JP2021517357A - 超伝導ブロック、超伝導ナノ結晶、超伝導装置およびそのプロセス - Google Patents

超伝導ブロック、超伝導ナノ結晶、超伝導装置およびそのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、常伝導状態において導電性である材料を有しているコアの対を含んでいる超伝導ブロックを提供する。コアの対は、介在する重心距離を有して、その常伝導状態において導電性である材料を有しているシェルの中に組み込まれている。組み込まれているコアの対、およびシェルは、超伝導性であるように構成されている。本発明はまた、少なくとも超伝導ブロックを有している超伝導ナノ結晶を提供する。本発明はまた、少なくとも超伝導ブロックおよび超伝導ナノ結晶を有している超伝導装置を提供する。本発明は、超伝導ブロックおよび超伝導結晶を製造するためのプロセスをさらに提供する。本発明は、地球環境にある温度およびさらに高い温度に対応する高温で超伝導を達成するために採用され得る超伝導体(超伝導ブロック、超伝導ナノ結晶)を提供する。

Description

発明の詳細な説明
(発明の分野)
本発明の主題は、環境条件で超伝導を示すことが可能な、超伝導ブロック、超伝導ナノ結晶および超伝導装置に関する。本発明は、超伝導ブロックおよび超伝導ナノ結晶の製造のためのプロセスにさらに関する。
(発明の背景)
ナノ結晶(NC構造物)は、数ナノメートルの粒径を有している材料である。NC構造物の特性は、それらの大きさおよび形状を変化させることによって調整することができる。典型的に、NC構造物は、発光装置、ダイオードレーザー、太陽光発電などの光学的用途に使用される。NC構造物はまた、分子種を感知し、局所電界を増強するために使用されている。
一方、超伝導体は、電流の通過に対して抵抗を示さない材料である。普通の材料のいくつかは、ある温度以下に冷却することもしくは他に高い圧力を加えること、またはその両方によって超伝導体に変わる。超伝導体のいくつかも磁界を追い出し、したがって、超伝導性の発現は、転移温度以下における抵抗の低下もしくは他に強い反磁性の発生、またはその両方を観察することによって典型的に確認される。
超伝導性は、サンプル抵抗の低下および材料における強い反磁性の発現を観察することによって、一般に推測されている。強い固有の反磁性は、マイスナー効果と呼ばれる。これは、超伝導体のうち多くの分類がそのバルクから磁界を追い出すことを求められるからである。したがって、理想化されているシナリオにおけるこれらは、−1の体積磁化率によって特徴付けられる。不純物、多結晶性の存在などのために、実際には、超伝導体は完全反磁性を示さないが、それらの応答はやはり、普通の材料より極めて強い。例えば、ビスマスおよび熱分解カーボンのような高反磁性の通常の材料でさえ、−10−4のオーダーの体積磁化率を有している。しかし、超伝導体のうち一部の分類は、強い反磁性を示さない。超伝導ナノ結晶は、サイズ効果により相対的に弱い反磁性を示すことが従来技術で知られている。タンタルのような材料は、それらの特異な粒状構造のために、弱い反磁性応答を示す。さらに、p波材料のような一部の超伝導体は、強磁性超伝導状態を有していることが求められている。
超伝導体は、抵抗なし、またはほぼ抵抗なしの、電流の流れが望ましい用途に使用される。これは、ほとんどの電気的な相互接続においてそうである。他の実施態様では、超伝導体は、数十テスラ(T)もの大きい場を生成するために使用される磁石を製造するために利用される。このような磁石は、例えば科学的研究のための核磁気共鳴機器設備および医療診断のための磁気共鳴画像化システムを作製するために使用される。しかし、これらの公知の超伝導体装置は、低温および/または高圧において転移を起こす。また、超伝導体は、固定された位相の発生を特徴とする。超伝導体の位相におけるわずかな変化の測定に依存する装置も知られている。これらは、例えば、小さな磁場を感知するために使用される。さらに、超伝導状態の明瞭な位相の存在は、量子コンピュータの作製に利用されつつある。
多層ナノ構造は、他方の中に組み込まれている1つの材料の層を用いて作られる。例えば、約150nmの長さおよび約20nmの幅を有している金ナノロッドは、1〜20nmの厚さを有している銀のオーバーレイヤによってコーティングされている。
厚さ5nmの金のオーバーレイヤによってコーティングされたコバルトのスフェロイドも知られている。
金のスフェロイド上に幅10nm、約100nmの銀ナノロッドの成長を有しているナノ構造体も当該分野で知られている。
コバルトマトリックス中にある、1nm未満の大きさの金の組み込まれているクラスターを有しているナノ構造も知られている。
しかし、これらの既知の構造は、周囲温度および周囲圧力の条件において、超伝導性を示すことは知られていない。
鉛のような超伝導体のNC構造物は、低い温度条件下で超伝導転移を起こすことが知られている。
アルミニウムおよびタンタルのような金属の微小ナノ粒子は、これらの材料のバルク形態より高い高温転移温度を示すことも当該分野で知られている。
加えて、加圧されている一部の材料は、それらの加圧されていない状態と比べて、より高い超伝導転移温度を示すことが知られている。
従来技術で知られている超伝導体では、超伝導相への転移は極端な低温および/または高圧でのみ起こる。これは、超伝導体の実用化を、既知の代替物が存在しない極めて重要な状況(例えば、医療診断)に制限している。室温以上の転移温度を有している超伝導体は、電力グリッドにおける電力の輸送のための好ましい選択であろう。従って、周囲温度の条件、周囲圧力の条件のもとに、装置を極端に冷却する必要なしに、実行できる超伝導装置に対する必要性がある。従って、高温、好ましくは室温以上、および周囲圧力の条件下で、常伝導から超伝導への転移を起こす超伝導材料が必要とされている。
Djurek et.al.による複数の刊行物(すなわち(i) Onset of ATC superconductivity in Ag5Pb2O6/CuO composite, (ii) Possible Exciton Mechanism of Superconductivity in Ag5Pb2O6/(CuO-Cu2O) Composite, (iii) PbCO3.2PbO + Ag2O (PACO) systems: route for novel superconductors, (iv)Does Mesophase Ag4+xPb2O6-z(0 < x < 1, 0,5 < z < 0,75) Appeal for a Point Contact ATc Superconductivity?)は、Ag5Pb206のようなBystrom−Evers型化合物における超伝導性の、特殊な環境における出現について述べている。これらの文献は、室温以上での超伝導転移の可能性のある、Ag5Pb200/CuO、AgドープされているPb2O3のような複合物における超伝導性を開示している。約350Kの転移温度および270Kにおける超伝導を有している複合物が開示されている。しかし、これらの開示は、超伝導体を得るために、クラスターの形態にある材料の粒界における銀の蒸着のための励起子−ポラリトンモデルを開示している。しかし、これらの開示は、周囲温度において周囲圧力条件下で超伝導体を生じるための、コアおよびシェルの構成に関する問題を解決する本質的な特徴をなんら開示していない。
(発明の目的)
本発明の主な目的は、シェルに組み込まれているコアを有している、周囲温度および大気圧下で超伝導性を示す超伝導ブロックを提供することである。
本発明の目的は、周囲温度および大気圧下で超伝導性を示す(複数の)超伝導ブロックを有している超伝導ナノ結晶を提供することである。
本発明の別の目的は、周囲温度および大気圧下で超伝導性を示す超伝導ナノ結晶および(複数の)超伝導ブロックを有している、超伝導装置を提供することである。
また、本発明の目的は、超伝導ブロックおよび超伝導ブロックおよび超伝導ナノ結晶の製造のためのプロセスを提供することである。
(発明の概要)
本発明は、常伝導状態において導電性である材料を有しているコアの対を含んでいる超伝導ブロックを提供する。コアの対は、介在する重心距離を有して、その常伝導状態において導電性である材料を有しているシェルの中に組み込まれている。組み込まれているコアの対、およびシェルは、超伝導性であるように構成されている。本発明はまた、少なくとも超伝導ブロックを有している超伝導ナノ結晶を提供する。本発明はまた、少なくとも超伝導ブロックおよび超伝導ナノ結晶を有している超伝導装置を提供する。本発明は、超伝導ブロックおよび超伝導結晶を製造するためのプロセスをさらに提供する。したがって、本発明は、超伝導性を示すためにシェルに組み込まれているコアの構成に依拠する独自のナノ構築物を提供する。これは、周囲温度および高温において機能できる超伝導体から装置を作製可能にする。
(図面の簡単な説明)
図1(a)は、シェルに組み込まれているコアの対を有している本発明の超伝導ブロックの概略図である。
図1(b)は、本発明の超伝導ブロックの概略図であり、シェルに組み込まれている複数の層を有しているコアの対を有している。
図1(c)は、複数のコアが異なる材料を有している本発明の超伝導ブロックの概略図である。
図2(a)は、互いに一体に接続されている複数の超伝導ブロックを表す、本発明の超伝導ナノ結晶の概略図である。
図2(b)は、メゾスコピック領域を有している、一体になっていない複数の超伝導ナノ結晶の配列物の概略図である。
図3(a)は、金(Au)のシェルに組み込まれている銀(Ag)のコアを有している例示的な超伝導ナノ結晶の構造特性を示すX線粉末回折(XRD)パターンである。
図3(b−c)は、金(Au)のシェルに組み込まれている銀(Ag)のコアを有している例示的な超伝導ナノ結晶の走査型透過電子顕微鏡(STEM)像である。
図3(d−h)は、金(Au)のシェルに組み込まれている銀(Ag)のコアを有している例示的な超伝導ナノ結晶の高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)像を表す。
図4(a)は、本発明の例示的な超伝導ナノ結晶のTEM画像である。
図4(b〜c)は、コアの、種々の程度の凝集をシェルにおいて有している、本発明の例示的な超伝導ナノ結晶のTEM画像である。
図4(d−g)は、本発明の超伝導ナノ結晶のシェル中の凝集コアのTEM画像である。
図5(a〜h)は、本発明の超伝導ナノ結晶の元素マッピングによる高角度環状暗視野(HAADF)画像であり、金を覆うパッチにおける銀の形成を示す。
図5(i)は、例示的な超伝導ナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)および走査型透過型電子顕微鏡(STEM)画像である。
図5(j)は、本発明の例示的な超伝導ナノ結晶のHR−TEM画像を表す。
図5(k)は、例示的な超伝導ナノ結晶のHR−TEMおよびステム画像を表す。
図5(l)は、例示的な超伝導ナノ結晶の高角度環状暗視野−STEM(HAADF−STEM)画像を表す。
図5(m)は、例示的な超伝導ナノ結晶の元素マッピングによる高角度環状暗視野ステム(HAADF)画像を表す。
図5(n)は、銀コアの大きさが約1nmである超伝導ナノ結晶の元素マッピングによる高角度環状暗視野ステム(HAADF)画像を表す。
図5(o)は、例示的な超伝導ナノ結晶の元素マッピングによる高角度環状暗視野ステム(HAADF)画像を示す。
図5(p)は、例示的な超伝導ナノ結晶の元素マ+ッピングによる高角度環状暗視野ステム(HAADF)画像を表す。
図6(a〜d)は、本発明の銀ナノスフェアおよび金ナノスフェアの衰退スペクトル(6(a))、ならびに超伝導ナノ結晶構造の吸光スペクトル(6(b〜d))である。図6(e)は、本発明の例示的な超伝導ナノ結晶の元素組成を示すエネルギー分散X線スペクトルである。図6(f)および(g)は、金マトリックスに組み込まれている〜1nmの銀コアから構成される超伝導粒子を示す元素分布(赤線に沿って)を表す。
図7(a〜e)は、本発明の超伝導ナノ結晶構造(7(a〜c))、ならびに金NC構造物(7(d))および量子ドット(QD)(7(e))の減衰および散乱スペクトルである。図(7aa、6bbおよび6cc)は、減衰の観察を可能にするための拡大されたy軸を示す。
図8は、本発明の超伝導ナノ結晶構造に対する金の成長のグラフ図である。
図9(a〜c)は、ゼロ磁場において323K、234Kおよび150Kの転移温度を有しているNC構造物を得るための、本発明の超伝導ナノ結晶構造に対する金の適切な成長を表す。
図10は、237Kの転移温度を有している本発明の例示的な超伝導ナノ結晶構造の抵抗を表す。
