JP2021191667A - 無人移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高所における点検作業等を無人移動体により簡易かつ安全に実施可能とする。【解決手段】構造物の外周面を取り囲み、該構造物により移動方向が制限されることで、該構造物の外面に沿ってこれと略平行方向に移動する無人移動体により解決する。例えば、環状の枠体と、前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、を備え、前記枠体は前記構造物の外周面を取り囲むように前記構造物に装着され、前記構造物の外面に沿って昇降する無人移動体などが考えられる。【選択図】図4
Description
本発明は無人移動体技術に関する。
近年、小型の無人航空機を始めとし、様々な産業分野への無人移動体の応用が検討されている。
道路や橋梁、トンネル等のインフラ施設の老朽化、およびその保全にあたる技術者の減少問題が深刻化しており、有効な打開策の登場が望まれている。その一案として、例えば橋脚等の点検を無人航空機を用いて行うことが検討されているが、無人航空機は空中を移動するという性質上、その姿勢や位置を一定に維持することが難しく、十分な検査精度を得るためには高度な自律飛行機能や操縦スキルが必要になる。また、作業中に無人航空機が制御不能(いわゆるノーコン)に陥って飛去したときや、操縦ミス等により路上に墜落したときには、これが重大な事故につながるおそれがある。また、これを例えば壁面を這う無人移動体により行う場合でも、無人移動体が高所から落下したときの着地範囲を正確に予測することは容易ではない。
このような問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、高所における点検作業等を無人移動体により簡易かつ安全に実施可能とすることにある。
上記課題を解決するため、本発明の無人移動体は、構造物の外周面を取り囲み、該構造物により移動方向が制限されることで、該構造物の外面に沿ってこれと略平行方向に移動することをその要旨とする。
無人移動体がその作業対象の構造物を取り囲み、構造物に沿ってこれと略平行方向に移動することにより、無人移動体が落下したときの着地範囲がその構造物の根元付近に限定される。これにより、落下事故発生時の被害を機体の破損や作業のやり直しという経済的損失の範疇に収めることが可能となる。
また、本発明の無人移動体は、環状の枠体と、前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、を備え、前記枠体は前記構造物の外周面を取り囲むように前記構造物に装着され、前記構造物の外面に沿って昇降することが好ましい。枠体が構造物を取り囲むことにより、その構造物によって昇降方向以外への無人移動体の移動を制限することができる。すなわち、無人移動体の飛去を防止しつつ、空中を移動可能というその長所のみを利用することが可能となる。また、構造物によって無人移動体の移動方向が制限されることにより、無人移動体を拘束なく自由に飛行させるときよりもその位置や姿勢を安定させやすくなる。
また、本発明の無人移動体は、環状の枠体と、前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、複数の高度センサと、前記複数の高度センサの検出値に基づいて前記各ロータの回転数を制御するコントローラと、を備え、前記枠体は、前記複数のロータの相対位置の変化を該枠体の変形により所定量まで許容するものであってもよい。環状の枠体は、その環(わ)が大きくなるほど飛行中にその形状を維持することが困難となる。小型マルチコプター用の一般的なフライトコントローラは、その内部にIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)が搭載され、自身の姿勢を機体の姿勢と見なして各ロータの回転数を調節する。飛行中に機体(本発明でいう枠体)が歪むと、フライトコントローラが認識する機体の姿勢と実際の姿勢とがずれ、飛行動作に異常が生じる。一方、機体の歪みを高剛性の材料や構造によって防ぐ場合、機体の重量が著しく大きくなる。そこで本発明では、枠体のしなりや歪み(変形)をあえて許容し、複数の高度センサによって枠体の各部や各ロータの高度(対地高度または気圧高度)を把握することで、軽量かつ低剛性の枠体を用いつつ大きな構造物に対応することを可能としている。また、一般的なフライトコントローラはその制御の仕組み上、機体の中心に配置されることが望ましい。一方、本発明の枠体は環状であり枠体の中心には構造物が存在する。この場合でも、複数の高度センサを用いることにより、機体の中心から離れた位置にフライトコントローラが配置されることのデメリットが軽減される。
また、本発明の無人移動体は、環状の枠体と、前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、複数の高度センサと、前記高度センサの検出値に基づいて前記ロータの回転数を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは前記ロータごとに又は前記高度センサごとに設けられ、前記枠体は、前記複数のロータの相対位置の変化を該枠体の変形により所定量まで許容するものであってもよい。
また、前記複数の高度センサは、前記コントローラ内またはその近傍と、いずれかの前記ロータの近傍と、に配置されることが好ましい。このとき、前記複数の高度センサは、前記コントローラ内またはその近傍と、前記コントローラから最も離れた位置にある前記ロータの近傍と、に配置されてもよい。これにより必要最小限の高度センサ数で枠体の各部や各ロータの実際の高度を推測することが可能となる。
