JP2021161010A - ベーサル窒素を選択的に導入した含窒素炭素材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料を提供する。また、そのような含窒素炭素材料を、温和な条件で簡便に製造する方法を提供する。【解決手段】本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、窒素原子を有する含窒素炭素材料であって、N1sXPS分析において、該含窒素炭素材料中の全窒素原子のピークに対する、ベーサル窒素原子のピークの割合が、80%以上である。本発明の実施形態による含窒素炭素材料の製造方法は、含窒素炭素材料を製造する方法であって、2つ以上の隣接した環構造が共有する原子の少なくとも1つが窒素原子である縮環化合物(A)を加熱する加熱工程(I)を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ベーサル窒素を選択的に導入した含窒素炭素材料およびその製造方法に関する。
近年、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト、グラフェン、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェン、人造黒鉛、カーボンブラックなどの炭素材料は、それぞれ、その特徴的な物性に起因して、各種分野における新規な機能性材料として期待されている(例えば、非特許文献1〜3)。
グラフェンは2次元シート状の炭素材料であり、sp2炭素による六員環で敷き詰められた構造をしている。グラファイトは、通常、2次元シート状のグラフェン同士がファンデルワールス力で結合した多数の積層構造をしているものを指すが、1層のものをグラフェンと称する。2層−10層のグラフェンが積層した材料を多層グラフェンと呼び,2層−5層のグラフェンが積層した材料は数層グラフェンと呼ぶ。1層のグラフェンではベーサル面に官能基を導入することでグラフェン自体の特性や形状が大きく変化する。3層以上となると、グラフェンのベーサル面に官能基を導入しても中心部のグラフェンは直接影響を受けにくくなる。そのため,3層以上のグラフェンは基本的には層数が増加し、比表面積が減少する以外には際立った性質の違いは現れにくくなる。
グラフェンの存在は古くから知られていたが、グラファイトから1枚のグラフェンを取り出す方法は最近まで確立されていなかった。2004年になって、高配向性の無水グラファイトの表面を粘着テープで剥離し、剥離したものを基板の上に貼り付ける方法によってグラフェンの薄片を取り出せることが見出され、その後、大量生産や低コスト生産を目指して、CVD(化学気相蒸着製膜法)などの気相製膜法によるグラフェンの製造方法や、酸化グラフェン(GO)の還元法によるグラフェン(還元型酸化グラフェン:RGO)の製造方法が検討されている。
しかし、CVD(化学気相蒸着製膜法)などの気相製膜法によるグラフェンの製造方法は、膜以外の形状(代表的には、バルク状)として得ることができないという問題、可燃性ガスを使用しなければならないという問題、Cu等の触媒性能を有する金属基板上に製膜させるため、金属が不純物として含有してしまうという問題、金属表面のみの製造であって大量製造できないという問題がある。
また、同一分子間および/または異種分子間で縮合反応が起きる化合物を加熱して炭素材料を製造する方法が開示されている(特許文献1)。この技術では温和な条件で炭素材料が合成できることが示されている。
工業的に製造されている炭素材料は、様々な官能基を有している。このため、炭素材料の構造を精密に制御することが難しく、物性にばらつきが生じてしまうという問題がある。近年、狙った物性を確実に発現できる炭素材料が求められており、このため、構造が精密に制御された炭素材料の開発が求められている。
このような構造が精密に制御された炭素材料の中でも、ベーサル面に炭素以外の原子が導入されて構造が精密に制御された炭素材料を得ることができれば、各種用途への応用が期待される。特に、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料は、応用範囲が広い可能性がある。
近年、ベーサル窒素が導入されたグラフェン(非特許文献7−9)やグラフェン類似の有機化合物(非特許文献10−11)、窒素イオン処理した黒鉛(非特許文献12)、カーボンブラックをHummers法等により処理した材料(非特許文献13)など、種々の炭素材料が報告されている。現時点で最も制御状態が高い炭素材料と考えられる材料として、金属基板を用いたグラフェンについては80%(非特許文献7)や70%程度(非特許文献8−9)の報告がある。しかし、金属が不純物として含有してしまうという問題や、金属表面のみの製造であるために大量製造できないという問題がある。その他にも、黒鉛に窒素イオンを照射した材料(ベーサル窒素が43%)(非特許文献12)やカーボンブラックをHummers法等により処理した材料(ベーサル窒素が71%)(非特許文献13)が報告され、また、電気化学的に窒素ドープしたグラフェンとして、グラフィティック窒素が47%の窒素ドープグラフェンが報告されている(非特許文献14)。グラフェンに類似したベーサル窒素を高い制御率で導入した材料(非特許文献11)も報告されているが、高分子に近い構造であり、導電性が期待できない。また、カーボンブラックをHummers法等により処理した材料であってグラフィティック窒素が71%の材料が報告されているが、そのN1sの半値幅は広く、グラフィティック窒素に含めてアサインメントしているベーサルアミンの割合は不明である(非特許文献13)。
特開2019−085298号公報
