JP2022015219A - サンドイッチ成形品の射出成形方法 - Google Patents

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祐一朗 有馬
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裕一郎 福田
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【課題】物理発泡剤や化学発泡剤を樹脂材料に混入させることなく、内層用溶融樹脂を発泡させる、サンドイッチ成形品の射出成形方法を提供する。【解決手段】型締め工程の完了後に、表層用溶融樹脂を射出充填し、金型キャビティ9a内を表層用溶融樹脂9bで満たす第1射出充填工程と、第1射出充填工程の完了後に、金型キャビティ9aの容積を拡張させる金型キャビティ第1拡張工程と、金型キャビティ第1拡張工程の開始後に、表層用溶融樹脂内に、内層用溶融樹脂を射出充填する第2射出充填工程と、を備え、内層用溶融樹脂10bは、樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材を可塑化させたものであって、第2射出充填工程の完了後に、金型キャビティ9aの容積を拡張させる金型キャビティ第2拡張工程において、複合樹脂素材に含有される揮発成分により内層用溶融樹脂を発泡させるサンドイッチ成形品の射出成形方法によって達成される。【選択図】図2

Description

本発明は、表層及び内層からなるサンドイッチ成形品の射出成形方法に関する。
近年、環境問題への対応等により、家電製品、OA機器、自動車部品等に採用される樹脂成形品には、軽量化による樹脂素材の使用量削減や、リサイクル樹脂等の環境改善に関連する素材の利用促進が求められる。表層と、この表層に内包された内層とからなるサンドイッチ成形品は、内層が表層に表出しないように成形される。そのため、サンドイッチ成形品の軽量化のために内層を発泡成形体としても、また、色調や素材感が不均一であるリサイクル樹脂等の環境改善に関する素材を内層に使用しても、基本的には表層に使用した樹脂材料により、所望する成形品としての製品外観性、色調及び素材感等が得られる。
このような理由により、サンドイッチ成形品は、近年の環境問題への対応に非常に好適な成形品とされる。例えば、特許文献1には、スキン層(表層)とコア層(内層)の2層構造として再生プラスチック材をコア層(内層)に使用し、サンドイッチ成型法により成型された合成樹脂パレットが開示されている。また、特許文献1には、スキン層(表層)を無発泡樹脂材料で成型し、コア層(内層)を発泡倍率1.05から1.5の発泡材料で成型する形態も開示されている。
サンドイッチ成形品を成形する射出成形方法(コ・インジェクション法)としては、主に、多段成形方法と同時成形方法の2つの方法が知られている。多段成形方法は、表層用溶融樹脂を金型キャビティの容積未満の量で金型キャビティ内に射出充填させた後(所謂、ショートショット状態)、内層用溶融樹脂を表層用溶融樹脂内に射出充填させ、これら2つの溶融樹脂で金型キャビティ内を満たす(所謂、フルパック状態)方法である(特許文献2参照)。一方、同時成形方法は、表層用溶融樹脂を金型キャビティ内にショートショット状態で射出充填させた後、表層用溶融樹脂と内層用溶融樹脂とを、表層用溶融樹脂が外周側で、その中心に内層用溶融樹脂が配置されるような層流状態で、先に射出した表層用溶融樹脂内に射出充填させ、これら2つの溶融樹脂で金型キャビティ内を満たす方法である(特許文献3参照)。
ここで、金型キャビティ内の気体の熱伝導率は、金型キャビティの内面(金属等)の熱伝導率よりも低いため、多段成形方法(特許文献2)や同時成形方法(特許文献3)の何れの場合も、金型キャビティ内にショートショット状態で射出充填された表層用溶融樹脂の、金型キャビティ内の気体と接触する箇所は、金型キャビティの内面と接触する箇所に比べて冷却固化が遅く、強度が弱い。このため、この強度の弱い箇所から内層用溶融樹脂が噴出し、樹脂反転不良が発生するおそれがあった。
その結果、従来のサンドイッチ成形品の射出成形方法では、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂の充填割合を高くすることが難しかった。また、内層用溶融樹脂に化学発泡剤や物理発泡剤を混入させて発泡させる場合、多段成形方法におけるショートショット状態、あるいは、同時成形方法における層流状態での、内層用溶融樹脂の発泡状態を制御することが困難であり、サンドイッチ成形品の内層を、所望する発泡倍率や気泡サイズの発泡体として成形することが困難であった。
出願人は、上述したような反転不良の発生を抑制することが可能なサンドイッチ成形品の射出成形方法を考案した(特許文献4及び5)。従来のサンドイッチ成形品の射出成形方法と区別するため、ダイレクトサンドイッチ(日本国商標登録第5552111号)と呼称している。
特開2003-011969号公報 特開平08-174603号公報 特開2001-096566号公報 WO2012/160952号公報 特開2013-006419号公報
しかしながら、特許文献4及び5の射出成形方法においても、内層用溶融樹脂を発泡させる場合、通常の発泡成形方法と同様に、内層用溶融樹脂への物理発泡剤や化学発泡剤の混入が必要となる。化学発泡剤は、樹脂材料への混入自体は比較的容易であるが高価であり、また、成分の一部が残渣成分としてサンドイッチ成形品に残るという問題がある。一方、空気や窒素等の物理発泡剤は安価ではあるが、これらの樹脂材料への混入は、射出成形機の射出装置のシリンダバレル内での樹脂材料の可塑化工程中に行わざるを得ず、シリンダバレル内に物理発泡剤を所定圧力で供給する供給装置や、必要に応じてシリンダバレル内の圧力を調整するための圧力検出手段や圧力制御手段が必要になり、これら装置のイニシャルコストが必要であるという問題がある。
