JP2021183318A - 膜差圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供する。【解決手段】 膜差圧制御装置は、液体に含まれる固体を液体から分離させる分離膜を備える複数系列の膜ろ過装置と、複数系列の前記膜ろ過装置の少なくとも一部へ流入する液体を処理する前処理装置と、を含む水処理プロセスに対し、分離膜の膜差圧を制御する装置であって、複数系列の膜ろ過装置の各々について、分離膜を液体が透過する際の抵抗値である実績抵抗値が、実績抵抗値の目標値に追従するように、前処理装置20の運転条件の要求値を算出する前処理条件制御部113、123と、前処理条件制御部113、123から供給される複数の条件を統合して、前処理装置の運転条件を決定する前処理条件統合部21と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、膜差圧制御装置に関する。
水処理プロセスにおいて、沈殿やろ過等の固体及び液体を分離させる固液分離技術は頻繁に用いられる技術である。特に浄水処理分野では、クリプトスポリジウム等の原虫や細菌類などの確実な除去の点から膜を使用した膜分離処理の普及が進んでいる。膜分離処理は省スペース性や処理水質の安定性といった点で他の個液分離処理と比較して優位である。
一方、固液分離技術を用いる際には、イニシャルコストだけでなくランニングコストも考慮すべきであり、膜分離処理のランニングコストを低減する技術的ニーズは高くなっている。膜分離処理における特徴的な現象として膜の目詰まり(膜ファウリング現象)が挙げられる。膜ファウリング現象が進むことで、加圧又は吸引によりろ過する際に必要なエネルギーが変化する。また、膜ファウリング現象を抑制するために、ろ過方向と逆方向から水や空気を通す逆洗浄や、膜面を散気洗浄するといった物理的な洗浄や、薬品による化学的な洗浄などを実施する。したがって、ランニングコストにはこれらに必要な電力費及び薬品費が含まれる。すなわち、運用や制御に応じて電力費及び薬品費は変化する。しかし、従来の制御では、膜のファウリングに基づいて最大限、ランニングコストが低減されていない場合があった。
膜分離処理プロセスでは、一般に膜差圧(膜間差圧)などの物理計測値にもとづいて膜分離処理プロセスを運用していた。膜交換あるいは薬品洗浄後間もない期間は、膜差圧の上昇は緩やかであるが、ファウリングが進むと膜差圧が上昇する速度は大きくなってくる。膜差圧の上昇(ファウリング)速度は、原水の水質や膜分離処理プロセスの前処理条件、膜面の洗浄方法によって異なってくる。そのため、膜差圧の上昇が急激になってから、前処理条件や膜面の洗浄方法を変更させる運用では、差圧上昇を抑制することは難しく、膜ろ過運転が不安定となったりする可能性があった。
従来、上記のような課題を解決するために、ファウリング現象を膜差圧モデルにより予測することで洗浄風量を適切に制御し、電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する制御技術が提案されている。提案技術では、洗浄風量を制御の操作量として積極的に変化させることで膜差圧の上昇を抑制したり、膜差圧の上昇が少ない場合は省エネを図ったりすることができる。洗浄風は、膜ろ過装置に設置されたブロワによって発生されるため、膜ろ過装置内の膜差圧から将来の膜差圧を予測し、膜面の洗浄方法を変更することが可能であった。
特開2019−25437号公報
一般に、膜分離処理プロセスは、複数系列に分割して設置されることが多い。これは各膜分離処理プロセスが洗浄、故障、膜交換といった非稼働を余儀なくされる場合に、全体の処理量を変更しないで済むように予備系列を有するためである。このように設計することで、複数系列のうち、ある系列が非稼働になった場合にも他の系列の処理量を一時的に増加させることで、全体の処理量を維持したまま、洗浄や膜交換といったメンテナンスを実施することができる。
一方、前処理プロセスも複数系列に分割される場合があるが、設計条件によっては前処理プロセスの系列数と膜分離処理プロセスの系列数とが異なることもある。また、特に前処理プロセスの薬品注入点は、設置コストを抑えるため、複数ではなく1つである場合も少なくない。以上のように、膜分離処理プロセスの系列数と前処理プロセス数とが1対1で対応するとは限らないため、膜ろ過装置内の膜差圧の上昇速度に応じて前処理の条件を変更する場合、対応することが困難であった。
本発明の実施形態は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水処理プロセスのランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することを目的とする。
実施形態による膜差圧制御装置は、液体に含まれる固体を前記液体から分離させる分離膜を備える複数系列の膜ろ過装置と、複数系列の前記膜ろ過装置の少なくとも一部へ流入する液体を処理する前処理装置と、を含む水処理プロセスに対し、前記分離膜の膜差圧を制御する装置であって、複数系列の前記膜ろ過装置の各々について、前記分離膜を液体が透過する際の抵抗値である実績抵抗値が前記実績抵抗値の目標値に追従するように、前記前処理装置に要求する条件を算出する前処理条件制御部と、前記前処理条件制御部から供給される複数の前記条件を統合して、前記前処理装置の運転条件を決定する前処理条件統合部と、を備える。
図1は、分離膜により固液分離を行う膜分離処理プロセスを含む水処理プロセスの一例を概略的に示す図である。 図2は、薬品洗浄期間における膜抵抗の目標値と、膜抵抗の実績値および予測値との一例を示す図である。 図3は、第1実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図4は、第2実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図5は、第3実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図6は、第4実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図7は、第5実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図8は、第6実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図9は、第7実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。 図10は、第8実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
