以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
[システム構成]
図1は、本実施例の放送受信装置を含む放送通信システムの一例を示すシステム構成図である。本実施例の放送通信システムは、放送受信装置100とアンテナ100a、インターネット200等のブロードバンドネットワークおよびルータ装置200rとアクセスポイント200a、放送局の電波塔300tと放送衛星(または通信衛星)300s、放送局サーバ300、サービス事業者サーバ400、その他のアプリケーションサーバ500、移動体電話通信サーバ600と移動体電話通信網の基地局600b、携帯情報端末700、で構成される。
放送受信装置100は、電波塔300tから送出された放送波を、放送衛星(または通信衛星)300sおよびアンテナ100aを介して受信する。あるいは、電波塔300tから送出された放送波を、放送衛星(または通信衛星)300sを介さずに、直接アンテナ100aから受信しても良い。また、放送受信装置100は、ルータ装置200rを介してインターネット200と接続可能であり、インターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器との通信によるデータの送受信が可能である。
ルータ装置200rは、インターネット200と有線通信により接続され、また、放送受信装置100とは有線通信または無線通信で、携帯情報端末700とは無線通信で接続される。前記無線通信は、Wi-Fi(登録商標)等の方式が使用されて良い。これにより、インターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器と放送受信装置100と携帯情報端末700とが、ルータ装置200rを介して、データの送受信を相互に行うことが可能となる。なお、放送受信装置100と携帯情報端末700との通信は、ルータ装置200rを介さずに、BlueTooth(登録商標)やNFC(Near Field Communication)等の方式で直接通信を行っても良い。
電波塔300tは、放送局の放送設備であり、放送番組の符号化データや字幕情報、その他のアプリケーション、汎用データ、等を含む放送波を送出する。放送衛星(または通信衛星)300sは、放送局の電波塔300tから送信された放送波を受信し、適宜周波数変換等を行った後に、放送受信装置100に接続されたアンテナ100aに対して前記放送波を再送信する中継器である。また、前記放送局は放送局サーバ300を備えるものとする。放送局サーバ300は、放送番組(動画コンテンツ等)および各放送番組の番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者情報、放送日時、等のメタデータを記憶し、前記動画コンテンツや各メタデータを、契約に基づいて、サービス事業者に対して提供することが可能であるものとする。なお、サービス事業者に対する前記動画コンテンツおよび各メタデータの提供は、放送局サーバ300が備えるAPI(Application Programming Interface)を通して行われるものであって良い。
サービス事業者サーバ400は、サービス事業者が用意するサーバ装置であり、放送局から配信される放送番組に連携した各種サービスを提供することが可能であるものとする。また、サービス事業者サーバ400は、放送局サーバ300から提供された動画コンテンツおよびメタデータや、放送番組に連携する各種コンテンツおよびアプリケーション等の記憶、管理および配信等を行う。また、テレビ受信機等からの問い合わせに対して、提供可能なコンテンツやアプリケーション等の検索や一覧の提供を行う機能も有するものとする。なお、前記コンテンツおよびメタデータの記憶、管理および配信と、前記アプリケーションの記憶、管理および配信は、異なるサーバ装置が行うものであっても良い。前記放送局と前記サービス事業者は同一であっても良いし、異なっていても良い。サービス事業者サーバ400は、異なるサービス毎に複数用意されても良い。また、サービス事業者サーバ400の機能は、放送局サーバ300が兼ね備えるものであっても良い。
その他のアプリケーションサーバ500は、その他の一般的なアプリケーションや動作プログラム、コンテンツ、データ、等の記憶、管理および配信等を行う公知のサーバ装置である。その他のアプリケーションサーバ500は、インターネット200上に複数あっても良い。
移動体電話通信サーバ600は、インターネット200と接続され、一方、基地局600bを介して携帯情報端末700と接続される。移動体電話通信サーバ600は、携帯情報端末700の移動体電話通信網を介した電話通信(通話)およびデータ送受信を管理し、携帯情報端末700とインターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器との通信によるデータの送受信を可能とする。基地局600bと携帯情報端末700との通信は、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)(登録商標)方式やGSM(Global System for Mobile communications)(登録商標)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、あるいはその他の通信方式によって行われるものであって良い。
携帯情報端末700は、移動体電話通信網を介した電話通信(通話)およびデータ送受信の機能やWi-Fi(登録商標)等による無線通信の機能を有するものとする。携帯情報端末700は、ルータ装置200rやアクセスポイント200aを介して、あるいは、移動体電話通信網の基地局600bおよび移動体電話通信サーバ600を介して、インターネット200と接続可能であり、インターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器との通信によるデータの送受信が可能である。アクセスポイント200aは、インターネット200と有線通信により接続され、また、携帯情報端末700とは無線通信で接続される。前記無線通信は、Wi-Fi(登録商標)等の方式が使用されて良い。なお、携帯情報端末700と放送受信装置100との通信は、アクセスポイント200aおよびインターネット200とルータ装置200rを介して、あるいは、基地局600bと移動体電話通信サーバ600およびインターネット200とルータ装置200rを介して行われるものであっても良い。
[MMT方式の概要]
図1に示した放送受信装置100は、映像や音声等のデータを伝送するメディアトランスポート方式として、従来のデジタル放送システムで多く採用されているMPEG(Moving Picture Experts Group)-2システムで規定されたTS(Transport Stream)(以下、MPEG2-TSと記述する。)に代替して、MMT(MPEG Media Transport)に対応可能なテレビ受信機であるものとする。MPEG2-TSとMMTの双方に対応可能なテレビ受信機であっても良い。
MPEG2-TSは、番組を構成する映像や音声等のコンポーネントを、制御信号やクロックと共に1つのストリームに多重することを特徴とする。クロックも含めて1つのストリームとして扱うため、伝送品質が確保された1つの伝送路で1つのコンテンツを伝送するのに適しており、従来の多くのデジタル放送システムで採用された。一方、近年のコンテンツの多様化、コンテンツを利用する機器の多様化、コンテンツを配信する伝送路の多様化、コンテンツ蓄積環境の多様化、等、コンテンツ配信に関する環境変化に対してMPEG2-TSの機能に限界があることから、新たに策定されたメディアトランスポート方式がMMTである。
図2Aに、本実施例のMMTにおける符号化信号の概要の一例を示す。同図に示したように、本実施例のMMTは、符号化信号を構成する要素として、MFU(Media Fragment Unit)、MPU(Media Processing Unit)、MMTP(MMT Protocol)ペイロード、MMTPパケットを有するものとする。
MFUは、映像や音声等の伝送時の形式であり、NAL(Network Abstraction Layer)ユニット単位やアクセスユニット単位で構成されて良い。MPUは、1つ以上のアクセスユニットを含み、MPU単体で映像や音声の復号処理を行うことが可能であるものとする。MPUは、MPU全体の構成に関する情報を含むMPUメタデータと、符号化したメディアデータの情報を含むムービーフラグメントメタデータと、符号化したメディアデータであるサンプルデータと、で構成されて良い。1つのMPUにムービーフラグメントデータとサンプルデータが複数存在しても良い。また、サンプルデータからはMFUを取り出すことが可能であるものとする。図2Bに、MPUの構成の一例を示す。なお、同一のアセットに属するMPU毎にシーケンス番号を付加することにより、アセットを識別するアセットIDとMPUのシーケンス番号で、任意のMPUを他のMPUと区別可能であるものとする。また、映像コンポーネントや音声コンポーネント等のメディアの場合、MPU単位やアクセスユニット単位で提示時刻や復号時刻が指定されても良い。
MMTPパケットは、ヘッダ部とMMTPペイロードで構成され、MFUおよびMMTの制御情報を伝送するものとする。MMTPペイロードは、ペイロード部に格納する内容(データユニット)に応じたペイロードヘッダを備えるものとする。図2Cに、映像/音声信号からMFUを構成し、更にMMTPペイロードに格納して、MMTPパケットを構成するまでの概要の一例を示す。なお、フレーム間予測を用いて符号化を行う映像信号では、MPUをGOP(Group Of Pictures)単位で構成することが望ましい。また、伝送するMFUの大きさが小さい場合、1つのペイロード部に1つのMFUを格納しても良いし、1つのペイロード部に同一種類の複数のMFUを格納しても良い。また、伝送するMFUの大きさが大きい場合には、1つのMFUを複数のペイロード部に分割して格納しても良い。また、MMTPパケットは、伝送路上におけるパケットロスを回復するために、AL-FEC(Application Layer Forward Error Correction)やARQ(Automatic Repeat Request)等の技術を用いて保護されて良い。
本実施例の放送システムにおいては、映像符号化方式としてMPEG-H HEVC(High Efficiency Video Coding)が用いられ、音声符号化方式としてMPEG-4 AAC(Advanced Audio Coding)またはMPEG-4 ALS(Audio Lossless Coding)が用いられるものとする。前記各方式により符号化された、放送番組の映像や音声等の符号化データは、MFUやMPUの形式とし、更にMMTPペイロードに乗せてMMTPパケット化して、IP(Internet Protocol)パケットで伝送するものとする。また、放送番組に関連するデータコンテンツに関してもMFUやMPUの形式とし、更にMMTPペイロードに乗せてMMTPパケット化して、IPパケットで伝送して良い。データコンテンツの伝送方式としては、(1)放送に同期したデータのストリーミングに用いる字幕/文字スーパー伝送方式、(2)放送と非同期のデータ伝送サービスに用いるアプリケーション伝送方式、(3)放送局からのテレビ受信機上で動作するアプリケーションに対する同期/非同期のメッセージ通知に用いるイベントメッセージ伝送方式、(4)その他の汎用データを同期型/非同期型で伝送する汎用データ伝送方式、の四種類が用意されるものとする。
MMTPパケットの伝送には、放送伝送路ではUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)が用いられ、通信回線ではUDP/IPまたはTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が用いられるものとする。また、放送伝送路においては、IPパケットの効率的な伝送のためにTLV(Type Length Value)多重化方式が用いられるものとする。本実施例の放送システムのプロトコルスタックの一例を図3に示す。図中、(A)は放送伝送路におけるプロトコルスタックの一例であり、(B)は通信回線におけるプロトコルスタックの一例である。
本実施例の放送システムでは、MMT-SI(MMT-Signaling Information)とTLV-SI(TLV-Signaling Information)の二種類の制御情報を伝送する仕組みを用意するものとする。MMT-SIは、放送番組の構成等を示す制御情報である。MMTの制御メッセージの形式とし、MMTPペイロードに乗せてMMTPパケット化して、IPパケットで伝送するものとする。TLV-SIは、IPパケットの多重に関する制御情報であり、選局のための情報やIPアドレスとサービスの対応情報を提供するものとする。
また、MMTを用いた放送システムにおいても、絶対時刻を提供するために時刻情報を伝送するものとする。なお、MPEG2-TSがTS毎に異なるクロックをベースとしてコンポーネントの表示時刻を示していたのに対し、MMTでは、協定世界時刻(Coordinated Universal Time:UTC)をベースとしてコンポーネントの表示時刻を示すものとする。これらの仕組みにより、異なる送信点から異なる伝送路で伝送されたコンポーネントを端末機器が同期して表示することが可能となる。UTCを提供するために、NTP(Network Time Protocol)形式のIPパケットを用いるものとする。
[MMTを用いる放送システムの制御情報]
本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムでは、前述したように、制御情報として、IPパケットの多重のためのTLV多重化方式に関わるTLV-SIと、メディアトランスポート方式であるMMTに関わるMMT-SIを用意する。TLV-SIは、放送伝送路に多重化されたIPパケットを、放送受信装置100が多重解除するための情報を提供する。TLV-SIは、『テーブル』と『記述子』で構成される。『テーブル』はセクション形式で伝送され、『記述子』は『テーブル』内に配置されるものとする。MMT-SIは、MMTのパッケージの構成や放送サービスに関連する情報を示す伝送制御情報である。MMT-SIは、『テーブル』や『記述子』を格納する『メッセージ』、特定の情報を示す要素や属性を持つ『テーブル』、より詳細な情報を示す『記述子』の三階層で構成されるものとする。本実施例の放送システムで用いる制御情報の階層構成の一例を図4に示す。
<TLV-SIで使用されるテーブル>
図5Aに、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムのTLV-SIで使用される『テーブル』の一覧を示す。本実施例では、TLV-SIの『テーブル』として以下に示すものが用いられるものとする。
(1)TLV-NIT
TLV用ネットワーク情報テーブル(Network Information Table for TLV:TLV-NIT)は、ネットワークにより伝送されるTLVストリームの物理的構成に関する情報およびネットワーク自身の特性を表すものである。
(2)AMT
アドレスマップテーブル(Address Map Table:AMT)は、ネットワークにおいて伝送される各サービスを構成するIPパケットのマルチキャストグループの一覧を提供する。
(3)事業者が設定するテーブル
その他、サービス事業者等が独自に設定したテーブルを用意することが可能である。
<TLV-SIで使用される記述子>
図5Bに、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムのTLV-SIに配置される『記述子』の一覧を示す。本実施例では、TLV-SIの『記述子』として以下に示すものが用いられるものとする。
(1)サービスリスト記述子
サービスリスト記述子は、サービス識別とサービス形式種別によるサービスの一覧を提供する。
(2)衛星分配システム記述子
衛星分配システム記述子は、衛星伝送路の物理的条件を示す。
(3)システム管理記述子
システム管理記述子は、放送と非放送を識別するために使用される。
(4)ネットワーク名記述子
ネットワーク名記述子は、文字符号によりネットワーク名を記述する。
(5)リモートコントロールキー記述子
リモートコントロールキー記述子は、受信機用リモコンのワンタッチ選局ボタンに割り当てるサービスを設定するために使用される。
(6)事業者が設定する記述子
その他、サービス事業者等が独自に設定した記述子を用意することが可能である。
<MMT-SIで使用されるメッセージ>
図6Aに、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムのMMT-SIで使用される『メッセージ』の一覧を示す。本実施例では、MMT-SIの『メッセージ』として以下に示すものが用いられるものとする。
(1)PAメッセージ
Package Access(PA)メッセージは、種々のテーブルを伝送するために用いる。
(2)M2セクションメッセージ
M2セクションメッセージは、MPEG-2 Systemsのセクション拡張形式を伝送するために用いる。
(3)CAメッセージ
CAメッセージは、限定受信方式の識別のためのテーブルを伝送するために用いる。
(4)M2短セクションメッセージ
M2短セクションメッセージは、MPEG-2 Systemsのセクション短形式を伝送するために用いる。
(5)データ伝送メッセージ
データ伝送メッセージは、データ伝送に関するテーブルを格納するメッセージである。
(6)事業者が設定するメッセージ
その他、サービス事業者等が独自に設定したメッセージを用意することが可能である。
<MMT-SIで使用されるテーブル>
図6Bに、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムのMMT-SIで使用される『テーブル』の一覧を示す。テーブルは、特定の情報を示す要素や属性を持つ制御情報であり、メッセージに格納してMMTPパケットで伝送するものとする。なお、テーブルを格納するメッセージはテーブルに応じて決まっていても良い。本実施例では、MMT-SIの『テーブル』として以下に示すものが用いられるものとする。
(1)MPT
MMTパッケージテーブル(MMT Package Table:MPT)は、アセットのリストやアセットのネットワーク上の位置などのパッケージを構成する情報を与える。MPTはPAメッセージに格納されて良い。
(2)PLT
パッケージリストテーブル(Package List Table:PLT)は、放送サービスとして提供されるMMTパッケージのPAメッセージを伝送するIPデータフローおよびパケットID並びにIPサービスを伝送するIPデータフローの一覧を示す。PLTはPAメッセージに格納されて良い。
(3)LCT
レイアウト設定テーブル(Layout Configuration Table:LCT)は、提示のためのレイアウト情報をレイアウト番号に対応付けるために用いる。LCTはPAメッセージに格納されて良い。
(4)ECM
Entitlement Control Message(ECM)は、番組情報および制御情報からなる共通情報であり、スクランブルを解除するための鍵情報などを配送する。ECMはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(5)EMM
Entitlement Management Message(EMM)は、加入者毎の契約情報やECM(共通情報)の暗号を解くための鍵情報などを含む個別情報を伝送する。EMMはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(6)CAT(MH)
CAテーブル(Conditional Access Table:CAT)(MH)は、限定受信方式の識別のための記述子を格納するために用いる。CAT(MH)はCAメッセージに格納されて良い。
(7)DCM
Download Control Message(DCM)は、ダウンロードのための伝送路暗号を復号するための鍵などからなる鍵関連情報を伝送する。DCMはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(8)DMM
Download Management Message(DMM)は、DCMの暗号を解くためのダウンロード鍵などからなる鍵関連情報を伝送する。DMMはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(9)MH-EIT
MH-イベント情報テーブル(MH-Event Information Table:MH-EIT)は、各サービスに含まれるイベントに関する時系列情報である。MH-EITはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(10)MH-AIT
MH-アプリケーション情報テーブル(MH-Application Information Table:MH-AIT)は、アプリケーションに関する全ての情報およびアプリケーションに要求される起動状態等を格納する。MH-AITはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(11)MH-BIT
MH-ブロードキャスタ情報テーブル(MH-Broadcaster Information Table:MH-BIT)は、ネットワーク上に存在するブロードキャスタの情報を提示するために用いる。MH-BITはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(12)MH-SDTT
MH-ソフトウェアダウンロードトリガテーブル(MH-Software Download Trigger Table:MH-SDTT)は、ダウンロードの告知情報のために用いる。MH-SDTTはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(13)MH-SDT
MH-サービス記述テーブル(MH-Service Description Table:MH-SDT)は、特定のTLVストリームに含まれるサービスを表すサブテーブルを有し、編成チャンネルの名称、放送事業者の名称など、編成チャンネルに関する情報を伝送する。MH-SDTはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(14)MH-TOT
MH-タイムオフセットテーブル(MH-Time Offset Table:MH-TOT)は、JST時刻と日付(修正ユリウス日)情報を伝送する。MH-TOTはM2短セクションメッセージに格納されて良い。
(15)MH-CDT
MH-共通データテーブル(MH-Common Data Table:MH-CDT)は、これを受信する全ての受信機を対象として、不揮発性メモリに格納すべき共通データをセクション形式で伝送するために用いる。MH-CDTはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(16)DDMテーブル
データディレクトリ管理テーブル(Data Directory Management Table:DDMテーブル)は、アプリケーションのファイル構成とファイル伝送のための構成を分離するために、アプリケーションを構成するファイルのディレクトリ構成を提供する。DDMテーブルはデータ伝送メッセージに格納されて良い。
(17)DAMテーブル
データアセット管理テーブル(Data Asset Management Table:DAMテーブル)は、アセット内のMPUの構成とMPU毎のバージョン情報を提供する。DAMテーブルはデータ伝送メッセージに格納されて良い。
(18)DCCテーブル
データコンテント管理テーブル(Data Content Configuration Table:DCCテーブル)は、柔軟で有効なキャッシュ制御を実現するため、データコンテンツとしてのファイルの構成情報を提供する。DCCテーブルはデータ伝送メッセージに格納されて良い。
(19)EMT
イベントメッセージテーブル(Event Message Table:EMT)は、イベントメッセージに関する情報を伝送するために用いる。EMTはM2セクションメッセージに格納されて良い。
(20)事業者が設定するテーブル
その他、サービス事業者等が独自に設定したテーブルを用意することが可能である。
<MMT-SIで使用される記述子>
図6C、図6Dおよび図6Eに、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムのMMT-SIに配置される『記述子』の一覧を示す。記述子は、より詳細な情報を提供する制御情報であり、テーブルに配置されるものとする。なお、記述子を配置するテーブルは記述子に応じて決まっていても良い。本実施例では、MMT-SIの『記述子』として以下に示すものが用いられるものとする。
(1)アセットグループ記述子
アセットグループ記述子は、アセットのグループ関係とグループ内での優先度を提供する。アセットグループ記述子はMPTに配置されて良い。
(2)イベントパッケージ記述子
イベントパッケージ記述子は、番組を表すイベントとパッケージの対応を提供する。イベントパッケージ記述子はM2セクションメッセージにて伝送されるMH-EITに配置されて良い。
(3)背景色指定記述子
背景色指定記述子は、レイアウト指定における最背面の背景色を提供する。背景色指定記述子はLCTに配置されて良い。
(4)MPU提示領域指定記述子
MPU提示領域指定記述子は、MPUを提示する位置を提供する。MPU提示領域指定記述子はMPTに配置されて良い。
(5)MPUタイムスタンプ記述子
MPUタイムスタンプ記述子は、MPUにおいて提示順序で最初のアクセスユニットの提示時刻を示す。MPUタイムスタンプ記述子はMPTに配置されて良い。
(6)依存関係記述子
依存関係記述子は、依存関係にあるアセットのアセットIDを提供する。依存関係記述子はMPTに配置されて良い。
(7)アクセス制御記述子
アクセス制御記述子は、限定受信方式を識別するための情報を提供する。アクセス制御記述子はMPTまたはCAT(MH)に配置されて良い。
(8)スクランブル方式記述子
スクランブル方式記述子は、スクランブル時の暗号化対象および暗号アルゴリズムの種別を識別するための情報を提供する。スクランブル方式記述子はMPTまたはCAT(MH)に配置されて良い。
(9)メッセージ認証方式記述子
メッセージ認証方式記述子は、メッセージ認証を行う場合にメッセージ認証方式を識別するための情報を提供する。メッセージ認証方式記述子はMPTまたはCAT(MH)に配置されて良い。
(10)緊急情報記述子(MH)
緊急情報記述子(MH)は、緊急警報放送を行う場合に用いる。緊急情報記述子(MH)はMPTに配置されて良い。
(11)MH-MPEG-4オーディオ記述子
MH-MPEG-4オーディオ記述子は、ISO/IEC 14496-3(MPEG-4オーディオ)のオーディオストリームの符号化パラメータを特定するための基本情報を記述するために用いる。MH-MPEG-4オーディオ記述子はMPTに配置されて良い。
(12)MH-MPEG-4オーディオ拡張記述子
MH-MPEG-4オーディオ拡張記述子は、MPEG-4オーディオストリームのプロファイルとレベルおよび符号化方式固有の設定を記述するために用いる。MH-MPEG-4オーディオ拡張記述子はMPTに配置されて良い。
(13)MH-HEVCビデオ記述子
MH-HEVCビデオ記述子は、ITU-T勧告H.265|ISO/IEC 23008-2の映像ストリーム(HEVCストリーム)の基本的な符号化パラメータを記述するために用いる。MH-HEVCビデオ記述子はMPTに配置されて良い。
(14)MH-リンク記述子
MH-リンク記述子は、番組配列情報システムに記載されているある特定のものに関連した追加情報を視聴者が要求した場合に提供されるサービスを識別する。MH-リンク記述子は、MPT、MH-EIT、MH-SDT、等に配置されて良い。
(15)MH-イベントグループ記述子
MH-イベントグループ記述子は、複数のイベント間に関係がある場合にそれらのイベント群がグループ化されていることを示すために用いる。MH-イベントグループ記述子はMH-EITに配置されて良い。
(16)MH-サービスリスト記述子
MH-サービスリスト記述子は、サービス識別とサービス形式種別によるサービスの一覧を提供する。MH-サービスリスト記述子はMH-BITに配置されて良い。
(17)MH-短形式イベント記述子
MH-短形式イベント記述子は、イベント名およびそのイベントの短い記述をテキスト形式で表す。MH-短形式イベント記述子はMH-EITに配置されて良い。
(18)MH-拡張形式イベント記述子
MH-拡張形式イベント記述子は、MH-短形式イベント記述子に付け加えて使用され、イベントの詳細記述を提供する。MH-拡張形式イベント記述子はMH-EITに配置されて良い。
(19)映像コンポーネント記述子
映像コンポーネント記述子は、映像コンポーネントに関するパラメータや説明を示し、エレメンタリストリームを文字形式で表現するためにも利用される。映像コンポーネント記述子はMPTまたはMH-EITに配置されて良い。
(20)MH-ストリーム識別記述子
MH-ストリーム識別記述子は、サービスのコンポーネントストリームにラベルを付け、このラベルによってMH-EIT内の映像コンポーネント記述子で示される記述内容を参照できるために使用する。MH-ストリーム識別記述子はMPTに配置されて良い。
(21)MH-コンテント記述子
MH-コンテント記述子は、イベントのジャンルを示す。MH-コンテント記述子はMH-EITに配置されて良い。
(22)MH-パレンタルレート記述子
MH-パレンタルレート記述子は、年齢に基づいた視聴制限を表し、また、他の制限条件に基づくよう拡張するために用いる。MH-パレンタルレート記述子はMPTまたはMH-EITに配置されて良い。
(23)MH-音声コンポーネント記述子
MH-音声コンポーネント記述子は、音声エレメンタリストリームの各パラメータを示し、エレメンタリストリームを文字形式で表現するためにも利用される。MH-音声コンポーネント記述子はMPTまたはMH-EITに配置されて良い。
(24)MH-対象地域記述子
MH-対象地域記述子は、番組または番組を構成する一部のストリームが対象とする地域を記述するために使用される。MH-対象地域記述子はMPTに配置されて良い。
(25)MH-シリーズ記述子
MH-シリーズ記述子は、シリーズ番組を識別するために用いる。MH-シリーズ記述子はMH-EITに配置されて良い。
(26)MH-SI伝送パラメータ記述子
MH-SI伝送パラメータ記述子は、SIの伝送パラメータを示すために用いる。MH-SI伝送パラメータ記述子はMH-BITに配置されて良い。
(27)MH-ブロードキャスタ名記述子
MH-ブロードキャスタ名記述子は、ブロードキャスタの名称を記述する。MH-ブロードキャスタ名記述子はMH-BITに配置されて良い。
(28)MH-サービス記述子
MH-サービス記述子は、編成チャンネル名とその事業者名をサービス形式種別と共に文字符号で表す。MH-サービス記述子はMH-SDTに配置されて良い。
(29)IPデータフロー記述子
IPデータフロー記述子は、サービスを構成するIPデータフローの情報を提供する。IPデータフロー記述子はMH-SDTに配置されて良い。
(30)MH-CA起動記述子
MH-CA起動記述子は、CAS基盤上のCASプログラムを起動するための起動情報を記載する。MH-CA起動記述子はMPTまたはCAT(CA)に配置されて良い。
(31)MH-Type記述子
MH-Type記述子は、アプリケーション伝送方式で伝送されるファイルの型を示す。MH-Type記述子はDAMテーブルに配置されて良い。
(32)MH-Info記述子
MH-Info記述子は、MPUまたはアイテムに関する情報を記述する。MH-Info記述子はDAMテーブルに配置されて良い。
(33)MH-Expire記述子
MH-Expire記述子は、アイテムの有効期限を記述する。MH-Expire記述子はDAMテーブルに配置されて良い。
(34)MH-Compression Type記述子
MH-Compression Type記述子は、伝送するアイテムが圧縮されていることを意味し、その圧縮アルゴリズムと圧縮前のアイテムのバイト数を示す。MH-Compression Type記述子はDAMテーブルに配置されて良い。
(35)MH-データ符号化方式記述子
MH-データ符号化方式記述子は、データ符号化方式を識別するために使用される。MH-データ符号化方式記述子はMPTに配置されて良い。
(36)UTC-NPT参照記述子
UTC-NPT参照記述子は、NPT(Normal Play Time)とUTCの関係を伝達するために用いる。UTC-NPT参照記述子はEMTに配置されて良い。
(37)イベントメッセージ記述子
イベントメッセージ記述子は、イベントメッセージ一般に関する情報を伝達する。イベントメッセージ記述子はEMTに配置されて良い。
(38)MH-ローカル時間オフセット記述子
MH-ローカル時間オフセット記述子は、サマータイム実施時に実際の時刻(例えば、UTC+9時間)と人間系への表示時刻に一定のオフセット値を持たせるときに用いる。MH-ローカル時間オフセット記述子はMH-TOTに配置されて良い。
(39)MH-コンポーネントグループ記述子
MH-コンポーネントグループ記述子は、イベント内のコンポーネントの組み合わせを定義して識別する。MH-コンポーネントグループ記述子はMH-EITに配置されて良い。
(40)MH-ロゴ伝送記述子
MH-ロゴ伝送記述子は、簡易ロゴ用文字列、CDT形式のロゴへのポインティングなどを記述するために用いる。MH-ロゴ伝送記述子はMH-SDTに配置されて良い。
(41)MPU拡張タイムスタンプ記述子
MPU拡張タイムスタンプ記述子は、MPU内のアクセスユニットの復号時刻を提供する。MPU拡張タイムスタンプ記述子はMPTに配置されて良い。
(42)MPUダウンロードコンテンツ記述子
MPUダウンロードコンテンツ記述子は、MPUを用いてダウンロードされるコンテンツの属性情報を記述するために用いる。MPUダウンロードコンテンツ記述子はMH-SDTTに配置されて良い。
(43)MH-ネットワークダウンロードコンテンツ記述子
MH-ネットワークダウンロードコンテンツ記述子は、ネットワークを用いてダウンロードされるコンテンツの属性情報を記述するために用いる。MH-ネットワークダウンロードコンテンツ記述子はMH-SDTTに配置されて良い。
(44)MH-アプリケーション記述子
MH-アプリケーション記述子は、アプリケーションの情報を記述する。MH-アプリケーション記述子はMH-AITに配置されて良い。
(45)MH-伝送プロトコル記述子
MH-伝送プロトコル記述子は、放送や通信等の伝送プロトコルの指定と伝送プロトコルに依存したアプリケーションのロケーション情報を示すために用いる。MH-伝送プロトコル記述子はMH-AITに配置されて良い。
(46)MH-簡易アプリケーションロケーション記述子
MH-簡易アプリケーションロケーション記述子は、アプリケーションの取得先の詳細を指示するために記述する。MH-簡易アプリケーションロケーション記述子はMH-AITに配置されて良い。
(47)MH-アプリケーション境界権限設定記述子
MH-アプリケーション境界権限設定記述子は、アプリケーションバウンダリを設定し、かつ領域(URL)毎に放送リソースアクセスの権限を設定するために記述する。MH-アプリケーション境界権限設定記述子はMH-AITに配置されて良い。
(48)MH-起動優先情報記述子
MH-起動優先情報記述子は、アプリケーションの起動優先度を指定するために記述する。MH-起動優先情報記述子はMH-AITに配置されて良い。
(49)MH-キャッシュ情報記述子
MH-キャッシュ情報記述子は、アプリケーションの再利用が想定される場合に、アプリケーションを構成するリソースをキャッシュし保持しておく場合のキャッシュ制御に用いるために記述する。MH-キャッシュ情報記述子はMH-AITに配置されて良い。
(50)MH-確率的適用遅延記述子
MH-確率的適用遅延記述子は、アプリケーション取得のサーバアクセスの負荷分散を想定して、アプリケーション制御を行うタイミングを確率的に設定した遅延量だけ遅らせるために記述する。MH-確率的適用遅延記述子はMH-AITに配置されて良い。
(51)リンク先PU記述子
リンク先PU記述子は、当該プレゼンテーションユニット(PU)から遷移する可能性のある他のプレゼンテーションユニットを記述する。リンク先PU記述子はDCCテーブルに配置されて良い。
(52)ロックキャッシュ指定記述子
ロックキャッシュ指定記述子は、当該プレゼンテーションユニットにおいてキャッシュし、かつロックする対象のファイルの指定を記述する。ロックキャッシュ指定記述子はDCCテーブルに配置されて良い。
(53)アンロックキャッシュ指定記述子
アンロックキャッシュ指定記述子は、当該プレゼンテーションユニットにおいてロックされているファイルのうちのアンロックするファイルの指定を記述する。アンロックキャッシュ指定記述子はDCCテーブルに配置されて良い。
(54)MH-ダウンロード保護記述子
MH-ダウンロード保護記述子は、DCMやDMMを伝送するMMTPパケットのロケーション情報および伝送情報を記述する。MH-ダウンロード保護記述子はMPTまたはMH-SDTTに配置されて良い。
(55)アプリケーションサービス記述子
アプリケーションサービス記述子は、サービスに関連するアプリケーションのエントリー情報等を記述する。アプリケーションサービス記述子はMPTに配置されて良い。
(56)MPUノード記述子
MPUノード記述子は、当該MPUがデータディレクトリ管理テーブルにて規定されるディレクトリノードに対応することを示す。MPUノード記述子はDAMテーブルに配置されて良い。
(57)PU構成記述子
PU構成記述子は、当該プレゼンテーションユニットと伝送単位とのマッピング情報として、プレゼンテーションユニットを構成するMPUのリストを示す。PU構成記述子はDCCテーブルに配置されて良い。
(58)MH-階層符号化記述子
MH-階層符号化記述子は、階層符号化された映像ストリームコンポーネントを識別するための情報を記述する。MH-階層符号化記述子はMPTに配置されて良い。
(59)コンテンツコピー制御記述子
コンテンツコピー制御記述子は、サービス全体に対する、デジタル記録機器におけるコピー世代を制御する情報を示し、デジタル記録が行われることが想定される場合に、放送局(著作権者側)がコピーに関する情報あるいは最大伝送レートをデジタル記録機器に伝えるために用いられる。コンテンツコピー制御記述子はMPT、MH-EIT、MH-SDT、等に配置されて良い。
(60)コンテンツ利用制御記述子
コンテンツ利用制御記述子は、番組に対して、ハードディスク等に蓄積する場合や受信機から映像/音声信号を出力する場合に、コピー制御、リモート視聴制御に関する情報を示すために用いられる。コンテンツ利用制御記述子はMPT、MH-EIT、MH-SDT、等に配置されて良い。
(61)事業者が設定する記述子
その他、サービス事業者等が独自に設定した記述子を用意することが可能である。
<MMT方式におけるデータ伝送と各制御情報の関係>
ここで、図7Aを用いて、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムにより伝送される映像や音声等の各コンポーネントとMMT-SIの代表的なテーブルとの関係について説明する。なお、MMT方式においては、コンポーネントをアセットと定義しており、以下では、コンポーネントをアセットと表記する場合がある。
本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムでは、放送伝送路を介したTLVストリームや通信回線を介したIPデータフロー等、複数の経路でデータ伝送を行うことができる。TLVストリームには、TLV-NITやAMTなどのTLV-SIと、IPパケットのデータフローであるIPデータフローが含まれている。IPデータフロー内には一連の映像MPUを含む映像アセットや一連の音声MPUを含む音声アセットが含まれている。同様に、IPデータフロー内には一連の字幕MPUを含む字幕アセット、一連の文字スーパーMPUを含む文字スーパーアセット、一連のデータMPUを含むデータアセットなどが含まれても良い。
