JP2021147820A - 計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラム - Google Patents

計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】移動体が移動する構造物の経路の中央位置を観測せずに当該中央位置の物理量を推定することが可能な計測方法を提供すること。【解決手段】移動体が移動する構造物の経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出ステップと、前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出ステップと、前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出ステップと、を含む、計測方法。【選択図】図18

Description

本発明は、計測方法、計測装置、計測システム及び計測プログラムに関する。
特許文献1には、橋梁の維持管理をする上で、橋梁を通過する大型車両の車軸重量が、橋梁の損傷を予測するために重要な情報であって、この軸重測定ため、橋梁の主桁に設置したひずみ計から車両通過時のひずみ値を連続測定し、軸重を算出する手法Weight In Motionが提案されており、橋梁の主桁に配置されたひずみ計で計測したひずみ波形に基づいて、橋梁を通過する車両の車重を計測する橋梁通過車両監視システムが記載されている。詳細には、橋梁通過車両監視システムは、ひずみ計を走行車線毎に、主桁部に配置して、ひずみ計で計測したひずみ波形から車軸の通過タイミングを検出して車両の軸間比率を算出し、算出した軸間比率と軸間距離データベースに登録された軸間距離から算出される軸間比率とを比較し、車両の軸間距離、車速および車種を特定する。また、橋梁通過車両監視システムは、車軸の通過タイミングに合わせて、基準軸重ひずみ波形を時間軸上に配置したひずみ波形を生成し、基準軸重ひずみ波形とひずみ計で計測したひずみ波形とを比較して各軸の軸重を算出する。そして、橋梁通過車両監視システムは、各軸の軸重を合計することにより車重を算出する。
特開2009−237805号公報
特許文献1に記載のシステムでは、橋梁の上部構造の経路の中央位置におけるひずみ波形を計測しているが、当該中央位置にひずみ計を配置することができない場合には当該中央位置における計測波形を推定することはできない。
本発明に係る計測方法の一態様は、
移動体が構造物の経路を移動する第1方向に沿って並び、かつ、前記経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出ステップと、
前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出ステップと、
前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、
前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出ステップと、を含む。
前記計測方法の一態様は、
前記振幅係数算出ステップにおいて、前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離と、前記構造物の構造モデルに基づく前記中央位置のたわみの近似式とに基づいて、前記振幅係数を算出してもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造モデルは、両端を支持した単純梁であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記中央位置のたわみの近似式は、前記中央位置のたわみの近似式の最大値で規格化されていてもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記経路は、前記構造物の第1の端部から前記構造物の前記第1の端部とは異なる第2の端部に至り、
前記第1の観測点は前記第1の端部と前記中央位置との間に設定され、
前記第2の観測点は前記第2の端部と前記中央位置との間に設定され、
前記第1の観測点と前記第1の端部との距離と、前記第1の端部と前記第2の端部との距離との比は0.258819045以上0.5未満であり、
前記第2の観測点と前記第2の端部との距離と、前記第1の端部と前記第2の端部との距離との比は0.258819045以上0.5未満であってもよい。
前記計測方法の一態様は、
2以上の整数nに対して、前記構造物に、前記第1方向に沿って並び、かつ、前記中央位置に対してそれぞれ線対称であるn組の観測点対が設定され、
前記第1の計測波形算出ステップにおいて、1以上n以下の各整数iに対して、前記n組の観測点対のうちの第iの観測点対の一方の観測点である第2i−1の観測点の前記物理量の計測波形である第2i−1の計測波形を算出し、
前記第2の計測波形算出ステップにおいて、前記各整数iに対して、前記第iの観測点対の他方の観測点である第2iの観測点の前記物理量の計測波形である第2iの計測波形を算出し、
