実施形態は、ロボットアーム又はツールを移動させるアクチュエータを制御するためにロボットシステムによって使用可能なユーザインターフェースデバイス(user interface device、UID)を説明する。ロボットシステムは、外科用ロボットシステムであり得、ロボットアームは外科用ロボットアームであり得、ツールは外科用ツールであり得る。しかしながら、UIDは、他の出力構成要素を制御するために、インターベンショナル心臓システム、ビジョンシステム、又は航空機システムなどの他のシステムによって使用されてもよい。これらの他のシステムは、少数の可能な用途のみを挙げるに過ぎない。
様々な実施形態では、説明は図面を参照して行われる。しかしながら、特定の実施形態は、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに、又は他の既知の方法及び構成と組み合わせて実施されてもよい。以下の説明では、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成、寸法、及びプロセスなど、多数の具体的な詳細が記載される。他の例では、不必要に説明を不明瞭にしないために、周知のプロセス及び製造技術は、特に詳細に記載されていない。本明細書全体を通して、「一(one)実施形態」、又は「一(an)実施形態」などへの言及は、記載される特定の特徴、構造、構成、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における語句「一(one)実施形態」、又は「一(an)実施形態」などの出現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、構成、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
本明細書全体にわたる相対用語の使用は、相対位置又は方向を表し得る。例えば、「遠位」は、基準点から離れた、例えば、ユーザから離れた第1の方向を示し得る。同様に、「近位」は、第1の方向とは反対側の第2の方向、例えば、ユーザに向かう位置を示し得る。しかしながら、このような用語は、相対的な基準フレームを確立するために提供され、UIDの使用又は配向を、以下の様々な実施形態に記載される特定の構成に限定することを意図したものではない。
一態様では、アクチュエータを制御するために外科用ロボットシステムによって使用可能なUIDは、ユーザが容易に到達して作動させることができる指掴持部を含む。指掴持部は、ユーザがUIDを保持しているときに、ユーザの指が到達する範囲にあるように、デバイス筐体の端部に装着され得る。指掴持部は、容量性センサの一部分を形成する導電性パッドを含んでもよい。容量性センサは、ユーザが導電性パッド上で指掴持部にタッチしたときに、静電容量の変化を検知することができる。タッチは、実質的にゼロの力の印加を含んでもよいため、タッチは、ここでは押すこととは対照的である。すなわち、指掴持部にタッチすることは、ボタンを作動させるよりも少ない圧力を必要とする。したがって、指掴持部は、ロボットエンドエフェクタの意図しない移動を回避するために、ゼロの力で作動され得る。
図1を参照すると、これは、手術場内の例示的な外科用ロボットシステム100の絵画図である。外科用ロボットシステム100は、ユーザコンソール120、制御塔130、及び外科用ロボットプラットフォーム111(例えば、台、ベッドなど)にある、1つ以上の外科用ロボットアーム112を含む。システム100は、患者102に対して手術を実施するために使用される任意の数のデバイス、ツール、又は付属品を組み込むことができる。例えば、システム100は、手術を実施するために使用される1つ以上の外科用ツール104を含んでもよい。外科用ツール104は、外科処置を実行するために外科用ロボットアーム112の遠位端に取り付けられてもよい。
各外科用ツール104は、手術中に手動、ロボット、又はその両方によって操作されてもよい。例えば、外科用ツール104は、患者102の内部解剖学的構造に入る、それを見る、又はそれを操作するために使用されるツールであってもよい。一実施形態では、外科用ツール104は、エンドエフェクタ、例えば、患者102の組織を捕捉することができる捕捉具を含む。外科用ツール104は、ベッド側オペレータ106によって手動で取り扱われてもよい。又は、それが取り付けられる外科用ロボットアーム112の作動された移動によってロボットにより移動されてもよい。外科用ロボットアーム112は台装着システムとして示されるが、その他の構成では、外科用ロボットアーム112は、カート、天井、若しくは側壁、又はその他の好適な構造支持体に装着されてもよい。
一般に、外科医又は他のオペレータなどの遠隔オペレータ107は、ユーザコンソール120を使用して、例えば遠隔操作によって、外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104を遠隔で操作してもよい。ユーザコンソール120は、図1に示されるように、システム100の残りの部分として、同じ手術室内に位置付けられてもよい。しかしながら、他の環境では、ユーザコンソール120は、隣接した部屋又は付近の部屋に位置付けられてもよく、又は遠隔地、例えば、異なる建物、都市、又は国に位置付けられてもよい。ユーザコンソール120は、座席122と、足で動作される制御部124と、1つ以上の手持ち式ユーザインターフェースデバイス、UID126と、例えば患者102内の手術部位の像を表示するように構成された少なくとも1つのユーザディスプレイ128と、を備えてもよい。例示的なユーザコンソール120では、遠隔オペレータ107は、外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104(外科用ロボットアーム112の遠位端に装着されている)の移動を遠隔で指令するために、足で動作される制御部124及び手持ち式UID126を操作しながら、座席122に座ってユーザディスプレイ128を見ている。足動作式制御部(複数可)124は、作動されたときに運動指令信号を生成する7つのペダルなどの足ペダルであってもよい。ユーザコンソール120は、ユーザコンソール120又は外科用ロボットシステム100の他の構成要素の動作を指令するための手動入力を受信するための、キーボード又はジョイスティックなどの1つ以上の追加の入力デバイス(図9)を含んでもよい。
いくつかの変形例では、ベッド側オペレータ106はまた、「ベッドの上」モードでシステム100を動作させることもでき、このモードでは、ベッド側オペレータ106(ユーザ)は、患者102の側にいて、ロボットで駆動されるツール104(外科用ロボットアーム112に取り付けられている)を、例えば片手で保持された手持ち式UID126を用いて手動腹腔鏡ツールを同時に操作している。例えば、ベッド側オペレータの左手が手持ち式UID126を操作してロボット構成要素を指令し、一方、ベッド側オペレータの右手が手動腹腔鏡ツールを操作してもよい。したがって、これらの変形例では、ベッド側オペレータ106は、ロボット支援型低侵襲手術及び患者102上の手動腹腔鏡手術の両方を実施してもよい。
例示的な処置(手術)の間、患者102は、滅菌態様で準備され、布がかけられ、麻酔を達成する。手術部位への初期アクセスは、外科用ロボットシステム100の外科用ロボットアーム112が収納構成又は(手術部位へのアクセスを容易にするために)引き込み構成にある間に、手動で実施してもよい。アクセスが完了すると、その外科用ロボットアーム112を含むロボットシステムの初期位置決め又は準備を実施してもよい。次に、手術は、ユーザコンソール120における遠隔オペレータ107が、足で動作される制御部124及びUID126を利用して、様々な外科用ツール、及びおそらくは画像化システムを操作して手術を実施するために進行する。処置ベッド又は台において、無菌状態のベッド側職員、例えばベッド側オペレータ106が、組織の引き込み、手動での再位置決めの実施、及び外科用ロボットアーム112のうちの1つ以上の上でのツール交換などのタスクを実施することができるように、手動での支援も提供されてもよい。滅菌されていない職員もまた、ユーザコンソール120において遠隔のオペレータ107を支援するために存在していてもよい。処置又は手術が完了したときに、システム100及び/又はユーザコンソール120は、洗浄又は滅菌などの術後処置、及びユーザコンソール120を介した健康管理記録の登録又は印刷などの術後の処置を促進するように構成されてもよいか、又は促進する状態に設定されてもよい。
