JP2021517872A - 翼胴後縁フェアリング及びその製造方法 - Google Patents

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エー. アールストロム,エリック
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デイヴィッド ウィルソン,マシュー
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エアロ デザイン ラボラトリーズ,インコーポレイテッド
エアロ デザイン ラボラトリーズ,インコーポレイテッド
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Abstract

胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の翼胴フェアリング。翼胴フェアリングは、前縁と後縁を含む。前縁は、翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成される。後縁は、胴体の後方部分の第2所定位置に隣接して位置するように構成される。フェアリングの凸形の前方部分は、第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分に適合するように構成される。フェアリングの凹状の後方部分は、第2所定位置において、胴体の後方部分に適合するように構成される。翼胴フェアリングの外表面は、曲率を最小化するように勾配最適化され、フェアリング後縁は、第2位置において、胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されている。

Description

関連出願への相互参照
本特許出願は、2018年5月1日に出願された米国特許仮出願62/664,995号、2018年3月12日に提出された米国仮出願62/641,897号、及び2018年3月12日に提出された米国意匠出願29/640,190号に優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明は、航空機のフェアリングに関し、より具体的には、航空機の翼根の後縁に取り付けられるフェアリングに関する。
民間航空機のキャビンは加圧され、したがって最小限の構造重量で加圧荷重を許容できるようにするため、胴体は円筒形の形状である。翼構造及び多くの付属システムは、円形の胴体の輪郭の外側に突出しており、それらの機構及び物理的特性の性質により、必ずしも円筒形ではないこれらのシステムの周囲の流線化された気流を維持するために、通常フェアリングを必要とする。
構造及び付属機器のフェアリングは、典型的には、環境システム、胴体圧力容器の外側の補助装置、翼の中心構造、及び一般的には胴体中央領域の前方から後方に配置される主着陸装置を覆う。フェアリングは、航空機の両側に対称的に配置することができない様々な補助システムの入口、出口、アクセスパネル、排水マスト、アンテナ等を除いて、航空機の左右側で対称に配置される。そのような補助システム及び付属システムの大部分は、翼根(インボード)の後縁の前方に配置される。主着陸装置の車輪ウェルは、典型的には、これらのシステムの中で最も幅が広く、通常は翼後縁のすぐ前方に配置される。
結果として、翼根フェアリングの後方部分は、これらの様々なシステムの機械的カバーとして主に設計されることが多いが、空気力学的効率のために最適化されていない。主着陸装置の車輪ウェルのフェアリングは、通常、左舷及び右舷翼根の後縁におけるフェアリング形状の主要な決定要素である。
図21A、22A及び23Aを参照し、BOEING(商標)機体モデル737NG又は737MAX機体などの機体100が例示的に示されている。これらのモデル機体は、フェアリング110の後方の、胴体101の側面及び腹部でフェアリングの後縁114で分離された気流を作り出す後縁翼根フェアリング110を各側に備えている。その結果、現在の翼根フェアリング110の後縁114が胴体102と交差するところの乱流を示す非常に集中した流線を指し示す矢印「A」(図21A)によって示されるように、著しい抗力と騒音が気流の分離によって望ましくないほど誘発され得る。
特に、翼104の後縁に取り付けられる翼根フェアリング110の前縁は、典型的には、翼104の後縁の翼根フェアリング表面と同じ角度になっている。現在の設計慣行では、フェアリング110の後方部分114を、急角度で胴体圧力容器102と添うように、内側に湾曲させる(図23Aの矢印「B」)。胴体102と交差するフェアリング110の後方端114の急角度は、高圧のインボード渦を発生させ、それが機体100の表面に沿って抗力と騒音をさらに増大させることが観察されている。翼根フェアリング110の設計は、もっとも現世代の低翼の民間旅客機に典型的なものであり、業界の慣行によって長年にわたって受け入れられてきている。現在の構成を維持するための1つの可能性のある説明は、胴体圧力容器への急激な後縁フェアリング遷移が、より長く最適化された設計よりも小さく、より軽く、より機械的に便利であるということである。同様に、フルスケールモデルの機体における風洞試験では、現在のフェアリング設計の慣行が引き起こすインボード翼の渦流を可視化することを非常に困難にしている。一部の航空機設計者は、例えばエアバスA380とA350モデルの航空機に存在するように、ストレーク、又は翼後縁エクステンションを組み込んでいる。しかしながら、これらの代替設計は、胴体圧力容器101の後方部分と交わる位置におけるフェアリング110の後方部分114の急な角度又は険しい角度、ならびに気流を改善するための翼根フェアリングの外形の最適化のいずれにも対処していない。
この洞察の欠如は、現世代の旅客機の大多数が、低翼航空機の飛行中に、後縁翼根フェアリング110の端から始まるインボード後縁渦にさらされていることを生じさせている。このような渦は、ほとんどの風洞で出会うより低いレイノルズ数では存在しない。翼根フェアリングの後方縁と後方胴体圧力容器の直線面との間の急角度の慣行は、以前の民間航空機の設計では一般的であり、ほとんど変更されていなかった。
計算流体力学(CFD)は長年使用されてきたが、実際のCFDの相対的能力は、解析するセルの数によって制限されてきた。インボード翼根後縁渦の領域は、モデルの残り全体の領域で使用されるのとほぼ同じ数のセルを、渦解析のために必要とするため、業界では解析でこのコストを負担するインセンティブがほとんどなく、そのため見落とされてきた。
CFDでインボード渦を解析するには、ウィングダウンウォッシュシート全体とその胴体における渦流との相互作用を、一般的な慣行を超える桁違いの大きさに定義する必要がある。実際、航空機業界では、CFDセル数とメッシュ密度を可能な限り減らすことに何十年も注力してきた。フェアリングの解析とその完全な効果は、定義、解析、結果の改善のための、解析チーム部分における多大な直接労力を必要とする。このプロセスは反復的であり、通常のセルのメッュ化及び解析における単一点にかかる労力及び計算資源を、著しい量(例えば、10倍以上)必要とする。さらに、業界は、このような利益が歴史的に努力とコストに見合う価値があるとは考えられていなかったため、航空機の様々な領域における抗力と騒音を低減するための改善点を特定する詳細な実験を実施することに、大きく動機付けされていなかった。
従来技術における前述及び他の欠陥を考慮し、後縁の後方端、翼根フェアリングが航空機の胴体と交差する交差部で観察される気流の分離及び騒音を最小化する、後縁、翼胴フェアリングを提供することが望ましい。
従来技術における前述の不利及び欠陥は、胴体、翼及び翼根フェアリングを有する航空機の翼胴フェアリングの様々な実施形態によって回避及び/又は解決される。翼胴フェアリングは、前縁と後縁を含む。前縁は、翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成される。後縁は、胴体の後方部分の第2所定位置に隣接して位置するように構成される。前縁の形状及び角度は、第1所定位置で翼根フェアリングの後方部分に適合するように構成されている。後縁の形状及び角度は、第2所定位置で胴体の後方部分に適合するように構成されている。翼胴フェアリングの外表面は、曲率を最小化するように勾配が最適化されており、フェアリング後縁は、第2の位置で胴体の後方部分として一致する角度と外形で構成されている。
一実施形態では、胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングを製造する方法であって、翼胴フェアリングは前縁と後縁を備えて構成され、翼胴フェアリングの前縁は翼根フェアリングの後方部分に位置するように構成され、後縁は胴体の後方部分に位置するように構成され、該方法は:翼根フェアリングの後方部分に対応する航空機上の第1所定位置を選択すること;胴体の後方部分に対応する航空機上の第2所定位置を選択すること;