本発明は、物理発泡剤や化学発泡剤を樹脂材料に混入させることなく、内層用溶融樹脂を発泡させる、サンドイッチ成形品の射出成形方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る一のサンドイッチ成形品の射出成形方法は、金型キャビティを形成可能な第1金型及び第2金型を用いて、表層と内層とからなるサンドイッチ成形品を成形する射出成形方法であって、前記第1金型と前記第2金型とを型締めし、前記金型キャビティを形成する型締め工程と、前記型締め工程の完了後に、前記金型キャビティに、前記表層となる表層用溶融樹脂を射出充填し、前記金型キャビティ内を前記表層用溶融樹脂で満たす第1射出充填工程と、前記第1射出充填工程の完了後に、前記金型キャビティの容積を所定量だけ拡張させる金型キャビティ第1拡張工程と、前記金型キャビティ第1拡張工程の開始後に、前記金型キャビティ内の前記表層用溶融樹脂内に、前記内層となる内層用溶融樹脂を射出充填する第2射出充填工程と、を備える射出成形方法において、前記内層用溶融樹脂は、樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材を可塑化させたものであって、前記第2射出充填工程の完了後に、前記金型キャビティの容積を所定量だけ拡張させる金型キャビティ第2拡張工程において、前記複合樹脂素材に含有される揮発成分により前記内層用溶融樹脂を発泡させることを特徴とする。
本発明に係る一のサンドイッチ成形品の射出成形方法において、前記表層用溶融樹脂も前記複合樹脂素材であって、前記金型キャビティ第1拡張工程において、前記揮発成分により前記表層用溶融樹脂を発泡させて、前記表層用溶融樹脂内に発泡層を形成させると共に、前記第2射出充填工程において、前記金型キャビティ内の前記表層用溶融樹脂の前記発泡層に、前記内層用溶融樹脂を射出充填させて、前記金型キャビティ第2拡張工程において、前記揮発成分により前記内層用溶融樹脂を発泡させても良い。
本発明によれば、物理発泡剤や化学発泡剤を樹脂材料に混入させることなく、内層用溶融樹脂を発泡させる、サンドイッチ成形品の射出成形方法を提供することができる。
第1実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法の、第2射出充填工程までの各工程を示す金型の概略断面図である。 第1実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法の、第2射出充填工程以降の各工程を示す金型の概略断面図である。 成形される過程を示すサンドイッチ成形品の概略断面図である。 第2実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法の、第1射出充填工程から第2射出充填工程までを示す金型の概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1乃至図3を参照しながら本発明の第1実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法を説明する。図1は、第1実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法の、第2射出充填工程までの各工程を示す金型の概略断面図である。図2は、第2射出充填工程以降の各工程を示す金型の概略断面図である。図3は、成形される過程を示すサンドイッチ成形品の概略断面図である。なお、第1実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法は、出願人が考案したダイレクトサンドイッチが可能な構成を前提に説明する。
第1実施形態に係る射出成形方法に用いる射出成形機は、図1(a)に示すように、金型キャビティ9aを形成可能な固定金型2(第1金型)及び可動金型4(第2金型)と、表層9となる表層用溶融樹脂9bを金型キャビティ9a内に射出充填可能な第1射出ユニット17と、内層10となる内層用溶融樹脂10bを金型キャビティ9a内に射出充填可能な第2射出ユニット18とを備える。
固定金型2は、ベース(図示せず)に立設された固定盤(図示せず)に取り付けられている。また、固定金型2は、第1射出ユニット17から射出された表層用溶融樹脂9bが金型キャビティ9a内に向けて流動する表層用樹脂流路9cと、この表層用樹脂流路9cの金型キャビティ9a内に連通されるゲート部分に設けられたゲートバルブ(樹脂遮断開放切替弁)9dと、第2射出ユニット18から射出された内層用溶融樹脂10bが金型キャビティ9a内に向けて流動する内層用樹脂流路10cと、この内層用樹脂流路10cの金型キャビティ9a内に連通されるゲート部分に設けられたゲートバルブ10dとを有している。可動金型4は、可動盤(図示せず)に、固定金型2に対向するように取り付けられ、図示しない型開閉機構により射出成形機の長手方向(以下、型開閉方向という)に移動可能に配置されている。
固定金型2及び可動金型4は、それぞれの金型の分割面(金型分割面、パーティング面、割面と呼称されることもある)がシェアエッジ構造となっており、射出成形機の型開閉機構による型開閉動作で、金型キャビティの容積を可変させるものである。シェアエッジ構造とは、くいきり構造、あるいはインロー構造等と呼称されることもあり、金型の分割面を形成する嵌合部の構造として一般的に知られた構造であり、型開閉方向に伸びて、互いに摺動しながら挿脱することのできる嵌合部を、固定金型と可動金型の間に形成することによって、金型キャビティ内に射出充填された溶融樹脂が、所定量、金型を型開きさせても金型外に漏れ出すのを防止することができる構造である。このようなシェアエッジ構造の金型は、成形工程中に金型を微小型開きさせる拡張発泡成形方法(コアバック発泡成形方法と呼称されることもある)や型内被覆成形方法(インモールドコーティング法、金型内塗装方法と呼称されることもある)等に採用される。
第1射出ユニット17及び第2射出ユニット18は、固定金型2側において、例えば並行型配置、V字型配置、斜め型配置及びL字型配置等の種々の方法で配置されている。並行型配置は、第1射出ユニット17及び第2射出ユニット18の双方が、固定金型2の背面側において射出成形機の長手方向と平行となるように配置される態様である。V字型配置は、第1射出ユニット17及び第2射出ユニット18の双方が、固定金型2の背面側において射出成形機の長手方向に対して若干の角度を付けて配置される態様である。斜め型配置は、メイン射出ユニットが、固定金型2の背面側において射出成形機の長手方向と平行となるように配置され、サブ射出ユニットが、固定金型2の背面側においてメイン射出ユニットに対して斜めに配置される態様である。L字型配置は、メイン射出ユニットが、固定金型2の背面側において射出成形機の長手方向と平行となるように配置され、サブ射出ユニットが、固定金型2の側面、上面又は下面側において射出成形機の長手方向と直交するように配置される態様である。これらの配置は、使用される溶融樹脂の種類や、射出充填量等の射出充填仕様により適宜選択されれば良い。第1実施形態に係る射出成形方法に用いる射出成形機は、初めから2つ以上の射出ユニットが配置されたサンドイッチ成形専用の射出成形機であっても、市販されている後付け用の射出ユニットが追加された汎用射出成形機であっても良い。
