JP2021180344A - 予測画像生成装置、動画像復号装置、および動画像符号化装置 - Google Patents

予測画像生成装置、動画像復号装置、および動画像符号化装置 Download PDF

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Eiichi Sasaki
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Takeshi Nakajo
将伸 八杉
Masanobu Yasugi
知宏 猪飼
Tomohiro Igai
友子 青野
Tomoko Aono
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Abstract

【課題】1枚のピクチャのうち、一部分だけをイントラ予測し、それ以外の領域はインター予測する方式では、特定のピクチャで膨大な符号量が発生し、遅延が生じる事態を回避することができるが、ピクチャの一部だけをイントラ予測で符号化するため、ピクチャ全体をイントラ予測で符号化するIピクチャに比べて、符号化効率が低下する。【解決手段】イントラ予測において、参照画素フィルタをかける時に、対象ブロックの上辺および左辺に隣接する隣接ブロックの復号画素値を参照画素としてセットし、隣接ブロックが制限領域に含まれない場合、制限に含まれる隣接ブロックの画素値を参照画素としてセットする。【選択図】図26

Description

本発明の実施形態は、予測画像生成装置、動画像復号装置、および動画像符号化装置に関する。
動画像を効率的に伝送または記録するために、動画像を符号化することによって符号化データを生成する動画像符号化装置、および、当該符号化データを復号することによって復号画像を生成する動画像復号装置が用いられている。
具体的な動画像符号化方式としては、例えば、H.264/AVCやHEVC(High-Efficiency Video Coding)にて提案されている方式などが挙げられる。
このような動画像符号化方式においては、動画像を構成する画像(ピクチャ)は、画像を分割することにより得られるスライス、スライスを分割することにより得られる符号化ツリーユニット(CTU:Coding Tree Unit)、符号化ツリーユニットを分割することで得
られる符号化単位(符号化ユニット(Coding Unit:CU)と呼ばれることもある)、及び
、符号化単位を分割することより得られる変換ユニット(TU:Transform Unit)からなる階層構造により管理され、CU毎に符号化/復号される。
また、このような動画像符号化方式においては、通常、入力画像を符号化/復号することによって得られる局所復号画像に基づいて予測画像が生成され、当該予測画像を入力画像(原画像)から減算して得られる予測誤差(「差分画像」または「残差画像」と呼ぶこともある)が符号化される。予測画像の生成方法としては、画面間予測(インター予測)、および、画面内予測(イントラ予測)が挙げられる。
また、近年の動画像符号化及び復号の技術として非特許文献1が挙げられる。
"Algorithm Description of Joint Exploration Test Model 7", JVET-G1001, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2017-08-19 "Improved Cyclic Intra Refresh", JVET-K0212, Joint Video Exploration Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11, 2018-07-10
図1はある動画像を符号化した時のピクチャ毎の発生符号量の一例を示す図であり、横軸
は時刻(連続するピクチャ)、縦軸は各ピクチャの発生符号量を示す。
しかしながら、イントラ予測とインター予測の符号量の割合は大きく異なる。図1はあ
る動画像を符号化した時のピクチャ毎の発生符号量の一例を示す図であり、横軸は時刻(連続するピクチャ)、縦軸は各ピクチャの発生符号量を示す。図に示すように、イントラピクチャ(Iピクチャ)ではインターピクチャの数倍の符号量が発生する。従ってIピクチャを伝送する時には、大幅な遅延が発生する。一方、1枚のピクチャ全体をイントラ予測するのではなく、1枚のピクチャのうち、一部分だけをイントラ予測し、それ以外の領域はインター予測(イントラ予測する領域があってもよい)するイントラリフレッシュという方式がある。この方式では、複数のピクチャに渡って、少しずつイントラ予測を実施することで、特定のピクチャで膨大な符号量が発生し、遅延が生じる事態を回避することができる。しかしながら、ピクチャの一部だけをイントラ予測で符号化するため、ピクチャ全体をイントラ予測で符号化するIピクチャに比べて、符号化効率が低下するというデメリットもある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ランダムアクセスという機能性を損なわず、かつ、Iピクチャと比べて符号化効率の低下を抑えつつ、遅延の小さい動画像符号化および復号を実現する仕組みを提供することである。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は、ピクチャを制限領域と非制限領域に分割し、制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を用いて予測し、非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、上記ピクチャの復号後、上記ピクチャの上記制限領域を上記制限参照領域として設定し、イントラ予測において、参照画素フィルタをかける時に、対象ブロックの上辺および左辺に隣接する隣接ブロックの復号画素値を参照画素としてセットし、隣接ブロックが制限領域に含まれない場合、制限に含まれる隣接ブロックの画素値を参照画素としてセットする。
本発明の一態様によれば、動画像において、リフレッシュの仕組みを導入し、ランダムアクセス可能、かつ、符号化効率の低下を抑えつつ、符号量の変動の小さい符号化データを生成することができる。これにより、符号化データを通してほぼ一定のビットレートの符号化を実現することができ、Iピクチャ毎に発生していた遅延を回避することができる。
ある動画像を符号化した時のピクチャ毎の発生符号量の一例を示す図である。 符号化ストリームのデータの階層構造を示す図である。 CTUの分割例を示す図である。 参照ピクチャおよび参照ピクチャリストの一例を示す概念図である。 イントラ予測モードの種類(モード番号)を示す概略図である。 本発明の制限領域、非制限領域を説明する図である。 本発明の対象ブロックが参照可能な範囲を説明する図である。 制限参照領域の設定を説明する図である。 本発明の段階的リフレッシュ領域を説明する図である。 本発明の新規リフレッシュ領域、制限領域、非制限領域を説明する図である。 本発明の新規リフレッシュ領域を説明する図である。 新規リフレッシュ領域とCUの関係を説明する図である。 本発明の新規リフレッシュ領域の種類を説明する図である。 本発明の新規リフレッシュ領域を説明する別の図である。 段階的リフレッシュに必要なシンタックスを説明する図である。 制限領域とオーバーラップ領域の関係を説明する図である。 動画像復号装置の構成を示す概略図である。 動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 インター予測パラメータ復号部の構成を示す概略図である。 マージ予測パラメータ導出部、および、AMVP予測パラメータ導出部の構成を示す概略図である。 イントラ予測パラメータ復号部の構成を示す概略図である。 インター予測画像生成部の構成を示す概略図である。 境界パディングと境界動きベクトルクリッピングを説明する図である。 イントラ予測に使用される参照領域を示す図である。 イントラ予測画像生成部の構成を示す図である。 参照画素フィルタの参照画素を説明する図である イントラ予測時の制限領域とイントラ予測モード(モード番号)の関係を示す図である。 インター予測パラメータ符号化部の構成を示す概略図である。 イントラ予測パラメータ符号化部の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した送信装置、および、動画像復号装置を搭載した受信装置の構成について示した図である。(a)は動画像符号化装置を搭載した送信装置を示しており、(b)は動画像復号装置を搭載した受信装置を示している。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した記録装置、および、動画像復号装置を搭載した再生装置の構成について示した図である。(a)は動画像符号化装置を搭載した記録装置を示しており、(b)は動画像復号装置を搭載した再生装置を示している。 本実施形態に係る画像伝送システムの構成を示す概略図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図32は、本実施形態に係る画像伝送システム1の構成を示す概略図である。
画像伝送システム1は、符号化対象画像を符号化した符号化ストリームを伝送し、伝送された符号化ストリームを復号し画像を表示するシステムである。画像伝送システム1は、動画像符号化装置(画像符号化装置)11、ネットワーク21、動画像復号装置(画像復号装置)31、及び動画像表示装置(画像表示装置)41を含んで構成される。
動画像符号化装置11には画像Tが入力される。
ネットワーク21は、動画像符号化装置11が生成した符号化ストリームTeを動画像復号装置31に伝送する。ネットワーク21は、インターネット(Internet)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、小規模ネットワーク(LAN:Local Area Network)またはこれらの組み合わせである。ネットワーク21は、必ずしも双方向の通信網に限らず、地上デジタル放送、衛星放送等の放送波を伝送する一方向の通信網であっても良い。また、ネットワーク21は、DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc:登録商標)等の符号化ストリームTeを記録した記憶媒体で代替されても良い。
動画像復号装置31は、ネットワーク21が伝送した符号化ストリームTeのそれぞれを復号し、復号した1または複数の復号画像Tdを生成する。
動画像表示装置41は、動画像復号装置31が生成した1または複数の復号画像Tdの全部または一部を表示する。動画像表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Elec
tro-luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備える。ディスプレイの形態としては、据え置き、モバイル、HMD等が挙げられる。また、動画像復号装置31が高い処理能力
を有する場合には、画質の高い画像を表示し、より低い処理能力しか有しない場合には、高い処理能力、表示能力を必要としない画像を表示する。
<演算子>
本明細書で用いる演算子を以下に記載する。
>>は右ビットシフト、<<は左ビットシフト、&はビットワイズAND、|はビットワイズOR
、|=はOR代入演算子であり、||は論理和を示す。
x?y:zは、xが真(0以外)の場合にy、xが偽(0)の場合にzをとる3項演算子である。
Clip3(a,b,c) は、cをa以上b以下の値にクリップする関数であり、c<aの場合にはaを返し、c>bの場合にはbを返し、その他の場合にはcを返す関数である(ただし、a<=b)。
abs(a)はaの絶対値を返す関数である。
Int(a)はaの整数値を返す関数である。
floor(a)はa以下の最大の整数を返す関数である。
ceil(a)はa以上の最大の整数を返す関数である。
a/dはdによるaの除算(小数点以下切り捨て)を表す。
<符号化ストリームTeの構造>
本実施形態に係る動画像符号化装置11および動画像復号装置31の詳細な説明に先立って、動画像符号化装置11によって生成され、動画像復号装置31によって復号される符号化ストリームTeのデータ構造について説明する。
図2は、符号化ストリームTeにおけるデータの階層構造を示す図である。符号化ストリ
ームTeは、例示的に、シーケンス、およびシーケンスを構成する複数のピクチャを含む。図2の(a)〜(f)は、それぞれ、シーケンスSEQを既定する符号化ビデオシーケンス、ピクチャPICTを規定する符号化ピクチャ、スライスSを規定する符号化スライス、スライスデータを規定する符号化スライスデータ、符号化スライスデータに含まれる符号化ツリーユニットCTU、符号化ツリーユニットに含まれる符号化ユニットCUを示す図である。
(符号化ビデオシーケンス)
符号化ビデオシーケンスでは、処理対象のシーケンスSEQを復号するために動画像復号
装置31が参照するデータの集合が規定されている。シーケンスSEQは、図2(a)に示すよう
に、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set)、シーケンスパラメータセットSPS(Sequence Parameter Set)、ピクチャパラメータセットPPS(Picture Parameter Set)、ピクチャPICT、及び、付加拡張情報SEI(Supplemental Enhancement Information)を
含んでいる。
ビデオパラメータセットVPSは、複数のレイヤから構成されている動画像において、複
数の動画像に共通する符号化パラメータの集合および動画像に含まれる複数のレイヤおよび個々のレイヤに関連する符号化パラメータの集合が規定されている。
シーケンスパラメータセットSPSでは、対象シーケンスを復号するために動画像復号装
置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの幅や高さが規定される。なお、SPSは複数存在してもよい。その場合、PPSから複数のSPSの何れか
を選択する。
ピクチャパラメータセットPPSでは、対象シーケンス内の各ピクチャを復号するために
動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの復号に用いられる量子化幅の基準値(pic_init_qp_minus26)や重み付き予測の適用を示すフラグ(weighted_pred_flag)が含まれる。なお、PPSは複数存在してもよい。その場合、対象シーケンス内の各ピクチャから複数のPPSの何れかを選択する。
(符号化ピクチャ)
符号化ピクチャでは、処理対象のピクチャPICTを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。ピクチャPICTは、図2(b)に示すように、スライス0〜スライスNS-1を含む(NSはピクチャPICTに含まれるスライスの総数)。
なお、スライス0〜スライスNS-1のそれぞれを区別する必要が無い場合、符号の添え字
を省略して記述することがある。また、以下に説明する符号化ストリームTeに含まれるデータであって、添え字を付している他のデータについても同様である。
(符号化スライス)
符号化スライスでは、処理対象のスライスSを復号するために動画像復号装置31が参照
するデータの集合が規定されている。スライスは、図2(c)に示すように、スライスヘッダ、および、スライスデータを含んでいる。
スライスヘッダには、対象スライスの復号方法を決定するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータ群が含まれる。スライスタイプを指定するスライスタイプ指定情報(slice_type)は、スライスヘッダに含まれる符号化パラメータの一例である。
スライスタイプ指定情報により指定可能なスライスタイプとしては、(1)符号化の際にイントラ予測のみを用いるIスライス、(2)符号化の際に単方向予測、または、イントラ予測を用いるPスライス、(3)符号化の際に単方向予測、双方向予測、または、イントラ予測を用いるBスライスなどが挙げられる。なお、インター予測は、単予測、双予測に限定されず、より多くの参照ピクチャを用いて予測画像を生成してもよい。以下、P
、Bスライスと呼ぶ場合には、インター予測を用いることができるブロックを含むスライ
スを指す。
なお、スライスヘッダは、ピクチャパラメータセットPPSへの参照(pic_parameter_set_id)を含んでいても良い。
(符号化スライスデータ)
符号化スライスデータでは、処理対象のスライスデータを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスデータは、図2(d)に示すように、CTUを含んでいる。CTUは、スライスを構成する固定サイズ(例えば64x64)のブロックであり、最大符号化単位(LCU:Largest Coding Unit)と呼ぶこともある。
(符号化ツリーユニットCTU)
図2(e)には、処理対象のCTUを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集
合が規定されている。CTUは、再帰的な4分木分割(QT(Quad Tree)分割)、2分木分割(BT(Binary Tree)分割)あるいは3分木分割(TT(Ternary Tree)分割)により符号
化処理の基本的な単位である符号化ユニットCUに分割される。BT分割とTT分割を合わせてマルチツリー分割(MT(Multi Tree)分割)と呼ぶ。再帰的な4分木分割により得られる木構造のノードのことを符号化ノード(Coding Node)と称する。4分木、2分木、及び
3分木の中間ノードは、符号化ノードであり、CTU自身も最上位の符号化ノードとして規
定される。
CTは、CT情報として、QT分割を行うか否かを示すQT分割フラグ(cu_split_flag)、MT
分割の有無を示すMT分割モード(split_mt_mode)、MT分割の分割方向を示すMT分割方向
(split_mt_dir)、MT分割の分割タイプを示すMT分割タイプ(split_mt_type)を含む。cu_split_flag、split_mt_flag、split_mt_dir、split_mt_type は符号化ノード毎に伝送される。
cu_split_flagが1の場合、符号化ノードは4つの符号化ノードに分割される(図3(b)
)。cu_split_flagが0の時、split_mt_flagが0の場合に符号化ノードは分割されず1つのCUをノードとして持つ(図3(a))。 CUは符号化ノードの末端ノードであり、これ以上
分割されない。CUは、符号化処理の基本的な単位となる。
split_mt_flagが1の場合に符号化ノードは以下のようにMT分割される。split_mt_typeが0の時、split_mt_dirが1の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに水平分割され(図3(d))、split_mt_dirが0の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに垂直分割される(図3(c))。また、split_mt_typeが1の時、split_mt_dirが1の場合に符号化ノー
ドは3つの符号化ノードに水平分割され(図3(f))、split_mt_dirが0の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに垂直分割される(図3(e))。
また、CTUのサイズが64x64画素の場合には、CUのサイズは、64x64画素、64x32画素、32x64画素、32x32画素、64x16画素、16x64画素、32x16画素、16x32画素、16x16画素、64x8画素、8x64画素、32x8画素、8x32画素、16x8画素、8x16画素、8x8画素、64x4画素、4x64画素、32x4画素、4x32画素、16x4画素、4x16画素、8x4画素、4x8画素、及び、4x4画素の何れかをとり得る。
(符号化ユニットCU)