第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分に適合し、一致するように、翼胴フェアリングの前縁の形状と角度を決定すること;第2所定位置において、胴体の後方部分に適合及び一致するように、翼胴フェアリングの後縁の形状と角度を決定すること;翼胴フェアリングの前縁及び後縁の決定された形状及び角度に基づいて、翼胴フェアリングの外表面の曲率を最小化するための勾配の最適化を実行すること、前記勾配の最適化は、翼胴フェアリングの前方部分で凸形の形状を提供し、翼胴フェアリングの後方部分で凹形の形状を提供することを含み;前記勾配の最適化によって定義された滑らかな曲率を有する外表面を有する翼胴フェアリングを形成すること、翼胴フェアリングの後縁は、第2所定位置において胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成される。
1つの態様では、翼胴フェアリングを形成する工程は、翼胴フェアリングの前縁を、第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分の角度及び外形と一致するように構成することを含む。別の態様では、勾配の最適化を実行する工程は、前方の形状から後方の形状まで複数のコントロールラインを選択し、該複数のコントロールラインのそれぞれについて一次元の勾配最適化を実行することを含む。さらに別の態様では、複数のコントロールラインを選択する工程は、前縁又は後方縁の形状を均一な線形間隔で細分化することにより、各コントロールラインの開始点及び終了点を決定することを含む。さらなる態様では、複数のコントロールラインを選択する工程は、前縁又は後方縁の形状を均一な角度間隔で細分化することにより、各コントロールラインの開始点及び終了点を決定することを含む。さらに別の態様では、複数のコントロールラインを選択する工程は、計算流体力学、風洞試験、及び飛行試験のうちの少なくとも1つによって生成された気流流線を近似することを含む。さらに別の態様では、複数のコントロールラインを選択する工程は、複数のコントロールラインを選択するために、前の反復からの流線データを使用して気流流線の近似を反復的に繰り返すことをさらに含む。さらに別の態様では、解析技術が、コントロールラインのそれぞれの最適な形状を関数的に記述するために使用されている。
一態様では、数値的及びグラフィック技術の少なくとも1つが、各コントロールラインに沿ったコントロールポイントの数を選択し、各コントロールポイントについて、式:[(dy/dx)−(dy/dx)]/[(dx+dx)/2]により局所曲率を最小化するために使用されている。別の態様では、翼胴フェアリングの外表面の勾配の最適化を実行する工程は、縦方向と円周方向の曲率の重み付き組み合わせを用いて多次元勾配最適化を実行することを含む。さらに別の態様では、多次元最適化を決定する工程は、
Figure 2021517872
により局所曲率を最小化することを含み、ここでkは0から1の範囲の数値である。さらなる別の態様において、航空機の第1及び第2の所定位置を選択する工程が、航空機の第1及び第2の胴体ステーションを特定することを含む。さらなる別の態様において、勾配の最適化が、翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状から翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状へ遷移することを含む。別の態様では、勾配の最適化が、翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状から翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状へ遷移することを含む。
別の実施形態では、胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングであって、該翼胴フェアリングは:前縁、後縁、上縁及び下縁を有し、該前縁は、翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成され、該後縁は、胴体の後方部分の第2所定位置に隣接して位置するように構成されており、翼胴フェアリングの前縁の形状及び角度は、第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように構成され、翼胴フェアリングの後縁の形状及び角度は、第2所定位置において、胴体の後方部分に適合及び一致するように構成されており、翼胴フェアリングの外表面は、外表面の曲率を最小化するように勾配最適化され、前記外表面は、翼胴フェアリングの後縁が第2所定位置において胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されるように、翼胴フェアリングの前方部分において概ね凸形の形状、及び翼胴フェアリングの後方部分において概ね凹形の形状を有する。
一態様では、勾配の最適化は、翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、翼胴フェアリングの前方部分における概ね凸形の形状から、翼胴フェアリングの後方部分における概ね凹形の形状へ遷移することを含む。別の態様では、勾配の最適化は、翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、翼胴フェアリングの後方部分における概ね凹形の形状から、翼胴フェアリングの前方部分における概ね凸形の形状へ遷移することを含む。
一態様では、翼胴フェアリングの前縁は、第1所定位置において翼根フェアリングの後方部分と一致する角度と外形で構成されている。別の態様では、翼胴フェアリングの外表面は、複数のコントロールラインのそれぞれについて一次元勾配最適化によって勾配最適化されている。さらなる態様では、複数のコントロールラインが、前縁形状から後縁形状まで延在し、均一な線形間隔によって細分化されている。さらなる別の態様では、複数のコントロールラインが、前縁形状から後縁形状まで延在し、均一な角度間隔によって細分化されている。さらなる別の態様では、複数のコントロールラインが、計算流体力学、風洞試験、及び飛行試験のうちの少なくとも1つから受信したデータによって定義される。
別の態様では、翼胴フェアリングの外表面は、各コントロールラインに沿って所定数のコントロールポイントを選択し、各コントロールポイントについて、式:[(dy/dx)−(dy/dx)]/[(dx+dx)/2]により局所曲率を最小化するように、数値的及びグラフィック技術の少なくとも1つによって勾配最適化される。さらなる別の態様では、翼胴フェアリングの外表面は、縦方向と円周方向の曲率の重み付き組み合わせを用いて多次元勾配最適化によって勾配が最適化される。別の態様では、多次元最適化は
Figure 2021517872
により局所曲率を最小化することを含み、ここでkは0から1の範囲の数値である。
一態様において、第1所定位置及び第2所定位置は、航空機の胴体ステーションによって定義される。別の態様では、航空機は、胴体の後方側部分に配置された手荷物/貨物ドアを含み、該手荷物/貨物ドアは外向きに開くことができ、翼胴フェアリングの後方部分が手荷物/貨物ドアの外面に形成されている。さらなる態様では、翼胴フェアリングは、胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている。
一態様では、航空機は、胴体の後方側部分に配置された手荷物/貨物ドアを含み、手荷物/貨物ドアは外向きに開くことができ、翼胴フェアリングの後縁は、手荷物/貨物ドアの前縁の縦方向前方に形成されている。別の態様において、翼胴フェアリングは、胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている。
一態様では、航空機は、胴体の後方側部分に配置された手荷物/貨物ドアを含み、該手荷物/貨物ドアは内向きに開くことができ、翼胴フェアリングの後縁は、手荷物/貨物ドアの前縁の縦方向前方に、手荷物/貨物ドアの外側のモールドラインを増加させることなく形成されている。別の態様において、翼胴フェアリングは、胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている。
一態様では、翼胴フェアリングは、翼の胴体接合部の後方の気流分離を減少させることによって抗力及び騒音を低減させるように、BOEINGモデル737NG−700、737NG−800、及び737NG−900の航空機のいずれかに取り付けるように構成されている。別の態様では、翼胴フェアリングは、翼の胴体接合部の後方の気流分離を減少させることによって抗力及び騒音を低減させるように、BOEINGモデル737MAX−7、737MAX−8、737MAX−9、及び737MAX−10の航空機のいずれかに取り付けるように構成されている。
