JP2022020313A - 缶成形装置の往復直線運動機構および缶成形装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1、2では、エア吐出機構が、往復直線運動機構の外部からラム軸を通してパンチにエアを供給する。
また、本発明の缶成形装置の一つの態様は、上述の缶成形装置の往復直線運動機構と、前記所定方向に延び、一端部に前記ラム軸連結部が連結されるラム軸と、前記ラム軸の他端部に配置されるパンチと、前記パンチが挿入される貫通孔を有するダイと、前記ダイの前記貫通孔が開口する端面に押し付けられるカップホルダーと、前記缶成形装置の往復直線運動機構の内部および前記ラム軸を通して前記パンチにエアを供給するエア吐出機構と、を備え、前記エア吐出機構は、前記エア供給路を含む。
図1に示すように、本実施形態の缶成形装置1は、ワークであるカップ状体WにDI加工を施してDI缶100とする、DI缶製造装置である。
DI缶100は、有底筒状である。DI缶100は、飲料等の内容物が充填、密封される2ピース缶やボトル缶等の缶体に用いられる。2ピース缶の場合、缶体は、DI缶100と、DI缶100の開口端部に巻き締められる円板状の缶蓋と、を備える。ボトル缶の場合、缶体は、DI缶100にネッキング加工およびねじ加工等が施されたボトル缶本体と、ボトル缶本体の開口端部に螺着されるキャップと、を備える。
缶成形装置1は、上記DI工程に用いられるものであり、カップ状体WにDI加工、すなわち絞り(再絞り)しごき加工を施して、カップ状体Wよりも周壁の高さが大きく、直径が小さいDI缶100に成形する。また缶成形装置1は、上記DI工程において、DI缶100の缶底をドーム形状に成形する。
ラム軸3、パンチ2、ラム軸受5、ダイ8の貫通孔7、カップホルダー6およびドーマー11の各中心軸Oは、互いに同軸に配置される。本実施形態では、これらの部材の共通軸である中心軸Oが、水平方向に延びる。
ラム軸3は、中心軸Oに沿って延びる軸状である。ラム軸3は、中心軸Oの軸方向において互いに離間して配置される一対のラム軸受5により、摺動自在に支持される。
パンチ2は、中心軸Oに沿って延びる円筒状または円柱状である。
また、成形時において再絞りダイ8Aおよび各アイアニングダイ8Bには、潤滑と冷却のためクーラント液が供給される。
特に図示しないが、カップホルダー駆動機構は、駆動源から往復直線運動機構10を介して伝達された回転駆動力を、中心軸Oの軸方向への往復運動に変換して、カップホルダー6を中心軸Oの軸方向に往復直線移動させる。
エア連通路72は、エア吐出孔71に接続されラム軸3の内部を中心軸Oの軸方向に沿って延びるラム軸流路72aと、ホース等の配管部材73の内部を延び、ラム軸流路72aとエア供給路28とを繋ぐ配管流路72bと、を有する。エア供給源は、例えばエアコンプレッサ等であり、エア供給路28にエア(圧縮エア)を供給する。
まず、ワークであるカップ状体Wが、カップ軸(缶軸)を水平方向に延ばし、その開口をパンチ2側へ向けた姿勢で、パンチ2と再絞りダイ8Aとの間に配置される。カップ状体Wの底壁は、再絞りダイ8Aの端面9と対向する。
図2および図3に示すように、往復直線運動機構10は、内歯歯車16を有するハウジング15と、凸部25を有する第1回転体21と、第1軸受31と、内歯歯車16と噛み合う外歯歯車23および凹部27を有する第2回転体22と、第2軸受32と、エア継手部材40と、ラム軸連結部35と、連結軸受54と、第1錘部51と、第2錘部52と、軸体26と、弁部80と、エア供給路28と、オイル供給路37と、を備える。
第1中心軸C1と第2中心軸C2とは、互いに平行であり、かつ互いに離れて配置される。第2中心軸C2と第3中心軸C3とは、互いに平行であり、かつ互いに離れて配置される。なお図2および図3においては、第1中心軸C1と第3中心軸C3とが互いに同軸とされた状態、つまり第1中心軸C1と第3中心軸C3とが一致した状態を表している。本実施形態では、第1中心軸C1、第2中心軸C2および第3中心軸C3が、水平方向に延びる。