図2(f)に示すように、処理対象のCUを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。具体的には、CUは、CUヘッダCUH、予測パラメータ、変換パ
ラメータ、量子化変換係数等から構成される。CUヘッダでは予測モード等が規定される。
予測処理は、CU単位で行われる場合と、CUをさらに分割したサブCU単位で行われる場合がある。CUとサブCUのサイズが等しい場合には、CU中のサブCUは1つである。CUがサブCUのサイズよりも大きい場合、CUは、サブCUに分割される。たとえばCUが8x8、サブCUが4x4の場合、CUは水平2分割、垂直2分割からなる、4つのサブCUに分割される。
予測の種類(予測モード)は、イントラ予測と、インター予測の2つがある。イントラ予測は、同一ピクチャ内の予測であり、インター予測は、互いに異なるピクチャ間(例えば、表示時刻間、レイヤ画像間)で行われる予測処理を指す。
変換・量子化処理はCU単位で行われるが、量子化変換係数は4x4等のサブブロック単位
でエントロピー符号化してもよい。
(予測パラメータ)
予測画像は、ブロックに付随する予測パラメータによって導出される。予測パラメータには、イントラ予測とインター予測の予測パラメータがある。
以下、インター予測の予測パラメータについて説明する。インター予測パラメータは、予測リスト利用フラグpredFlagL0、predFlagL1と、参照ピクチャインデックスrefIdxL0、refIdxL1と、動きベクトルmvL0、mvL1から構成される。予測リスト利用フラグpredFlagL0、predFlagL1は、各々L0リスト、L1リストと呼ばれる参照ピクチャリストが用いられるか否かを示すフラグであり、値が1の場合に対応する参照ピクチャリストが用いられる。なお、本明細書中「XXであるか否かを示すフラグ」と記す場合、フラグが0以外(たとえば1)をXXである場合、0をXXではない場合とし、論理否定、論理積などでは1を真、0を偽と扱う(以下同様)。但し、実際の装置や方法では真値、偽値として他の値を用いることもできる。
インター予測パラメータを導出するためのシンタックス要素には、例えば、マージフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参
照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLXがある。
(参照ピクチャリスト)
参照ピクチャリストは、参照ピクチャメモリ306に記憶された参照ピクチャからなるリ
ストである。図4は、低遅延用のピクチャ構造における参照ピクチャおよび参照ピクチャ
リストの一例を示す概念図である。図中(a)において、矩形はピクチャ、矢印はピクチャ
の参照関係、横軸は時間、矩形中のI、P、Bは各々イントラピクチャ、単予測ピクチャ、
双予測ピクチャ、矩形中の数字は復号順を示す。図に示すように、ピクチャの復号順は、I0、P1/B1、P2/B2、P3/B3、P4/B4であり、表示順も同じである。図中(b)に、ピクチャB3
(対象ピクチャ)の参照ピクチャリストの例を示す。参照ピクチャリストは、参照ピクチャの候補を表すリストであり、1つのピクチャ(スライス)が1つ以上の参照ピクチャリストを有してもよい。図の例では、対象ピクチャB3は、L0リストRefPicList0およびL1リストRefPicList1の2つの参照ピクチャリストを持つ。個々のCUでは、参照ピクチャリストRefPicListX(X=0または1)中のどのピクチャを実際に参照するかを参照ピクチャインデックスrefIdxLXで指定する。図は、refIdxL0=2、refIdxL1=0の例である。対象ピクチャがP3の場合、参照ピクチャリストはL0リストのみである。なお、LXは、L0予測とL1予測を区別しない場合に用いられる記述方法であり、以降では、LXをL0、L1に置き換えることでL0リストに対するパラメータとL1リストに対するパラメータを区別する。
(マージ予測とAMVP予測)
予測パラメータの復号(符号化)方法には、マージ予測(merge)モードとAMVP(Adaptive Motion Vector Prediction、適応動きベクトル予測)モードがあり、マージフラグmerge_flagは、これらを識別するためのフラグである。
マージ予測モードは、予測リスト利用フラグpredFlagLX(またはインター予測識別子inter_pred_idc)、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLXを符号化データに含めずに、既に処理した近傍ブロックの予測パラメータから導出する用いるモードである。マージインデックスmerge_idxは、処理が完了したブロックから導出される予測パラメータ候補(マージ候補)のうち、いずれの予測パラメータを対象ブロックの予測パラメータとして用いるかを示すインデックスである。
AMVPモードは、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLXを符号化データに含めるモードである。なお、動きベクトルmvLXは、予測ベクトルmvpLXを識別する予測ベクトルインデックスmvp_LX_idxと差分ベクトルmvdLXとして符号化される。インター予測識別子inter_pred_idcは、参照ピクチャの種類および数を示す値であり、PRED_L0、PRED_L1、PRED_BIの何れかの値をとる。PRED_L0、PRED_L
1は、各々L0リスト、L1リストで管理された1枚の参照ピクチャを用いる単予測を示す。PRED_BIはL0リストとL1リストで管理された2枚の参照ピクチャを用いる双予測BiPredを示す。
(動きベクトル)
動きベクトルmvLXは、異なる2つのピクチャ上のブロック間のシフト量を示す。動きベクトルmvLXに関する予測ベクトル、差分ベクトルを、それぞれ予測ベクトルmvpLX、差分
ベクトルmvdLXと呼ぶ。
以下、イントラ予測の予測パラメータについて説明する。イントラ予測パラメータは、輝度予測モードIntraPredModeY、色差予測モードIntraPredModeCから構成される。図5は
、イントラ予測モードの種類(モード番号)を示す概略図である。図に示すように、イントラ予測モードは、例えば67種類(0〜66)存在する。例えば、Planar予測(0)、DC予測(1)、Angular予測(2〜66)である。さらに、色差ではLMモード(67〜72)を追加して
もよい。
イントラ予測パラメータを導出するためのシンタックス要素には、例えば、prev_intra_luma_pred_flag、mpm_idx、rem_selected_mode_flag、rem_selected_mode、rem_non_selected_mode等がある。
(MPM)
prev_intra_luma_pred_flagは、対象ブロックの輝度予測モードIntraPredModeYとMPM(Most Probable Mode)とが一致するか否かを示すフラグである。MPMは、MPM候補リストmpmCandList[]に含まれる予測モードである。MPM候補リストは、隣接ブロックのイントラ予測モードおよび所定のイントラ予測モードから、対象ブロックに適用される確率が高いと推定される候補を格納したリストである。prev_intra_luma_pred_flagが1の場合、MPM候補リストとインデックスmpm_idxを用いて、対象ブロックの輝度予測モードIntraPredModeYを導出する。
IntraPredModeY = mpmCandList[mpm_idx]
(REM)
prev_intra_luma_pred_flagが0の場合、イントラ予測モード全体からMPM候補リストに含まれるイントラ予測モードを除いた残りのモードRemIntraPredModeからイントラ予測モードを選択する。RemIntraPredModeとして選択可能なイントラ予測モードは、「非MPM」または「REM」と呼ばれる。フラグrem_selected_mode_flagは、rem_selected_modeを参照してイントラ予測モードを選択するのか、または、rem_non_selected_modeを参照してイントラ予測モードを選択するのかを指定するフラグである。RemIntraPredModeは、rem_selected_mode、あるいは、rem_non_selected_modeを用いて導出される。
(制限付符号化・復号領域)
同一のピクチャ内に部分領域を設定し、部分領域はその他の領域の画素を使わずに符号化、復号処理を行い、その他の領域は、ピクチャ全体を使って符号化、復号処理を行うことを特徴とする動画像符号化、復号方法を説明する。
図6は、本発明の領域A、領域Bを説明する図である。本発明の動画像符号化装置、復
号装置では、ピクチャ内の領域Aと領域Bの領域を設定する。Aの領域は、領域Aからしか予測処理ができず、領域の外側はパディング等の処理を行う。Bの領域は、Aの領域も含むピクチャ全体から予測処理が可能である。ここで予測処理とは、イントラ予測、インター予測、ループフィルタ処理等を指す。領域Aは、領域A内で符号化処理・復号処理が閉じているので領域Aだけを復号することができる。
以後、領域Aを制限領域(第1の領域、制御領域、クリーン領域、リフレッシュ済領域、領域A)と呼ぶ。逆に、制限領域以外の領域を、非制限領域(第2の領域、非制御領域、ダーティー領域、未リフレッシュ領域、領域B、制限領域外)とも呼ぶ。
例えば、イントラ予測のみから符号化・復号化される領域で、かつ、イントラ予測において既に符号化した領域(後述の新規リフレッシュ領域FRA)は、制限領域である。イン
トラ予測から構成されるこの制限領域をさらに参照して、符号化・復号する領域もまた制限領域である。さらに、参照ピクチャ中の制限領域を参照して符号化・復号する領域も、制限領域である。つまり、制限領域とは、制限領域を参照して符号化・復号される領域である。
以下、制限領域の左上位置を(xRA_st, yRA_st)、右下位置を(xRA_en, yRA_en)、サイズを(wRA, hRA)で示す。また、位置とサイズは以下の関係があるので一方から他方を導出してもよい。
xRA_en = xRA_st + wRA - 1
yRA_en = yRA_st + hRA - 1
また、下記のように導出することもできる。
wRA = xRA_en - xRA_st + 1
hRA = yRA_en - yRA_st + 1
さらに、時刻jの制限参照領域の左上位置を(xRA_st[j], yRA_st[j])、右下位置を(xRA_en[j], yRA_en[j])、サイズを(wRA[j], hRA[j])で示す。また、参照ピクチャRefの制限参照領域の位置を(xRA_st[Ref], yRA_st[Ref])、右下位置を(xRA_en[Ref], yRA_en[Ref])、サイズを(wRA[Ref], hRA[Ref])で示してもよい。
(制限領域の判定)
例えば、あるピクチャが時刻i、あるブロックの位置が(x, y)の場合、以下の式で位置
の画素が制限領域内であるかを判定してもよい。
IsRA(x, y) = (xRA_st[i] <= x && x <= xRA_en[i] && yRA_st[i] <= y && y <= yRA_en[i])
または以下の判定式でもよい。
IsRA(x, y) = (xRA_st[i] <= x && x < xRA_st[i]+wRA[i] && yRA_st[i] <= y && y < yRA_st[i]+hRA[i])
IsRA(xRef, yRef) = (xRA_st[Ref] <= xRef && xRef <= xRA_en[Ref] && yRA_st[Ref] <= yRef && yRef <= yRA_en[Ref])
例えば、対象ピクチャが時刻i、対象ブロックPbの左上座標が(xPb, yPb)、 幅と高さがbWとbHの場合、動画像復号装置及び動画像符号化装置のイントラ予測部、動き補償部、ループフィルタは対象ブロックPbが制限領域内にある場合、IsRA(Pb)を以下の判定式で導出する。
IsRA(Pb) = (xRA_st[i] <= xPb && xPb <= xRA_en[i] && yRA_st[i] <= yPb && yPb <=
yRA_en[i] )
または以下の判定式でもよい。
IsRA(Pb) = (xRA_st[i] <= xPb && xPb < xRA_st[i]+wRA[i] && yRA_st[i] <= yPb && yPb < yRA_st[i]+hRA[i])
(制限参照領域の基本動作)
本明細書の動画像符号化装置および動画像復号装置は以下の動作を行う。
図7は、本発明におけるイントラ予測、インター予測、ループフィルタにおいて、制限
領域が参照可能な範囲を示す図である。図7(a)は、制限領域に含まれる対象ブロックが参照可能な範囲を示す。対象ブロックと同じピクチャ(対象ピクチャ)中の制限領域に含まれる、既に符号化・復号された領域は、対象ブロックがイントラ予測、インター予測、ループフィルタで参照できる範囲である。同様に、参照ピクチャ中の制限領域(制限参照領域)は、対象ブロックがインター予測、ループフィルタで参照できる範囲である。図7(b)は、非制限領域に含まれる対象ブロックが参照可能な範囲を示す。対象ピクチャ中の既に符号化・復号された領域は、対象ブロックがイントラ予測、インター予測で参照できる範囲である。同様に、参照ピクチャ中の全ての領域がインター予測で参照できる範囲である。なお、タイルやスライス、ウェーブフロントなどの並列処理や参照制限を用いる場合には、上記に加え他の制限が加わることもある。
・制限領域に含まれる対象ブロックは、対象ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を行う、・制限領域に含まれる対象ブロックは、対象ピクチャ中の制限領域の符号化パラメータ(例えばイントラ予測方向、動きベクトル、参照ピクチャインデックス)を参照して、もしくは、参照ピクチャの制限参照領域の符号化パラメータを参照して、対象ブロックの符号化パラメータを導出する。
・制限領域に含まれる対象ブロックは、対象ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照して、ループフィルタ処理を行う。
(制限領域の判定と利用可能性)
イントラ予測のMPM導出、インター予測のマージ候補導出などにおいて、隣接領域の予
測パラメータを用いて、対象ブロックの予測パラメータ(イントラ予測モード、動きベク
トル)を導出することがある。このような場合に以下の処理を行っても良い。イントラ予
測及びインター予測で対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの隣接ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が非制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が偽)の場合、予測パラメータ導出に隣接ブロックの値を用いない。すなわち、対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの隣接ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が真)である場合に、その位置(xNbX, yNbX)を予測パラメータの導出に用いる。
なお、上記では予測候補の導出で説明したが、画面外や並列処理単位(スライス境界、タイル境界)の判定と同様に画面外の判定の全般に、制限領域の判定を用いてもよい。この場合、対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの参照位置(xNbX,
yNbX)が制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が真)である場合には、参照位置(xNbX, yNbX)を参照不可能(availableNbX=0)と判定する。すなわち、対象ブロックが画面内にあり、かつ、対象ブロックと参照位置が同じ異なる並列処理単位にはなく、対象ブロックが非制限領域にある、か、対象ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が真)に、参照位置(xNbX, yNbX)を参照可能(availableNbX=1)と判定する。イントラ予測及びインター予測では、参照位置(xNbX, yNbX)を参照可能(availableNbX=1)の場合において、その参照位置の予測パラメータを、対象ブロックの予測パラメータの導出に用いる。
(制限参照領域の判定と、制限参照領域のクリップ)
また、参照ピクチャが時刻j、参照画素の左上位置が(xRef,yRef)の場合、動き補償部、は参照画素が制限参照領域内にある場合を以下の判定式で導出する。
IsRA(xRef, yRef) = (xRA_st[j] <= xRef && xRef <= xRA_en[j] && yRA_st[j] <= yRef && yRef <= yRA_en[j] )
または以下の判定式でもよい。
IsRA(xRef, yRef) = (xRA_st[j] <= xRef && xRef < xRA_st[j]+wRA[j] && yRA_st[i] <= yRef && yRef < yRA_st[j]+hRA[j])
また、動き補償部は、以下の式を用いて、参照画素を制限領域内の位置にクリップしても良い。
xRef = Clip3(xRA_st[j], xRA_en[j], xRef)
yRef = Clip3(yRA_st[j], yRA_en[j], yRef)
または以下の導出式でもよい。
xRef = Clip3(xRA_st[j], xRA_st[j]+wRA[j]-1, xRef)
yRef = Clip3(yRA_st[j], yRA_st[j]+hRA[j]-1, yRef)
なお、制限領域の位置は、後述の段階的リフレッシュ情報により動画像符号化装置から動画像復号装置に伝送する。なお、制限領域の位置やサイズは、時刻(例えばPOC)に従っ
て導出せずに、対象ピクチャを復号した後、もしくは、対象ピクチャの復号開始時点で、参照メモリ内の参照ピクチャRefを設定してもよい。この場合、参照ピクチャRefを指定することにより、その制限領域の位置とサイズを導出することができる。
(制限参照領域の設定・更新)
・ピクチャの上記制限領域を、ピクチャを参照ピクチャとする場合の上記制限参照領域として設定する。
例えば、左上座標(xRA_st, yRA_st)、右下座標(xRA_en, yRA_en)、サイズ(wRA, hRA)の制限領域をもつピクチャが、時刻jの参照ピクチャとして参照される場合には、以下の
式で制限参照領域を設定してもよい。
xRA_st[j] = xRA_st, xRA_en[j] = xRA_en, wRA[j] = wRA
yRA_st[j] = yRA_st, yRA_en[j] = xRA_en, hRA[j] = hRA
図8は、参照メモリ内の参照ピクチャの制限参照領域の更新を示す図である。例えば参
照メモリ内の参照ピクチャjの制限参照領域が左上座標(xRA_st[j], yRA_st[j])、右下
座標(xRA_en[j], yRA_en[j])、サイズ(wRA[j], hRA[j])を用いて、時刻iの対象ピクチャ
の制限領域、つまり左上座標(xRA_st[i], yRA_st[i])、右下座標(xRA_en[i], yRA_en[i])、サイズ(wRA[i], hRA[i])を復号する。対象ピクチャiを復号した後、参照メモリに参
照ピクチャiとして格納する時の制限参照領域は、以下であってもよい。
参照ピクチャjの制限参照領域:左上座標(xRA_st[j], yRA_st[j])、右下座標(xRA_en[j], yRA_en[j])、サイズ(wRA[j], hRA[j])
参照ピクチャiの制限参照領域:左上座標(xRA_st[i], yRA_st[i])、右下座標(xRA_en[i], yRA_en[i])、サイズ(wRA[i], hRA[i])
また後述するように、制限領域をオーバーラップする場合には、参照ピクチャの制限参照領域は、対象ピクチャを復号した時点よりも小さくしてもよい。
参照ピクチャjの制限参照領域:左上座標(xRA_st[j], yRA_st[j])、右下座標(xRA_en[j], yRA_en[j])、サイズ(wRA[j], hRA[j])