前記振幅係数算出ステップにおいて、前記各整数iに対して、前記中央位置と前記第2i−1の観測点又は前記第2iの観測点との距離に基づいて第iの振幅係数を算出し、
前記推定波形算出ステップにおいて、前記各整数iに対して、前記第2i−1の計測波形と前記第2iの計測波形とを加算した波形を前記第iの振幅係数で除算して第iの推定波形を算出し、前記第1〜第nの推定波形を平均して前記推定波形を算出してもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記物理量は、変位又は前記移動体による荷重であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記移動体は、鉄道車両、自動車、路面電車、建設車両、又は軍用車両であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記第1の観測点を観測する前記観測装置及び前記第2の観測点を観測する前記観測装置は、加速度センサーであってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記第1の観測点を観測する前記観測装置及び前記第2の観測点を観測する前記観測装置は、接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、感圧センサー、画像処理による変位計測機器又は光ファイバーによる変位計測機器であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物は、橋梁の上部構造であって、
前記上部構造は、隣り合う橋台と橋脚、隣り合う2つの橋台、又は、隣り合う2つの橋
脚のいずれか1つに渡された構造であり、
前記上部構造の両端部は、前記隣り合う橋台と橋脚の位置、前記隣り合う2つの橋台の位置、又は、前記隣り合う2つの橋脚の位置にあり、
前記橋梁は、道路橋又は鉄道橋であってもよい。
前記計測方法の一態様において、
前記構造物は、BWIM(Bridge Weigh in Motion)が機能する構造であってもよい。
本発明に係る計測装置の一態様は、
移動体が構造物の経路を移動する第1方向に沿って並び、かつ、前記経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出部と、
前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出部と、
前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出部と、
前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出部と、を含む。
本発明に係る計測システムの一態様は、
前記計測装置の一態様と、
前記第1の観測点を観測する前記観測装置と、
前記第2の観測点を観測する前記観測装置と、を備える。
本発明に係る計測プログラムの一態様は、
移動体が構造物の経路を移動する第1方向に沿って並び、かつ、前記経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出ステップと、
前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出ステップと、
前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、
前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出ステップと、をコンピューターに実行させる。
計測システムの構成例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 センサー及び観測点の配置例を示す図。 加速度センサーが検出する加速度の説明図。 橋梁の上部構造の構造モデルの説明図。 橋梁の上部構造の構造モデルの説明図。 中央観測位置における規格化たわみ量の波形の一例を示す図。 橋梁の上部構造の構造モデルの説明図。 任意の位置における規格化たわみ量の波形の一例を示す図。 観測位置と最大振幅との関係を示す図。 観測位置と最大振幅となる荷重の位置との関係を示す図。 中央位置に対して線対称の2つの観測位置における規格化たわみ量の波形の一例を示す図。 中央位置に対して線対称の2つの観測位置における規格化たわみ量を加算した波形の一例を示す図。 観測位置と規格化たわみ量の最大振幅との関係を示す図。 中央位置の変位の推定波形の一例を示す図。 第1実施形態の計測方法の手順の一例を示すフローチャート図。 振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 計測装置の構成例を示す図。 第3実施形態におけるセンサー及び観測点の配置例を示す図。 第3実施形態におけるセンサー及び観測点の配置例を示す図。 第3実施形態における振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 第3実施形態における推定波形算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図。 第4実施形態における計測方法の手順の一例を示すフローチャート図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1−1.計測システム
