JP2021529568A - 磁場発生装置 - Google Patents

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Abstract

磁場発生装置は磁石の群を少なくとも3つ備える。各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能である。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びている。複数の群の方向は線形独立である。【選択図】図1

Description

本発明は磁場発生装置に関する。本発明はさらに、磁石によって生じる磁場の少なくとも1つの特性を変える方法に関する。最後に、本発明は、上記磁場発生装置及び上記方法の使用に関する。
3次元の作業空間において、磁束密度が高く方向を任意に制御できる磁場を、上記作業空間にアクセス可能な状態を保ちながら、発生させることが望ましい。通常、磁場を発生するために3つの手法が用いられる。
電磁コイルによって磁場を発生させることができる。磁場の強度及び方向は、コイルを流れる電流により容易に制御することができる。典型的な例は、ヘルムホルツコイル及びマクスウェルコイルである。しかし、電磁石は実際上、多くの欠点を有する可能性がある。すなわち、a)ジュール加熱が、コイルの温度(したがって、コイルの抵抗)の上昇及び周囲の作業空間の温度上昇をもたらすため、煩雑な冷却システムがしばしば必要となり、さらに、b)大きい磁場を実現するコイル構造は重く、駆動するために必要となる電気増幅器が高価であり、そして、c)磁場強度に制限があり、コイルに囲まれた作業空間を(例えば、人を収容できる程度に)より大きく確保できるように、磁場強度を増減させることが容易ではない。
別の手法は、MRI装置において使用されるような超電導磁気コイルを使用することである。超電導磁気コイルは、非常に大きい磁場強度(0.2T〜9T)を発生させることができる。しかし、磁場の方向及び大きさを変えることが容易ではなく、また、極低温冷却システムが必要である。
第3の手法は、各永久磁石から発生する磁場が重ね合わされてより強い磁場がもたらされるように、複数の永久磁石を配置することである。各磁石の方向及び位置の少なくともいずれかを機械的に変えることにより、重ね合わされた磁場の方向を変えることができる。
電磁コイル及び超電導コイルと比べ、永久磁石は電流を全く必要としないため、発熱及び冷却の問題がない。他方、磁石の方向又は位置を変えるには機械的な回転又は平行移動が必要となるが、振動が生じる場合があり、より深刻なこととして、磁石の機械的な動きにより作業空間に対するアクセスが制限され、すなわち、磁石で囲まれた容積に対するアクセスが制約される(あるいは、さらに完全に遮断される)可能性がある。例として医療用途を挙げると、制約された作業空間では、患者の位置及び向きが制限され、ツール、電気ワイヤ及びチューブを含む医療器具が患者にまで届かなくなり、また、光路が遮断されるため観察及び撮像が不明確となる。
非特許文献1には、任意の方向において磁場及び勾配を発生させるための8つの回転可能な永久磁石のシステムが記載されている。各磁石は、磁石の磁気モーメントに垂直な方向に延びる軸を中心に回転可能である。磁石の位置及び回転軸の方向は、平均の磁場及び勾配並びにそれらの標準偏差を示すメトリックを最大にすることによって得られている。著者らは、同システムを用いて250μmのマイクロ磁石の経路を制御している。
非特許文献2には、円をなすように等距離に配置された6つの磁石のアレイが開示されている。各磁石は、円の軸に平行に延びる各軸を中心に回転可能であり、各磁石の磁気モーメントは、回転軸に垂直な方向に延びる。全ての磁石が同じ方向に同期して回転し、円の中心エリア内に一定強度かつ逆回転の磁場が発生する。
非特許文献3には、幾つかのコンパクトな永久磁石の構成が記載され、その構成は、それらを構成する磁気材料の残留磁気よりも大きい磁場を生じさせる。この構成は、ハルバッハ中空円筒磁束源(HCFS:Halbach hollow cylindrical flux source)及び中空球磁束源(HSFS:hollow spherical flux source)の原理に基づく。
特許文献1に見られるように、磁場の調整が可能な磁石組立体が知られている。この磁石組立体は、回転可能に設けられた少なくとも2つの磁石を備える。少なくとも1つの磁石の回転により、磁石組立体から生じる磁場が変化する。意図されている組立体の使用は、組立体を構成する磁石を回転させることと、組立体全体を回転させることとの少なくともいずれかにより、体内で医療用具を磁気的に操作する際に利用される方向が可変の磁場を提供することである。他の磁石組立体が特許文献2〜6に開示されている。
米国特許第6,537,196号 米国特許第6,157,853号 米国特許出願公開第2008/016677号 欧州特許出願公開第1156739号 欧州特許出願公開第1168974号 欧州特許出願公開第1030589号
P Ryan and E Diller, "Five-Degree-of-Freedom Magnetic Control of Micro-Robots Using Rotating Permanent Magnets", 2016 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA), Stockholm, Sweden, 16 to 21 May 2016 W Zhang et al, "A Novel Method of Arraying Permanent Magnets Circumferentially to Generate a Rotation Magnetic Field", IEEE Transactions on Magnetics, Vol 44, No 10, October 2008 HA Leupold and E Potenziani, "Novel High-Field Permanent Magnet Flux Sources"
本発明の目的は、改良された磁場発生装置を提供することである。さらに、本発明は、磁石から生じる磁場の少なくとも1つの特性を変える、改良された方法を提供することを目的とする。最後に、上記磁場発生装置及び上記方法の使用を提供することが本発明の目的である。
特許請求の範囲内の符号は、限定を意味するものではなく、特許請求の範囲を読みやすくするためのものに過ぎない。
本発明の一態様によれば、上記課題は、請求項1の磁場発生装置によって解決される。磁場発生装置は、磁石の群を少なくとも3つ備え、各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能である。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、その方向に沿って、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸が延びている。さらに、各群の方向は線形独立である。
本発明の文脈において、一組の方向に関して「線形独立(linearly independent)」であるとは、上記一組の方向に含まれる一つの方向を有するベクトルを、上記一組の方向に含まれる残り全ての方向をそれぞれ有するベクトルの線形結合として定めることができないということを意味する。
本発明の文脈において、磁気モーメントが「当該群の方向に沿って」延びるという要件は、方向(「当該群の方向」)が存在し、その方向に関して、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの各回転軸の傾きが、(円周を360度としたときに)15度未満、好ましくは10度未満、より好ましくは5度未満、更に好ましくは1度未満であるということを意味する。以下、特段の指定がない限り、「群(group)」という用語は常に、前述の方向を有する群を意味する。