さらに別の実施形態では、胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機上で抗力を低減するための翼胴フェアリングを製造する方法であって、翼胴フェアリングは前縁及び後縁を有するように構成され、翼胴フェアリングの前縁は翼根フェアリングの後方部分に位置するように構成され、後縁は胴体の後方部分に位置するように構成され、該方法は:翼根フェアリングの後方部分に対応する前記航空機の第1所定位置を選択する工程;胴体の後方部分に対応する前記航空機の第2所定位置を選択する工程;第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように、翼胴フェアリングの前縁の形状と角度を決定する工程;第2所定位置において、胴体の後方部分に適合及び一致するように、翼胴フェアリングの後縁の形状と角度を決定する工程;決定された翼胴フェアリングの前縁及び後縁の形状と角度に基づいて、翼胴フェアリングの外表面の曲率を最小化するように勾配最適化を実行する工程;及び、勾配最適化によって定義された滑らかな曲率を有する外表面を備えた翼胴フェアリングを形成する工程を含み、翼胴フェアリングの後縁が、第2の所定位置において胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されている。
一態様では、前記勾配の最適化は、翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状から、翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状へ遷移することを含む。さらに別の態様では、勾配の最適化は、翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状から、翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状へ遷移することを含む。
さらに別の態様において、胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングであって、該翼胴フェアリングは:前縁、後縁、上縁及び下縁を有し、該前縁は、翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成され、該後縁は、胴体の後方部分の第2所定位置に隣接して位置するように構成され、翼胴フェアリングの前縁の形状及び角度は、第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように構成され、翼胴フェアリングの後縁の形状及び角度は、第2所定位置において、胴体の後方部分に適合及び一致するように構成され;及び、翼胴フェアリングの外表面は、翼胴フェアリングの後縁が、第2所定位置において、胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されるように、外表面の曲率を最小化するように勾配最適化されている。さらなる実施形態では、円筒形圧力容器を有する胴体、翼、翼根フェアリング及び主着陸装置を有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングであって、該翼胴フェアリングは:前縁、後縁、上縁、下縁を有し、該前縁は、翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成され、該第1所定位置は、主着陸装置の横断面によって決定され、該後縁は、円筒形圧力容器の後方部分の第2の所定位置に隣接して位置するように構成され、翼胴フェアリングの前縁の形状と角度は、第1所定位置において、翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように構成され、翼胴フェアリングの後縁の形状と角度は、第2所定位置において、胴体の後方部分に適合及び一致するように構成され;及び、翼胴フェアリングの外表面は、翼胴フェアリングの後縁が、第2所定位置において、胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されるように、外表面の曲率を最小化するように勾配最適化されている。
一態様では、前縁は、主着陸装置に配置された航空機フェアリングの横断面によって決定され、後縁は、圧力容器の円筒部分の横断面によって決定される。別の態様において、多次元最適化は、
Figure 2021517872
により局所曲率を最小化することを含み、ここでkは0から1の範囲の数値である。さらなる一態様において、翼胴フェアリングは、胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている。
図1A及び1Bは、それぞれ後部貨物ドアがある場合とない場合の航空機の外部部分の後方4分の1底面の右側斜視図であり、両航空機は、本発明による、航空機に取り付けられた翼胴後縁フェアリングを例示的に示している。 図1A及び1Bは、それぞれ後部貨物ドアがある場合とない場合の航空機の外部部分の後方4分の1底面の右側斜視図であり、両航空機は、本発明による、航空機に取り付けられた翼胴後縁フェアリングを例示的に示している。 図1A及び1Bの後縁翼胴フェアリングが取り付けられた航空機の後方右側斜視図を示す。 図1A及び1Bの後縁翼胴フェアリングの拡大された後方右側斜視図を示す。 右舷側及び左舷側の後縁翼胴フェアリングが取り付けられた状態を示す、図1A及び1Bの航空機の後方立面図を示す。 図1A及び1Bの後縁翼胴フェアリングを取り付けられた航空機の右側立面図を示す。 図1A及び1Bの後縁翼胴フェアリングを取り付けられた航空機の左側立面図を示す。 図1A及び1Bの右舷側及び左舷側の後縁翼胴フェアリングが取り付けられた状態を示す、航空機の底面図を示す。 本発明の翼胴フェアリングを製造する方法を示すフロー図である。 翼胴フェアリングの拡大立面図であって、航空機の縦方向に延びる、勾配最適化された外側モールドライン(OML)コントロールラインを示す。 図1A及び1Bの右舷側の後縁翼胴フェアリングの後方右下側斜視図を示しており、左舷側後縁の翼胴フェアリングはその鏡像である。 図10の後縁翼胴フェアリングの後方立面図を示す。 右舷フェアリングの右側立面図を示す。 図12の右舷フェアリングの正面右側斜視図を示す。 図12の右舷フェアリングの正面立面図を示す。 図12の右舷フェアリングの底面図を示す。 図12の右舷フェアリングの下4分の1正面右側斜視図を示す。 図12の右舷フェアリングの下4分の1右立面図を示す。 図12の右舷フェアリングの下4分の1底面後方右側斜視図を示す。 図12の右舷フェアリングの底面正面右側斜視図を示す。 図20Aと20Bは、それぞれ、従来技術の翼胴フェアリング形状と、図9〜19のコントロールラインに沿って局所曲率を最小化するための勾配最適化を使用した翼胴の外表面形状の、比較グラフ表示である。 図20Aと20Bは、それぞれ、従来技術の翼胴フェアリング形状と、図9〜19のコントロールラインに沿って局所曲率を最小化するための勾配最適化を使用した翼胴の外表面形状の、比較グラフ表示である。 図21A(従来技術)及び図21Bは、それぞれ、航空機の翼根後縁に取り付けられた後縁翼胴フェアリングを有しない場合と有する場合の、航空機の頂部右側斜視図のグラフィック画像であって、翼胴フェアリングを有する場合と有しない場合の航空機の胴体と翼上の高速及び低速の表面空気流と乱流のコンピュータシミュレーションを比較して示している。 図21A(従来技術)及び図21Bは、それぞれ、航空機の翼根後縁に取り付けられた後縁翼胴フェアリングを有しない場合と有する場合の、航空機の頂部右側斜視図のグラフィック画像であって、翼胴フェアリングを有する場合と有しない場合の航空機の胴体と翼上の高速及び低速の表面空気流と乱流のコンピュータシミュレーションを比較して示している。 図22A(従来技術)及び図22Bは、それぞれ、航空機の翼根後縁に取り付けられた翼胴フェアリングを有しない場合と有する場合の、航空機の底面右側斜視図のグラフィック画像であって、翼胴フェアリングを有する場合と有しない場合の航空機の胴体と翼上の高速及び低速の表面空気流と乱流のコンピュータシミュレーションを比較して示している。 図22A(従来技術)及び図22Bは、それぞれ、航空機の翼根後縁に取り付けられた翼胴フェアリングを有しない場合と有する場合の、航空機の底面右側斜視図のグラフィック画像であって、翼胴フェアリングを有する場合と有しない場合の航空機の胴体と翼上の高速及び低速の表面空気流と乱流のコンピュータシミュレーションを比較して示している。 図23A(従来技術)と図23Bは、それぞれ、航空機の翼根後縁に取り付けられた翼胴フェアリングを有しない場合と有する場合の、航空機の底面図のグラフィック画像であって、翼胴フェアリングを有する場合と有しない場合の航空機の胴体と翼上の高速及び低速の表面空気流と乱流のコンピュータシミュレーションを比較して示している。 図23A(従来技術)と図23Bは、それぞれ、航空機の翼根後縁に取り付けられた翼胴フェアリングを有しない場合と有する場合の、航空機の底面図のグラフィック画像であって、翼胴フェアリングを有する場合と有しない場合の航空機の胴体と翼上の高速及び低速の表面空気流と乱流のコンピュータシミュレーションを比較して示している。 低翼民間航空機の一連の胴体ステーション形状を示す、グラフ表示である。 キャビン内壁と外殻サポートリブを露出させるために、右側後縁翼根フェアリングを取り外した航空機の後方底面右側斜視図を示す。 キャビン内壁と外殻サポートリブを露出させるために、右側後縁翼根フェアリングを取り外した図25の航空機の前方底面右側斜視図を示す。 後部貨物ドアに隣接して本発明の右側後縁翼胴フェアリング取り付けた図25の航空機の右側面立面図を示す。
