JP2021512444A - コミュニケーション用談話ツリーを用いる、説明の要求の検出 - Google Patents

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Abstract

本発明のシステム、デバイス、および方法は、テキストにおいて説明の要求を検出することに関する。一例では、方法は、テキストのサブセットから談話ツリーを作成する。談話ツリーはノードを含み、各非終端ノードはフラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、談話ツリーのノードの各終端ノードはフラグメントのうちの1つに関連付けられる。本方法は、動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングすることによって、談話ツリーからコミュニケーション用談話ツリーを形成する。本方法は、さらに、説明の要求を検出するようにトレーニングされた分類モデルをコミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、テキストのサブセットが説明の要求を含むことを識別する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2018年1月30日に提出された仮出願62/624,001、および2018年3月23日に提出された仮出願62/646,711からの優先権を主張するものであり、これらの両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本開示は、一般に言語に関する。より詳しくは、本開示は、コミュニケーション用談話ツリーを用いて説明の要求を検出することに関する。
連邦政府が支援する研究および開発の下でなされた発明に対する権利についての申告
該当せず
背景
語学は言語に関する科学的研究である。言語学の一局面は、英語などの人の自然言語に対してコンピュータサイエンスを適用することである。プロセッサ速度の大幅な上昇およびメモリ容量の大幅な増大により、言語学にコンピュータを適用することが増えてきている。たとえば、言語談話をコンピュータで分析できれば、ユーザからの質問に回答することができる自動化エージェントなどの多数の用途が促進される。質問に回答し、議論を促進し、ダイアログを管理し、社会的振興をもたらすために自律型エージェント(「チャットボット」)を用いることが次第に普及してきている。この必要性に対処するために、複合的セマンティクスを含む広範囲の技術が開発されてきた。このような技術は、単純で短い問合せおよび返答の場合に自動化エージェントをサポートすることができる。
しかし、自律型エージェントについての現在の解決策では、ユーザデバイスから受信された発話が説明の要求を含むときを判断することができない。説明の要求は、例えば、どのようにして特定の判断に到達したかに関して透明でないことが多い機械学習に基づいて自律型エージェントが応答を生成するかまたは判断を行う場合に役立ち得る。自律型エージェントによる応答が不十分な場合、ユーザがローンを拒否された理由等の、応答または判断の裏の理由付けの理解を助けるために、説明が必要である場合がある。
したがって、新しい解決策が必要である。
簡単な概要
一般に、本発明のシステム、デバイス、および方法は、コミュニケーション用談話ツリーに関する。一例では、ある方法は、テキストをコミュニケーション用談話ツリーとして表し、機械学習を使用して、テキストが説明の要求を含むかどうかを判断する。この方法は、テキストが説明の要求を含むことに基づいて、適切な説明を生成させ、提供させることができる。
一局面において、ある方法は、フラグメントを含むテキストにアクセスする。この方法は、テキストのサブセットから談話ツリーを作成する。談話ツリーはノードを含み、各非終端ノードはフラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、談話ツリーのノードの各終端ノードはフラグメントのうちの1つに関連付けられる。この方法は、動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングすることによって、テキストのサブセットを表すコミュニケーション用談話ツリーを形成する。この方法は、説明の要求を検出するようにトレーニングされた分類モデルをコミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、テキストのサブセットが説明の要求を含むことを識別する。
別の局面において、マッチングすることは、動詞シグネチャにアクセスすることを含む。各動詞シグネチャは、それぞれのフラグメントの動詞および一連の主題役割を含む。主題役割は、動詞と関連する単語との間の関係を記述する。マッチングすることはさらに、複数の動詞シグネチャの各動詞シグネチャについて、それぞれのフラグメントにおける単語の役割に一致するシグネチャの主題役割を判断することを含む。マッチングすることはさらに、動詞シグネチャから、特定の動詞シグネチャが最大数の一致を含むことに基づいて、当該特定の動詞シグネチャを選択することを含む。マッチングすることはさらに、特定の動詞シグネチャをフラグメントに関連付けることを含む。
別の局面において、各動詞シグネチャは、(i)副詞、(ii)名詞フレーズ、または(iii)名詞のうちの1つを含む。特定の動詞シグネチャをフラグメントと関連付けることは、さらに、特定の動詞シグネチャにおいて主題役割を識別することと、特定の動詞シグネチャにおける主題役割の各々について、フラグメント内の対応する単語を主題役割にマッチングすることとを含む。
別の局面において、分類モデルは、ツリーカーネル学習を伴うサポートベクターマシンであるか、または最大共通サブツリーの最近傍学習を用いる。
別の局面において、分類モデルをテキストのサブセットに適用することは、さらに、コミュニケーション用談話ツリーとコミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することを含む。分類モデルをテキストのサブセットに適用することは、さらに、1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、追加のコミュニケーション用談話ツリーがコミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、当該追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択することを含む。分類モデルをテキストのサブセットに適用することは、さらに、分類モデルをコミュニケーション用談話ツリーに適用することにより、コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるか否定的なセットからであるかを識別することを含む。肯定的なセットは、説明の要求を含むテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、否定的なセットは、説明の要求のないテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含む。分類モデルをテキストのサブセットに適用することはさらに、コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるか否定的なセットからであるかを識別することに基づいて、テキストが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む。
別の局面において、テキストにアクセスすることは、ユーザデバイスからテキストを受信することを含み、この方法は、さらに、判断された説明の要求に基づいて応答を調整することと、調整された応答をユーザデバイスに与えることとを含む。
別の局面において、分類モデルをテキストのサブセットに適用することは、さらに、コミュニケーション用談話ツリーとコミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することを含む。分類モデルを適用することは、さらに、1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、追加のコミュニケーション用談話ツリーがコミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、当該追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択することを含む。分類モデルを適用することは、さらに、追加のコミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することとを含む。肯定的なセットは説明の要求を含むテキストと関連付けられ、否定的なセットは説明の要求を含まないテキストと関連付けられる。分類モデルを適用することは、さらに、追加のコミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することに基づいて、テキストが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む。
別の局面において、トレーニングデータセットを構築する方法は、フラグメントを含むテキストにアクセスすることを備える。この方法は、テキストから談話ツリーを作成することとを備える。談話ツリーはノードを含み、各非終端ノードは、フラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、談話ツリーのノードの各終端ノードはフラグメントのうちの1つに関連付けられる。この方法はさらに、動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングし、それによって、コミュニケーション用談話ツリーを作成することを備える。この方法はさらに、肯定的なセットからの肯定的なコミュニケーション用談話ツリーおよび否定的なセットからの否定的なコミュニケーション用談話ツリーにアクセスすることを備える。この方法はさらに、分類モデルをコミュニケーション用談話ツリーに適用することにより、コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することとを備える。肯定的なセットは、説明の要求を含むテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、否定的なセットは、説明の要求のないテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含む。この方法はさらに、コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することに基づいて、肯定的なトレーニングセットまたは否定的なトレーニングセットのいずれかにコミュニケーション用談話ツリーを追加することを備える。
別の局面において、ある方法は、ステップのセットを反復的に実行することにより、分類モデルをトレーニングする。それらのステップは、トレーニングペアのセットのうちの1つを分類モデルに与えることを含む。各トレーニングペアは、コミュニケーション用談話ツリーおよび説明の要求の予想強度を含む。ステップは、さらに、分類モデルから説明の要求の分類強度を受け取ることを含む。ステップは、さらに、予想強度と分類強度との差を計算することによって損失関数を計算することを含む。ステップは、さらに、分類モデルの内部パラメータを調整して損失関数を最小化することを含む。
上記の方法は、有形のコンピュータ読取可能媒体として実現することができ、ならびに/またはコンピュータプロセッサおよび付属メモリ内で動作することができる。
一局面に従った例示的な修辞学的分類環境を示す図である。 一局面に従った談話ツリーの一例を示す図である。 一局面に従った談話ツリーのさらに別の例を示す図である。 一局面に従った例示的なスキーマを示す図である。 一局面に従った階層型バイナリツリーのノードリンク表現を示す図である。 一局面に従った、図5における表現についての例示的なインデントされたテキストエンコーディングを示す図である。 一局面に従った、財産税に関する要求例についての例示的なDTを示す図である。 図7に表わされる質問についての例示的な応答を示す図である。 一局面に従った公式の回答についての談話ツリーを示す図である。 一局面に従った未処理の回答についての談話ツリーを示す図である。 一局面に従った、第1のエージェントの請求についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一局面に従った、第2のエージェントの請求についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一局面に従った、第3のエージェントの請求についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一局面に従ったパース交錯を示す図である。 一局面に従った、コミュニケーション用談話ツリーを構築するための例示的なプロセスを示す図である。 一局面に従った、談話ツリーおよびシナリオグラフを示す図である。 一局面に従った、最大の共通サブコミュニケーション用談話ツリーを示す図である。 一局面に従った、コミュニケーション用談話ツリーのためのカーネル学習フォーマットでツリーを示す図である。 一局面による電子通信セッションの例を示す。 一局面によるフレーズの電子翻訳の例を示す。 一局面によるフレーズの検索結果の一例を示す図である。 一局面による、テキストにおいて説明の要求の存在を判断するために用いられる例示的なプロセスを示す。 一局面によるテキストの言語表現の例を示す。 一局面による、テキストにおいて説明の要求の存在を判断するために分類モデルをトレーニングするためのトレーニングデータを生成するために用いられる例示的なプロセスを示す。 一局面による、テキストにおいて説明の要求の存在を判断するために分類モデルをトレーニングするために用いられる例示的なプロセスを示す。 局面のうちの1つを実現するための分散型システムの簡略図を示す。 一局面による、局面システムの構成要素によって提供されるサービスがクラウドサービスとして提供され得る、システム環境の構成要素の簡略ブロック図である。 本発明のさまざまな局面が実現され得る例示的なコンピュータシステムを示す図である。
詳細な説明
本明細書で開示される局面は、コンピュータにより実現される言語の分野に技術的改善を提供する。より具体的には、本開示の局面は、テキスト本文で検出された特定の議論において説明の要求を判断するために、機械学習と併せてコミュニケーション用談話ツリーを用いる。いくつかの局面は、苦情などのクエリが、暗黙的であれ明示的であれ、説明の要求を含むかどうかを自動的に分類することができる。説明を求める暗黙の要求の例は、体験に関する否定的なコメントまたはテキストのセットである。説明を求める明示的な要求の例は、ユーザに苦情を開始するように促した特定の判断が行われた理由に関する質問である。
典型的には、ユーザデバイスが顧客サポートシステムに接続すると、ユーザは質問、苦情、またはその両方を有する。ユーザは対話に参加する場合に自分の主張を支持することを望むので、苦情は何度も立論パターンを含むことになる。苦情内の全テキストは、約束に関するステートメント、約束がどのように維持されなかったかに関するステートメント、および顧客またはユーザに対する結果に関するステートメントを含み得る。いくつかの例では、クエリを送信した顧客は、ある判断がなされたことに関して混乱しているかまたは同意しておらず、判断が覆されるかまたは説明されるかのいずれかを好むであろう。
いくつかの局面は、テキストをコミュニケーション用談話ツリーとして表す。「コミュニケーション用談話ツリー」または「CDT」は、コミュニケーション行動で補われる談話ツリーを含む。コミュニケーション行動は、個人相互の熟慮および立論に基づいて個人によって行われる協調的行動である。コミュニケーション用談話ツリーを用いて、本明細書で開示されるさらなる局面は、質問に回答し、説明を提供することができる、改善された自動化されたエージェントまたはチャットボットを実現する。特に、コミュニケーション用談話ツリーは、説明の要求を部分的に示すことができる詳述修辞関係の識別を可能にする。
一例では、コンピューティングデバイス上で実行される修辞学的分類アプリケーションは、ユーザから質問またはテキストを受信する。修辞学的分類アプリケーションは、テキストのためにコミュニケーション用談話ツリーを生成する。コミュニケーション用談話ツリーは、コミュニケーション行動を含む談話ツリーである。分類モデルを用いて、修辞学的合致アプリケーションは、入力テキストが説明の要求を含むか否かを判断する。修辞学的合致分類器は、この表示をシステムに提供することができ、システムは、ユーザのための適切な回答を得て、その回答を例えば表示装置を介してユーザに提供することができる。
例えば、幾つかの局面は、コミュニケーション用談話ツリーを用いて、以下のようなシーケンスにおいて説明の要求を示す修辞的特徴を分離するのを助ける:"A BigWidget device has a laser light feature. Really? According to Sam, the BigWidget has the laser light feature. I don't believe that Sam said that BigWidget has the laser light feature and Jane said that the BigWidget does not have the laser light feature. I don't believe either. It does not work like this. (rhetorical relation of Contrast and Cause). Why would the BigWidget have laser light? Is laser light possible? Please clarify. I don't understand why BigWidget does not have the laser light feature."(BigWidgetデバイスは、レーザ光機能を有する。 本当に?Samによれば、BigWidgetは、レーザ光機能を有する。Samが、BigWidgetはレーザ光機能を有すると言ったこと、およびJaneが、BigWidgetはレーザ光機能を有さないと言ったことを、私は信じない。わたしはいずれも信じない。それはこの様には機能しない。(対比および原因の修辞関係)。どうしてBigWidgetはレーザ光を有するであろうか?レーザ光は可能か?明らかにしてください。私はBigWidgetがレーザ光機能を有さない理由が理解できない)。
例を続けると、修辞学的分類アプリケーションは、"I don't believe that Sam said ..."というセンテンスは属性の修辞関係を有し、"I don't believe either" および"It does not work like this" は対比および原因の修辞関係を有する、と判断する。さらに、修辞学的分類アプリケーション102は、"I don't understand why BigWidget..."というセンテンスは、特定の精神状態を有する、と判断することができる。これらのすべての特徴は、テキストが(この場合のように)説明の要求を含むかどうかを判断するために分類モデルに提供されることができる。
特定の定義
「修辞構造理論(rhetorical structure theory)」は、この明細書中において用いられる場合、談話の一貫性の分析を可能にし得る論理基礎を提供した調査および研究の分野である。
「談話ツリー」または「DT(discourse tree)」は、この明細書中において用いられる場合、センテンスの一部をなすセンテンスについての修辞関係を表現する構造を指している。
「修辞関係」、「修辞関係性」、「一貫性関係」または「談話関係」は、この明細書中において用いられる場合、談話のうち2つのセグメントが互いに如何に論理的に接続されているかを述べている。修辞関係の例は詳述、対比および属性を含む。
「センテンスフラグメント」または「フラグメント」は、この明細書中において用いられる場合、センテンスの残りから分割することができるセンテンスの一部である。フラグメントは基本談話単位である。たとえば、「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels as being responsible for shooting down the plane(オランダの事故調査員は、証拠が、飛行機の撃墜をロシア支持派の反乱分子によるものであると示唆していると述べている)」というセンテンスの場合、2つのフラグメントは、「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels」および「as being responsible for shooting down the plane」である。フラグメントは動詞を含み得るが、必ずしも動詞を含んでいる必要はない。
「シグネチャ」または「フレーム」は、この明細書中において用いられる場合、フラグメントにおける動詞の特性を指している。各々のシグネチャは1つ以上の主題役割を含み得る。たとえば、「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels」というフラグメントの場合、動詞は「say」であり、動詞「say」をこのように特別に使用している場合のシグネチャは「エージェント動詞トピック」であり得る。この場合、「investigators」はエージェントであり、「evidence」はトピックである。
「主題役割」は、この明細書中において用いられる場合、1つ以上の単語の役割を記述するのに用いられるシグネチャの構成要素を指している。上述の例に続いて、「エージェント」および「トピック」は主題役割である。
「核性(nuclearity)」は、この明細書中において用いられる場合、どのテキストセグメント、フラグメントまたはスパンが書き手の目的の中心により近いかを指している。核はより中心的なスパンであり、衛星はそれほど中心的ではない。
「一貫性(coherency)」は、この明細書中において用いられる場合、2つの修辞関係をともにリンクするものを指している。
「コミュニケーション動詞(communicative verb)」は、この明細書中において用いられる場合、コミュニケーションを示す動詞である。たとえば、「否定する(deny)」という動詞はコミュニケーション動詞である。
「コミュニケーション行動」は、この明細書中において用いられる場合、1以上のエージェントによって実行される行動、およびエージェントの主題を記述するものである。
図1は、一局面による例示的な修辞学的分類環境を示す。図1は、入力テキスト130、修辞学的分類コンピューティングデバイス101、および出力応答170を示す。修辞学的分類コンピューティングデバイス101は、修辞学的分類アプリケーション102の1つまたは複数、修辞学的合致分類器120、およびトレーニングデータ125を含む。修辞学的分類コンピューティングデバイス101は、入力テキスト130における説明の要求の存在を判断し、追加情報の検索または出力応答の生成など、1つ以上のアクションを生じさせることができる。そのようなプロセスの例は、図23に関してさらに説明される。
一例では、修辞学的分類アプリケーション102は、チャットを介して受信された質問を解析する。より具体的には、修辞学的分類アプリケーション102は、単一の質問またはテキストのストリームであることができる入力テキスト130を受信する。入力テキスト130は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチなどの任意のモバイルデバイスによって生成することができる。モバイルデバイスは、データネットワークを介して修辞学的分類コンピューティングデバイス101に通信することができる。
説明の要求は、例えば、上記の場合のようにユーザの不満によって示されるように、暗黙的であり得る。例えば、修辞学的分類アプリケーション102は、以下のように読める入力テキスト130にアクセスする:"Wow. Apparently, NewZeeBank just cancelled my credit cards despite an 18 year relationship. My account got flagged for money laundering. Good thing I was brought an extra credit card on my business trip and that thing called cash."(わあ。明らかに、NewZeeBankは、18年間の関係にもかかわらず、私のクレジットカードを解約した。私の口座は、資金洗浄のために睨まれてしまった。幸いなことに、出張で予備のクレジットカードを持ってきていて、現金も持っていた)。
これに応答して、修辞学的分類アプリケーション102は、入力テキスト130からコミュニケーション用談話ツリー110を作成する。使用可能な処理の一例を図15に示す。入力テキスト130をコミュニケーション用談話ツリー110として表わすことによって、修辞学的分類アプリケーション102は、本明細書でさらに説明するように、入力テキスト130内のフラグメント間の修辞関係および関連付けられるコミュニケーション行動を認識する。
修辞学的分類アプリケーション102は、修辞学的合致分類器120などのトレーニングされた分類器にコミュニケーション用談話ツリー110を与える。修辞学的分類アプリケーション102は、修辞学的合致分類器120から説明の要求があるかどうかの予測を受信する。一例では、修辞学的合致分類器120は、コミュニケーション用談話ツリー110を、トレーニングデータ125によって提供されるコミュニケーション用談話ツリーと比較する。トレーニングデータ125は、肯定的(説明の要求を含む)または否定的(説明の要求なし)と指定されるトレーニングセットを含む。トレーニングデータを生成するための例示的なプロセスが、図24に関連して論じられ、修辞学的合致分類器120をトレーニングするための例示的なプロセスが、図25に関連して論じられる。
次に、修辞学的分類アプリケーション102は、予測を説明要求インジケータ165として与える。説明要求インジケータ165に基づいて、修辞学的分類アプリケーション102は、説明を準備するか、説明が準備されるようにするか、または説明を出力応答170として与えることができる。
修辞学構造理論および談話ツリー
言語学は言語についての科学的研究である。たとえば、言語学は、センテンス(構文)の構造、たとえば、主語−動詞−目的語、センテンス(セマンティックス)の意味、たとえば、「dog bites man(犬が人を噛む)」に対して「man bites dog(人が犬を噛む)」、さらに、話し手が会話中に行うこと、すなわち、談話分析またはセンテンスの範囲を超えた言語の分析、を含み得る。
談話の理論上の基礎(修辞構造理論(Rhetoric Structure Theory:RST))は、Mann、WilliamおよびThompson、Sandraによる「Rhetorical structure theory: A Theory of Text organization」(Text-Interdisciplinary Journal for the Study of Discourse)8(3):243-281: 1988)によるものであり得る。プログラミング言語理論の構文およびセマンティックスが現代のソフトウェアコンパイラの可能化に如何に役立ったのかと同様に、RSTは談話の分析の可能化に役立った。より具体的には、RSTは、構造ブロックを少なくとも2つのレベルで想定している。2つのレベルは、核性および修辞関係などの第1のレベルと、構造またはスキーマの第2のレベルとを含む。談話パーサーまたは他のコンピュータソフトウェアは、テキストを談話ツリーにパース(構文解析)することができる。
修辞構造理論は、テキストの部分間の関係に依存して、テキストの論理的構成(書き手によって用いられる構造)をモデル化する。RSTは、談話ツリーを介してテキストの階層型の接続された構造を形成することによって、テキスト一貫性をシミュレートする。修辞関係は、同等のクラスおよび下位のクラスに分割される。これらの関係は、2つ以上のテキストスパンにわたって維持されるので、一貫性を実現する。これらのテキストスパンを基本談話単位(EDU)と称する。センテンス中の節およびテキスト中のセンテンスは、著者によって論理的に接続される。所与のセンテンスの意味は前のセンテンスおよび次のセンテンスの意味と関係がある。節同士の間のこの論理関係はテキストの一貫性構造と称される。RSTは、ツリー状の談話構造、談話ツリー(discourse tree:DT)に基づいた、談話について最も普及している理論のうちの1つである。DTの葉部は、EDU(連続する原子的なテキストスパン)に対応する。隣接するEDUは、より高いレベルの談話単位を形成する一貫性関係(たとえば、属性、シーケンス)によって接続されている。これらの単位は、さらに、この関係リンクにも従属する。関係によってリンクされたEDUは、さらに、それぞれの相対的重要性に基づいて区別される。核は関係の核心部分であり、衛星は周辺部分である。上述したように、正確な要求・応答ペアを判断するために、トピックおよび修辞学的合致がともに分析される。話し手がフレーズまたはセンテンスなどの質問に回答するとき、話し手の回答はこの質問のトピックに対処していなければならない。質問が暗示的に形成されている場合、メッセージのシードテキストを介することで、トピックを維持するだけでなくこのシードについての一般化された認識状態とも一致するような適切な回答が期待される。
修辞関係
上述したように、この明細書中に記載されるいくつかの局面はコミュニケーション用談話ツリーを用いている。修辞関係はさまざまな方法で説明することができる。たとえば、MannおよびThompsonは23の実現可能な関係について記載している。C. Mann, William & Thompson, Sandra(1987)(「Mann and Thompson」)による「Rhetorical Structure Theory: A Theory of Text Organization)がある。他のいくつかの関係も実現可能である。
Figure 2021512444
いくつかの経験的研究は、大多数のテキストが核−衛星関係を用いて構築されていることを前提としている。MannおよびThompsonを参照されたい。しかしながら、他の関係は、核の有限選択を伴わない。このような関係の例を以下に示す。
Figure 2021512444
図2は、一局面に従った談話ツリーの例を示す。図2は談話ツリー200を含む。談話ツリーは、テキストスパン201、テキストスパン202、テキストスパン203、関係210、および関係238を含む。図2における数は3つのテキストスパンに対応する。図3は、1、2、3と番号付けられた3つのテキストスパン付きの以下のテキスト例に相当する。
1.ホノルル(ハワイ)はハワイの歴史に関する2017年の会議の開催地になるだろう(Honolulu, Hawaii will be site of the 2017 Conference on Hawaiian History)。
2.米国およびアジアから200人の歴史家が参加することが期待される(It is expected that 200 historians from the U.S. and Asia will attend)。
3.会議はポリネシア人がハワイまでどのように航海したかに関する(The conference will be concerned with how the Polynesians sailed to Hawaii)。
たとえば、関係210または詳述は、テキストスパン201とテキストスパン202との間の関係を記載する。関係238は、テキストスパン203とテキストスパン204との間の関係(詳述)を示す。示されるように、テキストスパン202および203はテキストスパン201をさらに詳述している。上述の例においては、読み手に会議を通知することが目的であると想定すると、テキストスパン1が核である。テキストスパン2および3は、会議に関するより多くの詳細を提供する。図2において、水平方向に並んだ数(たとえば1−3、1、2、3)は、(場合によってはさらに別のスパンで構成された)テキストのスパンをカバーしており、垂直な線は核または複数の核を示している。曲線は修辞関係(詳述)を表わしており、矢印の方向は衛星から核を指している。テキストスパンのみが、核としてではなく衛星として機能する場合、衛星を削除しても依然としてテキストには一貫性が残るだろう。図2から核を削除する場合、テキストスパン2および3を理解することが困難になる。
図3は、一局面に従った談話ツリーのさらなる例を示す。図3は、構成要素301および302、テキストスパン305〜307、関係310、および関係328を含む。関係310は、構成要素306と構成要素305との間、および構成要素307と構成要素305との間の関係(可能化)を示す。図3は以下のテキストスパンを指している:
1.新しい技術報告の要約は、現在、簡略版辞典付近の蔵書の雑誌領域にあります(The new Tech Report abstracts are now in the journal area of the library near the abridged dictionary)。
2.閲覧に興味のある方はご署名ください(Please sign your name by any means that you would be interested in seeing)。
3.登録の最終日は5月31日です(Last day for sign-ups is 31 May)。
図から分かるように、関係328は、エンティティ307とエンティティ306との関係、すなわち可能化、を示している。図3は、複数の核を入れ子状にすることができるが、最も核性のある1つのテキストスパンだけが存在することを例示している。
談話ツリーの構築
談話ツリーはさまざまな方法を用いて生成することができる。DTボトムアップ(DT bottom up)を構築するための方法の単純な例は以下のとおりである:
(1)以下の(a)および(b)によって談話テキストを複数単位に分割する。
(a)単位サイズが分析の目的に応じて変わる可能性がある。
(b)典型的には単位は節である。
(2)各々の単位およびそれぞれの隣接単位を検査する。それらの間に関係が保たれているか?
