JP2021160691A - タイヤのケーシングライフ管理システム、及びタイヤのケーシングライフ管理方法 - Google Patents

タイヤのケーシングライフ管理システム、及びタイヤのケーシングライフ管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーシングの残存ライフ期間を簡易に予測することができるタイヤのケーシングライフ管理システム、及びタイヤのケーシングライフ管理方法を提供する。【解決手段】ケーシングライフ管理システム100は、タイヤ2の温度を測定する温度センサ3bと、少なくとも1日以上の第1期間に測定されたタイヤ2の複数の温度情報に基づき、該第1期間にタイヤ2が受けた熱履歴量を算出する熱履歴量算出部39と、第1期間の熱履歴量に基づき、1年間に設定された第2期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する累積熱量推定部40と、第2期間の累積熱量と所定の閾値とから、ケーシングの残存ライフ期間を予測するケーシングライフ予測部41と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングの残存ライフを管理するタイヤのケーシングライフ管理システム、及びタイヤのケーシングライフ管理方法に関する。
近年のトラック、バス業界では、輸送費の一部となるタイヤコストの削減および3R(Reduce、Reuse、Recycle)の観点から、更生タイヤの使用が増えている。更生タイヤとは、摩耗により残溝量が所定値以下となった使用済みタイヤ(特に、1次寿命を終えた新品タイヤ)のトレッドゴムを新しく貼り替えて、再使用するものである。このため、更生タイヤのトレッドゴムには、新しいゴムが使用されるが、他のパーツ(特に、トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるカーカスやベルトを含むケーシング)は、新品走行および更生走行を経て長距離かつ長期間使用され続ける。このため、タイヤのケーシングの残存ライフを管理することが重要となり、残存ライフを予測する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5347054号公報
一般に、タイヤのケーシングは、タイヤに加えられた熱量(温度)によって劣化して残存ライフ期間が変動(短縮)していく。従来の構成では、推定されたケース構成部材の温度履歴及び該タイヤ内圧情報と、予め試験を行って取得しデータベースに格納されたケース構成部材の温度履歴及びタイヤ内圧と少なくとも1つのケース構成部材の物性値とに関する物性値情報に基づき、タイヤ内空気温度に起因して劣化し得るケース構成部材についての現在の物性値を推測するため、構成が煩雑になる問題があった。また、ケースの残り寿命として走行可能距離を予測しているため、残り寿命(残存ライフ期間)を精度良く予測することが難しく、例えば、タイヤの交換や更生する予定を立てるのか難しかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ケーシングの残存ライフ期間を簡易に予測することができるタイヤのケーシングライフ管理システム、及びタイヤのケーシングライフ管理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングの残存ライフを管理するタイヤのケーシングライフ管理システムであって、タイヤの温度を測定する温度測定部と、所定の第1期間に測定されたタイヤの複数の温度情報に基づき、該第1期間にタイヤが受けた熱履歴量を算出する熱履歴量算出部と、第1期間の熱履歴量に基づき、該第1期間よりも長い、所定の第2期間にタイヤが受け得る累積熱量を推定する累積熱量推定部と、第2期間の累積熱量と所定の閾値とから、ケーシングの残存ライフ期間を予測するケーシングライフ予測部と、を備えたことを特徴とする。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、熱履歴量算出部は、温度をパラメータとして予め与えられているタイヤ部材の状態変化に関する促進係数と、第1期間に測定された複数の温度情報を所定の温度区間に区分けした際の累積時間とを用いて、熱履歴量を算出することが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、第1期間は、タイヤを装着した車両が走行している走行期間と停車している非走行期間とを含むことが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、タイヤを装着した車両の走行状態情報を取得する走行状態情報取得部を備え、熱履歴量算出部は、第1期間の熱履歴量を、車両が走行している際の走行中熱履歴量と、車両が停止している際の非走行中熱履歴量とに分けて算出することが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、第2期間は1年以上に設定されており、第2期間に相当する期間の過去の気温情報を取得する気象情報取得部を備え、累積熱量推定部は、該期間の気温変化に応じて前記累積熱量を推定することが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、気温情報が測定された際のタイヤまたは該タイヤが装着された車両の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、気温情報取得部は、位置情報を含む地域の気温情報を取得することが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、第2期間に相当する期間におけるタイヤを装着した車両の稼働情報を取得する稼働情報取得部を備え、累積熱量推定部は、該期間の稼働率変化に応じて累積熱量を推定することが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、所定の閾値は、ケーシングを構成するベルトまたはカーカスの耐久性を示す値に設定されることが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、残存ライフ期間に基づき、タイヤの運用を提案する運用提案部を備えることが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、残存ライフ期間をタイヤの識別情報とともに所定のユーザに送信する送信部と、送信された情報を表示する表示部とを備えることが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、累積熱量推定部は、第1期間の熱履歴量に基づき、トレッドゴムの使用限度期間として設定された所定の第3期間にタイヤが受け得る累積熱量を推定し、該第3期間の累積熱量と所定の更生可否判定閾値とから、タイヤの更生の可否を判定する更生可否判定部を備えることが好ましい。
上記したタイヤのケーシングライフ管理システムにおいて、タイヤの空気圧を測定する空気圧測定部を備え、更生可否判定部は、第3期間が経過するまでに、測定された温度情報もしくは空気圧情報が規定範囲を外れた異常温度もしくは異常空気圧の状態が所定時間以上となった場合には、タイヤの更生を否定する判定を行うことが好ましい。
また、本発明は、トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングの残存ライフを管理するタイヤのケーシングライフ管理方法であって、タイヤの温度を測定するステップと、所定の第1期間に測定されたタイヤの複数の温度情報に基づき、該第1期間にタイヤが受けた熱履歴量を算出するステップと、第1期間の熱履歴量に基づき、該第1期間よりも長い、所定の第2期間にタイヤが受け得る累積熱量を推定するステップと、第2期間の累積熱量と所定の閾値とから、ケーシングの残存ライフ期間を予測するステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、タイヤの温度を測定する温度測定部と、所定の第1期間に測定されたタイヤの複数の温度情報に基づき、該第1期間にタイヤが受けた熱履歴量を算出する熱履歴量算出部と、第1期間の熱履歴量に基づき、該第1期間よりも長い、所定の第2期間にタイヤが受け得る累積熱量を推定する累積熱量推定部と、第2期間の累積熱量と所定の閾値とから、ケーシングの残存ライフ期間を予測するケーシングライフ予測部と、を備えるため、ケーシングの残存ライフ期間を簡易な構成で予測することができる。