Nature,354,p.56−58(1991) Science,306,p.666−669(2004) H.Nishihara et.al., Adv.Funct.Mater., 26, 6418−6427(2016) 齋藤理一郎著, 「グラフェンの最先端技術と広がる応用」, 第2章.グラフェンの基礎物性, 3.グラフェンの光電子物性 Dawei Pan et.al., Langmuir, 22, 5872−5876(2006) V.Ruiz et.al.,Electrochem. Commun.,24,35−38(2012) S. Yasuda et.al.,Chem. Commun.,49,9627−9629(2013) B. Liu et.al.,Nanomaterials,7,302(2017) A.Capasso et.al.,Nanotechnol.,6,2028−2038(2015) M. Takase et.al.,Angew.Chem.,Int.Ed.,46,5524(2007) M.Bieri et.al.,Chem.Commun.,47,10239−10241(2011) H.Kiuchi et.al.,Nanoscale Res.Lett.,11,127(2016) J.Liu et.al.,Carbon,37,1119−1126(2016) Y.Z.Keteklahijani et.al.,J.Electrochem.Soc.,166,B1415−B1425(2019)
本発明の課題は、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料を提供することにある。また、そのような含窒素炭素材料を、温和な条件で簡便に製造する方法を提供することにある。
本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、
窒素原子を有する含窒素炭素材料であって、
N1sXPS分析において、該含窒素炭素材料中の全窒素原子のピークに対する、ベーサル窒素原子のピークの割合が、80%以上である。
本発明の実施形態による含窒素炭素材料の製造方法は、
含窒素炭素材料を製造する方法であって、
2つ以上の隣接した環構造が共有する原子の少なくとも1つが窒素原子である縮環化合物(A)を加熱する加熱工程(I)を含む。
一つの実施形態においては、上記加熱温度が300℃〜1000℃である。
一つの実施形態においては、上記縮環化合物(A)が、化合物(1)〜(10)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2021161010
本発明によれば、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料を提供することができる。また、そのような含窒素炭素材料を、温和な条件で簡便に製造する方法を提供することができる。
実施例1で得られた含窒素炭素材料(1a)、(1b)、(1c)のN1sXPS分析のXPSスペクトル図である。 実施例1で得られた含窒素炭素材料(1a)、(1b)、(1c)のラマン分光分析のラマンスペクトル図である。 実施例1で得られた含窒素炭素材料(1a)、(1b)、(1c)のIR分析のIRスペクトル図である。
≪≪1.含窒素炭素材料≫≫
本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料である。
本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、従来公知の炭素材料とは異なる新規な炭素材料である。従来公知の炭素材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト膜、グラフェン、酸化グラフェン、還元型酸化フラフェン、人造黒鉛、カーボンブラックなどが挙げられる。
本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、N1sXPS分析において、該含窒素炭素材料中の全窒素原子(ベーサル面に存在するベーサル窒素原子とエッジ面に存在するピリジニック窒素原子の合計)のピークに対する、ベーサル窒素原子のピークの割合が、80%以上であり、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは97%以上である。含窒素炭素材料において、N1sXPS分析による、全窒素原子のピークに対する、ベーサル窒素原子のピークの割合が、上記範囲内にあれば、ベーサル面の窒素原子が含窒素炭素材料中に構造が精密に制御されて存在しており、様々な物性をもつ新規な炭素材料となり得るとともに、各種用途へ広く応用できる可能性がある。
本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、上述の通り、N1sXPS分析により、ベーサル窒素原子を高い割合で有することがわかる。
本発明の実施形態による含窒素炭素材料は、好ましくは、その構造内にベンゼン環由来のハニカム構造(グラフェン構造)を有する。グラフェン構造は、ラマン分光分析によってその有無の確認ができる(非特許文献4)。
含窒素炭素材料は、不純物となる金属成分の含有量が合計で、通常、炭素原子100原子%に対し、好ましくは0.1原子%以下であり、より好ましくは0.01原子%以下であり、特に好ましくは実質的にゼロである。これらは、含窒素炭素材料を蛍光X線元素分析法(XRF)により分析することによって確認することができる。
含窒素炭素材料は、その構成する元素として、炭素と窒素を必須とし、炭素と窒素以外の元素を含んでいてもよい。このような炭素と窒素以外の元素としては、好ましくは、酸素、水素、硫黄、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、より好ましくは、酸素、水素、硫黄から選ばれる少なくとも1種の元素であり、さらに好ましくは、酸素、水素から選ばれる少なくとも1種の元素である。含窒素炭素材料を構成する元素のうち水素以外の元素の総量を100原子%としたとき、炭素は、好ましくは60原子%以上であり、より好ましくは70原子%以上であり、さらに好ましくは75原子%以上である。また、炭素および水素以外の元素は、好ましくは10原子%以下である。各元素の割合がこの範囲に入ることで、含窒素炭素材料でありながら高い構造制御率を発現することが可能となる。これらは、含窒素炭素材料をX線光電子分光法(C1sXPS)により定量することによって確認することができる。