本発明の理解をさらに容易にするために、適切な場合には、図に共通の同じ又は類似する要素について、同じ参照番号が使用されている。さらに、別段の指示がない限り、図示された特徴は、一定の縮尺で描かれているのではなく、例示の目的のためだけに示されている。
実施形態の詳細な説明
本発明は、航空機の左右両側の翼根フェアリングの後方端に配置される後縁翼胴(WTB)フェアリングに関する。後縁翼胴フェアリングは、翼胴フェアリングの後縁が胴体の外表面と接合する位置で、急な角度又は鋭い角度を滑らかにして排除するような方式で構成及び外形付けされ、それによって気流の分離を最小限に抑えることができる。より具体的には、本発明の後縁翼胴フェアリングは、その前縁(すなわち、前方縁)(翼根フェアリングの後縁と一致する)から、その後方の後縁、すなわち、WTBフェアリングの後部端がそこで添う胴体の外形に平行又は実質的に平行に(すなわち接する)なるように外形付けられている後縁まで、その外表面に沿って勾配が最適化されている。本発明の後縁翼胴フェアリングは、現在の低翼航空機の後縁翼根フェアリングで一般的に観察される気流分離、抗力及び騒音を低減させる。
図1A及び1Bを参照し、低翼航空機100が、胴体101と、一対の翼(右翼のみ図示)102と、エンジン104と、一対の水平スタビライザー(右水平スタビライザーのみ図示)106と、垂直スタビライザー又はラダー108と、一対の翼根フェアリング(右翼根フェアリングのみ図示)110とを有するように各図に例示的に示されている。各翼根フェアリング110は、各翼102の周り(例えば、上、下、前方、及び後方)に形成されており、当該技術で周知のように、前縁部分112及び後縁又は後方縁部分114を含む。図1Aは、当該技術で周知のように前方ノーズコーンと航空機の後方端の閉鎖隔壁との間の航空機の加圧部分である胴体加圧容器101の後方部分103に、例示的に配置された任意の手荷物/貨物室ドア又はハッチ116を例示的に示している。
図2〜7は、航空機100の左右側に取り付けられた後縁翼胴フェアリング202の様々な図を示している。図3に示された分解図を参照し、フェアリング202の前縁204は、翼根110の後方部分114の形状及び角度に一致するように構成されている。同様に、フェアリング202の後縁206は、胴体101のそれぞれの隣接する後方部分115の外形及び角度に一致するように構成されている。同様に、フェアリング202の上縁208及び下縁206(図7)は、フェアリング202の上下の胴体101の隣接部分の形状及び角度に一致するように勾配最適化されている。
図8は、本発明の後縁翼胴フェアリング200を製作するための方法800のフロー図である。方法800は、ステップ801から開始され、そこでは航空機100の左側及び右側のフェアリング202が取り付けられるべき位置が特定される。
ステップ802では、左右の翼胴フェアリング202の前縁の形状及び角度が決定される。各側のフェアリング202の前縁204は、既存の航空機の翼根フェアリング110の後方部分に沿った第1の所定の位置と、主着陸装置のホイールウェルの横断面とによって規定される。翼胴フェアリング202の前縁204は、第1所定位置よりも前方の翼根フェアリング110と同じ角度になるように構成される。
ステップ804では、左右の翼胴フェアリング202の後方縁の形状及び角度が決定される。フェアリング202の後縁206は、第2所定位置における胴体圧力容器101の後方部分の曲率(例えば、丸い形状)によって規定される。したがって、フェアリング202の後縁206は、圧力容器胴体101の隣接表面と同じ外形及び同じ角度で、すなわち、平行で、かつシームレスに接続されているように構成される。左右のWTBフェアリング202の形状は、航空機の両側で対称的に位置しないことがあるさまざまな補助システムの入口、出口、アクセスパネル、排水マスト、アンテナ等を除いて、航空機の右側と左側に対称的に配置されている。
低翼航空機(例えば、他の低翼機体モデルもある中で、737NG−700、737MAX−7)の翼胴フェアリング202の、ステップ802及び804における第1及び第2所定位置は、航空機位置ラベリング(すなわち番号付け)システム、例えば、既存の機体の胴体ステーション(FS)、バットライン(BL)及びウォーターライン(WL)のレファレンス指定などによって規定することができ、該航空機のレファレンス指定は様々な文書にカタログ化され、及び、周知の方法で航空機製造業者の各モデル航空機に対応する図面に示されている。米国では、航空機製造業者は、胴体101の軸(例えば、FS指定の場合は縦方向軸)に沿った「レファレンスデータ」として一般に知られている所定のゼロ点からの距離を、周知の方法で、インチ単位で表すために、FS、BL及びWLナンバリングシステムを指定している。胴体ステーションに関しては、航空機の縦方向軸に垂直な仮想垂直面が、典型的には、航空機の機首又は先端その近くに設定され(すなわち、レファレンスデータ)、そこからすべての前方及び後方の距離が測定され得る。フライトステーションレファレンスデータ又はゼロ点は、一般的に「FS0」として指定される。
ここで、図24を参照し、本発明のWTBフェアリング202を取り付けた機体胴体101の左側の横断面図がコンピュータグラフによって例示的に示されている。グラフは、前縁204及び後縁206の両方の胴体ステーションを、胴体101及びWTBフェアリング202に重ねて示している。FSはインチ単位で定義されているため、前縁及び後縁における胴体ステーションの指定は、WTBフェアリング202の長さを計算するのに使用することができる。例えば、ステップ802において、WTBフェアリング202の前縁204がFS652で第1所定位置を有し、ステップ804において、後縁206がFS743で第2所定位置を有していると決定された場合、WTBフェアリングの長さは、91インチ(763−652)である。勾配が最適化された、翼102の後縁114の後方に取り付けられる民間航空機用の後縁WTBフェアリング202は、図25〜27に関して以下にさらに詳細に説明されるように、存在する後方手荷物/貨物室ドア116の位置及びタイプに応じて、胴体101の公称円筒直径の70%から150%の範囲内の長さで最適に延在することができる。WTBフェアリングの長さは、好ましくは、胴体の公称円筒直径の70%から150%の範囲内にあると説明したが、当業者であれば、WTBフェアリングの長さのそのような範囲が限定的とはみなされないことを理解されたい。例えば、ホイールウェルの横断面が、ホイールウェルでより狭い胴体横断面を有する機体と比較して、胴体101の側面からさらに外側及び/又は下方に延びる場合は、より長いフェアリング長さが要求されるであろう。WTBフェアリング202の前縁及び後縁が決定されると、方法800は、続いて、ステップ806に進む。
ステップ806では、必要な幾何学的拘束が決定される。具体的には、機体100の各側のフェアリング202の幅を規定するフェアリング202の上縁208及び下縁210は、第1所定位置(すなわち、翼102の後方)における既存の翼根フェアリング110の幅によって決定され、胴体101の中心線に向かって内側に延びている。WTBフェアリング202の幅及び位置はまた、胴体ステーションレファレンスを用いてフェアリング202の長さを決定するために上述と同様の方法で、BL及びWLのレファレンス指定を使用して決定することができる。さらに、フェアリング202の下に存在し、及び/又はフェアリング202を貫通しているさまざまな補助システムの入口、出口、アクセスパネル、排水マスト、アンテナ等からの制限など、考慮及び/又は補償されなければならない構造的/幾何学的な拘束又は制限が特定される。
ステップ808では、前縁204から後方縁206への外側モールドライン遷移は、必要な幾何学的拘束を受けて、主に縦方向に表面の曲率を最小化することによって勾配最適化される。これらの拘束は、最小又は最大収容容積、フェアリング表面の最大絶対曲率又は角度、既存の構成要素の周りのクリアランス、最大許容フェアリング重量、所望の断面積の決定、又は製造上の拘束の任意の組み合わせを含み得る。フェアリング202の外表面は、一連のコントロールラインの勾配最適化、又は全表面の多次元最適化のいずれかによって規定することができる。