以下、複数の実施形態の膜差圧制御装置について、図面を参照して説明する。
まず、1系列の膜分離処理プロセスを含む水処理プロセスを一例として、複数の実施形態に共通の事項について説明する。ここでは、前処理プロセスの運転状態を考慮せずに、分離膜により固液分離を行う際の目詰まり(ファウリング)を抑制する膜差圧制御の動作について説明する。
図1は、分離膜により固液分離を行う膜分離処理プロセスを含む水処理プロセスの一例を概略的に示す図である。
図1に示す水処理プロセスは、前処理プロセスと膜分離処理プロセスとを含む。水処理プロセスにおいて、原水は、前処理プロセスを行う前処理装置20を経て、膜分離処理プロセス内の膜ろ過装置を通流して膜ろ過水として排出される。
膜ろ過装置は、液体に含まれる固体を液体から分離させる分離膜を含む膜ろ過槽10と、図示しないポンプと、洗浄ブロアBと、制御部100と、を含む。分離膜は膜ろ過槽10に収容され、膜ろ過装置内の通流経路に配置されている。
ポンプは、分離膜によりろ過される水の流れを発生させる。前処理装置20を通過した水は、ポンプにより膜ろ過装置へ通水され、分離膜を通して膜ろ過水として排出される。なお、分離膜の構造に応じて、吸引ろ過する場合や加圧ろ過する場合があるため、分離膜の構造に応じてポンプの構造は異なる。
洗浄ブロアBは、分離膜の表面を洗浄散気する空気を送出する。制御部100は、例えば洗浄ブロワBの洗浄風量を一定として制御してもよく、この洗浄ブロワBの洗浄風量を制御の操作量として積極的に変化させることで、分離膜の膜差圧を制御してもよい。また、膜ろ過水の処理量を計測するための流量計F、膜の状態を監視するための圧力計Pが計測機器として設置され得る。また、水温に応じて分離膜の透水性能は変化するため、水温計Tが設置されてもよい。
圧力計Pから得られる膜差圧の上昇は、膜のファウリング以外にも流体の粘度やろ過流量にも影響される。一般的に、膜差圧ΔPは以下の膜ろ過の基本式(1)で表すことができ、流体粘度μ、膜抵抗R、膜ろ過流束J(膜ろ過流量を膜断面積で割ったもの)の積で表すことができる。
Figure 2021183318
なお、流体粘度μは水温に依存する部分が大きく、流体粘度μの部分を温度補正係数TCF(Temperature Correction Factor)と称して考える場合もあり得る。
上記膜ろ過の基本式(1)を用いて膜差圧の挙動を考えれば、実質的に膜ファウリング現象によって変化する値を示す膜抵抗Rは下記式(2)で示すことができる。
Figure 2021183318
使用する物理量の単位系により膜抵抗Rが極端に小さい値を取ることがあるため、その場合は一定の係数を乗じることで、他の物理量と同程度の大きさになるように計算してもよい。膜分離処理プロセスでは経時的にファウリング現象が進むため、それに合わせて運転期間中に膜抵抗Rは単調増加していく。膜抵抗が増加すると、膜ろ過流束Jや流体粘度μの変化がない限り、膜差圧ΔPもそれに合わせて増加していく。膜抵抗がある上限値になった場合は、薬品洗浄により機能回復し、膜抵抗を再び低下させる必要がある。
制御部100は、例えば、現在の膜抵抗Rの値または膜抵抗Rの将来の予測値を、所定の膜抵抗の目標値(目標抵抗値)に追従させるように、例えば分離膜の洗浄風量を決定し、洗浄ブロアBを制御することができる。
制御部100は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサにより実行されるプログラムが記録されたメモリと、を備え、ソフトウエアにより若しくはソフトウエアとハードウエアとの組み合わせにより、洗浄ブロアBの制御を実行することが出来る。
図2は、薬品洗浄期間における膜抵抗の目標値と、膜抵抗の実績値および予測値との一例を示す図である。
目標抵抗値となる曲線は、膜ろ過運転の開始時(例えば膜交換後に初めて運転する時)に、所望の薬品洗浄期間と膜差圧の上限とから導出することができる。すなわち、薬品洗浄期間の終了時点における膜抵抗値が、膜差圧上限時の膜抵抗値となるように、運転開始時から薬品洗浄期間終了時点までの期間の目標抵抗値を設定する。
膜抵抗の実績値である実績抵抗は式(2)により、圧力計P、流量計Fおよび水温計Tにより計測された値から換算して求めることができる。実際の洗浄風量は、目標抵抗値と予測抵抗値との偏差の大きさに基づいて決定することができる。目標抵抗値と予測抵抗値との差が大きければ、膜抵抗の予測値である予測抵抗値が目標よりも小さいため、目標抵抗値のときよりも洗浄風量を小さくすることができる。逆に、目標抵抗値と予測抵抗値との差が負値(目標抵抗値−予測抵抗値<0)である場合は、予測抵抗が目標抵抗を超えているため、膜差圧の上昇を抑制するため、目標抵抗値のときよりも洗浄風量を大きくするといった制御が可能である。
膜差圧の将来の値である予測抵抗値は、膜分離処理プロセスあるいは前処理プロセス内に設置されるセンサ計測値を入力とした予測式によって算出することができる。例えば図1の構成では、洗浄風量の他に前処理プロセスで計測する水素イオン濃度(pH)などの水質情報や活性炭、凝集剤などの薬品注入率が予測式の入力に相当する。
上記のように、前処理プロセスの運転条件が膜抵抗の予測に影響するのであれば、前処理プロセスの運転条件を操作することによって膜抵抗の上昇を抑制することは可能であるといえる。一方で、例えば、複数系列の膜ろ過装置を有する膜分離処理プロセスの場合、前処理装置20と膜ろ過装置とが1対1で対応するとは限らないため、1系列の場合と同じ制御方法を適用できない場合があった。
そこで、複数系列を有する膜分離処理プロセスにおいて、膜抵抗の実績値と目標値とを用いて膜差圧の制御を行う膜差圧制御装置について以下に説明する。