本発明の関連する態様によれば、請求項11による、磁石により発生する磁場の少なくとも1つの特性を変える方法によって上記課題が解決される。磁場は、磁石の少なくとも3つの群から、各磁石の磁気モーメントを、回転軸を中心に回転させることによって生じる。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、その方向に沿って、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸が延びている。各群の方向は線形独立である。
本発明の別の態様において、請求項2による磁場発生装置によって上記課題が解決される。磁場発生装置は、少なくとも6つの磁石と一組の制御パラメータの入力手段とを備える。各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能であり、作業空間において、各磁石の磁場の組み合わせにより、任意の方向及び任意の磁束密度を有する磁場が発生する。生じる磁場の方向及び磁束密度は、6つ未満の制御パラメータの値によって定まる。
本発明において、「制御パラメータ」はスケーラである。言い換えると、制御パラメータは単一の数値を有する。制御パラメータの値は、任意の適した形式で、例えば、電圧の大きさとして、又は、制御パラメータの値をデジタル形式に符号化する電気信号として、磁場発生装置に提供することができる。
本発明において、「作業空間(ワークスペース)」は3次元の空間の体積である。「生じる磁場」はその作業空間における磁場である。生じる磁場の方向及び磁束密度は、作業空間内の位置によって変わりうる。したがって、本発明において、生じる磁場の「方向及び磁束密度」は、作業空間内の磁場の算術平均としての方向及び算術平均としての磁束密度を意味する。同様に、生じる磁場の磁束密度の空間的な勾配(後述)は、作業空間内の磁束密度の算術平均としての空間的な勾配を意味する。
本発明の文脈において、生じる磁場に関する「任意の方向」は3次元空間内の任意の方向を意味する。生じる磁場に関する「任意の磁束密度」は、ゼロと達成可能な最大磁束密度との間の任意の磁束密度を意味する。本発明の幾つかの実施の形態において、生じる磁場の達成可能な最大磁束密度は、生じる磁場の方向に応じて変わる。達成可能な最大磁束密度は、磁石の位置及び磁気モーメント等の磁場発生装置の構造の詳細によって定められる。したがって、本発明のこの態様によれば、生じる磁場は、3次元空間内の任意の方向と、0とそれぞれの方向に応じて達成可能な最大磁束密度との間の任意の磁束密度とをとることができる。
「任意の方向及び任意の磁束密度が制御パラメータの値によって定められる」という要件は、方向及び磁束密度の任意の組み合わせについて、制御パラメータの値の少なくとも1つの組が存在し、その組が磁場発生装置に入力されると、方向及び磁束密度の当該組み合わせを有する発生磁場を作業空間の位置にて発生させるよう磁場発生装置に促すことを意味する。換言すれば、制御パラメータの値の各組は、生じる磁場の方向及び磁束密度を明確に定めるものである。
本発明の関連する態様において、請求項12による、磁石から発生する、生じる磁場の少なくとも1つの特性を変える方法によって上記課題が解決される。生じる磁場は、少なくとも6つの磁石から、各磁石の磁気モーメントを、回転軸を中心に回転させることによって発生する。生じる磁場は任意の方向及び任意の磁束密度を有することができる。生じる磁場の方向及び磁束密度は、それぞれの回転軸を中心とする磁気モーメントの回転角度を、6つ未満の制御パラメータの組の値から導かれる値に設定することによって定められる。
本発明の別の態様において、請求項3の特徴を有する磁場発生装置によって上記課題が解決される。磁場発生装置は磁石の少なくとも2つの群を備え、各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能である。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、その方向に沿って、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸が延びている。同じ群に含まれる磁石は、その磁気モーメントが回転できるように組み合わされて、その磁気モーメントは、磁気モーメントのそれぞれの回転軸を中心に同一角度にわたり同時に回転する。
本発明の文脈において、「同一角度にわたり同時に」とは、磁気モーメントが、同時にかつ同じ角速度で回転することを意味する。これは、磁気モーメントが必ずしも同じ方向(時計方向又は反時計方向)に回転することを意味するものではない。また、磁気モーメントが必ずしも同じ開始角度から回転することを意味するものでもない。むしろ、磁気モーメントの回転角度は互いに相対的にオフセットすることができる。
本発明の関連する態様において、請求項13による、磁石から生じる磁場の少なくとも1つの特性を変える方法によって上記課題が解決される。磁場は、磁石の少なくとも2つの群から、各磁石の磁気モーメントを、回転軸を中心に回転させることによって生じる。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、その方向に沿って、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸が延びている。同じ群に含まれる磁石は、それぞれの回転軸を中心に同一角度にわたり同時に回転する。
本発明の別の態様において、請求項4の特徴を有する磁場発生装置によって上記課題が解決される。磁場発生装置は磁石の少なくとも2つの群を備え、各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能である。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、その方向に沿って、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸が延びている。各磁石は、平行六面体の辺上又は球体の交差する円上に位置する。
言い換えると、各磁石について、磁石が実質的に位置する辺を有する平行六面体が存在するか、又は、楕円体の表面に、交差する周が存在し、磁石が実質的にその周上に位置する。楕円体の「周」とは、その幾何学的中心が当該楕円体の幾何学的中心に一致する全ての曲線である。「交差する周(intersecting circumferences)」という用語は、他のそれぞれの周と交差し、そこに磁石が実質的に位置することを意味する。磁石が「実質的に」、辺上又は周上に位置するという要件は、辺又は周と磁石との距離が、それぞれ、辺の長さ又は周の平均直径の15%未満であることを意味する。
本発明の関連する態様において、生じる磁場の少なくとも1つの特性を変える方法によって上記課題が解決される。磁場は、磁石の少なくとも2つの群から、各磁石の磁気モーメントを、回転軸を中心に回転させることによって、発生する。各群は少なくとも2つの磁石を含む。各群は方向を有し、その方向に沿って、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸が延びている。磁石は、平行六面体の辺上に実質的に、楕円体上において交差する周上に実質的に、位置する。
本発明による磁場発生装置及び方法の達成可能な利点は、作業空間において、磁石からの磁場の組み合わせた磁場が生じ、その1つ以上の特性を、磁石の磁気モーメントの各回転軸に関する回転により変えることができるということである。変えることのでき特性には、生じる磁場の方向、磁束密度、及び空間的勾配が含まれる。
本発明の更なる態様において、請求項15による使用によって上記課題が解決される。上記磁場発生装置又は上記方法のいずれも、磁気モーメントを持つ係留式デバイスを作動させるために使用される。あるいは、上記磁場発生装置又は上記方法のいずれも、磁気モーメントを持つ非係留式デバイスを作動させるために使用される。
[本発明の好ましい実施の形態]
単独で、あるいは組み合わせて適用することができる本発明の好ましい特徴を、以下において、及び従属請求項にて述べる。
