JP2022025338A - ティーチングシステム - Google Patents

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勝美 柏本
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Abstract

【課題】簡素な構成でありながら、ワークの供給位置情報を容易に教示し得るティーチングシステムを提供する。【解決手段】本実施形態のティーチングシステムでは、ロボット20の制御装置は、レーザ照射装置30から出射されるレーザ光面La~Lcに対して、ロボット20のハンド24に把持されるレーザ検出装置50がレーザ光を検出し得るようにハンド24を移動させる。レーザ検出装置50からレーザ光の検出情報が入力される制御装置は、当該検出情報が入力されたときのレーザ検出装置50の位置情報をレーザ光面La~Lcのそれぞれについて取得してレーザ光面La~Lcにおけるそれぞれの位置情報に基づいて、レーザ光面La~Lcまたはレーザ光面La~Lcを拡張したそれぞれの仮想面が1点(交点Po)で交差する交点位置情報を求める。そして、この交点位置情報に基づいて供給位置情報を算出して教示する。【選択図】図8

Description

本発明は、ロボットがワークを加工機に供給する工程の前準備においてワーク供給位置に関する供給位置情報をロボットに教示するティーチングシステムに関するものである。
ワークとの位置関係をロボットに教示させる技術として、例えば、下記特許文献1に「ワークとの相関位置決め方法」が開示されている。この技術では、測定対象点ごとに、カメラ画像から測定対象点の位置とカメラ補正計測位置を測定し、さらにレーザ変位計で測定対象点の奥行位置を計測して基準奥行位置からの位置ずれを検出し、すべての測定対象点について得られた3次元の位置ずれの分だけ当該ワークに対する教示位置データを補正する。これにより、カメラのレンズ歪み等による位置ずれや、測定対象点の基準奥行位置からの位置ずれ等による誤差を解消している。
特開2014-149182号公報
しかしながら、この先行技術では、ロボットに教示させるワークの位置をカメラにより撮像しその画像データを画像処理等により解析することを前提にしている。つまり、ワークを撮像するカメラの存在が必須である。そのため、レーザ変位計のほかにカメラが必要になることから、廉価なカメラと言えども設備コストの増大を招く。また、センサとしてレーザ変位計だけを用いる場合に比べてシステム構成も複雑になり易い。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、簡素な構成でありながら、ワークの供給位置情報を容易に教示し得るティーチングシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項1の技術的手段を採用する。この手段によると、本ティーチングシステムの発明では、少なくとも3つのレーザ光面を形成可能なレーザ光を異なる三方向に照射するレーザ照射装置が加工機のワーク供給位置または当該位置付近に設けられ、このレーザ照射装置から照射されたレーザ光を検出した場合に検出情報を出力するレーザ検出装置がエンドエフェクタに保持されて、このレーザ検出装置から出力された検出情報が演算装置に入力される。そして、3つのレーザ光面に対してレーザ検出装置がレーザ光をそれぞれ検出し得るようにエンドエフェクタが移動した場合、演算装置は、検出情報が入力されたときにおけるレーザ検出装置またはエンドエフェクタの所定部位の位置情報を3つのレーザ光面のそれぞれについて取得し、3つのレーザ光面におけるそれぞれの位置情報に基づいて、3つのレーザ光面または3つのレーザ光面を拡張したそれぞれの仮想面が1点で交差する交点位置情報を求め、この交点位置情報に基づいて供給位置情報を算出してロボットに教示する。これにより、加工機のワーク供給位置または当該位置付近に設けられるレーザ照射装置と、ロボットのエンドエフェクタに保持されるレーザ検出装置と、このレーザ検出装置の検出情報が入力される演算装置と、という簡素な構成でワーク供給位置に関する供給位置情報をロボットに教示することが可能になる。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項2の技術的手段を採用する。この手段によると、本ティーチングシステムの発明では、少なくとも3つのレーザ光面を形成可能なレーザ光を異なる三方向に照射するレーザ照射装置が加工機のワーク供給位置または当該位置付近に設けられ、このレーザ照射装置から照射されたレーザ光を検出した場合に検出情報と検出した時のタイミング情報を出力するレーザ検出装置がエンドエフェクタに保持されて、このレーザ検出装置から出力された検出情報およびタイミング情報が演算装置に入力される。そして、3つのレーザ光面に対してレーザ検出装置がレーザ光をそれぞれ検出し得るようにエンドエフェクタが移動した場合、演算装置は、タイミング情報に基づいて、検出情報が検出された時におけるレーザ検出装置またはエンドエフェクタの所定部位の位置情報を3つのレーザ光面のそれぞれについて取得し、3つのレーザ光面におけるそれぞれの位置情報に基づいて、3つのレーザ光面または3つのレーザ光面を拡張したそれぞれの仮想面が1点で交差する交点位置情報を求め、この交点位置情報に基づいて供給位置情報を算出してロボットに教示する。これにより、3つのレーザ光面のそれぞれについて取得されるレーザ検出装置またはエンドエフェクタの所定部位の位置情報の精度が高まることから、これらの基づいて得られる交点位置情報や供給位置情報の精度も向上する。そのため、加工機のワーク供給位置または当該位置付近に設けられるレーザ照射装置と、ロボットのエンドエフェクタに保持されるレーザ検出装置と、このレーザ検出装置の検出情報が入力される演算装置と、という簡素な構成でワーク供給位置に関する高精度な供給位置情報をロボットに教示することが可能になる。
また、特許請求の範囲に記載された請求項3の技術的手段を採用する。この手段によると、3つのレーザ光面または3つの仮想面は互いに直交する。これにより、3つのレーザ光面または3つの仮想面は互いに鋭角に交わる場合に比べて、例えば、レーザ検出装置またはエンドエフェクタの所定部位の位置情報が三次元座標情報で表される場合には、取得された三次元座標情報を組み合わせるだけで、3つのレーザ光面または3つの仮想面が1点で交差する交点位置情報を容易に求めることが可能になる。したがって、交点位置情報を求める情報処理のアルゴリズムを簡素に構成することができる。
また、特許請求の範囲に記載された請求項4の技術的手段を採用する。この手段によると、3つのレーザ光面または3つの仮想面は、互いに鋭角に交わる。これにより、3つのレーザ光面または3つの仮想面は互いに直交する場合に比べてエンドエフェクタが移動しなければならない範囲を狭く設定することが可能になるので、3つのレーザ光面におけるそれぞれの位置情報を短時間に取得することができる。したがって、ワーク供給位置に関する供給位置情報の教示時間を短縮することができる。
また、特許請求の範囲に記載された請求項5の技術的手段を採用する。この手段によると、演算装置は、エンドエフェクタを制御するロボットの制御装置である。これにより、ロボットの制御装置と別体に演算装置を設ける必要がないので、さらにシステムを簡素に構成することが可能になる。また、設備コストも低減することが可能になる。
本発明によると、レーザ照射装置、レーザ検出装置および演算装置という簡素な構成でワーク供給位置に関する供給位置情報や高精度な供給位置情報をロボットに教示することが可能になる。したがって、簡素な構成でありながら、ワークの供給位置情報を容易に教示することができる。
