JP2021186345A - 肺機能検査装置の較正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オペレータがバルブ切り替えに係る操作をすることなく1個の較正ポンプの押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができる肺機能検査装置の較正装置を提供する。【解決手段】オペレータが押し/引きする較正ポンプ10は、大気、DLco測定装置、及び検査ガス用バッグ20にそれぞれ独立に接続可能に構成する。各系統は気圧作動弁31,32,33によって独立に開閉可能に構成すると共に、各気圧作動弁31,32,33は第1から第3電磁弁41,42,43によって別個独立に制御可能に構成する。一方、検査ガス用バッグ20は、電磁ポンプ60とガスボンベ90に対し選択的に接続可能に、第4及び第5電磁弁44,45によって構成する。較正ポンプ10の動作の各フェーズにおける各電磁弁41,42,43,44,45及び電磁ポンプ60の開閉状態及び動作状態は、コントローラ70によって制御可能に構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、肺機能検査装置の較正装置に関し、更に詳細には、オペレータがバルブ切り替えに係る操作をすることなく1個の較正ポンプの押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができる肺機能検査装置の較正装置に関する。
ヒトの肺は無数の肺胞から構成されている。肺胞では肺毛細血管を通して、呼吸による酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)が行われている。ヒトが息を吸うと、酸素が肺胞から肺毛細血管(動脈血)を通じて体内に運ばれる一方、ヒトが息を吐くと、二酸化炭素が肺毛細血管(静脈血)から肺胞を通じて体外に排気される。
このように呼吸による酸素と二酸化炭素のガス交換は、濃度の高低によって物質が移動する「拡散」と呼ばれる物理現象によってなされている。つまり、酸素は、濃度の高い肺胞から濃度の低い肺毛細血管(動脈血)へ移動し、二酸化炭素は濃度の高い肺毛細血管(静脈血)から濃度の低い肺胞へと自然に移動している。ヒトの肺の酸素と二酸化炭素のガス交換能力については、肺拡散能力(DLco)と呼ばれ、一酸化炭素(CO)を用いた測定方法が広く用いられている。
肺拡散能力(DLco)は、「1分間に肺毛細血管膜を通って拡散するCO量(ml/分)」/平均肺胞気CO分圧」として規定される。導出過程については省略するが、0℃、760mmHgの標準状態(STPD)での肺拡散能力(DLco’)は下記式1で示される算出式で定量的に求められる。
(式1):DLco’=V’・1000・60/{(PB−47)・BHT}×ln(FACO(0)/FACO)
なお、上記「V’」は標準状態(STPD)での肺胞容量であり、Heガス希釈法によって下記式2で示される算出式で求められる。
(式2):V’=VI×(FIHe/FAHe)×(BTPS→STPD変換係数)
ここで、「VI」は、被検者が吸った4種混合ガスの、体内状態(BTPS)におけるガス容量のことを意味している。なお、4種混合ガスとは各濃度が既知の4種類のガスから成る混合ガス(例えば一酸化炭素:0.3%未満、ヘリウム:約10%、酸素:約21%、窒素:残り)(以下、「検査ガス」という。)のことを意味している。「体内状態(BTPS)」とは、37℃、713mmHgの環境状態を意味している。
また、式2中の「FIHe」は、被検者が吸った上記検査ガス中のHeガス濃度(約10%)を意味している。さらに、式2中の「FAHe」は、被検者が吐いたガス中のHeガス濃度を意味している。また、式2中の「BTPS→STPD変換係数」とは標準状態(STPD)におけるガス容積を体内状態(BTPS)におけるガス容量に変換するための係数を意味しており、定量的には「0.826」の値に等しい。
再び式1に戻って、式1中の「PB」は、大気圧を意味している。同「47」は、体温(37℃)での飽和水蒸気圧(mmHg)を意味している。同「BHT」は、被検者が呼吸を停止する時間(秒)のことを意味している。同「FACO」は、血液に摂取された後の肺胞でのCO濃度を意味している。同「FACO(0)」は、血液に摂取される前の肺胞でのCO濃度を意味しており、下記式3で示される算出式で求められる。
(式3):FACO(0)=FAHe/FIHe×FICO
なお、「FICO」は、被検者が吸う上記検査ガス中のCOガス濃度(0.3%未満)を意味している。繰り返しとなるが「FIHe」は、被検者が吸った上記検査ガス中のHeガス濃度(約10%)を意味している。同じく繰り返しとなるが「FAHe」は、被検者が吐いたガス中のHeガス濃度のことを意味している。
図17から図21は、従来のDLco測定装置を用いた肺拡散能力(DLco)の検査手順の概要を示す説明図である。DLco測定装置は、被検者が吸い込む検査ガスを取り込む「吸気バッグ」被検者が検査ガスを吸い込んで吐き出した息を取り込む「呼気バッグ」とを備えたチャンバと、「吸気バッグ」又は「呼気バッグ」に取り込まれた検査ガスの容積、或いは「吸気バッグ」又は「呼気バッグ」から取り出された検査ガスの容積を測定するローリングシール型スパイロメータと、「呼気バッグ」に検査ガスを供給し、又は「呼気バッグ」から呼気ガスを取り出して呼気ガス中のヘリウムの濃度および一酸化炭の濃度を測定するガス供給・検査部とから構成される。上記チャンバについては例えば下記特許文献1に記載されている。また上記ローリングシール型スパイロメータについては例えば下記特許文献2に記載されている。また上記ガス供給・検査部については例えば下記特許文献1に記載されている。
先ず、図17に示されるように、各濃度が既知の上記検査ガスをDLco測定装置の吸気バッグに溜める。
次に、図18に示されるように、被検者は息を可能な限り目一杯体外に吐き出す。吐き出した息はローリングシール型スパイロメータのシリンダ内に取り込まれ、その容積が測定される。詳細については省略するがピストンにはピストンの位置を測定するポテンションメーター(図示せず)が接続されている。ポテンションメーターの測定値からピストンの移動量が算出され、算出されたピストンの移動量に基づいてシリンダ増加容積が算出される。このシリンダ増加容積は、被験者が吐いた息の容積に相当する。
次に、図19に示されるように、被検者は息をこれ以上吐き出すことが出来なくなった状態(最大呼気位)に達したときに、吸気バッグに予め溜めておいた上記検査ガスをこれ以上吸うことができない状態(最大吸気位)まで目一杯吸い込む。この場合、吸気バックから減った検査ガスの容量により、チャンバー内は陰圧になる。チャンバー内が陰圧になることにより、ローリングシール型スパイロメータのシリンダ内の空気がチャンバー内に移動する。チャンバー内に移動した空気の容量は被検者が吸気バッグから吸った検査ガスの容量(VI)に相当する。チャンバー内に移動した空気の容量は、ローリングシール型スパイロメータによって測定される。
被検者が吸い込んだ検査ガス中の一酸化炭素COは肺胞を介して肺毛細血管内に取り込まれる(これを「拡散」と言う。)。なお、検査ガス中のヘリウムHeは肺毛細血管内に取り込まれない。
次に、被検者は最大吸気位に達したときに、約10秒間呼吸を停止する。この呼吸停止時間に一酸化炭素COは被検者の血液中に取り込まれる一方、ヘリウムHeは被検者の血液中に取り込まれない。
次に、図20に示されるように、被検者は息を呼気バックに一気に吐き出す。呼気バックが膨らむことでチャンバー内は陽圧になる。チャンバー内が陽圧になることにより、空気がチャンバー内からローリングシール型スパイロメータに移動する。
なお、被検者が吐き出す呼気ガスについて、サンプリングされる(呼気バックに入る)のは750ml〜1750mlの呼気ガスである。従って、吐き出しから750mlの呼気ガス、1750ml以上の呼気ガスについては廃棄される。サンプリング又は廃棄の切り換えについては、バルブが自動的に切り替わることによって行われる。バルブの切り換えについては、コントローラが被検者の吐き出す量をチェックしながらバルブを切り換えている。
次に、図21に示されるように、サンプリングした呼気ガスはポンプP1によって呼気バックから取り出されて分析される。取り出された呼気ガスは、乾燥剤を通され水分を除去された後、COセンサによって二酸化炭素濃度が測定される。水分を除去された呼気ガスは吸収剤(ソーダライム)を通され二酸化炭素COを除去される。水分と二酸化炭素を除去された呼気ガスは、Heセンサによってヘリウム濃度が測定される。
この測定されたヘリウム濃度は、上記式2及び上記式3において「FAHe」として使用される。その後呼気ガスはCOセンサを通され一酸化炭素濃度が測定される。この一酸化炭素濃度は、上記式1において「FACO」として使用される。なお、「FICO」及び「FIHe」は既知より、上記式3より血液に摂取される前の肺胞でのCO濃度「FACO(0)」が求まる。さらに上記式2より被検者の標準状態(STPD)での肺胞容量「V’」が求まる。これにより、上記式1より、標準状態(STPD)での被検者の肺拡散能力(DLco’)が求まる。
なお、被検者が吸気バッグから吸った検査ガスの容量(VI)については、チャンバのバルブヘッドに残留する空気の容量(バルブヘッド死腔量)が含まれる。そのため、上記式2に示される体内状態における肺胞容量(BTPS)の算出において、上記”VI×(FIHe/FAHe)”から上記バルブヘッド死腔量を控除する必要がある。
ところで、上記肺拡散能力(DLco)測定装置の較正装置として、第1ポンプと第2ポンプからなる2組の往復式のポンプと、これら2組のポンプとDLco測定装置とを連結する三つ叉マニフォールドとを備えたDLco測定装置の較正装置が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。三つ叉マニフォールドには、DLco測定装置に対し第1ポンプ又は第2ポンプの何れか一方を選択的に接続するマルチ位置切替弁が設けられている。更に、三つ叉マニフォールド内の第2ポンプに通じる流路には、標準試験ガスを供給するための流量調整弁、ガスを逃がすためのベント弁及び圧を逃すためのリリーフ弁がそれぞれ設けられている。
