JP2021531109A - 注入液測定機能を備えた植え込み可能な薬剤送達装置 - Google Patents
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Abstract
注入液リザーバ内のベローズの変位を検出するためのベローズセンサを含む植え込み可能な薬剤送達装置および方法。ベローズセンサからのセンサデータにより、植え込み可能な薬剤送達装置または接続されたカテーテルの流動状態を間接的に測定できてもよい。植え込み可能な薬剤送達装置内のプロセッサは、センサデータを使用して、経時的な患者への注入液の送達が通常のパラメータまたは許容可能なパラメータの範囲外であるかどうかを判定し、それに応じてアクションを実行できる。【選択図】図9
Description
関連出願
本出願は、2016年4月14日に出願された「フロー測定機能を備えた植え込み可能な薬剤送達装置」と題する米国特許出願第15/098,663号の一部継続出願であり、2015年4月16日に出願された「フロー測定機能を備えた植え込み可能な薬剤送達装置」と題する米国仮出願第62/148,457号の優先の利点を主張し、その全ての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2016年4月14日に出願された「フロー測定機能を備えた植え込み可能な薬剤送達装置」と題する米国特許出願第15/098,663号の一部継続出願であり、2015年4月16日に出願された「フロー測定機能を備えた植え込み可能な薬剤送達装置」と題する米国仮出願第62/148,457号の優先の利点を主張し、その全ての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般に、薬品または他の流体を患者に送達するための植え込み可能な注入装置に関する。
薬品などの注入液を患者に送達するためのさまざまな植え込み可能な装置が存在する。そのような装置の1つは、植え込み可能なバルブアキュムレータポンプシステムである。このシステムには、薬剤リザーバと出口カテーテルの間に位置する電子制御計量アセンブリが含まれている。計量アセンブリは、固定ボリュームアキュムレータの入口側と出口側に配置された2つの通常閉のソレノイドバルブを含むことができる。入口バルブが開いて、リザーバからアキュムレータへの固定ボリュームの注入液を受け入れる。次に、入口バルブを閉じ、出口バルブを開いて、固定ボリュームの注入液を、アキュムレータから注入液が患者に送達される出口カテーテルに分配する。バルブは電子機器モジュールを介して電子的に制御することができ、プログラム可能な薬物送達速度を提供するように外部プログラマを使用してプログラムすることができる。通常、装置は患者の体内に埋め込まれ、動作中に簡単にアクセスできないため、装置の正常な動作状態から障害状態またはその他の逸脱がある場合、検出するのが困難な場合がある。
さまざまな実施形態のシステム、方法、および装置は、注入液用のリザーバを提供するベローズのボリュームを監視することにより、植え込み可能な薬剤送達装置の流量の間接的な測定値を提供する。種々の実施形態は、ベローズの形状または変位の変化を経時的に測定することにより、植え込み可能な薬剤送達装置の流量状態の監視を可能にし得る。さまざまな実施形態は、時間の関数としてベローズの形状または変位の変化を測定するように構成されたベローズセンサを有する植え込み可能な薬剤送達装置を含む。ベローズセンサは、ひずみゲージまたは容量変位センサなどの電子式センサ、光学式センサ、圧力センサ、または音波式センサとすることができる。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面は、上記の一般的な説明および以下の詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明するのに役立つ。
さまざまな実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。可能な限り、同一または類似部品に言及するのに、図面全体を通して同一の参照番号を使用するであろう。特定の例および実装に対する参照は、例示を目的とするものであり、本発明または特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。
本明細書では、「例示的」または「例えば」という言葉は、「例、事例、または例証として機能する」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」または「例えば」として説明される実行は、必ずしも他の実行よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
種々の実施形態のシステム、方法、および装置は、注入液のリザーバを提供するベローズの変位を監視することにより、患者への注入液の投与量を監視することを可能にする。一実施形態の薬剤送達システムは、ベローズの変位または形状の変化を測定するように構成されたベローズセンサを含むことができる。ベローズセンサは、例えば、ひずみゲージまたは容量変位センサなどの電子式センサ、光学式センサ、圧力センサ、または音波式センサであり得る。ベローズセンサは、ベローズのボリュームの経時変化を監視することにより、植え込み可能な薬剤送達装置の流量の間接測定を提供するために使用できる。さまざまな実施形態は、時間の関数としてベローズの形状または変位の変化を測定することにより、植え込み可能な薬剤送達装置の流量が正常な動作状態内にあるかどうかの決定を可能にし得る。
図1は、薬品などの注入液を送達するための植え込み可能なバルブアキュムレータポンプシステム100の実施形態を示している。システム100は一般に4つのアセンブリを含むことができる。第1の主要なアセンブリは、細菌/エアフィルタ24と直列の再充填可能な定圧薬剤リザーバ10である。一実施形態では、リザーバ10は、ベローズ16を含む密閉ハウジング14を含む。ベローズ16は、ハウジング14を2つの部分、チャンバ18および第2のゾーン20に分離する。チャンバ18は、薬剤または他の薬液を保持するために使用される。第2のゾーン20は、通常、物体温でかなりの蒸気圧を有するフレオン(登録商標)などの二相流体で満たされている。したがって、第2のゾーン20内の流体が気化すると、蒸気はベローズ16を圧縮し、それによりチャンバ18内の薬剤を加圧する。チャンバ18は、補充隔壁12を介して注入液を補充することができる。
二相流体は、チャンバ18を一定の圧力下に維持するのに役立つ。チャンバ18が補充されると、二相流体が加圧され、それにより第2のゾーン20内の蒸気の一部が液相に凝縮される。チャンバ18が空になると、この液体は蒸発し、したがってベローズ16上の圧力を維持する。チャンバ18内の注入液は正圧下にあるため、注入液はチャンバからバクテリアフィルタ24を通って計量アセンブリに向かって押し出される。
第2の主要なアセンブリは、固定ボリュームアキュムレータ30の入口側および出口側に配置された2つの常閉ソレノイドバルブ26、28を含む電子制御計量アセンブリである。バルブは、外部プログラマ34を利用してプログラムできる電子機器モジュール32を介して電子的に制御される。計量アセンブリは、入口バルブ26と出口バルブ28が同時に開かないように設計することができる。
第3の主要なアセンブリは、局所領域への薬品注入用の出口カテーテル36である。流体の送達は、アキュムレータの圧力よりも低い圧力を持つ注入部位で発生する。この圧力差により、カテーテル36を通る注入液の排出が強制される。
薬剤リザーバ10および電子制御計量アセンブリは、人間または動物の患者の体内に埋め込まれ得る電源(例えば、バッテリー)も含む生体適合性ハウジング内に含まれ得る。出口カテーテル36は、ハウジングと一体であってもよく、またはハウジングに取り付けられた別個のコンポーネントであり得る。カテーテル36と連通するアクセスポート31は、計量アセンブリの下流に設けられてもよい。アクセスポート31は、例えば、薬品の一回の投与量を患者に手動で提供するために使用され得る。
図1に示されるシステムの第4のアセンブリは、所望の投薬計画を伝達およびプログラムするために使用される外部プログラマ34である。一実施形態では、外部プログラマ34は、タッチスクリーンを備えた手持ちユニットであり得る。外部プログラマ34は、植え込み電子機器モジュール32内の無線通信トランシーバへの無線データ転送リンクを提供し、バッテリ状態、診断情報、較正情報などを含むがこれらに限定されない情報を電子機器モジュール32と交換できるようにすることができる。以下でさらに詳細に説明するさまざまな実施形態では、電子機器モジュール32は、植え込み可能なシステム100から外部プログラマ34への注入液の流量に関する情報を伝達することができる。一実施形態では、外部プログラマ34は、電子機器モジュール32に命令を送信して、以下に説明する実施形態による、植え込み可能なシステムからの注入液の流量を検出することができる。一実施形態では、電子機器モジュール32は、外部プログラマ34との間で電磁信号を送受信するように構成されたコイルを含むことができる。
図2A〜2Dは、一実施形態による、電子制御計量アセンブリの固定ボリュームアキュムレータ30の構造および動作を概略的に示している。アキュムレータ30は、キャップ51とともに密閉ガスチャンバ52を画定するハウジング50を含むことができる。キャップ51は、レーザー溶接などの任意の適切な手段を使用してハウジング50に固定され得る。適切なガスは、正圧下で、ガスチャンバ52内に密封され得る。密閉ガスチャンバ52は、アルゴン、ヘリウムまたは窒素などの不活性ガス、空気、または異なるガスの混合物を含むことができる。あるいは、密閉ガスチャンバ52は二相流体を含んでもよい。ハウジング50の底面は、ダイヤフラムチャンバ57の第1の(例えば、上部)表面53を画定し得る。ハウジング50内の1つまたは複数の流体通路55は、ガスチャンバ52をダイヤフラムチャンバ57と接続し得る。
フェースプレート56(スペーサプレートとも呼ばれ得る)は、ハウジング50の底面に固定され得る。フェースプレート56の上面は、ダイヤフラムチャンバ57の第2の(例えば、下部)表面60を画定し得る。ダイヤフラム40は、ハウジング50とフェースプレート56との間に位置し、それらの間に画定されたダイヤフラムチャンバ57内に配置することができる。実施形態では、ダイヤフラム40の縁部は、ハウジング50とフェースプレート56との間に挟まれてもよく、アセンブリは、レーザー溶接などによって密封され得る。ダイヤフラム40は、アキュムレータ30内の気体側(例えば、ダイヤフラム40の上)を流体側(例えば、ダイヤフラム40の下)から分離する障壁を提供し得る。フェースプレート56は、入口バルブ26とダイヤフラムチャンバ57との間の流体連通をもたらす流体入口ポート58と、出口バルブ28とダイヤフラムチャンバ28との間の流体連通をもたらす流体出口ポート59とを含むことができる。
実施形態では、ダイヤフラム40は、薄いディスク形状のシートを含むことができる。ダイヤフラム40は、チタンなどの金属を含むことができる。ダイヤフラム40の直径および厚さは、所望の撓み範囲にわたって低いばね定数を提供するように選択され得る。ダイヤフラム40は、流体(例えば、液体注入液)をその背後の環境から分離する、しなやかで柔軟な壁として機能し得る。図2A〜2Bに示す実施形態では、上向きおよび下向きの動きとして示されるダイヤフラム40の撓みは、ダイヤフラム40の機械的ストップとして作用するダイヤフラムチャンバ57の第1および第2の表面53、60によって制限される。図2A〜図2Bに示す実施形態では、これらの表面53、60のそれぞれは、ダイヤフラム40の輪郭停止部として作用する浅い凹状プロファイルを有するように形成される。輪郭の寸法は、ダイヤフラム40が所定の固定ボリュームだけ撓みまたは付勢されたときのダイヤフラム40の一般的なプロファイルに一致するよう選択され得る。この所定の固定ボリュームは、アキュムレータ30によって計測されるボリュームに対応する。他の実施形態では、表面53、60のうちの1つは、平坦な、撓んでいない状態のダイヤフラムのプロファイルに対応する概ね平坦なプロファイルを有し得る。一方、もう一方の表面は、撓んだ状態のダイヤフラムのプロファイルに対応する。
いくつかの実施形態では、ダイヤフラムチャンバ57の第2の(例えば、下部)表面60は、表面60に形成された1つまたは複数のチャネルを含み、流体の流出を最大にし、チャンバ57内のデッドボリュームを最小にすることができる。例えば、表面60には、ダイヤフラムチャンバの詳細については、参照により本明細書に組み込まれるBurke等の米国特許第8,273,058号に記載されている、入口ポート58と出口ポート59とを接続するトラフにより交差される環状溝を形成することができる。
図2Aは、ガスチャンバ52およびダイヤフラムチャンバ57のガス側のガス圧からの付勢の結果として、入口バルブ26と出口バルブ28の両方が閉じられ、ダイヤフラム40が下向きに撓む(図2Aに示されている方向)状態のアキュムレータ30を示す。ポンプサイクルのこの部分では、ダイヤフラムチャンバ57に液体注入液はない。
図2Bは、入口バルブ26が開かれる一方、出口バルブ28が閉じられた後のアキュムレータ30を示す。リザーバ10(図1参照)からの液体注入液の圧力は、ダイヤフラム40の背面に対する加圧ガスの付勢に打ち勝つのに十分であり、ダイヤフラム40をダイヤフラムチャンバ57の第2の(下部)表面60から分離させる。注入液は、図2Bの矢印で示されるように、入口ポート58を通ってダイヤフラムチャンバ57に流れ込み始める。注入液がダイヤフラムチャンバ57を満たすと、チャンバ57内の流体圧力からの付勢により、ダイヤフラム40がダイヤフラムチャンバ57の第1の(上部)表面53に向かって上向きに(図2Bに示される向き)撓む。
図2Cは、固定または所望のボリュームまでの注入液で満たされたアキュムレータ30を示している。ダイヤフラム40は、ダイヤフラム40の機械的ストップとして作用するダイヤフラムチャンバ57の第1の(上部)表面53に対して付勢される。アキュムレータ30が注入液で満たされると、図2Cに示すように、入口バルブ26が閉じられる。