参照ピクチャiの制限参照領域:左上座標(xRA_st[i], yRA_st[i])、右下座標(xRA_en[i]-wOVLP, yRA_en[i])、サイズ(wRA[i]-wOVLP, hRA[i])
さらに、後述するように、時刻i-1の制限領域と、対象ピクチャの新規制限領域FRAを用
いて、時刻j(=i)の参照ピクチャの制限参照領域を設定しても良い。
・段階的復号リフレッシュピクチャ(Sequentially Decoder Refresh、SDRピクチャ)で
は、参照ピクチャにおける制限領域から参照可能な領域(制限参照領域)を全てクリアし参照不可能とする。
例えば、時刻jの参照ピクチャにおいて、制限参照領域を設定するか否かを示すフラグ
を0に設定しても良いし、以下の式によって制限参照領域を無くしてもよい。
xRA_st[j] = 0, xRA_en[j] =0, wRA[j] = 0
yRA_st[j] = 0, yRA_en[j] = 00, hRA[j] = 0
また、参照ピクチャ中の制限領域を、制限参照領域(第1の参照領域、非制御参照領域、クリーン参照領域、リフレッシュ済参照領域、参照領域A)とも呼び、参照ピクチャ中の非制限領域を、非制限参照領域(第2の参照領域、非制御参照領域、ダーティー参照領域、未リフレッシュ参照領域、参照領域B)とも呼ぶ。
(段階的リフレッシュ)
本発明のリフレッシュ(段階的リフレッシュ、段階的復号リフレッシュ)の概要を説明する。本発明の段階的リフレッシュとは、段階的にイントラ予測から構成される制限領域を伝送し、さらに後続のピクチャにおいて、制限領域のサイズを画面全体となるまで広げていくことによりピクチャ全体を段階的にリフレッシュする技術である。なお、対象ピクチャにおいて、新しく制限領域として追加される領域を本明細書では、新規リフレッシュ領域(Fresh Refresh Area)と呼ぶ。
図9は、本発明のリフレッシュ(段階的リフレッシュ)を説明する図である。本明細書
の段階的リフレッシュでは、イントラ予測から構成される制限領域(新規リフレッシュ領域FRA)をリフレッシュの起点となるピクチャにおいて挿入する。このリフレッシュの起
点となるピクチャをSDRピクチャ(Sequentially Decoder Refresh、ランダムアクセスポイント)と呼ぶ。このイントラ予測モードのみを使って符号化された領域を新規リフレッシ
ュ領域FRA(Forced Refresh Area)と呼ぶ。
図9(a)には、各時刻tにおける制限領域を示す。図のようにSDRピクチャ(t=0)では、
全てイントラ予測からなる制限領域を復号する。SDRピクチャでは、参照ピクチャにおけ
る制限参照領域を全てクリアし参照不可能とする。続いてt=0からnumIR-1に進むにつれ制限領域を拡大していき、t=numIR-1において、ピクチャ全体がリフレッシュされる。図9(b)は、参照ピクチャ上の制限参照領域を示す。図では時刻tのピクチャを参照ピクチャとして参照する際に、制限参照領域を横線領域で示す。SDRピクチャを周期的に挿入する構成も可能である。本明細書では、SDR周期SDRperiodごとにSDRピクチャを挿入する。
図10は、制限領域のうち、対象ピクチャにおいて新しく追加される領域(新規リフレッシュ領域)を明示した図である。段階的リフレッシュでは、新規リフレッシュ領域FRAを
段階的に追加していき、追加されたFRAを含めて新たに制限領域を設定することでピクチ
ャ全体のリフレッシュを行うことができる。なお、新規リフレッシュ領域FRAの全ての部
分をイントラ予測のみから構成される領域(Intra Refresh Area、IRA)とすることもでき
る。このように新規リフレッシュ領域FRAをイントラ予測IRAとすることにより、正常に復号できる可能性(エラー耐性)をさらに高めてもよい。
なお、制限領域はSDR周期の先頭ピクチャ以前のピクチャを参照してはならない。例え
ば、図10(a)の時刻t=2において、k=0あるいはk=1の領域が参照するピクチャは、図10(b)
の参照ピクチャメモリ内の時刻t=0あるいはt=1のピクチャである。
(段階的リフレッシュの構成例)
図11(a)は、1枚のピクチャをnumIR個の領域(リフレッシュ単位領域)に分割した例である。以降では、numIR=5として説明する。図中の番号k(k=0..4)はリフレッシュ単位領域を示すインデックスである。
図11(b)は、制限領域に追加する新規リフレッシュ領域FRA(図中斜線領域)が左から右へとシフトする例を示す図である。時刻t=0では、左端のk=0の領域がFRAであり、時刻t=1ではk=1の領域がFRAである。tが増えるにつれ、FRAは右にシフトし、時刻t=4ではピクチ
ャの右端に位置するk=4(=numIR-1)の領域がFRAである。t=5からt=N-1までは、FRAを含ま
ない通常のピクチャである。t=N以降では、t=0からt=N-1までと同じピクチャ構造が繰り
返される。このNをSDR周期SDRperiodと呼ぶ。時刻tにおいて、(t%SDRperiod)=0のピクチ
ャがランダムアクセスポイントであり、ここを起点としてランダムアクセスが可能である。
(段階的リフレッシュを利用したランダムアクセス処理)
動画像復号装置は、SDRピクチャではイントラ予測された制限領域(FRA)を復号し、制限領域以外の領域はエラーコンシールメントによって適当な画像を生成する。SDRピクチ
ャに続くピクチャでも、イントラ予測された制限領域や参照ピクチャの制限参照領域を参照する制限領域を復号し、それ以外の領域は、エラーコンシールメントによって適当な画像を生成する。この動作を新規制限領域(例えばFRA)がピクチャの端から端まで移動し
、制限領域がピクチャ全体となるまで(numIR枚のピクチャに対して)繰り返すことでピ
クチャ全体を正しく復号することができる。
(リフレッシュ領域の形状とシフト方向)
図12は、FRAの領域を示す図である。図12(a)は、左から右にシフトする場合を示し、この場合、FRAは(xIR,yIR)を左上座標とする、幅wIR、高さhPictの矩形である。FRAの幅wIRは、最小CUの幅minCUの整数倍である。
wIR = minCU * a
ここでaは正の整数である。
また、図12(b)は上から下にシフトする場合を示し、この場合、FRAは(xIR,yIR)を左上
座標とする、高さhIR、幅wPictの矩形である。そして、FRAの高さhIRは最小CUの幅minCU
の整数倍である。
hIR = minCU * a
ここでaは正の整数である。つまり、FRAの幅あるいは高さの粒度は、CUの幅あるいは高さの最小値minCU以上であって、minCUの整数倍に設定する。
図13は、リフレッシュ方向を説明する図である。図13(a)では、FRAを垂直方向に挿入し、左から右にシフトする。この場合、時刻tのピクチャの新規制限領域の左上座標(xIR[t],yIR[t])、右下座標(xRA_en[t],yRA_en[t])は以下で表現することができる。
(xIR[t],yIR[t]) = (wIR*t-1,hPict-1)
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = (wIR*(t+1)-1,hPict-1)
さらに、時刻tのピクチャの制限領域の左上座標(xRA_st[t],yRA_st[t])、右下座標(xRA_en[t],yRA_en[t])は(式IR-1)で表現することができる。
(xRA_st[t],yRA_st[t]) = (0,0) (式IR-1)
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = (wIR*(t+1)-1,hPict-1)
ここでwIRはFRAの幅、hPictはピクチャの高さである。
また、(式IR-1)は制限領域以外の画素値や符号化パラメータを参照して導出した画素に関連する幅wOVLPを用いて、下記のように表現してもよい。
(xRA_st[t],yRA_st[t]) = (0,0)
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = (wIR*(t+1)-1-wOVLP,hPict-1)
図13(b)は、FRAを垂直方向に挿入し、右から左にシフトする例(seq_refresh_direction=1)である。
図13(c)は、FRAを水平方向に挿入し、上から下にシフトする例(seq_refresh_direction=0)である。この場合、時刻tのピクチャの制限領域の左上座標は(式IR-2)で表現することができる。
(xRA_st[t],yRA_st[t]) = (0,0) (式IR-2)
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = (wPict-1,hIR*(t+1)-1)
ここでhIRはFRAの高さ、wPictはピクチャの幅である。
また、(式IR-2)は制限領域以外の画素値や符号化パラメータを参照して導出した画素に関連する高さhOVLPを用いて、下記のように表現してもよい。
(xRA_st[t],yRA_st[t]) = (0,0)
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = (wPict-1,hIR*(t+1)-1-hOVLP)
図13(d)はFRAを水平方向に挿入し、下から上にシフトする例である。
図14は、FRAを複数の領域で構成する例である。上記では領域kはあるピクチャ上では1つの矩形であったが、図14(a)に示すように領域kは複数の矩形であってもよい。この場合、図14(b)に示すように、制限領域はピクチャの複数の領域で構成される。
(動画像復号装置の構成)
本実施形態に係る動画像復号装置31(図17)の構成について説明する。
動画像復号装置31は、エントロピー復号部301、パラメータ復号部(予測画像復号装置
)302、ループフィルタ305、参照ピクチャメモリ306、予測パラメータメモリ307、予測画像生成部(予測画像生成装置)308、逆量子化・逆変換部311、及び加算部312を含んで構
成される。なお、後述の動画像符号化装置11に合わせ、動画像復号装置31にループフィルタ305が含まれない構成もある。
パラメータ復号部302は制限領域制御部320を備え、制限領域制御部320は、図示しない
、ヘッダ復号部3020、CT情報復号部3021、及びCU復号部3022(予測モード復号部)を備えており、CU復号部3022はさらにTU復号部3024を備えている。ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPSなどのパラメータセット情報を復号する。ヘッダ復号部3020は
、符号化データからスライスヘッダ(スライス情報)を復号する。CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。CU復号部3022は符号化データからCUを復号する。TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。
また、パラメータ復号部302は、図示しないインター予測パラメータ復号部303及びイントラ予測パラメータ復号部304を含んで構成される。予測画像生成部308は、インター予測画像生成部309及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
また、以降では処理の単位としてCTU、CUを使用した例を記載するが、この例に限らず
、サブCU単位で処理をしてもよい。あるいはCTU、CU、TUをブロック、サブCUをサブブロ
ックと読み替え、ブロックあるいはサブブロック単位の処理としてもよい。
エントロピー復号部301は、外部から入力された符号化ストリームTeに対してエントロ
ピー復号を行って、個々の符号(シンタックス要素)を分離し復号する。エントロピー符号化には、シンタックス要素の種類や周囲の状況に応じて適応的に選択したコンテキスト(確率モデル)を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式と、あらかじめ定められた表、あるいは計算式を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式がある。前者の代表としてCABAC(Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)がある。分離された符号には、予測画像を生成するための予測情報および、差分画像を生成するための予測誤差などがある。
エントロピー復号部301は、分離した符号の一部をパラメータ復号部302に出力する。分離した符号の一部とは、例えば、予測モードpredMode、マージフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデック
スrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLX等である。どの
符号を復号するかの制御は、パラメータ復号部302の指示に基づいて行われる。エントロ
ピー復号部301は、量子化変換係数を逆量子化・逆変換部311に出力する。
(パラメータ復号部302)
図15は、段階的リフレッシュを実現するために通知されるシンタックスの一例を示す図である。図15(a)は、シーケンスパラメータセット(SPS)で通知するシンタックス(段階的リフレッシュ情報)を示す。seq_refresh_enable_flagは、以降のピクチャにおいて、
段階的リフレッシュを使用するか否かを示すフラグである。パラメータ復号部302は段階
的リフレッシュ情報を復号し、動画像復号装置は、seq_refresh_enable_flagフラグが1
の場合、動画像を段階的リフレッシュを用いて復号し、0の場合、段階的リフレッシュを用いない。パラメータ復号部302は、seq_refresh_enable_flagが1の場合、seq_refresh_mode、seq_refresh_direction、seq_refresh_periodを復号する。seq_refresh_modeは、
図13に示す段階的リフレッシュの種類を示すフラグである。
動画像復号装置は、seq_refresh_modeが0であれば、図13(a)、(b)に示すように、新規
リフレッシュ領域(FRA)をピクチャに対し垂直方向に挿入し、1であれば、図13(c)、(d)に示すように、FRAはピクチャに対し水平方向に挿入する。
seq_refresh_directionは、図13に示す段階的リフレッシュのシフト方向を示すフラグ
である。動画像復号装置は、seq_refresh_directionが0であれば、図13(a)、(c)に示すように、FRAはピクチャの左から右、あるいは上から下にシフトする。1であれば、図13(b)
、(d)に示すように、FRAはピクチャの右から左、あるいは下から上にシフトする。seq_refresh_periodはSDR周期SDRperiodであり、ランダムアクセスポイント間のピクチャ数を示す。
図15(b)は、ピクチャパラメータセット(PPS)で通知する段階的リフレッシュ情報のシンタックスを示す。パラメータ復号部302は、seq_refresh_enable_flagが1の場合、seq_refresh_position、seq_refresh_size、seq_refresh_overlapを復号する。seq_refresh_positionは、制限領域に追加する新規リフレッシュ領域の左上座標(xIR,yIR)を指定するシンタックスである。seq_refresh_modeが0(垂直矩形制限領域)の場合、パラメータ復号部302は、x座標xIRにseq_refresh_positionを設定し、y座標yIRを0に設定する。seq_refresh_modeが1(水平矩形制限領域)の場合、x座標yIRを0に設定し、y座標yIRをseq_refre
sh_positionに設定する。seq_refresh_sizeはFRAのサイズであり、seq_refresh_modeが0の場合はFRAの幅wIR、1の場合はFRAの高さhIRに設定する。seq_refresh_overlapは、復
号順で1つ前のピクチャのFRAの位置と、対象ピクチャのFRAの位置がオーバーラップする領域のサイズであり、seq_refresh_modeが0の場合はオーバーラップの幅wOVLP、1の場
合はオーバーラップの高さhOVLPを指定する。なお、seq_refresh_overlapは0であってもよい。
(オーバーラップ新規リフレッシュ領域)
図16に示すように、時刻tの対象ピクチャで制限領域に追加される新規リフレッシュ領
域(FRA)は、時刻t-1のピクチャのFRAと重複(オーバーラップ)していてもよい。図16で
は、幅wOVLPがオーバーラップする領域である。この場合、時刻tのピクチャを参照ピクチャとして参照した時の、制限参照領域の終点は以下のようにオーバーラップ領域分だけ差し引いて導出しても良い。seq_refresh_modeが1(水平矩形制限領域)の場合の導出式は以下である。
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = (wPict,(hIR-hOVLP)*(t+1)-1)
seq_refresh_modeが0(垂直矩形制限領域)の場合の導出式は以下である。
(xRA_en[t],yRA_en[t]) = ((wIR-wOVLP)*(t+1)-1,hPict)
このように、動画像復号装置はSPSあるいはPPSで段階的リフレッシュに関係するシンタックスを復号することで、段階的リフレッシュの情報を取得することができる。従って、動画像復号装置はランダムアクセス時の動画像の復号において、段階的リフレッシュを利用して、適切に符号化データを復号することができる。
ループフィルタ305は、符号化ループ内に設けたフィルタで、ブロック歪やリンギング
歪を除去し、画質を改善するフィルタである。ループフィルタ305は、加算部312が生成したCUの復号画像に対し、デブロッキングフィルタ3051、サンプル適応オフセット(SAO)
、適応ループフィルタ(ALF)等のフィルタを施す。
(インター予測パラメータ復号部の構成)
インター予測パラメータ復号部303は、エントロピー復号部301から入力された符号に基づいて、予測パラメータメモリ307に記憶された予測パラメータを参照してインター予測
パラメータを復号する。また、インター予測パラメータ復号部303は、復号したインター
予測パラメータを予測画像生成部308に出力し、予測パラメータメモリ307に記憶する。
図19(a)は、本実施形態に係るインター予測パラメータ復号部303の構成を示す概略図である。インター予測パラメータ復号部303は、パラメータ復号制御部3031、AMVP予測パラ
メータ導出部3032、加算部3038、マージ予測パラメータ導出部3036およびサブブロック予測パラメータ導出部3037を含んで構成される。AMVP予測パラメータ導出部3032、マージ予測パラメータ導出部3036、サブブロック予測パラメータ導出部3037を総称して動きベクトル導出部(動きベクトル導出装置)と称してもよい。
パラメータ復号制御部3031は、インター予測に関連するシンタックス要素の復号をエントロピー復号部301に指示し、符号化データに含まれるシンタックス要素、例えば、マー
ジフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベ
クトルmvdLXを抽出する。
パラメータ復号制御部3031は、まず、マージフラグmerge_flagを抽出する。パラメータ復号制御部3031が、あるシンタックス要素を抽出すると表現する場合は、あるシンタック
ス要素の復号をエントロピー復号部301に指示し、該当のシンタックス要素を符号化デー
タから読み出すことを意味する。
マージフラグmerge_flagが0、すなわち、AMVP予測モードを示す場合、パラメータ復号制御部3031は、エントロピー復号部301を用いて符号化データからAMVP予測パラメータを
抽出する。AMVP予測パラメータとして、例えば、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLXがある。AMVP予測パラメータ導出部3032は予測ベクトルインデックスmvp_LX_idxか