図11は、超伝導転移温度に対する磁界の影響を表す。
図12は、超伝導転移温度に対する印加電流の影響を示す。
図13(a−b)は、20nmの金の膜および超伝導ナノ結晶構造の比抵抗を表す。図13(c−d)は、25nmの銀の膜に堆積された超伝導ナノ結晶の比抵抗および銀の膜自体の比抵抗を表す。
図14は、室温より十分に高い転移温度を有している例示的な超伝導ナノ結晶構造の反磁性を示す。
図15(a〜c)は、超伝導ナノ結晶構造に対する金成長の影響を示す。
図16(a)は、例示的な超伝導転移温度および反磁性に対する、外部から印加された磁界の強度の影響を示す。図16(b)は、従来技術で知られている超伝導体であるバルク鉛の特性を示す。図16(c)は、異なる時間における銀コア形成の形成を表す。図16(d)は、310 Kでの転移温度を有している超伝導ナノ結晶の体積磁化率を表す。
図17(a)は、超伝導ナノ結晶を有している本発明の超伝導装置の概略図である。
図17(b)は、電力を取り出すかもしくは誘導する手段および超伝導ナノ結晶と並んで、基板上に配置された超伝導装置の概略図である。
図18(a−b)は、本発明の超伝導膜を有している装置の模式図および対応する写真である。
図19は、異なる超伝導体間の位相差に依存する装置の模式図である。
図20(a〜c)は、超伝導Pt−Cu、Mn−Cu、Pd−Cu NCの光学特性を示す。
図20(d−e)は、Mn−CuおよびAu−Cu超伝導NCのTEM像を示す。
図20(f)は、Au−Ag/Ag NCの光学特性を示す。
図20(g)は、ロッド状のAu−Ag NCの光学特性を示す。
図20(h〜j)は、種々のナノ結晶の光学データを例示する。
図21は、本発明の一態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。
図22は、本発明の別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。
図23は、本発明のさらに別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。
図24は、本発明のさらに別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。
図25は、本発明のさらに別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。
(発明の詳細な説明)
本発明は、特定のナノスケールの構築物の結果として超伝導が生じている超伝導体の構成に関する。最も一般的な解釈では、本発明に記載されている超伝導体は、超伝導ブロックと呼ばれるビルディングブロックを含む。各超伝導ブロックは、少なくとも1つのシェルに組み込まれている少なくとも一組のコアの対を含む。各ビルディングブロックは、孤立して、または他のビルディングブロックに近接して、または他の材料に近接して、超伝導性を示すことができる。しかし、超伝導ブロックの超伝導性の一部の特徴は、他の超伝導ブロックとの近接によって変化し得る。例えば、そのようなブロックが超伝導状態に遷移する温度は、他の超伝導ブロックまたは超伝導材料への近接によって変えられ得る。超伝導ブロックは、少なくとも1つのシェル内に少なくとも一組のコアの対を含む単一の超伝導ナノ粒子として視覚化され得る。あるいは、複数の超伝導ブロックから超伝導ナノ結晶を有利に作り出すことが可能である。超伝導ビルディングブロックから巨視的超伝導体を構築することがさらに可能である。このような構築物の化学的または熱的処理は、別個の複数のビルディングブロック間の明確な境界の消失を導き得、少なくとも一組のコアの対および少なくとも1つのシェルを含む超伝導体の出現を導き得る。バルク超伝導体では、材料全体は、相と呼ばれる単一の巨視的パラメータによって特徴付けられる。この相は、超伝導材料内の構造欠陥または構造的な粒界によって影響されない。このように、超伝導ブロックの以上の定義は、相を有している超伝導体の領域と一致している。したがって、この定義はまた、粒度などの構造的特徴、または超伝導体を構成するナノ結晶と異なる。
したがって、本発明は、周囲温度および大気圧下で超伝導を示すことが可能な、超伝導ブロック、超伝導ブロックを有している超伝導ナノ結晶、および超伝導結晶を有している超伝導装置を提供する。
まず、図1(a)を参照して、超伝導ブロックに関する好ましい実施形態が、説明される。本発明の超伝導ブロックは、図1(a)に示すように、シェル102に組み込まれているまたは封入されているコアの対101aおよび101bを含む必須の基本ユニットを備える。コアの対101a、101bは、その常伝導状態において導電性を有している材料で構成される。コアの対101a、101bは、コア101a、101bの間に、介在する重心距離(CD)を有して、シェル102に組み込まれている。組み込まれているコアの対(101a,101b)およびシェル(102)は、コアの当該対および当該シェルの材料がその正常状態で超伝導をたとえ示さなくても、超伝導を示す。
この好ましい実施形態では、シェル102に組み込まれているコア101aおよび101bの各々は、0.3〜2.7ナノメートルの範囲にある直径を好ましく備えている。好ましいコア直径の選択は、コア101aおよび101bと周囲のシェル102との間の電荷移動の有効性に影響する。ここで、当該有効性は、コアおよびシェルの総体積に移動される総電荷についての有効性が考慮されている。従って、コアおよびシェル材料の選択に依存して、電荷移動は、中間サイズのコアのために最適化される。非常に大きなサイズのコアの場合、コア−シェル界面における電荷移動の有効性は、体積に対する減少した表面の割合のために抑制される。一方、非常に小さいサイズのコアについて、体積に対する表面の割合が大きいにもかかわらず、コア材料のクーロン荷電は、移動の有効性を低下させる。したがって、コア101aおよび101bと周囲のシェル102との間の電荷移動の有効性を達成するために、最適なコア直径を有しているコアを選択することが有利なだけでなく、必須である。
コア101aおよび101bは、0.7〜20ナノメートル(nm)の介在する重心距離(CD)を有して、配置される。コア101aおよび101bの重心距離は、シェル102にあるコア101aおよび101bの密度に関連する。したがって、コア間の平均重心距離は、超伝導ブロック100の単位体積あたりに生じる電荷移動の合計の程度を決定する。この要素は、低エネルギーモードの電子の密度、従って超伝導ブロック100の超伝導特性の決定において決定的な役割を果たす。本発明に示されるように、超伝導ブロック100における、伝導電子への大規模な変化の特徴は、2以上のコアが超伝導ブロック100内に存在する場合にのみ生じ得る。従って、超伝導ブロック100における超伝導性は、少なくともコアの対101aおよび101bをシェル102に組み込むことによって達成される。
したがって、本発明の超伝導ブロック100は、常伝導状態において導電性である第1の材料からなる少なくとも1つのコアの対101aおよび101bを、常伝導状態において導電性である第2の材料からなるシェルとともに、有しているナノ構造物である。従って、超伝導ナノ結晶構造物の第1の材料および第2の材料は、異なる仕事関数、ボルタ電位または電気化学的仕事関数を好ましく示す材料の群から選択される。成分のフェルミ準位位置の、ボルタ電位および他の記述子における差異の存在は、コアおよびシェル材料の選択の重要な特性である。この差は、コア層とシェル層との間に局所的な電荷移動を生じさせる、2つの成分間の電位勾配を意味する。従って、本発明では、超伝導ブロック100内の電子分布の局所的な再構成の調節は、常伝導状態におけるそれまでの導電性の材料に、超伝導性を与える。言い換えれば、超伝導ブロック100において達成される超伝導は、ナノスケールにおける少なくとも2つの構成である導体間の高い有効性の電荷移動の発生に基づく。電荷移動は、2つの材料間のボルタ電位差に依存し、それらの格子構造および振電モードのような材料の他の詳細にはあまり影響されない。このように、電荷移動は、2つの導体に関連する詳細にロバストであり、固有のボルタ電位差とともに、所望の材料における導電/自由電子または可動電子の存在にのみ依存する。
それは、本発明の超伝導ブロック(100)は、ナノスケールの少なくとも2つの構成導体間の有効性の高い電荷移動の発生に依存するためである。コアおよびシェルにとっての2つの材料を選択するときの指針である主な要素は、コアとシェルとの間の適切な電荷移動を保証するのに十分なボルタ電位差がこれら2つの材料の間に存在することである。コアおよびシェルにとっての2つの材料の選択は、コアおよびシェルの材料の間に適切な電荷移動を保証するのに十分なボルタ電位差の大きさに基づいてなされる。
したがって、シェルの材料は、コアおよびシェルの材料の間におけるボルタ電位差の大きさが≧0.4Vに等しいか、それを超える限り、コア101aおよび101bに使用される材料と同じ材料から好ましく選択され得る。また、ボルタ電位差が大きいほど、向上された電荷移動を導き得ることも理解される。したがって、ボルタ電位の大きさの好ましい範囲の上限は、材料の選択に基づいて、適切に選択され得る。
したがって、コアおよびシェルのための好ましい材料(第1および第2の材料)はアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイドおよびランタノイド、好ましくはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ストロンチウム(Sr)、銀(Ag)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、クロミウム(Cr)、スカンジウム(Sc)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、錫(Sn)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、またはこれらの合金および化合物から選択される。
非元素導体、好ましくは金属の酸化物、ドープされた半導体、半金属、好ましくはテルル化水銀の材料を使用することも本発明の範囲内である。したがって、ここでは、コアおよびシェルのための材料は、自由電子または伝導電子を示す材料から選択され得ることがさらに理解される。
本発明の例示的な態様では、101aおよび101bならびにシェル102の所望の材料の組成は、超伝導ブロック(100)において等しく豊富である。一方、所望の材料の好ましい組成は、互いに等しくなく、相対的であり得る。
本発明の超伝導ブロック(100)では、第1および第2の選択された材料のいずれも、孤立して超伝導転移を起こす必要はない。超伝導性は、このような材料、例えば、金(Au)および銀(Ag)では、あらゆる既知の温度およびその常伝導状態において、認められていないからである。
材料の相対的な組成は、その超伝導状態への遷移が異なる温度で生じる超伝導ブロック(100)を得ることを可能にする。また、超伝導転移のための室温以上の温度を達成することも可能である。その超伝導状態への転移も大気圧条件下で達成されている。
本発明のさらに別の例示的な態様では、コア101aおよび101bならびにシェル102にとって好ましい材料のモル比は、1:20〜20:1の範囲である。
超伝導ブロック(100)は、介在する重心距離(CD)を有して、シェル(102)に組み込まれているコアの対(101a、101b)を有していることによって、超伝導性を示し、組み込まれているコアの対(101a、101b)およびシェル(102)は、超伝導性を示す。したがって、超伝導マトリックスは、コアとシェルとの間で電荷が移動し、2つの導体(コアおよびシェル)の電子が再構成される超伝導ブロック(100)によって形成されている。得られた超伝導ブロック(100)において再構成された電子は、十分な密度の低エネルギーモードがシステム内で有効である限り、超伝導を示す。ある密度の低エネルギーモードの存在は、正味の電子−電子引力(electron-electron attraction)の発生を保証する。電子間のこの引力相互作用は、好ましい条件でクーパー対の形成をもたらし、超伝導の発生をもたらす。
したがって、超伝導ブロック(100)において、シェル102に組み込まれているコア101aおよび101bが、周囲温度および周囲圧力下で、超伝導転移を示すように構成され得る。また、超伝導への転移は、1mK〜10Kの範囲にある温度および0〜1011Paの範囲にある加えられた圧力において達成され得る。
