JP2021174101A - 物体検出システム - Google Patents

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守正 村瀬
Morimasa Murase
正男 辻
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Abstract

【課題】プレキャストコンクリート版を敷設した構造で形成された道路において、道路にかかる荷重を利用して路上の物体の位置を検出する。【解決手段】物体検出システムは、道路を施工する領域に立設させた杭と、杭の上に載置されるプレキャストコンクリート版(路版)と、を用いて形成される構造の道路に適用される。物体検出システムにおける位置検出装置20は、各杭に取り付けられた荷重センサのセンサデータを含むセンサ情報を受信するセンサ情報受信部21と、センサ情報に含まれるセンサデータに基づき路上の物体の位置を検出する位置検出部22と、を有する。位置検出部22は、センサデータから路版の重量を差し引いた道路における荷重値の分布を作成し、荷重値の分布から各路版における重心位置を算出し、算出した各路版の重心位置から物体の重心位置を算出し、その算出結果を路上における物体の位置として検出する。【選択図】図3

Description

本発明は、物体検出システム、特に路面がプレキャストコンクリート版で構築された道路上における物体の位置の検出に関する。
従来から、安全性の向上を図るためなどを目的として、路上の車両や人間などの物体の位置を特定したい場合がある。例えば、従来では、レーザレーダを用いて監視エリアにおける車両を検知する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、近年では、工場でプレキャストコンクリート版を製作しておき、現場まで運搬し、並べて敷設することで道路を施工する技術がある(例えば、特許文献2)。
特開2019−207654号公報 特許第3778335号明細書 特許第3935645号明細書
プレキャストコンクリート版を敷設した構造で形成された道路において、道路にかかる荷重を利用して路上の物体の位置を検出できるようにしたい。
本発明に係る物体検出システムは、道路を施工する領域に立設させた杭と、前記杭の上に載置されるプレキャストコンクリート版と、を用いて形成される構造の道路上の物体を検出する物体検出システムにおいて、前記杭それぞれに取り付けされる複数の荷重センサと、前記荷重センサのセンサ値を少なくとも含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、前記荷重センサが計測した荷重から求めた前記各プレキャストコンクリート版にかかる荷重の重心を参照することによって物体の位置を検出する検出手段と、を有することを特徴とする。
また、前記検出手段は、検出した物体の位置の遷移から当該物体の移動方向及び移動速度を検出することを特徴とする。
本発明によれば、プレキャストコンクリート版を敷設した構造で形成された道路において、道路にかかる荷重を利用して路上の物体の位置を検出することができる。
本実施の形態における道路の構造を示す斜視図である。 本実施の形態における物体検出システムの全体構成図である。 本実施の形態における通信装置と位置検出装置のブロック構成図である。 本実施の形態における物体位置検出処理を示すフローチャートである。 本実施の形態において、物体が車両の場合における荷重値の分布を示す図である。 図5Aに示す荷重値の分布から得られる各路版の重心荷重を示す図である。 図5Bに示す各路版の重心荷重から得られる車両の重心位置を示す図である。 荷重点の算出方法を示す図である。 本実施の形態において、物体が人の場合における荷重値の分布を示す図である。 図7Aに示す荷重値の分布から得られる各路版の重心荷重を示す図である。 図7Bに示す各路版の重心荷重から得られる人の重心位置を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態における道路の構造を示す斜視図である。プレキャストコンクリート版(以下、「路版」)1は、現場で組立・設置を行うために、工場などで運搬可能な形や大きさに予め製造された板状のコンクリートである。路版1の大きさは、1.2m四方を想定しているが、この大きさに限定する必要はない。本実施の形態における路版1は、矩形形状で形成される。