特開2000−37368号公報 特開2017−86704号公報 米国特許明細書第6415642号
上記特許文献3に記載されたDLco測定装置の較正装置は、DLco測定装置からの検査ガスを取り込むための第1ポンプと、標準試験ガスを取り込むための第2ポンプという2つのポンプが必要になるため、較正装置全体のサイズが大型化ひいては重量増加するという問題がある。
また、操作者は、第1ポンプ及び第2ポンプという2つのポンプの手動操作に加えて、マルチ位置切換弁、流量調整弁およびベント弁という3つのバルブ切り替えに係る手動操作が別途必要となる。その結果、較正装置の操作が複雑になり、複数の操作者が必要になると共に、上記3つのバルブ切り替えを記した作業手順書が別途必要になる。その結果、DLco測定装置の較正作業に要する作業コストが増大するという問題がある。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、オペレータがバルブ切り替えに係る操作をすることなく1個の較正ポンプの押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができる肺機能検査装置の較正装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る肺機能検査装置の較正装置は、1個のポンプ(10)によってヒトの肺の吸気動作および呼気動作を模擬可能な肺機能検査装置の較正装置(100)であって、前記ポンプ(10)の吐出/吸込部(30)は独立した系統(L1、L2、L3)によって、ヒトの息を模した検査ガス(IG2)を貯めるガス貯蔵部(20)、前記肺機能検査装置(50)又は大気に対し接続可能に構成され、各系統(L1、L2、L3)は独立した第1バルブ(31)、第2バルブ(32)又は第3バルブ(33)によって自動的に開閉可能に構成されていることを特徴とする。
上記構成では、第1バルブ(31)から第3バルブ(33)を自動的に操作することにより、ヒトの吸気動作の模擬においては、較正ポンプ(10)を肺機能検査装置(50)のみに連通させ肺機能検査装置(50)からヒトの吸気を模した第1検査ガス(IG1)を較正ポンプ(10)内に取り込むことが可能となる。一方、呼気動作においては、始め較正ポンプ(10)を大気にのみに連通させ、取り込んだ第1検査ガス(IG1)を排気し、続いてガス貯蔵部(20)のみに連通させることにより、ヒトの呼気を模した第2検査ガス(IG2)を較正ポンプ(10)内に取り込むことができる。そして、較正ポンプ(10)を肺機能検査装置(50)のみに連通させることにより、取り込んだ第2検査ガス(IG2)を肺機能検査装置(50)に吐き出すことが可能となる。これにより、1個の較正ポンプ(10)の押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができるようになる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第2の特徴は、前記第1から第3バルブ(31、32、33)はガスの圧力によって開閉される気圧作動弁であることである。
上記構成では、第1から第3バルブ(31、32、33)はガスの圧力によって開閉されるため、オペレータが直接にバルブ操作をする必要がなくなる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第3の特徴は、前記ガスは、制御装置(70)からの指令によって開閉制御される電子制御弁(41、42、43)を介して供給されることである。
上記構成では、第1から第3バルブ(31、32、33)は上記電子制御弁(41、42、43)を介して制御装置(70)によって制御されることになるため、バルブ切り替えが制御装置(70)によって自動的に行われるようになる。その結果、少なくとも前記第1から第3バルブ(31、32、33)については、前記肺機能検査装置(50)の較正作業における各フェーズに応じて制御装置(70)によって自動的に開閉されることになる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正作業の第4の特徴は、前記ガスは前記検査ガス(IG2)と同じ組成であることである。
上記構成では、第1から第3バルブ(31、32、33)を通して駆動用ガスがポンプ(10)内に漏洩することが発生したとしても、駆動用ガスは検査ガス(IG2)と同じ組成であるため、肺機能検査値(DLCO’測定値)の測定に対し何ら影響を及ぼすことはない。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第5の特徴は、前記ガス貯蔵部(20)は並列した系統(L4、L5)によって、吸引ポンプ(60)又は前記検査ガス(IG2)のガス源(90)に対し選択的に接続可能に構成され、各系統(L4、L5)は独立した第4バルブ(44)又は第5バルブ(45)によって自動的に開閉可能に構成されていることである。
上記構成では、肺機能検査装置に対する較正の準備段階として、ガス貯蔵部(20)に対する検査ガス(IG2)の洗い出し、又は検査ガス(IG2)の供給を自動的に実施することができる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第6の特徴は、前記第4バルブ(44)及び前記第5バルブ(45)は、制御装置(70)からの指令によって開閉制御されることである。
上記構成では、ガス貯蔵部(20)に対する検査ガス(IG2)の供給については、制御装置(70)によって自動的に行われるようになる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第7の特徴は、前記吸引ポンプ(60)は、制御装置(70)からの指令によってオン/オフ制御されることである。
上記構成では、ガス貯蔵部(20)に対する検査ガス(IG2)の洗い出しについては、制御装置(70)によって自動的に行われるようになる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第8の特徴は、少なくとも前記第1から第3バルブ(31、32、33)については、前記肺機能検査装置(50)に対する較正作業の各フェーズにおける開閉ステータス(図3)が予め決定されていることである。
上記構成では、肺機能検査装置に対する較正作業の全フェーズを通して、オペレータは第1から第3バルブ(31、32、33)の操作に何ら関与することなく1個のポンプ(10)の押し/引き操作のみに専念することができるようになる。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第9の特徴は、前記第4バルブ(44)、前記第5バルブ(45)及び前記吸引ポンプ(60)については、前記肺機能検査装置(50)に対する較正作業の各フェーズにおける開閉又はオン/オフステータス(図3)が予め決定されていることである。
本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の第10の特徴は、前記第1から第3バルブ(31、32、33)はボディ及び弁体が高分子素材から成る気圧作動弁であることである。
上記構成では、例えばバルブのボディをプラスチック樹脂で、弁体(バルーン)をシリコン樹脂で作ることにより、ポンプ(10)の吐出/吸込部(30)を軽量かつ小型化にすることが可能となる。従って、単一のポンプ(10)と相俟って較正装置全体を軽量かつ小型化にすることが可能となる。
本発明の肺機能検査装置の較正装置によれば、オペレータがバルブ切り替えに係る操作をすることなく1つの較正ポンプの押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができるようになる。また、装置全体を軽量かつ小型化にすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る肺機能検査装置の較正装置を示す説明図である。 本較正装置のコントローラの構成を示すブロック図である。 本較正装置の動作フェーズのマトリックスを示す説明図である。 本較正装置を肺拡散機能測定装置に接続した状態を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ1に係る”呼び洗い出し”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ2に係る”検査ガス用バッグの洗い出し”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ3に係る”検査ガス用バッグに対するガス供給”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ4に係る”最大吸気”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ4に係る”最大呼出”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ4に係る”最大吸気”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ5に係る”較正ポンプの洗い出し”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ6に係る”第2検査ガスの取り込み”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ7に係る”洗い出し”の工程を示す説明図である。 本較正装置のフェーズ7に係る”サンプル”の工程を示す説明図である。 呼気バッグに取り込まれた第2検査ガスのサンプル経路を示す説明図である。 DLco測定装置の較正結果の適合性判定を示す説明図である。 従来のDLco測定装置を用いた肺拡散能力(DLco)の検査手順の概要を示す説明図である。 従来のDLco測定装置を用いた肺拡散能力(DLco)の検査手順の概要を示す説明図である。 従来のDLco測定装置を用いた肺拡散能力(DLco)の検査手順の概要を示す説明図である。 従来のDLco測定装置を用いた肺拡散能力(DLco)の検査手順の概要を示す説明図である。 従来のDLco測定装置を用いた肺拡散能力(DLco)の検査手順の概要を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る肺機能検査装置の較正装置100を示す説明図である。