図2Dは、入口バルブ26が閉じられる一方で、出口バルブ28が開かれた後のアキュムレータ30を示す。注入液は、図2Dの矢印で示されるように、出口ポート59およびカテーテル30(図1参照)を通ってダイヤフラムチャンバ57から流出し始める。注入液がアキュムレータを空にすると、ダイヤフラム40はダイヤフラムチャンバ57の第1の(上部)表面53から分離する。ガスチャンバ52およびダイヤフラムチャンバ57のガス側のガス圧からの付勢は、ダイヤフラム40をダイヤフラムチャンバ57の第2の(下部)表面60に向かって(図2Dに示される向きで)下向きに撓ませる。チャンバ57の注入液が完全に空になると、ダイヤフラム40は、ダイヤフラム40の機械的ストップとして作用するダイヤフラムチャンバ57の第2の(下部)表面60に対して付勢される。次に、出口バルブ28が閉じられ、アキュムレータ30は再び図2Aに示される状態になる。その後、図2A−2Dに示されたポンプサイクルが繰り返される。したがって、アキュムレータ30は、アキュムレータ30の入口バルブ26および出口バルブ28のサイクルレートによって定義される頻度で、注入液の所定のボリュームスパイクを保存および放出する。システム100からの注入液の公称流量は、アキュムレータ30の入口バルブ26および出口バルブ28のサイクルレートを制御することにより制御され得る。
動作中、システムからの注入液のプログラムされた流量は、さまざまな理由で患者に送達される注入液の実際の流量を表さない場合がある。例えば、カテーテル内または装置内の他の場所の注入液の流れの詰まりまたは閉塞、バルブの誤動作、装置の漏れ、または別の障害状態があり得る。これらの状態のいずれかまたは組み合わせにより、所定の期間内に、所望の量よりも多いまたは少ない注入液が患者に送達される状況が生じる可能性がある。これにより、治療計画の有効性が低下する可能性があり患者にとって潜在的に危険な場合がある。さらに、注入液は通常、従来の流量計の使用が実用的ではない患者の体内の限定された敏感な領域に送達されるため、一般に、(例えば、従来の流体流量計を使用して)カテーテルから患者に送達される注入液の量を直接測定することは不可能である。
さまざまな実施形態は、固定ボリュームアキュムレータ内のダイヤフラムの動きを測定することにより、植え込み可能な薬剤送達装置の流量を間接的に測定するための方法およびシステムを含む。実施形態は、ダイヤフラムの位置または撓みの変化を経時的に測定して、アキュムレータからの注入液の流量を決定するためのさまざまなシステムおよび方法を含む。例えば、図2A−2Dに示された固定ボリュームアキュムレータ30を参照すると、ダイヤフラム40が図2Cに示される位置(すなわち、ダイヤフラムは、ダイヤフラムチャンバ57の第1の(上部)表面53に対して付勢されている)から、図2Aに示される(例えば、ダイヤフラムがダイヤフラムチャンバ57の第2の(下部)表面60に対して付勢されている)位置に移動するのにかかる時間は、ポンプサイクル中にアキュムレータから分配される既知ボリュームの注入液の流量に直接関連している。この時間は、カテーテルまたはシステムの他の場所での流量制限の量に基づいて変化し得る。装置の流路に詰まりや漏れがある場合など、場合によっては、ダイヤフラムチャンバ57が各ポンプサイクル中に完全に充填または排出されないことがある(例えば、ダイヤフラムがポンプサイクル中に図2Aおよび/または図2Cに示される位置に完全に撓まないなど)。これは、時間の関数としてダイヤフラムの位置または撓みの変化を測定することで検出できる。
さまざまな実施形態は、固定ボリュームアキュムレータのダイヤフラムの位置または撓みの変化を検出するためのダイヤフラムセンサを含む植え込み可能な薬剤送達装置を含んでもよい。ダイヤフラムセンサに接続された電子機器モジュールは、装置の流量が少なくとも1つの所定の基準を満たすかどうかを判定するために、時間の関数としてダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化を監視し得る。電子機器モジュールは、流量が所定の基準を満たさないと判定したことに応答して、電子機器モジュールは、装置のユーザおよび/または医療従事者に通知を提供する無線信号を送信し、固定ボリュームのアキュムレータのサイクルレートを調整して、流量が所定の基準内になるようにする、および/または薬品のさらなる注入を防ぐために装置をシャットダウンするなど、適切なアクションを実行できるように、構成できる。
ダイヤフラムセンサは、ダイヤフラム40の位置または撓みの変化を検出するように構成された任意の適切なダイヤフラムセンサであり得る。図3は、時間の関数としてアキュムレータ30のダイヤフラム40の位置または撓みの変化を測定するように構成された電子式ダイヤフラムセンサ302を含む植え込み可能な薬剤送達装置300の第1の実施形態を示す。この実施形態では、電子式ダイヤフラムセンサ302は、少なくとも1つのひずみゲージ301を含むことができる。少なくとも1つのひずみゲージ301は、密閉ガスチャンバ52からのガスに曝されるダイヤフラム40の表面303上に、注入液に曝されるダイヤフラム40の表面の反対側に配置され得る(表面303は、ダイヤフラム40の「裏側」と呼ばれることもある)。代替的または追加的に、1つまたは複数のひずみゲージがダイヤフラムの「前側」(すなわち、ダイヤフラムチャンバ57内の注入液に曝される表面)に配置され得る。
少なくとも1つのひずみゲージ301は、機械的ひずみを比例電気信号に変換するための任意の適切なタイプのダイヤフラムセンサ装置を含み得る。例えば、少なくとも1つのひずみゲージ301は、接着箔ひずみゲージ、接着された半導体ひずみゲージ(ピエゾ抵抗器など)、薄膜ひずみゲージ(例えば、ダイヤフラムの表面に絶縁体とゲージ材料を蒸着またはスパッタリングすることにより形成されたひずみゲージ)、および/または拡散または埋め込まれた半導体ひずみゲージを含み得る。少なくとも1つのひずみゲージは、アキュムレータ30内のダイヤフラム40の平坦な静止状態位置からダイヤフラム40の最大の上方および/または下方の撓み位置(すなわち、図2Aおよび2Cに示されるダイヤフラムの位置)までのダイヤフラム40の変位(すなわち撓み)に対応するひずみを測定するために較正され得る。
図3に示す装置300において、電子機器モジュール32は、コントローラ92を含むことができる。一実施形態では、コントローラ92は、メモリ44に結合されたプロセッサ43を含むことができる。プロセッサ43は、本明細書に記載の実施形態の動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を備え得る、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラなどの任意のタイプのプログラム可能プロセッサであり得る。プロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、それらがアクセスされてプロセッサ43にロードされるメモリ44に保存され得る。プロセッサ43は、アプリケーションソフトウェアを保存するのに十分な内部メモリを含んでもよい。メモリ44は、揮発性、フラッシュメモリなどの不揮発性、または両方の混合であり得る。
一実施形態では、コントローラ92は、ダイヤフラムセンサ302のひずみゲージ監視回路45に結合され得る。ひずみゲージ監視回路45は、ひずみゲージ301が受けるひずみに対応する少なくとも1つのひずみゲージ301の電気的特性(例えば、抵抗)の変化を測定することができる。ひずみゲージ監視回路45は、例えば、4ゲージのホイートストンブリッジ回路を含むことができる。電子機器モジュール32はまた、測定されたひずみ値のそれぞれが特定の測定時間に関連付けられるように、タイミング信号を生成するクロックジェネレータを含んでもよい。コントローラ92は、監視回路45からの測定された歪みを、アキュムレータ30内のダイヤフラム40の異なる撓み位置に対応する所定のひずみ値と比較することができる。所定のひずみ値は、例えば早見表の形で、メモリ44に保存され得る。コントローラ92は、時間の関数として、監視回路45からの測定されたひずみ値、およびダイヤフラム40の異なる撓み位置に対応する既知の所定の値を使用し、ダイヤフラム40の位置または撓みの変化(すなわち、図に示されているダイヤフラム40の上向きおよび/または下向きの撓みの量)を決定し得る。上述のように、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの変化は、注入液がアキュムレータから汲み上げられる速度に直接関係し得る。コントローラ92は、時間の関数としてダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成され得る(すなわち、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。いくつかの実施形態では、コントローラ92は、測定されたひずみ値を撓み値に変換せず、代わりに、ある期間にわたる測定されたひずみ値の検出された変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成され得る(すなわち、経時的な測定ひずみ値の検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。
コントローラ92は、ダイヤフラムの検出された動きが通常の動作パラメータ外(すなわち、そのようなパラメータ内ではない)であると判定された場合、外部装置34にメッセージを送信するなどして、ユーザに通知を提供するように構成され得る。外部装置34は、上述のプログラマであってもよく、または別の外部装置は、無線データ転送リンクを介して植え込み可能な装置300と通信するように構成され得る。
さまざまな実施形態において、外部装置34は、メモリ46およびインジケータ48に結合されたプロセッサ47を含み得る。ソフトウェア命令は、アクセスされてプロセッサ47にロードされる前にメモリ46に保存され得る。プロセッサ47は、インジケータ48を作動させて、外部装置34が、検出されたダイヤフラムの動きおよび/または注入液の流量が所定のパラメータ内にないことを示す植え込み可能な装置300のコントローラ92からメッセージを受信したときユーザに通知(例えば、アラーム)を提供するように構成され得る。インジケータ48は、例えば、ディスプレイ、音声または音声メッセージ用のスピーカ、および/または触覚フィードバックを生成するためのバイブレータであり得る。外部装置34のプロセッサ47は、植え込み可能な装置300のコントローラ92からのメッセージの受信に応じて、無線通信ネットワークなどを介して遠隔にいる医療関係者に通知するように構成することもできる。
いくつかの実施形態では、植え込み可能な装置300のコントローラ92は、所定のおよび/または周期的に(例えば、1時間ごと、12時間ごとなど)ダイヤフラムの動きを検出するように構成され得る。コントローラ92がダイヤフラムの動きを検出する予定の時間および/または頻度は、外部装置34から受信した命令に基づいて変更され得る。代替的または追加的に、植え込み可能な装置300のコントローラ92は、外部装置34からの要求またはコマンドに応じて「オンデマンド」でダイヤフラムの動きを検出し得る。いくつかの実施形態では、植え込み可能な装置300のコントローラ92は、治療計画の期間にわたって連続的にまたは頻繁にダイヤフラム40の動きを検出するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、植え込み可能な装置300のコントローラ92は、ひずみゲージ監視回路45から外部装置34に複数の生の測定値を転送することができる。外部装置34のプロセッサ47は、生の測定値を使用して、経時的なダイヤフラム位置または撓みおよび/または装置300からの注入液の流量の変化を決定することができる。外部装置34のプロセッサ47は、計算された値を1つまたは複数の保存された閾値と比較して、流量が臨床的に許容可能なパラメータ内にあるかどうかを判定することができる。他の実施形態では、植え込み可能な装置300のコントローラ92は、経時的なダイヤフラム位置または撓みの検出された変化に基づいて注入液流量値を決定し、決定された注入液流量を外部装置34に転送することができる。外部装置34は、インジケータ48に流量値を表示し得る。
図4は、時間の関数としてアキュムレータ30のダイヤフラム40の位置または撓みの変化を測定するように構成された電子式ダイヤフラムセンサ402を含む植え込み可能な薬剤送達装置400の第2の実施形態を示す。この実施形態では、電子式ダイヤフラムセンサ402は、少なくとも1つの容量変位センサ401を含むことができる。容量変位センサは、プローブ401(例えば電極表面)と対象物導電性表面(例えばダイヤフラム40の表面303)との間の静電容量を測定するように構成された非接触装置である。プローブ401と対象物表面303の面積、およびプローブ401と対象物表面303の間の材料(例えば、ガス)の誘電率は、一定であると考えられてもよい。この場合、プローブ401と対象物表面303の間の静電容量は、プローブ401と対象物表面303の間の距離に比例して関係する。この比例関係により、ダイヤフラムセンサ402は、対象物表面303がプローブ402に対して移動するときの静電容量の変化を測定することができ、プロセッサは、測定された変化を使用して、分離距離の相対的な変化などの距離測定値を計算できる。
図4に示される実施形態では、プローブ401は、ダイヤフラムチャンバ57の第1の(上部)表面53に近接して配置され、チャンバ57の第1の(上部)表面53からのダイヤフラム40の変位を測定するように構成される。代替的または追加的に、少なくとも1つのプローブ401は、ダイヤフラムチャンバ57の第2の(下部)表面60に近接して配置され、第2の(下部)表面60からのダイヤフラム40の変位を測定するように構成され得る。他の実施形態では、プローブ401は、ダイヤフラムが動く(すなわち、撓む)ときにダイヤフラム40とダイヤフラムチャンバ57の少なくとも1つの表面53、60との間の距離を測定するように構成されるダイヤフラム40上に配置され得る。
図4に示されている実施形態の植え込み可能な薬剤送達装置400は、図3を参照して、上述した装置300と同様であってもよく、上述のように、プロセッサ43とメモリ44とを含むコントローラ92を有する電子機器モジュール32を含むことができる。コントローラ92は、プローブ401に接続され、ダイヤフラム40がチャンバ57内を移動するときにプローブ401とダイヤフラム40の表面303との間の静電容量を測定するように構成される静電容量監視回路450に結合され得る。コントローラ92は、測定された静電容量の変化に基づいて、経時的にダイヤフラム40の位置または撓みの変化を決定するように構成され得る。上述のように、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの変化は、注入液がアキュムレータから汲み上げられる速度に直接関係し得る。コントローラ92は、ある期間にわたってダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成され得る(すなわち、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。一部の実施形態では、コントローラ92は、静電容量測定値を距離値に変換しなくてもよい。代わりに、一定期間にわたって検出された静電容量の変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成できる(すなわち、経時的な静電容量の検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。
