JP2021501611A - Cas12c組成物及び使用方法 - Google Patents

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Abstract

(1)Cas12cタンパク質(C2c3タンパク質とも称される)、Cas12cタンパク質をコードする核酸、及び/またはCas12cタンパク質(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞;(2)Cas12cタンパク質に結合し、Cas12cタンパク質に配列特異性を提供するCas12cガイドRNA(本明細書ではC2c3ガイドRNAとも称される)、Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び/またはCas12cガイドRNA(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞;ならびに(3)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)(本明細書ではCas12c trancRNAまたはC2c3 trancRNAと称される)、Cas12c trancRNAをコードする核酸、及び/またはCas12c trancRNA(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞、のうちの1つ以上を含む、組成物及び方法が提供される。【選択図】なし

Description

相互参照
本出願は、2017年11月1日に出願された米国仮特許出願第62/580,392号の利益を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
テキストファイルとして提供される配列表の参照による組み込み
配列表が、2018年10月16日に作成され、106KBの大きさを有する、テキストファイル「BERK−370WO_SEQ_LISTING_ST25.txt」として、本明細書とともに提供される。テキストファイルの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
序文
DNAシーケンシング時代以前には科学に知られていなかった経路の一例であるCRISPR−Casシステムは、現在、ファージ及びウイルスに対する獲得免疫を細菌及び古細菌に付与することが理解されている。徹底的な研究が、このシステムの生化学を明らかにしている。CRISPR−Casシステムは、外来DNAまたはRNAの獲得、標的化、及び切断に関与しているCasタンパク質、ならびにCasタンパク質をそれらの標的に誘導する隣接する短いスペーサー配列の直接反復を含むCRISPR配列からなる。クラス2のCRISPR−Casは、RNAに結合された単一のCasタンパク質が、標的化された配列への結合及び標的化された配列の切断を担う、合理化されたバージョンである。これらの最小限のシステムのプログラム可能な性質は、ゲノム操作の分野に変革をもたらす汎用性の高い技術としてのそれらの使用を容易にしている。
概要
本開示は、(1)「Cas12c」タンパク質(Cas12cポリペプチド、C2c3タンパク質及びC2c3ポリペプチドとも称される)、Cas12cタンパク質をコードする核酸、及び/またはCas12cタンパク質(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞;(2)Cas12cタンパク質に結合しかつCas12cタンパク質に配列特異性を提供するCas12cガイドRNA(本明細書ではまた「C2c3ガイドRNA」とも呼ばれる)、Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び/またはCas12cガイドRNA(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞;ならびに(3)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)(本明細書では「Cas12c trancRNA」または「C2c3 tranc RNA」と称される)、Cas12c trancRNAをコードする核酸、及び/またはCas12c trancRNA(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞のうちの1つ以上を含む、組成物及び方法を提供する。
天然に存在するCas12cタンパク質配列の例を示す。 天然に存在するCas12cタンパク質配列の例を示す。 天然に存在するCas12cタンパク質配列の例を示す。 天然に存在するCas12cタンパク質配列の例を示す。 Cas12c_1(C2c3_1)のPAM配列を決定するために行われるPAM依存性プラスミド干渉実験から得られた結果を示す。 trancRNAの発現を示す、実験からのRNAマッピング結果を示す。 Cas12cタンパク質で同時精製されたRNAのゲルを示す。 Cas12c遺伝子座からのtrancRNAの発現を確認するノーザンブロットからの結果を示す。 dsDNAまたはssDNA基質を切断するために使用されたCas12cプルダウン複合体(Cas12cタンパク質、trancRNA及びガイドRNAを含む)を使用したデータを示す。ssDNAの細断は、エキソヌクレアーゼの混入が原因であると考えられる。ただし、ラベル付けされた非標的鎖(NTS)の(おそらくまた標的鎖(TS)の)C2c3を介した特定の切断があるらしく、ジグザグ状の切断事象が示唆される。 天然のCas12cc(C2c3)遺伝子座の模式図を示す。
定義
本明細書で使用される場合、「異種」とは、それぞれ天然の核酸またはタンパク質中には見られないヌクレオチドまたはポリペプチド配列を意味する。例えば、Cas12cポリペプチドに対して、異種ポリペプチドは、Cas12cポリペプチド以外のタンパク質由来のアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、ある種由来のCas12cタンパク質の一部が、異なる種由来のCas12cタンパク質の一部と融合する。したがって、各種由来のCas12c配列は、互いに対して異種であると見なされ得る。別の例として、Cas12cタンパク質(例えば、dCas12cタンパク質)は、非Cas12cタンパク質(例えば、ヒストンデアセチラーゼ)由来の活性ドメインと融合し得、この活性ドメインの配列は、異種ポリペプチドである(Cas12cタンパク質に対して異種である)と見なされ得る。
本明細書で互換的に使用される「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれかである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。したがって、この用語は、一本鎖、二本鎖、もしくは多重鎖DNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA−RNAハイブリッド、あるいはプリン塩基及びピリミジン塩基または他の天然の、化学的もしくは生化学的に修飾された、非天然の、または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーを含むが、これらに限定されない。「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、記載されている実施形態に適用可能である場合、一本鎖(センスまたはアンチセンスなど)及び二本鎖ポリヌクレオチドを含むことが理解されるべきである。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、本明細書で互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指し、これは、遺伝的にコードされた、及び非遺伝的にコードされたアミノ酸、化学的もしくは生化学的に修飾された、または誘導体化されたアミノ酸、ならびに修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドを含み得る。この用語は、融合タンパク質を含み、異種アミノ酸配列を有する融合タンパク質、N末端メチオニン残基を有するかまたは有しない異種及び同種リーダー配列との融合体;免疫学的にタグ付けされたタンパク質等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「天然型」という用語は、核酸、タンパク質、細胞、または生物に適用される場合、天然に見出される核酸、細胞、タンパク質、または生物を指す。
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、または細胞が天然に発生する環境とは異なる環境内にあるポリヌクレオチド、ポリペプチド、または細胞を説明することを意味する。単離された遺伝子修飾された宿主細胞は、遺伝子修飾された宿主細胞の混合集団中に存在し得る。
本明細書で使用される場合、「外因性核酸」という用語は、天然の所与の細菌、生物、もしくは細胞において通常もしくは天然に見出されない、及び/またはそれによって産生されない核酸を指す。本明細書で使用される場合、「内因性核酸」という用語は、天然の所与の細菌、生物、または細胞において通常見出される、及び/またはそれによって産生される核酸を指す。「内因性核酸」はまた、「天然核酸」、または所与の細菌、生物、もしくは細胞に「天然」である核酸とも称される。
本明細書で使用される場合、「組み換え」とは、特定の核酸(DNAまたはRNA)が、自然分類系において見出される内因性核酸から区別可能な構造的コードまたは非コード配列を有する構築物をもたらすクローニング、制限、及び/またはライゲーションステップの様々な組み合わせの産物であることを意味する。一般に、構造的コード配列をコードするDNA配列は、cDNA断片及び短いオリゴヌクレオチドリンカーから、または一連の合成オリゴヌクレオチドから組み立てられて、細胞または無細胞転写及び翻訳系に含有される組み換え転写単位から発現が可能である合成核酸を提供することができる。そのような配列は、典型的に真核生物遺伝子内に存在する、内部非翻訳配列またはイントロンによって中断されない、オープンリーディングフレームの形態で提供され得る。また、関連配列を含むゲノムDNAも、組み換え遺伝子または転写単位の形成において使用することができる。非翻訳DNAの配列は、そのような配列がコード領域の操作または発現に干渉しない、オープンリーディングフレームから5’または3’に存在してもよく、実際に様々な機序による所望の産生物の産生を調節するように作用してもよい(下記の「DNA調節配列」を参照)。
したがって、例えば、「組み換え」ポリヌクレオチドまたは「組み換え」核酸という用語は、天然に発生しない、例えば、ヒト介入を通して、配列の2つの、あるいは分離されたセグメントの人工的な組み合わせによって作製されるものを指す。この人工的な組み合わせは、多くの場合、化学的合成手段によって、または核酸の単離されたセグメントの人工的な操作、例えば、遺伝子工学的技法によっての、いずれかで達成される。これは通常、コドンを、それをコードする冗長コドンまたは保存アミノ酸と置換するために、典型的には配列認識部位を導入または除去しながら行われる。あるいは、所望の機能の核酸セグメントを一緒に接合して、所望の機能の組み合わせを生成するために実施される。この人工的な組み合わせは、多くの場合、化学的合成手段によって、または核酸の単離されたセグメントの人工的な操作、例えば、遺伝子工学的技法によっての、いずれかで達成される。
同様に、「組み換え」ポリペプチドという用語は、天然に発生しない、例えば、ヒト介入を通して、アミノ配列の2つの、あるいは分離されたセグメントの人工的な組み合わせによって作製されるポリペプチドを指す。したがって、例えば、異種アミノ酸配列を含むポリペプチドは、組み換えである。
「構築物」または「ベクター」とは、組み換え核酸、一般には、特定のヌクレオチド配列(複数可)の発現及び/もしくは伝播を目的として生成されている、または他の組み換えヌクレオチド配列の構築において使用されるための、組み換えDNAを意味する。
本明細書で互換的に使用される「DNA調節配列」「制御要素」、及び「調節要素」という用語は、宿主細胞におけるコード配列の発現及び/またはコードされたポリペプチドの産生を提供及び/または調節する、転写及び翻訳制御配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、ターミネーター、タンパク質分解シグナル等を指す。
「形質転換」という用語は、本明細書では「遺伝的修飾」と互換的に使用され、細胞中に新たな核酸(例えば、細胞に対して外因性のDNA)を導入した後に細胞中で誘導される永久的なまたは一過性の遺伝的変化を指す。遺伝的変化(「修飾」)は、宿主細胞のゲノム中への新たな核酸の組み込み、またはエピソーム要素としての新たな核酸の一過性のもしくは安定した維持、のいずれかによって達成することができる。細胞が真核細胞である場合、永久的な遺伝的変化は、一般に細胞のゲノム中への新たなDNAの導入によって達成される。原核細胞では、永久的な変化は、染色体中に、またはプラスミド及び発現ベクターなどの染色体外要素を介して導入され得、これらは組み換え宿主細胞中のそれらの維持を助けるために1つ以上の選択可能なマーカーを含有し得る。遺伝的修飾の好適な方法としては、ウイルス感染、形質移入、コンジュゲート、プロトプラスト融合、電気穿孔、粒子ガン技術、リン酸カルシウム沈降、直接マイクロインジェクション等が挙げられる。方法の選択は、一般に、形質転換される細胞の種類、及び形質転換が起こる状況(すなわち、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)に依存する。これらの方法に関する一般的な考察は、Ausubel,et al,Short Protocols in Molecular Biology,3rd ed.,Wiley&Sons,1995に見出すことができる。
「動作可能に連結した」は、並立を指し、そのように説明される構成要素は、それらがその意図される様式で機能することを可能する関係にある。例えば、プロモーターは、当該プロモーターがその転写または発現に影響を及ぼす場合、コード配列と動作可能に連結している。本明細書で使用される場合、「異種プロモーター」及び「異種制御領域」という用語は、自然では特定の核酸に通常は関連しないプロモーター及び他の制御領域を指す。例えば、「コード領域に対して異種の転写制御領域」は、自然ではそのコード領域に通常は関連しない転写制御領域である。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」は、インビボまたはインビトロの真核細胞、原核細胞、または単細胞実体として培養された多細胞生物からの細胞(例えば、細胞株)を示し、真核または原核細胞は、核酸のレシピエント(例えば、発現ベクター)として使用され得るか、または核酸のレシピエントとして使用されており、核酸によって遺伝子修飾されている元の細胞の子孫を含む。単細胞の子孫は、天然の、不慮の、または意図的な変異に起因して、形態において、またはゲノムもしくは総DNA相補体において、元の親と必ずしも完全に同一でない場合があることが理解される。「組み換え宿主細胞」(「遺伝子修飾された宿主細胞」とも称される)は、異種核酸、例えば、発現ベクターが中に導入されている宿主細胞である。例えば、対象の原核宿主細胞は、異種核酸、例えば、その原核宿主細胞に対して外来である(原核宿主細胞中で通常は天然に見出されない)外因性核酸、または原核宿主細胞中で通常は見出されない組み換え核酸の好適な原核宿主細胞への導入によって遺伝子修飾された原核宿主細胞(例えば、細菌)であり、対象の真核宿主細胞は、異種核酸、例えば、その真核宿主細胞に対して外来である外因性核酸、または真核宿主細胞中で通常は見出されない組み換え核酸の好適な真核宿主細胞への導入によって遺伝子修飾された真核宿主細胞である。
「保存アミノ酸置換」という用語は、類似した側鎖を有するアミノ酸残基のタンパク質中の互換性を指す。例えば、脂肪族側鎖を有するアミノ酸の群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンからなり、脂肪族−ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸の群は、セリン及びスレオニンからなり、アミド含有側鎖を有するアミノ酸の群は、アスパラギン及びグルタミンからなり、芳香族側鎖を有するアミノ酸の群は、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンからなり、塩基性側鎖を有するアミノ酸の群は、リジン、アルギニン、及びヒスチジンからなり、硫黄含有側鎖を有するアミノ酸の群は、システイン及びメチオニンからなる。例示的な保存アミノ酸置換基は、バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リジン−アルギニン、アラニン−バリン、及びアスパラギン−グルタミンである。
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、別のポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対してある特定の「配列同一性」のパーセントを有する。これは、整列したときに、そのパーセントの塩基またはアミノ酸が、それら2つの配列を比較したときに同一であり、同じ相対位置にあることを意味する。配列類似性はいくつかの異なる様式で決定することができる。配列同一性を決定するために、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/上で利用可能なBLASTを含む方法及びコンピュータプログラムを使用して、配列を整列することができる。例えば、Altschul et al.(1990),J.Mol.Biol.215:403−10を参照されたい。別のアラインメントアルゴリズムは、Oxford Molecular Group,Inc.の完全所有子会社であるGenetics Computing Group(GCG)パッケージ(Madison,Wisconsin,USA)で入手可能なFASTAである。アラインメントのための他の技法は、Methods in Enzymology,vol.266:Computer Methods for Macromolecular Sequence Analysis(1996),ed.Doolittle,Academic Press,Inc.(Harcourt Brace&Co.,San Diego,California,USAの一事業部)に記載されている。特に興味深いのは、配列間のギャップを許容するアライメントプログラムである。Smith−Watermanは、配列アライメントにおけるギャップを許容する一種のアルゴリズムである。Meth.Mol.Biol.70:173−187(1997)を参照されたい。また、Needleman−Wunschアライメント法を使用するGAPプログラムを利用して、配列を整列させることもできる。J.Mol.Biol.48:443−453(1970)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「処置」、「処置する」等の用語は、薬理学的及び/または生理学的効果を得ることを指す。その効果は、その疾患もしくは症状を完全にまたは部分的に予防するという観点において予防的であり得、かつ/または疾患及び/もしくはその疾患に起因する副作用の部分的または完全な治癒という観点において治療的であり得る。本明細書で使用される場合、「処置」は、哺乳動物、例えば、ヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)その疾患にかかりやすいが、まだそれに罹患していると診断されていない対象における発病を予防すること、(b)その疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること、及び(c)その疾患を軽減すること、すなわち、その疾患の退行を引き起こすことを含む。
本明細書で互換的に使用される「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」という用語は、個々の生物、例えば、マウス、サル、非ヒト霊長類、ヒト、哺乳動物の家畜、哺乳動物の競技用動物、及び哺乳動物の愛玩動物を含むが、これらに限定されない哺乳動物を指す。
本発明をさらに記載する前に、本発明は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって、言うまでもなく、変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を記載するためのものに過ぎず、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、限定するものとしては意図されないことも理解されたい。
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値、ならびにその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が、本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値及び下限値は、独立して、そのより小さい範囲内に含まれてもよく、また、表示範囲内の任意の具体的な除外限度に従って、本発明に包含される。表示範囲がそれらの限界値のうちの一方または両方を含む場合、それらの包含される限界値のうちのいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、本発明に包含される。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び材料と同様もしくは同等の任意の方法及び材料を、本発明の実践または試験においても使用することができるが、好ましい方法及び材料がこれから記載される。本明細書で言及される全ての刊行物は、それらの刊行物が引用されるものに関連して方法及び/または材料を開示及び記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈が別途明らかに規定しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「Cas12cポリペプチド (a Cas12c polypeptide)」への言及は、複数のそのようなポリペプチドを含み、「ガイドRNA(the guide RNA)」への言及は、1つ以上のガイドRNA及び当業者に公知のそれらの同等物などへの言及を含む。特許請求の範囲があらゆる任意の要素を除外するように作成され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関して、「単に」、「のみ」などのような排他的な用語法の使用、または「否定的な」制限の使用に対する先行基準として役立つことが意図される。
明確化のために別個の実施形態の文脈において記載される本発明のある特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることが理解される。反対に、簡潔化のために単一の実施形態の文脈において記載される本発明の様々な特徴を、別個に、または任意の好適な副組み合わせで提供することもできる。本発明に関連する実施形態の全ての組み合わせは、本発明によって特異的に包含され、ありとあらゆる組み合わせが個々にかつ明示的に開示されたかのように本明細書に開示される。加えて、様々な実施形態及びそれらの要素の全ての副組み合わせもまた、本発明によって特異的に包含され、ありとあらゆるそのような副組み合わせが個々にかつ明示的に本明細書に開示されたかのように本明細書に開示される。
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日の前のそれらの開示に対してのみ提供される。本明細書におけるいずれの内容も、本発明が先行発明によるそのような刊行物に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行日とは異なる場合があり、別個に確認する必要があり得る。
詳細な説明
本開示は、以下:(1)「Cas12c」タンパク質(Cas12cポリペプチド、C2c3タンパク質、及びC2c3ポリペプチドとも称される)、Cas12cタンパク質をコードする核酸、及び/またはCas12cタンパク質(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞;(2)Cas12cタンパク質に結合し、Cas12cタンパク質に配列特異性を提供するCas12cガイドRNA(本明細書ではまた「C2c3ガイドRNA」とも呼ばれる)、Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び/またはCas12cガイドRNA(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞;ならびに(3)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)(本明細書では「Cas12c trancRNA」または「C2c3trancRNA」と称される)、Cas12c trancRNAをコードする核酸、及び/またはCas12c trancRNA(及び/またはそれをコードする核酸)を含む修飾宿主細胞、のうちの1つ以上を含む、組成物及び方法を提供する。
組成物
CRISPR/Cas12cタンパク質、ガイドRNA、及びtrancRNA
クラス2のCRISPR−Casシステムは、単一のマルチドメインタンパク質を含むエフェクターモジュールを特徴とする。Cas12cシステムでは、CRISPR/Casエンドヌクレアーゼ(例えば、Cas12cタンパク質)は、対応するガイドRNA(例えば、Cas12cガイドRNA)と相互作用(結合)し、ガイドRNAと標的核酸分子内の標的配列との間の塩基対合を介して標的核酸中の特定の部位に標的化される、リボ核タンパク質(RNP)複合体を形成する。ガイドRNAは、標的核酸の配列(標的部位)に相補的なヌクレオチド配列(ガイド配列)を含む。したがって、Cas12cタンパク質は、Cas12cガイドRNAと複合体を形成し、ガイドRNAは、ガイド配列を介してRNP複合体に配列特異性を提供する。複合体のCas12cタンパク質は、部位特異的な活性を提供する。換言すれば、Cas12cタンパク質は、ガイドRNAとのその会合により、標的核酸内の標的部位(例えば、標的染色体核酸内の標的ヌクレオチド配列;または、例えば、エピソーム核酸、ミニサークル核酸、ミトコンドリア核酸、緑葉体核酸などの、標的染色体外核酸内の標的ヌクレオチド配列)に誘導される(例えば、標的部位において安定化される)。
本開示は、Cas12cポリペプチド(及び/またはCas12cポリペプチドをコードする核酸)を含む組成物を提供する(例えば、Cas12cポリペプチドは、天然に存在するタンパク質、ニッカーゼCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質等であり得る)。本開示は、Cas12cガイドRNA(及び/またはCas12cガイドRNAをコードする核酸)を含む組成物を提供する。例えば、本開示は、(a)Cas12cポリペプチド(及び/またはCas12cポリペプチドをコードする核酸)、ならびに(b)Cas12cガイドRNA(及び/またはCas12cガイドRNAをコードする核酸)を含む、組成物を提供する。本開示は、(a)Cas12cポリペプチド;及び(b)Cas12cガイドRNAを含む、核酸/タンパク質複合体(RNP複合体)を提供する。本開示は、Cas12c trancRNAを含む組成物を提供する。本開示は、Cas12c trancRNAと、(a)Cas12cタンパク質、及び(b)Cas12cガイドRNAのうちの1つ以上とを含む(例えば、Cas12c trancRNAとCas12cタンパク質、Cas12c trancRNAとCas12cガイドRNA、またはCas12c trancRNAとCas12cタンパク質とCas12cガイドRNAを含む)、組成物を提供する。本開示は、(a)Casがニッカーゼである(二本鎖標的核酸、例えば、12cポリペプチドの一本の鎖のみを切断する);(b)Cas12cガイドRNA;及び(c)Cas12c trancRNAを含む、核酸/タンパク質複合体(RNP複合体)を提供する。本開示は、Cas12cタンパク質と、(a)Cas12c trancRNA、及び(b)Cas12cガイドRNAのうちの1つ以上とを含む、組成物を提供する。
Cas12cタンパク質
Cas12cポリペプチド(この用語は、「Cas12cタンパク質」という用語と互換的に使用される)は、標的核酸及び/または標的核酸に関連するポリペプチドと結合し得る及び/またはそれを修飾(例えば、切断、ニッキング、メチル化、脱メチル化、等)し得る(例えば、ヒストン尾部のメチル化またはアセチル化)(例えば、いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は活性を有する融合パートナーを含み、いくつかの場合には、Cas12cタンパク質はヌクレアーゼ活性を提供する)。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、(例えば、原核細胞において天然に発生する)天然型タンパク質である。他の場合では、Cas12cタンパク質は、天然型ポリペプチドではない(例えば、Cas12cタンパク質は、バリアントCas12cタンパク質、キメラタンパク質などである)。
Cas12cタンパク質は、3つの部分的なRuvCドメイン(RuvC−I、RuvC−II、及びRuvC−III、本明細書ではサブドメインとも称される)を含み、これはCas12cタンパク質の一次アミノ酸配列に対して隣接していないが、タンパク質が産生されて折り重なるとRuvCドメインを形成する。天然型Cas12cタンパク質は、標的化された二本鎖DNA(dsDNA)での特定の配列での切断に触媒作用を引き起こすエンドヌクレアーゼとして機能する。配列特異性は、標的DNA内の標的配列にハイブリダイズする付随するガイドRNAによって提供される。天然型Cas12cガイドRNAは、crRNAであり、crRNAは、(i)標的DNA中の標的配列にハイブリダイズするガイド配列、及び(ii)Cas12cタンパク質に結合するタンパク質結合セグメントを含む。
いくつかの実施形態では、対象の方法及び/または組成物のCas12cタンパク質は、天然型(野生型)のタンパク質である(またはそれに由来する)。天然に存在するCas12cタンパク質の例を図1に示し、SEQ ID NO:1〜8として示す。Cas12cは、以前特定されたCRISPR−Casエンドヌクレアーゼと比較して短く、したがって、代替物としてのこのタンパク質の使用は、タンパク質をコードするヌクレオチド配列が比較的短いという利点を提供することに留意することが重要である。これは、例えば、Cas12cタンパク質をコードする核酸が真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、ヒト細胞、マウス細胞、インビトロ、エクスビボ、インビボ)などの細胞への送達に望ましい場合において、例えば、ウイルスベクター(例えば、AAVベクター)を用いる状況において、研究及び/または臨床応用に有用である。
いくつかの場合には、(本発明の組成物及び/または方法の)Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。例えば、いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:1に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:2に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:2に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:2に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:2に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:2に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:2に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:3に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:3に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:3に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:3に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:3に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:3に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:4に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:4に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:4に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:4に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:4に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置での)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換など)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:4に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:6に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:6に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:6に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:6に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:6に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:6に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:7に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:7に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:7に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:7に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:7に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:7に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:8に示されるCas12cタンパク質配列と20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:8に示されるCas12cタンパク質配列と50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:8に示されるCas12cタンパク質配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:8に示されるCas12cタンパク質配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:8に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然型触媒活性を減少させる、(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:5に示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜2及び7〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜2及び7〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜2及び7〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜2及び7〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1〜2及び7〜8のいずれか1つに示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然に存在する触媒活性を減少させる(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)、アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:1〜2及び7〜8のいずれか1つに示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:3〜6として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:3〜6として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:3〜6として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:3〜6として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:3〜6のいずれか1つに示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然に存在する触媒活性を減少させる(例えば、1つ以上の触媒アミノ酸位置などでの)、アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:3〜6のいずれか1つに示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと20%以上の配列同一性(例えば、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと50%以上の配列同一性(例えば、60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質には、SEQ ID NO:1〜8として示されるCas12cタンパク質配列のいずれか1つと90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、SEQ ID NO:1〜8のいずれか1つに示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、タンパク質の天然に存在する触媒活性を減少させる(例えば、1つ以上の触媒性アミノ酸位置などで)、アミノ酸置換(例えば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸置換)を含む配列を除いて、SEQ ID NO:1〜8のいずれか1つに示されるCas12cタンパク質配列を有するアミノ酸配列を含む。
Cas12cバリアント
バリアントCas12cタンパク質は、対応する野生型Cas12cタンパク質のアミノ酸配列と比較したときに、少なくとも1つのアミノ酸が異なる(例えば、欠失、挿入、置換、融合を有する)アミノ酸配列を有する。二本鎖標的核酸の一方の鎖を切断するが、もう一方は切断しないCas12cタンパク質は、本明細書では「ニッカーゼ」(例えば、「ニッカーゼCas12c」)と称される。実質的にヌクレアーゼ活性を有しないCas12cタンパク質は、本明細書では死活Cas12cタンパク質(「dCas12c」)と称される(ただし、ヌクレアーゼ活性は、キメラCas12cタンパク質の場合、異種ポリペプチド、すなわち融合パートナーによって提供され得、これは以下でさらに詳細に記載される)。本明細書に記載されるCas12cバリアントタンパク質(例えば、ニッカーゼCas12c、dCas12c、キメラCas12c)のうちのいずれについても、Cas12cバリアントは、上記と同じパラメータ(例えば、存在するドメイン、同一性のパーセント、長さ、等)を有するCas12cタンパク質配列を含んでもよい。
バリアント−触媒活性
