JP2021507016A - セルロースを酸化するための方法 - Google Patents
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Abstract
セルロースをジアルデヒドセルロース(DAC)へ酸化するための方法であって、a)3〜5の範囲のpHを有する過ヨウ素酸塩水溶液でセルロースを酸化し、DACを含む酸化セルロースを形成する工程と、b)前記過ヨウ素酸塩水溶液を酸化セルロースから分離する工程と、c)分離した過ヨウ素酸塩水溶液を電解酸化により再生する工程と、d)再生した過ヨウ素酸塩水溶液のpHを3〜5の範囲の値に調整する工程と、e)工程a)における過ヨウ素酸塩水溶液として、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液を再利用する工程であって、任意選択的に新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量を、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液と組み合わせる工程と、を含む方法。
Description
発明の技術分野
本開示は、ジアルデヒドセルロース(DAC)膜の形成に用いられるDACへのセルロースの酸化方法に関し、特にこのような方法において酸化のために使用する過ヨウ素酸塩水溶液の再生及びリサイクルに関する。
本開示は、ジアルデヒドセルロース(DAC)膜の形成に用いられるDACへのセルロースの酸化方法に関し、特にこのような方法において酸化のために使用する過ヨウ素酸塩水溶液の再生及びリサイクルに関する。
マイクロフィブリル化セルロース(MFC)を含む膜は、良好なバリア性を有することが知られている。しかしながら、ガスバリア性は、周囲の環境における水分及び相対湿度に非常に依存している。したがって、水分又は水蒸気がMFC膜を膨張させて破壊することを防ぐために、MFC膜は一般的にポリマー膜でコーティングされる。
他の方法として、セルロースの湿度感受性を減少させるには、過ヨウ素酸ナトリウムでセルロースを化学修飾し、ジアルデヒドセルロース(DAC)を得ることである。機械的に加工することによりジアルデヒド繊維をフィブリルに崩壊させることができる。過ヨウ素酸塩酸化は、マイクロフィブリルを解放するための前処理方法として知られている。フィブリル化ジアルデヒドセルロースを用いることにより、耐湿性が向上したバリア膜を製造することができる。
残念ながら、過ヨウ素酸酸化剤は、環境に有害であり高価である。現実的な工業製造を実現するために、過ヨウ素酸塩の効率的な再生とリサイクルは欠かせない。しかし、一般的に過ヨウ素酸酸化剤を用いた多糖類の酸化、特にセルロースの酸化は、多くの異なる反応と生成しうる副生成物を含む複雑なプロセスである。また、セルロースの酸中に得られた過ヨウ素酸塩/ヨウ素酸塩溶液には、複合混合物が含まれ、これらの複合混合物の成分は再生プロセスに影響を及ぼす。したがって、セルロース酸化に用いられる過ヨウ素酸塩溶液の改良された再生方法が当該分野で必要とされている。
本開示の目的は、セルロースをジアルデヒドセルロース(DAC)へ酸化するための方法における過ヨウ素酸塩溶液を再利用するために改良された方法を提供することである。上記目的に関連した他の目的は、セルロースをジアルデヒドセルロース(DAC)へ酸化するための方法における過ヨウ素酸塩溶液を再利用する方法を改良することにより、セルロースをジアルデヒドセルロースへ酸化するコストを減少することである。
本開示の更なる目的は、周囲の相対湿度が高くても、良好なバリア特性を有する、マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースを含む膜の製造するために改良された方法を提供することである。
他の目的は、セルロースをジアルデヒドセルロースへ酸化するための方法で用いる化学薬品の消費を減少したことにより、環境、健康及び/又は経済的な利益を得ることである。
本願明細書において例示される第1の態様によれば、セルロースをジアルデヒドセルロース(DAC)へ酸化するための方法が提供され、当該方法は以下の工程を含む:
a)3〜5の範囲のpHを有する過ヨウ素酸塩水溶液でセルロースを酸化し、DACを含む酸化セルロースを形成する工程と、
b)前記過ヨウ素酸塩水溶液を酸化セルロースから分離する工程と、
c)分離した過ヨウ素酸塩水溶液を電解酸化により再生する工程と、
d)再生した過ヨウ素酸塩水溶液のpHを3〜5の範囲の値に調整する工程と、
e)工程a)における過ヨウ素酸塩水溶液として、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液を再利用する工程であって、任意選択的に新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量を、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液と組み合わせる工程。
a)3〜5の範囲のpHを有する過ヨウ素酸塩水溶液でセルロースを酸化し、DACを含む酸化セルロースを形成する工程と、
b)前記過ヨウ素酸塩水溶液を酸化セルロースから分離する工程と、
c)分離した過ヨウ素酸塩水溶液を電解酸化により再生する工程と、
d)再生した過ヨウ素酸塩水溶液のpHを3〜5の範囲の値に調整する工程と、
e)工程a)における過ヨウ素酸塩水溶液として、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液を再利用する工程であって、任意選択的に新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量を、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液と組み合わせる工程。
セルロースの酸化中において、少なくとも過ヨウ素酸塩の一部はヨウ素酸塩に還元される。したがって、工程b)において分離された過ヨウ素酸塩水溶液には、ヨウ素酸塩も含まれている。セルロースの更なる酸化に使えるようにするために、形成されたヨウ素酸塩は、再び過ヨウ素酸塩に変換されなければならない。
