JP2021152584A - 構造体、並びに該構造体を含む遮音材 - Google Patents

構造体、並びに該構造体を含む遮音材 Download PDF

Info

Publication number
JP2021152584A
JP2021152584A JP2020052746A JP2020052746A JP2021152584A JP 2021152584 A JP2021152584 A JP 2021152584A JP 2020052746 A JP2020052746 A JP 2020052746A JP 2020052746 A JP2020052746 A JP 2020052746A JP 2021152584 A JP2021152584 A JP 2021152584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate portion
resonance
structure according
substrate
direction perpendicular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020052746A
Other languages
English (en)
Inventor
健夫 田中
Takeo Tanaka
健夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2020052746A priority Critical patent/JP2021152584A/ja
Publication of JP2021152584A publication Critical patent/JP2021152584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】界壁に配置可能であり、250Hz帯以下の低周波数領域において高遮音性能を発現する、一体成形可能な音響メタマテリアルから構成される遮音材を提供する。【解決手段】平板状の基板部2と、基板部2と連結し、所定の共振周波数を有する複数の共振部3と、を備える構造体1であって、当該構造体1は、複数の共振部3のそれぞれは、錘部4と、錘部4を基板部2と連結する連結部5とを有している。複数の共振部3のそれぞれは、基板部2に垂直な方向から見た投影図において、共振部3の重心が基板部2と連結部5との接合領域10の外側に位置するように構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、構造体、並びに該構造体を含む遮音材に関する。
プライバシー保護や生活空間の環境向上の観点から、集合住宅の界壁(各住戸の間を仕切る壁)に高い遮音性が求められている。そのための手段として、面密度の大きいコンクリート壁を用いることが第一に考えられるが、建物自体の重量が重くなり、設計、構造、コスト等の制約のために、採用するのが難しい。そこで、中空層の両側に、上階床及び当該階床に取り付けられたランナーに下地としてのスタッドを立て、そこに石膏ボードや珪酸カルシウム板等の内装材を取り付けた二重壁構造が多くの場合に採用されている。
しかし、上記二重壁構造では、中空層が空気ばねとして作用した共鳴現象によって、低周波数領域において遮音性能が低下することが知られている。そこで、低周波数領域の遮音性能を向上させるために、中空層にグラスウール、ロックウール等の吸音材料を充填して、音エネルギーを吸収する方法が採用されている。しかし、空間を広く利用するために壁の厚さに制約があるので、中空層を厚くすることができないために、その充填量には限界がある。また、これらの吸音材の吸音性能は、中高周波数域においては高いが、低周波数域においては低い。従って、吸音材を配置しても、低周波数領域における遮音性能を十分に向上できないという問題がある。
一方、近年、音響メタマテリアルを用いた遮音材に期待が集まっている。ここで、メタマテリアルとは、人工的に設計された、自然界では存在しない特性を有した物質であり、音響メタマテリアルとは、音に対するメタマテリアルのことである。代表的な音響メタマテリアルによって実現できる特性として、負密度、負圧縮率、負密度と負圧縮を同時に満たすことによって実現できる負屈折、大きい屈折率、及び、異方性密度が挙げられる。更に、音響メタマテリアルが、高い遮音性を実現するために重要な禁止周波数域を有することも知られている。
音響メタマテリアルは、特定の周波数で共振する共振子を母材に結合させることで実現できる。上記の共振子の固有周波数の付近に、禁止周波数域が形成され、禁止周波数域内の周波数は、その構造を通過することができない。これによって、特定の周波数域において、質量則を凌駕する高い遮音性が発現する。
例えば、非特許文献1には、周期構造を有した母体に共振構造を付与した音響メタマテリアルが開示されており、これによれば500〜900Hzの範囲では、平坦な樹脂板と比較して、遮音性が向上している。しかし、非特許文献1に記載の音響メタマテリアルを一体成形で作製するためには、3Dプリンターを用いる必要があるため、射出成形や押出成形で作製できる成形品と比較して、生産性及び経済性の点で劣る。また、一体成形ではなく、個別に成型した部品を接着する方法もあるが、接着に時間及びコストがかかるため、一体成形と比較して、生産性及び経済性の点で劣る。
特許文献1には、製造容易な音響メタマテリアルとして、ゴム弾性を有するシート、及び複数の共振部を備えた音響メタマテリアルが開示される。この音響メタマテリアルでは、金型から剥離可能な形状にすることによって、一体成形が可能となり、製造容易である。
特開2019-31898号公報
C. Claeys, E. Deckers, B. Pluymers and W. Desmet, " A lightweight vibro-acoustic metamaterial demonstrator: Numerical and experimental investigation," Mechanical Systems and Signal Processing, Vol. 70-71, 853 (2016).