また、前記複数の高度センサは、前記各ロータのそれぞれの近傍に配置されてもよい。各ロータそれぞれの高度を個別の高度センサで測定することにより、各ロータの高度をより正確に特定することができるとともに、ロータ数の変更、つまり枠体のサイズ変更をより柔軟に行うことが可能となる。このとき、前記複数の高度センサは、前記枠体の環方向に沿ってその全周に分散するように配置されてもよい。
また、前記複数の高度センサは気圧高度センサを含んでもよい。例えばレーザー(赤外線含む)やレーダー、超音波、視差等を用いた指向性距離センサを枠体に固定した場合、枠体が大きく歪んだときにはその測定方向にも影響がでる。一方、気圧高度センサには指向性がないため、枠体が歪んでもその影響を受けにくい。当然これらを組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の無人移動体は、前記複数のロータの動力源である複数のバッテリーを有し、前記複数のバッテリーが、前記枠体の環方向に沿ってその全周に分散するように配置される構成としてもよい。一般的な小型マルチコプターは、バッテリー重量が機体全体の重量に占める割合が大きく(20%〜30%)、バッテリーの配置は機体の重量バランスに大きく影響する。また、枠体が大型化するとバッテリーのケーブル重量も無視できないものとなる。バッテリーを枠体の環方向に沿って分散配置することにより、機体の重心の偏りやバッテリーケーブルの重量を軽減することができる。
このとき、前記複数のロータは前記枠体から延びる複数のアームにそれぞれ支持され、前記複数のバッテリーはそれぞれ前記アームのいずれかに固定されることが好ましい。さらには、前記各バッテリーはいずれかの前記ロータの真下に配置されることが好ましい。アームに支持されたロータとバッテリーとが離れた位置に置かれると、ロータを駆動するモータの振動がロータとバッテリーとの間(アーム)で増幅され、これに枠体が共振するおそれがある。ロータとバッテリーとを極力近くに配置することで振動の増幅が抑えられ、枠体の共振を防ぐことができる。
また、本発明の無人移動体は、前記各ロータが水平方向にそれぞれ1m以上離れていてもよい。さらには、前記各ロータは水平方向にそれぞれ2m以上離れていてもよい。本発明によれば、枠体が大型化した場合でも、高所における構造物の点検作業等を簡易かつ安全に実施することができる。
また、本発明の無人移動体は、前記枠体が、前記構造物側に突き出した車輪を有することが好ましい。枠体に車輪が設けられることにより、枠体が構造物に引っかかることが避けられ、枠体をスムーズに移動させることが可能となる。また、車輪が構造物側に突き出す量を適宜調節することにより、枠体の水平面上の位置の乱れを防ぐこともできる。
また、本発明の無人移動体は、前記枠体が、炭素繊維強化プラスチック製のパイプ材が矩形状に組み立てられることにより構成され、前記各ロータが前記枠体の四隅に接続される構成であってもよい。
また、本発明の無人移動体は、前記構造物に対してその外周面を取り囲むように装着される環状の枠体と、前記枠体から前記構造物側に突き出した複数の車輪と、を備え、前記車輪により前記構造物の外面に沿って昇降する構成としてもよい。
このとき、前記枠体は平面視多角形状に形成され、前記枠体の各辺に相当する部材の少なくとも一部が弾性部材によりその辺に沿う方向に伸縮可能であり、前記弾性部材の復元力がその辺を短くする方向に作用する構成としてもよい。これにより車輪が構造物に押しつけられ、車輪による昇降動作が安定する。
またこのとき、本発明の無人移動体は、前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータをさらに備えてもよい。車輪(駆動輪)とロータを併用することにより、無人移動体の昇降動作をより安定して行うことができ、また駆動部が冗長化されることで故障時の安全性が高められる。
また、上記課題を解決するため、本発明の無人移動体は、空中に架け渡された線状部材の外周面を取り囲み、該線状部材により移動方向が制限されることで、該線状部材の架設方向に沿ってこれと略平行方向に飛行することをその要旨とする。
無人移動体が空中に架け渡された線状部材を取り囲み、線状部材に沿ってこれと略平行方向に飛行することにより、無人移動体の飛去が線状部材で阻止されるとともに、無人移動体の墜落を防止することができる。すなわち、無人移動体の事故リスクをコントロール下におきつつ、空中を移動可能というその長所のみを利用することが可能となる。これにより高所における線状部材の点検作業等を簡易かつ安全に実施することが可能となる。
以上のように、本発明の無人移動体によれば、高所における点検作業等を簡易かつ安全に実施することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に説明する実施形態は、複数のロータを備える無人航空機(無人移動体)であるマルチコプター10を用いて構造物Cの点検作業を行う例である。なお、以下の説明における「上」および「下」とは、各図に描かれた座標軸のZ軸に平行な方向であり、Z1側を上、Z2側を下とする。また「水平」「水平面」とは同座標軸におけるX−Y平面をいい、「水平方向」とはX−Y平面方向をいう。また、マルチコプター10や構造物Cについて「周方向」とは、これらを平面視したときのその時計回りまたは反時計回り方向をいう。
[構成概要]
図1は、本実施形態にかかるマルチコプター10の外観を示す斜視図である。図2はマルチコプター10の外観を示す平面図である。
図1は、本実施形態にかかるマルチコプター10の外観を示す斜視図である。図2はマルチコプター10の外観を示す平面図である。