本発明の一実施形態に係るティーチングシステム、このシステムが適用されるロボットや、このロボットがワークを供給する工作機械の構成例を示す説明図である。 図2(A)は、図1に示す工作機械にロボットがワークを供給する工程を説明するための模式図であり、図2(B)は、図2(A)の工程の前準備におけるロボットのティーチングを説明するための模式図である。 本実施形態のティーチングシステムを構成するレーザ照射装置を工作機械に装着した例を示す説明図である。 図4(A)は、レーザ照射装置の機械的な構成例を示す説明図であり、図4(B)は、この装置の電気的な構成例を示すブロック図である。 図5(A)は、レーザ検出装置の機械的な構成例を示す説明図であり、図5(B)は、この装置の電気的な構成例を示すブロック図である。 ロボットの制御装置により実行されるティーチング制御処理の流れを表したフローチャートである。 図6に示す第1走査処理、第2走査処理および第3走査処理の流れを表したフローチャートである。 ロボットのハンドとレーザ光面との位置関係を表す説明図である。 レーザ光面を直交させた場合におけるレーザ光面、それを拡張した仮想面や交点を表した説明図である。 レーザ光面を直交させない場合におけるレーザ光面、それを拡張した仮想面、交点やロボットを表した説明図である。 図10において、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向から見た説明図である(図11(A)はX軸方向、図11(B)はY軸方向、図11(C)はZ軸方向)。 図6に示す第1走査処理、第2走査処理および第3走査処理の流れを表したフローチャートであり、レーザ光面を直交させない場合に使用されるものである。
以下、本発明のティーチングシステムの実施形態について図を参照して説明する。まず、図1および図2に基づいて、本実施形態のティーチングシステムが適用されるロボット20や、ロボット20がワークWを供給する工作機械10の構成を説明する。説明の便宜上、工作機械10から説明する。
<工作機械10>
図1に示すように、工作機械10は、所定形状や所定寸法にワークWを加工する装置であり、特許請求の範囲の記載の「加工機」に相当し得るものである。工作機械10は、例えば、旋盤やフライス盤等の切削加工機、研削盤や表面仕上盤等の研削加工機等であったり、これらを組み合わせたターニングセンタであったりする。また、工作機械10には、放電加工や超音波加工を行う特殊加工機、冷間鍛造を行う鍛造加工機等の各種の加工機が含まれる。本実施形態では、工作機械10として、旋盤を複合化させたターニングセンタの場合を例示して説明する。
工作機械10は、ターニングセンタ型のCNC旋盤であり、その全体が外装パネル11に覆われている。内部には、旋盤等を構成する機構部分や内装パネル12で区画形成される加工室SPが収容されている。なお、旋盤機構等を数値制御する制御装置やその制御盤は図示されていない。加工室SPは、ワークWに対し旋削加工等が行われる部屋であり、ワークWを回転させる主軸13、主軸13においてワークWを爪15で把持するチャック14、心押し台16やタレット型の刃物台17等が収容されている(図2参照)。
加工室SPは、その前面(手前)および上面(上方)の一部が扉18により開閉可能に構成されており、ワークWの加工中は扉18により閉じられる。扉18には、透明パネルの窓19が設けられているため、加工中のワークW等を外部から目視確認することができる。図1には、扉18が開けられた状態が表されており、加工室SPの前面には、ワークWが載置されたワークストッカ41や、ロボット20が据え付けられたロボット架台45が配置されている。なお、図示されていないが、実際にはワークストッカ41やロボット架台45の周囲に安全柵が設けられている。
<ロボット20>
ロボット20は、ワークストッカ41のワークWを工作機械10の加工室SPに搬入(供給)するとともに、旋削加工等が施された加工済みのワークWを加工室SPから搬出して別のワークストッカやトレイチェンジャ等に搬送する作業を自動的に行うものである。ロボット20は、例えば、垂直多関節ロボットである。ロボット20は、主に、複数のアーム21,22,23、ハンド(ロボットハンド)24、ベース25等により構成されており、ロボット架台45の天板部45aにベース25が固定されている。ロボット架台45内には、アーム21等やハンド24の関節部を駆動するサーボモータを制御可能な制御装置27が収容されている。
制御装置27は、通信機能付きのコンピュータであり、本実施形態では、無線ユニット28を備えている。無線ユニット28は、例えば、無線LANや、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応した無線データ通信装置であり、天板部45aに設けられたアンテナ29を介して外部とのデータ通信を可能にしている。なお、制御装置27は、無線ユニット28に代えて、有線LANやUSB等の有線データ通信が可能なユニット(装置)を備えていてもよい。
図2(A)に示すように、ワークWを工作機械10に供給する工程(供給工程)では、ロボット20は、ワークストッカ41に載置されたワークWをハンド24で掴んで工作機械10の加工室SPに搬入しチャック14の爪15に当該ワークWを把持させた後、加工室SPから退避して旋削加工等が完了するまで待機するように制御される。そして、当該加工が完了すると、ロボット20は、加工済みのワークWをハンド24で掴んで加工室SPから搬出し、元のワークストッカ41に戻したり別のワークストッカ等に搬送したりするように制御される。ワークWを工作機械10に供給したり工作機械10から取り出したりする工程においては、ロボット20はこのように制御装置27に制御されて動作する。
しかし、ワークWを工作機械10に供給する位置、即ちチャック14の爪15に把持させるのに適した位置をロボット20の制御装置27に設定するためにはワークWを供給する位置の情報(供給位置情報)をロボット20(制御装置27)に教示する必要がある。また、加工済みのワークWを加工室SPからハンド24が取り出すのに適した位置の情報が供給位置情報と異なる場合、その情報(取出し位置情報)も教示する必要がある。このような教示は、例えば、工作機械10による加工工程前の段取り作業において、作業員がロボット20のハンド24をワークWの供給位置や取出し位置に手動で移動させて行われるが、安全管理上、作業員の身体の一部が工作機械10の加工室SP内に入る機会がないか、機会があってもその時間は極力短い方が望ましい。
そこで、本実施形態では、本発明のティーチングシステムをロボット20に適用することにより、ワークWの供給工程の前準備における供給位置情報や取出し位置情報の教示を容易にロボット20(制御装置27)に行うことを可能にしている。具体的には、本実施形態のティーチングシステムでは、例えば、工作機械10による加工工程前の段取り作業において、作業員がワークWの代わりにレーザ照射装置30を爪15に把持させて工作機械10のチャック14に取り付ける。また、ロボット20のハンド24にはレーザ検出装置50を掴ませる。そして、後述のティーチング制御処理を制御装置27に実行させる。
本実施形態のティーチングシステムでは、このような簡素な構成や簡単な作業によりワークWの供給位置情報や取出し位置情報をロボット20に教示させることを可能にする。そのため、作業員がワークWの加工工程前に行う段取り作業の負担を大幅に軽減することができる。また、作業員の身体の一部が工作機械10の加工室SP内に入る時間を短時間に抑えることも可能になるため、段取り作業における安全性も高められる。
なお、制御装置27により制御されるロボット20のハンド24の先端位置は、例えば、ロボット20のベース25の据え付け位置の中心(以下「据付け中心」という)Roを原点にしてロボット20の周囲や加工室SP内の位置情報を三次元座標で表す三次元座標情報に基づいて制御される。
ここからは、本実施形態のティーチングシステムを構成するレーザ照射装置30およびレーザ検出装置50の構成等や、ロボット20の制御装置27が行うティーチング制御処理の流れ等について、図3~図9を参照しながら説明する。まず、レーザ照射装置30およびレーザ検出装置50の構成等を図3~図5に基づいて説明する。
<レーザ照射装置30>
図3および図4に示すように、レーザ照射装置30は、所定波長の可視光のレーザ光を異なる三方向(例えば互いに直交する三方向)に照射する機能を有するものであり、本実施形態では、工作機械10のチャック14に取り付けられて使用される。レーザ照射装置30が取り付けられる位置は、ワークWの供給位置や当該供給位置に近い位置(供給位置付近)である。そのため、レーザ照射装置30の外観は、例えば、樹脂製の中空立方体形状を有するケース31と、チャック14の爪15に把持させて工作機械10に取付可能にケース31から垂直に突出する丸棒形状(円柱形状)のポスト32と、により構成されている。
