(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
まず、発明が適用されるスロットマシンMの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンMを示す斜視図である。
このスロットマシンMは、筐体1を備えており、この筐体1は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体1の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。なお、底板の上面には、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット、遊技媒体(遊技価値)としてのメダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパー装置150(図2参照)等が設けられている。
また、筐体1の正面には、筐体1の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉3が設けられており、この前扉3は、前記開口部の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口部の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。
筐体1内には、図示しない交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニットと、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。
前記リールユニットは、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール100a,100b,100c(図2参照;図1には示されない)とを備えている。また、前記基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。そして、前記基板ユニットは、スロットマシンMの遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
図1に示すように、上扉30の下部には表示窓31が設けられている。この表示窓31は上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられ、この表示窓31の奥には、3個の前記回転リールが横一列に設けられている。各回転リールの外周面には複数種類の図柄が配列されており、回転リールが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシンMでは、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ラインが設定されている。
そして、3個の回転リールが停止したときに入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
また、上扉30の上部には、表示窓31よりも大きい表示窓32がほぼ鉛直に設けられている。この表示窓32は上扉30に設けられた画像表示装置の表示面を見るために設けられたものである。画像表示装置は液晶表示パネルを有し、画像表示装置では、その表示面に遊技機における演出用の画像が表示されるようになっている。また、表示窓32よりも上側に位置される上扉30の左右両側部位には、各種演出音(音楽、効果音、音声等)を出力するスピーカ14が設けられる。
また、上扉30の表示窓32の上側中央部には、ロゴシートの表示を遊技者に見せるようになっている横長のトップレンズ33が表示部として設けられている。
また、表示窓32と表示窓31との間には報知や演出などを行なうための横長の照明装置34,35,34が左右に隣接して設けられている。
また、表示窓31の左右両側には報知や演出などを行なうための演出用パネル61が設けられ、右側の演出用パネル61には演出ボタン62が設けられている。演出ボタン62は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで例えば表示窓32を通して見える画像表示装置に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。例えば、演出ボタン62の操作に連動して画像表示装置に表示される演出画像を選択することができる。なお、演出ボタン62の配置は、これに限定されるものではなく、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
さらに、上扉30の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置37が設けられている。
また、上扉30は、筐体1内に設けられた前記交換ユニットにヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体1にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
なお、このスロットマシンMは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、遊技店における機種の交換時に、上扉30が回動自在に取り付けられた交換ユニットを交換するようになっており、機種の交換時に筐体1、下扉40および筐体1内の電源ユニットやホッパー装置150(図2参照)等は、遊技店の島設備に取り付けられたままで、交換されないようになっている。また、スロットマシンMは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。この場合に、前扉3を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。また、上扉30と下扉40とに分ける場合に、上扉30を、筐体1の側板にヒンジを介して回動自在に取り付けてもよい。
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
また、下扉40の下部には、スロットマシンMの内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、下扉40の上部にはスロットマシンMを操作するための操作部50が設けられており、この操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。また、この液晶表示パネル45の左右両側にはそれぞれ報知や演出などを行なうための照明装置33dが設けられている。
操作部50には、メダルを払い出す精算処理を指示するための精算操作部としての精算ボタン52が設けられる。この場合、精算ボタン52の操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。すなわち、本実施の形態における精算ボタン52の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ここで、ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合の精算ボタン52の操作による精算パターンとしては、例えば、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンや、1回目の精算ボタン52の操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの清算後の2回目の精算ボタン52の操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンなどを挙げることができる。
また、操作部50には、さらに、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個の回転リールそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン:ベット操作部)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための操作盤57や、表示ユニット58も設けられている。操作盤57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、操作盤57は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
MAXベットボタン56は、上方を向くように配置されており、上方から下方に向かって押し込まれるように形成されている。MAXベットボタン56を動作させるために必要な力(以下、操作力という)は、約1.0Nとなっている。また、MAXベットボタン56は、押圧部と弾性部材とを備えている。押圧部は、遊技者の指等によって押し込み操作される部材であり、樹脂等で形成されている。また、押圧部は、弾性部材によって上方に付勢されている。弾性部材は、押圧部を付勢するとともに、押圧部が押し込み操作された場合には付勢力に抗して弾性変形するように形成されている部材であり、ばね等が用いられている。
また、ストップボタン54は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。ストップボタン54の操作力は、約0.7Nとなっている。すなわち、ストップボタン54の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも小さくなっている。
また、前述した演出ボタン62は、前方を向くように配置されており、前方から後方に向かって押し込まれるように形成されている。演出ボタン62の操作力は、MAXベットボタン56の操作力よりも大きいか、あるいは同等のものとなっている。演出ボタン62の操作力は、例えば、約3.0Nとなっている。
また、ストップボタン54および演出ボタン62は、MAXベットボタン56と同様に、押圧部と弾性部材とを備えており、ストップボタン54および演出ボタン62の押圧部は、弾性部材によって前方に付勢されている。
また、既述のとおり、MAXベットボタン56の操作力は約1.0Nとなっている。すなわち、押圧部を押し込んで弾性部材を弾性変形させ、MAXベットボタン56が備えるセンサからスイッチON信号(ボタンが押された旨の信号)が出力される位置まで押圧部を移動させるのに必要な荷重(センサ検知荷重)が約1.0Nとなっている。なお、本実施の形態の遊技機においては、センサには、フォトセンサが用いられているが、押圧部の押し込みを検知できるものであればその他のセンサを用いてもよい。フォトセンサは、例えば、押圧部の押し込みによって動く検出物体によって、発光素子から受光素子に向かう光が変化したことを検知すると、スイッチON信号を出力するようになっている。押圧部は、センサ検知荷重より大きな荷重が加えられると、弾性部材を弾性変形させながらさらに移動し、メカストッパーに当接して停止するようになっている。MAXベットボタン56の押圧部の初期位置からメカストッパーに当接するまでの移動距離(フルストローク)は、約2.0mmであり、ONストロークの約2倍となっている。また、MAXベットボタン56の押圧部を初期位置からメカストッパーに当接するまで移動させるために必要な荷重(最大荷重)は、約2.0Nであり、センサ検知荷重(操作力)の約2倍となっている。
ストップボタン54(操作力約0.7N)についても同様の構成となっている。また、ストップボタン54のONストロークは約1.0mmであり、フルストロークはその約2倍の約2.0mmとなっている。また、ストップボタン54のセンサ検知荷重(操作力)は約0.7Nであり、最大荷重はその約2倍の約1.4Nとなっている。
なお、以上の説明で操作力、荷重、ストロークに関して使用される「約」なる用語は、設計誤差や組み付け誤差に伴う±10%程度のばらつきを含む意味である。
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行なうと、回転リールが回転を始め、回転リールの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各回転リールが停止する。そして、すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
また、演出ボタン62は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となる。そして、当該押下操作が有効な状態で、演出ボタン62が押下されると、画像表示装置に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。
上記から明らかなように、ストップボタン54は、遊技毎に回転リールの数に応じた複数個押下する必要がある。このとき、ストップボタン54の操作力が、MAXベットボタン56および演出ボタン62の操作力よりも小さく設定されていることにより、遊技者は、ストップボタン54の操作に関して軽くて心地よい操作フィーリングを得ることができるとともに、テンポよくすべてのストップボタン54を押下することが可能となる。したがって、遊技者は快適に遊技を行なうことが可能となり、遊技性が向上する。また、このように使用頻度の高いストップボタン54の操作力が小さく設定されていることにより、遊技者の疲労の蓄積が軽減され、遊技性が向上する。
また、MAXベットボタン56は、遊技を開始するための操作に用いられることや、上から叩くようにして操作することが可能であることから、強い力で操作されることも多いが、ストップボタン54よりも操作力が大きく設定されていることにより、遊技者は適度に押しごたえのある操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
また、演出ボタン62は、ストップボタン54やMAXベットボタン56よりも操作頻度が低い。また、演出ボタン62は、上記のように遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等で、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となるので、気分が高揚した状態の遊技者によって強い力で操作される傾向がある。このような演出ボタン62の操作力が、ストップボタン54の操作力より大きく、かつMAXベットボタン56の操作力以上となるように設定されているので、遊技者は重くてずっしりとした操作フィーリングを得ることができ、遊技性が向上する。
図2に示すように、スロットマシンMの内部には、遊技に関するコマンドを決定して該コマンドを送信する主制御手段としてのメイン制御基板70と、メイン制御基板70から前記コマンドを受信してその受信したコマンドに対応する処理を実行する副制御手段としてのサブ制御基板72とが設けられている。メイン制御基板70は、MAXベットボタンを含むベットボタン56、スタートレバー53、ストップボタン54、メダル投入口42から投入されるメダルの通過を検知する通過検知センサ89、精算ボタン52等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリールユニット(リール100a,100b,100c)、ホッパー装置150等の出力手段の制御を行なう。また、サブ制御基板72は、メイン制御基板70から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて、表示窓32に対応して上扉30に設けられた前述の液晶表示パネルやその他の液晶表示パネル45を含む画像表示装置の液晶ディスプレイDおよびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行なう。
また、メイン制御基板70とサブ制御基板72とは電気的に接続されており、メイン制御基板70からサブ制御基板72へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板72からメイン制御基板70へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板70やサブ制御基板72等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン制御基板70は、後述するメダルセレクタ92(図2参照)の動作を制御するセレクタ制御手段93と、投入受付手段80と、乱数発生手段81と、当選役抽選を行なって役の当否を決定する当選役抽選手段82と、リールの回転を制御するリール制御手段83と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段84と、遊技状態制御手段85と、各種情報(コマンド信号)を送信するための情報送信手段86と、記憶手段90と、払出制御手段91と、精算制御手段95とを備える。