本開示の方法は、再生工程において化学酸化剤を添加することなく、また時間と費用のかかる精製工程を必要とすることなく、過ヨウ素酸塩水溶液の再生及び再利用を複数サイクル可能にする。
電解酸化は、以前から澱粉の酸化に用いられる過ヨウ素酸塩溶液の再生のために使用されてきた。しかしながら、澱粉の酸化は、セルロースの酸化より副生成物が少ない。酸化副生成物は、溶液中の過ヨウ素酸塩とさらに反応して、主な酸化反応に利用可能な過ヨウ素酸塩の減少をもたらし、それにより、DAC生成物が劣る場合がある。さらに、使用済み過ヨウ素酸塩溶液中の酸化副生成物は電解酸化プロセスを妨害する可能性があり、ある程度の再生に到達するために、高電流又は反応時間が必要とされる。したがって、多糖類酸化するための過ヨウ素酸溶液の以前の再生方法には、添加されたイオン種や酸化副生成物などの不純物を除去するために、過ヨウ素酸溶液を再利用する前に、たとえばイオン交換クロマトグラフィーなどに基づく精製工程も含まれていた。
本発明者は、電解酸化後に再生過ヨウ素酸塩溶液のpHを3〜5の範囲に調整することにより、主酸化反応中の副生成物の形成を低減できることを見出した。これにより、各使用間で時間とコストのかかる精製工程を必要とせずに、過ヨウ素酸塩溶液を複数のサイクルで再利用できることがわかった。実際に、本開示に係る方法は、6回の酸化及び再生サイクルを成功したことが示されており、プロセス又は得られた材料に重大な劣化がなく、サイクル数をさらに、例えば10回以上に増加させることが可能であることが想定される。
濾過溶液のpHが電解酸化後に調整されない場合、ヨウ素が、不要な過ヨウ素酸塩の還元により形成されると考えられる。この還元の効果は肉眼で見ることができ、再生溶液での2回目と3回目の酸化サイクル後に黄色/オレンジ色の濾過溶液が得られる。おそらく、還元はセルロース過酸化による副生成物と過ヨウ素酸塩及びヨウ素酸塩の反応が原因である。副生成物はセルロースが極めて低いpH環境(すなわちpH2より低い)で過ヨウ素酸塩と反応するときに形成される。ヨウ素形成の結果として、過ヨウ素酸塩の再生効率が低下し、実際には3回を超える酸化と再生のサイクルを実行することはできない。
濾過溶液のpHが電解酸化後に調整されない場合、ヨウ素が、不要な過ヨウ素酸塩の還元により形成されると考えられる。この還元の効果は肉眼で見ることができ、再生溶液での2回目と3回目の酸化サイクル後に黄色/オレンジ色の濾過溶液が得られる。おそらく、還元はセルロース過酸化による副生成物と過ヨウ素酸塩及びヨウ素酸塩の反応が原因である。副生成物はセルロースが極めて低いpH環境(すなわちpH2より低い)で過ヨウ素酸塩と反応するときに形成される。ヨウ素形成の結果として、過ヨウ素酸塩の再生効率が低下し、実際には3回を超える酸化と再生のサイクルを実行することはできない。
本発明者は、pH値が約4のとき、副生成物の形成が最少であり、過ヨウ素酸塩溶液の反復リサイクルの最適な条件であることを見出した。一部の態様によると、工程a)の過ヨウ素酸塩水溶液は、3.5〜4.5のpHを有し、好ましくは約4のpHを有する。
過ヨウ素酸塩溶液としては、過ヨウ素酸ナトリウム水溶液が好ましい。過ヨウ素酸ナトリウムは、過ヨウ素酸の無機塩である。過ヨウ素酸ナトリウムはナトリウム、ヨウ素及び酸素から構成される。過ヨウ素酸塩は、IO4 ―又はIO6 5―として存在する。DACを製造するときは、メタ過ヨウ素酸塩の形であるIO4 ―とセルロースが、以下の化学反応式に従って反応する:
セルロース+NaIO4→ジアルデヒドセルロース+NaIO3+H2O
セルロース+NaIO4→ジアルデヒドセルロース+NaIO3+H2O
一部の態様によると、工程a)のセルロースはパルプの形であり、セルロースの濃度は1〜10重量%であり、好ましくは、1〜5重量%であり、より好ましくは1〜3重量%である。
一部の態様によると、工程a)の過ヨウ素酸塩水溶液は、初期濃度が100〜230mMの範囲、好ましくは120〜160mMの範囲、より好ましくは約140mMの過ヨウ素酸塩水溶液の時に過ヨウ素酸塩イオンを含む。
一部の態様によると、工程a)の過ヨウ素酸塩水溶液は、0.30〜1.14のセルロースに対する過ヨウ素酸塩イオンのモル比を有する。また、pHとセルロースに対する過ヨウ素酸塩のモル比の微調整は、最適化された収率と最小化された過酸化の間の釣合いを確実にする。
セルロース酸化の反応温度は、速い反応速度を得ると共に、許容できない程度の関与成分の分解又は副生成物形成を引き起こさないように、好ましく選択される。特に、過ヨウ素酸塩は55℃を上回った温度で分解を始めるが、より短い反応時間が過ヨウ素酸塩分解を補うことができるため、55℃を僅かに上回った温度ではまだ使うことができる。一部の態様によると工程a)におけるセルロースは、30〜70℃の範囲、好ましくは30〜60℃の範囲、より好ましくは約50℃の温度で、過ヨウ素酸塩水溶液に接触される。
もちろんセルロース酸化するために必要とされる反応時間は、反応条件によって、変化する。一部の例示的な態様によると、工程a)におけるセルロースは、0.5〜5時間の範囲、好ましくは1〜4時間の範囲、より好ましくは、2〜3時間の範囲の期間で過ヨウ素酸塩水溶液に接触される。しかしながら、当業者は、より長い、又はより短い反応時間が、例えば、pH、過ヨウ素酸塩濃度、温度及び好ましい程度の酸化によって必要とされることを理解する。
適切なバリア特性及び耐湿性を有するバリア膜形成に有用にするために、得られた酸化セルロースは、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%の酸化程度を有すべきである。したがって、一部の態様によると、工程a)におけるセルロースの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%が、DACに酸化される。
追加の化学酸化剤を用いずに過ヨウ素酸塩溶液の反復再生及びリサイクルを可能にするため、本開示の方法は更に有利である。一部の態様によれば、過ヨウ素酸塩水溶液は、追加の化学酸化剤を入れることなく電解酸化により再生される。化学薬品の添加量を減少する結果、過ヨウ素酸塩溶液の必要な後処理及び精製工程を減少することができ、廃棄が少なくなり、プロセスの経済性が向上する。