前述のとおり、磁石の群には方向があり、その群の方向に関して、当該群に含まれる磁石の磁気モーメントの各回転軸の傾きは(円周を360度としたときに)15度未満である。以下では、特段の指定がなければ、「群」という用語は、上述の方向を有する群を常に指す。群に含まれる各磁石の磁気モーメントの回転軸の傾きは、好ましくは10度未満であり、より好ましくは5度未満であり、さらに好ましくは1度未満である。
本発明の好ましい実施の形態において、磁場発生装置は、磁石の、少なくとも1つの群、より好ましくは2つの群、より好ましくは3つの群を備える。各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能であり、各群は少なくとも2つの磁石を含む。磁石の群が2つ又は3つの場合、群の方向は線形独立である。任意の方向及び/又は任意の磁束密度を有する発生磁場を得ることができるということが本発明のこの実施の形態の達成可能な利点である。好ましい磁場発生装置は、群の数が3以下である。
各群の方向と、当該群以外の他の群の方向とのなす角度は、好ましくは50度より大きく、より好ましくは65度より大きく、さらに好ましくは70度より大きい。本発明の特に好ましい実施の形態において、各群の方向は他の各群の方向と「実質的に垂直」であり、これは、各群の方向と当該群以外の他の群の方向とが15度未満のずれをもって垂直であるという意味である。このずれは、より好ましくは10度未満であり、より好ましくは5度未満であり、更に好ましくは1度未満である。
好ましくは群のうち1つ、より好ましくは2つ、より好ましく3つは、3つ以上の磁石、例えば、3つ、4つ、5つ、又は6つの磁石を含む。本発明のこの実施形態は、より多くの磁石が、より均一な及び/又はより強力な発生磁場又は発生磁場のより均一な又はより強力な勾配を提供することができる点を利用することができる。
好ましくは、磁場発生装置は、一組の制御パラメータの入力手段を備え、生じる磁場の方向及び磁束密度は一組の制御パラメータによって定められる。より好ましくは、一組の制御パラメータは、6つ未満の制御パラメータ、より好ましくは5つ未満の制御パラメータを含む。本発明の特に好ましい実施の形態において、制御パラメータの数は3である。本発明のこの実施形態は、任意の方向及び/又は任意の磁束密度の発生磁場の任意の方向及び磁気モーメントを定めるのに3つのスカラーパラメータで十分であることを利用する。本発明の別の好ましい実施の形態において、制御パラメータの数は2である。本発明のこの実施の形態は、発生磁場の2次元空間内の方向及び任意の磁束密度を定めるのに2つのスカラーパラメータで十分であることを利用する。
好ましい制御パラメータは、各制御パラメータの値が他の(複数の)制御パラメータの値から独立して選択され得るという意味で独立である。本発明の特に好ましい実施の形態において、生じる磁場の方向及び磁束密度と、制御パラメータとの関係は、全単射(bijection)である。
本発明の好ましい実施の形態において、制御パラメータは、磁気モーメントのそれぞれの回転軸を中心とする磁気モーメントの回転角度を定める。より好ましくは、制御パラメータの値の各組は、磁石の磁気モーメントの回転角度を明確に定める。本発明の特に好ましい実施の形態において、磁石の各群につき、群内の全ての磁石の磁気モーメントの回転角度を定める1つの制御パラメータが存在し、各群は異なる制御パラメータを有する。本発明のこの実施の形態は、生じる磁場の方向及び磁束密度をベクトルと考えたときに、各群が1つの成分をこのベクトルに与えることができ、制御パラメータがこの成分の方向及び磁束密度の組み合わせを制御できることを利用する。
制御パラメータは、磁石の平行移動を定めないことが好ましい。むしろ、好ましい制御パラメータは、磁石の磁気モーメントの回転角度のみを定める。したがって、本発明の好ましい実施形態において、磁石は平行移動が可能ではなく、作業空間を基準として固定された位置にある。こうして、好ましい磁場発生装置において、磁気モーメントの回転角度は、生じる磁場の方向及び磁束密度を定める。
好ましい磁石は永久磁石である。永久磁石は、例えば、ネオジム、鉄、及びホウ素(boron)の合金で作られるネオジム磁石である。好ましくは、磁場発生装置内の全ての磁石は、少なくとも600kA/mの保磁力を有する。好ましくは、同じ群内の全ての磁石、より好ましくは、全ての群の磁石は同じ保磁力を有する。同じ群内の全ての磁石、より好ましくは、全ての群の全ての磁石は、標準の製造精度が同じである。
群内の少なくとも1つの磁石、好ましくは全ての磁石の磁気モーメントは、回転軸の方向と実質的に垂直である。この文脈において、「実質的に垂直」とは、磁気モーメントが、15度未満のずれをもって回転軸の方向と垂直な方向に延びることを意味する。ずれは、より好ましくは10度未満、より好ましくは5度未満、更に好ましくは1度未満である。
好ましくは、磁石の少なくとも1つの群は「ハブ(hub)」を有し、当該群内の全ての磁石が当該群のハブまで同じ距離にある。より好ましくは、全ての群がそれぞれハブを有する。特に好ましくは、磁場発生装置の種々の群のハブが一致している。好ましくは、磁石の少なくとも1つの群は「平面」を有し、当該群内の全ての磁石がその平面に配置される。より好ましくは、全ての群がそれぞれ平面を有する。群がハブ及び平面を有する場合、その群内の磁石が円状に配置されることに留意されたい。好ましくは、群内の全ての磁石が等距離に配置され、これは、当該群内の全ての磁石が、当該群において最も近い磁石まで同じ距離にあるという意味である。したがって、本発明の特に好ましい実施の形態において、群内の全ての磁石は円状にかつ等距離に配置される。
好ましくは、少なくとも1つの磁石、好ましくは全ての磁石の磁気モーメントは、特に、磁石が永久磁石である場合、磁気モーメントのそれぞれの回転軸を中心に磁石を回転させることにより、回転する。磁石は好ましくは、電気モータによって駆動される。しかし、本発明には、磁気モーメントが他の手段によって回転する実施形態も含まれる。例えば、複数の電気的ループ又はコイルを備えた電磁石の磁気モーメントは、個々のループ又はコイルの電磁石に供給される電流を変えることによって変化させることができる。
本発明の好ましい実施の形態において、少なくとも1つの群において、その群内の磁石は、磁気モーメントが回転するように組み合わされて、それにより、磁石の磁気モーメントは、磁気モーメントのそれぞれの回転軸を中心に同一角度にわたり同時に回転する。より好ましくは、全ての群において、各群の磁石は、このように動作するように組み合わせられる。好ましくは、群内の、動作可能に組み合わされた全ての磁石の同時移動は、同じ方向(時計回り又は反時計回り)である。本発明の他の実施形態では、一部の磁石、例えば、複数の磁石の半分が一方向に回転し、他の磁石、例えば残りの半分は反対方向に回転する。換言すれば、一部の磁石が時計回りに回転し、他の磁石が反時計回りに回転するように、複数の磁石が動作可能に組み合わせられる。
本発明の好ましい実施形態において、磁気モーメントの同時移動を達成するために、群の2つ以上の磁石、最も好ましくは全ての磁石は、互いに、及び/又は、ギアリング、チェーン、ベルト、又は他の機械式トランスミット、例えば、コグホイールドライブ、スクリュードライブ、ベルトドライブ、又はそれらの組み合わせにより、モータに接続される。
好ましくは、少なくとも1つの群は「中心」を有し、当該群内の磁石の任意のペアの磁気モーメントの各回転軸を中心とする磁気モーメントの回転角度は、ある係数と、その群の中心から測定される2つの磁気モーメントの回転軸の角距離との積である値だけオフセットしている。係数は好ましくは2である。「角距離」とは、中心があって群の方向に垂直に延びる測定用の平面において測定される角度である。角距離は、中心から、磁気モーメントのペアの各磁気モーメントの回転軸と測定平面との交差部にまで延びる線どうしの角度である。より好ましくは、全ての群が中心を有する。好ましくは、少なくとも1つの群、より好ましくは全ての群は、ハブ及び中心を有し、更により好ましくは両者が一致する。好ましくは、少なくとも1つの群、より好ましくは全ての群は、平面及び中心を有し、更により好ましくは、平面及び測定平面が一致する。
