本明細書中では「エアロゾル化可能な材料」なる用語は、加熱すると揮発成分を、典型的にはエアロゾルの形体で供する材料を含む。「エアロゾル化可能な材料」は、非タバコ含有材またはタバコ含有材であってもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、例えばタバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。
本明細書で説明されているエアロゾル化可能な材料は、別に「モノリシック固体」(即ち非繊維)または「ドライゲル」と言われる場合もある「非晶質固体」を含む。非晶質固体は、その内部に液体などの流体を保持する固体材料である。場合によってはエアロゾル化可能な材料は約50wt%、60wt%または70wt%の非晶質固体から約90wt%、95wt%または100wt%の非晶質固体を含む。場合によってはエアロゾル化可能な材料は非晶質固体からなる。
「エアロゾル化可能な材料」は製品によってニコチンを含むまたは含まない他の非タバコ製品を含んでもよい。「エアロゾル化可能な材料」は1つ以上のグリセリンまたはプロピレングリコールなどの湿潤剤を含んでもよい。
非晶質固体はシートとして形成してもよい。それはシート状の消耗品に組み込まれてもよい。場合によってはエアロゾル化可能な材料は平面シート、バンチまたはギャザーシート、クリンプシートまたはロールシート(即ち管状)として含有されてもよい。そのような一部の場合において、これらの実施態様の非晶質固体はエアロゾル化可能な材料からなるロッド(例えばタバコ)を囲むシートなどのシートとして消耗品またはシステムに含有されてもよい。一部のそれ以外の場合、エアロゾル化可能な材料はシートとして形成され、その後刻んで、消耗品に組み込んでもよい。場合によっては刻まれたシートは切断されたくずタバコと混ぜて、消耗品に組み込んでもよい。
場合によっては非晶質固体は1〜60wt%のゲル化剤を含んでもよく、これらの重量は乾式重量基準で計算される。
好適には非晶質固体は約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%〜約60wt%、50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%または27wt%のゲル化剤を含んでもよい(全て乾式重量基準で計算して)。例えば、非晶質固体は1〜50wt%、5〜40wt%、10〜30wt%または15〜27wt%のゲル化剤を含んでもよい。
一部の実施態様ではゲル化剤は親水コロイドを含む。一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、スターチ(および派生物)、セルロース類(および派生物)、ゴム、シリカまたはシリコーン化合物、クレー、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物を含む。例えば一部の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩類、ペクチン類、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリンおよびポリビニルアルコールの内の1つ以上を含む。場合によってはゲル化剤はアルギン酸塩および/またはペクチンを含み、非晶質固体の形成の際に硬化剤(カルシウム源などの)と混ぜてもよい。場合によっては非晶質固体はカルシウムで架橋したアルギン酸塩および/またはカルシウムで架橋したペクチンを含んでもよい。
一部の実施態様ではゲル化剤は、アルギン酸塩を含み、アルギン酸塩は、非晶質固体のの10〜30wt%の量(乾式重量基準で計算して)で非晶質固体に含まれる。一部の実施態様ではアルギン酸塩は非晶質固体に含まれる唯一のゲル化剤である。他の実施態様ではゲル化剤はアルギン酸塩と、少なくとも1つのペクチンなどのさらなるゲル化剤を含む。
一部の実施態様では非晶質固体はカラギーナンを含むゲル化剤を含んでもよい。
好適には非晶質固体は約5wt%、10wt%、15wt%または20wt%〜約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%または35wt%(全て乾式重量基準で計算して)のエアロゾル発生剤を含んでもよい。エアロゾル発生剤は可塑剤として作用してもよい。例えば、非晶質固体は10〜60wt%、15〜50wt%または20〜40wt%のエアロゾル発生剤を含んでもよい。場合によってはエアロゾル発生剤は、エリトリトール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、ソルビトールおよびキシリトールから選択される1つ以上の化合物を含む。場合によってはエアロゾル発生剤はグリセリンを含む、実質的にグリセリンからなるまたはグリセリンからなる。本発明者は可塑剤の含有量が多すぎると、非晶質固体が水を吸収し、使用の際に適した消費経験を生じさせない材料になってしまうということを確認している。本発明者は、可塑剤の含有量が少なすぎると、非晶質固体は脆弱になり、壊れやすくなるということを確認している。本明細書で特定した量の可塑剤は非晶質固体に可撓性を供し、非晶質固体シートがエアロゾル発生品の製造に有用なボビンに巻き付けることができるようになる。
場合によっては非晶質固体は風味料を含んでもよい。好適には非晶質固体は、約60wt%以下、50wt%以下、40wt%以下、30wt%以下、20wt%以下、10wt%以下または5wt%以下の風味剤を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、少なくとも約0.1wt%、0.5wt%、1wt%、2wt%、5wt%、10wt%、20wt%または30wt%の風味剤(全て乾式重量基準で計算して)を含んでもよい。例えば、非晶質固体は0.1〜60wt%、1〜60wt%、5〜60wt%、10〜60wt%、20〜50wt%または30〜40wt%の風味料を含んでもよい。場合によっては風味料(含まれるのであれば)はメンソールを含む、メンソールから実質的になるまたはメンソールからなる。場合によっては非晶質固体は風味料を含まない。
場合によっては非晶質固体は活性物質を含む。例えば、場合によっては非晶質固体はタバコ材および/またはニコチンを含む。例えば、非晶質固体は粉末化タバコおよび/またはニコチンおよび/またはタバコ抽出物を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%〜約70wt%、50wt%、45wt%または40wt%(乾式重量基準で計算して)の活性物質を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%〜約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%または40wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ材および/またはニコチンを含んでもよい。
場合によっては非晶質固体はタバコ抽出物などの活性物質を含む。場合によっては非晶質固体は5〜60wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ抽出物を含んでもよい。場合によっては非晶質固体は約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%または25wt%〜約55wt%、50wt%、45wt%または40wt%(乾式重量基準で計算して)のタバコ抽出物を含んでもよい。例えば、非晶質固体は5〜60wt%、10〜55wt%または25〜55wt%のタバコ抽出物を含んでもよい。タバコ抽出物は非晶質固体が1wt%、1.5wt%、2wt%または2.5wt%%〜約6wt%、5wt%、4.5wt%または4wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含む濃度でニコチンを含んでもよい。場合によってはタバコ抽出物から得られるもの以外の非晶質固体のニコチンは存在しない。
一部の実施態様では非晶質固体はタバコ材を含まないが、ニコチンを含む。そのような一部の場合において、非晶質固体は、約1wt%、2wt%、3wt%または4wt%〜約20wt%、15wt%、10wt%または5wt%(乾式重量基準で計算して)のニコチンを含んでもよい。例えば、非晶質固体は1〜20wt%または2〜5wt%のニコチンを含んでもよい。
場合によっては活性物質および/または風味料の総含有量は少なくとも約0.1wt%、1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%または30wt%であってもよい。場合によっては活性物質および/または風味料の総含有量は、約80wt%未満、70wt%未満、60wt%未満、50wt%未満または40wt%未満(全て乾式重量基準で計算して)であってもよい。
場合によってはタバコ材、ニコチンおよび風味料の総含有量は、少なくとも約1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%または30wt%であってもよい。場合によってはタバコ材、ニコチンおよび風味料の総含有量は、約80wt%未満、70wt%未満、60wt%未満、50wt%未満または40wt%未満(全て乾式重量基準で計算して)であってもよい。
場合によっては非晶質固体は、湿式重量基準で計算して約1wt%〜約15wt%または約5wt%〜約15wt%の水を含む。好適には非晶質固体の水分量は、約5wt%、7wt%または9wt%〜約15wt%、13wt%または11wt%(WWB)、最も好適には約10wt%である。
一部の実施態様では非晶質固体はヒドロゲルであり、湿式重量基準で計算して約20wt%未満の水を含む。場合によってはヒドロゲルは湿式重量基準で計算して(WWB)約15wt%未満、12wt%未満または10wt%未満の水を含んでもよい。場合によってはヒドロゲルは少なくとも約2wt%または少なくとも約5wt%の水(WWB)を含んでもよい。
非晶質固体はゲルから作製されてもよく、ゲルは追加で0.1〜50wt%で含有される溶媒を含んでもよい。しかしながら、本発明者は、風味料が可溶な溶媒を含有させることでゲルの安定性が減少し、風味料がゲルから結晶化して出てしまうということを確認している。従って、場合によってはゲルは風味料が溶ける溶媒を含まない。
一部の実施態様では非晶質固体は、60wt%未満、例えば1wt%〜60wt%または5wt%〜50wt%または5wt%〜30wt%または10wt%〜20wt%の充填材を含む。
他の実施態様では非晶質固体は20wt%未満、好適には10wt%未満または5wt%未満の充填材を含む。場合によっては非晶質固体は1wt%未満の充填材を含み、場合によっては充填材を含まない。
充填材は含まれるのであれば炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤の内の1つ以上を含んでもよい。充填材はウッドパルプ、セルロースおよびセルロース派生物などの1つ以上の有機充填材を含んでもよい。特定の場合には非晶質固体はチョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
充填材を含む特定の実施態様では充填材は繊維性である。例えば、充填材はウッドパルプ、麻繊維、セルロースまたはセルロース派生物などの繊維性充填材であってもよい。いかなる理論にも束縛されることを望まないが、非晶質固体に繊維性充填材を含有させることは材料の引張強度を増加させることが確認されている。これは非晶質固体シートがエアロゾル化可能な材料からなるロッドを囲む場合などの非晶質固体がシートとして提供される例で特に有利である。
一部の実施態様では非晶質固体はタバコ繊維を含まない。特定の実施態様では非晶質固体は繊維材を含まない。
一部の実施態様ではエアロゾル発生材はタバコ繊維を含まない。特定の実施態様ではエアロゾル発生材は繊維材を含まない。