図3は、第1実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
図3では、説明のため、2系列(第1系列および第2系列)の膜ろ過装置と、1点の薬品注入点を有する前処理装置20とを含む水処理プロセスの例を示している。なお、膜ろ過装置は、図示した系列数に限定されることなく、膜ろ過装置の系列数は2以上の系列数でもよく、薬品注入点も複数の構成であっても、膜ろ過装置の系列数と異なっていても構わない。
図3に示す水処理プロセスにおいて、原水は、前処理装置20を経て、膜分離処理プロセス内の第1系列の膜ろ過装置と第2系列の膜ろ過装置とに分岐して通流して、それぞれの系列から膜ろ過水として排出される。
前処理装置20は、有機物指標(TOC(全有機体炭素)、Tu(濁度)、UV(紫外線)、EEM(励起―蛍光マトリクス))を検出する検出器と、水素イオン指数(pH)を検出する検出器と、薬品(塩素、活性炭、凝集剤)注入部24と、前処理条件統合部21と、を備えている。
第1系列の膜ろ過装置は、分離膜が収容される膜ろ過槽11と、図示しないポンプと、洗浄ブロアB1と、水温計T1と、圧力計P1と、流量計F1と、制御部101と、を含む。分離膜は、膜ろ過槽11内に収容され、膜ろ過装置における水の通流経路に配置されている。
第2系列の膜ろ過装置は、分離膜が収容される膜ろ過槽12と、図示しないポンプと、洗浄ブロアB2と、水温計T2と、圧力計P2と、流量計F2と、制御部102と、を含む。分離膜は、膜ろ過槽12内に収容され、膜ろ過装置における水の通流経路に配置されている。
本実施形態の膜差圧制御装置は、制御部101と、制御部102と、前処理条件統合部21と、を少なくとも含む。膜差圧制御装置は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサにより実行されるプログラムが記録されたメモリと、を備え、ソフトウエアにより若しくはソフトウエアとハードウエアとの組み合わせにより、種々の動作を実現することが出来る。
なお、第1系列の膜ろ過装置と第2系列の膜ろ過装置とは同様の構成であるため、第1系列の膜ろ過装置の構成について以下に説明し、第2系列膜ろ過装置については説明を省略する。
ポンプは、分離膜によりろ過される水の流れを発生させる。前処理装置20を通った水は、ポンプにより膜ろ過装置へ通水され、分離膜を通して膜ろ過水として排出される。なお、分離膜の構造に応じて、吸引ろ過する場合や加圧ろ過する場合があるため、ポンプは分離膜の構造に応じて適切な構造のものが採用される。
洗浄ブロアB1は、分離膜の表面を洗浄散気する空気を送出する。本実施形態では、洗浄ブロアB1は、所定の風量で空気を送出するように制御部101により制御される。
流量計F1は、膜ろ過水の処理量を計測する。流量計F1にて計測された値は、制御部101に供給される。
圧力計P1は、分離膜の状態を監視するために、分離膜の一次側の圧力と二次側の圧力とから膜差圧(膜間差圧)を計測する。圧力計P1にて計測された値は、制御部101に供給される。
水温計T1は、水温に応じて分離膜の透水性能は変化するため、膜ろ過水の水温を計測する。水温計T1にて計測された値は、制御部101に供給される。なお、水温計T1は、第1系列と第2系列とのそれぞれに含まれているが、前処理装置20を経た後であって各系列へ分岐する前において水温を計測する水温計が1か所に備えられても構わない。その場合には、第1系列と第2系列との水温は共通の値となる。
制御部101は、実績抵抗算出部111と、目標抵抗算出部112と、前処理条件制御部113と、を備えている。
実績抵抗算出部111は、水温計T1と、圧力計P1と、流量計F1とから計測値を取得し、上述の式(1)および式(2)により膜抵抗(実績抵抗値)Rを算出することができる。実績抵抗値は、分離膜を液体が透過する際の抵抗値である。膜差圧ΔPは、上述の膜ろ過の基本式(1)で表すことができ、膜差圧ΔPは流体粘度μ、膜抵抗R、膜ろ過流束J(膜ろ過流量を膜断面積で割ったもの)の積で表すことができる。また、膜抵抗Rは上述の式(2)で示すことができる。
目標抵抗算出部112は、膜差圧上限値と、薬品洗浄期間と、洗浄期間後水温と、から、目標抵抗値を算出する。目標抵抗値となる曲線は、膜ろ過装置の運転の開始時(例えば膜交換後に初めて運転する時)に、所望の薬品洗浄期間と膜差圧の上限とから導出することができる。すなわち、薬品洗浄期間の終了時点における膜抵抗値が、膜差圧上限時の膜抵抗値となるように、運転開始時から薬品洗浄期間終了時点までの期間の目標抵抗値を設定する。
前処理条件制御部113は、目標抵抗値と実績抵抗値との偏差に基づいて、前処理装置20の運転条件を変更させる。前処理条件制御部113は、前処理装置20の運転条件として、例えば、薬品注入率を増減させたり、薬品混和池における撹拌機の撹拌速度を増減させたり、前処理装置20の流量を増減することで滞留時間を制御したりすることができる。
例えば、前処理条件制御部113が薬品注入率の増減を決定する場合、一般に薬品を注入する方が膜のファウリング要因となる濁質等を除去する効果が得られることが多いため、実績膜抵抗値が目標膜抵抗値より大きい場合は、薬品注入率を増加させ、実績膜抵抗値が目標膜抵抗値より小さい場合は、膜抵抗を上昇させる余地が残っていることから、薬品コストを低減する目的で、薬品注入率を減少させるといったことが可能となる。
前処理条件制御部113が撹拌機(図示せず)の撹拌速度や前処理装置20の流量の制御であっても、電力費や薬品費に寄与する要因であるため、膜抵抗の変化に応じて前処理装置20の運転条件を変化させることで、コストの最適化を図ることができる。
なお、本実施形態では、前処理条件制御部113は、実績膜抵抗値と目標抵抗値との偏差を利用したフィードバック制御方式としてPID制御(Proportional-Integral-Derivative Control)を例にして説明するが、この例に限定されるものではなく、前処理条件制御部113は、実績膜抵抗値と目標抵抗値との大小を比較することで薬品注入率の増減を決定してもよい。
本実施形態では、前処理条件制御部113は、第1系列の膜ろ過装置の実績膜抵抗値と目標膜抵抗値とから、実績膜抵抗値が目標膜抵抗値に追従するように薬品注入率を演算し、必要な薬品注入率を対象とする系列の要求値として算出する。
