JP2021503353A - バランスを定量化するための改善された方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、個人のバランスを表す値を取得するために前記個人のバランスを定量化するための方法に関し、前記方法は、少なくとも1つのデータ処理モジュール、1つの記憶手段、および1つの分類モジュールを備えるデバイスによって実施されるものであり、前記方法は詳細には、− いくつかの重心動揺図の部分を生成するために、個人の重心動揺図を、時間の関数として分割するステップと、− 重心動揺図の部分から、少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するステップと、− 分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分の各々について、抽出ステップにおいて抽出された軌跡パラメータの値から、少なくとも2つの定量子の値を判定するステップと、− 重心動揺図の部分の各々の定量子の値から、個人のバランスを表す前記値を判定するステップとを含む。【選択図】図3
Description
本発明は、個人のバランスの定量化の分野に関する。より具体的には、本発明は、人のバランスを定量化するための方法、この方法を実施することができるデバイス、および前記デバイスを組み込むシステムに関するものである。本発明は、たとえばリハビリテーションプロセスの枠組みの中で、自己定量化手法における、または高齢者における、特に転倒することのリスクを警告するために、特にこのバランスの変遷を監視することを可能にするものである。
静的バランスおよび動的バランスは、人々の日々の動作の必須の要素であり、不均衡は転倒の主な原因となっている。姿勢制御は、視覚系、固有受容系および前庭系、ならびに中枢神経系の組合せによって達成される。これらの系の欠損または障害により、個人の姿勢制御が次第に悪化し、したがって転倒することのリスクが高まる恐れがある。
2012年度の世界保健機構の推定によれば、世界中で毎年ほぼ424,000人が転倒によって落命しており、したがって、転倒は、世界中で事故死の原因の第2位となっている。Institut de Veille Sanitaireによれば、フランスでは65年にわたって毎年450,000件の転倒があり、フランスにおける高齢者の死因のうち4000〜4500件/年と最も多い。
したがって、転倒することは、とりわけ高齢者の間で、特にその頻度と医学的影響および社会的影響とのために、大きな公衆衛生問題になっている。実際、転倒は、現在、高齢者における負傷の主要原因の1つと考えられ、死に至らない場合でも、日常活動における運動性および/または自律性がさらに低下する恐れがある。たとえば、転倒後症候群により、日常行為における自信喪失を伴って転倒することの恐怖症になり、最終的には引きこもりがちになる。
結果的に、高齢者人口(すなわち65歳超)の1/3が1年に少なくとも1回転倒することを考えれば、正確なリスクアセスメントが、切迫した課題になっている。これらの課題をよそに、今のところ、個人のバランスを定量化するための、直感的、確実、かつ低コストの方法もデバイスもない。医師は、現今では、たとえばロンベルグ試験などの標準検査によって患者を視覚的に監視する方法により、バランスを評価する。後者は、医師が診察して可能性のある静的運動失調の原因を識別するのを支援することができる。それにもかかわらず、そのような監視では、個人のバランスを定性化することはできても客観的に定量化することはできない。しかしながら、定量的手法によれば、解釈の感度、客観性および均質性を強化することが可能となり得、そのような試験(たとえば経時的監視もしくは個人のグループの監視)を比較すること、または患者を視覚的に監視する方法では感知できない行動を識別することが可能になるはずである。
この状況において、姿勢制御を定量化して評価するために力台を使用することが普及しつつある。力台のようなプラットフォームは、個人がプラットフォームの上に立っているとき、全身によって印加される圧力中心(英語の「center of pressure(COP)」)の変位を経時的に記録する。この測定値を使用して重心動揺図が生成される。COPの変位から導出された、COPの変位の長さまたはCOPの変位速度の分散などの実験上の指標が、以前に提案されている。これらの指標は、重心動揺図が、個人の姿勢制御によって大幅に影響を受ける可能性があることを示している。米国特許第5388591号において論じられているように、重心動揺図のデータは、次に、被験者の姿勢の安定性を評価するための指標を明らかにする重心動揺図の散布図を生成するために時間的処理を施されてよい。加えて、特定の周波数帯域のエネルギー分布が、選択された姿勢方略を通知し得ることが提案された。上記に沿って、姿勢方略間の遷移を評価するために、重心動揺図に対して、短時間フーリエ変換(英語の「short−term Fourier transform(STFT)」)タイプの解析、または時間スケールウェーブレット解析(英語の「time−scale wavelet analysis」)といった従来の解析を適用した。STFTにより、COP変位のスペクトル成分における時間的変化を解析することが可能になる(Schumannら、1995年、「Time−frequency analysis of postural sway」、J.Biomechanics、28巻、No.5、603〜607頁)。時間スケールウェーブレット解析についての研究によって周波数帯域と主要な感覚入力の間に関係があることが示されており、低周波数帯(<0.1Hz)は視覚制御に関連づけられ、0.1〜0.5Hzの周波数は前庭機能によって支配され、0.5〜1Hzの周波数帯域は体性感覚機能を反映している。このタイプの解析に基づく研究により、とりわけ、姿勢動揺検査データの評価のためには少なくとも60秒の試験を行うのが望ましく、そうしなければ、誤った推定やさらには全過程からの偏った抜粋によって、誤解が生じる可能性があるとの結論が出された(Kirchnerら、2012年、「Evaluation of the temporal structure of postural sway fluctuations based on a comprehensive set of analysis tools」、Physica A 391、(2012年)、4692〜4703頁)。その上に、これらの方法を実施するときに得られる情報は周波数帯域のエネルギー分布のみであり、ユーザは、前後方向軸および内外方向軸または変位面に沿った変位振幅などの確立したパラメータをもはや評価することができない。最近の研究は、非転倒者と比較した転倒するリスクで患者を識別するための重心動揺図のマルチパラメータ解析において、パラメータの組合せを使用している(Audiffrenら、2016年、A nonlinear scoring approach for evaluating balance: classification of elderly as fallers and non−fallers、PLoS ONE 11(12))。定量化方法が使用される場合、調査対象のデータが非常に複雑でモデル化が困難であるため、十分に満足すべき結果は得られていない。収集のコスト、性能、試験の再現性、感度、特異性、および結果の解釈における難しさ、といったいくつかの理由が、定量化方法の利用を妨げている。
したがって、バランスを評価するために従来使用されている解析方法では、簡単で低コストのデバイスを使用して容易に測定することができる一意で確実な値は得られない。そのため、自分のバランスを低コストで監視したいと望む者ばかりでなく、公共企業体または医療従事者にも使用され得る、バランス定量化のためのデバイスが必要とされている。
本発明は、従来技術の不利益を克服することを目的とするものである。詳細には、本発明は、個人のバランス状態を表す値を確立するための、迅速かつ簡単で、必ずしも姿勢学分野の専門家の介入を必要としない、バランスを定量化するための確実な方法を提供することを目標とするものである。この方法は、一般開業医または専門家にとって代わることを意図するものではなく、診断はしないことに留意されたい。加えて、この方法は、重心動揺図の信頼性を向上するために、重心動揺図に含有される弱信号を識別できなくてはならない。
本発明はまた、完全なバランス定量化システムに組み込まれ得るバランス定量化デバイスを提供することを目的とするものである。
この目的のために、本発明は、個人のバランスを表す値を取得するために前記個人のバランスを定量化するための方法に関するものであり、前記方法は、記憶手段に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュールを備えるデバイスによって実施され、圧力センサおよび/または力センサ(312)を備えるプラットフォーム(310)から取得された、個人の少なくとも1つの重心動揺図(110)を、記憶手段(280)に記録すること(10)を含み、
− いくつかの重心動揺図の部分を生成するように、データ処理モジュールによって、記憶手段に記録された個人の重心動揺図を時間の関数として分割するステップと、
− データ処理モジュールによって、望ましくは位置、安定性、および/またはダイナミクスの軌跡パラメータである少なくとも1つの軌跡パラメータの値を、重心動揺図の部分から抽出するステップと、
− データ処理モジュールによって、分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分の各々について、抽出ステップにおいて抽出された軌跡パラメータの値から、少なくとも2つの定量子の値を判定するステップと、
− データ処理モジュールによって、重心動揺図の部分の各々の定量子の値から、個人のバランスを表す前記値を判定するステップと
をさらに含むことを特徴とするものである。
− いくつかの重心動揺図の部分を生成するように、データ処理モジュールによって、記憶手段に記録された個人の重心動揺図を時間の関数として分割するステップと、
− データ処理モジュールによって、望ましくは位置、安定性、および/またはダイナミクスの軌跡パラメータである少なくとも1つの軌跡パラメータの値を、重心動揺図の部分から抽出するステップと、
− データ処理モジュールによって、分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分の各々について、抽出ステップにおいて抽出された軌跡パラメータの値から、少なくとも2つの定量子の値を判定するステップと、
− データ処理モジュールによって、重心動揺図の部分の各々の定量子の値から、個人のバランスを表す前記値を判定するステップと
をさらに含むことを特徴とするものである。
重心動揺図は、圧力中心の、記録中に変化する変位ダイナミクスを得ることができる。たとえば多次元の手法といった従来の手法は、重心動揺図を包括的に特徴づけようとしていた。詳細には、そのような手法は、信号が均一なプロファイルを有し得るという暗黙の仮定に基づくものである。結果的に、従来の方法が主に使用されてきたが、重心動揺図の非均一性や、一時的な姿勢の不均衡に関連した短期的な時間の存在によって影響を受けるという不利益がある。これらの一時的な不均衡は、通常は数十秒の持続時間があるので、重心動揺図の全体的な解析において注目されない可能性がある。
分割することにより、個人のバランス不足の弱信号を識別するために、重心動揺図の各部分を他の部分と無関係に解析することができる。実際は、バランスの乱れが数秒持続して発生することは人を転倒させるのに十分であるが、全体が採用された数十秒の重心動揺図を解析するときには、識別されない可能性がある。この方法の実装形態は、同一の部分に関するいくつかの定量子を判定することを含み、これらの定量子は、次いで、バランスを表す値を判定するステップにおいて連帯的に処理される。
この方法には、以下のような任意選択の他の特徴がある。
− 重心動揺図の部分の持続時間は3秒以下である。実際、本発明者は、重心動揺図が3秒以下の部分に分割されると、この方法の信頼性が改善されると判定した。
− 分割ステップは、それぞれの重心動揺図について、少なくとも10の重心動揺図の部分を生成する。バランスの代表値を判定するステップにおいて複数の部分を調査することにより、この方法の信頼性が改善される。
− 分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分は、連続した部分について、少なくとも25%、望ましくは少なくとも50%のオーバラップ率を有する。例に示されるように、これによって処理時間や判定時間は増加し得るが、本発明者は、各部分がオーバラップすると、この方法の信頼性が改善されると判定した。