図1は、本実施形態に係るタイヤのケーシングライフ管理システムの全体構成を示すブロック図である。 図2は、ケーシングライフ管理システムの動作手順を示すフローチャートである。 図3は、第1期間に検出される温度と検出頻度との関係を示す図である。 図4は、温度促進係数と温度との関係を示す図である。 図5は、車両が走行する所定地域の年間の平均気温変化を示す図である。 図6は、タイヤの熱履歴量と予測ライフとの関係を示す図である。 図7は、別の実施形態に係るケーシングライフ管理システムの全体構成を示すブロック図である。 図8は、ケーシングライフ管理システムの動作手順を示すフローチャートである。 図9は、タイヤの熱履歴量とタイヤの更生の可否との関係を示す図である。
以下に、本発明に係るタイヤのケーシングライフ管理システムの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
本実施形態に係るタイヤのケーシングライフ管理システム(以下、単にケーシングライフ管理システムという)は、トレッドゴムと、該トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングを有するタイヤ(空気入りタイヤ)におけるケーシングの残存ライフ(寿命)を管理するものである。管理対象となるタイヤは、新品タイヤだけでなく、例えば摩耗により残溝量が所定値以下となった使用済みタイヤ(特に、1次寿命を終えた新品タイヤ)のトレッドゴムを新しく貼り替えて、再度使用される更生タイヤ(リトレッドタイヤともいう)を含む。更生タイヤでは、トレッドゴムに新しいゴムが使用されるが、ケーシングは、新品走行および更生走行を経て長距離かつ長期間使用され続ける。このため、タイヤのケーシングの残存ライフを管理することが重要となっている。ケーシングは、トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置される部材であり、例えば、カーカスやベルトを含んで構成されている。
図1は、本実施形態に係るケーシングライフ管理システムの全体構成を示すブロック図である。ケーシングライフ管理システム100は、図1に示すように、複数の車両1のタイヤ2にそれぞれ設けられたセンサ3と、複数の車両1にそれぞれ設けられた車両装置10と、端末装置20と、サーバ(管理装置)30とを備える。
車両装置10、端末装置20及びサーバ30は、インターネット回線などの通信ネットワーク50を介して通信可能に接続されている。本実施形態では、車両1は、タイヤ2として上記した更生タイヤを装着し得るトラックやバスであるが、これに限るものではない。なお、図1の例では、車両1及び車両装置10は、1つずつ示しているが、これら車両1及び車両装置10は、実際には複数設けられている。また、端末装置20は、少なくとも1台設けた構成とすることができる。
センサ3は、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)センサであり、タイヤ2の空気圧を測定する空気圧センサ(空気圧測定部)3aと、タイヤ2内の空気の温度を測定する温度センサ(温度測定部)3bとを備えて構成される。また、センサ3は、タイヤ2に作用する遠心方向加速度を測定する加速度センサを更に備えた構成としてもよい。センサ3は、例えば各タイヤ2の空気バルブに取り付けられており、車両装置10と通信可能に構成されている。センサ3には、それぞれセンサID(識別情報)が設定されており、センサ3のセンサIDと、該センサ3を備えるタイヤ2のタイヤID(識別情報)と、該タイヤ2が装着された車輪位置(例えば、トラックやバスでは、左前輪、右前輪、左内側後輪、左外側後輪、右内側後輪または右外側後輪など)との対応関係が車両装置10に登録されている。各センサ3の測定データは、例えば、RF(radio frequency)通信のような近距離無線通信を用いて所定時間毎に車両装置10へ送信することができる。また、本実施形態では、温度センサ3bが測定するタイヤ2内の空気温度とケーシング温度とがほぼ等しいとみなして、温度センサ3bが測定した温度情報から該ケーシングの残存ライフ期間を予測するものとする。
車両装置10は、車両1の車体に搭載される。車両装置10は、図1に示すように、センサ受信部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、位置情報検知部15と、走行状態検知部16と、制御部17とを備える。センサ受信部11は、複数(例えば6つ)のタイヤ2の各センサ3からそれぞれ送信されたデータを受信する。記憶部12は、揮発性または不揮発性のメモリやHDDなどの記憶手段を備えて構成される。記憶部12には、制御部17が実施する各種のプログラムや、各種のデータが記憶される。本実施形態では、記憶部12は、センサ受信部11が所定時間毎に受信したデータのセンサIDから対応するタイヤIDと車輪位置とを判定し、受信したデータに含まれる各タイヤ2の空気圧及び温度の情報を対応する車輪位置のタイヤの空気圧及び温度の履歴情報として記憶する。また、車両1において、タイヤ2をローテーションした際には、車両装置10に登録されたタイヤID(センサID)と車輪位置との対応関係を修正するものとする。
通信部13は、通信ネットワーク50を介して、端末装置20やサーバ30と無線通信可能に構成される。通信部13は、車両1の車両IDとともに、車両1の状態を示す各種情報を所定時間毎にサーバ30に送信する。具体的には、通信部13は、タイヤID(センサID)に対応する各車輪位置のタイヤ2の空気圧及び温度の情報と、これら空気圧及び温度の各情報の測定時刻を示す時刻情報とを紐づけてサーバ30や端末装置20に送信する。本実施形態では、各タイヤ2の温度情報とともに空気圧情報を送信しているが、温度情報のみを送信する構成としてもよい。また、通信部13は、車両1の走行状態情報及び位置情報をサーバ30に送信する。
表示部14は、車両1のダッシュボードなどに配置され、各種情報を表示してユーザ(ドライバ)に提供する表示画面を有する表示装置である。本実施形態では、例えば、車両1の現在位置情報を含む経路案内情報や、現在の各タイヤ2の空気圧情報及び温度情報を表示することができる。また、タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間が予測された場合には、この残存ライフ期間に関する情報を表示することもできる。
位置情報検知部15は、例えばGPS(Global Positioning System)センサであり、複数のGPS衛星からの信号をそれぞれ受信することにより、車両1(タイヤ2)が走行する現在位置の緯度及び経度情報を含む位置情報を検知する。検知された位置情報は時刻情報とともに記憶部12に記憶されて定期的にサーバ30に送信される。
走行状態検知部16は、車両1の走行状態情報を検知する。この走行状態情報は、車両1が走行状態にあるか否かを示す情報である。走行状態検知部16としては、例えば、車両1の車速を検知する車速検知部や、エンジンやモータなどの車両駆動源の回転数を検知する駆動源回転数検知部などを採用することができる。具体的には、車速が所定時速(例えば1km/h)以下の場合や、エンジン回転数が所定のアイドリング回転数(例えば1000rpm)以下の場合には、車両は非走行状態(停止状態)にあり、これらの値よりも大きければ走行状態にあると検知する。また、上記した位置情報検知部15の検知結果を利用して、車両1の位置情報が所定時間(例えば3分間)動かなければ、車両は非走行状態(停止状態)にあると検知してもよい。また、走行状態検知部16は、エンジンやモータなどの車両駆動源の回転数が0、すなわち車両駆動源が停止している場合には、駆動源停止状態による車両が非走行状態(停止状態)であることを検知して、走行中の一時的な停止(赤信号による停止など)とは区別する構成としてもよい。検知された走行状態情報は時刻情報とともに記憶部12に記憶されて定期的にサーバ30に送信される。