一部の実施態様ではエアロゾル発生基材はタバコ繊維を含まない。特定の実施態様ではエアロゾル発生基材は繊維材を含まない。
一部の実施態様では消耗品はタバコ繊維を含まない。特定の実施態様では消耗品は繊維材を含まない。
場合によっては非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル発生剤、タバコ材および/またはニコチン源、水および選択的に風味料から実質的になるまたはからなる。
エアロゾル化可能な材料の製造方法は、(a)非晶質固体またはその前駆体を含むスラリーを形成することと、(b)スラリーの層を形成することと、(c)スラリーを硬化させてゲルを形成することと、(d)乾燥させて非晶質固体を形成することとを含んでもよい。
工程(b)のスラリーの層を形成することは、例えばスラリーをスプレー、キャスティングまたは押し出しすることを含んでもよい。場合によっては層はスラリーを電気スプレーすることによって形成される。場合によっては層はスリーブをキャスティングすることによって形成される。
場合によってはスラリーはキャリアーに塗布される。
場合によっては工程(b)および/または(c)および/または(d)は、少なくとも部分的に同時に(例えば、電気スプレーの間に)行ってもよい。場合によってはこれらの工程は順番に行ってもよい。
ゲルを硬化させる工程(c)はスラリーに硬化剤を添加することを含んでもよい。例えば、スラリーはゲル前駆体としてアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムまたはアルギン酸アンモニウムとカルシウム源(塩化カルシウムなどの)を含み、アルギン酸カルシウムゲルを形成するためにスラリーに添加される硬化剤を含んでもよい。
カルシウム源などの硬化剤の合計量は、0.5〜5wt%(乾式重量基準で計算して)であってもよい。本発明者は、硬化剤の添加量が少なすぎると、得られる非晶質固体が非晶質固体成分を安定させられず、結果としてこれらの成分が非晶質固体からこぼれ落ちてしまうということを発見した。本発明者は硬化剤の添加量が多すぎると、得られる非晶質固体がべたつき、取り扱いにくくなるということを発見した。
アルギン酸塩はアルギン酸の誘導体であり、典型的には高分子ポリマー(10〜600kDa)である。アルギン酸はβ−D−マンヌロン酸(M)とα−L−グルロン酸(G)単位(ブロック)が(1,4)−グリコシド結合によって結合して多糖類を形成する共重合体である。カルシウムの添加によりアルギン酸塩が架橋し、ゲルを形成する。本発明者はGモノマー含有量の多いアルギン酸塩はカルシウム源を加えることで容易にゲルを形成することを発見した。従って、場合によってはゲル前駆体は、アルギン酸共重合体に少なくとも40%、45%、50%、55%、60%または70%のモノマー単位がα−L−グルロン酸(G)単位であるアルギン酸塩を含んでもよい。
乾燥工程はキャストされた材料の厚さを少なくとも80%、好適には85%または87%減少させてもよい。例えば、スラリーは2mmの厚さでキャストされてもよく、その結果得られた乾燥した非晶質固体は0.2mmの厚さを有してもよい。
非晶質固体は約0.015mm〜約1.0mmの厚さを有する場合がある。好適には厚さは約0.05mm、0.1mmまたは0.15mm〜約0.5mmまたは0.3mmの範囲内であってもよい。本発明者は0.2mmの厚さの材料が特に適しているということを発見した。非晶質固体は2つ以上の層を含んでもよく、本明細書で説明した厚さはこれらの層の合計の厚さを意味する。
場合によってはスラリー溶媒は実質的に水からなってもよくあるいは水からなってもよい。場合によってはスラリーは約50wt%、60wt%、70wt%、80wt%または90wt%の溶媒(WWB)を含んでもよい。
溶媒が水からなる場合、スラリーの乾式重量での含有量は非晶質固体の乾式重量での含有量と一致する。従って、固体組成物に関する本明細書中での考察は、明らかに本発明のスラリーの態様と組み合わせて開示されているものとする。
一部の例ではスラリーは46.5℃で約10〜約20Pa・s、例えば46.5℃で約14〜16Pa・sの粘度を有する。
非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料は30g/m2〜120g/m2などのあらゆる好適な面密度を有してもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は約30〜70g/m2または約40〜60g/m2の面密度を有してもよい。一部の実施態様では非晶質固体は約80〜120g/m2または約70〜110g/m2または特に約90〜110g/m2の面密度を有してもよい。そのような面密度は、エアロゾル発生材がシート状の消耗品またはシステムにまたは刻まれたシート(さらに以下に説明する)として含有される場合に特に好適である。
一部の例ではシート状の非晶質固体は、約200N/m〜約900N/mの引張強度を有してもよい。非晶質固体が充填材を含まないなどの一部の例では、非晶質固体は200N/m〜400N/mまたは200N/m〜300N/mまたは約250N/mの引張強度を有してもよい。そのような引張強度は、エアロゾル化可能な材料がシートとして形成され、その後刻まれ、消耗品に組み込まれる場合に特に好適である。一部の例では非晶質固体が充填材を含むなどの一部の例では、非晶質固体は600N/m〜900N/mまたは700N/m〜900N/mまたは約800N/mの引張強度を有してもよい。そのような引張強度は、エアロゾル化可能な材料が丸められたシート、好適には管の形で消耗品またはシステムに含有される。
特にある場合にはキャリアーは紙に支持された箔であってもよく、紙の層は非晶質固体層と当接し、上記段落で述べた特性は、この当接によって可能になる。箔の裏打ちは実質的に非透過性であり、エアロゾルの流路を制御する。金属箔の裏打ちは熱をゲルに伝える役割も果たす。
別の場合には紙に支持されている箔の箔層は非晶質固体と当接する。箔は不透過性であり、これにより非晶質固体に設けられた水が紙の構造的完全性を弱める可能性がある紙に吸収されるのを妨げる。
場合によってはキャリアーはアルミ箔などの金属箔から形成されるまたは金属箔を含む。金属キャリアーは熱エネルギーを非晶質固体により良好に伝達することができる。加えてまたはこれとは別に金属箔は誘導加熱システムのサセプタとして機能してもよい。特定の実施態様ではキャリアーは金属箔層とボール紙などの支持層とを含む。これらの実施態様では金属箔層は20μm未満、例えば約1μm〜約10μm、好適には約5μmの厚さを有する。
本発明で使用する活性物質は生理反応を達成するまたは高めることを意図した材料である生理的に活性な材料である。活性物質は、例えば栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は自然に発生したものまたは合成で得られたものであってもよい。活性物質は、例えばニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6またはB12またはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、またはこれらの成分、派生物または混合物を含んでもよい。活性物質はタバコ、大麻または他の植物の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
一部の実施態様では活性物質はニコチンを含む。
一部の実施態様では活性物質は、カフェイン、メラトニンまたはビタミンB12を含む。
ここで説明するように活性物質は1つ以上のカンナビノイドまたはテルペンなどの大麻の成分、派生物または抽出物の1つ以上を含んでもよい。
カンナビノイドは脳内の神経伝達物質放出を抑える細胞内のカンナビノイド受容体(即ち、CB1およびCB2)に作用する天然または合成化合物群である。カンナビノイドは大麻などの植物から自然発生したもの(植物性カンナビノイド)または動物から自然発生したもの(動物性カンナビノイド)または人工的に製造したもの(合成カンナビノイド)であってもよい。大麻種は少なくとも85の異なる植物性カンナビノイドを示し、カンナビゲロール類、カンナビクロメン類、カンナビジオール類、テトラヒドロカンナビノール類、カンナビノール類およびカンナビノジオール類およびその他のカンナビノイド類を含むサブクラスに分けられる。アサ属に見られるカンナビノイド類は、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含むが、これらに限定されない。
ここで説明するように活性物質は植物またはその成分、派生物または抽出物を含むまたはそれらから派生したものであってもよい。ここで言う「植物」なる用語は抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種、花、果実、花粉、殻、さやなどの植物から派生したあらゆる材料を含むがこれらに限定されない。これとは別に材料は合成して得られる植物に天然に存在する活性化合物を含んでもよい。材料は液体、気体、固体、粉体、塵、粉砕された粒子、粒、ペレット、小片、ストリップ、シートなどの形体であってもよい。植物の例としてはタバコ、ユーカリ、トウシミキ、オオアサ、ココア、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カミツレ、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、リコリス(甘草)、抹茶、マテ茶、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、チョウジ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、月桂樹の葉、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン果皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ヒメコウジ、シオガマギク、クルクマ、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、橙花、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、桑、朝鮮人参、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブまたはこれらのあらゆる組み合わせが挙げられる。ミントはハッカ、モロッコミント、エジプトミント、ペパーミント、オーデコロンミント、キャンディミント、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、パイナップルミント、ペニーロイヤルミント、カーリーミントおよびマルバハッカなどのミント種から選択されてもよい。
一部の実施態様では植物はユーカリ、トウシミキ、ココアおよび麻から選択される。
一部の実施態様では植物はルイボスおよびウイキョウから選択される。
本明細書中で使用する「風味料」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味、匂いまたは他の体性感覚刺激を生じさせるために使用される。
