JP2021168787A - 体固定用プラスティック発泡準備体 - Google Patents

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Yoshimitsu Konishi
由佳子 小西
Yukako Konishi
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Makiko Konishi
満裕 長野
Mitsuhiro Nagano
喜久美 林田
Kikumi Hayashida
良一 副島
Ryoichi Soejima
米博 金村
Beihaku Kanemura
一郎 中原
Ichiro Nakahara
耕治 渡部
Koji Watabe
千晴 本田
Chiharu Honda
友香 苅山
Yuka Kariyama
由紀 渡邉
Yuki Watanabe
真琴 大澤
Makoto Osawa
淳子 大西
Junko Onishi
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Abstract

【課題】これまで、人体の一部を固定するためには大掛かりな固定具や、クッション等を活用していたが、患者の体に完全にフィットするものでもないし、保管や移動時に嵩張ることからあまり活用されてこなかった。その結果、患者は施術の間に感じる苦痛から逃れる術はなかった。【解決手段】ポリオール成分が注入された第一の液剤袋、ポリイソシアネート成分が注入された第二の液剤袋の両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体であって、前記第一の液剤袋及び前記第二の液剤袋の封を破り、前記ポリオール成分と前記ポリイソシアネート成分の反応を開始させ、当該反応が完全に終了するまでの間に身体の一部に押し当てる用途に用いることを特徴とするプラスティック発泡準備体を提供する。【選択図】図6

Description

本発明は、体位及び良肢位固定において有用なプラスティック発泡準備体に関し、より詳細には、使用時において2液を混合することによりプラスティック発泡体を形成し、当該プラスティク発泡体を体におしあてることにより体の様々な箇所を固定し、あるいは手術等に適した体位の維持や、災害時など緊急時の肢体固定、中長期的な体位改善による褥瘡防止等を実現するプラスティック発泡準備体及びプラスティック発泡体に関する。
医師が手術をおこなう際は、
・血管の圧迫等による血行動態の変化が少ない
・神経圧迫がない
・関節や骨及び支持組織に過度の局所的な外力が加わらない
・十分な術野が確保されており、手術進行に影響がない
・予期せぬ出血や重症不整脈、肺梗塞や心停止といった緊急時の対応が可能であること
などの条件にくわえ、長時間に及ぶ手術でも崩れることがない体位に患者を固定する必要がある。すなわち、患者にとって安全で安楽な体位であることが重要であり、例をあげると特許文献1には、頭部の固定を目的とした器具が開示されている。
そのために多用されているのが、プラスティック等の硬性の装具等に加え軟性のウレタンフォームといったプラスティック発泡体である。たとえばアルケア株式会社が販売している床ずれ防止シートであるソフトナース(登録商標)など我が国の医療現場で用いられている。ソフトナース(登録商標)は、板状のプラスティック発泡体のシートである。
ソフトナース(登録商標)を体を固定する固定具と体の間に一定の大きさに切り抜いたり、あるいはそのままの状態で挿入し、体に加わる力を分散させる(体圧を分散させる)ことで、患者の苦痛をやわらげつつ体位を固定することなどに用いられる。これだけではなく、静脈叢や腕神経叢の圧迫による鬱血や神経損傷を防止するために、脇と手術台の間に腋窩枕としてソフトナース(登録商標)を挿入することで、上腕神経障害や末梢循環障害の予防を図ることにも用いられている。
通常の枕では十分な高さがない場合は、頭と脊柱が水平になるように枕と頭部の間にソフトナース(登録商標)を挿入し、耳介の褥瘡の発生を予防することに用いられる。胸骨、恥骨、仙骨、脊柱骨性の安定したところにソフトナース(登録商標)を挟んで固定具を押し当てることで体幹を固定することも多い。内果と外果など、被覆筋肉が少ない箇所にソフトナース(登録商標)を押し当てて保護を図ることなど、実に様々な用途で用いらている。