検出されたダイヤフラムの動き(または静電容量の変化)が通常の動作パラメータ内にないと判定されると、コントローラ92は、外部装置34にメッセージを送信するなどして、ユーザに通知するように構成できる。図4に示す実施形態の装置400の動作は、上述の装置300と実質的に同様であり得る。
上述の機械的ひずみゲージおよび/または容量変位ダイヤフラムセンサに加えて、他の電子式ダイヤフラムセンサを使用して、ダイヤフラム40の位置または撓みの変化を時間の関数として検出することができる。例えば、種々の実施形態による電子式ダイヤフラムセンサは、渦電流ダイヤフラムセンサおよび/または誘導変位ダイヤフラムセンサを含み得る。
図5は、時間の関数としてアキュムレータ30のダイヤフラム40の位置または撓みの変化を測定するように構成された光学式ダイヤフラムセンサ502を含む植え込み可能な薬剤送達装置500の第3の実施形態を示す。光信号を使用して距離を測定するためのさまざまな装置が知られている。光学式距離測定装置は、対象物から反射される放射線(例えば、可視光、UVおよび/またはIR放射線)のビーム507を送信する光源501(例えば、レーザー、LEDなど)を含むことができる。反射ビーム509は、光ダイヤフラムセンサ503(例えば、フォトダイオードセンサ、電荷結合素子(CCD)センサ、CMOSベースの光センサなど)によって受け取られる。反射対象物までの距離は、三角測量、飛行時間、位相シフト、干渉法、色共焦点法などの1つまたは複数の既知の手法を使用して決定できる。図5に示す実施形態では、ダイヤフラム40がアキュムレータ30内で撓むにつれて、光ビームはダイヤフラム40の表面303で反射される。光学式ダイヤフラムセンサ502は、経時的なダイヤフラム40の位置または撓みの変化を検出する。
図5に示す実施形態では、光源501は、アキュムレータ30のハウジング50の外側に配置され、ハウジング50のキャップ51に設けられた透明な窓508を通してビーム507を導くことができる。ビーム507は、密閉ガスチャンバ52および通路55を通って、ビーム507がダイヤフラム40の表面303で反射されるダイヤフラムチャンバ57に向けられる。ダイヤフラム40は、ビームの反射を強化するために鏡面303を有し得る。反射ビーム509は、通路55、ガスチャンバ52および窓508を通って進み、アキュムレータ30のハウジング50の外側に位置する光センサ503によって検出され得る。固定ボリュームアキュムレータのダイヤフラムの変位を測定するための光学式ダイヤフラムセンサのさまざまな他の構成を使用できる。例えば、光源501および/または光センサ503は、密閉ガスチャンバ52内などのハウジング50内に位置してもよく、またはダイヤフラムチャンバ57内(例えば、表面53または60内)に位置し得る。
図5に示されている実施形態の植え込み可能な薬剤送達装置500は、上述の装置300および400と同様であり得、上述のように、プロセッサ43およびメモリ44を含むコントローラ92を有する電子機器モジュール32を含み得る。電子機器モジュール32は、光源501と光センサ503の動作を制御し、光センサ503で受信された反射光放射の電子信号表現を生成するため、光源501および光センサ503に結合された光センサ制御回路550を含むことができる。コントローラ92は、光センサ制御回路550に結合されてもよく、光センサ503で受け取られた反射光放射の電子信号表現に基づいて、経時的なダイヤフラム40の位置または撓みの変化を決定し得る。コントローラ92は、時間の経過に伴うダイヤフラム40の位置または撓みの変化を決定するために、三角測量、飛行時間、位相シフト、干渉法、および色共焦点技術を含むがこれらに限定されない上記の方法のいずれかを使用し得る。上述のように、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの変化は、注入液がアキュムレータから汲み上げられる速度に直接関係し得る。コントローラ92は、時間の関数としてダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成され得る(すなわち、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。いくつかの実施形態では、コントローラ92は、光センサからの測定値を距離値に変換しなくてもよい。代わりに、一定期間にわたる測定された光特性の検出された変化(例えば、飛行時間、位相シフト、干渉など)が、通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するよう構成され得る(つまり、経時的に測定された光特性の検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。
ダイヤフラムの検出された動きが通常の動作パラメータ内にないと判定された場合、コントローラ92は、外部装置34にメッセージを送信するなどして、ユーザに通知を提供するように構成され得る。装置500の動作は、上述の装置300および400の動作と実質的に同様であり得る。
図6は、時間の関数としてアキュムレータ30のダイヤフラム40の位置または撓みの変化に関連する圧力の変化を測定するように構成された圧力センサ602を含む植え込み可能な薬剤送達装置600の第4の実施形態を示す。圧力センサ602は、アキュムレータ30の密閉ガスチャンバ52内に、またはそれと流体連通して配置され得る圧力トランスデューサ601を含み得る。圧力トランスデューサ602は、ダイヤフラム40がダイヤフラムチャンバ57内で撓むときにチャンバ52内の流体圧力の小さな変化を検出するように較正され、検出された圧力を表す電子信号を出力する。
図6に示されている実施形態の植え込み可能な薬剤送達装置600は、上述の装置300、400および500と同様であり得、上述のように、プロセッサ43およびメモリ44を含むコントローラ92を有する電子機器モジュール32を含み得る。コントローラ92は、圧力センサ602に結合されてもよく、圧力センサ602によって測定された圧力をアキュムレータ30内のダイヤフラム40の異なる撓み位置に対応する所定の圧力値と比較するように構成され得る。所定の圧力値は、例えば早見表の形でメモリ44に保存され得る。コントローラ92は、時間の関数として、ダイヤフラム40の異なる撓み位置に対応する測定圧力値および既知の所定の圧力値を使用して、ダイヤフラム40の位置または撓みの変化(すなわち、ダイヤフラム40の上向きおよび/または下向きの撓みの量)を決定することができる。上述のように、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの変化は、注入液がアキュムレータから汲み上げられる速度に直接関係し得る。コントローラ92は、時間の関数としてダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成され得る(すなわち、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。いくつかの実施形態では、コントローラ92は、圧力測定値を距離または撓み値に変換しなくてもよい。代わりに、ある期間にわたって検出された圧力の変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成できる(すなわち、経時的な圧力の検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。
ダイヤフラムの検出された動きが通常の動作パラメータ内にないと判定された場合、コントローラ92は、外部装置34にメッセージを送信するなどして、ユーザに通知を提供するように構成され得る。装置600の動作は、上述の装置300、400、および500の動作と実質的に同様であり得る。
図7は、時間の関数としてアキュムレータ30のダイヤフラム40の位置または撓みの変化を測定するように構成された音波式ダイヤフラムセンサ702を含む植え込み可能な薬剤送達装置700の第5の実施形態を示す。音響信号を使用してダイヤフラム40の変位を測定するために、さまざまな技術が使用され得る。例えば、音波エネルギーのソース701(例えば、音波トランスデューサ)は、図7に示すように、密閉ガスチャンバ52内、または、ダイヤフラムチャンバ57内(ダイヤフラム40の上または下)に、音波信号(例えば、可聴域、超音波域、または可聴閾内)を生成し得る。ダイヤフラムがダイヤフラムチャンバ57内で撓むと、ダイヤフラムの上下の流体ボリュームが変化する。ボリュームのこの変動は、音響検知装置703によって検出され得る方法で、信号の高調波周波数などの音波信号の1つまたは複数の特性を変更し得る。音波エネルギーのソース701および音波検知装置703は、図7において別個の装置として示されている。しかし、単一コンポーネント(例えば、トランスデューサ)を使用して、音波エネルギーパルスを送信し、反射パルス(例えば、エコー)を受信することができることが理解されよう。
図7に示されている実施形態の植え込み可能な薬剤送達装置700は、上述の装置300、400、500、および600と同様であり得、上記のように、プロセッサ43およびメモリ44を含むコントローラ92を有する電子機器モジュール32を含み得る。電子機器モジュール32はまた、ソース701と検知装置703の動作を制御するため、および検知装置703で受信された音響信号の電子信号表現を生成するため、音波ソース701および検知装置703に結合された音響センサ制御回路750を含むことができる。コントローラ92は、音響センサ制御回路750に結合されてもよく、検知装置703で受信された音響信号の電子信号表現に基づいて、ダイヤフラム40の位置または撓みの変化を経時的に決定し得る。上述のように、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの変化は、注入液がアキュムレータから汲み上げられる速度に直接関係し得る。コントローラ92は、時間の関数としてダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成され得る(すなわち、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。いくつかの実施形態では、コントローラ92は、受信した音響信号の変化を距離値に変換せず、代わりに、ある期間にわたって受信した音響信号の検出した変化が通常の動作パラメータ内にあるかどうかを判定するように構成することができる(すなわち、経時的な音響信号の検出された変化は、注入液の臨床的に許容可能な流量に対応する)。
ダイヤフラムの検出された動きが通常の動作パラメータ内にないと判定された場合、コントローラ92は、外部装置34にメッセージを送信するなどして、ユーザに通知を提供するように構成され得る。装置700の動作は、上述の装置300、400、500、および600の動作と実質的に同様であり得る。
時間の関数としてのダイヤフラム40の位置または撓みの変化を検出するために、さまざまな音波式ダイヤフラムセンサを使用し得る。例えば、さまざまな実施形態による音波式ダイヤフラムセンサは、ドップラー、パルスエコーおよび/またはソナー技術を使用して、ダイヤフラム40の変位を経時的に測定することができる。
図8は、植え込み可能な薬剤送達装置のアキュムレータ内のダイヤフラムの動きを測定することにより、植え込み可能な薬剤送達装置からの注入液の流量を監視するための実施形態の方法800を示している。上述したような電子機器モジュール32は、時間の関数としてダイヤフラムの変位(すなわち、撓みの量)を検出し得る。
ブロック802で、電子機器モジュール32は、流量測定を開始することができる。一実施形態では、電子機器モジュール32は、所定の時間に流量測定を開始してもよく、または外部プログラマなどの外部装置34から受信したコマンドに応答して測定を開始し得る。
ブロック804において、電子機器モジュール32は、第1の時間T1に、ダイヤフラムの位置または撓みP1を検出することができる。例えば、電子機器モジュール32は、アキュムレータ30が、ダイヤフラム40が最大(例えば、上向き)の撓み位置にある、図2Cに示されるような、充填状態にあるとき、ダイヤフラムの位置(すなわち、撓み)を検出し得る。初期時間T1は、アキュムレータ30の出口バルブ28が開かれ、注入液がアキュムレータから空になり始める時間に対応し得る(図2Dを参照)。したがって、いくつかの実施形態では、電子機器モジュール32は、ダイヤフラム位置P1の検出を出口バルブ28の開口と同期させることができる。あるいは、いくつかの実施形態では、電子機器モジュール32は、アキュムレータ30の充填/空サイクル中の任意の時点でダイヤフラム40の位置P1を検出し得る。
電子機器モジュール32は、例えば、図3〜7を参照して、上述したダイヤフラムセンサ302、402、502、602および/または702のいずれかなど、アキュムレータ内のダイヤフラムの位置(すなわち、撓みの量)を決定するように構成されたダイヤフラムセンサ装置からのダイヤフラムセンサデータを使用して、ダイヤフラムの位置または撓みを検出し得る。
ブロック806で、電子機器モジュール32は、第2の時間T2に、ダイヤフラムP2の位置または撓みを検出することができる。第2の時間T2は、既知のまたは測定期間(すなわち、ΔT)だけ第1の時間T1より遅くてもよい。期間は、約0.5秒未満、約1/4秒未満、約100分の1秒未満、約1ミリ秒未満などを含む約1秒未満など、約5秒未満であり得る。電子機器モジュール32は、図3〜7を参照して、上述したダイヤフラムセンサ302、402、502、602および/または702のいずれかなど、アキュムレータ内のダイヤフラムの位置(つまり、撓みの量)を決定するように構成されたダイヤフラムセンサ装置からのダイヤフラムセンサデータを使用して、ダイヤフラムの位置または撓みP2を検出することができる。
電子機器モジュール32は、測定期間ΔTにわたるダイヤフラムの位置または撓みの変化(すなわち、P1とP2との差、またはΔP)を決定することができる。上述のように、時間の関数としてのダイヤフラムの位置または撓みの変化は、注入液がアキュムレータから汲み上げられる速度に直接関係し得る。いくつかの実施形態では、電子機器モジュール32は、所定の期間ΔTにわたってダイヤフラムがどれだけ移動する(すなわち撓む)かを決定することができる。他の実施形態では、電子機器モジュール32は、ダイヤフラムが所定の量(つまりΔP)だけ移動する(つまり、撓む)まで、ダイヤフラムの位置または撓みを定期的または連続的に監視することができ、および次に、ダイヤフラム位置の所定の変化中の経過時間(すなわち、ΔT)を決定し得る。例えば、電子機器モジュール32は、ダイヤフラムが、図2Cに示すように、アキュムレータ30が充填状態にある、初期の上方に撓んだ位置P1と、ダイヤフラム40が、図2Aに示すように完全に下方に撓む第2の位置P2の間を移動するのにかかる時間を決定するように構成され得る。