好ましくは、少なくとも1つの群において、より好ましくは全ての群において、磁石は、実質的に平行六面体の辺上に、又は、実質的に楕円体上において交差する周上に位置する。平行六面体は好ましくは直方体であり、特に好ましくは立方体である。楕円体は好ましくは回転楕円体であり、特に好ましくは球である。作業空間は、好ましくは、平行六面体又は楕円体の内部に位置する。本発明のこの実施の形態の達成可能な利点は、作業空間が、平行六面体の6つの面によって定められる6つの窓から、又は、楕円体の交差する周の間の6つの窓から、自由にアクセス可能であることである。
直方体又は立方体を含む平行六面体の場合、磁石は、好ましくは、平行六面体の辺の中心付近に位置する。この文脈において、「中心付近」とは、磁石の重心から辺のより近い端部までの距離が、磁石の重心から辺の遠い右端までの距離の70%よりも大きいことを意味する。より好ましくは80%よりも大きく、更に好ましくは90%よりも大きい。
本発明の典型的な実施形態において先に述べた方向、ハブ、平面、中心、測定用平面、円、辺、及び球が、仮想的なものであり、物理的に具現化されたものではないことを当業者は理解するであろう。それでもなお、本発明には、これらのうちの1つ以上が、例えば、製造のためにシャフト、梁、パネル、及び穴の形態の物理的な等価物として見られる実施形態も含まれる。
生じる磁場の達成可能な複数の方向の各方向における、組み合わされた磁石から作業空間において発生する磁場の達成可能な最大磁束密度は、90ガウスより大きい。先に定めたように、作業空間において「生じる磁場の磁束密度」は、作業空間内で生じる磁束密度の算術平均である。好ましくは、作業空間内で生じる磁場の磁束密度は均一であり、これは、作業空間内で生じる磁場の磁束密度(すなわち、作業空間内の算術平均としての磁束密度)から、20%よりも大きく、好ましくは10%よりも大きく、より好ましくは5%よりも大きく磁束密度がずれた作業空間内の点が全く存在しないという意味である。好ましくは、作業空間内の生じる磁場の方向はで均一であり、これは、作業空間内で生じる磁場の方向(すなわち、作業空間内の算術平均としての方向)から、10%よりも大きく、好ましくは5%よりも大きく磁場方向がずれた作業空間内の点が全く存在しないという意味である。好ましくは、作業空間は、1cm(立方センチメートル)より大きい体積を有する。生じる磁場の方向は、好ましくは0.1度/秒よりも大きく、より好ましくは1度/秒よりも大きい速度で変化することができる。
本発明の好ましい実施の形態において、磁石のうちの1つ以上の磁石の磁気モーメントを回転させることで、組み合わされた磁石により作業空間内に生じる磁場の磁束密度の空間的勾配を変えることができる。好ましくは、生じる磁場の方向及び磁束密度は一組の制御パラメータによって定められる。空間的勾配の方向は、好ましくは0.1度/秒より大きく、より好ましくは1度/秒より大きい速度で変えることができる。
上述の磁場発生装置又は方法は、好ましくは、磁気モーメントを持つ係留式デバイスを作動させるために使用される。あるいは、上述の磁場発生装置又は方法はいずれも、磁気モーメントを持つ非係留式デバイスを作動させるために使用される。「非係留式(untethered)」とは、医療デバイスが作業空間の外部に対して物理的に(すなわち、実質的に)接続されていないことを意味する。その一方で、「係留式(tethered)」は、作業空間の外部に対して物理的(すなわち実質的)に接続されたデバイスツールを指す。
好ましくは、磁場発生装置及び方法は、生物組織又は器官又は管腔又は動物の内部又は人間身体の内部で小型デバイスを作動させ操作するために使用される。本発明の特に好ましい実施の形態において、磁場発生装置は、小型プロペラ、ステント、インプラント、粒子、磁石、アクチュエータ、エンドエフェクタ、ロボット、把持器、レンズ、針、チュービング、内視鏡、カテーテル、光ファイバ、電気ワイヤ、又は医療デバイスを作動させ操作するために使用される。
以下、本発明の更に好ましい実施形態を例示する。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
円筒(cylindrical)磁石を有する磁場発生装置の斜視図である。 立方体の磁石を有する磁場発生装置の斜視図である。 図1の磁場発生装置内の永久磁石の1つの群を通る断面図である。磁気モーメントM、M、M、及びMは、製造誤差の範囲内で同じ大きさであり、全ての磁気モーメントは紙面に沿って延びている。他方、これらの磁気モーメントは、紙面に垂直に延びる回転軸に関して、異なった回転角度α、α、α、αを有する。さらに、全ての磁気モーメントは、絶対値がいずれも|ω|である角速度で回転するが、2つの磁気モーメントは時計回りに回転する一方、他の2つの磁気モーメントは反時計回りに回転する。 人間の体内で非係留式の医療デバイスを作動させる磁石の3つの群を有する磁場発生装置の説明図である。左上の図は上面図であり、右上の図は側面図であり、下の図は正面図である。 人間の体内で係留式の医療デバイスを作動させる磁石の3つの群を有する磁場発生装置の説明図である。左上の図は上面図であり、右上の図は側面図であり、下の図は正面図である。 4つの回転磁石からなる群によって発生し、作業空間内で測定された発生磁場の成分である。磁石は球状であり、直径が30mm、保磁力が約955kA/mである。発生磁場は、空間的に均一な20mTの磁場であり、約1sの時点から1Hzで回転する。 磁石群により発生した最大磁場の測定結果と、シミュレーションの結果との比較である。 z軸に沿って振動する発生磁場のシミュレーション結果である。 xy平面において3つの方向を有する、振動する発生磁場B(G)のシミュレーション結果(「Sim」)及び測定結果(「Exp」)を示す図である。(a)α=0度、(b)α=45度、(c)α=90度である。x方向及びz方向の磁場成分をそれぞれ、「B」及び「B」として示す。曲線はシミュレーションの結果であり(「Sim」として示す)、印は実験結果である(「Exp」として示す)。 (a)座標系の軸に沿った発生磁場Bの成分ベクトルB、B及びBと、同座標系において磁場ベクトルの方向を定める角度とを示す説明図である。(b)3つの磁石群の各磁気モーメントによりそれぞれ生じる3つの磁場Bxy、Bxz及びByzの説明図である。後者の3つの磁場の方向は、それぞれ角度αxy、αxz及びαyzによって定められる。 磁場Byzを生じさせる4つの永久磁石からなる群の、yz平面の断面図である。 磁場Byzを生じさせる5つの永久磁石からなる群の、yz平面の断面図である。(a)は配列の断面図である。(b)は、回転磁場を検証する数値シミュレーションの結果である。シミュレーションにおける矢印は磁場の方向を示し、矢印の長さは磁場強度に対応している。 ツリー次元空間において、ベクトル
Figure 2021529568
によって定められる軸を中心に回転する磁場Bを示す。
医療用途に使用される、1つの磁石群を有する磁場発生装置の斜視図である。 群あたり2つの磁石を有する3つの群で配置された6つの磁石を有する磁場発生装置の斜視図である。 人間の規模の磁場発生装置の斜視図である。上は側面図であり、下は正面図である。 人間の規模のセットアップにおける18個の磁石からなる1つの群の有限要素シミュレーションの結果である。矢印は磁場の方向を示し、グレーのトーンは磁束密度を示す。図における長さの単位はメートルであり、グレーのトーンのスケールの単位はガウスである。 磁場発生装置によりワイヤレスで動く柔らかい小型リニアアクチュエータである。(a)は作動の原理を示す。(b)はアクチュエータの図であり、取り付けられた磁石の矢印は磁石の磁化を示す。(c)は、10セントのコインの上で組み立てられたアクチュエータの写真である。 磁場発生装置により操作された場合の、図1のリニアアクチュエータの動きを示すビデオのスナップショット写真である。(a)は柔らかいアクチュエータの圧縮状態を示し、(b)は柔らかいアクチュエータの弛緩状態を示し、(c)は柔らかいアクチュエータの伸長状態を示す。 図18及び図19のリニアアクチュエータ上での負荷測定の結果である。(a)は、磁場発生装置によって動くアクチュエータによる負荷の持上げを示すビデオのスナップショットである。(b)は、複数の負荷Lに対してプロットされたアクチュエータの最大変位Dと、負荷及び変位から計算された仕事Wとを示す。