含窒素炭素材料は、好ましくは、ラマン分光分析により、下記の(i)〜(iv)からなる群から選ばれる少なくとも1種の態様を有する。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(i)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてGバンド(一般的に1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、含窒素炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてGバンド(一般的に1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを有することは、含窒素炭素材料がグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有していることを意味している。Gバンドは、強度が高く、シャープであれば、よりきれいなグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(ii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてDバンド(一般的に1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを示す。グラフェン構造の欠陥に由来する構造を有する含窒素炭素材料は、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいて、Dバンド(一般的に1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、含窒素炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおけるDバンド(一般的に1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを有することは、含窒素炭素材料が官能基を含むことや、グラフェン構造の欠陥に由来する構造またはグラフェン構造の欠陥に由来する構造に類似の構造を有していることを意味している。Dバンドは、強度が低ければ、よりきれいなグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。また、Dバンドが確認できるということは、含窒素炭素材料が官能基を有することを意味しており、構造が制御されていることが示唆される。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(i)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてGバンド(一般的に1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを示し、さらに、(ii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてDバンド(一般的に1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを示す。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(iii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてG′バンド(一般的に2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、含窒素炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてG′バンド(一般的に2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを有することは、含窒素炭素材料がグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有していることを意味している。G′バンドの強度は、グラフェン構造が1層のときに最も強く、グラフェン構造の積層数が増えるにつれて徐々に小さくなる。しかしながら、G′バンドは、グラフェン構造の積層数が増えるにつれて徐々に強度が小さくなっても、ピークは観察することができる。したがって、G′バンドにピークを有することは、含窒素炭素材料がグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。G′バンドは、2Dバンドとも呼ばれることがある。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(i)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてGバンド(一般的に1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを示し、さらに、(ii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてDバンド(一般的に1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを示し、さらに、(iii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてG′バンド(一般的に2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを示す。