JP2022024058A - 改善される運動性及び認知機能のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩 - Google Patents

改善される運動性及び認知機能のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩 Download PDF

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Abstract

【課題】運動性における加齢に関連する低下を示す対象者における、加齢に関連する運動性障害を治療するための医薬組成物を提供する。【解決手段】アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物とする。好ましくは、アセチル-ロイシンがラセミ体である、医薬組成物である。【選択図】なし

Description

本開示は、アセチル-ロイシン及びその薬学的に許容される塩、特に、例えば高齢者における運動性及び認知機能を改善するためのそれらの使用に関する。
高齢化に伴って起こる変化は、個人の可動能力に関し問題となり得る。運動性の問題には、歩行中の不安定さ、椅子への座り込み及びからの立ち上がりの困難性、又は、転倒が含まれる。筋肉の衰弱、関節の問題、痛み、病気及び神経(脳及び神経系)の障害 -高齢者の共通の状態- は、すべて運動性問題に寄与する。ときには、いくつかの軽度の問題が一度に発生し、そして結合して運動性に重大な影響を及ぼす。
潜在的な運動性の問題に加えて、すべての高齢のヒトは、認知能力の低下、忘却を含む症状、焦点の維持能力の低下、問題解決能力の低下及び/又は空間認識の低下を発症するであろう。チェックしないままでいると、痴呆やうつ病、又はアルツハイマー病のようなより重篤な症状に進行することがある。
酸化的ストレス及びフリーラジカル損傷、慢性低レベル炎症、(エストロゲン、テストステロン、DHEA、及びプレグネノロンような)ホルモンレベルの低下、内動脈ライニング(内皮)機能不全、インスリン耐性、慢性低レベル炎症、過剰体重、準最適栄養、孤独、他のものの中から社会的ネットワークの欠如及び高ストレス、を含む多くのファクターが、年齢による認知低下に寄与すると信じられる。
残念なことに、現在、運動障害及び認知低下のような老化の徴候及び症状を有する患者には、治療選択肢がほとんどない。従って、これらのような症状を予防又は軽減することによって、高齢者に利益をもたらし得る新しい治療法の必要性が残っている。
更に、運動障害及び/又は認知機能は、しばしば加齢に関連し得るが、このような徴候はまた、運動及び/又は認知機能のより低いベースライン・レベルを示す如何なる対象においても観察されるかもしれない。そのような症状を患っている対象者において、そのような症状を予防又は軽減するための新しい療法が必要とされている。
本開示は、対象者おける認知機能、運動性、又は認知機能及び運動性を改善する方法における使用のための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩を提供する。
1つの実施例において、対象者における認知機能を改善する方法における使用のための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩が提供される。もう1つの実施例において、対象者の運動性を改善する方法における使用のための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩が提供される。
更なる実施例において、対象者は高齢の対象者である。
更に、高齢の対象者の運動性及び/又は認知機能を改善する方法で使用するための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩が提供される。
もう1つの実施例において、高齢の対象者において運動性及び/又は認知機能を改善する方法が提供されるが、その方法は、その対象者に、治療効果のある量を投与するステップを含む。
1つの実施例において、認知機能は、知覚、記憶、イメージの創作、自覚、推論、思考及び判断能力からなる群から選択される1つ又はそれ以上である。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、認知機能及び/又は運動性における年齢関連の低下を治療するために使用されるかもしれない。
1つの実施例において、アセチル-ロイシンは、1.5g及び10gの間の投与量、例えば、4gから10g/日の投与量で使用される。もう1つの実施例において、アセチル-ロイシンは、1日当たり4gを超えて、6g以下の投与量で使用される。
アセチル-ロイシンの投与量は、例えば、2回又はそれ以上の投与に渡って投与されるかもしれない。もう1つの実施例において、アセチル-ロイシンの投与量は、3回の投与に渡って投与される。
1つの実施例において、この方法は、2週間又はそれ以上の治療期間に対してアセチル-ロイシンを投与するステップを含む。もう1つの実施例において、この方法は、7週間又はそれ以上の治療期間に対してアセチル-ロイシンを投与するステップを含む。
1つの実施例において、この方法は、1.5g及び10gの間の投与量で、例えば、1日あたり4.5g及び10gの間の投与量で、1日あたり3回の投与に渡って、2ヶ月又はそれ以上の治療期間に対してなされる、アセチル-ロイシンの投与ステップを含む。
1つの実施例において、対象者は、十分に高齢な対象者である。対象者の老化ために、即ち、老化プロセスのために運動性及び/又は認知機能が低下したところ、運動性及び/又は認知機能の障害を除いて、対象者は、別様に健康であるかもしれない。
1つの実施例において、対象者は、回転性めまい(vertigo)、及び/又は神経性の及び/又は神経変性疾患、障害又は病気を有さない。1つの実施例において、被験体は回転性めまい(vertigo)を有さない。
もう1つの態様において、本開示は、対象者における認知機能、運動性、又は認知機能及び運動性を改善するための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
もう1つの態様において、本開示は、対象者において、認知機能、運動性、又は認知機能及び運動性を改善する方法を提供するが、その方法は、対象者に、治療効果のある量のアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む。
もう1つの態様において、本開示は、対象者において、認知機能、運動性、又は認知機能及び運動性を改善するための薬剤の製造のための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
図面の説明
図1は、ベースライン及び治療期間中のサイコモーター・ビジランス・タスク(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスを図解する。(A)データは、**** -p<0.0001であり、1日の測定でn=13(ベースライン)、n=28(治療)、n=11(ウォッシュアウト)の平均±標準偏差として表される。統計的有意性の決定は、テューキー補正(Tukey’s correction)で一元配置分散分析(1-way ANOVA)によって実行された。(B)各データポイントは、1日のテストを構成する10の試験の平均である(平均±標準偏差。n=10)。破線は、ベースライン/治療中/ウォッシュアウト期間の間の区分を示す。 図2は、ベースライン及び治療期間中のサイコモーター・ビジランス・タスク(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスを図解する。(A)データは、 -p<0.005であり、1日の測定でn=11(ベースライン)、n=25(治療)、n=8(ウォッシュアウト)の平均±標準偏差として表される。統計的有意性の決定は、テューキー補正(Tukey’s correction)で一元配置分散分析(1-way ANOVA)によって実行された。(B)各データポイントは、1日のテストを構成する10回の試験の平均である(平均±SD、n=10)。破線は、ベースライン/治療中/ウォッシュアウト期間の間の区分を示す。 図3は、ベースライン及び治療期間中のサイコモーター・ビジランス・タスク(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスを図解する。(A)データは、1日の測定でn=11(ベースライン)、n=18(治療)、n=5(ウォッシュアウト)の平均±標準偏差として表される。統計的有意性の決定は、テューキー補正(Tukey’s correction)で一元配置分散分析(1-way ANOVA)によって実行された。(B)各データポイントは、1日のテストを構成する10回の試験の平均である(平均±SD、n=10)。破線は、ベースライン/治療中/ウォッシュアウト期間の間の区分を示す。 図4は、ベースライン及び治療期間中のサイコモーター・ビジランス・タスク(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスを図解する。(A)データは、1日の測定でn=6(ベースライン)、n=10(治療)、n=9(ウォッシュアウト)の平均±標準偏差として表される。統計的有意性の決定は、テューキー補正(Tukey’s correction)で一元配置分散分析(1-way ANOVA)によって実行された。(B)各データポイントは、1日のテストを構成する10回の試験の平均である(平均±SD、n=10)。破線は、ベースライン/治療中/ウォッシュアウト期間の間の区分を示す。 図5は、ベースライン及び治療期間中のサイコモーター・ビジランス・タスク(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスを図解する。(A)データは、1日の測定でn=9(ベースライン)、n=20(治療)、n=3(ウォッシュアウト)の平均±標準偏差として表される。統計的有意性の決定は、テューキー補正(Tukey’s correction)で一元配置分散分析(1-way ANOVA)によって実行された。(B)各データポイントは、1日のテストを構成する10回の試験の平均である(平均±SD、n=10)。破線は、ベースライン/治療中/ウォッシュアウト期間の間の区分を示す。 図6は、ベースライン及び治療期間中のサイコモーター・ビジランス・タスク(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスを図解する。(A)データは、1日の測定でn=12(ベースライン)、n=23(治療)、n=9(ウォッシュアウト)の平均±標準偏差として表される。統計的有意性の決定は、テューキー補正(Tukey’s correction)で一元配置分散分析(1-way ANOVA)によって実行された。(B)各データポイントは、1日のテストを構成する10回の試験の平均である(平均±SD、n=10)。破線は、ベースライン/治療中/ウォッシュアウト期間の間の区分を示す。
説明
本開示によれば、アセチル-ロイシン(N-アセチル-ロイシン(N-acetyl-leucine))又はその薬学的に許容される塩は、運動性及び認知機能を改善することが見出された。特に、本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、高齢者における運動性及び認知機能を改善することが見出された。
ラセミ体のアセチルロイシン及びその塩は、種々の原因からの回転性めまい(vertigo)、特に、メニエールの回転性めまい(Meniere’s vertigo)及び炎症性(前庭神経炎)又は有毒性を原因とする回転性めまい(vertigo)の治療においてその有効性が知られている。