これらの各種アセットは、PAメッセージに格納されて伝送されるMPT(MMTパッケージテーブル)の記述により、『パッケージ』に関連付けられる。具体的には、MPTにパッケージを識別するパッケージIDと当該パッケージに含まれる各アセットを識別するアセットIDとを記述することにより、前記関連付けを行えば良い。図7BにMPTのデータ構造の一例を示す。図中の『MMT_package_id_byte』パラメータが前記パッケージIDに対応し、『asset_id_byte』パラメータが前記アセットIDに対応する。
パッケージを構成するアセットはTLVストリーム内のアセットのみとすることもできるが、図7Aに示したように、通信回線のIPデータフローで伝送されるアセットを含めることもできる。これは、当該パッケージに含まれる各アセットを識別するアセットIDと共に前記アセットのロケーション情報をMPT内に記述して、本実施例の放送受信装置100が各アセットの参照先を把握可能とすることにより実現できる。前記ロケーション情報は、図7Bに示したMPTのデータ構造における『MMT_general_location_info()』により指定される。図7Cにロケーション情報のデータ構造の一例を示す。
なお、前記ロケーション情報の『location_type』パラメータの値に応じて、
(1)MPTと同一のIPデータフローに多重されているデータ
(location_type=0x00)
(2)IPv4データフローに多重されているデータ
(location_type=0x01)
(3)IPv6データフローに多重されているデータ
(location_type=0x02)
(4)放送のMPEG2-TSに多重されているデータ
(location_type=0x03)
(5)IPデータフロー内にMPEG2-TS形式で多重されているデータ
(location_type=0x04)
(6)指定するURLにあるデータ
(location_type=0x05)
など、様々な伝送経路で伝送される各種データを、放送受信装置100が参照できるように構成することが可能となる。
前述の参照先のうち、(1)は、例えば、本実施例の放送受信装置100がアンテナ100aを介して受信するデジタル放送信号のTLVストリームに含まれるIPデータフローである。但し、MPTを通信回線側のIPデータフローにも含めて伝送する場合は、(1)の参照先が通信回線を介して受信するIPデータフローになる場合もある。また、前記(2)、(3)、(5)、(6)は本実施例の放送受信装置100が通信回線を介して受信するIPデータフローである。また、前記(4)は、例えば、後述する実施例2の放送受信装置800のように、MMT方式を用いるデジタル放送信号を受信する受信機能と、MPEG2-TS方式を用いるデジタル放送信号を受信する受信機能の両者を有する放送受信装置の場合に、MMT方式を用いるデジタル放送信号に含まれるMPTのロケーション情報に基づいて、MPEG2-TS方式を用いるデジタル放送信号を受信する受信機能で受信するMPEG2-TSに多重されているデータを参照する場合に用いることができる。
また、映像コンポーネントや音声コンポーネント等のメディアでは、MPU単位やアクセスユニット単位で提示時刻や復号時刻を指定可能である。前記提示時刻や復号時刻に関する情報は、MPUタイムスタンプ記述子やMPU拡張タイムスタンプ記述子としてMPTに記述される。図7Dに、前記提示時刻に関する情報を記述するMPUタイムスタンプ記述子のデータ構造の一例を示す。各MPUの提示時刻情報は、前記MPUタイムスタンプ記述子の『mpu_presentation_time』パラメータで指定される。また、前記指定の対象となるMPUは、『mpu_sequence_number』パラメータにより識別可能である。本実施例の放送受信装置100では、当該提示時刻情報を用いて、MPTが指定する複数のMPUを、UTC表記の時刻情報であるNTPに基づくクロックを基準に、連動して提示(表示、出力など)することが可能となる。また、前記復号時刻に関する情報も、同様に、MPU拡張タイムスタンプ記述子によって記述されるが、詳細説明は省略する。なお、当該NTPに基づくクロックを用いた各種データの提示制御については後述する。
本実施例の放送システムにおいて、前記『パッケージ』単位の一連のデータがデジタル放送の『サービス』に対応する。また、前記『サービス』は、スケジュールに従って送出される『番組』の連続である。前記『番組』は、MMT方式において、『イベント』として扱われる。各イベントは、MH-EITにより開始時刻や継続時間を指定される。また、MH-EITに配置されるイベントパッケージ記述子により、各イベントが対応するMMTパッケージのIDが指定される。図7Eに、MH-EITのデータ構造の一例を示す。図中の『start_time』パラメータにより前記開始時刻が指定され、『duration』パラメータにより前記継続時間が指定される。図7Fに、イベントパッケージ記述子のデータ構造の一例を示す。MH-EITに配置される前記イベントパッケージ記述子の『MMT_package_id_byte』パラメータにより各イベントとMMTパッケージの対応が指定可能となる。MH-EITは、本実施例の放送受信装置100において当該『イベント』単位での各種処理(例えば、電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理)などに用いることができる。
[放送受信装置のハードウェア構成]
図8Aは、放送受信装置100の内部構成の一例を示すブロック図である。放送受信装置100は、主制御部101、システムバス102、ROM103、RAM104、ストレージ(蓄積)部110、LAN通信部121、拡張インタフェース部124、デジタルインタフェース部125、チューナ/復調部131、分離部132、映像デコーダ141、映像色域変換部142、音声デコーダ143、文字スーパーデコーダ144、字幕デコーダ145、字幕合成部146、字幕色域変換部147、データデコーダ151、キャッシュ部152、アプリケーション制御部153、ブラウザ部154、アプリケーション色域変換部155、音源部156、映像合成部161、モニタ部162、映像出力部163、音声合成部164、スピーカ部165、音声出力部166、操作入力部170、で構成される。
主制御部101は、所定の動作プログラムに従って放送受信装置100全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス102は主制御部101と放送受信装置100内の各動作ブロックとの間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。
ROM(Read Only Memory)103は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラムが格納された不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられる。ROM103には、放送受信装置100の動作に必要な動作設定値が記憶されても良い。RAM(Random Access Memory)104は基本動作プログラムやその他の動作プログラム実行時のワークエリアとなる。ROM103およびRAM104は主制御部101と一体構成であっても良い。また、ROM103は、図8Aに示したような独立構成とはせず、ストレージ(蓄積)部110内の一部記憶領域を使用するようにしても良い。
ストレージ(蓄積)部110は、放送受信装置100の動作プログラムや動作設定値、放送受信装置100のユーザの個人情報等を記憶する。また、インターネット200を介してダウンロードした動作プログラムや前記動作プログラムで作成した各種データ等を記憶可能である。また、放送波から取得した、あるいは、インターネット200を介してダウンロードした、動画、静止画、音声等のコンテンツも記憶可能である。ストレージ(蓄積)部110の一部領域を以ってROM103の機能の全部または一部を代替しても良い。また、ストレージ(蓄積)部110は、放送受信装置100に外部から電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。従って、例えば、フラッシュROMやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性半導体素子メモリ、HDD(Hard Disc Drive)などの磁気ディスクドライブ、等のデバイスが用いられる。
なお、ROM103やストレージ(蓄積)部110に記憶された前記各動作プログラムは、インターネット200上の各サーバ装置からのダウンロード処理により、追加、更新および機能拡張することが可能であるものとする。
LAN(Local Area Network)通信部121は、ルータ装置200rを介してインターネット200と接続され、インターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器とデータの送受信を行う。また、通信回線を介して伝送される番組のMMTデータ列(あるいは、その一部)の取得も行うものとする。ルータ装置200rとの接続は有線接続であっても良いし、Wi-Fi(登録商標)等の無線接続であっても良い。LAN通信部121は符号回路や復号回路等を備えるものとする。また、放送受信装置100が、BlueTooth(登録商標)通信部やNFC通信部、赤外線通信部等、他の通信部を更に備えていても良い。
チューナ/復調部131は、アンテナ100aを介して電波塔300tから送信された放送波を受信し、主制御部101の制御に基づいてユーザの所望するサービスのチャンネルに同調(選局)する。更に、チューナ/復調部131は、受信した放送信号を復調してMMTデータ列を取得する。なお、図8Aに示した例では、チューナ/復調部が1つである構成を例示しているが、複数画面同時表示や裏番組録画等を目的として、放送受信装置100がチューナ/復調部を複数搭載する構成としても良い。
分離部132はMMTデコーダであり、入力したMMTデータ列中の制御信号に基づいてリアルタイム提示要素である映像データ列、音声データ列、文字スーパーデータ列、字幕データ列、等を、それぞれ映像デコーダ141、音声デコーダ143、文字スーパーデコーダ144、字幕デコーダ145、等に分配する。分離部132に入力されるデータは、放送伝送路を介して伝送されてチューナ/復調部131で復調されたMMTデータ列や、通信回線を介して伝送されてLAN通信部121で受信したMMTデータ列であって良い。また、分離部132は、マルチメディアアプリケーションやその構成要素であるファイル系データを再生し、キャッシュ部152で一時的に蓄積する。また、分離部132は、映像音声字幕以外のデータの提示を行うプレーヤで利用するデータ若しくはアプリケーションに対するデータのストリーミングに用いるために、汎用データを抽出してデータデコーダ151に出力する。また、分離部132は、主制御部101の制御に基づいて、前記入力したMMTデータ列に対するエラー訂正やアクセス制限の制御等を行っても良い。
映像デコーダ141は、分離部132から入力した映像データ列を復号して映像情報を出力する。映像色域変換部142は、映像デコーダ141で復号した映像情報に対して、映像合成部161での映像合成処理のために、必要に応じて色空間変換処理を施す。音声デコーダ143は、分離部132から入力した音声データ列を復号して音声情報を出力する。また、映像デコーダ141および音声デコーダ143には、LAN通信部121を介してインターネット200上から取得した、例えば、MPEG-DASH(MPEG-Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)形式等のストリーミングデータが入力されても良い。また、映像デコーダ141、映像色域変換部142、音声デコーダ143、等は、複数種類の映像データ列や音声データ列を同時に復号処理するために、複数備えられても良い。
文字スーパーデコーダ144は、分離部132から入力した文字スーパーデータ列を復号して文字スーパー情報を出力する。字幕デコーダ145は、分離部132から入力した字幕データ列を復号して字幕情報を出力する。文字スーパーデコーダ144から出力された文字スーパー情報と字幕デコーダ145から出力された字幕情報は、字幕合成部146において合成処理を施され、更に、字幕色域変換部147において、映像合成部161での映像合成処理のために、必要に応じて色空間変換処理を施される。なお、本実施例においては、放送番組の映像と同時に提示される、文字情報を中心とするサービスのうち、映像の内容と関連するものを字幕と呼称し、それ以外のものを文字スーパーと呼称する。また、それらを区別しない場合は、字幕と総称するものとする。
ブラウザ部154は、キャッシュ部152若しくはLAN通信部121を介してインターネット200上のサーバ装置から取得したマルチメディアアプリケーションファイルやその構成要素であるファイル系データを、MMTデータ列に含まれる制御情報やLAN通信部121を介してインターネット200上のサーバ装置から取得した制御情報を解釈するアプリケーション制御部153の指示に従って提示する。なお、前記マルチメディアアプリケーションファイルは、HTML(Hyper Text Markup Language)文書やBML(Broadcast Markup Language)文書等であって良い。ブラウザ部154から出力されたアプリケーション情報は、更に、アプリケーション色域変換部155において、映像合成部161での映像合成処理のために、必要に応じて色空間変換処理を施される。また、ブラウザ部154は、音源部156に働きかけることにより、アプリケーション音声情報の再生も行うものとする。
映像合成部161は、映像色域変換部142から出力された映像情報と字幕色域変換部147から出力された字幕情報とアプリケーション色域変換部155から出力されたアプリケーション情報等を入力し、適宜選択および/または重畳等の処理を行う。映像合成部161は図示を省略したビデオRAMを備え、前記ビデオRAMに入力された映像情報等に基づいてモニタ部162等が駆動される。また、映像合成部161は、主制御部101の制御に基づいて、必要に応じて、スケーリング処理やMMT-SIに含まれるMH-EIT等の情報に基づいて作成されたEPG(Electronic Program Guide:電子番組表)画面情報の重畳処理等を行う。モニタ部162は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであり、映像合成部161で選択および/または重畳処理を施された映像情報を放送受信装置100のユーザに提供する。映像出力部163は、映像合成部161で選択および/または重畳処理を施された映像情報を出力する映像出力インタフェースである。
なお、本実施例の放送受信装置100の提示機能は、マルチメディアサービスを提供者の意図通りに表示させるために、論理的プレーン構造を備えるものとする。図8Bに、本実施例の放送受信装置100の提示機能が備える論理的プレーン構造の構成の一例を示す。前記論理的プレーン構造では、最前面に文字スーパーの表示を行う文字スーパープレーンを配置し、次層に字幕の表示を行う字幕プレーンを配置する。三層目に放送映像やマルチメディアアプリケーション、またはその合成映像の表示を行うマルチメディアプレーンを配置し、最背面に背景プレーンを配置する。字幕合成部146および映像合成部161において、文字スーパー情報の文字スーパープレーンへの描画、字幕情報の字幕プレーンへの描画、映像情報やアプリケーション情報等のマルチメディアプレーンへの描画が行われる。また、MMT-SIに含まれるLCT等に基づいて背景色が背景プレーンに描画される。なお、三層目のマルチメディアプレーンは、映像デコーダ141の数に応じて複数用意することが可能であるものとする。但し、マルチメディアプレーンが複数ある場合でも、アプリケーション色域変換部155から出力されたアプリケーション情報等は、最前面のマルチメディアプレーンにのみ出力されるものとする。
音声合成部164は、音声デコーダ143から出力された音声情報および音源部156で再生されたアプリケーション音声情報を入力して、適宜選択および/またはミックス等の処理を行う。スピーカ部165は、音声合成部164で選択および/またはミックス処理を施された音声情報を放送受信装置100のユーザに提供する。音声出力部166は、音声合成部164で選択および/またはミックス処理を施された音声情報を出力する音声出力インタフェースである。
拡張インタフェース部124は、放送受信装置100の機能を拡張するためのインタフェース群であり、本実施例では、アナログ映像/音声インタフェース、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、メモリインタフェース等で構成されるものとする。アナログ映像/音声インタフェースは、外部映像/音声出力機器からのアナログ映像信号/音声信号の入力、外部映像/音声入力機器へのアナログ映像信号/音声信号の出力、等を行う。USBインタフェースは、PC等と接続してデータの送受信を行う。HDDを接続して放送番組やコンテンツの記録を行っても良い。また、キーボードやその他のUSB機器の接続を行っても良い。メモリインタフェースはメモリカードやその他のメモリ媒体を接続してデータの送受信を行う。
デジタルインタフェース部125は、符号化されたデジタル映像データおよび/またはデジタル音声データを出力若しくは入力するインタフェースである。デジタルインタフェース部125は、チューナ/復調部131で復調して得たMMTデータ列やLAN通信部121を介して取得したMMTデータ列、あるいは、前記各MMTデータ列の混合データをそのまま出力可能であるものとする。また、デジタルインタフェース部125から入力したMMTデータ列を分離部132に入力するように制御しても良い。ストレージ(蓄積)部110に記憶したデジタルコンテンツの出力、あるいは、ストレージ(蓄積)部110へのデジタルコンテンツの記憶を、デジタルインタフェース部125を介して行っても良い。
デジタルインタフェース部125は、DVI端子やHDMI(登録商標)端子やDisplay Port(登録商標)端子等であって、DVI仕様やHDMI仕様やDisplay Port仕様等に準拠した形式でデータの出力あるいは入力がなされるものであって良い。IEEE1394仕様等に準拠したシリアルデータの形式で出力あるいは入力されても良い。また、イーサネット(登録商標)や無線LAN等のハードウェアを介してデジタルインタフェース出力を行うIPインタフェースとして構成しても良い。この場合、デジタルインタフェース部125とLAN通信部121とはそのハードウェア構成を共有しても良い。
操作入力部170は、放送受信装置100に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、本実施例では、図示を省略したリモコンから送信されるコマンドを受信するリモコン受信部とボタンスイッチを並べた操作キーで構成されるものとする。何れか一方のみであっても良い。また、操作入力部170は、モニタ部162に重ねて配したタッチパネルで代替しても良い。拡張インタフェース部124に接続したキーボード等で代替しても良い。前記図示を省略したリモコンは、リモコンコマンド送信機能を備えた携帯情報端末700で代替しても良い。
なお、前述のように、放送受信装置100がテレビ受信機等である場合、映像出力部163および音声出力部166は本発明に必須の構成ではない。また、放送受信装置100は、テレビ受信機の他、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダなどの光ディスクドライブレコーダ、HDDレコーダなどの磁気ディスクドライブレコーダ、STB(Set Top Box)等であっても良い。デジタル放送受信機能や放送通信連携機能を備えたPC(Personal Computer)やタブレット端末、ナビゲーション装置、ゲーム機等であっても良い。放送受信装置100がDVDレコーダ、HDDレコーダ、STB等である場合、モニタ部162およびスピーカ部165は備えなくとも良い。映像出力部163および音声出力部166あるいはデジタルインタフェース部125に、外部モニタおよび外部スピーカを接続することにより、本実施例の放送受信装置100と同様の動作が可能となる。
[放送受信装置のソフトウェア構成]
図8Cは、本実施例の放送受信装置100のソフトウェア構成図であり、ROM103、RAM104およびストレージ(蓄積)部110におけるソフトウェアの構成を示す。本実施例においては、ROM103に基本動作プログラム1001およびその他の動作プログラムが記憶されており、ストレージ(蓄積)部110に受信機能プログラム1002、連携機能プログラム1003、録画再生機能プログラム1004、およびその他の動作プログラムが記憶されている。また、ストレージ(蓄積)部110は、動画や静止画や音声等のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶領域1200、外部の携帯端末機器や各サーバ装置にアクセスする際に必要な認証情報等を記憶する認証情報記憶領域1300、その他の各種情報を記憶する各種情報記憶領域を備えるものとする。
ROM103に記憶された基本動作プログラム1001はRAM104に展開され、更に主制御部101が前記展開された基本動作プログラム1001を実行することにより、基本動作実行部1101を構成する。また、ストレージ(蓄積)部110に記憶された受信機能プログラム1002や連携機能プログラム1003や録画再生機能プログラム1004も同様にRAM104に展開され、更に主制御部101が前記展開された受信機能プログラム1002や連携機能プログラム1003や録画再生機能プログラム1004を実行することにより、受信機能実行部1102や連携機能実行部1103や録画再生機能実行部1104を構成する。また、RAM104は、各動作プログラム実行時に作成したデータを、必要に応じて一時的に保持する一時記憶領域を備えるものとする。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部101がROM103に格納された基本動作プログラム1001をRAM104に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作実行部1101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
受信機能実行部1102は、本実施例の放送システムで伝送される映像や音声等のコンポーネントを再生するために放送受信装置100の各動作ブロックを制御する。特に、トランスポート処理部1102aは、分離部132のMMTデコーダ機能を主として制御し、MMTデータ列から分離した映像データ列や音声データ列等をそれぞれ対応するデコード処理部に分配する。AVデコード処理部1102bは、映像デコーダ141や音声デコーダ143等を主として制御する。アプリケーション処理部1102cは、キャッシュ部152やアプリケーション制御部153やブラウザ部154や音源部156を主として制御する。文字スーパー処理部1102dは、文字スーパーデコーダ144を主として制御する。字幕処理部1102eは、字幕デコーダ145を主として制御する。汎用データ処理部1102fは、データデコーダ151を主として制御する。EPG生成部1102gは、MMT-SIに含まれるMH-EIT等の記述内容を解釈してEPG画面を生成する。提示処理部1102hは、前記論理的プレーン構造に基づいて、映像色域変換部142や字幕合成部146や字幕色域変換部147やアプリケーション色域変換部155や映像合成部161や音声合成部164を主として制御する。
また、連携機能実行部1103は、放送受信装置100が携帯情報端末700等の外部装置との連携動作を行う際の、機器認証および接続、各データの送受信、等の管理を行う。録画再生機能実行部1104は、本放送システムのデジタル放送波から取得した放送番組やネットワーク上の各サーバ装置から取得したコンテンツ等を、ストレージ(蓄積)部110のコンテンツ記憶領域1200や拡張インタフェース部124に接続された外部ストレージ等に記録する際の、あるいは、前記放送番組やコンテンツ等を再生する際の制御を行う。
前記各動作プログラムは、製品出荷の時点で、予めROM103および/またはストレージ(蓄積)部110に格納された状態であっても良い。製品出荷後に、インターネット200上のその他のアプリケーションサーバ500等からLAN通信部121を介して取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記各動作プログラムを、拡張インタフェース部124等を介して取得するものであっても良い。
[放送局サーバの構成]
図9は、放送局サーバ300の内部構成の一例を示すブロック図である。放送局サーバ300は、主制御部301、システムバス302、RAM304、ストレージ部310、LAN通信部321、デジタル放送信号送出部360、で構成される。
主制御部301は、所定の動作プログラムに従って放送局サーバ300全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス302は主制御部301と放送局サーバ300内の各動作ブロックとの間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。RAM304は各動作プログラム実行時のワークエリアとなる。
ストレージ部310は、基本動作プログラム3001および放送コンテンツ管理/配信プログラム3002と放送コンテンツ送出プログラム3003を記憶し、更に、放送コンテンツ記憶領域3200およびメタデータ記憶領域3300を備える。放送コンテンツ記憶領域3200は放送局が放送する各放送番組の番組コンテンツ等を記憶する。メタデータ記憶領域3300は前記各放送番組の番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、各番組コンテンツに係るコピー制御情報、等のメタデータを記憶する。
また、ストレージ部310に記憶された基本動作プログラム3001および放送コンテンツ管理/配信プログラム3002と放送コンテンツ送出プログラム3003はそれぞれRAM304に展開され、更に主制御部301が前記展開された各プログラムを実行することにより、基本動作実行部3101、放送コンテンツ管理/配信実行部3102、放送コンテンツ送出実行部3103を構成する。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部301がストレージ部310に格納された基本動作プログラム3001をRAM304に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作実行部3101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
放送コンテンツ管理/配信実行部3102は、放送コンテンツ記憶領域3200およびメタデータ記憶領域3300に蓄積された各放送番組の番組コンテンツ等および各メタデータの管理と、前記各放送番組の番組コンテンツ等および各メタデータを契約に基づいてサービス事業者に提供する際の制御を行う。更に、放送コンテンツ管理/配信実行部3102は、前記サービス事業者に対して前記各放送番組の番組コンテンツ等および各メタデータの提供を行う際に、必要に応じて前記契約に基づいたサービス事業者サーバ400の認証処理等を行っても良い。
放送コンテンツ送出実行部3103は、放送コンテンツ記憶領域3200に蓄積された放送番組の番組コンテンツや、メタデータ記憶領域3300に蓄積された放送番組の番組タイトル、番組ID、番組コンテンツのコピー制御情報等を含むMMTデータ列を、デジタル放送信号送出部360を介して電波塔300tから送出する際のタイムスケジュール管理等を行う。
LAN通信部321は、インターネット200と接続され、インターネット200上のサービス事業者サーバ400等と通信を行う。LAN通信部321は符号回路や復号回路等を備えるものとする。デジタル放送信号送出部360は、放送コンテンツ記憶領域3200に蓄積された各放送番組の番組コンテンツ等の映像データ列や音声データ列、番組情報データ列、等で構成されたMMTデータ列を変調して、電波塔300tを介して、デジタル放送波として送出する。
[サービス事業者サーバの構成]
図10は、サービス事業者サーバ400の内部構成の一例を示すブロック図である。サービス事業者サーバ400は、主制御部401、システムバス402、RAM404、ストレージ部410、LAN通信部421、で構成される。
主制御部401は、所定の動作プログラムに従ってサービス事業者サーバ400全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス402は主制御部401とサービス事業者サーバ400内の各動作ブロックとの間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。RAM404は各動作プログラム実行時のワークエリアとなる。
ストレージ部410は、基本動作プログラム4001および映像コンテンツ管理/配信プログラム4002とアプリケーション管理/配布プログラム4004を記憶し、更に、映像コンテンツ記憶領域4200およびメタデータ記憶領域4300、アプリケーション記憶領域4400、ユーザ情報記憶領域4500を備える。映像コンテンツ記憶領域4200は、放送局サーバ300から提供された放送番組の番組コンテンツを映像コンテンツとして記憶する。また、前記サービス事業者が制作した映像コンテンツ等を記憶する。メタデータ記憶領域4300は、放送局サーバ300から提供された各メタデータや、前記サービス事業者が制作した映像コンテンツに関するメタデータ等を記憶する。アプリケーション記憶領域4400は、各テレビ受信機からの要求に応じて配布するための、放送番組に連携したサービスを実現するための各種アプリケーション等を記憶する。ユーザ情報記憶領域4500は、サービス事業者サーバ400へのアクセスが許可されたユーザに関する情報(個人情報や認証情報等)を記憶する。
また、ストレージ部410に記憶された基本動作プログラム4001および映像コンテンツ管理/配信プログラム4002とアプリケーション管理/配布プログラム4004はそれぞれRAM404に展開され、更に主制御部401が前記展開された基本動作プログラムおよび映像コンテンツ管理/配信プログラムとアプリケーション管理/配布プログラムを実行することにより、基本動作実行部4101、映像コンテンツ管理/配信実行部4102、アプリケーション管理/配布実行部4104を構成する。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部401がストレージ部410に格納された基本動作プログラム4001をRAM404に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作実行部4101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
映像コンテンツ管理/配信実行部4102は、放送局サーバ300からの放送番組の番組コンテンツ等およびメタデータの取得、映像コンテンツ記憶領域4200およびメタデータ記憶領域4300に蓄積された映像コンテンツ等および各メタデータの管理、および各テレビ受信機に対する前記映像コンテンツ等および各メタデータの配信の制御を行う。更に、映像コンテンツ管理/配信実行部4102は、前記各テレビ受信機に対して前記各映像コンテンツ等および各メタデータの配信を行う際に、必要に応じて前記各テレビ受信機の認証処理等を行っても良い。また、アプリケーション管理/配布実行部4104は、アプリケーション記憶領域4400に蓄積された各アプリケーションの管理と、前記各アプリケーションを各テレビ受信機からの要求に応じて配布する際の制御と、を行う。更に、アプリケーション管理/配布実行部4104は、前記各テレビ受信機に対して前記各アプリケーションの配布を行う際に、必要に応じて前記各テレビ受信機の認証処理等を行っても良い。
LAN通信部421は、インターネット200と接続され、インターネット200上の放送局サーバ300や、ルータ装置200rを介して放送受信装置100と通信を行う。LAN通信部421は符号回路や復号回路等を備えるものとする。
[携帯情報端末のハードウェア構成]
図11Aは、携帯情報端末700の内部構成の一例を示すブロック図である。携帯情報端末700は、主制御部701、システムバス702、ROM703、RAM704、ストレージ部710、通信処理部720、拡張インタフェース部724、操作部730、画像処理部740、音声処理部750、センサ部760、で構成される。
主制御部701は、所定の動作プログラムに従って携帯情報端末700全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。システムバス702は主制御部701と携帯情報端末700内の各動作ブロックとの間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。
ROM703は、オペレーティングシステムなどの基本動作プログラムやその他の動作プログラムが格納されたメモリであり、例えばEEPROMやフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられる。RAM704は基本動作プログラムやその他の動作プログラム実行時のワークエリアとなる。ROM703およびRAM704は主制御部701と一体構成であっても良い。また、ROM703は、図11Aに示したような独立構成とはせず、ストレージ部710内の一部記憶領域を使用するようにしても良い。
ストレージ部710は、携帯情報端末700の動作プログラムや動作設定値、携帯情報端末700のユーザの個人情報等を記憶する。また、インターネット200を介してダウンロードした動作プログラムや前記動作プログラムで作成した各種データ等を記憶可能である。また、インターネット200を介してダウンロードした、動画、静止画、音声等のコンテンツも記憶可能である。ストレージ部710の一部領域を以ってROM703の機能の全部または一部を代替しても良い。また、ストレージ部710は、携帯情報端末700に外部から電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。従って、例えば、フラッシュROMやSSDなどの不揮発性半導体素子メモリ、HDDなどの磁気ディスクドライブ、等のデバイスが用いられる。
なお、ROM703やストレージ部710に記憶された前記各動作プログラムは、インターネット200上の各サーバ装置からのダウンロード処理により、追加、更新および機能拡張することが可能であるものとする。
通信処理部720は、LAN通信部721、移動体電話網通信部722、NFC通信部723、で構成される。LAN通信部721は、ルータ装置200rやアクセスポイント200aを介してインターネット200と接続され、インターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器とデータの送受信を行う。ルータ装置200rやアクセスポイント200aとの接続はWi-Fi(登録商標)等の無線接続で行われるものとする。移動体電話網通信部722は、移動体電話通信網の基地局600bとの無線通信により、電話通信(通話)およびデータの送受信を行う。NFC通信部723は対応するリーダ/ライタとの近接時に無線通信を行う。LAN通信部721、移動体電話網通信部722、NFC通信部723は、それぞれ符号回路や復号回路、アンテナ等を備えるものとする。また、通信処理部720が、BlueTooth(登録商標)通信部や赤外線通信部等、他の通信部を更に備えていても良い。
拡張インタフェース部724は、携帯情報端末700の機能を拡張するためのインタフェース群であり、本実施例では、映像/音声インタフェース、USBインタフェース、メモリインタフェース等で構成されるものとする。映像/音声インタフェースは、外部映像/音声出力機器からの映像信号/音声信号の入力、外部映像/音声入力機器への映像信号/音声信号の出力、等を行う。USBインタフェースは、PC等と接続してデータの送受信を行う。また、キーボードやその他のUSB機器の接続を行っても良い。メモリインタフェースはメモリカードやその他のメモリ媒体を接続してデータの送受信を行う。
操作部730は、携帯情報端末700に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、本実施例では、表示部741に重ねて配置したタッチパネル730tおよびボタンスイッチを並べた操作キー730kで構成されるものとする。何れか一方のみであっても良い。拡張インタフェース部724に接続したキーボード等を用いて携帯情報端末700の操作を行っても良い。有線通信または無線通信により接続された別体の端末機器を用いて携帯情報端末700の操作を行っても良い。即ち、放送受信装置100から携帯情報端末700の操作を行っても良い。また、前記タッチパネル機能は表示部741が備え持っているものであっても良い。
画像処理部740は、表示部741、画像信号処理部742、第一画像入力部743、第二画像入力部744、で構成される。表示部741は、例えば液晶パネル等の表示デバイスであり、画像信号処理部742で処理した画像データを携帯情報端末700のユーザに提供する。画像信号処理部742は図示を省略したビデオRAMを備え、前記ビデオRAMに入力された画像データに基づいて表示部741が駆動される。また、画像信号処理部742は、必要に応じてフォーマット変換、メニューやその他のOSD(On Screen Display)信号の重畳処理等を行う機能を有するものとする。第一画像入力部743および第二画像入力部744は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の電子デバイスを用いてレンズから入力した光を電気信号に変換することにより、周囲や対象物の画像データを入力するカメラユニットである。
音声処理部750は、音声出力部751、音声信号処理部752、音声入力部753、で構成される。音声出力部751はスピーカであり、音声信号処理部752で処理した音声信号を携帯情報端末700のユーザに提供する。音声入力部753はマイクであり、ユーザの声などを音声データに変換して入力する。
センサ部760は、携帯情報端末700の状態を検出するためのセンサ群であり、本実施例では、GPS受信部761、ジャイロセンサ762、地磁気センサ763、加速度センサ764、照度センサ765、近接センサ766、で構成される。これらのセンサ群により、携帯情報端末700の位置、傾き、方角、動き、および周囲の明るさ、周囲物の近接状況、等を検出することが可能となる。また、携帯情報端末700が、気圧センサ等、他のセンサを更に備えていても良い。
携帯情報端末700は、携帯電話やスマートホン、タブレット端末等であって良い。PDA(Personal Digital Assistants)やノート型PCであっても良い。また、デジタルスチルカメラや動画撮影可能なビデオカメラ、携帯型ゲーム機やナビゲーション装置等、またはその他の携帯用デジタル機器であっても良い。
なお、図11Aに示した携帯情報端末700の構成例は、センサ部760等、本実施例に必須ではない構成も多数含んでいるが、これらが備えられていない構成であっても本実施例の効果を損なうことはない。また、デジタル放送受信機能や電子マネー決済機能等、図示していない構成が更に加えられていても良い。
[携帯情報端末のソフトウェア構成]
図11Bは、本実施例の携帯情報端末700のソフトウェア構成図であり、ROM703、RAM704およびストレージ部710におけるソフトウェアの構成を示す。本実施例においては、ROM703に基本動作プログラム7001およびその他の動作プログラムが記憶されており、ストレージ部710に連携制御プログラム7002およびその他の動作プログラムが記憶されている。また、ストレージ部710は、動画、静止画、音声等のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶領域7200、テレビ受信機や各サーバ装置にアクセスする際に必要な認証情報等を記憶する認証情報記憶領域7300、その他の各種情報を記憶する各種情報記憶領域を備えるものとする。
ROM703に記憶された基本動作プログラム7001はRAM704に展開され、更に主制御部701が前記展開された基本動作プログラムを実行することにより、基本動作実行部7101を構成する。また、ストレージ部710に記憶された連携制御プログラム7002も同様にRAM704に展開され、更に主制御部701が前記展開された連携制御プログラムを実行することにより、連携制御実行部7102を構成する。また、RAM704は、各動作プログラム実行時に作成したデータを、必要に応じて一時的に保持する一時記憶領域を備えるものとする。