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(iv)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてD+D′バンド(一般的に2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを示す。グラフェン構造の欠陥に由来する構造を有する含窒素炭素材料は、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいて、D+D′バンド(一般的に2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、含窒素炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてD+D′バンド(一般的に2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを有することは、含窒素炭素材料が官能基を含むことや、グラフェン構造の欠陥に由来する構造またはグラフェン構造の欠陥に由来する構造に類似の構造を有していることを意味している。D+D′バンドは、強度が低ければ、よりきれいなグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。D+D′バンドは、D+Gバンドとも呼ばれることがある。また、D+D′バンドが確認できるということもまた、含窒素炭素材料が官能基を有することを意味しており、構造が制御されていることが示唆される。
含窒素炭素材料は、好ましくは、(i)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてGバンド(一般的に1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを示し、さらに、(ii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてDバンド(一般的に1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを示し、さらに、(iii)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてG′バンド(一般的に2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを示し、さらに、(iv)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルにおいてD+D′バンド(一般的に2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを示す。
含窒素炭素材料は、元素分析によれば、窒素原子の含有割合が、好ましくは0.5atom%〜10atom%であり、より好ましくは0.7atom%〜8atom%であり、さらに好ましくは1atom%〜7atom%であり、特に好ましくは1.5atom%〜5atom%である。
含窒素炭素材料は、元素分析によれば、水素原子の含有割合が、好ましくは0atom%〜40atom%であり、より好ましく0atom%〜35atom%であり、さらに好ましくは0atom%〜30atom%であり、特に好ましくは0atom%〜27atom%である。含窒素炭素材料中の水素原子の含有割合が少ないほど炭素化が進行しているということを意味し、好ましい。
含窒素炭素材料の元素分析における炭素原子と窒素原子と水素原子の含有割合が上記範囲内にあれば、該含窒素炭素材料の構造が精密に制御され得る。元素分析は、例えば、市販の元素分析装置を用いて行い、得られた結果に基づき、求めることができる。このような分析装置としては、例えば、Exeter Analytical, Inc.社製の元素分析装置(CE−440F)などを採用し得る。
含窒素炭素材料は、IR分析において、好ましくは、1660cm−1〜1800cm−1の間にC=O伸縮振動に起因するピークが見られない。含窒素炭素材料のIR分析において1660cm−1〜1800cm−1の間にC=O伸縮振動に起因するピークが見られない場合、含窒素炭素材料は、副反応を抑制されたものであり得る。含窒素炭素材料のIR分析において1660cm−1〜1800cm−1の間にC=O伸縮振動に起因するピークが見られないことは、分解反応等の副反応に由来するC=O結合の比率が少ないことを意味し、該分解反応が抑制されて得られた含窒素炭素材料と言える。
≪≪2.含窒素炭素材料の製造方法≫≫
本発明の実施形態による含窒素炭素材料の製造方法は、2つ以上の隣接した環構造が共有する原子の少なくとも1つが窒素原子である縮環化合物(A)を加熱する加熱工程(I)を含む。
本発明の説明で用いる「縮環化合物」とは、化学分野において当業者に通常用いられている縮環化合物のことであり、二つまたはそれ以上の環を持つ環式化合物において各々の環が2個またはそれ以上の原子を共有する化合物である。なお、「縮環化合物」は、「縮合環化合物」と称することもある。
縮環化合物(A)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
縮環化合物(A)としては、2つ以上の隣接した環構造が共有する原子の少なくとも1つが窒素原子である縮環化合物であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な縮環化合物を採用し得る。このような縮環化合物としては、例えば、非芳香族構造を有する縮環非芳香族化合物、全体として芳香族性を有する縮環芳香族化合物が挙げられる。
縮環化合物(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な置換基を、任意の適切な位置に有していてもよい。このような置換基としては、例えば、アルキル基;アリール基;トシラート、トリフラート、ハロゲン基等の脱離能を有する置換基;などが挙げられる。加熱後の含窒素炭素材料中に不純物となりうる置換基が存在しないほうが物性等に悪影響がないため、水素基(すなわち置換基を有さない)もしくは脱離能を有する置換基が好ましい。