一部の態様によれば、電解酸化は陽イオン交換膜によって分かれたカソードチャンバー及びアノードチャンバーを含む電解槽において行う。カソードチャンバーには、カソードを有するが、ステンレス鋼で作製されたカソードが好ましい。また、アノードチャンバーには、アノードを有するが、Ti基板上のPbO2で作製されたアノードが好ましい。
再生工程の反応速度は、電解槽のタイプ、構成及びサイズ、電流密度及び温度を含む多くのパラメータに依存する。当業者は、パラメータの異なる組合せを用い、実質的に同じ結果を達成できることを理解する。一部の例示的態様によれば、電解酸化は1dm2当たり100〜2000mAの範囲、例えば1dm2当たりの300〜650mAの範囲の電流密度で行われる。
一部の例示的態様によれば、電解酸化が10〜30℃の範囲、好ましくは20〜30℃の範囲の温度で行われる。一部の例示的態様によれば、電解酸化は、5〜30時間の範囲の期間で行われる。
工程a)で使われる過ヨウ素酸塩水溶液は、好ましくは100〜230mMの範囲で、好ましくは120〜160mMの範囲で、より好ましくは約140mMの初期濃度で過ヨウ素酸塩イオンを含む。それに応じて、一部の態様において、再生された過ヨウ素酸塩水溶液は、少なくとも100mMで、好ましくは少なくとも120mMで、より好ましくは少なくとも140mMの濃度で過ヨウ素酸塩イオンを含む。
電解酸化後の過ヨウ素酸塩水溶液のpHは、通常2未満で、例えば1.5未満である。その後、pH値は3〜5の範囲の値に調整される。一部の態様によれば、工程d)の再生された過ヨウ素酸塩水溶液のpHは、3.5〜4.5の範囲の値に、好ましくは約pH4.0に調整される。本発明者は、pH値が約4では、副生成物の形成が最も少なく、また過ヨウ素酸塩溶液の反復リサイクルのための最適条件であることを見出した。
一部の態様によれば、pHは、NaOHの添加により調整される。従来技術の指摘に反して、少なくとも想定される再生サイクルの範囲では、例えば6〜10サイクルでは、pHを調整するために添加されるNaOHなどの塩基は、主な酸化反応又は再生反応に影響を与えないと考えられる。過ヨウ素酸塩溶液の過度の希釈を避けるために、大量の希水酸化ナトリウム水溶液より、濃縮水酸化ナトリウム水溶液又は固体NaOHを添加することが好ましい。一部の態様によれば、pHは、固体のNaOH又は濃度が少なくとも0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより調整される。
一部の態様によれば、再生された過ヨウ素酸塩水溶液は、それ以上精製せずに、再生及びpHの調整後に直接再利用される。
当然、各酸化及び再生サイクルは、一定の過ヨウ素酸塩溶液の損失が生じる。過ヨウ素酸塩溶液の体積を十分に維持するために、新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量を補充することができる。新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液は、最初のセルロース酸化工程において用いられる過ヨウ素酸塩水溶液と同じ、又はよりわずかに高い過ヨウ素酸塩イオン濃度を有することが好ましい。わずかにより高い濃度は、例えば電解酸化の100%未満の効率に起因して減少する過ヨウ素酸塩濃度を補充する。一部の態様によれば、新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量は、工程a)に使用される過ヨウ素酸塩水溶液の合計体積の1〜30%、好ましくは1〜20%、より好ましくは1〜10%を構成する。過ヨウ素酸塩水溶液の量及び濃度は、水を追加することにより調整することもできる。
本発明者は、驚くべきことに、本発明の方法を用いることにより、追加の後処理及び精製をせずに同じ過ヨウ素酸塩水溶液は効果的に再生され、少なくとも5回再利用することができることを発見した。一部の態様によれば、同じ過ヨウ素酸塩水溶液は、少なくとも3回、好ましくは少なくとも4回、より好ましくは少なくとも5回、再生及び再利用される。本発明者は、本発明の方法により少なくとも5回まで再生された過ヨウ素酸塩溶液を用いて調整されたDACからなるDAC膜は、新鮮な過ヨウ素酸塩溶液(すなわち、使用及び再生をされていない)を用いて調整されたDACからなるDAC膜と比べて、バリア特性を保持していることをさらに示した。
適切なバリア性及び耐湿性を有するバリア膜の形成に有用であるために、DACを含む酸化セルロースは、最初にフィブリル化されなければならない。このように、一部の態様によれば、本方法は下記工程をさらに含む: DACを含む分離した酸化セルロースを、任意選択的にマイクロフィブリル化セルロース(MFC)と共に、フィブリル化に供し、マイクロフィブリル化DAC、又は、DAC及びMFCのマイクロフィブリル化混合物を得る工程e)。
本願明細書において例示される第2の態様によれば、膜の少なくとも一つの層を製造する方法が提供され、当該方法は下記工程を含む:
(i)マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロース(DAC)及びマイクロフィブリル化セルロース(MFC)の混合物、又は、(ii)DAC及びMFCのマイクロフィブリル化混合物、を含む懸濁液を提供する工程と、
前記懸濁液を基板に塗布し、繊維ウェブを形成する工程と、
前記繊維ウェブを乾燥させ、前記膜の少なくとも一種の層を形成する工程。
前記DACは、上記第1の態様に記載の方法により得られる膜。
(i)マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロース(DAC)及びマイクロフィブリル化セルロース(MFC)の混合物、又は、(ii)DAC及びMFCのマイクロフィブリル化混合物、を含む懸濁液を提供する工程と、
前記懸濁液を基板に塗布し、繊維ウェブを形成する工程と、
前記繊維ウェブを乾燥させ、前記膜の少なくとも一種の層を形成する工程。
前記DACは、上記第1の態様に記載の方法により得られる膜。
MFCを含む第1懸濁液とマイクロフィブリル化DACを含む第2懸濁液を混合することによって、又はDAC及びMFCのマイクロフィブリル化混合物を使用することによって、非常に安定な懸濁液又は混合物を製造することができることが見出された。フィブリルの不均一な分布はバリア特性の低下を招くため、バリア材料の製造に使用される懸濁液が安定していることは重要である。さらに、MFCとマイクロフィブリル化DACの両方を使用すると、高湿度、特に変動する湿度で、膜に優れたバリア特性を与える膜の少なくとも一種の層を製造することができることが見出された。