図9を参照し、フェアリング202の外表面203は、個別に勾配最適化された一連の縦方向コントロールライン230によって定義され得る。図9は、コントロールライン「A」から「J」を例示的に示しており、そこではコントロールライン「A」及び「J」は、フェアリング202の上縁208及び下縁210を表している。8本のコントロールライン「B」から「I」が示されているが、そのような数量は限定的であるとは見なされず、当業者であれば、より多くの又はより少ない量のコントロールライン230を、フェアリング202の形状、すなわち曲率及び外形を最適に規定するために割り当てることができることを理解するであろう。コントロールライン230の開始点及び終了点は、等しい線形間隔、等しい角度間隔、又は計算流体力学、風洞試験、飛行試験、又はこれらの方法の任意の組み合わせによって見出される局所流線と整合させることによって、前縁204及び後方縁206上に間隔を置いて配置される。各コントロールライン230のプロファイルは、フェアリングの長さにわたって曲率を解析的又は数値的に、最小化するように選択される。
図10〜19を参照し、後縁翼胴フェアリング202の様々なコンピュータ生成グラフィック画像が示されている。グラフィック画像は、例示的にBOEING737NG及び737MAXの民間モデルの機体のために構成されているが、当業者であれば、本発明の勾配最適化されたフェアリングは、低翼機体の他のタイプ及びモデルに対して構成することができることを理解するであろう。後縁翼胴フェアリング202は、図8の方法800のステップ808により、複数の縦方向及び垂直のコントロールライン230を例示的に示している。
一実施形態では、1つ以上のコントロールライン230は、関数を選択することによって解析的に最適化される。
Figure 2021517872
これは、開始点xminから終了点xmaxまでの曲率が十分に小さい一方で、前縁とその角度、後方縁とその角度と一致し、所望の幾何学的拘束を満たす。当業者であれば、曲率を最小化しながら拘束を満たす所与の関数のパラメータを選択するための様々な技術、同様に、グローバルに最適な関数を見つけるための変分法計算技術が存在することを理解するであろう。
図9及び図20を参照し、コントロールライン230は、次の方程式により、各縦方向コントロールライン230のすべての点について、xminとxmax(前縁/後縁)の間の複数の点を選択し、及び、フェアリング202の外表面203を十分に最小化する各点について「y」座標を繰り返し選択することにより、数値的又は図形的に最適化することができる。
方程式2:[(dy/dx)−(dy/dx)]/[(dx+dx)/2]
図20Bを参照し、「x」及び「y」は、コントロールライン上の点の座標であり、dy/dxは、コントロールライン230に沿った第1位置における勾配の変化であり、dy/dxは、コントロールライン230上の第2位置における勾配の変化である。好ましくは、図20Bのフェアリング202の形状は、胴体101の横方向側面に関して、凸形の前方部分と凹形の後方部分を有している。具体的に、フェアリング202は、翼102の後縁114(すなわち、フェアリング202の前縁204)から凸形形状205を有し、後方に延び、そこではフェアリング202の曲率は、フェアリング202の後縁206がWTBフェアリングの後方端部分が添うところの胴体の外形に適合しそれと平行又は実質的に平行である凹形状207に、変化するか又は遷移する。前方の凸形形状の曲率と後方の凹形形状の曲率との間の遷移209は、凸状と凹状曲線の間の同じ接線点である。図20Aと比較し図20Aを参照すると、従来技術の翼胴フェアリング111の形状は、後縁114から、フェアリング111の後縁113が胴体101の後方部分103と鋭角又は急角度で交わる点まで、上述したように、凸状の形状を維持している。
代替的に、外表面203全体の多次元最適化を実行してもよい。外表面203は、前縁204及び後方縁206に加えて、上縁208及び下縁210のフェアリング境界を特定し、同様に、たとえば以下のように設定された方程式によって、縦方向及び円周方向の曲率の加重曲率を、解析的又は数値的に最小化してもよい。
Figure 2021517872
ここでx、y、zは外表面の点の座標であり、kは0から1の範囲の数値である。
所定の胴体ステーションにおける前縁204及び後方縁206の間の表面のロフトは、任意の周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェア(例えば、フランスにあるDassault Systems(商標)のSOLIDWORKS)によって実行することができる。三次元CADソフトウェアプログラムは、所定の境界位置(例えば、ステップ802から806)、幾何学的表面拘束(例えば、ステップ806)、及び/又は以前に決定されたガイド曲線を入力として使用し、特定のモデル航空機100のためのWTBフェアリング202を満たす最小曲率変化のために勾配最適化された表面を計算する。当業者であれば、任意の市販のコンピュータ支援設計ソフトウェアを使用して、所定の寸法及び定義のレベルからWTBフェアリング形状を勾配最適化することができることを理解するであろう。
勾配最適化されたフェアリングの空力的利点は、現在の翼根フェアリング110の構成が圧力容器101への鋭いフェアリング遷移を生じるところの、比較的短いフェアリングにおいて最も顕著である。より長い後縁WTBフェアリング202は、後方の手荷物/貨物ドア116がフェアリング202の最後方部分よりも胴体101に沿ってさらに後方に配置されている場合の、BOEING737−800、−900、737−8、−9、及び−10の民間モデル機体のような低翼航空機に取り付けるのに実用的である。
再び図8を参照し、ステップ810において、翼胴フェアリング202は、空気流が航空機の翼部分102から胴体101に円滑に移行するのを助けるように、上述したステップ802〜808によって決定された滑らかで湾曲した外表面を有するように製造される。フェアリング202は、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー、ベクトラン、又は他の航空宇宙グレードの強化繊維及びプラスチックなどの周知の材料から作製することができる。フェアリングアセンブリ202はまた、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、チタン、又は他の航空宇宙グレードの金属、又は複合材料と金属材料の組み合わせなどの金属から製造することができる。フェアリングアセンブリ202を製造するためのプロセスは、成型、機械加工、積層造形、又はこれらの実施の組み合わせを含むことができる。フェアリングアセンブリの製造プロセスが完了すれば、フェアリングアセンブリ202は、古い航空機にキットとして取り付けることができ、又は新しい航空機設計の一部として胴体に組み込むことができる。その後、方法800はステップ899に進み、ここで方法800が終了する。
形状、特にWTBフェアリング202の長さ及び勾配最適化を決定するための追加の考慮事項は、存在する場合は、胴体101の後方部分103に位置する手荷物/貨物ドア116のタイプ及び位置を考慮することを含む。特に、典型的な低翼商用キャリアは、航空機の片側又は両側に配置される内向き又は外向きに開くことができる後方の手荷物/貨物ドア116を含む。例えば、BOEING737ファミリーの航空機の後方側手荷物/貨物室ドア116は、内向きに開き、手荷物の積み込みと積み下ろしは、したがって、手荷物ドア116の外側モールドライン(OML)によって制限される。手荷物/貨物ドア116が、WTBフェアリング202の後方部分が配置されるべきところに侵入又はオーバーラップしないように、胴体101に沿って十分に後方に配置されている機体の場合、フェアリング202の長さは、翼根後縁114から航空機の縦方向軸に沿った方向に、後方に延長又は最大化されることができ、それによって、勾配最適化プロセスがフェアリング202の勾配及び/又は外形/曲率の全体的な変化を最小化することを可能にする。WTBフェアリング202の全長にわたって、特にその後縁206に向かって勾配最適化ステップ808を実行することは、WTBフェアリング202の後縁206における任意の急な角度を排除又は最小化するのに役立ち、それにより、胴体101における空気の分離、及びそれに起因する望ましくない抗力及び騒音の副産物を減少させる。
あるいは、手荷物/貨物ドア116が、その全長において完全に勾配最適化されたフェアリングとオーバーラップ及び/又は干渉する可能性があるなど、胴体101に沿って十分に後方に配置されていない場合、WTBフェアリング202の長さを短くする必要があるかもしれない。WTBフェアリング202の長さの減少は、一般に、荷物/貨物ドア116が外向きに開くか、内向きに開くかに依存する。外向きに開放可能な手荷物/貨物ドア116を備えた機体の場合、ドア116は、ドアの外板があたかもドア116が存在しないようにWTBフェアリング202の形状に一致するように形状付け及び寸法付けさせることができるため、WTBフェアリング202の長さの調整を生じさせない。具体的に、後方の手荷物/貨物ドア116が外向きに開放可能である場合、手荷物/貨物ドア116が交差及び重なるWTBフェアリングの後方部分の形状及び外形に適合すなわち一致又は呈するように、ドア116の外表面を変更することにより、手荷物/貨物ドア116のOMLは増加しない。逆に、手荷物/貨物ドア116が内向きに開く場合、手荷物/貨物ドア116の外表面にフェアリング202の一部を取り付けることは、手荷物/貨物ドア116のOMLを増加させる。手荷物/貨物ドア116のOMLを増加させることは、航空機の構造を大幅に変更する必要があるだけでなく、ドア116を通して航空機に貨物を出し入れする性能を望ましくなく低下させることになる。したがって、後縁WTBフェアリング202の長さは、手荷物/貨物ドア116のOMLと干渉しないように構成される。