(3)関係が保たれている場合、その関係に印を付ける。
(4)関係が保たれていない場合、その単位はより高いレベルの関係の境界にある可能性がある。より大きな単位(スパン)同士の間に保たれている関係に注目する。
(5)テキスト中のすべての単位が把握されるまで続ける。
MannおよびThompsonはまた、スキーマ・アプリケーションと呼ばれるブロック構造の構築の第2のレベルを記載している。RSTにおいては、修辞関係が、テキスト上に直接マッピングされず、それらはスキーマ・アプリケーションと呼ばれる構造上に適合され、これらはさらにテキストに適合される。スキーマ・アプリケーションは、(図4によって示されるような)スキーマと呼ばれる、より単純な構造に由来している。各々のスキーマは、テキストの特定の単位が如何にしてより小さなテキスト単位に分解されるかを示している。修辞構造ツリーまたはDTは、スキーマ・アプリケーションの階層システムである。スキーマ・アプリケーションは、いくつかの連続するテキストスパンをリンクさせ、複雑なテキストスパンを作成する。複雑なテキストスパンはさらに、より高レベルのスキーマ・アプリケーションによってリンクされ得る。RSTの主張によれば、すべての一貫した談話の構造を単一の修辞構造ツリーによって記述することができ、その最上位のスキーマによって談話全体を包含するスパンが作成される。
図4は、一局面に従った例示的なスキーマを示す。図4は、ジョイントスキーマが、核から成るが衛星を含まないアイテムのリストであることを示す。図4はスキーマ401〜406を示す。スキーマ401は、テキストスパン410とテキストスパン428との状況関係を示す。スキーム402は、テキストスパン420とテキストスパン421とのシーケンス関係、およびテキストスパン421とテキストスパン423とのシーケンス関係を示す。スキーマ403は、テキストスパン430とテキストスパン431との対比関係を示す。スキーマ404は、テキストスパン440とテキストスパン441とのジョイント関係を示す。スキーマ405は、450と451との動機づけ関係、および452と451との可能化関係を示す。スキーマ406は、テキストスパン460とテキストスパン462とのジョイント関係を示す。ジョイント方式の一例が、以下の3つのテキストスパンに関して図4に示される。
1.本日、ニューヨーク首都圏における天候は部分的に晴天となるでしょう(Skies will be partly sunny in the New York metropolitan area today)。
2.温度は華氏80度半ばで湿度はより高くなるでしょう(It will be more humid, with temperatures in the middle 80's)。
3.今晩、おおむね曇りとなり、華氏65度から70度と低温になるでしょう(Tonight will be mostly cloudy, with the low temperature between 65 and 70)。
図2〜図4は、談話ツリーをいくつかのグラフで表示しているが、他の表現も可能である。
図5は、一局面に従った階層型バイナリツリーのノードリンク表現を示す。図5から分かるように、DTの葉部は基本談話単位(EDU)と呼ばれる、連続するが重複しないテキストスパンに相当する。隣接するEDU同士は、関係(たとえば詳述、属性…)によって接続されており、関係によって接続されるより大きな談話単位を形成している。「RSTにおける談話分析は2つのサブタスクを含む。談話セグメンテーションはEDUを識別するタスクであり、談話構文解析は、談話単位をラベル付けされたツリーにリンクするタスクである。」Joty, Shafiq RおよびGiuseppe Carenini, Raymond T Ng,およびYashar Mehdad(2013年)による、「Combining intra-and multi-sentential rhetorical parsing for document-level discourse analysis」(ACL (1), pages 486-496)を参照されたい。
図5は、ツリー上の葉部または終端ノードであるテキストスパンを示しており、図6に示されるテキスト全体に現われる順序で番号付けされている。図5はツリー500を含む。ツリー500は、たとえばノード501〜507を含む。ノードは関係性を示す。ノードは、ノード501などの非終端ノードまたはノード502〜507などの終端ノードである。図から分かるように、ノード503および504はジョイントの関係性によって関連づけられている。ノード502、505、506および508は核である。点線は、ブランチまたはテキストスパンが衛星であることを示している。これらの関係は灰色のボックスにおけるノードである。
図6は、一局面に従った、図5における表現についての例示的なインデントされたテキストエンコーディングを示す。図6はテキスト600をおよびテキストシーケンス602〜604を含む。テキスト600は、コンピュータプログラミングにより適用し易い態様で表わされている。テキストシーケンス602はノード502に対応する。シーケンス603はノード503に対応する。シーケンス604はノード504に対応する。図6においては、「N」は核を示し、「S」は衛星を示す。
談話パーサの例
自動的な談話セグメンテーションはさまざまな方法で実行することができる。たとえば、或るセンテンスを想定すると、セグメンテーションモデルは、センテンスにおける各々の特定のトークンの前に境界が挿入されるべきであるかどうかを予測することによって、複合的な基本談話単位の境界を識別する。たとえば、1つのフレームワークは、センテンス内の各トークンを連続的に独立して考慮に入れる。このフレームワークにおいては、セグメンテーションモデルは、トークンによってセンテンストークンをスキャンし、サポートベクトルマシンまたはロジスティック回帰などの二進法分類を用いて、検査されているトークンの前に境界を挿入することが適切であるかどうかを予測する。別の例においては、タスクは連続的にラベル付けする際の問題である。テキストが基本談話単位にセグメント化されると、センテンスレベルの談話構文解析を実行して談話ツリーを構築することができる。機械学習技術を用いることができる。
本発明の一局面においては、構成要素の構文に依拠するCoreNLPProcessorおよび依存性構文を用いるFastNLPProcessorという2つの修辞構造理論(RST)談話パーサが用いられる。Surdeanu, Mihai & Hicks, Thomas & Antonio Valenzuela-Escarcega, Marcoによる「Two Practical Rhetorical Structure Theory Parsers」(2015)を参照されたい。
加えて、上述の2つの談話パーサ、すなわち、CoreNLPProcessorおよびFastNLPProcessorは、自然言語処理(Natural Language Processing:NLP)を構文解析に用いる。たとえば、Stanford CoreNLPは、会社、人々などの名前であろうとなかろうとスピーチの部分である複数単語の基本形状を提示し、日付、時間および数値量を標準化し、フレーズおよび構文依存の点からセンテンスの構造に印を付け、どの名詞句が同じエンティティを指しているかを示す。実際には、RSTは依然として、談話の多くの場合に機能し得る理論であるが、場合によっては機能しない可能性もある。どんなEDUが一貫したテキスト中にあるか、すなわち、どんな談話セグメンタが用いられているか、どんな関係のインベントリが用いられているか、EDUのためにどんな関係が選択されているか、トレーニングおよびテストのために用いられるドキュメントのコーパス、さらには、どんなパーサが用いられているか、を含むがこれらに限定されない多くの変数が存在している。このため、たとえば、Surdeanu他による上述の論文「Two Practical Rhetorical Structure Theory Parsers」においては、どのパーサがよりよい性能を与えるかを判断するために、特化されたメトリクスを用いて特定のコーパス上でテストを実行しなければならない。このため、予測可能な結果をもたらすコンピュータ言語パーサとは異なり、談話パーサ(およびセグメンタ)は、トレーニングおよび/またはテストのテキストコーパスに応じて、予測不可能な結果をもたらす可能性がある。したがって、談話ツリーは、予測可能な技術(たとえば、コンパイラ)と(たとえば、どの組合わせが所望の結果をもたらし得るかを判断するのに実験が必要となる化学のような)予測不可能な技術とを混合したものとなる。
談話分析が如何に優れているかを客観的に判断するために、たとえば、Daniel Marcuの「The Theory and Practice of Discourse Parsing and Summarization」(MIT Press)(2000)によるPrecision/Recall/F1(精度/再現度/F1)測定基準などの一連のメトリクスが用いられている。精度または肯定的な予測値は検索されたインスタンス中の関連するインスタンスのごく一部であるとともに、(感度としても公知である)再現度は、関連するインスタンスの総量にわたって検索された関連するインスタンスのごく一部である。したがって、精度および再現度はともに、関連性についての理解および基準に基づいている。写真中の犬を認識するためのコンピュータプログラムが12匹の犬および何匹かの猫を含む写真中に8匹の犬を識別すると想定する。識別された8匹の犬のうち、5匹は実際に犬(真陽性)であるが残りは猫(擬陽性)である。プログラムの精度は5/8であり、その再現度は5/12である。検索エンジンが30ページを戻すがそのうち20ページしか関連しておらず、追加の関連する40ページを戻してこなかった場合、その精度は20/30=2/3であり、その再現度は20/60=1/3である。したがって、この場合、精度は「検索結果がどれくらい有用であるか」であり、再現度は、「結果はどれくらい完全であるか」である。F1スコア(F−スコアまたはF−基準)はテストの精度の基準である。それは、スコアを計算するためにテストの精度および再現度の両方を考慮に入れる。F1=2x(精度x再現度)/(精度+再現度))であり、精度と再現度との調和平均である。F1スコアは、1(完全な精度および再現度)でその最適値に達し、0で最悪値に達する。
自律型エージェントまたはチャットボット
人Aと人Bとの間の会話は談話の一形式である。たとえば、FaceBook(登録商標)メッセンジャ、WhatsApp(登録商標)、Slack(登録商標)、SMSなどのアプリケーションが存在し、AとBとの間の会話は、典型的には、より従来型の電子メールおよび音声会話に加えて、メッセージを介するものであってもよい。(知的なボットまたは仮想アシスタントなどと称されることもある)チャットボットは、「知的な」マシンであって、たとえば、人Bと置き換わって、2人の人同士の間の会話をさまざまな程度に模倣する。究極の目的の一例としては、人Aは、Bが人であるかまたはマシンであるかどうか区別できないようにすることである(1950年にAlan Turingによって開発されたチューリング(Turning)テスト)。談話分析、機械学習を含む人工知能および自然言語処理は、チューリングテストに合格するという長期目標に向かって大きく発展してきた。当然ながら、コンピュータにより、莫大なデータのリポジトリを検索および処理して、予測的分析を含めるようにデータに対して複雑な分析を行うことも次第に可能になってきており、長期目標は、人のようなチャットボットとコンピュータとを組合わせることである。
たとえば、ユーザは、会話のやり取りによってインテリジェント・ボット・プラットホームと対話することができる。会話型ユーザインターフェイス(user interface:UI)と呼ばれるこの対話は、ちょうど2人の人の間で交わされるようなエンドユーザとチャットボットとの間のダイアログである。これは、エンドユーザがチャットボットに「Hello(こんにちは)」と発言し、チャットボットが「Hi(やあ)」と返答し、さらにチャットボットが用件が何かをユーザに尋ねる、という程度に単純であり得るか、または、1つの口座から別の口座に送金するなどの銀行業務チャットボットによる業務処理上の対話であり得るか、または、休暇バランスをチェックするなどのHRチャットボットでの情報のやり取り、もしくは、返品を如何に処理するかなどの小売りチャットボットでのFAQへの質問であり得る。他のアプローチと組み合わされた自然言語処理(NLP)および機械学習(machine learning:ML)アルゴリズムを用いて、エンドユーザの意図を分類することができる。高レベルの意図はエンドユーザが達成したいこと(たとえば、勘定残高を得て購入する)である。意図は、本質的には、バックエンドが実行すべき作業の単位に入力された顧客のマッピングである。したがって、チャットボットでユーザによって発せられたフレーズに基づいて、これらは、たとえば、残高照会、送金および支出の追跡のための特定の別個の使用事例または作業単位に対してマッピングされるものであり、エンドユーザが自然言語で入力する自由なテキストエントリからどの作業単位がトリガされなければならないかをチャットボットがサポートして解決することができるはずであるすべての「使用事例」である。
AIチャットボットに人のように応答させるための根本的な原理は、人の脳が要求を策定して理解することができるとともに、さらに、マシンよりもはるかに優れた人の要求に対して優れた応答を返すことができる点にある。したがって、人Bが模倣される場合、チャットボットの要求/応答は著しく改善されていなければならない。そうすると、この問題の最初の部分は、人の脳が要求を如何に策定して理解するかである。模倣のためにモデルが用いられる。RSTおよびDTは、これを実行する形式的かつ反復可能な方法を可能にする。
高レベルでは、典型的には、2つのタイプの要求がある。具体的には、(1)何らかの行動を実行するようにとの要求、および(2)情報についての要求(たとえば質問)である。第1のタイプは、作業単位が作成される応答を有する。第2のタイプは、質問に対する応答(すなわち、たとえば、優れた回答)を有する。回答は、たとえばいくつかの局面において、広範囲な知識ベースから、または、インターネットもしくはイントラネットまたは他の公的または私的に利用可能なデータソースを探索することによって最適な既存の回答に一致させることから、回答を構築するAIの形を取り得る。
コミュニケーション用談話ツリーおよび修辞学的分類器
本開示の局面はコミュニケーション用談話ツリーを構築するとともに、コミュニケーション用談話ツリーを用いて、要求または質問の修辞構造が回答に合致しているかどうかを分析する。より具体的には、この明細書中に記載される局面は、要求・応答ペアの表現を作成し、これらの表現を学習し、ペアを有効なペアまたは無効なペアのクラスに関連づける。このような態様で、自律型エージェントはユーザから質問を受取り、たとえば複数の回答を検索することによって質問を処理し、複数の回答の中から最適な回答を判断して、ユーザに対して回答を提供することができる。
より具体的には、テキストの言語特徴を表現するために、この明細書中に記載される局面は、修辞関係および発話動作(またはコミュニケーション行動)を用いる。修辞関係は、典型的には談話ツリーから得られるセンテンスの部分同士の関係性である。発話動作は、VerbNetなどの動詞リソースからの動詞として得られる。修辞関係およびコミュニケーション行動の両方を用いることによって、この明細書中に記載される複数の局面は、有効な要求・応答ペアを正確に認識することができる。そうするために、複数の局面は、質問の構文構造を回答の構文構造と相互に関連付ける。当該構造を用いることにより、より優れた回答を決定することができる。
たとえば、或る人が特定の特徴を備えたアイテムを販売したいと希望していることを示す表示を自律型エージェントがこの人から受け取った場合、この自律型エージェントは、当該特徴を含んでいるだけではなく購入する意図も示している検索結果を提供するはずである。このような態様で、自律型エージェントはユーザの意図を判断した。同様に、自律型エージェントが特定のアイテムについての情報を共有するようにとの要求を或る人から受取った場合、検索結果は、推薦を受け取る意図を含んでいるはずである。或る人がトピックに関する意見について自律型エージェントに質問する場合、自律型エージェントは、別の意見を求めるのではなく、主題に関する意見を共有する。
要求および応答のペアの分析
図7は、一局面に従った、財産税に関する要求例についての例示的なDTを示す。ノードラベルは関係であり、矢印付きの線は衛星を指している。核は実線である。図7は以下のテキストを示す。
要求:「My husbands' grandmother gave him his grandfather's truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so. Now, due to circumstances, I am not going to be able to afford the truck. I went to the insurance place and was refused a refund. I am just wondering that since I am not going to have a tag on this truck, is it possible to get the property tax refunded?(私の夫の祖母が彼に彼の祖父のトラックを与えました。彼女は所有権を譲渡しましたが、私の夫には自身の免許に対する未払いの罰金があったため、彼はトラックを自身の名義に入れることができませんでした。私は自分の名義に入れたかったので、財産税を納付し、トラック用の保険に入りました。所有権を取り寄せて識別票を得るときには、私はそうするだけのお金を持っていませんでした。現在、状況によっては、私はトラックを所有するだけの余裕がなくなるでしょう。私は保険代理店を訪れましたが、払い戻しは拒否されました。私は、このトラックに識別票を付けることができないのであれば、財産税を払い戻してもらうことができるのではないかと考えています)」。
応答:「The property tax is assessed on property that you own. Just because you chose to not register it does not mean that you don't own it, so the tax is not refundable. Even if you have not titled the vehicle yet, you still own it within the boundaries of the tax district, so the tax is payable. Note that all states give you a limited amount of time to transfer title and pay the use tax. If you apply late, there will be penalties on top of the normal taxes and fees. You don't need to register it at the same time, but you absolutely need to title it within the period of time stipulated in state law(財産税は、あなたが所有する財産に課されるものです。あなたがそれを登録しないことを選択しただけですので、これは、あなたがそれを所有していないことを意味するものではありません。したがいまして、税を払い戻すことはできません。あなたがまだ乗物の権利を得ていないとしても、あなたは依然として課税区画の境界内に当該乗物を所有していますので、税金を払わなくてはなりません。なお、いずれの州においても、所有権の譲渡および利用税の納付のためにあなたに与えられている時間には制限があることに留意してください。あなたの申請が遅れた場合には、普通税および通常料金に加えて罰金が課されることになるでしょう。あなたは、乗物を同時に登録する必要はありませんが、州の法律で規定された期間内に確実にその権利を得る必要があります)」
図7から分かるように、上述のテキストを分析することにより、以下の結果が得られる。「My husbands' grandmother gave him his grandfather's truck」は、「I wanted to put in my name」、「and paid the property tax」、および「and got insurance for the truck」という表現によって詳述される「having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name」によって詳述される「She signed the title over but due to my husband」という表現によって詳述される。
「My husbands' grandmother gave him his grandfather's truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck.」は、「it came to sending off the title」および「and getting the tag」によって詳述される「By the time」と対比される「to do so」によって詳述される「I didn't have the money」によって詳述される。
「My husbands' grandmother gave him his grandfather's truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so」は、「I went to the insurance place」および「and was refused a refund」によって詳述される「I am not going to be able to afford the truck」によって詳述される「Now, due to circumstances,」と対比される。
「My husbands' grandmother gave him his grandfather's truck. She signed the title over but due to my husband having unpaid fines on his license, he was not able to get the truck put in his name. I wanted to put in my name and paid the property tax and got insurance for the truck. By the time it came to sending off the title and getting the tag, I didn't have the money to do so. Now, due to circumstances, I am not going to be able to afford the truck. I went to the insurance place and was refused a refund.」は、「I am just wondering that since I am not going to have a tag on this truck, is it possible to get the property tax refunded?」で詳述されている。
「I am just wondering」は、「since I am not going to have a tag on this truck」という条件を有する「is it possible to get the property tax refunded?」と同じ単位である「that」に属している。
以上のように、トピックの主な主題は「自動車に対する財産税」である。質問は、一方では、すべての所有物は課税可能であるというのに対して、他方では、所有権がいくらか不完全であるという矛盾を含んでいる。好適な応答により、質問のトピックに対処するとともに矛盾を明確にしなければならない。このために、応答者は、登録状態に関係なく所有されるものすべてに関して税金を納付する必要性についてさらに強い請求を行なっている。この例は、Yahoo(登録商標)!Answersの評価ドメインから得られる肯定的なトレーニングセットの一要素である。トピックの主な主題は「自動車に対する財産税」である。質問は、一方では、所有物はすべて課税可能であるのに対して、他方では、所有権はいくらか不完全であるという矛盾を含んでいる。好適な回答/応答により、質問のトピックに対処するとともに矛盾を明確にしなければならない。読み手は、質問が対比の修辞関係を含んでいるので、納得させるために同様の関係で回答をこの質問と一致させなければならないことに気付き得る。他の場合には、この回答はその分野のエキスパートでない人々にとっても不完全に見えるだろう。
図8は、本発明の特定の局面に従った、図7に表わされた質問についての例示的な応答を示す。中心核は、「that you own」によって詳述される「The property tax is assessed on property」である。「The property tax is assessed on property that you own」はまた、「Just because you chose to not register it does not mean that you don't own it, so the tax is not refundable. Even if you have not titled the vehicle yet, you still own it within the boundaries of the tax district, so the tax is payable. Note that all states give you a limited amount of time to transfer title and pay the use tax」によって詳述される核である。