第1実施形態に係る射出成形方法は、図1(a)に示す成形サイクル開始前の型開き状態から、図1(b)に示すように、可動金型4を図示しない型開閉機構により固定金型2側に移動させて、可動金型4と固定金型2とを型閉じさせた後、型締力を付与させる(型締め工程)。この型締め工程は、固定金型2及び可動金型4により形成される金型キャビティ9aの容積が、サンドイッチ成形品の容積未満で、かつ、表層用溶融樹脂9bの射出充填率が略100%となるように、固定金型2及び可動金型4を型締めする工程である。以後の説明のため、この時の金型キャビティ9aの型開閉方向の距離を、図1(b)に示すように距離Dとする。
次に、型締力を付与させた状態において、表層用樹脂流路9cのゲートバルブ9dを開放させて、第1射出ユニット17から表層用樹脂流路9cを介して、表層用溶融樹脂9bを金型キャビティ9aに射出充填させる(第1射出充填工程)。第1実施形態に係る射出成形方法においては、表層用溶融樹脂9bは、化学発泡剤や物理発泡剤等の発泡成分や、後述する揮発性不純物等が混入されていない樹脂材料を可塑化させて得られる非発泡性の溶融樹脂であるものとする。
第1射出充填工程において、内層用樹脂流路10cの金型キャビティ9a側端部のゲート部分に設けられたゲートバルブ10dは閉じられており、金型キャビティ9a内に射出充填させた表層用溶融樹脂9bが内層用樹脂流路10cに逆流することはない。この第1射出充填工程において、金型キャビティ9a内は、表層用溶融樹脂9bで満たされる(所謂、フルパック)。そのため、表層用溶融樹脂9bの略全面が金型キャビティ9aの内面と接触して冷却され、略全面を覆う強固なスキン層9e(冷却固化層)が形成されると共に、スキン層9eへの高い転写性が確保され、製品外観性が向上する。第1射出充填工程完了時の表層9を図3(a)に示す。
なお、第1実施形態においては、図1(b)に示すように、シェアエッジ構造の固定金型2及び可動金型4を型閉じ(型締め)した状態(金型キャビティ9aの型開閉方向の距離:距離D)で、金型キャビティ9aの容積が、サンドイッチ成形品の容積未満で、かつ、表層用溶融樹脂9bの射出充填率が略100%となるものとした。一方、別形態として、第1実施形態と同じシェアエッジ構造の金型(図1(b))において、型閉じ(型締め)していない位置(金型キャビティ9aの型開閉方向の距離が距離D以上)で、第1射出充填工程を開始させて、その後に型閉じ(型締め)して、金型キャビティ9aの型開閉方向の距離を距離Dとする形態であっても良い。また、他の別形態として、型閉じ(型締め)した状態で、金型キャビティ9aの型開閉方向の距離が距離D以下となるシェアエッジ構造の金型が採用され、第1射出充填工程における表層用溶融樹脂9bの射出充填力による型開き力によって、金型キャビティ9aの型開閉方向の距離を距離Dとする形態であっても良い。
なお、先に紹介した特許文献1においては、サンドイッチ成形品(合成樹脂パレット)の表層をスキン層、内層をコア層、と呼称している。これに対して、本願においては、サンドイッチ成形品を、表層と、この表層に内包された内層とからなる成形品とし、金型キャビティ内に射出充填された溶融樹脂が、金型キャビティの内面と接触して、あるいは、金型キャビティ内のガスと接触して、これにより冷却された溶融樹脂表面に形成される冷却固化層を、前段落も含め、スキン層と呼称するものとする。
表層用溶融樹脂9bは、金型キャビティ9a内に射出充填された直後から金型内で冷却され、冷却固化収縮が進行するため、型締め工程により形成された金型キャビティ9aの容積より、少なくとも冷却固化収縮分(容積)だけ多く射出充填させた方が、表層用溶融樹脂9bの強固なスキン層9eの形成とスキン層9eへの高い転写性を確保する上で好ましい。ここで、スキン層9eは、金型キャビティ内の気体との接触部に形成されるスキン層に対して、強固ではあるが完全に硬化している層ではなく、その温度が樹脂軟化点温度、あるいは、ガラス固化温度以上で冷却固化がまだ進行中の、層方向にゴム状の弾性挙動を示す薄膜のような層であり、金型キャビティ9aの容積の可変に伸縮して追従可能である。
次に、図1(c)に示すように、第1射出充填工程の完了後に、金型キャビティ9aの容積を所定量だけ拡張させる金型キャビティ第1拡張工程が行われる。図1(b)に示す型締め状態(微小型開き量0(ゼロ))から、図1(c)に示す、微小型開き量L1までの型開きにより、金型キャビティ9aの容積が、サンドイッチ成形品11の容積よりも小さく、且つ、内層用溶融樹脂10bを射出充填可能な容積となるように拡張されるものとする。すなわち、固定金型2から微小型開き量L1まで可動金型4を型開きさせた位置が、後述する第2射出充填工程(内層用溶融樹脂10bの射出充填)完了後の可動金型4の位置である。
ここで、金型キャビティ第1拡張工程及び第2射出充填工程(内層用溶融樹脂10bの射出充填)のそれぞれの制御には、成形条件や内層用溶融樹脂10bの状態等、状況に応じて、後述する3パターンからの選択が可能である。第2射出充填工程の説明の前に、これら3パターンの制御について説明する。なお、後述する金型キャビティ第2拡張工程において、第2射出充填工程で表層用溶融樹脂9b内に射出充填させた内層用溶融樹脂10bを発泡させるが、ここで説明する金型キャビティ第1拡張工程においては、表層用溶融樹脂9b内に射出充填させた内層用溶融樹脂10bは、未発泡状態が維持されるものとする。
第1のパターンは、金型キャビティ第1拡張工程の完了後に第2射出充填工程を開始させる制御である。例えば、金型キャビティ第1拡張工程において、ゲートバルブ10dと表層用溶融樹脂9bのスキン層9eとの密着性が維持され、第2射出充填工程において内層用樹脂10bが比較的容易に充填でき、表層用溶融樹脂9bの外へ漏れ出る反転不良の恐れのない場合においては、後述する第2のパターンのように、金型キャビティ第1拡張工程と第2射出充填工程とを連動させる必要はない。すなわち、金型キャビティ第1拡張工程の完了後(固定金型2からの可動金型4の型開き量が微小型開き量L1に到達後/図1(c)に示す状態)のタイミングで、図2(b)に示すように、第2射出ユニット18から内層用溶融樹脂10bを射出充填させる第2射出充填工程を開始させる。
