態は、当該第1遊技状態に設定された直後に前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合と、前記第1遊技状態に設定された時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての判別情報を用いた判別が終了した後で前記第1遊技状態に対応する遊技方法で遊技を行った場合とで、いずれも前記第1の終了条件が成立するよりも前に前記第2の終了条件が成立し易くなることを特徴とする遊技機JI5。
遊技機JI5によれば、遊技機JI3又はJI4の奏する効果に加え、第1演出の間、遊技者が遊技を行わずに第1演出を確認し続け、第2演出の開始に基づいて第1遊技状態に対応する遊技方法の遊技を行ったとしても、遊技者が損をすることを抑制することができるという効果がある。
<5078系の特徴群>
<特徴KA群>(大当たり間に、通常状態よりも大当たり遊技が実行され易い遊技状態を特図抽選の実行回数又は抽選結果に基づいて複数回設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技が終了した後に実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達した場合に成立可能な第1条件と、前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて成立可能な第2条件と、のうち何れかが成立したことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、1の前記特典遊技が実行されてから次の前記特典遊技が実行されるまでの遊技期間中に、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態を複数回設定させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機KA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、従来型の遊技機では、特典遊技が実行された場合のみ有利状態が設定されるため、当たり当選しない遊技が継続する遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
さらに、従来型の遊技機として、特典遊技の終了後に設定される有利状態が、次の特典遊技が実行されるまで継続する遊技機がある。このような遊技機では、有利状態が設定されることにより遊技者に付与される特典の有利度合いが高くなるため、遊技者に対して過剰に有利な特典が付与されてしまうことを抑制するため、有利状態そのものが設定され難い仕様となり、有利状態が設定されることを期待しながら長時間遊技を行っている遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態を、実行された抽選回数に応じて終了させる遊技機もある。このような遊技機では、有利状態中に所定回数の抽選を実行したことによって有利状態が終了してしまうと、次の特典遊技が実行されるまでの間、有利状態よりも不利な状態で遊技を実行しなければならず、有利状態が終了した遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
遊技機KA1によれば、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態を、特典遊技間にて複数回設定可能であるため、第1遊技状態中の遊技を実行している遊技者に対して、特典遊技を目指した遊技を長時間継続し易くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
また、判別手段による判別結果に関わらず、判別手段により実行される判別の回数に基づいても第2遊技状態を設定することができるため、第2遊技状態が設定されることが無く、且つ、特典遊技も実行されない遊技が長時間継続してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機KA1において、前記遊技機は、前記遊技期間中に実行される前記判別によって、前記第2条件の方が、前記第1条件よりも成立し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機KA2。
遊技機KA2によれば、遊技機KA1の奏する効果に加え、所定回数の判別が実行されるよりも前に、判別結果に基づいて第2遊技状態を設定し易くすることができるため、遊技期間中に実行される判別の結果に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KA1またはKA2において、前記遊技期間中において前記第2条件を成立させることが可能となる回数の上限が、前記第1条件を成立させることが可能となる回数の上限よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機KA3。
遊技機KA3によれば、遊技機KA1またはKA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技期間中に第2条件が成立し得る上限回数の方が、第1条件が成立し得る上限回数よりも大きいため、遊技期間中において、第2条件の成立に基づく第2遊技状態を複数回設定させ易くすることができる。よって、遊技期間中に実行される判別の結果に対して遊技者に興味を持たせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KA3において、前記遊技期間中に成立した前記第1条件の成立回数が上限に到達したことを報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機KA4。
遊技機KA4によれば、遊技機KA3の奏する効果に加え、第1条件を成立させることができない遊技期間を遊技者に報知することができるため、第2遊技状態を設定させ易い遊技期間と、させ難い遊技期間と、を遊技者に把握させ易くすることができるという効果がある。
<特徴KB群>(遊技状態を示唆する背景モードの種別と、表示される演出図柄との組合せで特図抽選結果の有利度合いを示唆)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与される前記特典の種別として、第1特典種別と、その第1特典種別とは異なる第2特典種別とを含む複数の特典種別の中から1の前記特典種別を決定可能な特典種別決定手段と、その特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示唆するための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により実行される前記第1演出の演出態様を設定可能な第1演出態様設定手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定された前記遊技状態を示唆するための第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出の態様種別として、複数の態様種別の中から1の前記態様種別を設定可能な第2演出態様設定手段と、を有し、前記第1演出態様設定手段は、特定第1演出態様と、その特定第1演出態様よりも前記第1特典種別が決定された場合に設定され難い特定第2演出態様と、を含む複数の演出態様から1の演出態様を設定可能であり、前記遊技機は、前記第2演出態様設定手段により設定された前記第2演出の態様種別に基づいて、前記第1演出態様設定手段により前記特定第1演出態様が設定される割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機KB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の演出ステージが切り替わるように構成され、当たり抽選の結果を示すための変動演出の演出態様を、設定されている演出ステージに対応させて決定することで、変動演出が単調となることを抑制することが可能な遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2009-233171号公報)。
また、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定されている遊技状態を遊技者に分かり難くするために、異なる遊技状態であっても設定可能な演出ステージを複数設け、設定されている遊技状態に応じて各演出ステージの選択割合を異ならせることで、切り替わった演出ステージの種別に基づいて現在の遊技状態を遊技者に予測させることが可能な遊技機も提案されている。
このような従来型の遊技機では、通常、設定されている遊技状態に応じて当たり当選時に付与される特典の内容を異ならせていることが一般的であり、当たり当選時における遊技状態を遊技者はいち早く察知したいものであるが、何れの演出ステージが設定されている場合であっても、当たり抽選の結果を示すための表示態様として共通の表示態様が設定されることから実際に特典が付与されるまで当たり当選時における遊技状態を遊技者が把握できないといった問題があった。
遊技機KB1によれば、第1演出の演出態様と、遊技状態を示唆可能な第2演出の演出態様と、を組み合わせることで特典付与手段により付与される特典の種別を遊技者に予測させることが可能となるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KB1において、前記第2演出態様設定手段は、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定された場合の方が、前記第2遊技状態が設定された場合よりも設定され易い第1態様種別と、前記第1遊技状態が設定された場合よりも、前記第2遊技状態が設定された場合の方が設定され易い第2態様種別と、を少なくとも設定可能であることを特徴とする遊技機KB2。
遊技機KB2によれば、遊技機KB1の奏する効果に加え、第2演出の演出態様として設定される態様種別に基づいて、設定されている遊技状態を予測させることが可能となるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KB1または遊技機KB2において、前記遊技状態設定手段により、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと前記遊技状態が切り替わる第1設定が実行される場合の方が、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態へと前記遊技状態が切り替わる第2設定が実行される場合よりも、前記第2演出実行手段により前記第2演出を実行させ易く構成されていることを特徴とする遊技機KB3。
遊技機KB3によれば、遊技機KB1またはKB2の奏する効果に加え、遊技状態の移行パターンに応じて第2演出の実行のし易さを異ならせることができるため、第2演出が実行されるだけでも、新たに設定される遊技状態を遊技者に予測させることが可能となり、現在の遊技状態を予測させる楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機KB1からKB3のいずれかにおいて、前記第1演出態様設定手段は、前記第2演出態様設定手段により設定される前記第2演出の態様種別に関わらず、共通の前記複数の演出態様から1の前記演出態様を設定可能であることを特徴とする遊技機KB4。
遊技機KB4によれば、遊技機KB1からKB3の何れかの奏する効果に加え、第2演出の態様種別に関わらず、第1演出の演出態様を共通化することができるため、第1演出を実行するための演出データの総量を削減することができるという効果がある。
<特徴KC群>(同一抽選結果を示すための演出図柄の表示態様を、当選時の遊技状況に応じて決定する)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記判別の結果が前記特定の判別結果であることを示すための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態中に前記終了条件が成立するまでの残期間情報を判別可能な情報判別手段と、前記第2遊技状態中に実行された前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合に、前記情報判別手段により判別された前記残期間情報に基づいて前記第1演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有することを特徴とする遊技機KC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、従来型の遊技機では、例えば、有利状態の残期間として第1期間よりも長い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に不利となり、有利状態の残期間として第1期間よりも短い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に有利となる。つまり、同一の当たり(第1期間の有利状態が設定される当たり)に当選した場合であっても、既に設定されている有利状態の残期間によって、当たり当選によって遊技者に付与される特典の有利度合いが異なってしまうものであるにも関わらず、同一の当たり当選に対しては同一態様の演出が実行されてしまうため、今回の当たり当選が遊技者に有利な当たり当選であるか否かを実行される演出に基づいて把握し難いという問題があった。
遊技機KC1によれば、第2遊技状態中に実行された判別手段の判別結果が、第2遊技状態を設定可能な特定の判別結果である場合に、その特定の判別結果を示すための第1演出の演出態様を、既に設定されている第2遊技状態の終了条件が成立するまでの情報に基づいて決定することができるため、第1演出の演出態様を異ならせることができる。よって、新たな第2遊技状態が設定されることが遊技者に有利であるか否かを第1演出の演出態様によって遊技者に把握させ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KC1において、前記演出態様設定手段は、前記残期間情報に基づいて、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの残期間の方が、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの期間よりも長いことを示す第1演出態様と、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの残期間よりも、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件が成立するまでの期間の方が長いことを示す第2演出態様と、を少なくとも決定可能であることを特徴とする遊技機KC2。
遊技機KC2によれば、遊技機KC1の奏する効果に加え、実行される第1演出の演出態様が第1演出態様であるか、第2演出態様であるかによって、遊技者に有利な判別が実行されたか否かを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KC2において、前記終了条件決定手段は、第1終了条件と、その第1終了条件よりも成立し難い第2終了条件と、を含む複数の終了条件のうち、少なくとも1の終了条件を決定可能であることを特徴とする遊技機KC3。
遊技機KC3によれば、遊技機KC2の奏する効果に加え、異なる終了条件が決定された第2遊技状態を設定可能であるため、既に設定されている第2遊技状態の残期間情報が示す期間の長さと、新たに設定される第2遊技状態の終了条件が成立するまでの残期間情報が示す期間の長さと、に長短を設け易くすることができるため、第1演出に対する遊技者の興味をより強くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KC3において、前記終了条件決定手段は、少なくとも、第2遊技状態中に実行された前記判別の回数に基づいて成立する前記終了条件を決定可能であり、前記第1終了条件は、前記第2遊技状態中に第1回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立し、前記第2終了条件は、前記第1回数よりも少ない第2回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立可能であることを特徴とする遊技機KC4。
遊技機KC4によれば、遊技機KC3の奏する効果に加え、第1終了条件と第2終了条件とが第2遊技状態中に実行される判別手段による判別の回数に基づいて成立するため、第1終了条件と第2終了条件との成立のし易さが逆転すること無く、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴KD群>(時短当選時の時短報知演出の実行有無を、設定される時短回数と先読み結果とに基づいて決定する)
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記判別を実行し易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態を終了させるための終了条件として、第1終了条件と、その第1終了条件よりも成立し易い第2終了条件と、を含む複数の終了条件の中から少なくとも1の終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態に対して決定された前記終了条件の種別を示唆可能な第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を事前判別可能な事前判別手段を有し、前記第1演出実行手段は、前記第1終了条件が決定された場合、或いは、前記第2終了条件が決定された場合であって、且つ、前記事前判別手段による前記事前判別の結果が実行条件を満たしている場合に前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機KD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、所定期間の有利状態を設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、継続期間の長さを異ならせて有利状態を設定可能に構成された遊技機もあり、この場合、有利状態が設定されたことを報知するための報知演出を用いて継続期間の長さを示す情報を遊技者に報知可能な構成が提案されている。
このような従来型の遊技機では、有利状態の継続期間が長い方が遊技者に有利となるため、報知演出によって長い継続期間を示す情報が報知されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができ、報知演出の演出効果を高めることができるものであったが、短い継続期間を示す情報が報知された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態の継続期間を示すための情報を報知するための報知演出が実行された場合において、報知される継続期間の長さに関わらず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KD1によれば、成立し難い第1終了条件が決定された第2遊技状態を設定した場合と、成立し易い第2終了条件が決定された第2遊技状態を設定した場合であって、且つ、事前判別手段による判別結果が実行条件を満たしている場合に、第1演出を実行可能に構成しているため、第1演出が第1終了条件を示唆している場合も、第2終了条件を示唆している場合も、遊技者の遊技意欲が低下すること無く、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KD1において、前記終了条件決定手段は、少なくとも、第2遊技状態中に実行された前記判別の回数に基づいて成立する前記終了条件を決定可能であり、前記第1終了条件は、前記第2遊技状態中に第1回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立し、前記第2終了条件は、前記第1回数よりも少ない第2回数の前記判別が実行されたことに基づいて成立可能であることを特徴とする遊技機KD2。
遊技機KD2によれば、遊技機KD1の奏する効果に加え、第1終了条件と第2終了条件とが第2遊技状態中に実行される判別手段による判別の回数に基づいて成立するため、第1終了条件と第2終了条件との成立のし易さが逆転すること無く、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KD1またはKD2において、前記実行条件は、前記事前判別の結果が前記特定の判別結果に対応する結果である場合に成立可能であることを特徴とする遊技機KD3。
遊技機KD3によれば、遊技機KD1またはKD2の奏する効果に加え、第2終了条件が決定される第2遊技状態が設定された時点における事前判別の結果が、特典遊技が実行されることを示す事前判別の結果である場合に第1演出を実行することができるため、遊技者に対して、成立し難い第1終了条件では無く成立し易い第2終了条件が決定されたことを示す第1演出が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機KD3において、前記実行条件は、前記第2遊技状態が設定された後に実行される1回目の前記判別に対応する前記事前判別の結果が前記特定の判別結果に対応する結果である場合に成立可能であることを特徴とする遊技機KD4。
遊技機KD4によれば、遊技機KD3の奏する効果に加え、第2終了条件が決定される第2遊技状態が設定された後の1回目の判別に対応する事前判別の結果が、特典遊技が実行されることを示す事前判別の結果である場合に第1演出を実行することができるため、遊技者に対して、成立し難い第1終了条件では無く成立し易い第2終了条件が決定されたことを示す第1演出が実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴KE群>(同一抽選結果を示すための演出図柄の表示態様を、当選時の遊技状況に応じて決定するの派生)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記判別の結果が前記特定の判別結果であることを示すための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態中に前記終了条件が成立させるための情報を特定可能な情報特定手段と、前記情報特定手段により特定された前記情報に基づいて前記第1演出の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、を有することを特徴とする遊技機KE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、従来型の遊技機では、例えば、有利状態の残期間として第1期間よりも長い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に不利となり、有利状態の残期間として第1期間よりも短い期間を残している状態で第1期間の有利状態が設定される当たりに当選した場合には、今回の当たり当選が遊技者に有利となる。つまり、同一の当たり(第1期間の有利状態が設定される当たり)に当選した場合であっても、既に設定されている有利状態の残期間によって、当たり当選によって遊技者に付与される特典の有利度合いが異なってしまうものであるにも関わらず、同一の当たり当選に対しては同一態様の演出が実行されてしまうため、今回の当たり当選が遊技者に有利な当たり当選であるか否かを実行される演出に基づいて把握し難いという問題があった。
遊技機KE1によれば、特定の判別結果を示すための第1演出の演出態様を、既に設定されている第2遊技状態の終了条件が成立するまでの情報に基づいて決定することができるため、第1演出の演出態様を異ならせることができる。よって、新たな第2遊技状態が設定されることが遊技者に有利であるか否かを第1演出の演出態様によって遊技者に把握させ易くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機KE1において、前記演出態様設定手段は、前記情報に基づいて、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件の方が、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件が成立よりも成立し難いことを示す第1演出態様と、既に設定されている前記第2遊技状態の終了条件よりも、前記遊技状態設定手段により新たに設定される前記第2遊技状態の終了条件の方が成立し難いことを示す第2演出態様と、を少なくとも決定可能であることを特徴とする遊技機KE2。
遊技機KE2によれば、遊技機KE1の奏する効果に加え、実行される第1演出の演出態様が第1演出態様であるか、第2演出態様であるかによって、遊技者に有利な判別が実行されたか否かを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KE2において、前記終了条件決定手段は、第1終了条件と、その第1終了条件よりも成立し難い第2終了条件と、を含む複数の終了条件のうち、少なくとも1の終了条件を決定可能であることを特徴とする遊技機KE3。
遊技機KE3によれば、遊技機KE2の奏する効果に加え、異なる終了条件が決定された第2遊技状態を設定可能であるため、既に設定されている第2遊技状態と、新たに設定される第2遊技状態と、に成立のし易さを設け易くすることができるため、第1演出に対する遊技者の興味をより強くすることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴KF群>(時短当選時の時短報知演出の実行有無を、設定される時短回数と先読み結果とに基づいて決定するの派生)
所定数を上限に判別情報を記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記判別を実行し易い第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態を終了させるための終了条件を決定可能な終了条件決定手段と、前記第2遊技状態に対して決定された前記終了条件を示すための第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による前記判別が実行されるよりも前に前記記憶手段に記憶されている前記判別情報を事前判別可能な事前判別手段を有し、前記第1演出実行手段は、前記事前判別手段による前記事前判別の結果が実行条件を満たしている場合に前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機KF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、所定期間の有利状態を設定可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、継続期間の長さを異ならせて有利状態を設定可能に構成された遊技機もあり、この場合、有利状態が設定されたことを報知するための報知演出を用いて継続期間の長さを示す情報を遊技者に報知可能な構成が提案されている。
このような従来型の遊技機では、有利状態の継続期間が長い方が遊技者に有利となるため、報知演出によって長い継続期間を示す情報が報知されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができ、報知演出の演出効果を高めることができるものであったが、短い継続期間を示す情報が報知された場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、有利状態の継続期間を示すための情報を報知するための報知演出が実行された場合において、報知される継続期間の長さに関わらず遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KF1によれば、事前判別手段による判別結果が実行条件を満たしている場合に、第1演出を実行可能に構成しているため、遊技者の遊技意欲が低下すること無く、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KF1において、前記終了条件決定手段は、少なくとも、第2遊技状態中に実行された前記判別の回数に基づいて成立する前記終了条件を決定可能であることを特徴とする遊技機KF2。
遊技機KF2によれば、遊技機KF1の奏する効果に加え、終了条件が第2遊技状態中に実行される判別手段による判別の回数に基づいて成立するため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機KF1またはKF2において、前記実行条件は、前記事前判別の結果が前記特定の判別結果に対応する結果である場合に成立可能であることを特徴とする遊技機KF3。
遊技機KF3によれば、遊技機KF1またはKF2の奏する効果に加え、事前判別の結果が、特典遊技が実行されることを示す事前判別の結果である場合に第1演出を実行することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴KG群>
第1判別と第2判別とを実行することが可能な判別手段と、その判別手段による前記第1判別に対応した第1判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2判別に対応した第2識別情報と、が表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報または前記第2識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果または前記第2判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果を示すための態様で前記第1識別情報または前記第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記特定の第2判別結果に基づいて前記特典として特定の特典が付与されることにより前記判別手段による前記第1判別または前記第2判別が実行され易い第1設定がされる第1状態を設定することが可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1状態が設定されている状態で前記特定の特典が付与される場合に、前記特定の特典が付与された後の状態として終了条件が成立するまで前記第1状態を設定させることが可能な設定制御手段と、前記第2識別情報に対応して前記特定の特典が付与されることによって前記終了条件が成立する前記第2識別情報の動的表示がされている期間に実行させた前記第1判別による前記第1判別結果に対応して前記第2識別情報の動的表示が終了するまでに前記終了条件の成立がされないようにする設定を実行させることが可能な解除設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、遊技が単調となり易く遊技の興趣が低下するという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KG1によれば、第2識別情報に対応して特典が付与されることで第1状態が継続して設定されない終了条件が成立することを、第2識別情報の動的表示期間中に第1判別を実行させることで、その第1判別結果により終了条件の成立を回避させることができるので、遊技者の遊技方法により第1状態の設定期間を延長させることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KG1において、前記終了条件は、前記特定の特典が連続して所定回数付与されたことにより成立するものであることを特徴とする遊技機KG2。
遊技機KG2によれば、遊技機KG1の奏する効果に加え、第1状態が連続して設定される回数を制限させることができ、射幸性が著しく過剰となることを抑制できるという効果がある。
遊技機KG1またはKG2において、前記終了条件が成立する前記特定の特典が付与されることとなる前記第2識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が決定され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機KG3。
遊技機KG3によれば、遊技機KG1またはKG2の奏する効果に加え、終了条件が成立するまでの期間を長くすることができるので、遊技者に終了条件の成立を回避させる機会をより多く与えることができるという効果がある。
遊技機KG1からKG3のいずれかにおいて、前記終了条件が成立する前記特定の特典が付与されることとなる前記第2識別情報の動的表示が実行される期間に特定演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機KG4。
遊技機KG4によれば、遊技機KG1からKG3のいずれかの奏する効果に加え、特定演出が実行されることで、終了条件の成立が決定されていることを容易に判別でき、第1判別を実行させる遊技に切り替えるタイミングを容易に遊技者が認識できるという効果がある。
<特徴KH群>(KG群の派生)
第1判別と第2判別とを実行することが可能な判別手段と、その判別手段による前記第1判別に対応した第1判別結果を示すための第1識別情報と、前記第2判別に対応した第2識別情報と、が表示されることが可能な表示手段と、その表示手段に前記第1識別情報または前記第2識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果または前記第2判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果を示すための態様で前記第1識別情報または前記第2識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、前記特定の第2判別結果に基づいて前記特典として特定の特典が付与されることにより前記判別手段による前記第1判別または前記第2判別が実行され易い第1設定がされる第1状態を設定することが可能な状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1状態が設定されている状態で前記特定の特典が付与される場合に、前記特定の特典が付与された後の状態として終了条件が成立するまで前記第1状態を設定させることが可能な設定制御手段と、前記第2識別情報に対応して前記特定の特典が付与されることによって前記終了条件が成立する前記第2識別情報の動的表示がされている期間に前記終了条件を解除可能な解除設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が特定当たりであった場合には、抽選結果が当たりであることを示すための演出を実行した後に、遊技者に有利となる特典遊技を実行し、その特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
また、特典遊技の終了後に設定される有利状態の継続期間として、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを設定可能に構成し、第1期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、第2期間の有利状態が設定される当たりに当選したことを示す演出と、を実行することで、遊技者に抽選結果を分かり易く把握させることができるようにする構成も提案されている。
しかしながら、遊技が単調となり易く遊技の興趣が低下するという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KH1によれば、第2識別情報に対応して特典が付与されることで第1状態が継続して設定されない終了条件が成立することを、解除設定手段により回避させることができるので、遊技者の遊技方法により第1状態の設定期間を延長させることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KH1において、前記終了条件は、前記特定の特典が連続して所定回数付与されたことにより成立するものであることを特徴とする遊技機KH2。
遊技機KH2によれば、遊技機KH1の奏する効果に加え、第1状態が連続して設定される回数を制限させることができ、射幸性が著しく過剰となることを抑制できるという効果がある。
遊技機KH1またはKH2において、前記終了条件が成立する前記特定の特典が付与されることとなる前記第2識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が決定され易く設定されているものであることを特徴とする遊技機KH3。
遊技機KH3によれば、遊技機KH1またはKH2の奏する効果に加え、終了条件が成立するまでの期間を長くすることができるので、遊技者に終了条件の成立を回避させる機会をより多く与えることができるという効果がある。
<特徴KI群>
判別を実行可能な判別手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、前記第1期間に前記特定情報が記憶されていることに基づいて第1演出を実行可能であり、前記第1期間とは異なる第2期間に前記特定情報が記憶されていることに基づいて前記第1演出とは異なる第2演出を実行可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KI1によれば、第1期間と第2期間とで特定情報が記憶されていることで実行される演出が可変されるので、設定されている状態に合わせた演出を実行させることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KI1において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記特定条件判別手段は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特定条件の成立を判別するものであり、前記記憶手段は、前記特定条件の成立が判別されたことに基づいてカウント情報が前記特定情報として記憶されるものであり、前記カウント情報は、前記識別情報が動的表示された回数に対応して更新されるものであり、前記遊技機は、前記カウント情報が所定の情報である場合に遊技者に有利となる設定を実行可能にされていることを特徴とする遊技機KI2。
遊技機KI2によれば、遊技機KI1の奏する効果に加え、特定条件の成立によりカウント情報が記憶され、そのカウント情報が所定の情報である期間には遊技者に有利な設定がされるので、判別手段に特定の判別結果と判別される以外にも、入球手段に遊技球を入球させて特定条件を成立させる意欲を増大させることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KI1またはKI2において、前記第2期間では、前記第1期間であるよりも前記判別手段による判別が遊技者に有利となる判別が実行され易く設定されるものであり、前記第2演出は、前記第1演出よりも前記特定情報が記憶されていることが識別し難くされる演出であることを特徴とする遊技機KI3。
遊技機KI3によれば、遊技機KI1またはKI2の奏する効果に加え、第2期間では、特定情報が記憶されていることが識別し難くされるので、遊技者に有利な判別が実行され易い判別手段の判別に集中させることができ、遊技の状態に合わせた演出をより実行できるという効果がある。
<特徴KJ群>
判別を実行可能な判別手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報が動的表示されることが可能な動的表示期間中に演出を実行可能な演出実行手段と、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出実行手段は、第1期間である場合には前記第1期間が経過した後に設定される第2期間である場合よりも前記特定情報が記憶されていることを示すための報知情報を識別し難く実行する第1演出を実行可能にされ、前記第2期間へ移行することで前記特定情報が記憶されたことで設定された情報を示すための第2演出を実行可能にされていることを特徴とする遊技機KJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KJ1によれば、第1期間である場合には特定情報が記憶されていることが識別し難くされ、その後の第2期間となると特定情報が記憶されていたことを第2演出により識別できるように構成したので、特定情報が記憶されたことを時間差で識別させることができ、判別手段による判別結果に対応する識別情報の動的表示に第1期間では集中させ、その後の第2期間では特定情報が記憶されたかを遊技者に意識させることができるので分かり易い遊技を提供することで、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KJ1において、前記第1期間は、前記第2期間よりも遊技者に有利な期間に設定されているものであることを特徴とする遊技機KJ2。
遊技機KJ2によれば、遊技機KJ1の奏する効果に加え、有利な第1期間である場合には、遊技者に判別結果に対応した第1演出に集中させることで第1期間をより有利な期間であるように思わせることができるという効果がある。
遊技機KJ1またはKJ2において、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることに基づいて前記第1期間を設定することが可能にされているものであることを特徴とする遊技機KJ3。
遊技機KJ3によれば、遊技機KJ1またはKJ2の奏する効果に加え、特定の判別結果と判別されることで第1期間が設定されるので、遊技者に判別手段による判別で、有利な期間を設定することができ、遊技者に第1期間が設定されることを期待させて識別情報の動的表示に集中させることができるという効果がある。
遊技機KJ1からKJ3のいずれかにおいて、前記特定情報は、特定条件が成立した場合に判別されたカウント情報であり、前記第1期間から前記第2期間に移行した場合に、前記カウント情報に対応した報知態様が前記2演出として実行されるものであることを特徴とする遊技機KJ4。
遊技機KJ4によれば、遊技機KJ1からKJ3のいずれかにおいて、カウント情報が第1期間では識別し難くされるので、第1期間をカウント情報に妨げられずに楽しませることができるという効果がある。
<特徴KK群>
判別を実行可能な判別手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、有し、前記遊技機は、第1期間とその第1期間とは異なる第2期間とで、前記特定条件が成立したことに基づいて実行される演出の実行条件が可変されるものであることを特徴とする遊技機KK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KK1によれば、第1期間と第2期間とで、特定条件が成立したことに基づいて実行される演出の実行条件が可変されるので、期間によって特定条件が成立したことを認識できる演出の実行タイミングを可変させることができ、遊技の状態に合わせて演出を実行させることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機KK1において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記特定条件判別手段は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特定条件の成立について判別を実行し、前記特定条件の成立に基づいてカウント情報が前記特定情報として記憶されるものであることを特徴とする遊技機KK2。
遊技機KK2によれば、入球手段に入球させることで特定条件を成立させることができるので、入球手段への入球意欲を高めて遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KK2において、前記カウント情報を前記識別情報の動的表示回数に対応して更新させることが可能な更新手段と、前記カウント情報が所定の値であることに基づいて遊技者に有利となる設定をすることが可能な設定手段と、を有することを特徴とする遊技機KK3。
遊技機KK3によれば、遊技機KK2の奏する効果に加え、カウント情報が記憶されることで所定の動的表示回数まで遊技者に有利となる設定がされるので、特定条件の成立に対する価値を高めることができるという効果がある。
<特徴KL群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果に基づいて第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態とを含む複数の状態より1の状態を設定可能な状態設定手段と、前記判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別情報を動的表示させた後に前記判別結果を示すための態様で前記識別情報を表示させることが可能な動的表示手段と、特定の前記判別結果を示すための態様で前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件の成立を判別することが可能な特定条件判別手段と、その特定条件判別手段により前記特定条件の成立が判別されたことに基づいて特定情報が記憶される記憶手段と、記憶された前記特定情報の種別に対応する演出を前記状態設定手段により設定されている状態に対応させて実行することが可能な演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機KL1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機KL1によれば、記憶された特定情報の種別と設定されている状態とによって演出実行手段により対応する演出が実行可能であるので、遊技に状態に合わせた演出を実行可能であり、より遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機KL1において、遊技球が入球可能な入球手段を有し、前記特定条件判別手段は、前記入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特定条件の成立を判別するものであり、前記記憶手段は、前記特定条件の成立が判別されたことに基づいてカウント情報が前記特定情報として記憶されるものであり、前記カウント情報は、前記識別情報が動的表示された回数に対応して更新されるものであり、前記遊技機は、前記カウント情報が所定の情報である場合に遊技者に有利となる設定を実行可能にされていることを特徴とする遊技機KL2。
遊技機KL2によれば、遊技機KL1の奏する効果に加え、特定条件の成立によりカウント情報が記憶され、そのカウント情報が所定の情報である期間には遊技者に有利な設定がされるので、判別手段に特定の判別結果と判別される以外にも、入球手段に遊技球を入球させて特定条件を成立させる意欲を増大させることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機KL2において、前記演出実行手段は、前記カウント情報として特定のカウント情報が記憶されたことに基づいて前記カウント情報が記憶されたことを識別可能な第1演出を実行可能であり、前記特定のカウント情報と異なるカウント情報が記憶されたことに基づいて前記カウント情報が記憶されたことを前記第1演出よりも識別し難い第2演出を実行することが可能にされていることを特徴とする遊技機KL3。
遊技機KL3によれば、遊技機KL2の奏する効果に加え、記憶されるカウント情報の種別よってカウント情報が記憶されたことを遊技者が識別できる度合いを可変させることができるので、遊技者にカウント情報が記憶されたことに注意を向ける割合を可変させて、遊技に合わせて分かり易く遊技をさせることができるという効果がある。
<回転中に外形が変化する変位手段>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段を有する演出手段を備え、前記演出手段は、前記変位手段の傾倒中に、少なくとも前記回転軸から離れる方向に延びるような外形の変化を視認させることが可能に構成されることを特徴とする遊技機甲A1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段が勢いよく傾倒するように演出したとしても、傾倒時に変位手段の外形が変化することはないので、迫力に欠け、演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲A1によれば、演出手段が、変位手段の傾倒中に外形を変化可能に構成されることから、変位手段が勢いよく傾倒している最中に外形を変化させるという迫力ある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
遊技機甲A1において、前記変位手段の傾倒中に、傾倒中の前記変位手段の前記外形を維持させる第1状態から傾倒中の前記変位手段の前記外形を変化させる第2状態へ移行可能に構成されることを特徴とする遊技機甲A2。
遊技機甲A2によれば、遊技機甲A1の奏する効果に加え、変位手段の傾倒動作が進むほど、外形が維持される第1状態から外形が変化する第2状態へ移行されるので、傾倒し始めにおいて必要となる力を抑えることができ、傾倒動作をスムーズに開始し易くすることができる。
遊技機甲A2において、前記変位手段は、傾倒を開始する側の変位終端位置において前記第1状態となるように構成されることを特徴とする遊技機甲A3。
遊技機甲A3によれば、遊技機甲A2の奏する効果に加え、傾倒開始時に外形を変化させるための力を不要とできるので、傾倒開始時に必要となる力を傾倒に必要な力のみにできることから、必要とされる力を低減することができる。
遊技機甲A2又は甲A3おいて、前記第1状態から前記第2状態へ移行する方向で前記変位手段が傾倒する過程で、前記変位手段の傾倒角度に対する前記外形の変化の度合いが増大する区間を備えることを特徴とする遊技機甲A4。
遊技機甲A4によれば、遊技機甲A2又は甲A3の奏する効果に加え、第2状態における変位手段の傾倒中における外形の変化が、第1状態で配置されていた側から離れる程に(傾倒する程に)大きくなるので、変位手段の傾倒の度合いと、変位手段の外形の変化の度合いとを対応付けることができる。
