JP2021148194A - オイル供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータに対する冷却効果の低下が抑制されるオイル供給装置を提供する。【解決手段】オイル供給装置130は、トランスアクスル16を収容するギヤ室36にオイルを供給する第1油路R1と、車両用駆動源であるモータ14を収容するモータ室38にオイルを供給する第2油路R2と、を備える。(a)第1油路R1と第2油路R2とをつなぐ接続部としても機能する嵌合部48は、第1油路R1と第2油路R2との間でオイルの流出入が可能な孔部60hを有する仕切部材60を備え、(b)孔部60hの断面積S1は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高くなるのに応じて熱膨張により縮小する。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用駆動源であるモータを冷却するオイル供給装置に関する。
ギヤを収容するギヤ室にオイルを供給する第1油路と、車両用駆動源であるモータを収容するモータ室にオイルを供給する第2油路と、を備えるオイル供給装置であって、オイルがギヤ室(第1油路)からモータ室(第2油路)に供給されるものが知られている。例えば、特許文献1に記載のものがそれである。
特開平9−226394号公報
特許文献1に記載のオイル供給装置では、ギヤ室の温度が上昇した場合、第1油路におけるオイルの油温が高くなり、その高い油温のオイルが第1油路から第2油路に供給されてしまう。これにより、モータ室に供給されるオイルの油温が高くなってモータに対する冷却効果が低下してしまうおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、モータに対する冷却効果の低下が抑制されるオイル供給装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、ギヤを収容するギヤ室にオイルを供給する第1油路と、車両用駆動源であるモータを収容するモータ室にオイルを供給する第2油路と、を備えるオイル供給装置であって、(a)前記第1油路と前記第2油路とをつなぐ接続部は、前記第1油路と前記第2油路との間でオイルの流出入が可能な孔部を有する仕切部を備え、(b)前記孔部の断面積は、前記第1油路におけるオイルの油温が高くなるのに応じて熱膨張により縮小することにある。
第1発明のオイル供給装置によれば、(a)前記第1油路と前記第2油路とをつなぐ接続部は、前記第1油路と前記第2油路との間でオイルの流出入が可能な孔部を有する仕切部を備え、(b)前記孔部の断面積は、前記第1油路におけるオイルの油温が高くなるのに応じて熱膨張により縮小する。熱膨張により断面積が縮小する孔部を有する仕切部が備えられることで、第1油路におけるオイルの油温が高い場合には、その高い油温のオイルが第1油路から第2油路へ流入することが抑制されるため、モータ室に供給されるオイルの油温が高くなってモータに対する冷却効果が低下することが抑制される。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記孔部の断面形状は、一の方向における径の長さに比べて前記一の方向とは異なる他の方向における径の長さの方が短いことにある。例えば、孔部の断面積が同じであるとの条件下では、孔部の断面形状が一の方向における径の長さに比べてその一の方向とは異なる他の方向における径の長さの方が短い場合の方が、孔部の断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、熱膨張によって孔部の断面積が縮小しやすい。第1油路におけるオイルの油温が高い場合には、孔部の断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、孔部の断面積が縮小することによりその高い油温のオイルが第1油路から第2油路へ流入することが抑制される。これにより、孔部の断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、孔部の断面形状が一の方向における径の長さに比べてその一の方向とは異なる他の方向における径の長さの方が短い場合には、モータ室に供給されるオイルの油温が高くなってモータに対する冷却効果が低下することが抑制される。
第3発明の要旨とするところは、第1発明又は第2発明において、前記仕切部は、複数の前記孔部を有することにある。例えば、複数の孔部を有する場合における各孔部の断面積の合計を単数の孔部を有する場合におけるその孔部の断面積と同じにした場合、複数の孔部における各断面積を単数の孔部おける孔部の断面積よりも小さくすることができる。これにより、単数の孔部を有する場合におけるその孔部の断面積に比較して、複数の孔部を有する場合における各孔部の断面積の合計は、熱膨張によって縮小されやすい。そのため、第1油路におけるオイルの油温が高い場合には、仕切部が有するのが単数の孔部である場合に比較して、仕切部が有するのが複数の孔部である場合の方が高い油温のオイルが第1油路から第2油路へ流入することが抑制される。したがって、仕切部が有するのが単数の孔部である場合に比較して、仕切部が有するのが複数の孔部である場合には、モータ室に供給されるオイルの油温が高くなってモータに対する冷却効果が低下することが抑制される。