ら予測ベクトルmvpLXを導出する。パラメータ復号制御部3031は差分ベクトルmvdLXを加算部3038に出力する。加算部3038では予測ベクトルmvpLXと差分ベクトルmvdLXを加算し、動きベクトルを導出する。
マージフラグmerge_flagが1、すなわち、マージ予測モードを示す場合、パラメータ復号制御部3031は、マージ予測に係る予測パラメータとして、マージインデックスmerge_idxを抽出する。パラメータ復号制御部3031は、抽出したマージインデックスmerge_idxをマージ予測パラメータ導出部3036に出力する。
図20(a)は、本実施形態に係るマージ予測パラメータ導出部3036の構成を示す概略図で
ある。マージ予測パラメータ導出部3036は、マージ候補導出部30361、マージ候補選択部30362、マージ候補格納部30363を備える。マージ候補格納部30363は、マージ候補導出部30361から入力されたマージ候補を格納する。なお、マージ候補は、予測リスト利用フラグpredFlagLX、動きベクトルmvLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLXを含んで構成される。マージ候補格納部30363において格納されたマージ候補には、所定の規則に従ってインデックスが割り当てられる。
マージ候補導出部30361は、復号済の隣接ブロックの動きベクトルと参照ピクチャイン
デックスrefIdxLXをそのまま用いてマージ候補を導出する。それ以外に、マージ候補導出部30361は、後述する空間マージ候補導出処理、時間マージ候補導出処理、結合マージ候
補導出処理、およびゼロマージ候補導出処理にアフィン予測を適用してもよい。
(空間マージ候補導出処理)
空間マージ候補導出処理として、マージ候補導出部30361は、所定の規則に従って、予
測パラメータメモリ307が記憶している予測パラメータ(予測リスト利用フラグpredFlagLX、動きベクトルmvLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLX)を読み出し、マージ候補に
設定する。参照ピクチャの指定方法は、例えば、対象ブロックから予め定めた範囲内にある隣接ブロック(例えば、対象ブロックの左端L、左下端BL、左上端AL、上端A、右上端ARにそれぞれ接するブロック)のそれぞれに係る予測パラメータである。各々のマージ候補をL, BL, AL, A, ARと呼ぶ。
マージ候補導出部30361は、対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロ
ックの隣接ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が非制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が偽)の場合、マージ候補の導出に隣接ブロックの値を用いない。すなわち、マージ候補導出部30361は、対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの隣接ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が真)で、イントラ予測である場合に、その位置(xNbX, yNbX)をマージ候補の導出に用いる。
例えば、マージ候補導出部30361は、新規制限領域が図13(a)のように左から右にシフトする場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=0)対象ブロックが制限
領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの右側隣接位置B0(xPb + wPb, yPb - 1)が制限領域の場合(IsRA(xPb + wPb, yPb - 1)が真)の場合、B0は利用可能(availableB0 = 1)
としてマージ候補の導出に右側隣接ブロックの値を用いる。
例えば、イントラ予測部3104は、新規制限領域が図13(a)のように右から左にシフトす
る場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=1)対象ブロックが制限領
域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの左側隣接位置A0(xPb - 1, yPb + hPb)、A1(xPb
- 1, yPb + hPb - 1)、B2(xPb - 1, yPb - 1)が制限領域の場合の場合、マージ候補の導出に左側隣接位置A0, A1, B2の値を用いる。
(時間マージ候補導出処理)
時間マージ導出処理として、マージ候補導出部30361は、対象ブロックの右下CBR、あるいは、中央の座標を含む参照画像中のブロックCの予測パラメータを、予測パラメータメ
モリ307から読み出してマージ候補とし、マージ候補リストmergeCandList[]に格納する。一般にブロックCBRを優先してマージ候補リストmergeCandList[]に加え、ブロックCBRが
動きベクトルを持たない(例えばイントラ予測ブロック)場合や、ブロックCBRがピクチ
ャ外に位置する場合は、ブロックCの動きベクトルを予測ベクトル候補に加える。参照画
像の指定方法は、例えば、スライスヘッダにおいて指定された参照ピクチャインデックスrefIdxLXでも良いし、隣接ブロックの参照ピクチャインデックスrefIdxLXのうち最小のものを用いて指定しても良い。
例えばマージ候補導出部30361は、ブロックCの位置(xColCtr,yColCtr)とブロックCBRの位置(xColCBr、yColCBr)を(式MRG-1)で導出してもよい。
xColCtr = xPb+(wPb>>1) (式MRG-1)
yColCtr = yPb+(hPb>>1)
xColCBr = xPb+wPb
yColCBr = yPb+hPb
ここで、(xPb,yPb)は対象ブロックの左上座標、(wPb,hPb)は対象ブロックの幅と高さである。ブロックCBRが利用可能であればブロックCBRの動きベクトルを利用してマージ候補COLを導出する。ブロックCBRが利用可能でなければブロックCを使用してCOLを導出する。
マージ候補導出部30361によって導出された上記マージ候補はマージ候補格納部30363に格納される。マージ候補リストmergeCandList[]に格納する順番は、例えば、空間マージ
候補、時間マージ候補、つまり{L,A,AR,BL,A,COL,COMB0,..}である。なお、利用可能でない(ブロックがイントラ予測等)参照ブロックはマージ候補リストに格納しない。
マージ候補選択部30362は、マージ候補格納部30363に格納されたマージ候補リストに含まれるマージ候補のうち、パラメータ復号制御部3031から入力されたマージインデックスmerge_idxが割り当てられたマージ候補mergeCandList[merge_idx]を、対象ブロックのイ
ンター予測パラメータとして選択する。マージ候補選択部30362は選択したマージ候補を
予測パラメータメモリ307に記憶するとともに、予測画像生成部308に出力する。
図20(b)は、本実施形態に係るAMVP予測パラメータ導出部3032の構成を示す概略図であ
る。AMVP予測パラメータ導出部3032は、ベクトル候補導出部3033とベクトル候補選択部3034、ベクトル候補格納部3035を備える。ベクトル候補導出部3033は、予測パラメータメモリ307が記憶する復号済みの隣接ブロックの動きベクトルmvLXから所定の規則に従って予測ベクトル候補を導出し、ベクトル候補格納部3035の予測ベクトル候補リストmvpListLX[]に格納する。
ベクトル候補選択部3034は、予測ベクトル候補リストmvpListLX[]の予測ベクトル候補
のうち、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idxが示す動きベクトルmvpListLX[mvp_LX_idx
]を予測ベクトルmvpLXとして選択する。ベクトル候補選択部3034は選択した予測ベクトルmvpLXを加算部3038に出力する。
なお、予測ベクトル候補は、対象ブロックから予め定めた範囲の復号済隣接ブロックの動きベクトルを、後述の方法でスケーリングすることで導出してもよい。隣接ブロックは、対象ブロックに空間的に隣接するブロック、例えば、左ブロック、上ブロックの他、対象ブロックに時間的に隣接する領域、例えば、対象ブロックと同じ位置を含み、表示時刻が異なるブロックの予測パラメータから得られた領域を含む。
加算部3038は、AMVP予測パラメータ導出部3032から入力された予測ベクトルmvpLXとパ
ラメータ復号制御部3031から入力された差分ベクトルmvdLXを加算して動きベクトルmvLX
を算出する。加算部3038は、算出した動きベクトルmvLXを予測画像生成部308および予測
パラメータメモリ307に出力する。
mvLX[0] = mvpLX[0]+mvdLX[0]
mvLX[1] = mvpLX[1]+mvdLX[1]
(動きベクトルスケーリング)
動きベクトルのスケーリングの導出方法を説明する。動きベクトルMv(参照動きベクトル)、Mvをもつブロックを含むピクチャPicMv、Mvの参照ピクチャPicMvRef、スケーリン
グ後の動きベクトルsMv(scaledMV)、sMvをもつブロックを含むピクチャCurPic、sMvが参
照する参照ピクチャCurPicRefとすると、sMvを(式INTERP-1)に示す導出関数MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef)で導出してもよい。
sMv = MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef) (式INTERP-1)
= Clip3(-R1,R1-1,sign(distScaleFactor*Mv)*((abs(distScaleFactor*Mv)+round1-1)>>shift1))
distScaleFactor = Clip3(-R2,R2-1,(tb*tx+round2)>>shift2)
tx = (16384+abs(td)>>1)/td
td = DiffPicOrderCnt(PicMv,PicMvRef)
tb = DiffPicOrderCnt(CurPic,CurPicRef)
ここで、round1、round2、shift1、shift2は、逆数を用いて除算を行うためのラウンド値及びシフト値で、例えば、round1=1<<(shift1-1)、round2=1<<(shift2-1)、shift1=8、shift2=6などである。DiffPicOrderCnt(Pic1,Pic2)はPic1とPic2の時間情報(例えばPOC)の差を返す関数である。R1、R2は処理を限られた精度で行うために値域を制限するもので例えば、R1=32768、R2=4096などである。
また、スケーリング関数MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef)は以下の式で
もよい。
MvScale(Mv,PicMv,PicMvRef,CurPic,CurPicRef) =
Mv*DiffPicOrderCnt(CurPic,CurPicRef)/DiffPicOrderCnt(PicMv,PicMvRef)
すなわち、CurPicとCurPicRefの時間情報の差と、PicMvとPicMvRefの時間情報の差との比に応じてMvをスケーリングしてもよい。
(イントラ予測パラメータ復号部304の構成)
イントラ予測パラメータ復号部304は、エントロピー復号部301から入力された符号に基づいて、予測パラメータメモリ307に記憶された予測パラメータを参照してイントラ予測
パラメータ、例えば、イントラ予測モードIntraPredModeを復号する。イントラ予測パラ
メータ復号部304は、復号したイントラ予測パラメータを予測画像生成部308に出力し、また予測パラメータメモリ307に記憶する。イントラ予測パラメータ復号部304は、輝度と色
差で異なるイントラ予測モードを導出しても良い。
図21は、パラメータ復号部302のイントラ予測パラメータ復号部304の構成を示す概略図である。図21に示すように、イントラ予測パラメータ復号部304は、パラメータ復号制御
部3041と、輝度イントラ予測パラメータ復号部3042と、色差イントラ予測パラメータ復号部3043とを含んで構成される。
パラメータ復号制御部3041は、エントロピー復号部301にシンタックス要素の復号を指
示し、エントロピー復号部301からシンタックス要素を受け取る。その中のprev_intra_luma_pred_flagが1の場合、パラメータ復号制御部3041は、輝度イントラ予測パラメータ復号部3042内のMPMパラメータ復号部30422にmpm_idxを出力する。また、prev_intra_luma_pred_flagが0の場合、パラメータ復号制御部3041は、輝度イントラ予測パラメータ復号部3042の非MPMパラメータ復号部30423にrem_selected_mode_flag、rem_selected_mode、rem_non_selected_modeを出力する。また、パラメータ復号制御部3041は、色差イントラ予測パラメータ復号部3043に色差のイントラ予測パラメータのシンタックス要素を出力する。
輝度イントラ予測パラメータ復号部3042は、MPM候補リスト導出部30421と、MPMパラメ
ータ復号部30422と、非MPMパラメータ復号部30423(復号部、導出部)とを含んで構成さ
れる。
MPMパラメータ復号部30422は、MPM候補リスト導出部30421によって導出されたMPM候補
リストmpmCandList[]とmpm_idxを参照して、輝度予測モードIntraPredModeYを導出し、イントラ予測画像生成部310に出力する。
非MPMパラメータ復号部30423は、MPM候補リストmpmCandList[]とrem_selected_mode_flag、rem_selected_mode、rem_non_selected_modeからRemIntraPredModeを導出し、輝度予測モードIntraPredModeYをイントラ予測画像生成部310に出力する。
色差イントラ予測パラメータ復号部3043は、色差のイントラ予測パラメータのシンタックス要素から色差予測モードIntraPredModeCを導出し、イントラ予測画像生成部310に出
力する。
リフレッシュを用いてランダムアクセスを実現する場合は、上記のパラメータに一部制約を加える。制限参照領域と非制限参照領域の境界では、後述の参照画素フィルタや予測画像生成処理において、非制限参照領域の画素を参照する場合があり、参照画素フィルタ、予測モード、予測画素生成処理等に制約が必要である。
参照ピクチャメモリ306は、加算部312が生成したCUの復号画像を、対象ピクチャ及び対象CU毎に予め定めた位置に記憶する。
予測パラメータメモリ307は、復号対象のCTUあるいはCU毎に予め定めた位置に予測パラメータを記憶する。具体的には、予測パラメータメモリ307は、パラメータ復号部302が復号したパラメータ及びエントロピー復号部301が分離した予測モードpredMode等を記憶す
る。
予測画像生成部308には、予測モードpredMode、予測パラメータ等が入力される。また
、予測画像生成部308は、参照ピクチャメモリ306から参照ピクチャを読み出す。予測画像生成部308は、予測モードpredModeが示す予測モード(イントラ予測、インター予測)で
、予測パラメータと読み出した参照ピクチャ(参照ピクチャブロック)を用いてブロックもしくはサブブロックの予測画像を生成する。ここで、参照ピクチャブロックとは、参照
ピクチャ上の画素の集合(通常矩形であるのでブロックと呼ぶ)であり、予測画像を生成するために参照する領域である。
(インター予測画像生成部309)
予測モードpredModeがインター予測モードを示す場合、インター予測画像生成部309は
、インター予測パラメータ復号部303から入力されたインター予測パラメータと、参照ピ
クチャを用いて、インター予測によりブロックもしくはサブブロックの予測画像を生成する。
図22は、本実施形態に係る予測画像生成部308に含まれるインター予測画像生成部309の構成を示す概略図である。インター予測画像生成部309は、動き補償部(予測画像生成装
置)3091、重み予測部3094を含んで構成される。
(動き補償)
動き補償部3091(補間画像生成部)は、インター予測パラメータ復号部303から入力さ
れた、インター予測パラメータ(予測リスト利用フラグpredFlagLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLX)に基づいて、参照ピクチャメモリ306から、参照ピクチャインデックスrefIdxLXで指定された参照ピクチャRefLXにおける、対象ブロックの位置を起点として動きベクトルmvLXだけシフトした位置にあるブロックを読み出すことによって補間画像(動き補償画像)を生成する。ここで、動きベクトルmvLXの精度が整数精度でない場合には、動き補償フィルタと呼ばれる小数位置の画素を生成するためのフィルタを施して、動き補償画像を生成する。
動き補償部3091は、まず、予測ブロック内座標(x,y)に対応する整数位置(xInt,yInt)および位相(xFrac,yFrac)を以下の式で導出する。
xInt = xPb+(mvLX[0]>>(log2(MVBIT)))+x
xFrac = mvLX[0]&(MVBIT-1)
yInt = yPb+(mvLX[1]>>(log2(MVBIT)))+y
yFrac = mvLX[1]&(MVBIT-1)
ここで、(xPb,yPb)は、wPb*hPbサイズのブロックの左上座標、x=0…wPb-1、y=0…hPb-1であり、MVBITは、動きベクトルmvLXの精度(1/MVBIT画素精度)を示す。
動き補償部3091は、参照ピクチャrefImgに補間フィルタを用いて水平補間処理を行うことで、一時的画像temp[][]を導出する。以下のΣはk=0..NTAP-1のkに関する和、shift1は値のレンジを調整する正規化パラメータ、offset1=1<<(shift1-1)である。
temp[x][y] = (ΣmcFilter[xFrac][k]*refImg[xInt+k-NTAP/2+1][yInt]+offset1)>>shift1
続いて、動き補償部3091は、一時的画像temp[][]を垂直補間処理により、補間画像Pred[][]を導出する。以下のΣはk=0..NTAP-1のkに関する和、shift2は値のレンジを調整する正規化パラメータ、offset2=1<<(shift2-1)である。
Pred[x][y] = (ΣmcFilter[yFrac][k]*temp[x][y+k-NTAP/2+1]+offset2)>>shift2
なお、双予測の場合は、上記のPred[][]をL0リスト、L1リスト毎に導出し(補間画像PredL0[][]とPredL1[][]と呼ぶ)、補間画像PredL0[][]と補間画像PredL1[][]から補間画像Pred[][]を生成する。
(重み予測)
重み予測部3094は、動き補償画像PredLXに重み係数を乗算することによりブロックの予
測画像を生成する。予測リスト利用フラグの一方(predFlagL0もしくはpredFlagL1)が1(単予測)、かつ、重み予測を用いない場合、動き補償画像PredLX(LXはL0もしくはL1)を画素ビット数bitDepthに合わせる以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredLX[x][y]+offset1)>>shift1)
ここで、shift1=14-bitDepth、offset1=1<<(shift1-1)である。
また、参照リスト利用フラグの両者(predFlagL0とpredFlagL1)が1(双予測BiPred)、かつ、重み予測を用いない場合、動き補償画像PredL0、PredL1を平均し画素ビット数に合わせる以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredL0[x][y]+PredL1[x][y]+offset2)>>shift2)