制御部17はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などを有して構成され、記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて車両装置10全体の動作を制御する。具体的には、制御部17は、センサ3が測定した空気圧及び温度の情報や、位置情報検知部15が検知した車両1の現在位置情報、走行状態検知部16が検知した車両1の走行状態情報をそれぞれ時刻情報とともに、通信部13を通じて定期的にサーバ30や端末装置20に送信する処理を実行する。また、車両装置10の外部から受信した情報や、記憶部12に記憶されたデータに基づいて所定の処理を実行する。
端末装置20は、ケーシングの残存ライフ期間を確認するユーザ(例えば、トラックやバスの運送業者)が操作する装置であり、パーソナルコンピュータやタブレット端末などを採用することができる。端末装置20を操作するユーザは、上記した運送業者に限るものではなく、リトレッド業者やタイヤ販売者であってもよい。端末装置20は、図1に示すように、通信部21と、記憶部22と、表示部23と、入力部24と、制御部25とを備える。通信部21は、通信ネットワーク50を介して車両装置10及びサーバ30と無線通信可能に構成される。通信部21は、車両装置10から管理対象のタイヤ2のタイヤIDとともに該タイヤ2の空気圧及び温度の情報を受信する。また、通信部21は、サーバ30から管理対象のタイヤ2のケーシングの残存ライフ期間に関する情報を受信する。また、通信部21は、ユーザによって、タイヤ2の管理情報(例えばローテンションやリトレッドなどのメンテナンス情報)が更新されると、該タイヤ2のタイヤIDとともに管理情報をサーバ30に送信する。
記憶部22は、揮発性または不揮発性のメモリやHDDなどの記憶手段を備えて構成される。記憶部22には、制御部25が実施する各種のプログラムが記憶される。また、記憶部22には、タイヤ2の空気圧及び温度の情報や、管理情報、ケーシングの残存ライフ期間に関する情報がタイヤIDに関連付けて記憶される。
表示部23は、各種情報を表示してユーザに提供する表示画面である。表示部23には、ユーザの操作に基づき、管理対象のタイヤ2のケーシングの残存ライフ期間に関する情報を表示したり、この残存ライフ期間に基づき、タイヤ2の運用(例えば、ローテーションやリトレッド)に関する提案情報を表示する。
入力部24は、例えば、キーボードやマウスなどの情報入力手段であり、端末装置20に対する各種情報の入力を実施する。また、入力部24は、表示部23上に重ねて形成されたタッチパネルであってもよい。制御部25は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、通信部21を介して車両装置10やサーバ30から受信した情報、または、記憶部22に記憶されたプログラムに基づいて端末装置20全体の動作を制御する。制御部25は、運用提案部26として動作する機能を有する。この運用提案部26は、サーバ30から受信したタイヤ2のケーシングの残存ライフ期間に基づき、該タイヤ2の運用計画を作成する。例えば、トレッドゴムの残溝量及びケーシングの残存ライフ期間がいずれも十分にあり、かつ、タイヤ2の走行距離が所定距離に至っている場合には該タイヤ2のローテーションを実行する運用計画を作成してユーザに提案する。また、ケーシングの残存ライフ期間が十分にあるが、トレッドゴムの残溝量が所定値以下の場合には、該トレッドゴムを新しくするリトレッドを実行して更生タイヤとする運用計画を作成してユーザに提案する。なお、上記した運用計画は一例であり、これに限るものではない。また、運用計画の作成、提案は、運用提案部26が実施せずに、ケーシングの残存ライフ期間に基づいてユーザが作成してもよい。
サーバ30は、各車両装置10から送信されたタイヤ2の温度情報を収集して記憶するとともに、収集した温度情報を用いて該タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間を予測する。また、サーバ30は、予測した残存ライフ期間に関する情報を、対象のタイヤ2が装着された車両1の車両装置10や端末装置20に送信する。サーバ30は、例えば、クラウドに設置されたコンピュータなどによって構成される。サーバ30は、図1に示すように、通信部(送信部)31と、温度情報取得部32と、走行状態情報取得部33と、気象情報取得部34と、位置情報取得部35と、稼働情報取得部36と、記憶部37と、制御部38とを備える。また、この制御部38は、熱履歴量算出部39と、累積熱量推定部40と、ケーシングライフ予測部41として動作する機能を有する。
通信部31は、通信ネットワーク50を介して車両装置10及び端末装置20と無線通信可能に構成される。通信部31は、予測したタイヤ2のケーシングの残存ライフ期間に関する情報を該タイヤ2が装着された車両1の車両装置10と、端末装置20にそれぞれ送信する。また、通信部31は、車両装置10及び端末装置20から送信された各種情報を受信する。
温度情報取得部32は、通信部31を介して受信した各車両1のタイヤ2の温度情報を取得する。この温度情報には、車両1の車両IDと、各タイヤ2のタイヤID(センサID)と、タイヤIDと車輪位置との対応関係と、該温度情報の測定時刻を示す時刻情報とを含む。また、温度情報取得部32は、温度情報とともに、通信部31を介して受信した各車両1のタイヤ2の空気圧情報を取得してもよい。
走行状態情報取得部33は、通信部31を介して受信した各車両1の走行状態情報を取得する。この走行状態情報は、車両1が走行している状態であるか、停車している状態(非走行状態)であるかに関する情報であり、これらの情報を検知した際の時刻情報から車両1が走行している走行期間と停車している非走行期間に関する情報を取得することができる。
気象情報取得部34は、通信ネットワーク50を通じて、インターネット上の所定のサイトにアクセスして所望の気象情報を取得する。具体的には、対象の車両1が主として走行する特定の地域(例えば神奈川県)における所定期間(例えば1年間)の気温情報を含む気象情報である。この気温情報は、直近の1年間の気温情報でもよいが、過去(例えば30年)における年間の平均の気温情報であることが好ましい。また、対象となる地域や期間については適宜変更が可能である。この気象情報の取得は作業者が行ってもよいし、予め設定したプログラムにより制御部38に実行させる構成としてもよい。
位置情報取得部35は、通信部31を介して受信した各車両1の位置情報を取得する。取得した位置情報は、気象情報取得部34が気象情報を取得する際の地域を設定する際に使用することができる。
稼働情報取得部36は車両1の稼働情報を取得する。この稼働情報は、通信ネットワーク50を通じて、例えば他の管理サーバなどから取得することができる。稼働情報は、対象となる車両1の繁忙期や閑散期を示すものであり、1年間における月毎の稼働率情報を含む。この月毎の稼働率情報は、1か月に何時間稼働(運行)しているかを示し、例えば、30日(1か月)中の車両1の運行が27日であり、1日あたり10時間運行している場合、この車両1の稼働率は、(27×10)/(30×24)×100=37.5%とする。車両1が稼働している時間は、エンジンが動作している時間を計測することで判別することができる。稼働率の算出は他の手法を用いてもよく、1か月に何日稼働(運行)しているかで示してもよい。また、例えば、トラックのような車両では、同一の地域を運行する同種の車体(大きさなど)の複数の車両の平均的な稼働情報を取得してもよい。