また、本発明の超伝導ブロック(100)は、周囲を含む、より広範囲の加えられた温度および圧力下で超伝導状態を示すように構成され得る。本発明の顕著な有利な態様は、200Kを超える温度のような高温で超伝導状態を達成するために、高い外圧を加えることを要しないことである。また、298Kより高い温度および1気圧に近い圧力下で、超伝導状態を達成することは、本発明の範囲内である。本発明の超伝導ブロック(100)の超伝導性は、この値を下回る圧力の低下によって影響を受けない。この値を下回る圧力の低下は、超伝導ブロック(100)を作るために使用される材料に、認識可能な、構造的変形または電子の変化をもたらさないからである。周囲圧力条件下であっても、室温以上の温度で超伝導状態に到達しやすいということは、本発明の主な利点の1つであり、地上環境において機能性を保持する超伝導装置を作るために使用され得る。好ましい温度パラメータに加えて、超伝導体(100)の超伝導性は、0〜1011Paの範囲にある大気圧条件下で得られる。しかし、転移温度の上限は、完全には測定可能ではないが、材料間の超伝導ギャップの大きさから決定されることは、当業者に理解される。
図1(a)に示されているような超伝導ブロック(100)の構成は、実質的にナノスフェロイドである。得られる本発明の超伝導ブロック(100)は、ナノスフェア、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノキューブ、ナノプレート、ナノ小板およびナノロッドなどの様々な構成である。
本発明のさらに別の態様では、図1(b)に示されるように、ナノスフェアとして例示的に示される超伝導ブロック(100)は、多層であるコアの対(101a、101b)およびシェル(102)を備える。多層のコアおよびシェル構築物の存在は、新規な機械的利点を付加しないが、これは、これらの材料を作製するために採用される調製方法の結果であり得る。さらに、これは、本発明の特定の特徴を微調整するために採用され得る。例えば、特定の材料の組み入れは、より低い密度を有している超伝導体をもたらし得る。このような材料は、困難な条件下での適用に有用であり得る。
本発明のさらに別の例示的な態様では、図1(c)に例示されているように、超伝導ブロック(100)は、重心距離(CD)を有して、シェル(102)に組み込まれている複数のコア(101a、101b)を備える。この例示的な態様では、複数のコア(101a、101b)の材料は同一または非同一である。コアの図1(c)に示されるような白黒の表現は、複数のコアについての異なる種類の材料の使用を示す。異なる材料を含む複数のコアの存在は、新規な機械的な利点を付加しないが、これは調製方法として有利であり得るか、または本発明の特定の特徴を微調整するために採用され得る。例えば、特定の材料の組み入れは、より低い密度を有している超伝導体をもたらし得る。このような材料は、困難な条件下での適用に有用であり得る。
従って、本発明の超伝導ブロック(100)は、介在する重心距離(CD)を有して分離されているコアの対(101a、101b)で作製される。コアの対(101a、101b)のための材料は、それらの常伝導状態において導電性である。コアの対(101a、101b)は、周囲温度および周囲圧力条件下において超伝導性を示すために、シェル(102)に組み込まれ、または封入されている。
ここまでには、シェル102に組み込まれている少なくとも1つのコアの対101aおよび101bを有している超伝導ブロック(100)の好ましい実施形態が記載されている。
次に、本発明のさらに別の態様において、複数の超伝導ブロック(100)を組み入れている本発明の超伝導ナノ結晶(200)に関する好ましい実施形態が、図2(a)に示されているように特に参照して、これから説明される。超伝導ナノ結晶(200)は、互いに一体につなげられている複数の超伝導ブロック(100)を含み、複数の超伝導ブロック(100)の各々は、その常伝導状態において導電性である材料を有しているコアの対(101a、101b)を含む。コアの対(101a、101b)は、介在する重心距離(CD)を有して、シェル(102)に組み込まれており、組み込まれているコアの対(101a、101b)およびシェル(102)は超伝導性であるように構成される。複数のコア(101a、101b)は、シェル(102)に配置されており、複数のコア(101a、101b)は、それらの常伝導状態において導電性であり、コア(101a、101b)間の重心距離は0.7〜20ナノメートルの範囲であり、超伝導マトリクスを形成するように構成されている。
本発明のさらに別の例示的な態様では、超伝導ナノ結晶(200)における複数の超伝導ビルディングブロック(100)の体積磁化率が−0.001(SIユニット)未満である。
単一のコア材料ではなく、複数のコアの使用は、超伝導ナノ結晶(200)の組成をある様態において制約する必要がある用途において有利である。例えば、具体的な標的への適用に適したものにするために、超伝導ナノ結晶(200)の質量密度を制限するという観点において有利である。この実施において、低密度の超伝導ナノ結晶(200)は、困難な環境における使用にとって、潜在的により有利である。従って、本発明の超伝導ナノ結晶(200)は、メソスコピックおよび巨視的な超伝導ナノ結晶(200)の製造を可能にするために、凝集または結合され得る。
ここで、図2(b)を参照して、超伝導ナノ結晶(200)の配置の好ましい実施形態について説明する。この例示的な態様では、複数の超伝導ナノ結晶(200)が媒体(203)内に配置されており、複数の超伝導ナノ結晶(200)は互いに一体ではなく、導体の領域(204)によって分離されている。これは、超伝導領域(204)が導体内に分配されている複合材料の作製を可能にする。さらに、超伝導性が近接効果を介して導電体に誘導され、低い比抵抗をもたらすことが可能である。
導体(200)に配置された媒体(203)と共に超伝導ナノ結晶を形成するために使用される材料の比抵抗は、好ましくは1×10−9Ohm−m未満である。ここに示される抵抗率は、金および銀などの材料、ならびに銀である媒体(203)で作られた例示的な超伝導ナノ結晶に関する。したがって、ここでは、超伝導ナノ結晶は、他の適切な材料および媒体と共に、本明細書に開示されるような方法で、好ましい媒体に配置され得ることが理解される。
ここで、金(Au)からなるシェルに組み込まれており、かつ銀(Ag)材料からなる複数のコアを有している超伝導ナノ結晶の好ましい実施形態は、金(Au)からなるシェルに組み込まれている複数の銀(Ag)コアからなる本発明の例示的な超伝導体のXRDパターンである図3(a)を参照して、説明される。図3(a)は、ナノ構造のデータの下に金の標準パターンを示す。この図から明らかなように、超伝導ナノ結晶は、その構成材料である金および銀と同じ格子定数を有していることが明らかである。
一方、図3(b−c)は、例示的な超伝導ナノ結晶のステム画像であり、当該画像には、ナノ結晶の超伝導マトリックス(NC)が示されている。これらの画像は、金材料からなるシェル内に銀コア(直径約1nm)が一貫して存在することを表す。
これらの超伝導ナノ結晶の暗視野走査透過型電子顕微鏡(STEM)画像は、図3(b)に示されているように、均一性を表している。この技術は、電子を散乱する様式において元素に特有なコントラストの観察を可能にし、さらにこれらを定性的に比較することを可能にする。したがって、この特定の例示的なデータは、複数の超伝導ブロックから作製されるナノ粒子の均一な集合体の存在を証明している。ナノ粒子は、その電子回折コントラスト、形状およびサイズに関して、定性的に互いに類似している。さらに、本発明で使用される化学処理は、図3(c)に示されているように、粒子間の焼結をもたらす。
例示的な超伝導ナノ結晶構造は、金(Au)のシェルに組み込まれている銀(Ag)金属のコアを備える。ここで、銀(Ag)材料からなるコアの粒径または直径は約0.3〜1.8nmの範囲にあり、コアおよびシェルの材料間のボルタ電位差の大きさは、少なくとも0.4Vである。ボルタ電位差は、コアとシェルとの間の電荷移動の有効性を決定する。
超伝導ナノ結晶構造の微細構造は、TEM像として図3(d)〜(h)に示すとおりである。
図4(a〜c)は、シェルにおいて種々の程度にコアの凝集を有している本発明の例示的な超伝導ナノ結晶のTEM画像である。これは、それらの凝集を導く、ナノ結晶を取り囲む配位子の除去によって得られている。
図4(d−g)は、本発明の超伝導ナノ結晶のシェルにおける、凝集されたコアのTEM画像である。これは、それらの凝集を導く、ナノ結晶を取り囲む配位子の除去によって得られている。これは、超伝導体のナノ粒子の変動する形態をさらに例示する。特に、これらは、粒子または不規則な形状のような球、スフェロイド細長いロッドに形成され得る。
超伝導ナノ結晶構造を有している超伝導体は、図4(d−g)に例示的に示されるように、より大きな構造を形成するように凝集されてもよい。
さらに、これらの超伝導NC構造物の性質はまた、TEM像に示されている。特に、図4(a)および図4(b)は個々の粒子を示し、一方、図4(c)は、以下に記載されるような本発明のプロセス工程に使用される配位子置換工程によって形成される焼結構造の外観を示す。図4(c−g)はまた、良好な電気的および磁気的なサイズのために好ましい超伝導NC構造物の凝集を明確に示す。凝集された超伝導ナノ結晶構造は、種々の超伝導粒子間の結合性を示す。これは、ナノ結晶表面間に直接の接触があるとき、電子が凝集体のある領域から別の領域まで妨げられずに移動することを可能にする。さらに、超伝導体のナノ結晶間に空隙が存在しないことも、これらの材料の反磁性磁化率にとって重要である。ほとんどの一般的な超伝導体は反磁性であるため、磁力線はそのような材料のバルクから追い出される。超伝導体がナノ構造化されていると、それでもなお、磁力線が個々の粒子の周りを曲がり、そのような材料の空隙を通り抜けることが可能である。
図5(a)は、各粒子内に、構造的に不均一な暗い領域と明るい領域とが存在することを示す。
図5(b)、図5(c)および図5(d)に示すように、これらは金のマトリックス中に組み込まれている小さな(0.3〜2.7nm)銀粒子に対応する。図5(e−h)を参照して、AgのコアおよびAuのシェルから作られる例示的な超伝導体のサイズおよび構造のような物理的特性について、ここで特に説明する。これらの図は、各ナノ粒子内のAgおよびAuの元素分布を示している。これらの図から、各ナノ粒子は、1つまたは複数の超伝導ビルディングブロックを含むことが明らかである。Agは約1nmのサイズのコアの内部に形成され、Auはこれらのコアが組み込まれるシェルを構成する。これらの実施例では、5〜7nmの平均コア間重心分離がこれらのナノ粒子について維持されることが明らかである。
図5(a−p)は、Auシェル内のAgコアの分布を示す。また、これらの図は、画像形成されたナノ粒子のそれぞれの内部に少なくとも1つの超伝導ビルディングブロックが存在することを確認する。ナノ粒子の単位体積あたりのコアの密度は、各ナノ粒子における4〜8nmの間の重心距離に対応すると推定される。したがって、本発明の例示的な超伝導ナノ結晶の元素マッピングを伴う高角度環状暗視野(HAADF)画像は、銀コアのサイズが約0.3〜2.7nmの範囲であることを示す。集合的には、これらの図が、金マトリックス中に組み込まれている0.3〜2.7nmの銀ナノ結晶を含む粒子の形成を示している。したがって、本発明の超伝導ナノ結晶は少なくとも2つの材料を含む超伝導ブロックであり、ボルタ電位差の大きさは0.4V以上であり、材料の1つはナノ結晶に組織化され、他の材料のマトリクスに分布する。
ここで、本発明の例示的な超伝導ナノ結晶(Ag−Auナノ結晶)の特性評価の詳細が提供される。例示的な超伝導体は、洗浄したNC構造物を水に溶解して、その後ガラス基板上にドロップキャストされ、X線粉末回折(XRD)および透過型電子顕微鏡(TEM)によって特性評価される。全てのデータを収集するために、0.15406nmのX線、銅−Kα源が使用される。TEMグリッドは、水溶液中の超清浄サンプルを用いて準備される。HR‐TEM像はThemis TITAN透過型電子顕微鏡(200 kV)で得られる。ステムは、200 kVで動作するThemis TITAN TEMにおいて実行される。STEM−EDXエレメンタルマッピングも同じ機器を用いて実行される。得られた微粒子を還元溶液から分離し、乾燥させ、チタン金型上でプレスすることによってペレットを作製する。典型的には約65〜120mgの重量にて得られたペレットを磁力測定に供する。磁力測定は、Quantum Design社のSQUID、MPMS(登録商標)3で行われる。次いで、サンプルをチューブ上に充填し、サンプルホルダーに取り付ける。ホルダーをSQUID上に置き、種々の測定を行う。
