JP2022012535A - 固体冷媒システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱媒体の温度変動があっても安定的に機能する固体冷媒システムを提供する。【解決手段】固体冷媒システム1は、固体冷媒ヒートポンプ装置2を備える。固体冷媒ヒートポンプ装置2は、固体冷媒が発揮する熱量効果によって低温部材3から高温部材4への熱移動を生成する。低温部材3、または、高温部材4の一方は、利用側熱交換器である。低温部材3、または、高温部材4の他方は、非利用側熱交換器である。固体冷媒システム1は、非利用側熱交換器における熱交換を促進させる支援機器8を備える。支援機器8は、非利用側熱交換器における熱媒体による熱交換量が閾値を下回る場合に、活性化される。この結果、固体冷媒システム1は、熱媒体の温度変動があっても安定的に機能する。【選択図】図1

Description

この明細書における開示は、固体冷媒システムに関する。
特許文献1、特許文献2、および、特許文献3は、磁気熱量効果を利用する冷凍システムを開示する。特許文献4は、電気熱量効果を利用する冷凍システムを開示する。これらは、固体冷媒システムと呼ばれる。固体冷媒システムでは、特許文献1、および、特許文献2に開示されるように、起動の促進が試みられている。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2012-229831号公報 特開2014-214885号公報 特開2018-112359号公報 特表2018-530728号公報
高温を利用する固体冷媒システムは、非利用側熱交換器によって、大気などの熱媒体から吸熱する。逆に、低温を利用する固体冷媒システムは、非利用側熱交換器によって、大気などの熱媒体へ放熱する。よって、固体冷媒システムには、熱媒体の想定される温度変動範囲においても、安定的に機能することが求められる。例えば、大気などの熱媒体の温度が日内変動によって変動する場合、あるいは、固体冷媒システムが移動する場合にも、固体冷媒システムは、安定的に機能することが望ましい。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、固体冷媒システムにはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、熱媒体の温度変動があっても、安定的に機能する固体冷媒システムを提供することである。
この開示は、固体冷媒が発揮する熱量効果によって低温部材(3)から高温部材(4)への熱移動を生成する固体冷媒ヒートポンプ装置(2)と、低温部材、または、高温部材の一方を利用側熱交換器としており、利用側熱交換器と熱交換する負荷機器(5)と、低温部材、または、高温部材の他方を非利用側熱交換器としており、非利用側熱交換器と熱交換する熱媒体(6)と、非利用側熱交換器における熱交換を促進させる支援機器(8)と、非利用側熱交換器における熱媒体による熱交換量が閾値を下回る場合に、支援機器を活性化し、非利用側熱交換器における熱交換を促進させる制御装置(9)とを備える固体冷媒システムを提供する。
ここに開示された固体冷媒システムは、非利用側熱交換器における熱交換を促進させる支援機器を備える。支援機器は、非利用側熱交換器における熱媒体による熱交換量が閾値を下回る場合に活性化される。これにより、非利用側熱交換器における熱交換が促進され、低温部材の温度と高温部材の温度とが維持される。この結果、熱媒体の温度変動があっても、安定的に機能する固体冷媒システムが提供される。
この明細書において開示された複数の形態は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態の固体冷媒システムを示すブロック図である。 磁気熱量効果型ヒートポンプ装置の断面図である。 磁気熱量効果型ヒートポンプ装置の断面図である。 支援機器を示すブロック図である。 固体冷媒システムの作動を示すフローチャートである。 第2実施形態の支援機器を示すブロック図である。 第3実施形態の支援機器を示すブロック図である。 第4実施形態の支援機器を示すブロック図である。 第5実施形態の支援機器を示すブロック図である。 固体冷媒システムの作動を示すフローチャートである。 第6実施形態の支援機器を示すブロック図である。 第7実施形態の支援機器を示すブロック図である。 第8実施形態の支援機器を示すブロック図である。
複数の実施形態が、図面を参照しながら説明される。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、固体冷媒システム1が図示されている。固体冷媒の語は、蒸気圧縮式の冷媒サイクルにおける冷媒と対比した語である。固体冷媒の語は、熱量効果を発揮する材料が固体であることを限定的に意味するものではない。材料は、例えば、液体のようにふるまう性状を有している場合がある。固体冷媒は、エネルギ状態に対する内部エントロピの依存が大きい材料である。固体冷媒として、圧力熱量効果を発揮する圧力熱量効果材料、電気熱量効果を発揮する電気熱量効果材料、磁気熱量効果を発揮する磁気熱量効果材料などが知られている。