第2のパターンは、金型キャビティ第1拡張工程及び第2射出充填工程の連動制御である。具体的には、図1(b)に示す第1射出充填工程の完了後、金型キャビティ第1拡張工程を開始させた後、固定金型2からの可動金型4の型開き量が、例えば、微小型開き量L1’(L1’<L1)に到達するタイミングで、図2(a)に示すように、第2射出ユニット18から内層用溶融樹脂10bを射出充填させる第2射出充填工程を開始させる。
この時、金型キャビティ第1拡張工程において、可動金型4の型開き量、すなわち、金型キャビティ9aの容積拡張量が、表層用溶融樹脂9b内に射出充填させる内層用溶融樹脂10bの射出充填量(射出充填容積)の増加と同じ、あるいは、所定量(容積)少なくなるように、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)等を制御させ、前述した隙間(図1(c))が生じないように、微小型開き量L1になるまで可動金型4を型開きさせることが、表層用溶融樹脂9bの強固なスキン層9eの形成と該スキン層への高い転写性を確保する上で好ましい。
また、逆に、可動金型4の型開きによる金型キャビティ9aの容積拡張量に合わせて、第2射出充填工程における内層用溶融樹脂10bの射出充填量(容積)を同様に制御させる、あるいは、双方を連動制御させても良い。また、第2射出充填工程における内層用溶融樹脂10bの射出充填力による型開き力によって、微小型開き量がL1‘からL1へ変化するような型締め力の設定であっても良い。
第3のパターンは、金型キャビティ第1拡張工程の完了後に、金型キャビティ縮小工程を行わせる制御である。図示はしていないが、具体的には、先に説明した第1あるいは第2のパターンのいずれにおいても、金型キャビティ第1拡張工程において、固定金型2からの可動金型4の型開き量を微小型開き量L1よりも大きくする。これにより、金型キャビティ9aへの内層用溶融樹脂10bの充填抵抗が低下するため、充填が容易となる。また、その結果、先の第1あるいは第2のパターンよりも射出充填圧力の低圧化が可能となり、表層用溶融樹脂9bの外へ漏れ出す反転不良の防止効果も大きく、内層用溶融樹脂10bの充填量比率を大きくすることができる。
そして第2射出充填工程の完了後に、再び、可動金型4の型開き量が微小型開き量L1の位置まで可動金型4を型閉じ方向に移動させる(金型キャビティ縮小工程)。この金型キャビティ縮小工程により、射出充填力ではなく、可動金型4の型閉じ力により、金型キャビティ9a内の非表層用溶融樹脂9bあるいは内層用溶融樹脂10bの、冷却固化していない溶融状態の樹脂に、型開閉方向に均等に圧力を作用させることができる。そのため、薄肉部位や複雑形状部位への溶融樹脂の充填が促進され、また、金型キャビティ9a内の溶融樹脂圧力の均一化が図れる。
次に、第2射出充填工程について説明する。第2射出充填工程では、図2(a)に示すように、内層用樹脂流路10cのゲートバルブ10dを開放させ、内層10を形成する内層用溶融樹脂10bを、第2射出ユニット18から内層用樹脂流路10cを介して、金型キャビティ9a内面との接触面に形成された表層用溶融樹脂9bのスキン層9eを貫通させて、表層用溶融樹脂9bの溶融層9f内に射出充填させる。第2射出充填工程の開始後における、内層10となる内層用溶融樹脂10bの流動状態を図3(b)に示す。
ここで、第1実施形態においては、樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材を原料として、第2射出ユニット18に供給・可塑化させて内層用溶融樹脂10bを得る。
上記の樹脂素材は、射出成形が可能な熱可塑性樹脂であれば特に制約はない。例示すると、PP、PE、PET、PVC、PS、PA、ABS、PC、PMMA、PPS、PU、PLA等の樹脂材料が挙げられる。
次に、上記の非樹脂素材を例示すると、木材、穀物、野菜、竹、ケナフ、紙、茶葉、コーヒーカス、雑草等の自然素材を微細化処理したものが挙げられる。また、GF(ガラス繊維)やCF(炭素繊維)等の強化繊維、石膏、鉱物、金属片等の人工素材を微細化処理したものが挙げられる。また、工場内廃棄物、産業廃棄物、自動車廃棄物、家庭用廃棄物等の廃棄廃材物を微細化処理したものも挙げられ、その他には、塗装やメッキ処理を施した樹脂片、樹脂素材と非樹脂素材の分別が困難な混合物、熱硬化樹脂、非晶性樹脂及び結晶性樹脂の混合物等の再生化が困難とされているものが挙げられる。
上記のような樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材は、公知の製造方法で適宜製造されれば良い。具体的には、上記で例示した非樹脂素材を公知の粉砕装置により微細化処理する。微細化処理された非樹脂素材と、上記で例示した樹脂素材とを所定の割合で混合して、公知の混錬装置に投入する。複合樹脂素材に対する非樹脂素材の混合割合は、例えば、10~90%と特に制約はない。該混錬装置内で樹脂素材が溶融され、溶融された樹脂素材と、微細化処理された非樹脂素材とが混錬され、該混錬装置から押し出される。該混錬装置から押し出された複合樹脂素材を、公知の裁断装置にて所定のサイズに切断する。その後、切断された複合樹脂素材を冷却・乾燥することにより、射出成形機用の一般的なペレット状の樹脂材料と同様の、複合樹脂素材のペレット状の樹脂材料が製造される。
ここで、内層10に、自然素材の繊維質を残した繊維補強効果を狙う場合は、非樹脂素材として使用する繊維の繊維残存長さが1~10mm程度であることが好ましい。また、核剤として均質微細分布を狙う場合は、非樹脂素材の微細化処理後の粒径が、0.01~1mm程度であることが好ましい。
一方、このように製造される複合樹脂素材には揮発成分が含有される。具体的な揮発成分としては、元々、樹脂素材や非樹脂素材に含有されていた水分や、複合樹脂素材の製造過程や製造後の保管中に吸着された水分、また、非樹脂素材に含有される塗料、油分、化学成分、加熱により生成される熱分解物等の揮発性不純物が挙げられる。なお、以後は、前述した水分も、揮発性不純物として説明する。
揮発性不純物を含んだ複合樹脂素材を内層用の樹脂材料として第2射出ユニット18に供給し、そのシリンダバレル内で所定の温度と圧力が付された状態で可塑化・計量される過程で、揮発性不純物の一部はガス化され、揮発成分が生成される。揮発成分の一部は内層用溶融樹脂10bに溶解含有される。溶解含有されない揮発成分は、内層用溶融樹脂10bに微細に分散混合される。第2射出ユニット18内で可塑化され、図示しない貯留部に貯留されている内層用溶融樹脂10bは、該温度と圧力により、揮発成分を溶解含有した状態を維持し、あるいは微細に分散混合された状態を維持し、未発泡状態が維持される。