また、サブ制御基板72は、各種の演出を制御する演出制御手段73と、当選役判定処理を行なう当選役判定手段74と、当選した役が正しくない(エラー)と当選役判定手段74が判定した場合にサブ制御基板72をリセットして初期化する初期化手段75と、演出に関するデータを記憶するサブ側記憶手段76とを備える。
メイン制御基板70の投入受付手段80は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定枚数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行なう。具体的には、メダル投入口42にメダルが投入されると、通過検知センサ89がメダルの通過を検知することに伴って、投入受付手段80が、3枚を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段80は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン56が押下されると、3枚を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、3枚のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー53に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール100a〜100cの回転が開始されるとともに、当選役抽選等の抽選が行われる。
また、メイン制御基板70の投入受付手段80は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口42にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限枚数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン56に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン56が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
メイン制御基板70の乱数発生手段81は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
メイン制御基板70の当選役抽選手段82は、有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて当選役抽選テーブルを用いた当選役抽選を行なう。当選役抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段90のROMに設けられた当選役抽選テーブル記憶領域に複数格納されている。当選役抽選では、乱数発生手段81から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を当選役抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。
メイン制御基板70のリール制御手段83は、メイン制御基板70による制御のもと有効化されたスタートレバー53が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール100a,100b,100cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン54が操作されると、操作されたストップボタン54に対応するリールの停止制御を行なう。
すなわち、リール制御手段83は、ストップボタン54の各ボタンが操作される毎に、第一リール100a〜第三リール100cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行なう。したがって、3つあるストップボタン54の操作順序(打順)によって、第一リール100a〜第三リール100cの停止順序が変化する。
メイン制御基板70の入賞判定手段84は、リール100a〜100cの回転が停止されると作動され、リール100a〜100cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール100a〜100cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段90のROMに記憶されている入賞判定テーブル(図示せず)に照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板70は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。
メイン制御基板70の遊技状態制御手段85は、複数の状態間、例えば、通常状態、CBB成立状態(第1ボーナス成立状態)、CBB状態(第1ボーナス状態)、RBB成立状態(第2ボーナス成立状態)、RBB状態(第2ボーナス状態)、RB1成立状態(特定ボーナス成立状態)、およびRB1状態(特定ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行なう。
メイン制御基板70の情報送信手段86は、当選した役を通知する信号、当該役が当選した当選役抽選時の遊技状態を通知する信号、現在の遊技状態を通知する信号などの他、後述するメダル精算に関連するコマンド信号もサブ制御基板72に送信する。
また、メイン制御基板70の払出制御手段91は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払い出し制御処理を行なう。具体的には、例えば小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払い出し数を決定し、決定された払い出し数に相当するメダルをホッパー装置150に払い出させる制御を行なう。
また、メイン制御基板70のセレクタ制御手段93は、前述したように、後述するメダルセレクタ92の動作を制御するようになっている。具体的には、セレクタ制御手段93は、メダルセレクタ92を構成する前述した通過検知センサ89を含む各種のセンサから信号を受け、メダルセレクタ92を構成するブロッカー99の動作を制御する。なお、セレクタ制御手段93を別個に設けることなく、セレクタ制御手段93が投入受付手段80等によって兼ねられてもよい。
また、メイン制御基板70の精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づいて、貯留されているメダル、すなわち、クレジットおよび/またはベットに設定されているメダルをホッパー装置150を通じて払い出す精算処理の実行を制御する。なお、精算制御手段95は、精算ボタン52の操作に基づく精算処理の実行を制御するだけでなく、後述するように、精算処理の完了後に通過検知センサ89による検知を伴うメダルの受け付けを所定期間にわたって許容しないようにブロッカー99の動作を制御してもよい。そのような制御形態の場合には、ブロッカー99を備えるメダルセレクタ92の動作を制御する前述のセレクタ制御手段93が精算制御手段95によって兼ねられてもよい。
一方、サブ制御基板72の演出制御手段73は、サブ側記憶手段76のROMに設けられた演出データ記憶領域に記憶されている演出データに基づいて、サブ側記憶手段76のRAMと協働して、液晶ディスプレイD、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御し、演出を行なう。具体的には、メダルの投入やベットボタン56、精算ボタン52、スタートレバー53、ストップボタン54に対する操作、遊技状態の変動等に応じて、液晶ディスプレイDの表示内容を変化させたり、スピーカ14から音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行なう。特に、本実施の形態において、演出制御手段73は、後述するように、精算ボタン52の操作に基づいて、具体的には後述する精算実行中状態および精算終了中状態において、それらの状態を報知する演出音、演出光、および、演出画像を出力するべく、液晶ディスプレイD(45)、スピーカ14、および、照明装置33d,34,35,37等の演出用の装置を制御するようになっている。
図1で示したように、スロットマシンMにおける演出用パネル61には、演出に用いられる演出操作部(演出に関する操作に用いられる第1の演出操作部)としての演出ボタン62が設けられている。この演出ボタン62は、例えば操作部50等に設けられていてもよい。また、演出ボタン62の押圧部は、円形状に限らず、四角形状等であってもよい。また、本実施の形態では、演出操作部を演出ボタン62としているが、演出操作部を、例えば、傾動操作が可能なレバーや、タッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル、物体による遮光等を検出可能な光電センサ等としてもよい。
以下、3停止とは、その遊技で、ストップボタン54のうちいずれか2つのストップボタンが押下操作された状態において、ストップボタン54のうちいずれか有効なボタンを押下する操作をいう。本実施の形態では、例えば、遊技者にとって勝負所等のタイミングである場合、3停止以降に、サブ制御基板72が、演出ボタン62を、押下操作を受け付け可能な状態(すなわち押下操作が有効化された状態)とする。このとき、サブ制御基板72は、その旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を点灯させる。
また、以下、図1で示した操作盤57を、演出設定操作部(演出に関する操作に用いられる第2の演出操作部)としての十字ボタン57とする。十字ボタン57は、演出の設定を含む操作に用いられる。演出の設定としては、例えば、音量の調整、キャラクターの選択等がある。
十字ボタン57は、少なくとも、中央に配置されたメインボタンと、メインボタンの周囲に配置された選択ボタン(方向操作ボタン)とを備えている。選択ボタンには、上ボタン、左ボタン、下ボタンおよび右ボタンがある。なお、選択ボタンは、複数からなるもの(上下左右が独立しているもの)であっても、一体となっているものでもよい。また、演出設定操作部は、十字ボタン(十字キー)に限らず、例えば、少なくとも2つのボタンを備えたものや、メインボタンとジョグダイヤルとを備えたもの、あるいはタッチ(指等の接触)を検出可能なタッチパネル等であってもよい。非遊技中に、十字ボタン57(例えばメインボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、メニュー画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、メニュー画面突入ボタンとしての機能を果たす。また、非遊技中に、十字ボタン57(例えば左右ボタン)が押下されると、サブ制御基板72は、音量変更画面を液晶ディスプレイDに表示する。換言すると、十字ボタン57は、音量変更画面突入ボタンとしての機能を果たす。
なお、メニュー画面からは、演出態様の設定(例えば、演出にメインで登場するキャラクターの設定や、役またはボーナス等の当選の報知態様の設定)、遊技履歴の参照やユーザー端末(遊技者のスマートフォン等)への転送、役の表示態様の確認等が可能となっている。また、メニュー画面から音量の設定や照明装置の発光強度の設定等が可能となっていてもよい。すなわち、メニュー画面が音量変更画面を兼ねていてもよい。
メイン制御基板70は、精算ボタン52が押下操作されたことを検出すると、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始(実行)する。
サブ制御基板(制御手段)72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信すると、精算処理(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し)の実行を報知する。サブ制御基板72は、精算処理の実行の報知として、精算中である旨を報知する画面(以下、精算中報知画面という)を液晶ディスプレイDに表示するとともに、精算中である旨を報知する演出音(以下、精算中報知音という:例えば効果音やブザー音)を、スピーカ14を介して出力する。また、サブ制御基板72は、精算中である旨を報知する演出光(以下、精算中ランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
メイン制御基板70は、精算処理が終了すると、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算処理の実行の報知を停止し、精算処理の完了(精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了)の報知を行う。サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算処理の完了を報知する演出音(以下、精算完了音声という)を、スピーカ14を介して出力する。精算完了音声としては、例えば「精算しました」というものがある。なお、本実施の形態では、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知として、精算中報知画面の表示および精算中ランプの点灯を行う。精算処理の完了の報知をしている間の画面(精算の完了を示す画面)は、精算中の画面(精算中を示す画面)と同じものであっても異なるものであってもよい。
以下、精算処理の実行が報知されている間(期間)を「精算報知中」という。精算報知中は、サブ制御基板72が、精算開始コマンドを受信してから精算終了コマンドを受信するまでの間を指す。この精算報知中は、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出し中ともいえる。
また、精算ボタン52の操作に基づく遊技媒体の払い出しの完了が報知されている間、すなわち精算処理の完了が報知されている間(期間)を「精算完了報知中」という。精算完了報知中は、精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間を指す。なお、精算完了報知中には、精算処理終了後(サブ制御基板72が精算終了コマンドを受信した後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力されるまでの間も含まれる。
次に、図3に示すタイミングチャートを用いて、精算処理が行われている間およびその前後における処理の構成例を説明する。以下、演出ボタン62、十字ボタン57、精算ボタン52等の「押下操作」を単に「押下」または「操作」ということがある。
(A5、A6)3停止以降、サブ制御基板72は、演出ボタン62を、押下を受け付け可能な状態(すなわち操作が有効な状態)とし、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面(操作指示画面)を液晶ディスプレイDに表示する。このときの演出ボタン62の押下は、演出を進行させる契機となるもので、演出ボタン62が押下されると、遊技の結果が遊技者に報知される。具体的には、例えばボーナスの当選(いわゆる疑似ボーナス(AT演出状態への移行)の当選も含む))を期待させる演出中、すなわち遊技者にとって有利な状態に移行することを期待させる演出中に、演出ボタン62の押下が有効となり操作指示画面が表示され、演出ボタン62が押下されると、有利な状態に移行するか否かが報知される。
(A4)このタイミングチャートの開始時点は遊技中であるため、十字ボタン57は無効となっている。
(A1、A2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理(払出処理)を開始する。
(A2、A3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(A4)サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中に、十字ボタン57の操作を無効とする。すなわち、サブ制御基板72は、精算報知中および精算完了報知中は、十字ボタン57が押下されても、当該押下を受け付けないように制御する。換言すると、精算報知中および精算完了報知中に十字ボタン57を押下しても、液晶ディスプレイDにはメニュー画面や音量変更画面は表示されない(メニュー画面や音量変更画面に移行しない)。サブ制御基板72は、精算完了音声の出力(精算完了報知中)の終了に伴い、十字ボタン57の操作を有効とする。