縮環化合物(A)としては、例えば、下記のような化合物(1)〜(10)が挙げられる。しかしながら、化合物(1)〜(10)に該当しない縮環化合物も、本発明の効果を損なわない範囲で、縮環化合物(A)として採用し得る。
Figure 2021161010
本発明の実施形態による含窒素炭素材料の製造方法は、縮環化合物(A)を加熱する加熱工程(I)を含む。加熱工程(I)における「加熱」は、「焼成」と称されるものであってもよい。
加熱工程(I)においては、縮環化合物(A)が加熱されればよい。すなわち、加熱工程(I)において縮環化合物(A)が加熱されればよいのであるから、加熱工程(I)は、「縮環化合物(A)を含む組成物」が加熱される態様であってもよい。
加熱工程(I)が、「縮環化合物(A)を含む組成物」が加熱される態様である場合、「縮環化合物(A)を含む組成物」中の縮環化合物(A)の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは80重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。ここにいう「実質的に、」とは、縮環化合物(A)に起因する効果以外の効果を発現させるための別の成分が、縮環化合物(A)と積極的に併用されたりする形態を除くことを意味し、例えば、本発明の効果を損なわない範囲で、製造過程などによって不可避に混入する不純物等の含有は許容される。
加熱工程(I)における加熱温度は、好ましくは300℃〜1000℃であり、より好ましくは350℃〜900℃であり、さらに好ましくは400℃〜800℃であり、特に好ましくは500℃〜700℃である。加熱工程(I)における加熱温度を上記範囲内に制御することにより、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料を、温和な条件で簡便に製造することができる。
加熱工程(I)における加熱時間は、好ましくは1分〜120時間であり、より好ましくは10分〜96時間であり、さらに好ましくは30分〜72時間であり、特に好ましくは1時間〜24時間である。加熱工程(I)における加熱時間を上記範囲内に制御することにより、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料を、温和な条件で簡便に製造することができる。
加熱工程(I)における加熱の方法としては、管状炉、ボックス炉のような焼成炉、熱媒を利用した加熱反応装置、マイクロ波を利用した加熱反応装置などが使用できる。
加熱工程(I)における加熱の圧力条件としては、真空下、常圧下、加圧下などで行うことができる。
加熱工程(I)における加熱の雰囲気条件としては、大気下、不活性ガス雰囲気下などで行うことができる。不活性ガス雰囲気下としては、例えば、窒素下、アルゴン下などが挙げられる。
加熱工程(I)においては、好ましくは、縮環化合物(A)をバルク状態で加熱する。縮環化合物(A)をバルク状態で加熱するとは、例えば、(i)縮環化合物(A)からなる粒子(例えば、粉体)を加熱する、(ii)縮環化合物(A)からなる粒子(例えば、粉体)を圧縮成形等でペレット状やフィルム状に成形を行った後、その成形体を加熱する、等の行為を包含する。
加熱工程(I)において縮環化合物(A)を加熱する際、例えば、容器に入れて加熱してもよい。容器としては、任意の適切な容器を採用し得る。このような容器としては、例えば、加熱工程(I)における加熱温度で実質的に変質しない材質からなるものが好ましい。また、縮環化合物(A)が接触する表面が、加熱する際に、縮環化合物(A)と化学反応しないような材質であることが好ましい。縮環化合物(A)を好ましい条件で加熱する加熱工程(I)ことにより、含窒素炭素材料を得ることが可能となり、その加熱工程(I)において、縮環化合物(A)の融点付近で該縮環化合物(A)が融解して液体状になることがある。このような経過を経る場合も「縮環化合物(A)をバルク状態で焼成する」ことに含まれる。一方、本発明の意味する「バルク状態で焼成する」ものではない例としては、例えば、縮環化合物(A)を溶剤に溶解して任意の基材状に塗布して膜状にして該基材とともに加熱することにより薄膜を形成する方法、化学気相成長法(CVD)法、物理気相成長法(PVD)、薄膜蒸着加熱法、などが挙げられる。薄膜としては、おおむね膜厚が1μm以下の範囲を意味する。
加熱工程(I)においては、好ましくは、縮環化合物(A)を、金属と接触させない状態で加熱する。縮環化合物(A)を、金属と接触させない状態で加熱することにより、得られる含窒素炭素材料中に金属が不純物として含有してしまうことを抑制し得る。ただし、上記のように金属と接触させないというのは積極的に金属に接触させないという意味である。積極的に接触させるというのは、例えば、縮環化合物(A)を溶剤に溶解して金属に塗布して膜状にして該金属とともに加熱することにより薄膜を形成する方法など、金属との接触面積を積極的に増やす等の操作を意味する。
加熱工程(I)においては、好ましくは、縮環化合物(A)を、触媒反応を用いずに加熱する。縮環化合物(A)を、触媒反応を用いずに加熱することにより、反応触媒が含窒素炭素材料中に存在してしまって、致命的な不純物となることを抑制し得る。
縮環化合物(A)が加熱工程(I)において加熱されることにより、縮環化合物(A)の縮合反応が起き、含窒素炭素材料となる。縮環化合物(A)が1種の場合は、同一種の分子間での縮合反応となり得る。縮環化合物(A)が2種以上の場合は、同一種の分子間での縮合反応と異種の分子間での縮合反応とが併存し得る。