電気自動車に搭載された電気駆動ユニットを冷却する本発明の実施例1に係るオイル供給装置を説明するブロック図である。 図1に示す電気駆動ユニットの概略構成を説明する図で、水平方向に切断し且つ複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した断面図である。 図2に示す第1軸線を含む鉛直面を切断面とする電気駆動ユニットの断面図である。 図1及び図2に示す電気駆動ユニットの具体例を説明する図で、複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した断面図である。 図4において破線により四角で囲まれた部位を拡大した拡大断面図である。 ロータのエンドプレートの形状を説明する斜視図である。 図5に示す仕切部材の形状を説明する図であって、図7(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図7(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図7(a)に示す矢印A1方向に見た図である。 本発明の実施例2に係るオイル供給装置の仕切部材の形状を説明する図であって、図8(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図8(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図8(a)に示す矢印A2方向に見た図である。 本発明の実施例3に係るオイル供給装置の仕切部材の形状を説明する図であって、図9(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図9(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図9(a)に示す矢印A3方向に見た図である。 本発明の実施例4に係るオイル供給装置の仕切部材の形状を説明する図であって、図10(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図10(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図10(a)に示す矢印A4方向に見た図である。
以下、本発明の各実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施例において図は理解を容易とするために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、電気自動車10に搭載された電気駆動ユニット12にオイル(冷却油、潤滑油)を供給する本発明の実施例1に係るオイル供給装置130を説明するブロック図である。なお、図1において括弧内に記された符号は、後述する実施例2,3,4についてのものである。オイル供給装置130は、図1に破線で示すオイル循環回路72と、図1に一点鎖線で示す冷媒循環回路74と、を備える。オイル循環回路72は、ATF(Automatic Transmission Fluid)等の冷却用及び潤滑用のオイルが電動式オイルポンプ80によって循環させられることにより、冷却対象である電気駆動ユニット12を冷却及び潤滑するためのものである。電動式オイルポンプ80は、電気駆動ユニット12の下部に設けられた油溜92に還流させられたオイルをその吸入口から吸入してその吐出口から吐出し、オイルクーラー88から外部配管90を経て電気駆動ユニット12の上部へオイルを供給する。
オイル循環回路72に設けられたオイルクーラー88は、冷媒との熱交換によってオイルを冷却する熱交換器である。オイルクーラー88には、冷媒を循環させて冷却する冷媒循環回路74が接続されている。冷媒循環回路74は、クーラント等の冷媒が冷媒ポンプ110によって循環させられることにより、その冷媒を冷却するためのもので、外気によって冷媒を冷却するラジエター112が設けられている。冷媒ポンプ110は、例えば電動モータによって作動させられる電動式ポンプが用いられるが、車両走行時に動力伝達軸(例えば、後述のギヤ軸22)等により機械的に回転駆動される機械式ポンプを採用することもできる。ラジエター112は、例えば車両の前端部分に配置され、車両走行時に外気が流通させられることにより、冷媒循環回路74内の冷媒を冷却する。必要に応じて、電動式或いは機械式のファン114を配置することもできる。
ラジエター112によって冷却された冷媒は、後述のモータ14に電力供給するインバータ等のパワーコントロールユニット116を経てオイルクーラー88に供給され、パワーコントロールユニット116を冷却するとともに、オイルクーラー88内でオイル循環回路72のオイルを冷却する。すなわち、冷媒循環回路74は、冷媒ポンプ110から送出された冷媒がラジエター112、パワーコントロールユニット116、及びオイルクーラー88を経て、再び冷媒ポンプ110に戻される閉回路であり、それらの部品間は配管等によって連結されている。そして、ラジエター112とパワーコントロールユニット116との間の配管部分には、パワーコントロールユニット116に供給される直前の冷媒の温度である冷媒温度THc[℃]を検出する冷媒温度センサ118が配置されている。冷媒温度センサ118によって検出された冷媒温度THcは、電子制御装置100に入力される。なお、上記冷媒循環回路74の各部品の順番は、適宜変更することが可能である。
図2は、図1に示す電気駆動ユニット12の概略構成を説明する図で、水平方向に切断し且つ複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した断面図である。図3は、図2に示す第1軸線CL1を含む鉛直面を切断面とする電気駆動ユニット12の断面図である。第1軸線CL1は水平である。
電気自動車10は、電気駆動ユニット12を備える。電気駆動ユニット12は、電源装置20からインバータ等のパワーコントロールユニット116等を経て所定の高電圧の電力がモータ14に供給される構成となっている。電源装置20としては、例えば燃料電池や蓄電池でも良いし、シリーズ型ハイブリッド車両のようにエンジンによって回転駆動される発電機であっても良い。
電気駆動ユニット12は、モータ14、トランスアクスル16、及びケース18を備える。