一実施形態では、遠隔オペレータ107は、UID126を保持して移動させて、外科用ロボットシステム100内の1つ以上のアクチュエータ114を移動させるための入力指令を提供する。システムの異なるロボットで駆動される部分に対応するアクチュエータのいくつかの組が存在してもよい。例えば、1つ以上のアクチュエータ114の第1の組は、外科用ロボットアーム112の関節を移動させることができ、1つ以上のアクチュエータ114の第2の組は、外科用ツール104のエンドエフェクタなどの外科用ツール104の構成要素を移動させることができる。UID126は、例えばコンピュータシステム110を介して、外科用ロボットシステム100の残りの部分に通信可能に連結されてもよい。UID126は、UID126の移動、例えば、UIDの手持ち式筐体の位置及び配向に対応する空間的状態信号を生成することができる。空間的状態信号は、少なくとも1つの姿勢信号及び少なくとも1つの位置信号を含むことができ、UID126の姿勢及び位置を6自由度で画定することができる。空間的状態信号は、アクチュエータ114の移動を制御するために外科用ロボットシステム100の1つ以上のプロセッサによって使用される入力信号であってもよい。外科用ロボットシステム100の1つ以上のプロセッサは、空間的状態信号、又は空間的状態信号から導出される制御信号を使用して、アクチュエータ114の比例運動を制御してもよい。一実施形態では、コンピュータシステム110のコンソールプロセッサは、空間的状態信号を受信し、対応する制御信号を生成する。制御信号は、外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104のアクチュエータ114に連結された外科用システムプロセッサによって更に処理することができる。外科用ロボットアーム112のセグメント又はリンクを移動させるためにアクチュエータ114がどのように通電されるかを制御するこれらの制御信号に基づいて、外科用ロボットアーム112に取り付けられている対応する外科用ツール104の移動は、UID126の移動を模倣してもよい。同様に、遠隔オペレータ107とUID126との間のやり取りは、例えば、エンドエフェクタの把持運動又は捕捉運動、例えば、外科用ツール104の捕捉具による捕捉移動の顎部による把持移動を引き起こす把持制御信号を生成して、患者102の組織を閉じて把持することができる。
あるいは、UID126の運動は、外科用ロボットシステム100による他の動作を指令するために提供されてもよい。例えば、以下に説明するように、指掴持部によって検出されたジェスチャは、外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104に対応するアクチュエータ114の運動を休止するための掴持信号を生成することができる。例えば、ユーザが指でUID126の指掴持部にタッチしたときに、指掴持部は掴持信号を生成してもよく、掴持信号は、アクチュエータ114の全ての運動と、それに応じて外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104の全ての運動を休止するための入力信号であってもよい。外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104の全ての運動が休止されたときに、外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104のいずれの方向における移動もなく、それらの配向の変化もない。掴持信号は、信号のアサーションがアクチュエータ114の運動を休止するときに、「掴持起動信号」と呼ばれてもよい。同様に、入力信号は、ユーザ107によるタッチが検出されず、アクチュエータ114の運動が休止されないとき、「掴持解除信号」であってもよい。掴持信号、例えば、掴持起動信号は、アサートされたときに空間的状態信号にかかわらず、ロボットアーム及び外科用ツールの運動を休止することができる。したがって、掴持信号は、空間的状態信号から導出される作動指令を効果的に上書きする。一実施形態では、1つ以上の容量性検知パッドは、UID126上に位置付けられてもよく、ユーザは、診断、外科、腹腔鏡、若しくは低侵襲外科処置、又は別のロボット処置を実施している間に、容量性検知パッドをタッチして、内視鏡のカメラ像、ユーザコンソール120のディスプレイ上のカーソルなどを指令することができる。
外科用ロボットシステム100は、いくつかのUID126を含んでもよく、ここで外科用ロボットシステム100の1つ以上のプロセッサによって使用されるそれぞれの制御信号が各UIDに対して生成されて、それぞれの外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104のアクチュエータ114を制御する。例えば、遠隔オペレータ107は、第1のUID126を移動させて、左外科用ロボットアーム内にあるアクチュエータ114の運動を指令してもよく、ここでアクチュエータは、外科用ロボットアーム112内のリンク機構、ギアなどを移動させることによって応答する。同様に、遠隔オペレータ107による第2のUID126の移動は、他のアクチュエータ114の運動を指令し、これは次に、外科用ロボットシステム100の他のリンク機構、ギアなどを移動させる。外科用ロボットシステム100は、ベッド又は台に患者の右側に固設された右外科用ロボットアーム112と、患者の左側にある左外科用ロボットアーム112と、を含んでもよい。各外科用ロボットアーム112は、いくつかの関節を有することができ、関節の移動は、1つ以上の対応するアクチュエータ114によって作動され得る。例えば、各アクチュエータ114は、外科用ロボットシステム100の1つ以上のプロセッサによって制御される1つ以上のモータを含んでもよく、これにより外科用ロボットアーム112又は外科用ツール104の関節の回転を駆動する。関節の移動は、アーム又はツールのリンク又はセグメントの移動を引き起こし、それは、例えば、患者に対して、その外科用ロボットアーム112に取り付けられている外科用ツール104の内視鏡又は捕捉具の配向を変化させることができる。特定のUID126から生成された空間的状態信号は、外科用ロボットシステム100の1つ以上のプロセッサによって使用されて、同じ外科用ロボットアーム112内のいくつかのアクチュエータ114の運動を制御することができる。UID126によって生成された入力信号を使用して、それぞれの外科用ツール捕捉具の運動を制御することができる。例えば、各UID126は、1つ以上のプロセッサがアクチュエータの運動、例えば、患者102内の組織を把持するために外科用ツールの遠位端で捕捉具の顎部を開閉するアクチュエータ、例えば、線形アクチュエータの運動を制御するために使用してもよい、それぞれの把持信号を生成することができる。
いくつかの態様では、プラットフォーム111とユーザコンソール120との間の通信は、制御塔130を通じるものであってもよく、制御塔130は、ユーザコンソール120から(及びより具体的にはコンピュータシステム110から)受信した入力信号を、ロボットプラットフォーム111上の外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104に送信される出力信号に変換することができる。制御塔130はまた、プラットフォーム111からユーザコンソール120へと、状態及びフィードバックを送信して戻してもよい。ロボットプラットフォーム111、ユーザコンソール120、及び制御塔130との間の通信接続は、様々なデータ通信プロトコルのうちの任意の適切なものを使用して、有線及び/又は無線リンクを介するものであってもよい。任意の有線接続は、任意選択的に手術室の床及び/若しくは壁、又は天井に組み込んでよい。外科用ロボットシステム100は、手術室内の表示並びにインターネット又はその他のネットワークを介してアクセス可能な遠隔表示を含む、1つ以上の表示へと、映像出力を提供してよい。ビデオ出力又はビデオフィードは、プライバシーを確保するために暗号化されてもよく、ビデオ出力の全て又は一部が、サーバ又は電子健康管理記録システムに保存されてもよい。
図1の手術室のシーンは例示的なものであり、特定の医療行為を正確に表していない場合があることが理解されるであろう。