本実施の形態における道路2は、図1に示すように、路版1を路体4に立設された杭3の上に並べて敷設し、路版1の各角部をボルトにて杭3に固定されて形成される構造を有している。「路体」4とは、道路を施工する領域を掘り下げて形成される道路構造の最下層のことをいう。路体4に立設させた杭3の上に路版1を敷設するので、少なくとも路版1の厚み以上に掘り下げる必要がある。本実施の形態では、図1に示すように路版1と路体4との間に空間5が形成されるよう深く掘り下げる。
各杭3には、荷重センサ6が取り付けられる。荷重センサ6は、杭3に載置されている路版1にかかる荷重を常時計測する。本実施の形態では、杭3の上部に取り付けた例を示しているが、荷重が計測できればよいので、取付位置は、この例に限らず、頂部等他の箇所に取り付けてもよい。
図2は、本実施の形態における物体検出システムの全体構成図である。また、図2では、道路2の周辺の状況を示している。路上には、検出対象となる物体に相当する車両7と人8が示されている。また、図2には、杭(図示せず)に取り付けられている荷重センサ6と、道路2の近傍に設置されている通信装置10と、道路2の遠隔地に設置されている位置検出装置20とが、示されている。通信装置10は、周辺に設置されている荷重センサ6と有線又は無線にて接続されており、接続された各荷重センサ6が計測したセンサデータを収集して位置検出装置20へ送信する。位置検出装置20は、道路2の周辺に設置されている複数の通信装置10それぞれから有線又は無線にて送信されてくるセンサ情報を解析することで路上の物体の位置を検出する。本実施の形態では、後述する位置検出装置20が提供する機能をクラウド上に設ける場合を想定しているが、これに限る必要はなく、1又は複数のサーバコンピュータやスーパーコンピュータをクラウド外、例えば道路の管理センサ等に設置して実現するようにしてもよい。
なお、荷重センサ6及び通信装置10は、道路2に複数設置されているが、それぞれ同等の動作を行うので、図2には、便宜的にそれぞれ1台ずつ図示した。
図3は、本実施の形態における通信装置と位置検出装置のブロック構成図である。なお、本実施の形態において説明に用いない構成要素については図から省略している。
通信装置10は、通信機能を有する従前から存在する汎用的なコンピュータのハードウェア構成で実現できる。すなわち、通信装置10は、プロセッサ、ROM、RAM、ストレージ及びネットワークインタフェースを備える。
通信装置10は、センサデータ受信部11及びセンサ情報送信部12を有している。センサデータ受信部11は、接続されている荷重センサ6からセンサデータを収集する。センサ情報送信部12は、収集したセンサデータを少なくとも含むセンサ情報を位置検出装置20へ送信する。通信装置10における各構成要素11〜12は、通信装置10形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたプロセッサで動作するプログラムとの協調動作により実現される。
位置検出装置20は、通信機能を有する従前から存在する汎用的なサーバコンピュータ等のハードウェア構成で実現できる。すなわち、位置検出装置20は、プロセッサ、ROM、RAM、ハードウェアディスクドライブ(HDD)等の記憶手段及びネットワークインタフェースを備える。
位置検出装置20は、センサ情報受信部21、位置検出部22、センサ情報記憶部23及び管理情報記憶部24を有している。センサ情報受信部21は、通信装置10から送信されてくるセンサ情報を受信し、センサ情報記憶部23に保存する。位置検出部22は、センサ情報受信部21が受信したセンサ情報を参照することによって路上における物体の位置を検出する。また、位置検出部22は、検出した物体の位置の遷移から当該物体の移動方向及び移動速度を検出する。
管理情報記憶部24には、道路2に設置されている通信装置10及び荷重センサ6を管理するための管理情報が記憶される。管理情報は、通信装置10に関する管理情報として、通信装置10の識別情報、通信装置10が設置されている位置を特定する位置情報を含む。また、荷重センサ6に関する管理情報として、荷重センサ6の識別情報、荷重センサ6が設置されている位置を特定する位置情報(杭3の位置等が管理されている場合は、取り付けられている杭3を特定する情報でもよい)を含む。更に、管理情報は、各通信装置10と、当該通信装置10に接続されている荷重センサ6とを紐付ける情報を含む。