− 分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分は、連続した部分について高々95%のオーバラップ率を有する。
− 定量子の値に依拠して、重心動揺図の部分の各々にスコアを割り当てるように、または重心動揺図の部分の各々をカテゴリによって分類するように、採点アルゴリズムにおける判定ステップにおいて判定された定量子の値を実施することによって判定ステップが実行される。スコアは、たとえば圧力中心の(規則的もしくは不規則な)変位の特徴の代表的なスコアでよく、または個人の重心動揺図のそれぞれの部分におけるバランスの質を表すものでもよい。代替として、この方法は、それぞれの部分が「優れたバランス」または「危ういバランス」などのカテゴリに関連づけられることを可能にし得る。
− 本方法は、観察手段において、重心動揺図の部分の各々のスコアまたはカテゴリの関数としての重心動揺図の部分のグラフィック表現の生成を可能にするように、前記スコアまたはカテゴリを送信するステップをさらに含む。そのようなステップにより、ユーザは、姿勢のアンバランスの発生または平衡障害のリスクの発生の特徴を提示し得る重心動揺図の部分を直接識別することが可能になる。次いで、ユーザは、バランスの定量化および定性化を改善するために、総合スコアだけでなく、部分の各々を個々に扱うことができる。
− 採点アルゴリズムは教師無し区分化アルゴリズムである。したがって、この方法はデータベースを必要とすることなく実施され得る。
− 教師無し区分化アルゴリズムは、教師無し混合ガウスモデル、階層的ボトムアップ分類、階層的トップダウン分類から選択される。教師無し区分化アルゴリズムは、有利には教師無し混合ガウスモデルである。
− 採点アルゴリズムは、基準の重心動揺図の部分から取得された同一の定量子の値を基にあらかじめ較正されている。そこで、採点アルゴリズムは望ましくは教師付き学習アルゴリズムである。
− 本方法は、個人の全身によってプラットフォーム上に経時的に印加された圧力中心の変位に対応する未加工データを生成するステップをさらに含む。未加工データは圧力中心の変位に対応する。
− 本方法は、未加工データを圧力中心の軌跡データに変換するステップをさらに含む。
− 個人の圧力中心の変位に対応する未加工データはロンベルグ試験において取得される。
− 分割ステップは、個人が開眼状態で取得された重心動揺図と、閉眼状態で取得された重心動揺図とから遂行される。
− 本方法は、少なくとも1つの定量子について、個人が開眼状態で取得された重心動揺図から計算された軌跡パラメータの値と、閉眼状態で取得された重心動揺図から計算された軌跡パラメータの値の比(O/F比)、またはその逆数(F/O比)を計算することを含む。ならびに/あるいは
− 重心動揺図の収集時間は5〜70秒であり得る。
− 軌跡パラメータは、圧力中心の位置、安定性、および/またはダイナミクスの軌跡パラメータである。
− 重心動揺図の部分の持続時間は3秒以下である。実際、本発明者は、重心動揺図が3秒以下の部分に分割されると、この方法の信頼性が改善されると判定した。
− 分割ステップは、それぞれの重心動揺図について、少なくとも10の重心動揺図の部分を生成する。バランスの代表値を判定するステップにおいて複数の部分を調査することにより、この方法の信頼性が改善される。
− 分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分は、連続した部分について、少なくとも25%、望ましくは少なくとも50%のオーバラップ率を有する。例に示されるように、これによって処理時間や判定時間は増加し得るが、本発明者は、各部分がオーバラップすると、この方法の信頼性が改善されると判定した。
− 分割ステップにおいて生成された重心動揺図の部分は、連続した部分について高々95%のオーバラップ率を有する。
− 定量子の値に依拠して、重心動揺図の部分の各々にスコアを割り当てるように、または重心動揺図の部分の各々をカテゴリによって分類するように、採点アルゴリズムにおける判定ステップにおいて判定された定量子の値を実施することによって判定ステップが実行される。スコアは、たとえば圧力中心の(規則的もしくは不規則な)変位の特徴の代表的なスコアでよく、または個人の重心動揺図のそれぞれの部分におけるバランスの質を表すものでもよい。代替として、この方法は、それぞれの部分が「優れたバランス」または「危ういバランス」などのカテゴリに関連づけられることを可能にし得る。
− 本方法は、観察手段において、重心動揺図の部分の各々のスコアまたはカテゴリの関数としての重心動揺図の部分のグラフィック表現の生成を可能にするように、前記スコアまたはカテゴリを送信するステップをさらに含む。そのようなステップにより、ユーザは、姿勢のアンバランスの発生または平衡障害のリスクの発生の特徴を提示し得る重心動揺図の部分を直接識別することが可能になる。次いで、ユーザは、バランスの定量化および定性化を改善するために、総合スコアだけでなく、部分の各々を個々に扱うことができる。
− 採点アルゴリズムは教師無し区分化アルゴリズムである。したがって、この方法はデータベースを必要とすることなく実施され得る。
− 教師無し区分化アルゴリズムは、教師無し混合ガウスモデル、階層的ボトムアップ分類、階層的トップダウン分類から選択される。教師無し区分化アルゴリズムは、有利には教師無し混合ガウスモデルである。
− 採点アルゴリズムは、基準の重心動揺図の部分から取得された同一の定量子の値を基にあらかじめ較正されている。そこで、採点アルゴリズムは望ましくは教師付き学習アルゴリズムである。
− 本方法は、個人の全身によってプラットフォーム上に経時的に印加された圧力中心の変位に対応する未加工データを生成するステップをさらに含む。未加工データは圧力中心の変位に対応する。
− 本方法は、未加工データを圧力中心の軌跡データに変換するステップをさらに含む。
− 個人の圧力中心の変位に対応する未加工データはロンベルグ試験において取得される。
− 分割ステップは、個人が開眼状態で取得された重心動揺図と、閉眼状態で取得された重心動揺図とから遂行される。
− 本方法は、少なくとも1つの定量子について、個人が開眼状態で取得された重心動揺図から計算された軌跡パラメータの値と、閉眼状態で取得された重心動揺図から計算された軌跡パラメータの値の比(O/F比)、またはその逆数(F/O比)を計算することを含む。ならびに/あるいは
− 重心動揺図の収集時間は5〜70秒であり得る。
− 軌跡パラメータは、圧力中心の位置、安定性、および/またはダイナミクスの軌跡パラメータである。
本発明は、個人のバランスを定量化するためのデバイスにさらに関し、前記デバイスは、
− 前記個人の、重心動揺図を受信することができる通信モジュールと、
− 前記重心動揺図を記録することができる記憶手段と、
− 記憶手段に接続することができる少なくとも1つのデータ処理モジュールと
を備え、前記デバイスは、データ処理モジュールが、
○いくつかの重心動揺図の部分を生成するように、記憶手段に記録された個人の重心動揺図を時間の関数として分割し、
○重心動揺図の部分から、少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出し、
○抽出された軌跡パラメータの値から、少なくとも2つの定量子を判定して、
○重心動揺図の部分の各々の前記定量子の値から、個人のバランスを表す値を判定する
ように構成されていることを特徴とするものである。
− 前記個人の、重心動揺図を受信することができる通信モジュールと、
− 前記重心動揺図を記録することができる記憶手段と、
− 記憶手段に接続することができる少なくとも1つのデータ処理モジュールと
を備え、前記デバイスは、データ処理モジュールが、
○いくつかの重心動揺図の部分を生成するように、記憶手段に記録された個人の重心動揺図を時間の関数として分割し、
○重心動揺図の部分から、少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出し、
○抽出された軌跡パラメータの値から、少なくとも2つの定量子を判定して、
○重心動揺図の部分の各々の前記定量子の値から、個人のバランスを表す値を判定する
ように構成されていることを特徴とするものである。
このデバイスの任意選択の他の特徴によれば、
− 通信モジュールは、遠隔システムとの間で情報を送受信するように構成されており、
− 本デバイスは、重心動揺図に関連したデータを生成するように構成された重心動揺図生成モジュールをさらに含み、かつ/または
− 本デバイスは、第2の周波数でリサンプリングされて実質的に一定の周波数を有する重心動揺図を生成するために、未加工データまたは重心動揺図を第1の周波数で処理するように構成されたリサンプリングモジュールをさらに含む。
− 通信モジュールは、遠隔システムとの間で情報を送受信するように構成されており、
− 本デバイスは、重心動揺図に関連したデータを生成するように構成された重心動揺図生成モジュールをさらに含み、かつ/または
− 本デバイスは、第2の周波数でリサンプリングされて実質的に一定の周波数を有する重心動揺図を生成するために、未加工データまたは重心動揺図を第1の周波数で処理するように構成されたリサンプリングモジュールをさらに含む。
本発明は、個人のバランスを定量化するためのシステムにさらに関し、このシステムは、
− 個人を支えるように適合されたプラットフォームであって、個人の両足からプラットフォームにかかる圧力の関数として第1の周波数の未加工データを生成するように構成された圧力センサおよび/または力センサを備えるプラットフォームと、
− プラットフォームによって生成された未加工データから、個人の重心動揺図を少なくとも1つ取得するように用意された未加工データ処理ユニットと、
− 処理ユニットと通信可能な、本発明によるバランス定量化デバイスと
を備える。
− 個人を支えるように適合されたプラットフォームであって、個人の両足からプラットフォームにかかる圧力の関数として第1の周波数の未加工データを生成するように構成された圧力センサおよび/または力センサを備えるプラットフォームと、
− プラットフォームによって生成された未加工データから、個人の重心動揺図を少なくとも1つ取得するように用意された未加工データ処理ユニットと、
− 処理ユニットと通信可能な、本発明によるバランス定量化デバイスと
を備える。
このシステムの任意選択の他の特徴によれば、
− プラットフォームは、4つの圧力センサおよび/または力センサを含む。
− プラットフォームは、別々の圧力センサおよび/または力センサの値を、25Hz以上の周波数で実質的に常時測定するように構成されている。
− プラットフォームは、固有受容性情報および触知性情報を歪めるかまたは妨げることができるフォームを含む。
− プラットフォームは、4つの圧力センサおよび/または力センサを含む。
− プラットフォームは、別々の圧力センサおよび/または力センサの値を、25Hz以上の周波数で実質的に常時測定するように構成されている。
− プラットフォームは、固有受容性情報および触知性情報を歪めるかまたは妨げることができるフォームを含む。
本発明は、本発明による定量化方法を実施するように構成されたコンピュータプログラム製品にさらに関するものであり、前記コンピュータプログラムは、少なくとも、
− 個人の重心動揺図を分割して、いくつかの重心動揺図の部分を生成するように適合された1つのアルゴリズムと、
− これらの重心動揺図の部分から、少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 軌跡パラメータの抽出された値から、いくつかの定量子を判定するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 重心動揺図の部分の各々の前記定量子の値から、個人のバランスを表す値を判定するように適合された1つのアルゴリズムと
を含む。
− 個人の重心動揺図を分割して、いくつかの重心動揺図の部分を生成するように適合された1つのアルゴリズムと、
− これらの重心動揺図の部分から、少なくとも1つの軌跡パラメータの値を抽出するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 軌跡パラメータの抽出された値から、いくつかの定量子を判定するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 重心動揺図の部分の各々の前記定量子の値から、個人のバランスを表す値を判定するように適合された1つのアルゴリズムと