第1中心軸C1回りに周回する方向を第1周方向と呼ぶ。第1周方向のうち、缶成形装置1の稼働時に、ハウジング15に対して第1回転体21が回転させられる向きを、第1回転方向T1と呼ぶ。
第2中心軸C2回りに周回する方向を第2周方向と呼ぶ。第2周方向のうち、缶成形装置1の稼働時に、第1回転体21に対して第2回転体22が回転させられる向きを、第2回転方向T2と呼ぶ。
第3中心軸C3回りに周回する方向を第3周方向と呼ぶ。第3周方向のうち、缶成形装置1の稼働時に、ラム軸3に対してラム軸連結部35が回転させられる向きを、第3回転方向T3と呼ぶ。
底壁部17bは、第1中心軸C1と垂直な方向に拡がる円環板状である。底壁部17bの外周部は、周壁部17aの軸方向他方側の端部と接続される。本実施形態では周壁部17aと底壁部17bとが、一体に形成される。
径方向押さえ部18aは、第1中心軸C1を中心とする筒状である。径方向押さえ部18aの外周面は、周壁部17aの内周面と接触する。図示の例では、径方向押さえ部18aの外周面が、軸方向他方側へ向かうに従い第1径方向の内側に位置するテーパ面状である。また、周壁部17aの内周面のうち、径方向押さえ部18aの外周面と接触する部分は、軸方向他方側へ向かうに従い第1径方向の内側に位置するテーパ面状である。このため往復直線運動機構10の組み立て時に、外輪押さえ部材18の径方向押さえ部18aを、周壁部17aと第1軸受31との間に軸方向他方側へ向けて挿入していくことにより、第1軸受31を第1径方向の外側からガタつきなく押さえることができる。
図3に示すように、第1回転体21は、第1中心軸C1を中心とする略円柱状である。第1回転体21は、ハウジング本体17内に配置される。第1回転体21は、ハウジング15内に収容される。
鍔部21bは、第1回転体21の外周部の軸方向一方側の端部に配置される。鍔部21bは、第1中心軸C1を中心とする円環板状である。鍔部21bは、第1回転体21の外周面から第1径方向の外側に突出し、第1周方向に延びる。鍔部21bの一対の板面は、軸方向を向く。鍔部21bの一対の板面のうち軸方向他方側を向く板面は、第1軸受31の内輪31aに軸方向一方側から接触する。
凸部25については、後述する。
内輪31aは、第1中心軸C1を中心とする筒状である。内輪31aは、第1回転体21の外周面に嵌合する。内輪31aの軸方向一方側を向く端面には、鍔部21bが接触する。
外周段部25aは、凸部25の外周部の一部を構成する。図示の例では外周段部25aが、凸部25の外周部のうち軸方向他方側の端部に配置される。外周段部25aは、第2中心軸C2を中心とする円環面状であり、軸方向一方側を向く。
穴部25bは、第2中心軸C2を中心とする円穴状である。穴部25bは、凸部25の軸方向一方側を向く面から軸方向他方側に窪む。
第2回転体22は、第2中心軸C2を中心とする略有頂筒状である。第2回転体22は、外歯歯車23と、頂壁部22bと、継手挿入孔22cと、凹部27と、外輪押さえリング24と、を有する。本実施形態では、第2回転体22の外歯歯車23および頂壁部22bと、ラム軸連結部35とが、単一の部材により一体に形成される。
複数の外歯23aのうち少なくとも1つ以上と、複数の内歯16aのうち少なくとも1つ以上とは、互いに噛み合う。外歯歯車23の外歯23aのピッチ円直径は、内歯歯車16の内歯16aのピッチ円直径の1/2である。
内周段部27aは、凹部27の内周部の一部を構成する。図示の例では内周段部27aが、凹部27の内周部のうち軸方向一方側の端部に配置される。内周段部27aは、第2中心軸C2を中心とする円環面状であり、軸方向他方側を向く。