遊技機甲A1から甲A4のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記所定の回転軸を中心に傾倒可能に支持される軸側手段と、その軸側手段に対して相対変位可能に構成される構成手段と、を備え、第1姿勢から傾倒することで第2姿勢となるよう構成され、前記第1姿勢よりも前記第2姿勢の方が、前記構成手段と前記所定の回転軸との距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機甲A5。
遊技機甲A5によれば、遊技機甲A1から甲A4のいずれかの奏する効果に加え、傾倒の方向に対応して、構成手段と所定の回転軸との距離の変化の方向が一方向に定められることで、傾倒の角度が大きくなるほど効果の度合いを大きくさせることができる。
即ち、変位手段が傾倒するほど、構成手段が所定の回転軸から離れていくことになるので、変位手段の重心位置を傾倒先端側に移動させることができ、傾倒の勢いを変位手段の自重により補助することができるので、勢いよい傾倒動作を実現できることから、演出効果を高めることができる。
更に、変位手段が傾倒の逆方向(起き上がり方向)に変位するほど、構成手段が所定の回転軸に近づいていくことになるので、変位手段の重心位置を回転軸側に移動させることができ、起き上がり動作に必要となる力を減少させることができる。
遊技機甲A5において、前記第1姿勢を終端姿勢とする所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いよりも、前記第2姿勢を終端姿勢とする前記所定角度の傾倒に対する前記構成手段と前記所定の回転軸との距離の変化の度合いを大きくさせる度合い変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲A6。
遊技機甲A6によれば、遊技機甲A5の奏する効果に加え、第2姿勢付近において、小さな傾倒角度であっても構成手段の所定の回転軸との距離を大きく変化させることができることから、所定の回転軸に対する変位手段の配置を大きくは変えずに、変位手段の外形を大きく変化させるという演出を行うことができる。
更に、第2姿勢から第1姿勢へ起き上がる変位(傾倒とは逆方向の変位)を変位手段に生じさせる場合に、変位の開始後において構成手段と所定の回転軸との距離を大きく変化させる(短くする)ことができるので、変位手段の重心を早期に所定の回転軸側に寄せることができ、起き上がる変位に必要となる力を低減することができる。
遊技機甲A5又は甲A6において、前記構成手段は、前記所定の回動軸を中心とする円の径方向に変位可能な第1構成手段と、前記径方向と直交する方向に変位可能な第2構成手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲A7。
遊技機甲A7によれば、遊技機甲A5又は甲A6の奏する効果に加え、第1姿勢と第2姿勢とで、変位手段の外形を更に異ならせることができる。
遊技機甲A7において、前記変位手段の傾倒中において、前記第1構成手段の変位開始から遅れて、前記第2構成手段の変位が開始されることを特徴とする遊技機甲A8。
遊技機甲A8によれば、遊技機甲A7の奏する効果に加え、第1構成手段の変位と第2構成手段の変位とが同時に開始される場合に比較して、必要とされる力を低減させることができる。
遊技機甲A7又は甲A8において、前記第2構成手段は、前記軸側手段に配設されることを特徴とする遊技機甲A9。
遊技機甲A9によれば、遊技機甲A7又は甲A8の奏する効果に加え、所定の回転軸側が膨らんだ外観形状で、変位手段を視認させることができる。
遊技機甲A7又は甲A8において、前記第2構成手段は、前記構成手段に配設されることを特徴とする遊技機甲A10。
遊技機甲A10によれば、遊技機甲A7又は甲A8の奏する効果に加え、構成手段側の広い外観形状で、変位手段を視認させることができる。
<回転軸から離れた位置で駆動力伝達>
所定の回転軸を中心に傾倒可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備え、前記所定の回転軸よりも前記変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して前記駆動手段の駆動力が前記変位手段に伝達されるよう構成されることを特徴とする遊技機甲B1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1軸線の側における変位手段の構造が大型化し易く、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが困難となるという問題点があった。即ち、変位手段の配置に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲B1によれば、駆動手段の駆動力が、変位手段の傾倒先端側に配置される配置部を介して伝達されることから、第1軸線の側における変位手段の構造を簡素化することができ、第1軸線を配置空間の隅に寄せて変位手段を配置することが容易となる。これにより、変位手段の配置を改善することができる。
遊技機甲B1において、前記変位手段の傾倒中において、前記駆動手段による駆動力の方向を所定方向に維持しながら、前記配置部の変位方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機甲B2。
遊技機甲B2によれば、遊技機甲B1の奏する効果に加え、駆動手段の駆動力の方向を維持している状態で、配置部の変位方向を変化可能に構成されるので、駆動手段の動作が単調であっても、配置部の変位を複雑にすることができる。
遊技機甲B1又は甲B2において、前記変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づくほど、前記配置部に与えられる駆動力の方向が、前記所定の回転軸と前記配置部とを通る直線方向に近づくことを特徴とする遊技機甲B3。
遊技機甲B3によれば、遊技機甲B1又は甲B2の奏する効果に加え、傾倒中に配置部に与えられる駆動力の方向を変化させることにより、変位手段が傾倒側の変位終端位置に近づく場合に、傾倒方向に生じる荷重が過大となることを避けることができる。
これにより、変位手段の傾倒が高速で生じる場合であっても、変位手段が傾倒側の変位終端位置に到達する際の衝撃を和らげ易くすることができるので、変位手段の耐久性を向上することができる。また、衝撃吸収用の緩衝材を不要とできる。
遊技機甲B1から甲B3のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力の方向は、前記変位手段に対して所定の直線方向の負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機甲B4。
遊技機甲B4によれば、遊技機甲B1から甲B3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を安定させ易くすることができる。また、駆動力のうち、変位手段の傾倒方向へ向く成分と変位手段の傾倒方向に対して直交する方向へ向く成分との比は、変位手段の位置(姿勢)に対応して定まるので、変位手段の傾倒方向への負荷の大小を、変位手段の位置(姿勢)に対応させることができる。
遊技機甲B4において、前記所定の直線方向と、前記配置部に当接される前記変位手段の当接部の移動方向のうちの前記所定の回転軸を中心とする回転方向成分との間の角度が大きくなるほど、前記配置部と、前記所定の回転軸との間の距離が長くなるよう構成されることを特徴とする遊技機甲B5。
遊技機甲B5によれば、遊技機甲B4の奏する効果に加え、駆動力の方向と傾倒する変位手段の変位方向との間の角度が大きいという、傾倒方向の負荷を伝達し難い状況であっても、駆動力が伝達される配置部と所定の回転軸との間の距離を長くすることにより、変位手段の傾倒のための駆動力が不足することを回避し易くすることができる。
即ち、変位手段の傾倒範囲において、傾倒に必要となる駆動力が局所的に増減することを抑制することにより、必要となる駆動力の変化幅を小さく抑え、駆動手段の選定を容易とすることができる。
遊技機甲B4又は甲B5において、前記変位手段は、表示装置の前方位置と、表示装置の外方位置とで変位可能とされ、前記前方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度は、前記外方位置における前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度よりも大きいことを特徴とする遊技機甲B6。
遊技機甲B6によれば、遊技機甲B4又は甲B5の奏する効果に加え、前方位置における回転方向の勢いを低減させることができるので、回転動作の停止を狙いの位置でさせ易い。そのため、回転途中では高速で回転動作させる一方、前方位置では回転をスムーズに止めるという動作を、容易に行うことができる。
遊技機甲B6において、前記外方位置から前記前方位置へ向かう程、前記所定の回転軸を中心とする前記配置部の移動方向と前記所定の直線方向との間の角度が大きくなることを特徴とする遊技機甲B7。
遊技機甲B7によれば、遊技機甲B6の奏する効果に加え、回転動作を段階的に減速させることができる。
遊技機甲B1から甲B7のいずれかにおいて、前記変位手段に接続させる電気配線は、前記所定の回転軸側から接続されることを特徴とする遊技機甲B8。
遊技機甲B8によれば、遊技機甲B1から甲B7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配置を傾倒先端側にずらしたことにより空いたスペースを、電気配線の配置スペースとして有効利用することができる。
遊技機甲B1から甲B8のいずれかにおいて、前記配置部は、第2の所定の直線方向で移動されることで前記所定の回転軸との距離が変化可能に構成され、前記配置部を通る前記第2の所定の直線方向は、前記所定の回転軸を通らないように構成されることを特徴とする遊技機甲B9。
遊技機甲B9によれば、遊技機甲B1から甲B8のいずれかの奏する効果に加え、配置部を第2の所定の直線方向で移動させるための力を、変位手段を所定の回転軸を中心に回転動作させるためにも利用することができる。
遊技機甲B1から甲B9のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を伝達可能な無端ベルトを備えることを特徴とする遊技機甲B10。
遊技機甲B10によれば、遊技機甲B1から甲B9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位幅を大きく確保し易くすることができる。
<抵抗感を範囲ごとに変化させる>
変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させる駆動手段と、を備える遊技機において、変位中の前記変位手段が受ける力の態様を、前記変位手段の位置に対応して変化させる態様変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲C1。
パチンコ機等の遊技機において、第1軸線を中心として回転動作可能に構成される変位手段と、その変位手段を動作させる駆動手段と、を備え、変位手段が終端位置において付勢力を受けて制動されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2014-144283号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、変位中の変位手段が受ける力について何ら考慮されておらず、変位途中において駆動手段に与えられる負荷が急激に変化する等する可能性があり、改良の余地があるという問題点があった。即ち、変位手段の変位について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲C1によれば、態様変化手段により、変位中の変位手段が受ける力の態様を、変位手段の位置に対応して変化させることができることから、変位途中において変位手段に与えられる力を適切に調整することができ、駆動手段に与えられる負荷が急激に変化することを防止できる。これにより、変位手段の変位を改良することができる。
遊技機甲C1において、前記変位手段は、第1範囲と、その第1範囲と異なる第2範囲とを変位可能であって、前記態様変化手段により前記変位手段が受ける力は、前記第1範囲に配置される場合よりも、前記変位手段が前記第2範囲に配置される場合の方が大きくなることを特徴とする遊技機甲C2。
遊技機甲C2によれば、遊技機甲C1の奏する効果に加え、変位手段が受ける力の態様を範囲ごとに変化させることができる。
遊技機甲C2において、前記第1範囲または前記第2範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含む範囲とされることを特徴とする遊技機甲C3。
遊技機甲C3によれば、遊技機甲C2の奏する効果に加え、変位終端において変位手段が受ける力が変化することを防止することができる。
遊技機甲C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の前記変位終端を含むことを特徴とする遊技機甲C4。
遊技機甲C4によれば、遊技機甲C3の奏する効果に加え、変位手段の変位終端からの変位に要する駆動力を低減させることができる。
遊技機甲C4において、前記態様変化手段は、前記変位手段に対して相対変位可能な相対変位手段を備え、前記第2範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数が、前記第1範囲において相対変位する前記相対変位手段の個数よりも多くされることを特徴とする遊技機甲C5。
遊技機甲C5によれば、遊技機甲C4の奏する効果に加え、相対変位する相対変位手段の個数を変化させることで演出効果を高めながら、態様変化手段から生じる力の増減を生じさせることができる。
遊技機甲C5において、前記相対変位手段は、第1の態様で相対変位する第1相対変位手段と、第2の態様で相対変位する第2相対変位手段と、を備え、前記変位手段が一方の変位終端から変位開始する場合に、前記第1相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機甲C6。
遊技機甲C6によれば、遊技機甲C5の奏する効果に加え、複数態様で相対変位する相対変位手段が同時に相対変位を開始するのではなく、相対変位のタイミングがずらされることにより、変位手段の変位を安定させることができる。
遊技機甲C6において、前記変位手段が他方の変位終端から変位開始する場合に、前記第2相対変位手段の相対変位から生じることを特徴とする遊技機甲C7。
遊技機甲C7によれば、遊技機甲C6の奏する効果に加え、変位手段が変位を開始する終端ごとに、先に相対変位する相対変位手段を異ならせることで、演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲C3において、前記第1範囲は、前記変位手段の少なくとも一方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機甲C8。
遊技機甲C8によれば、遊技機甲C3の奏する効果に加え、少なくとも一方の変位終端において、変位手段を減速させ易くすることができる。
遊技機甲C8において、前記変位手段が受ける前記力は、所定の抵抗力であることを特徴とする遊技機甲C9。
遊技機甲C9によれば、遊技機甲C8の奏する効果に加え、変位手段が受ける所定の抵抗力を変位終端で大きくし、変位途中で小さくするように構成することで、変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機甲C8又は甲C9において、前記第1範囲は、前記変位手段の両方の変位終端を含むことを特徴とする遊技機甲C10。
遊技機甲C10によれば、遊技機甲C8又は甲C9の奏する効果に加え、両変位終端において変位手段を減速させ易くすることができるので、両変位方向において変位手段の変位の迅速化を図ることができる。
遊技機甲C10において、前記変位手段は一対で構成され、その一対の前記変位手段から前記駆動手段側に伝達される荷重は、前記両方の変位終端において同じとされることを特徴とする遊技機甲C11。
遊技機甲C11によれば、遊技機甲C10の奏する効果に加え、両方の変位終端からの変位開始に要する駆動力を同じにすることができる。
<基板に位置合わせされる導光板に平行に光を照射>
板状部材から構成される第1手段と、その第1手段の所定面側に配設される第1発光手段と、その第1発光手段の光を受光可能な板状の第1受光手段と、を備え、前記第1受光手段は、前記所定面と対向配置される側面が前記第1手段の前記所定面と当接されることを特徴とする遊技機甲D1。
パチンコ機等の遊技機において、発光手段が配設される板状部材と、その板状部材の発光手段に対向配置され、発光手段の光が入射されるよう構成される板状部を有する受光手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-198675号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、受光手段を位置合わせするための他の部材が必要であり、構造が複雑化するという問題点があった。即ち、受光手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲D1によれば、第1手段と第1受光手段との当接により第1受光手段の第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して改善することができる。
遊技機甲D1において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接されることを特徴とする遊技機甲D2。
遊技機甲D2によれば、遊技機甲D1の奏する効果に加え、第2受光手段についても第1手段との当接により第1手段に対する位置合わせを行うことができるので、第1受光手段および第2受光手段を位置合わせするための構造を簡素化することができる。即ち、受光手段の配置に関して更に改善することができる。
遊技機甲D2において、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第1手段に、所定の押圧手段からの押圧により固定可能とされることを特徴とする遊技機甲D3。
遊技機甲D3によれば、遊技機甲D2の奏する効果に加え、押圧手段からの押圧により3部材を固定可能とされるので、複数部材を固定するための固定箇所を減らすことができ、製造工数を削減できる。
遊技機甲D1から甲D3のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1受光手段を支持可能に構成される支持手段を備え、その支持手段は、前記第1手段に嵌合可能な第1突設部と、前記第1受光手段に嵌合可能な第2突設部と、を備えることを特徴とする遊技機甲D4。
遊技機甲D4によれば、遊技機甲D1から甲D3のいずれかの奏する効果に加え、支持手段によって第1手段および第1受光手段を支持することで、第1手段の板面と平行な方向における第1手段と第1受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
なお、第2受光手段が配設される場合において、第2突設部が第2受光手段にも嵌合可能に構成するようにしても良い。この場合、第1手段の板面と平行な方向における第1受光手段と第2受光手段との位置ずれを防ぐことができる。
遊技機甲D3又は甲D4において、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が前記反対面と当接され、前記第1手段は、前記第2突設部の外方に配置され、前記第1受光手段および前記第2受光手段は、前記第2突設部において所定の押圧手段により押圧され固定可能とされることを特徴とする遊技機甲D5。
遊技機甲D5によれば、遊技機甲D3又は甲D4の奏する効果に加え、手段からの押圧力が第1手段の端部にかけられるようにすることができる。これにより、押圧力が過大になった場合でも、第1手段の端部が破損することで留めることができ、発光手段が配設される中央部側が破損することを避け易くすることができる。
遊技機甲D5において、前記第1受光手段または前記第2受光手段は、第1手段と当接する当接部の形状が対応するように構成されることを特徴とする遊技機甲D6。
遊技機甲D6によれば、遊技機甲D5の奏する効果に加え、所定の押圧手段からの押圧により第1受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分と、第2受光手段を介して第1手段に力がかけられる部分とを対応させることができるので、第1手段にかけられる力の方向を面直方向にしやすく、表裏にかけられる力のバランスを良くすることができる。これにより、第1手段の面と傾斜する方向に力がかけられることによる第1手段の割れを防止することができる。
遊技機甲D3から甲D6のいずれかにおいて、前記第1手段の前記所定面側とは反対側の反対面側に配設される第2発光手段と、前記第2発光手段の光を受光可能な板状の第2受光手段と、を備え、前記第2受光手段は、前記反対面と対向配置される側面が、前記反対面と当接され、前記第1発光手段は、前記第2発光手段に対応する位置に配置され、前記第2発光手段の照射方向に対して平行な方向に光を照射するよう構成されることを特徴とする遊技機甲D7。
遊技機甲D7によれば、遊技機甲D3から甲D6のいずれかの奏する効果に加え、第1発光手段から第1受光手段に光が照射される位置と、第2発光手段から第2受光手段に光が照射される位置とを、対応させることができる。これにより、異なる発光部により照らされる位置を合わせることができるので、第1受光手段および第2受光手段の平面と直交する方向視における発光演出を良好とすることができる。
遊技機甲D7において、前記第1発光手段は、複数の発光部を備え、それら複数の発光部からの光の光軸方向が互いに平行とされることを特徴とする遊技機甲D8。
遊技機甲D8によれば、遊技機甲D7の奏する効果に加え、第1発光手段の光により第1手段を広範囲で均一に光らせることができる。
遊技機甲D1から甲D8のいずれかにおいて、前記第1手段および前記第1発光手段を支持可能に構成される支持手段、を備え、前記第1受光手段は、前記第1手段が配設される側の反対側の被支持面が前記支持手段の支持面に支持されるよう構成され、前記被支持面または前記支持面は、複数の突起部を備え、その複数の突起部は、所定の発光手段からの光を受けて演出可能に構成されることを特徴とする遊技機甲D9。
遊技機甲D9によれば、遊技機甲D1から甲D8のいずれかの奏する効果に加え、複数の突起部を、光を受けて演出する演出面と、押圧力を分割可能な構造面とで利用することができる。
遊技機甲D9において、前記所定の発光手段は、前記第1発光手段に対する前記第1受光手段の反対側に配置されることを特徴とする遊技機甲D10。
遊技機甲D10によれば、遊技機甲D9の奏する効果に加え、所定の発光手段からの光と第1発光手段からの光とが干渉することを避けることができる。
遊技機甲D1から甲D10のいずれかにおいて、前記第1手段は、複数枚の板状部材を備えることを特徴とする遊技機甲D11。
遊技機甲D11によれば、遊技機甲D1から甲D10のいずれかの奏する効果に加え、第1受光手段へ光を照射する第1発光手段の配設箇所を増やすことができるので、第1受光手段の大きさの設計自由度を向上させることができる。
遊技機甲D1から甲D11のいずれかにおいて、前記第1受光手段の受光側端部は、前記第1発光手段の照射方向側の前記第1手段の端部よりも前記発光手段側に配置されることを特徴とする遊技機甲D12。
遊技機甲D12によれば、遊技機甲D1から甲D11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段を遮蔽部材として利用することで、第1受光手段に受光される前の光が漏れることを防止することができる。
<光を通す方向を制限する制限手段>
前面側に遊技球が流下可能な領域を構成する流下手段と、その流下手段よりも正面側に設けられ、背面側に位置する前記領域を遊技球が流下する場合がある正面側手段と、を備え、前記正面側手段は、第1方向の方向視と、その第1方向の方向視よりも前記領域を流下する遊技球を視認し易い第2方向の方向視とで視認可能に構成されることを特徴とする遊技機甲E1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球の流下経路の正面側に装飾用の文字や図形等が描かれた透明板が配設される遊技機がある(例えば、特開2017-23543号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、装飾用の文字や図形越しに流下経路を流れる遊技球を視認することになるが、どちらか一方を見易くすると(例えば、装飾用の文字や図形を濃くすると)、他方の視認性が悪くなる(例えば、遊技球が見え難くなる)といった事態が生じ得ることになり、遊技中における遊技球の視認性について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲E1によれば、正面側手段は、見る方向によって、流下手段を流下する遊技球を視認し易い状態と、視認し難い状態とを構成できる。即ち、第1方向視においては正面側手段の正面側を視認させる一方で、第2方向視において正面側手段越しに遊技球を視認させるようにすることで、正面側手段を採用したまま、遊技中における遊技球の視認性を改善することができる。
遊技機甲E1において、前記正面側手段は、光透過性の樹脂材料から形成され、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備えることを特徴とする遊技機甲E2。
遊技機甲E2によれば、遊技機甲E1の奏する効果に加え、方向選択手段により、光が透過可能な方向を制限することにより、方向の違いによる視認性の程度の違いをより明確にすることができる。
遊技機甲E2において、前記流下手段よりも正面側に配置され、遊技球が流下する領域の前側面を構成する前側面構成手段を備え、前記方向選択手段は、前記正面側手段と前記前側面構成手段との間の領域に配置され所定の厚みを有するよう構成されることを特徴とする遊技機甲E3。
遊技機甲E3によれば、遊技機甲E2の奏する効果に加え、方向視の違いによる視認性の変化を、正面側手段と前側面構成手段との間という厚みの薄い領域に配置される方向選択手段により実現できるので、方向選択手段自体による光の減衰の影響を受け難くすることができ、第1方向の方向視と、第2方向の方向視との見え方の違いを顕著にすることができる。
遊技機甲E1から甲E3のいずれかにおいて、前記方向選択手段により視認される方向で遊技球の視認性が変化する第1の流路と、視認される方向で遊技球の視認性が変化しない第2の流路とが隣り合って設けられることを特徴とする遊技機甲E4。
遊技機甲E4によれば、遊技機甲E1から甲E3のいずれかの奏する効果に加え、所定範囲を視認する遊技者の視線の方向の違いにより、第2の流路に注目させ易い状態と、第1の流路および第2の流路の両方に同程度に注目させ易い状態とを生じさせることができる。
遊技機甲E4において、前記第1の流路を流下する遊技球を検出可能な検出手段を備えることを特徴とする遊技機甲E5。
遊技機甲E5によれば、遊技機甲E4の奏する効果に加え、方向選択手段により遊技球が第1の流路を流下したことを視認できない事態が生じても、検出手段により遊技球の流下が検出された場合に遊技者側に報知を行うように制御することが可能となるので、第1の流路を遊技球が流下したか否かを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機甲E4又は甲E5において、前記第1の流路に流入した遊技球は、前記第1の流路を介して遊技領域から排出されることを特徴とする遊技機甲E6。
遊技機甲E6によれば、遊技機甲E4又は甲E5の奏する効果に加え、遊技領域から排出される予定の第1の流路を流下する遊技球に比較して、流下した後も遊技領域を流下し得る第2の流路を流下する遊技球に対して、より注目させることができる。
遊技機甲E1から甲E6のいずれかにおいて、前記正面側手段は、前記領域へ向かう前記第1方向の光を遮り、前記第2方向の光が前記領域へ向かうことを許容する方向選択手段を備え、その方向選択手段は、その表面側を覆うように光透過性の樹脂部材が配置され、その樹脂部材の表面に装飾図形が形成されることを特徴とする遊技機甲E7。
遊技機甲E7によれば、遊技機甲E1から甲E6のいずれかの奏する効果に加え、第1方向から領域側へ視線を送る遊技者に対して、樹脂部材の表面の装飾図形を視認させることができるので、正面側手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲E7において、前記方向選択手段は、積層配置される複数の板状部を有する板状手段から形成されることを特徴とする遊技機甲E8。
遊技機甲E8によれば、遊技機甲E7の奏する効果に加え、前後方向の隙間寸法が大きい場合に、その隙間を方向選択手段により埋め易くすることができる。
遊技機甲E1から甲E8のいずれかにおいて、光照射手段を備え、その光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化されることを特徴とする遊技機甲E9。
遊技機甲E9によれば、遊技機甲E1から甲E8のいずれかの奏する効果に加え、光照射手段の光を点灯させる場合と、消灯させる場合とで、正面側手段の視認性に変化を生じさせることができるので、領域を流下する遊技球の視認性の切り替えを、演出に対応させて実行させることができる。
遊技機甲E9において、前記光照射手段の光により前記正面側手段の視認性が変化される範囲を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機甲E10。
遊技機甲E10によれば、遊技機甲E9の奏する効果に加え、光照射手段の照射態様を切り替えることにより、正面側手段の範囲ごとの視認性を変化させることができる。これにより、遊技球が流下する領域を視認性良く視認できる方向を、光照射手段により切り替えることができる。
遊技機甲E1から甲E10のいずれかにおいて、前記正面側手段は、変位可能に構成されることを特徴とする遊技機甲E11。
遊技機甲E11によれば、遊技機甲E1から甲E10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が目線を動かさなくても、正面側手段が変位することにより遊技者の目線と正面側手段との間の角度が変化する場合を生じさせることができ、領域の視認性を変化させることができる。
<基板ボックスW100~W3100,W700~W9100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備え、前記係合部材が取り外されて、前記配設部材が取り外される遊技機において、前記係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされることを特徴とする遊技機甲WA1-0。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WA1-0によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材が取り外されると、前記配設部材が取り外されたのと同等の状況が形成可能とされる。これにより、その状況に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
遊技機甲WA1-0において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記連結部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機甲WA1-1。
遊技機甲WA1-1によれば、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、連結部に対応する位置に形成されるので、連結部が切断される際に、凹部(空間)を利用して(連結部を切断するための工具の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を破損させやすくできる。即ち、切断部が切断された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機甲WA1-1において、前記第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、前記ねじの頭部は、前記凹部に位置することを特徴とする遊技機甲WA1-2。
遊技機甲WA1-2によれば、遊技機甲WA1-1の奏する効果に加え、第1部材と前記第2部材とは、ねじの締結により連結され、ねじの頭部は、凹部に位置するので、連結部が切断される際に形成される配設部材の痕跡を、ねじの頭部に対応する位置に形成することができる。よって、配設部材によりねじの頭部が隠れている場合でも、配設部材の痕跡に基づいて、ねじの位置を把握できる。その結果、ねじの締結を解除する作業の作業性を向上できる。
遊技機甲WA1-1又は甲WA1-2において、前記係合部材は、前記本体部と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記連結部と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機甲WA1-3。
遊技機甲WA1-3によれば、遊技機甲WA1-1又は甲WA1-2の奏する効果に加え、係合部材は、本体部と配設部材との間の対向間隔よりも連結部と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、連結部を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、連結部が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
遊技機甲WA1-1から甲WA1-3のいずれかにおいて、前記連結部は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されることを特徴とする遊技機甲WA1-4。
遊技機甲WA1-4によれば、遊技機甲WA1-1から甲WA1-3のいずれかの奏する効果に加え、連結片は、少なくとも一方の側面が傾斜して形成されるので、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を移動させることができる。よって、工具の先端を配設部材に当接させ、配設部材を破損させやすくできる。
例えば、一対の刃の間に連結片を挟み込んで(一対の刃を両側面に当接させて)、連結片を切断する工具を使用する場合には、連結片が切断される際に、側面の傾斜に沿って工具を回転させ、その回転に伴って、工具の先端を配設部材に当接させやすくできる。
遊技機甲WA1-1から甲WA1-4のいずれかにおいて、前記連結部は、第1部分と、その第1部分よりも両側面の間の距離が小さくされる第2部分とを備え、前記第1部分と前記配設部材との間の対向間隔よりも前記第2部分と前記配設部材との間の対向間隔が小さくされることを特徴とする遊技機甲WA1-5。
遊技機甲WA1-5によれば、遊技機甲WA1-1から甲WA1-4のいずれかの奏する効果に加え、第2部分は、第1の部分よりも両側面間の距離が小さくされるので、第2部分の切断により、連結部の切断を容易とできる。
この場合、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされるので、第2部分を切断するための工具の先端を配設部材に近づけることができ、第2部分が切断される際に、配設部材を破損させやすくできる。
また、このように、第1部分と配設部材との間の対向間隔よりも第2部分と配設部材との間の対向間隔が小さくされる(即ち、第2部分を配設部材側へ延長できる)ことで、その分、第1部分と第2部分との横断面の面積の差を抑制できる。よって、係合部材を樹脂材料から形成する場合には、その成形性を確保できる。
<基板ボックスW4100~W6100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、前記第1部材に係合される係合部と、前記本体部および前記係合部を連結する連結部と、を備え、前記係合部材の係合部は、前記配設部材へ向けて突設される突部を備えることを特徴とする遊技機甲WA2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
ここで、取り外した配設部材が再び配設される場合がある。この場合には、配設部材の状態を確認できることが好ましいが、上述した遊技機では、配設部材の状態を確認可能とする上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の状態を確認可能とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WA2-1によれば、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、係合部材は、配設部材へ向けて突設される突部を備えるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
なお、配設部材に痕跡が無い場合には、その配設部材が新品である可能性が高いと判断できる。配設部材に痕跡が有る場合には、第1部材および第2部材から係合部材が取り外される際に配設部材に痕跡が形成され、第1部材および第2部材から取り外されて、同一または別の第1部材および第2部材に再度配設(再利用)された配設部材である、又は、第1部材および第2部材または収納物に対して不正な操作を行うために、第1部材および第2部材から係合部材のみが取り外され、その係合部材の取り外しの際に痕跡が形成された配設部座合である可能性が高いと判断できる。
遊技機甲WA2-1において、前記突部は、前記係合部の外縁側に位置されることを特徴とする遊技機甲WA2-2。
遊技機甲WA2-2によれば、遊技機甲WA2-1の奏する効果に加え、突部は、係合部の外縁側に位置されるので、第1部材に係合部材が係合された状態であっても、配設部材の痕跡を視認しやすくできる。即ち、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)の確認を行いやすくできる。
遊技機甲WA2-1又は甲WA2-2において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機甲WA2-3。
遊技機甲WA2-3によれば、遊技機甲WA2-1又は甲WA2-2の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作(弾性変形)により第1部材との係合が解除される際には、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
遊技機甲WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されていることを特徴とする遊技機甲WA2-4。
遊技機甲WA2-4によれば、遊技機甲WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲に少なくとも形成されているので、配設部材の破損範囲を確保できる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
遊技機甲WA2-3において、前記係合部材は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、前記第1部材から取り外し可能とされ、前記凹部は、前記配設部材に近づく方向へ前記係合部が操作された状態で、前記係合部材が前記所定方向へ前記所定距離を変位される際の前記突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されていることを特徴とする遊技機甲WA2-5。
遊技機甲WA2-5によれば、遊技機甲WA2-3の奏する効果に加え、係合部材は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、所定方向へ所定距離を変位されることで、第1部材から取り外し可能とされ、凹部は、配設部材に近づく方向へ係合部が操作された状態で、係合部材が所定方向へ所定距離を変位される際の突部に対応する範囲のうちの前半部分のみに形成されているので、配設部材の破損範囲の確保と、係合部材が第1部材から不正に取り外されることの抑制とを図ることができる。
即ち、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材と係合部材との係合が解除される際には、突部の先端が凹部に受け入れられた状態で、係合部材が所定方向へ変位されるので、その係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位される間、凹部に受け入れられた突部の先端により配設部材を破損し続けることができる。よって、配設部材の破損範囲を確保できる。
一方で、係合部材が所定方向へ所定距離の前半部分を変位された後は、凹部に受け入れられた突部の先端を凹部の終端に係合させることができる。これにより、係合部材の所定方向への変位を規制することができるので、係合部材が第1部材から不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWa100~Wc100,Wi100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が分離された前記本体部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WB1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WB1-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、係合部が分離された本体部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすいので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機甲WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、前記連結部が切断された状態では、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接する位置まで前記本体部が前記第1部材および前記第2部材に対して変位可能とされることを特徴とする遊技機甲WB1-2。
遊技機甲WB1-2によれば、遊技機甲WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
この場合、本体部は、配設部材の所定領域に対応する位置に配設される変更手段を備え、連結部が切断された状態では、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接する位置まで本体部が第1部材および第2部材に対して変位可能とされるので、連結部を切断した後であって、第1部材および第2部材から本体部を取り外す前に、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる(配設部材の配設状態を変更する)ことができる。即ち、連結部を切断し、本体部を第1部材および第2部材から取り外す作業と、取り外した本体部(変更手段)を使用して配設部材の配設状態を変更する作業とを別々に行う必要がなく、これらの作業を一連の作業として効率的に行うことができるので、配設部材の配設状態の変更を容易に行うことができる。
また、変更手段が配設部材の所定領域に対応する位置に配設されるので、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け(取り外し)作業時、或いは、連結部材の切断により係合部が分離された本体部の廃棄処理時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機甲WB1-2において、前記本体部の前記変更手段は、前記配設部材の前記所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されていることを特徴とする遊技機甲WB1-3。
遊技機甲WB1-3によれば、遊技機甲WB1-2の奏する効果に加え、本体部の変更手段は、配設部材の所定領域に対して少なくとも一部が傾斜して形成されているので、本体部を変位させて、配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させた際に、配設部材の配設状態を変更しやすくできる。
遊技機甲WB1-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記本体部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機甲WB1-4。
遊技機甲WB1-4によれば、遊技機甲WB1-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
本体部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され係合部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、係合部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、変更手段が本体部に形成される分、本体部の剛性を高めることができる。
遊技機甲WB1-4において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記本体部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機甲WB1-5。
遊技機甲WB1-5によれば、遊技機甲WB1-4の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機甲WB1-5において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機甲WB1-6。
遊技機甲WB1-6によれば、遊技機甲WB1-5の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
<基板ボックスWe100~Wg100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部から分離された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WB2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WB2-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部から分離された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機甲WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機甲WB2-2。
遊技機甲WB2-2によれば、遊技機甲WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され本体部に対向する位置に配設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、本体部に対向する位置に配設され、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機甲WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成され前記配設部材へ向けて突設される変更手段を備えることを特徴とする遊技機甲WB2-3。
遊技機甲WB2-3によれば、遊技機甲WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成され配設部材へ向けて突設される変更手段を備えるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、変更手段は、配設部材へ向けて突設され(即ち、配設部材に対向する位置に配設され)、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされるので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
また、係合手段は、係合部から配設部材へ向けて突設されるので、連結部を切断せずに、係合部の操作により第1部材との係合を解除しようとすると、係合手段により配設部材を破損させることができる。即ち、係合が解除されたか否かに関わらず、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機甲WB2-2又は甲WB2-3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方は、被当接部を備え、前記係合部は、前記被当接部に当接可能に形成される当接部を備え、前記被当接部に前記当接部が当接されると、前記配設部材の所定領域に前記変更手段が少なくとも当接されることを特徴とする遊技機甲WB2-4。
遊技機甲WB2-4によれば、遊技機甲WB2-2又は甲WB2-3の奏する効果に加え、被当接部に当接部が当接されると、配設部材の所定領域に変更手段が少なくとも当接されるので、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域に変更手段を少なくとも当接させる)際に、配設部材の所定領域の位置を探す手間を抑制できる。
遊技機甲WB2-4において、前記被当接部は、その被当接部に当接された前記当接部が前記被当接部に沿って変位可能に形成され、前記被当接部に沿って前記当接部が変位されると、前記配設部材の所定領域に沿って前記変更手段が変位されることを特徴とする遊技機甲WB2-5。
遊技機甲WB2-5によれば、遊技機甲WB2-4の奏する効果に加え、被当接部に沿って当接部が変位されると、配設部材の所定領域に沿って変更手段が変位されるので、被当接部をガイドとして利用して、配設部材の配設状態を変更する(配設部材の所定領域を変更手段で切断する)作業を容易とできる。