以下では、構造物が橋梁の上部構造であり、移動体が車両である場合を例に挙げ、本実施形態の計測方法を実現するための計測システムについて説明する。本実施形態に係る橋梁を通過する車両は、鉄道車両、自動車、路面電車、建設車両、又は軍用車両等の重量が大きく、BWIM(Bridge Weigh in Motion)で計測可能な車両である。BWIMは、橋梁を「はかり」に見立て、橋梁の変形を計測することにより、橋梁を通行する車両の重量、軸数などを測定する技術である。変形やひずみなどの応答から通行する車両の重量を解析可能な橋梁の上部構造は、BWIMが機能する構造物であり、橋梁の上部構造への作用と応答の間の物理的なプロセスを応用するBWIMシステムが通行する車両の重量の計測を可能にする。
図1は、本実施形態に係る計測システムの一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る計測システム10は、計測装置1と、橋梁5の上部構造7に設けられる少なくとも1つのセンサー21と、少なくとも1つのセンサー22と、を有している。また、計測システム10は、サーバー2を有してもよい。
橋梁5は上部構造7と下部構造8からなり、上部構造7は、床板F、主桁G、不図示の横桁等からなる橋床7aと、支承7bと、を含む。下部構造8は、橋脚8aと、橋台8bと、を含む。上部構造7は、隣り合う橋台8bと橋脚8a、隣り合う2つの橋台8b、又は、隣り合う2つの橋脚8aのいずれか1つに渡された構造である。上部構造7の両端部は、隣り合う橋台8bと橋脚8aの位置、隣り合う2つの橋台8bの位置、又は、隣り合う2つの橋脚8aの位置にある。
計測装置1と各センサー21,22とは、例えば、不図示のケーブルで接続され、CAN(Controller Area Network)等の通信ネットワークを介して通信を行う。あるいは、
計測装置1と各センサー21,22とは、無線ネットワークを介して通信を行ってもよい。
例えば、各センサー21,22は、移動体である車両6の移動による上部構造7の変位を算出するためのデータを出力する。本実施形態では、各センサー21,22は加速度センサーであり、例えば、水晶加速度センサーであってもよいし、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサーであってもよい。
本実施形態では、各センサー21は上部構造7の長手方向の中央位置と第1の端部との間に設置され、各センサー22は上部構造7の長手方向の中央位置と第1の端部とは異なる第2の端部との間に設置されている。
上部構造7の床板Fや主桁G等は、上部構造7を走行する車両6による荷重によって、垂直方向下方に変形し、撓む。各センサー21,22は、上部構造7を走行する車両6の荷重による床板Fや主桁Gの撓みの加速度を検出する。
計測装置1は、各センサー21,22から出力される加速度データに基づいて、車両6の走行による上部構造7の撓みの変位を算出する。
計測装置1とサーバー2とは、例えば、携帯電話の無線ネットワーク及びインターネット等の通信ネットワーク4を介して、通信を行うことができる。計測装置1は、車両6の走行による上部構造7の変位等の情報をサーバー2に送信する。サーバー2は、当該情報を不図示の記憶装置に記憶し、例えば、当該情報に基づいて過積載の車両の監視や上部構造7の異常判定等の処理を行ってもよい。
なお、本実施形態では、橋梁5は、道路橋であり、例えば、鋼橋や桁橋、RC(Reinforced-Concrete)橋等である。
図2及び図3は、各センサー21,22の上部構造7への設置例を示す図である。なお、図2は、上部構造7をその上方から見た図であり、図3は、図2をA−A線又はB−B線で切断した断面図である。
図2及び図3に示すように、上部構造7は、移動体である車両6が移動し得る第1〜第Nの経路としてのN個のレーンL〜L、及びK個の主桁G〜Gを有している。ここで、N,Kはそれぞれ1以上の整数である。なお、図2及び図3の例では、主桁G〜Gの各位置がレーンL〜Lの各境界の位置と一致しており、N=K−1であるが、主桁G〜Gの各位置がレーンL〜Lの各境界の位置と一致している必要はなく、N≠K−1であってもよい。
図2及び図3の例では、レーンL〜Lは、上部構造7の第1の端部EA1から第2の端部EA2に至る。上部構造7のレーンL〜Lの長手方向の第1の端部EA1と中央位置CTとの間の位置において、主桁G〜GK−1のそれぞれにセンサー21が設けられ、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の位置において、主桁G〜GK−1のそれぞれにセンサー22が設けられている。図2及び図3の例では、N=K−1であり、主桁Gにセンサー21,22が設けられていないが、主桁Gにセンサー21,22が設けられ、主桁G〜GK−1のいずれか1つにセンサー21,22が設けられていなくてもよい。あるいは、N=Kであり、主桁G〜Gのそれぞれにセンサー21,22が設けられていてもよい。