このように、精算報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の実行の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算中であることを把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算中を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算中であることが把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の実行の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算報知中にメニュー画面が開くと、精算報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
また、精算完了報知中に十字ボタン57の操作を無効とすることで、精算処理の完了の報知が、十字ボタン57の操作によって遮られ(妨げられ)精算完了の報知を把握できなくなることや、例えば、メニュー画面と精算の完了を示す画面とが同時に表示され、メニュー画面は情報量(文字数)が多いことから、精算完了を示す画面が把握しにくくなるという問題が回避される。これにより、遊技者は確実に精算処理の完了の報知を把握でき、遊技者による誤認(例えば精算が中断されたかのように認識することを含む)を防止できる。また、精算完了報知中にメニュー画面が開くと、精算完了報知中であることが周囲にわかりにくくなってしまい、これを利用した不正等が行われる虞があるが、そのような問題を回避することができる。
(A5、A6)精算ボタン52が押下され、精算報知中および精算完了報知中となっても、サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示しつつ、演出ボタン62を有効のままとする。換言すると、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に演出ボタン62が押下された場合、当該押下を受け付ける。また、精算完了報知が終了した後も演出ボタン62は有効となっている。すなわち、3停止を契機として演出ボタン62が有効化されると、精算処理に移行し精算が終了しても、演出ボタン62の有効化が解除されないようになっている。
なお、精算報知中または精算完了報知中において演出ボタン62が押下された場合、演出が進行するが、この間も、液晶ディスプレイDには、精算の実行中あるいは精算の完了を報知する表示がなされる。このとき、精算に係る表示を優先し、精算に係る表示によって、遊技に係る演出の一部が隠された状態となる。
このように、演出ボタン62の操作については精算報知中に無効とせずに有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算中を示すが画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
また、精算完了報知中に演出ボタン62の操作を無効とせず有効とすることで、遊技者は演出ボタン62を押下して演出を進めることができる。このため、遊技者は、精算完了報知中に演出ボタン62を押下できないことによる不満を抱くことがない。例えば、演出ボタン62の押下指示画面が表示されている場合、遊技者は演出ボタン62を押下し、遊技の結果を見てから席を立ちたいと思うこともあるが、精算完了報知中であっても演出ボタン62が有効となっていることで、精算完了報知中に演出を進め、結果を見てから席を立つということがスムーズに行えるようになる。なお、押下指示画面は、メニュー画面のように情報量(文字数)が多いものではないため、精算完了を示す画面と同時に表示しても遊技者が誤認することはない。
なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中において、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を消灯させている。すなわち、演出ボタン62を点灯させ、操作の有効を積極的には報知はしないが、押下された場合にはその押下を受け付けるようになっている。このようにすることで、基本的には精算報知中または精算完了報知中に演出を進めさせることを推奨しないが、仮に演出ボタン62を押下された場合には、遊技者の意思を優先し、演出を進めることが可能となる。なお、サブ制御基板72は、精算報知中または精算完了報知中に、演出ボタン62の操作を有効としつつ、演出ボタン62を点灯させてもよい。
図3では、演出ボタン62が押下されていない状態で精算ボタン52が押下された場合を示した。図4では、3停止以降に、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合の構成例について説明する。
(B4、B5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(B6、B7、B8)有効化された演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく(対応する)液晶演出および音声演出の出力を開始する。具体的には、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出画像を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62の押下に基づく音声演出(BGM、セリフ、効果音等)を、スピーカ14を介して出力する。なお、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく演出光を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力してもよい。
(B1、B2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(B1、B7、B8)演出ボタン62の押下に基づく液晶演出および音声演出の出力中に、精算ボタン52が押下されると、サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、音声演出の出力を停止する。ただし、サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信しても、液晶演出の出力は停止しない(継続する)。
(B2、B3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(B8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出(演出ボタン62の押下に基づく音声演出)の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出の出力中に精算開始コマンドを受信すると、音声演出を実行しているが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、再び音声演出の音を出力するように制御する。これは、音声演出が飛ぶようになっているともいえる。
このように、演出ボタン62の押下に基づく音声演出が出力されている際に精算処理が実行された場合、音声演出の出力を停止し、精算に関する報知(精算中報知音および精算完了音声)の出力を優先させることで、遊技者は音を介して精算処理が実行されていることを把握できる。ただし、精算中報知音および精算完了音声が出力されている間であっても、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出は継続されるため、遊技者は、視覚的に演出が進行していることを把握できる。
図4では、有効となった演出ボタン62が押下され、演出ボタン62の押下に基づく演出が実行されている間に、精算ボタン52が押下された場合を示した。図9では、先に精算ボタン52が押下され、精算処理が実行されている間に演出ボタン62が押下された場合を示す。
(G4、G5)サブ制御基板72は、演出ボタン62を押下可能である旨を示す画面を液晶ディスプレイDに表示するとともに、演出ボタン62を有効とする。
(G1、G2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(G6、G7、G8)精算処理が実行されている間に、有効状態の演出ボタン62が押下されると、サブ制御基板72は、その旨の情報(信号)の受信に基づき、演出ボタン62の押下に基づく液晶演出の出力を開始する。このとき、サブ制御基板72は、演出ボタン62の押下に基づく音声演出を出力しない。この「音声演出を出力しない」は「音声演出の出力を停止する」に含まれる。換言すると、サブ制御基板72は、精算に関する報知(精算報知中および精算完了報知中)を実行している間に、演出ボタン62が押下された旨の情報(信号)を受信しても、音声演出を出力しない。すなわち、精算に関する報知を演出ボタン62の押下に基づく音声演出よりも優先させる。
(G2、G3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(G8)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力の終了に伴い(精算完了音声の出力の終了を待って)、音声演出の出力を開始する。なお、サブ制御基板72は、音声演出の出力を停止している間、音を外部に出力せずに、精算完了音声の出力の裏(精算完了音声の裏のレイヤ)では音声演出を実行している。すなわち、サブ制御基板72は、精算に関する報知を実行している間、演出ボタン62が押下された旨の信号を受信しても、精算完了音声の出力が終了するまでは音声演出を実行するが音は出力しない状態とし、精算完了音声の出力が終了すると、音声演出の音を出力するように制御する。
なお、図4および図9の例において、精算完了音声を音声演出の音声に「優先させる」には、音声演出の音声を無音にする場合だけでなく、音声演出の音声を精算完了音声に比べ小さくして出力(流す)ことが含まれる。
次に、「精算中」にエラーが発生した場合について説明する。
まず、メイン制御基板70が検出(検知)する各エラーについて説明する。なお、図示は省略しているが、メイン制御基板70は、エラー検出手段とエラー管理手段とを備えている。エラー検出手段は、各種センサの信号状態等に基づいて、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、バックアップエラー、ドア開放エラー、投入異常エラー、表示判定異常エラー、RAM異常エラー、設定値異常エラーを検出する。
(1)逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するエラーである。
(2)エンプティエラーは、ホッパー装置150に貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサの信号状態がオフ状態(払い出されるメダルが検知されていない状態)で一定期間(約2100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(3)払出詰まりエラーは、ホッパー装置150において払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態(払い出されるメダルが検知されている状態)で一定期間(約172ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(4)払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するエラーである。具体的には、メダルの払い出しが行われていない状況において、払出センサ(払出メダルスイッチ)の信号状態がオン状態で一定期間(約6ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(5)オーバーエラーは、キャッシュボックスに貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するエラーである。具体的には、オーバーフローセンサの信号状態がオン状態(余剰メダルが所定量を超えたこと示す信号状態)で一定期間(約100ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(6)滞留エラーは、メダルセレクタ92内でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、投入検知センサ130の下流であり、ブロッカー99よりも上流にある第一メダル通過センサまたは第二メダル通過センサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知していることを示す信号状態)で一定期間(約113ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(7)バックアップエラーは、RWMのバックアップに不具合が生じたことに起因するエラーである。具体的には、電源投入時において、RWMのバックアップ異常を検出した場合に検出されるエラーである。あるいは、電源投入時において、スタックポインタの保存値が特定の範囲でない場合に検出されるエラーである。
(8)ドア開放エラーは、下扉40(前扉3)が開いていることに起因するエラーである。具体的には、下扉40が開くことによって作動するドア開閉スイッチの信号状態がオン状態(下扉40が開いていることを示す信号状態)で一定期間(約48ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(9)投入異常エラーは、ブロッカー99を作動させてメダルシュートへの流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずに、メダルが正規の流路(ここではメダル払出口に返却される流路)とは異なる流路を通過していることに起因するエラーである。具体的には、ブロッカー99の作動後に第二メダル通過センサによってメダルセレクタ92を通過してメダルシュートへ向かって流れるメダルを検知した場合に検出されるエラーである。本実施形態の遊技機では、ブロッカー99が閉塞してから一定期間(約250ms)以上経過後に、第二メダル通過センサがON状態となった場合に、エラーを検出する。
また、投入異常エラーには、シュートエラーがある。シュートエラーは、メダルセレクタ92を通過したメダルの数とメダルシュートを通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたことに起因するエラーである。具体的には、投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過するまでの間に、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定範囲に収まっていない場合、または投入されたメダルが第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過してから一定期間を経過した時点において、第一メダル通過センサおよび第二メダル通過センサを正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサの信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定数以上となった場合に検出されるエラーである。
また、投入異常エラーには投入検知エラーがある。投入検知エラーは、メダル投入口42付近でメダルが詰まっていることに起因するエラーである。具体的には、メダルセレクタ92内の投入検知センサ130がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)で一定期間(約602ms)以上継続した場合に検出されるエラーである。
(10)表示判定異常エラーは、当選役でない図柄が表示された場合に検出されるエラーである。
(11)RAM異常エラーは、RAMの読み書きが正常に行われなかった場合に検出されるエラーである。
(12)設定値異常エラーは、内部抽選時において、設定値が許容範囲外の場合に検出されるエラーである。