アセチル-ロイシンは、ピエール・ファーブル・メディカメント(Pierre Fabre Medicament)によって、ラセミ体の形態でTanganil(登録商標)の商標名で抗回転性めまい薬(anti-vertigo medicament)として市販されている。種々の著者によって報告された前記薬剤に関する臨床結果は、回転性めまい発作(vertigo attacks)の消失を含み、95%を超える症例における回転性めまい症候(vertigo symptomology)の改善を実証する。
アセチル-DL-ロイシンは、1957年以来、急性の回転性めまい(vertigo)を治療するためにフランスで用いられてきた。膜電位の安定化を含む多くの仮説にもかかわらず、その薬理学的及び電気生理学的作用様式は不明のままである(1,2)。急性片側迷路切除術(3)のラットモデルにおけるFDG-μPET試験は、前庭小脳の活性化及び後外側視床の失活による姿勢補償にL-エナンチオマー N-アセチル-L-ロイシン(L-enantiomer N-acetyl-L-leucine)の有意な効果を示した(4)。異なる病因の小脳患者の症例シリーズにおける小脳症状の改善が観察されてきた(5)。しかしながら、もう1つの症例シリーズは、利益を見いださなかった(6)。ニーマン-ピック・タイプC(Niemann-Pick type C)を有する12人の患者の第3の最近の症例では、この薬剤は、運動失調症における症状の改善を引き起こした(7)。更に、アセチル-DL-ロイシンを投与した異なる病因の小脳性運動失調を有する患者におけるPET試験は、応答者の中脳及び脳幹下部における増大した代謝を示したが(8)、これは観測される利益を説明し得るものである。
驚くべきことに、本発明者らは、アセチル-ロイシンが、老化の正常な徴候を示す以外に、健康状態の良い老人に利益をもたらすためにも使用できることを示す。具体的には、アセチル-ロイシンは、高齢者の運動性及び認知機能を改善することができることを見出してきた。先行技術の教示から、そのような利益は観察されなかったし、推論もできないでいたので、これはまったく予期せぬものであった。
本発明者らは、アセチルロイシンが、運動失調とは異なる(例えば、小脳性運動失調症及びニーマンピックのような障害とは異なる)及び回転性めまい(vertigo)とは異なる障害を有する対象者を治療するために使用できることを示す。例えば、本開示によって治療される対象者は、老化プロセスのために運動性が損なわれているところ、運動性の障害を有することを除いて、別様に健康であってもよい。アセチル-ロイシンが非回転性めまいの障害(non-vertiginous disorders)を治療するために使用できることを見出したことは、驚くべきことであった。
結果として、本開示は、高齢対象者における運動性及び/又は認知機能を改善する方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩を提供する。
アセチル-ロイシンは、ラセミ体の形態であってもよいが、このことは、化合物がほぼ等量のエナンチオマーを含むことを意味する。或いは、L-エナンチオマー又はD-エナンチオマーの何れかのエナンチオマー過剰で存在していてもよい。1つの実施例において、アセチル-ロイシンは、L-エナンチオマーのエナンチオマー過剰状態で存在する。ラセミ体及びエナンチオマーの形態は、本分野で知られている手順に従って得られるかもしれない。
ここにおいて、言及する「薬学的に許容される塩」は、薬学的応用における使用に適切な任意の塩の調製物であるかもしれない。薬学的に許容される塩は、限られることなく、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン(N,N’-dibenzylethylenediamine)、クロロプロカイン(chloroprocaine)、コリン(choline)、アンモニア(ammonia)、ジエタノールアミン(diethanolamine)及び他のヒドロキシアルキルアミン(hydroxyalkylamines)、エチレンジアミン(ethylenediamine)、N-メチルグルカミン(N-methylglucamine)、プロカイン(procaine)、N-ベンジルフェネチルアミン(N-benzylphenethylamine)、1-パラ-クロロ-ベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチルベンズイミダゾール(1-para-chloro- benzyl-2-pyrrolidin-1’-ylmethylbenzimidazole)、ジエチルアミン(diethylamine)及び他のアルキルアミン(alkylamines)、ピペラジン(piperazine)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethane)等のようなアミン塩;リチウム、カリウム、ナトリウム等のようなアルカリ金属塩;バリウム、カルシウム、マグネシウム等のようなアルカリ土類金属塩;亜鉛、アルミニウム等のような遷移金属塩;リン酸水素ナトリウム、リン酸二ナトリウム等のような他の金属塩;塩酸塩、硫酸塩等のような無機酸;及び酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、フマル酸塩等のような有機酸の塩を含む。
「運動性(Mobility)」は、対象者が動く能力を意味する。運動性は、1つ又はそれ以上の簡単な試験を用いて高齢者において評価することができる。実験例において示されているように、「立って歩け」テスト(“get up and go” test)は、運動性を測定することができる簡単な試験である。この検査においては、実験例において妥当に記述されているように、座ったところから起立して目標点まで歩く速度が分析される。例えば、そのテストは、対象者が椅子に座っているところから開始されてもよい。ストップ・クロックの開始時に、対象者は、人の手を借りないで起き、そして、目標点まで歩いて行く。目標点は2~10m離れていてもよく、オプションとして、4~6m離れていてもよい。対象者が目標点に達するとストップ・クロックが停止される。例えば、時間経過による又は治療による運動性における如何なる変化も、再び実験例において示されるように、2つ又はそれ以上の時点で「立って歩け」テストを使用して、そして、その結果を比較することにより、モニタされ得る。運動性を測定するための他の妥当なテストは、運動、バランス及びキーとなる位置の変化を考慮して、虚弱高齢対象者の評価のための20ポイントの有効な評価ツールである、高齢者運動性スケール(Elderly Mobility Scale)(EMS)において使用されるそれらを含む。
ここにおいて言及される「運動性を改善すること」という句は、運動する対象者の能力の正の変化を意味する。正の変化は、例えば、ベースラインの運動性が測定される第1の機会及び(治療が既に施されたかもしれない)期間に続いて運動性が測定される第2の機会のような、上述のテストの2つ又はそれ以上の機会の如何なるものをも用いて測定されるかもしれない。対象者が、改善された安定性により(例えば、治療により)より自信を感じられると、対象者は、より迅速にそのテストを完了する。2つの時点の間で、関連するテストにおけるパフォーマンスにおいて少なくとも約5%の増加が観察されたとき、運動性は改善されたと言える。例えば、2つの時点の間で、関連するテストにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約100%、のパフォーマンスにおける増加が観察される。更に、例えば、2つの時点の間で、関連テストにおいて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%、のパフォーマンスにおける増加が観察される。2つの時点は、1週間間隔、2週間間隔、3週間間隔、4週間間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔、4ヶ月間隔、5ヶ月間隔又は6ヶ月間隔があってもよい。介在期間中に治療が施されてもよい。従って、一例として、「運動性の改善」は、ここにおいて定義されるような「立って歩け」テストを使用して測定されるように、ベースライン測定から速度において少なくとも約5%の増加を示すであろうことを意味することができる。例えば、対象者は、このテストにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約100%、の速度の増加を示すかもしれない。更に、例えば、対象者は、このテストにおいて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも100%、の速度の増加を示すかもしれない。
1つの実施例において、対象者は、老化に関連して運動性の障害を有する。
ここにおいて使用される「老化に関連する運動性の障害」という用語は、老化プロセスの直接的な結果である運動性における障害を意味するが、これは、老化プロセスの直接的な結果ではない運動性における障害と対照をなしている。臨床症状は、老化に関連した運動性の障害を有する対象者と、例えば、運動失調を有する対象者のような、老化プロセスの直接の結果ではない運動性における生涯を有する対象者と、の間において異なるかもしれない。運動失調は、歩行中にスラロームをする対象者として症状が見つかるかもしれないところ、老化に関連した運動性の障害は、転倒への増大した傾向として症状が見つかるかもしれない。このようにして、例えば、小脳性運動失調は、老化に関連した運動性の障害ではない。
上記で開示された運動性の評価に加えて、例えば、バランスの評価を使用して、及び/又は対象者が経験する転倒の数をモニタリングすることによって、老化に関連する運動性の障害を有する対象者における運動性がテストされるかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、対象者が老化に関連してバランスを損なってきたところ、対象者においてバランスを改善するために使用されるかもしれない。本開示によれば、老化に関連して正常な機能が損なわれたバランスは、回転性めまい(vertigo)ではない。
本開示によれば、対象者は、例えば、良性発作性頭位回転性めまい(benign paroxysmal positional vertigo)(BPPV);前庭神経炎(vestibular neuritis);メニエール病に関連する回転性めまい(vertigo)、ワレンベルグ症候群(Wallenberg’s syndrome)、小脳性虚血(cerebellar ischemia)、外リンパ瘻(perilymph fistula)又は聴神経鞘腫(acoustic neurinoma);又は外傷性又は毒性起因の再発性回転性めまい(recurring vertigo of traumatic or toxic origin)を有しない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、老化に関連するバランス障害を治療するために使用されるかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、対象者が老化に関連する低下した安定性を有するところ、例えば、起立時及び/又は歩行時に、対象者の安定性を高めるために使用されるかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、対象者が老化に関連して不安定性を増大させるところ、歩行中の対象者の不安定性を減少させるために使用されるかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、歩行障害が加齢に関連するところ、歩行障害を有する対象者を治療するために、使用されるかもしれない。その対象者は、老齢歩行障害を有しているかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、対象者が、老化に関連する障害のある歩行速度及び/又は歩調(cadence)を有するところ、対象者における歩行速度及び/又は歩調を増加させるために使用されるかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、転倒への傾向が老化に関連するところ、転倒への傾向を有する対象者を治療するために使用されるかもしれない。