遊技機甲WB2-1において、前記係合部材は、前記本体部および前記係合部を連結する連結部を備え、前記係合部は、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、前記変更手段は、切断された前記連結部により形成されることを特徴とする遊技機甲WB2-6。
遊技機甲WB2-6によれば、遊技機甲WB2-1の奏する効果に加え、本体部および係合部が連結部により連結されるので、連結部を切断することにより、係合部を係合部材(本体部)から分離できる。これにより、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
係合部は、配設部材の配設状態を変更可能に形成される変更手段を備え、変更手段は、切断された連結部により形成されるので、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで、変更手段を使用して配設部材の配設状態を変更することが可能となる。
この場合、係合部材の係合部は、比較的小さく、連結部は係合部よりも更に小さいので、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できると共に、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を形成しやすい。よって、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすくできる。
また、係合部が係合部材(本体部)から分離されることで変更手段が使用可能とされる(即ち、切断された連結部が変更手段となる)ので、係合部が係合部材(本体部)から分離される前の状態では、作業者の手が変更手段に触れることを抑制できる。よって、係合部材の製造時やその運搬時、第1部材および第2部材への係合部材の取り付け作業時に、作業者が変更手段で負傷することを抑制できる。
遊技機甲WB2-6において、前記連結部は、前記係合部の一辺の一側の端部を前記本体部に連結する一側連結部と、前記係合部の前記一辺の前記一側と反対側の他側の端部を前記本体部に連結する他側連結部とを備えることを特徴とする遊技機甲WB2-7。
遊技機甲WB2-7によれば、連結部は、係合部の一辺の一側の端部を本体部に連結する一側連結部と、係合部の一辺の一側と反対側の他側の端部を本体部に連結する他側連結部とを備えるので、配設部材の所定領域における一側には一側連結部を使用して係合部を一側へ変位させると共に、配設部材の所定領域における他側には他側連結部を使用して係合部を他側へ変位させることで、所定領域の配設状態を変更できる。即ち、係合部を持ち替えて係合部の向きを反転させなくても、周囲の部材(第1部材または第2部材)との干渉を抑制しつつ、所定領域の一側の端部および他側の端部まで、その配設状態を変更(切断)できる。よって、配設部材の所定領域における配設状態を効率的に変更できる。
遊技機甲WB2-6又は甲WB2-7において、前記連結部は、前記本体部に連結される側と前記係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる部位を備えることを特徴とする遊技機甲WB2-8。
遊技機甲WB2-8によれば、遊技機甲WB2-6又は甲WB2-7の奏する効果に加え、連結部は、本体部に連結される側と係合部に連結される側との間に断面積が小さくされる所定部位を備えるので、所定部位の切断により、連結部の切断を容易とできる。また、配設部材の配設状態を変更することに適した形状(例えば、鋭利な形状)を、切断された連結部(所定部位)に形成しやすくできる。
<基板ボックスWd100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記本体部とその本体部から分離された前記係合部とが連結可能に形成され、前記本体部に連結された前記係合部を使用して、前記配設部材の配設状態を変更可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WB3-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、配設部材の配設状態を変更する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WB3-1によれば、係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され第1部材に係合される係合部と、を備え、本体部とその本体部から分離された係合部とが連結可能に形成され、本体部に連結された係合部を使用して、配設部の配設状態を変更可能に形成されるので、配設部材の配設状態を変更するための工具(例えば、カッターナイフ)の携行を不要とできる。また、係合部材の本体部は、比較的大きく、把持がしやすい一方、係合部材の係合部は、比較的小さく、配設部材の周辺(第1部材または第2部材)との干渉を抑制できるので、配設部材の配設状態を変更する作業を行いやすい。よって、配設部材の配設状態の変更を好適に行うことができる。
遊技機甲WB3-1において、前記係合部は、前記第1部材に係合される部位が前記本体部に連結されることを特徴とする遊技機甲WB3-2。
遊技機甲WB3-2によれば、遊技機甲WB3-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材に係合される部位が本体部に連結されるので、本体部と連結するための部位を係合部に別途設ける必要がない。即ち、第1部材に係合される部位を、本体部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
遊技機甲WB3-1又は甲WB3-2において、前記係合部材は、前記第1部材と係合する姿勢を規定可能に前記本体部に形成される規定部を備え、前記本体部は、前記規定部が前記係合部に連結されることを特徴とする遊技機甲WB3-2。
遊技機甲WB3-3によれば、遊技機甲WB3-1又は甲WB3-2の奏する効果に加え、係合部材は、第1部材と係合する姿勢を規定可能に本体部に形成される規定部を備え、本体部は、規定部が係合部に連結されるので、係合部と連結するための部位を本体部に別途設ける必要がない。即ち、係合部材の姿勢を規定する部位(規定部)を、係合部に連結される部位としても兼用できる。よって、係合部の形状を簡素化できる。
<基板ボックスWj100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部が前記第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、前記第1部材または前記第2部材は、前記所定方向へ変位された前記係合部材に対し、前記第1部材との係合が解除される方向への前記係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WC1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、係合部材は、係合部が第1部材に係合された状態で、所定方向へ変位可能に形成され、第1部材または第2部材は、所定方向へ変位された係合部材に対し、第1部材との係合が解除される方向への係合部の変位を抑制可能に形成される抑制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC1-1において、前記第1部材または前記第2部材は、前記抑制手段による前記係合部の変位の抑制が可能な位置から前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC1-2。
遊技機甲WC1-2によれば、遊技機甲WC1-1の奏する効果に加え、第1部材または第2部材は、抑制手段による係合部の変位の抑制が可能な位置から係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制する規制手段を備えるので、係合部と第1部材との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC1-2において、前記規制手段は、前記所定方向へ変位された前記係合部材の前記係合部と係合可能に形成され、前記係合部と係合することで、前記係合部材が前記所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされることを特徴とする遊技機甲WC1-3。
遊技機甲WC1-3によれば、遊技機甲WC1-2の奏する効果に加え、規制手段は、所定方向へ変位された係合部材の係合部と係合可能に形成され、係合部と係合することで、係合部材が所定方向と反対方向へ変位することを規制可能とされるので、係合部材を所定方向へ変位させるだけで、係合部材の変位が規制手段により規制された状態を形成でき、係合部材の組み付け作業の作業性を向上できる。
遊技機甲WC1-3において、前記第1部材または前記第2部材は、前記規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC1-4。
遊技機甲WC1-4によれば、遊技機甲WC1-3の奏する効果に加え、1部材または第2部材は、規制手段を遮蔽する遮蔽手段を備えるので、係合部と規制手段との係合が不正に解除されることを抑制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWk100,Wl100,Wr100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方に係合可能に形成される係合部材と、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方と前記係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されることを特徴とする遊技機甲WC2-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、第1部材および第2部材に配設される配設部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WC2-1によれば、第1部材または第2部材の少なくとも一方と係合部材とは、複数箇所で係合され、それら複数箇所の係合の相互作用により係合が解除され難く形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部および第2係合部と、を備え、前記第1係合部および前記第2係合部は、前記係合部材の変位に伴って、前記第1係合部材が前記第1部材に係合された後に、前記第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、前記第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲WC2-2。
遊技機甲WC2-2によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機甲WC2-2によれば、遊技機甲WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部および第2係合部は、係合部材の変位に伴って、第1係合部材が第1部材に係合された後に、第2係合部が前記第1部材に係合可能に形成され、第1部材は、前記第1部材との係合が解除される方向への前記第1係合部の変位を規制する規制手段を備えるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
即ち、第1部材との係合が解除される方向への第1係合部の変位は、規制手段により規制でき、規制手段による第1係合部の変位の規制を解除する方向への係合部材の変位は、第1部材と第2係合部との係合により規制できる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC2-2において、前記第1係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向と、前記第2係合部が前記第1部材に係合される際の前記係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であることを特徴とする遊技機甲WC2-3。
遊技機甲WC2-3によれば、遊技機甲WC2-2の奏する効果に加え、第1係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向と、第2係合部が第1部材に係合される際の係合部材の変位の方向とは、略同一の方向であるので、例えば、第1の方向へ係合部材を変位させて、第1係合部を係合させた後、第2の方向へ係合部材を変位させて、第2係合部を係合させる2段階の操作を行う必要がなく、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができる。よって、係合部材の取り付け操作を簡素化して、作業効率を高めることができる。
また、2段階の操作が必要となる構成では、第2の方向への操作を作業者が失念すると、第2係合部が係合されず、第1部材および第2位部材から係合部材が不正に取り外される虞があるところ、第1部材および第2部材へ係合部材を取り付ける際の一方向への操作のみで第1係合部と第2係合部との係合を行うことができることで、必要な操作を作業者が失念することを抑制でき、第2係合部を確実に係合させることができる。
遊技機甲WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される第1係合部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第2部材に係合される第2係合部と、を備え、前記第1係合部と前記第1部材との係合が解除される前記第1係合部の変位の方向と、前記第2係合部と前記第2部材との係合が解除される前記第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされることを特徴とする遊技機甲WC2-4。
遊技機甲WC2-4によれば、本体部から第1係合部および第2係合部を分離(切断)することで、第1係合部および第2係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材および第2部材との係合が解除される方向へ第1係合部および第2係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材および第2部材と第1係合部および第2係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機甲WC2-4によれば、遊技機甲WC2-1の奏する効果に加え、第1係合部と第1部材との係合が解除される第1係合部の変位の方向と、第2係合部と第2部材との係合が解除される第2係合部の変位の方向とが反対の方向とされるので、第1係合部または第2係合部の一方を係合が解除される方向へ変位させると、その一方の変位に伴う係合部材の変位によって、第1係合部または第2係合部の他方を係合が維持される方へ変位させることができる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WC2-1において、前記係合部材は、本体部と、前記本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記係合部は、前記係合部の第1部分および第2部分の2箇所が前記第1部材に係合され、前記第1部分または前記第2部分の一方と前記第1部材との係合が解除される方向へ前記係合部が変位されると、前記第1部分または前記第2部分の他方と前記第1部材との係合が維持される方向へ前記係合部が変位されることを特徴とする遊技機甲WC2-5。
遊技機甲WC2-5によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部分および第2部分と第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部(第1部分および第2部分)との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、遊技機甲WC2-5によれば、遊技機甲WC2-1の奏する効果に加え、第1部分または第2部分の一方と第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位されると、第1部分または第2部分の他方と第1部材との係合が維持される方向へ係合部が変位されるので、第1部材と係合部との係合を解除し難くできる。その結果、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
<基板ボックスWo100~Wq100を一例とする発明の概念について>
第1部材および第2部材と、少なくとも前記第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機において、取付部材を備え、前記係合部材は、本体部と、その本体部から分離可能に形成され前記第1部材に係合される係合部と、を備え、前記取付部材は、前記係合部に取り付け可能に形成され、前記第1部材と前記係合部との係合が解除される方向への前記係合部の変位が前記取付部材により抑制可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WD1-1。
第1部材および第2部材と、少なくとも第1部材に係合可能に形成される係合部材と、を備えた遊技機が知られている(特開2011-244900号公報)。
上述した遊技機では、係合部材が不正に取り外されることを抑制する上で未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、係合部材が不正に取り外されることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲WD1-1によれば、本体部から係合部を分離(切断)することで、係合部が第1部材に係合された状態であっても、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を取り外すことができる。
ここで、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位(弾性変形)させることで、第1部材と係合部との係合を解除して、第1部材および第2部材から係合部材を取り外す不正が行われる虞があるところ、取付部材は、係合部に取り付け可能に形成され、第1部材と係合部との係合が解除される方向への係合部の変位が取付部材により抑制可能に形成されるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
一方で、係合部に取付部材が取り付けられていても、本体部から係合部を分離(切断)することは可能であるので、正規の作業においては、係合部の分離(切断)により、第1部材および第2部材から係合部材(本体部)を容易に取り外すことができる。
遊技機甲WD1-1において、前記係合部は、前記第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、前記係合部の第1面側が前記第1部材へ近接され、前記取付部材は、前記係合部に取り付けられると、前記取付部材の一部が前記係合部の前記第1面と前記第1部材との間に配置されることを特徴とする遊技機甲WD1-2。
遊技機甲WD1-2によれば、遊技機甲WD1-1の奏する効果に加え、係合部は、第1部材との係合が解除される方向へ変位されると、係合部の第1面側が第1部材へ近接され、取付部材は、係合部に取り付けられると、取付部材の一部が係合部の第1面と第1部材との間に配置されるので、第1部材との係合が解除される方向へ係合部が変位可能な距離を、取付部材の一部が配置される分、短くすることができる。その結果、第1部材と係合部との係合を解除され難くできるので、第1部材および第2部材から係合部材が不正に取り外されることを抑制できる。
遊技機甲WD1-2において、前記取付部材は、第1部材に係合された前記係合部に取り付け可能に形成されることを特徴とする遊技機甲WD1-3。
遊技機甲WD1-3によれば、遊技機甲WD1-2の奏する効果に加え、取付部材は、第1部材に係合された係合部に取り付け可能に形成されるので、第1部材に係合部を係合させる際に、係合部の変位が取付部材の一部によって阻害されない。よって、第1部材への係合部の係合(即ち、第1部材および第2部材への係合部材の装着)をスムーズに行うことができる。また、第1部材と係合部との係合代を大きくできるので、第1部材と係合部との係合が解除されることを抑制しやすくできる。
遊技機甲WD1-2又は甲WD1-3において、前記第1部材および前記第2部材に配設される配設部材を備え、前記係合部の取り付けられた前記取付部材の一部は、前記第1面から突設される突部として形成され、前記突部は、前記第1部材に配設される前記配設部材に向けて突設されることを特徴とする遊技機甲WD1-4。
遊技機甲WD1-4によれば、遊技機甲WD1-2又は甲WD1-3の奏する効果に加え、第1部材および第2部材に配設される配設部材を備え、係合部の取り付けられた取付部材の一部は、第1面から突設される突部として形成され、突部は、第1部材に配設される配設部材に向けて突設されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、突部により配設部材を破損させることができる。即ち、配設部材に痕跡を形成できる。これにより、配設部材の痕跡の有無に基づいて、配設部材の状態(配設部材が新品であるか再利用したものであるか、或いは、不正な操作の対象となったものか)を確認可能とできる。
また、配設部材に痕跡が形成されることで、係る配設部材が再利用されることを抑制できる。
遊技機甲WD1-4において、前記第1部材の前記配設部材が配設される部位には、前記突部に対応する位置に凹部が形成されることを特徴とする遊技機甲WD1-5。
遊技機甲WD1-5によれば、遊技機甲WD1-4の奏する効果に加え、第1部材の配設部材が配設される部位には、凹部が形成されるので、配設部材と第1部材との間に空間を形成でき、また、凹部は、突部に対応する位置に形成されるので、本体部から係合部を分離(切断)せずに、第1部材と係合部との係合を解除しようとすると(即ち、第1部材との係合が解除される方向へ係合部を変位させようとすると)、凹部(空間)を利用して(突部の先端を凹部に受け入れ可能として)、配設部材を突部により破損させやすくできる。即ち、係合部が不正に操作された場合に、配設部材に痕跡を形成しやすくできる。
<無駄球を減らすための構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記検出手段を通過した遊技球を前記動作手段まで所定経路で案内する案内手段を備えることを特徴とする遊技機甲YA1。
パチンコ機等の遊技機において、検出領域で遊技球の通過を検出してから規定の時間経過後に開閉動作する可動役物を備える遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、検出領域を通過した遊技球の流下経路は複数通りの流下態様で流下するので、遊技球の流下態様次第で、検出領域を通過した遊技球が可動役物に拾われる場合と、可動役物から零れる場合とがランダムに生じることになることから、可動役物から零れる遊技球が多い場合には、遊技者は遊技機店が遊技者に不利になる調整を行っているのではないかと誤解し易く、平等な環境で遊技することができていないと不満に思う可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YA1によれば、検出手段を通過してからの遊技球の流下はランダムではなく、案内手段により遊技球が動作手段まで案内されるので、検出手段を通過した遊技球が動作手段に拾われるか、動作手段から零れるかの違いが、動作制御(入賞時に予め行われた抽選の当否に基づく制御)によるものであると遊技者に理解させることができる。即ち、案内手段の構成により規定される流下時間に基づいて、動作手段の動作制御のパターンが設定されているのであり、遊技機店の調整によるものではないと理解することができるので、平等な環境で遊技していると感じさせることができる。
なお、遊技領域は、流下した遊技球により遊技者に与えられる利益が確定するまでの遊技球の流下領域を意味し、例えば、遊技盤の正面側の領域に限られるものではない。例えば、遊技球の通過を検出することで第1図柄の抽選がされる検出装置の上流側に形成される流路であって、遊技盤の内部や遊技盤の背面側に配設される流路も遊技領域に含まれる。
遊技機甲YA1において、前記案内手段は、前記遊技領域の背面側を通るように配設されることを特徴とする遊技機甲YA2。
遊技機甲YA2によれば、遊技機甲YA1の奏する効果に加え、案内手段で案内される遊技球を、遊技領域で流下する遊技球により隠すことができるので、案内手段から動作手段までの領域における注目力を向上することができる。
遊技機甲YA2において、前記案内手段に案内される遊技球は、所定範囲において遊技領域を構成する遊技盤の正面側に向けて流下することを特徴とする遊技機甲YA3。
遊技機甲YA3によれば、遊技機甲YA2の奏する効果に加え、案内手段に案内される遊技球が遊技盤の正面側に流下することから、遊技者に遊技球が近づいてくるように視認させることができる。そのため、通常の下方に流下するだけの遊技球との比較において、案内手段に案内される遊技球を目立たせることができる。
遊技機甲YA1からYA3のいずれかにおいて、前記案内手段は、遊技球が前記検出手段から前記動作手段まで流下するのに要する時間を管理可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YA4。
遊技機甲YA4によれば、遊技機甲YA1からYA3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球を動作手段で拾うパターンの動作制御と、零すパターンの動作制御とを、容易に設定することができる。
遊技機甲YA1からYA4のいずれかにおいて、前記動作手段は、閉鎖状態または開放状態において遊技球を転動させる態様で流下を案内するよう構成され、遊技球の流下方向の幅寸法が、遊技球の直径の2倍以下に設定される第1動作部を備え、その第1動作部に前記案内手段に案内された遊技球が誘導されることを特徴とする遊技機甲YA5。
遊技機甲YA5によれば、遊技機甲YA1からYA4のいずれかの奏する効果に加え、第1動作部によって、遊技球が動作手段に案内される時間を短縮することができると共に、動作手段で遊技球を1球ずつ案内することができる。動作手段の幅を短くすることができる。
遊技機甲YA5において、前記動作手段は、第1動作部よりも長い第2動作部を備え、遊技球が前記第1動作部を転動するのに要する期間よりも、遊技球が前記第2動作部を転動するのに要する期間の方が長く構成されることを特徴とする遊技機甲YA6。
遊技機甲YA6によれば、遊技機甲YA5の奏する効果に加え、同様に動作手段に到達した遊技球の案内態様として、動作手段が同様の動作パターンで動作している場合に、遊技球が第1動作部に到達するか、第2動作部に到達するかによって、遊技球が下流側にどのように流下するかを変えることができる。
遊技機甲YA6において、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、異なる流下領域に案内されることを特徴とする遊技機甲YA7。
遊技機甲YA7によれば、遊技機甲YA6の奏する効果に加え、一の動作手段を利用して、球の案内方向を複数方向構成することができるので、動作手段による遊技球の案内時の見映えを複数通りで実現することができる。
遊技機甲YA7において、前記検出手段を通過した遊技球は、前記第1動作部に案内され得るよう構成され、前記検出手段を通過せずに流下した遊技球は、前記第2動作部に案内され得ることを特徴とする遊技機甲YA8。
遊技機甲YA8によれば、遊技機甲YA7の奏する効果に加え、検出手段を通過した遊技球が、その他の遊技球に弾かれて案内不良が生じる不具合を防止することができる。
遊技機甲YA6からYA8のいずれかにおいて、前記第1動作部に案内される遊技球と、前記第2動作部に案内される遊技球とは、動作手段上での衝突が抑制されることを特徴とする遊技機甲YA9。
遊技機甲YA9によれば、遊技機甲YA6からYA8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段上を転動する遊技球が衝突して、流下態様の不均一が生じることを回避し易くすることができる。
なお、第1動作部上に配置される遊技球と、第2動作部上に配置される遊技球との間に壁が配置されることで隔離されても良いし、壁は無いとしても衝突しないような流下態様に管理されても良い。
遊技機甲YA9において、前記第1動作部に案内される遊技球は、前記第2動作部に案内される遊技球の流下方向とは逆側へ流下することを特徴とする遊技機甲YA10。
遊技機甲YA10によれば、遊技機甲YA9の奏する効果に加え、第1動作部に案内される遊技球と、第2動作部に案内される遊技球とが、同方向に流下する場合と異なり、遊技球の流下速度に関わらず遊技球の衝突を回避することができる。
なお、遊技球の流下方向は、左右逆方向でも良いし、前後逆方向でも良い。また、所定軌跡(例えば、円形状軌跡)に沿う逆方向でも良い。
遊技機甲YA1からYA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定経路として複数経路を備えることを特徴とする遊技機甲YA11。
遊技機甲YA11によれば、遊技機甲YA1からYA10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作パターンの種類は少なくしながら、遊技球の流下パターンを増やすことができる。
<8チャンスの経路にセンサが配置され不利側から有利側に球を引き抜く構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、遊技球の流下経路を構成する構成手段と、その構成手段の下流側に配設され遊技球が第1入球口に案内される第1経路と、前記構成手段の下流側に配設され遊技球が第2入球口に案内される第2経路と、を備える遊技機において、前記第1経路を流下する遊技球を前記第2経路側へ移動させる移動手段を備えることを特徴とする遊技機甲YB1。
パチンコ機等の遊技機において、入球口に遊技球が通る順番で、遊技球がどの経路に向かうかが周期的に変化する遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入球口への入球の有利不利は遊技球が入球する周期でのみ変化することになり、全般的に有利な状態や、全般的に不利な状態を形成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技者の有利度合いの変化幅が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YB1によれば、移動手段によって、構成手段に構成される経路を流下した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかを無秩序に生じさせることができるので、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機甲YB1において、前記構成手段に構成される経路は、分岐経路であることを特徴とする遊技機甲YB2。
遊技機甲YB2によれば、遊技機甲YB1の奏する効果に加え、移動手段の作用により遊技球の流下態様に変化が生じるだけでなく、経路の分岐によっても遊技球の流下態様に変化を生じさせることができるので、構成手段に入球した遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲YB1又はYB2において、前記経路を流下する遊技球の通過を検出可能に構成される検出手段を備え、前記移動手段は、前記経路内における遊技球の流下に影響を与える態様で動作可能に構成される動作手段を備え、その動作手段は、第1状態の場合に遊技球が第1入球口へ向けて送球され、第2状態の場合に遊技球が第2入球口へ向けて送球されるよう構成され、前記検出手段で遊技球の通過が検出されることに基づいて動作制御可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YB3。
遊技機甲YB3によれば、遊技機甲YB1又はYB2の奏する効果に加え、動作手段の動作パターン次第で、構成手段に入球した遊技球が第1入球口に入球するか、第2入球口に入球するかが切り替えられるので、遊技球が入球する入球口の周期性を低くし易くすることができる。これにより、遊技球が入球する入球口が周期的に変化する場合に比較して、遊技者の有利度合いの変化幅を拡大することができる。
遊技機甲YB3において、前記動作手段は、前記構成手段の外側を流下する遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YB4。
遊技機甲YB4によれば、遊技機甲YB3の奏する効果に加え、構成手段に構成される流路を流下する遊技球を案内する手段と、構成手段に構成される流路外で流下する遊技球を案内する手段と、を動作手段で兼用することができる。
遊技機甲YB3又はYB4において、前記構成手段の前記経路外に配設される第2検出手段を備え、前記検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、前記第2検出手段を通過した遊技球の前記動作手段への案内態様と、が異なることを特徴とする遊技機甲YB5。
遊技機甲YB5によれば、遊技機甲YB3又はYB4の奏する効果に加え、動作手段への案内態様を複数種類で構成することができる。
なお、案内態様の違いについては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の経路の違いであっても良いし、遊技球の流下速度の違いであっても良い。
遊技機甲YB3からYB5のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記第1状態と前記第2状態との切り替えにより、遊技球の流下方向を上下方向と左右方向とで変化させることを特徴とする遊技機甲YB6。
遊技機甲YB6によれば、遊技機甲YB3からYB5のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下方向の変化を遊技者が把握し易いようにすることができる。
遊技機甲YB3からYB6のいずれかにおいて、前記検出手段は、遊技球の通過に基づいて所定の図柄が所定期間変動するように制御され、前記所定期間は、遊技球が前記経路に入球してから前記検出手段を通過するまでに要する期間よりも短く設定されることを特徴とする遊技機甲YB7。
遊技機甲YB7によれば、遊技機甲YB3からYB6のいずれかの奏する効果に加え、構成手段の経路の入口から検出手段までの間に配置される遊技球が1個以下の状態を維持することにより、検出手段を遊技球が通過する時点において図柄が変動中であるという事態を回避することができる。従って、検出手段を遊技球が通過した直後に所定の図柄の変動を開始させることができる。
従って、遊技球が検出手段を通過するタイミングと、遊技球が検出手段を通過したことに基づく動作手段の動作制御を開始するタイミングと、を合わせることができる。
遊技機甲YB7において、前記動作手段は、前記検出手段で検出された遊技球を案内しない第1制御態様と、前記検出手段で検出された遊技球を案内する第2制御態様とで、制御態様が切替可能とされることを特徴とする遊技機甲YB8。
遊技機甲YB8によれば、遊技機甲YB7の奏する効果に加え、動作手段の動作が実行されたとしても、制御態様の違いにより、動作手段に遊技球が案内される場合と、案内されない場合とを構成できるので、動作手段の動作に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機甲YB8において、前記制御態様の切替は、前記検出手段での検出の度に実行可能に構成され、切替可能な前記制御態様の種類は、大当たり遊技の度に変化可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YB9。
遊技機甲YB3からYB9のいずれかにおいて、遊技球が前記第1入球口に入球することで遊技者が得られる利益と、遊技球が前記第2入球口に入球することで遊技者が得られる利益とが異なることを特徴とする遊技機甲YB10。
遊技機甲YB10によれば、遊技機甲YB3からYB9のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<動作手段に複数位置で流下する構成>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、遊技球が流下可能な第1流下位置と、その第1流下位置とは異なる第2流下位置と、を備え、前記第1流下位置を流下する遊技球の流下態様と前記第2流下位置を流下する遊技球の流下態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機甲YC1。
パチンコ機等の遊技機において、検出手段に遊技球が検出されることに基づいて可動役物が開放し、その可動役物により遊技球が入賞口へ案内される遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が可動役物に案内される態様は単調であり、可動役物の注目力を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YC1によれば、動作手段が遊技球を流下させる複数の流下位置を備えており、遊技球がどの流下位置を流下するかで流下態様が異なるように構成されるので、遊技球が可動役物に案内される態様にバリエーションを設けることができ、可動役物の注目力を向上させることができる。
遊技機甲YC1において、前記流下態様は、遊技球の流下速度、流下方向または流下間隔であることを特徴とする遊技機甲YC2。
遊技機甲YC2によれば、遊技機甲YC1の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の流れをばらつかせることができ、その遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機甲YC1又はYC2において、前記第1流下位置は、前記検出手段を通過した遊技球が流下可能な位置として設定されることを特徴とする遊技機甲YC3。
遊技機甲YC3によれば、遊技機甲YC1又はYC2の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達していることを確認することで、遊技球が検出手段を通過したことを把握できるので、検出手段を視認する必要をなくすことができる。
また、検出手段を通過した遊技球と、検出手段を通過しなかった遊技球とが、動作手段の別位置で流下するようにすることで、動作手段に同時に乗せることができる遊技球の個数を、全球が検出手段を通過するように狙う発射態様か、一部の遊技球は検出手段を逸らすことを狙う発射態様かで、変化させることができる。
遊技機甲YC3において、前記検出手段を通過した遊技球の流下経路は、分岐しない経路として構成されることを特徴とする遊技機甲YC4。
遊技機甲YC4によれば、遊技機甲YC3の奏する効果に加え、第1流下位置に遊技球が到達したことを確認することで、その遊技球が検出手段を通過したことを把握することができる。
遊技機甲YC1からYC4のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下した遊技球の流下経路と、前記第2流下位置を流下した遊技球の流下経路とは、前記動作手段の下流側における所定の合流位置において合流することを特徴とする遊技機甲YC5。
遊技機甲YC5によれば、遊技機甲YC1からYC4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段により流下された遊技球により遊技球が得られる利益を、その流下位置によらず同じとすることができる。
遊技機甲YC5において、前記合流位置は、前記動作手段から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機甲YC6。
遊技機甲YC6によれば、遊技機甲YC5の奏する効果に加え、合流時に遊技球で生じる負荷が動作手段の動作に与える影響を小さくすることができる。これにより、動作手段の動作を円滑に実行することができる。
遊技機甲YC5において、前記合流位置は、前記動作手段に近接配置されることを特徴とする遊技機甲YC7。
遊技機甲YC7によれば、遊技機甲YC5の奏する効果に加え、動作手段に沿って流下する遊技球の通過を検出する検出装置を、より上流側に配置することができるので、利益を早期に生じさせることができる。従って、動作手段に沿って遊技球が流下してから利益発生までの待ち時間を短縮することができる。
遊技機甲YC5からYC7のいずれかにおいて、前記合流位置で遊技球が下方に落下するよう構成されることを特徴とする遊技機甲YC8。
遊技機甲YC8によれば、遊技機甲YC5からYC7のいずれかの奏する効果に加え、合流した後の球が逆流したり、球詰まりが生じたりする事態の発生を回避することができる。
遊技機甲YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が同じように構成されることを特徴とする遊技機甲YC9。
遊技機甲YC9によれば、遊技機甲YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、動作手段に到達した遊技球に注目する側を統一することができるので、遊技者が注目すべき箇所を容易に把握させることができる。
遊技機甲YC1からYC8のいずれかにおいて、前記第1流下位置を流下する遊技球と、前記第2流下位置を流下する遊技球との、流下方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機甲YC10。
遊技機甲YC10によれば、遊技機甲YC1からYC8のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下する方向を視認することで、遊技球が第1流下位置を流下したか、遊技球が第2流下位置を流下したかを、判断することができるので、動作手段に近接配置される遊技球が前後に重なり見難い構成においても、動作手段よりも下流側において遊技球の流下方向を把握することができる。
遊技機甲YC1からYC10のいずれかにおいて、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益を付与可能に構成される第1入球口と、遊技球が入球することで遊技者に第1の利益よりも大きな第2の利益を付与可能に構成される第2入球口と、を備え、前記第1流下位置は、前記第1入球口に入球した遊技球の流下経路に配置され、前記動作手段は、前記第1流下位置を流下する遊技球を前記第2入球口側に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YC11。
遊技機甲YC11によれば、遊技機甲YC1からYC10のいずれかの奏する効果に加え、動作手段によって、第1入球口に入球した遊技球により利益が付与される前に、その遊技球を第2入球口側に引き抜くことができる。
これにより、例えば、左右対称盤面の遊技機(特別図柄の抽選のための入賞口や、特別遊技において開閉する入賞口が、左右中央位置に縦並びに配置され、それらの入賞口に左打ちでも右打ちでも入球させることができる盤面構成の遊技機)であっても、動作手段の動作によって、第1入球口への入球により利益が生じる頻度を落とすことができる。
そのため、第1入球口への入球頻度を落とすために、第1入球口へ遊技球が案内されない右打ち経路を構成する必要性を下げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
<分岐手段で分岐する第1流路と第2流路との有利不利を変化可能>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、所定の入球領域の下流側に第1流路および第2流路を構成する構成手段と、を備え、遊技球が前記第1流路を流下する場合に遊技者が得られる第1の利益と、遊技球が前記第2流路を流下する場合に遊技者が得られる第2の利益と、の大小関係を変化可能に構成される変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲YD1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域を流下した遊技球が左側に流下した場合と、右側に流下した場合とで、遊技者が得られると期待される利益に違いがある遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球が流下した場合に有利な方向が固定されているため、分岐位置における遊技球の流下方向さえ確認できればその後で得られる利益が予想できてしまい、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が到達する前に遊技者の集中力のピークが来てしまうので、分岐位置から確定領域までの経路に対する注目力が低下することになり、遊技領域を演出領域として利用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YD1によれば、変化手段によって、第1の利益と第2の利益との大小関係が切替可能とされることから、遊技者の集中力のピークを、遊技球が第1流路または第2流路に入球する時点ではなく、実際に利益が確定する確定領域に遊技球が入球する時点に持ってくることができるので、分岐領域から確定領域までの経路に対する注目力を高く維持することができる。これにより、遊技境域を演出領域として有効利用することができる。
なお、利益が確定する時点としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が検出口(検出領域、特定領域等)を通過する時点としても良いし、遊技球が検出口を通過したことで確定した利益が遊技者側に報知される時点(遊技者が利益を認識できる時)としても良い。
遊技機甲YD1において、前記第1の利益または前記第2の利益の内、大側の利益が遊技者に付与される場合に、遊技球を正面側に流下させる流下領域を備えることを特徴とする遊技機甲YD2。
遊技機甲YD2によれば、遊技機甲YD1の奏する効果に加え、遊技球が通常の流下態様(下方に流下する流下態様)と異なる際に大側の利益が遊技者に付与されることから、遊技球を視認させることで、大側の利益が付与されたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機甲YD1又はYD2において、前記第1流路および前記第2流路は合流可能に構成され、その合流位置への進入位置に上下方向の位置差があることを特徴とする遊技機甲YD3。
遊技機甲YD3によれば、遊技機甲YD1又はYD2の奏する効果に加え、第1流路および第2流路から、遊技球が合流位置に同時に進入した場合であっても、衝突時の負荷が上下方向(第1流路および第2流路と交差する方向)で生じるので、遊技球が逆流することを回避し易くすることができる。
遊技機甲YD3において、前記進入位置は、遊技球の通過頻度が高い側が下側配置されることを特徴とする遊技機甲YD4。
遊技機甲YD4によれば、遊技機甲YD3の奏する効果に加え、高頻度で所定の進入位置を通過する遊技球が、他の進入位置に誤って入球することを避け易くすることができる。
遊技機甲YD1からYD4のいずれかにおいて、前記第1流路および前記第2流路は、遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて所定パターンで動作制御される動作手段と、を備え、前記第1流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、前記第2流路における前記検出手段と前記動作手段との間隔と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機甲YD5。
遊技機甲YD5によれば、遊技機甲YD1からYD4のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動作制御は同一としながら、第1流路を遊技球が流下する場合と、第2流路を遊技球が流下する場合とで、動作手段が遊技球に作用するか否かを異ならせることができる。
<3状態で切替>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段の動作態様に対応して、遊技球が第1入球口に入球し易い第1状態と、遊技球が第2入球口に入球し易い第2状態と、遊技球が第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、で状態を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YE1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1始動口および第2始動口(第1の第2始動口)に入球し易い状態と、第2始動口(第2の第2始動口)のみに入球し易い状態と、で状態を切り替えることはできるが、第1始動口のみに入球し易い状態に切り替えることはできず、遊技球の入球態様の自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YE1によれば、動作手段の動作態様に対応して、第1入球口および第2入球口に入球し易い第3状態と、第2入球口に入球し易い第2状態だけでなく、第1入球口に入球し易い第1状態にも状態を切り替えることができるので、遊技球の入球態様の自由度を向上させることができる。
遊技機甲YE1において、前記第3状態では、流下した遊技球が第1入球口に入球する場合と、第2入球口に入球する場合とが、交互に生じることを特徴とする遊技機甲YE2。
遊技機甲YE2によれば、遊技機甲YE1の奏する効果に加え、第3状態における第1入球口への入球個数と第2入球口への入球個数とを均一化することができる。
遊技機甲YE1又はYE2において、流下した遊技球が、前記第1入球口または前記第2入球口に入球可能に形成される所定流路を備えることを特徴とする遊技機甲YE3。