モータ14は、第1軸線CL1上に配設された車両用駆動源であり、例えば電動機機能及び発電機機能を有する所謂モータジェネレータである。モータ14は、例えば同期モータである。モータ14は、第1軸線CL1と同心の円環形状のステータ40及びロータ42を備える。ロータ42は、ステータ40よりも小径でステータ40の内部に配設されているとともに、その中心部にはロータ軸44が固設されている。ロータ軸44は、金属(例えば、鋼)で構成され、その内周側に中空部を有する形状(例えば、円筒形状)である。モータ14の駆動力は、モータ14のロータ42の内周部に連結されたロータ軸44から出力される。ロータ軸44における第1軸線CL1方向の一方側(ギヤ軸22側)の内周部と、後述するギヤ軸22における第1軸線CL1方向の他方側(ロータ軸44側)の外周部と、がスプライン嵌合によって相対回転不能に連結されている。
トランスアクスル16は、モータ14における第1軸線CL1方向の一方側に隣接して並べて配設されている。トランスアクスル16は、動力伝達機構に相当するものである。トランスアクスル16は、ディファレンシャル装置50と、ギヤ式減速機構54と、を備える。ディファレンシャル装置50は、周知のかさ歯車式の差動機構であり、リングギヤ52に伝達された動力を一対のサイドギヤから左右一対のドライブシャフト56に伝達する。これにより、左右の駆動輪が回転駆動される。ディファレンシャル装置50は、第1軸線CL1と平行な第2軸線CL2上に配設されている。ギヤ式減速機構54は、ロータ軸44に連結されたギヤ軸22とディファレンシャル装置50のリングギヤ52との間で動力伝達する。ギヤ軸22は、金属(例えば、鋼)で構成され、その内周側に中空部を有する形状(例えば、円筒形状)である。ギヤ式減速機構54は、ギヤ軸22の回転を減速してディファレンシャル装置50に伝達する平行軸式のギヤ機構で、減速大歯車及び減速小歯車が設けられた減速ギヤシャフト58を備える。減速ギヤシャフト58は、第1軸線CL1及び第2軸線CL2に平行な第3軸線CL3上に配設されている。
ケース18は、有底筒形状の第1ケース部24と、筒形状の第2ケース部26と、有底筒形状の第3ケース部28と、カバー30と、を備える。第2ケース部26には内周側へ延び出す仕切り壁26aが一体に設けられている。第2ケース部26における第1軸線CL1の一方側の開口部が第1ケース部24における第1軸線CL1の他方側の開口部にボルト等により一体的に結合されることにより、第1ケース部24及び仕切り壁26aで囲まれた空間であるギヤ室36が形成される。そのギヤ室36内にトランスアクスル16が収容されている。第2ケース部26における第1軸線CL1方向の他方側の開口部が第3ケース部28における第1軸線CL1の一方側の開口部にボルト等により一体的に結合されることにより、第2ケース部26及び第3ケース部28で囲まれた空間であるモータ室38が形成される。そのモータ室38内にモータ14が収容されている。なお、トランスアクスル16は、本発明における「ギヤ」に相当する。
ステータ40は、例えば複数のボルト46(図4参照)により第2ケース部26の仕切り壁26aに固定されている。ロータ軸44は、複数の軸受を介して第1軸線CL1まわりに回転可能にケース18によって支持されている。
ここから、オイル供給装置130における第1油路R1及び第2油路R2について説明する。第1油路R1は、ギヤ室36へオイルを供給する油路であり、第2油路R2は、モータ室38へオイルを供給する油路である。
図2に基づいて、第1油路R1について説明する。ケース18の左側面18aには、減速ギヤシャフト58が配設された第3軸線CL3と同心に、減速ギヤシャフト58によって回転駆動される機械式オイルポンプ76が設けられている。機械式オイルポンプ76は、ギヤ室36内に配設されたトランスアクスル16のギヤ噛合い部や軸受などにオイルを供給してそれらを冷却及び潤滑する。機械式オイルポンプ76は、その吸入口から油溜92に還流させられたオイルを吸入してその吐出口から吐出し、第1ケース部24に設けられた内部配管78等からギヤ室36の各部にオイルを供給する。オイルの一部は、ギヤ室36の上部に配置されたオイルストレージ94内に一時的に貯留されるとともに、オイルストレージ94の底部に設けられた開口から徐々に流下させられ、停車時や低車速時においてもギヤや軸受などにオイルが供給されるように構成されている。また、オイルの他の一部は、ギヤ軸22の内周側の中空部を経由してトランスアクスル16のギヤ噛合い部や軸受などに供給される。機械式オイルポンプ76からギヤ室36内の各部に供給されたオイルは、ギヤや軸受などを潤滑した後、ギヤ室36の下部に設けられた油溜92に戻される。油溜92内のオイルの一部は、例えばディファレンシャル装置50のリングギヤ52等により掻き上げられてギヤ等の潤滑に用いられる。このように、内部配管78、オイルストレージ94、及び中空部を有するギヤ軸22で構成された、オイルが流れてギヤ室36内のギヤや軸受などにオイルを供給する油路が、第1油路R1である。
図3に基づいて、第2油路R2について説明する。第2油路R2では、オイルクーラー88から外部配管90を経て電気駆動ユニット12の上部へオイルが供給される。電気駆動ユニット12の上部へ供給されたオイルは、モータ室38の上部に導入され、モータ14の上方部位に配設された内部配管82及び第3ケース部28に設けられた内部配管84へ分岐して供給される。