「認知機能(Cognitive function)」とは、例えば、知覚、記憶、イメージの創作、覚醒、推論、判断のための能力及び思考の、シンボリック演算を含む心理作用を意味することができる。認知機能の測定は、例えば、(a)一般的知能、(b)非言語知能、(c)達成度、(d)注意/実行機能、(e)記憶及び学習、(f)視覚運動及び運動機能、及び(g)言語、などを測定するように設計された評価ツールを含む。このような評価ツールは、当該技術分野において周知であり、例えば、ウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale)及び認知能力のウッドコック-ジョンソンIIIテスト(Woodcock-Johnson III Tests of Cognitive Abilities)(両者は一般的知能評価用)、レイヴン・プログレッシブ・マトリックス(Raven Progressive Matrices)(非言語知能評価用)、広範囲達成テスト(Wide Range Achievement Test)及び達成のウッドコック-ジョンソンIIIテスト(Woodcock-Johnson III Tests of Achievement)(学業成績の評価用)、コーナーの連続遂行課題II(Conners’ Continuous Performance Test II)(注意/実行機能評価用)、記憶及び学習の広範囲評価(Wide Range Assessment of Memory and Learning)(記憶及び学習評価用)、ベンダーゲシュタルトテスト(Bender Visual-Motor Gestalt Test)、ハルステッド-レイタン握力テスト(Halstead-Reitan Grip Strength Test)、ハルステッド-レイタン指タップテスト(Halstead-Reitan Finger Tapping Test)及びラファイエット・グルーブド・ペグボード課題(Lafayette Grooved Pegboard Task)(すべて視覚運動及び運動機能評価用)及びピーボディー絵画語彙テスト(Peabody Picture Vocabulary Test)(言語評価用)を含む。
認知機能は、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)(例えば、実験例に開示されているようなもの)のような反応速度及び/又は警戒テストを用いて評価されるかもしれない。このテストでは、細かい運動のスキル(fine motor skills);精神運動速度(psychomotor speed);注意の失効(lapses of attention);敏捷性の不安定性(instability of alertness);及び疲労によって誘発される衝動性;を含む要素を評価する。
例えば、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)(PVT)は、対象者が視覚刺激に応答する速度を測定する、持続的注意・反応タイミングのタスクである。対象者は、画面を監視して、視覚刺激が現れるとできるだけ早く画面を押す。次いで、この視覚刺激は、消えて、そして、再現(不規則な時間間隔で)するが、例えば、テストの期間中に10回行われ、対象者は各再現時にできるだけ迅速にスクリーンに触れる。テスト・パフォーマンスは、例えば10階の反応時間の平均から定量化される。
例えば、経過時間に渡って又は治療を通して、認知機能における如何なる変化も、2又はそれ以上の時間ポイントで十分に確立されたテストの1つ又はそれ以上を使用し、その結果を比べることによりモニタすることができる。
ここで言及される「認知機能の改善」という句は、例えば、知覚し、記憶し、心像を作り、思考の明瞭性を有し、認識し、理由付けし、考え又は判断するような、シンボリック演算を実行するにおいて、対象者の能力における正の変化を意味する。正の変化は、例えば、ベースライン認知機能を測定する第1の機会及びある期間後(治療が施されてたかもしれない)に認知機能を測定する第2の機会のような、2つ又はそれ以上の機会で、前述のテストのいずれかを用いて測定され得る。認知機能は、2つの時点の間で、関連する試験におけるパフォーマンスにおいて、少なくとも約5%の増加が観測されたとき、改善されると言えるであろう。例えば、2つの時点の間で、関連するテストにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも100%のパフォーマンスにおける増加が、観察される。更に、例えば、2つの時点の間で、関連するテストにおいて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%のパフォーマンスにおける増加が、観察される。2つの時点は、1週間間隔、2週間間隔、3週間間隔、4週間間隔、2ヶ月間隔、3ヶ月間隔、4ヶ月間隔、5ヶ月間隔、又は6ヶ月間隔であってもよい。介在期間の間において、治療が施されるかもしれない。このようにして、一例として、「認知機能の改善」は、十分に確立されたウェクスラー成人知能検査を使用して測定されるように、ベースライン測定からパフォーマンスにおいて少なくとも約5%の増加を対象者が示すであろうことを意味することができる。例えば、対象者は、このテストにおけるパフォーマンスにおいて、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約100%の増加を示すかもしれない。更に、例えば、対象者は、このテストにおけるパフォーマンスにおいて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%の増加を示すかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、例えば、対象者が視覚刺激に応答する速度のような、反応速度を増大するために使用されるかもしれない。
1つの実施例において、対象者は、加齢に関連する認知機能における低下を有する。
ここにおいてで使用される「老化に関連する認知機能における低下」という用語は、老化プロセスの直接的な結果ではない認知機能における低下とは対照的に、老化プロセスの直接的な結果である認知機能の低下を意味する。老化に関連する認知機能における低下を有する対象者と、老化プロセスの直接的な結果ではない認知機能における低下を有する対象者との間で、臨床症状が異なるかもしれない。
「改善する」という用語は、対象者における障害のある運動性及び/又は認知低下の如何なるものを治療及び/又は改善することを包含するかもしれない。従って、運動性及び/又は認知機能における加齢に関連する低下を、ここにおいて記述されるようにアセチル-ロイシンを用いて部分的に又は完全に逆転させるかもしれない。
また、ここにおいて記述のようにアセチル-ロイシンを使用して、高齢者における運動障害及び/又は認知低下の予防もまた、本開示によって想定されかつ包含される。従って、運動性及び/又は認知機能における加齢に関連する低下は、ここにおいて記述されるようにアセチル-ロイシンを使用して、全く起こらないかもしれない。
アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、当該技術分野で知られている教示に従って、例えば高齢の対象者のような対象者に対して、処方されかつ投与されるかもしれない。
従って、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される担体をオプションとして含む薬学的組成物として処方されるかもしれない。
活性薬剤(組成物)は、高齢患者のような被験体における運動性及び/又は認知機能を改善するための単剤療法(すなわち、活性薬剤単独の使用)として使用され得る。あるいは、活性薬剤(組成物)は、例えば、高齢の対象者においてのように、対象者において運動性及び/又は認知機能を改善するための既知の療法に加えるものとして、又は、既知の療法と組み合わせて使用されるかもしれない。
活性薬剤(組成物)は、例えば、それが使用されるべき方法に依存するような多数の異なる形態の何れをも取るかもしれない。従って、例えば、薬剤又は組成物は、粉末、錠剤、カプセル、液体、軟膏、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、エアロゾル、スプレー、ミセル溶液、経皮貼布、リポソーム懸濁液、又は治療の必要性のあるヒト又は動物に投与されるのに妥当な別の形態であるかもしれない。本発明による医薬組成物の担体は、それが与えられる対象者によって十分に耐えられるものであるべきであることは認識されるであろう。
ここにおいて言及する「薬学的に許容される担体」は、医薬組成物を製剤化するのに有用であることが当業者に知られている如何なる既知の化合物又は既知の化合物の組合せである。
更なる実施例において、薬学的に許容される担体は、固体であってもよく、組成物は、粉末又は錠剤の形態であってもよい。固体の薬学的に許容される担体は、香味剤、緩衝剤、滑沢剤、安定剤、可溶化剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、染料、充填剤、流動促進剤、圧縮補助剤、不活性バインダー、甘味料、防腐剤、染料、コーティング剤、又は錠剤崩壊剤としても作用し得る1つ又はそれ以上の物質を、限られることなく、含むかもしれない。担体はまた、カプセル化材料であってもよい。粉末において、担体は、本開示による微細に分割された活性薬剤との混合剤である微細に分割された固体である。錠剤において、活性薬剤は、妥当な割合で必要な圧縮特性を有する担体と混合され、所望の形状及びサイズに圧縮成形されてもよい。例えば、粉末及び錠剤は、99%までの活性薬剤を含有する。妥当な固体担体は、例えば、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、ポリビニルピロリジン、低融点ワックス及びイオン交換樹脂が含まれる。もう1つの実施例において、薬学的に許容される担体はゲルであってもよく、組成物はクリーム等の形態であってもよい。
更なる実施例において、担体は、1つ又はそれ以上の賦形剤又は希釈剤を含むことができるが、これらに限定されない。そのような賦形剤の例は、ゼラチン、アラビアガム、乳糖、微結晶セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド状二酸化ケイ素などである。
しかしながら、もう1つの実施例において、薬学的に許容される担体は液体であってもよく、医薬組成物は溶液の形態であってもよい。液体担体は、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、エリキシル剤及び加圧組成物の調製において使用される。本開示による活性薬剤は、水、有機溶媒、薬学的に許容される油若しくは脂肪又は両方の混合物のような薬学的に許容される液体担体に溶解又は懸濁されるかもしれない。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味剤、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定剤又は浸透圧調整剤のような他の妥当な医薬添加物を含有することができる。経口及び非経口投与のための液体担体の好適妥当な例は、水(例えば、カルボキシ・メチルセルロース・ナトリウム溶液のようなセルロース誘導体のような上述の添加剤を部分的に含む)、アルコール(例えば、グリコールのような、一価アルコール及び多価アルコールを含む)及びそれらの誘導体、及び油(例えば、分画したヤシ油及びラッカセイ油)を含む。非経口投与のために、担体はオレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルのような油性エステルであってもよい。滅菌液体担体は、非経口投与のための滅菌液状組成物において有用である。加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素又は他の薬学的に許容される推進剤であってもよい。