核である「The property tax is assessed on property that you own. Just because you chose to not register it does not mean that you don't own it, so the tax is not refundable. Even if you have not titled the vehicle yet, you still own it within the boundaries of the tax district, so the tax is payable. Note that all states give you a limited amount of time to transfer title and pay the use tax.」は、「If you apply late,」という条件付きの「there will be penalties on top of the normal taxes and fees」によって詳述される。これは、さらに、「but you absolutely need to title it within the period of time stipulated in state law」および「You don't need to register it at the same time」という対比によって詳述される。
図7のDTと図8のDTとを比較することで、応答(図8)を要求(図7)と如何に適切に一致させるかを判断することが可能となる。本発明のいくつかの局面においては、上述のフレームワークは、DT間の要求/応答および修辞学的合致についてDTを判断するために、少なくとも部分的に用いられる。
別の例において、「What does The Investigative Committee of the Russian Federation do(ロシア連邦の調査委員会が何を行なったのか」という質問は、たとえば、公式の回答または実際の回答という少なくとも2つの回答を有する。
図9は、一局面に従った公式の回答についての談話ツリーを示す。図9に示されるように、公式回答または声明は、「The Investigative Committee of the Russian Federation is the main federal investigating authority which operates as Russia's Anti-corruption agency and has statutory responsibility for inspecting the police forces, combating police corruption and police misconduct, is responsible for conducting investigations into local authorities and federal governmental bodies.(ロシア連邦の調査委員会は主たる連邦捜査機関であって、ロシアの汚職防止機関として機能するとともに、警察を監査して警察の汚職および警察の違法行動を根絶するための法定上の責任を有しており、地方自治体および連邦行政体の調査を行なう責任を負っている)」と述べている。
図10は、一局面に従った未処理の回答についての談話ツリーを示す。図10に示されるように、別の、場合によってはより正直な回答は以下のとおりである。「Investigative Committee of the Russian Federation is supposed to fight corruption. However, top-rank officers of the Investigative Committee of the Russian Federation are charged with creation of a criminal community. Not only that, but their involvement in large bribes, money laundering, obstruction of justice, abuse of power, extortion, and racketeering has been reported. Due to the activities of these officers, dozens of high-profile cases including the ones against criminal lords had been ultimately ruined.(ロシア連邦の調査委員会は汚職と戦うよう想定されている。しかしながら、ロシア連邦の調査委員会のトップランクの高官は、犯罪集団の設立の役割を担っている。それだけでなく、これらの高官らが大規模な賄賂、マネーロンダリング、司法妨害、職権乱用、恐喝およびゆすりに関与していることが報告されてきた。これらの職員の活動により、犯罪の大物に関する事例を含むとともに注目を集めた数十の事例は最終的に台無しにされた。」
回答の選択は文脈に依存する。修辞構造は、「公式の(official)」、「政治的に正しい(politically correct)」テンプレートベースの回答と、「実際の(actual)」、「未処理の(raw)」、「現場からの報告(reports from the field)」または「論争の的となる(controversial)」回答とを区別することを可能にする(図9および図10を参照されたい)。時として、質問自体は、どのカテゴリの回答が期待されているかについてのヒントを与えることができる。質問が、第2の意味を持たない類事実または定義的性質をもつ質問として策定されている場合、第1のカテゴリーの回答が適している。他の場合には、質問が、「それが実際に何であるかを私に伝える」という意味を有する場合、第2のカテゴリが適している。一般に、質問から修辞構造を抽出した後、同様の修辞構造、一致した修辞構造、または補足的な修辞構造を有するであろう適切な回答を選択することはより容易である。
公式の回答は、テキストが含む可能性のある議論の点から見て中立的である詳述およびジョイントに基づいている(図9を参照)。同時に、未処理の回答は対比関係を含んでいる。エージェントが行うと予想されるものについてのフレーズと、このエージェントが行ったと判明したことについてのフレーズとのこの関係が抽出される。
コミュニケーション用談話ツリー(CDT)
修辞学的分類アプリケーション102は、コミュニケーション用談話ツリーを作成し、分析し、比較することができる。コミュニケーション用談話ツリーは、修辞情報を発話動作構造と組合わせるように設計されている。CDTは、コミュニケーション行動についての表現でラベル付けされた円弧を含む。コミュニケーション行動を組合わせることにより、CDTは、RST関係およびコミュニケーション行動のモデリングを可能にする。CDTはパース交錯の縮図である。Galitsky、B. Ilvovsky、D. Kuznetsov SOによる「Rhetoric Map of an Answer to Compound Queries Knowledge Trail Inc. ACL 2015,681-686(Galitsky(2015))を参照されたい。パース交錯は、センテンスについてのパースツリーを1つのグラフにおけるセンテンスの単語と部分との談話レベル関係と組合わせたものである。発話動作を識別するラベルを組込むことにより、コミュニケーション用談話ツリーの学習が、基本談話単位(EDU)の構文および適正な修辞関係よりもより豊富な特徴セットにわたって実行可能となる。
一例においては、民間航空機であるマレーシア航空会社17便の撃墜の原因に関して3つの当事者間でなされた議論が分析される。やり取りされている議論のRST表現が構築される。この例においては、3つの相争っているエージェントであるオランダの調査員、ロシア連邦の調査委員会および自称ドニエツク人民共和国が問題に関する彼らの意見を交換している。この例が示している論争の的になっている対立においては、各々の当事者が皆それぞれの相手方を非難する恐れがある。より説得力があるように思わせるために、各々の当事者は自身の請求を行うだけではなく、相手方の請求を拒絶するように応答を策定している。この目的を達成するために、各々の当事者は、相手方の請求のスタイルおよび談話と一致させるよう試みる。
図11は、一局面に従った、第1のエージェントの請求についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す。図11は、以下のテキストを表わすコミュニケーション用談話ツリー100を示す。「Dutch accident investigators say that evidence points to pro-Russian rebels as being responsible for shooting down plane. The report indicates where the missile was fired from and identifies who was in control of the territory and pins the downing of MH17 on the pro-Russian rebels.(オランダの事故調査員は、証拠が、飛行機の撃墜をロシア支持派の反乱分子によるものであると示唆していると述べている。この報告書は、ミサイルが発射された場所を示しており、誰が領域を制圧していたかを識別し、MH17の撃墜の責任をロシア支持派の反乱分子に負わせている。)」
図11から分かるように、CDTの非終端ノードは修辞関係であり、終端ノードは、これらの関係の主題である基本談話単位(フレーズ、センテンスフラグメント)である。CDTのいくつかの円弧は、行動者であるエージェント、およびこれらの行動の主題(やり取りされていること)を含むコミュニケーション行動についての表現でラベル付けされている。たとえば、(左側の)詳細関係についての核ノードは、say(Dutch, evidence)でラベル付けされており、衛星は、responsible(rebels, shooting down)でラベル付けされている。これらのラベルは、EDUの主題がevidence(証拠)およびshooting down(撃墜)であることを表すように意図されたものではなく、このCDTと他のものとの間の類似性を見出す目的でこのCDTを他のものと一致させるように意図されている。この場合、コミュニケーション用談話の情報を提供するのではなく修辞関係によってこれらのコミュニケーション行動を単にリンクさせることは、あまりに制限され過ぎていて、やり取りされている物およびその方法についての構造を表わすことができない。同じ修辞関係または調整された修辞関係を有するべきというRRペアについての要件は弱すぎるため、ノード同士を一致させることに加えて円弧に関するCDTラベル同士を合致させることが必要となる。
このグラフの真っ直ぐなエッジは構文関係であり、湾曲した円弧は、前方照応、同じエンティティ、サブエンティティ、修辞関係およびコミュニケーション行動などの談話関係である。このグラフは、単なる個々のセンテンスについてのパースツリーの組合わせよりもはるかに豊富な情報を含んでいる。CDTに加えて、パース交錯は、単語、関係、フレーズおよびセンテンスのレベルで一般化することができる。発話行動は、それぞれの発話動作およびそれらの主題に関与するエージェントを表わす論理述語である。論理述語の議論は、VerbNetなどのフレームワークによって提案されるように、それぞれの意味役割に従って形成される。Karin Kipper、Anna Korhonen、Neville Ryant、Martha Palmerによる「A Large-scale Classification of English Verbs」(Language Resources and Evaluation Journal, 42(1), 21-40,Springer Netherland, 2008)を参照されたい。および/または、Karin Kipper Schuler、Anna Korhonen、Susan W. Brownによる「VerbNet overview, extensions, mappings and apps」(Tutorial, NAACL-HLT: 2009, Boulder, Colorado)を参照されたい。
図12は、一局面に従った、第2のエージェントの請求についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す。図12は、以下のテキストを表わすコミュニケーション用談話ツリー1200を示す。「The Investigative Committee of the Russian Federation believes that the plane was hit by a missile, which was not produced in Russia. The committee cites an investigation that established the type of the missile.(ロシア連邦の調査委員会は、飛行機がロシアで生産されたものではないミサイルによって攻撃されたと信じている。委員会は、ミサイルの種類を立証した調査を引用している。)」
図13は、一局面に従った、第3のエージェントの請求についてのコミュニケーション用談話ツリーを示す。図13は、以下のテキストを表わすコミュニケーション用談話ツリー1300を示す。「Rebels, the self-proclaimed Donetsk People's Republic, deny that they controlled the territory from which the missile was allegedly fired. It became possible only after three months after the tragedy to say if rebels controlled one or another town.(反乱分子である自称ドニエツク人民共和国は、彼らが、ミサイルが発射されたと主張されている領域を制圧していたことを否定している。反乱分子が或る町または別の町を制圧していたかどうかは、悲劇の後に3か月経った後にしか発表することができなかった。)」
コミュニケーション用談話ツリー1100〜1300から分かるように、応答は任意ではない。応答は、元のテキストと同じエンティティについて述べている。たとえば、コミュニケーション用談話ツリー1200および1300はコミュニケーション用談話ツリー1100に関係している。応答は、これらのエンティティについての、かつこれらのエンティティの行動についての、推定および感情との不合致を裏づけしている。
より具体的には、関与するエージェントの返答は、第1のシードメッセージのコミュニケーション用談話を反映させる必要がある。単純な観察結果として、第1のエージェントが自身の請求を伝えるための属性を用いるので、他のエージェントは、その一式に従って、彼ら自身の属性を提供するかもしくは支持者の属性の有効性を攻撃するかまたはこれらの両方を行う。シードメッセージのコミュニケーション構造を如何にして連続メッセージに保持する必要があるかについて、広くさまざまな特徴を捕らえるために、それぞれのCDTのペアを学習することができる。
要求・応答の合致を検証するためには、談話関係または発話動作(コミュニケーション行動)だけではしばしば不十分である。図11〜図13に示される例からから分かるように、エージェント間の対話の談話構造および対話の種類は有用である。しかしながら、対話のドメイン(たとえば、軍事衝突もしくは政治)またはこれらの対話の主題(つまりエンティティ)を分析する必要はない。
修辞関係およびコミュニケーション行動の表現
抽象的な構造同士の間の類似性を演算するために、2つのアプローチがしばしば用いられる。(1)これらの構造を数値空間で表わすとともに類似性を数として表す(統計学習アプローチ);または、(2)数値空間ではなくツリーおよびグラフなどの構造表現を用いて、最大の共通サブ構造として類似性を表現する。最大の共通サブ構造として類似性を表わすことは一般化と称される。
コミュニケーション行動を学習することは、議論の表現および理解を助ける。計算用動詞レキシコンは、行動についてのエンティティの取得をサポートするとともに、それらの意味を示すためにルールベースの形式を提供するのを助ける。動詞は、記載されているイベントのセマンティックスとともに、そのイベントにおける関与者間の関係情報を表わして、その情報をエンコードする構文構造を投影している。動詞、特にコミュニケーション行動動詞は極めて変動し易く、豊富な範囲の意味論的挙動を表示することができる。これに応じて、動詞分類は、学習システムが、コアの意味論的特性を共有している動詞をグループごとに組織化することによって、この複雑さに対処することを助ける。
VerbNetはこのような1レキシコンであって、各々のクラス内における動詞の意味論的役割および構文的パターン特徴を識別するとともに、構文的パターンとクラスのうちすべてのメンバについて推論することができる基礎をなす意味論的関係との間のつながりを明確にする。Karin Kipper、Anna Korhonen、Neville RyantおよびMartha Palmerによる「Language Resources and Evaluation」(Vol.42, No. 1 (March 2008) 21)を参照されたい。クラスについての各々の構文フレームまたは動詞シグネチャは、イベントのコースにわたるイベント関与者間の意味論的関係を詳しく述べる、対応する意味論的表現を有する。
たとえば、「楽しませる(amuse)」という動詞は、驚かせる(amaze)、怒らせる(anger)、何らかの感情を喚起する(arouse)、邪魔する(disturb)、いらいらさせる(irritate)などの議論(意味論的役割)の同様の構造を有する同様の動詞のクラスタの一部である。これらのコミュニケーション行動の議論の役割は、Experiencer(経験者)(通常、生きている実体)、Stimulus(刺激)およびResult(結果)である。各々の動詞は、この動詞が如何にセンテンスまたはフレーム内に現れているかについての構文特徴によって区別される意味のクラスを有し得る。たとえば、「amuse」のためのフレームは、以下のとおり、以下の主要な名詞句(NP)、名詞(N)、コミュニケーション行動(V)、動詞句(VP)、副詞(ADV)を用いている。
NP V NP。例:「教師は子供たちを楽しませた(The teacher amused the children)」。構文:Stimulus V Experiencer。節:amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer), cause(Stimulus, E), emotional_state(Result(E), Emotion, Experiencer)。
NP V ADV-Middle:例:「Small children amuse quickly(小さな子供たちは直ちに楽しむ)」。構文:Experiencer V ADV。節:amuse(Experiencer, Prop):-, property(Experiencer, Prop), adv(Prop)。
NP V NP−PRO−ARB。例「The teacher amused(教師は楽しんだ)」。構文:Stimulus V. amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer): cause(Stimulus, E), emotional_state(Result(E), Emotion, Experiencer)。
NPcause V NP。例「The teacher's dolls amused the children(教師の人形は子供を楽しませた)」。構文:Stimulus <+genitive>('s) V Experiencer。 amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer): cause(Stimulus, E), emotional_state(during(E), Emotion, Experiencer)。
NP V NP ADJ。例「This performance bored me totally(この性能は私を完全にうんざりさせた)」。構文:Stimulus V Experiencer Result。amuse(Stimulus, E, Emotion, Experiencer)。cause(Stimulus,E), emotional_state(result(E), Emotion, Experiencer), Pred(result(E), Experiencer)。
コミュニケーション行動は複数のクラスタに特徴付けることができる。たとえば、述語的な補足語を備えた動詞(appoint(指定する)、characterize(特徴付ける)、dub(名称を付ける)、declare(宣言する)、conjecture(推測する)、masquerade(変装する)、orphan(孤児にする)、captain(キャプテンを務める)、consider(考慮する)、classify(分類する));知覚動詞(see(見る)、sight(観測する)、peer(凝視する));精神状態の動詞(amuse(楽しませる)、admire(賞賛する)、marvel(驚嘆する)、appeal(アピールする));要望の動詞(want(欲する)、long(切望する));判断動詞(judgment(判断));評価の動詞(assess(評価する)、estimate(推定する));探索の動詞(hunt(狩る)、search(探索する)、stalk(忍び寄る)、investigate(調査する)、rummage(くまなく探す)、ferret(狩り出す));社会的対話の動詞(correspond(応答する)、marry(結婚する)、meet(会う)、battle(戦う));コミュニケーションの動詞(transfer(message)((メッセージを)伝達する)、inquire(照会する)、interrogate(尋問する)、tell(伝える)、態様(speaking:発話)、talk(話す)、chat(閑談する)、say(言う)、complain(苦情を訴える)、advise(助言する)、confess(告白する)、lecture(講義する)、overstate(誇張する)、promise(約束する));回避動詞(avoid(回避する));測定動詞(register(記録する)、cost(費用がかかる)、fit(適合させる)、price(値をつける)、bill(請求する));相動詞(begin(開始する)、complete(完成する)、continue(継続する)、stop(止まる)、establish(確立する)、sustain(維持する))がある。
この明細書中に記載される局面は、統計学習モデルに勝る利点を備えている。統計的な解決策とは対照的に、分類システムを用いる局面は、(修辞学的合致などの)目的の特徴をもたらすと判断される動詞または動詞状構造を提供することができる。たとえば、統計機械学習モデルは、解釈を困難にする可能性のある類似性を数として表わす。
要求・応答ペアの表現
要求・応答ペアを表現することは、或るペアに基づいた分類ベースの動作を促進する。一例においては、要求・応答ペアはパース交錯として表わすことができる。パース交錯は、1つのグラフにおけるセンテンスの単語と部分との間の談話・レベル関係を用いて、2つ以上のセンテンスについてのパースツリーを表わしたものである。Galitsky(2015)を参照されたい。質問と回答との間の話題の類似性は、パース交錯の共通のサブグラフとして表わすことができる。共通のグラフノードの数が多ければ多いほど、類似性は高くなる。
図14は、一局面に従ったパース交錯を示す。図14は、要求についてのパースツリー1401と対応する応答1402についてのパースツリーとを含むパース交錯1400を示す。
パースツリー1401が表している質問は以下のとおりである。「I just had a baby and it looks more like the husband I had my baby with. However it does not look like me at all and I am scared that he was cheating on me with another lady and I had her kid. This child is the best thing that has ever happened to me and I cannot imagine giving my baby to the real mom.(私は赤ん坊を出産したところで、夫との間にできたこの赤ん坊が夫により似ているように思えます。でも、赤ん坊は私に全く似ておらず、彼が私を裏切って別の女性と浮気してできた彼女の子供を世話しているのではないかと脅えています。この子供はこれまでに私の身に起こったことのうち最良のことなので、私は本当の母親に赤ん坊を譲り渡すことは想像できません。)」
応答1402が表わす応答は以下のとおりである。「Marital therapists advise on dealing with a child being born from an affair as follows. One option is for the husband to avoid contact but just have the basic legal and financial commitments. Another option is to have the wife fully involved and have the baby fully integrated into the family just like a child from a previous marriage.(結婚に関するセラピストは、ある情事から生まれてきた子供への対処について以下のように助言しています。1つのオプションは、夫との接触を避けて、基本的な法的および財政的義務だけを果たさせることです。別のオプションは、妻に十分に関与させて、赤ん坊を前の結婚からできた子供のように家族に完全に溶け込ませることです)」。