マルチコプター10は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)製のパイプ材31が平面視矩形状(正方形)に組み立てられた環状の枠体30を有している。枠体30はマルチコプター10のボディフレームである。枠体30の一辺の長さは2.7mであり、各辺は2本のパイプ材31がI字ジョイント32で直線状に結合されることで構成されている。枠体30の各辺はL字ジョイント33で結合されており、L字ジョイント33は枠体30の四隅の角部を構成している。I字ジョイント32およびL字ジョイント33は、CFRP製の板材、およびアルミ製のパイプホルダや支柱等が組み合わされた継手部である。
各L字ジョイント33にはさらに、水平回転翼であるロータ40を支持するアーム34が接続されている。アーム34は枠体30の四隅から放射状に延びており、各ロータ40はアーム34の先端に取り付けられたアルミ製のモータマウントに固定されている。すなわち本形態のマルチコプター10は4基のロータ40を備えるクアッドコプターである。また、各アーム34の先端付近には、アーム34から下方に延びる棒状体であるランディングスタンド35が結合されている。アーム34およびランディングスタンド35も主にCFRP製のパイプ材からなる部材である。
[使用態様]
図4は、マルチコプター10を用いた構造物点検の様子を示す模式図である。図4の構造物Cは、例えば道路橋の橋脚などの四角柱形状の構造物である。
図4は、マルチコプター10を用いた構造物点検の様子を示す模式図である。図4の構造物Cは、例えば道路橋の橋脚などの四角柱形状の構造物である。
マルチコプター10は、その枠体30が構造部Cの外周面を取り囲むように装着される。そして、ロータ40を駆動することにより構造物Cの外面に沿って昇降する。枠体30を構造部Cに装着する際には、枠体30の一辺を枠体30から取り外し、構造物Cをその環内に納めてから再度その一辺を取り付ければよい。または、運搬時や保管時に分解された枠体30を、現場において構造物Cを取り囲むように組み立てればよい。
マルチコプター10に搭載される外部装置90は特に限定されず、本形態においては構造物Cの保全(点検・検査や補修等)に関する装置であればどのような装置であってもよい。本形態の外部装置90としては、例えばカメラや打音検査装置、超音波や電磁波による探査・探傷装置、構造物Cの損傷を補修する装置、塗料や薬剤等の塗布装置などが考えられる。
本形態では、マルチコプター10の枠体30が構造物Cを取り囲んでいることにより、作業中にマルチコプター10が制御不能に陥った場合でもマルチコプター10の飛去が防止される。また、作業中にマルチコプター10が墜落した場合でも、その被害を機体の破損や作業のやり直しという経済的損失の範疇に収めることができる。なお、作業中に枠体30が断裂した場合、各ロータ40の協働が失われてマルチコプター10はただちに墜落するため、この場合でもマルチコプター10が飛去することはない。すなわち本形態では、マルチコプター10による事故リスクを完全にコントロール下におきつつ、空中を移動可能というその長所のみを利用することができる。また、構造物Cによってマルチコプター10の移動方向が制限されていることにより、マルチコプター10を拘束なく自由に飛行させるときよりもその位置や姿勢を安定させやすくなっている。
ここで、例えば電力線や信号線、またはワイヤーなどのテザーで固定物に係留された無人航空機(いわゆるテザードローン)は、テザーによって移動範囲が制限されるものの、その固定物を中心とする半球範囲内を自由に飛行することができる。つまり、構造物Cの高さが数十メートルある場合には、半径数十メートルの半球範囲を自由に移動できるということである。そのため、テザードローンによる高所作業の事故リスクを完全にコントロールするためには、固定物を中心とする広い範囲にわたって安全策を講じる必要があり、周到な準備が求められる。一方、本形態のマルチコプター10は、構造物Cの外面に沿ってこれとほぼ平行方向にしか移動できず、墜落したとしても構造物Cの根元付近に落下する。そのため事故リスクのコントロールが容易である。
[姿勢制御機能]
図5は枠体30への高度センサの配置パターンを示す模式図である。図6−9はマルチコプター10の機能構成を示すブロック図である。以下、図5−9を参照してマルチコプター10の姿勢制御機能について説明する。
図5は枠体30への高度センサの配置パターンを示す模式図である。図6−9はマルチコプター10の機能構成を示すブロック図である。以下、図5−9を参照してマルチコプター10の姿勢制御機能について説明する。
本形態のマルチコプター10が備える枠体30は、その剛性のみによっては飛行中の各ロータ40の相対位置を一定に維持することができない。例えば枠体30の角に配置されたロータ40の一つを手で持ち上げると、その角の隣辺部分が反るようにたわみ、枠体30の形状に歪みが生じる。すなわち、枠体30は、複数のロータ40の相対位置の変化を枠体30の変形により所定量まで許容する。小型マルチコプター用の一般的なフライトコントローラは、その内部にIMUが搭載され、自身の姿勢を機体の姿勢と見なして各ロータの回転数を調節する。飛行中に機体が歪むと、フライトコントローラが認識する機体の姿勢と実際の姿勢とにずれが生じる。そのため、仮に本形態のマルチコプター10を一般的なフライトコントローラで飛行させると、枠体30がハンチング様の異常動作(バタつき)を生じる。特に、枠体30のフライトコントローラFCから最も離れた部分、つまりフライトコントローラFCが認識する枠体30の姿勢と実際の枠体30の姿勢とのずれが最も大きくなる部分でこのような症状が顕著となる。