前処理条件制御部123についても同様に、第2系列の膜ろ過装置の実質膜抵抗値と目標膜抵抗値とから、実質膜抵抗値が目標抵抗値に追従するように薬品注入率を演算し、必要な薬品注入率を要求値として算出する。
前処理条件統合部21は、第1系列の前処理条件制御部113と、第2系列の前処理条件制御部123とから、それぞれ要求値を取得する。
前処理条件統合部21は、例えば、膜差圧の上昇を最も抑制する保守的な観点に基づき、各系列の膜ろ過装置から要求されている薬品注入率の最大値を実際に注入する薬品注入率としてもよい。
また、前処理条件統合部21は、例えば、複数系列の膜ろ過装置の膜差圧上昇を均等にしたいのであれば、要求値として取得した複数の薬品注入率の平均値や、中央値や、トリム平均値などの代表値を実際に注入する薬品注入率としてもよい。
また、例えば優先したい系列の膜ろ過装置がある場合は、前処理条件統合部21は、複数の薬品注入率に対して優先度を重みとして表現した重み付き平均値を演算し、実際に注入する薬品注入率としてもよい。例えば、膜ろ過流量が系列毎に異なる場合には、それら流量計測値(若しくは予め設定された流量値)を重みとして使用してもよい。
上記のように、複数系列の膜ろ過装置の実績膜抵抗値および目標抵抗値の情報から、前処理条件制御部113、123によって要求する前処理条件(薬品注入率)を算出し、それらを前処理条件統合部21によって統合することで、前処理装置20と1対1で対応しない複数系列を有する膜分離処理プロセスに対して、コストの最適化を図ることが可能となる。さらに加えて、前処理条件統合部21の処理を適切に選択することによって、膜ろ過装置の膜抵抗上昇を各系列間で調整する機能を設けることが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に、第2実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、前処理条件統合部21は条件に応じて、複数系列の膜ろ過プロセスから取得した要求値の統合方法を切り替える機能を有する点において上述の第1実施形態と相違している。本実施形態では、前処理条件統合部21にて統合方法を切り替えることで、さらに膜ろ過プロセスのランニングコストを抑えることができる。
図4は、第2実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の膜差圧制御装置は、前処理条件統合部21に、統合方法を切り替えるトリガとなる切替条件が入力される点において、上述の第1実施形態と異なっている。統合方法を切り替えるトリガとなる切替条件は、信号の比較等で得られるイベントに起因してもよいし、指定時刻などの時間に基づく信号でもよい。
ファウリングによる膜抵抗の上昇は、図2に例示したように、初期の上昇速度と比較して、後半や終盤の上昇速度の方が大きいことが知られている。このことから、例えば、薬品洗浄期間の初期の時点から指定した期間が経過するまでは、複数の要求値(薬品注入率)の平均値を実際に注入する薬品注入率として、複数系列の膜ろ過装置の膜差圧上昇を均等にするように運転してもよく、指定した期間が経過後には、膜差圧の上昇を抑制するように、複数の要求値(薬品注入率)の最大値を実際に注入する薬品注入率とするように運用してもよい。
この場合、トリガ信号(切替条件)として、例えば薬品洗浄開始後から半年が経過したことを通知する信号であってもよく、複数系列の膜ろ過装置の分離膜の膜抵抗値の最大値が30kPa(閾値)を超過したことを通知する信号であってもよく、その他の時間の信号や判断の基準となる膜抵抗値などが用いられ得る。
切替条件は上記に限定されるものではなく、例えば、ある系列における分離膜の膜抵抗値の上昇率が所定の閾値よりも大きくなった異常状態を通知する信号であってもよく、膜ろ過水質が悪化した異常状態を通知する信号であってもよい。異常状態が通知された場合には、前処理条件統合部21は、ランニングコストの抑制よりも異常時対応を優先し、例えば、要求された複数の薬品注入率の最大値を実際に注入する薬品注入率としてもよい。
なお、膜抵抗値の上昇率が正常であるか否かは、実績抵抗算出部111、121が実績抵抗値を監視して、異常であると判断されたときに異常状態を通知してもよい。膜ろ過水質については、膜ろ過水質を監視する監視手段が外部に設けられ、監視手段により異常であると判断されたときに異常状態を通知してもよい。
上記のように、前処理条件統合部21の統合方法を切り替えることで、前処理装置20と、複数系列を有する膜分離処理プロセスとを含む水処理プロセスに対して、膜ろ過装置の分離膜の膜抵抗上昇を複数系列間で調整し、より柔軟にコストや水質の最適化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の膜差圧制御装置によれば、膜ろ過装置が異常状態であるときに、前処理装置20にて異常時対応を行うことが可能である。
したがって、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に、第3実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
図5は、第3実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の膜差圧制御装置は、前処理条件統合部21に外部の制御装置における制御により決定された第2要求値(薬品注入率)が入力されている点が上述の第1実施形態と異なっている。
前処理条件は、分離膜の状態のみでなく原水の水質や膜ろ過水の水質等を考慮した決定されることが望ましい。そこで、本実施形態の膜差圧制御装置では、前処理条件制御部113、123以外の制御機能からの要求薬品注入率などの前処理条件を前処理条件統合部21にて統合する。
前処理条件は原水水質や膜ろ過水質の情報に応じて決定することができる。例えば、他の制御機能は、原水に含まれるアンモニアやマンガンの濃度に応じた塩素要求量などに応じて塩素の注入量を決定したり、膜ろ過水の濁度、色度、紫外線吸光度などの濁質や有機物指標の情報に応じて凝集剤注入量を決定したり、その他様々な制御方法が実現可能である。