遊技機甲YE3によれば、遊技機甲YE1又はYE2の奏する効果に加え、所定流路を遊技球が流下している時点では、その遊技球は第1入球口に入球する可能性も、第2入球口に入球する可能性も残されているので、所定流路を流下している遊技球に対する注目力を向上することができる。
<サポートで特1特2の両方が貯まる>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作制御される動作手段と、を備える遊技機において、前記動作手段は、前記動作手段が配置される位置まで流下した遊技球の流下経路を、前記第1入球口側へ向かう第1経路と、前記第2入球口側へ向かう第2経路と、その他の経路と、に分岐可能に構成されることを特徴とする遊技機甲YF1。
パチンコ機等の遊技機において、第1始動口および第2始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2015-144741号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動片の開状態において第2始動口(第2の第2始動口)に入球し易い状態を形成することができるが、第1始動口へ入球し易い状態を形成することはできず、可動片による遊技球の案内態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YF1によれば、動作手段から下流側の流下経路として、第1経路と第2経路とが形成されることで、第1入球口へ遊技球を案内することも第2入球口へ遊技球を案内することもできるので、動作手段による遊技球の案内態様を改良することができる。
遊技機甲YF1において、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益よりも、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者に付与可能な利益が大きく設定され、前記第1入球口は前記動作手段の中央側の下方に配置され、前記第2入球口は前記動作手段の端側の下方に配置されることを特徴とする遊技機甲YF2。
遊技機甲YF2によれば、遊技機甲YF1の奏する効果に加え、動作手段の端側まで遊技球が流れきれば第2入球口に入球可能となるので、途中位置で落下する(タイミングよく動作手段が動作する)ことで第1入球口に入球する事態に比較して、第2入球口に遊技球が入球する事態を発生し易くすることができる。
遊技機甲YF1又はYF2において、動作手段の端部からの遊技球の零れを防止するための零れ防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲YF3。
遊技機甲YF3によれば、遊技機甲YF1又はYF2の奏する効果に加え、零れ防止手段によって動作手段から遊技球が勢い余って零れる事態を回避することができるので、動作手段に遊技球が到達した場合の遊技者の安心感を高めることができる。
また、零れ防止手段で遊技球が高反発で跳ね返るようにすることで、動作手段の上面における遊技球の転動速度を高め、動作手段の上面を遊技球が短時間で通過し易くすることができる。
<振分け左右で構成違い>
遊技球を発射する遊技球発射装置と、その遊技球発射装置により発射される遊技球が流下する遊技領域を形成する遊技領域構成手段と、前記遊技領域に配設され遊技球の通過を検出する複数の検出手段と、その検出手段で遊技球の通過が検出されたことに基づいて動作する動作手段と、その動作手段に案内された遊技球が入球可能に構成される被案内入球口と、を備える遊技機において、前記複数の検出手段は、前記動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、その第1検出手段とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲YG1。
パチンコ機等の遊技機において、普図始動口を備える遊技機がある(例えば、特開2016-54970号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、普図始動口に案内される経路と、開閉部材側に案内される経路とが、別経路とされ、それぞれの経路を遊技球が交互に流下するため、普図始動口の真上に配置される釘に遊技球が衝突して普図始動口から逸れる事態が生じると、次に普図始動口に遊技球が案内されるまでに期間が開いてしまうことから、開閉部材が閉じている時に開閉部材側に遊技球が流下するという、期待感の薄い状態になり易い。この場合、遊技が間延びしてしまい、遊技者の興趣を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲YG1によれば、動作手段の上流側に配設される第1検出手段と、動作手段の上流側とは異なる位置に配設される第2検出手段と、を備えるので、遊技球が検出手段に検出される状況を頻繁に生じさせることができる。これにより、動作手段の動作頻度を向上させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技機甲YG1において、前記第1検出手段と前記動作手段との間に所定の流路が形成されることを特徴とする遊技機甲YG2。
遊技機甲YG2によれば、遊技機甲YG1の奏する効果に加え、第1検出手段から動作手段への遊技球の流れを整流化することができる。
遊技機甲YG1又はYG2において、前記動作手段は、前記第2検出手段を通過する遊技球の流下経路側へ延びるように形成されることを特徴とする遊技機甲YG3。
遊技機甲YG3によれば、遊技機甲YG1又はYG2の奏する効果に加え、第2検出手段側の注目力が第1検出手段側の注目力との比較において低くなり過ぎることを回避することができる。
<遊技球を案内する手段が長い>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を案内する案内手段と、その案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出する第1検出手段と、前記案内手段の下流側に配設され遊技球の通過を検出した場合に、前記第1検出手段に遊技球の通過が検出されることに基づいて遊技者に与え得る利益とは異なる利益を遊技者に与え得る第2検出手段と、を備え、前記案内手段は、前記入球領域から流下した遊技球を受けるための所定部と、その所定部よりも下流側に配置され前記所定部の変位に対応して変位する下流側部と、を備え、少なくとも前記下流側部の配置に応じて、遊技球を前記第1検出手段に案内し易い第1状態と、遊技球を前記第2検出手段に案内し易い第2状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BA1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の検出領域(第2始動入賞口27)において遊技球の通過が検出された場合において、一定確率で開放されて奥側に配設される賞球口への遊技球の案内が可能となる可動役物(第2可変入賞装置31)が配設され、その可動役物の開放動作を頻繁に生じさせて賞球口への入球が頻繁に生じることにより多量の賞球の払い出しを遊技者が獲得できる遊技状態が、通常状態よりも有利な遊技状態として設定される遊技機がある(例えば、特開2017-169630号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、別の検出領域(可変始動入賞口28a)に可動部材(開閉部材28b)が配設されていることを理由に、所定の検出領域を開閉する可動部材が配設されておらず、常に遊技球を所定の検出領域に通過可能に構成されている。通常状態では遊技領域の左側に遊技球を流下させる遊技方法が推奨されているが、遊技初心者などは特に、誤って遊技領域の右側に遊技球を流下させるように発射してしまう場合がある。
所定の検出領域において遊技球の通過が検出された場合、可動役物の開放動作の抽選(小当たりの抽選)の他に、特別図柄の抽選(大当たりの抽選)も行われ、特別図柄の抽選による大当たりが発生すると、大当たり終了後の遊技状態としてペナルティが課され、通常状態よりも不利な遊技を強いられることとなる。遊技初心者からすれば、理由もわからずペナルティを課されたと疑念を抱きかねず、遊技機に対する興味関心が薄れ、新規の遊技者を獲得し損なる状況を生み出しかねない。即ち、遊技初心者に優しくなく、平等性に欠けるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BA1によれば、案内手段が第1状態で維持されることで、第1検出手段へ遊技球が案内され易い状態を構成することができ、この状態において第2検出手段(所定の検出領域)への遊技球の案内を抑制することができる。これにより、案内手段を利用することで、第2検出手段に遊技球を通過させることを防ぐことができ、遊技の平等性を高めることができる。
なお、案内手段は、所定部と下流側部とが一体的に形成されるよう構成されても良いし、所定部と下流側部とが別体で形成されるよう構成されても良い。
遊技機甲BA1において、前記下流側部は、前記第1状態において前記第2検出手段への遊技球の案内を防止可能とされ、前記第2状態において前記第1検出手段への遊技球の案内を防止可能とされるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BA2。
遊技機甲BA2によれば、遊技機甲BA1の奏する効果に加え、下流側部により、案内手段を介して流下する遊技球が通過する検出手段を切り替えることができる。
遊技機甲BA1又はBA2において、前記案内手段は、前記所定部が受けた遊技球を前記下流側部へ向けて流下させる中間部を備えることを特徴とする遊技機甲BA3。
遊技機甲BA3によれば、遊技機甲BA1又はBA2の奏する効果に加え、中間部により、案内手段を介して流下する遊技球が第1検出手段に案内されるのか、第2検出手段に案内されるのかが、不明確な状態を引き延ばすことができる。
なお、中間部は、下流側部の変位に対応して変位可能に構成しても良いし、下流側部の変位に関わらず変位しないように構成しても良い。
遊技機甲BA3において、前記中間部は、前記第1状態でも前記第2状態でも遊技球の流下方向が変化しないよう構成され、下流側において前記第1検出手段または前記第2検出手段への案内が行われることを特徴とする遊技機甲BA4。
遊技機甲BA4によれば、遊技機甲BA3の奏する効果に加え、入球領域に入球した後の遊技球が中間部を案内されている時に案内手段が第1状態と第2状態とで切り替わったとしても、中間部における遊技球の流下方向に影響を与えないので、中間部を案内されている遊技球の流下態様の変化から案内手段の状態変化を把握されるという事態の発生を避けることができる。
遊技機甲BA1からBBA4のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記第1状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を制限する位置に配置され、前記第2状態において、前記所定部が前記入球領域から前記案内手段への入球を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機甲BA5。
遊技機甲BA5によれば、遊技機甲BA1からBBA4のいずれかの奏する効果に加え、案内手段の状態の切り替えによって、案内手段への新たな遊技球の入球の可否を切り替えることができる。
また、所定部における遊技球の通過と、下流側部における遊技球の通過と、のそれぞれに注目させることができる。即ち、遊技者の視線を複数位置で集めることができ、案内手段の注目箇所を増加させることができる。
遊技機甲BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、同時に実行されることを特徴とする遊技機甲BA6。
遊技機甲BA6によれば、遊技機甲BA5の奏する効果に加え、異なる位置で同時に切替が実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えか、下流側部における切り替えか、いずれかを選択して視認させるという遊技性を付与することができる。
遊技機甲BA5において、前記所定部の配置の切り替えと、前記下流側部の配置の切り替えとは、タイミングがずれて実行されることを特徴とする遊技機甲BA7。
遊技機甲BA7によれば、遊技機甲BA5の奏する効果に加え、別タイミングで異なる位置における切り替えが実行されることから、遊技者に、所定部における切り替えと、下流側部における切り替えと、が視線をずらすことで視認することができるという遊技性を付与することができる。加えて、遊技者の視線の動きを誘導することができる。
遊技機甲BA1からBBA7のいずれかにおいて、前記所定部は、前後方向にスライド変位することを特徴とする遊技機甲BA8。
遊技機甲BA8によれば、遊技機甲BA1からBBA7のいずれかの奏する効果に加え、正面視における所定部の動きが目立つことを避けることができる。所定部は、案内手段への入球の可否を切り替える部分であり、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所ではないので、目立つことを避けることで、相対的に下流側部の動作を目立たせることができる。
遊技機甲BA1からBBA8のいずれかにおいて、前記下流側部は、回転動作する態様で変位することを特徴とする遊技機甲BA9。
遊技機甲BA9によれば、遊技機甲BA1からBBA8のいずれかの奏する効果に加え、第1検出手段に案内されるか、第2検出手段に案内されるかが決定される箇所としての下流側部の動きを目立たせることができる。
遊技機甲BA1からBBA9のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部と前記下流側部との間の正面視における距離よりも、前記所定部から前記下流側部へ流下する遊技球の流下距離が長くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BA10。
遊技機甲BA10によれば、遊技機甲BA1からBBA9のいずれかの奏する効果に加え、所定部から流れた遊技球が下流側部に到達する前に、遊技者が所定部から下流側部に視線を移動させ易くすることができる。
遊技機甲BA1からBBA10のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記所定部を介さない遊技球が前記下流側部へ到達することを防止するための防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲BA11。
遊技機甲BA11によれば、遊技機甲BA1からBBA10のいずれかの奏する効果に加え、防止手段により、下流側部へ到達する遊技球の流下経路を制限することができるので、遊技球が意図しない経路で下流側部に到達し、誤った検出手段に入球する事態の発生を避けることができる。
遊技機甲BA1からBBA11のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記入球領域からの複数の遊技球を前記所定部が受ける第1期間よりも、その第1期間に前記所定部が受けた前記複数の遊技球が前記下流側部を通過する第2期間を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BA12。
遊技機甲BA12によれば、遊技機甲BA1からBBA11のいずれかの奏する効果に加え、案内手段により、所定部が遊技球を受けるタイミングのずれよりも、下流側部における遊技球の通過タイミングのずれを小さくすることができるので、下流側部での遊技球の流下方向の切替の精度を保ちながら、所定部において遊技球を受けるタイミングのずれの許容幅を拡大することができ、快適な遊技を提供し易くすることができる。
遊技機甲BA12において、前記所定部は、変位する際に、遊技球を加速させる方向の負荷を遊技球に負荷する形状から構成されることを特徴とする遊技機甲BA13。
遊技機甲BA13によれば、遊技機甲BA12の奏する効果に加え、所定部の変位が生じる際に遊技球を加速させる方向の負荷が生じることになるので、所定部が変位する前に所定部を通過した遊技球へ向けて、所定部が変位する際に所定部上に配置された遊技球を加速させることで、遊技球同士の間隔が縮まる状況を生じさせることができる。
<流下経路を引き延ばす>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、遊技球を流下させる第1可動部と、その第1可動部よりも下流側に配置され遊技球を流下させる第2可動部と、前記第1可動部および前記第2可動部の間に配置され遊技球を流下させる所定部と、を備えることを特徴とする遊技機甲BB1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技球が入球可能な検出センサと、その検出センサに遊技球を案内する可動部材と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、検出センサへ向けた遊技球の流下経路が可動部材の長さに限定されるので、遊技球の流下が単調となり易いので遊技者を飽きさせ易い可能性があることから、遊技球の流下態様について改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BB1によれば、検出手段の上流側に配置される流下手段が、所定部を挟む複数の可動部を備えることから、可動部の長さや形状にバリエーションを持たせ易くでき、遊技球の流下態様について改良することができる。
遊技機甲BB1において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において前記所定部と上下方向で重なる重なり部を備えることを特徴とする遊技機甲BB2。
遊技機甲BB2によれば、遊技機甲BB1の奏する効果に加え、重なり部を介して所定部へ遊技球を流すことができるので、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
遊技機甲BB1又はBB2において、前記第1可動部は、少なくとも下流側端部において、遊技球の流下する向きを前記所定部側へ向けさせるための傾斜部を備えることを特徴とする遊技機甲BB3。
遊技機甲BB3によれば、遊技機甲BB1又はBB2の奏する効果に加え、傾斜部によって遊技球の流下向きを所定部側へ寄せることができるので、遊技球の流下が乱れた場合であっても、第1可動部と所定部との間で遊技球が脱落することを防止し易くすることができる。
<下流側において遊技球を密集させる>
入球領域と、その入球領域に入球した遊技球を下流側領域へ流下させる流下手段と、前記下流側領域を流下する遊技球の通過を検出する検出手段と、を備える遊技機において、前記流下手段は、前記入球領域に所定間隔で入球した複数の遊技球が、前記下流側領域を流下する間隔を、前記所定間隔よりも短くするための所定手段を備えることを特徴とする遊技機甲BBZ1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の入球領域から遊技球が流下した場合において、その遊技球から与えられる負荷により第1検出手段または前記第2検出手段への遊技球の案内が可能となる2種類の開放状態を構成可能な複数の可動役物が配設され、その可動役物は、それぞれ賞球口に所定個数の遊技球が入球した場合に機械的な負荷の伝達により開放状態から閉鎖するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2016-202338号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、通常時は第1検出手段にも第2検出手段にも遊技球を案内しない状態で維持されているので、遊技球を第1検出手段に案内する第1状態と、遊技球を第2検出手段に案内する第2状態と、合計で3つの状態に切り替えられるが、いずれの状態においても、入球領域に入球した後の遊技球の流下経路は一本道とされており、入球領域に入球するタイミング(間隔)と、その入球に伴う賞球の払い出しのタイミング(間隔)とがほぼ同じとされるので、遊技者に与えられる利益が発生するタイミングが遊技球の発射間隔(一定間隔)に制限されてしまい、遊技に緩急をつけることが難しく、遊技者の興趣を高めることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BBZ1によれば、流下手段の所定手段により、遊技球が入球領域に入球する間隔よりも、遊技球が下流側領域を流下する間隔が短くなる場合を生じさせることができるので、遊技球の発射間隔よりも短い間隔で遊技球が下流側領域を流下する場合を生じさせることができる。これにより、遊技球が入球領域に入球したことで遊技者に与えられる利益の発生タイミングが一定間隔となることを避け易くすることができ、遊技に緩急をつけることで、遊技者の興趣を高めることができる。
遊技機甲BBZ1において、前記所定手段は、前記入球領域側における遊技球の流下速度を、前記下流側領域側における遊技球の流下速度よりも大きくさせるように構成されることを特徴とする遊技機甲BBZ2。
遊技機甲BBZ2によれば、遊技機甲BBZ1の奏する効果に加え、所定手段により、下流側領域側を流下する遊技球が、入球領域側における遊技球に追いつかれるような状態を構成することができる。
遊技機甲BBZ1又はBBZ2において、前記流下手段は、一方向または他方向に変位可能に構成され、前記一方向における変位または前記他方向における変位によって、前記入球領域に入球した遊技球に対して前記下流側領域へ向けた所定の負荷を与え得るよう構成されることを特徴とする遊技機甲BBZ3。
遊技機甲BBZ3によれば、遊技機甲BBZ1又はBBZ2の奏する効果に加え、流下手段が往復変位可能に構成されており、遊技手段は、流下手段が一方向に変位する場合に流下手段を流下するか、流下手段が他方向に変位する場合に流下手段を流下するかによって、流下態様を変化させることができる。
遊技機甲BBZ3において、前記流下手段を流下する遊技球は、遊技球の流下方向に分岐が生じない非分岐位置と、遊技球の流下方向に分岐が生じ得る分岐位置と、のいずれかに配置されることを特徴とする遊技機甲BBZ4。
遊技機甲BBZ4によれば、遊技機甲BBZ3の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を流下している間中において、遊技球が分岐位置に配置されている場合に比較して、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
遊技機甲BBZ4において、前記分岐位置は、前記非分岐位置よりも視認性が高くなる側に配置されることを特徴とする遊技機甲BBZ5。
遊技機甲BBZ5によれば、遊技機甲BBZ4の奏する効果に加え、遊技球を注視する遊技者の疲労を軽減させることができる。
なお、視認性が高くなる側としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技者に近い側(前側)であっても良いし、遊技領域を流下する遊技球に隠され難い位置側であっても良いし、LED等の発光演出が生じた場合に眩しくならない側であっても良い。
遊技機甲BBZ4又はBBZ5において、前記分岐位置は、前記入球領域側の第1位置と、その第1位置よりも下流側の第2位置と、に配置され、前記第1位置と前記第2位置との間に前記非分岐位置が配置されることを特徴とする遊技機甲BBZ6。
遊技機甲BBZ6によれば、遊技機甲BBZ4又はBBZ5の奏する効果に加え、遊技球が流下手段上を流下する場合において、分岐位置に2回、間隔をあけて配置されることから、1個の遊技球が流下手段に案内される場合に遊技者の注目力を2回のタイミングで向上させることができる。これにより、遊技球への注目力を効率よく向上させることができる。
遊技機甲BBZ1からBBZ6のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記入球領域側の水平面に対する傾斜角度が、前記下流側領域側の水平面に対する傾斜角度よりも大きくされることを特徴とする遊技機甲BBZ7。
遊技機甲BBZ7によれば、遊技機甲BBZ1からBBZ6のいずれかの奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球が、入球領域側でより加速され、下流側領域側における遊技球との間隔と短くすることができる。
遊技機甲BBZ1からBBZ7のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記下流側領域よりも大きいことを特徴とする遊技機甲BBZ8。
遊技機甲BBZ8によれば、遊技機甲BBZ1からBBZ7のいずれかの奏する効果に加え、入球領域に同時に複数の遊技球が入球し易くすることができ、それらの遊技球が下流側領域で密集する(連なる)状態が生じ易くなるようにすることができる。
遊技機甲BBZ8において、前記入球領域は複数箇所に分割配置可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BBZ9。
遊技機甲BBZ9によれば、遊技機甲BBZ8の奏する効果に加え、遊技球の流下手段への入球箇所が複数用意されているので、流下手段への遊技球の入球頻度を高めることができる。
遊技機甲BBZ9において、遊技球が入球する前記入球領域の違いに対応して、前記流下手段に流下される遊技球の流下経路が異なることを特徴とする遊技機甲BBZ10。
遊技機甲BBZ10によれば、遊技機甲BBZ9の奏する効果に加え、遊技球が流下手段を通過するまでの期間や、流下手段上の遊技球の配置等が、遊技球がいずれの入球領域に入球するかに対応して変化し得ることから、流下手段に入球した遊技球が、いずれの入球領域から入球したかについての遊技者の興味関心を高めることができ、入球領域への注目力を向上することができる。
遊技機甲BBZ1からBBZ10のいずれかにおいて、前記流下手段を流下する遊技球が、前記下流側領域へ向けた流下経路から外れないようにするための流下経路制限手段を備えることを特徴とする遊技機甲BBZ11。
遊技機甲BBZ11によれば、遊技機甲BBZ1からBBZ10のいずれかの奏する効果に加え、流下経路制限手段により、入球領域に入球した遊技球が確実に下流側領域に到達するように構成することができる。
<入球領域から離れた位置で遊技球を受ける技術思想>
遊技球を入球領域へ案内可能とする第1状態と、前記入球領域への遊技球の入球を制限する第2状態とで状態を切り替え可能とされる切替手段と、その切替手段へ向けて遊技球が流下可能な流下領域と、を備え、前記流下領域は、前記切替手段の前記入球領域から離れた側に配置されることを特徴とする遊技機甲BC1。
パチンコ機等の遊技機において、賞球口へ遊技球を案内可能とする状態と賞球口への遊技球の入球を制限する状態とで切り替えられる可動役物への、遊技球の着地位置が、賞球口付近の下流側位置と、その下流側位置よりも上流側の上流側位置とで複数あり、下流側位置に着地するか上流側位置に着地するかに関わらず、遊技球が賞球口を通過可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2017-029531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、上流側位置に着地した遊技球が賞球口に近接するタイミングで下流側位置に別の遊技球が着地して、複数の遊技球がかたまって賞球口を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりする可能性があるという問題点があった。換言すれば、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BC1によれば、入球領域から離れた側において遊技球が切替手段に流下されるよう構成されているので(切替手段への遊技球の着地位置が制限されているので)、切替手段を流下する間に遊技球を整列させることができ、入球領域を通過しようとする場合に、球詰まりが生じたり、遊技球の流下抵抗が大きくなったりすることを回避することができるので、遊技球の流下態様を向上するという観点で改良を図ることができる。
遊技機甲BC1において、前記流下領域の外方における前記切替手段への流下を防止する防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC2。
遊技機甲BC2によれば、遊技機甲BC1の奏する効果に加え、防止手段によって、遊技球が流下領域の外方を通って切替手段へ到達することを防止することができる。
遊技機甲BC2において、前記切替手段は、遊技領域を構成する遊技盤前面よりも後側に少なくとも一部が配設されることを特徴とする遊技機甲BC3。
遊技機甲BC3によれば、遊技機甲BC2の奏する効果に加え、遊技球が切替手段に着地する位置を少なくとも遊技領域側(遊技盤前面)に登場させ、その他の少なくとも一部を遊技盤前面よりも後側に配設することで、切替手段上の遊技球の流下長さを遊技盤前面よりも後側に確保しながら、切替手段が遊技領域を侵食する長さを狭めることができる。これにより、他の構成を配置する領域を広く確保し、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
遊技機甲BC1からBC3のいずれかにおいて、前記切替手段は、遊技球が転動可能な第1部と、その第1部よりも下流側に配置される第2部とを備え、前記流下領域から前記切替手段に着地する遊技球は、前記第1部に着地し易く構成されることを特徴とする遊技機甲BC4。
遊技機甲BC4によれば、遊技機甲BC1からBC3のいずれかの奏する効果に加え、切替手段上を長距離で転動させることで遊技球の跳ねを抑え流下を落ち着かせることができると共に、入球領域までの流下長さを確保でき、遊技球への注目力を向上させることができる。
遊技機甲BC4において、前記切替手段は、前記第1部と前記第2部との間に、前記第1状態および前記第2状態において遊技球を橋渡し可能な案内経路を備えることを特徴とする遊技機甲BC5。
遊技機甲BC5によれば、遊技機甲BC4の奏する効果に加え、切替手段の第1部に着地した後の遊技球について、切替手段の状態に関係なく遊技球の転動を維持させる箇所としての案内経路が配設されることから、切替手段の状態切替と、遊技球の流下態様の変化とが一対一で対応する場合に比較して、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
遊技機甲BC5において、前記案内経路における遊技球の流下長さが複数種類構成されることを特徴とする遊技機甲BC6。
遊技機甲BC6によれば、遊技機甲BC5の奏する効果に加え、遊技球の流下のバリエーションを増加させることができる。
なお、案内経路における遊技球の流下長さが変化する要因としては、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への入球位置の違いで変化するよう構成されても良いし、切替手段への入球のタイミングと切替手段の状態が切り替えられるタイミングとの相対的な関係により変化するよう構成されても良い。
遊技機甲BC5又はBC6において、前記切替手段は、前記案内経路よりも上流側における所定範囲に亘って、遊技球を案内経路側に接近するように移動させる接近手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC7。
遊技機甲BC7によれば、遊技機甲BC5又はBC6の奏する効果に加え、接近手段により、案内経路に遊技球が乗るタイミングよりも事前に案内経路側に遊技球を寄せることができるので、案内経路への橋渡し部分における遊技球の滞留を回避することができる。
遊技機甲BC7において、前記接近手段は、前記切替手段の第1部または前記案内経路における遊技球の流下方向と直交する方向に遊技球を移動させる傾斜面であることを特徴とする遊技機甲BC8。
遊技機甲BC8によれば、遊技機甲BC7の奏する効果に加え、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下方向と、傾斜面の傾斜方向とが直交することから、傾斜面により遊技球に与えられる負荷が、切替手段の第1部または案内部における遊技球の流下速度を加速も減速もさせず、影響を最小限に抑えることができる。
遊技機甲BC4からBC8のいずれかにおいて、前記第2部は、同時の複数個の遊技球の受入を制限するよう構成されることを特徴とする遊技機甲BC9。
遊技機甲BC9によれば、遊技機甲BC4からBC8のいずれかの奏する効果に加え、第2部に想定以上の遊技球が入球する事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲BC1からBC9のいずれかにおいて、前記切替手段は、前記流下領域側の端部側の所定区間に遊技球が着地してから、その遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に状態が切り替えられた場合に、その遊技球が前記案内経路側に入球することを制限する入球制限手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC10。
遊技機甲BC10によれば、遊技機甲BC1からBC9のいずれかにおいて、切替手段が微小時間での状態切替を実行した場合に、遊技球が案内経路側に誤って入球することを回避し易くすることができる。
遊技機甲BC1からBC10のいずれかにおいて、前記切替手段は、下流側部において遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機甲BC11。
遊技機甲BC11によれば、遊技機甲BC1からBC10のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の下流側において遊技球の流下態様を落ち着かせる(整流させる)ことができる。
<複数個目の入球が、先の入球に影響されて検出手段を通過し易い>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通った遊技球が流下可能な第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域に遊技球が配置されていない状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第1の場合よりも、前記下流側領域に遊技球が配置されている状態で前記流下領域から前記下流側領域に遊技球が流下する第2の場合の方が、遊技球が前記第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により後の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段に遊技球が1個受け入れられた時点で特定入球口へ入球するものと考えられるので、遊技者が安心できてしまい、2個目以降の開閉手段への入球に注目させることが困難であるという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられる遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BD1によれば、下流側領域に受け入れられた遊技球の内、複数個目に受け入れられた遊技球の方が、1個目に受け入れられた遊技球よりも、第2流下領域に受け入れられる可能性が高くなるよう構成されるので、下流側領域に流下した遊技球に対する注目力を持続させることができる。
遊技機甲BD1において、前記下流側領域に1球目で入球した遊技球よりも、2球目以降で入球した遊技球の方が、第2流下領域に入球し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD2。
遊技機甲BD2によれば、遊技機甲BD1の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を長い間維持することができる。
遊技機甲BD1又はBD2において、前記下流側領域に遊技球が複数個同時に配置されている場合に、前記第2流下領域を遊技球が流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD3。
遊技機甲BD3によれば、遊技機甲BD1又はBD2の奏する効果に加え、流下領域に流下した遊技球に対する遊技者の注目力を、遊技球が下流側領域に配置されている間において維持することができる。また、遊技球の発射態様を遊技者に意識させることができる。
遊技機甲BD1からBD3のいずれかにおいて、前記下流側領域に複数の遊技球が停留することで、第2流下領域に遊技球が受け入れられ易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD4。
遊技機甲BD4によれば、遊技機甲BD1からBD3のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の配置態様に注目させることができる。
遊技機甲BD1からBD4のいずれかにおいて、流下領域からの遊技球の流下経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段を備え、前記下流側領域は、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態へ切り替えられた直後において、前記第2流下領域側に遊技球が案内され難いように構成されることを特徴とする遊技機甲BD5。
遊技機甲BD5によれば、遊技機甲BD1からBD4のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられた後における下流側領域に対する遊技者の注目力の維持期間を長くすることができる。
遊技機甲BD5において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から、前記下流側領域に所定期間に入球した遊技球よりも、前記所定期間経過後に入球した遊技球の方が、第2流下領域を流下し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機甲BD6。
遊技機甲BD6によれば、遊技機甲BD5の奏する効果に加え、下流側領域に対する注目力を開閉手段が第1状態に切り替えられた時点から長く持続させることができる。
遊技機甲BD6において、前記開閉手段が前記第1状態に切り替えられた時点から前記所定期間が経過した後においては、前記流下領域を流下した遊技球が前記第2流下領域を流下するまでの期間の変化を抑制可能とされることを特徴とする遊技機甲BD7。
遊技機甲BD7によれば、遊技機甲BD6の奏する効果に加え、開閉手段が第1状態に切り替えられ所定期間が経過した後における遊技球の流下態様(流下期間)を一定とすることで、下流側領域における注目力を下げ、遊技者をリラックスさせることができる。
遊技機甲BD5からBD7のいずれかにおいて、前記流下領域に、前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられてから数えて1個目で入球した遊技球を、前記第2流下領域側へ案内しないように構成される案内球選択手段を備えることを特徴とする遊技機甲BD8。
遊技機甲BD8によれば、遊技機甲BD5からBD7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に遊技球を受け入れさせるために、開閉手段の第1状態において複数個の遊技球を入球させる必要が生じるので、開閉手段および開閉手段を通過する遊技球の個数に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BD1からBD8のいずれかにおいて、前記第2流下領域に受け入れられる遊技球の個数と、前記第2流下領域に受け入れられない遊技球の個数とを同等とするよう構成されることを特徴とする遊技機甲BD9。
遊技機甲BD9によれば、遊技機甲BD1からBD8のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域に全球入球する場合のように、過度に多くの遊技球が受け入れられる場合が生じることで、遊技者に過度な期待を持たせることを回避することができる。
遊技機甲BD1からBD9のいずれかにおいて、前記下流側領域が受入可能な遊技球の最大個数が設定され、その最大個数を超えた遊技球が前記第2流下領域に受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BD10。
遊技機甲BD10によれば、遊技機甲BD1からBD9のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域および第2流下領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BD1からBD10のいずれかにおいて、通過した遊技球が前記第1流下領域側に流入し易い位置に、流下領域を配置可能とされることを特徴とする遊技機甲BD11。
遊技機甲BD11によれば、遊技機甲BD1からBD10のいずれかの奏する効果に加え、下流側領域に配置された遊技球が第1流下領域側に流入し易い状態が構成され易い。
遊技機甲BD1からBD11のいずれかにおいて、前記下流側領域に配置された遊技球を前記下流側領域で留めるための滞留手段を備えることを特徴とする遊技機甲BD12。
遊技機甲BD12によれば、遊技機甲BD1からBD11のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを滞留手段により制限することができる。
遊技機甲BD1からBD12のいずれかにおいて、前記第2流下領域は、前記第1流下領域よりも上側に配置されることを特徴とする遊技機甲BD13。
遊技機甲BD13によれば、遊技機甲BD1からBD12のいずれかの奏する効果に加え、第1流下領域に配置された遊技球が第2流下領域側へ流れることを、配置の高低差で防止することができる。
<遊技球との当接、非当接の切り替え>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能な当接可能手段と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BE1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材により開閉される入球口に入球した遊技球の流下経路において複数の可動部材が配設され、可動部材からの負荷を受けて遊技球の流下経路が変化し得る遊技機がある(例えば、特開2017-000562号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、可動部材は流下した遊技球と必ず当接し得るよう構成されているので、入球口に入球した遊技球の流下態様が変わり映えせず、遊技者を飽きさせる可能性が高く、遊技者の興趣を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BE1によれば、当接可能手段が、下流側領域を通った遊技球に当接可能な当接状態と、非当接となる非当接状態とで切り替え可能とされるので、遊技球が当接可能手段に当接する場合と、当接可能手段に当接しない場合とで、遊技球の流下態様を大きく異ならせることができる。これにより、遊技球の流下態様のバリエーションを多くすることができ、遊技者の興趣を向上させる観点で改良することができる。
遊技機甲BE1において、前記当接可能手段に当接している遊技球を介して負荷を受けた遊技球が、前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機甲BE2。
遊技機甲BE2によれば、遊技機甲BE1の奏する効果に加え、下流側領域における遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BE1又はBE2において、前記当接可能手段に遊技球が当接している状態で前記開閉手段が前記第2状態から前記第1状態に切り替えられた場合において、前記流下領域から前記下流側領域に流下した遊技球が前記第2流下領域を流下し得るよう構成されることを特徴とする遊技機甲BE3。
遊技機甲BE3によれば、遊技機甲BE1又はBE2の奏する効果に加え、開閉手段が開放されるタイミングで当接可能手段に遊技球が当接している場合に、開閉手段が開放された後で開閉手段を通過した遊技球が第2流下領域を流下し易くなることから、当接可能手段に対する注目力を向上させることができる。
<遊技球の通過を止められる状態を経て第2遊技領域に遊技球が受け入れられる>
遊技球が流下可能な流下領域と、その流下領域を通過する遊技球の経路を開放する第1状態とその第1状態よりも経路を狭める第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記流下領域の下流側に配設される下流側領域と、その下流側領域を通過した遊技球が流下可能に構成される第1流下領域と、前記下流側領域を通った遊技球であって前記第1流下領域を流下しない遊技球が流下可能に構成される第2流下領域と、を備え、前記第2流下領域を遊技球が流下した場合に所定の利益を遊技者に付与可能とされ、前記下流側領域の所定部における遊技球の通過が防止される状態から、前記第2流下領域に遊技球が流下可能な状態へ移行されることを特徴とする遊技機甲BEZ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉手段の奥に入球口と特定入球口とが配置され、その特定入球口は、スライド動作する板部材に塞がれる状態と、板部材が退避して遊技球の入球を許容する状態とで切り替えられるよう構成され、板部材が入球を許容する状態の場合には、開閉手段に受け入れられたほとんどの遊技球が特定入球口に入球するよう構成され、特定入球口への入球により遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態に設定される遊技機がある(例えば、特開2015-150122号公報の段落0030~0032を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、入球口と特定入球口との位置が、左右の違いがあるだけでほとんど変わらないので、遊技球が特定入球口に入球したかどうかを開閉手段越しには一目で把握させ難い。特定入球口へ遊技球が入球したことに起因して液晶装置に報知がされる場合には、液晶装置での表示の方が分かり易いので、遊技者の注目力が液晶装置に集中してしまうという問題点があった。換言すれば、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BEZ1によれば、下流側領域の所定部において遊技球の通過が防止される状態を経て、第2流下領域に遊技球が流下するように構成されるので、第2流下領域への入球準備状態として下流側領域で停止している遊技球に遊技者の視線を集めることができ、開閉手段に受け入れられた遊技球への注目力を持続させることができる。
遊技機甲BEZ1において、前記所定部は、前記第1流下領域に位置することを特徴とする遊技機甲BEZ2。
遊技機甲BEZ2によれば、遊技機甲BEZ1の奏する効果に加え、所定の利益の付与には影響しない領域としての第1流下領域への入球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、所定の遊技球によって、遊技球の通過が防止されることを特徴とする遊技機甲BEZ3。
遊技機甲BEZ3によれば、遊技機甲BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球が第2流下領域から逸れて流下した場合であっても、所定部を塞ぐかもしれないという期待感から、その遊技球に対する注目力を高い状態で維持することができる。
遊技機甲BEZ1又はBEZ2において、前記所定部は、遊技球とは異なる所定部材によって、遊技球の通過が防止され、前記所定部材の正面視における大きさは、遊技球の大きさよりも小さく設定されることを特徴とする遊技機甲BEZ4。
遊技機甲BEZ4によれば、遊技機甲BEZ1又はBEZ2の奏する効果に加え、遊技球の通過を防止する所定部材が、遊技球よりも目立たないようにすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BEZ1からBEZ4のいずれかにおいて、前記第1流下領域が遊技球で満たされた状態を経て、後追いで到達する遊技球が前記第2流下領域へ受け入れられるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BEZ5。
遊技機甲BEZ5によれば、遊技機甲BEZ1からBEZ4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の目線を第1流下領域に留める状態から、第2流下領域へ移行させることができるので、当初から第2流下領域に注目される場合に比較して、第2流下領域が視認される期間を長くすることができる。
更に、第2流下領域への入球時には、第1流下領域が遊技球で満たされることから、第2流下領域へ入球した遊技球を見失ったとしても、一目で第2流下領域へ入球可能な状態であると把握することができる。
遊技機甲BEZ5において、前記第1流下領域に遊技球を留める滞留状態と、前記第1流下領域から遊技球を排出する排出状態と、で切替可能とされる状態切替手段を備え、前記開閉手段の状態の切り替えに対応して、前記状態切替手段の状態が切り替えられることを特徴とする遊技機甲BEZ6。
遊技機甲BEZ6によれば、遊技機甲BEZ5の奏する効果に加え、開閉手段と状態切替手段との状態の切り替えを関連付けることができるので、いずれか一方を視認することで、他方の状態を予測し易くすることができる。
遊技機甲BEZ5又はBEZ6において、前記第1流下領域に受け入れ可能な遊技球の上限個数が設定されていることを特徴とする遊技機甲BEZ7。
遊技機甲BEZ7によれば、遊技機甲BEZ5又はBEZ6の奏する効果に加え、第1流下領域に配置されている遊技球の個数を確認することで、あと何球の遊技球を流下領域に通過させれば第2流下領域に遊技球が受け入れられるかの予測を立て易くすることができる。
遊技機甲BEZ1からBEZ7のいずれかにおいて、変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出可能な排出可能状態と、受け入れた遊技球を前記下流側領域に排出不能な排出不能状態とで状態を切り替えるように変位することを特徴とする遊技機甲BEZ8。
遊技機甲BEZ8によれば、遊技機甲BEZ1からBEZ7のいずれかの奏する効果に加え、第2流下領域への遊技球の受入の前提として遊技者の注目力の高い下流側領域へ遊技球が排出されるか否かが、変位手段の状態により変化するように構成されることから、下流側領域および変位手段に対する注目力を向上させることができる。