図2を参照すると、一実施形態による、指掴持部を有するUIDの絵画図が示されている。UID126は、ユーザ107によって保持されるデバイス筐体202を含むことができる。例えば、ユーザ107は、いくつかの指の間にデバイス筐体202を保持し、作業空間内でUID126を移動させることができる。作業空間は、ユーザ107の到達する範囲であってもよい。以下に説明するように、UID126は、ユーザ107がUID126を移動させ、検出された位置及び/又は配向が外科用ロボットシステムの別の構成要素に相関し得るとき、デバイス筐体202の位置及び/又は配向を検出する追跡センサを含んでもよい。例えば、追跡センサは、作業空間内のデバイス筐体202の並進、回転、又は傾きを検出してもよい。追跡センサは、加速度計及び/若しくはジャイロスコープ又は他の慣性センサを含んでもよい。作業空間内のUID126の移動は、外科用ロボットシステムの外科用ロボットアーム、外科用ツール、又は外科用ツールのエンドエフェクタ、例えば、捕捉具又は顎部の対応する移動を引き起こすことができる。
UID126は、外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104の移動から、UID126の移動を切り離すための掴持機構を含んでもよい。例えば、UID126は、外科用ロボットシステムを掴持するために、デバイス筐体202上に装着された指掴持部206を含み得る。指掴持部206は、ユーザ107の指からのタッチによって作動され得るため、このように命名されてもよい。つまり、ユーザ107が指で指掴持部206にタッチしたときに、タッチは掴持入力として検出されてもよい。掴持入力に応答して、追跡センサによって検出されるUID126の移動は、外科用ロボットシステムの動きを制御するために、1つ以上のプロセッサによって使用されなくてもよい。掴持入力が取り除かれたとき(タッチが終了したとき)に、UID126の移動は、外科用ロボットシステムの対応する移動を再び引き起こし得る。すなわち、指掴持部206が掴持解除されたとき、例えば、指掴持部206から指を取り除くことによって、UID126の移動が再び検出され、外科用ロボットシステム100によって運動制御入力として使用されてもよい。
UID126の掴持機構は、作業空間の限度に到達したときに、ユーザ107が作業空間内にUID126を再位置決めすることを可能にすることができる。例えば、UID126を保持している間にアームを開始位置からある方向に完全に延長させることにより、ユーザ107は、作業空間、例えば、作業空間の縁部の限界に到達することができる。作業空間内のUID126を再位置決めし、作業空間縁部の方向への追加の移動を可能にするために、ユーザ107は、指掴持部206を人差し指でタッチして、ロボットシステムをUID126の移動から切り離すことができる。次いで、ユーザ107は、作業空間内の開始位置に戻るようにUID126を移動させ、人差し指を指掴持部206から持ち上げることによって外科用ロボットシステム100を掴持解除してもよい。次いで、第1の方向への追加の移動は、外科用ロボットアーム112の移動を指令するために、UID126を移動させることによって実施されてもよい。
図3を参照すると、一実施形態による、UIDの斜視図が示されている。外科用ツール104及び/又は外科用ロボットアーム112の移動を指令するために遠隔オペレータ107によって取り扱われるUID126は、外科用ロボットシステム100の指令された部分の遠隔動作を可能するか、又は休止することができる半径方向に対象のデバイスであり得る。より具体的には、UID126のデバイス筐体202は、ユーザ107のいくつかの指の間に保持される把持面302を含むことができる。デバイス筐体202は、1つ以上の丸みを帯びた又は球状の表面輪郭を有することができる。例えば、デバイス筐体202は、略卵形(ovoid)又は卵形(egg−shaped)であってもよく、又は楕円体であってもよい。一実施形態では、デバイス筐体202の周辺隆起310の前方のデバイス筐体202の一部分は、より短くてもよく、隆起部310の後方のデバイス筐体202の一部分よりも緩やかな輪郭又は先細り部を有してもよい。したがって、デバイス筐体202の遠位部分及び近位部分は、UID126の長手方向軸が隆起部310が位置付けられる横断面と交差する点から測定される異なる曲率半径を有していてもよい。
一実施形態では、指掴持部206は、筐体端部304上に装着される。例えば、筐体端部304は、デバイス筐体202の遠位端であってもよい。筐体端部304は、筐体202の先端部における第1の長手方向の位置又は表面であってもよい。例えば、位置は、筐体の反対側の端部、例えば近位端306から最も遠い筐体202の縁部であり得る。
指掴持部206は、筐体端部304から遠位に延長してもよい。指掴持部206を、UID126の前側部分に位置付けることは、ユーザ107が、親指と別の指との間で把持面302を保持しながら、容易に前方に到達して人差し指で指掴持部206にタッチすることを可能にしてもよい。したがって、UID126は、ユーザ107の手内に快適に保持されるようなサイズ及び形状であってもよい。一実施形態では、デバイス筐体202の近位端306と、UID126の遠位先端部308との間の長手方向距離は、3インチ未満、例えば、1〜2インチの範囲であってもよい。同様に、最大直径、例えば、近位端306と遠位先端部308との間の長手方向距離に横切る方向におけるデバイス筐体202の隆起部310の直径は、3インチ未満、例えば、1〜2インチの範囲であってもよい。一実施形態では、UID126の長手方向距離は、デバイス筐体202の最大直径よりも大きくてもよい。
UID126を介して入力される指令信号は、有線又は無線接続を通じてコンピュータシステム110に通信されてもよい。一実施形態では、電気ワイヤ312は、UID126の遠位先端308から延長して、UID126をコンピュータシステム110に接続する。電気ワイヤ312は、UID126に電力を供給してもよく、センサ信号、例えば、追跡センサ信号又は掴持信号をコンピュータシステム110に運んでもよい。したがって、UID126は、コンピュータシステム110に指令を入力するために使用される周辺デバイスであってもよい。UID126は、他の周辺入力デバイスと組み合わせて使用することができる。例えば、足ペダルスイッチは、外科用ロボットシステム100に掴持入力を提供するために、コンピュータシステム110に接続されてもよい。各UID126は、それぞれの外科用ロボットアーム又は外科用ツールの遠隔操作を休止するために個々に掴持されてもよいが、それぞれの外科用ロボットアーム又はツールは、足ペダルスイッチを押すことによって同時に掴持されてもよい。したがって、アクチュエータ114の移動は、UID126及びコンピュータシステム110の他の周辺入力デバイスによって指令されてもよい。
図4を参照すると、一実施形態による、UIDの側面図が示されている。UID126の把持面302は、中心軸404の周りの回転面402を含むことができる。中心軸404は、近位端306から遠位先端部308まで、UID126を通って長手方向に延長することができる。したがって、把持面302は、筐体端部304と近位端306との間のUID126の外面であってもよい。
中心軸404は、対称軸であってもよい。すなわち、回転面402は、中心軸404の周りで回転する把持面輪郭406を含んでもよく、これにより回転された表面は中心軸404の周りで半径方向に対称になる。把持面302は、隆起部310に近位の点線領域として示されているが、把持面302は、筐体端部304と近位端306との間の距離全体にわたって延長してもよい。すなわち、把持面輪郭406は、デバイス筐体202の一部分の上に延長する曲線状の線分として示されているが、把持面輪郭406は、把持面302を越えて近位端306から筐体端部304まで延長してもよい。把持面の輪郭406が中心軸404の周りで回転するとき、回転面402は、半径方向に対称な特徴部を有するように形成される。例えば、隆起部310は、筐体端部304と近位端306との間の長手方向位置において、デバイス筐体202の周りに周方向に延長する隆起リングであってもよい。
デバイス筐体202の半径方向の対称性により、ユーザ107は、中心軸404の周りでUID126を快適に回転させることができる。例えば、ユーザ107は、指の間でデバイス筐体202を回転させて、外科用ロボットアーム上に装着された外科用ツールの捻れ運動を制御するように処理される入力指令信号を生成してもよい。更に、UID126の半径方向の対称性により、ユーザ107が中心軸404の周りの任意の位置においてデバイス筐体202を捕捉することを可能にする。したがって、ユーザ107は、快適にUID126にアクセスして操作することができる。