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、例えば、天然型の触媒的に活性な配列に対して変異されたバリアントCas12cタンパク質であり、対応する天然型の配列と比較したときに、低減された切断活性を呈する(例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、または30%以下の切断活性を呈する)。いくつかの場合には、そのようなバリアントCas12cタンパク質は、触媒的に「死活」タンパク質であり(実質的に切断活性を有しない)、「dCas12c」と称され得る。いくつかの場合には、バリアントCas12cタンパク質は、ニッカーゼ(二本鎖標的核酸、例えば、二本鎖標的DNAの一方の鎖のみ切断する)である。本明細書でより詳細に記載されるように、いくつかの場合には、Cas12cタンパク質(いくつかの場合には、野生型切断活性を有するCas12cタンパク質、いくつかの場合には、低減した切断活性を有するバリアントCas12c、例えば、dCas12cまたはニッカーゼCas12c)は、目的の活性(例えば、目的の触媒活性)を有する異種ポリペプチドと融合(コンジュゲート)して、融合タンパク質(キメラCas12cタンパク質)を形成する。
Cas12cの触媒残基は、Cas12c_1に従って番号を付けられた場合、D928、E1014、D1201を含む(例えば、図1を参照のこと)。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、低減された活性を有し、上記のアミノ酸のうちの1つ以上(または任意のCas12cタンパク質の1つ以上の対応するアミノ酸)が変異している(例えば、Cas12c_1に従って番号を付けられた場合、D928A、E1014、及び/またはD1201のようにアラニンで置換される)。いくつかの場合には、バリアントCas12cタンパク質は、触媒的に「死活」タンパク質であり(触媒的に不活性であり)、「dCas12c」と称される。dCas12cタンパク質は、活性を提供する融合パートナーと融合し得、いくつかの場合には、dCas12c(例えば、触媒活性を提供する融合パートナーはないが、真核細胞中で発現される場合、NLSを有し得るもの)は、標的DNAに結合し得、撮像に使用され得(例えば、タンパク質はタグ付け/標識され得る)、かつ/またはRNAポリメラーゼを標的DNAから転写するのを遮断し得る。いくつかの場合には、バリアントCas12cタンパク質は、ニッカーゼ(二本鎖標的核酸、例えば、二本鎖標的DNAの一方の鎖のみ切断する)である。
バリアント−キメラCas12c(すなわち、融合タンパク質)
上記のように、いくつかの場合には、Cas12cタンパク質(いくつかの場合には、野生型切断活性を有するCas12cタンパク質、いくつかの場合には、低減した切断活性を有するバリアントCas12c、例えば、dCas12cまたはニッカーゼCas12c)は、目的の活性(例えば、目的の触媒活性)を有する異種ポリペプチドと融合(コンジュゲート)して、融合タンパク質(キメラCas12cタンパク質)を形成する。Cas12cタンパク質が融合され得る異種ポリペプチドは、本明細書では「融合パートナー」と称される。
いくつかの場合には、融合パートナーは、標的DNAの転写を調節し得る(例えば、転写を阻害し得る、転写を増大し得る)。例えば、いくつかの場合には、融合パートナーは、転写を阻害するタンパク質(例えば、転写リプレッサー、転写インヒビタータンパク質の動員、メチル化などの標的DNAの修飾、DNA修飾因子の動員、標的DNAに関連したヒストンの調節、ヒストンのアセチル化及び/またはメチル化を改変するものなどのヒストン修飾因子の動員等を介して機能するタンパク質)(またはタンパク質からのドメイン)である。いくつかの場合には、融合パートナーは、転写を増加させるタンパク質(例えば、転写アクティベーター、転写アクティベータータンパク質の動員、脱メチル化などの標的DNAの修飾、DNA修飾因子の動員、標的DNAに関連したヒストンの調節、ヒストンのアセチル化及び/またはメチル化を改変するものなどのヒストン修飾因子の動員等を介して機能するタンパク質)(またはタンパク質からのドメイン)である。
いくつかの場合には、キメラCas12cタンパク質は、標的核酸を修飾する酵素活性(例えば、FokIヌクレアーゼ活性などのヌクレアーゼ活性、メチルトランスフェラーゼ活性、デメチラーゼ活性、DNA修復活性、DNA損傷活性、脱アミノ化活性、ジスムターゼ活性、アルキル化活性、脱プリン化活性、酸化活性、ピリミジン二量体形成活性、インテグラーゼ活性、トランスポザーゼ活性、リコンビナーゼ活性、ポリメラーゼ活性、リガーゼ活性、ヘリカーゼ活性、フォトリアーゼ活性、またはグリコシラーゼ活性)を有する異種ポリペプチドを含む。
いくつかの場合には、キメラCas12cタンパク質は、標的核酸に関連したポリペプチド(例えば、ヒストン)を修飾する酵素活性(例えば、メチルトランスフェラーゼ活性、デメチラーゼ活性、アセチルトランスフェラーゼ活性、デアセチラーゼ活性、キナーゼ活性、ホスファターゼ活性、ユビキチンリガーゼ活性、脱ユビキチン化活性、アデニル化活性、脱アデニル化活性、SUMO化活性、脱SUMO化活性、リボシル化活性、脱リボシル化活性、ミリストイル化活性、または脱ミリストイル化活性)を有する異種ポリペプチドを含む。
転写の増大に使用され得るタンパク質(またはその断片)の例としては、VP16、VP64、VP48、VP160、p65サブドメイン(例えば、NFkBから)、ならびにEDLLの活性化ドメイン、及び/またはTAL活性化ドメイン(例えば、植物における活性のため)などの転写アクティベーター;SET1A、SET1B、MLL1〜5、ASH1、SYMD2、NSD1などのヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ;JHDM2a/b、UTX、JMJD3などのヒストンリジンデメチラーゼ;GCN5、PCAF、CBP、p300、TAF1、TIP60/PLIP、MOZ/MYST3、MORF/MYST4、SRC1、ACTR、P160、CLOCKなどのヒストンアセチルトランスフェラーゼ;ならびにTen−Eleven Translocation(TET)ジオキシゲナーゼ1(TET1CD)、TET1、DME、DML1、DML2、ROS1などのDNAデメチラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
転写の減少に使用され得るタンパク質(またはその断片)の例としては、Kruppel関連ボックス(KRABまたはSKD)などの転写リプレッサー;KOX1抑制ドメイン;Mad mSIN3相互作用ドメイン(SID);ERFリプレッサードメイン(ERD)、SRDX抑制ドメイン(例えば、植物における抑制のため)等;Pr−SET7/8、SUV4−20H1、RIZ1などのヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ;JMJD2A/JHDM3A、JMJD2B、JMJD2C/GASC1、JMJD2D、JARID1A/RBP2、JARID1B/PLU−1、JARID1C/SMCX、JARID1D/SMCYなどのヒストンリジンデメチラーゼ;HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC8、HDAC4、HDAC5、HDAC7、HDAC9、SIRT1、SIRT2、HDAC11などのヒストンリジンデアセチラーゼ;HhaI DNA m5c−メチルトランスフェラーゼ(M.HhaI)、DNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)、DNAメチルトランスフェラーゼ3a(DNMT3a)、DNAメチルトランスフェラーゼ3b(DNMT3b)、METI、DRM3(植物)、ZMET2、CMT1、CMT2(植物)などのDNAメチラーゼ;及びLamin A、Lamin Bなどの末梢動員要素が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの場合には、融合パートナーは、標的核酸(例えば、ssRNA、dsRNA、ssDNA、dsDNA)を修飾する酵素活性を有する。融合パートナーによって提供され得る酵素活性の例としては、制限酵素(例えば、FokIヌクレアーゼ)によって提供されるものなどのヌクレアーゼ活性、メチルトランスフェラーゼ(例えば、HhaI DNA m5c−メチルトランスフェラーゼ(M.HhaI)、DNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)、DNAメチルトランスフェラーゼ3a(DNMT3a)、DNAメチルトランスフェラーゼ3b(DNMT3b)、METI、DRM3(植物)、ZMET2、CMT1、CMT2(植物)等)によって提供されるものなどのメチルトランスフェラーゼ活性;デメチラーゼ(例えば、Ten−Eleven Translocation(TET)ジオキシゲナーゼ1(TET1CD)、TET1、DME、DML1、DML2、ROS1等)によって提供されるものなどのデメチラーゼ活性、DNA修復活性、DNA損傷活性、デアミナーゼ(例えば、ラットAPOBEC1などのシトシンデアミナーゼ酵素)によって提供されるものなどの脱アミン化活性、ジムスターゼ活性、アルキル化活性、脱プリン化活性、酸化活性、ピリミジン二量体形成活性、インテグラーゼ及び/またはレゾルバーゼ(例えば、Ginインベルターゼの超活性変異体、GinH106YなどのGinインベルターゼ;ヒト免疫不全ウイルス1型インテグラーゼ(IN);Tn3レゾルバーゼ等)によってもたらされるものなどのインテグラーゼ活性、トランスポザーゼ活性、レコンビナーゼ(例えば、Ginレコンビナーゼの触媒ドメイン)によって提供されるものなどのレコンビナーゼ活性、ポリメラーゼ活性、リガーゼ活性、ヘリカーゼ活性、フォトリアーゼ活性、及びグリコシラーゼ活性)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの場合には、融合パートナーは、標的核酸(例えば、ssRNA、dsRNA、ssDNA、dsDNA)に関連したタンパク質(例えば、ヒストン、RNA結合タンパク質、DNA結合タンパク質、等)を修飾する酵素活性を有する。融合パートナーによって提供され得る(標的核酸に関連したタンパク質を修飾する)酵素活性の例としては、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)(例えば、斑入り3〜9ホモログ1のサプレッサー(SUV39H1、KMT1Aとしても知られる)、真性染色質ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ2(G9A、KMT1C及びEHMT2としても知られる)、SUV39H2、ESET/SETDB1等、SET1A、SET1B、MLL1〜5、ASH1、SYMD2、NSD1、DOT1L、Pr−SET7/8、SUV4−20H1、EZH2、RIZ1)によって提供されるものなどのメチルトランスフェラーゼ活性、ヒストンデメチラーゼ(例えば、リジンデメチラーゼ1A(KDM1A、LSD1としても知られる)、JHDM2a/b、JMJD2A/JHDM3A、JMJD2B、JMJD2C/GASC1、JMJD2D、JARID1A/RBP2、JARID1B/PLU−1、JARID1C/SMCX、JARID1D/SMCY、UTX、JMJD3等)によって提供されるものなどのデメチラーゼ活性、ヒストンアセチラーゼトランスフェラーゼ(例えば、ヒトアセチルトランスフェラーゼp300、GCN5、PCAF、CBP、TAF1、TIP60/PLIP、MOZ/MYST3、MORF/MYST4、HBO1/MYST2、HMOF/MYST1、SRC1、ACTR、P160、CLOCK等の触媒コア/断片)によって提供されるものなどのアセチルトランスフェラーゼ活性、ヒストンデアセチラーゼ(例えば、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC8、HDAC4、HDAC5、HDAC7、HDAC9、SIRT1、SIRT2、HDAC11等によって提供されるものなどのデアセチラーゼ活性、キナーゼ活性、ホスファターゼ活性、ユビキチンリガーゼ活性、脱ユビキチン化活性、アデニル化活性、脱アデニル化活性、SUMO化活性、脱SUMO化活性、リボシル化活性、脱リボシル化活性、ミリストイル化活性、及び脱ミリストイル化活性が挙げられるが、これらに限定されない。
好適な融合パートナーの追加の例は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)不安定化ドメイン(例えば、化学的に制御可能なキメラCas12cタンパク質を生成するため)、及び葉緑体移行ペプチドである。好適な葉緑体移行ペプチドとしては、限定するものではないが、以下が挙げられる。
MASMISSSAVTTVSRASRGQSAAMAPFGGLKSMTGFPVRKVNTDITSITSNGGRVKCMQVWPPIGKKKFETLSYLPPLTRDSRA (SEQ ID NO:31);MASMISSSAVTTVSRASRGQSAAMAPFGGLKSMTGFPVRKVNTDITSITSNGGRVKS (SEQ ID NO:32);MASSMLSSATMVASPAQATMVAPFNGLKSSAAFPATRKANNDITSITSNGGRVNCMQVWPPIEKKKFETLSYLPDLTDSGGRVNC (SEQ ID NO:33);MAQVSRICNGVQNPSLISNLSKSSQRKSPLSVSLKTQQHPRAYPISSSWGLKKSGMTLIGSELRPLKVMSSVSTAC (SEQ ID NO:34);MAQVSRICNGVWNPSLISNLSKSSQRKSPLSVSLKTQQHPRAYPISSSWGLKKSGMTLIGSELRPLKVMSSVSTAC (SEQ ID NO:35);MAQINNMAQGIQTLNPNSNFHKPQVPKSSSFLVFGSKKLKNSANSMLVLKKDSIFMQLFCSFRISASVATAC (SEQ ID NO:36);MAALVTSQLATSGTVLSVTDRFRRPGFQGLRPRNPADAALGMRTVGASAAPKQSRKPHRFDRRCLSMVV (SEQ ID NO:37);MAALTTSQLATSATGFGIADRSAPSSLLRHGFQGLKPRSPAGGDATSLSVTTSARATPKQQRSVQRGSRRFPSVVVC (SEQ ID NO:38);MASSVLSSAAVATRSNVAQANMVAPFTGLKSAASFPVSRKQNLDITSIASNGGRVQC (SEQ ID NO:39);MESLAATSVFAPSRVAVPAARALVRAGTVVPTRRTSSTSGTSGVKCSAAVTPQASPVISRSAAAA (SEQ ID NO:40);及び MGAAATSMQSLKFSNRLVPPSRRLSPVPNNVTCNNLPKSAAPVRTVKCCASSWNSTINGAAATTNGASAASS (SEQ ID NO:41)。
いくつかの場合には、本開示のCas12c融合ポリペプチドは、a)本開示のCas12cポリペプチド、及びb)葉緑体移行ペプチドを含む。したがって、例えば、CRISPR−Cas12c複合体は、葉緑体に対して標的化され得る。いくつかの場合には、この標的化は、葉緑体移行ペプチド(CTP)またはプラスチド移行ペプチドと呼ばれるN末端伸長の存在によって達成され得る。細菌源からの染色体導入遺伝子は、発現されたポリペプチドが、植物プラスチド(例えば、葉緑体)内で区画化される場合、発現されたポリペプチドをコードする配列と融合したCTP配列をコードする配列を有していなければならない。したがって、葉緑体に対する外因性ポリペプチドの局在は、多くの場合、CTP配列をコードするポリヌクレオチド配列を、その外因性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’領域を動作可能に連結することによって達成される。CTPは、プラスチドへの転位中の処理ステップにおいて除去される。しかしながら、処理効率は、CTPのアミノ酸配列及びペプチドのNH2末端における付近の配列によって影響され得る。記載されている葉緑体に対して標的化するための他のオプションは、トウモロコシcab−m7シグナル配列(米国特許第7,022,896号、WO97/41228)、エンドウグルタチオン還元酵素シグナル配列(WO97/41228)、及びUS2009029861に記載されるCTPである。
いくつかの場合には、本開示のCas12c融合ポリペプチドは、a)本開示のCas12cポリペプチド、及びb)エンドソーム脱出ペプチドを含み得る。いくつかの場合には、エンドソーム脱出ポリペプチドは、アミノ酸配列GLFXALLXLLXSLWXLLLXA (SEQ ID NO:42)を含み、各Xは、独立して、リジン、ヒスチジン、及びアルギニンから選択される。いくつかの場合には、エンドソーム脱出ポリペプチドは、アミノ酸配列GLFHALLHLLHSLWHLLLHA (SEQ ID NO:43)を含む。
Cas9、亜鉛フィンガー、及び/またはTALEタンパク質との融合の文脈において(部位特異的標的核酸修飾、転写の調節、及び/または標的タンパク質修飾、例えば、ヒストン修飾のために)使用される上記の融合パートナー(及びその他)のうちのいくつかの例については、例えば、Nomura et al,J Am Chem Soc.2007 Jul 18;129(28):8676−7、Rivenbark et al.,Epigenetics.2012 Apr;7(4):350−60;Nucleic Acids Res.2016 Jul 8;44(12):5615−28、Gilbert et.al.,Cell.2013 Jul 18;154(2):442−51、Kearns et al.,Nat Methods.2015 May;12(5):401−3、Mendenhall et.al.,Nat Biotechnol.2013 Dec;31(12):1133−6、Hilton et.al.,Nat Biotechnol.2015 May;33(5):510−7、Gordley et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.2009 Mar 31;106(13):5053−8、Akopian et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.2003 Jul 22;100(15):8688−91、Tan et.,al.,J Virol.2006 Feb;80(4):1939−48、Tan et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.2003 Oct 14;100(21):11997−2002、Papworth et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.2003 Feb 18;100(4):1621−6、Sanjana et.al.,Nat Protoc.2012 Jan 5;7(1):171−92、Beerli et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.1998 Dec 8;95(25):14628−33、Snowden et.al.,Curr Biol.2002 Dec 23;12(24):2159−66、Xu et.al.,Xu et.al.,Cell Discov.2016 May 3;2:16009、Komor et al.,Nature.2016 Apr 20;533(7603):420−4、Chaikind et.al.,Nucleic Acids Res.2016 Aug 11、Choudhury et.al.,Oncotarget.2016 Jun 23、Du et.al.,Cold Spring Harb Protoc.2016 Jan 4、Pham et.al.,Methods Mol Biol.2016;1358:43−57、Balboa et al.,Stem Cell Reports.2015 Sep 8;5(3):448−59、Hara et.al.,Sci Rep.2015 Jun 9;5:11221、Piatek et.al.,Plant Biotechnol J.2015 May;13(4):578−89、Hu et al.,Nucleic Acids Res.2014 Apr;42(7):4375−90、Cheng et.al.,Cell Res.2013 Oct;23(10):1163−71、及びMaeder et.al.,Nat Methods.2013 Oct;10(10):977−9を参照されたい。
追加の好適な異種ポリペプチドとしては、標的核酸の転写及び/または翻訳の増加を直接的及び/または間接的に提供するポリペプチド(例えば、転写アクティベーターもしくはその断片、転写アクティベーターを動員するタンパク質もしくはその断片、小分子/薬物応答性転写及び/または翻訳調節因子、翻訳調節タンパク質等)が挙げられるが、これらに限定されない。転写の増加または減少を達成する異種ポリペプチドの非限定的な例としては、転写アクティベーター及び転写リプレッサードメインが挙げられる。そのようないくつかの場合には、キメラCas12cポリペプチドは、ガイド核酸(ガイドRNA)によって標的核酸中の特定の位置(すなわち、配列)に標的化され、プロモーターへのRNAポリメラーゼ結合を遮断する(転写アクティベーターの機能を選択的に阻害する)、及び/または局所クロマチン状態を修飾する(例えば、標的核酸を修飾する、もしくは標的核酸に関連したポリペプチドを修飾する融合配列が使用される場合)などの遺伝子座特異的調節をもたらす。いくつかの場合には、変化は、一過性である(例えば、転写抑制または活性化)。いくつかの場合には、変化は、遺伝性である(例えば、標的核酸に対して、または標的核酸に関連したタンパク質、例えば、ヌクレオソームヒストンに対して後成的修飾が行われる場合)。
ssRNA標的核酸を標的化するときに使用するための異種ポリペプチドの非限定的な例としては、スプライシング因子(例えば、RSドメイン);タンパク質翻訳成分(例えば、翻訳開始、延長、及び/または放出因子、例えば、eIF4G);RNAメチラーゼ;RNA編集酵素(例えば、AからIへの、及び/またはCからUへの編集酵素を含む、RNAデアミナーゼ、例えば、RNA上で作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR));ヘリカーゼ;RNA結合タンパク質等が挙げられる(ただし、これらに限定されない)。異種ポリペプチドは、タンパク質全体を含み得るか、またはいくつかの場合には、タンパク質の断片(例えば、機能的ドメイン)を含み得ることが理解される。
対象のキメラCas12cポリペプチドの異種ポリペプチドは、ssRNAと相互作用することができる任意のドメイン(本開示の目的のために、分子内及び/または分子間二次構造、例えば、ヘアピン、ステムループ等の二本鎖RNA二重鎖を含む)であり得、一過性または不可逆的、直接的または間接的にかかわらず、エンドヌクレアーゼ(例えば、SMG5及びSMG6などのタンパク質由来のRNase III、CRR22 DYWドメイン、Dicer、及びPIN(PilT N末端)ドメイン;RNA切断の刺激に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、CPSF、CstF、CFIm、及びCFIIm);エキソヌクレアーゼ(例えば、XRN−1またはエキソヌクレアーゼT);デアデニラーゼ(例えば、HNT3);ナンセンス媒介型RNA分解に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、UPF1、UPF2、UPF3、UPF3b、RNP S1、Y14、DEK、REF2、及びSRm160);RNAの安定化に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、PABP);翻訳の抑制に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、Ago2及びAgo4);翻訳の刺激に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、Staufen);翻訳の調節に関与する(例えば、調節することができる)タンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、開始因子、延長因子、放出因子等の翻訳因子、例えば、eIF4G);RNAのポリアデニル化に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、PAP1、GLD−2、及びStar−PAP);RNAのポリウリジン化に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、CI D1及び末端ウリジレートトランスフェラーゼ);RNA局在に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、IMP1、ZBP1、She2p、She3p、及びBicaudal−D由来);RNAの核保持に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、Rrp6);RNAの核外搬出に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、TAP、NXF1、THO、TREX、REF、及びAly);RNAスプライシングの抑制に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、PTB、Sam68、及びhnRNP A1);RNAスプライシングの刺激に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、セリン/アルギニンリッチ(SR)ドメイン);転写効率の低減に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、FUS(TLS));ならびに転写の刺激に関与するタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、CDK7及びHIV Tat)を含む群から選択されるエフェクタードメインを含むが、これらに限定されない。あるいは、エフェクタードメインは、エンドヌクレアーゼ;RNA切断を刺激することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;エキソヌクレアーゼ;デアデニラーゼ;ナンセンス媒介型RNA分解活性を有するタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNAを安定化することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;翻訳を抑制することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;翻訳を刺激することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;翻訳を調節することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン(例えば、開始因子、延長因子、放出因子等の翻訳因子、例えば、eIF4G);RNAをポリアデニル化することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNAをポリウリジン化することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNA局在活性を有するタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNAの核保持が可能なタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNA核外搬出活性を有するタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNAスプライシングを抑制することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;RNAスプライシングを刺激することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;転写効率を低減することができるタンパク質及びタンパク質ドメイン;ならびに転写を刺激することができるタンパク質及びタンパク質ドメインを含む群から選択されてもよい。別の好適な異種ポリペプチドは、WO2012068627(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)により詳細に記載されるPUF RNA結合ドメインである。
キメラCas12cポリペプチドの異種ポリペプチドとして(全体でまたはその断片として)使用され得るいくつかのRNAスプライシング因子は、別個の配列特異的RNA結合モジュール及びスプライシングエフェクタードメインを有して、モジュール機構を有する。例えば、セリン/アルギニンリッチ(SR)タンパク質ファミリーのメンバーは、エクソン封入を促進するpre−mRNA及びC末端RSドメインにおいてエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)に結合するN末端RNA認識モチーフ(RRM)を含有する。別の例として、hnRNPタンパク質hnRNP Alは、そのRRMドメインを通してエクソンスプライシングサイレンサー(ESS)に結合し、C末端グリシンリッチドメインを通してエクソン封入を阻害する。いくつかのスプライシング因子は、2つの代替部位の間の調節配列に結合することによって、スプライス部位(ss)の代替使用を調節することができる。例えば、ASF/SF2は、ESEを認識し、イントロン近位部位の使用を促進することができるが、hnRNP Alは、ESSに結合し、スプライシングをイントロン遠隔部位の使用に変更することができる。そのような因子の1つの用途は、内因性遺伝子、特に疾患関連遺伝子の代替スプライシングを調節するESFを生成することである。例えば、Bcl−x pre−mRNAは、2つの代替5’スプライス部位を有する2つのスプライシングアイソフォームを産生して、反対の機能のタンパク質をコードする。長いスプライシングアイソフォームBcl−xLは、長命の分裂終了細胞中で発現される強力なアポトーシスの阻害因子であり、多くのがん細胞中で上方調節され、アポトーシスシグナルから細胞を保護する。短いアイソフォームBcl−xSは、アポトーシス促進性アイソフォームであり、高いターンオーバー率で細胞中に高レベルで発現される(例えば、リンパ球を発達させる)。2つのBcl−xスプライシングアイソフォームの比は、コアエクソン領域またはエクソン伸長領域のいずれか(すなわち、2つの代替5’スプライス部位の間)に位置する複数のcω要素によって調節される。さらなる例については、WO2010075303(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
さらに好適な融合パートナーとしては、境界要素(例えば、CTCF)であるタンパク質(またはその断片)、末梢動員を提供するタンパク質及びその断片(例えば、Lamin A、Lamin B等)、タンパク質ドッキング要素(例えば、FKBP/FRB、Pil1/Aby1等)が挙げられるが、これらに限定されない。
対象のキメラCas12cポリペプチドに対する様々な追加の好適な異種ポリペプチド(またはその断片)の例としては、以下の出願に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されず(それらの公報は、Cas9などの他のCRISPRエンドヌクレアーゼに関するが、記載される融合パートナーを代わりにCas12cとともに使用することもできる)、PCT特許出願:WO2010075303、WO2012068627、及びWO2013155555、ならびに、例えば、米国特許及び特許出願第8,906,616号、第8,895,308号、第8,889,418号、第8,889,356号、第8,871,445号、第8,865,406号、第8,795,965号、第8,771,945号、第8,697,359号、第20140068797号、第20140170753号、第20140179006号、第20140179770号、第20140186843号、第20140186919号、第20140186958号、第20140189896号、第20140227787号、第20140234972号、第20140242664号、第20140242699号、第20140242700号、第20140242702号、第20140248702号、第20140256046号、第20140273037号、第20140273226号、第20140273230号、第20140273231号、第20140273232号、第20140273233号、第20140273234号、第20140273235号、第20140287938号、第20140295556号、第20140295557号、第20140298547号、第20140304853号、第20140309487号、第20140310828号、第20140310830号、第20140315985号、第20140335063号、第20140335620号、第20140342456号、第20140342457号、第20140342458号、第20140349400号、第20140349405号、第20140356867号、第20140356956号、第20140356958号、第20140356959号、第20140357523号、第20140357530号、第20140364333号、及び第20140377868号(全てが参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)において見出すことができる。
いくつかの場合には、異種ポリペプチド(融合パートナー)は、亜細胞性局在を提供する。すなわち、異種ポリペプチドは、亜細胞性局在配列(例えば、核に対して標的化するための核局在シグナル(NLS)、融合タンパク質を核外に保持する配列、例えば、核外搬出配列(NES)、融合タンパク質を細胞質中に保持したままにする配列、ミトコンドリアに対して標的化するためのミトコンドリア局在シグナル、葉緑体に対して標的化するための葉緑体局在シグナル、ER保持シグナル等)を含有する。いくつかの実施形態では、Cas12c融合ポリペプチドはNLSを含まず、それによりタンパク質は核に対して標的化されない(これは、例えば、標的核酸が、サイトゾル中に存在するRNAである場合に、有利であり得る)。いくつかの実施形態では、異種ポリペプチドは、追跡及び/または精製を容易にするためのタグを提供することができる(すなわち、異種ポリペプチドは、検出可能な標識である)(例えば、蛍光タンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、YFP、RFP、CFP、mCherry、tdTomato等;ヒスチジンタグ、例えば、6XHisタグ;ヘマグルチニン(HA)タグ;FLAGタグ;Mycタグ等)。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質(例えば、野生型Cas12cタンパク質、バリアントCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、Cas12c部分が低減したヌクレアーゼ活性を有するキメラCas12cタンパク質、例えば、融合パートナーと融合したdCas12cタンパク質等)は、核局在シグナル(NLS)(例えば、いくつかの場合には、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)を含む(と融合する)。したがって、いくつかの場合には、Cas12cポリペプチドは、1つ以上のNLS(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)を含む。いくつかの場合には、1つ以上のNLS(2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)は、N末端及び/もしくはC末端またはそれらの付近(例えば、それらの50アミノ酸以内)に位置付けられる。いくつかの場合には、1つ以上のNLS(2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)は、N末端またはその付近(例えば、その50アミノ酸以内)に位置付けられる。いくつかの場合には、1つ以上のNLS(2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)は、C末端またはその付近(例えば、その50アミノ酸以内)に位置付けられる。いくつかの場合には、1つ以上のNLS(3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)は、N末端及びC末端の両方またはそれらの付近(例えば、それらの50アミノ酸以内)に位置付けられる。いくつかの場合には、NLSは、N末端に位置付けられ、NLSは、C末端に位置付けられる。
いくつかの場合には、Cas12cタンパク質(例えば、野生型Cas12cタンパク質、バリアントCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、Cas12c部分が低減したヌクレアーゼ活性を有するキメラCas12cタンパク質、例えば、融合パートナーと融合したdCas12cタンパク質等)は、1〜10のNLS(例えば、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、または2〜5のNLS)を含む(と融合する)。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質(例えば、野生型Cas12cタンパク質、バリアントCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、Cas12c部分が低減したヌクレアーゼ活性を有するキメラCas12cタンパク質、例えば、融合パートナーと融合したdCas12cタンパク質等)は、2〜5のNLS(例えば、2〜4または2〜3のNLS)を含む(と融合する)。
NLSの非限定な例としては、アミノ酸配列PKKKRKV(SEQ ID NO:44)を有するSV40ウイルスラージT抗原のNLS;ヌクレオプラスミン由来のNLS(例えば、配列KRPAATKKAGQAKKKK(SEQ ID NO:45)を有するヌクレオプラスミン二連NLS);アミノ酸配列PAAKRVKLD(SEQ ID NO:46)またはRQRRNELKRSP(SEQ ID NO:47)を有するc−myc NLS;配列NQSSNFGPMKGGNFGGRSSGPYGGGGQYFAKPRNQGGY(SEQ ID NO:48)を有するhRNPA1 M9 NLS;インポーチン−アルファ由来のIBBドメインの配列RMRIZFKNKGKDTAELRRRRVEVSVELRKAKKDEQILKRRNV(SEQ ID NO:49);筋腫Tタンパク質の配列VSRKRPRP(SEQ ID NO:50)及びPPKKARED(SEQ ID NO:51);ヒトp53の配列PQPKKKPL(SEQ ID NO:52);マウスc−abl IVの配列SALIKKKKKMAP(SEQ ID NO:53);インフルエンザウイルスNS1の配列DRLRR(SEQ ID NO:54)及びPKQKKRK(SEQ ID NO:55);肝炎ウイルスデルタ抗原の配列RKLKKKIKKL(SEQ ID NO:56);マウスMx1タンパク質の配列REKKKFLKRR(SEQ ID NO:57);ヒトポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの配列KRKGDEVDGVDEVAKKKSKK(SEQ ID NO:58);ならびにステロイドホルモン受容体(ヒト)糖コルチコイドの配列RKCLQAGMNLEARKTKK(SEQ ID NO:59)に由来するNLS配列が挙げられる。一般に、NLS(または複数のNLS)は、真核細胞の核中で検出可能な量のCas12cの蓄積を駆動するのに十分な強度である。核中の蓄積の検出は、任意の好適な技法によって実施され得る。例えば、検出可能なマーカーは、Cas12cタンパク質と融合してもよく、それにより細胞内の位置が可視化され得る。細胞核はまた、細胞から単離されてもよく、次いで、その内容物を、タンパク質を検出するための任意の好適なプロセス、例えば免疫組織化学、ウェスタンブロット、または酵素活性アッセイによって分析してもよい。核中の蓄積はまた、間接的に決定されてもよい。