それらは自然発生の風味材料、植物、植物の抽出物、合成によって得られた材料またはそれを組み合わせたもの(例えば、タバコ、大麻、リコリス(甘草)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、チョウジ、メイプル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエキス、バラ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、橙花、サクランボ花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピメント、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、オオアサ、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油、ユーカリ、トウシミキ、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶または紅茶などの茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ローリエの葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン果皮、ミント、シオガマギク、クルクマ、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミエン、ハナハッカ、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ウイキョウ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物または息消臭剤などのその他の添加剤を含む。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。それらは、例えば油などの液体、粉などの固体または気体などのあらゆる好適な形体であってもよい。
風味料は、好適には1つ以上のミント風味料を含み、好適にはハッカ属のいずれかの種からのハッカ油を含む。風味料は好適にはメンソールを含む、メンソールから実質的になる、またはメンソールからなる。
一部の実施態様では風味料はメンソール、スペアミントおよび/またはペパーミントを含む。
一部の実施態様では風味料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類および/またはレッドベリーの風味成分を含む。
一部の実施態様では風味料はオイゲノールを含む。
一部の実施態様では風味料はタバコから抽出された風味成分を含む。
一部の実施態様では風味料は大麻から抽出された風味成分を含む。
一部の実施態様では風味料は、感覚惹起剤を含んでもよく、これはアロマまたは味覚神経に加えてまたは代わりに通常第5脳神経(三叉神経)の刺激によって化学的に誘発そして認識され、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ感を与える薬剤を含んでもよい。好適な熱作用剤は、バニリルエチルエーテルであるが、これに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、WS−3であるが、これらに限定されない。
本明細書中では「エアロゾル発生剤」なる用語は、エアロゾルの発生を促す薬剤を意味する。エアロゾル発生剤は、気体の初期の気化および/または吸引可能な固体および/または液体エアロゾルへの凝集を促進することによってエアロゾルの発生を促してもよい。エアロゾル発生剤は初期の気化および/または気体の吸引可能な固体および/または液体エアロゾルへの縮合を促すことによってエアロゾルの発生を促進させてもよい。
好適なエアロゾル発生剤としては、エリトリトール、ソルビトール、グリセリンおよびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのようなグリコール類などのポリオール、一価アルコール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸類、グリセリン誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸エステル、ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステルなどのエステル類などの非ポリオールが挙げられるがこれらに限定されない。エアロゾル発生剤は好適にはメンソールを溶解しない組成を有する。エアロゾル発生剤は、好適にはグリセリンを含む、実質的にグリセリンからなるまたはグリセリンからなる。
本明細書中では「タバコ材」なる用語は、タバコまたはその派生物を含むあらゆる材料を意味する。「タバコ材」なる用語はタバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の内の1つ以上を含んでもよい。タバコ材は粉タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押し出しされたタバコ、タバコ葉柄、再生タバコおよび/またはタバコ抽出物の内の1つ以上を含んでもよい。
タバコ材を製するために使用されるタバコは、ヴァージニアおよび/またはバーレーおよび/またはオリエンタルを含む単独グレードまたはブレンド、刻まれたクズまたは葉全体などのあらゆる好適なタバコであってもよい。またタバコ粒子「微粉末」またはダスト、膨張タバコ、葉柄、膨張葉柄および裁断圧延葉柄などの他の処理された葉柄材であってもよい。タバコ材は粉タバコまたは再生タバコ材であってもよい。再生タバコ材はタバコ繊維であってもよく、キャスティング、タバコ抽出物を後で追加するフォードリニア系製紙法または押し出しによって形成してもよい。
一部の実施態様では非晶質固体はメンソールを含む。
メンソール含有非晶質固体を含む特定の実施態様は刻まれたシートとして消耗品またはシステムに含有させるのが特に好適である。そのような実施態様では非晶質固体は、約20wt%〜約40wt%または約25wt%〜35wt%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を含む、より好ましくはアルギン酸塩とペクチンとを含む)、約35wt%〜約60wt%または約40wt%〜55wt%の量のメンソール、約10wt%〜約30wt%または約15wt%〜約25wt%(DWB)の量のエアロゾル発生剤(好ましくはグリセリンを含む)といった組成(DWB)を有する。
1つの実施態様では非晶質固体は約32〜33wt%のアルギン酸塩/ペクチンゲル化剤ブレンド、約47〜48wt%の風味剤および約19〜20wt%グリセリンエアロゾル発生剤(DWB)を含む。
上記のようにこれらの実施態様の非晶質固体は消耗品またはシステムに刻まれたシートとして含有されてもよい。刻まれたシートは刻みタバコとブレンドされた消耗品またはシステムに供されてもよい。これとは別に非晶質固体は刻まれていないシートとして設けてもよい。好適には刻まれたまたは刻まれていないシートは約0.015mm〜約1mm、好ましくは約0.02mm〜約0.07mmの厚さを有する。
メンソール含有非晶質固体の特定の実施態様はエアロゾル化可能な材料からなるロッド(例えばタバコ)を囲むシートなどのシートとして消耗品またはシステムに含有するのが特に好適である。これらの実施態様では非晶質固体は、約5wt%〜約40wt%または約10wt%〜30wt%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を含む、より好ましくはアルギン酸塩とペクチンとを含む)、約10wt%〜約50wt%または約15wt%〜40wt%の量のメンソール、約5wt%〜約40wt%または約10wt%〜約35wt%の量のエアロゾル発生剤(好ましくはグリセリンを含む)、60wt%以下、例えば5wt%〜20wt%または約40wt%〜60wt%(DWB)の量の任意の充填材といった組成(DWB)を有する。
これらの実施態様の内の1つでは非晶質固体は約11wt%のアルギン酸塩/ペクチンゲル化剤ブレンドと、約56wt%のウッドパルプ充填材と、約18%のメンソール風味剤と、約15wt%のグリセリン(DWB)とを含む。
これら実施態様の別例では非晶質固体は約22wt%のアルギン酸塩/ペクチンゲル化剤ブレンドと、約12wt%のウッドパルプ充填材と、約36wt%のメンソール風味剤と、約30wt%のグリセリン(DWB)とを含む。
上記のようにこれらの実施態様の非晶質固体はシートとして含有されてもよい。1つの実施態様ではシートは紙を含むキャリアー上に設けられる。1つの実施態様ではシートは金属箔、好適にはアルミニウム金属箔を含むキャリアー上に設けられる。この実施態様では非晶質固体は金属箔と当接する。
1つの実施態様ではシートはシートの上下面に取り付けられた層(好ましくは紙を含む)を有する積層体材料の一部を形成する。好適には非晶質固体のシートは約0.015mm〜約1mmの厚さを有する。
一部の実施態様では非晶質固体はメンソールを含まない風味剤を含む。これらの実施態様では非晶質固体は、約5wt%〜約40wt%または約10wt%〜35wt%または約20wt%〜約35wt%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を含む)、約0.1wt%〜約40wt、約1wt%〜約30wt%または約1wt%〜約20wt%または約5wt%〜約20wt%の量の風味剤、約15wt%〜約75wt%または約30wt%〜約70wt%または約50wt%〜約65wt%の量のエアロゾル発生剤(好ましくはグリセリンを含む)、約60wt%未満または約20wt%未満または約10wt%未満または約5wt%の量の任意の充填材(好適にはウッドパルプ)(好ましくは非晶質固体は充填材を含まない)といった組成(DWB)を有する。
これらの実施態様の内の1つでは非晶質固体は約27wt%のアルギン酸塩ゲル化剤と、約14wt%の風味剤と、約57wt%のグリセリンエアロゾル発生剤(DWB)とを含む。
これら実施態様の別例では非晶質固体は、約29wt%のアルギン酸塩ゲル化剤と、約9wt%の風味剤と、約60wt%のグリセリン(DWB)とを含む。
これらの実施態様の非晶質固体は刻まれたシートとして消耗品またはシステムに含有されてもよく、必要であれば刻みタバコとブレンドされる。これとは別にこれらの実施態様の非晶質固体はエアロゾル化可能な材料からなるロッド(例えばタバコ)を囲むシートなどのシートとして消耗品またはシステムに含有されてもよい。これとは別にこれらの実施態様の非晶質固体は、キャリアー上に配置された層部分として消耗品またはシステムに含有されてもよい。
一部の実施態様では非晶質固体は、タバコ抽出物を含む。これらの実施態様では非晶質固体は、約5wt%〜約40wt%または約10wt%〜30wt%または約15wt%〜約25wt%の量のゲル化剤(好ましくはアルギン酸塩を含む)、約30wt%〜約60wtまたは約40wt%〜55wt%または約45wt%〜約50wt%の量のタバコ抽出物、約10wt%〜約50wt%または約20wt%〜約40wt%または約25wt%〜約35wt%(DWB)の量のエアロゾル発生剤(好ましくはグリセリンを含む)といった組成(DWB)を有する。
1つの実施態様では非晶質固体は約20wt%のアルギン酸塩ゲル化剤と、約48wt%のヴァージニアタバコ抽出物と、約32wt%のグリセリン(DWB)とを含む。
これらの実施態様の非晶質固体は、あらゆる好適な水分量を有してもよい。例えば、非晶質固体は約5wt%〜約15wt%、または約7wt%〜約13wt%、または約10wt%の水分量を有してもよい。
これらの実施態様の非晶質固体は刻まれたシートとして消耗品またはシステムに含有されてもよく、必要であれば刻みタバコとブレンドされる。これとは別にこれらの実施態様の非晶質固体はエアロゾル化可能な材料からなるロッド(例えばタバコ)を囲むシートなどのシートとして消耗品またはシステムに含有されてもよい。これとは別にこれらの実施態様の非晶質固体は、キャリアー上に配置された層部分として消耗品またはシステムに含有されてもよい。好適にはこれらの実施態様のいずれにおいても非晶質固体は、約50μm〜約200μmまたは約50μm〜約100μm、または約60μm〜約90μm、好適には約77μmの厚さを有する。
この非晶質固体を形成するスラリーも本発明の一部を形成してもよい。場合によってはスラリーは約5〜1200Paの弾性係数(貯蔵弾性率ともいう)を有してもよく、場合によってはスラリーは約5〜600Paの粘性係数(損失係数ともいう)を有してもよい。