記憶部37は、上記した取得した各種情報を記憶する。具体的には、車両1ごとに各種情報を記憶するデータベースを構成し、車両1に対応する空気圧及び温度の情報、走行状態情報、位置情報、及び稼働情報をそれぞれ時系列に記憶する。また、記憶部37には、必要に応じて取得した特定の地域における所定期間(例えば1年間)の気温情報を含む気象情報が記憶される。また、記憶部37には、車両1のタイヤ2ごとに該タイヤ2が受けた積算熱履歴量に関する情報が記憶される。この積算熱履歴量は、取得した各タイヤ2の温度情報に基づいて定期的もしくはリアルタイムに算出されて随時更新される。
制御部38は、CPU、ROM、RAMなどを有して構成され、車両装置10や外部の機器などから受信した情報、または、記憶部37に記憶されたプログラムに基づいてサーバ30全体の動作を制御する。本実施形態では、制御部38は、タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間を予測する処理が指示されると、上記した熱履歴量算出部39、累積熱量推定部40、及びケーシングライフ予測部41として機能する。
熱履歴量算出部39は、取得した各タイヤ2の温度情報に基づいて、定期的もしくはリアルタイムに上記した積算熱履歴量を算出する。また、これとは別に、熱履歴量算出部39は、所定の第1期間(例えば1か月)に測定されたタイヤ2の複数の温度情報を記憶部37から読み出し、これら温度情報に基づき、該第1期間にタイヤ2が受けた熱履歴量を算出する。この第1期間は、少なくとも1日の期間に設定することができるが、残存ライフ期間の予測精度を高めるため、1か月程度に設定することが好ましい。熱履歴量算出部39は、端末装置20から対象となる車両1のタイヤ2のケーシングの残存ライフ期間を予測する処理が指示されると、この指示の直近1か月に測定された対象のタイヤ2の複数の温度情報を記憶部37から読み出し、これら温度情報に基づき、この1か月にタイヤ2が受けた熱履歴量を算出する。
ここで、タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間は、タイヤ2が受けた熱量と大きく関連し、積算熱量が増加すればするほど残存ライフ期間は短くなる。タイヤ2は、車両1が走行中にタイヤ転動に伴う変形に起因した内部発熱などによって加熱されるたけでなく、車両1が停車中(非走行中)においても日射や周囲環境の温度によって熱を受けている。このため、車両1が停止した状態に受ける熱量をも考慮することが好ましい。
本実施形態では、上記第1期間は、タイヤ2を装着した車両1が走行している走行期間と停車している非走行期間とを含むようになっている。このため、車両1が停車している非走行期間にタイヤ2が受ける熱量を考慮することができ、ケーシングの残存ライフ期間を精度良く推定することができる。具体的には、走行状態検知部16の検知結果に応じて、熱履歴量算出部39は、第1期間の熱履歴量を車両1が走行している際の走行中熱履歴量と、車両1が停止している際の非走行中熱履歴量とに分けて算出する。非走行中熱履歴量は、例えば、車両1のエンジン(駆動源)が停止している状態にタイヤ2が受ける熱履歴量である。ここで、エンジン停止中のタイヤ2の温度情報を記憶部12に記憶できる構成であれば、記憶した温度情報をそのまま使用することができるが、エンジン停止中に車両装置10が停止することにより、タイヤ2の温度情報が記憶部12に記憶されていないことも想定される。この場合には、例えば、予め定めた値を停止中の温度情報として用いて熱履歴量(非走行中熱履歴量)を算出することもできる。また、車両1が停車された地域におけるエンジン停止中の日時に相当する外気温度を、気象情報取得部34に取得させて、この外気温度を停止中の温度情報として用いて熱履歴量(非走行中熱履歴量)を算出することもできる。
これらの構成によれば、第1期間の熱履歴量を車両1が走行している際の走行中熱履歴量と、車両1が停止している際の非走行中熱履歴量とに分けて算出することにより、第1期間の熱履歴量を正確に算出することができるため、ケーシングの残存ライフ期間を精度良く推定することができる。更には、車両1が運行されない休日にタイヤ2が受ける熱履歴量を把握することができるため、ケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
累積熱量推定部40は、第1期間の熱履歴量に基づき、所定の第2期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する。この第2期間は、上記第1期間よりも長い期間に設定されており、本実施形態では1年である。累積熱量推定部40は、第1期間の熱履歴量に基づき、1年間の累積熱量を推定するため、1日の熱履歴量を365倍、または1か月の熱履歴量を12倍することで容易に推定することもできる。
一方で日本を含む各国は複数の季節を有することが一般的であり、これら季節は1年周期で変化しているため、1年間の累積熱量を推定する場合には、季節に伴う気温変化や、車両1の稼働率変化などを考慮することが好ましい。本実施形態では、累積熱量推定部40は、1か月の熱履歴量を基準とし、この基準の熱履歴量に1年間の各月の温度変化や車両1の稼働率変化などを考慮して1年間の累積熱量を推定している。これにより、1年間の累積熱量を精度良く推定することができ、ひいては、ケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
ケーシングライフ予測部41は、推定した1年間の累積熱量と所定の閾値とからケーシングの残存ライフ期間を予測する。この場合、ケーシングライフ予測部41は、ケーシングの残存ライフ期間の予測処理が指示された時点の積算熱履歴量に、推定した1年間の累積熱量をどれだけ(何年分)加えた際に所定の閾値を超えるかを予測する。この閾値は、ケーシングを構成するベルトまたはカーカスの耐久性を示す値に設定されている。これらの耐久性は、残存物性として、ベルト剥離力やベルトゴムの破断伸び、または、カーカスコード引き抜き力やカーカスゴム或いは隣接パーツの破断伸びなどを用いて設定したものである。これによれば、市場におけるタイヤ故障としてのベルトセパレーション故障やカーカスセパレーション故障を防止することができる。なお、上記した閾値は、ケーシングを構成するベルトまたはカーカスの耐久性を示す値のうち、より小さな値に設定されることが好ましいことは勿論である。
次に、ケーシングライフ管理システムの動作について説明する。図2は、ケーシングライフ管理システムの動作手順を示すフローチャートである。図3は、第1期間に検出される温度と検出頻度との関係を示す図である。図4は、温度促進係数と温度との関係を示す図である。図5は、車両が走行する所定地域の年間の平均気温変化を示す図である。図6は、タイヤの熱履歴量と予測ライフとの関係を示す図である。
複数の車両1の各タイヤ2に設けられたセンサ3は、該タイヤ2内の温度を所定時間(例えば10分)毎に測定する(ステップST1)。測定された温度情報は、車両1の車両装置10に送信され、車両装置10の記憶部12に記憶される。この場合、車両装置10は、6つのセンサ3からそれぞれ送信された温度情報を受信し、センサIDで判別したタイヤ2毎に温度情報と時刻情報とを紐づけた履歴情報として記憶部12に記憶する。また、車両装置10の位置情報検知部15及び走行状態検知部16は、それぞれ車両1の位置情報及び走行状態情報を検知する。検知された車両1の位置情報及び走行状態情報は、それぞれタイヤ2毎に時刻情報と紐づけられて記憶部12に記憶される。記憶部12に記憶された各タイヤ2の温度情報、時刻情報、位置情報及び走行状態情報は、定期的(例えば1日1回)にサーバ30に送信され、サーバ30の記憶部37に各車両1のタイヤ2毎にそれぞれ記憶される。