指掴持部206はまた、中心軸404の周りで半径方向に対称であってもよい。一実施形態では、指掴持部206は、中心軸404の周りの第2の回転面412を有する掴持部カバー410を含む。例えば、第2の回転面412は、筐体端部304においてより大きい直径から遠位先端308に近いより小さい直径まで先細になる円錐台形表面であってもよい。円錐台形表面は、円錐形状の先端が除去された円錐形状を有し得る。直径は、掴持部カバー410の長さにわたって連続的に変化してもよい。先細り表面は、デバイス筐体202がどのように把持されるかにかかわらず、ユーザ107にアクセス可能であり得る。すなわち、第2の回転面412の輪郭は、ユーザ107が掴持部カバー410にタッチする場所にかかわらず、掴持部カバー410がユーザ107に対する一貫した感覚を有するように、中心軸404の周りの全ての半径方向位置において同一であってもよい。
掴持部カバー410の円錐台形表面は、例として提供され、限定されるものではない。掴持部カバー410は、異なる形状を組み込んでもよい。例えば、掴持部カバー410は、図8A〜図8Eの実施形態のいずれかに示されるように形成されてもよい。
指掴持部206は、掴持部カバー410から遠位先端部308まで延長する張力緩和部414を含んでもよい。張力緩和部414は、円錐形状、及び電気ワイヤ312がUID126に入ることができる中心ボアを有するエラストマー性構成要素であり得る。より具体的には、張力緩和部414は、UID126の遠位先端部308から遠位に延長する電気ワイヤ312を支持してもよい。したがって、張力緩和部414は、電気ワイヤ312上に配置された横方向負荷を緩和することができる。一実施形態では、張力緩和部414は必要とされなくてもよい。例えば、UID126が電気ワイヤ312を含まない場合、例えば、UID126がコンピュータシステム110と無線通信するとき、張力緩和部414を省略することができる。そのような場合、指掴持部206は、円錐台形の外側形状ではなく、円錐状の外側形状を有してもよい。
図5を参照すると、一実施形態による、UIDの図4の線5−5に沿って取られた断面図が示されている。指掴持部206の掴持部カバー410は、導電性パッド502の上に装着されてもよい。導電性パッド502は、中心軸404の周りに延長してもよい。例えば、中心軸404は長手方向に延長してもよく、導電性パッド502の外面は、長手方向軸404に直交する横断面に沿った経路にたどってもよい。経路は、中心軸404の周りに完全に延長してもよく、例えば、横断面上のプロファイルは円形であってもよい。あるいは、経路は、中心軸404の周りに部分的に延長してもよく、例えば、プロファイルはC字形状であってもよい。一実施形態では、プロファイルは、少なくとも270度の角度を超えて掃引し、角度は中心軸404の周りで測定される。上述のプロファイルは、導電性パッド502の単一の横断面であってもよく、一実施形態では、プロファイルの形状は、導電性パッド502の長さにわたって同じであってもよい。すなわち、導電性パッド502の長さに沿って取られた導電性パッド502の各横断面は、同じ形状、例えば円形であってもよい。
導電性パッド502は、掴持部カバー410の内面に適合する導電性材料の帯であってもよい。導電性パッド502は、円錐台形形状を有する導電性フィルムのリングを含んでもよい。導電性パッド502は、中心軸404の周りで連続的又は不連続的であってもよい。例えば、導電性パッド502が中心軸404の周りに部分的にのみ延長するように、長手方向スリットを導電性パッド502を通して形成することができる。したがって、導電性パッド502は、C字形状の横断面を有してもよい。あるいは、導電性パッド502は、中心軸404の周りに完全に延長してもよい。したがって、導電性パッド502は、環状の横断面を有してもよい。図示されていないが、一実施形態では、ワイヤは、一方の端部において導電性パッド502を、他方の端部において検知増幅器回路(デバイス筐体202内のUIDプロセッサの一部として見られる)の入力に接合することができ、検知増幅器回路は、導電性パッド502に対するユーザの指の近接に基づいて、又は導電性パッド502上のユーザの指のタッチに基づいて、導電性パッド502の静電容量が変化する結果として変化する、ワイヤ上の信号に従って変化する検知信号を生成してもよい。筐体202内のデバイスプロセッサ(UIDプロセッサ606−図6を参照)は、検知信号のデジタル化されたバージョンを処理して、導電性パッド502で静電容量の変化が生じたか否かを判定してもよい。
指掴持部206は、筐体端部304に固定されたパッド装着部504を含んでもよい。例えば、デバイス筐体202は、中心軸404に沿って長手方向に延長するUID本体506上に装着されてもよい。UID本体506は、筐体端部304の遠位に延長する遠位端を有してもよい。一実施形態では、パッド装着部504は、UID本体506の遠位端に取り付けられ、したがってパッド装着部504は筐体端部304に対して固定される。
一実施形態では、パッド装着部504は、中心軸404の周りで半径方向に対称である。例えば、パッド装着部504は、中心軸404の周りに延長する外面、例えばパッド表面(図6)を含んでもよい。パッド表面は、円錐形又は円錐台形形状を有する回転面であり得る。パッド表面の形状は、掴持部カバー410の外側タッチ面508と同じであってもよい。したがって、外側タッチ面508とパッド表面との間の半径方向距離は、パッド装着部504の長さにわたって同じであってもよい。あるいは、半径方向距離は、長さにわたって変化してもよい。例えば、外側タッチ面508は円錐台形であってもよく、パッド表面は円筒形であってもよく、したがって表面間の距離は、パッド装着部504の近位端においてよりもパッド装着部504の遠位端において小さくなってもよい。
導電性パッド502は、パッド装着部504上に取り付けられ得る。例えば、導電性パッド502はパッド装着部504に接合されてもよい。より具体的には、導電性パッド502は、パッド装着部504の外面と掴持部カバー410の内面との間に位置付けられてもよい。対照的に、掴持部カバー410は、周囲環境に向かって外側に面する外側タッチ面508を含んでもよい。ユーザ107の指が掴持部カバー410の外側タッチ面508にタッチしたときに、指は、掴持部カバー410の壁厚によって導電性パッド502から離される。掴持部カバー410は、例えば、プラスチックなどの誘電材料から形成することができ、したがって、ユーザ107の導電された指が外側タッチ面508にタッチしたときに、掴持部カバー410の壁部にわたる静電容量は変化する。壁の厚さは、静電容量の変化が検出可能であることを確実にするように制限されてもよい。例えば、内面と外側タッチ面508との間の掴持部カバー410の壁厚は、1mm未満であってもよい。したがって、掴持部カバー410及び導電性パッド502は、筐体端部304において中心軸404上に容量性センサを提供する。容量性センサは、中心軸404の周りに延長する。
UID126は、他のセンサを含んでもよい。例えば、UID126は、デバイス筐体202内に装着された追跡センサ510を含んでもよい。より具体的には、追跡センサ510はUID本体506内に装着されてもよい。UID本体506は、内部に追跡センサ510が摺動式又は圧入式に適合するようにサイズ決めされている円筒形ボアを含むことができる。
追跡センサ510は、デバイス筐体202の移動に応答して1つ以上の空間的状態信号を生成するように構成することができる。空間的状態信号は、自由空間におけるUID126の位置及び/又は配向に対応し得る。空間的状態信号は、外科用ロボットアーム112の運動を制御するように処理され得る。例えば、ユーザ107が作業空間内でUID126を右方向に移動させたときに、外科用ロボットアーム上に装着された外科用ツールは、システムの1つ以上のプロセッサによって、右方向に移動するようにも制御されてもよい。同様に、中心軸404の周りでUID126を回転させることにより、外科用ツール又は外科用ツールのエンドエフェクタを、対応する長手方向軸の周りの空間で同様に回転させることができる。
追跡センサ510は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、又は物理的移動を対応する電気信号に変換することができる1つ以上の他のトランスデューサを含んでもよい。例えば、追跡センサ510は、UID126の1つ以上の方向(例えば、XYZ空間又は別の好適な座標系内)、ロール、ピッチ、及びヨー(例えば、1つ以上の軸の周りの回転又は1つ以上の軸に対する傾き)における物理的な変位又は並進を含む6自由度を測定することができる磁気追跡プローブを含んでもよい。一実施形態では、いくつかの追跡センサ510が使用されて、UID126の位置及び/又は配向の検出における冗長性を提供する。追跡センサ(複数可)510は、電気信号(複数可)を出力することができ、電気信号(複数可)は、空間的状態信号に連結され、例えば平均化されてもよい。空間的状態信号は、外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104の運動を引き起こすためにシステム100のプロセッサ(複数可)によって使用されてもよい。