滅菌溶液又は懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、髄腔内、硬膜外、腹腔内、静脈内及び皮下注射によって利用され得る。活性薬剤は、滅菌水、生理食塩水、又は他の適切な滅菌注射用媒体を用いて、投与時に溶解又は懸濁されるかもしれない滅菌固体組成物として調製されるかもしれない。
本開示の薬剤及び組成物は、他の溶質又は懸濁化剤(例えば、溶液を等張性にするのに十分な生理食塩水又はグルコース)、胆汁酸塩、アカシア、ゼラチン、ソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80(ソルビトールのオレイン酸エステル及びエチレンオキシドと共重合したその無水物)を含有する滅菌溶液又は懸濁液の形態で経口投与されるかもしれない。本開示に従って使用される薬剤はまた、液体又は固体の組成物の形態で経口投与されるかもしれない。経口投与に適した組成物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、錠剤、及び粉末のような固体形態、及び、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び懸濁剤のような液体形態を含む。非経口投与に有用な形態は、滅菌溶液、エマルション及び懸濁液が含まれる。
アセチル-ロイシン及びそれを含む組成物は、その代わりに、(例えば、鼻腔内に)吸入することによって投与されるかもしれない。組成物はまた、局所的使用のために処方されるかもしれない。例えば、クリーム又は軟膏は皮膚に適用されるかもしれない。
本開示によるアセチル-ロイシンは、遅延放出デバイス又は遅延放出デバイス内に組み込まれるかもしれない。このようなデバイスは、例えば、皮膚の上又は下に挿入されるかもしれず、薬剤は、数週間又は数ヶ月に渡って放出されるかもしれない。このようなデバイスは、本開示に従って使用されるアセチル-ロイシンによる長期治療が必要なときに、そして、(例えば、少なくとも連日投与の)頻繁な投与を通常必要とし得る場合に、使用されるかもしれない。
1つの実施例において、医薬組成物は錠剤の形態である。錠剤において、活性薬剤は、妥当な割合で必要な圧縮特性を有するビヒクルと混合され、所望の形状及びサイズに圧縮成形されてもよい。錠剤は、99重量%までの活性薬剤を含有するかもしれない。
したがって、1つの実施例において、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、経口投与に適した固体剤形、特に錠剤の形態で提供される。
例えば、錠剤のような固体経口剤形での製剤処方は、薬学の分野で既知の如何なる方法によっても調製されるかもしれない。製剤処方は、活性物質又は薬学的に許容されるその塩を、従来の薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と混合することによって、通常調製される。
錠剤は、その技術分野で知られているように正確に処方されてもよい。例えば、タンガニル(Tanganil(登録商標))は、賦形剤として、小麦デンプン、アルファ化トウモロコシ・デンプン、炭酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウムを含む。同じ又は類似の賦形剤は、本開示において用いてもよい。
各700mgのタンガニル錠剤の正確な組成物は、以下の通りである。500mgのアセチル-DL-ロイシン、88mgの小麦デンプン、88mgのアルファ化トウモロコシ(トウモロコシ)デンプン、13mgの炭酸カルシウム及び11mgのステアリン酸マグネシウム。同じ錠剤を本開示で用いてもよい。
代替的に、そのような錠剤のジェネリック版を使用してもよい。
アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、1日当たり500mg及び10gの間の投与量、好ましくは1日当たり1.5g及び10gの間の投与量(例えば、1日当たり、1g及び10gの間の量、2g及び10gの間の量、3g及び10gの間の量、4g及び10gの間の量、1g及び5gの間の量、2g及び5gの間の量、3g及び5gの間の量、又は4g及び5gの間の量)で、オプションとして、固体経口又は液体経口経路によって投与されるかもしれない。例えば、タンガニル(Tanganil)(登録商標)は、回転性めまい発作(episodes of vertigo)の対症療法のために、1日あたり1.5g~2gの投与量、即ち、朝と夕の2回の投与で3-4錠が投与されるように成人に対して処方される。この処方下では、治療期間は臨床的進行によって変化する(10日から5又は6週間)。治療の開始時、又は失敗の場合、投与量は、1日当り3g迄、又は4g迄も安全に増量されるかもしれない。
本開示によれば、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩は、以前に知られているよりも高い投与量で、及び/又は、以前に知られているよりも長い治療期間に渡って、投与されるかもしれない。
例えば、投与量は、1日当たり4g及び10gの間の量、例えば1日当たり4.5g及び10gの間の量であってもよい。それは1日あたり、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、又は9.5g、及び10gの間であってもよい。それは、1日当たり4gを超えてもよいが、1日あたり10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、又は5g未満であってよい。例えば、投与量は、1日当たり4g超から6g以下の範囲内、例えば、1日当たり4g超から5g以下の範囲内であるかもしれず、例えば、更に1日当たり4.25gから4.75gであるかもしれない。更なる実施例において、これらの投与量は、固形経口剤形、特に錠剤で投与される。もう1つの実施例において、これらの投与量は、そのラセミ形態である場合に、アセチル-ロイシンに対するものである。エナンチオマー過剰が存在する場合、アセチル-ロイシンに対する投与量は、ここに列挙されたものよりも低く、例えば、約50%より低いかもしれない。このように、半減されたときの上述の投与量の範囲はまた、本開示によって明示的に包含される。
1日の総投与量は、複数の投与に渡って広げてもよく、例えば、必要とされる投与量を達成するために、1日に2回又はそれ以上の投与が必要とされるかもしれない。一例として、アセチル-ロイシンの1日の総投与量を提供するのに必要な錠剤の数は、2回の投与(例えば、朝及び晩)、又は3回の投与(例えば、朝、昼、及び晩)に分けることができる。各投与量は、妥当に食物と共に投与される。このようにして、一例として、4.5gのアセチル-DL-ロイシンの総1日投与量は、朝食と一緒に3つのタンガニル(Tanganil)(登録商標)(又は同等の)錠剤として、昼食と一緒に更に3つの錠剤として、そして、夕食と一緒に更に3つの錠剤として、投与されるかもしれない。
治療期間は、臨床的進行に従って変化するかもしれない。治療期間は、7日以上、2週間以上、3週間以上、1ヶ月以上、6週間以上、7週間以上、又は2ヶ月以上であるかもしれない。例えば、3ヶ月以上、4ヶ月以上、5ヶ月以上、又は6ヶ月以上である。
投与形態、投与量、投与スケジュール、及び治療期間の如何なる及びすべての組み合わせが想定され、本開示に包含される。例示的な組合せは、1日当たり3回の投与を通して1日当たり4.5g及び10gの間の総1日投与量であり、2ヶ月以上の治療期間である。更なる例示的な組み合わせは、1日3回の投与を通して1日当たり4g超から5g以下の総1日投与量であり、6ヶ月以上の治療期間である。投与形態は、例えば、固体経口剤形、特に錠剤であってもよい。
治療は、例えば、対象者における運動障害及び/又は認知障害の観察で、開始されるかもしれない。
治療は、例えば、高齢対象者における運動障害及び/又は認知障害の観察で、開始されるかもしれない。
ここで使用されるように「対象」は、脊椎動物、哺乳類、又は家畜であるかもしれない。従って、本開示による組成物は、如何なる哺乳動物、例えば家畜類(例えば、ウマ)、ペットを治療するために使用されてもよく、又は他の獣医学の用途において使用されてもよい。更に、例えば、対象はヒトである。
ここにおいて使用される「高齢者」は、高齢となった対象者を指す場合がある。例えば、70歳以上、75歳以上、80歳以上、85歳以上、又は90歳以上の男性及び女性を指すことができる。対応する寿命の後年にあるヒト以外の対象者もまたこの用語に包含される。
高齢対象者は、十分に老齢の被験者であってもよく、即ち、老化の正常な兆候を示す以外に、対象者は健康である。1つの実施例において、対象者は、回転性めまい(vertigo)又は如何なる(臨床的に提示される)神経疾患又は神経変性疾患、障害又は疾患を有さない。代わりの実施例において、高齢対象者は、老化の正常な兆候に加えて、回転性めまい(vertigo)及び/又は(臨床的に提示される)神経疾患又は神経変性疾患、障害又は疾患を有するかもしれない。
もう1つの実施例によれば、高齢の対象者のような対象者における運動性及び/又は認知機能を改善する方法が提供されるが、その方法は、治療効果のある量のアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩を対象者に投与するステップを含む。
薬剤の「治療効果のある量」は、対象者に投与されたときに、所望の効果を生じるのに必要な薬剤の量となる如何なる量でもある。例えば、使用されるアセチル-ロイシンの治療効果のある量は、1日当たり4g及び10gの間、例えば1日当たり4.5g及び10gの間の量であるかもしれない。更に、例えば、薬剤の量は、1日当たり4g超から5g以下、例えば1日当たり約4.25gから4.75gであってもよい。
(添付の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)ここにおいて記述される特徴の全て及び/又はそのように開示された如何なる方法の全てのステップは、そのような特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが相互排他的である組合せを除いて、如何なる組合せにおける上述の側面の如何なるものと組み合わせられてもよい。
実験例
本開示は、例えば高齢者において、運動性及び認知機能の改善におけるアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩の有用性を実証する、以下の実験例において、更に詳細に説明されるであろう。
実験例1
対象者
対象者は90歳の男性で、認知症の徴候のない引退した医師である。彼は、錐体外路兆候又は小脳兆候がなく5年間進行性の姿勢不均衡を経験してきた。彼は過去2年間で不完全な覚醒状態を経験してきたが、正常な睡眠パターンを有する。彼は20代にポリオに罹り、部分的な声帯麻痺、筋力低下、脊椎ミスアライメントを含むポリオ後症候群の側面を持っている。彼は、独立した活発な人生を送り、多読し、ラップトップコンピュータを使って家族とコミュニケーションをとる。彼の唯一の投薬は、この研究の時点での緑内障点眼薬であった。
初期治療
治療プロトコル
患者が不均衡及び歩行障害に苦しんでいたため、アセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標))による治療が開始された。彼は、食事と一緒に1日3回(TID)、即ち、1日総量4.5gの500mg錠9個を含む1ヶ月コースを開始した。