次に、サーバ30の熱履歴量算出部39は、所定の第1期間のタイヤ2の熱履歴量を算出する(ステップST2)。具体的には、タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間を予測する処理が指示されると、熱履歴量算出部39は、記憶部37から第1期間に相当する直近1か月間の該タイヤ2の温度情報に基づき、この1か月間のタイヤ2の熱履歴量を算出する。ここで、熱履歴量算出部39は、すべて6本のタイヤ2の熱履歴量をそれぞれ算出するが、説明の便宜上、1本のタイヤ2について説明する。
熱履歴量は、TTSN(Total Temperature Severity Number)とも呼ばれ、新品時から現在までの全使用期間にタイヤ2が受けた熱量の総和を示す指標であり、熱履歴量が大きいほど、タイヤ2の酸化劣化が進行している傾向にあることを示す。これは、タイヤ2の温度が増加するとタイヤ2を構成するゴム部材の空気透過係数も増加することに起因する。また、タイヤ2の温度は、特に車両1走行時におけるタイヤ自身の発熱、及び車両1が走行する際の気温により大きく変動する。
まず、記憶部37から取得した直近1か月間(第1期間)のタイヤ2の温度情報を、0℃から120℃の間で1℃毎の温度区間に分類して、図3に示すように、各温度区間における測定値の検出度数を取得する。この検出度数は、第1期間に測定された温度情報を各温度区間に区分けした際の累積時間を示している。一般に、車両の外側後輪ではタイヤ2の温度が低く、内側後輪ではタイヤ2の温度が高い傾向にある。このため、タイヤ2が装着された車輪位置に応じてそれぞれ検出度数(累積時間)を取得することが好ましい。
第1期間の熱履歴量は、温度をパラメータとして予め与えられているタイヤ部材の状態変化に関する温度促進係数(促進係数)と、第1期間において測定された複数の温度情報を所定の温度区間に区分けした際の検出度数(累積時間)と、を用いて、次の数式(1)により算出される。
第1期間の熱履歴量=Σ(K(ti)×T(ti)) …(1)
この数式(1)において、第1期間の熱履歴量は、上記した全温度区間にかかる区間熱量の総和である。また、tiは温度、K(ti)は温度tiにおける温度促進係数である。また、T(ti)は温度tiにおける累積時間である。ここで、温度促進係数K(ti)は、温度tiをパラメータとしたタイヤ部材の状態変化に関する寄与係数であり、例えば、周知のアレニウスの反応速度式に基づいて、exp(α・ti)に比例するものと考えられる。図4では、温度tiが10℃上昇するとタイヤの劣化が2倍進むとの仮定に基づき、α=0.069に設定されている。また、温度tiは、各温度区間における最高温度であるが、これに限らず、例えば、各温度区間における平均温度であってもよい。累積時間とは、その温度を含む温度区間における累積時間である。
次に、サーバ30の累積熱量推定部40は、所定の第2期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する(ステップST3)。本実施形態では、累積熱量推定部40は、上記した1か月間のタイヤ2の熱履歴量を基準とし、この基準の熱履歴量に1年間の各月の温度変化を考慮して1年間の累積熱量を推定している。
具体的には、第1期間(例えば、10月の1か月間)にタイヤ2が受けた熱履歴量をA10とし、10月の平均気温をB10(℃)とした場合、11月の区間累積熱量A11は、11月の平均気温B11(℃)を用いて、A11=A10×exp(α×(B11−B10))などの数式で簡易的に推定することができる。そして、この先の12月から翌年10月までの区間累積熱量A12〜A10をそれぞれ推定し、これらをすべて加算することにより、これから1年間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定することができる。
推定に使用する平均気温情報は、図5に示すような月毎の平均気温変化を示す情報であり、気象情報取得部34によって取得される。この場合、気温情報は、位置情報検知部15が検知した位置情報を含む地域、すなわち、第1期間において車両1が主として走行した地域の気象情報を取得することが好ましい。この構成によれば、車両1が主として走行する地域における季節に伴う気温変化を考慮することができ、1年間にタイヤ2が受け得る累積熱量を精度良く推定することができる。
また、累積熱量を推定する際に、季節に伴う車両1の稼働率変化を考慮することが好ましい。車両1の稼働率を含む稼働情報は稼働情報取得部36により取得される。稼働率は、例えば、所定期間(1か月)における車両1のエンジンが動作している時間の割合として算出することができる。この場合、第1期間(例えば、10月の1か月間)にタイヤ2が受けた熱履歴量をA10とし、10月の平均気温をB10(℃)、10月の稼働率をC10(%)とした場合、11月の区間累積熱量A11は、11月の平均気温B11(℃)、過去の車両1の11月の平均稼働率C11(%)を用いて、A11=A10×exp(α×(B11−B10))×(C11/C10)などの数式で簡易的に推定することができる。そして、この先の12月から翌年10月までの区間累積熱量A12〜A10をそれぞれ推定し、これらをすべて加算することにより、これから1年間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定することができる。これにより、車両1の繁忙期や閑散期を考慮した1年間にタイヤ2が受け得る累積熱量を精度良く推定することができる。
また、上記した第1期間の熱履歴量を車両1が走行している際の走行中熱履歴量と、車両1が停止している際の非走行中熱履歴量とに分けて算出しておき、これら走行中熱履歴量及び非走行中熱履歴量と、各月の稼働率とを組み合わせて、各月の区間累積熱量を推定することもできる。稼働率を所定期間(1か月)における車両1のエンジンが動作している時間の割合とすると、エンジンが動作している時間は走行期間となり、エンジンが停止している時間は非走行期間となる。このため、車両1が運行されない休日にタイヤ2が受ける熱履歴量(非走行中熱履歴量)を正確に把握できることにより、ケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
なお、所定の第2期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する手法はこれに限るものではなく、例えば、常夏で年間の気温変動少ない地方や、車両1の年間の稼働率変化が少ない場合には、1か月(第1期間)の熱履歴量を単純に12倍して、1年間(第2期間)の累積熱量を推定することもできる。
次に、サーバ30のケーシングライフ予測部は、推定した第2期間の累積熱量と所定の閾値とからケーシングの残存ライフ期間を予測する(ステップST4)。具体的には、図6に示すように、現在(タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間を予測する処理が指示された時点)における熱履歴量(積算熱履歴量)に、1年間(第2期間)の累積熱量を加算していくと、どれだけの期間で熱履歴量が閾値(限界熱量)に達するかを予測する。この場合、1年間(第2期間)に対する累積熱量の上昇率を求めて、閾値に達するまでの期間を予測してもよいが、本実施形態では、現在(例えば10月)の熱履歴量に、11月以降の各月の区間累積熱量を順次加算することで残存ライフ期間を予測することが好ましい。図6に示すように、第2期間の累積熱量は、一様の傾きで上昇するのではなく、気温の変化によって、冬期には傾きが小さく、夏期には傾きが大きくなる傾向にある。従って、現在の熱履歴量に累積熱量を追加する場合には、例えば、月毎に分けた区間累積熱量を順次加算して、所定の閾値に達するまでの期間を予測することにより、ケーシングの残存ライフ期間を精度良く予測することができる。なお、所定の閾値は、熱履歴量(TTSN)とケーシングを構成するパーツの残存物性(例えば、ベルト耐久性、カーカス耐久性など)との関係にて適宜設定され得る。例えば、ベルトの耐久性(ベルト剥離力)は、使用済みタイヤから一対の交差ベルトを取り出して、これらの交差ベルトを相互に引き剥がしたときの剥離力[N/inch]として測定される。そして、更生タイヤの市場実績に基づいて安全性を確保できる剥離力が閾値として設定される。