各エラーには、図5に示すように、エラーの種類に応じてE1〜ECまでのエラーコードが割り当てられている。エラー管理手段は、エラー検出手段によってエラーが検出されると、検出されたエラーを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(図1の表示ユニット58)を介して報知する処理を実行する。具体的には、エラー管理手段は、検出されたエラーの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードを、液晶ディスプレイDやメイン表示器(図1の表示ユニット58)に表示させる。
また、エラー管理手段は、所定の解除操作(エラー解除操作)が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。所定の解除操作(エラー解除操作)としては、例えば、ドアキーシリンダにドアキーを挿入し、ドアキーを反時計回りに回転させる(捻る)という操作と、設定変更ボタンを押下するという操作とがある。図5に示すように、エラーの種類(エラーコードE1〜EC)ごとに、エラー解除操作が設定されている。エラー管理手段は、エラー解除操作によって設定変更ボタンまたはドアセンサから信号が入力されると、エラー解除操作が行われたと判断し、エラー検出フラグやタイマの計時情報等のエラーに関連する情報をクリア(消去)する解除処理を行う。
メイン制御基板70は、エラーを検出すると、エラーが発生した旨を示すコマンド(エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。サブ制御基板72は、エラーコマンドを主制御装置70から受信すると、エラーの発生内容に対応する画像(以下、エラー画面という)を液晶ディスプレイDに表示する制御や、エラー発生に対応する警告音(以下、エラー音という)を、スピーカ14を介して出力する制御等を行う。
図6に示すタイミングチャートを用いて、精算報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。なお、以下ではエラーとして逆流エラーが発生した場合について説明するが、他のエラーであってもよい。
(C1、C2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(C4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると(逆流エラーの条件を満たすと)、逆流エラーが発生した旨を示すコマンド(逆流エラーコマンド)をサブ制御基板72に送信する。
(C2、C5)サブ制御基板72は、精算開始コマンドを受信し、かつ、エラーコマンド(逆流エラーコマンド)を受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しない。
サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理を実行する。サブ制御基板72は、逆流エラーコマンドの受信に基づく処理として、逆流エラーの報知を行う。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知として、逆流エラーに対応する画面(逆流エラー画面)を液晶ディスプレイDに表示し、逆流エラーに対応する警告音(エラー音)を、スピーカ14を介して出力し、エラー中である旨を報知する演出光(以下、エラーランプという:例えば赤色)を、照明装置33d、34,35,37のうちの少なくとも1つを通じて出力(点灯)する。
このようにサブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信しても、エラーコマンドを先に受信している場合には、当該エラーコマンドに基づく処理(エラー報知)を優先して行う。そして、以下に示すように、サブ制御基板72は、エラーが解除されてから、精算終了コマンドに基づく処理(精算完了音声の出力)を行う。
(C6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作(エラー復帰処理)が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラーが解除された旨を示すコマンド(逆流エラー解除コマンド)をサブ制御基板72に送信する。
(C3、C5)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止するとともに、精算完了音声(「精算しました」)の出力を開始する。サブ制御基板72は、逆流エラーの報知の停止として、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させ、エラー音の出力を停止し、エラーランプを消灯する。なお、サブ制御基板72は、精算完了音声を出力している間(精算完了報知中)に、精算の完了を示す画面を表示させ、その後、通常画面を表示させてもよい。また、サブ制御基板72は、エラーランプを消灯するとともに、精算完了報知中に精算中ランプを点灯させてもよい。その場合、例えば、エラーランプと精算中ランプの点灯パターン(点灯色)が同一である場合には、見た目上の変化はない。
なお、C3、C5、C6について、エラー解除の立上りエッジでエラー報知を停止し、精算完了音声の出力を開始しているが、これらをエラー解除の立下りエッジに基づき行うものとしてもよい。
このように、精算報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算処理が終了するのを待ってからエラーの発生を報知するため、遊技者が、精算が終了したことを確実に把握できる。換言すると、遊技者が、誤認する(例えば精算が中断されたかのような認識を抱くこと)のを防止できる。一方で、エラーの発生の報知を精算完了音声の出力よりは優先させているため、エラー発生からエラーが報知されるまでの時間をより短縮でき、エラーに対して早期に処置を施すことができる。また、精算報知中にエラー発生を報知する構成とする場合には処理が複雑となるが、上述の構成とすれば、そのような処理の複雑化を招くことはない。
なお、精算処理の終了後にエラーの発生を報知し、その後精算完了音声を出力するための処理は、上述の処理に限られない。例えば、上述の例では、サブ制御基板72は、エラーコマンドを受信しても、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信するまでは、エラーコマンドの受信に基づく処理を実行しないこととしたが、精算処理中にエラーが発生した場合、メイン制御基板70は精算処理が終了してから、エラーコマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。また、メイン制御基板70は、エラーの解除後(エラー解除コマンドの送信後)に、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信することとしてもよい。
次に、図7に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中にエラーが発生した場合の処理の構成例を説明する。
(D1、D2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(D7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、液晶ディスプレイDの表示を通常画面から精算中報知画面に移行させる。
(D2、D3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(D4)メイン制御基板70は、逆流エラーを検出すると、逆流エラーコマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D3、D5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、逆流エラーコマンドをメイン制御基板70から受信した場合、当該受信に基づき、精算完了音声(「精算しました」)の出力を停止(キャンセル)して(例えば「精算し」で止めて)、逆流エラーの報知を行う。具体的には、サブ制御基板72は、逆流エラー画面を液晶ディスプレイDに表示し、エラー音を出力し、エラーランプを点灯させる。
(D6)作業者等により、逆流エラーに対応するエラー解除動作が入力(実行)されると、メイン制御基板70は、逆流エラー解除コマンドをサブ制御基板72に送信する。
(D5、D7)サブ制御基板72は、逆流エラー解除コマンドの受信に基づき、逆流エラーの報知を停止し(エラー音の出力を停止して、エラーランプを消灯し)、液晶ディスプレイDの表示をエラー画面から通常画面に移行させる。
(D3)なお、本例では、サブ制御基板72は、エラーから復帰しても(逆流エラー解除コマンドを受信しても)、逆流エラーコマンドの受信に従い停止した精算完了音声の出力を、再開(出力)することはしない。ただし、サブ制御基板72は、エラーの復帰(通常画面への移行)とともに、精算完了音声を出力することとしてもよい。その場合、サブ制御基板72は、停止した箇所からではなくもう一度最初から精算完了音声を出力することとしてもよい。
なお、D5、D6において、エラー解除の立上りエッジでエラー報知が停止するものとしているが、エラー解除の立下りエッジでエラー報知が停止するものとしてもよい。
また、D6、D7において、エラー解除の立下りエッジで通常画面に移行するものとしているが、エラー解除の立上りエッジで通常画面に移行するものとしてもよい。
このように、精算完了報知中にエラー(例えば逆流エラー)が発生した場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、エラーの発生の報知を優先する。すなわち、より優先度(緊急度)の高いエラーの報知が精算完了音声よりも優先して出力される。これにより、エラーに対して早期に対策を施すことができる。すなわち、エラーに対する処理が遅れるのを防止できる。
なお、D3およびD4では、精算完了音声が出力されている間にエラーが発生した場合を示したが、精算処理終了後(精算終了コマンドの受信後)、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前にエラーが発生する場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、エラーの報知を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりもエラーの報知を優先する。
次に、図8に示すタイミングチャートを用いて、精算完了報知中に十字ボタン57が押下された場合の処理の構成例を説明する。
(F1、F2)精算ボタン52が押下されると、メイン制御基板70は、精算開始コマンドをサブ制御基板72に送信するとともに、精算処理を開始する。
(F4、F7)サブ制御基板72は、精算開始コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、遊技中のランプの点灯(例えば白色)を停止し、精算中ランプの点灯(例えば赤色)を開始する。なお、本実施の形態では、精算中ランプの点灯とエラーランプの点灯とは、同パターンとなっている。
(F2、F3)メイン制御基板70は、精算処理の終了に伴い、精算終了コマンドをサブ制御基板72に送信し、サブ制御基板72は、精算終了コマンドをメイン制御基板70から受信したことに基づき、精算完了音声の出力を開始する。
(F3、F5)サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間(すなわち精算完了報知中)に、十字ボタン57が操作(押下)されると当該操作(押下)を受け付ける。本例では、サブ制御基板72は、精算完了報知中(すなわち精算終了コマンドを受信してから精算完了音声の出力が終了するまでの間)に、十字ボタン57の操作を有効な状態としている。そして、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算完了音声の出力を停止する(例えば「精算しま」で止める)。
(F5、F6、F7)また、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報(信号)(コマンド)を受信すると、当該受信に基づき、精算中ランプを消灯して遊技中ランプを点灯させ、液晶ディスプレイDの表示を、精算中報知画面からメニュー画面(なお音量変更画面でもよい)に移行させる。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力を実行している間に、十字ボタン57が押下された旨を示す情報を受信すると、当該受信に基づき、十字ボタン57の押下に基づく処理を行う。
なお、F3およびF5では、精算完了音声が出力されている間に十字ボタン57が押下された場合を示したが、精算処理終了後、精算完了音声の最初の1音(例えば「せ」)が出力される前に十字ボタン57が押下される場合がある。そのような場合でも、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力をせず(出力を停止し)、十字ボタン57の押下に基づく処理を実行する。すなわち、サブ制御基板72は、精算完了音声の出力よりも十字ボタン57の押下に基づく処理を優先する。
また、F5およびF6について、十字ボタン57の立下りエッジでメニュー画面に移行するものとしているが、十字ボタン57の立上りエッジでメニュー画面に移行するようにしてもよい。
このように、精算完了報知中に十字ボタン57が操作された場合、精算完了音声の出力が終了するのを待たずに(精算完了音声の出力の途中でも)、十字ボタン57の操作を受け付け(十字ボタン57の操作が優先され)、当該操作に基づく処理(メニュー画面への移行等)が実行されるため、例えば、遊技者は、精算完了音声を最後まで聞かずにメニュー画面を早く開いて所望の設定を行うことができる。すなわち、精算完了音声の出力が終わるのを待たなければ十字ボタン57を操作できないことによって、遊技者が不満を抱く(ストレスを感じる)のを防止できる。
ここで、図8のF4における破線部Zについて説明する。破線部Zは、本来実行される予定であった精算中ランプの点灯を示している。ここで、仮に、精算完了音声出力中に十字ボタン57が押下されなかった場合を考える。その場合、精算完了音声(「精算しました」)の出力が終了した後であっても、精算中ランプの点灯が一定時間継続するようになっている。換言すると、サブ制御基板72は、精算処理の完了の報知である、精算完了音声の出力および精算中ランプの点灯を行うが、前者(精算完了音声の出力)が終了した後も後者(精算中ランプの点灯)を一定時間継続させる。なお、サブ制御基板72は、画面(液晶ディスプレイD)については、精算完了音声出力の終了とともに通常画面へ移行させている。このように、精算中ランプの点灯を、精算完了音声の出力よりも長くすることで、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことを認識できる。すなわち、精算処理が終わった後、一定時間の間、精算処理が終了したことが周囲に報知されるため、例えば、ホールスタッフ等が認識しやすくなる。
(第2の実施の形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第2の実施の形態について説明する。
図10に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a〜20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a〜20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a〜20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a〜20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機は、第1リール20aの中段と、第2リール20bの上段と、第3リール20cの中段とによって構成される有効ラインと、第1リール20aの中段と、第2リール20bの下段と、第3リール20cの中段とによって構成される有効ラインとの2つの有効ラインを有している。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a〜20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a〜20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図11参照)が設けられている。
