JP2021151568A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供すること。【解決手段】第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段に第1識別情報を動的表示させる動的表示手段により第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、を有するものであり、第1判定よりも第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、第2判定よりも第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、第1識別情報が動的表示される動的表示期間において第1遊技状態を設定可能とする。よって、遊技者の興趣を向上できる。【選択図】図1

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。
特開2012−217766号公報
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであり、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1また2記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものである。
請求項1記載の遊技機によれば、第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであり、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される演出の流れを示したタイミングチャートである。 (a)は、第1実施形態における大当たり遊技のエンディングの表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における確変中の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態における第1特別図柄の当たり変動開始後に第2特別図柄が非変動であった場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態におけるRUSH中に第2特別図柄が小当たりした場合の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態における第1特別図柄の当たり変動開始後に第2特別図柄が変動中であった場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第1特別図柄の当たり変動中に第2特別図柄が変動を停止した場合の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態におけるRUSH中に、第1特別図柄の変動表示の結果が大当たりAとなった状態の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態におけるRUSH中に、第1特別図柄の変動表示の結果が大当たりC、或いは、大当たりDとなった状態の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態におけるカード忘れ注意喚起画面を示した図であり、(b)〜(d)は第1実施形態におけるカード忘れ注意喚起画面を表示するタイミングを示したタイミングチャートである。 第1実施形態におけるパチンコ機のゲームフローを模式的に示した模式図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、小当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図である。 通常用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、時短・確変用テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、潜確用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 普図変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、停止表示態様選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、追加演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における表示制御装置の電気的構成のブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Eを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される遊技状態更新処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動実行中処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図2外れ変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図2外れ変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動実行中処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図2外れ停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される小当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される小当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2入賞処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド受信処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される状態コマンド処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される残回数更新処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される仮停止関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動再開処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図1用変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図2用変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される各種カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラッシュ突入コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される追加演出コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図87を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図12参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラス16aを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図12参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、アウト口66、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図12参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、外レール62の外周面に沿うように発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37(37A,37B)が配設されている。第1図柄表示装置37(37A,37B)は、主制御装置110(図12参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37(37A,37B)は、球が、第1入球口64(上第1入球口64b1,下第1入球口64b2)へ入球したか、第2入球口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。なお、詳細は図2を参照して後述するが、本実施形態では第1特別図柄の抽選契機として上第1入球口64b1と下第1入球口64b2とを設けている。以降の説明において、上第1入球口64b1と下第1入球口64b2との両方を示す場合には、単に第1入球口64の用語を用いて説明をする。
具体的には、球が第1入球口64へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が第2入球口640へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変状態中か時短状態中か通常状態中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か通常大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるか、或いは小当たり図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R時短大当たり、2R時短大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態である確変状態へ移行する(を設定する)大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変状態へ移行する(を設定する)大当たりのことである。また、「15R時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態である時短状態を、所定の変動回数の間(例えば、50回)設定する大当たりのことであり、「2R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に時短状態が所定の変動回数の間(例えば、50回)設定される大当たりのことである。
また、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップした状態、換言すれば、電動役物64aを開放させ易い遊技の状態のことである。
加えて、「普通図柄の高確率状態」が設定される遊技状態(確変状態、時短状態)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップするだけではなく、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放される時間として、「普通図柄の低確率状態」が設定される遊技状態(潜確状態、通常状態)と比して長い時間が設定される。電動役物64aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物64aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、下第1入球口64b2へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変状態中や時短状態中は、下第1入球口64b2へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変状態中や時短状態中において、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物64aが開放する回数を通常状態中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変状態中や時短状態中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放される時間および1回の当たりで電動役物64aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変状態中や時短状態中において、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物64aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、第2入球口640のいずれかへの球の入球(始動入賞)をトリガ(契機)として、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄(装飾図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67への球の通過をトリガとして普通図柄(第2図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図12参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図12参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
このように、第1図柄表示装置37A,37Bに表示される第1図柄(特別図柄)の動的表示に対応させるように装飾的な第3図柄を動的表示させ、第3図柄の動的表示態様を遊技者に報知するように構成することにより、主制御装置110により動作制御される第1図柄(特別図柄)の動的表示に対して、動的表示期間中の表示態様を統一(例えば、0.1秒単位で点灯、消灯を繰り替えす点滅表示態様)することで主制御装置110の処理負荷を軽減させたとしても、音声ランプ制御装置113にて設定される第3図柄の動的表示態様を例えば、第1図柄(特別図柄)の抽選結果に基づいて可変設定することにより、遊技者に対して特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示唆可能な動的表示態様(第3図柄を用いた演出態様)を第3図柄表示装置81に表示することができる。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に普通図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、下第1入球口64b2に付随された電動役物64aが所定時間だけ作動状態となる(開放状態へと作動される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態として普通図柄の低確率状態(通常状態、潜確状態)の場合よりも、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)の方が短くなるように設定される。これにより、普通図柄の高確率状態中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を普通図柄の低確率状態よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。
よって、確変状態中および時短状態中は、下第1入球口64b2へ球が入賞しやすい遊技状態として設定することができる。なお、本実施形態では、遊技状態として確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、第3図柄の動的表示態様や、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される背景態様として同一の表示態様を設定するようにし、遊技者に対して現在の遊技状態を把握させ難くするように構成している。このように構成することで、遊技者に対して現在の遊技状況を推測させる楽しみを提供することができる。
さらに、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される複数の遊技状態において、第3図柄の動的表示態様や、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される背景態様として同一の表示態様を設定するように構成している。よって、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を統一した場合に、電動役物64aの作動状況によって現在の遊技状態が何であるのかを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、確変状態中または時短状態中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物64aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変状態中または時短状態中に下第1入球口64b2へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間を、確変状態中または時短状態中において通常状態中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物64aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域(右側領域)において遊技盤に組み付けられる。スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は1つに限定されるものではなく、2つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
次いで、本第1実施形態のパチンコ機10の遊技性について簡単に説明をする。本第1実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)および潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)の4つの遊技状態を設けている。そして、潜確状態が遊技者にとって最も有利な遊技状態となるように構成している。
つまり、潜確状態が設定されている場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄の抽選を示すための変動時間が他の遊技状態が設定されている場合よりも短くなるように規定することで、遊技者に有利な抽選を最も効率的に実行することができる。
本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利とするために、第2特別図柄の抽選では、外れの一部で第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが所定期間(1.5秒×1回、0.2秒×6回、または0.06秒×8回)開放される。このため、第2特別図柄の抽選では、大当たりに当選しなくても、球を第1特定入賞口65aへと入球させて賞球を獲得する機会が多く与えられるので、第1特別図柄の抽選よりも有利となる。以降、説明の簡略化のため、第1特定入賞口65aが開放される外れ抽選結果のことを「小当たり」と称する。
第2特別図柄の抽選では大当たりに加え、小当たりとなった場合にも第1特定入賞口65aを開放する構成とすることで、第2特別図柄の変動時間が短い潜確状態において、賞球を増加させ続けることができる。よって、潜確状態となることを期待して遊技を行わせることができる。一般的な遊技機では、確変状態が最も有利な遊技状態となるが、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態の方が有利となるので、斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示される。これにより、大当たりや小当たりの実行中に、他方の変動表示が当たり又は小当たりで確定表示され、大当たりや小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
ここで、図2を参照して、本第1実施形態において遊技領域に設けられた各種構成、及び、遊技領域に向けて発射された球の流れについて説明をする。図2に示した通り、本実施形態の遊技盤13は、遊技領域の中央部に配設された可変表示装置ユニット80によって遊技領域を左側領域と右側領域とに区分けするように構成している。
本実施形態では、操作ハンドル51を初期位置(遊技者が回動させていない状態)から20度回動(時計回りに回転)するまでは、発射された球がファール球防止弁68を通過しない程度の発射強度で球が発射される。従って、発射された球は最終的に外レール62と内レール61との間に形成された発射流路を逆流しファール球となる。この逆流して流下したファール球は、発射流路の開始位置(図2で示す外レール62の左下端部)を通過し、上皿17(図1参照)へと連通するファール球口(図示せず)を流下し、上皿17へと環流される。このように構成することで、遊技者が所望の発射強度で球を発射させるために操作ハンドル51を操作する際にファール球が発生したとしても、そのファール球が発射経路に残留してしまい遊技に支障を来すことを抑制することができる。
次いで、操作ハンドル51の操作量(回動量)が初期位置(遊技者が回動させていない状態)から20〜80度の範囲では、上述した左側領域を流下する程度の発射強度で球が発射され、81度〜120度の範囲(81度〜操作ハンドル51の最大回転量となる120度)では、上述した右側領域を流下する程度の発射強度で球が発射される。
つまり、本実施形態は、操作ハンドル51の操作量に基づいて、即ち、遊技者の操作に基づいて球が流下する領域を異ならせることが可能となるように構成されている。さらに、詳細は後述するが、本第1実施形態では、遊技状態として遊技者に有利となる遊技状態が設定された場合には、左側領域を球が流下するように操作ハンドル51の操作量を調整して行う遊技(以下、左打ち遊技と称す)では無く、右側領域を球が流下するように操作ハンドル51の操作量を調整して行う遊技(以下、右打ち遊技と称す)を行わせるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利となる遊技状態が設定されている間は、遊技者は操作ハンドル51を上限まで回転させた状態(120度回転させた状態)を維持すれば良いことから、遊技者に適切な遊技を容易に行わせることができる。
次に、遊技盤13の左側領域について図2を参照して説明をする。詳細は後述するが、本第1実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄低確率状態:普通図柄低確率状態)、時短状態(特別図柄低確率状態:普通図柄高確率状態)、確変状態(特別図柄高確率状態:普通図柄高確率状態)、潜確状態(特別図柄高確率状態:普通図柄低確率状態)の何れかが設定されるように構成されている。また、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技状態と、特別図柄の抽選結果が小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技状態と、が設定されるように構成されている。
その中で、遊技状態として通常状態、時短状態、確変状態が設定されている場合には、遊技盤13の左側領域に球を流下させる左打ち遊技を行わせるように、可変表示装置ユニット80に設けられた第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技者に遊技方法を案内し、潜確状態が設定されている場合には、遊技盤13の左側領域に球を流下させる右打ち遊技を行わせるように、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技者に遊技方法を案内するように構成している。また、大当たり遊技状態や小当たり遊技状態中は、当たりに当選する前の遊技状態に応じて遊技者の遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を案内するように構成している。
なお、各遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)の案内方法として、例えば、現在の遊技状態に適した遊技方法を常時表示するように構成したり、遊技方法が切り替わる場合にのみ切り替え後の遊技方法を表示するように構成したりしても良い。また、左打ち遊技と右打ち遊技とのうち、長い期間設定され易い遊技方法(本実施形態では左打ち遊技)を通常遊技とし、通常遊技以外の遊技方法(右打ち遊技)を行わせる場合に第3図柄表示装置81の表示画面に遊技方法を常時案内表示し、左打ち遊技を行わせる場合には案内表示を行わないように構成しても良い。
本実施形態のように、遊技者に選択させる遊技方法が2種類の場合においては、一方の遊技方法を案内する表示態様を表示しないことにより、他方の遊技方法を案内することができる。つまり、一の表示態様を表示するか否かによって、複数の遊技方法を案内することが可能となる。なお、本実施形態では、遊技者に遊技方法を案内するために第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様を用いているが、これに限ることは無い。上述したように特定の表示態様を表示しないことにより、遊技者に遊技方法を報知する構成を用いても良いし、音声やランプを用いて遊技者に報知するように構成しても良い。
遊技盤13の左側領域には、スルーゲート67、一般入賞口63が配設されている。また、可変表示装置ユニット80の下方位置には、左側領域を流下した球が入球可能となるように上第1入球口64b1が設けられている。そして、上第1入球口64b1の下方位置には、電動役物64aが付設された下第1入球口64b2が設けられている。この電動役物64aは、スルーゲート67を球が通過したことを契機に実行される普通図柄(第2図柄)抽選にて当たりに当選した場合に、球が下第1入球口64b2に入球困難(不可能)な閉鎖状態(第1状態)から、球が下第1入球口64b2に入球容易(可能)となる開放状態(第2状態)へと可変動作するように構成されている。
上述した通り、本第1実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行可能な状態(特図1の変動が実行されておらず、且つ、大当たり遊技、小当たり遊技が実行されていない状態)において上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2に球が入球した場合に、特図1の抽選が実行されるように構成されている。即ち、上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2へ球が入球することは、第1特別図柄の抽選を実行させるための契機となるものである。
また、第1特別図柄(特図1)の抽選を新たに実行不可能な状態(特図1の変動が既に実行されている、又は、大当たり遊技、小当たり遊技が実行されている状態)において上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2に球が入球した場合には、所定数(4つ)を上限に、球が入球した権利を記憶する記憶手段を有している。
よって、第1特別図柄(特図1)の抽選が実行されている間も遊技者に対して継続して遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。なお、本実施形態では、球が入球した権利を記憶する記憶手段と第1特別図柄にのみ設けている。
左打ち遊技によって左側領域を流下する球は、その80%がスルーゲート67を通過し、発射された球の約8%(100球に8球)の球が上第1入球口64b1に入球するように複数の釘や風車といった構造物により球流路が形成されている。また、電動役物64aが閉鎖状態である場合には下第1入球口64b2に入球する球が約0%で、電動役物64aが開放状態である場合には下第1入球口64b2に入球する球が約25%となるように球流路が形成されている。即ち、下第1入球口64b2(電動役物64a開放状態)、上第1入球口64b1、下第1入球口64b2(電動役物64a閉鎖状態)の順で球が入球し難くなるように構成している。
上第1入球口64b1、下第1入球口64b2は、上述した通り、第1特別図柄の抽選を実行させるという特典に加え、遊技者に賞球を払い出す特典も付与するように構成されており、球が1個入球する毎に、4個の賞球を遊技者に払い出すように構成している。なお、本実施形態では、上第1入球口64b1に球が入球した場合も、下第1入球口64b2に球が入球した場合も、同一数(4個)の賞球を付与するように構成しているが、これに限ること無く、それぞれに対して異なる数の賞球を設定しても良い。
一方、遊技盤13の右側領域には、第2入球口640、第1可変入賞装置65が設けられている。第2入球口640は、球が入球することにより第2特別図柄の抽選が実行されるように構成されており、右側領域を流下する球の約50%が入球するように複数の釘により球流路が形成されている。ここで、第2入球口640に入球しなかった球は右側領域の下方に設けられた第1可変入賞装置65に向けて流下する。
詳細な説明は後述するが、本実施形態では遊技状態として通常状態が設定されている状態では第2特別図柄の抽選が実行されてから抽選結果が表示されるまでの時間(変動時間)として長時間(10分間)の変動時間が設定され、潜確状態が設定されている状態では、短い変動時間(1秒)が設定されるように構成している。
つまり、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行するべく第1入球口64へ球を入球させるよりも、右打ち遊技を行い第2特別図柄の抽選を実行するべく第2入球口640へ球を入球させるほうが球を入球させ易いが、長時間(10分間)の変動時間が設定されるため、遊技効率が非常に悪くなってしまう。よって、遊技者は通常状態では左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行することになる。
また、第2入球口640は賞球が1個で設定されているため、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技を行い、約50%の割合で右打ち遊技にて発射した球を第2入球口640に入球させたとしても、球が増加することが無い。
さらに、遊技状態として時短状態や確変状態が設定されている場合には、普通図柄の高確率状態となり、電動役物64aが開放し易い状態となる。しかし、電動役物64aを開放させるための普通図柄の抽選契機となるスルーゲート67は左側領域にしか設けられていないため、通常状態よりも球が入球し易くなる下第1入球口64b2へ球を入球させるために遊技者に左打ち遊技を行わせるように構成している。
一方、遊技状態として潜確状態が設定されている状態では、普通図柄が低確率状態となり電動役物64aが開放し難い状態となると共に、上述した通り、第2特別図柄の変動時間として短時間(1秒間)の変動時間が設定されるため、右打ち遊技を行い第2特別図柄の抽選を実行させることが適切な遊技となる。ここで、本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選(当選確率約1/2)するように構成している。小当たりに当選した場合には、小当たり遊技として第1可変入賞装置65が所定期間(例えば、1.5秒間)開放し、第1可変入賞装置65に入球した球1個に対して10個の賞球が付与されるように構成している。
即ち、遊技状態として潜確状態が設定されている場合には、遊技者に継続して右打ち遊技を実行することで、小当たり当選を目指す第2特別図柄の抽選と、小当たり遊技と、を連続して実行することができる。
図2に示した通り、遊技領域の最下方には第2可変入賞装置650が配設されている。この第2可変入賞装置650は、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に回動扉650fが手前側に作動し第2特定入賞口650aに球が入賞可能な開放状態となるように開放動作されるものである。この第2可変入賞装置650は、左打ち遊技によって左側領域を流下した球も、右打ち遊技によって右側領域を流下した球も、均等に入球し得るように構成されている。よって、第2可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技が実行される前の遊技方法を継続して実行すれば良く、遊技者に対して遊技方法を煩雑に変更させることを抑制することができる。
上述した第1入球口64(上第1入球口64b1、下第1入球口64b2)へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図12参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図12参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると4個の球が賞球として払い出される入賞口となっており、第2入球口640は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つになっている。なお、本実施形態においては、上第1入球口64b1へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一(共に4個)にし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数(1個)と異ならせたが、上第1入球口64b1へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、下第1入球口64b2へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異ならせても良い。
この場合、例えば、上第1入球口64b1の賞球数を4個、下第1入球口64b2の賞球数を2個に設定し、球が入球し難い通常状態が設定されている場合において上第1入球口64b1に球が入球したことに対する特典を大きくし、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合に球が入球し易くなる下第1入球口64b2に頻繁に球が入球したとしても遊技者に過剰に賞球を獲得させないようにしても良いし、上第1入球口64b1の賞球数を4個、下第1入球口64b2の賞球数を5個に設定し、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合に、遊技者に大きな特典を付与出来るように構成しても良い。
また、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数と同一の数(例えば、共に5個)として構成してもよい。
下第1入球口64b2には電動役物64aが付随されている。この電動役物64aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物64aが閉鎖状態(規制状態)となって、球が下第1入球口64b2へと入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示(普通図柄の抽選)の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物64aが開放状態(許容状態)となり、球が下第1入球口64b2へ入球し易い状態となる。
上述した通り、確変状態中および時短状態中は、通常状態中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物64aが開放状態(許容状態)となる回数が増える。更に、確変状態中または時短状態中は、電動役物64aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、確変状態中または時短状態中は、通常状態時と比して、下第1入球口64b2へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
尚、上述した通り、下第1入球口64b2、即ち、電動役物64aが付随する入球口は、設定される遊技状態に応じて球が入球し易い状態(第1状態)と、球が入球し難い状態(第2状態)とを設定することができる。つまり、球の入球のし易さの観点では、第1状態が遊技者に有利となる有利遊技状態となり、第2状態が遊技者に不利(第1状態よりも不利)となる不利遊技状態となる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合(第1特別図柄の抽選が実行された場合)と第2入球口640へ球が入球した場合(第2特別図柄の抽選が実行された場合)とで、大当たりとなる確率は同一であり、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は所定の低確率(例えば、1/280)で大当たりとなる抽選が実行され、特別図柄の高確率状態が設定されている場合は、低確率状態よりも当たり易い所定の高確率(例えば、1/30)で大当たりとなる抽選が実行される。しかしながら、大当たりとなった場合に選定(設定)される大当たりの種別は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで異ならせるように設定している。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方(遊技方法)を「左打ち(左打ち遊技)」と「右打ち(右打ち遊技)」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口(入球口)63,64b1,64b2,65a,640,650aにも入賞(入球)しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、下第1入球口64b2の下方に配設される。なお、本第1実施形態では遊技領域にアウト口66を1つ有する構成としているが、これ以外の構成を用いても良く、アウト口66を2つ以上の複数設けても良い。
このようにアウト口66を複数設けることにより、遊技領域に発射された球を最終的に1箇所(アウト口66が配設されている箇所)に集約するための球流路を形成する必要が無くなるため、遊技領域を構成する各種装置の配置自由度を高めることができる。具体的には、例えば、左側領域を流下した球専用のアウト口と、右側領域を流下した球専用のアウト口と、を設けると良い。また、複数のアウト口を設ける場合には、その入球口がアウト口である旨を遊技者に報知するための報知手段を設けると良い。これにより、遊技領域に設けられた入球口(実際はアウト口)に球が入球したにも関わらず何ら特典が付与されない事態が発生し、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図12参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明を行う。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄(第1図柄の動的表示に対応して動的表示される装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を付した9種類の主図柄で構成されている。各主図柄は、各種の動物を模した後方図柄の上に「1」から「9」の数字を付して構成されている。具体的には、例えば、象を模した後方図柄に対して「1」の数字が付され、ライオンを模した後方図柄に対して「2」の数字が付されている。このように第3図柄を、後方図柄と数字とを対応付けて合成した表示態様にすることで、遊技者に対して、第3図柄の動的表示中であっても後方図柄の表示態様(色や輪郭やサイズ等)により大まかに第3図柄の種別を把握させると共に、第3図柄が停止表示された場合には後方図柄に付された数字を識別することにより確実に第3図柄の種別を把握させることができる。
なお、本第1実施形態では、第3図柄を形成する後方図柄と数字との組み合わせを可変させることは無いが、後方図柄と表示態様と、数字との組み合わせを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、第3図柄が動的表示されている間に遊技者に予測させた抽選結果(第3図柄の種別)とは異なる抽選結果を表示することができ、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。また、第3図柄としての後方図柄と数字との組み合わせパターンを、例えば、特別図柄の抽選結果や設定されている遊技状態に応じて規則的に可変させるように設定することにより、第3図柄として停止表示される表示態様(後方図柄と数字との組み合わせ)に基づいた遊技内容の予測精度を高めることができ、遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。さらに、本実施形態では特別図柄の抽選結果として小当たりに当選するように構成しており、特別図柄の抽選結果が小当たりであった場合は、主図柄が特定の組み合わせ(例えば「341」)で停止表示される。なお、本実施形態では、特別図柄の抽選結果に応じて、停止表示される主図柄の組み合わせを異ならせることにより、遊技者に対して抽選結果を分かり易くするようにしているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合と、小当たりであった場合とで同一の主図柄が停止表示するように構成しても良い。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の約3/4が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の約1/4が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、上、中、下の3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列L1〜L3毎に周期性をもって左右方向(通常は右から左方向)へとスクロールして変動表示が行われる。特に、上図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び下図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列L1〜L3毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの左側の縦のライン、中段の縦のライン、右側の縦のラインがそれぞれ有効ラインV1〜V3として設定されている。加えて、主表示領域Dmにおける右下がりの斜めのライン、および右上がりの斜めのラインがそれぞれ有効ラインV4,V5として設定されている。毎回の遊技に際して、上図柄列L1→下図柄列L3→中図柄列L2の順に、有効ラインV1〜V5上に第3図柄が停止表示(確定表示)される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインV1〜V5上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示(確定表示)後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示(確定表示)された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示(確定表示)されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(客待ちデモ画面)が表示される。
遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられている。この副表示領域Dsは、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。本実施形態では、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて第1特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合に、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。この副表示領域Dsに表示される保留図柄の数によって、遊技者に対して現在変動表示が保留されている保留球数を明確に認識させることができる。なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示のみが保留可能に構成されており、第2特別図柄の変動表示は保留記憶しない構成としている。このため、副表示領域Dsには、第1特別図柄の保留球数に応じた数の保留図柄のみが表示される。
なお、図4(a)を用いて示した表示画面では、主表示領域Dmの下方に副表示領域Dsを形成し、且つ、主表示領域Dmにて第3図柄の動的表示(変動表示)を含む演出(変動演出)を実行し、副表示領域Dsにて予告演出、キャラクタおよび保留球数などの表示を実行するように構成しているが、全ての遊技状態中において図4(a)で示した各領域を形成する必要は無く、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを示唆するための演出に遊技者を注視させる際には、副表示領域Dsの表示領域を縮小(消去)させ、主表示領域Dmの表示領域を拡大させることで迫力のある演出を実行するように構成しても良い。一方、保留図柄の表示態様を可変させる演出や、今後の遊技内容を説明する遊技案内を副表示領域Dsにて強調させて実行する際には、主表示領域Dmの表示領域を縮小させ、副表示領域Dsの表示領域を拡大させることで遊技者に分かり易い演出を実行するように構成しても良い。
さらに、設定されている遊技状態や、実行されている演出態様に応じて、主表示領域Dmに保留図柄の数を表示する領域や、予告演出を実行する領域を形成しても良いし、副表示領域Dsに第3図柄の変動表示を実行する領域を設けても良い。
次に、図4(b)を参照して、第3図柄表示装置81に対して実際に表示される表示内容の一例について説明する。実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄および副図柄が合計9個表示される。また、表示領域Dmの右側および左側には、主図柄および副図柄の一部が3個ずつ表示される。これらは、通常状態、における第1特別図柄の抽選結果を示している。更に、主表示領域Dmの上部中央部分には、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄を表示させるための小領域Dm1が表示される。この小領域Dm1では、「1」〜「9」のいずれかの数字のみで構成された簡素な態様の3つの第3図柄の変動表示が実行される。この小領域Dm1においても、同一の数字で構成される3つの第3図柄が停止表示されることにより、大当たりが開始される。なお、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄を、第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄に比べて簡素な態様で表示させているのは、通常状態や確変状態において基本的に第1特別図柄の抽選が実行され、第2特別図柄の抽選はほとんど実行される機会が無いためである。
よって、主として実行される第1特別図柄の変動表示をより大きな表示領域に表示させる構成とすることで、遊技結果をより明確に表示させている。なお、以降の説明では、各遊技状態において主として実行される特別図柄の変動表示(通常状態や確変状態では、第1特別図柄の変動表示が該当)のことを主変動と称し、各遊技状態において正規の遊技方法を行った場合にほとんど実行されない特別図柄の変動表示(通常状態や確変状態では、第2特別図柄の変動表示が該当)のことを副変動と称す。
さらに、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態が設定されている状態において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、長期間(最大で10分間)の変動表示(動的表示)が実行されると共に、その変動表示が開始されるタイミングで遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。そして、その潜確状態が設定されている期間(大当たりとなる変動表示が実行されてからその変動表示が終了し、大当たり遊技が開始されるまでの期間)中は、第2特別図柄の抽選にて小当たりを狙う遊技を実行させるように構成している。よって、遊技状態として潜確状態が設定されている場合は、第2特別図柄の変動表示が主変動となり、第1特別図柄の変動表示が副変動となる。
副表示領域Dsにおける小領域Ds1においては、鳥の顔を模した保留図柄が、第1図柄の保留球数と同じ個数だけ表示される。この保留図柄は、それぞれに対応する保留球に基づく変動表示の開始時に、小領域Ds1における右方に表示された家屋の内部へと入っていく演出が実行される。これにより、保留球に対応する変動表示が開始されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、小領域Ds1では、時として保留図柄が特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口640への入球を保留可能に構成してもよい。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5を参照して、本実施形態における第3図柄の変動表示演出の流れについて説明をする。図5は、本実施形態のパチンコ機10の遊技状態、各特別図柄の変動状況に対応して実行される変動表示演出の内容を模式的に示したタイミングチャートである。ここで、本実施形態のパチンコ機10の遊技性について簡単に説明をする。本実施形態のパチンコ機10は、上述したとおり、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)と、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)と、を同時に(並行して)実行することが可能に構成している。
そして、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、第1特別図柄の大当たりに対応する変動表示が実行されると、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行し、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。この潜確状態が設定されている間は、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)期間が短く設定されるため、第2特別図柄の抽選を数多く実行することができる期間(特図2変動有利期間)となる。
本実施形態では、第2特別図柄の抽選にて約1/2の確率で小当たりに当選するように構成しているため、遊技状態として潜確状態が設定されている期間中は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を頻繁に実行し、多くの賞球を獲得可能な遊技者に有利な遊技状態(特図2有利状態)となる。
上述した通り、本実施形態にて潜確状態が設定される期間(特図2変動有利期間)は、確変状態にて大当たりに当選した第1特別図柄の変動表示期間(動的表示期間)中(特図1大当たり変動中)であることから、特図2有利状態が終了すると、大当たり遊技が実行されることになる。このように、遊技者に対して有利となる複数の状態(特図2有利状態、大当たり遊技状態)が連続して設定されるため、遊技者に対して継続して様々な特典を付与させることができる。
また、本実施形態では、一方の特別図柄(特図2)にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されると、他方の特別図柄(特図1)の変動を中断(変動表示期間の計測を中断)し、その小当たり遊技が終了した場合に、中断していた変動表示期間の計測を再開するように構成している。このように構成することにより、小当たり遊技中に特図2変動有利期間が減算されてしまうことを防ぐことができるため、特図2変動有利期間中に実行される小当たり遊技の回数に関わらず一定の特図2変動有利期間を遊技者に提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄(特図1)の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されると、変動中の他方の特別図柄(特図2)を、外れを示す停止表示態様で強制停止するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に小当たり遊技が実行されるという事態を防止することができる。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果に応じて他方の特別図柄の変動に対する制御内容を異ならせている。具体的には、一方の特別図柄の抽選結果が大当たり(遊技者に第1特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、抽選結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させ、一方の特別図柄の抽選結果が小当たり(遊技者に第1特典とは異なる第2特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、第2特典の付与が終了するまで(小当たり遊技が終了するまで)停止し、第2特典の付与終了後に再開させる。加えて、一方の特別図柄の抽選結果が外れの場合には、他方の特別図柄の変動をそのまま実行させるように構成している。
このように構成することにより、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の抽選内容(抽選結果、抽選結果が表示されるまでの期間)を可変させることができ、遊技者の多様な遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が、遊技者に特典を付与可能な抽選結果である場合において、その特典の内容に応じて他方の特別図柄変動に対する制御内容を異ならせているため、例えば、遊技者に最も有利な特典(大当たり遊技)を付与する抽選結果である場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果が特典を付与する抽選結果であったとしても、その変動を抽選結果が外れとなるように強制停止し、遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制し、大当たり遊技よりも付与される特典が少ない抽選結果(小当たり)の場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果を可変させること無く、小当たり遊技中に他方の特別図柄の抽選に基づく特典が付与されることを防ぐために、変動表示期間の計測のみを中断することが可能となる。
よって、複数の特別図柄(特図1、特図2)が同時に変動している状態において、遊技者にとって、最も有利では無い特典が付与されることにより、後に付与される最も有利な特典が付与されなくなる事態を抑制することができ、遊技者に不快感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として潜確状態が設定されると第2特別図柄(特図2)の変動表示期間として短期間(0.5秒)の変動表示期間が設定され、小当たり遊技を頻繁に実行することができるように構成している。そして、遊技状態として潜確状態が設定される条件を、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合として、潜確状態が終了する条件を第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示し、大当たり遊技が実行される場合としているため、小当たり遊技が頻繁に実行される遊技者に有利となる第1有利期間の終了後に、大当たり遊技が実行される第2遊技期間が設定されることになる。よって、遊技者に有利となる第1有利期間と第2有利期間とを連続して設定することができるため、第1有利期間が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態のパチンコ機10における各遊技状態において第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容について説明をする。図5に示した通り、遊技状態として大当たり遊技状態が設定されている場合には、第3図柄表示装置81の表示画面には、大当たり遊技の内容として、例えば、現在実行中の大当たり遊技のラウンド数を示すためのラウンド数表示態様、獲得した球数を示すための獲得量表示態様、実行中の大当たり遊技の種別(ラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)を示唆するための種別示唆表示態様、遊技状態として通常状態が設定されること無く継続して非通常状態(確変状態、潜確状態、時短状態)が設定されている期間において当選した大当たりの回数(所謂、連チャン回数)等が表示される大当たり遊技表示態様が表示される。
そして、大当たり遊技が終了するタイミング(図5(a)参照)において、今回の大当たり種別が大当たり遊技終了後に遊技状態として確変状態を設定する大当たり種別(例えば、大当たりA)である場合には、図6(a)に示した通り、遊技者に有利な潜確状態が設定されることを目指す演出態様(チャンスゾーン態様)が表示される。
ここで、図6(a)を参照して、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)の表示内容について説明をする。図6(a)は、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)の表示内容を模式的に示した模式図である。図6(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す「チャンスゾーン突入!!」のコメントが副表示領域Dsに表示される。そして、主表示領域Dmには、確変状態や潜確状態が設定される期間中に表示されるキャラクタ811が表示される。このキャラクタ811は、通常状態が設定されている期間中には登場しない(表示されない)ように構成されており、第3図柄表示装置81の表示画面にキャラクタ811が表示されている期間を遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)とするようにしている。
このように構成することにより、遊技者は表示画面にキャラクタ811が表示されているか否かを把握することにより、現在設定されている遊技状態の概要を把握することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、主表示領域Dmに潜確状態が設定されることを狙うための「RUSHを目指せ!!」のコメントが表示される。さらに、主表示領域Dmの案内表示領域Dm3には、遊技者に左打つ遊技を行わせるための案内表示態様として「左打ち」の文字が表示される。これにより、遊技者に対して確変状態が設定された場合に左側領域を狙う左側遊技を行うことを容易に把握させることができる。なお、本実施形態では、大当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置650が、左打ち遊技により発射された球(左側領域を流下した球)も、右打ち遊技により発射された球も、入賞し得る位置(遊技領域の下流位置(図2参照))に配設しており、大当たり遊技中に案内表示領域Dm3に表示される文字(「左打ち」、「右打ち」)、即ち、大当たり遊技中に案内する遊技方法を、大当たり遊技が実行される前の遊技状態に応じて可変させるように構成している。
具体的には、大当たりに当選した際の遊技状態を判別し、左打ち遊技が案内される遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)であると判別した場合は、大当たり中の案内表示として「左打ち」を表示し、右打ち遊技が案内される遊技状態(潜確状態)であると判別した場合は、大当たり中の案内表示として「右打ち」を表示するように構成している。これにより、大当たり遊技が実行された際に、遊技者に対して遊技方法を可変させる手間を省くことができる。
また、主表示領域Dmには第1特別図柄に対応した第3図柄を表示するための特図1表示領域Dm1、第2特別図柄に対応した第3図柄を表示するための特図2表示領域Dm2が形成されており、図6(a)に示す例によれば、特図1表示領域Dm1には、現在実行中(エンディング画面表示中)の大当たり遊技に対応する表示態様として「777」が表示されている。なお、特図2表示領域Dm2には、第2特別図柄が変動表示していないことを示す非変動表示態様として「−」が表示されている。
本実施形態では、電源を投入してから一度も特別図柄が変動表示されていない場合には上述した非変動表示態様が表示されるように構成している。この非変動表示態様が表示されることにより、遊技者に対して、過去の遊技履歴(特別図柄の変動履歴)を予測させることが可能となる。
なお、本実施形態では上述した非変動表示態様を表示するように構成しているが、これに限ること無く、外れを示す予め定めた表示態様(初期表示態様)を表示するように構成しても良いし、前回変動表示が実行されてからの経過期間が所定期間(例えば、30分)を超えたと判別した場合に、特図1表示領域Dm1、特図2表示領域Dm2に表示される表示態様を初期表示態様や非変動表示態様に可変して表示するように構成しても良い。
図5に戻り説明を続ける。遊技状態として確変状態が設定されている状態(図5(b)参照)では、左打ち遊技によって第1特別図柄の抽選を実行し易い遊技状態となる。つまり、確変状態は、普通図柄の高確率状態が設定されていることから電動役物64aが開放し易い状態となり、下第1入球口64b2に球が入球し易い状態となる。
この確変状態中における第3図柄表示装置81の表示画面の内容について、図6(b)を参照して説明をする。図6(b)は確変状態中における表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。図6(b)に示した通り、現在の遊技状態が確変状態であることを示す「チャンスゾーン中」のコメントが副表示領域Dsに横方向(右から左方向)にスクロールするように表示される。
そして、主表示領域Dmではキャラクタ811が横方向(左から右方向)に移動する(走る)演出が表示される。そして、案内表示領域Dm3には「左打ち」が表示され、特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中であることを示す変動中表示が表示される。なお、この時点においても、図6(a)に示した状態から新たに第2特別図柄を変動させていないため(右打ち遊技により第2入球口640に球を入球させていないため)、特図2表示領域Dm2には非変動表示態様「−」が継続して表示される。
詳細な説明は省略するが、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態においてキャラクタ811の動作表示パターンが複数記憶されており、確変状態中における第1特別図柄の抽選結果(当否判定結果)に応じてキャラクタ811の動作表示パターンを異ならせて設定するように構成している。これにより、確変状態中において第1特別図柄の抽選結果が大当たりに当選するか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
図6(b)に示した表示画面が表示された後、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに当選したことを示すための変動表示が実行されると、図7(a)に示した表示画面が表示される。図7(a)は、確変状態中において大当たりに当選した変動表示が開始された場合に表示される表示内容を示した模式図である。上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄が大当たりに当選したことを示す変動表示が開始されるタイミングで遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。
よって、第1特別図柄の変動が開始するタイミングで遊技状態が遊技者にとって有利な状態(潜確状態)へと移行するため、表示画面の特図1表示領域Dm1にて第1特別図柄の変動表示が実行されていることを示す変動表示態様が表示されている状態で、遊技者に遊技状態が移行したことを示すための演出図柄813の表示態様(「333」の表示態様)が停止表示される。これにより、遊技者には演出図柄813が停止表示されたことにより、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行したと思わせることができる。また、本実施形態では、演出図柄表示態様として、第3図柄の表示態様と同様の表示態様を用いているため、停止表示された演出図柄表示態様が、特別図柄の抽選結果を示すための表示態様と思わせることができる。
本実施形態は、潜確状態が設定されている期間において、第2特別図柄の変動表示を頻繁に実行することにより数多くの小当たり遊技を実行させることが可能となるように構成している。よって、少なくとも、潜確状態が設定されている期間中は遊技者に右打ち遊技を示すための「右打ち」が案内表示領域Dm3に表示される。そして、副表示領域Dsには遊技状態として潜確状態が設定されたことを示すための「RUSH突入!!右打ちしてね」のコメントが表示される。
上述した通り、本実施形態では、大当たりに当選した第1特別図柄の変動開始時に特図1表示領域Dm1の演出態様を可変することなく、主表示領域Dmに表示された演出図柄を停止表示させるように構成しているため、遊技者に対して、あたかも演出図柄の抽選結果に応じて遊技状態が移行したと思わせることができる。
そして、右打ち遊技が継続して実行されている潜確状態中(第1特別図柄の大当たり変動中)に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、図7(b)に示した通り、小当たりに当選したことを示すための演出態様が表示される。ここで、図7(b)を参照して潜確状態が設定されている場合における表示内容について説明をする。図7(b)は、潜確状態中における表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。
図7(b)によれば、潜確状態が設定されている状態中(RUSH中)において、第2特別図柄の抽選に小当たりに当選すると、特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中(大当たり変動中)であることを示唆するための変動表示態様が表示され、特図2表示領域Dm2には、小当たりに当選したことを示した表示態様「341」が表示される。
そして、RUSH中の演出態様として表示される宝箱812を開放し、中から遊技結果を示すための演出図柄813として小当たりを示すための「V」が表示される。これにより、遊技者に対して潜確状態中(RUSH中)に第2特別図柄にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されることを遊技者に報知することができる。
なお、本実施形態では、小当たりに当選した場合に回動動作される第1可変入賞装置65を右側領域に設けており、潜確状態中と同一の遊技方法(右打ち)で遊技を行えるように構成している。このように構成することで、潜確状態中に小当たり遊技が頻繁に実行されたとしても、遊技者は右打ち遊技を継続するだけで良いため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄の大当たり変動が開始された場合に、その大当たり変動開始時から潜確状態が設定されるようにし、潜確状態が設定されている状態では第2特別図柄(特図2)の抽選を効率良く行えるように構成している。
よって、潜確状態が設定されたと同時に(潜確状態が設定されたことに基づいて)遊技者に対して潜確状態が設定される期間を報知するように構成していた(図7(a))参照。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動させることが可能であることから、確変状態が設定されている状態において、第1特別図柄も第2特別図柄も両方とも変動している場合がある。
このような場合では、潜確状態が設定されたタイミングで潜確状態(RUSH)が設定されたことを示す表示態様を表示(図7(a)参照)したとしても、現在変動中の第2特別図柄が変動停止するまでは潜確状態中における第2特別図柄の抽選を実行することができず、RUSH状態中にも関わらずいつまでたっても小当たり遊技が実行されないという問題が発生してしまう虞があった。
そこで、本実施形態では、潜確状態への移行条件が成立した場合(確変状態中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合)において、第2特別図柄の変動状況(変動の有無、変動残期間)を判別し、その判別結果に基づいて、RUSH状態が設定されたことを報知するタイミングを異ならせるように構成している。
ここで、図5、及び図8を参照して、潜確状態への移行条件が成立した場合(確変状態中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合)において、第2特別図柄(特図2)が変動している場合における演出内容について説明をする。図5に示した通り、確変状態が設定されている状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始された時点において第2特別図柄が変動中の場合は(図5の(c)参照)、確変状態を示すための「チャンスゾーン」よりも、RUSH状態が設定される期待度を高めた「超チャンスゾーン」が表示される。
ここで、図8(a)を参照して、「超チャンスゾーン」中における表示画面の表示内容を説明する。図8(a)は、確変状態において第2特別図柄変動中に、第1特別図柄にて大当たりに当選した変動が実行された場合の図である。つまり、この「超チャンスゾーン」は、遊技状態としては、潜確状態が設定されている状態であるが、潜確状態が設定されるよりも前に実行された第2特別図柄の変動表示が終了していない状態を示す表示態様である。
「超チャンスゾーン」が設定されると、副表示領域Dsには「超チャンスゾーン中」であることを示すためのコメントが表示される。そして主表示領域Dmには、キャラクタ811が図6(b)よりも高速移動している態様で表示され、高速移動しているキャラクタ811が宝箱812を発見し易いように構成している。
そして、特図1表示領域Dm1には、第1特別図柄が変動中であることを示すための「変動表示態様」が表示され、特図2表示領域Dm2には、潜確状態が設定されるよりも前の時点から変動中の「変動表示態様」が表示されている。
図5に戻り説明を続ける。図8(a)に示した「超チャンスゾーン」の表示画面は、確変状態から潜確状態へと遊技状態を移行させるタイミングを跨いで実行される特図2変動が終了するタイミングまで表示され、その特図2変動が終了すると(図5(d)参照)、「RUSH」に突入したことを遊技者に報知する「RUSH」突入画面が表示される(図8(b)参照)。
ここで、図8(b)を参照して、「超チャンスゾーン」を経由して「RUSH」に突入した画面の内容について説明をする。図8(b)は、「超チャンスゾーン」を経由して「RUSH」に突入した画面を模式的に示した模式図である。図8(b)に示した通り、主表示領域Dmでは宝箱812の中から演出図柄813が表示され「RUSH」に突入したことを遊技者に報知する表示態様が表示される。そして、案内表示領域Dm3にラッシュ遊技中の遊技方法を案内する「右打ち」が表示される。この時点では特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中(大当たり変動中)であることを示唆するための変動表示態様が表示され、特図2表示領域Dm2には、外れを示した表示態様「346」が停止表示される。
図5に戻り説明を続ける。ラッシュ遊技中(RUSH中)、即ち、第1特別図柄の大当たり変動中は、右打ち遊技を行わせることにより変動時間が短い変動パターンが設定される第2特別図柄の抽選を頻繁に行わせる遊技が実行される。なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、一方の特別図柄にて大当たりに当選している状態(大当たり変動中も含む)において、他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選することが無いように構成している。よって、ラッシュ遊技中における第2特別図柄の抽選では、抽選結果が小当たり、或いは、外れの何れかとなる。そして、第2特別図柄の抽選では高確率(約1/2)で小当たりに当選するように構成されている。
よって、ラッシュ遊技中は、1/2の確率で小当たりに当選し、小当たり遊技によって賞球を獲得する遊技が第1特別図柄の大当たり変動が終了するまで継続することになる。つまり、ラッシュ遊技中において頻繁に第2特別図柄の抽選を実行したしても、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選することが無いため、第1特別図柄の大当たり変動期間をフルに用いたラッシュ遊技を提供することができる。
そして、第1特別図柄の大当たり変動が終了すると(図5(f)参照)、今回当選した大当たり種別に応じた画面が表示される(図9(a)(b)参照)。ここで、図9(a)(b)を参照してラッシュ遊技終了時(特図1大当たり変動停止時)の表示画面について説明をする。
図9(a)は、遊技者にとって有利となる大当たり(大当たりA(図16(a)参照))が設定された場合における表示内容を模式的に示した図であって、図9(b)は、遊技者にとって不利となる大当たり(大当たりD(図16(a)参照))に当選した場合における表示内容を模式的に示した図である。
図9(a)に示した通り、大当たりA(図16(a)参照)に当選したことを示すための第3図柄(「777」)が特図1表示領域Dm1に表示されたタイミングで、特図2表示領域Dm2では、外れを示した「346」の第3図柄が強制停止されて表示される。そして、宝箱812の中から遊技者に有利な大当たりに当選したことを示す演出図柄813(「超V」)が表示され、副表示領域Dsには「おめでとう」のコメントが表示される。この場合は、案内表示領域Dm3には潜確状態中と同様の遊技方法である「右打ち」の文字が表示される。
一方で、図9(b)では、大当たりD(図16(a)参照)に当選したことを示すための第3図柄(「666」)が特図1表示領域Dm1に表示されたタイミングで、特図2表示領域Dm2では、外れを示した「346」の第3図柄が強制停止されて表示される。そして、宝箱812の中から遊技者に不利な大当たりに当選したことを示す演出図柄813(「終了?」)が表示され、副表示領域Dsには「左打ちに戻して下さい」のコメントが表示される。この場合は、遊技者にラッシュ遊技が終了したことを示唆するために案内表示領域Dm3には通常状態中と同様の遊技方法である「左打ち」の文字が表示される。
なお、図9(b)では、大当たりD(図16(a)参照)に当選した場合の表示画面を示したが、大当たりC(図16(a)参照)に当選した場合、即ち、大当たりDと同様の大当たり遊技が実行されるが、大当たり終了後に設定される遊技状態が大当たりDよりも遊技者に有利となる大当たりに当選した場合も同様の表示画面を表示し、大当たり遊技終了時に、復活演出として右打ち遊技を行わせる演出を実行するように構成している。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
次に、図10を参照して、遊技者に対して表示するカード忘れ注意喚起画面について説明をする。本実施形態のパチンコ機10では、遊技に用いる球を借りるためにカード(有価媒体)を、パチンコ機10に付随して設置されるカードユニットに挿入する必要がある。このようなパチンコ機10では、遊技者が遊技によって多くの賞球を獲得した場合に、カードをカードユニットに挿入していることを忘れてしまい、遊技終了時にカードを取り忘れてしまう事態が発生することがあった。
これに対して、本実施形態ではカード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を所定タイミング(例えば、賞球を獲得し得る大当たり遊技時)で表示するように構成している。これにより、遊技者がカードを取り忘れてしまう事態を防ぐことが出来る。さらに、本実施形態では、大当たり遊技として賞球を獲得し易い大当たりと賞球し難い大当たりとを設定可能にし、さらに、短期間で頻繁に小当たり遊技を実行し得る遊技状態を設定可能にしており、遊技結果(所定期間における賞球数の累積)に応じてカード忘れ注意喚起画面を表示するタイミングを設定可能に構成している。
ここで、図10(a)を参照して、カード忘れ注意喚起画面の表示内容について説明をする。図10(a)はカード忘れ注意喚起画面の表示内容を模式的に示した模式図である。このように、パチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示画面を用いてカードユニットからカードを取り出す際の動作を表示すると共に、「カードの取り忘れにご注意下さい」のコメントが表示される。
次に、図10(b)〜図10(d)を参照して、カード忘れ注意喚起画面の表示タイミングについて説明をする。図10(b)は、初めての大当たりが「大当たりA(図16(a)参照)」、即ち、1回の大当たり遊技にて遊技者に多くの賞球を付与可能な大当たりに当選した場合のカード表示(カード忘れ注意喚起表示)の表示タイミングを示したタイミングチャートであって、図10(c)、図10(d)は、初めての大当たりが「大当たりA(図16(a)参照)」、即ち、1回の大当たり遊技にて遊技者に多くの賞球を付与可能な大当たりに当選した場合のカード表示(カード忘れ注意喚起表示)の表示タイミングを示したタイミングチャートである。
図10(b)に示した通り、初めての大当たり(遊技状態として通常状態が設定されている場合に当選した大当たり)が、大当たりAである場合には、その大当たり中に十分な賞球数を付与することになるため、その大当たりのエンディング期間(ED)にてカード表示が実行される。
一方で、図10(c),(d)に示した通り、初めての大当たりが、大当たりCである場合には、その大当たり中に十分な賞球数を付与することができず、遊技者が引き続きカードを用いて球を借りる可能性があるため、初めての大当たり(大当たりC)の終了画面にてカード表示を表示しない。
このような状態において、本実施形態では、初めての大当たりから再度通常状態が設定されるまでの期間を有利継続期間とし、その有利継続期間中に獲得した賞球数を累積し、その累積結果が所定量(例えば、250発)に到達したことをカード表示実行条件として、カード表示を実行するように構成している。
つまり、大当たりC終了後に連続して小当たり遊技が発生し、有利継続期間中の賞球数が所定量を超えた場合には、小当たり遊技のエンディング画面にてカード表示を行うように構成し(図10(c)参照)、大当たりCが繰り返し実行されることで有利継続期間中の賞球数が所定量を超えた場合には、大当たり遊技のエンディング画面にてカード表示を行うように構成している(図10(d)参照)。
<第1実施形態における遊技状態の移行について>
次に、図11を参照して、本第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技状態の移行について説明する。図11は、本実施形態におけるパチンコ機10に設定されている4種類の遊技状態について、1の遊技状態から他の遊技状態への移行方法を模式的に示した模式図である。
まず、通常状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、通常状態では、右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。左打ちを行った場合、上第1入球口64b1へと入球し易くなるためである。なお、上述した通り、第1入球口64へと球が入球することに基づいて実行される第1特別図柄の抽選では、小当たりが抽選されないため、大当たりにならない限り持ち球が延々と減り続ける不利な状態となる。この通常状態では、大当たりとなった場合にのみ、他の遊技状態へと移行する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選で当選し得る大当たり種別としては、大当たりA〜Dの4種類が設けられている。これらの大当たり種別の詳細については、図16(a)を参照して後述する。
図11の左側に示した通り、通常状態ST1において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に合計65%の割合で決定される大当たりA,Cになると、大当たり終了後に、図11の中央に示した確変状態ST2へと移行する。また、通常状態ST1において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりDになると、大当たり終了後に、図11の右側に示した時短状態ST3へと移行する。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりBになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。
なお、通常状態では左打ちにより上第1入球口64b1を狙って遊技を行うのが通常であるが、遊技者が故意に右打ちを行って球が第2入球口640へと入球したり、左打ちを行った球の一部が第2入球口640へと入球した結果、第2特別図柄の抽選で大当たりになる可能性もある。本実施形態では第2特別図柄で大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別として3種類の大当たり種別(大当たりE〜G)を有しており、通常状態で第2特別図柄の大当たりに当選した場合の合計65%の割合で決定される大当たりE,Fになると、大当たり終了後に確変状態ST2へ移行し、35%の割合で決定される大当たりGになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。
このように、通常状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、10%の割合(大当たりD)で通常状態よりも有利な時短状態へと移行する可能性がある一方で、通常状態で第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、時短状態へと移行する可能性が0となる。よって、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。また、通常状態において実行される第2特別図柄の抽選では、長時間(10分間)の変動時間を有する変動パターンが設定されるように構成しているため、遊技効率が左打ち遊技を行う場合に比べて著しく低下することから、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットをより大きくすることができる。
次に、確変状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、確変状態では、通常状態と同様に右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。なお、確変状態では、通常状態に比較して特別図柄の大当たり確率がアップするため、通常状態に比較すると有利となるが、潜確状態に比べると不利になる。確変状態ST2が設定された場合には、第1特別図柄の大当たりに当選(特図1大当たり変動が開始)したことを契機に潜確状態SP1へと移行する。
なお、確変状態では、通常状態と同様に左打ちにより上第1入球口64b1を狙いながら、上第1入球口64b1の下方に設けられた下第1入球口64b2を狙って遊技を行うことになる。つまり、確変状態中は普通図柄の高確率状態が設定されている状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放動作し易くなる。よって、第1特別図柄の抽選を通常状態よりも実行し易くなる遊技状態となる。
このように構成された確変状態では、通常、左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行させるものであるが、第2入球口640へと球が入球して第2特別図柄の抽選により大当たりとなる可能性もある。この場合には、第2特別図柄の大当たりに当選した場合の合計65%の割合で決定される大当たりE,Fになると、大当たり終了後に確変状態ST2が再度設定され、35%の割合で決定される大当たりGになると、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定される。
つまり、確変状態において第1特別図柄の抽選を実行した場合には、遊技者に最も有利となる潜確状態へと移行することが可能であるのに対して、第2特別図柄の抽選を実行した場合には、潜確状態へと移行する可能性が0となる。よって、確変状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。
次に、潜確状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り潜確状態では、通常状態や確変状態と異なり、第2特別図柄の変動時間が短くなるので、右打ちで遊技を行うことにより第2特別図柄の抽選を効率よく行わせることができる。よって、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利となる。
本実施形態では、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の大当たりに当選した場合(第1移行条件)と、確変状態、時短状態が設定されている状態で大当たりCに当選した場合(第2移行条件)の2つの移行条件を有しており、第1移行条件が成立した場合には、大当たり遊技が開始される前段階、即ち、特別図柄の大当たり変動中に潜確状態が設定され、第2移行条件が成立した場合には、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に最も有利となる遊技状態(潜確状態)が設定されるタイミングを大当たり遊技の前にしたり、後にしたりすることができるため、遊技者に多彩な遊技性を提供することができる。
さらに、第1移行条件が成立した場合には、潜確状態が設定される期間が第1特別図柄の大当たり変動期間となることから、潜確状態が設定される期間を予め確定することができるため、潜確状態中に実行する演出を潜確状態が設定される期間に合わせて予め(潜確状態設定時)に容易に作成することができる。
加えて、確変状態が設定されている状態において第1特別図柄の抽選によって大当たりCに当選した場合は、大当たり遊技の前後何れにも潜確状態を設定することができるため、遊技者に対して意外性のある遊技性を提供することができる。
次に、図12を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、可変入賞装置65の開閉板65fの下辺を軸として右方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータ420,530,630が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図13〜図21を参照して、第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、パチンコ機10に設けられた主制御装置110(図12参照)の詳細について説明する。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置(図示せず)における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図13参照)が設けられている。
ここで、図13を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。また、小当たり種別の選択には、小当たり種別カウンタC5が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図31参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図52参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入球について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2入球口640に対する入球について各カウンタ値が格納される第2特別図柄実行エリア203bとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64には、保留球が最大4個まで設けられている。このため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入球すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口640に球が入球すると、各カウンタ値が第2特別図柄実行エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203a内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。また、第2特別図柄実行エリア203bに格納された各カウンタ値は、そのまま第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理に用いられる。
一方、第1特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の第1特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64に入賞し、且つ、第1入球口64の保留球数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶される。また、第1入球口64に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、4個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。また、第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の第2特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第2入球口640に入球した場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、2個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1入球口64に対して4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。また、本実施形態では、第2入球口640に対する入球(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示)が保留されない構成としていたが、第1入球口64と同様に保留記憶が可能に構成してもよい。
図13を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜479)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜479の値を取り得るカウンタの場合は479)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜479の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜479の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図31参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄実行エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)に規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される小当たり乱数テーブル202b(図15(b)参照)に規定されている。
ここで、図15(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図15(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,8」のいずれかであるかが判別されて、「7,8」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。
また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜5」の範囲内であるか判別されて、「0〜5」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、総数が480個の乱数カウンタのうち、特別図柄の低確率状態では2つの値を大当たりと判別する値として規定しているため、特別図柄の低確率状態時における大当たり確率は1/240となる。一方で、特別図柄の高確率状態時における大当たり確率は1/80となる。
次に、図15(b)を参照して、小当たり乱数テーブル202bについて説明する。小当たり乱数テーブル202bは、特別図柄の抽選において、小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図15(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選では、小当たりとなる乱数値が規定されていない。即ち、第1特別図柄の抽選では小当たりにならない。一方、第2特別図柄の抽選では、遊技状態に関係なく、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「212〜432」の範囲内であるかが判別されて、「212〜432」の範囲内であれば、小当たりであると判別される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリア、または第2特別図柄実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の小当たり時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリア、または第2特別図柄実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜479の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は2個あり、その乱数値である「7,8」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は4個あり、その乱数値である「0〜5」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が6なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/80」となる。
更に、上述した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は221個あり、その乱数値である「212〜432」は、小当たり乱数テーブル202bに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、小当たりとなる乱数値の総数が221なので、特別図柄の小当たりとなる確率は「221/480」(約46%)である。
図13に戻って説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図16(a)を参照して後述する。
小当たり種別カウンタC5は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、この小当たり種別カウンタの値と小当たり種別選択テーブル202e(図16(b)参照)とに基づいて、小当たり種別(小当たりA〜C)が選択されることとなる。具体的には、図16(b)を参照して後述する。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図52参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202f(図17〜図19参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202fには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図17〜19参照)。この変動パターン選択テーブル202fには、遊技状態に応じた複数の変動パターン選択テーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターン選択テーブルが設定されている。各変動パターン選択テーブルの詳細については、図17〜図19を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり232)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図31参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図15(c)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。この第2当たり乱数テーブル202cの詳細について、図15(c)を参照して説明する。
図15(c)は、第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、遊技状態として普通図柄の低確率状態(通常状態中、潜確状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は11個あり、その範囲は「0〜10」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が233個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が11個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「11/233」となる。
一方、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は232個あり、その範囲は「0〜231」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が233個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が232個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「232/233」となる。このように、本実施形態では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態に対して、普通図柄の高確率状態とで約20倍の差が設けられるように構成している。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放時間も普通図柄の低確率状態に対して、普通図柄の高確率状態のほうが有利(下第1入球口64b2に球を入球させ易い)となるように構成している。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、普通図柄の低確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜10」の範囲内であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、下第1入球口64b2が「1秒間×2回」だけ開放される。一方、普通図柄の高確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜231」の範囲であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、下第1入球口64b2が「1秒間×2回」だけ開放される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