内輪32aは、第2中心軸C2を中心とする筒状である。内輪32aは、凸部25の外周面に嵌合する。内輪32aの軸方向一方側を向く端面には、エア継手部材40の後述する内輪押さえ部41が接触する。内輪32aの軸方向他方側を向く端面には、外周段部25aが接触する。つまり内輪32aは、軸方向において、内輪押さえ部41と外周段部25aとにより挟まれる。
エア継手部材40は、内輪押さえ部41と、内筒42と、外筒43と、を有する。
嵌合突部41aは、第2中心軸C2を中心とする円筒状であり、内輪押さえ部41の軸方向他方側を向く板面から、軸方向他方側に突出する。嵌合突部41aは、穴部25b内に嵌合する。
外筒エア孔43aは、外筒43の周壁を第2径方向に貫通する。外筒エア孔43aは、軸方向から見て、ラム軸連結部35の第3中心軸C3と第2中心軸C2とを結ぶ仮想直線上に位置する。
ラム軸連結部35は、頂壁部22bから軸方向一方側に突出する。ラム軸連結部35は、ハウジング15よりも軸方向一方側に位置する。ラム軸連結部35は、頂壁部22bから第2径方向の外側に突出する。
エア穴35aは、第3中心軸C3を中心とする円穴状であり、ラム軸連結部35の軸方向一方側を向く面から、軸方向他方側に窪む。エア穴35aは、内部にエアを貯留可能である。
内輪54aは、第3中心軸C3を中心とする筒状である。内輪54aは、ラム軸連結部35の外周面に嵌合する。
外輪54bは、第3中心軸C3を中心とする筒状である。外輪54bは、内輪54aよりも第3径方向の外側に位置する。外輪54bは、ラム軸3の一端部を軸方向に貫通する孔内に嵌合する。
弁部80は、ラム軸連結部35の第3中心軸C3回りの回転位置に応じて、内部をエアが通過可能な流通モード(図4および図5に示す状態)と、内部をエアが通過不能な遮断モード(図示省略)と、に切り替えられる。
ラム軸固定部81は、ラム軸3に固定される(図2参照)。具体的に、ラム軸固定部81は、ボルト部材84によりラム軸3の一端部(コンロッド)と固定される。
固定板部85は、第3中心軸C3と垂直な方向に拡がる板状である。本実施形態では固定板部85が、略四角形板状である。固定板部85は、複数のボルト部材84により、ラム軸3の一端部に取り付けられる。
調整長孔86aは、固定筒部86を第3径方向に貫通し、第3中心軸C3回りに延びる。図示の例では、調整長孔86aが、鉛直方向において固定筒部86の上側部分に配置される。
エア接続口86bは、固定筒部86を第3径方向に貫通する孔である。図示の例では、エア接続口86bが、鉛直方向において固定筒部86の下側部分に配置される。エア接続口86bには、ホース等の配管部材73の一端部が接続される(図1参照)。配管部材73の他端部は、ラム軸3の配管接続口と接続される。
固定ネジ88は、ボルト88aと、ナット88bと、を有する。ボルト88aは、調整長孔86aに第3径方向の外側から挿入され、外筒部87の外周面に開口する雌ネジ穴に螺着される。ナット88bは、ボルト88aの雄ネジ部に螺着され、固定筒部86の外周面に対して第3径方向の外側から接触する。
取付板89は、第3中心軸C3を中心とし、第3中心軸C3と垂直な方向に拡がる円環板状である。取付板89の外周部は、ラム軸連結部35の軸方向一方側の端部にネジ止め等により固定される。つまり回転部82は、ラム軸連結部35に固定される。取付板89の外周部は、連結軸受54の内輪54aを軸方向一方側から押さえる。
嵌合部89aは、第3中心軸C3を中心とする円筒状であり、取付板89の軸方向他方側を向く板面から、軸方向他方側に突出する。嵌合部89aは、エア穴35aの内周面のうち軸方向一方側の端部つまり開口部内に嵌合する。
このようにして、本実施形態の往復直線運動機構10は、第1回転体21に入力された回転駆動力を、ストローク方向Sへの往復直線運動に変換してラム軸連結部35に出力する。これにより、ラム軸連結部35にラム軸3を介して連結されたパンチ2がストローク方向Sに往復直線運動させられる。パンチ2、ダイ8、カップホルダー6等によりカップ状体WにDI加工を施すことが可能になり、カップ状体WをDI缶100に成形することができる。