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a〜20cが回転を開始し、各リール20a〜20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a〜26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a〜26cが操作されると、操作されたストップボタン26a〜26cに対応する各リール20a〜20cを停止する。
図11に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a〜26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行っても良い。
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a〜20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、非RT状態の一般中状態、非RT状態のRB内部中状態、RT1状態の一般中状態、RT1状態のRB内部中状態およびRB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1〜設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図12に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
図12に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1〜小役43が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「チェリー」「スイカ」、「チャンス」、「ベルH」、「ベルA1」、「ベルA2」、「ベルB1」、「ベルB2」、「ベルC1」、「ベルC2」、「ベルD1」、「ベルD2」、「ベルE1」、「ベルE2」、「ベルF1」、「ベルF2」、「ベルG」、「JAC−A」、「JAC−B」、「1枚A」、「1枚B」、「1枚C」、「1枚D」、「1枚E」、「1枚F」および「1枚G」が用意されている。また、小役1、小役2は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役3〜小役9は入賞すると7枚のメダルが払い出される7枚役となっており、小役10〜小役43は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「ベルA1」、「ベルA2」、「ベルB1」、「ベルB2」、「ベルC1」、「ベルC2」、「ベルD1」、「ベルD2」、「ベルE1」、「ベルE2」、「ベルF1」および「ベルF2」をまとめて当選エリア「打順ベル」と呼ぶこととする。また、以下では、当選エリア「1枚A」、「1枚B」、「1枚C」、「1枚D」、「1枚E」および「1枚F」をまとめて当選エリア「択1枚」と呼ぶこととする。
当選エリア「JAC−A」は、全ての小役(小役1〜43)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「JAC−B」は、複数の1枚役(小役10、11、14〜31、34、36〜43)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チェリー」は、複数の3枚役と複数の1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「スイカ」および「チャンス」は、複数の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベル」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「ベルH」は、複数の7枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「ベルG」は、複数の7枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「択1枚」は、複数の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1〜リプレイ4が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイA」および「リプレイB」が用意されている。
当選エリア「リプレイA」および「リプレイB」は、複数のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、レギュラーボーナス(RB)が用意されている。また、当選エリア「択1枚」および「ベルG」は、レギュラーボーナス(RB)が重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「択1枚」および「ベルG」は、遊技状態が一般中状態の場合には、レギュラーボーナス(RB)が重複して当選する一方、遊技状態がRB内部中状態の場合には、レギュラーボーナス(RB)が重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物を想定しているが、これ以外のボーナス、例えば第一種特別役物に係る役物連続作動装置(ビッグボーナス(RBB))等を用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。例えば、レギュラーボーナス(RB)が単独で当選する当選エリアが設けられていてもよい。
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図12では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「JAC−A」および「JAC−B」は、遊技状態がRB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRB内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「不当選」、「JAC−A」および「JAC−B」以外の当選エリアは、遊技状態が一般中状態またはRB内部中状態の場合に当選し、RB作動中状態では当選しないようになっている。
なお、後述するようにRT状態に応じてリプレイの当選エリアの当選確率は異なるものの、当選し得る当選エリアはRT状態に関わらず同一となっている。
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、一般中状態とRB内部中状態とでリプレイの当選確率が同一となっている。また、RB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRB内部中状態では、RB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選すると、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグの当選状態を、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、レギュラーボーナス(RB)の当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナス(RB)の当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
また、スロットマシン10は、設定1〜設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1〜設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が通常演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a〜20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a〜26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a〜26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a〜第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a〜26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a〜第3リール20cの停止順序が変化する。
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a〜26cの操作順序)について、ストップボタン26a〜26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
ストップボタン26a〜26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a〜20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a〜20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a〜20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a〜20cを停止させる。
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
当選エリア「打順ベル」のそれぞれには、正解打順と不正解打順とが設定されている。具体的には、図13に示すように、当選エリア「打順ベル」のいずれかが当選した場合に、正解打順で操作がされると7枚役が入賞し、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得る(7枚役が入賞しない)ようになっている。また、当選エリア「打順ベル」のそれぞれは、正解打順が1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。なお、図13における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。すなわち、「1枚役(1/2)」という表記は、停止操作のタイミングがランダムであることを前提として、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、図13において、黒字で「1枚役(1/2)」と表記されている部分は、一般中状態とRB内部中状態とで停止制御が変わらない一方、白字で「1枚役(1/2)」と表記されている部分(黒く塗りつぶされている部分)は、一般中状態とRB内部中状態とで停止制御が変わるようになっている。具体的には、白字で「1枚役(1/2)」と表記されている部分(黒く塗りつぶされている部分)は、RB内部中状態では、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす一方、一般中状態では、1/1の確率で1枚役が入賞するようになっている。
当選エリア「打順ベル」のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a〜26cが押下されると、小役4〜9を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a〜26cが押下されると、小役10〜43を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
また、当選エリア「択1枚」のそれぞれには、レギュラーボーナス(RB)を入賞させることが不可能なボーナス回避打順と、レギュラーボーナス(RB)を入賞させることが可能なボーナス入賞打順とが定められている。具体的には、図14に示すように、当選エリア「択1枚」のいずれかが当選した場合に、ボーナス回避打順で操作がされると1枚役が必ず入賞し、ボーナスの入賞が回避されるようになっている。一方、ボーナス入賞打順で操作がされるとボーナスが入賞し得るようになっている。具体的には、ボーナス入賞打順で操作がされると所定の確率(1/2の確率)でレギュラーボーナス(RB)が入賞し、残りの確率(1/2の確率)で1枚役が入賞するようになっている。すなわち、当選エリア「択1枚」の当選時に、ボーナス入賞打順で停止操作がされ、かつ、レギュラーボーナス(RB)が入賞し得るタイミング(ボーナスが入賞となる図柄組合せを構成する図柄が有効ライン上に停止するタイミング)で各停止操作がされるとレギュラーボーナス(RB)が入賞するようになっている。
また、当選エリア「択1枚」のそれぞれは、第1停止操作で操作されるストップボタン26a〜26cに応じて、ボーナス回避打順かボーナス入賞打順かが決まるようになっている。具体的には、当選エリア「1枚A」または当選エリア「1枚B」は、第1リール20aを最初に停止させる押下順序がボーナス回避打順として設定されており、第2リール20bまたは第3リール20cを最初に停止させる押下順序がボーナス入賞打順として設定されている。また、当選エリア「1枚C」または当選エリア「1枚D」は、第2リール20bを最初に停止させる押下順序がボーナス回避打順として設定されており、第1リール20aまたは第3リール20cを最初に停止させる押下順序がボーナス入賞打順として設定されている。また、当選エリア「1枚E」または当選エリア「1枚F」は、第3リール20cを最初に停止させる押下順序がボーナス回避打順として設定されており、第1リール20aまたは第2リール20bを最初に停止させる押下順序がボーナス入賞打順として設定されている。
また、本実施形態の遊技機では、特定の図柄を狙って停止操作を続けるだけではレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避できないようになっている。具体的には、同じ打順がボーナス入賞打順に割り当てられている(換言すると同じ打順がボーナス回避打順に割り当てられている)複数の当選エリア「択1枚」について、各当選エリア「択1枚」のボーナス入賞打順で停止操作をした場合にレギュラーボーナス(RB)が入賞する停止操作のタイミングは異なっており、特定の図柄を狙って停止操作を続けていると、一方の当選エリア「択1枚」の当選時にはレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避できるものの、他方の当選エリア「択1枚」の当選時にはレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避できないようになっている。
なお、図示は省略するが、当選エリア「1枚G」は、いずれの打順で停止操作がされても必ず1枚役が入賞するようになっている。すなわち、当選エリア「1枚G」の当選時には、ボーナスを入賞させることができないようになっている。
入賞判定手段44は、リール20a〜20cの回転が停止されると作動され、リール20a〜20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a〜20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
本実施形態の遊技機では、小役1、2に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役3〜9に入賞すると7枚のメダルが払い出され、小役10〜43に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
遊技状態制御手段49は、図15に示すように、一般中状態(通常状態)、RB内部中状態(ボーナス内部中状態)およびRB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させるとともに、非RT状態(非リプレイタイム状態)とRT1状態(第1リプレイタイム状態:特定遊技状態)との間で遊技状態(RT状態:リプレイタイム状態)を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。具体的には、遊技状態制御手段49は、非RT状態の一般中状態と、非RT状態のRB内部中状態と、RB作動中状態と、RT1状態の一般中状態と、RT1状態のRB内部中状態との間で遊技状態を移行させる。
遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、レギュラーボーナス(RB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RB内部中状態では、レギュラーボーナス(RB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RB作動中状態では、レギュラーボーナス(RB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、非RT状態では、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RT1状態では、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブルであって、非RT状態とはリプレイの当選確率が異なる内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態でかつ非RT状態となっている。
また、一般中状態からはRB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてレギュラーボーナス(RB)が当選した場合に、遊技状態をRB内部中状態へ移行させる。本実施形態の遊技機では、一般中状態における遊技でRB内部中状態へ移行する確率(一般中状態における内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選する確率)は、約1/2に設定されているが、例えば約1/3としてもよく、1/4以上となるように設定してもよい。
RB内部中状態は、内部抽選でレギュラーボーナス(RB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。RB内部中状態では、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまでレギュラーボーナス(RB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRB内部中状態からRB作動中状態へ移行させる。
RB作動中状態は、レギュラーボーナス(RB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、RB作動中状態では、小役の入賞回数と遊技回数とによってRB作動中状態の終了条件が成立したか否かが判断される。具体的には、RB作動中状態における小役の入賞回数が8回に達するか、RB作動中状態における遊技回数が12回に達するとRB作動中状態の終了条件が成立したと判断される。遊技状態制御手段49は、RB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技状態をRB作動中状態から一般中状態へ移行させる。
なお、ボーナス状態の終了条件は、メダルの払出数の合計等によって定められていてもよい。
また、遊技状態制御手段49は、リプレイの抽選態様が異なる非RT状態とRT1状態との間で遊技状態の一部としてのRT状態を移行させる。具体的には、遊技状態制御手段49は、RB作動中状態の終了条件が成立すると、RT状態をRT1状態へ移行させる。換言すると、RB作動中状態が終了することが、RT1状態への移行条件となっている。すなわち、遊技状態制御手段49は、RB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技状態をRT1状態の一般中状態へ移行させる。
RT1状態は、RB作動中状態の終了を契機として移行する遊技状態(RT状態)である。RT1状態からは非RT状態への移行が可能となっている。RT1状態における遊技回数は、記憶手段60のRAMに設けられたRT遊技数カウンタ68によって管理されており、遊技状態制御手段49は、RT1状態において予め定められた回数(ここでは、20回とする)の遊技が行われるとRT状態を非RT状態へ移行させる。具体的には、遊技状態制御手段49は、RT状態がRT1状態に移行する際に、RT1状態の終了条件となる遊技回数に相当する値として「20」をRT遊技数カウンタ68に設定する。また、遊技状態制御手段49は、RT1状態において遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、RT遊技数カウンタ68から一回分の遊技に相当する値「1」を減算するデクリメント処理を行う。そして、RT遊技数カウンタ68の記憶値がしきい値「0」に達すると、RT1状態の終了条件となる回数の遊技が行われたと判断して、RT1状態を終了させて、RT状態を非RT状態へ移行させる。具体的には、RT1状態の一般中状態においてRT遊技数カウンタ68の記憶値がしきい値「0」に達すると、非RT状態の一般中状態へ移行させ、RT1状態のRB内部中状態においてRT遊技数カウンタ68の記憶値がしきい値「0」に達すると、非RT状態のRB内部中状態に移行させる。
なお、RT1状態の終了条件は、所定回数(20回)の遊技の実行でなくてもよく、例えば、ボーナスの当選、ボーナスの入賞、あるいは特定の役の入賞(特定の図柄組合せが有効ライン上に表示されること)等であってもよい。
なお、RT遊技数カウンタ68は、RT1状態に移行したときの値が0で、RT1状態で遊技を行う毎に、一回分の遊技に相当する値「1」が加算されていくものであってもよい。換言すると、RT遊技数カウンタ68の記憶値そのものは、RT1状態において遊技を行った回数を示すものであっても、RT1状態での残りの遊技回数を示すものであってもよく、これらの遊技回数を直接的に示すものでなくてもよい。すなわち、RT遊技数カウンタ68の記憶値は、RT1状態における遊技回数に応じて変動するものであればよい。
なお、RT状態は、非RT状態とRT1状態との他にも設けられていてもよい。また、複数のRT状態どうしで、RT状態に応じて、リプレイの当選確率、抽選対象となるリプレイの種類、または重複して当選するリプレイの組合せの少なくとも1つが異なるようにしてもよい。換言すると、RT状態に応じて、リプレイの抽選態様が異なるようにしてもよい。例えば、一般中状態からRB内部中状態に移行する際に、RT状態を移行させるようにしてもよい。具体的には、非RT状態の一般中状態からRB内部中に移行する際に、リプレイの当選確率を変動させ、RT2状態のRB内部中状態へ移行させることとしてもよい。また、RT1状態の一般中状態からRB内部中状態に移行する際に、リプレイの当選確率を変動させ、RT3状態のRB内部中状態へ移行させることとしてもよい。この場合に、RT1状態とRT3状態とで合計20回の遊技が実行されたときにRT3状態(またはRT1状態)から非RT状態へ移行させることとしてもよい。換言すると、RT3状態では、RT1状態におけるRT遊技数カウンタ68の記憶値を引き継ぎ、RT遊技数カウンタ68に関する処理として、RT1状態と同様の処理を実行することとしてもよい。
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において所定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、当選エリア「打順ベル」が当選した場合に、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13等に実行させるようになっている。
また、指示機能制御手段51は、特別役が入賞し得る場合(特別役が当選した場合)に、特別役の入賞を回避する指示演出を行うか否かを決定する。具体的には、指示機能制御手段51は、特別役としてのレギュラーボーナス(RB)が当選状態に設定され、かつレギュラーボーナス(RB)を入賞させることが可能な状況において、レギュラーボーナス(RB)の入賞の回避を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、当選エリア「択1枚」が当選した場合に、ボーナス回避打順を報知してレギュラーボーナス(RB)の入賞の回避を補助する指示演出(ボーナス回避演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、ボーナス回避演出を液晶ディスプレイ13等に実行させるようになっている。詳しくは後述するが、ボーナス回避演出は、有利区間において当選エリア「択1枚」が当選した場合(レギュラーボーナス(RB)を入賞させることができる場合)には基本的に実行されるようになっているが、AT演出状態の終了後等の所定区間においては実行されないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機においては、所定の当選エリア(当選エリア「択1枚」)の当選時に、ボーナス回避打順で停止操作を行うことでボーナスの入賞が回避されるようになっているが、所定の当選エリアの当選時に所定のタイミングで停止操作を行うことでボーナスの入賞を回避できる構成の場合には、当該所定のタイミングで停止操作を行うことを指示する演出をボーナス回避演出としてもよい。
遊技区間制御手段80は、図16に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。
非有利区間においては、特典付与手段82は、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。本実施形態の遊技機では、非有利区間における遊技で有利区間に移行する確率(有利区間移行抽選に当選する確率)は、ほぼ1/1(例えば99%以上)に設定されている。具体的には、有利区間移行抽選においては内部抽選において取得される乱数値が使用されるが、内部抽選において取りうる乱数値の全範囲「65535」に対して有利区間移行抽選で当選となる範囲(有利区間への移行が決定される範囲)を示す数値である値数が「65531」となっている。すなわち、非有利区間においては、65531/65536の確率で有利区間に移行し、4/65536の確率で有利区間に移行しないようになっている。換言すると、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する確率は、遊技状態が一般中状態からRB内部中状態へ移行する確率よりも高くなっている。有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
なお、非有利区間から有利区間に移行する確率は1/1(100%)に設定されていてもよい。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「−3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
演出状態制御手段81は、図16に示すように、通常演出状態、非AT演出状態、チャンス演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
通常演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に設定している。通常演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を非AT演出状態、チャンス演出状態またはAT演出状態に移行させる。
非AT演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、非AT演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。非AT演出状態においては、特典付与手段82は、チャンス演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、非AT演出状態において所定の役(例えば、当選エリア「チェリー」、「スイカ」、「チャンス」等:以下、これらの当選エリアをレア役と呼ぶ)に当選した場合に、CZ抽選を行う。そして、CZ抽選に基づいてチャンス演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態をチャンス演出状態へ移行させる。
チャンス演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、チャンス演出状態においてレア役に当選した場合に、AT抽選を行う。そして、AT抽選に基づいてAT演出状態への移行が決定されると演出状態制御手段81は演出状態をAT演出状態へ移行させる。具体的には、AT抽選に当選し、演出状態をAT演出状態へ移行することが決定された場合、特典付与手段82は、記憶手段60のRAMに設けられたATセット数カウンタ67の記憶値にAT演出状態の1セットに相当する値「1」を設定し、AT演出状態へ移行する権利を付与する。なお、AT抽選の当選によって付与されるセット数は1セットに限らず2セット以上であってもよく、複数種類のセット数からAT抽選の当選時に選択される等としてもよい。
演出状態制御手段81は、ATセット数カウンタ67の値が「1」以上の場合に、演出状態をAT演出状態に移行させる。また、演出状態制御手段81は、AT演出状態を開始する際に、ATセット数カウンタ67の記憶値から「1」を減算する処理を行う。また、演出状態制御手段81は、AT演出状態を開始する際に、記憶手段60のRAMに設けられたナビ回数カウンタ66に、AT演出状態1セット分の打順ナビの回数に相当する所定値を設定する。なお、ここで設定される打順ナビの回数は複数種類の回数から選択されるものであってもよく、本実施形態の遊技機においては、「10」、「20」、「30」、「50」または「100」の中から所定契機で決定されるようになっている。
また、AT演出状態においては、特典付与手段82は、所定契機で(例えばレア役に当選した場合に)、AT演出状態のセット数を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選結果に基づいてセット数の増加が決定された場合に、所定のセット数に相当する値をATセット数カウンタ67に加算する。
指示機能制御手段51は、AT演出状態において当選エリア「打順ベル」が当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。また、指示機能制御手段51は、打順ナビ演出が実行される毎に、ナビ回数カウンタ66の記憶値から「1」を減算する処理を行う。そして、ナビ回数カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の1セットの終了条件が成立したとして、演出状態制御手段81は、AT演出状態の1セットを終了させる。
演出状態制御手段81は、AT演出状態の1セットの終了条件が成立した場合に、ATセット数カウンタ67の値が「1」以上であれば、演出状態を再度AT演出状態に移行させる。また、演出状態制御手段81は、AT演出状態を再度開始する際に、ATセット数カウンタ67の記憶値から「1」を減算する処理を行う。なお、AT演出状態の1セットが終了してからAT演出状態を再開させる場合に、一度他の演出状態に移行させてからAT演出状態を再開させることとしてもよい。例えば、AT演出状態の1セットの終了後に、メダルの増加数に関する期待値がAT演出状態よりも低い低期待値演出状態で所定回数の遊技を実行させ、その後AT演出状態を再開させることとしてもよい。この場合に、低期待値演出状態においては、打順ナビ演出が行われないこととするか、あるいは打順ナビ演出の発生頻度をAT演出状態よりも低く設定してもよい。
また、演出状態制御手段81は、AT演出状態の1セットの終了条件が成立した場合に、ATセット数カウンタ67の値が「0」であれば、演出状態を再度AT演出状態に移行させることなく、AT演出状態を終了させる。
なお、通常演出状態からチャンス演出状態やAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(非AT演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、チャンス演出状態に移行させるか、非AT演出状態に移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。換言すると、CZ抽選を非AT演出状態以外の演出状態(例えば、通常演出状態)において行ってもよく、AT抽選をチャンス演出状態以外の演出状態(例えば、通常演出状態や非AT演出状態)において行ってもよい。
なお、チャンス演出状態は、AT演出状態への移行確率が通常演出状態や非AT演出状態よりも高く、通常演出状態や非AT演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。また、チャンス演出状態は、打順ナビ演出が行われる頻度がAT演出状態よりも低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。また、非AT演出状態は、打順ナビ演出が行われる頻度がチャンス演出状態よりも低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