ケース31を構成する6つのパネルのうち、当該レーザ照射装置30がチャック14に取り付けられた状態(以下「取付状態」という)において主軸13の先端方向(X軸先端方向)に向く正面パネル31aには、2つのスリット31x,31yが形成されている。なお、図4(A)には、図3に示すレーザ照射装置30の取付状態における座標系が表されている。正面パネル31aに対向する背面パネル31bには前述のポスト32が突設されている。また、取付状態において、主軸13の径方向かつ加工室SPの前面方向(Y軸先端方向)に向く側面パネル31cには、スリット31zが形成されている。
このような取付状態において、スリット31xおよびスリット31zは、それぞれZ軸方向に延びる長孔であり、またスリット31yはY軸方向に延びる長孔である。これらのスリット31x,31y,31zからは、ケース31内のレーザ発光素子37a,37b,37cから発せられるレーザ光が外部に向けて出射される。ケース31内には、これらのレーザ発光素子37a,37b,37cやレンズ38a,38b,38cのほかに、レーザ発光素子37a等の発光を制御するコントローラ35およびドライバ36、またこれらに駆動電力を供給するバッテリ39等が収容されている。
図4(B)に示すように、レーザ発光素子37a~37cは、例えば、可視光半導体レーザダイオードであり、コントローラ35およびドライバ36により所定光量のレーザ光を射出し得るように制御されている。本実施形態では、レーザ発光素子37a~37cから射出されたレーザ光は、それぞれに対応するレンズ38a~38cにより所定角度(例えば、光軸を中心に±60°(120°))で扇状に拡がるラインレーザ光(線状のレーザ光)に変換されてスリット31x~31zから外部に出射される。これらのラインレーザ光は互いに直交するレーザ光面La,Lb,Lcを形成する。ラインレーザ光を出射することが可能であれば、レーザ発光素子37a~37cやレンズ38a~38cに代えて、他の光学的、電気的または機械的な構造を採用してもよい。
即ち、図3および図4(B)に示すように、ケース31内のレーザ発光素子37aから射出されたレーザ光は、レンズ38aによりZ軸方向の線状に拡がるラインレーザ光に変換された後、スリット31xからX軸方向に向けて外部に出射される。これにより、XZ平面において扇形状の面状に拡がるレーザ光面Laを形成することが可能になる。同様に、レーザ発光素子37bから射出されたレーザ光は、レンズ38bによりY軸方向の線状に拡がるラインレーザ光に変換された後、スリット31yからX軸方向に向けて外部に出射される。これにより、XY平面において扇形状の面状に拡がるレーザ光面Lbを形成することが可能になる。また同様に、レーザ発光素子37cから射出されたレーザ光は、レンズ38cによりZ軸方向の線状に拡がるラインレーザ光に変換された後、スリット31zからY軸方向に向けて外部に出射される。これにより、YZ平面において扇形状の面状に拡がるレーザ光面Lcを形成することが可能になる。
本実施形態では、前述したように、これらのレーザ光面La~Lcは、例えば、互いに直交する位置関係にある。そのため、レーザ光面La~Lcやこれらを拡張したそれぞれの仮想面(図9に示す符号La’~Lc’)のすべてが交差する位置は1点に定まる。この交点Poの位置は、予め定められた位置に固定することが可能である。交点Poの位置精度は、例えば、レーザ光面La~Lcを互いに高精度で直交(90°で交差)させることで高められる。
このため、本実施形態では、ケース31内におけるレーザ発光素子37a~37cやレンズ38a~38c等の光学系の組付け精度が厳密に管理されるとともに、ケース31と一体成形されるポスト32は、背面パネル31bの表面に対して高精度に垂直に立ち上がるように形成されている。そして、レーザ発光素子37a,37bから射出されるレーザ光の光軸が主軸13と平行に位置し、かつレーザ発光素子37cから射出されるレーザ光の光軸が主軸13と垂直に位置するように、チャック14にレーザ照射装置30が取り付けられる。
なお、レーザ発光素子37a~37c等の光学系を、機械式または電子式のジンバル機構を介在させてケース31内に組み付ける構成を採用してもよい。これにより、地平線に対してレーザ光面La~Lcを垂直や平行に自動的に維持することが可能になる。そのため、例えば、工作機械10およびロボット20が重力方向に対して垂直(地平線に平行)を保つように設置されている場合には、主軸13に対するレーザ発光素子37a~37cの光軸を容易かつ高精度に垂直や水平に位置させることが可能になる。
また、この交点Poの位置精度を高めるためには、交点Poの大きさが小さい方が望ましい。そのため、本実施形態では、レーザ照射装置30から出射されるレーザ光面La~Lcの厚さが薄くなるように、例えば、レーザ照射装置30から1m(メートル)離れた位置においてレーザ光面La~Lcが1mm(ミリメートル)以下になるように、レーザ発光素子37a~37cやレンズ38a~38c等の光学系が構成される。
<レーザ検出装置50>
図3および図5に示すように、レーザ検出装置50は、レーザ照射装置30から出射されたレーザ光を検出する機能を有するものであり、本実施形態では、ロボット20のハンド24に把持されて使用される。そのため、レーザ検出装置50は、その外観が薄箱形状を有する樹脂製の中空矩形状のケース51により構成されており、ロボット20のハンド24が掴み易い形状に形成されている。ケース51の一端側には、レーザ照射装置30から出射されたレーザ光が透光可能な透光部51aが形成されており、この透光部51a内には、レーザ受光素子54a,54bが収容されている。なお、図5(A)においては、図面表現上の便宜から透光部51aはグレーに着色されている。
図5(B)に示すように、ケース51内には、レーザ受光素子54a,54bのほかに、レーザ受光素子54a,54bがレーザ光を受光したか否かを判断したり、レーザ光を受光した場合には検出情報を外部に出力したりするコントローラ53や、このような検出情報を無線通信回線を介して外部に出力する無線ユニット55、またこれらに駆動電力を供給するバッテリ58や無線ユニット55の内蔵アンテナ56等が収容されている。
無線ユニット55は、ロボット20を制御する制御装置27の無線ユニット28と同様に、例えば、無線LANや、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応した無線データ通信装置であり、制御装置27の無線ユニット28と無線通信可能に構成されている。ロボット20の制御装置27が有線LANやUSB等の有線データ通信可能なユニット(装置)を備えている場合には、レーザ検出装置50は、当該無線ユニット55に代えて制御装置27と有線通信可能な有線データ通信装置を有する。
レーザ受光素子54a,54bは、例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタであり、レーザ照射装置30が出射する所定波長のレーザ光の受光を検出し得るように構成されている。典型的なフォトダイオードやフォトトランジスタは、プリント配線板等に実装されることから、受光可能な方向は当該部品のセンサ面が向く方向に限られセンサ面の反対方向から到来するレーザ光は受光することができない。
このため、本実施形態では、例えば、受光可能な方向がそれぞれ反対方向を向く2つのレーザ受光素子54a,54bを透光部51a内に設ける(図5(A)参照)。これにより、ケース51の厚さ方向のいずれの方向からレーザ光が透光部51aに入射しても当該レーザ光を検出することが可能になる。つまり、レーザ検出装置50は、ケース51の厚さ方向の両面でレーザ光を受光することができる。したがって、ロボット20は、ハンド24でレーザ検出装置50を掴む場合に当該レーザ検出装置50の表面や裏面を考慮することなく掴んでもレーザ光を検出することが可能になる。なお、表裏の判断が不要である場合やその判断を容易に行える場合には、所定方向にセンサ面を向けたレーザ受光素子を一つだけ設ける構成にしてもよい。