いくつかの場合には、Cas12c融合ポリペプチドは、「タンパク質形質導入ドメイン」またはPTD(CPP−細胞透過性ペプチドとしても知られる)を含み、これはポリペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、または脂質二層、ミセル、細胞膜、細胞小器官膜、もしくは小胞膜の横断を促進する有機もしくは無機の化合物を指す。小さな極性分子から大きな高分子の範囲であり得る別の分子及び/またはナノ粒子に付着したPTDは、例えば、細胞外空間から細胞内空間に、またはサイトゾルから細胞小器官内に移動する分子の膜横断を促進する。いくつかの実施形態では、PTDは、ポリペプチドのアミノ末端と共有結合している(例えば、野生型Cas12cと連結して融合タンパク質を生成するか、またはバリアントCas12cタンパク質、例えば、dCas12c、ニッカーゼCas12c、もしくはキメラCas12cタンパク質と連結して融合タンパク質を生成する)。いくつかの実施形態では、PTDは、ポリペプチドのカルボキシル末端と共有結合している(例えば、野生型Cas12cと連結して融合タンパク質を生成するか、またはバリアントCas12cタンパク質、例えば、dCas12c、ニッカーゼCas12c、もしくはキメラCas12cタンパク質と連結して融合タンパク質を生成する)。いくつかの場合には、PTDは、好適な挿入部位でCas12c融合ポリペプチドに内的に挿入される(すなわち、Cas12c融合ポリペプチドのN末端またはC末端においてではない)。いくつかの場合には、本発明のCas12c融合ポリペプチドは、1つ以上のPTD(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上のPTD)を含む(とコンジュゲートする、と融合する)。いくつかの場合には、PTDは、核局在シグナル(NLS)(例えば、いくつかの場合には、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)を含む。したがって、いくつかの場合には、Cas12c融合ポリペプチドは、1つ以上のNLS(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上、または5つ以上のNLS)を含む。いくつかの実施形態では、PTDは、核酸(例えば、Cas12cガイド核酸、Cas12cガイド核酸をコードするポリヌクレオチド、Cas12c融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ドナーポリヌクレオチド等)と共有結合している。PTDの例としては、最小ウンデカペプチドタンパク質形質導入ドメイン(YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:60)を含むHIV−1 TATの残基47〜57に対応する);細胞中への直接侵入に十分ないくつかのアルギニン(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、または10〜50のアルギニン)を含むポリアルギニン配列;VP22ドメイン(Zender et al.(2002)Cancer Gene Ther.9(6):489−96);Drosophila Antennapediaタンパク質形質導入ドメイン(Noguchi et al.(2003)Diabetes 52(7):1732−1737);切断ヒトカルシトニンペプチド(Trehin et al.(2004)Pharm.Research 21:1248−1256);ポリリジン(Wender et al.(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:13003−13008);RRQRRTSKLMKR(SEQ ID NO:61);トランスポータンGWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(SEQ ID NO:62);KALAWEAKLAKALAKALAKHLAKALAKALKCEA(SEQ ID NO:63);及びRQIKIWFQNRRMKWKK(SEQ ID NO:64)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なPTDとしては、YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:60)、RKKRRQRRR(SEQ ID NO:65);3アルギニン残基〜50アルギニン残基のアルギニンホモポリマーが挙げられるが、これらに限定されない;例示的なPTDドメインアミノ酸配列としては、以下:YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:60)、RKKRRQRR(SEQ ID NO:66)、YARAAARQARA(SEQ ID NO:67)、THRLPRRRRRR(SEQ ID NO:68)、及びGGRRARRRRRR(SEQ ID NO:69)のうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、PTDは、活性化可能なCPP(ACPP)である(Aguilera et al.(2009)Integr Biol (Camb)June;1(5−6):371−381)。ACPPは、切断可能なリンカーを介して一致するポリアニオン(例えば、Glu9または「E9」)に接続されたポリカチオン性CPP(例えば、Arg9または「R9」)を含み、これは正味電荷をほぼ0に低減し、それによって細胞への付着及び取り込みを阻害する。リンカーの切断時に、ポリアニオンが放出され、ポリアルギニン及びその本来の付着性を局所的にアンマスクし、したがってACPPを「活性化して」膜を横断するようにする。
リンカー(例えば、融合パートナーのための)
いくつかの場合には、本発明のCas12cタンパク質は、リンカーポリペプチド(例えば、1つ以上のリンカーポリペプチド)を介して融合パートナーと融合し得る。リンカーポリペプチドは、様々なアミノ酸配列のうちのいずれかを有し得る。タンパク質は、一般に可塑性のスペーサーペプチドによって接合され得るが、他の化学結合も除外されない。好適なリンカーとしては、4アミノ酸〜40アミノ酸長、または4アミノ酸〜25アミノ酸長のポリペプチドが挙げられる。これらのリンカーは、合成の、リンカーをコードするオリゴヌクレオチドを使用してタンパク質を結合することによって産生され得るか、または融合タンパク質をコードする核酸配列によってコードされ得る。ある程度の可塑性を有するペプチドリンカーを使用することができる。好ましいリンカーが、一般に可塑性のペプチドをもたらす配列を有することを念頭において、連結ペプチドは、事実上任意のアミノ酸配列を有し得る。グリシン及びアラニンなどの小アミノ酸の使用は、可塑性ペプチドを作成する際に有用である。そのような配列の作成は、当業者にとって慣例である。様々な異なるリンカーが商業的に入手可能であり、使用に好適であると考えられる。
リンカーポリペプチドの例としては、グリシンポリマー(G)、グリシン−セリンポリマー(例えば、(GS)、GSGGS (SEQ ID NO:70)、GGSGGS(SEQ ID NO:71)、及びGGGS(SEQ ID NO:72)を含み、nは、少なくとも1の整数である)、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマーが挙げられる。例示的なリンカーは、GGSG(SEQ ID NO:73)、GGSGG(SEQ ID NO:74)、GSGSG(SEQ ID NO:75)、GSGGG(SEQ ID NO:76)、GGGSG(SEQ ID NO:77)、GSSSG(SEQ ID NO:78)等を含むが、これらに限定されない、アミノ酸配列を含んでもよい。当業者であれば、任意の所望の要素とコンジュゲートしたペプチドの設計が、全てまたは部分的に可塑性であるリンカーを含むことができ、それによりリンカーが、可塑性リンカーならびに低可塑性構造を与える1つ以上の部分を含むことができることを認識するであろう。
検出可能な標識
いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチドは、検出可能な標識を含む(に結合し得る/と融合し得る)。検出可能なシグナルを提供し得る好適な検出可能な標識及び/または部分としては、酵素、放射性同位体、特異的結合対のメンバー、フルオロフォア、蛍光タンパク質、量子ドット等を挙げることができるが、これらに限定されない。
好適な蛍光タンパク質としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはそのバリアント、GFPの青色蛍光バリアント(BFP)、GFPのシアン蛍光バリアント(CFP)、GFPの黄色蛍光バリアント(YFP)、強化GFP(EGFP)、強化CFP(ECFP)、強化YFP(EYFP)、GFPS65T、Emerald、Topaz(TYFP)、Venus、Citrine、mCitrine、GFPuv、不安定化EGFP(dEGFP)、不安定化ECFP(dECFP)、不安定化EYFP(dEYFP)、mCFPm、Cerulean、T−Sapphire、CyPet、YPet、mKO、HcRed、t−HcRed、DsRed、DsRed2、DsRed−モノマー、J−Red、二量体2、t−二量体2(12)、mRFP1、pocilloporin、Renilla GFP、Monster GFP、paGFP、Kaedeタンパク質及びキンドリングタンパク質、フィコビリンタンパク質、ならびにB−フィコエリトリン、R−フィコエリトリン、及びアロフィコシアニンを含むフィコビリンタンパク質コンジュゲートが挙げられるが、これらに限定されない。蛍光タンパク質の他の例としては、mHoneydew、mBanana、mOrange、dTomato、tdTomato、mTangerine、mStrawberry、mCherry、mGrape1、mRaspberry、mGrape2、mPlum(Shaner et al.(2005)Nat.Methods 2:905−909)などが挙げられる。例えば、Matz et al.(1999)Nature Biotechnol.17:969−973に記載されるような、花虫類種由来の様々な蛍光及び染色タンパク質のうちのいずれかが使用に好適である。
好適な酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ベータ−ガラクトシダーゼ(GAL)、グルコース−6−ホスファターゼデヒドロゲナーゼ、ベータ−N−アセチルグルコサミニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、転化酵素、キサンチンオキシダーゼ、ホタルルシフェラーゼ、グルコースオキシダーゼ(GO)等が挙げられるが、これらに限定されない。
プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)
天然のCas12cタンパク質は、DNA標的化RNAと標的DNAとの間の相補性の領域によって定義される標的配列において、標的DNAに結合する。多くのCRISPRエンドヌクレアーゼの場合と同様に、二本鎖標的DNAの部位特異的結合(及び/または切断)は、(i)ガイドRNAと標的DNAとの間の塩基対合相補性、及び(ii)標的DNA中の短いモチーフ[プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)と称される]の両方によって決定される位置において生じる。
いくつかの実施形態では、Cas12cタンパク質のPAMは、標的DNAの非相補鎖(非標的鎖とも称される;相補鎖は、ガイドRNAのガイド配列にハイブリダイズし、一方、非相補鎖は、ガイドRNAに直接ハイブリダイズせず、かつ非相補鎖の逆相補体である)の標的配列の5’の直近である。いくつかの実施形態では(例えば、Cas12c_1に関して)、(非相補鎖の)好ましいPAM配列は、非標的(NT)鎖(ガイドRNAとハイブリダイズする鎖ではないため、非相補的鎖とも呼ばれる)の標的配列の5’−TA−3’、5’−TN−3’、5’−TR−3’、5’−HN−3’、5’−HR−3’、5’−MCTA−3’、5’−MCTR−3’、5’−CTA−3’、または5’−CTR−3’(RはAまたはGであり;かつHはA、C、またはTであり;かつMはCまたはAである)5’隣接配列である。いくつかの実施形態では(例えば、Cas12c_1の場合)、好ましいPAM配列(非相補鎖の)は、5’−TA−3’である。いくつかの実施形態では(例えば、Cas12c_1の場合)、好ましいPAM配列(非相補鎖の)は、5’−TN−3である。いくつかの実施形態では(例えば、Cas12c_1の場合)、好ましいPAM配列(非相補鎖の)は、5’−TA−3’である。いくつかの実施形態では(例えば、Cas12c_1の場合)、好ましいPAM配列(非相補鎖の)は、5’−HN−3’、5’−HR−3’、5’−MCTA−3’、5’−MCTR−3’、5’−CTA−3’、及び5’−CTR−3’から選択される。
いくつかの場合には、異なるCas12cタンパク質(すなわち、様々な種に由来するCas12cタンパク質)は、異なるCas12cタンパク質の様々な酵素的特徴を利用するために(例えば、異なるPAM配列選好性のため;増加または減少した酵素活性のため;増加または減少したレベルの細胞毒性のため;NHEJ、ホモロジー配向型修復、一本鎖切断、二本鎖切断等の間の均衡を変更するため;短い全配列を利用するため、等)、様々な提供される方法における使用に有利であり得る。異なる種に由来するCas12cタンパク質は、標的DNA中に異なるPAM配列を必要とし得る。したがって、選択した特定のCas12cタンパク質に対して、PAM配列選好性は、上記の配列(複数可)とは異なってもよい。適切なPAM配列の特定のための様々な方法(インシリコ及び/またはウェットラボ法を含む)が当該技術分野において公知であり、かつ慣用的であり、任意の簡便な方法を使用してもよい。
Cas12cガイドRNA
Cas12cタンパク質に結合する、リボヌクレオタンパク質複合体(RNP)を形成する、及びその複合体を標的核酸(例えば、標的DNA)内の特定の位置に標的化する核酸分子は、本明細書では「Cas12cガイドRNA」または単に「ガイドRNA」と称される。いくつかの場合には、ハイブリッドDNA/RNAは、Cas12cガイドRNAがRNA塩基に加えてDNA塩基を含むように作製され得るが、「Cas12cガイドRNA」という用語は、依然として本明細書ではそのような分子を包含するように使用されることを理解されたい。
Cas12cガイドRNAは、標的化セグメント及びタンパク質結合セグメントの2つのセグメントを含むと言うことができる。Cas12cガイドRNAの標的化セグメントは、標的核酸(例えば、標的ssRNA、標的ssDNA、二本鎖標的DNAの相補鎖等)内の特定の配列(標的部位)に相補的であり(かつ、したがってそれとハイブリダイズする)ヌクレオチド配列(ガイド配列)を含む。タンパク質結合セグメント(または「タンパク質結合配列」)は、Cas12cポリペプチドと相互作用する(に結合する)。本発明のCas12cガイドRNAのタンパク質結合セグメントは、互いにハイブリダイズして二本鎖RNA二重鎖(dsRNA二重鎖)を形成するヌクレオチドの2つの相補性ストレッチを含む。標的核酸(例えば、ゲノムDNA)の部位特異的結合及び/または切断は、Cas12cガイドRNA(Cas12cガイドRNAのガイド配列)と標的核酸との間の塩基対合相補性によって決定される位置(例えば、標的遺伝子座の標的配列)において生じ得る。
Cas12cガイドRNA及びCas12cタンパク質、例えば、融合Cas12cポリペプチドは、複合体を形成する(例えば、非共有結合相互作用を介して結合する)。Cas12cガイドRNAは、ガイド配列(標的核酸の配列に対して相補的なヌクレオチド配列)を含む、標的化セグメントを含むことによって、複合体に標的特異性を提供する。複合体のCas12cタンパク質は、部位特異的活性(例えば、Cas12cタンパク質によって提供される切断活性及び/またはキメラCas12cタンパク質の場合には融合パートナーによって提供される活性)を提供する。換言すれば、Cas12cタンパク質は、Cas12cガイドRNAとのその会合によって、標的核酸配列(例えば、標的配列)に誘導される。
Cas12cガイドRNAの「標的化配列」とも称される「ガイド配列」は、Cas12cガイドRNAがCas12cタンパク質(例えば、天然型Cas12cタンパク質、融合Cas12cポリペプチド(キメラCas12c)等)を、任意の所望の標的核酸の任意の所望の配列に標的化することができるように修飾され得るが、ただし、(例えば、本明細書に記載されるように)PAM配列が考慮され得ることを例外とする。したがって、例えば、Cas12cガイドRNAは、真核細胞中の核酸、例えば、ウイルス核酸、真核細胞核酸(例えば、真核細胞染色体、染色体配列、真核細胞RNA等)において、配列に対する相補性を有するガイド配列を有することができる(例えば、ハイブリダイズすることができる)。
いくつかの実施形態では、Cas12cガイドRNAは、30ヌクレオチド(nt)以上(例えば、35nt以上、40nt以上、45nt以上、50nt以上、55nt以上、60nt以上)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12cガイドRNAは、40ヌクレオチド(nt)以上(例えば、45nt以上、50nt以上、55nt以上、60nt以上)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12cガイドRNAは、30ヌクレオチド(nt)〜100nt(例えば、30〜90、30〜80、30〜75、30〜70、30〜65、40〜100、40〜90、40〜80、40〜75、40〜70、または40〜65nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12cガイドRNAは、40ヌクレオチド(nt)〜100nt(例えば、40〜90、40〜80、40〜75、40〜70、または40〜65nt)の長さを有する。
Cas12cガイドRNAのガイド配列
本発明のCas12cガイドRNAは、標的核酸中の配列(標的部位)に対して相補的なヌクレオチド配列である、ガイド配列(すなわち、標的化配列)を含む。換言すれば、Cas12cガイドRNAのガイド配列は、ハイブリダイゼーションによる配列特異的な様式(すなわち、塩基対合)で標的核酸(例えば、二本鎖DNA(dsDNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、一本鎖RNA(ssRNA)、または二本鎖RNA(dsRNA))と相互作用し得る。Cas12cガイドRNAのガイド配列は、標的核酸(例えば、ゲノムDNAなどの真核細胞標的核酸)内で任意の所望の標的配列にハイブリダイズするように修飾(例えば、遺伝子操作によって)/設計され得る(例えば、PAMを考慮に入れて、例えば、dsDNA標的を標的化するとき)。
いくつかの実施形態では、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、60%以上(例えば、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、80%以上(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、90%以上(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、100%である。
いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、標的核酸の標的部位の7つの連続する3’最端ヌクレオチドにわたって100%である。
いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17以上(例えば、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって60%以上(例えば、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17以上(例えば、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって80%以上(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17以上(例えば、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって90%以上(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17以上(例えば、18以上、19以上、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって100%である。
いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19以上(例えば、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって60%以上(例えば、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19以上(例えば、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって80%以上(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19以上(例えば、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって90%以上(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19以上(例えば、20以上、21以上、22以上)の連続するヌクレオチドにわたって100%である。
いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17〜25の連続するヌクレオチドにわたって60%以上(例えば、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17〜25の連続するヌクレオチドにわたって80%以上(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17〜25の連続するヌクレオチドにわたって90%以上(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、17〜25の連続するヌクレオチドにわたって100%である。
いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19〜25の連続するヌクレオチドにわたって60%以上(例えば、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19〜25の連続するヌクレオチドにわたって80%以上(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19〜25の連続するヌクレオチドにわたって90%以上(例えば、95%以上、97%以上、98%以上、99%以上、または100%)である。いくつかの場合には、ガイド配列と標的核酸の標的部位との間の相補性のパーセントは、19〜25の連続するヌクレオチドにわたって100%である。
いくつかの場合には、ガイド配列は、17〜30ヌクレオチド(nt)(例えば、17〜25、17〜22、17〜20、19〜30、19〜25、19〜22、19〜20、20〜30、20〜25、または20〜22nt)の範囲の長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、17〜25ヌクレオチド(nt)(例えば、17〜22、17〜20、19〜25、19〜22、19〜20、20〜25、または20〜22nt)の範囲の長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、17nt以上(例えば、18以上、19以上、20以上、21以上、または22nt以上;19nt、20nt、21nt、22nt、23nt、24nt、25nt、等)の長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、19nt以上(例えば、20以上、21以上、または22nt以上;19nt、20nt、21nt、22nt、23nt、24nt、25nt、等)の長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、17ntの長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、18ntの長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、19ntの長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、20ntの長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、21ntの長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、22ntの長さを有する。いくつかの場合には、ガイド配列は、23ntの長さを有する。
Cas12cガイドRNAのタンパク質結合セグメント
本発明のCas12cガイドRNAのタンパク質結合セグメントは、Cas12cタンパク質と相互作用する。Cas12cガイドRNAは、結合したCas12cタンパク質を、上述のガイド配列を介して標的核酸内の特定のヌクレオチド配列に誘導する。Cas12cガイドRNAのタンパク質結合セグメントは、互いに対して相補的であり、ハイブリダイズして二本鎖RNA二重鎖(dsRNA二重鎖)を形成するヌクレオチドの2つのストレッチを含む。したがって、タンパク質結合セグメントは、dsRNA二重鎖を含む。
いくつかの場合には、dsRNA二重鎖領域は、5〜25塩基対(bp)(例えば、5〜22、5〜20、5〜18、5〜15、5〜12、5〜10、5〜8、8〜25、8〜22、8〜18、8〜15、8〜12、12〜25、12〜22、12〜18、12〜15、13〜25、13〜22、13〜18、13〜15、14〜25、14〜22、14〜18、14〜15、15〜25、15〜22、15〜18、17〜25、17〜22、または17〜18bp、例えば、5bp、6bp、7bp、8bp、9bp、10bp等)の範囲を含む。いくつかの場合には、dsRNA二重鎖領域は、6〜15塩基対(bp)(例えば、6〜12、6〜10、または6〜8bp、例えば、6bp、7bp、8bp、9bp、10bp等)の範囲を含む。いくつかの場合には、二重鎖領域は、5以上のbp(例えば、6以上、7以上、または8以上のbp)を含む。いくつかの場合には、二重鎖領域は、6以上のbp(例えば、7以上、または8以上のbp)を含む。いくつかの場合には、二重鎖領域の全てのヌクレオチドが対合されるわけではなく、したがって、二重鎖形成領域は、バルジを含むことができる。本明細書では、「バルジ」という用語は、二本鎖二重鎖に寄与せず、寄与するヌクレオチドによって5’及び3’を囲まれているヌクレオチド(1つのヌクレオチドであるか、または複数のヌクレオチドであり得る)のストレッチを意味するように使用され、そのようなものとしてバルジは、二重鎖領域の一部と見なされる。いくつかの場合には、dsRNAは、1つ以上のバルジ(例えば、2つ以上、3つ以上、4つ以上のバルジ)を含む。いくつかの場合には、dsRNA二重鎖は、2つ以上のバルジ(例えば、3つ以上、4つ以上のバルジ)を含む。いくつかの場合には、dsRNA二重鎖は、1〜5つのバルジ(例えば、1〜4、1〜3、2〜5、2〜4、または2〜3つのバルジ)を含む。
したがって、いくつかの場合には、互いにハイブリダイズしてdsRNA二重鎖を形成するヌクレオチドのストレッチは、互いに70%〜100%の相補性(例えば、75%〜100%、80%〜10%、85%〜100%、90%〜100%、95%〜100%の相補性)を有する。いくつかの場合には、互いにハイブリダイズしてdsRNA二重鎖を形成するヌクレオチドのストレッチは、互いに70%〜100%の相補性(例えば、75%〜100%、80%〜10%、85%〜100%、90%〜100%、95%〜100%の相補性)を有する。いくつかの場合には、互いにハイブリダイズしてdsRNA二重鎖を形成するヌクレオチドのストレッチは、互いに85%〜100%の相補性(例えば、90%〜100%、95%〜100%の相補性)を有する。いくつかの場合には、互いにハイブリダイズしてdsRNA二重鎖を形成するヌクレオチドのストレッチは、互いに70%〜95%の相補性(例えば、75%〜95%、80%〜95%、85%〜95%、90%〜95%の相補性)を有する。
換言すれば、いくつかの実施形態では、dsRNA二重鎖は、互いに70%〜100%の相補性(例えば、75%〜100%、80%〜10%、85%〜100%、90%〜100%、95%〜100%の相補性)を有するヌクレオチドの2つのストレッチを含む。いくつかの場合には、dsRNA二重鎖は、互いに85%〜100%の相補性(例えば、90%〜100%、95%〜100%の相補性)を有するヌクレオチドの2つのストレッチを含む。いくつかの場合には、dsRNA二重鎖は、互いに70%〜95%の相補性(例えば、75%〜95%、80%〜95%、85%〜95%、90%〜95%の相補性)を有するヌクレオチドの2つのストレッチを含む。
本発明のCas12cガイドRNAの二重鎖領域は、天然型二重鎖領域に対して1つ以上(1、2、3、4、5、など)の変異を含むことができる。例えば、いくつかの場合には、塩基対は維持され得るが、一方、各セグメントからの塩基対に寄与するヌクレオチドは異なり得る。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAの二重鎖領域は、(天然型Cas12cガイドRNAの)天然型二重鎖領域と比較して、より多くの塩基対、より少ない塩基対、より小さなバルジ、より大きなバルジ、より少ないバルジ、より多いバルジ、またはそれらの任意の簡便な組み合わせを含む。
様々なCas9ガイドRNA及びcpf1ガイドRNAの例は、当該技術分野において見出すことができ、いくつかの場合には、Cas9ガイドRNAに導入されたものと同様の変形も、本開示のCas12cガイドRNAに導入され得る(例えば、dsRNA二重鎖領域に対する変異、別のタンパク質との相互作用を提供するために安定化を追加するための5’または3’末端の伸長、等)。例えば、Jinek et al.,Science.2012 Aug 17;337(6096):816−21、Chylinski et al.,RNA Biol.2013 May;10(5):726−37、Ma et al.,Biomed Res Int.2013;2013:270805、Hou et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2013 Sep 24;110(39):15644−9、Jinek et al.,Elife.2013;2:e00471、Pattanayak et al.,Nat Biotechnol.2013 Sep;31(9):839−43、Qi et al,Cell.2013 Feb 28;152(5):1173−83、Wang et al.,Cell.2013 May 9;153(4):910−8、Auer et.al.,Genome Res.2013 Oct 31、Chen et.al.,Nucleic Acids Res.2013 Nov 1;41(20):e19、Cheng et.al.,Cell Res.2013 Oct;23(10):1163−71、Cho et.al.,Genetics.2013 Nov;195(3):1177−80、DiCarlo et al.,Nucleic Acids Res.2013 Apr;41(7):4336−43、Dickinson et.al.,Nat Methods.2013 Oct;10(10):1028−34、Ebina et.al.,Sci Rep.2013;3:2510、Fujii et.al,Nucleic Acids Res.2013 Nov 1;41(20):e187、Hu et.al.,Cell Res.2013 Nov;23(11):1322−5、Jiang et.al.,Nucleic Acids Res.2013 Nov 1;41(20):e188、Larson et.al.,Nat Protoc.2013 Nov;8(11):2180−96、Mali et.al.,Nat Methods.2013 Oct;10(10):957−63、Nakayama et.al.,Genesis.2013 Dec;51(12):835−43、Ran et.al.,Nat Protoc.2013 Nov;8(11):2281−308、Ran et.al.,Cell.2013 Sep 12;154(6):1380−9、Upadhyay et.al.,G3(Bethesda).2013 Dec 9;3(12):2233−8、Walsh et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.2013 Sep 24;110(39):15514−5、Xie et.al.,Mol Plant.2013 Oct 9、Yang et.al.,Cell.2013 Sep 12;154(6):1370−9、Briner et al.,Mol Cell.2014 Oct 23;56(2):333−9、ならびに米国特許及び特許出願第8,906,616号、第8,895,308号、第8,889,418号、第8,889,356号、第8,871,445号、第8,865,406号、第8,795,965号、第8,771,945号、第8,697,359号、第20140068797号、第20140170753号、第20140179006号、第20140179770号、第20140186843号、第20140186919号、第20140186958号、第20140189896号、第20140227787号、第20140234972号、第20140242664号、第20140242699号、第20140242700号、第20140242702号、第20140248702号、第20140256046号、第20140273037号、第20140273226号、第20140273230号、第20140273231号、第20140273232号、第20140273233号、第20140273234号、第20140273235号、第20140287938号、第20140295556号、第20140295557号、第20140298547号、第20140304853号、第20140309487号、第20140310828号、第20140310830号、第20140315985号、第20140335063号、第20140335620号、第20140342456号、第20140342457号、第20140342458号、第20140349400号、第20140349405号、第20140356867号、第20140356956号、第20140356958号、第20140356959号、第20140357523号、第20140357530号、第20140364333号、及び第20140377868号(これらの全ては参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
Cas12cガイドRNAガイドは、ガイド配列、及びハイブリダイズしてタンパク質結合セグメントのdsRNA二重鎖を形成するヌクレオチドの2つのストレッチ(「二重鎖形成化セグメント」)の両方を含む。所与のCas12cガイドRNAの特定の配列は、crRNAが見出される種の特徴となり得る。好適なCas12cガイドRNAの例が、本明細書に提供される。
単一分子ハイブリッドCas12cガイド RNA/tranc RNA
Cas12cガイドRNAは、いくつかの場合にはtranc RNA(「スカウト(scout)」RNAとも呼ばれます)を含む。いくつかの場合には、Cas12cガイドRNAは、以下を含む単一分子ガイドRNAである:i)Cas12cガイドRNA;及びii)tranc RNA。いくつかの場合には、Cas12cガイドRNAは、5’から3’の順序で、以下を含む:i)Cas12cガイドRNA;及びii)tranc RNA。いくつかの場合には、Cas12cガイドRNAは、直接tranc RNAに連結される。いくつかの場合には、Cas12cガイドRNAは、ヌクレオチドリンカー(例えば、ポリヌクレオチドリンカー)を介してtranc RNAに連結される。ヌクレオチドリンカーは、1〜30ヌクレオチド(例えば、1〜5ヌクレオチド、5〜10ヌクレオチド、10〜15ヌクレオチド、15〜20ヌクレオチド、20〜25ヌクレオチド、または25〜30ヌクレオチド)を含んでもよい。いくつかの場合には、Cas12cガイドRNAは、非ヌクレオチド連結を介してtranc RNAに連結される。例えば、いくつかの場合には、Cas12cガイドRNAはチオエーテルリンカーまたはトリアゾールリンカーを介してtranc RNAに連結される。
例示的なガイドRNA配列
天然に存在するCas12cタンパク質(例えば、図1を参照)のcrRNAの反復配列(Cas12cガイドRNAの非ガイド配列部分)を、表1に示す。
(表1)Cas12cタンパク質のcrRNA反復配列
Figure 2021501611
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のcrRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のcrRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のcrRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のcrRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_1 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_1 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_1 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_1 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_2 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_2 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_2 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_2 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_7 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_7 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_7 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_7 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_8 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_8 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_8 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_8 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_1、Cas12c_2、Cas12c_7またはCas12c_8 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_1、Cas12c_2、Cas12c_7またはCas12c_8 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_1、Cas12c_2、Cas12c_7またはCas12c_8 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_1、Cas12c_2、Cas12c_7またはCas12c_8 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_3 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_3 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_3 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_3 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_4 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_4 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_4 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_4 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_5 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_5 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_5 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_5 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_6 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_6 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_6 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_6 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、(例えば、ガイド配列に加えて、例えば、タンパク質結合領域の一部として)表1のCas12c_3、Cas12c_4、Cas12c_5、またはCas12c_6 crRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_3、Cas12c_4、Cas12c_5、またはCas12c_6 crRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_3、Cas12c_4、Cas12c_5、またはCas12c_6 crRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12cガイドRNAは、表1のCas12c_3、Cas12c_4、Cas12c_5、またはCas12c_6 crRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。
Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)
本開示の組成物及び方法は、Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)(「trancRNA」;本明細書では「Cas12c trancRNA」とも称される)を含む。いくつかの場合には、trancRNAは、本開示のCas12cポリペプチド及びCas12cガイドRNAと複合体を形成する。trancRNAは、Cas12c遺伝子座において存在するヌクレオチド配列によってコードされる高度に転写されたRNAとして特定され得る。Cas12C trancRNAをコードする配列は通常、Cas1をコードする配列に隣接して位置するが、CRISPRアレイ(CRISPR反復)としてCas1をコードする配列の反対側にある。以下の例は、Cas12c trancRNAの検出を示す。いくつかの場合には、Cas12c trancRNAは、Cas12cポリペプチドと免疫共沈降する(複合体を形成する)。いくつかの場合には、Cas12c trancRNAの存在は、システムの機能のために必要とされる。trancRNAに関連するデータ(例えば、それらの発現及び天然型配列上のそれらの位置)は、以下の実施例の項に提示される。
いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、25ヌクレオチド(nt)から200nt(例えば、25−150、25−100、25−80、25−70、25−65、25−60、25−55、35−200、35−150、35−100、35−80、35−70、35−65、35−60、35−55、40−200、40−150、40−100、40−80、40−70、40−65、40−60、40−55、45−200、45−150、45−100、45−80、45−70、45−65、45−60、または45−55nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、45−150nt(例えば、45−130、45−120、45−110、45−90、45−80、60−150、60−130、60−120、60−110、60−90、または60−80nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、55−95nt(例えば、55−90、55−85、55−80、60−95、60−90、60−85、60−80、65−95、65−90、65−85、または65−80nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、65〜85nt(例えば、70〜80nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、約75ntの長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、80〜130nt(例えば、80〜120、80〜115、80〜110、90〜130、90〜120、90〜115、90〜110、100〜130、100−120、100−115、または100−110nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、95〜115nt(例えば、100〜110nt)の長さを有する。いくつかの実施形態では、Cas12c trancRNAは、約105ntの長さを有する。
trancRNA配列の例としては、限定するものではないが:AUACCACCCGUGCAUUUCUGGAUCAAUGAUCCGUACCUCAAUGUCCGGGCGCGCAGCUAGAGCGACCUGAAAUCUGCACGAAAACCGGCGAAAGCCGGUUUUUUGU(SEQ ID NO:23)(ロング)(例えば、Cas12c_1);及びAUACCACCCGUGCAUUUCUGGAUCAAUGAUCCGUACCUCAAUGUCCGGGCGCGCAGCUAGAGCGACCUGAAAUCU(SEQ ID NO:24)(ショート)(例えば、Cas12c_1)が挙げられる。
いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)trancRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)trancRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)trancRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)trancRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)trancRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列含み、かつ80〜130nt(例えば、85〜120、80〜115、80〜110、90〜130、90〜120、90〜115、90〜110、100〜130、100〜120、100〜115、または100〜110nt)の長さを有する。
いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ショート)trancRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ショート)trancRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ショート)trancRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ショート)trancRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ショート)trancRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列含み、55〜95nt(例えば、55〜90、55〜85、55〜80、60〜95、60〜90、60〜85、60〜80、65〜95、65〜90、65〜85、または65〜80nt)の長さを有する。
いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)またはCas12c_1(ショート)trancRNA配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)またはCas12c_1(ショート)trancRNA配列と70%以上の同一性(例えば、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)またはCas12c_1(ショート)trancRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)またはCas12c_1(ショート)trancRNA配列と90%以上の同一性(例えば、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、本発明のCas12c trancRNAは、上記のCas12c_1(ロング)またはCas12c_1(ショート)trancRNA配列と80%以上の同一性(例えば、85%以上、90%以上、93%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または100%の同一性)を有するヌクレオチド配列含み、45〜150nt(例えば、45〜130、45〜120、45〜110、45〜90、45〜80、60〜150、60〜130、60〜120、60〜110、60〜90、または60〜80nt)の長さを有する。
いくつかの場合には、Cas12c trancRNAは、修飾ヌクレオチド(例えば、メチル化)を含む。いくつかの場合には、Cas12c trancRNAは:i)塩基修飾または置換、ii)骨格修飾、iii)修飾ヌクレオシド間結合;及びiv)修飾糖部分のうちの1つ以上を含む。可能性のある核酸修飾を、以下に記載する。
Cas12c(C2c3)システム
本開示は、Cas12cシステムを提供する。本開示のCas12cシステムは、(1)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)(本明細書では「Cas12c trancRNA」と称される)またはCas12c trancRNAをコードする核酸(例えば、発現ベクター)、(2)Cas12cタンパク質(例えば、野生型タンパク質、バリアント、触媒的に損なわれたバリアント、Cas12c融合タンパク質など)またはCas12cタンパク質をコードする核酸(例えば、RNA、発現ベクターなど)、(3)Cas12cガイドRNA(Cas12cタンパク質に結合して配列特異性を提供する、例えば、真核生物ゲノムの標的配列に結合し得るガイドRNA)またはCas12cガイドRNAをコードする核酸(例えば、発現ベクター)のうちの1つ以上を含み得る。Cas12cシステムは、(1)、(2)、及び(3)のうちの1つ以上を(任意の組み合わせで)含む宿主細胞(例えば、真核細胞、植物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞)を含んでもよく、例えば、いくつかの場合には、宿主細胞は、trancRNA及び/またはtrancRNAをコードする核酸を含む。いくつかの場合には、Cas12cシステムは、(例えば、上記に加えて)ドナー鋳型核酸を含む。いくつかの場合には、Cas12cシステムは、1つの以上の核酸(例えば、上記の任意の組み合わせをコードする1つ以上の発現ベクター)のシステムである。
核酸
本開示は、Cas12c trancRNA配列、Cas12c trancRNAをコードするヌクレオチド配列、Cas12cポリペプチド(例えば、野生型Cas12cタンパク質、ニッカーゼCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質/Cas12c融合タンパク質など)をコードするヌクレオチド配列、Cas12cガイドRNA配列、Cas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列、及びドナーポリヌクレオチド(ドナー鋳型、ドナーDNA)配列のうちの1つ以上を含む、1つ以上の核酸を提供する。いくつかの場合には、本発明の核酸(例えば、1つ以上の核酸)は、組み換え発現ベクター(例えば、プラスミド、ウイルスベクター、ミニサークルDNA等)である。いくつかの場合には、Cas12c trancRNAをコードするヌクレオチド配列、Cas12cタンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び/またはCas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列は、プロモーター(例えば、誘導性プロモーター)、例えば、選択した細胞の種類(例えば、原核細胞、真核細胞、植物細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、霊長類細胞、齧歯類細胞、ヒト細胞など)において動作可能であるものと動作可能に連結される。
いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、コドン最適化される。この種類の最適化は、同じタンパク質をコードしながら、意図した宿主生物または細胞のコドン選好性を模倣するように、Cas12cコードヌクレオチド配列の変異を伴い得る。したがって、コドンは変更され得るが、コードされたタンパク質は、変更されないままである。例えば、意図した標的細胞がヒト細胞であった場合、ヒトコドン最適化Cas12cコードヌクレオチド配列を使用することができ得る。別の非限定的な例として、意図した宿主細胞がマウス細胞であった場合、次いで、マウスコドン最適化Cas12cコードヌクレオチド配列が生成され得る。別の非限定的な例として、意図した宿主細胞が植物細胞であった場合、植物コドン最適化Cas12cコードヌクレオチド配列が生成され得る。別の非限定的な例として、意図した宿主細胞が昆虫細胞であった場合、次いで、昆虫コドン最適化Cas12cコードヌクレオチド配列が生成され得る。
本開示は、Cas12c trancRNA配列、Cas12c trancRNAをコードするヌクレオチド配列、Cas12cポリペプチド(例えば、野生型Cas12cタンパク質、ニッカーゼCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質/Cas12c融合タンパク質など)をコードするヌクレオチド配列、Cas12cガイドRNA配列、Cas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列、及びドナーポリヌクレオチド(ドナー鋳型、ドナーDNA)配列を(いくつかの場合には異なる組み換え発現ベクターにおいて、いくつかの場合には同一の組み換え発現ベクターにおいて)含む、1つ以上の組み換え発現ベクターを提供する。いくつかの場合には、本発明の核酸(例えば、1つ以上の核酸)は、組み換え発現ベクター(例えば、プラスミド、ウイルスベクター、ミニサークルDNA等)である。いくつかの場合には、Cas12c trancRNAをコードするヌクレオチド配列、Cas12cタンパク質をコードするヌクレオチド配列、及び/またはCas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列は、プロモーター(例えば、誘導性プロモーター)、例えば、選択した細胞の種類(例えば、原核細胞、真核細胞、植物細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、霊長類細胞、齧歯類細胞、ヒト細胞など)において動作可能であるものと動作可能に連結する。
好適な発現ベクターとしては、ウイルス発現ベクター(例えば、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルス(例えば、Li et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 35:2543 2549,1994、Borras et al.,Gene Ther 6:515 524,1999、Li and Davidson,PNAS 92:7700 7704,1995、Sakamoto et al.,H Gene Ther 5:1088 1097,1999、WO94/12649、WO93/03769、WO93/19191、WO94/28938、WO95/11984、及びWO95/00655を参照)、アデノ関連ウイルス(AAV)(例えば、Ali et al.,Hum Gene Ther 9:81 86,1998、Flannery et al.,PNAS 94:6916 6921,1997、Bennett et al.,Invest Opthalmol Vis Sci 38:2857 2863,1997、Jomary et al.,Gene Ther 4:683 690,1997、Rolling et al.,Hum Gene Ther 10:641 648,1999、Ali et al.,Hum Mol Genet 5:591 594,1996、Srivastava in WO93/09239、Samulski et al.,J.Vir.(1989)63:3822−3828、Mendelson et al.,Virol.(1988)166:154−165、及びFlotte et al.,PNAS(1993)90:10613−10617を参照)、SV40、ヘルペス単純ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(例えば、Miyoshi et al.,PNAS 94:10319 23,1997、Takahashi et al.,J Virol 73:7812 7816,1999を参照)、レトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾壊死ウイルス、及びレトロウイルスに、例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、レンチウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、及び哺乳動物腫瘍ウイルスに由来するベクター)等に基づくウイルスベクターが挙げられる。いくつかの場合には、本開示の組み換え発現ベクターは、組み換えアデノ関連ウイルス(AAV)ベクターである。いくつかの場合には、本開示の組み換え発現ベクターは、組み換えレンチウイルスベクターである。いくつかの場合には、本開示の組み換え発現ベクターは、組み換えレトロウイルスベクターである。
利用される宿主/ベクター系に応じて、構成的及び誘導性プロモーター、転写エンハンサー要素、転写ターミネーター等を含む、いくつかの好適な転写及び翻訳制御要素のうちのいずれかが、発現ベクター内で使用され得る。
いくつかの実施形態では、Cas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列は、制御要素、例えば、プロモーターなどの転写制御要素と動作可能に連結している。いくつかの実施形態では、Cas12cタンパク質またはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、制御要素、例えば、プロモーターなどの転写制御要素と動作可能に連結している。
転写制御要素は、プロモーターであり得る。いくつかの場合には、プロモーターは、構成的活性型のプロモーターである。いくつかの場合には、プロモーターは、調節可能なプロモーターである。いくつかの場合には、プロモーターは、誘導性プロモーターである。いくつかの場合には、プロモーターは、組織特異的プロモーターである。いくつかの場合には、プロモーターは、細胞型特異的プロモーターである。いくつかの場合には、転写制御要素(例えば、プロモーター)は、標的化された細胞の種類または標的化された細胞集団において機能的である。例えば、いくつかの場合には、転写制御要素は、真核細胞、例えば、造血幹細胞(例えば、動員された末梢血(mPB)CD34(+)細胞、骨髄(BM)CD34(+)細胞など)において機能的であり得る。
真核細胞プロモーター(真核細胞中で機能的なプロモーター)の非限定的な例としては、EF1α、最初期のサイトメガロウイルス(CMV)由来のもの、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、早期及び後期SV40、レトロウイルス由来の長い末端反復(LTR)、及びマウスメタロチオネイン−Iが挙げられる。適切なベクター及びプロモーターの選択は、十分に当業者のレベル内である。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位及び転写ターミネーターを含有することができる。発現ベクターはまた、発現を増幅するための適切な配列を含むことができる。発現ベクターはまた、Cas12cタンパク質と融合して、したがってキメラCas12cポリペプチドをもたらし得る、タンパク質タグ(例えば、6×Hisタグ、ヘマグルチニンタグ、蛍光タンパク質等)をコードするヌクレオチド配列も含んでもよい。
いくつかの場合には、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、誘導性プロモーターと動作可能に連結している。いくつかの場合には、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、構成的プロモーターと動作可能に連結している。
プロモーターは、構成的活性型プロモーター(すなわち、構成的に活性/「ON」状態であるプロモーター)であり得、誘導性プロモーターであってもよく(すなわち、その活性/「ON」または不活性/「OFF」状態が外部刺激、例えば、特定の温度、化合物、またはタンパク質の存在によって制御されるプロモーター)、空間的制約のあるプロモーター(すなわち、転写制御要素、エンハンサー等)(例えば、組織特異的プロモーター、細胞型特異的プロモーター等)であってもよく、時間的制約のあるプロモーターであってもよい(すなわち、プロモーターは、胚発達の特定段階中、または生物学的過程の特定段階、例えば、マウスにおける毛包サイクル中に、「ON」状態または「OFF」状態である)。
好適なプロモーターは、ウイルスに由来し得、したがってウイルスプロモーターと称され得るか、またはそれらは原核生物もしくは真核生物を含む任意の生物に由来し得る。好適なプロモーターを使用して、任意のRNAポリメラーゼ(例えば、pol I、pol II、pol III)によって発現を駆動することができる。例示的なプロモーターとしては、SV40早期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルスの長い末端配列(LTR)プロモーター;アデノウイルス主要後期プロモーター(Ad MLP);単純ヘルペスウイルス(HSV)プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、例えば、CMV最初期プロモーター領域(CMVIE)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、ヒトU6小核プロモーター(U6)(Miyagishi et al.,Nature Biotechnology 20,497−500(2002))、強化U6プロモーター(例えば、Xia et al.,Nucleic Acids Res.2003 Sep 1;31(17))、ヒトH1プロモーター(H1)等が挙げられるが、これらに限定されない。
場合によっては、Cas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列は、真核細胞中の動作可能なプロモーター(例えば、U6プロモーター、強化U6プロモーター、H1プロモーター等)と動作可能に連結している(その制御下にある)。当業者によって理解されるように、(例えば、真核細胞中で)U6プロモーター、または別のPolIIIプロモーターを使用して核酸(例えば、発現ベクター)からRNA(例えば、ガイドRNA)を発現するときに、いくつかのTが一列に並んでいる(RNA中のUをコードする)場合には、RNAは変異される必要があり得る。これは、DNA中の連続したT(例えば、5つのT)が、ポリメラーゼIII(PolIII)のターミネーターとして作用し得るためである。したがって、真核細胞中でのガイドRNAの転写を確実にするために、時としてガイドRNAをコードする配列を修飾してTの連続を除去する必要性があり得る。いくつかの場合には、Cas12cタンパク質(例えば、野生型Cas12cタンパク質、ニッカーゼCas12cタンパク質、dCas12cタンパク質、キメラCas12cタンパク質等)をコードするヌクレオチド配列は、真核細胞中の動作可能なプロモーター(例えば、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、エストロゲン受容体調節型プロモーター等)と動作可能に連結している。
誘導性プロモーターの例としては、T7 RNAポリメラーゼプロモーター、T3 RNAポリメラーゼプロモーター、イソプロピル−ベータ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)調節型プロモーター、ラクトース誘導型プロモーター、ヒートショックプロモーター、テトラサイクリン調節型プロモーター、ステロイド調節型プロモーター、金属調節型プロモーター、エストロゲン受容体調節型プロモーター等が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、誘導性プロモーターは、ドキシサイクリン、エストロゲン、及び/またはエストロゲン類似体、IPTG等を含むがこれらに限定されない分子によって、調節することができる。
使用に好適な誘導性プロモーターとしては、本明細書に記載されるか、または当業者に既知である、任意の誘導性プロモーターが挙げられる。誘導性プロモーターの例としては、アルコール調節型プロモーター、テトラサイクリン調節型プロモーター(例えば、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)応答性プロモーター、ならびにテトラサイクリンリプレッサータンパク質(tetR)、テトラサイクリンオペレーター配列(tetO)、及びテトラサイクリントランスアクティベーター融合タンパク質(tTA)を含む、他のテトラサイクリン応答性プロモーター系)、ステロイド調節型プロモーター(例えば、ラットグルココルチコイド受容体、ヒトエストロゲン受容体、ガエクジソン受容体に基づくプロモーター、及びステロイド/レチノイド/甲状腺受容体スーパーファミリー由来のプロモーター)、金属調節型プロモーター(例えば、酵母、マウス、及びヒト由来のメタロチオネイン(金属イオンに結合し、封鎖するタンパク質)に由来するプロモーター)、病因調節型プロモーター(例えば、サリチル酸、エチレン、またはベンゾチアジアゾール(BTH)によって誘導される)、温度/熱誘導性プロモーター(例えば、ヒートショックプロモーター)、及び光調節型プロモーター(例えば、植物細胞由来の光応答性プロモーター)などの化学的/生化学的調節型及び物理的調節型プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの場合には、プロモーターは、空間的制約のあるプロモーター(すなわち、細胞型特異的プロモーター、組織特異的プロモーター等)であり、それにより多細胞生物において、プロモーターは、特定細胞のサブセットにおいて活性(すなわち、「ON」)である。空間的制約のあるプロモーターはまた、エンハンサー、転写制御要素、制御配列などとも称され得る。任意の簡便な空間的制約のあるプロモーターは、そのプロモーターが標的宿主細胞(例えば、真核細胞、原核細胞)において機能的である限り、使用することができる。
いくつかの場合には、プロモーターは、可逆的プロモーターである。可逆的誘導性プロモーターを含む好適な可逆的プロモーターを、当該技術分野において既知である。そのような可逆的プロモーターは、多くの生物、例えば、真核生物及び原核生物から単離され得、それに由来し得る。第2の生物において使用するための第1の生物(例えば、第1の生物が原核生物で第2の生物が真核生物、第1の生物が真核生物で第2の生物が原核生物、等)に由来する可逆的プロモーターの修飾は、当該技術分野において周知である。そのような可逆的プロモーター、及び、そのような可逆的プロモーターに基づくだけでなく追加の制御タンパク質も含む系としては、アルコール調節型プロモーター(例えば、アルコールデヒドロゲナーゼI(alcA)遺伝子プロモーター、アルコールトランスアクティベータータンパク質(AlcR)に応答性のプロモーター等)、テトラサイクリン調節型プロモーター(例えば、TetActivator、TetON、TetOFF等を含むプロモーター系)、ステロイド調節型プロモーター(例えば、ラットグルココルチコイド受容体プロモーター系、ヒトエストロゲン受容体プロモーター系、レチノイドプロモーター系、甲状腺プロモーター系、エクジソンプロモーター系、ミフェプリストンプロモーター系等)、金属調節型プロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター系等)、病原体関連調節型プロモーター(例えば、サリチル酸調節型プロモーター、エチレン調節型プロモーター、ベンゾチアジアゾール調節型プロモーター等)、温度調節型プロモーター(例えば、ヒートショック誘導性プロモーター(例えば、HSP−70、HSP−90、ダイズヒートショックプロモーター等)、光調節型プロモーター、合成誘導性プロモーター等が挙げられるが、これらに限定されない。
核酸(例えば、ドナーポリヌクレオチド配列を含む核酸、Cas12cタンパク質及び/またはCas12cガイドRNAをコードする1つ以上の核酸等)を宿主細胞に導入する方法は、当該技術分野において公知であり、任意の簡便な方法を使用して、核酸(例えば、発現構築物)を細胞に導入し得る。好適な方法としては、例えば、ウイルス感染、形質移入、リポフェクション、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレンイミン(PEI)媒介型形質移入、DEAE−デキストラン媒介型形質移入、リポソーム媒介型形質移入、粒子ガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、ナノ粒子媒介型核酸送達等が挙げられる。
組み換え発現ベクターを細胞に導入することは、任意の培養培地中で、及び細胞の生存を促進する任意の培養条件下で起こり得る。組み換え発現ベクターを標的細胞に導入することは、インビボまたはエクスビボで実行され得る。組み換え発現ベクターを標的細胞に導入することは、インビトロで実行され得る。
いくつかの実施形態では、Cas12cタンパク質は、RNAとして提供され得る。RNAは、直接化学合成によって提供されてもよいし、または(例えば、Cas12cタンパク質をコードする)DNAからインビトロで転写され得る。一旦合成されると、RNAは、核酸を細胞に導入するための周知の技法(例えば、マイクロインジェクション、電気穿孔、形質移入など)のうちのいずれかによって細胞に導入され得る。
核酸は、十分に開発された形質移入技法(例えば、Angel及びYanik(2010)PLoS ONE 5(7):e11756を参照)、ならびにQiagenから市販されているTransMessenger(登録商標)試薬、StemgentからのStemfect(商標)RNA形質移入キット、及びMirus Bio LLCからのTransIT(登録商標)−mRNA形質移入キットを使用して、細胞に提供され得る。また、Beumer et al.(2008)PNAS 105(50):19821−19826も参照されたい。
ベクターは、標的宿主細胞に直接提供され得る。換言すれば、細胞は、本発明の核酸を含むベクター(例えば、ドナー鋳型配列を有し、Cas12cガイドRNAをコードする組み換え発現ベクター、Cas12cタンパク質をコードする組み換え発現ベクター等)と接触し、それによってベクターが細胞によって取り込まれる。細胞を、プラスミドである核酸ベクターと接触させるための方法としては、当該技術分野において周知の電気穿孔、塩化カルシウム形質移入、マイクロインジェクション、及びリポフェクションが挙げられる。ウイルスベクター送達の場合、細胞は、対象のウイルス発現ベクターを含むウイルス粒子と接触させることができる。
レトロウイルス、例えば、レンチウイルスは、本開示の方法における使用に好適である。一般に使用されるレトロウイルスベクターは「欠陥がある」、すなわち、増殖性感染に必要なウイルスタンパク質を産生することができない。むしろ、ベクターの複製は、パッケージング細胞株における増殖を必要とする。目的の核酸を含むウイルス粒子を生成するために、その核酸を含むレトロウイルス核酸が、パッケージング細胞株によってウイルスカプシドにパッケージされる。異なるパッケージング細胞株は、カプシドに組み込まれる異なるエンベロープタンパク質(エコトロピック、アンホトロピック、またはゼノトロピック)を提供し、このエンベロープタンパク質は、細胞に対するウイルス粒子の特異性を決定する(マウス及びラットに対してはエコトロピック、ヒト、イヌ、及びマウスを含む大部分の哺乳動物細胞型に対してはアンホトロピック、ならびにマウス細胞を除く大部分の哺乳動物細胞に対してはゼノトロピック)。適切なパッケージング細胞株を使用して、細胞がパッケージされたウイルス粒子によって標的されることを確実にすることができる。対象のベクター発現ベクターをパッケージング細胞株に導入する方法及びパッケージング株によって生成されるウイルス粒子を採集する方法は、当該技術分野において周知である。核酸はまた、直接マイクロインジェクション(例えば、RNAのインジェクション)によって導入することもできる。
Cas12cガイドRNA及び/またはCas12cポリペプチドをコードする核酸を標的宿主細胞に提供するために使用されるベクターは、目的の核酸の発現、つまり転写活性化を駆動するための好適なプロモーターを含むことができる。換言すれば、いくつかの場合には、目的の核酸は、プロモーターと動作可能に連結される。これは、遍在的に作用するプロモーター、例えば、CMV−β−アクチンプロモーター、または誘導性プロモーター、例えば、特定の細胞集団において活性であるか、もしくはテトラサイクリンなどの薬物の存在に応答するプロモーターを含み得る。転写活性化によって、転写が、標的細胞中の基底レベルよりも10倍、100倍、より通常は1000倍増加されることが意図される。加えて、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12cタンパク質をコードする核酸を細胞に提供するために使用されるベクターは、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12cタンパク質を取り込んだ細胞を特定するように、標的細胞中で選択可能なマーカーをコードする核酸配列を含み得る。
Cas12cポリペプチド、またはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、いくつかの場合にはRNAである。したがって、Cas12c融合タンパク質は、RNAとして細胞に導入されてもよい。RNAを細胞に導入する方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、直接注入、形質移入、またはDNAの導入のために使用される任意の他の方法を含み得る。Cas12cタンパク質は、代わりにポリペプチドとして細胞に提供されてもよい。そのようなポリペプチドは、任意に、産生物の溶解性を増加させるポリペプチドドメインと融合し得る。このドメインは、定義されたプロテアーゼ切断部位、例えば、TEVプロテアーゼによって切断される、TEV配列を通して、ポリペプチドと連結し得る。リンカーはまた、1つ以上の可塑性配列、例えば、1〜10個のグリシン残基も含み得る。いくつかの実施形態では、融合タンパク質の切断は、産生物の溶解性を維持する緩衝液中、例えば、0.5〜2Mの尿素の存在下、溶解性を増加させるポリペプチド及び/またはポリヌクレオチドの存在下等で行われる。目的のドメインとしては、エンドソーム不安定化ドメイン、例えば、インフルエンザHAドメイン、及び産生を助ける他のポリペプチド、例えば、IF2ドメイン、GSTドメイン、GRPEドメイン等が挙げられる。ポリペプチドは、安定性の改善のために配合され得る。例えば、ペプチドは、PEG化されてもよく、そこでポリエチレンオキシ基は、血流中の寿命の向上を提供する。
加えて、または代替的に、本開示のCas12cポリペプチドは、ポリペプチド浸透性ドメインと融合して、細胞による取り込みを促進し得る。いくつかの浸透性ドメインが、当該技術分野において既知であり、ペプチド、ペプチド模倣体、及び非ペプチド担体を含む、本開示の非統合ポリペプチドにおいて使用され得る。例えば、浸透性ペプチドは、アミノ酸配列RQIKIWFQNRRMKWKK (SEQ ID NO:64)を含む、ペネトラチンと称される、Drosophila melanogaster転写因子アンテナペディア(Antennapaedia)の第3のアルファらせんに由来し得る。別の例としては、浸透性ペプチドは、HIV−1 tat塩基性領域アミノ酸配列を含み、これは、例えば、天然型tatタンパク質のアミノ酸49〜57を含み得る。他の浸透性ドメインには、ポリ−アルギニンモチーフ、例えば、HIV−1 revタンパク質のアミノ酸34〜56の領域、ノナ−アルギニン、オクタ−アルギニン等を含む。(例えば、転位ペプチド及びペプトイドの教示について参照により本明細書に具体的に組み込まれる、Futaki et al.(2003)Curr Protein Pept Sci.2003 Apr;4(2):87−9 and 446、及びWender et al.(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 2000 Nov.21;97(24):13003−8、米国特許出願公開第20030220334号、同第20030083256号、同第20030032593号、及び同第20030022831号を参照されたい)。ノナ−アルギニン(R9)配列は、特徴付けられているより効率的なPTDのうちの1つである(Wender et al.2000、Uemura et al.2002)。融合が行われる部位は、ポリペプチドの生物活性、分泌、または結合特徴を最適化するために選択され得る。最適な部位は、慣例実験によって決定されるであろう。
本開示のCas12cポリペプチドは、インビトロで、または真核細胞によって、または原核細胞によって産生することができ、それは、アンフォールディング、例えば、熱変性、ジチオスレイトール還元等によってさらに処理されてもよく、当該技術分野において公知の方法を使用して、さらにリフォールディングされてもよい。
一次配列を改変しない目的の修飾としては、ポリペプチドの化学誘導体化、例えば、アシル化、アセチル化、カルボキシル化、アミド化等が挙げられる。また、グリコシル化の修飾、例えば、その合成中及び処理中またはさらなる処理ステップ中に、ポリペプチドのグリコシル化パターンを修飾することによって、例えば、ポリペプチドを、哺乳動物グリコシル化または脱グリコシル化酵素などのグリコシル化に影響を及ぼす酵素に曝露することによって行われるものも含まれる。また、リン酸化アミノ酸残基、例えば、ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニンを有する配列も包含される。
また、核酸(例えば、Cas12cガイドRNAをコードする、Cas12c融合タンパク質をコードする等)、ならびにタンパク質分解に対するそれらの耐性を改善する、標的配列特異性を変更する、溶解特性を最適化する、タンパク質活性(例えば、転写調節活性、酵素活性等)を改変する、またはより好適にするように、通常の分子生物学的技法及び合成化学を使用して修飾されているタンパク質(例えば、野生型タンパク質またはバリアントタンパク質に由来するCas12c融合タンパク質)も、本開示の実施形態に包含するのに好適である。そのようなポリペプチドの類似体としては、天然型L−アミノ酸以外、例えば、D−アミノ酸または非天然型合成アミノ酸の残基を含有するものが挙げられる。D−アミノ酸は、アミノ酸残基の一部または全てについて置換され得る。
本開示のCas12cポリペプチドは、当該技術分野において既知の簡便な方法を使用して、インビトロ合成によって調製され得る。様々な市販の合成装置、例えば、Applied Biosystems,Inc.、Beckman等による自動合成装置が入手可能である。合成装置を使用することによって、天然型アミノ酸は、非天然のアミノ酸で置換されてもよい。特定の配列及び調製方法は、簡便性、経済性、必要とされる純度などによって決定されるであろう。
必要に応じて、合成中または発現中に、様々な基をペプチドに導入してもよく、これにより他の分子または表面への連結が可能となる。したがって、システインを使用して、チオエーテル、金属イオン複合体に連結するためのヒスチジン、アミドまたはエステルを形成するためのカルボキシル基、アミドを形成するためのアミノ基等を作製してもよい。