内部配管82には、鉛直下方に向かって開口する複数の吐出穴が設けられている。その吐出穴から下方へ吐出されたオイルがモータ14のステータ40上に流下して、ステータ40が冷却させられる。内部配管84は、モータ14の回転中心線である第1軸線CL1を中心とする径方向(以下、単に「径方向」と記す。)の内周側へ延びており、その内周側の端部は第1軸線CL1に達している。内部配管86は、第1軸線CL1を中心とする円筒状であって、第1軸線CL1の一方側の先端部は閉じられており、第1軸線CL1の他方側の先端部は開口されている。内部配管86における第1軸線CL1の一方側は、ロータ軸44の中空部に挿入され、内部配管86における第1軸線CL1の他方側は、内部配管84に連通している。内部配管86のうちロータ軸44の中空部に挿入された部分には、径方向に貫通する複数の吐出穴86h(図5参照)が設けられている。それら複数の吐出穴86hを経由して内部配管86から吐出されたオイルは、ロータ軸44の中空部に流出させられる。ロータ軸44の中空部に流入したオイルは、ロータ軸44に設けられた径方向に貫通した径方向穴を経て外周側へ流出させられ、或いは、ロータ軸44の軸線方向の端部から流出させられて、ロータ42や軸受などに供給される。
このようにモータ14のステータ40やロータ42、軸受などに供給されたオイルは、モータ14や軸受などを冷却や潤滑した後、下方へ流下させられるとともに、前述の仕切り壁26aに設けられた図示しない連通穴等からギヤ室36内へ流動させられ、そのギヤ室36の下部に設けられた油溜92に戻される。このように内部配管82、内部配管84、内部配管86、中空部を有するロータ軸44で構成された、オイルが流れてモータ室38内のモータ14や軸受などにオイルを供給する油路が、第2油路R2である。
前述のように、ロータ軸44における第1軸線CL1の一方側の内周部と、ギヤ軸22における第1軸線CL1の他方側の外周部と、がスプライン嵌合されている。このロータ軸44とギヤ軸22とがスプライン嵌合されている嵌合部48は、ロータ軸44の中空部(第2油路R2)とギヤ軸22の中空部(第1油路R1)とをつなぐ接続部としても機能している。なお、嵌合部48は、本発明における「接続部」に相当する。
内部配管84の内周側端部付近、すなわち第1軸線CL1の近傍には、第2油路R2におけるオイルの油温THoil2[℃]を検出する油温センサ120(図3参照)が配設されているとともに、ステータ40における第1軸線CL1方向の他方側に位置するコイルエンド40bの外周部には、モータ14の温度であるモータ温度THm[℃]を検出するモータ温度センサ122(図2参照)が配設されている。油温センサ120によって検出された油温THoil2及びモータ温度センサ122によって検出されたモータ温度THmが、それぞれ電子制御装置100(図1参照)に入力される。
電子制御装置100は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、電動式オイルポンプ80を駆動制御する。電子制御装置100には、油温THoil2、モータ温度THm、冷媒温度THcが入力される他、車速V[km/h]や、各種センサの異常に関するダイアグノーシス等の情報が入力されるようになっている。
電子制御装置100は、例えばモータ温度センサ122によって検出されたモータ温度THm及び油温センサ120によって検出された油温THoil2の少なくとも一方が予め定められた判定温度よりも高いことを条件として電動式オイルポンプ80を駆動するように構成される。この判定温度は、モータ14を冷却するために電動式オイルポンプ80を駆動させるモータ温度THm及び油温THoil2の下限温度として予め実験的に或いは設計的に定められる。また、電子制御装置100は、モータ温度センサ122そのものを省略した電気自動車10の構成において、例えばモータ14の作動状態(モータトルクなど)に基づいて電動式オイルポンプ80を駆動するように構成されるなど、種々の態様が可能である。
図4は、図1及び図2に示す電気駆動ユニット12の具体例を説明する図で、複数の軸が一平面内に位置するように展開して示した断面図である。図5は、図4において破線により四角で囲まれた部位を拡大した拡大断面図である。図4において、第1軸線CL1よりも上側部分は、図3に相当する鉛直面を切断面とする断面図で、第1軸線CL1よりも下側部分は、図2に相当する水平方向に切断した断面図である。なお、図4では、ディファレンシャル装置50のピニオンギヤやサイドギヤ、各部の軸受など、一部の部材について断面に付されるべき斜線が省略されている。
前述のように、ギヤ軸22の内周側の中空部に供給されたオイルは、ギヤ軸22に径方向に貫通するように設けられた供給孔22hを経由して、ギヤ噛合い部や軸受などに供給される。また、ギヤ軸22の内周側の中空部に供給されたオイルは、ギヤ軸22における嵌合部48の内周部に圧入された仕切部材60に設けられた孔部60hを経由して、ロータ軸44の内周側の中空部に流出可能な構成となっている。仕切部材60の具体的な構成については、後述する。
前述のように、内部配管86に設けられた径方向に貫通する複数の吐出穴86hから吐出されたオイルは、ロータ軸44の中空部に流出させられる。ロータ軸44における第1軸線CL1方向の一方側の端部には、径方向に貫通した供給孔44hが設けられている。モータ14のロータ42は、例えば複数枚の電磁鋼板で構成されたロータコア42aと、そのロータコア42aを両端から固定する一対のエンドプレート42b,42cと、を備える。第1軸線CL1方向における一方側にエンドプレート42bが配置され、第1軸線CL1方向における他方側にエンドプレート42cが配置されている。供給孔44hの外周側の開口は、エンドプレート42bよりも外部側(第1軸線CL1方向の一方側)に設けられている。これにより、ロータ軸44の中空部に流入したオイルは、供給孔44hから遠心力によりステータ40における第1軸線CL1方向の一方側に位置するコイルエンド40a(図4参照)に向けて飛散させられる。
図6は、ロータ42のエンドプレート42bの形状を説明する斜視図である。