このように構成されるレーザ検出装置50がロボット20のハンド24に把持されて当該ハンド24が所定方向に移動するようにアーム21~23やハンド24が制御装置27により制御されることによって、レーザ照射装置30から出射されるレーザ光をレーザ受光素子54aまたはレーザ受光素子54bが受光(検出)した場合には、レーザ光の検出情報を無線ユニット55等を介してロボット20の制御装置27に送信する。これにより、アーム21~23やハンド24の移動を制御する制御装置27は、次に説明するティーチング制御処理における処理ステップのように、レーザ光を検出したレーザ検出装置50からその検出情報が入力されたときにおけるレーザ検出装置50の位置情報またはハンド24等の位置情報を得ることが可能になる。
なお、レーザ検出装置50のケース51には、ロボット20のハンド24に把持される位置を所定の位置に定め得る図略の位置決めマークが表示されている。これにより、例えば、ロボット20のハンド24にレーザ検出装置50を掴ませる際において、常にレーザ検出装置50の同じ位置を把持させることが可能になる。これにより、例えば、ハンド24に掴まれたレーザ検出装置50の透光部51aと、ロボットハンド24の先端部との位置関係を常に一定にすることが可能になる。なお、レーザ検出装置50は、作業員の操作によりロボット20に掴ませてもよいし、また所定の制御プログラムによる自動制御によりワークストッカ41から掴んでもよい。
次に、ロボット20の制御装置27が行うティーチング制御処理の流れ等を図1,図6~図9に基づいて説明する。このティーチング制御処理は、制御装置27の磁気ハードディスク装置やフラッシュメモリ装置等にインストールされているティーチング制御プログラムを制御装置27のマイクロプロセッサが実行することにより行われる。このプログラムの実行は、例えば、作業員が制御装置27の操作パネル(不図示)を操作することにより開始される。制御装置27は、これらのほかに主記憶メモリ装置(以下単に「メモリ」という)や入出力インタフェース装置等を備えている。
なお、ティーチング制御処理が行われる場合には、図1に示したように、工作機械10にはレーザ照射装置30が取り付けられており、ロボット20のハンド24にはレーザ検出装置50が把持されている。また、図8に示すように、工作機械10に取り付けられたレーザ照射装置30からはレーザ光が出射されて3つのレーザ光面La~Lcが形成されていることを前提にする。また、ロボット20のハンド24のことを「ロボットハンド24」を表現する場合がある。
図6に示すように、ティーチング制御処理では、まずステップS101により所定の初期化処理が行われる。この処理では、例えば、メモリの作業エリア等がクリアされたり、ロボットハンド24が予め定められた所定の初期位置に位置するようにアーム21等が制御されたりする。なお、当該ティーチング制御処理の開始時にロボットハンド24が既にこの初期位置に位置している場合には、この制御は行われない。
次のステップS103では開始位置設定処理が行われる。この処理では予め定められた所定の開始位置の三次元座標情報が設定される。これにより、ロボットハンド24の移動制御が開始されて所定の開始位置に向けてロボットハンド24が移動し始めるため、続くステップS105の判定処理によりロボットハンド24が開始位置に到達するまで待つ(S105;No)。そして、ロボットハンド24が開始位置に到達した場合には(S105;Yes)、次のステップS107に処理を移行して第1走査処理を行う。
ステップS107の第1走査処理では、レーザ検出装置50を把持しているロボットハンド24をレーザ照射装置30から出射されるレーザ光面Laの方向に移動(走査)させるとともに、レーザ検出装置50から検出情報が入力されたときのロボットハンド24等の位置情報を取得する処理等が行われる。これらの処理の流れは、サブルーチンとして図7に表されているので、ここからは図7も参照しながら説明する。
なお、図7には、処理の表題(始端)を「第n走査処理」と表記している。第2走査処理(S108)や第3走査処理(S109)も、後述するように第1走査処理(S107)とほぼ同様の処理の流れを有することから、これらの走査処理のいずれの説明時に使用できるように「第n」と記載している。したがって、ここでは「第n」を「第1」に読み替えて参照されたい。
図7に示すように、第1走査処理では、まずステップS201により走査情報読出し処理が行われる。この処理では、当該処理において行われるレーザ検出装置50による走査に関する情報(走査情報)が制御装置27のメモリに格納されているため、それを当該メモリから読み出す。
例えば、第1走査処理では、レーザ照射装置30から出射されるレーザ光面Laの方向にロボットハンド24を移動させてレーザ検出装置50でレーザ光を検出する。そのため、ロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50の透光部51aやセンサ面を向ける方向の情報(検出方向情報)やロボットハンド24を移動させる方向の情報(移動方向情報)等の走査情報をステップS201により読み出す。
次のステップS203では検出方向設定処理が行われる。即ち、走査情報読出し処理(S201)によりメモリから読み出した検出方向情報に基づいて、ロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50の透光部51aやレーザ受光素子54a等のセンサ面がレーザ光を受光し易い方向を向くようにロボットハンド24の角度や方向を設定する。ロボットハンド24の角度や方向として、読み出した検出方向情報がそのまま設定される場合や、読み出した検出方向情報とロボットハンド24の開始位置の三次元座標情報とに基づいて算出される場合がある。
続くステップS205では移動方向設定処理が行われる。ここでも走査情報読出し処理(S201)によりメモリから読み出した移動方向情報に基づいて設定される。第1走査処理では、レーザ光面Laの方向にロボットハンド24を移動させることから、ロボットハンド24を移動させる方向として、図8に示すY軸根元方向、即ち加工室SPの後面側(奥側)に向かう方向が設定される。これにより、続くステップS207による移動開始処理によってロボットハンド24が加工室SP内の後面方向に移動し始めるため、次のステップS209による受光情報取得処理が行われる。
この移動開始処理(S207)から後述の移動停止処理(S215)に至るまでの間に行われるステップS209,S211,S213の3ステップについては、ロボットハンド24が最小単位移動距離を移動する時間内に複数回実行可能な処理速度でこれらの情報処理が行われる。この最小単位移動距離は、ロボットハンド24の位置決め精度とほぼ同じであり、例えば、ロボット20では0.1mm以下(例えば、±0.05mm)に設定されている。
移動中のロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50がレーザ照射装置30から出射されるレーザ光を受光(検出)した場合には、当該レーザ検出装置50からレーザ光の検出情報が無線ユニット55等を介して制御装置27に直ちに送信される。そのため、制御装置27は、次のステップS209により無線ユニット28等を介してレーザ検出装置50から受光情報を取得するとともに、ステップS211により受光の有無を判定する。
そして、ステップS211による判定処理により、レーザ検出装置50から送出された検出情報を制御装置27が取得した場合、つまりレーザ光を受光した(受光あり)と判定した場合には(S211;Yes)、その取得した(検出情報が入力された)タイミングにおけるロボットハンド24等の位置情報(三次元座標情報)を次のステップS213の座標情報取得処理により取得する。