一部の態様によれば、懸濁液は、混合物の合計繊維重量に基づき、20〜95重量%のマイクロフィブリル化DACを含む。マイクロフィブリル化DACの量は、MFC及びマイクロフィブリル化DACの最終用途及び特性に応じて変化する可能性がある。
一部の態様によれば、懸濁液は、混合物の合計繊維重量に基づき、5〜80%のマイクロフィブリル化セルロースを含む。
一部の態様によれば、基板に塗布された混合物の乾燥含量は1〜10重量%の間である。混合物の乾燥含量は、混合物が塗布される基板に応じて変化する可能性がある。
膜の少なくとも一種の層が、前記混合物を基板に塗布して繊維ウェブを形成し、前記ウェブを乾燥して、前記膜の少なくとも一種の層を形成することによって製造される。前記ウェブの乾燥は、従来のいかなる方法で実施することができる。乾燥した膜の少なくとも一種の層の乾燥含量は95重量%を超えることが好ましい。
膜の少なくとも一種の層が、23℃で50%の相対湿度において、及び/又は、38℃で90%の相対湿度においてASTM D−3985による、0.1〜300cc/m2/24hの範囲の酸素透過率を有することが好ましい。本発明により、高湿度で非常に良好な酸素バリア特性を有する膜の少なくとも一種の層を製造することができる。本発明による膜は、湿度の変動に対してより耐性があること、すなわち、湿度が変化する場合であっても、膜は依然として良好なバリア特性を有することが特に見出された。
膜形成用の基板は、好ましくはポリマー又は金属基板である。前記基板上に混合物がキャストコーティングされることが好ましい。キャストコーティングされた繊維ウェブは、いかなる従来方法で乾燥されてもよく、その後、任意で基板から剥ぎ取られることができる。基板上に二種以上の層をキャスト又はコーティングすることにより多層膜を形成することが可能である。二種以上の層を含む膜を製造することが可能であり、膜の少なくとも一種の層が、本発明の混合物を含む。膜の二種以上の層が本発明による混合物を含むことも可能である。膜の一種以上の層がマイクロフィブリル化セルロースのみを含む、すなわち、マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースを含まないことも可能である。膜は、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種又はそれ以上の層を含むことができる。
基板は、製紙機械、すなわち、当業者に知られている、紙、板紙、ティッシュ又はいかなる類似の製品を製造するために用いられるいかなる種類の製紙機械の、多孔性ワイヤーであってもよい。
基板は、コーティングされた製品を形成するために混合物が塗布される紙又は板紙製品であってもよい。
本発明の方法は、乾燥後、膜を押圧する工程を更に含むことができる。膜が乾燥後に高い圧力に供されると、膜のバリア特性が向上することが示された。押圧する際にかける圧力は、好ましくは40kN/m2より高く(過圧)、より好ましくは100〜900kN/m2の間である。押圧は、10分未満、好ましくは1秒〜10分の間継続する。押圧は高温で行われるのが好ましい。膜を押圧している間、温度は好ましくは50〜200℃の間に、好ましくは100〜150℃の間に昇温させる。押圧は、例えば押圧機又はカレンダなどのいかなる従来設備において行うことができる。形成された膜の押圧、好ましくは熱プレスの使用を組み合わせることにより、膜のバリア特性が非常に増加する。
混合物は、添加物を更に含むことができ、好ましい添加物は、澱粉、カルボキシメチルセルロース、充填材、保持化学品、凝集添加物、解凝集添加物、乾燥強化添加物、軟化剤、又はこれらの混合物のいずれか一種である。添加物は、第1懸濁液、第2懸濁液、及び/又は混合物に加えることが可能である。
一部の態様によれば、マイクロフィブリル化DACは、少なくとも20%の酸化度を有する。いくつかの態様では、マイクロフィブリル化DACは、25〜75%間の酸化度を有する。
一部の態様によれば、混合物は、澱粉、カルボキシメチルセルロース、充填材、保持化学品、凝集添加物、解凝集添加物、乾燥強化添加物、軟化剤、又はこれらの混合物のいずれか一種をさらに含む。
マイクロフィブリル化セルロースは、機械、熱機械、又は化学パルプから生成されるマイクロフィブリル化セルロースである。マイクロフィブリル化セルロースは、クラフトパルプから生成されるのが好ましい。マイクロフィブリル化セルロースのショッパー・リーグラー値(SR°)は90以上が好ましい。他の態様によれば、MFCのショッパー・リーグラー値(SR°)は、93超であってもよい。さらに別の態様によれば、MFCのショッパー・リーグラー値(SR°)は95超であってもよい。ショッパー・リーグラー値は、EN ISO 5267−1に定めた標準方法により得られる。このように高いSR値は、添加化学薬品の有無にかかわらず、パルプに応じて決定されるため、繊維は圧密化して膜になっていない、又は例えば角質化していない状態である。崩壊及びSR測定の前のこの種のウェブの乾燥固体含量は、50%(w/w)未満である。ショッパー・リーグラー値を決定するために、湿潤ウェブの密度が比較的低いワイヤー工程の直後にサンプリングすることが好ましい。当業者は、保持剤又は脱水剤などの製紙用薬品がSR値に影響を及ぼすことを理解している。本願明細書において特定されたSR値はMFC材料自体の特徴を反映する指標であり、制限ではないと理解される。
この文脈において、マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースはマイクロフィブリル化の