図14は、テキストのパラグラフについての言語情報を表わすための貪欲なアプローチを表わす。このグラフの真っ直ぐなエッジは構文関係であり、湾曲した円弧は、前方照応、同じエンティティ、サブエンティティ、修辞関係およびコミュニケーション行動などの談話関係である。実線の円弧は、同じエンティティ/サブエンティティ/前方照応関係についてのものであり、点線の円弧は修辞関係およびコミュニケーション行動についてのものである。真っ直ぐなエッジにある楕円形のラベルは構文関係を示している。補題はノードのための箱内に書かれており、補題形式はノードの右側に書かれている。
パース交錯1400は単なる個々のセンテンスについてのパースツリーの組合わせよりはるかに豊富な情報を含んでいる。構文関係についてのエッジおよび談話関係についての円弧に沿ったこのグラフによるナビゲーションは、他のパース交錯と一致させてテキスト類似性評価タスクを実行するために所与のパース交錯を意味論的に等価な形式に変換することを可能にする。パラグラフの完全な形式上の表現を形成するために、可能な限り多くのリンクが表わされる。談話円弧の各々は、潜在的な一致になり得るパースフレーズのペアを生成する。
シード(要求)と応答との間のトピックの類似性はパース交錯の共通のサブグラフとして表わされる。これらは接続されたクラウドとして視覚化される。共通のグラフノードの数が多ければ多いほど、類似性は高くなる。修辞学的合致については、共通のサブグラフは、所与のテキストにある場合には、大きくする必要がない。しかしながら、シードおよび応答の修辞関係およびコミュニケーション行動が相互に関連付けられて、対応関係が必要となる。
コミュニケーション行動についての一般化
2つのコミュニケーション行動AとAとの間の類似性は、AとAとの間で共通である特徴を所有する抽象動詞として規定される。2つの動詞の類似性を抽象動詞のような構造として定義することにより、修辞学的合致の評価などの帰納的学習タスクがサポートされる。一例においては、agree(合致する)およびdisagree(合致しない)という共通の2つの動詞間の類似性を以下のように一般化することができる。agree ^ disagree = verb(Interlocutor, Proposed_action, Speaker)。この場合、Interlocutor(対話)は、Proposed_actionをSpeaker(話し手)に提案した人であって、この人に対してSpeakerが自身の応答を伝えている。さらに、proposed_actionは、要求または提案を受諾するかまたは拒絶する場合にSpeakerが実行するであろう行動であり、Speakerは、特定の行動が提案された対象の人であって、なされた要求または提案に応える人である。
さらに別の例においては、agree(合致する)とexplain(説明する)という動詞間の類似性は以下のとおりとなる:agree ^ explain = verb(Interlocutor, *, Speaker)。コミュニケーション行動の主題はコミュニケーション行動の文脈において一般化されているが、他の「物理的な」行動では一般化されない。したがって、局面は、対応する主題とともにコミュニケーション行動の個々の発生を一般化する。
加えて、ダイアログを表わすコミュニケーション行動のシーケンスは、同様のダイアログの他のこのようなシーケンスと比較することができる。このような態様で、ダイアログの動的な談話構造と同様に個々のコミュニケーション行動の意味も(修辞関係によって反映されるその静的構造とは対照的に)表現される。一般化は各レベルで起こる複合的な構造的表現である。コミュニケーション行動の補題は、補題で一般化されており、その意味的役割はそれぞれの意味的役割で一般化されている。
コミュニケーション行動は、ダイアログまたは対立の構造を示すために、テキストの著者によって用いられる。Searle, J. R.(1969)による「Speech acts: an essay in the philosophy of language」(Cambridge University Press)を参照されたい。主題は、これらの行動の文脈において一般化されており、他の「物理的な」行動では一般化されない。したがって、コミュニケーション行動の個々の出現は、それらの主題およびそれらのペアでも談話「ステップ」として一般化される。
VerbNetなどの動詞フレームと一致させる観点からも、コミュニケーション行動の一般化について考察することができる。コミュニケーション用リンクは、テキストにおける単一のエージェントよりも、参加(または言及)により関連付けられた談話構造を反映している。リンクは、コミュニケーション行動についての単語(人の伝達意図を暗示的に示す動詞または多数の単語)を接続するシーケンスを形成する。
コミュニケーション行動は、行動者と、それら行動者に対して働きかける1つ以上のエージェントと、この行動の特徴を記述するフレーズとを含む。コミュニケーション行動は、形式の機能として記載することができる:動詞(エージェント、主題、原因)。この場合、動詞は、関与するエージェント同士の間における何らかのタイプの対話(たとえば、explain(説明する)、confirm(確認する)、remind(思い出させる)、disagree(合致しない)、deny(否定する)など)を特徴付ける。主題は、伝えられた情報または記載された目的語を指す。原因は、主題についての動機づけまたは説明を指す。
シナリオ(ラベル付きの有向グラフ)は、パース交錯G=(V,A)のサブグラフである。この場合、V={action、action、…action}は、コミュニケーション行動に対応する頂点の有限集合であり、Aは、以下のように分類されるラベル付きの円弧(順序付けされた頂点のペア)の有限集合である。
各々の円弧action、action∈Asequenceは、同じ主題(たとえばs=sまたはさまざまな主題)を参照する2つの行動v、ag、s、cおよびv、ag、s、cに対応している。各々の円弧action、action∈Acauseは、actionの原因がactionの主題または原因と対立していることを示すactionとactionとの攻撃関係に対応している。
エージェント同士の間の対話のシナリオに関連付けられたパース交錯のサブグラフはいくつかの顕著な特徴を有する。たとえば、(1)すべての頂点は時間で順序づけられており、このため、(最初の頂点および終端の頂点を除いた)すべての頂点には1つの入来する円弧および1つの外向き円弧が存在する。(2)Asequenceの円弧の場合、最大でも1つの入来する円弧および1つの外向き円弧だけが許容される。(3)Acause円弧の場合、入来する多くの円弧だけでなく、所与の頂点からの多くの外向き円弧も存在し得る。関与する頂点は、異なるエージェントまたは同じエージェント(つまりこのエージェントが自分自身と矛盾している場合)に関連付けられてもよい。パース交錯とそれらのコミュニケーション行動との間の類似性を演算するために、誘導されたサブグラフ、円弧の同様のラベルと同じ構成を有するサブグラフおよび頂点の厳密な対応関係が分析される。
以下の類似性は、パース交錯のコミュニケーション行動の円弧を分析することによって存在する。(1)T2からの主題付き別のコミュニケーション行動に対する、T1からの主題付き1つのコミュニケーション行動(コミュニケーション行動の円弧は用いられない)、および、(2)T2からの別のペアのコミュニケーション行動と比較される、T1からの主題付きの1ペアのコミュニケーション行動(コミュニケーション行動の円弧が用いられる)。
2つの異なるコミュニケーション行動の一般化はそれらの属性に基づいている。Galitsky他(2013)を参照されたい。図14に関連付けて説明した例から分かるように、T1からの1つのコミュニケーション行動、すなわちcheating(husband, wife, another lady)は、T2からの第2のコミュニケーション行動、すなわちavoid(husband, contact(husband, another lady)と比較することができる。一般化の結果、communicative_action(husband,*)となり、これにより、所与のエージェント(= husband)がQにおいてCAの主題として言及される場合に、彼(彼女)がAにおける(場合によっては別の)CAの主題でもあるべきという形式の制約がAに対して導入される。2つのコミュニケーション行動は常に一般化することができるが、これはそれらの主題の場合には該当しない。それらの一般化の結果が空である場合、これらの主題を備えたコミュニケーション行動の一般化の結果も空となる。
RST関係の一般化
談話ツリー同士の間のいくつかの関係は一般化することができ、同じタイプの関係(対照などの表示関係、条件などの主題関係、およびリストなどの多核の関係)を表わす円弧などは一般化することができる。核または核によって示される状況は、「N」によって示される。衛星または衛星によって示される状況は、「S」によって示される。「W」は書き手を示す。「R」は読み手(聞き手)を示す。状況は、提案、完了した行動または進行中の行動、ならびにコミュニケーション行動および状態(beliefs(信念)、desires(要望)、approve(承認する)、explain(説明する)、reconcile(和解させる)などを含む)である。上述のパラメータによる2つのRST関係の一般化は以下のように表わされる:
rst1(N1,S1,W1,R1) ^ rst2(N2,S2,W2,R2)=
(rst1 ^ rst2)(N1 ^ N2,S1 ^ S2,W1 ^ W2,R1 ^ R2).
N1、S1、W1、R1におけるテキストはフレーズとして一般化される。たとえば、rst1 ^ rst2は以下のように一般化することができる。(1)relation_type(rst1)!= relation_type(rst2)である場合、一般化は空である。(2)その他の場合には、修辞関係のシグネチャがセンテンスとして一般化される。
sentence(N1,S1,W1,R1) ^ sentence(N2,S2,W2,R2)
Iruskieta、Mikel、Iria da CunhaおよびMaite Taboadaによる「A qualitative comparison method for rhetorical structures: identifying different discourse structures in multilingual corpora」(Lang Resources & Evaluation. June 2015, Volume 49, Issue 2)を参照されたい。
たとえば、the meaning of rst-background ^ rst-enablement= (S increases the ability of R to comprehend an element in N) ^ (R comprehending S increases the ability of R to perform the action in N) = increase-VB the-DT ability-NN of-IN R-NN to-IN。
また、rst-background ^ rst-enablementの関係はさまざまであるので、RST関係部分は空である。次いで、それぞれのRST関係の動詞的定義である表現が一般化される。たとえば、各々の単語ごとに、またはエージェントなどの単語についてのプレースホルダに関して、この単語(そのPOSを備える)は、その単語が各々の入力されたフレーズにおいて同じであれば保持され、その単語がこれらのフレーズ間で異なっていればその単語を除外する。結果として生ずる表現は、形式的に取得される2つの異なるRST関係の定義間で共通の意味として解釈することができる。
図14に示される質問と回答との間の2つの円弧が、RST関係「RST−対比」に基づいた一般化インスタンスを示す。たとえば、「I just had a baby」は、「it does not look like me」とのRST−対比であり、さらには、「have the basic legal and financial commitments」とのRST−対比である「husband to avoid contact」に関連している。上記から分かるように、回答は、質問の動詞句に類似している必要はないが、質問および回答の修辞構造は類似している。回答内のすべてのフレーズが必ずしも質問におけるフレーズと一致するとは限らない。たとえば、一致しないフレーズは、質問におけるフレーズに関連する回答内のフレーズとの特定の修辞関係を有している。
コミュニケーション用談話ツリーの構築
図15は、一局面に従った、コミュニケーション用談話ツリーを構築するための例示的なプロセスを示す。修辞学的分類アプリケーション102はプロセス1500を実現することができる。上述のように、コミュニケーション用談話ツリーは改善された検索エンジン結果を可能にする。
ブロック1501では、プロセス1500はフラグメントを含むセンテンスにアクセスするステップを含む。少なくとも1つのフラグメントは動詞および複数の単語を含む。各々の単語は、フラグメント内における複数の単語の役割を含む。各々のフラグメントは基本談話単位である。たとえば、修辞学的分類アプリケーション102は、図13に関連付けて記載されるように、「Rebels, the self-proclaimed Donetsk People's Republic, deny that they controlled the territory from which the missile was allegedly fired」などのセンテンスにアクセスする。
上述の例に続けて、修辞学的分類アプリケーション102は、センテンスがいくつかのフラグメントを含んでいると判断する。たとえば、第1のフラグメントは、「Rebels, …, deny」である。第2のフラグメントは「that they controlled the territory」である。第3のフラグメントは、「from which the missile was allegedly fired」である。各々のフラグメントは、動詞(たとえば、第1のフラグメントについての「deny」および第2のフラグメントについての「controlled」)を含んでいる。ただし、フラグメントは動詞を含んでいる必要はない。
ブロック1502では、プロセス1500は、センテンスフラグメント間の修辞関係を表わす談話ツリーを生成するステップを含む。談話ツリーは複数ノードを含む。各々の非終端ノードは、センテンスフラグメントのうちの2つのセンテンスフラグメント間の修辞関係を表わし、談話ツリーの複数ノードのうちの各終端ノードはセンテンスフラグメントのうちの1つに関連付けられている。
上述の例に続けて、修辞学的分類アプリケーション102は図13に示されるような談話ツリーを生成する。たとえば、第3のフラグメントである「from which the missile was allegedly fired」は、「that they controlled the territory」を詳述している。第2のフラグメントおよび第3のフラグメントはともに、起こった(すなわち、反乱分子が領域を制圧していないのでその攻撃は反乱分子ではあり得なかった)ことの属性に関係している。
ブロック1503においては、プロセス1500は多数の動詞シグネチャにアクセスするステップを含む。たとえば、修辞学的分類アプリケーション102は、たとえばVerbNetからの動詞のリストにアクセスする。各々の動詞は、フラグメントの動詞と一致するかまたはフラグメントの動詞と関係がある。たとえば、第1のフラグメントの場合、動詞は「deny」である。したがって、修辞学的分類アプリケーション102は、動詞「deny」に関係のある動詞シグネチャのリストにアクセスする。
上述のとおり、各々の動詞シグネチャは、フラグメントの動詞および主題役割の1つ以上を含んでいる。たとえば、シグネチャは、名詞句(NP)、名詞(N)、コミュニケーション行動(V)、動詞句(VP)または副詞(ADV)のうち1つ以上を含む。主題役割は、動詞と関連する単語との関係を記述している。たとえば、「The teacher amused the children」は、「small children amuse quickly」とは異なるシグネチャを有する。
第1のフラグメントである動詞「deny」の場合、修辞学的分類アプリケーション102は、フレームのリスト、または、「deny」に一致する動詞についての動詞シグネチャにアクセスする。リストは「NP V NP to be NP」、「NP V that S」、および「NP V NP」である。
各々の動詞シグネチャは主題役割を含む。主題役割は、センテンスフラグメントにおける動詞の役割を指している。修辞学的分類アプリケーション102は、各々の動詞シグネチャにおける主題役割を判断する。例示的な主題役割は、「actor」(行動者)、「agent」(エージェント)、「asset」(アセット)、「attribute」(属性)、「beneficiary」(受益者)、「cause」(原因)、「location destination source」(位置宛先送信元)、「destination」(宛先)、「source」(源)、「location」(位置)、「experiencer」(経験者)、「extent」(程度)、「instrument」(器具)、「material and product」(材料および製品)、「material」(材料)、「product」(製品)、「patient」(患者)、「predicate」(述語)、「recipient」(受取側)、「stimulus」(刺激)、「theme」(テーマ)、「time」(時間)または「topic」(トピック)を含む。
ブロック1504において、プロセス1500は、動詞シグネチャのうちの各動詞シグネチャごとに、フラグメントにおける単語の役割と一致するそれぞれのシグネチャの主題役割の数を判断するステップを含む。第1のフラグメントの場合、修辞学的分類アプリケーション102は、動詞「deny」が「agent」、「verb」および「theme」という3つの役割しか持たないと判断する。
ブロック1505において、プロセス1500は、最多数の一致を有する特定の動詞シグネチャに基づいて動詞シグネチャから特定の動詞シグネチャを選択するステップを含む。たとえば、図13を再び参照すると、第1のフラグメントである「the rebels deny that they controlled the territory」における「deny」は、動詞シグネチャdeny「NP V NP」に一致しており、「control」はcontrol(rebels, territory)に一致している。動詞シグネチャは入れ子状にされており、結果として、「deny(rebel, control(rebel, territory))」という入れ子状にされたシグネチャが得られる。
図16は、一局面に従った、談話ツリーおよびシナリオグラフを示す。図16は、談話ツリー1601およびシナリオグラフ1602を示す。談話ツリー1601は以下の3つのセンテンスに対応する。
(1)私は、(私が預金した後に記入した)私の小切手が不渡りになったことを説明した。顧客サービス代表は、預金を処理するのに通常いくらか時間がかかることを認めた(I explained that my check bounced (I wrote it after I made a deposit). A customer service representative accepted that it usually takes some time to process the deposit.)。
(2)私は、1か月前に同様の状況で超過引出し料金を不当に請求されたことを思い出した。彼らは、超過引出し料金が私の口座情報に開示されていたのでそれが不当であったことを否定した(I reminded that I was unfairly charged an overdraft fee a month ago in a similar situation. They denied that it was unfair because the overdraft fee was disclosed in my account information.)。
(3)私は彼らの料金に同意せず、この料金が私の口座に返却されることを希望した。彼らは、この時点で何も行うことができないこと、および、私が口座規則をより綿密に調べる必要があることを説明した(I disagreed with their fee and wanted this fee deposited back to my account. They explained that nothing can be done at this point and that I need to look into the account rules closer.)。
図16における談話ツリーから分かるように、テキストが対話または説明を表わしているかどうか判断することは判定が困難であるかもしれない。したがって、パース交錯のコミュニケーション行動の円弧を分析することによって、テキスト間の暗黙的な類似性を発見することができる。たとえば、一般的な条件では、
(1)第2のツリーからの主題付きの別のコミュニケーション行動に対する、第1のツリーからの主題付きの1つのコミュニケーション行動(コミュニケーション行動の円弧は用いられていない)。
(2)第2のツリーからの別のペアのコミュニケーション行動に対する、第1のツリーからの主題付きの1ペアのコミュニケーション行動(コミュニケーション行動の円弧が用いられている)。
たとえば、上述の例においては、cheating(husband, wife, another lady) ^ avoid(husband, contact(husband, another lady))の一般化は、我々にcommunicative_action(husband, *)を提供し、これにより、所与のエージェント(=husband)がQにおいてCAの主題として言及される場合、彼(彼女)がAにおける(場合によっては別の)CAの主題でもあるべきという形式の制約がAに対して導入される。
CAの主題を表す単語の意味を扱うために、ある単語を、「word2vector」モデルなどのベクトルモデルに適用することができる。より具体的には、コミュニケーション行動の主題間の一般化を演算するために、以下の規則を用いることができる:subject1=subject2であれば、subject1^subject2 = <subject1, POS(subject1), 1>である。この場合、主題は残ってままであり、スコアは1である。その他の場合、主題が同じpart-of-speech(POS)を有する場合、subject1^subject2 = <*, POS(subject1), word2vecDistance(subject1^subject2)>となる。ここで、「*」は、補題がプレースホルダであることを示しており、スコアはこれらの単語間のword2vec距離である。POSが異なっている場合、一般化は空のタプルであるとともに、さらに一般化されない可能性もある。
最隣接グラフをベースにした分類
CDTが構築されると、テキストにおける議論を識別するために、修辞学的分類アプリケーション102は、肯定的なクラスについてのCDTと比較された類似性を演算し、それがその否定的なクラスについてのCDTのセットに達するほどに低いことを検証する。CDT間の類似性は最大共通サブCDTによって規定される。
一例においては、
Figure 2021512444
からの頂点ラベルおよびエッジラベルを備えたCDT(V,E)の順序付けされたセットGが構築される。Gからのラベル付けされたCDT Γは、複数ペアをなす形式((V,l),(E,b))の1ペアである。この場合、Vは1セットの頂点であり、Eは1セットのエッジであり、
Figure 2021512444
は、頂点にラベルを割当てる関数であり、b:E→Λは、エッジにラベルを割当てる関数である。同一のラベルが付された同形のツリーは識別されない。
順序は以下のように規定される。2つのCDTに関して、Gから、Γ:=((V1,l1),(E1,b1))およびΓ:=((V2,l2),((E2,b2))となり、さらに、そのΓは、1対1のマッピングφ:V→V1が存在する場合、ΓまたはΓ≦Γを支配している(かまたは、ΓはΓのサブCDTである)。このため、これは、
Figure 2021512444
を考慮に入れるとともに、(2)
Figure 2021512444
の下で適合することとなる。
この定義は、「より大きな」CDT Gから「より小さな」CDT Gに至る場合に、一致した頂点同士のラベルの類似性(「弱まり」)の計算を考慮に入れている。
ここで、X^Y=Zによって示されるCDT XおよびCDT Yのペアの類似性CDT Zは、XおよびYのすべての含有−最大共通サブCDTのセットであり、それらの各々は、一致させるために以下の追加条件を満たしている。具体的には、(1)CDT XおよびCDT Yからの2つの頂点は同じRST関係を示さなければならない。(2)Zからの各々の共通サブCDTは、XおよびYにおけるのと同じVerbNetシグネチャを備えた少なくとも1つのコミュニケーション行動を含む。
この定義は、いくつかのグラフの一般化を発見できるように容易に拡張される。グラフセットXおよびYのペアについての包摂の順序は、当然、XμY:=X*Y=Xとして規定される。