運動性の測定
被験者の運動する能力は、家庭内の設定「立って歩けテスト」において測定された。この試験では、対象者が椅子から補助なしで立ち、彼の居間から彼のキッチンまでの距離を歩くことが含まれていた。これは、治療前の7日間連続して、そして、タンガニル(Tanganil)(登録商標)での治療が開始された後、連続して7日間にわたって計測された。
結果
治療の7-10日までに、対象者は改善されたバランスのためより自信を持って歩いていた。タンガニル(Tanganil)(登録商標)治療に先立って、家庭内の設定「立って歩けテスト」において、対象者が椅子から補助なしで立ち、彼の居間から彼のキッチンまでの距離を歩くのに要した平均時間は、40±3秒であった。この治療を開始したときの平均時間は30±2秒であった。対象者は、治療前よりも一貫して25%より速かった。彼は、ベッドに入る及び出るのに苦労していたが、それが同時に解決した。
2~3週間の治療の後、対象者は、突然完全に鋭敏になり彼の意識がクリアになったと表現した。彼の家族は、認知機能、空間認識、一般的な振る舞いにおける顕著な改善に気づいた。彼は、治療前に明らかだった混乱の如何なるものもなく、彼の環境をナビゲートすることができた。例えば、彼の家には数多くの扉があり、治療前には、ある部屋にアクセスするために、どのドアを開けるのかについてしばしば止まって2度考えなければならなかった。治療後、これが減少したが、このことは、とりわけ改善された記憶を示していた。
1ヶ月後、対象者はアセチル-DL-ロイシンの服用をやめた。彼のバランスは2週間良いままであり、その後悪化したが、彼の認知力は、1ヶ月間に渡って徐々に低下し治療前状態になった。この「立って歩け」テストはまた、かれの治療前のパフォーマンスレベルと同様であった。
第二の治療
治療プロトコル
次いで、同じ対象者は、もう1ヶ月の治療、即ち、食事と一緒にTIDDで摂取する9つの500mgカプセルを含む、更なる1ヶ月コース(総1日投与量4.5g)を開始した。
結果
対象者は、治療の最初の月に改善が急速に戻ったと気づいた。
更なる治療
治療プロトコル
対象者は今も、1日当たり4.5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標))の投与量を続けている。
結果
対象者が治療の第1及び第2の月に気づいた改善は継続してきている。治療前に明らかであった混乱は今や全くない。
彼は18ヶ月以上、副作用を経験していない。
結論
対象者及び彼の家族は、アセチル-DL-ロイシン治療が複数の神経系、特に運動性及び認知機能に、顕著な利益をもたらし、彼の生活の質を大幅に改善したことに同意する。
実験例2
対象者は、バランス障害/老人歩行障害及びあおむけの転倒へと導く空間的定位損傷(浮遊性めまい(non-vertiginous dizziness))を患っている75歳の男性患者である。加えて、対象者は、非常に僅かな対称性運動不全-硬直症候群(a very discreet symmetric hypokinetic-rigid syndrome)を示す。対象者は2016年にバランス障害を有すると診断された。ダットスキャン(Datscan)は、境界病理学的(即ち、可能性のあるパーキンソン病を示すドーパミン受容体の減少)であったが、L-ドパ(L-Dopa)による治療中に改善は観察されなかった。対象者のMRIは、非特異的な白質病変及び右運動野の軽度の萎縮を示した。
0日目:患者に、アセチル-DL-ロイシンの1日当たり3グラム投与を第1週に、続いて1日当たり5グラムの投与を開始した。14日目:その後、対象者は再評価された。めまい症状(dizziness symptoms)の改善は、転倒の頻度の顕著な減少とともに見出された。運動不全-硬直症候群(hypokinetic-rigid syndrome)の変化は報告されなかった。56日目:治療は中断された。62日目:その後、対象者は再評価された。患者は、治療の中断後2日目にめまい症状(dizziness symptoms)(酔っている感覚を指摘)の増加を報告した。
研究は継続され、対象者は継続的な治療に戻る。
実験例3
86歳の男性患者は、5年前に軽度の緩徐進行性の姿勢不均衡及び歩行障害と診断された。これは、歩行時に船に乗っている船乗りのように感じると表現された。時には、対象者は、杖を使用しなければならなかった。対象者は、座っているか横になっている間には症状がなかった。対象者はまた、心房細動を患い、両側人工股関節を有する。
対象者の臨床検査では、増加した身体の揺れを伴う歩行の遅延が明らかになった。軽度の多発性神経障害の証拠があった。前庭の眼球運動又は小脳機能不全の証拠はなかった。
前庭系の臨床検査は正常であった。姿勢動揺検査では、身体の揺れの増加が示された。歩行分析は、小さな歩幅及び低下した歩行速度を明らかにした。脳のMRIは正常であった。
患者は、1日を通して、タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mgを3回に分けて治療した。-起床時1g、昼食前1g、夕食前1gを1週間、次いで、起床時2g、昼食前1.5g、夕食前1.5gであった。
アセチル-ロイシンによる治療開始後22日目の対象者の配偶者によるフィードバックは、めまい(dizziness)と不均衡の顕著な減少、及び歩行の顕著な改善を示した。治療の第2週目に改善が報告された。投薬は十分に許容された。
対象者が無関係の病気(インフルエンザ)に罹っているために、まだ、更なる試験が検査は可能ではなかったが、治療は継続している。
結論
配偶者及び患者によって、歩行の改善、めまい及び不均衡の軽減が報告された。
実験例4
89歳の男性患者は、3年間、歩行問題及び姿勢の不均衡を示した。座っているか横になっている間に症状はなかった。症状の経過は徐々に進行していた。患者は、両側聴力問題を抱えていたが、それ以外は、患者の病歴は明らかでなかった。
患者の臨床検査では、目を閉じた状態で立っている間に、増大する身体の揺れで歩行が遅くなることが明らかになった。前庭の眼球運動又は小脳機能不全の証拠はなかった。
前庭系の検査(ビデオ・ヘッド・インパルス試験(video head impulse test)、カロリー灌流(caloric irrigation)、前庭誘発筋電位(vestibular evoked myogenic potentials)を用いる)は正常であった。
患者の歩行のビデオを撮影し、歩行を定量分析した(結果を表1に示す)。
患者の脳のMRIは、軽度の皮質下血管性脳症を示した。
その後、患者は、タンガニル(Tanganil)(登録商標)で、1日に3回の別々の投与量-起床時1g、昼食前1g、及び夕食前1gで1週間治療され、続いて、起床時2g、昼食前1.5g、及び夕食前1.5gで治療された。
アセチル-ロイシン治療開始後の3週間のフォローアップにおいて、患者及びその娘は、彼の歩行及び不均衡が顕著に改善されたと報告した。彼は、はるかに簡単かつ迅速に起きることができた。彼はまた階段を上ることがはるかに容易であると報告した。ビデオ分析では、患者は今にも走ることができるように示される。投薬は非常によく許容できるものであった。
結論
タンガニル(Tanganil)(登録商標)による治療中の歩行の改善、めまい(dizziness)及び不均衡の減少は、患者及び彼の娘によって報告され、更に歩行分析及びビデオによって文書化された。投薬はまた十分に許容されるものであった。
治療前後の定量的歩行分析の結果は次の通りである。
Figure 2022024058000001
要約すると、アセチル-ロイシン治療において、
自己選択歩行速度が88cm/secから96cm/secに増加;
最大歩行速度が141cm/secから157cm/secに増加;及び
いわゆる歩調(1分当たりのステップ数)が92から100に増加
があった。
全体として、これらの定量的測定によって文書化された顕著な改善があった。
実験例5
77歳の患者は、5年以上、歩行の開始に関する問題及び小さなステップに関する進行性の歩行障害を経験した。MRIは皮質下血管性脳症を示した(長年にわたる動脈性高血圧による)。ダットスキャン(Datscan)は、ドーパミン受容体のわずかな減少を明らかにした。L-ドパ(L-Dopa)による治療中に改善は認められなかった。
0日目:患者は過去3ヶ月間に渡って4回の転倒を報告し、患者の配偶者は、患者における軽度の認知障害を報告した。診断は、歩行速度の著しい低下及び歩行開始の障害に関して確認された。
「歩行分析装置(gait-rite)」を用いた定量的歩行分析は、最大歩容速度(84cm/sec)及び自己選択歩行速度(55cm/sec)の顕著な減少を示した。
患者は、1日3グラムのアセチル-DL-ロイシンで2週間治療され、患者とその配偶者によって報告された歩行のかなりの改善が得られた。
その後、投薬が中止され症状の悪化が伴った。
28日目:再評価により、ビデオによって文書化された歩行障害が明らかになった。1日当たり3グラムのアセチル-DL-ロイシンによる治療が再び開始された。
42日目:更なる再評価で、対象者の配偶者は、生活の質及び機能に衝撃を与える劇的な改善を報告した。対象者の歩行は2年前よりも優れていたことが配偶者によって報告された。更なる転倒は報告されなかった。
臨床試験の結果は、歩行及びバランスの顕著な改善を明らかにし、患者は今にも走ることができた(ビデオで文書化された)。
定量的歩行分析は、最大歩行速度が84cm/secから130cm/secへとの増加を示し(ランニングは定量化されていない)、そして、自己選択された歩行速度は、55cm/secから62cm/secへとの増加を示した。
対象者は現在、継続的な治療を受けており、更なるフォローアップ試験が計画されている。
実験例6
59歳の男性患者は、時折の転倒及びつまずき(月に2~3回の頻度)で姿勢不均衡と診断された。彼の主な不満は、階段の上り下りにおいて問題を経験することと、でこぼこの地面での歩行に問題を経験することであった。対象者は特定の方向に転倒する傾向はないと報告した。患者はまた、特に短期記憶及び認知の柔軟性に関して、緩徐進行性の認知低下について不満を言った。彼の家族は、彼とのコミュニケーションにおいて固執性及び時折の拡散性に気づいてきた。彼の併存疾患に関して、彼は以前にインスリン依存性真性糖尿病と診断され、チロキシン置換甲状腺機能低下症と診断された。
患者は、以下の臨床評価:歩行の最大距離、タイムド・アップ・アンド・ゴー・テスト(timed Up and Go test)、スケール・フォー・ザ・アセスメント・アンド・レイティング・オブ・アトラクシア(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)(SARA)、によって臨床的に検査された。
患者はまた、タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg(起床時2g、昼食前1.5g、及び夕食前1.5g)での治療の1ヶ月後に姿勢動揺検査によって検査された。投薬は、食事の30分前、又は食事の少なくとも2時間後に行った。
ベースライン(治療開始前):患者が疲労のために歩くことができなくなるまでの最大距離は1kmであった。スタンス・アップ・アンド・ゴー・テスト(stance up-and-go test)は、25.4秒を生じさせた。SARAは、6.5/40を生じさせた。臨床検査では、意図的な振戦(intentional tremor)及びディスメトリア(dysmetria)を双方で有する、強調された姿勢不均衡を明らかにした。足と一緒のスタンス(Stance with feet together)は、背から腹に達する(dorsoventral)前後軸(anteroposterior axes)内に特に顕著であった、増大する全方向性の揺動に関して可能であった。タンデム・スタンス(Tandem stance)及び歩行は、転倒の危険性が高まったために実行できなかった。平均計時8m歩行テスト(Mean timed 8-meter-walking test)は、6.5secであった。チューン・フォーク検査(tune-fork examination)では、両側の内果で減少した固有受容性感覚が示された。