本発明の好ましい実施形態の以下の説明において、同一の符号は、同一の又は同様の要素を示す。
[例:12個の磁石を有する磁場発生装置]
図1〜図3に示す磁場発生装置は、複数の永久磁石1からなる群を3つ有し、各群に4つの平行な磁石1が属する。図面の各磁石1は、円筒又は立方体の形状であるが、別の形状、例えば、球又は直方体の形状も可能である。複数の永久磁石1は、整合がよく取れた磁化及び強度と永久磁化方向を有する。複数の永久磁石1は、磁石1の磁気モーメントMに垂直な軸に関して電気モータ(不図示)により回転するように構成される。磁石が組み合わされて、作業空間3が位置する磁場発生装置の中心に磁場ベクトルBの発生磁場2が生じる。
多くの用途において、無視できる磁場勾配の力を有する均一な磁場2を、大きい作業空間3内で発生することが有益である。図1〜図3の磁場発生装置において、磁石1は、その隣の複数の磁石までの距離が等しくなるように、かつ作業空間3の中心に位置するハブの周りに円のように配置されて、発生磁場2の空間的及び時間的な勾配が最小となる。万一、複数の磁石1において磁化が異なる場合、原理的には、複数の磁石1の配置により物理的特性の差を補償することが可能である。このとき、複数の磁石1は、もはやハブから同じ距離にはなく、又は、もはやその隣の複数の磁石から等距離にあるわけではない。
有利には、図1〜図3の構成において、磁場Bの磁束密度の調整も可能にしつつ、磁場ベクトルBの方向が3次元空間内の任意の方向を指すように変えるために、3つの独立した角度入力(図1及び図2においてα、β、γとして示す)のみが必要である。磁束密度は、ゼロとすることができるが、ベクトルBのそれぞれの方向に応じて達成可能な最大磁束密度を上回らないものとすることができる。図1〜図3に示す磁場発生装置には全部で12個の磁石(3つの群×群あたり4つの磁石)が存在するが、3つの独立した回転入力のみが必要であり、したがって、3つのモータのみがセットアップのために必要である。
各群には、(作業空間において向かい合う面に配置された)少なくとも2つの磁石が存在し、5つ以上の磁石1があってもよい。磁石1の数が多いほど、より大きい作業空間3にわたってより高い磁束密度が得られる。磁石1の機械的な駆動機構(不図示)は、特定の磁石1に対する直接的な接続を必要とせず、ベルトドライブ、ギアドライブ、又は他の作動手段を含むことができる。
磁石1は立方体の辺に配置されるため、作業空間3には多くの方向からアクセスすることができる。各磁石1について1つの回転自由度のみが必要とされ、磁石1が平行移動することはない。この設計の特徴は、磁場2の変化が実現できるということを可能にする。そして、この設計の特徴は、作業空間2に対する長期のアクセス性も可能にする。図1及び図2において中空の大きい矢印として示すように、作業空間3には、磁石1の間の4つの側面から、及び、同様に上部及び下部からアクセスすることができる。これは、例えば、図4及び図5に示す臨床用途において有益である。患者11は、患者へのアクセス部16によって磁場発生装置内で摺動するベッドに載せることができる。そして、麻酔チューブ、静脈内(IV:intravenous)注入器(injections)、及び電気センサ12は、操作中、患者11に接続したままとすることができる。さらに、医療撮像モダリティ(x線、コンピュータ断層撮影(CT:computer tomography)、超音波、光等)は、上部又は側面の撮像アクセス部13からも可能である。
本発明の考えられる用途は、(1)例えば欧州特許出願公開第17166356号及び同第17187924号に開示されているように、生物流体又は組織を通して泳動又は穿孔するプロペラ又はロボットを駆動すること、(2)生物組織を通して切除する光ファイバ又は電気ワイヤを操行すること、(3)身体管腔内で内視鏡又はカテーテルを操行すること、(3)無線小型化アクチュエータを駆動すること、(4)生物学的研究のために又は例えば細胞内への送出のために又はマイクロレオロジー研究のために顕微鏡下で磁気マイクロ又はナノ粒子を駆動すること、及び(5)電子ビームを磁気的に操行することを含むが、これに限定されない。
[例:人間の体内での医療デバイスの作動]
開示される発明の例示的な用途は、発生した磁場によって、人間の体の内部で医療デバイスを作動させ、操作し、制御することである。図4及び図5に、非係留式の医療デバイス及び係留式の医療器具をそれぞれ作動させる2つの実施形態を示す。係留式医療デバイスは、ケーブル等の、作業空間の外部につながる物理的な器具としての接続部を有する。非係留式医療デバイスは斯かる接続部を持たない。
図4にて、非係留式医療デバイス15は、作業空間3内で磁場2により作動する。デバイス15は、(例えば、永久磁石がデバイスに取り付けられていることにより)有限の磁気モーメントを有するため、外部磁場2の方向に整列しようとする。磁場発生装置からの磁場2は、医療デバイス15に対してトルクをかけるために用いることができ、医療デバイス15はこのように作動する。デバイス15は、適した形状、例えば、回転中の平行移動を可能にするために、螺旋プロペラの形状を有することができる。デバイス15は、磁場2の発生下においてデバイスの形状が変化するように複数の磁気モーメントを有する複数のセグメントを有することができる。例えば、医療デバイスは、開閉する把持器若しくはステント、開閉する弁、又は周期的に動くポンプとすることができる。
図5にて、係留式の可撓性医療器具15は、作業空間3内で磁場2により操作される。患者11の身体の部位(図5の例では、脳神経外科手術のための頭部)は、アクセス部16として定められる開放空間のうちの1つを通して磁場発生装置内に配置される。例えば、外科ツール15は、別のアクセス部14を介して作業空間に置くことができる。ツール15の先端部は(例えば、先端部においてカプセル化された永久磁石により)永久磁気モーメントを有しているため(この永久磁石モーメントは器具15の長軸に沿ったものとする)、先端部が外部磁場2の方向を向くようにすることができ、このようにして器具15の先端部の方向が制御される。あるいは、開示された方法によって操作される可撓性器具15は、内視鏡、カテーテル、光ファイバ、光ファイバ束、チューブ、ワイヤ、把持器、又は任意の他の適した器具とすることができる。
本発明は、生物組織を通して切除する能動デバイス、例えば、生物組織を通して切除するためにレーザ光(例えば、パルス状レーザ光)を透過させる光ファイバを操作させるために使用することができる。
磁場発生装置内に配置される人間又は動物の身体の部位は、頭、脳、目、腕、脚、膝、手、足、又は身体の任意の他の所望の部分(全体又は一部)とすることができる。磁場発生装置に対して患者11の位置を調整することができる。人間の体内のデバイスすなわち器具15のモニタリングは、適した医療撮像モダリティによって行われる。デバイス又は器具15の先端部の位置情報は、磁場発生装置を駆動するためにフィードバック制御ループ内の入力信号として使用することができる。患者11と磁場発生装置の相対的な位置は、デバイス15又は器具15の先端部を、十分に作業空間3の内部に、例えば、その中心の近くに保つために調整することができる。あるいは、磁場発生装置の作業空間3は、デバイス15に求められる移動範囲より大きいため、患者11の位置は磁場発生装置に対して固定される。
デバイス又は器具15は、固体又は液体生物組織、例えば、脳、肝臓、前立腺、筋肉、皮膚、目、又は或る器官内で、又は、尿管、腎臓、膀胱、目、心臓、胃、肺、血管等の身体管腔内で、又は任意の他の適した生物組織内で作動又は操作することができる。
デバイスは、更なる外部の力が係留式医療デバイスに与えられている間に、本発明による磁場発生装置又は方法によって操作することもできる。この実施形態において、磁場発生装置は、組織又は他の生物材料に貫入するために必要とされる力が他の手段によって与えられている間に、方向を制御する。