本形態のような環状の枠体30は、その一辺の長さが長くなるほど飛行中にその形状を維持することが困難となる。一方、枠体30の歪みを高剛性の材料や構造によって防ごうとする場合、枠体30の重量が著しく大きくなるという弊害がある。そこで本形態では、枠体30の歪みをあえて許容し、複数の高度センサによって枠体30の各部や各ロータ40の高度(対地高度または気圧高度)を特定または推測することで、軽量かつ低剛性の枠体30を用いつつ大きな構造物Cに対応することを可能としている。
本形態のマルチコプター10は構造物Cの外面に沿って主に昇降方向に移動できればよい。つまり枠体30の姿勢制御に関しては、フライトコントローラFCは枠体30を水平に維持することができればその役割をほぼ果たすことができる。複数の高度センサによって各ロータ40の高度を測定・推測することができれば、フライトコントローラFCはこれらの高度を一致させることで枠体30の水平を維持することができる。また、一般的なフライトコントローラはその制御の仕組み上、機体の中心に配置されることが望ましい。一方、本形態の枠体30は環状であり、その中心には構造物Cが存在する。この場合でも、複数の高度センサを用いることにより、機体の中心から離れた位置にフライトコントローラFCが配置されることのデメリットが軽減される。
図5(a)のマルチコプター10aは、必要最小限の高度センサ数で枠体30の水平を維持する構成の例である。詳細は後述するが、マルチコプター10aの枠体30にはその四隅の一つにフライトコントローラFCが配置されている。このフライトコントローラFCには対地高度を測定するレーザ測距センサ241が付属している。フライトコントローラFCが配置された枠体30の角部の対角にあたる部分、すなわちフライトコントローラFCから最も離れた部分には、フライトコントローラFCに付属するレーザ測距センサ241とは別のレーザ測距センサ242が配置されている。以下、このフライトコントローラFCとは別に配置されたレーザ測距センサ242のことを「他のレーザ測距センサ242」ともいう。
図6は、図5(a)のマルチコプター10aの機能構成を示すブロック図である。マルチコプター10aの機能は、主に、制御部であるフライトコントローラFC、他のレーザ測距センサ242、4基のロータ40、ロータ40に電力を供給するバッテリー50、操縦者(オペレータ端末61)と通信を行う通信装置62、および外部装置90により構成されている。
フライトコントローラFCは制御装置20を有している。本形態の制御装置20は、CPUと、RAMやROM・フラッシュメモリなどの記憶装置と、を有するコントローラである。制御装置20は単体のマイクロコントローラには限られず、いわゆるコンパニオンコンピュータとの組み合わせであってもよい。その他、制御装置20を例えばFPGA(field-programmable gate array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成することも考えられる。
フライトコントローラFCはさらに、IMU21、GPS受信器22、下方に向けられたレーザ測距センサ241、および電子コンパス25を含む飛行制御センサ群Sを有しており、これらは制御装置20に接続されている。上でも述べたように、フライトコントローラFCは枠体30の四隅の一つに配置されており、その対角にあたる部分にはこれとは他のレーザ測距センサ242が配置されている。このレーザ測距センサ242も制御装置20に接続されている。
IMU21はフライトコントローラFCの傾きを検出するセンサであり、主に3軸加速度センサおよび3軸角速度センサにより構成されている。レーザ測距センサ241は下方に照射したレーザーダイオードの反射光から対地高度を取得するセンサである。電子コンパス25はフライトコントローラFCのヘディング(機首)の方位角を検出するセンサであり、主に3軸地磁気センサで構成されている。GPS受信器22は、正確には航法衛星システム(NSS:Navigation Satellite System)の受信器である。GPS受信器22は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)または地域航法衛星システム(RNSS:Regional Navigational Satellite System)から現在の経緯度値を取得する。フライトコンローラFCは、これら飛行制御センサ群Sにより、フライトコントローラFCの傾きや回転のほか、水平面上の位置(経緯度)、対地高度、および機首の方位角を含む位置情報を取得することができる。
制御装置20は、マルチコプター10aの飛行時における姿勢や基本的な飛行動作を制御する飛行制御プログラムFSを有している。飛行制御プログラムFSは、飛行制御センサ群S、および他のレーザー測距センサ242から取得した情報を基に個々のロータ40の回転数を調節し、機体の姿勢や位置の乱れを補正しながらマルチコプター10aを飛行させる。ロータ40のプロペラは固定ピッチのプロペラであり、制御装置20は、図示しないESC(Electronic Speed Controller)を介して個々のロータ40の回転数を調節することで枠体30の姿勢や位置を制御する。
上でも述べたように、マルチコプター10aの枠体30は各ロータ40の相対位置が変化するとその形状が歪む。枠体30の形状が歪むと、フライトコントローラFCがそのIMU21により認識する枠体30の姿勢と、実際の枠体30の姿勢とにずれが生じることとなる。このずれが最も大きくなる部位に他のレーザー測距センサ242を配置し、その部位の実際の高度を取得することで、フライトコントローラFCはその認識のずれを計算によって補正することが可能となる。これによりフライトコントローラFCは枠体30の歪みを修復し、枠体30の水平を維持する。