本実施形態の膜差圧制御装置では、前処理条件統合部21は、上記のように他の制御機能により要求された薬品注入率(第2要求値)と、前処理条件制御部113、123からの要求値とを統合して、実際の薬品注入率を設定する。
例えば、前処理条件統合部21は、膜ろ過水の水質情報に基づいて得られる凝集剤注入率を要求薬品注入率の一つとして、複数の膜ろ過装置系列の前処理条件制御部113、123からの要求薬品注入率である凝集剤注入率と合わせて、複数の要求薬品注入率の最大値を実際の薬品注入率としてもよい。この場合、膜ろ過水の水質情報から得られる凝集剤注入率が他の膜ろ過装置系列から得られる凝集剤注入率より大きい場合は、膜ろ過水質を優先した状態となり、逆に、他の膜ろ過装置系列から得られる凝集剤注入率の最大値が水質情報から得られる凝集剤注入率よりも大きい場合は、膜差圧の抑制を優先した状態となる。
なお、原水水質や膜ろ過水質の情報だけでなく、例えば、膜ろ過装置の系列と並列に設けられた他の方式の膜ろ過系列や砂ろ過系列が存在する場合、それらの系列に対して推奨される前処理条件を要求される前処理条件として、前処理条件統合部21で統合してもよい。
例えば、浄水場などの水処理プロセスに本実施形態の膜差圧制御装置を適用するときには、新規に全体を設計するだけでなく、一部を更新することなどもあり、並列に設置された系列の処理方式が異なる場合もある。このような場合、本実施形態の膜差圧制御装置によれば、既設の水処理プロセスにて行われていた制御と組み合わせて利用することが可能である。
また更新の場合でなくても、例えば並列に設置するろ過系列を異種のろ過方式とすることで水処理プロセス全体を最適化したい場合にも、本実施形態の膜差圧制御装置において前処理条件統合部21で要求される前処理条を統合する考え方は有効となる。
上記のように、本実施形態の膜差圧制御装置によれば、膜抵抗以外の原水水質や膜ろ過水質の情報に応じて算出される条件、あるいは他系列の前処理条件の制御によって出力される条件と、前処理条件制御部113、123からの要求値と、を組み合わせて実際の薬品注入率を設定することができ、より柔軟にコストや水質の最適化を図ることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に第4実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、第4実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の膜差圧制御装置は、膜抵抗の情報に基づいて、膜ろ過装置の運転条件と前処理プロセスの運転条件とを制御する点が上述の第1実施形態と異なっている。
第1系列の膜ろ過装置の制御部101は、実績抵抗算出部111と、目標抵抗算出部112と、前処理条件・風量制御部114と、減算器115と、を備えている。
第2系列の膜ろ過装置の制御部102は、実績抵抗算出部121と、目標抵抗算出部122と、前処理条件・風量制御部124と、減算器125と、を備えている。
第1系列の膜ろ過装置と第2系列の膜ろ過装置とは同様の構成であるので、以下では第1系列の膜ろ過装置について説明し、第2系列の膜ろ過装置については説明を省略する。
減算器115は、目標抵抗算出部112にて算出された目標抵抗値から、実績抵抗算出部111にて算出された実績抵抗値を減算した差を演算し、前処理条件・風量制御部114へ出力する。
前処理条件・風量制御部114は、例えばPID制御により、入力された値がゼロとなるように、前処理条件の要求値(薬品注入率の要求値)と、洗浄風量の要求値とを演算して出力する。前処理条件・風量制御部114で演算された前処理条件の要求値は前処理条件統合部21へ入力され、洗浄風量の要求値は洗浄ブロアB1へ供給される。
上記のように、薬品注入率と分離膜の洗浄風量とを制御することにより、分離膜の膜抵抗をより高精度に制御することができる。例えば、複数の膜ろ過装置全体の分離膜の膜抵抗を抑制したりする際は、前処理プロセスの運転条件を変更することが有効となるが、特定の膜ろ過装置の分離膜の膜抵抗のみに影響を与えることが難しい。また、何らかの理由で、複数の膜ろ過装置の間で膜抵抗の上昇に差が生じてしまった場合などは、前処理プロセスの運転条件のみで系列間の差を解消するように水処理プロセスを運転することは難しい。これらに対し、本実施形態の膜差圧制御装置では、前処理プロセスの運転条件だけでなく、複数の膜ろ過装置それぞれの分離膜の洗浄風量を制御することができるため、複数の膜ろ過装置の分離膜の膜抵抗を個々に制御することができる。
なお、上記では一例として膜ろ過装置の運転条件として分離膜の洗浄風量を制御することについて説明したが、膜ろ過装置の運転条件であれば、分離膜の洗浄風量を制御対象とする必要はなく、例えば逆洗時間のインターバルや排泥のタイミングなど他の操作量を膜ろ過装置の運転条件として制御対象としてもよく、これらの複数を制御対象としても構わない。
上記のように、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に、第5実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、第5実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態では、膜ろ過装置の運転装置の一例として、膜ろ過流速を制御する例について説明する。なお、膜ろ過流速とは、分離膜のろ過流量を分離膜の膜面積で除した(正規化した)値である。すなわち、膜ろ過流速は、分離膜の単位面積あたりの膜ろ過流量となるため、膜抵抗の上昇を考える上では膜抵抗に関わる負荷と考えて差し支えない。また、複数の膜ろ過装置の分離膜の膜面積が異なる場合は、各膜ろ過装置のろ過流量とろ過流速は同じ比率とならないが、各膜ろ過装置の膜面積が等しい場合は、膜ろ過流量と考えて差し支えない。膜ろ過流速は膜面積を乗じることで、膜ろ過流量に換算することができる。
本実施形態の膜差圧制御装置は、膜ろ過流速決定部22をさらに備えている。