図17は、一局面に従った、最大の共通サブコミュニケーション用談話ツリーを示す。図17は、コミュニケーション用サブ談話ツリー1700を含む。コミュニケーション用サブ談話ツリー1700は反転されており、円弧のラベルが一般化されていることに留意されたい。コミュニケーション行動site()は、コミュニケーション行動say()で一般化される。前者のCA委員会の第1の(エージェント)議論は後者のCAオランダ人の第1の議論で一般化される。同じ動作が、CA同士のこのペアについての第2の議論に適用される: investigator ^ evidence。
CDT Uは肯定的なクラスに属しているため、(1)Uは肯定的な例Rで(空でない共通サブCDTを有する)と類似するとともに、(2)如何なる否定的な例Rの場合であっても、Uが、
Figure 2021512444
と類似している場合には、U*RμU*Rとなる。
この条件は、類似性の基準を導入するものであって、クラスに割り当てられるようにするために、未知のCDT Uと肯定的なクラスから最も近接しているCDTとの間の類似性が、Uと各々の否定的な例との間の類似性よりも高くなるはずであることを述べている。条件2は、肯定的な例Rが存在しており、このため、するRがない場合には、U*RμRを有すること、すなわち、肯定的な例のこの一般化に対する反例が存在しないこと、を示唆している。
CDTのための交錯カーネル学習
ストリング、パースツリーおよびパース交錯についてのツリーカーネル学習は、最近になって確立された研究分野である。パースツリーカーネルは、2つのインスタンス間の談話類似性の基準として共通のサブツリーの数をカウントする。ツリーカーネルはJoty、ShafiqおよびA. MoschittiによりDTに関して規定された「Discriminative Reranking of Discourse Parses Using Tree Kernels」(Proceedings of EMNLP; 2014)である。さらに、Wang、W., Su, J., & Tan, C. L.(2010)による「Kernel Based Discourse Relation Recognition with Temporal Ordering Information」(In Proceedings of the 48th Annual Meeting of the Association for Computational Linguistics)も参照されたい。(談話関係認識のためにツリーカーネルの特別な形式を使用している)。交錯カーネルは、コミュニケーション行動についての情報によってDTカーネルを増強することによって、CDTに関して規定される。
CDTは、各々のサブツリータイプの整数カウントのベクトルVによって(その先祖を考慮に入れることなく)表わすことができる:
V(T)=(タイプ1のサブツリーの#,…,タイプIのサブツリーの#,…,タイプnのサブツリーの#)。この結果、異なるサブツリーの数がそのサイズでは指数関数的になるので、次元性が非常に高くなる。したがって、特徴ベクトル
Figure 2021512444
を直接用いることは、計算上、実行不可能である。計算上の問題を解決するために、ツリーカーネル関数を導入して、上述の高次元ベクトル間のドット積を効率的に計算する。2つのツリーセグメントCDT1およびCDT2があると想定して、ツリーカーネル関数が以下のとおり規定される:
K(CDT1,CDT2)=<V(CDT1),V(CDT2)>=ΣiV(CDT1)[i],V(CDT2)[i]=Σn1Σn2 Σi Ii(n1)Ii(n2)
この場合、n1∈N1およびn2∈N2であり、N1およびN2は、それぞれ、CDT1およびCDT2におけるすべてのノードのセットである。
Ii(n)はインジケータ関数である。
Ii(n)={タイプiのサブツリーがノードにおけるルートで起こる場合には1であり、他の場合には0である}。K(CDT1,CDT2)は、ツリー構造に対する畳み込みカーネルのインスタンスであり(CollinsおよびDuffy;2002年)、回帰的定義によって演算することができる。
Δ(n1,n2)=ΣI Ii(n1)Ii(n2)
ここで、n1およびn2に同じPOSタグが割り当てられるかまたはそれらの子供が異なるサブツリーである場合にはΔ(n1,n2)=0となる。
それ以外の場合、n1およびn2がともにPOSタグである(前終端ノードである)場合、Δ(n1,n2)=1xλとなる。
その他の場合、以下のとおりである。
Figure 2021512444
この場合、ch(n,j)はノードnのj番目の子供であり、nc(n)はnの子供の数であり、λ(0<λ<1)は、カーネル値をサブツリーサイズに対してそれほど変動させないようにするための腐食要因となる。加えて、再帰的なルール(3)が保持される。なぜなら、同じ子供たちに2つのノードがあると想定すると、これら子供たちを用いて共通サブツリーを構築するとともに、さらなる子孫の共通サブツリーを構築することができるからである。パースツリーカーネルは、2つのインスタンス間の構文的な類似性基準として共通サブツリーの数をカウントする。
図18は、一局面に従った、コミュニケーション用談話ツリーのためのカーネル学習フォーマットでツリーを示す。
ラベルとしてのコミュニケーション行動についての項は、RST関係についてのそれぞれのノードに加えられるツリーに変換される。終端ノードのためのラベルとしてのEDUについてのテキストに関しては、フレーズ構造だけが保持される。終端ノードは、パースツリーフラグメントではなくフレーズタイプのシーケンスでラベル付けされる。
ラベルA(B,C(D))が付けられた、ノードXから終端EDUノードYまでの修辞関係円弧がある場合、サブツリーA−B→(C−D)がXに付加される。
説明の要求の検出
上述したように、ユーザは、機械学習モデルを操作しているコンピューティングシステムによってなされる判断の説明を望むことが多い。機械学習モデルに関して、しばしば、最良の分類精度は、典型的には、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークもしくはランダムフォレストまたはこれらのすべての複雑な集合などのブラックボックス機械学習モデルによって達成される。これらのシステムは、ブラックボックスと称され、それらの欠点は、それらの内部作業が本当に理解するのが困難であるため、しばしば引用される。それらは通常、それらがある判断または予測を行った理由の明確な説明を提供せず、代わりに、予測に関連付けられる確率を出力するだけである。一方、予測が理解しやすく解釈しやすい機械学習方法は、予測能力が限られている(機能的推理、線形回帰、単一の決定木)か、または明示的なグラフィカルモデルのように、柔軟性がなく計算が煩雑であることがしばしばである。これらの方法は、通常、トレーニングするのに必要とするデータがより少ない。
図19は、一局面による電子通信セッションの例を示す。図19は、ユーザ1からの電子メッセージ1901、第1のコメンターからの電子メッセージ1902、および第2のコメンターからの電子メッセージ1903を含む通信セッション1900を示す。電子メッセージ1901によって示されるように、金融サービスの顧客は、旅行中にクレジットカードが明白な理由なしに解約されて愕然としている。顧客は、例えばソーシャルメディアを介して、メッセージスレッドにおいて何が起こったかを説明している。電子メッセージ1902および1903からわかるように、ユーザの友人は、銀行に対する彼の事例を強く支持する。銀行は、友人の書き込みによれば、その判断において誤っただけでなく、その誤りを修正し、それを適切に連絡することができない。この銀行が説明能力を有する意思決定システムを使用した場合、その判断の所与の原因があるかもしれない。この原因が成り立たないことが確立されると、銀行は、その判断を効率的に差し戻し、顧客を維持することができることが予想される。
図20は、一局面によるフレーズの電子翻訳の例を示す。図20は、入力2001、出力2002、出力2003、および入力2004を含むトランスレータ2000を含む。トランスレータ2000は、機械学習を用いることができる。トランスレータは、用語「coil spring(コイルばね)」(ロシア語)を「spring spring(ばねばね)」に変換する。この例は、2つの単語の意味を組み合わせる必要がある最も簡単な変換の事例における問題を示す。単純なメタ理由付けシステム、基本的な文法チェックコンポーネントまたはエンティティルックアップは、説明能力を有する適切なコンパートメント機械学習アーキテクチャの下で、この変換エラーを防止するだろう。しかしながら、機械翻訳のブラックボックス実施例は、このような単純な場合においてでさえ、正しく動作しない。入力2004および出力2003によって示されるように、逆変換も明らかに損なわれる。
図21は、一局面によるフレーズの検索結果の一例を示す図である。図21は、検索用語2101、出力2102、およびボタン2103を含む検索エンジン2100を示す。出力2102は、エンティティの記述を示す。検索エンジンは、関連性スコアが特定の検索結果を示す主要な基準である機械学習のための別のアプリケーション領域である。最も高い関連性スコアを有することは、結果が実際に関連性があるという説明を与えない。TF*IDFのような典型的な関連性スコアはほとんど解釈できず、検索強調表示機能は有益であるが、検索エンジンは、non-sufficient funds(不渡り)のような特定のキーワードを無視した理由を説明できる必要がある。より良いフレーズ処理も有用であろう。システムは、「non-sufficient funds fee(不渡り手数料)」を述べる表現全体を認識するべきであり、その表現が検索結果になければ、システムはその表現を説明するべきである。
機械学習モデルを用いて説明の要求を判断する
キーワードのみに依存することにより、キーワード規則を用いることは、暗黙の説明要求を検出するには不十分である。したがって、適切なトレーニングデータセットを用いた機械学習アプローチが有益である。トレーニングセットは、説明要求を伴うテキストと、それを含まないテキストとを含む。説明要求が明示的に言及されていない場合、談話レベルの特徴が有用である。したがって、さまざまな局面は、コミュニケーション用談話ツリーを、感情的な立論に関連付けられる談話特徴を表す手段として、用いる。
図22は、一局面によるテキストにおいて説明の要求の存在を判断するために用いられる例示的なプロセスを示す。議論のため、図22は、図23と併せて考察される。
図23は、一局面によるテキストの言語表現の例を示す。図23は、センテンス2301および2302ならびに修辞関係2310〜2314を含む表現2300を示す。このテキストは、「ああしろこうしろ」を超える複雑な応答を必要とするが、むしろ説明と共に充分な提案を要求する質問に対するウェブベースの回答から導き出された:「I just had a baby and it looks more like the husband I had my baby with(わたしには赤ちゃんができたが、その子は、私と私の子をなした夫の方に、より似ている。). However it does not look like me at all and I am scared that he was cheating on me with another lady and I had her kid(でも、私にはまったく似ておらず、私は、彼が他の女性と一緒に私をだましていて、その子は彼女の子供ではないかと恐れていた。).」理解されるように、センテンス2301は「I just had a baby and it looks more like the husband I had my baby with」であり、センテンス2302は「However it does not look like me at all and I am scared that he was cheating on me with another lady and I had her kid."」である。
理解されるように、図23は、個々のセンテンスに対するパースツリーの単なる組み合わせよりもはるかに豊富な情報を含む。このグラフを構文関係のエッジおよび談話関係の円弧に沿ってナビゲートすることは、所与のパースの複雑に入り組んだものを意味論的に等価な形式に変換して、説明要求を表す可能性の、より広いスペクトルをカバーすることを可能にする。パラグラフの完全な正式表現を形成するために、修辞学的分類アプリケーション102は、可能な限り多くのリンクを見えるようにする。理解されるように、談話円弧の各々は、説明能力要求のための表現との潜在的な一致となり得る複雑に入り組んだフレーズの対を生成する。
説明の要求は、質問によって、またはステートメントによってなど、いくつかの異なる方法でコミュニケーション用談話ツリーによって示され得る。例えば、質問における詳述関係は、著者が何か(核)を述べており、関連トピック(衛星)について質問していることを示している。したがって、著者は、自分の質問について特に確信していない可能性がある。その結果、修辞学的合意アプリケーション102は、著者が説明の要求を行ったと仮定し得、次いで、できるだけ多くの詳細を提供し得る。説明の要求は、(質問とは対照的に)センテンスによって示すこともできる。「原因」、「対比」もしくは「目的」、「対照」、「議論譲歩」、「評価」、「証拠」、「解釈」、「弁明」、「動機付け」、「非意志的」または「意志的」の修辞関係を含むテキストに、説明の要求が含まれてもよい。
より具体的には、修辞関係の連鎖2310〜2314は、RST詳述(デフォルト)、RSTシーケンス、およびRST対比を含み、質問が、(RST詳述のみによって行われ得る)予期される回答に対するトピックおよび制約の単なる列挙ではないことを示す。このような連鎖は、対立(何かが他の何かとは対照的に起こる表現)が質問に概説されていることを示しているので、回答は必ず説明を含むべきである。
ブロック2201において、プロセス2200は、フラグメントを含むテキストにアクセスすることを伴う。修辞学的分類アプリケーション102は、入力テキスト130またはチャット、ツイッターなどのインターネットベースなどの異なるソースからのテキストにアクセスすることができる。テキストは、フラグメント、センテンス、パラグラフ、またはより長い量からなり得る。例えば、図23は、フラグメント(基本談話単位)"I just had a baby" および "it looks more like the husband I had my baby with"などを含む。
ブロック2202において、プロセス2200は、テキストからコミュニケーション用談話ツリーを作成することを伴う。ブロック2202において、プロセス2200は、プロセス1500のブロック1501〜1504と実質的に同様の動作を実行する。例えば、修辞学的分類アプリケーション102は、テキストから談話ツリーを作成し、談話ツリーからコミュニケーション用談話ツリーを作成する。
ブロック2203で、プロセス2200は、説明の要求を検出するようにトレーニングされた分類モデルをコミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、コミュニケーション用談話ツリーが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む。さらに議論されるように、修辞学的合致分類器120などの分類モデルは、そのような分類を行うようにトレーニングされ得る。分類モデルは、異なる学習手法を用いることができる。例えば、分類モデルは、サポートベクターマシンをツリーカーネル学習とともに用いることができる。さらに、分類モデルは、最大共通サブツリーの最近傍学習を用いることができる。例示的なプロセスが、図25に関して説明される。
一例として、修辞学的分類アプリケーション102は、機械学習を用いて、ブロック2203で識別されたコミュニケーション用談話ツリーと、コミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することができる。コミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットは、トレーニングプロセス中に、修辞学的合致分類器120に提供することができる。肯定的なセットは、説明の要求を含むテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、否定的なセットは、説明の要求を含まないテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含む。
修辞学的合致分類器120は、1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、当該コミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択する。当該コミュニケーション用談話ツリーと追加のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性または差異性に基づいて、修辞学的合致分類器120は、当該コミュニケーション用談話ツリーに分類モデルを適用することによって、当該コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるか否定的なセットからであるかを識別する。類似性に基づいて、修辞学的合致分類器120は、テキストが説明の要求を含むか否かを判断する。
例えば、コミュニケーション用談話ツリーおよび肯定的なセット内の追加のコミュニケーション用談話ツリーが類似性の閾値よりも上である場合、修辞学的合致分類器120は、コミュニケーション用談話ツリーを肯定的であるとして分類し、テキストは説明の要求を含む、と判定する。反対に、コミュニケーション用談話ツリーおよび否定的なセットにおける追加のコミュニケーション用談話ツリーが類似性の閾値よりも上である場合、修辞学的合致分類器120は、コミュニケーション用談話ツリーを否定的であるとして分類し、テキストは説明の要求を含まない、と判定する。
トレーニングデータセットの作成および分類モデルのトレーニング
図24は、一局面による、テキストにおいて説明の要求の存在を判断するために分類モデルをトレーニングするためのトレーニングデータを生成するために用いられる例示的なプロセスを示す。トレーニングは、コミュニケーション用談話ツリーが別のコミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づくことができる。各トレーニングデータセットは、トレーニングペアのセットを含む。トレーニングデータ125は、肯定的なデータセットに説明の要求を含むコミュニケーション用談話ツリーと、否定的なデータセットに説明の要求を含まないコミュニケーション用談話ツリーとを含む。
肯定的データセットについては、回答または応答が質問に適しているかどうかを示す別個の受け入れ基準を有する様々なドメインが選択される。例えば、各トレーニングセットは、説明の要求を表すコミュニケーション用談話ツリーと、説明の要求および予想されるレベルが候補コミュニケーション用談話ツリーと各コミュニケーション用談話ツリーとの間で一致する別のコミュニケーション用談話ツリーとを含むことができる。修辞学的分類アプリケーション102は、特定の追加のトレーニングデータから生成された追加のコミュニケーション用談話ツリーを肯定的セットまたは否定的セットに追加すべきかどうかを識別し、それによって、利用可能なトレーニングデータの量およびそのトレーニングデータを用いてトレーニングされた時の分類モデルの堅牢性を増加させる。
ブロック2401において、方法2400は、フラグメントを含むテキストにアクセスすることを伴う。修辞学的分類アプリケーション102は、トレーニングデータ125にアクセスする。ブロック2401において、修辞学的分類アプリケーション102は、プロセス1500のブロック1501と実質的に同様の動作を実行する。
ブロック2402において、方法2400は、テキストから談話ツリーを作成することを含む。ブロック2402において、修辞学的分類アプリケーション102は、プロセス1500のブロック1502と実質的に同様の動作を実行する。
ブロック2403において、方法2400は、動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングすることを含み、それによって、コミュニケーション用談話ツリーを作成する。ブロック2403において、修辞学的分類アプリケーション102は、プロセス1500のブロック1503と実質的に同様の動作を実行する。
ブロック2404において、方法2400は、肯定的なセットからの肯定的なコミュニケーション用談話ツリーおよび否定的なセットからの否定的なコミュニケーション用談話ツリーにアクセスすることを含む。
ブロック2405において、方法2400は、修辞学的合致分類器120をコミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することを含む。修辞学的合致分類器120は、分類器がトレーニングされたコミュニケーション用談話ツリーからのコミュニケーション用談話ツリー間の類似性を判断する。
ブロック2406において、方法2400は、識別に基づいて、コミュニケーション用談話ツリーを肯定的なトレーニングセットまたは否定的なトレーニングセットのいずれかに追加することを含み、それによって、トレーニングデータセットのサイズを大きくする。
図25は、一局面による、テキストにおいて説明の要求の存在を判断するために分類モデルをトレーニングするために用いられる例示的なプロセスを示す。一局面では、修辞学的分類アプリケーション102は、例えば方法2400によって生成されたトレーニングデータ125を用いて、修辞学的合致分類器120をトレーニングして、説明の要求の存在を判断する。反復プロセスを用いることによって、修辞学的分類アプリケーション102は、トレーニングペアを修辞学的合致分類器120に与え、モデルから相補性のレベルを受け取る。受容基準は、適用例によって異なり得る。例えば、コミュニティ質問回答、自動化質問回答、自動化および手動顧客サポートシステム、ソーシャルネットワーク通信、ならびにレビューおよびクレームなどの製品との消費者などの体験に関する個人による書込に関しては、受け入れ基準は低くてもよい。RRの受け入れ基準は、科学テキスト、専門的ジャーナリズム、FAQの形態の健康文書および法的文書、「スタックオーバーフロー」などの専門的ソーシャルネットワークにおいては、高くてもよい。
ブロック2501において、方法2500は、トレーニングペアのセットのうちの1つを分類モデルに与えることによって、分類モデルをトレーニングすることを含む。各トレーニングペアは、コミュニケーション用談話ツリーと、説明の要求の予想される強度とを含む。例えば、コミュニケーション用談話ツリーにおける修辞関係に基づいて、説明の要求を含む可能性が非常に高いテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーは、高い予想強度を有し得る。
ブロック2502において、方法2500は、分類モデルから説明の要求の強度を受信することを含む。予想される強度と分類強度との間の、小さい、またはわずかな差異は、分類モデルが良好な分類をしていることを示す。ブロック2501〜2502において、修辞学的分類アプリケーション102は、プロセス2000のブロック2203において実行されるのと実質的に同様の動作を実行する。
ブロック2503において、方法2500は、予想される強度と分類強度との差を計算することによって損失関数を計算することを含む。損失関数は、修辞学的合致分類器120を最適化または改善するために用いられる。修辞学的分類アプリケーション102は、特定のトレーニングペアについて、判断された相補性のレベルと予想される相補性のレベルとの差を判断することによって、損失関数を計算する。このようにして、損失関数は、分類器の理想的な出力と測定された出力との差を表す。各反復で、プロセスは分類器を改善する。
ブロック2504において、方法2500は、損失関数を最小化するために分類モデルの内部パラメータを調整することを含む。損失関数に基づいて、修辞学的分類アプリケーション102は、損失関数が最小化されるように分類モデルの内部パラメータを調整する。トレーニングされた修辞学的合致分類器120は、テキストにおいて説明の要求を判断するために、プロセス2200において使用され得る。
説明能力意図をトラッキングするためのデータセット
このデータセットの目的は、著者が(顧客として)正しいこと、および著者の対抗者(企業)が間違っていることを示すために、あらゆる手段を用いることによって、著者が自分の要点を伝えるのに最善を尽くすテキストを得ることである(Galitsky et al 2009)。苦情者は、金融サービスで遭遇した問題、この問題が顧客サポート要員とやりとりされた際の明瞭さおよび透明性の欠如、ならびに彼らがその問題をどのように解決しようと試みたかを記述する、感情的になった書き手である。生の苦情が、過去数年にわたって提出された多数の銀行について収集される。400の苦情は、認識される苦情の有効性、適切な立論、検出可能な誤表現、および企業の判断に関する説明の要求が発生したかどうかに関して、手動でタグ付けされる。苦情によって判定すると、大部分の苦情者は、サービスから期待したものと実際に受け取ったものとの間の大きなずれ、このずれがどのように説明されたのか、および問題が顧客サポートによってどのように伝えられたか、のために、本当に困った状態にある。大部分の苦情の著者らは、無能力、欠陥のあるポリシー、無視、常識の欠如、企業の判断の背後にある理由を理解できないこと、顧客ニーズに対する無関心、および顧客サービス要員からの誤まった表現を報告している。著者はしばしば混乱し、企業の説明を探し、他のユーザからの推奨を求め、特定の金融サービスを回避することを他のユーザに忠告する。苦情の焦点は、提議者が正しく、相手が間違っているという証明、企業がある態様で振る舞うよう判断する理由に対する提案された説明、解決提案、および所望の結果である。