次に、金型キャビティ第1拡張工程の開始後に行われる第2射出充填工程において、表層用溶融樹脂9a内に内層用溶融樹脂10bが射出充填される。その間も、樹脂の流動に伴う圧力の付加によって、内層用溶融樹脂10bの未発泡状態が維持される。図2(a)に、金型キャビティ第1拡張工程を開始させて、固定金型2からの可動金型4の型開き量が微小型開き量L1’(L1’<L1)に到達するタイミングで、第2射出ユニット18から内層用溶融樹脂10bを射出充填させる第2射出充填工程を開始させる状態を示す。また、第2射出充填工程中のサンドイッチ成形品11を図3(b)に示す。そして、金型キャビティ第1拡張工程及び第2射出充填工程が完了した状態を図2(b)に示す共に、この図2(b)に対応するサンドイッチ成形品11を図3(c)に示す。なお、内層用溶融樹脂10bが、未発泡状態であることを示すために、図2(a)及び図2(b)、また、図3(b)及び図3(c)において、内層用溶融樹脂10bをドット(点々)で示している。
そして、第2射出充填工程の開始後(すなわち、第2射出充填工程の途中、又は、第2射出充填工程の完了後)に、金型キャビティ9aの容積を所定量だけさらに拡張させる金型キャビティ第2拡張工程が行われる。金型キャビティ第1拡張工程の完了後に、金型キャビティ第2拡張工程が行われると言い換えても良い。図2(b)に示す、金型キャビティ第1拡張工程及び第2射出充填工程が完了した状態から、図2(c)に示す、微小型開き量L2までの型開きにより、金型キャビティ9aの容積がサンドイッチ成形品11の容積となるように拡張されるものとする。この金型キャビティ第2拡張工程において、図2(c)及び図3(d)に示すように、内層用溶融樹脂10bに溶解含侵している揮発成分の体積膨張により、あるいは微細混合状態にある揮発成分の体積膨張により、内層用溶融樹脂10bを発泡させる。
この内層用溶融樹脂10bに溶解含侵している揮発成分の体積膨張、すなわち、内層用溶融樹脂10bの発泡は、金型キャビティ9aの容積拡張による、内層用溶融樹脂10bの圧力低下に起因するものである。すなわち、この金型キャビティ第2拡張工程における、揮発成分の圧力変動による体積膨張を利用することで、物理発泡剤や化学発泡剤を混入させることなく、内層用溶融樹脂10bを発泡させるものである。そして、この金型キャビティ第2拡張工程において、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)を制御して、内層用溶融樹脂10bの圧力低下(降下)を制御することにより、内層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズを制御することが可能である。なお、内層用溶融樹脂10bが、発泡状態であることを示すために、図2(c)及び図2(d)、また、図3(d)において、内層用溶融樹脂10bを白抜き小円で示している。
従来のサンドイッチ成形品、すなわち、多段成形方法におけるショートショット状態、あるいは、同時成形方法における層流状態において、上記のような、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)の制御による、表層用樹脂内の圧力制御や、該圧力制御による内層用溶融樹脂の発泡倍率や気泡サイズの制御は困難である。
また、先に説明した第2のパターンのように、金型キャビティ第1拡張工程と第2射出充填工程とを連動させ、内層用樹脂流路10cのゲートバルブ10dと、金型キャビティ9aの内面との接触面に形成された表層用溶融樹脂9bのスキン層9eとを密着させた状態を維持させることにより、ゲートバルブ10dにおける樹脂反転不良の発生を防止しつつ、表層用溶融樹脂9bのスキン層9eを貫通させて、内層用溶融樹脂10bを表層用溶融樹脂9bの溶融層9f内に射出充填することができる(第2射出充填工程)。
第2射出充填工程後、図2(c)に示すように、内層用樹脂流路10cのゲートバルブ10dが閉じられ、金型キャビティ9a内に成形されたサンドイッチ成形品11は微小片開き量L2を保持させた状態で冷却固化させる冷却固化工程に移行させる。この時のサンドイッチ成形品の状態を図3(d)に示す。表層9はスキン層9eを含む、冷却固化した表層用溶融樹脂9bで構成され、内層10は複合樹脂素材を材料とする内層用溶融樹脂10bが揮発成分により発泡された発泡成形体で構成される。そして、金型キャビティ9a内に成形されたサンドイッチ成形品11の冷却固化が完了した後、図2(d)に示すように、可動金型4を図示しない型開閉機構により固定金型2から型開きさせ、図示しない製品取出手段によりサンドイッチ成形品11を射出成形機外へ搬出させ、成形サイクルが終了する。
以上説明したように、図1(a)から図2(d)までの工程を繰り返すことにより、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂の充填比率を高く設定しても、樹脂反転不良を抑制しながら、製品外観性に優れたサンドイッチ成形品11を連続して成形させることができる。
第1実施形態に係る射出成形方法は、金型キャビティ第1拡張工程により、金型キャビティ9a内に満たされた表層用溶融樹脂9bへの型締力が緩和されると共に、同工程の金型キャビティ9aの容積拡張により、表層用溶融樹脂9bの溶融層9f内圧力を低下させることができる。このため、第2射出充填工程における内層用溶融樹脂10bの射出充填抵抗を低下させ、内層用溶融樹脂10bの射出充填性を向上させる。その結果、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂10bの充填比率を高くすることができる。そして、内層用溶融樹脂10bの樹脂材料(複合樹脂素材)の使用量の増加と、所望する製品外観性、色調及び素材感等を両立させたサンドイッチ成形品が成形できる。
それだけでなく、第1実施形態に係る射出成形方法は、第2射出充填工程において、金型キャビティ第1拡張工程及び第2射出充填工程を連動制御させれば、内層用溶融樹脂10bの表層用溶融樹脂9b内への射出充填量(容積)の増大に伴い、金型キャビティ9aがこれら2つの溶融樹脂で満たされた状態で、固定金型2からの可動金型4の型開き量が微小型開き量L1’に到達するまで金型キャビティ9aの容積が拡張される。これにより、図3(b)及び図3(c)に示すように、表層用溶融樹脂9bの略全面に形成された強固なスキン層9eによって樹脂反転不良が抑制され、スキン層9eへの高い転写性も確保することができる。