なお、各センサー21,22を上部構造7の床板Fに設けると、走行車両によって破壊
するおそれがあり、また橋床7aの局部的な変形により測定精度が影響を受けるおそれがあるため、図2及び図3の例では、各センサー21,22は上部構造7の主桁G〜GK−1に設けられている。
本実施形態では、N個のセンサー21に対応付けてN個の観測点P〜Pがそれぞれ設定されている。観測点P〜Pは、車両6が上部構造7のレーンL〜Lのいずれかを移動する第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ上部構造7のN個の観測点である。図2及び図3の例では、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pは、第1の端部EA1と中央位置CTとの間の位置において、主桁Gに設けられたセンサー21の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたセンサー21は、観測点Pを観測する観測装置である。観測点Pを観測するセンサー21は、車両6の走行により観測点Pに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Pに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点P〜PはN個のセンサー21と1対1の関係にある。
また、本実施形態では、N個のセンサー22に対応付けてN個の観測点Q〜Qがそれぞれ設定されている。観測点Q〜Qは、車両6がレーンL〜Lのいずれかを移動する第1方向と交差する第3方向に沿って並ぶ上部構造7のN個の観測点である。図2及び図3の例では、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Qは、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の位置において、主桁Gに設けられたセンサー22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたセンサー22は、観測点Qを観測する観測装置である。観測点Qを観測するセンサー22は、車両6の走行により観測点Qに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Qに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点Q〜QはN個のセンサー22と1対1の関係にある。
本実施形態では、N個の観測点P〜Pは、それぞれレーンL〜Lに対応付けられている。同様に、N個の観測点Q〜Qは、それぞれレーンL〜Lに対応付けられている。1以上N以下の各整数jに対して、レーンLに対応付けて設定される観測点Pと観測点Qは、車両6がレーンLを移動する第1方向に沿って並び、かつ、レーンLの中央位置CTに対して線対称に設定されている。すなわち、観測点Pと観測点Qとの中間点Rが中央位置CT上にある。
図2及び図3の例では、第1方向は、上部構造7のレーンL〜Lに沿うX方向、すなわち、上部構造7の長手方向である。また、第2方向及び第3方向は、車両6が走行する上部構造7の走行面内においてX方向と直交するY方向、すなわち、上部構造7の幅員方向である。ただし、レーンL〜Lがそれぞれ曲線状である場合等は、第2方向及び第3方向は互いに一致しなくてもよい。また、第2方向及び第3方向は、第1方向と直交していなくてもよく、例えば、上部構造7の車両6が進入する側の端から観測点P〜Pまでの距離や、上部構造7の車両6が退出する側の端から観測点Q〜Qまでの距離が異なっていてもよい。なお、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pは「第1の観測点」の一例であり、観測点Qは「第2の観測点」の一例である。
なお、N個のセンサー21,22の数及び設置位置は、図2及び図3に示した例には限定されず種々の変形実施が可能である。
一例として、図4及び図5に、N=2の場合の各センサー21,22及び観測点P,P,Q,Qの配置例を示す。
図4は、上部構造7をその上方から見た図であり、図5は、図4をA−A線又はB−B
線で切断した断面図である。図4及び図5の例では、2個のセンサー21が、上部構造7のレーンL,Lの中央位置CTと第1の端部EA1との間の位置において主桁G,Gにそれぞれ設けられ、2個のセンサー22が、上部構造7の中央位置CTと第2の端部EA2との間の位置において主桁G,Gにそれぞれ設けられている。
レーンLに対応する観測点P,Qがそれぞれ主桁Gに設けられたセンサー21,22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。また、レーンLに対応する観測点P,Qがそれぞれ主桁Gに設けられたセンサー21,22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。