複数の立論パターンが、苦情において用いられる。最も頻繁なものは、常識に従って、予期されたものから生じたものからのずれである。このパターンは、有効な立論および無効な立論の両方をカバーする。第2の人気の立論パターンは、約束(広告、通信)されたものと、受け取ったかまたは実際に生じたものとの間の差異を引用する。このパターンは、相手が規則に従ってプレーしないことにも言及する(有効なパターン)。非常に多くの苦情が、銀行代表者は嘘をついている、と明示的に言っている。嘘をつくとは、異なる銀行員によって提供される情報間の不一致、事実についての誤まった表現、および不注意な約束を含む(有効なパターン)。
苦情が上がる別の理由は、銀行員および顧客サービス要員の無作法によるものである。顧客は、相手のポイントが有効であるかまたは有効でない(ならびに、それに応じて、苦情および立論の有効性がタグ付けされる)とき、双方の場合において無作法を引用する。たとえ金融損失も不便もない場合であっても、無作法に扱われたならば、所与の銀行が行うすべてのことに対して同意しない(無効パターン)。
苦情者は、銀行が特定の態様で振る舞うべき理由として苦情者のニーズを引用する。よくある議論は、行政が納税者を介して銀行を救済するので、今度は銀行が顧客を支持するべきである、というものである(無効パターン)。苦情の著者は、例えば取引の注文を操作して、考えられ得る最高額の不渡手数料を請求するなどの、2007年の金融危機の間における銀行の不透明な実務を明らかにする。さらに、銀行は、この実務を、大量の小切手を処理するために必要なこととして、伝えることを試みた。これは顧客の苦情のうちで最も頻繁なトピックであるため、このトピックに適用される立論パターンの集合を追跡できる。
不渡手数料やクレジットカードの予想外の金利上昇などの苦情の最も頻繁なトピックについて、このデータセットは、この手数料が不公平であると主張する多くの異なる立論方法を提供する。したがって、このデータセットは、特定の判断が行われた理由を説明する要求など、立論パターンの、特有のトピックに依存しないクラスタの系統的探索を可能にする。法的および行政的領域における専門的な書込みとは異なり、苦情を訴えるユーザの本心の書込みは、単純な動機付け構造、ユーザの目的の透明性を有し、固定されたドメインおよびコンテキストにおいて生ずる。議論は、大きな金額の不当な請求や家屋からの立ち退きを条件とする、著者の安寧に関する重要な役割を果たす。したがって、著者は、彼らの主張をバックアップし、彼らのケースを強化するために、可能な限り強い立論をしようと試みる。
現在の研究で用いられるこのデータセットにおけるタグ、説明の要求は、パラグラフではなく、苦情のテキスト全体に関連する。3つのアノテータがこのデータセットで機能し、アノテータ間合致は80%を超える。
認識精度の評価および説明要求の割合の評価
発明者らは、説明要求検出のためのアルゴリズムをいったん開発したため、それをトレーニングし、それをテストし、その結果がドメインにわたってどのくらい一貫性があるかを検証することを望む。我々はまた、異なる複雑さの事例に対して認識精度がどのように変化するかを試験する。
Figure 2021512444
異なる種類の証拠に対する説明要求についての検出精度を表1に示す。一番上の行において、フレーズに基づいて検出が起こる、より単純な場合を考える。ここでの典型的な表現は、説明/明瞭化/動機付け/コメントを乞うなど、インペラティブな形式を有する。また、ここでは、「あなたはこれをしたが、私はあれを期待した...あなたは私にこういったが、私が受け取ったのはそれだ」といったテンプレートがある。
中央の行は、より高い証拠の暗黙的な説明要求のケースに関するデータを含み、DTの複数のフラグメントはクラスを示す。最後に、下の行では、説明要求に関連付けられるDTの単一の発生についての、より低い信頼のケースを提示する。第2の列は、ケース当たりの苦情のカウントを示す。第3の列は、暗黙的な説明要求の基準となる表現(キーワードおよびフレーズの種類を含む)および修辞関係の例である。第4、第5および第6の列は、所与のケースに対する苦情が説明要求のない100個の苦情と混合される場合の検出率を示す。
表2に、認識精度、銀行特有の苦情のトピック、および説明要求を伴う苦情の全体的割合を示す。発明者らは、説明要求(ER)の認識精度を評価するために、各銀行について200の苦情を使用した。82±3%が説明要求の認識精度の妥当な推定値である、と観察することができる。最後の列は、説明要求認識における<20%エラー率を考慮すると、25±4%が、800の苦情のセットを前提として、暗黙的または明示的な形式で説明能力を必要とする苦情の適切な推定値であることを示している。
Figure 2021512444
最後に、本発明者らは、PlanetFeedback.comから取った10000人の苦情者の組に対して、発明者らの説明要求検出エンジンを実行し、苦情者の27%が、顧客として、企業からの説明能力を必要とする、と観察した。著者ごとに1つの苦情があり、いくつかの例外は目立たない。結論は、顧客のほぼ3分の1が、企業の判断の説明能力を強く要求し、それに依存するので、これらの顧客は被害などを被っている、ということである。したがって、企業は、説明能力機能を有するMLアルゴリズムを用いる必要がある。
この説明能力機能は、顧客にとって、認識精度よりも重要であり、なぜならば、顧客はすべてのビジネスがエラーを犯すことを理解しているからである。典型的には、企業がMLを介して誤った判断を行い、次いでそれを効率的に修正する場合、苦情は生じない。次いで、顧客保持のための最も重要な手段は、顧客に、正しい顧客判断および場合によっては誤った顧客判断の両方を適切に通信することである(本研究では定量的には評価されない)。
例示的なコンピューティングデバイス
図26は、上記局面のうちの1つを実現するための分散型システム2600を示す簡略図である。例示された局面においては、分散型システム2600は、1つ以上のネットワーク2610を介して、ウェブブラウザ、プロプライエタリクライアント(たとえばオラクルフォーム)などのクライアントアプリケーションを実行して動作させるように構成される1つ以上のクライアントコンピューティングデバイス2602、2604、2606および2608を含む。サーバ2612は、ネットワーク2610を介してリモートクライアントコンピューティングデバイス2602、2604、2606および2608と通信可能に結合されてもよい。
さまざまな局面においては、サーバ2612は、システムの構成要素のうち1つ以上によって提供される1つ以上のサービスまたはソフトウェアアプリケーションを実行するように適合されてもよい。サービスまたはソフトウェアアプリケーションは非仮想環境および仮想環境を含み得る。仮想環境は、2次元または3次元(three-dimensional:3D)表現、ページベースの論理的環境などであろうとなかろうと、仮想イベント、トレードショー、シミュレータ、クラスルーム、購買商品取引および企業活動のために用いられるものを含み得る。いくつかの局面においては、これらのサービスは、ウェブベースのサービスもしくはクラウドサービスとして、またはソフトウェア・アズ・ア・サービス(Software as a Service:SaaS)モデルのもとで、クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および/または2608のユーザに供給されてもよい。そして、クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および/または2608を動作させるユーザは、1つ以上のクライアントアプリケーションを利用して、サーバ2612と相互作用して、これらの構成要素によって提供されるサービスを利用し得る。
図に示されている構成では、システム2600のソフトウェアコンポーネント2618,2620および2623は、サーバ812上に実装されるように示されている。また、他の局面においては、システム2600の構成要素のうちの1つ以上および/またはこれらの構成要素によって提供されるサービスは、クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および/または2608のうちの1つ以上によって実現されてもよい。その場合、クライアントコンピューティングデバイスを動作させるユーザは、1つ以上のクライアントアプリケーションを利用して、これらの構成要素によって提供されるサービスを使用し得る。これらの構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実現されてもよい。分散型システム2600とは異なり得るさまざまな異なるシステム構成が可能であることが理解されるべきである。したがって、図に示されている局面は、局面のシステムを実現するための分散型システムの一例であり、限定的であるよう意図されたものではない。
クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および/または2608は、手持ち式携帯機器(たとえばiPhone(登録商標)、携帯電話、iPad(登録商標)、計算タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant:PDA))またはウェアラブル装置(たとえばグーグルグラス(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)であってもよく、当該装置は、マイクロソフト・ウィンドウズ(登録商標)・モバイル(登録商標)などのソフトウェアを実行し、および/または、iOS、ウィンドウズ・フォン、アンドロイド(登録商標)、ブラックベリー10、パームOSなどのさまざまなモバイルオペレーティングシステムを実行し、インターネット、eメール、ショート・メッセージ・サービス(short message service:SMS)、ブラックベリー(登録商標)、または使用可能な他の通信プロトコルである。クライアントコンピューティングデバイスは、汎用パーソナルコンピュータであってもよく、当該汎用パーソナルコンピュータは、一例として、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、アップルマッキントッシュ(登録商標)および/またはリナックス(登録商標)オペレーティングシステムのさまざまなバージョンを実行するパーソナルコンピュータおよび/またはラップトップコンピュータを含む。クライアントコンピューティングデバイスは、ワークステーションコンピュータであってもよく、当該ワークステーションコンピュータは、たとえばGoogle Chrome OSなどのさまざまなGNU/リナックスオペレーティングシステムを含むがこれらに限定されるものではないさまざまな市販のUNIX(登録商標)またはUNIXライクオペレーティングシステムのうちのいずれかを実行する。代替的には、または付加的には、クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および2608は、シン・クライアントコンピュータ、インターネットにより可能なゲーミングシステム(たとえばキネクト(登録商標)ジェスチャ入力装置を備えるかまたは備えないマイクロソフトXボックスゲーム機)、および/または、ネットワーク2610を介して通信が可能なパーソナルメッセージング装置などのその他の電子装置であってもよい。
例示的な分散型システム2600は、4個のクライアントコンピューティングデバイスを有するように示されているが、任意の数のクライアントコンピューティングデバイスがサポートされてもよい。センサを有する装置などの他の装置が、サーバ2612と相互作用してもよい。
分散型システム2600におけるネットワーク2610は、さまざまな市販のプロトコルのうちのいずれかを用いてデータ通信をサポートすることができる、当業者になじみのある任意のタイプのネットワークであってもよく、当該プロトコルは、TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)、SNA(システムネットワークアーキテクチャ)、IPX(インターネットパケット交換)、アップルトークなどを含むが、これらに限定されるものではない。単に一例として、ネットワーク2610は、イーサネット(登録商標)、トークンリングなどに基づくものなどのローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよい。ネットワーク2610は、広域ネットワークおよびインターネットであってもよい。ネットワーク2610は、仮想ネットワークを含んでいてもよく、当該仮想ネットワークは、仮想プライベートネットワーク(virtual private network:VPN)、イントラネット、エクストラネット、公衆交換電話網(public switched telephone network:PSTN)、赤外線ネットワーク、無線ネットワーク(たとえば米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics:IEEE)802.26の一連のプロトコル、ブルートゥース(登録商標)および/またはその他の無線プロトコルのうちのいずれかのもとで動作するネットワーク)、および/またはこれらの任意の組合せ、および/または他のネットワークを含むが、これらに限定されるものではない。
サーバ2612は、1つ以上の汎用コンピュータ、専用サーバコンピュータ(一例として、PC(パーソナルコンピュータ)サーバ、UNIX(登録商標)サーバ、ミッドレンジサーバ、メインフレームコンピュータ、ラックマウント式サーバなどを含む)、サーバファーム、サーバクラスタ、またはその他の適切な構成および/または組合せで構成され得る。サーバ2612は、仮想オペレーティングシステムを実行する1つ以上の仮想マシン、または仮想化を含む他のコンピューティングアーキテクチャを含み得る。論理記憶装置の1つ以上のフレキシブルプールは、サーバのための仮想記憶デバイスを維持するように仮想化することができる。仮想ネットワークは、ソフトウェア定義型ネットワーキングを用いて、サーバ2612によって制御することができる。さまざまな局面においては、サーバ2612は、上記の開示に記載されている1つ以上のサービスまたはソフトウェアアプリケーションを実行するように適合され得る。たとえば、サーバ2612は、本開示の局面に係る上記の処理を実行するためのサーバに対応してもよい。
サーバ2612は、上記のもののうちのいずれか、および、任意の市販のサーバオペレーティングシステムを含むオペレーティングシステムを実行し得る。また、サーバ2612は、ハイパーテキスト転送プロトコル(hypertext transport protocol:HTTP)サーバ、ファイル転送プロトコル(file transfer protocol:FTP)サーバ、共通ゲートウェイインターフェース(common gateway interface:CGI)サーバ、JAVA(登録商標)サーバ、データベースサーバなどを含むさまざまな付加的サーバアプリケーションおよび/または中間層アプリケーションのうちのいずれかを実行し得る。例示的なデータベースサーバは、オラクル社(Oracle)、マイクロソフト社(Microsoft)、サイベース社(Sybase)、IBM社(International Business Machines)などから市販されているものを含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実現例では、サーバ2612は、クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および2608のユーザから受取ったデータフィードおよび/またはイベント更新を分析および統合するための1つ以上のアプリケーションを含み得る。一例として、データフィードおよび/またはイベント更新は、1つ以上の第三者情報源および連続的なデータストリームから受信されるTwitter(登録商標)フィード、Facebook(登録商標)更新またはリアルタイム更新を含み得るが、これらに限定されるものではなく、センサデータアプリケーション、金融ティッカ、ネットワーク性能測定ツール(たとえばネットワークモニタリングおよびトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム分析ツール、自動車交通モニタリングなどに関連するリアルタイムイベントを含み得る。また、サーバ2612は、クライアントコンピューティングデバイス2602,2604,2606および2608の1つ以上の表示装置を介してデータフィードおよび/またはリアルタイムイベントを表示するための1つ以上のアプリケーションを含み得る。
また、分散型システム2600は、1つ以上のデータベース2614および2616を含み得る。データベース2614および2616は、さまざまな場所に存在し得る。一例として、データベース2614および2616の1つ以上は、サーバ2612にローカルな(および/または存在する)非一時的な記憶媒体に存在していてもよい。代替的に、データベース2614および2616は、サーバ2612から遠く離れていて、ネットワークベースまたは専用の接続を介してサーバ2612と通信してもよい。一組の局面においては、データベース2614および2616は、記憶領域ネットワーク(storage-area network:SAN)に存在していてもよい。同様に、サーバ2612に起因する機能を実行するための任意の必要なファイルが、サーバ2612上にローカルに、および/または、リモートで適宜格納されていてもよい。一組の局面においては、データベース2614および2616は、SQLフォーマットコマンドに応答してデータを格納、更新および検索するように適合された、オラクル社によって提供されるデータベースなどのリレーショナルデータベースを含み得る。
図27は、本開示の一局面に係る、一局面のシステムの1つ以上の構成要素によって提供されるサービスをクラウドサービスとして供給することができるシステム環境2700の1つ以上の構成要素の簡略化されたブロック図である。示されている局面においては、システム環境2700は、クラウドサービスを提供するクラウドインフラストラクチャシステム2702と相互作用するようにユーザによって使用され得る1つ以上のクライアントコンピューティングデバイス2704,2706および2708を含む。クライアントコンピューティングデバイスは、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供されるサービスを使用するためにクラウドインフラストラクチャシステム2702と相互作用するようにクライアントコンピューティングデバイスのユーザによって使用され得る、ウェブブラウザ、専有のクライアントアプリケーション(たとえばオラクルフォームズ)または他のアプリケーションなどのクライアントアプリケーションを動作させるように構成され得る。
図に示されているクラウドインフラストラクチャシステム2702が図示されている構成要素とは他の構成要素を有し得ることが理解されるべきである。さらに、図に示されている局面は、本発明の局面を組込むことができるクラウドインフラストラクチャシステムの一例に過ぎない。いくつかの他の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702は、図に示されているものよりも多いまたは少ない数の構成要素を有していてもよく、2つ以上の構成要素を組合せてもよく、または構成要素の異なる構成または配置を有していてもよい。
クライアントコンピューティングデバイス2704,2706および2708は、2602,2604,2606および2608について上記したものと類似のデバイスであってもよい。
例示的なシステム環境2700は3個のクライアントコンピューティングデバイスを有するように示されているが、任意の数のクライアントコンピューティングデバイスがサポートされてもよい。センサなどを有する装置などの他の装置が、クラウドインフラストラクチャシステム2602と相互作用してもよい。
ネットワーク2710は、クライアント2704,2706および2708とクラウドインフラストラクチャシステム2702との間のデータの通信およびやりとりを容易にし得る。各々のネットワークは、ネットワーク2710について上記したものを含むさまざまな市販のプロトコルのうちのいずれかを用いてデータ通信をサポートすることができる、当業者になじみのある任意のタイプのネットワークであってもよい。
クラウドインフラストラクチャシステム2702は、サーバ2712について上記したものを含み得る1つ以上のコンピュータおよび/またはサーバを備え得る。
特定の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるサービスは、オンラインデータ記憶およびバックアップソリューション、ウェブベースのeメールサービス、ホスト型オフィススイートおよびドキュメントコラボレーションサービス、データベース処理、管理技術サポートサービスなどの、クラウドインフラストラクチャシステムのユーザがオンデマンドで利用可能な多数のサービスを含み得る。クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるサービスは、そのユーザのニーズを満たすように動的にスケーリング可能である。クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるサービスの具体的なインスタンス化は、本明細書では「サービスインスタンス」と称される。一般に、インターネットなどの通信ネットワークを介してクラウドサービスプロバイダのシステムからユーザが利用可能な任意のサービスは、「クラウドサービス」と称される。通常、パブリッククラウド環境では、クラウドサービスプロバイダのシステムを構成するサーバおよびシステムは、顧客自身のオンプレミスサーバおよびシステムとは異なっている。たとえば、クラウドサービスプロバイダのシステムがアプリケーションをホストしてもよく、ユーザは、インターネットなどの通信ネットワークを介してオンデマンドで当該アプリケーションを注文および使用してもよい。
いくつかの例では、コンピュータネットワーククラウドインフラストラクチャにおけるサービスは、ストレージ、ホスト型データベース、ホスト型ウェブサーバ、ソフトウェアアプリケーションへの保護されたコンピュータネットワークアクセス、またはクラウドベンダによってユーザに提供されるかもしくはそうでなければ当該技術分野において公知の他のサービスを含み得る。たとえば、サービスは、インターネットを介したクラウド上のリモートストレージへのパスワードによって保護されたアクセスを含み得る。別の例として、サービスは、ネットワーク化された開発者による私的使用のためのウェブサービスベースのホスト型リレーショナルデータベースおよびスクリプト言語ミドルウェアエンジンを含み得る。別の例として、サービスは、クラウドベンダのウェブサイト上でホストされるeメールソフトウェアアプリケーションへのアクセスを含み得る。
特定の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702は、セルフサービスの、サブスクリプションベースの、弾性的にスケーラブルな、信頼性のある、高可用性の、安全な態様で顧客に配信される一連のアプリケーション、ミドルウェアおよびデータベースサービス提供品を含み得る。このようなクラウドインフラストラクチャシステムの一例は、本譲受人によって提供されるオラクルパブリッククラウドである。
時としてビッグデータとも称される大量のデータは、インフラストラクチャシステムによって、多数のレベルにおいて、および異なるスケールでホストおよび/または操作され得る。このようなデータが含み得るデータセットは、非常に大型で複雑であるので、典型的なデータベース管理ツールまたは従来のデータ処理アプリケーションを用いて処理するのが困難になる可能性がある。たとえば、テラバイトのデータはパーソナルコンピュータまたはそれらのラックベースの対応物を用いて格納、検索取得および処理することが難しいかもしれない。このようなサイズのデータは、最新のリレーショナルデータベース管理システムおよびデスクトップ統計ならびに視覚化パッケージを用いて機能させるのが困難である可能性がある。それらは、データを許容可能な経過時間内に捕捉しキュレーションし管理し処理するよう、一般的に用いられるソフトウェアツールの構造を超えて、何千ものサーバコンピュータを動作させる大規模並列処理ソフトウェアを必要とし得る。
大量のデータを視覚化し、トレンドを検出し、および/または、データと相互作用させるために、分析者および研究者は極めて大きいデータセットを格納し処理することができる。平行にリンクされた何十、何百または何千ものプロセッサがこのようなデータに対して作用可能であり、これにより、このようなデータを表示し得るか、または、データに対する外力をシミュレートし得るかもしくはそれが表しているものをシミュレートし得る。これらのデータセットは、データベースにおいて編制されたデータ、もしくは構造化モデルに従ったデータ、および/または、非体系的なデータ(たとえば電子メール、画像、データブロブ(バイナリ大型オブジェクト)、ウェブページ、複雑なイベント処理)などの構造化されたデータを必要とする可能性がある。目標物に対してより多くの(またはより少数の)コンピューティングリソースを比較的迅速に集中させるために局面の能力を強化することにより、ビジネス、政府関係機関、研究組織、私人、同じ目的をもった個々人もしくは組織のグループ、または他のエンティティからの要求に基づいて大量のデータセット上でタスクを実行するために、クラウドインフラストラクチャシステムがより良好に利用可能となる。
さまざまな局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702は、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって供給されるサービスへの顧客のサブスクリプションを自動的にプロビジョニング、管理および追跡するように適合され得る。クラウドインフラストラクチャシステム2702は、さまざまなデプロイメントモデルを介してクラウドサービスを提供し得る。たとえば、クラウドインフラストラクチャシステム2702が、(たとえばオラクル社によって所有される)クラウドサービスを販売する組織によって所有され、一般大衆またはさまざまな産業企業がサービスを利用できるパブリッククラウドモデルのもとでサービスが提供されてもよい。別の例として、クラウドインフラストラクチャシステム2702が単一の組織のためだけに運営され、当該組織内の1つ以上のエンティティにサービスを提供し得るプライベートクラウドモデルのもとでサービスが提供されてもよい。また、クラウドインフラストラクチャシステム2702およびクラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供されるサービスが、関連のコミュニティ内のいくつかの組織によって共有されるコミュニティクラウドモデルのもとでクラウドサービスが提供されてもよい。また、2つ以上の異なるモデルの組合せであるハイブリッドクラウドモデルのもとでクラウドサービスが提供されてもよい。