普図変動種別カウンタCS2は、0〜198の範囲で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過した場合に、この普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普通図柄の変動パターンを選択するための普図変動パターンテーブル202g(図20参照)は、主制御装置110のROM202に規定されている。この普図変動パターンテーブル202gの詳細については、図20を参照して後述する。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜198)、タイマ割込処理(図31参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図14〜図20を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図14は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、小当たり乱数テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、大当たり種別選択テーブル202dと、小当たり種別選択テーブル202eと、変動パターン選択テーブル202fと、普図変動パターンテーブル202gとが少なくとも設けられている。
まず、図16(a)を参照し、大当たり種別選択テーブル202dの詳細について説明する。大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図16(a)に示した通り、第1特別図柄(特図1)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA」は、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は25%(25/100)である。
そして、「大当たりA」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグ203gがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりA」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、潜確状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜49」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、上述した「大当たりA」と同一の大当たり遊技が実行されるものであって、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。「大当たりB」の終了後は、確変フラグ203gがオフに設定されると共に、時短カウンタ203fには当たり当選時における遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成している。
大当たり当選時における遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203fに「0」の値が設定され、大当たり当選時における遊技状態が時短状態、確変状態である場合には、時短カウンタ203fに「100」の値が設定される。つまり、通常状態が設定されている状態で「大当たりB」に当選した場合には、大当たり終了後に通常状態が設定されるのに対して、時短状態中に「大当たりB」に当選した場合には、大当たり終了後に時短状態(100回)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は25%(25/100)である。
「大当たりB」は、「大当たりA」同様にラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になるが、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態が設定されない分、「大当たりA」よりも不利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜89」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技においても、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させるように構成しており、「大当たりC」に当選した場合と「小当たり」に当選した場合とを遊技者が判別し難いように構成している。
このように構成することで、第1アタッカが開放される当たり遊技が実行された場合に、遊技者に大当たり遊技が実行されたのか小当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることができる。上述した通り、本実施形態では第1特別図柄の大当たり変動期間中が小当たり遊技を頻繁に実行可能な潜確状態(RUSH状態)となるように構成していることから、遊技者は、第1アタッカが開放される当たり遊技が小当たり遊技であることを期待しながら遊技を行うことになる。つまり、通常であれば遊技者が最も所望する大当たり遊技が実行される状況を遊技者が所望しない遊技期間を設けることで、斬新な遊技性を提供することができる。
「大当たりC」の終了後は、確変フラグ203gがオンに設定されると共に、時短カウンタ203fには当たり当選時における遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成している。大当たり当選時における遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203fに「10000」の値が設定され、大当たり当選時における遊技状態が時短状態、確変状態である場合には、時短カウンタ203fに「0」の値が設定される。つまり、通常状態が設定されている状態で「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に確変状態が設定されるのに対して、確変状態、或いは時短状態中に「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に潜確状態が設定される。
このように、大当たりに当選した際の遊技状態において、同じ種別の大当たりであったとしても大当たり終了後に設定される遊技状態が異なるように構成することで、遊技者に対して単に大当たり当選を目指すだけでは無く、設定されている遊技状態にも注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成しており、この潜確状態が設定される条件として、確変状態が設定されている状態にて特別図柄の大当たり変動が開始される第1設定条件と、確変状態、時短状態が設定されている状態にて大当たりCに当選する第2設定条件の2つを有している。つまり、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて、潜確状態が設定される期待度(確率)を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、遊技の進行に応じて(設定される遊技状態に応じて)遊技者に有利となる遊技状態が設定される期待度を徐々に高めさせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。「大当たりC」は、上述した「大当たりA」、「大当たりB」と比べてラウンド数が少なく且つ、1回の開放動作期間が短い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利になるが、大当たり当選時の遊技状態によっては、大当たり終了後に設定される遊技状態として遊技者に最も有利となる潜確状態を設定し得る唯一の大当たり種別であることから、大当たり後に設定される遊技状態の面では、「大当たりA」、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技(「大当たりC」と同一)が設定される。
「大当たりD」の終了後は、確変フラグ203gがオフに設定されると共に、時短カウンタ203fには「0」の値が設定される。つまり、「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に通常状態が設定される。この「大当たりD」は上述した「大当たりC」と同一の大当たり遊技内容であることから、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を小当たり遊技と同一の開放動作で動作させるように構成している。
「大当たりD」の終了後は、上述した通り通常状態が設定されるように構成していることから、確変状態が設定されている状態において「大当たりD」に当選した変動表示(大当たり変動)が実行された場合には、大当たり変動中に小当たり遊技を頻繁に行った後に、大当たり遊技が実行され、その後、通常状態が設定される。
つまり、第1特別図柄の抽選にて「大当たりD」に当選した場合における潜確状態(RUSH状態)では、小当たり遊技と同一の開放動作が設定される「大当たりD」が終了した後に通常状態が設定されることから、遊技者に対して大当たり遊技が実行されることなる潜確状態が終了したように思わせることができる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。「大当たりD」は、上述した「大当たりA」、「大当たりB」と比べてラウンド数が少なく且つ、1回の開放動作期間が短い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利となる。そして、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後には通常状態が設定されることから、大当たり後に設定される遊技状態の面においても不利となる。即ち、最も不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第1実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として4つの大当たり種別(「大当たりA」〜「大当たりD」)を有している。そのうち、2つの大当たり種別(「大当たりA」、「大当たりB」)では、大当たり遊技中にのみ開放動作される第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放対象とした大当たり遊技を実行し、他の2つの大当たり種別(「大当たりC」、「大当たりD」)でじゃ、小当たり遊技と同一の第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放対象とした大当たり遊技を実行する。
即ち、本第1実施形態では、特別図柄の大当たりとして、遊技者に賞球を獲得させることを目的とした主大当たり遊技(「大当たりA」、「大当たりB」)と、遊技状態を可変させることを目的とし、且つ、遊技者に対して大当たりに当選したか否かを分かり難くする(小当たり遊技が大当たり遊技かを判別させ難くする)ことを目的とした副大当たり遊技(「大当たりC」、「大当たりD」)と、を実行可能に構成している。
また、本実施形態では、大当たり遊技では無く、小当たり遊技によって遊技者に対して賞球を獲得させることができる遊技性であることから、大当たり遊技中に大量の賞球を獲得し難く設定したとしても(大当たり種別によって、少量の賞球しか獲得できない大当たり遊技が実行されたとしても)、遊技者に不快感を与えることを抑制しながら、遊技状態を可変させることを目的とした大当たり遊技を設定することができる。
一方、第2特別図柄の抽選による大当たりの種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は5%(5/100)である。
そして、「大当たりE」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグ203gがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりE」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりE」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、潜確状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜64」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている。この「大当たりF」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は60個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は60%(60/100)である。
そして、「大当たりF」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグ203gがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりF」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりF」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つであるため、獲得できる賞球数の面では不利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、潜確状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲には、「大当たりG」が対応付けられている。この「大当たりG」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値は35個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG」が決定される割合は35%(35/100)である。
そして、「大当たりG」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に通常状態が設定され(確変フラグ203gがオフに設定され)、0回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに0の値がセットされる)。
「大当たりG」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つであるため、獲得できる賞球数の面では不利になる。また、大当たり終了後に設定される遊技状態が通常状態であることから、大当たり後に設定される遊技状態の面においても不利となる。即ち、最も不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第1実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選した場合と、第2特別図柄(特図2)の抽選で大当たりに当選した場合とで、大当たり終了後に確変フラグ203gをオンに設定する割合が65%(65/100)である点は一致しているが、大当たり遊技として15ラウンドが設定される割合(特図1は50%、特図2は5%)、開放対象として第2アタッカ(第2可変入賞装置650)が選択される割合(特図1は50%、特図2は5%)、大当たり当選時の遊技状態が時短状態、確変状態(即ち、普通図柄の高確率状態)である場合における大当たり終了後に時短カウンタ203fに10000の値が設定される割合(特図1は25%、特図2は65%)が異なるように構成している。
このように、大当たりに当選した特別図柄の種別に応じて大当たり遊技内容、及び、大当たり終了後の遊技状態を異ならせることにより、様々な遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本実施形態では特別図柄の種別に応じて上述した内容を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、上述した内容のうち一部のみを異ならせるように構成しても良いし、上述した内容以外、例えば、大当たり遊技のラウンド数を特図1に対応する大当たり種別のみ設定され得るラウンド数(例えば7ラウンド)を設定することにより、設定されるラウンド数を異ならせたり、確変フラグ203gをオンに設定する割合を異ならせたりするように構成しても良い。
また、大当たり遊技中に球が特定領域(例えば、第2可変入賞装置650に入賞した球が通過し得る領域)を通過したことを条件に、その大当たり終了後に確変フラグ203gをオンに設定するように構成された遊技機においては、特図1に対応する大当たり種別と、特図2に対応する大当たり種別とで、特定領域を球が通過する確率を異ならせるように構成しても良い。また、大当たり終了後に設定される各遊技状態において抽選結果を示すための変動パターンを選択するためのデータテーブルを、大当たり種別に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、図16(a)に示した通り、本実施形態では、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)、共に1回のラウンド遊技において入賞可能な上限値を「10」に設定しているが、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)と、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)とで上限値を異ならせても良い。加えて、当選した大当たり種別(或いは、大当たりに当選した特別図柄の種別)に応じてラウンド遊技における開放動作の上限値を異ならせるように構成しても良い。
次に、図16(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202eは、第2特別図柄(特図2)の抽選で小当たりとなった場合において、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択テーブル202eには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、対応する小当たり種別が規定されている。
図16(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜93」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を1.5秒間×1回のみ、開放状態に設定させる小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりA」となる乱数値が94個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりA」が決定される割合は94%(94/100)である。
また、小当たり種別カウンタC5の値が「94〜98」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に0.2秒間×6回の開放状態を設定する小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりB」となる乱数値が5個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりB」が決定される割合は5%(5/100)である。
更に、小当たり種別カウンタC5の値「99」には、「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりC」は、小当たり遊技中に0.06秒×8回の開放状態を設定する小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりC」となる乱数値が1個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりC」となる割合は1%(1/100)である。
次に、図17〜図19を参照して、変動パターン選択テーブル202fの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202fは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図17に示した通り、変動パターン選択テーブル202fは、通常状態において変動パターン(変動時間)を決定するための通常用テーブル202f1、時短状態、確変状態において変動パターンを決定するための時短・確変用テーブル202f2と、潜確状態において変動パターンを決定するための潜確用テーブル202f3とが少なくとも含まれる。これらのテーブルの具体的な内容について図18、および図19を参照して説明する。なお、図18、及び図19に図示した各テーブルにおいて、変動時間をミリ秒単位で表記しているが、以下の説明では理解を容易にするために、変動時間を秒単位で表記する。
まず、図18を参照して、通常用テーブル202f1について説明する。この通常用テーブル202f1は、遊技状態が通常状態でる場合に参照されるテーブルである。図18は、この通常用テーブル202f1の内容を模式的に示した模式図である。図18に示した通り、通常用テーブル202f1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に当たりノーマルリーチ(20秒)が対応付けられ、「51〜100」の範囲に当たりスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「101〜150」の範囲に当たりスーパーリーチB(30秒)が対応付けられ、「151〜198」の範囲に当たりスーパーリーチC(30秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で外れとなり、この通常用テーブル202f1が参照された場合には、第1特別図柄の保留球数(第1特別図柄保留球数カウンタ203dに設定されている値)に応じて変動種別カウンタCS1の値と、選択される変動パターンとの対応関係が可変する。具体的には、図18に示した通り、第1特別図柄の保留球数が0個または1個の範囲内の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に長外れ(12秒)の変動パターンが対応付けられ、「71〜150」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「151〜170」の範囲に外れスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「171〜198」の範囲には外れスーパーリーチB(30秒)が対応付けられている。
これに対して、第1特別図柄の保留球数が2個または3個の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に短外れ(8秒)の変動パターンが対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「71〜130」の範囲に長外れ(12秒)の変動パターンが対応付けられ、「131〜170」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「171〜185」の範囲に外れスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「185〜198」の範囲には外れスーパーリーチB(30秒)が対応付けられている。
なお、この通常用テーブル202f1を参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する処理(図35のS505参照)は、第1特別図柄の保留球を減算する処理(図33のS303参照)よりも後段で実行される。よって、保留球が4個の状態で通常用テーブル202f1が参照されることはない。
このように、保留球数が少ない(0個、または1個)場合には、保留球数が多い(2個、または3個)場合に比べて長い変動時間の変動パターンが選択され易くなる。このように構成することで、保留球数が少ない場合には、保留球を貯める時間を確保して、変動表示が途切れ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に飽きてしまうことを防止(抑制)することができる。一方、保留球数が多い場合には、変動時間が短くなることで保留が貯まり難くなるので、保留球数が上限値(4個)になった状態で更に第1入球口64へと球が入球してしまうことを防止(抑制)できる。よって、遊技者に損をしたと感じさせ難くすることができる。
これに対して、第2特別図柄の抽選が実行され、通常用テーブル202f1が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として600秒(10分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れロング変動A(600秒)が対応付けられている。これにより、通常状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回600秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、通常時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図19(a)を参照して、時短・確変用テーブル202f2の詳細について説明する。この時短・確変用テーブル202f2は、遊技状態として普通図柄の高確率状態(即ち、時短状態、或いは確変状態)が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるテーブルである。
図19(a)に示した通り、この時短・確変用テーブル202f2は特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。なお、時短・確変用テーブル202f2は、図18を参照して上述した通常用テーブル202f1とは異なり、第1特別図柄の保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されることが無いように構成している。
つまり、遊技状態として通常状態が設定されている場合は、左打ち遊技を行いながら上第1入球口64b1を狙う遊技を行うため、第1特別図柄の保留球を常時確保することが難しく、第1特別図柄の抽選が実行されていない(第1特別図柄が変動していない)期間が発生する虞がある。そこで、図18に示した通り、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように通常用テーブル202f1を構成している。これにより、通常状態において、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態が長時間継続してしまい、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題を抑制することができる。
一方で、図19(a)に示した時短・確変用テーブル202f2は、左打ち遊技を行い、下第1入球口64b2に球を入球させる遊技が行われる時短状態、或いは確変状態中に参照されるデータテーブルである。この時短状態、確変状態中は、電動役物64aが頻繁に開放されるため、第1特別図柄の保留球を容易に貯めることができる遊技状態となる。
このように、第1特別図柄の保留球を容易に貯めることができる遊技状態が設定されている場合において、上述した通常用テーブル202f1と同様に第1特別図柄の保留球数が少ない場合に変動時間が長い変動パターンが選択され易くなる構成を追加してしまうと、遊技を休憩し、第1特別図柄の保留球数が少なくなった場合に実行される第1特別図柄(特図1)変動の変動時間が長くなってしまい、時短状態、確変状態中に効率良く遊技を行せることが困難になる。そこで、本実施形態では、第1特別図柄の保留球を容易に貯めることが可能な遊技状態(時短状態、確変状態)、即ち、普通図柄の高確率状態において参照される変動パターンテーブル(時短・確変用テーブル202f2)を、第1特別図柄の保留球数によって選択される変動パターンが異ならないように(第1特別図柄の保留球数が少ない場合に変動時間が長い変動パターンが選択されないように)構成している。これにより、時短状態、確変状態の遊技を効率良く実行することができる。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態が設定されている状態で、大当たりに当選した場合には、その大当たり変動が開始されるタイミングで確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。具体的には、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄(特図1)の抽選を行い、その抽選結果(当否判定結果)が大当たりである場合に、時短・確変用テーブル202f2を参照し、当たりスペシャル変動(600秒)が選択された場合には、当たりスペシャル変動(600秒)が実行されている間、遊技状態が潜確状態となり、当たりスペシャル変動が終了すると、特図1の抽選結果が大当たりであることを示す組み合わせで特図1が停止表示され、大当たり遊技が開始される。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に抽選、変動表示を実行可能に構成しているため、潜確状態が設定されている間(特図1の当たりスペシャル変動が実行されている間)に、第2特別図柄の抽選を行わせることができる。加えて、本実施形態では、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示期間(変動時間)を潜確状態のみ短期間(1秒)に規定しており、且つ、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成している。このように構成することで、潜確状態が設定されている間(特図1の当たりスペシャル変動が実行されている間)に、第2特別図柄の抽選を頻繁に行わせることで、遊技者に多くの賞球を獲得させることができる。
図19(a)に上述した通り、本実施形態では、確変状態が設定されている状態で特図1の大当たりに当選した場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値によって、60秒〜600秒の変動時間が設定されるように構成しており、この変動時間が直接的に潜確状態の継続期間となる。よって、特別図柄の抽選結果として、大当たりに当選したか否かの結果(当否判定結果)だけでは無く、選択された変動パターン(変動時間)に対しても遊技者を注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、第2特別図柄の抽選が実行され、時短・確変用テーブル202f2が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として60秒(1分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりロング変動(60秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりロング変動(60秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れロング変動(60秒)が対応付けられている。これにより、時短状態、確変状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回60秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、時短状態、確変状態時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図19(b)を参照して、潜確用テーブル202f3の詳細について説明する。この潜確用テーブル202f3は、遊技状態として潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるテーブルである。
図19(b)に示した通り、この潜確用テーブル202f3は特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。なお、潜確用テーブル202f3は上述した時短・確変用テーブル202f2と同様に第1特別図柄の保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されることが無いように構成している。
この潜確用テーブル202f3は、確変状態中に特図1の大当たり変動が実行されている期間中における第2特別図柄(特図2)の変動パターンを選択する際や、時短状態、確変状態中において「大当たりC」の大当たり種別である大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に実行される第1特別図柄(特図1)、第2特別図柄(特図2)の変動パターンを選択する際に参照される。
この潜確用テーブル202f3は、図19(a)を参照して上述した、時短・確変用テーブル202f2に規定されている内容に対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される各変動パターンに対して規定されている変動種別カウンタCS1の値を異ならせた点と、第2特別図柄の抽選において選択される各変動パターンの変動時間を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については詳細な説明を省略する。
図19(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜39」の範囲に当たりノーマル変動(60秒)が対応付けられ、「40〜119」の範囲に当たりスーパー変動(180秒)が対応付けられ、「120〜198」の範囲に当たりスペシャル変動(600秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で外れとなり、この潜確用テーブル202f3が参照された場合には、第1特別図柄の保留球数(第1特別図柄保留球数カウンタ203dに設定されている値)、及び、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、外れミドル変動(30秒)が対応付けられている。
第2特別図柄の抽選が実行され、潜確用テーブル202f3が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として1秒が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりショート変動(1秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりショート変動(1秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れショート変動(1秒)が対応付けられている。これにより、潜確状態中において第2特別図柄の抽選(変動)を数多く実行することができる。
次に、図20を参照して、普図変動パターンテーブル202gの詳細について説明する。上述した通り、普図変動パターンテーブル202gは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。図20に示した通り、この普図変動パターンテーブル202gには、普通図柄の抽選が実行された時点の遊技状態毎に、普図変動種別カウンタCS2の値の範囲と、変動パターン(変動時間)とが対応付けて規定されている。
より具体的には、図20に示した通り、遊技状態が通常状態、潜確状態、即ち、普通図柄の低確率状態の場合には、普図変動種別カウンタCS2の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して変動時間が10秒の変動パターンが対応付けられている。また、遊技状態が確変状態の場合にも同様に、普図変動種別カウンタCS2の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して変動時間が10秒の変動パターンが対応付けられている。
これに対して遊技状態が時短状態、確変状態、即ち、普通図柄の高確率状態の場合には、普図変動種別カウンタCS2の値が「0〜198」の範囲に変動時間が3秒の変動パターンが対応付けられている。
なお、本第1実施形態では、潜確状態の場合にのみ複数の変動パターンのバリエーションを設ける構成としたが、これに限られるものではない。通常状態や確変状態でも、普通図柄の変動パターン(変動時間)にバリエーションを持たせてもよく、潜確状態において普通図柄の抽選が実行された場合に、変動時間として1秒または3秒の2種類のうち何れかを設定する構成としてもよい、変動時間は2種類に限られず、より多くの変動時間を選択可能に構成してもよい。変動時間にバリエーションを持たせる程、遊技者に変動時間を予測され難くなるので、潜確状態中により確実に連続して右打ちを行わせることができる。
さらに、本実施形態では、普通図柄の変動時間を遊技状態と取得した普図変動種別カウンタCS2の値とに基づいて設定する構成としているが、それ以外にも、普通図柄の保留球数に基づいて変動時間を変更する構成や、特別図柄の抽選回数に基づいて変動時間を変更する構成や、上述した各種構成を組み合わせた方法で普通図柄の変動時間を設定する構成を用いても良い。具体的には、遊技状態が潜確状態に移行してから特別図柄の抽選が所定回数(例えば50回)実行されるまでは、普通図柄の変動時間として1秒が設定され、それ以降(例えば、51回〜100回まで)は、普通図柄の変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。
このように、前回大当たりの終了時からの特図変動回数(第1特別図柄、第2特別図柄)を計測し、その計測結果に対応した変動時間が選択、実行されるように構成することにより、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中において、より有利な変動時間(例えば、短い変動時間)が多く実行されるように遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、遊技状態が潜確状態に移行してから偶数回数目の特別図柄の抽選が実行されている間は、普通図柄の変動時間として1秒が設定され、それ以外(奇数回数目)は、普通図柄の変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように、特別図柄の抽選が実行される回数に基づいて普通図柄の変動時間を変更するように構成することで、遊技者に変動時間を予測され難くなるので、潜確状態中により確実に連続して右打ちを行わせることができる。なお、この場合、特別図柄の抽選が実行されていない状態では普通図柄の変動時間が長くなる(特別図柄の抽選が実行されている場合に比べて長くなる)ように構成したり、特別図柄の抽選を保留記憶している数が少ないほど普通図柄の変動時間が長くなるように構成したりするとよい。
また、普通図柄の保留球数に基づいて普通図柄の変動時間を設定する場合には、普通図柄の保留球数が多い程、長い変動時間が選択され易くなるように構成するとよい。このように構成することで、普通図柄の保留球数が貯まりにくい調整がされているパチンコ機10と普通図柄の保留球数が貯まりやすい調整がされているパチンコ機10とで、単位時間当たりの普通図柄抽選回数の均一化を図ることができる。
次に、RAM203の詳細について、図21を参照して説明する。図21は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図21に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄実行エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、普通図柄保留球数カウンタ203e、時短カウンタ203f、確変フラグ203g、特図1大当たりフラグ203h、特図1大当たりフラグ203i、当選時状態格納エリア203j、小当たりフラグ203k、特図1変動時間カウンタ203m、特図2変動時間カウンタ203n、大当たり中フラグ203o、小当たり中フラグ203p、特図1変動停止フラグ203r、特図2変動停止フラグ203s、普図短変動フラグ203t、入賞カウンタ203u、特図1仮停止フラグ203v、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリア(第1特別図柄実行エリア)と、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタの値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄実行エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aの第1特別図柄実行エリアと同様に、特別図柄の抽選を実行するための判定値(カウンタ値)が格納される。この第2特別図柄実行エリア203bには、第2入球口640への始動入賞が検出されたタイミングで取得される各カウンタ値が記憶される。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリア(普通図柄保留球実行エリア)と、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄の変動表示(第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図47のS1704参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図33のS303参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図33のS304、図47のS1705参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203eは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)は、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図49のS1904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図48のS1805参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図49のS1905参照)。一方、球が2スルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図49のS1903:No参照)。
時短カウンタ203fは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短カウンタ203fには、大当たり終了後に、当選した大当たり種別に対応した値が設定される。そして、時短カウンタ203fは、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の開始を設定した直後に実行される遊技状態更新処理の中で1ずつ減算される(図36のS308参照)。普通図柄の抽選を行う場合に、この時短カウンタ203fの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態と判別され、高確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される。一方、時短カウンタ203fの値が0であれば、普通図柄の通常状態と判別され、低確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される。
確変フラグ203gは、特別図柄の高確率状態が設定されているか否かを示すフラグであって、オンに設定されている場合に、特別図柄が高確率状態であることを示すものである。つまり、確変フラグ203gがオンに設定されている場合は、遊技状態として、確変状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:高確率状態)、或いは、潜確状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:低確率状態)の何れかが設定されていることになる。
この確変フラグ203gは、当選した大当たり種別が大当たり終了後に確変状態、或いは潜確状態を設定する大当たりである場合に(図54のS2402:Yes)、その大当たりの終了時にオンに設定される(図54のS2403参照)。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す図柄が停止表示されると、オフに設定される(図38のS806参照)。
なお、本実施形態では、上述した通り、特別図柄の大当たり当選に基づいて特別図柄の高確率状態を設定し、次回大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態を継続するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の高確率状態を終了させるための特図高確終了条件として、特別図柄の高確率状態(特図高確状態)が設定されてからの特別図柄変動回数(特図変動回数)が予め定められた所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、確変フラグ203gをオフに設定するように構成しても良い。この場合、確変フラグ203gをオフに設定するタイミングを図るために、特図高確終了条件としての特図変動回数を予め記憶しておく記憶手段と、特図高確状態が設定されてからの特図変動回数を計測する計測手段と、計測手段により計測された特図変動回数が記憶手段に記憶されている特図変動回数(特図高確終了条件)を満たしているかを判別する終了判別手段と、を設ければ良い。
さらに、特図高確終了条件を複数用意し、例えば、特図高確状態における第1特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図1高確終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図2高確終了条件や、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、小当たりに当選する抽選結果)である場合に成立し得る抽選終了条件といった様々な特図高確終了条件を容易し、いずれかの特図高確終了条件が成立した場合に確変フラグ203gをオフに設定するように構成しても良い。
特図1大当たりフラグ203hは、第1入球口64に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図34のS407参照)。この特図1大当たりフラグ203hは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図38のS806)。
この特図1大当たりフラグ203hがオンの状態で、第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図38のS804参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
特図2大当たりフラグ203iは、第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図40のS1007参照)。この特図2大当たりフラグ203iは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図45のS1506)。
この特図2大当たりフラグ203iがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図40のS1004参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
当選時状態格納エリア203jは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短カウンタ203fの値が0で、確変フラグ203gがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短カウンタ203fの値が1以上で、確変フラグ203gがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、確変状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が潜確状態であれば(時短カウンタ203fの値が0で、確変フラグ203gがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、潜確状態を示す情報として「02H」が格納される。
この当選時状態格納エリア203jに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される(図54のS2404参照)。
小当たりフラグ203kは、第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に小当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図41のS1102参照)。この小当たりフラグ203kは、小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図46のS1605参照)。この小当たりフラグ203kがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、他方の特別図柄の変動を一時的に仮停止(特別図柄の変動時間を計測するカウンタの減算を停止)させる処理が実行される(図46のS1603参照)。これにより、第2特別図柄の小当たりを実行中に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、小当たり中に大当たりが開始されてしまう不具合が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
特図1変動時間カウンタ203m、および特図2変動時間カウンタ203nは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのカウンタであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間カウンタ203m、および特図2変動時間カウンタ203nの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される。
大当たり中フラグ203oは、大当たり中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203oがオンであれば、パチンコ機10が大当たり中であることを示し、オフであれば、大当たり中ではないことを示す。この大当たり中フラグ203oは、大当たりの開始を設定した場合にオンに設定される。一方、大当たりの終了時に実行される大当たり終了処理の中でオフに設定される。
小当たり中フラグ203pは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203pがオンであれば、パチンコ機10が小当たり中であることを示し、オフであれば、小当たり中ではないことを示す。この小当たり中フラグ203pは、小当たりの開始を設定した場合にオンに設定される(図221のS1406参照)。一方、小当たりの終了時にオフに設定される(図232のS2512参照)。
本実施形態のパチンコ機10は、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成されており、小当たりに当選した場合に(小当たり中フラグ203pがオンに設定された場合に)、第1特別図柄の変動表示を中断させるように構成している。つまり、複数種別の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、一方の特別図柄(第2特別図柄)の抽選で小当たりに当選し、小当たり中フラグ203pがオンに設定されている状態では、他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了することが無いため、遊技者に対して、小当たり遊技に注目させて遊技を行わせることができる。また、小当たり遊技中において、他方の特別図柄の変動表示が終了し、大当たり遊技が開始されてしまうことを防止することができる。
特図2変動停止フラグ203sは、第1特別図柄の変動が大当たりの停止図柄で停止表示(確定表示)されてから、大当たりを開始させるまでの間の期間であることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203sがオンに設定されている場合には、第2入球口640に対して新たな入球があった場合にも、第2特別図柄の変動表示の実行が回避される(図39のS901:Yes参照)。この特図2変動停止フラグ203sは、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる場合にオンに設定され(図38のS802参照)、第2特別図柄の変動表示を実行するための処理を回避した場合にオフに設定される(図39のS902)。
普図短変動フラグ203tは、普通図柄(第2図柄)の変動が短変動(3秒間変動)であったことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで普通図柄(第2図柄)の短変動が実行されたことを示すものである。この普図短変動フラグ203tは、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において普通図柄の変動時間を設定するタイミングが時短状態中(時短中)であると判別し(図48のS1811:Yes)、3秒の変動時間(短変動)が設定された場合にオンに設定され(図48のS1814)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過したと判別され(図48のS1816:Yes)、今回の普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりであると判別した場合(図48のS1818:Yes)に参照される(図48のS1819)。
ここで、普図短変動フラグ203tがオンに設定されていると判別した場合は(図48のS1819:Yes)、現在が時短状態中(時短中)であるかを判別し(図48のS1821)、時短状態中(時短中)であると判別した場合は(図48のS1821:Yes)、電動役物64aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)が設定される(図48のS1822)。なお、普図短変動フラグ203tは、普通図柄変動処理(図48のS106)においてオンに設定されていると判別された後に、オフに設定される(図48のS1820)。
このように、普通図柄(第2図柄)の変動開始時(変動時間設定時)における遊技状態と、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過した後の電動役物64a開放動作設定時における遊技状態と、が共に時短状態である場合にのみ電動役物64aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成しているため、複数の遊技状態(通常状態と時短状態)を跨いで実行される普通図柄の変動(抽選)によって、電動役物64aがロング開放することを確実に防止することができ、遊技者に有利な特典(電動役物64aのロング開放)を遊技者に過剰に提供してしまうことを抑制することができる。
入賞カウンタ203uは、小当たり遊技のラウンドにおいて第1特定入賞口65aへと入賞(入球)した球の個数をカウントするカウンタである。この入賞カウンタ203uの値が上限値である10となった場合に、ラウンドの終了条件が成立したと判定されてラウンドが終了される(図57のS2706参照)。なお、大当たりの各ラウンドにおいて、入賞カウンタ203uの値が10に満たない場合でも、ラウンドに設定されたラウンド期間に達した場合はラウンドが終了される。この入賞カウンタ203uは、小当たりのラウンド有効期間中に第1特定入賞口65aに対する入球を検出する毎に値が1加算される。また、各ラウンドの終了時に値が0にリセットされる。
なお、詳細な説明は省略しているが、上述した入賞カウンタ203uは、小当たり遊技に限らず、大当たり遊技中の各ラウンドにおける第2特定入賞口650aへと入賞した球の個数もカウントする際にも用いられるものであり、小当たり遊技と同様にラウンドの終了条件(入賞個数が10個に到達)が成立しているか否かを判別する際に参照される。
本実施形態のパチンコ機10では、小当たり遊技の遊技内容として第1特定入賞口65aを開放させる期間が1.5秒で、入賞個数により成立するラウンドの終了条件が10個となるように設定している。つまり、小当たり遊技中に第1特定入賞口65aに球が10個入賞するまでに(入賞個数に対するラウンド終了条件が成立するまでに)、ラウンド遊技の有効期間(1.5秒)が経過することになる。よって、小当たり遊技の期間を一定にすることができるため、小当たり遊技中を跨いだ演出(一の特別図柄の変動開始から小当たり遊技を経由して他の特別図柄の変動終了までの期間に実行される一連の演出)の演出期間を予め定めることができる。よって、特別図柄の変動タイミングと演出の実行タイミングとを容易に同期することができ、演出効果を高めることができる。
特図1仮停止フラグ203vは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ203vは、抽選結果が小当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図46のS1602)、特別図柄変動処理(図32参照)において参照される(図32のS202)。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される(図32のS203)。つまり、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図37参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図37のS701:Yes)、オフに設定される(図37のS703)。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選し得るように構成しているため、小当たりに当選したことに基づいて変動表示が仮停止される特別図柄が第1特別図柄のみとなるが、第1特別図柄の抽選についても小当たりに当選し得るように構成した場合は、第2特別図柄の変動表示を仮停止させるために特図2仮停止フラグを設けても良い。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、大当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて(大当たり遊技が実行されることに基づいて)、他方の特別図柄の変動表示を強制的に外れで停止させる処理と、一方の特別図柄の抽選結果が小当たりである場合には、小当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて、他方の特別図柄の変動表示を一旦停止(小当たり遊技が終了するまで停止)するように構成している。
即ち、一方の特別図柄の抽選結果に応じて、他方の特別図柄の変動表示を様々な態様に加工することができるように構成している。このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果が遊技者に最も有利な遊技結果(例えば、大当たり)となり、その遊技結果を示すための変動表示が実行されている最中に、他方の特別図柄(抽選結果は小当たり)が停止表示されてしまい、小当たりによって大当たりが消去されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、本第1実施形態のパチンコ機10には、様々なフラグやカウンタ等が設けられている。ROM202に設けられた各種テーブルと、RAM203に設けられたフラグやカウンタ等とに基づいて、パチンコ機10の基本的な機能や、図11に示した斬新な状態移行を実現することができる。
次に、図22、および図23を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図22(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した模式図である。図22(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aと、停止表示態様選択テーブル222bと、追加演出選択テーブル222cとを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から、第3図柄表示装置81に表示させる詳細な変動表示の内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
より具体的には、図19(a)に示した通り、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄にて大当たりに当選した場合には、変動時間が60秒の当たりノーマル変動、変動時間が180秒の当たりスーパー変動、変動時間が600秒の当たりスペシャル変動の何れかに対応する変動パターンコマンドが主制御装置110から出力され、音声ランプ制御装置113では受信した変動パターンコマンド(変動時間を示す情報)に対応する変動演出を設定することになる。
ここで、スペシャル変動(600秒)に対応する変動演出として、最初の60秒間が第1段階の演出態様(例えば、一人目の敵を倒す演出)を実行し、60秒〜180秒の期間で第2段階の演出態様(例えば、二人目の敵を倒す演出)を実行し、180秒〜600秒の期間で第3段階の演出態様(三人目の敵を倒す演出)を実行する変動演出が設定され、スーパー変動(180秒)に対応する変動演出として、最初の60秒間が第1段階の演出態様(例えば、一人目の敵を倒す演出)を実行し、60秒〜180秒の期間で第2段階の演出態様(例えば、二人目の敵に倒される演出)を実行する変動演出が設定され、ノーマル変動(60秒)に対応する変動演出として、最初の60秒間が第1段階の演出態様(例えば、一人目の敵に倒される演出)を実行する変動演出が設定される。
このように、特別図柄の抽選結果として設定され得る変動時間の段階に対応して実行する変動演出に区切りを付けるように演出態様を設定することにより、遊技者に対して今回設定された変動パターンがどの種別なのかを予測させながら第3図柄表示装置81に表示される変動演出を楽しませることができ、演出効果を高めることができる。
なお、上述した変動演出を実行する場合において、各段階として設定された演出期間に対する残時間を遊技者に把握させるための残時間表示態様(例えば、次の段階へと演出態様が移行し得るタイミングまでの残時間をカウントダウン表示する演出態様)を表示するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して少なくとも変動演出が継続して実行される期間(潜確状態が継続して設定される期間)を事前に把握させることができるため、安心して遊技を行わせることができる。
また、変動演出中に出現する敵の種類を複数設け、出現した敵の種別に応じて、変動演出が次の段階へと移行する期待度(敵に勝利する演出態様が選択される割合)や、今回の変動表示が終了した後に実行される大当たり遊技の内容や、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆可能に構成すると良い。
加えて、この場合、例えば、敵の種別として敵Aが表示された場合には、今回設定されている変動パターンが当たりスーパー変動(180秒)であれば、遊技者に最も有利な大当たり種別が選択されていることを示し、変動パターンが当たりスペシャル変動(600秒)であれば、遊技者に最も有利な大当たり種別以外が選択されていることを示すように構成すると良い。このように構成することで、変動演出の演出態様(敵の種別)を、遊技者に有利な特典を付与するか否かを決定する複数の要素を複合させて決定することができるため、演出効果をより高めることができる。
停止表示態様選択テーブル222bは、遊技状態として潜確状態が設定され、第2特別図柄の抽選により頻繁に小当たり遊技を実行可能な期間(以下、ラッシュ期間と称す)が設定されたことを遊技者に報知するための演出図柄の停止表示態様(図7(a)、図8(b)参照)を選択する際に参照されるデータテーブルである。この停止表示態様選択テーブル222bは、第1特別図柄の抽選にて当選した大当たり種別と、実行されるラッシュ期間の長さと、に応じて異なる停止表示態様が選択されるように構成されている。
ここで、図23(a)を参照して、停止表示態様選択テーブル222bの内容について詳細に説明をする。図23(a)は、停止表示態様選択テーブル222bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(a)に示した通り、停止表示態様選択テーブル222bは、各大当たり種別の有利度合い(ラウンド数、大当たり遊技後に設定される遊技状態)と、ラッシュ期間の長さと、を遊技者が予測し得るように演出図柄の停止表示態様が設定されるように規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別のうち、最も遊技者に有利な大当たり種別である「大当たりA」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「0〜60秒」、即ち、ラッシュ期間が60秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「666」が規定されている。
また、「大当たりA」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「61秒〜300秒」、即ち、ラッシュ期間が61〜300秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「301秒〜」、即ち、ラッシュ期間が301秒以上である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「777」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「777」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「VVV」が規定されている。
そして、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別のうち、遊技者に不利な大当たり種別である「大当たりB」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「0〜60秒」、即ち、ラッシュ期間が60秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「222」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「444」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「666」が規定されている。
また、「大当たりB」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「61秒〜300秒」、即ち、ラッシュ期間が61〜300秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「444」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「666」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「301秒〜」、即ち、ラッシュ期間が301秒以上である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「333」が規定されている。
最後に、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別のうち、2番目に有利な大当たり種別である「大当たりC」、或いは、最も不利な大当たり種別である「大当たりD」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「0〜60秒」、即ち、ラッシュ期間が60秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「444」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「666」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「444」が規定されている。
また、「大当たりC」、「大当たりD」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「61秒〜300秒」、即ち、ラッシュ期間が61〜300秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「666」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「301秒〜」、即ち、ラッシュ期間が301秒以上である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、「40〜99」の範囲に、停止表示態様「777」が規定されている。
上述した通り、本実施形態では、ラッシュ期間が開始されるタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出図柄の停止表示態様によって、ラッシュ期間の長さ、及び、ラッシュ期間終了後に実行される大当たりの内容(大当たり種別)を遊技者に示唆するように構成している。これにより、演出図柄の停止表示態様を把握することで、今後の遊技内容を遊技者に予測させることができる。
さらに、本実施形態では、演出図柄の停止表示態様に所定の法則性を持たせるように規定しており、具体的には、演出図柄の停止表示態様が「偶数図柄」、「奇数図柄」、「777」、「VVV」の順で遊技者に付与される特典が多くなる(ラッシュ期間が長くなる、大当たり種別が有利になる)ように規定している。このように演出図柄の停止表示態様に所定の法則性を持たせることにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり種別とラッシュ期間の長さとを複合して演出図柄の停止表示態様を選択するように構成しているため、例えば、演出図柄の停止表示態様「111」は、遊技者に最も有利な大当たり種別である「大当たりA」が設定されている場合のみ、ラッシュ期間が60秒以内であっても選択されるように規定しているため、「111」が表示された場合には、遊技者に対してラッシュ期間が60秒で終了することを所望するという斬新な遊技性、つまり、通常であればより長いラッシュ期間を所望する遊技性に対し、大当たり種別とラッシュ期間の長さとを複合した停止表示態様を表示することにより、通常とは逆の遊技結果(短いラッシュ期間)を所望する遊技性を追加することができる。
加えて、演出図柄の停止表示態様として「VVV」が表示された場合は、大当たり種別もラッシュ期間の長さも共に遊技者に最も有利なものが選択されたことを示しているため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
本実施形態では、遊技状態に応じて停止表示態様選択テーブル222bを参照して演出図柄の停止表示態様を選択するタイミング(第3図柄表示装置81の表示画面に演出図柄を停止表示するタイミング)を異ならせるように構成している。具体的には、潜確状態が設定された時点(確変状態が設定されている状態で、第1特別図柄の大当たり変動が開始した時点)において、第2特別図柄が変動中であるか否かを判別し、第2特別図柄が変動していないと判別した場合、即ち、潜確状態が設定された直後から第2特別図柄の抽選を実行し得る場合は、第1特別図柄の大当たり変動が開始したことに基づいて演出図柄を停止表示するように構成している。
一方で、潜確状態が設定された時点(確変状態が設定されている状態で、第1特別図柄の大当たり変動が開始した時点)において、第2特別図柄が変動していると判別した場合、即ち、現在実行中の第2特別図柄の変動表示が終了しない限り、潜確状態が設定された状態にて第2特別図柄の抽選を実行できない場合は、実行中の第2特別図柄の変動表示が終了したタイミングに基づいて演出図柄を停止表示するように構成している。
このように構成することにより、演出図柄を停止表示しラッシュ期間が開始された直後から潜確状態が設定された状態で第2特別図柄の抽選を実行することができるため、遊技者に違和感を与えることなく潜確状態中の遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態では、潜確状態が設定された時点(確変状態が設定されている状態で、第1特別図柄の大当たり変動が開始した時点)で、第2特別図柄が変動していると判別した場合において、実行中の第2特別図柄の変動表示が終了したタイミングからのラッシュ期間の長さを判別し、その判別結果が所定時間以内である場合には、演出図柄を停止表示させる演出(ラッシュ期間が開始されたことを示す演出)を実行しないように構成している。これにより、演出図柄が停止表示し、ラッシュ期間が開始された(ラッシュ遊技が開始された)ことを報知したにも関わらず、小当たり遊技が実行されることならラッシュ期間が終了してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、ラッシュ期間(ラッシュ遊技)が開始されたことを、第3図柄に類似した演出図柄にて表示するように構成しているため、あたかも、特別図柄に対応する第3図柄が停止表示されたことに基づいてラッシュ遊技が実行されたかのように思わせることができる。また、ラッシュ期間の長さが所定時間以内であり演出図柄を停止表示させなかった場合でも遊技者に対して大きな違和感を与えることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、演出図柄を停止表示させるタイミングとして、第1特別図柄の大当たり変動が開始されたタイミング、或いは、潜確状態が設定されたタイミングにおいて実行中の第2特別図柄の変動表示が停止したタイミングを用いているが、これ以外のタイミングにて演出図柄を停止表示させるように構成しても良く、例えば、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている入賞情報を示す入賞情報コマンドを解析し、次の変動にて大当たり変動が実行されることを事前に判別した場合には、大当たり変動が実行される直前(大当たり変動の前変動にて第3図柄が停止表示されるタイミング)で演出図柄を停止表示させるように構成しても良い。このように構成することにより、潜確状態が設定された直後から第2特別図柄の抽選を実行することができる。
このように、大当たり変動が実行されるよりも前に演出図柄を停止表示させ、ラッシュ遊技が開始されることを報知する構成を用いる場合には、演出図柄を停止表示させたタイミングから第2入球口640を狙う遊技(右打ち遊技)を行った場合に、次の大当たり変動が開始されるよりも前に第2特別図柄の抽選が実行されないように構成すると良い。これにより、演出図柄が停止表示されたことに基づいて右打ち遊技を行った結果、潜確状態が設定されるよりも前(大当たり変動が開始される前)、即ち、確変状態中に第2特別図柄の抽選を実行してしまい、ラッシュ遊技が実行される期間を短縮してしまう事態を防止することができる。
追加演出選択テーブル222cは、第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選したことにより仮停止された第1特別図柄の変動表示を再開する際の演出態様(追加演出態様)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、再開後の第1特別図柄の残変動時間に応じて異なる追加演出態様(宝箱(図7(b)参照))が選択されるように構成している。ここで、追加演出選択テーブル222cに規定されている内容について、図23(b)を参照して説明をする。
図23(b)は、追加演出選択テーブル222cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(b)に示した通り、追加演出選択テーブル222cは、残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報と、追加演出カウンタ223iと、に基づいて異なる追加演出種別が選択されるようにデータ内容が規定されており、選択された追加演出種別に対応する追加演出態様が実行されることにより、第1特別図柄の残変動時間(ラッシュ期間の残期間)を遊技者が予測し得るように構成している。
具体的には、残変動時間(残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報)が期間A(5秒未満)である場合は、取得した追加演出カウンタ223iの値が「0〜99」の範囲に、追加演出種別「なし」が規定されており、「100〜198」の範囲に、「追加演出A」が規定されている。また、残変動時間(残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報)が期間B(5秒〜60秒)である場合は、取得した追加演出カウンタ223iの値が「0〜99」の範囲に、追加演出種別「追加演出A」が規定され、「100〜198」の範囲に、「追加演出B」が規定される。そして、残変動時間(残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報)が期間C(60秒以上)である場合は、取得した追加演出カウンタ223iの値が「0〜99」の範囲に、追加演出種別「追加演出B」が規定され、「100〜198」の範囲に、「追加演出C」が規定される。
ここで、「追加演出A」が設定された場合は、ラッシュ期間中において表示される宝箱812(図7(b)参照)の表示態様がボロボロの表示態様へと可変される。遊技者はボロボロの表示態様を把握することにより、ラッシュ期間が残り僅かであることを予測することが可能となる。また、「追加演出B」が設定された場合は、通常の表示態様の宝箱812(図7(b)参照)が表示され、「追加演出C」が設定された場合は、通常の表示態様よりも豪華な表示態様が設定される。また、「なし」が選択された場合は、残りのラッシュ期間中にて宝箱812を表示しない演出が設定される。
なお、本実施形態で示した追加演出選択テーブル222c(図23(b))では、ラッシュ期間の残変動時間と追加演出種別とが完全に対応付けられている例を示したが、これに限ること無く、少ない確率で、例えば、期間Bである場合に「追加演出C」が設定されたり、期間Cである場合に「追加演出A」や「なし」が設定されたりするように構成しても良い。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、潜確状態となりラッシュ遊技が開始されるタイミングにおいて表示される演出図柄の停止表示態様にて、ラッシュ期間と大当たり種別とを複合した複合遊技情報を遊技者に提供し、ラッシュ期間中の追加演出によって、ラッシュ期間の残期間を示す遊技情報を遊技者に提供するように構成している。これにより、複合遊技情報として実行された演出図柄の停止表示態様と、追加演出の演出態様とを遊技者が総合的に判別することにより、より詳細な遊技内容を予測させることが可能となる。
次に、図22(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図22(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、コマンド記憶領域223aと、入賞情報格納エリア223bと、第1特別図柄保留球数カウンタ223cと、特図1変動開始フラグ223dと、特図2変動開始フラグ223eと、特図1停止種別選択フラグ223fと、特図2停止種別選択フラグ223gと、演出カウンタ223hと、追加演出カウンタ223iと、状態設定エリア223jと、残時短回数エリア223kと、特図1変動時間カウンタ223m、特図2変動時間カウンタ223nと、残変動時間情報格納エリア223oと、残時間格納エリア223pと、カード報知済フラグ223qと、カード報知可能フラグ223sと、ラッシュ表示済フラグ223t、賞球数カウンタ223u、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図60参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223bに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図60のS4212参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図1変動開始フラグ223d、および特図2変動開始フラグ223eは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、および第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図60のS4206,S4209参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図69のS5102,S5108参照)。特図1変動開始フラグ223d、および特図2変動開始フラグ223eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
特図1停止種別選択フラグ223f、および特図2停止種別選択フラグ223gは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の停止種別コマンド、および第2特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図61のS4301参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図69のS5112参照)。特図1停止種別選択フラグ223f、または特図2停止種別選択フラグ223gがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
演出カウンタ223hは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223hは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図59参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
追加演出カウンタ223iは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この追加演出カウンタ223iは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図59参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
状態設定エリア223jは、パチンコ機10の遊技状態に応じた情報が格納される記憶領域である。この状態設定エリア223jには、主制御装置110から出力される状態コマンドを受信する毎に、その状態コマンドにより示されるパチンコ機10の状態に対応した情報が格納される(図62のS4405参照)。より具体的には、状態設定エリア223jは、2ビットの記憶領域が割り当てられており、上位ビットから順に、特別図柄の高確率状態であるか否か、普通図柄の高確率状態であるか否かを示す値が格納される。例えば、状態設定エリア223jの値が「11B」であれば、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)であることを意味し、「10B」であれば、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)であることを意味する。一方、「00H」であれば、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の低確率状態)であることを意味する。
主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて、状態設定エリア223jを更新していくことにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の状態を正確に把握することができる。
残時短回数エリア223kは、普通図柄の高確率状態の残り回数を格納する記憶領域である。この残時短回数エリア223kは、主制御装置110において時短カウンタ203fの値が更新される毎に出力される残時短回数コマンドにより通知された回数に更新される(図66のS4802参照)。これにより、主制御装置110の時短カウンタ203fの値に同期して、残時短回数エリア223kに格納される値を更新することができるので、音声ランプ制御装置113の把握する残りの時短回数を、主制御装置110により更新される実際の時短回数と一致させることができる。
特図1変動時間カウンタ223m、特図2変動時間カウンタ223nは、変動表示設定処理(図69のS4113参照)において、それぞれの変動表示が設定(実行)された場合に、対応する変動時間を示す値が設定され、各種カウンタ更新処理(図72のS4111参照)が実行される毎に、それぞれの値が1減算される(図72のS5402、S5404参照)。なお、主制御装置110から特図1仮停止コマンドを受信してから、特図1再開コマンドを受信するまでの期間は各種カウンタ更新処理(図72のS4111参照)が実行された場合であっても、特図1変動時間カウンタ223mの値を1減算することが無いように構成している。
そして、コマンド判定処理(図60のS4112参照)にて仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合に実行される仮停止関連処理(図67のS4220参照)において、残変動時間を算出する際に参照される(図67のS4903参照)。
残変動時間情報格納エリア223oは、ラッシュ期間の残期間、即ち、第1特別図柄の大当たり変動の残時間を示す情報を格納するための記憶領域である。この残変動時間情報格納エリア223oには、仮停止された第1特別図柄変動表示の残変動時間を示すための残期間情報(期間A〜期間C)が設定され、仮停止された第1特別図柄の変動表示を再開させる場合の追加演出を設定する際に格納されている残期間情報が参照される。
カード報知済フラグ223qは、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示(報知)したか否かを示すためのフラグであって、カード忘れ注意喚起画面を表示した場合にオンに設定される。
カード報知可能フラグ223sは、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示(報知)可能な状態であるか否かを示すためのフラグであって、カード忘れ注意喚起画面を表示可能な条件を満たしている場合にオンに設定される。
ラッシュ表示済フラグ223tは、潜確状態が設定されている状態において、ラッシュ遊技が開始されたか否かを示すためのフラグであって、ラッシュ遊技が開始されたことを示すラッシュ突入画面(図7(a)、図8(b)参照)が表示された場合にオンに設定される。
賞球数カウンタ223uは、大当たり遊技が開始されてからの賞球数を継続して計測するためのカウンタであって、遊技者にとって有利な遊技状態が継続して設定される期間中の賞球数が累積されるように構成している。具体的には、当たり関連処理(図63のS4216)において、賞球コマンドを受信したと判別した場合に(図63のS4505:Yes)、受信した賞球コマンドに対応する値が加算される(図63のS4506)。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は、大当たり遊技に加え、小当たり遊技においても多量の賞球を獲得できるように構成しているため、賞球数カウンタ223uの値に応じて、小当たり遊技終了後や、少ないラウンド数が設定される大当たり遊技終了後にカード忘れ注意喚起表示を実行することができるように構成している。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図59のS4117参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図58参照)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図58の4008:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図58のS4009参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図24を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図24は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図73のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図73のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図30参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図74(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、上第1入球口64b1、または下第1入球口64b2への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図73のS6003,S6004参照)。
ここで、図25を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図25は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図25(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図25(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図25(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図25(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図25(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、上第1入球口64b1、または下第1入球口64b2に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図25(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に上第1入球口64b1、または下第1入球口64b2に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図24に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図26を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図26は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図26(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図26(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図27は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図26に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図27に示すように、時間の経過とともに、図27の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図27(a)に示す背面画像が表示される。この図27(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図27(b)に示す背面画像が表示される。図27(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図27(c)に示す背面画像が表示される。図27(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図27(a)に示す背面画像に戻って、再び図27(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図26(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図26(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図27(a)を含み、図27(b)を除く図27(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図27(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図27(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図27(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図27(b)〜(c)および図27(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図27(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図27(a)〜(b)の画像を表示させている間に図27(b)〜(c)および図27(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図27(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図27(b)〜(c)および図27(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図24参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図24に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図28を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図28は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図30参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図29を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図29は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図29のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図29のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図29の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図25(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図73参照)の中でオンに設定される(図73のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図85(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図75(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図76〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図85(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図85(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図86参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図75(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図84のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図30を参照して、描画リストの詳細について説明する。図30は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図30に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図82のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図74のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図86参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図86のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図86のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図87のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図75(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図81(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図86のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図86のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図81(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図82参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図82のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図77(a)のS6505、図78(a)のS6705、図78(b)のS6805、図79のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図82参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図82のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図77(a)のS6505、図78(a)のS6705、図78(b)のS6805、図79のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図31〜図57のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では232)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、479,99,232,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4,C5の更新値を、RAM203の対応するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図32〜図47を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置(図示せず)において表示を行うための処理と、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴う処理を行う普通図柄変動処理を実行する(S106)。尚、普通図柄変動処理(S106)の詳細については、図48を参照して後述する。普通図柄変動処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