即ち、流下領域を通過した遊技球が下流側領域に確実に流下する場合には、遊技球が流下領域を通過する個数を把握すれば第2流下領域に遊技球が流下するタイミングを経験から予測することができるので、下流側領域にまでは視線をやらずに遊技をしても不利益は大きくない可能性があった。
これに対し、変位手段の状態次第で下流側領域への遊技球の流下の有無が切り替えられる状況下では、流下領域を通過する遊技球の個数と、下流側領域に流下する遊技球の個数にずれが生じることから、下流側領域にも視線を向ける必要がある。これにより、下流側領域に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲BEZ8において、前記変位手段は、受け入れた遊技球の流下速度を、流下領域を流下する遊技球の流下速度に比較して減速可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BEZ9。
遊技機甲BEZ9によれば、遊技機甲BEZ8の奏する効果に加え、変位手段に受け入れられた遊技球の流下速度を落とすことができるので、変位手段に受け入れられた遊技球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができる。
遊技機甲BEZ8又はBEZ9において、前記変位手段は、遊技球を所定数まで受け入れ可能な球受部を備え、前記変位手段の変位により前記球受部に受け入れられた遊技球が変位することを特徴とする遊技機甲BEZ10。
遊技機甲BEZ10によれば、遊技機甲BEZ8又はBEZ9の奏する効果に加え、変位手段の変位に伴い変位する遊技球の個数を、球受部に対して所定数までに制限することができるので、変位手段の変位速度を所定の範囲に設定することで、所定期間において変位手段から下流側領域に排出され得る遊技球の個数を所定の範囲に抑えることができる。
<エンディングにおいて終了時点を知らせる報知手段>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BG1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了したら特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技の終了時点が分かり難く、特図変動遊技が可能な状態に切り替わった直後に特別図柄の抽選を開始させたいという遊技者にとって、不満の元となっていた。
例えば、一般的な遊技進行として、特別図柄1の抽選で大当たりとなった後で、大当たり遊技終了後に特別図柄1よりも有利な特別図柄2の抽選を獲得容易な状態に移行する振分けが存在する遊技機があるが、このような遊技機では、大当たり遊技終了直後は特別図柄2の抽選が未獲得な状態で始まるので、特別図柄1の抽選が保留されていると、大当たり遊技終了後に特別図柄1の抽選が実行されてしまい、万が一その抽選で大当たりを獲得すると、遊技者に不利益が生じる可能性があった。
この事態を回避するため、大当たり終了後の特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に、大当たり終了後になるべく間隔を空けずに特別図柄2の抽選を獲得することが好ましいので、特別図柄2の抽選を獲得できる状態になるや否や遊技球の発射を開始することが望まれる。
一方で、特別図柄2の抽選を獲得するために入球口は電動役物により開閉される場合が一般的であるが、その電動役物は大当たり遊技中には閉鎖状態で維持されており、大当たり遊技終了後に開放可能な状態となる。そのため、電動役物が開放される前に遊技球を発射しても、その多くは無駄球となり易い。
このような事情から、大当たり遊技中に電動役物側へ遊技球を発射しても電動役物が閉鎖状態を維持しており特別図柄2の抽選を獲得できないので遊技球の発射は避けたいが、それにも増して特別図柄1の抽選による大当たりを獲得するよりも前に特別図柄2の抽選を獲得するために大当たり遊技が終了するや否や開放された電動役物の下流側にある入球口に遊技球を打ち込みたいと遊技者は思うと考えられる。
これに対し、従来の遊技機では、いつ大当たり遊技が終了するのかが分かり難く、遊技球を発射させるタイミングを図りがたいという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BG1によれば、所定の演出の終了時点を遊技者が把握可能に報知する報知手段を備えるようにしたので、その報知手段の報知を目安として遊技球を発射させるタイミングを図り易くすることができる。
遊技機甲BG1において、前記所定の演出は、第1演出またはその第1演出とは報知の内容が異なる第2演出の少なくとも一方が実行され、報知の組み合わせによって前記継続期間が変化可能とされ、前記報知手段は、前記所定の演出の前記継続期間の違いを遊技者に伝達可能に構成され、所定の演出の終了時点を示す終了手段と、現時点から前記終了時点までに経過する時間を示す時間報知手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BG2。
遊技機甲BG2によれば、遊技機甲BG1の奏する効果に加え、所定の演出の継続期間が複数種類用意されている場合においても、現在行われている所定の演出の継続期間と、その終了時点とを把握することができる。
遊技機甲BG2において、前記時間報知手段は、現時点から前記所定の演出の終了時点までに経過する時間と、所定の時間差を設けた疑似時間を示す疑似時間報知手段を備えることを特徴とする遊技機甲BG3。
遊技機甲BG3によれば、遊技機甲BG2の奏する効果に加え、疑似時間報知手段により、所定の演出の終了時点よりも前の好ましいタイミングを遊技者に報知することができる。これにより、例えば、遊技球が発射されてから所定の入球口に到達するまでに経過し得る時間を所定の演出の実行中に消化することができ、所定の演出の終了直後に所定の入球口に遊技球を流入させるという遊技を実現させ易くすることができる。
遊技機甲BG1からBG3のいずれかにおいて、前記所定の演出は、少なくとも所定の特典遊技の終了直前に実行可能とされるものであり、前記特典遊技の種別に対応して、実行の態様が変化されることを特徴とする遊技機甲BG4。
遊技機甲BG4によれば、遊技機甲BG1からBG3のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技の種別と、所定の演出とを対応付けることができる。
遊技機甲BG1からBG4のいずれかにおいて、前記報知手段は、前記所定の演出期間の終了時の所定期間前の時点を報知することを特徴とする遊技機甲BG5。
遊技機甲BG5によれば、遊技機甲BG1からBG4のいずれかの奏する効果に加え、報知手段により所定演出期間の終了時を前もって把握させることができる。
なお、所定の演出期間のタイミングは、何ら限定されるものではなく種々の態様が例示される。例えば、所定の特定遊技中でも良いし、図柄変動中でも良いし、図柄変動待機中でも良い。
遊技機甲BG1からBG5のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時に、表示手段の表示領域に遊技者を冷静にさせるための所定の静止画または動画が表示されることを特徴とする遊技機甲BG6。
遊技機甲BG6によれば、遊技機甲BG1からBG5のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の遊技に対するのめり込みを効果的に抑制することができる。
遊技機甲BG1からBG6のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時の後において、表示手段の表示が切り替えられることを特徴とする遊技機甲BG7。
遊技機甲BG7によれば、遊技機甲BG1からBG6のいずれかの奏する効果に加え、表示が切り替えられることにより所定の演出の終了時を過ぎたことを遊技者に把握させ易くすることができる。
遊技機甲BG7において、前記所定の演出の終了時の後において、前記所定の演出から継続して特定の演出を実行可能とされることを特徴とする遊技機甲BG8。
遊技機甲BG8によれば、遊技機甲BG7の奏する効果に加え、所定の演出の終了時の後において新規で演出を実行する場合に比較して、所定の演出の実行中から特定の演出を実行することができるので、演出時間を長く確保することができる。
遊技機甲BG1からBG8のいずれかにおいて、前記所定の演出は、表示手段の表示領域の少なくとも一部において視認可能に実行されることを特徴とする遊技機甲BG9。
遊技機甲BG9によれば、遊技機甲BG1からBG8のいずれかの奏する効果に加え、表示手段の表示領域を視認すれば所定の演出を確認することができるので、表示手段の表示領域外(例えば、遊技領域の外方等)で所定の演出が実行される場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機甲BG8又はBG9において、表示手段の表示領域における表示の、所定のタイミングにおける態様が異なる場合を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲BG10。
遊技機甲BG10によれば、遊技機甲BG8又はBG9の奏する効果に加え、所定のタイミングにおける態様に対する注目力を向上させることができる。
なお、所定のタイミングにおける異なる態様については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定のタイミングで動作開始する場合と、所定のタイミングで停止維持される場合とで異なる場合や、所定のタイミングで操作可能となる場合と、所定のタイミングで操作不能とされる場合とで異なる場合等が例示される。
遊技機甲BG8又はBG9において、前記所定の演出の終了時よりも前において、終了時であるように錯覚させる錯覚演出を実行させることを特徴とする遊技機甲BG11。
遊技機甲BG11によれば、遊技機甲BG8又はBG9の奏する効果に加え、錯覚演出ごとに遊技者の集中力を高めることができる。
遊技機甲BG8からBG11のいずれかにおいて、前記所定の演出の終了時から、所定の条件が満たされるまで表示手段の表示領域において遊技球の発射により所定の利益を獲得可能であることを示唆する示唆表示がされることを特徴とする遊技機甲BG12。
遊技機甲BG12によれば、遊技機甲BG8からBG11のいずれかの奏する効果に加え、表示領域を視認する遊技者に対して、示唆表示により遊技球の発射に適したタイミングを知らせることができるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
なお、所定の条件の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定期間が経過することでも良いし、所定の入球口を所定個数の遊技球が通過したことや、その通過を検出したことでも良い。
遊技機甲BG12において、前記示唆表示は、所定の入球口またはその所定の入球口を開閉する電動役物の開閉の抽選を実行する開閉抽選入球口を狙うことを示唆する表示であることを特徴とする遊技機甲BG13。
遊技機甲BG13によれば、遊技機甲BG12の奏する効果に加え、示唆表示により、発射した遊技球の狙いが明確にされるので、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲BG12又はBG13において、前記所定の演出において、所定の発射可能タイミングまで継続される表示が構成され、前記所定の発射タイミングを過ぎても発射がされない場合または所定の検出口で遊技球が検出されない場合、そのいずれかがされるまで所定の報知が継続されることを特徴とする遊技機甲BG14。
遊技機甲BG14によれば、遊技機甲BG12又はBG13の奏する効果に加え、所定の報知が継続されていることを確認すれば、所定の発射タイミングを過ぎてから、遊技球の発射がされていないか、所定の検出口で遊技球が検出されていないかのいずれかであることを、遊技者に把握させることができる。
遊技機甲BG12からBG14のいずれかにおいて、前記所定の演出中に所定個数の入球または前記所定個数以上の入球を検出した場合に、所定の報知をすることを特徴とする遊技機甲BG15。
遊技機甲BG15によれば、遊技機甲BG12からBG14のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知により、所定の演出中に所定個数以上に入球が生じていることを遊技者に知らせることができるので、それをヒントに遊技者は遊技球の発射強度の調整等を行うことができ、遊技負担を軽減させることができる。
なお、所定の報知の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の四字熟語が表示されるものでも良いし、遊技球の発射を躊躇させるための表示がされるものでも良いし、所定の発光手段を発光させるものでも良いし、所定の音声を出力するものでも良い。
遊技機甲BG1からBG15のいずれかにおいて、前記所定の演出は、遊技者により行われる音量の設定に関わらず所定の音量で実行されるか、又は、遊技者により行われる発光強度の設定に関わらず所定の発光強度や所定の発光色で実行されることを特徴とする遊技機甲BG16。
遊技機甲BG16によれば、遊技機甲BG1からBG15のいずれかの奏する効果に加え、遊技者の設定により、音や光に遊技者が気づかない事態が発生することを防止することができる。
<エンディングにおいて音量光量の変更期間を設定する>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に、遊技に関わる所定の設定を変更可能な変更可能状態を構成可能な変更手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BH1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BH1によれば、所定の演出中に、変更可能状態を構成可能とされているので、所定の演出中における暇な時間を、所定の設定を変更させる時間に当てることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。即ち、遊技球を有効に利用するという観点で改良することができる。
遊技機甲BH1において、前記所定の演出の継続期間の終わりを遊技者が把握可能に報知する報知手段を備え、前記変更可能状態において、前記報知手段による演出が継続されることを特徴とする遊技機甲BH2。
遊技機甲BH2によれば、遊技機甲BH1の奏する効果に加え、所定の設定を変更させた後で、ハンドルを再び握ることが好ましいタイミングを遊技者に知らせることができる。これにより、適切なタイミングで遊技球を発射しないことによる不利益を遊技者が受けることを避け易くすることができる。
遊技機甲BH1又はBH2において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定が切り替え可能な状態を構成可能であることを特徴とする遊技機甲BH3。
遊技機甲BH3によれば、遊技機甲BH1又はBH2の奏する効果に加え、変更可能な所定の設定が複数あることで、遊技者が暇となる時間が長い場合であっても、遊技者が手持無沙汰となることを避け易くすることができる。
遊技機甲BH3において、前記変更可能状態において、変更可能な前記所定の設定または変更中の前記所定の設定が表示手段により表示されることを特徴とする遊技機甲BH4。
遊技機甲BH4によれば、遊技機甲BH3の奏する効果に加え、遊技に関わる所定の設定の内の、変更される対象を表示により明確とすることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機甲BH1からBH4のいずれかにおいて、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域が変化することを特徴とする遊技機甲BH5。
遊技機甲BH5によれば、遊技機甲BH1からBH4のいずれかの奏する効果に加え、遊技者が行った所定の操作により、表示手段における所定の表示の視認可能領域を変化させることで、遊技者が興味を持つと考えられる表示を遊技者の視線の先に配置させることができる。これにより、遊技者に視線を動かす煩わしさを感じさせることなく、遊技に集中させることができる。
遊技機甲BH5において、前記変更可能状態において実行された所定の操作により、表示手段の表示領域の一部が視認不能とされる状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲BH6。
遊技機甲BH6によれば、遊技機甲BH5の奏する効果に加え、所定の操作により表示手段の表示領域の一部が視認不能となることから、視認不能となる可能性がある表示を視認できる状態で維持したいと考える遊技者に対して、所定の操作を行うか否かを考えさせることができる。これにより、遊技者がむやみに所定の操作を行う事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲BH1からBH6のいずれかにおいて、前記変更可能状態で前記所定の設定を変更した場合に、その変更が所定条件で戻される、又は前記変更が所定条件で無効化されるよう構成されることを特徴とする遊技機甲BH7。
遊技機甲BH7によれば、遊技機甲BH1からBH6のいずれかの奏する効果に加え、所定条件の成立により所定の設定が戻される、又は無効化されるので、違和感から、所定条件が成立したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定条件としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技が開始されることでも良いし、大当たり遊技が所定回数継続されることでも良いし、所定期間に所定個数以上の遊技球を所定の検出手段で検出することでも良いし、所定のタイミングで所定の操作手段を操作することでも良い。
遊技機甲BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行するために操作した所定の操作手段の操作により達成されることを特徴とする遊技機甲BH8。
遊技機甲BH8によれば、遊技機甲BH7の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作をすることで所定の設定の変更を戻す、又は無効化することができるので、所定の設定の変更を戻す、又は無効化することを意図的に行うことを容易にすることができる。
遊技機甲BH7において、前記所定条件は、前記所定の設定の変更を実行したタイミングによらず、所定のタイミングで達成されることを特徴とする遊技機甲BH9。
遊技機甲BH9によれば、遊技機甲BH7の奏する効果に加え、所定条件が所定のタイミングで達成されるので、所定条件がいつまでたっても達成されないという事態を回避することができる。
なお、所定のタイミングは、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、特図変動が所定回数実行された場合でも良いし、所定の内容の報知がされた場合でも良いし、正午など所定の時刻とされても良い。
遊技機甲BH7において、前記所定条件は、所定の状態が所定時間経過することにより達成されることを特徴とする遊技機甲BH10。
遊技機甲BH10によれば、遊技機甲BH7の奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻ること、又は無効化されることにより、所定の状態が所定時間経過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定の状態については何ら限定されるものではない。例えば、大当たり遊技が連荘した場合において獲得した大当たりの大当たり種別が同じ(又は所定のラウンド数以上や以下)で繰り返されることでも良いし、操作手段の操作がされないことでも良いし、特図変動が実行されないことでも良い。
遊技機甲BH1からBH10のいずれかにおいて、前記所定の設定に予め所定の目標量を設定可能とされ、前記変更可能状態において、前記所定の設定と前記目標量との差分を把握可能とする差分報知手段を備えることを特徴とする遊技機甲BH11。
遊技機甲BH11によれば、遊技機甲BH1からBH10のいずれかの奏する効果に加え、所定の設定の変更が戻された、又は無効となった場合であっても、遊技を行う遊技者が同じであれば、差分報知手段により目標量との差分を把握しながら所定の設定を変更することで、所定の設定を戻される前、又は無効とされる前の状態に容易に戻すことができる。
これにより、遊技を行う遊技者が交代した場合に、所定の設定が前の遊技者の設定のままで維持されることで後の遊技者に与える遊技負担を考慮して所定の設定の変更が戻される、又は無効化されるよう遊技機が制御されている場合においても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができることから、遊技を行う遊技者が交代していないにも関わらず意図せず所定の設定が戻された、又は無効化されたとしても、所定の設定を前の状態に容易に戻すことができるので、遊技者に与える遊技負担を軽減することができる。
<同一の表示を状況によって表示態様変更>
遊技に関する所定の表示演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記所定の表示演出の実行中に前記所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されることを特徴とする遊技機甲BI1。
パチンコ機等の遊技機において、表示装置の正面側に配置される可動役物と、表示装置の表示とを組み合わせて一体的な形状を視認させることができる遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動役物の配置位置、大きさ及び形状に合わせて、表示の配置位置、大きさ及び形状を決める必要があるので、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BI1によれば、所定の表示演出の実行中に、所定の表示演出の表示位置または表示される大きさの変更が可能に構成されるので、可動役物の形状の影響を受けることなく、表示装置の表示領域を有効に活用する観点で改良することができる。
遊技機甲BI1において、前記所定の表示演出は、表示領域の中央側に表示される場合よりも、表示領域の端側に表示される場合の方が、識別性が低下するよう構成されることを特徴とする遊技機甲BI2。
遊技機甲BI2によれば、遊技機甲BI1の奏する効果に加え、表示領域のどの位置に表示されるかによって、所定の表示演出に対する注目力の調整を行うことができる。
なお、識別性を低下させる態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、半透明で表示するようにしても良いし、表示の大きさを小さくするようにしても良い。
遊技機甲BI1又はBI2において、前記変更は、所定の操作手段が操作されることにより実行されることを特徴とする遊技機甲BI3。
遊技機甲BI3によれば、遊技機甲BI1又はBI2の奏する効果に加え、所定の表示演出の表示態様の変更を実行するか否かを、遊技者に選択させることができる。これにより、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
<ボタン操作絡み>
遊技に関する所定の演出を実行可能な演出実行手段と、前記所定の演出の実行中に所定の操作手段が操作されることにより、前記所定の演出を第1の状態から第2の状態に切り替え可能に構成される演出切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲BIZ1。
パチンコ機等の遊技機において、大当たり遊技が終了して特図変動遊技が可能な状態へ移行する遊技機がある(例えば、特開2015-019743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了から特図変動遊技が可能な状態へ移行するまでの間に遊技者が手持無沙汰となるため、ハンドルを握ったままとなり易いが、この場合に誤って遊技球を発射してしまう事態が生じ易いという問題点があった。
これに対し、遊技機甲BIZ1によれば、所定の演出中に、所定の操作手段を操作することで実行される演出を切り替え可能とされるので、所定の演出中における暇な時間を、所定の操作手段を操作する時間に当てることができる。操作手段を操作することにより演出が切替可能とされるので、遊技者の操作手段の操作意欲を効果的に高めることができる。これにより、遊技者の手をハンドルから離させ易くすることができるので、遊技球の誤発射を防止し易くすることができる。
遊技機甲BIZ1において、前記所定の操作手段を操作可能であることを報知可能な操作報知手段を備え、前記操作報知手段の報知に従い前記所定の操作手段を操作することで、前記所定の演出の態様が切り替えられることを特徴とする遊技機甲BIZ2。
遊技機甲BIZ2によれば、遊技機甲BIZ1の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が操作報知手段により補助されることから、不慣れな遊技者であっても迷うことなく所定の操作手段を操作することができる。
遊技機甲BIZ2において、前記操作報知手段からの報知は、前記所定の演出の継続期間の一部の時間において実行されることを特徴とする遊技機甲BIZ3。
遊技機甲BIZ3によれば、遊技機甲BIZ2の奏する効果に加え、操作報知手段からの報知が所定の演出の継続時間の一部の時間で実行されるので、その他の時間においては所定の演出を視認させる余裕を持たせることができる。
なお、操作報知手段からの報知のタイミングは何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、所定の演出の途中から操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の途中まで操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良いし、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行されるようにしても良い。また、所定の演出の実行中に亘り操作報知手段からの報知が実行される場合において、その報知の実行中に亘って操作が有効となっても良いし、操作が無効となる時間を含むようにしても良い。
遊技機甲BIZ1からBIZ3のいずれかにおいて、前記所定の演出の後半の所定期間において、前記所定の操作手段の操作により演出が切り替えられないよう構成されることを特徴とする遊技機甲BIZ4。
遊技機甲BIZ4によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ3のいずれかの奏する効果に加え、所定の演出の後半の所定期間における所定の操作手段の操作を無効とすることで、後半の所定期間における所定の演出に注目させることができる。
遊技機甲BIZ4において、前記所定の演出の後半の前記所定期間において、表示手段の表示領域における前記操作報知手段の表示を非表示とすることを特徴とする遊技機甲BIZ5。
遊技機甲BIZ5によれば、遊技機甲BIZ4の奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が無効となる期間に入ったことを、表示手段の表示領域を視認することで把握することができる。
遊技機甲BIZ1からBIZ5のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作により切り替えられる演出が複数種類用意されている場合において、前記所定の操作手段の操作により実行される演出を予測させるための付属報知手段を備えることを特徴とする遊技機甲BIZ6。
遊技機甲BIZ6によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ5のいずれかの奏する効果に加え、付属報知手段により所定の操作手段の操作により実行される演出が予測できるので、所定の操作手段を操作したにも関わらず予想外の演出に切り替えられたという残念感や徒労感を低減することができ、遊技者は好みの演出に切り替えられる時にのみ所定の操作手段を操作すれば良いので、繰り返し所定の操作手段を操作する煩わしさを解消することができる。
遊技機甲BIZ1からBIZ6のいずれかにおいて、前記所定の操作手段の操作は、前記所定の演出の途中から可能となることを特徴とする遊技機甲BIZ7。
遊技機甲BIZ7によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ6のいずれかの奏する効果に加え、所定の操作手段の操作が可能となるまでの間は、所定の演出に注目させることができる。
遊技機甲BIZ6又はBIZ7において、前記付属報知手段は、特定の操作タイミングを示唆するための表示を備えており、前記特定の操作タイミングは、前記所定の演出の終了時点までに所定の調整期間を確保可能なタイミングとして設定されることを特徴とする遊技機甲BIZ8。
遊技機甲BIZ8によれば、遊技機甲BIZ6又はBIZ7の奏する効果に加え、調整期間の長さ次第で特定の操作タイミングが変化し得るので、特定の操作タイミングから、所定の操作手段を操作した後の演出の展開を予想させることができる。
遊技機甲BIZ1からBIZ8のいずれかにおいて、前記所定の操作手段を操作したことで切り替えられた演出の態様は、所定の条件で、切り替えられる前の態様に戻されることを特徴とする遊技機甲BIZ9。
遊技機甲BIZ9によれば、遊技機甲BIZ1からBIZ8のいずれかの奏する効果に加え、所定の条件で演出の態様が切り替えられる前の状態に戻されるので、再び所定の操作手段を操作させることができる。これにより、所定の操作手段の操作回数を多くすることができ、遊技者が遊技に参加している雰囲気を高めることができる。
遊技機甲BIZ2から遊技機甲BIZ9のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、同時に操作される前記所定の操作手段の個数が異なる複数種類の態様が設けられていることを特徴とする遊技機甲BIZ10。
遊技機甲BIZ10によれば、遊技機甲BIZ2からBIZ9のいずれかの奏する効果に加え、同時に操作される所定の操作手段の個数が1個の場合と、2個以上となる場合とが設けられることになるので、敢えて2個の所定の操作手段を操作させるようにすることで、遊技球を発射する必要のないタイミングでの暇を紛らわせて遊技に熱中させることができる。この場合、遊技者の手を球発射用のハンドルから離させることができるので、遊技球の誤発射を抑制でき、発射した遊技球が無駄になることによる不要な不利益の発生を回避することができる。
遊技機甲BIZ2からBIZ10のいずれかにおいて、前記操作報知手段からの報知は、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となった場合に実行される報知を含むことを特徴とする遊技機甲BIZ11。
遊技機甲BIZ11によれば、遊技機甲BIZ2からBIZ10のいずれかの奏する効果に加え、操作報知手段からの報知を視認させることで、所定の入球口に入球した場合に得られる所定の利益が上限となったことを遊技者に把握させることができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機甲CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機甲CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機甲CA2。
遊技機甲CA2によれば、遊技機甲CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機甲CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機甲CA3。
遊技機甲CA3によれば、遊技機甲CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機甲CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機甲CA4。
遊技機甲CA4によれば、遊技機甲CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機甲CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機甲CA5。
遊技機甲CA5によれば、遊技機甲CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機甲CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機甲CA6。
遊技機甲CA6によれば、遊技機甲CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機甲CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機甲CA7。
遊技機甲CA7によれば、遊技機甲CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機甲CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機甲CA8。
遊技機甲CA8によれば、遊技機甲CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機甲CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機甲CA9。
遊技機甲CA9によれば、遊技機甲CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機甲CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機甲CA10。
遊技機甲CA10によれば、遊技機甲CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機甲CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機甲CA11。
遊技機甲CA11によれば、遊技機甲CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機甲CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機甲CA12。
遊技機甲CA12によれば、遊技機甲CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機甲CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機甲CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機甲CA13によれば、遊技機甲CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機甲CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機甲CA14。
遊技機甲CA14によれば、遊技機甲CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機甲CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機甲CA15。
遊技機甲CA15によれば、遊技機甲CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機甲CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機甲CA16。
遊技機甲CA16によれば、遊技機甲CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機甲CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機甲CA17。
遊技機甲CA17によれば、遊技機甲CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機甲CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機甲CA18。
遊技機甲CA18によれば、遊技機甲CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機甲CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機甲CA19。
遊技機甲CA19によれば、遊技機甲CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機甲CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機甲CA20。
遊技機甲CA20によれば、遊技機甲CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機甲CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機甲CA21。
遊技機甲CA21によれば、遊技機甲CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機甲CA22。
遊技機甲CA22によれば、遊技機甲CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機甲CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機甲CA23。
遊技機甲CA23によれば、遊技機甲CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機甲CA24。
遊技機甲CA24によれば、遊技機甲CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機甲CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機甲CA25。
遊技機甲CA25によれば、遊技機甲CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機甲CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機甲CA26。
遊技機甲CA26によれば、遊技機甲CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機甲CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機甲CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機甲CB2。
遊技機甲CB2によれば、遊技機甲CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機甲CB3。
遊技機甲CB3によれば、遊技機甲CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機甲CB4。
遊技機甲CB4によれば、遊技機甲CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機甲CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機甲CC2。
遊技機甲CC2によれば、遊技機甲CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機甲CC3。
遊技機甲CC3によれば、遊技機甲CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機甲CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機甲CC4。
遊技機甲CC4によれば、遊技機甲CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機甲DA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA2。
遊技機甲DA2によれば、遊技機甲DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA3。
遊技機甲DA3によれば、遊技機甲DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DA1からDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA4。
遊技機甲DA4によれば、遊技機甲DA1からDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機甲DA2又はDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA5。
遊技機甲DA5によれば、遊技機甲DA2又はDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機甲DA6。
遊技機甲DA6によれば、遊技機甲DA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5又はDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機甲DA7。
遊技機甲DA7によれば、遊技機甲DA5又はDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5からDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機甲DA8。
遊技機甲DA8によれば、遊技機甲DA5からDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機甲DA5からDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機甲DA9。
遊技機甲DA9によれば、遊技機甲DA5からDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機甲DA10。
遊技機甲DA10によれば、遊技機甲DA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機甲DA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機甲DA11。
遊技機甲DA11によれば、遊技機甲DA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機甲DA10又はDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機甲DA12。
遊技機甲DA12によれば、遊技機甲DA10又はDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機甲DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機甲DA13。
遊技機甲DA13によれば、遊技機甲DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機甲DA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機甲DA14。
遊技機甲DA14によれば、遊技機甲DA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機甲DA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機甲DA14。
遊技機甲DA14によれば、遊技機甲DA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機甲DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機甲DA16。
遊技機甲DA16によれば、遊技機甲DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲DA5からDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機甲DA17。
遊技機甲DA17によれば、遊技機甲DA5からDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機甲DA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機甲DA18。
遊技機甲DA18によれば、遊技機甲DA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機甲DA5からDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機甲DA19。
遊技機甲DA19によれば、遊技機甲DA5からDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機甲DB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機甲DB2。
遊技機甲DB2によれば、遊技機甲DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機甲DB3。
遊技機甲DB3によれば、遊技機甲DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DB1からDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DB4。
遊技機甲DB4によれば、遊技機甲DB1からDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材を複数備え、前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機甲DC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機甲DC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機甲DC2。
遊技機甲DC2によれば、遊技機甲DC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DC1又はDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機甲DC3。
遊技機甲DC3によれば、遊技機甲DC1又はDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲DC1からDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DC4。
遊技機甲DC4によれば、遊技機甲DC1からDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機甲DD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲DD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機甲DA2。
遊技機甲DD2によれば、遊技機甲DD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲DD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機甲DD3。
遊技機甲DD3によれば、遊技機甲DD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機甲DD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機甲DD2又はDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機甲DD4。
遊技機甲DD4によれば、遊技機甲DD2又はDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲EA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機甲EA2。
遊技機甲EA2によれば、遊技機甲EA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機甲EA3。
遊技機甲EA3によれば、遊技機甲EA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機甲EA2又はEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機甲EA4。
遊技機甲EA4によれば、遊技機甲EA2又はEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機甲EB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲EB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EB2。
遊技機甲EB2によれば、遊技機甲EB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機甲EB3。
遊技機甲EB3によれば、遊技機甲EB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EB1からEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機甲EB4。