追跡センサ510は、UID126の位置及び/又は配向を追跡するための他のタイプのセンサを追加的に又は代替的に含んでもよい。例えば、追跡センサ510は、1つ以上のジャイロスコピ、加速度計、及び/又は磁力計を含んでもよく、そのいくつかは、慣性測定ユニット(IMU)の一部であってもよい。これら及び他の好適なセンサは、UID126のデバイス筐体202内又はデバイス筐体202上のプリント回路基板上に配設されてもよい。
UID126は、中心軸404の周りの回転面及び/又は半径方向に対称な特徴部を有するものとして説明されているが、これは、UID126の構成要素が回転プロセスによって形成されることを意味するものではないことに留意されたい。例えば、外向きの表面を有するUID126の構成要素は、射出成形プロセスを使用して製造されてもよい。成形プロセスは、上述のように表面を形成するために、半径方向に対称な輪郭を有する金型を利用することができる。
図6を参照すると、一実施形態による、UIDの分解図が示されている。UID126の構成要素は、UID126の近位端306のキャップ602と、UID126の遠位先端308における張力緩和部414との間に、中心軸404に沿って広げることができる。より具体的には、UID126の近位端306は、キャップ602上にあってもよく、また、UID126の遠位先端部308は、張力緩和部414上にあってもよい。UID本体506、デバイス筐体202、追跡センサ510、導電性パッド502、パッド装着部504、及び掴持部カバー410は、分解図において中心軸404に沿って同様に分布している。一実施形態では、導電性パッド502はパッド装着部504の一部分の周りを巻く。より具体的には、パッド装着部504は、導電性パッド502の周方向端部の間に形成された長手方向スロットを通して視認可能なパッド表面604を含む。導電性パッド502は、パッド表面604と掴持部カバー410の内面との間のパッド装着部504上に装着されてもよい。
デバイス筐体202は、シリコーン、ラテックス、若しくは別の好適なポリマーなどの可撓性材料又は合金から少なくとも部分的に形成されてもよい。筐体材料は、医療グレードの材料であってもよく、例えば、オートクレーブ、溶媒拭き取りなどによって滅菌可能であってもよい。デバイス筐体202は、処分のために、他のUID126から取り外し可能であってもよい。
UID本体506は、円筒形形状を有してもよい。UID本体506は、デバイス筐体202内の中心軸404に沿って配設されてもよい。したがって、追跡センサ510は、例えば、UID本体506内に装着されたデバイス筐体202内に配設されてもよく、中心軸404上に位置決めすることができる。追跡センサ510は、中心軸404に対するデバイス筐体202の並進、回転、又は傾きを検出してもよい。
UID126は、様々な電子部品及び/又は他の構成要素を受容するための内部容積を含み得る。例えば、UID126は、デバイス筐体202内に装着されたUIDプロセッサ606を含んでもよい。UIDプロセッサ606は、容量性センサとインターフェースするために使用される検知増幅器回路、及びアナログからデジタルへの変換回路を含むアナログ及びデジタル信号処理のための回路、並びにプログラム可能な論理プロセッサ又はプログラム可能なデジタルプロセッサを含む論理回路を包含してもよい。UIDプロセッサ606は、様々なセンサ端子を有するプリント回路基板610上に装着されて、UIDプロセッサ606を、例えば指掴持部206又は追跡センサ510などのデバイスセンサに接続してもよい。電池612は、プリント回路基板610上に装着されて、UID126の電子構成要素に電力を供給してもよい。UIDプロセッサ606は、プロセッサ、及びプリント回路基板610上の電気的接続が物理的衝撃に対して保護されるように、UID本体506の壁内に受容されてもよい。
電気ワイヤ312(図示せず)は、UID126の各構成要素の中心ボアを通って中心軸404に沿って延長して、UIDプロセッサ606に接続してもよい。例えば、電気ワイヤ312は、中心軸404に沿って、張力緩和部414、パッド装着部504、追跡センサ510、及びUID本体506を通って延長して、UIDプロセッサ606又はプリント回路基板610上の端子に取り付けてもよい。UIDプロセッサ606はまた、導電性パッド502に電気的に接続されてもよい。例えば、ワイヤは、一方の端部においてUIDプロセッサ606に接合され、別の端部において導電性パッド502に接合されてもよい。したがって、電気ワイヤ312とは異なる電気コネクタであってもよいワイヤは、UIDプロセッサ606又はプリント回路基板610と導電性パッド502との間に延長してもよい。ワイヤの第1の端部は、UIDプロセッサ606又はプリント回路基板610上の端子に装着されてもよく、ワイヤの第2の端部は導電性パッド502に取り付けられてもよい。ワイヤは、接地端子と比較することができる、静電容量信号をUIDプロセッサ606に伝導してもよい。接地端子は、UIDプロセッサ606又はプリント回路基板610上にあってもよい。したがって、UIDプロセッサ606は、導電性パッド502からワイヤを通して受信した静電容量信号に基づいて、導電性パッド502の静電容量の大きさ及び/又は変化を検出及び/又は測定するように構成することができる。
UID126は、他の回路を含んでもよい。例として、UID126は、デバイス筐体202内に落下検出センサを含むことができる。安全上の理由のために、インターロックを使用して、UID126が落下したときに意図しない器具の移動を防止することができる。例えば、落下検出センサは、落下したときに自由落下状態に入ったことに応答して、落下信号を生成することができる。一実施形態では、落下検出センサは、UID126の移動を監視する追跡センサ(図5)である。追跡センサが落下状態に対応する移動を検出したときに、センサは、外科用ロボットシステム100の全ての運動を休止するための掴持信号を生成する。
一実施形態では、UID126は、デバイス筐体202内の把持センサ608を含む。一実施形態では、把持センサ608は、握持されたときに把持信号を生成する。より具体的には、把持センサ608は、デバイス筐体202上の握持に応答して把持信号を生成するように構成されている。したがって、把持センサ608は、ユーザ107がデバイス筐体202を握持するときを検出することができる。検出される握持は、追跡センサ510によって検出された6自由度に加えて、UID126による第7の自由度の感覚であってもよい。より具体的には、外科用ツール104の捕捉具などのエンドエフェクタは、追跡センサからの配向信号に応答して変化する空間内の姿勢及び位置と、把持センサ608からの把持信号に応答して変化する把持構成とを有することができる。把持信号は、外科用ロボットシステム100のアクチュエータの運動を引き起こして、把持構成を変更することができる。例えば、外科用ツール104のエンドエフェクタは、オペレータ107の指の移動をシミュレートする指を含んでもよい。オペレータ107がデバイス筐体202を握持したときに、把持センサ608は、捕捉具を閉じるための把持信号を生成することができる。オペレータ107がデバイス筐体を解放する(又は、握持しなくなる)とき、把持信号は変化して捕捉具を開くことができる。したがって、外科用ロボットシステム100は、把持信号に基づいて、外科用ツール104のエンドエフェクタ、例えば捕捉具を移動させるアクチュエータ114を含むことができる。
把持センサ608は、オペレータ107の指を開くこと及び/又は閉じることを測定することができる。把持センサ608は、把持フレックス回路であり得る。把持フレックス回路は、UID本体506の外面の周りに巻かれたプリント回路であってもよい。把持フレックス回路は、ユーザ107がデバイス筐体202を握持するときを検出することができる。デバイス筐体202は、ユーザ107の握持を受けて弾力性を有するように、シリコーンなどの適合材料から形成されてもよい。ユーザ107は、デバイス筐体202を入力指令として握持して、外科用ロボットアーム112又は外科用ツール104の移動を引き起こすことができる。ユーザ107がデバイス筐体202を握持したときに、デバイス筐体202は、把持フレックス回路608を変形させることができ、物理的変形は、電気信号、例えば、静電容量信号に変換され得る。電気信号は、電気信号を処理して握持を検出し、UIDプロセッサ606に送信されてもよく、UIDプロセッサ606は、ユーザ入力に対応する制御信号、例えば把持信号を出力するために、内蔵アナログ及びデジタル電子機器を有してもよい。システム100の1つ以上のプロセッサは、把持信号を受信して処理し、外科用ツール104の移動を制御することができる。したがって、ユーザ107による握持は、外科用ロボットアームのエンドエフェクタ、例えば捕捉具にピンチさせることができる。