まず、図32を参照して、本実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)の内容について説明をする。図32は特別図柄変動処理(S104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(S104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し(S201)、大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(S201:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されているかを判別する(S202)。このS202の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。S202の処理において、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されていると判別した場合は(S202:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(S203)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、S201の処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(S201:No)、特図1変動時間カウンタ203mの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(S204)、特図1変動時間カウンタ203mの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S204:No)、第1特別図柄変動開始処理(S208)を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するS209に移行する。第1特別図柄変動開始処理(S208)の詳細については、図33を参照して後述する。
S204の処理において、特図1変動時間カウンタ203mの値が0よりも大きいと判別した場合は(S204:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理(S205)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理(S205)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図37を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理(S205)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図1変動時間カウンタ203mが0であるか)を判別し(S206)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S206:Yes)、第1特別図柄変動停止処理(S207)を実行し、その後、S209へ移行する。一方、S206の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S206:No)、S207の処理をスキップしてS209へ移行する。
S209〜S213の処理では、特図1に対して実行したS204〜S207と同様の処理が実行される。S209の処理が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(S209)、特図2変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S209:No)、第2特別図柄変動開始処理(S210)を実行し、その後、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S210)の詳細については、図39を参照して後述する。
一方、S209の処理において、特図2変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S209:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理(S211)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理(S211)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図44を参照して後述する。
第2特別図柄変動実行中処理(S211)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図2変動時間カウンタ203nが0であるか)を判別し(S212)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S212:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S213)を実行し、本処理を終了する。一方、S212の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S212:No)、S213の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図33を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図32のS104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図33は、この第1特別図柄変動開始処理(S208)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S301)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S302)。S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(S303)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S304)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S2201)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S304の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S305)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S305の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S306)。この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)については、図34を参照して、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S306の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図35参照)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(S308)。この遊技状態更新処理(図36のS308)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す、確変フラグ203gの状態、時短カウンタ203fの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。S308の処理が終了すると、本処理を終了する。
一方、S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S302:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図34を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図33のS204)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S306)について説明する。図34は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10では、何れか一方の特別図柄において大当たりに当選した変動表示(大当たり変動)が実行されている期間中は、他方の特別図柄抽選にて大当たりに当選したか否かの判別を行わないように構成している。
つまり、一方の特別図柄抽選によって所定期間後(変動時間経過後)に大当たり遊技が実行されることが確定している状態において、他方の特別図柄抽選によって大当たりに当選し、短期間で複数回の大当たりに当選してしまい過剰に特典を付与してしまうことを抑制するように構成している。
このように、通常の特別図柄抽選と同様に各種カウンタ値を取得する処理を行い、その処理において取得した各種カウンタ値に基づく判定をスキップし、外れ図柄をセットするように構成することで、他方の特別図柄抽選の抽選結果にいち早く対応することができる。
第1特別図柄大当たり判定処理(S306)では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。次いで、確変フラグ203gがオンに設定されているか判別する(S402)。即ち、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)であるか否かを判別する。確変フラグ203gがオンである(即ち、特別図柄の確変状態である)と判別した場合には(S402:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S403)。一方、S402の処理において、確変フラグ203gがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S402:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その抽選結果を取得する(S404)。
そして、特図2大当たりフラグはオンであるかどうか判別する(S405)。オンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S405:No)、S403またはS404で取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(S406)、抽選結果が大当たりであれば(S406:Yes)、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203hをオンに設定し(S407)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S408)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S409)、現在の遊技状態に応じた値を当選時状態格納エリア203jに格納して(S410)、時短カウンタ203fに1をセットし(S411)本処理を終了する。
ここで、S411の処理において時短カウンタ203fの値を1にセットすることにより、第1特別図柄変動開始処理(図33のS208参照)にて第1特別図柄大当たり判定処理(図34のS306参照)よりも後段で実行される遊技状態更新処理(S308)にて普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合には、その大当たり変動が開始されるタイミングで普通図柄の低確率状態を設定することが可能となる。よって、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の大当たりに当選することで確変状態を潜確状態へと移行させることができる。
また。S411の処理にて時短カウンタ203fの値を1にセットする処理を行うことで、大当たりに当選したことを条件として普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを条件として普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、の何れも遊技状態更新処理(S308)を用いて実行することができる。これにより、普通図柄の高確率状態を終了させる条件を複数設けた場合であっても、主制御装置110の処理が煩雑になることを防ぐことができる。
一方、S405の処理において、特図2大当たりフラグ203hがオンであると判別した場合(S405:Yes)、或いは、S406の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S406:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S412)、その後、本処理を終了する。
次に、図35を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図33のS208)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)について説明する。図35はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図35のS307)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図34のS306)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S501)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、特図1大当たりフラグ203hがオンであるか否かで判別される。この特図1大当たりフラグ203hは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)におけるS407の処理でオンに設定されるものである。
S501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(S501:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)におけるS401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)より大当たり種別を決定し(S502)、S503の処理へ移行する。
一方、S501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、特図1大当たりフラグ203hがオフである)と判別した場合には(S501:No)、S502の処理をスキップして、S503の処理へ移行する。
S503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(S503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図17〜19参照)を読み出して(S504)、S505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、確変フラグ203gの状態と、時短カウンタ203fの値とに基づいて判別される。S505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S506)。
S506の処理を終えると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S507)、次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S508)、S505の処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図1変動時間カウンタ203mにセットし、本処理を終了する。
次に、図36を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図33参照)の一処理である遊技状態更新処理(S308)について説明する。図36は、この遊技状態更新処理(S308)を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10では遊技状態を設定するための条件である確変フラグ203gの状態と、時短カウンタ203fの値とのうち、時短カウンタ203fの値のみを特別図柄の変動開始時に更新するために、第1特別図柄変動開始処理(図33参照)の一処理である遊技状態更新処理(図36参照)において、時短カウンタ203fの値を更新する処理を実行するように構成している。
そして、詳細は後述するがオンに設定されている確変フラグ203gは、大当たり変動が終了し、大当たりを示す特別図柄が停止表示された場合(大当たり遊技が実行される場合)にオフに設定されるように構成している。
つまり、遊技状態を設定する際に参照される2つの条件要素(確変フラグ203gの状態、時短カウンタ203fの値)のうち、1の条件要素を特別図柄の変動開始時に更新し、他の条件要素を特別図柄の変動停止時に更新可能とすることにより、2つの条件要素を組み合わせて設定される遊技状態を多様化し易くすることができる。また、特別図柄の変動が開始されてから終了するまでの期間のみ特定の遊技状態(例えば、潜確状態)を設定することもできるため、予め定められた期間中のみ遊技者に対して有利な遊技状態を設定することが可能となる。
遊技状態更新処理(図36参照)が開始されると、まず、時短カウンタ203fの値が0より大きいか否かを判別する(S601)。時短カウンタ203fの値が0であると判別した場合には(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203fの値が0より大きいと判別した場合には(S601:Yes)、時短カウンタ203fの値を1減算して(S602)、時短カウンタ203fの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603)。次に、時短カウンタ203fの値が0であるかを判別し(S604)、0であると判別した場合には(S604:Yes)、次いで確変フラグ203gがオンに設定されているか判別する(S605)。ここで、確変フラグ203gがオンに設定されていると判別した場合には(S605:No)、時短遊技が付与されていない確変状態(即ち、潜確状態)であるため、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(S606)、本処理を終了する。一方、S605の処理において、確変フラグ203gがオンに設定されていないと判別した場合には(S605:No)、通常状態であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
一方、S604の処理において、時短カウンタ203fの値が0ではないと判別した場合には(S604:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が次に特別図柄の大当たりに当選するまでの間(大当たりを示す組み合わせで特別図柄が停止表示されるまでの間)継続して設定されるように構成しているが、これ以外に例えば、確変フラグ203gに代えて確変カウンタを設け、特別図柄の変動が実行される毎に確変カウンタの値を減算し、確変カウンタの値が0となった場合に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成しても良い。
このような構成を用いる場合は、図36を参照して示した遊技状態更新処理(S308)を特図変動開始時遊技状態更新処理とし、これとは別に特別図柄の変動表示が終了したタイミングで確変カウンタの値を更新する特図変動停止時遊技状態更新処理を設けることで、特別図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理と、普通図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理とを異なるタイミングで実行させることができる。
次に、図37を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図31のS104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理(S205)の内容について説明をする。図37は、第1特別図柄変動実行中処理(S205)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(S205)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されているかを判別する(S701)。ここで、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図1仮停止フラグ203vは、特図1が変動中において、特図2が当たり(小当り)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203oがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203vがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理(図32)が実行される際には、S201の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、S201の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図37に戻り説明を続ける。S701の処理において、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されていると判別した場合は(S701:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(S702)、特図1仮停止フラグ203vをオフに設定し(S703)、S704へ移行する。一方、S701の処理において、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S701:No)、S702,S703の処理をスキップしてS704の処理へ移行する。
S704の処理では特図1変動時間カウンタ203mを1減算して更新し(S704)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S705)、本処理を終了する。
次に、図38を参照して、特別図柄変動処理(図32のS104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図38はこの第1特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(S207)では、まず、第1特別図柄(特図1)に対して、特図1大当たりフラグ203hがオンに設定されているか判別する(S801)。第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203hがオンに設定されていると判別した場合には(S801:Yes)、特図2変動停止フラグ203sをオンに設定し(S802)、特図2変動停止フラグ203sがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S803)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S804)。
S804の処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S805)、特図1大当たりフラグ203hと確変フラグ203gをリセットする(S806)。次いで、大当たり中フラグ203oをオンに設定し(S807)、S808の処理へ移行する。
一方、S801の処理において、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203hがオフに設定されていれば(S801:No)、S802〜S807の処理をスキップし、S808の処理へ移行する。
S808の処理では、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(S808)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S809)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄停止処理(S207)では、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S802〜S809)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合に(S801:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(S803,S804)が実行される。
なお、本第1実施形態では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。また、本実施形態では、第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)にて当選時状態格納エリア203jに格納された遊技状態に基づいて、S806の処理にて大当たりシナリオを設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)にて当選時状態格納エリア203jに格納された遊技状態に基づいて、S706の処理にて大当たりシナリオを設定するようにしてもよい。
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図32)において実行される第2特別図柄変動開始処理(S210)の内容について説明をする。図39は、第2特別図柄変動開始処理(S210)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(S210)では、特図2の変動を開始するための処理が実行される。尚、図39〜図46を参照して上述した第1特別図柄の変動に関する処理に対して、変動の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと図柄の対象を異ならせただけである要素については、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動開始処理(S209)では、まず、特図2変動停止フラグ203sがオンに設定されているかを判別する(S901)。特図2変動停止フラグ203sがオンに設定されていると判別した場合には(S901:Yes)、特図2変動停止フラグ203sをオフに設定し(S902)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203sは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ203sがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。このため、S901の処理で特図2変動停止フラグ203sがオンの場合は、変動開始を設定するS902〜S907の各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。
一方、S901の処理において、特図2変動停止フラグ203sがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(S901:No)、第2特別図柄実行エリア203bのデータ(各種カウンタ値)を取得する(S903)。次に、S903の処理において取得したデータに基づいて、取得したデータがあるかどうか判別する(S904)。即ち、第2特別図柄実行エリアにデータがないと判別した場合には(S904:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S903の処理において、データがあると判別した場合には(S904:Yes)、格納した各カウンタ値に基づいて第2特別図柄の大当たり判定を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S905)。この第2特別図柄大当たり判定処理の詳細については、図40を参照して後述する。
S905の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果、およびS903の処理で取得したデータに基づいて、変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S906)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)の詳細については、図42を参照して後述する。S906の処理が終了した後は、上述した遊技状態更新処理(図36参照)を実行し(S907)、本処理を終了する。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図39のS210)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S905)について説明する。図40はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S905)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(S905)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)と同様の処理が実行されるので、第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)との相違点について中心に説明する。
第2特別図柄大当たり判定処理(S905)が実行されると、第2特別図柄実行エリア203bに格納された各カウンタ値を取得する(S1001)。そして、取得した各カウンタ値と、確変フラグ203gの状態とに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのS1002〜S1004の処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を第2特別図柄実行エリア203bから取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)と同一の制御が実行される。
S1003、またはS1004の処理が終了すると、特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されているか判別する(S1005)。特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合には(S1005:No)、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S1006)、大当たりであると判別した場合は(S1006:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS1007〜S1010の処理を実行し、本処理を終了する。これらのS1007〜S1010の各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS407〜S410の各処理と同様の処理が実行される。
一方、S1005の処理において、特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合(S1005:Yes)、或いは、S1006の処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S1006:No)、第2特別図柄の小当たり、または外れに対応する停止図柄を設定するための特図2外れ変動処理を実行し(S1011)、本処理を終了する。この特図2外れ変動処理(S1011)の詳細について、図41を参照して説明する。図41は、この特図2外れ変動処理(S1011)を示すフローチャートである。
特図2外れ変動処理(S1011)では、まず、図40のS1003、またはS1004の処理で取得した抽選結果が第2特別図柄の小当たりであるかを判定し(S1101)、抽選結果が小当たりであると判別した場合(S1101:Yes)、小当たりフラグ203kをオンに設定して(S1102)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S1103)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄としてセットし(S1104)、本処理を終了する。
一方、S1101の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S1101:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S1105)、その後、本処理を終了する。
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図39のS210)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)について説明する。図42はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図42のS906)では、まず、第2特別図柄実行エリア203bから、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S1201)。次いで、第2特別図柄大当たり判定処理(図40のS905)において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S1202)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第2特別図柄に対して特図2大当たりフラグ203iがオンであるか否かで判別される。この特図2大当たりフラグ203iは、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図40参照)におけるS1007の処理でオンに設定されるものである。
S1202の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S1202:Yes)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17および図19参照)を読み出す(S1203)。そして、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図40参照)におけるS1001の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)より大当たり種別を決定する(S1204)。
S1204の処理が終了すると、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S1205)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(S1206)。そして、S1208の処理へ移行する。
一方、S1202の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていないと判別された場合には(S1202:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(S1207)を実行し、S1208の処理へ移行する。
S1208の処理では、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(S1208)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(S1209)、S1205の処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図2変動時間カウンタ203nにセットし(S1210)、本処理を終了する。
次に、図43を参照して、この特図2外れ変動パターン選択処理(S1207)について説明する。図43は、特図2外れ変動パターン選択処理(S1207)の内容を示したフローチャートである。
特図2外れ変動パターン選択処理(図43のS1207)では、まず、第2特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S1301)。ここでは、小当たりフラグ203kがオンに設定されているか判別する(S1301)。小当たりフラグ203kがオンであると判別した場合には(S1301:Yes)、第2特別図柄実行エリアから小当たり種別カウンタC5の値を取得する(S1302)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値と小当たり種別選択テーブル202e(図16(b)参照)に基づいて、小当たり種別を選択する(S1303)。
次に、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17〜図19参照)を読み出し(S1304)、読み出した変動パターン選択テーブルから、変動種別カウンタCS1の値に対応する小当たりの変動パターンを選択する(S1305)。その後、選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(S1306)、本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S1301:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17および図19参照)を読み出し(S1307)、読み出した変動パターン選択テーブルより、変動種別カウンタCS1の値に対応する外れの変動パターンを選択する(S1308)。その後、選択した外れの変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定し(S1309)、本処理を終了する。
次に、図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図32のS104参照)内の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S211)の内容について説明をする。図44は、第2特別図柄変動実行中処理(S211)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(S211)では、特図2の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(S211)が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203nを1減算して更新し(S1401)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新し(S1402)、本処理を終了する。
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理(S213)の内容について説明をする。図45は、第2特別図柄変動停止処理(S213)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S213)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものである。
第2特別図柄変動停止処理(S213)が実行されると、まず、特図2大当たりフラグ203iはオンに設定されているか判別し(S1501)、特図2大当たりフラグ203iはオンに設定されていると判別した場合には(S1501:Yes)、特図1変動の停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S1503)。次にS1503の処理を終えると、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示させる(S1504)。次に、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S1505)、特図2大当たりフラグ203iと確変フラグ203gと時短カウンタ203fをリセットする(S1506)。次いで、大当たり中フラグ203oをオンに設定し(S1507)、S1509の処理へ移行する。
S1509の処理では、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図2確定コマンドを設定する(S1509)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S1510)、本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合には(S1501:No)、特図2外れ停止処理を実行し(S1508)、上述したS1509、S1510の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図46を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図45のS213)の一処理である特図2外れ停止処理(S1508)について説明する。図46は、特図2外れ停止処理(S1508)を示すフローチャートである。この特図2外れ停止処理(S1508)では、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たり以外(小当たり、外れ)である場合において、その抽選結果を示す特図2が停止表示される場合に実行する処理であって、特図2の抽選結果が小当たりである場合には、実行中の特図1変動を仮停止させるための処理が実行される。
特図2外れ停止処理(S1508)では、まず、小当たりフラグ203kがオンに設定されているか判別する(S1601)。小当たりフラグ203kがオンに設定されていると判別した場合には(S1601:Yes)、特図1仮停止フラグ203vをオンに設定する(S1602)。次いで、特図1仮停止フラグ203vのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定する(S1603)。
S1603の処理を終えると、選択されている小当たり種別に基づいた小当たりシナリオを設定する(S1604)。その後、小当たりフラグ203kをオフに設定し(S1605)、小当たり中フラグ203pをオンに設定する(S1606)。
S1606の処理が終了すると、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S1607)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(S1608)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、小当たりフラグ203kがオフである(即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れである)と判別された場合は(S1601:No)、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S1609)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S1610)、本処理を終了する。
以上のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりを示す特別図柄が停止表示される場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図31参照)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図47は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図47のS105)は、第1入球口(第1始動口)64に遊技球が入球(入賞)したかを判別して、入球(入賞)した場合には、保留上限個数(第1入球口64では最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(S105)について説明する。
始動入賞処理(S105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S1701)。ここでは、第1入球口64への球の入球を検出する第1入球スイッチ(図示せず)の検出結果を用いて判別する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別されると(S1701:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が取得される(S1702)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S1703)。これは、第1入球口64に対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)は4未満であるか判別された場合には(S1703:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)に1加算される(S1704)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S1705)。各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S1706)。
次に、格納した各カウンタ値に基づいて、第1特別図柄の当否判定結果、決定される当たり種別、および、変動パターンを予測する(S1707)。そして、予測した第1特別図柄の当否判定結果、当たり種別、および、変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S1708)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口(第1入球口)64に遊技球が入賞して、新たに保留記憶されると、その保留記憶された情報に基づいて、当否判定結果が変動開始前に判別されて音声ランプ制御装置113に対して通知される。これにより、保留記憶されている当否判定結果に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆する演出を実行したりすることができる。
次に、図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図48は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図48のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S1801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合は(S1801:Yes)、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中では無いと判別した場合は(S1801:No)、次に、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)であるかを判別し(S1802)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)では無いと判別した場合(S1802:No)、即ち、現在が普通図柄の当たり中でも、普通図柄の変動中でも無い状態、つまり、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することが可能な状態であると判別した場合は、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1803)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S1804)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0であると判別した場合には(S1804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0でないと判別した場合には(S1804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1減算し(S1805)、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1806)。
S1806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留第1〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留第1エリア→実行エリア、普通図柄保留第2エリア→普通図柄保留第1エリア、普通図柄保留第3エリア→普通図柄保留第2エリア、普通図柄保留第4エリア→普通図柄保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1807)。
そして、S1807の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄(第2)当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S1808)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜10」の範囲にあれば、普通図柄の当たりと判別し、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜231」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「232」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
次に、S1808の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S1809)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(S1809:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S1810)、S1811の処理へ移行する。このS1810の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
一方、S1809の処理において、普通図柄の外れであると判別した場合には(S1809:No)、外れ時の表示態様を設定し(S1812)、S1811の処理へ移行する。このS1812の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S1811の処理へ移行する。
S1810又はS1812の処理が終了すると、S1811の処理において、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)であるかを判別し(S1811)、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)であると判別した場合は(S1811:Yes)、第2図柄表示装置における普通図柄の変動時間を3秒間に設定し(S1813)、次に普図短変動フラグ203tをオンに設定して(S1814)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)では無い(普通図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S1811:No)、第2図柄表示装置における普通図柄の変動時間を10秒間に設定して(S1815)、本処理を終了する。
なお、S1814の処理でオンに設定された普図短変動フラグ203tは、普通図柄の抽選が実行されたタイミングにおける遊技状態を一時的に記憶するための構成であって、普通図柄の変動が停止表示され電動役物64aの開放動作を設定する際に参照されるものである。これにより、普通図柄の変動(抽選)開始タイミングと、電動役物64aの開放動作タイミングと、がどの遊技状態であるのかに応じて電動役物64aの開放動作内容を可変することができる。
本実施形態では、普通図柄の変動(抽選)開始(実行)タイミングにおける遊技状態を、専用のフラグを用いて一時的に記憶するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、現在設定されている遊技状態を常に記憶可能な遊技状態記憶手段に、普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に、その普通図柄の抽選が実行された際における遊技状態を一時的に記憶するための記憶領域を設けるように構成しても良い。さらに、通常状態が設定されている期間を常に記憶する手段を設け、その手段に記憶されている期間(通常状態が設定されている期間)と、普通図柄の抽選が行われたタイミングとを比較することにより、普通図柄の抽選が行われたタイミングにおける遊技状態を判別することができるように構成しても良い。つまり、現在設定されている遊技状態を記憶可能な記憶手段と、過去の所定タイミングにおいて設定されていた遊技状態を少なくとも記憶可能な記憶手段を設けた構成であれば良い。
一方、S1802の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であると判別した場合は(S1802:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S1816)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S1810の処理またはS1812の処理によって予め設定された時間である。
S1813の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S1816:No)、本処理を終了する。一方、S1816の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していると判別すると(S1816:Yes)、次に、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S1817)。S1817の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1810の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1812の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。なお、第2図柄が停止表示される期間は、第2図柄が変動中であることを示す点滅表示(「○」と「×」との交互表示)における1つの箇所を点灯させる期間よりも長くなるように(確定表示する)構成している。これにより、遊技者に対して第2図柄が停止表示されたことを容易に把握させることができる。
S1817の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図52参照)の第2図柄表示更新処理(図52のS2208)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S1810の処理またはS1812の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
S1817の処理を終えると、次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S1818)。今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S1818:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合は(S1818:Yes)、次に、普図短変動フラグ203tがオンに設定されているかを判別する(S1819)。
S1819の処理において、普図短変動フラグ203tがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S1819:No)、電動役物64aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S1821)、S1820の処理へ移行する。
一方、S1819の処理において、普図短変動フラグ203tがオンに設定されていると判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S1816:Yes)、普図短変動フラグ203tをオフに設定し(S1820)、次いで、現在の遊技状態が時短状態(時短中)であるかを判別する(S1821)。
S1821の処理において、現在の遊技状態が時短状態でないと判別した場合は(S1821:No)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態で、現在の遊技状態(電動役物64aの開放動作を設定するタイミング)が通常状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S1824)、S1823の処理へ移行する。
一方、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S1821:Yes)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミング、及び、現在の遊技状態(電動役物64aの開放動作を設定するタイミング)が共に時短状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定(電動役物64aのロング開放動作を設定)し(S1822)、S1823の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が実行されるタイミングと、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物64aの開放動作を設定するタイミングと、が共に時短状態である場合にのみ、電動役物64aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利となる開放動作が設定される条件を厳密に設定することができるため、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態で普通図柄の抽選(変動)が実行されて当たりに当選し、その普通図柄の変動時間(10秒)が終了するまでの間に時短状態が設定されたとしても、電動役物64aの動作としてロング開放が設定されることが無い。また、同様に時短状態が設定されている状態で実行された普通図柄の変動(抽選)において当たりに当選し、その普通図柄の変動が停止するまでの間に遊技状態として通常状態が設定された場合にも電動役物64aのロング開放が設定されることが無い。よって、遊技者に対して過剰に有利な特典(電動役物64aのロング開放)が提供されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技状態として通常状態が設定されている状態において電動役物64aがロング開放することを抑制することができるため、遊技者に有利な特別図柄(第2特別図柄)の抽選が実行され易い期間を時短状態中に制限することができる。なお、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物64aの開放動作を設定するタイミングと、における遊技状態を判別し、各タイミングにおいて設定される遊技状態に基づいて電動役物64aの開放動作内容を設定する構成として、上述した構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物64aの開放動作を設定するタイミングと、が共に通常状態である場合のみ遊技者に不利となる開放動作(図48のS1824で設定される開放動作)を設定し(ショート開放を設定し)、それ以外の状態ではロング開放(図48のS1822で設定される開放動作)が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されている前後の期間において実行される普通図柄変動に対しても遊技者に有利な特典(ロング開放)を提供することができるため、時短状態を遊技者により有利な状態をすることができる。
このように、遊技状態として時短状態が設定されている間は、通常状態が設定されている場合と比較して、普通図柄の変動時間が「10秒→3秒」と非常に短くなり、更に、下第1入球口64b2の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、下第1入球口64b2へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では大当たり遊技が実行される場合には時短状態が終了するように構成しているため、大当たり遊技中は通常状態となる。一方、小当たり遊技が実行される場合には、時短終了条件が成立しない限り継続して時短状態が設定されるように構成しているため、時短状態が設定されている間に実行される小当たり遊技中は、小当たり遊技において第1可変入賞装置65が開放し、且つ、電動役物64aがロング開放する期間となり、複数の入賞口(第1特定入賞口65a、下第1入球口64b2)への球の入球が容易となる特定期間となる。
このような構成を用いることにより、例えば、図2に示した遊技盤13の構成に代えて、第1可変入賞装置65の上方に電動役物64a及び下第1入球口64b2を配設し、小当たり遊技中に2つの入賞口(V入賞装置65a、下第1入球口64b2)に球が入球するように構成すると良い、これにより、小当たり遊技中に獲得可能な賞球数を増加させることができ、遊技者により有利な特典を付与することが可能となる。
図48に戻り説明を続ける。S1820の処理では、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開閉制御開始を設定し(S1823)、本処理を終了する。S1823の処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図52参照)の電動役物開閉処理(S2206参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S1824の処理またはS1822の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。
次に、図49のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図49は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図49のS107)では、まず、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(S1901)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判別されると(S1901:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1902)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1903)。
遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S1901:No)、或いは、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満でなければ(S1903:No)、本処理を終了する。一方、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S1901:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満であれば(S1903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1加算する(S1904)。
S1904の処理を終えると、上述したタイマ割込処理(図31参照)のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1905)、本処理を終了する。尚、S1905の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203eの値を参照し、その値が1であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
詳細については後述するが、本実施形態では第1特別図柄に基づく抽選よりも第2特別図柄に基づく抽選のほうが遊技者に有利となるよう設定されている。よって、普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりとなることで提供される下第1入球口64b2に球が入球可能な状態は、通常の遊技状態に比べ有利な遊技状態となる。
このような遊技状態が提供されるタイミングを普図の事前判定結果に基づいて示すことにより、遊技者は通常の遊技状態よりも有利な遊技状態を見逃すことなく遊技を行うことができる。なお、このような普図の事前判定結果を用いて演出を行う場合は普図の当否判定結果に基づく演出だけではなく、普図が当たりと判定された場合における電動役物64aが開放動作されるタイミングを示唆する演出を行うと良い。このようにすることで、通常の遊技状態は遊技盤13の左側の遊技領域を狙った遊技を行い、下第1入球口64b2(電動役物64aが付随する入球口)が遊技盤13の右側に配設されていたとしても、電動役物64aが開放動作を行う前に、遊技盤13の右側を狙う遊技(所謂、右打ち)に切り替えることが可能となり、通常の遊技状態であっても下第1入球口64b2への球が入球する可能性を高めることができるという効果がある。
図50は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S2001)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図51を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図51は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図51)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2101)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S2102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S2103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図12参照)がオンされているか否かを判別し(S2104)、オンされていれば(S2104:Yes)、処理をS2110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図12参照)がオンされていなければ(S2104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2105)、記憶されていなければ(S2105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS2110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2105:Yes)、RAM判定値を算出し(S2106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S2107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS2110へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S2110の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S2110)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S2111、S2112)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図12)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図12)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S2111、S2112)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S2111、S2112)を実行する。RAMの初期化処理(S2111、S2112)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S2111)、その後、RAM203の初期値を設定する(S2112)。RAM203の初期化処理の実行後は、S2113の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図12)がオンされておらず(S2104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S2105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S2107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S2108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S2109)、S2110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S2113)。その後、確変フラグ203gの状態および時短カウンタ203fの各値を読み出し(S2114)、読み出したカウンタ値に基づき、状態コマンドを設定する(S2115)。S2115の処理が終了すると、割込みを許可し(S2116)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図52を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図52は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図31参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S2201)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S2202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S2203)を実行する。大当たり制御処理が実行される(S2204)。この大当たり制御処理(S2204)については、図53を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり遊技処理(S2204)が実行された後には、小当たり制御処理(S2205)が実行される。この小当たり制御処理については、図55を参照して後述する。その後、電動役物開閉処理が実行される(S2206)。この電動役物開閉処理(S2206)では、電動役物64aの開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S2207)。
次に、第2図柄表示装置による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S2208)。簡単に説明すると、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置にて第2図柄(普通図柄)の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄(普通図柄)の抽選が実施され、第2図柄(普通図柄)の当たり状態になると、電動役物64aが所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2209)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2209:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S2210)、既に所定時間(4ms)が経過していれば(S2210:Yes)、処理をS2201へ移行し、上述したS2201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S2210:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S2211)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S2211)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479、232)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S2202の処理と同一の方法によって実行する(S2212)。
ここで、S2201〜S2208の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S2209の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2209:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図50のNMI割込処理が実行されたということなので、S2213以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S2213)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S2214)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S2215)、RAM203のアクセスを禁止して(S2216)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S2209の処理は、S2201〜S2208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS2211とS2212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS2201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS2201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S2201)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S2201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S2204)を説明する。図53は、この大当たり制御処理(S2204)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S2204)は、メイン処理(図52参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(大開放口)65a、第2特定入賞口650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S2204)では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(S2301)。大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(S2301:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2301の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別した場合は(S2301:Yes)、大当たりシナリオを更新し(S2302)、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S2303)。より具体的には、S2302の処理において、大当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、S2303の処理において、大当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。
S2303の処理において、大当たりシナリオのオープニング開始(大当たり開始)のタイミングであると判別された場合は(S2303:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S2304)、本処理を終了する。一方、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングではないと判別した場合は(S2303:No)、次いで、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S2305)。
S2305の処理において、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2305:Yes)、大当たり中の特定入賞口650aの開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S2306)、本処理を終了する。
一方、S2305の処理において、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(S2305:No)、次に、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(S2307)。ここで、本実施形態では、第1特定入賞口65a、或いは第2特定入賞口650aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、10個)入賞した場合、または、第1特定入賞口65a、或いは第2特定入賞口650aの開放期間が所定時間(30秒)経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。ラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S2307:Yes)、S2308の処理にて現在開放中の第1特定入賞口65a、或いは第2特定入賞口650aが閉鎖されるよう設定し、本処理を終了する。なお、上述したS2305〜S2307までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
一方、S2307の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S2307:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別し(S2309)、エンディング演出の開始タイミングであれば(S2309:Yes)、大当たり用エンディングコマンドを設定し(S2310)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S2201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、S2309の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2309:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2311)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S2311の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2311:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S2312)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S2312)の詳細については、図54を参照して後述する。一方、大当たりの終了タイミングでなければ(S2311:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図54を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図53のS2204)内の一処理である大当たり終了処理(S2312)について説明する。この大当たり終了処理(S2312)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図54は、この大当たり終了処理(S2312)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了処理(S2312)では、まず、当選時状態格納エリア203jに基づいて、当選時の遊技状態を特定する(S2401)。次いで、今回の大当たりが確変大当たり(大当たり遊技終了後に確変フラグ203gをオンに設定する大当たり種別)であるかを判別する(S2402)。ここで、S2402の処理では、今回設定された大当たり種別に基づいて判別を行う。S2402の処理において、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S2402:Yes)、確変フラグ203gをオンに設定し(S2403)、S2404の処理に移行する。一方、S2402の処理において、今回の大当たりが確変大当たりでは無いと判別した場合には(S2402:No)、S2403の処理をスキップし、S2404の処理に移行する。これにより、大当たり後の遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される。
次に、S2401の処理によって読み出した当選時の遊技状態と、大当たり種別とに対応した値を時短カウンタ203fに設定する(S2404)。具体的には、大当たり種別として「大当たりA」が設定されている場合は、次回大当たりまで普通図柄の高確率状態を継続させるために時短カウンタ203fの値に「10000」を設定し、「大当たりB」が設定されている場合は、特別図柄の変動回数が100回となるまで普通図柄の高確率状態を継続させるために時短カウンタ203fの値に「100」を設定する。
S2404の処理を終えると、次いで、大当たり中フラグ203oをオフに設定し、当選時状態格納エリア203jをクリアする(S2405)。その後、設定した遊技状態に応じた状態コマンドを設定し(S2406)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、今回当選した大当たりの大当たり種別と、当選時の遊技状態が判別されて、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための2つの条件要素(確変フラグ203g、時短カウンタ203f)の内容を設定するように構成している。よって、当選した大当たりの大当たり種別と、大当たりに当選した時点の遊技状態との両方に遊技者を注視させることができる。
次に、図55を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図52参照)内の一処理である小当たり制御処理(S2205)について説明する。図55は、この小当たり制御処理(S2205)の内容を示したフローチャートである。
小当たり制御処理(S2205)では、まず、小当たりシナリオが設定されているかを判別する(S2501)。具体的には、特図2外れ停止処理(図46参照)のS1604の処理が実行され、小当たりシナリオが設定されているかを判別する。S2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていなければ(S2501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていれば(S2501:Yes)、小当たりシナリオを更新し(S2502)、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S2503)。より具体的には、S2502の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、S2503の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が小当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。
S2503の処理において、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであると判別した場合は(S2503:Yes)、小当たり用オープニングコマンドを設定し(S2504)、本処理を終了する。一方、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングでないと判別した場合は(S2503:No)、次いで、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであるかを判別する(S2505)。
S2505の処理において、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであると判別した場合は(S2505:Yes)、小当たり動作設定処理を実行し(S2506)、本処理を終了する。なお、小当たり動作設定処理(S2506)の詳細については、図56を参照して後述する。一方、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングでないと判別した場合は(S2505:No)、次いで、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(S2507)。ここで、本実施形態では、特定入賞口65aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、5個)入賞した場合、または、特定入賞口65aの開放期間が所定時間経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。
S2507の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S2507:Yes)、S2508の処理にて特定入賞口65aが閉鎖されるよう設定し、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S2507:No)、エンディング演出の開始のタイミングであるかを判別する(S2509)。
S2509の処理において、エンディング演出の開始のタイミングであると判別した場合は(S2509:Yes)、小当たり用エンディングコマンドを設定し(S2510)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S2201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、S2509の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2509:No)、小当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2511)。ここで、小当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。
S2511の処理において、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2511:Yes)、小当たり中フラグ203pをオフに設定し(S2512)、本処理を終了する。一方、小当たりの終了タイミングでなければ(S2511:No)、第2入賞処理を実行し(S2513)、本処理を終了する。この第2入賞処理(S2513)の詳細については、図57を参照して後述する。
次に、図56を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(図56のS2506)内の一処理である小当たり動作設定処理(S2506)について説明する。図56は、この小当たり動作設定処理(S2506)の内容を示したフローチャートである。
小当たり動作設定処理(S2506)では、まず、開始する小当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放シナリオを読み込む(S2601)。特定入賞口65aの開放動作をS2601の処理で読み込んだデータにより設定し(S2602)、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
次に、図57を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(図56のS2506)内の一処理である第2入賞処理(S2513)の詳細について説明する。図57は、この第2入賞処理(S2513)を示すフローチャートである。この第2入賞処理(S2513)は、小当たり制御処理(図55参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この第2入賞処理(S2513)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2701)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aが開放状態に設定されてから、インターバル期間(5秒)が終了するまでの期間である。S2701の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2701:No)、入賞カウンタ203uをリセットし(S2702)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2701の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2701:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S2703)、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S2703:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2703の処理において、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S2703:Yes)、入賞カウンタ203uの値に1を加算して更新する(S2704)。そして、入賞カウンタ203uの値が上限値(本実施形態では、5)以上であるかを判別し(S2705)、入賞カウンタ203uの値が上限値(本実施形態では、5)以下であれば(S2705:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、入賞カウンタ203uの値が上限値(本実施形態では、5)以上であれば(S2705:Yes)、特定入賞口65a(に付随する開閉板65f1)の閉鎖を設定する(S2706)。次いで、小当たりシナリオをラウンドの終了に更新し(S2707)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図58から図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図58を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図58は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図59参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図59を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図59のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図59のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、状態コマンドに基づいて状態設定エリアを更新する(S4011)。次いで、割込み許可を設定して(S4012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図59を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図59は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4110の処理を行わずにS4111の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4111のコマンド判定処理やS4112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。この後、S4111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4110の処理後、各種カウンタ更新処理を実行し(S4111)、S4112の処理に移行する。この各種カウンタ更新処理の詳細については、図72を参照して後述する。
その後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4112)が実行され、S4113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4112)の詳細については、図60を参照して後述する。
S4113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図69を参照して後述する。
S4113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図60は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行し(S4202)、本処理を終了する。この停止種別コマンド受信処理(S4202)の詳細については図61を参照して後述する。
一方、S4201の処理において、特図1停止種別コマンドも、特図2停止種別コマンドも受信していないと判別した場合は(S4201:No)、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判別する(S4203)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4203:Yes)、状態コマンド処理を実行し(S4204)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S4204)の詳細については、図62を参照して後述するが、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいてパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)を状態設定エリア223jに設定する処理が実行される。
一方、S4203の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S4203:No)、特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4205)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4205の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S4205:Yes)、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223dをオンに設定し(S4206)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4207)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図69参照)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始と、その第1特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4205:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4208)。なお、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4208の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4208:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223eをオンに設定し(S4209)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4210)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第2特別図柄の変動パターン種別であることが識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図69参照)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始と、その第2特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
S4208の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4208:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4211)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S4211:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、第1特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新して(S4212)、本処理を終了する。なお、本実施形態では第2特別図柄(特図2)の抽選を保留記憶する構成を有していないため、S4212の処理では第1特別図柄(特図1)保留球数カウンタ223cの値を更新する処理のみが実行される。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S4212の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。
また、S4211の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S4213)。S4213の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、受信した入賞情報コマンドの情報(特別図柄の抽選の当否、当たり種別、および、変動パターン)を対応する入賞情報格納エリア223bに設定し(S4214)、本処理を終了する。
一方、S4213の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、主制御装置より当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4216)。S4215の処理において、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4216:Yes)、当たり関連処理を実行し(S4216)、本処理を終了する。当たり関連処理(S4216)の詳細については、図63を参照して後述するが、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものである。
一方、S4215の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4215:No)、主制御装置110より残時短回数コマンドを受信したか判別する(S4217)。S4217の処理において、残時短回数コマンドを受信したと判別した場合は(S4217:Yes)、残回数更新処理(S4218)を実行する。この残回数更新処理(S4218)の詳細については、図66を参照して説明するが、主制御装置110から出力される残時短回数コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に表示するための演出表示の内容を設定する処理が実行される。