遊技機甲EB4によれば、遊技機甲EB1からEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機甲EC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲EC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機甲EC2。
遊技機甲EC2によれば、遊技機甲EC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機甲EC1又はEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EC3。
遊技機甲EC3によれば、遊技機甲EC1又はEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機甲EC4。
遊技機甲EC4によれば、遊技機甲EC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機甲EC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機甲EC5。
遊技機甲EC5によれば、遊技機甲EC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームF86b~F5086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位される第2手段と、を備え、前記第2手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FA1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、第2手段が被流入部の大きさを変更する方向へ変位されるので、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA1において、前記被流入部の大きさを変更する方向へ前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA2。
遊技機甲FA2によれば、遊技機甲FA1の奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くした状態を維持できる。よって、球の流入を期待できる期間または期待し難い期間を確保でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA2において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、前記維持手段は、前記第1手段が受け取った球の重量により前記第2手段が前記被流入部の大きさを大きくする方向へ変位された状態を維持し、前記解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機甲FA3。
遊技機甲FA3によれば、遊技機甲FA2の奏する効果に加え、少なくとも1の球が被流入部に流入されるまでの間、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態が維持されるので、被流入部への球の流入を確実化できる。よって、遊技者に安心感を付与できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA3において、前記維持手段により維持された状態では、球を受け取ることで変位された位置に前記第1手段が維持されることを特徴とする遊技機甲FA4。
遊技機甲FA4によれば、遊技機甲FA3の奏する効果に加え、維持手段による維持がされた状態(被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位された状態)であることを、第1手段の変位位置からも遊技者に理解させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FA1から遊技機甲FA4のいずれかにおいて、前記第1手段から球が流下することを遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA5。
遊技機甲FA5によれば、遊技機甲FA1から遊技機甲FA4の奏する効果に加え、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機甲FA5において、前記遅延手段は、前記第1手段に形成される開口と、その開口の周囲に沿って球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第1転動部とを備え、前記第1転動部を転動し前記開口へ流入されることで、球が前記第1手段から流下されることを特徴とする遊技機甲FA6。
遊技機甲FA6によれば、遊技機甲FA5の奏する効果に加え、開口の周囲に沿って第1転動部を転動することで、球の速度を低下させられるので、その分、第1手段からの球の流下を遅延させられる。即ち、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機甲FA6において、前記第1転動部は、前記開口の周囲に沿って連続して形成され、前記遅延手段は、前記第1転動部における前記開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされ前記第1手段に形成される第2転動部を備えることを特徴とする遊技機甲FA7。
遊技機甲FA7によれば、遊技機甲FA6の奏する効果に加え、第1転動部が、開口の周囲に沿って連続して形成されるので、第1転動部において球を周回させることができる。また、第2転動部が、第1転動部における開口から偏心した位置へ向けて球が転動可能とされるので、第1転動部における球の周回を形成しやすくできる。その結果、球の重量が第1手段に作用している期間(第1手段が所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間)を長くできる。よって、被流入部の大きさが大きくされている期間を長くできる。
遊技機甲FA7において、前記第1転動部を球が転動する状態では、前記第1転動部の鉛直方向における高さが前記開口の周囲に沿って略同一に設定されることを特徴とする遊技機甲FA8。
遊技機甲FA8によれば、遊技機甲FA7の奏する効果に加え、高低差が形成されることを抑制して、第1転動部において球を周回させやすくできる。
遊技機甲FA5から遊技機甲FA8のいずれかにおいて、前記遅延手段は、球が転動可能とされ前記第1手段に形成される転動部と、その転動部に球を保持する保持手段と、を備え、前記保持手段に保持された球は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位されることで、前記保持手段を乗り越えて転動可能とされることを特徴とする遊技機甲FA9。
遊技機甲FA9によれば、遊技機甲FA5から遊技機甲FA8のいずれかの奏する効果に加え、球の転動を一時的に停止させることができる。よって、第1手段が球の重量により所定位置(球を受け取る前の位置、初期位置)から変位されている期間を長くできる。その分、被流入部が大きくされている期間を長くできる。また、第1手段の姿勢変化を利用して保持手段の保持が解除される(球が転動を再開する)ので、解除する手段を設けることを不要とできる。
遊技機甲FA9において、前記遅延手段は、前記第1手段が球の重量により所定量だけ変位された場合に、前記保持手段により保持された球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA10。
遊技機甲FA10によれば、遊技機甲FA9の奏する効果に加え、作用手段の作用により、保持手段による球の保持の解除を確実化できる(球が保持手段を乗り越えやすくすることができる)。
遊技機甲FA9又は遊技機甲FA10において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記転動部が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機甲FA11。
遊技機甲FA11によれば、遊技機甲FA9又は遊技機甲FA10の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球の衝突により、保持手段による保持が解除されることを抑制できる。
遊技機甲FA1から遊技機甲FA11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機甲FA12。
遊技機甲FA12によれば、遊技機甲FA1から遊技機甲FA11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機甲FA12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段および前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FA13。
遊技機甲FA13によれば、遊技機甲FA12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
<下側フレームF6086b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部と、その被流入部へ向けて球が移動可能に形成される経路と、を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成される第1手段と、前記第1手段が受け取った球の重量により変位され前記経路を移動する球に作用可能に形成される第2手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲FB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FB1によれば、所定の球が経路を移動する場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、経路を移動する所定の球に第2手段が作用可能とされる。よって、経路を移動する所定の球の被流入部への流入の可能性が第2手段の作用により変化させることができる。その結果、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB1において、前記第1手段球が受け取った球の重量により変位された位置から変位される前の位置へ向かう前記第2手段の変位方向には、前記経路を前記第2手段へ向けて移動する球の移動方向成分が含まれることを特徴とする遊技機甲FB2。
遊技機甲FB2によれば、遊技機甲FB1の奏する効果に加え、経路を第2手段へ向けて移動する球が第2手段へ当接した際に、その球の移動方向へ第2手段も変位(初期位置へ向けて後退)して、衝撃を吸収できる。よって、第2手段の破損を抑制できる。
遊技機甲FB2において、前記第1手段が受け取った球の重量により変位された前記第2変位手段は、前記経路を移動する球に対して、前記被流入部へ流入され易くなるように作用することを特徴とする遊技機甲FB3。
遊技機甲FB3によれば、遊技機甲FB2の奏する効果に加え、被流入部へ球を流入させ易くできるので、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB2又はFB3において、前記経路は、傾斜して形成される傾斜部を備え、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機甲FB4。
遊技機甲FB4によれば、遊技機甲FB2又はFB3の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球は徐々に速度を低下させるので、球の移動と、その球への第2手段の作用とを遊技者に視認させやすくできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB4において、前記傾斜部は、傾斜して形成される第1傾斜部と、その第1傾斜部と反対方向へ傾斜して形成される第2傾斜部とを備え、前記第1傾斜部および前記第2傾斜部を球が往復移動可能に形成され、前記第2手段は、前記第1傾斜部または前記第2傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FB5。
遊技機甲FB5によれば、遊技機甲FB4の奏する効果に加え、傾斜部(第1傾斜部および第2傾斜部)における球の往復移動により、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB4又は遊技機甲FB5において、前記第2手段が前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置は、前記傾斜部を上昇する球が到達可能な最大到達位置よりも下方となる位置であることを特徴とする遊技機甲FB6。
ここで、最大到達位置では、球の速度が低く(又は速度が0となり)、球の勢いが弱いため、傾斜部を上昇する球に作用可能な位置に第2手段が変位され、第2手段に球が当接したとしても、被流入部へ流入されやすくなる方向へ球を案内できない虞がある。これに対し、遊技機甲FB6によれば、遊技機甲FB4又は遊技機甲FB5の奏する効果に加え、最大到達位置よりも下方となる位置において、傾斜部を上昇する球に第2手段が作用可能とされることで、球の速度が確保されている状態で、球を第2手段に当接させることができる。よって、球の勢いを利用して、被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内しやすくできる。
また、第1傾斜部および第2傾斜部を球が往復移動する構成においては、第2手段からの作用を受けることが可能な位置に球を複数回到達させやすくできる。
遊技機甲FB6において、前記第2手段は、前記傾斜部を上昇する球に作用可能とされる位置に変位された状態では、前記傾斜部を下降する球に作用可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FB7。
遊技機甲FB7によれば、遊技機甲FB6の奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球が通過した後に、第2手段が球に作用可能な位置に変位された場合であっても、傾斜部の頂部に達して下降する球に作用を与える可能性を形成できる。
遊技機甲FB4から遊技機甲FB7のいずれかにおいて、前記第2手段は、円弧状の湾曲に沿って球を案内可能に形成される案内部を備え、前記傾斜部を上昇する球は、前記案内部に沿って移動されることで、前記被流入部へ流入されやすくなる方向へ案内されることを特徴とする遊技機甲FB8。
遊技機甲FB8によれば、遊技機甲FB4から遊技機甲FB7のいずれかの奏する効果に加え、傾斜部を上昇する球を、湾曲に沿って徐々に案内(移動方向を転換)することができる。即ち、被流入部へ流入されやすくなる方向へ確実に案内できる。
遊技機甲FB8において、前記第2手段は、前記傾斜部から突出可能に形成され、前記第2手段が前記傾斜部から非突出とされた状態では、前記第2手段が前記傾斜部の一部とされることを特徴とする遊技機甲FB9。
ここで、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)を収納するためのスペースとして傾斜部の幅と同等のスペースを傾斜部の側方に確保する必要があり、大型化する。これに対し、遊技機甲FB9によれば、遊技機甲FB8の奏する効果に加え、第2手段(案内部)の収容に必要なスペースを傾斜部の側方に確保する必要がなく、また、傾斜部の厚み方向のデッドスペースを有効に活用できるので、その分、小型化できる。
また、傾斜部の側方から傾斜部の幅方向(傾斜部を球が上昇する方向と直交する方向)に沿って第2手段(案内部)を突出させる構成では、第2手段(案内部)に必要な変位量が大きい分、第2手段を変位させるのに要する時間が嵩む。これに対し、遊技機甲FB8によれば、遊技機甲FB7の奏する効果に加え、第2手段(案内部)に必要な変位量が抑制できる分、第2手段を変位させるのに要する時間を短縮できるので、傾斜部を上昇する球に作用する位置に第2手段を速やかに配置できる。
遊技機甲FB1から遊技機甲FB9のいずれかにおいて、前記経路を移動する球に作用可能な位置に前記第2手段が変位された状態を維持する維持手段を備えることを特徴とする遊技機甲FB10。
遊技機甲FB10によれば、遊技機甲FB1から遊技機甲FB9のいずれかの奏する効果に加え、第1手段に球の重量が作用しなくなっても、所定の球を被流入部へ流入させやすくした状態を維持できる。よって、球の流入を期待しやすくでき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB10において、前記維持手段による維持を解除する解除手段を備え、その解除手段による解除は、前記被流入部に少なくとも1の球が流入された場合に行われることを特徴とする遊技機甲FB11。
遊技機甲FB11によれば、遊技機甲FB10の奏する効果に加え、被流入部への球の流入を確実化できる。即ち、被流入部の大きさが大きくされる方向へ第2手段が変位されれば、少なくとも1の球が流入されるまでの間、安心感を付与できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FB1から遊技機甲FB11のいずれかにおいて、前記第1手段の変位を前記第2手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機甲FB12。
遊技機甲FB12によれば、遊技機甲FB1から遊技機甲FB11のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第2手段を変位させられる。よって、第2手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機甲FB12において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第2手段の重量により、前記第1手段が前記所定位置へ変位可能に形成され、前記第2手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FB13。
遊技機甲FB13によれば、遊技機甲FB12の奏する効果に加え、第1手段および第2手段を復帰させるための手段を不要として、コストを抑制できる。
<下側フレームF86b~F11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第1手段と、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態で前記受け取った球とは別の球の影響を前記第1手段が受けることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲FC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FC1によれば、所定の球が被流入部へ向かう場合に、第1手段が球(所定の球に先行または後行する球)を受け取ると、被流入部への所定の球の流入のし易さを変化させることができる。よって、第1手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。この場合、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制手段で抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC1において、前記第1手段へ向けて球が移動可能に形成される経路を備え、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段へ向けて移動し難くする第1規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲FC2。
遊技機甲FC2によれば、遊技機甲FC1の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球が第1手段へ向けて移動し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC2において、球を受け取り可能に形成され前記受け取った球の重量により前記被流入部への球の流入のし易さを変化させるための第2手段を備え、前記経路は、前記第1手段および前記第2手段へ向けて球が移動可能に形成され、前記第1規制手段は、前記受け取った球の重量が前記第1手段に作用された状態において、前記経路を移動する球が前記第1手段よりも前記第2手段へ移動し易くすることを特徴とする遊技機甲FC3。
遊技機甲FC3によれば、遊技機甲FC2の奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第1規制手段により、経路を移動する球を第2手段へ向けて移動し易くできるので、被流入部への所定の球の流入のし易さの変化を継続させ易くできる。即ち、第1手段に球の重量が作用されている状態では、その状態が中断される(例えば、経路を移動する球が第1手段に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制しつつ、経路を移動する球を第2手段に受け取らせ、その受け取った球の重量が第2手段に作用された状態を形成することで、第2手段によっても、被流入部への所定の球の流入のし易さが変化された状態を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC3において、前記第1手段または前記第2手段が受け取った球の重量により変位される第3手段を備え、前記第3手段は、前記被流入部の大きさを変更する方向へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FC4。
遊技機甲FC4によれば、遊技機甲FC2又はFC3の奏する効果に加え、第3手段の変位により球を被流入部へ流入させ易く又は流入させ難くできる。よって、第1手段および第2手段による球の受け入れの有無を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FC1から遊技機甲FC4のいずれかにおいて、前記抑制手段は、前記受け取った球の重量が作用された状態において、前記第1手段の少なくとも側面に前記別の球が当接し難くする第2規制手段を備えることを特徴とする遊技機甲FC5。
遊技機甲FC5によれば、遊技機甲FC1から遊技機甲FC3のいずれかの奏する効果に加え、受け取った球の重量が第1手段に作用された状態では、第2規制手段により、第1手段の少なくとも側面に球が当接し難くすることができるので、第1手段が別の球の影響を受ける(例えば、別の球が第1手段の側面に衝突し、第1手段に重量を作用させていた球が第1手段から脱落する)ことを抑制できる。よって、被流入部への球の流入のし易さの変化が途中で中断されることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1手段に重量を作用させていた球に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球が第1手段から脱落しても、その球に代わって、別の球が第1手段に重量を作用させることができる場合がある。また、第1手段の上面(重量を作用させる球が保持または転動される部位)に別の球が当接する場合には、重量を作用させていた球に加え、別の球も第1手段に重量を作用させることができる場合がある。よって、別の球が少なくとも第1手段の側面へ当接し難くできれば有効となる。
遊技機甲FC2において、前記第1手段の変位を前記第1規制手段へ伝達する伝達手段を備えることを特徴とする遊技機甲FC6。
遊技機甲FC6によれば、遊技機甲FC2の奏する効果に加え、第1手段の変位(即ち、球の重量)を利用して、第1規制手段を変位させられる。よって、第1規制手段を変位させるための駆動源を不要とできる。
遊技機甲FC6において、前記第1手段に球の重量が非作用となる状態では、前記第1手段および前記第1規制手段の重量により、前記第1手段および前記第1規制手段が初期位置へ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FC7。
遊技機甲FC7によれば、遊技機甲FC6の奏する効果に加え、第1手段および第1規制手段を復帰させるための手段を不要として、製品コストを抑制できる。
遊技機甲FC5において、前記第1手段へ球が流下可能に形成される流下部を備え、球の重量により前記第1手段が変位される方向は、少なくとも前記第1手段が前記流下部から離間される方向であることを特徴とする遊技機甲FC8。
遊技機甲FC8によれば、遊技機甲FC5の奏する効果に加え、流下部から流下した後行の球が第1手段の側面に当接することを抑制できる。
<下側フレームF11086bを一例とする発明の概念について>
球が流入可能な被流入部を備えた遊技機において、前記被流入部へ球が移動可能に形成される経路と、前記被流入部への球の流入のし易さを変化させる変化手段と、を備え、第1位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球が、第2位置から前記経路へ流入し前記経路を移動する球よりも前記被流入部へ流入し易くされることを特徴とする遊技機甲FD1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機甲FD1によれば、被流入部への球の流入のし易さを変化手段により変化させることができるので、経路を移動する球に対する変化手段の影響を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球が、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるので、球が経路へ流入する位置(第1位置または第2位置)を遊技者に意識させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1位置からの球が入り易くする構成としては、例えば、当接部F6154が例示される。
遊技機甲FD1において、前記第1位置から前記経路へ流入する球を検出可能に形成される検出手段を備え、少なくとも前記検出手段により球が検出されることを条件に、前記被流入部へ球が流入し易くなるように前記変化手段による変化が行われることを特徴とする遊技機甲FD2。
遊技機甲FD2によれば、遊技機甲FD1が奏する効果に加え、遊技者に期待感を持たせて、遊技の興趣を高めることができる。即ち、第1位置から経路へ流入し経路を移動する球は、第2位置から経路へ流入し経路を移動する球よりも被流入部へ流入し易くされるところ、更に、被流入部へ球が流入し易くなるように変化手段による変化が行われるので、被流入部への流入の期待を遊技者に持たせることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、変化手段による変化(被流入部へ球が流入し易くなる動作)が行われる条件としては、検出手段により球が検出されることに加え、所定時間の経過、抽選の当選、或いは、これらの組み合わせを条件としても良い。また、変化手段による変化が行われる期間としては、所定時間で区切っても良く、動作の回数で区切っても良い。
遊技機甲FD2において、前記第1位置および前記第2位置が形成される形成手段を備え、前記形成手段は、前記第1位置と前記第2位置との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FD3。
遊技機甲FD3によれば、遊技機甲FD2の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置または第2位置のどちらから経路へ球が流下するか、形成手段における球の移動を遊技者に注視させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FD2又はFD3において、前記経路は、前記第1位置から流下した球が移動可能に形成される第1経路と、前記第2位置から流下した球が移動可能に形成される第2経路とを備え、前記第1経路と前記第2経路との間を球が移動可能に形成されることを特徴とする遊技機甲FD4。
遊技機甲FD4によれば、遊技機甲FD2又は遊技機甲FD3の奏する効果に加え、第1経路と第2経路との間を球が移動可能に形成されるので、第1位置(第2位置)から流入した球が第1経路(第2経路)のみを移動可能に形成される場合と比較して、一定のスペース内に形成できる球の移動可能な経路の種類をより多く確保できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機甲FD4において、前記第1経路または前記第2経路から突設され球が当接可能に形成される1又は複数の当接手段を備えることを特徴とする遊技機甲FD5。
遊技機甲FD5によれば、遊技機甲FD4の奏する効果に加え、第1経路または第2経路を移動する球が当接手段に当接されることで、球の移動方向に変化を付与して、第1経路と第2経路との間での球の移動を形成し易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
<複数の手段を異なる契機で動作させる構造>
第1位置と第2位置とを変位可能な変位手段と、その変位手段を変位させ得る第1手段と、前記変位手段の変位を防止できる第1状態と前記変位手段の変位を防止できない第2状態とで状態変化可能な第2手段と、前記第1手段の動作に基づいて前記第2手段の状態を前記第1状態と前記第2状態とで変化可能に構成される変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KA1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段を所定位置から変位させる演出を行う演出役物において、変位手段を所定位置に保持する保持手段と、変位手段を所定位置に変位させるための駆動力を伝達する伝達手段と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015-231434号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、保持手段と伝達手段とで、駆動装置が別であることから、例えば、伝達手段の駆動装置が故障している時に、保持手段の駆動装置が動かされ変位手段が所定位置から移動(落下)された場合に、変位手段を所定位置に復帰させることができなくなるので、変位手段の演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。即ち、上述した従来の遊技機では、変位手段の演出効果の面で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KA1によれば、変化手段により、第2手段の状態の変化が第1手段の動作に基づくので、第1手段が動作し得ない状態において、第2手段が第1状態から第2状態に変化されることを防止することができる。これにより、変位手段が所定位置に復帰できないにも関わらず第2手段が第1状態から第2状態に変化されてしまい変位手段が所定位置から変位させられる事態が生じることを防止することができるので、変位手段の演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲KA1において、前記第1位置は前記第2位置よりも上側に位置し、前記第2手段は、前記変位手段が所定位置よりも前記第1位置側に配置されている状態で前記所定位置よりも前記第2位置側に進入することで前記第1状態に変化されることを特徴とする遊技機甲KA2。
遊技機甲KA2によれば、遊技機甲KA1の奏する効果に加え、第2手段が第1状態にされる際に変位手段と第2手段との間に隙間を生じさせることで、摩擦力が生じることを回避でき、動作不良を防止することができる。
更に、変位手段と第2手段とは第1手段により連動することから、動作タイミングがずれることを避け易いことに加え、第2手段を別の駆動機構で動作させる場合には必要となる変位手段が所定位置よりも第1位置側に位置したことを検出する検出センサを不要とすることができる。
遊技機甲KA1又はKA2において、前記第2手段は、所定の回転軸を中心に回転動作可能に構成され、前記第1状態において、前記変位手段からの荷重を前記回転軸へ向けさせる形状から構成されることを特徴とする遊技機甲KA3。
遊技機甲KA3によれば、遊技機甲KA1又はKA2の奏する効果に加え、変位手段からの荷重で第2手段の状態が変化される事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲KA1からKA3のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記変位手段と前記第2手段との間に隙間を空ける第1連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲KA4。
遊技機甲KA4によれば、遊技機甲KA1からKA3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段を第1状態から第2状態へ変化させる場合における変位手段と第2手段との間の動作抵抗を小さくすることができる。
遊技機甲KA1からKA4のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記第2手段の状態が前記第1状態から前記第2状態へ変化する場合に、前記第2手段を前記変位手段に擦らせる第2連動状態を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲KA5。
遊技機甲KA5によれば、遊技機甲KA1からKA4のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の位置を基準にして変位手段の位置を特定することができるので、変位手段の変位開始位置を安定させることができる。
遊技機甲KA4又は遊技機甲KA5において、前記第1連動状態と前記第2連動状態とでは、前記第1手段の動作方向が反転されることを特徴とする遊技機甲KA6。
遊技機甲KA6によれば、遊技機甲KA4又は遊技機甲KA5の奏する効果に加え、第1手段の停止状態から、第1連動状態での連動が生じるのか、第2連動状態での連動が生じるのかを遊技者に分からせ難くすることができる。
遊技機甲KA1からKA6のいずれかにおいて、前記変位手段が前記第1位置に配置されている状態において前記第2手段が前記第1状態から前記第2状態へ変化された場合に、変位手段は、前記第1手段に支持されない状態での非支持変位を実行可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KA7。
遊技機甲KA7によれば、遊技機甲KA1からKA6のいずれかの奏する効果に加え、変化手段に支持されていないことから第2手段との連動ではない動作態様で変位手段を動作させることができる。
遊技機甲KA7において、前記変位手段に前記非支持変位をさせる場合に、前記変位手段と前記第1手段との間を仕切るように配設される接触防止部を備えることを特徴とする遊技機甲KA8。
遊技機甲KA8によれば、遊技機甲KA7の奏する効果に加え、非支持変位において第1手段と変位手段とが誤って接触し、破損することを避けることができる。
遊技機甲KA1からKA8のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第1状態から前記第2状態に変化させる場合に、前記変化手段が重力方向に下降変位されることを特徴とする遊技機甲KA9。
遊技機甲KA9によれば、遊技機甲KA1からKA8のいずれかの奏する効果に加え、第2手段が第1状態から第2状態へ変化する際に、変化手段の変位に要する力を重力で補助させることができる。
遊技機甲KA1からKA9のいずれかにおいて、前記変位手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第1の比で変化させる第1変位量変化手段と、前記第2手段の変位量を、前記第1手段の変位量に対して第2の比で変化させる第2変位量変化手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KA10。
遊技機甲KA10によれば、遊技機甲KA1からKA9のいずれかにおいて、第1手段の変位に伴う変位手段の変位量と第2手段の変位量とを異ならせることができるので、連動の設計自由度を向上させることができる。
<付勢力での移動の停止位置が複数あるように構成>
移動可能な第1移動手段と、その第1移動手段の移動に連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2移動手段と、その第2移動手段を前記第1位置から前記第2位置へ向けて付勢する付勢手段と、を備える遊技機において、前記第2移動手段が前記第1位置と前記第2位置との間の所定位置に配置された場合の前記第1移動手段の移動を防止可能な防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲KB1。
パチンコ機等の遊技機において、付勢力により液晶表示装置の前側に張り出す移動手段を備える遊技機がある(例えば、特開2009-240386号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の配置は、液晶表示装置の前側か、液晶表示装置の前側とは異なる位置かの2位置に限定されており、取り得る状態のバリエーションが少ないことから遊技者が飽きてしまう可能性があり、移動手段を利用した演出効果に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KB1によれば、防止手段が第1移動手段の移動を防止することにより、第2移動手段を第1位置と第2位置との間の所定位置で止めることができるので、第2移動手段の停止位置として、第1位置または第2位置の2種類だけでなく、所定位置も使うことができる。これにより、第2移動手段の取り得る状態のバリエーションを増やすことができ、第2移動手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KB1において、駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第1移動手段に伝達可能な伝達手段と、を備え、前記伝達手段は、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持しながら所定範囲で動作可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KB2。
遊技機甲KB2によれば、遊技機甲KB1の奏する効果に加え、所定範囲においては伝達手段の配置が定まっていなくても第2移動手段を所定位置に維持することができるので、駆動手段の制御を簡素化することができる。
遊技機甲KB2において、前記伝達手段は、駆動手段の駆動方向に因らず、前記所定範囲における動作が生じた場合に前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態を維持させるように構成されることを特徴とする遊技機甲KB3。
遊技機甲KB3によれば、遊技機甲KB2の奏する効果に加え、付勢手段の付勢力に沿う方向の動作か、付勢力に抗する方向の動作かによらず、第2移動手段を所定位置に維持し易くすることができる。これにより、第2移動手段を高速移動させた後に所定位置で急速停止させる動作態様を、動作方向に因らず、簡素な制御で実現可能とすることができる。
遊技機甲KB2又はKB3において、前記伝達手段は、前記第1移動手段側に配設される第1伝達手段と、前記駆動手段側に配設される第2伝達手段と、を備え、前記第2伝達手段は、前記第1伝達手段の凹設部に進入した状態において第1伝達手段の動作を停止させる動作停止手段を備え、前記遊技機は、前記動作停止手段の配置を検出する検出手段を備えることを特徴とする遊技機甲KB4。
遊技機甲KB4によれば、遊技機甲KB2又はKB3の奏する効果に加え、動作停止手段に複数の機能を兼用させることができ、動作停止手段の形状を簡素化させることができる。
遊技機甲KB4において、前記第2移動手段が所定位置に配置されるか否かで、前記検出手段の出力が切り替えられるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KB5。
遊技機甲KB5によれば、遊技機甲KB4の奏する効果に加え、検出手段の出力から第2移動手段が所定位置に配置されているか否かを判定することができる。
遊技機甲KB1からKB5のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第1位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機甲KB6。
遊技機甲KB6によれば、遊技機甲KB1からKB5のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第1位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第1位置で停止させることができる。
遊技機甲KB1からKB6のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記第2位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが直交することを特徴とする遊技機甲KB7。
遊技機甲KB7によれば、遊技機甲KB1からKB6のいずれかの奏する効果に加え、第2移動手段が第2位置に配置された状態における、第2移動手段からの力による第1移動手段の移動を防止することができる。これにより、第2移動手段を第2位置で停止させることができる。
遊技機甲KB1からKB7のいずれかにおいて、前記第2移動手段が前記所定位置に配置された状態において、前記第1移動手段の移動可能方向と、前記第2移動手段の移動可能方向とが平行となることを特徴とする遊技機甲KB8。
遊技機甲KB8によれば、遊技機甲KB1からKB7のいずれかの奏する効果に加え、所定位置に配置された第2移動手段への力の伝達効率を向上させることができる。
<スライド移動する部材のスライド開始時までの助走範囲を構成>
所定軸を中心に回転移動可能に支持される第1手段と、その第1手段の回転移動と連動して第1位置から第2位置へ移動可能な第2手段と、を備え、前記第2手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KC1。
パチンコ機等の遊技機において、回転移動する第1手段と移動する第2手段とを備え、第1手段の周方向の力を第2手段に伝達させることで、第2手段を移動させる遊技機がある(例えば、特開2007-098027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第2手段としての扉部材に力を伝達させる第1手段としてのピニオンは、第2手段の配置に関係なく荷重を与えるものであり、扉部材および自身の慣性に打ち勝って回転するために必要な駆動力が大きいことから、駆動装置が励磁されてからピニオンの回転が開始されるまでの時間差が長くなり易いという問題点があった。即ち、第2手段の動作に改善の余地があるという問題点があった。
そのため、遊技機の演出に合わせたタイミングで駆動装置が励磁されても、ピニオン及び扉部材の動作タイミングが遅れることになるので、演出に合致しないタイミングでピニオン及び扉部材が動作することになり、演出効果が低下する可能性がある。即ち、上述した従来の遊技機では、第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KC1によれば、第2手段を第1位置から第2位置へ移動させる際に、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿うので、第1手段の回転の勢いを利用して第2手段の慣性に容易に打ち勝つことができ、第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の動作を改善することができ、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機甲KC1において、前記第1手段の移動方向が前記第2手段の移動方向に沿う場合に、前記第1手段の回転先端が前記所定軸よりも下側に位置するよう構成されることを特徴とする遊技機甲KC2。
遊技機甲KC2によれば、遊技機甲KC1の奏する効果に加え、第1手段の移動方向が第2手段の移動方向に沿う姿勢で第1手段を安定させ易くすることができる。
遊技機甲KC1又はKC2において、前記第1手段に所定方向で当接し得る当接手段を備え、前記第1手段が前記当接手段と当接し停止されることに基づいて、前記第2手段が前記第2位置に維持可能とされることを特徴とする遊技機甲KC3。
遊技機甲KC3によれば、遊技機甲KC1又はKC2の奏する効果に加え、第1手段が当接手段と当接し停止されることに基づいて、第2手段が第2位置に配置されることから、第2手段を係止する必要を無くすことができるので、第2手段を第2位置で停止させるために第2手段に大きな荷重がかけられるという事態を避けることができ、第2手段の破損を防止することができる。
遊技機甲KC3において、前記当接手段は、前記第1手段に回転方向から当接する面であって、前記第2手段の移動方向に対して傾斜する傾斜面として構成されることを特徴とする遊技機甲KC4。
遊技機甲KC4によれば、遊技機甲KC3の奏する効果に加え、傾斜面に第1手段が当接している状態で、第1手段に第2手段の移動方向の荷重が加えられた場合に、その荷重を、所定軸へ向かう方向と、第1手段の回転方向とに分散させることができる。これにより、所定軸が受ける荷重を低減することができる。
遊技機甲KC1からKC4のいずれかにおいて、前記第1手段が所定方向に回転動作され前記第2手段が前記第1位置から前記第2位置まで移動された後に継続される前記第1手段の回転動作により、前記第2手段が移動されないように構成されることを特徴とする遊技機甲KC5。
遊技機甲KC5によれば、遊技機甲KC1からKC4のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転による第2手段の配置のずれを回避し易くすることができる。
遊技機甲KC1からKC5のいずれかにおいて、前記第2手段を前記第2位置から前記第1位置へ移動開始させる場合に、予め移動を開始されている前記第1手段の移動方向が、前記第2手段の移動方向に沿う方向になるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KC6。
遊技機甲KC6によれば、遊技機甲KC1からKC5のいずれかの奏する効果に加え、第1移動手段の移動方向に因らず第2手段の移動タイミングの時間遅れを短くすることができるので、第2手段の演出効果を改善することができる。
遊技機甲KC1からKC6のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量に比例して前記第2手段の移動方向で移動可能とされる第3手段を備えることを特徴とする遊技機甲KC7。
遊技機甲KC7によれば、遊技機甲KC1からKC6のいずれかの奏する効果に加え、第2手段の移動を開始させる前に予め第1手段を回転させている状態において、第3手段を移動させることができるので、遊技機の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KC3からKC7のいずれかにおいて、前記第1手段の回転量には、前記第3手段の移動が生じない程度の限界値が設定されており、前記第2手段が前記第2位置に到達してから前記第1手段が前記当接手段に当接するまでの回転量は、前記限界値以下となるように構成されることを特徴とする遊技機甲KC8。
遊技機甲KC8によれば、遊技機甲KC3からKC7のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の過回転により第3手段が位置ずれすることを回避することができる。
遊技機甲KC7又はKC8において、前記第2手段を移動させない範囲における前記第1手段の往復動作を可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KC9。
遊技機甲KC9によれば、遊技機甲KC7又はKC8の奏する効果に加え、第2手段の移動が生じる場合に比較して、第3手段を抵抗少なく移動させることができる。
遊技機甲KC9において、前記第1手段への駆動力伝達が、第1手段の所定量の移動を待たずに停止されるよう制御されることを特徴とする遊技機甲KC10。
遊技機甲KC10によれば、遊技機甲KC9の奏する効果に加え、駆動力による勢いで移動した第1手段が、第2手段の慣性抵抗(静止摩擦)により停止されることになるので、第1手段の所定量の移動中において駆動力伝達を生じさせ続ける場合に比較して、第2手段の誤動作を回避し易くすることができる。
<球に対する光の見え方を演出に利用するように発光手段を配置する>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態を形成可能な形成手段と、所定の照射範囲に光を照射可能な光照射手段と、を備え、前記入球領域へ向かう第1流下態様または前記入球領域へ向かわない第2流下態様で遊技球を流下させ得るよう構成され、遊技球が前記第1流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様と、遊技球が前記第2流下態様で流下している場合における前記所定の照射範囲における視認態様とを異ならせるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KD1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内可能な状態と案内不能な状態とを切り替える可動体よりも上流側の下側領域に光照射手段を配置し、発光演出を行う遊技機がある(例えば、特開2016-120220号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、光照射手段の上側に形成される坂の上を遊技球が流下するものであり、光照射手段からの光が照射される領域には遊技球が入り込まないよう構成されているので、遊技球が流下した場合に光の見え方が変化することは無く光照射手段の付近では遊技球が明るく見えるのだが、可動体と光照射手段との間に若干の距離があるために可動体側に光が届きにくく、可動体付近が暗く視認されてしまい、通常の注目力で行う遊技では入球領域に遊技球が入っているのかどうかが判別し難い。