位置検出装置20における各構成要素21,22は、位置検出装置20を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部23,24は、位置検出装置20に搭載されたHDDにて実現される。あるいは、RAM又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
次に、本実施の形態における動作を説明する。
荷重センサ6は、杭3にかかる荷重を常時計測している。計測されたセンサデータ(「荷重値」又は「センサ値」ともいう)は、通信装置10へ送られる。通信装置10は、荷重センサ6からセンサデータが送られてくると、センサデータ、センサデータを計測した荷重センサ6の識別情報、計測日時及び計測された位置を特定するための位置情報を含むセンサ情報を生成して位置検出装置20へ送信する。位置情報は、例えば、通信装置10の識別情報でもよいし、荷重センサ6の識別情報でもよい。
位置検出装置20は、通信装置10からセンサ情報が送信されてくると、センサ情報に基づき路上における物体の位置を検出する処理を実行する。以下、本実施の形態における物体の位置の検出処理について図4に示すフローチャートを用いて説明する。道路2には、複数の物体が存在するかもしれないが、ここでは、説明の便宜上、道路上のある地点の1つの物体の位置を検出するものとする。他の物体に対しても同様に処理することで、当該他の物体の位置を検出することができる。
位置検出装置20において、センサ情報受信部21は、通信装置10から送信されてきた各荷重センサ6に対応するセンサ情報を受信すると、センサ情報記憶部23に保存する。位置検出部22は、ある地点において同じ計測日時のセンサ情報をセンサ情報記憶部23から取り出すことで取得する(ステップ110)。あるいは、センサ情報受信部21から直接取得してもよい。位置検出部22は、センサ情報に含まれるセンサ値を参照して、各荷重センサ6が計測した荷重値の分布を作成する(ステップ120)。なお、荷重センサ6の配置は、センサ情報に含まれるセンサ識別情報と管理情報記憶部24に記憶される管理情報を対比させることで特定できる。
なお、荷重センサ6は、物体の有無にかかわらず、少なくとも杭3に載置されている路版1の重量を常時計測しているが、路版1の上に物体が存在しない状態において計測された荷重を「基準荷重」と称することにする。荷重分布の作成に用いる荷重値は、荷重センサ6により計測された荷重値から基準荷重を減算することによって物体の重量を表す値となる。
図5Aは、物体が車両7の場合の荷重値の分布を示す図である。図5Aには、着目している上記地点部分に対応する道路2の一部分を上方から見たときの図が示されている。図5Aにおける矩形は、図1に示す路版1に相当する。そして、路版1の各角部に示している数値は、路版1の角部を支持する杭に取り付けられている荷重センサ6によるセンサ値から導出された荷重値である。位置検出部22は、荷重値の分布を参照して、0の荷重値を計測した荷重センサ6の位置に囲まれた範囲を処理対象として抽出する(ステップ130)。図5Aでは、抽出する範囲を破線で示している。物体の重量は、荷重センサ6によって計測されるので、荷重値が0で囲まれた範囲内に物体が存在することになる。
続いて、位置検出部22は、抽出した範囲内において、荷重値の分布から各路版1における荷重点、つまり路版1の各角部における荷重値が、見かけ上、一点に集まって作用する点(以下、「重心」または「重心位置」ともいう)を算出する(ステップ140)。荷重点は、次のようにして算出する。
すなわち、図6に示すように、一辺の長さをlの路版1の各角のうち図面の左上角を基準位置(0,0)とした場合において荷重点Pの位置が座標(X,Y)にあるとする。また、各角における荷重値をP,P,P,Pであるとすると、荷重点Pにおける座標(X,Y)は、図6に示す(1)式にて求めることができる。なお、(1)式に含まれるA,B,Cは(2)式にて、rは(3)式にて求めることができる。この荷重点Pにおける荷重の算出方法は、従前からある技術を利用して求めればよい。