本発明による磁場発生装置又は方法には幾つかの利点がある。すなわち、a)これは、潜在的にワイヤレスの手法であり、したがって、医療デバイス15のより大きい自由度をもたらす。b)作業空間3は、人間の身体又は人間の身体の部位を収容できるほど十分に大きい。c)高い磁束密度が実現されるため、デバイス15に対してより大きい作動力又はトルクをもたらす。d)作業空間3に対するアクセス部16は、患者11の位置決め、他の医療器具、例えば、IVチューブ12、麻酔チューブ12、センサ12の接続及び一体化、及び、医療撮像機器(medical imaging instrument)13及び外科ツール14、例えばメス、はさみ、針の適用を可能にする。
[重ね合わせられた磁場を発生するための解析的理論]
本発明によって、作業空間3内で磁場強度と方向との両方が制御された磁場2を発生させることが可能である。本発明の背後にある理論を説明するために、まず、磁石1からなる1つの群により、強度が一定で方向が連続して変化する発生磁場2を生成する状況を説明する。次に、磁石1の1つの群により、強度が振動し方向が一定の発生磁場2を生成する状況を説明する。最後に、任意の方向及び磁束密度を有する発生磁場2を説明する。
[空間的に均一であり、回転する発生磁場]
面内の発生磁場2を制御するためのこの実施形態において、1つの群に4つの磁石1が含まれる例を示す。これらの磁石1は、磁気モーメントの大きさが同じであり、隣り合う磁石の距離が等しく、当該群のハブから同じ距離に配置される。x軸を中心に回転する作業空間内の空間的に均一な磁場2は、以下の式で表される。
Figure 2021529568
ただし、B及びBは、それぞれ磁場2のy方向及びz方向の成分であり、αは図3に示す磁場2とy軸との角度である。
各永久磁石1は、円筒又は円板形状の磁石1であり、図3に示すように、径方向に磁気双極子を有し、(x軸に沿ってかつ双極子モーメントに垂直な)その円筒軸を中心に回転する。磁化ベクトルMはyz平面内で角度αだけ方向する。点pにおいて4つの双極子によって発生する磁場の重ね合わせにより生じる磁場2のベクトルBは、以下のとおりである。
Figure 2021529568
ただし、μ=4π×10−7T・m・A−1は自由空間の透磁率であり、Iは3×3の単位行列であり、rは磁石1から点pまでのベクトルであり、
Figure 2021529568
はrの方向の単位ベクトルである。群のハブにおいて、yz平面内の組み合わされてなる最大の磁場強度(すなわち磁束密度)は、以下の方向に見られる。
Figure 2021529568
ただし、αは図3に示すように定められ、以下に示すように、磁場の初期角度αB0に基づく磁石2の初期角度である。
Figure 2021529568
複数の磁石1の磁気モーメントが、対角位置でペアごとに、すなわち、M及びMのペアとM及びMのペアとでそれぞれ整列しつつ、2つのペアの間で互いに反対方向(位相差が180度)の場合に、最大の発生磁場強度が得られるということになる。この状態を初期状態とし、この状態から、磁石1は、同じ角速度で時計回りに機械的に回転し(α=αB0−ωt)、磁石1の磁場は、同じ角速度ωであるが反時計回りに回転する。回転角度はφ=ωtである。以下のとおりである。
Figure 2021529568
測定される発生磁場2は理論上の予測に従う。図6に示すように、y方向及びz方向の成分は、π/2の位相差を持って振動し、したがって、組み合わされた磁場は強度が一定でx軸を中心に回転する。直径が30mmの各球状磁石の保磁力が約955kA/mである設定によって得られる最大磁場Bmaxも、図7に示すように磁石間の距離に応じて測定される。測定値はシミュレーションに非常によく適合しており、本設定についての最大強度は本設定において500Gを上回る。
[所与の軸に沿って振動する磁場]
振動する発生磁場2は、y軸に対する角度αとして定められる固定の振動軸(方向)を有し、磁場強度は振動し、これは以下のように表される。
Figure 2021529568
ただし、Bmaxは、4つの磁気双極子の重ね合わせによって得られる可能性のある最大磁場強度(すなわち磁束密度)であり、φ=ωtは振動角度であり、ωは角速度である。
設定の幾何学的配置及び初期条件は、式(3)〜式(5)において同じである。違いは、磁石1の2つのペアが反対方向に回転することである。特に図3に示すように、M及びMは、角速度−ωで時計回りに回転し、M及びMは、角速度ωで反時計回りに回転する。振動角度はφ=ωtであるため、4つの磁石1の回転角度は以下のように表される。
Figure 2021529568
この手法によって、2つの出力、すなわち、磁石1からなる群のハブにおいて生じる磁場2の大きさ及び方向は、独立した2つの入力α及びφによって完全に制御される。
図8に磁束密度のシミュレーション結果を示す。本実施形態において、z方向(α=90度)に振動する発生磁場2を例として示す。発生磁場2が、120mmの距離における約374Gの最大値から、110mmの距離における約485Gの最大値まで、そして、100mmにおける約645Gの最大値まで非線形に増加することもシミュレーションが示している。これは、いずれも30mmという比較的小さい直径の同じ磁石2によって得られる。このシミュレーションは、電磁石に勝る永久磁石1のセットアップの利点を明確に示している。なぜならば、磁場が、特別な冷却を必要とせず、又は高価な電力増幅器システムを必要とせずに、一般的な電磁石の強度の3倍〜6倍の強度を容易に達成することができるからである。ハブにおいて生じる磁場2はガウス計によって測定され、図9にプロットされている。実験結果はシミュレーションと非常によく適合している。
[任意の方向及び磁束密度を有する発生磁場]
本明細書で開示される磁場発生装置は、磁石1によって囲まれた3次元空間内で任意の方向を向く磁場2のベクトルBも発生させることができ、発生磁場2の大きさを制御することもできる。発生磁場の方向及び強度は、磁石の各群についての3つの独立した角度制御パラメータ(図1及び図2においてα、β、γとして示す)のみによって完全に制御されると同時に、発生した磁場Bの磁束密度は、ゼロから達成可能な最大磁束密度までの範囲内で調節される。
作業空間内での所望の発生磁場2は以下のとおりである。
Figure 2021529568
ただし、
Figure 2021529568
はBの方向の単位ベクトルである。Bは磁場強度(すなわち磁束密度)である。θ、φは、図10aに示すように、ベクトルと軸との角度である。[・]は転置を表すシンボルである。
発生磁場2は、以下に示すように、互いに直交する磁石1の各群によって発生する3つの磁気ベクトルの和である。
Figure 2021529568
ただし、Bxz、Bxz、Bxyは、永久磁石1の各群によって発生する平面内の磁場ベクトルである。作られる磁場Bは、図10bに示す3つの成分を用いて以下のように表すことができる。
Figure 2021529568
ただし、Bxy、Bxz、Byzは、図10bに示すように、それぞれ、xy平面、xz平面及びyz平面で磁石1の1つの群のみによって発生する磁場強度であり、α..は平面内のベクトルと軸との角度である。
幾つかの実施形態において、同じサイズ、同じ磁気モーメント、及び当該群のハブから同じ距離にある磁石1が使用され、そして、各方向の磁場強度が等しく、式(16)を、Bxy=Bxz=Byz=Bによって簡略にする。式(15)及び(17)を一致させることで以下の式が得られる。
Figure 2021529568
式(17)の右辺は、3つのパラメータB、θ、φを有する、要求される発生磁場を定め、式(18)を解くことで、同式の左辺の3つの未知パラメータαxy、αxz、αyzが得られる。器具の制御の観点では、各方向の角度の3つの入力パラメータαxy、αxz、αyzは、磁場ベクトルの大きさ及び3次元方向としての3つの出力パラメータB、θ、φの完全な制御をもたらす。幾つかの実施形態において、式(18)は、Matlab(R2017a、MathWorks社)により数値的に解かれる。