本開示のCas12cポリペプチドはまた、組み換え合成の従来方法に従って単離及び精製されてもよい。発現宿主の溶解物を調製し、溶解物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、排除クロマトグラフィー、ゲル電気穿孔、親和性クロマトグラフィー、または他の精製技法を使用して精製してもよい。大抵は、使用される組成物は、産生物の調製及びその精製の方法に関連した汚染物質に対して、所望の産生物の20重量%以上、より通常は75重量%以上、好ましくは95重量%以上、治療目的の場合は通常99.5重量%を占める。通常、パーセンテージは、総タンパク質に基づく。したがって、いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドは、少なくとも80%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも98%純粋、または少なくとも99%純粋である(例えば、汚染物質、非Cas12cタンパク質、または他の高分子等を含まない)。
切断もしくは任意の所望の修飾を標的核酸(例えば、ゲノムDNA)に誘導するため、または任意の所望の修飾を標的核酸に関連したポリペプチドに誘導するために、Cas12cガイドRNA及び/もしくはCas12cポリペプチド及び/もしくはCas12c trancRNA、ならびに/またはドナー鋳型配列は、それらが核酸として導入されるかまたはポリペプチドとして導入されるかにかかわらず、約30分〜約24時間、例えば、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、12時間、16時間、18時間、20時間、または約30分〜約24時間の任意の他の期間にわたって細胞に提供され得、これはほぼ毎日〜約4日毎の頻度、例えば、1.5日毎、2日毎、3日毎、またはほぼ毎日〜約4日毎の任意の他の頻度で繰り返されてもよい。薬剤(複数可)は、対象の細胞に1回以上、例えば、1回、2回、3回、または4回以上提供されてもよく、細胞は、各接触事象に続くいくらかの時間、例えば、16〜24時間にわたって、薬剤(複数可)とともにインキュベートされ、この時間の後に培地を新鮮な培地で置き換え、細胞をさらに培養する。
2つ以上の異なる標的化複合体(例えば、同じまたは異なる標的核酸内の異なる配列に対して相補的である2つの異なるCas12cガイドRNA)が細胞に提供される場合には、複合体は、同時に提供され得るか(例えば、2つのポリペプチド及び/もしくは核酸として)、または同時に送達され得る。あるいは、それらは順次提供されてもよく、例えば、標的化複合体が最初に提供され、続いて第2の標的化複合体が提供される等、またはその逆も同様である。
標的細胞へのDNAベクターの送達を改善するために、DNAは、例えば、リポプレックス及びポリプレックスを使用することによって促進される損傷及びその細胞への侵入から保護され得る。したがって、いくつかの場合には、本開示の核酸(例えば、本開示の組み換え発現ベクター)は、ミセルまたはリポソームのような組織的構造において脂質で被覆され得る。組織的構造がDNAと複合される場合、それはリポプレックスと呼ばれる。アニオン性(負電荷)、中性、またはカチオン性(正電荷)の、3種類の脂質が存在する。カチオン性脂質を用いるリポプレックスは、遺伝子移行に対する有用性が証明されている。カチオン性脂質は、それらの正電荷により、負電荷DNAと天然に複合する。また、それらの電荷の結果として、それらは細胞膜と相互作用する。次いで、リポプレックスのエンドサイトーシスが起こり、DNAが細胞質中に放出される。カチオン性脂質はまた、細胞によるDNAの変性に対して保護する。
ポリマーのDNAとの複合体は、ポリプレックスと呼ばれる。ほとんどのポリプレックスは、カチオン性ポリマーからなり、それらの産生はイオンの相互作用によって調節される。ポリプレックスとリポプレックスの作用方法の1つの大きな差異は、ポリプレックスが、それらのDNA負荷を細胞質中に放出できないことであり、このため、不活性化アデノウイルスなどのエンドソーム溶解剤との同時形質移入(エンドサイトーシス中に作製されるエンドソームを溶解する)が必ず起こる。しかしながら、これは常にそうであるとは限らず、それら独自のエンドソーム崩壊方法を有し、キトサン及びトリメチルキトサンも同様である。
また、球形状を有する高度に分岐した高分子であるデンドリマーを使用して、幹細胞を遺伝子修飾することもできる。デンドリマー粒子の表面を官能化して、その特性を改変してもよい。特に、カチオン性デンドリマー(すなわち、正の表面電荷を有するもの)を構築することが可能である。DNAプラスミドなどの遺伝子材料の存在下にある場合、電荷相補性は、核酸とカチオン性デンドリマーとの一時的会合をもたらす。送達先に到達したとき、デンドリマー核酸複合体は、エンドサイトーシスによって細胞に取り込まれ得る。
いくつかの場合には、本開示(例えば、発現ベクター)の核酸は、目的のガイド配列のための挿入部位を含む。例えば、核酸は、目的のガイド配列に対する挿入部位を含むことができ、挿入部位は、ガイド配列が変化して所望の標的配列にハイブリダイズしても変化しないCas12cガイドRNAの部分をコードするヌクレオチド配列のすぐ隣にある(例えば、ガイドRNAのCas12c結合態様に寄与する配列、例えば、Cas12cガイドRNAのdsRNA二重鎖(複数可)に寄与する配列であり、ガイドRNAのこの部分はまた、ガイドRNAの「足場」または「定常領域」とも称され得る)。したがって、いくつかの場合には、本発明の核酸(例えば、発現ベクター)は、ガイドRNAのガイド配列部分をコードする部分が挿入配列(挿入部位)であることを除いて、Cas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列を含む。挿入部位は、所望の配列の挿入のために使用される任意のヌクレオチド配列である。様々な技法で使用するための「挿入部位」は、当業者に既知であり、任意の簡便な挿入部位を使用することができる。挿入部位は、核酸配列を利用するための任意の方法に対するものであり得る。例えば、いくつかの場合には、挿入部位は、複数クローニング部位(MCS)(例えば、1つ以上の制限酵素認識配列を含む部位)、ライゲーション非依存性クローニングのための部位、組み換えに基づくクローニングのための部位(例えば、att部位に基づく組み換え)、CRISPR/Cas(例えば、Cas9)に基づく技術によって認識されるヌクレオチド配列などである。
挿入部位は、任意の所望の長さであり得、挿入部位の種類に依存し得る(例えば、その部位が1つ以上の制限酵素認識配列を含むかどうか(またその数)、その部位がCRISPR/Casタンパク質に対する標的部位を含むかどうか等に依存し得る)。いくつかの場合には、本発明の核酸の挿入部位は、3以上のヌクレオチド(nt)長(例えば、5以上、8以上、10以上、15以上、17以上、18以上、19以上、20以上、もしくは25以上、または30以上のnt長)である。いくつかの場合には、本発明の核酸の挿入部位の長さは、2〜50ヌクレオチド(nt)(例えば、2〜40nt、2〜30nt、2〜25nt、2〜20nt、5〜50nt、5〜40nt、5〜30nt、5〜25nt、5〜20nt、10〜50nt、10〜40nt、10〜30nt、10〜25nt、10〜20nt、17〜50nt、17〜40nt、17〜30nt、17〜25nt)の範囲の長さを有する。いくつかの場合には、本発明の核酸の挿入部位の長さは、5〜40ntの範囲の長さを有する。
核酸の修飾
いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、Cas12cガイドRNAまたはtrancRNA)は、核酸に新たなまたは強化された特徴(例えば、改善された安定性)を提供するために、1つ以上の修飾、例えば、塩基修飾、骨格修飾等を有する。ヌクレオシドは、塩基−糖の組み合わせである。ヌクレオシドの塩基部分は、通常、複素環式塩基である。そのような複素環式塩基の2つの最も一般的なクラスは、プリン及びピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドの場合、リン酸基は、糖の2’、3’、または5’ヒドロキシル部分に連結し得る。オリゴヌクレオチドの形成において、リン酸基は、隣接するヌクレオシドと互いに共有結合して、線状ポリマー化合物を形成する。次に、この線状ポリマー化合物のそれぞれの末端は、さらに接合して環状化合物を形成することができるが、線状化合物が好適である。加えて、線状化合物は、内部ヌクレオチド塩基相補性を有し得、したがって完全にまたは部分的に二本鎖の化合物を産生するような方法で折り畳むことができる。オリゴヌクレオチド内では、リン酸基は一般に、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間骨格を形成していると称される。RNA及びDNAの通常の連結または骨格は、3’〜5’ホスホジエステル連結である。
好適な核酸修飾としては、2’Oメチル修飾ヌクレオチド、2’フルオロ修飾ヌクレオチド、ロックド核酸(LNA)修飾ヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)修飾ヌクレオチド、ホスホロチオエート連結を有するヌクレオチド、及び5’キャップ(例えば、7−メチルグアニレートキャップ(m7G))が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる詳細及び追加の修飾が以下に記載される。
2’−O−メチル修飾ヌクレオチド(2’−O−メチルRNAとも称される)は、tRNA及び他の小分子RNA中に見出される、転写後修飾として生じる、RNAの天然型修飾である。2’−O−メチルRNAを含有するオリゴヌクレオチドは、直接合成することができる。この修飾は、RNA:RNA二重鎖のTmを増加させるが、RNA:DNA安定性においてはわずかな変化をもたらすにすぎない。これは一本鎖リボヌクレアーゼによる攻撃に対して安定しており、典型的にはDNAよりもDNaseの影響を5〜10倍受けにくい。これは一般に、安定性及び標的メッセージに対する結合親和性を増加させる手段として、アンチセンスオリゴにおいて使用される。
2’フルオロ修飾ヌクレオチド(例えば、2’フルオロ塩基)は、天然のRNAと比較したときに、結合親和性(Tm)を増加させ、またいくらかの相対的ヌクレアーゼ耐性を付与する、フルオリン修飾リボースを有する。これらの修飾は、一般に、血清または他の生物流体中の安定性を改善するために、リボザイム及びsiRNAにおいて用いられる。
LNA塩基は、RNA A型らせん二重鎖幾何形状を好む、C3’末端位置にある塩基をロックするリボース骨格に対する修飾を有する。この修飾は、Tmを著しく増加させ、また非常にヌクレアーゼ耐性がある。複数のLNA挿入を、3’末端を除く任意の位置にあるオリゴに配置することができる。アンチセンスオリゴからSNP検出、及び対立遺伝子特異的PCRに対するハイブリダイゼーションプローブに及ぶ用途が記載されている。LNAによって付与されるTmの大幅な増加に起因して、それらはまた、プライマー二量体形成ならびに自己ヘアピン形成の増加も引き起こすことができる。いくつかの場合には、単一のオリゴに組み込まれるLNAの数は、10塩基以下である。
ホスホロチオエート(PS)結合(すなわち、ホスホロチオエート連結)は、核酸(例えば、オリゴ)のリン酸骨格中の非架橋酸素を、硫黄原子で置き換える。この修飾は、ヌクレアーゼ変性に対する耐性をヌクレオチド間連結に付与する。ホスホロチオエート結合は、エキソヌクレアーゼ変性を阻害するために、オリゴの5’または3’末端における最後の3〜5ヌクレオチド間に導入することができる。ホスホロチオエート結合をオリゴ内(例えば、オリゴ全体を通して)に含めることは、エンドヌクレアーゼによる攻撃の低減にも同様に助けとなり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の核酸は、2’−O−メチル修飾ヌクレオチドである1つ以上のヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、dsRNA、siNA等)は、1つ以上の2’フルオロ修飾ヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、dsRNA、siNA等)は、1つ以上のLNA塩基を有する。いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、dsRNA、siNA等)は、ホスホロチオエート結合によって連結された1つ以上のヌクレオチドを有する(すなわち、本発明の核酸は、1つ以上のホスホロチオエート連結を有する)。いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、dsRNA、siNA等)は、5’キャップ(例えば、7−メチルグアニレートキャップ(m7G)を有する。いくつかの実施形態では、本発明の核酸(例えば、dsRNA、siNA等)は、修飾ヌクレオチドの組み合わせを有する。例えば、本発明の核酸(例えば、dsRNA、siNA等)は、他の修飾(例えば、2’−O−メチルヌクレオチド及び/または2’フルオロ修飾ヌクレオチド及び/またはLNA塩基及び/またはホスホロチオエート連結)を有する1つ以上のヌクレオチドを有することに加えて、5’キャップ(例えば、7−メチルグアニレートキャップ(m7G))を有することができる。
修飾骨格及び修飾ヌクレオシド間結合
修飾を含む好適な核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)の例としては、修飾骨格または非天然のヌクレオシド間連結を含む核酸が挙げられる。修飾骨格を有する核酸は、骨格内にリン原子を保持するもの、及び骨格内にリン原子を有しないものを含む。
リン酸原子を中に含有する好適な修飾オリゴヌクレオチド骨格としては、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び他のアルキルホスホネート(3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、及びキラルホスホネートを含む)、ホスフィネート、ホスホルアミダート(3’−アミノホスホルアミダート及びアミノアルキルホスホルアミダートを含む)、ホスホロジアミダート、チオノホスホロアミダート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート、及び通常3’−5’連結を有するボラノホスフェート、それらの2’−5’連結類似体、ならびに1つ以上のヌクレオチド間連結が、3’−3’、5’−5’、または2’−2’連結である、反転極性を有するものが挙げられる。反転極性を有する好適なオリゴヌクレオチドは、3’最端ヌクレオチド間連結において単一の3’−3’連結を含む、すなわち、塩基性であり得る単一の反転ヌクレオシド残基を含む(核酸塩基が欠失しているか、またはその代わりにヒドロキシル基を有する)。様々な塩(例えば、カリウムまたはナトリウムなど)、混合塩、及び遊離酸形態もまた含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の核酸は、1つ以上のホスホロチオエート及び/またはヘテロ原子ヌクレオシド間連結、特に−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−(メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として知られる)、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、及び−O−N(CH)−CH−CH−を含む(天然のホスホジエステルヌクレオチド間連結は、−O−P(=O)(OH)−O−CH−として表される)。MMI型ヌクレオシド間連結は、上記で参照された米国特許第5,489,677号において開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。好適なアミドヌクレオシド間連結は、米国特許第5,602,240号において開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
例えば、米国特許第5,034,506号で記載されるような、モルホリノ骨格構造を有する核酸もまた好適である。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の核酸は、リボース環の代わりに6員モルホリノ環を含む。これらの実施形態のうちのいくつかでは、ホスホロジアミダートまたは他の非ホスホジエステルヌクレオシド間連結は、ホスホジエステル連結に置き換わる。
リン原子を中に含まない好適な修飾ポリヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子及びアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式ヌクレオシド間連結により形成される骨格を有する。これらには、モルホリノ連結(部分的にヌクレオシドの糖部分から形成される)を有するもの、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシド及びスルホン骨格、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、リボアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファミン酸塩骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、スルホン酸及びスルホンアミド骨格、アミド骨格、ならびに混合N、O、S及びCH構成要素部分を有する他のものが含まれる。
模倣体
本発明の核酸は、核酸模倣体であってもよい。「模倣体」という用語は、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオチドを含むことが意図され、フラノース環のみまたはフラノース環及びヌクレオチド間連結の両方が、非フラノース基で置き換えられ、フラノース環のみの置換はまた、当該技術分野において代理糖であると称される。複素環式塩基部分または修飾された複素環式塩基部分は、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために維持される。優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されているポリヌクレオチド模倣体である、1つのそのような核酸は、ペプチド核酸(PNA)と称される。PNAにおいて、ポリヌクレオチドの糖骨格は、骨格、特にアミノエチルグリシン骨格を含有するアミドで置き換えられる。ヌクレオチドは保持され、骨格のアミド部分のアザ窒素原子と直接的または間接的に結合する。
優れたハイブリダイゼーション特性を有することが報告されている1つのポリヌクレオチド模倣体は、ペプチド核酸(PNA)である。PNA化合物中の骨格は、PNAにアミド含有骨格を与える2つ以上の連結されたアミノエチルグリシン単位である。複素環式塩基部分は、骨格のアミド部分のアザ窒素原子と直接的または間接的に結合する。PNA化合物の調製を記載する代表的な米国特許としては、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、及び同第5,719,262号(それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。
研究されているポリヌクレオチド模倣体の別のクラスは、モルホリノ環に結合した複素環式塩基を有する連結されたモルホリノ単位(モルホリノ核酸)に基づいている。モルホリノ核酸中のモルホリノモノマー単位を連結する、複数の連結基が報告されている。非イオン性オリゴマー化合物を提供するために、連結基の1つのクラスが選択された。非イオン性モルホリノ系オリゴマー化合物は、細胞タンパク質との望ましくない相互作用を有する可能性がより低い。モルホリノ系ポリヌクレオチドは、細胞タンパク質との望ましくない相互作用を形成する可能性がより低いオリゴヌクレオチドの非イオン性模倣体である(Dwaine A.Braasch and David R.Corey,Biochemistry,2002,41(14),4503−4510)。モルホリノ系ポリヌクレオチドは、米国特許第5,034,506号に開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。モノマーサブユニットを接合する様々な異なる連結基を有する、モルホリノクラスのポリヌクレオチド内の様々な化合物が調製されている。
ポリヌクレオチド模倣体のさらなるクラスは、シクロヘキセニル核酸(CeNA)と称される。DNA/RNA分子中に通常存在するフラノース環が、シクロヘキセニル環で置き換えられる。CeNA DMT保護ホスホルアミダイトモノマーが調製され、古典的ホスホルアミダイト化学に続くオリゴマー化合物合成のために使用されている。完全に修飾されたCeNAオリゴマー化合物及びCeNAで修飾された特定の位置を有するオリゴヌクレオチドが調製され、研究されている(Wang et al.,J.Am.Chem.Soc.,2000,122,8595−8602(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。一般に、DNA鎖へのCeNAモノマーの組み込みは、DNA/RNAハイブリッドのその安定性を増大させる。CeNAオリゴアデニレートは、天然の複合体に対する同様の安定性を有するRNA及びDNA相補体との複合体を形成した。CeNA構造を天然の核酸構造に組み込むことの研究は、NMR及び円二色性によって示され、容易な立体構造適応とともに進められた。
さらなる修飾は、2’−ヒドロキシル基が糖環の4’炭素原子と連結し、それによって2’−C、4’−C−オキシメチレン連結を形成し、それによって二環式糖部分を形成するロックド核酸(LNA)を含む。連結は、2’酸素原子及び4’炭素原子を架橋するメチレン(−CH−)基であり得、式中、nは、1または2である(Singh et al.,Chem.Commun.1998,4,455−456、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。LNA及びLNA類似体は、相補的DNA及びRNAとの非常に高い二重鎖熱安定性(Tm=+3〜+10℃)、3’−エキソヌクレアーゼ分解に対する安定性、ならびに良好な溶解特性を示す。LNAを含有する強力かつ非毒性のアンチセンスオリゴヌクレオチドが記載されている(例えば、Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.,2000,97,5633−5638、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
LNAモノマーのアデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン、及びウラシルの合成及び調製が、オリゴマー化及び核酸認識特性とともに記載されている(例えば、Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。LNA及びその調製物はまた、WO98/39352及びWO99/14226、ならびに米国出願第20120165514号、同第20100216983号、同第20090041809号、同第20060117410号、同第20040014959号、同第20020094555号、及び同第20020086998号に記載されており、それらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
修飾糖部分
本発明の核酸はまた、1つ以上の置換された糖部分も含んでもよい。好適なポリヌクレオチドは、OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルから選択される糖置換基を含み、それらのアルキル、アルケニル、及びアルキニルは、置換または非置換のC.sub.1〜C10アルキルまたはC〜C10アルケニル及びアルキニルであってもよい。O((CHO)CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、及びO(CHON((CHCHが特に好適であり、n及びmは、1〜約10である。他の好適なポリヌクレオチドは、C〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルもしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬理学的特性を改善するための基、及び同様の特性を有する他の置換基から選択される糖置換基を含む。好適な修飾は、2’−メトキシエトキシ(2’−O−CHCHOCH、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても知られる)(Martin et al.,Helv. Chim. ACTA,1995,78,486−504、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、すなわち、アルコキシアルコキシ基を含む。さらなる好適な修飾は、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、本明細書の下記の実施例において記載される、O(CHON(CH基(2’−DMAOEとしても知られる)、及び2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野では、2’−O−ジメチル−アミノ−エトキシ−エチルまたは2’−DMAEOEとしても知られる)、すなわち、2’−O−CH−O−CH−N(CHを含む。
他の好適な糖置換基としては、メトキシ(−O−CH)、アミノプロポキシ(−−O CH CH CHNH)、アリル(−CH−CH=CH)、−O−アリル(−−O−−CH−CH=CH)、及びフルオロ(F)が挙げられる。2’−糖置換基は、アラビノ(上)位またはリボ(下)位であってもよい。好適な2’−アラビノ修飾は、2’−Fである。同様の修飾が、オリゴマー化合物上の他の位置で、特に3’末端ヌクレオシド上のまたは2’−5’連結オリゴヌクレオチド内の糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位でなされもよい。オリゴマー化合物はまた、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分などの糖模倣体を有してもよい。
塩基修飾及び置換
本発明の核酸はまた、核酸塩基(当該技術分野では単に「塩基」と呼ばれることが多い)の修飾または置換を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「非修飾」または「天然の」核酸塩基としては、プリン塩基アデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U)が挙げられる。修飾核酸塩基としては、5−ヒドロキシメチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、ピリミジン塩基の5−プロピニル(−C=C−CH)ウラシル及びシトシンならびに他のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニン及び3−デアザアデニンが挙げられる。さらなる修飾核酸塩基としては、三環式ピリミジン、例えばフェノキサジンシチジン(1H−ピリミド(5,4−b)(1,4)ベンゾキサジン−2(3H)−オン)、フェノチアジンシチジン(1H−ピリミド(5,4−b)(1,4)ベンゾチアジン−2(3H)−オン)、G−クランプ、例えば置換フェノキサジンシチジン(例えば、9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド(5,4−(b)(1,4)ベンゾキサジン−2(3H)−オン)、カルバゾールシチジン(2H−ピリミド(4,5−b)インドール−2−オン)、ピリドインドールシチジン(H−ピリド(3’,2’:4,5)ピロロ(2,3−d)ピリミジン−2−オン)が挙げられる。
複素環式塩基部分は、プリンまたはピリミジン塩基が、他の複素環で置換されるもの、例えば、7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、及び2−ピリドンも含まれ得る。さらなる核酸塩基としては、米国特許第3,687,808号に開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858−859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley&Sons,1990に開示されるもの、Englisch et al.Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613によって開示されるもの、及びSanghvi,Y.S.Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.andLebleu,B.,ed.,CRC Press,1993によって開示されるものが挙げられ、それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。これらの核酸塩基の一部は、オリゴマー化合物の結合親和性を増加させるのに有用である。これには、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、及びO−6置換プリンが含まれ、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、及び5−プロピニルシトシンが挙げられる。5−メチルシトシン置換は、核酸二重鎖安定性を0.6〜1.2℃増加させることが示されており(Sanghvi et al.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276−278、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、例えば、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わされたとき、好適な塩基置換である。
コンジュゲート
本発明の核酸の別の可能な修飾は、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを向上させる1つ以上の部分またはコンジュゲートを、ポリヌクレオチドに化学的に連結することを伴う。これらの部分またはコンジュゲートは、1級または2級ヒドロキシル基などの官能基に共有結合したコンジュゲート基を含むことができる。コンジュゲート基としては、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、オリゴマーの薬物動態特性を向上させる基、及びオリゴマーの薬物動態特性を向上させる基が挙げられる。好適なコンジュゲート基としては、コレステロール、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸塩、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び色素が挙げられる。薬物動態特性を向上させる基としては、取り込みを改善する、分解に対する耐性を向上させる、及び/または標的核酸との配列特異的ハイブリダイゼーションを強化する基が挙げられる。薬物動態特性を向上させる基としては、本発明の核酸の取り込み、分布、代謝、または排泄を改善する基が挙げられる。
コンジュゲート部分としては、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 1989, 86, 6553−6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1994,4,1053−1060)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306−309、Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,2765−2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533−538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111−1118、Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327−330、Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49−54)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651−3654、Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777−3783)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14,969−973)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651−3654)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim. Biophys. Acta,1995,1264,229−237)、またはオクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol. Exp. Ther.,1996,277,923−937)などの脂質部分が挙げられるが、これらに限定されない。
コンジュゲートは、「タンパク質形質導入ドメイン」またはPTD(CPP−細胞透過性ペプチドとしても知られる)を含んでよく、これはポリペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、または脂質二層、ミセル、細胞膜、細胞小器官膜、もしくは小胞膜の横断を促進する有機もしくは無機化合物を指し得る。小さな極性分子から大きな高分子の範囲であり得る別の分子及び/またはナノ粒子に結合したPTDは、例えば、細胞外空間から細胞内空間に、またはサイトゾルから細胞小器官(例えば、核)内に移動する分子の膜横断を促進する。いくつかの実施形態では、PTDは、外因性ポリヌクレオチドの3’末端と共有結合される。いくつかの実施形態では、PTDは、外因性ポリヌクレオチドの5’末端と共有結合される。例示的なPTDとしては、最小ウンデカペプチドタンパク質形質導入ドメイン(YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:60)を含むHIV−1 TATの残基47〜57に対応)、細胞中への直接侵入に十分な複数のアルギニン(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、または10〜50アルギニン)を含むポリアルギニン配列、VP22ドメイン(Zender et al.(2002)Cancer Gene Ther.9(6):489−96)、Drosophila Antennapediaタンパク質形質導入ドメイン(Noguchi et al.(2003)Diabetes 52(7):1732−1737)、切断ヒトカルシトニンペプチド(Trehin et al.(2004)Pharm.Research 21:1248−1256)、ポリリジン(Wender et al.(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:13003−13008)、RRQRRTSKLMKR(SEQ ID NO:61)、トランスポータンGWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(SEQ ID NO:62)、KALAWEAKLAKALAKALAKHLAKALAKALKCEA(SEQ ID NO:63)、及びRQIKIWFQNRRMKWKK(SEQ ID NO:64)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なPTDとしては、YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:60)、RKKRRQRRR(SEQ ID NO:65);3アルギニン残基〜50アルギニン残基のアルギニンホモポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なPTDドメインアミノ酸配列としては、以下:YGRKKRRQRRR(SEQ ID NO:60)、RKKRRQRR(SEQ ID NO:66)、YARAAARQARA(SEQ ID NO:67)、THRLPRRRRRR(SEQ ID NO:68)、及びGGRRARRRRRR(SEQ ID NO:69)のうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、PTDは、活性化可能なCPP(ACPP)である(Aguilera et al.(2009)Integr Biol (Camb)June;1(5−6):371−381)。ACPPは、切断可能なリンカーを介して一致するポリアニオン(例えば、Glu9または「E9」)に接続されたポリカチオン性CPP(例えば、Arg9または「R9」)を含み、これは正味電荷をほぼ0に低減し、それによって細胞への付着及び取り込みを阻害する。リンカーの切断時に、ポリアニオンが放出され、ポリアルギニン及びその本来の付着性を局所的にアンマスクし、したがってACPPを「活性化して」膜を横断するようにする。
標的細胞への成分の導入
Cas12cガイドRNA(もしくはそれをコードするヌクレオチド配列を含む核酸)及び/またはCas12cポリペプチド(もしくはそれをコードするヌクレオチド配列を含む核酸)及び/またはCas12c trancRNA(もしくはそれをコードするヌクレオチド配列を含む核酸)及び/またはドナーポリヌクレオチド(ドナー鋳型)は、様々な周知の方法のうちのいずれかによって宿主細胞に導入され得る。
任意の様々な化合物及び方法を使用して、本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達することができる。非限定的な例としては、本開示のCas12cシステムは、脂質と組み合わせてもよい。別の非限定的な例としては、本開示のCas12cシステムは、粒子と組み合わせてもよいし、または粒子に配合してもよい。
核酸を宿主細胞に導入する方法は、当該技術分野において公知であり、任意の簡便な方法を使用して、本発明の核酸(例えば、発現構築物/ベクター)を標的細胞(例えば、原核細胞、真核細胞、植物細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞等)に導入することができる。好適な方法としては、例えば、ウイルス感染、形質移入、コンジュゲート、プロトプラスト融合、リポフェクション、電気穿孔、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレンイミン(PEI)媒介型形質移入、DEAE−デキストラン媒介型形質移入、リポソーム媒介型形質移入、粒子ガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、ナノ粒子媒介型核酸送達(例えば、Panyam et.,al Adv Drug Deliv Rev.2012 Sep 13.pii:S0169−409X(12)00283−9.doi:10.1016/j.addr.2012.09.023を参照)等が挙げられる。
いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチド(例えば、野生型タンパク質、バリアントタンパク質、キメラ/融合タンパク質、dCas12c、等)は、Cas12cポリペプチドをコードする核酸(例えば、mRNA、DNA、プラスミド、発現ベクター、ウイルスベクター、等)として提供される。いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチドは、タンパク質として(例えば、関連ガイドRNAなしで、または関連ガイドRNAとともに、すなわち、リボ核タンパク質複合体として)直接提供される。本開示のCas12cポリペプチドは、任意の簡便な方法によって細胞に導入する(細胞に提供する)ことができ、そのような方法は、当業者に既知である。例示的な例として、本開示のCas12cポリペプチドは、細胞内に直接注入することができる(例えば、Cas12cガイドRNAまたはCas12cガイドRNAをコードする核酸の有無にかかわらず、及びドナーポリヌクレオチドの有無にかかわらず、及びCas12c trancRNAの有無にかかわらず)。別の例としては、本開示のCas12cポリペプチドとCas12cガイドRNA(RNP)との予め形成された複合体を、細胞(例えば、真核細胞)に導入することができる(例えば、注射を介して、ヌクレオフェクションを介して、1つ以上の成分とコンジュゲートした、例えば、Cas12cタンパク質とコンジュゲートした、ガイドRNAとコンジュゲートした、Cas12c trancRNAとコンジュゲートした、本開示のCas12cポリペプチド及びガイドRNAとコンジュゲートした、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)を介して、など)。