S4217の処理において、残時短回数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、主制御装置110より仮停止関連コマンドを受信したか判別する(S4219)。S4219の処理において、仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4219:Yes)、仮停止関連処理を実行し(S4220)、本処理を終了する。仮停止関連処理(S4220)の詳細については、図67を参照し後述するが、特図1仮停止コマンドまたは特図2仮停止コマンドを受信した場合における特図変動時間の残時間を判別する処理と、特図1変動再開コマンドまたは特図2変動再開コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行する演出(追加演出)を設定する処理が実行される。
一方、S4219の処理において、仮停止関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4219:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S4221)、本処理を終了する。S4221の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
以上、説明をした通り、本実施形態の音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(図60のS4112)では、状態コマンドを受信したかを判別する処理(図60のS4203参照)を、各特別図柄の変動パターンコマンドを受信したかを判別する処理(図60のS4205,S4208参照)よりも前段に構成している。
このように構成することで、変動パターンコマンドと状態コマンドとが同時に主制御装置110から出力される場合、即ち、主制御装置110の第1特別図柄変動開始処理(図33のS208参照)の中で、第1特別図柄変動パターン選択処理(図33のS307参照)を実行し、特図1変動パターンコマンドを設定し、その後に実行される遊技状態更新処理(図33のS308参照)において、遊技状態が可変したことを示す状態コマンドを設定した場合であっても、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている遊技状態を特図1変動パターンコマンドよりも先に判定することができる。
よって、確変状態が設定されている状態で特図1の大当たりに当選し、その大当たり変動中に潜確状態が設定される場合において、音声ランプ制御装置113側では、潜確状態が設定されたと判別した状態で大当たり変動となる変動パターンコマンドに対応する変動演出(図7(a)参照)を、容易に設定することができる。
なお、本実施形態の構成とは異なり、状態コマンドの判別処理よりも前段に変動パターンコマンドに応じた処理を実行するように構成した場合、上述した大当たり変動に対応する変動パターンコマンドからは、確変状態中の第1特別図柄抽選によって大当たりに当選したことを示す情報のみを先に受信し、その受信内容に応じた変動表示が設定されることになる。よって、第1特別図柄の大当たり変動が開始されると同時に潜確状態が設定されたことを示す変動表示を実行することが困難となる。このように潜確状態が設定されたことを示す変動表示が遅れてしまうことにより、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる旨を報知するタイミングが遅れてしまうことから、遊技者に不快感を与えてしますという問題が発生する。
これに対して、本実施形態では、上述した通り、主制御装置110側では、大当たりの当否判定(図33のS306参照)、変動パターン設定(図33のS307)の後に遊技状態を可変させる処理(遊技状態更新処理(図33のS308))を実行するのに対して、音声ランプ制御装置113側では、先に現在の遊技状態を判別する処理(図60のS4204)を実行し、その後に変動パターンに対応する変動表示を設定するように構成している。よって、潜確状態が設定されているにも関わらず、それより以前の遊技状態に対応した変動表示が設定、実行されてしまうことを確実に防止することができる。
また、音声ランプ制御装置113側にて主制御装置110から出力された各種コマンドの受信順序を規定するように構成することで、主制御装置110側にて各種コマンドの出力順序を規定する必要性を低減することが可能となる。よって、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止種別コマンド受信処理(S4202)について説明する。図61は、この停止種別コマンド受信処理(S4202)を示したフローチャートである。この停止種別コマンド受信処理(S4202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)の中で実行される。以下、停止種別コマンド受信処理(S4202)の詳細を説明する。
停止種別コマンド受信処理(S4202)では、まず、受信したコマンドに対応して、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ223fをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ223gをオンに設定する(S4301)。次に、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA〜大当たりG、小当たりA〜小当たりC,外れ、リーチ外れ等)を抽出し(S4302)、本処理を終了する。
S4302において抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。これにより、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とが同時に変動を開始したとしても停止種別をそれぞれ管理することが可能となり、適切な変動表示を実行することができる。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理(S4204)について説明する。図62は、この状態コマンド処理(S4204)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S4204)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)の中で実行される。以下、状態コマンド処理(S4204)の詳細を説明する。
この状態コマンド処理(S4204)では、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を状態設定エリア223jに設定する処理を実行すると共に、遊技状態が潜確状態に移行した場合に、潜確状態が設定されていることを遊技者に報知するための演出(チャンスゾーン演出(図6(b)参照))を設定するための処理と、遊技状態が通常状態へと移行した場合に、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示するために用いた各種フラグやカウンタをクリアするための処理と、が実行される。
状態コマンド処理(S4204)では、まず、RAM223に設けられた状態設定エリア223jの値から、状態コマンドを受信する前の遊技状態を判別する(S4401)。即ち、どの遊技状態で状態コマンドを受信したのかを判別する。次いで、状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態であるかを判別する(S4402)。状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態でないと判別した場合は(S4402:No)、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドであるか判別する(S4403)。S4403の処理において、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドである場合は(S4403:Yes)、潜確状態の突入を報知する潜確報知演出を設定する(S4404)。そして、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を状態設定エリア223jに格納し(S4405)、S4406の処理へ移行する。
一方、4402の処理において、状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態であると判別した場合(S4402:Yes)、または、S4403の処理において、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドでない場合は(S4403:No)、S4406の処理へ移行する。
次に、受信したコマンドが通常状態への移行を示す状態コマンドかどうか判別する(S4406)。受信したコマンドが通常状態への移行を示す状態コマンドではないと判別した場合には(S4406:No)、S4407〜S4410の処理をスキップし、後述するS4411の処理を実行し、本処理を終了する。一方、受信したコマンドが通常状態への移行を示す状態コマンドであると判別した場合には(S4406:Yes)、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4407)。カード報知済フラグ223qはオンに設定されていると判別した場合には(S4407:Yes)、賞球数カウンタ223uの値を0にクリアし(S4408)、カード報知済フラグ223q、カード報知可能フラグ223s、ラッシュ表示済フラグ223tをオフに設定する(S4409)。次に、残変動時間情報格納エリア223oと残時間格納エリア223pの内容をクリアし(S4410)、その他状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を状態設定エリア223jに格納し(S4411)、本処理を終了する。一方、S4407の処理において、カード報知済フラグ223qはオフに設定されていると判別した場合には(S4407:No)、S4408及びS4409の処理をスキップし、S4410及びS4411の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)内の一処理である当たり関連処理(S4216)について説明する。図63は、当たり関連処理(S4216)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理では、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は小当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
加えて、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中に獲得した賞球の数を示すための賞球数コマンドを受信した場合に、その賞球数コマンドが示す賞球数を累積し、累積結果に基づいてカード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示するための処理が実行される。
当たり関連処理(S4216)では、まず、コマンド判定処理(図60参照)により受信したコマンドが、大当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4501)。受信したコマンドが大当たり関連コマンドであると判別した場合には(S4501:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4502)、本処理を終了する。
ここで、図64を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図63のS4216)内の一処理である大当たり関連処理(S4502)について説明する。図64は、大当たり関連処理(S4502)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理(S4502)では、まず、当たり関連処理(S4216)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S4601)。大当たり開始コマンドを受信した場合には(S4601:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S4602)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S4601の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S4601:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S4603)。ラウンド数コマンドを受信した場合には(S4603:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4604)、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S4603の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4603:No)、エンディングコマンドを受信したか判別する(S4605)。エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S4605:No)、そのまま本処理を終了する。一方、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S4605:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S4606)、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4607)。カード報知済フラグ223qはオンに設定されていると判別した場合には(S4607:Yes)、カード報知を含まない表示用エンディングコマンドを設定する(S4608)。即ち、図10(a)の表示態様を第3図柄表示装置81に表示させないための処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4607の処理において、カード報知済フラグ223qはオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4607:No)、今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBであるか判別する(S4609)。今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBであると判別した場合には(S4609:Yes)、カード報知を含む表示用エンディングコマンドを設定し(S4610)、カード報知済フラグ223qをオンに設定する(S4611)。即ち、第3図柄表示装置81に図10(a)の表示態様を表示させるための処理を実行し、本処理を終了する。
一方、今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBではないと判別した場合には(S4609:No)、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されているか判別する(S4612)。カード報知可能フラグ223sがオンに設定されていると判別した場合には(S4612:Yes)、カード報知可能フラグ223sをオフに設定し(S4613)、上述したS4610〜S4611の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4612の処理において、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されていないと判別した場合には(S4612:No)、上述したS4608の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたとおり、大当たり関連処理(図64のS4502)では、大当たり遊技中における第3図柄表示装置81の表示画面に表示する各種表示態様として、実行中の大当たり遊技に関する遊技情報(オープニング、エンディング、ラウンド数)の表示内容を設定する処理に加え、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示するか否かの処理を実行するように構成している。
このカード忘れ注意喚起画面は、遊技者が所定量(例えば、250発)の賞球を当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)にて獲得した場合に、遊技者に対してカード(球を借りる際に用いられる有価媒体)を忘れないように注意喚起するための報知態様である。本実施形態では、通常状態から大当たりに当選し、再度通常状態へと移行するまでの期間(継続有利期間)において獲得した賞球数が所定量に到達し得る条件を満たした場合に上述したカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。
具体的には、図64を参照して上述した通り、通常状態において当選した大当たり(初当たり)にて、所定量(例えば、250発)を超える賞球を容易に獲得できる大当たり(大当たりA、大当たりB)に当選した場合は、その大当たり遊技の終了時にカード忘れ注意喚起画面を表示するカード報知を実行し、それ以外の大当たり(大当たりC、大当たりD)に当選した場合は、カード報知を実行しないように構成している。
このように構成することで、所定量の賞球を獲得していない遊技者に対してカード忘れ注意喚起画面を表示してしまう事態を抑制することができ、継続して球を借りながら遊技を行う遊技者に対して不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
さらに、本実施形態は、大当たり遊技に加えて、小当たり遊技を頻繁に実行し易い遊技状態(潜確状態)を設定可能に構成しているため、小当たり遊技を繰り返すことにより、遊技者が所定量(例えば、250発)の賞球を獲得する場合がある。そこで、有利継続期間中に遊技者が獲得した賞球数(有利期間中に払い出される賞球数)を累積し、累積結果が所定量(250発)を超えた場合には、その時点において実行中の大当たり遊技、或いは小当たり遊技のエンディング画面にてカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して適正なタイミングでカード忘れ注意喚起画面を表示することができる。
また、本実施形態では、1回の有利継続期間中にカード忘れ注意喚起画面を1回のみ報知するように構成している。これにより、カード忘れ注意喚起画面が頻繁に表示され、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、カード忘れ注意喚起画面を表示する方法は、本実施形態の内容に限ること無く、例えば、有利継続期間を計測する計測手段を設け、前回カード忘れ注意喚起画面を表示してからの経過期間が所定期間(例えば10分)を超えた場合には、再度カード忘れ注意喚起画面を表示するように構成しても良い。この場合、一度カード忘れ注意喚起画面を表示していることから(カード忘れ注意喚起画面を表示するための表示条件を既に満たしていることから)、特別図柄変動期間中(例えば、有利継続期間中において変動時間が5秒以上の変動パターンが選択された場合)でカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後にカード忘れ注意喚起画面が表示されるという遊技者の固定概念を利用し、遊技者に現在の遊技状況を分かり難くすることができる。また、同様の効果を奏する手法として、大当たり遊技が小当たり遊技のオープニング期間を用いてカード忘れ注意喚起画面を表示するようにしても良い。
図63に戻り、説明を続ける。S4501の処理において、受信したコマンドが大当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S4501)、受信したコマンドが、小当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4503)。受信したコマンドが小当たり関連コマンドであると判別した場合には(S4503:Yes)、小当たり関連処理(S4504)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図63のS4216)内の一処理である小当たり関連処理(S4504)について説明する。図65は、小当たり関連処理(S4504)の内容を示したフローチャートである。小当たり関連処理では、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、小当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
小当たり関連処理(S4504)では、まず、当たり関連処理(S4216)により受信した当たり関連のコマンドが、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S4701)。小当たり開始コマンドを受信した場合には(S4701:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4702)、本処理を終了する。
一方、S4701の処理において、受信したコマンドが小当たり開始コマンドではないと判別した場合には(S4701:No)、エンディングコマンドを受信したか判別する(S4703)。受信したコマンドがエンディングコマンドではないと判別した場合には(S4703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドがエンディングコマンドであると判別した場合には(S4703:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S4704)、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4705)。カード報知済フラグ223qがオンに設定されていると判別した場合には(S4705:Yes)、カード報知を含まない表示用エンディングコマンドを設定し(S4706)、本処理を終了する。
一方、S4705の処理において、カード報知済フラグ223qはオンに設定されていないと判別した場合には(S4705:Yes)、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されているか判別する(S4707)。カード報知可能フラグ223sはオンに設定されていると判別した場合には(S4707:Yes)、カード報知可能フラグ223sをオフに設定し(S4708)、カード報知を含む表示用エンディングコマンドを設定し(S4709)、カード報知済フラグ223qをオンに設定し(S4710)、本処理を終了する。一方、S4707の処理において、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されていない(S4707:No)、上述したS4706の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、1回の遊技ではカード忘れ注意喚起画面を表示するための表示条件を満たすことの無い小当たり遊技においても、通常状態で大当たりに当選してから、再度通常状態が設定されるまでの遊技期間(有利継続期間)において獲得した賞球数の累積値が表示条件(例えば、獲得賞球数が250発に到達)を満たした場合には、小当たり遊技終了後にもカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して適正なタイミングでカード忘れ注意喚起画面を表示することができる。
図63に戻り、説明を続ける。S4503の処理において、受信したコマンドが小当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S4503:No)、賞球コマンドを受信したかどうか判別する(S4505)。受信したコマンドが賞球コマンドではないと判別した場合には(S4505:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドが、賞球コマンドであると判別した場合には(S4505:Yes)、受信したコマンドに対応する値を賞球数カウンタ223uの値に加算し(S4506)、次に、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4507)。カード報知済フラグ223qはオンに設定されていないと判別した場合には(S4507:No)、S4506の処理において加算された賞球数カウンタ223uの値が250以上であるか判別する(S4508)。加算後の賞球数カウンタ223uの値が250以上であると判別した場合には(S4508)、カード報知可能フラグをオンに設定し(S4509)、表示用賞球数コマンドを設定し(S4510)、本処理を終了する。一方、S4507の処理において、カード報知済フラグ223qがオンに設定されていると判別した場合(S4507:Yes)、或いは、S4508の処理において、加算後の賞球数カウンタ223uが250未満であると判別した場合には(S4508:No)、上述したS4509の処理をスキップし、S4510の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態のパチンコ機10では、状態コマンド処理(図62のS4204参照)によって、通常状態が設定されたことが判別され、賞球数カウンタ223uの値をクリアされるまでの期間(有利継続期間)中に受信した賞球数コマンドに対応する賞球数を賞球数カウンタ223uにて累積するように構成している。そして、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の終了時に(エンディング画面表示タイミングに)おける賞球数カウンタ223uの値に応じてカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。
これにより、例えば、有利継続期間が設定される契機となる大当たり(初当たり)が大当たりC(1回の大当たり遊技にて所定量(250発)の賞球を獲得し難い大当たり)であった場合には、有利継続期間中に小当たり遊技に当選した場合や、再度大当たりCに当選した場合等にカード忘れ注意喚起画面を表示することができる。
次に、図66を参照して、残回数更新処理(S4218)について説明する。図66は、この残回数更新処理(S4218)の内容を示したフローチャートである。この残回数更新処理(S4218)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)の中で実行されるものであって、主制御装置110から残時短回数コマンドを受信したことに基づいて、残時短回数エリア223k、残変動時間情報格納エリア223o、残時間格納エリア223pに設定される内容を更新する処理が実行される。
残回数更新処理(S4218)では、まず、主制御装置110より残時短回数コマンドを受信したか判別する(S4801)。残時短回数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4801の処理において、残時短回数コマンドを受信したと判別した場合には(S4801:Yes)、受信したコマンドに対応する表示用時短回数コマンドを設定し(S4802)、本処理を終了する。
次に、図67を参照して、仮停止関連処理(S4220)の内容について説明をする。図67は、仮停止関連処理(S4220)の内容を示すフローチャートである。この仮停止関連処理(S4220)では、特図1仮停止コマンド受信した場合における特図変動時間の残時間を判別する処理と、特図1変動再開コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行する演出(追加演出)を設定する処理とが実行される。
仮停止関連処理(S4220)が実行されると、まず、特図1仮停止コマンドを受信したかを判別し(S4901)、受信していないと判別した場合は(S4901:No)、変動再開処理(S4902)を実行する。変動再開処理(S4902)の詳細については、図68を参照して後述する。一方、S4901の処理において、特図1仮停止コマンドを受信したと判別した場合には(S4901:Yes)、現在設定されている変動パターンの残変動時間を算出する(S4903)。そして、S4903の処理で算出した残変動時間が2秒より少ないかを判別し(S4904)、2秒よりも少ないと判別した場合は(S4904:Yes)、残変動時間情報格納エリア223oに残変動時間が短いことを示す期間Aを設定し(S4905)、S4902の処理へ移行する。
一方、S4904の処理において、残変動時間が2秒よりも少なくない(2秒以上)と判別した場合には(S4904:No)、次に、残変動期間が2秒以上であり15秒よりも少ないかを判別し(S4906)、2秒以上であり15秒よりも少ないと判別した場合は(S4906:Yes)、残変動時間情報格納エリア223oに通常の残変動時間であることを示す期間Bを設定し(S4907)、S4902の処理へ移行する。
一方、S4906の処理において、残変動時間が15秒よりも少なくない(15秒を超過)と判別した場合は(S4906:No)、残変動時間情報格納エリア223oに残変動時間が長いことを示す期間Cを設定し(S4908)、S4902の処理へ移行する。このように、特図変動が再開した場合に実行される変動時間(残変動期間)を、特図変動を中断した(特図変動時間の減算を中断した)タイミングで算出し、その期間に対応する情報を設定しておくことにより、特図変動を再開するタイミングで遅滞なく、且つ、残変動時間に適した演出(追加演出)を実行することができる。
なお、本実施形態では、特図変動が再開した場合に実行される変動時間(残変動期間)に対応して残変動時間情報格納エリア223oに設定する期間情報(期間A〜期間C)を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、残時間が短い程、期間Aが選ばれ易く、残時間が長い程、期間Cが選ばれ易くなるように各期間情報の選択割合を残時間に応じて異ならせるように構成しても良いし、残期間を所定期間(例えば、30秒)間隔で区切り、各区切りに対して期間A〜期間Cを順序立てて振り分けるように構成しても良い。
このように構成することで、残変動時間情報格納エリア223oに設定されている期間情報に基づいて実行される追加演出と残変動時間との関係性を遊技者に分かり難くすることができ、残変動時間を予測する楽しみを提供することができる。
次に、図68を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動再開処理(S4902)の内容について説明をする。図68は、変動再開処理(S4902)の内容を示すフローチャートである。この変動再開処理(S4902)は、特図1変動再開コマンドを受信した場合に、実行される追加演出を設定する処理を実行するものである。
変動再開処理(S4902)が実行されるとまず、特図1変動再開コマンドを受信したかを判別し(S5001)、受信していないと判別した場合は(S5001:No)、本処理を終了する。一方、S5001の処理において、特図1変動再開コマンドを受信したと判別した場合は(S5001:Yes)、次に、残変動時間情報格納エリア223oに格納されている残変動時間情報を読み出し(S5002)、読み出した残変動時間情報と追加演出カウンタ223iとに基づいて追加演出選択テーブル222cより追加演出種別を決定する(S5003)。次に、読み出した追加演出種別に対応する表示用追加演出コマンドを設定し(S5004)、残変動時間情報格納エリアoに設定されている情報をクリアし(S5005)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように本実施形態では特図変動が中断された場合において、通常演出(特図変動が開始された場合に実行される演出表示)が終了してから、特図変動が再開されるまでの期間で第3図柄を揺動表示する揺れ演出を実行し、特図変動が再開された場合に、再開後の特図変動期間(残変動期間)に対応した追加演出を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、通常演出が実行される通常演出期間を判別する演出期間判別手段を設け、その演出期間判別手段により通常演出期間が終了したと判別された場合に、追加演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、通常演出と追加演出とを連続して実行することができるため、より遊技者に好適な演出表示を提供することができる。また、この場合、追加演出が実行される追加演出期間の終了タイミングと、再開後の特図変動期間とに誤差が生じる場合があるが、その誤差期間中は追加演出を継続して実行してもよいし、第3図柄を揺動表示させる揺れ演出を実行してもよい。さらに、誤差期間の長さを判別する誤差期間判別手段を設け、誤差期間判別手段により誤差期間が所定期間(例えば5秒)以上であると判別された場合に、再度、追加演出が実行されるように構成してもよい。
次に、図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)について説明する。図69は、この変動表示設定処理(S4113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図69のS4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図69のS4113)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりG)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(S4112)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223dがオンに設定されているか判別する(S5101)。そして、特図1変動開始フラグ223dはオフであると判別した場合には(S5101:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5105の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223dはオンであると判別した場合には(S5101:Yes)、特図1変動開始フラグ223dをオフに設定する(S5102)。次に、現在の遊技状態が潜確状態であるか判別する(S5103)。現在の遊技状態が、潜確状態であると判別した場合には(S5103:Yes)、特図1用変動表示設定処理(S5104)を実行する。
ここで、図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)内の一処理である特図1用変動表示設定処理(S5104)の詳細について説明する。図70は、特図1用変動表示設定処理(S5104)の内容を示すフローチャートである。この特図1用変動表示設定(S5104)では、現在の遊技状態が潜確状態である場合に、主制御装置110より受信した特図1変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄の表示用潜確変動パターンコマンドを設定し、表示制御装置114に送信する処理を実行する。
特図1用変動表示設定処理(S5104)では、まず、抽出した変動パターンに対応する変動時間の読み出しを実行し(S5201)、S5201の処理で読み出した変動時間に対応する値をサブ特図1変動時間カウンタ223mにセットする(S5202)。次に、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0より大きい値であるか判別する(S5203)。サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0であると判別した場合には(S5203:No)、表示用ラッシュ突入コマンドを設定し(S5204)、ラッシュ表示済フラグ223tをオンに設定する(S5205)。一方、S5203の処理において、特図2変動カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合には(S5203:Yes)、上述したS5204及びS5205の処理をスキップし、S5206の処理に移行する。次に、抽出した変動パターンに基づいて、第1特別図柄の表示用潜確変動パターンコマンドを設定し(S5206)、本処理を終了する。
図69に戻り、説明を続ける。S5103の処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合には(S5103:No)、コマンド判定処理(図60参照)のS4205の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成する(S5105)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S5104、或いは、S5105の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納し、メイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、入賞情報格納エリア223bのうち、第1特別図柄に対応するデータをシフトする(S5106)。
次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別する(S5107)。そして、特図2変動開始フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5107:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5111の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223eがオンであると判別した場合には(S5107:Yes)、特図2変動開始フラグ223eをオフに設定する(S5108)。次に、特図2用変動表示設定処理(S5109)の処理を実行する。
ここで、図71を参照して、変動表示設定処理(図69のS4113)内の一処理である特図2用変動表示設定処理(S5109)について説明する。図71は、特図2変動表示設定処理(S5109)の内容を示したフローチャートである。
特図2用変動表示設定処理(S5109)では、まず、コマンド判定処理(図60参照)のS4210の処理において、抽出した変動パターンに対応する変動時間の読み出しを実行し(S5301)、読み出した変動時間に対応する値を、サブ特図2変動時間カウンタ223nにセットする(S5302)。次に、現在の遊技状態が、潜確状態であるか判別する(S5303)。潜確状態であると判別した場合には(S5303:Yes)、ラッシュ表示済フラグ223tはオンであるか判別する(S5304)。ラッシュ表示済フラグ223tはオンではないと判別した場合には(S5304:No)、残時間格納エリア223pに格納されている残時間の読み出しを実行する(S5305)。次に、S5305の処理で読み出した残時間は1秒未満か判別する(S5306)。残時間は、1秒未満であると判別した場合には(S5306:Yes)、S5307の処理をスキップし、S5308の処理に移行する。
一方、S5306の処理において、読み出した残時間は1秒以上であると判別した場合には(S5306:No)、表示用ラッシュ突入コマンドを設定し(S5307)、ラッシュ表示済フラグ223tをオンに設定する(S5308)。次に、抽出した変動パターンに基づいて、第2特別図柄の表示用潜確変動パターンコマンドを設定し(S5309)、本処理を終了する。一方、S5303の処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合(S5303:No)、或いは、S5304の処理において、ラッシュ表示済フラグ223tはオンに設定されていると判別した場合には(S5304:Yes)、上述したS5305〜S5308の処理をスキップし、S5309の処理を実行し、本処理を終了する。
以上説明をしたとおり、本実施形態では、状態設定エリア223jに潜確状態が設定されている状態において、第1特別図柄の変動表示を設定する場合に、即ち、大当たり変動期間中が潜確状態となる第1特別図柄変動に対応する変動表示を設定する場合に、第2特別図柄(特図2)が変動中であるかを判別し、特図2が変動中では無いと判別した場合には、変動表示の演出態様として、ラッシュ突入コマンドを設定するように構成している。つまり、対象の特図1変動が実行されるタイミングで第3図柄表示装置81の表示画面にラッシュに突入したことを遊技者に報知する画面(図7(a)参照)を表示するように構成している。
一方で、大当たり変動期間中が潜確状態となる第1特別図柄変動に対応する変動表示を設定する場合に、第2特別図柄(特図2)が変動中であるかを判別し、特図2が変動中であると判別した場合には、変動表示の演出態様として、表示用ラッシュ突入コマンドを設定せずに、潜確状態中であることを示す画面(図6(b)参照)を表示するように構成している。
これにより、表示用ラッシュ突入コマンドを設定し、ラッシュに突入したことを遊技者に報知する画面(図7(a)参照)が表示された時点で右打ち遊技を行った場合には、即座に潜確状態中における第2特別図柄の抽選を実行することができ、遊技者に違和感の無い遊技を提供することができる。
また、大当たり変動期間中が潜確状態となる第1特別図柄変動に対応する変動表示を設定する場合に、第2特別図柄(特図2)が変動中であるかを判別し、特図2が変動中であると判別した場合には、変動中の特図2変動を強制的に終了させ、新たな特図2変動が実行し得るように構成しても良い。
なお、特図2変動中に遊技状態が潜確状態に移行した場合における表示用ラッシュ突入コマンドの設定タイミングとしては本実施形態の内容に限ること無く、遊技者に違和感の無い遊技を提供することができる構成で有れば良い。例えば、潜確状態が設定されたタイミングにおいて変動中の特図2変動が終了したと判別した場合に、表示用ラッシュ突入コマンドを設定しても良いし、潜確状態が設定されたタイミングにおいて変動中の特図2変動が終了するまでの残時間を判別し、その判別結果が所定時間(1秒)となった場合に表示用ラッシュ突入コマンドを設定するように構成してもよい。この場合、設定する所定時間としては、遊技者が操作ハンドル51を操作し、右打ち遊技を開始した時点から右打ち遊技によって発射された球が第2入球口640に入球するまでに要する期間よりも短い時間であれば良く、遊技盤13の構成に応じて適宜設定すれば良い。
図69に戻り説明を続ける。S5109の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。そして、入賞情報格納エリア223bのうち、第2特別図柄に対応するデータをシフトする(S5110)。
次に、特図1停止種別選択フラグ223fまたは特図2停止種別選択フラグ223gがオンに設定されているか判別する(S5111)。特図1停止種別選択フラグ223fまたは特図2停止種別選択フラグ223gがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5111:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ223fまたは特図2停止種別選択フラグ223gがオンであると判別した場合には(S5111:Yes)、特図1停止種別選択フラグ223fがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ223fをオフに設定し、特図2停止種別選択フラグ223gがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ223gをオフに設定する(S5112)。
コマンド判定処理(図60参照)のS4201の処理において、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別を設定し(S5113)、本処理を終了する。抽出した停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図1停止種別コマンドを設定する。また、抽出した停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図2停止種別コマンドを設定する。なお、主制御装置110から通知される特図1または特図2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
次に、図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種カウンタ更新処理(S4111)について説明する。図72は、この各種カウンタ更新処理(S4111)を示したフローチャートである。この各種カウンタ更新処理(図72のS4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59参照)の一処理であり、RAM223内に設けられている各種カウンタの値の更新を実行する処理である。
各種カウンタ更新処理(S4111)では、まず、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0よりも大きいか判別する(S5401)。サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合には(S5401:Yes)、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値を1減算する(S5402)。一方、S5401の処理において、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合には(S5401:No)、S5402の処理をスキップし、S5403の処理に移行する。次に、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値は0よりも大きいか判別する(S5403)。サブ特図1変動時間カウンタ223mの値は0よりも大きいと判別した場合には(S5403:Yes)、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値を1減算する(S5404)。
次に、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値とサブ特図2変動時間カウンタ223nの読み出しを実行し(S5405)、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値からサブ特図2変動時間カウンタ223nの値を減算し、残時間を算出する(S5406)。S5406の処理で算出した残時間を残時間格納エリア223pに格納し(S5407)、その他各種カウンタの値を1減算し(S5408)、本処理を終了する。
一方、S5403の処理において、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値は0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合には(S5403:No)、上述したS5404〜S5407をスキップし、S5408の処理を実行し、本処理を終了する。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図73から図87を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図73を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図73は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図74を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図74は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図73のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図73のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図74に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図73の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図85(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図85(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図75(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図75(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図75(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図75(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図75(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図75(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図76〜図81を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図82〜図84を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図85および図86を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図29に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図87を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図76〜図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図76は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図76に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図77(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図76の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図77(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜G、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図75(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図76に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図78(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図78(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図78(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図78(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図79を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図79は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラッシュ突入コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用ラッシュ突入コマンドがあれば(S6414:Yes)、ラッシュ突入コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図80(a)を参照して、ラッシュ突入コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図80(a)は、ラッシュ突入コマンド処理を示すフローチャートである。このラッシュ突入コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
ラッシュ突入コマンド処理では、まず、表示用ラッシュ突入コマンドによって示されるラッシュ突入演出の表示態様に対応したラッシュ突入表示データテーブルを決定し、その決定したラッシュ突入表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラッシュ突入表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、ラッシュ突入コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用ラッシュ突入コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、追加演出コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、追加演出コマンドがあれば(S6416:Yes)、追加演出コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図80(b)を参照して、追加演出コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図80(b)は、追加演出コマンド処理を示すフローチャートである。この追加演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用追加演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
追加演出コマンド処理では、まず、表示用追加演出コマンドによって示される追加演出の表示態様に対応した追加演出表示データテーブルを決定し、その決定した追加演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された追加演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、追加演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用追加演出コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図81を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図81は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図76の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図81(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図81(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図76の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)および停止種別コマンド処理(図77(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図82〜図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図82は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図82に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図83を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図83は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図82の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図84を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図84は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図82に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図85及び図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図85(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図85(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図86を参照して後述する。
次いで、図85(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図85(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図75(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図76〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図86参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図85(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図86は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図87は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図29)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
なお、本第1実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を同時並行して実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるかに関係なく、1の変動表示が実行されている状態では、他の変動表示を実行不可能に構成してもよい。そして、保留球が存在する場合には、始動入賞が時間的に古い保留球から順番に変動表示を実行する構成としてもよい。このように構成することで、制御を単純にすることができるので、処理負荷を軽減することができる。
以上説明をしたように、本第1実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)および潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)の4つの遊技状態を設けている。そして、潜確状態が遊技者にとって最も有利な遊技状態となるように構成している。
つまり、潜確状態が設定されている場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄の抽選を示すための変動時間が他の遊技状態が設定されている場合よりも短くなるように規定することで、遊技者に有利な抽選を最も効率的に実行することができる。よって、遊技者に対して、潜確状態が設定させることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
具体的には、第2特別図柄の抽選では大当たりに加え、小当たりとなった場合にも第1特定入賞口65aを開放する構成とすることで、第2特別図柄の変動時間が短い潜確状態において、賞球を増加させ続けることができる。よって、潜確状態となることを期待して遊技を行わせることができる。一般的な遊技機では、確変状態が最も有利な遊技状態となるが、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態の方が有利となるので、斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示される。これにより、大当たりや小当たりの実行中に、他方の変動表示が当たり又は小当たりで確定表示され、大当たりや小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
また、本第1実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、第1特別図柄の大当たりに対応する変動表示が実行されると、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行し、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。この潜確状態が設定されている間は、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)期間が短く設定されるため、第2特別図柄の抽選を数多く実行することができる期間(特図2変動有利期間)となる。
本実施形態では、第2特別図柄の抽選にて約1/2の確率で小当たりに当選するように構成しているため、遊技状態として潜確状態が設定されている期間中は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を頻繁に実行し、多くの賞球を獲得可能な遊技者に有利な遊技状態(特図2有利状態)となる。
上述した通り、本実施形態にて潜確状態が設定される期間(特図2変動有利期間)は、確変状態にて大当たりに当選した第1特別図柄の変動表示期間(動的表示期間)中(特図1大当たり変動中)であることから、特図2有利状態が終了すると、大当たり遊技が実行されることになる。このように、遊技者に対して有利となる複数の状態(特図2有利状態、大当たり遊技状態)が連続して設定されるため、遊技者に対して継続して様々な特典を付与させることができる。
また、本実施形態では、一方の特別図柄(特図2)にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されると、他方の特別図柄(特図1)の変動を中断(変動表示期間の計測を中断)し、その小当たり遊技が終了した場合に、中断していた変動表示期間の計測を再開するように構成している。このように構成することにより、小当たり遊技中に特図2変動有利期間が減算されてしまうことを防ぐことができるため、特図2変動有利期間中に実行される小当たり遊技の回数に関わらず一定の特図2変動有利期間を遊技者に提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄(特図1)の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されると、変動中の他方の特別図柄(特図2)を、外れを示す停止表示態様で強制停止するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に小当たり遊技が実行されるという事態を防止することができる。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果に応じて他方の特別図柄の変動に対する制御内容を異ならせている。具体的には、一方の特別図柄の抽選結果が大当たり(遊技者に第1特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、抽選結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させ、一方の特別図柄の抽選結果が小当たり(遊技者に第1特典とは異なる第2特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、第2特典の付与が終了するまで(小当たり遊技が終了するまで)停止し、第2特典の付与終了後に再開させる。加えて、一方の特別図柄の抽選結果が外れの場合には、他方の特別図柄の変動をそのまま実行させるように構成している。
このように構成することにより、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の抽選内容(抽選結果、抽選結果が表示されるまでの期間)を可変させることができ、遊技者の多様な遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が、遊技者に特典を付与可能な抽選結果である場合において、その特典の内容に応じて他方の特別図柄変動に対する制御内容を異ならせているため、例えば、遊技者に最も有利な特典(大当たり遊技)を付与する抽選結果である場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果が特典を付与する抽選結果であったとしても、その変動を抽選結果が外れとなるように強制停止し、遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制し、大当たり遊技よりも付与される特典が少ない抽選結果(小当たり)の場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果を可変させること無く、小当たり遊技中に他方の特別図柄の抽選に基づく特典が付与されることを防ぐために、変動表示期間の計測のみを中断することが可能となる。
よって、複数の特別図柄(特図1、特図2)が同時に変動している状態において、遊技者にとって、最も有利では無い特典が付与されることにより、後に付与される最も有利な特典が付与されなくなる事態を抑制することができ、遊技者に不快感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として潜確状態が設定されると第2特別図柄(特図2)の変動表示期間として短期間(0.5秒)の変動表示期間が設定され、小当たり遊技を頻繁に実行することができるように構成している。そして、遊技状態として潜確状態が設定される条件を、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合として、潜確状態が終了する条件を第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示し、大当たり遊技が実行される場合としているため、小当たり遊技が頻繁に実行される遊技者に有利となる第1有利期間の終了後に、大当たり遊技が実行される第2遊技期間が設定されることになる。よって、遊技者に有利となる第1有利期間と第2有利期間とを連続して設定することができるため、第1有利期間が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄の大当たり変動が開始された場合に、その大当たり変動開始時から潜確状態が設定されるようにし、潜確状態が設定されている状態では第2特別図柄(特図2)の抽選を効率良く行えるように構成している。
よって、潜確状態が設定されたと同時に(潜確状態が設定されたことに基づいて)遊技者に対して潜確状態が設定される期間を報知するように構成していた(図7(a))参照。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動させることが可能であることから、確変状態が設定されている状態において、第1特別図柄も第2特別図柄も両方とも変動している場合がある。
このような場合では、潜確状態が設定されたタイミングで潜確状態(RUSH)が設定されたことを示す表示態様を表示(図7(a)参照)したとしても、現在変動中の第2特別図柄が変動停止するまでは潜確状態中における第2特別図柄の抽選を実行することができず、RUSH状態中にも関わらずいつまでたっても小当たり遊技が実行されないという問題が発生してしまう虞があった。
そこで、本実施形態では、潜確状態への移行条件が成立した場合(確変状態中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合)において、第2特別図柄の変動状況(変動の有無、変動残期間)を判別し、その判別結果に基づいて、RUSH状態が設定されたことを報知するタイミングを異ならせるように構成している。
具体的には、潜確状態への移行条件が成立した場合において、新たな第2特別図柄の変動を実行可能な状態であると判別した場合にRUSH状態が設定されたことを報知するように構成している。これにより、RUSH状態が設定されたことを報知したにも関わらず、新たな第2特別図柄の変動が開始されず、小当たり遊技が実行されない事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、潜確状態への移行条件が成立した場合において、新たな第2特別図柄の変動を実行可能な状態となってから、潜確状態が終了するまでの期間を判別し、判別した期間が所定期間未満である場合には、RUSH状態が設定されたことを報知しないように構成している。これにより、RUSH状態が設定されたことを報知したにも関わらず、小当たり遊技が実行されないまま大当たり遊技が開始されてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、確変状態における第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成し、第2特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることなく、その大当たり変動中も確変状態を継続させるように構成している。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて異なる遊技性を提供することができる。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、確変状態において第2特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合にも、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成しても良いし、複数ある大当たり種別のうち、特定の大当たり種別が設定された場合のみ、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成しても良い。
さらに、有利継続期間中に当選した大当たり回数を計測し、その計測結果が所定回数に到達した場合に、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成しても良いし。
本実施形態では、本実施形態では、確変状態における第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり変動が開始する時点において大当たり変動が終了するまでの期間に潜確状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、始動入賞処理(図47参照)において大当たりに当選することを予測したことに基づいて、予測した入賞情報に対応する大当たり変動が終了するまでの期間(複数変動期間)潜確状態を設定するように構成しても良い。
本実施形態では、潜確状態が設定されている状態において第2特別図柄の変動パターンを選択する際に潜確状態設定中における第2特別図柄の変動回数に関わらず、常に一定の変動パターンテーブル(図19(b)参照)を用いる構成としているが、これに限ること無く、例えば、潜確状態が設定されてからの第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回)に到達したか否かを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果に基づいて変動パターンを選択するデータテーブルを異ならせるように構成してもよい。
具体的には、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回)に到達していない場合は変動時間の平均が約2秒となるデータテーブルを参照し、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回)に到達している場合は変動時間の平均が約1秒となるデータテーブルを参照するように構成すると良い。これにより、第1特別図柄の大当たり変動として長時間の変動時間が設定される変動パターンが選択された場合に遊技者に対してより多くの小当たり遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、確変状態における大当たり変動中に潜確状態が設定されるように構成しているが、これ以外にも、特別図柄の抽選結果が特定の外れ、或いは、小当たりである場合における変動表示中に潜確状態が設定されるように構成しても良いし、確変状態中において、特別図柄の抽選結果が特定の外れ、或いは、小当たりとなった回数が所定回数に到達した場合に潜確状態が設定されるように構成しても良い。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22,23を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
さらに、上記各実施形態では、複数の特別図柄種別として第1特別図柄と第2特別図柄との2種類の特別図柄を用いているが、特別図柄の種別はこれに限ること無く、3つ以上の特別図柄種別を用いても良いし、1つの特別図柄種別のみ用いるように構成しても良い。また、上述した各実施形態では、複数の特別図柄が予め定められた規則に従って抽選(変動)が行われる遊技性と、個々に独立して抽選(変動)が行われる遊技性と、を説明したが、各実施形態にて説明をした遊技性のそれぞれを入れ替えたり、組み合わせたりしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(特定の特図変動中に小当たり可能)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定される期間が、その有利遊技状態が設定されてから実行される抽選によって可変するため、即ち、有利遊技状態中に実行される抽選によって直ぐに次回の当たりに当選した場合には、有利遊技状態が設定される期間が短くなり、有利遊技状態中に実行される抽選によって次回当たりに直ぐに当選しない場合には、有利遊技状態が設定される期間が長くなる。このように、有利遊技状態が設定されてから実行される抽選の結果に応じて遊技者に提供する有利遊技状態が設定される期間が異なってしまうという問題があった。さらに、有利遊技状態が設定されている期間において遊技者に特典を付与する遊技性を有する遊技機であれば、遊技者に付与される特典が大きく異なってしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、第1判定が動的表示されている期間中を第2判定が実行され易い第1遊技状態とすることができるため、第1遊技状態が設定される期間の長さを予め設定することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定手段による第1判定の判定結果に基づいて実行される第1特典遊技よりも、第2判定手段による第2判定の判定結果に基づいて実行される第2特典遊技のほうが実行され易くすることができるため、第1遊技状態を第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態とすることができる。よって、遊技者に対して第1遊技状態が設定されることを所望して遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも、第1遊技状態のほうが第1判定を実行し難くすることができる。よって、第1遊技状態が設定される状態において、第3入球手段に球を入球させる遊技を行わせ易くすることができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、高確率設定手段により高確率が設定されている場合に、第1判定により特定の第1判定結果を示すための第1識別情報で表示されこととなる第1識別情報の動的表示の開始に基づいて第1遊技状態が設定されるため、第1遊技状態が設定されるまでの過程を段階的に設定することができる。よって、遊技者に対して継続して遊技を行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特典遊技では第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されるため、第1遊技状態が設定されている期間中に遊技者に過剰に特典を付与してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴B群>(遊技内容と特1、特2を一度に設定)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示される期間を決定する第1動的表示期間決定手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記第2識別情報が動的表示される期間を決定する第2動的表示期間決定手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されることとなる前記第1識別情報が動的表示される動的表示期間を判別する期間判別手段と、その期間判別手段により判別された前記動的表示期間中に実行される前記第2識別情報の動的表示に対応する演出を決定する演出決定手段と、その演出決定手段により決定された前記演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定される期間が、その有利遊技状態が設定されてから実行される抽選によって可変するため、即ち、有利遊技状態中に実行される抽選によって直ぐに次回の当たりに当選した場合には、有利遊技状態が設定される期間が短くなり、有利遊技状態中に実行される抽選によって次回当たりに直ぐに当選しない場合には、有利遊技状態が設定される期間が長くなる。このように、有利遊技状態が設定されてから実行される抽選の結果に応じて遊技者に提供する有利遊技状態が設定される期間が異なってしまうという問題があった。さらに、有利遊技状態が設定されている期間において遊技者に特典を付与する遊技性を有する遊技機であれば、遊技者に付与される特典が大きく異なってしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、期間判別手段により判別された動的表示期間中に実行される第2識別情報の動的表示に対応する演出が演出決定手段により決定されるため、第1識別情報の動的表示期間と関連付けて第2識別情報の動的表示に対応する演出を実行することができるため、遊技者に対して実行される演出に基づいて今後の遊技を予測させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記演出決定手段は、前記期間判別手段により判別された前記動的表示期間と、前記第1特典遊技の遊技内容と、に基づいて、前記演出を決定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、演出実行手段により実行された演出を把握することにより、実行中の第1識別情報の動的表示期間と、第1特典遊技の遊技内容と、を予測することが可能となる。よって、遊技者を演出に注視させることができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されることとなる前記第1識別情報が動的表示される動的表示期間中に前記第1遊技状態を実行するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技が実行されることとなる判定結果に対応する第1識別情報の動的表示中に第1遊技状態が設定されるため、第1特典遊技が実行されるまでの期間を用いて第2特典遊技を狙う遊技を行うことができる。さらに、演出実行手段により実行された演出を把握することにより、第1遊技状態が設定される期間を予測することができるため、第1遊技状態中に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記第1特典遊技として通常第1特典遊技と、その通常第1特典遊技よりも遊技者に付与する特典が少ない小第1特典遊技と、を設定可能な第1特典遊技設定手段を有し、前記第1動的表示期間決定手段は、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを決定可能なものであり、前記演出決定手段は、前記特典遊技実行手段により前記小第1特典遊技が実行され、且つ、前記期間判別手段により前記第2期間が決定される場合と、前記特典遊技実行手段により前記通常第1特典遊技が実行され、且つ、前記期間判別手段により前記第1期間が決定される場合とで同一態様の演出を決定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、演出決定手段が演出内容を決定するための2つの要素の有利具合が異なる組み合わせである場合に、演出決定手段により同一態様の演出が決定されるため、演出実行手段により実行された演出の内容を把握することで、遊技者に対して今後の遊技状況を複数パターン予測させることができる。そして、第1遊技状態の進捗具合によって、予測の精度を徐々に高めさせることが可能となる。よって、遊技者に対して予測する楽しみをより高めさせることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記演出決定手段は、前記特典遊技実行手段により前記通常第1特典遊技が実行され、且つ、前記期間判別手段により前記第2期間が決定される場合に、特定演出を決定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が実行されることにより、遊技者に対して最も有利な遊技内容が設定されたことを報知することができるため、遊技者に優越感を与えることができるという効果がある。
<特徴C群>(突入報知)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示される期間を決定する第1動的表示期間決定手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記第2識別情報が動的表示される期間を決定する第2動的表示期間決定手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定される場合に、前記第2識別情報の動的表示における状況に基づいて前記第1遊技状態が設定されたことを遊技者に示すための報知態様を報知する報知タイミングを決定する報知タイミング決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定し、遊技状態が可変したことを遊技者に報知する演出を実行する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定されたことに基づいて、その旨を報知する演出を実行するように構成していたため、例えば、有利遊技状態が設定されているにも関わらず、新たな抽選を実行することができない状態であっても、有遊技状態が設定されていることを報知してしまい、遊技者に対して不快感を与えてしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、第2判定が実行され易い第1遊技状態が設定されたことを報知する報知タイミングを、第2識別情報の動的表示状況に基づいて決定することができる。よって、第1遊技状態が設定されたことを報知する報知タイミングに対して遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている状態で、前記第2識別情報を動的表示可能なものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1判定手段による前記第1判定の結果に基づいて前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判定手段とは別に実行される第1判定手段の判定結果に基づいて設定される第1遊技状態が設定された場合に、第2識別情報の動的表示における状況に基づいて報知タイミングが決定される。よって、同時に動的表示可能な第1識別情報と第2識別情報とを複合させて遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機C2において、前記第1遊技状態が設定された時点において、前記第2識別情報が動的表示しているかを判別する動的表示判別手段を有し、前記報知タイミング決定手段は、前記動的表示判別手段により、前記第2識別情報が動的表示していないと判別した場合には、前記第1遊技状態が設定された時点に基づいて報知タイミングを決定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が設定された直後から第2判定を実行可能な場合は、第1遊技状態が設定されたことが即座に報知される。よって、遊技者に対して第1遊技状態中の遊技をより長く行わせることができるという効果がある。
遊技機C2またはC3において、前記報知タイミング決定手段は、前記動的表示判別手段により前記第2識別情報が動的表示していると判別した場合に、前記第2識別情報の動的表示が終了するタイミングに基づいて報知タイミングを決定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2またはC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が設定されたとしても、第2判定が実行不可能な期間中は、第1遊技状態が設定されたことが報知されず、第2判定を実行可能な状態となった場合に第1遊技状態が設定されたことが報知される。よって、第1遊技状態が設定されたことが報知されたにも関わらず、第2判定を実行することができないという不具合を抑制することができると共に、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機C4において、前記第2識別情報の動的表示が終了するタイミングから前記第1遊技状態が終了するまでの期間を判別する残期間判別手段を有し前記残期間判別手段による判別結果に基づいて、前記報知タイミング決定手段により前記報知タイミングを決定するか否かを判定する報知判定手段を有するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、第1遊技状態中において第2判定を実行可能な期間に基づいて報知タイミングを決定するか否かが判定されるため、例えば、第1遊技状態中において第2判定を実行可能な期間が極端に短くなってしまった場合には、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に報知しないようにすることができる。よって、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に報知したにも関わらず、短期間で第1遊技状態が終了してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴D群>(同時変動で大当たり破棄、小当たり中断)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を所定期間動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に前記第2識別情報を所定期間動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2特典遊技の内容を複数の特典内容から設定する第2特典遊技種別設定手段と、を有した遊技機において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている状態で、前記第2識別情報を動的表示可能なものであり、前記第2動的表示手段により、前記特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が停止表示された場合に、前記第2特典遊技種別設定手段により設定された特典内容に基づいて、前記第1動的表示手段による動的表示に対して停止制御を実行する停止制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機において、複数の抽選を同時に実行する遊技性(所謂、同時変動タイプ)を有するものがある。このような遊技性を有した遊技機では、1の抽選の抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行すると共に、実行中の他の抽選遊技を外れで強制的に終了させるものが提案されていた(例えば、特開2005−319221号公報)。ところで、上記した遊技機は、特典遊技の種別に関わらず、特典遊技が実行される抽選結果が停止表示されたことに基づいて、他の抽選を強制的に外れで停止表示させることから、遊技者に対して不快感を与えてしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、実行される第2特典遊技の内容に応じて、第1動的表示に対する停止制御内容を設定することができるため、遊技者に不快感を与えてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記停止制御手段は、前記第1動的表示手段による動的表示を前記特定の第1判定結果とは異なる判定結果を示す前記第1識別情報で停止表示する強制停止制御と、前記第1動的表示手段により動的表示される期間の計測を所定の再開条件が成立するまで停止する一旦停止制御と、を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行される第2特典遊技の内容に応じて、第1動的表示手段による動的表示を強制停止するか、一旦停止するかを設定することができる。よって、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができると共に、少ない特典が付与される特典遊技が実行されることにより、大きな特典が付与される特典遊技が破棄されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、第2特典遊技種別設定手段は、第1特典種別と、その第1特典種別よりも遊技者に有利となる第2特典種別とを設定可能なものであり、前記停止制御手段は、前記第2特典遊技種別設定手段により前記第2特別種別が設定された場合には、前記強制停止制御を実行するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利となる第2特典種別が設定された場合には、第1動的表示手段により動的表示を強制停止することができるため、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D3において、前記第1判定手段の判定結果が前記特定の第1判定結果である場合に、前記第1動的表示手段により実行される動的表示が終了し、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が前記第1表示手段に表示されるまでの間、前記第2特典遊技種別設定手段により前記第2特典種別の設定を無効にする無効手段を有するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定手段の判定結果が特定の第1判定結果である場合には、その動的表示中に第2特典種別の設定が無効手段により無効にされる。よって、第1特典遊技と、第2特典種別が設定された第2特典遊技とが連続して実行されることを抑制することができ、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D3またはD4において、前記第2特典遊技種別設定手段は、前記第2判定手段の判定結果に基づいて前記第1特典種別と、前記第2特典種別と、を設定するものであり、前記第2特典種別よりも前記第1特典種別を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3またはD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特典種別よりも第1特典種別が設定され易いため、第2特典遊技を多く実行したとしても、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができるという効果がある。
<その他技術思想>(大当たり遊技の前後に潜確状態を設定可能)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定の第1条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される期間において前記第1遊技状態を設定し、所定の第2条件が成立した場合に、前記第1特典遊技が終了した後に前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定される期間が、その有利遊技状態が設定されてから実行される抽選によって可変するため、即ち、有利遊技状態中に実行される抽選によって直ぐに次回の当たりに当選した場合には、有利遊技状態が設定される期間が短くなり、有利遊技状態中に実行される抽選によって次回当たりに直ぐに当選しない場合には、有利遊技状態が設定される期間が長くなる。このように、有利遊技状態が設定されてから実行される抽選の結果に応じて遊技者に提供する有利遊技状態が設定される期間が異なってしまうという問題があった。さらに、有利遊技状態が設定されている期間において遊技者に特典を付与する遊技性を有する遊技機であれば、遊技者に付与される特典が大きく異なってしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、第1遊技状態が設定されるタイミングを第1特典遊技の前後に分けることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。よって遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機γ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機γ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機γ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
64a 電動役物(可変手段)
64b1 上第1入球口(第1入球手段)
64b2 下第1入球口(第2入球手段)
640 第2入球口(第3入球手段)
S306 第1判定手段
S308 遊技状態設定手段
S504 動的表示期間設定手段
S508 動的表示手段
S905 第2判定手段
S2204 特典遊技実行手段
S2403 高確率設定手段
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある。
特開2012−217766号公報
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであり、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものである。
請求項1記載の遊技機によれば、第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであり、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される演出の流れを示したタイミングチャートである。 (a)は、第1実施形態における大当たり遊技のエンディングの表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における確変中の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態における第1特別図柄の当たり変動開始後に第2特別図柄が非変動であった場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態におけるRUSH中に第2特別図柄が小当たりした場合の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態における第1特別図柄の当たり変動開始後に第2特別図柄が変動中であった場合の表示内容の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態における第1特別図柄の当たり変動中に第2特別図柄が変動を停止した場合の表示内容の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態におけるRUSH中に、第1特別図柄の変動表示の結果が大当たりAとなった状態の一例を示した図であり、(b)は、第1実施形態におけるRUSH中に、第1特別図柄の変動表示の結果が大当たりC、或いは、大当たりDとなった状態の一例を示した図である。 (a)は、第1実施形態におけるカード忘れ注意喚起画面を示した図であり、(b)〜(d)は第1実施形態におけるカード忘れ注意喚起画面を表示するタイミングを示したタイミングチャートである。 第1実施形態におけるパチンコ機のゲームフローを模式的に示した模式図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、小当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 変動パターン選択テーブルの構成を模式的に示した模式図である。 通常用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 (a)は、時短・確変用テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、潜確用テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 普図変動パターンテーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における主制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のROMの構成を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの構成を模式的に示した模式図である。 (a)は、停止表示態様選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、追加演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。 第1実施形態における表示制御装置の電気的構成のブロック図である。 (a)〜(c)は、電源投入時画像を説明する説明図である。 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面B〜Dを説明する説明図である。 (a)〜(c)は、背面Eを説明する説明図である。 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される遊技状態更新処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動実行中処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図2外れ変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図2外れ変動パターン選択処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動実行中処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特図2外れ停止処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される小当たり制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される小当たり動作設定処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される第2入賞処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド受信処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される状態コマンド処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される残回数更新処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される仮停止関連処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動再開処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図1用変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特図2用変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される各種カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエンディングコマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラッシュ突入コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される追加演出コマンド処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図87を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図12参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラス16aを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図12参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、アウト口66、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図12参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、外レール62の外周面に沿うように発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37(37A,37B)が配設されている。第1図柄表示装置37(37A,37B)は、主制御装置110(図12参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37(37A,37B)は、球が、第1入球口64(上第1入球口64b1,下第1入球口64b2)へ入球したか、第2入球口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。なお、詳細は図2を参照して後述するが、本実施形態では第1特別図柄の抽選契機として上第1入球口64b1と下第1入球口64b2とを設けている。以降の説明において、上第1入球口64b1と下第1入球口64b2との両方を示す場合には、単に第1入球口64の用語を用いて説明をする。