判定ブロック808では、電子機器モジュール32のプロセッサ43は、測定期間にわたってダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化(すなわち、ΔP/ΔT)が1つまたは複数の閾値基準を満たすかどうかを判定することができる。少なくとも1つの閾値基準は、植え込み可能な薬剤送達装置の通常の動作中の注入液の流量に関連し得る。言い換えれば、測定期間にわたるダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化(すなわち、ΔP/ΔT)は、正常に動作する装置に対して、同じ期間にわたるダイヤフラムの位置または撓みの予想される変化に対応する保存値と比較され得る。検出されたΔP/ΔTが所定の量未満(例えば、0〜10%)だけ予想されるΔP/ΔTから逸脱する場合、検出されたΔP/ΔTは、1つまたは複数の閾値基準を満たし得る。例えば、検出されたΔP/ΔTが第1の保存された閾値よりも小さい場合、これは植え込み可能な薬剤送達装置の流路に詰まりまたは閉塞があり装置の流量が異常であることを示している場合がある。別の例では、検出されたΔP/ΔTが第2の保存された閾値(第1の閾値と同じかそれ以上であり得る)より大きい場合、これは装置にリークまたは他の問題があることを示している可能性がある。
いくつかの実施形態では、電子機器モジュールのプロセッサ43は、測定期間にわたるダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化(すなわち、ΔP/ΔT)に基づいて、アキュムレータ30の流量を任意に決定し得る。固定ボリュームアキュムレータの場合、図2Cに示されるように、ダイヤフラム40が完全に上方に撓んだ位置から、図2Aに示される、完全に下方に撓んだ位置まで移動するたびに、固定ボリュームの注入液が分配される。したがって、ダイヤフラムの位置または撓みの変化ΔPは、例えば注入液のmLで表され得るボリュームに相当し得る。したがって、検出されたΔP/ΔTは、植え込み可能な薬剤送達装置の正常および/または異常な流量に対応する所定の流量値を含む1つまたは複数の閾値基準と比較され得る流量(例えば、mL/秒)として表すことができる。
測定期間中のダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化(すなわち、ΔP/ΔT)が1つまたは複数の閾値条件を満たさないと判定したこと(すなわち、判定ブロック808=「いいえ」)に応答して、電子機器モジュール32のプロセッサ43は、ブロック810で注入液の流量が異常であると判定し得る。いくつかの実施形態では、異常な流量の判定は、植え込み可能な薬剤送達装置の閉塞または漏れの結果であり得る。電子機器モジュール32のプロセッサ43は、ブロック814で異常な流量の通知を提供し得る。例えば、プロセッサ43は、植え込み可能な薬剤送達装置が異常な流量を有することを示す無線インターフェースを介して、外部プログラマなどの外部装置34にメッセージを送信し得る。プロセッサ43は、オプションとして、アキュムレータのサイクルレートの調整および/またはシステムのシャットダウンなど、異常な流量の決定に応答して、他の是正措置を講じることができる。
測定期間中に検出されたダイヤフラムの位置または撓みの変化(つまり、ΔP/ΔT)が1つまたは複数の閾値条件を満たすと判定したこと(すなわち、判定ブロック808=「はい」)に応答して、電子機器モジュール32のプロセッサ43は、ブロック810で注入液の流量が正常であると判定し得る。
別の実施形態では、植え込み可能な薬剤送達装置内のプロセッサ43は、ブロック804および806の動作を実行し、検出されたダイヤフラム位置および時間値を外部装置34に伝達するプロセッサ実行可能命令を備え得る。この実施形態では、外部プログラマ34のプロセッサ47は、植え込み可能な薬剤送達装置から検出値を受信し、測定期間中のダイヤフラムの位置または撓みの検出された変化(すなわち、ΔP/ΔT)が1つまたは複数の閾値条件を満たすかどうかの判定に基づき、注入液の流量が正常か異常かを判定し得る。
前述のように、植え込み可能な薬剤送達装置300によって実行される治療計画の有効性は、植え込み可能な薬剤送達装置300の流路内のさまざまな障害(例えば、詰まり、閉塞など)によって影響を受ける可能性がある。しかしながら、他の要因が、追加的または代替的に、植え込み可能な薬剤送達装置300によって実行される治療計画に影響を及ぼし得る。
例えば、フィルタ24、ベローズ16、アキュムレータ30、アクセスポート31、電子機器32、およびカテーテル36などの植え込み可能な薬剤送達装置300の1つまたは複数のコンポーネントの機能または効率が、時間とともに変化する可能性がある。しかしながら、機能性または効率の変化は、患者が知覚する治療計画の流量および/または有効性に即座に影響を与えるほど重要ではないかもしれない。したがって、植え込み可能な薬剤送達装置300の1つまたは複数のコンポーネントの機能に関連するパラメータを直接的または間接的に監視することが有益である場合がある。
加えて、治療計画は、臨床医によって定義される所定の投与量管理スケジュールを含んでもよい。治療計画中に使用するために処方される注入液の量は、治療計画中に使用される注入液の量と同じであり得る。いくつかの実施形態および治療において、治療計画は、所定の数の患者主導の投与を可能にし得る。したがって、治療計画中に投与される注入液の量は、治療計画中に患者が許可された数の患者主導の投与の1つまたは複数を使用することを選択するかどうかに応じて変わり得る。これにより、植え込み可能な薬剤送達装置300が補充される前に全体の治療計画が実行され得る時間の長さが変化する可能性がある。したがって、注入液の補充がいつ必要になるかをより正確に予測するために、治療計画中に投与される注入液の量に関連する情報を直接的または間接的に測定することが有益な場合がある。
さまざまな実施形態において、患者に提供される注入液の量および/または注入液の流量を直接的または間接的に測定または決定するための方法およびシステムは、薬剤リザーバ10に関連するさまざまなパラメータを測定することにより実行され得る。図9〜15に示すように、さまざまな実施形態は、薬剤リザーバに関連するさまざまなパラメータを検出するためのベローズセンサを含む植え込み可能な薬剤送達装置300を含むことができる。例えば、ベローズセンサは、薬剤リザーバ内の注入液のボリュームに関連する薬剤リザーバ10のベローズ16および/または第2のゾーン20に関連する1つまたは複数のパラメータを測定し得る。いくつかの実施形態では、ベローズセンサは、ベローズ16内の注入液または薬剤リザーバ10の第2のゾーン20内の二相液体の位置または変位、圧力、または液面/量のうちの1つまたは複数を検出するように構成され得る。種々のベローズセンサが図9〜15を参照して説明されているが、ベローズセンサは、患者に提供される注入液のボリュームおよび/または注入液の流量を決定するため、注入液ボリューム、ベローズ16、第2のゾーン20、および/または二相液体に対応または関連する1つまたは複数のパラメータに関連する情報を提供するように構成された任意の適切なセンサであってよい。加えて、単一のベローズセンサが、図9〜15に示される一方で、任意の数および任意の組み合わせの異なるベローズセンサを利用して、薬剤リザーバ10のベローズ16および/または第2のゾーン20に関連する1つまたは複数のパラメータを検出することができる。
図9を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、ベローズ16の位置または膨張/圧縮状態に関連する情報を伝達するように構成された電子ベースのベローズセンサ92を含み得る。ベローズセンサ92は、1つまたは複数の電子ベースのベローズセンサを含んでもよい。ベローズセンサ92は、第2のゾーン20内のベローズ16の外面に配置されるものとして、図9に示されているが、ベローズセンサ92は、代替的または追加的に、ベローズ16の外面の別の部分またはベローズ16の1つまたは複数の内面に配置され得る。いくつかの実施形態では、ベローズセンサ92はベローズ16の一体部分であってもよく、一方、他の実施形態では、ベローズセンサ92は内面または外面に結合された別個の装置であり得る。
いくつかの実施形態では、ベローズセンサ92は、ベローズ16の機械的特性を電気信号検出器91に伝達される電気信号に変換するように構成され得る。ベローズセンサ92は、ベローズ16の変位および/または膨張に対応する、またはこれらを示す情報を提供するように構成または較正され得る。例えば、ベローズセンサ92は、ベローズ16が異なる変位および/または膨張/圧縮状態にあることに応答して、異なる電気信号を発するように構成され得る。例えば、ベローズセンサ92は、フル(つまり、最大量の注入液を含む)および空(つまり、最小量の注入液を含む)の間のベローズ16の変位および/または膨張/圧縮の範囲に対応するかまたは示す範囲電気信号(例えば、アナログまたはデジタル信号)を生成することができる。別の例として、ベローズセンサ92は、ベローズ16が実質的に空のときの第1の電気信号、ベローズ16が最大量の注入液(例えば、補充直後)で満たされたときの第2の電気信号、最小量の注入液(例えば、治療計画の最終投与量が投与された後)がベローズ16内に残っているときの第3の電気信号、および、ベローズ16内の注入液の量が最大量よりも少なく、注入液の最小量よりも多くベローズ16内に残るときの第4の電気信号を、発し得る。
電気信号検出器91は、ベローズセンサ92によって発信される電気信号を検出するように構成され得る。電気信号検出器91は、電子機器モジュール32に結合され得る。電気信号検出器91は、電子機器モジュール32と一体化されてもよく、または電気信号検出器91は、電子機器モジュール32から分離され、および/または電子機器モジュール32から離間され得る。
いくつかの実施形態では、電気信号検出器91は、ベローズセンサ92によって発信された検出電気信号を電子機器モジュール32に送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電気信号検出器91は、ベローズセンサ92からの電気信号を監視または分析し、所定の閾値を超えるベローズセンサ92からの電気信号に変化または変化率があると判定したことに応答して電子機器モジュール32に情報を送信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電気信号検出器91またはベローズセンサ92は、ベローズセンサ92からの電気信号の変化または変化率が所定の閾値を超えるかどうかを判定するように構成されたプロセッサを含み得る。いくつかの実施形態では、電気信号検出器91またはベローズセンサ92は、ベローズセンサ92からの電気信号の変化または変化率を複数の所定の閾値と比較するように構成され得る。例えば、第1の閾値は、患者への注入液の処方された流量(例えば、医師が設定した投与計画に応じて)に関連し得る。第2の所定の閾値(例えば、注入液の使用量が、補充日が最初にスケジュールされたときに想定された量を超えていることを示す閾値)は、植え込み可能な薬剤送達装置300の補充のスケジューリングに関連し得る。そして、第3の所定の閾値は、植え込み可能な薬剤送達装置300の問題を示してもよく、第4の所定の閾値は、注入液の安全でない流量(例えば、警告またはアラームのトリガー)に対応し得る。
いくつかの実施形態では、ベローズセンサ92は、ベローズ16の膨張または収縮によって引き起こされる形状の変化に応じて電気特性(例えば、抵抗)を変化させることにより電気信号を生成する1つまたは複数のひずみゲージを含み得る。ひずみゲージベローズセンサ92は、ベローズの膨張および収縮による電気特性の変化量が、ベローズ16内の注入液の量および/または第2のゾーン20内の二相液体の気体対液体比に対応するように、ベローズ16に構成され、取り付けられ、またはベローズ16内に形成され得る。ベローズセンサ92で使用できるひずみゲージの非限定的な例には、結合箔ひずみゲージ、結合半導体ひずみゲージ(例えば、ピエゾ抵抗器)、薄膜ひずみゲージ(例えば、ベローズまたはダイヤフラムの表面に絶縁体およびゲージ材料を蒸着またはスパッタリングすることにより形成されたひずみゲージ)、拡散または埋め込み半導体ひずみゲージ、およびそれらの組み合わせが含まれる。
図10を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、ベローズ16に関連する位置、方向、膨張/圧縮状態、および/または圧力に関連する情報を電子機器モジュール32に通信するように構成されるベローズセンサ93を含み得る。ベローズセンサ93は、ベローズ16および/またはベローズ16の1つまたは複数のリーフに関連する位置、角度、および/または変位を検出するように構成された任意のセンサであり得る。例えば、ベローズセンサ93は、屈曲センサ、ジャイロスコープ、傾斜センサ、圧電センサ、線形、角度、および/または多軸位置センサ、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含み得る。追加的または代替的に、ベローズセンサ93は、ベローズ16内の注入液の液面に関連する情報を測定するように構成され得る。
図10に示されるように、ベローズセンサ93は、ベローズ16の1つまたは複数のリーフ内に配置され、および/またはベローズ16の別の外面に配置され得る。植え込み可能な薬剤送達装置300は、任意の向き(例えば、患者は立っている、横たわっているなどでよい)で動作することができるため、配向情報は、さまざまな決定のための1つまたは複数の他のパラメータとともに電子機器モジュール32によって使用され得る。例えば、配向情報は、ベローズ16および/または注入液の液面に関連する位置、膨張/圧縮状態、および/または圧力に関連する検出情報と併せて使用することができる。追加的または代替的に、配向情報は、図1〜8で説明したように、注入液がアキュムレータから汲み上げられる流量を決定するために検出された情報とともに使用され得る。