ここに記載されている重量パーセント(wt%で示される)は、特に明記しない限り乾式重量基準で算出されている。全ての重量比も乾式重量基準で算出されている。乾式重量基準で示される重量は、水以外の抽出物またはスラリーまたは材量の全体を意味し、グリセロールなどのそれ自体は室温および室圧で液体である成分を含んでもよい。逆に言うと、湿式重量基準の重量割合は水を含む全ての成分を意味する。
本明細書中では「シート」なる用語は、厚さより実質的に長い幅および長さを有する部材を意味する。シートは、例えば条片であってもよい。
本明細書中では「加熱材」または「ヒーター材」なる用語は、変動磁場の侵入によって加熱可能な材料を意味する。
誘導加熱は、導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すための装置を備えることができる。加熱しようとする物体と電磁石が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するような適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が発生すると、渦電流が物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。誘導加熱することができる物体は、サセプタとして知られている。
サセプタが閉回路の形態のときは、使用時におけるサセプタと電磁石との磁気結合が強くなり、その結果、ジュール加熱が増大し、又は改善されることが分かっている。
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場が侵入することによって物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場、例えば、電磁石によって生じたものなどの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が発生する。
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、変動磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
上記のプロセスのそれぞれにおいて、熱は、外部熱源によって熱伝導により発生するのではなく、物体自体の内部で発生するので、物体内の急速な温度上昇と、より均一な熱分布を達成することができる。これは、特に、物体の材料及び幾何形状を適切に選び、その物体に対して変動磁場の大きさ及び向きを適切に選ぶことによって達成することができる。さらに誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱では、変動磁場の源と物体との間に物理的な接続部を設ける必要がないので、設計自由度及び加熱プロファイルの制御性を高めるとともに、コストを抑えることができる。
図1および2を参照するとこれらは本発明の実施態様による消耗品の一例の略式側部および端部断面を示している。消耗品1は図8に示し、以下に説明する装置100などのエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置に使用するためのものである。
消耗品1はキャリアー16と、キャリアー16にコートされた非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14とを含む中空の管を含む。エアロゾル化可能な材料14がキャリアー16上のコーティングと考慮してもよい。エアロゾル化可能な材料14は、例えばキャリアー16上にスプレー、電気スプレー、キャストまたはバンドキャストされていてもよい。中空の管は消耗品1の空隙10の周囲に位置する。この実施態様では空隙10は消耗品1の長手方向の一端から長手方向の他端へと延びた貫通孔によって形成されている。他の実施態様では空隙10は消耗品1の長手方向一端部から消耗品1の長手方向反対の端部の方へ部分的にのみ延び止まり穴によって形成してもよい。
消耗品1の中空の管は軸A−Aに沿って延びている。軸A−Aは空隙10に沿って延びた中央軸であるが、他の実施態様では中空の管の構造は、軸A−Aが空隙10からオフセットしているようなものであってもよい。この実施態様では中空の管は軸A−Aの方向に長尺であるが、他の実施態様では中空の管の幅または直径は、中空の管が長尺でなくなるように軸A−Aの方向の中空の管の寸法より長いまたは等しくてもよい。この実施態様の空の管は円形の内方および外方断面形状を有する。他の実施態様では中空の管の内方および外方断面形状の一方または他方は円形以外、例えば楕円形、多角形、矩形、正方形、三角形または星形などであってもよい。
一部の実施態様ではキャリアー16は中空の管の、または消耗品全体の最外面などの表面の少なくとも一部を形成している。一部の実施態様ではキャリアー16は、表面の少なくとも大半、例えば表面の全てを形成する。この実施態様ではキャリアー16は中空の管および消耗品1の最外面を形成する。これは消耗品の操作中、例えば消耗品をそれが共に使用される装置に挿入または抜く際にユーザーの指または手がエアロゾル化可能な材料14と接触しないようにするのに役立つ。またこれはエアロゾル化可能な材料14が装置の加熱領域を画定する壁と接触するのを避けるのに役立ち、これにより装置を相対的に清潔に保つのに役立つ。しかしながら、図3を参照して以下に説明する実施態様のような他の実施態様ではキャリアー16は、さらにまたはこれとは別に中空の管のおよび/または消耗品の最内面を形成する。
この実施態様のキャリアー16は管状である。さらにこの実施態様ではキャリアー16はエアロゾル化可能な材料14と空隙10を囲み、エアロゾル化可能な材料14はキャリアー16と空隙10の間に位置する。一部の他の実施態様ではキャリアー16は管状以外であってもよい。例えば一部の実施態様ではキャリアー16は、キャリアー16が円周方向に不連続であって、従って完全な管を形成しないようにキャリアーに形成された軸方向に延びたスロットまたは他の特徴を有してもよい。
キャリアー16はあらゆる好適な材料から作製されてもよい。キャリアー16は、本明細書で後述する温度のような消耗品1の通常使用時に晒される温度に耐える充分な耐熱性である必要がある。キャリアー16は消耗品1に剛性を付与するのに役立つ。一部の実施態様ではキャリアーは使用時にエアロゾル化可能な材料14から発生するエアロゾルに対して非浸透性である。一部の実施態様ではキャリアー16は紙、ボール紙、板紙、段ボール、再生タバコ、プラスチック材、金属および金属合金からなる群から選択される1つ以上の材料を含む。例えば一部の実施態様ではキャリアー16は、例えば紙または板紙または再生タバコなどの丸められたシートまたは条片を含む。一部の実施態様ではキャリアー16は紙と金属または金属合金などの上記の材料の内の2つからなる積層体を含む。他の実施態様ではキャリアー16はプラスチック材または金属または金属合金を1つ以上含む材料の押し出し物を含んでもよい。一部の実施態様ではキャリアー16は再生タバコのシートなどのタバコ材を含むまたは再生タバコのシートなどのタバコ材からなる。
エアロゾル化可能な材料14と当接するキャリアーの面は多孔性であってもよい場合がある。例えば場合によってはキャリアー16は紙を含む。本発明者は、紙などの多孔質キャリアーは本発明に特に適しており、多孔性層はエアロゾル化可能な材料14と当接し、強固に接着することを発見した。エアロゾル化可能な材料14の非晶質固体はゲルを乾燥させて形成され、いかなる理論に制限されるものではなく、ゲルが形成されるスラリーは、ゲルが硬化し、架橋を形成した際にキャリアーは部分的にゲルに結合するように一部が多孔性キャリアー(例えば紙)に含浸すると考えられている。これはゲルとキャリアーの間(そして乾燥したゲルとキャリアーの間)を強固に結合する。多孔性層(例えば紙)は風味料を担持するために使用してもよい。場合によっては多孔性層は0〜300コレスタ単位(CU)、好適には5〜100CUまたは25〜75CUの多孔度を有する好適には紙を含んでもよい。
さらに表面粗さがエアロゾル化可能な材料14とキャリアー16の間の接着の強度に貢献する。本発明者は紙の粗さ(エアロゾル化可能な材料と当接する面の)は、50〜1000ベック秒、好適には50〜150ベック秒の範囲内であり、より好適には100ベック秒である(50.66〜48.00kPaの空気圧インターバルで測定した)。(ベック平滑度試験器は、特定の圧力で空気が滑らかなガラス面と紙のサンプルの間で漏れる紙の面の滑らかさを測定するために使用される機器であり、これらの面の間で染み出る所定の空気量での時間(秒)が「ベック平滑度」である。)
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14の少なくとも一部は、キャリアー16の半径方向内方に位置する。図1および2に実施態様のような一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14の全てがキャリアー16の半径方向内方に位置する。他の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14の一部は、キャリアー16の長手方向一端部面またはキャリアー16の2つの対向する長手方向端部面などの半径方向内方以外に位置してもよい。図3を参照して以下に説明する実施態様のような一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14の少なくとも一部はキャリアー16の半径方向外方に位置する。
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は中空の管の最内面などの表面の少なくとも一部を形成する。エアロゾル化可能な材料14は、中空の管の表面の全てなどの中空の管の表面の少なくとも大半を形成する。この実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は中空の管の最外面を形成している。これにより使用時に空隙10を介してユーザーにエアロゾルが送られるようにすることができる。そしてこれは使用時に装置内の縮合物の堆積を少なくするまたは避けることに役立つ。しかしながら、図3を参照して以下に説明する実施態様のような他の実施態様では、エアロゾル化可能な材料14はさらにまたはこれとは別に中空の管の最外面を形成している。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は中空の管の最内面の一部も形成しない。例えば、図1および2に示した実施態様の一部の変型例では中空の管は中空の管の最内面を形成し、使用時にエアロゾル化可能な材料14から発せられるエアロゾルに対して浸透性である別の層(図示せず)を含んでもよい。
上記のようにこの実施態様のエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16上にコーティングされていることによってキャリアー16に貼り付けられる。そのコーティングはスプレーすることを含んでもよい。そのコーティングはキャスティングすることを含んでもよい。キャスティングは、液状または他の流体状の材料をキャリアー16(または最終的にはキャリアー16を形成する材料)の表面に設けて、次にその材料をキャリアー16の表面上で少なくとも部分的に固体化または硬化させて非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14を形成することを伴っていてもよい。このような実施態様のエアロゾル化可能な材料14それ自体を「キャスティング」と呼んでもよい。