いくつかの場合には、核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはそれをコードする核酸、Cas12cタンパク質をコードする核酸、Cas12c trancRNA及び/またはそれをコードする核酸、等)及び/またはポリペプチド(例えば、Cas12cポリペプチド、Cas12c融合ポリペプチド)は、粒子中の細胞(例えば、標的宿主細胞)に送達されるか、または粒子と会合される。いくつかの場合には、本開示のCas12cシステムは、粒子中の細胞に送達されるか、または粒子と会合される。「粒子」及び「ナノ粒子」という用語は、適切である場合、互換的に使用され得る。例えば、本開示のCas12cポリペプチド及び/またはCas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え発現ベクター、本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA、及びガイドRNAは、粒子または脂質エンベロープを使用して同時に送達され得る。例えば、Cas12cポリペプチド及び/またはCas12cガイドRNA及び/またはtrancRNAは、例えば、複合体(例えば、リボヌクレオタンパク質(RNP)複合体)として、粒子、例えば、脂質またはリピドイド及び親水性ポリマー、例えば、カチオン性脂質及び親水性ポリマーを含む送達粒子を介して送達され得、例えば、カチオン性脂質は、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)もしくは1,2−ジテトラデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)を含み、及び/または親水性ポリマーは、エチレングリコールもしくはポリエチレングリコール(PEG)を含み、及び/または粒子は、コレステロールをさらに含む(例えば、配合物1からの粒子=DOTAP 100、DMPC 0、PEG 0、コレステロール0;配合物番号2=DOTAP 90、DMPC 0、PEG 10、コレステロール0;配合物番号3=DOTAP 90、DMPC 0、PEG 5、コレステロール5)。例えば、粒子は、多段階プロセスを使用して形成してもよく、ここでCas12cポリペプチド及びCas12cガイドRNAを、例えば、1:1モル比で、例えば、室温で、例えば、30分間にわたって、例えば、無菌のヌクレアーゼを含まない1倍リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で一緒に混合し、別個に、配合物に適用できる場合、DOTAP、DMPC、PEG、及びコレステロールを、アルコール、例えば、100%のエタノールに溶解し、これら2つの溶液を一緒に混合して、複合体を含有する粒子を形成する。
本開示のCas12cポリペプチド(もしくは本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNA、または本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え発現ベクター)及び/またはCas12cガイドRNA(もしくはCas12cガイドRNAをコードする1つ以上の発現ベクターなどの核酸)を、粒子または脂質エンベロープを使用して同時に送達してもよい。例えば、リン脂質二層シェルによって封入されたポリ(β−アミノエステル)(PBAE)コアを有する生分解性コアシェル構造ナノ粒子を使用することができる。いくつかの場合には、自己集合生体付着性ポリマーに基づく粒子/ナノ粒子が使用され、そのような粒子/ナノ粒子は、例えば、脳へのペプチドの経口送達、ペプチドの静脈内送達、及びペプチドの経鼻送達に適用され得る。疎水性薬物の経口吸収及び眼内送達などの他の実施形態もまた企図される。保護され、疾患の部位に送達される操作されたポリマーエンベロープを必要とする分子エンベロープ技術を使用することができる。約5mg/kgの用量が、様々な要因、例えば、標的組織に応じて、単一または複数の用量で使用され得る。
リピドイド化合物はまた(例えば、米国特許出願第20110293703号に記載されるように)、ポリヌクレオチドの投与において有用であり、それを使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸、または本開示のCas12cシステムを送達してもよい。一態様では、アミノアルコールリピドイド化合物は、細胞または対象に送達される薬剤と組み合わされて、マイクロ粒子、ナノ粒子、リポソーム、またはミセルを形成する。アミノアルコールリピドイド化合物は、他のアミノアルコールリピドイド化合物、ポリマー(合成または天然)、界面活性剤、コレステロール、炭水化物、脂質等と組み合わされて、粒子を形成することができる。次いで、これらの粒子は、任意に、薬学的賦形剤と組み合わされて、医薬組成物を形成することができる。
ポリ(ベータ−アミノアルコール)(PBAA)を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達してもよい。米国特許公開第20130302401号は、コンビナトリアル重合を使用して調製されているポリ(ベータ−アミノアルコール)(PBAA)のクラスに関する。
糖系粒子、例えば、GalNAcは、WO2014118272(参照により本明細書に組み込まれる)及びNair,J K et al.,2014,Journal of the American Chemical Society 136(49),16958−16961)を参照して記載されるように使用することができ、それを使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達することができる。
いくつかの場合には、脂質ナノ粒子(LNP)を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する。RNAなどの負電荷ポリマーは、LNP中に低pH値(例えば、pH4)で負荷され得、イオン化脂質は、正電荷を示す。しかしながら、生理学的pH値において、LNPは、より長い循環時間に対応した低表面電荷を呈する。4種のイオン化カチオン脂質、すなわち1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLinDAP)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−ケト−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DLinKDMA)、及び1,2−ジリノレイル−4−(2−ジメチルアミノエチル)−[1,3]−ジオキソラン(DLinKC2−DMA)に焦点が当てられている。LNPの調製は、例えば、Rosin et al.(2011)Molecular Therapy 19:1286−2200)に記載されている。カチオン性脂質1,2−ジリネオイル−3−ジメチルアンモニウム−プロパン(DLinDAP)、1,2−ジリノレイルオキシ3−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2−ジリノレイルオキシケト−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DLinK−DMA)、1,2−ジリノレイル−4−(2−ジメチルアミノエチル)−[1,3]−ジオキソラン(DLinKC2−DMA)、(3−o−[2’’−(メトキシポリエチレングリコール2000)スクリノイル]−1,2−ジミリストイル−sn−グリコール(PEG−S−DMG)、及びR−3−[(.オメガ.−メトキシ−ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル]−1,2−ジミリストイルオキシルプロピル−3−アミン(PEG−C−DOMG)を使用してもよい。核酸(例えば、Cas12cガイドRNA;本開示の核酸等)は、DLinDAP、DLinDMA、DLinK−DMA、及びDLinKC2−DMAを(カチオン性脂質:DSPC:CHOL:PEGS−DMGまたはPEG−C−DOMGを40:10:40:10モル比で)含有するLNPにカプセル化され得る。いくつかの場合には、0.2%のSP−DiOC18が組み込まれる。
球形核酸(SNA(商標))構築物及び他のナノ粒子(特に金ナノ粒子)を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達することができる。例えば、Cutler et al.,J.Am.Chem.Soc.2011 133:9254−9257、Hao et al.,Small.2011 7:3158−3162、Zhang et al.,ACS Nano.2011 5:6962−6970、Cutler et al.,J.Am.Chem.Soc.2012 134:1376−1391、Young et al.,Nano Lett.2012 12:3867−71、Zheng et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2012 109:11975−80、Mirkin,Nanomedicine 2012 7:635−638、Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.2012 134:16488−1691、Weintraub, Nature 2013 495:S14−S16、Choi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2013 110(19):7625−7630、Jensen et al.,Sci.Transl. Med.5,209ra152(2013)、及びMirkin,et al.,Small,10:186−192を参照されたい。
RNAを有する自己集合ナノ粒子は、ポリエチレングリコール(PEG)の遠隔端に付着したArg−Gly−Asp(RGD)ペプチドリガンドでPEG化されるポリエチレンイミン(PEI)で構築され得る。
一般に、「ナノ粒子」は、1000nm未満の直径を有する任意の粒子を指す。いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する際に使用するのに適したナノ粒子は、500nm以下、例えば、25nm〜35nm、35nm〜50nm、50nm〜75nm、75nm〜100nm、100nm〜150nm、150nm〜200nm、200nm〜300nm、300nm〜400nm、または400nm〜500nmの直径を有する。いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する際に使用するのに適したナノ粒子は、25nm〜200nmの直径を有する。いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する際に使用するのに適したナノ粒子は、100nm以下の直径を有する。いくつかの場合には、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する際に使用するのに適したナノ粒子は、35nm〜60nmの直径を有する。
本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する際に使用するのに適したナノ粒子は、異なる形態で、例えば、固体ナノ粒子(例えば、銀、金、鉄、チタンなどの金属、非金属、脂質系固体、ポリマー)、ナノ粒子の懸濁液、またはそれらの組み合わせとして提供され得る。金属、絶縁体、及び半導体ナノ粒子、ならびにハイブリッド構造(例えば、コアシェルナノ粒子)が調製され得る。半導体材料で作製されたナノ粒子はまた、それらが電子エネルギーレベルの量子化が起こるのに十分に小さい場合(典型的に、10nm以下)、標識化量子ドットと表記され得る。そのようなナノスケール粒子は、生物医学的適用において、薬物担体または造影剤として使用され、本開示において同様の目的で適応され得る。
半固体かつ軟質のナノ粒子はまた、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する際に使用するのに好適である。半固体性質のプロトタイプナノ粒子は、リポソームである。
いくつかの場合には、エキソソームを使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する。エキソソームは、RNA及びタンパク質を輸送し、RNAを脳及び他の標的器官に送達することができる、内因性ナノベシクル粒子である。
いくつかの場合には、リポソームを使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達する。リポソームは内部水性区画を取り囲む単層または多層脂質二層、及び比較的不透過性の外側親油性リン脂質二層で構成される球形ベシクル構造である。リポソームは、いくつかの異なる種類の脂質から作製され得るが、リポソームを生成するために、リン脂質が最も一般に使用される。リポソーム形成は、脂質膜が水溶液と混合されたときに自然に起こるが、それはまた、ホモジナイザー、ソニケーター、または押出装置を使用することによる振盪の形態で力を印加することによって促進することができる。それらの構造及び特性を改変するために、いくつかの他の添加剤がリポソームに添加されてもよい。例えば、リポソーム構造の安定化を助けるため、及びリポソーム内部カーゴの漏出を防止するために、コレステロールまたはスフィンゴミエリンのいずれかがリポソーム混合物に添加されてもよい。リポソーム配合物は、主に、天然のリン脂質、ならびに1,2−ジステアロリル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン(DSPC)、スフィンゴミエリン、卵ホスファチジルコリン、及びモノシアロガングリオシドなどの脂質で構成され得る。
安定な核酸−脂質粒子(SNALP)を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達してもよい。SNALP配合物は、脂質3−N−[(メトキシポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル]−1,2−ジミリストイルオキシ−プロピルアミン(PEG−C−DMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−ジメチル−3−アミノプロパン(DLinDMA)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、及びコレステロールを、2:40:10:48のモル%比で含有し得る。SNALPリポソームは、D−Lin−DMA及びPEG−C−DMAをジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及びsiRNAと配合することによって、25:1の脂質/siRNA比及び48/40/10/2モル比のコレステロール/D−Lin−DMA/DSPC/PEG−C−DMAを使用して調製され得る。結果として得られるSNALPリポソームは、約80〜100nmのサイズであり得る。SNALPは、合成コレステロール(Sigma−Aldrich,St Louis,Mo.,USA)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(Avanti Polar Lipids,Alabaster,Ala.,USA)、3−N−[(w−メトキシポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル]−1,2−ジミリストイルオキシプロピルアミン、及びカチオン性1,2−ジリノレイルオキシ−3−N,Nジメチルアミノプロパンを含み得る。SNALPは、合成コレステロール(Sigma−Aldrich)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC、Avanti Polar Lipids Inc.)、PEG−cDMA、及び1,2−ジリノレイルオキシ−3−(N;N−ジメチル)アミノプロパン(DLinDMA)を含み得る。
アミノ脂質2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)などの他のカチオン性脂質を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達してもよい。以下の脂質組成物、アミノ脂質、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、コレステロール、及び(R)−2,3−ビス(オクタデシルオキシ)プロピル−1−(メトキシポリ(エチレングリコール)2000)プロピルカルバメート(PEG−脂質)をそれぞれ40/10/40/10モル比、及びおよそ0.05(w/w)のFVII siRNA/総脂質比で有する予め形成されたベシクルが企図され得る。70〜90nmの範囲の狭い粒径分布及び0.11±0.04(n=56)の低い多分散指数を確実にするために、粒子は、ガイドRNAを付加する前に80nm膜を通して最大3回押し出され得る。非常に強力なアミノ脂質16を含有する粒子が使用されてもよく、ここで4つの脂質成分16、DSPC、コレステロール、及びPEG−脂質のモル比(50/10/38.5/1.5)は、さらに最適化されて、インビボ活性を向上させ得る。
脂質は、本開示のCas12cシステムまたはその成分(複数可)またはそれをコードする核酸と配合され、脂質ナノ粒子(LNP)を形成し得る。好適な脂質としては、DLin−KC2−DMA4、C12−200、及び共脂質ジステロイルホスファチジルコリン、コレステロールが挙げられるが、これらに限定されず、PEG−DMGは、自発的なベシクル形成手順を使用して、本開示のCas12cシステムまたはその成分と配合され得る。成分モル比は、約50/10/38.5/1.5(DLin−KC2−DMAまたはC12−200/ジステロイルホスファチジルコリン/コレステロール/PEG−DMG)であってもよい。
本開示のCas12cシステムまたはその成分は、米国出願公開第20130252281号及び同第20130245107号及び同第20130244279号にさらに記載されるように、PLGA微小球にカプセル化されて送達されてもよい。
超電荷タンパク質を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達してもよい。超電荷タンパク質は、異常に高い正または負の正味理論的電荷を有する、操作されたかまたは天然型タンパク質のクラスである。超負電荷及び超正電荷のタンパク質の両方は、熱的または化学的に誘導される凝集に耐える能力を呈する。超正電荷タンパク質はまた、哺乳動物細胞を透過することができる。カーゴをこれらのタンパク質、例えば、プラスミドDNA、RNA、または他のタンパク質と会合させることで、インビトロ及びインビボの両方で、哺乳動物細胞へのこれらの高分子の機能的送達が可能になり得る。
細胞透過性ペプチド(CPP)を使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞に送達してもよい。CPPは、典型的に、リジンもしくはアルギニンなどの高い相対的存在量の正電荷アミノ酸を含有するか、または極性/電荷アミノ酸及び非極性疎水性アミノ酸の交互パターンを含有する配列を有するかのいずれかであるアミノ酸組成物を有する。
埋め込み型デバイスを使用して、本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)(例えば、Cas12cガイドRNA、Cas12cガイドRNAをコードする核酸、Cas12cポリペプチドをコードする核酸、ドナー鋳型、等)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞(例えば、インビボの標的細胞、ここで、標的細胞は、循環中の標的細胞、組織中の標的細胞、器官内の標的細胞、等である)に送達してもよい。本開示のCas12cポリペプチド、本開示のCas12c融合ポリペプチド、本開示のRNP、本開示の核酸(例えば、Cas12cガイドRNA及び/またはCas12c trancRNA)、または本開示のCas12cシステムを標的細胞(例えば、インビボの標的細胞、ここで、標的細胞は、循環中の標的細胞、組織中の標的細胞、器官内の標的細胞、等である)に送達する際に使用するのに好適な埋め込み可能なデバイスとしては、Cas12cポリペプチド、Cas12c融合ポリペプチド、RNP、またはCas12cシステム(もしくはその成分、例えば、本開示の核酸)を含む容器(例えば、貯留器、マトリックス等)を挙げることができる。
好適な埋め込み可能なデバイスとしては、例えば、デバイス本体として使用されるマトリックスなどのポリマー基質、及びいくつかの場合には、金属または追加のポリマーなどの追加の足場材料、ならびに可視性及び撮像を向上させる材料を含むことができる。埋め込み可能な送達デバイスは、局所的かつ長期間にわたる放出を提供することにおいて有利であり得、送達されるポリペプチド及び/または核酸は、標的部位、例えば、細胞外マトリックス(ECM)、腫瘍を取り囲む血管系、罹患組織等に直接放出される。好適な埋め込み型デバイスとしては、腹腔などの空洞への送達及び/または薬物送達系が係留もしくは付着されていない任意の他の種類の投与における使用に好適なデバイスが挙げられ、生安定性及び/または生分解性及び/または生体吸収性ポリマー基質(例えば、任意にマトリックスであり得る)を含む。いくつかの場合には、好適な埋め込み型薬物送達デバイスは、分解性ポリマーを含み、主な放出機序は、バルク浸食である。いくつかの場合には、好適な埋め込み可能な薬物送達デバイスは、非分解性または分解の遅いポリマーを含み、主な放出機序は、バルク浸食ではなく拡散であり、それにより外側部分は膜として機能し、その内側部分は、薬物貯留器として機能し、これは実際には長期間(例えば、約1週間〜約数ヶ月間)にわたって周囲に影響されない。異なる放出機序を有する異なるポリマーの組み合わせを、任意に使用してもよい。濃度勾配は、総放出期間の有意な期間中、効果的に一定に維持され得るため、拡散速度は効果的に一定である(「ゼロモード」拡散と称される)。「一定」という用語は、治療効果の低い閾値より上で維持されるが、依然として任意に初期バーストを特徴とし得る、及び/または変動し得る(例えば、ある特定の程度に増加及び減少する)拡散速度を意味する。拡散速度は、長期間にわたってそのように維持することができ、治療有効期間、例えば、有効サイレンシング期間を最適化するために、ある特定のレベルで一定であると見なすことができる。
いくつかの場合には、埋め込み型送達系は、化学的性質か、または対象の体内の酵素及び他の因子からの攻撃に起因して、ヌクレオチド系治療剤を分解から遮断するように設計される。
デバイスの埋め込みのための部位、または標的部位を、最大治療効果のために選択することができる。例えば、送達デバイスは、腫瘍環境または腫瘍に関連した血液供給内、またはその近位に埋め込むことができる。標的位置は、例えば、1)基底核、白質、及び灰白質におけるパーキンソン病またはアルツハイマー病のような変性部位での脳、2)筋萎縮性側索硬化症(ALS)の場合のような脊椎、3)子宮頸部、4)活性及び慢性炎症性関節、5)乾癬の場合のような真皮、7)鎮痛効果のための交感及び感覚神経部位、7)骨、8)急性または慢性感染の部位、9)膣内、10)内耳−聴覚系、内耳の膜迷路、前庭系、11)気管内、12)心臓内、環状部、心外膜、13)尿路または膀胱、14)胆道系、15)腎臓、肝臓、脾臓を含むが、これらに限定されない実質組織、16)リンパ節、17)唾液腺、18)歯肉、19)関節内(関節中)、20)眼内、21)脳組織、22)脳室、23)腹腔を含む空洞(例えば、限定されないが、卵巣癌の場合)、24)食道内、25)直腸内、ならびに26)血管系中であり得る。
埋め込みなどの挿入の方法は、任意に、他の種類の組織埋め込みのため、及び/または挿入のため、及び/または組織採取のため、任意に改変なしに、あるいは任意にそのような方法において主要でない改変のみとともに、既に使用されている場合がある。そのような方法としては、任意に、近接照射療法、生検、超音波を伴う及び/または伴わない内視鏡検査、例えば、脳組織への定位放射線法、関節、腹部器官、膀胱壁、及び体腔中への腹腔鏡の埋め込みを含む腹腔鏡検査が挙げられるが、これらに限定されない。
修飾された宿主細胞
本開示は、本開示のCas12cポリペプチド、及び/または本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む、修飾された細胞を提供する。本開示は、本開示のCas12cポリペプチドを含む修飾された細胞を提供し、修飾された細胞は、通常は本開示のCas12cポリペプチドを含まない細胞である。本開示は、本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む、修飾された細胞(例えば、遺伝子修飾された細胞)を提供する。本開示は、本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むmRNAで遺伝子修飾された、遺伝子修飾された細胞を提供する。本開示は、本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え発現ベクターで遺伝子修飾された、遺伝子修飾された細胞を提供する。本開示は、a)本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及びb)本開示のCas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え発現ベクターで遺伝子修飾された、遺伝子修飾された細胞を提供する。本開示は:a)本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;b)本開示のCas12cガイドRNAをコードするヌクレオチド配列;及びc)ドナー鋳型をコードするヌクレオチド配列を含む組み換え発現ベクターで遺伝子修飾された、遺伝子修飾された細胞を提供する。
本開示のCas12cガイドRNA本開示のCas12cポリペプチド、及び/または本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、及び/または本開示のCas12cガイドRNA(またはそれをコードする核酸)、及び/またはCas12c trancRNA(またはそれをコードする核酸)のレシピエントとして機能する細胞は、例えば、インビトロ細胞、インビボ細胞、エクスビボ細胞、一次細胞、がん細胞、動物細胞、植物細胞、藻類細胞、真菌細胞等を含む様々な細胞のうちのいずれかであり得る。本開示のCas12cポリペプチド、及び/または本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、及び/または本開示のCas12cガイドRNAのレシピエントとして機能する細胞は、「宿主細胞」または「標的細胞」と称される。宿主細胞または標的細胞は、本開示のCas12cシステムのレシピエントであり得る。宿主細胞または標的細胞は、本開示のCas12c RNPのレシピエントであり得る。宿主細胞または標的細胞は、本開示のCas12cシステムの単一成分のレシピエントであり得る。
細胞(標的細胞)の非限定な例としては、原核細胞、真菌細胞、細菌細胞、古細菌細胞、単細胞真核生物の細胞、原生生物細胞、植物由来の細胞(例えば、植物作物、果物、野菜、穀物、大豆、トウモロコシ(corn)、トウモロコシ(maize)、小麦、種、トマト、米、キャッサバ、サトウキビ、カボチャ、乾草、ジャガイモ、綿、カンナビス、タバコ、顕花植物、球果植物、裸子植物、被子植物、シダ類、ヒカゲノカズラ類、ツノゴケ類、苔類コケ植物、苔類、双子葉植物、単子葉植物等由来の細胞等)、藻類細胞(例えば、ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)、コナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)、ナンクロロプシス・ガディタナ(Nannochloropsis gaditana)、クロレラ・ピレノイドサ(Chlorella pyrenoidosa)、ヤツマタモク(Sargassum patens)、C.アガード(C.agardh)等)、海藻類(例えば、昆布)、真菌細胞(例えば、酵母細胞、マッシュルーム由来の細胞)、動物細胞、無脊椎動物(例えば、ショウジョウバエ、蠕虫、棘皮動物、線形動物等)由来の細胞、脊椎動物(例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳動物)由来の細胞、哺乳動物(例えば、有蹄類(例えば、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ)、齧歯類(例えば、ラット、マウス)、非ヒト霊長類、ヒト、ネコ科動物(例えば、ネコ)、イヌ科動物(例えば、イヌ)等)由来の細胞等が挙げられる。いくつかの場合には、細胞は、天然の生物に由来しない細胞である(例えば、細胞は、合成的に作製された細胞であり得、人工細胞とも称される)。
細胞は、インビトロ細胞(例えば、培養中の細胞、例えば、確立された培養細胞株)であり得る。細胞は、エクスビボ細胞(個体由来の培養細胞)であり得る。細胞は、インビボ細胞(例えば、個体内の細胞)であり得る。細胞は、単離された細胞であり得る。細胞は、生物の内部の細胞であり得る。細胞は、生物であり得る。細胞は、細胞培養内の細胞(例えば、インビトロ細胞培養)であり得る。細胞は、細胞の集団のうちの1つであり得る。細胞は、原核細胞であり得るか、または原核細胞に由来し得る。細胞は、細菌細胞であり得るか、または細菌細胞に由来し得る。細胞は、古細菌細胞であり得るか、または古細菌細胞に由来し得る。細胞は、真核細胞であり得るか、または真核細胞に由来し得る。細胞は、植物細胞であり得るか、または植物細胞に由来し得る。細胞は、動物細胞であり得るか、または動物細胞に由来し得る。細胞は、無脊椎動物細胞であり得るか、または無脊椎動物細胞に由来し得る。細胞は、脊椎動物細胞であり得るか、または脊椎動物に由来し得る。細胞は、哺乳動物細胞であり得るか、または哺乳動物細胞に由来し得る。細胞は、齧歯類細胞であり得るか、または齧歯類細胞に由来し得る。細胞は、ヒト細胞であり得るか、またはヒト細胞に由来し得る。細胞は、微生物細胞であり得るか、または微生物細胞に由来し得る。細胞は、真菌細胞であり得るか、または真菌細胞に由来し得る。細胞は、昆虫細胞であり得る。細胞は、節足動物細胞であり得る。細胞は、原生動物細胞である得る。細胞は、蠕虫細胞であり得る。
好適な細胞としては、幹細胞(例えば、胚幹(ES)細胞、誘導多能性幹(iPS)細胞、生殖細胞(例えば、卵母細胞、精子、卵原細胞、精原細胞等)、体細胞、例えば、線維芽細胞、オリゴデンドロサイト、グリア細胞、造血細胞、ニューロン、筋細胞、骨細胞、肝細胞、膵細胞等が挙げられる。
好適な細胞としては、ヒト胚幹細胞、胎児心筋細胞、筋線維芽細胞、間葉系幹細胞、自家移植拡張心筋細胞、脂肪細胞、全能性細胞、多能性細胞、血液幹細胞、筋芽細胞、成体幹細胞、骨髄細胞、間葉系細胞、胚性幹細胞、実質細胞、上皮細胞、内皮細胞、中皮細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、外因性細胞、内因性細胞、幹細胞、造血幹細胞、骨髄由来の前駆細胞、心筋細胞、骨格細胞、胎児細胞、未分化細胞、多能性前駆細胞、単能性前駆細胞、単球、心筋芽細胞、骨格筋芽細胞、マクロファージ、毛細血管内皮細胞、異種細胞、同種細胞、及び出生後幹細胞が挙げられる。
いくつかの場合には、細胞は、免疫細胞、ニューロン、上皮細胞、及び内皮細胞、または幹細胞である。いくつかの場合には、免疫細胞は、T細胞、B細胞、単球、天然キラー細胞、樹状細胞、またはマクロファージである。いくつかの場合には、免疫細胞は、細胞毒性T細胞である。いくつかの場合には、免疫細胞は、ヘルパーT細胞である。いくつかの場合には、免疫細胞は、調節性T細胞(Treg)である。
いくつかの場合には、細胞は、幹細胞である。幹細胞は、成体幹細胞を含む。成体幹細胞はまた、体幹細胞とも称される。
成体幹細胞は、分化組織中に存在するが、自己更新の特性及び複数の細胞型、通常は幹細胞が見出される組織に典型的な細胞型を生じる能力を保持する。体幹細胞の多くの例が当業者に既知であり、筋幹細胞、造血幹細胞、上皮幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞、哺乳動物幹細胞、腸幹細胞、中胚葉性幹細胞、内皮幹細胞、嗅官幹細胞、神経堤幹細胞等が挙げられる。
目的の幹細胞としては、哺乳動物幹細胞が挙げられ、「哺乳動物」という用語は、ヒト、非ヒト霊長類、飼育動物及び家畜、ならびに動物園、研究室、競技用、または愛玩動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、マウス、ラット、ウサギ等を含む哺乳動物として分類される任意の動物を指す。いくつかの場合には、幹細胞は、ヒト幹細胞である。いくつかの場合には、幹細胞は、齧歯類(例えば、マウス、ラット)幹細胞である。いくつかの場合には、幹細胞は、非ヒト霊長類幹細胞である。
幹細胞は、1つ以上の幹細胞マーカー、例えば、SOX9、KRT19、KRT7、LGR5、CA9、FXYD2、CDH6、CLDN18、TSPAN8、BPIFB1、OLFM4、CDH17、及びPPARGC1Aを発現し得る。
いくつかの実施形態では、幹細胞は、造血幹細胞(HSC)である。HSCは、骨髄、血液、臍帯血、胎児肝臓、及び卵黄嚢から単離され得る中胚葉由来の細胞である。HSCは、CD34及びCD3として特徴付けられる。HSCは、赤血球、好中球−マクロファージ、巨核球、及びリンパ球様造血細胞系統をインビボで再生させることができる。インビトロで、HSCは、少なくともいくらかの自己更新細胞分裂を受けるように誘導され得、インビボで見られるものと同じ系統に分化するように誘導され得る。したがって、HSCは、赤血球細胞、巨核球、好中球、マクロファージ、及びリンパ球細胞のうちの1つ以上に分化するように誘導され得る。
他の実施形態では、幹細胞は、神経幹細胞(NSC)である。神経幹細胞(NSC)は、ニューロン及びグリア(オリゴデンドロサイト及び星状細胞を含む)に分化し得る。神経幹細胞は、多分裂の能力を有する多能性幹細胞であり、特定の条件下で、神経幹細胞である娘細胞、または神経芽細胞もしくは神経膠芽細胞であり得る神経前駆細胞、例えば、それぞれ1種以上のニューロン及びグリア細胞になるように決定される細胞を産生することができる。NSCを得る方法は、当該技術分野において公知である。
他の実施形態では、幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)である。本来、胚性中胚葉に由来し、成体骨髄から単離されるMSCは、分化して、筋肉、骨、軟骨、脂肪、骨髄基質、及び腱を形成し得る。MSCを単離する方法は、当該技術分野において公知であり;任意の公知の方法を使用して、MSCを得てもよい。例えば、ヒトMSCの単離について記載している米国特許第5,736,396号を参照されたい。
細胞は、いくつかの場合には、植物細胞である。植物細胞は、単子葉植物の細胞であり得る。細胞は、双子葉植物の細胞であり得る。
いくつかの場合には、細胞は、植物細胞である。例えば、細胞は、主要な農業植物、例えば、大麦、豆(乾燥食用)、キャノーラ、トウモロコシ、綿(ピマ)、綿(アプランド)、アマニ、乾草(アルファルファ)、乾草(非アルファルファ)、オーツ麦、ピーナッツ、米、モロコシ、大豆、テンサイ、サトウキビ、ヒマワリ(油)、ヒマワリ(非油)、サツマイモ、タバコ(バーレー)、タバコ(黄色種)、トマト、小麦(ダラム)、小麦(春)、小麦(冬)等の細胞であってもよい。別の例としては、細胞は、例えば、アルファルファスプラウト、アロエの葉、クズウコン、オモダカ、アーティチョーク、アスパラガス、筍、バナナの花、豆もやし、豆、ビーツの葉茎、ビーツ、ゴーヤ、チンゲンサイ、ブロッコリー、ブロッコリーレイブ(ラピーニ)、芽キャベツ、キャベツ、キャベツスプラウト、カクタスリーフ(ノパル)、カボチャ、カルドン、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハヤトウリ、チョロギ(クローヌ)、ハクサイ、キンサイ、ニラ、サイシン、シュンギク(tung ho)、カラードグリーン、トウモロコシの茎、スイートコーン、キュウリ、ダイコン、食用タンポポの葉、タロイモ、豆苗(エンドウの葉)、トウキ(冬瓜)、ナス、エンダイブ、キクヂシャ、ゼンマイ、グンバイナズナ、フリゼ、カラシナ(チャイニーズマスタード)、カイラン、ガランガル(サイアム、タイショウガ)、ニンニク、ショウガ、ゴボウ、グリーン、ハノーバーサラダグリーン、ウアウソントレ、エルサレムアーティチョーク、ヒカマ、ケールグリーン、コールラビ、アカザ(クェライト)、レタス(ビッブ)、レタス(ボストン)、レタス(ボストンレッド)、レタス(グリーンリーフ)、レタス(アイスバーグ)、レタス(サニーレタス)、レタス(オークリーフ・グリーン)、レタス(オークリーフ・レッド)、レタス(加工)、レタス(レッドリーフ)、レタス(ロメイン)、レタス(ルビーロメイン)、レタス(ロシアンレッドマスタード)、linkok、ロボック、ササゲ、レンコン、マーシュ、マゲイ(アガベ)リーフ、ヤムイモ、メスクランミックス、水菜、ヘチマ(moap)、ムー(moo)、モクア(ファジースクオッシュ)、マッシュルーム、マスタード、長芋、オクラ、空芯菜、ネギ、ユウガオ(ロングスクオッシュ)、装飾トウモロコシ、装飾ヒョウタン、パセリ、パースニップ、エンドウ、トウガラシ(ベルタイプ)、トウガラシ、カボチャ、ラディッキオ、ラディッシュの芽、ラディッシュ、レイプグリーン、レイプグリーン、ルバーブ、ロメイン(ベビーレッド)、ルタバガ、アッケシソウ(シービーン)、ヘチマ(トカド/トカドヘチマ)、ホウレンソウ、スクオッシュ、ストローベイル、サトウキビ、サツマイモ、スイスチャード、タマリンド、タロ、タロの葉、タロの芽、ターサイ、ギンネム(tepeguaje)、ティンドラ、トマティーヨ、トマト、トマト(チェリー)、トマト(グレープタイプ)、トマト(プラムタイプ)、ターメリック、カブの葉、カブ、ヒシの実、ヤンピイモ(yampi)、ヤム(ネム(names))、アブラナ、ユカ(キャッサバ)等を含むが、これらに限定されない野菜作物の細胞である。
細胞は、いくつかの場合には、節足動物細胞である。例えば、細胞は、例えば、鋏角類(Chelicerata)、多足類(Myriapodia)、六脚類(Hexipodia)、クモ類(Arachnida)、昆虫類(Insecta)、イシノミ目(Archaeognatha)、シミ類(Thysanura)、旧翅下綱(Palaeoptera)、カゲロウ目(Ephemeroptera)、トンボ目(Odonata)、不均翅亜目(Anisoptera)、近翅亜目(Zygoptera)、新翅類(Neoptera)、外翅類(Exopterygota)、カワゲラ類(Plecoptera)、シロアリモドキ目(Embioptera)、直翅目(Orthoptera)、ジュズヒゲムシ目(Zoraptera)、ハサミムシ類(Dermaptera)、網翅類(Dictyoptera)、ガロアムシ目(Notoptera)、ガロアムシ科(Grylloblattidae)、: マントファスマ目 (Mantophasmatidae)、ナナフシ目(Phasmatodea)、ゴキブリ目(Blattaria)、シロアリ目(Isoptera)、カマキリ目(Mantodea)、パラニューロプレラ(Parapneuroptera)、チャタテムシ目(Psocoptera)、アザミウマ類(Thysanoptera)、シラミ目(Phthiraptera)、半翅目(Hemiptera)、内翅類(Endopterygota)もしくは完全変態類(Holometabola)、膜翅目(Hymenoptera)、甲虫類(Coleoptera)、ネジレバネ目(Strepsiptera)、ラクダムシ亜目(Raphidioptera)、広翅亜目(Megaloptera)、脈翅目(Neuroptera)、長翅類(Mecoptera)、ノミ目(Siphonaptera)、双翅目(Diptera)、トビケラ目(Trichoptera)、または鱗翅目(Lepidoptera)の、亜目、科、亜科、群、下位群、または種の細胞であり得る。
細胞は、いくつかの場合には、昆虫動物細胞である。例えば、いくつかの場合には、細胞は、蚊、バッタ、半翅類、ハエ、ノミ、ミツバチ、スズメバチ、アリ、シラミ、蛾、またはカブトムシの細胞である。
キット
本開示は、本開示のCas12cシステム、または本開示のCas12cシステムの成分を含むキットを提供する。