そのため、遊技者に可動体付近を覗き込む遊技を強いることになり、遊技者の遊技負担を大きくさせ、興趣の向上を図れなくなる可能性があった。即ち、上述した従来の遊技機では、遊技者の興趣の向上の観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KD1によれば、遊技球が入球領域へ向かう第1流下態様で流下しているか、遊技球が入球領域へ向かわない第2流下態様で流下しているかによって、光照射手段からの光の見え方を異ならせることができるので、光照射手段からの光を視認することにより、遊技球が入球領域へ向かっているか否かを遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者の遊技負担を低減させることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機甲KD1において、前記光照射手段は、前記第1流下態様で流下する遊技球に光が遮蔽されない位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KD2。
遊技機甲KD2によれば、遊技機甲KD1の奏する効果に加え、遊技球が入球領域に入球を継続している場合においても、光照射手段からの光による演出効果を維持することができる。
遊技機甲KD1又はKD2において、前記光照射手段は、前記形成手段を光で照らす位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KD3。
遊技機甲KD3によれば、遊技機甲KD1又はKD2の奏する効果に加え、形成手段の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
遊技機甲KD3において、前記形成手段よりも正面側に配置され遊技球の流下経路を覆う覆設手段を備え、前記覆設手段の正面側に描かれる形状は、前記形成手段の形状に沿う形状とされることを特徴とする遊技機甲KD4。
遊技機甲KD4によれば、遊技機甲KD1からKD3のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の視認性が向上されることに伴って、覆設手段の視認性を向上させることができる。即ち、形成手段を介して視認される光により覆設手段の正面側に描かれる形状を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KD4において、前記覆設手段に描かれる前記形状は、後方を視認し易い第1視認部と、その視認容易部よりも視認性が劣る第2視認部とから形成され、前記第1視認部は、少なくとも前記第1流下態様における遊技球の流下経路の前方に形成され、前記形成手段を介して進行する光は、前記第1視認部を通過することを特徴とする遊技機甲KD5。
遊技機甲KD5によれば、遊技機甲KD4の奏する効果に加え、第1流下態様で流下する遊技球に対する注目力を向上させることができると共に、第1視認部を明るくすることで後方の視認性を向上させることができる。
遊技機甲KD1からKD5のいずれかにおいて、形成手段を支持する支持手段を備え、その支持手段は、形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能に形成される反射部を備えることを特徴とする遊技機甲KD6。
遊技機甲KD6によれば、遊技機甲KD1からKD5のいずれかの奏する効果に加え、形成手段の色味が反射部を介しても視認されるように構成することができる。
遊技機甲KD6において、前記反射部は、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせる状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射可能とされ、前記形成手段が遊技球を前記入球領域へ向かわせない状態では形成手段から反射する光を正面側へ向けて反射不可能とされることを特徴とする遊技機甲KD7。
遊技機甲KD7によれば、遊技機甲KD6の奏する効果に加え、反射部の視認態様と、形成手段の状態とが対応づけられる。これにより、形成手段の状態の変化が分かり難い場合であっても、反射部を視認することで形成手段の状態を把握することができるので、遊技者の遊技負担を軽減させることができる。
遊技機甲KD6又はKD7において、前記反射部は、遊技球の流下経路よりも上側に形成されることを特徴とする遊技機甲KD8。
遊技機甲KD8によれば、遊技機甲KD6又はKD7の奏する効果に加え、流下経路を流下する遊技機により反射部が隠される事態を回避し易くすることができる。
遊技機甲KD3からKD8のいずれかにおいて、前記覆設手段は、前記形成手段を背景として視認可能な位置に前記形成手段よりも小さな形状部を備えることを特徴とする遊技機甲KD9。
遊技機甲KD9によれば、遊技機甲KD3からKD8のいずれかの奏する効果に加え、形成手段を背景とした形状部の視認態様と、形成手段を背景としない形状部の視認態様とを異ならせることで、固定の覆設手段の見え方を変化させることができる。
遊技機甲KD9において、前記形状部が、前記形成手段の上流側位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KD10。
遊技機甲KD10によれば、遊技機甲KD9の奏する効果に加え、形状部により注目させる箇所を形成手段の上流側位置とすることで、形状部付近で遊技者に視認された遊技球が入球領域に入球するまでの時間を長く確保することができる。これにより、遊技者に入球領域への入球を確認させる時間的余裕を与えることができる。
<化粧板の背後の変位手段の見え方が配置によって異なる>
遊技球が入球可能な入球領域と、遊技球を前記入球領域へ向かわせる第1位置と遊技球を前記入球領域へ向かわせない第2位置とに変位可能な変位手段と、光透過性材料から形成され、所定方向視で前記変位手段の少なくとも一部と重なるよう配置される透過手段と、を備え、前記透過手段には所定の装飾が施され、前記変位手段が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって、前記所定方向視における前記変位手段と前記透過手段との重なる領域が変化し得ることを特徴とする遊技機甲KE1。
パチンコ機等の遊技機において、入球領域の正面側に覆設される化粧部材が可動とされ、その化粧部材を動かすことで入球領域付近の見え方を変化させる遊技機がある(例えば、特開2015-107293号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、化粧部材を動作させるための駆動手段や伝達機構が別途必要となることから、入球領域付近の領域が駆動手段や伝達機構により圧迫され易く、入球領域付近の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KE1によれば、透過手段を通して変位手段が視認される構造において、変位手段の配置が変化することで透過手段と変位手段とが重なる領域が変化することから、透過手段を動作させなくても透過手段の所定の装飾を異なる態様で視認させることができる。これにより、駆動手段や伝達機構が配設されるスペースを空けることができ、入球領域付近の設計自由度を向上させることができる。
遊技機甲KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の背景とされることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機甲KE2。
遊技機甲KE2によれば、遊技機甲KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機甲KE1又はKE2において、前記所定の装飾は、前記入球領域と関連する形状とされることを特徴とする遊技機甲KE3。
遊技機甲KE3によれば、遊技機甲KE1又はKE2の奏する効果に加え、所定の装飾への注目を、入球領域への注目へと誘導させ易くすることができる。
遊技機甲KE1からKE3のいずれかにおいて、前記入球領域は、前記所定方向視とは異なる方向視であって、前記所定の装飾と前記変位手段とが重ならない方向視において視認可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KE4。
遊技機甲KE4によれば、遊技機甲KE1からKE3のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾における視認態様の変化を煩わしく感じる遊技者に対して、遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KE1において、前記変位手段が前記第1位置に配置された状態で、前記変位手段が前記所定の装飾の後方から退避されることで、前記変位手段が前記第2位置に配置された状態に比較して前記所定の装飾を判別し易いように構成されることを特徴とする遊技機甲KE5。
遊技機甲KE5によれば、遊技機甲KE1の奏する効果に加え、変位手段が第1位置に配置された状態で所定の装飾を判別し易くなるので、所定の装飾に注目することで、変位手段の状態を把握し易くすることができる。更に、判別し易い状態において変位手段が遊技球を入球領域に向かわせることで、更に入球領域付近への注目力を上昇させることができる。
遊技機甲KE1からKE5のいずれかにおいて、前記入球領域を複数備え、前記所定の装飾が、各入球領域に対応して複数設けられることを特徴とする遊技機甲KE6。
遊技機甲KE6によれば、遊技機甲KE1からKE5のいずれかの奏する効果に加え、所定の装飾を視認することで、複数の入球領域のどこに遊技球が案内されるのかを把握し易くすることができる。
遊技機甲KE6において、複数の前記所定の装飾は、異なる大きさで形成されることを特徴とする遊技機甲KE7。
遊技機甲KE7によれば、遊技機甲KE6の奏する効果に加え、所定の装飾による遊技球の入球先の判別をしやすくすることができる。また、複数の入球領域の利益差に応じて、所定の装飾の大小関係が設定されることで、遊技者に直感的に得られる利益を把握させることができる。
遊技機甲KE6又はKE7において、複数の前記所定の装飾は、一方の内部に他方が配置される態様で設けられることを特徴とする遊技機甲KE8。
遊技機甲KE8によれば、遊技機甲KE6又はKE7の奏する効果に加え、複数の所定の装飾に注目させる場合に、遊技者が目線を変えることを不要することができる。これにより、遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機甲KE1からKE8のいずれかにおいて、前記透過手段は、前記変位手段の位置を合わせる位置合わせ部を備えることを特徴とする遊技機甲KE9。
遊技機甲KE9によれば、遊技機甲KE1からKE8のいずれかの奏する効果に加え、位置合わせ部により、変位手段が第1状態とされた場合における変位手段と所定の装飾との位置ずれを抑制することができる。
遊技機甲KE9において、前記位置合わせ部は、前記所定の装飾とは異なる位置に配設されることを特徴とする遊技機甲KE10。
遊技機甲KE10によれば、遊技機甲KE9の奏する効果に加え、所定の装飾の視認性を確保することができる。
<複数の層を組み合わせて一連の装飾となる構造>
第1の層に第1手段が配置可能とされ、所定方向視において前記第1の層と重なる第2の層に第2手段が配置可能とされる遊技機において、前記第2手段と、前記第1手段とは、独立して変位可能であり、前記所定方向視において所定領域に配置される前記第1手段および前記第2手段が、一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機甲KF1。
パチンコ機等の遊技機において、はさみの刃を模した形状から形成される第1手段および第2手段を備え、第1手段および第2手段により一連の視認態様で視認される遊技機がある(例えば、特開2011-110255号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1手段および第2手段が互いに連動しているため、動作速度が遅くなり、第1手段および第2手段が液晶表示装置の外方に配置された状態から、第1手段および第2手段が液晶表示装置の前方に配置されて一連の視認態様で視認させる状態に変化するまでに時間が長くかかることになり、演出の自由度が低くなる可能性があるという問題点があった。即ち、第1手段および第2手段の演出効果に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KF1によれば、第1手段が、第2手段に対して独立して変位可能に構成されているので、第1手段の動作速度が第2手段の重さにより制限されることを避けることができ、第1手段および第2手段の動作の迅速化を図ることができ、第1手段および第2手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KF1において、前記第1手段が視認態様の異なる可動状態と非可動状態とを切替可能に構成され、非可動状態において前記一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機甲KF2。
遊技機甲KF2によれば、遊技機甲KF1の奏する効果に加え、第1手段で動的に演出する状態と、第1手段を非可動として一連の形状に注目させる状態とを切り替えることができる。
遊技機甲KF1又はKF2において、前記第1手段は、動作手段と被動作手段とを備え、動作手段の変位が、被動作手段の状態に対応して生じるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KF3。
遊技機甲KF3によれば、遊技機甲KF1又はKF2のいずれかの奏する効果に加え、動作手段と被動作手段とが独立動作する場合のように互いに衝突することを防止することができる。
遊技機甲KF1からKF3のいずれかにおいて、前記第1手段が非可動状態とされる場合において前記第2手段が可動とされることを特徴とする遊技機甲KF4。
遊技機甲KF4によれば、遊技機甲KF1からKF3のいずれかの奏する効果に加え、第2手段についても第1手段に独立して変位可能とされることから、動作演出のバリエーションを増加させることができる。
遊技機甲KF1からKF4のいずれかにおいて、前記第1手段と前記第2手段とが一連の視認態様で視認されない状態から、前記第1手段と前記第2手段とが移動することで互いに近づいた近接状態において一連の視認態様で視認されることを特徴とする遊技機甲KF5。
遊技機甲KF5によれば、遊技機甲KF1からKF4のいずれかの奏する効果に加え、一連の視認態様で視認される範囲を狭めることができるので、遊技者の遊技負担を低減することができる。
遊技機甲KF1からKF5のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段は、前記所定領域で動作が停止され、前記所定領域以外の領域では動作が継続され得ることを特徴とする遊技機甲KF6。
遊技機甲KF6によれば、遊技機甲KF1からKF5のいずれかの奏する効果に加え、所定領域において一連の視認態様で視認される場合以外における第1手段または第2手段の視認態様を継続動作により変化させることができるので、一連の視認態様で視認される態様への注目力を向上させることができる。
遊技機甲KF1からKF6のいずれかにおいて、前記第1手段で囲われる領域に前記第2手段が配置され、前記第2手段の発光態様に対応して、前記第1手段の発光態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KF7。
遊技機甲KF7によれば、遊技機甲KF1からKF6のいずれかの奏する効果に加え、発光態様を対応させることにより第1手段および第2手段による演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KF1からKF7のいずれかにおいて、前記所定方向視において前記第1手段または前記第2手段と重なり得る位置に表示領域を有する表示装置を備え、前記表示領域からの光が、前記第1手段または前記第2手段に対応する領域で照らされることを特徴とする遊技機甲KF8。
遊技機甲KF8によれば、遊技機甲KF1からKF7のいずれかの奏する効果に加え、表示装置の表示領域からの光により第1手段または第2手段を明るく照らすことができ、演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KF8において、前記表示領域からの光の態様が、前記第1手段または前記第2手段の変位中と、前記第1手段または前記第2手段の非変位中とで変化可能とされることを特徴とする遊技機甲KF9。
遊技機甲KF9によれば、遊技機甲KF8の奏する効果に加え、第1手段または第2手段の見せ方を、変位中と非変位中とで異ならせることができるので、一連の視認態様で視認させる状態と、それ以外の状態とで、第1手段または第2手段の見せ方にバリエーションを設けることができる。
遊技機甲KF8又はKF9において、前記表示領域で、前記第1手段または前記第2手段の視認態様に対応した表示がされることを特徴とする遊技機甲KF10。
遊技機甲KF10によれば、遊技機甲KF8又はKF9の奏する効果に加え、第1手段または第2手段が透過性材料で構成されている場合に、表示領域における表示と第1手段または第2手段自体の装飾とが組み合わされた視認態様で視認させることができる。
また、第1手段または第2手段に動作不良が生じた場合であっても、表示領域における表示を第1手段または第2手段に代替させることができ、演出効果の低下を最小限に留めることができる。
遊技機甲KF8からKF10のいずれかにおいて、前記表示装置による表示と、前記第1手段または前記第2手段とが連動されることを特徴とする遊技機甲KF11。
遊技機甲KF11によれば、第1手段または第2手段が配置されていない層における表示装置の表示領域全体を利用して、第1手段または第2手段に連動される対象を遊技者に視認させることができる。これにより、遊技者に注目させる領域を広げられる。
遊技機甲KF8からKF11のいずれかにおいて、前記表示装置による表示を視認させる第1視認範囲と、前記第1視認範囲とは異なる態様で視認させる第2視認範囲と、を備え、前記第2視認範囲は、前記第1視認範囲よりも前側の層に形成されることを特徴とする遊技機甲KF12。
遊技機甲KF12によれば、遊技機甲KF8からKF11のいずれかの奏する効果に加え、第1視認範囲と、第2視認範囲とを、前後配置の関係する視認態様で視認させることができるので、立体感または積層感のある演出を実現できる。
遊技機甲KF12において、前記第1視認範囲と、前記第2視認範囲との隙間を狭める隙間防止手段を備えることを特徴とする遊技機甲KF13。
遊技機甲KF13によれば、遊技機甲KF12の奏する効果に加え、第1視認範囲における視認態様と、第2視認範囲における視認態様とを一連の視認態様で視認させ易くすることができる。
遊技機甲KF8からKF13のいずれかにおいて、前記第1手段または前記第2手段の変位に伴って変位される発光手段を備えることを特徴とする遊技機甲KF14。
遊技機甲KF14によれば、遊技機甲KF8からKF13のいずれかの奏する効果に加え、第1手段または第2手段の変位に対する、光演出の時間遅れを回避し易くすることができる。
遊技機甲KF8からKF14のいずれかにおいて、前記第1の層における視認態様は、電圧制御に基づく前記第2の層における状態に対応して変化し得ることを特徴とする遊技機甲KF15。
遊技機甲KF15によれば、遊技機甲KF8からKF14のいずれかの奏する効果に加え、第2の層における第2手段の状態に対応して第1手段の視認態様の変化を生じさせることができる。
遊技機甲KF15において、前記第2の層における状態に対応して、所定の光を遮断する遮断範囲と、所定の光を遮断しない非遮断範囲と、を構成可能とされることを特徴とする遊技機甲KF16。
遊技機甲KF16によれば、遊技機甲KF15の奏する効果に加え、第2の層における状態によって背面からの光の透過態様を変化させることにより、第2の層および第1の層とを重ねた視認態様を変化させることができる。
<ベース板の裏側に基板を配置>
正面側に遊技領域が形成される遊技盤と、その遊技盤に光を照射する光照射手段と、を備え、前記光照射手段は、前記遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で光が前記遊技盤に進入し得る位置に配置されることを特徴とする遊技機甲KG1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の背面側に発光基板が配設され、発光基板に配設されるLED等の発光手段から正面側へ向けて光が照射されることで、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材を明るく照らすように構成される遊技機がある(例えば、特開2006-333887号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、限られた発光手段で遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材の広い範囲を明るく照らすために、発光基板を遊技盤からある程度離して配設する必要があるため、そのためのスペースを遊技盤の背面側に確保する必要がある一方で、発光基板と遊技盤との間に演出用の可動役物を配設してしまうと、遊技盤や遊技盤に組み付けられる光透過性の部材に可動役物の影が映ることで暗くなってしまうため、この観点からは発光手段を遊技盤側に寄せて可動役物の配設スペースを作りたいという、相反する課題があった。即ち、光照射手段の配置に関して改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KG1によれば、光照射手段からの光は遊技盤の厚さ方向に対して交差する方向で遊技盤に進入し得る位置に配置されることから、遊技盤の厚さ幅の内側で光の照射範囲を拡げられ、光により照らす面積を増大させることができることから遊技盤を明るく視認させることができると共に、光照射手段を遊技盤の後方に離して配置する必要がないので、遊技盤の背面側に可動役物の配設スペースを十分確保することができる。即ち、光照射手段の配置を改善することができる。
遊技機甲KG1において、前記光照射手段は、前記遊技盤の後方に配設されることを特徴とする遊技機甲KG2。
遊技機甲KG2によれば、遊技機甲KG1の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤で隠すように配設することができ、見栄えを良くすることができる。
遊技機甲KG1又はKG2において、前記遊技盤は前記遊技領域が形成される範囲外において背面側に凹設される凹設部を備え、その凹設部により形成される空間に前記光照射手段が配置されることを特徴とする遊技機甲KG3。
遊技機甲KG3によれば、遊技機甲KG1又はKG2の奏する効果に加え、光照射手段を遊技盤の厚み寸法内に収めることができるので、遊技盤の背面側のスペースを確保し易くすることができる。
遊技機甲KG1からKG3のいずれかにおいて、前記遊技盤は、背面側面に前記光照射手段からの光を正面側へ向けさせるための変化部を備えることを特徴とする遊技機甲KG4。
遊技機甲KG4によれば、遊技機甲KG1からKG3のいずれかの奏する効果に加え、変化部の配置により正面視における光の見え方を容易に設計することができる。
遊技機甲KG4において、前記遊技盤は、前記変化部にシボ加工が形成されることを特徴とする遊技機甲KG5。
遊技機甲KG5によれば、遊技機甲KG4の奏する効果に加え、変化部で光を拡散させることができ、変化部を明るく視認させるためのLED等の光照射部の個数を削減させることができる。
遊技機甲KG4又はKG5において、前記変化部は、前記光照射手段から所定の光軸で発射される光が到達し得る複数位置に形成されることを特徴とする遊技機甲KG6。
遊技機甲KG6によれば、遊技機甲KG4又はKG5の奏する効果に加え、所定の光軸で発射される光により変化部が明るく視認される範囲を広げることができる。
遊技機甲KG4からKG6のいずれかにおいて、前記変化部は、前記遊技盤の内側の開口部の縁部に周状に形成されることを特徴とする遊技機甲KG7。
遊技機甲KG7によれば、遊技機甲KG4からKG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤の内側の開口部の縁部を略円環状に照らすことができる。これにより、開口部内側に配置される表示装置への視線誘導をし易くすることができる。
遊技機甲KG7において、前記変化部は、前記開口部の縁部前端よりも縁部後端の方が開口が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機甲KG8。
遊技機甲KG8によれば、遊技機甲KG7の奏する効果に加え、開口部の縁部前端を基準として遊技盤にセンターフレームを配設することができ、変化部を介する光によりセンターフレームを明るく照らすことができる。
遊技機甲KG1からKG8のいずれかにおいて、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光の進行方向が正面側へ向けられるまでの間、その光は前記遊技盤の厚み寸法内を進行することを特徴とする遊技機甲KG9。
遊技機甲KG9によれば、遊技機甲KG1からKG8のいずれかの奏する効果に加え、正面側へ向けられる前の光が遊技領域内を進行する場合と異なり、遊技領域を流下する球に光が遮られることを回避することができる。
遊技機甲KG9において、前記光照射手段から前記遊技盤に進入した光は、前記遊技領域に配設される入球領域に入球した遊技球の通過経路を通過可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KG10。
遊技機甲KG10によれば、遊技機甲KG9の奏する効果に加え、光照射手段から進入した光が遮蔽された場合と、遊技球が入球領域に入球したこととを対応付けることができるので、光照射手段から照射される光に対する注目力を向上させることができる。
<視認部の視認態様が変化し得る回転動作手段>
視認態様が変化し得る所定の視認部を有する動作手段を備え、前記所定の視認部が回転移動し得ることを特徴とする遊技機甲KKH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して連動される動作手段が、遊技機中央部に固定された表示装置の手前側で開閉される動作をするに過ぎず、この場合、表示装置への注目力は向上されるが、動作手段を目で追わせるように注目させることは難しい。即ち、動作手段の演出効果について改善の余地があった。
これに対し、遊技機甲KKH1によれば、所定の視認部が回転移動し得ることから、動作手段の回転動作が所定の一点を中心に継続される場合に、所定の視認部の視認態様の変化を確認するために、動作手段への注目力を向上させることができる。その場合に、回転中心からある程度の範囲を視界に収めておけば済むので、所定の視認部の視認態様の変化を確認しようとする遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KKH1において、前記動作手段は、回転移動することに伴って前記所定の視認部を通した視認態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KKH2。
遊技機甲KKH2によれば、遊技機甲KKH1の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に注目させるタイミングを動作手段の回転移動中に限定させることができるので、所定の視認部の視認態様の変化がいつ生じるか分からない場合に比較して、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KKH1又はKKH2において、前記所定の視認部の視認態様は、前記動作手段の回転軸を挟んで位置する第1位置および第2位置で少なくとも変わり得ることを特徴とする遊技機甲KKH3。
遊技機甲KKH3によれば、遊技機甲KKH1又はKKH2の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様が変化する箇所が1箇所である場合に比較して、所定の視認部の視認態様の変化の確認の難易度を上げることができるので、遊技者の動作手段に対する注目力をより向上させることができる。
遊技機甲KKH3において、前記第1位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合と、前記第2位置での前記所定の視認部の視認態様の変化が生じた場合とで、遊技者が得られる利益が変化し得ることを特徴とする遊技機甲KKH4。
遊技機甲KKH4によれば、遊技機甲KKH3の奏する効果に加え、所定の視認部の視認態様の変化に対する遊技者の興味関心を向上させることができ、動作手段に対する注目力を増大させることができる。
遊技機甲KKH1からKKH4のいずれかにおいて、前記所定の視認部の視認態様が、第1の視認態様で変化する場合と、第2の視認態様で変化する場合とがあることを特徴とする遊技機甲KKH5。
遊技機甲KKH5によれば、遊技機甲KKH1からKKH4のいずれかの奏する効果に加え、所定の視認態様が、どのように変化するかに対する遊技者の興味を向上させることができ、遊技者の動作手段に対する注目力を向上させることができる。
<球流下と回転動作手段とを関連させる演出>
遊技機甲KKH1からKKH5のいずれかにおいて、遊技者に視認され得るよう構成され、遊技球の流下に対応して動かされ得る動作手段を備える遊技機甲KH1。
パチンコ機等の遊技機において、演出効果を高める動きを生じ得る動作手段を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、図柄の変動に対応して動作手段の演出動作が実行されることに留まり、その動作態様から実際の遊技球の流下についての情報を得ることは難しかった。そのため、遊技者の目線が動作手段に注目している場合には遊技球の流下態様を把握することはできず、遊技球の流下の感じを見ながら遊技球の発射強度の調整をリアルタイムで行うことが困難であった。
この場合、液晶表示装置でのロングリーチを視認しながら遊技球の発射を継続することが困難であり、特別図柄の保留を満タンまで溜めた状態で遊技を行いたい遊技者の遊技負担を増加させる可能性が高く、興趣が低下する可能性がある。このように、上述した従来の遊技機では、動作手段に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KH1によれば、遊技機甲KKH1からKKH5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の動きを遊技者が視認することにより、遊技球の流下について遊技者に把握させることができる。これにより、動作手段を改善することができる。
遊技機甲KH1において、遊技球の流下に基づく所定条件が成立した場合に前記動作手段が動かされることを特徴とする遊技機甲KH2。
遊技機甲KH2によれば、遊技機甲KH1の奏する効果に加え、遊技領域に遊技球が流下してさえいれば動作手段に動きが生じる場合に比較して、動作手段の動きから、遊技者が遊技球の流下態様を予測し易くすることができる。
遊技機甲KH1又はKH2において、前記動作手段が動き得る状態で支持され、一側端部を支点とする変位が可能に構成される支持手段と、その支持手段の変位を許容する許容状態と、前記支持手段の変位を規制する規制状態とを構成可能な規制手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KH3。
遊技機甲KH3によれば、遊技機甲KH1又はKH2の奏する効果に加え、支持手段の配置に対応して、動作手段の配置にバリエーションを持たせることができるので、流下態様の状態の把握を容易にすることができる。
遊技機甲KH2又はKH3において、遊技領域を流下する遊技球が所定部位を通過した場合に前記前記所定条件が成立し得ることを特徴とする遊技機甲KH4。
遊技機甲KH4によれば、遊技機甲KH2又はKH3の遊技機の奏する効果に加え、動作手段の動きを視認することで、遊技球が所定部位を通過したことを遊技者に把握させることができる。
なお、所定部位としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技球の流下が検出されることで所定の賞球の払い出しが実行される賞球口であっても良いし、賞球の払い出しは生じないが何らかの抽選が実行される開口でも良いし、賞球の払い出しも何らかの抽選も実行されず単に遊技球の流下を検出する検出センサであっても良いし、遊技球からのエネルギーの伝達により動作される動作部材の被衝突部であっても良い。
遊技機甲KH4において、前記動作手段の上側の第1所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされない一方、前記第1所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が動かされ得ることを特徴とする遊技機甲KH5。
遊技機甲KH5によれば、遊技機甲KH4の奏する効果に加え、動作手段を視認することで、動作手段を基準にして、遊技球が左右どちら側を流下しているのかを遊技者に把握させることができる。これにより、例えば、右打ち遊技を実行しているつもりの遊技者に対して、遊技球が左側に流下していることに気付かせ易くすることができる。
遊技機甲KH4において、前記動作手段の上側の第2所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が右方側に動かされる一方、前記第2所定部位よりも左側を遊技球が流下する場合には、前記動作手段が左方側に動かされ得ることを特徴とする遊技機甲KH6。
遊技機甲KH6によれば、遊技機甲KH4の奏する効果に加え、動作手段の動きの方向と、遊技球の流下する方向とが対応しているので、動作手段を視認した遊技者に対して、遊技球の流下について直感的に理解させ易くすることができる。
遊技機甲KH6において、前記第2所定部位よりも上側に位置する第3所定部位を遊技球が右方に通過する場合には、前記動作手段が動かされないことを特徴とする遊技機甲KH7。
遊技機甲KH7によれば、遊技機甲KH6の奏する効果に加え、動作手段との離間幅と、動作手段の動きの有無とが対応しているので、動作手段が動いていないことを視認した遊技者に対して、遊技球が動作手段と離れた位置を流下していることを把握させ易くすることができる。
遊技機甲KH4から遊技機甲KH7のいずれかにおいて、前記所定部位を遊技球が通過したことに基づいて前記動作手段が動いている状態において、前記所定部位を遊技球が通過した場合に、前記動作手段の動く速度が変化されることを特徴とする遊技機甲KH8。
遊技機甲KH8によれば、遊技機甲KH4からKH7のいずれかの奏する効果に加え、頻度や流下方向にランダム性を有する遊技球の流下を動作手段の動きに反映させることで、ランダム性の高い演出を動作手段で実行させることができる。更に、動作手段の動く速度の変化を視認した遊技者に対して、所定部位を再び遊技球が通過したことを把握させることができるので、遊技球の流下のパターン(流下態様のばらつきの程度)を遊技者が把握し易くすることができる。
遊技機甲KH3からKH8のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記規制手段が前記許容状態か前記規制状態かに関わらず、前記動作手段が動き得る状態で支持することを特徴とする遊技機甲KH9。
遊技機甲KH9によれば、遊技機甲KH3からKH8のいずれかの奏する効果に加え、支持手段が変位される状態か、支持手段の変位が規制される状態かのいずれかでのみ動作手段が動き得る場合に比較して、動作手段による見映えの向上の効果を生じさせることができる状態を増やすことができる。
遊技機甲KH3からKH9のいずれかにおいて、前記規制手段の前記許容状態から前記規制状態への変化は、前記支持手段の変位に連動して生じることを特徴とする遊技機甲KH10。
遊技機甲KH10によれば、遊技機甲KH3からKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の状態の変化が支持手段の変位に連動して生じることから、規制手段と支持手段とがそれぞれ独立の基準で動作し得る場合に比較して、誤動作(例えば、動作タイミングが合わずに、干渉し合う等)の発生を回避し易くすることができる。
遊技機甲KH3からKH9のいずれかにおいて、前記規制手段が前記許容状態とされる場合に、前記支持手段が前記規制手段の前記規制状態において配置される上下位置に、前記支持手段を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KH11。
遊技機甲KH11によれば、遊技機甲KH3からKH9のいずれかの奏する効果に加え、規制手段の許容状態からの支持手段の変位と、規制手段の規制状態からの支持手段の変位とを、同じ上下位置から開始させることができるので、遊技者に注目させる高さ位置を統一することができ、遊技者の遊技負担を低減させることができる。
遊技機甲KH3からKH11のいずれかにおいて、前記動作手段は、前記支持手段の変位に基づいて変位することを特徴とする遊技機甲KH12。
遊技機甲KH12によれば、遊技機甲KH3からKH11のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の流下に対応する動きの他に、支持手段の変位に基づく変位による動きをも生じさせることができるので、動作手段の視認態様のバリエーションを増加させることができる。
遊技機甲KH3からKH12のいずれかにおいて、前記支持手段の前記一側端部を支点とする変位は、前記動作手段が、前記支持手段の中心位置よりも前記一側端部側に配置された状態で生じることを特徴とする遊技機甲KH13。
遊技機甲KH13によれば、遊技機甲KH3からKH12のいずれかの奏する効果に加え、支持手段の変位時における変位が小さい側に動作手段が配置されることから、支持手段が急に停止される等の衝撃が生じた場合に動作手段が受ける衝撃(荷重)を小さくすることができる。
<遊技球の流下範囲の正面側に装飾を形成するポイント>
遊技球が流下する所定の流下領域の正面側に配設され所定の厚みを有する光透過部を備え、前記光透過部は、第1の光の透過率で構成される第1透過率部と、その第1透過率部よりも高い透過率で光を透過する第2透過率部と、を備え、正面視で前記第1透過率部と重なる遊技球の一部は、前記第2透過率部と重なるように構成されることを特徴とする遊技機甲KI1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に模様が形成される遊技機がある(例えば、特開2011-83381号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、流下する遊技球により模様が隠されることで演出効果の妨げとなる可能性があるところ、単純に遊技領域の前側に模様を形成するだけでは、今度は逆に模様により遊技球が隠されてしまい遊技球を見失う事態を生じさせる可能性があることから、遊技球を見失わせることなく演出効果を向上させる観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KI1によれば、遊技球が第1透過率部と重なる場合に、第2透過率部とも重なるように構成されているので、第1透過率部に遊技球が完全に覆われる状況を避けることにより遊技者が遊技球を見失う事態が生じることを避け易くしながら、光透過部の背面側を遊技球が流下する場合と流下しない場合とで視認態様を変化させることにより演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KI1において、前記第1透過率部は、所定の記号の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機甲KI2。
遊技機甲KI2によれば、遊技機甲KI1の奏する効果に加え、流下領域における遊技球の流下の有無に関わらず、所定の記号による何らかの意味合いを遊技者に認識させることができるので、演出性の向上を図ることができる。
遊技機甲KI2において、前記第1透過率部は、前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成することを特徴とする遊技機甲KI3。
遊技機甲KI3によれば、遊技機甲KI2の奏する効果に加え、所定の記号の識別を容易とさせることができる。
遊技機甲KI1からKI3のいずれかにおいて、前記第1透過率部の、遊技球の流下方向の寸法または遊技球の流下方向に対して交差する方向の寸法の少なくとも一方は、遊技球の直径よりも短くされることを特徴とする遊技機甲KI4。
遊技機甲KI4によれば、遊技機甲KI1からKI3のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部の設計自由度を向上させることができ、構成される模様の種類を増加させることによる演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲KI4において、前記第1透過率部が前記所定の記号の輪郭の少なくとも一部を構成する場合に、前記輪郭の幅が遊技球の半径未満とされることを特徴とする遊技機甲KI5。
遊技機甲KI5によれば、遊技機甲KI4の奏する効果に加え、所定の記号の輪郭が複数近接して隣り合うような場合においても、遊技球が輪郭により完全に隠される事態を避けることができる。
即ち、複数の輪郭が隙間なく並べられる場合には、複数の輪郭の外側において遊技球を視認させることができる一方で、複数の輪郭の間に隙間が生じる場合には、その隙間を通して遊技球を視認させることができる。
遊技機甲KI1からKI5のいずれかにおいて、前記所定の流下領域における遊技球の流下方向は、水平方向成分を有することを特徴とする遊技機甲KI6。
遊技機甲KI6によれば、遊技機甲KI1からKI5のいずれかの奏する効果に加え、自由落下する遊技球に比較して、所定の流下領域における遊技球の流下速度を遅くすることができるので、光透過部を介して遊技球を視認させる期間を長くすることができる。これにより、第1透過率部および第2透過率部により構成される模様の見え方が変化する状態を長く保ち易くすることができる。
遊技機甲KI1からKI6のいずれかにおいて、前記所定の流下領域は、第1流下領域と、その第1流下領域とは異なる方向に遊技球を流下させる第2流下領域と、を備えることを特徴とする遊技機甲KI7。
遊技機甲KI7によれば、遊技機甲KI1からKI6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が第1流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向と、遊技球が第2流下領域を流下している場合において光透過部と重なる遊技球が変位する方向とが異なることから、光透過部に視認される模様に対する遊技球による影響の変位方向を複数種類生じさせることができるので(模様が動的に変化する状態における光透過部の視認態様を複数種類構成することができるので)、光透過部による演出効果の向上を図ることができる。
遊技機甲KI1からKI7のいずれかにおいて、前記第1透過率部により構成される輪郭の内側に、前記第1透過率部よりも低い透過率で構成される構成部を備えることを特徴とする遊技機甲KI8。
遊技機甲KI8によれば、遊技機甲KI1からKI7のいずれかの奏する効果に加え、構成部を配置することにより、第1透過率部を通して視認される光の視認性を相対的に向上させることができ、構成部の識別性を向上させることができる。
遊技機甲KI1からKI8のいずれかにおいて、前記光透過部の前方に向けて光を照射する光照射装置を備え、前記光透過部を透過した前記光照射装置から照射される光により視認される模様を変更可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KI9。
遊技機甲KI9によれば、遊技機甲KI1からKI8のいずれかの奏する効果に加え、光透過部を透過した光照射装置から照射される光により視認される模様が変更可能に構成されることにより、光透過部による演出効果を向上させることができる。
遊技機甲KI9において、遊技球が前記光照射装置から照射される光により前記第2透過率部に影を映しながら流下する場合があることを特徴とする遊技機甲KI10。
遊技機甲KI10によれば、遊技機甲KI9の奏する効果に加え、光照射装置から光が照射されることにより第2透過率部に映される遊技球の影を濃くすることができ、遊技者が遊技球を見失う事態を避け易くすることができる。
遊技機甲KI1からKI10のいずれかにおいて、正面視で前記所定の流下領域と重ならない所定範囲に配設される補助部を備え、その補助部により形成される模様は、前記第1透過率部により形成される模様と一連の視認態様で視認され得ることを特徴とする遊技機甲KI11。
遊技機甲KI11によれば、遊技機甲KI1からKI10のいずれかの奏する効果に加え、第1透過率部と一連の視認態様で視認さ得る補助部により演出効果を向上させることができると共に、遊技球の流下によらず補助部の視認性を高く維持することができる。
<変位手段に光を照射する照射手段を備えるポイント>
所定の領域を開閉可能な開閉部材と、その開閉部材の所定面側の領域を照らし得る光を照射可能な照射手段と、前記所定面側を変位可能な変位手段と、を備えることを特徴とする遊技機甲KJ1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉部材を備える遊技機がある(例えば、特開2007-98027号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、閉じた状態における開閉部材に対して背面側の表示装置から光が照射されることで開閉部材の視認態様が変化し得るところ、開閉部材の正面側を変位する他の部材があるわけではなく、開閉部材の視認態様のバリエーションが少ないことから、開閉部材の視認態様に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機甲KJ1によれば、照射手段から光が照射される所定の開閉部材の所定面側において変位可能な変位手段を備えるので、変位手段が開閉部材と重なって視認される状態と、変位手段が開閉部材と重ならずに視認される状態とを構成できることから、開閉部材の視認態様のバリエーションを増加させることができ、開閉部材の視認態様を改善することができる。
遊技機甲KJ1において、前記変位手段は、所定の直線に沿う方向で変位可能に構成されることを特徴とする遊技機甲KJ2。
遊技機甲KJ2によれば、遊技機甲KJ1の奏する効果に加え、変位手段の変位を予測し易くすることで、変位手段を視認する遊技者の遊技負担を軽減することができる。
遊技機甲KJ1又はKJ2において、前記変位手段と前記開閉部材とが連動され得ることを特徴とする遊技機甲KJ3。
遊技機甲KJ3によれば、遊技機甲KJ1又はKJ2の奏する効果に加え、開閉部材の変位と変位手段の変位とを、独立したものではなく、互いに関連し合うものとして遊技者に視認させることができることから、開閉部材の視認態様の改善を図ることができる。
遊技機甲KJ1からKJ3のいずれかにおいて、前記開閉部材が開閉移動されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KJ4。
遊技機甲KJ4によれば、遊技機甲KJ1からKJ3のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材の開閉移動と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が開閉部材の開閉移動に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機甲KJ1からKJ4のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向が変化されることに基づいて、前記照射手段から照射される光の視認態様が変化されることを特徴とする遊技機甲KJ5。
遊技機甲KJ5によれば、遊技機甲KJ1からKJ4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位の方向の変化と、照射手段から照射される光の視認態様の変化とを関連づけることにより、遊技者が変位手段の変位の方向の変化に気付き易い状態を構成することができる。
遊技機甲KJ1からKJ5のいずれかにおいて、前記開閉部材を閉鎖状態から開放状態に変化させる方向の荷重に対する抵抗を生じさせる抵抗発生手段を備えることを特徴とする遊技機甲KJ6。
遊技機甲KJ6によれば、遊技機甲KJ1からKJ5のいずれかの奏する効果に加え、開閉部材に予期せぬ荷重がかけられたとしても開閉部材を閉鎖状態で維持し易くすることができるので、開閉部材の視認態様が予期せず変化されることを回避し易くすることができる。
遊技機甲KJ1からKJ6のいずれかにおいて、前記変位手段が所定位置を所定方向に通過可能な第1状態と、前記変位手段が前記所定位置を前記所定方向に通過不能な第2状態と、を構成し得る切替手段を備えることを特徴とする遊技機甲KJ7。
遊技機甲KJ7によれば、遊技機甲KJ1からKJ6のいずれかの奏する効果に加え、切替手段の状態を視認することで、変位手段の変位を予想させることができる。これにより、切替手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機甲KJ7において、前記切替手段の状態変化は、前記所定方向に通過する前記変位手段が到達する前に生じるよう構成されることを特徴とする遊技機甲KJ8。
遊技機甲KJ8によれば、遊技機甲KJ7の奏する効果に加え、変位手段が所定位置に到達する前から切替手段の状態変化を把握させることができるので、切替手段の注目力を長期間に亘り向上させることができる。
遊技機甲KJ1からKJ8のいずれかにおいて、前記変位手段の変位の方向を、第1の方向から、その第1の方向に対して交差する第2の方向に変化させる方向変化手段を備えることを特徴とする遊技機甲KJ9。
遊技機甲KJ9によれば、遊技機甲KJ1からKJ8のいずれかの奏する効果に加え、方向変化手段により変位手段の変位の方向をずらし得るので、変位手段の変位の方向が一定とされる場合に比較して、変位手段の視認態様のバリエーションを増やすことができる。
遊技機甲KJ9において、前記方向変化手段は変位手段を挟むようにして両側に配設されることを特徴とする遊技機甲KJ10。