固体冷媒システム1は、固体冷媒ヒートポンプ装置2を備える。以下の説明において、固体冷媒ヒートポンプ装置2は、SHP装置2とも呼ばれる。SHP装置2は、固体冷媒が発揮する熱量効果を利用する。SHP装置2は、低温部材3から高温部材4へ熱を移動させる。SHP装置2は、固体冷媒を高エネルギ状態と低エネルギ状態とに交互に切り換えるエネルギ変調装置を備える。SHP装置2は、高エネルギ状態における固体冷媒の内部エントロピと、低エネルギ状態における固体冷媒の内部エントロピとの差を熱出力として取り出す熱輸送装置を備える。SHP装置2は、エネルギ変調装置と熱輸送装置とを同期的に動作させる。これにより、固体冷媒が発揮する熱量効果によって低温部材3から高温部材4への熱移動が生成される。固体冷媒システム1は、対象物の温度を調節する。対象物は、気体、液体、または、固体である。低温部材3は、対象物から直接的に、または、間接的に吸熱する。低温部材3は、吸熱器とも呼ばれる。高温部材4は、対象物に直接的に、または、間接的に放熱する。高温部材4は、放熱器とも呼ばれる。
固体冷媒システム1が低温を利用するサイクルである場合、固体冷媒システム1は、低温部材3を利用側熱交換器として、対象物を冷却する。この場合、固体冷媒システム1は、冷房、冷蔵、または、冷凍のためのサイクルを提供する。低温部材3は、利用側熱交換器を提供する。冷房、冷蔵、または、冷凍のための機器は、負荷機器5と呼ばれる。負荷機器5は、利用側熱交換器と熱交換している。利用側熱交換器は、吸熱している。低温部材3は、例えば、負荷機器5の内部空気と熱交換する。低温部材3は、例えば、負荷機器5の水と熱交換する。この場合、高温部材4は、非利用側熱交換器として、熱媒体6と熱交換する。高温部材4は、熱媒体6に放熱する。熱媒体6は、空気、水、土などである。典型的な例では、熱媒体6は、室外の空気である外気によって提供される。
固体冷媒システム1が高温を利用するサイクルである場合、固体冷媒システム1は、高温部材4を利用側熱交換器として、対象物を加熱する。この場合、固体冷媒システム1は、暖房、温蔵、または、加熱のためのサイクルを提供する。高温部材4は、利用側熱交換器を提供する。暖房、温蔵、または、加熱のための機器は、負荷機器5と呼ばれる。負荷機器5は、利用側熱交換器と熱交換している。利用側熱交換器は、放熱している。高温部材4は、例えば、負荷機器5の内部空気と熱交換する。高温部材4は、例えば、負荷機器5の水と熱交換する。この場合、低温部材3は、非利用側熱交換器として、熱媒体6と熱交換する。低温部材3は、熱媒体6から吸熱する。熱媒体6は、空気、水、土などである。典型的な例では、熱媒体6は、室外の空気である外気によって提供される。
固体冷媒システム1が低温と高温との両方を利用するサイクルである場合、固体冷媒システム1は、低温部材3によって対象物を冷却し、かつ、高温部材4によって対象物を加熱する。この場合、固体冷媒システム1は、例えば、除湿のためのサイクルを提供する。低温部材3は、固体冷媒システム1における吸熱部材、または、熱源部材でもある。高温部材4は、固体冷媒システム1における放熱部材、または、熱供給部材でもある。この明細書において、冷媒サイクルの語は、低温を利用する冷凍サイクル、および、高温を利用するヒートポンプサイクルの両方を包含する語として解釈されるべきである。
固体冷媒システム1は、定置型の冷凍サイクル、または、移動体に搭載された移動型の冷凍サイクルを提供する。ひとつの例において、固体冷媒システム1は、乗り物の冷凍サイクルを提供する。この明細書において乗り物の語は広義の意味で使用される。すなわち、乗り物の語は、乗員室または荷室を有する移動体、例えば、走行車両、船舶、飛行機を含む。さらに、乗り物の語は、シミュレーション機器、アミューズメント機器などを含む。
図示の例は、低温部材3を利用側熱交換器とし、高温部材4を非利用側熱交換器としている。低温部材3は、負荷機器5としての冷蔵庫の空気を冷却する。高温部材4は、熱媒体6である外気と熱交換する。熱媒体6である外気の外気温度は、多様な要因によって変動する。要因は、地球温暖化などによる経年変動を含む場合がある。要因は、季節などによる年内変動を含む場合がある。要因は、日射時間による日内変動を含む場合がある。要因は、さらに、移動体の移動に伴う、地域差、あるいは、高度差を含む場合がある。固体冷媒システム1には、多様な要因によって変動する外気温度の変動範囲において、安定的に機能することが求められる。
固体冷媒システム1は、支援機器8を備える。支援機器8は、高温部材4(非利用側熱交換器)における熱交換を促進させる機器である。支援機器8は、熱交換を促進させる熱媒体7を供給する。熱媒体7は、例えば、外気である。熱媒体7は、熱媒体6よりも熱交換しやすい性質を与えられている。熱媒体7の温度は、例えば、熱媒体6の温度より低い。
固体冷媒システム1は、制御装置9を備える。この明細書における制御装置は、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)とも呼ばれる場合がある。制御装置、または制御システムは、(a)if-then-else形式と呼ばれる複数の論理としてのアルゴリズム、または(b)機械学習によってチューニングされた学習済みモデル、例えばニューラルネットワークとしてのアルゴリズムによって提供される。制御装置は、少なくともひとつのコンピュータを含む制御システムによって提供される。制御システムは、データ通信装置によってリンクされた複数のコンピュータを含む場合がある。コンピュータは、ハードウェアである少なくともひとつのプロセッサ(ハードウェアプロセッサ)を含む。ハードウェアプロセッサは、少なくともひとつのメモリに格納されたプログラムを実行する少なくともひとつのプロセッサコアである場合がある。ハードウェアプロセッサは、ハードウェア論理回路である場合がある。ハードウェアプロセッサは、上記の組み合わせである場合がある。