幾つかの実施形態において、磁石の群は互いに直交しないが、式(16)は依然として有効である。各磁場ベクトルの3軸への分解は、式(17)及び(18)の新しい組をもたらすことになるが、一般的な原理は、本明細書で示すものと同じである。すなわち、3つの方向において角度の3つの入力パラメータα..を制御することで、磁場ベクトルの大きさ及び3D方向としての3つの出力パラメータB、θ、φの完全な制御をもたらす。
各方向について解かれた角度α..によって、群内の各磁石1の角度は、以下の方法により計算することができる。例えば、図11に示すように、1つの群に4つの永久磁石1(n=4)がある各群の断面を考える。この実施形態において、各磁石1は、その磁気モーメントに直交する軸(この場合、x軸)を中心に同じ角速度ωで回転する。第i番目の磁石の回転角度βは、以下の関係に従う。
Figure 2021529568
ただし、..には、方向を表すxy、xz、又はyzが代入され、γは、磁石の中心から作業空間3の中心までの線と1つの軸(本実施形態ではy軸)との間の角度である。
式(19)は、各群に含まれる磁石1の数が2以上(n≧2)であれば、その数が奇数であるか偶数であるかにかかわらず、常に成り立つ。図12には、例として、5つの磁石があって、磁石の辺の長さが30mmであり、磁石の中心点が直径70mmの円上に配置される一実施形態を示す。式(19)を用いて各磁石の角度を計算し、その構造を、磁場の有限要素シミュレーション(Comsol multiphysics 5.2a、Comsol社)によって検証する。図12bにて、一連の画像は、90度刻みでのシミュレーション結果を示す。発生磁場2は、作業空間3において時間的かつ空間的に均一である。5つの磁石1が式(19)に基づいた角度で位置決めされ、時計回りに回転するため、磁場の方向は反時計回りに回転する。
別の実施形態では、回転する発生磁場2を生じさせることが必要となる。この発生磁場は、磁場強度の点で空間的かつ時間的に均一であり、磁場の方向は3次元において定められる軸を中心に回転する。図13に示すように、回転軸は以下の単位ベクトル
Figure 2021529568
により定められる。
Figure 2021529568
回転する磁場ベクトルは次に示すように時間の関数である。
Figure 2021529568
ただし、
Figure 2021529568
は、磁場B(t)の方向の単位ベクトルである。所与の初期値を用いて、
Figure 2021529568
を以下の式により解くことができる。
Figure 2021529568
R(t)は、次に示すように、軸
Figure 2021529568
の周りの、角度δによる回転行列である。
Figure 2021529568
ただし、δ=ωt=2πftであり、ωは角速度(単位:rad/s)であり、fは回転周波数(単位:Hz)であり、tは時間(単位:秒)である。
[回転ステージ上での1つの磁石群による3次元磁場の生成]
4つの磁石1からなる1つの群は、(図3に示したように)平面内の回転磁場を実現することができる。磁場の回転軸の3次元操作を実現するために、磁石は、(図14にリングとして示すように)DoFが2である回転ステージに搭載される。このステージは、(患者に対して)セットアップ全体を2つの方向β及びγに回転させる。この実施形態の欠点は、1)作業空間に対するアクセスが、一方向のみに制限されること、すなわち、γ軸に沿っては常にアクセスできるが、別の方向、例えばβ軸に沿ったアクセスは、デバイス全体の回転により遮断されることと、2)デバイス全体の回転により、磁石1を駆動するための接続部が煩雑となり費用がかかることと、3)デバイス全体の回転に極めて大きい電力が必要となり、患者11又はオペレータにとって危険性が高まることとである。
[例:各々が2方向に回転可能な6つの磁石による3次元磁場の生成]
図15に示すように、球状の永久磁石1が3つの群として配置され、各群に2つの磁石1がある。各群の磁石1は、2−DoFで同時に回転する。磁気ベクトルの方向と大きさの両方の完全な制御を達成することもできる。各磁石1(磁気モーメント)は、直交する2つの軸(α、β、及びγとして示す3つの軸のうちの2つ)を中心に回転可能である。
[例:磁場発生装置の実験方法]
磁気のセットアップは、直径が30mmである4つの球状磁石1(K−30−C、ネオジムN40、Supermagnete社)によりなされる。球状磁石は、モータに接続するためにオーダーメードのカプラ内の球状キャビティ内で保持される。磁石1の方向は、締付け力によって誘起される大きい摩擦によって保たれる。2方向にそれぞれ駆動するために、4つのステッピングモータ(1.8度/ステップ、ストールトルク:0.15N・m、SH3537−12U40、山洋電気、不図示)を、2つの別々のドライバボード(US1D200P10、2.0A、16分割、山洋電気、不図示)とともに使用した。DC電源(HM7042−5、HAMEG社)により電力を供給した。4つの磁石1の初期方向αは手動で調整したのち、それら磁石1を、関数発生器(33220A、Agilent社、不図示)から発生する矩形波信号により、同じ絶対速度で回転させ、制御した。モータが磁気トルクに抗して固定静止位置に保持したときに特に熱が発生したため、4つのファン(不図示)によりモータを空冷した。
磁石1の対角中心間の距離を120mmに設定した。磁石1間の距離を変えることで最大磁場強度が変わる。距離を減少させることで大きい磁場がもたらされるが、これは、モータによるより大きい駆動トルクも必要とし、そのトルクは、磁石1の特定の方向について当該モータのストールトルクを上回る。
x方向及びz方向のそれぞれにおいて磁場発生装置の中心にて生じる磁場2を測定するために、デジタルガウス計(HGM09s、MAGSYS社)を使用した。磁場2は、22.5度のステップ(200パルス)で変化させ、その結果は図7に印としてプロットされている。測定は3回繰り返した。同じ位置において大きさは±0.5G以内で再現性があったため、誤差バーは図にプロットしていない。
磁場強度及び方向について、Comsol 5.2a(Comsol Multiphysics)によるシミュレーションもした。磁気の絶縁境界条件を用いて、一辺が300mmの立方体の体積内で3次元シミュレーションを行った。直径が30mmである4つの球状磁石1を、図3aに示すように、対角の中心間距離を120mmとして配置した。空気及び4つの球状磁石1の比透磁率を、それぞれ1及び4000として設定する。各磁石の磁化強度は、955kA/mとなるように設定し、各方向は、式6〜式9に従って計算した。α=0度、15度、30度、45度、90度、及び10度刻みでのβ=0度〜360度について、パラメトリックスイープを行った。磁束密度をグレースケールで示し、磁場の方向を図6の矢印で示す。
[例:1つの群に含まれる複数の磁石]
各群に、(作業空間の向かい合う面に配置された)少なくとも2つの磁石1が存在する。磁石の数が多いほどより大きい作業空間3にわたってより高い磁束密度がもたらされることから、5つ以上の磁石1があってもよい。磁石1の機械的な駆動機構(不図示)は、特定の磁石1に対する直接的な接続を必要とせず、ベルトドライブ、ギアドライブ、又は任意の他の適した作動手段を含むことができる。
磁石1の各群は平面及びハブを有し、磁石1は円内で等距離にある。各群のハブは互いに一致し、作業空間3の中心とも一致する。図16に示すように、各群の中心対称軸は他の群の中心対称軸と垂直であるが、作業空間3(この場合、患者の座標系)の軸と垂直である必要はない。方向が互いに直交する3つの群は、患者内での、開示される方法によって作業空間3内での生じる磁場2の方向及び強度の完全な制御を実現する。
一実施形態において、複数の磁石1を有する構成を、図16及び図17に示すように、人間のスケールに拡張することができる。各群に、直径が100mm及び長さが200mmである18個の磁石1が存在する。各群の内径(ギャップ)は、開放空間(アクセス部)内の人間に合う1000mmに設定される。図16及び図17の直方体は、幅500mm、厚さ300mm、長さ1700mmの人間の外側境界のボックスを示す。保磁力が約955kA/mである18個の磁石からなる1つの群の有限要素解析によれば、磁束密度は、作業空間内で均一であり、約448ガウスに達する。