遊技機甲KJ10によれば、遊技機甲KJ9の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に両側から作用することにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化を複数態様で生じさせることができる。
遊技機甲KJ10において、前記両側に配置される前記方向変化手段は、変位手段に対して交互に作用することを特徴とする遊技機甲KJ11。
遊技機甲KJ11によれば、遊技機甲KJ10の奏する効果に加え、方向変化手段が変位手段に作用するタイミングがずらされることにより、方向変化手段による変位手段の変位の方向の変化が高頻度で生じるようにすることができる。
遊技機甲A1から甲A10、甲B1から甲B10、甲C1から甲C11、甲D1から甲D12、甲E1から甲E11、甲WA1-0から甲WA1-5、甲WA2-1から甲WA2-5、甲WB1-1から甲WB1-6、甲WB2-1から甲WB2-8、甲WB3-1から甲WB3-3、甲WC1-1から甲WC1-4、甲WC2-1から甲WC2-5及び甲WD1-1から甲WD1-5、遊技機甲YA1から甲YA11、甲YB1から甲YB10、甲YC1から甲YC11、甲YD1から甲YD5、甲YE1から甲YE3、甲YF1から甲YF3及び甲YG1から甲YG3、遊技機甲BA1から甲BA13、甲BB1から甲BB3、甲BBZ1から甲BBZ11、甲BC1から甲BC11、甲BD1から甲BD13、甲BE1から甲BE3、甲BEZ1から甲BEZ10、甲BG1から甲BG16、甲BH1から甲BH11、甲BI1から甲BI3及び甲BIZ1から甲BIZ11、遊技機甲CA1から甲CA26、甲CB1から甲CB4、甲CC1から甲CC4、甲DA1から甲DA19、甲DB1から甲DB4、甲DC1から甲DC4、甲DD1から甲DD4、甲EA1から甲EA4、甲EB1から甲EB4及び甲EC1から甲EC5、遊技機甲FA1から甲FA13、甲FB1から甲FB12、甲FC1から甲FC8又は甲FD1から甲FD5、遊技機甲KA1から甲KA10、甲KB1か甲らKB8、甲KC1から甲KC10、甲KD1から甲KD10、甲KE1から甲KE10、甲KF1から甲KF16、甲KG1から甲KG10、甲KKH1から甲KKH5、甲KH1から甲KH13、甲KI1から甲KI11及び甲KJ1から甲KJ11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機甲Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機甲A1から甲A10、甲B1から甲B10、甲C1から甲C11、甲D1から甲D12、甲E1から甲E11、甲WA1-0から甲WA1-5、甲WA2-1から甲WA2-5、甲WB1-1から甲WB1-6、甲WB2-1から甲WB2-8、甲WB3-1から甲WB3-3、甲WC1-1から甲WC1-4、甲WC2-1から甲WC2-5及び甲WD1-1から甲WD1-5、遊技機甲YA1から甲YA11、甲YB1から甲YB10、甲YC1から甲YC11、甲YD1から甲YD5、甲YE1から甲YE3、甲YF1から甲YF3及び甲YG1から甲YG3、遊技機甲BA1から甲BA13、甲BB1から甲BB3、甲BBZ1から甲BBZ11、甲BC1から甲BC11、甲BD1から甲BD13、甲BE1から甲BE3、甲BEZ1から甲BEZ10、甲BG1から甲BG16、甲BH1から甲BH11、甲BI1から甲BI3及び甲BIZ1から甲BIZ11、遊技機甲CA1から甲CA26、甲CB1から甲CB4、甲CC1から甲CC4、甲DA1から甲DA19、甲DB1から甲DB4、甲DC1から甲DC4、甲DD1から甲DD4、甲EA1から甲EA4、甲EB1から甲EB4及び甲EC1から甲EC5、遊技機甲FA1から甲FA13、甲FB1から甲FB12、甲FC1から甲FC8又は甲FD1から甲FD5、遊技機甲KA1から甲KA10、甲KB1か甲らKB8、甲KC1から甲KC10、甲KD1から甲KD10、甲KE1から甲KE10、甲KF1から甲KF16、甲KG1から甲KG10、甲KKH1から甲KKH5、甲KH1から甲KH13、甲KI1から甲KI11及び甲KJ1から甲KJ11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機甲Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機甲A1から甲A10、甲B1から甲B10、甲C1から甲C11、甲D1から甲D12、甲E1から甲E11、甲WA1-0から甲WA1-5、甲WA2-1から甲WA2-5、甲WB1-1から甲WB1-6、甲WB2-1から甲WB2-8、甲WB3-1から甲WB3-3、甲WC1-1から甲WC1-4、甲WC2-1から甲WC2-5及び甲WD1-1から甲WD1-5、遊技機甲YA1から甲YA11、甲YB1から甲YB10、甲YC1から甲YC11、甲YD1から甲YD5、甲YE1から甲YE3、甲YF1から甲YF3及び甲YG1から甲YG3、遊技機甲BA1から甲BA13、甲BB1から甲BB3、甲BBZ1から甲BBZ11、甲BC1から甲BC11、甲BD1から甲BD13、甲BE1から甲BE3、甲BEZ1から甲BEZ10、甲BG1から甲BG16、甲BH1から甲BH11、甲BI1から甲BI3及び甲BIZ1から甲BIZ11、遊技機甲CA1から甲CA26、甲CB1から甲CB4、甲CC1から甲CC4、甲DA1から甲DA19、甲DB1から甲DB4、甲DC1から甲DC4、甲DD1から甲DD4、甲EA1から甲EA4、甲EB1から甲EB4及び甲EC1から甲EC5、遊技機甲FA1から甲FA13、甲FB1から甲FB12、甲FC1から甲FC8又は甲FD1から甲FD5、遊技機甲KA1から甲KA10、甲KB1か甲らKB8、甲KC1から甲KC10、甲KD1から甲KD10、甲KE1から甲KE10、甲KF1から甲KF16、甲KG1から甲KG10、甲KKH1から甲KKH5、甲KH1から甲KH13、甲KI1から甲KI11及び甲KJ1から甲KJ11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機甲Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<5079系の特徴群>
<特徴A群>(特定の遊技状態において特定条件が成立した場合に、遊技状態を変えずに有利度合いを可変させる)
所定の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定の遊技状態において予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、当該特定の遊技状態の有利度合いを、前記第1の有利度合いとは異なる第2の有利度合いに設定する設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利な遊技状態として、次に当たりとなるまで継続する特定遊技状態を設けることにより、特定の遊技状態へと移行した時点で当たり当選まで確定させ、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、特定の遊技状態へと移行した場合に確定するのはあくまでも当たりのみであり、当たり後の遊技状態として有利な遊技状態が設定されるか否かについては不定であるため、特定の遊技状態において当たりとなった場合に、当たりとなったタイミングによらず、有利度合いが比較的低い遊技状態に設定される可能性が常にあるため、遊技者に対して安心感を抱かせることが難しいという問題点があった。
これに対して遊技機A1によれば、特定条件の成立前後で特定の遊技状態の有利度合いを可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2の有利度合いに設定されている前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定されている前記特定の遊技状態よりも、少なくとも所定の特典が付与され易くなる構成であることを特徴とする遊技機。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、特定条件が成立すると所定の特典が付与され易くなるので、特定条件が成立することを強く期待して特定の遊技状態における遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を備え、前記特定条件は、前記特典遊技の実行とは少なくとも異なる条件であることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、特典遊技を介さずに特定の遊技状態の有利度合いを可変させることができる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A3において、前記特定条件は、前記特定の遊技状態が設定された後で、予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、特定の遊技状態が設定された場合に、外れ判別結果が連続することを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A3又はA4において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態と、前記特定の遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能であり、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となって前記特典遊技が実行された場合に、前記遊技状態設定手段によって前記特定の遊技状態が設定され易い構成であることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、特定条件が成立して第2の有利度合いに設定されることにより、特典遊技が実行された場合に有利度合いが高い特定の遊技状態が設定される可能性が高くなるため、特定条件が成立した後で特定の判別結果となることを強く期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機A5において、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示において動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間において予め定められた停止条件が成立したことに基づいて、実行中の前記識別情報の動的表示に対応する前記判別手段の判別結果によらず、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果を示すための前記識別情報を強制停止させる強制停止手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されたことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成され、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態は、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記第1遊技状態が設定される前記特典遊技に対応する前記識別情報の動的表示期間において前記停止条件が成立し易くなる構成であることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第2の有利度合いに設定された特定の遊技状態では、有利度合いが低い第1遊技状態が設定される前記特典遊技に対応する識別情報の動的表示の実行中に停止条件が成立し易くなることで、特定の判別結果を示すための識別情報の動的表示を外れ判別結果を示すための識別情報の動的表示に変更することができ、第1遊技状態が設定される可能性を低くすることができるので、相対的に、第1の有利度合いに設定された特定の遊技状態よりも、有利度合いが高い特定の遊技状態が設定される特典遊技の実行割合を高くすることができる。よって、特定条件が成立することをより強く期待させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A6において、前記動的表示期間決定手段は、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態の方が、前記第1の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態よりも、前記第1遊技状態が設定される前記特典遊技に対応する前記特定の判別結果を示すための前記識別情報の動的表示における動的表示期間として長い動的表示期間を決定する割合が高く構成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、第2の有利度合いに設定された特定の遊技状態において、第1遊技状態が設定される特典遊技に対応する特定の判別結果を示すための識別情報の動的表示における動的表示期間を長くしておくことにより、動的表示期間が終了する前に停止条件が成立する可能性を高くすることができるので、第1遊技状態を設定され難く構成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態において予め定められた第2特定条件が成立したことに基づいて、当該特定の遊技状態の有利度合いを前記第1の有利度合いに設定する第2設定手段を備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかが奏する効果に加え、第2の有利度合いに設定された特定の遊技状態において第2特定条件が成立した場合に再度第1の有利度合いに戻すことができるので、特定の遊技状態における遊技性をより多様化することができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記第2の有利度合いに設定された前記特定の遊技状態において予め定められた第3特定条件が成立したことに基づいて、当該特定の遊技状態の有利度合いを、前記第1の有利度合いとも第2の有利度合いとも異なる第3の有利度合いに設定する第3設定手段を備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、特定の遊技状態における有利度合いを3段階に可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(特図抽選が実行されてから次の特図抽選が可能となるまでの期間が短くなり易い状態よりも、長くなり易い状態の方が、有利度合いが高くなる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報を動的表示させる動的表示手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態よりも前記判別手段による1の判別が実行されてから新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易い第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記第1状態よりも、前記第2状態の方が、有利度合いが高くなり易い構成であることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、当たり遊技の終了後に、遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態を設定することで遊技者の遊技に対する興趣向上を図っているものも存在する(例えば、特許文献1:特開2001-038007号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、抽選が実行される毎に、抽選結果を示すための図柄の変動表示を実行するものも広く一般的に知られている。また、係る従来型の遊技機では、遊技状態毎に変動表示の変動時間を異ならせることで、遊技にメリハリをつける制御を採用しているものも知られている。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、有利度合いが低い遊技状態ほど長い変動時間が設定されるため、変動時間が長くなることで遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうという問題点がある。
これに対して遊技機B1では、1の判別が実行されてから新たな判別が実行可能となるまでの期間が長い第2状態の方が、期間が短い第1状態よりも有利度合いが高くなり易くなる斬新な制御を採用しているので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機B1において、前記第2状態は、前記判別手段の判別結果が少なくとも第1の判別結果となった場合に、前記第1状態よりも前記新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易くなる状態であることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1の判別結果となった場合に、第1状態よりも第2状態の方が新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易くなるので、第2状態において、第1の判別結果とならないことを期待させることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第1状態は、前記第1の判別結果となる前と、前記第1の判別結果となった後で新たな判別が実行可能となった時点とで、異なる遊技状態となり易い状態であり、前記第2状態は、前記第1の判別結果となる前と、前記第1の判別結果となった後で新たな判別が実行可能となった時点とで、遊技状態が同一となり易い状態であることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2が奏する効果に加え、第2状態では、第1の判別結果になっても遊技状態が維持され易くなる一方で、第1状態では、第1の判別結果となることで遊技状態が変更され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B2又はB3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも有利度合いが低い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、前記第2特典遊技の終了後の遊技状態として、少なくとも前記第2状態よりも有利度合いが低い特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の判別結果は、前記特定の判別結果のうち、前記種別決定手段によって前記第2特典遊技が決定される判別結果であることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、有利度合いが低い第2特典遊技に対応する判別結果となった場合に、第2状態の方が新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B4において、少なくとも前記第1の判別結果となってから前記第2特典遊技が実行されるまでの間に成立し得る予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記第2特典遊技の実行を抑制可能な構成であることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第2状態の方が、第1の判別結果となった場合に、新たな判別が実行可能となるまでの期間が長くなり易いので、有利度合いが低い第2特典遊技が実行されるよりも前に特定条件を成立して第2特典遊技の実行が抑制される可能性を高くすることができる。よって、第1状態よりも第2状態の方が、第2特典遊技が実行され難くなる分、相対的に有利度合いが高い第1特典遊技が実行され易くなるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記第1状態は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となった場合に、前記第2特典遊技が実行されるまでの期間として予め定められた第1期間が設定される状態であり、前記第2状態は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となった場合に、前記第2特典遊技が実行されるまでの期間として前記第1期間よりも長い第2期間が設定される状態であり、前記特定条件は、前記判別手段の判別が実行された後の経過期間が前記第1期間よりも長く、前記第2期間よりも短い特定期間となった時点で成立し易い条件で構成されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1状態で第1の判別結果となった場合は特定条件が成立するよりも前に第2特典遊技が実行される一方で、第2状態で第1の判別結果となった場合は第2特典遊技が実行されるよりも前に特定条件が成立して第2特典遊技の実行が抑制されるため、第2状態では、実質的に、第2特典遊技が実行され得ない極めて有利な状態を形成することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記判別手段は、第1の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件が成立したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、で少なくとも構成されており、前記第1判別手段の判別が実行されてから前記第1判別手段の判別結果が示されるまでの間に前記第2判別手段の判別結果が示されたことに基づいて、前記第1判別手段の判別結果によらず、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果が前記第1判別手段の判別結果として示される構成であり、前記第2判別手段の判別が実行されてから前記第2判別手段の判別結果が示されるまでの期間は、前記特定期間に設定される構成であることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、第2状態においては、第1判別手段の判別で第1の判別結果になったとしても、第2判別手段の判別が実行されていれば、特定期間の経過時に、第1判別手段の判別結果として第1の判別結果でなく外れ判別結果が示されるので、有利度合いが低い第2特典遊技を実行させずに有利な第2状態を継続させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B7において、第1の取得条件が成立したことに基づいて、前記第1判別手段の判別に用いる第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、前記第1の取得条件とは異なる第2の取得条件が成立したことに基づいて、前記第2判別手段の判別に用いる第2判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、を備え、少なくとも前記第2状態は、前記第1取得条件と前記第2取得条件との両方を成立させることが可能な状態であることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第2状態において第1の判別結果となった場合に、第2の判別条件が成立せずに第2特典遊技が実行されてしまうことを抑制することができるので、第2状態においてより確実に、有利度合いが低い第2特典遊技の実行を抑制することができるという効果がある。
遊技機B4からB8のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第1特典遊技の終了後の遊技状態として前記特定遊技状態よりも有利度合いが高い第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態は、予め定められた第1条件が成立している間、前記第1状態に設定され、前記第1条件とは異なる第2条件が成立している間、前記第2状態に設定される遊技状態であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B4からB8のいずれかが奏する効果に加え、第1状態も第2状態も有利度合いが高い第1遊技状態を構成する状態であるものの、第2状態に設定されている方が、有利度合いが高くなるという斬新な遊戯し絵を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B9において、前記第1遊技状態は、前記特典遊技が実行されるまで継続可能な遊技状態であることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、有利度合いが高い第1遊技状態が次の特典遊技の実行まで継続するので、第1遊技状態が設定された場合に、遊技者に対して大きな安心感を抱かせることができるという効果がある。
<特徴C群>(同一の遊技状態において、第1の演出態様と、その第1の演出態様よりも高い有利度合いを示唆する第2の演出態様と、を実行可能)
所定の設定条件の成立に基づいて特定の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、予め定められた第1の実行条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態における演出として第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて、前記特定の遊技状態における演出として、前記第1演出によって示唆される有利度合いよりも高い有利度合いを遊技者に示唆可能な第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられていると共に、それぞれの遊技状態に対応する有利度合いを遊技者に対して示唆可能な演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、同一の遊技状態が継続する限り、有利度合いが変更されないことにより演出態様を変更することもできないため、同一の遊技状態が長く継続するほど、演出態様が単調になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機C1では、特定の遊技状態において第1演出が実行された場合と、第2演出が実行された場合とで、異なる有利度合いを遊技者に対して示唆することができるので、同一の遊技状態であるにもかかわらず、あたかも異なる遊技状態であるかのように遊技者に対して認識させることができ、演出態様が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、より好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機C1において、1の前記特定の遊技状態において、前記第1演出と前記第2演出とのうち一方を実行した後で、他方を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、1の特定の遊技状態が継続している間に遊技者に対して異なる有利度合いを示唆することができるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記特定の遊技状態を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能であり、前記特定の遊技状態において前記第1演出と前記第2演出とのうち一方を実行した後で、前記特典遊技の実行を介さずに他方を実行可能な構成であることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、特典遊技が実行されていないにもかかわらず、有利度合いが変化したかのような演出を実行することができるので、特定の遊技状態が継続している間における遊技が単調となってしまうことをより確実に抑制することができるという効果がある。
遊技機C3において、前記第2の実行条件は、前記特定の遊技状態が設定された後で、予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、特定の遊技状態において特定回数の判別を実行することにより、高い有利度合いを示唆する第2演出が実行されるので、特定の遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C4において、前記特定の遊技状態が設定されたことに基づいて第1状態を設定し、前記特定の遊技状態が設定された後で前記特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に、前記特定の遊技状態を維持したまま前記第1状態よりも有利度合いが高くなる第2状態を設定することが可能な状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、特定の遊技状態において特定回数の判別に渡って特定の判別結果にならないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機C5において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる種別の前記特典遊技であって、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記特定の遊技状態が設定される第2特典遊技を、を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段を備え、前記第1特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態は、前記特定回数として予め定められた第1回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記外れ判別結果となった場合に前記状態設定手段によって前記第2状態が設定される構成であり、前記第2特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態は、前記特定回数として前記第1回数よりも多い第2回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記外れ判別結果となった場合に前記状態設定手段によって前記第2状態が設定される構成であることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、第2状態が設定されるタイミングを特典遊技の種別に応じて異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機C6において、前記特典遊技の実行中における演出態様として、少なくとも前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とを遊技者が区別困難となる演出態様を設定する演出態様設定手段を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第1特典遊技であるか第2特典遊技であるかを区別し難くすることができるので、第2特典遊技が終了した後においても、外れ判別結果の連続回数が第1回数に近づくにつれて第2状態を期待させることができるという効果がある。
遊技機C6又はC7において、前記特定の遊技状態が設定された後で前記第1回数の判別が実行されたことに基づいて、前記第2状態に設定される可能性を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備え、前記示唆演出は、前記第1特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態において、前記第2状態に設定されないことを示唆する第1演出態様に設定され、前記第1特典遊技の実行が終了した後の前記特定の遊技状態において、前記第1回数目の判別結果に応じて、前記第1演出態様と、前記第2状態に設定されることを示唆する第2演出態様と、のどちらかに設定される構成であることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C6又はC7の奏する効果に加え、特定の遊技状態に設定されてから第1回数目の判別が実行された場合に、示唆演出を実行することができるので、第2状態に設定されるか否かを遊技者に対して分かり易く報知することができるという効果がある。
<特徴D群>(大当たり後に特定の遊技状態が設定される抽選結果となった場合に、所定のカウンタ値が更新される場合と、再セットされる場合とがある)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利度合いが高い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、遊技の制御に用いる特定のカウンタのカウンタ値に所定の初期値を設定する初期値設定制御を実行可能な第1制御手段と、前記特定のカウンタのカウンタ値を所定の更新規則に従って更新する更新制御を実行可能な第2制御手段と、を備え、前記第1遊技状態において、前記遊技状態設定手段によって前記第2遊技状態が設定され得る特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記第1制御手段によって前記初期値設定制御が実行され得る構成であり、前記第2遊技状態において前記特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記第1制御手段によって初期値設定制御が実行される第1の状況と、前記第2制御手段によって前記更新制御が実行される第2の状況と、のどちらかが成立し得る構成であることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、所定契機で所定のカウンタ(例えば、時短回数をカウントするカウンタ)に対して所定の初期値を設定し、カウンタ値が特定値となるまで更新処理を行うものが存在する(例えば、特許文献1:特開2012-217766号公報)。
しかしながら、より好適なカウンタ値の更新方法が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、カウンタ値が特定値となることで遊技者にとって不利となる遊技機が知られている。より具体的には、遊技者に有利な第1遊技状態と当たりとが繰り返される毎に、所定のカウンタの更新処理が実行され、カウンタ値が特定値となった場合に、当たり遊技の終了後の遊技状態を強制的に有利度合いが比較的低い第2遊技状態に設定する遊技機が知られているが、係る従来型の遊技機においては、特定値に更新されるまでの更新回数が固定であり、有利な第1遊技状態の連続回数の上限も固定化されるため、特定値に更新される(即ち、遊技者にとって不利となる)タイミングを比較的容易に遊技者が把握可能であり、遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機D1によれば、有利な第2遊技状態において特定特典遊技が実行された場合に、必ずしも所定の更新規則に従った更新制御が実行されるわけではなく、初期値にリセットされる場合を設けることができるため、特定のカウンタのカウンタ値を遊技者に予測し難くすることができる。よって、カウンタ値をより好適に更新することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記特定のカウンタのカウンタ値が予め定められた特定値に更新され、所定の判別タイミングになったことに基づいて予め定められた特定制御を実行する第3制御手段を備えることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、所定の判別タイミングとなった場合に、特定制御が実行されるのか否かを遊技者に対して予測し難く構成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D2において、前記特定制御は、前記第1遊技状態を設定する制御であることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、所定の判別タイミングとなった場合に有利度合いが低い第1遊技状態に設定されるか否かを分かり難くすることができるので、第1遊技状態に設定される可能性が高い更新回数だったとしても、有利な第2遊技状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記特定特典遊技として、第1特定特典遊技と、第2特定特典遊技と、が少なくとも設けられており、前記第1制御手段は、前記第2遊技状態において前記第1特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記初期値設定制御を実行し、前記第2制御手段は、前記第2遊技状態において前記第2特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記更新制御を実行することを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、同じように第2遊技状態が設定され得る特定特典遊技でも、第1特定特典遊技であるか、第2特定特典遊技であるかによって特定のカウンタのカウンタ値が異なる値に更新され得るので、特定のカウンタのカウンタ値を遊技者に対して予測し難く構成することができるという効果がある。
遊技機D4において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段を備え、前記特典遊技の実行条件は、前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となった場合に成立する条件であり、前記特典遊技実行手段は、前記特定の判別結果となることで前記特典遊技の実行条件が成立した後で予め定められた特定の設定条件が成立した場合に前記特典遊技の実行を設定可能であり、前記第1制御手段は、前記特典遊技の実行が設定された時点の遊技状態が前記第1遊技状態である場合に前記初期値設定制御を実行可能であり、前記第2制御手段は、前記特典遊技の実行が設定された時点の遊技状態が前記第2遊技状態である場合に前記更新制御を実行可能であり、前記第2遊技状態において前記第1特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、前記特定の設定条件が成立するよりも前に前記第1遊技状態に変更可能であることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、第2遊技状態において第1特定特典遊技の実行条件が成立した場合には、特典遊技の実行を設定するよりも前に第1遊技状態に変更しておくことで、確実に、第1制御手段による初期値設定制御を実行させることができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第2遊技状態において前記第2特定特典遊技の実行条件が成立した場合に、少なくとも前記特定の設定条件が成立するまで前記第2遊技状態を維持可能であることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、第2遊技状態において第2特定特典遊技の実行条件が成立した場合には、特典遊技の実行を設定するまで第2遊技状態を維持することで、確実に、第2制御手段による更新制御を実行させることができるという効果がある。
遊技機D4からD6のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において前記第1特定特典遊技の実行条件が成立して前記初期値設定制御が実行された場合に、所定タイミングで、前記初期値設定制御が実行されたことを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D4からD6のいずれかが奏する効果に加え、示唆演出により初期値設定制御が実行されたことを遊技者に対して示唆することができるので、所定タイミングで実行される演出に遊技者を注目させることができるという効果がある。
<特徴E群>(特定期間を超える有利状態が設定された場合に、特定期間を超えることが決定されたタイミングよりも後の所定タイミングで特定期間を超えて有利状態が継続することを示唆可能な演出を実行)
所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定期間に渡って遊技者に有利な特定制御が設定される特定状態を設定する特定状態設定手段と、前記特定制御が前記特定期間を超えて継続することが決定された場合に、前記決定されたタイミングとは少なくとも異なる所定タイミングで、前記特定制御が前記特定期間を超えて継続することを遊技者に対して示唆可能な特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられていると共に、特定の遊技状態において当たり遊技の実行が設定されたという状況の連続回数に上限値を設定されているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、見た目上、特定の遊技状態において当たり遊技の実行が設定されたという状況が上限値を超えて継続したかのような動作となる場合があり、演出態様を好適に設定することが困難となってしまう場合がある。
これに対して遊技機E1では、所定タイミングで特定演出を実行することができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機E1において、前記特定状態が設定されたことに基づいて、前記特定期間が終了するまでに渡る第1演出を実行可能な第1演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定状態が設定されてから特定期間が経過するまでの間、共通の演出を実行することができるので、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機E2において、前記特定演出実行手段は、前記特定制御が前記特定期間を超えて継続することが決定された場合に、前記特定期間の終了条件が成立してから前記特定期間が実際に終了されるまでの間の期間において前記特定演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、特定制御が特定期間を超えて継続することが決定されていたとしても、特定期間の終了条件が成立するまで特定演出による示唆が行われないので、特定期間の終盤まで、特定制御が特定期間を超えることに対する期待感を遊技者に対して持続的に抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記特定期間を超えて前記特定制御が継続した後において、前記特定制御が終了されるか否かを示唆可能な第1演出を所定契機で実行する第1演出実行手段を備え、前記特定制御は、第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件と、の両方が成立したことに基づいて終了される構成であり、前記第1演出実行手段は、前記所定契機として、前記第1条件が成立したことに基づいて前記第1演出を実行可能であることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、第1条件が成立する毎に、第1演出によって特定制御が継続するか否かを遊技者に対して示唆することができるので、遊技者に対して定期的にドキドキ感を抱かせることができ、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E4において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第1条件は、前記特定制御が設定されている間に前記特典遊技が実行された場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、特定期間を超えて特定制御が永続した後は、特典遊技が実行される毎に第1演出によって特定制御が継続するか否かを示唆することができるので、特典遊技の実行中における遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E5において、前記特定状態設定手段は、前記特定状態として、予め定められた特定回数の前記特典遊技が実行されるまで、前記特典遊技の終了後の遊技状態として遊技者に有利な特定遊技状態が設定される状態を設定可能であることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5が奏する効果に加え、特定状態が設定されると、特定回数の特典遊技の実行が終了するまで、有利な特定遊技状態と特典遊技とが繰り返され易くなるので、特定状態が設定された場合に、遊技者に対して大きな満足感や喜びを抱かせることができるという効果がある。
遊技機E6において、前記特定状態が設定されたことに基づいて、前記特典遊技の実行回数に応じたカウンタ値が設定される特定のカウンタに対して特定回数に対応する特定の初期値を設定する初期値設定手段と、前記特定状態が設定された後で前記特典遊技が実行されたことに基づいて、前記特定のカウンタのカウンタ値を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、特定のカウンタを用いて特定状態の継続期間を正確に判別することができるという効果がある。
遊技機E7において、前記特定状態において予め定められた初期化条件が成立したことに基づいて、前記特定のカウンタに対して前記特定の初期値を設定する第2初期値設定手段を備えることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、特定の初期値が設定された場合、そこから更に特定回数分の特典遊技が実行されるまで特典遊技と特定遊技状態とが繰り返される有利な状況となるため、特定状態において、遊技者に対して初期化条件が成立することを強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴F群>(特定契機で第1演出と第2演出とが開始される場合があり、第1演出の演出期間が先に終了されるよりも第2演出の演出期間が先に終了された方が有利度合いが高くなる)
第1の実行条件の成立に基づいて第1演出を実行可能な第1演出実行手段と、第2の実行条件の成立に基づいて前記第1演出とは異なる第2演出を実行可能な第2演出実行手段と、を備え、前記第1演出と前記第2演出とが重複して実行された場合に、前記第1演出の演出期間が先に経過するよりも、前記第2演出の演出期間が先に経過した方が、遊技者に有利となり易い構成であることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、予め定められた図柄が停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003-325886号公報)。
しかしながら、より好適な演出態様を実現することが求められていた。
これに対して遊技機F1では、第1演出と第2演出とが重複して実行された場合に、第1演出の演出期間が先に終了するか、第2演出の演出期間が先に終了するかによって、遊技者の有利度合いが変わる斬新な演出動作を実現することができるので、好適な演出態様を実現することができるという効果がある。
遊技機F1において、予め定められた特定条件が成立したことを契機として、前記第1の実行条件と前記第2の実行条件との両方が成立し得る構成であることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、特定条件が成立した場合に、第1演出と第2演出とが共に実行されるので、特定条件が成立する毎に、どちらの演出期間が早く経過するのかに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機F1又はF2において、前記第1演出と前記第2演出とが重複して実行された場合に、一方の演出の演出期間が経過したことに基づいて他方の演出が終了される構成であることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、一方の演出期間が経過して遊技者に有利となり易いか否かが判明した後において、他方の演出が長く継続してしまい、遊技者に退屈感を抱かせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F3において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも有利度合いが高い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数のうち1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1演出は、前記第1特典遊技が実行されることを示唆する演出であることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、第1演出によって有利度合いが低い第1特典遊技が実行されることが示唆されるため、第1演出により第1特典遊技の実行が示唆されるよりも前に第2演出の演出期間が先に経過して第1演出が終了されることを期待させることができる斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機F4において、前記第1特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第2特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記特定条件は、前記第2遊技状態において少なくとも成立する条件であり、前記第2演出は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる判別結果となったことを示唆する演出であることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1演出で第1特典遊技の実行が示唆されるよりも、第2演出で特典遊技が実行されないことが示唆される演出が実行されることを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。