主桁Gに設けられたセンサー21は観測点Pを観測し、主桁Gに設けられたセンサー21は観測点Pを観測する。また、主桁Gに設けられたセンサー22は観測点Qを観測し、主桁Gに設けられたセンサー22は観測点Qを観測する。
観測点Pと観測点Qは、中央位置CTに対して線対称に設定されている。また、観測点Pと観測点Qは、中央位置CTに対して線対称に設定されている。すなわち、観測点Pと観測点Qとの中間点Rや観測点Pと観測点Qとの中間点Rが中央位置CT上にある。
計測装置1は、各センサー21,22から出力される加速度データに基づいて、第1方向であるX方向と、第2方向第3方向であるY方向とそれぞれ交差する第4方向の加速度を取得する。観測点P〜P,Q〜Qは、X方向及びY方向と直交する方向に撓むので、計測装置1は、撓みの加速度の大きさを正確に算出するために、X方向及びY方向と直交する第4方向、すなわち、床板Fの法線方向の加速度を取得するのが望ましい。
図6は、センサー21,22が検出する加速度を説明する図である。センサー21,22は、互いに直交する3軸の各軸方向に生じる加速度を検出する加速度センサーである。
車両6の走行による観測点P〜Pの撓みの加速度を検出するために、各センサー21は、3つの検出軸であるx軸、y軸、z軸のうち、1軸が第1方向及び第2方向と交差する方向となるように設置される。同様に、車両6の走行による観測点Q〜Qの撓みの加速度を検出するために、各センサー22は、3つの検出軸であるx軸、y軸、z軸のうち、1軸が第1方向及び第3方向と交差する方向となるように設置される。図2及び図3の例では、第1方向はX方向であり、第2方向及び第3方向はY方向であるから、各センサー21,22は、1軸がX方向及びY方向と交差する方向となるように設置される。観測点P〜Pは、X方向及びY方向と直交する方向に撓むので、撓みの加速度を正確に検出するために、理想的には、各センサー21は、1軸をX方向及びY方向と直交する方向、すなわち、床板Fの法線方向に合わせて設置される。同様に、観測点Q〜Qは、X方向及びY方向と直交する方向に撓むので、撓みの加速度を正確に検出するために、理想的には、各センサー22は、1軸をX方向及びY方向と直交する方向、すなわち、床板Fの法線方向に合わせて設置される。
ただし、各センサー21,22を上部構造7に設置する場合、設置場所が傾いている場合もある。計測装置1は、各センサー21,22の3つの検出軸の1軸が、床板Fの法線方向に合わせて設置されなくても、概ね法線方向に向いていることで誤差は小さく無視できる。また、計測装置1は、各センサー21,22の3つの検出軸の1軸が、床板Fの法線方向に合わせて設置されなくても、x軸、y軸、z軸の加速度を合成した3軸合成加速度によって、各センサー21,22の傾斜による検出誤差の補正を行うことができる。また、各センサー21,22は、少なくとも鉛直方向にほぼ平行な方向に生ずる加速度、あるいは、床板Fの法線方向の加速度を検出する1軸加速度センサーであってもよい。
本実施形態の計測方法では、計測装置1は、各センサー21,22が検出する加速度に基づいて、各レーンLの中央位置CTの変位、具体的には、観測点Pと観測点Qとの中間点Rの変位を推定する。以下、計測装置1が実行する本実施形態の計測方法の詳細について説明する。
1−2.橋床の中央位置におけるたわみ波形
橋梁5の上部構造7において、床板Fと主桁G〜Gなどで構成される橋床7aが1つ或いは複数の連続配置される構成として考え、1つの橋床7aの長手方向の中央位置のたわみ量について考察する。橋床7aに印加される荷重は橋床7aの一端から他端へ移動する。この時、荷重の橋床7a上の位置と荷重量を用いて、橋床7aの中央位置の変位であるたわみ量を表すことができる。本実施形態では、車両6の車軸が橋床7a上を移動するときのたわみ変形を、1点荷重の梁上の移動によるたわみ量の軌跡として表すために、図7に示す構造モデルを考え、当該構造モデルにおいて、中央位置におけるたわみ量を考察する。図7において、Pは荷重である。aは、車両6が進入する側の橋床7aの端からの荷重位置である。bは、車両6が退出する側の橋床7aの端からの荷重位置である。lは、橋床7aの両端の間の距離である。図7に示す構造モデルは、両端を支点とする両端を支持した単純梁である。
図7に示す構造モデルにおいて、車両6が進入する側の橋床7aの端の位置をゼロとしてたわみ量の観測位置をxとしたとき、単純梁の曲げモーメントMは式(1)で表される。
Figure 2021147820
式(1)において、関数Hは式(2)のように定義される。
Figure 2021147820
式(1)を変形し、式(3)が得られる。
Figure 2021147820
一方、曲げモーメントMは式(4)で表される。式(4)において、θは角度であり、Iは二次モーメントであり、Eはヤング率である。
Figure 2021147820
式(4)を式(3)に代入し、式(5)が得られる。