具体的には、球が第1入球口64へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が第2入球口640へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変状態中か時短状態中か通常状態中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か通常大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるか、或いは小当たり図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64、第2入球口640のいずれかに入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R時短大当たり、2R時短大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態である確変状態へ移行する(を設定する)大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変状態へ移行する(を設定する)大当たりのことである。また、「15R時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態である時短状態を、所定の変動回数の間(例えば、50回)設定する大当たりのことであり、「2R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に時短状態が所定の変動回数の間(例えば、50回)設定される大当たりのことである。
また、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。「普通図柄の高確率状態」とは、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップした状態、換言すれば、電動役物64aを開放させ易い遊技の状態のことである。
加えて、「普通図柄の高確率状態」が設定される遊技状態(確変状態、時短状態)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップするだけではなく、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放される時間として、「普通図柄の低確率状態」が設定される遊技状態(潜確状態、通常状態)と比して長い時間が設定される。電動役物64aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物64aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、下第1入球口64b2へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変状態中や時短状態中は、下第1入球口64b2へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変状態中や時短状態中において、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物64aが開放する回数を通常状態中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変状態中や時短状態中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放される時間および1回の当たりで電動役物64aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変状態中や時短状態中において、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物64aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常状態中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、第2入球口640のいずれかへの球の入球(始動入賞)をトリガ(契機)として、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄(装飾図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67への球の通過をトリガとして普通図柄(第2図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図12参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図12参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
このように、第1図柄表示装置37A,37Bに表示される第1図柄(特別図柄)の動的表示に対応させるように装飾的な第3図柄を動的表示させ、第3図柄の動的表示態様を遊技者に報知するように構成することにより、主制御装置110により動作制御される第1図柄(特別図柄)の動的表示に対して、動的表示期間中の表示態様を統一(例えば、0.1秒単位で点灯、消灯を繰り替えす点滅表示態様)することで主制御装置110の処理負荷を軽減させたとしても、音声ランプ制御装置113にて設定される第3図柄の動的表示態様を例えば、第1図柄(特別図柄)の抽選結果に基づいて可変設定することにより、遊技者に対して特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示唆可能な動的表示態様(第3図柄を用いた演出態様)を第3図柄表示装置81に表示することができる。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に普通図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、下第1入球口64b2に付随された電動役物64aが所定時間だけ作動状態となる(開放状態へと作動される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態として普通図柄の低確率状態(通常状態、潜確状態)の場合よりも、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)の方が短くなるように設定される。これにより、普通図柄の高確率状態中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を普通図柄の低確率状態よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。
よって、確変状態中および時短状態中は、下第1入球口64b2へ球が入賞しやすい遊技状態として設定することができる。なお、本実施形態では、遊技状態として確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、第3図柄の動的表示態様や、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される背景態様として同一の表示態様を設定するようにし、遊技者に対して現在の遊技状態を把握させ難くするように構成している。このように構成することで、遊技者に対して現在の遊技状況を推測させる楽しみを提供することができる。
さらに、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定される複数の遊技状態において、第3図柄の動的表示態様や、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される背景態様として同一の表示態様を設定するように構成している。よって、第3図柄表示装置81に表示される表示態様を統一した場合に、電動役物64aの作動状況によって現在の遊技状態が何であるのかを遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
なお、確変状態中または時短状態中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物64aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変状態中または時短状態中に下第1入球口64b2へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄(普通図柄)の変動表示にかかる時間を、確変状態中または時短状態中において通常状態中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物64aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域(右側領域)において遊技盤に組み付けられる。スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は1つに限定されるものではなく、2つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
次いで、本第1実施形態のパチンコ機10の遊技性について簡単に説明をする。本第1実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)および潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)の4つの遊技状態を設けている。そして、潜確状態が遊技者にとって最も有利な遊技状態となるように構成している。
つまり、潜確状態が設定されている場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄の抽選を示すための変動時間が他の遊技状態が設定されている場合よりも短くなるように規定することで、遊技者に有利な抽選を最も効率的に実行することができる。
本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利とするために、第2特別図柄の抽選では、外れの一部で第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aが所定期間(1.5秒×1回、0.2秒×6回、または0.06秒×8回)開放される。このため、第2特別図柄の抽選では、大当たりに当選しなくても、球を第1特定入賞口65aへと入球させて賞球を獲得する機会が多く与えられるので、第1特別図柄の抽選よりも有利となる。以降、説明の簡略化のため、第1特定入賞口65aが開放される外れ抽選結果のことを「小当たり」と称する。
第2特別図柄の抽選では大当たりに加え、小当たりとなった場合にも第1特定入賞口65aを開放する構成とすることで、第2特別図柄の変動時間が短い潜確状態において、賞球を増加させ続けることができる。よって、潜確状態となることを期待して遊技を行わせることができる。一般的な遊技機では、確変状態が最も有利な遊技状態となるが、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態の方が有利となるので、斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示される。これにより、大当たりや小当たりの実行中に、他方の変動表示が当たり又は小当たりで確定表示され、大当たりや小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
ここで、図2を参照して、本第1実施形態において遊技領域に設けられた各種構成、及び、遊技領域に向けて発射された球の流れについて説明をする。図2に示した通り、本実施形態の遊技盤13は、遊技領域の中央部に配設された可変表示装置ユニット80によって遊技領域を左側領域と右側領域とに区分けするように構成している。
本実施形態では、操作ハンドル51を初期位置(遊技者が回動させていない状態)から20度回動(時計回りに回転)するまでは、発射された球がファール球防止弁68を通過しない程度の発射強度で球が発射される。従って、発射された球は最終的に外レール62と内レール61との間に形成された発射流路を逆流しファール球となる。この逆流して流下したファール球は、発射流路の開始位置(図2で示す外レール62の左下端部)を通過し、上皿17(図1参照)へと連通するファール球口(図示せず)を流下し、上皿17へと環流される。このように構成することで、遊技者が所望の発射強度で球を発射させるために操作ハンドル51を操作する際にファール球が発生したとしても、そのファール球が発射経路に残留してしまい遊技に支障を来すことを抑制することができる。
次いで、操作ハンドル51の操作量(回動量)が初期位置(遊技者が回動させていない状態)から20〜80度の範囲では、上述した左側領域を流下する程度の発射強度で球が発射され、81度〜120度の範囲(81度〜操作ハンドル51の最大回転量となる120度)では、上述した右側領域を流下する程度の発射強度で球が発射される。
つまり、本実施形態は、操作ハンドル51の操作量に基づいて、即ち、遊技者の操作に基づいて球が流下する領域を異ならせることが可能となるように構成されている。さらに、詳細は後述するが、本第1実施形態では、遊技状態として遊技者に有利となる遊技状態が設定された場合には、左側領域を球が流下するように操作ハンドル51の操作量を調整して行う遊技(以下、左打ち遊技と称す)では無く、右側領域を球が流下するように操作ハンドル51の操作量を調整して行う遊技(以下、右打ち遊技と称す)を行わせるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利となる遊技状態が設定されている間は、遊技者は操作ハンドル51を上限まで回転させた状態(120度回転させた状態)を維持すれば良いことから、遊技者に適切な遊技を容易に行わせることができる。
次に、遊技盤13の左側領域について図2を参照して説明をする。詳細は後述するが、本第1実施形態では、遊技状態として通常状態(特別図柄低確率状態:普通図柄低確率状態)、時短状態(特別図柄低確率状態:普通図柄高確率状態)、確変状態(特別図柄高確率状態:普通図柄高確率状態)、潜確状態(特別図柄高確率状態:普通図柄低確率状態)の何れかが設定されるように構成されている。また、特別図柄の抽選結果が大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技状態と、特別図柄の抽選結果が小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技状態と、が設定されるように構成されている。
その中で、遊技状態として通常状態、時短状態、確変状態が設定されている場合には、遊技盤13の左側領域に球を流下させる左打ち遊技を行わせるように、可変表示装置ユニット80に設けられた第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技者に遊技方法を案内し、潜確状態が設定されている場合には、遊技盤13の左側領域に球を流下させる右打ち遊技を行わせるように、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて遊技者に遊技方法を案内するように構成している。また、大当たり遊技状態や小当たり遊技状態中は、当たりに当選する前の遊技状態に応じて遊技者の遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を案内するように構成している。
なお、各遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)の案内方法として、例えば、現在の遊技状態に適した遊技方法を常時表示するように構成したり、遊技方法が切り替わる場合にのみ切り替え後の遊技方法を表示するように構成したりしても良い。また、左打ち遊技と右打ち遊技とのうち、長い期間設定され易い遊技方法(本実施形態では左打ち遊技)を通常遊技とし、通常遊技以外の遊技方法(右打ち遊技)を行わせる場合に第3図柄表示装置81の表示画面に遊技方法を常時案内表示し、左打ち遊技を行わせる場合には案内表示を行わないように構成しても良い。
本実施形態のように、遊技者に選択させる遊技方法が2種類の場合においては、一方の遊技方法を案内する表示態様を表示しないことにより、他方の遊技方法を案内することができる。つまり、一の表示態様を表示するか否かによって、複数の遊技方法を案内することが可能となる。なお、本実施形態では、遊技者に遊技方法を案内するために第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示態様を用いているが、これに限ることは無い。上述したように特定の表示態様を表示しないことにより、遊技者に遊技方法を報知する構成を用いても良いし、音声やランプを用いて遊技者に報知するように構成しても良い。
遊技盤13の左側領域には、スルーゲート67、一般入賞口63が配設されている。また、可変表示装置ユニット80の下方位置には、左側領域を流下した球が入球可能となるように上第1入球口64b1が設けられている。そして、上第1入球口64b1の下方位置には、電動役物64aが付設された下第1入球口64b2が設けられている。この電動役物64aは、スルーゲート67を球が通過したことを契機に実行される普通図柄(第2図柄)抽選にて当たりに当選した場合に、球が下第1入球口64b2に入球困難(不可能)な閉鎖状態(第1状態)から、球が下第1入球口64b2に入球容易(可能)となる開放状態(第2状態)へと可変動作するように構成されている。
上述した通り、本第1実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選を実行可能な状態(特図1の変動が実行されておらず、且つ、大当たり遊技、小当たり遊技が実行されていない状態)において上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2に球が入球した場合に、特図1の抽選が実行されるように構成されている。即ち、上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2へ球が入球することは、第1特別図柄の抽選を実行させるための契機となるものである。
また、第1特別図柄(特図1)の抽選を新たに実行不可能な状態(特図1の変動が既に実行されている、又は、大当たり遊技、小当たり遊技が実行されている状態)において上第1入球口64b1、或いは下第1入球口64b2に球が入球した場合には、所定数(4つ)を上限に、球が入球した権利を記憶する記憶手段を有している。
よって、第1特別図柄(特図1)の抽選が実行されている間も遊技者に対して継続して遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させることができる。なお、本実施形態では、球が入球した権利を記憶する記憶手段と第1特別図柄にのみ設けている。
左打ち遊技によって左側領域を流下する球は、その80%がスルーゲート67を通過し、発射された球の約8%(100球に8球)の球が上第1入球口64b1に入球するように複数の釘や風車といった構造物により球流路が形成されている。また、電動役物64aが閉鎖状態である場合には下第1入球口64b2に入球する球が約0%で、電動役物64aが開放状態である場合には下第1入球口64b2に入球する球が約25%となるように球流路が形成されている。即ち、下第1入球口64b2(電動役物64a開放状態)、上第1入球口64b1、下第1入球口64b2(電動役物64a閉鎖状態)の順で球が入球し難くなるように構成している。
上第1入球口64b1、下第1入球口64b2は、上述した通り、第1特別図柄の抽選を実行させるという特典に加え、遊技者に賞球を払い出す特典も付与するように構成されており、球が1個入球する毎に、4個の賞球を遊技者に払い出すように構成している。なお、本実施形態では、上第1入球口64b1に球が入球した場合も、下第1入球口64b2に球が入球した場合も、同一数(4個)の賞球を付与するように構成しているが、これに限ること無く、それぞれに対して異なる数の賞球を設定しても良い。
一方、遊技盤13の右側領域には、第2入球口640、第1可変入賞装置65が設けられている。第2入球口640は、球が入球することにより第2特別図柄の抽選が実行されるように構成されており、右側領域を流下する球の約50%が入球するように複数の釘により球流路が形成されている。ここで、第2入球口640に入球しなかった球は右側領域の下方に設けられた第1可変入賞装置65に向けて流下する。
詳細な説明は後述するが、本実施形態では遊技状態として通常状態が設定されている状態では第2特別図柄の抽選が実行されてから抽選結果が表示されるまでの時間(変動時間)として長時間(10分間)の変動時間が設定され、潜確状態が設定されている状態では、短い変動時間(1秒)が設定されるように構成している。
つまり、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行するべく第1入球口64へ球を入球させるよりも、右打ち遊技を行い第2特別図柄の抽選を実行するべく第2入球口640へ球を入球させるほうが球を入球させ易いが、長時間(10分間)の変動時間が設定されるため、遊技効率が非常に悪くなってしまう。よって、遊技者は通常状態では左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行することになる。
また、第2入球口640は賞球が1個で設定されているため、通常状態が設定されている状態で右打ち遊技を行い、約50%の割合で右打ち遊技にて発射した球を第2入球口640に入球させたとしても、球が増加することが無い。
さらに、遊技状態として時短状態や確変状態が設定されている場合には、普通図柄の高確率状態となり、電動役物64aが開放し易い状態となる。しかし、電動役物64aを開放させるための普通図柄の抽選契機となるスルーゲート67は左側領域にしか設けられていないため、通常状態よりも球が入球し易くなる下第1入球口64b2へ球を入球させるために遊技者に左打ち遊技を行わせるように構成している。
一方、遊技状態として潜確状態が設定されている状態では、普通図柄が低確率状態となり電動役物64aが開放し難い状態となると共に、上述した通り、第2特別図柄の変動時間として短時間(1秒間)の変動時間が設定されるため、右打ち遊技を行い第2特別図柄の抽選を実行させることが適切な遊技となる。ここで、本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選(当選確率約1/2)するように構成している。小当たりに当選した場合には、小当たり遊技として第1可変入賞装置65が所定期間(例えば、1.5秒間)開放し、第1可変入賞装置65に入球した球1個に対して10個の賞球が付与されるように構成している。
即ち、遊技状態として潜確状態が設定されている場合には、遊技者に継続して右打ち遊技を実行することで、小当たり当選を目指す第2特別図柄の抽選と、小当たり遊技と、を連続して実行することができる。
図2に示した通り、遊技領域の最下方には第2可変入賞装置650が配設されている。この第2可変入賞装置650は、特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に回動扉650fが手前側に作動し第2特定入賞口650aに球が入賞可能な開放状態となるように開放動作されるものである。この第2可変入賞装置650は、左打ち遊技によって左側領域を流下した球も、右打ち遊技によって右側領域を流下した球も、均等に入球し得るように構成されている。よって、第2可変入賞装置650が開放動作される大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技が実行される前の遊技方法を継続して実行すれば良く、遊技者に対して遊技方法を煩雑に変更させることを抑制することができる。
上述した第1入球口64(上第1入球口64b1、下第1入球口64b2)へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図12参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図12参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると4個の球が賞球として払い出される入賞口となっており、第2入球口640は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つになっている。なお、本実施形態においては、上第1入球口64b1へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同一(共に4個)にし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数(1個)と異ならせたが、上第1入球口64b1へ球が入球した場合に払い出される賞球数と、下第1入球口64b2へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異ならせても良い。
この場合、例えば、上第1入球口64b1の賞球数を4個、下第1入球口64b2の賞球数を2個に設定し、球が入球し難い通常状態が設定されている場合において上第1入球口64b1に球が入球したことに対する特典を大きくし、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合に球が入球し易くなる下第1入球口64b2に頻繁に球が入球したとしても遊技者に過剰に賞球を獲得させないようにしても良いし、上第1入球口64b1の賞球数を4個、下第1入球口64b2の賞球数を5個に設定し、特定の遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合に、遊技者に大きな特典を付与出来るように構成しても良い。
また、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数と同一の数(例えば、共に5個)として構成してもよい。
下第1入球口64b2には電動役物64aが付随されている。この電動役物64aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物64aが閉鎖状態(規制状態)となって、球が下第1入球口64b2へと入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示(普通図柄の抽選)の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物64aが開放状態(許容状態)となり、球が下第1入球口64b2へ入球し易い状態となる。
上述した通り、確変状態中および時短状態中は、通常状態中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物64aが開放状態(許容状態)となる回数が増える。更に、確変状態中または時短状態中は、電動役物64aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、確変状態中または時短状態中は、通常状態時と比して、下第1入球口64b2へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
尚、上述した通り、下第1入球口64b2、即ち、電動役物64aが付随する入球口は、設定される遊技状態に応じて球が入球し易い状態(第1状態)と、球が入球し難い状態(第2状態)とを設定することができる。つまり、球の入球のし易さの観点では、第1状態が遊技者に有利となる有利遊技状態となり、第2状態が遊技者に不利(第1状態よりも不利)となる不利遊技状態となる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合(第1特別図柄の抽選が実行された場合)と第2入球口640へ球が入球した場合(第2特別図柄の抽選が実行された場合)とで、大当たりとなる確率は同一であり、特別図柄の低確率状態が設定されている場合は所定の低確率(例えば、1/280)で大当たりとなる抽選が実行され、特別図柄の高確率状態が設定されている場合は、低確率状態よりも当たり易い所定の高確率(例えば、1/30)で大当たりとなる抽選が実行される。しかしながら、大当たりとなった場合に選定(設定)される大当たりの種別は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで異ならせるように設定している。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方(遊技方法)を「左打ち(左打ち遊技)」と「右打ち(右打ち遊技)」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口(入球口)63,64b1,64b2,65a,640,650aにも入賞(入球)しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口66は、下第1入球口64b2の下方に配設される。なお、本第1実施形態では遊技領域にアウト口66を1つ有する構成としているが、これ以外の構成を用いても良く、アウト口66を2つ以上の複数設けても良い。
このようにアウト口66を複数設けることにより、遊技領域に発射された球を最終的に1箇所(アウト口66が配設されている箇所)に集約するための球流路を形成する必要が無くなるため、遊技領域を構成する各種装置の配置自由度を高めることができる。具体的には、例えば、左側領域を流下した球専用のアウト口と、右側領域を流下した球専用のアウト口と、を設けると良い。また、複数のアウト口を設ける場合には、その入球口がアウト口である旨を遊技者に報知するための報知手段を設けると良い。これにより、遊技領域に設けられた入球口(実際はアウト口)に球が入球したにも関わらず何ら特典が付与されない事態が発生し、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図12参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明を行う。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄(第1図柄の動的表示に対応して動的表示される装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を付した9種類の主図柄で構成されている。各主図柄は、各種の動物を模した後方図柄の上に「1」から「9」の数字を付して構成されている。具体的には、例えば、象を模した後方図柄に対して「1」の数字が付され、ライオンを模した後方図柄に対して「2」の数字が付されている。このように第3図柄を、後方図柄と数字とを対応付けて合成した表示態様にすることで、遊技者に対して、第3図柄の動的表示中であっても後方図柄の表示態様(色や輪郭やサイズ等)により大まかに第3図柄の種別を把握させると共に、第3図柄が停止表示された場合には後方図柄に付された数字を識別することにより確実に第3図柄の種別を把握させることができる。
なお、本第1実施形態では、第3図柄を形成する後方図柄と数字との組み合わせを可変させることは無いが、後方図柄と表示態様と、数字との組み合わせを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、第3図柄が動的表示されている間に遊技者に予測させた抽選結果(第3図柄の種別)とは異なる抽選結果を表示することができ、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。また、第3図柄としての後方図柄と数字との組み合わせパターンを、例えば、特別図柄の抽選結果や設定されている遊技状態に応じて規則的に可変させるように設定することにより、第3図柄として停止表示される表示態様(後方図柄と数字との組み合わせ)に基づいた遊技内容の予測精度を高めることができ、遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。さらに、本実施形態では特別図柄の抽選結果として小当たりに当選するように構成しており、特別図柄の抽選結果が小当たりであった場合は、主図柄が特定の組み合わせ(例えば「341」)で停止表示される。なお、本実施形態では、特別図柄の抽選結果に応じて、停止表示される主図柄の組み合わせを異ならせることにより、遊技者に対して抽選結果を分かり易くするようにしているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合と、小当たりであった場合とで同一の主図柄が停止表示するように構成しても良い。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の約3/4が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の約1/4が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、上、中、下の3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列L1〜L3毎に周期性をもって左右方向(通常は右から左方向)へとスクロールして変動表示が行われる。特に、上図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び下図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列L1〜L3毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの左側の縦のライン、中段の縦のライン、右側の縦のラインがそれぞれ有効ラインV1〜V3として設定されている。加えて、主表示領域Dmにおける右下がりの斜めのライン、および右上がりの斜めのラインがそれぞれ有効ラインV4,V5として設定されている。毎回の遊技に際して、上図柄列L1→下図柄列L3→中図柄列L2の順に、有効ラインV1〜V5上に第3図柄が停止表示(確定表示)される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインV1〜V5上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示(確定表示)後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示(確定表示)された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、30秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示(確定表示)されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出(客待ちデモ画面)が表示される。
遊技者が球を所定時間(例えば、30秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、30秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、30秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、30秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられている。この副表示領域Dsは、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。本実施形態では、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて第1特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合に、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。この副表示領域Dsに表示される保留図柄の数によって、遊技者に対して現在変動表示が保留されている保留球数を明確に認識させることができる。なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示のみが保留可能に構成されており、第2特別図柄の変動表示は保留記憶しない構成としている。このため、副表示領域Dsには、第1特別図柄の保留球数に応じた数の保留図柄のみが表示される。
なお、図4(a)を用いて示した表示画面では、主表示領域Dmの下方に副表示領域Dsを形成し、且つ、主表示領域Dmにて第3図柄の動的表示(変動表示)を含む演出(変動演出)を実行し、副表示領域Dsにて予告演出、キャラクタおよび保留球数などの表示を実行するように構成しているが、全ての遊技状態中において図4(a)で示した各領域を形成する必要は無く、例えば、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを示唆するための演出に遊技者を注視させる際には、副表示領域Dsの表示領域を縮小(消去)させ、主表示領域Dmの表示領域を拡大させることで迫力のある演出を実行するように構成しても良い。一方、保留図柄の表示態様を可変させる演出や、今後の遊技内容を説明する遊技案内を副表示領域Dsにて強調させて実行する際には、主表示領域Dmの表示領域を縮小させ、副表示領域Dsの表示領域を拡大させることで遊技者に分かり易い演出を実行するように構成しても良い。
さらに、設定されている遊技状態や、実行されている演出態様に応じて、主表示領域Dmに保留図柄の数を表示する領域や、予告演出を実行する領域を形成しても良いし、副表示領域Dsに第3図柄の変動表示を実行する領域を設けても良い。
次に、図4(b)を参照して、第3図柄表示装置81に対して実際に表示される表示内容の一例について説明する。実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄および副図柄が合計9個表示される。また、表示領域Dmの右側および左側には、主図柄および副図柄の一部が3個ずつ表示される。これらは、通常状態、における第1特別図柄の抽選結果を示している。更に、主表示領域Dmの上部中央部分には、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄を表示させるための小領域Dm1が表示される。この小領域Dm1では、「1」〜「9」のいずれかの数字のみで構成された簡素な態様の3つの第3図柄の変動表示が実行される。この小領域Dm1においても、同一の数字で構成される3つの第3図柄が停止表示されることにより、大当たりが開始される。なお、第2特別図柄の抽選結果を示す第3図柄を、第1特別図柄の抽選結果を示す第3図柄に比べて簡素な態様で表示させているのは、通常状態や確変状態において基本的に第1特別図柄の抽選が実行され、第2特別図柄の抽選はほとんど実行される機会が無いためである。
よって、主として実行される第1特別図柄の変動表示をより大きな表示領域に表示させる構成とすることで、遊技結果をより明確に表示させている。なお、以降の説明では、各遊技状態において主として実行される特別図柄の変動表示(通常状態や確変状態では、第1特別図柄の変動表示が該当)のことを主変動と称し、各遊技状態において正規の遊技方法を行った場合にほとんど実行されない特別図柄の変動表示(通常状態や確変状態では、第2特別図柄の変動表示が該当)のことを副変動と称す。
さらに、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態が設定されている状態において、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、長期間(最大で10分間)の変動表示(動的表示)が実行されると共に、その変動表示が開始されるタイミングで遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。そして、その潜確状態が設定されている期間(大当たりとなる変動表示が実行されてからその変動表示が終了し、大当たり遊技が開始されるまでの期間)中は、第2特別図柄の抽選にて小当たりを狙う遊技を実行させるように構成している。よって、遊技状態として潜確状態が設定されている場合は、第2特別図柄の変動表示が主変動となり、第1特別図柄の変動表示が副変動となる。
副表示領域Dsにおける小領域Ds1においては、鳥の顔を模した保留図柄が、第1図柄の保留球数と同じ個数だけ表示される。この保留図柄は、それぞれに対応する保留球に基づく変動表示の開始時に、小領域Ds1における右方に表示された家屋の内部へと入っていく演出が実行される。これにより、保留球に対応する変動表示が開始されたことを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、小領域Ds1では、時として保留図柄が特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口640への入球を保留可能に構成してもよい。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図5を参照して、本実施形態における第3図柄の変動表示演出の流れについて説明をする。図5は、本実施形態のパチンコ機10の遊技状態、各特別図柄の変動状況に対応して実行される変動表示演出の内容を模式的に示したタイミングチャートである。ここで、本実施形態のパチンコ機10の遊技性について簡単に説明をする。本実施形態のパチンコ機10は、上述したとおり、第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)と、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)と、を同時に(並行して)実行することが可能に構成している。
そして、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、第1特別図柄の大当たりに対応する変動表示が実行されると、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行し、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。この潜確状態が設定されている間は、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)期間が短く設定されるため、第2特別図柄の抽選を数多く実行することができる期間(特図2変動有利期間)となる。
本実施形態では、第2特別図柄の抽選にて約1/2の確率で小当たりに当選するように構成しているため、遊技状態として潜確状態が設定されている期間中は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を頻繁に実行し、多くの賞球を獲得可能な遊技者に有利な遊技状態(特図2有利状態)となる。
上述した通り、本実施形態にて潜確状態が設定される期間(特図2変動有利期間)は、確変状態にて大当たりに当選した第1特別図柄の変動表示期間(動的表示期間)中(特図1大当たり変動中)であることから、特図2有利状態が終了すると、大当たり遊技が実行されることになる。このように、遊技者に対して有利となる複数の状態(特図2有利状態、大当たり遊技状態)が連続して設定されるため、遊技者に対して継続して様々な特典を付与させることができる。
また、本実施形態では、一方の特別図柄(特図2)にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されると、他方の特別図柄(特図1)の変動を中断(変動表示期間の計測を中断)し、その小当たり遊技が終了した場合に、中断していた変動表示期間の計測を再開するように構成している。このように構成することにより、小当たり遊技中に特図2変動有利期間が減算されてしまうことを防ぐことができるため、特図2変動有利期間中に実行される小当たり遊技の回数に関わらず一定の特図2変動有利期間を遊技者に提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄(特図1)の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されると、変動中の他方の特別図柄(特図2)を、外れを示す停止表示態様で強制停止するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に小当たり遊技が実行されるという事態を防止することができる。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果に応じて他方の特別図柄の変動に対する制御内容を異ならせている。具体的には、一方の特別図柄の抽選結果が大当たり(遊技者に第1特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、抽選結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させ、一方の特別図柄の抽選結果が小当たり(遊技者に第1特典とは異なる第2特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、第2特典の付与が終了するまで(小当たり遊技が終了するまで)停止し、第2特典の付与終了後に再開させる。加えて、一方の特別図柄の抽選結果が外れの場合には、他方の特別図柄の変動をそのまま実行させるように構成している。
このように構成することにより、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の抽選内容(抽選結果、抽選結果が表示されるまでの期間)を可変させることができ、遊技者の多様な遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が、遊技者に特典を付与可能な抽選結果である場合において、その特典の内容に応じて他方の特別図柄変動に対する制御内容を異ならせているため、例えば、遊技者に最も有利な特典(大当たり遊技)を付与する抽選結果である場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果が特典を付与する抽選結果であったとしても、その変動を抽選結果が外れとなるように強制停止し、遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制し、大当たり遊技よりも付与される特典が少ない抽選結果(小当たり)の場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果を可変させること無く、小当たり遊技中に他方の特別図柄の抽選に基づく特典が付与されることを防ぐために、変動表示期間の計測のみを中断することが可能となる。
よって、複数の特別図柄(特図1、特図2)が同時に変動している状態において、遊技者にとって、最も有利では無い特典が付与されることにより、後に付与される最も有利な特典が付与されなくなる事態を抑制することができ、遊技者に不快感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として潜確状態が設定されると第2特別図柄(特図2)の変動表示期間として短期間(0.5秒)の変動表示期間が設定され、小当たり遊技を頻繁に実行することができるように構成している。そして、遊技状態として潜確状態が設定される条件を、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合として、潜確状態が終了する条件を第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示し、大当たり遊技が実行される場合としているため、小当たり遊技が頻繁に実行される遊技者に有利となる第1有利期間の終了後に、大当たり遊技が実行される第2遊技期間が設定されることになる。よって、遊技者に有利となる第1有利期間と第2有利期間とを連続して設定することができるため、第1有利期間が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図5〜図9を参照して、本実施形態のパチンコ機10における各遊技状態において第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示内容について説明をする。図5に示した通り、遊技状態として大当たり遊技状態が設定されている場合には、第3図柄表示装置81の表示画面には、大当たり遊技の内容として、例えば、現在実行中の大当たり遊技のラウンド数を示すためのラウンド数表示態様、獲得した球数を示すための獲得量表示態様、実行中の大当たり遊技の種別(ラウンド数、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)を示唆するための種別示唆表示態様、遊技状態として通常状態が設定されること無く継続して非通常状態(確変状態、潜確状態、時短状態)が設定されている期間において当選した大当たりの回数(所謂、連チャン回数)等が表示される大当たり遊技表示態様が表示される。
そして、大当たり遊技が終了するタイミング(図5(a)参照)において、今回の大当たり種別が大当たり遊技終了後に遊技状態として確変状態を設定する大当たり種別(例えば、大当たりA)である場合には、図6(a)に示した通り、遊技者に有利な潜確状態が設定されることを目指す演出態様(チャンスゾーン態様)が表示される。
ここで、図6(a)を参照して、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)の表示内容について説明をする。図6(a)は、大当たり遊技の終了画面(エンディング画面)の表示内容を模式的に示した模式図である。図6(a)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す「チャンスゾーン突入!!」のコメントが副表示領域Dsに表示される。そして、主表示領域Dmには、確変状態や潜確状態が設定される期間中に表示されるキャラクタ811が表示される。このキャラクタ811は、通常状態が設定されている期間中には登場しない(表示されない)ように構成されており、第3図柄表示装置81の表示画面にキャラクタ811が表示されている期間を遊技者に有利な遊技状態(通常状態よりも有利な遊技状態)とするようにしている。
このように構成することにより、遊技者は表示画面にキャラクタ811が表示されているか否かを把握することにより、現在設定されている遊技状態の概要を把握することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、主表示領域Dmに潜確状態が設定されることを狙うための「RUSHを目指せ!!」のコメントが表示される。さらに、主表示領域Dmの案内表示領域Dm3には、遊技者に左打つ遊技を行わせるための案内表示態様として「左打ち」の文字が表示される。これにより、遊技者に対して確変状態が設定された場合に左側領域を狙う左側遊技を行うことを容易に把握させることができる。なお、本実施形態では、大当たり遊技中に開放動作される第2可変入賞装置650が、左打ち遊技により発射された球(左側領域を流下した球)も、右打ち遊技により発射された球も、入賞し得る位置(遊技領域の下流位置(図2参照))に配設しており、大当たり遊技中に案内表示領域Dm3に表示される文字(「左打ち」、「右打ち」)、即ち、大当たり遊技中に案内する遊技方法を、大当たり遊技が実行される前の遊技状態に応じて可変させるように構成している。
具体的には、大当たりに当選した際の遊技状態を判別し、左打ち遊技が案内される遊技状態(通常状態、時短状態、確変状態)であると判別した場合は、大当たり中の案内表示として「左打ち」を表示し、右打ち遊技が案内される遊技状態(潜確状態)であると判別した場合は、大当たり中の案内表示として「右打ち」を表示するように構成している。これにより、大当たり遊技が実行された際に、遊技者に対して遊技方法を可変させる手間を省くことができる。
また、主表示領域Dmには第1特別図柄に対応した第3図柄を表示するための特図1表示領域Dm1、第2特別図柄に対応した第3図柄を表示するための特図2表示領域Dm2が形成されており、図6(a)に示す例によれば、特図1表示領域Dm1には、現在実行中(エンディング画面表示中)の大当たり遊技に対応する表示態様として「777」が表示されている。なお、特図2表示領域Dm2には、第2特別図柄が変動表示していないことを示す非変動表示態様として「−」が表示されている。
本実施形態では、電源を投入してから一度も特別図柄が変動表示されていない場合には上述した非変動表示態様が表示されるように構成している。この非変動表示態様が表示されることにより、遊技者に対して、過去の遊技履歴(特別図柄の変動履歴)を予測させることが可能となる。
なお、本実施形態では上述した非変動表示態様を表示するように構成しているが、これに限ること無く、外れを示す予め定めた表示態様(初期表示態様)を表示するように構成しても良いし、前回変動表示が実行されてからの経過期間が所定期間(例えば、30分)を超えたと判別した場合に、特図1表示領域Dm1、特図2表示領域Dm2に表示される表示態様を初期表示態様や非変動表示態様に可変して表示するように構成しても良い。
図5に戻り説明を続ける。遊技状態として確変状態が設定されている状態(図5(b)参照)では、左打ち遊技によって第1特別図柄の抽選を実行し易い遊技状態となる。つまり、確変状態は、普通図柄の高確率状態が設定されていることから電動役物64aが開放し易い状態となり、下第1入球口64b2に球が入球し易い状態となる。
この確変状態中における第3図柄表示装置81の表示画面の内容について、図6(b)を参照して説明をする。図6(b)は確変状態中における表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。図6(b)に示した通り、現在の遊技状態が確変状態であることを示す「チャンスゾーン中」のコメントが副表示領域Dsに横方向(右から左方向)にスクロールするように表示される。
そして、主表示領域Dmではキャラクタ811が横方向(左から右方向)に移動する(走る)演出が表示される。そして、案内表示領域Dm3には「左打ち」が表示され、特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中であることを示す変動中表示が表示される。なお、この時点においても、図6(a)に示した状態から新たに第2特別図柄を変動させていないため(右打ち遊技により第2入球口640に球を入球させていないため)、特図2表示領域Dm2には非変動表示態様「−」が継続して表示される。
詳細な説明は省略するが、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態においてキャラクタ811の動作表示パターンが複数記憶されており、確変状態中における第1特別図柄の抽選結果(当否判定結果)に応じてキャラクタ811の動作表示パターンを異ならせて設定するように構成している。これにより、確変状態中において第1特別図柄の抽選結果が大当たりに当選するか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
図6(b)に示した表示画面が表示された後、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに当選したことを示すための変動表示が実行されると、図7(a)に示した表示画面が表示される。図7(a)は、確変状態中において大当たりに当選した変動表示が開始された場合に表示される表示内容を示した模式図である。上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄が大当たりに当選したことを示す変動表示が開始されるタイミングで遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。
よって、第1特別図柄の変動が開始するタイミングで遊技状態が遊技者にとって有利な状態(潜確状態)へと移行するため、表示画面の特図1表示領域Dm1にて第1特別図柄の変動表示が実行されていることを示す変動表示態様が表示されている状態で、遊技者に遊技状態が移行したことを示すための演出図柄813の表示態様(「333」の表示態様)が停止表示される。これにより、遊技者には演出図柄813が停止表示されたことにより、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行したと思わせることができる。また、本実施形態では、演出図柄表示態様として、第3図柄の表示態様と同様の表示態様を用いているため、停止表示された演出図柄表示態様が、特別図柄の抽選結果を示すための表示態様と思わせることができる。
本実施形態は、潜確状態が設定されている期間において、第2特別図柄の変動表示を頻繁に実行することにより数多くの小当たり遊技を実行させることが可能となるように構成している。よって、少なくとも、潜確状態が設定されている期間中は遊技者に右打ち遊技を示すための「右打ち」が案内表示領域Dm3に表示される。そして、副表示領域Dsには遊技状態として潜確状態が設定されたことを示すための「RUSH突入!!右打ちしてね」のコメントが表示される。
上述した通り、本実施形態では、大当たりに当選した第1特別図柄の変動開始時に特図1表示領域Dm1の演出態様を可変することなく、主表示領域Dmに表示された演出図柄を停止表示させるように構成しているため、遊技者に対して、あたかも演出図柄の抽選結果に応じて遊技状態が移行したと思わせることができる。
そして、右打ち遊技が継続して実行されている潜確状態中(第1特別図柄の大当たり変動中)に、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、図7(b)に示した通り、小当たりに当選したことを示すための演出態様が表示される。ここで、図7(b)を参照して潜確状態が設定されている場合における表示内容について説明をする。図7(b)は、潜確状態中における表示画面の表示内容を模式的に示した模式図である。
図7(b)によれば、潜確状態が設定されている状態中(RUSH中)において、第2特別図柄の抽選に小当たりに当選すると、特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中(大当たり変動中)であることを示唆するための変動表示態様が表示され、特図2表示領域Dm2には、小当たりに当選したことを示した表示態様「341」が表示される。
そして、RUSH中の演出態様として表示される宝箱812を開放し、中から遊技結果を示すための演出図柄813として小当たりを示すための「V」が表示される。これにより、遊技者に対して潜確状態中(RUSH中)に第2特別図柄にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されることを遊技者に報知することができる。
なお、本実施形態では、小当たりに当選した場合に回動動作される第1可変入賞装置65を右側領域に設けており、潜確状態中と同一の遊技方法(右打ち)で遊技を行えるように構成している。このように構成することで、潜確状態中に小当たり遊技が頻繁に実行されたとしても、遊技者は右打ち遊技を継続するだけで良いため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄の大当たり変動が開始された場合に、その大当たり変動開始時から潜確状態が設定されるようにし、潜確状態が設定されている状態では第2特別図柄(特図2)の抽選を効率良く行えるように構成している。
よって、潜確状態が設定されたと同時に(潜確状態が設定されたことに基づいて)遊技者に対して潜確状態が設定される期間を報知するように構成していた(図7(a))参照。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動させることが可能であることから、確変状態が設定されている状態において、第1特別図柄も第2特別図柄も両方とも変動している場合がある。
このような場合では、潜確状態が設定されたタイミングで潜確状態(RUSH)が設定されたことを示す表示態様を表示(図7(a)参照)したとしても、現在変動中の第2特別図柄が変動停止するまでは潜確状態中における第2特別図柄の抽選を実行することができず、RUSH状態中にも関わらずいつまでたっても小当たり遊技が実行されないという問題が発生してしまう虞があった。
そこで、本実施形態では、潜確状態への移行条件が成立した場合(確変状態中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合)において、第2特別図柄の変動状況(変動の有無、変動残期間)を判別し、その判別結果に基づいて、RUSH状態が設定されたことを報知するタイミングを異ならせるように構成している。
ここで、図5、及び図8を参照して、潜確状態への移行条件が成立した場合(確変状態中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合)において、第2特別図柄(特図2)が変動している場合における演出内容について説明をする。図5に示した通り、確変状態が設定されている状態において第1特別図柄の大当たり変動が開始された時点において第2特別図柄が変動中の場合は(図5の(c)参照)、確変状態を示すための「チャンスゾーン」よりも、RUSH状態が設定される期待度を高めた「超チャンスゾーン」が表示される。
ここで、図8(a)を参照して、「超チャンスゾーン」中における表示画面の表示内容を説明する。図8(a)は、確変状態において第2特別図柄変動中に、第1特別図柄にて大当たりに当選した変動が実行された場合の図である。つまり、この「超チャンスゾーン」は、遊技状態としては、潜確状態が設定されている状態であるが、潜確状態が設定されるよりも前に実行された第2特別図柄の変動表示が終了していない状態を示す表示態様である。
「超チャンスゾーン」が設定されると、副表示領域Dsには「超チャンスゾーン中」であることを示すためのコメントが表示される。そして主表示領域Dmには、キャラクタ811が図6(b)よりも高速移動している態様で表示され、高速移動しているキャラクタ811が宝箱812を発見し易いように構成している。
そして、特図1表示領域Dm1には、第1特別図柄が変動中であることを示すための「変動表示態様」が表示され、特図2表示領域Dm2には、潜確状態が設定されるよりも前の時点から変動中の「変動表示態様」が表示されている。
図5に戻り説明を続ける。図8(a)に示した「超チャンスゾーン」の表示画面は、確変状態から潜確状態へと遊技状態を移行させるタイミングを跨いで実行される特図2変動が終了するタイミングまで表示され、その特図2変動が終了すると(図5(d)参照)、「RUSH」に突入したことを遊技者に報知する「RUSH」突入画面が表示される(図8(b)参照)。
ここで、図8(b)を参照して、「超チャンスゾーン」を経由して「RUSH」に突入した画面の内容について説明をする。図8(b)は、「超チャンスゾーン」を経由して「RUSH」に突入した画面を模式的に示した模式図である。図8(b)に示した通り、主表示領域Dmでは宝箱812の中から演出図柄813が表示され「RUSH」に突入したことを遊技者に報知する表示態様が表示される。そして、案内表示領域Dm3にラッシュ遊技中の遊技方法を案内する「右打ち」が表示される。この時点では特図1表示領域Dm1には第1特別図柄が変動中(大当たり変動中)であることを示唆するための変動表示態様が表示され、特図2表示領域Dm2には、外れを示した表示態様「346」が停止表示される。
図5に戻り説明を続ける。ラッシュ遊技中(RUSH中)、即ち、第1特別図柄の大当たり変動中は、右打ち遊技を行わせることにより変動時間が短い変動パターンが設定される第2特別図柄の抽選を頻繁に行わせる遊技が実行される。なお、詳細な説明は後述するが、本実施形態では、一方の特別図柄にて大当たりに当選している状態(大当たり変動中も含む)において、他方の特別図柄の抽選で大当たりに当選することが無いように構成している。よって、ラッシュ遊技中における第2特別図柄の抽選では、抽選結果が小当たり、或いは、外れの何れかとなる。そして、第2特別図柄の抽選では高確率(約1/2)で小当たりに当選するように構成されている。
よって、ラッシュ遊技中は、1/2の確率で小当たりに当選し、小当たり遊技によって賞球を獲得する遊技が第1特別図柄の大当たり変動が終了するまで継続することになる。つまり、ラッシュ遊技中において頻繁に第2特別図柄の抽選を実行したしても、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選することが無いため、第1特別図柄の大当たり変動期間をフルに用いたラッシュ遊技を提供することができる。
そして、第1特別図柄の大当たり変動が終了すると(図5(f)参照)、今回当選した大当たり種別に応じた画面が表示される(図9(a)(b)参照)。ここで、図9(a)(b)を参照してラッシュ遊技終了時(特図1大当たり変動停止時)の表示画面について説明をする。
図9(a)は、遊技者にとって有利となる大当たり(大当たりA(図16(a)参照))が設定された場合における表示内容を模式的に示した図であって、図9(b)は、遊技者にとって不利となる大当たり(大当たりD(図16(a)参照))に当選した場合における表示内容を模式的に示した図である。
図9(a)に示した通り、大当たりA(図16(a)参照)に当選したことを示すための第3図柄(「777」)が特図1表示領域Dm1に表示されたタイミングで、特図2表示領域Dm2では、外れを示した「346」の第3図柄が強制停止されて表示される。そして、宝箱812の中から遊技者に有利な大当たりに当選したことを示す演出図柄813(「超V」)が表示され、副表示領域Dsには「おめでとう」のコメントが表示される。この場合は、案内表示領域Dm3には潜確状態中と同様の遊技方法である「右打ち」の文字が表示される。
一方で、図9(b)では、大当たりD(図16(a)参照)に当選したことを示すための第3図柄(「666」)が特図1表示領域Dm1に表示されたタイミングで、特図2表示領域Dm2では、外れを示した「346」の第3図柄が強制停止されて表示される。そして、宝箱812の中から遊技者に不利な大当たりに当選したことを示す演出図柄813(「終了?」)が表示され、副表示領域Dsには「左打ちに戻して下さい」のコメントが表示される。この場合は、遊技者にラッシュ遊技が終了したことを示唆するために案内表示領域Dm3には通常状態中と同様の遊技方法である「左打ち」の文字が表示される。
なお、図9(b)では、大当たりD(図16(a)参照)に当選した場合の表示画面を示したが、大当たりC(図16(a)参照)に当選した場合、即ち、大当たりDと同様の大当たり遊技が実行されるが、大当たり終了後に設定される遊技状態が大当たりDよりも遊技者に有利となる大当たりに当選した場合も同様の表示画面を表示し、大当たり遊技終了時に、復活演出として右打ち遊技を行わせる演出を実行するように構成している。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
次に、図10を参照して、遊技者に対して表示するカード忘れ注意喚起画面について説明をする。本実施形態のパチンコ機10では、遊技に用いる球を借りるためにカード(有価媒体)を、パチンコ機10に付随して設置されるカードユニットに挿入する必要がある。このようなパチンコ機10では、遊技者が遊技によって多くの賞球を獲得した場合に、カードをカードユニットに挿入していることを忘れてしまい、遊技終了時にカードを取り忘れてしまう事態が発生することがあった。
これに対して、本実施形態ではカード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を所定タイミング(例えば、賞球を獲得し得る大当たり遊技時)で表示するように構成している。これにより、遊技者がカードを取り忘れてしまう事態を防ぐことが出来る。さらに、本実施形態では、大当たり遊技として賞球を獲得し易い大当たりと賞球し難い大当たりとを設定可能にし、さらに、短期間で頻繁に小当たり遊技を実行し得る遊技状態を設定可能にしており、遊技結果(所定期間における賞球数の累積)に応じてカード忘れ注意喚起画面を表示するタイミングを設定可能に構成している。
ここで、図10(a)を参照して、カード忘れ注意喚起画面の表示内容について説明をする。図10(a)はカード忘れ注意喚起画面の表示内容を模式的に示した模式図である。このように、パチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示画面を用いてカードユニットからカードを取り出す際の動作を表示すると共に、「カードの取り忘れにご注意下さい」のコメントが表示される。
次に、図10(b)〜図10(d)を参照して、カード忘れ注意喚起画面の表示タイミングについて説明をする。図10(b)は、初めての大当たりが「大当たりA(図16(a)参照)」、即ち、1回の大当たり遊技にて遊技者に多くの賞球を付与可能な大当たりに当選した場合のカード表示(カード忘れ注意喚起表示)の表示タイミングを示したタイミングチャートであって、図10(c)、図10(d)は、初めての大当たりが「大当たりA(図16(a)参照)」、即ち、1回の大当たり遊技にて遊技者に多くの賞球を付与可能な大当たりに当選した場合のカード表示(カード忘れ注意喚起表示)の表示タイミングを示したタイミングチャートである。
図10(b)に示した通り、初めての大当たり(遊技状態として通常状態が設定されている場合に当選した大当たり)が、大当たりAである場合には、その大当たり中に十分な賞球数を付与することになるため、その大当たりのエンディング期間(ED)にてカード表示が実行される。
一方で、図10(c),(d)に示した通り、初めての大当たりが、大当たりCである場合には、その大当たり中に十分な賞球数を付与することができず、遊技者が引き続きカードを用いて球を借りる可能性があるため、初めての大当たり(大当たりC)の終了画面にてカード表示を表示しない。
このような状態において、本実施形態では、初めての大当たりから再度通常状態が設定されるまでの期間を有利継続期間とし、その有利継続期間中に獲得した賞球数を累積し、その累積結果が所定量(例えば、250発)に到達したことをカード表示実行条件として、カード表示を実行するように構成している。
つまり、大当たりC終了後に連続して小当たり遊技が発生し、有利継続期間中の賞球数が所定量を超えた場合には、小当たり遊技のエンディング画面にてカード表示を行うように構成し(図10(c)参照)、大当たりCが繰り返し実行されることで有利継続期間中の賞球数が所定量を超えた場合には、大当たり遊技のエンディング画面にてカード表示を行うように構成している(図10(d)参照)。
<第1実施形態における遊技状態の移行について>
次に、図11を参照して、本第1実施形態におけるパチンコ機10の遊技状態の移行について説明する。図11は、本実施形態におけるパチンコ機10に設定されている4種類の遊技状態について、1の遊技状態から他の遊技状態への移行方法を模式的に示した模式図である。
まず、通常状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、通常状態では、右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。左打ちを行った場合、上第1入球口64b1へと入球し易くなるためである。なお、上述した通り、第1入球口64へと球が入球することに基づいて実行される第1特別図柄の抽選では、小当たりが抽選されないため、大当たりにならない限り持ち球が延々と減り続ける不利な状態となる。この通常状態では、大当たりとなった場合にのみ、他の遊技状態へと移行する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選で当選し得る大当たり種別としては、大当たりA〜Dの4種類が設けられている。これらの大当たり種別の詳細については、図16(a)を参照して後述する。
図11の左側に示した通り、通常状態ST1において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に合計65%の割合で決定される大当たりA,Cになると、大当たり終了後に、図11の中央に示した確変状態ST2へと移行する。また、通常状態ST1において第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に10%の割合で決定される大当たりDになると、大当たり終了後に、図11の右側に示した時短状態ST3へと移行する。これに対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に25%の割合で決定される大当たりBになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。
なお、通常状態では左打ちにより上第1入球口64b1を狙って遊技を行うのが通常であるが、遊技者が故意に右打ちを行って球が第2入球口640へと入球したり、左打ちを行った球の一部が第2入球口640へと入球した結果、第2特別図柄の抽選で大当たりになる可能性もある。本実施形態では第2特別図柄で大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別として3種類の大当たり種別(大当たりE〜G)を有しており、通常状態で第2特別図柄の大当たりに当選した場合の合計65%の割合で決定される大当たりE,Fになると、大当たり終了後に確変状態ST2へ移行し、35%の割合で決定される大当たりGになると、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が再度設定される(通常状態をループする)。
このように、通常状態で第1特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、10%の割合(大当たりD)で通常状態よりも有利な時短状態へと移行する可能性がある一方で、通常状態で第2特別図柄の抽選により大当たりとなった場合には、時短状態へと移行する可能性が0となる。よって、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。また、通常状態において実行される第2特別図柄の抽選では、長時間(10分間)の変動時間を有する変動パターンが設定されるように構成しているため、遊技効率が左打ち遊技を行う場合に比べて著しく低下することから、通常状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットをより大きくすることができる。
次に、確変状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り、確変状態では、通常状態と同様に右打ちで遊技を行うよりも左打ちで遊技を行った方が特別図柄の抽選頻度が高くなり易いため、左打ちの方が遊技者にとって有利となる。なお、確変状態では、通常状態に比較して特別図柄の大当たり確率がアップするため、通常状態に比較すると有利となるが、潜確状態に比べると不利になる。確変状態ST2が設定された場合には、第1特別図柄の大当たりに当選(特図1大当たり変動が開始)したことを契機に潜確状態SP1へと移行する。
なお、確変状態では、通常状態と同様に左打ちにより上第1入球口64b1を狙いながら、上第1入球口64b1の下方に設けられた下第1入球口64b2を狙って遊技を行うことになる。つまり、確変状態中は普通図柄の高確率状態が設定されている状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aが開放動作し易くなる。よって、第1特別図柄の抽選を通常状態よりも実行し易くなる遊技状態となる。
このように構成された確変状態では、通常、左打ち遊技を行い第1特別図柄の抽選を実行させるものであるが、第2入球口640へと球が入球して第2特別図柄の抽選により大当たりとなる可能性もある。この場合には、第2特別図柄の大当たりに当選した場合の合計65%の割合で決定される大当たりE,Fになると、大当たり終了後に確変状態ST2が再度設定され、35%の割合で決定される大当たりGになると、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定される。
つまり、確変状態において第1特別図柄の抽選を実行した場合には、遊技者に最も有利となる潜確状態へと移行することが可能であるのに対して、第2特別図柄の抽選を実行した場合には、潜確状態へと移行する可能性が0となる。よって、確変状態において右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合のデメリットを大きくすることができるので、変則遊技に対する抑制を図ることができる。
次に、潜確状態に滞在している場合における遊技状態の移行方法について説明する。上述した通り潜確状態では、通常状態や確変状態と異なり、第2特別図柄の変動時間が短くなるので、右打ちで遊技を行うことにより第2特別図柄の抽選を効率よく行わせることができる。よって、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利となる。
本実施形態では、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の大当たりに当選した場合(第1移行条件)と、確変状態、時短状態が設定されている状態で大当たりCに当選した場合(第2移行条件)の2つの移行条件を有しており、第1移行条件が成立した場合には、大当たり遊技が開始される前段階、即ち、特別図柄の大当たり変動中に潜確状態が設定され、第2移行条件が成立した場合には、大当たり遊技終了後に潜確状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に最も有利となる遊技状態(潜確状態)が設定されるタイミングを大当たり遊技の前にしたり、後にしたりすることができるため、遊技者に多彩な遊技性を提供することができる。
さらに、第1移行条件が成立した場合には、潜確状態が設定される期間が第1特別図柄の大当たり変動期間となることから、潜確状態が設定される期間を予め確定することができるため、潜確状態中に実行する演出を潜確状態が設定される期間に合わせて予め(潜確状態設定時)に容易に作成することができる。
加えて、確変状態が設定されている状態において第1特別図柄の抽選によって大当たりCに当選した場合は、大当たり遊技の前後何れにも潜確状態を設定することができるため、遊技者に対して意外性のある遊技性を提供することができる。
次に、図12を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、可変入賞装置65の開閉板65fの下辺を軸として右方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータ420,530,630が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図13〜図21を参照して、第1実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。まず、パチンコ機10に設けられた主制御装置110(図12参照)の詳細について説明する。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置(図示せず)における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図13参照)が設けられている。
ここで、図13を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。また、小当たり種別の選択には、小当たり種別カウンタC5が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図31参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図52参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入球について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2入球口640に対する入球について各カウンタ値が格納される第2特別図柄実行エリア203bとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64には、保留球が最大4個まで設けられている。このため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入球すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口640に球が入球すると、各カウンタ値が第2特別図柄実行エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203a内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。また、第2特別図柄実行エリア203bに格納された各カウンタ値は、そのまま第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理に用いられる。
一方、第1特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の第1特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第1入球口64に入賞し、且つ、第1入球口64の保留球数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶される。また、第1入球口64に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、4個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。また、第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の第2特別図柄の抽選が不可能な期間に、球が第2入球口640に入球した場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、2個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1入球口64に対して4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。また、本実施形態では、第2入球口640に対する入球(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示)が保留されない構成としていたが、第1入球口64と同様に保留記憶が可能に構成してもよい。
図13を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜479)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜479の値を取り得るカウンタの場合は479)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜479の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜479の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図31参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄実行エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図15(a)参照)に規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄の小当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される小当たり乱数テーブル202b(図15(b)参照)に規定されている。
ここで、図15(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図15(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,8」のいずれかであるかが判別されて、「7,8」のいずれかであれば、大当たりであると判別される。
また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜5」の範囲内であるか判別されて、「0〜5」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、総数が480個の乱数カウンタのうち、特別図柄の低確率状態では2つの値を大当たりと判別する値として規定しているため、特別図柄の低確率状態時における大当たり確率は1/240となる。一方で、特別図柄の高確率状態時における大当たり確率は1/80となる。
次に、図15(b)を参照して、小当たり乱数テーブル202bについて説明する。小当たり乱数テーブル202bは、特別図柄の抽選において、小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、図15(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選では、小当たりとなる乱数値が規定されていない。即ち、第1特別図柄の抽選では小当たりにならない。一方、第2特別図柄の抽選では、遊技状態に関係なく、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「212〜432」の範囲内であるかが判別されて、「212〜432」の範囲内であれば、小当たりであると判別される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリア、または第2特別図柄実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の小当たり時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリア、または第2特別図柄実行エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜479の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は2個あり、その乱数値である「7,8」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/240」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は4個あり、その乱数値である「0〜5」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が6なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/80」となる。
更に、上述した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は221個あり、その乱数値である「212〜432」は、小当たり乱数テーブル202bに格納されている。このように乱数値の総数が480ある中で、小当たりとなる乱数値の総数が221なので、特別図柄の小当たりとなる確率は「221/480」(約46%)である。
図13に戻って説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図16(a)を参照して後述する。
小当たり種別カウンタC5は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、この小当たり種別カウンタの値と小当たり種別選択テーブル202e(図16(b)参照)とに基づいて、小当たり種別(小当たりA〜C)が選択されることとなる。具体的には、図16(b)を参照して後述する。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターン選択テーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図52参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202f(図17〜図19参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターン選択テーブル202fには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図17〜19参照)。この変動パターン選択テーブル202fには、遊技状態に応じた複数の変動パターン選択テーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターン選択テーブルが設定されている。各変動パターン選択テーブルの詳細については、図17〜図19を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり232)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図31参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図15(c)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。この第2当たり乱数テーブル202cの詳細について、図15(c)を参照して説明する。
図15(c)は、第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、遊技状態として普通図柄の低確率状態(通常状態中、潜確状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は11個あり、その範囲は「0〜10」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が233個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が11個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「11/233」となる。
一方、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は232個あり、その範囲は「0〜231」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が233個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が232個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「232/233」となる。このように、本実施形態では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態に対して、普通図柄の高確率状態とで約20倍の差が設けられるように構成している。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放時間も普通図柄の低確率状態に対して、普通図柄の高確率状態のほうが有利(下第1入球口64b2に球を入球させ易い)となるように構成している。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、普通図柄の低確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜10」の範囲内であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、下第1入球口64b2が「1秒間×2回」だけ開放される。一方、普通図柄の高確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜231」の範囲であれば当たりと判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、下第1入球口64b2が「1秒間×2回」だけ開放される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
普図変動種別カウンタCS2は、0〜198の範囲で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過した場合に、この普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普通図柄の変動パターンを選択するための普図変動パターンテーブル202g(図20参照)は、主制御装置110のROM202に規定されている。この普図変動パターンテーブル202gの詳細については、図20を参照して後述する。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜198)、タイマ割込処理(図31参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図52参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図14〜図20を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図14は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、小当たり乱数テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、大当たり種別選択テーブル202dと、小当たり種別選択テーブル202eと、変動パターン選択テーブル202fと、普図変動パターンテーブル202gとが少なくとも設けられている。
まず、図16(a)を参照し、大当たり種別選択テーブル202dの詳細について説明する。大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別選択テーブル202dとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図16(a)に示した通り、第1特別図柄(特図1)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA」は、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は25%(25/100)である。
そして、「大当たりA」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグ203gがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりA」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、潜確状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜49」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、上述した「大当たりA」と同一の大当たり遊技が実行されるものであって、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。「大当たりB」の終了後は、確変フラグ203gがオフに設定されると共に、時短カウンタ203fには当たり当選時における遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成している。
大当たり当選時における遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203fに「0」の値が設定され、大当たり当選時における遊技状態が時短状態、確変状態である場合には、時短カウンタ203fに「100」の値が設定される。つまり、通常状態が設定されている状態で「大当たりB」に当選した場合には、大当たり終了後に通常状態が設定されるのに対して、時短状態中に「大当たりB」に当選した場合には、大当たり終了後に時短状態(100回)が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は25%(25/100)である。
「大当たりB」は、「大当たりA」同様にラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になるが、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態が設定されない分、「大当たりA」よりも不利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜89」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。なお、詳細は後述するが、本実施形態では第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技においても、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させるように構成しており、「大当たりC」に当選した場合と「小当たり」に当選した場合とを遊技者が判別し難いように構成している。
このように構成することで、第1アタッカが開放される当たり遊技が実行された場合に、遊技者に大当たり遊技が実行されたのか小当たり遊技が実行されたのかを分かり難くすることができる。上述した通り、本実施形態では第1特別図柄の大当たり変動期間中が小当たり遊技を頻繁に実行可能な潜確状態(RUSH状態)となるように構成していることから、遊技者は、第1アタッカが開放される当たり遊技が小当たり遊技であることを期待しながら遊技を行うことになる。つまり、通常であれば遊技者が最も所望する大当たり遊技が実行される状況を遊技者が所望しない遊技期間を設けることで、斬新な遊技性を提供することができる。
「大当たりC」の終了後は、確変フラグ203gがオンに設定されると共に、時短カウンタ203fには当たり当選時における遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成している。大当たり当選時における遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203fに「10000」の値が設定され、大当たり当選時における遊技状態が時短状態、確変状態である場合には、時短カウンタ203fに「0」の値が設定される。つまり、通常状態が設定されている状態で「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に確変状態が設定されるのに対して、確変状態、或いは時短状態中に「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に潜確状態が設定される。