を含む。
本発明の他の利益および特性は、実例となる非限定的な例として示される以下の説明を、付図を参照しながら読み取れば明らかになるはずである。
以下の説明では、「バランス」は、本発明の意味の範囲内で、身体の安定性に関連づけられた姿勢のバランスに対応し、より詳細には個人の重心の安定性に対応する。本発明によるバランスの概念は、個人が転倒することを回避するための能力に関連づけられ、静的バランスおよび動的バランスを包含する。
「バランス定量化」は、本発明の意味の範囲内で、個人の圧力中心の軌跡または変位に、たとえばスコア、分類、または等級といった値を割り当てることに対応する。このバランス定量化は、バランスを表す値を取得することを可能にするものであり、多くの線形または非線形の異なる寸法のスケール(たとえば1、5、10、100)に基づいて遂行され得る。バランスを定量化するときに割り当てられるバランス代表値により、たとえば決定ルールによって個人をグループに割り当てることも可能になり得る。本発明による定量化は、詳細には、区分化または学習の統計的方法から生成された採点アルゴリズムを実施することによって遂行され得る。
「モデル」、「ルール」、または「採点アルゴリズム」は、本発明の意味の範囲内で、バランスを定量化するための、すなわち、あらかじめ定義されたグループYの中の1人または複数の個人を分類するための、分類の中で1人または複数の個人にスコアを割り当てるための、または分類の中に1人または複数の個人を等級付けするための、有限な一連の演算または命令と理解される必要がある。この有限な一連の演算を実施することにより、たとえば次式のように、たとえば観測されたXを得てYを再現すると思われる関数fの実装を用いて、特性の集合X0によって記述された観測に、ラベルY0を割り当てることが可能になる。
Y=f(X)+e
eはノイズまたは測定誤差を記号化したものである。
Y=f(X)+e
eはノイズまたは測定誤差を記号化したものである。
「教師付き学習方法」は、本発明の意味の範囲内で、n個のラベルを付けられた観測(X1...n,Y1...n)を底としてY=f(X)+eとなる関数fを定義するための方法を意味する。「教師無し区分化方法」は、データセットを、共通の特性を共有する別々の等質のグループに分けるための教師無し学習方法を意味する。
「重心」は、本発明の意味の範囲内で、個人の身体の重心を意味する。重心は、本発明の意味の範囲内で、個人の質量のバリセンタ(barycenter)に対応するものである。重心を完全に安定した状態に維持することはできず、たとえば直立しているとき、重心は前後および左右に揺れる。
「圧力中心」は、本発明の意味の範囲内で、被験者の身体がグラウンドに及ぼす鉛直力のバリセンタの、被験者とグラウンドとの間の接触点を通り抜ける水平面上への射影を意味する(Benda,B.J.ら、1994年、「Biomechanical relationship between center of gravity and center of pressure during standing」、Rehabilitation Engineering、 IEEE Transactions、1994年、2号、3〜10頁)。これらは、力台、シューズ、または変形可能なグラウンドなどのフットベッドの下の圧力分布を解析するプラットフォームを使用して測定され得る。圧力中心は、重心の正確な射影ではないが、重心に強く関連づけられている。圧力中心の変位は、圧力中心のバランスを保つために、一般に重心の変位よりも高速でより広い。圧力中心の変位には、個人による自分の重心の位置を制御する努力が反映される。
「重心動揺図」または「圧力中心の軌跡」は、圧力中心の軌跡または変位に関連したデータを意味する。重心動揺図はスタビログラム(stabilogram)と呼ばれることもあり、通常、力台、センサを装備した「インテリジェントな」フロアまたは圧力センサを装備した靴底などのプラットフォームを介して生成される。重心動揺図は、圧力中心の、計算された経時的軌跡に対応する。圧力中心の軌跡は、正規直交の基準フレームx,yにおける位置データの集合によって、定義された期間にわたる時間の関数として定義される。
「重心動揺図を分割すること」は、重心動揺図を形成している圧力中心の変位の値の集合を、時間の関数として、重心動揺図の部分と呼ばれる値のいくつかの集合へと分割すること、サンプリングすること、または区分化することを意味する。
「プラットフォーム」は、本発明の意味の範囲内で、個人の両足によって前記プラットフォームに印加された力に比例した電気信号、光信号、または磁気信号を生成する、たとえば力センサまたは圧力センサのタイプのセンサを含む、グラウンドに置かれたデバイスに対応する。使用されるセンサは、たとえば、3つの力成分Fx、Fy、Fz、および3つのモーメント成分Mx、My、Mzを生成するためのホイートストンブリッジ歪ゲージ、圧電型圧力センサ、ピエゾ抵抗型圧力センサ、または容量性圧力センサであり得る。本発明の意味の範囲内で、プラットフォームは、前記センサから導出される「未加工データ」を生成するように構成されている。
「パラメータ」または「軌跡パラメータ」、より詳細には「圧力中心の軌跡から計算されたパラメータ」は、本発明の意味の範囲内で、圧力中心の軌跡の、値の集合への変換を意味する。
「定量子」、より詳細には「軌跡パラメータを変換することによって計算された定量子」は、本発明の意味の範囲内で、軌跡パラメータのすべての値を選択することまたは変換することによって取得された単一値を意味する。
「基準定量子」は、あらかじめバランスが定性化された人の基準重心動揺図から取得された値を意味する。
「ROC(受信者動作特性)曲線」は、本発明の意味の範囲内で、それぞれの所与の閾値について、モデルの感度(真陽性率)の変遷を特異度(偽陽性率)の関数として表すものである。ROC曲線は、点(0,0)と点(1,1)の間で上昇する曲線であり、通常は第1の二等分線より上にある。実際は、第1の二等分線に対応する直線はランダムな予測によって与えられることになる。ROC曲線について、第1の二等分線より上の曲線がより高ければ予測はより優れており、ROC曲線の下の面積(英語のArea Under the Curve(AUC))は、モデルの品質(理想的な予測については1、ランダム予測については0.5)を指示する。
「処理する」、「計算する」、「判定する」、「表示する」、「抽出する」、「比較する」、またはより広い意味の「実行可能な動作」は、文脈によって別途指示されない限り、本発明の意味の範囲内で、デバイスまたはプロセッサによって遂行されるアクションを意味する。この点で、動作は、情報を記憶、送信、または表示するためのコンピュータシステムまたは他のデバイスの記憶装置において物理的(電子的)量として表されたデータを操作したり変換したりするコンピュータシステムまたは電子コンピューティングデバイスなどのデータ処理システムにおけるアクションおよび/または処理を指す。これらの動作はアプリケーションまたはソフトウェアに基づき得る。
「アプリケーション」、「ソフトウェア」、「プログラムコード」、および「実行可能コード」という用語または表現は、特定の機能を直接的または間接的に(たとえば別のコードに変換した後に)データ処理に遂行させるように設計された命令のセットにおける任意の表現、コードまたは表記を意味する。プログラムコードの例には、それだけではないが、サブプログラム、関数、実行可能アプリケーション、ソースコード、オブジェクトコード、ライブラリおよび/またはコンピュータシステム上で実行するように設計された任意の他の一連の命令が含まれ得る。
「プロセッサ」は、本発明の意味の範囲内で、コードに含有されている命令に従って動作を遂行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路を意味する。ハードウェア回路は集積回路であり得る。プロセッサの例には、それだけではないが、中央処理装置、グラフィックスプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)およびプログラマブル論理回路が含まれる。
「結合された」は、本発明の意味の範囲内で、直接的に、または1つもしくは複数の中間要素を用いて間接的に、接続されていることを意味する。2つの要素は、機械的にも電気的にも結合され得、または通信チャネルによって連結され得る。
以下の説明では、同一の要素を示すために同一の参照が使用される。
第1の態様によれば、本発明は、個人のバランスを表す値を取得するために前記個人のバランスを定量化するための方法に関する。
本発明によるバランス定量化方法1は、重心動揺図110に転写されたものなど、個人の圧力中心の軌跡データを処理することに基づくものである。個人の圧力中心のこれらの軌跡データは、一般に個人が立っているときに収集される。
安定性に対する視覚求心神経の影響は、開眼状態と閉眼状態とで、圧力中心の2種類の変位または軌跡の動態を生成することによって測定され得る。したがって、望ましくは、分割ステップ20は、個人の開眼状態で取得された重心動揺図110と、閉眼状態で取得された重心動揺図110とから遂行される。詳細には、重心動揺図110の収集時間は、5〜70秒、望ましくは20〜60秒、さらに望ましくは20〜40秒である。
有利には、圧力中心の軌跡データはロンベルグ試験中に取得され得る。ロンベルグ試験は、個人が腕を身体に沿わせて立ち、静止して真っすぐ前を見た状態で行われる。圧力中心の変位は25秒間記録される。たとえば、25秒間は開眼状態で記録され、別の25秒間は閉眼状態で記録される。
本発明による方法は、圧力中心の変位に関連したデータから、すなわち少なくとも1つの重心動揺図110またはセンサから導出された圧力中心の変位に関連した未加工データに基づいて、実施され得る。
図1に示されるように、本発明による方法はいくつかのステップを含む。加えて、これらのステップのいくつかは図2に図示されている。本発明による方法は、望ましくは、記憶手段280に接続または結合された少なくとも1つのデータ処理モジュール220を備えるデバイスによって実施される。
この方法は、詳細には、たとえば圧力センサおよび/または力センサ312を備えるプラットフォーム310から取得された個人の少なくとも1つの重心動揺図110を記録するステップ10を含む。この記録するステップは、望ましくは記憶手段280において実施される。この記録は、一時的記憶装置または非一時的記憶装置などすべてのタイプの記憶装置に対して遂行され得る。この記録は、望ましくは非一時的記憶装置に行われる。したがって、重心動揺図110は本発明による方法を実施する前に、遠隔地において十全に生成し得る。代替として、本発明によるバランス定量化方法1が実施される直前に、同じシステムによって重心動揺図110が生成され得る。したがって、本発明による定量化方法1は、圧力中心11の変位に対応する未加工データを前もって生成するステップを含み得る。しかしながらこのステップは任意選択であり、本発明による定量化方法1の前に、既知のデバイスおよび方法によって遂行され得る。圧力中心の変位に対応する未加工データは、たとえばプラットフォームに存在するセンサの各々によって測定された圧力値である。これらの未加工データは、圧力中心の軌跡データ(すなわち重心動揺図)に変換するステップ12を施され得る。この変換ステップはまた、本発明による方法の前に既知の方法によって遂行され得るため、任意選択である。加えて、この方法は、少なくとも25Hzの周波数において重心動揺図をリサンプリングするステップを含み得る。このリサンプリングは、たとえば分割ステップの前に実行され得る。図2Aは、本発明による重心動揺図110の図的表現であり、より詳細には重心動揺図110のプロット125である。
本発明による方法は、いくつかの重心動揺図の部分120を生成するように、記憶手段280に記録された個人の重心動揺図110を時間の関数として分割するステップ20も含む。この分割ステップ20は、望ましくはデータ処理モジュール220によって実施される。
重心動揺図の部分120はいくつかの持続時間を有し得る。望ましくは、同一の重心動揺図のすべての部分が同一の持続時間を有する。たとえば、この持続時間は5秒以下でよく、望ましくは3秒以下であって、たとえば2秒、より望ましくは1秒である。