方法で処理されたジアルデヒドセルロース意味している。マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースの生成は、ジアルデヒドセルロースを例えばホモジェナイザー、又はフィブリル化が起こり、マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースが生成するような他の方法で行われる。マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースの酸化度は25〜75%の間であり、30〜65%の間が好ましく、30〜50%の間がより好ましく、35〜45%の間が最も好ましい。酸化度は以下の記述により決定する:ジアルデヒドセルロース反応後、セルロースのジアルデヒドに変換するC2−C3結合の量を測定する。酸化度は、すべてのC2−C3結合に対する変換するC2−C3結合の量とする。
方法で処理されたジアルデヒドセルロース意味している。マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースの生成は、ジアルデヒドセルロースを例えばホモジェナイザー、又はフィブリル化が起こり、マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースが生成するような他の方法で行われる。マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースの酸化度は25〜75%の間であり、30〜65%の間が好ましく、30〜50%の間がより好ましく、35〜45%の間が最も好ましい。酸化度は以下の記述により決定する:ジアルデヒドセルロース反応後、セルロースのジアルデヒドに変換するC2−C3結合の量を測定する。酸化度は、すべてのC2−C3結合に対する変換するC2−C3結合の量とする。
酸化度はH.Zhao及びN.D.Heindelの「塩酸ヒドロキシルアミン法によるポリアルデヒドデキストランのホルミル基の置換度の決定」Pharmaceutical Research、第8巻、pp.400−402、1991(利用できるアルデヒドが塩酸ヒドロキシルアミンをと反応する)による方法で測定する。オキシム基が生成し、塩酸が放出される。pH4に達するまで、塩酸は水酸化ナトリウムにより滴定される。その後酸化度は下記式により算出される。酸化された無水グルコースユニットは2つのアルデヒド基を有するため、得られたアルデヒド含有量は2で割って酸化度の値を求める
VNaOH=pH4に至るまでに必要な水酸化ナトリウム量(l)
CNaOH=0.1mol/l
mサンプル=分析するDACサンプルの乾燥重量(g)
Mw=160g/mol ジアルデヒドセルロース・ユニットの分子量
VNaOH=pH4に至るまでに必要な水酸化ナトリウム量(l)
CNaOH=0.1mol/l
mサンプル=分析するDACサンプルの乾燥重量(g)
Mw=160g/mol ジアルデヒドセルロース・ユニットの分子量
混合物は、添加物を更に含んでもよく、澱粉、カルボキシメチルセルロース、充填材、保持化学品、凝集添加物、解凝集添加物、乾燥強度添加物、軟化剤、又はこれらの混合物が好ましい。混合物及び/又は生成された膜の異なる特性を改善する添加物を添加することが出来る。添加物は、第1懸濁液、第2懸濁液、及び/又は混合物に添加することが可能である。ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ソルビン酸、プロピレングリコール、エリスリトール、マルチトール又はポリエチレン酸化物などの軟化剤を使用することにより膜の一部の機械的特性、特に引張破断特性が変性又は改善することが示されている。ソルビトールの使用量は、膜の乾燥重量の1〜20%の間が好ましい。
一態様によれば、マイクロフィブリル化セルロース及びマイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースを含む膜は、標準ASTM D−3985に従い、23℃で50%の相対湿度及び/又は38℃で90%の相対湿度において測定される酸素透過率が、0.1〜300cc/m2/24hの範囲である。
生成された膜のマイクロフィブリル化セルロースの量は、膜の合計乾燥重量に対して5〜80重量%であり、膜の合計乾燥重量に10〜60重量%であるのが好ましく、膜の合計乾燥重量に対して10〜40重量%であるのより好ましい。生成された膜のマイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロースの量は、膜合計乾燥重量に対して20〜95重量%であり、膜の合計乾燥重量に対して40〜90重量%であるのが好ましく、膜の合計乾燥重量に対して60〜90重量%であるのがより好ましい。
一態様によれば、膜の目付重量は、50g/m2未満、又は35g/m2未満、又は25g/m2未満であってもよい。目付重量は少なくとも10g/m2であることが好ましく、10〜50g/m2であることが好ましく、10〜35g/m2であることがさらにより好ましく、10〜25g/m2であることが最も好ましい。
本特許出願の文脈においてマイクロフィブリル化セルロース(MFC)はナノスケールセルロース繊維又は少なくとも一面が100nm未満であるフィブリルを意味するものとする。MFCは、部分的に、又は、全体的にフィブリル化されたセルロース又はリグノセルロース繊維を含む。解放されたフィブリルは直径が100nm未満であるが、実際のフィブリルの直径又は粒子サイズ分布及び/又はアスペクト比(長さ/幅)は供給源及び製造方法に依存する。最も小さいフィブリルは、エレメンタリーフィブリルと呼ばれ、直径が約2〜4nmであり(例えばChinga−Carrasco,G.「セルロース繊維、ナノフィブリル及び、マイクロフィブリル:植物生理学及び繊維技術の観点からのMFC構成要素の形態学的なシーケンス」Nanoscale reseach letters 2011、6:417を参照)、エレメンタリーフィブリルの凝集形、マイクロフィブリルとして定義される(Fengel.D.細胞壁多糖類の超構造的習性、Tappi J.1970年3月、Vol 53、No.3)。一般的には、例えば精製延伸工程又は圧降下崩壊工程によってMFCを生成する場合に得られる主な生成物である。供給源及び製造工程に依存するため、フィブリルの長さは、約1〜10マイクロメートル以上まで変動する。粗さのMFC等級は、フィブリル化した繊維(すなわち仮導管(セルロース繊維)から突出しているフィブリル)の実質的な画分、及び、仮導管(セルロース繊維)から解放された一定量のフィブリルと併せた実質的な画分を含有する可能性がある。