このように、大当たりに当選した際の遊技状態において、同じ種別の大当たりであったとしても大当たり終了後に設定される遊技状態が異なるように構成することで、遊技者に対して単に大当たり当選を目指すだけでは無く、設定されている遊技状態にも注視させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、遊技状態として潜確状態が設定された場合に、遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成しており、この潜確状態が設定される条件として、確変状態が設定されている状態にて特別図柄の大当たり変動が開始される第1設定条件と、確変状態、時短状態が設定されている状態にて大当たりCに当選する第2設定条件の2つを有している。つまり、大当たりに当選した際の遊技状態に応じて、潜確状態が設定される期待度(確率)を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、遊技の進行に応じて(設定される遊技状態に応じて)遊技者に有利となる遊技状態が設定される期待度を徐々に高めさせることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。「大当たりC」は、上述した「大当たりA」、「大当たりB」と比べてラウンド数が少なく且つ、1回の開放動作期間が短い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利になるが、大当たり当選時の遊技状態によっては、大当たり終了後に設定される遊技状態として遊技者に最も有利となる潜確状態を設定し得る唯一の大当たり種別であることから、大当たり後に設定される遊技状態の面では、「大当たりA」、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技(「大当たりC」と同一)が設定される。
「大当たりD」の終了後は、確変フラグ203gがオフに設定されると共に、時短カウンタ203fには「0」の値が設定される。つまり、「大当たりC」に当選した場合には、大当たり終了後に通常状態が設定される。この「大当たりD」は上述した「大当たりC」と同一の大当たり遊技内容であることから、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を小当たり遊技と同一の開放動作で動作させるように構成している。
「大当たりD」の終了後は、上述した通り通常状態が設定されるように構成していることから、確変状態が設定されている状態において「大当たりD」に当選した変動表示(大当たり変動)が実行された場合には、大当たり変動中に小当たり遊技を頻繁に行った後に、大当たり遊技が実行され、その後、通常状態が設定される。
つまり、第1特別図柄の抽選にて「大当たりD」に当選した場合における潜確状態(RUSH状態)では、小当たり遊技と同一の開放動作が設定される「大当たりD」が終了した後に通常状態が設定されることから、遊技者に対して大当たり遊技が実行されることなる潜確状態が終了したように思わせることができる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。「大当たりD」は、上述した「大当たりA」、「大当たりB」と比べてラウンド数が少なく且つ、1回の開放動作期間が短い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では不利となる。そして、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、大当たり終了後には通常状態が設定されることから、大当たり後に設定される遊技状態の面においても不利となる。即ち、最も不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第1実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別として4つの大当たり種別(「大当たりA」〜「大当たりD」)を有している。そのうち、2つの大当たり種別(「大当たりA」、「大当たりB」)では、大当たり遊技中にのみ開放動作される第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放対象とした大当たり遊技を実行し、他の2つの大当たり種別(「大当たりC」、「大当たりD」)でじゃ、小当たり遊技と同一の第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放対象とした大当たり遊技を実行する。
即ち、本第1実施形態では、特別図柄の大当たりとして、遊技者に賞球を獲得させることを目的とした主大当たり遊技(「大当たりA」、「大当たりB」)と、遊技状態を可変させることを目的とし、且つ、遊技者に対して大当たりに当選したか否かを分かり難くする(小当たり遊技が大当たり遊技かを判別させ難くする)ことを目的とした副大当たり遊技(「大当たりC」、「大当たりD」)と、を実行可能に構成している。
また、本実施形態では、大当たり遊技では無く、小当たり遊技によって遊技者に対して賞球を獲得させることができる遊技性であることから、大当たり遊技中に大量の賞球を獲得し難く設定したとしても(大当たり種別によって、少量の賞球しか獲得できない大当たり遊技が実行されたとしても)、遊技者に不快感を与えることを抑制しながら、遊技状態を可変させることを目的とした大当たり遊技を設定することができる。
一方、第2特別図柄の抽選による大当たりの種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が15ラウンドであり、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は5%(5/100)である。
そして、「大当たりE」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグ203gがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりE」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりE」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つなので、獲得できる賞球数の面では有利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、潜確状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜64」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている。この「大当たりF」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は60個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は60%(60/100)である。
そして、「大当たりF」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に確変状態が設定され(確変フラグ203gがオンに設定され)、10000回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに10000の値がセットされる)。つまり、「大当たりF」終了後には、次回の大当たりに当選するまでの間、確変状態が設定されることになる。
「大当たりF」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つであるため、獲得できる賞球数の面では不利になる。また、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常状態よりも高くなるように設定されるため、通常状態よりは有利な遊技を行うことができる遊技状態となる。一方で、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に対して有利な特典を付与し易くなるように構成しており、複数の遊技状態の中では、潜確状態の次に有利な遊技状態となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲には、「大当たりG」が対応付けられている。この「大当たりG」は、ラウンド数が2ラウンドであり、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を開放させる大当たり遊技が設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG」となるカウンタ値は35個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG」が決定される割合は35%(35/100)である。
そして、「大当たりG」が選択された場合は、大当たりに当選した際の遊技状態に関わらず、大当たり終了時に通常状態が設定され(確変フラグ203gがオフに設定され)、0回の時短回数が設定される(時短カウンタ203fに0の値がセットされる)。
「大当たりG」は、ラウンド数が最も少ない大当たり種別の一つであるため、獲得できる賞球数の面では不利になる。また、大当たり終了後に設定される遊技状態が通常状態であることから、大当たり後に設定される遊技状態の面においても不利となる。即ち、最も不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、本第1実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選した場合と、第2特別図柄(特図2)の抽選で大当たりに当選した場合とで、大当たり終了後に確変フラグ203gをオンに設定する割合が65%(65/100)である点は一致しているが、大当たり遊技として15ラウンドが設定される割合(特図1は50%、特図2は5%)、開放対象として第2アタッカ(第2可変入賞装置650)が選択される割合(特図1は50%、特図2は5%)、大当たり当選時の遊技状態が時短状態、確変状態(即ち、普通図柄の高確率状態)である場合における大当たり終了後に時短カウンタ203fに10000の値が設定される割合(特図1は25%、特図2は65%)が異なるように構成している。
このように、大当たりに当選した特別図柄の種別に応じて大当たり遊技内容、及び、大当たり終了後の遊技状態を異ならせることにより、様々な遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本実施形態では特別図柄の種別に応じて上述した内容を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、上述した内容のうち一部のみを異ならせるように構成しても良いし、上述した内容以外、例えば、大当たり遊技のラウンド数を特図1に対応する大当たり種別のみ設定され得るラウンド数(例えば7ラウンド)を設定することにより、設定されるラウンド数を異ならせたり、確変フラグ203gをオンに設定する割合を異ならせたりするように構成しても良い。
また、大当たり遊技中に球が特定領域(例えば、第2可変入賞装置650に入賞した球が通過し得る領域)を通過したことを条件に、その大当たり終了後に確変フラグ203gをオンに設定するように構成された遊技機においては、特図1に対応する大当たり種別と、特図2に対応する大当たり種別とで、特定領域を球が通過する確率を異ならせるように構成しても良い。また、大当たり終了後に設定される各遊技状態において抽選結果を示すための変動パターンを選択するためのデータテーブルを、大当たり種別に応じて異ならせるように構成しても良い。
また、図16(a)に示した通り、本実施形態では、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)、共に1回のラウンド遊技において入賞可能な上限値を「10」に設定しているが、第1アタッカ(第1可変入賞装置65)と、第2アタッカ(第2可変入賞装置650)とで上限値を異ならせても良い。加えて、当選した大当たり種別(或いは、大当たりに当選した特別図柄の種別)に応じてラウンド遊技における開放動作の上限値を異ならせるように構成しても良い。
次に、図16(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202eは、第2特別図柄(特図2)の抽選で小当たりとなった場合において、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択テーブル202eには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、対応する小当たり種別が規定されている。
図16(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜93」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり遊技中に第1アタッカ(第1可変入賞装置65)を1.5秒間×1回のみ、開放状態に設定させる小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりA」となる乱数値が94個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりA」が決定される割合は94%(94/100)である。
また、小当たり種別カウンタC5の値が「94〜98」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり遊技中に0.2秒間×6回の開放状態を設定する小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりB」となる乱数値が5個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりB」が決定される割合は5%(5/100)である。
更に、小当たり種別カウンタC5の値「99」には、「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりC」は、小当たり遊技中に0.06秒×8回の開放状態を設定する小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりC」となる乱数値が1個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりC」となる割合は1%(1/100)である。
次に、図17〜図19を参照して、変動パターン選択テーブル202fの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202fは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図17に示した通り、変動パターン選択テーブル202fは、通常状態において変動パターン(変動時間)を決定するための通常用テーブル202f1、時短状態、確変状態において変動パターンを決定するための時短・確変用テーブル202f2と、潜確状態において変動パターンを決定するための潜確用テーブル202f3とが少なくとも含まれる。これらのテーブルの具体的な内容について図18、および図19を参照して説明する。なお、図18、及び図19に図示した各テーブルにおいて、変動時間をミリ秒単位で表記しているが、以下の説明では理解を容易にするために、変動時間を秒単位で表記する。
まず、図18を参照して、通常用テーブル202f1について説明する。この通常用テーブル202f1は、遊技状態が通常状態でる場合に参照されるテーブルである。図18は、この通常用テーブル202f1の内容を模式的に示した模式図である。図18に示した通り、通常用テーブル202f1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」の範囲に当たりノーマルリーチ(20秒)が対応付けられ、「51〜100」の範囲に当たりスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「101〜150」の範囲に当たりスーパーリーチB(30秒)が対応付けられ、「151〜198」の範囲に当たりスーパーリーチC(30秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で外れとなり、この通常用テーブル202f1が参照された場合には、第1特別図柄の保留球数(第1特別図柄保留球数カウンタ203dに設定されている値)に応じて変動種別カウンタCS1の値と、選択される変動パターンとの対応関係が可変する。具体的には、図18に示した通り、第1特別図柄の保留球数が0個または1個の範囲内の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に長外れ(12秒)の変動パターンが対応付けられ、「71〜150」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「151〜170」の範囲に外れスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「171〜198」の範囲には外れスーパーリーチB(30秒)が対応付けられている。
これに対して、第1特別図柄の保留球数が2個または3個の場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜70」の範囲に短外れ(8秒)の変動パターンが対応付けられ、変動種別カウンタCS1の値として「71〜130」の範囲に長外れ(12秒)の変動パターンが対応付けられ、「131〜170」の範囲に外れノーマルリーチ(20秒)が対応付けられている。また、変動種別カウンタCS1の値として「171〜185」の範囲に外れスーパーリーチA(30秒)が対応付けられ、「185〜198」の範囲には外れスーパーリーチB(30秒)が対応付けられている。
なお、この通常用テーブル202f1を参照して第1特別図柄の変動パターンを選択する処理(図35のS505参照)は、第1特別図柄の保留球を減算する処理(図33のS303参照)よりも後段で実行される。よって、保留球が4個の状態で通常用テーブル202f1が参照されることはない。
このように、保留球数が少ない(0個、または1個)場合には、保留球数が多い(2個、または3個)場合に比べて長い変動時間の変動パターンが選択され易くなる。このように構成することで、保留球数が少ない場合には、保留球を貯める時間を確保して、変動表示が途切れ難くすることができる。よって、遊技者が遊技に飽きてしまうことを防止(抑制)することができる。一方、保留球数が多い場合には、変動時間が短くなることで保留が貯まり難くなるので、保留球数が上限値(4個)になった状態で更に第1入球口64へと球が入球してしまうことを防止(抑制)できる。よって、遊技者に損をしたと感じさせ難くすることができる。
これに対して、第2特別図柄の抽選が実行され、通常用テーブル202f1が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として600秒(10分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりロング変動A(600秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れロング変動A(600秒)が対応付けられている。これにより、通常状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回600秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、通常時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図19(a)を参照して、時短・確変用テーブル202f2の詳細について説明する。この時短・確変用テーブル202f2は、遊技状態として普通図柄の高確率状態(即ち、時短状態、或いは確変状態)が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるテーブルである。
図19(a)に示した通り、この時短・確変用テーブル202f2は特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。なお、時短・確変用テーブル202f2は、図18を参照して上述した通常用テーブル202f1とは異なり、第1特別図柄の保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されることが無いように構成している。
つまり、遊技状態として通常状態が設定されている場合は、左打ち遊技を行いながら上第1入球口64b1を狙う遊技を行うため、第1特別図柄の保留球を常時確保することが難しく、第1特別図柄の抽選が実行されていない(第1特別図柄が変動していない)期間が発生する虞がある。そこで、図18に示した通り、第1特別図柄の保留球数が少ない場合には、変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように通常用テーブル202f1を構成している。これにより、通常状態において、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態が長時間継続してしまい、遊技者が遊技に飽きてしまうという問題を抑制することができる。
一方で、図19(a)に示した時短・確変用テーブル202f2は、左打ち遊技を行い、下第1入球口64b2に球を入球させる遊技が行われる時短状態、或いは確変状態中に参照されるデータテーブルである。この時短状態、確変状態中は、電動役物64aが頻繁に開放されるため、第1特別図柄の保留球を容易に貯めることができる遊技状態となる。
このように、第1特別図柄の保留球を容易に貯めることができる遊技状態が設定されている場合において、上述した通常用テーブル202f1と同様に第1特別図柄の保留球数が少ない場合に変動時間が長い変動パターンが選択され易くなる構成を追加してしまうと、遊技を休憩し、第1特別図柄の保留球数が少なくなった場合に実行される第1特別図柄(特図1)変動の変動時間が長くなってしまい、時短状態、確変状態中に効率良く遊技を行せることが困難になる。そこで、本実施形態では、第1特別図柄の保留球を容易に貯めることが可能な遊技状態(時短状態、確変状態)、即ち、普通図柄の高確率状態において参照される変動パターンテーブル(時短・確変用テーブル202f2)を、第1特別図柄の保留球数によって選択される変動パターンが異ならないように(第1特別図柄の保留球数が少ない場合に変動時間が長い変動パターンが選択されないように)構成している。これにより、時短状態、確変状態の遊技を効率良く実行することができる。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態が設定されている状態で、大当たりに当選した場合には、その大当たり変動が開始されるタイミングで確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。具体的には、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄(特図1)の抽選を行い、その抽選結果(当否判定結果)が大当たりである場合に、時短・確変用テーブル202f2を参照し、当たりスペシャル変動(600秒)が選択された場合には、当たりスペシャル変動(600秒)が実行されている間、遊技状態が潜確状態となり、当たりスペシャル変動が終了すると、特図1の抽選結果が大当たりであることを示す組み合わせで特図1が停止表示され、大当たり遊技が開始される。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に抽選、変動表示を実行可能に構成しているため、潜確状態が設定されている間(特図1の当たりスペシャル変動が実行されている間)に、第2特別図柄の抽選を行わせることができる。加えて、本実施形態では、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示期間(変動時間)を潜確状態のみ短期間(1秒)に規定しており、且つ、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成している。このように構成することで、潜確状態が設定されている間(特図1の当たりスペシャル変動が実行されている間)に、第2特別図柄の抽選を頻繁に行わせることで、遊技者に多くの賞球を獲得させることができる。
図19(a)に上述した通り、本実施形態では、確変状態が設定されている状態で特図1の大当たりに当選した場合には、取得した変動種別カウンタCS1の値によって、60秒〜600秒の変動時間が設定されるように構成しており、この変動時間が直接的に潜確状態の継続期間となる。よって、特別図柄の抽選結果として、大当たりに当選したか否かの結果(当否判定結果)だけでは無く、選択された変動パターン(変動時間)に対しても遊技者を注目させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、第2特別図柄の抽選が実行され、時短・確変用テーブル202f2が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として60秒(1分間)が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりロング変動(60秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりロング変動(60秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れロング変動(60秒)が対応付けられている。これにより、時短状態、確変状態において右打ちを行い、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、毎回60秒の変動時間が設定されるので、左打ちを行うよりも遊技効率が極めて悪化する。このように構成することで、時短状態、確変状態時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図19(b)を参照して、潜確用テーブル202f3の詳細について説明する。この潜確用テーブル202f3は、遊技状態として潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるテーブルである。
図19(b)に示した通り、この潜確用テーブル202f3は特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別(当否判定結果)毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。なお、潜確用テーブル202f3は上述した時短・確変用テーブル202f2と同様に第1特別図柄の保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されることが無いように構成している。
この潜確用テーブル202f3は、確変状態中に特図1の大当たり変動が実行されている期間中における第2特別図柄(特図2)の変動パターンを選択する際や、時短状態、確変状態中において「大当たりC」の大当たり種別である大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に実行される第1特別図柄(特図1)、第2特別図柄(特図2)の変動パターンを選択する際に参照される。
この潜確用テーブル202f3は、図19(a)を参照して上述した、時短・確変用テーブル202f2に規定されている内容に対して、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される各変動パターンに対して規定されている変動種別カウンタCS1の値を異ならせた点と、第2特別図柄の抽選において選択される各変動パターンの変動時間を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については詳細な説明を省略する。
図19(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定される変動パターンとしては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜39」の範囲に当たりノーマル変動(60秒)が対応付けられ、「40〜119」の範囲に当たりスーパー変動(180秒)が対応付けられ、「120〜198」の範囲に当たりスペシャル変動(600秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で外れとなり、この潜確用テーブル202f3が参照された場合には、第1特別図柄の保留球数(第1特別図柄保留球数カウンタ203dに設定されている値)、及び、変動種別カウンタCS1の値に関わらず、外れミドル変動(30秒)が対応付けられている。
第2特別図柄の抽選が実行され、潜確用テーブル202f3が参照された場合には、抽選結果に関係なく、変動時間として1秒が設定される。即ち、第2特別図柄の抽選結果が大当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して当たりショート変動(1秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して小当たりショート変動(1秒)が対応付けられ、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合には、変動種別カウンタCS1の取り得る値の全範囲(0〜198)の値に対して外れショート変動(1秒)が対応付けられている。これにより、潜確状態中において第2特別図柄の抽選(変動)を数多く実行することができる。
次に、図20を参照して、普図変動パターンテーブル202gの詳細について説明する。上述した通り、普図変動パターンテーブル202gは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の変動パターンを選択するために参照されるテーブルである。図20に示した通り、この普図変動パターンテーブル202gには、普通図柄の抽選が実行された時点の遊技状態毎に、普図変動種別カウンタCS2の値の範囲と、変動パターン(変動時間)とが対応付けて規定されている。
より具体的には、図20に示した通り、遊技状態が通常状態、潜確状態、即ち、普通図柄の低確率状態の場合には、普図変動種別カウンタCS2の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して変動時間が10秒の変動パターンが対応付けられている。また、遊技状態が確変状態の場合にも同様に、普図変動種別カウンタCS2の取り得る値の全範囲(0〜198)に対して変動時間が10秒の変動パターンが対応付けられている。
これに対して遊技状態が時短状態、確変状態、即ち、普通図柄の高確率状態の場合には、普図変動種別カウンタCS2の値が「0〜198」の範囲に変動時間が3秒の変動パターンが対応付けられている。
なお、本第1実施形態では、潜確状態の場合にのみ複数の変動パターンのバリエーションを設ける構成としたが、これに限られるものではない。通常状態や確変状態でも、普通図柄の変動パターン(変動時間)にバリエーションを持たせてもよく、潜確状態において普通図柄の抽選が実行された場合に、変動時間として1秒または3秒の2種類のうち何れかを設定する構成としてもよい、変動時間は2種類に限られず、より多くの変動時間を選択可能に構成してもよい。変動時間にバリエーションを持たせる程、遊技者に変動時間を予測され難くなるので、潜確状態中により確実に連続して右打ちを行わせることができる。
さらに、本実施形態では、普通図柄の変動時間を遊技状態と取得した普図変動種別カウンタCS2の値とに基づいて設定する構成としているが、それ以外にも、普通図柄の保留球数に基づいて変動時間を変更する構成や、特別図柄の抽選回数に基づいて変動時間を変更する構成や、上述した各種構成を組み合わせた方法で普通図柄の変動時間を設定する構成を用いても良い。具体的には、遊技状態が潜確状態に移行してから特別図柄の抽選が所定回数(例えば50回)実行されるまでは、普通図柄の変動時間として1秒が設定され、それ以降(例えば、51回〜100回まで)は、普通図柄の変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。
このように、前回大当たりの終了時からの特図変動回数(第1特別図柄、第2特別図柄)を計測し、その計測結果に対応した変動時間が選択、実行されるように構成することにより、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中において、より有利な変動時間(例えば、短い変動時間)が多く実行されるように遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
また、遊技状態が潜確状態に移行してから偶数回数目の特別図柄の抽選が実行されている間は、普通図柄の変動時間として1秒が設定され、それ以外(奇数回数目)は、普通図柄の変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように、特別図柄の抽選が実行される回数に基づいて普通図柄の変動時間を変更するように構成することで、遊技者に変動時間を予測され難くなるので、潜確状態中により確実に連続して右打ちを行わせることができる。なお、この場合、特別図柄の抽選が実行されていない状態では普通図柄の変動時間が長くなる(特別図柄の抽選が実行されている場合に比べて長くなる)ように構成したり、特別図柄の抽選を保留記憶している数が少ないほど普通図柄の変動時間が長くなるように構成したりするとよい。
また、普通図柄の保留球数に基づいて普通図柄の変動時間を設定する場合には、普通図柄の保留球数が多い程、長い変動時間が選択され易くなるように構成するとよい。このように構成することで、普通図柄の保留球数が貯まりにくい調整がされているパチンコ機10と普通図柄の保留球数が貯まりやすい調整がされているパチンコ機10とで、単位時間当たりの普通図柄抽選回数の均一化を図ることができる。
次に、RAM203の詳細について、図21を参照して説明する。図21は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図21に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄実行エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、普通図柄保留球数カウンタ203e、時短カウンタ203f、確変フラグ203g、特図1大当たりフラグ203h、特図1大当たりフラグ203i、当選時状態格納エリア203j、小当たりフラグ203k、特図1変動時間カウンタ203m、特図2変動時間カウンタ203n、大当たり中フラグ203o、小当たり中フラグ203p、特図1変動停止フラグ203r、特図2変動停止フラグ203s、普図短変動フラグ203t、入賞カウンタ203u、特図1仮停止フラグ203v、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリア(第1特別図柄実行エリア)と、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したタイミングで、各カウンタの値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄実行エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aの第1特別図柄実行エリアと同様に、特別図柄の抽選を実行するための判定値(カウンタ値)が格納される。この第2特別図柄実行エリア203bには、第2入球口640への始動入賞が検出されたタイミングで取得される各カウンタ値が記憶される。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリア(普通図柄保留球実行エリア)と、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄の変動表示(第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図47のS1704参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図33のS303参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図33のS304、図47のS1705参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203eは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)は、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図49のS1904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図48のS1805参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図49のS1905参照)。一方、球が2スルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203eの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図49のS1903:No参照)。
時短カウンタ203fは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短カウンタ203fには、大当たり終了後に、当選した大当たり種別に対応した値が設定される。そして、時短カウンタ203fは、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の開始を設定した直後に実行される遊技状態更新処理の中で1ずつ減算される(図36のS308参照)。普通図柄の抽選を行う場合に、この時短カウンタ203fの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態と判別され、高確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される。一方、時短カウンタ203fの値が0であれば、普通図柄の通常状態と判別され、低確率時用のテーブルを参照して普通図柄の当否判定が実行される。
確変フラグ203gは、特別図柄の高確率状態が設定されているか否かを示すフラグであって、オンに設定されている場合に、特別図柄が高確率状態であることを示すものである。つまり、確変フラグ203gがオンに設定されている場合は、遊技状態として、確変状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:高確率状態)、或いは、潜確状態(特別図柄:高確率状態、普通図柄:低確率状態)の何れかが設定されていることになる。
この確変フラグ203gは、当選した大当たり種別が大当たり終了後に確変状態、或いは潜確状態を設定する大当たりである場合に(図54のS2402:Yes)、その大当たりの終了時にオンに設定される(図54のS2403参照)。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりであることを示す図柄が停止表示されると、オフに設定される(図38のS806参照)。
なお、本実施形態では、上述した通り、特別図柄の大当たり当選に基づいて特別図柄の高確率状態を設定し、次回大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態を継続するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の高確率状態を終了させるための特図高確終了条件として、特別図柄の高確率状態(特図高確状態)が設定されてからの特別図柄変動回数(特図変動回数)が予め定められた所定回数(例えば、50回)に到達した場合に、確変フラグ203gをオフに設定するように構成しても良い。この場合、確変フラグ203gをオフに設定するタイミングを図るために、特図高確終了条件としての特図変動回数を予め記憶しておく記憶手段と、特図高確状態が設定されてからの特図変動回数を計測する計測手段と、計測手段により計測された特図変動回数が記憶手段に記憶されている特図変動回数(特図高確終了条件)を満たしているかを判別する終了判別手段と、を設ければ良い。
さらに、特図高確終了条件を複数用意し、例えば、特図高確状態における第1特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図1高確終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみに基づいて成立し得る特図2高確終了条件や、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、小当たりに当選する抽選結果)である場合に成立し得る抽選終了条件といった様々な特図高確終了条件を容易し、いずれかの特図高確終了条件が成立した場合に確変フラグ203gをオフに設定するように構成しても良い。
特図1大当たりフラグ203hは、第1入球口64に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図34のS407参照)。この特図1大当たりフラグ203hは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図38のS806)。
この特図1大当たりフラグ203hがオンの状態で、第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図38のS804参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
特図2大当たりフラグ203iは、第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図40のS1007参照)。この特図2大当たりフラグ203iは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図45のS1506)。
この特図2大当たりフラグ203iがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図40のS1004参照)。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、一方の大当たりの実行中に他方が大当たり又は小当たりとなってしまう不具合を防止できる。
当選時状態格納エリア203jは、大当たりに当選した時点における遊技状態を示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短カウンタ203fの値が0で、確変フラグ203gがオフであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が確変状態であれば(時短カウンタ203fの値が1以上で、確変フラグ203gがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、確変状態を示す情報として「01H」が格納される。また、大当たりに当選した時点の遊技状態が潜確状態であれば(時短カウンタ203fの値が0で、確変フラグ203gがオンであれば)、この当選時状態格納エリア203jに、潜確状態を示す情報として「02H」が格納される。
この当選時状態格納エリア203jに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される(図54のS2404参照)。
小当たりフラグ203kは、第2入球口640に入球したことに基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に小当たり判定値に一致すると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図41のS1102参照)。この小当たりフラグ203kは、小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図46のS1605参照)。この小当たりフラグ203kがオンの状態で、第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、他方の特別図柄の変動を一時的に仮停止(特別図柄の変動時間を計測するカウンタの減算を停止)させる処理が実行される(図46のS1603参照)。これにより、第2特別図柄の小当たりを実行中に、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、小当たり中に大当たりが開始されてしまう不具合が発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
特図1変動時間カウンタ203m、および特図2変動時間カウンタ203nは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのカウンタであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間カウンタ203m、および特図2変動時間カウンタ203nの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される。
大当たり中フラグ203oは、大当たり中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203oがオンであれば、パチンコ機10が大当たり中であることを示し、オフであれば、大当たり中ではないことを示す。この大当たり中フラグ203oは、大当たりの開始を設定した場合にオンに設定される。一方、大当たりの終了時に実行される大当たり終了処理の中でオフに設定される。
小当たり中フラグ203pは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203pがオンであれば、パチンコ機10が小当たり中であることを示し、オフであれば、小当たり中ではないことを示す。この小当たり中フラグ203pは、小当たりの開始を設定した場合にオンに設定される(図221のS1406参照)。一方、小当たりの終了時にオフに設定される(図232のS2512参照)。
本実施形態のパチンコ機10は、第2特別図柄のみ小当たりに当選するように構成されており、小当たりに当選した場合に(小当たり中フラグ203pがオンに設定された場合に)、第1特別図柄の変動表示を中断させるように構成している。つまり、複数種別の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、一方の特別図柄(第2特別図柄)の抽選で小当たりに当選し、小当たり中フラグ203pがオンに設定されている状態では、他方の特別図柄(第1特別図柄)の変動表示が終了することが無いため、遊技者に対して、小当たり遊技に注目させて遊技を行わせることができる。また、小当たり遊技中において、他方の特別図柄の変動表示が終了し、大当たり遊技が開始されてしまうことを防止することができる。
特図2変動停止フラグ203sは、第1特別図柄の変動が大当たりの停止図柄で停止表示(確定表示)されてから、大当たりを開始させるまでの間の期間であることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203sがオンに設定されている場合には、第2入球口640に対して新たな入球があった場合にも、第2特別図柄の変動表示の実行が回避される(図39のS901:Yes参照)。この特図2変動停止フラグ203sは、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる場合にオンに設定され(図38のS802参照)、第2特別図柄の変動表示を実行するための処理を回避した場合にオフに設定される(図39のS902)。
普図短変動フラグ203tは、普通図柄(第2図柄)の変動が短変動(3秒間変動)であったことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで普通図柄(第2図柄)の短変動が実行されたことを示すものである。この普図短変動フラグ203tは、普通図柄変動処理(図48のS106参照)において普通図柄の変動時間を設定するタイミングが時短状態中(時短中)であると判別し(図48のS1811:Yes)、3秒の変動時間(短変動)が設定された場合にオンに設定され(図48のS1814)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過したと判別され(図48のS1816:Yes)、今回の普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりであると判別した場合(図48のS1818:Yes)に参照される(図48のS1819)。
ここで、普図短変動フラグ203tがオンに設定されていると判別した場合は(図48のS1819:Yes)、現在が時短状態中(時短中)であるかを判別し(図48のS1821)、時短状態中(時短中)であると判別した場合は(図48のS1821:Yes)、電動役物64aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)が設定される(図48のS1822)。なお、普図短変動フラグ203tは、普通図柄変動処理(図48のS106)においてオンに設定されていると判別された後に、オフに設定される(図48のS1820)。
このように、普通図柄(第2図柄)の変動開始時(変動時間設定時)における遊技状態と、普通図柄(第2図柄)の変動時間が経過した後の電動役物64a開放動作設定時における遊技状態と、が共に時短状態である場合にのみ電動役物64aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成しているため、複数の遊技状態(通常状態と時短状態)を跨いで実行される普通図柄の変動(抽選)によって、電動役物64aがロング開放することを確実に防止することができ、遊技者に有利な特典(電動役物64aのロング開放)を遊技者に過剰に提供してしまうことを抑制することができる。
入賞カウンタ203uは、小当たり遊技のラウンドにおいて第1特定入賞口65aへと入賞(入球)した球の個数をカウントするカウンタである。この入賞カウンタ203uの値が上限値である10となった場合に、ラウンドの終了条件が成立したと判定されてラウンドが終了される(図57のS2706参照)。なお、大当たりの各ラウンドにおいて、入賞カウンタ203uの値が10に満たない場合でも、ラウンドに設定されたラウンド期間に達した場合はラウンドが終了される。この入賞カウンタ203uは、小当たりのラウンド有効期間中に第1特定入賞口65aに対する入球を検出する毎に値が1加算される。また、各ラウンドの終了時に値が0にリセットされる。
なお、詳細な説明は省略しているが、上述した入賞カウンタ203uは、小当たり遊技に限らず、大当たり遊技中の各ラウンドにおける第2特定入賞口650aへと入賞した球の個数もカウントする際にも用いられるものであり、小当たり遊技と同様にラウンドの終了条件(入賞個数が10個に到達)が成立しているか否かを判別する際に参照される。
本実施形態のパチンコ機10では、小当たり遊技の遊技内容として第1特定入賞口65aを開放させる期間が1.5秒で、入賞個数により成立するラウンドの終了条件が10個となるように設定している。つまり、小当たり遊技中に第1特定入賞口65aに球が10個入賞するまでに(入賞個数に対するラウンド終了条件が成立するまでに)、ラウンド遊技の有効期間(1.5秒)が経過することになる。よって、小当たり遊技の期間を一定にすることができるため、小当たり遊技中を跨いだ演出(一の特別図柄の変動開始から小当たり遊技を経由して他の特別図柄の変動終了までの期間に実行される一連の演出)の演出期間を予め定めることができる。よって、特別図柄の変動タイミングと演出の実行タイミングとを容易に同期することができ、演出効果を高めることができる。
特図1仮停止フラグ203vは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ203vは、抽選結果が小当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図46のS1602)、特別図柄変動処理(図32参照)において参照される(図32のS202)。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される(図32のS203)。つまり、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理(図37参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図37のS701:Yes)、オフに設定される(図37のS703)。
なお、本実施形態では、第2特別図柄の抽選のみ小当たりに当選し得るように構成しているため、小当たりに当選したことに基づいて変動表示が仮停止される特別図柄が第1特別図柄のみとなるが、第1特別図柄の抽選についても小当たりに当選し得るように構成した場合は、第2特別図柄の変動表示を仮停止させるために特図2仮停止フラグを設けても良い。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が大当たりである場合には、大当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて(大当たり遊技が実行されることに基づいて)、他方の特別図柄の変動表示を強制的に外れで停止させる処理と、一方の特別図柄の抽選結果が小当たりである場合には、小当たりを示す組み合わせで一方の特別図柄が停止したことに基づいて、他方の特別図柄の変動表示を一旦停止(小当たり遊技が終了するまで停止)するように構成している。
即ち、一方の特別図柄の抽選結果に応じて、他方の特別図柄の変動表示を様々な態様に加工することができるように構成している。このように構成することで、一方の特別図柄の抽選結果が遊技者に最も有利な遊技結果(例えば、大当たり)となり、その遊技結果を示すための変動表示が実行されている最中に、他方の特別図柄(抽選結果は小当たり)が停止表示されてしまい、小当たりによって大当たりが消去されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、本第1実施形態のパチンコ機10には、様々なフラグやカウンタ等が設けられている。ROM202に設けられた各種テーブルと、RAM203に設けられたフラグやカウンタ等とに基づいて、パチンコ機10の基本的な機能や、図11に示した斬新な状態移行を実現することができる。
次に、図22、および図23を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図22(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられたROM222の内容を模式的に示した模式図である。図22(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aと、停止表示態様選択テーブル222bと、追加演出選択テーブル222cとを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から、第3図柄表示装置81に表示させる詳細な変動表示の内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
より具体的には、図19(a)に示した通り、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄にて大当たりに当選した場合には、変動時間が60秒の当たりノーマル変動、変動時間が180秒の当たりスーパー変動、変動時間が600秒の当たりスペシャル変動の何れかに対応する変動パターンコマンドが主制御装置110から出力され、音声ランプ制御装置113では受信した変動パターンコマンド(変動時間を示す情報)に対応する変動演出を設定することになる。
ここで、スペシャル変動(600秒)に対応する変動演出として、最初の60秒間が第1段階の演出態様(例えば、一人目の敵を倒す演出)を実行し、60秒〜180秒の期間で第2段階の演出態様(例えば、二人目の敵を倒す演出)を実行し、180秒〜600秒の期間で第3段階の演出態様(三人目の敵を倒す演出)を実行する変動演出が設定され、スーパー変動(180秒)に対応する変動演出として、最初の60秒間が第1段階の演出態様(例えば、一人目の敵を倒す演出)を実行し、60秒〜180秒の期間で第2段階の演出態様(例えば、二人目の敵に倒される演出)を実行する変動演出が設定され、ノーマル変動(60秒)に対応する変動演出として、最初の60秒間が第1段階の演出態様(例えば、一人目の敵に倒される演出)を実行する変動演出が設定される。
このように、特別図柄の抽選結果として設定され得る変動時間の段階に対応して実行する変動演出に区切りを付けるように演出態様を設定することにより、遊技者に対して今回設定された変動パターンがどの種別なのかを予測させながら第3図柄表示装置81に表示される変動演出を楽しませることができ、演出効果を高めることができる。
なお、上述した変動演出を実行する場合において、各段階として設定された演出期間に対する残時間を遊技者に把握させるための残時間表示態様(例えば、次の段階へと演出態様が移行し得るタイミングまでの残時間をカウントダウン表示する演出態様)を表示するように構成しても良い。これにより、遊技者に対して少なくとも変動演出が継続して実行される期間(潜確状態が継続して設定される期間)を事前に把握させることができるため、安心して遊技を行わせることができる。
また、変動演出中に出現する敵の種類を複数設け、出現した敵の種別に応じて、変動演出が次の段階へと移行する期待度(敵に勝利する演出態様が選択される割合)や、今回の変動表示が終了した後に実行される大当たり遊技の内容や、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を示唆可能に構成すると良い。
加えて、この場合、例えば、敵の種別として敵Aが表示された場合には、今回設定されている変動パターンが当たりスーパー変動(180秒)であれば、遊技者に最も有利な大当たり種別が選択されていることを示し、変動パターンが当たりスペシャル変動(600秒)であれば、遊技者に最も有利な大当たり種別以外が選択されていることを示すように構成すると良い。このように構成することで、変動演出の演出態様(敵の種別)を、遊技者に有利な特典を付与するか否かを決定する複数の要素を複合させて決定することができるため、演出効果をより高めることができる。
停止表示態様選択テーブル222bは、遊技状態として潜確状態が設定され、第2特別図柄の抽選により頻繁に小当たり遊技を実行可能な期間(以下、ラッシュ期間と称す)が設定されたことを遊技者に報知するための演出図柄の停止表示態様(図7(a)、図8(b)参照)を選択する際に参照されるデータテーブルである。この停止表示態様選択テーブル222bは、第1特別図柄の抽選にて当選した大当たり種別と、実行されるラッシュ期間の長さと、に応じて異なる停止表示態様が選択されるように構成されている。
ここで、図23(a)を参照して、停止表示態様選択テーブル222bの内容について詳細に説明をする。図23(a)は、停止表示態様選択テーブル222bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(a)に示した通り、停止表示態様選択テーブル222bは、各大当たり種別の有利度合い(ラウンド数、大当たり遊技後に設定される遊技状態)と、ラッシュ期間の長さと、を遊技者が予測し得るように演出図柄の停止表示態様が設定されるように規定されている。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別のうち、最も遊技者に有利な大当たり種別である「大当たりA」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「0〜60秒」、即ち、ラッシュ期間が60秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「666」が規定されている。
また、「大当たりA」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「61秒〜300秒」、即ち、ラッシュ期間が61〜300秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「301秒〜」、即ち、ラッシュ期間が301秒以上である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「777」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「777」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「VVV」が規定されている。
そして、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別のうち、遊技者に不利な大当たり種別である「大当たりB」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「0〜60秒」、即ち、ラッシュ期間が60秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「222」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「444」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「666」が規定されている。
また、「大当たりB」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「61秒〜300秒」、即ち、ラッシュ期間が61〜300秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「444」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「666」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「301秒〜」、即ち、ラッシュ期間が301秒以上である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「333」が規定されている。
最後に、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別のうち、2番目に有利な大当たり種別である「大当たりC」、或いは、最も不利な大当たり種別である「大当たりD」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「0〜60秒」、即ち、ラッシュ期間が60秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「444」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「666」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「444」が規定されている。
また、「大当たりC」、「大当たりD」に当選し、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「61秒〜300秒」、即ち、ラッシュ期間が61〜300秒以内である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「666」が規定され、「40〜79」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、「80〜99」の範囲に、停止表示態様「111」が規定され、残時間格納エリア223p(ラッシュ期間の長さを示す情報を格納するエリア)に格納されている情報が「301秒〜」、即ち、ラッシュ期間が301秒以上である場合は、取得した演出カウンタ223hの値が「0〜39」の範囲に、停止表示態様「333」が規定され、「40〜99」の範囲に、停止表示態様「777」が規定されている。
上述した通り、本実施形態では、ラッシュ期間が開始されるタイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出図柄の停止表示態様によって、ラッシュ期間の長さ、及び、ラッシュ期間終了後に実行される大当たりの内容(大当たり種別)を遊技者に示唆するように構成している。これにより、演出図柄の停止表示態様を把握することで、今後の遊技内容を遊技者に予測させることができる。
さらに、本実施形態では、演出図柄の停止表示態様に所定の法則性を持たせるように規定しており、具体的には、演出図柄の停止表示態様が「偶数図柄」、「奇数図柄」、「777」、「VVV」の順で遊技者に付与される特典が多くなる(ラッシュ期間が長くなる、大当たり種別が有利になる)ように規定している。このように演出図柄の停止表示態様に所定の法則性を持たせることにより、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり種別とラッシュ期間の長さとを複合して演出図柄の停止表示態様を選択するように構成しているため、例えば、演出図柄の停止表示態様「111」は、遊技者に最も有利な大当たり種別である「大当たりA」が設定されている場合のみ、ラッシュ期間が60秒以内であっても選択されるように規定しているため、「111」が表示された場合には、遊技者に対してラッシュ期間が60秒で終了することを所望するという斬新な遊技性、つまり、通常であればより長いラッシュ期間を所望する遊技性に対し、大当たり種別とラッシュ期間の長さとを複合した停止表示態様を表示することにより、通常とは逆の遊技結果(短いラッシュ期間)を所望する遊技性を追加することができる。
加えて、演出図柄の停止表示態様として「VVV」が表示された場合は、大当たり種別もラッシュ期間の長さも共に遊技者に最も有利なものが選択されたことを示しているため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
本実施形態では、遊技状態に応じて停止表示態様選択テーブル222bを参照して演出図柄の停止表示態様を選択するタイミング(第3図柄表示装置81の表示画面に演出図柄を停止表示するタイミング)を異ならせるように構成している。具体的には、潜確状態が設定された時点(確変状態が設定されている状態で、第1特別図柄の大当たり変動が開始した時点)において、第2特別図柄が変動中であるか否かを判別し、第2特別図柄が変動していないと判別した場合、即ち、潜確状態が設定された直後から第2特別図柄の抽選を実行し得る場合は、第1特別図柄の大当たり変動が開始したことに基づいて演出図柄を停止表示するように構成している。
一方で、潜確状態が設定された時点(確変状態が設定されている状態で、第1特別図柄の大当たり変動が開始した時点)において、第2特別図柄が変動していると判別した場合、即ち、現在実行中の第2特別図柄の変動表示が終了しない限り、潜確状態が設定された状態にて第2特別図柄の抽選を実行できない場合は、実行中の第2特別図柄の変動表示が終了したタイミングに基づいて演出図柄を停止表示するように構成している。
このように構成することにより、演出図柄を停止表示しラッシュ期間が開始された直後から潜確状態が設定された状態で第2特別図柄の抽選を実行することができるため、遊技者に違和感を与えることなく潜確状態中の遊技を行わせることができる。
さらに、本実施形態では、潜確状態が設定された時点(確変状態が設定されている状態で、第1特別図柄の大当たり変動が開始した時点)で、第2特別図柄が変動していると判別した場合において、実行中の第2特別図柄の変動表示が終了したタイミングからのラッシュ期間の長さを判別し、その判別結果が所定時間以内である場合には、演出図柄を停止表示させる演出(ラッシュ期間が開始されたことを示す演出)を実行しないように構成している。これにより、演出図柄が停止表示し、ラッシュ期間が開始された(ラッシュ遊技が開始された)ことを報知したにも関わらず、小当たり遊技が実行されることならラッシュ期間が終了してしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、ラッシュ期間(ラッシュ遊技)が開始されたことを、第3図柄に類似した演出図柄にて表示するように構成しているため、あたかも、特別図柄に対応する第3図柄が停止表示されたことに基づいてラッシュ遊技が実行されたかのように思わせることができる。また、ラッシュ期間の長さが所定時間以内であり演出図柄を停止表示させなかった場合でも遊技者に対して大きな違和感を与えることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、上述した通り、演出図柄を停止表示させるタイミングとして、第1特別図柄の大当たり変動が開始されたタイミング、或いは、潜確状態が設定されたタイミングにおいて実行中の第2特別図柄の変動表示が停止したタイミングを用いているが、これ以外のタイミングにて演出図柄を停止表示させるように構成しても良く、例えば、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている入賞情報を示す入賞情報コマンドを解析し、次の変動にて大当たり変動が実行されることを事前に判別した場合には、大当たり変動が実行される直前(大当たり変動の前変動にて第3図柄が停止表示されるタイミング)で演出図柄を停止表示させるように構成しても良い。このように構成することにより、潜確状態が設定された直後から第2特別図柄の抽選を実行することができる。
このように、大当たり変動が実行されるよりも前に演出図柄を停止表示させ、ラッシュ遊技が開始されることを報知する構成を用いる場合には、演出図柄を停止表示させたタイミングから第2入球口640を狙う遊技(右打ち遊技)を行った場合に、次の大当たり変動が開始されるよりも前に第2特別図柄の抽選が実行されないように構成すると良い。これにより、演出図柄が停止表示されたことに基づいて右打ち遊技を行った結果、潜確状態が設定されるよりも前(大当たり変動が開始される前)、即ち、確変状態中に第2特別図柄の抽選を実行してしまい、ラッシュ遊技が実行される期間を短縮してしまう事態を防止することができる。
追加演出選択テーブル222cは、第2特別図柄の抽選にて小当たりに当選したことにより仮停止された第1特別図柄の変動表示を再開する際の演出態様(追加演出態様)を選択する際に参照されるデータテーブルであって、再開後の第1特別図柄の残変動時間に応じて異なる追加演出態様(宝箱(図7(b)参照))が選択されるように構成している。ここで、追加演出選択テーブル222cに規定されている内容について、図23(b)を参照して説明をする。
図23(b)は、追加演出選択テーブル222cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図23(b)に示した通り、追加演出選択テーブル222cは、残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報と、追加演出カウンタ223iと、に基づいて異なる追加演出種別が選択されるようにデータ内容が規定されており、選択された追加演出種別に対応する追加演出態様が実行されることにより、第1特別図柄の残変動時間(ラッシュ期間の残期間)を遊技者が予測し得るように構成している。
具体的には、残変動時間(残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報)が期間A(5秒未満)である場合は、取得した追加演出カウンタ223iの値が「0〜99」の範囲に、追加演出種別「なし」が規定されており、「100〜198」の範囲に、「追加演出A」が規定されている。また、残変動時間(残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報)が期間B(5秒〜60秒)である場合は、取得した追加演出カウンタ223iの値が「0〜99」の範囲に、追加演出種別「追加演出A」が規定され、「100〜198」の範囲に、「追加演出B」が規定される。そして、残変動時間(残変動時間情報格納エリア223oに格納されている期間情報)が期間C(60秒以上)である場合は、取得した追加演出カウンタ223iの値が「0〜99」の範囲に、追加演出種別「追加演出B」が規定され、「100〜198」の範囲に、「追加演出C」が規定される。
ここで、「追加演出A」が設定された場合は、ラッシュ期間中において表示される宝箱812(図7(b)参照)の表示態様がボロボロの表示態様へと可変される。遊技者はボロボロの表示態様を把握することにより、ラッシュ期間が残り僅かであることを予測することが可能となる。また、「追加演出B」が設定された場合は、通常の表示態様の宝箱812(図7(b)参照)が表示され、「追加演出C」が設定された場合は、通常の表示態様よりも豪華な表示態様が設定される。また、「なし」が選択された場合は、残りのラッシュ期間中にて宝箱812を表示しない演出が設定される。
なお、本実施形態で示した追加演出選択テーブル222c(図23(b))では、ラッシュ期間の残変動時間と追加演出種別とが完全に対応付けられている例を示したが、これに限ること無く、少ない確率で、例えば、期間Bである場合に「追加演出C」が設定されたり、期間Cである場合に「追加演出A」や「なし」が設定されたりするように構成しても良い。これにより、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができる。
以上、説明をした通り、本実施形態では、潜確状態となりラッシュ遊技が開始されるタイミングにおいて表示される演出図柄の停止表示態様にて、ラッシュ期間と大当たり種別とを複合した複合遊技情報を遊技者に提供し、ラッシュ期間中の追加演出によって、ラッシュ期間の残期間を示す遊技情報を遊技者に提供するように構成している。これにより、複合遊技情報として実行された演出図柄の停止表示態様と、追加演出の演出態様とを遊技者が総合的に判別することにより、より詳細な遊技内容を予測させることが可能となる。
次に、図22(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図22(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、コマンド記憶領域223aと、入賞情報格納エリア223bと、第1特別図柄保留球数カウンタ223cと、特図1変動開始フラグ223dと、特図2変動開始フラグ223eと、特図1停止種別選択フラグ223fと、特図2停止種別選択フラグ223gと、演出カウンタ223hと、追加演出カウンタ223iと、状態設定エリア223jと、残時短回数エリア223kと、特図1変動時間カウンタ223m、特図2変動時間カウンタ223nと、残変動時間情報格納エリア223oと、残時間格納エリア223pと、カード報知済フラグ223qと、カード報知可能フラグ223sと、ラッシュ表示済フラグ223t、賞球数カウンタ223u、電源断フラグ223yと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図60参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において第1入球口64に対する始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタC5、及び変動種別カウンタCS1の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、大当たりの場合の大当たり種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223bに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図60のS4212参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図1変動開始フラグ223d、および特図2変動開始フラグ223eは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、および第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図60のS4206,S4209参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図69のS5102,S5108参照)。特図1変動開始フラグ223d、および特図2変動開始フラグ223eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
特図1停止種別選択フラグ223f、および特図2停止種別選択フラグ223gは、主制御装置110から送信される第1特別図柄の停止種別コマンド、および第2特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図61のS4301参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図69のS5112参照)。特図1停止種別選択フラグ223f、または特図2停止種別選択フラグ223gがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
演出カウンタ223hは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223hは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図59参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
追加演出カウンタ223iは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この追加演出カウンタ223iは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、例えば、メイン処理(図59参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
状態設定エリア223jは、パチンコ機10の遊技状態に応じた情報が格納される記憶領域である。この状態設定エリア223jには、主制御装置110から出力される状態コマンドを受信する毎に、その状態コマンドにより示されるパチンコ機10の状態に対応した情報が格納される(図62のS4405参照)。より具体的には、状態設定エリア223jは、2ビットの記憶領域が割り当てられており、上位ビットから順に、特別図柄の高確率状態であるか否か、普通図柄の高確率状態であるか否かを示す値が格納される。例えば、状態設定エリア223jの値が「11B」であれば、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)であることを意味し、「10B」であれば、潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態)であることを意味する。一方、「00H」であれば、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の低確率状態)であることを意味する。
主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて、状態設定エリア223jを更新していくことにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の状態を正確に把握することができる。
残時短回数エリア223kは、普通図柄の高確率状態の残り回数を格納する記憶領域である。この残時短回数エリア223kは、主制御装置110において時短カウンタ203fの値が更新される毎に出力される残時短回数コマンドにより通知された回数に更新される(図66のS4802参照)。これにより、主制御装置110の時短カウンタ203fの値に同期して、残時短回数エリア223kに格納される値を更新することができるので、音声ランプ制御装置113の把握する残りの時短回数を、主制御装置110により更新される実際の時短回数と一致させることができる。
特図1変動時間カウンタ223m、特図2変動時間カウンタ223nは、変動表示設定処理(図69のS4113参照)において、それぞれの変動表示が設定(実行)された場合に、対応する変動時間を示す値が設定され、各種カウンタ更新処理(図72のS4111参照)が実行される毎に、それぞれの値が1減算される(図72のS5402、S5404参照)。なお、主制御装置110から特図1仮停止コマンドを受信してから、特図1再開コマンドを受信するまでの期間は各種カウンタ更新処理(図72のS4111参照)が実行された場合であっても、特図1変動時間カウンタ223mの値を1減算することが無いように構成している。
そして、コマンド判定処理(図60のS4112参照)にて仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合に実行される仮停止関連処理(図67のS4220参照)において、残変動時間を算出する際に参照される(図67のS4903参照)。
残変動時間情報格納エリア223oは、ラッシュ期間の残期間、即ち、第1特別図柄の大当たり変動の残時間を示す情報を格納するための記憶領域である。この残変動時間情報格納エリア223oには、仮停止された第1特別図柄変動表示の残変動時間を示すための残期間情報(期間A〜期間C)が設定され、仮停止された第1特別図柄の変動表示を再開させる場合の追加演出を設定する際に格納されている残期間情報が参照される。
カード報知済フラグ223qは、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示(報知)したか否かを示すためのフラグであって、カード忘れ注意喚起画面を表示した場合にオンに設定される。
カード報知可能フラグ223sは、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示(報知)可能な状態であるか否かを示すためのフラグであって、カード忘れ注意喚起画面を表示可能な条件を満たしている場合にオンに設定される。
ラッシュ表示済フラグ223tは、潜確状態が設定されている状態において、ラッシュ遊技が開始されたか否かを示すためのフラグであって、ラッシュ遊技が開始されたことを示すラッシュ突入画面(図7(a)、図8(b)参照)が表示された場合にオンに設定される。
賞球数カウンタ223uは、大当たり遊技が開始されてからの賞球数を継続して計測するためのカウンタであって、遊技者にとって有利な遊技状態が継続して設定される期間中の賞球数が累積されるように構成している。具体的には、当たり関連処理(図63のS4216)において、賞球コマンドを受信したと判別した場合に(図63のS4505:Yes)、受信した賞球コマンドに対応する値が加算される(図63のS4506)。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10は、大当たり遊技に加え、小当たり遊技においても多量の賞球を獲得できるように構成しているため、賞球数カウンタ223uの値に応じて、小当たり遊技終了後や、少ないラウンド数が設定される大当たり遊技終了後にカード忘れ注意喚起表示を実行することができるように構成している。
電源断フラグ223yは、瞬間的な停電があったか否かを判別するために用いられるフラグである。この電源断フラグ223yは、主制御装置110から電源断コマンドを受信し、電源断処理が実行される前にオンに設定される(図59のS4117参照)。その後、RAM223は揮発性メモリであるため、RAM223の情報は一定時間(100ミリ秒)経過後に全て消えてしまう。よって、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図58参照)において、電源断フラグ223yがオンである場合は(図58の4008:Yes参照)、電源断フラグ223yがオンに設定されてから一定時間(100ミリ秒)経過前に音声ランプ制御装置113が立ち上がった場合、即ち、瞬間的な停電があった場合である。この場合には、RAM223の情報は全て消えておらず、RAM223の作業領域に不要な情報(または、一部の情報のみが消えてしまったことで不完全となった情報など)が残っている場合があるので、RAM223の作業領域の情報をクリアする(図58のS4009参照)。これにより、不要(または、不完全)な情報に基づいて処理が実行されることがなくなるので、音声ランプ制御装置113の各処理を正常に動作させることができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に、図24を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図24は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図73のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図73のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図30参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図74(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、上第1入球口64b1、または下第1入球口64b2への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図73のS6003,S6004参照)。
ここで、図25を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図25は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図25(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図25(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図25(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図25(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図25(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、上第1入球口64b1、または下第1入球口64b2に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図25(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に上第1入球口64b1、または下第1入球口64b2に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図24に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図26を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図26は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図26(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図26(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図27は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図26に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図27に示すように、時間の経過とともに、図27の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図27(a)に示す背面画像が表示される。この図27(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図27(b)に示す背面画像が表示される。図27(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図27(c)に示す背面画像が表示される。図27(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図27(a)に示す背面画像に戻って、再び図27(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図26(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図26(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図27(a)を含み、図27(b)を除く図27(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図27(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図27(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図27(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図27(b)〜(c)および図27(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図27(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図27(a)〜(b)の画像を表示させている間に図27(b)〜(c)および図27(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図27(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図27(b)〜(c)および図27(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図24参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図24に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図28を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図28は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図30参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図29を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図29は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図29のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図29のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図29の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図29の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図25(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図73参照)の中でオンに設定される(図73のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図85(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図75(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図76〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図85(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図85(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図86参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図30参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図75(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図84のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図30参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図30を参照して、描画リストの詳細について説明する。図30は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図30に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図82のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図74のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図86参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図86のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図86のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図87のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図75(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図81(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図86のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図86のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図81(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図82参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図82のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図77(a)のS6505、図78(a)のS6705、図78(b)のS6805、図79のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図82参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図82のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図77(a)のS6505、図78(a)のS6705、図78(b)のS6805、図79のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図31〜図57のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では232)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、479,99,232,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4,C5の更新値を、RAM203の対応するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図32〜図47を参照して後述する。
始動入賞処理(S105)を実行した後は、第2図柄表示装置(図示せず)において表示を行うための処理と、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴う処理を行う普通図柄変動処理を実行する(S106)。尚、普通図柄変動処理(S106)の詳細については、図48を参照して後述する。普通図柄変動処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
まず、図32を参照して、本実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)の内容について説明をする。図32は特別図柄変動処理(S104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(S104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し(S201)、大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(S201:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されているかを判別する(S202)。このS202の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。S202の処理において、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されていると判別した場合は(S202:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(S203)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、S201の処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(S201:No)、特図1変動時間カウンタ203mの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(S204)、特図1変動時間カウンタ203mの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S204:No)、第1特別図柄変動開始処理(S208)を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するS209に移行する。第1特別図柄変動開始処理(S208)の詳細については、図33を参照して後述する。
S204の処理において、特図1変動時間カウンタ203mの値が0よりも大きいと判別した場合は(S204:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理(S205)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理(S205)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図37を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理(S205)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図1変動時間カウンタ203mが0であるか)を判別し(S206)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S206:Yes)、第1特別図柄変動停止処理(S207)を実行し、その後、S209へ移行する。一方、S206の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S206:No)、S207の処理をスキップしてS209へ移行する。
S209〜S213の処理では、特図1に対して実行したS204〜S207と同様の処理が実行される。S209の処理が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(S209)、特図2変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S209:No)、第2特別図柄変動開始処理(S210)を実行し、その後、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理(S210)の詳細については、図39を参照して後述する。
一方、S209の処理において、特図2変動時間カウンタ203nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S209:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理(S211)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理(S211)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図44を参照して後述する。