他の実施態様では非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14は、キャスティング以外の機構によってキャリアーに貼り付けられてもよい。例えば一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はエアロゾル化可能な材料14とキャリアー16の間に接着剤を設けることによってキャリアー16に貼り付けられてもよい。接着剤は、例えばアラビアゴム、天然または合成樹脂、スターチ、ポリビニルアセテート(PVA)およびワニスの1つ以上を含んでもよい。他の実施態様では貼り付けは、エアロゾル化可能な材料14がキャリアー16に対して所定の位置に保持されるようにエアロゾル化可能な材料14とキャリアー16間に締結具または締まりばめを設けることによるものであってもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は、キャリアー16の2つの層の間または2つのキャリアー16の間に捕捉されるまたは挟まれることによってキャリアー16に貼り付けられてもよい。
この実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は管状である。より具体的にはこの実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は、エアロゾル化可能な材料14が空隙10を囲むようにキャリアー16の内側の面の環状経路に沿って貼り付けられる。この実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16の内側の面の全てまたは実質的に全てを覆う。他の実施態様ではキャリアー16の内側の面はエアロゾル化可能な材料14によって一部のみが覆われてもよい。例えば、エアロゾル化可能な材料14はエアロゾル化可能な材料14の管などの1つ以上の個別の間隔が空けられた領域としてキャリアー16にコートまたはそうでなければ貼り付けられてもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16上の1つ以上のパッチ形状などの非管状であってもよい。
この実施態様の消耗品1は、消耗品1が加熱領域にあるとき、エアロゾル化可能な材料14の加熱を生じさせるデバイスを有する図8に示す装置100の加熱領域110などの装置の加熱領域内に挿入するのに適している。加熱領域110に入ると、装置のデバイスはエアロゾル化可能な材料14の加熱を生じさせ、エアロゾル化可能な材料14の少なくとも1つの成分を揮発させる。一部の実施態様ではデバイスは消耗品1に具体的にはエアロゾル化可能な材料14にキャリアーを介して熱エネルギーを加えるように構成されている。一部のこのような実施態様ではデバイスは抵抗性ヒーターであってもよく、これは電源に電気的に抵抗性ヒーターを接続することによって加熱される。一部の他の実施態様ではデバイスは消耗品1が加熱領域110にあるとき、加熱領域に侵入するための変動磁場を発生させる磁場発生器112を含んでもよく、および消耗品1のキャリアー16は変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含む。その結果、これらの他の実施態様ではデバイスは電磁エネルギーが消耗品1の加熱材に与えられるようにして加熱材に熱を生じさせるように構成され、次に熱エネルギーがキャリアー16からエアロゾル化可能な材料14に与える。一部の実施態様では消耗品1はエアロゾル化可能な材料14に部分的にまたは完全に埋め込まれた加熱材を含んでもよい。さらに別の実施態様では装置100は加熱材を含む加熱エレメント120を有し、加熱エレメント120は加熱領域110と熱接触し、磁場発生器112は、加熱エレメント120および従って、加熱領域110の加熱を生じさせるために加熱エレメント120に侵入する変動磁場を発生させるためのものである。いずれにしてもその後、エアロゾル化可能な材料14の1つ以上の揮発した成分がエアロゾル化可能な材料14から空隙10内に通り、そこでその成分はエアロゾルを形成し、そこから装置100の消耗品1またはマウスピース(設けられている場合)でのユーザーの吸引によって消耗品1から出る。
従って、当然のことながら一部の実施態様ではキャリアー16は変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含む。加熱材は、例えば本明細書で説明したものの内の任意の1つ以上であってもよい。キャリアー16は加熱材からなるまたは実質的に加熱材からなる。キャリアー16が加熱材からなる閉回路を含むことが好ましいが、必須ではない。加熱材は消耗品1に沿って軸方向に離れた実質的に一定の断面積を有する。しかしながら、他の実施態様ではキャリアー16はそのような加熱材を含まなくてもよい。もちろん一部の実施態様では消耗品全体がそのような加熱材を含まなくてもよい。
図3は本発明の別の実施態様による消耗品の一例の略式端部断面図である。消耗品2は、図8に示すおよび以下に説明する装置100などのエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためにエアロゾル化可能な材料を加熱する装置に使用するためのものである。消耗品2は、キャリアー16と、キャリアー16にコートされた非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14とを含む中空の管を含む。中空の管は消耗品2の空隙10の周囲に位置する。
留意すべきは図3の消耗品2は図1および2の消耗品1と類似しており、同様の部材には同じ参照番号が付されているということである。簡潔にするために図3の消耗品2についてはこれら2つの消耗品1、2の違いに主に着目して考察する。しかしながら、本明細書で説明した図1および2の消耗品1(またはその一部)の可能な変型例のいずれも図3の消耗品2(またはその対応する部分)に対してもなされ、さらに別の実施態様を構成することに留意されたい。
図3には明確に示されていないがこの実施態様では消耗品2の中空の管は、ここでも空隙10に沿って延びた中央軸A−Aの方向に長尺であり、中空の管は円形の内方および外方断面形状を有する。しかしながら、この実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16の半径方向外方に位置している。図3に示したもののような一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14の全てがキャリアー16の半径方向外方に位置している。他の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14の一部は、キャリアー16の長手方向の1端部面上またはキャリアー16の2つの対向する長手方向端部面上などのキャリアー16の半径方向外方以外に位置してもよい。
エアロゾル化可能な材料14はキャリアー16上にコートされたことによってキャリアー16に貼り付けられている。コーティングはスプレーまたはキャストを含んでもよい。この実施態様ではキャリアー16は消耗品2の中空の管の最内面を形成し、エアロゾル化可能な材料14は中空の管および消耗品2の最外面を形成している。この実施態様のエアロゾル化可能な材料14は管状である。さらにこの実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16と空隙10を囲み、キャリアー16はエアロゾル化可能な材料14と空隙10の間に位置している。この実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアーの外面の全てまたは実質的に全てを覆う。他の実施態様ではキャリアー16の外面の一部だけがエアロゾル化可能な材料14によって覆われてもよい。例えば、エアロゾル化可能な材料14はエアロゾル化可能な材料14からなる管などの1つ以上の個別の間隔が空けられた領域としてキャリアー16にコートされてもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16上の1つ以上のパッチ形状などの非管状であってもよい。
この実施態様の消耗品2は装置の加熱領域内に挿入するのに適しており、この装置は消耗品2が加熱領域にあるときエアロゾル化可能な材料14の加熱を生じさせるデバイスを有する。加熱領域に入ると、装置のデバイスは、エアロゾル化可能な材料14の少なくとも1つの成分を揮発させるために本明細書で説明した加熱技術のいずれかを使用してエアロゾル化可能な材料14の加熱を生じさせる。一部の実施態様では装置のデバイスは、消耗品2が加熱領域にあるとき、消耗品2の空隙10内に突出してもよく、デバイスはキャリアー16を介してエアロゾル化可能な材料14に熱エネルギーを加えるように構成されてもよい。揮発すると、エアロゾル化可能な材料14の1つ以上の成分が次にエアロゾル化可能な材料14と消耗品2から半径方向外方に移動し、そこでそれら成分はエアロゾルを形成し、ユーザーは消耗品2または装置のマウスピースで吸い込んで、揮発した1つ以上の成分またはエアロゾルを吸引する。
図4は本発明の別の実施態様による消耗品の別例の略式端部断面を示している。消耗品3は、図8に示すおよび以下に説明する装置100などのエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためにエアロゾル化可能な材料を加熱する装置に使用するためのものである。消耗品3はキャリアー16と、キャリアー16にコートされた非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14とを含む中空の管を含む。中空の管は消耗品3の空隙10の周囲に位置する。
図4の消耗品3は、キャリアー16の形状以外、図1および2の消耗品と同じである。従って、同様の部材には同じ参照番号が付されており、簡潔にするために図4の消耗品3はについてはこれら2つの消耗品1、3の違いに主に着目して考察する。本明細書で説明した図1および2の消耗品1(またはその一部)の可能な変型例のいずれも図4の消耗品3(またはその対応する部分)に対してもなされ、さらに別の実施態様を構成することに留意されたい。
この実施態様の消耗品3およびより具体的にはキャリアー15は、エアロゾル化可能な材料14を加熱するために変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材を含みむ。加熱材は、例えば本明細書で説明したものの内の任意の1つ以上であってもよい。
より具体的にはキャリアー16は加熱材を含む第1の層18と第2の層20とを含む。キャリアー16は積層体であってもよい。キャリアー16(例えばその第1の層)が加熱材からなる閉回路などの加熱材を含むことが好ましいが、必須ではない。加熱材は、例えば本明細書で説明したものの内の任意の1つ以上であってもよい。この実施態様では第2の層20は変動磁場の侵入によって加熱可能ではないが、他の実施態様では第2の層20も第1の層18の加熱材と同じまたは異なる加熱材を含んでもよい。第2の層は、例えば紙、ボール紙、板紙、段ボール、再生タバコおよびプラスチック材からなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。
この実施態様では第1の層18はエアロゾル化可能な材料14と第2の層20の間に位置する。エアロゾル化可能な材料14は第1の層18にコートされ、第2の層20は管状部材および消耗品3の最外面を形成している。
他の実施態様では第2の層20はエアロゾル化可能な材料14と加熱材を含む第1の層18の間に位置してもよい。いくつかのこのような実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は第2の層20にコートされてもよく、第1の層18は管状部材および消耗品3の最外面を形成してもよい。さらに別の実施態様ではキャリアー16は、1つ以上のさらなる層(図示せず)を含んでもよく、その内の少なくとも1つは、管状部材のおよび選択的に消耗品3の最外面を形成する。一部のこのような実施態様では加熱材を含む第1の層18は、第2の層20と1つ以上のさらなる層の間に位置する。さらに一部のこのような実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は第2の層20におよび/またはそのさらなる1つ以上の層上にコートされてもよい。さらなる別の構成も当業者には自明である。これら上述の実施態様のそれぞれの変型例において、エアロゾル化可能な材料14は、図1および2の消耗品1に関して本明細書で説明した技術のいずれかなどのコーティング以外の機構によってキャリアー16に貼り付けられてもよい。