ここで、shift2=15-bitDepth、offset2=1<<(shift2-1)である。
さらに、単予測、かつ、重み予測を行う場合、重み予測部3094は重み予測係数w0とオフセットo0を符号化データから導出し、以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,((PredLX[x][y]*w0+2^(log2WD-1))>>log2WD)+o0)
ここで、log2WDは所定のシフト量を示す変数である。
さらに、双予測BiPred、かつ、重み予測を行う場合、重み予測部3094は重み予測係数w0、w1、o0、o1を符号化データから導出し、以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredL0[x][y]*w0+PredL1[x][y]*w1+((o0+o1+1)<<log2WD))>>(log2WD+1))
インター予測画像生成部309は生成したブロックの予測画像を加算部312に出力する。
(リフレッシュとインター予測)
リフレッシュではランダムアクセス時に、ランダムアクセスポイント以降の正常な復号処理を実現するために、制限領域のインター予測においても参照ピクチャの制限領域(制限参照領域)のみを参照して予測画像を生成する必要がある。
(制限参照領域の境界パディング)
本実施例の動き補償部3091では、図23(a)に示すように、対象ブロックPbが制限領域に
ありseq_refresh_enable_flagが1である場合において、参照ピクチャの画素が非制限参
照領域にある場合には、参照ピクチャ中の非制限参照領域(第2の参照領域)の画素値を、制限参照領域の画素値で置き換えるパディング処理を実施する。例えば、対象ブロックの左上座標が(xPb, yPb), 幅と高さがbWとbHの場合、動き補償部3091は対象ブロック(Pb)が制限領域内にあるか否かは既に説明したIsRA(Pb)で導出する。
境界パディングは、動き補償部3091による補間画像生成(動き補償)において、参照画素の位置(xIntL+i, yIntL+j)の画素値として、以下の位置xRef+i, yRef+jの画素値refImg[xRef+i][yRef+j]を用いることで実現する。すなわち、補間画像生成に用いる画素の参照位置を、参照ピクチャの制限参照領域の境界画素の位置(例えば左端、上端、下端、右端の位置)でクリッピングすることで実現する。
例えば、参照ピクチャの制限参照領域の左端位置がxRA_st、右端位置がxRA_en、上端位置がyRA_st、下端位置がyRA_enである場合、動き補償部3091は、以下の境界パディング処理を行う。つまり、参照位置のX座標xIntL+iが制限参照領域の左端より小さい場合には制
限参照領域の左端画素の位置xRA_stで置き換える。同様に、参照位置のX座標xIntL+iが制限参照領域の右端より大きい場合には制限参照領域の右端画素の位置xRA_enで置き換える。Y座標yIntL+jが制限参照領域の上端より小さい場合には上端画素位置yRA_stで置き換え、Y座標yIntL+jが制限参照領域の下端より大きい場合には下端画素の位置yRA_enで置き換える。
xRef+i = Clip3(xRA_st, xRA_en, xIntL+i) (式INTERP-2)
yRef+j = Clip3(yRA_st, yRA_en, yIntL+j)
例えば、段階的リフレッシュ情報がオン(seq_refresh_enable_flag=1)でありさらに
、seq_refresh_mode=0、seq_refresh_direction=0の場合、つまり、左から右へ制限参照
領域を移動させる場合においては、時刻t=kの制限参照領域の右端位置(幅)をwRA[k]と
すると、
xRA_st = 0, xRA_en = wRA[k]-1
yRA_st = 0, yRA_en = hPict-1
であるから、動き補償部3091は(式INTERP-3)を用いて参照画素の座標を導出する。
xRef+i = Clip3(0, wRA[k]-1, xIntL+i) (式INTERP-3)
yRef+j = Clip3(0, hPict-1, yIntL+j)
ここで、hPictはピクチャの高さである。
なお、xIntL、yIntLは、ピクチャの左上座標を基準とした対象ブロックの左上座標を(xPb,yPb)、動きベクトルを(mvLX[0],mvLX[1])とすると(式INTERP-3')で参照画素の座標
を導出してもよい。
xIntL = xPb+(mvLX[0]>>log2(MVBIT)) (式INTERP-3')
yIntL = yPb+(mvLX[1]>>log2(MVBIT))
ここで、MVBITは動きベクトルの精度が1/MVBITペル(pel)であることを示す。
座標(xRef+i,yRef+j)の画素値を読み出すことで、図23(a)のパディングを実現することができる。
なお、段階的リフレッシュ情報において、seq_refresh_mode=0、seq_refresh_direction=1の場合、つまり、右から左に制限参照領域を移動させる場合には、左端座標xRA_stはyRA_en= wRA[k]で導出し、以下の式を用いて参照画素の座標を導出する。
xRef+i = Clip3(wRA[k], wPict-1, xIntL+i) (式INTERP-2´)
yRef+j = Clip3(0, hPict-1, yIntL+j)
ここで
xRA_st = wRA[k], xRA_en = wPict-1
yRA_st = 0, yRA_en = hPict-1
一方、リフレッシュが図13(c)のように垂直方向にシフトする場合(段階的リフレッシ
ュ情報において、seq_refresh_mode=1、seq_refresh_direction=0の場合)、制限参照領
域の高さをhRAとすると、下端座標はyRA_en=hRA-1で導出し、境界パディングは(式INTERP-4)を用いて参照画素の座標を導出する。
xRef+i = Clip3(0, wPict-1, xIntL+i) (式INTERP-4)
yRef+j = Clip3(0, yRA_en, yIntL+j)
ここで、wPictはピクチャの幅である。
段階的リフレッシュでは、このように制限参照領域の境界画素を用いてパディングする
ことで、制限領域内のインター予測における動きベクトルが参照ピクチャの制限参照領域外(非制限参照領域)を指している場合にも、制限参照領域内の画素値を用いて参照画素を置き換えるので、インター予測においても、ランダムアクセスポイント以降の正常な復号処理を実現することができる。
上記により、動き補償部3091は、制限領域のインター予測で、制限参照領域外を指す動きベクトルを用いた画像生成処理において、非制限参照領域の画素を制限参照領域の画素を用いて置き換える(パディング)。
(制限参照領域の動きベクトル制限)
参照ピクチャを参照する時に、制限参照領域の画素のみを参照して予測画像を生成する別の方法として、境界動きベクトル制限がある。本実施例では、後述の動き補償部3091による動き補償において、参照画素の位置(xIntL+i,yIntL+j)が制限参照領域内に入るよう
に動きベクトルを制限(クリッピング)する。
本実施例では、時刻t=kの対象ブロックの左上座標(xPb,yPb)、ブロックのサイズ(wPb,hPb)、時刻jの参照ピクチャの制限参照領域の位置を(xRA_st[j], xRA_st[j])、サイズを(wRA[j], hRA[j])とすると、ブロックの動きベクトルmvLXを入力とし、動きベクトルの先が制限範囲内にあるかを判定しても良い。この判定式を(式INTERP-5)に示す。
IsRA(Pb, mvLX) = (xRA_st[j] <= xPb+(mvLX[0]>>log2(MVBIT))-NTAP2+1) &&
(xPb+wPb-1+(mvLX[0]>>log2(MVBIT))+NTAP2 < xRA_st[j] + wRA[j]) (式INTERP-5

また以下の式でもよい。
IsRA(Pb, mvLX) = (yRA_st[j] <= yPb+(mvLX[1]>>log2(MVBIT))-NTAP2+1) &&
(yPb+hPb-1+(mvLX[1]>>log2(MVBIT))+NTAP2 < yRA_st[j] + hRA[j])
また、本実施例では、時刻t=kの対象ブロックの左上座標(xPb,yPb)、ブロックのサイズ(wPb,hPb)、時刻jの参照ピクチャの制限参照領域の位置を(xRA_st[j], xRA_st[j])、サイズを(wRA[j], hRA[j])とすると、ブロックの動きベクトルmvLXを入力とし、制限された動きベクトルmvLXを出力する。この動きベクトルmvLXの制限を(式INTERP-6)に示す。
mvLX[0] = ClipRA(mvLX[0]) = Clip3(xRA_st[j]+(NTAP2-1-xPb)<<log2(MVBIT), (xRA_st[j]+wRA[j]-NTAP2-xPb-wPb)<<log2(MVBIT), mvLX[0]) (式INTERP-6)
mvLX[1] = ClipRA(mvLX[1]) = Clip3(yRA_st[j]+(NTAP2-1-yPb)<<log2(MVBIT), (yRA_st[j]+hRA[j]-NTAP2+1-yPb-hPb)<<log2(MVBIT), mvLX[1])
上記クリップ処理を以下ClipRA(mvLX)と表現する。
または、制限領域が左から右にシフトする場合(段階的リフレッシュ情報において、seq_refresh_mode=0、seq_refresh_direction=0の場合)で制限参照領域の幅がwRAである場合には、xRA_st = 0, xRA_en = wRA-1、yRA_st = 0, yRA_en = hPict-1、であるので、以下の式で導出しても良い。
mvLX[0] = Clip3((NTAP2-1-xPb)<<log2(MVBIT), (wRA[k]-NTAP2-xPb-wPb)<<log2(MVBIT), mvLX[0]) (式INTERP-6)
mvLX[1] = Clip3((NTAP2-1-yPb)<<log2(MVBIT), (hPict-NTAP2+1-yPb-hPb)<<log2(MVBIT), mvLX[1])
ここで、NTAPは補間画像生成に使用するフィルタのタップ数、NTAP2=NTAP/2である。また、時刻t=kの制限参照領域の幅wRA[k]は、制限領域の幅wIRとオーバーラップの幅wOVLPを用いて(式INTERP-7)の式で導出してもよい。
wRA[k] = (wIR-wOVLP)*(k+1) (式INTERP-7)
一方、制限領域が図13(c)のように垂直方向にシフトする場合(段階的リフレッシュ情
報において、seq_refresh_mode=1、seq_refresh_direction=0の場合)、動きベクトルmvLXの制限と時刻t=kの制限参照領域の高さhRA[k]は(式INTERP-8)で導出してもよい。
mvLX[0] = Clip3((NTAP2-1-xPb)<<log2(MVBIT), (wPict-NTAP2+1-xPb-wPb+1)<<log2(MVBIT), mvLX[0]) (式INTERP-8)
mvLX[1] = Clip3((NTAP2-1-yPb)<<log2(MVBIT), (hRA[k]-NTAP2+1-yPb-hPb+1)<<log2(MVBIT), mvLX[1])
hRA[k] = (hIR-hOVLP)*(k+1)
リフレッシュでは、このように動きベクトルを制限することにより動きベクトルが参照ピクチャの制限領域内を指すので、制限領域のインター予測においても、ランダムアクセスポイント以降の正常な復号処理を実現することができる。
上記により、インター予測パラメータ復号部303、動き補償部3091は、インター予測す
る場合に、非制限参照領域を指すベクトルを制限参照境界内にクリップする。
(制限参照領域のマージ予測制限)
後続ピクチャにおける制限領域のインター予測で参照可能な制限領域(制限参照領域、)は、図10(d)の横線で示すように、参照ピクチャ(時刻)によって異なる範囲を持つ。従って、マージ予測のように対象ブロックの周辺ブロック(以下隣接ブロック)の動きベクトルから対象ブロックの動きベクトルを推定する場合、追加の処理が必要である。
図23(b)は本実施例の一例を示す図である。図23(b)では、対象ブロックは時刻t=4のピ
クチャの制限領域にある。そして、空間マージ候補において用いられる隣接ブロックALの参照ピクチャインデックスが時刻t=1のピクチャ(参照ピクチャPicMvRef)を示し、その
動きベクトルはmvLX_ALである。隣接ブロックALの動きベクトルmvLX_ALによって参照される時刻t=1の領域は制限参照領域に含まれる場合においても、動きベクトルmvLX_ALをマージ候補として対象ブロックの動きベクトルに適用すると、制限参照領域外を指すことがありえる。本実施例のマージ予測パラメータ導出部3036は、このように制限参照領域外を指すマージ候補が、マージ候補リストに含まれないようにマージ候補を導出する。
具体的には、マージ予測パラメータ導出部3036は、seq_refresh_enable_flagが1であ
る場合において、導出されたマージ候補(例えばマージ候補N)において、参照ピクチャ
インデックスと動きベクトルが、制限参照領域にある、つまりIsRA(Pb, mvLX_N)が真の場合には、マージ候補Nの利用可能性availabilityNを1に設定し、制限参照領域外の場合に
はavailabilityNを0に設定する。また、利用可能性availabilityNが1のマージ候補のみを、マージ候補リストに設定してもよい。
また、マージ予測パラメータ導出部3036は、seq_refresh_enable_flagが1である場合
において、導出されたマージ候補(例えばマージ候補N)のL0参照ピクチャ、L1参照ピク
チャの各々において、参照ピクチャインデックスrefIdxLXNと動きベクトルmvLXNが制限参照領域を指すかを判定する。制限参照領域内を指す場合には、利用フラグpredFlagLX = 1(X=0,1)であれば、双予測を行うマージ候補をマージ候補リストに設定してもよい。L0
、L1の参照ピクチャリストのうち一方の参照ピクチャが利用可能ではない(!IsRA(Pb, mvLXN))場合は、predFlagLX = 1となる参照ピクチャリストLXに対し、単予測のマージ候補をマージ候補リストに設定する。また、L0、L1の参照ピクチャリストの両方の参照ピクチャが利用可能ではないpredFlagLX = 0の場合には、マージ候補Nの利用可能性availabilityNを0に設定する。
マージ予測パラメータ導出部3036は、seq_refresh_enable_flagが1である場合におい
て、生成されたマージ候補リストを順に参照し、生成されたマージ候補リスト中の参照ピクチャインデックスと動きベクトルが、制限参照領域外を示す場合には、マージ候補リストから除外しても良い。
段階的リフレッシュ情報において、seq_refresh_mode=1、seq_refresh_direction=0の
場合、マージ候補の参照ピクチャインデックスが示す参照ピクチャの時刻がt=j、マージ
候補の動きベクトルがmvLX_ALの場合、(式INTERP-9)を満たす参照ピクチャインデック
スと動きベクトルをもつ利用可能とするマージ候補とする。
xPb+wPb-1+mvLX_AL[0] <= xRA_en[j]-1 (式INTERP-9)
または以下の式で導出しても良い。
xPb+wPb-1+mvLX_AL[0] < xRA_st[j] + wRA[j]
または以下の式で導出しても良い。
xPb+wPb-1+mvLX_AL[0] <= (wIR-wOVLP)*(j+1)
一方、段階的リフレッシュ情報において、seq_refresh_mode=1、seq_refresh_direction=0の場合、つまり、制限領域が図13(c)のように上から下に垂直方向にシフトする場合、マージ候補の参照ピクチャインデックスと動きベクトルは(式INTERP-10)を用いて利用可能なマージ候補を判定する。
yPb+hPb-1+mvLX_AL[1] <= yRA_en[j]-1 (式INTERP-10)
または以下の式で導出しても良い。
yPb+hPb-1+mvLX_AL[1] < yRA_st[j] + wRA[j]
または以下の式で導出しても良い。
yPb+hPb-1+mvLX_AL[1] <= (hIR-hOVLP)*(j+1)
以上のように、制限領域を用いてランダムアクセスを実現する場合は、対象ブロックの参照する領域が制限参照領域に含まれるようにマージ候補を制限することによって、ランダムアクセスポイント以降の正常な復号処理を実現することができる。
あるいは別の例として、本実施形態のマージ候補導出部30361は、seq_refresh_enable_flagが1で対象ブロックPbが制限領域内IsRA(Pb)にある場合において、以下の式を用いて、マージ候補N動きベクトルmvLX_Nを制限領域内の位置にクリップしても良い。
mvLX[0] = ClipRA(mvLX_N[0])
mvLX[1] = ClipRA(mvLX_N[1])
あるいはseq_refresh_enable_flagが1の別の例として、対象ブロックにマージ候補の
参照ピクチャインデックスと動きベクトルを適用すると、対象ブロックの参照する領域が非制限参照領域に含まれる場合を説明する。この場合、参照ピクチャインデックスを修正し、動きベクトルをスケーリングすることで、対象ブロックの参照領域が制限参照領域に含まれるか否かIsRA(Pb, scaledMV)を判定しても良い。
段階的リフレッシュ情報において、seq_refresh_mode=0、seq_refresh_direction=0の
場合、参照ピクチャインデックスと動きベクトルは(式INTERP-11)を用いて利用可能な
マージ候補を判定する。
xPb+wPb-1+scaledMV[0] <= xRA_en[j]-1 (式INTERP-11)
または以下の式で導出しても良い。
xPb+wPb-1+scaledMV[0] < xRA_st[j]+wRA[j]
または以下の式で導出しても良い。
xPb+wPb-1+scaledMV[0] <= (wIR-wOVLP)*(j'+1)
scaledMV = MvScale(mvLX_AL, k, j, k, j')
ここでkは対象ピクチャの時刻、jは隣接ブロックの参照ピクチャの時刻であるが、これらをPOCとみなしてよい。scaledMVはスケーリング後の隣接ブロックの動きベクトルであり
(式INTERP-1)により導出される。j'は修正後の参照ピクチャインデックスが示す参照ピクチャの時刻(POC)である。
一方、制限領域が図13(c)のように垂直方向にシフトする場合(段階的リフレッシュ情
報において、seq_refresh_mode=1、seq_refresh_direction=0の場合)、参照ピクチャイ
ンデックスと動きベクトルは(式INTERP-12)を満たすように導出する。
yPb+hPb-1+scaledMV[1] <= (hIR-hOVLP)*(j'+1) (式INTERP-12)
scaledMV = MvScale(mvLX_AL, k, j, k, j')
以上のように、制限領域を用いてランダムアクセスを実現する場合は、マージ候補の参照ピクチャインデックス、動きベクトルを修正することによって、対象ブロックの参照領域が制限参照領域に含まれるので、ランダムアクセスポイント以降の正常な復号処理を実現することができる。
(イントラ予測画像生成部310)
予測モードpredModeがイントラ予測モードを示す場合、イントラ予測画像生成部310は
、イントラ予測パラメータ復号部304から入力されたイントラ予測パラメータと参照ピク
チャメモリ306から読み出した参照画素を用いてイントラ予測を行う。
具体的には、イントラ予測画像生成部310は、対象ピクチャ上の、対象ブロックから予
め定めた範囲にある隣接ブロックを参照ピクチャメモリ306から読み出す。予め定めた範
囲とは、対象ブロックの左、左上、上、右上の隣接ブロックであり、イントラ予測モードによって参照する領域は異なる。