第2特別図柄変動実行中処理(S211)を終えると、次に、変動時間の終了タイミングであるか(特図2変動時間カウンタ203nが0であるか)を判別し(S212)、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(S212:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(S213)を実行し、本処理を終了する。一方、S212の処理において、変動時間の終了タイミングでは無いと判別した場合は(S212:No)、S213の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図33を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図32のS104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図33は、この第1特別図柄変動開始処理(S208)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S301)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(S302)。S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(S303)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S304)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S2201)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S304の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(S305)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S305の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄大当たり判定処理を実行する(S306)。この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)については、図34を参照して、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
S306の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行する(図35参照)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理を実行する(S308)。この遊技状態更新処理(図36のS308)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す、確変フラグ203gの状態、時短カウンタ203fの値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。S308の処理が終了すると、本処理を終了する。
一方、S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S302:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図34を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図33のS204)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S306)について説明する。図34は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10では、何れか一方の特別図柄において大当たりに当選した変動表示(大当たり変動)が実行されている期間中は、他方の特別図柄抽選にて大当たりに当選したか否かの判別を行わないように構成している。
つまり、一方の特別図柄抽選によって所定期間後(変動時間経過後)に大当たり遊技が実行されることが確定している状態において、他方の特別図柄抽選によって大当たりに当選し、短期間で複数回の大当たりに当選してしまい過剰に特典を付与してしまうことを抑制するように構成している。
このように、通常の特別図柄抽選と同様に各種カウンタ値を取得する処理を行い、その処理において取得した各種カウンタ値に基づく判定をスキップし、外れ図柄をセットするように構成することで、他方の特別図柄抽選の抽選結果にいち早く対応することができる。
第1特別図柄大当たり判定処理(S306)では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。次いで、確変フラグ203gがオンに設定されているか判別する(S402)。即ち、特別図柄の高確率状態(確変状態、潜確状態)であるか否かを判別する。確変フラグ203gがオンである(即ち、特別図柄の確変状態である)と判別した場合には(S402:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S403)。一方、S402の処理において、確変フラグ203gがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S402:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その抽選結果を取得する(S404)。
そして、特図2大当たりフラグはオンであるかどうか判別する(S405)。オンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S405:No)、S403またはS404で取得した抽選結果が大当たりであるかを判定し(S406)、抽選結果が大当たりであれば(S406:Yes)、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203hをオンに設定し(S407)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S408)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄をセットし(S409)、現在の遊技状態に応じた値を当選時状態格納エリア203jに格納して(S410)、時短カウンタ203fに1をセットし(S411)本処理を終了する。
ここで、S411の処理において時短カウンタ203fの値を1にセットすることにより、第1特別図柄変動開始処理(図33のS208参照)にて第1特別図柄大当たり判定処理(図34のS306参照)よりも後段で実行される遊技状態更新処理(S308)にて普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合には、その大当たり変動が開始されるタイミングで普通図柄の低確率状態を設定することが可能となる。よって、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の大当たりに当選することで確変状態を潜確状態へと移行させることができる。
また。S411の処理にて時短カウンタ203fの値を1にセットする処理を行うことで、大当たりに当選したことを条件として普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを条件として普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理と、の何れも遊技状態更新処理(S308)を用いて実行することができる。これにより、普通図柄の高確率状態を終了させる条件を複数設けた場合であっても、主制御装置110の処理が煩雑になることを防ぐことができる。
一方、S405の処理において、特図2大当たりフラグ203hがオンであると判別した場合(S405:Yes)、或いは、S406の処理において、抽選結果が外れであると判別された場合には(S406:No)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S412)、その後、本処理を終了する。
次に、図35を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図33のS208)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)について説明する。図35はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図35のS307)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図34のS306)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S501)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、特図1大当たりフラグ203hがオンであるか否かで判別される。この特図1大当たりフラグ203hは、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)におけるS407の処理でオンに設定されるものである。
S501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(S501:Yes)、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)におけるS401の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)より大当たり種別を決定し(S502)、S503の処理へ移行する。
一方、S501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れである(即ち、特図1大当たりフラグ203hがオフである)と判別した場合には(S501:No)、S502の処理をスキップして、S503の処理へ移行する。
S503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(S503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図17〜19参照)を読み出して(S504)、S505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、確変フラグ203gの状態と、時短カウンタ203fの値とに基づいて判別される。S505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(S506)。
S506の処理を終えると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定し(S507)、次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(S508)、S505の処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図1変動時間カウンタ203mにセットし、本処理を終了する。
次に、図36を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理(図33参照)の一処理である遊技状態更新処理(S308)について説明する。図36は、この遊技状態更新処理(S308)を示すフローチャートである。本実施形態のパチンコ機10では遊技状態を設定するための条件である確変フラグ203gの状態と、時短カウンタ203fの値とのうち、時短カウンタ203fの値のみを特別図柄の変動開始時に更新するために、第1特別図柄変動開始処理(図33参照)の一処理である遊技状態更新処理(図36参照)において、時短カウンタ203fの値を更新する処理を実行するように構成している。
そして、詳細は後述するがオンに設定されている確変フラグ203gは、大当たり変動が終了し、大当たりを示す特別図柄が停止表示された場合(大当たり遊技が実行される場合)にオフに設定されるように構成している。
つまり、遊技状態を設定する際に参照される2つの条件要素(確変フラグ203gの状態、時短カウンタ203fの値)のうち、1の条件要素を特別図柄の変動開始時に更新し、他の条件要素を特別図柄の変動停止時に更新可能とすることにより、2つの条件要素を組み合わせて設定される遊技状態を多様化し易くすることができる。また、特別図柄の変動が開始されてから終了するまでの期間のみ特定の遊技状態(例えば、潜確状態)を設定することもできるため、予め定められた期間中のみ遊技者に対して有利な遊技状態を設定することが可能となる。
遊技状態更新処理(図36参照)が開始されると、まず、時短カウンタ203fの値が0より大きいか否かを判別する(S601)。時短カウンタ203fの値が0であると判別した場合には(S601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203fの値が0より大きいと判別した場合には(S601:Yes)、時短カウンタ203fの値を1減算して(S602)、時短カウンタ203fの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S603)。次に、時短カウンタ203fの値が0であるかを判別し(S604)、0であると判別した場合には(S604:Yes)、次いで確変フラグ203gがオンに設定されているか判別する(S605)。ここで、確変フラグ203gがオンに設定されていると判別した場合には(S605:No)、時短遊技が付与されていない確変状態(即ち、潜確状態)であるため、潜確状態を示す状態コマンドを設定し(S606)、本処理を終了する。一方、S605の処理において、確変フラグ203gがオンに設定されていないと判別した場合には(S605:No)、通常状態であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(S607)、本処理を終了する。
一方、S604の処理において、時短カウンタ203fの値が0ではないと判別した場合には(S604:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が次に特別図柄の大当たりに当選するまでの間(大当たりを示す組み合わせで特別図柄が停止表示されるまでの間)継続して設定されるように構成しているが、これ以外に例えば、確変フラグ203gに代えて確変カウンタを設け、特別図柄の変動が実行される毎に確変カウンタの値を減算し、確変カウンタの値が0となった場合に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるように構成しても良い。
このような構成を用いる場合は、図36を参照して示した遊技状態更新処理(S308)を特図変動開始時遊技状態更新処理とし、これとは別に特別図柄の変動表示が終了したタイミングで確変カウンタの値を更新する特図変動停止時遊技状態更新処理を設けることで、特別図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理と、普通図柄の高確率状態を終了させるか否かを判別する処理とを異なるタイミングで実行させることができる。
次に、図37を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図31のS104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理(S205)の内容について説明をする。図37は、第1特別図柄変動実行中処理(S205)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理(S205)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されているかを判別する(S701)。ここで、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図1仮停止フラグ203vは、特図1が変動中において、特図2が当たり(小当り)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203oがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203vがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理(図32)が実行される際には、S201の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、S201の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理(S205)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図37に戻り説明を続ける。S701の処理において、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されていると判別した場合は(S701:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(S702)、特図1仮停止フラグ203vをオフに設定し(S703)、S704へ移行する。一方、S701の処理において、特図1仮停止フラグ203vがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S701:No)、S702,S703の処理をスキップしてS704の処理へ移行する。
S704の処理では特図1変動時間カウンタ203mを1減算して更新し(S704)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S705)、本処理を終了する。
次に、図38を参照して、特別図柄変動処理(図32のS104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図38はこの第1特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(S207)では、まず、第1特別図柄(特図1)に対して、特図1大当たりフラグ203hがオンに設定されているか判別する(S801)。第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203hがオンに設定されていると判別した場合には(S801:Yes)、特図2変動停止フラグ203sをオンに設定し(S802)、特図2変動停止フラグ203sがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S803)。次いで、第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示する(S804)。
S804の処理を終えると、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S805)、特図1大当たりフラグ203hと確変フラグ203gをリセットする(S806)。次いで、大当たり中フラグ203oをオンに設定し(S807)、S808の処理へ移行する。
一方、S801の処理において、第1特別図柄に対して特図1大当たりフラグ203hがオフに設定されていれば(S801:No)、S802〜S807の処理をスキップし、S808の処理へ移行する。
S808の処理では、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図1確定コマンドを設定する(S808)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S809)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄停止処理(S207)では、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(S802〜S809)が実行される。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判別された場合に(S801:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(S803,S804)が実行される。
なお、本第1実施形態では、第1特別図柄の停止図柄を大当たり図柄で停止表示させる場合に、変動表示中の第2特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の大当たり図柄を停止表示させる時点で、第2特別図柄の変動表示を中断(仮停止)するように構成してもよい。そして、第1特別図柄の大当たりが終了した後で、第2特別図柄の変動表示を再開する構成としてもよい。これにより、外れで強制停止させる場合に比較して、自然な態様の演出にすることができる。また、本実施形態では、第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)にて当選時状態格納エリア203jに格納された遊技状態に基づいて、S806の処理にて大当たりシナリオを設定しているが、例えば、大当たり遊技のオープニング期間を用いて第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)にて当選時状態格納エリア203jに格納された遊技状態に基づいて、S706の処理にて大当たりシナリオを設定するようにしてもよい。
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図32)において実行される第2特別図柄変動開始処理(S210)の内容について説明をする。図39は、第2特別図柄変動開始処理(S210)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動開始処理(S210)では、特図2の変動を開始するための処理が実行される。尚、図39〜図46を参照して上述した第1特別図柄の変動に関する処理に対して、変動の対象を第1特別図柄から第2特別図柄へと図柄の対象を異ならせただけである要素については、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動開始処理(S209)では、まず、特図2変動停止フラグ203sがオンに設定されているかを判別する(S901)。特図2変動停止フラグ203sがオンに設定されていると判別した場合には(S901:Yes)、特図2変動停止フラグ203sをオフに設定し(S902)、本処理を終了する。特図2変動停止フラグ203sは、上述した通り、第1特別図柄の大当たり変動が終了する際に、第2特別図柄を外れに対応する停止図柄で停止表示させると共にオンに設定されるフラグである。即ち、特図2変動停止フラグ203sがオンであれば、大当たりが開始されることを意味するので、第2特別図柄の変動開始を設定すべきではない。このため、S901の処理で特図2変動停止フラグ203sがオンの場合は、変動開始を設定するS902〜S907の各処理を実行せずに、そのまま本処理を終了する構成としている。
一方、S901の処理において、特図2変動停止フラグ203sがオフに設定されている(即ち、オンに設定されていない)と判別した場合には(S901:No)、第2特別図柄実行エリア203bのデータ(各種カウンタ値)を取得する(S903)。次に、S903の処理において取得したデータに基づいて、取得したデータがあるかどうか判別する(S904)。即ち、第2特別図柄実行エリアにデータがないと判別した場合には(S904:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S903の処理において、データがあると判別した場合には(S904:Yes)、格納した各カウンタ値に基づいて第2特別図柄の大当たり判定を実行するための第2特別図柄大当たり判定処理を実行する(S905)。この第2特別図柄大当たり判定処理の詳細については、図40を参照して後述する。
S905の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄の抽選結果、およびS903の処理で取得したデータに基づいて、変動パターンを選択するための第2特別図柄変動パターン選択処理を実行する(S906)。この第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)の詳細については、図42を参照して後述する。S906の処理が終了した後は、上述した遊技状態更新処理(図36参照)を実行し(S907)、本処理を終了する。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図39のS210)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S905)について説明する。図40はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S905)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(S905)では、上述した第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)と同様の処理が実行されるので、第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)との相違点について中心に説明する。
第2特別図柄大当たり判定処理(S905)が実行されると、第2特別図柄実行エリア203bに格納された各カウンタ値を取得する(S1001)。そして、取得した各カウンタ値と、確変フラグ203gの状態とに基づいて大当たりか否かの抽選結果を取得するためのS1002〜S1004の処理を実行する。これらの各処理では、抽選(判定)に用いるカウンタ値を第2特別図柄実行エリア203bから取得する点が相違するのみで、その他については第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)と同一の制御が実行される。
S1003、またはS1004の処理が終了すると、特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されているか判別する(S1005)。特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合には(S1005:No)、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S1006)、大当たりであると判別した場合は(S1006:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS1007〜S1010の処理を実行し、本処理を終了する。これらのS1007〜S1010の各処理では、それぞれ第1特別図柄大当たり判定処理(図34参照)において第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定するためのS407〜S410の各処理と同様の処理が実行される。
一方、S1005の処理において、特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されていると判別した場合(S1005:Yes)、或いは、S1006の処理において、取得した第2特別図柄の抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S1006:No)、第2特別図柄の小当たり、または外れに対応する停止図柄を設定するための特図2外れ変動処理を実行し(S1011)、本処理を終了する。この特図2外れ変動処理(S1011)の詳細について、図41を参照して説明する。図41は、この特図2外れ変動処理(S1011)を示すフローチャートである。
特図2外れ変動処理(S1011)では、まず、図40のS1003、またはS1004の処理で取得した抽選結果が第2特別図柄の小当たりであるかを判定し(S1101)、抽選結果が小当たりであると判別した場合(S1101:Yes)、小当たりフラグ203kをオンに設定して(S1102)、第2特別図柄の抽選結果を小当たりに設定する(S1103)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別を示す小当たり図柄を、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄としてセットし(S1104)、本処理を終了する。
一方、S1101の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S1101:No)、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の外れ図柄をセットし(S1105)、その後、本処理を終了する。
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動開始処理(図39のS210)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)について説明する。図42はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S906)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図42のS906)では、まず、第2特別図柄実行エリア203bから、変動種別カウンタCS1の値を取得する(S1201)。次いで、第2特別図柄大当たり判定処理(図40のS905)において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S1202)。ここで、大当たりであるか否かの判定は、第2特別図柄に対して特図2大当たりフラグ203iがオンであるか否かで判別される。この特図2大当たりフラグ203iは、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図40参照)におけるS1007の処理でオンに設定されるものである。
S1202の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S1202:Yes)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17および図19参照)を読み出す(S1203)。そして、上述した第2特別図柄大当たり判定処理(図40参照)におけるS1001の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別選択テーブル202d(図16(a)参照)より大当たり種別を決定する(S1204)。
S1204の処理が終了すると、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(S1205)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(S1206)。そして、S1208の処理へ移行する。
一方、S1202の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていないと判別された場合には(S1202:No)、特図2外れ変動パターン選択処理(S1207)を実行し、S1208の処理へ移行する。
S1208の処理では、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(S1208)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(S1209)、S1205の処理において選択した変動パターンの変動時間を示す値を、特図2変動時間カウンタ203nにセットし(S1210)、本処理を終了する。
次に、図43を参照して、この特図2外れ変動パターン選択処理(S1207)について説明する。図43は、特図2外れ変動パターン選択処理(S1207)の内容を示したフローチャートである。
特図2外れ変動パターン選択処理(図43のS1207)では、まず、第2特別図柄の抽選結果は、小当たりであるか判別する(S1301)。ここでは、小当たりフラグ203kがオンに設定されているか判別する(S1301)。小当たりフラグ203kがオンであると判別した場合には(S1301:Yes)、第2特別図柄実行エリアから小当たり種別カウンタC5の値を取得する(S1302)。そして、取得した小当たり種別カウンタC5の値と小当たり種別選択テーブル202e(図16(b)参照)に基づいて、小当たり種別を選択する(S1303)。
次に、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17〜図19参照)を読み出し(S1304)、読み出した変動パターン選択テーブルから、変動種別カウンタCS1の値に対応する小当たりの変動パターンを選択する(S1305)。その後、選択した小当たり変動パターンを示す特図2変動パターンコマンドを設定し(S1306)、本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、第2特別図柄の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S1301:No)、現在の遊技状態に対応した変動パターン選択テーブル(図17および図19参照)を読み出し(S1307)、読み出した変動パターン選択テーブルより、変動種別カウンタCS1の値に対応する外れの変動パターンを選択する(S1308)。その後、選択した外れの変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定し(S1309)、本処理を終了する。
次に、図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(図32のS104参照)内の一処理である第2特別図柄変動実行中処理(S211)の内容について説明をする。図44は、第2特別図柄変動実行中処理(S211)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理(S211)では、特図2の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(S211)が実行されると、まず、特図2変動時間カウンタ203nを1減算して更新し(S1401)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の表示を更新し(S1402)、本処理を終了する。
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される第2特別図柄変動停止処理(S213)の内容について説明をする。図45は、第2特別図柄変動停止処理(S213)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理(S213)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものである。
第2特別図柄変動停止処理(S213)が実行されると、まず、特図2大当たりフラグ203iはオンに設定されているか判別し(S1501)、特図2大当たりフラグ203iはオンに設定されていると判別した場合には(S1501:Yes)、特図1変動の停止を示す特図1変動停止コマンドを設定する(S1503)。次にS1503の処理を終えると、第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示させる(S1504)。次に、選択されている大当たり種別に対応する大当たりシナリオを設定し(S1505)、特図2大当たりフラグ203iと確変フラグ203gと時短カウンタ203fをリセットする(S1506)。次いで、大当たり中フラグ203oをオンに設定し(S1507)、S1509の処理へ移行する。
S1509の処理では、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して通知するための特図2確定コマンドを設定する(S1509)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(S1510)、本処理を終了する。
一方、S1501の処理において、特図2大当たりフラグ203iがオンに設定されていないと判別した場合には(S1501:No)、特図2外れ停止処理を実行し(S1508)、上述したS1509、S1510の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図46を参照して、第2特別図柄変動停止処理(図45のS213)の一処理である特図2外れ停止処理(S1508)について説明する。図46は、特図2外れ停止処理(S1508)を示すフローチャートである。この特図2外れ停止処理(S1508)では、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たり以外(小当たり、外れ)である場合において、その抽選結果を示す特図2が停止表示される場合に実行する処理であって、特図2の抽選結果が小当たりである場合には、実行中の特図1変動を仮停止させるための処理が実行される。
特図2外れ停止処理(S1508)では、まず、小当たりフラグ203kがオンに設定されているか判別する(S1601)。小当たりフラグ203kがオンに設定されていると判別した場合には(S1601:Yes)、特図1仮停止フラグ203vをオンに設定する(S1602)。次いで、特図1仮停止フラグ203vのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定する(S1603)。
S1603の処理を終えると、選択されている小当たり種別に基づいた小当たりシナリオを設定する(S1604)。その後、小当たりフラグ203kをオフに設定し(S1605)、小当たり中フラグ203pをオンに設定する(S1606)。
S1606の処理が終了すると、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S1607)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(S1608)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、小当たりフラグ203kがオフである(即ち、第2特別図柄の抽選結果が外れである)と判別された場合は(S1601:No)、第2特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図2確定コマンドを設定する(S1609)。その後、第1図柄表示装置37で変動表示している第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(S1610)、本処理を終了する。
以上のように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりを示す特別図柄が停止表示される場合に、他方の特別図柄を強制的に停止表示させるように構成したが、それに限らず、他方の特別図柄を仮停止または変動時間の計測を中断した状態で変動表示するように構成してもよい。このような場合では、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図31参照)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図47は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図47のS105)は、第1入球口(第1始動口)64に遊技球が入球(入賞)したかを判別して、入球(入賞)した場合には、保留上限個数(第1入球口64では最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(S105)について説明する。
始動入賞処理(S105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S1701)。ここでは、第1入球口64への球の入球を検出する第1入球スイッチ(図示せず)の検出結果を用いて判別する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別されると(S1701:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が取得される(S1702)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S1703)。これは、第1入球口64に対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)は4未満であるか判別された場合には(S1703:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)に1加算される(S1704)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S1705)。各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)する(S1706)。
次に、格納した各カウンタ値に基づいて、第1特別図柄の当否判定結果、決定される当たり種別、および、変動パターンを予測する(S1707)。そして、予測した第1特別図柄の当否判定結果、当たり種別、および、変動パターンを含む入賞情報コマンドを設定し(S1708)、この処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1始動口(第1入球口)64に遊技球が入賞して、新たに保留記憶されると、その保留記憶された情報に基づいて、当否判定結果が変動開始前に判別されて音声ランプ制御装置113に対して通知される。これにより、保留記憶されている当否判定結果に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆する演出を実行したりすることができる。
次に、図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図48は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示及び変動時間、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放動作及び開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図48のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S1801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判別の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合は(S1801:Yes)、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することができない状態であるため、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中では無いと判別した場合は(S1801:No)、次に、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)であるかを判別し(S1802)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中(普通図柄変動中)では無いと判別した場合(S1802:No)、即ち、現在が普通図柄の当たり中でも、普通図柄の変動中でも無い状態、つまり、新たな普通図柄変動(抽選)を開始(実行)することが可能な状態であると判別した場合は、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1803)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S1804)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0であると判別した場合には(S1804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が0でないと判別した場合には(S1804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1減算し(S1805)、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1806)。
S1806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留第1〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留第1エリア→実行エリア、普通図柄保留第2エリア→普通図柄保留第1エリア、普通図柄保留第3エリア→普通図柄保留第2エリア、普通図柄保留第4エリア→普通図柄保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1807)。
そして、S1807の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、普通図柄(第2)当たり乱数テーブル202cとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S1808)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cに格納されている乱数値と比較する。上述したように、普通図柄の低確率状態が設定されている場合は、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜10」の範囲にあれば、普通図柄の当たりと判別し、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、第2当たり種別カウンタC4の値が「0〜231」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「232」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
次に、S1808の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S1809)、普通図柄の当たりであると判別した場合には(S1809:Yes)、当たり時の表示態様を設定し(S1810)、S1811の処理へ移行する。このS1810の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
一方、S1809の処理において、普通図柄の外れであると判別した場合には(S1809:No)、外れ時の表示態様を設定し(S1812)、S1811の処理へ移行する。このS1812の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S1811の処理へ移行する。
S1810又はS1812の処理が終了すると、S1811の処理において、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)であるかを判別し(S1811)、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)であると判別した場合は(S1811:Yes)、第2図柄表示装置における普通図柄の変動時間を3秒間に設定し(S1813)、次に普図短変動フラグ203tをオンに設定して(S1814)、本処理を終了する。一方、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)では無い(普通図柄の低確率状態である)と判別した場合は(S1811:No)、第2図柄表示装置における普通図柄の変動時間を10秒間に設定して(S1815)、本処理を終了する。
なお、S1814の処理でオンに設定された普図短変動フラグ203tは、普通図柄の抽選が実行されたタイミングにおける遊技状態を一時的に記憶するための構成であって、普通図柄の変動が停止表示され電動役物64aの開放動作を設定する際に参照されるものである。これにより、普通図柄の変動(抽選)開始タイミングと、電動役物64aの開放動作タイミングと、がどの遊技状態であるのかに応じて電動役物64aの開放動作内容を可変することができる。
本実施形態では、普通図柄の変動(抽選)開始(実行)タイミングにおける遊技状態を、専用のフラグを用いて一時的に記憶するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、現在設定されている遊技状態を常に記憶可能な遊技状態記憶手段に、普通図柄の抽選結果が当たりであると判別した場合に、その普通図柄の抽選が実行された際における遊技状態を一時的に記憶するための記憶領域を設けるように構成しても良い。さらに、通常状態が設定されている期間を常に記憶する手段を設け、その手段に記憶されている期間(通常状態が設定されている期間)と、普通図柄の抽選が行われたタイミングとを比較することにより、普通図柄の抽選が行われたタイミングにおける遊技状態を判別することができるように構成しても良い。つまり、現在設定されている遊技状態を記憶可能な記憶手段と、過去の所定タイミングにおいて設定されていた遊技状態を少なくとも記憶可能な記憶手段を設けた構成であれば良い。
一方、S1802の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であると判別した場合は(S1802:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S1816)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S1810の処理またはS1812の処理によって予め設定された時間である。
S1813の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S1816:No)、本処理を終了する。一方、S1816の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していると判別すると(S1816:Yes)、次に、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S1817)。S1817の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1810の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1812の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。なお、第2図柄が停止表示される期間は、第2図柄が変動中であることを示す点滅表示(「○」と「×」との交互表示)における1つの箇所を点灯させる期間よりも長くなるように(確定表示する)構成している。これにより、遊技者に対して第2図柄が停止表示されたことを容易に把握させることができる。
S1817の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図52参照)の第2図柄表示更新処理(図52のS2208)が実行された場合に、第2図柄表示装置における変動表示が終了し、S1810の処理またはS1812の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
S1817の処理を終えると、次に、第2図柄表示装置において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理(S106)によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判別する(S1818)。今回の抽選結果が普通図柄の外れであると判別した場合は(S1818:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の抽選結果が普通図柄の当たりであると判別した場合は(S1818:Yes)、次に、普図短変動フラグ203tがオンに設定されているかを判別する(S1819)。
S1819の処理において、普図短変動フラグ203tがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S1819:No)、電動役物64aの開放時間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S1821)、S1820の処理へ移行する。
一方、S1819の処理において、普図短変動フラグ203tがオンに設定されていると判別した場合、即ち、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S1816:Yes)、普図短変動フラグ203tをオフに設定し(S1820)、次いで、現在の遊技状態が時短状態(時短中)であるかを判別する(S1821)。
S1821の処理において、現在の遊技状態が時短状態でないと判別した場合は(S1821:No)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミングにおける遊技状態が通常状態で、現在の遊技状態(電動役物64aの開放動作を設定するタイミング)が通常状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S1824)、S1823の処理へ移行する。
一方、現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S1821:Yes)、今回の普通図柄の抽選(変動)を開始したタイミング、及び、現在の遊技状態(電動役物64aの開放動作を設定するタイミング)が共に時短状態であるため、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開放期間を2秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定(電動役物64aのロング開放動作を設定)し(S1822)、S1823の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が実行されるタイミングと、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物64aの開放動作を設定するタイミングと、が共に時短状態である場合にのみ、電動役物64aの開放動作として遊技者に有利な開放動作(ロング開放)を設定するように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利となる開放動作が設定される条件を厳密に設定することができるため、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態で普通図柄の抽選(変動)が実行されて当たりに当選し、その普通図柄の変動時間(10秒)が終了するまでの間に時短状態が設定されたとしても、電動役物64aの動作としてロング開放が設定されることが無い。また、同様に時短状態が設定されている状態で実行された普通図柄の変動(抽選)において当たりに当選し、その普通図柄の変動が停止するまでの間に遊技状態として通常状態が設定された場合にも電動役物64aのロング開放が設定されることが無い。よって、遊技者に対して過剰に有利な特典(電動役物64aのロング開放)が提供されてしまうことを抑制することができる。
さらに、遊技状態として通常状態が設定されている状態において電動役物64aがロング開放することを抑制することができるため、遊技者に有利な特別図柄(第2特別図柄)の抽選が実行され易い期間を時短状態中に制限することができる。なお、本実施形態では、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物64aの開放動作を設定するタイミングと、における遊技状態を判別し、各タイミングにおいて設定される遊技状態に基づいて電動役物64aの開放動作内容を設定する構成として、上述した構成を用いているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、普通図柄の抽選(変動)が開始されるタイミングと、電動役物64aの開放動作を設定するタイミングと、が共に通常状態である場合のみ遊技者に不利となる開放動作(図48のS1824で設定される開放動作)を設定し(ショート開放を設定し)、それ以外の状態ではロング開放(図48のS1822で設定される開放動作)が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が設定されている前後の期間において実行される普通図柄変動に対しても遊技者に有利な特典(ロング開放)を提供することができるため、時短状態を遊技者により有利な状態をすることができる。
このように、遊技状態として時短状態が設定されている間は、通常状態が設定されている場合と比較して、普通図柄の変動時間が「10秒→3秒」と非常に短くなり、更に、下第1入球口64b2の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、下第1入球口64b2へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では大当たり遊技が実行される場合には時短状態が終了するように構成しているため、大当たり遊技中は通常状態となる。一方、小当たり遊技が実行される場合には、時短終了条件が成立しない限り継続して時短状態が設定されるように構成しているため、時短状態が設定されている間に実行される小当たり遊技中は、小当たり遊技において第1可変入賞装置65が開放し、且つ、電動役物64aがロング開放する期間となり、複数の入賞口(第1特定入賞口65a、下第1入球口64b2)への球の入球が容易となる特定期間となる。
このような構成を用いることにより、例えば、図2に示した遊技盤13の構成に代えて、第1可変入賞装置65の上方に電動役物64a及び下第1入球口64b2を配設し、小当たり遊技中に2つの入賞口(V入賞装置65a、下第1入球口64b2)に球が入球するように構成すると良い、これにより、小当たり遊技中に獲得可能な賞球数を増加させることができ、遊技者により有利な特典を付与することが可能となる。
図48に戻り説明を続ける。S1820の処理では、下第1入球口64b2に付随する電動役物64aの開閉制御開始を設定し(S1823)、本処理を終了する。S1823の処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図52参照)の電動役物開閉処理(S2206参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S1824の処理またはS1822の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。
次に、図49のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図49は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図31参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図49のS107)では、まず、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(S1901)。ここでは、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したと判別されると(S1901:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1902)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1903)。
遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S1901:No)、或いは、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満でなければ(S1903:No)、本処理を終了する。一方、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過し(S1901:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)が4未満であれば(S1903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203eの値(M)を1加算する(S1904)。
S1904の処理を終えると、上述したタイマ割込処理(図31参照)のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S1905)、本処理を終了する。尚、S1905の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203eの値を参照し、その値が1であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
詳細については後述するが、本実施形態では第1特別図柄に基づく抽選よりも第2特別図柄に基づく抽選のほうが遊技者に有利となるよう設定されている。よって、普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりとなることで提供される下第1入球口64b2に球が入球可能な状態は、通常の遊技状態に比べ有利な遊技状態となる。
このような遊技状態が提供されるタイミングを普図の事前判定結果に基づいて示すことにより、遊技者は通常の遊技状態よりも有利な遊技状態を見逃すことなく遊技を行うことができる。なお、このような普図の事前判定結果を用いて演出を行う場合は普図の当否判定結果に基づく演出だけではなく、普図が当たりと判定された場合における電動役物64aが開放動作されるタイミングを示唆する演出を行うと良い。このようにすることで、通常の遊技状態は遊技盤13の左側の遊技領域を狙った遊技を行い、下第1入球口64b2(電動役物64aが付随する入球口)が遊技盤13の右側に配設されていたとしても、電動役物64aが開放動作を行う前に、遊技盤13の右側を狙う遊技(所謂、右打ち)に切り替えることが可能となり、通常の遊技状態であっても下第1入球口64b2への球が入球する可能性を高めることができるという効果がある。
図50は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S2001)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図51を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図51は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図51)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2101)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S2102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S2103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図12参照)がオンされているか否かを判別し(S2104)、オンされていれば(S2104:Yes)、処理をS2110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図12参照)がオンされていなければ(S2104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2105)、記憶されていなければ(S2105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS2110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2105:Yes)、RAM判定値を算出し(S2106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S2107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS2110へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S2110の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S2110)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S2111、S2112)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図12)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図12)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S2111、S2112)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S2111、S2112)を実行する。RAMの初期化処理(S2111、S2112)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S2111)、その後、RAM203の初期値を設定する(S2112)。RAM203の初期化処理の実行後は、S2113の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図12)がオンされておらず(S2104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S2105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S2107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S2108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S2109)、S2110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S2113)。その後、確変フラグ203gの状態および時短カウンタ203fの各値を読み出し(S2114)、読み出したカウンタ値に基づき、状態コマンドを設定する(S2115)。S2115の処理が終了すると、割込みを許可し(S2116)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図52を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図52は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図31参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S2201)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S2202)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S2203)を実行する。大当たり制御処理が実行される(S2204)。この大当たり制御処理(S2204)については、図53を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり遊技処理(S2204)が実行された後には、小当たり制御処理(S2205)が実行される。この小当たり制御処理については、図55を参照して後述する。その後、電動役物開閉処理が実行される(S2206)。この電動役物開閉処理(S2206)では、電動役物64aの開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S2207)。
次に、第2図柄表示装置による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S2208)。簡単に説明すると、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置にて第2図柄(普通図柄)の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄(普通図柄)の抽選が実施され、第2図柄(普通図柄)の当たり状態になると、電動役物64aが所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2209)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2209:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S2210)、既に所定時間(4ms)が経過していれば(S2210:Yes)、処理をS2201へ移行し、上述したS2201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S2210:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S2211)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S2211)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では479、232)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S2202の処理と同一の方法によって実行する(S2212)。
ここで、S2201〜S2208の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S2209の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2209:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図50のNMI割込処理が実行されたということなので、S2213以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S2213)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S2214)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S2215)、RAM203のアクセスを禁止して(S2216)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S2209の処理は、S2201〜S2208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS2211とS2212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS2201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS2201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S2201)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S2201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S2204)を説明する。図53は、この大当たり制御処理(S2204)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S2204)は、メイン処理(図52参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口(大開放口)65a、第2特定入賞口650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S2204)では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(S2301)。大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(S2301:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2301の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別した場合は(S2301:Yes)、大当たりシナリオを更新し(S2302)、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S2303)。より具体的には、S2302の処理において、大当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、S2303の処理において、大当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。
S2303の処理において、大当たりシナリオのオープニング開始(大当たり開始)のタイミングであると判別された場合は(S2303:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S2304)、本処理を終了する。一方、大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングではないと判別した場合は(S2303:No)、次いで、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S2305)。
S2305の処理において、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2305:Yes)、大当たり中の特定入賞口650aの開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S2306)、本処理を終了する。
一方、S2305の処理において、大当たりシナリオの新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(S2305:No)、次に、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(S2307)。ここで、本実施形態では、第1特定入賞口65a、或いは第2特定入賞口650aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、10個)入賞した場合、または、第1特定入賞口65a、或いは第2特定入賞口650aの開放期間が所定時間(30秒)経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。ラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S2307:Yes)、S2308の処理にて現在開放中の第1特定入賞口65a、或いは第2特定入賞口650aが閉鎖されるよう設定し、本処理を終了する。なお、上述したS2305〜S2307までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
一方、S2307の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S2307:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別し(S2309)、エンディング演出の開始タイミングであれば(S2309:Yes)、大当たり用エンディングコマンドを設定し(S2310)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S2201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、S2309の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2309:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2311)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S2311の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2311:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S2312)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S2312)の詳細については、図54を参照して後述する。一方、大当たりの終了タイミングでなければ(S2311:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図54を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図53のS2204)内の一処理である大当たり終了処理(S2312)について説明する。この大当たり終了処理(S2312)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図54は、この大当たり終了処理(S2312)の内容を示したフローチャートである。
大当たり終了処理(S2312)では、まず、当選時状態格納エリア203jに基づいて、当選時の遊技状態を特定する(S2401)。次いで、今回の大当たりが確変大当たり(大当たり遊技終了後に確変フラグ203gをオンに設定する大当たり種別)であるかを判別する(S2402)。ここで、S2402の処理では、今回設定された大当たり種別に基づいて判別を行う。S2402の処理において、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S2402:Yes)、確変フラグ203gをオンに設定し(S2403)、S2404の処理に移行する。一方、S2402の処理において、今回の大当たりが確変大当たりでは無いと判別した場合には(S2402:No)、S2403の処理をスキップし、S2404の処理に移行する。これにより、大当たり後の遊技状態として特別図柄の低確率状態が設定される。
次に、S2401の処理によって読み出した当選時の遊技状態と、大当たり種別とに対応した値を時短カウンタ203fに設定する(S2404)。具体的には、大当たり種別として「大当たりA」が設定されている場合は、次回大当たりまで普通図柄の高確率状態を継続させるために時短カウンタ203fの値に「10000」を設定し、「大当たりB」が設定されている場合は、特別図柄の変動回数が100回となるまで普通図柄の高確率状態を継続させるために時短カウンタ203fの値に「100」を設定する。
S2404の処理を終えると、次いで、大当たり中フラグ203oをオフに設定し、当選時状態格納エリア203jをクリアする(S2405)。その後、設定した遊技状態に応じた状態コマンドを設定し(S2406)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技の終了時に、今回当選した大当たりの大当たり種別と、当選時の遊技状態が判別されて、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための2つの条件要素(確変フラグ203g、時短カウンタ203f)の内容を設定するように構成している。よって、当選した大当たりの大当たり種別と、大当たりに当選した時点の遊技状態との両方に遊技者を注視させることができる。
次に、図55を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図52参照)内の一処理である小当たり制御処理(S2205)について説明する。図55は、この小当たり制御処理(S2205)の内容を示したフローチャートである。
小当たり制御処理(S2205)では、まず、小当たりシナリオが設定されているかを判別する(S2501)。具体的には、特図2外れ停止処理(図46参照)のS1604の処理が実行され、小当たりシナリオが設定されているかを判別する。S2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていなければ(S2501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2501の処理において、小当たりシナリオが設定されていれば(S2501:Yes)、小当たりシナリオを更新し(S2502)、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S2503)。より具体的には、S2502の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値に1を加算し、S2503の処理において、小当たりシナリオカウンタ(図示せず)のカウンタ値が小当たりシナリオのオープニング開始に該当する値であるかを判別する。
S2503の処理において、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであると判別した場合は(S2503:Yes)、小当たり用オープニングコマンドを設定し(S2504)、本処理を終了する。一方、小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングでないと判別した場合は(S2503:No)、次いで、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであるかを判別する(S2505)。
S2505の処理において、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングであると判別した場合は(S2505:Yes)、小当たり動作設定処理を実行し(S2506)、本処理を終了する。なお、小当たり動作設定処理(S2506)の詳細については、図56を参照して後述する。一方、小当たりシナリオのラウンド開始のタイミングでないと判別した場合は(S2505:No)、次いで、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立したかを判別する(S2507)。ここで、本実施形態では、特定入賞口65aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、5個)入賞した場合、または、特定入賞口65aの開放期間が所定時間経過している場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。
S2507の処理において、現在実行されているラウンドのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S2507:Yes)、S2508の処理にて特定入賞口65aが閉鎖されるよう設定し、本処理を終了する。一方、特定入賞口65aのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S2507:No)、エンディング演出の開始のタイミングであるかを判別する(S2509)。
S2509の処理において、エンディング演出の開始のタイミングであると判別した場合は(S2509:Yes)、小当たり用エンディングコマンドを設定し(S2510)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図52参照)の外部出力処理(S2201)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、S2509の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2509:No)、小当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2511)。ここで、小当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。
S2511の処理において、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2511:Yes)、小当たり中フラグ203pをオフに設定し(S2512)、本処理を終了する。一方、小当たりの終了タイミングでなければ(S2511:No)、第2入賞処理を実行し(S2513)、本処理を終了する。この第2入賞処理(S2513)の詳細については、図57を参照して後述する。
次に、図56を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(図56のS2506)内の一処理である小当たり動作設定処理(S2506)について説明する。図56は、この小当たり動作設定処理(S2506)の内容を示したフローチャートである。
小当たり動作設定処理(S2506)では、まず、開始する小当たりのラウンド数に対応した開放動作が設定されている開放シナリオを読み込む(S2601)。特定入賞口65aの開放動作をS2601の処理で読み込んだデータにより設定し(S2602)、この処理を終了する。
このように、各ラウンドの開始毎に、可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
次に、図57を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(図56のS2506)内の一処理である第2入賞処理(S2513)の詳細について説明する。図57は、この第2入賞処理(S2513)を示すフローチャートである。この第2入賞処理(S2513)は、小当たり制御処理(図55参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この第2入賞処理(S2513)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2701)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aが開放状態に設定されてから、インターバル期間(5秒)が終了するまでの期間である。S2701の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2701:No)、入賞カウンタ203uをリセットし(S2702)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2701の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2701:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S2703)、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S2703:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2703の処理において、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S2703:Yes)、入賞カウンタ203uの値に1を加算して更新する(S2704)。そして、入賞カウンタ203uの値が上限値(本実施形態では、5)以上であるかを判別し(S2705)、入賞カウンタ203uの値が上限値(本実施形態では、5)以下であれば(S2705:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、入賞カウンタ203uの値が上限値(本実施形態では、5)以上であれば(S2705:Yes)、特定入賞口65a(に付随する開閉板65f1)の閉鎖を設定する(S2706)。次いで、小当たりシナリオをラウンドの終了に更新し(S2707)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図58から図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図58を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図58は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図59参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図59を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図59のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図59のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、状態コマンドに基づいて状態設定エリアを更新する(S4011)。次いで、割込み許可を設定して(S4012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図59を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図59は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4110の処理を行わずにS4111の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4111のコマンド判定処理やS4112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4111の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。この後、S4111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4110の処理後、各種カウンタ更新処理を実行し(S4111)、S4112の処理に移行する。この各種カウンタ更新処理の詳細については、図72を参照して後述する。
その後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4112)が実行され、S4113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4112)の詳細については、図60を参照して後述する。
S4113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図69を参照して後述する。
S4113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図60は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、停止種別コマンド受信処理を実行し(S4202)、本処理を終了する。この停止種別コマンド受信処理(S4202)の詳細については図61を参照して後述する。
一方、S4201の処理において、特図1停止種別コマンドも、特図2停止種別コマンドも受信していないと判別した場合は(S4201:No)、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判別する(S4203)。状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4203:Yes)、状態コマンド処理を実行し(S4204)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S4204)の詳細については、図62を参照して後述するが、主制御装置110から出力される状態コマンドに基づいてパチンコ機10の遊技状態(通常状態、確変状態、潜確状態)を状態設定エリア223jに設定する処理が実行される。
一方、S4203の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S4203:No)、特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4205)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4205の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S4205:Yes)、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223dをオンに設定し(S4206)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4207)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図69参照)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始と、その第1特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4205:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4208)。なお、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4208の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4208:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223eをオンに設定し(S4209)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4210)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第2特別図柄の変動パターン種別であることが識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図69参照)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始と、その第2特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
S4208の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4208:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4211)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S4211:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、第1特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新して(S4212)、本処理を終了する。なお、本実施形態では第2特別図柄(特図2)の抽選を保留記憶する構成を有していないため、S4212の処理では第1特別図柄(特図1)保留球数カウンタ223cの値を更新する処理のみが実行される。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S4212の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。
また、S4211の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか判別する(S4213)。S4213の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、受信した入賞情報コマンドの情報(特別図柄の抽選の当否、当たり種別、および、変動パターン)を対応する入賞情報格納エリア223bに設定し(S4214)、本処理を終了する。
一方、S4213の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、主制御装置より当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4216)。S4215の処理において、当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4216:Yes)、当たり関連処理を実行し(S4216)、本処理を終了する。当たり関連処理(S4216)の詳細については、図63を参照して後述するが、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものである。
一方、S4215の処理において、当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4215:No)、主制御装置110より残時短回数コマンドを受信したか判別する(S4217)。S4217の処理において、残時短回数コマンドを受信したと判別した場合は(S4217:Yes)、残回数更新処理(S4218)を実行する。この残回数更新処理(S4218)の詳細については、図66を参照して説明するが、主制御装置110から出力される残時短回数コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に表示するための演出表示の内容を設定する処理が実行される。
S4217の処理において、残時短回数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、主制御装置110より仮停止関連コマンドを受信したか判別する(S4219)。S4219の処理において、仮停止関連コマンドを受信したと判別した場合には(S4219:Yes)、仮停止関連処理を実行し(S4220)、本処理を終了する。仮停止関連処理(S4220)の詳細については、図67を参照し後述するが、特図1仮停止コマンドまたは特図2仮停止コマンドを受信した場合における特図変動時間の残時間を判別する処理と、特図1変動再開コマンドまたは特図2変動再開コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行する演出(追加演出)を設定する処理が実行される。
一方、S4219の処理において、仮停止関連コマンドを受信していないと判別した場合には(S4219:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S4221)、本処理を終了する。S4221の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
以上、説明をした通り、本実施形態の音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(図60のS4112)では、状態コマンドを受信したかを判別する処理(図60のS4203参照)を、各特別図柄の変動パターンコマンドを受信したかを判別する処理(図60のS4205,S4208参照)よりも前段に構成している。
このように構成することで、変動パターンコマンドと状態コマンドとが同時に主制御装置110から出力される場合、即ち、主制御装置110の第1特別図柄変動開始処理(図33のS208参照)の中で、第1特別図柄変動パターン選択処理(図33のS307参照)を実行し、特図1変動パターンコマンドを設定し、その後に実行される遊技状態更新処理(図33のS308参照)において、遊技状態が可変したことを示す状態コマンドを設定した場合であっても、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている遊技状態を特図1変動パターンコマンドよりも先に判定することができる。
よって、確変状態が設定されている状態で特図1の大当たりに当選し、その大当たり変動中に潜確状態が設定される場合において、音声ランプ制御装置113側では、潜確状態が設定されたと判別した状態で大当たり変動となる変動パターンコマンドに対応する変動演出(図7(a)参照)を、容易に設定することができる。