しかしながら、スペースに制限のある界壁において、特許文献1に開示される音響メタマテリアルを用いて特定の低周波数領域で高遮音性能を発現しようとすると、厚い音響メタマテリアルが必要となるため、界壁に採用することが困難であった。
特に、250Hz帯以下の低周波領域の音波の遮音特性を向上させようとすると、従来の音響メタマテリアルを採用した場合、所定の厚さが求められ、その結果、界壁に採用することが困難な場合があった。
発明者らは鋭意検討の結果、共振子の構造や物性を調整することによって、特定の方向で入射する音波の遮音特性を高めた構造を採用することで、界壁に配置可能であり、且つ、例えば250Hz帯以下のような低周波数領域において高遮音性能を発現し、さらには、容易に成型可能な音響メタマテリアルを見出した。
本発明者等は、上記課題を解決するため、界壁に配置可能であり、且つ、例えば250Hz帯以下のような低周波数領域において、高遮音性を発現し、且つ、容易に成型可能な音響メタマテリアルを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)平板状の基板部と、前記基板部と連結し、所定の共振周波数を有する複数の共振部と、を備える構造体であって、前記複数の共振部のそれぞれは、錘部と、前記錘部を前記基板部と連結する連結部とを有し、前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に垂直な方向から見た投影図において、前記共振部の重心が前記基板部と前記連結部との接合領域の外側に位置するように構成されている、構造体。
(2)所定の周波数の音波を減衰させる反射特性を備え、前記基板部に平行な方向の進行成分を有する第1の音波の反射特性よりも前記基板部に垂直な方向の進行成分を有した第2の音波の反射特性の方が高い、上記(1)の構造体。
(3)前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に垂直な方向の進行成分を有した音波が入射した場合において、前記基板部に垂直な方向に振動したときの最大振幅A1が、前記基板部に平行な方向に振動したときの最大振幅A2よりも大きくなるように構成されている、上記(1)または(2)の構造体。
(4)前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に対して45度の角度の音波が入射した場合において、前記基板部に垂直な方向に振動したときの最大振幅A1が、前記基板部に平行な方向に振動したときの最大振幅A2よりも大きくなるように構成されている、上記(1)から(3)のいずれかの構造体。
(5)前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に垂直な方向から見た投影図において、前記錘部が、前記基板部と前記連結部との接合領域の外領域に位置するように構成されている、上記(1)から(4)のいずれの構造体。
(6)前記連結部のそれぞれは、前記錘部と接合して前記基板部に平行に延在する水平部と、一端が前記水平部と接合するとともに前記基板部と垂直な方向に延在して、他端が前記基板部と接合する垂直部と、を有する、上記(1)から(5)のいずれか構造体。
(7)前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板に水平な第1の方向に沿って一様な形状に形成されている、上記(1)から(6)のいずれかの構造体。
(8)押出成型によって一体成型される、上記(7)の構造体。
(9)前記共振部と前記基板部とは、前記基板部の表面に垂直な方向の寸法が100mm以下であり、且つ、前記基板部の表面に垂直な方向の寸法に占める前記共振部の寸法の割合が、前記基板部の寸法の割合よりも大きい、上記(1)から(8)のいずれかの構造体。
(10)前記共振部のそれぞれにおける、前記基板部に平行な第2の方向の長さをL[mm]としたときに、前記基板部に垂直な線分上における前記共振部の線密度が1/(L・2)[mm−1]以上〜1/L[mm−1]未満である、上記(1)から(9)のいずれかの構造体。
(11)透過損失が質量則から計算される透過損失よりも大きくなる周波数領域を250Hz帯以下に有する、上記(1)から(請求項1から10のいずれか一項に記載の構造体。
(12)樹脂、ゴム、金属、のいずれかにより一体に構成される、上記(1)から(11)のいずれかの構造体。
(13)上記(1)から(12)のいずれかの構造体を含む遮音材。
(14)上記(1)から(12)のいずれかの構造体を含む界壁。
(15)上記(1)から(12)のいずれかの構造体を含む床構造。
本発明によれば、界壁に配置可能であり、且つ、特定の低周波数領域において高遮音性能を発現し、且つ、成型が容易な音響メタマテリアルから構成される遮音材を実現できる。
本発明に係る構造体の一例を示す概略斜視図である。 図1中のZ方向に沿って見た構造体の全体図である。 (A)図1中のZ方向に沿って見た構造体の全体を表す図と、(B)基板部に垂直な方向(図1中のY方向)から見た構造体の投影図である。 実施例1の構造体を示す図である。 有限要素法によって透過損失を算出するための計算モデルを示す図である。 有限要素法によって算出された周波数と透過損失の関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係る構造体の一例を示す模式的な図である。