この肺機能検査装置の較正装置(以下、「本較正装置」という。)100は、肺拡散機能を測定する装置(以下、「DLco測定装置」という。)50(図4)の測定精度を管理するための、ヒトの肺の吸気動作および呼気動作を模擬することができるシミュレート装置である。構成としては、ヒトが吸う息(以下、「吸気ガス」という。)を模擬した第1検査ガスIG1(図4)並びにヒトが吐く息(以下、「呼気ガス」という。)を模擬した第2検査ガスIG2を別々に吸引し、別々に吐出するための較正ポンプ10と、第2検査ガスIG2を溜める検査ガス用バッグ20と、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2を混合させずに較正ポンプ10に取り込むためのバルブ部30と、バルブ部30を駆動するための駆動用ガスを供給するバルブ駆動部40と、検査ガス用バッグ20内部から残留ガスを吸引する電磁ポンプ60と、バルブ駆動部40及び電磁ポンプ60を制御するコントローラ70と、第2検査ガスIG2を貯蔵するガスボンベ90とを具備して本較正装置100は構成されている。以下、各構成について更に説明する。
較正ポンプ10は、円盤形状のピストン2が中空円筒形状のシリンダ1内周面を往復摺動することにより、ガスを吸い込み/吐出する、いわゆる往復式のポンプである。ピストン2には長軸のロッド3がピストン2と同心に取り付けられている。ロッド3のピストン2と反対側の端部にはオペレータがロッド3を押したり引いたりするための操作ノブ4が取り付けられている。操作ノブ4は、オペレータが握り易いように球形を成している。
ロッド3には0.5L(500cc)間隔で目盛が付されている。各目盛は、シリンダ1の先端1aとピストン2との間に形成される内容積(以下、「シリンダ吸引スペース12」という。)を示している。従って、較正ポンプ10が吸引する最大容量は約3.0Lに設定されている。従って、ピストン2がシリンダ1の先端1aに接合した状態から図上左側に移動する場合、シリンダ吸引スペース12は、0.0Lから3.0Lとの範囲で変化する。因みにピストン2がシリンダ1の先端1aに当接するとき(ロッド3のストッパ3aがシリンダ1の後端1bに当接するとき)に、シリンダ吸引スペース12は0.0Lに等しくなる。一方、ピストン2がシリンダ1の後端1bに当接するときに、シリンダ吸引スペース12は3.0Lに等しくなる。
検査ガス用バッグ20は、気密性を有する材質から作られている。その内部には第2検査ガスIG2が充填される。第2検査ガスIG2は、第4電磁弁44を介してガスボンベ90から検査ガス用バッグ20に供給される。
第2検査ガスIG2は、各濃度が既知の4種類の混合ガス(例えば一酸化炭素:0.1%、ヘリウム:7.0%、酸素:21%、窒素:残り(バランス))から構成されている。因みに、DLco測定装置50の吸気バッグ51aに貯蔵される第1検査ガスIG1(図4)は、各濃度が既知の4種類の混合ガス(例えば一酸化炭素:0.27%、ヘリウム:10%、酸素:21%、窒素:残り(バランス))から構成されている。
バルブ部30は、ガス圧で駆動される第1弁31、第2弁32、及び第3弁33によって構成されている。本実施形態では、バルーンタイプの流体作動弁を使用している。バルーンタイプの流体作動弁は、流路に設けられたバルーン(図示せず)がガス圧で膨張することにより、流れを遮る状態(OFF状態)を形成する一方、バルーンからガス圧を除去することによりバルーンが収縮し、流れを通過させる状態(ON状態)となる。従って、第1弁31、第2弁32、及び第3弁33は通常開状態弁(ノーマルオープンバルブ)である。因みに、バルーンを加圧するための駆動ガスは、ガスボンベ90から供給される第2検査ガスIG2である。そのため、駆動ガスがバルーンから漏洩しても、後述のヘリウム濃度FAHe測定又は一酸化炭素濃度FACO測定に影響を及ぼすことはない。なお、バルーンの加圧に使用された駆動ガスはバルブ駆動部40を介して大気に排気される。
第1弁31は、シリンダ吸引スペース12と大気との間の連通を切断/接続するバルブである。第2弁32は、シリンダ吸引スペース12とDLco測定装置(図4)との間の連通を切断/接続するバルブである。第3弁33は、検査ガス用バッグ20とシリンダ吸引スペース12との間の連通を切断/接続するバルブである。
バルブ駆動部40は、第1電磁弁41、第2電磁弁42、第3電磁弁43、第4電磁弁44、第5電磁弁45及び調圧弁46から構成されている。第1電磁弁41から第3電磁弁43は、いわゆる3ポート電磁弁であり、非励磁状態(OFF状態)では”IN”ポートと”NO”ポートが連通し、励磁状態(ON状態)では”IN”ポートと”NC”ポートが連通するようになる。励磁状態にするには、コントローラ70が所定の電圧を各電磁弁に印加する必要がある。
第1電磁弁41、第2電磁弁42、及び第3電磁弁43において、”IN”ポートは、第1弁31、第2弁32、及び第3弁33の各バルーンにそれぞれ連通し、”NO”ポートは全て大気に開放されている。また、”NC”ポートは調圧弁46の各出口OUT1,OUT2,OUT3にそれぞれ連通している。
従って、第1電磁弁41、第2電磁弁42、及び第3電磁弁43が非励磁状態(OFF状態)では、第1弁31、第2弁32、及び第3弁33の各バルーンは加圧されないため、第1弁31、第2弁32、及び第3弁33の全ての弁は開いた状態である。一方、第1電磁弁41、第2電磁弁42、及び第3電磁弁43が励磁状態(ON状態)では、第1弁31、第2弁32、及び第3弁33の各バルーンは調圧弁46の各出口OUT1,OUT2,OUT3から流出する第2検査ガスIG2(作動ガス)によって個別に加圧されることになる。従って、第1弁31、第2弁32、及び第3弁33の全ての弁は、閉じた状態になる。なお、調圧弁46の各出口OUT1,OUT2,OUT3から流出する第2検査ガスIG2(駆動ガス)の圧力は、例えば6PSIに調圧されている。
第4電磁弁44及び第5電磁弁45は、いわゆる2ポート電磁弁であり、非励磁状態(OFF状態)では、”IN”ポートと”NC”ポートは非連通状態であるが、励磁状態(ON状態)では、”IN”ポートと”NC”ポートは連通状態になる。なお、以降において電磁弁の励磁状態(ON状態)のことを開(OPEN)状態ともいう場合があり、非励磁状態(OFF状態)のことを閉(CLOSE)状態ともいう場合がある。
第4電磁弁44において、”IN”ポートはガスボンベ90に連通し、”NC”ポートは検査ガス用バッグ20に連通している。従って、第4電磁弁44がOFF状態では、”IN”ポートと”NC”ポートは非連通状態であり、第2検査ガスIG2は検査ガス用バッグ20に供給されない。一方、第4電磁弁44がON状態では、”IN”ポートと”NC”ポートは連通状態になり、第2検査ガスIG2は検査ガス用バッグ20に供給されることになる。なお、第4電磁弁44のON時間(第2検査ガスIG2が供給される時間)については、コントローラ70によって所定の値に予め設定されている。
第5電磁弁45において、”IN”ポートは、検査ガス用バッグ20に連通し、”NC”ポートは電磁ポンプ60に連通している。従って、第5電磁弁45がOFF状態では、”IN”ポートと”NC”ポートは非連通状態であり、検査ガス用バッグ20の第2検査ガスIG2は電磁ポンプ60によって吸引されない。一方、第5電磁弁45がON状態では、”IN”ポートと”NC”ポートは連通状態になり、検査ガス用バッグ20の第2検査ガスIG2は電磁ポンプ60によって吸引されることになる。
ガスボンベ90は、耐圧性を有する圧力容器である。第2検査ガスIG2が加圧された状態で貯蔵されている。
電磁ポンプ60は、ダイヤフラム(図示せず)と、そのダイヤフラムを加振する振動板(図示せず)と、流れ方向が互いに逆向きになる2つの一方向弁(図示せず)とによって構成される。振動板には磁石(図示せず)が取り付けられ、磁石の回りにコイルが配置されている。そのコイルに正弦波を印加することにより、磁力線の向きが周期的に変化し、振動板が振動するようになる。ダイヤフラムが膨らむときに一方向弁を介して流体(残留ガス)を内部に吸引し、ダイヤフラムが収縮するときにもう一方の一方向弁を介して吸引した流体(残留ガス)を外部に吐出する。
コントローラ70は、オペレータの要求に基づいて第1から第5電磁弁41,・・・,45と電磁ポンプ60に対するON/OFFを制御する。詳細については図3を参照しながら後述するが、オペレータがステージスイッチ76A(図2)を押してフェーズ番号を入力することにより、第1から第5電磁弁41,・・・,45と電磁ポンプ60の各開閉・作動ステータスが、入力したフェーズ番号に対応した開閉・作動ステータスに自動的に設定されることになる。従って、較正作業において、オペレータは第1弁31、第2弁32、第3弁33及び電磁ポンプ60に対する操作(ON/OFFの切り替え操作)は不要となる。従って、オペレータは較正ポンプ10の押し/引きのみに専念することができる。
図2は、本較正装置100のコントローラ70の構成を示すブロック図である。
コントローラ70は、商用電源を受電する電源プラグ71と、交流電力を切断/接続するスイッチ部72と、電磁ノイズを除去する絶縁トランス部73と、演算処理部75を駆動する定電圧を生成する直流安定化電源部74と、ロム(ROM)に格納された所定のプログラムを実行する演算処理部75と、オペレータが作業要求を入力するオペレータI/F部76と、現在のフェーズ番号を表示する表示部77と、演算処理部75からの指令に基づいて対応する第1から第5電磁弁41,・・・,45又は電磁ポンプ60に通電するバルブ制御部78と、外部機器と通信するための外部機器I/F部79と、過電流から構成機器を保護するブレーカー80と、構成機器を冷却し過加熱を防止するファン81とから構成される。