本開示のキットは、Cas12cシステムについて列挙したように、任意の組み合わせを含むことができる(例えば、上記参照)。本開示のキットは、a)本開示のCas12cシステムの上記に記載した成分、または本開示のCas12cシステムを含み得、ならびにb)1種以上の追加の試薬、例えば、i)緩衝液、ii)プロテアーゼインヒビター、iii)ヌクレアーゼインヒビター、iv)検出可能な標識を現像または可視化するために必要な試薬、v)正及び/または負の対照標的DNA、vi)正及び/または負の対照Cas12cガイドRNA、vii)Cas12c trancRNA等を含んでもよい。本開示のキットは、a)本開示のCas12cシステムの上記に記載した成分を含んでもよく、または本開示のCas12cシステムを含んでもよく;及びb)治療剤を含んでもよい。
本開示のキットは、a)標的核酸中の標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズするCas12cガイドRNAの部分をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を挿入するための挿入部位、及びb)Cas12cガイドRNAのCas12c結合部分をコードするヌクレオチド配列を含む、組み換え発現ベクターを含んでもよい。本開示のキットは、a)標的核酸中の標的ヌクレオチド配列にハイブリダイズするCas12cガイドRNAの部分をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を挿入するための挿入部位;b)Cas12cガイドRNAのCas12c結合部分をコードするヌクレオチド配列;及びc)本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、組み換え発現ベクターを含んでもよい。本開示のキットは、Cas12c trancRNAをコードするヌクレオチド配列を含む組み換え発現ベクターを含んでもよい。
有用性
Cas12c組成物(例えば、発現ベクター、キット、組成物、核酸、など)は、様々な方法における使用を見出す。例えば、本開示のCas12c組成物を使用して、(i)標的核酸(DNAまたはRNA(一本鎖または二本鎖))を修飾する(例えば、切断、例えば、ニック、メチル化等);(ii)標的核酸の転写を調節する;(iii)標的核酸を標識する;(iv)標的核酸と(例えば、単離、標識化、撮像、追跡等の目的で)結合する;(v)標的核酸と会合したポリペプチド(例えば、ヒストン)を修飾すること;などができる。したがって、本開示は、標的核酸を修飾する方法を提供する。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をa)本開示のCas12cポリペプチド、及びb)1つ以上(例えば、2つ)のCas12cガイドRNAと接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をa)Cas12cポリペプチド、b)1つ以上(例えば、2つ)のCas12cガイドRNA、及びc)Cas12c trancRNAと接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をa)本開示のCas12cポリペプチド、b)Cas12cガイドRNA、及びc)ドナー核酸(例えば、ドナー鋳型)と接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をa)Cas12cポリペプチド、b)Cas12cガイドRNA、c)Cas12c trancRNA、及びd)ドナー核酸(例えば、ドナー鋳型)と接触させることを含む。いくつかの場合には、接触ステップは、インビトロ細胞で実行される。いくつかの場合には、接触ステップは、インビボ細胞で実行される。いくつかの場合には、接触ステップは、エクスビボ細胞で実行される。
Cas12cポリペプチドを使用する方法は、Cas12cポリペプチドを標的核酸中の特定領域に(会合したCas12cガイドRNAによってそこで標的されることによって)結合することを含むため、この方法は、一般に本明細書では、結合方法(例えば、標的核酸の結合方法)として言及される。しかしながら、いくつかの場合には、結合方法は、標的核酸の結合以外は何ももたらさない場合があるが、他の場合では、この方法は、異なる最終結果を有し得る(例えば、この方法は、標的核酸の修飾、例えば、切断/メチル化等;標的核酸からの転写の調節;標的核酸の翻訳の調節;ゲノム編集;標的核酸に会合したタンパク質の調節;標的核酸の単離等をもたらし得る)ことを理解されたい。
(例えば、CRISPR/Cas9システムを用いて使用される)好適な方法の例としては、例えば、Jinek et al.,Science.2012 Aug 17;337(6096):816−21、Chylinski et al.,RNA Biol.2013 May;10(5):726−37、Ma et al.,Biomed Res Int.2013;2013:270805、Hou et al.,Proc Natl Acad Sci USA.2013 Sep 24;110(39):15644−9、Jinek et al.,Elife.2013;2:e00471、Pattanayak et al.,Nat Biotechnol.2013 Sep;31(9):839−43、Qi et al,Cell.2013 Feb 28;152(5):1173−83、Wang et al.,Cell.2013 May 9;153(4):910−8、Auer et.al.,Genome Res.2013 Oct 31、Chen et.al.,Nucleic Acids Res.2013 Nov 1;41(20):e19、Cheng et.al.,Cell Res.2013 Oct;23(10):1163−71、Cho et.al.,Genetics.2013 Nov;195(3):1177−80、DiCarlo et al.,Nucleic Acids Res.2013 Apr;41(7):4336−43、Dickinson et.al.,Nat Methods.2013 Oct;10(10):1028−34、Ebina et.al.,Sci Rep.2013;3:2510、Fujii et.al,Nucleic Acids Res.2013 Nov 1;41(20):e187、Hu et.al.,Cell Res.2013 Nov;23(11):1322−5、Jiang et.al.,Nucleic Acids Res.2013 Nov 1;41(20):e188、Larson et.al.,Nat Protoc.2013 Nov;8(11):2180−96、Mali et.at.,Nat Methods.2013 Oct;10(10):957−63、Nakayama et.al.,Genesis.2013 Dec;51(12):835−43、Ran et.al.,Nat Protoc.2013 Nov;8(11):2281−308、Ran et.al.,Cell.2013 Sep 12;154(6):1380−9、Upadhyay et.al.,G3(Bethesda).2013 Dec 9;3(12):2233−8、Walsh et.al.,Proc Natl Acad Sci USA.2013 Sep 24;110(39):15514−5、Xie et.al.,Mol Plant.2013 Oct 9、Yang et.al.,Cell.2013 Sep 12;154(6):1370−9、ならびに米国特許及び特許出願第8,906,616号、第8,895,308号、第8,889,418号、第8,889,356号、第8,871,445号、第8,865,406号、第8,795,965号、第8,771,945号、第8,697,359号、第20140068797号、第20140170753号、第20140179006号、第20140179770号、第20140186843号、第20140186919号、第20140186958号、第20140189896号、第20140227787号、第20140234972号、第20140242664号、第20140242699号、第20140242700号、第20140242702号、第20140248702号、第20140256046号、第20140273037号、第20140273226号、第20140273230号、第20140273231号、第20140273232号、第20140273233号、第20140273234号、第20140273235号、第20140287938号、第20140295556号、第20140295557号、第20140298547号、第20140304853号、第20140309487号、第20140310828号、第20140310830号、第20140315985号、第20140335063号、第20140335620号、第20140342456号、第20140342457号、第20140342458号、第20140349400号、第20140349405号、第20140356867号、第20140356956号、第20140356958号、第20140356959号、第20140357523号、第20140357530号、第20140364333号、及び第20140377868号(これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
例えば、本開示は、標的核酸を切断する方法、標的核酸を編集する方法、標的核酸からの転写を調節する方法、標的核酸を単離する方法、標的核酸と結合する方法、標的核酸を撮像する方法、標的核酸を修飾する方法等を提供する(ただし、これらに限定されない)。
本明細書で使用される場合、「標的核酸を接触させる」、及び、例えば、Cas12cポリペプチドと、またはCas12c融合ポリペプチド等と「標的核酸を接触させる」という用語/表現は、標的核酸を接触させるための全ての方法を包含する。例えば、Cas12cポリペプチドは、タンパク質、(Cas12cポリペプチドをコードする)RNA、または(Cas12cポリペプチドをコードする)DNAとして細胞に提供され得るが、Cas12cガイドRNAは、ガイドRNAとして、またはガイドRNAをコードする核酸として提供され得、Cas12c trancRNAは、trancRNAとして、またはtrancRNAをコードする核酸として提供され得る。したがって、例えば、細胞中(例えば、インビトロで細胞の内部、インビボで細胞の内部、エクスビボで細胞の内部)で方法を行う場合、標的核酸を接触させることを含む方法は、活性/最終状態にある(例えば、Cas12cポリペプチドのタンパク質(複数可)の形態の、Cas12c融合ポリペプチドのタンパク質の形態の、いくつかの場合にはガイドRNAのRNAの形態の)任意のまたは全ての成分の、細胞への導入を包含し、また、1つ以上の成分をコードする1つ以上の核酸(例えば、Cas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む核酸(複数可)、ガイドRNA(複数可)をコードするヌクレオチド配列(複数可)を含む核酸(複数可)、ドナー鋳型をコードするヌクレオチド配列を含む核酸等)の、細胞への導入を包含する。これらの方法はまた、細胞の外部で、インビトロで行うこともできるため、標的核酸を接触させることを含む方法は、(別途特定されない限り)インビトロで細胞の外部、インビトロで細胞の内部、インビボで細胞の内部、エクスビボで細胞の内部等で接触させることを包含する。
いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的細胞にCas12c遺伝子座、例えば、Cas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、ならびにCas12c遺伝子座を含む細胞からのCas12cコード化ヌクレオチド配列を取り囲む約1キロベース(kb)〜5kbの長さのヌクレオチド配列を含む核酸を導入することを含み(例えば、いくつかの場合には、その自然状態(それが天然に発生する状態)にある細胞はCas12c遺伝子座を含む)、標的細胞は、通常(その自然状態で)Cas12c遺伝子座(例えば、いくつかの場合には、遺伝子座はCas12c trancRNAを含む)を含まない。しかしながら、コードされたcrRNA(複数可)のためのガイド配列をコードする1つ以上のスペーサー配列は、1つの以上の目的の標的配列が標的化されるように修飾され得る。したがって、例えば、いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的細胞にCas12c遺伝子座、例えば、供給源細胞から得られた核酸を導入することを含み(例えば、いくつかの場合には、その自然状態(それが天然に発生する状態)にある細胞はCas12c遺伝子座を含む)、核酸は、100ヌクレオチド(nt)〜5kbの長さ(例えば、100nt〜500nt、500nt〜1kb、1kb〜1.5kb、1.5kb〜2kb、2kb〜2.5kb、2.5kb〜3kb、3kb〜3.5kb、3.5kb〜4kb、または4kb〜5kbの長さ)を有し、Cas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。上述したように、いくつかのそのような場合には、コードされたcrRNA(複数可)のためのガイド配列をコードする1つ以上のスペーサー配列は、1つの以上の目的の標的配列が標的化されるように修飾され得る。いくつかの場合には、方法は、標的細胞にi)Cas12c遺伝子座、及びii)ドナーDNA鋳型を導入することを含む。いくつかの場合には、標的核酸は、インビトロで細胞を含まない組成物中である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在する。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、原核細胞である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、真核細胞である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、植物細胞である。
いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸を本開示のCas12cポリペプチドと、または本開示のCas12c融合ポリペプチドと接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をCas12cポリペプチド及びCas12cガイドRNAと接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をCas12cポリペプチド、Cas12cガイドRNA、及びCas12c trancRNAと接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸をCas12cポリペプチド、第1のCas12cガイドRNA、及び第2のCas12cガイドRNA(ならびにいくつかの場合にはCas12c trancRNA)と接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸を本開示のCas12cポリペプチド、Cas12cガイドRNA、及びドナーDNA鋳型と接触させることを含む。いくつかの場合には、標的核酸を修飾するための本開示の方法は、標的核酸を本開示のCas12cポリペプチド、及びCas12cガイドRNA、及びCas12c trancRNA、及びドナーDNA鋳型と接触させることを含む。
いくつかの場合には、標的核酸は、インビトロで無細胞の組成物中である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在する。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、原核細胞である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、真核細胞である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの場合には、標的核酸は、標的細胞中に存在し、標的細胞は、植物細胞である。
目的の標的核酸及び標的細胞
標的核酸は、任意の核酸(例えば、DNA、RNA)であってもよく、二本鎖または一本鎖であってもよく、任意の種類の核酸(例えば、染色体(ゲノムDNA)、染色体由来、染色体DNA、プラスミド、ウイルス、細胞外、細胞内、ミトコンドリア、葉緑体、線状、環状等)であってもよく、任意の生物に由来し得る(例えば、Cas12cガイドRNAが、標的核酸中の標的配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む限り、標的核酸は標的化され得る)。
標的核酸は、DNAであっても、またはRNAであってもよい。標的核酸は、二本鎖(例えば、dsDNA、dsRNA)であっても、または一本鎖(例えば、ssRNA、ssDNA)であってもよい。いくつかの場合には、標的核酸は、一本鎖である。いくつかの場合には、標的核酸は、一本鎖RNA(ssRNA)である。いくつかの場合には、標的ssRNA(例えば、標的細胞ssRNA、ウイルスssRNA、等)は、mRNA、rRNA、tRNA、非コードRNA(ncRNA)、長い非コードRNA(lncRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)から選択される。いくつかの場合には、標的核酸は、一本鎖DNA(ssDNA)(例えば、ウイルスDNA)である。上述したように、いくつかの場合には、標的核酸は、一本鎖である。
標的核酸は、任意の場所、例えば、インビトロで細胞の外部、インビトロで細胞の内部、インビボで細胞の内部、エクスビボで細胞の内部に位置し得る。好適な標的細胞(ゲノムDNAなどの標的核酸を含み得る)としては、細菌細胞、古細菌細胞、単細胞真核生物の細胞、植物細胞、藻類細胞、例えば、ボツリオコッカス・ブラウニー、コナミドリムシ、ナンクロロプシス・ガディタナ、クロレラ・ピレノイドサ、ヤツマタモク、C.アガード等、真菌細胞(例えば、酵母細胞)、動物細胞、無脊椎動物由来の細胞(例えば、ショウジョウバエ、蠕虫、棘皮動物、線形動物等)、昆虫の細胞(例えば、蚊、ミツバチ、農業害虫等)、クモ類動物の細胞(例えば、クモ、ダニ等)、脊椎動物由来の細胞(例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳動物)、哺乳動物由来の細胞(例えば、齧歯類由来の細胞、ヒト由来の細胞、非ヒト哺乳動物の細胞、齧歯類の細胞(例えば、マウス、ラット)、ウサギ類の細胞(例えば、ウサギ)、有蹄類の細胞(例えば、ウシ、ウマ、ラクダ、ラマ、ビクーニャ、ヒツジ、ヤギ等)、海洋哺乳動物の細胞(例えば、クジラ、アザラシ、ゾウアザラシ、イルカ、アシカ等)等が挙げられるが、これらに限定されない。任意の種類の細胞が関心対象であり得る(例えば、幹細胞、例えば、胚幹(ES)細胞、誘導多能性幹(iPS)細胞、生殖細胞(例えば、卵母細胞、精子、卵原細胞、精原細胞等)、成体細胞、体細胞、例えば、線維芽細胞、造血細胞、ニューロン、筋細胞、骨細胞、肝細胞、膵細胞、任意の段階にある胚のインビトロまたはインビボの胚細胞、例えば、1細胞、2細胞、4細胞、8細胞等の段階のゼブラフィッシュ胚等)。
細胞は、確立された細胞株に由来し得るか、またはそれらは一次細胞であってもよく、「一次細胞」、「一次細胞株」、及び「一次培養物」は、本明細書では、対象に由来し、インビトロで培養物の限定数の継代、すなわち分裂にわたって増殖させた細胞及び細胞培養物を指すために互換的に使用される。例えば、一次培養物は、0回、1回、2回、4回、5回、10回、または15回継代されているが、危機段階を通過するには十分でない場合がある培養物である。典型的には、一次細胞株は、インビトロで10継代未満にわたって維持される。標的細胞は、単細胞生物であり得、及び/または培養物中で増殖し得る。細胞が一次細胞である場合、それらは任意の簡便な方法によって個体から採取され得る。例えば、白血球は、アフェレーシス、白血球アフェレーシス、密度勾配分離等によって簡便に採取され得る一方、例えば、皮膚、筋肉、骨髄、脾臓、肝臓、膵臓、肺、腸、胃等の組織由来の細胞は、生検によって簡便に採取することができる。
上記適用のうちのいくつかにおいて、対象の方法を用いて、標的核酸切断、標的核酸修飾を誘導する、及び/または有糸分裂もしくは有糸分裂後の細胞中の標的核酸と(例えば、可視化のために、収集及び/または分析等のために)、インビボで及び/またはエクスビボで及び/またはインビトロで結合する(例えば、標的化mRNAによってコードされたタンパク質の産生を妨害する、標的DNAを切断するかまたは他の方法で修飾する、標的細胞を遺伝子修飾する等)ことができる。ガイドRNAは、標的核酸にハイブリダイズすることによって特異性を提供するため、開示される方法における目的の有糸分裂及び/または有糸分裂後の細胞は、任意の生物由来の細胞(例えば、細菌細胞、古細菌細胞、単細胞真核生物の細胞、植物細胞、藻類細胞、例えば、ボツリオコッカス・ブラウニー、コナミドリムシ、ナンクロロプシス・ガディタナ、クロレラ・ピレノイドサ、ヤツマタモク、C.アガード等、真菌細胞(例えば、酵母細胞)、動物細胞、無脊椎動物由来の細胞(例えば、ショウジョウバエ、蠕虫、棘皮動物、線形動物等)、脊椎動物由来の細胞(例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳動物)、哺乳動物由来の細胞、齧歯類由来の細胞、ヒト由来の細胞等)を含み得る。いくつかの場合には、本発明のCas12cタンパク質(ならびに/またはDNA及び/もしくはRNAなどのタンパク質をコードする核酸)ならびに/またはCas12cガイドRNA(及び/またはガイドRNAをコードするDNA)、ならびに/またはドナー鋳型、及び/またはRNPは、個体(例えば、哺乳動物、ラット、マウス、ブタ、霊長類、非ヒト霊長類、ヒト等)に導入され得る(すなわち、標的細胞がインビボであり得る)。いくつかの場合には、そのような投与は、例えば、標的化細胞のゲノムを編集することによって、疾患を治療する及び/または予防する目的のためであり得る。
植物細胞としては、単子葉植物の細胞、及び双子葉植物の細胞が挙げられる。細胞は、根細胞、葉細胞、木部の細胞、師部の細胞、形成層の細胞、頂端分裂組織細胞、実質細胞、厚角組織細胞、厚壁組織細胞等であり得る。植物細胞としては、農業作物、例えば小麦、トウモロコシ、米、モロコシ、キビ、大豆等の細胞が挙げられる。植物細胞としては、農業果物及びナッツ植物、例えば、アプリコット、オレンジ、レモン、リンゴ、プラム、ナシ、アーモンド等を産生する植物の細胞が挙げられる。
標的細胞の追加の例は、「修飾細胞」と題された上記の項に列挙される。細胞(標的細胞)の非限定な例としては、原核細胞、真菌細胞、細菌細胞、古細菌細胞、単細胞真核生物の細胞、原生生物細胞、植物由来の細胞(例えば、植物作物、果物、野菜、穀物、大豆、トウモロコシ(corn)、トウモロコシ(maize)、小麦、種、トマト、米、キャッサバ、サトウキビ、カボチャ、乾草、ジャガイモ、綿、カンナビス、タバコ、顕花植物、球果植物、裸子植物、被子植物、シダ類、ヒカゲノカズラ類、ツノゴケ類、苔類コケ植物、苔類、双子葉植物、単子葉植物等由来の細胞等)、藻類細胞(例えば、ボツリオコッカス・ブラウニー、コナミドリムシ、ナンクロロプシス・ガディタナ、クロレラ・ピレノイドサ、ヤツマタモク、C.アガード等)、海藻類(例えば、昆布)、真菌細胞(例えば、酵母細胞、マッシュルーム由来の細胞)、動物細胞、無脊椎動物(例えば、ショウジョウバエ、蠕虫、棘皮動物、線形動物等)由来の細胞、脊椎動物(例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳動物)由来の細胞、哺乳動物(例えば、有蹄類(例えば、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ)、齧歯類(例えば、ラット、マウス)、非ヒト霊長類、ヒト、ネコ科動物(例えば、ネコ)、イヌ科動物(例えば、イヌ)等)由来の細胞等が挙げられる。いくつかの場合には、細胞は、天然の生物に由来しない細胞である(例えば、細胞は、合成的に作製された細胞であり得、人工細胞とも称される)。
細胞は、インビトロ細胞(例えば、確立された培養細胞株)であり得る。細胞は、エクスビボ細胞(個体由来の培養細胞)であり得る。細胞は、インビボ細胞(例えば、個体内の細胞)であり得る。細胞は、単離された細胞であり得る。細胞は、生物の内部の細胞であり得る。細胞は、生物であり得る。細胞は、細胞培養内の細胞(例えば、インビトロ細胞培養)であり得る。細胞は、細胞の集団のうちの1つであり得る。細胞は、原核細胞であり得るか、または原核細胞に由来し得る。細胞は、細菌細胞であり得るか、または細菌細胞に由来し得る。細胞は、古細菌細胞であり得るか、または古細菌細胞に由来し得る。細胞は、真核細胞であり得るか、または真核細胞に由来し得る。細胞は、植物細胞であり得るか、または植物細胞に由来し得る。細胞は、動物細胞であり得るか、または動物細胞に由来し得る。細胞は、無脊椎動物細胞であり得るか、または無脊椎動物細胞に由来し得る。細胞は、脊椎動物細胞であり得るか、または脊椎動物に由来し得る。細胞は、哺乳動物細胞であり得るか、または哺乳動物細胞に由来し得る。細胞は、齧歯類細胞であり得るか、または齧歯類細胞に由来し得る。細胞は、ヒト細胞であり得るか、またはヒト細胞に由来し得る。細胞は、微生物細胞であり得るか、または微生物細胞に由来し得る。細胞は、真菌細胞であり得るか、または真菌細胞に由来し得る。細胞は、昆虫細胞であり得る。細胞は、節足動物細胞であり得る。細胞は、原生動物細胞である得る。細胞は、蠕虫細胞であり得る。
好適な細胞としては、幹細胞(例えば、胚幹(ES)細胞、誘導多能性幹(iPS)細胞、生殖細胞(例えば、卵母細胞、精子、卵原細胞、精原細胞等)、体細胞、例えば、線維芽細胞、オリゴデンドロサイト、グリア細胞、造血細胞、ニューロン、筋細胞、骨細胞、肝細胞、膵細胞等が挙げられる。
好適な細胞としては、ヒト胚幹細胞、胎児心筋細胞、筋線維芽細胞、間葉系幹細胞、自家移植拡張心筋細胞、脂肪細胞、全能性細胞、多能性細胞、血液幹細胞、筋芽細胞、成体幹細胞、骨髄細胞、間葉系細胞、胚性幹細胞、実質細胞、上皮細胞、内皮細胞、中皮細胞、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、外因性細胞、内因性細胞、幹細胞、造血幹細胞、骨髄由来の前駆細胞、心筋細胞、骨格細胞、胎児細胞、未分化細胞、多能性前駆細胞、単能性前駆細胞、単球、心筋芽細胞、骨格筋芽細胞、マクロファージ、毛細血管内皮細胞、異種細胞、同種細胞、及び出生後幹細胞が挙げられる。
いくつかの場合には、細胞は、免疫細胞、ニューロン、上皮細胞、及び内皮細胞、または幹細胞である。いくつかの場合には、免疫細胞は、T細胞、B細胞、単球、天然キラー細胞、樹状細胞、またはマクロファージである。いくつかの場合には、免疫細胞は、細胞毒性T細胞である。いくつかの場合には、免疫細胞は、ヘルパーT細胞である。いくつかの場合には、免疫細胞は、調節性T細胞(Treg)である。
いくつかの場合には、細胞は、幹細胞である。幹細胞は、成体幹細胞を含む。成体幹細胞はまた、体幹細胞とも称される。
成体幹細胞は、分化組織中に存在するが、自己更新の特性及び複数の細胞型、通常は幹細胞が見出される組織に典型的な細胞型を生じる能力を保持する。体幹細胞の多くの例が当業者に公知であり、筋幹細胞、造血幹細胞、上皮幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞、哺乳動物幹細胞、腸幹細胞、中胚葉性幹細胞、内皮幹細胞、嗅官幹細胞、神経堤幹細胞等が挙げられる。
目的の幹細胞としては、哺乳動物幹細胞が挙げられ、「哺乳動物」という用語は、ヒト、非ヒト霊長類、飼育動物及び家畜、ならびに動物園、研究室、競技用、または愛玩動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、マウス、ラット、ウサギ等を含む哺乳動物として分類される任意の動物を指す。いくつかの場合には、幹細胞は、ヒト幹細胞である。いくつかの場合には、幹細胞は、齧歯類(例えば、マウス、ラット)幹細胞である。いくつかの場合には、幹細胞は、非ヒト霊長類幹細胞である。
幹細胞は、1つ以上の幹細胞マーカー、例えば、SOX9、KRT19、KRT7、LGR5、CA9、FXYD2、CDH6、CLDN18、TSPAN8、BPIFB1、OLFM4、CDH17、及びPPARGC1Aを発現し得る。
いくつかの実施形態では、幹細胞は、造血幹細胞(HSC)である。HSCは、骨髄、血液、臍帯血、胎児肝臓、及び卵黄嚢から単離され得る中胚葉由来の細胞である。HSCは、CD34及びCD3として特徴付けられる。HSCは、赤血球、好中球−マクロファージ、巨核球、及びリンパ球様造血細胞系統をインビボで再生させることができる。インビトロで、HSCは、少なくともいくらかの自己更新細胞分裂を受けるように誘導され得、インビボで見られるものと同じ系統に分化するように誘導され得る。したがって、HSCは、赤血球細胞、巨核球、好中球、マクロファージ、及びリンパ球細胞のうちの1つ以上に分化するように誘導され得る。
他の実施形態では、幹細胞は、神経幹細胞(NSC)である。神経幹細胞(NSC)は、ニューロン及びグリア(オリゴデンドロサイト及び星状細胞を含む)に分化し得る。神経幹細胞は、多分裂の能力を有する多能性幹細胞であり、特定の条件下で、神経幹細胞である娘細胞、または神経芽細胞もしくは神経膠芽細胞であり得る神経前駆細胞、例えば、それぞれ1種以上のニューロン及びグリア細胞になるように方向づけられた細胞を産生し得る。NSCを得る方法は、当該技術分野において公知である。
他の実施形態では、幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)である。本来、胚性中胚葉に由来し、成体骨髄から単離されるMSCは、分化して、筋肉、骨、軟骨、脂肪、骨髄基質、及び腱を形成し得る。MSCを単離する方法は、当該技術分野において既知であり、任意の既知の方法を使用して、MSCを得ることができる。例えば、ヒトMSCの単離について記載している米国特許第5,736,396号を参照されたい。
細胞は、いくつかの場合には、植物細胞である。植物細胞は、単子葉植物の細胞であり得る。細胞は、双子葉植物の細胞であり得る。
いくつかの場合には、細胞は、植物細胞である。例えば、細胞は、主要な農業植物、例えば、大麦、豆(乾燥食用)、キャノーラ、トウモロコシ、綿(ピマ)、綿(アプランド)、アマニ、乾草(アルファルファ)、乾草(非アルファルファ)、オーツ麦、ピーナッツ、米、モロコシ、大豆、テンサイ、サトウキビ、ヒマワリ(油)、ヒマワリ(非油)、サツマイモ、タバコ(バーレー)、タバコ(黄色種)、トマト、小麦(ダラム)、小麦(春)、小麦(冬)等の細胞であり得る。別の例としては、細胞は、例えば、アルファルファスプラウト、アロエの葉、クズウコン、オモダカ、アーティチョーク、アスパラガス、筍、バナナの花、豆もやし、豆、ビーツの葉茎、ビーツ、ゴーヤ、チンゲンサイ、ブロッコリー、ブロッコリーレイブ(ラピーニ)、芽キャベツ、キャベツ、キャベツスプラウト、カクタスリーフ(ノパル)、カボチャ、カルドン、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハヤトウリ、チョロギ(クローヌ)、ハクサイ、キンサイ、ニラ、サイシン、シュンギク、カラードグリーン、トウモロコシの茎、スイートコーン、キュウリ、ダイコン、食用タンポポの葉、タロイモ、豆苗(エンドウの葉)、トウキ(冬瓜)、ナス、エンダイブ、キクヂシャ、ゼンマイ、グンバイナズナ、フリゼ、カラシナ(チャイニーズマスタード)、カイラン、ガランガル(サイアム、タイショウガ)、ニンニク、ショウガ、ゴボウ、グリーン、ハノーバーサラダグリーン、ウアウソントレ、エルサレムアーティチョーク、ヒカマ、ケールグリーン、コールラビ、アカザ(クェライト)、レタス(ビッブ)、レタス(ボストン)、レタス(ボストンレッド)、レタス(グリーンリーフ)、レタス(アイスバーグ)、レタス(サニーレタス)、レタス(オークリーフ・グリーン)、レタス(オークリーフ・レッド)、レタス(加工)、レタス(レッドリーフ)、レタス(ロメイン)、レタス(ルビーロメイン)、レタス(ロシアンレッドマスタード)、リンコック、ロボック、ササゲ、レンコン、マーシュ、マゲイ(アガベ)リーフ、ヤムイモ、メスクランミックス、水菜、ヘチマ、ムー、モクア(ファジースクオッシュ)、マッシュルーム、マスタード、長芋、オクラ、空芯菜、ネギ、ユウガオ(ロングスクオッシュ)、装飾トウモロコシ、装飾ヒョウタン、パセリ、パースニップ、エンドウ、トウガラシ(ベルタイプ)、トウガラシ、カボチャ、ラディッキオ、ラディッシュの芽、ラディッシュ、レイプグリーン、レイプグリーン、ルバーブ、ロメイン(ベビーレッド)、ルタバガ、アッケシソウ(シービーン)、ヘチマ(トカド/トカドヘチマ)、ホウレンソウ、スクオッシュ、ストローベイル、サトウキビ、サツマイモ、スイスチャード、タマリンド、タロ、タロの葉、タロの芽、ターサイ、ギンネム、ティンドラ、トマティーヨ、トマト、トマト(チェリー)、トマト(グレープタイプ)、トマト(プラムタイプ)、ターメリック、カブの葉、カブ、ヒシの実、ヤンピイモ、ヤム(ナム)、アブラナ、ユカ(キャッサバ)等を含むが、これらに限定されない野菜作物の細胞である。
細胞は、いくつかの場合には、節足動物細胞である。例えば、細胞は、例えば、鋏角類、多足類、六脚類、クモ類、昆虫類、イシノミ目、シミ類、旧翅下綱、カゲロウ目、トンボ目、不均翅亜目、近翅亜目、新翅類、外翅類、カワゲラ類、シロアリモドキ目、直翅目、ジュズヒゲムシ目、ハサミムシ類、網翅類、ガロアムシ目、ガロアムシ科、: マントファスマ目 、ナナフシ目、ゴキブリ目、シロアリ目、カマキリ目、パラニューロプレラ、チャタテムシ目、アザミウマ類、シラミ目、半翅目、内翅類もしくは完全変態類、膜翅目、甲虫類、ネジレバネ目、ラクダムシ亜目、広翅亜目、脈翅目、長翅類、ノミ目、双翅目、トビケラ目、または鱗翅目の、亜目、科、亜科、群、下位群、または種の細胞であり得る。
細胞は、いくつかの場合には、昆虫動物細胞である。例えば、いくつかの場合には、細胞は、蚊、バッタ、半翅類、ハエ、ノミ、ミツバチ、スズメバチ、アリ、シラミ、蛾、またはカブトムシの細胞である。
ドナーポリヌクレオチド(ドナー鋳型)
Cas12cガイドRNAによって誘導されると、いくつかの場合には、Cas12cタンパク質は、(例えば、Cas12cタンパク質がニッカーゼバリアントであるとき)二本鎖DNA(dsDNA)標的核酸内で部位特異的二本鎖破断(DSB)または一本鎖破断(SSB)を生成し、これらは非相同末端接合(NHEJ)または相同性配向型組み換え(HDR)のいずれかによって修復される。
いくつかの場合には、標的DNAと(Cas12cタンパク質及びCas12cガイドRNAと)の接触は、非相同性末端接合または相同性配向型修復を許容する条件下で起こる。したがって、いくつかの場合には、対象の方法は、標的DNAをドナーポリヌクレオチドと(例えば、ドナーポリヌクレオチドを細胞に導入することによって)接触させることを含み、ここでドナーポリヌクレオチド、ドナーポリヌクレオチドの部分、ドナーポリヌクレオチドの複製、またはドナーポリヌクレオチドの複製の一部が標的DNAに統合される。いくつかの場合には、方法は、細胞をドナーポリヌクレオチドと接触させることを含まず、標的DNAは、標的DNA内のヌクレオチドが欠失されるように修飾される。
いくつかの場合には、Cas12c trancRNA(またはそれをコードする核酸)、Cas12cガイドRNA(またはそれをコードする核酸)、及び/またはCas12cタンパク質(またはそれをコードする核酸、例えば、RNAまたはDNA、例えば、1つ以上の発現ベクター)が、少なくとも標的DNA配列に対して相同性を有するセグメントを含むドナーポリヌクレオチド配列と同時投与され(例えば、標的核酸と接触される、細胞に投与される等)、対象の方法を使用して、核酸材料を標的DNA配列に付加する、すなわち、挿入または置換すること(例えば、核酸、例えば、タンパク質、siRNA、miRNA等をコードするものに「ノックイン」すること)、タグ(例えば、6xHis、蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質等)と、ヘマグルチニン(HA)、FLAG等)を付加すること、調節配列を遺伝子に付加すること(例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、内部リボソームエントリー配列(IRES)、2Aペプチド、開始コドン、停止コドン、スプライスシグナル、局在シグナル等)、核酸配列を修飾すること(例えば、変異を導入する、正しい配列を導入することによって変異を引き起こす疾患を除去する)等ができる。したがって、Cas12cガイドRNA及びCas12cタンパク質(またはCas12cガイドRNA及びCas12c trancRNA及びCas12cタンパク質)を含む複合体は、任意のインビトロまたはインビボ用途において有用であり、部位特異的、すなわち「標的化」方法、例えば、遺伝子療法において、例えば疾患を治療するため、または抗ウイルス、抗病原性、または抗がん治療として使用される遺伝子ノックアウト、遺伝子ノックイン、遺伝子編集、遺伝子タグ付け等、農業における遺伝子修飾された生物の産生、治療、診断、または研究を目的とした細胞によるタンパク質の大規模産生、iPS細胞の誘導、生物学的研究、欠失または置換のための病原体の遺伝子の標的等でDNAを修飾することが望ましい。
ポリヌクレオチド配列を、標的配列が切断されるゲノムに挿入することが望ましい用途において、ドナーポリヌクレオチド(ドナー配列を含む核酸)もまた細胞に提供され得る。「ドナー配列」または「ドナーポリヌクレオチド」または「ドナー鋳型」とは、Cas12cタンパク質によって切断された部位において(dsDNA切断後、標的DNAをニッキングした後、標的DNAを二重ニッキングした後等に)挿入される核酸配列を意味する。ドナーポリヌクレオチドは、標的部位におけるゲノム配列に対して十分な相同性、例えば、標的部位に隣接するヌクレオチド配列(例えば、標的部位の約50以下の塩基内、例えば、約30塩基内、約15塩基内、約10塩基内、約5塩基内、または標的部位にすぐ隣接する)との70%、80%、85%、90%、95%、または100%の相同性を含み、それと相同性を担持するゲノム配列との間の相同性配向型修復を支持することができる。およそ25、50、100、もしくは200ヌクレオチド、または200超のヌクレオチドの、ドナーとゲノム配列との間の配列相同性(または10〜200ヌクレオチドの任意の整数値、もしくはそれ以上)は、相同性配向型修復を支持することができる。ドナーポリヌクレオチドは、任意の長さ、例えば、10ヌクレオチド以上、50ヌクレオチド以上、100ヌクレオチド以上、250ヌクレオチド以上、500ヌクレオチド以上、1000ヌクレオチド以上、5000ヌクレオチド以上等であり得る。
ドナー配列は、典型的に、それが置換されるゲノム配列と同一ではない。むしろ、ドナー配列は、相同性配向型修復を支持するのに(例えば、遺伝子補正のため、例えば、疾患を引き起こす塩基対を、疾患を引き起こさない塩基対に変換するために)十分な相同性が存在する限り、ゲノム配列に関して少なくとも1つ以上の単一塩基変更、挿入、欠失、反転、または再配置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ドナー配列は、相同性の2つの領域に隣接した非相同性配列を含み、それにより標的DNA領域と2つの隣接する配列との間の相同性配向型修復が、標的領域における非相同性配列の挿入をもたらす。ドナー配列はまた、目的のDNA領域に対して相同性でなく、目的のDNA領域への挿入が意図されないベクター骨格を含有する配列も含み得る。一般に、ドナー配列の相同性領域(複数可)は、組み換えが所望されるゲノム配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有するであろう。ある特定の実施形態では、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、または99.9%の配列同一性が存在する。ドナーポリヌクレオチドの長さに応じて、1%〜100%の配列同一性の任意の値が存在し得る。
ドナー配列は、ゲノム配列と比較して、ある特定の配列の相違、例えば、制限部位、ヌクレオチド多形、選択可能なマーカー(例えば、薬物耐性遺伝子、蛍光タンパク質、酵素等)を含み得、これらを使用して、切断部位におけるドナー配列の良好な挿入について評価することができるか、またはいくつかの場合には、他の目的で使用することができる(例えば、標的化ゲノム遺伝子座における発現を示す)。いくつかの場合には、コード領域に位置する場合、そのようなヌクレオチド配列の相違は、アミノ酸配列を変更しないか、またはサイレントアミノ酸変化(すなわち、タンパク質の構造または機能に影響しない変化)をもたらす。あるいは、これらの配列の相違は、マーカー配列の除去のために後に活性化され得る、隣接する組み換え配列、例えば、FLP、loxP配列等を含み得る。