図5Bは、図5Aに示す荷重値の分布から求めた各路版1における荷重点(重心)における荷重値を示している。図5Bでは、算出された各路版1の重心における荷重値(以下、「重心荷重」ともいう)を、4段階に分けて示している。
ところで、算出された各路版1の重心荷重の総和は、物体の重量を表しているともいえる。本実施の形態では、物体として車両7または人8を取り扱うが、車両7と人8とは、重量が明らかに異なる。従って、位置検出部22は、ステップ130において抽出された範囲内における各路版1の重心荷重の総和に基づき物体が車両7あるいは人8であるかを判別する(ステップ150)。なお、車両7と人8とは、大きさが明らかに異なるので、抽出された範囲の大きさによって物体の種別を判別してもよい。
続いて、位置検出部22は、算出した各路版1の重心位置における荷重値を参照することによって物体の重心位置を算出する(ステップ160)。以上の処理によって得られた車両の重心位置31を図5Cに示す。
以上のようにして、物体の重心位置を得ることにとって物体の路上における位置を検出することができる。通信装置10からは、センサ情報が逐次送信されてくるので、取得したセンサ情報に基づき以上説明した処理を繰り返し行うことで、物体の重心位置の遷移を得ることができる。位置検出部22は、検出した物体の重心位置を記録しておき、検出した物体の位置の遷移から当該物体の移動方向及び移動速度を検出する(ステップ170)。より詳細にいうと、検出した物体の位置の変化によって物体の移動の方向が特定でき、また、時間当たりの物体の移動量によって移動速度が算出できる。
図5が、物体が車両7である場合であるのに対し、図7は、物体が人8である場合を示す図である。なお、図7A〜図7Cは、物体の車両7の場合の図5A〜図5Cにそれぞれ対応する。人8の位置を検出する場合も同様に処理すればよい。人8の場合、足を路面に着地したときのタイミングや位置によっては2つの路版1に体重がかかることもあり得るが、通常は、図7Aに示すように1つの路版1のみに体重がかかると考えられる。従って、ステップ140において算出した重心位置が、図7Cに示すように人8の重心位置32となり、ステップ160は不要になると考えられる。
また、物体が大型車両の場合、前後輪の間に間隔があるため、車体の真下に位置する路版1には車重がかからない。つまり、前述したように荷重値0の位置で囲んだ範囲の内側にも荷重値0の位置で囲める範囲が形成されることになるかもしれない。この場合、内側に形成される範囲の内側では、荷重が検出されないので、このような範囲は無視し、上記と同様に処理することによって、大型車両の重心位置を検出することができる。
物体は、有形であり、物体を表す外形によって路上にある程度の範囲を占めることになるが、本実施の形態によれば、路上において物体の位置をピンポイントに示すことができる。
1 路版、2 道路、3 杭、4 路体、5 空間、6 荷重センサ、7 車両、8 人、10 通信装置、11 センサデータ受信部、12 センサ情報送信部、20 位置検出装置、21 センサ情報受信部、22 位置検出部、23 センサ情報記憶部、24 管理情報記憶部。

Claims (2)

  1. 道路を施工する領域に立設させた杭と、前記杭の上に載置されるプレキャストコンクリート版と、を用いて形成される構造の道路上の物体を検出する物体検出システムにおいて、
    前記杭それぞれに取り付けされる複数の荷重センサと、
    前記荷重センサのセンサ値を少なくとも含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
    前記荷重センサが計測した荷重から求めた前記各プレキャストコンクリート版にかかる荷重の重心を参照することによって物体の位置を検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする物体検出システム。
  2. 前記検出手段は、検出した物体の位置の遷移から当該物体の移動方向及び移動速度を検出することを特徴とする請求項1に記載の物体検出システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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