電源プラグ71は、3個のタブ端子を有する3端子電源プラグであり、本実施形態では例えば電圧100V及び周波数50Hz/60Hzの商用電源(交流電源)を受電する。3個のタブ端子のうち、2個は受電用であり、1個は接地用である。
スイッチ部72は、通常はボタン(ロッカー)によって接点が開く方向に付勢されたノーマルオープンの電力スイッチである。ボタン(ロッカー)を押すことによって接点が閉じる方向に付勢されるようになる。接点が閉じると同時にランプが点灯する。
絶縁トランス部73は、変圧比が1の変圧器によって構成されている。これにより低周波のノイズがカットされ2次側に伝播しないようになっている。また、1次側と2次側との間には静電シールドが設けられ、高周波のノイズについてもカットされ2次側に伝播しないようになっている。
直流安定化電源部74は、例えば電圧100V及び周波数50Hz/60Hzの交流電源を入力して5Vの直流電圧を出力する。この5Vの直流電圧は演算処理部75及び後述の表示部77の電源となる。
演算処理部75は、読み出し専用の記録媒体であるロム(ROM)及び読み出し/書き込み可能な記録媒体であるラム(RAM)を有し、ロム(ROM)に格納された所定のプログラムを実行する。このロムには後述の動作フェーズ(図3)が保存されている。本実施形態ではオペレータが入力したフェーズ番号に従って、演算処理部75は対応する電磁弁41,・・・,45又は電磁ポンプ60をONにする。
オペレータ入出力部76は、オペレータが所望のフェーズ番号を入力するステージスイッチ76Aと、入力したフェーズ番号がバッグガス供給(図7のフェーズ3)に相当するときに発光するガス供給ランプ76Bと、入力したフェーズ番号がバッグ洗い出し(図8のフェーズ2)に相当するときに発光する洗い出しランプ76Cと、を備えている。なお、ステージスイッチ76Aをオペレータが1回押す毎に、表示部77においてフェーズ番号が1つ増える。
表示部77は、いわゆる7セグメントディスプレイであり、0〜9のフェーズ番号によってフェーズ番号を表示する。ガス供給時には少数点(ドット)が点滅するようになっている。
バルブ制御部78は、第1電磁弁41から第5電磁弁45及び電磁ポンプ60に対し定格電圧を印加するモータードライバー回路(図示せず)から成る。モータードライバー回路は、電源としてAC100Vの電圧を受電して、演算処理部75から送信される指令に基づいて第1から第5電磁弁41,・・・,45又は電磁ポンプ60に定格電圧(例えばDC12V又はDC24V或いはAC100V)を印加する。
入出力部79は、演算処理部75からの信号、或いは演算処理部75に対する信号を出力する。
図3は、本較正装置100の動作フェーズのマトリックスを示す説明図である。図中の丸印”○”は、弁が開(OPEN)状態であること、電磁弁が励磁(ON)状態であること又はポンプが動作(ON)状態であることを意味している。一方、図中のハイフン”−”は、弁が閉(CLOSE)状態であること、電磁弁が非励磁(OFF)状態であること又はポンプが停止(OFF)状態であることを意味している。
オペレータがステージスイッチ76A(図2)を押してフェーズ番号”0”に設定すると、第1電磁弁41、第2電磁弁42及び第3電磁弁43は全て励磁(OFF)状態になり、その結果、第1弁31、第2弁32及び第3弁33は供に閉(OPEN)状態になる。第4電磁弁44及び第5電磁弁45は非励磁(OFF)状態になり、その結果、バッグ給気及びバッグ排気は行われない。本較正装置100は停止状態になる。なお、上記第1から第5電磁弁41,・・・,45及び電磁ポンプ60の制御は、コントローラ70によって行われる。以降において同じ。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”1”に設定すると、第1電磁弁41及び第2電磁弁42は励磁(ON)状態になり、第3電磁弁43は非励磁(OFF)状態になる。その結果、第1弁31及び第2弁32は供に閉(CLOSE)状態になるが、第3弁33は開(OPEN)状態になる。第4電磁弁44及び第5電磁弁45は非励磁(OFF)状態になり、その結果、バッグ給気及びバッグ排気は行われない。この場合、オペレータは、操作ノブ4を引いて検査ガス用バッグ20の中身をシリンダ吸引スペース12に吸い上げることになる(呼び洗い出し)。この呼び洗い出しの工程については図5を参照しながら後述する。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”2”に設定すると、第1電磁弁41及び第2電磁弁42は非励磁(OFF)状態になり、第3電磁弁43は励磁(ON)状態になる。その結果、第1弁31及び第2弁32は供に開(OPEN)状態になるが、第3弁33は閉(CLOSE)状態になる。第4電磁弁44は非励磁(OFF)状態であるが、第5電磁弁45は励磁(ON)状態で電磁ポンプ60が動作(ON)状態になる。その結果、検査ガス用バッグ20の内部が電磁ポンプ60によって吸引されることになる(バッグ洗い出し)。このバッグ洗い出しの工程については図6を参照しながら後述する。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”3”に設定すると、第1電磁弁41及び第2電磁弁42は非励磁(OFF)状態になり、第3電磁弁43は励磁(ON)状態になる。その結果、第1弁31及び第2弁32は供に開(OPEN)状態になるが、第3弁33は閉(CLOSE)状態になる。第5電磁弁45は非励磁(OFF)状態で電磁ポンプ60が停止(OFF)状態であるが、第4電磁弁44は励磁(ON)状態になる。その結果、第2検査ガスIG2が第4電磁弁44を通って検査ガス用バッグ12に供給されることになる(バッグガス供給)。なお、ガス供給は例えば20秒で自動的に止まるように設定されている。第2検査ガスIG2が足りない場合は、オペレータが手動にて第4電磁弁44をON/OFFして検査ガス用バッグ20に第2検査ガスIG2を供給することになる。このバッグガス供給の工程については図7を参照しながら後述する。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”4”に設定すると、第2電磁弁42は非励磁(OFF)状態になり、第1電磁弁41及び第3電磁弁43は全て励磁(ON)状態になる。その結果、第2弁32は開(OPEN)状態であるが、第1弁31及び第3弁33は閉(CLOSE)状態になる。第4電磁弁44および第5電磁弁45は供に非励磁(OFF)状態であり、電磁ポンプ60も停止(OFF)状態になる。この場合、オペレータは、安静換気から最大吸気までを実行することになる。なお、この安静換気、最大呼気、及び最大吸気の各工程については図8、図9、図10を参考にしながらそれぞれ後述する。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”5”に設定すると、第1電磁弁41は非励磁(OFF)状態になり、第2電磁弁42及び第3電磁弁43は供に励磁(ON)状態になる。その結果、第1弁31は開(OPEN)状態になるが、第2弁32及び第3弁33は供に閉(CLOSE)状態になる。第4電磁弁44および第5電磁弁45は供に非励磁(OFF)状態であり、電磁ポンプ60も停止(OFF)状態になる。この場合、オペレータは、操作ノブ4を最大限まで押し込んでシリンダ吸引スペース12内の第1検査ガスIG1を大気に吐き出すことになる(較正ポンプ10の洗い出し)。なお、この較正ポンプ10の洗い出し工程については図11を参考にしながら後述する。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”6”に設定すると、第1電磁弁41及び第2電磁弁42は供に励磁(ON)状態になり、第3電磁弁43は非励磁(OFF)状態になる。その結果、第1弁31及び第2弁32は閉(CLOSE)状態であるが、第3弁33は開(OPEN)状態になる。第4電磁弁44及び第5電磁弁45は供に非励磁(OFF)状態であり、電磁ポンプ60も停止(OFF)状態になる。この場合、オペレータは、操作ノブ4を最大限まで引いて検査ガス用バッグ20内の第2検査ガスIG2をシリンダ吸引スペース12内に取り込むことになる(第2検査ガスIG2の取り込み)。なお、この第2検査ガスIG2の取り込み工程については図12を参照しながら後述する。
オペレータがステージスイッチ76Aを更に押してフェーズ番号”7”に設定すると、第1電磁弁41及び第3電磁弁43は励磁(ON)状態になり、第2電磁弁42は非励磁(OFF)状態になる。その結果、第1弁31及び第3弁33は閉(CLOSE)状態になり、第2弁32は開(OPEN)状態になる。第4電磁弁44、第5電磁弁45及び電磁ポンプ60は供に非励磁(OFF)状態になる。この場合、オペレータは、操作ノブ4を押し込んでシリンダ吸引スペース12内の第2検査ガスIG2を、DLco測定装置50のチャンバ51に吐き出すことになる(洗い出し、サンプル)。なお、これら洗い出し工程及びサンプル工程については図13及び図14を参照しながらそれぞれ後述する。
図4は、本較正装置100をDLco測定装置50に接続した状態を示す説明図である。なお、説明の都合上、較正装置100のバルブ駆動部40、ガスボンベ90及びコントローラ70については図示されていない。
ここで、本較正装置100の較正対象であるDLco測定装置50の構成について簡単に説明する。DLco測定装置50は、第1検査ガスIG1又は第2検査ガスIG2を貯蔵するチャンバ51と、チャンバ51から流入した/チャンバ51へ流出したガスを計測するローリングシール型スパイロメータ52と、吸気バッグ51aに第1検査ガスIG1を供給すると共に、呼気バッグ51bから流出する第2検査ガスIG2の濃度を測定する検査ガス供給・検査部53と、を具備して構成されている。
チャンバ51は、ガスが漏洩しない密封性箱(ボックス)から成る。チャンバ51内部には、第1検査ガスIG1を貯蔵する収縮性袋(バッグ)から成る吸気バッグ51aと、第2検査ガスIG2を貯蔵する同じく収縮性袋(バッグ)から成る呼気バッグ51bとを有している。なお、吸気バッグ51a及び呼気バッグ51bを除くチャンバ51内部は、空気が充填され、配管53iを介してローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52aに連通している。