抵抗率の測定のために、膜を以下の方法で調製する。部分的に洗浄されたサンプルを、4つの金の金属パッド(高さ100nm、それぞれが1mmの等距離間隔を有す)が堆積されたガラス基板上にドロップキャストする。架橋は、CHCl、続いてKOH(水溶液)を添加することによって行われる。CHClを添加し、続いてKOH(水溶液)を添加するプロセスおよびこのプロセスを2回繰り返した。膜をデシケーター内で真空乾燥し、乾燥直後に高圧窒素グローブボックスに移す。測定の前に、窒素ガスを膜上に通す。測定は、Quantum Design社のPPMS6000と、Agilent Technologies社のFour probe measurement setupとで行われる。
それらの組成と一致して、膜状にキャストしたときのAu−Ag NC構造物は、得られる粉末X線回折(XRD)パターンが、図3(a)に示すように、AuおよびAgの通常のパターンに類似していることが示される。
例示的な超伝導ナノ結晶の光学減衰スペクトルを図6(a〜d)に例示する。図6(a)は、通常の金および銀粒子の典型的な減衰を示す。図6(b)、図6(c)および図6(d)は、Au−Agの3つの異なる超伝導ナノ結晶の光学的減衰を示す。いずれの場合も、減衰特性は類似しており、局在化表面プラズモン共鳴が遠く移動され、金および銀の通常の減衰極大から青色にシフトしている。実際、最大値は、銀の減衰最大値と比較しても、さらに青方にシフトしている。このようなプラズモニック粒子における減衰最大値はバンド間遷移の相対的なエネルギー準位(energetic position)に結びついているので、この観測は、金と銀との表面プラズモン共鳴エネルギーよりも低いエネルギーおよび高いエネルギーにおけるモードを示す形態に、これらのナノ結晶中の電子ガスを再構成することを意味する。一般に、任意の材料の表面プラズモンエネルギーよりも低い、光学的に活性なプラズモンモードを、その形状の直接的な調節によって生成することが可能である。例えば、細長いナノロッド形状の粒子は、粒子長対幅のアスペクト比に依存するエネルギーで生じる長手方向のプラズモン共鳴を示す。これらの粒子の光学減衰スペクトルでは、この長手方向のプラズモン共鳴は、表面プラズモン共鳴よりも低いエネルギーに位置している。プラズモニック系のこれらの挙動は、これらのナノ粒子の構成材料のバルク誘電関数を考慮することによって適切に記述される。次いで、形状の効果は、従来技術において周知であるMie理論などの理論によって記述される。表面プラズモン共鳴よりもエネルギーが高い共鳴は、粒子に一定の誘電関数を仮定する理論的説明では説明できない。したがって、表面プラズモン共鳴と比較して、より高いエネルギー(より短い波長)の共鳴が存在することは、これらの粒子の他の特性とも一致する電子ガスの再構成を意味する。さらに、散乱および吸収要素へのこれらの粒子の減衰の分配が、これらのNC構造物における損失の減少の直接的な証拠を提供することが明らかである。この物質の減衰は、NCサンプルを水に溶解することによって特性評価される。FLS920分光計(Edinburgh Instruments製)に結合された積分球を使用した。キセノンランプに由来する種々の波長の光を、その分散物に照射し、出力分光器に結合したR928 PMTを用いて積分球からの光出力を検出した。試料の存在下で収集した比光を、きれいな溶媒のキュベットを球体に配置した場合に受けた光の量と比較した。これにより、吸光度を直接測定することができる。吸光度は、単純な吸収分光計を用いて測定される。散乱は、減衰と吸収との差として推定される。比較のために、純粋に吸収性の材料(半導体ナノ結晶)および通常の金属ナノ粒子(金)に対して同じ方法が採用される。観測される共鳴のエネルギーに伴って、これらの粒子における光吸収の測定可能な欠如が、これらのナノ結晶中における電子ガスの再構成と新しいモードの出現とを完全に確かにする。より低いエネルギーまで広がる状態の尾(図6c、6dで証明されているように)の存在は、電子ガス内で作られる新しいモードが、超伝導に必要な電子対形成を誘起するのに関連するエネルギーに調整され得ることを示している。
従来の超伝導体では、電子−電子引力を媒介するフォノンまたは格子振動により、電子対形成が最も一般的に起こる。電子引力は、それ自体、超伝導状態を達成するための前提条件である。本発明の一態様において、この引力は上で例示したように、新しいモードの出現によって媒介される。
図6(a〜d)に示されるような、金ナノスフェアおよび超伝導NC構造物の吸光スペクトルが、金および銀の利用可能な誘電関数を使用することと、超伝導ナノ結晶の場合にはMie理論またはその変形などの標準的な処理を使用することとにより、予想されないプラズモン共鳴位置のアナログを実証する。対照的に、金および銀のナノスフェアの場合、減衰スペクトルは適切な位置にある。
図6はまた、銀および金のNCの光学的減衰(図6(a))と、超伝導NC(図6(b−d))との間の差を例示する。
超伝導ナノ粒子において成長した追加のAuシェルの効果が図8に図示され、オーバーコーティングを裏付けしている。さらに、これが、図9(a〜c)において強調され、異なるようにコーティングされた超伝導ナノ結晶における異なる光学特性を表している。最後に、図15(a−c)には、これが強調されており、図9において観察されるような、超伝導ナノ結晶における異なる転移温度が示されている。これは、このクラスの超伝導材料の遷移温度を推定するために光学特性を採用することができること、および抵抗率の遷移が最終的に光学スペクトルに相関することを一貫して確立している。さらに、オーバーコーティングは、本明細書に記載されるNCのクラスにおける転移温度と超伝導ギャップとを調節するための便利なツールとして使用され得ると推測される。
図6(e)は例示的な超伝導ナノ結晶のエネルギー分散X線スペクトルおよび元素組成を示し、Au/Ag超伝導NCの元素組成を実証している。図6(f)および(g)は、金マトリックスに組み込まれている〜1nmの銀コアから構成される本発明の超伝導粒子の元素分布(赤線に沿った)を示す。特に、Au−Ag超伝導NCの元素分布が示されている。銀および金の濃度は、図示されているスライスに沿った位置の関数として示され、これが小さいコアの存在を確認している。このようにして、この図は、第2の金属のマトリックス中に組み込まれている0.3〜2nmサイズのナノ結晶の一般的なモチーフが、本明細書に記載する超伝導ナノ結晶中に存在することをさらに立証している。
また、超伝導ナノ結晶構造は、光励起周波数においても、著しく減少した損失を示すように構成される。これは、粒子による実質的な光吸収がほとんど伴わない、光の散乱における顕著な増大として現れる。増大した弾性光散乱が観察される波長は粒子の形状および凝集状態に依存し、これは図7(a〜e)に例示的に示されている。図7(a〜c)は、超伝導ナノ結晶における光吸収の不在を示している。同時に、図7(d−e)に示す通常の金ナノ結晶ならびに半導体量子ドットは顕著な吸収を示しており、無視できる散乱を示している。
図7(a−e)は、本発明の超伝導NC構造物(金NC構造物および量子ドット(QD)も示す)の減衰および吸収スペクトルである。超伝導NC構造物の減衰スペクトルは、Gold NSおよびQuantum Dotと比較して無視できる吸収が示されている。図7(aa−cc)には、超伝導NC構造物の減衰への吸収寄与が示されている。また、図7(a−c)ならびに図7(aa)、図7(bb)および図7(cc)に示すように、超伝導NC構造物は、減衰最大において大きな散乱および無視できる光吸収を示すように設計することができることが観察される。プラズモニックな金のNC構造物と同様に、半導体NC構造物を含む他の材料は顕著な損失を示しており、その結果、減衰が大きい領域で高い値の光吸収を示している。小さな粒子中に極めて大きな散乱と無視できる吸収とが存在することは、極めて大きい(数eV)超伝導ギャップの存在と一致する。
図8は、転移温度を低下させる超伝導ナノ結晶構造の上部に金の層を成長させる効果を示している。超伝導NC構造物上における進行性金属のコーティングは、その光学的性質のゆるやかな劣化と、光学的に通常であるNC構造物への最終的な転換とをもたらす。これは、金がこの材料上にオーバーコートされるとき、これらのNC構造物において金のプラズモンが徐々に出現していることを示す図8に例示されている。最終的なAuコーティング工程後に形成された最終的なNCは、光学的に金NC構造物に似ている。この特定の試料では、銀のプラズモンに対応する小さな隆起も約400nmで見ることができる。この変化はまた、図9(a−c)において強調されている。図9(a−c)は、ゼロ磁場における323K、234Kおよび150Kの転移温度における、NC構造物を得るための超伝導NC構造物上の金の適切な成長を示す。超伝導転移温度は、図15(a−c)に示すように、膜抵抗を調べることによって測定した。
無視できる光学損失は、超伝導状態における低抵抗の存在によってさらに補足される。これは、以下に記載される装置を使用するアセンブリについて最も便利に測定される。本発明の超伝導NC構造物の膜は、図10に示すように、ある臨界温度以下での超伝導への遷移を示す。残留抵抗は抵抗測定系に起因する測定誤差である。この誤差は、測定回路のさまざまな部分で形成される小さな接触抵抗によって引き起こされる。所与の実施例では、遷移は238Kで起こることが観察されている。
超伝導状態の達成と一致して、転移温度は磁界の強い作用である。図11に示すように、遷移は、3T照射野に対して234Kまで系統的に低下する。
試料抵抗を用いて測定される転移温度も電流の作用である。これは、図12に示されており、3.2mAの駆動電流での238Kの遷移とは対照的に、100mAの駆動電流は236Kの遷移をもたらす。
超伝導状態のサンプルで観察された低い抵抗率および抵抗とは対照的に、厚さ20nmの金属金膜は〜2×10−7Ohm−mの抵抗率を示す(図13a)。同様の厚さの超伝導サンプル膜は1×10−11Ohm−m程度の低い抵抗率を示し、本質的に測定設定によって制限される(図13b)。この図に示されるサンプルは、このセットアップにおいて、アクセス可能な温度範囲をはるかに上回る転移温度を有している。測定した抵抗率は、超伝導膜中への25nmのAgの浸透によりさらに減少している。これは、蒸発によって達成される。得られた抵抗率を図13cに示す(約10−11Ohm−m)。25nmの蒸着したAg膜の抵抗率は、9×10−8Ohm−mと低い(図11(d))。
このような試料の磁力の容積磁化率を測定したところ、図14に示すように−0.034であった。これは既知のどの非超伝導材料よりもはるかに強い反磁性体である。
図16(a)は、230Kで遷移を示す超伝導NCの容積磁化率を示す。照射野の増大は、5Tで218Kへの転移温度の低下を引き起こす。その超伝導状態において、超伝導NCは−0.075の容積磁化率によって特徴付けられる。対照的に、図16(b)に示すように、100mgのリードペレットは、5K(その転移温度未満)で−0.5の容積磁化率を示している。図16(c)に示すように、異なる時間隔での銀コアの形成は、銀コアのサイズを変化させることを可能にする。この図に示されるような光学スペクトルは、本発明の例示的なAu−Ag超伝導NCのものである。この図において、示された時間は、硝酸銀およびCTAB溶液の混合と、水素化ホウ素の添加との間の間隔に対応している。NCのための1.58Minの最適スペクトルにも見られ、他のすべてがより変動の少ない程度である。異なる時間枠での銀コアにおけるコアの形成が行われている。この特徴は、銀コアのサイズを変化させることを可能にする。この図では、本発明のAu−Ag超伝導NCの光学スペクトルが示されており、ここで示されている時間は硝酸銀溶液およびCTAB溶液の混合と、水素化ホウ素の添加との間の間隔に対応している。1.58Minのスペクトルは最適であるが、他のすべてのスペクトルは様々な程度でより芳しくない。
図16(d)は、本発明のAu/Ag NCの例示的サンプルに関し、310Kで転移温度を有している例示的な超伝導ナノ結晶の容積磁化率を示す。
本発明のさらなる態様において、本発明の主題は、超伝導NCおよびNCベースの装置を提供する。NCベースの装置は、NC構造物および基板を備える。上記装置は、超伝導ナノ結晶構造を配列するための少なくとも1つの基板を含む。本発明の装置では、超伝導ナノ結晶構造が内部コア構造を保存するだけでなく、選択された金属材料の粒子の個々の同一性の損失を容易にするために、凝集または焼結形態で配列されるように構成される。超伝導体をベースとする装置は、ワイヤまたはファイバの形態で、または膜として超伝導体を含むことができる。一つの実施形態では、超伝導体のワイヤは絶縁体で覆われ、コアの周りに巻かれている。この構成の電流は、コアに磁界を発生させる。他の実施形態では、2つの弱く接続された超伝導体間の位相差が電流を生じさせる。別の実施形態では、1つの超伝導体を使用して、適用可能な状態でそれ自体が超伝導でない材料に超伝導を誘起する。これらのそれぞれの実施形態において、使用されている超伝導体は、高温でその超伝導状態を示す。