有利には、分割ステップ20において生成された重心動揺図の部分120は、連続した部分について、少なくとも25%、望ましくは少なくとも50%のオーバラップ率を有する。オーバラップ率とは、部分nに含有された情報の部分が部分n+1に含有された情報の部分と同一であって、部分nに含有された情報の別の部分が部分n−1に含有された情報の部分と同一である、というものと理解されたい。したがって、25%のオーバラップ率を伴う2秒の持続時間の部分の場合には、部分nのt=1.5秒とt=2秒の間に含有される情報と、部分n+1のt=0秒とt=0.5秒の間に含有される情報とは同一になる。有利には、2つの連続した重心動揺図の部分の間のオーバラップ率は高々95%であり、より望ましくは高々90%、より望ましくは高々80%、さらに望ましくは高々75%である。
望ましくは、各重心動揺図について、分割ステップ20によって生成され得る重心動揺図の部分120の数は、少なくとも10であり、より望ましくは少なくとも20であって、さらに望ましくは少なくとも30である。たとえば、図2Bは、20秒の時間軸に対してプロットされた図2Aの重心動揺図からのデータを示すものであり、前記重心動揺図が、ここではそれぞれ5秒の4つの部分に分割されている。図2Cには、0〜5秒の部分に関連した変位データと、15〜20秒の部分に関連した変位データとが示されている。
本発明による方法は、重心動揺図の部分120から少なくとも1つの軌跡パラメータ130の値を抽出するステップ30も含む。この抽出ステップ30は、望ましくはデータ処理モジュール220によって実施される。
軌跡パラメータ130は、望ましくは、圧力中心の位置、安定性、および/またはダイナミクスの軌跡パラメータである。したがって、抽出ステップ30は、データ処理モジュール220によって、個人の重心動揺図の部分120から、少なくとも1つの軌跡パラメータ130の、
− 圧力中心の位置131に関する値、
− 圧力中心の安定性132に関する値、および/または
− 圧力中心のダイナミクス133に関する値、
を抽出すること30を含む。
− 圧力中心の位置131に関する値、
− 圧力中心の安定性132に関する値、および/または
− 圧力中心のダイナミクス133に関する値、
を抽出すること30を含む。
加えて、別々のパラメータ群からのいくつかのパラメータを解析することは特に有利である。したがって、抽出ステップ30は、データ処理モジュール220によって、個人の重心動揺図の部分120から、少なくとも2つの軌跡パラメータの、
− 圧力中心の位置131に関する値、
− 圧力中心の安定性132に関する値、および/または
− 圧力中心のダイナミクス133に関する値、
を抽出すること30を含む。
− 圧力中心の位置131に関する値、
− 圧力中心の安定性132に関する値、および/または
− 圧力中心のダイナミクス133に関する値、
を抽出すること30を含む。
より具体的には、圧力中心の位置軌跡パラメータ131は、以下の3つから選択され得る。
− X軸に沿った圧力中心の位置。この位置は、X軸の面における正規直交の基準フレームの正中線と比較した圧力中心の位置に対応する。たとえば、時間tにおいて圧力中心の位置が左方へ移動した場合には、この時間tのX軸に沿った位置は、左方の過度の支持を指示する負の値を有する。この位置は、たとえばミリメートルで測定され得る。たとえば、図2Dは、図2Aに示された重心動揺図110の部分120から取得された「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータ131aの値の集合のX軸上への射影を示す。
− Y軸に沿った圧力中心の位置。この位置は、Y軸の面における正規直交の基準フレームの正中線に対する圧力中心の位置に対応する。たとえば、時間tにおいて位置が後方へ移動した場合には、この時間tのY軸に沿った位置は、後方の過度の支持を指示する負の値を有する。この位置は、たとえばミリメートルで測定され得る。
− 極座標の半径。この距離は、正規直交の基準面による圧力中心の平均位置(0,0)からの圧力中心の距離に対応する。たとえば、時間tにおいて、圧力中心が、圧力中心の平均位置から60°の軸に沿って4ミリメートルだけ移動した場合、この時間tの極座標における半径は、4ミリメートルの値を有する。本発明者が提案したそのような変換により、原点からの圧力中心の全体的な距離を、重心のX座標およびY座標に限定することなく定量化することが可能になる。極座標の半径は、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。
− X軸に沿った圧力中心の位置。この位置は、X軸の面における正規直交の基準フレームの正中線と比較した圧力中心の位置に対応する。たとえば、時間tにおいて圧力中心の位置が左方へ移動した場合には、この時間tのX軸に沿った位置は、左方の過度の支持を指示する負の値を有する。この位置は、たとえばミリメートルで測定され得る。たとえば、図2Dは、図2Aに示された重心動揺図110の部分120から取得された「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータ131aの値の集合のX軸上への射影を示す。
− Y軸に沿った圧力中心の位置。この位置は、Y軸の面における正規直交の基準フレームの正中線に対する圧力中心の位置に対応する。たとえば、時間tにおいて位置が後方へ移動した場合には、この時間tのY軸に沿った位置は、後方の過度の支持を指示する負の値を有する。この位置は、たとえばミリメートルで測定され得る。
− 極座標の半径。この距離は、正規直交の基準面による圧力中心の平均位置(0,0)からの圧力中心の距離に対応する。たとえば、時間tにおいて、圧力中心が、圧力中心の平均位置から60°の軸に沿って4ミリメートルだけ移動した場合、この時間tの極座標における半径は、4ミリメートルの値を有する。本発明者が提案したそのような変換により、原点からの圧力中心の全体的な距離を、重心のX座標およびY座標に限定することなく定量化することが可能になる。極座標の半径は、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。
より具体的には、圧力中心の安定性軌跡パラメータ132は、以下の3つから選択され得る。
− 半径バランス。半径バランスは、圧力中心の、現在の値から、t秒の所定の持続時間にわたる所与の時間における最大距離に対応する。半径バランスの計算のために考慮に入れられる持続時間は、0.05〜10秒であり得、望ましくは0.1〜2秒であり得る。半径バランスは、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、半径バランスは時間の関数であり、たとえばミリメートルで測定され得る。
− 時間バランス。時間バランスは、圧力中心が、任意の所与の時間における現在位置からrミリメートルよりも遠く離れるのに必要な時間に対応する。時間バランスの計算のために考慮に入れられる距離rは0.1〜20ミリメートルであり得、望ましくは1〜10ミリメートルであり得る。時間バランスは、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、時間バランスは時間の関数であり、たとえば秒で測定され得る。
− 衝撃間隔。衝撃間隔は2つのバランス位置の間の時間間隔に対応する。望ましくは、バランス位置は、時間バランスが、重心動揺図において観測された最大値の60%を超える、望ましくは80%を超える時間に対応する。衝撃間隔は収集の持続時間にわたって計算され、取得される値の数は収集に依拠して変化し得る。衝撃間隔は時間の関数ではなく、たとえば秒で測定され得る。
− 半径バランス。半径バランスは、圧力中心の、現在の値から、t秒の所定の持続時間にわたる所与の時間における最大距離に対応する。半径バランスの計算のために考慮に入れられる持続時間は、0.05〜10秒であり得、望ましくは0.1〜2秒であり得る。半径バランスは、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、半径バランスは時間の関数であり、たとえばミリメートルで測定され得る。
− 時間バランス。時間バランスは、圧力中心が、任意の所与の時間における現在位置からrミリメートルよりも遠く離れるのに必要な時間に対応する。時間バランスの計算のために考慮に入れられる距離rは0.1〜20ミリメートルであり得、望ましくは1〜10ミリメートルであり得る。時間バランスは、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、時間バランスは時間の関数であり、たとえば秒で測定され得る。
− 衝撃間隔。衝撃間隔は2つのバランス位置の間の時間間隔に対応する。望ましくは、バランス位置は、時間バランスが、重心動揺図において観測された最大値の60%を超える、望ましくは80%を超える時間に対応する。衝撃間隔は収集の持続時間にわたって計算され、取得される値の数は収集に依拠して変化し得る。衝撃間隔は時間の関数ではなく、たとえば秒で測定され得る。
より具体的には、圧力中心のダイナミクス軌跡パラメータ133は以下の4つから選択され得る。
− 圧力中心の変位の速度。圧力中心の変位の速度は、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、このパラメータは時間の関数であり、たとえばミリメートル/秒で測定され得る。
− 圧力中心の変位の加速度。圧力中心の変位の加速度は、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、圧力中心の変位の加速度は時間の関数であり、たとえばミリメートル/秒2で測定され得る。
− パワー。パワーは、すべてのサンプリングポイントについて計算された速度と加速度のスカラ積の値に対応する。このパラメータは、圧力中心の速度のノルムを変化させるために個人が消費するエネルギーを表す。
− 偏差。偏差は、すべてのサンプリングポイントについて計算された速度と加速度のベクトル積のノルムに対応する。このパラメータは、圧力中心の速度(すなわち圧力中心の変位、軌跡、または運動)の方向を変化させるために個人が消費するエネルギーを表す。重心動揺図の部分120の研究の状況で、パワーおよび偏差は、圧力中心の変位の長さ、Y軸の関数としての速度の分散(VFY)またはLFS(すなわち表面に対する長さの比)を有利に置換することができる2つのパラメータであり、被験者が姿勢を制御するために消費するエネルギー消費量に関する従来技術による情報をもたらす。詳細には、本発明者が提案した偏差により、個人のエネルギー消費を新たな観点から評価することが可能になり、本発明による方法では、従来技術において提案されたパラメータ(たとえばVFY、LFS)よりも適切である。
− 圧力中心の変位の速度。圧力中心の変位の速度は、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、このパラメータは時間の関数であり、たとえばミリメートル/秒で測定され得る。
− 圧力中心の変位の加速度。圧力中心の変位の加速度は、収集の持続時間にわたって、圧力中心の変位のすべてのサンプリングポイントについて計算される。したがって、圧力中心の変位の加速度は時間の関数であり、たとえばミリメートル/秒2で測定され得る。
− パワー。パワーは、すべてのサンプリングポイントについて計算された速度と加速度のスカラ積の値に対応する。このパラメータは、圧力中心の速度のノルムを変化させるために個人が消費するエネルギーを表す。
− 偏差。偏差は、すべてのサンプリングポイントについて計算された速度と加速度のベクトル積のノルムに対応する。このパラメータは、圧力中心の速度(すなわち圧力中心の変位、軌跡、または運動)の方向を変化させるために個人が消費するエネルギーを表す。重心動揺図の部分120の研究の状況で、パワーおよび偏差は、圧力中心の変位の長さ、Y軸の関数としての速度の分散(VFY)またはLFS(すなわち表面に対する長さの比)を有利に置換することができる2つのパラメータであり、被験者が姿勢を制御するために消費するエネルギー消費量に関する従来技術による情報をもたらす。詳細には、本発明者が提案した偏差により、個人のエネルギー消費を新たな観点から評価することが可能になり、本発明による方法では、従来技術において提案されたパラメータ(たとえばVFY、LFS)よりも適切である。
本発明による方法は、分割ステップ20において生成された重心動揺図の部分120の各々について、抽出ステップ30で抽出された軌跡パラメータ値130から、少なくとも2つの定量子140の値を判定するステップ40も含む。この、少なくとも2つの定量子140の値を判定するステップ40は、望ましくはデータ処理モジュール220によって実施されるものである。
本発明者が開発した方法は、分割ステップ中に生成された重心動揺図の部分の各々に対して個々に注目するものである。したがって、部分の各々について、1つまたは複数の軌跡パラメータの値から少なくとも2つの定量子が計算される。有利には、この方法は、判定ステップ40の中に、少なくとも3つ、望ましくは少なくとも5つの定量子140の値を判定することを含む。これにより、判定ステップ40中に、重心動揺図の部分120に関連した複数の定量子を生成することになる。