サーバ30は、ケーシングの残存ライフ期間が予測されると、この残存ライフ期間に関する情報をタイヤ2のタイヤIDとともに、端末装置20や車両装置10に送信する。この端末装置20や車両装置10は、受信した残存ライフ期間に関する情報を各表示部14、23に表示する(ステップST5)。表示部14、23への表示態様は、図6に示すように、現在から予測ライフ寿命までの残存ライフ期間をグラフなどで視覚的に表示するものが好ましい。この場合、車両1の平面図などを合わせて表示し、タイヤIDに基づいて車輪位置を表示することが好ましい。この構成によれば、ユーザ(トラックやバスの運送業者、ドライバ、リトレッド業者またはタイヤ販売者)は、タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間をほぼリアルタイムに知ることができ、どの位置のタイヤ2の寿命が近づいているかを認識することができる。
また、端末装置20の運用提案部26は、サーバ30から受信したケーシングの残存ライフ期間に基づき、タイヤ2の運用計画を作成する(ステップST6)。例えば、トレッドゴムの残溝量及びケーシングの残存ライフ期間がいずれも十分にあり、かつ、タイヤ2の走行距離が所定のローテーション距離に至っている場合には該タイヤ2のローテーションを実行する運用計画を作成してユーザに提案する。また、ケーシングの残存ライフ期間が十分にあるが、トレッドゴムの残溝量が所定値以下の場合には、該トレッドゴムを新しくするリトレッドを実行して更生タイヤとする運用計画を作成してユーザに提案する。なお、運用計画は上記以外に適宜変更してもよい。タイヤ2の運用計画が作成されると、処理を終了する。
次に、別の実施形態に係るケーシングライフ管理システム100Aについて説明する。この別の実施形態では、ケーシングライフ管理システム100Aは、タイヤ2の残存ケーシングライフを予測するとともに、該タイヤ2の更生(リトレッド)が可能か否かを判定するものとなっている。タイヤの更生とは、1次寿命を終えた新品タイヤのトレッドゴムを新しく貼り替えてタイヤを再利用するこという。このため、タイヤの更生可否の判定とは、すなわちトレッドゴムが一時寿命に達した際に、これまで使用されたケーシングを再使用できるか否かを判定することである。
図7は、別の実施形態に係るケーシングライフ管理システムの全体構成を示すブロック図である。図8は、ケーシングライフ管理システムの動作手順を示すフローチャートである。図9は、タイヤの熱履歴量とタイヤの更生の可否との関係を示す図である。この別の実施形態において、上記したケーシングライフ管理システム100と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
ケーシングライフ管理システム100Aは、図7に示すように、サーバ30Aが制御部38Aを備え、この制御部38Aは、熱履歴量算出部39と、累積熱量推定部40と、ケーシングライフ予測部41と、更生可否判定部42として動作する機能を有する。タイヤ2の残存ケーシングライフを予測する処理が指示されると、制御部38Aは、上記した熱履歴量算出部39、累積熱量推定部40、及びケーシングライフ予測部41として機能し、タイヤ2の更生可否を判定する処理が指示されると、上記した熱履歴量算出部39、累積熱量推定部40、及び更生可否判定部42として機能する。ここでは、タイヤ2の更生可否を判定する処理が指示された際の機能について説明する。
端末装置20から対象となる車両1のタイヤ2の更生可否を判定する処理が指示されると、熱履歴量算出部39は、所定の第1期間(例えば1か月)に測定されたタイヤ2の複数の温度情報を記憶部37から読み出し、これら温度情報に基づき、該第1期間にタイヤ2が受けた熱履歴量を算出する。この第1期間は1か月程度に設定することが好ましい。また、例えば、車両においてタイヤのローテーションが実施された場合には、ローテーション実施後から第1期間(1か月)に測定されたタイヤ2の温度情報から該タイヤ2が第1期間に受けた熱履歴量を算出する。これにより、車両におけるタイヤ2の取付位置による温度差を考慮して熱履歴量を精度よく算出でき、ひいては更生可否の判定精度を高めることができる。なお、第1期間の熱履歴量の算出方法などは上記したものと同等であるため、説明は省略する。
累積熱量推定部40は、第1期間の熱履歴量に基づき、所定の第3期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する。この第3期間は、タイヤ2のトレッドゴムの使用限度(一次寿命)を示す期間として設定された期間であり、一般に摩耗により残溝量が所定値以下となると想定される期間である。すなわち、新品のタイヤ2の更生が行われることが多い期間である。本実施形態では、第3期間は、上記した第1期間及び第2期間よりも長期期間(例えば3年)に設定されている。なお、第3期間の累積熱量の推定方法などは上記したものと同等であるため説明は省略するが、例えば、3年間の累積熱量を1か月の熱履歴量を36倍することで容易に推定することもできる。
更生可否判定部42は、第3期間(3年間)経過後におけるタイヤ2の更生の可否を判定する。本構成では、更生可否判定部42は、タイヤ2の更生の可否を2つに分けて判定している。1つ目は、推定された3年経過時の累積熱量と所定の更生可否判定閾値とから更生の可否を判定する。この判定は、例えば、第1期間経過時に行うことできる。2つ目は、測定された空気温度情報、及び空気圧情報が規定範囲内あるか否かを判定し、規定範囲から外れた異常空気温度、または異常空気圧の状態の時間と所定の閾値とから更生の可否を判定する。この判定は、第3期間が経過するまでの間に定期的、もしくは空気温度情報、及び空気圧情報を監視して常時行うことができる。
次に、ケーシングライフ管理システムの動作について説明する。ここでは、タイヤ2の更生可否を判定する処理の動作について説明する。このタイヤ2の更生可否を判定する動作は、上記したタイヤ2のケーシングライフを推定する動作とは別個に実施されるものである。タイヤ2の更生可否を判定する動作について、上記したタイヤ2のケーシングライフを推定する動作の手順と同等のものについては詳細な説明を省略する。複数の車両1の各タイヤ2に設けられたセンサ3は、該タイヤ2内の温度を所定時間(例えば10分)毎に測定する(ステップST11)。次に、熱履歴量算出部39は、所定の第1期間のタイヤ2の熱履歴量を算出する(ステップST12)。次に、累積熱量推定部40は、上記した所定の第3期間(3年間)にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する(ステップST13)。この実施形態では、累積熱量推定部40は、上記した1か月間のタイヤ2の熱履歴量を基準とし、この基準の熱履歴量に3年間の累積熱量を推定している。この場合、上記したように、1か月間のタイヤ2の熱履歴量を基準とし、この基準の熱履歴量に1年間の各月の温度変化を考慮して3年間の累積熱量を推定することが好ましい。
次に、更生可否判定部42は、推定した3年間の累積熱量が更生可否判定閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップST14)。更生判定閾値は、3年間(一次寿命)使用したケーシングを更生タイヤとして再度3年間(2次寿命)利用できるかを判定するための閾値である。このため、更生判定閾値は、上記したケーシングの残存ライフを予測する際に使用した閾値(限界閾値)の1/2以下の値に設定することが好ましい。
この判定において、3年経過時の累積熱量が更生可否判定閾値よりも大きい場合(ステップST14;Yes)には、図9に示すように、ケーシングの熱による劣化(損傷)が大きく、3年間(2次寿命)の再利用が不可能としてタイヤ2の更生を否定(NG)する判定をする(ステップST15)。