ロボットハンド24等の位置情報とは、例えば、ロボットハンド24の先端部や関節部(所定部位)の位置情報、当該ハンド24に掴まれているレーザ検出装置50の透光部51aの位置情報等である。レーザ検出装置50には所定の位置決めマークが表示されており、ロボットハンド24に掴まれているレーザ検出装置50の位置は常に同じである。そのため、例えば、ロボットハンド24の先端部とレーザ検出装置50の透光部51aとの位置関係は一定であることから、この位置関係を表すオフセット量が、所定の三次元オフセット値として予めメモリに記憶されている。
例えば、ロボットハンド24の先端部の位置情報は、据付け中心Roを原点(0,0,0)にした三次元座標情報であり、例えば、アーム21~23やロボットハンド24を駆動するサーボモータの制御情報や、アーム21等の各関節部に設けられるインクリメンタルエンコーダやアブソリュートエンコーダ等から得られる情報に基づいて取得される。そのため、ロボットハンド24の先端部の三次元座標情報と、前述の所定の三次元オフセット値(dx,dy,dz)とを加算することで、検出位置αの三次元座標情報(αxyz)が得られる。取得された検出位置αの三次元座標情報はメモリに記憶される。
これに対して、レーザ検出装置50から検出情報を制御装置27がまだ取得していないと判定した場合には(S211;No)、ロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50がまだレーザ光面Laに到達してないため、ステップS209に戻り、再度、受光情報取得処理を行ってレーザ検出装置50から検出情報の取得を試みる。つまり、レーザ検出装置50がレーザ光を受光するまでステップS209による受光情報取得処理が繰り返し行われてロボットハンド24が移動し続ける。
ステップS215ではロボットハンド24の移動停止処理が行われる。レーザ光面La~Lcには1mm以下の厚さがある一方で、ロボットハンド24の位置決め精度は0.1mm以下(例えば、±0.05mm)であることから、この処理により停止したロボットハンド24に把持されるレーザ検出装置50はレーザ光を受光し続け得る。そのため、続くステップS217により、ロボットハンド24の移動方向が先ほどとは反対側のY軸先端方向(加工室SPの前面側(手前側)に向かう方向)に設定される。これにより、ステップS219による移動開始処理によってロボットハンド24が加工室SP内の前面方向に移動し始める。
なお、この移動開始処理(S219)から後述の移動停止処理(S227)に至るまでの間に行われるステップS221,S223の2ステップについても、前述の移動開始処理(S207)から後述の移動停止処理(S215)に至るまでの間に行われるステップS209,S211,S213と同様に、ロボットハンド24が最小単位移動距離を移動する時間内に複数回実行可能な処理速度でこれらの情報処理が行われる。
ここでも移動中のロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50がレーザ照射装置30から出射されるレーザ光を受光(検出)した場合には、当該レーザ検出装置50からレーザ光の検出情報が無線ユニット55等を介して制御装置27に直ちに送信される。そのため、ステップS209と同様にステップS221では、制御装置27が無線ユニット28を介してレーザ検出装置50から受光情報を取得するとともに、ステップS223により受光の有無を判定する。
そして、ステップS223よる判定処理により、レーザ光を受光しない(受光なし)と判定した場合には(S223;Yes)、次のステップS227によりロボットハンド24の移動を停止させてその位置情報をステップS228により取得する。これに対して、移動中のロボットハンド24がまだレーザ光を受光している(受光あり)と判定した場合には(S223;No)、ステップS221に戻りレーザ検出装置50がレーザ光を受光しなくなるまでステップS221による受光情報取得処理が繰り返し行われてロボットハンド24が移動し続ける。
ステップS228の位置情報取得処理によりロボットハンド24の移動が停止した位置の三次元座標情報が取得されると、本第1走査処理を終了して図6のティーチング制御処理に戻り、次にステップS108による第2走査処理を行う。
ステップS108の第2走査処理では、ロボットハンド24をレーザ照射装置30から出射されるレーザ光面Lbの方向に移動(走査)させるとともに、レーザ検出装置50から検出情報が入力されたときのロボットハンド24等の位置情報を取得する処理等が行われる。これらの処理は、図7を参照しながら既に説明したステップS107の第1走査処理とほぼ同様に行われるが、ロボットハンド24の移動方向が異なる。そのため、ここでは第1走査処理(S107)との相違点を中心に説明する。なお、図7の「第n走査処理」は「第2走査処理」に読み替えて参照する。
図7に示すように、第2走査処理における検出方向設定処理(S203)では、ステップS201の走査情報読出し処理によりメモリから読み出した検出方向情報に基づいて、ロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50の透光部51aやレーザ受光素子54a等のセンサ面がレーザ光を受光し易い方向を向くようにロボットハンド24の角度や方向を設定する。このロボットハンド24の角度や方向は、先の位置情報取得処理(S228)により取得したロボットハンド24の現在の停止位置における三次元座標情報と読み出した検出方向情報とに基づいて算出される。
また、第2走査処理においては、移動方向設定処理(S205)では、ロボットハンド24の現在の停止位置からレーザ光面Lbの方向にロボットハンド24を移動させる必要があることから、図8に示すZ軸根元方向、即ち加工室SPの下面側(下側)に向かう方向が設定される。これにより、移動開始処理(S207)から移動停止処理(S215)までの各処理が行われることによって、レーザ検出装置50がレーザ光面Lbのレーザ光を検出すると、検出情報を制御装置27に出力する。
このため、この検出情報が制御装置27に取得された(検出情報が入力された)タイミングにおけるロボットハンド24等の位置情報(三次元座標情報)が座標情報取得処理(S213)により取得される。例えば、レーザ光面Lbの場合もレーザ光面Laと同様に、ロボットハンド24の先端部の三次元座標情報と、前述の所定の三次元オフセット値(dx,dy,dz)とが加算されることによって、検出位置βの三次元座標情報(βxyz)が得られメモリに記憶される。
さらに、第2走査処理においては、移動方向設定処理(S217)では、ロボットハンド24の移動方向が先ほどとは反対側のZ軸先端方向(加工室SPの上面側(上側)に向かう方向)に設定されて、移動開始処理(S219)から移動停止処理(S227)までの間、ロボットハンド24が加工室SP内の上面方向に移動する。そして、位置情報取得処理(S228)によりロボットハンド24の移動が停止した位置の三次元座標情報が取得されると本第2走査処理を終了して図6のティーチング制御処理に戻る。図6に示すティーチング制御処理に戻ると、今度は、ステップS109による第3走査処理が行われる。
ステップS109の第3走査処理では、ロボットハンド24をレーザ照射装置30から出射されるレーザ光面Lcの方向に移動(走査)させるとともに、レーザ検出装置50から検出情報が入力されたときのロボットハンド24等の位置情報を取得する処理等が行われる。これらの処理も、図7を参照しながら既に説明したステップS107の第1走査処理とほぼ同様に行われるが、ロボットハンド24の移動方向が異なる。そのため、ここでも第1走査処理(S107)との相違点を中心に説明する。なお、図7の「第n走査処理」は「第3走査処理」に読み替えて参照する。
図7に示すように、第3走査処理における検出方向設定処理(S203)では、ステップS201の走査情報読出し処理によりメモリから読み出した検出方向情報に基づいて、ロボットハンド24に把持されたレーザ検出装置50の透光部51aやレーザ受光素子54a等のセンサ面がレーザ光を受光し易い方向を向くようにロボットハンド24の角度や方向を設定する。このロボットハンド24の角度や方向は、先の位置情報取得処理(S228)により取得したロボットハンド24の現在の停止位置における三次元座標情報と読み出した検出方向情報とに基づいて算出される。