また、制御装置20はさらに、マルチコプター10aを自動的に飛行させるプログラムである自律飛行プログラムAPを有している。そして、制御装置20には、マルチコプター10aを昇降させる高度やその移動速度、停止位置、停止時間などが指定されたパラメータである飛行計画FPが登録されている。自律飛行プログラムAPは、オペレータ端末61からの指示を開始条件として、飛行計画FPに従ってマルチコプター10aを自律的に飛行させることができる。なお、通信装置62に3GやLTE、5Gモジュールを搭載することで、遠隔地からマルチコプター10aを操作することも可能である。
図5(b)のマルチコプター10bは、枠体30の水平をより正確に維持可能な構成の例である。図7は、図5(b)のマルチコプター10bの機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、マルチコプター10aの各構成と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(b)に示すように、マルチコプター10bでは、枠体30における各ロータ40の近傍にそれぞれレーザ測距センサ242が配置されている。各ロータ40の高度を個別のレーザ測距センサ242で測定することにより、これらロータ40の高度をより正確に特定することができる。さらには、ロータ40の数の変更、つまり枠体30のサイズ変更をより柔軟に行うことが可能となる。また、マルチコプター10bのフライトコントローラFCにはレーザ測距センサ241ではなく気圧高度センサ231が内蔵されているが、飛行制御プログラムFSによる姿勢制御は主にレーザ測距センサ242の出力値に基づいて行われ、気圧高度センサ231の出力値は補助的に用いられるにすぎない。なお、レーザ測距センサ242は各ロータ40の真下に配置されてもよい。
図8は、マルチコプター10bの機能構成の変形例である。図11は枠体30の環内に車輪36を取り付けた例を示す平面図である。上でも述べたように、本形態のマルチコプター10は構造物Cの外面に沿って主に昇降方向に移動するものであり、枠体30の姿勢制御に関しては、フライトコントローラFCは枠体30を水平に維持できれば足りる。そして、図11に示す例のように、構造物C側に突き出した車輪36をマルチコプター10bの枠体30に設けることで、マルチコプター10bの昇降時に枠体30が構造物Cに引っかかることが防止される。これに加え、車輪36が構造物C側に突き出す量を調節して枠体30が水平方向に揺動する余地をなくすことで、枠体30の水平面上の位置の乱れを防ぐこともできる。
上記のような構成とすることにより、フライトコントローラFCの機能を簡略化することができる。具体的には、枠体30の姿勢および高度をレーザ測距センサ242の出力値に基づいて制御し、水平面上の位置や機首方向を構造物Cで拘束することにより、フライトコントローラFCの飛行制御センサ群Sを省略することができる。また、マルチコプター10bは限られた範囲内を上下に移動するにすぎないため、自律飛行プログラムAPを省略することも比較的容易であると考えられる。また、橋脚のような構造物の近くではGPSによる測位精度が低下するという課題がある。この変形例のマルチコプター10bによれば、枠体30の水平面上の位置をGPSによらずに安定させることができる。
図5(c)のマルチコプター10cは、姿勢の水平維持に気圧高度センサを用いる構成の例である。図9は、図5(c)のマルチコプター10cの機能構成を示すブロック図である。
図5(c)に示すように、マルチコプター10cのフライトコントローラFCには気圧高度センサ231が内蔵されている。そしてマルチコプター10cの枠体30には、フライトコントローラFCに内蔵された気圧高度センサ231とは別の気圧高度センサ232(以下、このフライトコントローラFCとは別に配置された気圧高度センサのことを「他の気圧高度センサ232」ともいう。)が枠体30の環方向に沿って全周に分散するように配置されている。より具体的には、枠体30の各辺の中心にフライトコントローラFC(気圧高度センサ231)または他の気圧高度センサ232が配置されている。枠体30の全周に気圧高度センサ231,232が分散配置されていることにより、枠体30の各部の高度をより正確に特定できるとともに、ロータ40の数の変更、つまり枠体30のサイズ変更をより柔軟に行うことが可能とされている。
例えばレーザ測距センサや、深度センサ、ミリ波レーダー、超音波測距センサ、ステレオカメラ等、指向性の測距センサを枠体30に固定した場合、気圧高度センサ231,232よりも正確な高度(対地高度)を測定可能である一方、枠体30が大きく歪んだときにはその測定精度にも影響がでる。一方、気圧高度センサ231,232には指向性がなく、枠体30が歪んでもその影響を受けにくい。また、気圧高度センサ231,232には地表との距離の制限(計測可能距離)がないという利点もある。マルチコプター10bのように指向性の測距センサと気圧高度センサとを組み合わせて使用することも有意である。
図10は、ロータ40ごとに設けられた複数のレーザ測距センサ242に加え、さらにロータ40ごとにフライトコントローラFCを設けた例を示す平面図である。図10のマルチコプター10dでは、枠体30の四隅においてロータ40、フライトコントローラFC、レーザ測距センサ242、通信装置62、及びバッテリー50がユニット化されている。これらユニットはオペレータ端末61から送信された操縦信号をそれぞれが受信し、それぞれが独立してロータ40を駆動する。図10のフライトコントローラFCは図8に示すものよりもその役割が単純化されており、オペレータ端末61からの指示に従いそのペアとなるロータ40の高度を調節する。