[例:磁場発生装置によるリニアアクチュエータの作動]
デバイスにより発生する振動性磁場の1つの用途として、図18aに示すようにリニアアクチュエータをワイヤレスで動作させた。外部磁場がゼロに等しいとき、このソフトな構造は、その元の形状を保ったままである(図18b)。z方向の磁場が印加されると、磁気トルクが埋め込み式の小型磁石に加わり、このトルクがソフトリンク機構の回転をもたらし、アクチュエータを圧縮する(図18a)。元々の長さl=8.8mmであるアクチュエータは、l=3.7mmという最小の長さにまで減少する。磁場が反対方向に印加されると、アクチュエータはl=10.5mmにまで伸長する。そのため、アクチュエータにより、外部からの負荷なく全体として約6.8mmの直線状の変位が実現し、これは元の長さの70%よりも長い。圧縮時の変位量(5.1mm)は、伸長時の変位量(1.7mm)よりもはるかに大きい。これは、磁気トルクが、磁石の方向とともに非線形に変化し、角度が90度(図19に示す状況に近い)であるときに最大となるからである。
アクチュエータの負荷特性も試験した。図20bに、最大変位を外部からの負荷の関数として示す。負荷が増加するにつれて、変位は、磁石の方向の変動により非線形に減少する。アクチュエータの出力する仕事も、変位が小さくなるにつれて、大きく低下する。構造の更なる最適化及びソフト材料の弾性率を負荷に整合させることで、アクチュエータの性能が向上する。この小型アクチュエータは、最大約84mNの力を発揮ことができる。この小型アクチュエータは、10%の変位を依然として達成しながら、自己の重量の40倍のものを持ち上げる。ソフト構造が平面であるため、ソフト構造が、伝統的なソフトフォトリソグラフィプロセスに完全に適合し、したがって、ソフト構造をマイクロメートルのスケールにスケールダウン可能であることも指摘に値する。
これまでの説明、特許請求の範囲、及び図に記載した特徴は、本発明の種々の実施形態を実現するために個々に又は任意の組み合わせで関連させることができる。

Claims (15)

  1. 磁石の群を少なくとも3つ備え、
    各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能であり、
    各群には少なくとも2つの磁石が含まれ、
    各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びており、
    複数の前記群の方向は線形独立であることを特徴とする
    磁場発生装置。
  2. 少なくとも6つの磁石と、一組の制御パラメータの入力手段とを備え、
    各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能であり、作業空間において複数の前記磁石による磁場が組み合わされて、方向及び磁束密度が任意の磁場が生じ、
    生じる前記磁場の方向及び磁束密度は、一組の制御パラメータの値によって定まり、
    前記一組の制御パラメータは6個未満の制御パラメータを含むことを特徴とする
    磁場発生装置。
  3. 磁石の群を少なくとも2つ備え、
    各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能であり、
    各群には少なくとも2つの磁石が含まれ、
    各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びており、
    各群に含まれる複数の磁石は、当該複数の磁石の磁気モーメントが各々の回転軸を中心に同一角度にわたり同時に回転するように、当該複数の磁石の磁気モーメントの回転に関して組み合わされていることを特徴とする
    磁場発生装置。
  4. 磁石の群を少なくとも2つ備え、
    各磁石の磁気モーメントは回転軸を中心に回転可能であり、
    各群には少なくとも2つの磁石が含まれ、
    各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びており、
    前記磁石は、平行六面体の辺上又は楕円体の交差する周上に実質的に位置することを特徴とする
    磁場発生装置。
  5. 前記磁石が永久磁石である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁場発生装置。
  6. 少なくとも1つの磁石の磁気モーメントと当該回転軸の方向とが、80度よりも大きい角度をなす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁場発生装置。
  7. 磁石の少なくとも1つの群がハブを有し、当該群に含まれる全ての磁石が当該群のハブまで同じ距離にある、請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁場発生装置。
  8. 複数の前記磁石が組み合わされて作業空間内で生じる磁場の達成可能な最大磁束密度は、生じる磁場の達成可能な方向の各々において、90ガウスよりも大きい、請求項1〜7のいずれか一項に記載の磁場発生装置。
  9. 1つ以上の前記磁石の磁気モーメントを回転させることにより、組み合わされた複数の前記磁石により作業空間内で生じる磁場の磁束密度の空間的勾配を変えることができる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の磁場発生装置。
  10. 生じる前記磁場の方向は、0.1度/秒よりも大きい速度で変えることができる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁場発生装置。
  11. 磁石の少なくとも3つの群により生じる磁場の少なくとも1つの特性を、回転軸を中心に各磁石の磁気モーメントを回転させることにより変える方法であって、
    各群には少なくとも2つの磁石が含まれ、
    各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びており、
    複数の前記群の方向は線形独立であることを特徴とする
    方法。
  12. 少なくとも6つの磁石により生じる磁場の少なくとも1つの特性を、回転軸を中心に各磁石の磁気モーメントを回転させることにより変える方法であって、
    生じる前記磁場は、任意の方向及び任意の磁束密度とすることができ、
    生じる前記磁場の方向及び磁束密度は、複数の前記磁気モーメントの、当該回転軸を中心とする回転角度を、6個未満の制御パラメータからなる組における各値から導かれる値に設定することにより定められることを特徴とする
    方法。
  13. 磁石の少なくとも2つの群により生じる磁場の少なくとも1つの特性を、回転軸を中心に各磁石の磁気モーメントを回転させることにより変える方法であって、
    各群には少なくとも2つの磁石が含まれ、
    各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びており、
    各群に含まれる複数の磁石は、各回転軸を中心に同一角度にわたり同時に回転することを特徴とする
    方法。
  14. 磁石の少なくとも2つの群により生じる磁場の少なくとも1つの特性を、回転軸を中心に各磁石の磁気モーメントを回転させることにより変える方法であって、
    各群には少なくとも2つの磁石が含まれ、
    各群は方向を有し、各群に含まれる磁石の磁気モーメントの回転軸は当該群の方向に沿って延びており、
    前記磁石は、平行六面体の辺上又は楕円体の交差する周上に実質的に位置することを特徴とする
    方法。
  15. 磁気モーメントを有する係留式又は非係留式のデバイスを作動させるための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の磁場発生装置又は方法の使用。
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