MFCについて、例えばセルロースマイクロフィブリル、フィブリル化したセルロース、ナノフィブリル化したセルロース、フィブリル凝集体、ナノスケールセルロースフィブリル、セルロースナノファイバー、セルロースナノフィブリル、セルロースマイクロファイバー、セルロースフィブリル、マイクロフィブリラーセルロース、マイクロフィブリル凝集体及びセルロースマイクロフィブリル凝集体などの異なる頭字語がある。MFCは広い表面積、又は水に分散すると、低い固体率(1〜5重量%)でゲル様物質を形成する能力のような様々な物理学的又は物理化学的特性によって特徴づけられる。セルロース繊維は、BET方法でフリーズドライ化した物質で決定され、形成されたMFCの最終的な比表面積が約1〜約200m2/g、より好ましくは50〜200m2/gの範囲にフィブリル化することが好ましい。
MFC生成には一回もしくは複数経路精製、精製前の予備加水崩壊、又は高剪断崩壊もしくはフィブリルの解放などのさまざまな方法が存在する。MFC製造をエネルギー効率良く及び持続可能に行うためには1つあるいは複数の前処理工程が通常必要とされる。したがって供給されるパルプのセルロース繊維は、例えば繊維を加水崩壊する、もしくは膨張させる、又はヘミセルロースもしくはリグニンの量を減らすため、酵素学的に、又は化学的に前処理してもよい。セルロース繊維はフィブリル化の前に化学的に変性してもよく、変性によりセルロース分子は、元のセルロースに存在するものとは別の(又はより多くの)官能基を含むことになる。それらの官能基にはカルボキシメチル(CMC)、アルデヒド及び/又はカルボキシル基(N―オキシル媒介酸化により得られたセルロース、例えば「TEMPO」)又は4級アンモニウム(カチオンセルロース)などが含まれる。上記の方法の1つで変性するか、又は酸化した後は、繊維をMFC又はナノフィブリラーサイズ(NFC)に崩壊することがより容易になる。
ナノフィブリラーセルロースは、若干のヘミセルロースを含んでもよく、その量は製造設備源に依存する。前処理した繊維、例えば加水崩壊した、予め膨張させた、又は酸化したセルロース原料の機械的崩壊は、例えば精砕機、粉砕機、ホモジナイザー、磨砕機、摩擦粉砕機、超音波発生装置、マイクロ流動化装置もしくはマクロ流動化装置等の流動化装置、又は流動化装置型ホモジナイザーなどの適切な装置で実施される。MFC製造方法によって、生成物は微粉、すなわちナノ結晶質セルロース、又は例えば木材繊維もしくは製紙工程において存在する他の化学薬品も含んでもよい。生成物は効率的にフィブリル化されなかった、さまざまな量のミクロン・サイズ繊維粒子も含んでもよい。
MFCは木材セルロース繊維、硬材又は軟木繊維の両方から生成される。微生物源、小麦わらパルプ、竹、バガス、又は他の非木材繊維源などの農業繊維からも生成できる。機械、化学、及び/又は、熱機械パルプなどの未使用繊維由来のパルプを含むパルプから生成されるのが好ましい。損紙又は再生紙からも生成できる。
上記のMFCの定義は、限定されるものではないが、結晶及び非結晶両方の領域の、幅5〜30nmで高いアスペクト比(通常50以上のアスペクト比)の複数のエレメンタリーフィブリルを含むセルロースナノファイバー材料を規定するセルロースナノフィブリル(CNF)について、新たに提案されたTAPPI標準W13021を含む。
本発明をさまざまな典型的な実施形態に関して記載したが、本発明の本質的な範囲を逸脱しない限り、さまざまな変更がなされてもよく、本発明の成分を同等の物で置換してもよいことは、当業者に理解されるであろう。更に、発明の本質的な範囲を逸脱しない限り、特定の状況又は材料を本発明の教示に適応させるために多くの改変を行ってもよい。従って、本発明は、本発明を実行するために考察された最良の方法として開示される特定の実施例に限定されないが、本発明は添付の請求の範囲内のすべての実施例を含むことを意図する。
材料及び装置:SR°30に精製された漂白硫酸塩パルプ及びMFCは、ストラ・エンソ社のイマトラのKaukopaa工場から入手した。過ヨウ素酸ナトリウムは、シグマアルドリッチ社から、そして、AJAY Europe Sarl社から購入した。ペレット状の水酸化ナトリウムは、シグマアルドリッチ社から購入した。Electro MP Cell電解槽は、ElectroCell社から購入した。
[例1-セルロース酸化及びpH調整を伴う過ヨウ素酸塩再生]
パルプは、水溶液の過ヨウ素酸ナトリウムを使用して酸化した。パルプの濃度は、水道水において2%であり、pH値は開始時に0.5MのH2SO4によりpH4.0に調整した。パルプ濃度2%は123mMに対応し、そして、過ヨウ素酸塩の濃度は、過ヨウ素酸塩イオンのセルロースに対するモル比1.14に対応する140mMである。
パルプは、水溶液の過ヨウ素酸ナトリウムを使用して酸化した。パルプの濃度は、水道水において2%であり、pH値は開始時に0.5MのH2SO4によりpH4.0に調整した。パルプ濃度2%は123mMに対応し、そして、過ヨウ素酸塩の濃度は、過ヨウ素酸塩イオンのセルロースに対するモル比1.14に対応する140mMである。
表1に示すように、一連の酸化後過ヨウ素酸塩電解酸化再生を連続して6回実行した。各酸化は50℃で2時間45分行われた。100%新鮮な過ヨウ素酸ナトリウム(140mMの水溶液)は第1の酸化(すなわちKV1−T1)にのみ用いられた。各酸化の後、過ヨウ素酸塩濃度は、140mM〜60mM未満又は40mM未満にさえ減少した。
酸化中に生じるヨウ素酸塩は、濾過液の電気分解中に過ヨウ素酸塩に電気化学的に再生した。電解再生は、二酸化鉛アノード(面積1dm2)、ステンレス鋼カソード及びナフィオン膜N324を有する2区画のElectro MP Cellにおいて実行した。再生した濾過液は、室温で電解槽のアノード区画を通過して循環した。NaOH溶液をカソード液として用いた。適用した電流密度は、400〜650mA/dm2であった。
過ヨウ素酸塩濃度は、再生工程を確認するためUV―Vis分光光度計を使用して観察された。
UV―Vis分光光度計(Evolution201、UV―visible サーモ フィッシャー サイエンティフィク社 米国)とクォーツ・キュベットを用いて過ヨウ素酸塩分析を行った。サンプルを脱イオン水で2500倍に2工程で希釈し、400nmと200nmの範囲で吸光度を測定した。測定は2回繰り返し、ca219nmのピークの吸光度(ABS.1及びAbs.2)を用いて過ヨウ素酸塩濃度を算出した。