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部701がROM703に格納された基本動作プログラム7001をRAM704に展開して実行することにより各動作ブロックの制御を行う処理を、基本動作実行部7101が各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。他の動作プログラムに関しても同様の記述を行う。
連携制御実行部7102は、携帯情報端末700がテレビ受信機との連携動作を行う際の、機器認証および接続、各データの送受信、等の管理を行う。また、連携制御実行部7102は、前記テレビ受信機と連動するアプリケーションを実行するためのブラウザエンジン機能を備えるものとする。
前記各動作プログラムは、製品出荷の時点で、予めROM703および/またはストレージ部710に格納された状態であっても良い。製品出荷後に、インターネット200上のその他のアプリケーションサーバ500等からLAN通信部721または移動体電話網通信部722を介して取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記各動作プログラムを、拡張インタフェース部724等を介して取得するものであっても良い。
[放送受信装置の時刻管理]
本実施例の放送受信装置100は二種類の時刻管理機能を備える。第一の時刻管理機能は、NTPに基づく時刻管理機能であり、第二の時刻管理機能は、MH-TOTに基づく時刻管理機能である。以下では、前記二種類の時刻管理機能について説明を行う。
<NTPに基づく時刻管理機能>
まず、NTPに基づく時刻管理機能に関して説明する。
図12Aは、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムにおけるクロック同期/提示同期のためのシステム構成の一例である。本実施例の放送システムでは、UTCを64ビット長のNTPタイムスタンプ形式で、放送送出システムから受信機(本実施例の放送受信装置100等)に伝送する。前記NTPタイムスタンプ形式においては、UTCの『秒以上』を32ビットで表し、また、『秒未満』を32ビットで表すものとする。しかしながら、実際には、1秒を32ビット精度で再現することは困難である。このため、映像システムの同期をとるためのシステムクロックやNTP形式の時計を動作させるためのシステムクロックとしては、例えば同図に示したような、『2の24乗』Hz(約16.8MHz)の周波数を用いるようにしても良い。なお、従来の放送システムにおけるシステムクロックが27MHzであったことおよび受信機のハードウェア構成を簡便に構築できること等を考慮すると、『2の24乗』~『2の28乗』程度の、2のべき乗の周波数をシステムクロックとして採用することが望ましい。
なお、放送送出システム側や受信機側において、システムクロックを前述のように『2の24乗』~『2の28乗』程度の2のべき乗の周波数に設定した場合、放送送出システム側から受信機側に伝送されるNTPタイムスタンプ形式における、前記システムクロックやNTP形式の時計を再生するためのPLL(Phase Locked Loop)系に参照されない下位の8~4ビットは、『0』あるいは『1』に固定するようにしても良い。即ち、システムクロックが『2のn乗』Hz(図12Aの例ではn=24、以下同様)であれば、NTPタイムスタンプ形式の下位『32-n』ビットを『0』あるいは『1』に固定するようにしても良い。あるいは、受信機側において、前記NTPタイムスタンプ形式の下位『32-n』ビットを無視するように処理しても良い。
放送送出システム側では、NTP形式の時刻情報を外部から得ると、『2のn乗』HzのVCO(Voltage Controlled Oscillator)による32+nビットカウンタでPLL系を構成し、外部から与えられた時刻情報に同期する送出システム時計を実現する。また、『2のn乗』Hzのシステムクロックに同期して全体の信号処理系を動作させる。更に、前記送出システム時計の出力をNTP長形式の時刻情報として放送伝送路を介して受信機側に周期的に伝送する。なお、受信機側に伝送する前記NTP長形式の時刻情報も、『秒未満』を表す32ビットのうち、下位『32-n』ビットを『0』あるいは『1』に固定して良い。即ち、放送送出システム側のシステムクロックカウンタが32+nビットで構成されるためである。
受信機側では、放送伝送路を介してNTP長形式の時刻情報を受信し、放送送出システム側と同様に、『2のn乗』HzのVCOに基づくPLL系により受信システム時計を再生する。これにより、受信システム時計は、放送送出システム側と同期した時計となる。また、『2のn乗』Hzのシステムクロックに同期して受信機の信号処理系を動作させることにより、放送送出システム側と受信機側のクロック同期が実現され、安定した信号再生が可能となる。
また、映像/音声信号の提示単位毎の復号時刻および提示時刻が、放送送出システム側において、前記NTP形式の時刻情報に基づいて設定される。前記復号時刻は、MPTに格納されたMPU拡張タイムスタンプ記述子(図示省略)により指定される。また、前記提示時刻は、MPTに格納されたMPUタイムスタンプ記述子(図7D参照)により指定される。前記MPUタイムスタンプ記述子における『mpu_sequence_number(MPUシーケンス番号)』パラメータがタイムスタンプを記述するMPUのシーケンス番号を示し、『mpu_presentation_time(MPU提示時刻)』パラメータがMPUの提示時刻を64ビットのNTPタイムスタンプ形式で示している。即ち、受信機はMPTに格納されるMPUタイムスタンプ記述子を参照することにより、映像/音声信号や字幕、文字スーパー等のMPU毎の提示(表示、出力など)タイミングを制御することが可能となる。
なお、前述の映像/音声信号等の提示単位毎の復号タイミングおよび提示タイミングの制御に着目した場合、『2の16乗』Hz(約65.5KHz)程度のクロックによっても映像/音声信号の同期は確保可能であり、この場合は、MPUタイムスタンプ記述子等に記述されるNTPタイムスタンプ形式の下位16ビットは参照しなくとも良い。即ち、復号タイミングおよび提示タイミングの制御にシステムクロックの分周等により生成した『2のm乗』Hzのクロックを用いた場合は、MPUタイムスタンプ記述子等に記述されるNTPタイムスタンプ形式の下位『32-m』ビットは参照しなくとも良い。従って、MPUタイムスタンプ記述子等に記述されるNTPタイムスタンプ形式の下位『32-m』ビットは『0』あるいは『1』に固定するようにしても良い。
<MH-TOTに基づく時刻管理機能>
前述で説明したNTPに基づく時刻管理機能における、NTP形式で伝送する時刻情報の構成の一例を図12Bに示す。前記NTP形式における『reference_timestamp』パラメータや『transmit_timestamp』パラメータ等は、64ビット長のNTP長形式の時刻データであり、また、図7Dに示したMPUタイムスタンプ記述子における『mpu_presentation_time』パラメータも64ビット長のNTPタイムスタンプ形式の時刻データである。前記NTP長形式の時刻データや前記NTPタイムスタンプ形式の時刻データは、UTCの『秒以上』を32ビットで、『秒未満』を32ビットで表したデータである。即ち、NTP形式の時刻情報は、『秒未満』までの時刻情報を伝送可能である。更にNTP形式の時刻情報はUTC表記であるため、従来のデジタル放送における時刻管理と異なり、図3に示したように、放送伝送路を介して送信されるデータフローと通信回線を介して配信されるデータフローの双方を前記NTP形式の時刻情報で管理することにより、容易に前記双方のデータの整合をとることができる。
これに対し、MH-TOTで伝送される時刻情報は以下の通りである。
図12Cに、MH-TOTのデータ構造の一例を示す。本実施例の放送受信装置100は、前記MH-TOTの『JST_time』パラメータから現在日付および現在時刻を取得可能である。『JST_time』パラメータは、図12Dに示すように、修正ユリウス日(Modified Julian Date:MJD)による現在日付の符号化データの下位16ビットと、日本標準時(Japan Standard Time:JST)を6個の4ビット2進化10進数(Binary-Coded Decimal:BCD)で表した24ビットの情報を含むものとする。前記MJDの16ビット符号化データに所定の演算を施すことにより、現在日付を算出することが可能である。また、6個の4ビット2進化10進数は、最初の2個の4ビット2進化10進数により10進法2桁で『時』を表し、次の2個の4ビット2進化10進数により10進法2桁で『分』を表し、最後の2個の4ビット2進化10進数により10進法2桁で『秒』を表すものである。
即ち、NTP形式に基づく時刻管理とMH-TOTに基づく時刻管理との相違点は、前者のNTP形式に基づく時刻管理が前述のように『秒未満』までの時刻情報を伝送できるのに対し、後者のMH-TOTに基づく時刻管理では、JST表記の『秒単位』までの時刻情報のみを伝送できるという点である。
本実施例の放送受信装置100は、UTC表記の時刻情報であるNTPに基づく時刻管理機能を、放送信号のコンテンツである映像、音声、字幕、文字スーパー、その他提示データのデコードおよび表示の同期処理に用いることにより、より高精度の同期処理を実現できる。更に放送局のクロック表記ではなく、UTC表記の情報を参照することにより、放送信号で受信するコンテンツである映像、音声、字幕、文字スーパー、またはその他データと、通信回線経路で取得する映像、音声、字幕、文字スーパー、またはその他データとのデコードおよび表示の同期処理を行うこともできる。
更に、本実施例の放送受信装置100では、MH-TOTの6個の4ビット2進化10進数で表した24ビットの情報を含む『JST_time』に基づく時刻管理機能を、ユーザへの現在時刻の提示処理または図7Eに示したMH-EITを扱う各処理に用いても良い。一般的に、放送受信装置におけるユーザへの現在時刻の提示処理においては、秒未満までの精度が要求されることはほとんどない。また、MH-EITに記述される各時間情報は、MPEG2-TS方式で伝送される従来のデジタル放送のEITと同様に、6個の4ビット2進化10進数で表した24ビットの情報で、10進法2桁ずつの『時』、『分』、『秒』で格納されている。このため、本実施例の放送受信装置100におけるMH-TOTに基づく時刻管理機能は、MH-EITを扱う各処理と整合し易いためである。MH-EITを扱う各処理とは具体的には、例えば、電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等である。何れの処理も秒未満までの精度が要求されることは稀であり、1秒単位の精度で十分だからである。
また、当該電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等は、従来のMPEG2-TS方式を用いたデジタル放送システムの受信機でも搭載される機能である。すると、本実施例の放送システムにおいても、電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等の処理において、従来のMPEG2-TS方式のデジタル放送システムと整合性がある時刻管理処理で対応できるように構成しておけば、従来のMPEG2-TS方式のデジタル放送の受信機能とMMT方式のデジタル放送の受信機能との両者を有する放送受信装置を構成する際に、これらの処理(電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等の処理)において、処理アルゴリズムを別々に設計する必要がなくなり、コストを低くすることができる。
また、従来のMPEG2-TS方式のデジタル放送の受信機能を持たずMMT方式のデジタル放送の受信機能のみを有する受信機であっても、電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等の処理のアルゴリズムを完全に新規に作成しなくとも、従来のMPEG2-TS方式を用いたデジタル放送システムの受信機でも搭載される機能のアルゴリズムを流用できるので、より低コストに開発することができる。
よって、MH-TOTの『JST_time』パラメータに基づく時刻管理機能をこれらの処理(電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等の処理)に用いる構成にすることにより、MMT方式のデジタル放送の放送受信装置であっても、従来方式の放送システムとの整合性を高めることにより、より低コストに提供することが可能となる。
以上説明した通り、本実施例の放送受信装置100は、精度の異なる二種類の時刻情報を用いた時刻管理機能を備える。即ち、第一の時刻情報は従来のデジタル放送システムと整合性のある表記の時刻情報であり、第二の時刻情報は前記第一の時刻情報よりも分解能の高い時刻情報である。第二の時刻情報を放送信号の各コンテンツデータの同期処理に用いることにより従来の放送システムよりも高度な情報提示処理を実現し、第一の時刻情報を電子番組表の生成処理や、録画予約や視聴予約の制御、一時蓄積などの著作権管理処理等に用いることにより放送受信装置を安価に提供することができる。
よって、本実施例の放送受信装置100では、以上説明した二種類の時刻管理機能を備えることにより、より高度な情報提示処理の実現と低コスト化とを両立することが可能である。
[時刻管理の第一の変形例]
次に、本実施例の放送システムにおける時刻管理の第一の変形例を以下に説明する。
第一の変形例では、図12Aを用いて既に説明したNTPに基づく時刻管理機能の当該管理時刻の精度を高めるために、時刻管理サーバ(図示省略)または放送局サーバ300から放送受信装置100までの時刻情報伝送における想定遅延時間に関する情報を放送信号に含めて送信し、放送受信装置100において、当該想定遅延時間に関する情報をNTPに基づく時刻管理機能のシステム時計の修正に用いるように構成しても良い。
この際、当該想定遅延時間に関する情報は図3(A)に示した放送伝送路におけるプロトコルスタックのTLV多重化ストリーム内ではなく、TLV多重化ストリーム外のTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)領域内で伝送するように構成しても良い。TMCC領域内で伝送すれば、放送受信装置100において、TLV多重化ストリームの分離処理(デマックス処理)を経ることなしに当該想定遅延時間に関する情報を抽出することが可能となる。即ち、放送受信装置100における前記分離処理による遅延の影響を受けにくい情報取得が可能であり、従って、高精度なシステム時計の修正処理を行うことができる。当該TMCC信号で伝送される時刻情報のデータ構造の一例を、図12Eを用いて説明する。当該時刻情報は、例えば、TMCC拡張情報領域に格納して伝送すれば良い。同図に示したTMCC拡張情報領域の時刻情報において、『delta』パラメータは、UTCを配信する時刻管理サーバまたはTMCC信号を作成するサーバ装置から一般的な放送受信装置までの伝送遅延の想定値を32ビットの符号付き固定小数点で表す。なお、上位16ビットは整数部を、下位16ビットは小数点以下を記述するものである。『transmit_timestamp』パラメータは、送信タイムスタンプであり、本TMCC信号が前記サーバ装置から送出される時刻をNTPタイムスタンプ長形式で記述するものである。上位32ビットは整数部を、下位32ビットは小数点以下を表す。
当該第一の変形例では、本実施例の放送受信装置100は、TMCC拡張情報領域に格納して伝送された当該時刻情報に記述された前記想定遅延時間に関する情報(例えば、前述の『delta』パラメータおよび/または『transmit_timestamp』パラメータ)を用いて、放送信号の各コンテンツデータの同期処理に用いるNTPに基づく時刻管理機能のシステム時計を、より高精度に修正することができる。
[時刻管理の第二の変形例]
次に、本実施例の放送システムにおける時刻管理の第二の変形例を以下に説明する。
前述の通り、本実施例の放送受信装置100においては、MH-TOTで伝送される情報により現在日付と日本標準時刻を取得して時刻を管理する時刻管理機能を有する。MH-TOTで伝送される情報により取得した現在日付と日本標準時刻は、放送受信装置100の映像合成部161で映像情報やアプリケーション情報等に重畳することにより、モニタ部162や映像出力部163に出力してユーザに提供可能である。前述の通り、MH-TOTは図12Cに示したデータ構造を有しており、放送受信装置100は、前記MH-TOTの『JST_time』パラメータから現在日付および現在時刻を取得可能である。
しかしながら、前述の『JST_time』パラメータでは、MJDの符号化データの下位16ビットのみを使用しているため、『2038年4月22日』を以って桁あふれを生じることとなり、前記所定の演算のみでは『2038年4月23日』以降の日付を表現することができない。そこで、本実施例の第二の変形例では、MJDの値が所定値以上の場合と所定値未満の場合とで演算方法を切り替えることにより、『2038年4月23日』以降の日付を表現できるように制御するものとする。
図12Fに、MJDの値が所定値以上の場合に使用する第一の演算方法と、MJDの値が所定値未満の場合に使用する第二の演算方法の一例を示す。例えば、前記所定値を『32768(0x8000)』とした場合、MJDが『32768』以上の場合には前記第一の演算方法を用いて現在日付を算出し、MJDが『32768』未満の場合には前記第二の演算方法を用いて現在日付を算出する。なお、MJDが『32768』未満の場合とは、MJDの16ビットデータの最上位ビットが『0』の場合と等価である。これにより、本実施例の放送受信装置100においては、『2038年4月23日』以降の日付を表現することが可能となる。但し、前記所定値は任意に設定することが可能であり、前記所定値を『16384(0x4000)』や『49152(0xC000)』等と設定しても良い。前記演算方法の切り替え条件は、MJDの16ビットデータの上位2ビットが『00』の場合、MJDの16ビットデータの上位2ビットが『11』ではない場合、としても良い。なお、前記所定値を『32768』として前述の手段を用いた場合、『1948年9月4日』以前の日付を表現できなくなるが、テレビ受信機としての実用上、特に問題となることはない。
また、MJDと前記所定値との比較結果に応じて前記第一の演算方法と前記第二の演算方法を切り替えるのではなく、図12Cに示したMH-TOTのデータ構造における『reserved』パラメータの一部または全部を置き換えたフラグあるいは新たに追加したフラグに応じて前記第一の演算方法と前記第二の演算方法を切り替えるようにしても良い。例えば、前記フラグは、MJDの16ビット符号化データの最上位ビットが『0』である場合に、前記MJDが『2038年4月23日』以降を示すものであるならば『1』をセットし、『2038年4月23日』以降を示すものでないならば『0』をセットするようにすれば良い。そして、前記フラグが『1』の場合には図12Fに示した前記第二の演算方法を用い、前記フラグが『0』の場合には前記第一の演算方法を用いるようにすれば良い。または、前記フラグと同様の意味を有する記述子を新たに用意して、MH-TOT内に配置しても良い。
また、本実施例の放送システムでは、前述の通り、NTP形式の絶対時刻を伝送し、本実施例の放送受信装置100は、当該NTPに基づく時刻管理機能を有する。更に、本実施例の放送受信装置100では、MPU単位に設定されるMPUタイムスタンプ記述子に記載されたNTPタイムスタンプ等を参照することにより、映像/音声信号の提示単位毎の復号タイミングおよび提示タイミングを制御している。前述の通り、前記NTP形式の時刻情報は、図12Bに示した構成を有している。また、前記MPUタイムスタンプ記述子は図7Dに示した構成を有している。
このため、本実施例の放送受信装置100においては、前記『reference_timestamp』パラメータや『transmit_timestamp』パラメータ、あるいは、『mpu_presentation_time』パラメータ等を参照し、前記参照した時刻データ等の値に応じて、前記第一の演算方法と前記第二の演算方法の何れを使用するかを選択するようにしても良い。即ち、例えば、前記64ビット長のNTP長形式の時刻データの最上位ビットが『0』の場合は前記第二の演算方法を使用し、『0』でない場合は前記第一の演算方法を使用する、等とすれば良い。
前記何れの方法によっても、本実施例の放送受信装置100においては、『2038年4月23日』以降の日付を表現することが可能となる。
[放送受信装置の選局処理(初期スキャン)]
本実施例の放送システムのAMTは、TLV多重化方式で伝送されるIPパケットを通信回線で伝送されるIPパケットと可能な限り区別なく受信するための、IPパケットのマルチキャストグループの一覧を提供するものとする。1つのサービス識別には、複数のIPマルチキャストグループをリストすることが可能である。また、連続するIPアドレスを効率的に記述するために、アドレスマスクを用いることが可能である。
本実施例の放送受信装置100では、初期設定の際のチャンネルスキャン時に、あるいは、設定変更のための再スキャン時に、TLV-NITから取得したサービスの一覧をROM103やストレージ部110等の不揮発性メモリに記憶させることが可能であり、更に、前記各サービスに対応するIPマルチキャストグループの一覧を、IP関連情報として、前記各サービスに関連付けて、前記不揮発性メモリに記憶させることが可能であるものとする。前記サービスの一覧およびIP関連情報を不揮発性メモリに記憶させ、常時参照可能とすることにより、チャンネル切り替え時等に、TLV-NITやAMTを取得し直す必要がなくなり、放送コンテンツの取得を効率よく行うことが可能となる。
図13Aは、本実施例の放送受信装置100におけるチャンネルスキャン(再スキャン)時の動作シーケンスの一例を示す図である。
チャンネルスキャンが開始されると、受信機能実行部1102は、チューナ/復調部131に対して周波数初期値を設定し、前記周波数値へのチューニングを行うように指示する(S101)。チューナ/復調部131において、前記設定された周波数値へのロックに成功する(S102:Yes)と、次に、受信機能実行部1102は、受信信号からTLV-NITを取得する(S103)。
S103の処理で取得したTLV-NITが有効なデータである場合(S104:Yes)、受信機能実行部1102は、前記取得したTLV-NITからTLVストリームID、オリジナルネットワークID、等の情報を取得する(S105)。図13Bに、TLV-NITのデータ構造の一例を示す。前記TLVストリームIDの情報は『tlv_stream_id』パラメータから、前記オリジナルネットワークIDの情報は『original_network_id』パラメータから、それぞれ取得可能であるものとする。更に、分配システム記述子から、各TLVストリームID/オリジナルネットワークIDに対応する放送伝送路の物理的条件に関する分配システム情報を取得し(S106)、サービスリスト記述子からサービスIDの一覧を取得する(S107)。
図13Cに、衛星分配システム記述子のデータ構造の一例を示す。図13Dに、サービスリスト記述子のデータ構造の一例を示す。なお、TLV-NITが、TLVストリームID、オリジナルネットワークID、分配システム情報、サービスIDの一覧、等の異なるデータを複数有している場合は、S105~S107の処理を繰り返す。次に、受信機能実行部1102は、S105~S107の処理で取得したTLVストリームID、オリジナルネットワークID、分配システム情報、サービスIDの一覧、等のデータに基づいてサービスリストを作成し、前記作成したサービスリストをROM103またはストレージ部110等に記憶(再スキャン時は更新)する(S108)。
次に、受信機能実行部1102は、受信信号からAMTを取得し(S109)、更に、前記サービスリストに記憶された各サービスIDに関するIPマルチキャストグループの一覧を取得する(S110)。図13Eに、AMTのデータ構造の一例を示す。なお、AMTが複数のサービスIDに関するIPマルチキャストグループの一覧を有している場合は、S110の処理を繰り返す。異なるサービスIDに関するIPマルチキャストグループの一覧を有するAMTが複数ある場合には、S109~S110の処理を繰り返す。次に、受信機能実行部1102は、S110の処理で取得したIPマルチキャストグループの一覧を、IP関連情報として、前記サービスIDと関連付けて、ROM103またはストレージ部110等に記憶(再スキャン時は更新)する(S111)。
なお、S102の処理で、チューナ/復調部131が前記設定された周波数値へのロックに成功しなかった場合(S102:No)、および、S103の処理で取得したTLV-NITが有効なデータでない場合(S104:No)、S105~S111の処理は行わない。
S111の処理を終えると、受信機能実行部1102は、チューナ/復調部131に設定されている周波数値がチャンネルスキャン範囲の最終周波数値であれば(S112:Yes)、処理を終了する。一方、前記設定されている周波数値がチャンネルスキャン範囲の最終周波数値でなければ(S112:No)、チューナ/復調部131に設定された周波数値をアップさせて(S113)、S102~S111の処理を繰り返す。なお、1つのTLV-NITで、当該放送ネットワークを構成する全てのサービスに関するサービスIDを取得でき、更に、前記サービスIDに関するIPマルチキャストグループの一覧を有するAMTを取得できる場合には、S112~S113の処理が不要である。
前述の一連の処理により、本実施例の放送受信装置100は、初期設定の際のチャンネルスキャン時に、あるいは、設定変更のための再スキャン時に、放送ネットワークを構成するサービスの一覧(サービスリスト)の作成/更新と同時に、前記各サービスに対応するIPマルチキャストグループの一覧(IP関連情報)の作成/更新を行い、更に、ROM103やストレージ部110等の不揮発性メモリに記憶させることが可能となる。
なお、前記設定変更のための再スキャンは、TLV-NITやAMTの『version_number』パラメータを参照することにより、テーブル内の情報に変化があったことを検出した場合に、自動的に行うようにしても良い。TLV-NITとAMTの一方の『version_number』パラメータの変化を検出した場合に、前記パラメータの変化が検出されたテーブルに関する情報のみを自動的に更新するようにしても良い。但し、前述の自動更新を行った場合、再スキャンを自動的に行った旨をユーザに通知することが望ましい。また、前記テーブル内の情報に変化があったことをユーザに報知し、ユーザに前記再スキャンを行うか否かを選択させるようにしても良い。
[放送受信装置の選局処理(チャンネル切り替え)]
図14Aは、本実施例の放送受信装置100における選局(チャンネル切り替え)時の動作シーケンスの一例を示す図である。
ユーザが図示を省略したリモコン等を操作してチャンネルの切り替えを指示すると、受信機能実行部1102が前記リモコンから送信されたコマンドを解釈して目的のサービスのサービスIDを指定する(S201)。次に、受信機能実行部1102は、チューナ/復調部131の受信信号からのAMTの取得を開始する。所定時間以内にAMTの取得に成功した場合(S202:Yes)、前記取得したAMTから前記サービスIDに対応するIPマルチキャストグループの一覧に関する情報を取得する(S204)。一方、所定時間以内にAMTの取得に成功しなかった場合(S202:No)、ROM103またはストレージ部110等に記憶されたIP関連情報を参照することにより(S203)、前記サービスIDに対応するIPマルチキャストグループの一覧に関する情報を取得する(S204)。なお、S202の判断処理を行わず、常にROM103またはストレージ部110等に記憶されたIP関連情報を参照するようにしても良い。
次に、受信機能実行部1102は、チューナ/復調部131の受信信号からのTLV-NITの取得を開始する。所定時間以内にTLV-NITの取得に成功した場合(S205:Yes)、前記取得したTLV-NITから前記サービスIDに対応するIPデータフローを取得するための分配システム情報を取得する(S207)。一方、所定時間以内にTLV-NITの取得に成功しなかった場合(S205:No)、ROM103またはストレージ部110等に記憶されたサービスリストを参照することにより(S206)、前記サービスIDに対応するIPデータフローを取得するための分配システム情報を取得する(S207)。なお、S205の判断処理を行わず、常にROM103またはストレージ部110等に記憶されたサービスリストを参照するようにしても良い。
S207の処理で分配システム情報を取得すると、次に、受信機能実行部1102は、前記取得した分配システム情報にて指示される周波数値を以ってチューナ/復調部131を制御し、前記サービスIDに対応するIPデータフローを受信し(S208)、前記受信したIPデータフローからMMTデータ列を抽出して、分離部132に出力する。
分離部132において、トランスポート処理部1102aは、前記入力したMMTデータ列からパケットIDが『0』であるMMTPパケットを取得し(S209)、更に、前記取得したMMTPパケットに含まれるMPTを取得する(S210)。次に、トランスポート処理部1102aは、前記取得したMPTが有する『MMT_package_id_byte』パラメータを参照し、前記『MMT_package_id_byte』パラメータの下位16ビットが前記サービスIDと同一値か否かを確認する。図7Bに示したMPTのデータ構造の一例において、前記『MMT_package_id_byte』パラメータの下位16ビットが前記サービスIDと同一値である場合(S211:Yes)、前記パケットIDが『0』であるMMTPパケットが前記サービスIDに対応する番組のデータを有するMMTPパケットであるものと判断し、前記取得したMPTの有する情報に基づいてMFUの取得処理に移行する。
一方、前記『MMT_package_id_byte』パラメータの下位16ビットが前記サービスIDと同一値でない場合(S211:No)、前記パケットIDが『0』であるMMTPパケットは前記サービスIDに対応する番組のデータを有するMMTPパケットではないと判断する。この場合、トランスポート処理部1102aは、あらためてPLTを取得し(S212)、前記取得したPLTを確認することにより、前記サービスIDに対応する『MMT_package_id_byte』パラメータを有するMPTを伝送するMMTPパケットのパケットID(xとする)を確認する(S213)。更に、トランスポート処理部1102aは、前記入力したMMTデータ列からパケットIDが『x』であるMMTPパケットを取得し(S214)、前記取得したMMTPパケットに含まれるMPTを取得する(S215)。更に、前記取得したMPTの有する情報に基づいて、MFUの取得処理を開始する。
なお、S209~S211の処理を行わず、常にS212~S215の処理を行うようにしても良い。この場合、前記サービスIDに対応する番組のデータがパケットID『0』以外のMMTPパケットに格納されている際に、処理時間の短縮が可能となる。
ここで、前述の、PLTを確認することにより、前記サービスIDに対応する番組のデータを有するMMTPパケットのパケットIDを特定して、MPTを取得する処理に関して説明する。パケットIDが『0』のMMTPパケットは、PAメッセージを伝送することを示すものとする。複数のパッケージを多重する場合、図14Bに示すように、このPAメッセージにPLT(パッケージリストテーブル)が含まれる。PLTは、他のパッケージのMPTを含むPAメッセージを伝送するMMTPパケットのパケットIDのリストを有しており、PLTを確認することにより、パッケージIDから各サービスのエントリーポイントとなるMPTを含むPAメッセージを伝送するMMTPパケットを特定することが可能となる。図14CにPLTのデータ構造の一例を示す。『MMT_package_id_byte』パラメータで示されるパッケージのPAメッセージを伝送するロケーション情報が、『MMT_general_location_info()』で指定されるものとする。
図14Aに示した動作シーケンスの説明に戻る。前記MFUの取得処理では、まず、トランスポート処理部1102aが、S210またはS215の処理で取得したMPTを参照し、所望のMFUを伝送するIPデータフローのIPアドレスおよびパケットIDを取得する(S216)。また、前記MPTに配置されたMPUタイムスタンプ記述子からMPUの提示時刻を、前記MPTに配置されたMPU提示領域指定記述子からMPUのレイアウト番号を、それぞれ取得し(S217、S218)、更に、前記取得したIPデータフローのIPアドレスおよびパケットIDに基づいてMFUを取得する(S219)。次に、前記取得したMFUから符号化映像データや符号化音声データ等を抽出し、AVデコード処理部1102bの制御に基づく映像/音声デコード処理を行い、提示処理部1102hの制御により、前記取得した提示時刻に関する情報やレイアウト制御に関する情報に基づく提示処理が行われる(S220)。
なお、S212の処理でPLTを取得できなかった場合、S213の処理で前記サービスIDに一致する『MMT_package_id_byte』パラメータを確認できなかった場合、S215の処理でパケットIDが『x』であるMMTPパケットを取得できなかった場合、等は、S210の処理で取得したパケットIDが『0』であるMMTPパケットのデータに基づいた番組出画処理(即ち、S216~S220の処理)を行うようにしても良い。また、この場合、ユーザが選択したサービスIDに対応する番組を表示できなかった旨のメッセージを表示するようにすると良い。
以上の一連の処理により、本実施例の放送受信装置100は、選局(チャンネル切り替え)動作を実行することが可能である。特に、図13Aおよび図14Aを用いて説明したように、初期設定の際のチャンネルスキャン時に、あるいは、設定変更のための再スキャン時に、サービスリストやIP関連情報を作成して、ROM103やストレージ部110等の不揮発性メモリに記憶させて常時参照可能とし、選局(チャンネル切り替え)時に、ROM103やストレージ部110等の不揮発性メモリに記憶させた前記サービスリストやIP関連情報を参照することにより、選局(チャンネル切り替え)時の動作の効率向上を可能とする。即ち、選局(チャンネル切り替え)時にAMTやTLV-NITの再取得を行う場合と比較して、選局(チャンネル切り替え)開始から選局(チャンネル切り替え)終了までの時間を短縮することが可能となる。
[放送受信装置のリモコンキー設定処理]
本実施例の放送受信装置100に対する操作指示の入力に用いるリモコン(リモートコントローラ)100Rの外観の一例を図15Aに示す。リモコン100Rは、少なくとも電源キー100R1、テンキー100R2、チャンネルアップ/ダウンキー100R3、メニューキー100R4、EPGキー100R5、カーソルキー100R6、決定キー100R7、カラーキー100R8、を備えるものとする。音量アップ/ダウンキーやネットワーク切替キー、入力切替キー、録画キー、再生キー、等を、更に備えても良い。
例えば、図14Aに示した選局時の動作シーケンスのS201の処理において、リモコン100Rを用いて、本実施例の放送受信装置100に対してチャンネルの切り替えを指示する場合、以下の三通りの方法が用いられて良い。第一の方法は、テンキー100R2を複数回押下することにより、所望のチャンネル(サービス)のサービスIDを直接入力して指定する方法である。第二の方法は、チャンネルアップ/ダウンキー100R3の押下を必要に応じて繰り返すことにより、所望のチャンネル(サービス)が表示されるまでチャンネルの順送り(または逆送り)を行う方法である。第三の方法は、テンキー100R2を一回のみ押下することにより、テンキー100R2の各キーに関連付けられた所定のチャンネル(サービス)を呼び出す、いわゆるワンタッチ選局を行う方法である。前記第三の方法であるワンタッチ選局は使い勝手の良い選局方法であるが、テンキー100R2の各キーへの所定のチャンネル(サービス)の関連付けの設定を予め放送受信装置100に行っておく必要がある。
本実施例の放送システムに対応する放送受信装置100は、前記関連付けの設定を、チューナ/復調部131で受信したデジタル放送波に含まれる制御情報に基づいて自動的に行うことが可能であるものとする。即ち、本実施例の放送システムは、TLV-SIの記述子としてリモートコントロールキー記述子を用意している。前記関連付けの設定は、リモートコントロールキー記述子を参照することにより行えば良い。
図15Bに、リモートコントロールキー記述子のデータ構造の一例を示す。図中の『service_id』パラメータがチャンネル(サービス)を識別するサービスIDである。『remote_control_key_id』パラメータが前記サービスIDで識別されるチャンネル(サービス)を割り当てるリモコンボタン番号の推奨値である。前記各パラメータの値に応じて、テンキー100R2の『remote_control_key_id』パラメータの値で指定されるキーに『service_id』パラメータで識別されるチャンネル(サービス)を関連付けるようにすれば良い。
なお、同一ネットワーク内におけるチャンネル(サービス)の数が多い場合、前記チャンネル(サービス)をテンキー100R2以外のキーに割り当てるようにしても良い。例えば、カラーキー100R8に所定のチャンネル(サービス)を割り当てる、等である。この場合、予めカラーキー100R8の各キーにも『remote_control_key_id』パラメータに対応する数値を割り当てておけば良い。
リモートコントロールキー記述子は、TLV-NITの記述子として記述されて良い。従って、例えば、図13Aに示したチャンネルスキャン時の動作シーケンスのS103の処理で取得したTLV-NITが有効なデータである場合に、S105~S107の処理と併せて、リモートコントロールキー記述子の記述内容を放送受信装置100のROM103またはストレージ部110等の不揮発メモリに記憶させることにより、前記関連付けの設定を行えば良い。
なお、前記関連付けの設定は、前述のようにリモートコントロールキー記述子の記述内容に応じて行う方法の他、ユーザが自らの好みに応じてテンキー100R2の各キーに任意のチャンネルのサービスを適宜割り当てることにより行っても良い。また、放送受信装置100の不揮発メモリに前記リモートコントロールキー記述子の記述内容に応じた関連付けの設定とユーザが好みに応じて割り当てた関連付けの設定の双方を同時に記憶しておき、メニュー操作等の選択により、一方の設定のみを使用するようにしても良い。また、この場合、前記ユーザが好みに応じて割り当てた関連付けの設定が優先的に使用されて良い。また、リモートコントロールキー記述子に記述された優先フラグの値に応じて、前記ユーザが好みに応じて割り当てた関連付けの設定よりも前記リモートコントロールキー記述子の記述内容に応じた関連付けの設定を優先して使用するようにしても良い。前記優先フラグは、図15Bに示したリモートコントロールキー記述子の『reserved』パラメータの一部あるいは全部を用いることにより設定しても良いし、新たなパラメータを追加することにより設定しても良い。なお、この場合、サービスID毎に前記優先フラグの値を制御可能であって良い。
また、前記不揮発メモリにユーザが好みに応じて割り当てた関連付けの設定が記憶されている場合には、前記リモートコントロールキー記述子の記述内容に応じた関連付けの設定を前記不揮発メモリに記憶させないようにしても良い。また、放送受信装置100の不揮発メモリには前記ユーザが好みに応じて割り当てた関連付けの設定のみを記憶しておき、受信中のTLV-NITにリモートコントロールキー記述子が記述されている場合には前記リモートコントロールキー記述子の記述内容に応じた関連付けの設定を使用し、受信中のTLV-NITにリモートコントロールキー記述子が記述されていない場合には前記ユーザが好みに応じて割り当てた関連付けの設定を使用するようにしても良い。
なお、リモートコントロールキー記述子の記述内容に応じてテンキー100R2の各キーに所定のチャンネル(サービス)を関連付けを変更する処理は、TLV-NITで指定されるネットワークにおいてサービスリスト記述子に記述される全てのサービスに対して同時に行われても良いし、一部のサービスに対してのみ行われても良い。前記処理を一部のサービスに対してのみ行う場合、その他のサービスに関しては旧設定をそのまま保持するようにしても良い。また、前記『service_id』パラメータが所定の値(例えば、999等)である場合には、放送受信装置100の不揮発メモリに記憶されている設定済み内容のうち、『remote_control_key_id』パラメータで指定される設定に関してのみ消去するようにしても良い。