いくつかの局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供されるサービスは、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(Software as a Service:SaaS)カテゴリ、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(Platform as a Service:PaaS)カテゴリ、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(Infrastructure as a Service:IaaS)カテゴリ、またはハイブリッドサービスを含むサービスの他のカテゴリのもとで提供される1つ以上のサービスを含み得る。顧客は、サブスクリプションオーダーによって、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供される1つ以上のサービスをオーダーし得る。次いで、クラウドインフラストラクチャシステム2702は、顧客のサブスクリプションオーダーでサービスを提供するために処理を実行する。
いくつかの局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供されるサービスは、アプリケーションサービス、プラットフォームサービスおよびインフラストラクチャサービスを含み得るが、これらに限定されるものではない。いくつかの例では、アプリケーションサービスは、SaaSプラットフォームを介してクラウドインフラストラクチャシステムによって提供されてもよい。SaaSプラットフォームは、SaaSカテゴリに分類されるクラウドサービスを提供するように構成され得る。たとえば、SaaSプラットフォームは、一体化された開発およびデプロイメントプラットフォーム上で一連のオンデマンドアプリケーションを構築および配信するための機能を提供し得る。SaaSプラットフォームは、SaaSサービスを提供するための基本的なソフトウェアおよびインフラストラクチャを管理および制御し得る。SaaSプラットフォームによって提供されるサービスを利用することによって、顧客は、クラウドインフラストラクチャシステムで実行されるアプリケーションを利用することができる。顧客は、顧客が別々のライセンスおよびサポートを購入する必要なく、アプリケーションサービスを取得することができる。さまざまな異なるSaaSサービスが提供されてもよい。例としては、大規模組織のための販売実績管理、企業統合およびビジネスの柔軟性のためのソリューションを提供するサービスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの局面においては、プラットフォームサービスは、PaaSプラットフォームを介してクラウドインフラストラクチャシステムによって提供されてもよい。PaaSプラットフォームは、PaaSカテゴリに分類されるクラウドサービスを提供するように構成され得る。プラットフォームサービスの例としては、組織(オラクル社など)が既存のアプリケーションを共有の共通アーキテクチャ上で統合することを可能にするサービス、および、プラットフォームによって提供される共有のサービスを活用する新たなアプリケーションを構築する機能を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。PaaSプラットフォームは、PaaSサービスを提供するための基本的なソフトウェアおよびインフラストラクチャを管理および制御し得る。顧客は、顧客が別々のライセンスおよびサポートを購入する必要なく、クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるPaaSサービスを取得することができる。プラットフォームサービスの例としては、オラクルJavaクラウドサービス(Java Cloud Service:JCS)、オラクルデータベースクラウドサービス(Database Cloud Service:DBCS)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
PaaSプラットフォームによって提供されるサービスを利用することによって、顧客は、クラウドインフラストラクチャシステムによってサポートされるプログラミング言語およびツールを利用することができ、デプロイされたサービスを制御することもできる。いくつかの局面においては、クラウドインフラストラクチャシステムによって提供されるプラットフォームサービスは、データベースクラウドサービス、ミドルウェアクラウドサービル(たとえばオラクルフージョンミドルウェアサービス)およびJavaクラウドサービスを含み得る。一局面においては、データベースクラウドサービスは、組織がデータベースリソースをプールしてデータベースクラウドの形態でデータベース・アズ・ア・サービスを顧客に供給することを可能にする共有のサービスデプロイメントモデルをサポートし得る。ミドルウェアクラウドサービスは、クラウドインフラストラクチャシステムにおいてさまざまなビジネスアプリケーションを開発およびデプロイするために顧客にプラットフォームを提供し得るともに、Javaクラウドサービスは、クラウドインフラストラクチャシステムにおいてJavaアプリケーションをデプロイするために顧客にプラットフォームを提供し得る。
さまざまな異なるインフラストラクチャサービスは、クラウドインフラストラクチャシステムにおけるIaaSプラットフォームによって提供されてもよい。インフラストラクチャサービスは、ストレージ、ネットワークなどの基本的な計算リソース、ならびに、SaaSプラットフォームおよびPaaSプラットフォームによって提供されるサービスを利用する顧客のための他の基礎的な計算リソースの管理および制御を容易にする。
また、特定の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702は、クラウドインフラストラクチャシステムの顧客にさまざまなサービスを提供するために使用されるリソースを提供するためのインフラストラクチャリソース2730を含み得る。一局面においては、インフラストラクチャリソース2730は、PaaSプラットフォームおよびSaaSプラットフォームによって提供されるサービスを実行するための、サーバ、ストレージおよびネットワーキングリソースなどのハードウェアの予め一体化された最適な組合せを含み得る。
いくつかの局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702におけるリソースは、複数のユーザによって共有され、デマンドごとに動的に再割り振りされてもよい。また、リソースは、異なる時間帯にユーザに割り振られてもよい。たとえば、クラウドインフラストラクチャシステム2730は、第1の時間帯におけるユーザの第1の組が規定の時間にわたってクラウドインフラストラクチャシステムのリソースを利用することを可能にし得るとともに、異なる時間帯に位置するユーザの別の組への同一のリソースの再割り振りを可能にし得ることによって、リソースの利用を最大化することができる。
特定の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702のさまざまな構成要素またはモジュール、および、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供されるサービス、によって共有されるいくつかの内部共有サービス2732が提供され得る。これらの内部共有サービスは、セキュリティおよびアイデンティティサービス、インテグレーションサービス、企業リポジトリサービス、企業マネージャサービス、ウイルススキャンおよびホワイトリストサービス、高可用性・バックアップおよび回復サービス、クラウドサポートを可能にするためのサービス、eメールサービス、通知サービス、ファイル転送サービスなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。
特定の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2702は、クラウドインフラストラクチャシステムにおけるクラウドサービス(たとえばSaaSサービス、PaaSサービスおよびIaaSサービス)の包括的管理を提供し得る。一局面においては、クラウド管理機能は、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって受信された顧客のサブスクリプションをプロビジョニング、管理および追跡などするための機能を含み得る。
一局面においては、図に示されるように、クラウド管理機能は、オーダー管理モジュール2620、オーダーオーケストレーションモジュール2620、オーダープロビジョニングモジュール2624、オーダー管理および監視モジュール2626、ならびにアイデンティティ管理モジュール2628などの1つ以上のモジュールによって提供され得る。これらのモジュールは、汎用コンピュータ、専用サーバコンピュータ、サーバファーム、サーバクラスタ、またはその他の適切な構成および/もしくは組み合わせであり得る1つ以上のコンピュータおよび/またはサーバを含み得るか、またはそれらを用いて提供され得る。
例示的な動作2634において、クライアントデバイス2704,2706または2708などのクライアントデバイスを用いる顧客は、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供される1つ以上のサービスを要求し、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって供給される1つ以上のサービスのサブスクリプションについてオーダーを行うことによって、クラウドインフラストラクチャシステム2702と対話し得る。特定の局面においては、顧客は、クラウドユーザインターフェース(User Interface:UI)、すなわちクラウドUI2612、クラウドUI2614および/またはクラウドUI2616にアクセスして、これらのUIを介してサブスクリプションオーダーを行い得る。顧客がオーダーを行ったことに応答してクラウドインフラストラクチャシステム2702によって受信されたオーダー情報は、顧客と、顧客がサブスクライブする予定のクラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供される1つ以上のサービスとを特定する情報を含み得る。
オーダーが顧客によって行われた後、オーダー情報は、クラウドUI2729,2714および/または2716を介して受信される。
動作2636において、オーダーは、オーダーデータベース2718に格納される。オーダーデータベース2618は、クラウドインフラストラクチャシステム2620によって動作させられるとともに他のシステム要素と連携して動作させられるいくつかのデータベースのうちの1つであってもよい。
動作2638において、オーダー情報は、オーダー管理モジュール2620に転送される。いくつかの例では、オーダー管理モジュール2620は、オーダーの確認および確認時のオーダーの予約などのオーダーに関連する請求書発行機能および会計経理機能を実行するように構成され得る。
動作2640において、オーダーに関する情報は、オーダーオーケストレーションモジュール2622に通信される。オーダーオーケストレーションモジュール2622は、顧客によって行われたオーダーについてのサービスおよびリソースのプロビジョニングをオーケストレートするためにオーダー情報を利用し得る。いくつかの例では、オーダーオーケストレーションモジュール2622は、オーダープロビジョニングモジュール2624のサービスを用いてサブスクライブされたサービスをサポートするためにリソースのプロビジョニングをオーケストレートし得る。
特定の局面においては、オーダーオーケストレーションモジュール2622は、各々のオーダーに関連付けられるビジネスプロセスの管理を可能にし、ビジネス論理を適用してオーダーがプロビジョニングに進むべきか否かを判断する。動作2642において、新たなサブスクリプションについてのオーダーを受信すると、オーダーオーケストレーションモジュール2622は、リソースを割り振って当該サブスクリプションオーダーを満たすのに必要とされるそれらのリソースを構成するための要求をオーダープロビジョニングモジュール2624に送る。オーダープロビジョニングモジュール2624は、顧客によってオーダーされたサービスについてのリソースの割り振りを可能にする。オーダープロビジョニングモジュール2624は、クラウドインフラストラクチャシステム2600によって提供されるクラウドサービスと、要求されたサービスを提供するためのリソースをプロビジョニングするために使用される物理的実装層との間にあるレベルの抽象化を提供する。したがって、オーダーオーケストレーションモジュール2622は、サービスおよびリソースが実際に実行中にプロビジョニングされるか、事前にプロビジョニングされて要求があったときに割振られる/割当てられるのみであるかなどの実装の詳細から切り離すことができる。
動作2642において、サービスおよびリソースがプロビジョニングされると、提供されたサービスの通知が、クラウドインフラストラクチャシステム2602のオーダープロビジョニングモジュール2624によってクライアントデバイス2604,2606および/または2608上の顧客に送られ得る。
動作2646において、顧客のサブスクリプションオーダーが、オーダー管理および監視モジュール2626によって管理および追跡され得る。いくつかの例では、オーダー管理および監視モジュール2626は、使用される記憶量、転送されるデータ量、ユーザの数、ならびにシステムアップ時間およびシステムダウン時間の量などのサブスクリプションオーダーにおけるサービスについての使用統計を収集するように構成され得る。
特定の局面においては、クラウドインフラストラクチャシステム2700は、アイデンティティ管理モジュール2628を含み得る。アイデンティティ管理モジュール2628は、クラウドインフラストラクチャシステム2700におけるアクセス管理および認可サービスなどのアイデンティティサービスを提供するように構成され得る。いくつかの局面においては、アイデンティティ管理モジュール2628は、クラウドインフラストラクチャシステム2702によって提供されるサービスを利用したい顧客についての情報を制御し得る。このような情報は、このような顧客のアイデンティティを認証する情報と、それらの顧客がさまざまなシステムリソース(たとえばファイル、ディレクトリ、アプリケーション、通信ポート、メモリセグメントなど)に対してどのアクションを実行することを認可されるかを記載する情報とを含み得る。また、アイデンティティ管理モジュール2628は、各々の顧客についての説明的情報、ならびに、どのようにしておよび誰によってこの説明的情報がアクセスおよび変更され得るかについての説明的情報の管理を含み得る。
図28は、本発明のさまざまな局面を実現することができる例示的なコンピュータシステム2800を示す。システム2800は、上記のコンピュータシステムのうちのいずれかを実現するために使用され得る。図に示されているように、コンピュータシステム2800は、バスサブシステム2802を介していくつかの周辺サブシステムと通信する処理ユニット2804を含む。これらの周辺サブシステムは、処理加速ユニット2806と、I/Oサブシステム2808と、記憶サブシステム2818と、通信サブシステム2825とを含み得る。記憶サブシステム2818は、有形のコンピュータ読取可能な記憶媒体2823と、システムメモリ2810とを含む。
バスサブシステム2802は、コンピュータシステム2800のさまざまな構成要素およびサブシステムに、意図されたように互いに通信させるための機構を提供する。バスサブシステム2802は、単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替的な局面は、複数のバスを利用してもよい。バスサブシステム2802は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、およびさまざまなバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用するローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかであってもよい。たとえば、このようなアーキテクチャは、IEEE P2886.1標準に合わせて製造されたメザニンバスとして実現可能な、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture:ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture:MCA)バス、拡張ISA(Enhanced ISA:EISA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション(Video Electronics Standards Association:VESA)ローカルバスおよび周辺機器相互接続(Peripheral Component Interconnect:PCI)バスを含み得る。
1つ以上の集積回路(たとえば従来のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ)として実現可能な処理ユニット2804は、コンピュータシステム2800の動作を制御する。処理ユニット2804には、1つ以上のプロセッサが含まれ得る。これらのプロセッサは、単一コアまたはマルチコアのプロセッサを含み得る。特定の局面においては、処理ユニット2804は、各々の処理ユニットに含まれる単一コアまたはマルチコアのプロセッサを有する1つ以上の独立した処理ユニット2832および/または2834として実現されてもよい。また、他の局面においては、処理ユニット2804は、2つのデュアルコアプロセッサを単一のチップに組み入れることによって形成されるクアッドコア処理ユニットとして実現されてもよい。
さまざまな局面においては、処理ユニット2804は、プログラムコードに応答してさまざまなプログラムを実行し得るとともに、同時に実行される複数のプログラムまたはプロセスを維持し得る。任意の所与の時点において、実行されるべきプログラムコードのうちのいくつかまたは全ては、処理ユニット2804および/または記憶サブシステム2818に存在し得る。好適なプログラミングを通じて、処理ユニット2804は、上記のさまざまな機能を提供し得る。また、コンピュータシステム2800は、加えて、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、特殊用途プロセッサなどを含み得る処理加速ユニット2806を含み得る。
I/Oサブシステム2808は、ユーザインターフェイス入力装置と、ユーザインターフェイス出力装置とを含み得る。ユーザインターフェイス入力装置は、キーボード、マウスまたはトラックボールなどのポインティング装置、タッチパッドまたはタッチスクリーンを含んでいてもよく、これらは、音声コマンド認識システム、マイクロホンおよび他のタイプの入力装置とともに、ディスプレイ、スクロールホイール、クリックホイール、ダイアル、ボタン、スイッチ、キーパッド、オーディオ入力装置に組込まれている。ユーザインターフェイス入力装置は、たとえば、ジェスチャおよび話されたコマンドを用いてナチュラルユーザインターフェースを介してユーザがマイクロソフトXbox(登録商標)280ゲームコントローラなどの入力装置を制御して入力装置と対話することを可能にするマイクロソフトキネクト(登録商標)モーションセンサなどのモーション検知および/またはジェスチャ認識装置を含み得る。また、ユーザインターフェイス入力装置は、ユーザから眼球運動(たとえば撮影および/またはメニュー選択を行っている間の「まばたき」)を検出して、当該眼球ジェスチャを入力装置への入力として変換するグーグルグラス(登録商標)まばたき検出器などの眼球ジェスチャ認識装置を含み得る。また、ユーザインターフェイス入力装置は、ユーザが音声コマンドを介して音声認識システム(たとえばSiri(登録商標)ナビゲータ)と対話することを可能にする音声認識検知装置を含み得る。
また、ユーザインターフェイス入力装置は、三次元(3D)マウス、ジョイスティックまたはポインティングスティック、ゲームパッドおよびグラフィックタブレット、およびスピーカなどのオーディオ/ビジュアル装置、デジタルカメラ、デジタルカムコーダ、携帯型メディアプレーヤ、ウェブカム、画像スキャナ、指紋スキャナ、バーコードリーダ3Dスキャナ、3Dプリンタ、レーザレンジファインダ、および視線検出装置を含み得るが、これらに限定されるものではない。また、ユーザインターフェイス入力装置は、たとえば、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像化、位置発光断層撮影、医療用超音波検査装置などの医療用画像化入力装置を含み得る。また、ユーザインターフェイス入力装置は、たとえばMIDIキーボード、デジタル楽器などのオーディオ入力装置を含み得る。
ユーザインターフェイス出力装置は、ディスプレイサブシステム、表示灯、またはオーディオ出力装置などの非視覚的ディスプレイなどを含み得る。ディスプレイサブシステムは、陰極線管(cathode ray tube:CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)またはプラズマディスプレイを使用するものなどのフラットパネルディスプレイ、投影装置、タッチスクリーンなどであってもよい。一般に、「出力装置」という用語の使用は、コンピュータシステム2800からの情報をユーザまたは他のコンピュータに出力するための全ての実現可能なタイプの装置および機構を含むよう意図されている。たとえば、ユーザインターフェイス出力装置は、モニタ、プリンタ、スピーカ、ヘッドホン、自動車のナビゲーションシステム、プロッタ、音声出力装置およびモデムなどの、テキスト、グラフィックスおよびオーディオ/ビデオ情報を視覚的に伝えるさまざまな表示装置を含み得るが、これらに限定されるものではない。
コンピュータシステム2800は、現在のところシステムメモリ2810内に位置しているように示されているソフトウェア要素を備える記憶サブシステム2818を備え得る。システムメモリ2810は、処理ユニット2804上でロード可能および実行可能なプログラム命令と、これらのプログラムの実行中に生成されるデータとを格納し得る。
コンピュータシステム2800の構成およびタイプに応じて、システムメモリ2810は、揮発性(ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)など)であってもよく、および/または、不揮発性(リードオンリメモリ(read-only memory:ROM)、フラッシュメモリなど)であってもよい。RAMは、典型的には、処理ユニット2804が直ちにアクセス可能なデータおよび/またはプログラムモジュール、および/または、処理ユニット2804によって現在動作および実行されているデータおよび/またはプログラムモジュールを収容する。いくつかの実現例では、システムメモリ2810は、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory:SRAM)またはダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory:DRAM)などの複数の異なるタイプのメモリを含み得る。いくつかの実現例では、始動中などにコンピュータシステム2800内の要素間で情報を転送することを助ける基本ルーチンを含む基本入力/出力システム(basic input/output system:BIOS)が、典型的にはROMに格納され得る。一例としておよび非限定的に、システムメモリ2810は、クライアントアプリケーション、ウェブブラウザ、中間層アプリケーション、リレーショナルデータベース管理システム(relational database management system:RDBMS)などを含み得るアプリケーションプログラム2812、プログラムデータ2814およびオペレーティングシステム2816も示す。一例として、オペレーティングシステム2816は、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、アップルマッキントッシュ(登録商標)および/もしくはリナックスオペレーティングシステムのさまざまなバージョン、さまざまな市販のUNIX(登録商標)もしくはUNIXライクオペレーティングシステム(さまざまなGNU/リナックスオペレーティングシステム、Google Chrome(登録商標)OSなどを含むが、これらに限定されるものではない)、ならびに/または、iOS、ウィンドウズ(登録商標)フォン、アンドロイド(登録商標)OS、ブラックベリー(登録商標)10OSおよびパーム(登録商標)OSオペレーティングシステムなどのモバイルオペレーティングシステムを含み得る。
また、記憶サブシステム2818は、いくつかの局面の機能を提供する基本的なプログラミングおよびデータ構造を格納するための有形のコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供し得る。プロセッサによって実行されたときに上記の機能を提供するソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)が記憶サブシステム2818に格納され得る。これらのソフトウェアモジュールまたは命令は、処理ユニット2804によって実行され得る。また、記憶サブシステム2818は、本発明に従って使用されるデータを格納するためのリポジトリを提供し得る。