図25〜27は、例えばBOEING737ファミリーの航空機の胴体101の後方部分103に配置される内向きに開放可能な手荷物/貨物ドア116を有する機体100を示している。内向きに開く後方手荷物/貨物ドア116を含む航空機の場合、手荷物の出入り、すなわち手荷物の積み込み及び積み下ろしは、手荷物ドア116の外側モールドライン(OML)によって制限される。したがって、手荷物/貨物の積み込み及び積み下ろしに関する構造上及び運用上の考慮は、一般的に、後方手荷物ドア116のOMLへの変更を除いて考える。
図25及び図26では、本発明の翼胴フェアリングを備えない航空機100の右下側を示している。翼根フェアリング110の後方部分114を形成する外側パネル又は殻外板122は、例示的に翼102の後方に除去され、それによって、翼根フェアリング110を外殻122上に支持及び取り付けるために提供される内側キャビン艇体表面120及び外側垂直支持体118を露出させている。図26では、右側後方の貨物ドア116及び多数の吸気口/吹出口119が示されている。翼根フェアリング110の後縁114は、例示的には、後方の手荷物/貨物ドア116の前縁117から約6−7インチの間隔を開けられている。対照的に、図27を参照すると、本発明の翼胴フェアリング202が、図25及び図26に示した同じ機体100に取り付けられているのが示されている。フェアリング202は、方法800により勾配最適化されており、後縁206が内向きに開放可能な後方手荷物/貨物ドア116の前縁117から約7インチで終端するように、機体100の縦方向軸に沿って後方に延在するように例示的に示されている。ここに記載されている寸法は、例示目的だけのためのものであり、限定的であると見なされないことを理解されたい。内向きに開放可能な貨物ドア116を備えたこの実施形態において、本発明のWTBフェアリング202は、この重要な構造的考慮を可能にし、したがって、フェアリング202のいかなる部分もドアのOMLを増加させ、手荷物室へのアクセスを制限することがないように、手荷物/貨物ドア116の前縁117の前方に配置されている。WTBフェアリング202が縦方向軸に沿って長さが減少しているといえども、ステップ808の勾配最適化プロセスは、より長い長さを有する実施形態より全体の勾配変化が幾分大きいフェアリング外表面を生成するが、翼根110の後縁114で観察された急な角度は取り除いている。したがって、フェアリング202の後縁206と胴体101の後方部分が交わる所の空気分離が大幅に最小化され、その結果、望ましくない抗力及び騒音の副産物も大幅に低減される。航空機100に取り付けられた後縁翼胴フェアリング202を有する場合と有しない場合の航空機の空気分離に関する比較が、図21A〜23Bのグラフィック画像で最もよく見られ得る。
ここで図21A〜23Bを参照し、航空機100に取り付けられる本発明の翼胴フェアリング202を有する場合と有しない場合の気流の比較効果を示すためのコンピュータシミュレーションされた航空機のスクリーンショットの様々な表示が例示的に示されている。図21A、22A及び23Aは、本発明の翼胴フェアリング202を備えない未修正の機体100の右側面図である。図21B、22B及び23Bは、翼102の後縁114で胴体101の後方部分に取り付けられた翼胴フェアリング202で修正された同じ機体100の右側面図である。図面は、このようなシミュレーションプログラムは限定的であるとは考えられないが、第5のAIAA抗力予測ワークショップからのよく知られているNASA”Common Resource Model”(CRM)を使用して発明者らによって構成及び実施された、色分けされたコンピュータシミュレーションから取られたものである。実施されたシミュレーションは、767/777/A330/A350クラスの航空機の業界標準モデルからのものであった。CRMは、抗力及びその予測方法に対する理解を深めるために、風洞及び計算流体力学(CFD)の研究において業界全体で使用されている。航空機の特定の領域におけるより明るいシェーディングによって示される低表面圧力領域と比較して、高表面圧力領域は、より濃いシェーディングによって示される。
図21A、22A及び23Aを参照し、翼根フェアリング110の後縁114で形成された急勾配又は急な角度は、下流渦を引き起こし得る空気分離を引き起こし、該下流渦のすべては、図21A、22A及び23Aにおいて高圧力領域を示す矢印「A」及び「B」に示すように、著しい抗力と騒音を引き起こす。対照的に、上述のように翼胴フェアリング102の後方で航空機100に取り付けられた翼胴フェアリング202により、空気の分離及びそのような抗力と騒音が、図22Bと23Bの低圧力領域を示す矢印「C」によって最もよく示されるように、大幅に低減される。後縁翼胴フェアリング202及び胴体101に沿った空気分離の減少は、図21B、22B及び23Bで最もよく見ることができる。このように、図21A〜図23Bは、本発明の勾配最適化された翼胴フェアリング202が、後縁206が胴体101と交わる交差部での空気分離、したがって騒音及び抗力を最小化するのに役立つことを比較的に示している。
発明者らは、CADメッシュのブレンディング、スムージング、及びパッチによる表面設計を超える表面設計への最小曲率法の正式な適用、又は、業界で実施される同等の実験及び解析を知らない。結果として、急な角度の後縁部分114が取り付けられた現在の翼根フェアリング110を有する低翼商用航空機に関して、空気分離と結果として生じる渦は、業界では観察されなかったか、無視されてきた。対照的に、機体上の現在の急な角度の付いた翼根後縁部分114を本発明の後縁翼胴フェアリング202で置き換えることにより、そのような気流分離及び渦の有利な減少が観察された。このような気流及び渦の減少は、Questar Venture航空機及びLancair Legacy航空機を使用した飛行試験の実験中に観察された。得られたデータは、WTBフェアリング202の勾配最適化を実施するための適切な式の決定に貢献した。より具体的には、反復飛行試験実験、高性能コンピューティング(HPC)及びCFDの組み合わせにより、勾配最適化を使用した本発明の後縁翼胴フェアリング202の利点が明確に示されている。
フェアリング202の実施形態が、BOEING737モデルの機体(例えば、737NG−700及び737MAX−7の機体)に取り付けるように本明細書で示され、説明されたが、当業者であれば、本発明の方法800及びフェアリング202は、後縁翼根フェアリング110を有する他の任意の低翼航空機のために提供できることを理解するであろうように、そのようなフェアリング及び機体は例示目的でのみ説明されている。
各航空機の翼102(航空機の長軸に対して対称な左右)は、別個のダウンウォッシュシートを生成することは周知である。民間航空機(他のほとんどの飛行機)の課題は、左翼102と右翼102が連結されていないことである。それらはそれぞれ、胴体101によって作られた横方向の分離のために、互いに実質的に独立したダウンウォッシュシートを生成する。本発明のWTBフェアリング202の特徴的な効果は、左右のダウンウォッシュシートを、1つのより楕円形の翼端から翼端までのダウンウォッシュシートに、より効率的に接合することである。
従来技術のWTBフェアリング111は、翼後縁114の胴体への交差部に、渦を形成させる。左右のインボード翼渦は、左右ダウンウォッシュシートの、理想的な楕円形全体ダウンウォッシュシートへの効率的な接合を妨げる。WTBフェアリングを円滑にしたとしても、十分にこの効果を生み出すほどこのインボード渦を減らせない。有利には、勾配最適化されたWTBフェアリング202は、より効率的にインボード渦を減少させ、左右のダウンウォッシュシートをより楕円形に結合することを可能にする胴体101上の流れを生成する。
別の利点は、本後縁翼胴フェアリング202は、胴体設計が凍結された後、又は、既に製造された後に、実施することができるということである。新規に設計された航空機の場合、フェアリング202は、他の構成要素に関して反復的に最適化され得る。当業者であれば、フェアリングアセンブリ202の他の実施形態が、様々な航空機モデル及び胴体上の異なる位置で、上述したのと同様の方法で配置できることを理解するであろう。
前述は、本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他のさらなる実施形態及び利点は、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本明細書に基づいて当業者によって想定され得るものであり、以下の特許請求の範囲によって決定される。

Claims (42)