本発明のさらなる態様では、基板は不活性であり、超伝導ナノ結晶構造に機械的支持を提供する。基板は、電子流のための、または電界および磁界の伝達または排除のための経路を提供するように構成することができる。基板の材料は、ポリマー(ポリエテン、ポリスチレン、ベークライトなどの材料)、ゴム(シリコーンまたはニトリルなど)、ガラス(ホウケイ酸ガラスなど)、または銅、鉄、ニッケル、またはアルミニウムなどの金属、あるいは前記のいずれかの合金または組合せであってもよい。
本発明のさらに別の態様では、超伝導ナノ結晶構造に組み込まれる装置は、装置内に位置する2つの点の間の電荷の移動または電荷の電流に依存する。装置内の少なくとも2点間の電流の通過は、超伝導ナノ結晶またはその凝集体、または超伝導ナノ結晶を含む複合体を含む経路に沿って起こる。
本発明のさらに別の態様では、装置は、装置における別個の超伝導領域上の波動関数の異なる位相の測定に依存する。各連続超伝導領域は、定まった位相に関連している。二つの異なる超伝導ドメイン間の位相差は、位相差の決定を可能にする測定可能なJosephson電流を生じる。このような装置の低温バージョンは磁界を感知するために既に使用されており、量子計算の観点からも重要である。室温より高い遷移温度を有している本発明の超伝導体は、そのような装置を室温で構築することを可能にする。
別の実施形態において、装置はある領域から電場および磁場を除外するために、超伝導領域に依存する。非対称スピン対形成をもつ超伝導体は超伝導体のバルクから磁界を除外する。完全に導体である超伝導体は、そのバルクから電場も除外する。したがって、超伝導体は、内部部品が超伝導層によって電界および磁界から隔離されるシールド装置に使用されてもよい。
別の実施形態では、装置が超伝導領域の長さに沿って磁界を誘導するために超伝導体を利用する。対称なスピン対をもつ超伝導体は、磁場が存在しないときにはその条件に対して超伝導状態が安定化されるように磁場と相互作用することができる。この状況では、超伝導体は、強磁性材料と同様に磁界の伝達を可能にするためのガイドとしての役割を果たすことができる。別の実施形態では、装置が磁界を生成するために、超伝導領域内の電流の流れを利用する。電流の流れは磁界を発生させ、この効果を利用して電磁石を作る。超伝導電磁石は、ほとんど電力を消費せず、その結果、医療診断に有用であるような高い磁界を達成するために使用される。室温以上での転移を有している既知の超伝導体は存在しないため、このような磁石を機能させるためには、広範な冷却が必要とされている。室温超伝導体の利用可能性は、従って、より単純な磁場発生装置の製造を可能にするのであろう。第二に、このような超伝導体における対称スピン対形成のポテンシャルは、磁場を発生させる能力をさらに増強するのであろう。
超伝導ナノ結晶構造は、所望の装置を得るために基板上に堆積させることもできる。超伝導ナノ結晶構造の堆積は、コロイド分散液などからの滴下キャスティングまたはスピンコーティングなどの堆積技術によって行うことができる。不活性基板はその特性に最小限の影響を与えながら、超伝導ナノ結晶構造に機械的支持を提供する。
図17(a−b)は、基板(306)上に有利に配置された超伝導ブロック(100)を含む超伝導く(300)を示す。基板(306)は、種々の導電性または非導電性であってもよい。基板(306)の材料は、導電性材料、絶縁体または半導体から選択される。あるいは、基板(306)の材料は、ポリマー、好ましくはポリエテン(polyethene)、ポリスチレン、ベークライト、ゴム、好ましくはシリコーン、ニトリル、ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラス、金属、好ましくは銅、鉄、ニッケルもしくはアルミニウム、または金属の合金、またはそれらの組み合わせから選択される。
図18(a−b)は、本発明の超伝導NCを使用する例示的な装置を示し、図18(a)および(b)は、それぞれ、超伝導体膜を通る電流の流れに依存する装置の模式図および写真である。この装置を用いて超伝導膜の抵抗を特性評価した。この装置は、接触抵抗のない方法でサンプル抵抗の測定を可能にする6つのプローブを有している。プローブは、厚さ100nmの金属金から構成される。本発明の超伝導NCをこの装置上に堆積させた。このようなNCの膜の抵抗は、室温以上のような非常に高い温度であっても、無視できるほどに小さいことが分かる。したがって、このような材料は、損失が望ましくない状況における電流輸送層として使用され得ることが実証されている。
図19は、超伝導体膜へのトンネルに依存する装置の模式図である。この図は、超伝導ギャップを特徴付けるために使用される装置を示している。装置は、ジョセフソン・トンネリングと同様にジェーバー(Giaver)を示すことができる。本発明のNCの使用により、周囲条件下、室温でこのような現象を観察することが可能である。
高温での超伝導性により、本発明の超伝導NCは、電力貯蔵装置、界磁センサとして、および電磁界ガイド、集光器およびシールドとして、量子計算のための磁石、量子計算のための量子ビット、電力グリッド内の電流搬送相互接続、並びに小規模装置、マグレブ列車内の界磁生成器を作成するために利用することができ、それぞれの場合、超伝導体ベースの装置は、室温またはそれ以上で動作するように設計することができる。
本発明のさらに別の態様において、本発明の超伝導ナノ結晶構造の調製方法を、図21〜25を参照して、ここで説明する。
超伝導ナノ結晶を作るプロセスには、コアおよびシェルの材料の選択が含まれる。コアは、その後、コア材料から形成される。この工程に続いて、コアがシェル材料に組み込まれる。このプロセスはコアの頂部上にシェルを構築し、その後、異なるコアのシェルを凝集によって単一のシェルに合体させるか、またはシェルの連続成長によって、様々に達成され得る。あるいは、シェルへの複数のコアの組み込みは、シェル材料と共に基板上へのコアの沈殿を引き起こすことによって達成されてもよい。このスキームの1つの実施形態において、コアは、平面的な表面、細長い表面、好ましくは有線または他のナノ粒子であり得る基板上に堆積される。このスキームの別の実施形態では、コアがシェル材料の予め形成されたナノ粒子上に堆積され、追加のシェル材料がこの構造の上に成長される。
本発明において、本発明として、超伝導体の遷移温度の制御が、層の堆積の数、材料の単位体積あたりの内側中心の数およびサイズ、中心およびマトリクス材料の性質を調整することによって行われる。より低いボルタ電位差を有している材料の選択は、転移温度の低下を引き起こす。同様に、大きすぎるかまたは小さすぎる最適でないサイズを有しているコアを使用することは、より低い転移温度につながる。一度、特定の構造が合成されると、その構造上に別の金属または2つの金属のいずれか1つを大きく成長させることによって、その転移温度を調節することが可能である。この成長は、溶液中で、または膜として構造を堆積させた後に行うことができる。これは堆積される金属に依存する転移温度の低下を引き起こし、より低いボルタ電位がより少ない低下を引き起こすことを伴う。ナノ結晶上に所望の材料を大量に堆積させると、遷移温度のより強い低下が観察される。事実上、第二材料における0.3〜2nmという結晶粒の低い充填レベルは、転移温度を低くする原因となる。転移温度はまた、超伝導ナノ結晶サイズおよび凝集状態を調節することによって、または非超伝導状態で存在する材料を粒子に近接または接触させることによって制御され得る。これは、超伝導ナノ結晶上への材料の大きな成長、コーティングの形態での超伝導ナノ結晶への材料の組み込み、または超伝導ナノ結晶のアセンブリへの材料の組み込みのいずれかによって達成され得る。
本発明のプロセス工程を使用することによって、異なる臨界温度を有している例示的な超伝導NC構造物が調製される。例えば、図15(a−c)において、転移温度150K(図13(a))、222K(図15(b))および325K(図13(c))のNC構造物が示されている。図13(c)に示される例示的なNC構造物は、室温よりかなり高い温度である。それぞれの場合、より低い転移温度は、高い転移温度を金属(金または銀のいずれか)で超伝導材料を被覆することによって達成される。図13(a〜c)に示されるNC構造物は、以下のように調製される:本発明者らが5.43:1の例示的なモル比を有している超伝導NCから開始している。この超伝導ナノ結晶上に金が次第に被覆され、転移温度の低下を引き起している。図13(a)に示す超伝導NCは、金対銀のモル比が6.41:1である。一方、図13(b)に示すNCでは、金と銀の比率は5.95:1mmolである。図13(c)では、比率は5.583:1である。したがって、オーバーコーティングの量が少ないほど、より高い転移温度につながる。
超伝導ナノ結晶構造の調製のためのプロセスステップは、構成材料(金属)の1つが所望のサイズのナノクラスタを形成する発生条件を含む。これらのナノクラスタは、その後、他の選択された材料(金属)に封入される。両方の材料がナノ粒子を形成している場合、プロセス工程は、これらの材料の凝集を可能にするように変更される。
超伝導ナノ結晶は、調製された超伝導ナノ結晶を熱的または化学的に焼結することによって凝集体に形成することができる。熱焼結は堆積された超伝導ナノ結晶構造材料を、配位子が分解されるか、さもなければ排除されるように、室温より高い温度に加熱することによって達成される。あるいは、このプロセスが化学試薬を添加して、超伝導ナノ結晶構造の周りの配位子および余分な分子を溶解除去するか、または化学的に分解することを含む。
本発明のプロセス工程において、選択された金属は、配位子および還元剤を添加することによって、好ましくは0.3〜2nmの範囲のサイズで所望のサイズの対応するナノ粒子内に形成される。あるいは、ナノ粒子はまた、非混和性溶媒の存在下で得られ、テンプレートが成長するナノ液滴またはマイクロ液滴を生成する。次いで、これらのナノ粒子を所望の金属または合金に還元する。追加のステップが採用され、超伝導ナノ結晶構造を形成するために、転移温度Tを調節する。形成された高温超伝導ナノ結晶構造は、対応する凝集体を形成するために配位子除去剤で処理される。これらの凝集体は、フィルム、ワイヤ、ペレットなどに変形されてもよく、または他の方法で成形されてもよい。
これらの手順は、他の例示的な超伝導NCを調製するために採用されてもよい。例えば、図20(a−c)は、それぞれ、超伝導Pt−Cu、Mn−Cu、およびPd−Cu NCを示す。これらの各々は、Au‐Ag NCに類似した光学特性を持つ。図20(d)および図20(e)は、Mn−CuおよびAu−Cu NCのTEM画像を示す。図20(f)は、超伝導Au−Ag/Ag NCの光学特性を示す。最後に、図20(g)は、超伝導NCが棒状である実施例を示す。
本発明の主題は、ここで、実施例を用いて例示され、実施例は開示の実施を例示することのみを意図し、本開示の範囲に対する任意の限定を暗示するように限定的に解釈されることを意図しない。
実施例1:Au−Ag超伝導ナノ結晶構造の合成
8〜10nmの金(Au)ナノスフェアの合成:
8〜10nmの単分散金ナノスフェアを、種子媒介プロセスによって合成した。この方法では、5mlの0.5mM HAuCl(塩化金(III)三水和物(Gold(III) chloride trihydrate)、>99.9%)を5mlの0.1M CTAB(セチルトリメチルアンモニウム、>99%)溶液に添加した。溶液を激しく撹拌した。これに0.6mlの0.1M NaBH(ホウ素ナトリウム、>96%)を迅速に添加した。得られた溶液の最終色は褐色であり、3nmの金ナノ結晶種の形成を示した。次に、この種子を用いて8〜10nmの金ナノスフェアを合成した。500mlの5mMのHAuCL、500mlの0.1M CTAB水溶液、および3mlの0.0788Mのアスコルビン酸を含む増殖液を調製した。成長溶液に、8mLのAu種子を添加した。溶液を十分に振盪し、5時間保持した。
ナノ複合材料の合成:
得られた金ナノスフェア溶液を、水を用いた遠心分離により洗浄した。沈殿物を10mLの0.1M CTAB水溶液に再分散させ、三角フラスコに入れた。溶液を適切に撹拌した。次に、1mLの1mM硝酸銀溶液を溶液に添加し(約5秒間にわたって)、添加が完了したら反応のためのタイマーのスイッチを入れた。1分に達したとき、2mLの0.1M NaBHを迅速に加え、続いて1mlの1mM HAuCl液を滴下した。最終生成物を、そのUV−可視スペクトルを通して追跡した。