イントラ予測画像生成部310は、読み出した復号画素値とイントラ予測モードIntraPredModeが示す予測モードを参照して、対象ブロックの予測画像を生成する。イントラ予測画像生成部310は生成した予測画像を加算部312に出力する。
イントラ予測モードに基づく予測画像の生成について以下で説明する。Planar予測、DC予測、Angular予測では、対象ブロックに隣接する復号済みの周辺領域を参照領域として
設定する。そして、参照領域上の画素を特定の方向に外挿することで予測画像を生成する。例えば、参照領域は、対象ブロックの左と上(あるいは、さらに、左上、右上、左下)を含むL字型の領域(例えば図24(a)の斜線の丸印の画素で示される領域)として設定されてもよい。
(予測画像生成部の詳細)
次に、図25を用いてイントラ予測画像生成部310の構成の詳細を説明する。イントラ予
測画像生成部310は、対象ブロック設定部3101、未フィルタ参照画像設定部3102(第1の
参照画像設定部)、フィルタ済参照画像設定部3103(第2の参照画像設定部)、予測部3104、および、予測画像補正部3105(予測画像補正部、フィルタ切替部、重み係数変更部)を備える。
参照領域上の各参照画素(未フィルタ参照画像)、参照画素フィルタ(第1のフィルタ)を適用して生成したフィルタ済参照画像、イントラ予測モードに基づいて、予測部3104は対象ブロックの仮予測画像(補正前予測画像)を生成し、予測画像補正部3105に出力する。予測画像補正部3105は、イントラ予測モードに応じて仮予測画像を修正し、予測画像(補正済予測画像)を生成し、出力する。
以下、イントラ予測画像生成部310が備える各部について説明する。
(対象ブロック設定部3101)
対象ブロック設定部3101は、対象CUを対象ブロックに設定し、対象ブロックに関する情報(対象ブロック情報)を出力する。対象ブロック情報には、対象ブロックのサイズ、位置、輝度か色差かを示すインデックスが少なくとも含まれる。
(未フィルタ参照画像設定部3102)
未フィルタ参照画像設定部3102は、対象ブロックのサイズと位置に基づいて、対象ブロックの隣接領域を参照領域として設定する。続いて、参照領域内の各画素値(未フィルタ参照画像、境界画素)に、参照ピクチャメモリ306上で対応する位置の各復号画素値をセットする。図24(a)に示す対象ブロック上辺に隣接する復号画素のラインr[x][-1]、および、対象ブロック左辺に隣接する復号画素の列r[-1][y]が未フィルタ参照画像である。未フィルタ参照画像r[x][y]は、対象ピクチャの左上座標を基準に表現される対象ピクチャの復号画素値u[][]を用いて(式INTRAP-1)により設定される。
r[x][y] = u[xPb+x][yPb+y] (式INTRAP-1)
x=-1,y=-1..(maxBS*2-1)、および、x=0..(maxBS*2-1),y=-1
ここで、(xPb,yPb)は対象ブロックの左上座標、maxBSは対象ブロックの幅wPbまたは高さhPbのうち大きい方の値を示す。
(式INTRAP-1)では、図24(a)に示すように、対象ブロック上辺に隣接する復号画素のラ
インr[x][-1]、および、対象ブロック左辺に隣接する復号画素の列r[-1][y]が未フィルタ参照画像である。なお、参照画素位置に対応する復号画素値が存在しない、または、参照できない場合は、既定の値(例えば画素ビットデプスがbitDepthの場合は、1<<(bitDepth-1))を未フィルタ参照画像として設定してもよい。あるいは、対応する復号画素の近傍に存在する参照可能な復号画素値を未フィルタ参照画像として設定してもよい。また、「y=-1..(maxBS*2-1)」は、yが-1から(maxBS*2-1)までの(maxBS*2+1)個の値を取り得ることを示し、「x=0..(maxBS*2-1)」は、xが0から(maxBS*2-1)までの(maxBS*2)個の値を取り得ることを示す。
(制限領域の参照領域の画素値設定1)
本実施形態のイントラ予測画像生成部310は、seq_refresh_enable_flagが1であり対象ブロックPbが制限領域内である場合(IsRA(Pb)が真)、制限領域(第1の領域)と非制限領域(第2の領域)の境界において、図26(a)に示す非制限領域の画素値を参照しない。
つまり、イントラ予測画像生成部310は、seq_refresh_enable_flagが1である場合において、非制限領域の画素を、参照画素として「利用不可(not available)」に設定する。
イントラ予測画像生成部310は、この場合に、制限領域外の参照画素r[x][-1](x>=wCU)の
画素値として、制限領域内のr[wCU-1][-1]を設定する。
r[x][-1] = r[wCU-1][-1] (wCU<=x<2*maxBS) (式INTRAP-2)
一方、制限領域が垂直方向にシフトする場合、参照画素r[-1][y](y>=hCU)の画素値とし
て、r[-1][hCU-1]を設定する。
r[-1][y] = r[-1][hCU-1] (hCU<=y<2*maxBS) (式INTRAP-3)
このように参照領域を設定することで、どのイントラ予測モードであっても、非制限領域の画素値を参照して予測画像を生成することはない。従って、後述のフィルタ済参照画像設定部3103、イントラ予測部3104、予測画像補正部3105の処理を変更する必要はない。
(フィルタ済参照画像設定部3103)
フィルタ済参照画像設定部3103は、イントラ予測モードに応じて、未フィルタ参照画像に参照画素フィルタ(第1のフィルタ)を適用して、参照領域上の各位置(x,y)のフィル
タ済参照画像s[x][y]を導出する。具体的には、位置(x,y)とその周辺の未フィルタ参照画像にローパスフィルタを適用し、フィルタ済参照画像(図24(b))を導出する。なお、必
ずしも全イントラ予測モードにローパスフィルタを適用する必要はなく、一部のイントラ予測モードに対してローパスフィルタを適用してもよい。
次に、未フィルタ参照画像設定部3102において、制限領域と非制限領域の境界で(参照領域の画素値設定1)の方法を用いず、(式INTRAP-1)に示す通常の方法で参照領域を設定する場合について説明する。
参照画素フィルタがタップ数NTAPの平滑化フィルタの場合、フィルタ済参照画像設定部3103は、図26(b)に示すように、非制限領域の画素を参照してフィルタをかける画素には
参照画素フィルタをかけない。つまり、非制限領域の画素を、参照画素として「利用不可(not available)」に設定する。この場合、非制限領域の画素、あるいは、対象ブロッ
クの上側の全ての参照領域に参照画素フィルタをかけなくてもよい。
あるいは、参照画素フィルタがr[maxBS*2-1][-1]の画素値を参照する線形フィルタの場合、少なくとも対象ブロックの上側の参照領域にはフィルタをかけない。
一方、制限領域が垂直方向にシフトする場合、フィルタをかけない参照領域は、対象ブロックの左側の参照領域である。また、参照画素フィルタがr[-1][maxBS*2-1]の画素値を参照する線形フィルタの場合、少なくとも対象ブロックの左側の参照領域にはフィルタをかけない。
通常の方法で参照領域を設定する場合、後述のイントラ予測部3104においても、通常の方法とは異なる処理が必要である。
なお、フィルタ済参照画素設定部3103において参照領域上の未フィルタ参照画像に適用するフィルタを「参照画素フィルタ(第1のフィルタ)」と呼称するのに対し、後述の予測画像補正部3105において仮予測画像を補正するフィルタを「バウンダリフィルタ(第2のフィルタ)」と呼称する。
(イントラ予測部3104の構成)
イントラ予測部3104は、イントラ予測モードと、未フィルタ参照画像、フィルタ済参照画素値に基づいて対象ブロックの仮予測画像(仮予測画素値、補正前予測画像)を生成し、予測画像補正部3105に出力する。予測部3104は、内部にPlanar予測部31041、DC予測部31042、Angular予測部31043、およびLM予測部31044を備えている。予測部3104は、イントラ予測モードに応じて特定の予測部を選択して、未フィルタ参照画像、フィルタ済参照画像を入力する。イントラ予測モードと対応する予測部との関係は次の通りである。
・Planar予測 ・・・Planar予測部31041
・DC予測 ・・・DC予測部31042
・Angular予測 ・・・Angular予測部31043
・LM予測 ・・・LM予測部31044
制限領域を用いてランダムアクセスを実現する時に、制限領域と非制限領域の境界では(参照領域の画素値設定1)の方法で参照画素を設定しない場合、後述の制約を設けない限り、Planar予測モードは使用してはならない。また、Angularイントラ予測モードに関
しては、図5に示す垂直予測モード(50)より大きなイントラ予測モード(IntraPredModeY>50)を使用してはならない。これらのモードは、非制限領域に含まれる画素を参照するからである。
(Planar予測)
Planar予測部31041は、対象画素位置と参照画素位置との距離に応じて、複数のフィル
タ済参照画像を線形加算して仮予測画像を生成し、予測画像補正部3105に出力する。仮予測画像の画素値q[x][y]は、フィルタ済参照画素値s[x][y]と、対象ブロックの幅wPb、高
さhPbを用いて(式INTRAP-4)により導出される。
q[x][y] = ((wPb-1-x)*s[-1][y]+(x+1)*s[wPb][-1]+(hPb-1-y)*s[x][-1]+(y+1)*s[-1][hPb]+maxBS) >> (log2(maxBS)+1) (式INTRAP-4)
ここで、x=0..wPb-1、y=0..hPb-1である。
(制限領域とPlanar予測)
制限領域と非制限領域の境界では、(式INTRAP-4)で参照するs[wPb][-1]が非制限領域の画素の場合、制限領域を用いたランダムアクセスでは参照することはできない。本実施例では、s[wPb][-1]の代わりに、s[wPb-1][-1]を用いて仮予測画像の画素値q[x][y]を算出
する。
q[x][y] = ((wPb-1-x)*s[-1][y]+(x+1)*s[wPb-1][-1]+(hPb-1-y)*s[x][-1]+(y+1)*s[-1][hPb]+maxBS) >> (log2(maxBS)+1) (式INTRAP-5)
さらにs[-1][hPb]の代わりにs[-1][hPb-1]を用いて仮予測画像の画素値q[x][y]を算出し
てもよい。
q[x][y] = ((wPb-1-x)*s[-1][y]+(x+1)*s[wPb-1][-1]+(hPb-1-y)*s[x][-1]+(y+1)*s[-1][hPb-1]+maxBS) >> (log2(maxBS)+1) (式INTRAP-6)
このように、仮予測画像の画素値q[x][y]を、制限領域の画素値のみを参照して算出す
ることにより、制限領域を用いてランダムアクセスを実現する場合にもPlanar予測を使用することができる。
上記により、イントラ予測部3104は、制限領域内のイントラCUにおいてPlanar予測で使用する隣接参照画素が、非制限領域(第2の領域)にまたがる場合、非制限領域の隣接参照画素を制限領域内画素に置き換えてPlanar予測による予測画像生成を行う。
(DC予測)
DC予測部31042は、フィルタ済参照画像s[x][y]の平均値に相当するDC予測値を導出し、DC予測値を画素値とする仮予測画像q[x][y]を出力する。
(Angular予測)
Angular予測部31043は、イントラ予測モードの示す予測方向(参照方向)のフィルタ済参照画像s[x][y]を用いて仮予測画像q[x][y]を生成し、予測画像補正部3105に出力する。
(制限領域とMPM予測)
イントラ予測部3104(MPM候補リスト導出部30421)は、対象ブロックが制限領域(IsRA(
xPb, yPb)が真)で対象ブロックの隣接ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が非制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が偽)の場合、MPM候補の導出に隣接ブロックの値を用いない。す
なわち、イントラ予測部3104は、対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの隣接ブロックの参照位置(xNbX, yNbX)が制限領域の場合(IsRA(xNbX, yNbX)が真)で、イントラ予測である場合に、その位置(xNbX, yNbX)をMPM候補candIntraPredModeX
に用いる。
例えば、イントラ予測部3104は、新規制限領域が図13(a)のように左から右にシフトす
る場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=0)対象ブロックが制限領
域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの右側隣接位置(xPb + wPb, yPb - 1)が制限領域の場合(IsRA(xPb + wPb, yPb - 1)が真)の場合、MPM候補の導出に右側隣接位置の値を
用いる。
例えば、イントラ予測部3104は、新規制限領域が図13(a)のように右から左にシフトす
る場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=1)対象ブロックが制限領
域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの左側隣接位置(xPb - 1, yPb)が制限領域の場合(IsRA(xPb - 1, yPb)が真)の場合、MPM候補の導出に左側隣接位置の値を用いる。
(制限領域とAngular予測)
制限領域が左から右に広がる場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=0)、Angular予測では、図5に示す垂直予測モード(IntraPredModeVer=50)より大きなイントラ予測モード(IntraPredModeY>IntraPredModeVer)は、制限領域と非制限領域の境
界において、非制限領域の画素を参照する。例えば、図27(a)、(b)に示すように、制限領域が左から右に広がる場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=0)、
対象ブロックの右上に隣接する参照画素は非制限領域に含まれる。つまり対象ブロックの幅をwPbとすると、s[x][-1](x>=wPb)は非制限領域の画素値である。従って、制限領域を
用いてランダムアクセスを実現する場合、イントラ予測モードをIntraPredModeVer以下に制限する(IntraPredModeY<=IntraPredModeVer)。
具体的には、イントラ予測部3104(MPM候補リスト導出部30421)は、対象ブロックが制限領域(IsRA(xPb, yPb)が真)で対象ブロックの右側領域が非制限領域の場合(IsRA(xPb +
wPb, yPb - 1)が偽)で、MPM候補にIntraPredModeVerより大きい値が導出される場合に
は、そのMPM候補がavailableではないとして、MPM候補に挿入しない。また、この場合、
イントラ予測パラメータ復号部304は導出されたイントラ予測モードが、IntraPredModeVerより大きい場合には、IntraPredModeVerにクリップしても良い。
IntraPredMode = Min(IntraPredMode, IntraPredModeVer)
逆に、イントラ予測部3104は、新規制限領域が図13(b)のように右から左にシフトする
場合(seq_refresh_mode=0、かつ、seq_refresh_direction=1)、つまり、対象ブロック
の左側領域(IsRA(xPb - 1, yPb)が偽)が非制限領域の場合には、MPM候補にIntraPredModeVerより小さい値が導出される場合には、そのMPM候補がavailableではないとして、MPM候補に挿入しない。また、この場合、イントラ予測パラメータ復号部304は導出されたイ
ントラ予測モードが、IntraPredModeVerより小さい場合には、IntraPredModeVerにクリップしても良い。
IntraPredMode = Max(IntraPredMode, IntraPredModeVer)
一方、イントラ予測部3104は、新規制限領域が図13(c)のように垂直方向にシフトする
場合、例えば、図27(c)、(d)に示すように、制限領域が上から下に広がる場合(seq_refresh_mode=1、かつ、seq_refresh_direction=0)、対象ブロックの左下に隣接する参照画
素は非制限領域に含まれる。つまり対象ブロックの高さをhPbとすると、s[-1][y](y>=hPb
)は非制限領域の画素値である。従って、イントラ予測モードを水平予測モードであるIntraPredModeHor(=18)以上に制限する(IntraPredModeY>=IntraPredModeHor)。
具体的には、イントラ予測部3104は、対象ブロックの上側領域(IsRA(xPb, yPb - 1)が偽)が非制限領域の場合で、MPM候補にIntraPredModeHorより大きい値が導出される場合
には、そのMPM候補がavailableではないとして、MPM候補に挿入しない。また、この場合
、イントラ予測パラメータ復号部304は導出されたイントラ予測モードが、IntraPredModeHorより大きい場合には、IntraPredModeHorにクリップしても良い。
IntraPredMode = Min(IntraPredMode, IntraPredModeHor)
逆に、イントラ予測部3104は、新規制限領域が図13(d)のように下から上にシフトする
場合(seq_refresh_mode=1、かつ、seq_refresh_direction=1)、つまり、対象ブロック
の下側領域が非制限領域の場合(IsRA(xPb - 1, yPb + hPb)が偽)には、MPM候補にIntraPredModeHorより小さい値が導出される場合には、そのMPM候補がavailableではないとして、MPM候補に挿入しない。また、この場合、イントラ予測パラメータ復号部304は導出されたイントラ予測モードが、IntraPredModeHorより小さい場合には、IntraPredModeHorにクリップしても良い。
IntraPredMode = Max(IntraPredMode, IntraPredModeHor)
このように、イントラ予測モードを制約することにより、新規制限領域を用いてランダムアクセスを実現する場合にもAngular予測を使用することができる。
上記により、イントラ予測部3104は、制限領域内のイントラCUで隣接参照画素が、非制限領域(第2の領域)にまたがる場合、その領域を使用するAngular予測モードを除外する
上記により、イントラ予測部3104は、制限領域内のイントラCUで隣接参照画素が、非制限領域(第2の領域)にまたがる場合、その領域はnot available扱いにする。
(LM予測)
LM予測部31044は、輝度の画素値に基づいて色差の画素値を予測する。具体的には、復
号した輝度画像をもとに、線形モデルを用いて、色差画像(Cb、Cr)の予測画像を生成する方式である。LM予測には、CCLM(Cross-Component Linear Model prediction)予測とMMLM(Multiple Model ccLM)予測がある。CCLM予測は、1つのブロックに対し、輝度から色差を予測するための線形モデルを1つ使用する予測方式である。MMLM予測は、1つのブロックに対し、輝度から色差を予測するための線形モデルを2つ以上使用する予測方式である。
(予測画像補正部3105の構成)
予測画像補正部3105は、イントラ予測モードに応じて、予測部3104から出力された仮予測画像を修正する。具体的には、予測画像補正部3105は、仮予測画像の各画素に対し、参照領域と対象予測画素との距離に応じて、未フィルタ参照画像と仮予測画像を重み付け加算(加重平均)することで、仮予測画像を修正した予測画像(補正済予測画像)Predを導出する。なお、一部のイントラ予測モードでは、予測画像補正部3105で仮予測画像を補正せず、予測部3104の出力をそのまま予測画像としてもよい。