この開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。代替的に、この開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。代替的に、この開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
制御装置9は、非利用側熱交換器における熱媒体6による熱交換量が閾値を下回るか否かを判定する。熱媒体6が外気である場合、熱交換量は外気温度により示すことができる。熱交換量は、熱交換能力と呼ばれてもよい。制御装置9は、外気温度が閾値温度を上回る場合に、支援機器8を非活性状態から活性化する。支援機器8の活性化により、非利用側熱交換器である高温部材4における熱交換が促進される。この結果、SHP装置2における低温部材3の温度と高温部材4の温度とが維持される。SHP装置2は、非利用側熱交換器における熱交換が促進されることにより、固体冷媒の温度が適正温度に維持される。この結果、固体冷媒システム1は、熱媒体の温度変動があっても安定的に機能する。
固体冷媒システム1は、取得器10を備える。取得器10は、非利用側熱交換器における熱媒体6による熱交換量を取得する。熱交換量は、熱交換能力とも呼ばれる。取得器10は、外気の外気温度を検出する温度センサによって提供することができる。取得器10は、季節、時刻、地域などの気候情報に基づいて、外気温度を推定してもよい。取得器10は、外部サーバなどとの通信機能を備えたナビゲーション装置から、外気温度を示す情報を取得してもよい。制御装置9は、取得器10によって取得された熱交換量が閾値を下回る場合に、支援機器8を活性化する。この結果、非利用側熱交換器における熱交換が促進される。
図2、および、図3において、SHP装置2は、磁気熱量効果型のヒートポンプ装置(Magneto-caloric effect Heat Pump:MHP)によって提供されている。磁気熱量効果型のヒートポンプ装置は、MHP装置とも呼ばれる。MHP装置は、磁気熱量効果を利用する。MHP装置は、熱磁気サイクル装置を提供する。MHP装置は、固体冷媒としての磁気熱量効果素子21(Magneto-Caloric Effect:MCE)を備える。MHP装置は、MCE素子21の磁気熱量効果を利用する。MHP装置は、MCE素子21によって高温端と低温端とを生成する。MCE素子21は、高温端と低温端との間に設けられている。
MCE素子21は、外部エネルギとしての外部磁場を受けて熱量効果を発揮する。MCE素子21は、外部磁場の強弱の変化に応答して発熱と吸熱とを生じる。MCE素子21は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。MCE素子21は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子21は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子21は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮するMCE材料によって作られている。MCE材料は、高い磁気熱量効果を発揮する温度帯において磁性体としての性質を発揮する。例えば、ガドリニウム系材料、またはランタン-鉄-シリコン化合物を用いることができる。また、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物を用いることができる。MCE素子21には、外部磁場の印加により吸熱し、外部磁場の除去により発熱するMCE材料を利用してもよい。
MCE素子21は、カスケード接続された複数の部分素子21aを備えている。MCE素子21は、カスケード接続素子とも呼ばれる。複数の部分素子21aは、互いに異なる温度帯において高い効率で磁気熱量効果を発揮する。複数の部分素子21aは、高温端と低温端との間における温度差を分担するように配列されている。ひとつの部分素子21aは、MCE素子21が担う広い温度範囲よりも狭い温度範囲において高い効率の磁気熱量効果を発揮する。言い換えると、部分素子21aは、MCE素子21の全体よりもピーキーな特性を有している。この結果、高温部材4の温度が外気温度の上昇により反応温度から外れると、効率が大きく低下することがある。
MCE素子21は、熱輸送を担う熱輸送媒体22と熱交換するように配置されている。図中には、熱輸送媒体22の流れ方向が矢印記号によって図示されている。熱輸送媒体22は、MCE素子21と熱交換する。熱輸送媒体22は、熱を蓄え、熱を輸送する蓄熱要素を提供する。熱輸送媒体22は一次媒体と呼ばれる。一次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。
MHP装置は、エネルギ変調装置としての磁場変調装置23と、熱輸送装置24とを備える。磁場変調装置23と熱輸送装置24とは、MCE素子21をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルの素子として機能させる。図示の例では、複数のMCE素子21が設けられている。複数のMCE素子21における磁場の強さと、熱輸送媒体22の流れ方向とを周期的に切り換えることにより、AMRサイクルが実現されている。