特開平08-168504号公報
以上のように、手術時の体位保持のために頸部、体幹、四肢等、体の様々な部位を固定する必要性が発生している。さらに、現代医療では、外傷等の疾病、寝たきり等に伴う移動能低下等の理由によっても上述の身体の一部を固定する必要がある。その際、シーネやギブス等の硬性あるいはウレタンフォームやスポンジ、クッションといった軟性の固定具を使用して必要個所の固定を行っている。しかしこれらの固定具の多くは、あらかじめ寸法、形状が定められた既製品であり、患者に使用する場合は、患者毎の体型と使用目的に合わせて使用する部材を選択し、既製品の形状を一部加工して患者の体型に合わせて使用することになる。
しかし、体固定の部位と目的は様々であり、既製品の加工のみでは十分な装着性・適合性を得ることが困難な場合がある。また、これら既製品の固定具の寸法は大小様々でかつ各種形状を有するため、その保管と輸送行う場合には一定のスペース確保が必要となり、備品管理、在庫管理の観点から施設に与える負荷は小さくない。また、人の形状は千差万別であるが、既製品の組み合わせでは必ずしも当該形状にフィットさせることは困難なこともある。
特に、災害や交通事故等が発生した現場において、応急的な患部固定が必要なるケースにおいて、問題となる。例えば、頭部を動かすことにリスクがある場合は、現場にて緊急対応を行いつつプラスティック発泡体を用いて頭部を固定して病院等へ搬送することが考えられる。だが、プラスティック発泡体は軽いものの、大きくてかさばる。大病院等では、大規模な倉庫にて在庫しておき、手術の際に持ち出す運用も可能であるものの、器具が満載された救急車やドクターヘリにおいて追加してプラスティック発泡体を搭載する余地はほとんどない。
そこで本発明では、
ポリオール成分が注入された第一の液剤袋、ポリイソシアネート成分が注入された第二の液剤袋の両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体であって、
前記第一の液剤袋及び前記第二の液剤袋の封を破り、前記ポリオール成分と前記ポリイソシアネート成分の反応を開始させ、当該反応が完全に終了するまでの間に身体の一部に押し当てる用途に用いることを特徴とするプラスティック発泡準備体。
を提供する。
本発明は、プラスティック発泡体を応用した固定具であり、保管時は発泡前の液剤状態であるため非常にコンパクトでかつ省スペースで収納が可能であり、使用時には液剤袋を破る操作だけの簡便な手法で発泡させ、弾力があるプラスティック発泡体へと膨張させ、その際、体におしあてることで患者の体の各部位に極めて適合性の高い形状でかつ、体にかかる圧力を効率的に分散させることが可能な固定具の作製を実現する。
本発明を用いることで、複雑な患者の体の各部位に十分に適合した固定後を容易に作製することが可能となり、また通常の医療現場のみならず、災害医療、在宅医療等の場でも保管・輸送が容易で、使用しやすい固定具作製を実現することが可能となる。本技術は、当該分野の先行製品が有する様々な問題点を克服し、普遍的に利用可能な汎用性の高い技術であり、国内のみならず国際的な標準技術になり得る可能性を有する要素技術であり、技術波及効果は大きく、国民福祉の増進に貢献することができる技術である。
液剤袋を示した図 プラスティック発泡準備体1の様子 プラスティック発泡体2を腰部に適用した様子 プラスティック発泡体2を頸部に適用した様子 プラスティック発泡体2を頸部に全面的に適用した様子 プラスティック発泡体2を頸部に全面的に適用した際の効果を示した様子 プラスティック発泡体2を頸部に適用しない場合である比較例を示した様子 プラスティック発泡体2を手首に適用した様子 腰部にかかる圧力を示した図 腰部にかかる圧力を示した図
本発明のプラスティック発泡準備体1は、内部に空気や水などを充填した場合、直方体状へと膨張可能な袋の形状、すなわち外部と内部を遮断する密閉体であって、内部に液剤袋を2つ備えている。液剤袋にはそれぞれ異なる液体が封入されている。
用途に応じて、特別な形状の袋を採用してもよい。例えば、腰部に挿入する場合は直方体状、脇に挿入する場合は高さの低い直方体であるシート状であってよい。手首や頸部を固定する場合は、側面から見た場合はC字型であり正面から見た場合は円柱状である形態や、側面から見た場合はコの字型であり正面から見た場合は円柱状である形態が好ましい。いずれも内部にできる空洞部分内に手首や頸部が収まる形態となる。