第1系列の膜ろ過装置の制御部101は、実績抵抗算出部111と、目標抵抗算出部112と、減算器115と、を備えている。第1系列の膜ろ過装置において、ポンプPO1は、膜ろ過槽11の後段に配置され、膜ろ過水を吸引することにより第1系列の膜ろ過装置の膜ろ過流速を制御することができる。なお、ポンプPO1は膜ろ過槽11の前段に配置されてもよい。
第2系列の膜ろ過装置の制御部102は、実績抵抗算出部112と、目標抵抗算出部122と、減算器125と、を備えている。第2系列の膜ろ過装置において、ポンプPO2は、膜ろ過槽12の後段に配置され、膜ろ過水を吸引することにより第2系列の膜ろ過装置の膜ろ過流速を制御することができる。なおポンプPO2は膜ろ過槽12の前段に配置されてもよい。
本実施形態では、減算器115、125は、目標抵抗値から実績抵抗値を引いた差を膜抵抗偏差として、膜ろ過流速決定部22と前処理条件統合部21とへ出力する。
膜ろ過流速決定部22には、外部からろ過要求量が入力され、制御部101、102から膜抵抗偏差が入力される。膜ろ過流速決定部22は、複数の膜ろ過装置により得られるろ過流量がろ過要求量を満たすとともに、膜抵抗偏差の値に応じて個々の膜ろ過装置の膜ろ過流速を決定する。
膜ろ過流速決定部22における膜ろ過流速の決定方法は、複数の膜抵抗偏差の大小に応じて、その順位に応じて予め決められた割合で流量を配分してもよく、膜抵抗偏差の大きさと複数の膜ろ過装置に配分される流量の差が比例するように流量が決定されてもよい。膜ろ過流速決定部22にて決定された複数系列の膜ろ過装置それぞれの膜ろ過流速は、対応するポンプPO1、PO2へ入力されて、各系列の膜ろ過流速を実現するようにポンプPO1、PO2の動作が制御される。
このように膜抵抗偏差を膜ろ過流速の配分に用いることで、膜差圧が目標値と比較して上昇している膜ろ過系列の膜ろ過流速を下げ、負荷を均等化することなどが可能となり、水処理プロセス全体としての負荷均等化を図ることができる。また、この際、それぞれの膜ろ過流速に分離膜の膜面積を乗じて得られる膜ろ過流量の総和が、要求ろ過流量と等しくなるように膜ろ過流速を決定することにより、必要な流量を担保することができる。
前処理条件統合部21には、膜ろ過流速決定部22から複数系列の膜ろ過装置に対する膜ろ過流速と、減算器115、125で演算された膜抵抗偏差とが入力される。前処理条件統合部21は、膜ろ過流速と膜抵抗とに応じて、複数系列の膜ろ過装置のそれぞれの負荷に関する情報を演算することができる。なお、本実施形態では、前処理条件統合部21は、複数系列の膜ろ過装置それぞれの洗浄期間の情報と目標抵抗値の曲線の情報とをあらかじめ有しており、膜抵抗偏差と目標抵抗値とから実績抵抗値を算出することが可能に構成されていてもよい。
本実施形態の前処理条件統合部21は、膜抵抗偏差がゼロに追従するように前処理条件の要求値(薬品注入率の要求値)を算出し、例えば、複数の膜ろ過流速(若しくは負荷)を、重みやパラメータとして実際の薬品注入率を設定することができる。すなわち、本実施形態の膜差圧制御装置では、上述の第1乃至第4実施形態における前処理条件制御部113、124の機能を含んでいる。
なお、膜ろ過流速決定部22と前処理条件統合部21との制御周期が同程度の長さであると、両者の操作がうまくかみ合わない場合があり得るため、より上位に位置する膜ろ過流速決定部22の制御周期を前処理条件統合部21の制御周期と比較して長くした方が好ましい。また、各膜ろ過装置の膜ろ過流速にばらつきが少ない場合などは、前処理条件統合部21において、膜ろ過流速の値を重みとして使用しないように構成しても構わない。
上記のように、膜抵抗の情報を用いて、前処理プロセスの運転条件と膜ろ過流速とを制御することによって、要求ろ過流量の制約を満たしつつ、複数系列の膜ろ過装置の間に生じた膜差圧の差に応じた対応をすることが可能となり、水処理プロセス全体で、より柔軟にコストや水質の最適化を図ることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に第6実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
図8は、第6実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
本実施形態の膜差圧制御装置では、膜ろ過流速決定部22の構成が上述の第5実施形態と異なっている。
本実施形態では、膜ろ過流速決定部22には、浄水池水位と、膜抵抗偏差とが入力される。例えば、ろ過流量は、水処理プロセスを経たろ過水が貯水される浄水池水位に応じて受動的に決定され得る。膜ろ過流速決定部22は、浄水池水位が基準とする水位より低い場合には、要求ろ過流量を基準とする値より大きくし、浄水池水位が基準とする水位より高い場合には要求ろ過流量を基準とする値より小さくすることができる。この場合、操作できる膜ろ過流量が連続的ではなく、ポンプPO1、PO2の起動または停止のみで決まる離散的な値であっても対応できる。ポンプが起動している場合の膜ろ過流速は定格流量を膜面積で除した値、停止している場合の膜ろ過流速は0に対応する。
より具体的には、膜ろ過流速決定部22は、例えば、浄水池水位が1〜2mの場合は、全体のろ過流量をQm/hとする。膜ろ過流速決定部22は、例えば、浄水池水位が1〜2mの場合は、全体のろ過流量をQm/hにしてから、その全体ろ過流量に対して各膜ろ過装置の膜ろ過流速を算出して、浄水池水位が所定の値となるように調整してもよい。
また、ポンプの起動と停止とで膜ろ過流速を制御する場合は、膜ろ過流速決定部22は、浄水池水位に応じて、ポンプPO1、PO2を稼働させる膜ろ過装置の系列数を変えてもよい。この場合、要求ろ過流量を制約とする場合と比較して、浄水池水位で水処理プロセス全体のろ過流量を考えると制約が緩和され、より柔軟に水処理プロセスを運用することができる。
本実施形態の膜差圧制御装置は、上記の膜ろ過流速決定部22の構成以外は、上述の第5実施形態と同様である。
上記のように、分離膜の膜抵抗および浄水池水位の情報を用いて、前処理装置20の運転条件および膜ろ過流速を制御することによって、複数の膜ろ過装置の膜抵抗の値に系列間差に対応することが可能となり、水処理プロセス全体で、より柔軟にコストや水質の最適化を図ることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に、第7実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、第7実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