磁場変調装置23は、周期的に変動する磁場をMCE素子21に与える。MCE素子21は、磁場の中に配置され、磁気熱量効果を発揮する。磁場変調装置23は、MCE素子21に外部磁場を与えるとともに、その外部磁場の強さを増減させる。磁場変調装置23は、MCE素子21を強い磁界内に置く励磁状態と、MCE素子21を弱い磁界内またはゼロ磁界内に置く消磁状態とを周期的に切換える。磁場変調装置23は、励磁期間、および消磁期間を周期的に繰り返すように外部磁場を変調する。磁場変調装置23は、MCE素子21と磁力源との間の距離を周期的に変化させる可動機構を含む。可動機構は、MCE素子21、または磁力源のいずれか一方を他方に対して移動させる。可動機構は、例えば、MCE素子21との距離が変動するように磁力源を回転させる回転機構によって提供することができる。
熱輸送装置24は、熱輸送媒体22をMCE素子21に沿って往復的に流す装置である。熱輸送装置24は、熱輸送媒体22を磁場の変動に同期して往復的に流す。熱輸送装置24は、MCE素子21と熱輸送媒体22との間に、相対的な、往復移動を生じさせる。熱輸送装置24は、MCE素子21と熱輸送媒体22とを収容する素子ベッド25を含む。熱輸送装置24は、熱輸送媒体を圧送する圧送装置26、および、流れを制御する弁機構27を備える場合がある。圧送装置26は、一方向の流れを供給する一方向ポンプによって提供することができる。弁機構27は、切換弁と逆止弁とを含む場合がある。弁機構27は、熱輸送媒体22の流れ方向を往復流とする。
熱輸送装置24は、MCE素子21が発揮する熱出力を低温部材3、および/または、高温部材4に出力する。熱輸送装置24は、熱出力のために、二次媒体を利用する場合がある。二次媒体は、例えは、一次媒体と熱交換する。
図2、および、図3において、MHP装置は、複数の素子ベッド25を備える。複数の素子ベッド25は、磁場変調装置23の移動方向に沿って配置されている。図2に図示される熱輸送媒体22の流れ、および、磁場供給状態と、図3に図示される熱輸送媒体22の流れ、および、磁場供給状態とが交互に切り替えられる。この結果、MHP装置は、AMRサイクルとして機能する。
図1に戻り、MHP装置の運転が開始される(起動される)と、初期温度においてカスケード接続素子の一部の部分素子21aが磁気熱量効果を発揮する。この一部の部分素子21aは、初期温度において磁気熱量効果を発揮する高効率温度帯を有しているからである。MHP装置の運転が継続されると、カスケード接続素子は、やがて、全体が温度傾斜を獲得する。こうして、MHP装置は、起動運転を終了し、定常運転へと移行する。定常運転において、MHP装置は、低温部材3に低温を供給し、高温部材4に高温を供給する。
起動時における初期温度がすべての部分素子21aの高効率温度帯から外れている場合がある。この場合、MHP装置の起動が妨げられる。固体冷媒システム1は、起動のために、補助的な熱源(高温度源、または、低温度源を含む)を利用することにより、起動を支援する。この実施形態では、支援機器8が、起動を支援する場合がある。
定常運転が開始された後に、非利用側熱交換器における熱媒体の温度が変動した場合、非利用側熱交換器に近い部分素子21aが高効率温度帯から逸脱する場合がある。この場合、MHP装置は、定常運転を継続できない。固体冷媒システム1は、定常運転を継続するために、補助的な熱源(高温度源、または、低温度源を含む)を利用することにより、定常運転の継続を支援する。この実施形態では、支援機器8が、定常運転の継続を支援する場合がある。
熱媒体6の状態は、低温部材3における吸熱、または、高温部材4における放熱に不適切な不適切状態へ変動する場合がある。例えば、熱媒体6が外気である場合、外気温度は、低温部材3における吸熱、または、高温部材4における放熱に不適切な不適切温度範囲へ変動する場合がある。しかし、不適切温度範囲への変動は、稀、または、制限された継続時間であると考えられる。特に、固体冷媒システム1が起動された後に、外気温度が不適切温度範囲に変動する頻度は少ないと考えられる。固体冷媒システム1は、全体のエネルギ効率の低下を許容して、定常運転の継続を可能とする。このために、制御装置9は、支援機器8を活性化することにより、非利用側熱交換器における熱交換を可能とする。これにより、非利用側熱交換器に最も近い部分素子21aの温度が高効率温度帯に維持される。これにより、固体冷媒における温度傾斜が維持される。
図4は、支援機器8を示す。支援機器8は、負荷機器5の空気を導入する通路31を備える。通路31は、負荷機器5と、非利用側熱交換器としての高温部材4とを流体的に連通している。支援機器8は、送風装置32と、開閉弁33とを備える場合がある。制御装置9は、送風装置32を活性化し、開閉弁33を開くことにより、支援機器8を活性化する。送風装置32が活性化され、開閉弁33が開かれることにより、負荷機器5の空気は、非利用側熱交換器に供給される。
支援機器8は、負荷機器5における空気の一部を非利用側熱交換器に導く。これにより、支援機器8は、非利用側熱交換器における熱輸送媒体22の温度上昇を抑制する。この結果、非利用側熱交換器に最も近い部分素子21aの温度が高効率温度帯に維持される。支援機器8は、利用側熱交換器である低温部材3によって生成された低温により、非利用側熱交換器における熱交換を促進させる。通路31、送風装置32、または、開閉弁33は、空気供給機器である。支援機器8は、負荷機器5における空気を熱媒体6とともに、非利用側熱交換器に供給する空気供給機器である。支援機器8の温度調節能力は、SHP装置2の温度調節能力の一部を利用している。よって、支援機器8の温度調節能力は、SHP装置2の温度調節能力より小さい。