プラスティック発泡準備体1は、公知のあらゆる材料、方法で構成可能である。ポリエステルやポリエチレンといった化学繊維、綿やシルクなどの天然繊維を用いて編物、織物や不織布として合成できる。長く用いた場合の汚れを落とすための水洗いが容易であることや、吸湿性、肌触りなどの観点からポリエステルを用いる、あるいはポリエステルを含む混合材料が好ましい。
プラスティック発泡準備体1を2層構造とし、表面には吸湿性の高い素材、内部には防水性の高い素材で構成してもよい。プラスティック発泡準備体1を夏季に用いる場合は発汗が予想されるため、汗をまったく吸い込まない素材で構成してしまうと不快な状態になりかねないからである。
プラスティック発泡準備体1は、密閉体であることを特徴としているが、その一部を開口させてもよい。後述する液剤が反応する際に内部の空気を排気させやすくする効果があるためである。開口の方式は問わないが、直径1mmの空気孔1aを複数、好ましくは3つを等間隔で設置すると効率よく反応が進むことが確認できた。
なお、液剤反応時には、液剤は全てプラスティック発泡体となるため、狭い空気孔1aからはみ出る虞はない。だが、何らかの事情で一方だけの液剤が漏れてしまった場合には、空気孔1aから漏れ出す危険性がある。これを防ぐために、空気孔1aをプラスティック発泡準備体1の端部から少し中央付近へよった箇所に開口部として空気孔1aを設置し、当該空気孔1aよりも端部に近い箇所を溶接や圧着、あるいはクリップで止めるといった手段で完全にシールするとなおよい。万が一液剤が空気孔1aを経由して外部にもれた場合であってもシール箇所によって膨張体2の外部へ漏れ出す心配がない。反応させる際はシールした箇所を切除、あるいはクリップを外せば、開口部が空気孔として機能させる事ができる。
プラスティック発泡準備体1内部には、第一の液剤袋1bと第二の液剤袋1cが封入されている。第一の液剤袋1bには、ポリオールを中心とする液剤が封入されている。第2の液剤袋1cにはポリイソシアネート成分を中心とする液剤が封入されている。いずれの液剤袋も外部から圧力をかけることで破裂させることができる。なお、液剤袋を1つとして、プラスティック発泡準備体1内に直接液剤袋内とは異なる液剤を封入してもよい。液剤の量は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分が反応した際に、プラスティック発泡準備体1の内部が50%程度充填された状態、すなわち液体の水をプラスティック発泡準備体1に封入した際の総量を100%とした際に、半分程度ウレタンで充填されるように選択するとよい。
第一の液剤袋1b及び第二の液剤袋1cは、膨張体2の外部からの衝撃等によっては容易に破れないが、ある程度の力を加えると確実に内部の液剤を外部へ放出するよう設計される必要がある。その好適なパッケージとして、図1に示す形態が考えられる。図1に示す液剤袋を作成するためには、熱によって溶融するフィルムの筒を用いればよい。
図1はの左側には液剤袋を正面から見た図、右側には横から見た図が示されている。その作成方法としては、まず下部1gの箇所を重ね合わせた状態で両側、または片側から加熱しつつ加圧し、液剤袋を形成する主体1f同士を密着させることで固定する。その後、内部にポリオール成分、またはポリイソシアネート成分を注いだ上で、上部にポリエチレン製の薄いシートであるポリエチレンフィルム・シート1hを1回折り返した状態ではさみこむ。その状態で、主体1fの上から1iの箇所で加熱しつつ加圧することで固定する。固定後は、切り取り線1jにそって、主体1fとポリエチレンフィルム・シート1hを切り取った上で、折りたたみ線1kにそって1回折り返した状態で糊やテープなどで固定することで、液剤袋が完成する。
この方式で液剤を内部に含ませると、袋全体や一部に圧力をかける、好適には袋を握りしめたとしても、折りたたみ線1kから先の1iのか箇所には大きな力がかからず、袋が破れることはない。だが、折リたたみ線1kにそっての折返しを解除した状態で上述のように袋に圧力をかけると、ポリエチレンフィルム・シート1h周辺である1iのシールは、下部の1gの箇所のシールよりも弱くなっているため、1i周辺のみが破れ内部の液剤が外部に流出する。