可能性のある定量子140は複数存在する。この状況において、本発明者は、個人のバランスを表す単一値を、これらの値の集合から、また必要に応じて他の値の集合と組み合わせて生成するために、軌跡パラメータ130を変換するための他の多くの方法に関心を寄せてきた。このようにして、これまでに使用されたことのない新規の定量子140が生成された。
したがって、軌跡パラメータ130からいくつかの定量子140を判定するステップ40は、より詳細には、各軌跡パラメータ130について、すべての値を、比較の状況で使用され得る単一値へと、たとえば統計モデルによって変換することを主とする。この、単一値(定量子)への変換は、いくつかの軌跡パラメータ130または同一の軌跡パラメータについて繰り返され得る。たとえば、図2Eは、「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータのすべての値のX軸への射影、ならびに各グラフについてこのパラメータから計算された4つの定量子を示す。
本発明による定量化方法の状況において最も有益な定量子140は、抽出された軌跡パラメータ130の平均値、分散、平方平均、または極値である。したがって、本発明による定量化方法1は、望ましくは、前記軌跡パラメータ131、132、133のうち少なくとも1つのパラメータについて、平均値147、中央値148、分散、平方平均、または少なくとも1つの極値146、149を計算することを含む。
パラメータの極値はパーセンタイルを判定することによって取得される。パーセンタイルまたはセンタイルは、たとえば同数の値を有する100の部分集合におけるパラメータの値のすべてを順序づけし、次いで並べ替えることによって計算され得る。図2Eに示された、「X軸に沿った圧力中心の位置」パラメータの10パーセンタイル146は、X軸に沿った圧力中心の位置の値の下位10%以内の最高値に対応し、95パーセンタイル149は、X軸に沿った圧力中心の位置の値の上位5%以内の最低値に対応する。したがって、10パーセンタイルは下位10%と上位90%を分離する値であり、95パーセンタイルは下位95%と上位5%を分離する値である。望ましくは、軌跡パラメータ130の極値は、15パーセンタイル以下または85パーセンタイル以上に対応し、より望ましくは、10パーセンタイル以下または90パーセンタイル以上に対応し、さらに望ましくは、5パーセンタイル以下または95パーセンタイル以上に対応する。代替として、軌跡パラメータ130の極値は、5パーセンタイル以上かつ15パーセンタイル以下(低い極値)に対応してよく、または85パーセンタイル以上かつ95パーセンタイル以下(高い極値)に対応してもよい。
加えて、定量子140の計算のほかに、本発明者は、いくつかのパラメータまたは定量子において開眼(O)/閉眼(F)を比較すると、バランスの観点から性能を差別化し得ることを示した。したがって、詳細には、本発明による定量化方法1は、少なくとも1つの定量子についてO/F比またはF/O比を計算することを含む。
図4は、本発明による方法の第1のステップの特別な実施形態を示す。図示された方法は、個人の重心動揺図110を記録するステップ10で開始する。次いで、重心動揺図110は、たとえば50%のオーバラップ率を伴う1秒の部分に分割される。
次いで、この方法は、重心動揺図の部分から軌跡パラメータ130の値を抽出するステップ30を含む。次いで、この方法は、31において、別の軌跡パラメータ130から値を抽出するべきかどうかを判定する。Yes(図中のo)の場合、次いで、軌跡パラメータ130の値を抽出するステップ30が、同一の重心動揺図の部分に対して繰り返される。No(図中のn)の場合、この方法は、32において、処理されていない重心動揺図の部分120があるかどうかを判定する。Yes(図中のo)の場合、次いで、軌跡パラメータ130の値を抽出するステップ30が、新規の重心動揺図の部分120に対して繰り返される。No(図中のn)の場合、この方法は、軌跡パラメータ値から少なくとも2つの定量子140の値を判定するステップ40に進む。この方法は、すべての必要な定量子が計算されるまでこれらの計算を遂行する。次いで、この方法は、前記個人のバランスを表す値を判定する段階を始動する。
したがって、本発明による方法は、重心動揺図の部分120の各々の定量子の値から個人のバランスを表す前記値を判定するステップ50も含む。この判定ステップ50はデータ処理モジュール220によって実施され得る。望ましくは、定量子正規化ステップ140を判定ステップ50に先行させることができる。
有利には、判定ステップ50は、望ましくはあらかじめ較正されている採点アルゴリズム500における判定ステップ40において判定された定量子140の値を実施することによって遂行される。採点アルゴリズム500は、定量子140の値または基準重心動揺図の部分121から取得された同じ定量子の値を基に、事前に較正され得る。
望ましくは、採点アルゴリズム500の実装形態は、定量子の値に依拠して、重心動揺図の部分120の各々にスコアを割り当てるステップを包含してよい。スコアは、たとえば圧力中心の(規則的もしくは不規則な)変位の特徴の代表的なスコアでよく、または、個人の重心動揺図のそれぞれの部分におけるバランスの質を表すものでもよい。たとえば、図2Fおよび図3において、本発明による方法は、より暗いかまたはより明るい濃淡レベルの彩色によって表される重心動揺図の部分の各々に対してスコアを与えることを可能にするものである。
代替として、採点アルゴリズム500の実装形態は、重心動揺図の部分120の各々をカテゴリに分類するステップを包含してよい。たとえば、この方法は、それぞれの部分が「優れたバランス」または「危ういバランス」などのカテゴリに関連づけられることを可能にし得る。カテゴリは、少なくとも2つのカテゴリから、たとえば5つのカテゴリから選択され得、望ましくは2つのカテゴリから選択される。
重心動揺図の部分120のカテゴリにおいてスコアまたは分類を割り当てるとき、本発明による方法は、複数の定量子の値140を考慮に入れることを含み得る。
例において示されるように、分類は教師無しであってよく、最も頻度の高い、定期(RP)と呼ばれる部分の群の間の識別を可能にし、一方、極めてまれなものは、より不安定なダイナミクスによって特徴づけられ、不定期(IP)と見なされることになる。したがって、バランスが優れた個人の重心動揺図よりも、より転倒しそうな個人の重心動揺図において、第2の群がより重要かつより頻繁になると考えることができる。結果的に、比率におけるこの差は、個人の間のバランスを表す値を判定するために使用され得る。
この採点アルゴリズム500は、別々の学習モデルから、詳細には区分化モデル、教師付きモデル、または教師無しモデルから構築されたものでよい。
採点アルゴリズム500は、望ましくは教師無し区分化アルゴリズムである。この教師無し区分化アルゴリズムは、たとえば教師無し混合ガウスモデル、階層的ボトムアップ分類(英語のHierarchical clustering Agglomerative(凝集型階層クラスタリング))、階層的トップダウン分類(英語のHierarchical clustering divisive(分割型階層クラスタリング))から選択され得る。望ましくは、教師無し区分化アルゴリズムは教師無し混合ガウスモデルである。
代替として、この採点アルゴリズム500は、順序ルールのリスクを最小限にするように構成されることによってより効率的な予測ルールを取得することを可能にする教師付き統計的学習モデルに基づくものである。この場合、判定50は、データ処理モジュール220によって、少なくとも2つの定量子140の前記値を所定値と比較するステップを含み得る。たとえば、所定値は、データベースに記憶された基準重心動揺図の部分121から計算され得る。比較ステップは、モデルに基づき、データセットに関して訓練されて、重心動揺図の部分または完全な重心動揺図のラベルを予測するように構成され得る。たとえば、較正のために、いくつかの基準重心動揺図の部分121ならびに関連する基準パラメータおよび/または定量子と、たとえば「優れたバランス」/「悪いバランス」といった形態の2値のラベル(ラベルまたはクラス)とによって特徴づけられた個体群を表す個人の集合からのデータセットを使用することができる。データセットは複数のラベルも含むことができる。本発明の状況では、定量化方法1は、少なくとも25、望ましくは少なくとも50、さらに望ましくは少なくとも100の基準重心動揺図の部分121に基づくものでよい。次いで、比較ステップは、たとえばBurges、1998年(Data Mining and Knowledge Discovery. A Tutorial on Support Vector Machines for Pattern Recognition)に説明されているカーネル法(たとえばラージマージン分離器−サポートベクターマシン(SVM)、カーネルリッジ回帰)、たとえばBrieman、2001年(Machine Learning.Random Forests)に説明されているアンサンブル法(たとえばバギング、ブースティング、決定木、ランダムフォレスト)、またはたとえばRosenblatt、1958年(The perceptron: a probabilistic model for information storage and organization in the brain)に説明されているニューラルネットワークからたとえば選択された教師付き統計的学習モデルを使用することを含むことができる。
加えて、採点アルゴリズム500を生成するステップは、「バギング」ステップおよび/またはブースティングステップを含み得る。バギングおよびバギングの実装形態は、Galarら、2011年(A Review on Ensembles for the Class Imbalance Problem: Bagging−, Boosting−, and Hybrid−Based Approaches)に詳細に説明されている。ブースティングは、Adaboost、LPBoost、TotalBoost、BrownBoost、xgboost、MadaBoost、LogitBoostなどのアルゴリズムのセットを包含する。ブースティングはシーケンシャルな方法であり、各サンプルは、従来のサンプルに対する基本的なルールの性能に応じて取り出される。ブースティングおよびブースティングの実装形態は、Freund & Schapire、1999年(Machine Learning Large. Margin Classification Using the Perceptron Algorithm)に詳細に説明されている。
本発明による定量化方法1により、バランスの品質に比例したゼロと100の間のスコアまたは値の形態のバランス定量化を得ることが可能になる。たとえば、30未満の値はバランスが悪いことを指示する。
この状況では、この方法は、代表的なバランス値を判定するために、いくつかの重心動揺図から取得された定量子の値、部分ランキングまたは部分スコアを考慮に入れることを含み得る。重心動揺図110がロンベルグ試験において生成されたとき、「開眼」重心動揺図および「閉眼」重心動揺図が取得された。「開眼」重心動揺図および「閉眼」重心動揺図の部分の各々から得られたスコアは、有利には、個人のバランスを表す値を取得するために考慮に入れられる。
望ましくは、判定ステップ50には、取得されたバランス代表値を記録するステップ60と、場合により、前記値を、前記個人に関連づけられた一意の識別子に関連づけるステップとが続く。
したがって、これにより、個人の代表的なバランス値を経時的に比較することが可能になる。したがって、望ましくは、本発明による定量化方法1は、個人のバランス代表値の変遷を監視するため、したがってバランスの質を監視するために、同一の個人に対して異なる日に実施され得る。
加えて、有利には、本発明による方法は、重心動揺図の部分120の各々のスコアのグラフィック表現のための命令を生成するステップ70を含み得る。望ましくは、少なくとも1つのグラフは、前記バランス代表値を判定するステップ50の最後に、自動的に生成される。本発明によるバランス定量化方法1は、前記バランス代表値を図的表現するステップも含み得る。値は表示モジュールによって表示され得る。この表示は、値または図的表現を指示する簡易な表示であり得る。この方法は、分割ステップ20において時間の関数として生成された重心動揺図の部分120の各々に関するスコアまたはカテゴリである少なくとも1つの定量子140の値を表示手段270に図的表現するステップも含み得る。図3は、本発明による方法の実施中に生成され得るグラフの一例を示すものである。図3のグラフに含まれる16の部分は、各々の部分のスコアに依拠する色を有する。スコアは、この部分の圧力中心の変位の規則性または不規則性を表し得る。図3によれば、圧力中心の変位が、収集の開始においてはかなり規則的であるが次第に不規則になることが示されている。