図5は、制御装置9によって実行される制御処理170を示している。制御装置9は、ステップ171において、SHP装置2を起動する。ステップ171は、SHP装置2のカスケード接続された素子をAMRサイクルとして起動する起動処理を提供している。制御装置9は、ステップ172において、SHP装置2が起動したか否かを判定する。ステップ171とステップ172とは、SHP装置2を起動する起動部を提供している。起動は完了したと判定されない場合(NO)、処理は、ステップ171に戻る。起動は完了したと判定される場合(YES)、処理は、ステップ173~177の定常運転処理に進む。
制御装置9は、ステップ173において、SHP装置2を定常運転する。定常運転とは、SHP装置2に含まれる固体冷媒素子が、所定の温度勾配を維持し続ける状態である。ステップ173は、起動の後に、SHP装置2を定常運転する定常運転部を提供する。制御装置9は、ステップ174において、外気温度を取得する。ステップ174は、SHP装置2が定常運転されているときに実行される。ステップ174は、非利用側熱交換器である高温部材4における熱媒体6による熱交換量に相当する外気温度を取得する。よって、ステップ174は、定常時取得部を提供する。制御装置9は、ステップ175において、SHP装置2の運転停止がユーザーなどのマニュアル操作によって指示されたか否かを判定する。運転停止が指示されていない場合、処理は、ステップ176に進む。運転停止が指示されている場合、処理は、終了する。
制御装置9は、ステップ176において、取得された外気温度が、閾値温度を上回るか否か(閾値温度<外気温度)を判定する。取得された外気温度は、非利用側熱交換器における熱媒体6による熱交換量を示す。閾値温度は、SHP装置2の非利用側熱交換器における熱交換の可否を識別するための閾値を示す。外気温度が、閾値温度を上回るとき、放熱を目的とする非利用側熱交換器における熱交換量は、閾値を下回る。よって、ステップ176は、定常時判定部を提供している。外気温度が閾値温度を上回る場合(閾値温度<外気温度)、処理は、ステップ177に進む。外気温度が閾値温度を上回らない場合(閾値温度=外気温度、閾値温度>外気温度)、処理は、ステップ173に戻る。以後、定常運転が継続される。
なお、外気温度が閾値温度に等しい場合、すなわち、熱媒体6による熱交換量が閾値と等しい場合、処理は、ステップ177に進んでもよい。閾値温度は、熱交換量が0(ゼロ)となる温度に設定される場合がある。閾値温度は、熱交換量が-(マイナス)となる温度に設定されてもよい。
制御装置9は、ステップ177において、支援機器8を非活性状態から活性化する。これにより、非利用側熱交換器における熱交換能力が補われ、熱交換が促進される。ステップ177は、熱交換量が閾値を下回る場合に、支援機器8を活性化する定常時制御部を提供している。ステップ177の後、処理は、ステップ173に戻る。以後、定常運転が継続される。
この実施形態によると、SHP装置2の定常運転状態において、熱媒体の状態が変動しても、定常運転状態を継続することができる。支援機器8は、利用側熱交換器によって生成された低温を利用するから、利用側熱交換器における効率は低下する。しかし、SHP装置2の定常運転が継続されることにより、SHP装置2の機能を喪失する事態が回避される。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、負荷機器5の空気が非利用側熱交換器に供給される。これに代えて、負荷機器5における低温が非利用側熱交換器に熱的に伝達されてもよい。熱的な伝達は、多様な構成によって提供される場合がある。
図6において、支援機器8は、負荷機器5と、非利用熱交換機(高温部材4)との間に設けられている。支援機器8は、往復通路234と、熱交換器235とを含む。往復通路234は、負荷機器5の内部の低温の空気を熱交換器235に供給する。往復通路234は、熱交換器235から負荷機器5へ空気を戻す。熱交換器235は、熱媒体6としての外気を導入し、負荷機器5から供給される空気と熱交換させる。この結果、外気は、低温の空気によって冷却される。熱交換器235を通過した後の外気は、非利用側熱交換器における熱交換量を獲得する。支援機器8は、送風装置32と、開閉弁33とを備える場合がある。
この実施形態においても、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、負荷機器5の空気は、往復通路234によって戻される。このため、先行する実施形態に比べて、エネルギ効率に優れている。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態でも、負荷機器5における低温が非利用側熱交換器に熱的に伝達されている。この実施形態では、負荷機器5からの直接的な熱伝達が利用されている。
図7において、支援機器8は、部材336によって提供されている。部材336は、負荷機器5と、熱媒体7との間における直接的な熱伝達を提供する。熱伝達は、制御装置9によって断続可能である。負荷機器5を非利用側熱交換器の近くに設置される。部材336は、例えば、負荷機器5と熱媒体7との間における熱交換を提供する熱交換器によって提供される。熱媒体7は、外気である。
この実施形態においても、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、比較的簡単な構成によって上記作用効果が得られる。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態でも、負荷機器5における低温が非利用側熱交換器に熱的に伝達されている。この実施形態では、熱を輸送するヒートパイプが利用されている。