また、第1実施形態に係る射出成形方法は、第2射出充填工程において、内層用溶融樹脂10bを、図2(a)に示すように、表層用溶融樹脂9bの表層用樹脂流路9cとは別の内層用樹脂流路10cから、表層用溶融樹脂9bのスキン層9eを貫通させて、表層用溶融樹脂9b内に射出充填させている。このため、第1実施形態に係る射出成形方法に用いる射出成形機には、複数の射出ユニットの先端部を結合させるミキシングノズル等の層流形成手段が不要である。また、これら溶融樹脂の樹脂流路がホットランナーであっても、その配置及び構成等により層流を形成させる構造のように複雑になることはなく、樹脂流動長を短くすることができるため、樹脂圧損が小さく射出充填性が良く、樹脂滞留が少ないため色換え性にも優れる。
さらに、内層用溶融樹脂10bは、内層用樹脂流路10cが金型キャビティ9aに接続されるゲート部分に配置されたゲートバルブ10dから、射出充填圧力により表層用溶融樹脂9bのスキン層9e(冷却固化層)を貫通させるため、固定金型2に、内層用溶融樹脂10bを表層用溶融樹脂9b内に射出充填させるための特殊なゲート構造や特殊なゲートバルブ等を必要としない。これにより、ゲート構造やゲートバルブの配置に大きな制約がなく、任意の複数部位から内層用溶融樹脂10bを表層用溶融樹脂9b内に射出充填させることができるため、サンドイッチ成形品における、形状が複雑な部位や、補強リブ等の薄肉部位にも、内層用溶融樹脂10b用の内層用樹脂流路10cやゲートバルブ10dを配置させて、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂の充填比率を高くすることができる。
そして、第1実施形態に係る射出成形方法は、樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材を原料として、第2射出ユニット18に供給・可塑化させて内層用溶融樹脂10bを得ることにより、物理発泡剤や化学発泡剤を樹脂材料に混入させることなく、表層用溶融樹脂9b内において、内層用溶融樹脂10bを発泡させることができる。
先に説明したように、金型キャビティ第2拡張工程での、可動金型4の微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)の制御による、内層用溶融樹脂10bの圧力低下(降下)の制御によって、表層用溶融樹脂9b内において、内層用溶融樹脂10bを、所望する発泡倍率や気泡サイズを有する発泡体として成形させることができる。
なお、複合樹脂素材に含有される上記のような揮発成分のバラつきにより、金型キャビティ第2拡張工程での、内層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズ等の発泡状態がバラつく可能性がある。その場合は、第2射出ユニット18での可塑化・計量、あるいは、その間の温度と圧力等、第2射出ユニット18側での射出条件の設定変更や、射出成形機の型締装置側での、金型キャビティ第2拡張工程における、微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)の設定変更により対応して、金型キャビティ第2拡張工程での、内層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズ等の発泡状態を、所望する良品範囲に制御することができる。
そのために、金型キャビティ9a内のガス圧力や、第2射出ユニット18の図示しないシリンダバレル内の貯留部の溶融樹脂圧力の検出が可能な圧力検出手段を備えることが好ましい。例えば、複合樹脂素材に含有される上記のような揮発成分のバラつきを、ここに挙げた圧力検出手段で検出して、圧力大から圧力小までを各所定圧力範囲の複数パターンに分類する。そして、テスト成形等により、予め、各パターンに準じた好適な射出条件設定や、射出成形機の型締装置側での、金型キャビティ拡張工程における微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)の設定を求めておく。圧力検出手段により検出された、金型キャビティ9a内のガス圧力や、第2射出ユニット18の貯留部の溶融樹脂圧力に基づき、予め設定した複数パターンの設定から、好適な設定を自動選択するような制御が採用されても良い。
一方、所定の複合樹脂素材を使用する場合に、テスト成形等で、予め該複合樹脂素材を使用した場合の、金型キャビティ拡張工程での、内層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズ等の発泡状態を確認し、その結果に準じて、発泡状態が所定の許容範囲のバラつきに収まるように、第2射出ユニット18に供給する、複合樹脂素材に含有される揮発成分の含有量を調整しても良い。
具体的には、まず、微細化処理された非樹脂素材と、樹脂素材とを混合して、混錬装置に投入する際の、非樹脂素材及び樹脂素材の混合比率の調整により、複合樹脂材に含有される揮発性不純物の含有量を調整することができる。次に、非樹脂素材及び樹脂素材を混錬装置による混錬中に、例えば混錬助剤としての水分を混錬装置内で適宜付与することによっても、揮発性不純物の含有量を調整することができる。さらには、複合樹脂素材を裁断装置により、所定のサイズに切断した後の冷却・乾燥工程において、完成した複合樹脂素材に適宜水分を付与したり、逆に、十分に乾燥させたりすることによっても、複合樹脂材に含有される揮発性不純物からの揮発成分の発生量を調整することができる。非樹脂素材の選別や洗浄工程で使用される洗浄剤の残渣の程度も、揮発成分の発生量の調整に利用できる。
これら調整は、単独で行っても、少なくとも2つを組み合わせても良く、さらには、先に説明した、第2射出ユニット18側での射出条件の設定変更や、射出成形機の型締装置側での、金型キャビティ第2拡張工程における微小型開き速度(後退速度)や、可動金型4の型位置(型開量)の設定変更等と組み合わせても良い。
[第2実施形態]