また、第3走査処理においては、移動方向設定処理(S205)では、ロボットハンド24の現在の停止位置からレーザ光面Lcの方向にロボットハンド24を移動させる必要があることから、図8に示すX軸根元方向、即ち加工室SPのチャック14側に向かう方向が設定される。これにより、移動開始処理(S207)から移動停止処理(S215)までの各処理が行われることによって、レーザ検出装置50がレーザ光面Lcのレーザ光を検出すると、検出情報を制御装置27に出力する。
このため、この検出情報が制御装置27に取得された(検出情報が入力された)タイミングにおけるロボットハンド24等の位置情報(三次元座標情報)が座標情報取得処理(S213)により取得される。例えば、レーザ光面Lcの場合もレーザ光面Laと同様に、ロボットハンド24の先端部の三次元座標情報と、前述の所定の三次元オフセット値(dx,dy,dz)とが加算されることによって、検出位置γの三次元座標情報(γxyz)が得られメモリに記憶される。
さらに、第3走査処理においては、移動方向設定処理(S217)では、ロボットハンド24の移動方向が先ほどとは反対側のX軸先端方向(加工室SPの心押し台側に向かう方向)に設定されて、移動開始処理(S219)から移動停止処理(S227)までの間、ロボットハンド24が加工室SP内の心押し台方向に移動する。そして、位置情報取得処理(S228)によりロボットハンド24の移動が停止した位置の三次元座標情報が取得されると本第3走査処理を終了して図6のティーチング制御処理に戻る。図6に示すティーチング制御処理に戻ると、ステップS111による待機位置設定処理が行われる。
即ち、ステップS111の待機位置設定処理では、ワークWの加工工程に備えて予め定められているロボットハンド24の待機位置の三次元座標情報が設定される。これにより、ロボットハンド24の移動制御が開始されて所定の待機位置に向けてロボットハンド24が移動し始めるため、続くステップS113の判定処理によりロボットハンド24が待機位置に到達するまで待つ(S113;No)。そして、ロボットハンド24が待機位置に到達した場合には(S113;Yes)、次のステップS115に処理を移行する。なお、待機位置は、前述の開始位置と同じである場合もある。
次のステップS115では交点座標取得処理が行われる。この処理では、第1走査処理(S107)、第2走査処理(S108)および第3走査処理(S109)によりそれぞれ取得された「レーザ光の検出情報がレーザ検出装置50から入力されたタイミングにおけるロボットハンド24の三次元座標情報」に基づいて、レーザ光面La~Lcまたはレーザ光面La~Lcを拡張したそれぞれの仮想面La’~Lc’が1点で直交する交点Poの三次元座標情報を得る。
図9に示すように、本実施形態では、レーザ光面La~Lcのそれぞれは1点で直交しないため、それらをそれぞれの面内において点線矢印方向に拡張したそれぞれの仮想面La’~Lc’が1点で直交する交点Poの三次元座標情報を求める。なお、図9においては、図面表現上の便宜から符号を付していないが、交点Poを囲む立方体形状は、レーザ照射装置30を表している。
第1~第3走査処理(S107~S109)では、前述したように、レーザ検出装置50がレーザ光を受光した場合に移動を停止したその位置において、ロボット20の据付け中心Roを原点(0,0,0)にしたロボットハンド24の三次元座標情報がそれぞれ取得されてメモリに記憶されている。したがって、例えば、第1走査処理(S107)ではレーザ光面Laを検出した位置αの座標情報(αxyz)、第2走査処理(S108)ではレーザ光面Lbを検出した位置βの座標情報(βxyz)、第3走査処理(S109)ではレーザ光面Lcを検出した位置γの座標情報(γxyz)、がそれぞれ得られている。
このため、XZ平面に拡がるレーザ光面Laの検出位置αの座標情報(αxyz)から、交点PoのY軸方向の位置情報であるY座標値αyを取り出す。また、XY平面に拡がるレーザ光面Lbの検出位置βの座標情報(βxyz)から、交点PoのZ軸方向の位置情報であるZ座標値βzを取り出す。同様に、YZ平面に拡がるレーザ光面Lcの検出位置γの座標情報(γxyz)から、交点PoのX軸方向の位置情報であるX座標値γxを取り出す。レーザ光面LcのX軸座標、レーザ光面LaのY軸座標およびレーザ光面LbのZ軸座標は、交点PoのX軸、Y軸、Z軸の各座標を表すことから、これらの各座標値αy,βz,γxを組み合わせることにより、各レーザ光面La~Lcを拡張した各仮想面La’~Lc’が1点で交差する交点Poの三次元座標情報(γxyz)を得ることが可能になる。
続くステップS117では目標座標算出処理が行われる。即ち、ステップS115の交点座標取得処理により得られた交点Poの三次元座標情報(γxyz)に基づいて、ロボットハンド24がワークWを供給すべき目標位置Pt(ワークの供給位置)の座標を算出する処理が行われる。例えば、交点Poを基準にした目標位置Ptの相対的な位置関係は既知であり、交点Poと目標位置Ptとの間における位置の差やズレ量は、オフセット値Dovとして、例えば、Dov(δxyz)のように三次元オフセット値として予めメモリに記憶されている。
このため、ステップS117の目標座標算出処理では、両者の位置関係を表す三次元オフセット値をメモリから読み出してロボットハンド24がワークWを供給すべき目標位置Ptの座標情報を算出する。先の例では、交点Poの三次元座標情報(γxyz)にオフセット値Dov(δxyz)を加算することによって、目標位置Ptの三次元座標情報(γxxyyzz)が得られる。本実施形態では、図8に示すように、目標位置Ptは、交点Poと同じ位置に設定されているため、オフセット値Dov(0,0,0)になる。
このように算出された目標位置Ptの座標情報は、次のステップS119によりメモリに記憶される。即ち、ロボット20がワークWを供給すべき位置(ワーク供給位置)に関する位置情報(供給位置情報)が制御装置27に教示される。本実施形態では、ロボット20の制御装置27をティーチングする演算装置が当該制御装置27自体である。そのため、制御装置27がワークWの供給位置情報を学習することにもなる。なお、制御装置27とは独立したコンピュータ(演算装置)を、上述した制御装置27の代わりも設けて、同コンピュータのインタフェースに無線ユニット28等を接続し上述のティーチング制御プログラムをインストールして本実施形態のティーチングシステムを構成してもよい。
ところで、上述した実施形態では、レーザ光面La~Lcまたはそれらを拡張した仮想面La’~Lc’が互いに直交する場合を説明したが、レーザ光面La~Lcや仮想面La’~Lc’は必ずしも直交するとは限らない。そのため、レーザ光面La~Lcや仮想面La’~Lc’が互いに非直交で交わる(直交でなく交わる)場合には、前述したティーチング制御処理における交点座標取得処理(S115)は、次のような情報処理が行われる。ここからは、図10~図12を参照しながら説明する。なお、図10および図11においては、レーザ照射装置は図示されていないことに注意されたい。
図10および図11に示すように、例えば、レーザ照射装置から出射されるレーザ光が90度未満の頂角を有する三角錐の側面を形成し得る場合には、各レーザ光面Lr,Ls,Ltは、交点Poにおいて鋭角に交わる。即ち、各レーザ光面Lr,Ls,Ltは交点Poにおいて直交していないことから、前述の交点座標取得処理(S115)で説明したように、各レーザ光面Lr,Ls,Ltでレーザ光を検出しその座標情報を得ても、それらを組み合わせることでは交点Poの三次元座標情報を得ることはできない。
そこで、レーザ光面Lr,Ls,Ltやそれらを拡張した仮想面が互いに鋭角に交わる場合においては、図6に示すティーチング制御処理の第1~第3走査処理(S107,S108,S109)に対応するサブルーチン(第n走査処理)を、図12に示す第n走査処理に変更したうえで後述する演算処理を行う。図12の第n走査処理では、レーザ光を受光した場合に(S211;Yes)座標情報を3回、取得し得るようにロボットハンド24の移動(走査)が制御される。つまり、それぞれのレーザ光面Lr~Ltにおいて、異なる3つの位置で入力されたレーザ光の検出情報に基づいて3箇所の位置情報を取得する処理が行われる。