一般に流通するマルチコプターは、そのロータの配置構成や飛行中の内界/外界情報が一基のフライトコントローラに集約され、そのフライトコントローラが全てのロータを一元的に制御することで操縦信号に応じた飛行動作を実現する。このような構成では当然、フライトコントローラと各機器は信号線や電力線で接続される。一方、マルチコプター10dではフライトコントローラFCがロータ40ごとに設けられ、ロータ40の駆動に必要となる周辺装置もロータ40ごとにユニット化されている。そのため枠体30を構成するパイプ材31に信号線や電力線を通す必要がない。これにより枠体30の各辺を構成する部材の自由度が高められ、また、ロータ40の数の増減や枠体30の変形をより柔軟に行うことが可能となる。
なお、例えば枠体30の四隅がそれぞれ多重化されたロータ40で支持されている場合など、一つのフライトコントローラFCで複数のロータ40を同時にかつ同様に駆動する場合には、四隅の高度を測定するレーザ測距センサ242ごとにフライトコントローラFCを設けることも考えられる。また、図10の例ではロータ40の制御に必要となるフライトコントローラFC、レーザ測距センサ241、通信装置62、及びバッテリー50の全てがユニット化されているが、フライトコントローラFCをロータ40ごとに、又はレーザ測距センサ242ごとに設けるだけでも上記効果の少なくとも一部は得ることができる。
[電力供給構造]
図2に示すように、本形態のマルチコプター10は各ロータ40の近傍にそれぞれのバッテリー50が配置されている。より具体的には、各バッテリー50は枠体30のL字ジョイント33に固定されている。本形態のマルチコプター10はそのボディフレームである枠体30が軽量・低剛性であり、バッテリー50の重量が機体全体の重量に占める割合が大きくなっている。そのためバッテリー50の配置は機体の重量バランスや枠体30の歪み方に大きく影響する。また、本形態の枠体30はその一辺が2.7mあり、ロータ40がバッテリー50から離れて配置されるとバッテリーケーブルの重量も無視できないものとなる。そこで本形態では、各ロータ40の近傍にバッテリー50を分散配置することで機体の重心の偏りを防ぎ、また、バッテリーケーブルの重量を軽減している。
図2に示すように、本形態のマルチコプター10は各ロータ40の近傍にそれぞれのバッテリー50が配置されている。より具体的には、各バッテリー50は枠体30のL字ジョイント33に固定されている。本形態のマルチコプター10はそのボディフレームである枠体30が軽量・低剛性であり、バッテリー50の重量が機体全体の重量に占める割合が大きくなっている。そのためバッテリー50の配置は機体の重量バランスや枠体30の歪み方に大きく影響する。また、本形態の枠体30はその一辺が2.7mあり、ロータ40がバッテリー50から離れて配置されるとバッテリーケーブルの重量も無視できないものとなる。そこで本形態では、各ロータ40の近傍にバッテリー50を分散配置することで機体の重心の偏りを防ぎ、また、バッテリーケーブルの重量を軽減している。
図3はバッテリー50のその他の配置例を示す図である。ロータ40とバッテリー50とが離れて配置された場合、ロータ40を駆動するモータの振動がロータ40とバッテリー50との間(アーム34)で増幅され、枠体30がこれに共振するおそれがある。例えばロータ40を支持するアーム34にバッテリー50を固定したり、さらにはロータ40の真下にバッテリー50を配置したりするなど、バッテリー50を極力ロータ40の近くに配置することで、振動の増幅を抑え、枠体30の共振を防ぐことができる。
図12および図13は、バッテリー50によらないマルチコプター10の給電構造の例を示す模式図である。例えば図12のように、地上に設置された電力源95とマルチコプター10とを電力線96で接続し、地上からマルチコプター10に電力を供給してもよい。電力源95として例えば大容量の電源や発電機を採用すれば、マルチコプター10による長時間の連続作業が可能となる。また、図13の例のように構造部Cの上から電力線96を吊り下げることができれば、マルチコプター10が支持する電力線96の重量が減り、各ロータ40の負担が軽減される。つまり、より重い外部装置90を搭載することが可能となる。
またマルチコプター10は、枠体30の歪みをあえて許容し、複数の高度センサによって枠体30の水平を維持することで大きな構造物Cに対応しているが、例えば枠体30の歪みを高剛性の材料や構造によって防ぐとともに、ロータ40をそれ相応の高出力のロータ40に替え、連続作業時間の課題を上述の有線給電方式で解消させることも考えられる。
また、これまでの例は構造物Cとして道路橋の橋脚などを想定したものである。橋脚の上には桁や床版があり、マルチコプター10の上方への移動範囲はこれにより制限される。例えば構造物Cが橋脚ではなく道路トンネルの換気塔のように天井面のない構造物である場合、図13に示されるように、マルチコプター10をウインチ93のワイヤー94等で係留することが望ましい。
[他の実施形態および変形例]
図14は枠体30の変形例を示す模式図である。上記実施形態の枠体30は一辺が2.7mの正方形の枠体であるが、本発明の枠体の形状は正方形等の矩形状には限られない。本発明の枠体は、構造物の外周面を取り囲むものであればその形状は限定されず、例えば円形や楕円形(図14(a))、他の多角形(図14(b)(c))であってもよく、その他、構造物の複雑な形状に合わせた任意の形状としてもよい。
図14は枠体30の変形例を示す模式図である。上記実施形態の枠体30は一辺が2.7mの正方形の枠体であるが、本発明の枠体の形状は正方形等の矩形状には限られない。本発明の枠体は、構造物の外周面を取り囲むものであればその形状は限定されず、例えば円形や楕円形(図14(a))、他の多角形(図14(b)(c))であってもよく、その他、構造物の複雑な形状に合わせた任意の形状としてもよい。