次に、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る射出成形方法を説明する。図4は、第2実施形態に係るサンドイッチ成形品の射出成形方法の、第1射出充填工程から第2射出充填工程までを示す金型の概略断面図である。第1実施形態では、表層用溶融樹脂を非発泡性の溶融樹脂であるものとした。第2実施形態に係る射出成形方法が第1実施形態に係る射出成形方法と異なる点は、表層用溶融樹脂も、樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材を樹脂材料として使用する点、及び、金型キャビティ第1拡張工程において、揮発成分により表層用溶融樹脂を発泡させて、表層用溶融樹脂内に発泡層を形成させる点。そして、第2射出充填工程において、金型キャビティ内の表層用溶融樹脂の発泡層に、内層用溶融樹脂を射出充填させて、金型キャビティ第2拡張工程において、揮発成分により内層用溶融樹脂を発泡させる点である。
上記以外は、第1実施形態に係る射出成形方法と基本的に同じであり、また、金型及び射出成形機も第1実施形態において説明したものと基本的に同じものを用いることができるため、第1実施形態に係る射出成形方法との相違点についてのみ説明する。
先に、表層と、この表層に内包された内層とからなるサンドイッチ成形品は、基本的には表層に使用した樹脂材料により、所望する成形品としての製品外観性、色調及び素材感等が得られることを説明した。例えば、サンドイッチ成形品に、木材等の自然素材感が要求される場合や、大理石調(マーブル)の意匠が要求される場合がある。このような場合に、あえて、色調や素材感が不均一であるリサイクル樹脂を表層用溶融樹脂の樹脂材料に使用する、あるいは、所望する自然素材感が得られる特定の非樹脂素材を使用する複合樹脂素材を表層用溶融樹脂の樹脂材料に使用することができる。
また、このような場合、内層用溶融樹脂と同様に、表層用溶融樹脂にも揮発成分が含有されるため、表層用溶融樹脂を揮発成分により発泡させて、表層用溶融樹脂内に、充填抵抗が低い発泡層を形成させることができる。この発泡層内に内層用溶融樹脂を射出充填させることにより、樹脂反転不良を抑制しながら、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂の充填比率をさらに高くすることができる。
具体的には、図4(a)に示すように、型締め工程の後、型締力を付与させた状態において、表層用樹脂流路9cのゲートバルブ9dを開放させて、第1射出ユニット17から表層用樹脂流路9cを介して、揮発性不純物を含有する複合樹脂素材を原料として可塑化させた揮発成分を含有する表層用溶融樹脂9b´を金型キャビティ9aに射出充填させる(第1射出充填工程)。なお、第1射出充填工程において、内層用樹脂流路10cの金型キャビティ9a側端部のゲート部分に設けられたゲートバルブ10dは閉じられており、金型キャビティ9a内に射出充填させた表層用溶融樹脂9b´が内層用樹脂流路10cに逆流することはない。
この第1射出充填工程において、金型キャビティ9a内は、表層9’となる表層用溶融樹脂9b´で満たされる。金型キャビティ9a内の表層用溶融樹脂9b´に作用する型締力及び射出充填圧力により、揮発成分による金型キャビティ9a内の表層用溶融樹脂9b´の発泡や、スキン層形成時における発泡セルのスキン層への表出が抑制される。そのため、表層用溶融樹脂9b´が、未発泡状態の揮発成分を含む溶融樹脂であっても、製品外観性は確保される。一方、スキン層形成時における発泡セルのスキン層への所定量の表出を意図的に許容させた表面意匠を形成させても良い。
第1射出充填工程の開始後(すなわち、第1射出充填工程の途中、又は、第1射出充填工程の完了後)に、図4(b)に示すように、金型キャビティ第1拡張工程において、可動金型4を固定金型2から離間する方向に微小型開き量L1だけ型開閉機構(図示せず)により型開きさせる。そして、揮発成分により表層用溶融樹脂9b’を発泡させて、表層用溶融樹脂9b’内に発泡層を形成させる。図4(b)に示す、微小型開き量L1までの型開きにより、金型キャビティ9aの容積が、サンドイッチ成形品11の容積よりも小さく、且つ、未発泡状態の内層用溶融樹脂10bを射出充填可能な容積となるように拡張されるものとする。すなわち、固定金型2から微小型開き量L1まで可動金型4を型開きさせた位置が、後述する第2射出充填工程(内層用溶融樹脂10bの射出充填)開始時の可動金型4の位置である。金型キャビティ第1拡張工程が完了した時点での表層9’は、厚み(L1)以外は図3(d)に示すサンドイッチ成形品11と同様の、表面はスキン層で囲まれ、内部は発泡層の状態となる。
第1射出充填工程の完了後に、図4(c)に示すように、内層用樹脂流路10cのゲートバルブ10dを開放させ、内層10を形成する内層用溶融樹脂10bを、第2射出ユニット18から内層用樹脂流路10cを介して、表層用溶融樹脂9b´と金型キャビティ9a内面との接触面に形成された表層用溶融樹脂9b´のスキン層を貫通させて、表層用溶融樹脂9b´の発泡層内(図3(d)における内層用溶融樹脂10b)に射出充填させる(第2射出充填工程)。
そして、図示は省略するが、第1実施形態(図2(c))と同様に、金型キャビティ第2拡張工程における、微小型開き量L1から微小型開き量L2までの型開きにより、金型キャビティ9aの容積がサンドイッチ成形品11の容積となるように拡張され、この金型キャビティ第2拡張工程において、内層用溶融樹脂10bに含有される揮発成分により、内層用溶融樹脂10bを発泡させる。
第2実施形態に係る射出成形方法は、第2射出充填工程において、強度及び密度が弱い発泡セルからなる発泡層に内層用溶融樹脂10bを射出充填させるため、第1実施形態のように、表層用溶融樹脂を非発泡性の溶融樹脂とした場合と比較して、内層用溶融樹脂10bの射出充填抵抗を大幅に低下させ、発泡層による内層用溶融樹脂10bの優先流動効果、すなわち、充填抵抗の低い方に溶融樹脂が流動する効果との相乗効果により、内層用溶融樹脂10bの樹脂反転不良を確実に防止できると共に、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂10bの充填比率をさらに高くすることができる。