即ち、本実施例の放送受信装置100では、テンキー100R2の各キーへの所定のチャンネル(サービス)の関連付けの設定を行うことが可能となる。
[マルチ編成チャンネルの選局処理]
本実施例の放送システムにおいても、一つのチャンネル(サービス)で複数の番組を並行して放送するマルチ編成が可能であるものとする。マルチ編成による複数番組の同時放送を行う場合、前述のワンタッチ選局はマルチ編成のメインチャンネルに対してのみ可能であって、マルチ編成のサブチャンネルに対しては可能ではないことが考えられる。即ち、マルチ編成のサブチャンネルを選局する場合、サービスIDを直接入力して指定する方法を用いるか、あるいはワンタッチ選局により一旦マルチ編成のメインチャンネルを選局した後にチャンネルアップ/ダウンキー100R3の押下により所望のサブチャンネルを選局する方法を用いる必要があり、操作が煩雑となる問題がある。
前記問題を解決するために、本実施例の放送受信装置100においては、ワンタッチ選局の機能を拡張し、所定のサービスIDを割り当てたテンキー100R2を、所定時間内に複数回繰り返して押下することにより、マルチ編成のサブチャンネルの直接選局を可能としている。
図16Aを用いて説明する。例えば、リモコン100Rのテンキー100R2の『1』キーに011チャンネルのサービスが予め割り当てられているものとする。この場合、マルチ編成を行っていない状態(図中(A)参照)での選局操作であれば、前記『1』キーの押下回数によらず、011チャンネルが選局される。一方、マルチ編成を行っている状態(図中(B)参照)での選局操作の場合、前記『1』キーを一回のみ押下すると011チャンネルが選局され、一回目の『1』キー押下から所定時間以内に再度『1』キーを押下すると012チャンネルが選局されるようにする。同様に、所定時間内に『1』キーが三回押下された場合には、013チャンネルが選局されるようにする。なお、一回目の『1』キー押下から所定時間を超えて再度『1』キーが押下された場合には、011チャンネルが選局されたままとして良い。
前述のような操作を可能とすることにより、本実施例の放送受信装置100においては、より簡単な操作でマルチ編成時のサブチャンネルの直接選局を可能としている。
同様に、マルチビュー対応番組のアングル選択や複数の映像アセットからの所定の映像アセットの選択をテンキー100R2の複数回繰り返し押下により行う様にしても良い。図16Bに示すように、マルチビュー対応番組のサービスIDがリモコン100Rのテンキー100R2の『1』キーに割り当てられている場合、前記『1』キーを一回のみ押下すると前記マルチビュー対応番組が選局されてメインビューが表示されるものとする。また、一回目の『1』キー押下から所定時間以内に再度『1』キーを押下すると前記マルチビュー対応番組のサブビュー1が表示されるものとする。同様に、所定時間内に『1』キーが三回押下された場合には、前記マルチビュー対応番組のサブビュー2が表示されるものとする。なお、一回目の『1』キー押下から所定時間を超えて再度『1』キーが押下された場合には、前記マルチビュー対応番組のメインビューが表示されたままとして良い。複数の映像アセットからの所定の映像アセットの選択も前述と同様の操作により可能であって良い。
前述のような操作を可能とすることにより、本実施例の放送受信装置100においては、より簡単な操作でマルチビュー対応番組のアングル選択や複数の映像アセットからの所定の映像アセットの選択を可能としている。
なお、マルチ編成時の一つ以上の番組がマルチビュー対応番組や複数アセットを有する番組である場合は、前述の操作の一方のみを有効とし、他方を無効とすれば良い。例えば、マルチ編成時の一つ以上の番組がマルチビュー対応番組や複数アセットを有する番組である場合は、同一キーの所定時間内の複数回押下の操作をマルチ編成時のサブチャンネルの直接選局の処理に割り当てるようにする。何れの操作を有効とし、また、無効とするかは、予め定めておいても良いし、ユーザが選択するようにしても良い。
[放送受信装置の画面レイアウト制御]
本実施例の放送受信装置100では、LCTの記述に基づいた画面レイアウト制御が可能であるものとする。図17AにLCTのデータ構造の一例を示す。図17BにMPU提示領域指定記述子のデータ構造の一例を示す。
前記LCTのデータ構造において、特に、『left_top_pos_x』パラメータと『right_down_pos_x』パラメータは、全画面表示の左側を『0』/右側を『100』とした場合の、領域の左上の水平位置と右下の水平位置を、それぞれ水平方向の全画素数に対する割合で示すものとする。『left_top_pos_y』パラメータと『right_down_pos_y』パラメータは、全画面表示の上側を『0』/下側を『100』とした場合の、領域の左上の垂直位置と右下の垂直位置を、それぞれ垂直方向の全画素数に対する割合で示すものとする。また、『layer_order』パラメータは、領域の奥行き方向の相対位置を示すものとする。
前記各パラメータの設定に基づいた、レイアウト番号へのレイアウトの割当の例を、前記各パラメータの設定値と共に、以下で説明する。
図17Cは、本実施例の放送受信装置100のデフォルトのレイアウト設定であり、全画面に1つの領域のみを設定する例である。図17Dは、全画面を三つの領域に分割し、それぞれの領域を『領域0』、『領域1』、『領域2』とした場合の例である。例えば、全画面の画素数を水平7680画素/垂直4320画素とした場合、『領域0』は、『left_top_pos_x』パラメータが『0』、『left_top_pos_y』パラメータが『0』、『right_down_pos_x』パラメータが『80』、『right_down_pos_y』パラメータが『80』であることから、(0,0)-(6143,3455)の範囲に設定される。同様に、『領域1』は、(6144,0)-(7679,4319)の範囲に設定され、『領域2』は、(0,3456)-(6143,4319)の範囲に設定される。
図17Eは、図17Dと同様に三つの領域を設定する例であるが、『領域0』は、(0,0)-(7679,4319)の範囲に設定され、『領域1』と『領域2』は前述と同様の範囲で、『layer_order』パラメータの設定に応じて、『領域0』の前面に配置される。図17Fは、デバイス0(デフォルトのデバイス:本実施例では放送受信装置100)に『領域0』が設定され、デバイス1(本実施例においては、携帯情報端末700)に『領域1』が設定される場合の例である。
前述のように、本実施例の放送システムにおいては、LCTを用いることにより、マルチメディアサービスを受信機上でサービス提供者の意図通りに表示するための画面レイアウト制御を行うことが可能となる。
なお、前述の画面レイアウト制御により番組映像やデータ画面が表示されない領域は、LCT内に記述された背景色指定記述子により指定された所定の背景色が表示されて良い。また、LCTに前記背景色指定記述子が含まれていない場合、放送受信装置100が前記背景色指定記述子を正しく取得できなかった場合、背景色指定記述子により指定された所定の背景色がハードウェア制限により表示できないものである場合、等には、映像表示装置100が予め定めた所定のパターンを前記領域に表示するようにしても良い。また、映像表示装置100からユーザに対してのお知らせ表示領域として前記領域を使用しても良い。なお、前記お知らせは任意の情報であって良い。
なお、前記『left_top_pos_x』等のパラメータの設定値に応じて画面を分割する際に生じた小数点以下の端数は、切り上げ若しくは切り捨て等の処理を行えば良い。四捨五入(あるいは、二進数における零捨一入)の処理でも良い。例えば、全画面の画素数が7680画素/垂直4320画素で、『領域0』の『left_top_pos_x』パラメータが『0』、『left_top_pos_y』パラメータが『0』、『right_down_pos_x』パラメータが『51』、『right_down_pos_y』パラメータが『51』の場合、切り上げ処理により(0,0)-(3916,2203)の範囲に『領域0』を設定しても良いし、切り捨て処理により(0,0)-(3915,2202)の範囲に『領域0』を設定しても良い。また、映像圧縮処理の際のマクロブロックを考慮して、8画素単位や16画素単位等での切り上げ/切り捨て処理を行うようにしても良い。前記処理により、LCTに基づく領域設定や、前記領域におけるマルチメディアコンテンツの解像度変換処理を効率的に行うことが可能となる。
あるいは、前記『left_top_pos_x』等のパラメータの設定値を、『0』から『100』の範囲の『5の倍数』若しくは『10の倍数』のみに制限するようにしても良い。この場合も、前記領域設定を好適に行うことが可能となる。
なお、前記各領域に表示されるコンテンツは、図17Bに示したMPU提示領域指定記述子により指定される。図中の『mpu_sequence_number』パラメータでシーケンス番号を指定されるMPUのコンテンツが、『layout_number』パラメータおよび『region_number』パラメータにより、前記LCTの記述に関連付けられるものとする。
また、MPU提示領域指定記述子の記述の第一の『for』ループ内において、一つの『mpu_sequence_number』パラメータに対して複数の『layout_number』パラメータおよび『region_number』パラメータを記述し、何れの記述に従ってレイアウト制御を行うかをユーザに選択させるようにしても良い。例えば、第一の『for』ループ内において、所定の『mpu_sequence_number』パラメータに対して『layout_number1』パラメータ、『region_number1』パラメータ、『layout_number2』パラメータ、『region_number2』パラメータ、が記述されている場合、前記『mpu_sequence_number』パラメータで指定されるMPUのレイアウト制御を、『layout_number1』パラメータおよび『region_number1』パラメータに基づいて行うか、『layout_number2』パラメータおよび『region_number2』パラメータに基づいて行うか、をユーザに選択させる、等である。このようにすれば、ユーザは映像番組に関するレイアウト制御を好みに応じて行うことが可能となる。
[放送受信装置の画面レイアウト制御の例外処理]
本実施例の放送受信装置100においては、前述のLCTにより画面レイアウトの領域制御が行われている場合であっても、ユーザによりEPG画面の表示が指示された場合等には、例外処理として、前記LCTの記述内容を無視した画面レイアウト制御を行うことが可能であるものとする。図18Aに、LCTに基づく画面レイアウト制御の例外処理の動作の一例を示す。
LCTの記述により図17Dと同様の画面レイアウト制御が行われ、『領域0』に放送番組映像が表示され、『領域1』および『領域2』に前記放送番組に連携する番組連携データ等の放送コンテンツが表示されている状態で、ユーザが図示を省略したリモコンによりEPG画面の表示を指示した場合、本実施例の放送受信装置100では、図18A(A)に示したように、LCTの記述内容に関わらず画面レイアウト設定をデフォルトの設定(即ち、図17Cと同様の画面レイアウト制御が行われている状態)に戻し、EPG画面を画面全体に表示するように制御するものとする。更に、ユーザがEPG画面の表示終了を指示した場合に、LCTの記述内容に従った画面レイアウト制御を再実行するようにする。
前述の制御を行うことにより、図18A(B)に示したような、画面レイアウトの領域制御を維持したままEPG画面の表示を行う場合と比較して、EPG画面を大きく表示することができ、見易さを向上させることが可能である。
なお、前記画面レイアウト制御の例外処理は、EPG画面の表示を行う際にのみ適用されるものではなく、図18Bに示すように、放送受信装置100の各種設定画面(図示の例では録画設定画面)の子画面表示時や二画面表示時に適用されても良い。
同図(A)に示した録画設定画面の場合、放送コンテンツの表示エリアは画面全体から画面右下の子画面部分のみに変更される。同様に、同図(B)に示した二画面表示の場合、放送コンテンツの表示エリアは画面全体から画面中段左側の分割画面部分のみに変更される。何れの場合も、放送コンテンツを表示するための表示エリアが、画面全体を使用する場合と比較して狭くなるため、前記表示エリア内で画面レイアウトの領域制御を維持したまま(即ち、領域分割を行って複数の放送コンテンツを同時に表示したまま)とすることは視認上好ましくはない。従って、本実施例の放送受信装置100においては、前記状況の際には、前記表示エリアに『領域0』の放送コンテンツのみを選択して表示するようにする。なお、直前の領域選択状況に応じて、『領域1』や『領域2』の放送コンテンツを選択して表示するようにしても良い。
前述の制御を行うことにより、画面レイアウトの領域制御を維持したまま各種放送コンテンツの表示を行う場合と比較して、前記放送コンテンツの見易さを向上させることが可能となる。録画番組一覧画面における子画面表示やインターネットコンテンツのブラウザ表示時、等においても同様である。
[映像信号のアスペクト比変換処理]
テレビ放送サービスにおける映像信号のアスペクト比には、従来のSDTVで用いられた『4:3』、近年のHDTVで用いられている『16:9』の他、映画コンテンツに適した『21:9』、等がある。前記映像信号のアスペクト比の情報は、本実施例の放送システムにおいては、映像コンポーネント記述子により記述されて良い。図19Aに、映像コンポーネント記述子のデータ構造の一例を示す。図中、『video_aspect_ratio』パラメータが前記映像信号のアスペクト比に関する情報である。図19Bに、前記『video_aspect_ratio』パラメータの意味の一例を示す。図示とは異なるアスペクト比を更に割り当てても良い。
一方、前記テレビ放送サービスを受信可能なテレビ受信機(本実施例の放送受信装置100、等)の表示部のアスペクト比は『16:9』であることが一般的である。即ち、アスペクト比が『4:3』や『21:9』の映像コンテンツを一般的なテレビ受信機に表示する際には、アスペクト比変換処理を行って良い。
前記アスペクト比変換処理を行うか否かは、放送受信装置100のモニタ部162の仕様と映像コンポーネント記述子の『video_aspect_ratio』パラメータとを比較することにより、判断すれば良い。例えば、放送受信装置100のモニタ部162のアスペクト比が『16:9』(横3840画素×縦2160画素、等)の場合、前記『video_aspect_ratio』パラメータの値が『0』や『2』や『3』ならばアスペクト比変換処理を行わないようにし、『1』や『5』ならばアスペクト比変換処理を行うようにすれば良い。また、例えば、放送受信装置100のモニタ部162のアスペクト比が『21:9』(横5040画素×縦2160画素、等)の場合、前記『video_aspect_ratio』パラメータの値が『0』や『5』ならばアスペクト比変換処理を行わないようにし、『1』や『2』や『3』ならばアスペクト比変換処理を行うようにすれば良い。
放送受信装置100のモニタ部162のアスペクト比が『16:9』で前記『video_aspect_ratio』パラメータの値が『5』の場合のアスペクト比変換処理の一例を図19Cおよび図19Dに示す。アスペクト比『21:9』の映像コンテンツをアスペクト比『16:9』のモニタ部162に表示する場合、アスペクト比『21:9』の映像コンテンツの上下に黒帯を追加することにより、アスペクト比を『16:9』に変換しても良い(図中の表示A)。このようにすれば、オリジナルの映像コンテンツの全域を歪なく表示することが可能となる。また、アスペクト比『21:9』の映像コンテンツの中央部分のみを切り出してモニタ部162に表示するようにしても良い(図中の表示B)。このようにすれば、オリジナルの映像コンテンツの主要部分を大きく表示することが可能となる。また、アスペクト比『21:9』の映像コンテンツの上下に黒帯を少し追加して、更に中央部分を切り出すようにしても良い(図中の表示C)。このようにすれば、オリジナルの映像コンテンツの大部分を大きく表示することが可能となる。また、アスペクト比『21:9』の映像コンテンツの左右端を圧縮して全域を表示するようにしても良い(図中の表示D)。このようにすれば、オリジナルの映像コンテンツの全域を大きく、更に主要部分は歪なく表示することが可能となる。また、アスペクト比『21:9』の映像コンテンツの上下に黒帯を少し追加して、更に左右端を圧縮して全域を表示するようにしても良い(図中の表示E)。このようにすれば、オリジナルの映像コンテンツの全域を大きく、更に左右端の歪を少なく表示することが可能となる。
アスペクト比変換処理をどのように行うかは、メニュー等の設定によりユーザが選択可能として良い。あるいは、リモコン等の所定のキーの押下により切り換えられるようにしても良い。なお、前述のアスペクト比『21:9』は、いわゆるシネマスコープの『2.35:1』等、概略で『21:9』となる縦横比率のものを含むものとする。他のアスペクト比の数値に関しても同様である。
[放送受信装置のEPG表示]
本実施例の放送システムでは、放送ネットワークを構成する各サービスに含まれるイベント(いわゆる番組)に関する時系列情報をMH-EITで伝送するものとする。図7Eに示したMH-EITは、テーブルID(図中の『talbe_id』パラメータに対応)により2つのクラスに識別され、自TLVストリームの現在/次のイベントの情報と自TLVストリームの各イベントのスケジュール情報を示すことが可能であるものとする。本実施例の放送受信装置100は、前記MH-EIT等を参照してサービスID(図中の『service_id』パラメータに対応)による識別を行うことにより、各イベントの開始時間や放送時間等の情報を取得してEPG画面を作成することが可能であり、前記作成したEPGを映像合成部161で映像情報等に重畳してモニタ部162に表示することが可能であるものとする。
図20Aは、本実施例の放送受信装置100におけるEPG画面の一例を示す図である。EPG画面162aは、縦軸を時間表示、横軸をサービスID(チャンネル)表示としたマトリクス形状で、各時間帯に各チャンネルで放送される放送番組の詳細情報を表示するものとする。また、各放送番組の詳細情報162a1は、主としてタイトル領域162a2と詳細説明領域162a3で構成される。各放送番組の詳細情報162a1には、MH-短形式イベント記述子やMH-拡張形式イベント記述子に記述されて配信された番組情報等が表示されて良い。前記各記述子に記述された番組情報等の容量が多い場合には、通常時には省略表示を行い、図示を省略したリモコンの操作による選択時にはポップアップ等で全番組情報を表示するようにしても良い。あるいは、選択時には前記各記述子に記述された番組情報等を連携動作中の携帯情報端末700に送信し、表示部741に表示させるように携帯情報端末700に指示しても良い。
各放送番組の詳細情報162a1のタイトル領域162a2には、前記放送番組の番組タイトルおよび前記放送番組の属性を表す記号等を表示する。前記放送番組の属性を表す記号等とは、例えば、新番組であることを示す記号/文字や、再放送番組であることを示す記号/文字、等である。あるいは、放送サービスによるデータ放送に対応していることを意味する『data』を記号化した印等でも良い。また、前記放送番組に関連するコンテンツやアプリケーション等をネットワーク上から取得可能であることを意味する『NetWork』を記号化した印162a4等であっても良い。また、詳細情報162a1の背景色を他と差別化することにより、あるいは、太枠で詳細情報162a1の表示領域を囲むことにより、前記放送番組の属性を表す記号等を代替しても良い。
なお、本実施例の放送システムにおける各制御情報(メッセージ、テーブル、記述子、等)が、前記放送番組に関連するコンテンツやアプリケーション等がネットワーク上から取得可能であることを示している場合であっても、放送受信装置100のLAN通信部121にLANケーブルが接続されていない等、ネットワーク上の各サーバ装置へのアクセスができない状態である場合には、前記『NetWork』を記号化した印162a4等を表示しないように制御しても良い。
また、前記放送番組がインターネット200を介して配信される配信番組であり、放送波のみからの取得ができない場合であって、更に、前述と同様に、放送受信装置100がネットワーク上の各サーバ装置へアクセスできない状態である場合等には、図20Bに示すように、EPG画面162b上に表示される詳細情報162b1の部分をグレーアウトするように制御しても良い。即ち、視聴できない配信番組の詳細情報は表示しないように制御する。また、詳細情報162b1の背景色を他と差別化することにより、前記グレーアウト処理の代替としても良い。あるいは、前記配信番組の詳細説明領域162a3に、『この番組は視聴できません』等のメッセージを表示するようにしても良い。図示を省略したリモコンの操作により詳細情報162b1を選択した場合に、放送受信装置100がネットワーク上の各サーバ装置へアクセスできない状態である旨を、あるいは、詳細情報162b1に関連付けられた配信番組を視聴できない旨を、ポップアップ等によりユーザに報知するようにしても良い。
前述の各制御により、放送受信装置100は、ネットワーク接続状況に応じて、ユーザに対してより違和感のない形式で各放送番組の番組情報を提供することが可能となる。
図20Cは、本実施例の放送受信装置100におけるEPG画面の別の一例を示す図である。図中、『M1テレビ』、『M2放送』、『M3チャンネル』、『M4TV』、『テレビM5』等は、各チャンネルの放送局名称であり、特に、『M2放送』局は、放送波により配信される放送番組とインターネット200を介して配信される配信番組(図中の『ネット放送』で示される枠の情報162c1)を同時に提供しているものとする。
同図に示したように、インターネット200を介して配信する配信番組のみを有するチャンネルがある場合、通常時は同図(A)のEPG画面162cに示すように(情報162c1を含む)全てのチャンネルの情報を表示するように制御する。一方、放送受信装置100がネットワーク上の各サーバ装置へアクセスできない状態である場合等には、同図(B)のEPG画面162dに示すように、インターネット200を介して配信する配信番組のみを有する『M2放送(ネット放送)』のチャンネルの情報(同図(A)における情報162c1)を表示しないように制御しても良い。
前述の各制御により、放送受信装置100のユーザは、自分の視聴できないチャンネルの情報の確認を不要とすることが可能となる。
[放送受信装置の緊急警報放送表示]
本実施例の放送受信装置100は、TLVストリームを含む伝送データに含まれるTMCC信号の緊急警報放送起動制御信号ビットが『0』から『1』になった場合に、緊急警報放送の受信処理を行うことが可能であるものとする。
前記緊急警報放送は、専用のチャンネル(サービスID)の放送番組として提供されても良いし、全画面表示のアプリケーションとして提供されても良いし、文字情報として文字スーパーで提供されても良い。前記緊急警報放送が文字情報として文字スーパーで提供されている場合、緊急警報放送の受信直前の放送受信装置100の状態に関わらず、前記文字スーパーの文字情報を表示することが好ましい。即ち、図21に示すように、ユーザが通常の放送番組を視聴し、モニタ部162に前記放送番組の番組画面162eが表示されている状態で緊急警報放送を受信した場合、前記緊急警報放送による文字情報162e1を番組画面162eに重畳して表示するようにする。同様に、ユーザがEPG画面の表示を指示し、モニタ部162にEPG画面162fが表示されている状態で緊急警報放送を受信した場合、前記緊急警報放送による文字情報162f1をEPG画面162fに重畳して表示するように制御する。
前述の制御により、本実施例の放送受信装置100においては、ユーザがEPG画面や各種設定画面、録画番組一覧画面、インターネットブラウザ等を選択して表示させている場合であっても、緊急警報放送を受信した際には、前記緊急警報放送に基づく重要な文字情報の見逃しを回避することが可能となる。なお、この制御は、緊急警報放送によらない通常の文字スーパーの文字情報に対して行われても良い。
また、前記緊急警報放送が専用のチャンネル(サービスID)の放送番組として提供される場合、現在視聴している番組のチャンネル(サービスID)に関わらず、前記緊急警報放送のチャンネル(サービスID)を自動選局するようにしても良い。また、前記緊急警報放送が専用のチャンネル(サービスID)の放送番組として提供される場合やアプリケーションとして提供される場合、連携機能実行部1103の制御により、連携する外部の携帯端末機器(本実施例においては、携帯情報端末700等)に前記緊急警報放送の放送番組やアプリケーションを配信するようにしても良い。
また、前記緊急警報放送が配信された際に放送受信装置100の電源がオンでない場合、自動的に放送受信装置100の電源をオンするように制御を行っても良い。あるいは、放送受信装置100との連携動作の履歴がある携帯情報端末700に対して緊急警報放送が開始された旨の通知を送信するように制御を行っても良い。
前述の制御により、本実施例の放送受信装置100においては、前記緊急警報放送に基づく重要な放送番組やアプリケーションの映像の表示の見逃しを回避することが可能となる。
[表示制御の例外処理]
本実施例の放送受信装置100は、同一のパッケージを構成する各データのうち、TLVストリーム以外の経路で伝送されるデータが取得できない場合、例えば、下記の様な例外処理を行っても良い。
図7Aを用いて説明した通り、本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムにおいては、MPTに格納されるロケーション情報(図7C参照)に基づいて、TLVストリームから取得するデータとTLVストリーム以外の経路から取得するデータとを同一のパッケージに含めることができる。しかしながら、ロケーション情報が指し示す、TLVストリーム以外のデータ伝送経路(例えば、通信回線のIPv4データフローやIPv6データフロー、放送のMPEG2-TSなど)で伝送されるデータは、TLV/MMTストリームの受信機能とは別の受信機能で取得するデータある。よって、放送受信装置100の動作中であっても、これらの伝送経路の受信機能が動作していない状況や、受信機能自体は動作していても前記伝送経路上の中継装置等が動作していない状況や、これらの伝送経路の有線または無線接続がされていない状況や、そもそもこれらの伝送経路を接続できない環境に放送受信装置100が設置されている状況など、これらの伝送経路からのデータ取得ができない状況もありうる。
このような状況下で、MPTに格納されるロケーション情報が、TLVストリームから取得するデータとTLVストリーム以外の経路から取得するデータとを同一のパッケージに含めるように対応付けることを示しているイベントを受信した場合、本実施例の放送受信装置100は、以下のような動作を行っても良い。
例えば、LCTが、図17Dや図17Eのように、画面内に複数の領域を設定しており、『領域0』にTLVストリームから取得したデータに基づく番組映像を表示し、『領域1』や『領域2』にTLVストリーム以外の伝送経路から取得したデータに基づくコンテンツが表示されるように対応付けられている場合であって、『領域1』や『領域2』に表示すべきTLVストリーム以外の伝送経路のデータが取得できない場合、LCTが指定する複数領域のレイアウト表示を禁止しても良い。具体的には、当該LCTを受信しても図17Cに示したデフォルトレイアウト表示の『領域0』にTLVストリームから取得したデータに基づく番組映像を表示した状態のままとし、図17Dや図17Eのような複数領域のレイアウト表示に移行しないようにすれば良い。また、更にこの状態で、デフォルトレイアウトからLCTの示すレイアウトへの変更指示が放送受信装置100の操作入力部170に入力されたとしても、図17Cに示したデフォルトレイアウト表示のままとしたり、その他のデータ放送画面に切り替えるなどして、図17Dや図17Eのような複数領域のレイアウト表示に移行しないようにしても良い。
また、LCTが、図17Dや図17Eのように、画面内に複数の領域を設定しており、『領域0』にTLVストリームから取得したデータに基づく番組映像を表示し、『領域1』や『領域2』にTLVストリーム以外の伝送経路で取得したデータに基づくコンテンツが表示されるように対応付けられている場合であって、『領域1』や『領域2』に表示すべきTLVストリーム以外の伝送経路のデータが取得できない場合の別の動作例としては、一旦、LCTが示す図17Dや図17Eの複数領域の表示枠を表示し、『領域1』や『領域2』については背景色や所定の静止画を表示しておき、所定時間を経過してもMPTのロケーション情報が示すTLVストリーム以外の伝送経路のデータが取得できない場合は、図17Cに示したデフォルトレイアウト表示の状態に戻す表示切り替えを行っても良い。この場合は、図17Cのレイアウトから図17Dや図17Eのレイアウトへの変更時および図17Dや図17Eのレイアウトから図17Cのレイアウトへの変更時も、それぞれのレイアウトの『領域0』にTLVストリームから取得したデータに基づく番組映像が継続して表示されるように動作すれば、ユーザの番組映像視聴自体は継続可能なので好ましい。
また、『領域1』や『領域2』に表示すべきTLVストリーム以外の伝送経路のデータが取得できないことにより、図17Cに示したデフォルトレイアウト表示の『領域0』にTLVストリームから取得したデータに基づく番組映像を表示した状態となっているときに、本実施例の放送受信装置100の各種通信機能や各種受信機能の動作が開始したり、各種通信機能の通信環境/通信状況や各種受信機能の受信環境/受信状況が変化したことにより、『領域1』や『領域2』に表示すべきTLVストリーム以外の伝送経路のデータが取得できる状況になることもありうる。この場合、本実施例の放送受信装置100は、ただちに、図17Cに示したデフォルトレイアウト表示から、LCTが示す図17Dや図17Eに示したような複数領域のレイアウトに切り替えて、『領域0』にTLVストリームから取得したデータに基づく番組映像を表示し、『領域1』や『領域2』にTLVストリーム以外の伝送経路から取得したデータに基づくコンテンツを表示するように切り替えても良い。あるいは、当該レイアウト変更をすぐには行わずに、デフォルトレイアウトからLCTの示すレイアウトへの変更指示が操作入力部170から入力されてから当該レイアウト変更を実行しても良い。この場合、レイアウト変更が可能となった旨をOSD表示等によりユーザに報知するようにすることが好ましい。
[著作権保護機能]
本実施例の放送受信装置100が対応するデジタル放送システムにおいて、MPT等にコピー制御情報を含めて伝送することにより、例えば、『無制限にコピー可』(『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』と『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理不要』の2種類に分けても良い)、『1世代のみコピー可』、『所定複数回数コピー可』(例えば、9回コピー可+ムーブ1回可ならいわゆる『ダビング10』)、『コピー禁止』など、MPT等が参照するコンテンツのコピー制御状態を示しても良い。この場合、本実施例の放送受信装置100は、当該コピー制御情報に応じて、当該コンテンツのストレージ(蓄積)部110への蓄積、リムーバブル記録媒体への記録、外部機器への出力、外部機器へのコピー、外部機器へのムーブ処理などを制御するように構成しても良い。
なお、蓄積処理の対象は、放送受信装置100内部のストレージ(蓄積)部110のみならず、放送受信装置100のみで再生可能となるような暗号化処理等の保護処理を施したリムーバブル記録媒体や外部機器等を含んでも良い。具体的には、例えば、拡張インタフェース部124に接続されたHDD等の外付けの記録装置などのうち、放送受信装置100のみで記録再生可能な状態にしたものなどが含まれる。
<コンテンツコピー制御>
当該コピー制御情報に基づくコンテンツコピー制御の処理の具体例を以下に説明する。
まず、MPT等に含まれるコピー制御情報が『無制限にコピー可』を示す場合は、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110への蓄積、リムーバブル記録媒体への記録、外部機器への出力、外部機器へのコピー、外部機器へのムーブ処理等を制限なしに行って構わない。但し、前記コピー制御情報に基づく制御が『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』と『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理不要』とに分かれている場合であって、『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』を示す場合には、ストレージ(蓄積)部110への蓄積、リムーバブル記録媒体への記録、外部機器への出力、外部機器へのコピー、外部機器へのムーブ処理等を制限なしに行うことができるが、何れも暗号化処理を施す必要がある。
また、MPT等に含まれるコピー制御情報が『1世代のみコピー可』を示す場合は、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110への暗号化しての蓄積や、放送受信装置100のみで再生可能となるような暗号化処理等の保護処理を施したリムーバブル記録媒体への記録を可能として良い。また、蓄積後のコンテンツを外部機器へ視聴用に出力する場合には、『コピー禁止』のコピー制御情報とともに暗号化して出力することとする。また、外部機器へのいわゆるムーブ処理(外部機器へコンテンツをコピーし、放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110等のコンテンツは消去処理などにより再生不能化する処理)は可能とする。
また、MPT等に含まれるコピー制御情報が『所定複数回数コピー可』を示す場合は、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110へ暗号化して蓄積する処理や、放送受信装置100のみで再生可能となるような暗号化処理等の保護処理を施したリムーバブル記録媒体への記録する処理を可能として良い。また、蓄積後のコンテンツを外部機器へ視聴用に出力する場合には、『コピー禁止』のコピー制御情報とともに暗号化して出力することとする。また、外部機器への予め定められた所定回数のコピーとムーブ処理を可能として良い。いわゆる『ダビング10』規定の場合は、外部機器への9回のコピーと1回のムーブ処理を行うことが可能である。
また、MPT等に含まれるコピー制御情報が『コピー禁止』を示す場合は、本実施例の放送受信装置100は、ストレージ(蓄積)部110等への蓄積(コピー)を禁止する。但し、放送受信装置100は、予め定められた所定時間または放送信号に含まれる制御情報(例えば、MH-Expire記述子やコンテンツ利用制御記述子等による)により指定される所定時間のみ、ストレージ(蓄積)部110等への保持を可能とする『一時蓄積』モードを有するように構成して良い。この場合には、放送受信装置100は、MPT等に含まれるコピー制御情報が『コピー禁止』を示す場合であっても、ストレージ(蓄積)部110等への当該コンテンツの一時的な保持を可能とする。MPT等に含まれるコピー制御情報が『コピー禁止』の当該コンテンツを外部機器へ視聴用として出力する場合には、『コピー禁止』のコピー制御情報とともに暗号化して出力することとする。
なお、前述の外部機器への視聴用の出力は、本実施例の放送受信装置100の映像出力部163と音声出力部166、あるいは、デジタルI/F部125やLAN通信部121などを介して行えば良い。前述の外部機器へのコピーまたはムーブ処理は、デジタルI/F部125やLAN通信部121などを介して行えば良い。
図22Aに、本実施例の放送システムにおけるコンテンツコピー制御記述子のデータ構造の一例を示す。図中の『digital_recording_control_data』パラメータがデジタルコピー制御情報であり、コンテンツのコピー世代を制御する情報を示すものとする。また、図22Bに前記デジタルコピー制御情報のパラメータ値とその意味の一例を示す。例えば、前記パラメータが『00』の場合には『無制限にコピー可』を示し、前記パラメータが『01』の場合には事業者による定義が可能であり、前記パラメータが『10』の場合には『1世代のみコピー可』を示し、前記パラメータが『11』の場合には『コピー禁止』を示すものとする。また、図23に、本実施例の放送システムにおけるコンテンツ利用制御記述子のデータ構造の一例を示す。図中の『copy_restriction_mode』パラメータがコピー制限モードであり、個数制限コピーが可能か否かを示すものとする。
本実施例の放送受信装置100においては、前記デジタルコピー制御情報が『01』の場合に予め放送事業者によって定められた所定回数のコピーが可能な蓄積処理を実行可能であるものとする。あるいは、前記デジタルコピー制御情報が『11』ではなくかつ前記コピー制限モードが個数制限コピー可を示している場合に予め放送事業者によって定められた所定回数のコピーが可能な蓄積処理を実行可能としても良い。または、この場合、デジタルコンテンツ利用記述子の『reserved_future_use』パラメータの一部または全部を用いる等によりコンテンツ毎のコピー可能回数を指定しても良い。
以上の処理により、本実施例の放送受信装置100は、前述の『所定複数回数コピー可』のコンテンツコピー制御を実現することが可能となる。
また、図23に示したコンテンツ利用制御記述子における『retention_mode』パラメータが一時蓄積制御ビットであり、前記デジタルコピー制御情報が『コピー禁止』を示している場合に対象コンテンツの一時的な蓄積を許容するか否かを示すものである。また、『retention_state』パラメータが一時蓄積許容時間であり、前記一時蓄積許容ビットが対象コンテンツの一時的な蓄積の許容をしている場合の一時蓄積許容時間を示すものである。
本実施例の放送受信装置100においては、前記一時蓄積制御ビットおよび一時蓄積許容時間の各情報を参照することにより、各コンテンツのデジタルコピー制御情報が『コピー禁止』を示している場合の一時的な蓄積の可否およびその蓄積時間を制御することが可能となる。
以上説明した処理によれば、コンテンツと対応付けられたコピー制御情報に応じて、適切なコンテンツ保護を実現することができる。
<コンテンツ出力制御>
次に、コンテンツの外部機器への出力制御の処理の具体例を以下に説明する。
図23に示したコンテンツ利用制御記述子において、『image_constraint_token』パラメータは解像度制限ビットであり、コンテンツを外部機器に出力する際に画質制限が必要か否かを示すものである。前記解像度制限ビットが画質制限が必要であることを示している場合、本実施例の放送受信装置100は、対象コンテンツを外部機器に出力する際に前記対象コンテンツの画質制限を行うものとする。なお、ストレージ(蓄積)部110等への蓄積を行う際には前記画質制限は必要ないものとして良い。前記画質制限は、例えば、受信した(あるいは、蓄積した)UHD(7680画素×4320画素)映像コンテンツをSHD(3840画素×2160画素)映像に変換して出力する、あるいは、HD(1920画素×1080画素)映像をSD(640画素×480画素)映像に変換して出力する、等である。なお、対象コンテンツの画質制限をどの程度まで行うか、即ち、画質制限後の画質をどの解像度にするかは、デジタルコンテンツ利用記述子の『reserved_future_use』パラメータの一部または全部を用いる等により指定するようにしても良い。
前述と同様に、例えば『reserved_future_use』パラメータの一部または全部を用いてフレームレート制限ビットや画素分解能制限ビットを用意し、コンテンツを外部機器に出力する際にフレームレートの制限や画素分解能の制限を制御するようにしても良い。前記フレームレート制限ビットがフレームレートの制限が必要であることを示している場合、本実施例の放送受信装置100は、対象コンテンツを外部機器に出力する際に前記対象コンテンツのフレームレートの制限を行うものとする。例えば、フレームレート120Hzの映像コンテンツをフレームレート60Hzに変換して出力する、等である。また、前記画素分解能制限ビットが画素分解能の制限が必要であることを示している場合、本実施例の放送受信装置100は、対象コンテンツを外部機器に出力する際に前記対象コンテンツの各画素の分解能の制限を行うものとする。例えば、各画素が12ビットで構成された映像コンテンツの各画素を8ビットに変換して出力する、等である。