吸気バッグ51aには、較正ポンプ10側からのガス流入を禁止する逆止弁V6が接続されている。逆止弁V6に弁V2が直列に接続されている。一方、呼気バッグ51bには、弁V1が接続されている。吸気バッグ51a及び呼気バッグ51bを除くチャンバ51内部には、弁V3,V7,V8が接続されている。弁V1,V2,V3,V4はマニフォールド化され、較正ポンプ10に接続されている。また、マニフォールド化された弁V1,V2,V3,V4に、較正ポンプ10側へのガス流入を禁止する逆止弁V5が接続されている。
本較正装置100は、第2弁32を介してDLco測定装置50のチャンバ51の弁V1,V2,V3,V4に連通している。
DLco測定装置50のチャンバ51の吸気バッグ51aには、第1検査ガスIG1が充填されている。一方、呼気バッグ51bには始め検査ガスは何も充填されていない。呼気バッグ51bには、較正ポンプ10によって検査ガス用バッグから吸引された第2検査ガスIG2が、充填されることになる。
因みに較正装置100の較正ポンプ10が第1検査ガスIG1を吸気バッグ51aから吸引する動作が被検者の息を吸う動作に対応し、較正ポンプ10が第2検査ガスIG2を呼気バッグ51bに吐出する動作が被検者の息を吐く動作に対応している。
また、較正ポンプ10が吸引し又は吐出した第1検査ガスIG1又は第2検査ガスIG2の体積については、ローリングシール型スパイロメータ52によって測定される。ローリングシール型スパイロメータ52は、円筒形状のシリンダ52aと、シリンダ52aの内部を軸方向に沿って移動するピストン52bと、シリンダ52aの内周面とピストン52bとの側面との間の気密性を保持するローリングシール52cと、を具備して構成される。
ピストン52bを駆動するロッド52dには、ポテンションメーター(図示せず)が取り付けられている。ピストン52bの断面積は一定より、ピストン52bの断面積にピストン52bの変位量(移動量)を乗じた値は、吸気バッグ51aに充填された又は吸気バッグ51aから吐出された第1検査ガスIG1或いは、呼気バッグ51bに充填された又は呼気バッグ51bから吐出された第2検査ガスIG2の各容積と1対1に対応する。従って、そのポテンションメータによってピストン52bの移動量が算出されると、吸気バッグ51aに充填された又は吸気バッグ51aから吐出された第1検査ガスIG1或いは、呼気バッグ51bに充填された又は呼気バッグ51bから吐出された第2検査ガスIG2の各容積(ボリューム)が測定されることになる。
ガス供給・検査部53は、一酸化炭素(CO)濃度センサ53aと、ヘリウム(He)濃度センサ53bと、二酸化炭素(CO)濃度計53cとを具備して構成されている。ガス供給・検査部53は、複数のガス源(3種ガス、4種ガス、酸素ガス、ヘリウムガス)を接続することが可能な外部接続ポート53d,53e,53f,53gを有している。3種ガスとは、所定の組成比の一酸化炭素(CO)、酸素(O)および窒素(N)から成る混合ガスを意味している。4種ガスとは、上記第1検査ガスIG1を意味している。
また、ガス供給・検査部53は、4種ガスの供給先を吸気バッグ51a又は呼気バッグ51bの何れかに切り替える三方弁53hを有している。以下に、本較正装置100を使用したDLco測定装置50に対する較正方法について説明する。
図5は、本較正装置100のフェーズ1に係る”呼び洗い出し”の工程を示す説明図である。なお、説明の都合上、吸気バッグ51aには第1検査ガスIG1が予め充填されているものとする。以降において同じ。
フェーズ1は、検査ガス用バッグ20の中身を較正ポンプ10に吸い上げる工程である。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”1”を表示させる。これにより、第3弁33は自動的に開(OPEN)状態となり、第1弁31及び第2弁32は自動的に閉(CLOSE)状態になる。また、第4電磁弁44及び第5電磁弁45が自動的に閉(CLOSE)状態になると共に電磁ポンプ60が自動的に停止(OFF)状態になる。この状態で、オペレータはピストン2が後端1bに当接するまで操作ノブ4を引いて、検査ガス用バッグ20の中身をシリンダ吸引スペース12に吸い上げる。
この場合、第3弁33を通って第2検査ガスIG2がシリンダ吸引スペース12に取り込まれる。
図6は、本較正装置100のフェーズ2に係る”検査ガス用バッグ20の洗い出し”の工程を示す説明図である。
フェーズ2は、検査ガス用バッグ20を洗い出す工程である。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”2”を表示させる。これにより、第3弁33は自動的に閉(CLOSE)状態になり、第1弁31及び第2弁32は自動的に開(OPEN)状態となる。更に、第4電磁弁44が自動的に閉(CLOSE)状態になり、第5電磁弁45が自動的に開(OPEN)状態になると共に電磁ポンプ60が作動(ON)状態になる。これにより、検査ガス用バッグ20の内部が電磁ポンプ60によって吸引されることになる。電磁ポンプ60が所定の時間作動した後、第5電磁弁45が自動的に停止(OFF)状態になる。これにより、検査ガス用バッグ20が真空状態(陰圧状態)で保持されることになる。
図7は、本較正装置100のフェーズ3に係る”検査ガス用バッグ20に対するガス供給”の工程を示す説明図である。
フェーズ3は、検査ガス用バッグ20に第2検査ガスIG2を供給する工程である。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”3”を表示させる。これにより、第3弁33は自動的に閉(CLOSE)状態になり、第1弁31及び第2弁32は自動的に開(OPEN)状態となる。更に、第4電磁弁44が所定時間だけ自動的に開(OPEN)状態になり、第5電磁弁45が自動的に閉(CLOSE)状態になる。第4電磁弁44が開(OPEN)状態になることにより、第2検査ガスIG2がガスボンベ90から検査ガス用バッグ20に供給される。第4電磁弁44が所定の時間開(OPEN)状態になった後、第4電磁弁44は自動的に閉(CLOSE)状態になる。
図8は、本較正装置100のフェーズ4に係る”安静換気”の工程を示す説明図である。なお、説明の都合上、本較正装置100についてはバルブ駆動部40及びガスボンベ90等が図示されていない。以降において同じ。
フェーズ4は、安静換気(Tidal Volume測定)から最大吸気を実行する工程である。「安静換気」とは、ヒトが安静時に吸ったり吐いたりする呼吸動作を意味している。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”4”を表示させる。これにより、第2弁32が自動的に開(OPEN)状態になる。第1弁31及び第3弁33は自動的に閉(CLOSE)状態になる。図8(a)は、較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図8(b)は、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内の体積(以下、「ボリューム」という。)の時系列変化を表している。
チャンバ51内のガス(斜線部分)がローリングシール型スパイロメータ52(シリンダ52a)に取り込まれる場合、ボリュームは下方に変位する。一方、シリンダ52a内のガスがチャンバ51内に取り込まれる場合、ボリュームは上方に変位する。また、フェーズ4におけるチャンバ51側のバルブステータスは、バルブV3及びバルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV1、バルブV2、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図8(b)に示されるように、オペレータは、チャンバの1周期当たりの容積変化が±500mlとなるように、操作ノブ4を押し・引きしながらピストン2を所定の振幅で往復運動させる。操作ノブ4を図上左方向に引く場合、シリンダ吸引スペース12内が負圧になり、チャンバ51内のガス(空気)がシリンダ吸引スペース12内に取り込まれる。その結果、チャンバ51内が負圧になり、ローリングシール型スパイロメータ52内のガスが、バルブV7を介してチャンバ51内に取り込まれる。その結果、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内が負圧になり、ピストン52bが大気圧に押されて図上左方向に移動し、その移動量からボリュームの容積変化が計測されることになる。
他方、操作ノブ4を図上右方向に押す場合、シリンダ吸引スペース12内が正圧になり、シリンダ吸引スペース12内のガス(空気)がチャンバ51内に取り込まれる。その結果、チャンバ51内が正圧になり、チャンバ51内のガスが、バルブV7を介してローリングシール型スパイロメータ52内に取り込まれる。その結果、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52が正圧になり、ピストン52b(図示しないポテンションメーター)がガス圧に押されて図上右方向に移動し、その移動量からボリュームの容積変化が計測されることになる。
図9は、本較正装置100のフェーズ4に係る”最大呼出”の工程を示す説明図である。
「最大呼出」とは、安静換気状態から息を最大限に吐き出す動作を意味している。なお、フェーズ番号はフェーズ4のままであるため、オペレータはステージスイッチ76A(図2)を操作する必要はない。図9(a)は、較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図9(b)はボリュームの時系列変化を表している。チャンバ51側のバルブステータスは、バルブV3及びバルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV1、バルブV2、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図9(b)に示されるように、オペレータは、ピストン2がシリンダ先端1aに当接するまで操作ノブ4を図上右方向に押し込んで、シリンダ吸引スペース12内のガスを排気する。図9(a)に示されるように、シリンダ吸引スペース12から排気されたガスは、チャンバ51内に取り込まれる。その結果、チャンバ51内が正圧になり、チャンバ51内のガスが、バルブV7を介してローリングシール型スパイロメータ52に取り込まれる。その結果、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内が正圧になり、ピストン52b(図示しないポテンションメーター)がガス圧に押されて図上右方向に移動し、その移動量からボリュームの容積変化が計測されることになる。