構造体1は、基板部2と複数の共振部3を有する。共振部3は基板部2の面に結合(本明細書において「結合」とは、基板部2の表面と共振部3が予めあるいは事後的に一体化しているあらゆる状態を意味し、これには、基板部2の表面と接着剤を用いて共振部3が接着されている状態、基板部2の表面と共振部3が溶融によって一体化している状態が含まれる)している。
本実施の形態において、共振部3は、錘部4と、錘部4と基板部2を連結させる連結部5から構成されている。している。
基板部2、共振部3の錘部4、及び共振部3の連結部5は、それぞれ、図1中のZ方向に沿って一様な2次元形状を有している。このような、2次元形状は押し出しにより形成することができる。本実施形態の基板部2は長方形が、錘部4は長方形が、連結部5はL字形が、それぞれ図1中のZ方向に沿って一様な形状である。
基板部2に垂直な方向8(図1中のY方向)から見た投影図(図3参照)において、共振部3は、その重心12が基板部2と連結部5との接合領域10の外側領域11a、もしくはX方向(図1参照)においてこの外側領域11aとは異なる側の外側領域11bに位置するように構成されている。さらには、共振部3は、基板部2に垂直な方向8から見た投影図において、錘部4の投影面が、基板部2と連結部5の接合領域の外領域に位置してもよい。なお、接合領域10は、後述する接合部9が投影図において占める領域をいう。
共振部3は、入射波の振幅を弱める波動を発する。すなわち、構造体1に外部からの信号が入射すると、当該入射波によって構造体1が励振され、基板部2と共振部3とが振動して波動を発する。ここで、特定の周波数を持った入射波では、基板部2からの波動と共振部3からの波動の位相が半波長ずれるため、基板部2と共振部3の発する波動が干渉し合い、打ち消し合う。共振部3の形状や構造を調整することで、干渉による波動の打ち消し合いが生じる特定の周波数、すなわち、遮音したい周波数を調整し、この周波数の入射波の振幅を減衰させることが可能となる。
本実施形態において、構造体1は、所定の周波数の音波を減衰させる反射特性を備え、基板部2に平行な方向の進行成分を有する第1の音波の反射特性よりも基板部2に垂直な方向の進行成分を有した第2の音波の反射特性の方が高くなるように構成されている。すなわち、構造体1は、基板部2に垂直な方向の音波に対する遮音性能が相対的に高くなるように構成されている。このような遮音性能を発揮させるため、構造体1は、上述のように、基板部2に垂直な方向8から見た投影図において、共振部3が、その重心12が基板部2と連結部5との接合領域10の外側領域11a、もしくはX方向においてこの外側領域11aとは異なる側の外側領域11bに位置するように構成されている。
ここで、所定の周波数の音波は、500Hz帯以下の音波であってよい。また、所定の周波数の音波とは、250Hz帯以下の音波であることがより好ましい。
なお、構造体1は、所定の周波数を有し、基板部2に垂直な方向の第1の音波が入射したとき反射特性が、第1の音波と同じ周波数、かつ、同じ音圧レベルを有し、基板部2に平行な方向の第2の音波が入射したときの反射特性よりも高くなるように構成されていてもよい。
構造体1は、さらに、基板部2に垂直な方向の進行成分を含む所定の周波数の音波が入射したとき、共振部3が基板部2に垂直な方向に振動したときの最大振幅A1が、共振部3が基板部2に平行な方向に振動したときの最大振幅A2よりも大きくなるように構成されている。基板部2に垂直な方向の進行成分を含む音波は、所定の低周波領域の音波であってよい。ここで、所定の低周波領域の音波は、500Hz帯以下の音波であってよい。また、所定の低周波領域の音波とは、250Hz帯以下の音波であることがより好ましい。このように、所定の低周波領域の音波が入射したときに、基板部2に垂直な方向の最大振幅が大きくなるような構造を採用することで、構造体1の厚みを抑制しながら、低周波領域の音波の遮音特性に優れた構造体1を実現することができる。
なお、構造体1は、基板部2に対して45度の角度で音波が入射したとき、すなわち、基板部2に垂直な方向の進行成分と基板部2に平行な方向の進行成分とが同じ大きさの音波が入射したとき、共振部3が基板部2に垂直な方向に振動したときの最大振幅A1が、共振部3が基板部2に平行な方向に振動したときの最大振幅A2よりも大きくなるように構成されていてもよい。
共振部3を構成する連結部5は、錘部4と接合して基板部2に平行に延在する水平部6と、一端が水平部6と接合するとともに基板部2と垂直な方向に延在して、他端が基板部2と接合する垂直部7と、を有する。これによって、基板部2の振動方向と共振部3の振動方向を実質的に一致させることができる。その結果、より効果的に入射波の振幅を減衰させることができる。なお、ここで説明したのは連結部5の好適な形態の一例にすぎず、これ以外の形態(例えば、湾曲した部分や傾斜した部分などのような、水平・垂直以外の成分を含む形態)とすることももちろん可能である。
共振部3を構成する連結部5は、錘部4と接合して基板部2に平行に延在する水平部6を持つ。これによって、そのような平行(本実施形態の場合、X方向)に延在する成分がない場合の構造と比較して、錘部4をできる限り基板部2に近づけることができるので、構造体1の厚みを小さくすることができる。