具体的には、受光有無の判定処理(S223)の後において、座標情報を取得した回数をカウントし(S225)その直後で取得回数を判定する(S226)。また、カウント値が1以上の場合(つまり2回目および3回目の走査の場合)には、移動方向設定処理(S205)において、検出対象のレーザ光が形成するレーザ光面の面方向(レーザ光面が拡がる方向に所定距離だけ移動した後、当該面に対向する方向)にロボットハンド24が移動(走査)するように当該ロボットハンド24の移動方向が設定される。なお、座標情報の取得回数をカウントするカウンタは、第1~第3走査処理(S107,S108,S109)のそれぞれに備えており、図6のティーチング制御処理の初期化処理(S101)において各カウンタのカウント値が0(ゼロ)にリセットされる。
図12に示す第n走査処理のアルゴリズムをこのように構成することにより、3つのレーザ光面Lr~Ltのそれぞれについてレーザ光面を形成するレーザ光の位置情報を3点(3箇所)において取得することが可能になる。そのため、まず各レーザ光面Lr~Lt上における、任意の3点の三次元座標を次のように定義する。なお、三次元座標の原点(0,0,0)は据付け中心Roである。
レーザ光面Lrの3点 (R1x,R1y,R1z),(R2x,R2y,R2z),(R3x,R3y,R3z
レーザ光面Lsの3点 (S1x,S1y,S1z),(S2x,S2y,S2z),(S3x,S3y,S3z
レーザ光面Ltの3点 (T1x,T1y,T1z),(T2x,T2y,T2z),(T3x,T3y,T3z
一方、直交三次元座標空間における平面の方程式は、次式(1)のように表現されることから、レーザ光面Lr~Ltは式(2)~(4)のように表すことができる。
Figure 2022025338000002
Figure 2022025338000003
Figure 2022025338000004
Figure 2022025338000005
ここで、未知数a*,b*,c*(「*」は、「r」、「s」または「t」である)を求めるため、ベクトル演算を行う。例えば、レーザ光面Lrについては、前述したように、それぞれの3点(A,B,C)が三次元座標で、A=(R1x,R1y,R1z),B=(R2x,R2y,R2z),C=(R3x,R3y,R3z)と定義されている。そのため、このレーザ光面Lrの法線ベクトルは、次式(5)により求められる。
Figure 2022025338000006
ここで、式(5)の各要素を次式(6)のように置いたうえで、式(5)から距離Lを求めると次式(7)が得られる。
Figure 2022025338000007
Figure 2022025338000008
これにより、法線ベクトル(ar,br,cr)は、式(8)で表されるため、前述の式(2)から任意の式を選択してdrを算出する。これにより、式(2)の未知数が定められてレーザ光面Lrの方程式が得られる。
Figure 2022025338000009
レーザ光面Lsおよびレーザ光面Ltについても、レーザ光面Lrと同様に演算を行うことによってそれぞれを表す平面の方程式が得られる。即ち、次式(9)が得られる。
Figure 2022025338000010
そして、レーザ光面Lr~Ltの交点Po(x,y,z)は、式(9)の連立方程式を解くことにより算出することが可能になる。これにより、交点Poの三次元座標情報を得ることができる。
ただし、上記式(9)において、次の3つの条件[1]~[3]のいずれかに該当する場合には、第1~第3走査処理(S107~S109)の座標情報取得処理(S213)により取得された三次元座標情報が適正ではないと判定して、再度、第1~第3走査処理(S107~S109)を実行する。
[1]dr=ds=dt=0である。
[2](ar,br,cr)、(as,bs,cs)および(at,bt,ct)のそれぞれの比が一致する。
[3]ロボット20の可動範囲外にある。
なお、図10および図11で示した例では、レーザ照射装置から出射されるレーザ光により形成されるレーザ光面Lr,Ls,Ltが交点Poにおいて鋭角に交わる場合を挙げて説明したが、3つのレーザ光面のうち隣合う2つのレーザ光面が直角に交わり、これらの2つのレーザ光面と残りの1つのレーザ光面が鋭角に交わる場合(直角と鋭角が混在する場合)にも、上述と同様に式(1)~式(9)を用いて交点Poの三次元座標情報を得ることができる。
以上説明したように本実施形態のティーチングシステムでは、3つのレーザ光面La~Lcを形成可能なレーザ光を異なる三方向に照射するレーザ照射装置30が工作機械10のワーク供給位置または当該位置付近に設けられ、このレーザ照射装置30から照射されたレーザ光を検出した場合に検出情報を出力するレーザ検出装置50がロボット20のハンド24に保持されて、このレーザ検出装置50から出力された検出情報がロボット20の制御装置27に入力される。そして、3つのレーザ光面La~Lcに対してレーザ検出装置50がレーザ光をそれぞれ検出し得るようにロボットハンド24が移動(走査)した場合(S107,S108,S109)、制御装置27は、検出情報が入力されたときにおけるレーザ検出装置50またはロボットハンド24の所定部位の位置情報をレーザ光面La~Lcのそれぞれについて取得し(S213)、レーザ光面La~Lcにおけるそれぞれの位置情報に基づいて、レーザ光面La~Lcまたはレーザ光面La~Lcを拡張したそれぞれの仮想面La’~Lc’が1点で交差する交点Poの交点位置情報を求め(S115)、この交点位置情報に基づいて供給位置情報を算出して(S117)、ロボット20の制御装置27に教示する(S119)。
これにより、工作機械10に設けられるレーザ照射装置30と、ロボットハンド24に保持されるレーザ検出装置50と、このレーザ検出装置50の検出情報が入力される制御装置27と、という簡素な構成でワーク供給位置に関する供給位置情報をロボット20(制御装置27)に教示することが可能になる。したがって、簡素な構成でありながら、ワークWの供給位置情報を容易に教示することができる。
また、3つのレーザ光面La~Lcまたは3つの仮想面La’~Lc’が互いに直交する場合には、これらのレーザ光面や仮想面が互いに直交しない(例えば、互いに鋭角に交わる)場合に比べて、レーザ検出装置50またはロボットハンド24の所定部位の位置情報(三次元座標情報)を組み合わせるだけで、交点Poの交点位置情報を容易に求めることが可能になる。したがって、交点Poの交点位置情報を求める情報処理のアルゴリズムを簡素に構成することができる。
さらに、3つのレーザ光面La~Lcまたは3つの仮想面La’~Lc’が互いに鋭角に交わる場合には、これらのレーザ光面や仮想面が互いに直交する場合に比べてハンド24が移動しなければならない範囲を狭く設定することが可能になるので、3つのレーザ光面La~Lcにおけるそれぞれの位置情報を短時間に取得することができる。したがって、ワーク供給位置に関する供給位置情報の教示時間を短縮することができる。
なお、本実施形態のティーチングシステムでは、ロボット20のハンド24に把持されるレーザ検出装置50は、レーザ照射装置30から出射されるレーザ光を受光(検出)すると、レーザ光の検出情報を無線ユニット55等を介してロボット20の制御装置27に送信(出力)するように構成する場合を例示して説明したが、制御装置27に送信(出力)する情報として、例えば、レーザ光を検出した時のタイミング情報を含めてもよい。タイミング情報は、例えば、レーザ光を検出した時刻、レーザ光を検出してから送信するまでに経過した時間等である。このようなタイミング情報を含めて制御装置27に送信することによって、制御装置27においては当該タイミング情報に基づいてレーザ光が検出された時(タイミング)におけるレーザ検出装置50の位置情報またはハンド24等の位置情報を得ることが可能になる。
この場合、過去のレーザ検出装置50やハンド24等の位置情報として、これらの位置情報の履歴(ログ情報)を制御装置27のメモリに記憶(保持)している必要がある。これにより、3つのレーザ光面La~Lcのそれぞれについて取得されるレーザ検出装置50等の位置情報の精度が高まることから、これらに基づいて得られるレーザ光面La等の交点Poや目標位置Ptの精度も向上する。そのため、工作機械10に設けられるレーザ照射装置30と、ロボットハンド24に保持されるレーザ検出装置50と、このレーザ検出装置50の検出情報が入力される制御装置27と、という簡素な構成でワーク供給位置に関する「高精度な」供給位置情報をロボット20(制御装置27)に教示することが可能になる。