また、第2実施形態に係る射出成形方法において、金型キャビティ第1拡張工程における、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度や型位置(型開量)等の制御により、表層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズが制御可能なこと、あるいは、金型キャビティ第2拡張工程における、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度や型位置(型開量)等の制御により、内層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズが制御可能なことは、第1実施形態に係る射出成形方法で説明したとおりであるため、詳細な説明は割愛する。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る射出成形方法において、説明及び図面を簡単にするために、金型キャビティ第1拡張工程及び金型キャビティ第2拡張工程が、シェアエッジ構造の金型を前提に、射出成形機の型開閉機構による型開閉動作で、金型キャビティの容積を可変させるものとした。しかしながら、金型キャビティの容積を可変させる手段は、このような射出成形機の型開閉機構による型開閉動作に限定されるものではなく、金型内可動部の移動動作等、金型キャビティの容積を、金型キャビティ内のガス圧力、あるいは、金型キャビティ内の樹脂圧力に対抗して、その容積、可変速度、金型内可動部の位置(移動量)等を任意で制御可能な手段であれば良い。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る射出成形方法のように、シェアエッジ構造の金型を前提に、射出成形機の型開閉機構による型開閉動作で、金型キャビティの容積を可変させるものであれば、製品の金型投影面の略全面に、発泡成形体である内層が略均一に形成されたサンドイッチ成形品が成形できる。この場合、型開閉機構が、精密型開閉制御に適したトグル式型締機構、好ましくは電動トグル式型締機構であれば、他の成形条件制御と連動させて、先に説明したような様々な制御を高精度で行わせることができる。
例示すると、第1実施形態に係る射出成形方法で説明した、金型キャビティ第1拡張工程と第2射出充填工程とを連動させ、内層用樹脂流路10cのゲートバルブ10dと、金型キャビティ9aの内面との接触面に形成された表層用溶融樹脂9bのスキン層9eとを密着させた状態を維持させる際の制御(第2のパターン)、また、金型キャビティ第2拡張工程における、内層用溶融樹脂10bの発泡倍率や気泡サイズを制御する際の、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度や型位置(型開量)等の制御、さらには、第2実施形態に係る射出成形方法で説明した、金型キャビティ第1拡張工程における、表層用溶融樹脂9bの発泡倍率や気泡サイズを制御する際の、型開閉機構による可動金型4の微小型開き速度や型位置(型開量)等の制御である。
また、部分的にサンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂の充填比率を高めたい肉厚部分等がある場合は、その部位に可動中子等の金型内可動部を設け、部分的に金型キャビティの容積を可変させ、第1実施形態及び第2実施形態に係る射出成形方法を実施しても良い。
さらに、シェアエッジ構造ではなく、型開閉方向に直交する平面のみで構成される金型分割面(PL面とも呼称される)を有する一般的な構造の金型であっても、若干の制約が生じるものの、第1実施形態及び第2実施形態に係る射出成形方法の実施は可能である。具体的には、金型キャビティ拡張工程(金型キャビティ第1拡張工程/金型キャビティ第2拡張工程)における微小型開き量を小さくする、金型の温度調節等により、金型分割面近傍の溶融樹脂のスキン層を厚く形成させたり、金型分割面近傍の溶融樹脂をスキン層のみで形成させたりする、等の制約を前提とすれば、シェアエッジ構造等の金型が使用される場合に対して、サンドイッチ成形品の容積に対する内層用溶融樹脂の充填比率は低くせざるを得ないが、金型キャビティ内に射出充填させた溶融樹脂が、微小型開きさせた金型の金型分割面から漏れることを防止することが可能となる。
2 固定金型(第1金型)、4 可動金型(第2金型)、9/9’ 表層、9a 金型キャビティ、9b/9b’ 表層用溶融樹脂、9c 表層用樹脂流路、9d ゲートバルブ、9e スキン層、9f 溶融層、10 内層、10b 内層用溶融樹脂、10c 内層用樹脂流路、10d ゲートバルブ、11 サンドイッチ成形品、17 第1射出ユニット、18 第2射出ユニット、D 距離、L1/L1’/L2 微小型開き量

Claims (2)

  1. 金型キャビティを形成可能な第1金型及び第2金型を用いて、表層と内層とからなるサンドイッチ成形品を成形する射出成形方法であって、
    前記第1金型と前記第2金型とを型締めし、前記金型キャビティを形成する型締め工程と、
    前記型締め工程の完了後に、前記金型キャビティに、前記表層となる表層用溶融樹脂を射出充填し、前記金型キャビティ内を前記表層用溶融樹脂で満たす第1射出充填工程と、
    前記第1射出充填工程の完了後に、前記金型キャビティの容積を所定量だけ拡張させる金型キャビティ第1拡張工程と、
    前記金型キャビティ第1拡張工程の開始後に、前記金型キャビティ内の前記表層用溶融樹脂内に、前記内層となる内層用溶融樹脂を射出充填する第2射出充填工程と、を備える射出成形方法において、
    前記内層用溶融樹脂は、樹脂素材と非樹脂素材とを所定の割合で混合した複合樹脂素材を可塑化させたものであって、
    前記第2射出充填工程の完了後に、前記金型キャビティの容積を所定量だけ拡張させる金型キャビティ第2拡張工程において、前記複合樹脂素材に含有される揮発成分により前記内層用溶融樹脂を発泡させる
    ことを特徴とするサンドイッチ成形品の射出成形方法。
  2. 前記表層用溶融樹脂も前記複合樹脂素材であって、
    前記金型キャビティ第1拡張工程において、前記揮発成分により前記表層用溶融樹脂を発泡させて、前記表層用溶融樹脂内に発泡層を形成させると共に、
    前記第2射出充填工程において、前記金型キャビティ内の前記表層用溶融樹脂の前記発泡層に、前記内層用溶融樹脂を射出充填させて、
    前記金型キャビティ第2拡張工程において、前記揮発成分により前記内層用溶融樹脂を発泡させる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の、サンドイッチ成形品の射出成形方法。
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