ところで、ポリイソシアネートは、水分によって劣化する。そのため、第二の液剤袋1c内部に水分が入り込まないよう設計する必要がある。だが、ポリエステル等は水蒸気を通すため、プラスティック発泡準備体1や第二の液剤袋1cの材質によっては、第二の液剤袋1cの内部を完全に水分から隔離することはできない。
第二の液剤袋1cをアルミ箔で覆う、あるいはアルミで第二の液剤袋1cを形成することも検討したが、コストと視認性の低下という両面から現実的ではない。そのため、第二の液剤袋1c内に水蒸気が入り込んだとしても、当該水蒸気を吸収する吸湿剤を配合する事が考えられる。なお、吸湿剤といっても、液体状態の水ではなく気体である水蒸気をうまく吸収させる事が重要である。
その観点から最も好適なのは、合成ゼオライトの一種であるモレキュラーシーブであり、特にLTA型のゼオライトを用いた3オングストロームから4オングストローム程度の直径をもつ空孔を有するモレキュラーシーブが湿気をとり、かつ、ポリイソシアネート成分に悪影響を与えないことがわかった。他の例としては、生石灰のうち、100ミクロン程度の粒状としたものもよく機能した。だが、高吸水性高分子や天然ゼオライトではうまく機能せず、生石灰であっても100ミクロンより大きな粒を用いた場合も機能しなかったため、吸湿剤であれば何でもよいというわけではない。
上述のとおり構成されたプラスティック発泡準備体1は、使用時までは倉庫等で保管される。液剤は少量であることから、プラスティック発泡準備体1自体もコンパクトであり、保管スペースを圧迫することはない。
交通事故や災害等の発生などで体の一部を固定することや、手術を行う必要があり体位を整える必要が生じると、図2に示すとおりプラスティック発泡準備身体1を対象者のそばまで移動させ、プラスティック発泡準備体1の第一の液剤袋1b及び第二の液剤袋1cを破裂させた上でプラスティック発泡準備体1をよく揉む。
第一の液剤袋1b及び第二の液剤袋1cからもれだしたポリオール成分とポリイソシアネート成分が反応し、プラスティック発泡体である発泡ウレタン樹脂が形成されていく。この際、反応が終了するまでに、身体にプラスティック発泡準備体1を身体におしあてる。プラスティック発泡体が形成される力は強くないため、皮膚等はその力に十分抗することができる。その結果、図3や図4に示すように、体のラインにぴったりとそった形のプラスティック発泡体2が形成される。
ポリオールとポリイソシアネートは種類が豊富であり、これらの組み合わせによるウレタン樹脂は多様な物性を示すが、本発明のプラスティック発泡準備体1の用途には、発泡倍率20倍から50倍程度で、ある程度の弾力性をもっていることが望ましい。
なお、この反応には発熱が伴う。そのため人間が触れることによる低温やけどの虞があるため、一定温度内で反応がおさまることが重要である。
プラスティック発泡準備体1は、体のラインにそった形状をしていることに加えて柔らかく弾力性に富んでいることから、点ではなく面で体と接触する。そのため、体重が体の一部箇所に集中して作用することがなくなり、体圧を分散させることができる。
以上、通常時にはコンパクトな状態で保管でき、手術時には優れた特性をもつプラスティック発泡体2として機能するプラスティック発泡準備体1について説明してきたが、本発明は必ずしも手術時にのみに限定されるものではない。膨張体の形状を他の形状におきかえた密閉体とし、当該他の形状の内部にて液剤を反応させることで、より体にフィットした形状を形成することができ、手術以外の用途にも用いることができる。
図6に示すように、断面がC字型である半円柱状の密閉体を用いると、頸部の固定に適した形状とすることができる。対象者を移動させる際であっても首がしっかりと固定されるため、脳が揺り動かされにくくなる。比較例としてプラスティック発泡体2を用いていない状態である図7をみると、首が後部に大きく屈折しているが、図6では頸部を支えていることがわかる。この密閉体の形状は、脳への衝撃が禁忌とされる状況、例えば頭部への打撲が発生した交通事故や脳梗塞といった状況において有用である。
頸部ではなく手首を固定する場合は、C字型の半径を少し小さくし、高さを伸ばせば良い。例えば、図8に示すように、プラスティック発泡準備体1を長さが165ミリメートル、直径を75ミリメートル程度で、内部が空洞であるドーナツ状の円柱とする。液剤袋の気密を破り反応が開始した時点で手首を挿入すると、手首をつつみこむように反応が進み、最終的には図8に示すように手首を固定させることができる。