  1. 胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングを製造する方法であって、前記翼胴フェアリングは前縁及び後縁を備えて構成され、前記翼胴フェアリングの前記前縁は前記翼根フェアリングの後方部分に位置するように構成され、前記後縁は前記胴体の後方部分に位置するように構成され、該方法は:
    前記翼根フェアリングの後方部分に対応する前記航空機上の第1所定位置を選択する工程;
    前記胴体の後方部分に対応する前記航空機上の第2所定位置を選択する工程;
    前記第1所定位置において、前記翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように、前記翼胴フェアリングの前縁の形状と角度を決定する工程;
    前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分に適合及び一致するように、前記翼胴フェアリングの後縁の形状と角度を決定する工程;
    決定された前記翼胴フェアリングの前縁及び後縁の形状及び角度に基づいて、前記翼胴フェアリングの外表面にわたって曲率を最小化するための勾配最適化を実行する工程であって、前記勾配最適化は、前記翼胴フェアリングの前方部分に凸形の形状を提供し、前記翼胴フェアリングの後方部分に凹形の形状を提供する、工程;及び、
    前記勾配最適化によって定義された滑らかな曲率を有する外表面で前記翼胴フェアリングを形成する工程であって、前記翼胴フェアリングの後縁は、前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成される、工程、
    を含む、方法。
  2. 前記翼胴フェアリングを形成する工程が、前記第1所定位置において、前記翼根フェアリングの後方部分と一致する角度と外形で前記翼胴フェアリングの前縁を構成することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記勾配最適化を実行する工程が、前記前方の形状から前記後方の形状まで複数のコントロールラインを選択し、前記複数のコントロールラインのそれぞれに対して一次元勾配最適化を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記複数のコントロールラインを選択する工程が、前記前縁又は前記後縁の形状を均一な線形間隔で細分化することにより、各コントロールラインの開始点及び終了点を決定することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記複数のコントロールラインを選択する工程が、前記前縁又は前記後縁の形状を均一な角度間隔で細分化することにより、各コントロールラインの開始点及び終了点を決定することを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記複数のコントロールラインを選択する工程は、計算流体力学、風洞試験、及び飛行試験のうちの少なくとも1つによって生成された気流流線を近似することを含む、請求項3に記載の方法。
  7. 前記複数のコントロールラインを選択するために、前の反復からの流線データを使用して気流流線の近似を反復的に繰り返すことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記コントロールラインのそれぞれの最適な形状を関数的に記述するために、解析技術が使用される、請求項3に記載の方法。
  9. 各コントロールラインに沿って所定数のコントロールポイントを選択し、各コントロールポイントについて、式:[(dy/dx)−(dy/dx)]/[(dx+dx)/2]により局所曲率を最小化するように、数値的及びグラフィック技術の少なくとも1つが使用される、請求項3に記載の方法。
  10. 前記翼胴フェアリングの外表面の勾配の最適化を実行する工程が、縦方向と円周方向の曲率の重み付き組み合わせを用いて多次元勾配最適化を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 多次元最適化を決定する工程は、
    Figure 2021517872
    により局所曲率を最小化することを含み、ここでkは0から1の範囲の数値である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記航空機の第1及び第2の所定位置を選択する工程が、前記航空機の第1及び第2の胴体ステーションを特定することを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記勾配最適化が、前記翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、前記翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状から前記翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状へ遷移することを含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記勾配最適化が、前記翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、前記翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状から前記翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状へ遷移することを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングであって、前記翼胴フェアリングは:
    前縁、後縁、上縁及び下縁を有し、該前縁は、前記翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成され、該後縁は、前記胴体の後方部分の第2所定位置に隣接して位置するように構成されており、前記翼胴フェアリングの前記前縁の形状及び角度は、前記第1所定位置において、前記翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように構成され、前記翼胴フェアリングの前記後縁の形状及び角度は、前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分に適合及び一致するように構成されており;
    前記翼胴フェアリングの外表面は、外表面上の曲率を最小化するように勾配最適化され、前記外表面は、前記翼胴フェアリングの前記後縁が前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されるように、前記翼胴フェアリングの前方部分において概ね凸形の形状、及び前記翼胴フェアリングの後方部分において概ね凹形の形状を有する、翼胴フェアリング。
  16. 前記勾配の最適化が、前記翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、前記翼胴フェアリングの前方部分における概ね凸形の形状から、前記翼胴フェアリングの後方部分における概ね凹形の形状へ遷移することを含む、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  17. 前記勾配の最適化が、前記翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、前記翼胴フェアリングの後方部分における概ね凹形の形状から、前記翼胴フェアリングの前方部分における概ね凸形の形状へ遷移することを含む、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  18. 前記翼胴フェアリングの前縁は、前記第1所定位置において前記翼根フェアリングの後方部分と一致する角度と外形で構成されている、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  19. 前記翼胴フェアリングの外表面は、複数のコントロールラインのそれぞれについての一次元勾配最適化によって勾配最適化されている、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  20. 前記複数のコントロールラインは、前記前縁の形状から前記後縁の形状まで延在し、均一な線形間隔によって細分化されている、請求項19に記載の翼胴フェアリング。
  21. 前記複数のコントロールラインは、前記前縁の形状から前記後縁の形状まで延在し、均一な角度間隔によって細分化されている、請求項19に記載の翼胴フェアリング。
  22. 前記複数のコントロールラインが、計算流体力学、風洞試験、及び飛行試験のうちの少なくとも1つから受信したデータによって定義される、請求項19に記載の翼胴フェアリング。