上述のように、共振部3を構成する連結部5は、錘部4と接合して基板部2に平行に延在する水平部6を持つ。これによって、錘部4をできる限り基板部2に近づけることができるので、構造体1の厚み(図1に示すY方向の寸法)を小さくすることができる。一例として、構造体1は、基板部2の表面に垂直な方向(Y方向)の寸法が100mm以下となるように構成できる。また、共振部3の効果を大きくするために、共振部3と基板部2とのY方向の寸法を比較して、共振部3のY方向の寸法が基板部2の高さ寸法よりも大きいことが好ましい。このとき、共振部3のY方向の寸法が、構造体1のY方向の寸法の50%超となることが好ましい。
基板部2の面上に複数個の共振部3を結合する場合、共振部3の位置は、基板部2に対して水平な第1の方向(本実施の形態において図1に示すX方向)に沿って基板部2の面上に周期的に並んでいても、非周期的に並んでいてもよい。また、各共振部3の錘部4の形状、もしくは、サイズは、同じでもよいし、異なっていてもよい。各共振部3の連結部5の形状、もしくは、サイズも同様に、同じでもよいし、異なっていてもよい。
共振部3は基板に水平な第1の方向(本実施形態の場合、図1に示すZ方向)に沿って一様な形状に形成されており、押出成型によって一体成形することが可能である。
共振部3における、基板部2に水平な第2の方向(X方向)の長さ(図2において符号13で表す)をL[mm]としたときに、基板部2に平行な第2の方向(X方向)の線分上
における共振部3の線密度が1/(L・2)[mm−1]以上〜1/L[mm−1]未満であることが、共振部3の効果を大きくする上で好ましい。
共振部3の固有振動数は、共振部3の材料物性と形状によって決定される。また、有限要素法に基づく固有値解析によって予測することができる。固有値解析は有限要素法を用いた構造解析の市販等されている一般的なソフトウエアで利用可能である。有限要素法を用いた構造解析の市販ソフトウエアとしては、Abaqus、Ansys、あるいは、Nastran等が利用できる。更に、形状最適化や位相最適化等の最適化手法と有限要素法を組み合わせることで、固有振動数が特定の周波数範囲に入るように共振部3を設計することができる。
[製造方法]
構造体1は、構造体1の断面形状を有したダイを用いて、押出成形によって、基板部2と共振部3の一体成形が可能である。
ここまで説明したように、本実施形態の構造体1は、基板部2及び共振部3を2次元形状の押出形状にすることによって、製造容易な音響メタマテリアルを用いた遮音材の材料として好適である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
[実施例1]
実施例1は、図4に示すポリアミドから構成される音響メタマテリアルである。ここでは、該音響メタマテリアルの透過損失を有限要素法によって算出した。有限要素法ソフトウエアとしてはAbaqusを採用した。該音響メタマテリアルの構造パラメーター及び物性値を表1に示した。
Figure 2021152584
図5に有限要素法によって透過損失を計算するための計算モデルを示す。構造体1を中央として、構造体1の共振部3が配置された側に、基板部2と垂直な方向に延在する入射側空気層21を配置し、また、構造体1の共振部3が配置されていない側に、基板部2と垂直な方向に延在する透過側空気層22を配置した。このような系において、入射側空気層21から平面音波を入射し、透過側空気層22へ透過する音波の音圧を調べた。なお、音圧の計算に際し、空気による減衰は考慮しなかった。各周波数に対する透過損失TLは、入射音圧及び透過音圧の振幅を用いて式1によって算出した。
Figure 2021152584
ここで、P0[Pa]は入射音圧、Pt[Pa]は透過音圧である。
図6に有限要素法から得られた透過損失を示す。比較のため、該音響メタマテリアルと同じ面密度の剛体板の透過損失も示す。この値は質量則に相当する。質量則では、透過損失は、式2によって算出できる。
Figure 2021152584
ここで、ω[rad/s]は各周波数、m[kg/m2]は剛体板の面密度、ρ[kg/m3]は空気の密度、c[m/s]は空気の音速である。
図6から、250Hz付近で質量則を凌駕する遮音性を発現していることが分かる。
本発明は、産業用車両をはじめとする乗物、住宅をはじめとする建造物、音響機器等を含む各種設備などにおいて好適に利用できる。
1…構造体、2…基板部、3…共振部、4…錘部、5…連結部、6…連結部の水平部、7…連結部の垂直部、8…正面視で見る方向、9…基板部と連結部との接合部、10…正面視における接合領域、11a,11b…正面視における接合領域の外領域、12…共振部の重心、13…共振部の長さ、21…入射側空気層、22…透過側空気層

Claims (15)

  1. 平板状の基板部と、前記基板部と連結し、所定の共振周波数を有する複数の共振部と、を備える構造体であって、
    前記複数の共振部のそれぞれは、錘部と、前記錘部を前記基板部と連結する連結部とを有し、
    前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に垂直な方向から見た投影図において、前記共振部の重心が前記基板部と前記連結部との接合領域の外側に位置するように構成されている、
    構造体。