図10は、本較正装置100のフェーズ4に係る”最大吸気”の工程を示す説明図である。
「最大吸気」とは、息を最大限に吐いた状態から息を最大限に吸い込む動作を意味している。なお、フェーズ番号はフェーズ4のままであるため、オペレータはステージスイッチ76A(図2)を操作する必要はない。図9(a)は、較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図9(b)はボリュームの時系列変化を表している。チャンバ51側のバルブステータスは、バルブV2及びバルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV1、バルブV3、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図10(b)に示されるように、オペレータは操作ノブ4を図上左方向に引いて、チャンバ51の吸気バッグ51bから第1検査ガスIG1を吸い込む。その結果、吸気バッグ51aが収縮しチャンバ51内が負圧になる。これにより、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内のガスが、バルブV7を介してチャンバ51内に取り込まれる。その結果、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内が負圧になり、ピストン52b(図示しないポテンションメーター)が大気圧に押されて図上左方向に移動し、その移動量からボリュームの容積変化量VIが計測されることになる。この計測された容積変化量VIは、較正ポンプ10のシリンダ吸引スペース12の最大容積に相当する量である。
図11は、本較正装置100のフェーズ5に係る”較正ポンプ10の洗い出し”の工程を示す説明図である。
「較正ポンプ10の洗い出し」とは、最大限に吸い込んだ第1検査ガスIG1を大気に吐き出す動作を意味している。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”5”を表示させる。これにより、第1弁31が自動的に開(OPEN)状態になり、第2弁32及び第3弁33が自動的に閉(CLOSE)状態になる。図11(a)は較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図11(b)はボリュームの時系列変化を表している。チャンバ51側のバルブステータスは、バルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV1、バルブV2、バルブV3、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図11(a)に示されるように、シリンダ吸引スペース12内の第1検査ガスIG1は、バルブV1からバルブV4が全て閉(CLOSE)状態であるため、チャンバ51側に流入することなく、全て第1弁31を通って大気に排気されることになる。この場合、図11(b)に示されるように、第1検査ガスIG1はローリングシール型スパイロメータ52(シリンダ52a)に取り込まれることはないため、チャンバは一定値を示すことになる。従って、オペレータが較正ポンプ10を押している時間T5は、患者(被験者)の呼吸停止時間の一部を模擬していることになる。
図12は、本較正装置100のフェーズ6に係る”第2検査ガスIG2の取り込み”の工程を示す説明図である。
「第2検査ガスIG2の取り込み」とは、検査ガス用バッグ20から第2検査ガスIG2をシリンダ吸引スペース12に最大限取り込む動作を意味している。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”6”を表示させる。これにより、第1弁31及び第2弁32が自動的に閉(CLOSE)状態になり、第3弁33が自動的に開(OPEN)状態になる。図12(a)は較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図12(b)はボリュームの時系列変化を表している。チャンバ51側のバルブステータスは、バルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV1、バルブV2、バルブV3、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図12(a)に示されるように、オペレータは操作ノブ4を図上左方向に引いて、検査ガス用バッグ20から第2検査ガスIG2を、ピストン2がシリンダ1の後端1bに当接するまで吸い込む。この場合、第2弁32が閉(CLOSE)状態にあるため、較正ポンプ10とチャンバ51は非連通状態になる。従って、チャンバ51側のデッドスペースに残留する第1検査ガスIG1がシリンダ吸引スペース12に取り込まれることはない。シリンダ吸引スペース12には第2検査ガスIG2のみが取り込まれることになる。
また、図12(b)に示されるように、第2弁32が閉(CLOSE)状態にあるため、第2検査ガスIG2がローリングシール型スパイロメータ52に取り込まれないため、チャンバは一定値を示すことになる。従って、オペレータが較正ポンプ10を引いている時間T6は、患者(被験者)の呼吸停止時間の一部を模擬していることになる。なお、この時間T6と上記時間T5(図11)とを加えた時間が、図16のBHT(呼吸停止時間)に相当する。
図13は、本較正装置100のフェーズ7に係る”洗い出し”の工程を示す説明図である。
「洗い出し」とは、シリンダ吸引スペース12に取り込まれた第2検査ガスIG2の一部を廃棄する工程を意味している。オペレータはステージスイッチ76A(図2)を押して表示部77(図2)に”7”を表示させる。これにより、第1弁31及び第3弁33が自動的に閉(CLOSE)状態になり、第2弁32が自動的に開(OPEN)状態になる。図13(a)は較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図13(b)はボリュームの時系列変化を表している。チャンバ51側のバルブステータスは、バルブV3およびバルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV1、バルブV2、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図13(a)に示されるように、オペレータは操作ノブ4を図上右方向に押し込んで、シリンダ吸引スペース12内の第2検査ガスIG2を、所定量(本実施形態では750ml)だけチャンバ51内に吐き出す。これにより、チャンバ51内のガス(空気)が、バルブV7を介してローリングシール型スパイロメータ52に取り込まれる。その結果、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内が正圧になり、ピストン52b(図示しないポテンションメーター)がガス圧に押されて図上右方向に移動し、その移動量からボリュームの容積変化が計測されることになる。
図13(b)に示されるように、第2検査ガスIG2がチャンバ51内に吐き出される間、チャンバ51内のガス(空気)が、バルブV7を介してローリングシール型スパイロメータ52に取り込まれるため、ボリュームは下降する。
図14は、本較正装置100のフェーズ7に係る”サンプル”の工程を示す説明図である。
「サンプル」とは、較正ポンプ10から吐出された第2検査ガスIG2をチャンバ51の呼気バッグ51bに所定量だけ取り込み、取り込んだ第2検査ガスIG2をDLco測定装置50において所定の分析を行う工程である。フェーズ番号はフェーズ7のままであるため、オペレータはステージスイッチ76A(図2)を操作する必要はない。図14(a)は較正ポンプ10の動作及びガスの流れを表し、図14(b)はボリュームの時系列変化を表している。チャンバ51側のバルブステータスは、バルブV1及びバルブV7が開(OPEN)状態であり、バルブV2、バルブV3、バルブV4及びバルブV8は全て閉(CLOSE)状態である。
図14(b)に示されるように、750mlの第2検査ガスIG2がバルブV3を介してチャンバ51内に吐出された直後に、チャンバ51のバルブV3が自動的に閉(CLOSE)状態になると同時にバルブV1が自動的に開(OPEN)状態になる。その結果、図14(a)に示されるように、第2検査ガスIG2がバルブV1を介して呼気バッグ51bに取り込まれる。そして、図14(b)に示されるように、第2検査ガスIG2は呼気バッグ51bにサンプル用として1000ml取り込まれる。
呼気バッグ51bに1000mlの第2検査ガスIG2が取り込まれた直後に、チャンバ51のバルブV3が自動的に開(OPEN)状態になると同時にバルブV1が自動的に閉(CLOSE)状態になる。その結果、シリンダ吸引スペース12内に残った第2検査ガスIG2が、バルブV3を介してチャンバ51内に吐出される。その結果、ローリングシール型スパイロメータ52のシリンダ52a内が正圧になり、ピストン52b(図示しないポテンションメーター)がガス圧に押されて図上右方向に移動し、その移動量からボリュームの容積変化が計測されることになる。
図15は、呼気バッグ51bに取り込まれた第2検査ガスIG2のサンプル経路を示す説明図である。先ず、第2検査ガスIG2は呼気バッグ51bに1000ml取り込まれたときに、ガス供給・検査部53のバルブV9は、開(OPEN)状態となると共に、三方弁V10は、バルブV9とHe濃度センサ53bが連通する方向に切り替わる。その結果、呼気バッグ51bに取り込まれた第2検査ガスIG2は、太線で示された経路を通ってヘリウム(He)濃度センサ53b、一酸化炭素(CO)濃度センサ53aを通過して大気に排気される。