1ヶ月間の、タンガニル(Tanganil)(登録商標)での治療(起床時2g、昼食前1.5g、及び夕食前1.5g)の間に、以下の評価がなされた。
客観的測定:歩行の最大距離は1.5kmに増加された。投薬中のスタンス・アップ・アンド・ゴー・テスト(stance up-and-go test)は、21.2秒を産出した。SARAは、2/40を産出した。以前経験した揺れは、目に見えてより穏やかになった。足を一緒にしたスタンス並びに、タンデム・スタンス及び歩行は、増大された全方位の揺れに関して可能であった。平均時計8m歩行テストは、4.4秒を産出した。
主観的測定:患者はより多くのエネルギーを有し、特に午前の投薬後に、より機敏で相互作用的であった。患者は自宅及び庭においてDIYをしたいと熱望していたので、彼は、これらの活動をするため、より多くの意欲を持っており、1日のルーチンにおいてずっと迅速かつ効率的であると説明した。彼の家族は、彼とのコミュニケーションにおいてより理路整然としていて分かりやすく、そして、実行機能も同様に向上したと、気づいた。歩行時及び階段の上り下り時の両方で、主観的により姿勢的に安定していた。彼は自分自身を安定化させるためにサイドレールを保持する必要はなかった。更に、彼は、1ヶ月間の治療期間中に転倒を記録しなかった。
副作用:眠気は、1日2g/1.5g/1.5g投与計画で観察された。治療の1ヶ月後、起床時に1gに、昼食前に1gに、夕食前に1gに、1日の投与量を減らした。これにより、これらの副作用症状は停止した。
現在の状態:4ヶ月以上に渡ってより低い投与量の投薬(1g/1g/1g)で上記の改善が変わらないままであった。副作用は戻ってこなかった。転倒の頻度は、現在0-1/月である。
実験例7
対象者
対象者は、認知能力又は運動/バランスにおいて明らかな機能不全を有さない66歳の男性である。
研究設計
対象者の反応速度及び覚醒度は、マインド・メトリクス・アプリ(Mind Metrics App)(精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)、テスト当たり10回の試行)を用いて評価された。精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)(PVT)は、対象者が視覚刺激に応答する速度を測定する、持続的注意、反応時間計測課題(sustained-attention, reaction-timed task)である。対象者は、画面を監視し、視覚刺激が現れるとできるだけ早く画面を押す必要がある。その後、視覚刺激は消えて、このテストの期間に渡って(不規則な時間間隔で)10回再現され、対象者は各再現時にできるだけ早く画面に触れる。テスト・パフォーマンスは、10回の反応時間の平均から定量化される。テストは、同等な条件下で日々実施された。対象者は、ベースライン期間を構成する、アセチル-ロイシンの服用前の2週間、評価された。
15日目以降、対象者は、5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg、ピエール・ファーブル(Pierre Fabre))を毎日服用した。食事の少なくとも2時間後及び30分前に投薬を受けた。1日5gの投与量は、1日に3回の別々の投与量に分けて摂取されたが、それは、起床時に2g、昼食前に1.5g、夕食前に1.5gであった。
毎日の治療及び評価は4週間続けられた。次いで、対象者は、2週間のウォッシュアウト期間を開始した。
治療時のバランスにおける改善が報告されたため、我々は、治療期間の終わり及びウォッシュアウト期間の終わりにバランス能力を測定した。この評価は、対象者が目を閉じて利き側でない足を地面から約6インチほど持ち上げる必要があった。そして、対象者が、どれだけ長く、顕著な揺らぎがなく、かつ、真っすぐに立っていられるかの時間を測定した。このことは3回繰り返され、そして、値の平均が取られた。
主観的測定
対象者は、一般的な注意力における改善及び「眠り」から「完全に目を覚ます」ために必要な時間の短縮化を報告した。彼はまた、彼のバランスにおける改善に気づいた。
客観的測定
5g/日のアセチル-DL-ロイシンによる治療は、ベースライン期間(0.444ms対0.307ms、p<0.0001)(図1A)と比較して、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおける顕著な改善と関連していた。第15日目の治療開始時に、テスト・パフォーマンスは改善し始め、第19日目から治療期間の終わりまで維持された新たな、より低いベースラインに達した(図1B)。ウォッシュアウトを開始した後は、治療期間に対して優位に差はなかったが、テスト・パフォーマンス(図1B)における目立った低下があった(0.307ms(治療)対0.3224ms(ウォッシュアウト)、p-0.4747)。ウォッシュアウト期間中のテスト・パフォーマンスもまた、ベースライン期間(0.322ms(ウォッシュアウト)対0.444ms(ベースライン)、p<0.0001)より顕著により良好であった。
バランスは、治療期間の最終日に評価された。対象者は7.27秒(3回のテストの平均)のバランスを保つことができた。このテストはウォッシュアウト期間の終わりに繰り返された。被験者がバランスをとっていられた時間の長さは4.01秒に減少した(3回のテストの平均)。
有害事象
対象者は、投薬治療の最初の1週間のあるときに軽度のめまい(dizziness)/頭のふらつきを感じたと報告した。対象者は、1日の投与量を5gから3gに1日だけ減らし、めまい(dizziness)/頭のふらつきが軽減されたと報告した。翌日、1日の投与量を増加させ5gに戻した。4週間の治療期間の残りの間、このレベルで維持されたが、めまい(dizziness)又は頭のふらつきの再発はなかった。
実験例8
対象者
対象者は、認知能力又は運動性/バランスにける明らかな機能不全を有さない29歳の男性である。
研究設計
対象者の反応速度及び覚醒度は、マインド・メトリクス・アプリ(Mind Metrics App)(精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)、テスト当たり10回の試行)により評価された。テストは、同等な条件下で毎日実施された。対象者は、アセチル-ロイシンを服用する前の2週間に評価されたが、これは、ベースライン期間を構成する。15日目以降、対象者は5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg、ピエール・ファーブル(Pierre Fabre))を毎日服用した。投薬は、食事の少なくとも2時間後及び30分前に受けた。1日5gの投与量を、3回に分けて1日のうちに摂取したが、起床時に2g、昼食前に1.5g、夕食前に1.5gであった。毎日の治療及び評価は4週間続けられた。次いで、対象者は2週間のウォッシュアウト期間を開始した。
主観的測定
対象者は、一般的な覚醒度において改善を報告した。 彼はまた、不安の減少を報告し、おそらくより明瞭な頭脳で考えることができることにリンクしていたであろう。彼は、バランスにおいて差はないと報告した。
客観的測定
5g/日のアセチル-DL-ロイシンによる治療は、ベースライン期間(0.3145ms対0.3032ms、p<0.05)(図2A)に対して、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)のパフォーマンスにおいて、わずかではあるが統計的に有意な改善と関連していた。テスト・パフォーマンスは、ウォッシュアウト期間中、ベースライン値又は治療中の値のいずれかからも有意に異ならなかった(それぞれ、0.3032ms対0.3145/0.3104ms)。
悪影響
何も報告されなかった。
実験例9
対象者
対象者は、認知能力又は運動性/バランスにおいて明らかな機能不全を有さない55歳の女性である。
研究設計
対象者の反応速度及び覚醒度は、マインド・メトリクス・アプリ(Mind Metrics App)(精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)、テスト当たり10回の試行)により評価された。テストは、同等な条件下で毎日実施された。対象者は、アセチル-ロイシンを服用する前の2週間に評価されたが、これはベースライン期間を構成する。15日目以降、対象者は5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg、ピエール・ファーブル(Pierre Fabre))を毎日服用した。投薬は、食事の少なくとも2時間後及び30分前に受けた。1日5gの投与量は、1日を通して3回に分けて摂取されたが、起床時2g、昼食前1.5g、夕食前1.5gであった。毎日の治療及び評価は4週間続けられた。次いで対象者は2週間のウォッシュアウト期間を開始した。
バランス調整能力は、治療期間の終了時及びウォッシュアウト期間の終了時に測定された。この評価では、対象者は目を閉じて利き足でない足を地面から約6インチ離して持ち上げる必要があった。そして、対象者が、どれだけ長く、顕著な揺らぎがなく、かつ、真っすぐに立っていられるかの時間を測定した。このことは3回繰り返され、そして、値の平均が取られた。
主観的測定
対象者は、「眠り」から「完全に目を覚ます」ために必要な時間の短縮化を報告した。治療期間は、仕事のための旅行、及び8時間の時差と一致した。
客観的測定
5g/日のアセチル-DL-ロイシンによる治療は、ベースライン期間(0.2983ms(ベースライン)対0.3025ms(治療)、p-5105)(図3A)に対して、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおける有意な変化に関連しなかった。テスト・パフォーマンスは、ウォッシュアウト期間中、ベースライン値又は治療中の値(それぞれ、0.3053ms対0.2983/0.3025ms)と有意には異ならなかった。ベースライン及び治療期間からの個々の日の結果の観察は、治療期間中の値が比較的わずかな変動しか示さないことを示唆している(図3B)。
精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおける有意な変化がないことは、対象者が比較的速いベースライン反応速度を有するためかもしれない。
バランスは、治療期間の最終日に評価された。対象者は12秒間バランスを維持することができた(3回のテストの平均)。このテストはウォッシュアウト期間の終わりに繰り返された。対象者がバランスをとっていられた時間の長さは、8秒に減少した(3回のテストの平均)。
悪影響
何も報告されなかった。。
実験例10
対象者
対象者は、認知能力又は運動性/バランスにおいて明らかな機能不全を有さない50歳の男性である。
研究設計
対象者の反応速度及び覚醒度は、マインド・メトリクス・アプリ(Mind Metrics App)(精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)、テスト当たり10回の試行)により評価された。テストは、同等な条件下で毎日実施された。対象者は、アセチル-ロイシンを服用する前の1週間に評価されたが、これは、ベースライン期間を構成する。
8日目以降、対象者は5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg、ピエール・ファーブル(Pierre Fabre))を毎日服用した。投薬は、食事の少なくとも2時間後及び30分前に受けた。1日5gの投与量は、1日を通して3回に分けて摂取されたが、起床時2g、昼食前1.5g、夕食前1.5gであった。毎日の治療及び評価は2週間続けられた。対象者はその後、1週間のウォッシュアウト期間を開始した。