手首に限らず足首や肘などについての骨折時の応急固定や患部を覆うことで細菌等の侵入を軽減させるために用いることができる。すなわち、外傷時の一時的な患部固定具として用いることができる。なお、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を調整することでプラスティック発泡体2となった場合の硬さの調整が可能であり、中長期的に使用する用途にも用いることが可能である。
放射線治療時にも手術時と同様に体を固定する必要があるが、プラスティック発泡体2を用いれば放射線を妨げることがなく安価に体を固定させることができる。他にも車椅子等で座位を保持できない方に、液剤袋の気密を破り反応が開始した時点で椅子と骨盤部の隙間にプラスティック発泡準備体1を挿入すると、当該隙間を埋めるように反応が進み、最終的には体と車椅子にぴったりとよりそうプラスティック発泡体2が形成される。当該プラスティック発泡体2が体重を分散させるため、これまでより楽に座位を保持することが可能となる。
長年の闘病や筋肉の衰え、高齢化などの様々な理由によってはベッドから起き上がることが困難となり、いわゆる寝たきり状態となってしまう方も残念ながらおられる。ねたきり状態となってしまうと、体位を変化させることが困難となり、長期間にわたって身体の一部に負荷がかかり続けることなり、褥瘡の原因となることもある。本は発明のプラスティック発砲体2を用いて、局所加重を現象させるように身体とベッドの間に挿入することで、身体への圧迫を分散させ、身体の保護具として用いることもできる。
プラスティック発泡準備体1は、大人向けと子供向け、男性向けと女性向け、小動物向け、大型動物向けなど、対象となる部位のサイズに応じて、複数のサイズ、液剤の容量を用意しておけば、なおよい。以上、プラスティック発泡体2について説明してきたが、以下、実施例にもとづいて更に詳細に説明する。
実施例として、ポリエステルで製造した膨張体2の第一の液剤室1b及び第二の液剤室1cのそれぞれに、表1に示す液剤を注入した後にヒートシールを行った上で第一の液剤室1bと第二の液剤室1cを隔てているクリップを外し、手でよく撹拌することにより実験をおこなった。表中の数値は明記がない限りグラムである。
Figure 2021168787
表1に記載の液剤については、以下の通りである。
EP-3033 三井化学SKCポリウレタン株式会社製アクトコールEP=3033(ポリエーテルポリオール>=98% 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール=0.1%未満)


POP-3128 三井化学SKCポリウレタン株式会社製(アクトコールPOP-3128)(ポリマーポリオール>=98% 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール=0.1%未満)、)


SZ-1346E 東レ・ダウコーニング株式会社製(DOQ CORNING TORAY SZ-1346E)(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル。アリロキシポリエチレングリコールメチルエーテル>=1-<10%)

R-ZETA 東ソー株式会社製(3級アミン類25ー40%、ポリオール類60−75%)

ポリメリックMDI 東ソー株式会社製(ミリオネートMR-200) (ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート>99%)

なお、これらの液剤と同等の他社製品であっても本実施例の液剤として好適であることを付言しておく。
実施例1乃至3ともに心地よい弾力性をもった状態のウレタン樹脂となり、発泡倍率は概ね50倍前後であった。20キログラムのウェイトを1週間載せた状態で放置した後であっても、もとの大きさへ復元し、十分な弾力性、柔らかさに加えて耐久性を兼ね備えており、プラスティック発泡体として十分な性能を有していることがわかった。また、実施例1、2ともに熱伝導率は0.025W/(m・K)以下であった。したがって、冬季であったとしても固定具等の冷たさが人体に伝わることもない。
実施例3の液剤を用いて、手首固定用、頸部固定用、腰部固定用の3つの密閉体を製造し、それぞれ実施例4、実施例5、実施例6とした。