呼気バッグ51bの第2検査ガスIG2は、乾燥剤を通過する際に水分が除去され、更に吸収剤を通過する際に二酸化炭素(CO)が除去される。従って、第2検査ガスIG2は水分と二酸化炭素を除去された後に、ヘリウム(He)濃度と一酸化炭素(CO)濃度が測定されることになる。なお、He濃度センサ53b及びCO濃度センサ53aによって計測されたCO濃度値、He濃度値は、FAHe、FACOとして後述の肺拡散能力値DLCO’を算出するために使用されることになる。以下に、CO濃度センサ53aとHe濃度センサ53bとによって計測されたCO濃度値FACOとHe濃度値FAHeに基づいて、DLco測定装置50の較正結果の適合性判定について説明する。
図16は、DLco測定装置50の較正結果の適合性判定を示す説明図である。ここでは、患者の呼気を模した第2検査ガスIG2の測定値であるヘリウムのFAHe測定値と一酸化炭素のFACO測定値とに基づいて算出されたDLCO’測定値について、第2検査ガスIG2の実濃度値であるヘリウムのFAHe真値と一酸化炭素のFACO真値とに基づいて算出されたDLCO’真値の適合範囲内(DLCO’真値±許容測定誤差)に存在するか否かによって行われる。
なお、図16中の各項目の意味は以下の通りである。気温は体内状態(BTPS)における温度であり、本実施形態では37℃である。圧力は大気圧であり、本実施形態では1気圧=760mmHgである。
VI(BTPS)は、フェーズ4の”最大吸気”の工程(図10)において、較正ポンプ10が吸気バッグ51aから最大限に吸引した第1検査ガスIG1の体積(BTPS)である。本実施形態では較正ポンプ10のシリンダ吸引スペース12の最大容積に等しい。従って、VI(BTPS)の真値は3.00Lである。なお、本実施形態におけるDLCO’測定値の算出過程では、フェーズ4においてローリングシール型スパイロメータ52によって測定された測定値(=2.94L)を、VI(BTPS)の真値として使用している。勿論、VI(BTPS)の真値としてシリンダ吸引スペース12の最大容積(=3.00L)を使用してDLCO’測定値を算出してもよい。
FIHeは、患者の吸気を模した第1検査ガスIG1中のヘリウム(He)濃度である。本実施形態では実濃度(9.52%)をそのまま使用している。
FAHeは、患者の呼気を模した第2検査ガスIG2中のヘリウム(He)濃度である。本実施形態では、FAHe測定値はフェーズ7のサンプル工程においてDLco測定装置50のHe濃度センサ53bによって測定される。フェーズ7においてHe濃度センサ53bによって測定されたFAHe測定値は、7.16%である。なお、FAHe真値(実濃度)は7.02%であり、測定誤差は約2.0%(=(7.16−7.02)/7.02×100)である。
FICOは、患者の吸気を模した第1検査ガスIG1中の一酸化炭素(CO)濃度である。本実施形態では実濃度(0.264%)をそのまま使用している。
FACOは、患者の呼気を模した第2検査ガスIG2中の一酸化炭素(CO)濃度である。本実施形態では、FACO測定値はフェーズ7のサンプル工程においてDLco測定装置50のCO濃度センサ53aによって測定される。フェーズ7においてCO濃度センサ53aによって測定されたFACO測定値は、0.1014%である。なお、FACO真値は0.101%であり、測定誤差は約0.4%(=(0.1014−0.101)/0.101×100)である。
BHTは、呼吸停止時間であり、フェーズ5の”較正ポンプの洗い出し”の工程に要した時間T5とフェーズ6の”第2検査ガスの取り込み”の工程に要した時間T6との合算値である。BHT測定値は10.17秒であり、BHT真値は10.00秒である。
VA’(BTPS)は、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2との間のHeの希釈率によって算出した、死腔量(デッドスペース)VDを考慮した体内状態における肺胞容量(BTPS)であり、下記式4によって算出される。
(式4):VA’(BTPS)=VI(BTPS)×(FIHe/FAHe)−VD
本実施形態でのVA’(BTPS)測定値は、VA’(BTPS)測定値=2.94×(9.52/7.16)−0.12=3.79Lである。なお、VA’(BTPS)真値は、3.87L(=2.94×(9.52/7.02)−0.12)である。
VA’(STPD)は、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2との間のHeの希釈率によって算出した、死腔量(デッドスペース)VDを考慮した標準状態における肺胞容量(STPD)であり、下記式5によって算出される。
(式5):VA’(STPD)=VA’(BTPS)×0.826
本実施形態でのVA’(STPD)測定値は、VA’(STPD)測定値=3.79×0.826=3.13Lである。なお、VA’(STPD)真値は、3.19L(=3.87×0.826)である。
RV’(BTPS)は、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2との間のHeの希釈率によって算出した体内状態における残気量(BTPS)で、死腔量(デッドスペース)VDを考慮して下記式6によって算出される。
(式6):RV’(BTPS)=VI×(FIHe−FAHe)/FAHe−VD=VA’(BTPS)−VI(BTPS)
本実施形態でのRV’(BTPS)測定値は、RV’(BTPS)測定値=3.79−2.94=0.85Lである。なお、RV’(BTPS)真値は、0.93L(=3.87−2.94)である。
VA’(BTPS)(VDなし)は、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2との間のHeの希釈率によって算出した、死腔量(デッドスペース)VDを考慮しない体内状態における肺胞容量(BTPS)であり、下記式4’によって算出される。
(式4’):VA’(BTPS)(VDなし)=VI(BTPS)×FIHe/FAHe)
本実施形態での測定値は、VA’(BTPS)(VDなし)測定値=2.94×(9.52/7.16)=3.91Lである。なお、VA’(BTPS)(VDなし)真値は、3.99L(=2.94×(9.52/7.02))である。
VA’(STPD)(VDなし)は、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2との間のHeの希釈率によって算出した、死腔量(デッドスペース)VDを考慮しない標準状態における肺胞容量(STPD)であり、下記式5’によって算出される。
(式5’):VA’(STPD)(VDなし)=VA’(BTPS)(VDなし)×0.826
本実施形態での測定値は、VA’(STPD)(VDなし)測定値=3.91×0.826=3.23Lである。なお、VA’(STPD)(VDなし)真値は、3.29L(=3.99×0.826)である。
VDは、死腔量(デッドスペース)であり、120mlである。
DLCO’は、肺拡散能力値であり、下記式7によって算出される。
(式7):DLCO’=VA’(STPD)×1000×60/{(PB−47)×BHT}×log{(FAHe/FIHe)×(FICO/FACO)}
本実施形態でのDLCO’測定値は、DLCO’測定値=3.13×1000×60/{(760−47)×10.17}×log{(7.16/9.52)×(0.264/0.101)}=17.51である。なお、BHTを10.17秒から10秒に補正した時の、BHT補正後のDLCO’測定値は、17.81となる。なお、DLCO’真値は17.75である。従って、測定誤差は約0.3%(=(17.81−17.75)/17.75×100)である。
本実施形態では、許容測定誤差は、例えば真値の5%に設定することが可能である。従って、DLCO’測定値についての許容測定誤差は、17.75×0.05=0.89である。従って、適合範囲内の上限値は、17.75+0.89=18.64となる。一方、下限値は、17.75−0.89=16.86となる。BHT補正後のBLCO’測定値は、17.81であり、[16.86、18.64]の範囲内に存在する。これにより、DLCO’測定値は適合範囲内であることが確認される。その結果、DLco測定装置50の較正結果は適正であることが確認される。
なお、上記式4と式5より、第1検査ガスIG1と第2検査ガスIG2との間のHeの希釈率(FIHe/FAHe)と死腔量(デッドスペース)VDが分かれば、標準状態における肺胞容量VA’(STPD)が測定値として求められる。その結果、式7より、第1検査ガスIG1中のCO濃度FICOと、第2検査ガスIG2中のCO濃度FACOが分かれば、肺拡散能力値DLCO’が測定値として求められることになる。つまり、第2検査ガスIG2中のヘリウム濃度FAHe測定値と、一酸化炭素濃度FACO測定値を取得することにより、DLco測定装置50の測定精度を好適に管理することができることになる。
以上の通り、本較正装置100によれば、較正ポンプ10の吐出/吸込に係るバルブ部30が独立した系統L1,L2,L3によって、ヒトの呼気を模した第2検査ガスIG2を貯める検査ガス用バッグ20、DLco測定装置50又は大気に対し接続可能に構成されており、各系統L1,L2,L3は独立した第1弁31、第2弁32又は第3弁33によって開閉可能に構成されている。
上記構成では、第1弁31から第3弁33を自動的に操作することにより、ヒトの吸気動作の模擬においては、較正ポンプ10をDLco測定装置50のみに連通させDLco測定装置50からヒトの吸気を模した第1検査ガスIG1を較正ポンプ10内に取り込むことが可能となる。一方、呼気動作においては、始め較正ポンプ10を大気にのみに連通させ、第1検査ガスIG1を排気し、続いて検査ガス用バッグ20のみに連通させることにより、ヒトの呼気を模した第2検査ガスIG2を較正ポンプ10内に取り込むことができる。そして、較正ポンプ10をDLco測定装置50のみに連通させることにより、取り込んだ第2検査ガスIG2をDLco測定装置50に吐き出すことが可能となる。これにより、1個の較正ポンプ10の押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができるようになる。