様々な生育サンプルの合成:
試料上にAu層を成長させるために、成長していない試料を最初に遠心分離により水で洗浄した。遠心分離を2回行った。次いで、得られた沈殿物を10mLの0.1M CTAB溶液に再分散させた。該溶液を25mLの三角フラスコに採取し、必要量の1mM HAuClを10μL/3分で滴下した。HAuClを加える前に、NaBH溶液(2ml 0.1M)を加えて溶液を還元した。予想される超伝導転移点に対し、次の通り、1mM HAuClを添加した:323Kについて125μL、234Kについて231μL、および150Kについて425μL(添加速度:10μL/5分)。遠心分離によりHAuClを加えた直後に反応を停止した。全てのサンプルを水素化ホウ素ナトリウム(メタノール中、LRグレード)中で保存し、グローブボックス内で溶液を還元した。
サンプルの洗浄:
このようなサンプルのいくつかのバッチを合成し、一緒に混合した。各バッチからのサンプルの品質を、UV可視スペクトルによって判定した。サンプルを、水を用いた遠心分離によって洗浄した。遠心分離を5回行った。得られた析出物を30mlバイアルに集め、乾燥のために保持した。乾燥した試料に、5mLのCHCl(クロロホルム、LRグレード)を添加し、該溶液を10分間超音波処理した。この溶液をCHCl溶液に4時間保持した。4時間後、固形試料を遠心分離によりCHClから分離し、新鮮なCHClを添加した。4時間毎の超音波処理およびCHClの添加の以前のプロセスを2日間実施した。次の工程では、CHClの試料を遠心分離し、沈殿させる。沈殿物を乾燥し続けた。乾燥後、固体サンプルをアセトンで数回洗浄し、乾燥のために放置した。乾燥した試料に、5mLの1M KOH(水酸化カリウム)水溶液を加えた。KOH溶液中の試料を十分に超音波処理し、30分間保持した。30分毎にKOH溶液を交換し、超音波処理した。このプロセスを1日間繰り返した。凝集した超伝導NCの最終的に得られた集合物(微粒子)は、金属光沢を有している灰白色がかった色に見えた。超伝導体の微粒子を、グローブボックス内の水素化ホウ素ナトリウム溶液の還元環境中に貯蔵した。Au−Ag超伝導NCの巨視的試料は、酸素に曝されると強磁性を示す。これは、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤に暴露することによって逆転させることができる。
実施例2:Mn−Cu超伝導ナノ結晶構造の合成
1gmのドデシル硫酸ナトリウム(SDS、ACS試薬≧99%)、3mlのブタン−1−オール(LRグレード)、6.5mlのn−ヘキサン(HPLCおよび分光グレード)および1mlの0.0009(M)塩化銅(II)(CuCl・2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を混合することによって、マイクロエマルジョン系を作製した。この透明な溶液2mlをピペットに取り出し、空気を基準としてスペクトルを測定した。この溶液に、新たに調製した0.2%水素化ホウ素ナトリウム(NaBH ACS≧98%)溶液10μLを、大気開放状態、室温で添加した。溶液は黄色になり、そのスペクトルを前述したのと同様の方法を用いて記録した。スペクトルから、銅(Cu)コアのサイズは〜0.7nmであると評価した。次いで、1mlの0.0009(M)塩化マンガン(II)四水和物(MnCl・4HO、ACS試薬≧98%)溶液を、1mlの過剰なNaBH(>20%)と共に非常に迅速に添加した。この混合物に、10mlの0.3(M)臭化セトリモニウム(CTAB ACS試薬≧98%)溶液を添加した。反応全体を通して、溶液全体を400rpmで連続的に撹拌した。完了後、溶液は白色に変わり、超伝導Mn‐Cu NCの形成を示した。静置すると、溶媒の2つの異なる層が混合物全体から分離した。有機物に可溶な上部は灰色がかったが、水に可溶な下部は白色であり、界面に凝集体を残した。透明な溶液を作製するために、10mlのエタノール(EtOH Absolute 99.9%)を添加した。凝集体を遠心分離によって回収し、黒色沈殿を残した。沈殿物を水で超音波処理すると、散乱を示す白色溶液が得られた。この溶液のスペクトルを、水を参照として用いて得た。同様の散乱効果は、同じ合成手順に従って調製された銅コアのサイズを2nmまで増大させることによって観察された。
実施例3:Mn−Cu巨視的凝集体を直接調製する直接合成
1gmのドデシル硫酸ナトリウム(ACS試薬≧99%)、3mlのブタン−1−オール(LRグレード)、6.5mlのn−ヘキサン(HPLCおよび分光グレード)および1mlの0.0009(M)塩化銅(II)(CuCl・2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を混合することによって、マイクロエマルジョン系を作製した。この透明な溶液2mlをピペットに取り出したフォームのスペクトルを、空気を基準として測定した。この溶液に、新たに調製した0.2%水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、ACS試薬≧98%)溶液10μLを、大気開放状態、室温で添加した。溶液は黄色になり、そのスペクトルを前述したのと同様の方法を用いて記録した。スペクトルから、銅(Cu)コアのサイズは〜0.7nmであると評価した。この黄色溶液に、10%ポリビニルピロリドン(PVP、ACS試薬、平均分子量40,000)溶液を添加した。次いで、1mlの0.0009(M)塩化マンガン(II)四水和物(MnCl・4HO、ACS試薬≧98%)を、1mlの過剰なNaBH(>20%、ACS試薬≧98%)と共に非常に迅速に添加した。反応全体を通して、溶液全体を400rpmで連続的に撹拌した。静置すると、溶媒の2つの異なる層が混合物全体から分離した。有機物に可溶な上部は灰褐色であったが、水に可溶な下部は黄色であり、界面に褐色の凝集体を残した。溶液全体を1回撹拌し、遠心分離した。遠心分離後、Mn−Cu超伝導体の小さな黒色粒子がバイアルの底に観察された。これらは強い強磁性であることが観察されている。
実施例4:Au−Cu超伝導ナノ結晶構造を直接調製する直接合成
1gmのドデシル硫酸ナトリウム(SDS、ACS試薬≧99%)、3mlのブタン−1−オール(LRグレード)、6.5mlのn−ヘキサン(HPLCおよび分光グレード)および1mlの0.0009(M)塩化銅(II)(CuCl・2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を混合することによって、マイクロエマルジョン系を作製した。この透明な溶液2mlをピペットに取り出したフォームのスペクトルを、空気を基準として測定した。この溶液に、新たに調製した0.2%水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、ACS試薬≧98%)溶液10μLを、大気開放状態、室温で添加した。溶液は黄色になり、そのスペクトルを前述したのと同様の方法を用いて記録した。スペクトルから、銅(Cu)コアのサイズは〜0.7nmであると評価した。次に、1mlの0.0009(M)ヒドロゲンテトラクロロウレート(III)三水和物(HAuCl・3HO、ACS 99.99%金属基準)溶液を、1mlの過度のNaBH(>20%)と共に非常に迅速に添加した。この混合物に、10mlの0.3(M)臭化セトリモニウム(CTAB、ACS試薬≧98%)溶液を添加した。反応全体を通して、溶液全体を400rpmで連続的に撹拌した。完了後、溶液は白色に変わり、超伝導Au−Cu NCの形成を示した。静置すると、溶媒の2つの異なる層が混合物全体から分離した。有機物に可溶な上部は灰色がかった色であり、水に可溶な下部は白色であり、界面に凝集体を残した。透明な溶液を作製するために、10mlのエタノール(EtOH、無水物99.9%)を添加した。凝集体を遠心分離によって集め、黒色沈殿を残した。沈殿物を水で超音波処理すると、散乱を示す白色溶液が得られた。この溶液のスペクトルを、水を参照として用いて得た。同様の散乱効果は、同じ合成手順に従って調製された銅コアのサイズを2nmまで増大させることにより観察された。
実施例5:Pd−Cu超伝導ナノ結晶構造を直接調製する直接合成
1gmのドデシル硫酸ナトリウム(SDS、ACS試薬≧99%)3mlのブタン−1−オール(LRグレード)、6.5mlのn−ヘキサン(HPLCおよび分光グレード)および1mlの0.0009(M)塩化銅(II)(CuCl・2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を混合することによって、マイクロエマルジョン系を作製した。この透明な溶液2mlをピペットに取り出したフォームのスペクトルを、空気を基準として測定した。この溶液に、新たに調製した0.2%水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、ACS試薬≧98%)溶液10μLを、大気開放状態、室温で添加した。溶液は黄色になり、そのスペクトルを前述したのと同様の方法を用いて記録した。スペクトルから、銅(Cu)コアのサイズは〜0.7nmであると評価した。次に、超過NaBH(>20%)1mlと共に、0.0009(M)テトラクロパラデート(II)(KPdCl、ACS≧99.99%微量金属基底)の1mlを非常に高速に追加した。この混合物に、10mlの0.3(M)臭化セトリモニウム(CTAB ACS試薬≧98%)溶液を添加した。反応全体を通して、溶液全体を400rpmで連続的に撹拌した。完了後、溶液は白色に変わり、超伝導Pd‐Cu NCの形成を示した。沈降した場合、溶媒の2つの異なる層が混合物全体から分離した。有機物に可溶な上部は灰色がかったが、水に可溶な下部は白色であり、界面に凝集体を残した。透明な溶液を作製するために、10mlのエタノール(EtOH、無水物99.9%)を添加した。凝集体を遠心分離によって集め、黒色沈殿を残した。沈殿物を水で超音波処理すると、散乱を示す白色溶液が得られた。この溶液のスペクトルを、水を参照として用いて得た。同じ合成手順で作製した銅コアのサイズを2nmまで増加させることによっても、超伝導Pd‐銅 NCの形成が観測された。
実施例6:Pt−Cu超伝導ナノ結晶構造の直接合成
1gmのドデシル硫酸ナトリウム(SDS、ACS試薬≧99%)、3mlのブタン−1−オール(LRグレード)、6.5mlのn−ヘキサン(HPLCおよび分光グレード)および1mlの0.0009(M)塩化銅(II)(CuCl・2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を混合することによって、マイクロエマルジョン系を作製した。この透明な溶液2mlをピペットに取り出し、空気を基準としてスペクトルを測定した。この溶液に、新たに調製した0.2%水素化ホウ素ナトリウム(NaBH、ACS試薬≧98%)溶液10μLを、大気開放状態、室温で添加した。溶液は黄色になり、そのスペクトルを前述したのと同様の方法を用いて記録した。スペクトルから、銅(Cu)コアのサイズは〜0.7nmであると評価した。次に、1mlの0.0009(M)クロロ白金酸水和物(HPtCl・xHO、分子量409.8無水ベース、ACS≧99.9%微量金属基準)を、1mlの過度のNaBH(>20%)と共に非常に迅速に添加した。この混合物に、10mlの0.3(M)臭化セトリモニウム(CTAB、ACS試薬≧98%)溶液を添加した。反応全体を通して、溶液全体を400rpmで連続的に撹拌した。完了後、溶液は白色に変わり、超伝導Pt‐Cu NCの形成を示した。静置すると、溶媒の2つの異なる層が混合物全体から分離した。有機物に可溶な上部は灰色がかった色であり、水に可溶な下部は白色であり、界面に凝集体を残した。透明な溶液を作製するために、10mlのエタノール(EtOH、無水物99.9%)を添加した。凝集体を遠心分離によって集め、黒色沈殿を残した。沈殿物を水で超音波処理すると、散乱を示す白色溶液が得られた。この溶液のスペクトルを、水を参照として用いて得た。同じ合成手順で作製した銅コアのサイズを2nmまで増加させることによっても、超伝導Pt‐銅NCの形成を観測した。
実施例7:Ag−Au超伝導ナノ結晶構造の合成