図11を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、発光体93および光検出器94を含む光学または光学式ベローズセンサを含むことができる。発光体93は、ベローズ16の表面上に1つまたは複数のタイプの光(例えば、可視光、赤外線、レーザー、紫外線など)を発するように構成され得る。いくつかの実施形態では、光放射が向けられるベローズ16の表面は、発光体93によって生成された光の光検出器94への反射を強化または修正する反射材料を含んでもよい。発光体93によって生成された光は、ベローズ16の表面で反射し、光検出器94によって検出および/または測定され得る。光検出器94により検出/測定された光の特性(例えば、強度、干渉パターン、遅延、極性など)に基づいて、ベローズ16の位置および/または膨張/圧縮状態が決定され得る。
図11が、ベローズ16の底面を照らすように配置された発光体93を示す一方で、発光体93および光検出器94の1つまたは複数の対は、ベローズ16の1つまたは複数の他の表面(例えば、上面、側面、リーフなど)の光学測定を行うように配置され得る。
図12を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、発光体/検出器95および延長部96を特徴とする光学式ベローズセンサを含み得る。発光体/検出器95は、第2のゾーン20を通り、ベローズ16の表面から伸びるアタッチメントでもよい延長部92の表面上に、1つまたは複数のタイプの光(例えば、可視光、赤外線、レーザー、紫外線など)を放出および検出するように構成され得る。延長部96は、反射特性を有する材料で作られてもよく、延長部96の表面に設けられた反射材料を含んでもよい。発光体/検出器95によって放出された光は、延長部96の表面で反射し、発光体/検出器95によって検出または測定され得る。発光体/検出器95によって検出または測定された光の特性に基づいて、ベローズ16の位置および/または膨張/圧縮状態を決定することができる。
図12は、第2のゾーン20の外側に配置された1つの発光体/検出器95を示し、1つまたは複数の発光体/検出器95は、ベローズ16の任意の表面(例えば、上面、側面、葉など)からの任意の延長に関して配置され得る。
図13を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、第2のゾーン20内の二相液体内の蒸気および/または液体の存在を検出するように構成されたベローズセンサ97を含むことができる。例えば、前述のように、蒸気状態の二相液体の量と液体状態の二相液体の量との比は、ベローズ16を加圧して治療計画を行うのに必要な圧力の量を示し得る。例えば、ベローズ16内の注入液の量が減少すると、静止状態を維持するために、二相液体によってベローズ16の外面に提供される圧力の量が増加し得る。したがって、ベローズセンサ97は、ベローズ16内に残っている注入液の量を決定するために、蒸気状態の二相液体の量および/または液体状態の二相液体の量を検出することができる。
図14を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、薬剤リザーバ10とアキュムレータ30との間を移動するときに注入液の流れを検出するように構成された流量計98を含むことができる。流量計98は、ハウジング14とフィルタ24との間に配置されているように、図14に示されているが、1つまたは複数の流量計98をフィルタ24とバルブ26の間に配置することができ、注入液の量および/または注入液が薬剤リザーバ10とアキュムレータ30との間を流れる速度を測定するように構成されている。流量計98は、注入液の量および/または注入液が薬剤リザーバ10とアキュムレータ30との間を流れる速度に関連する情報を電気モジュール32に提供することができる。
図15を参照して、植え込み可能な薬剤送達装置300は、ベローズ16の外面の周りに巻き付けられたコイル99と、誘導ベローズセンサ101とを含み得る。いくつかの実施形態では、コイル99は、図15に示されるように、ベローズ16のリーフ内に配置され得る。他の実施形態では、誘導ベローズセンサ101は、コイル99によって生成される磁場の少なくとも一部の測定を可能にする任意の位置に配置され得る。いくつかの実施形態では、誘導ベローズセンサ101によって検出されたコイル99に関連する磁場測定値および/または磁場の変化を使用して、ベローズ16内の注入液の量を決定することができる。例えば、ベローズ16内の注入液の量が(例えば、治療計画中に注入液が投与されるとき)減少するにつれて、ベローズ16のリーフが圧縮されると、コイル99のループは互いに接近して移動し得るが、コイル99によって生成される磁場の変化を引き起こし得る。同様に、ベローズ16が注入液で補充され、ベローズ16のリーフが膨張すると、コイル99のループは互いに離れて移動し、反対の方法で磁場を変化させ得る。
図16は、植え込み可能な薬剤送達装置のベローズ(例えば、16)内の注入液のボリュームの変化が正常であるかどうかを判定する実施形態の方法1600を示すプロセスフロー図である。図1〜図16を参照すると、方法1600は、植え込み可能な薬剤送達装置、患者プログラマ、またはそれらの組み合わせの1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。例えば、方法1600は、電子機器モジュール32のプロセッサ43および/または外部プログラマ34のプロセッサ47によって実行され得る。
ブロック1602で、プロセッサは、注入液ボリューム変化率測定手順を開始することができる。注入液ボリューム変化率測定手順は、ベローズ内の注入液ボリュームの変化率を直接的または間接的に決定するように構成され得る。さらに、注入液のボリューム変化率測定手順では、ベローズ内の注入液のボリュームの決定された変化率を使用して、治療計画の有効性、または植え込み可能な薬剤送達装置またはそのコンポーネントの機能の変化または変化率などの多数の要因(例えば、コンポーネントの摩耗または故障の検出)を決定することができる。
注入液のボリューム変化率測定手順は、プロセッサによってさまざまな方法で開始できる。いくつかの実施形態では、外部プログラマ34と植え込み可能な薬剤送達装置300の電子機器モジュール32との間の通信に応じて、プロセッサによって注入液ボリューム変化率測定手順を開始することができる。例えば、外部プログラマ34のプロセッサ47は、注入液ボリューム速度測定手順を開始する命令を含むメッセージを生成し、電子機器モジュール32に送信することができる。注入液ボリューム変化率測定手順を開始する命令は、外部プログラマ34によって、または外部プログラマ34との通信に応じて電子機器モジュール32によって開始され得る。
いくつかの実施形態では、注入液ボリューム変化率測定手順は、ベローズ16の注入液を充填または補充すること、治療計画を受けていること、現在実施されている治療計画の1つまたは複数のパラメータを変更する指示を受信すること、流量が異常であると判定することなど、所定のイベントまたは動作によってトリガーされ得る。
追加的または代替的に、ボリューム速度測定手順は、治療計画中に定期的な間隔でプロセッサによって開始され得る。治療計画中に注入液ボリューム変化率測定が実行される回数および/または注入液ボリューム変化率測定間の時間間隔は、現在の治療計画に対して、事前に決められた数の連続治療計画に対して、および/または植え込み可能な薬剤送達装置の予想寿命に対して、プロセッサによって事前に決定されるか、動的に決定され得る。例えば、ボリューム変化率測定が実行される回数および/またはボリューム変化率測定間の時間間隔に関連する情報は、現在の治療計画に関連する情報、製造時、移植前、および/または移植後に提供される植え込み可能な薬剤送達装置の操作に関連する情報の1つまたは複数に含まれてもよい。ボリューム変化率測定が実行される回数および/またはボリューム変化率測定間の時間間隔に関連する情報は、事前定義された時間または間隔、またはプロセッサがボリューム変化率測定の実行回数および/またはボリューム変化率測定間の時間間隔を決定できる情報であり得る。
パフォーマンスの数および/またはボリューム変化率測定の時間間隔は、時間の経過とともに変化する場合がある。ボリューム変化率測定は、1つの治療計画、複数の連続治療計画、および/または植え込み可能な薬剤送達装置の寿命に関連する時間間隔にわたって、多かれ少なかれプロセッサによって実行され得る。いくつかの実施形態では、現在の治療計画のための注入液の初期最大ボリュームを決定するために、ベローズの充填または補充の直後に、プロセッサによってボリューム変化率測定をより頻繁に実行することができる。代替的に、ボリューム変化率測定は、ベローズ16の充填または補充後、低い頻度でプロセッサによって実行され得る。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、現在の治療計画の終わりに向かってより頻繁にボリューム速度測定を実行し得る。例えば、患者への注入液の送達の中断を防ぐために、植え込み可能な薬剤送達装置が、ベローズ16をより多くの注入液で補充する前に注入液のベローズを空にするのを防ぐように測定が行われるように、注入液のボリュームをより厳密に監視することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、注入液の現在のボリュームが所定の閾値よりも少ないが、注入液の最小ボリュームレベルよりも大きいと判定することに応じて、ボリューム速度測定が実行されるレートは、注入液の消費をより詳細に監視するために、プロセッサによって増加され得る。注入液の現在のボリュームが所定の閾値未満であると判定したことに応答して、プロセッサによって患者および/または臨床医に警告を送信することができる。注入液レベルに関連する警告は、所定の時間内に注入液の補充が必要であることの指示またはリマインダーとして提供され得る。
ブロック1604において、プロセッサは、第1の時間(T1)にベローズの第1の変数(B1)を決定し得る。第1の変数B1は、ベローズ16内の注入液のボリュームに関連付けられてもよく、ベローズ16に関連付けられた1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力を使用して検出または決定され得る。例えば、電気信号検出器91、ベローズセンサ93、光検出器94、発光体/検出器95、ベローズセンサ97、流量計98、および/または誘導ベローズセンサ101は、プロセッサが、注入液および/またはベローズ16に関連する測定パラメータに対応する出力信号を受信するように、プロセッサに電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、ベローズ16に関連付けられた1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力は、ベローズ16内の注入液のボリューム値に対応し得る。他の実施形態では、プロセッサは、第1の変数B1を使用して、ベローズ16内の注入液のボリュームを計算することができる。
プロセッサは、ベローズの決定された第1の変数B1を保存し得る。加えて、プロセッサは、メモリに第1の時間T1に関連付けられた情報を保存し得る。いくつかの実施形態では、第1の時間T1は、ベローズ16のパラメータが測定されるときに対応する離散時間インスタンスに関連するタイムスタンプまたは他の値であり得る。他の実施形態では、プロセッサは、ベローズの第1の変数B1を決定するために使用されるベローズ16の測定されたパラメータに対応する出力の受信に応じてタイマーを開始し得る。
ブロック1606において、プロセッサは、第2の時間(T2)にベローズの第2の変数(B2)を決定し得る。第2の変数B2は、ベローズ16内の注入液のボリュームに関連付けられてもよく、ベローズ16に関連付けられた1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力を使用してプロセッサによって検出または決定され得る。例えば、電気信号検出器91、ベローズセンサ93、光検出器94、発光体/検出器95、ベローズセンサ97、流量計98、および/または誘導ベローズセンサ101は、ベローズ16の測定パラメータに対応するプロセッサへの出力を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ベローズ16に関連付けられた1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力は、ベローズ16内の注入液のボリューム値に対応し得る。他の実施形態では、プロセッサは、第2の変数B2を使用して、ベローズ16内の注入液のボリュームを計算することができる。
プロセッサは、決定されたベローズの第2の変数B2を保存し得る。さらに、プロセッサは、第2の時間T2に関連する情報をメモリに保存し得る。いくつかの実施形態では、第2の時間T2は、ベローズ16のパラメータが測定されるときに対応する離散時間インスタンスに関連するタイムスタンプまたは他の値であり得る。他の実施形態では、プロセッサは、ベローズの第2の変数B2を決定するために使用されるベローズ16の測定されたパラメータに対応する出力の受信に応答して、開始されたタイマーを停止し得る。
判定ブロック1608では、プロセッサは、第1の時間T1と第2の時間T2との間の期間にわたるベローズの第1の変数B1とベローズの第2の変数B2との間の変化が閾値基準を満たすかどうかを判定することができる。プロセッサは、2つの測定されたパラメータに基づいて、ベローズ16内の注入液のボリュームの変化率を決定するためのさまざまな計算のいずれかを実行し得る。例示的な実施形態では、以下の式を使用して、ベローズの第1の変数B1とベローズの第2の変数B2との間の変化率を、第1の時間T1と第2の時間T2との間の期間にわたって決定し得る。
変化率ΔB/ΔTが決定された後、プロセッサは結果の値を閾値基準と比較できる。いくつかの実施形態では、閾値基準は事前に決定され得る。一方、他の実施形態では、閾値基準は、現在の治療計画、所定の数の連続治療計画、および/または植え込み可能な薬剤送達装置の予想寿命の1つまたは複数に関連するパラメータに基づいてプロセッサによって動的に決定され得る。閾値基準は、単一の治療計画に対して静的であってもよく、または閾値基準は、注入液ボリュームが異常である可能性があるとの決定に応答して、プロセッサによって動的に決定され得る。閾値基準は、単一の値または値の範囲である。
変化率ΔB/ΔTが閾値基準を満たしていると判定したこと(すなわち、判定ブロック1608=「はい」)に応答して、プロセッサは、ブロック1610で注入液ボリューム変化率が正常であると判定することができる。