図8において、支援機器8は、ヒートパイプ437を備える。ヒートパイプ437は、負荷機器5に配置された第1熱交換器438aを備える。第1熱交換器438aは、低温部材3、または、負荷機器5の内部の空気と熱交換する。ヒートパイプ437は、第2熱交換器438bを備える。第2熱交換器438bは、熱媒体7と熱交換する。ヒートパイプ437は、熱輸送を断続するための開閉弁439を備える。開閉弁439は、制御装置9によって制御される。ヒートパイプ437は、負荷機器5と、熱媒体7とを熱的に結合する部材を提供している。
この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、ヒートパイプ437によって比較的大きい量の熱輸送が提供される。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、負荷機器5から独立した独自の独立熱機器によって、非利用側熱交換器における熱交換が促進される。独立熱機器は、SHP装置2から独立している。独立熱機器は、SHP装置2から独立して低温、または、高温を提供している。
図9において、支援機器8は、容積室541を備える。容積室541は、住宅または事務所の部屋、車両の乗員室、工場などによって提供されている。支援機器8は、容積室541内の空気を温度調節する熱機器542を備える。熱機器542は、SHP装置2から独立している独立熱機器である。熱機器542は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル、ペルチェ効果素子、SHP装置2以外の独立している固体冷媒サイクルなどによって提供されている。熱機器542を含む支援機器8の温度調節能力は、SHP装置2の温度調節能力より小さい場合がある。この場合、エネルギ効率を大幅に低下させることなく、SHP装置2の運転を継続することができる。この構成は、外気温度が閾値温度を上回る期間が比較的短い場合に、少ないエネルギ消費の増加で、SHP装置2の運転の継続を可能とする。
支援機器8は、通路543、送風装置544、および、開閉弁545を備える。通路543は、容積室541内の温度調節された空気を非利用側熱交換器に導き、それを熱媒体7として非利用側熱交換器に供給する。通路543、送風装置544、および、開閉弁545は、先行する実施形態における通路31、送風装置32、および、開閉弁33に相当する要素である。
図10は、制御装置9によって実行される制御処理570を示している。制御処理570は、先行する実施形態と同様に、ステップ171-177を備える。さらに、制御処理570は、ステップ581-583を備える。制御装置9は、ステップ172において起動が完了したと判定される前の起動運転期間において、ステップ581-583を実行する。
制御装置9は、ステップ581において、外気温度を取得する。ステップ581は、SHP装置2の起動時に実行される。ステップ581は、非利用側熱交換器である高温部材4における熱媒体6による熱交換量に相当する外気温度を取得する。よって、ステップ581は、起動時取得部を提供する。
制御装置9は、ステップ582において、取得された外気温度が、閾値温度を上回るか否か(閾値温度<外気温度)を判定する。取得された外気温度は、非利用側熱交換器における熱媒体6による熱交換量を示す。閾値温度は、SHP装置2の非利用側熱交換器における熱交換の可否を識別するための閾値を示す。外気温度が、閾値温度を上回るとき、放熱を目的とする非利用側熱交換器における熱交換量は、閾値を下回る。よって、ステップ582は、起動時判定部を提供している。外気温度が閾値温度を上回る場合(閾値温度<外気温度)、処理は、ステップ583に進む。外気温度が閾値温度を上回らない場合(閾値温度=外気温度、閾値温度>外気温度)、処理は、ステップ171に進む。
なお、外気温度が閾値温度に等しい場合、すなわち、熱媒体6による熱交換量が閾値と等しい場合、処理は、ステップ583に進んでもよい。閾値温度は、熱交換量が0(ゼロ)となる温度に設定される場合がある。閾値温度は、熱交換量が-(マイナス)となる温度に設定されてもよい。
制御装置9は、ステップ583において、支援機器8を非活性状態から活性化する。これにより、非利用側熱交換器における熱交換能力が補われ、熱交換が促進される。ステップ583は、熱交換量が閾値を下回る場合に、支援機器8を活性化する起動時制御部を提供している。ステップ583の後、処理は、ステップ171に進む。
この実施形態では、制御装置9は、ステップ171、172、581、582、583によって、起動部を提供している。起動部は、支援機器8が活性化されている状態においてSHP装置2を起動する。起動部は、起動時取得部としてのステップ581を備える。これにより、ステップ174が提供する定常時取得部と異なる頻度など、起動のための制御に適した特性をもつ情報が取得される。起動部は、起動時判定部としてのステップ582を備える。これにより、ステップ176が提供する定常時判定部と異なる判定感度など、起動のための制御に適した特性をもつ判定が可能となる。
この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、支援機器8は、SHP装置2の起動時にも活性化される場合がある。この結果、支援機器8の利用頻度が高められる。
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、独立熱機器は、容積室541を介することなく、非利用側熱交換器における熱交換を促進するように作用する。独立熱機器は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって提供されている。