Sigmaから入手した臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(≧98%純度)、Sigma−Aldrichから入手したヨウ化カリウム(ACS試薬、≧99.0%純度)、Sigma−Aldrichから入手した硝酸銀(ACS試薬、≧99.0%純度)、Sigma−Aldrichから入手した水素化ホウ素ナトリウム粉末(≧98.0%純度)、Sigma−Aldrichから入手したテトラクロロ金(III)酸三水和物(ACS、99.99%純度、金属基準)を、さらに精製することなく使用した。全ての水溶液は、微量の金属汚染を避けるために、ミリQ水中で調製した。第1の工程において、0.1Mのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド[CTAB](5mL)、0.1Mのヨウ化カリウム(200μL)および1mMの硝酸銀(5mL)の水溶液を混合した。混合物を900rpmで4分間30秒間連続的に撹拌して、ハロゲン化銀クラスターを生成した(白色に着色する前に反応を確実に停止すべきである)。ハロゲン化銀コアの正確なサイズを知るために、各反応が成功した後に吸収スペクトルを記録した。適切なサイズのコアが、反応の第2の工程のために使用されていた。第2の工程では、金ナノ球の5mL水溶液[530nmでの光学密度(OD)0.1]および0.1M水素化ホウ素ナトリウムの2mL水溶液を含む別個のバイアルを採取した。得られた溶液を、14WのCFL電球の存在下、900rpmで連続的に撹拌した。光源は、反応容器から1m離れて存在する。ここで、新たに調製したハロゲン化銀クラスター溶液(約10mL)および2mLの0.1mMテトラクロロ金(III)酸三水和物[HAuCl]水溶液を8分間にわたってナノ球溶液に同時に添加した。添加速度はAg/Auナノ粒子の任意の独立した核形成または副次的な核形成を回避するために、絶えずモニターされていた。出発溶液の色はピンク色であったが、還元環境中でハロゲン化物クラスターおよびHAuClを最初に添加すると、わずかに白色の曇りを有している無色の状態に変化した。最後に、それは完全な白色溶液に変換する。典型的な光学スペクトルを図20hに示す。
実施例8:Au被覆単一Agコアおよびそれらの集合体の超伝導体への直接合成
臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB、≧98%純度)、ヨウ化カリウム(KI、ACS試薬、≧99.0%純度)、硝酸銀(ACS試薬、≧99.0%純度)、水素化ホウ素ナトリウム粉末(NaBH、≧98.0%純度)、テトラクロロ金(III)酸三水和物(HAuCl、ACS、99.99%純度、金属基準)、アスコルビン酸ナトリウム。全ての化学物質はシグマ社から入手し、さらなる精製を行わずに使用した。イソプロピルアルコール(IPA、AR ACS)はSDFCLから購入した。全ての溶液は、ミリ−Q−水を用いて調製した。工程1:最初のハロゲン化銀クラスターを作製することによって銀コアを合成し、次いで、水素化ホウ素ナトリウムを使用することによって、予備形成されたハロゲン化物クラスターを還元した。最初のハロゲン化銀クラスターは、10mlのCTAB(0.1M)と、40μLの0.1M KI(ここではKIを添加して所望のクラスターサイズを得た)との混合物を5mlのAgNO(1mM)に添加することによって調製し、混合物を1分22秒間撹拌し、2mlの0.1M氷冷水素化ホウ素ナトリウムを添加した。水素化ホウ素は、予め形成されたハロゲン化銀クラスターを銀コアに還元する。Agコアの正確なサイズを知るために、反応後に吸収スペクトルを記録した。適切なサイズの銀コアを第2の工程に使用した。工程2:1mMのHAuCl1mLを添加することによって、金を上述の銀コア上にコーティングした。Au中に組み込まれている単一のAgコアの光学データは、超伝導の証拠を示さない。例示的なスペクトルが、図20iに示されている。試料を破砕するために、約6mlのIPAを添加し、遠心分離した。金被覆銀コアの吸収スペクトルを、IPA処理の前後に測定した。上述の手段によって膜状に堆積されると、このような構造物は金属バルクの抵抗率よりも3桁低い抵抗率をもたらし、計測機器によって本質的に制限される。
実施例9:Ag−Au超伝導膜の直接作製
前記方法からの合成銀コア(工程1)を、ガラスプレート上にドロップキャストした。そのとき、コアをガラスプレート上に落下させ、14WのCFL電球のスイッチを入れることにより、約15〜20分間。過剰なCTAB配位子を、ミリ−Q−水を使用することによって洗い流し、乾燥させた。この膜に金を組み込むために、1mMのHAuCl1滴および1Mのアスコルビン酸ナトリウム1滴を同時に添加した(ここで、アスコルビン酸ナトリウムを使用してAu3+を金に還元する)。膜を再び14WのCFL電球下で約15〜20分間乾燥させた。以上の工程を3〜4回繰り返した。そして、乾燥した膜をさらなる電気的測定のために使用した。
実施例10:Ag−Au超伝導結晶粒の直接合成
Auシェル中のAgコアの大きな粒子の合成。5mlの1(mM)テトラクロロ金(III)酸三水和物(HAuCl、ACS、99.99%純度、金属基準)を5mlの0.1(M)臭化カリウム(ACS試薬,≧99.0%純度)液と混合した。これに、40μLの0.1(M)L−アスコルビン酸(Sigma Aldrich 99%)を連続撹拌しながら添加した。次に、1mlの1(mM)硝酸銀(ACS試薬,≧99.0%純度)および2mlの0.1(M)氷冷水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4,≧98.0%純度)を同時に添加した。反応混合物を直ちに凍結し、さらなる分析のためにグローブボックスに移した。このような粒子は周囲において強く反磁性であり、手持ち式永久磁石によって視覚的に反発される。
実施例11:CuOシェル中のAgコアの合成
Sigmaからに入手した臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(≧98%)、Sigma−Aldrichから入手したヨウ化カリウム(ACS試薬、≧99.0%)、Sigma−Aldrichから入手した硝酸銀(ACS試薬、≧99.0%)、Sigma−Aldrichから入手した水素化ホウ素ナトリウム粉末(≧98.0%)、Sigma−Aldrichから入手した硫酸銅(II)五水和物(ACS試薬、≧98.0%)、SDFCLから入手した水酸化カリウムのペレット(AR級)およびSDFCLから入手したプロパン−2−オール(イソプロピルアルコール、IPA)(AR、ACS試薬)を入手した通りで使用した。Milli−Q水を溶媒として使用した。0.1M臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(10mL)、0.1Mヨウ化カリウム(40μL)および1mM硝酸銀(5mL)の水溶液を、14WのCFL電球の存在下で混合した。混合物を2分30秒間連続的に撹拌し、続いて2mLの0.1M水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加して、銀コアを生成した。上述の銀コアの溶液に対し、同時に、硫酸銅の1mM酸性水溶液(pH=3)1mLを添加し、0.1Mアルコール性KOH溶液(KOHをIPAに溶解した)5mLを連続撹拌しながら添加した。最終溶液を15分間、約80℃に加熱した。得られた析出物を穏やかな遠心分離により回収した。
実施例12:Au,Mn,Pd,Pt被覆単一銅コアとそれらの集合体の超伝導体への直接合成
金被覆銅コアの合成。最初に、10mlの0.1(M)臭化セトリモニウム(CTAB ACS試薬≧98%)および40μLの0.1(M)KI(ACS試薬≧99%)溶液に5mlの1(mM)塩化銅(II)(CuCl、2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を添加することによって、Cuコアを調製した。この溶液のpHを、pH計(Eutech pH Tutor)を用いて7.5に維持した。CTAB溶液をKIで前処理して、ハロゲン化銅クラスターを作製し、次いで、2mlの0.1(M)氷冷水素化ホウ素ナトリウム(NaBH ACS試薬≧98%)溶液を1分22秒で加えると、所望の銅コアに変わるであろう。このようなコアのスペクトルを図20jに例示する。次に、1mLの1(mM)テトラクロロ金(III)酸三水和物(HAuCl・3HO、ACS 99.99%金属基準)液を30秒間かけて滴下し、必要な被覆を行った。さらに、還元環境を確保するために、1mlの氷冷ホウ水素化ナトリウムを溶液に添加した。ここで、約5mlのIPA(A.Rグレード)を添加して、ナノ粒子を砕いた。これを遠心分離し、アセトン(A.Rグレード)で1回洗浄し、CHCl(A.Rグレード)に再溶解して、膜を作製する際にさらに処理した。金被覆銅コアの合成。最初に、10mlの0.1(M)臭化セトリモニウム(CTAB ACS試薬≧98%)および40μLの0.1(M)KI(ACS試薬≧99%)溶液に5mlの1(mM)塩化銅(II)(CuCl、2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を添加することによって、Cuコアを調製した。この溶液のpHを、pH計(Eutech pH Tutor)を用いて7.5に維持した。CTAB溶液をKIで前処理して、ハロゲン化銅クラスターを作製し、次いで、2mlの0.1(M)氷冷水素化ホウ素ナトリウム(NaBH ACS試薬≧98%)溶液を1分22秒で加えると、所望の銅コアに変わるであろう。次に、1mLの1mM塩化マンガン(II)四水和物(MnCl・4HO、ACS≧98%)液を30秒間かけて滴下し、必要な被覆を行った。さらに、還元環境を確保するために、1mlの氷冷ホウ水素化ナトリウムを溶液に添加した。ここで、約5mlのIPA(A.Rグレード)を添加して、ナノ粒子を砕いた。これを遠心分離し、アセトン(A.Rグレード)で1回洗浄し、CHCl3(A.Rグレード)に再溶解して、膜を作製する際にさらに処理した。パラジウム被覆銅コアの合成。最初に、10mlの0.1(M)臭化セトリモニウム(CTAB ACS試薬≧98%)および40μLの0.1(M)KI(ACS試薬≧99%)溶液に5mlの1(mM)塩化銅(II)(CuCl、2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を添加することによって、Cuコアを調製した。この溶液のpHを、pH計(Eutech pH Tutor)を用いて7.5に維持した。CTAB溶液をKIで前処理して、ハロゲン化銅クラスターを作製し、次いで、2mlの0.1(M)氷冷水素化ホウ素ナトリウム(NaBH ACS試薬≧98%)溶液を1分22秒で加えると、所望の銅コアに変わるであろう。次に、テトラクロロ白金酸カリウム(II)(KPdCl、ACS≧99.99%痕跡量基準)液1mLを30秒間かけて滴下し、必要な被覆を行った。さらに、還元環境を確保するために、1mlの氷冷ホウ水素化ナトリウムを溶液に添加した。ここで、約5mlのIPA(A.Rグレード)を添加して、ナノ粒子を砕いた。これを遠心分離し、アセトン(A.Rグレード)で1回洗浄し、CHCl(A.Rグレード)に再溶解して、膜を作製する際にさらに処理した。白金被覆銅コアの合成。最初に、10mlの0.1(M)臭化セトリモニウム(CTAB ACS試薬≧98%)および40μLの0.1(M)KI(ACS試薬≧99%)溶液に5mlの1(mM)塩化銅(II)(CuCl、2HO、ACS試薬≧99%)水溶液を添加することによって、Cuコアを調製した。この溶液のpHを、pH計(Eutech pH Tutor)を用いて7.5に維持した。CTAB溶液をKIで前処理して、ハロゲン化銅クラスターを作製し、次いで、2mlの0.1(M)氷冷水素化ホウ素ナトリウム(NaBH ACS試薬≧98%)溶液を1分22秒で加えると、所望の銅コアに変わるであろう。次に、1mLのクロロ白金酸水和物(HPtCl・xHO分子量409.8無水基準、ACS≧99.9%微量金属基準)溶液を30秒間かけて滴下し、必要な被覆を行った。さらに、還元環境を確保するために、1mlの氷冷ホウ水素化ナトリウムを溶液に添加した。ここで、約5mlのIPA(A.Rグレード)を添加して、ナノ粒子をクラッシュさせた。これを遠心分離し、アセトン(A.Rグレード)で1回洗浄し、CHCl(A.Rグレード)に再溶解して、膜を作製する際にさらに処理した。
(本発明の利点)
本発明は地球周囲に存在する温度に対応し、さらに高い温度で超伝導を達成するために採用することができる超伝導体(ブロック、ナノ結晶)を提供する。これは、超伝導性を示すためにシェルに組み込まれているコアの構成に依拠する新規なナノ構築物の開発によって可能になる。これにより、環境中でも高温下でも機能する超伝導体から装置を作製することができるようになる。