  2. 所定の周波数の音波を減衰させる反射特性を備え、前記基板部に平行な方向の進行成分を有する第1の音波の反射特性よりも前記基板部に垂直な方向の進行成分を有した第2の音波の反射特性の方が高い、請求項1に記載の構造体。
  3. 前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に垂直な方向の進行成分を有した音波が入射した場合において、前記基板部に垂直な方向に振動したときの最大振幅A1が、前記基板部に平行な方向に振動したときの最大振幅A2よりも大きくなるように構成されている、請求項1または2に記載の構造体。
  4. 前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に対して45度の角度の音波が入射した場合において、前記基板部に垂直な方向に振動したときの最大振幅A1が、前記基板部に平行な方向に振動したときの最大振幅A2よりも大きくなるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の構造体。
  5. 前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板部に垂直な方向から見た投影図において、前記錘部が、前記基板部と前記連結部との接合領域の外領域に位置するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の構造体。
  6. 前記連結部のそれぞれは、前記錘部と接合して前記基板部に平行に延在する水平部と、一端が前記水平部と接合するとともに前記基板部と垂直な方向に延在して、他端が前記基板部と接合する垂直部と、を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の構造体。
  7. 前記複数の共振部のそれぞれは、前記基板に水平な第1の方向に沿って一様な形状に形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の構造体。
  8. 押出成型によって一体成型される、請求項7に記載の構造体。
  9. 前記共振部と前記基板部とは、前記基板部の表面に垂直な方向の寸法が100mm以下であり、且つ、前記基板部の表面に垂直な方向の寸法に占める前記共振部の寸法の割合が、前記基板部の寸法の割合よりも大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載の構造体。
  10. 前記共振部のそれぞれにおける、前記基板部に平行な第2の方向の長さをL[mm]としたときに、前記基板部に垂直な線分上における前記共振部の線密度が1/(L・2)[mm−1]以上〜1/L[mm−1]未満である、請求項1から9のいずれか一項に記載の構造体。
  11. 透過損失が質量則から計算される透過損失よりも大きくなる周波数領域を250Hz帯以下に有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の構造体。
  12. 樹脂、ゴム、金属、のいずれかにより一体に構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の構造体。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の構造体を含む遮音材。
  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載の構造体を含む界壁。
  15. 請求項1から12のいずれか一項に記載の構造体を含む床構造。
JP2020052746A 2020-03-24 2020-03-24 構造体、並びに該構造体を含む遮音材 Pending JP2021152584A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052746A JP2021152584A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 構造体、並びに該構造体を含む遮音材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020052746A JP2021152584A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 構造体、並びに該構造体を含む遮音材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021152584A true JP2021152584A (ja) 2021-09-30

Family

ID=77886497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020052746A Pending JP2021152584A (ja) 2020-03-24 2020-03-24 構造体、並びに該構造体を含む遮音材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021152584A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023227732A1 (de) * 2022-05-27 2023-11-30 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Schallschutzvorrichtung mit vibroakustischen metamaterialien und lärmschutzwand umfassend mindestens eine dieser schallschutzvorrichtung