把持センサ608は、握持を表す静電容量の変化を検出することができ、又は近接センサを含んで、他の手段によってデバイス筐体202の内壁に対する近接度(又は距離の変化)を検出することができる。把持センサ608は、近接度の変化を検出するための任意の好適な種類の近接センサを含んでもよい。例えば、把持608は、戻り電磁放射線(例えば、赤外放射線)を放射及び/又は検出する光学センサを含むことができる。別の実施例では、把持センサ608は、静電容量性センサ、超音波センサ、磁気センサ、誘導センサ、又は他の好適な種類の近接センサを含むことができる。
変形例では、UID126は、デバイス筐体202と筐体を保持するユーザの手との間のタッチを検出するように構成された容量性センサの形態の少なくとも1つの握持センサを含んでもよい。例えば、容量性センサパッドは、UID本体506の外面上に配設され、筐体202を保持しているユーザの手とUID本体506との間の近接(又は距離の変化)を測定することによって、筐体の手による握持を検出するように構成することができる。あるいは、容量性センサは、UID126の筐体202の内壁又は別の好適な固定基準点上に配設されてもよい。
図6に示す構成要素は、他の同様の構成要素によって置き換えられてもよい。例えば、一実施形態では、指掴持部206の容量性センサは、図7A〜図7Cに関して以下に説明する構造のいずれかを有してもよい。同様に、図6の他の構成要素は、他の図に示される別の実施形態と置き換えられてもよい。
図7Aを参照すると、一実施形態による、UID126の導電性パッドの斜視図が示されている。指掴持部206の容量性センサは、いくつかの容量性パッドを含んでもよい。例えば、指掴持部206は、パッド装着部504上に装着された導電性パッド502及び第2の導電性パッド702を含んでもよい。各導電性パッド502は、パッド装着部504の一部分の周りに巻かれた導電性テープであってもよい。導電性テープは、銅テープであってもよい。第1の導電性パッド502は、パッド表面604の一部分、例えば半分の周りに巻かれた導電性テープであってもよく、第2の導電性パッド702は、別の部分、例えば、パッド表面604の第2の半分の周りに巻かれた導電性テープであってもよい。したがって、各導電性パッドは、円錐台形形状のセグメントの形状を有し得る。セグメントは、中心軸404に沿って交差する2つの長手方向平面間の周方向の一部分であってもよい。導電性パッド502、702は、導電性テープセグメントの隣接する周方向縁部の間に延長する長手方向間隙703によって互いに分離されてもよい。
図7Bを参照すると、一実施形態による、UID126の導電性パッド502の斜視図が示されている。導電性パッド502は、導電性フィルム704であってもよい。例えば、導電性フィルム704は、アルミニウムの薄いシートであってもよい。導電性フィルム704は、パッド表面604の周りに巻かれていてもよい。フィルムは、フィルムの一方の周方向端部がフィルムの別の周方向端部と重なり合うように、パッド表面604の周りに全体的に巻くことができる。あるいは、周方向端部は、図7Bに示すように、長手方向間隙703によって分離されてもよい。
図7Cを参照すると、一実施形態による、UID126の導電性パッド502の斜視図が示されている。導電性パッド502は、パッド装着部504上に装着されたフレックス回路706であってもよい。フレックス回路706は、非導電性ポリマー基材708を含むことができ、いくつかのプリントパッド710(導電性)は、ポリマー基材708上に配設されてもよい。プリントパッド710は、導電性材料(例えば、銅)をポリマー基材708の外面上にパターニングすることによって形成された領域であってもよい。したがって、いくつかのプリントパッド710は、フレックス回路706の外面に沿って別個の導電性領域を提供することができる。各プリントパッド710は、UIDプロセッサ606によって個別に検知されてもよい。例えば、それぞれのワイヤ又は電気トレースは、各パッドと、それぞれのUIDプロセッサ606の検知増幅器回路(図示せず)の端子との間に延長してもよい。図7Cに示すように、導電性パッド502をいくつかの電気的に絶縁された領域に分割することにより、UID126は、スワイプ、例えば、スワイプジェスチャなどの入力ジェスチャを検出することができるようになる。より具体的には、ユーザ107が指掴持部206の外側タッチ面508上でスワイプしたときに、静電容量の変化は、第1のプリントパッド710aにおいて、次いで第1のプリントパッド710aに隣接する第2のプリントパッド710bにおいて連続的に検知されてもよい。例えば、UIDプロセッサ606は、第1の導電性パッド710a及び第2の導電性パッド710bのそれぞれの静電容量の変化シーケンスを検出するように構成されてもよい。静電容量の連続的な変化は、パッドのアレイ上のスワイプジェスチャとして検出することができる。スワイプジェスチャは、外科用ロボットアームに所定の動作を実施させる指令であってもよい。
指掴持部206は、容量性センサが、UID126の通常の使用に干渉しないように位置付けられてもよい。例えば、容量性センサは、ユーザ107が通常、UID126を保持する把持面302を越えて、UID126の遠位端に装着されてもよい。あるいは、指掴持部206は、例えば、キャップ602上の近位端306において、デバイス筐体202の近位端上に装着されてもよい。いずれの場合でも、指掴持部206は、ユーザ107の延長する指の到達範囲内にあってもよい。指掴持部206の外面は、ユーザ107の指と指掴持部206の外側タッチ面508との間の偶発的な接触の可能性を低減するような形状であってもよい。いくつかの指掴持部206の形状及び構成が以下に記載される。
図8Aを参照すると、代替的な指掴持部形状を有するUID126の側面図が示されている。一実施形態では、UID126は、上述のように、半径方向に対称なプロファイルを有するデバイス筐体202を含む。UID126の指掴持部206もまた、半径方向に対称なプロファイルを有してもよい。一実施形態では、指掴持部206は、容量性検知領域802及び非検知領域804を含む。容量性検知領域802は、下にある導電性パッド502を有する指掴持部の一部分であってもよい。図8A〜図8Eでは、容量性検知領域802は、網目状の塗りつぶしマークによって示されており、非検知領域804は、塗りつぶしマークを有しないことによって示されている。
指掴持部206の第2の回転面412は、曲線状の経路に沿って筐体端部304から遠位先端部308まで延長する長手方向輪郭を有してもよい。中心軸404を中心とした第2の回転面412の半径は、遠位方向に連続的に減少してもよく、これにより指掴持部206の直径は筐体端部304において最大であり、遠位先端308において最小である。第2の回転面412の上に延長する曲線状の経路は、筐体端部304の近くで外向きに凸状であり、遠位先端部308の近くで内向きに凹状であってもよい。一実施形態では、容量性検知領域802は、筐体端部304に隣接する指掴持部206の一部分を覆う。例えば、容量性検知領域802は、掴持部カバー410の外面の凸状の外向き部分の上に延長してもよい。凸状の外向き部分は、筐体端部304と遠位先端部308との間の指掴持部206の長さの半分以下の長さに延長してもよい。対照的に、指掴持部206の非検知領域804は、指掴持部206の凹状の内向き部分の上に延長してもよい。図8Aに示される指掴持部206の形状により、ユーザ107は、外科用ロボットアーム112を移動させながら、遠位先端部308に延長した指を静置し、次いで、延長した指を後退させて容量性検知領域802にタッチして、外科用ロボットアーム112の運動を休止させることができる。
図8Bを参照すると、一実施形態では、代替的な指掴持部形状を有するUID126の側面図が示されており、容量性検知領域802は、指掴持部206の外面全体を覆う。一実施形態では、指掴持部206は、筐体端部304と遠位先端部308との間に円錐台形のプロファイルを有する。円錐台形の第2の回転面412は、筐体端部304から遠位先端部308まで直線的に減少する半径を有してもよい。図8Bに示される指掴持部206の形状は、ユーザ107が指掴持部206上の任意の位置にタッチして、外科用ロボットアーム112の運動を休止することができる。