変化率ΔB/ΔTが閾値基準を満たさないと判定したこと(すなわち、判定ブロック1608=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、注入液ボリューム変化率がブロック1610で異常であると判定し得る。いくつかの実施形態では、注入液ボリューム変化率が異常であるという決定は、ベローズ内の決定された注入液のボリュームが、残っている予想注入液のボリュームまたは量と一致しないことを示し得る。決定された注入ボリュームと予想される注入液ボリュームの違いは、患者による処方線ボリュームの意図的な無効化、患者に投与される追加の投与、植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素の機能の変化などのさまざまな要因によって引き起こされる場合がある。
いくつかの実施形態では、プロセッサは、ベローズ内の注入液が閾値基準を超えると判定したことに応答して、ベローズ内の注入液が閾値基準を満たさないと判定し得る。例えば、プロセッサがベローズ内の注入液が閾値基準未満である(つまり、ベローズから排出される注入液が多すぎる)と判定した場合、ベローズとカテーテルの間の流路が妨げられていない状態(バルブが開いているなど)が検出され得る。別の例として、プロセッサがベローズ内の注入液が閾値基準よりも大きい(すなわち、規定の流量で患者に投与される注入液が少なすぎる)と判定したとき、ベローズとカテーテルの間の流路がカテーテルの閉塞などから妨げられる状況が検出され得る。いくつかの実施形態では、閾値基準は、ベローズ内のボリュームの変化率であり得る。その場合、ボリューム変化率が閾値基準を超えたとき、妨げられていない流路が検出され得る。および、ボリューム変化率が閾値基準よりも小さいとプロセッサが判定したとき、妨げられた流路が検出され得る。参照を容易にするために、プロセッサによるそのような決定は、測定値が閾値基準を満たすかどうかの決定と呼ばれる場合がある。
ブロック1614では、プロセッサは、注入液ボリューム速度が異常であると判定したことに応答して、異常な注入液ボリューム変化速度手順を開始することができる。プロセッサによって実行される異常な注入液ボリューム速度手順には、現在の注入液ボリューム変化率測定手順を変更し、異常な動作状態が検出されたことを患者および/または臨床医に通知し、異常な動作状態を引き起こす潜在的な原因を決定し、および/または植え込み可能な薬剤送達装置の動作を停止するように構成されたさまざまな動作が含まれてもよい。
いくつかの実施形態では、複数の所定の動作がメモリに保存され、異常の潜在的な原因および/または異常レベルの判定に応じて、プロセッサは、決定された潜在的な原因に対応する保存された動作を取得して実行できる。他の実施形態では、動作は、注入液ボリューム速度が異常であると動的に選択され、現在の測定値に基づいて固有の異常な注入液ボリューム速度手順を作成することができる。
図17は、異常な注入液ボリューム変化率手順1614の非限定的な例のプロセスフロー図である。図1〜17を参照すると、方法1614は、植え込み可能な薬剤送達装置(例えば、植え込み可能な薬剤送達装置100)、患者プログラマ(例えば、外部プログラマ34)、またはその組み合わせの1つまたは複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ43および/またはプロセッサ47)によって実行され得る。
ブロック1702では、プロセッサは、ブロック1612で注入液ボリューム変化率が異常であると判定されたことに応じて、第3の時間(T3)にベローズの第3の変数(B3)を判定することができる。第3の変数B3は、ベローズ16内の注入液のボリュームに関連付けられてもよく、ベローズ16に関連付けられた1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力を使用して検出または決定され得る。プロセッサは、決定された第3の変数B3および第3の時間T3に関連する情報を保存し得る。
いくつかの実施形態では、異常判定の有効性を確認するために、ベローズの第3の変数B3の判定を実行することができる。さまざまな要因が、ベローズ16内の実際の注入液ボリュームに影響を与えることなく、離散時間インスタンス(例えば、T1またはT2)でベローズセンサおよび/または検出器によって測定されるベローズ16のパラメータに誤って影響を与える可能性がある。例えば、ポンプサイクルの現在の状態および/またはアキュムレータのサイクルレートに応じて、注入液は、ベローズ16内の注入液の高さレベルおよび/または表面に関連する測定値が不正確になるように、ベローズ16内で移動する可能性がある。
オプションのブロック1704では、プロセッサは、第4の時間(T4)にベローズの第4の変数(B4)を決定し得る。第4の変数B4は、ベローズ16内の注入液のボリュームに関連付けられてもよく、ベローズ16に関連付けられた1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力を使用してプロセッサによって検出または決定され得る。プロセッサは、決定された第4の変数B4および第4の時間T4に関連する情報を保存し得る。
判定ブロック1706では、プロセッサは、ある期間にわたるベローズの第1の変数B1、ベローズの第2の変数B2、ベローズの第3の変数B3、およびベローズの第4の変数B4のうちの少なくとも2つの間の変化が閾値基準を満たす。プロセッサは、2つ以上の測定されたパラメータに基づいて、ベローズ16内の注入液のボリュームの変化率を決定するためのさまざまな計算のいずれかを実行し得る。
プロセッサは、測定されたパラメータに基づいて、ベローズの2つ以上の決定された変数間の変化量を決定し得る。例えば、プロセッサは、ベローズの第3の変数B3とベローズの第4の変数B4の1つまたは複数の間の変化量(ΔB34)、ベローズの第1の変数B1とベローズの第3の変数B3の1つまたは複数の間の変化量(ΔB13)、ベローズの第1の変数B1とベローズの第4の変数B4の1つまたは複数の間の変化量(ΔB14)、ベローズの第2の変数B2とベローズの第3の変数B3の1つまたは複数の間の変化量(ΔB23)、およびベローズの第2の変数B2とベローズの第4の変数B4の1つまたは複数の間の変化量(ΔB24)を決定し得る。プロセッサは、決定されたベローズの変数間の変化量に対応した時間間隔の変化量を決定し得る。
1つまたは複数の変化率ΔB/ΔTが決定された後、プロセッサは結果の値を閾値基準と比較し得る。いくつかの実施形態では、閾値基準は所定の値であり得る。一方、他の実施形態では、閾値基準は、現在の治療計画、所定の数の連続治療計画、および/または植え込み可能な薬剤送達装置の予想寿命の1つまたは複数に関連するパラメータに基づいてプロセッサによって動的に決定され得る。閾値基準は、単一の治療計画に対して静的であってもよく、または閾値基準は、注入液ボリュームが異常である可能性があるとの決定に応答して、動的に決定され得る。閾値基準は、単一の値または値の範囲である。
いくつかの実施形態では、閾値基準は、現在の治療計画中の別の決定された変化率であり得る。例えば、プロセッサがベローズの第3の変数B3とベローズの第4の変数B4の間の変化量(ΔB34)を決定するとき、選択された閾値基準は、注入液が一定のレートで減少するかどうかを判定するために、ベローズの第1の変数B1とベローズの第2の変数B2の間の変化量(ΔB12)であり得る。
代替的または追加的に、閾値基準は、異なる治療計画中に決定される1つまたは複数の変化率であり得る。閾値基準は、1つまたは複数の以前の治療計画の間に決定されたベローズの変数間の変化の量を含み得る。いくつかの実施形態では、選択された閾値基準は、現在および以前の治療計画内の実質的に同様の時間枠、または現在および以前の治療計画中の実質的に同様の注入液ボリュームレベルに対応し得る。いくつかの実施形態では、選択された閾値基準は、以前の治療計画のうちの1つまたは複数内の任意の時間枠に対応し得る。例えば、異常が判定された場合、プロセッサは、1つまたは複数の以前の治療計画から選択された閾値基準に基づいて、植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素の機能の変化が起こったかどうかを判定し得る。
変化率ΔB/ΔTが閾値基準を満たしていると判定したこと(すなわち、判定ブロック1706=「はい」)に応答して、プロセッサは、ブロック1708で注入液ボリューム速度が正常であると判定し、手順を終了し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサは、変化率ΔB/ΔTが閾値基準を満たすかどうかに基づいて、ブロック1612における異常な注入液ボリューム変化率の決定が偽陽性であると決定し得る。
変化率ΔB/ΔTが閾値基準を満たさないとの判定したこと(すなわち、判定ブロック1706=「いいえ」)に応答して、プロセッサはブロック1710で注入液の流量を判定することができる。プロセッサは、本明細書に記載の方法を含むさまざまな技術を使用して注入液流量を決定し得る。例えば、プロセッサは、ベローズセンサおよび/またはアキュムレータに関連する検出器の出力を使用して、注入液の流量を決定し得る。プロセッサはまた、植え込み可能な薬剤送達装置またはカテーテル内の流体の流れに関連付けられた流量センサの出力を使用して、注入液の流量を決定し得る。
判定ブロック1712では、プロセッサは、注入液流量が閾値基準を満たすかどうかを判定し得る。閾値基準は、所定の値であってもよく、またはさまざまなパラメータを使用して現在の治療計画中にプロセッサによって動的に決定され得る。いくつかの実施形態では、閾値基準は、1つまたは複数の以前の治療計画で決定された注入液流量に基づいてもよい。
注入液流量が閾値基準を満たしていると判定したこと(すなわち、判定ブロック1712=「はい」)に応答して、プロセッサは、異常な流量を引き起こしている可能性のある植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素を識別し、流量を変更するか、植え込み可能な薬剤送達装置の動作を停止し得るように構成されたさまざまな操作を含み得る第1の異常な注入液流量手順を開始することができる。第1の異常な注入液流量手順は、患者および/または臨床医に通知するためのさまざまな動作をさらに含むこともできる。いくつかの実施形態では、閾値基準値または値の範囲は、異常な流量を引き起こす植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素の動作の変化を示し得る。
注入液流量が閾値基準を満たさないとの判定したこと(すなわち、判定ブロック1712=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、第1の異常な注入液流量手順とは異なる第2の異常な注入液流量手順を開始し得る。第2の異常な注入液流量手順は、現在の注入液ボリューム速度測定手順を修正し、現在の治療計画を修正し、および/または異常な流量をトリガーする潜在的な原因を決定するように構成されるさまざまな操作を含み得る。第2の異常な注入液流量手順は、植え込み可能な薬剤送達装置の動作を中断しなくてもよい。したがって、第2の異常な注入液流量手順が実行された後、プロセッサは、適切な時間に方法1600の注入液ボリューム変化率測定手順を繰り返すことを含む通常の動作を実行し続けることができる。
第1および第2の異常な注入液流量手順は、植え込み可能な薬剤送達装置の寿命の間、あらかじめ定められ、均一であり得る。あるいは、第1および第2の異常な注入液流量手順は、プロセッサによって動的に決定および/または修正され得る。いくつかの実施形態では、第1または第2の異常な注入液流量手順の複数の所定の動作は、メモリに保存され得る。異常な流量の潜在的な原因の判定に応じて、プロセッサは、決定された潜在的な原因に対応する保存された操作を取得して実行し得る。いくつかの実施形態では、動作はプロセッサによって動的に選択されて、現在の測定値および現在の治療計画のパラメータに基づいて一意の異常な注入液流量手順を作成することができる。
図18は、植え込み可能な薬剤送達装置のベローズに関連する初期パラメータを決定するための実施形態の方法1800のプロセスフロー図である。図1〜18を参照すると、方法1800は、植え込み可能な薬剤送達装置(例えば、植え込み可能な薬剤送達装置100)、患者プログラマ(例えば、外部プログラマ34)、またはその組み合わせの、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ43および/またはプロセッサ47)によって実行され得る。
ブロック1802では、プロセッサは、空のベローズパラメータ(BEmpty)を決定し得る。プロセッサは、ベローズ16の注入液が空であるか、実質的に空であるときに、ベローズ16に関連する1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器から受信した1つまたは複数の出力に基づいて、空のベローズパラメータBEmptyを決定し得る。空のベローズパラメータBEmptyの決定は、植え込み可能な薬剤送達装置の初期化時に一度、および/またはベローズの注入液が空であるかまたは実質的に空であるたびに決定され得る。
ブロック1804では、プロセッサは、決定された空のベローズパラメータBEmptyを植え込み可能な薬剤送達装置および/または患者プログラマのメモリに保存することができる。いくつかの実施形態では、空のベローズパラメータBEmptyは、現在および/または将来の治療計画、ならびに本明細書に記載される異常な手順のいずれかを決定するために使用され得る。
オプションのブロック1806では、プロセッサは治療計画パラメータを決定し得る。治療計画パラメータは、臨床医によって事前定義され得る。あるいは、プロセッサは、治療計画に関連付けられた情報を受け取り、その情報を使用して、対応する治療計画パラメータを決定し得る。ブロック1806はブロック1804の後に示されているが、治療計画パラメータは、方法1800の初期化の前、最中、または後の任意の時点で決定され得る。
ブロック1808において、プロセッサは、注入液充填指示を受信し得る。いくつかの実施形態では、注入液充填指示は、充填検出器41によって生成され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、患者プログラマからのメッセージで注入液充填指示を受信し得る。
ブロック1810において、プロセッサは初期注入液パラメータを決定し得る。初期注入液パラメータは、注入液の全投与量がベローズに保存された後、ベローズセンサおよび/またはベローズに関連する検出器の1つまたは複数の出力に基づいて決定され得る。
ブロック1812で、プロセッサは、初期注入液パラメータを最大注入液値(IMax)として保存することができる。最大注入液値IMaxは、現在および/または将来の治療計画ならびに本明細書に記載されている異常な手順のいずれかを決定するためにプロセッサによって使用され得る。例えば、最大注入液値IMaxは、注入液が補充された後にプロセッサによって決定され得る。植え込み可能な薬剤送達装置の寿命中に、決定された最大注入液値IMaxが変化する場合、そのような変化は、植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素の機能の変化に対応し得る。