さらに、本形態の無人航空機は、構造物の外周面を取り囲み、該構造物により移動方向が制限されることで、該構造物の外面に沿ってこれと略平行方向に飛行するものであればよく、構造物の外周面を取り囲むものは必ずしも硬質の枠体30には限られない。図15は、構造物Cを取り囲むワイヤー92を備えるマルチコプター11の例である。マルチコプター11は図14(c)の枠体30cを採用し、3基のロータ40を備えるトライコプターである。マルチコプター11はマルチコプター10のように複数の高度センサを備えず一般的なフライトコントローラで飛行する。なおマルチコプター11は一般的なクアッドコプターであってもよい。
マルチコプター11は、ワイヤー92がその作業対象の構造物Cを取り囲んでいることにより、作業中にマルチコプター11が制御不能に陥った場合でもマルチコプター11の飛去が防止される。また、作業中にマルチコプター11が墜落した場合でもその被害を機体の破損や作業のやり直しという経済的損失の範疇に収めることが可能とされている。これによりマルチコプター11の事故リスクをコントロール下におきつつ、空中を移動可能というその長所のみを利用することができる。
なお、作業中にワイヤー92が断線した場合にはマルチコプター11が飛去するおそれがあるため、ワイヤー92自体の強度やマルチコプター11との接続部の強度には注意が必要である。また、構造物Cの表面がなめらかでないときは、ワイヤー92が構造物Cに引っ掛かることを防ぐ何らかの対策をとる必要がある。例えば、ワイヤー92のうち構造物Cの角部に対応する部分にローラーを設けたり、ワイヤー92を他のワイヤー等で上方に吊り上げたりすることが考えられる。
図16は、鉄塔に架設された送電線Lの点検作業を行うマルチコプター12の例である。上記実施形態におけるマルチコプター10は、フレームボディである枠体30で構造物Cを取り囲み、これによりマルチコプター10の飛去等を防止する。かかる思想は構造物Cの保全のみでなく、例えば鉄塔に支持された送電線Lなど、空中に架け渡された線状部材の保全にも応用することができる。
マルチコプター12は4基のロータ40を備えるクアッドコプターであり、送電線Lの外周面を取り囲む環状の枠体30dを備えている。マルチコプター12はマルチコプター10のように複数の高度センサは備えておらず一般的なフライトコントローラで飛行する。マルチコプター12は送電線Lにより移動方向が制限されることで、送電線Lの架設方向に沿ってこれと略平行方向に飛行する。
本実施形態では枠体30dで送電線Lを取り囲むことによりマルチコプター12の飛去が阻止されるとともに、マルチコプター12の墜落が防止される。すなわち、マルチコプター12の事故リスクをコントロール下におきつつ、空中を移動可能というその長所のみを利用することが可能となる。これにより高所における線状部材の点検作業等を簡易かつ安全に実施することが可能となる。
図17は本発明の無人移動体の他の実施形態である壁面走行ロボット13を示す平面図である。図18は壁面走行ロボット13の機能構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、先の実施形態の各構成と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本形態の壁面走行ロボット13は、構造物Cに装着される枠体30と、枠体30から構造物C側に突き出した複数の車輪37と、を備えている。壁面走行ロボット13はロータ40を備えず、モータによって駆動する車輪37により構造物Cの壁面に沿って昇降する。壁面走行ロボット13の制御装置20は各車輪37の動作を制御する走行制御プログラムDSを有している。制御装置20はオペレータ端末61からの指示に従い、枠体30の各辺に配置されたレーザ測距センサ242の出力値に基づいて、枠体30の水平を維持しながら壁面走行ロボット13を昇降させる。また本形態の壁面走行ロボット13は、車輪37で構造物Cの角を捉えるように、車輪37が枠体30の四隅に寄せて配置されている。
また、枠体30の各辺には、その2本のパイプ材31の間に伸縮部38が設けられている。伸縮部38には引張コイルばねが内蔵されており、伸縮部38の内部ではこれらのパイプ材31がそのコイルばねで連結されている。枠体30が構造物Cに装着されることで各コイルばねは伸張し、これにより車輪37が構造物Cに押しつけられる。なお伸縮部38の構造は本形態のものには限られず、枠体の各辺に相当する部材の少なくとも一部が弾性部材によりその辺に沿う方向に伸縮可能であり、弾性部材の復元力がその辺を短くする方向に作用していればよく、例えば枠体30の車輪37が配置された四隅部分のみを硬質の部材で構成し、その他の部分をゴム材などの弾性部材で構成することも考えられる。
また、壁面走行ロボット13に上記実施形態のロータ40を組み合わせてもよい。このときの壁面走行ロボット13の外観はおおむね図11に示すようなものとなる。駆動輪である車輪37とロータ40とを併用することにより、壁面走行ロボット13の昇降動作をより安定して行うことができ、また駆動部が冗長化されることで故障時の安全性が高められる。なお車輪37に組み合わせられるロータは上記実施形態のロータ40と同一物である必要はなく、例えば、車輪37を構造物Cに押しつける方向に推力を生じさせるロータや、常時定出力で回転するロータ、壁面走行ロボット13の上昇時にのみ駆動されるロータ、車輪37の駆動力が不足したときにのみ駆動されるロータなどであってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