また、ラム軸固定部81に対して、回転部82がラム軸連結部35とともに第3中心軸C3回りに回転し、第3中心軸C3回りの前記所定範囲とは異なる他の範囲において径方向流路90bとエア長孔87aとの連通が遮断されている間は、弁部80が遮断モードとされて、エア供給路28からラム軸3へのエアの供給が遮断される。
本実施形態の上記構成によれば、簡素な構造によって、成形後の缶100をタイミングよく安定してブローオフすることができる。
この場合、エア長孔87aと径方向流路90bとが連通するタイミングを調整可能である。すなわち、外筒部87を第3中心軸C3回りに回動させるという簡単な操作によって、缶100の内部にエアを吐出するタイミングを調整できる。このため、成形後の缶100をパンチ2から安定してブローオフすることができる。
この場合、固定筒部86に対して外筒部87を第3中心軸C3回りに回動させ、エア長孔87aの第3中心軸C3回りの位置を調整した状態で、固定ネジ88により固定筒部86と外筒部87とを固定することで、エア長孔87aを第3中心軸C3回りに位置決めできる。すなわち簡単な構成により、エア長孔87aの第3中心軸C3回りの位置を調整し、その位置を固定できる。
この場合、エアチャンバー29が第1チャンバーおよび第2チャンバーを有するので、エアチャンバー29全体としての容積がより大きく確保される。缶100をパンチ2からブローオフしたときのエア供給路28等の圧力低下を、エアチャンバー29によってより小さく抑えることができる。缶100をパンチ2から安定して離型させることができる。
Claims (4)
- 第1中心軸を中心とする内歯歯車を有するハウジングと、
前記第1中心軸と直交する径方向において、前記ハウジングの内側に位置し、前記ハウジングと前記第1中心軸回りに相対回転可能に連結される第1回転体と、
前記第1中心軸と平行な第2中心軸を中心とし前記内歯歯車と噛み合う外歯歯車を有し、前記第1回転体と前記第2中心軸回りに相対回転可能に連結される第2回転体と、
前記第2回転体に接続され、前記径方向のうち所定方向に沿って往復直線運動させられるラム軸連結部と、
前記第1回転体、前記第2回転体および前記ラム軸連結部の各内部を通るエア供給路と、を備え、
前記エア供給路は、少なくとも前記ラム軸連結部の内部および第2回転体の内部のいずれかに配置され、エアが貯留されるエアチャンバーを有する、
缶成形装置の往復直線運動機構。 - 前記ラム軸連結部は、前記第2中心軸と平行な第3中心軸を中心とする円筒状であり、
前記エアチャンバーは、前記ラム軸連結部の内部に形成される円柱形状の室である、
請求項1に記載の缶成形装置の往復直線運動機構。 - 前記エアチャンバーは、
前記ラム軸連結部の内部に配置される第1チャンバーと、
前記第2回転体の内部に配置される第2チャンバーと、を有する、
請求項1または2に記載の缶成形装置の往復直線運動機構。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の缶成形装置の往復直線運動機構と、
前記所定方向に延び、一端部に前記ラム軸連結部が連結されるラム軸と、
前記ラム軸の他端部に配置されるパンチと、
前記パンチが挿入される貫通孔を有するダイと、
前記ダイの前記貫通孔が開口する端面に押し付けられるカップホルダーと、
前記缶成形装置の往復直線運動機構の内部および前記ラム軸を通して前記パンチにエアを供給するエア吐出機構と、を備え、
前記エア吐出機構は、前記エア供給路を含む、
缶成形装置。
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