また、AT抽選に当選し、チャンス演出状態からAT演出状態に移行する場合等、ある演出状態から他の演出状態に移行する際に、別の演出状態を経由してから移行するようにしてもよい。例えば、AT抽選に当選した場合に、即座にAT演出状態を開始するのではなく、チャンス演出状態からAT演出状態の準備状態(AT準備演出状態)へ移行させ、その後AT演出状態へ移行させるものとしてもよい
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がRB内部中状態である場合にAT演出状態への移行を可能とし、一般中状態やRB作動中状態においてはAT演出状態への移行を不可能としてもよい。換言すると、一般中状態やRB作動中状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がRB内部中状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するRB作動中状態の終了後に一般中状態を経由して再びRB内部中状態に移行するまでの間、AT演出状態を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞すると打順ナビ演出を止め、再びRB内部中状態に移行すると打順ナビ演出を再開させるようにしてもよい。
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、ATセット数カウンタ67の記憶値およびナビ回数カウンタ66の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、当選エリア「打順ベル」が当選すると、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。当選エリア「打順ベル」が当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a〜26cが押下されると必ず7枚役が入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
(遊技価値の獲得性能)
本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)が入賞したことによって移行するRB作動中状態における出玉率(メダルの投入数に対する払出数の比率)の期待値を下げることによって指示演出による(AT演出状態での)メダルの獲得性能を向上させる手法を採用している。
具体的に説明すると、本実施形態では、遊技状態として、規定投入数が同一である一般中状態と、RB内部中状態と、RB作動中状態とが設定可能となっているが、その中で一般中状態とRB内部中状態とでは、小役の抽選態様が同一であり、RB作動中状態では他の遊技状態とは小役の抽選態様が異なっている。これはRB作動中状態が技術上の規格に定められた第一種特別役物が作動している遊技状態であるからであって、それ以外の遊技状態では役物が作動していないため小役の抽選態様を変更することができないことに起因するものである。
そして、本実施形態では、RB作動中状態において7枚役の抽選態様を工夫することで、第一種特別役物が作動している状況であっても出玉率の期待値を低くすることができるようになっている。具体的には、一般中状態およびRB内部中状態では、当選エリア「打順ベル」のそれぞれについて小役4〜小役9の6種類の7枚役が互いに重複せずに当選するように設定する一方で、RB作動中状態では、当選エリア「JAC−A」について6種類の7枚役が重複して当選するように設定している。そして、RB作動中状態における当選エリア「JAC−A」の当選確率を、他の遊技状態における当選エリア「打順ベル」のそれぞれの当選確率よりも高く設定している。一方で、RB作動中状態において当選エリア「JAC−A」に当選する確率を、他の遊技状態において当選エリア「打順ベル」のいずれかに当選する確率よりも低く設定している。これによりRB作動中状態において7枚役を入賞させる機会を他の遊技状態に比べて減少させ、第一種特別役物が作動している状況であっても出玉率の期待値を低くすることができるようになっている。
また、正解打順を報知する打順ナビ演出が実行されなければ遊技者は正解打順を知ることができないため、一般中状態やRB内部中状態であって、AT演出状態ではない状況においては小役4〜9を入賞させることが難しく、メダルの獲得が難しくなっている。一方、RB作動中状態では、当選エリア「JAC−A」の当選時には停止操作の態様に関わらず小役4〜9のいずれかを入賞させることができ、当選エリア「JAC−B」の当選時には停止操作の態様に関わらず小役10〜43のいずれかを入賞させることができるため、AT演出状態ではない場合には、打順を固定して遊技を行った場合でも打順を毎遊技ランダムに選択して遊技を行った場合でも、RB作動中状態の方が一般中状態やRB内部中状態よりもメダル獲得の期待値が高くなっている。しかし、AT演出状態においては、正解打順を報知する打順ナビ演出が行われるので、遊技者は打順ナビ演出に従って停止操作を行えば、高確率でメダルを獲得でき、RB内部中状態かつAT演出状態である場合においてはメダル獲得の期待値が高い遊技を行うことができるようになっている。すなわち、RB内部中状態で、かつAT演出状態である場合には、RB作動中状態よりもメダルの獲得の面で有利な状況となっており、遊技者にRB内部中状態を長期にわたって維持する動機を与えることができるようになっている。
(指示機能に係る処理)
次に、本実施形態の遊技機における指示機能に係る処理について説明する。なお、以下の説明において、「AT演出状態が終了」とは、AT演出状態への移行後、ATセット数カウンタ67の記憶値が「0」となり、演出状態が再度AT演出状態に移行することなく(AT演出状態が継続することなく)、AT演出状態が終了する場合(AT演出状態のセットのループが終了する場合)をいう。なお、本実施形態の遊技機のような設定されたセット数の遊技が実行されると終了するAT演出状態ではなく、設定された回数の遊技が実行されると終了するAT演出状態や、設定された回数の打順ナビが実行されると終了するAT演出状態の場合、設定された回数の遊技や打順ナビが実行されたとき(残り回数が「0」となったとき)を「AT演出状態が終了」という。
本実施形態の遊技機では、有利区間として、第1有利区間、第2有利区間および第3有利区間を含む複数の有利区間が用意されている(図17参照)。遊技区間制御手段80は、非有利区間から有利区間へ移行する際に(有利区間移行抽選に当選した場合に)、そのときの遊技状態に応じて第1有利区間、第2有利区間または第3有利区間のいずれの有利区間に移行させるか決定する。ここで、第1有利区間よりも第2有利区間の方が、第2有利区間よりも第3有利区間の方が遊技者に有利な遊技区間となっている。具体的には、第1有利区間よりも第2有利区間の方が、第2有利区間よりも第3有利区間の方がAT演出状態への移行の確率が高く、メダル獲得の期待値が高い遊技区間となっている。
なお、非有利区間から有利区間へ移行する際に参照する遊技状態(いずれの有利区間に移行させるかを決定するために参照する遊技状態)は、有利区間移行抽選に当選した遊技における遊技状態であってもよく、有利区間において(有利区間に移行後)最初に行われる遊技における遊技状態等であってもよい。
有利区間(第1有利区間、第2有利区間または第3有利区間)においては、有利区間が開始されてからAT演出状態が終了するまでの間(有利区間の終了が先であれば、有利区間が終了するまでの間)、指示機能制御手段51は、ボーナス回避打順を報知する処理を実行する。そして、ボーナス回避打順が報知されている状態においては、当該報知に従ってボーナス回避打順で停止操作を行うことで、レギュラーボーナス(RB)の入賞が回避されるようになっている。また、AT演出状態が終了すると、指示機能制御手段51は、所定期間ボーナス回避打順を報知する処理を行わないようになっている。すなわち、AT演出状態の終了後、所定期間は、ボーナス回避演出が実行されないようになっている。
遊技区間制御手段80は、有利区間へ移行する際の遊技状態が非RT状態の一般中状態であった場合、遊技区間を非有利区間から第1有利区間へ移行させる。また、遊技区間制御手段80は、第1有利区間においてAT演出状態に移行することなく600回の遊技が実行されると(有利区間遊技数カウンタの記憶値がしきい値「600」に達すると)、遊技区間を第1有利区間から非有利区間へ移行させる。
なお、遊技区間制御手段80は、第1有利区間で実行された遊技の回数が600回に達し、かつ遊技状態がRB内部中状態(非RT状態のRB内部中状態)の場合に、遊技区間を第1有利区間から非有利区間へ移行させることとしてもよい。換言すると、遊技区間制御手段80は、第1有利区間で実行された遊技の回数が600回に達した場合であっても、遊技状態がRB内部中状態(非RT状態のRB内部中状態)でない場合には、RB内部中状態(非RT状態のRB内部中状態)に移行するのを待ってから第1有利区間を終了させることとしてもよい。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間へ移行する際の遊技状態が非RT状態のRB内部中状態であった場合、遊技区間を非有利区間から第2有利区間へ移行させる。また、演出状態制御手段81は、第2有利区間においてAT演出状態に移行することなく600回の遊技が実行されると(有利区間遊技数カウンタの記憶値がしきい値「600」に達すると)、演出状態をAT演出状態へ移行させる。換言すると、特典付与手段82は、第2有利区間においてAT抽選に当選することなく600回の遊技が実行された場合に、ATセット数カウンタ67の記憶値にAT演出状態の所定のセット数に相当する値(例えば「1」)を設定する。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間へ移行する際の遊技状態(RT状態)がRT1状態であった場合、遊技区間を非有利区間から第3有利区間へ移行させる。また、演出状態制御手段81は、第3有利区間が開始される際に、演出状態をチャンス演出状態へ移行させる。また、第3有利区間において、演出状態をチャンス演出状態からAT演出状態へ移行させることができなかった場合(AT演出状態への移行条件が成立する前に、チャンス演出状態の終了条件が成立した場合)、指示機能制御手段51は、所定期間、ボーナス回避打順を報知する処理を行わないようになっている。すなわち、第3有利区間においては、AT抽選に当選しなかったチャンス演出状態の終了後、所定期間は、ボーナス回避演出が実行されないようになっている。
前述のように、AT演出状態の終了後はボーナス回避演出が実行されないため、この状態で遊技が続けられるとレギュラーボーナス(RB)が入賞し、遊技状態がRB内部中状態からRB作動中状態に移行するようになっている。このため、AT演出状態が終了し数回の遊技が行われると、遊技区間が有利区間のまま、遊技状態がRB作動中状態となる。そして、さらに数回の遊技が行われRB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技状態がRT1状態の一般中状態となる。
遊技区間制御手段80は、有利区間において、AT演出状態の終了後に遊技状態がRB作動中状態となり、その後遊技状態がRT1状態の一般中状態に移行すると、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、本実施形態の遊技機においては、AT演出状態の終了後のボーナス回避演出が実行されていない状態において、RB作動中状態となり、その後RB作動中状態が終了することが、有利区間の終了条件の1つとなっている。なお、ここでは、遊技状態がRT1状態に移行すると同時に遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させることとするが、非有利区間へ移行させるタイミングは、RT1状態に移行してから所定回数の遊技が実行されてからでもよい。
なお、ボーナス回避演出が実行されている状態においてレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合、遊技状態がRB作動中状態となり、その後RB作動中状態が終了してRT1状態に移行しても、このRT1状態が終了するまで有利区間を終了させないこととしてもよい。
また、第3有利区間におけるチャンス演出状態においてAT演出状態への移行が決定されなかった場合、当該チャンス演出状態の終了後には、ボーナス回避演出が実行されないため、レギュラーボーナス(RB)が入賞し、遊技状態がRB内部中状態からRB作動中状態に移行するようになっている。このため、チャンス演出状態が終了し数回の遊技が行われると、遊技区間が第3有利区間のまま、遊技状態が非RT状態のRB作動中状態となる。そして、さらに数回の遊技が行われRB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技状態がRT1状態の一般中状態となる。そして、さらに20回の遊技が行われRT1状態の終了条件が成立すると、遊技状態が非RT状態の一般中状態あるいは非RT状態のRB内部中状態となる。
遊技区間制御手段80は、第3有利区間において、AT演出状態への移行が決定されなかったチャンス演出状態の終了後に遊技状態がRB作動中状態となり、その後RT1状態の一般中状態に移行し、さらにその後非RT状態に移行すると、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、本実施形態の遊技機においては、第3有利区間におけるチャンス演出状態の終了後のボーナス回避演出が実行されていない状態において、RB作動中状態となり、その後RT1状態が終了することが、有利区間の終了条件の1つとなっている。なお、ここでは、遊技状態(RT状態)が非RT状態に移行すると同時に遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させることとするが、非有利区間へ移行させるタイミングは、非RT状態に移行してから所定回数の遊技が実行されてからでもよい。
次に、遊技者が遊技を行う際の遊技区間の移行に関する基本的な流れについて、図17を参照しながら説明する。
まず、遊技者が遊技を開始する時点においては、遊技区間が非有利区間であり、遊技状態が非RT状態の一般中状態であることとする。遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する確率はほぼ1/1に設定されているため、数回(1、2回)の遊技が行われると、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する。ここで、遊技状態が一般中状態からRB内部中状態へ移行する確率は、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する確率よりも低く設定されているので、このときの遊技状態は非RT状態の一般中状態である可能性が高い。したがって、遊技開始から数回の遊技が行われると、遊技区間が第1有利区間となり、遊技状態が非RT状態の一般中状態となる。
続いて、第1有利区間においてAT演出状態に移行することなく600回の遊技が実行されると、遊技区間が第1有利区間から非有利区間へ移行する。ここで、遊技状態が一般中状態からRB内部中状態へ移行するまでに要する遊技数の期待値は、第1有利区間の終了条件である遊技数600(回)よりも小さいため、第1有利区間が開始されてから終了するまでの間に、遊技状態は一般中状態からRB内部中状態へ移行することとなる。また、RB内部中状態においては、遊技者はボーナス回避演出に従ってRB(レギュラボーナス)の入賞を回避しながら遊技を行うので、一旦RB内部中状態に移行すると、基本的にRB内部中状態で遊技が続けられることとなる。したがって、第1有利区間の終了時において、遊技状態は基本的に非RT状態のRB内部中状態となる。すなわち、第1有利区間において600回の遊技が行われると、遊技区間が非有利区間となり、遊技状態が非RT状態のRB内部中状態となる。
続いて、数回(1、2回)の遊技が行われると、遊技区間が再び非有利区間から有利区間へ移行する。ここで、遊技状態がRB内部中状態からRB作動中状態へ移行する確率は、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する確率よりも低く設定されているので、このときの遊技状態は非RT状態のRB内部中状態である可能性が高い。したがって、第1有利区間から非有利区間に移行し、数回の遊技が行われると遊技区間が第2有利区間となり、遊技状態が非RT状態のRB内部中状態となる。