また、本実施形態のティーチングシステムでは、ロボットとして、垂直多関節タイプのロボット20の場合を例示して説明したが、本発明が適用されるロボットはこれに限られることはなく、ロボットハンド等、ワークを保持(または、把持、挟持、吸着等)し得るエンドエフェクタを有するロボットであれば、例えば、水平多関節ロボットやパラレルリンクロボット等のいわゆる産業用ロボットであってもよい。
また、本実施形態のティーチングシステムでは、加工機として、旋盤を複合化させたターニングセンタの工作機械10の場合を例示して説明したが、本発明が適用される加工機はこれに限られることはなく、例えば、切削加工機、研削加工機、特殊加工機、鍛造加工機等であってもよい。
また、本実施形態のティーチングシステムでは、3つのレーザ光面La~Lcを形成可能なレーザ光を異なる三方向に照射(出射)するレーザ照射装置30を例示して説明したが、これらのレーザ光面La等以外のレーザ光面を形成するレーザ光を出射するようにレーザ照射装置30が構成されていてもよい。例えば、5つのレーザ光面La,Lb,Lc,Ld,Leを形成可能なレーザ光を異なる五方向に照射(出射)するレーザ照射装置でもよい。また、3つのレーザ光面La~Lc以外のレーザ光面Ld等がレーザ光面La~Lcのように、交点位置情報を求める過程で関与しても関与しなくてもよい。
また、本実施形態のティーチングシステムでは、レーザ光面La~Lcのそれぞれを拡張した仮想面La’~Lc’が1点(交点Po)で交差する場合の構成等を例示して説明したが、本発明はこれに限られることはなく、例えば、出射したラインレーザ光により形成されるレーザ光面La~Lcが1点で交差し得る、レーザ発光素子や、光学的、電気的または機械的な構造を有するレーザ照射装置を採用してもよい。
また、本実施形態のティーチングシステムでは、工作機械10においては、本来はワークWが供給されて取り付けられるべきチャック14にワークWの代わりにレーザ照射装置30を取り付ける構成を例示して説明したが、このようなチャック14自体にレーザ照射装置30の機能を組み込んでもよい。例えば、チャック14を構成する複数の爪15の一つまたは二つ以上によって、異なる3方向にラインレーザ光を出射することができるようにチャック14や爪15を構成してもよい。
また、本実施形態のティーチングシステムでは、ロボット20においては、本来はワークWを掴むべきハンド24がワークWの代わりにレーザ検出装置50を掴んでレーザ照射装置30のレーザ光を走査する構成を例示して説明したが、このようなロボットハンド24自体にレーザ検出装置50の機能を組み込んでもよい。例えば、ロボットハンド24の先端によってレーザ光を受光可能にするとともにレーザ光を受光した場合には検出情報を制御装置27に送信することができるようにハンド24を構成してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、上述した具体例を様々に変形または変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。さらに、本明細書または図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つ。なお、[符号の説明]の欄における括弧内の記載は、上述した各実施形態で用いた用語と、特許請求の範囲に記載の用語との対応関係を明示し得るものである。
10…工作機械(加工機)
13…主軸
14…チャック
15…爪
16…心押し台
17…刃物台
20…ロボット
21~23…アーム
24…ハンド(エンドエフェクタ)
25…ベース
27…制御装置(演算装置)
28…無線ユニット
30…レーザ照射装置
31…ケース
32…ポスト
35…コントローラ
36…ドライバ
37a~37c…レーザ発光素子
38a~38c…レンズ
39…バッテリ
41…ワークストッカ
45…ロボット架台
50…レーザ検出装置
51…ケース
53…コントローラ
54a,54b…レーザ受光素子
55…無線ユニット
58…バッテリ
Po…交点
Pt…目標位置
Ro…据付け中心
SP…加工室
La~Lc,Lr~Lt…レーザ光面
La’~Lc’…仮想面
W…ワーク

Claims (5)

  1. アームとこのアームの先端に設けられるエンドエフェクタを有するロボットがそのエンドエフェクタで保持したワークを加工機に供給する工程の前準備においてワーク供給位置に関する供給位置情報を前記ロボットに教示するティーチングシステムであって、
    前記加工機の前記ワーク供給位置または当該位置付近に設けられて少なくとも3つのレーザ光面を形成可能なレーザ光を異なる三方向に照射するレーザ照射装置と、
    前記エンドエフェクタに保持されるとともに前記レーザ照射装置から照射された前記レーザ光を検出した場合に検出情報を出力するレーザ検出装置と、
    前記レーザ検出装置から出力された前記検出情報が入力される演算装置と、を含み、
    前記3つのレーザ光面に対して前記レーザ検出装置が前記レーザ光をそれぞれ検出し得るように前記エンドエフェクタが移動した場合、
    前記演算装置は、前記検出情報が入力されたときにおける前記レーザ検出装置または前記エンドエフェクタの所定部位の位置情報を前記3つのレーザ光面のそれぞれについて取得し、前記3つのレーザ光面におけるそれぞれの前記位置情報に基づいて、前記3つのレーザ光面または前記3つのレーザ光面を拡張したそれぞれの仮想面が1点で交差する交点位置情報を求め、この交点位置情報に基づいて前記供給位置情報を算出して前記ロボットに教示する、ことを特徴とするティーチングシステム。
  2. アームとこのアームの先端に設けられるエンドエフェクタを有するロボットがそのエンドエフェクタで保持したワークを加工機に供給する工程の前準備においてワーク供給位置に関する供給位置情報を前記ロボットに教示するティーチングシステムであって、
    前記加工機の前記ワーク供給位置または当該位置付近に設けられて少なくとも3つのレーザ光面を形成可能なレーザ光を異なる三方向に照射するレーザ照射装置と、
    前記エンドエフェクタに保持されるとともに前記レーザ照射装置から照射された前記レーザ光を検出した場合に検出情報と検出した時のタイミング情報を出力するレーザ検出装置と、
    前記レーザ検出装置から出力された前記検出情報および前記タイミング情報が入力される演算装置と、を含み、
    前記3つのレーザ光面に対して前記レーザ検出装置が前記レーザ光をそれぞれ検出し得るように前記エンドエフェクタが移動した場合、
    前記演算装置は、前記タイミング情報に基づいて前記検出情報が検出された時における前記レーザ検出装置または前記エンドエフェクタの所定部位の位置情報を前記3つのレーザ光面のそれぞれについて取得し、前記3つのレーザ光面におけるそれぞれの前記位置情報に基づいて、前記3つのレーザ光面または前記3つのレーザ光面を拡張したそれぞれの仮想面が1点で交差する交点位置情報を求め、この交点位置情報に基づいて前記供給位置情報を算出して前記ロボットに教示する、ことを特徴とするティーチングシステム。
  3. 前記3つのレーザ光面または前記3つの仮想面は、互いに直交する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のティーチングシステム。
  4. 前記3つのレーザ光面または前記3つの仮想面は、互いに鋭角に交わる、ことを特徴とする請求項1または2に記載のティーチングシステム。
  5. 前記演算装置は、前記アームおよび前記エンドエフェクタを制御する前記ロボットの制御装置である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のティーチングシステム。
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