この実施態様の消耗品3は、消耗品3が加熱領域にあるときエアロゾル化可能な材料14が加熱されるようにするデバイスを有する装置の加熱領域内に挿入するのに適している。加熱領域に入ると、装置のデバイスは、エアロゾル化可能な材料14の少なくとも1つの成分を揮発させるために本明細書で説明した加熱技術のいずれかを使用してエアロゾル化可能な材料14の加熱を生じさせる。その後、エアロゾル化可能な材料14の1つ以上の揮発した成分がエアロゾル化可能な材料14から空隙10内に通り、そこでその成分はエアロゾルを形成し、そこから装置の消耗品3またはマウスピース(設けられている場合)でのユーザーの吸引によって消耗品3から出る。
上記のように図4の消耗品3は、キャリアー16の形状以外、図1および2の消耗品と同じである。一部の実施態様では同様に消耗品はキャリアー16の形状以外は図3の消耗品2と同じであってもよい。例えば、一部の実施態様では図3の消耗品2は、キャリアー16は加熱材を含む第1の層と第2の層とを含むように変更されてもよい。加熱材は、例えば本明細書で説明したものの内の任意の1つ以上であってもよい。一部の実施態様では第2の層は変動磁場の侵入によって加熱可能でなくてもよい。他の実施態様では第2の層は第1の層の加熱材と同じまたはとは異なる加熱材を含んでもよい。第2の層は、例えば紙、ボール紙、板紙、段ボール、再生タバコおよびプラスチック材からなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。一部の実施態様では第1の層はエアロゾル化可能な材料14と第2の層の間に位置する。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は第1の層にコートされ、第2の層は管状部材および消耗品の最内面を形成する。他の実施態様では第2の層はエアロゾル化可能な材料14と加熱材を含む第1の層の間に位置する。いくつかのこのような実施態様ではエアロゾル化可能な材料14にコートされてもよい。第2の層および第1の層は管状部材および消耗品の最内面を形成してもよい。さらに別の実施態様ではキャリアー16は1つ以上のさらなる層(図示せず)を含んでもよく、その内の少なくとも1つは管状部材のおよび選択的に消耗品の最外面を形成する。一部のこのような実施態様では加熱材を含む第1の層は第2の層とその1つ以上のさらなる層の間に位置してもよい。さらに一部のこのような実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は第2の層上におよび/またはこの1つ以上のさらなる層上にコートされてもよい。さらなる別の構成も当業者には自明である。
図5は本発明の別の実施態様による消耗品の一例の略式端部断面図である。消耗品4は、図8に示すおよび以下に説明する装置100などのエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためにエアロゾル化可能な材料を加熱する装置に使用するためのものである。消耗品4はキャリアー16と、キャリアー16にコートされた非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14とを含む中空の管を含む。中空の管は消耗品4の空隙10の周囲に位置する。
留意すべきは図5の消耗品4は図3の消耗品2と類似しており、同様の部材には同じ参照番号が付されているということである。簡潔にするために図5の消耗品4についてはこれら2つの消耗品2、4の違いに主に着目して考察する。しかしながら、本明細書で説明した図3の消耗品2(またはその一部)の可能な変型例のいずれも図5の消耗品4(またはその対応する部分)に対してもなされ、さらに別の実施態様を構成することに留意されたい。例えば、キャリアー16は、一部の実施態様でキャリアー16がエアロゾル化可能な材料14を加熱するために変動磁場の侵入よって加熱可能な加熱材を含むように本明細書で説明したキャリアー16のいずれかの形体であってもよい。加熱材は、例えば本明細書で説明したものの内の任意の1つ以上であってもよい。他の実施態様ではキャリアー16はこのような加熱材を含まなくてもよい。もちろん一部の実施態様では消耗品4全体がそのような加熱材を含まなくてもよい。
消耗品4はエアロゾルを収容する多孔性の材料体11を含む。この実施態様では中空の管はエアロゾルを収容する多孔性の材料体11を含む。より具体的にはこの実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16とエアロゾルを収容する多孔性の材料体11の間で半径方向に位置している。さらにより具体的にはこの実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11はエアロゾル化可能な材料14の半径方向外方に位置している。一部の実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11の少なくとも一部は、エアロゾル化可能な材料14の長手方向一端部面またはエアロゾル化可能な材料14の2つの対向する長手方向端部面に位置してもよい。
エアロゾルを収容する多孔性の材料体11は、使用時のエアロゾル化可能な材料14の加熱中にエアロゾル化可能な材料14から発生したエアロゾルを収容するためのものである。多孔性エアロゾル収容材11は、使用時にエアロゾル化可能な材料14から発生した揮発した材料が消耗品4が使用される装置100の表面で確実に液化しないようにするのに役立つ。一部の実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11を設けることは、使用時にエアロゾル化可能な材料14から発せられるエアロゾルが消耗品4中に形成する表面積を大きくするのに役立つ。一部の実施態様ではこのようなエアロゾルを収容する多孔性の材料体11は、使用時にエアロゾル化可能な材料14から発せられる目に見えるエアロゾルの量を増加させるのに役立ち、従って消費者経験を向上させる場合がある。
一部の実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11はエアロゾル化可能な材料を含まない。一部の実施態様では多孔性エアロゾル収容材11は、詰め綿、フリース、不織材、不織フリース、織り材、編み材、ナイロン、発泡体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルフィラメント、ポリプロピレンおよびポリエステルおよびポリプロピレンをブレンドしたものからなる群から選択される1つ以上の材料を含む。他の実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11はエアロゾル化可能な材料を含んでもよい。
この実施態様ではエアロゾル化可能な材料14はエアロゾルを収容する多孔性の材料体11と接触しているが、他の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14とエアロゾルを収容する多孔性の材料体11の間に別の材料層があってもよい。このようなさらなる材料層は消耗品4の剛性または頑健性を大きくし、エアロゾル化可能な材料14と多孔性エアロゾル収容材11の相対位置を保持するのに役立ち、および/またはエアロゾル化可能な材料14の異なる領域を一緒に保持するのに役立つ。このようなさらなる材料層は、エアロゾル化可能な材料14から発生したエアロゾルが多孔性エアロゾル収容材11に到達することができるように浸透性である必要がある。
この実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11は管状である。さらにこの実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11は、エアロゾル化可能な材料14、キャリアー16および空隙10を囲み、エアロゾル化可能な材料14はキャリアー16とエアロゾルを収容する多孔性の材料体11の間に位置する。一部の他の実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11は管状以外であってもよい。例えば一部の実施態様ではエアロゾルを収容する多孔性の材料体11は、エアロゾルを収容する多孔性の材料体11が円周方向に非連続になり、従って完全な管にならないように軸方向に延びたスロットまたは材料体に形成された他の特徴を有してもよい。
図5の消耗品4は外方カバー12も含む。この実施態様では外方カバー12は管状である。さらにこの実施態様では外方カバー12はエアロゾルを収容する多孔性の材料体11を囲み、エアロゾルを収容する多孔性の材料体11は外方カバー12とエアロゾル化可能な材料14の間に位置する。
外方カバー12はあらゆる好適な材料で作製してもよい。外方カバー12は、本明細書で後述する温度のような通常使用時に晒される温度に耐える充分な耐熱性である必要がある。一部の実施態様では外方カバー12は使用時にエアロゾル化可能な材料14から発せられるエアロゾルに対して非浸透性である。例えば一部の実施態様では使用の際、エアロゾル化可能な材料14から発せられ、エアロゾルを収容する多孔性の材料体11に収容される揮発した材料は、エアロゾルを収容する多孔性の材料体11の軸方向端部を介して消耗品4を通過して出るように外方カバー12によって案内される。
一部の実施態様では外方カバー12は、紙、ボール紙、板紙、段ボール、再生タバコ、プラスチック材、金属および金属合金からなる群から選択される1つ以上の材料を含む。例えば一部の実施態様では外方カバー12は、例えば紙またはボール紙または再生タバコの丸められたシートまたは条片を含んでもよい。他の実施態様では外方カバー12は、例えばプラスチック材または1つ以上の金属を含む材料の押し出し物を含んでもよい。
一部の他の実施態様では外方カバー12は管状以外であってもよく、または消耗品4から省いてもよい。
図1〜4の実施態様に対する変型例において、消耗品1、2、3は、使用時のエアロゾル化可能な材料14の加熱中にエアロゾル化可能な材料14から発生したエアロゾルを収容するためのエアロゾルを収容する多孔性の材料体11を含んでもよい。一部のこのような変型例ではエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16とエアロゾルを収容する多孔性の材料体11の間で半径方向に位置してもよい。一部のこのような実施態様では消耗品1、2、3はカバー12も含み、エアロゾルを収容する多孔性の材料体11はカバー12およびエアロゾル化可能な材料14の間に位置する。
図6は本発明の別の実施態様による消耗品の例の略式端部断面図である。消耗品5は図8に示すおよび以下に説明する装置100などのエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためにエアロゾル化可能な材料を加熱する装置に使用するためのものである。消耗品5はキャリアー16と、キャリアー16にコートされた非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14とを含む中空の管を含む。消耗品5はキャリアー16と、キャリアー16にコートされた非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14とを含む中空の管を含む。中空の管は消耗品5の空隙10の周囲に位置する。