主観的測定
対象者は、薬物療法のオン及びオフの間に差はないと報告した。
客観的測定
5g/日のアセチル-DL-ロイシンによる治療は、ベースライン期間に対して(0.3112ms(ベースライン)対0.33365ms(治療)、p-0.1545)、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおいて、小さい非統計学的有意性低下に関連していた(図4A)。テスト・パフォーマンスは、ウォッシュアウト期間中、ベースライン値又は治療時の値(それぞれ、0.3129ms及び0.3112/0.3365ms)の何れからも有意に異ならなかった。
精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおける有意な変化がないことは、対象者が比較的速いベースライン反応速度を有するためである。
悪影響
何も報告されなかった。。
実験例11
対象者
対象者は、認知能力又は運動性/バランスにおいて明らかな機能不全を有さない53歳の男性である。
研究設計
対象者の反応速度及び覚醒度は、マインド・メトリクス・アプリ(Mind Metrics App)(精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)、テスト当たり10回の試行)によって評価された。テストは、同等な条件下で毎日実施された。対象者は、アセチル-ロイシンを服用する前の2週間に評価されたが、これは、ベースライン期間を構成する。
15日目以降、対象者は、5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg、ピエール・ファーブル(Pierre Fabre))を毎日服用した。投薬は、食事の少なくとも2時間後及び30分前に受けた。1日5gの投与量は、1日を通して3回に分けて摂取されたが、起床時2g、昼食前1.5g、夕食前1.5gであった。毎日の治療及び評価は4週間続けられた。次いで、対象者は2週間のウォッシュアウト期間を開始した。
我々は、治療期間の終了時及びウォッシュアウト期間の終了時にバランス調整能力を測定した。この評価では、対象者は目を閉じて利き足でない足を地面から約6インチ離して持ち上げる必要があった。そして、対象者が、どれだけ長く、顕著な揺らぎがなく、かつ、真っすぐに立っていられるかの時間を測定した。このことは3回繰り返され、そして、値の平均が取られた。
主観的測定
対象者は、一般的な注意力における改善及び「眠り」から「完全に目を覚ます」ために必要な時間の短縮化を報告した。
客観的測定
5g/日のアセチル-DL-ロイシンによる治療は、ベースライン期間(0.3771ms対0.3385ms、p<0.01)(図5A)と比較して、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおける統計的に有意な改善と関連していた。テスト・パフォーマンスは、治療中(0.3385ms、p<0.01)の値に対して、ウォッシュアウト期間(0.423ms)において統計学的に有意な低下を示したが、ベースライン(0.3771ms、ns)に対しては有意な差はなかった。
バランスは、治療期間の最終日に評価した。対象者は7.9秒(3回のテストの平均)の間、バランスを保つことができた。このテストはウォッシュアウト期間の終わりに繰り返された。対象者がバランスをとっていられた時間の長さは3.1秒に減少した(3回のテストの平均)。
悪影響
何も報告されなかった。。
実験例12
対象者
対象者は、認知能力又は運動/バランスにおいて明らかな機能不全を有さない48歳の女性である。
研究設計
対象者の反応速度及び覚醒度は、マインド・メトリクス・アプリ(Mind Metrics App)(精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)、テスト当たり10回の試行)によって評価された。テストは、同等な条件下で毎日実施された。対象者は、アセチル-ロイシンを服用する前の2週間に評価されたが、これは、ベースライン期間を構成する。
15日目以降、対象者は、5gのアセチル-DL-ロイシン(タンガニル(Tanganil)(登録商標)500mg、ピエール・ファーブル(Pierre Fabre))を毎日服用した。投薬は、食事の少なくとも2時間後及び30分前に受けた。1日5gの投与量は、1日を通して3回に分けて摂取されたが、起床時2g、昼食前1.5g、夕食前1.5gであった。毎日の治療及び評価は4週間続けられた。次いで、対象者は2週間のウォッシュアウト期間を開始した。
主観的測定
対象者は、通常よりも疲れが少ないと感じ、眠りから完全に目を覚ますまでの通常よりも短い時間を使ったと報告した。
客観的測定
5g/日のアセチル-DL-ロイシンによる治療は、ベースライン期間(0.3238ms(ベースライン)対0.2996ms(治療)、p<0.001)(図6A)に対する、精神運動ヴィジランス課題(Psychomotor Vigilance Task)パフォーマンスにおいて統計的に有意な改善 と関連していた。テスト・パフォーマンスは、治療中(0.2996ms、p<0.001)に対して、ウォッシュアウト期間(0.3374ms)の間において統計的に有意な低下を示したが、ベースライン(0.3238ms、ns)に対して有意な差はなかった。
悪影響
何も報告されなかった。。
まとめると、これらの実験例は、運動性及び認知機能に関して、高齢者を含む対象者の範囲に利益をもたらすアセチル-ロイシンの有用性を実証する。このような頻繁な老化の兆候及び症状を有する患者に現在提供される治療選択肢がほとんどないので、これは有利である。表2は、実験例7~12のデータをまとめたものである。アセチル-ロイシンは、認知機能及び/又は運動性を増加させることが示されている。更に、長いベースライン反応時間を有する対象者は、最大の臨床的便益を示した。
Figure 2022024058000002
本開示は、以下のような番号づけられた段落によって更に説明される。
1.対象者における、認知機能、運動性、又は、認知機能及び運動性 を改善する方法における使用のための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
2.その使用が、認知機能及び/又は運動性における年齢に関係する減少の治療の際の使用であることを特徴とするパラグラフ1に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
3.対象者が、加齢に関連する認知機能における減少及び/又は加齢に関連する運動性障害を有することを特徴とする、パラグラフ1又は2に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
4.対象者が、40歳以上の;50歳以上の;60歳以上の;70歳以上の;75歳以上の;80歳以上の;85歳以上の;90歳以上の;又は95歳以上のヒトであることを特徴とする、パラグラフ1から3の何れか1つに記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
5.対象者が高齢対象者であることを特徴とする、パラグラフ1から4のいずれか1つに記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
6.その使用が、前記対象者における認知機能を改善する方法においてであることを特徴とする、パラグラフ1から4のいずれか1つに記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
7.その使用が、前記対象者における運動性を改善する方法における使用であることを特徴とする、パラグラフ1から4のいずれか1つに記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
8.認知機能が、知覚、記憶、イメージの創作、自覚、推論、思考、及び判断能力からなる群から選択される1つ又はそれ以上である、パラグラフ1から6のいずれか1つに記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
9.前記アセチル-ロイシンが、ラセミ体の形態にあり、L-エナンチオマーのエナンチオマー過剰中であり、又はD-エナンチオマーのエナンチオマー過剰にあることを特徴とする、パラグラフ1から8のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
10.パラグラフ1から9のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、アセチル-ロイシンを1日当たり1.5g及び10gの間の投与量、例えば、4g及び10gの間の投与量を投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
11.パラグラフ1から9のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、アセチル-ロイシンを1日当たり500mgから10gの範囲の投与量で、例えば、1gから10g、1.5gから10g、2gから10g、3gから10g、4gから10g、4.5gから10g、1gから5g、2gから5g、3gから5g、又は4gから5gの範囲の1日当たりの投与量で、固体の経口投与又は液体の経口投与経路の何れか任意の選択で投与を行うステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
12.パラグラフ10に開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、1日当たり4g超から6g以下の投与量で投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
13.パラグラフ10から12のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、2回又はそれ以上の投与に渡って前記投与量を投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
14.パラグラフ14に開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、3回の投与に渡って前記投与量を投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
15.パラグラフ1から14のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、2週間又はそれ以上の治療期間の間に投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
16.パラグラフ15に開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、7週間又はそれ以上の治療期間の間にアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
17.パラグラフ1から16のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、2ヶ月以上の治療期間、1日当たり3回の投与に渡って、1日当たり4.5g及び10gの間の投与量においてアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
18.パラグラフ1から16のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、前記方法は、2ヶ月以上の治療期間、1日当たり3回の投与に渡って、1日当たり4.5g及び10gの間の投与量においてアセチル-ロイシンを投与するステップ、例えば、6ヶ月以上の治療期間、1日当たり3回の投与に渡って、1日当たり4g超から5g以下の範囲の投与量においてアセチル-ロイシンを投与するステップ を含むことを特徴とする、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