逆量子化・逆変換部311は、エントロピー復号部301から入力された量子化変換係数を逆量子化して変換係数を求める。この量子化変換係数は、符号化処理において、予測誤差に対してDCT(Discrete Cosine Transform、離散コサイン変換)、DST(Discrete Sine Transform、離散サイン変換)、KLT(Karyhnen Loeve Transform、カルーネンレーベ変換)等の周波数変換を行い量子化して得られる係数である。逆量子化・逆変換部311は、求めた変換係数について逆DCT、逆DST、逆KLT等の逆周波数変換を行い、予測誤差を算出する。逆量子化・逆変換部311は予測誤差を加算部312に出力する。
加算部312は、予測画像生成部308から入力されたブロックの予測画像と逆量子化・逆変換部311から入力された予測誤差を画素毎に加算して、ブロックの復号画像を生成する。
加算部312はブロックの復号画像を参照ピクチャメモリ306に記憶し、また、ループフィルタ305に出力する。
(動画像符号化装置の構成)
次に、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成について説明する。図18は、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成を示すブロック図である。動画像符号化装置11は、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、逆量子化・逆変換部105、加算部106、ループフィルタ107、予測パラメータメモリ(予測パラメータ記憶部、フレームメモリ)108、参照ピクチャメモリ(参照画像記憶部、フレームメモリ)109、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111、エントロピー符号化部104を含んで構成される。
予測画像生成部101は画像Tの各ピクチャを分割した領域であるCU毎に予測画像を生成
する。予測画像生成部101は既に説明した予測画像生成部308と同じ動作であり、説明を省略する。
減算部102は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値を、画像Tの画素値から減算して予測誤差を生成する。減算部102は予測誤差を変換・量子化部103に出力する。
変換・量子化部103は、減算部102から入力された予測誤差に対し、周波数変換によって変換係数を算出し、量子化によって量子化変換係数を導出する。変換・量子化部103は、
量子化変換係数をエントロピー符号化部104及び逆量子化・逆変換部105に出力する。
逆量子化・逆変換部105は、動画像復号装置31における逆量子化・逆変換部311(図17)と同じであり、説明を省略する。算出した予測誤差は加算部106に出力される。
パラメータ符号化部111は、制限領域制御部120、図示しないインター予測パラメータ符号化部112とイントラ予測パラメータ符号化部113からなる。
制限領域制御部120は、ヘッダ符号化部1110、CT情報符号化部1111、CU符号化部1112(
予測モード符号化部)、および図示しないインター予測パラメータ符号化部112とイント
ラ予測パラメータ符号化部113を備えている。CU符号化部1112はさらにTU符号化部1114を
備えている。
以下、各モジュールの概略動作を説明する。パラメータ符号化部111はヘッダ情報、分
割情報、予測情報、量子化変換係数等のパラメータの符号化処理を行う。
CT情報符号化部1111は、符号化データからQT、MT(BT、TT)分割情報等を符号化する。
CU符号化部1112はCU情報、予測情報、TU分割フラグsplit_transform_flag、CU残差フラグcbf_cb、cbf_cr、cbf_luma等を符号化する。
TU符号化部1114は、TUに予測誤差が含まれている場合に、QP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を符号化する。
エントロピー符号化部104は、供給元から供給されるシンタックス要素をバイナリデー
タに変換し、CABAC等のエントロピー符号化方式により符号化データを生成し、出力する
。シンタックス要素の供給元は、CT情報符号化部1111、CU符号化部1112である。シンタックス要素は、インター予測パラメータ(予測モードpredMode、マージフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャイン
デックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLX)、イン
トラ予測パラメータ(prev_intra_luma_pred_flag、mpm_idx、rem_selected_mode_flag、rem_selected_mode、rem_non_selected_mode、)、量子化変換係数等である。
エントロピー符号化部104は、分割情報、予測パラメータ、量子化変換係数等をエント
ロピー符号化して符号化ストリームTeを生成し、出力する。
(インター予測パラメータ符号化部の構成)
インター予測パラメータ符号化部112は、符号化パラメータ決定部110から入力された予測パラメータに基づいて、インター予測パラメータを導出する。インター予測パラメータ符号化部112は、インター予測パラメータ復号部303がインター予測パラメータを導出する構成と一部同一の構成を含む。
インター予測パラメータ符号化部112の構成について説明する。図28(a)に示すように、パラメータ符号化制御部1121、AMVP予測パラメータ導出部1122、減算部1123、サブブロック予測パラメータ導出部1125等を含んで構成される。パラメータ符号化制御部1121は、マージインデックス導出部11211とベクトル候補インデックス導出部11212を含む。マージインデックス導出部11211、ベクトル候補インデクス導出部11212、AMVP予測パラメータ導出部1122、サブブロック予測パラメータ導出部1125を総称して動きベクトル導出部(動きベクトル導出装置)と称してもよい。インター予測パラメータ符号化部112は、動きベクトル(mvLX、subMvLX)、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、インター予測識別子inter_pred_idc、あるいはこれらを示す情報を予測画像生成部101に出力する。またインター予測パラメータ符号化部112は、マージフラグmerge_flag、マージインデックスmerge_idx、インター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、予測ベクトルインデックスmvp_lX_idx、差分ベクトルmvdLX、サブブロック予測モードフラグsubPbMotionFlagをエントロピー符号化部104に出力する。
マージインデックス導出部11211は、符号化パラメータ決定部110から入力された動きベクトルと参照ピクチャインデックスを、予測パラメータメモリ108から読み出したマージ
候補のブロックが持つ動きベクトルと参照ピクチャインデックスと比較して、マージインデックスmerge_idxを導出し、エントロピー符号化部104に出力する。マージ候補とは、対象CUから予め定めた範囲にある参照ブロック(例えば、対象ブロックの左端、左下端、左上端、上端、右上端に接するブロック)であって、符号化処理が完了したブロックである。ベクトル候補インデックス導出部11212は予測ベクトルインデックスmvp_lX_idxを導出する。
AMVP予測パラメータ導出部1122は動きベクトルmvLXに基づいて予測ベクトルmvpLXを導
出する。AMVP予測パラメータ導出部1122は予測ベクトルmvpLXを減算部1123に出力する。
なお、参照ピクチャインデックスrefIdxLX及び予測ベクトルインデックスmvp_lX_idxは、エントロピー符号化部104に出力される。
減算部1123は、符号化パラメータ決定部110から入力された動きベクトルmvLXから、AMVP予測パラメータ導出部1122の出力である予測ベクトルmvpLXを減算して差分ベクトルmvdLXを生成する。差分ベクトルmvdLXはエントロピー符号化部104に出力される。
(イントラ予測パラメータ符号化部113の構成)
イントラ予測パラメータ符号化部113は、符号化パラメータ決定部110から入力されたイントラ予測モードIntraPredModeから、符号化するための形式(例えばmpm_idx、rem_intra_luma_pred_mode等)を導出する。イントラ予測パラメータ符号化部113は、イントラ予測パラメータ復号部304がイントラ予測パラメータを導出する構成と、一部同一の構成を含む。
図29は、パラメータ符号化部111のイントラ予測パラメータ符号化部113の構成を示す概略図である。イントラ予測パラメータ符号化部113は、パラメータ符号化制御部1131、輝
度イントラ予測パラメータ導出部1132、色差イントラ予測パラメータ導出部1133とを含んで構成される。
パラメータ符号化制御部1131には、符号化パラメータ決定部110から輝度予測モードIntraPredModeYおよび色差予測モードIntraPredModeCが入力される。パラメータ符号化制御部1131は参照候補リスト導出部30421のMPM候補リストmpmCandList[]を参照して、prev_intra_luma_pred_flagを決定する。そして、prev_intra_luma_pred_flagと輝度予測モードIntraPredModeYを、輝度イントラ予測パラメータ導出部1132に出力する。また、色差予測モードIntraPredModeCを色差イントラ予測パラメータ導出部1133に出力する。
輝度イントラ予測パラメータ導出部1132は、MPM候補リスト導出部30421(候補リスト導出部)と、MPMパラメータ導出部11322と、非MPMパラメータ導出部11323(符号化部、導出部)とを含んで構成される。
MPM候補リスト導出部30421は、予測パラメータメモリ108に格納された隣接ブロックの
イントラ予測モードを参照して、MPM候補リストmpmCandList[]を導出する。MPMパラメー
タ導出部11322は、prev_intra_luma_pred_flagが1の場合に、輝度予測モードIntraPredModeYとMPM候補リストmpmCandList[]からmpm_idxを導出し、エントロピー符号化部104に出力する。非MPMパラメータ導出部11323は、prev_intra_luma_pred_flagが0の場合に、輝度予測モードIntraPredModeYとMPM候補リストmpmCandList[]からRemIntraPredModeを導出し、rem_selected_mode、あるいは、rem_non_selected_modeをエントロピー符号化部104に出力する。
色差イントラ予測パラメータ導出部1133は、輝度予測モードIntraPredModeYと色差予測モードIntraPredModeCからnot_dm_chroma_flag、not_lm_chroma_flag、chroma_intra_mode_idxを導出し、出力する。
加算部106は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値と逆量子化・逆変換部105から入力された予測誤差を画素毎に加算して復号画像を生成する。加算
部106は生成した復号画像を参照ピクチャメモリ109に記憶する。
ループフィルタ107は加算部106が生成した復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、SAO、ALFを施す。なお、ループフィルタ107は、必ずしも上記3種類のフィルタを含まな
くてもよく、例えばデブロッキングフィルタのみの構成であってもよい。
予測パラメータメモリ108は、符号化パラメータ決定部110が生成した予測パラメータを、対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
参照ピクチャメモリ109は、ループフィルタ107が生成した復号画像を対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
符号化パラメータ決定部110は、符号化パラメータの複数のセットのうち、1つのセッ
トを選択する。符号化パラメータとは、上述したQT、BTあるいはTT分割情報、予測パラメータ、あるいはこれらに関連して生成される符号化の対象となるパラメータである。予測画像生成部101は、これらの符号化パラメータを用いて予測画像を生成する。
符号化パラメータ決定部110は、複数のセットの各々について情報量の大きさと符号化
誤差を示すRDコスト値を算出する。RDコスト値は、例えば、符号量と二乗誤差に係数λを乗じた値との和である。符号量は、量子化誤差と符号化パラメータをエントロピー符号化して得られる符号化ストリームTeの情報量である。二乗誤差は、減算部102において算出
された予測誤差の二乗和である。係数λは、予め設定されたゼロよりも大きい実数である。符号化パラメータ決定部110は、算出したコスト値が最小となる符号化パラメータのセットを選択する。これにより、エントロピー符号化部104は、選択した符号化パラメータセットを符号化ストリームTeとして出力する。符号化パラメータ決定部110は決定した
符号化パラメータを予測パラメータメモリ108に記憶する。
なお、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、例えば、エントロピー復号部301、パラメータ復号部302、ループフィルタ305、予測画像生成
部308、逆量子化・逆変換部311、加算部312、予測画像生成部101、減算部102、変換・量
子化部103、エントロピー符号化部104、逆量子化・逆変換部105、ループフィルタ107、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、動画像符号化装置11、動画像復号装置31のいずれかに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は、ピクチャを制限領域と非制限領域に分割し、制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を用いて予測し、非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、上記ピクチャの復号後、上記ピクチャの上記制限領域を上記制限参照領域として設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は、ピクチャを新規リフレッシュ領域と制限領域と非制限領域に分割し、新規リフレッシュ領域に含まれるブロックに対し、制限領域の画素のみを参照するイントラ予測を行い、制限領域に含まれるブロックに対し、上記新規リフレッシュ領域もしくは上記制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を行い、非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピク
チャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、上記ピクチャの復号後、上記新規リフレッシュ領域を追加した上記制限領域を上記制限参照領域として設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は、ピクチャを制限領域と非制限領域に分割し、制限領域内の新規リフレッシュ領域に含まれるブロックに対し、制限領域の画素のみを参照するイントラ予測を行い、制限領域に含まれるブロックに対し、上記新規リフレッシュ領域もしくは上記制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を行い、非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、上記ピクチャの復号後、上記制限領域を上記制限参照領域として設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像符号化装置は、ピクチャを制限領域と非制限領域に分割し、制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を用いて予測し、非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、上記ピクチャの符号化後、上記ピクチャの上記制限領域を上記制限参照領域として設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は予測画像生成部を備え、予測画像生成部部は、制限領域と非制限領域の境界において、非制限領域の画素を「参照画素として利用不可」に設定し、対象ブロックの参照領域には制限領域の画素値を設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は予測画像生成部を備え、予測画像生成部部は、制限領域と非制限領域の境界において、非制限領域の画素を参照する画素には参照画素フィルタをオフにすることを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は予測画像生成部を備え、予測画像生成部部は、制限領域内の対象ブロックにおいて、イントラ予測モードの示す予測方向の参照画素が非制限領域を含む場合、上記イントラ予測モードを除外することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は予測画像生成部を備え、予測画像生成部部は、制限領域内の対象ブロックにおいて、イントラ予測モードの示す予測方向の参照画素が非制限領域を含む場合、上記参照画素を「利用不可」に設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は予測画像生成部を備え、予測画像生成部部は、制限領域内の対象ブロックにおいて、Planar予測で参照する画素が非制限領域を含む場合、非制限領域の参照画素を制限領域の画素に置き換えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は予測画像生成部を備え、予測画像生成部部は、制限領域内の対象ブロックにおいて、Planar予測で参照する画素が非制限領域を含む場合、Planar予測モードを除外することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は動き補償部を備え、動き補償部は、制限領域の対象ブロックが参照するピクチャの画素が非制限参照領域にある場合には、参照ピクチャ中の非制限参照領域の画素値を、制限参照領域の画素値で置き換えるパディング処理を実施することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は動き補償部を備え、動き補償部は、制限領域の対象ブロックが参照するピクチャの画素が非制限参照領域にある場合には、非制限参照領域を指すベクトルを制限参照境界内に制限(クリッピング)することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は動き補償部を備え、動き補償部は、制限領域の対象ブロックが参照する領域が制限参照領域に含まれるような参照ピクチャインデックスと動きベクトルの組み合わせを持つ隣接ブロックを、マージ候補リストから選択してマージ候補に設定することを特徴とする。
本発明の一態様に係る動画像復号装置は動き補償部を備え、動き補償部は、制限領域の対象ブロックにおいて、マージ候補の参照ピクチャインデックスと動きベクトルによる参照領域が、制限参照領域に含まれない場合、上記参照ピクチャインデックスを修正し、上記動きベクトルをスケーリングすることで、対象ブロックの前記参照領域が制限参照領域に含まれるように設定することを特徴とする。
また、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。動画像符号化装置11、動画像復号装置31の各機能ブロックは個別にプロセッサ化しても良いし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