  23. 前記翼胴フェアリングの外表面は、各コントロールラインに沿って所定数のコントロールポイントを選択し、各コントロールポイントについて、式:[(dy/dx)−(dy/dx)]/[(dx+dx)/2]により局所曲率を最小化するように、数値的及びグラフィック技術の少なくとも1つによって勾配最適化される、請求項19に記載の翼胴フェアリング。
  24. 前記翼胴フェアリングの外表面は、縦方向と円周方向の曲率の重み付き組み合わせを用いて多次元勾配最適化によって勾配が最適化される、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  25. 前記多次元最適化は
    Figure 2021517872
    により局所曲率を最小化することを含み、ここでkは0から1の範囲の数値である、請求項24に記載の翼胴フェアリング。
  26. 前記第1所定位置及び第2所定位置は、前記航空機の胴体ステーションによって定義される、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  27. 前記航空機は、前記胴体の後方側部分に配置された手荷物/貨物ドアを含み、前記手荷物/貨物ドアは外向きに開くことができ、前記翼胴フェアリングの後方部分が前記手荷物/貨物ドアの外表面に形成されている、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  28. 前記翼胴フェアリングは、前記胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている、請求項27に記載の翼胴フェアリング。
  29. 前記航空機は、前記胴体の後方側部分に配置された手荷物/貨物ドアを含み、前記手荷物/貨物ドアは外向きに開くことができ、前記翼胴フェアリングの後縁は、前記手荷物/貨物ドアの前縁の縦方向前方に形成されている、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  30. 前記翼胴フェアリングは、前記胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている、請求項29に記載の翼胴フェアリング。
  31. 前記航空機は、前記胴体の後方側部分に配置された手荷物/貨物ドアを含み、前記手荷物/貨物ドアは内向きに開くことができ、前記翼胴フェアリングの後縁は、前記手荷物/貨物ドアの前縁の縦方向前方に、前記手荷物/貨物ドアの外側のモールドラインを増加させることなく形成されている、請求項13に記載の翼胴フェアリング。
  32. 前記翼胴フェアリングは、前記胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている、請求項31に記載の翼胴フェアリング。
  33. 前記翼胴フェアリングは、翼の胴体への接合部の後方の気流分離を減少させることによって抗力及び騒音を低減させるように、BOEINGモデル737 NG−700、737 NG−800、及び737 NG−900の航空機のいずれかに取り付けるように構成されている、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  34. 前記翼胴フェアリングは、翼の胴体への接合部の後方の気流分離を減少させることによって抗力及び騒音を低減するように、BOEINGモデル737 MAX−7、737 MAX−8、737 MAX−9、及び737 MAX−10の航空機のいずれかに取り付けるように構成されている、請求項15に記載の翼胴フェアリング。
  35. 胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機上で抗力を低減するための翼胴フェアリングを製造する方法であって、前記翼胴フェアリングは前縁及び後縁を有するように構成され、前記翼胴フェアリングの前縁は前記翼根フェアリングの後方部分に位置するように構成され、前記後縁は前記胴体の後方部分に位置するように構成され、該方法は:
    前記翼根フェアリングの後方部分に対応する前記航空機の第1所定位置を選択する工程;
    前記胴体の後方部分に対応する前記航空機の第2所定位置を選択する工程;
    前記第1所定位置において、前記翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように、前記翼胴フェアリングの前縁の形状と角度を決定する工程;
    前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分に適合及び一致するように、前記翼胴フェアリングの後縁の形状と角度を決定する工程;
    決定された前記翼胴フェアリングの前縁及び後縁の形状と角度に基づいて、前記翼胴フェアリングの外表面の曲率を最小化するように勾配最適化を実行する工程;及び
    前記勾配最適化によって定義された滑らかな曲率を有する外表面を備えた前記翼胴フェアリングを形成する工程であって、前記翼胴フェアリングの後縁が、前記第2の所定位置において前記胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成される工程、
    を含む、方法。
  36. 前記勾配最適化は、前記翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、前記翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状から、前記翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状へ遷移することを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記勾配最適化は、前記翼胴フェアリングの縦方向軸に沿った方向に、前記翼胴フェアリングの後方部分における凹形の形状から、前記翼胴フェアリングの前方部分における凸形の形状へ遷移することを含む、請求項35に記載の方法。
  38. 胴体、翼、及び翼根フェアリングを有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングであって、前記翼胴フェアリングは:
    前縁、後縁、上縁及び下縁を有し、前記前縁は、前記翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成され、前記後縁は、前記胴体の後方部分の第2所定位置に隣接して位置するように構成され、前記翼胴フェアリングの前縁の形状と角度は、前記第1所定位置において、前記翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように構成され、前記翼胴フェアリングの後縁の形状と角度は、前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分に適合及び一致するように構成され;及び
    前記翼胴フェアリングの外表面は、前記翼胴フェアリングの後縁が、前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されるように、外表面の曲率を最小化するように勾配最適化されている、翼胴フェアリング。
  39. 円筒形圧力容器を有する胴体、翼、翼根フェアリング及び主着陸装置を有する航空機の抗力を低減するための翼胴フェアリングであって、前記翼胴フェアリングは:
    前縁、後縁、上縁、下縁を有し、前記前縁は、前記翼根フェアリングの後方部分の第1所定位置に隣接して位置するように構成され、前記第1所定位置は、主着陸装置の横断面によって決定され、前記後縁は、前記円筒形圧力容器の後方部分の第2の所定位置に隣接して位置するように構成され、前記翼胴フェアリングの前縁の形状と角度は、前記第1所定位置において、前記翼根フェアリングの後方部分に適合及び一致するように構成され、前記翼胴フェアリングの後縁の形状と角度は、前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分に適合及び一致するように構成され;及び
    前記翼胴フェアリングの外表面は、前記翼胴フェアリングの後縁が、前記第2所定位置において、前記胴体の後方部分と一致する角度と外形で構成されるように、外表面の曲率を最小化するように勾配最適化されている、翼胴フェアリング。
  40. 前記前縁は、主着陸装置に配置された航空機フェアリングの横断面によって決定され、前記後縁は、圧力容器の円筒部分の横断面によって決定される、請求項1に記載の翼胴フェアリング。
  41. 多次元の最適化は、
    Figure 2021517872
    により局所曲率を最小化することを含み、ここでkは0から1の範囲の数値である、請求項20に記載の翼胴フェアリング。
  42. 前記翼胴フェアリングは、前記胴体の円筒部分の直径の70%から150%の範囲内の長さで構成されている、請求項23に記載の翼胴フェアリング。
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