実施例4として手首固定用に適した密閉体として長方形状のシートの短辺と短辺を接着し、リング状となったものを選択した。Sサイズ用は短辺が260mm、長辺が370mm、第一の液剤を65グラム、第二の液剤を32グラム用いた。Mサイズ用は短辺280mm、長辺が390mm、第一の液剤を70グラム、第二の液剤を34.4グラム用いた。Lサイズ用は短辺280mm、長辺420mm、第一の液剤を75グラム、第二の液剤を36.8グラム用いた。Mサイズのものを手首に適用した状態が、図8に示されている。いずれのサイズについても第一の液剤と第二の液剤を反応させたところ、手首の固定に適した形態、硬さとなった。
手首周辺にかかる圧力を計測したところ、発泡が終了する直後(発泡から290秒後)において、45.3mmHgであったが、安定した状態(発泡から560秒後)では20.7mmHgであった。人間の毛細血管内圧は、通常32mmHgである。これを超える圧力が加わると毛細血管は閉塞状態となる。皮膚組織に圧力がかかった場合、血流が通わかなくなることから、褥瘡が発生する可能性が生じる。現実には32mmHg以下というのは相当に厳しい数値であり、近年の臨床現場の研究によると40から50mmHg以下であれば褥瘡の予防には十分安全であるとされている。したがって、実施例4を用いた場合であっても、褥瘡ができることなく、安全に手首を固定させることができる。
実施例5として、頸部固定用に適した密閉体として、長方形状のシートを選択した。Sサイズ用は、短辺が250mm、長辺が380mm、第一の液剤を81グラム、第二の液剤を39,7グラム用いた。Lサイズ用は、短辺が320mm、長辺が480mm、第一の液剤を135グラム、第二の液剤を66.3グラム用いた。Lサイズのものを頸部に適用した状態が図5に示されている。第一の液剤と第二の液剤を反応させて30秒以内に、両手を用いて密閉体をヒトの首に巻き付けるように押し付けたところ、5分ほどでいずれのサイズについても頸部の固定に適した形態、硬さとなった。
頸部にかかる圧力を計測したところ、発泡が終了する直後(発泡から210秒後)において、12.9mmHgであったが、安定した状態(発泡から560秒後)では8.0であった。目標とする40から50mmHg以下であり、したがって、実施例5を用いた場合であっても、褥瘡ができることなく、安全に頸部を固定させることができる。
実施例6として、腰部固定用に適した密閉体として、長方形状のシートを選択した。Sサイズ用は、短辺が200mm、長辺が280mm、第一の液剤を56グラム、第二の液剤を22.4グラム用いた。Lサイズ用は、短辺が260mm、長辺が380mm、第一の液剤を100グラム、第二の液剤を37.4グラム用いた。Lサイズのものを頸部に適用した状態が図3に示されている。第一の液剤と第二の液剤を反応させた状態で仰臥位となったヒトの腰部と床の間に挿入したところ、5分ほどで腰部の固定に適した形態、硬さとなった。
腰部は、人体において大きな圧力がかかる箇所であることから、発泡直後から安定状態にいたるまで継続して圧力を測定したものを図9に示す。図9の左上に示されている発泡直後のグラフによると、腰部の中央付近に大きな圧力がかかっており、最大箇所において200mmHgを超えており、多くの領域で135mmHgを超えている。360秒時点では最大169mmHgであるものの多くの箇所では67mmHgを下回り、600秒時点まで継続している。この数値は褥瘡の完全な防止には不十分であるが、広範囲において圧力がわずかに増大することと引き換えに、中心部で135mmHgから67mmHgへと圧力が低下していることから、仰臥位をとった際に人体にかかる圧力が分散されていることがわかる。
ところで、仰臥位をとった際に後頭部と肩の間が中空となることから、首に下向きの力がかかる。これをサポートすることで首への負担を抑制することができる。実施例5を用いることも可能であるが、首が横方向には自由に動いてもよい場合もあり、その場合は実施例6を用いることができる。
そこで、実施例6を用いて後頭部や肩にかかる圧力を分散させ、かつ、頸部をサポートする様子について、発泡直後から安定状態にいたるまで継続して圧力を測定したものを図10に示す。図10の左上に示されている発泡直後のグラフによると、後頭部である右側において200mmHgを超える圧力が、両肩である左側においても135mmHgを超える圧力がかかっている一方で、頸部である中央付近にはなんら圧力がかかっていない、すなわち首が中空に浮いている状態であることがわかる。