また、記憶サブシステム2800は、コンピュータ読取可能な記憶媒体2823にさらに接続可能なコンピュータ読取可能な記憶媒体リーダ2820を含み得る。ともにおよび任意には、システムメモリ2810と組合せて、コンピュータ読取可能な記憶媒体2823は、コンピュータ読取可能な情報を一時的および/または永久に収容、格納、送信および検索するための記憶媒体に加えて、リモートの、ローカルの、固定されたおよび/または取外し可能な記憶装置を包括的に表わし得る。
コードまたはコードの一部を含むコンピュータ読取可能な記憶媒体2823は、当該技術分野において公知のまたは使用される任意の適切な媒体を含み得る。当該媒体は、情報の格納および/または送信のための任意の方法または技術において実現される揮発性および不揮発性の、取外し可能および取外し不可能な媒体などであるが、これらに限定されるものではない記憶媒体および通信媒体を含む。これは、RAM、ROM、電子的消去・プログラム可能ROM(electronically erasable programmable ROM:EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk:DVD)、または他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または他の有形のコンピュータ読取可能な媒体などの有形の一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体を含み得る。また、これは、データ信号、データ送信などの無形の一時的なコンピュータ読取可能な媒体、または、所望の情報を送信するために使用可能であるとともに計算システム2800によってアクセス可能である他の任意の媒体を含み得る。
一例として、コンピュータ読取可能な記憶媒体2823は、取外し不可能な不揮発性磁気媒体から読取るまたは当該媒体に書込むハードディスクドライブ、取外し可能な不揮発性磁気ディスクから読取るまたは当該ディスクに書込む磁気ディスクドライブ、ならびに、CD ROM、DVDおよびブルーレイ(登録商標)ディスクまたは他の光学式媒体などの取外し可能な不揮発性光学ディスクから読取るまたは当該ディスクに書込む光学式ディスクドライブを含み得る。コンピュータ読取可能な記憶媒体2823は、ジップ(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリカード、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus:USB)フラッシュドライブ、セキュアデジタル(secure digital:SD)カード、DVDディスク、デジタルビデオテープなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。また、コンピュータ読取可能な記憶媒体2823は、フラッシュメモリベースのSSD、企業向けフラッシュドライブ、ソリッドステートROMなどの不揮発性メモリに基づくソリッドステートドライブ(solid-state drive:SSD)、ソリッドステートRAM、ダイナミックRAM、スタティックRAMなどの揮発性メモリに基づくSSD、DRAMベースのSSD、磁気抵抗RAM(magnetoresistive RAM:MRAM)SSD、およびDRAMとフラッシュメモリベースのSSDとの組合せを使用するハイブリッドSSDを含み得る。ディスクドライブおよびそれらの関連のコンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ読取可能な命令、データ構造、プログラムモジュールおよび他のデータをコンピュータシステム2800に提供し得る。
通信サブシステム2825は、他のコンピュータシステムおよびネットワークとのインターフェイスを提供する。通信サブシステム2825は、他のシステムからデータを受信したり、コンピュータシステム2800から他のシステムにデータを送信するためのインターフェイスの役割を果たす。たとえば、通信サブシステム2825は、コンピュータシステム2800がインターネットを介して1つ以上の装置に接続することを可能にし得る。いくつかの局面においては、通信サブシステム2825は、(たとえば3G、4GまたはEDGE(enhanced data rates for global evolution)などの携帯電話技術、高度データネットワーク技術を用いて)無線音声および/またはデータネットワークにアクセスするための無線周波数(radio frequency:RF)トランシーバコンポーネント、WiFi(IEEE802.28ファミリ標準または他のモバイル通信技術またはそれらの任意の組合せ)、全地球測位システム(global positioning system:GPS)レシーバコンポーネント、および/または、他のコンポーネントを含み得る。いくつかの局面においては、通信サブシステム2825は、無線インターフェイスに加えて、または無線インターフェイスの代わりに、有線ネットワーク接続(たとえばイーサネット)を提供し得る。
また、いくつかの局面においては、通信サブシステム2825は、コンピュータシステム2800を使用し得る1人以上のユーザを代表して、構造化されたおよび/または構造化されていないデータフィード2828、イベントストリーム2828、イベント更新2828などの形態で入力通信を受信し得る。
一例として、通信サブシステム2825は、ツイッター(登録商標)フィード、フェースブック(登録商標)更新、リッチ・サイト・サマリ(Rich Site Summary:RSS)フィードなどのウェブフィードなどのデータフィード2828をリアルタイムでソーシャルメディアネットワークおよび/または他の通信サービスのユーザから受信し、および/または、1つ以上の第三者情報源からリアルタイム更新を受信するように構成され得る。
加えて、通信サブシステム2825は、連続的なデータストリームの形態でデータを受信するように構成され得る。当該データは、連続的である場合もあれば本質的に明確な端部をもたない状態で境界がない場合もあるリアルタイムイベントのイベントストリーム2828および/またはイベント更新2828を含み得る。連続的なデータを生成するアプリケーションの例としては、たとえばセンサデータアプリケーション、金融ティッカ、ネットワーク性能測定ツール(たとえばネットワークモニタリングおよびトラフィック管理アプリケーション)、クリックストリーム分析ツール、自動車交通モニタリングなどを含み得る。
また、通信サブシステム2825は、構造化されたおよび/または構造化されていないデータフィード2828、イベントストリーム2828、イベント更新2828などを、コンピュータシステム2800に結合された1つ以上のストリーミングデータソースコンピュータと通信し得る1つ以上のデータベースに出力するように構成され得る。
コンピュータシステム2800は、手持ち式携帯機器(たとえばiPhone(登録商標)携帯電話、iPad(登録商標)計算タブレット、PDA)、ウェアラブル装置(たとえばグーグルグラス(登録商標)ヘッドマウントディスプレイ)、PC、ワークステーション、メインフレーム、キオスク、サーバラックまたはその他のデータ処理システムを含むさまざまなタイプのうちの1つであってもよい。
コンピュータおよびネットワークの絶え間なく変化し続ける性質のために、図に示されているコンピュータシステム2800の説明は、特定の例として意図されているに過ぎない。図に示されているシステムよりも多くのまたは少ない数の構成要素を有する多くの他の構成が可能である。たとえば、ハードウェア、ファームウェア、(アプレットを含む)ソフトウェア、または組合せにおいて、カスタマイズされたハードウェアが使用されてもよく、および/または、特定の要素が実装されてもよい。さらに、ネットワーク入力/出力装置などの他のコンピューティングデバイスへの接続が利用されてもよい。本明細書中に提供される開示および教示に基づいて、当業者は、さまざまな局面を実現するための他の手段および/または方法を理解するであろう。
上述の明細書では、本発明の局面は、その具体的な局面を参照して記載されているが、本発明はこれに限定されるものではないことを当業者は認識するであろう。上述の発明のさまざまな特徴および局面は、個々にまたは一緒に使用されてもよい。さらに、局面は、明細書のより広い精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されているものを越えたいくつもの環境およびアプリケーションでも利用可能である。したがって、明細書および図面は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。

Claims (20)

  1. テキストにおいて説明の要求を検出するための方法であって、
    フラグメントを含むテキストにアクセスすることと、
    前記テキストのサブセットから談話ツリーを作成することとを備え、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは、前記フラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは前記フラグメントのうちの1つに関連付けられ、前記方法はさらに、
    動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングすることによって、前記テキストの前記サブセットを表現するコミュニケーション用談話ツリーを形成することと、
    説明の要求を検出するようにトレーニングされた分類モデルを前記コミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、前記テキストの前記サブセットが説明の要求を含むことを識別することとを備える、テキストにおいて説明の要求を検出するための方法。
  2. 前記マッチングすることは、
    複数の動詞シグネチャにアクセスすることを含み、各動詞シグネチャは、それぞれのフラグメントの動詞および一連の主題役割を含み、主題役割は、前記動詞と関連する単語との間の関係を記述し、前記マッチングすることはさらに、
    前記複数の動詞シグネチャの各動詞シグネチャについて、それぞれのフラグメントにおける単語の役割に一致する前記シグネチャの複数の主題役割を判断することと、
    前記複数の動詞シグネチャから、特定の動詞シグネチャが最大数の一致を含むことに基づいて、前記特定の動詞シグネチャを選択することと、
    前記特定の動詞シグネチャを前記フラグメントに関連付けることとを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の動詞シグネチャの各動詞シグネチャは、(i)副詞、(ii)名詞フレーズ、または(iii)名詞のうちの1つを含み、前記特定の動詞シグネチャを前記フラグメントと関連付けることは、さらに、
    前記特定の動詞シグネチャにおいて複数の主題役割の各々を識別することと、
    前記特定の動詞シグネチャにおける前記複数の主題役割の各々について、前記フラグメント内の対応する単語を前記主題役割にマッチングすることとを含む、請求項2に記載の方法。
  4. (i)前記分類モデルは、ツリーカーネル学習を伴うサポートベクターマシンであるか、または(ii)前記分類モデルは、最大共通サブツリーの最近傍学習を用いる、請求項2に記載の方法。
  5. 前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することは、さらに、
    前記コミュニケーション用談話ツリーとコミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することと、
    前記1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、追加のコミュニケーション用談話ツリーが前記コミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、前記追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択することと、
    分類モデルを前記コミュニケーション用談話ツリーに適用することにより、前記コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるか否定的なセットからであるかを識別することとを含み、前記肯定的なセットは、説明の要求を含むテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、前記否定的なセットは、説明の要求のないテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することはさらに、
    前記識別することに基づいて、前記テキストが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記テキストにアクセスすることは、ユーザデバイスからテキストを受信することを含み、前記方法は、さらに、前記判断された説明の要求に基づいて応答を調整することと、前記調整された応答をユーザデバイスに与えることとを備える、請求項1に記載の方法。
  7. 前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することは、さらに、
    前記コミュニケーション用談話ツリーとコミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することと、
    前記1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、追加のコミュニケーション用談話ツリーが前記コミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、前記追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択することと、
    前記追加のコミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することとを含み、前記肯定的なセットは説明の要求を含むテキストと関連付けられ、前記否定的なセットは説明の要求を含まないテキストと関連付けられ、前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することは、さらに、
    前記識別することに基づいて、前記テキストが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記分類モデルのトレーニングは、
    コミュニケーション用談話ツリーおよび説明の要求の予想強度を各々が含むトレーニングペアのセットのうち1つを前記分類モデルに与えることと、
    前記分類モデルから説明の要求の分類強度を受け取ることと、
    前記予想強度と前記分類強度との差を計算することによって損失関数を計算することと、
    前記分類モデルの内部パラメータを調整して前記損失関数を最小化することとを反復的に行うことによって行われる、請求項1に記載の方法。
  9. トレーニングデータセットを構築する方法であって、
    フラグメントを含むテキストにアクセスすることと、
    前記テキストから談話ツリーを作成することとを備え、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは、前記フラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは前記フラグメントのうちの1つに関連付けられ、前記方法はさらに、
    動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングし、それによって、コミュニケーション用談話ツリーを作成することと、
    肯定的なセットからの肯定的なコミュニケーション用談話ツリーおよび否定的なセットからの否定的なコミュニケーション用談話ツリーにアクセスすることと、
    分類モデルを前記コミュニケーション用談話ツリーに適用することにより、前記コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することとを備え、前記肯定的なセットは、説明の要求を含むテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、前記否定的なセットは、説明の要求のないテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、前記方法はさらに、
    前記識別することに基づいて、前記肯定的なトレーニングセットまたは前記否定的なトレーニングセットのいずれかに前記コミュニケーション用談話ツリーを追加することを備える、トレーニングデータセットを構築する方法。
  10. 前記コミュニケーション用談話ツリーを作成することは、前記サブセットから談話ツリーを判断することを含み、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは前記フラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは前記フラグメントのうちの1つに関連付けられ、前記コミュニケーション用談話ツリーを作成することはさらに、動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングすることによって、前記談話ツリーからコミュニケーション用談話ツリーを形成することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記マッチングすることは、
    複数の動詞シグネチャにアクセスすることを含み、各動詞シグネチャは、それぞれのフラグメントの動詞および一連の主題役割を含み、主題役割は、前記動詞と関連する単語との間の関係を記述し、前記マッチングすることはさらに、
    前記複数の動詞シグネチャの各動詞シグネチャについて、それぞれのフラグメントにおける単語の役割に一致する前記シグネチャの複数の主題役割を判断することと、
    前記複数の動詞シグネチャから、特定の動詞シグネチャが最大数の一致を含むことに基づいて、前記特定の動詞シグネチャを選択することと、
    前記特定の動詞シグネチャを前記フラグメントに関連付けることとを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記分類モデルをトレーニングすることをさらに備え、前記分類モデルをトレーニングすることは、
    コミュニケーション用談話ツリーおよび説明の要求の予想強度を各々が含むトレーニングペアのセットのうち1つを前記分類モデルに与えることと、
    前記分類モデルから説明の要求の分類強度を受け取ることと、
    前記予想強度と前記分類強度との差を計算することによって損失関数を計算することと、
    前記分類モデルの内部パラメータを調整して前記損失関数を最小化することとを反復的に行うことによって行われる、請求項9に記載の方法。
  13. さらに、
    ユーザデバイスからの追加のテキストにアクセスすることと、
    前記追加のテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを形成することと、
    前記トレーニングされた分類モデルを前記コミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、追加のテキストが説明の要求を含むことを識別することとを備える、請求項12に記載の方法。
  14. システムであって、
    非一時的コンピュータ実行可能プログラム命令を格納するコンピュータ読取可能媒体と、
    前記非一時的コンピュータ実行可能プログラム命令を実行するために前記コンピュータ読取可能媒体に通信可能に結合される処理装置とを備え、前記非一時的コンピュータ実行可能プログラム命令を実行することは、前記処理装置を、
    フラグメントを含むテキストにアクセスすることと、
    前記テキストのサブセットから談話ツリーを作成することとを含む動作を実行させるよう構成し、前記談話ツリーは複数のノードを含み、各非終端ノードは、前記フラグメントのうちの2つの間の修辞関係を表し、前記談話ツリーの前記ノードの各終端ノードは前記フラグメントのうちの1つに関連付けられ、前記非一時的コンピュータ実行可能プログラム命令を実行することは、さらに、前記処理装置を、
    動詞を有する各フラグメントを動詞シグネチャにマッチングすることによって、前記テキストの前記サブセットを表現するコミュニケーション用談話ツリーを形成することと、
    説明の要求を検出するようにトレーニングされた分類モデルを前記コミュニケーション用談話ツリーに適用することによって、前記テキストの前記サブセットが説明の要求を含むことを識別することとを含む動作を実行させるよう構成する、システム。
  15. 前記マッチングすることは、
    複数の動詞シグネチャにアクセスすることを含み、各動詞シグネチャは、それぞれのフラグメントの動詞および一連の主題役割を含み、主題役割は、前記動詞と関連する単語との間の関係を記述し、前記マッチングすることはさらに、
    前記複数の動詞シグネチャの各動詞シグネチャについて、それぞれのフラグメントにおける単語の役割に一致する前記シグネチャの複数の主題役割を判断することと、
    前記複数の動詞シグネチャから、特定の動詞シグネチャが最大数の一致を含むことに基づいて、前記特定の動詞シグネチャを選択することと、
    前記特定の動詞シグネチャを前記フラグメントに関連付けることとを含む、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記複数の動詞シグネチャの各動詞シグネチャは、(i)副詞、(ii)名詞フレーズ、または(iii)名詞のうちの1つを含み、前記特定の動詞シグネチャを前記フラグメントと関連付けることは、さらに、
    前記特定の動詞シグネチャにおいて複数の主題役割の各々を識別することと、
    前記特定の動詞シグネチャにおける前記複数の主題役割の各々について、前記フラグメント内の対応する単語を前記主題役割にマッチングすることとを含む、請求項15に記載のシステム。
  17. (i)前記分類モデルは、ツリーカーネル学習を伴うサポートベクターマシンであるか、または(ii)前記分類モデルは、最大共通サブツリーの最近傍学習を用いる、請求項14に記載のシステム。
  18. 前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することは、さらに、
    前記コミュニケーション用談話ツリーとコミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することと、
    前記1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、追加のコミュニケーション用談話ツリーが前記コミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、前記追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択することと、
    分類モデルを前記コミュニケーション用談話ツリーに適用することにより、前記コミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるか否定的なセットからであるかを識別することとを含み、前記肯定的なセットは、説明の要求を含むテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、前記否定的なセットは、説明の要求のないテキストを表すコミュニケーション用談話ツリーを含み、前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することはさらに、
    前記識別することに基づいて、前記テキストが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む、請求項14に記載のシステム。
  19. 前記テキストにアクセスすることは、ユーザデバイスからテキストを受信することを含み、前記動作は、さらに、前記判断された説明の要求に基づいて応答を調整することと、前記調整された応答をユーザデバイスに与えることとを含む、請求項14に記載のシステム。
  20. 前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することは、さらに、
    前記コミュニケーション用談話ツリーとコミュニケーション用談話ツリーのトレーニングセットからの1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーとの間の類似性を判断することと、
    前記1つ以上のコミュニケーション用談話ツリーから、追加のコミュニケーション用談話ツリーが前記コミュニケーション用談話ツリーと最大数の類似性を有することに基づいて、前記追加のコミュニケーション用談話ツリーを選択することと、
    前記追加のコミュニケーション用談話ツリーが肯定的なセットからであるかまたは否定的なセットからであるかを識別することとを含み、前記肯定的なセットは説明の要求を含むテキストと関連付けられ、前記否定的なセットは説明の要求を含まないテキストと関連付けられ、前記分類モデルを前記テキストの前記サブセットに適用することは、さらに、
    前記識別することに基づいて、前記テキストが説明の要求を含むかどうかを判断することを含む、請求項14に記載のシステム。
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