また、更に、『reserved_future_use』パラメータの一部または全部を用いる等により解像度制限制御フラグやフレームレート制限制御フラグや画素分解能制限制御フラグを用意し、前記解像度制限制御フラグやフレームレート制限制御フラグや画素分解能制限制御フラグに応じて前記画質制限やフレームレートの制限や画素分解能の制限を行うか否かを制御するようにしても良い。例えば、前記解像度制限制御フラグが解像度制限制御をインタフェース仕様に応じて行うことを示している場合、対象コンテンツを出力するインタフェースが所定のコンテンツ保護技術を備えていれば前記画質制限を行わず、所定のコンテンツ保護技術を備えていなければ前記画質制限を行うように、制御を行っても良い。
具体的には、例えば、デジタルインタフェース部125がHDMIインタフェースであって、前記HDMIインタフェースに接続された外部機器に対象コンテンツの出力を行う場合、前記外部機器の有するHDMIインタフェースがHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)バージョン2.2以降に対応していれば前記画質制限を行わずに対象コンテンツの出力を行い、前記外部機器のHDMIインタフェースのHDCPバージョンが2.2未満であれば前記画質制限を行って対象コンテンツの出力を行うようにする。即ち、対象コンテンツの出力を行うインタフェースが予め定めた所定のコンテンツ保護技術を備えているか否かに応じて、あるいは、前記コンテンツ保護技術を備えている場合には前記コンテンツ保護技術のバージョンに応じて、前記対象コンテンツの画質制限を行うか否かを制御するようにすれば良い。なお、前記解像度制限制御フラグが解像度制限制御をインタフェース仕様に応じて行うことを示していない場合には、前記解像度制限ビットのみに応じて前記画質制限の有無を制御して良い。前記フレームレート制限制御フラグや画素分解能制限制御フラグに関しても同様の処理を行って良い。
また、前述のコピー制御情報が、『1世代のみコピー可』、『所定複数回数コピー可』、『コピー禁止』などのコピー制限を示しているコンテンツのLAN通信部121を介した外部機器へのコピー処理については、放送受信装置100からの送信パケットの宛先である外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内にある場合のみ可能とし、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外にある場合は、禁止しても良い。コピー制御情報が『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』のコンテンツも同様に扱っても良い。
同様に、前述のコピー制御情報が、『1世代のみコピー可』、『所定複数回数コピー可』、『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』などのコピー制限を示しているコンテンツを一度ストレージ(蓄積)部110へ蓄積した後の、LAN通信部121を介して外部機器へのムーブ処理やコピー処理等についても、放送受信装置100からの送信パケットの宛先である外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内にある場合のみ可能とし、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外にある場合は、禁止しても良い。
また、放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110へ蓄積したコンテンツについての視聴用映像出力および音声出力は、原則として、放送受信装置100からの送信パケットの宛先である外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内にある場合のみ可能とし、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外にある場合は禁止する。但し、当該外部機器が所定期間以内に、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット内で接続されており、かつ、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外でも視聴可能な機器としての登録処理(ペアリング)がなされた機器である場合には、外部機器のIPアドレスが、放送受信装置100のIPアドレスと同一サブネット外であっても、当該外部機器への放送受信装置100のストレージ(蓄積)部110へ蓄積したコンテンツについての視聴用映像出力および音声出力を可能とするように構成しても良い。この場合、当該視聴用映像出力および音声出力はコンテンツに暗号化を施して行う。
但し、前記暗号化の処理は、図23に示したコンテンツ利用制御記述子の『encryption_mode』パラメータの値に応じて制御されても良い。即ち、前記『encryption_mode』パラメータの値がIPインタフェース出力の出力保護を要することを示している場合には前記暗号化処理を行うこととし、IPインタフェース出力の出力保護を要しないことを示している場合には前記暗号化処理を行わずに前記視聴用映像出力および音声出力を行うこととして良い。また、前記『encryption_mode』パラメータの値がIPインタフェース出力の出力保護を要することを示している場合には、コンテンツ利用制御記述子の『reserved_future_use』パラメータの一部または全部を用いる等により、暗号化処理を施さずに前記視聴用映像出力および音声出力を行うことが可能な外部機器のIPアドレスの範囲を指定するようにしても良い。即ち、予め定められた所定のIPアドレスに対しては、前記IPアドレスが放送受信装置100のIPアドレスと同一のサブネット内でなくとも、視聴用映像出力および音声出力を行うことが可能となる。
また、コンテンツ利用制御記述子の『reserved_future_use』パラメータの一部または全部を用いる等により前記登録処理(ペアリング)を有効とする期間を指定するようにしても良い。この場合、外部機器の登録処理(ペアリング)を実行した日時が前記指定された期間以内であれば、前記外部機器が放送受信装置100のIPアドレスと同一のサブネット外にある場合でも、前記外部機器に対する視聴用映像出力および音声出力を許容し、前記指定された期間外であれば許容しないように制御して良い。
また、前述の、コンテンツのLAN通信部121を介した外部機器へのムーブ処理、コピー処理、出力処理、等は、コンテンツ利用制御記述子の『remote_view_mode』パラメータの値に応じて制御されても良い。即ち、前記『remote_view_mode』パラメータの値が対象コンテンツのリモート視聴を許容していない場合には、コンテンツのLAN通信部121を介した外部機器へのムーブ処理、コピー処理、出力処理、等の一切を禁止するように制御しても良い。
以上説明した処理によれば、コンテンツを外部機器に出力する際にも、適切なコンテンツ保護を実現することができる。
<コンテンツコピー制御の例外処理1>
図22Aに示したコンテンツコピー制御記述子のデータ構造において、第一のデジタルコピー制御情報(『descriptor_length』の直後に位置する『digital_recording_control_data』パラメータ)は、コンテンツ全体に関するコピー世代の制御情報であり、第二のデジタルコピー制御情報(『component_tag』の直後に位置する『digital_recording_control_data』パラメータ)は、前記コンテンツを構成する各コンポーネントのそれぞれに関するコピー世代の制御情報である。なお、各コンポーネントの指定は、『component_tag』パラメータによって為されるものとする。
本実施例の放送システムでは、コンテンツ(番組)全体のコピー世代の制御を行う場合には、前記第一のデジタルコピー制御情報のみを前記コンテンツコピー制御記述子に記述し、前記第一のデジタルコピー制御情報によりコピー世代の制御を行う。一方、前記コンテンツを構成するコンポーネント毎にコピー世代の制御を行う場合には、前記第一のデジタルコピー制御情報と前記第二のデジタルコピー制御情報の双方を前記コンテンツコピー制御記述子に記述し、コピー世代の制御を行う。更に、前記コンテンツを構成するコンポーネント毎にコピー世代の制御を行う場合、前記コンテンツコピー制御記述子に記述された前記第一のデジタルコピー制御情報と前記第二のデジタルコピー制御情報の記述が一致しない状況が考えられる。前述の状況においては、本実施例の放送受信装置100は、以下に示すような動作を行う様にすれば良い。
まず、第一の動作例は、前記第一のデジタルコピー制御情報と前記第二のデジタルコピー制御情報の記述が一致しない場合には、前記第一のデジタルコピー制御情報に示されたコピー世代制御に基づいて動作するように制御を行う方法である。この場合、同一のコンテンツを構成する各コンポーネントに共通した簡便なコピー世代制御が可能となる。
次に、第二の動作例は、前記第一のデジタルコピー制御情報と前記第二のデジタルコピー制御情報の記述が一致しない場合には、前記第二のデジタルコピー制御情報に示されたコピー世代制御に基づいて動作するように制御を行う方法である。この場合、同一のコンテンツを構成するコンポーネントであっても、コンポーネント毎に異なるコピー世代制御が可能となり、即ち、より精緻なコピー世代制御が可能となる。
更に、第三の動作例は、前記第一のデジタルコピー制御情報と前記第二のデジタルコピー制御情報の記述が一致しない場合には、前記2つの異なるデジタルコピー制御情報のうちのより厳しい条件のデジタルコピー制御情報に基づいて動作するように制御を行う方法である。例えば、一方が『無制限にコピー可』で他方が『1世代のみコピー可』の場合、『1世代のみコピー可』の情報に従う。または、一方が『所定複数回数コピー可』で他方が『コピー禁止』の場合、『コピー禁止』の情報に従う。または、双方ともに『所定複数回数コピー可』の場合、別途指定されるコピー可能回数の少ない方の情報に従う。この場合、より厳密なコピー世代制御が可能となる。
以上の処理を行うことにより、本実施例の放送受信装置100においては、コンテンツコピー制御記述子に異なる2つのデジタルコピー制御情報が記載されている場合においても好適に動作することが可能となる。
<コンテンツコピー制御の例外処理2>
図7Aを用いて説明したように、本実施例の放送受信装置100が対応するデジタル放送システムでは、MPT内のロケーション情報(図7C参照)により、放送経路のTLVストリームで取得したデータと違う経路(IPv4、IPv6、MPEG2-TS、URL、等)で取得したデータもTLVストリームで取得したデータと同一パッケージかつ同一イベントに含まれることがありうるが、このときMPT等にコピー制御情報が含められている場合のコンテンツ保護について説明する。
まず、MPT等にコピー制御情報が含まれる場合、ロケーション情報で同一パッケージかつ同一イベントに含まれるデータは、放送経路のTLVストリームで取得したデータと違う経路(IPv4、IPv6、MPEG2-TS、URL、等)で取得したデータであっても、TLVストリームに含まれるコピー制御情報に従って、制御するようにしても良い。これらのコピー制御情報によって、指定されるコンテンツのコピー制御状態としては、前述の通り、『無制限にコピー可』(『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理要』と『無制限にコピー可かつ蓄積および出力時に暗号化処理不要』の2種類に分けても良い)、『1世代のみコピー可』、『所定複数回数コピー可』(例えば、9回コピー可+ムーブ1回可ならいわゆる『ダビング10』)、『コピー禁止』などを指定可能とする。
ここで、ロケーション情報が示すデータの位置が、他のデジタル放送信号で伝送されるMPEG2-TSのデータを含む場合、当該MPEG2-TSのデータは、他のデジタル放送信号でもコピー制御情報と対応付けられて放送されている。すると、当該MPEG2-TSのデータのコピー制御をどの情報に従ってどのように行うか(TLV/MMTストリームに含まれるコピー制御情報に従うのか、MPEG2-TSに含まれるコピー制御情報に従うのか)が問題となる。
本実施例のデジタル放送システムでは、この課題の解決策として、放送受信装置100において、下記複数の解決策の何れかの動作を行うようにすれば良い。
<動作例1>
第一の動作例では、MPT等にコピー制御情報が含まれ、ロケーション情報で同一パッケージかつ同一イベントに含まれるデータに他のデジタル放送信号で伝送されるMPEG2-TSのデータを含む場合に、MPEG2-TSに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態よりも、TLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態を優先して制御する。
例えば、TLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態が『1世代コピー可』であり、MPEG2-TSに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態が『所定複数回コピー可』であれば、TLVストリームで取得したデータと違う経路(MPEG2-TS伝送形式のデジタル放送)で取得したデータであっても、『1世代コピー可』のコンテンツとしてコピー制御を行っても良い。例えば、TLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態が『無制限にコピー可』であり、MPEG2-TSに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態が『所定複数回コピー可』であれば、TLVストリームで取得したデータと違う経路(MPEG2-TS伝送形式のデジタル放送)で取得したデータであっても、『無制限にコピー可』のコンテンツとしてコピー制御を行っても良い。
この動作の場合、TLVストリーム以外の経路で取得したデータについても本実施例の放送受信装置100が対応する放送システムにおいて管理したいコピー状態にすることができる。
<動作例2>
第二の動作例では、MPT等にコピー制御情報が含まれ、ロケーション情報で同一パッケージかつ同一イベントに含まれるデータに他のデジタル放送信号で伝送されるMPEG2-TSのデータを含む場合に、TLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態とMPEG2-TSに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態とを比較し、MPEG2-TSに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態の方がTLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態よりも厳しい場合は、ストレージ(蓄積)部110などへの蓄積処理、リムーバブル記録媒体への記録処理、またはデジタルインタフェースからの出力処理をする際に、当該MPEG2-TSのデータを処理対象コンテンツから除外するように動作する。
この動作の場合、TLVストリーム以外の経路で取得したデータについては、当該データを伝送する放送システムで設定されたオリジナルのコピー制御情報を尊重しながら、本実施例の放送受信装置100上でのコピー制御状態の重複を解消することができる。
また、当該比較の結果、MPEG2-TSに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態が、TLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態と同じ状態または、より緩いコピー制御状態の場合は、当該ロケーション情報で同一パッケージかつ同一イベントに含まれるMPEG2-TSのデータについても、TLVストリームに含まれるコピー制御情報により示されるコピー制御状態のコンテンツとしてコピー制御を行えば良い。
この動作の場合、TLVストリーム以外の経路で取得したデータについては、当該データを伝送する放送システムで設定されたオリジナルのコピー制御情報を尊重しながら、本実施例の放送受信装置100上でのコピー制御状態の重複を解消することができる。
以上の説明において、本実施例の放送受信装置100の著作権保護機能は、MPTに含まれるコピー制御情報に基づいて行うこととして説明した。しかし、コピー制御情報を配置するテーブルはMPTに限定されない。MPT以外にも、図6Bで説明したMH-サービス記述テーブル(MH-SDT)やMH-イベント情報テーブル(MH-EIT)、あるいはその他のテーブルに配置して伝送し、放送受信装置100はこれらに従って著作権保護処理を行っても良い。
以上説明した本実施例によれば、MMTのデジタル放送に対応した放送受信機を提供することができる。
(実施例2)
以下では、本発明の実施例2に関して説明する。なお、本実施例における構成、処理および効果等は特に断りのない限り実施例1と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例1との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。また、本実施例の放送受信装置は、メディアトランスポート方式として、MMT方式とMPEG2-TS方式の双方に対応するテレビ受信機であるものとして、以下、説明を行う。
[放送受信装置のハードウェア構成]
図24は、放送受信装置800の内部構成の一例を示すブロック図である。放送受信装置800は、主制御部801、システムバス802、ROM803、RAM804、ストレージ部810、LAN通信部821、拡張インタフェース部824、デジタルインタフェース部825、第一チューナ/復調部831、第二チューナ/復調部832、MMTデコード処理部841、MPEG2-TSデコード処理部842、映像合成部861、モニタ部862、映像出力部863、音声合成部864、スピーカ部865、音声出力部866、操作入力部870、で構成される。
主制御部801、システムバス802、ROM803、RAM804、ストレージ部810、拡張インタフェース部824、デジタルインタフェース部825、モニタ部862、映像出力部863、スピーカ部865、音声出力部866、操作入力部870、等は、実施例1の放送受信装置100における主制御部101、システムバス102、ROM103、RAM104、ストレージ(蓄積)部110、拡張インタフェース部124、デジタルインタフェース部125、モニタ部162、映像出力部163、スピーカ部165、音声出力部166、操作入力部170、等とそれぞれ同等の機能を有するものとし、詳細な説明を省略する。
第一チューナ/復調部831は、図示を省略したアンテナを介して、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスの放送波を受信し、主制御部801の制御に基づいてユーザの所望するサービスのチャンネルに同調(選局)する。更に、第一チューナ/復調部831は、受信した放送信号を復調してMMTデータ列を取得し、MMTデコード処理部841に出力する。第二チューナ/復調部832は、図示を省略したアンテナを介して、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの放送波を受信し、主制御部801の制御に基づいてユーザの所望するサービスのチャンネルに同調(選局)する。更に、第二チューナ/復調部832は、受信した放送信号を復調してMPEG2-TSデータ列を取得し、MPEG2-TSデコード処理部842に出力する。
MMTデコード処理部841は、第一チューナ/復調部831から出力されたMMTデータ列を入力し、前記MMTデータ列に含まれる制御信号に基づいてリアルタイム提示要素である映像データ列、音声データ列、文字スーパーデータ列、字幕データ列、等の分離処理、および復号処理等を行う。MMTデコード処理部841は、実施例1の放送受信装置100における、分離部132、映像デコーダ141、映像色域変換部142、音声デコーダ143、文字スーパーデコーダ144、字幕デコーダ145、字幕合成部146、字幕色域変換部147、データデコーダ151、キャッシュ部152、アプリケーション制御部153、ブラウザ部154、アプリケーション色域変換部155、音源部156、等に相当する機能を備えるものとする。MMTデコード処理部841は、実施例1で説明した各種処理を行うことが可能である。なお、前記各種処理の詳細は実施例1で説明した通りであるので、説明を省略する。
MPEG2-TSデコード処理部842は、第二チューナ/復調部832から出力されたMPEG2-TSデータ列を入力し、前記MPEG2-TSデータ列に含まれる制御信号に基づいてリアルタイム提示要素である映像データ列、音声データ列、文字スーパーデータ列、字幕データ列、等の分離処理、および復号処理等を行う。MPEG2-TSデコード処理部842は、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの放送波を受信する従来のテレビ受信機のIRD(Integrated Receiver Decoder)部と同等の機能を備えるものとし、詳細な説明を省略する。
映像合成部861は、MMTデコード処理部841から出力された映像情報や字幕情報やアプリケーション情報と、MPEG2-TSデコード処理部842から出力された映像情報や字幕情報やアプリケーション情報と、を入力し、適宜選択および/または重畳等の処理を行う。映像合成部861は図示を省略したビデオRAMを備え、前記ビデオRAMに入力された映像情報等に基づいてモニタ部862等が駆動される。また、映像合成部861は、主制御部801の制御に基づいて、必要に応じて、スケーリング処理やEPG画面情報の重畳処理等を行う。音声合成部164は、MMTデコード処理部841から出力された音声情報とMPEG2-TSデコード処理部842から出力された音声情報を入力し、適宜選択および/またはミックス等の処理を行う。
LAN通信部821は、ルータ装置200rを介してインターネット200と接続され、インターネット200上の各サーバ装置やその他の通信機器とデータの送受信を行う。また、通信回線を介して伝送される番組のMMTデータ列(あるいは、その一部)やMPEG2-TSデータ列(あるいは、その一部)を取得し、適宜、MMTデコード処理部841やMPEG2-TSデコード処理部842に出力する。
[放送受信装置の時刻表示]
本実施例の放送受信装置800では、EPG画面や各種設定画面等において、現在日付や現在時刻を表示可能であるものとする。前記現在日付や現在時刻に関する情報は、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスにおいてはMH-TOT等により送信され、また、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスにおいてはMPEG-2システムに規定されたSI(Service Information)が備えるTOT(Time Offset Table)等により送信される。放送受信装置800は、前記MH-TOTや前記TOTを参照することにより、前記現在日付や現在時刻に関する情報を取得可能である。
また、一般的には、映像合成部861がMMTデコード処理部841から出力された映像情報等を主として選択している場合には、前記MH-TOTから取得した現在日付や現在時刻に関する情報を前記映像情報等に重畳し、映像合成部861がMPEG2-TSデコード処理部842から出力された映像情報等を主として選択している場合には、前記TOTから取得した現在日付や現在時刻に関する情報を前記映像情報等に重畳するように制御すれば良い。
しかしながら、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスとメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスとでは、符号化処理/復号処理や伝送経路等に差異があるため、特に現在時刻表示において、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスの選択時とメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの選択時とで、不整合を生じる可能性がある。例えば、図25に示すように、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのチャンネル情報を表示するEPG画面162gからメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのチャンネル情報を表示するEPG画面162hに画面表示を切り替えた際に、現在時刻の表示が現在時刻表示162g1から現在時刻表示162h1に切り替わることによる不整合によって、視覚的違和感をユーザに覚えさせる可能性を有するものである。
本実施例の放送受信装置800では、前記ユーザの視覚的違和感を防止するために、映像合成部861がMMTデコード処理部841から出力された映像情報等を主として選択している場合であっても、前記TOTから取得した現在日付や現在時刻に関する情報を前記映像情報等に重畳するように制御する。即ち、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのコンテンツに、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスで提供される現在時刻情報を重畳するように制御するものである。
前記制御を行うことにより、本実施例の放送受信装置800は、現在時刻を表示する際に、常に前記TOTを参照して取得した現在時刻情報を表示するようになる。従って、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスとメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスとを切り替えた際にも、現在時刻の表示の不整合による視覚的違和感をユーザに覚えさせることを防止することが可能となる。
なお、図26Aに、本実施例の放送受信装置800における、各放送サービスの受信状況に応じた現在時刻情報参照元の選択制御の一例を示す。本実施例の放送受信装置800では、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの受信が可能な状態にある場合には、常に前記TOTを参照して現在時刻情報を取得するようにし、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの受信が不可の状態で、かつメディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスの受信が可能な状態にある場合にのみ、前記MH-TOTを参照して現在時刻情報を取得するように制御する。
また、前述の制御とは逆に、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのコンテンツに、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスで提供される現在時刻情報を重畳するように制御しても、前述と同様の効果が得られる。
なお、前述のように、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのコンテンツに、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスで提供される現在時刻情報を重畳するように制御する場合と、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのコンテンツに、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスで提供される現在時刻情報を重畳するように制御する場合の、何れの場合においても、実施例1の[放送受信装置の時刻管理]での説明と同様に、前記TMCC拡張情報領域の時刻情報の『delta』パラメータを参照することにより、前記現在時刻情報を補正することが可能である。
また、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスとメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの何れの場合においても、ネットワークを構成する各放送サービスが伝送するMH-TOTまたはTOTが送信側システムの不具合や伝送エラー等による誤りを有する可能性が考えられる。本実施例の放送受信装置800では、前記MH-TOTまたはTOTの前記誤りに対する対策として、受信中のサービスから取得したMH-TOTまたはTOTが誤りを有すると判断した場合には、同一ネットワークの他の放送サービスから、あるいは、他のネットワークの任意の放送サービスから、MH-TOTまたはTOTを取得して現在時刻情報を参照することにより、内蔵クロックの時刻情報の更新処理を行うよう機能を有するものとする。
図26Bに、本実施例の放送受信装置800における、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスを受信している際の、現在時刻情報の更新処理の一例を示す。なお、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスを受信している際であっても、同図に示した処理と同様の処理が可能である。
本実施例の放送受信装置800において内蔵クロックの時刻情報を更新する場合、まず、受信機能実行部1102が現在受信中の放送サービス(メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービス)のMPEG2-TSデータ列からTOTを取得し(S301)、更に、前記取得したTOTを参照することにより、現在時刻情報を取得する(S302)。次に、受信機能実行部1102はS302の処理で取得した前記現在時刻情報と内蔵クロックの時刻情報を比較する処理を行う。
前記比較処理の結果、S302の処理で取得した前記現在時刻情報と内蔵クロックの時刻情報の差が所定値以内(例えば、3分以内)の場合(S303:Yes)、受信機能実行部1102は、S302の処理で取得した前記現在時刻情報を以って、内蔵クロックの時刻情報の更新を行う(S306)。一方、前記比較処理の結果、S302の処理で取得した前記現在時刻情報と内蔵クロックの時刻情報の差が所定値以内ではない場合(S303:No)、あるいは、S301で取得したTOTがデータ内にエラーがあることを示すフラグ等を有している場合、受信機能実行部1102は、同一ネットワーク内の他の放送サービスのMPEG2-TSデータ列からTOTを取得し、あるいは、他のネットワークの任意の放送サービス(メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービス)のMMTデータ列からMH-TOTを取得し(S304)、更に、前記取得したTOTまたはMH-TOTから現在時刻情報を取得する(S305)。受信機能実行部1102は、S305の処理で取得した現在時刻情報を以って、再度S303の比較処理を行うようにすれば良い。
以上の処理により、本実施例の放送受信装置800は、受信中のサービスから取得したMH-TOTまたはTOTが誤りを有すると判断した場合には、同一ネットワークの他の放送サービスから、あるいは、他のネットワークの任意の放送サービスから、MH-TOTまたはTOTを取得して現在時刻情報を参照することにより、内蔵クロックの時刻情報の更新処理を行うことが可能となる。
なお、工場出荷後の初期設定時等、S304~S305の処理の繰り返しで内蔵クロックの時刻情報との差が所定範囲内となる現在時刻情報を取得できなかった場合には、S302の処理で取得した現在時刻情報を以って、あらためて内蔵クロックの時刻情報を設定するようにすれば良い。このようにすれば、本実施例の放送受信装置800の内蔵クロックの時刻情報側に誤りがある場合も対応することが可能となる。
[放送受信装置のEPG表示]
メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのイベントスケジュール情報はMH-EIT等により伝送される。一方、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのイベントスケジュール情報はMPEG-2システムに規定されたSIが備えるEIT(Event Information Table)等により伝送される。従って、一般的には、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスで提供される映像情報等の表示を行っている際には、前記MMTを採用した放送サービスのイベントスケジュール情報(MH-EIT)が取得可能であり、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスで提供される映像情報等の表示を行っている際には、前記MPEG2-TSを採用した放送サービスのイベントスケジュール情報(EIT)が取得可能である。
しかしながら、本実施例の放送受信装置800は、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスで提供される映像情報等の表示を行っている際にも、あるいは、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスで提供される映像情報等の表示を行っている際にも、前記MH-EITと前記EITの双方を取得可能とし、ユーザにとっての使い勝手を向上させている。
図27Aに、本実施例の放送受信装置800におけるEPG画面の一例を示す。図中、EPG画面162iはメディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのMH-EITに基づいて作成されたEPG画面であり、『M1テレビ』、『M2放送』、『M3チャンネル』、『M4TV』、『テレビM5』等は、それぞれメディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスの放送局名称であるものとする。また、EPG画面162jはメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのEITに基づいて作成されたEPG画面であり、『T6テレビ』、『T7放送』、『T8チャンネル』、『T9TV』、『テレビTA』等は、それぞれメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスの放送局名称であるものとする。
例えば、ユーザがメディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスで提供される放送番組を視聴中に、図示を省略したリモコンを操作してEPG画面の表示を指示すると、EPG画面の初期画面(図示省略)が表示される。前記EPG画面の初期画面は、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのMH-EITに基づいて作成されたEPG画面であり、『2014年10月7日(今日)』の『17時~(現在時刻の近隣)』の各チャンネルの放送番組の詳細情報が表示される。次に、ユーザが『2014年10月9日』の『20時~』の各チャンネルの放送番組の詳細情報を確認したいと所望し、図示を省略したリモコンを操作してEPG画面の更新を指示すると、EPG画面162iが表示される。
更に、ユーザがメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスで提供される放送番組の詳細情報を確認したいと所望し、図示を省略したリモコンを操作してネットワークの切り替えを指示すると、EPG画面162jが表示される。この際、本実施例の放送受信装置800においては、メディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのEITに基づいて作成されたEPG画面の初期画面(即ち、『2014年10月7日』の『17時~』の各チャンネルの放送番組の詳細情報)ではなく、直前に表示されていたEPG画面162iと同日同時間帯(即ち、『2014年10月9日』の『20時~』)の各チャンネルの放送番組の詳細情報を表示するように制御する。
前述の制御により、ユーザは、メディアトランスポート方式の異なる複数のネットワークの同日同時間帯の放送番組に関する詳細情報を、簡便な操作で、連続的に、確認することが可能となる。即ち、放送受信装置800の使い勝手が向上する。
図27Bは、本実施例の放送受信装置800におけるEPG画面の前述とは異なる一例を示す図である。EPG画面162kは、図27Aに示したEPG画面162iが表示された状態から、図示を省略したリモコンの操作により、チャンネル方向(横方向)にスクロールさせた状態を示している。即ち、図27Bに示した例では、EPG画面をチャンネル方向(横方向)にスクロールさせることにより、メディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのMH-EITに基づいて作成されたチャンネル情報とメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのEITに基づいて作成されたチャンネル情報とが、同一時間軸上でシームレスに表示される。
従って、ユーザがメディアトランスポート方式としてMMTを採用した放送サービスのMH-EITに基づいて作成されたチャンネル情報の確認中にメディアトランスポート方式としてMPEG2-TSを採用した放送サービスのEITに基づいて作成されたチャンネル情報を確認したいと所望した場合においても、図示を省略したリモコンの操作によるネットワークの切り替えの指示等を不要とすることができる。更に、ユーザは、メディアトランスポート方式の異なる複数のネットワークの同日同時間帯の放送番組に関する詳細情報を、同時に確認することが可能となる。即ち、放送受信装置800の使い勝手が向上する。
(実施例3)
以下では、本発明の実施例3に関して説明する。なお、本実施例における構成および効果等は特に断りのない限り実施例1または実施例2と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例1または実施例2との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。また、本実施例では、放送受信装置と携帯情報端末との連携動作について説明する。
[アプリケーション伝送方式の概要]
本実施例のアプリケーション伝送方式に関して、図28を用いて説明する。
本実施例の放送システムでは、一般的なデジタル放送で行われているデータカルーセル伝送方式と同等の伝送方式が可能であるものとする。即ち、受信機に対するデータダウンロードやマルチメディアサービスにおけるコンテンツの伝送などでは、データを繰り返し送信することで、受信機は放送時間中の任意の時点で必要なデータを取得可能であるものとしている。データは、ファイル単位で非同期型MPUにカプセル化され伝送される。アプリケーションの伝送に関する制御情報は、データ伝送メッセージを用いて伝送されて良い。データ伝送メッセージには、データディレクトリ管理テーブル、データアセット管理テーブル、データコンテント管理テーブルが格納されるものとする。
アプリケーションを構成するファイルは、HTML5等のアプリケーション記述内でパス名を指定される。パス名は、ディレクトリノード名とファイル名の組み合わせで記述されて良い。また、ディレクトリノードとファイルを統合した識別子としてノードタグを規定し、各テーブルをリンクする情報として適用する。