これが、240秒後となり、発泡体の発泡が進んでくると後頭部にかかる圧力は最大で135mmHgにまで低下し、肩部と頭部の間にも圧力が増加している。すなわち発泡体と頸部が接触しており、首をサポートし始めていることがわかる。この状態は600秒後においても維持されており、安定して頸部を支えることができることが示されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
ポリオール成分が注入された第一の液剤袋、ポリイソシアネート成分が注入された第二の液剤袋の両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体であって、
前記第一の液剤袋及び前記第二の液剤袋の封を破り、前記ポリオール成分と前記ポリイソシアネート成分の反応を開始させ、当該反応が完全に終了するまでの間に身体の一部に押し当てる用途に用いることを特徴とするプラスティック発泡準備体。
[付記2]
付記1に記載のプラスティック発泡準備体であって、
側面から見た場合はC字型であり、正面から見た場合は円柱状であることを特徴とするプラスティック発泡準備体。
[付記3]
付記1、2に記載のプラスティック発砲体を人体に接触させることで人体の固定を行う方法。
[付記4]
付記1、2に記載のプラスティック発泡体を人体に接触させることで、褥瘡の発生を防止する方法。
[付記5]
人体の支える固定具を製造する方法であって、
プラスティック発泡準備体を人体の一部に押し当てることで、人体を支える固定具を製造する方法。
[付記6]
ポリオールと、ポリイソシアネートの両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体を用いて人体を支える固定具を製造する方法であって、
前記ポリオールと、前記ポリイソシアネートの両者を混合させるステップ、
前記人体の一部に前記プラスティック発泡準備体を押し当てるステップ
から構成されるポリオールと、ポリイソシアネートの両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体を用いて人体を支える固定具を製造する方法。
1 プラスティック発泡準備体
1a 空気孔
1b 第一の液剤室
1c 第二の液剤室
1d シール
1e 液剤室形成素材
1f 液剤室構成主体
1g シール箇所
1h ポリエチレンフィルム・シート
1i シール箇所
1j 切り取り箇所
1k 折りたたみ線
2 プラスティック発泡体

Claims (6)

  1. ポリオール成分が注入された第一の液剤袋、ポリイソシアネート成分が注入された第二の液剤袋の両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体であって、
    前記第一の液剤袋及び前記第二の液剤袋の封を破り、前記ポリオール成分と前記ポリイソシアネート成分の反応を開始させ、当該反応が完全に終了するまでの間に身体の一部に押し当てる用途に用いることを特徴とするプラスティック発泡準備体。
  2. 請求項1に記載のプラスティック発泡準備体であって、
    側面から見た場合はC字型であり、正面から見た場合は円柱状であることを特徴とするプラスティック発泡準備体。
  3. 請求項1、2に記載のプラスティック発砲体を人体に接触させることで人体の固定を行う方法。
  4. 請求項1、2に記載のプラスティック発泡体を人体に接触させることで、褥瘡の発生を防止する方法。
  5. 人体の支える固定具を製造する方法であって、
    プラスティック発泡準備体を人体の一部に押し当てることで、人体を支える固定具を製造する方法。
  6. ポリオールと、ポリイソシアネートの両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体を用いて人体を支える固定具を製造する方法であって、
    前記ポリオールと、前記ポリイソシアネートの両者を混合させるステップ、
    前記人体の一部に前記プラスティック発泡準備体を押し当てるステップ
    から構成されるポリオールと、ポリイソシアネートの両者を内部にそなえたプラスティック発泡準備体を用いて人体を支える固定具を製造する方法。
















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