上述の第5実施形態および第6実施形態では、膜ろ過流速を決定した後に前処理装置20の運転条件(薬品注入率の要求値)を決定していたが、本実施形態の膜差圧制御装置では、前処理プロセスの運転条件と複数系列の膜ろ過装置の膜ろ過流速(運転条件)とを最適化問題として定式化し、同時に最適化している。
本実施形態の膜差圧制御装置は、膜ろ過流速決定部22と前処理条件統合部21とに代えて、運転条件統合部23を備えている点において、上述の第5および第6実施形態の膜差圧制御装置と相違している。
例えば、2系列の膜ろ過装置を有する水処理プロセスにおいて、制御周期の次ステップにおける膜抵抗値がPAC(ポリ塩化アルミニウム)注入率と膜ろ過流速(ポンプの消費電力)との重回帰として定式化すると下記のように表すことができる。
Figure 2021183318
上記式において、PACは前処理プロセスのPAC注入率、Pはi系列の膜ろ過ポンプの消費電力、αはPACの単価、βは単位膜ろ過流量あたりの電力単価、kij、a、bは回帰係数であって、予め設定されている。その他、Rはi系列の現在の膜抵抗、RiSVはi系列の次ステップの膜抵抗目標値、mはi系列の膜面積である。なお、本実施形態では、運転条件統合部23は、複数系列の膜ろ過装置それぞれの洗浄期間の情報と目標抵抗値の曲線の情報とをあらかじめ有しており、膜抵抗偏差と目標抵抗値とから実績抵抗値を算出することが可能に構成されていてもよい。
上記の最適化問題は、線形の最適化問題として記述しているため、シンプレックス法や内点法といった方法で解くことができる。また、問題を非線形なものに拡張したとしても、焼きなまし法や粒子群最適化といったメタヒューリスティックな方法を用いて解くことができる。他の薬品注入率についても、PAC注入率の上記算出方法と同様に算出することができる。
分離膜の膜抵抗の上昇は、一般に、時間オーダー程度の速度で進んでいくため、最適化問題を解くための時間は同程度の速度(周期)でよく、膜差圧の予測式等の構造をあまり複雑にしなければ、演算処理時間の観点でも十分であると考えられる。
上記のように、分離膜の膜抵抗の情報を用いて、前処理プロセスの運転条件および膜ろ過流速を同時に最適化することによって、複数の膜ろ過装置の膜抵抗間に差が生じた場合でも対応することが可能となり、より水処理プロセスのランニングコストや水質の最適化を図ることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
次に、第8実施形態の膜差圧制御装置について図面を参照して詳細に説明する。
図10は、第8実施形態の膜差圧制御装置を含む水処理プロセスの一構成例を概略的に示す図である。
上述の第1乃至第7実施形態の膜差圧制御装置では、分離膜の目標抵抗値と実績抵抗値との比較をして前処理装置20の運転条件を決定している。一方で、前処理装置20における処理水の滞留時間が長い場合、操作量を変更してから分離膜の膜差圧に影響が表れるまでに時間差(ラグ)が生じるため、制御による操作量の変化が結果に反映されるまでに間に合わない可能性がある。また、制御周期が長い場合や膜抵抗の上昇が速い場合は、膜差圧の変化に対して制御が遅れてしまう可能性がある。そこで、本実施形態の膜差圧制御装置では、実績抵抗値に代えて膜抵抗値の予測値を用いて、予測値が目標抵抗値に追従するように前処理条件を決定している。
本実施形態の膜差圧制御装置において、制御部101、102は、抵抗変化予測部116、126と、加算器117、127と、を備えている。
抵抗変化予測部116、126は、実績抵抗値から所定期間後の膜抵抗の変化量を表す予測抵抗変化値ΔRを決定する。所定期間Δtは、実績抵抗値が算出されたタイミングから抵抗値が予測されるタイミングまでの期間を表す。予測抵抗変化値ΔRは、膜分離処理プロセスまたは前処理プロセスのセンサ計測値あるいは運転条件によって算出される。例えば、抵抗変化予測部116、126は下記式を用いて予測抵抗変化値を決定する。
Figure 2021183318
上記式において、入力値として膜ろ過流束J及び洗浄風量Qが使用されているが、他のセンサ計測値が使用されてもよい。膜ろ過流束は、ろ過膜の膜面へ膜ファウリング現象の要因となる物質(例えば、濁質や溶解性有機物などの不純物)を届ける作用を示す。膜ろ過流束だけでなく、例えば膜ろ過装置に流入する水のファウリング要因物質の濃度計測値や代替指標を用いてもよい。例えば、ファウリング要因物質や代替指標は、例えば、濁度、色度、SS(Suspended Substance:懸濁物質)、SDI(Silt Density Index:シルト密度指数)、FI(Fouling Index:汚れ指数)、紫外線吸光度(E260)、蛍光強度又は全有機炭素(Total Organic Carbon)などの計測値を用いてもよい。
また、上記式中で洗浄風量はろ過膜の膜面の膜ファウリング現象を抑制する作用を示す。洗浄風量だけでなく、前処理プロセスの運転条件など、膜ファウリング現象を抑制するセンサ計測値や運転条件を用いてもよい。例えば、膜ろ過装置に流入する水のpH、残留塩素、pH調整剤注入率、塩素注入率、オゾン注入率、凝集剤注入率、活性炭注入率などが挙げられる。
また、膜分離処理プロセスを運用する前にこれら入力と膜抵抗の変化を示すデータを収集してもよい。ユーザは、収集されたデータを用いて、オフラインにて上記式の未知変数a、kを決定してもよい。未知変数a、kを決定する際に、最小二乗法、PLS(Partial Least Square)回帰、リッジ回帰又はラッソ回帰等を用いられてもよい。オンライン最小二乗法などオンラインで未知変数を更新されてもよい。未知変数を決定するために、どのような方法が用いられてもよい。
抵抗変化予測部116、126から出力された予測抵抗変化値ΔRは加算器117、127にて、実績抵抗値に加算され、予測抵抗値として前処理条件制御部113、123に入力される。
前処理条件制御部113、123は、予測抵抗値が目標抵抗値に追従するように、要求薬品注入率を演算して出力する。