エンドプレート42bは、第1軸線CL1を中心とする円盤状であって、その径方向の中心部には第1軸線CL1方向にロータ軸44が挿通可能なように円筒形の孔が設けられている。エンドプレート42bの外部側(第1軸線CL1方向におけるロータコア42aとは反対側)の面には、複数の溝部42bdが設けられている。各溝部42bdは、エンドプレート42bにおける第1軸線CL1方向の厚さよりも浅い深さを有し且つ径方向におけるエンドプレート42bの外縁部から内周側に向かって延びるように形成されている。
モータ室38に供給されたオイルの油面がエンドプレート42bの鉛直下部よりも高い場合には、モータ室38内のオイルがエンドプレート42bに設けられた溝部42bdによって掻き上げられる。この掻き上げられたオイルは、例えばモータ14における第1軸線CL1の他方側に設けられたエンドプレート42cの近傍にある軸受に供給され、その軸受が潤滑される。なお、エンドプレート42bに設けられるのは、溝部42bdに限らず、例えば所定の高さを有し且つ径方向におけるエンドプレート42bの外縁部から内周側に向かって延びるように形成された段状の突起であっても良い。
図7は、図5に示す仕切部材60の形状を説明する図であって、図7(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図7(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図7(a)に示す矢印A1方向に見た図である。仕切部材60は、例えば樹脂で構成されている。なお、仕切部材60は、本発明における「仕切部」に相当する。
仕切部材60は、円盤部60a及び円筒部60bを備える。円盤部60aは、第1軸線CL1を中心とする円盤状であり、その径方向の中心部には第1軸線CL1方向に貫通する円筒形の孔部60hが設けられている。孔部60hの貫通方向(第1軸線CL1方向)に垂直な断面における断面形状は、一の方向における径(さしわたし)の長さとその一の方向とは異なる他の方向における径の長さとが同じ円形である。円筒部60bは、円盤部60aの外縁部から第1軸線CL1方向の一方側に向けて円筒状に一体的に延びている。円筒部60bの外径は、ギヤ軸22の内周面に圧入される大きさとされている。第1軸線CL1方向において、仕切部材60の円筒部60bの開口が第1油路R1におけるオイルの供給元に向けて圧入され、仕切部材60の円盤部60aが第2油路R2におけるオイルの供給元に向けて圧入されている。第1油路R1におけるオイルの供給元とは、第1油路R1においてオイルが流れる上流側、すなわち機械式オイルポンプ76の吐出口側を意味する。第2油路R2におけるオイルの供給元とは、第2油路R2においてオイルが流れる上流側、すなわち電動式オイルポンプ80の吐出口側を意味する。
仕切部材60は、第1油路R1と第2油路R2とをつなぐ接続部としても機能する嵌合部48に設けられ、仕切部材60に設けられた孔部60hにより第1油路R1と第2油路R2との間でオイルの流出入が可能な構成となっている。
仕切部材60は、仕切部材60が圧入されたギヤ軸22を構成する金属よりも熱膨張率が大きい、例えばエポキシ、フェノール、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ四フッ化エチレン等の樹脂により構成されている。そのため、孔部60hの貫通方向に垂直な断面における断面積S1[mm]は、仕切部材60の温度が高くなるのに応じて熱膨張により縮小する。仕切部材60の温度は、その仕切部材60に接触している、ギヤ軸22内のオイル(第1油路R1におけるオイル)、ギヤ軸22、及びロータ軸44内のオイル(第2油路R2におけるオイル)の各温度に基づいて定まる。ギヤ軸22は熱伝導性の高い金属(例えば、鋼)で構成されているため、ギヤ軸22の温度はギヤ軸22内のオイルの油温と略同じである。仕切部材60において、ロータ軸44内のオイルが仕切部材60に接触している面積に比べて、ギヤ軸22内のオイル及びギヤ軸22が仕切部材60に接触している面積の方が大きいため、仕切部材60の温度は、主にギヤ軸22内のオイルの油温(第1油路R1におけるオイルの油温THoil1)によって定まる。孔部60hの断面積S1の大きさによって、第1油路R1と第2油路R2との間でのオイルの流れにくさ(流通抵抗)が変化する。例えば、孔部60hの断面積S1は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1[℃]が高くなるのに応じて熱膨張により縮小し、第1油路R1と第2油路R2との間でオイルが流れにくくなる(流通抵抗が大きくなる)。第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させても良い温度範囲の場合に比べて、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させたくない温度範囲の場合における孔部60hの断面積S1が小さくなるように構成されている。なお、油温THoil1は、本発明における「第1油路におけるオイルの油温」に相当する。
本実施例によれば、(a)第1油路R1と第2油路R2とをつなぐ接続部としても機能する嵌合部48は、第1油路R1と第2油路R2との間でオイルの流出入が可能な孔部60hを有する仕切部材60を備え、(b)孔部60hの断面積S1は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高くなるのに応じて熱膨張により縮小する。熱膨張により断面積S1が縮小する孔部60hを有する仕切部材60が備えられることで、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高い場合には、その高い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが抑制されるため、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が高くなってモータ14に対する冷却効果が低下することが抑制される。一方、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低い場合には、その低い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが促進されるため、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が低くなってモータ14に対する冷却効果が向上させられる。なお、仕切部材60は、モータ14の運転効率を悪化させる要素ではなく、本実施例では、ギヤ室36側のオイルの油面状態(例えば、油面の高さ)に左右されずに、モータ14に対する冷却効果及び軸受などでの潤滑効果が向上させられる。