本発明による方法により、経時的バランス代表値の変遷、または個人のグループの範囲内でのこの値の位置の図的表現も可能になり得る。
前記バランス代表値は、タブレット、サーバ、またはパーソナルコンピュータなどの遠隔システムに送信することもできる。したがって、本発明による定量化方法1は、バランス代表値、計算された定量子および/または計算されたパラメータを、少なくとも1つの通信ネットワークを介して、タブレット、サーバまたはコンピュータなど少なくとも1つの通信するシステムに送信するステップを含み得る。
望ましくは、本発明は、静的バランスおよび動的バランスを定量化するステップを含むバランス定量化方法1に関するものである。さらに望ましくは、本発明は静的バランスの定量化に関するものである。
本発明者は、この新規のバランス定量化方法1の開発の一部分として、開発された統計モデルによって取得されたバランス代表値と、とりわけ、ROC曲線によって使用される採点アルゴリズムとの妥当性を検証した。開発された統計モデルと、とりわけ、本発明者によって使用される採点アルゴリズム500とにより、0.75より大きいAUCが取得され得る。
一態様によれば、本発明は、本発明によるバランス定量化方法1を実施することができるバランス定量化デバイス2に関するものである。より具体的には、本発明によるバランス定量化デバイス2は、
− 前記個人の少なくとも1つの重心動揺図110を含むデータを受信することができる通信モジュール210と、
− 重心動揺図110を記録することができる記憶手段280と、
− データ処理モジュール220と
を含む。
− 前記個人の少なくとも1つの重心動揺図110を含むデータを受信することができる通信モジュール210と、
− 重心動揺図110を記録することができる記憶手段280と、
− データ処理モジュール220と
を含む。
図5には、本発明によるバランス定量化デバイス2が概略的に示されている。
通信モジュール210は、プラットフォーム、タブレット、電話、コンピュータ、またはサーバなどの遠隔システムとの間で情報を送受信するように構成されている。通信モジュールは、少なくとも1つの通信ネットワーク上でデータを送信することを可能にするものであり、有線通信または無線通信を含み得る。望ましくは、通信は、wifi、3G、4G、および/またはブルートゥースなどの無線プロトコルによって作動される。
通信モジュール210により、たとえばタブレット、電話、コンピュータ、またはサーバなどの遠隔システムとの間で情報を送受信することが可能になる。この情報は、圧力中心の変位の未加工データ、または重心動揺図110の未加工データであり得る。通信モジュール210はまた、重心動揺図の部分、計算されたパラメータ、計算された定量子、およびバランス代表値に関連したデータを送るように構成されている。これらのデータ交換は、圧力センサの未処理の値を含有しているファイルと、圧力中心の軌跡の座標を含有しているファイルと、部分120、軌跡パラメータ130、定量子140、および重心動揺図の部分120から判定されたバランス代表値を含むファイルとを送受信する形態を採用し得る。交換されたデータは、望ましくは暗号化された形態で転送され得、調査されている個人に固有のキーに関連づけられる。また、通信モジュール210により、デバイス2と、クライアント400を含む遠隔端末との間の通信が可能になり得る。顧客は、一般に、本発明による定量化デバイスにアクセスしそうな任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアである。
データ処理モジュール220は、
・いくつかの重心動揺図の部分120を生成するために、通信モジュール210によって送信される個人の重心動揺図110を時間の関数として分割し、
・重心動揺図の部分120から、少なくとも1つの軌跡パラメータ130の値を抽出し、
・軌跡パラメータ130の抽出された値からいくつかの定量子140を判定し、
・重心動揺図の部分120の各々の前記定量子140の値から、個人のバランスを表す値を判定する
ように構成されている。
・いくつかの重心動揺図の部分120を生成するために、通信モジュール210によって送信される個人の重心動揺図110を時間の関数として分割し、
・重心動揺図の部分120から、少なくとも1つの軌跡パラメータ130の値を抽出し、
・軌跡パラメータ130の抽出された値からいくつかの定量子140を判定し、
・重心動揺図の部分120の各々の前記定量子140の値から、個人のバランスを表す値を判定する
ように構成されている。
望ましくは、データ処理モジュール220は、本発明による定量化方法1の別々のステップを実施するように構成されている。したがって、本発明によるバランス定量化方法1の望ましいステップは、本発明によるデータ処理モジュール220に関する好ましい構成でもある。
有利には、データ処理モジュール220はプロセッサを有し、記憶手段280に接続することができる。
記憶手段280は、一時的記憶装置および/または非一時的記憶装置を備え得る。記憶手段280は、圧力センサの未処理の値、圧力中心の軌跡の座標、重心動揺図の部分120、軌跡パラメータ130、定量子140、および重心動揺図の部分120から判定されたバランス代表値を、たとえばファイルの形態で記録することができる。非一時的記憶装置は、たとえばデータ処理モジュールの構成を記録するとともに、たとえば重心動揺図110を記録することもできる。非一時的記憶装置は、CD−ROM、メモリカード、または遠隔サーバ上でホスティングされたハードドライブなどの媒体であり得る。
本発明による定量化デバイス2は、重心動揺図110を生成するためのモジュール230も含み得る。このモジュールは、力センサまたは圧力センサによって生成されたものなど圧力中心の変位の未加工データから重心動揺図110に関連したデータを生成する(たとえば、時間の関数としてx軸およびy軸に沿って配置する)ように構成されている。
本発明による定量化デバイス2は、リサンプリングモジュール240も含み得る。実際、圧力中心の変位の未加工データまたは重心動揺図110を生成することができるデバイスは、必ずしもすべてがサンプリング周波数を制御することができるわけではない。したがって、いくつかのデバイスは重心動揺図110を第1のランダム周波数で生成してもよく、この周波数は、同一の重心動揺図110について、たとえば収集中に10〜1000Hzにわたって常に変化するために予測不可能である。しかしながら、そのような周波数変動により、本発明によるバランス定量化方法1の性能が低下する可能性がある。したがって、リサンプリングモジュールは、望ましくは第2の周波数でリサンプリングされて実質的に一定の周波数を有する重心動揺図110を生成するために、未加工データまたは重心動揺図110を第1の周波数で処理するように構成される。実質的に一定の周波数とは、重心動揺図110の内部での変動が10%未満、望ましくは5%未満、さらに望ましくは1%未満の周波数であることを理解されたい。リサンプリングモジュール240によって生成された第2の周波数の重心動揺図110は、25Hz以上のサンプリング周波数を有する。望ましくは、第2の周波数は、基準重心動揺図111の周波数と実質的に同一である。
本発明によるバランス定量化デバイスは、干渉信号を低減するかまたは抑制するために、圧力センサまたは力センサによって生成された未加工データをフィルタリングするように構成されたノイズ除去モジュールを備え得る。ノイズ除去は、ウェーブレットノイズ除去、閾値適用、ウィーナフィルタ、および逆畳み込みなどの様々な方法に基づき得る。
このデバイスは制御インタフェースも備え得る。この制御インタフェースは、ユーザがバランス定量化デバイスとやりとりすることを可能にするように構成されている。この制御インタフェースは、たとえば、ユーザコマンドを受け取ることができる手動アクチュエータ(たとえばボタン)またはタッチスクリーンを備え得る。
このデバイスは、表示モジュールまたは観察手段270も備え得る。この表示モジュールは液晶表示器を備え得る。表示モジュールには、定量化の結果、バランス代表値、前記バランス代表値の経時的進展および人々のグループ内のバランス代表値に対する前記バランス代表値の位置付けなどの様々な情報が表示され得る。
たった今提示されたように、本発明による収集デバイス1は複数のモジュールを備える。図5ではこれらのモジュールは分離されているが、本発明は、ここで説明されたすべての機能を組み合わせた単一モジュールなど、異なるタイプの機構に対応し得るものである。同様に、これらのモジュールはいくつかの電子基板に分けることができ、または単一の電子基板に集められ得る。同様に、デバイスまたはモジュールに与えられたアクションは、記憶装置に記憶された命令コードによって制御されたデバイスまたはモジュールの中のマイクロプロセッサによって実際に遂行される。アプリケーションに与えられたアクションはデバイスのマイクロプロセッサによって実際に遂行され、デバイスの記憶装置にはアプリケーションに対応する命令コードが記憶されている。デバイスまたはモジュールは、通信インタフェースによってメッセージを送受信する。この発明が言及する記憶装置は、ランダムアクセスメモリおよび/または大容量記憶装置に対応し得る。大容量記憶装置は、CD−ROM、メモリカード、または遠隔サーバ上でホスティングされたハードドライブなどの媒体であり得る。
別の態様によれば、本発明は、図6に示す、本発明による定量化方法1を実施するように適合されたバランス定量化システム3に関するものである。望ましくは、個人のバランスを定量化するためのシステム3は、
− 個人を支えるように適合されたプラットフォーム310であって、個人の両足からプラットフォーム310にかかる圧力の関数として第1の周波数の未加工データ313を生成するように構成された圧力センサおよび/または力センサ312を備えるプラットフォーム310と、
− プラットフォーム310によって生成された未加工データ313から、個人の重心動揺図110を少なくとも1つ取得するように用意された未加工データ処理ユニット320と、
− 処理ユニット320と通信可能な、前述のバランス定量化デバイス2とを備える。
− 個人を支えるように適合されたプラットフォーム310であって、個人の両足からプラットフォーム310にかかる圧力の関数として第1の周波数の未加工データ313を生成するように構成された圧力センサおよび/または力センサ312を備えるプラットフォーム310と、
− プラットフォーム310によって生成された未加工データ313から、個人の重心動揺図110を少なくとも1つ取得するように用意された未加工データ処理ユニット320と、
− 処理ユニット320と通信可能な、前述のバランス定量化デバイス2とを備える。
図6に示されるように、本発明によるプラットフォーム310は、個人を支えるように意図された支持体であり、力センサおよび/または圧力センサを使用して圧力中心の変位を測定することができる。圧力中心を測定するために任意のセンサシステムが使用され得る。唯一の条件は、プラットフォーム310は、圧力中心を位置決めするための未加工データを生成し得なければならないことである。この支持体は、たとえば1対の足底または少なくともトレイであり得る。望ましくは、プラットフォーム310はトレイ311を含む。一般規則として、トレイ311の片側の寸法は15〜70cmでよく、望ましくはほぼ25〜40cmでよい。このトレイ311は、たとえば、個人間で、また同一の個人については経時的に、両足の再現可能な位置決めを可能にするテンプレートを含むことができる。