19.対象者がじゅうぶんに高齢の対象者であることを特徴とする、パラグラフ1から18のいずれか1つに開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
20.対象者が、回転性めまい(vertigo)、又は、神経疾患若しくは神経変性疾患、障害又は疾患を有さないことを特徴とする、パラグラフ19に開示されるような方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
21.眠りから完全に目を覚ますための時間を短縮化することにおける使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
22.対象者が老化に関連する平衡(バランス)障害のような対象者におけるバランスを改善することにおける使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
23.老化に関連する平衡(バランス)障害を治療することにおける使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
24.例えば、立位時及び/又は歩行時に、対象者が老化に関連する低下された安定性を有する場合のように、例えば、立位時及び/又は歩行時に対象者の安定性を増大させる際においての使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
25.老化に関連して増大する不安定性を対象者が有するように、歩行中に対象者の不安定性を減少させる際の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
26.対象者が年齢に関連する歩行障害を有する場合のように、対象者における歩行の改善を行う際の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
27.パラグラフ26による使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩であって、その使用が、前記対象者における歩行速度及び/又は歩調(cadence)を増加させることを特徴とするアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
28.対象者が年齢に関連する転倒に向かう傾向を有するような、対象者における転倒の予防又は減少においての使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
29.例えば、対象者が老化に関連する反応速度における低下を経験するところ、対象者の視覚刺激に応答する速度を増加させる際の使用のためのような、反応速度の増加における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
参照
(1)Vibert N、Vidal PP。 モルモットの中枢前庭ニューロン及び前庭眼球ネットワークにおけるアセチル-DL-ロイシン(タンガニル)のインビトロ効果。 Eur J Neurosci 2001 2月; 13(4):735-48。
(2)Ferber-Viart C、Dubreuil C、Vidal PP。 前庭患者におけるアセチル-DL-ロイシンの効果:神経切除術及び迷走神経切除術後の臨床研究。 Audiol Neurootol 2009; 14(1):17-25。
(3)Zwergal A、Schlichtiger J、Xiong G、Beck R、Gunther L、Schniepp R ら。 中央前庭の補償の順次[F] FDG microPET全脳画像:脱面誘発脳塑性モデル。 Brain Struct Funct 2014年10月1日。
(4)Gunther L、Beck R、Xiong G、Potschka H、Jahn K、Bartenstein P ら。 N-アセチル-L-ロイシンは、小脳及び視床における作用による片側迷路切除術の後に前庭の補償を促進する。 PLoS One 2015; 10(3):e0120891。
(5)Strupp M、Teufel J、Habs M、Feuerecker R、Muth C、van de Warrenburg BPら 小脳性運動失調症患者におけるアセチル-DL-ロイシンの効果:症例シリーズ。 J Neurol 2013年10月; 260(10):2556-61。
(6)Pelz JO、Fricke C、Saur D、Classen J. 退縮性小脳性運動失調症におけるアセチル-DL-ロイシンの有効性の確認の失敗:症例シリーズ。 J Neurol 2015 May; 262(5):1373-5。
(7)Bremova T、Malinova V、Amraoui Y、Mengel E、Reinke J、Kolnikova Mら。 ニーマン・ピック タイプCにおけるアセチル-dl-ロイシン:症例シリーズ。 Neurology 2015 October 20; 85(16):1368-75。
(8)Becker-Bense S、Feuerecker、R、Xiong G、Feil K、Bartenstein P、Strupp M、Dieterich M. 小脳性運動失調の患者におけるFDG-PET アセチル-DL-ロイシンを用いた治療のオン対オフ。 要約 EAN 2015。
(9)Smith R. 高齢者運動性スケールの信頼性及び検証。 Physiotherapy 1994; 80(11):744-7。

《1》 高齢の対象者における、認知機能、運動性、又は、認知機能及び運動性 を改善する方法における使用のための、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《2》 その使用が、前記対象者における認知機能を改善する方法におけることを特徴とする、上記《1》に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《3》 その使用が、前記対象者における運動性を改善する方法におけることを特徴とする、上記《1》に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《4》 認知機能が、知覚、記憶、イメージの創作、自覚、推論、思考、及び判断能力からなる群から選択される1つ又はそれ以上である、上記《1》又は《2》に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《5》 その使用が、認知機能及び/又は運動性における年齢に関連する減少を治療することにおけることを特徴とする、上記発明に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《6》 対象者が老化に関連する認知機能における減少及び/又は老化に関連する運動性障害を有することを特徴とする、上記発明に記載の使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《7》 前記アセチル-ロイシンがラセミ体であることを特徴とする、上記発明に記載される方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《8》 その方法が、1日当たり4g及び10gの間の投与量においてアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、上記発明に記載される方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《9》 その方法が、1日当たり4g超から6g以下の投与量においてアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、上記《8》に記載される方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《10》 その方法が、2回又はそれ以上の投与に渡って前記投与量を投与するステップを含むことを特徴とする、上記《8》又は《9》に記載の方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《11》 その方法が、3回の投与に渡って前記投与量を投与するステップを含むことを特徴とする、上記《10》に記載の方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《12》 その方法が、2週間又はそれ以上の治療期間に対してアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、上記発明に記載される方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《13》 その方法が、7週間又はそれ以上の治療期間に対してアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、上記《12》に記載される方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。
《14》 その方法が、2ヶ月又はそれ以上の治療期間に対して、1日当たり3回の投与に渡って、1日当たり4.5g及び10gの間の投与量においてアセチル-ロイシンを投与するステップを含むことを特徴とする、上記発明に記載される方法における使用のためのアセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩。

Claims (9)

  1. 運動性における加齢に関連する低下を示す対象者における加齢に関連する運動性障害を治療するための医薬組成物であって、
    その医薬組成物は、アセチル-ロイシン又はその薬学的に許容される塩を含み、
    その対象者は、運動失調又は回転性めまいを有せず、
    運動性における加齢に関連する低下が、低下した安定性、歩行中の不安定さ、老齢歩行障害、障害のある歩行速度及び歩調、及び転倒への傾向から選択される1つの運動性障害である、医薬組成物。
  2. 前記アセチル-ロイシンがラセミ体であることを特徴とする、請求項1に記載される医薬組成物。
  3. アセチル-ロイシンが、1日当たり4g及び10gの間の投与量において投与されることを特徴とする、請求項1又は2に記載される医薬組成物。
  4. アセチル-ロイシンが、1日当たり4g超から6g以下の投与量において投与されることを特徴とする、請求項3に記載される医薬組成物。
  5. 前記投与量が、2回又はそれ以上の投与に渡ることを特徴とする、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
  6. 前記投与量が、3回の投与に渡ることを特徴とする、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. アセチル-ロイシンが、2週間又はそれ以上の治療期間に対して投与されることを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載される医薬組成物。
  8. アセチル-ロイシンが、7週間又はそれ以上の治療期間に対して投与されることを特徴とする、請求項7に記載される医薬組成物。
  9. アセチル-ロイシンが、2ヶ月又はそれ以上の治療期間に対して、1日当たり3回の投与に渡って、1日当たり4.5g及び10gの間の投与量において投与されることを特徴とする、請求項1から8の何れか1項に記載される医薬組成物。
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