図8は、本発明の実施例2に係るオイル供給装置132(図1参照)の仕切部材62の形状を説明する図であって、図8(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図8(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図8(a)に示す矢印A2方向に見た図である。オイル供給装置132は、前述の実施例1に係るオイル供給装置130の構成と略同じであるが、仕切部材60の替わりに仕切部材62が設けられている点が異なる。そのため、本実施例では、前述の実施例1と異なる部分を中心に説明することとし、前述の実施例1と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。なお、仕切部材62は、本発明における「仕切部」に相当する。
仕切部材62は、円盤部62a及び円筒部60bを備える。円盤部62aは、第1軸線CL1を中心とする円盤状であり、その径方向の中心部から所定幅で径方向の外周側に延びて第1軸線CL1方向に貫通する直方体状の孔部62hが設けられている。このように、孔部62hの貫通方向に垂直な断面における断面形状は、図8における紙面縦方向(一の方向)における径の長さに比べてその紙面縦方向とは異なる紙面横方向(他の方向)における径の長さの方が短い。すなわち、孔部62hの貫通方向に垂直な断面における断面形状は、前述の実施例1のように円形ではなく、細長いスリット状の長方形である。第1軸線CL1方向において、仕切部材62の円筒部60bの開口が第1油路R1におけるオイルの供給元に向けて圧入され、仕切部材62の円盤部62aが第2油路R2におけるオイルの供給元に向けて圧入されている。
実施例1と同様に、仕切部材62の温度は、主にギヤ軸22内のオイルの油温(すなわち、油温THoil1)によって定まり、孔部62hの貫通方向に垂直な断面における断面積S2[mm]は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高くなるのに応じて熱膨張により縮小し、第1油路R1と第2油路R2との間でオイルが流れにくくなる(流通抵抗が大きくなる)。第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させても良い温度範囲の場合に比べて、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させたくない温度範囲の場合における孔部62hの断面積S2が小さくなるように構成されている。
本実施例によれば、孔部62hの貫通方向に垂直な断面における断面形状は、図8における紙面縦方向(一の方向)における径の長さに比べて紙面縦方向とは異なる紙面横方向(他の方向)における径の長さの方が短い。例えば、孔部の断面積が同じであるとの条件下では、孔部62hの断面形状が一の方向における径の長さに比べてその一の方向とは異なる他の方向における径の長さの方が短い場合の方が、前述の実施例1のように孔部60hの断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、熱膨張によって孔部62hの断面積S2が縮小しやすい。第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高い場合には、前述の実施例1のように孔部60hの断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、孔部62hの断面積S2が縮小することによりその高い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが抑制される。これにより、前述の実施例1のように孔部60hの断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、孔部62hの断面形状が一の方向における径の長さに比べてその一の方向とは異なる他の方向における径の長さの方が短い場合には、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が高くなってモータ14に対する冷却効果が低下することが抑制される。一方、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低い場合には、実施例1のように孔部60hの断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、孔部62hの断面積S2が拡大することによりその低い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが促進される。これにより、孔部62hの断面形状が一の方向における径の長さと他の方向における径の長さとが同じである場合に比較して、孔部62hの断面形状が一の方向における径の長さに比べてその一の方向とは異なる他の方向における径の長さの方が短い場合には、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が低くなってモータ14に対する冷却効果が向上させられる。