また、第1弁31から第3弁33は、第2検査ガスIG2の圧力によって開閉される気圧作動弁である。この第2検査ガスIG2は、コントローラ70からの指令によって開閉制御される第1電磁弁41から第3電磁弁43を介して供給されるように構成されている。
上記構成では、第1弁31から第3弁33はガスの圧力によって開閉されるため、オペレータが直接にバルブ操作をする必要がなくなる。
更に、第1弁31から第3弁33は、上記第1電磁弁41から第3電磁弁43を介してコントローラ70によって制御されることになるため、第1弁31から第3弁33の切り替えがコントローラ70によって自動的に行われるようになる。その結果、少なくとも第1弁31から第3弁33については、DLco測定装置50の較正作業における各フェーズに応じてコントローラ70によって自動的に開閉されることになる。
また、第1弁31から第3弁33は第2検査ガスIG2によって駆動されるように構成されている。そのため、第1弁31から第3弁33を通して駆動用ガスが較正ポンプ10内に漏洩することが発生したとしても、駆動用ガスは第2検査ガスIG2そのものであるため、DLCO’測定値の測定に対し何ら影響を及ぼすことはない。
また、検査ガス用バッグ20は並列した系統L4,L5によって、電磁ポンプ60と第2検査ガスIG2のガス源であるガスボンベ90に対し選択的に接続可能に構成されており、各系統L4,L5は独立した第4電磁弁44又は第5電磁弁45によって自動的に開閉可能に構成されている。更に、第4電磁弁44、第5電磁弁45及び電磁ポンプ60は、コントローラ70からの指令によって開閉制御されるように構成されている。
上記構成では、DLco測定装置50に対する較正の準備段階として、検査ガス用バッグ20に対する第2検査ガスIG2の洗い出し、又は第2検査ガスIG2の供給については、コントローラ70によって自動的に行われるようになる。
また、第1弁31(第1電磁弁41)から第3弁33(第3電磁弁43)、第4電磁弁44、第5電磁弁45、及び電磁ポンプ60の開閉又はオン/オフステータスについては、DLco測定装置50の較正作業の各フェーズ毎に予め決定され、プログラミングされている。
そのため、オペレータはコントローラ70のステージスイッチ76Aを押して所望のフェーズ番号を表示部77に表示させることにより、第1弁31(第1電磁弁41)から第3弁33(第3電磁弁43)、第4電磁弁44、第5電磁弁45、及び電磁ポンプ60の開/閉状態又はオン/オフ状態については、自動的に設定されることになる。これにより、DLco測定装置50に対する較正作業の全フェーズを通して、オペレータは上記弁等の操作に何ら関与することなく、1個のポンプ(10)の押し/引き操作のみに専念することができるようになる。
また、第1弁31から第3弁33については、例えばバルブのボディがプラスチック樹脂で、弁体(バルーン)はシリコン樹脂でそれぞれ作られている。そのため、較正ポンプ10の吐出/吸込に係るバルブ部30を軽量かつ小型化にすることが可能となる。従って、単一の較正ポンプ10と相俟って較正装置全体を軽量かつ小型化にすることが可能となる。
また、第1弁31から第3弁33を開閉する駆動ガスについては、第2検査ガスIG2と同じ組成のガスを用いている。そのため、仮に第1弁31から第3弁33の何れかから駆動ガスが漏れることが起きる場合であっても、DLCO’測定は何ら影響を受けることがない。
以上の通り、本較正装置100によれば、オペレータがバルブ切り替えに係る操作をすることなく1つの較正ポンプ10の押し/引き操作のみでヒトの拡散機能をシミュレートすることができるようになる。また、装置全体を軽量かつ小型化にすることが可能となる。
以上、図面を参照しながら、本発明に係る肺機能検査装置の較正装置の一実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態だけに限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内において種々の変更・修正を加えることが可能である。例えば、患者の呼気を模した第2検査ガスIG2中のヘリウム濃度FAHe測定値及び一酸化炭素濃度FACO測定値に代えて、患者の吸気を模した第1検査ガスIG1中のFIHe測定値とFICO測定値に基づいてDLCO’測定値を算出し、そのDLCO’測定値がDLCO’真値の適合範囲内(DLCO’真値±許容測定誤差)に存在するか否かを判定するようにしても良い。なお、この場合、第2検査ガスIG2中のヘリウム濃度、一酸化炭素濃度についてはFAHe真値、FACO真値がそれぞれ使用される。また、第2検査ガスIG2中に二酸化炭素(CO)や水分(HO)を加えても良い。
また、第1弁31、第2弁32及び第3弁33は、ガスによって開閉される流体作動弁であればよく、上記バルーンタイプだけに限らない。同様に、第1電磁弁41、第2電磁弁42、第3電磁弁43、第4電磁弁44及び第5電磁弁45についても、コントローラ70からの指令によって開閉制御される電子制御弁であればよく、上記3ポート電磁弁または2ポート電磁弁だけに限らない。
また、電磁ポンプ60に代えてその他の吸引ポンプ、例えば遠心式、軸流式、ねじ式、または往復式のポンプを使用することが可能である。
1 シリンダ
1a 先端
1b 後端
2 ピストン
3 ロッド
3a ストッパ
4 操作ノブ
12 シリンダ吸引スペース
20 検査ガス用バッグ
30 バルブ部(吐出部)
31 第1弁
32 第2弁
33 第3弁
40 バルブ駆動部
41 第1電磁弁
42 第2電磁弁
43 第3電磁弁
44 第4電磁弁
45 第5電磁弁
46 調圧弁
50 DLco測定装置
51 チャンバ
52 ローリングシール型スパイロメータ
52a シリンダ
52b ピストン
52c ローリングシール
52d ロッド
53 ガス供給・検査部
60 電磁ポンプ
70 コントローラ
80 ブレーカー
90 ガスボンベ
IG1 第1検査ガス
IG2 第2検査ガス
100 肺機能検査装置の較正装置

Claims (10)

  1. 1個のポンプ(10)によってヒトの肺の吸気動作および呼気動作を模擬可能な肺機能検査装置の較正装置(100)であって、
    前記ポンプ(10)の吐出/吸込部(30)は独立した系統(L1、L2、L3)によって、ヒトの息を模した検査ガス(IG2)を貯めるガス貯蔵部(20)、前記肺機能検査装置(50)又は大気に対し接続可能に構成されており、
    各系統(L1、L2、L3)は独立した第1バルブ(31)、第2バルブ(32)又は第3バルブ(33)によって自動的に開閉可能に構成されている
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  2. 請求項1に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記第1から第3バルブ(31、32、33)はガスの圧力によって開閉される流体作動弁である
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  3. 請求項2に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記ガスは、制御装置(70)からの指令によって開閉制御される電子制御弁(41、42、43)を介して供給される
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記ガスは前記検査ガス(IG2)と同じ組成である
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記ガス貯蔵部(20)は並列した系統(L4、L5)によって、吸引ポンプ(60)と前記検査ガス(IG2)のガス源(90)に対し選択的に接続可能に構成されており、
    各系統(L4、L5)は独立した第4バルブ(44)又は第5バルブ(45)によって自動的に開閉可能に構成されている
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  6. 請求項5に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記第4バルブ(44)及び前記第5バルブ(45)は、制御装置(70)からの指令によって開閉制御される
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  7. 請求項5に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記吸引ポンプ(60)は、制御装置(70)からの指令によって開閉制御される
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    少なくとも前記第1から第3バルブ(31、32、33)については、前記肺機能検査装置(50)に対する較正作業の各フェーズにおける開閉ステータス(図3)が予め決定されている
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  9. 請求項5から8の何れか1項に記載の肺機能検査装置の較正装置(100)において、
    前記第4バルブ(44)、前記第5バルブ(45)及び前記吸引ポンプ(60)については、前記肺機能検査装置(50)に対する較正作業の各フェーズにおける開閉ステータス(図3)が予め決定されている
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の排気の検査装置の較正装置(100)において、
    前記第1から第3バルブ(31、32、33)はボディ及び弁体が高分子素材から成る気圧作動弁である
    ことを特徴とする肺機能検査装置の較正装置。
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