アプリケーションからパス名を指定された受信機は、データ伝送メッセージ内のデータディレクトリ管理テーブルから、指定されたパス名のファイルのノードタグを得る。次に、同じくデータ伝送メッセージ内のデータアセット管理テーブルから、前記得られたノードタグを持つアイテムが伝送されるアセットのコンポーネントタグ、ダウンロードID、MPUシーケンス番号、およびアイテムIDを得る。更に、MPテーブルを参照することで、前記得られたコンポーネントタグを持つアセットのロケーション情報を取得し、ファイルが実際に伝送されるアセットを特定する。前記特定されたアセット内で、前記得られたダウンロードIDとアイテムを伝送するMMTPパケットのマルチ拡張ヘッダ領域に記載されたダウンロードIDとにより、カルーセルに対応するファイルの繰り返し伝送の単位を一意に識別でき、繰り返し伝送されるアイテムのうち、前記得られたMPUシーケンス番号およびアイテムIDを持つアイテムを所望のファイルとして取得可能である。
なお、前記ノードタグはデータ伝送メッセージ内で、前記MPUシーケンス番号はアセット内で、前記アイテムIDはサービス事業者内で、それぞれ一意であるものとする。
更に、受信機は、データアセット管理テーブルを常に監視することで、アプリケーションを構成するファイルが更新されたことを検知可能であり、アプリケーションを常に最新の状態で提示することが可能である。更新検知は、アセット単位、MPU単位、ファイル単位と、各段階で可能であって良い。データアセット管理テーブルにより、更新されたファイルのコンポーネントタグとMPUシーケンス番号およびアイテムIDを得る。前述のファイル取得と同様に、MPテーブルを参照してアセットを特定し、前記得られたMPUシーケンス番号およびアイテムIDを持つアイテムを所望の更新されたファイルとして取得可能である。
データコンテント管理テーブルは、柔軟で有効なキャッシュ制御を実現するため、データコンテンツとしてのファイルの構成情報を提供する。データコンテンツ内で提示する単位(例えばページ)をプレゼンテーションユニットと定義し、その単位で、どのアイテムが関係し、どのプレゼンテーションユニットとリンク関係になっているか等の情報を示す。これらの情報により、最初に要求されたアイテムと同じプレゼンテーションユニットに含まれる他のアイテムを知ることが可能となる。また、プレゼンテーションユニット単位のキャッシュ制御等の情報を得ることもできる。その結果、受信機は、ページ全体の取得時間短縮と、次のページの優先的なキャッシュ等を実現することが可能となる。
前述のように、アプリケーションやデータもアセットとして伝送されるが、アセットの種類(asset_type)はMPテーブル(MPT:図7B参照)に記載される。アセットの種類を図29にまとめる。放送映像、音声、字幕データの他、アプリケーションやアプリケーションで使用するデータがアセットとして伝送される。また、前記アプリケーションやアプリケーションで使用するデータのアセットの取得先は、放送波でも構わないし、通信回線経由でも構わない。前記アセットの取得先を記載するロケーション情報(MMT_general_location_info)のデータ構造の一例を図30Aに示す。このロケーション情報に取得先の種別(location_type)と取得先が記載される。前記取得先の種別の意味を図30Bに示す。
[アプリケーションの提示形式]
アプリケーションの提示も、放送映像や音声と同様に、レイアウト設定テーブル(LCT:図17A参照)で定義された領域で行われる。どの領域を使用するかは、MPU提示領域指定記述子(MPU_Presentation_Region_Descriptor)において、レイアウト番号(layout_number)と領域番号(region_number)により指定する。MPU提示領域指定記述子のデータ構造の一例を図31に示す。
[アプリケーション制御情報の概要]
本実施例のアプリケーション制御情報は、放送受信装置100が対応する放送通信連携機能において、テレビ受信機等(本実施例では、放送受信装置100)に対して放送サービスに連携するアプリケーション(以下、放送連携アプリと称する場合がある。)の存在を周知し、その制御を指示することを目的とする情報である。なお、本実施例におけるアプリケーション制御情報は、放送システムにおけるMH-アプリケーション情報テーブル(MH-AIT:図6B参照)の形式で伝送されるものとする。
また、前記放送連携アプリは、(1)放送信号に含まれる起動/終了などの制御信号に基づいて放送受信状態においてのみ動作し、制御信号に基づいて放送リソースへのアクセスが許可される放送マネージドアプリケーションと、(2)起動/終了などを放送信号に制御されない動作形態で、アプリケーション認証などの手段に基づいて放送リソースへのアクセスが許可される放送外マネージドアプリケーションと、(3)放送リソースへのアクセスが許可されない、その他の一般アプリケーションと、に区別されて良い。
MH-AITはM2セクションメッセージ(図6A参照)に格納されて伝送される。MH-AITのデータ構造の一例を図32Aに示す。
MH-AITの制御対象となるアプリケーションの形式は、『application_type(アプリケーション形式)』パラメータで示される。アプリケーション形式の割り当てを図32Bに示す。また、アプリケーションの状態を制御する制御コードは、『application_control_code(アプリケーション制御コード)』パラメータで示される。アプリケーション制御コードは、アプリケーション形式毎に規定されて良い。アプリケーション形式毎の規定がない場合は、図32Cの意味で用いられるものとする。
アプリケーションの識別は、アプリケーション識別子(application_identifier)でなされる。アプリケーション識別子のデータ構造の一例を図32Dに示す。アプリケーション識別子は、アプリケーション形式毎に規定された、各アプリケーションを一意に識別する値である。アプリケーション識別子は、事業者を識別する組織識別(organization_id)と事業者毎に採番されるアプリケーション識別(application_id)から構成されて良い。事業者毎のアプリケーション識別は、時間を隔てることにより異なるアプリケーションに同じ値を再利用して良いが、その場合は、アプリケーションのキャッシュの有効期限(MH-キャッシュ情報記述子:図6D参照)を考慮して、受信機内で異なるアプリケーションに同じ識別値が指定されることがないようにすることが望ましい。
[MH-AITに記載される記述子]
各アプリケーションに関する情報は、前述の各パラメータの他、記述子(descriptor)にも記載される。図6Cおよび図6Dに本放送システムの記述子の一覧を記載したが、MH-AITに関する主要なものにつき、以下に、詳細を説明する。
(1)MH-アプリケーション記述子
MH-アプリケーション記述子は、MH-AITのアプリケーション情報記述子ループにおいて、アプリケーション毎に必ず一つ配置するものとする。MH-アプリケーション記述子のデータ構造の一例を図33に示す。『application_profile(アプリケーションプロファイル)』パラメータは、対象アプリケーションが実行可能である受信機のアプリケーションプロファイルを示す。受信機がこのプロファイルを実装していれば、対象アプリケーションを実行する能力を持つことを示す。プロファイルの内容は、アプリケーション形式毎に定義される。
(2)MH-伝送プロトコル記述子
アプリケーションの伝送手段として、放送・通信等の伝送プロトコルの指定と伝送プロトコルに依存したアプリケーションのロケーション情報を示すことを目的とし、MH-AITの共通記述子ループまたはアプリケーション情報記述子ループにおいて、アプリケーション記述子の伝送プロトコルラベルの数分配置するものとする。MH-伝送プロトコル記述子のデータ構造の一例を図34Aに示す。『protocol_id(プロトコル識別)』パラメータは、対象アプリケーションを伝送するプロトコルを設定する。プロトコル識別の意味を図34Bに示す。更に、『selector_byte(セレクタ領域)』に、プロトコル識別毎に規定される補足情報を格納する。HTTP/HTTPS伝送およびMMT non-timed伝送の場合のセレクタ領域のデータ構造の一例を図34Cに示す。『URL_base_byte(URLベース)』パラメータ、『URL_extension_byte(URL拡張)』パラメータ等により、対象アプリケーションを取得するためのURLに関する情報を得ることが可能であるものとする。
(3)MH-簡易アプリケーションロケーション記述子
MH-簡易アプリケーションロケーション記述子は、アプリケーションの取得先の詳細を指示することを目的とし、MH-AITのアプリケーション情報記述子ループにおいて、アプリケーション毎に必ず一つ配置するものとする。MH-簡易アプリケーションロケーション記述子のデータ構造の一例を図35に示す。『initial_path_byte(アプリケーションURL)』パラメータに、対象アプリケーションのエントリーポイントとなるURLを示す。伝送プロトコル記述子に記述された、対象アプリケーションを取得可能なロケーションをルートとした相対パスで示して良い。
(4)MH-アプリケーション境界権限設定記述子
MH-アプリケーション境界権限設定記述子は、アプリケーションバウンダリを設定し、かつ、領域(URL)毎に放送リソースアクセスの権限を設定することを目的とし、MH-AITのアプリケーション情報記述子ループにおいて、一つまたは複数配置するものとする。本記述子を配置しない場合には、アプリケーションバウンダリは無限大となり、かつ、放送リソースへのアクセスも全て許可されるものとする。MH-アプリケーション境界権限設定記述子のデータ構造の一例を図36に示す。『permission_bitmap(アクセス権限ビットマップ)』パラメータに、各放送リソースへのアクセス可否を、機能毎のビットマップで構成する。『managed_URL_byte(アクセス権限管理領域設定情報)』パラメータは、アクセスビットマップで示されるアクセス権限の設定が適用される領域のURLを示す。アクセス権限管理領域設定情報は、ドメインまたはそのサブディレクトリで指定される。
(5)MH-起動優先情報記述子
MH-起動優先情報記述子は、アプリケーション起動優先度を指定することを目的とし、MH-AITのアプリケーション情報記述子ループにおいて、アプリケーション毎に最大一つ配置するものとする。但し、アプリケーション制御コードがアプリケーションの自動起動を指示するもの(『AUTOSTART』等)を示すアプリケーション情報記述にのみ本記述子を配置するようにして良い。また、本記述子を配置しない場合は、データ放送も含めて最も優先度が低いと見做して良い。MH-起動優先情報記述子のデータ構造の一例を図37に示す。『autostart_priority(起動優先順位)』パラメータは、現在受信中のサービスに連動するデータ放送および全てのアプリケーションの中で、対象アプリケーションの起動優先順位を示す。
(6)MH-キャッシュ情報記述子
MH-キャッシュ情報記述子は、アプリケーションの再利用が想定される場合にアプリケーションを構成するリソースをキャッシュして保持しておく場合のキャッシュ制御に用いることを目的とし、MH-AITのアプリケーション情報記述子ループにおいて、アプリケーション毎に最大一つ配置するものとする。本記述子を配置しない場合には、受信機はアプリケーション終了時に、アプリケーションを構成するリソースを保持せずに削除するようにして良い。MH-キャッシュ情報記述子のデータ構造の一例を図38Aに示す。『cache_priority(キャッシュ優先度)』パラメータは、対象アプリケーションのキャッシュを保持する優先度を示す。値が大きいほど優先度が高いと見做すこととする。キャッシュ容量を超える場合には、本情報に基づいてアプリケーション単位でのキャッシュ削除を行うものとする。優先度を指定しない場合は、このパラメータを『0xFF』とする。『application_version(アプリケーションバージョン)』パラメータは、対象アプリケーションのバージョン番号を示す。
受信機は、キャッシュしたアプリケーションに対応するアプリケーションバージョンを記憶しておき、その後のアプリケーション起動時にアプリケーションバージョンが更新されている場合には、キャッシュに保持したアプリケーションを用いずに、指定されたURLから新たにアプリケーションを取得して利用し、また、キャッシュの内容も書き換える。『expire_date(キャッシュ有効期限)』パラメータは、対象アプリケーションのキャッシュ有効期限をMJDの下位16ビットで年月日として示す。受信機は、対象アプリケーションをこの期限日までキャッシュすることが可能である。期限を超えた場合にはキャッシュから削除する。無期限とする場合には、このパラメータを『0xFFFF』とする。このキャッシュ有効期限パラメータが設定されていない場合は、アプリケーションの動作安定性を重要視して、番組終了後のキャッシュ保持を禁止しても良いし、視聴者の利便性を考えて無期限のキャッシュ保持を行っても良いし、両者のバランスをとり、予め定められた一定期間、キャッシュを保持するようにしても良い。
また、キャッシュ期限ではなく、アプリケーション毎の使用可能期限を設定しても良い。アプリケーション毎の有効期限を記述する、MH-アプリケーション有効期限記述子のデータ構造一例を図38Bに示す。この期限を超える場合は、そのアプリケーションの使用を禁止する。長期間のキャッシュは認めないが、一定期間は使用時に取得し直して使用する形態を許可することができ、多様なアプリケーション利用の形態を可能にすることができる。
(7)MH-確率的適用遅延記述子
MH-確率的適用遅延記述子は、アプリケーション取得のサーバアクセスの負荷分散を想定して、アプリケーション制御を行うタイミングを確率的に設定した遅延量だけ遅らせることを目的とし、MH-AITのアプリケーション情報記述子ループにおいて、アプリケーション毎に最大一つ配置するものとする。本記述子を配置しない場合には、特定のバージョンのMH-AITを最初に受信したタイミングで制御コードに示される制御動作を行うこととする。MH-確率的適用遅延記述子のデータ構造の一例を図39に示す。『range(遅延時間幅)』パラメータは、制御コード適用までの現在時刻からの最大遅延時間を秒数で示す。『rate(分散数)』パラメータは、確率的に設定する制御コード適用までの遅延時間の段階数を示す。受信機は、『0』から『rate』までの整数のうちからランダムに選択した値『N』を基に、『N×range÷rate』の計算式で遅延時間を算出し、MH-AIT受信時よりも前記遅延時間分だけ遅延させて制御コードを適用する。『randomization_end_time(確率的適用終了時刻)』パラメータは、確率的適用遅延処理を行うべき時間の期限を示す。このパラメータに示される時刻の後にMH-AITを受信した場合には、即時に制御コードを適用する。日付をMJDの下位16ビットで、時刻をJSTの時分秒をBCDの24ビットで符号化する。
また、本実施例のMH-AITが、前述とは異なるパラメータや記述子等を更に含んでいても良い。
以下では、本実施例の放送受信装置100の動作に関して説明する。
[アプリケーション起動時の動作シーケンス]
まず、本実施例の放送受信装置100における、放送波で送信されるMH-AITに基づいた放送連携アプリの自動起動処理に関して、図40Aを用いて、説明を行う。これは、選局したチャンネルに関連する放送連携アプリが自動的に起動する場合の例である。
放送受信装置100のチューナ/復調部131がユーザの所望するチャンネルの選局処理を行ってMMTデータ列を取得すると、アプリケーション制御部153がM2セクションメッセージに格納されたMH-AITの確認を行う(S1001)。なお、M2セクションメッセージにMH-AITが格納されていない場合には、前記選局したチャンネルに関連する放送連携アプリが存在しないものとして、自動起動処理を終了して良い。次に、前記MH-AITに記載された各放送連携アプリのアプリケーション形式およびアプリケーション制御コードの確認を行う(S1002)。S1002の処理の結果、『自動起動(AUTOSTART)』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがない場合(S1003:No)には、自動起動処理を終了して良い。この場合、あらためてランチャ処理が可能であるが、このランチャ処理に関しては後述する。
一方、S1002の処理の結果、『自動起動』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがある場合(S1003:Yes)には、前記放送連携アプリに係るMH-AITのMH-起動優先情報記述子の確認を行う(S1004)。次に、『自動起動』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリのうち最も優先度の高い放送連携アプリを選択し(S1005)、前記選択した放送連携アプリに係るMH-AITのMH-アプリケーション記述子の確認を行う(S1006)。前記MH-アプリケーション記述子に記載されたアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足する場合(S1007:Yes)には、次の処理に進む。前記MH-アプリケーション記述子に記載されたアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足しない場合(S1007:No)には、前記選択した放送連携アプリは放送受信装置100にて起動不能と判断する。この場合、次優先の放送連携アプリがあるか否かを確認し(S1008)、次優先の放送連携アプリがない場合には、自動起動処理を終了して良い。次優先の放送連携アプリがある場合には、前記次優先の放送連携アプリを選択して(S1009)、S1006~S1007の処理を繰り返す。
S1007の処理で、前記MH-アプリケーション記述子に記載されたアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足すると判断した場合には、前記選択した放送連携アプリに係るMH-AITのMH-伝送プロトコル記述子の確認を行う(S1010)。S1010の処理の結果、前記MH-伝送プロトコル記述子に記載されたプロトコル識別により、前記選択した放送連携アプリがHTTP/HTTPS伝送により取得可能である場合(S1011:Yes)には、更に、前記選択した放送連携アプリに係るMH-AITのMH-簡易アプリケーションロケーション記述子の確認を行い(S1012)、前記選択した放送連携アプリのエントリーポイントのURLを取得する。
S1012の処理で前記選択した放送連携アプリのエントリーポイントのURLを取得すると、次に、LAN通信部121がインターネット200上の前記URLで指定されるサーバ(本実施例では、サービス事業者サーバ400)に対して、放送連携アプリの配信要求を行う(S1013)。前記配信要求を受信したサービス事業者サーバ400は、適宜放送受信装置100の認証処理等を行った後に、要求された放送連携アプリの配信を行う(S1014)。LAN通信部121を介して、サービス事業者サーバ400から放送連携アプリを受信すると、放送受信装置100は、アプリケーション制御部153の制御に基づき、ブラウザ部154にて前記受信した放送連携アプリの起動を実行する(S1018)。なお、サービス事業者サーバ400で行われる放送受信装置100の認証処理は公知の処理であって良く、詳細の説明を省略する。
一方、S1010の処理の結果、前記MH-伝送プロトコル記述子に記載されたプロトコル識別により、前記選択した放送連携アプリがデータカルーセル伝送により取得可能である場合(S1011:No)には、アプリケーション制御部153は、データ伝送メッセージに格納されたDDMテーブルおよびDAMテーブルの確認を行い(S1015、S1016)、前述の[アプリケーション伝送方式の概要]で説明した手順で、前記選択した放送連携アプリが伝送されるアセットを特定する。更に、放送波の前記特定されたアセットから放送連携アプリを取得する(S1017)と、放送受信装置100は、アプリケーション制御部153の制御に基づき、ブラウザ部154にて前記受信した放送連携アプリの起動を実行する(S1018)。
以上の一連の処理により、本実施例の放送受信装置100において、放送波で送信されるMH-AITに基づいた放送連携アプリの自動起動処理が可能となる。なお、S1004、S1006、S1010、S1012、の各処理におけるMH-AITの確認処理は、都度放送波からMH-AITを取得して確認するようにしても良いし、S1001の処理で取得したMH-AITをキャッシュしておき、前記キャッシュしたMH-AITを確認するようにしても良い。また、前記動作シーケンスは、あくまでも一例であり、異なる処理手順を用いても良い。
次に、本実施例の放送受信装置100における、放送波で送信されるMH-AITに基づいた放送連携アプリのランチャ処理に関して、図40Bを用いて、説明を行う。これは、選局したチャンネルに関連する放送連携アプリを、ユーザの指示に基づいて起動する場合の例である。
放送受信装置100のチューナ/復調部131がユーザの所望するチャンネルの選局処理を行ってMMTデータ列を取得すると、アプリケーション制御部153がM2セクションメッセージに格納されたMH-AITの確認を行う(S1101)。なお、M2セクションメッセージにMH-AITが格納されていない場合には、前記選局したチャンネルに関連する放送連携アプリが存在しないものとして、自動起動処理を終了して良い。次に、前記MH-AITに記載された各放送連携アプリのアプリケーション形式およびアプリケーション制御コードの確認を行う(S1102)。S1102の処理の結果、『自動起動(AUTOSTART)』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがある場合(S1103:Yes)には、図40Aに示した自動起動処理が可能である。
一方、S1102の処理の結果、『自動起動』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがない場合(S1103:No)には、再度、『実行可能(PRESENT)』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがあるか否かを確認し、『実行可能』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがない場合(S1104:No)には、ランチャ処理を終了して良い。『実行可能』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがある場合(S1104:Yes)には、前記『実行可能』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリのそれぞれに係るMH-AITのMH-アプリケーション記述子の確認を行う(S1105)。S1105の処理の結果、前記MH-アプリケーション記述子に記載されたアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足する放送連携アプリが一つもない場合(S1106:No)には、ランチャ処理を終了して良い。前記MH-アプリケーション記述子に記載されたアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足する放送連携アプリが一つでもある場合(S1106:Yes)には、次の処理に進む。
S1101~S1103およびS1104~S1106の処理を終えた状態で、放送受信装置100は未だ放送連携アプリを実行しておらず、モニタ部162には通常の放送番組映像が表示されているものとする。この状態で、ユーザが、放送受信装置100を操作可能なリモコンや携帯情報端末を用いて、放送連携アプリランチャの起動指示を行う(S1107)と、モニタ部162に放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリの一覧がOSD表示される(S1108)。更に、ユーザが、前記リモコンや携帯情報端末を操作して、前記放送連携アプリの一覧からの所望の放送連携アプリの選択を指示する(S1109)と、アプリケーション制御部153は、前記ユーザの指示に基づいた放送連携アプリの選択を行い(S1110)、前記選択した放送連携アプリを取得して起動する(S1111~S1119)。なお、S1111~S1119の処理は、図40Aに示したS1010~S1018の処理と同様であって良い。
以上の一連の処理により、本実施例の放送受信装置100において、放送波で送信されるMH-AITに基づいた放送連携アプリのランチャ処理が可能となる。なお、S1105、S1111、S1113、の各処理におけるMH-AITの確認処理は、都度放送波からMH-AITを取得して確認するようにしても良いし、S1101の処理で取得したMH-AITをキャッシュしておき、前記キャッシュしたMH-AITを確認するようにしても良い。また、S1104~S1106の処理とS1107~S1110の処理は順序を入れ替えても良い。この場合、S1104~S1106のプロファイル確認処理は、S1110の処理で選択された放送連携アプリに対してのみ行われるものであっても良い。また、S1108の処理で表示される放送連携アプリの一覧は、アプリケーションプロファイルの状況に応じて放送受信装置100で実行可能なもののみを表示するようにしても良いし、アプリケーションプロファイルの状況によらず全ての放送連携アプリを表示して、放送受信装置100で実行不可能なものは無効化するようにしても良い。また、前記動作シーケンスは、あくまでも一例であり、異なる処理手順を用いても良い。
次に、本実施例の放送受信装置100における、放送波で送信されるMH-AITに基づいた放送連携アプリをデータ放送画面から起動する処理に関して、図40Cを用いて、説明を行う。
放送受信装置100のチューナ/復調部131がユーザの所望するチャンネルの選局処理を行ってMMTデータ列を取得すると、アプリケーション制御部153がM2セクションメッセージに格納されたMH-AITの確認を行い、『自動起動(AUTOSTART)』または『実行可能(PRESENT)』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがあるか否かを確認する(S1201~S1206)。なお、S1201~S1206の処理は、図40Bに示したS1101~S1106の処理と同様であって良い。
S1201~S2106の処理を終えた状態で、放送受信装置100は未だ放送連携アプリを実行しておらず、モニタ部162には通常の放送番組映像が表示されているものとする。この状態で、ユーザが、放送受信装置100を操作可能なリモコンや携帯情報端末を用いて、データ放送画面の起動指示を行う(S1207)と、(データ放送画面の表示が可能な場合には、)データデコーダ151が前記MMTデータ列のデータカルーセルからBML文書等を取得し、前記取得したBML文書等を解釈することによりデータ放送画面を作成して、モニタ部162に表示する(S1208)。なお、S1208の処理で表示されたデータ放送画面には、S1206の処理で確認したアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足する放送連携アプリが一つでもある場合には、前記放送連携アプリに係るエントリーボタンが表示される。S1206の処理で確認したアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足する放送連携アプリが一つもない場合には、前記放送連携アプリに係るエントリーボタンは表示されなくとも良いし、無効状態で表示されても良い。
更に、ユーザが、前記リモコンや携帯情報端末を操作して、前記データ放送画面に表示された所望の放送連携アプリのエントリーボタンの選択(起動)を指示する(S1209)と、アプリケーション制御部153は、前記ユーザの指示に基づいた放送連携アプリの選択を行い(S1210)、前記選択した放送連携アプリの取得を行う(S1211~S1218)。なお、S1211~S1218の処理は、図40Aに示したS1010~S1017の処理と同様であって良い。S1211~S1218の処理で前記選択した放送連携アプリの取得を終えると、データ放送画面の表示を終了して(S1219)、アプリケーション制御部153が前記選択した放送連携アプリを起動する(S1220)。
以上の一連の処理により、本実施例の放送受信装置100において、放送波で送信されるMH-AITに基づいた放送連携アプリをデータ放送画面から起動する処理が可能となる。なお、S1205、S1211、S1213、の各処理におけるMH-AITの確認処理は、都度放送波からMH-AITを取得して確認するようにしても良いし、S1201の処理で取得したMH-AITをキャッシュしておき、前記キャッシュしたMH-AITを確認するようにしても良い。また、S1204~S1206の処理とS1207の処理は順序を入れ替えても良い。また、S1219の処理は、S1209の処理の直後に行っても良い。あるいは、S1219の処理を行わず、LCTの記述に基づいて、モニタ部162の表示領域を分割したそれぞれの領域に、放送連携アプリ、データ放送画面、放送番組映像、等が、同時に表示されても良い。また、前記動作シーケンスは、あくまでも一例であり、異なる処理手順を用いても良い。
なお、図40A~図40Cを用いて説明した放送連携アプリの起動シーケンスでは、何れも放送波からMH-AITを取得する例を説明しているが、ロケーション情報(MMT_general_location_info)等により指定された所定のサーバ装置(放送局サーバ300等)からMH-AITファイルを取得するようにしても良い。
また、S1013、S1114、S1214で放送連携アプリの配信要求を行った際にサービス事業者サーバ400等からのレスポンスが所定時間以上ない場合には、『しばらくお待ちください』等のメッセージをモニタ部162に表示するようにしても良い。または、この場合、前記放送連携アプリの実行中止をユーザに問い合わせるメッセージを表示しても良い。
また、放送連携アプリの起動シーケンスは前述の三パターンに限られるものではなく、異なるシーケンスによって起動されるものであっても良い。
[携帯情報端末の連携時の動作シーケンス]
本実施例の放送受信装置100では、放送受信装置100と携帯情報端末700との連携動作による放送通信連携サービスの機能拡張が可能であるものとする。例えば、テレビ受信機のメーカが用意するアプリケーション(連携制御アプリ)をインストールすることにより、携帯情報端末700を放送受信装置100の高機能リモコンとして使用することが可能となる。また、携帯情報端末700上でも放送連携アプリを実行し、例えば、放送受信装置100で表示中の放送番組に連動するサービスを携帯情報端末700上でも表示することが可能となる。なお、放送受信装置100と携帯情報端末700との連携動作による機能拡張を行うためには、前記連携制御アプリが携帯情報端末700上で起動していることが望ましく、携帯情報端末700上で動作する放送連携アプリは前記連携制御アプリに制御されて動作するものとする。
図41Aは、前記連携制御アプリを携帯情報端末700で起動する際の動作の一例を示す動作シーケンス図である。同図は、携帯情報端末700が放送受信装置100との認証処理を行い、連携動作が可能となるまでの一連の流れを示すものである。なお、前記連携制御アプリは、連携制御プログラム7002として、予め携帯情報端末700のストレージ部710にインストールされているものとする。前記連携制御プログラム7002がインストールされていない場合には、まず前記連携制御プログラム7002のインストールを行うものとする。
ユーザが、携帯情報端末700の操作部730を操作して、連携制御アプリの起動を指示する(S1301)と、携帯情報端末700の連携制御実行部7102が、まず、ネットワーク上の通信(連携動作)可能なテレビ受信機の検索を行い(S1302)、検索結果をテレビ受信機一覧として表示部741に表示する(S1303)。前記表示されるテレビ受信機一覧は、過去に携帯情報端末700との連係動作を行った履歴を有するものと有しないものが混在していても良く、その場合、表示書式により過去の連係動作履歴の有無が判別可能であることが望ましい。また、通信可能なテレビ受信機が発見できない場合は、その旨を表示して処理を終了して良い。
ユーザが、携帯情報端末700の操作部730を操作して、前記テレビ受信機一覧から所定のテレビ受信機(本実施例の放送受信装置100)を選択する(S1304)と、放送受信装置100が過去に携帯情報端末700との連係動作を行った履歴を有する場合(S1305:Yes)には、ストレージ部710の認証情報記憶領域7300から、放送受信装置100に係る認証情報(放送受信装置100により指定されたログイン名およびパスワード、等)を読み出して(S1306)、次の処理に進む。
一方、放送受信装置100が過去に携帯情報端末700との連係動作を行った履歴を有しない場合(S1305:No)には、連携制御実行部7102が、放送受信装置100に対してログイン画面情報要求を送信する(S1307)。S1307の処理に応じて放送受信装置100からログイン画面情報が送信される(S1308)と、連携制御実行部7102は、前記ログイン画面情報を受信して、ログイン画面を表示部741に表示する(S1309)。なお、前記連携制御アプリが予め放送受信装置100に係るログイン画面情報を有している場合には、S1307~S1308の処理は省略して良い。ユーザが、前記表示されたログイン画面に対して認証情報を入力する(S1310)と、前記入力された認証情報をストレージ部710の認証情報記憶領域7300に記憶して、次の処置に進む。
なお、前記連携動作を行った履歴の有無の判別は、ストレージ部710の認証情報記憶領域7300に、放送受信装置100に係る認証情報が記憶されているか否かの確認により行われるものであっても良いし、その他の方法によっても良い。
次に、連携制御実行部7102は、S1306の処理で読み出した認証情報、若しくは、S1310の処理で入力された認証情報を、放送受信装置100に送信する(S1311)。なお、前記認証情報の放送受信装置100への送信処理は、LAN通信部721およびルータ装置200rを介して行っても良いし、NFC通信部723を介して放送受信装置100に直接行っても良い。
放送受信装置100では、携帯情報端末700から送信された前記認証情報を、ストレージ部110の認証情報記憶領域1300に記憶された認証情報と比較することにより、前記受信した認証情報が正しいか否かの確認を行う(S1312)。S1312の処理により、前記受信した認証情報が正しいと確認された場合には、携帯情報端末700を識別可能な情報を認証情報記憶領域1300に記憶するとともに、認証結果(認証OK)を携帯情報端末700に送信する(S1313)。S1312の処理により、前記受信した認証情報が正しくないと確認された場合には、携帯情報端末700を識別可能な情報を認証情報記憶領域1300に記憶せずに、認証結果(認証NG)を携帯情報端末700に送信する。
携帯情報端末700の連係制御実行部7102は、放送受信装置100から認証結果(認証OK)を受信すると、表示部741に前記連携制御アプリの基本画面(例えば、高機能リモコン画面)を表示する(S1314)。一方、認証結果(認証NG)を受信した場合には、前記連携制御アプリの基本画面を表示せずに、前記連携制御アプリの動作を終了する。この場合は、認証NGの旨を報知するエラーメッセージ等を表示することが望ましい。
以上の一連の処理により、携帯情報端末700と放送受信装置100との間の連携動作が可能な状態となる。
なお、前述の処理に引き続き、放送受信装置100において放送連携アプリを起動する場合には、前述の処理の後に、図40A~図40Cの処理を行えば良い。
図41Bは、前記連携制御アプリを携帯情報端末700で起動する際の動作の一例を示す動作シーケンス図である。同図は、放送連携アプリの起動シーケンスを実行する放送受信装置100により、携帯情報端末700上での連携制御アプリの起動が要求される場合の、連携動作が可能となるまでの一連の流れを示すものである。
放送受信装置100のチューナ/復調部131がユーザの所望するチャンネルの選局処理を行ってMMTデータ列を取得すると、アプリケーション制御部153がM2セクションメッセージに格納されたMH-AITの確認を行い、『自動起動(AUTOSTART)』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリがあるか否の確認、および、前記『自動起動』のアプリケーション制御コードを有する放送連携アプリのプロファイルの確認を行う(S1401)。なお、S1401の処理は、図40Aに示したS1001~S1009の処理と同様であって良い。
S1401での最優先アプリのプロファイル確認処理において、前記最優先アプリのアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足し、更に、携帯端末機器との連携動作が必要であると判断された場合には、ストレージ部110の認証情報記憶領域1300を参照することにより、過去に放送受信装置100との連係動作を行った履歴を有する携帯端末機器(本実施例の携帯情報端末700)を選択する(S1402)。S1401での最優先アプリのプロファイル確認処理において、前記最優先アプリのアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足し、携帯端末機器との連携動作が必要ではないと判断された場合には、そのまま図40Aと同様の処理を行えば良い。S1401での最優先アプリのプロファイル確認処理において、前記最優先アプリのアプリケーションプロファイルを放送受信装置100が満足しない場合には、放送連携アプリの起動処理および連携制御アプリの起動処理を終了して良い。
なお、認証情報記憶領域1300を参照することによる携帯情報端末700の選択は、最新の連携動作履歴を有する携帯端末機器、若しくは、最も使用頻度の高い携帯端末機器を選択するようにすれば良い。また、連携動作履歴を有する複数の携帯端末機器に関する情報をモニタ部162に表示し、ユーザに連携する携帯端末機器を選択させるようにしても良い。また、連携動作履歴が存在しない場合には、その旨をモニタ部162に表示し、携帯情報端末700側の操作により連携制御アプリの起動を行わせるようにすれば良い。この場合の処理は図41Aに示した通りである。
放送受信装置100の連携制御実行部(但し、図示省略)は、S1402の処理で選択した携帯情報端末700に対して連携制御アプリ起動要求を送信する(S1403)。
携帯情報端末700の主制御部701は、放送受信装置100から送信された前記連携制御アプリ起動要求に応じて連携制御アプリ(連携制御実行部7102)を起動させる(S1404)と、連携制御実行部7102が、ストレージ部710の認証情報記憶領域7300からの放送受信装置100に係る認証情報の読み出し、前記認証情報の放送受信装置100への送信、放送受信装置100における携帯情報端末の認証、等の一連の処理を実行する(S1405~S1408)。なお、S1405~S1408の処理は、図41Aに示したS1306およびS1311~S1313の処理と同様であって良い。
携帯情報端末700の連係制御実行部7102は、放送受信装置100から認証結果(認証OK)を受信すると、表示部741に前記連携制御アプリの基本画面(例えば、高機能リモコン画面)を表示し(S1409)、連携制御アプリの起動成功応答を放送受信装置100に送信する(S1410)。一方、認証結果(認証NG)を受信した場合には、前記連携制御アプリの基本画面を表示せずに、連携制御アプリの起動失敗応答を放送受信装置100に送信し、前記連携制御アプリの動作を終了する。
放送受信装置100は、携帯情報端末700から起動成功応答を受信すると、S1401の処理で選択した放送連携アプリの取得および起動を行う(S1411)。なお、S1411の処理は、図40Aに示したS1010~S1018の処理と同様であって良い。一方、携帯情報端末700から起動失敗応答を受信した場合、放送受信装置100は、S1401の処理で選択した放送連携アプリの取得および起動を行わなくとも良い。前記放送連携アプリが携帯端末機器との連携動作を必要としない動作形態が可能である場合には、前記動作形態での起動を行う様にしても良い。
以上の一連の処理により、携帯情報端末700と放送受信装置100との間の連携動作が可能な状態となる。
なお、前述の処理に引き続き、携帯情報端末においても放送連携アプリ(端末側)を起動する場合には、前述の処理の後に、図41Cの処理を行えば良い。
図41Cは、放送受信装置100からの送信情報に基づいて、携帯情報端末700で放送連携アプリ(端末側)を起動する際の動作の一例を示す動作シーケンス図である。