WO2024057649A1 (ja) * 2022-09-15 2024-03-21 ウシオ電機株式会社 制振構造体、及び制振構造体を組み込んだ装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018028383A (ja) * 2016-08-12 2018-02-22 西川ゴム工業株式会社 制振材
JP2019031898A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 三菱ケミカル株式会社 薄型遮音シート部材、及びこれを用いた遮音構造体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018028383A (ja) * 2016-08-12 2018-02-22 西川ゴム工業株式会社 制振材
JP2019031898A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 三菱ケミカル株式会社 薄型遮音シート部材、及びこれを用いた遮音構造体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023227732A1 (de) * 2022-05-27 2023-11-30 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Schallschutzvorrichtung mit vibroakustischen metamaterialien und lärmschutzwand umfassend mindestens eine dieser schallschutzvorrichtung
WO2024057649A1 (ja) * 2022-09-15 2024-03-21 ウシオ電機株式会社 制振構造体、及び制振構造体を組み込んだ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210237394A1 (en) Acoustic material structure and method for assembling same and acoustic radiation structure
CN108457393B (zh) 消声室用吸声结构体以及包含消声室用吸声结构体的消声室
KR20200069926A (ko) 음향메타 구조의 진동 저감 장치
JP5332495B2 (ja) 吸音構造
JP2021152584A (ja) 構造体、並びに該構造体を含む遮音材
RU2607484C1 (ru) Стеновая шумопоглощающая панель
RU2611649C1 (ru) Звукопоглощающий элемент
RU2578223C1 (ru) Акустический экран кочетова
RU2530287C1 (ru) Акустический экран кочетовых
RU2570693C1 (ru) Многослойная звукоизолирующая конструкция
JP2008203542A (ja) 吸音体
RU2646879C1 (ru) Звукоизолирующий кожух
RU2659925C1 (ru) Способ звукоизоляции
RU2609482C1 (ru) Многослойная комбинированная конструкция кочетова
RU2613992C1 (ru) Стеновая резонансная панель кочетова
RU2643215C1 (ru) Звукопоглощающая конструкция
RU2639217C1 (ru) Способ звукоизоляции
RU2665721C1 (ru) Звукоизолирующее ограждение
RU2648125C1 (ru) Звукоизолирующее ограждение
RU2666705C1 (ru) Глушитель шума многосекционный
RU2651495C1 (ru) Акустическая панель
RU2646256C1 (ru) Акустический экран для производственных помещений
RU2651982C1 (ru) Звукоизолирующее ограждение для технологического оборудования
WO2023021916A1 (ja) 吸音部材及び吸音壁
RU2652845C1 (ru) Звукопоглощающая конструкция

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240502