いくつかの場合には、ドナー配列は、一本鎖DNAとして細胞に提供される。いくつかの場合には、ドナー配列は、二本鎖DNAとして細胞に提供される。これは、線状または環状形態で細胞に導入され得る。線状形態で導入される場合、ドナー配列の末端は、任意の簡便な方法によって(例えば、エキソヌクレアーゼ分解から)保護され得、そのような方法は、当業者に既知である。例えば、1つ以上のジデオキシヌクレオチド残基が、線状分子の3’末端に付加され得、かつ/または自己相補的オリゴヌクレオチドが、一方の末端もしくは両方の末端にライゲーションされ得る。例えば、Chang et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4959−4963、Nehls et al.(1996)Science 272:886−889を参照されたい。外因性ポリヌクレオチドを分解から保護するためのさらなる方法は、末端アミノ基(複数可)の付加、及び修飾ヌクレオチド間結合、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロアミド酸、及びO−メチルリボースまたはデオキシリボース残基の使用を含むが、これらに限定されない。線状ドナー配列の末端を保護することの代替法として、追加の長さの配列が、組み換えに影響を及ぼすことなく分解され得る相同性の領域の外部に含められ得る。ドナー配列は、例えば、複製起点、プロモーター、及び抗生物質耐性をコードする遺伝子などの追加の配列を有するベクター分子の一部として細胞に導入され得る。さらに、ドナー配列は、裸の核酸として、リポソームもしくはポロキサマーなどの薬剤と複合された核酸として導入されてもよいし、またはCas12cガイドRNA及び/またはCas12c融合ポリペプチド及び/またはドナーポリヌクレオチドをコードする核酸について本明細書の別の場所で記載されるように、ウイルス(例えば、アデノウイルス、AAV)によって送達されてもよい。
トランスジェニックの非ヒト生物体
上記のように、いくつかの場合には、本開示の核酸(例えば、組み換え発現ベクター)(例えば、Cas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、Cas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸等)を導入遺伝子として使用して、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドを産生するトランスジェニックの非ヒト生物を生成する。本開示は、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むトランスジェニックの非ヒト生物を提供する。
トランスジェニックの非ヒト動物
本開示は、トランスジェニックの非ヒト動物を提供し、この動物は、Cas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニックの非ヒト動物のゲノムは、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合には、トランスジェニックの非ヒト動物は、遺伝子修飾のためにホモ接合性である。いくつかの場合には、トランスジェニックの非ヒト動物は、遺伝子修飾のためにヘテロ接合性である。いくつかの実施形態では、トランスジェニックの非ヒト動物は、脊椎動物、例えば、魚類(例えば、サケ、マス、ゼブラフィッシュ、金魚、フグ、洞窟魚等)、両生類(カエル、イモリ、サンショウウオ等)、鳥類(例えば、ニワトリ、七面鳥等)、爬虫類(例えば、ヘビ、トカゲ等)、非ヒト哺乳動物(例えば、有蹄類、例えば、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等、ウサギ類(例えば、ウサギ)、齧歯類(例えば、ラット、マウス)、非ヒト霊長類等)等である。いくつかの場合には、トランスジェニックの非ヒト動物は、無脊椎動物である。いくつかの場合には、トランスジェニックの非ヒト動物は、昆虫(例えば、蚊、農業害虫等)である。いくつかの場合には、トランスジェニックの非ヒト動物は、クモ類である。
本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、未知のプロモーターの制御下にあり得るか(すなわち動作可能に連結される)(例えば、核酸が宿主細胞ゲノムにランダムに統合されるとき)、または既知のプロモーターの制御下にあり得る(すなわち、動作可能に連結される)。好適な既知のプロモーターは、任意の既知のプロモーターであり、構成的に活性なプロモーター(例えば、CMVプロモーター)、誘導性プロモーター(例えば、ヒートショックプロモーター、テトラサイクリン調節型プロモーター、ステロイド調節型プロモーター、金属調節型プロモーター、エストロゲン受容体調節型プロモーター等)、空間的制約及び/または時間的制約のあるプロモーター(例えば、組織特異的プロモーター、細胞型特異的プロモーター等)等を含み得る。
トランスジェニック植物
上記のように、いくつかの場合には、本開示の核酸(例えば、組み換え発現ベクター)(例えば、本開示のCas12cポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸、本開示のCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸等)を導入遺伝子として使用して、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドを産生するトランスジェニック植物を生成する。本開示は、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むトランスジェニック植物を提供する。いくつかの実施形態では、このトランスジェニック植物のゲノムは、本発明の核酸を含む。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、遺伝子修飾のためにホモ接合性である。いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物は、遺伝子修飾のためにヘテロ接合性である。
外因性核酸を植物細胞に導入する方法は、当該技術分野において周知である。そのような植物細胞は、上記に定義されるように「形質転換された」と見なされる。好適な方法としては、ウイルス感染(二本鎖DNAウイルスなど)、形質移入、コンジュゲート、プロトプラスト融合、電気穿孔、粒子ガン技術、リン酸カルシウム沈降、直接マイクロインジェクション、炭化ケイ素ウィスカー技術、アグロバクテリウム媒介型形質転換等が挙げられる。方法の選択は、一般に、形質転換される細胞の種類、及び形質転換が起こる状況(すなわち、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)に依存する。
土壌細菌のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に基づく形質転換方法は、外因性核酸分子を維管束植物に導入するために特に有用である。野生型形態のアグロバクテリウムは、宿主植物上で増殖する腫瘍原性クラウンゴールの産生を配向するTi(腫瘍誘導)プラスミドを含有する。Tiプラスミドの腫瘍誘導T−DNA領域の、植物ゲノムへの移行は、Tiプラスミドでコードされた病原性遺伝子ならびにT−DNA境界を必要とし、これらは移行される領域を描写する直接DNA反復の組である。アグロバクテリウム系ベクターは、修飾形態のTiプラスミドであり、そこでは、腫瘍誘導機能が植物宿主に導入される目的の核酸配列によって置換されている。
アグロバクテリウム媒介型形質転換は、一般に、融合体ベクターまたはバイナリベクター系を用い、そこでは、T−DNA配列によって、Tiプラスミドの成分が、アグロバクテリウム宿主に永久に存在し、病原性遺伝子を担持するヘルパーベクターと、限定された目的の遺伝子を含むシャトルベクターとに分けられる。様々なバイナリベクターが、当該技術分野において周知であり、例えば、Clontech(Palo Alto,Calif.)から市販されている。例えば、アグロバクテリウムを、培養された植物細胞または葉組織などの傷ついた組織、根片、胚軸、塊茎の幹片と共培養する方法もまた、当該技術分野において周知である。例えば、Glick and Thompson,(eds.),Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology,Boca Raton,Fla.:CRC Press(1993)を参照されたい。
マイクロプロジェクタイル媒介型形質転換を使用して、対象のトランスジェニック植物を産生することもできる。Klein et al.(Nature 327:70−73(1987))によって最初に記載されたこの方法は、塩化カルシウム、スペルミジン、またはポリエチレングリコールでの沈降によって所望の核酸分子でコーティングされた金またはタングステンなどのマイクロプロジェクタイルに依存する。マイクロプロジェクタイル粒子は、BIOLISTIC PD−1000(Biorad、Hercules Calif.)などのデバイスを使用して、被子植物組織中に高速で加速される。
本開示の核酸(例えば、本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸(例えば、組み換え発現ベクター))は、核酸が、例えば、インビボまたはエクスビボプロトコルを介して植物細胞(複数可)に侵入することができるような方法で植物に導入され得る。「インビボ」とは、核酸が植物の生体に投与されること、例えば、浸潤を意味する。「エクスビボ」とは、細胞または外植片が、植物の外部で改変され、次いでそのような細胞または器官が、植物に再生されることを意味する。植物細胞の安定した形質転換またはトランスジェニック植物の確立に適した複数のベクターが記載されており、Weissbach and Weissbach,(1989)Methods for Plant Molecular Biology Academic Press、及びGelvin et al.,(1990)Plant Molecular Biology Manual,Kluwer Academic Publishersに説明されるものが挙げられる。特定の例には、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのTiプラスミドに由来するもの、ならびにHerrera−Estrella et al.(1983)Nature 303:209、Bevan(1984)Nucl Acid Res.12:8711−8721、Klee(1985)Bio/Technolo 3:637−642によって開示されるものが挙げられる。あるいは、非Tiベクターを使用して、遊離DNA送達技法を使用することによって、DNAを植物及び細胞に移行させることができる。これらの方法を使用することによって、小麦、米(Christou(1991)Bio/Technology 9:957−9及び4462)ならびにトウモロコシ(Gordon−Kamm(1990)Plant Cell 2:603−618)などのトランスジェニック植物を産生することができる。未熟な胚もまた、粒子ガンを使用することによる直接DNA送達技法のため(Weeks et al.(1993)Plant Physiol 102:1077−1084;Vasil(1993)Bio/Technol.10:667−674、Wan and Lemeaux(1994)Plant Physiol 104:37−48、及びアグロバクテリウム媒介型DNA移行のため(Ishida et al.(1996)Nature Biotech 14:745−750)の単子葉植物の良好な標的組織であり得る。DNAを葉緑体に導入するための例示的な方法は、微粒子銃ボンバードメント、プロトプラストのポリエチレングリコール形質転換、及びマイクロインジェクションである(Danieli et al Nat.Biotechnol 16:345−348,1998、Staub et al Nat.Biotechnol 18:333−338,2000、O’Neill et al Plant J.3:729−738,1993、Knoblauch et al Nat.Biotechnol 17:906−909、米国特許第5,451,513号、同第5,545,817号、同第5,545,818号、及び同第5,576,198号、国際出願第WO95/16783号、ならびにBoynton et al.,Methods in Enzymology 217:510−536(1993)、Svab et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:913−917(1993)、及びMcBride et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:7301−7305(1994))。微粒子銃ボンバードメント、プロトプラストのポリエチレングリコール形質転換、及びマイクロインジェクションの方法に適した任意のベクターは、葉緑体形質転換のための標的ベクターとして好適である。任意の二本鎖DNAベクターは、特に導入の方法がアグロバクテリウムを利用しないときに、形質転換ベクターとして使用され得る。
遺伝子修飾することができる植物は、穀物、飼料作物、果物、野菜、油料種子作物、ヤシ、森林、及びつる植物が含まれる。修飾され得る植物の特定例としては、以下:トウモロコシ、バナナ、ピーナッツ、エンドウマメ、ヒマワリ、トマト、キャノーラ、タバコ、小麦、バーレー、オーツ麦、ジャガイモ、大豆、綿、カーネーション、ソルガム、ハウチワマメ、及び米が挙げられる。
本開示は、形質転換された植物細胞、組織、植物、及び形質転換された植物細胞を含有する産生物を提供する。対象の形質転換細胞、及び組織、ならびにそれらを含む産生物の特徴は、ゲノムに統合された本発明の核酸の存在、及び植物細胞による本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドの産生である。本発明の組み換え植物細胞は、組み換え細胞の集合として、または組織、種子、全植物、幹、果実、葉、根、花、幹、塊茎、穀物、動物飼料、植物の分野等において有用である。
本開示のCas12cポリペプチドまたはCas12c融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、未知のプロモーターの制御下にあり得るか(すなわち動作可能に連結される)(例えば、核酸が宿主細胞ゲノムにランダムに統合されるとき)、または既知のプロモーターの制御下にあり得る(すなわち、動作可能に連結される)。好適な既知のプロモーターは、任意の既知のプロモーターであり得、構成的に活性なプロモーター、誘導性プロモーター、空間的制約及び/または時間的制約のあるプロモーターなどが挙げられる。
本開示の非限定的な態様の例
上記に記載される本主題の実施形態を含む態様は、単独で、または1つ以上の他の態様もしくは実施形態との組み合わせで有益であり得る。上記の記載を制限することなく、1〜32の番号が付けられた本開示のある特定の非限定的な態様が以下に提供される。本開示を読むと当業者には明らかであるように、個別に番号が付けられた態様の各々は、先行するまたは後続の個別に番号が付けられた態様のうちのいずれかとともに使用され得るか、または組み合わされ得る。これは、態様の全てのそのような組み合わせに対する支持を提供することが意図され、以下に明示的に提供される態様の組み合わせに制限されない。
態様
態様1.Cas12cポリペプチドを標的核酸の標的配列に誘導する方法であって、上記標的核酸と、(a)Cas12cポリペプチド、(b)標的核酸の標的配列にハイブリダイズするガイド配列を含み、かつ上記Cas12cポリペプチドに結合する領域を含む、Cas12cガイドRNA、及び(c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、を含む、操作されたか及び/または非天然型の複合体とを、接触させることを含む、上記方法。
態様2.標的核酸の修飾、標的核酸からの転写の調節、または標的核酸に関連するポリペプチドの修飾をもたらす、態様1に記載の方法。
態様3.上記標的核酸が、切断されることによって修飾される、態様2に記載の方法。
態様4.前記標的核酸が、二本鎖DNA、一本鎖DNA、RNA、ゲノムDNA、及び染色体外DNAから選択される、態様1〜3のいずれか1つに記載の方法。
態様5.上記ガイド配列と、上記Cas12cポリペプチドに結合する上記領域とが、互いに異種である、態様1〜4のいずれか1つに記載の方法。
態様6.上記接触が、ゲノム編集をもたらす、態様1〜5のいずれか1つに記載の方法。
態様7.上記接触が、細菌細胞の外部、及び古細菌細胞の外部で起きる、態様1〜5のいずれか1つに記載の方法。
態様8.上記接触が、細胞の外部でインビトロで起きる、態様1〜5のいずれか1つに記載の方法。
態様9.上記接触が、標的細胞の内部で起きる、態様1〜7のいずれか1つに記載の方法。
態様10.上記接触が:(a)上記Cas12cポリペプチド、または上記Cas12cポリペプチドをコードする核酸;(b)上記Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸;及び(c)Cas12c trancRNA、またはCas12c trancRNAをコードする核酸、のうちの少なくとも1つを上記標的細胞に導入することを含む、態様9に記載の方法。
態様11.上記Cas12cポリペプチドをコードする上記核酸が、上記標的細胞における発現のためにコドン最適化された非天然型配列である、態様10に記載の方法。
態様12.上記標的細胞が、真核細胞である、態様9〜11のいずれか1つに記載の方法。
態様13.上記標的細胞が、インビトロで培養される、態様9〜12のいずれか1つに記載の方法。
態様14.上記標的細胞が、インビボである、態様9〜12のいずれか1つに記載の方法。
態様15.上記標的細胞が、エクスビボである、態様9〜12のいずれか1つに記載の方法。
態様16.上記真核細胞が、植物細胞、真菌細胞、単細胞真核生物、哺乳動物細胞、爬虫類細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、魚類細胞、寄生虫細胞、節足動物細胞、クモ類動物細胞、無脊椎動物の細胞、脊椎動物の細胞、齧歯類細胞、マウス細胞、ラット細胞、霊長類細胞、非ヒト霊長類細胞、及びヒト細胞からなる群より選択される、態様12に記載の方法。
態様17.上記接触が、DNAドナー鋳型を上記標的細胞に導入することをさらに含む、態様9〜16のいずれか1つに記載の方法。
態様18.trancRNAが、q(i)AUACCACCCGUGCAUUUCUGGAUCAAUGAUCCGUACCUCAAUGUCCGGGCGCGCAGCUAGAGCGACCUGAAAUCUGCACGAAAACCGGCGAAAGCCGGUUUUUUGU(SEQ ID NO:23);または(ii)AUACCACCCGUGCAUUUCUGGAUCAAUGAUCCGUACCUCAAUGUCCGGGCGCGCAGCUAGAGCGACCUGAAAUCU(SEQ ID NO:24)と70%以上(少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)のヌクレオチド配列の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、態様1〜17のいずれか1つの方法。
態様19.操作されたか及び/または天然には存在しない複合体を含む、組成物であって、(a)Cas12cポリペプチド、または上記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、(b)Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸であって、ここで、上記Cas12cガイドRNAが、標的核酸の標的配列に対して相補的なガイド配列を含み、かつ上記Cas12cポリペプチドに結合し得る領域を含む、上記Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び(c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、または上記Cas12c trancRNAをコードする核酸、を含む、上記組成物。
態様20.操作されたか及び/または天然には存在しない複合体を含む、キットであって、(a)Cas12cポリペプチド、または上記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、(b)Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸であって、ここで、上記Cas12cガイドRNAが、標的核酸の標的配列に対して相補的なガイド配列を含み、かつ上記Cas12cポリペプチドに結合し得る領域を含む、上記Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び(c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、または上記Cas12c trancRNAをコードする核酸、を含む、上記キット。
態様21.遺伝子修飾された真核細胞であって、(a)Cas12cポリペプチド、または上記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、(b)Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸であって、ここで、上記Cas12cガイドRNAが、標的核酸の標的配列に対して相補的なガイド配列を含み、かつ上記Cas12cポリペプチドに結合し得る領域を含む、上記Cas12cガイドRNA、または上記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び(c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、または上記Cas12c trancRNAをコードする核酸、のうちの少なくとも1つを含む、上記真核細胞。
態様22.先行する態様のいずれか1つに記載の組成物、キット、または真核細胞であって、(a)上記Cas12cポリペプチドをコードする上記核酸が、(i)上記Cas12cポリペプチドをコードし、(ii)異種プロモーターと動作可能に連結している、ヌクレオチド配列を含むこと、(b)上記Cas12cガイドRNAをコードする上記核酸が、(i)上記Cas12cガイドRNAをコードし、(ii)異種プロモーターと動作可能に連結している、ヌクレオチド配列を含むこと、及び(c)上記Cas12c trancRNAをコードする上記核酸が、(i)上記Cas12c trancRNAをコードし、(ii)異種プロモーターと動作可能に連結している、ヌクレオチド配列を含むこと、のうちの少なくとも1つを特徴とする、上記組成物、キット、または真核細胞。
態様23.患者の治療処置の方法における使用のための、先行する態様のいずれか1つに記載の組成物、キット、または真核細胞。
態様24.上記Cas12cポリペプチドをコードする上記核酸、上記Cas12cガイドRNAをコードする上記核酸、及び上記Cas12c trancRNAをコードする上記核酸のうちの少なくとも1つが、組み換え発現ベクターである、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様25.上記Cas12cガイドRNA及び/または上記Cas12c trancRNAが、修飾核酸塩基、修飾骨格または非天然ヌクレオシド間結合、修飾糖部分、ロックド核酸、ペプチド核酸、及びデオキシリボヌクレオチドのうちの1つ以上を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様26.上記Cas12cポリペプチドが、対応する野生型Cas12cタンパク質と比較して減少したヌクレアーゼ活性を有するバリアントCas12cポリペプチドである、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様27.上記Cas12cポリペプチド、上記Cas12cポリペプチドをコードする上記核酸、上記Cas12cガイドRNA、上記Cas12cガイドRNAをコードする上記核酸、上記Cas12c trancRNA、及びCas12c trancRNAをコードする上記核酸、のうちの少なくとも1つが、異種部分とコンジュゲートされる、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様28.上記異種部分が、異種ポリペプチドである、態様27に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様29.上記Cas12cポリペプチドが、対応する野生型Cas12cタンパク質と比較して減少したヌクレアーゼ活性を有し、かつ異種ポリペプチドと融合されている、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様30.上記異種ポリペプチドが、(i)DNA修飾活性を有する、(ii)転写を増加もしくは減少させる能力を示す、及び/または(iii)DNAに関連するポリペプチドを修飾する酵素活性を有する、態様29に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様31.上記Cas12cポリペプチドが、図1のCas12cタンパク質と70%以上(少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%)のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
態様32.上記ガイド配列と、上記Cas12cポリペプチドに結合する上記領域とが、互いに異種である、先行する態様のいずれか1つに記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
以下の実施例は、当業者に本発明の作成方法及び使用方法の完全な開示及び記載を提供するために提示するものであり、本発明者らが考える発明の範囲を限定することを意図するものではなく、また、以下の実験が、実施した全てまたは唯一の実験であることを表すことを意図するものでもない。使用される数値(例えば、量、温度等)に関して正確さを確保する努力がなされているが、いくらかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。別途示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧であるか、またはそれに近い。標準的な略語、例えば、bpは塩基対(複数可)、kbはキロベース(複数可)、plはピコリットル(複数可)、sまたはsecは秒(複数可)、minは分(複数可)、hまたはhrは時間(複数可)、aaはアミノ酸(複数可)、kbはキロベース(複数可)、bpは塩基対(複数可)、ntはヌクレオチド(複数可)、i.m.は筋肉内の(に)、i.p.は腹腔内の(に)、s.cは皮下の(に)、等が使用され得る。
実施例1
図2.PAM枯渇アッセイはCas12cを用いて行った。Cas12c CRISPR遺伝子座を含む大腸菌(E.coli)を、標的配列の5’または3’がランダム化された7ヌクレオチドのプラスミドライブラリーで形質転換した。標的プラスミドを選択し、形質転換体をプールした。ランダム化された領域を増幅し、ディープシーケンシング用に準備した。枯渇した配列を特定し、PAMロゴの生成に使用した(描写)。用いた閾値次第で、Cas12c_1に関して生成されたPAMロゴによって、標的及び非標的(NT)鎖(ガイドRNAとハイブリダイズする鎖ではないので、非相補鎖とも呼ばれる)の5’−TA−3’、5’−TN−3’、5’−TR−3’、5’−HN−3’、5’−HR− 3’、5’−MCTA−3’、5’−MCTR−3’、5’−CTA−3’、または5’−CTR−3’(RはAまたはGであり;かつHはA、C、またはTであり;かつMはCまたはAである)5’隣接配列を含む配列についての優先性が示された。3’PAMは検出されなかった。
図3.Cas12c CRISPR/Cas 遺伝子座(Cas12c_1 タンパク質)を、大腸菌に移入して、発現した。Cas12c遺伝子座のRNAマッピングの結果を示す(上)。さらに、Cas12cタンパク質をタグ付け及び精製し、タンパク質に関連付けられたRNAを配列決定して、RNAマッピングの結果を示す(下)。両方のマッピング結果によって、Cas1コード配列に隣接しているが、Cas1コード配列のCRISPRアレイの反対側にある、高度に転写された非コード転写物の存在が示された(小さな繰り返し整列矢印は、CRISPRアレイの繰り返しを表す)。高度に転写された非コードRNAは、CRISPR RNA(tracrRNA)をトランス活性化するため、指向性リピートと相補的ではない。トランス活性化非コードRNAは、本明細書では「trancRNA」と呼ばれる。このデータによって、trancRNAがCas12cタンパク質及びそのガイドRNAと複合体を形成することが示される(下を参照)。
図4. Cas12cタンパク質とともにプルダウン(共精製)されたRNAを、尿素−PAGEゲルで泳動し、ガイドRNAとtrancRNAの存在を確認した。
図5.ノーザンブロットにより、Cas12c遺伝子座からのtrancRNAの発現が確認された(大腸菌に移された特定の事例において)。
図6.精製された(プルダウン)複合体(Cas12cタンパク質、ガイドRNA、及びtrancRNAを含んだ)を使用して、dsDNAまたはssDNA基質に接触させ切断した。ssDNAの細断は、エキソヌクレアーゼの混入が原因である可能性が高い。ただし、標識された非標的鎖(NTS)(及びおそらく標的鎖(TS))の特定のC2c3を介した切断があるようで、ジグザグ状の切断事象が示唆されている。
本発明を、その特定の実施形態を参照して記載したが、本発明の真の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされてもよく、同等物に置き換えられてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。加えて、特定の状態、材料、物質の組成、プロセス、プロセスのステップ(複数可)を本発明の目的、主旨、及び範囲に適応させるために、多くの改変がなされてもよい。全てのそのような改変は、本明細書に添付される特許請求の範囲内であることが意図される。

Claims (32)

  1. Cas12cポリペプチドを標的核酸の標的配列に誘導する方法であって、
    前記標的核酸と、
    (a)Cas12cポリペプチド、
    (b)前記標的核酸の標的配列にハイブリダイズするガイド配列を含み、かつ前記Cas12cポリペプチドに結合する領域を含む、Cas12cガイドRNA、及び
    (c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)
    を含む、操作された及び/または非天然型の複合体とを、接触させること
    を含む、前記方法。
  2. 前記標的核酸の修飾、前記標的核酸からの転写の調節、または標的核酸に関連するポリペプチドの修飾をもたらす、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的核酸が、切断されることによって修飾される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記標的核酸が、二本鎖DNA、一本鎖DNA、RNA、ゲノムDNA、及び染色体外DNAから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ガイド配列と、前記Cas12cポリペプチドに結合する前記領域とが、互いに異種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記接触が、ゲノム編集をもたらす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記接触が、細菌細胞の外部、及び古細菌細胞の外部で起きる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記接触が、細胞の外部でインビトロで起きる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記接触が、標的細胞の内部で起きる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記接触が、
    (a)前記Cas12cポリペプチド、または前記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、
    (b)前記Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び
    (c)Cas12c trancRNA、またはCas12c trancRNAをコードする核酸
    のうちの少なくとも1つを前記標的細胞に導入することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記Cas12cポリペプチドをコードする前記核酸が、前記標的細胞における発現のためにコドン最適化された非天然型配列である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記標的細胞が、真核細胞である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記標的細胞が、インビトロで培養される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記標的細胞が、インビボである、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記標的細胞が、エクスビボである、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記真核細胞が、植物細胞、真菌細胞、単細胞真核生物、哺乳動物細胞、爬虫類細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、魚類細胞、寄生虫細胞、節足動物細胞、無脊椎動物の細胞、脊椎動物の細胞、齧歯類細胞、マウス細胞、ラット細胞、霊長類細胞、非ヒト霊長類細胞、及びヒト細胞からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  17. 前記接触が、DNAドナー鋳型を前記標的細胞に導入することをさらに含む、請求項9〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記trancRNAが、
    Figure 2021501611
    と70%以上の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 操作された及び/または天然には存在しない複合体を含む、組成物であって、
    (a)Cas12cポリペプチド、または前記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、
    (b)Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸であって、
    ここで、前記Cas12cガイドRNAが、標的核酸の標的配列に対して相補的なガイド配列を含み、かつ前記Cas12cポリペプチドに結合し得る領域を含む、
    前記Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び
    (c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、または前記Cas12c trancRNAをコードする核酸
    を含む、前記組成物。
  20. 操作された及び/または天然には存在しない複合体を含む、キットであって、
    (a)Cas12cポリペプチド、または前記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、
    (b)Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸であって、
    ここで、前記Cas12cガイドRNAが、標的核酸の標的配列に対して相補的なガイド配列を含み、かつ前記Cas12cポリペプチドに結合し得る領域を含む、
    前記Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び
    (c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、または前記Cas12c trancRNAをコードする核酸
    を含む、前記キット。
  21. 遺伝子修飾された真核細胞であって、
    (a)Cas12cポリペプチド、または前記Cas12cポリペプチドをコードする核酸、
    (b)Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸であって、
    ここで、前記Cas12cガイドRNAが、標的核酸の標的配列に対して相補的なガイド配列を含み、かつ前記Cas12cポリペプチドに結合し得る領域を含む、
    前記Cas12cガイドRNA、または前記Cas12cガイドRNAをコードする核酸、及び
    (c)Cas12cトランス活性化非コードRNA(trancRNA)、または前記Cas12c trancRNAをコードする核酸
    のうちの少なくとも1つを含む、前記真核細胞。
  22. 先行請求項のいずれか1項に記載の組成物、キットまたは真核生物細胞であって、
    (a)前記Cas12cポリペプチドをコードする前記核酸が、
    (i)前記Cas12cポリペプチドをコードし、かつ(ii)異種プロモーターと動作可能に連結している、ヌクレオチド配列
    を含むこと、
    (b)前記Cas12cガイドRNAをコードする前記核酸が、
    (i)前記Cas12cガイドRNAをコードし、かつ(ii)異種プロモーターと動作可能に連結している、ヌクレオチド配列
    を含むこと、及び
    (c)前記Cas12c trancRNAをコードする前記核酸が、
    (i)前記Cas12c trancRNAをコードし、かつ(ii)異種プロモーターと動作可能に連結している、ヌクレオチド配列
    を含むこと
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、前記組成物、キット、または真核細胞。
  23. 患者の治療処置の方法における使用のための、先行請求項のいずれか1項に記載の組成物、キット、または真核細胞。
  24. 前記Cas12cポリペプチドをコードする前記核酸、前記Cas12cガイドRNAをコードする前記核酸、及び前記Cas12c trancRNAをコードする前記核酸のうちの少なくとも1つが、組み換え発現ベクターである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  25. 前記Cas12cガイドRNA及び/または前記Cas12c trancRNAが、修飾核酸塩基、修飾骨格または非天然ヌクレオシド間結合、修飾糖部分、ロックド核酸、ペプチド核酸、及びデオキシリボヌクレオチドのうちの1つ以上を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  26. 前記Cas12cポリペプチドが、対応する野生型Cas12cタンパク質と比較して減少したヌクレアーゼ活性を有するバリアントCas12cポリペプチドである、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  27. 前記Cas12cポリペプチド、前記Cas12cポリペプチドをコードする前記核酸、前記Cas12cガイドRNA、前記Cas12cガイドRNAをコードする前記核酸、前記Cas12c trancRNA、及び前記Cas12c trancRNAをコードする前記核酸、のうちの少なくとも1つが、異種部分とコンジュゲートされる、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  28. 前記異種部分が、異種ポリペプチドである、請求項27に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  29. 前記Cas12cポリペプチドが、対応する野生型Cas12cタンパク質と比較して減少したヌクレアーゼ活性を有し、かつ異種ポリペプチドと融合されている、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  30. 前記異種ポリペプチドが、(i)DNA修飾活性を有する、(ii)転写を増加もしくは減少させる能力を示す、及び/または(iii)DNAに関連するポリペプチドを修飾する酵素活性を有する、請求項29に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  31. 前記Cas12cポリペプチドが、図1のCas12cタンパク質と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
  32. 前記ガイド配列と、前記Cas12cポリペプチドに結合する前記領域とが、互いに異種である、先行請求項のいずれか1項に記載の方法、組成物、キット、または真核細胞。
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