ブロック1814で、プロセッサは治療計画を開始することができる。プロセッサは、植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素に、治療計画のパラメータにしたがって注入液の投与を開始するよう指示することができる。
図19は、植え込み可能な薬剤送達装置のベローズ内の注入液に関連するパラメータの変化が正常であるかどうかを判定する実施形態の方法1900のフロー図である。図1〜19に示されるように、方法1900は、植え込み可能な薬剤送達装置、患者プログラマ、またはそれらの組み合わせの1つまたは複数のプロセッサによって実行され得る。例えば、方法1900は、電子機器モジュール32のプロセッサ43および/または外部プログラマ34のプロセッサ47によって実行され得る。
ブロック1902において、プロセッサは、治療計画のパラメータにしたがって注入液の投与を開始するように植え込み可能な薬剤送達装置の1つまたは複数の要素に指示することなどにより、治療計画を開始し得る。
ブロック1904で、プロセッサは、植え込み可能な薬剤送達装置のベローズ内の注入液に関連付けられた現在のパラメータ(ICurrent)を決定し得る。現在のパラメータICurrentは、注入液および/またはベローズに関連する1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器によって生成される1つまたは複数の出力に基づいて決定され得る。例えば、電気信号検出器91、ベローズセンサ93、光検出器94、発光体/検出器95、ベローズセンサ97、流量計98、および/または誘導ベローズセンサ101は、注入液および/またはベローズに関連する測定パラメータに対応するプロセッサへの出力を生成するように構成され得る。
プロセッサは、注入液および/またはベローズに関連する1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器の出力から決定される1つまたは複数の測定パラメータを使用して、現在のパラメータICurrentを決定することができる。例えば、プロセッサは、測定されたパラメータの1つまたは複数の出力を使用して、注入液の現在のボリューム、注入液の現在の量、注入液に関連付けられた現在の重量、およびベローズ内の注入液の現在の高さを決定し得る。プロセッサが複数の出力を使用して現在のパラメータICurrentを決定する場合、プロセッサは同じベローズセンサおよび/または検出器からの複数の出力、または異なるベローズセンサおよび/または検出器からの1つまたは複数の出力を使用し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、現在の治療計画中および/または将来の治療計画の追加の目的のために、ならびに、植え込み可能な薬剤送達装置の機能、状態、または状態に関する決定のために、決定された現在のパラメータICurrentを保存し得る。
判定ブロック1906では、プロセッサは、注入液に関連する決定された現在のパラメータICurrentが、注入液に関連する予想パラメータ(IAnt)に等しいかまたは実質的に等しいかどうかを判定することができる。予想パラメータIAntは、ベローズ内に残ると予測される注入液の量またはボリュームに対応し得る。予想パラメータIAntは、現在の治療計画に関連するパラメータ、以前の治療計画に関連するパラメータ、将来の治療計画に関連するパラメータ、および患者に関連するパラメータの1つまたは複数に基づいて、所定の値から動的に決定または選択することができる。例えば、治療計画に関連するパラメータのいくつかは、ベローズに満たされた最大注入液量を使用して投与され得る投与回数、投与量、投与時間間隔、現在の治療計画中に注入液の最後の投与量が投与された時間に関連する情報、現在の治療計画中に以前に投与された投与回数、現在の治療計画中に消費される注入液の量、を含み得る。プロセッサは、以前に実行された1つまたは複数の治療計画に関連する情報をさらに考慮し得る。
予想パラメータIAntは、治療計画が植え込み可能な薬剤送達装置によって実行されると変化し得る。1回分の投与量が投与されるたびに、予想パラメータIAntは、前の用量で消費される注入液の減少を反映するように変化し得る。いくつかの実施形態では、注入液の投与量は、治療計画パラメータで定義された所定の時間間隔で投与されてもよく、および/または患者からの要求の受信に応じて1回分の投与量が投与され得る。植え込み可能な薬剤送達装置によって投与される各投与量は、治療計画全体を通して均一であり得る。あるいは、植え込み可能な薬剤送達装置は、異なる投与量で注入液を投与し得る。
いくつかの実施形態では、注入液の異なる投与量は、1つまたは複数の治療計画パラメータ、患者から受信した追加の入力または要求、および/または患者の身体状態に関連するパラメータに基づき得る。例えば、植え込み可能な薬剤送達装置がインスリンを患者に送達するように構成されている場合、治療効果を生み出すために使用されるインスリンの投与量は、最後の投与のパラメータ、患者の水分補給レベル、患者が消費した食物の種類および/または量などに基づいて異なる場合がある。
予想パラメータIAntを決定した後、プロセッサは、判定ブロック1806で決定された現在のパラメータICurrentを比較し得る。決定された現在のパラメータICurrentが予想パラメータIAntに等しい、または実質的に等しいと判定したこと(すなわち、判定ブロック1906=「はい」)に応答して、プロセッサは、決定された現在のパラメータICurrentが、決定ブロック1908で、注入液に関連する所望の補充値(IRefill)以下であるかどうかを判定することができる。例えば、所望の補充値は、投与量投与の中止が回避されるように、患者および/または臨床医に注入液を獲得してベローズに補充するのに必要な時間を提供するために、最小注入液値より大きくてもよい。
決定された現在のパラメータICurrentが所望の補充値IRefillよりも大きいと判定したこと(すなわち、判定ブロック1908=「いいえ」)に応答して、プロセッサはブロック1904で次の現在のパラメータを決定し得る。
決定された現在のパラメータICurrentが所望の補充値IRefill以下であると判定したこと(すなわち、判定ブロック1908=「はい」)に応答して、プロセッサは、ブロック1910で補充手順を開始し、その後、ブロック1904で次の現在のパラメータを再び決定し得る。補充手順は、患者、臨床医、および/または注入液供給者に、注入液を補充する時間が近づいていることを変更または通知するように構成された1つまたは複数の動作を含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、通知が外部プログラマ34に表示されるように、外部プログラマ34に送信される通知メッセージを生成し得る。または外部プログラマ34は、通知メッセージを、患者、臨床医、および/または注入液提供者に関連する適用可能な装置にさらに送信することができる。追加または代替として、植え込み可能な薬剤送達装置は、触覚フィードバック装置によって生成される振動を使用して患者に警告するためにプロセッサが触覚フィードバック装置への出力を生成するために作動し得る触覚フィードバック装置を含み得る。補充手順は、補充が検出されるまで、所定の時間間隔で実行され得る。いくつかの実施形態では、補充手順の頻度は、決定された現在のパラメータICurrentが最小量の注入液に近づくにつれて増加し得る。
決定された現在のパラメータICurrentが予想パラメータIAntと等しくない、または実質的に等しくないと判定したこと(すなわち、判定ブロック1906=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、決定ブロック1912において、決定された現在のパラメータICurrentが第1の閾値以上であるかどうかを判定し得る。第1の閾値は、患者に有害である可能性のある所定の投与量を超える速度で注入液を投与している植え込み可能な薬剤送達装置の実質的な機能不全を示し得る。
追加または代替として、プロセッサは、決定された現在のパラメータICurrentが、予測される予想パラメータlAntと等しくないか、実質的に等しくないと判定したこと(すなわち、判定ブロック1906=「いいえ」)に応答して、異常な注入液ボリューム手順を開始することがあり得る。例えば、プロセッサは、決定された現在のパラメータICurrentが予想パラメータIAntに等しくない、または実質的に等しくないと判定したことに応答して、植え込み可能な薬剤送達装置の無線通信インターフェースを介してメッセージを生成し、外部装置に送信し得る。メッセージは、現在のパラメータICurrentが予想パラメータIAntと等しくないか、実質的に等しくないという指示を含むことができ、および/またはメッセージは、決定された現在のパラメータICurrentを含むことができる。いくつかの実施形態では、外部装置は臨床医に関連付けられ、決定された現在のパラメータICurrentに関連付けられた情報の受信に応じて、臨床医はボリュームの不一致が存在したかどうかを検証し得る。いくつかの実施形態では、臨床医(または臨床医に関連付けられた外部装置)は、最後の補充イベントが、皮膚を通してポンプリザーバに針を挿入することによる、物理的なボリューム測定を行うことなく、植え込み可能な薬剤送達装置が補充を必要とするかどうかを判定するので、決定された現在のパラメータICurrentと経過時間を掛けた規定流量とを比較し得る。
現在のパラメータICurrentが第1の閾値以上であると判定したこと(すなわち、判定ブロック1912=「はい」)に応答して、プロセッサは、プロセッサが、患者への注入液の望ましくない投与を防止するために、植え込み可能な薬剤送達装置の流体経路内の1つまたは複数の流れ制御装置(例えば、バルブ)を閉じ得るブロック1914で「シャットオフ」手順を開始できる。
図20は、シャットオフ手順を実行するように構成された植え込み可能な薬剤送達システムの別の例の概略図である。具体的には、ベローズ16とカテーテル36との間の流路内に1つまたは複数の流れ制御装置(例えば、バルブ)71、72、73、74、75を配置することができる。シャットオフ手順の間、プロセッサは、1つまたは複数の流れ制御装置71、72、73、74、および/または75を閉じてもよい。いくつかの実施形態では、閉じられた流れ制御装置は、注入液がカテーテルに到達するのを防ぐことができる。
図19に戻り、現在のパラメータICurrentが第1の閾値より小さいと判定したこと(すなわち、判定ブロック1912=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、現在のパラメータICurrentが判定ブロック1916で、第2の閾値以上であるかどうかを判定し得る。いくつかの実施形態において、第2の閾値は、注入液使用ICurrentが、植え込み可能な薬剤送達装置の即時のシャットダウンを必要とするほど有意ではない量だけ予想パラメータIAntを超えることを示し得る。いくつかの実施形態では、第2の閾値は、各治療動作(例えば、一回の投与量送達)で患者に投与される投与量が、現在の投与量計画の下で予想される量を一定期間にわたって危険ではない量だけ超えることを示し得る。適用される投与量のいくらかの変動は、そのような事象の総量または数が制限されている限り許容可能であり得るように時々起こりえる。例えば、いくつかの治療計画を実施するいくつかの実施形態では、患者は、患者プログラマ装置上のボタンを押すなどにより、増加した投与量を開始することができてもよい。
現在のパラメータICurrentが第2の閾値未満であると判定したこと(すなわち、判定ブロック1916=「いいえ」)に応答して、プロセッサは、ブロック1918で患者が開始した投与量の総投与量の評価に関連するまたは有用な情報を決定し得る。この論理分岐では、投与される注入液の割合は、高いまたは低いが、安全なレベルで予想される投与量の割合とは異なる。予想される投与速度からの逸脱は、植え込み可能な薬剤送達装置のさまざまなコンポーネントまたは要素の発展する問題による可能性がある。例えば、植え込み可能な薬剤送達装置またはカテーテル内の流路の制限により、経時的に投与される注入液の量が減少する可能性がある。別の例として、摩耗による経時的なさまざまなコンポーネントの変化により、経時的に投与される注入液の量が増加する場合がある。したがって、臨床医が植え込み可能な薬剤送達装置を使用して患者の治療を監視できるようにするために、ブロック1918で、プロセッサは、外部装置(例えば、特許プログラマまたは臨床医プログラマ装置)へのその後の報告のために、観察された総投与量に関連する情報を決定および記録し得る。いくつかの実施形態では、そのような報告は、一連の動作情報が報告される植え込み可能な薬剤送達装置の日常的なチェック中に行われ得る。いくつかの実施形態では、そのような情報は、オプションのブロック1920で生成されるとき(またはその直後に)外部装置に通信され得る。プロセッサは、ブロック1904で次の注入液変化率の測定を続けてもよい。
現在のパラメータICurrentが第2の閾値以上であると判定したこと(すなわち、判定ブロック1916=「はい」)に応答して、プロセッサは、判定ブロック1922で、異常な投与量測定値が検出された回数のカウントが第3の閾値に等しいかどうかを判定し得る。第3の閾値は、持続することが許可された場合に患者の潜在的な健康問題を示す投与量の増加の発生回数であり得る。
異常な投与量の測定値が検出された回数のカウントが第3の閾値より少ないと判定したこと(すなわち、判定ブロック1922=「いいえ」)に応答して、プロセッサはブロック1924でカウントをインクリメントし、ブロック1904で次の注入液変化率の測定に戻ることができる。
異常な投与量測定値が検出されたプロセッサの回数のカウントが閾値数に等しいと判定したこと(すなわち、判定ブロック=「はい」)に応答して、プロセッサはブロック1928で異常動作手順を開始し得る。異常動作手順は、患者を保護し、および/または臨床医に知らせるためのさまざまな手術を含み得、単一の異常動作手順または複数の異なる異常動作手順で実行され得る。
例えば、第1の異常動作手順は、植え込み可能な薬剤送達装置の動作および/または動作の監視に関連するさまざまなパラメータを修正し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、1つまたは複数のベローズセンサおよび/または検出器が現在のパラメータICurrentを測定するときに関連する手順を修正するように構成され得る。例えば、プロセッサは、現在のパラメータICurrentの測定間の時間を短縮し得る。プロセッサはまた、異常な判定と一致する第1および第2の閾値基準の1つまたは複数を修正し得る。一部の実施形態では、異常動作手順は、カウント閾値(すなわち、第3の閾値)を増加させることをさらに含み得る。