図8Cを参照すると、代替的な指掴持部形状を有するUID126の側面図が示されている。一実施形態では、指掴持部206は、筐体端部304付近の円筒形ハブ806と、遠位先端部308における円板部分808とを含む。円筒形ハブ806は、筐体端部304と円板部分808との間の長さにわたって中心軸404の周りに一定の半径を有してもよい。同様に、円板部分808は、円筒形ハブ806と遠位先端部308との間の長さにわたって中心軸404の周りに一定の半径を有してもよい。図示のように、遷移特徴部は、円筒形ハブ806と円板部分808との間のフィレット、又は円板部分808の外縁に沿った面取りされた縁部若しくは湾曲した縁部などの、指掴持部206に沿った遷移位置において組み込まれてもよい。一実施形態では、遠位部分は、デバイス筐体202の最大直径、例えば隆起部310の直径よりも大きい中心軸404の周りの円板直径810を有する。容量性検知領域802は、円板部分808の外縁に沿って延長し、円板部分808又は円筒形ハブ806の近位壁の上に延長していなくてもよい。したがって、ユーザ107は、指掴持部206をトリガすることなく、円筒形ハブ806、又は円板部分808の近位壁に対して、延長した指を静置してもよい。図8Cに示される指掴持部206の形状は、ユーザ107が、指掴持部206をトリガするために、デバイス筐体202の最大直径よりも大きい距離で、円板部分808の縁部に向かって到達することを可能にすることができる。そのような指の延長は、ユーザ107によるより大きな意志の力を必要とすることがあり、したがって、指掴持部206の誤ったトリガの可能性を低減することができる。
図8Dを参照すると、代替的な指掴持部形状を有するUID126の側面図が示されている。一実施形態では、指掴持部206の第2の回転面412は、筐体端部304と遠位先端部308との間に凸状の外向きの形状を有してもよい。凸状の外向き形状は、筐体端部304と遠位先端部308との間で減少する中心軸404の周りの半径を有してもよい。指掴持部206の容量性検知領域802は、指掴持部206の遠位部分の上に延長していてもよい。
図8Eを参照すると、代替的な指掴持部形状を有するUID126の側面図が示されている。一実施形態では、指掴持部206は、筐体端部304付近の円筒形ハブ806と、遠位先端部308にある円板部分808とを含む。円筒形ハブ806は、筐体端部304と円板部分808との間の長さにわたって中心軸404の周りに一定の半径を有してもよい。同様に、円板部分808は、円筒形ハブ806と遠位先端部308との間の長さにわたって中心軸404の周りに一定の半径を有してもよい。図8Cとは対照的に、図8Eの円板部分808は、遷移特徴部を含まなくてもよい。例えば、円板部分808の外縁は、湾曲した壁ではなく、真っ直ぐな円筒形の壁を有してもよい。一実施形態では、遠位部分は、デバイス筐体202の最大直径よりも小さい中心軸404の周りの円板直径810を有する。容量性検知領域802は、円板部分808の外縁に沿って延長していてもよく、円板部分808の近位壁の上に、又は円筒形ハブ806の上に延長していなくてもよい。したがって、ユーザ107は、指掴持部206をトリガすることなく、円筒形ハブ806又は円板部分808の近位壁に対して、延長した指を静置してもよい。図8Eに示される指掴持部206の形状は、ユーザ107が円板部分808の縁部に向かって到達して、指掴持部206をトリガすることができる。そのような指の延長は、ユーザ107によるより大きな意志の力を必要とすることがあり、したがって、指掴持部206の誤ったトリガの可能性を低減することができる。
指掴持部206は、有利には作動する力の印加を必要としない容量性センサを含む。上述のように、作動力又は圧力を必要とするスイッチを作動させることにより、外科用ロボットアーム112の意図しない移動を引き起こす可能性がある。対照的に、指掴持部206の容量性センサは、ユーザ107が掴持部カバー410上に指を軽く配置したときに作動され得る。しかしながら、このような作動は有利であり得るが、容量性センサの誤ったトリガは回避されるべきである。上述のように、指掴持部206は、掴持機構の誤ったトリガの可能性を低減するような形状であってもよく、またそのように構成されてもよい。例えば、導電性パッド(複数可)502は、UID126の使用中にユーザ107によって偶発的にタッチする可能性が低い位置において容量性検知領域802を形成するように位置付けることができる。誤ったトリガの可能性はまた、ユーザの意志の力を示すユーザジェスチャを必要とすることによって低減され得る。
UIDプロセッサ606は、導電性パッド502の静電容量の変化に応答して、所定のタッチジェスチャがユーザ107によって実施されたことを判定するように構成されてもよい。より具体的には、ユーザ107による掴持部カバー410の所定のタッチジェスチャは、UIDプロセッサ606によって判定されてもよい。一実施形態では、UIDプロセッサ606は、静電容量の変化が所定の時間期間であるときに、所定のタッチが発生したと判定するように構成されている。例えば、UIDプロセッサ606は、ユーザ107による指掴持部206上の長いタップを検出してもよい。長いタップは、所定の時間期間、例えば、少なくとも0.5秒間、容量性検知領域802上で延長した指を静置することを含む、ユーザ107によるジェスチャであってもよい。UIDプロセッサ606によって検出された静電容量の変化が所定の期間の所定の閾値よりも大きいときに、UIDプロセッサ606は、ユーザ107が掴持部カバー410にタッチしたことを判定することができる。したがって、UIDプロセッサ606は、コンピュータシステム110に送信される掴持信号を生成することができる。掴持信号は、上述のように、外科用ロボットアーム112の運動を休止するための掴持起動信号であり得る。
指掴持部206は、ユーザ107によるタッチを検出するための1つ以上のセンサタイプを含んでもよいことが理解されよう。より具体的には、指掴持部206は、主に容量性センサを含むものとして説明されているが、指掴持部206は、ユーザ107が外側タッチ面508にタッチしたことを判定するために、異なるタイプのセンサを組み込んでもよい。一実施形態では、指掴持部206は、ユーザ107の指の存在を検出する近接センサを含む。したがって、指掴持部206は、電磁場又は電磁放射線のビームを放射するエミッタと、放射から戻り信号を検出する受信器と、を含むことができる。例として、指掴持部206は、ユーザ107によるタッチを検出するための光エミッタ及び光受信機を含んでもよい。したがって、上述の実施形態は、指掴持部206上の物体によって印加される閾値力の検出を必要とせずに、物体の存在又は近接に基づいてタッチを検出する異なるタイプのセンサを有する指掴持部206を包含する。
図9を参照すると、一実施形態による、外科用ロボットシステムのコンピュータ部分のブロック図が示されている。外科用ロボットシステム100は、UID(複数可)126と、コンピュータシステム110を有するユーザコンソール120と、ロボット構成要素104、112とを含むことができる。コンピュータシステム110及びUID126は、特定の機能に適した回路を有し、したがって、図示された回路は、例として提供され、限定されるものではない。
ユーザコンソール120の1つ以上のプロセッサは、外科用ロボットシステム100、例えば外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104の部分を制御することができる。UID126は、コンピュータシステム110及び/又は外科用ロボットシステム100に通信可能に結合されて、アーム上に装着された外科用ロボットアーム112及び/又は外科用ツール104の移動を制御するためにシステム100の1つ以上のプロセッサによって処理される入力指令を提供してもよい。例えば、UID126は、コンピュータシステム110に、電気指令信号902、例えば、追跡センサ510からの信号に応答してUIDプロセッサ606によって生成された空間的状態信号、又は指掴持部206の導電性パッド502の検出された静電容量の変化に応答してUIDプロセッサ606によって生成された掴持信号を通信してもよい。電気信号は、外科用ロボットシステム100の運動を引き起こすか、又は外科用ロボットシステム100の休止運動を引き起こすための入力指令であってもよい。
入力電気信号は、有線又は無線接続を介して、UIDプロセッサ606によってコンピュータシステム110のコンソールプロセッサ906に送信されてもよい。例えば、UID126は、指令信号902を電気ワイヤを介してコンソールプロセッサ906に送信してもよい。あるいは、UID126は、無線通信リンクを介して指令信号902をコンソールプロセッサ906に送信してもよい。無線通信リンクは、コンピュータシステム110及びUID126のそれぞれのRF回路によって確立されてもよい。無線通信は、無線周波数信号、例えば、BluetoothなどのWi−Fi若しくは短距離信号及び/又は好適な無線通信プロトコルを介して行うことができる。