図11において、支援機器8は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル646を備える。冷凍サイクル646は、圧縮機647と、熱交換器648とを備える。圧縮機647は、電動機、または、内燃機関によって駆動される。圧縮機647は、冷凍サイクル646内に冷媒を圧縮し、循環させる。熱交換器648は、蒸発器である。熱交換器648は、熱媒体7を冷却する。熱媒体7は、非利用側熱交換器に供給されることにより、非利用側熱交換器における熱交換を促進する。冷凍サイクル646は、放熱器、蒸発器、減圧装置、開閉弁などの構成要素を備えている。制御装置9は、例えば、圧縮機647を制御することにより、冷凍サイクル646を活性化する。この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。
第7実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、独立熱機器は、ペルチェ効果素子によって提供されている。
図12において、支援機器8は、ペルチェ効果素子749を備える。ペルチェ効果素子749は、低温熱交換器749aと、高温熱交換器749bとを備える。低温熱交換器749aは、熱媒体7を冷却する。熱媒体7は、非利用側熱交換器に供給されることにより、非利用側熱交換器における熱交換を促進する。制御装置9は、ペルチェ効果素子749へ電力を供給することにより、ペルチェ効果素子749を活性化する。ペルチェ効果素子749の温度調節能力は、SHP装置2の温度調節能力より小さい場合がある。この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。
第8実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、低温部材3を利用側熱交換器としている。これに代えて、この実施形態では、高温部材4を利用側熱交換器としている。よって、低温部材3は非利用側熱交換器である。
図13において、高温部材4は利用側熱交換器を提供する。負荷機器5は、高温部材4の高温を利用する。負荷機器5は、例えば、空気加熱器、温蔵器などを提供する。低温部材3は、非利用側熱交換器を提供する。低温部材3は、熱媒体6と熱交換するように構成されている。熱媒体6は、外気である。この実施形態では、熱媒体6は、熱源を提供する。
支援機器8は、低温部材3における熱交換を促進するように熱媒体7を供給する。支援機器8は、利用側熱交換器によって生成された高温により非利用側熱交換器における熱交換を促進させる。支援機器8は、先行する実施形態に見られる多様な構成を採用することができる。支援機器8は、例えば、負荷機器5から比較的高温の空気を熱媒体7として導入することができる。支援機器8は、負荷機器5における空気を熱媒体6とともに、非利用側熱交換器に供給する空気供給機器を備える場合がある。支援機器8は、利用側熱交換器によって生成された高温を、熱媒体6に伝達する熱伝達機器を備える場合がある。支援機器8は、例えば、SHP装置2から独立した熱機器によって提供されてもよい。
制御装置9は、非利用側熱交換器における熱媒体6による熱交換量が閾値を下回る場合に、支援機器8を活性化する。制御装置9は、外気温度が閾値温度を下回る場合に、熱媒体6による熱交換量、すなわち吸熱量が閾値を下回ると判定する。
この実施形態では、支援機器8は、熱を排熱として排出する排熱機器851を備える。支援機器8は、熱媒体6と熱交換する熱交換器852を備える。熱交換器852は、熱媒体6を加熱することにより、熱媒体6を熱媒体7に変換する。支援機器8は、送風装置853、および、開閉弁854を備える場合がある。送風装置853、および、開閉弁854は、制御装置9によって制御される。この実施形態によると、先行する実施形態と同様の作用効果が得られる。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形形態を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
上記実施形態では、SHP装置2は、磁気熱量効果を利用するMHP装置によって提供されている。MHP装置は、一方向流を提供する圧送装置26と、弁機構27とを備える。これに代えて、MHP装置は、多様な構成によって提供することができる。例えば、MHP装置は、往復流を提供するピストン型の圧送装置を備えてもよい。特許文献1:特開2012-229831号公報、特許文献2、特開2014-214885号公報、または、特許文献3:特開2018-112359号公報は、MHP装置に関するこの明細書の説明として、参照により援用することができる。
上記実施形態では、固体冷媒システム1は、磁気熱量効果を利用している。これに代えて、固体冷媒システム1は、電気熱量効果(ECE:ElecrtroCaloric Effect)を発揮する材料を利用してもよい。固体冷媒システム1は、素子が発揮する電気熱量効果によって得られる高温だけ、低温だけ、または高温と低温との両方を利用する。素子は、電気熱量効果によって吸熱と放熱との両方の作用を発揮する。素子は、電気熱量効果によって、低温部材から高温部材への熱移動を生成する。素子は、電気熱量効果によって、高温部材の温度が、低温部材の温度より高くなるように、熱移動を生成する。特許文献4:特表2018-530728号公報は、電気熱量効果に関するこの明細書の説明として、参照により援用することができる。