別の例として、第2の異常動作手順は、植え込み可能な薬剤送達装置の異常な状態に関する通知を患者および/または臨床医に提供し得る。そのような通知には、外部プログラマ(例えば、患者プログラマおよび/または臨床医プログラマ)への通知の送信が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、植え込み可能な薬剤送達装置は、触覚フィードバック装置(例えば、シェーカー)を含み得、第2の異常動作手順は、プロセッサが、患者が知覚できる振動を生成するために触覚フィードバック装置を作動させることを含み得る。
別の例として、第3の異常動作手順は、患者への注入液の異常な送達の潜在的な原因を決定するためにプロセッサが実行し得る動作を含み得る。第3の異常な手順は、他の異常動作手順を使って、連続してまたは同時に実行され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、植え込み可能な薬剤送達装置の要素のうちの1つまたは複数が異常な動作状態の潜在的な原因であるかどうかを判定し得る。植え込み可能な薬剤送達システムの構成と、植え込み可能な薬剤送達装置の動作に影響を与えると識別された特定の要素に応じて、プロセッサは、識別された要素を修正または再構成する手順を開始する。
図20を参照して、要素がベローズとして識別されると、プロセッサは、流れ制御装置71および/または72を使用して、ベローズ16とアキュムレータ30との間の注入液の量を調整および計量できるように、流れ制御装置71および/または72を制御することができる。例えば、ベローズを注入液の異常な投与量の原因として特定することに応答して、第3の例示的な異常動作手順を実行するプロセッサは、流れ制御装置71を閉じて、注入液がベローズとアキュムレータとの間を流れるのを防ぐことができる。第1バルブ26がベローズから注入液を受け取ることを予想して開位置にあると仮定し、プロセッサは、流れ制御装置71が閉じられる前にアキュムレータに到達した注入液の量を決定することができる。次いで、プロセッサは、流れ制御装置71を開いて、全投与量を達成するために、追加の注入液がアキュムレータに流れるのを可能にし得る。その後、プロセッサは、ベローズが正常に動作しているかのように、現在の治療計画にしたがって実質的に同様の量の注入液が流れることを可能にする頻度で、流れ制御装置71を開閉することができる。流れ制御装置71と72の両方が実行されている場合、プロセッサは、流れ制御装置71と流れ制御装置72の両方が同時に開かないように、流れ制御装置71と流れ制御装置72との間の注入液の流量をさらに測定し得る。
一定量の注入液が依然として各バルブを通って流れることができるという条件で、異常動作手順の一部として、同様の手順を入口バルブ26および出口バルブ28に実行することができる。例えば、プロセッサは、入口バルブ26が動作するように構成される同様の方法で動作するように流れ制御装置73を制御し得る。および、プロセッサは、出口バルブ26が作動する同様の方法で流れ制御装置74を制御することができる。
あるいは、アキュムレータ30および/またはカテーテル36が識別される場合、異常動作手順を実行するプロセッサは、1つまたは複数の流れ制御装置71、72、73、74、および75を制御して、注入液および/またはアキュムレータ30および/またはカテーテル36の動作の変さらによって引き起こされる他の影響を受けない要素への望ましくない損傷を防ぐ。
前述の方法の説明およびプロセスフロー図は、単に例示的な例として提供されており、さまざまな態様のブロックが提示された順序で実行されなければならないことを要求または暗示するものではない。当業者によって理解されるように、前述の態様におけるブロックの順序は、任意の順序で実行され得る。「その後」、「その後で」、「次へ」などの単語は、ブロックの順序を制限することを意図したものではない。これらの単語は、単に方法の説明を通じて読者をガイドするために使用される。さらに、「上」、「下」、「上方」、および「下方」に移動するダイヤフラムへの言及は、単に図に示された方向のダイヤフラムの動きを関連付けるためのものであり、地球に対する装置またはダイヤフラムの特定の方向に関する特許請求の範囲を限定することを意図しない。さらに、例えば冠詞「a」、「an」または「the」を使用した単数形の請求項要素への言及は、要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書で開示される態様に関連して説明されるさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムブロックは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実行され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、さまざまな例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびブロックを、それらの機能に関して一般的に上記で説明した。そのような機能がハードウェアとして実行されるかソフトウェアとして実行されるかは、特定のアプリケーションとシステム全体に課される設計上の制約に依存する。当業者は、特定のアプリケーションごとにさまざまな方法で説明された機能を実行することができるが、そのような実行の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
開示された実施形態の前述の説明は、当業者が本発明を作成または使用できるようにするために提供される。これらの実施形態に対するさまざまな修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
Claims (20)
- 植え込み可能な薬剤送達装置内の注入液に関連するパラメータの変化が正常であるかどうかを判定する方法であって、
プロセッサにより、前記植え込み可能な薬剤送達装置のベローズ内の前記注入液に関連する現在のパラメータを測定することと、
前記プロセッサにより、前記測定された現在のパラメータが前記ベローズ内に残ると予測される注入液に関連する予想パラメータと等しいか、または実質的に等しいかどうかを判定することと、
前記プロセッサにより、前記測定された現在のパラメータが、前記予想パラメータに等しくないか、または実質的に等しくないと判定したことに応答して、前記測定された現在のパラメータが第1の閾値以上かどうかを判定することと、
前記プロセッサによって、前記測定された現在のパラメータが前記第1の閾値以上であると判定したことに応答して、シャットオフ手順を開始することと、を含み、
前記シャットオフ手順が、
前記プロセッサによって、患者への前記注入液の投与が防止されるように、前記植え込み可能な薬剤送達装置の流体経路内の1つまたは複数の流れ制御装置を自動的に閉じることを含むように開始すること、を含む方法。 - 前記シャットオフ手順が、前記プロセッサによって、無線通信インターフェースを介して、前記植え込み可能な薬剤送達装置が異常な状態で動作していることを示す通知を外部装置に送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の閾値は、所定の投与量を超える速度で注入液を投与している前記植え込み可能な薬剤送達装置の実質的な機能不全を示す、請求項1に記載の方法。
- 前記注入液に関連する前記現在のパラメータを測定することは、前記注入液または前記ベローズに関連付けられた1つまたは複数のセンサによって生成された1つまたは複数の出力に基づく、請求項1に記載の方法。
- 前記注入液に関連する前記現在のパラメータが、前記注入液のボリューム、前記注入液の量、または前記ベローズ内の前記注入液の前記ボリュームまたは前記量の変化率から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記予想パラメータは、前記ベローズ内の注入液の予想される量またはボリュームを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記予想パラメータは、
現在の治療計画に関連するパラメータ、以前の治療計画に関連するパラメータ、将来の治療計画に関連するパラメータ、および前記患者に関連付けられたパラメータの少なくとも1つに基づいている、請求項1に記載の方法。 - 前記現在の治療計画に関連する前記パラメータは、
前記ベローズに満たされた最大注入液量を使用して投与され得る投与回数、投与量、投与時間間隔、前記現在の治療計画中に注入液の最後の投与量が投与された時間に関連する情報、前記現在の治療計画中に以前に投与された投与回数、または前記現在の治療計画中に消費される注入液の量の少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。 - 前記ベローズ内に残ると予測される前記注入液に関連する前記予想パラメータは、前記現在の治療計画が前記植え込み可能な薬物装置によって実行されるときに動的に決定される、請求項7に記載の方法。
- 前記プロセッサにより、前記測定された現在のパラメータが前記予想パラメータと等しいかまたは実質的に等しいと判定したことに応答して、前記現在のパラメータが前記注入液に関連する所望の補充値より大きいかどうかを判定することと、
前記現在のパラメータが前記所望の補充値よりも大きくないと判定したことに応答して、
前記プロセッサにより、補充手順を開始することと、
前記プロセッサにより、前記ベローズ内の前記注入液に関連付けられた次の現在のパラメータを決定することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 前記補充手順は、前記注入液を補充する時間が近づいていることを前記患者、臨床医、または注入液提供者に通知するように構成された1つまたは複数の動作を含む、請求項10に記載の方法。
- 前記プロセッサにより、現在のパラメータが前記所望の補充値よりも大きいと判定したことに応答して、前記ベローズ内の前記注入液に関連付けられた次の現在のパラメータを決定することをさらに含む、
請求項10に記載の方法。 - 前記プロセッサにより、前記測定された現在のパラメータが前記第1の閾値未満であると判定したことに応答して、前記現在のパラメータが第2の閾値以上であるかどうかを判定することをさらに含み、
前記第2の閾値は、現在の注入液使用量が、ある期間にわたって危険ではない量だけ、予想される注入液使用量を超えていることを示す、請求項1に記載の方法。 - 前記プロセッサにより、前記測定された現在のパラメータが前記第2の閾値未満であると判定したことに応答して、外部装置に後で報告するために、観測された総投与量に関連する情報を決定して記録することをさらに含む、
請求項13に記載の方法。 - 前記現在のパラメータが第2の閾値以上であると判定したことに応答して、
前記プロセッサにより、異常な投与量測定値が検出された回数のカウントが第3の閾値未満であるかどうかを判定することと、
前記プロセッサによって、異常な投与量測定値が検出された前記回数の前記カウントが前記第3の閾値以上であると判定したことに応答して、異常動作手順を開始することとをさらに含む、請求項13に記載の方法。 - 異常な投与量測定値が検出された前記回数の前記カウントが前記第3の閾値未満であると判定したことに応答して、前記カウントをインクリメントすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
- 1つまたは複数の流れ制御装置を自動的に閉じることは、第1の流れ制御装置および第2の流れ制御装置の少なくとも1つが閉じられるように、前記第1の流れ制御装置と前記第2の流れ制御装置との間の注入液の流れを計量することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記シャットオフ手順が、前記流れ制御装置が閉じる前に前記装置のアキュムレータに到達した注入液の量を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記プロセッサにより、前記ベローズが注入液で満たされているという指示を受け取ることと、
前記プロセッサにより、前記ベローズが注入液で満たされているという前記指示を受け取ったことに応答して、前記注入液に関連付けられた初期パラメータを決定することであって、前記初期パラメータは、前記ベローズに関連付けられた1つまたは複数のセンサからの出力に基づいて決定されるように、決定することと、
前記プロセッサにより、前記決定された初期パラメータに基づいて治療計画に関連するパラメータを決定することと、
前記プロセッサにより、前記決定された治療計画を開始することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 注入液のリザーバとして構成されたベローズと、
前記ベローズに連結され、前記注入液を患者に分配するために、ダイヤフラムチャンバと前記ダイヤフラムチャンバ内で撓むダイヤフラムとを含むアキュムレータと、
少なくとも1つのベローズセンサと、
前記少なくとも1つのベローズセンサに結合され、動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を備えたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、
前記植え込み可能な薬剤送達装置のベローズ内の注入液のボリュームに関連するパラメータのベローズセンサから第1のセンサ出力を取得することと、
前記少なくとも1つのベローズセンサからの出力を使用して、前記ベローズ内の前記注入液に関連する現在のパラメータを測定することと、
前記測定された現在のパラメータが、前記ベローズ内に残ると予測される注入液に関連する予想パラメータと等しいか、または実質的に等しいかどうかを判定することと、
前記測定された現在のパラメータが前記予想パラメータと等しくないか、または実質的に等しくないと判定したことに応答して、前記測定された現在のパラメータが第1の閾値以上であるかどうかを判定することと、
前記測定された現在のパラメータが、前記第1の閾値以上であると判定したことに応答して、シャットオフ手順を開始することと、を含み、
前記シャットオフ手順は、
前記患者への前記注入液の投与が防止されるように、前記植え込み可能な薬剤送達装置の流体経路内の1つまたは複数の流れ制御装置を自動的に閉じることを含むように開始すること、を含む、植え込み可能な薬剤送達装置。
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