図9は、本発明の実施例3に係るオイル供給装置134(図1参照)の仕切部材64の形状を説明する図であって、図9(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図9(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図9(a)に示す矢印A3方向に見た図である。オイル供給装置134は、前述の実施例1に係るオイル供給装置130の構成と略同じであるが、仕切部材60の替わりに仕切部材64が設けられている点が異なる。そのため、本実施例では、前述の実施例1と異なる部分を中心に説明することとし、前述の実施例1と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。なお、仕切部材64は、本発明における「仕切部」に相当する。
仕切部材64は、円盤部64a及び円筒部60bを備える。円盤部64aは、第1軸線CL1を中心とする円盤状であり、第1軸線CL1方向に貫通する複数(本実施例では、9個)の円筒形の孔部64hが設けられている。第1軸線CL1方向において、仕切部材64の円筒部60bの開口が第1油路R1におけるオイルの供給元に向けて圧入され、仕切部材64の円盤部64aが第2油路R2におけるオイルの供給元に向けて圧入されている。
実施例1と同様に、仕切部材64の温度は、主にギヤ軸22内のオイルの油温(すなわち、油温THoil1)によって定まり、各孔部64hの貫通方向に垂直な断面における断面積S3[mm]は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高くなるのに応じて熱膨張により縮小し、第1油路R1と第2油路R2との間でオイルが流れにくくなる(流通抵抗が大きくなる)。第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させても良い温度範囲の場合に比べて、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させたくない温度範囲の場合における孔部64hの断面積S3の合計が小さくなるように構成されている。
本実施例によれば、仕切部材64は、複数の孔部64hを有する。例えば、本実施例における複数の孔部64hおける各断面積S3の合計を、前述の実施例1における単数の孔部60hの断面積S1と同じにした場合、複数の孔部64hにおける個々の断面積S3を断面積S1よりも小さくすることができる。これにより、前述の実施例1のように単数の孔部を有する場合におけるその孔部60hの断面積S1に比較して、本実施例のように複数の孔部を有する場合における各孔部64hの断面積S3の合計は、熱膨張によって縮小されやすい。そのため、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高い場合には、前述の実施例1のように仕切部材60が有するのが単数の孔部60hである場合に比較して、本実施例のように仕切部材64が有するのが複数の孔部64hである場合の方が高い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが抑制される。したがって、実施例1のように仕切部材60が有するのが単数の孔部60hである場合に比較して、本実施例のように仕切部材64が有するのが複数の孔部64hである場合には、モータ室38に供給されるオイルの油温が高くなってモータ14に対する冷却効果が低下することが抑制される。一方、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低い場合には、その低い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが促進されるため、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が低くなってモータ14に対する冷却効果が向上させられる。
図10は、本発明の実施例4に係るオイル供給装置136(図1参照)の仕切部材66の形状を説明する図であって、図10(a)は第1軸線CL1方向から見た図であり、図10(b)は第1軸線CL1方向に切断した断面を図10(a)に示す矢印A4方向に見た図である。オイル供給装置136は、前述の実施例1に係るオイル供給装置130の構成と略同じであるが、仕切部材60の替わりに仕切部材66が設けられている点が異なる。そのため、本実施例では、前述の実施例1と異なる部分を中心に説明することとし、前述の実施例1と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。なお、仕切部材66は、本発明における「仕切部」に相当する。
仕切部材66は、円盤部66a及び円筒部66bを備える。円盤部66aは、第1軸線CL1を中心とする円盤状である。円筒部66bは、円盤部66aの外縁部から第1軸線CL1方向の一方側に向けて円筒状に一体的に延びている。円筒部66b及び円盤部66aには、それぞれの外周部から内周側へ周方向に所定幅であって第1軸線CL1方向に貫通する複数の孔部(溝部)66hが設けられている。本実施例では、複数の孔部66hは、第1軸線CL1を中心とする等角度間隔(2π/8[rad])で8箇所設けられている。第1軸線CL1方向において、仕切部材66の円筒部66bの開口が第1油路R1におけるオイルの供給元に向けて圧入され、仕切部材66の円盤部66aが第2油路R2におけるオイルの供給元に向けて圧入されている。