続いて、第2有利区間においてAT演出状態に移行することなく600回の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。
すなわち、非有利区間かつ非RT状態の一般中状態という初期状態から遊技を開始した場合を考えると、1度もAT演出状態に移行することなく(AT抽選に当選することなく)約1200回の遊技(「非有利区間から第1有利区間に突入するまでの遊技」+「第1有利区間での600回の遊技」+「非有利区間から第2有利区間に突入するまでの遊技」+「第2有利区間での600回の遊技」)が実行されると、AT演出状態が開始されるようになっている。
AT演出状態に突入後、設定されたセット数分の遊技が実行されると、AT演出状態が終了する。AT演出状態の終了後には、ボーナス回避演出が実行されないため、レギュラーボーナス(RB)が入賞し、遊技状態がRB内部中状態からRB作動中状態に移行するようになっている。このため、AT演出状態が終了し数回の遊技が行われると、遊技区間が有利区間のまま、遊技状態が非RT状態のRB作動中状態となる。そして、さらに数回の遊技が行われRB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技区間が非有利区間となり、遊技状態がRT1状態の一般中状態となる(図17(b))。
続いて、非有利区間において数回の遊技が行われると、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する。ここで、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行するまでに要する遊技数の期待値は、RT1状態の終了条件である遊技数20(回)(非有利区間が開始されてからRT1状態の終了条件を満たすまでに要する遊技数の期待値)よりも小さいため、RT1状態が開始されてから終了するまでの間に、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行することとなる。このとき、遊技状態はRT1状態であるため、遊技区間は第3有利区間となる。
第3有利区間の開始時においては、演出状態はチャンス演出状態となる。また、上述の通り、チャンス演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態がAT演出状態に移行する。そして、AT演出状態が終了すると、再びボーナス回避演出が停止されてレギュラーボーナス(RB)が入賞し、その後RB作動中状態の終了条件が成立すると、遊技区間が非有利区間となり、遊技状態がRT1状態の一般中状態となる。すなわち、第3有利区間への移行に伴い開始されるチャンス演出状態においてAT抽選に当選し続ける限り、チャンス演出状態とAT演出状態とが交互に繰り返されることとなる。
ここで、本実施形態の遊技機においては、有利区間においてAT演出状態に滞在している場合、有利区間の終了条件を満たすまで(1500回を超える遊技が行われるまで、あるいは2400枚のメダルが獲得されるまで)に、AT演出状態が終了し、レギュラーボーナス(RB)が入賞し、RB作動中状態の終了条件が成立するように、有利区間の終了条件が近付くと(有利区間において所定回数(例えば1400回)の遊技が行われた時点や、有利区間において所定枚数(例えば2000枚)のメダルが獲得された時点において)AT演出状態を終了させるようになっている。換言すると、本実施形態の遊技機においては、AT演出状態の残り遊技回数が有利区間の残り遊技回数を超える場合(超える可能性が高い場合)には、有利区間が終了するまで(非有利区間が開始するまで)に遊技状態をRT1状態に移行させられるように、有利区間の終了条件を満たす前にボーナス回避演出を停止させるようになっている。
なお、AT演出状態の終了時に、有利区間の終了条件を満たすまで余裕がある場合(有利区間において所定回数(例えば1000回)の遊技がまだ行われていない場合や、有利区間において所定枚数(例えば1500枚)のメダルがまだ獲得されていない場合)には、有利区間を終了させることなく(ボーナス回避演出を停止せずレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避させ続けた状態で)、演出状態をAT演出状態からチャンス演出状態に移行させることとしてもよい。すなわち、前述のように、有利区間を一度終了させた後に、第3有利区間を利用してチャンス演出状態へ復帰させることで、有利区間の終了条件を超える遊技(1500回の遊技や2400枚の払い出しを超える遊技)にわたりAT演出状態とチャンス演出状態とを繰り返すことが可能となるが、有利区間の終了条件を超えない状況においては、有利区間を一度終了させることなく、AT演出状態とチャンス演出状態とを繰り返すこととしてもよい。
また、AT演出状態の終了後、第3有利区間が開始されチャンス演出状態が開始されるまでの間は、演出状態がチャンス待機演出状態となる(図示せず)。ここで、チャンス待機演出状態からはAT演出状態に移行しないか、あるいは移行するとしてもAT演出状態への移行確率がチャンス演出状態よりも低く設定されている。なお、AT演出状態の終了後、有利区間を終了させることなくチャンス演出状態に移行させる場合に、チャンス待機演出状態を介することとしてもよく、介さないこととしてもよい。
なお、第3有利区間への移行に伴い開始される(AT演出状態の終了に基づいて開始される)チャンス演出状態は、上述のチャンス演出状態(図16に示すチャンス演出状態:第1チャンス演出状態)とは異なる演出状態(特別演出状態:第2チャンス演出状態)であってもよい。また、この第2チャンス演出状態を第1チャンス演出状態よりも、AT演出状態への移行確率が高い、遊技者にとってより有利な演出状態としてもよい。このようにすることで、AT演出状態とチャンス演出状態とのループ確率を向上させることができる。
また、第3有利区間の開始に伴い開始される(AT演出状態の終了に基づいて開始される)チャンス演出状態においてAT抽選に当選しなかった場合、ボーナス回避演出が実行されずレギュラーボーナス(RB)が入賞し、その後RB作動中状態の終了条件が成立し、さらにRT1状態の終了条件が成立すると、遊技区間が有利区間から非有利区間へ移行する。すなわち、この場合、非有利区間への移行時に遊技状態(RT状態)が非RT状態となるので、次に有利区間に移行する際には、基本的に第1有利区間または第2有利区間へ移行することとなる。換言すると、第3有利区間の開始に伴い開始される(AT演出状態の終了に基づいて開始される)チャンス演出状態においてAT抽選に当選しなかった場合、AT演出状態とチャンス演出状態との繰り返しループが終了するようになっている。
なお、第3有利区間の開始に伴い開始されるチャンス演出状態においてAT抽選に当選しなかった場合に、有利区間を終了させることなく(ボーナス回避演出を停止せずレギュラーボーナス(RB)の入賞を回避させ続けた状態で)、演出状態をチャンス演出状態か非AT演出状態に移行させ、AT演出状態とチャンス演出状態との繰り返しループを終了させることとしてもよい。この場合、チャンス演出状態を終了させ非AT演出状態に移行させることに伴い有利区間を第3有利区間から第1有利区間に移行させることとしてもよい。換言すると、チャンス演出状態を終了させ非AT演出状態に移行させることに伴い、そこからの滞在している有利区間における遊技回数の上限値(しきい値)を600回に設定し、600回の遊技が実行されると遊技区間を有利区間(第1有利区間)から非有利区間へ移行させるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の遊技機では、遊技区間制御手段80は、有利区間に移行する際の遊技状態を参照して第1有利区間と第2有利区間と第3有利区間とを含む複数の有利区間のうちいずれの有利区間に移行させるか決定する。このため、遊技状態に応じて移行する有利区間の種類を異ならせ、遊技を多様なものとできる他、有利区間の移行と遊技状態の移行とを組み合わせて、複数の有利区間にわたる状態管理を行うことが可能となり、遊技機の設計の自由度を向上させることができる。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間に移行する際の遊技状態が一般中状態である場合に第1有利区間へ移行させ、有利区間に移行する際の遊技状態がRB内部中状態(ボーナス内部中状態)である場合に第2有利区間へ移行させる。ここで、本実施形態の遊技機は、第1有利区間が終了し非有利区間に移行する際に、遊技状態がRB内部中状態となるように処理を実行するので、第1有利区間の終了後に続けて第2有利区間に移行させることが可能となっている。また、第1有利区間においてAT演出状態へ移行することなく600回の遊技が実行されると第1有利区間が終了し、第2有利区間においてAT演出状態へ移行することなく600回の遊技が実行されるとAT演出状態へ移行するようにしたことで、合計約1200回の遊技が実行されるとAT演出状態への移行の権利が付与されるようになっている。すなわち、AT演出状態についてのいわゆる天井を1200回とし、これを2つの有利区間を用いて実現するようになっている。ここで、1200回の天井を1つの有利区間で実現しようとした場合、有利区間での遊技回数は上限が1500回となっているため、AT演出状態では最大でも300回の遊技しか実行できないこととなる。これに対し、本実施形態の遊技機においては、1200回の天井を迎えた時点において、約900回(1500回−600回)の遊技が残ることとなるので、天井までの遊技回数を多くしつつ、AT演出状態が継続する期間(メダルを増加させるための期間)を十分に確保することができる。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間に移行する際の遊技状態がRT1状態(特定遊技状態)である場合に第3有利区間へ移行させる。ここで、本実施形態の遊技機は、AT演出状態の終了後に、遊技状態がRT1状態となり遊技区間が非有利区間となるように処理を行い、この状態において、RT1状態が終了する前に遊技区間が有利区間となるように処理を行うので、AT演出状態の終了後には、第3有利区間に移行して有利区間が新たに開始されるとともに、演出状態がチャンス演出状態に移行するようになっている。このため、チャンス演出状態においてAT抽選に当選し続ける限り、チャンス演出状態とAT演出状態とを無限に繰り返すことが可能となっている。
なお、本実施形態の遊技機においては、非有利区間から有利区間へ移行する際の遊技状態に応じて第1有利区間、第2有利区間または第3有利区間のいずれの有利区間に移行させるか決定するものとしたが、いずれの有利区間に移行するかが遊技状態のみによって決まるものでなくてもよい。例えば、基本的には、上述のとおり遊技状態に応じた有利区間に移行するものとしつつ、レア役の当選に伴い有利区間に移行する場合には、より有利な有利区間に移行し得るようにすることとしてもよい。具体的には、有利区間へ移行する際の遊技状態が非RT状態の一般中状態の場合であっても、第2有利区間に移行し得ることとしてもよく、有利区間へ移行する際の遊技状態が非RT状態のRB内部中状態の場合であっても、第3有利区間に移行し得ることとしてもよい。このとき、遊技状態に基づいて決定される有利区間よりも不利な有利区間には移行しないようにしてもよい。例えば、遊技状態が非RT状態のRB内部中状態である場合に第1有利区間に移行することや、RT状態がRT1状態である場合に第1有利区間や第2有利区間に移行することは無いようにしてもよい。
また、本実施形態の遊技機においては、遊技状態に応じた有利区間への移行において、ボーナスに係る状態よりもRT状態の方が優先されるようになっている。すなわち、本実施形態の遊技機においては、遊技状態がRB内部中状態であれば第2有利区間へ移行し、遊技状態がRT1状態であれば第3有利区間へ移行するようになっているが、遊技状態がRT1状態のRB内部中状態である場合、第3有利区間へ移行するようになっている。換言すると、より有利な有利区間に移行しやすくなっている。ただし、RT状態よりもボーナスに係る状態を優先することとしてもよい。
なお、遊技区間の移行と遊技状態の移行とが同一遊技において発生する場合、遊技区間の移行を先に行うこととしてもよく、遊技状態の移行を先に行うこととしてもよい。例えば、遊技区間が非有利区間、遊技状態が非RT状態の一般中状態であるときの所定の遊技において、有利区間移行抽選の当選とレギュラーボーナス(RB)の当選とが発生した場合に、遊技区間の移行を先に行う場合には第1有利区間へ移行することとなり、遊技状態の移行を先に行う場合には、第2有利区間へ移行することとなる。
なお、以上では、レギュラーボーナス(RB:第一種特別役物)の当選や入賞あるいは終了に基づいて移行する遊技状態に応じて、第1有利区間、第2有利区間または第3有利区間のいずれの有利区間に移行させるか決定することとしたが、このボーナスを例えばビッグボーナス(RBB:第一種特別役物に係る役物連続差動装置)として読み替えてもよい。すなわち、ビッグボーナス(RBB)の当選に基づいて移行するボーナス内部中状態において有利区間へ移行する場合、第2有利区間へ移行させることとし、ビッグボーナス(RBB)の入賞に基づいて移行するボーナス状態の終了に基づいて移行するRT1状態において有利区間へ移行する場合、第3有利区間へ移行させることとしてもよい。
(変形例)
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
第2の実施の形態における複数種類の有利区間は、例えば、以下のようなものであってもよい。すなわち、複数種類の有利区間は、それぞれAT演出状態への移行確率(移行に対する期待度)が異なるものであってもよい。
なお、AT演出状態への移行確率が異なるとは、例えば、AT抽選(通常演出状態や非AT演出状態におけるAT抽選を含む)における当選確率(AT演出状態への移行が決定される確率)が異なるものであってもよく、チャンス演出状態に移行した場合に当該チャンス演出状態で行われるAT抽選における当選確率が異なるものであってもよく、CZ抽選における当選確率(チャンス演出状態への移行が決定される確率)が異なるものであってもよく、これらを組み合わせたもの等であってもよい。
ここでは、遊技機が、AT演出状態への移行確率の異なる複数種類の状態として、移行確率が相対的に低い方から相対的に高い方に向けて、低確、通常、高確および天国の4つの状態を有するものとする。そして、非有利区間から有利区間に移行する際に、第1有利区間に移行する場合には低確となり(なる確率が相対的に高く)、第2有利区間に移行する場合には通常または高確となり(なる確率が相対的に高く)、第3有利区間に移行する場合には天国となる(なる確率が相対的に高い)こととしてもよい。換言すると、第1有利区間よりも第2有利区間の方がAT演出状態に移行する確率が高く、第2有利区間よりも第3有利区間の方がAT演出状態に移行する確率が高いものとしてもよい。
なお、第2有利区間に移行する場合に、通常と高確とのどちらになるかは、抽選等によって決定することとしてもよい。また、第2有利区間中において、通常と高確との間で遷移することとしてもよい。
なお、低確、通常、高確または天国の各状態は、第1有利区間、第2有利区間または第3有利区間の各有利区間が開始されてから終了するまで変動しないこととしてもよく、所定の契機で他の状態に変動することとしてもよい。換言すると、第1有利区間、第2有利区間または第3有利区間のそれぞれが、低確、通常、高確または天国の各状態そのものであってもよい(この場合、第2有利区間は、通常と高確との2種類存在することとなる)。また、第2有利区間に対応する状態が1つ(例えば、通常のみ)しかなくてもよく、第1有利区間または第3有利区間に対応する状態が複数あってもよい。
また、各状態と各有利区間との対応関係を以下のようにしてもよい。すなわち、例えば、非有利区間から有利区間に移行する際に、第1有利区間に移行する場合には通常または高確となり(なる確率が相対的に高く)、第2有利区間に移行する場合には低確となり(なる確率が相対的に高く)、第3有利区間に移行する場合には天国となる(なる確率が相対的に高い)こととしてもよい。換言すると、第2有利区間よりも第1有利区間の方がAT演出状態に移行する確率が高く、第1有利区間よりも第3有利区間の方がAT演出状態に移行する確率が高いものとしてもよい。さらに換言すると、有利区間に移行する際の遊技状態が一般中状態である場合の方が、RB内部中状態である場合に比べて、AT演出状態への移行確率が高くなるようにしてもよい。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。