なお、本実施形態の構成とは異なり、状態コマンドの判別処理よりも前段に変動パターンコマンドに応じた処理を実行するように構成した場合、上述した大当たり変動に対応する変動パターンコマンドからは、確変状態中の第1特別図柄抽選によって大当たりに当選したことを示す情報のみを先に受信し、その受信内容に応じた変動表示が設定されることになる。よって、第1特別図柄の大当たり変動が開始されると同時に潜確状態が設定されたことを示す変動表示を実行することが困難となる。このように潜確状態が設定されたことを示す変動表示が遅れてしまうことにより、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる旨を報知するタイミングが遅れてしまうことから、遊技者に不快感を与えてしますという問題が発生する。
これに対して、本実施形態では、上述した通り、主制御装置110側では、大当たりの当否判定(図33のS306参照)、変動パターン設定(図33のS307)の後に遊技状態を可変させる処理(遊技状態更新処理(図33のS308))を実行するのに対して、音声ランプ制御装置113側では、先に現在の遊技状態を判別する処理(図60のS4204)を実行し、その後に変動パターンに対応する変動表示を設定するように構成している。よって、潜確状態が設定されているにも関わらず、それより以前の遊技状態に対応した変動表示が設定、実行されてしまうことを確実に防止することができる。
また、音声ランプ制御装置113側にて主制御装置110から出力された各種コマンドの受信順序を規定するように構成することで、主制御装置110側にて各種コマンドの出力順序を規定する必要性を低減することが可能となる。よって、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。
次に、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される停止種別コマンド受信処理(S4202)について説明する。図61は、この停止種別コマンド受信処理(S4202)を示したフローチャートである。この停止種別コマンド受信処理(S4202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)の中で実行される。以下、停止種別コマンド受信処理(S4202)の詳細を説明する。
停止種別コマンド受信処理(S4202)では、まず、受信したコマンドに対応して、特図1停止種別コマンドを受信した場合には、特図1停止種別選択フラグ223fをオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合には、特図2停止種別選択フラグ223gをオンに設定する(S4301)。次に、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(大当たりA〜大当たりG、小当たりA〜小当たりC,外れ、リーチ外れ等)を抽出し(S4302)、本処理を終了する。
S4302において抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。これにより、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)とが同時に変動を開始したとしても停止種別をそれぞれ管理することが可能となり、適切な変動表示を実行することができる。
次に、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド処理(S4204)について説明する。図62は、この状態コマンド処理(S4204)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S4204)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)の中で実行される。以下、状態コマンド処理(S4204)の詳細を説明する。
この状態コマンド処理(S4204)では、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を状態設定エリア223jに設定する処理を実行すると共に、遊技状態が潜確状態に移行した場合に、潜確状態が設定されていることを遊技者に報知するための演出(チャンスゾーン演出(図6(b)参照))を設定するための処理と、遊技状態が通常状態へと移行した場合に、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示するために用いた各種フラグやカウンタをクリアするための処理と、が実行される。
状態コマンド処理(S4204)では、まず、RAM223に設けられた状態設定エリア223jの値から、状態コマンドを受信する前の遊技状態を判別する(S4401)。即ち、どの遊技状態で状態コマンドを受信したのかを判別する。次いで、状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態であるかを判別する(S4402)。状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態でないと判別した場合は(S4402:No)、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドであるか判別する(S4403)。S4403の処理において、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドである場合は(S4403:Yes)、潜確状態の突入を報知する潜確報知演出を設定する(S4404)。そして、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を状態設定エリア223jに格納し(S4405)、S4406の処理へ移行する。
一方、4402の処理において、状態コマンドを受信する前の遊技状態が潜確状態であると判別した場合(S4402:Yes)、または、S4403の処理において、受信したコマンドが潜確状態への移行を示す状態コマンドでない場合は(S4403:No)、S4406の処理へ移行する。
次に、受信したコマンドが通常状態への移行を示す状態コマンドかどうか判別する(S4406)。受信したコマンドが通常状態への移行を示す状態コマンドではないと判別した場合には(S4406:No)、S4407〜S4410の処理をスキップし、後述するS4411の処理を実行し、本処理を終了する。一方、受信したコマンドが通常状態への移行を示す状態コマンドであると判別した場合には(S4406:Yes)、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4407)。カード報知済フラグ223qはオンに設定されていると判別した場合には(S4407:Yes)、賞球数カウンタ223uの値を0にクリアし(S4408)、カード報知済フラグ223q、カード報知可能フラグ223s、ラッシュ表示済フラグ223tをオフに設定する(S4409)。次に、残変動時間情報格納エリア223oと残時間格納エリア223pの内容をクリアし(S4410)、その他状態コマンドにより通知された遊技状態に対応する値を状態設定エリア223jに格納し(S4411)、本処理を終了する。一方、S4407の処理において、カード報知済フラグ223qはオフに設定されていると判別した場合には(S4407:No)、S4408及びS4409の処理をスキップし、S4410及びS4411の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)内の一処理である当たり関連処理(S4216)について説明する。図63は、当たり関連処理(S4216)の内容を示したフローチャートである。この当たり関連処理では、特別図柄の抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技又は小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たり又は小当たりに当選した場合に主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
加えて、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中に獲得した賞球の数を示すための賞球数コマンドを受信した場合に、その賞球数コマンドが示す賞球数を累積し、累積結果に基づいてカード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示するための処理が実行される。
当たり関連処理(S4216)では、まず、コマンド判定処理(図60参照)により受信したコマンドが、大当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4501)。受信したコマンドが大当たり関連コマンドであると判別した場合には(S4501:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4502)、本処理を終了する。
ここで、図64を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図63のS4216)内の一処理である大当たり関連処理(S4502)について説明する。図64は、大当たり関連処理(S4502)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理(S4502)では、まず、当たり関連処理(S4216)により受信した当たり関連のコマンドが、大当たり開始コマンドを受信したか判別する(S4601)。大当たり開始コマンドを受信した場合には(S4601:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定し(S4602)、本処理を終了する。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
一方、S4601の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S4601:No)、ラウンド数コマンドを受信したか判別する(S4603)。ラウンド数コマンドを受信した場合には(S4603:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4604)、本処理を終了する。なお、本実施形態では主制御装置110からラウンド数コマンドとしてラウンド数を示す情報を送信しているため、受信したラウンド数コマンドに基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定しているが、例えば、主制御装置110から送信するコマンドデータの容量を軽減するために、主制御装置110から新たなラウンドが開始されたことを示すための情報をラウンド更新コマンドとして送信する構成する場合は、音声ランプ制御装置113のRAM223にラウンド更新コマンドを受信した場合に、受信したラウンド更新コマンドの数を蓄積するラウンド数蓄積カウンタを設け、そのラウンド数蓄積カウンタの値に基づいて音声ランプ制御装置113側で現在のラウンド数を算出し、表示用ラウンド数コマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S4603の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4603:No)、エンディングコマンドを受信したか判別する(S4605)。エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S4605:No)、そのまま本処理を終了する。一方、エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S4605:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S4606)、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4607)。カード報知済フラグ223qはオンに設定されていると判別した場合には(S4607:Yes)、カード報知を含まない表示用エンディングコマンドを設定する(S4608)。即ち、図10(a)の表示態様を第3図柄表示装置81に表示させないための処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S4607の処理において、カード報知済フラグ223qはオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4607:No)、今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBであるか判別する(S4609)。今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBであると判別した場合には(S4609:Yes)、カード報知を含む表示用エンディングコマンドを設定し(S4610)、カード報知済フラグ223qをオンに設定する(S4611)。即ち、第3図柄表示装置81に図10(a)の表示態様を表示させるための処理を実行し、本処理を終了する。
一方、今回の大当たり種別が大当たりA、或いは、大当たりBではないと判別した場合には(S4609:No)、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されているか判別する(S4612)。カード報知可能フラグ223sがオンに設定されていると判別した場合には(S4612:Yes)、カード報知可能フラグ223sをオフに設定し(S4613)、上述したS4610〜S4611の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S4612の処理において、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されていないと判別した場合には(S4612:No)、上述したS4608の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をしたとおり、大当たり関連処理(図64のS4502)では、大当たり遊技中における第3図柄表示装置81の表示画面に表示する各種表示態様として、実行中の大当たり遊技に関する遊技情報(オープニング、エンディング、ラウンド数)の表示内容を設定する処理に加え、カード忘れ注意喚起画面(図10(a)参照)を表示するか否かの処理を実行するように構成している。
このカード忘れ注意喚起画面は、遊技者が所定量(例えば、250発)の賞球を当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)にて獲得した場合に、遊技者に対してカード(球を借りる際に用いられる有価媒体)を忘れないように注意喚起するための報知態様である。本実施形態では、通常状態から大当たりに当選し、再度通常状態へと移行するまでの期間(継続有利期間)において獲得した賞球数が所定量に到達し得る条件を満たした場合に上述したカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。
具体的には、図64を参照して上述した通り、通常状態において当選した大当たり(初当たり)にて、所定量(例えば、250発)を超える賞球を容易に獲得できる大当たり(大当たりA、大当たりB)に当選した場合は、その大当たり遊技の終了時にカード忘れ注意喚起画面を表示するカード報知を実行し、それ以外の大当たり(大当たりC、大当たりD)に当選した場合は、カード報知を実行しないように構成している。
このように構成することで、所定量の賞球を獲得していない遊技者に対してカード忘れ注意喚起画面を表示してしまう事態を抑制することができ、継続して球を借りながら遊技を行う遊技者に対して不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
さらに、本実施形態は、大当たり遊技に加えて、小当たり遊技を頻繁に実行し易い遊技状態(潜確状態)を設定可能に構成しているため、小当たり遊技を繰り返すことにより、遊技者が所定量(例えば、250発)の賞球を獲得する場合がある。そこで、有利継続期間中に遊技者が獲得した賞球数(有利期間中に払い出される賞球数)を累積し、累積結果が所定量(250発)を超えた場合には、その時点において実行中の大当たり遊技、或いは小当たり遊技のエンディング画面にてカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して適正なタイミングでカード忘れ注意喚起画面を表示することができる。
また、本実施形態では、1回の有利継続期間中にカード忘れ注意喚起画面を1回のみ報知するように構成している。これにより、カード忘れ注意喚起画面が頻繁に表示され、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。なお、カード忘れ注意喚起画面を表示する方法は、本実施形態の内容に限ること無く、例えば、有利継続期間を計測する計測手段を設け、前回カード忘れ注意喚起画面を表示してからの経過期間が所定期間(例えば10分)を超えた場合には、再度カード忘れ注意喚起画面を表示するように構成しても良い。この場合、一度カード忘れ注意喚起画面を表示していることから(カード忘れ注意喚起画面を表示するための表示条件を既に満たしていることから)、特別図柄変動期間中(例えば、有利継続期間中において変動時間が5秒以上の変動パターンが選択された場合)でカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後にカード忘れ注意喚起画面が表示されるという遊技者の固定概念を利用し、遊技者に現在の遊技状況を分かり難くすることができる。また、同様の効果を奏する手法として、大当たり遊技が小当たり遊技のオープニング期間を用いてカード忘れ注意喚起画面を表示するようにしても良い。
図63に戻り、説明を続ける。S4501の処理において、受信したコマンドが大当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S4501)、受信したコマンドが、小当たり関連コマンドを受信したか判別する(S4503)。受信したコマンドが小当たり関連コマンドであると判別した場合には(S4503:Yes)、小当たり関連処理(S4504)を実行し、本処理を終了する。
ここで、図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(図63のS4216)内の一処理である小当たり関連処理(S4504)について説明する。図65は、小当たり関連処理(S4504)の内容を示したフローチャートである。小当たり関連処理では、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、小当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
小当たり関連処理(S4504)では、まず、当たり関連処理(S4216)により受信した当たり関連のコマンドが、小当たり開始コマンドを受信したか判別する(S4701)。小当たり開始コマンドを受信した場合には(S4701:Yes)、表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4702)、本処理を終了する。
一方、S4701の処理において、受信したコマンドが小当たり開始コマンドではないと判別した場合には(S4701:No)、エンディングコマンドを受信したか判別する(S4703)。受信したコマンドがエンディングコマンドではないと判別した場合には(S4703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドがエンディングコマンドであると判別した場合には(S4703:Yes)、表示用エンディングコマンドを設定し(S4704)、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4705)。カード報知済フラグ223qがオンに設定されていると判別した場合には(S4705:Yes)、カード報知を含まない表示用エンディングコマンドを設定し(S4706)、本処理を終了する。
一方、S4705の処理において、カード報知済フラグ223qはオンに設定されていないと判別した場合には(S4705:Yes)、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されているか判別する(S4707)。カード報知可能フラグ223sはオンに設定されていると判別した場合には(S4707:Yes)、カード報知可能フラグ223sをオフに設定し(S4708)、カード報知を含む表示用エンディングコマンドを設定し(S4709)、カード報知済フラグ223qをオンに設定し(S4710)、本処理を終了する。一方、S4707の処理において、カード報知可能フラグ223sはオンに設定されていない(S4707:No)、上述したS4706の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態では、1回の遊技ではカード忘れ注意喚起画面を表示するための表示条件を満たすことの無い小当たり遊技においても、通常状態で大当たりに当選してから、再度通常状態が設定されるまでの遊技期間(有利継続期間)において獲得した賞球数の累積値が表示条件(例えば、獲得賞球数が250発に到達)を満たした場合には、小当たり遊技終了後にもカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して適正なタイミングでカード忘れ注意喚起画面を表示することができる。
図63に戻り、説明を続ける。S4503の処理において、受信したコマンドが小当たり関連コマンドではないと判別した場合には(S4503:No)、賞球コマンドを受信したかどうか判別する(S4505)。受信したコマンドが賞球コマンドではないと判別した場合には(S4505:No)、そのまま本処理を終了する。一方、受信したコマンドが、賞球コマンドであると判別した場合には(S4505:Yes)、受信したコマンドに対応する値を賞球数カウンタ223uの値に加算し(S4506)、次に、カード報知済フラグ223qはオンに設定されているか判別する(S4507)。カード報知済フラグ223qはオンに設定されていないと判別した場合には(S4507:No)、S4506の処理において加算された賞球数カウンタ223uの値が250以上であるか判別する(S4508)。加算後の賞球数カウンタ223uの値が250以上であると判別した場合には(S4508)、カード報知可能フラグをオンに設定し(S4509)、表示用賞球数コマンドを設定し(S4510)、本処理を終了する。一方、S4507の処理において、カード報知済フラグ223qがオンに設定されていると判別した場合(S4507:Yes)、或いは、S4508の処理において、加算後の賞球数カウンタ223uが250未満であると判別した場合には(S4508:No)、上述したS4509の処理をスキップし、S4510の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本実施形態のパチンコ機10では、状態コマンド処理(図62のS4204参照)によって、通常状態が設定されたことが判別され、賞球数カウンタ223uの値をクリアされるまでの期間(有利継続期間)中に受信した賞球数コマンドに対応する賞球数を賞球数カウンタ223uにて累積するように構成している。そして、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の終了時に(エンディング画面表示タイミングに)おける賞球数カウンタ223uの値に応じてカード忘れ注意喚起画面を表示するように構成している。
これにより、例えば、有利継続期間が設定される契機となる大当たり(初当たり)が大当たりC(1回の大当たり遊技にて所定量(250発)の賞球を獲得し難い大当たり)であった場合には、有利継続期間中に小当たり遊技に当選した場合や、再度大当たりCに当選した場合等にカード忘れ注意喚起画面を表示することができる。
次に、図66を参照して、残回数更新処理(S4218)について説明する。図66は、この残回数更新処理(S4218)の内容を示したフローチャートである。この残回数更新処理(S4218)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図60参照)の中で実行されるものであって、主制御装置110から残時短回数コマンドを受信したことに基づいて、残時短回数エリア223k、残変動時間情報格納エリア223o、残時間格納エリア223pに設定される内容を更新する処理が実行される。
残回数更新処理(S4218)では、まず、主制御装置110より残時短回数コマンドを受信したか判別する(S4801)。残時短回数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4801の処理において、残時短回数コマンドを受信したと判別した場合には(S4801:Yes)、受信したコマンドに対応する表示用時短回数コマンドを設定し(S4802)、本処理を終了する。
次に、図67を参照して、仮停止関連処理(S4220)の内容について説明をする。図67は、仮停止関連処理(S4220)の内容を示すフローチャートである。この仮停止関連処理(S4220)では、特図1仮停止コマンド受信した場合における特図変動時間の残時間を判別する処理と、特図1変動再開コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81で実行する演出(追加演出)を設定する処理とが実行される。
仮停止関連処理(S4220)が実行されると、まず、特図1仮停止コマンドを受信したかを判別し(S4901)、受信していないと判別した場合は(S4901:No)、変動再開処理(S4902)を実行する。変動再開処理(S4902)の詳細については、図68を参照して後述する。一方、S4901の処理において、特図1仮停止コマンドを受信したと判別した場合には(S4901:Yes)、現在設定されている変動パターンの残変動時間を算出する(S4903)。そして、S4903の処理で算出した残変動時間が2秒より少ないかを判別し(S4904)、2秒よりも少ないと判別した場合は(S4904:Yes)、残変動時間情報格納エリア223oに残変動時間が短いことを示す期間Aを設定し(S4905)、S4902の処理へ移行する。
一方、S4904の処理において、残変動時間が2秒よりも少なくない(2秒以上)と判別した場合には(S4904:No)、次に、残変動期間が2秒以上であり15秒よりも少ないかを判別し(S4906)、2秒以上であり15秒よりも少ないと判別した場合は(S4906:Yes)、残変動時間情報格納エリア223oに通常の残変動時間であることを示す期間Bを設定し(S4907)、S4902の処理へ移行する。
一方、S4906の処理において、残変動時間が15秒よりも少なくない(15秒を超過)と判別した場合は(S4906:No)、残変動時間情報格納エリア223oに残変動時間が長いことを示す期間Cを設定し(S4908)、S4902の処理へ移行する。このように、特図変動が再開した場合に実行される変動時間(残変動期間)を、特図変動を中断した(特図変動時間の減算を中断した)タイミングで算出し、その期間に対応する情報を設定しておくことにより、特図変動を再開するタイミングで遅滞なく、且つ、残変動時間に適した演出(追加演出)を実行することができる。
なお、本実施形態では、特図変動が再開した場合に実行される変動時間(残変動期間)に対応して残変動時間情報格納エリア223oに設定する期間情報(期間A〜期間C)を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、残時間が短い程、期間Aが選ばれ易く、残時間が長い程、期間Cが選ばれ易くなるように各期間情報の選択割合を残時間に応じて異ならせるように構成しても良いし、残期間を所定期間(例えば、30秒)間隔で区切り、各区切りに対して期間A〜期間Cを順序立てて振り分けるように構成しても良い。
このように構成することで、残変動時間情報格納エリア223oに設定されている期間情報に基づいて実行される追加演出と残変動時間との関係性を遊技者に分かり難くすることができ、残変動時間を予測する楽しみを提供することができる。
次に、図68を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動再開処理(S4902)の内容について説明をする。図68は、変動再開処理(S4902)の内容を示すフローチャートである。この変動再開処理(S4902)は、特図1変動再開コマンドを受信した場合に、実行される追加演出を設定する処理を実行するものである。
変動再開処理(S4902)が実行されるとまず、特図1変動再開コマンドを受信したかを判別し(S5001)、受信していないと判別した場合は(S5001:No)、本処理を終了する。一方、S5001の処理において、特図1変動再開コマンドを受信したと判別した場合は(S5001:Yes)、次に、残変動時間情報格納エリア223oに格納されている残変動時間情報を読み出し(S5002)、読み出した残変動時間情報と追加演出カウンタ223iとに基づいて追加演出選択テーブル222cより追加演出種別を決定する(S5003)。次に、読み出した追加演出種別に対応する表示用追加演出コマンドを設定し(S5004)、残変動時間情報格納エリアoに設定されている情報をクリアし(S5005)、本処理を終了する。
以上、説明をしたように本実施形態では特図変動が中断された場合において、通常演出(特図変動が開始された場合に実行される演出表示)が終了してから、特図変動が再開されるまでの期間で第3図柄を揺動表示する揺れ演出を実行し、特図変動が再開された場合に、再開後の特図変動期間(残変動期間)に対応した追加演出を実行するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、通常演出が実行される通常演出期間を判別する演出期間判別手段を設け、その演出期間判別手段により通常演出期間が終了したと判別された場合に、追加演出を実行するように構成してもよい。このように構成することで、通常演出と追加演出とを連続して実行することができるため、より遊技者に好適な演出表示を提供することができる。また、この場合、追加演出が実行される追加演出期間の終了タイミングと、再開後の特図変動期間とに誤差が生じる場合があるが、その誤差期間中は追加演出を継続して実行してもよいし、第3図柄を揺動表示させる揺れ演出を実行してもよい。さらに、誤差期間の長さを判別する誤差期間判別手段を設け、誤差期間判別手段により誤差期間が所定期間(例えば5秒)以上であると判別された場合に、再度、追加演出が実行されるように構成してもよい。
次に、図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)について説明する。図69は、この変動表示設定処理(S4113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図69のS4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図69のS4113)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(大当たりA〜大当たりG)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(S4112)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223dがオンに設定されているか判別する(S5101)。そして、特図1変動開始フラグ223dはオフであると判別した場合には(S5101:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5105の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223dはオンであると判別した場合には(S5101:Yes)、特図1変動開始フラグ223dをオフに設定する(S5102)。次に、現在の遊技状態が潜確状態であるか判別する(S5103)。現在の遊技状態が、潜確状態であると判別した場合には(S5103:Yes)、特図1用変動表示設定処理(S5104)を実行する。
ここで、図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)内の一処理である特図1用変動表示設定処理(S5104)の詳細について説明する。図70は、特図1用変動表示設定処理(S5104)の内容を示すフローチャートである。この特図1用変動表示設定(S5104)では、現在の遊技状態が潜確状態である場合に、主制御装置110より受信した特図1変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄の表示用潜確変動パターンコマンドを設定し、表示制御装置114に送信する処理を実行する。
特図1用変動表示設定処理(S5104)では、まず、抽出した変動パターンに対応する変動時間の読み出しを実行し(S5201)、S5201の処理で読み出した変動時間に対応する値をサブ特図1変動時間カウンタ223mにセットする(S5202)。次に、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0より大きい値であるか判別する(S5203)。サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0であると判別した場合には(S5203:No)、表示用ラッシュ突入コマンドを設定し(S5204)、ラッシュ表示済フラグ223tをオンに設定する(S5205)。一方、S5203の処理において、特図2変動カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合には(S5203:Yes)、上述したS5204及びS5205の処理をスキップし、S5206の処理に移行する。次に、抽出した変動パターンに基づいて、第1特別図柄の表示用潜確変動パターンコマンドを設定し(S5206)、本処理を終了する。
図69に戻り、説明を続ける。S5103の処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合には(S5103:No)、コマンド判定処理(図60参照)のS4205の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成する(S5105)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S5104、或いは、S5105の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納し、メイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、入賞情報格納エリア223bのうち、第1特別図柄に対応するデータをシフトする(S5106)。
次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223eがオンに設定されているか判別する(S5107)。そして、特図2変動開始フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5107:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S5111の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223eがオンであると判別した場合には(S5107:Yes)、特図2変動開始フラグ223eをオフに設定する(S5108)。次に、特図2用変動表示設定処理(S5109)の処理を実行する。
ここで、図71を参照して、変動表示設定処理(図69のS4113)内の一処理である特図2用変動表示設定処理(S5109)について説明する。図71は、特図2変動表示設定処理(S5109)の内容を示したフローチャートである。
特図2用変動表示設定処理(S5109)では、まず、コマンド判定処理(図60参照)のS4210の処理において、抽出した変動パターンに対応する変動時間の読み出しを実行し(S5301)、読み出した変動時間に対応する値を、サブ特図2変動時間カウンタ223nにセットする(S5302)。次に、現在の遊技状態が、潜確状態であるか判別する(S5303)。潜確状態であると判別した場合には(S5303:Yes)、ラッシュ表示済フラグ223tはオンであるか判別する(S5304)。ラッシュ表示済フラグ223tはオンではないと判別した場合には(S5304:No)、残時間格納エリア223pに格納されている残時間の読み出しを実行する(S5305)。次に、S5305の処理で読み出した残時間は1秒未満か判別する(S5306)。残時間は、1秒未満であると判別した場合には(S5306:Yes)、S5307の処理をスキップし、S5308の処理に移行する。
一方、S5306の処理において、読み出した残時間は1秒以上であると判別した場合には(S5306:No)、表示用ラッシュ突入コマンドを設定し(S5307)、ラッシュ表示済フラグ223tをオンに設定する(S5308)。次に、抽出した変動パターンに基づいて、第2特別図柄の表示用潜確変動パターンコマンドを設定し(S5309)、本処理を終了する。一方、S5303の処理において、現在の遊技状態が潜確状態ではないと判別した場合(S5303:No)、或いは、S5304の処理において、ラッシュ表示済フラグ223tはオンに設定されていると判別した場合には(S5304:Yes)、上述したS5305〜S5308の処理をスキップし、S5309の処理を実行し、本処理を終了する。
以上説明をしたとおり、本実施形態では、状態設定エリア223jに潜確状態が設定されている状態において、第1特別図柄の変動表示を設定する場合に、即ち、大当たり変動期間中が潜確状態となる第1特別図柄変動に対応する変動表示を設定する場合に、第2特別図柄(特図2)が変動中であるかを判別し、特図2が変動中では無いと判別した場合には、変動表示の演出態様として、ラッシュ突入コマンドを設定するように構成している。つまり、対象の特図1変動が実行されるタイミングで第3図柄表示装置81の表示画面にラッシュに突入したことを遊技者に報知する画面(図7(a)参照)を表示するように構成している。
一方で、大当たり変動期間中が潜確状態となる第1特別図柄変動に対応する変動表示を設定する場合に、第2特別図柄(特図2)が変動中であるかを判別し、特図2が変動中であると判別した場合には、変動表示の演出態様として、表示用ラッシュ突入コマンドを設定せずに、潜確状態中であることを示す画面(図6(b)参照)を表示するように構成している。
これにより、表示用ラッシュ突入コマンドを設定し、ラッシュに突入したことを遊技者に報知する画面(図7(a)参照)が表示された時点で右打ち遊技を行った場合には、即座に潜確状態中における第2特別図柄の抽選を実行することができ、遊技者に違和感の無い遊技を提供することができる。
また、大当たり変動期間中が潜確状態となる第1特別図柄変動に対応する変動表示を設定する場合に、第2特別図柄(特図2)が変動中であるかを判別し、特図2が変動中であると判別した場合には、変動中の特図2変動を強制的に終了させ、新たな特図2変動が実行し得るように構成しても良い。
なお、特図2変動中に遊技状態が潜確状態に移行した場合における表示用ラッシュ突入コマンドの設定タイミングとしては本実施形態の内容に限ること無く、遊技者に違和感の無い遊技を提供することができる構成で有れば良い。例えば、潜確状態が設定されたタイミングにおいて変動中の特図2変動が終了したと判別した場合に、表示用ラッシュ突入コマンドを設定しても良いし、潜確状態が設定されたタイミングにおいて変動中の特図2変動が終了するまでの残時間を判別し、その判別結果が所定時間(1秒)となった場合に表示用ラッシュ突入コマンドを設定するように構成してもよい。この場合、設定する所定時間としては、遊技者が操作ハンドル51を操作し、右打ち遊技を開始した時点から右打ち遊技によって発射された球が第2入球口640に入球するまでに要する期間よりも短い時間であれば良く、遊技盤13の構成に応じて適宜設定すれば良い。
図69に戻り説明を続ける。S5109の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図59参照)のコマンド出力処理(S4102)により表示制御装置114に対して送信する。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。そして、入賞情報格納エリア223bのうち、第2特別図柄に対応するデータをシフトする(S5110)。
次に、特図1停止種別選択フラグ223fまたは特図2停止種別選択フラグ223gがオンに設定されているか判別する(S5111)。特図1停止種別選択フラグ223fまたは特図2停止種別選択フラグ223gがオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別した場合には(S5111:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ223fまたは特図2停止種別選択フラグ223gがオンであると判別した場合には(S5111:Yes)、特図1停止種別選択フラグ223fがオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ223fをオフに設定し、特図2停止種別選択フラグ223gがオンであった場合には、特図2停止種別選択フラグ223gをオフに設定する(S5112)。
コマンド判定処理(図60参照)のS4201の処理において、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別を設定し(S5113)、本処理を終了する。抽出した停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図1停止種別コマンドを設定する。また、抽出した停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別を通知するための表示用特図2停止種別コマンドを設定する。なお、主制御装置110から通知される特図1または特図2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
次に、図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種カウンタ更新処理(S4111)について説明する。図72は、この各種カウンタ更新処理(S4111)を示したフローチャートである。この各種カウンタ更新処理(図72のS4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図59参照)の一処理であり、RAM223内に設けられている各種カウンタの値の更新を実行する処理である。
各種カウンタ更新処理(S4111)では、まず、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0よりも大きいか判別する(S5401)。サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合には(S5401:Yes)、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値を1減算する(S5402)。一方、S5401の処理において、サブ特図2変動時間カウンタ223nの値が0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合には(S5401:No)、S5402の処理をスキップし、S5403の処理に移行する。次に、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値は0よりも大きいか判別する(S5403)。サブ特図1変動時間カウンタ223mの値は0よりも大きいと判別した場合には(S5403:Yes)、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値を1減算する(S5404)。
次に、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値とサブ特図2変動時間カウンタ223nの読み出しを実行し(S5405)、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値からサブ特図2変動時間カウンタ223nの値を減算し、残時間を算出する(S5406)。S5406の処理で算出した残時間を残時間格納エリア223pに格納し(S5407)、その他各種カウンタの値を1減算し(S5408)、本処理を終了する。
一方、S5403の処理において、サブ特図1変動時間カウンタ223mの値は0よりも大きくない(即ち、0である)と判別した場合には(S5403:No)、上述したS5404〜S5407をスキップし、S5408の処理を実行し、本処理を終了する。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図73から図87を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図73を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図73は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図74を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図74は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図73のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図73のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図74に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図73の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図85(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図85(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図75(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図75(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図75(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図75(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図75(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図75(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図76〜図81を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図82〜図84を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図85および図86を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図29に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図87を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図76〜図81を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図76は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図76に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図77(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図76の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図77(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図77(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜G、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図75(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図76に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図78(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図78(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図78(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図78(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図79を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図79は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラッシュ突入コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用ラッシュ突入コマンドがあれば(S6414:Yes)、ラッシュ突入コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図80(a)を参照して、ラッシュ突入コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図80(a)は、ラッシュ突入コマンド処理を示すフローチャートである。このラッシュ突入コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
ラッシュ突入コマンド処理では、まず、表示用ラッシュ突入コマンドによって示されるラッシュ突入演出の表示態様に対応したラッシュ突入表示データテーブルを決定し、その決定したラッシュ突入表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラッシュ突入表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、ラッシュ突入コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用ラッシュ突入コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、追加演出コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、追加演出コマンドがあれば(S6416:Yes)、追加演出コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図80(b)を参照して、追加演出コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図80(b)は、追加演出コマンド処理を示すフローチャートである。この追加演出コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用追加演出コマンドに対応する処理を実行するものである。
追加演出コマンド処理では、まず、表示用追加演出コマンドによって示される追加演出の表示態様に対応した追加演出表示データテーブルを決定し、その決定した追加演出表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された追加演出表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、追加演出コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図76に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用追加演出コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図81を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図81は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図76の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図81(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図81(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図76の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)および停止種別コマンド処理(図77(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図82〜図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図82は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図82に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図83を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図83は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図82の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図84を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図84は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図82に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図85及び図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図85(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図85(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図86を参照して後述する。
次いで、図85(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図85(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図75(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図76〜図81参照)および表示設定処理(図82〜図84参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図86参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図85(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図86を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図86は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図87は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図29)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
なお、本第1実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を同時並行して実行可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄であるか、第2特別図柄であるかに関係なく、1の変動表示が実行されている状態では、他の変動表示を実行不可能に構成してもよい。そして、保留球が存在する場合には、始動入賞が時間的に古い保留球から順番に変動表示を実行する構成としてもよい。このように構成することで、制御を単純にすることができるので、処理負荷を軽減することができる。
以上説明をしたように、本第1実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の高確率状態)および潜確状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)の4つの遊技状態を設けている。そして、潜確状態が遊技者にとって最も有利な遊技状態となるように構成している。
つまり、潜確状態が設定されている場合には、第1特別図柄の抽選よりも遊技者に有利な抽選結果となり易い第2特別図柄の抽選を示すための変動時間が他の遊技状態が設定されている場合よりも短くなるように規定することで、遊技者に有利な抽選を最も効率的に実行することができる。よって、遊技者に対して、潜確状態が設定させることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
具体的には、第2特別図柄の抽選では大当たりに加え、小当たりとなった場合にも第1特定入賞口65aを開放する構成とすることで、第2特別図柄の変動時間が短い潜確状態において、賞球を増加させ続けることができる。よって、潜確状態となることを期待して遊技を行わせることができる。一般的な遊技機では、確変状態が最も有利な遊技状態となるが、本実施形態では、確変状態よりも潜確状態の方が有利となるので、斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能に構成している(所謂、同時変動方式を採用している)。これにより、一方の特別図柄の変動表示が実行中でも、その変動表示の終了を待たずに他方の特別図柄の変動表示を実行することができるので、より効率良く特別図柄の抽選を実行させることができる。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動を行っている場合において、一方が大当たり又は小当たりの停止図柄で変動停止した場合には、他方の変動表示が残りの変動時間や抽選結果に関係なく外れの停止図柄で停止表示される。これにより、大当たりや小当たりの実行中に、他方の変動表示が当たり又は小当たりで確定表示され、大当たりや小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
また、本第1実施形態では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、第1特別図柄の大当たりに対応する変動表示が実行されると、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行し、遊技状態が確変状態から潜確状態へと移行するように構成している。この潜確状態が設定されている間は、第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示(動的表示)期間が短く設定されるため、第2特別図柄の抽選を数多く実行することができる期間(特図2変動有利期間)となる。
本実施形態では、第2特別図柄の抽選にて約1/2の確率で小当たりに当選するように構成しているため、遊技状態として潜確状態が設定されている期間中は、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技を頻繁に実行し、多くの賞球を獲得可能な遊技者に有利な遊技状態(特図2有利状態)となる。
上述した通り、本実施形態にて潜確状態が設定される期間(特図2変動有利期間)は、確変状態にて大当たりに当選した第1特別図柄の変動表示期間(動的表示期間)中(特図1大当たり変動中)であることから、特図2有利状態が終了すると、大当たり遊技が実行されることになる。このように、遊技者に対して有利となる複数の状態(特図2有利状態、大当たり遊技状態)が連続して設定されるため、遊技者に対して継続して様々な特典を付与させることができる。
また、本実施形態では、一方の特別図柄(特図2)にて小当たりに当選し、小当たり遊技が実行されると、他方の特別図柄(特図1)の変動を中断(変動表示期間の計測を中断)し、その小当たり遊技が終了した場合に、中断していた変動表示期間の計測を再開するように構成している。このように構成することにより、小当たり遊技中に特図2変動有利期間が減算されてしまうことを防ぐことができるため、特図2変動有利期間中に実行される小当たり遊技の回数に関わらず一定の特図2変動有利期間を遊技者に提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄(特図1)の抽選結果に基づいて大当たり遊技が実行されると、変動中の他方の特別図柄(特図2)を、外れを示す停止表示態様で強制停止するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に小当たり遊技が実行されるという事態を防止することができる。
上述した通り、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果に応じて他方の特別図柄の変動に対する制御内容を異ならせている。具体的には、一方の特別図柄の抽選結果が大当たり(遊技者に第1特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、抽選結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させ、一方の特別図柄の抽選結果が小当たり(遊技者に第1特典とは異なる第2特典を付与可能な抽選結果)である場合には、他方の特別図柄の変動を、第2特典の付与が終了するまで(小当たり遊技が終了するまで)停止し、第2特典の付与終了後に再開させる。加えて、一方の特別図柄の抽選結果が外れの場合には、他方の特別図柄の変動をそのまま実行させるように構成している。
このように構成することにより、一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の抽選内容(抽選結果、抽選結果が表示されるまでの期間)を可変させることができ、遊技者の多様な遊技性を提供することができる。
さらに、本実施形態では、一方の特別図柄の抽選結果が、遊技者に特典を付与可能な抽選結果である場合において、その特典の内容に応じて他方の特別図柄変動に対する制御内容を異ならせているため、例えば、遊技者に最も有利な特典(大当たり遊技)を付与する抽選結果である場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果が特典を付与する抽選結果であったとしても、その変動を抽選結果が外れとなるように強制停止し、遊技者に過剰な特典が付与されることを抑制し、大当たり遊技よりも付与される特典が少ない抽選結果(小当たり)の場合には、実行中の他方の特別図柄の変動に対応する抽選結果を可変させること無く、小当たり遊技中に他方の特別図柄の抽選に基づく特典が付与されることを防ぐために、変動表示期間の計測のみを中断することが可能となる。
よって、複数の特別図柄(特図1、特図2)が同時に変動している状態において、遊技者にとって、最も有利では無い特典が付与されることにより、後に付与される最も有利な特典が付与されなくなる事態を抑制することができ、遊技者に不快感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態として潜確状態が設定されると第2特別図柄(特図2)の変動表示期間として短期間(0.5秒)の変動表示期間が設定され、小当たり遊技を頻繁に実行することができるように構成している。そして、遊技状態として潜確状態が設定される条件を、確変状態が設定されている状態で第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合として、潜確状態が終了する条件を第1特別図柄が大当たりを示す表示態様で停止表示し、大当たり遊技が実行される場合としているため、小当たり遊技が頻繁に実行される遊技者に有利となる第1有利期間の終了後に、大当たり遊技が実行される第2遊技期間が設定されることになる。よって、遊技者に有利となる第1有利期間と第2有利期間とを連続して設定することができるため、第1有利期間が設定されるように意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態中に第1特別図柄の大当たり変動が開始された場合に、その大当たり変動開始時から潜確状態が設定されるようにし、潜確状態が設定されている状態では第2特別図柄(特図2)の抽選を効率良く行えるように構成している。
よって、潜確状態が設定されたと同時に(潜確状態が設定されたことに基づいて)遊技者に対して潜確状態が設定される期間を報知するように構成していた(図7(a))参照。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機10は、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動させることが可能であることから、確変状態が設定されている状態において、第1特別図柄も第2特別図柄も両方とも変動している場合がある。
このような場合では、潜確状態が設定されたタイミングで潜確状態(RUSH)が設定されたことを示す表示態様を表示(図7(a)参照)したとしても、現在変動中の第2特別図柄が変動停止するまでは潜確状態中における第2特別図柄の抽選を実行することができず、RUSH状態中にも関わらずいつまでたっても小当たり遊技が実行されないという問題が発生してしまう虞があった。
そこで、本実施形態では、潜確状態への移行条件が成立した場合(確変状態中に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合)において、第2特別図柄の変動状況(変動の有無、変動残期間)を判別し、その判別結果に基づいて、RUSH状態が設定されたことを報知するタイミングを異ならせるように構成している。
具体的には、潜確状態への移行条件が成立した場合において、新たな第2特別図柄の変動を実行可能な状態であると判別した場合にRUSH状態が設定されたことを報知するように構成している。これにより、RUSH状態が設定されたことを報知したにも関わらず、新たな第2特別図柄の変動が開始されず、小当たり遊技が実行されない事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、潜確状態への移行条件が成立した場合において、新たな第2特別図柄の変動を実行可能な状態となってから、潜確状態が終了するまでの期間を判別し、判別した期間が所定期間未満である場合には、RUSH状態が設定されたことを報知しないように構成している。これにより、RUSH状態が設定されたことを報知したにも関わらず、小当たり遊技が実行されないまま大当たり遊技が開始されてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、確変状態における第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成し、第2特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させることなく、その大当たり変動中も確変状態を継続させるように構成している。このように構成することで、特別図柄の種別に応じて異なる遊技性を提供することができる。
なお、本実施形態の構成に限ること無く、確変状態において第2特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合にも、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成しても良いし、複数ある大当たり種別のうち、特定の大当たり種別が設定された場合のみ、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成しても良い。
さらに、有利継続期間中に当選した大当たり回数を計測し、その計測結果が所定回数に到達した場合に、その大当たり変動が開始する時点において普通図柄の高確率状態を低確率状態へと移行することにより遊技状態として潜確状態を設定するように構成しても良いし。
本実施形態では、本実施形態では、確変状態における第1特別図柄の抽選にて大当たりに当選した場合は、その大当たり変動が開始する時点において大当たり変動が終了するまでの期間に潜確状態を設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、始動入賞処理(図47参照)において大当たりに当選することを予測したことに基づいて、予測した入賞情報に対応する大当たり変動が終了するまでの期間(複数変動期間)潜確状態を設定するように構成しても良い。
本実施形態では、潜確状態が設定されている状態において第2特別図柄の変動パターンを選択する際に潜確状態設定中における第2特別図柄の変動回数に関わらず、常に一定の変動パターンテーブル(図19(b)参照)を用いる構成としているが、これに限ること無く、例えば、潜確状態が設定されてからの第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回)に到達したか否かを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果に基づいて変動パターンを選択するデータテーブルを異ならせるように構成してもよい。
具体的には、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回)に到達していない場合は変動時間の平均が約2秒となるデータテーブルを参照し、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、50回)に到達している場合は変動時間の平均が約1秒となるデータテーブルを参照するように構成すると良い。これにより、第1特別図柄の大当たり変動として長時間の変動時間が設定される変動パターンが選択された場合に遊技者に対してより多くの小当たり遊技を提供することができる。
また、本実施形態では、確変状態における大当たり変動中に潜確状態が設定されるように構成しているが、これ以外にも、特別図柄の抽選結果が特定の外れ、或いは、小当たりである場合における変動表示中に潜確状態が設定されるように構成しても良いし、確変状態中において、特別図柄の抽選結果が特定の外れ、或いは、小当たりとなった回数が所定回数に到達した場合に潜確状態が設定されるように構成しても良い。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合に遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行され、通常の遊技状態の場合に遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域を異ならせていればよく、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。また、同一の領域を狙いながら異なる遊技状態における遊技を実行可能に構成してもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22,23を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、可動弁750や貯留装置(第1貯留装置770、第2貯留装置771)や第2枠ボタン(解除用ボタン)22b(1022b、1122b)や第3枠ボタン(解除用ボタン)22cの各動作制御の一部または全部を主制御装置110ではなく、音声ランプ制御装置113側で実行するように構成してもよい。
上述した各実施形態では、第3図柄表示装置81の表示画面を用いて実行される演出における表示態様を設定するための処理を音声ランプ制御装置113が行い、遊技(抽選)そのものは、音声ランプ制御装置113とは異なる主制御装置110が実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技(抽選)を実行するための処理と、遊技(抽選)の結果を演出として表示するための処理とを、同一の制御装置で実行するように構成しても良い。このように構成することで、一つの制御装置にて複数の異なる処理を実行することが可能となる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
さらに、上記各実施形態では、複数の特別図柄種別として第1特別図柄と第2特別図柄との2種類の特別図柄を用いているが、特別図柄の種別はこれに限ること無く、3つ以上の特別図柄種別を用いても良いし、1つの特別図柄種別のみ用いるように構成しても良い。また、上述した各実施形態では、複数の特別図柄が予め定められた規則に従って抽選(変動)が行われる遊技性と、個々に独立して抽選(変動)が行われる遊技性と、を説明したが、各実施形態にて説明をした遊技性のそれぞれを入れ替えたり、組み合わせたりしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(特定の特図変動中に小当たり可能)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定される期間が、その有利遊技状態が設定されてから実行される抽選によって可変するため、即ち、有利遊技状態中に実行される抽選によって直ぐに次回の当たりに当選した場合には、有利遊技状態が設定される期間が短くなり、有利遊技状態中に実行される抽選によって次回当たりに直ぐに当選しない場合には、有利遊技状態が設定される期間が長くなる。このように、有利遊技状態が設定されてから実行される抽選の結果に応じて遊技者に提供する有利遊技状態が設定される期間が異なってしまうという問題があった。さらに、有利遊技状態が設定されている期間において遊技者に特典を付与する遊技性を有する遊技機であれば、遊技者に付与される特典が大きく異なってしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、第1判定が動的表示されている期間中を第2判定が実行され易い第1遊技状態とすることができるため、第1遊技状態が設定される期間の長さを予め設定することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定手段による第1判定の判定結果に基づいて実行される第1特典遊技よりも、第2判定手段による第2判定の判定結果に基づいて実行される第2特典遊技のほうが実行され易くすることができるため、第1遊技状態を第2遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態とすることができる。よって、遊技者に対して第1遊技状態が設定されることを所望して遊技を行わせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1またはA2において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも、第1遊技状態のほうが第1判定を実行し難くすることができる。よって、第1遊技状態が設定される状態において、第3入球手段に球を入球させる遊技を行わせ易くすることができ、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機A3において、前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、高確率設定手段により高確率が設定されている場合に、第1判定により特定の第1判定結果を示すための第1識別情報で表示されこととなる第1識別情報の動的表示の開始に基づいて第1遊技状態が設定されるため、第1遊技状態が設定されるまでの過程を段階的に設定することができる。よって、遊技者に対して継続して遊技を行わせ易くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特典遊技では第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されるため、第1遊技状態が設定されている期間中に遊技者に過剰に特典を付与してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴B群>(遊技内容と特1、特2を一度に設定)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示される期間を決定する第1動的表示期間決定手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記第2識別情報が動的表示される期間を決定する第2動的表示期間決定手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されることとなる前記第1識別情報が動的表示される動的表示期間を判別する期間判別手段と、その期間判別手段により判別された前記動的表示期間中に実行される前記第2識別情報の動的表示に対応する演出を決定する演出決定手段と、その演出決定手段により決定された前記演出を実行する演出実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定される期間が、その有利遊技状態が設定されてから実行される抽選によって可変するため、即ち、有利遊技状態中に実行される抽選によって直ぐに次回の当たりに当選した場合には、有利遊技状態が設定される期間が短くなり、有利遊技状態中に実行される抽選によって次回当たりに直ぐに当選しない場合には、有利遊技状態が設定される期間が長くなる。このように、有利遊技状態が設定されてから実行される抽選の結果に応じて遊技者に提供する有利遊技状態が設定される期間が異なってしまうという問題があった。さらに、有利遊技状態が設定されている期間において遊技者に特典を付与する遊技性を有する遊技機であれば、遊技者に付与される特典が大きく異なってしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、期間判別手段により判別された動的表示期間中に実行される第2識別情報の動的表示に対応する演出が演出決定手段により決定されるため、第1識別情報の動的表示期間と関連付けて第2識別情報の動的表示に対応する演出を実行することができるため、遊技者に対して実行される演出に基づいて今後の遊技を予測させる楽しみを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記演出決定手段は、前記期間判別手段により判別された前記動的表示期間と、前記第1特典遊技の遊技内容と、に基づいて、前記演出を決定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、演出実行手段により実行された演出を把握することにより、実行中の第1識別情報の動的表示期間と、第1特典遊技の遊技内容と、を予測することが可能となる。よって、遊技者を演出に注視させることができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されることとなる前記第1識別情報が動的表示される動的表示期間中に前記第1遊技状態を実行するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技が実行されることとなる判定結果に対応する第1識別情報の動的表示中に第1遊技状態が設定されるため、第1特典遊技が実行されるまでの期間を用いて第2特典遊技を狙う遊技を行うことができる。さらに、演出実行手段により実行された演出を把握することにより、第1遊技状態が設定される期間を予測することができるため、第1遊技状態中に意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B2またはB3において、前記特典遊技実行手段により実行される前記第1特典遊技として通常第1特典遊技と、その通常第1特典遊技よりも遊技者に付与する特典が少ない小第1特典遊技と、を設定可能な第1特典遊技設定手段を有し、前記第1動的表示期間決定手段は、第1期間と、その第1期間よりも長い第2期間とを決定可能なものであり、前記演出決定手段は、前記特典遊技実行手段により前記小第1特典遊技が実行され、且つ、前記期間判別手段により前記第2期間が決定される場合と、前記特典遊技実行手段により前記通常第1特典遊技が実行され、且つ、前記期間判別手段により前記第1期間が決定される場合とで同一態様の演出を決定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、演出決定手段が演出内容を決定するための2つの要素の有利具合が異なる組み合わせである場合に、演出決定手段により同一態様の演出が決定されるため、演出実行手段により実行された演出の内容を把握することで、遊技者に対して今後の遊技状況を複数パターン予測させることができる。そして、第1遊技状態の進捗具合によって、予測の精度を徐々に高めさせることが可能となる。よって、遊技者に対して予測する楽しみをより高めさせることができ、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
遊技機B4において、前記演出決定手段は、前記特典遊技実行手段により前記通常第1特典遊技が実行され、且つ、前記期間判別手段により前記第2期間が決定される場合に、特定演出を決定するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が実行されることにより、遊技者に対して最も有利な遊技内容が設定されたことを報知することができるため、遊技者に優越感を与えることができるという効果がある。
<特徴C群>(突入報知)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示される期間を決定する第1動的表示期間決定手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に前記第2識別情報を動的表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により前記第2識別情報が動的表示される期間を決定する第2動的表示期間決定手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定される場合に、前記第2識別情報の動的表示における状況に基づいて前記第1遊技状態が設定されたことを遊技者に示すための報知態様を報知する報知タイミングを決定する報知タイミング決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定し、遊技状態が可変したことを遊技者に報知する演出を実行する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定されたことに基づいて、その旨を報知する演出を実行するように構成していたため、例えば、有利遊技状態が設定されているにも関わらず、新たな抽選を実行することができない状態であっても、有遊技状態が設定されていることを報知してしまい、遊技者に対して不快感を与えてしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、第2判定が実行され易い第1遊技状態が設定されたことを報知する報知タイミングを、第2識別情報の動的表示状況に基づいて決定することができる。よって、第1遊技状態が設定されたことを報知する報知タイミングに対して遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C1において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている状態で、前記第2識別情報を動的表示可能なものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1判定手段による前記第1判定の結果に基づいて前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判定手段とは別に実行される第1判定手段の判定結果に基づいて設定される第1遊技状態が設定された場合に、第2識別情報の動的表示における状況に基づいて報知タイミングが決定される。よって、同時に動的表示可能な第1識別情報と第2識別情報とを複合させて遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機C2において、前記第1遊技状態が設定された時点において、前記第2識別情報が動的表示しているかを判別する動的表示判別手段を有し、前記報知タイミング決定手段は、前記動的表示判別手段により、前記第2識別情報が動的表示していないと判別した場合には、前記第1遊技状態が設定された時点に基づいて報知タイミングを決定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が設定された直後から第2判定を実行可能な場合は、第1遊技状態が設定されたことが即座に報知される。よって、遊技者に対して第1遊技状態中の遊技をより長く行わせることができるという効果がある。
遊技機C2またはC3において、前記報知タイミング決定手段は、前記動的表示判別手段により前記第2識別情報が動的表示していると判別した場合に、前記第2識別情報の動的表示が終了するタイミングに基づいて報知タイミングを決定するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2またはC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が設定されたとしても、第2判定が実行不可能な期間中は、第1遊技状態が設定されたことが報知されず、第2判定を実行可能な状態となった場合に第1遊技状態が設定されたことが報知される。よって、第1遊技状態が設定されたことが報知されたにも関わらず、第2判定を実行することができないという不具合を抑制することができると共に、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機C4において、前記第2識別情報の動的表示が終了するタイミングから前記第1遊技状態が終了するまでの期間を判別する残期間判別手段を有し前記残期間判別手段による判別結果に基づいて、前記報知タイミング決定手段により前記報知タイミングを決定するか否かを判定する報知判定手段を有するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、第1遊技状態中において第2判定を実行可能な期間に基づいて報知タイミングを決定するか否かが判定されるため、例えば、第1遊技状態中において第2判定を実行可能な期間が極端に短くなってしまった場合には、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に報知しないようにすることができる。よって、第1遊技状態が設定されたことを遊技者に報知したにも関わらず、短期間で第1遊技状態が終了してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴D群>(同時変動で大当たり破棄、小当たり中断)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を所定期間動的表示させる第1動的表示手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に前記第2識別情報を所定期間動的表示させる第2動的表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2特典遊技の内容を複数の特典内容から設定する第2特典遊技種別設定手段と、を有した遊技機において、前記第2動的表示手段は、前記第1動的表示手段により前記第1識別情報が動的表示されている状態で、前記第2識別情報を動的表示可能なものであり、前記第2動的表示手段により、前記特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が停止表示された場合に、前記第2特典遊技種別設定手段により設定された特典内容に基づいて、前記第1動的表示手段による動的表示に対して停止制御を実行する停止制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機において、複数の抽選を同時に実行する遊技性(所謂、同時変動タイプ)を有するものがある。このような遊技性を有した遊技機では、1の抽選の抽選結果が当たりであった場合に、遊技者に有利となる特典遊技が実行すると共に、実行中の他の抽選遊技を外れで強制的に終了させるものが提案されていた(例えば、特開2005−319221号公報)。ところで、上記した遊技機は、特典遊技の種別に関わらず、特典遊技が実行される抽選結果が停止表示されたことに基づいて、他の抽選を強制的に外れで停止表示させることから、遊技者に対して不快感を与えてしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、実行される第2特典遊技の内容に応じて、第1動的表示に対する停止制御内容を設定することができるため、遊技者に不快感を与えてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記停止制御手段は、前記第1動的表示手段による動的表示を前記特定の第1判定結果とは異なる判定結果を示す前記第1識別情報で停止表示する強制停止制御と、前記第1動的表示手段により動的表示される期間の計測を所定の再開条件が成立するまで停止する一旦停止制御と、を実行可能とするものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行される第2特典遊技の内容に応じて、第1動的表示手段による動的表示を強制停止するか、一旦停止するかを設定することができる。よって、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができると共に、少ない特典が付与される特典遊技が実行されることにより、大きな特典が付与される特典遊技が破棄されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、第2特典遊技種別設定手段は、第1特典種別と、その第1特典種別よりも遊技者に有利となる第2特典種別とを設定可能なものであり、前記停止制御手段は、前記第2特典遊技種別設定手段により前記第2特別種別が設定された場合には、前記強制停止制御を実行するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に有利となる第2特典種別が設定された場合には、第1動的表示手段により動的表示を強制停止することができるため、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D3において、前記第1判定手段の判定結果が前記特定の第1判定結果である場合に、前記第1動的表示手段により実行される動的表示が終了し、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が前記第1表示手段に表示されるまでの間、前記第2特典遊技種別設定手段により前記第2特典種別の設定を無効にする無効手段を有するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定手段の判定結果が特定の第1判定結果である場合には、その動的表示中に第2特典種別の設定が無効手段により無効にされる。よって、第1特典遊技と、第2特典種別が設定された第2特典遊技とが連続して実行されることを抑制することができ、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができるという効果がある。
遊技機D3またはD4において、前記第2特典遊技種別設定手段は、前記第2判定手段の判定結果に基づいて前記第1特典種別と、前記第2特典種別と、を設定するものであり、前記第2特典種別よりも前記第1特典種別を設定し易くするものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3またはD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2特典種別よりも第1特典種別が設定され易いため、第2特典遊技を多く実行したとしても、遊技者に対して過剰な特典が付与されることを抑制することができるという効果がある。
<その他技術思想>(大当たり遊技の前後に潜確状態を設定可能)
第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、前記第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定の第1条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される期間において前記第1遊技状態を設定し、所定の第2条件が成立した場合に、前記第1特典遊技が終了した後に前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されていた。さらに、抽選結果に応じて特典遊技の終了後に次回の大当たりに当選するまでの期間、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)を設定する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−217766号公報)。ところで、上記した遊技機は、遊技者に有利となる有利遊技状態が設定される期間が、その有利遊技状態が設定されてから実行される抽選によって可変するため、即ち、有利遊技状態中に実行される抽選によって直ぐに次回の当たりに当選した場合には、有利遊技状態が設定される期間が短くなり、有利遊技状態中に実行される抽選によって次回当たりに直ぐに当選しない場合には、有利遊技状態が設定される期間が長くなる。このように、有利遊技状態が設定されてから実行される抽選の結果に応じて遊技者に提供する有利遊技状態が設定される期間が異なってしまうという問題があった。さらに、有利遊技状態が設定されている期間において遊技者に特典を付与する遊技性を有する遊技機であれば、遊技者に付与される特典が大きく異なってしまうという問題があった。上記した遊技機において、さらに遊技の興趣を向上した遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、第1遊技状態が設定されるタイミングを第1特典遊技の前後に分けることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができる。よって遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機γ1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機γ2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機γ3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行されるものがある(例えば、特許文献1:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、更なる遊技の興趣向上が求められていた。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであり、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものである。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1また2記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1判定を実行可能な第1判定手段と、その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、第2判定を実行可能な第2判定手段と、その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有するものであり、前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものである。
よって、遊技者の興趣を向上することができるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
64a 電動役物(可変手段)
64b1 上第1入球口(第1入球手段)
64b2 下第1入球口(第2入球手段)
640 第2入球口(第3入球手段)
S306 第1判定手段
S308 遊技状態設定手段
S504 動的表示期間設定手段
S508 動的表示手段
S905 第2判定手段
S2204 特典遊技実行手段
S2403 高確率設定手段

Claims (5)

  1. 第1判定を実行可能な第1判定手段と、
    その第1判定手段による判定結果を示すための第1識別情報が表示される第1表示手段と、
    その第1表示手段に前記第1識別情報を動的表示させる動的表示手段と、
    その動的表示手段により前記第1識別情報を動的表示させる動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、
    第2判定を実行可能な第2判定手段と、
    その第2判定手段による判定結果を示すための第2識別情報が表示される第2表示手段と、
    前記第1表示手段に特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報が表示された場合に、第1特典遊技を実行し、前記第2表示手段に特定の第2判定結果を示すための前記第2識別情報が表示された場合に、第2特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技において、
    前記第1判定よりも前記第2判定が実行され易くする第1遊技状態と、前記第2判定よりも前記第1判定が実行され易くする第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段を有し、
    前記遊技状態設定手段は、
    所定条件が成立している場合に、前記第1識別情報が動的表示される前記動的表示期間において前記第1遊技状態を設定可能とするものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第2判定手段は、前記第1判定手段が前記特定の第1判定結果を判定する確率よりも高い確率で前記特定の第2判定結果を判定するように構成されているものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第1入球手段と、前記第2入球手段とは異なる第3入球手段と、
    前記第2入球手段へと遊技球を誘導可能な第1状態とその第1状態よりも前記第2入球手段への入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変手段と、を有し、
    前記第1判定手段は、前記第1入球手段、或いは前記第2入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第1判定を実行可能に構成され、
    前記第2判定手段は、前記第3入球手段に遊技球が入球することに基づいて前記第2判定を実行可能に構成され、
    前記第2遊技状態では、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1状態に可変され易く制御されるものであることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
  4. 前記第1特典遊技が実行された後に、前記第1判定により前記特定の第1判定結果と判定される確率を通常時よりも高い高確率を設定することが可能な高確率設定手段を有し、
    前記遊技状態設定手段は、前記高確率設定手段により前記高確率が設定されている場合に、前記特定の第1判定結果を示すための前記第1識別情報で表示されこととなる前記第1識別情報の動的表示の開始に基づいて、前記第1遊技状態を設定するものであることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
  5. 前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも遊技者に付与されることが可能な特典が少なく設定されているものであることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の遊技機。
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