〔応用例〕
上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31は、動画像の送信、受信、記録、再生を行う各種装置に搭載して利用することができる。なお、動画像は、カメラ等により撮像された自然動画像であってもよいし、コンピュータ等により生成された人工動画像(CGおよびGUIを含む)であってもよい。
まず、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の送信及び受信に利用できることを、図30を参照して説明する。
図30(a)は、動画像符号化装置11を搭載した送信装置PROD_Aの構成を示したブロック図
である。図30(a)に示すように、送信装置PROD_Aは、動画像を符号化することによって符
号化データを得る符号化部PROD_A1と、符号化部PROD_A1が得た符号化データで搬送波を変調することによって変調信号を得る変調部PROD_A2と、変調部PROD_A2が得た変調信号を送信する送信部PROD_A3と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_A1として利用される。
送信装置PROD_Aは、符号化部PROD_A1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像
するカメラPROD_A4、動画像を記録した記録媒体PROD_A5、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_A6、及び、画像を生成または加工する画像処理部A7を更に備えていても
よい。図30(a)においては、これら全てを送信装置PROD_Aが備えた構成を例示しているが
、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_A5は、符号化されていない動画像を記録したものであってもよい
し、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化された動画像を記録したものであってもよい。後者の場合、記録媒体PROD_A5と符号化部PROD_A1との間に、記録媒体PROD_A5から読み出した符号化データを記録用の符号化方式に従って復号する復号部(
不図示)を介在させるとよい。
図30(b)は、動画像復号装置31を搭載した受信装置PROD_Bの構成を示したブロック図で
ある。図30(b)に示すように、受信装置PROD_Bは、変調信号を受信する受信部PROD_B1と、受信部PROD_B1が受信した変調信号を復調することによって符号化データを得る復調部PROD_B2と、復調部PROD_B2が得た符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_B3と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_B3として利用される。
受信装置PROD_Bは、復号部PROD_B3が出力する動画像の供給先として、動画像を表示す
るディスプレイPROD_B4、動画像を記録するための記録媒体PROD_B5、及び、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_B6を更に備えていてもよい。図30(b)においては、これら全てを受信装置PROD_Bが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_B5は、符号化されていない動画像を記録するためのものであって
もよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化されたものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_B3と記録媒体PROD_B5との間に、復号部PROD_B3から
取得した動画像を記録用の符号化方式に従って符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
なお、変調信号を伝送する伝送媒体は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、変調信号を伝送する伝送態様は、放送(ここでは、送信先が予め特定されていない送信態様を指す)であってもよいし、通信(ここでは、送信先が予め特定されている送信態様を指す)であってもよい。すなわち、変調信号の伝送は、無線放送、有線放送、無線通信、及び有線通信の何れによって実現してもよい。
例えば、地上デジタル放送の放送局(放送設備など)/受信局(テレビジョン受像機など)は、変調信号を無線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。また、ケーブルテレビ放送の放送局(放送設備など)/受信局(テレビジョン受像機など)は、変調信号を有線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。
また、インターネットを用いたVOD(Video On Demand)サービスや動画共有サービスなどのサーバ(ワークステーションなど)/クライアント(テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなど)は、変調信号を通信で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である(通常、LANにおいては伝送媒体として無線または有線の何れかが用いられ、WANにおいては伝送媒体として有線が用いられる)。ここで、パーソナルコンピュータには、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、及びタブレット型PCが含まれる。また、スマートフォンには、多機能携帯電話端末も含まれる。
なお、動画共有サービスのクライアントは、サーバからダウンロードした符号化データを復号してディスプレイに表示する機能に加え、カメラで撮像した動画像を符号化してサーバにアップロードする機能を有している。すなわち、動画共有サービスのクライアントは、送信装置PROD_A及び受信装置PROD_Bの双方として機能する。
次に、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の記録及び再生に利用できることを、図31を参照して説明する。
図31(a)は、上述した動画像符号化装置11を搭載した記録装置PROD_Cの構成を示したブ
ロック図である。図に示すように、記録装置PROD_Cは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_C1と、符号化部PROD_C1が得た符号化データを記録媒体PROD_Mに書き込む書込部PROD_C2と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、こ
の符号化部PROD_C1として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのように、記録装置PROD_Cに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのように、記録装置PROD_Cに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)やBD(Blu-ray(登録商標) Disc:登録商標)などのように、記録装置PROD_Cに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、記録装置PROD_Cは、符号化部PROD_C1に入力する動画像の供給源として、動画像
を撮像するカメラPROD_C3、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_C4、動画像を受信するための受信部PROD_C5、及び、画像を生成または加工する画像処理部PROD_C6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを記録装置PROD_Cが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、受信部PROD_C5は、符号化されていない動画像を受信するものであってもよいし
、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを受信するものであってもよい。後者の場合、受信部PROD_C5と符号化部PROD_C1との間に、伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを復号する伝送用復号部(不図示)を介在させるとよい。
このような記録装置PROD_Cとしては、例えば、DVDレコーダ、BDレコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダなどが挙げられる(この場合、入力端子PROD_C4または受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)。また、カムコーダ(この場合、カメラPROD_C3が動画像の主な供給源となる)、パーソナルコンピュータ(この場合、受信部PROD_C5または画像処理部C6が動画像の主な供給源となる)、スマートフォン(この場合、カメラPROD_C3または受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)なども、このような記録装置PROD_Cの一例である。
図31(b)は、上述した動画像復号装置31を搭載した再生装置PROD_Dの構成を示したブロ
ックである。図に示すように、再生装置PROD_Dは、記録媒体PROD_Mに書き込まれた符号化データを読み出す読出部PROD_D1と、読出部PROD_D1が読み出した符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_D2と、を備えている。上述した動画像復号装置31
は、この復号部PROD_D2として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDDやSSDなどのように、再生装置PROD_Dに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSBフラッシュメモリなどのよ
うに、再生装置PROD_Dに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVDやBDなど
のように、再生装置PROD_Dに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、再生装置PROD_Dは、復号部PROD_D2が出力する動画像の供給先として、動画像を
表示するディスプレイPROD_D3、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_D4、及び、動画像を送信する送信部PROD_D5を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを
再生装置PROD_Dが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、送信部PROD_D5は、符号化されていない動画像を送信するものであってもよいし
、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを送信するものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_D2と送信部PROD_D5との間に、動画像を伝送用の符号化方式で符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
このような再生装置PROD_Dとしては、例えば、DVDプレイヤ、BDプレイヤ、HDDプレイヤなどが挙げられる(この場合、テレビジョン受像機等が接続される出力端子PROD_D4が動
画像の主な供給先となる)。また、テレビジョン受像機(この場合、ディスプレイPROD_D3が動画像の主な供給先となる)、デジタルサイネージ(電子看板や電子掲示板等とも称され、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、デスクトップ型PC(この場合、出力端子PROD_D4または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、ラップトップ型またはタブレット型PC(この場合、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、スマートフォン(この場合、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)なども、このような再生装置PROD_Dの一例である。
(ハードウェア的実現およびソフトウェア的実現)
また、上述した動画像復号装置31および動画像符号化装置11の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU
(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、上記各装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記
プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random
Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の実施形態の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである上記各装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記各装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)/MOディスク(Magneto-Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)/CD-R(CD Recordable)/ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) Disc:登録商標)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory:登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、上記各装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value-Added Network)、CATV(CommunityRAntenna television/Cable Television)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモコンのような赤外線、BlueTooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance:登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上デジタル放送網等の無線でも利用可能である。なお、本発明の実施形態は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施形態は、画像データが符号化された符号化データを復号する動画像復号装置、および、画像データが符号化された符号化データを生成する動画像符号化装置に好適に適用することができる。また、動画像符号化装置によって生成され、動画像復号装置によって参照される符号化データのデータ構造に好適に適用することができる。
31 画像復号装置
301 エントロピー復号部
302 パラメータ復号部
3020 ヘッダ復号部
303 インター予測パラメータ復号部
304 イントラ予測パラメータ復号部
308 予測画像生成部
309 インター予測画像生成部
310 イントラ予測画像生成部
311 逆量子化・逆変換部
312 加算部
320 制限領域制御部
11 画像符号化装置
101 予測画像生成部
102 減算部
103 変換・量子化部
104 エントロピー符号化部
105 逆量子化・逆変換部
107 ループフィルタ
110 符号化パラメータ決定部
111 パラメータ符号化部
112 インター予測パラメータ符号化部
113 イントラ予測パラメータ符号化部
120 制限領域制御部
1110 ヘッダ符号化部
1111 CT情報符号化部
1112 CU符号化部(予測モード符号化部)
1114 TU符号化部

Claims (7)

  1. ピクチャを制限領域と非制限領域に分割し、
    制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を用いて予測し、
    非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、
    上記ピクチャの復号後、上記ピクチャの上記制限領域を上記制限参照領域として設定することを特徴とする動画像復号装置。
  2. 上記動画像復号装置は予測画像生成部を備え、
    予測画像生成部部は、制限領域と非制限領域の境界において、非制限領域の画素を「参照画素として利用不可」に設定し、対象ブロックの参照領域には制限領域の画素値を設定することを特徴とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  3. 上記動画像復号装置は予測画像生成部を備え、
    予測画像生成部部は、制限領域内の対象ブロックにおいて、イントラ予測モードの示す予測方向の参照画素が非制限領域を含む場合、上記イントラ予測モードを除外することを特徴とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  4. 上記動画像復号装置は予測画像生成部を備え、
    予測画像生成部部は、制限領域内の対象ブロックにおいて、Planar予測で参照する画素が非制限領域を含む場合、非制限領域の参照画素を制限領域の画素に置き換えることを特徴とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  5. 上記動画像復号装置は動き補償部を備え、
    動き補償部は、制限領域の対象ブロックが参照するピクチャの画素が非制限参照領域にある場合には、参照ピクチャ中の非制限参照領域の画素値を、制限参照領域の画素値で置き換えるパディング処理を実施することを特徴とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  6. 上記動画像復号装置は動き補償部を備え、
    動き補償部は、制限領域の対象ブロックが参照するピクチャの画素が非制限参照領域にある場合には、非制限参照領域を指すベクトルを制限参照境界内に制限(クリッピング)することを特徴とする請求項1に記載の動画像復号装置。
  7. ピクチャを制限領域と非制限領域に分割し、
    制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の制限領域の画素のみを参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャの制限参照領域を参照するインター予測を用いて予測し、
    非制限領域に含まれるブロックに対し、上記ピクチャ中の復号済の画素を参照するイントラ予測、もしくは、上記ピクチャの参照ピクチャを参照するインター予測を用いて予測し、
    上記ピクチャの符号化後、上記ピクチャの上記制限領域を上記制限参照領域として設定することを特徴とする動画像符号化装置。
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