留意すべきは図5および6の消耗品5は図3の消耗品2と類似しており、同様の部材には同じ参照番号が付されているということである。簡潔にするために図6の消耗品5についてはこれら2つの消耗品2、5の違いに主に着目して考察する。しかしながら、本明細書で説明した図3の消耗品2(またはその一部)の可能な変型例のいずれも図6の消耗品5(またはその対応する部分)に対してもなされ、さらに別の実施態様を構成することに留意されたい。例えば、キャリアー16は、一部の実施態様でキャリアー16がエアロゾル化可能な材料14を加熱するために変動磁場の侵入よって加熱可能な加熱材を含むように本明細書で説明したキャリアー16のいずれかの形体であってもよい。加熱材は、例えば本明細書で説明したものの内の任意の1つ以上であってもよい。他の実施態様ではキャリアー16はこのような加熱材を含まなくてもよい。もちろん一部の実施態様では消耗品5全体がそのような加熱材を含まなくてもよい。
この実施態様のキャリアー16は消耗品5の最内面を形成している。他の実施態様ではキャリアー16は最内面の一部だけを形成してもよい。この実施態様のキャリアー16はその中を延びた複数の穴16aを有し、これは使用の際エアロゾル化可能な材料14の加熱中にエアロゾル化可能な材料14から発生するエアロゾルが消耗品5の最内面へと到達できるようにするためのものである。他の実施態様ではこのような穴は1つだけでもよい。これらまたは各穴16aはキャリアー16のミシン目などのあらゆる好適な形体であってもよい。
この実施態様の消耗品5は外方カバー12を有する。この実施態様では外方カバー12はエアロゾル化可能な材料14を囲み、エアロゾル化可能な材料14は外方カバー12とキャリアー16の間に位置する。外方カバー12は図5の消耗品4の外方カバー12について本明細書で説明した形体のいずれであってもよい。しかしながら、一部の実施態様では外方カバー12は使用時にエアロゾル化可能な材料14から発せられるエアロゾルに対して非浸透性である。例えば一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14から発せられる揮発した材料は、キャリアー16を通って延びた1つ以上の穴16aを介して空隙へとほぼ半径方向内方に消耗品4を通過して出るように外方カバー12によって案内される。空隙10からエアロゾルは装置100の消耗品5またはマウスピース(設けられている場合)でのユーザーの吸引によって消耗品5を通過して出る。
他の実施態様ではカバー12がエアロゾル化可能な材料14から発生した揮発した材料をキャリアー16を通って延びた1つ以上の穴16aを介して空隙へとほぼ半径方向内方に消耗品4を通過して出るように案内するようにキャリアー16とカバー12の配置を逆にしてもよい。
一部の実施態様ではまた消耗品1、2、3、4、5はフィルター(図示せず)を含む。フィルターは、使用の際エアロゾル化可能な材料14から放出されたエアロゾルまたは蒸気をろ過するためのものであってもよい。これとは別にまたは加えてフィルターは消耗品1、2、3、4、5の長さに亘って圧力降下を制御するためのものであってもよい。フィルターはタバコ産業で使用されるあらゆる種類のものであってもよい。例えば、フィルターはセルロースアセテートで作製してもよい。一部の実施態様ではフィルターは実質的に円形の断面および長手方向軸を有する実質的に円筒状であってもよい。他の実施態様ではフィルターは異なる断面を有し、または長尺でなくてもよい。
一部の実施態様ではフィルターは中空の管の長手方向端部と当接し、中空の管と軸方向に位置合わせされている。他の実施態様ではフィルターは隙間および/または消耗品1、2、3、4、5の1つ以上のさらなる部材によって中空の管から間隔が空けられてもよい。さらなる部材の例としては、例えばフィルター材からなる本体によってまたはフィルター材からなる2つの本体の間に保持される添加剤または風味源(添加剤または風味料含有カプセルまたは糸)である。
また消耗品1、2、3、4、5は、フィルターを中空の管に対して保持するために中空の管およびフィルターの周囲に巻かれるラッパーを含んでもよい。ラッパーは中空の管およびフィルターを囲んでもよい。ラッパーはラッパーの自由端が互いに重なるように中空の管とフィルターの周囲に巻かれてもよい。ラッパーは消耗品1、2、3、4、5の外周面の一部またはすべてを形成してもよい。ラッパーは紙、ボール紙または再生されたエアロゾル化可能な材料(例えば再生タバコ)などのあらゆる好適な材料で作製することが可能である。またラッパーはラッパーの重なり合う自由端部を互いに接着する本明細書の他の箇所で説明したものの1つなどの接着剤(図示せず)を含んでもよい。接着剤はラッパーの重なり合う自由端部が離れないようにするのに役立つ。他の実施態様では接着剤を省略して、ラッパーは説明したのとは異なる形体を取ってもよい。他の実施態様ではフィルターは、ラッパー以外の接続具、例えば接着剤によって中空の管に対して保持されてもよい。
一部の実施態様では消耗品1、2、3、4、5は30ミリメートル〜150ミリメートル、例えば70ミリメートル〜120ミリメートルの軸方向の長さを有してもよい。
一部の実施態様では中空の管は2ミリメートル〜10ミリメートル、例えば4ミリメートル〜8ミリメートルの軸方向に直交する方向の内部寸法(例えば内径)を有してもよい。
一部の実施態様では中空の管は4ミリメートル〜10ミリメートル、例えば4.5ミリメートル〜8ミリメートルの軸方向に直交する方向の外部寸法(例えば外径)を有してもよい。
一部の実施態様では中空の管は0.15ミリメートル〜0.5ミリメートル、例えば0.2ミリメートル〜0.3ミリメートルの軸方向に直交する方向の厚さを有してもよい。
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は、1ミリメートル以下、例えば0.5ミリメートル以下または0.25ミリメートル以下または0.2ミリメートル以下または0.1ミリメートル以下または0.05ミリメートル以下の消耗品の軸方向に直交する方向の厚さを有してもよい。厚さは0.05ミリメートル〜1.0ミリメートルであってもよい。一部の実施態様では非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14はキャリアー16にコートされたまたは固定された薄いフィルムとして提供される。
図7はエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置に使用する本発明の実施態様による消耗品の製造方法の一例を示すフロー図である。図7の方法は本明細書で説明した消耗品のいずれかを製造するのに有用である。
本発明の方法はをキャリアーと、キャリアーに固定された非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料とを含む中空の管を供すること72を含む。キャリアーは、例えば本明細書で説明したキャリアー16のいずれかであってもよい。同様にエアロゾル化可能な材料は、例えば本明細書で説明したエアロゾル化可能な材料14のいずれかであってもよい。
一部の実施態様では管を供すること72はエアロゾル化可能な材料14をキャリアー16に固定すること74と、その後に中空の管を形成すること76とを含む。その結果、一部の実施態様ではキャリアー16は、エアロゾル化可能な材料14がそれに固定されるときは平坦または実質的に平坦であってもよい。その後、一部の実施態様ではキャリアー16とエアロゾル化可能な材料14は、中空の管の形成の際に一緒に扱ってもよい。そのような取り扱いは、キャリアー16とエアロゾル化可能な材料14を組み合わせた物を管または実質的に管形状に丸めるまたは包むことを含んでもよい。そのように丸めることまたは包むことは、例えばマンドレルの周囲で行ってもよい。他の実施態様ではキャリアーは管または実質的に管形状で提供され、その後エアロゾル化可能な材料がキャリアー16に固定される。
一部の実施態様では本発明の方法はキャリアー16を製造することを含む。例えば、本明細書のいくつかの例によって説明したようにキャリアー16は複数の層を含んでもよく、キャリアー16の製造はそれらの層を接着剤などで組み立ててキャリアー16を形成することを含んでもよい。層の少なくとも1つはシートまたは条片の形であってもよい。層の少なくとも1つは本明細書で説明した加熱材の例のいずれかの1つ以上などの加熱材を含んでもよい。層の少なくとも1つはそれ自体が変動磁場の侵入によって加熱可能でなくてもよい。
貼り付け74が形成76の前に行われる実施態様などの一部の実施態様では貼り付け74はエアロゾル化可能な材料14をキャリアー16にコーティングすることを含む。本明細書の他の箇所で説明したようにそのコーティングは、例えばスプレー、電気スプレー、キャスティングまたはバンドキャリアーを含んでもよい。本明細書の他の箇所で説明したようにそのキャスティングは、キャリアー16(または最終的にキャリアー16を形成する材料)の表面に液状または他の流体状の材料を供すること、次にその材料をキャリアー16の表面上で少なくとも部分的に固体化または硬化させて非晶質固体を含むエアロゾル化可能な材料14を形成することを含んでもよい。液状または他の流体状の材料はその形体でエアロゾル化可能であってもよく、または一度固体化または硬化してからのみエアロゾル化可能になってもよい。
一部の実施態様では貼り付け74はコーティング以外の技術を含んでもよい。例えば一部の実施態様では貼り付け74はエアロゾル化可能な材料14を本明細書で説明した接着剤のいずかのような接着剤を使用して接着することを含んでもよい。
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は中空の管の表面の少なくとも一部を形成する。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は中空の管の表面の全てを形成する。一部の実施態様ではその表面は中空の管の最内面である。
図8は本発明の実施態様による消耗品のエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための消耗品および装置を含むシステムの一例の略図である。
本発明のシステム1000は図1および2の消耗品1と消耗品1のエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置100とを含む。他の実施態様では消耗品1は図3〜6に示した消耗品2、3、4、5などの本明細書で説明した他の消耗品のいずれかに置き換えてもよい。この実施態様では装置100はタバコ加熱製品(タバコ加熱装置または非燃焼加熱装置としても当業界で知られている)である。
装置は消耗品1、2、3、4、5を収容するための加熱領域110と、消耗品1、2、3、4、5が加熱領域110にあるときにエアロゾル化可能な材料14の加熱を生じさせるためのデバイス112とを含む。
装置100は加熱領域110を装置100の外部と流体接続する空気入り口(図示せず)を画定してもよい。ユーザーは加熱領域110から揮発した1つ以上の成分を引き込むことによってエアロゾル化可能な材料の揮発した1つ以上の成分を吸引することができる。揮発した1つ以上の成分が加熱領域110と消耗品1、2、3、4、5から取り除かれる際、空気が装置100の空気入り口を介して加熱領域110内に引き込まれる。
この実施態様では加熱領域110は消耗品1、2、3、4、5の少なくとも一部を収容するための凹部を含む。他の実施態様では加熱領域110は棚、面または突起などの凹部以外のものであってもよく、消耗品1、2、3、4、5と協働するまたはこれらを収容するために消耗品1、2、3、4、5と機械的な接続を必要とする場合がある。この実施態様では加熱領域110は長尺であり、消耗品1、2、3、4、5全体を収容する大きさおよび形状である。他の実施態様では加熱領域110は消耗品1、2、3、4、5の一部のみを収容する寸法であってもよい。