プラットフォーム310は、トレイ上に印加された圧力または力を所与の時間において測定するように構成されており、そのためのセンサ312を含む。センサは、印加された力を、未加工データに対応する電気信号、光信号、または磁気信号に変換する。これらの未加工データは、圧力中心の座標を規定して、圧力中心の座標の変動を経時的に監視するように組み合わせて処理され得る。これらのセンサは圧力センサまたは力センサであり得る。力センサは、立っている被験者を支持する力の合力を測定するものである。プラットフォームにかかる力およびモーメントを測定すると、圧力中心の座標を規定して、圧力中心の座標の変動を経時的に監視することができる。圧力センサは、たとえば、トレイ上の個人の体重によって誘起された圧力または個人の両足からプラットフォームにかかる圧力を測定するかまたは検知するように構成された圧力セルを備え得る。これらのセンサから導出されたデータは未加工データである。プラットフォーム310はまた、複数の抵抗性センサまたは圧電センサ(たとえば1,000〜6,000のセンサ)を備えることができる。望ましくは、プラットフォームの端部に、たとえば右センサと左センサの間または上部センサと下部センサの間に、20〜50cmの間隔をあけて4つのセンサがある。たとえば、図6に示されるように、プラットフォーム310は、トレイの4つの隅(左上、右上、左下、右下)に4つのセンサ312を有する。
プラットフォーム310は、有利には時間カウントモジュールを含み、たとえば10Hz〜1,000Hzの範囲で変化し得る周波数で、ランダムな間隔でプラットフォーム310の様々なセンサ312の値を測定するように構成され得る。望ましくは、プラットフォーム310は、プラットフォーム310の様々なセンサ312の値を、25Hz以上、より望ましくは50Hz以上の周波数で測定するように構成される。
さらに望ましくは、プラットフォーム310は、重心動揺図110を収集するとき、25Hz以上の周波数で実質的に常時、プラットフォーム310の様々なセンサ312の値を測定するように構成される。実際は、サンプリング周波数が低すぎるか、またはあまりにランダムであると、バランスの定量化の精度が不十分になる。周波数が一定でない場合には、平均収集周波数は望ましくは60Hz以上であり、より望ましくは75Hz以上である。
プラットフォーム310は表示デバイスを含み得、望ましくはトレイ311上に立っている個人が表示デバイスを見ることができるように配置されている。
プラットフォーム310は、(たとえばトレイ311に乗ろうとしている、または降りようとしている)個人に命令を与えることができるスピーカデバイスも含み得る。これらの命令は表示デバイスからも与えられ得る。
有利には、プラットフォーム上に、固有受容性や触知性の情報を歪めるかまたは妨げることができるフォームを配置することによって、定量化の感度を高めることが可能である。このフォームは、たとえば1〜10ミリメートルの厚さおよび100〜500kg/m3の密度を有し得る。
プラットフォーム310は、個人の体重、脂肪、水分量、骨量、筋肉量、心拍数および/またはボディマス指数を測定するためのモジュールも含むことができる。
バランス定量化システム3は、プラットフォームが生成した未加工データを処理するためのユニット320も含む。この未加工データ処理ユニット320は、センサ312が生成した未加工データから、個人の少なくとも1つの重心動揺図110を生成するように用意され、かつ/または構成されている。この未加工データ処理ユニット320は、たとえば図6に示されたようなプラットフォーム310に組み込まれ得る。しかしながらユニット320は、遠隔サーバ330、定量化デバイス2(この場合たとえば重心動揺図110を生成するためのモジュール230も組み込む)、または制御デバイス340にも組み込まれ得る。
バランス定量化システム3は、図6に示されたような遠隔サーバ330を含み得る。たとえば、この遠隔サーバ330は、ウェブインタフェースを介して、または制御デバイス340に直接実装された適切な機能によって直接的に、アクセスされ得る。制御デバイス340と遠隔サーバ330の間のすべての通信は、たとえばHTTPSプロトコルおよびAES 512暗号化によってセキュリティ保護され得る。
この遠隔サーバは定量化デバイス2をホスティングすることができる。したがって、1つの定量化デバイス2が複数の個人を監視することができる。
本発明による定量化システムは、プラットフォーム310およびバランス定量化デバイス2と相互作用するように構成されたシステム制御デバイス340を含み得る。このシステム制御デバイス340により、たとえばプラットフォーム310からのデータ収集を制御したり、定量化デバイス2からの結果を表示したりすることが可能になる。
このシステム制御デバイス340は、望ましくはタブレット340a、ラップトップコンピュータ、または腕時計などのモバイルデバイスである。
別の態様によれば、本発明は、本発明によるバランス定量化方法1を実施するように構成されたコンピュータプログラム製品4に関するものである。コンピュータプログラム製品4は、非一時的記憶メディアに記録されてコンピュータ、タブレット、またはサーバ上で動作することができ、前記コンピュータプログラムは少なくとも、
− 個人の重心動揺図110を分割して、いくつかの重心動揺図の部分を生成するように適合された1つのアルゴリズムと、
− これらの重心動揺図の部分120から、少なくとも1つの軌跡パラメータ130の値を抽出するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 軌跡パラメータ130の抽出された値から、いくつかの定量子140を判定するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 重心動揺図の部分120の各々の前記定量子140の値から、個人のバランスを表す値を判定するように適合された1つのアルゴリズムと
を含む。
− 個人の重心動揺図110を分割して、いくつかの重心動揺図の部分を生成するように適合された1つのアルゴリズムと、
− これらの重心動揺図の部分120から、少なくとも1つの軌跡パラメータ130の値を抽出するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 軌跡パラメータ130の抽出された値から、いくつかの定量子140を判定するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 重心動揺図の部分120の各々の前記定量子140の値から、個人のバランスを表す値を判定するように適合された1つのアルゴリズムと
を含む。
本発明による、方法、デバイス、システム、およびコンピュータプログラム製品は個人のバランスの定量化を可能にするものであり、多くの用途を有し得る。実際、本発明は、測定ツール、すなわち方法、方法を実施するためのデバイス、およびデバイスを組み込んだシステムを提供することを可能にするものであり、これによって、自然なまたは加療中のバランスの変遷、バランスの質および結果として起こり得ること、可能性のあるバランスの乱れの深刻度(たとえば転倒することのリスクは何か?)、ならびに可能性のあるバランスの乱れの原因など、個人のバランスに関するいくつかの主要な質問に答えるために、個人のバランスの数的かつ客観的な値を取得することが可能になる。
実際、個人のバランスを表すとともにバランスの質を指示する値が生成されれば、この個人または他人が、このバランスに数的かつ客観的な値を割り当てることが可能になる。
これらの値またはスコアは、学習した基準からの偏差を識別するために、経時的監視の一部分として使用され得る。
同様に、本発明は、別々の療法の効果を明らかにするために使用され得、本発明によるバランスの定量化により、治癒率を監視することが可能になるであろう。したがって、本発明は、スポーツ計画、人工器官、スポーツシューズ、補正中底、リハビリテーションプロトコル、神経障害療法および/または外科技術の性能評価の状況において実施され得る。本発明による方法は、特に高齢者に適している。
加えて、本発明は、個人のバランスの質を他人のバランスの質と比較して、たとえば転倒するリスクがあるかどうかを判定するために使用され得る。したがって、本発明は、たとえば6か月の、転倒するリスクの測定の一部分として実施され得る。この状況では、本発明による定量化方法1によって判定されるバランス代表値は、6か月の転倒するリスクを指示する値である。詳細には、個人は、本発明の意味の範囲内では60歳超、望ましくは70歳超の人である。
加えて、個人の取得された定量子140の値を異なるカテゴリの人々の取得された定量子の値と比較すれば、個人をどのように看護するべきか目標を設定すること、およびそうした個人を適切なサービス(たとえば外傷学、リューマチ学、神経病学)に向けることの助けになり得る。したがって、本発明はバランス障害の原因を判定する状況で実施され得る。
調査された個人
以下に示す結果は、Agence National de Securite du Medicament et des produits de santeによって承認されたプロトコルによって取得されたものであり、すべての参加者について書面による同意が得られている。本発明は、
− 65歳超である、
− 健康である(たとえば高血圧の患者は除外された)、
− プラットフォーム上に立つことができる、
− 説明したうえで同意が得られている、
といった特性の126人の個人のグループに対して実施された。
以下に示す結果は、Agence National de Securite du Medicament et des produits de santeによって承認されたプロトコルによって取得されたものであり、すべての参加者について書面による同意が得られている。本発明は、
− 65歳超である、
− 健康である(たとえば高血圧の患者は除外された)、
− プラットフォーム上に立つことができる、
− 説明したうえで同意が得られている、
といった特性の126人の個人のグループに対して実施された。
調査に含まれた126人の個人のうち18人は、診察前の6か月における転倒を報告した。
圧力中心の変位の測定
診察中は個人の圧力中心の運動をWii Balance Board(登録商標)を使用して監視し、本発明の一部分として特別に開発されたカスタムアプリケーションを使用して記録した。両足は、肩幅を超えることなく、患者にとって最も快適な位置に配置した。圧力中心の軌跡を、開眼状態で25秒間記録し、次いで閉眼状態で25秒間記録した。各個人について、直近6か月に起こった報告された転倒を記録するように、転倒の質問表が記入された。
診察中は個人の圧力中心の運動をWii Balance Board(登録商標)を使用して監視し、本発明の一部分として特別に開発されたカスタムアプリケーションを使用して記録した。両足は、肩幅を超えることなく、患者にとって最も快適な位置に配置した。圧力中心の軌跡を、開眼状態で25秒間記録し、次いで閉眼状態で25秒間記録した。各個人について、直近6か月に起こった報告された転倒を記録するように、転倒の質問表が記入された。
前処理
重心動揺図を計算する前に、WBBによる未処理の信号の出力をノイズ除去してリサンプリングした。
重心動揺図を計算する前に、WBBによる未処理の信号の出力をノイズ除去してリサンプリングした。
分割
次いで、重心動揺図を、オーバラップ有りまたはオーバラップ無しの1〜3秒の部分に分割した。
次いで、重心動揺図を、オーバラップ有りまたはオーバラップ無しの1〜3秒の部分に分割した。
本発明による統計分析
重心動揺図の各部分について、95%信頼楕円の面積、圧力中心の変位の比のノルムの平均値、内側の横軸に沿った圧力中心の位置の値の分散、の3つの定量子を計算した。次いで、これらの定量子を正規化した。
重心動揺図の各部分について、95%信頼楕円の面積、圧力中心の変位の比のノルムの平均値、内側の横軸に沿った圧力中心の位置の値の分散、の3つの定量子を計算した。次いで、これらの定量子を正規化した。
開眼状態と閉眼状態について2つの混合ガウスモデル(GMM)を使用した。混合ガウスモデル(GMM)は教師無し区分化アルゴリズムである。
カテゴリの数k(この例では、圧力中心の定期−RPまたは不定期−IPな変位についてk=2)、および点Zjの集合(ここで各点Zjは、部分の各々について、正規化された定量子の値に対応する)を考えて、GMMは、最尤原理に従って、2つ(k個)の多変量のランダムなガウス変数の混合を構築しようとする。そうするために、GMMは、不完全なデータがある状態において繰り返し対数尤度期待値を最大化することによって尤度法を最大化するために期待値最大化(EM)アルゴリズムの原理を進める。
各ガウスランダム変数Niの重みπi、中心(μi)k i=1および共分散行列は、古典的な繰り返し手順(たとえば20回)をランダムに使用して初期化される。次いで、アルゴリズムは、収束するまで以下のステップを繰り返す。点Zjがグループiに属する確率pi,jは次式となる。
重みπi、中心(μi)k i=1および共分散行列は、確率pi,jに従って更新される。
これによって、各部分について取得された結果からスコアが計算され得る。
重みπi、中心(μi)k i=1および共分散行列は、確率pi,jに従って更新される。