C:構造物,L:送電線,10,11,12:マルチコプター(無人移動体),13:壁面走行ロボット(無人移動体),FC:フライトコントローラ(コントローラ),20:制御装置,FS:飛行制御プログラム,AP:自律飛行プログラム,FP:飛行計画,DS:走行制御プログラム,S:飛行制御センサ群,21:IMU,22:GPS受信器,23:気圧高度センサ(高度センサ),24:レーザ測距センサ(高度センサ),25:電子コンパス,30:枠体,31:パイプ材,32:I字ジョイント,33:L字ジョイント,34:アーム,35:ランディングスタンド,36:車輪,37:車輪,38:伸縮部,40:ロータ,50:バッテリー,61:オペレータ端末,62:通信装置,90:外部装置,92:ワイヤー,93:ウインチ,94:ワイヤー,95:電力源,96:電力線
Claims (20)
- 構造物の外周面を取り囲み、該構造物により移動方向が制限されることで、該構造物の外面に沿ってこれと略平行方向に移動する無人移動体。
- 環状の枠体と、
前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、を備え、
前記枠体は前記構造物の外周面を取り囲むように前記構造物に装着され、
前記構造物の外面に沿って昇降することを特徴とする請求項1に記載の無人移動体。 - 環状の枠体と、
前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、
複数の高度センサと、
前記複数の高度センサの検出値に基づいて前記各ロータの回転数を制御するコントローラと、を備え、
前記枠体は、前記複数のロータの相対位置の変化を該枠体の変形により所定量まで許容することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無人移動体。 - 環状の枠体と、
前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータと、
複数の高度センサと、
前記高度センサの検出値に基づいて前記ロータの回転数を制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは前記ロータごとに又は前記高度センサごとに設けられ、
前記枠体は、前記複数のロータの相対位置の変化を該枠体の変形により所定量まで許容することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無人移動体。 - 前記複数の高度センサは、前記コントローラ内またはその近傍と、いずれかの前記ロータの近傍と、に配置されることを特徴とする請求項3に記載の無人移動体。
- 前記複数の高度センサは、前記コントローラ内またはその近傍と、前記コントローラから最も離れた位置にある前記ロータの近傍と、に配置されることを特徴とする請求項5に記載の無人移動体。
- 前記複数の高度センサは、前記各ロータのそれぞれの近傍に配置されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の無人移動体。
- 前記複数の高度センサは、前記枠体の環方向に沿ってその全周に分散するように配置されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の無人移動体。
- 前記複数の高度センサは気圧高度センサを含むことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の無人移動体。
- 前記複数のロータの動力源である複数のバッテリーを有し、
前記複数のバッテリーは、前記枠体の環方向に沿ってその全周に分散するように配置されることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか一項に記載の無人移動体。 - 前記複数のロータは前記枠体から延びる複数のアームにそれぞれ支持され、
前記複数のバッテリーはそれぞれ前記アームのいずれかに固定される請求項10に記載の無人移動体。 - 前記各バッテリーはいずれかの前記ロータの真下に配置される請求項10または請求項11に記載の無人移動体。
- 前記各ロータは水平方向にそれぞれ1m以上離れていることを特徴とする請求項2から請求項12のいずれか一項に記載の無人移動体。
- 前記各ロータは水平方向にそれぞれ2m以上離れていることを特徴とする請求項13に記載の無人移動体。
- 前記枠体は、前記構造物側に突き出した車輪を有することを特徴とする請求項2から請求項14のいずれか一項に記載の無人移動体。
- 前記枠体は、炭素繊維強化プラスチック製のパイプ材が枠状に組み立てられることにより構成され、
前記各ロータは前記枠体の四隅に接続されることを特徴とする請求項2から請求項15のいずれか一項に記載の無人移動体。 - 前記構造物に対してその外周面を取り囲むように装着される環状の枠体と、
前記枠体から前記構造物側に突き出した複数の車輪と、を備え、
前記車輪により前記構造物の外面に沿って昇降することを特徴とする請求項1に記載の無人移動体。 - 前記枠体は平面視多角形状に形成され、
前記枠体の各辺に相当する部材の少なくとも一部は、弾性部材によりその辺に沿う方向に伸縮可能であり、
前記弾性部材の復元力はその辺を短くする方向に作用することを特徴とする請求項17に記載の無人移動体。 - 前記枠体に接続された複数の水平回転翼であるロータをさらに備えることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の無人移動体。
- 空中に架け渡された線状部材の外周面を取り囲み、該線状部材により移動方向が制限されることで、該線状部材の架設方向に沿ってこれと略平行方向に飛行する無人移動体。
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