即ち、図41BのS1401~S1411の処理を実行した(S1501)後、放送受信装置100のアプリケーション制御部153は、次に、端末側放送連携アプリに係るMH-AITのMH-伝送プロトコル記述子の確認を行う(S1502)。S1502の処理の結果、前記MH-伝送プロトコル記述子に記載されたプロトコル識別により、前記端末側放送連携アプリがHTTP/HTTPS伝送により取得可能である場合(S1503:Yes)には、更に、前記端末側放送連携アプリに係るMH-AITのMH-簡易アプリケーションロケーション記述子の確認を行い(S1504)、前記端末側放送連携アプリのエントリーポイントのURLを取得する。S1504の処理で前記端末側放送連携アプリのエントリーポイントのURLを取得すると、前記URLの情報を携帯情報端末700に送信する(S1505)。
前記URLの情報を放送受信装置100から受信した携帯情報端末700は、次に、LAN通信部721がインターネット200上の前記URLで指定されるサーバ(本実施例では、サービス事業者サーバ400)に対して、端末側放送連携アプリの配信要求を行う(S1506)。前記配信要求を受信したサービス事業者サーバ400は、適宜携帯情報端末700の認証処理等を行った後に、要求された端末側放送連携アプリの配信を行う(S1507)。LAN通信部721を介して、サービス事業者サーバ400から端末側放送連携アプリを受信すると、携帯情報端末700は、起動済みの連係制御アプリ(連携制御実行部7102)の制御に基づき、ブラウザエンジンにて前記受信した端末側放送連携アプリの起動を実行する(S1512)。なお、サービス事業者サーバ400で行われる携帯情報端末700の認証処理は公知の処理であって良く、詳細の説明を省略する。
一方、S1502の処理の結果、前記MH-伝送プロトコル記述子に記載されたプロトコル識別により、前記端末側放送連携アプリがデータカルーセル伝送により取得可能である場合(S1503:No)には、放送受信装置100のアプリケーション制御部153は、データ伝送メッセージに格納されたDDMテーブルおよびDAMテーブルの確認を行い(S1508、S1509)、前述の[アプリケーション伝送方式の概要]で説明した手順で、前記端末側放送連携アプリが伝送されるアセットを特定する。更に、放送波の前記特定されたアセットから端末側放送連携アプリを取得する(S1510)と、放送受信装置100は、前記取得した端末側放送連携アプリを携帯情報端末700に送信する(S1511)。更に、携帯情報端末700において、放送受信装置100から送信された前記端末側放送連携アプリを、起動済みの連係制御アプリ(連携制御実行部7102)の制御に基づき、ブラウザエンジンにて実行する(S1512)。
なお、S1510で取得した端末側放送連携アプリをストレージ部110のコンテンツ情報記憶領域1200に記憶させ、S1511の処理で、端末側放送連携アプリの送信処理に代替して前記コンテンツ情報記憶領域1200のURLを送信し、携帯情報端末700に前記コンテンツ情報記憶領域1200へのアクセスを実行させることにより、携帯情報端末700に端末側放送連携アプリの取得を行わせるようにしても良い。携帯情報端末700がデジタル放送の受信機能を有していれば、携帯情報端末700が放送波からの端末側放送連携アプリの取得を行っても良い。
また、S1502~S1512の処理は、S1501の後に、携帯情報端末700から放送受信装置100に送信された端末側放送連携アプリ送信要求(但し、図示省略)をトリガとして、実行されるものであっても良い。
また、図40A~図40Cおよび図41A~図41Cの各動作シーケンスは適宜部分的に組み合わせることが可能であり、更に、一部動作ステップは他の動作ステップと、適宜、順序入れ替え、同時動作、等が可能であるものとする。
[携帯情報端末の連携制御アプリ基本画面]
図42Aは、図41AのS1314の処理、図41BのS1409の処理、等により表示される連携制御アプリの基本画面の一例を示す画面表示図である。本実施例においては、連携制御アプリの基本画面741aは、放送受信装置100に対応した高機能リモコンとしての機能を備えるものとする。
連携制御アプリの基本画面741aは、電源キー741a1、ネットワーク選択キー(地デジ、BS、CS)741a2、数字キー(1~12)741a3、音量UP/DOWNキー741a4、チャンネルUP/DOWNキー741a5、入力切替キー741a6、番組表キー741a7、dataキー741a8、連携アプリキー741a9、メニューキー741aa、戻るキー741ab、カーソルキー(上、下、左、右)741ac、決定キー741ad、カラーキー(青、赤、緑、黄)741ae、で構成される。その他の操作キーが更に表示されていても良い。
前記各操作キーは、放送受信装置100に付属する専用リモコンと同様のキー配置/動作とすると使い勝手が良い。また、電源キー741a1、ネットワーク選択キー741a2、数字キー741a3、等は、一般的なテレビリモコンの各操作キーと同様の機能を有するものとして、詳細の説明を省略する。連携アプリキー741a9は、本実施例の放送通信連携機能のために用意される操作キーである。
なお、図40BのS1107の処理では、連携アプリキー741a9を選択することにより放送連携アプリランチャの起動要求が可能であるものとする。また、図40CのS1207の処理では、dataキー741a8を選択することによりデータ放送の起動要求が可能であるものとする。また、図40BのS1109の処理および図40CのS1209の処理では、カーソルキー741acおよび決定キー741adの操作により前記実行可能な放送連携アプリの選択が可能であるものとする。
このように連携アプリキー741a9若しくは同様の機能を有する他の操作キーを前記連携制御アプリの基本画面741a上に用意すれば、本実施例の放送連携システムで用いる各放送連携アプリを簡単に選択/起動することが可能となる。また、連携アプリキー741a9若しくは同様の機能を有する他の操作キーを放送受信装置100に付属する専用リモコンに備えるようにしても良い。
図42Bは、図41AのS1314の処理、図41BのS1409の処理、等により表示される連携制御アプリの基本画面の一例を示す画面表示図であり、図42Aとは異なる例である。
連携制御アプリの基本画面741bは、連携制御中メッセージ741b1、連携制御アプリ動作画面741b2、で構成される。その他のオブジェクトが更に表示されていても良い。連携制御中メッセージ741b1は、携帯情報端末700が放送受信装置100と連携動作中である旨をユーザに報知するためのメッセージ表示である。連携制御アプリ動作画面741b2は、連携制御アプリにより任意の画面表示が行われる領域であり、本実施例では詳細の説明を省略する。例えば、連携制御アプリ動作画面741b2内の構成が前述の連携制御アプリの基本画面741aと同様の構成となっていて良い。放送受信装置100で表示されている放送番組のサブ画面等が表示されていても良い。
図42Bに示したように、連携制御中メッセージ741b1を表示することにより、携帯情報端末700のユーザは携帯情報端末700が放送受信装置100と連携動作中であることを簡単に把握することができるようになる。なお、連携制御中メッセージ741b1は文字表示に限らず、記号表示、図形表示等であっても良い。背景色の差異等により連携制御中メッセージ741b1の代替としても良い。
[放送受信装置の放送連携アプリランチャ画面]
図43Aは、本実施例の放送受信装置100において、起動可能な放送連携アプリがあることをユーザに報知するための報知画面の一例を示す画面表示図である。
例えば、図40Bに示した動作シーケンスでは、S1106の処理の後、放送サービスによるデータ放送と放送連携アプリの何れも起動せずに、放送番組映像の表示を継続する。一方、この場合、起動可能な放送連携アプリがあることをユーザに報知するために、放送番組画面162m上に図43Aに示したようなアイコン162m0を表示すれば、放送受信装置100の使い勝手が向上する。即ち、アイコン162m0を表示することにより、ユーザが起動可能な放送連携アプリの存在を見逃すことを防ぐことが可能となる。
なお、アイコン162m0の表示位置は画面上の任意の位置で良いが、放送番組の視聴の邪魔にならない場所とすることが望ましい。例えば、画面の四隅等である。前記表示位置は、LCTの記述により制御されても良い。また、アイコン162m0は、図43Aに示したような文字表示であっても良いし、記号、図形等であっても良い。また、アイコン162m0は、常に表示しておくようにしても良いし、電源をオンした後やチャンネル切り替え後に所定の時間だけ表示するようにしても良い。または、番組情報やチャンネル番号等を表示した際に同時に表示されるようにしても良い。
図43Bは、図40BのS1108の処理により表示される放送連携アプリランチャの一例を示す画面表示図である。本実施例においては、MH-AITの記述等により、連携アプリA、連携アプリB、連携アプリC、の三つの放送連携アプリが放送受信装置100で実行可能な状態であるものとする。この場合、放送番組画面162n上の任意の位置に放送連携アプリランチャ162n1が表示され、更に、放送連携アプリランチャ162n1内に連携アプリAのエントリーボタン162n2、連携アプリBのエントリーボタン162n3、連携アプリCのエントリーボタン162n4、および戻るボタン162n5が表示される。前記放送連携アプリランチャ162n1が表示される位置は、LCTの記述により制御されても良い。
図43Bに示したような放送連携アプリランチャ162n1が表示されている状態で、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acおよび決定キー741adを用いてエントリーボタン162n2、エントリーボタン162n3、エントリーボタン162n4、等を選択すると、アプリケーション制御部153の制御により、連携アプリA、連携アプリB、連携アプリC、等が起動して良い。戻るボタン162n5が選択された場合には、放送連携アプリランチャ162n1の表示が終了して良い。
なお、放送番組画面162n上に放送連携アプリランチャ162n1を表示する際に、各放送連携アプリの種類やセキュリティ状況等に応じて、各エントリーボタンの枠色、内部色、形状、字体、大きさ、点滅状況、等を適宜変更するようにしても良い。例えば、前記連携アプリAが放送マネージドアプリケーションである場合にはエントリーボタン162n2の枠色を青色にし、前記連携アプリBが放送外マネージドアプリケーションである場合にはエントリーボタン162n3の枠色を黄色にし、前記連携アプリCが一般アプリケーションである場合にはエントリーボタン162n4の枠色を赤色にする、等である。あるいは、前記連携アプリAがセキュリティ上信頼できると判断される場合にはエントリーボタン162n2の枠色を青色にし、前記連携アプリBがセキュリティ上信頼できるとは限らないと判断される場合にはエントリーボタン162n3の枠色を黄色にし、前記連携アプリCがセキュリティ上危険であると判断される場合にはエントリーボタン162n4の枠色を赤色にする、等である。
その他、前記放送連携アプリの機能やジャンルに応じて、または、各放送連携アプリの使用有効期限等に応じて、各エントリーボタンの枠色、内部色、形状、字体、大きさ、点滅状況、等を適宜変更するようにしても良い。前記放送連携アプリをネットワーク上から取得済みであるか否か等に応じて、各エントリーボタンの枠色、内部色、形状、字体、大きさ、点滅状況、等を適宜変更するようにしても良い。例えば、前記連携アプリAが既にネットワーク上から取得済み(キャッシュ152等にキャッシュ済み)である場合にはエントリーボタン162n2の枠色を青色にし、前記連携アプリBが取得中である場合にはエントリーボタン162n3の枠色を黄色にし、前記連携アプリCが未取得である場合にはエントリーボタン162n4の枠色を赤色にする、等である。
このようにすれば、放送受信装置100のユーザは、放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリの種類やセキュリティ状況等を簡単に把握することが可能となる。
また、放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリがない場合には、放送連携アプリランチャ162n1を表示しないようにしても良い。または、この場合、放送連携アプリランチャ162n1の内部に『使用可能なアプリケーションが有りません』等のメッセージを表示するようにしても良い。
[放送受信装置のデータ放送画面]
図44は、図40CのS1208の処理により表示されるデータ放送画面の一例を示す画面表示図である。本実施例においては、MH-AITの記述等により、連携アプリA、連携アプリB、連携アプリC、の三つの放送連携アプリが放送受信装置100で実行可能な状態であるものとする。この場合、データ放送画面162o上の任意の位置に連携アプリAのエントリーボタン162o2、連携アプリBのエントリーボタン162o3、連携アプリCのエントリーボタン162o4が表示される。なお、データ放送画面162oにおける、番組映像162o1や各エントリーボタン162o2~162o4やその他のコンテンツの表示位置は、それぞれを領域毎にまとめた上で、LCTの記述により制御されても良い。
図44に示したようなデータ放送画面162oにおいて、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acおよび決定キー741adを用いてエントリーボタン162o2、エントリーボタン162o3、エントリーボタン162o4、等を選択すると、データ放送画面162oの表示を終了するとともに、アプリケーション制御部153の制御により、連携アプリA、連携アプリB、連携アプリC、等が起動して良い。
なお、データ放送画面162oを表示する際、放送連携アプリの種類やセキュリティ状況、放送連携アプリの機能やジャンル、放送アプリのネットワーク上からの取得状況、等に応じて、各エントリーボタンの枠色、内部色、形状、字体、大きさ、点滅状況、等を適宜変更するようにしても良いことは、図43Bの放送連携アプリランチャ162n上に各放送連携アプリのエントリーボタンを表示する場合と同様である。
このようにすれば、放送受信装置100のユーザは、放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリの種類やセキュリティ状況等を簡単に把握することが可能となる。
[放送受信装置の放送連携アプリ実行画面]
図45Aは、図40AのS1018の処理、図40BのS1119の処理、図40CのS1220の処理、等で表示される放送連携アプリ実行画面の一例を示す画面表示図である。本実施例の放送連携アプリはHTML5記述によるグラフィクス性能やエフェクト性能等を備えており、モニタ部162上における放送番組画面とのオーバーレイ表示が可能であるものとする。例えば、図45Aに示したように、放送番組画面162p上の任意の位置に天気予報やニュース等の情報を表示する放送連携アプリ部162p1がオーバーレイ表示される。放送連携アプリ部162p1の表示位置は、LCTの記述により制御されても良い。放送連携アプリ部162p1は、第一主オブジェクト162p2、第二主オブジェクト162p3、第三主オブジェクト162p4、および背景オブジェクト162p5、等で構成される。他のオブジェクトが更に表示されていても良い。
放送番組画面162p上に放送連携アプリ部162p1がオーバーレイ表示されている状態で、連携制御アプリの基本画面741aのdataキー741a8を選択することにより、前記放送連携アプリの実行を終了してデータ放送画面に移行することが可能であるものとする。また、連携制御アプリの基本画面741aの連携アプリキー741a9を選択することにより、前記放送連携アプリの実行を終了して放送番組画面162pのみの表示に戻すことが可能であるものとする。前記処理は、異なる操作キーにより実現されるものであっても良い。
また、放送番組画面162p上に放送連携アプリ部162p1がオーバーレイ表示されている状態で、連携制御アプリの基本画面741aの各操作キーを操作することにより、放送連携アプリ部162p1の透過度を変更することが可能であるものとする。前記透過度の変更処理は、放送連携アプリ部162p1全体を一括して行うものであっても良いし、第一主オブジェクト162p2、第二主オブジェクト162p3、第三主オブジェクト162p4、背景オブジェクト162p5をそれぞれ単独で行うものであっても良い。所定のグループ(例えば、同一のグラフィクスレイヤに存在する複数のオブジェクト)毎に行うものであっても良い。
前記透過度の変更処理を行う際は、例えば、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acを用いてオブジェクトの選択を行い、カラーキー741aeの『青』キーでオブジェクトの透過度を増加させ、『黄』キーでオブジェクトの透過度を減少させたりする。異なる操作キーを用いて前記透過度の変更処理を行っても良い。放送連携アプリ部162p1全体を一括して透過度100%とすれば、放送連携アプリ部162p1を一時的に非表示とすることができる。例えば、放送波にて緊急放送が配信された場合、放送連携アプリ部全体を透過度100%として、緊急放送の放送番組画面のみをモニタ部162に表示させるようにすることも可能となる。あるいは、図示を省略したCM検知部が、放送番組が本編映像からCM映像になったことを検知して、放送連携アプリ部162p1全体を一括して透過度100%(若しくは放送番組映像を明瞭に確認できる透過度)とするように制御しても良い。
放送連携アプリ部162p1の表示制御がLCTの記述により為されている場合、放送連携アプリ部162p1の『layer_order』パラメータを制御して、放送連携アプリ部162p1を放送番組画面162pの背面に移動させることで、放送連携アプリ部162p1を一時的に非表示にするようにしても良い。この場合、モニタ部162における映像表示状態は、放送連携アプリ部162p1全体を一括して透過度100%とした場合と同様となる。
前述の処理を行うことにより、放送連携アプリの実行中にバックグラウンドにある放送番組画面の確認を行いたい場合に、前記放送連携アプリを終了させずに放送番組画面の確認を行うことが可能となる。
図45Bは、図40AのS1018の処理、図40BのS1119の処理、図40CのS1220の処理、等で表示される放送連携アプリ実行画面の、前述とは異なる例を示す画面表示図である。図45Bに示した例では、放送番組画面162p上の任意の位置に推薦番組を紹介する放送連携アプリ部162p6がオーバーレイ表示される。放送連携アプリ部162p6の表示位置は、LCTの記述により制御されても良い。放送連携アプリ部162p6には、第一推薦番組情報162p7、第二推薦番組情報162p8、第三推薦番組情報162p9、等が表示される。更に多くの推薦番組情報がスクロールやページ切り替え等により表示されても良い。
前記各推薦番組情報は、表示中の放送番組(放送番組画面162p)に関連して推薦される番組の情報であっても良いし、ユーザの視聴履歴に基づいて推薦される番組の情報であっても良いし、インターネット等で話題となっている番組の情報であっても良い。放送受信装置100のユーザの友人が前記ユーザに対して送付した推薦番組の情報であっても良い。また、前記推薦される番組は、デジタル放送サービスの放送波で送信される番組であっても良いし、インターネット200上の各サーバ装置から配信されるVOD(Video On Demand)番組等であっても良い。インターネット200上のサーバ装置に用意されたホームページ等の情報画面であっても良い。
放送番組画面162p上に放送連携アプリ部162p6がオーバーレイ表示されている状態で、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acおよび決定キー741adを用いて、第一推薦番組情報162p7、第二推薦番組情報162p8、第三推薦番組情報162p9、等を選択することにより、それらで推薦される各番組の映像がモニタ部162に表示される。
また、言うまでもなく、図45Bに示した放送連携アプリ実行画面においても、前述と同様に放送連携アプリ部162p6の透過度を変更できるようにして良い。
図45Cは、推薦番組を紹介する放送連携アプリ部162p6で推薦される番組映像が表示された場合の例を示す画面表示図である。例えば、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acおよび決定キー741adを用いて、放送連携アプリ部162p6の第一推薦番組情報162p7を選択した場合、モニタ部162に第一推薦番組情報162p7で推薦される番組の番組映像162paが表示される。番組映像162paは、ユーザによる操作端末の操作により、一時停止や時間指定ジャンプ等が可能であって良い。また、番組映像162paを表示する際に、元の放送番組画面162pをPIP(Picture In Picture)形式等で任意の位置に表示するようにしても良い。元の放送番組画面162pのPIP形式等での表示位置は、LCTの記述により制御されても良い。また、この場合、ユーザの操作端末に対する操作により、前記推薦番組の番組映像162paと元の放送番組画面162pの何れを主画面とするかを変更できて良い。ユーザの操作端末に対する操作により、元の放送番組画面162pのウィンドウの大きさを調整できるようにしても良い。
また、前記推薦番組の番組映像162paが、放送連携アプリ部162p6に表示された何れかの推薦番組情報を選択したことにより表示された映像である旨を示すアイコン表示162pbを画面上の任意の位置に表示すれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
図45Dは、図40AのS1018の処理、図40BのS1119の処理、図40CのS1220の処理、等で表示される放送連携アプリ実行画面の、前述とは異なる例を示す画面表示図である。図45Dに示した例では、放送番組画面162p上の任意の位置にSNS(Social Networking Service)サービスのポータルとなる放送連携アプリ部162pcがオーバーレイ表示される。放送連携アプリ部162pcの表示位置は、LCTの記述により制御されても良い。放送連携アプリ部162pcには、第一SNSサービスのエントリーボタン162pd、第二SNSサービスのエントリーボタン162pe、第三SNSサービスのエントリーボタン162pf、等が表示される。更に多くのSNSサービスのエントリーボタンがスクロールやページ切り替え等により表示されても良い。
放送番組画面162p上に放送連携アプリ部162pcがオーバーレイ表示されている状態で、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acおよび決定キー741adを用いて、第一SNSサービスのエントリーボタン162pd、第二SNSサービスのエントリーボタン162pe、第三SNSサービスのエントリーボタン162pf、等を選択することにより、チャット機能や掲示板機能、インターネット電話機能等の各エントリーボタンに割り当てられた機能が有効化される。これにより、他者と情報交換を行いながら表示中の放送番組(放送番組画面162p)を楽しむことが可能となる。また、同時に、携帯情報端末700上の連携制御アプリの基本画面741aが、ソフトウェアキーボード等の文字入力画面や音声入力によりチャットや掲示板書き込みを行うための音声入力画面等に変更されるようにしても良い。
また、本実施例の放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリとしては、前述の例の他、放送受信装置100と携帯情報端末700との連携機能を用いて、更にCMの放送タイミングと同期して、関連するCMアプリが放送受信装置100と携帯情報端末700の双方に提示されるようなものであっても良い。あるいは、放送受信装置100で利用可能な有料サービスにおいて、放送連携アプリにより放送受信装置100のユーザの有料サービス加入の有無を確認し、その結果に応じて放送受信装置100および/または携帯情報端末700の表示を変更するようなものであっても良い。本実施例の放送受信装置100においては、何れの放送連携アプリを実行した場合であっても、図45Aや図45B等を用いて説明した効果を得ることが可能である。
[放送受信装置のエラー表示画面]
図46は、図40AのS1007の処理、図40BのS1106の処理、図40CのS1206の処理、等で、取得したMH-AITのMH-アプリケーション記述子に記載されたアプリケーションプロファイルの確認等により放送連携アプリの実行が可能ではないと判断された場合のエラー表示画面の一例を示す画面表示図である。これは、放送受信装置100のプロファイルに不足がある場合、あるいはMH-AITの取得に失敗した場合、等に表示されるようにして良い。
本実施例の放送受信装置100においては、前記放送連携アプリの実行が可能ではないと判断された場合に、アプリケーションプロファイルの確認結果等の、前記放送連携アプリの実行が可能ではない理由を、エラーメッセージ162q1に表示するようにする。例えば、アプリケーションプロファイルの確認の結果、所定のオプション機能がテレビ受信機側に不足している場合、その旨をエラーメッセージ162q1に表示する。エラーコードと、前記エラーコードの説明が記述されたテレビ受信機メーカのホームページの案内(URL等)を表示しても良い。
あるいは、放送連携アプリの取得をネットワーク上から行う場合には、当然ながらネットワークの接続状況の確認を事前に行うが、この際に、例えば、LANケーブルの接続不備等により前記放送連携アプリの取得が可能でない場合に、その旨をエラーメッセージ162q1に表示する。また、ネットワーク接続は確立しているが、エラー状況が劣悪なために放送連携アプリの取得が正しく行えない場合等もエラーメッセージ162q1を表示して良い。放送連携アプリの取得を実行中で未だ前記放送連携アプリの実行を行える状態にない場合にエラーメッセージ162q1を表示しても良い。また、放送波の受信状況が安定せず、当初はMH-AIT等の情報を受信できていたにも関わらず、途中からMH-AIT等の情報を受信できなくなった場合等にもエラーメッセージ162q1を表示して良い。なお、このような場合、各サーバ装置から取得した放送連携アプリはそのままキャッシュしておくようにすれば、放送波の受信状況回復後にそのまま使用可能となる。
また、アプリケーションプロファイルの確認の結果、所定のオプション機能がテレビ受信機側に不足している場合に、エラーメッセージ162q1に、最新のテレビ受信機用ファームウェアの確認若しくはアップデートを勧める旨の表示を行うようにしても良い。あるいは、前記最新のファームウェアの確認若しくはアップデートを、放送受信装置100が自動的に行うようにしても良い。あるいは、テレビ受信機に有料のオプションハードウェアまたはオプションソフトウェアを追加することにより前記放送連携アプリを実行可能とできる場合には、前記有料のオプションハードウェアまたはオプションソフトウェアの案内を表示するようにしても良い。なおエラーメッセージ162q1は、放送受信装置100にではなく、携帯情報端末700に表示するようにしても良い。
[携帯情報端末の放送連携アプリ実行画面]
図47は、図41CのS1512の処理で表示される放送連携アプリ(端末側)実行画面の一例を示す画面表示図である。図47に示した放送連携アプリ実行画面741cは、メインウィンドウ741c1、サブウィンドウ741c2、選択マーカ741c3、カーソルキー741c4、741c5、解説表示部741c6、終了ボタン741c7、で構成される。その他のオブジェクトが更に追加されていても良い。
本実施例における、携帯情報端末700で実行される前記放送連携アプリ(端末側)は、放送受信装置100で表示中の放送番組の詳細を確認するためのアプリケーションであるものとする。また、メインウィンドウ741c1には放送受信装置100で表示されている放送番組画面と同じ映像が、サブウィンドウ741c2には選択マーカ741c3で指定される位置の拡大映像が、それぞれ表示される。カーソルキー741c4および741c5を選択することにより、選択マーカ741c3の位置を変更することが可能であるものとする。解説表示部714c6には、メインウィンドウ741c1に表示中の前記放送番組に関する解説字幕文や前記放送番組に関して他のユーザが投稿したコメント等が表示されるものとする。終了ボタン741c7は前記放送連携アプリ(端末側)の動作を終了させるためのボタンである。
前記放送連携アプリ(端末側)を携帯情報端末700上で動作させることにより、放送受信装置100と携帯情報端末700との連携動作による放送通信連携サービスの機能拡張が可能となる。
[放送受信装置のEPG画面]
図48Aは、本実施例の放送受信装置100におけるEPG画面162aの各放送番組の詳細情報162a1の、実施例1の説明とは異なる一例を示す図である。
タイトル領域162a2には、実施例1で説明した記号/文字、印、等の他、本実施例の放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリが用意されている放送番組であることを意味する『Linkage』を記号化した印162a5等を表示するようにしても良い。また、この場合、詳細説明領域162a3に、前記放送連携アプリに関する情報(取得先URL等)を表示するようにしても良い。
なお、タイトル領域162a2に表示される前記『Linkage』を記号化した印162a5等は、前記放送番組に放送連携アプリが用意されている場合であっても、アプリケーションプロファイルの確認の結果、放送受信装置100での実行が不可の場合には表示しないようにしても良い。また、タイトル領域162a2に表示される、前記実行可能な放送連携アプリが用意されている放送番組であることを示す『Linkage』を記号化した印162a5は、更に、携帯端末機器(携帯情報端末700等)との連携動作が可能であるか否かで、その色、形状、字体、等を変更しても良い。携帯端末機器との連携動作が可能な場合には、前記『Linkage』を記号化した印162a5と併せて『Mobile』を記号化した印162a7を更に表示するようにしても良い(図48B)。
また更に、携帯端末機器(携帯情報端末700等)を含む外部機器との連携動作において、外部機器とのアセットの提示同期を行う番組の場合には、『Synchronization』を記号化した印162a8を更に表示するようにしても良い(図48C)。
なお、前記『Linkage』を記号化した印162a5や『Mobile』を記号化した印162a7や『Synchronization』を記号化した印162a8の表示の有無は、各放送番組の詳細情報等を含むMH-EIT等に予め記載しておいた、各放送番組が本実施例の放送受信装置100で実行可能な放送連携アプリが用意されている放送番組であるか否か、前記実行可能な放送連携アプリが携帯端末機器との連携動作が可能であるか否か、等の情報を取得することにより制御されるようにすれば良い。特に、外部機器とのアセットの提示同期を行う場合は、外部機器が図12Aで示されるようなNTP形式のクロックカウンタか同等の機能を持つカウンタを備えているか否かの情報も参照して『Synchronization』を記号化した印162a8の表示が制御されることが望ましい。例えば提示同期を行うことができる外部機器を認識できない場合、図48Dの印162a9のように、提示同期ができない状態にあることを示す表示を行っても良い。また、提示同期が行えない状態にある場合は、当該アプリケーションの使用を禁止しても良いし、更に、当該アプリケーションがあることを電子番組表に表示しないようにしても良い。
あるいは、インターネット200上の所定のサーバ装置に用意されたデジタル放送番組の番組配信情報から取得した前記情報を、デジタル放送サービスの放送波から取得した番組情報データ列に基づいて作成したEPGに付加するようにしても良い。
前述のように、EPG画面162a上に、実行可能な放送連携アプリが用意されている放送番組であることを示す『Linkage』を記号化した印162a5や携帯端末機器との連携動作が可能なことを示す『Mobile』を記号化した印167a7や『Synchronization』を記号化した印162a8を表示することにより、ユーザは、放送受信装置100における各放送番組の放送通信連携サービスへの対応状況を簡単に把握することが可能となる。なお、言うまでもなく、前記各放送番組の属性を表す所定の文字を記号化した印は、文字そのものや文章等と代替しても良い。各放送番組の詳細情報162a1の背景色を変更することにより、各放送番組の放送通信連携サービスへの対応状況を示しても良い。また、前記『Linkage』を記号化した印162a5や『Mobile』を記号化した印162a7や『Synchronization』を記号化した印162a8等は、通常はタイトル領域162a2には表示せず、各放送番組が選択された場合にのみポップアップ表示されるようにしても良い。
本実施例の放送受信装置100はEPG画面162a上から放送番組毎の視聴予約および/または録画予約を行う機能を有する。例えば、EPG画面162aが表示されている状態で、連携制御アプリの基本画面741aのカーソルキー741acを用いてEPG画面162a上の番組選択カーソルを移動させ、決定キー741adにより任意の放送番組を選択することにより、前記選択した放送番組の視聴予約および/または録画予約を行うことが可能であるものとする。
前述の処理において、前記視聴予約および/または録画予約を行った放送番組が放送通信連携サービスへ対応する放送番組である場合、前記視聴予約および/または録画予約を行ったことをトリガとして、前記放送番組の放送開始時間を待たずに、前記放送番組用に用意された放送連携アプリの取得を開始するようにしても良い。即ち、各放送番組の詳細情報等を含むMH-EIT等に前記放送連携アプリの取得先を指定する情報(URL等のロケーション情報)等を記載しておくようにする。このようにすれば、放送受信装置100は、各放送番組用に用意された前記放送連携アプリの取得先の情報等を、前記放送番組を番組選択カーソルで選択した時点で把握することが可能となる。このため、放送受信装置100は、前記放送番組の放送開始時間となる前に前記放送連携アプリの取得を開始することが可能となる。
なお、前記視聴予約および/または録画予約を行った放送番組が放送通信連携サービスへ対応する放送番組であり、かつ、携帯端末機器との連携動作が可能な放送番組である場合、携帯端末機器用に用意された放送連携アプリ(端末側)も、前述と同様の処理で、前記放送番組の放送開始時間となる前に取得開始するようにしても良い。また、図48Bに示すように、前記携帯端末機器用に用意された放送連携アプリ(端末側)の取得先の情報(URL等のロケーション情報)を示す二次元バーコード162a6等をEPG画面162aの詳細説明領域162a3に表示して、ユーザに携帯端末機器用に用意された放送連携アプリ(端末側)のダウンロードを促すようにしても良い。
このように、放送受信装置100が、MH-EIT等に含まれる放送連携アプリの取得先情報等を参照して、前記放送連携アプリの取得を放送番組の放送開始時間となる前に開始するようにすれば、放送連携アプリを記憶するサービス事業者サーバ400の負荷を分散させることが可能となる。また、サービス事業者サーバ400と放送受信装置100の間のネットワークの通信速度が不十分な場合であっても、前記放送番組の放送開始直後から前記放送連携アプリを有効に活用することができるようになる。
図49Aは、EPG画面162a上から放送番組の視聴予約および/または録画予約を行った場合の放送連携アプリの取得動作の一例を示す動作シーケンス図である。
放送受信装置100のチューナ/復調部131がユーザの所望するチャンネルの選局処理を行ってMMTデータ列を取得すると、受信機能実行部1102のEPG生成部1102gがM2セクションメッセージに格納されたMH-EITの取得を行う(S1601)。更に、前記取得したMH-EITを解釈することにより、本実施例の放送サービスのEPG画面を生成する(S1602)。なお、S1601~S1602の処理は、前記選局処理を行ったチャンネルの放送番組映像がモニタ部162に表示されている間のバックグラウンドで行われるものであって良い。
ここで、ユーザが、放送受信装置100を操作可能なリモコンや携帯情報端末を用いて、EPG画面の表示(起動)を指示する(S1603)と、モニタ部162に前記生成したEPG画面がOSD表示される(S1604)。S1604の処理で表示されるEPG画面は、図20Aに示したようなEPG画面162aのような形式であって良い。EPG画面162a上で、ユーザが、前記リモコンや携帯情報端末を操作して、所望の放送番組の選択を指示し(S1605)、続いて、前記選択した放送番組の視聴予約および/または録画予約を指示する(S1606)と、受信機能実行部1102の図示を省略した番組予約処理部が前記選択した放送番組の視聴予約および/または録画予約の処理を実行する(S1607)。なお、前記視聴予約および/または録画予約の処理は、公知の放送によって行われて良く、詳細の説明を省略する。
S1607の処理の後、アプリケーション制御部が前記選択した放送番組に係るMH-EITを確認し(S1608)、前記選択した放送番組に関連する放送連携アプリが存在するか否かを確認し、更に、前記選択した放送番組に関連する放送連携アプリが存在する場合には、前記放送連携アプリの取得先(URL)の確認を行う(S1609)。S1609の処理において、更に、前記放送連携アプリのアプリケーションプロファイルの確認を行っても良い。次に、アプリケーション制御部153は、前記取得したURLに基づき、LAN通信部121を介して、前記URLで指定されるサーバ(本実施例では、サービス事業者サーバ400)に対して、放送連携アプリの配信要求を行う(S1610)。前記配信要求を受信したサービス事業者サーバ400は、適宜放送受信装置100の認証処理等を行った後に、要求された放送連携アプリの配信を行う(S1611)。LAN通信部121を介して、サービス事業者サーバ400から放送連携アプリを受信すると、放送受信装置100は、前記受信した放送連携アプリを、アプリケーション制御部153の制御に基づき、キャッシュ部152にキャッシュする(S1612)。
以上の一連の処理により、本実施例の放送受信装置100において、EPG画面162a上から放送番組の視聴予約および/または録画予約を行った際に、放送連携アプリの取得を行うことが可能となる。なお、S1608の処理におけるMH-EITの確認処理は、都度放送波からMH-EITを取得して確認するようにしても良いし、S1601の処理で取得したMH-EITをキャッシュしておき、前記キャッシュしたMH-EITを確認するようにしても良い。また、前記動作シーケンスは、あくまでも一例であり、異なる処理手順を用いても良い。
図49Bは、携帯情報端末700等の携帯端末機器が、EPG画面162aの詳細説明領域162a3に表示された二次元バーコード162a6により、携帯端末機器用に用意された放送連携アプリ(端末側)の取得動作の一例を示す動作シーケンス図である。
まず、放送受信装置100では、図49AのS1601~S1604と同様の処理により、EPG画面を生成して表示する(S1701)。
次に、ユーザが、携帯情報端末700の操作部730を操作して、連携制御アプリの起動を指示して、連携制御アプリを起動し(S1702)、図48に示すような、EPG画面162aの詳細説明領域162a3に表示された二次元バーコード162a6を撮影する(S1703)。
次に、二次元バーコード162a6で示されている放送連携アプリの取得先(URL)の確認を行い(S1704)、前記取得したURLに基づき、LAN通信部721または電話網通信部722を介して、前記URLで指定されるサーバ(本実施例では、サービス事業者サーバ400)に対して、放送連携アプリの配信要求を行う(S1705)。前記配信要求を受信したサービス事業者サーバ400は、適宜携帯情報端末700の認証処理等を行った後に、要求された放送連携アプリの配信を行う(S1707)。
次に、LAN通信部721または電話網通信部722を介して、サービス事業者サーバ400から放送連携アプリを受信すると、携帯情報端末700は、前記受信した放送連携アプリを、ストレージ部710等にキャッシュする(S1707)。
以上説明した本実施例の放送受信装置100によれば、より付加価値の高い機能を実行することが可能となる。
(実施例4)
以下では、本発明の実施例4に関して説明する。なお、本実施例における構成および効果等は特に断りのない限り実施例3と同様であるものとする。このため、以下では、本実施例と実施例3との相違点を主に説明し、共通する点については重複を避けるため極力説明を省略する。また、本実施例では、放送受信装置と携帯情報端末の連携処理(以下、端末連携と称する)を行う場合の、更に詳細な実施態様について説明する。