本実施形態の膜差圧制御装置は、上記構成以外は第1実施形態の膜差圧制御装置と同様である。
以上の方法を用いて、膜抵抗の目標値との比較に膜抵抗の予測値を使用することで、制御による操作量の変化が間に合わない可能性を回避し、前処理プロセスと1対1で対応しない複数系列を有する膜分離処理プロセスに対して、ランニングコストの最適化を図ることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、前処理条件を適切に制御し、水処理プロセスに要する電力費や薬品費といったランニングコストを最小化する膜差圧制御装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、11、12…膜ろ過槽、20…前処理装置、21…前処理条件統合部、22…膜ろ過流速決定部、23…運転条件統合部、24…薬品注入部、100、101、102…制御部、111、121…実績抵抗算出部、112、122…目標抵抗算出部、113、123…前処理条件制御部、114、124…前処理条件・風量制御部、115、125…減算器、116、126…抵抗変化予測部、117、127…加算器、B1、B2…ブロア、F1、F2…流量計、PO1、PO2…ポンプ、P1、P2…圧力計、T1、T2…水温系

Claims (11)

  1. 液体に含まれる固体を液体から分離させる分離膜を備える複数系列の膜ろ過装置と、複数系列の前記膜ろ過装置の少なくとも一部へ流入する液体を処理する前処理装置と、を含む水処理プロセスに対し、前記分離膜の膜差圧を制御する装置であって、
    複数系列の前記膜ろ過装置の各々について、前記分離膜を液体が透過する際の抵抗値である実績抵抗値が前記実績抵抗値の目標値に追従するように、前記前処理装置の運転条件の要求値を算出する前処理条件制御部と、
    前記前処理条件制御部から供給される複数の前記要求値を統合して、前記前処理装置の運転条件を決定する前処理条件統合部と、を備えた膜差圧制御装置。
  2. 前記前処理条件統合部は、複数の前記要求値の平均値又は中央値を前記前処理装置の運転条件とする、請求項1記載の膜差圧制御装置。
  3. 前記前処理条件統合部は、複数の前記要求値に重みを乗じた値の平均値を前記前処理装置の運転条件とする、請求項1記載の膜差圧制御装置。
  4. 前記前処理条件統合部は切替条件を取得し、前記切替条件をトリガとして前記前処理装置における前記要求値の統合方法を切り替える、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の膜差圧制御装置。
  5. 前記前処理条件統合部は、外部の制御装置からの第2要求値を取得し、前記第2要求値と複数の前記要求値とを統合して、前記前処理装置の運転条件を決定する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の膜差圧制御装置。
  6. 前記前処理条件制御部は、前記実績抵抗値が前記目標値に追従するように、前記膜ろ過装置の操作量を制御する制御部を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の膜差圧制御装置。
  7. 液体に含まれる固体を液体から分離させる分離膜を備える複数系列の膜ろ過装置と、複数系列の前記膜ろ過装置の少なくとも一部へ流入する液体を処理する前処理装置と、複数系列の前記膜ろ過装置それぞれを透過する液体の流速を調整する複数のポンプと、を含む水処理プロセスに対し、前記分離膜の膜差圧を制御する装置であって、
    複数の前記膜ろ過装置を通過した膜ろ過水の和が前記水処理プロセスに要求されるろ過流量を満たすように、又は、前記水処理プロセスを経たろ過水が貯水される浄水池の水位が所定の値となるように、前記分離膜を液体が透過する際の抵抗値である実績抵抗値と前記実績抵抗値の目標値とに基づいて複数の前記膜ろ過装置の膜ろ過流速を算出して前記ポンプを制御する膜ろ過流速決定部と、
    複数系列の前記膜ろ過装置の各々について、前記実績抵抗値が前記目標値に追従するように前記前処理装置の運転条件の要求値を算出し、前記膜ろ過流速に基づく重み又はパラメータを用いて複数の前記要求値を統合して、前記前処理装置の運転条件を決定する前処理条件統合部と、を備えた膜差圧制御装置。
  8. 液体に含まれる固体を液体から分離させる分離膜を備える複数系列の膜ろ過装置と、複数系列の前記膜ろ過装置の少なくとも一部へ流入する液体を処理する前処理装置と、複数系列の前記膜ろ過装置それぞれを透過する液体の流速を調整する複数のポンプと、を含む水処理プロセスに対し、前記分離膜の膜差圧を制御する装置であって、
    前記水処理プロセスに要求されるろ過流量、前記分離膜を液体が透過する際の抵抗値である実績抵抗値および前記実績抵抗値の目標値に基づいて、前記前処理装置の運転条件と複数系列の膜ろ過装置の運転条件との最適化問題とした予め設定された演算を行うことにより、前記前処理装置の運転条件と前記膜ろ過装置の運転条件とを決定する運転条件統合部を備えた膜差圧制御装置。
  9. 前記前処理装置の運転条件あるいは各膜ろ過装置の運転条件を用いて、前記分離膜の前記実績抵抗値の現在から将来までの変化値を算出する抵抗変化予測部と、前記実績抵抗値と前記変化値とを加算した予測抵抗値を算出する加算器と、をさらに備え、
    前記前処理条件制御部は、前記予測抵抗値が将来の前記目標値に追従するように前記前処理装置の運転条件の要求値を算出する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の膜差圧制御装置。
  10. 前記抵抗変化予測部は、前記前処理装置における塩素注入率、凝集剤注入率、活性炭注入率、又は、前記前処理装置から排出された処理水のpH、の少なくともいずれか1つの値に基づいて前記変化値を算出する、請求項9記載の膜差圧制御装置。
  11. 前記抵抗変化予測部は、濁度、色度、E260、蛍光強度又は全有機炭素の少なくともいずれか1つの値に基づいて前記変化値を算出する、請求項9記載の膜差圧制御装置。
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