これによって、各部分について取得された結果からスコアが計算され得る。
比較統計解析、ウェーブレット
文献では、ウェーブレット解析の状況において、各周波数帯域が、異なる感覚入力に関連づけられ得るとされている。たとえば、エネルギー分布を調査すれば、異なるバランスを識別することが可能になるはずである。したがって、このサンプルに関して、これらの帯域におけるエネルギーの分布を解析するために3つの周波数帯域を調査した。本発明によって提案された解析のように、最終的な性能は、各部分のスコアを平均化して総合スコアを生成することによって検証される。ウェーブレット解析における最終的なスコアは、これらの帯域に含有されているエネルギーの百分率である。そのような解析により、0.48〜0.52のランダムなAUC結果が取得され得る。
文献では、ウェーブレット解析の状況において、各周波数帯域が、異なる感覚入力に関連づけられ得るとされている。たとえば、エネルギー分布を調査すれば、異なるバランスを識別することが可能になるはずである。したがって、このサンプルに関して、これらの帯域におけるエネルギーの分布を解析するために3つの周波数帯域を調査した。本発明によって提案された解析のように、最終的な性能は、各部分のスコアを平均化して総合スコアを生成することによって検証される。ウェーブレット解析における最終的なスコアは、これらの帯域に含有されているエネルギーの百分率である。そのような解析により、0.48〜0.52のランダムなAUC結果が取得され得る。
したがって、ウェーブレット法は本発明が対処する問題に適合するようには思えない。
本発明の結果
この方法に適用されたパラメータの関数としてのAUCの結果を、分割無しで遂行した解析と比較して以下の表1に示す。
この方法に適用されたパラメータの関数としてのAUCの結果を、分割無しで遂行した解析と比較して以下の表1に示す。
これらの結果は、選択された定量子を用いた分割無しのAUC結果が0.63であって、標準偏差が0.12であることを示す。
反対に、分割が有るとき、AUC結果は少なくとも0.75であり、すなわち少なくとも19%増加し、標準偏差は、試験したすべての条件についてより小さいものであった。したがって、本発明による方法を実施すると、バランス定量化の性能が改善され得、ばらつきが低減され得る。
加えて、50%のオーバラップを用いるとAUCがさらに増加され得、1秒の部分についてAUCは0.77となる。
したがって、本発明は、個人のバランスの定量化を改善するための測定ツールを提供するものである。詳細には、この定量化は、弱信号と、完全な重心動揺図の解析中にはマスクされ得る一時的なアンバランスとを考慮に入れることができる。加えて、本発明により、重心動揺図の各部分を定性化するためのグラフィック表現によって、個人のバランスの理解を促進することが可能になる。有利には、ユーザは、このデータセットの内容を容易に見ることができ、必要に応じてバランス障害の特性パターンを識別することができるであろう。
これらの利益のすべてが、個人のバランスの定量化を改善するために寄与するものである。
Claims (25)
- 個人のバランスを表す値を取得するために前記個人の前記バランスを定量化するための方法(1)であって、記憶手段(280)に接続された少なくとも1つのデータ処理モジュール(220)を備えるデバイスによって実施され、圧力センサおよび/または力センサ(312)を備えるプラットフォーム(310)から取得された、前記個人の少なくとも1つの重心動揺図(110)を、前記記憶手段(280)に記録すること(10)を含む方法において、
− いくつかの重心動揺図の部分(120)を生成するように、前記データ処理モジュール(220)によって、前記記憶手段(280)に記録された前記個人の前記重心動揺図(110)を時間の関数として分割するステップ(20)と、
− 前記データ処理モジュール(220)によって、前記重心動揺図の部分(120)から、少なくとも1つの軌跡パラメータ(130)の値を抽出するステップ(30)と、
− 前記データ処理モジュール(220)によって、前記分割ステップ(20)において生成された前記重心動揺図の部分(120)の各々について、前記抽出ステップ(30)において抽出された前記軌跡パラメータ(130)の値から、少なくとも2つの定量子(140)の値を判定するステップ(40)と、
− 前記データ処理モジュール(220)によって、前記重心動揺図の部分(120)の各々の前記定量子の値から、前記個人の前記バランスを表す前記値を判定するステップ(50)と
をさらに含むことを特徴とする定量化方法。 - 前記重心動揺図の部分(120)の持続時間が3秒以下であることを特徴とする、請求項1に記載の定量化方法。
- 前記分割ステップ(20)が、各重心動揺図について、少なくとも10の重心動揺図の部分(120)を生成することを特徴とする、請求項1または2に記載の定量化方法。
- 前記分割ステップ(20)において生成された前記重心動揺図の部分(120)が、連続した部分について、少なくとも25%、望ましくは少なくとも50%のオーバラップ率を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 前記分割ステップ(20)において生成された前記重心動揺図の部分(120)が、連続した部分について高々95%のオーバラップ率を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 前記判定ステップ(50)が、前記定量子(140)の前記値に依拠して、前記重心動揺図の部分(120)の各々にスコアを割り当てるように、または前記重心動揺図の部分(120)の各々をカテゴリによって分類するように、採点アルゴリズムにおける前記判定ステップ(40)において判定された前記定量子(140)の前記値を実施することによって実行されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 観察手段(270)において、前記スコアまたはカテゴリの関数としての前記重心動揺図の部分のグラフィック表現の生成を可能にするように、前記重心動揺図の部分の各々のスコアまたはカテゴリを送信するステップ(70)をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の定量化方法。
- 前記採点アルゴリズムが教師無し区分化アルゴリズムであることを特徴とする、請求項6または7に記載の定量化方法。
- 前記教師無し区分化アルゴリズムが、教師無し混合ガウスモデル、階層的ボトムアップ分類、または階層的トップダウン分類から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の定量化方法。
- 個人の全身によってプラットフォーム上に経時的に印加された圧力中心の変位に対応する未加工データを生成するステップ(11)をさらに含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 前記未加工データを圧力中心の軌跡データに変換するステップ(12)をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の定量化方法。
- 個人の圧力中心の変位に対応する前記未加工データがロンベルグ試験において取得されることを特徴とする、請求項10または11に記載の定量化方法。
- 前記分割ステップ(20)が、前記個人が開眼状態で取得された重心動揺図(110)と、閉眼状態で取得された重心動揺図(110)とから遂行されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 少なくとも1つの定量子について、前記個人が開眼状態で取得された重心動揺図(110)から計算された軌跡パラメータの値と、閉眼状態で取得された重心動揺図(110)から計算された軌跡パラメータの値の比(O/F比)、またはその逆数(F/O比)を計算することを含むことを特徴とする、請求項13に記載の定量化方法。
- 重心動揺図の収集時間が5〜70秒であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 前記軌跡パラメータ(130)が、圧力中心の位置軌跡パラメータ(131)、安定性軌跡パラメータ(132)、および/またはダイナミクス軌跡パラメータ(133)であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の定量化方法。
- 個人のバランスを定量化するためのデバイス(2)であって、
− 前記個人の重心動揺図(110)を受信することができる通信モジュール(210)と、
− 前記重心動揺図を記録することができる記憶手段(280)と、
− 前記記憶手段(280)に接続することができる少なくとも1つのデータ処理モジュール(220)と
を備える定量化デバイス(2)において、前記データ処理モジュール(220)が、
○いくつかの重心動揺図の部分(120)を生成するように、前記記憶手段に記録された前記個人の前記重心動揺図(110)を時間の関数として分割し、
○前記重心動揺図の部分(120)から、少なくとも1つの軌跡パラメータ(130)の値を抽出し、
○前記抽出された軌跡パラメータ(130)の値からいくつかの定量子(140)を判定し、
○前記重心動揺図の部分(120)の各々の前記定量子(140)の値から、前記個人の前記バランスを表す値を判定する
ように構成されていることを特徴とする定量化デバイス(2)。 - 前記通信モジュール(210)が、遠隔システムとの間で情報を送受信するように構成されていることを特徴とする、請求項17に記載の定量化デバイス(2)。
- 重心動揺図(110)に関するデータを生成するように構成された、重心動揺図(110)を生成するためのモジュール(230)をさらに含むことを特徴とする、請求項17または18に記載の定量化デバイス(2)。
- 第2の周波数でリサンプリングされて実質的に一定の周波数を有する重心動揺図(110)を生成するように、未加工データまたは前記重心動揺図(110)を第1の周波数において処理するように構成されたリサンプリングモジュール(240)をさらに備えることを特徴とする、請求項17から19のいずれか一項に記載の定量化デバイス(2)。
- 個人のバランスを定量化するためのシステム(3)であって、
− 個人を支えるように適合されたプラットフォーム(310)であって、前記個人の両足から前記プラットフォーム(310)にかかる圧力の関数として第1の周波数の未加工データを生成するように構成された圧力センサおよび/または力センサ(312)を備えるプラットフォーム(310)と、
− 前記プラットフォームによって生成された前記未加工データから、前記個人の重心動揺図(110)を少なくとも1つ取得するように用意された未加工データ処理ユニット(320)と、
− 前記処理ユニットと通信可能な請求項17に記載のバランス定量化デバイス(2)と
を備える定量化システム(3)。 - 前記プラットフォームが4つの圧力センサおよび/または力センサ(312)を含むことを特徴とする、請求項21に記載の定量化システム(3)。
- 前記プラットフォームが別々の圧力センサおよび/または力センサ(312)の値を、25Hz以上の周波数で実質的に常時測定するように構成されていることを特徴とする、請求項21または22に記載の定量化システム(3)。
- 前記プラットフォームが固有受容性情報および触知性情報を歪めるかまたは妨げることができるフォームを含むことを特徴とする、請求項21から23のいずれか一項に記載の定量化システム(3)。
- 請求項1から16のいずれか一項に記載の定量化方法(1)を実施するように構成されたコンピュータプログラム製品(4)であって、前記コンピュータプログラムは少なくとも、
− 個人の重心動揺図(110)を分割して、いくつかの重心動揺図の部分を生成するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 前記重心動揺図の部分(120)から、少なくとも1つの軌跡パラメータ(130)の値を抽出するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 前記軌跡パラメータ(130)の前記抽出された値から、いくつかの定量子(140)を判定するように適合された1つのアルゴリズムと、
− 前記重心動揺図の部分(120)の各々の前記定量子(140)の値から、前記個人の前記バランスを表す値を判定するように適合された1つのアルゴリズムと
を含むコンピュータプログラム製品(4)。
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