図3(a)は、金(Au)のシェルに組み込まれている銀(Ag)のコアを有している例示的な超伝導ナノ結晶の構造特性を示すX線粉末回折(XRD)パターンであり、図3(b−c)は、金(Au)のシェルに組み込まれている銀(Ag)のコアを有している例示的な超伝導ナノ結晶の走査型透過電子顕微鏡(STEM)像である。 図4(d−g)は、本発明の超伝導ナノ結晶のシェル中の凝集コアのTEM画像である。 図6(a〜d)は、本発明の銀ナノスフェアおよび金ナノスフェアの吸光スペクトル(6(a))、ならびに超伝導ナノ結晶構造の減衰スペクトル(6(b〜d))である。 図6(g)は、金マトリックスに組み込まれている〜1nmの銀コアから構成される超伝導粒子を示す元素分布(図6(f)の赤線に沿って)を表す。 図7(a〜e)は、本発明の超伝導ナノ結晶構造(7(a〜c))、ならびに金NC構造物(7(d))および量子ドット(QD)(7(e))の減衰および散乱スペクトルである。 図(7aa、7bbおよび7cc)は、減衰の観察を可能にするための拡大されたy軸を示す。 図8は、本発明の超伝導ナノ結晶構造に対する金の成長のグラフ図である。 図9(a〜c)は、ゼロ磁場において323K、234Kおよび150Kの転移温度を有しているNC構造物を得るための、本発明の超伝導ナノ結晶構造に対する金の適切な成長を表す。 図10は、237Kの転移温度を有している本発明の例示的な超伝導ナノ結晶構造の抵抗を表す。 図11は、超伝導転移温度に対する磁界の影響を表す。 図12は、超伝導転移温度に対する印加電流の影響を示す。 図13(a−b)は、20nmの金の膜および超伝導ナノ結晶構造の比抵抗を表す。図13(c−d)は、25nmの銀の膜に堆積された超伝導ナノ結晶の比抵抗および銀の膜自体の比抵抗を表す。 図14は、室温より十分に高い転移温度を有している例示的な超伝導ナノ結晶構造の反磁性を示す。 図15(a〜c)は、超伝導ナノ結晶構造に対する金成長の影響を示す。 図16(a)は、例示的な超伝導転移温度および反磁性に対する、外部から印加された磁界の強度の影響を示す。図16(b)は、従来技術で知られている超伝導体であるバルク鉛の特性を示す。 図16(c)は、異なる時間における銀コア形成の形成を表す。 図16(d)は、310 Kでの転移温度を有している超伝導ナノ結晶の体積磁化率を表す。 図19は、異なる超伝導体間の位相差に依存する装置の模式図である。 図20(a)は、超伝導Pt−Cu NCの光学特性を示す。 図20(b)は、超伝導Mn−Cu NCの光学特性を示す。 図20(c)は、超伝導Pd−Cu NCの光学特性を示す。 図20(f)は、Au−Ag/Ag NCの光学特性を示す。 図20(g)は、ロッド状のAu−Ag NCの光学特性を示す。 図20(h)は、種々のナノ結晶の光学データを例示する(実施例7)。 図20(i)は、種々のナノ結晶の光学データを例示する(実施例8)。 図20(j)は、種々のナノ結晶の光学データを例示する(実施例12)。 図21は、本発明の一態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。 図22は、本発明の別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。 図23は、本発明のさらに別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。 図24は、本発明のさらに別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。 図25は、本発明のさらに別の態様に係るプロセスステップを示すフロー図である。

Claims (26)

  1. −常伝導状態で導電性である材料を有しているコア(101a、101b)の対;
    −常伝導状態で導電性である材料を有しているシェル(102)を含んでおり;かつ、
    −コア(101a、101b)の前記対が、介在する重心距離(CD)を有して、前記シェル(102)に組み込まれており、コア(101a、101b)の組み込まれている前記対、および前記シェル(102)が、超伝導性であるように構成されている、
    超伝導ブロック(100)。
  2. 前記コア(101a、101b)の各々が、好ましくは0.3〜2.7ナノメートルの範囲にある直径を有している、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  3. コア(101a、101b)の前記対の材料と前記シェル(102)との間のボルタ電位差の大きさが、≧0.4Vに等しいか、それを超える、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  4. コア(101a、101b)の少なくとも1つの前記対の間に介在する前記重心距離(CD)が、好ましくは0.7〜20nmの範囲にある、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  5. コア(101a、101b)の前記対および前記シェル(102)の超伝導状態への転移が、好ましくは1mK〜10Kの範囲にある温度および好ましくは0〜1011Paの範囲にある加えられた圧力においてである、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  6. 前記材料が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイドおよびランタノイド、好ましくはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ストロンチウム(Sr)、銀(Ag)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、クロミウム(Cr)、スカンジウム(Sc)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、錫(Sn)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、またはこれらの合金および化合物から選択される、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  7. 前記材料は、非元素導体、好ましくは金属の酸化物、ドープ半導体、半金属、好ましくはテルル化水銀から選択される、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  8. 前記シェル(102)が多層を有しており、かつコア(101a、101b)の前記対が単層を有している、またはコア(101a、101b)の前記対が多層を有しており、かつ前記シェル(102)が単層を有している、または両方のシェル(102)およびコア(101a、101b)の対が多層を有している、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  9. コア(101a、101b)の複数の対が前記シェル(102)に組み込まれており、コア(101a、101b)の複数の対の材料が同一ではないまたは同一である、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  10. 前記超伝導ブロック(100)が、ナノスフェロイド、ナノスフェア、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノキューブ、ナノプレート、ナノ小板およびナノロッドである、請求項1に記載の超伝導ブロック(100)。
  11. −少なくとも超伝導ブロック(100)を含んでおり、当該超伝導ブロック(100)が−常伝導状態で導電性である材料を有しているコア(101a、101b)の前記対;
    −前記シェル(102)を含んでおり;かつ、
    −コア(101a、101b)の前記対が、介在する重心距離(CD)を有して、前記シェル(102)に組み込まれており、コア(101a、101b)の組み込まれている前記対、および前記シェル(102)が、超伝導性であるように構成されている、
    超伝導ナノ結晶(200)。
  12. 少なくとも前記超伝導形成ブロック(100)の磁気容積磁化率が、−0.001SI単位未満である、請求項11に記載の超伝導ナノ結晶(200)。
  13. 複数の超伝導ナノ結晶(200)が、複数の領域(204)を有している導電性媒体(203)に配置されており、複数の超伝導ナノ結晶(200)が互いに一体化されていない、請求項11に記載の超伝導ナノ結晶(200)。
  14. 前記導電性媒体(203)に配置されている前記複数の超伝導ナノ結晶(200)の比抵抗が、1×10−9Ohm−m未満である、請求項13に記載の超伝導ナノ結晶(200)。
  15. −少なくとも超伝導ブロック(100)を含んでおり、少なくとも当該超伝導ブロック(100)の各々が、常伝導状態において導電性である材料を有しているコア(101a、101b)の対;常伝導状態において導電性である材料を有しているシェル(102)を含んでおり;かつコア(101a、101b)の前記対が、介在する重心距離(CD)を有して、シェル(102)に組み込まれており、コア(101a、101b)の組み込まれている前記対、および前記シェル(102)が超伝導性であるように構成されており;電流を取り出すかまたは誘導する手段(304)が少なくとも前記超伝導ブロック(100)に接続されている、超伝導装置(300)。
  16. 少なくとも前記超伝導ブロック(100)が、基板(306)上に配置されている、請求項15に記載の超伝導装置(300)。
  17. 前記基板(306)の材料は、導電性材料、絶縁体、または半導体から選択される、請求項16に記載の超伝導装置(300)。
  18. 前記基板の材料が、ポリマー、好ましくはポリエテン、ポリスチレン、ベークライト、ゴム、好ましくはシリコーン、ニトリル、ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラス、金属、好ましくは銅、鉄、ニッケルもしくはアルミニウム、または複数の前記金属の合金、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項16に記載の超伝導装置(300)。
  19. 少なくとも前記超伝導ナノ結晶(200)が、少なくとも前記超伝導ブロック(100)の代わりに使用される、請求項15に記載の超伝導装置(300)。
  20. (i)常伝導状態で導電性である材料を有しているコア材料およびシェル材料を選択すること;
    (ii)好ましくは0.3〜2.7ナノメートルの範囲にある直径を有している前記コア材料のコアの少なくとも対を形成すること;ならびに、
    (iii)コア(101a、101b)の少なくとも1つの前記対の間に、好ましくは0.7〜20nmの範囲にある介在する重心距離(CD)を有して、前記シェルにコアの前記対を組み込むことにより、超伝導ブロックを得ること、
    を含んでいる、超伝導ブロックの製造のためのプロセス。
  21. 超伝導ナノ結晶が、少なくとも1つのコアの対および少なくとも1つのシェルから調製される、請求項20に記載のプロセス。
  22. 常伝導状態で導電性である、前記コアおよび前記シェルの前記材料が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイドおよびランタノイド、好ましくはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、金(Au)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ストロンチウム(Sr)、銀(Ag)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、カドミウム(Cd)、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、テルル(Te)またはそれらの合金から選択される、請求項20に記載のプロセス。
  23. 前記材料が、非元素導体、好ましくは金属の酸化物、ドープ半導体、半金属、好ましくはテルル化水銀から選択される、請求項20に記載のプロセス。
  24. コアの前記対の材料と前記シェルとの間のボルタ電位差の大きさが、≧0.4Vに等しいか、それを超える、請求項20に記載のプロセス。
  25. コアの前記対および前記シェルの超伝導状態への転移が、好ましくは1mK〜10Kの範囲にある温度、および好ましくは0〜1011Paの範囲にある加えられた圧力においてである、請求項20に記載のプロセス。
  26. 前記シェルおよびコアの材料のモル比が、好ましくは1:20〜20:1の範囲にある、請求項20に記載のプロセス。
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