UV―Vis分光光度計(Evolution201、UV―visible サーモ フィッシャー サイエンティフィク社 米国)とクォーツ・キュベットを用いて過ヨウ素酸塩分析を行った。サンプルを脱イオン水で2500倍に2工程で希釈し、400nmと200nmの範囲で吸光度を測定した。測定は2回繰り返し、ca219nmのピークの吸光度(ABS.1及びAbs.2)を用いて過ヨウ素酸塩濃度を算出した。
比率は異なるが合計の濃度は常に140mMで過ヨウ素酸塩とヨウ素酸塩を含む溶液で検量線を作成した。過ヨウ素酸塩濃度が70mM〜140mMの溶液を用いた。
濾過液の過ヨウ素酸塩の少なくとも約90%及び最高約97%が電解再生され、補填量の過ヨウ素酸ナトリウムと水の添加及びpH4.0への調整の後、次の酸化に用いられた。補填量は主に再生後の濾過液の量及び電解再生の効率に依存し、12%と29%の間で変化する(エラー!引用元がみつからない参照)。pH調整は、NaOHで行った。各酸化の開始時に用いた溶液には、140mMの過ヨウ素酸塩及び2%のパルプが含まれた。図1の左のサンプル容器の様に、6回目の酸化工程の後得られた濾過液は、まだ実質的には無色であった。
濾過液の過ヨウ素酸塩の少なくとも約90%及び最高約97%が電解再生され、補填量の過ヨウ素酸ナトリウムと水の添加及びpH4.0への調整の後、次の酸化に用いられた。補填量は主に再生後の濾過液の量及び電解再生の効率に依存し、12%と29%の間で変化する(エラー!引用元がみつからない参照)。pH調整は、NaOHで行った。各酸化の開始時に用いた溶液には、140mMの過ヨウ素酸塩及び2%のパルプが含まれた。図1の左のサンプル容器の様に、6回目の酸化工程の後得られた濾過液は、まだ実質的には無色であった。
[例2(比較例 pH調整を行わないCellulose酸化及び過ヨウ素酸塩再生]
表2に示すように、再生した濾過液のpH調整を行わずに実施例1を再度行った。
表2に示すように、再生した濾過液のpH調整を行わずに実施例1を再度行った。
再生後濾過液のpH調整が行われないと、ヨウ素が不要な過ヨウ素酸塩の還元により形成される。この還元の効果は2及び3回目の酸化の後得られた再生した濾過液の黄色/オレンジ呈色として観察できる。3回目の酸化の後得られた濾過液は図1の中央及び右のサンプル容器で示される。還元はおそらく過ヨウ素酸塩及びヨウ素酸塩の反応、ならびにセルロース過酸化の副生成物により引き起こされる。過酸化はセルロースが非常に低いpH、すなわち2より低いpHで過ヨウ素酸塩と反応する時に起こる
ヨウ素形成の結果、過ヨウ素酸塩再生効率は低下した。さらに、3回を超える酸化サイクルを行うことは実際には不可能であると判明した。A−T1からA−T3の酸化においてDACで膜形成されなかった。
[例3-DAC膜形成]
DAC膜を実施例1のDAC生成物の各々から形成した。各DACについて以下の方法を、6回行った。3%のDACと3%のMFCを3:2の比率で混合した。得られた懸濁液を3回流動させ、真空濾過し坪量約40gsmの丸形の膜を得た。膜は、10kPaの圧力下で、100℃で10秒間熱プレスを行った。
DAC膜を実施例1のDAC生成物の各々から形成した。各DACについて以下の方法を、6回行った。3%のDACと3%のMFCを3:2の比率で混合した。得られた懸濁液を3回流動させ、真空濾過し坪量約40gsmの丸形の膜を得た。膜は、10kPaの圧力下で、100℃で10秒間熱プレスを行った。
MFC及びDA−MFCの混合物を含む膜のOTR値は、最初に23℃で50%(23/50)の湿度で測定し、次に2回の異なるサイクルで、38℃で90%(38/90)の湿度で測定した。実際すべての値が定常状態に到達したことを除き、OTR値は、標準ASTM D−3985に従って測定した。(38/90)の2回の測定の間、膜は室温(23℃湿度50%)で24時間保管し、OTR値を38℃で90%の高湿度でもう一度測定した。表3に示すように、各酸化後得られた膜はバリア特性を保持した。
Claims (32)
- セルロースをジアルデヒドセルロース(DAC)へ酸化するための方法であって、当該方法は下記工程を含む:
a)3〜5の範囲のpHを有する過ヨウ素酸塩水溶液でセルロースを酸化し、DACを含む酸化セルロースを形成する工程と、
b)前記過ヨウ素酸塩水溶液を酸化セルロースから分離する工程と、
c)分離した過ヨウ素酸塩水溶液を電解酸化により再生する工程と、
d)再生した過ヨウ素酸塩水溶液のpHを3〜5の範囲の値に調整する工程と、
e)工程a)における過ヨウ素酸塩水溶液として、pH調整した過ヨウ素酸塩水溶液を再利用する工程であって、任意選択的に新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量をpH調整した過ヨウ素酸塩水溶液と組み合わせる、工程。 - 工程a)における過ヨウ素酸塩水溶液は、3.5〜4.5の範囲のpH、好ましくは約4のpHを有する、請求項1に記載の方法、
- 工程a)におけるセルロースに対する過ヨウ素酸塩イオンのモル比が0.3〜1.14の間である、請求項1又は2に記載の方法。
- 工程a)における過ヨウ素酸塩水溶液は、初期濃度で100〜230mMの範囲で、好ましくは120〜160mMの範囲で、より好ましくは約140mMの、過ヨウ素酸塩イオンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)におけるセルロースは、30〜70℃の範囲、好ましくは30〜60℃の範囲、より好ましくは約50℃の温度で、過ヨウ素酸塩水溶液に接触される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)におけるセルロースは、3時間未満、好ましくは1〜3時間の範囲の期間、過ヨウ素酸塩水溶液に接触される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 工程a)におけるセルロースの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%が、DACへ酸化される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 