一部の実施態様ではデバイス112は電源と、電気を通すことによって加熱される抵抗性ヒーターと、この抵抗性ヒーターを通る電気を制御するためのコントローラとを含む。抵抗性ヒーターは、消耗品が加熱領域110内にあるとき熱エネルギーを加熱領域110、従って消耗品1、2、3、4、5に加えるように構成されている。抵抗性ヒーターは、熱エネルギーがキャリアー16を介してエアロゾル化可能な材料14に加えられるようにしてもよい。一部の実施態様では抵抗性ヒーターは、消耗品が加熱領域110内にあるときに消耗品の空隙10内に位置するように加熱領域110内に突出してもよい。例えば、そのような構成は消耗品が図3または図5のものであるときに使用してもよい。一部の他の実施態様では抵抗性ヒーターは消耗品が加熱領域110内にあるときに消耗品の半径方向外方に位置してもよい。例えば、抵抗性ヒーターは加熱領域110を少なくとも部分的に画定してもよい。そのような構造は、消耗品が例えば図1、2、4および6のものの1つである場合に使用してもよい。一部の実施態様ではデバイスは、消耗品が加熱領域110内にあるとき消耗品の空隙10内にある第1の抵抗性ヒーターと、消耗品が加熱領域110内にあるとき消耗品の半径方向に外方に位置する第2の抵抗性ヒーターとを含んでもよい。例えば、そのような構造は消耗品が図5の消耗品である場合に使用してもよい。
図8に示した実施態様のような一部の実施態様ではデバイス112は、消耗品が加熱領域110内にあるとき加熱領域110に侵入する変動磁場を発生させる磁場発生器を含む。そのような装置100は、消耗品がエアロゾル化可能な材料14の加熱に使用するための加熱材を含む際に使用するのに適している。
この実施態様では磁場発生器112は、電源113と、コイル114と、コイル114を介して交流電流などの変動電流を通すデバイス116と、コントローラ117と、コントローラ117をユーザーが操作するためのユーザーインタフェース118とを含む。
この実施態様の電源113は充電可能なバッテリーである。他の実施態様では電源113は、充電不可のバッテリー、コンデンサ、バッテリー−コンデンサハイブリッドまたは電気の幹線供給への接続などの充電可能なバッテリー以外のものであってもよい。
コイル114はあらゆる好適な形状であってもよい。一部の実施態様ではコイル114は銅などの導電性材料からなるヘリカルコイルである。一部の実施態様ではコイルはフラットコイルである。即ち、コイルは銅などの導電性材料からなる二次元螺旋であってもよい。一部の実施態様ではコイル114は加熱領域110を囲む。一部の実施態様ではコイル114は加熱領域110の長手方向軸に実質的に位置合わせされた長手方向軸に沿って延びている。位置合わせされるこれらの軸は一致してもよい。これとは別に位置合わせされるこれらの軸は互いに平行または斜めであってもよい。
この実施態様ではコイル114を介して変動電流を通すためのデバイス116は電源113とコイルの間で電気的に接続されている。この実施態様ではコントローラ117もまた電源113に電気的に接続され、デバイス116を制御するためにデバイス116に通信可能に接続されている。より具体的にはこの実施態様ではコントローラ117は電源113からコイル114への電力の供給を制御するためにデバイス116を制御するためのものである。この実施態様ではコントローラ117は、印刷回路板(PCB)上のICなどの集積回路(IC)を含む。他の実施態様ではコントローラ117は異なる形体を取ってもよい。一部の実施態様では装置100はデバイス116とコントローラ117とを含む単独の電気または電子部材を有してもよい。コントローラ117はこの実施態様ではユーザーインタフェース118をユーザー操作することによって操作される。ユーザーインタフェース118は押しボタン、トグルスイッチ、ダイアル、タッチスクリーンなどを含んでもよい。他の実施態様ではユーザーインタフェース118はリモートで例えばBluetooth(登録商標)を介して装置100の残りの部分と無線接続されてもよい。
この実施態様ではユーザーによるユーザーインタフェース118の操作によってデバイスが交流電流をコイルを介して通させるようにする。これによりコイル114が交番磁界を発生するようになる。装置100のコイル114と加熱領域110は、消耗品が加熱領域内に位置すると、コイルによって発生した変動磁場が消耗品の加熱材、例えば消耗品のキャリアー16の加熱材に侵入するように好適に相対的に配置される。加熱材が導電性の場合、この侵入によって加熱材に1つ以上の渦電流を発生させる。渦電流が加熱材の電気抵抗に抗して加熱材内を流れると、加熱材はジュール加熱によって加熱される。加熱材が磁性材料からなる場合、加熱材内の磁気双極子の向きは印加された磁場の変化に応じて変化し、それによって、加熱材内に熱が生成される。
この実施態様の装置100は加熱領域110の温度を検知するための温度センサ119を含む。温度センサ119は、コントローラ117に通信可能に接続され、その結果、コントローラ117は加熱領域110の温度を監視することができる。コントローラ117は、加熱領域110の温度を所定の温度範囲内に確実に維持するために、温度センサ119から受信された1つ以上の信号に基づいて、必要に応じてコイル114に流す変動電流又は交流電流の特性をデバイス112に調節させることができる。この特性は、例えば、振幅または周波数またはデューティサイクルとすることができる。使用時、加熱領域110内に配置された消耗品内のエアロゾル化可能な材料14は、所定の温度範囲で、エアロゾル化可能な材料14を燃焼させることなくエアロゾル化可能な材料14の少なくとも1つの成分を揮発させるのに十分な加熱がなされる。したがって、コントローラ117および装置100は全体として、エアロゾル化可能な材料14を加熱して、エアロゾル化可能な材料14を燃焼させることなくエアロゾル化可能な材料14の少なくとも1つの成分を揮発させるように構成される。一部の実施態様では温度範囲は、約50℃〜約300℃、例えば、約100℃〜約300℃または約120℃〜約350℃または約140℃〜約250℃または約200℃〜約270℃である。他の実施態様では温度範囲は、この範囲以外であってもよい。一部の実施態様では温度範囲の上限は350℃超もあり得る。一部の実施態様では消耗品は、例えばこれらの温度範囲において不燃性であってもよい。一部の実施態様では温度センサ119は省略してもよい。
一部の実施態様ではデバイス112は加熱材を含む加熱エレメント120を含み、加熱エレメント120は加熱領域110と熱接触し、磁場発生器は加熱エレメント120および従って加熱領域110の加熱を生じさせるために加熱エレメント120に侵入する変動磁場を発生させるためのものである。このような装置100は、消耗品自体がエアロゾル化可能な材料14の加熱に使用するための加熱材を含まない場合に適している。一部の実施態様では加熱エレメント120は加熱領域110内に突出し、消耗品が加熱領域110にあるときに消耗品の空隙10に位置するようになっている。一部の他の実施態様では加熱エレメント120は消耗品が加熱領域にあるとき消耗品の半径方向外方に位置してもよい。例えば、加熱エレメント120は加熱領域110を少なくとも部分的に画定してもよい。
使用時に場合によっては非晶質固体の実質的に全てはヒーター(即ち、加熱エレメント120または抵抗性ヒーター)から約4mm未満、3mm未満、2mm未満または1mm未満離れている。場合によっては固体はヒーターから約0.010mm〜2.0mm、好適には約0.02mm〜1.0mm、好適には0.1mm〜0.5mm離れている。これらの最小距離は、一部の場合において非晶質固体を支持するキャリアーの厚さを反映してもよい。場合によっては非晶質固体の面はヒーターと直接当接してもよい。
一部の実施態様では消耗品が加熱領域110内にあるときエアロゾル化可能な材料の加熱を生じさせるデバイス112は、加熱領域110の異なるセクションを互いに独立して独立制御可能な加熱エレメント120を含むなどの方法で加熱するために構成される。
一部の実施態様では消耗品1、2、3、4、5のまたは装置100の加熱エレメントの加熱材はアルミニウムである。しかしながら、他の実施態様では加熱材は導電性材料、磁性材料、及び磁性導電材料からなる群から選択された1つ以上の材料を含んでもよい。一部の実施態様では加熱材は、金属又は金属合金を含んでもよい。一部の実施態様では加熱材は、アルミニウム、金、鉄、ニッケル、コバルト、導電性炭素、グラファイト、普通炭素鋼、ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、銅、及び青銅からなる群から選択された1つ以上の材料を含んでもよい。他の1つ以上の加熱材を他の実施態様では使用してもよい。
加熱材が鋼(例えば、軟鋼またはステンレススチール)などの鉄またはアルミニウムを含む実施態様などの一部の実施態様では加熱材は使用時加熱材が腐食または酸化しないようにするためにコートしてもよい。そのようなコーティングは、例えばニッケルめっき、金メッキまたはセラミックまたは不活性ポリマーのコーティングを含んでもよい。
一部の実施態様では消耗品1、2、3、4、5は、エアロゾル化可能な材料14に部分的にまたは完全に埋め込まれた加熱材を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は加熱材を含んでもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料14は加熱材を含まなくてもよい。
一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料はタバコを含む。しかしながら、他の実施態様ではエアロゾル化可能な材料はタバコからなる、実質的に完全にタバコからなる、タバコを含んでもよく、タバコ以外のエアロゾル化可能な材料はタバコ以外のエアロゾル化可能な材料を含んでもよくあるいはタバコを含まなくてもよい。一部の実施態様ではエアロゾル化可能な材料は蒸気またはエアロゾル形成剤またはグリセリン、プロピレングリコール、トリアセチンまたはジエチレングリコールなどの湿潤剤を含んでもよい。
一部の実施態様では消耗品は非燃焼性である。一部の実施態様では消耗品は使用時に燃焼性にならないように構成される。
一部の実施態様では消耗品1、2、3、4、5内のエアロゾル化可能な材料14の揮発可能な1つ以上の成分の全てまたは実質的に全てが消費されたら、ユーザーは装置100の加熱領域110から消耗品1、2、3、4、5を取り除き、消耗品の1、2、3、4、5を廃棄してもよい。ユーザーはその後別の消耗品1、2、3、4、5で装置100を再利用してもよい。しかしながら、他の対応する実施態様では装置100および消耗品1、2、3、4、5はエアロゾル化可能な材料14の揮発可能な1つ以上の成分が消費されたらそれと一緒に廃棄してもよい。
一部の実施態様では消耗品1、2、3、4、5は、消耗品1、2、3、4、5とともに使用可能な装置100とは別個に販売され、供給され、またはその他の方法により提供される。しかしながら、一部の実施態様では装置100および1つ以上の消耗品1、2、3、4、5を、キットや組み立体などのシステムとして、場合によっては清掃器具などの追加の構成要素とともに一緒に提供してもよい。
誤解を避けるために,本明細書で「含む(comprises)」が本発明または本発明の特徴の定義に使用される場合、本発明または特徴が「含む(comprises)」の代わりに「から実質的になる(consists essentially of)」または「からなる(consists of)」を使用して定義することができる実施態様も開示される。特定の特徴「を含む」材料と言った場合、それはそれらの特徴がその材料に含有される、含まれるまたは保持されるといことを意味する。
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置に使用するための消耗品、エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置に使用するための消耗品の製造方法およびそのような消耗品およびそのような装置を含むシステムを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。