コンピュータシステム110のコンソールプロセッサ906は、上述の異なる機能及び能力を実行するための命令を実行してもよい。ユーザコンソール120のコンソールプロセッサ(複数可)906によって実行される命令は、非一時的機械可読媒体を含み得るローカルメモリ(図示せず)から取得されてもよい。命令は、外科用ロボットシステム100の構成要素、例えば、外科用ロボットアーム(複数可)112又は外科用ツール(複数可)104に動作可能に連結されたアクチュエータ114を制御するデバイスドライバを有するオペレーティングシステムプログラムの形態であってもよい。
一実施形態では、コンソールプロセッサ906は、ユーザコンソール120の構成要素を制御する。例えば、1つ以上の座部アクチュエータ909は、コンソールプロセッサ906からの指令を受信して、座部122の移動を制御することができる。座部アクチュエータ(複数可)909は、前方/後方、背もたれの傾き、ヘッドレスト位置などの1つ以上の自由度で座部122を移動させることができる。コンソールプロセッサ906はまた、ディスプレイ128上に提示するためのビデオデータを送信することができる。したがって、コンソールプロセッサ906は、ユーザコンソール120の動作を制御することができる。アクチュエータ(複数可)909又はコンソールプロセッサ906を着座させるための入力指令は、足ペダル124又はキーボード若しくはジョイスティックなどの別の入力デバイス911を介してユーザによって入力することができる。
コンソールプロセッサ906は、リンク910を介して外科用ロボットシステム100の他の構成要素に制御信号903を出力することができる。制御信号903は、外科用ロボットシステム100の移動を制御するために送信されてもよい。一実施形態では、コンピュータシステム110は、有線又は無線リンクを介して、外科用ロボットシステム100の下流の構成要素、例えば制御塔130に通信可能に連結される。リンクは、制御信号903を1つ以上の外科用システムプロセッサ912に送信することができる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ912は、制御塔130内に位置付けることができ、外科用ロボットプラットフォーム111又は1つ以上のディスプレイ920などのシステム構成要素に通信可能に連結されてもよい。外科用ロボットシステム100のアクチュエータ114は、外科用システムプロセッサ912から、UID126の移動に対応するアーム112及び/又はツール104の移動を引き起こすための制御信号を受信してもよい。制御信号はまた、ユーザ107が指掴持部206にタッチするか又はUID126を落下させたときに、外科用ロボットシステム100のインターロックを掴持及び/又は接続解除することによって、ロボット構成要素の運動を休止することもできる。
外科用ロボットシステム100の運動を引き起こすために、指掴持部206を有するUID126を使用する方法が、以下に提供される。この方法は、前述された動作を要約したものであり、記載された全ての動作を含むものではないことが理解されるであろう。したがって、以下に記載される方法は、例示として提供され、限定されるものではない。
動作時に、UIDプロセッサ606は、追跡センサ510からの空間的状態信号及び/又は把持センサ608からの把持信号を受信する。信号は、UIDプロセッサ606によって、ユーザコンソール120及び/又は制御塔130の1つ以上のプロセッサに送信され得る。1つ以上のプロセッサは、入力信号を処理して出力制御信号を生成することができる。出力制御信号は、アーム112及び/又はツール104を移動させることができるアクチュエータ114の移動を引き起こすことができる。移動は、空間的状態信号904及び/又は把持信号に基づいてもよい。例えば、アクチュエータ114は、空間的状態信号904の生成に応答して外科用ロボットアーム112を移動させることができる。同様に、アクチュエータ114は、把持信号に応答して外科用ツール104を移動させることができる。例えば、外科用ツール104の捕捉具は、把持信号についてオペレータ107がデバイス筐体202を握持していることを表すときに閉じてもよい。外科用ツール104はアーム112に連結されてもよく、したがって、アクチュエータ114の移動は、外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104の両方を移動させることができる。
動作において、UIDプロセッサ606は、導電性パッド502の静電容量を検出することができる。動作時に、UIDプロセッサ606は、導電性パッドの静電容量の変化に応答して、ユーザによるタッチを判定することができる。UIDプロセッサ606は、タッチを判定することに応答して、掴持信号902、例えば掴持起動信号を生成してもよい。
外科用ロボットシステム100の1つ以上のプロセッサは、例えばコンピュータシステム110を介して、UID126からの掴持信号902を受信及び処理することができる。外科用ロボットシステム100は、掴持信号902に応答してアクチュエータ114の1つ以上の移動を休止することができる。移動は、空間的状態信号904及び/又は把持信号にかかわらず停止され得る。例えば、ユーザ107は、外科用ロボットアーム112又は外科用ツール104の対応する動きを引き起こすことなく、新しい位置にUID126を移動させてもよい。同様に、ユーザによって加えられる握持は、指掴持部206がタッチしたときに変化し得るが、外科用ツール104の捕捉具の開位置又は閉位置における対応する変化は存在しなくてもよい。したがって、タッチセンサであってもよい指掴持部206は、UID126によって検出された7度の自由度全てで、外科用ロボットアーム112及び外科用ツール104の遠隔操作を休止することができる。
UIDプロセッサ606は、検出された静電容量に基づいて、他のユーザジェスチャを判定することができる。例えば、UIDプロセッサ606は、第1の導電性パッド502及び第2の導電性パッド702のそれぞれの静電容量の変化シーケンスを検出してもよい。例えば、第1の導電性パッド502の静電容量は、第1の時間に変化してもよく、第2の導電性パッド702の容量は、第1の時間の後の第2の時間に変化してもよい。それぞれの静電容量の変化シーケンスを検出することに応答して、UIDプロセッサ606は、ユーザ107がスワイプジェスチャを行ったことを判定してもよい。入力信号、例えば、掴持信号902は、ユーザ107によるスワイプジェスチャの判定に応答して、UIDプロセッサ606によって生成されてもよく、入力信号は、外科用ロボットシステム100のプロセッサ(複数可)によって使用されて、外科用ロボットシステム100の運動又は別の動作を制御することができる。
図10を参照すると、一実施形態による、把持リンク機構を有するユーザインターフェースデバイスの側面図が示されている。指掴持部206は、外科用ロボットシステムの外科用ツールの高度に器用で正確な移動を提供するために、指で保持されて操作され得る把持リンク機構を有する、UID126に組み込むことができる。例えば、UID126の代替的な実施形態は、「USER INTERFACE DEVICE HAVING GRIP LINKAGES」と題する米国特許出願第16/010,054号に記載されており、これは、2018年6月15日に出願された。このようなUID126の実施形態は、その用途に記載される外科用ロボットシステム100の動作を指令するために使用されるいくつかの把持クランク1002を含むことができる。一実施形態では、指掴持部206は、上述した機能性、例えばシステム動作を休止する機能性を提供するために、UID126の代替的な実施形態に組み込むことができる。したがって、指掴持部206は、任意の設計のUID126に組み込むことができ、上述のUID126の様々な実施形態は、例示的なものであり、制限的な意味ではないとみなされるべきであることが理解されるであろう。
前述の明細書において、本発明は、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されている。以下の特許請求の範囲に記載されるように、本発明のより広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味でみなされるべきである。