過ヨウ素酸塩水溶液は、化学的酸化剤の添加なしに電解酸化により再生される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 電解酸化は、カソードチャンバーと、陽イオン交換膜によって分離したアノードチャンバーとを備える電解槽において行われ、前記カソードチャンバーは、カソード(好ましくはステンレス鋼製)を含み、前記アノードチャンバーは、アノード(好ましくはTi基板上のPbO2製)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 電解酸化は、1dm2当たり300〜650mAの範囲の電流密度で実行される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 電解酸化は、10〜30℃の範囲、好ましくは20〜30℃の範囲の温度で実行される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 電解酸化は、5〜30時間の範囲の期間で実行される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 再生した過ヨウ素酸塩水溶液は、少なくとも100mM、好ましくは少なくとも120mMの濃度で過ヨウ素酸塩イオンを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 電解酸化後の過ヨウ素酸塩水溶液のpHが2以下、例えば、1.5以下である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 工程d)における再生した過ヨウ素酸塩水溶液のpHは、3.5〜4.5の範囲、好ましくは約4.0の値に調整される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- pHは、NaOHの添加により調整される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- pHは、固体のNaOH又は少なくとも0.1Mの濃度を有するNaOH水溶液の添加により調整される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
- 再生した過ヨウ素酸塩水溶液は、再生及びpHの調整の後、さらなる精製なしに直接再利用される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 新鮮な過ヨウ素酸塩水溶液の補填量は、工程a)において使用される過ヨウ素酸塩水溶液の合計体積の1〜30%、好ましくは1〜20%、より好ましくは1〜10%を構成する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 同じ過ヨウ素酸塩水溶液は、少なくとも3回、好ましくは少なくとも4回、より好ましくは少なくとも5回、再生及び再利用される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法であって、さらに下記工程を含む、方法: e)DACを含む分離した酸化セルロースを、任意選択的にマイクロフィブリル化セルロース(MFC)と共に、フィブリル化に供し、マイクロフィブリル化DAC、又はDAC及びMFCのマイクロフィブリル化混合物を得る工程。
- 膜の少なくとも一つの層を製造する方法であって、当該方法は、
(i)マイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロース(DAC)及びマイクロフィブリル化セルロース(MFC)の混合物、又は、(ii)DAC及びMFCのマイクロフィブリル化混合物、を含む懸濁液を提供する工程と、
前記懸濁液を基板に塗布し、繊維ウェブを形成する工程と、
前記繊維ウェブを乾燥させ、前記膜の少なくとも一種の層を形成する工程と、
を含み、
前記DACは請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法により得られる、
方法。 - 前記懸濁液は、前記混合物の合計繊維重量に基づき、20〜95重量%のマイクロフィブリル化DACを含む、請求項22に記載の方法。
- 前記懸濁液は、前記混合物の合計繊維重量に基づき、5〜80%のマイクロフィブリル化セルロースを含む、請求項22又は23に記載の方法。
- 前記基板に塗布された混合物の乾燥含量が1〜10重量%の間である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
- 前記膜の少なくとも一種の層が、23℃で50%の相対湿度における、及び/又は、38℃で90%の相対湿度におけるASTM D−3985による、0.1〜300cc/m2/24hの範囲の酸素透過率を有する、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
- 前記基板は、ポリマー又は金属基板である、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
- 乾燥後に前記膜を押圧する工程を更に含む、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
- 前記膜を押圧している間、温度が100〜150℃に昇温される、請求項28に記載の方法。
- 前記混合物は、澱粉、カルボキシメチルセルロース、充填材、保持化学品、凝集添加物、解凝集添加物、乾燥強度添加物、軟化剤、又はこれらの混合物のいずれかひとつを更に含む、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
- マイクロフィブリル化DACは、少なくとも20%の酸化度を有する、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
- 膜の少なくとも一種の層を製造するための、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法によって得られたマイクロフィブリル化ジアルデヒドセルロース(DAC)の使用。
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