実施例1と同様に、仕切部材66の温度は、主にギヤ軸22内のオイルの油温(すなわち、油温THoil1)によって定まり、各孔部66hの貫通方向に垂直な断面における断面積S4[mm]は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高くなるのに応じて熱膨張により縮小し、第1油路R1と第2油路R2との間でオイルが流れにくくなる(流通抵抗が大きくなる)。第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させても良い温度範囲の場合に比べて、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高く第1油路R1側から第2油路R1側にオイルを流入させたくない温度範囲の場合における孔部66hの断面積S4の合計が小さくなるように構成されている。
本実施例によれば、仕切部材66は、外周部から内周側へ向かって延び且つ第1軸線CL1方向に貫通する複数の孔部66hを有する。前述の実施例1と同様に、複数の孔部66hの断面積S4の合計は、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高くなるのに応じて熱膨張により縮小する。熱膨張により断面積S4が縮小する複数の孔部66hを有する仕切部材66が備えられることで、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高い場合には、その高い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが抑制されるため、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が高くなってモータ14に対する冷却効果が低下することが抑制される。一方、第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が低い場合には、その低い油温THoil1のオイルが第1油路R1から第2油路R2へ流入することが促進されるため、モータ室38に供給されるオイルの油温THoil2が低くなってモータ14に対する冷却効果が向上させられる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例1,2,3,4では、モータ14は、車両用駆動源であるモータジェネレータであったが、この態様に限らない。例えば、モータ14は、発電機機能を有さず電動機機能のみを有する車両駆動用の電動機であっても良い。
前述の実施例1,2,3,4では、オイル供給装置130,132,134,136は、電気自動車10に搭載された電気駆動ユニット12に適用されていたが、この態様に限らない。例えば、オイル供給装置130,132,134,136は、車両用駆動源としてモータ14とともに内燃機関であるエンジンを有するハイブリッド自動車に搭載された電気駆動ユニットに適用されても良い。
前述の実施例1,2,3,4では、冷媒循環回路74が設けられていたが、この態様に限らない。例えば、冷媒循環回路74が設けられず、オイル循環回路72においてオイルクーラー88が冷媒ではなく替わりに車両走行時に外気によりオイル循環回路72内のオイルが冷却される構成であっても良い。
前述の実施例1,2,3,4では、第1油路R1と第2油路R2とをつなぐ接続部は、第1油路R1におけるオイルが流れる中空部を有するギヤ軸22と第2油路R2におけるオイルが流れる中空部を有するロータ軸44とがスプライン嵌合されている嵌合部48であったが、本発明における「接続部」は第1油路R1と第2油路R2とをつなぐ部位であれば良く、嵌合部48に限らない。
前述の実施例4では、仕切部材66は複数の孔部66hを有していたが、単数の孔部66hを有する構成であっても良い。
前述の実施例1,2,3,4では、仕切部材60,62,64,66はギヤ軸22の内周部に圧入されていたが、この態様に限らない。例えば、仕切部材60,62,64,66がギヤ軸22の内周部にすきま嵌めされ且つ仕切部材60,62,64,66がギヤ軸22から抜けないように仕切部材60,62,64,66の外周面とギヤ軸22の内周面との間に係止爪、係止穴のような係止構造が設けられた構成であっても良い。このような構成であっても第1油路R1におけるオイルの油温THoil1が高い場合に、仕切部材60,62,64,66が熱膨張することによりギヤ軸22の内周面と仕切部材60,62,64,66の外周面との間を介して第1油路R1から第2油路R2へオイルが流入しなければ良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
14:モータ
16:トランスアクスル(ギヤ)
36:ギヤ室
38:モータ室
48:嵌合部(接続部)
60、62、64、66:仕切部材(仕切部)
60h、62h、64h、66h:孔部
130、132、134、136:オイル供給装置
R1:第1油路
R2:第2油路
S1、S2、S3、S4:断面積
THoil1:油温(第1油路におけるオイルの油温)

Claims (1)

  1. ギヤを収容するギヤ室にオイルを供給する第1油路と、車両用駆動源であるモータを収容するモータ室にオイルを供給する第2油路と、を備えるオイル供給装置であって、
    前記第1油路と前記第2油路とをつなぐ接続部は、前記第1油路と前記第2油路との間でオイルの流出入が可能な孔部を有する仕切部を備え、
    前記孔部の断面積は、前記第1油路におけるオイルの油温が高くなるのに応じて熱膨張により縮小する
    ことを特徴とするオイル供給装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023189034A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 ニデック株式会社 駆動装置

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