縮環化合物(A)の縮合反応により、および、場合によって該縮合反応に続いたり併行して起こったりする他の反応により、2つ以上の縮環化合物(A)の間に新たな結合(例えば、C−C結合など)が形成したり、高分子量化が進行したり、2つ以上の環構造同士の間での縮環反応が起こったりし得る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。また、本明細書において、「質量」は「重量」と読み替えても良い。ただし、本明細書中のN1sXPSに係る部分の%は原子%を意味する。
実施例で用いる化合物とその略称は下記の通りである。
インドリジノ[6,5,4,3−IJA]キノリン:IND
<元素分析>
Exeter Analytical, Inc.社製の元素分析装置(CE−440F)によりC、H、Oの元素分析を行い、得られた結果に基づき、原子数比を求めた。
<N1sXPS分析>
N1sXPS測定は、日本電子のJPS9030を用いて、以下の条件により行った。
ソース:MgKα
エミッション:10mA
アノード:10kV
Pass Energy:30eV
アバーチャー:6mm
測定範囲:N1s:388.5eV〜408.5eV
積算回数:40回
解析条件:N1sのピークをピリジニック窒素(398.0eV)、アミン(399.0eV)、ベーサル窒素(400.2eV)、4級窒素(401.5eV)としてピーク分離を行った。
<ラマン分光分析>
ラマン分光分析は以下の装置、条件により行った。
測定装置:顕微ラマン(日本分光NRS−4500)
測定条件:532.23nmレーザー使用、対物レンズ100倍、CCD取り込み時間は773Kの試料が5秒、973Kおよび1173Kの試料が15秒、積算は3つの試料とも20回(分解能=2.45cm−1)、レーザー強度1%、レーザー出力0.3mWであった。
なおラマン分析においてG’バンド、D+D’バンドは重なって現れることがあり、D+D’バンドが特にショルダーを持つブロードなピークとして分析されることがある。この場合はショルダーピークの変曲点をG’バンドのピークとみなす。
<IR分析>
FT−IR分析は以下の装置、条件により行った。
測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計(日本分光製FT/IR−4200typeA)
測定条件:DRIFT法、MCT_M検出器、分解能4cm−1、積算回数32回
測定範囲:499.473cm−1〜4000.6cm−1
サンプル条件:試料とKBrを重量比=1:50で混合したものを使用した。
〔実施例1〕
インドリジノ[6,5,4,3−IJA]キノリン(IND)(明細書中に記載の化合物(6)に該当)(MolMall Sarl製):50mgを、アンプル管に真空封入(INDをガラス管に入れ、20分間で353K(80℃)まで昇温しながら1時間真空引きし、ガスバーナーで封管)した後、電気炉にて1時間加熱した。
加熱温度は、773K(500℃)、873K(600℃)、973K(700℃)のそれぞれで行った。
加熱後のそれぞれのアンプル管から試料をスパチュラでかき出し、それぞれ別のガラス管に移しかえた後、523K(250℃)で1時間真空引きし、含窒素炭素材料(1a)、(1b)、(1c)を得た。得られた含窒素炭素材料(1a)、(1b)、(1c)について、N1sXPS分析、ラマン分光分析、IR分析を行った。
N1sXPS分析のXPSスペクトルを図1に示す。
ラマン分光分析のラマンスペクトルを図2に示す。
IR分析のIRスペクトルを図3に示す。
図1より、得られた含窒素炭素材料は、加熱温度が773K(500℃)、873K(600℃)、973K(700℃)のいずれの場合においても、N1sXPS分析において、該含窒素炭素材料中の全窒素原子(ベーサル面に存在するベーサル窒素原子とエッジ面に存在するピリジニック窒素原子の合計)のピークに対する、ベーサル窒素原子のピークの割合が、80%以上であり、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御された含窒素炭素材料が、温和な条件で簡便に製造できていることがわかった。
図2のラマンスペクトルによれば、得られた含窒素炭素材料は、加熱温度が773K(500℃)、873K(600℃)、973K(700℃)のいずれの場合においても、GバンドおよびDバンドにピークを有することから、グラフェン構造を有し且つグラフェン構造が積層した構造の含窒素炭素材料が、温和な条件で簡便に製造できていることがわかった。
図3のIRスペクトルによれば、1660cm−1〜1800cm−1の間にC=O伸縮振動に起因するピークがほぼ見られないことから、構造が非常に精密に制御された含窒素炭素材料が、温和な条件で簡便に製造できていることがわかった。また、1030cm−1付近に5員環spC−H面内変角振動に起因するピークが見られることから、INDの炭素化が6員環のC−Hから進行しており、5員環構造が少なくともある程度は維持されていることがわかった。
本発明の含窒素炭素材料は、ベーサル面に窒素原子が導入されて構造が精密に制御され、各種用途に展開可能である。

Claims (4)

  1. 窒素原子を有する含窒素炭素材料であって、
    N1sXPS分析において、該含窒素炭素材料中の全窒素原子のピークに対する、ベーサル窒素原子のピークの割合が、80%以上である、
    含窒素炭素材料。
  2. 含窒素炭素材料を製造する方法であって、
    2つ以上の隣接した環構造が共有する原子の少なくとも1つが窒素原子である縮環化合物(A)を加熱する加熱工程(I)を含む、
    含窒素炭素材料の製造方法。
  3. 前記加熱温度が300℃〜1000℃である、請求項2に記載の含窒素炭素材料の製造方法。
  4. 前記縮環化合物(A)が、化合物(1)〜(10)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2または3に記載の含窒素炭素材料の製造方法。
    Figure 2021161010
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