一方、3年経過時の累積熱量が更生可否判定閾値よりも大きくない場合(ステップST14;No)には、ケーシングの熱による劣化(損傷)がそれほど大きくないので、続けて、測定された空気温度情報、及び空気圧情報が規定範囲内あるか否かを判定し、規定範囲から外れた異常空気温度、または異常空気圧の状態の時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップST16)。一般にタイヤ2の通常使用においては、タイヤ2の空気温度及び空気圧は規定範囲内ある。これに対して、何らかの外的要因によって、空気温度もしくは空気圧が規定範囲外となった場合には、その分タイヤ2のケーシングの劣化を招くため、規定範囲外となった時間を指標としてタイヤ2の更生の可否を判定している。
具体的には、更生可否判定部42は、測定された空気温度が100℃以上となった場合には、規定範囲を外れた異常温度の状態として判定する。また、更生可否判定部42は、測定された空気圧がタイヤ2の規格空気圧の70%以下となった場合には、規定範囲を外れた異常空気圧の状態として判定する。これら異常温度、もしくは異常空気圧の状態である時間は、温度情報もしくは空気圧情報に紐づいた測定時刻情報から算出することができる。本実施形態では、更生可否判定部42は、第3期間(3年間)が経過するまでに、異常空気温度となる状態が10時間以上となった場合、もしくは、異常空気圧となる状態が10時間以上となった場合(ステップST16;Yes)には、ケーシングの劣化(損傷)が想定されるため、処理をステップST15に移行する。
一方、更生可否判定部42は、第3期間(3年間)が経過するまでに、異常空気温度となる状態が10時間未満であり、かつ、異常空気圧となる状態が10時間未満の場合(ステップST16;No)には、ケーシングの劣化(損傷)がそれほど大きくないので3年間の再利用が可能としてタイヤ2の更生を肯定(OK)する判定を行う(ステップST17)。本構成では、推定された3年経過時の累積熱量と、実際の測定されたタイヤ2の空気温度情報及び空気圧情報との2段階によって、タイヤ2の更生可否の判定を行い、すべての判定で肯定とならなければ、タイヤの更生は不可となるため、更生可否の判定を精度良く行うことができる。
最後に、制御部38Aは、判定結果を少なくとも端末装置20に出力する(ステップST18)。制御部38Aは、ケーシングの更生の可否が判定されると、判定結果に関する情報をタイヤ2のタイヤIDとともに、端末装置20に送信する。この端末装置20は、受信した判定結果に関する情報を表示部23に表示する。この場合、車両1の平面図などを合わせて表示し、タイヤIDに基づいて車輪位置を表示することが好ましい。この構成によれば、ユーザ(トラックやバスの運送業者、リトレッド業者またはタイヤ販売者)は、タイヤ2のケーシングの更生の可否を正確に知ることができ、どの位置のタイヤ2の更生(リトレッド)が可能であるかを認識することができる。なお、判定結果を車両装置10に出力(送信)しても構わないことは勿論である。制御部38Aは、判定結果を出力すると処理を終了する。
以上、本実施形態に係るケーシングライフ管理システム100は、トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングの残存ライフを管理するものであり、タイヤ2の温度を測定する温度センサ3bと、少なくとも1日以上の第1期間に測定されたタイヤ2の複数の温度情報に基づき、該第1期間にタイヤ2が受けた熱履歴量を算出する熱履歴量算出部39と、第1期間の熱履歴量に基づき、1年間に設定された第2期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定する累積熱量推定部40と、第2期間の累積熱量と所定の閾値とから、ケーシングの残存ライフ期間を予測するケーシングライフ予測部41と、を備える。これによれば、第1期間に実際にタイヤ2が受けた熱履歴量を基準として、第1期間よりも長い1年間に設定された第2期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定し、この第2期間の累積熱量と所定の閾値とからケーシングの残存ライフ期間を予測するため、第1期間におけるタイヤ2の温度を測定するといった簡単な構成で、ケーシングの残存ライフ期間を予測することができる。
また、本実施形態によれば、熱履歴量算出部39は、温度tiをパラメータとして予め与えられているタイヤ部材の状態変化に関する温度促進係数K(ti)と、第1期間に測定された複数の温度情報を所定の温度区間に区分けした際の累積時間T(ti)とを用いて第1期間の熱履歴量を算出するため、第1期間の熱履歴量を簡易に算出することができる。
また、本実施形態によれば、第1期間は、タイヤ2を装着した車両1が走行している走行期間と停車している非走行期間とを含むため、車両1が停車している非走行期間にタイヤ2が受ける熱量を考慮して累積熱量を推定することができ、ケーシングの残存ライフ期間を精度良く推定することができる。
また、本実施形態によれば、タイヤ2を装着した車両1の走行状態情報を取得する走行状態情報取得部33を備え、熱履歴量算出部39は、第1期間の熱履歴量を、車両1が走行している際の走行中熱履歴量と、車両1が停止している際の非走行中熱履歴量とに分けて算出するため、第1期間の熱履歴量を正確に算出することができ、ケーシングの残存ライフ期間を精度良く推定することができる。更に、車両1が停止している際の非走行中熱履歴量を算出することにより、車両1が運行されない休日にタイヤ2が受ける熱履歴量を把握することができるため、ケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
また、本実施形態によれば、第2期間に相当する1年間の期間の過去の気温情報を取得する気象情報取得部34を備え、累積熱量推定部40は、1年間の気温変化に応じて累積熱量を推定するため、日本のような季節に伴う気温変化のある国や地域を走行する車両1のタイヤ2の累積熱量を精度良く推定することができる。従って、ケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
また、本実施形態によれば、気温情報が測定された際のタイヤ2または該タイヤ2が装着された車両1の位置情報を取得する位置情報取得部35を備え、気象情報取得部34は、位置情報を含む地域の気温情報を取得するため、車両1が主として走行する地域における季節に伴う気温変化を考慮することができる。従って、1年間のタイヤ2の累積熱量を精度良く推定することができ、ひいてはケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
また、本実施形態によれば、第2期間に相当する1年間におけるタイヤ2を装着した車両1の稼働情報を取得する稼働情報取得部36を備え、累積熱量推定部40は、1年間の稼働率変化に応じて累積熱量を推定するため、車両1の繁忙期や閑散期を考慮した1年間のタイヤ2の累積熱量を精度良く推定することができ、ひいてはケーシングの残存ライフ期間をより精度良く予測することができる。
また、本実施形態によれば、所定の閾値は、ケーシングを構成するベルトまたはカーカスの耐久性を示す値に設定されるため、市場におけるタイヤ故障としてのベルトセパレーション故障やカーカスセパレーション故障を防止することができる。
また、本実施形態によれば、残存ライフ期間に基づき、タイヤの運用を提案する運用提案部26を備えたため、ユーザは、提案を参考にしてタイヤの今後の運用を決定することができる。
また、本実施形態によれば、残存ライフ期間をタイヤ2のタイヤIDとともに所定のユーザに送信する通信部31と、送信された情報を表示する表示部14、23とを備えたため、ユーザは、タイヤ2のケーシングの残存ライフ期間をほぼリアルタイムに知ることができ、どの位置のタイヤ2の寿命が近づいているかを認識することができる。