電気熱量効果を発揮する素子においても、高温部材4における熱媒体6の温度が閾値温度を上回る場合がある。この場合、SHP装置2における温度勾配が失われる場合がある。制御装置9は、支援機器8を活性化することにより、熱媒体6の温度上昇に抗して、高温部材4からの放熱を可能とする。電気熱量効果を発揮する素子においても、低温部材3における熱媒体の温度が閾値温度を下回る場合がある。この場合、SHP装置2における温度勾配が失われる場合がある。制御装置9は、支援機器8を活性化することにより、熱媒体の温度低下に抗して、低温部材3からの吸熱を可能とする。
1 固体冷媒システム、 2 固体冷媒ヒートポンプ(SHP)装置、
3 低温部材、 4 高温部材、 5 負荷機器、 6 熱媒体、
7 熱媒体、 8 支援機器、 9 制御装置、 10 取得器、
21 磁気熱量効果(MCE)素子、 22 熱輸送媒体、
23 磁場変調装置、 24 熱輸送装置、 25 素子ベッド、
26 圧送装置、 27 弁機構、
31 通路、 32 送風装置、 33 開閉弁、
234 往復通路、 235 熱交換器、
336 部材、
437 ヒートパイプ、 438a 第1熱交換器、
438b 第2熱交換器、 439 開閉弁、
541 容積室、 542 熱機器、
543 通路、 544 送風装置、 545 開閉弁、
646 冷凍サイクル、 647 圧縮機、 648 熱交換器、
749 ペルチェ効果素子、
749a 低温熱交換器、 749b 高温熱交換器、
851 排熱機器、 852 熱交換器、
853 送風装置、 854 開閉弁。

Claims (10)

  1. 固体冷媒が発揮する熱量効果によって低温部材(3)から高温部材(4)への熱移動を生成する固体冷媒ヒートポンプ装置(2)と、
    前記低温部材、または、前記高温部材の一方を利用側熱交換器としており、前記利用側熱交換器と熱交換する負荷機器(5)と、
    前記低温部材、または、前記高温部材の他方を非利用側熱交換器としており、前記非利用側熱交換器と熱交換する熱媒体(6)と、
    前記非利用側熱交換器における熱交換を促進させる支援機器(8)と、
    前記非利用側熱交換器における前記熱媒体による熱交換量が閾値を下回る場合に、前記支援機器を活性化し、前記非利用側熱交換器における熱交換を促進させる制御装置(9)とを備える固体冷媒システム。
  2. 前記熱媒体は、外気であって、
    前記固体冷媒ヒートポンプ装置は、磁気熱量効果を利用する磁気熱量効果型のヒートポンプ装置である請求項1に記載の固体冷媒システム。
  3. 前記制御装置(9)は、
    前記固体冷媒ヒートポンプ装置を起動する起動部(171、172)と、
    起動の後に、前記固体冷媒ヒートポンプ装置を定常運転する定常運転部(173)と、
    前記固体冷媒ヒートポンプ装置が定常運転されているときに、前記非利用側熱交換器における前記熱媒体による熱交換量を取得する定常時取得部(174)と、
    前記非利用側熱交換器における前記熱媒体による熱交換量が閾値を下回るか否かを判定する定常時判定部(176)と、
    前記熱交換量が閾値を下回る場合に、前記支援機器を活性化する定常時制御部(177)とを備える請求項1または請求項2に記載の固体冷媒システム。
  4. 前記支援機器は、前記利用側熱交換器によって生成された低温、または、高温により、前記非利用側熱交換器における熱交換を促進させる請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体冷媒システム。
  5. 前記支援機器は、前記負荷機器における空気を前記熱媒体とともに、前記非利用側熱交換器に供給する空気供給機器(31、32、33)、または、前記利用側熱交換器によって生成された低温、または、高温を、前記熱媒体に伝達する熱伝達機器(234、235;336;437、438)を含む請求項4に記載の固体冷媒システム。
  6. 前記制御装置(9)は、
    前記固体冷媒ヒートポンプ装置の起動時に、前記非利用側熱交換器における前記熱媒体による熱交換量を取得する起動時取得部(581)と、
    前記非利用側熱交換器における前記熱媒体による熱交換量が閾値を下回るか否かを判定する起動時判定部(582)と、
    前記熱交換量が閾値を下回る場合に、前記支援機器を活性化する起動時制御部(583)とを、さらに備え、
    前記起動部は、前記支援機器が活性化されている状態において前記固体冷媒ヒートポンプ装置を起動する請求項3に記載の固体冷媒システム。
  7. 前記支援機器は、前記固体冷媒ヒートポンプ装置以外の熱機器(542;646;749;851)を含む請求項1、請求項2、請求項3、および、請求項6のいずれかに記載の固体冷媒システム。
  8. 前記熱機器は、空調装置(542)、蒸気圧縮式の冷凍サイクル(646)、ペルチェ効果素子(749)、または、排熱を生じる排熱機器(851)を含む請求項7に記載の固体冷媒システム。
  9. 前記支援機器の温度調節能力は、前記固体冷媒ヒートポンプ装置の温度調節能力より小さい請求項1から請求項8のいずれかに記載の固体冷媒システム。
  10. さらに、前記非利用側熱交換器における前記熱媒体による熱交換量を取得する取得器(10)を備え、
    前記制御装置は、前記取得器によって取得された前記熱交換量が閾値を下回る場合に、前記支援機器を活性化し、前記非利用側熱交換器における熱交換を促進させるよう構成されている請求項1から請求項9のいずれかに記載の固体冷媒システム。
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