携帯情報端末の連携処理を行う際に、放送受信装置100と同じ宅内にある携帯情報端末700のみに端末連携の利用を制限したい場合がある(以下、この制限を同一宅内制限と称する)。例えば、放送連携サービスを利用するためのアプリケーション(以下、放送連携アプリと称する)において、放送受信装置100の表示画面と携帯情報端末700の表示画面が密接に関係している場合や、放送受信装置100に表示される広告映像を携帯情報端末700の利用者に確実に視聴して欲しい場合、等である。
なお、手順として考えておかなければならない点は、対象となる放送連携アプリが同一宅内制限を課すものか否かの判断である。あらゆる放送連携アプリが同一宅内制限を課すことを前提とする場合は、この判断は不要であるが、同一宅内制限を課さない放送連携アプリもある場合には、同一宅内制限の有無に関する制御情報を放送受信装置100が取得し、操作手順を変更する必要がある。この同一宅内制限の有無に関する制御情報は、放送信号から取得しても良いし(例えば、MH-AIT等にパラメータや記述子として記載しておく、等)、放送局指定のサーバから取得しても良い。
一例として、コンテンツ利用制御記述子(図23)においてリモート視聴を不可とする場合(remote_view_modeが0の場合)には、その放送番組に係る全ての放送連携アプリを同一宅内制限があるものとして扱い、リモート視聴が可の場合(remote_view_modeが1の場合)にはその放送番組に係る全ての放送連携アプリを同一宅内制限がないとして扱っても良い。
あるいは、リモート視聴が可の場合であっても、MH-アプリケーション記述子(図50)において、『local_mode_flag』パラメータを設け、このパラメータの値が1の場合は、そのアプリケーションに同一宅内制限があるものとして扱い、パラメータの値が0の場合は、同一宅内制限がないものとして扱うことでも構わない。このようにすれば、アプリケーション毎に同一宅内制限の制御を行うことができ、よりきめ細かい制御が可能となる。
なお、リモート視聴の可否のフラグが無かった場合には、著作権保護を重要視してリモート視聴を禁止しても良いし、視聴者の利便性を優先してリモート視聴を許可することにしても良い。
更に、『local_mode_flag』が無かった場合には、ライセンス保護を重要視して宅外からのアプリケーションの利用を禁止しても良いし、視聴者の利便性を優先して宅外からのアプリケーションの利用を許可することにしても良い。
また、リモート視聴の可否あるいはアプリケーションの宅外からの実行の可否は、電子番組表に表示されていても良い。一例を挙げれば、リモート視聴が許可されているか、宅外から利用が許可されているアプリケーションがある場合に、『remote』を記号化した印162a10(図48E)を、当該番組の欄に表示する。更に、リモート視聴が許可されていない、あるいは宅外からのアプリケーションの利用が許可されていない場合に、162a11のような印を表示するようにしても良い(図48F)。
以上の手順も含め、本実施例では、携帯情報端末700が放送受信装置100と同一宅内に存在することを保証する手順について説明する。
通常、同一宅内に存在する機器は、同じルータ装置200rに接続されているローカルネットワーク上に存在する。従って、携帯情報端末700が放送受信装置100と同じローカルネットワークに接続されていることで、同一宅内に存在すると判断することができる。なお、対象機器がローカルネットワークに接続されているか否かは、公知の方法を用いて確認すれば良く、詳細な説明を省略する。
また、放送受信装置100と同じローカルネットワーク上にない携帯情報端末700であっても、NFC、BlueTooth、赤外線通信等により放送受信装置100と直接通信を行う携帯情報端末700であれば、同一宅内に存在すると判定することもできる。この場合、放送連携アプリ等の取得のための通信は、上記直接通信によるものでも構わないし、移動体電話通信によるものでも構わない。
上記のように同一宅内に存在することの確認方法は複数考えられるが、どの方法を使用するかは、例えばMH-AIT等に記述しておき、放送受信装置100が前記MH-AIT等の記述を読み取ることにより、選択すれば良い。
また、一度同一宅内に携帯情報端末700が存在することが確認できれば、番組が終わるまでは同一宅内に存在すると見做すようにしても良いし、ある有効時間(例えば、10分)を設け、有効時間内は同一宅内に存在すると見做すが、有効時間が過ぎた後は、再度確認しなければ同一宅内に存在すると見做さないとする方法を使用することもできる。この有効時間は、例えばMH-AIT等に記述しておき、放送受信装置100で読み取れば良い。
更に、例えば、番組進行中の任意の時点で、放送信号にイベント信号を設定しておき、このイベント信号を受信する毎に携帯情報端末700が同一宅内に存在することを確認するという方法をとることもできる。更に、前述の各方法を適宜組み合わせて使用することも可能である。
次に、同一宅内に存在する携帯情報端末700のみに端末連携を許可する具体的手順について説明する。この実施例では、携帯情報端末700が放送連携アプリを取得する際、あるいは、放送連携アプリで使用する情報を取得する際に、制限を設ける。(なお、以下では、前記放送連携アプリと放送連携アプリで使用する情報、具体的にはHTML文書やストリーミング映像等、をまとめて放送連携情報と称する。)放送連携情報の取得方法には、放送局サーバ300または事業者サーバ400等から取得する通信取得と、放送波から取得する放送取得の2種類がある。
また、通信取得の場合、放送受信開始後に取得する場合と放送受信開始前に取得しておく方法の2種類がある。更に、通信取得の場合、一旦放送受信装置100が取得し、携帯情報端末700が放送受信装置100から取得する場合と、携帯情報端末700が直接放送局サーバ300または事業者サーバ400等から取得する場合がある。種々の方法があるが、携帯情報端末700から見ると、放送受信装置100から取得する場合と、放送局サーバ300または事業者サーバ400等から取得する場合の2つに大別できる。
本実施例では、携帯情報端末700が放送受信装置100から放送連携情報を取得する場合を説明し、放送局サーバ300または事業者サーバ400等から取得する場合は後述の実施例で説明する。
図51Aに、本実施例の手順を示す。
まず、端末連携を行う前に、携帯情報端末700と放送受信装置100のそれぞれで、端末連携を制御するアプリケーションである連携制御アプリを起動しておく(S10001、S10002)。この状態で、携帯情報端末700から放送受信装置100に対して端末連携要求を行う(S10003)。次に、放送信号のM2セクションメッセージに格納されたMH-AITを取得する(S10004)。このMH-AITの情報から、対象となる携帯情報端末用のアプリが同一宅内制限を課すものか否かを判断し(S10006)、同一宅内制限を課すものである場合はS10008の手順に進み、端末連携要求のあった最初の段階では、S10009のステップに進み、端末連携要求のあった携帯情報端末700が放送受信機100と同一宅内にあるか否かを判定する(S10009)。判定の結果、同一宅内にないと判定された場合は、携帯情報端末側の連携制御アプリに連携不許可の応答を行い、処理を終了する(S10011)。
ここで、そもそも、放送連携アプリは全て同一宅内制限を課すとする前提の場合には、S10006の判定は行わずにスキップして良い。同一宅内制限を課すアプリと同一宅内制限を課さないアプリとが両方有りうる場合にS10006の判定を行うものとする。
S10009の処理で携帯情報端末700が同一宅内にあると判定されるか、または、S10006の処理で同一宅内制限を課さないアプリであると判断された場合、S10012に進み、放送連携アプリ関連サービスを行う。この放送連携アプリ関連サービス(S10012)では、携帯情報端末700からの放送連携情報配信要求(S10013)を処理し、携帯情報端末700に放送連携情報を配信する(S10018)。この放送連携情報には、放送受信装置100が放送局サーバ300や事業者サーバ400等である配信サーバから配信を受けたもの(S10014~S10016)、放送信号から取得したもの(S10017)、放送受信装置100に記憶(キャッシュ)してあるもの、等があって良い。放送受信装置100による放送連携情報の受信処理(S10016またはS10017)は、携帯情報端末700からの放送連携情報配信要求(S10013)に応じて取得する場合のみではなく、放送受信装置100が自律的に取得する場合や、放送信号からのイベント発生に基づく取得の場合があっても構わない。そして、携帯情報端末700への放送連携情報の配信(S10018)も、放送受信装置100側からの自発的なものがあっても構わない。
放送連携情報の受信(取得)および配信に関する一連の処理が終わった後、放送受信装置100が同一番組の視聴を続けているか否かを判定し(S10019)、もし続けていない場合は、携帯情報端末側の連携制御アプリに連携不許可の応答を行い、処理を終了する(S10020)。
一方、同一番組の視聴を続けている場合は、S10005の手順に戻り、同一宅内制限を課すアプリの場合には、携帯情報端末700が同一宅内にあるか否かを確認する(S10009)。但し、前回の確認から予め設定された有効時間が経過しているか、あるいは前回の確認以降、放送信号や配信サーバからの確認要求(S10007)が発生しているか、等を判断し(S10008)、何れの条件も満たしていなければ、同一宅内にあるか否かの確認(S10009)は行わず、S10010を経由し、次の放送連携アプリ関連サービス(S10012)の実行に移って良い。ここで、放送信号からの確認要求(S10007)は放送連携情報から取得するように記載してあるが、ここではイベントメッセージも放送連携情報に含まれるものとして記載している。更に、この確認要求がMH-AITに記載されても構わない。
なお、上記で説明した手順は、S10022の矢印で示される区間において、放送信号、放送受信装置100、携帯情報端末700、配信サーバ全体でのループ処理手順である。S10007の確認要求は、ループ内のどのタイミングであっても構わない。
更に、配信サーバでの認証処理(S10015)に使用する認証キーに、MH-AITに記述された認証情報等を組み込んでも構わない。これにより、正当な認証要求であることが確認できる。また、MH-AITに記述される認証情報等を、番組の進行に伴い変更し、配信サーバにおいて、番組の進行に同期した情報が組み込まれた認証キーでなければ認証を行わないようにすれば、同一番組を視聴し続けていることを確認できる。この場合、MH-AITの情報は適宜読み込み更新を行うこととする(S10021)。なお、放送信号に組み込む認証情報等はMH-AITに記載する他に、放送連携情報として組み込むことでも構わない。更にまた、実質的に認証情報等を変更することになる方法として、配信サーバのURL自体を番組の進行に従って変更してゆく、という方法を使用することもできる。
このように、放送連携アプリ関連サービス(S10012)を実行しながら、予め設定された有効時間毎、あるいは、放送信号や、配信サーバからの確認要求がある毎に、携帯情報端末700が、放送受信装置100と同一宅内にあるか否かを確認することにより、適切に同一宅内制限を課す放送関連アプリの実行を行うことができる。更に、放送信号に組み込まれた認証情報を配信サーバでの認証に使用することにより、配信要求の正当性を確保することができ、放送信号の認証情報を適宜変更するようにすれば、同一番組を視聴し続けていることの確認もできる。
以上説明した本実施例に係る携帯情報端末連携技術によれば、放送受信装置と連携する携帯情報端末について同一宅内制限を実現することが可能となる。
(実施例5)
本実施例では、携帯情報端末700が放送局サーバ300または事業者サーバ400等の配信サーバから放送連携情報を取得する場合に関して説明する。
図51Bに、本実施例の手順を示す。
まず、端末連携を行う前に、携帯情報端末700と放送受信装置100のそれぞれで、端末連携を制御するアプリケーションである連携制御アプリを起動しておく(S10101、S10102)。この状態で、携帯情報端末700から放送受信装置100に対して端末連携要求を行う(S10103)。次に、放送信号のM2セクションメッセージに格納されたMH-AITを取得する(S10104)。このMH-AITの情報から配信サーバに関するURL等の情報を取得し、前記取得した情報を携帯情報端末700に送信する(S10105)。次に、放送受信装置100は、配信サーバに対して時刻確認要求を送信する。(S10106)。前記時刻確認要求に基づき、配信サーバは、放送受信装置100に対して時刻情報を送信する(S10107)。
放送受信装置100は、配信サーバから取得した時刻情報により、内部クロックの動作を配信サーバに同期させることが可能である。また、これにより、配信サーバの時刻に合わせて後段のステップ(S10115)において認証キー発行を行うことが可能である。なお、配信サーバと放送受信装置100との時刻のずれが問題ない程度である場合には、S10106~S10107の処理は省略しても構わない。また、配信サーバ側もUTCに同期して動作するものである場合には、S10106~S10107の処理は省略しても構わない。また、S10107の処理で送信される前記時刻情報は、NTP形式であっても良いし、その他の形式であっても良い。以降、S10127の矢印で示されるループ制御に入る。
まず、携帯情報端末700から放送受信装置100に対し、認証キー発行要求または放送連携情報配信要求を送信する(S10109)。なお、認証キーは、後段のステップ(S10125)において、配信サーバへの放送連携情報配信要求で用いるものである。また、放送連携情報配信要求は、放送信号から取得した情報の配信要求であり、後段のステップ(S10126)における放送連携情報配信のトリガとなる。
何れにせよ、S10109の各要求が携帯情報端末700から送信されると、放送受信装置100側において、同一宅内制限を課す放送連携アプリか否かを判定し(S10111)、同一宅内制限を課す放送連携アプリであれば、次のステップ(S10112)に進み、同一宅内制限を課す放送連携アプリでなければ、S10112の手順はスキップして、後段のステップ(S10114)に進む。全ての放送連携アプリが同一宅内制限を課すものである場合は、S10111の判定は行わず、S10112に進む。S10112では、前記各要求を出した携帯情報端末700が同一宅内にあるか否かの判定を行い、携帯情報端末700が同一宅内にないと判定した場合には、端末連携を終了させる(S10113)。携帯情報端末700が同一宅内にあると判定した場合には、前記各要求に応じた次の手順、即ち、配信サーバからの放送連携情報の取得(S10125)または放送信号からの放送連携情報の取得(S10126)を行う。
なお、S10125の処理とS10126の処理は、実際には、何れか一方が実行されれば良いが、放送連携情報の取得処理が配信サーバからの取得および放送信号からの取得の何れであっても良いことを示すために、S10125の処理とS10126の処理の両手順を同時に図示している。
まず、配信サーバからの放送連携情報の取得手順(S10125)について説明する。
最初に、放送受信機100は、S10109の処理(認証キー発行要求)に応じて、情報連携端末700に対して、認証キーを発行する(S10115)。なお、前記発行した認証キーには発行時点の時刻情報を含めるものとし、また、予め定められた有効時間内(例えば、10分間)だけ有効であるものとする。携帯情報端末700は、前記認証キーの情報を含めた放送連携情報配信要求を配信サーバに対して行う(S10116)。配信サーバでは有効時間内の認証キーであるか否かも含めて認証情報を確認し(S10117)、認証がOKであれば放送連携情報の配信を許可する(S10118)。以後、有効時間内であれば放送連携情報の配信を許可するが、有効時間を過ぎた時点で放送連携情報の配信を停止する。これにより、例えば、ストリーミング映像が有効時間を過ぎると視聴不可となるように制御することができる。
前記有効時間は、配信サーバが予め保持していても良いし、放送受信装置100が放送信号(例えば、MH-AIT等)から取得し、前記認証キーに有効時間情報として組み込んでも構わない。また、携帯情報端末700には予め前記有効時間の情報を通知しておき、有効時間が切れる前に認証キーの発行を放送受信装置100に要求するようにする。あるいは、前記有効時間は放送受信装置100で管理しておき、有効時間が切れる前に、携帯情報端末700が同一宅内にあることを確認した上で、放送受信装置100から自動的に携帯情報端末700に対し認証キーを発行しても構わない。
また、前記有効時間は、一つの番組の中で同一であっても構わないし、番組の進行に合わせて変化させても構わない。また、有効時間の設定がなければ一度認証を行えば番組視聴中は認証が有効である、という取扱でも構わない。
更に、配信サーバでの認証処理(S10117)に使用する認証キーに、MH-AITに記述された認証情報等を組み込んでも構わない。これにより、正当な認証要求であることが確認できる。また、MH-AITに記述される認証情報等を、番組の進行に伴い変更し、配信サーバにおいて、番組の進行に同期した情報が組み込まれた認証キーでなければ認証を行わないようにすれば、同一番組を視聴し続けていることを確認できる。この場合、MH-AITの情報は適宜読み込み更新を行うこととする(S10124)。
なお、放送信号に組み込む認証情報等はMH-AITに記載する他に、放送連携情報として組み込むことでも構わない。更にまた、実質的に認証情報等を変更することになる方法として、配信サーバのURL自体を番組の進行に従って変更してゆく、という方法を使用することもできる。なお、この場合のURL変更は、配信サーバは同一でURLのみが異なる場合であっても良いし、放送連携アプリの変更等により新しい配信サーバに変更することであっても良い。この場合は、変更の都度、配信サーバ情報送信(S10105)、時刻確認要求(S10106)、時刻情報送信(S10107)の手順を行う。次に、放送信号から放送連携情報の取得手順(S10126)について説明する。
この場合は、携帯情報端末700が同一宅内にあることが確認された後、放送受信装置100が、放送信号から放送連携情報を取得し(S10119)、続いて前記取得した放送連携情報を携帯情報端末700に配信する(S10120)。
なお、番組の進行に伴って放送連携情報を変更する場合、放送信号から変更通知を出し(S10110)、前記変更通知をトリガとして、放送連携情報を取得することがあっても構わない。その場合、配信サーバからの取得であれば、放送受信装置100から携帯情報端末700に認証キーを発行し(S10115)、更に、変更通知があったことを通知する。有効時間内であれば認証キーの発行を省略し、変更通知の通知のみでも構わない。放送信号からの取得の場合は、放送受信装置100が放送連携情報を取得し(S10119)、携帯情報端末に配信する(S10120)。なお、放送信号からの取得の場合は、変更通知毎に携帯情報端末700が同一宅内にあることを確認しても構わないし、実施例4のように、有効時間内であればその確認を省略しても構わない。ここで、放送信号からの変更通知(S10110)は放送連携情報から取得するように記載してあるが、ここではイベントメッセージも放送連携情報に含まれるものとして記載している。更に、この変更通知がMH-AITに記載されても構わない。
放送連携情報の受信(取得)および配信に関する一連の処理が終わった後、放送受信装置100が同一番組の視聴を続けているか否かを判定し(S10121)、もし続けていない場合は、携帯情報端末側の連携制御アプリに連携不許可の応答を行い、処理を終了する(S10123)。一方、同一の番組の視聴を続けている場合は、S10108の手順に戻り、ループ処理S10127を継続する。
このように、配信サーバでの認証処理に使用する認証キーに時刻情報を含め、有効時間の管理を行うことにより、定期的に携帯情報端末700が放送受信装置100と同一宅内にあることが確認でき、適切に同一宅内制限を課す放送連携アプリの実行を行うことができる。更に、放送信号に組み込まれた認証情報を配信サーバでの認証処理に使用することにより、配信要求の正当性を確保することができ、放送信号の認証情報を適宜変更するようにすれば、同一番組を視聴し続けていることの確認もできる。
以上説明した本実施例に係る携帯情報端末連携技術によれば、放送受信装置と連携する携帯情報端末が配信サーバから放送連携情報を取得する場合でも、同一宅内制限を実現することが可能となる。
(実施例6)
実施例4および実施例5では、端末連携において同一宅内制限を実現する手順について説明したが、放送連携アプリによっては宅外からの使用を許可しても構わない。本実施例では、そのような場合につき説明する。
例えば、テレビショッピング等の番組自体が広報・宣伝になっている場合には、宅内/宅外に関わらず放送連携アプリが使用できた方が放送事業者にとっても望ましい。このような番組の場合、一度放送受信装置100に登録しておけば、携帯情報端末700が宅内にあるか否かに関わらず、放送連携アプリの使用を許可するようにしても構わない。この際、放送映像自体をストリーミングデータにして、放送受信装置100からインターネット経由で携帯情報端末700に配信する放送連携アプリがあると利便性がより高まる。前記ストリーミングデータは著作権保護のため、放送受信装置100にて暗号化しておいても構わない。宅外への放送映像の配信を含め、放送連携アプリが宅外からの利用を許可しているか否かは放送信号内のデータ(例えばMH-AIT等)に記載しておけば良い。
図51Cに、本実施例の具体的な手順を示す。なお、当該手順の一部は実施例4や実施例5と共通であるので、実施例4や実施例5と重複する部分に関しては適宜説明を省略する。
まず、携帯情報端末700で、端末連携を制御するアプリケーションである連携制御アプリを起動する(S10202)。一方、放送受信装置100の連携制御アプリは、予め起動(S10201)しておいても良いし、後述の携帯情報端末700からの端末連携要求の受信(S10203)をトリガとして、前記連携制御アプリが起動しても良い。
放送受信装置100は、宅外の携帯情報端末700からの端末連携要求(S10203)があった場合、まず、MH-AITを確認(S10204)することにより放送連携アプリが宅外の利用を許可しているか否かの確認を行い、宅外利用が許可されている放送連携アプリであれば、要求元が登録済の携帯情報端末700であるかを確認した上(S10205)で、連携を許可するようにする。一方、宅外利用が許可されている放送連携アプリでない場合には、処理を終了する(S10206)。
宅外利用が許可されている放送連携アプリの場合、次に、必要に応じて、放送映像や放送連携情報の著作権保護のために、携帯情報端末700と放送受信装置100との間で認証処理を行っても構わない(S10207)。また、MH-AITの情報から配信サーバに関するURL等の情報を取得し、前記取得した情報を携帯情報端末700に送信する(S10208)。
前記認証処理は、配信サーバにおける認証であっても構わない。前記著作権保護の要不要についての情報や前記著作権保護のための認証方法についての情報は、放送信号(例えば、MH-AIT等に記載しておく)から取得し、それに応じた制御を行えば良い。放送信号にこれらの情報が格納されていない場合は、放送受信装置100において予め定められた所定の方法に従う。例えば、予め定められた所定の著作権保護処理を行えば良い。また、放送信号にこれらの情報が格納されていない場合は、放送受信装置100において著作権保護処理を行わないことを予め定めておいても良い。
著作権保護のための認証処理の具体例を次に示す。以下の認証処理はそれぞれ一つだけ行っても良い。または、以下に例示された複数の認証処理を組み合わせて行っても良い。また、以下に例示された認証処理と、以下に例示されていない他の認証処理を組み合わせて行っても良い。
[IDとパスワードによる認証]
携帯情報端末700を放送受信装置100に登録する際に、IDとパスワードを発行し、放送受信装置100はこのIDとパスワードの確認により連携を許可する。
[暗号鍵の使用]
上記のIDとパスワードによる認証に加え、暗号化した映像データ等を復号するための暗号鍵を放送受信装置100から携帯情報端末700に送信する。この暗号鍵は放送信号(例えば、MH-AIT等に記載しておく)から取得することでも構わない。
[配信サーバの利用]
暗号化した映像データ等を復号するための暗号鍵の発行を、配信サーバから行う方法として、携帯情報端末700は配信サーバに対してIDとパスワードを送信し、暗号鍵を取得する。この場合、配信サーバのロケーション情報(具体的にはURL等)を放送信号(例えば、MH-AIT等に記載しておく)から取得し、このロケーション情報を放送受信装置100が携帯情報端末700に送信することにより、より安全性が高まる。携帯情報端末700が暗号鍵を入手できなければ映像等の復号はできないので、放送受信装置100から配信サーバでの認証を要求することで、著作権保護の認証としても良いし、携帯情報端末700から放送受信装置100に暗号鍵を取得できたことを通知することにより認証を完了することにしても良い。なお、配信サーバによる課金が行われても構わない。
[暗号鍵の相互認証]
放送受信装置100と携帯情報端末700がそれぞれ持つ暗号鍵を相互に認証し、確認を取ることで著作権保護の認証とする。
図51Cの動作シーケンスの説明に戻る。
S10207の処理で、放送信号に格納された情報が、所定の方法での著作権保護が必要であること示している場合で、当該所定の方法での著作権保護の認証処理ができない場合は、端末連携を許可しない。また、放送信号に著作権保護に関する指定がなく、放送受信装置100の既定の方法により認証処理を行う場合でも、当該既定の方法での著作権保護の認証処理ができない場合は、端末連携を許可しない。
S10201~S10207の処理で、端末連携が許可された場合は、以後、携帯情報端末700が同一宅内に存在するか否かの確認は行わず、携帯情報端末700からの認証キー発行要求または放送連携情報配信要求(S10211)に応じて、後段のS10221の処理やS10222の処理が実行される。なお、S10221の処理におけるS10212~S10215の各ステップの処理は、図51BにおけるS10115~S10118の各ステップの処理と同様で良い。但し、有効時間を設定した制御は行わなくとも構わない。また、S10222の処理におけるS10216~S10217の各ステップの処理も、図51BにおけるS10119~S10120の各ステップの処理と同様で良い。なお、前記S10221やS10222の処理等は、番組の進行に伴って放送信号から出される変更通知(S10210)に応じて行われても良い。あるいは、放送受信装置100の自発的制御により、前記S10221やS10222の処理等が実行されても良い。
また、前記S10221やS10222の処理に続くS10218~S10220各ステップの処理も、図51BにおけるS10121~S10124の各ステップの処理と同様で良い。
宅外にある携帯情報端末700は、放送連携情報を、放送受信装置100から取得可能である(S10217)。あるいは、放送受信装置100から発行された認証キーを用いて、配信サーバから取得可能である(S10215)。また、放送受信装置100が発行する認証キーに放送信号から取得した認証情報(例えば、MH-AITに記載されている)を組み込み、配信サーバは、放送信号から取得した認証情報が組み込まれた認証キーであればアクセスを許可するようにすれば、より宅外利用の適正化を図ることができる。
更に、番組視聴のプレミアムとしてディスカウントをする場合等、無制限に放送連携アプリの使用を許可しない方が良い場合もある。このような場合では、一度は同一宅内に携帯情報端末がある状態で認証を行い、その後は同一宅内でなくても配信サーバの利用を許可する方法が好ましい。この場合は携帯情報端末700が放送受信装置100に登録されていなくても構わない。
この場合の具体的な手順を、図51Dに示す。当該手順は、一部の手順が上記図51Cと共通であるので、重複する部分については説明を省略する。
まず、端末連携を行う前に、携帯情報端末700と放送受信装置100のそれぞれで、端末連携を制御するアプリケーションである連携制御アプリを起動しておく(S10301、S10302)。次に、携帯情報端末700が放送受信装置100と同一宅内にある状態で、携帯情報端末700から放送受信装置100に対して端末連携要求を行う(S10303)。また、放送受信装置100は、当該携帯情報端末700が同一宅内にあることを確認した(S10305)上で、端末連携を許可する。ここで、必要に応じて、放送映像や放送連携情報の著作権保護のために、携帯情報端末700と放送受信装置100との間で認証処理を行っても構わない(S10307)。
前記認証処理は、外部の配信サーバにおける認証であっても構わない。前記著作権保護の要不要についての情報や前記著作権保護のための認証方法についての情報は、放送信号(例えば、MH-AIT等に記載しておく)から取得し、それに応じた制御を行えば良い。放送信号にこれらの情報が格納されていない場合は、放送受信装置100において予め定められた所定の方法に従う。例えば、予め定められた所定の著作権保護処理を行えば良い。また、放送信号にこれらの情報が格納されていない場合は、放送受信装置100において著作権保護処理を行わないことを予め定めておいても良い。
著作権保護のための認証処理の具体例を次に示す。以下の認証処理はそれぞれ一つだけ行っても良い。または、以下に例示された複数の認証処理を組み合わせて行っても良い。また、以下に例示された認証処理と、以下に例示されていない他の認証処理を組み合わせて行っても良い。
[暗号鍵の使用]
携帯情報端末700が同一宅内にいる状態で、暗号化した映像データ等を復号するための暗号鍵を放送受信装置100から携帯情報端末700に送信する。この暗号鍵は放送信号(例えば、MH-AIT等に記載しておく)から取得することでも構わない。この暗号鍵を同一宅内で引き渡すことをもって認証とする。更に、番組のある時点でないと暗号鍵が放送信号から取得できないようにし、暗号鍵の携帯情報端末700への受け渡しを同一宅内に限定すれば、その時点で同一宅内にいなければならない、という制限を設けることができ、視聴に対するプレミアム付与にも利用できる。
[配信サーバの利用]
暗号化した映像データ等を復号するための暗号鍵の発行を、配信サーバから行う方法として、携帯情報端末700は配信サーバに対してIDとパスワードを送信し、暗号鍵を取得する。この場合、配信サーバのロケーション情報(具体的にはURL等)を放送信号(例えば、MH-AIT等に記載しておく)から取得し、このロケーション情報を放送受信装置100が携帯情報端末700に送信することにより、より安全性が高まる。携帯情報端末700が暗号鍵を入手できなければ映像等の復号はできないので、放送受信装置100から配信サーバでの認証を要求することで、著作権保護の認証としても良いし、携帯情報端末700から放送受信装置100に暗号鍵を取得できたことを通知することにより認証を完了することにしても良い。配信サーバへのアクセスは宅内で行っても宅外で行っても構わないが、番組のある時点でないと配信サーバのロケーション情報が放送信号から取得できないようにし、ロケーション情報の携帯情報端末700への受け渡しを同一宅内に限定すれば、その時点で同一宅内にいなければならない、という制限を設けることができ、視聴に対するプレミアム付与にも利用できる。なお、配信サーバによる課金が行われても構わない。
[暗号鍵の相互認証]
放送受信装置100と携帯情報端末700がそれぞれ持つ暗号鍵を相互に認証し、確認を取ることで著作権保護の認証とする。この認証も宅内で行っても宅外で行っても構わない。
図51Dの動作シーケンスの説明に戻る。
S10307の処理で、放送信号に格納された情報が、所定の方法での著作権保護が必要であること示している場合で、当該所定の方法での著作権保護の認証処理ができない場合は、端末連携を許可しない。また、放送信号に著作権保護に関する指定がなく、放送受信装置100の既定の方法により認証処理を行う場合でも、当該既定の方法での著作権保護の認証処理ができない場合は、端末連携を許可しない。
端末連携が許可された場合の、以降の手順は図51Cの手順と共通であるので、説明を省略する。
以上説明した本実施例に係る携帯情報端末連携技術によれば、放送受信装置と連携する携帯情報端末について、著作権保護に留意しつつ宅外からの利用を実現することが可能となる。
(実施例7)
実際の使用状況においては、番組による端末連携アプリの有無や、どの端末連携アプリが利用可能か、等が、簡便に分かる方がより望ましい。本実施例では、端末連携アプリの利用可能状況等の表示方法につき説明する。なお、前記端末連携アプリとは、端末連携で使用される放送連携アプリを指す。
図52Aは、端末連携アプリがある場合の放送連携アプリのランチャ画面の一例を示す画面表示図である。図52Aにおいては、放送番組画面162r上の任意の位置に放送連携アプリランチャ162r11が表示され、放送連携アプリが枠付き文字のアイコンで表示されている。視聴中の番組に連携した放送受信装置100用の放送連携アプリ(162r12~162r14)と携帯情報端末700用の放送連携アプリ(162r15~162r17)が表示されている。また、放送連携アプリランチャ162r11を終了させる戻るボタン162r18も表示されている。
この例の場合は、文字列を囲む枠線の太さと枠内の色でアプリの状況を示している。本体アプリA、B(162r12、162r13)と端末アプリA、B(162r15、162r16)が利用可能な状態である。本体アプリC(162r14)と端末アプリC(162r17)が利用不可能な状態である。なお、端末アプリが利用不可能な状態とは、放送受信装置100と通信可能な状態にある携帯情報端末700の中で、当該アプリを実行する機能を持つものがないことを意味する。
図52Bは、図52Aのランチャ画面で端末アプリAを選択した後の画面である。端末アプリAに関した各携帯情報端末700の状態を示している。この画面で表示されている携帯情報端末700は、過去に放送受信装置100と連携を行ったか登録されている端末であるものとする。
アイコンの枠線が実線になっている携帯端末1(162r22)と携帯端末2(162r23)は放送受信装置100と通信可能な状態にあり、枠線が点線になっている携帯端末3(162r24)と携帯端末4(162r25)は放送受信装置100と通信可能な状態にないことを示している。また、アイコンの枠内が白である携帯端末1(162r22)と携帯端末3(162r24)は端末アプリAを実行する機能を持ち、枠内が灰色である携帯端末2(162r23)と携帯端末4(162r25)は端末アプリAを実行する機能を持たないことを示している。更に、当該端末でアプリが既に実行中である場合、そのことを表すデザインのアイコンを使用しても構わない。
また、アイコンに絵柄を利用して、より視覚的に分かり易くする例を、次に示す。
図52Cは、放送連携アプリの一覧を示すランチャ画面(162r31)の例である。放送受信装置100の他、携帯情報端末700のタイプ別にアイコンが示されている。162r32と162r33が放送受信装置100を示すアイコンであり、162r34と162r35がスマートホン型の携帯情報端末700を示すアイコンであり、162r36がヘッドマウントディスプレイ型の携帯情報端末700を示すアイコンである。それぞれのアプリはアイコンで示される装置用のものである。
図52Cにおいては、当該アプリの利用ができない場合は、装置の絵柄に重ねて利用不可を示すマーク(本実施例では、丸に斜線のマーク)を表示させている。また、放送受信装置100に関しては、既に当該アプリが実行中の場合は、そのことを示すマーク(本実施例では、丸に点のマーク)を重ねて表示しても構わない。この表示により、既に実行をしているにも関わらず、ランチャの手順を先に進める、という無駄な動作を防ぐことができる。携帯情報端末700の場合は、放送受信装置100と通信可能な状態にあり当該アプリが実行可能な端末全てで当該アプリが実行中のときに実行中を示すマークを表示する、という方法も可能である。
図52Dは、図52Cのランチャ画面で端末アプリCを選択した後の画面である。端末アプリCに対応したタイプの携帯情報端末700の状態が示されている。この画面においては、携帯情報端末700が端末アプリCの実行機能を持たない場合、放送受信装置100と通信可能な状態にない場合、既に当該端末アプリCを実行中の場合に、それぞれそのことを表すマークをアイコンに重ねて表示する。本実施例では、実行機能を持たない場合は丸に斜線のマーク(162r44、162r46)、通信可能な状態にない場合は三角に感嘆符のマーク(162r45、162r46)、既に実行中の場合は丸に点のマーク(162r43)を表示している。
更に、いちいちランチャを起動させなくても、状況が変化したときに放送連携アプリがあることが分かる表示方法があると望ましい。例えば、電源を入れたとき、チャンネルを変えたとき、番組の初め、番組の途中でも放送連携アプリに変更があったとき、放送受信装置100と携帯情報端末700の間の通信状態に変化があった場合、アプリの実行状況が変わった場合、等に、予め定められた時間だけアイコンを表示し、そのときの状態を表示するようにする。
図52Eに、その場合の例を示す。それぞれの装置のタイプを示すアイコンが表示されている場合(162r51~162r53)は、そのタイプの装置に対応した放送連携アプリがあることを示す。本実施例では、丸に斜線のマーク(162r53)は、使用可能な状態になっているそのタイプの装置において当該アプリを実行できるものがないことを表す。丸に点のマーク(162r51)は使用可能な状態になっているそのタイプの装置の全てあるいは一部において当該アプリが実行中であることを示す。
図52Fは、携帯情報端末700の表示部741に表示される放送連携アプリの一例を示す画面表示図である。携帯情報端末700から端末連携を要求する際に、どの放送受信装置100でどの放送連携アプリが利用可能か一覧表で分かった方が利用に便利である。図52Fは、連携制御アプリの基本画面741dに表示された前記一覧表741d1を示すものである。この一覧表741d1では、調べたい番組に対応した放送連携アプリが、自宅内にあるどの放送受信装置100で利用可能かを示している。また、各放送受信装置100の状態も表示してあると、特に宅外で携帯情報端末700を利用するときに、利便性がより高まる。本実施例では、当該番組を受信中、他番組を受信中、空き、他番組予約有(番組の途中から他番組の録画を予約してある場合)、といった放送受信装置100の状態を示す。
なお、ここで、放送受信装置100が複数のチューナを備えている場合、前記複数のチューナ毎に状態を表示してあると更に利便性が高まる。一覧表741d1においては、枝番号で同一装置内のチューナの区別を示している。例えば受信装置B-1と受信装置B-2が、同一放送受信装置100内の複数のチューナの一方と他方である。端末連携の場合、ストリーミングデータとして放送映像と音声の配信を受けられれば、放送受信装置100のモニタ部162を使用する必要はなく、即ち、放送受信装置100内のチューナが使用できれば放送の利用が可能になるので、チューナ毎の使用状況が分かると便利である。
なお、本実施例で説明した表示を行うためには、放送連携アプリ毎に、放送受信装置100に対応したアプリであるのか、あるいは、どういうタイプの携帯情報端末700に対応したアプリであるのかの情報がなければならない。また、放送受信装置100や携帯情報端末700で、対応したアプリを実行するための情報が必要である。これらの情報は、例えば、MH-AIT等に記載しておくことにより、放送受信装置100で取得することができる。
以上、本発明の実施形態の例を、実施例1~7を用いて説明したが、本発明の技術を実現する構成は前記実施例に限られるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
前述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現する動作プログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現しても良い。ハードウェアとソフトウェアを併用しても良い。
なお、放送受信装置100を制御する前記ソフトウェアは、製品出荷の時点で予め放送受信装置100のROM103および/またはストレージ(蓄積)部110等に格納された状態であっても良い。製品出荷後にインターネット200上のその他のアプリケーションサーバ500等からLAN通信部121を介して取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等に格納された前記ソフトウェアを、拡張インタフェース部124等を介して取得しても良い。
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。