また、本実施形態によれば、累積熱量推定部40は、第1期間の熱履歴量に基づき、トレッドゴムの使用限度期間として設定された所定の第3期間にタイヤ2が受け得る累積熱量を推定し、この第3期間の累積熱量と所定の更生可否判定閾値とから、タイヤ2の更生の可否を判定する更生可否判定部42を備えるため、第1期間におけるタイヤ2の温度を測定するといった簡単な構成で、タイヤ2の更生の可否を判定することができる。
また、本実施形態によれば、タイヤ2の空気圧を測定する空気圧センサ3aを備え、更生可否判定部42は、第3期間が経過するまでに、測定された空気温度情報もしくは空気圧情報が規定範囲を外れた異常温度もしくは異常空気圧の状態が所定時間以上となった場合には、タイヤの更生を否定する判定を行うため、例えば、推定された第3期間の累積熱量と所定の更生可否判定閾値との判定ではタイヤ2の更生が肯定されたとしても、実際に測定された空気温度情報もしくは空気圧情報に基づいて、上記判定を別途行うため、タイヤの更生可否の判定を精度よく行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、車両1に取り付けられたタイヤ2を例示して説明したが、これに限るものではなく、例えば、倉庫などに保管されているタイヤであってもよい。この構成では、上記した車両装置10は倉庫内に設置され、該タイヤの温度情報を取得し、第1期間の熱履歴量がすべて非走行中熱履歴量として算出される。なお、倉庫の庫内温度を所定時間ごとに測定し、この測定した温度をタイヤ温度に用いてもよい。
また、上記実施形態では、非走行期間として、エンジンなどの駆動源が動作していない時間を例示したが、これに限るものではなく、例えば、エンジンが動作しているが、信号待ちなどで車両が一時停止している場合を非走行期間として区分けしてもよい。
また、上記実施形態では、タイヤのケーシングライフ管理方法として、ケーシングライフ管理システム100の動作手順の一例を示したが、各手順を人が行って管理してもよい。
1 車両
2 タイヤ
3 センサ
3a 空気圧センサ
3b 温度センサ(温度測定部)
10 車両装置
14 表示部
20 端末装置
23 表示部
26 運用提案部
30、30A サーバ
31 通信部(送信部)
32 温度情報取得部
33 走行状態情報取得部
34 気象情報取得部
35 位置情報取得部
36 稼働情報取得部
37 記憶部
38、38A 制御部
39 熱履歴量算出部
40 累積熱量推定部
41 ケーシングライフ予測部
42 更生可否判定部
100、100A ケーシングライフ管理システム
K(ti) 温度促進係数
ti 温度
T(ti) 累積時間

Claims (13)

  1. トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングの残存ライフを管理するタイヤのケーシングライフ管理システムであって、
    タイヤの温度を測定する温度測定部と、
    所定の第1期間に測定された前記タイヤの複数の温度情報に基づき、該第1期間に前記タイヤが受けた熱履歴量を算出する熱履歴量算出部と、
    前記第1期間の前記熱履歴量に基づき、該第1期間よりも長い、所定の第2期間に前記タイヤが受け得る累積熱量を推定する累積熱量推定部と、
    前記第2期間の前記累積熱量と所定の閾値とから、前記ケーシングの残存ライフ期間を予測するケーシングライフ予測部と、
    を備えたタイヤのケーシングライフ管理システム。
  2. 前記熱履歴量算出部は、温度をパラメータとして予め与えられているタイヤ部材の状態変化に関する促進係数と、前記第1期間に測定された複数の前記温度情報を所定の温度区間に区分けした際の累積時間とを用いて、前記熱履歴量を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  3. 前記第1期間は、前記タイヤを装着した車両が走行している走行期間と停車している非走行期間とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  4. 前記タイヤを装着した車両の走行状態情報を取得する走行状態情報取得部を備え、
    前記熱履歴量算出部は、前記第1期間の前記熱履歴量を、前記車両が走行している際の走行中熱履歴量と、前記車両が停止している際の非走行中熱履歴量とに分けて算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  5. 前記第2期間は1年以上に設定されており、
    前記第2期間に相当する期間の過去の気温情報を取得する気象情報取得部を備え、
    前記累積熱量推定部は、該期間の気温変化に応じて前記累積熱量を推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  6. 前記気温情報が測定された際の前記タイヤまたは該タイヤが装着された車両の位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
    前記気象情報取得部は、前記位置情報を含む地域の前記気温情報を取得することを特徴とする請求項5に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  7. 前記第2期間に相当する期間における前記タイヤを装着した車両の稼働情報を取得する稼働情報取得部を備え、
    前記累積熱量推定部は、該期間の稼働率変化に応じて前記累積熱量を推定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  8. 前記所定の閾値は、前記ケーシングを構成するベルトまたはカーカスの耐久性を示す値に設定されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  9. 前記残存ライフ期間に基づき、前記タイヤの運用を提案する運用提案部を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  10. 前記残存ライフ期間を前記タイヤの識別情報とともに所定のユーザに送信する送信部と、送信された情報を表示する表示部とを備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  11. 前記累積熱量推定部は、前記第1期間の前記熱履歴量に基づき、前記トレッドゴムの使用限度期間として設定された所定の第3期間にタイヤが受け得る累積熱量を推定し、
    前記第3期間の前記累積熱量と所定の更生可否判定閾値とから、前記タイヤの更生の可否を判定する更生可否判定部を備える請求項1から10のいずれか一項に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  12. 前記タイヤの空気圧を測定する空気圧測定部を備え、
    前記更生可否判定部は、前記第3期間が経過するまでに、測定された前記温度情報もしくは空気圧情報が規定範囲を外れた異常温度もしくは異常空気圧の状態が所定時間以上となった場合には、前記タイヤの更生を否定する判定を行う請求項11に記載のタイヤのケーシングライフ管理システム。
  13. トレッドゴムのタイヤ径方向内側に配置されるケーシングの残存ライフを管理するタイヤのケーシングライフ管理方法であって、
    タイヤの温度を測定するステップと、
    所定の第1期間に測定された前記タイヤの複数の温度情報に基づき、該第1期間に前記タイヤが受けた熱履歴量を算出するステップと、
    前記第1期間の前記熱履歴量に基づき、該第1期間よりも長い、所定の第2期間に前記タイヤが受け得る累積熱量を推定するステップと、
    前記第2期間の前記累積熱量と所定の閾値とから、前記ケーシングの残存ライフ期間を予測するステップと、
    を備えたタイヤのケーシングライフ管理方法。
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