Figure 2021147820
式(5)を観測位置xについて積分する式(6)を計算し、式(7)が得られる。式(7)において、Cは積分定数である。
Figure 2021147820
Figure 2021147820
さらに、式(7)を観測位置xについて積分する式(8)を計算し、式(9)が得られる。式(9)において、Cは積分定数である。
Figure 2021147820
Figure 2021147820
式(9)において、θxはたわみ量を表し、θxをたわみ量wに置き換えて式(10)が得られる。
Figure 2021147820
図7より、b=l−aなので、式(10)は式(11)のように変形される。
Figure 2021147820
x=0でたわみ量w=0として、x≦aよりH=0であるから、式(11)にx=w=H=0を代入して整理すると、式(12)が得られる。
Figure 2021147820
また、x=lでたわみ量w=0として、x>aよりH=1であるから、式(11)にx=l,w=0,H=1を代入して整理すると、式(13)が得られる。
Figure 2021147820
式(13)にb=l−aを代入し、式(14)が得られる。
Figure 2021147820
式(10)に式(12)の積分定数C及び式(13)の積分定数Cを代入し、式(15)が得られる。
Figure 2021147820
式(15)を変形し、荷重Pが位置aに印加された時の観測位置xにおけるたわみ量wは、式(16)で表される。
Figure 2021147820
図8に、たわみ量の観測位置xが単純梁の中央位置に固定されている条件で、すなわちx=l/2の時に、荷重Pが単純梁の一端から他端へ移動する様子を示す。
荷重位置aが観測位置x=l/2よりも左側にある時、x>aよりH=1であるから、式(16)にx=l/2,H=1を代入し、式(17)が得られる。
Figure 2021147820
式(17)にl=a+bを代入して整理すると式(18)が得られる。
Figure 2021147820
式(18)にa+b=lを代入し、荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも左側にある場合の観測位置xのたわみ量wは式(19)のようになる。
Figure 2021147820
一方、荷重位置aが観測位置x=l/2よりも右側にある時、x≦aよりH=0であるから、式(16)にx=l/2,H=0を代入し、式(20)が得られる。
Figure 2021147820
式(20)にl=a+bを代入して整理すると、荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも右側にある場合の観測位置xのたわみ量wは式(21)のようになる。
Figure 2021147820
また、荷重位置aが観測位置x=l/2と同じである時、x≦aよりH=0であるから、式(16)にH=0,a=b=l/2を代入して整理すると、式(22)が得られる。
Figure 2021147820
さらに、式(22)にa=l/2を代入すると、荷重Pの位置が中央の観測位置と同じである場合の観測位置xのたわみ量wは式(23)のようになる。
Figure 2021147820
両端支点の単純梁では、荷重Pが中央にある場合が最大たわみ変位となるので、式(23)より、最大たわみ量wmaxは式(24)で表される。
Figure 2021147820
荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも左側にある場合の観測位置xのたわみ量wを最大たわみ量wmaxで除算して最大たわみ量wmaxで規格化すると、式(19)及び式(24)より、式(25)が得られる。
Figure 2021147820
式(25)においてa/l=rと置くと式(26)が得られる。
Figure 2021147820
一方、荷重Pの位置が中央の観測位置x=l/2よりも右側にある場合の観測位置xのたわみ量wを最大たわみ量wmaxで除算して最大たわみ量wmaxで規格化すると、式(21)及び式(24)より、式(27)が得られる。
Figure 2021147820
ここで、a/l=r,a+b=lより、b=l×(1−r)であるから、式(27)にb=l×(1−r)を代入し、式(28)が得られる。
Figure 2021147820
式(25)、式(27)とまとめて、単純梁上を荷重Pが移動する際に梁の中央位置で観測される最大たわみ量で規格化された規格化たわみ量wstdBは、式(29)で表される。
Figure 2021147820
式(29)において、r=a/l,1−r=b/lは、単純梁の支点間の距離lに対する荷重Pの位置の比を示す。
図9に、観測位置x=l/2の場合の規格化たわみ量wstdBの波形の一例を示す。図9において、横軸は荷重Pの位置であり、縦軸は振幅である。図9の例では、単純梁の支点間の距離l=1である。
1−3.橋床の中央位置以外の任意の位置におけるたわみ波形
次に、たわみ量の観測位置xが単純梁の中央位置以外の任意の位置である場合について考察する。図10に、たわみ量の観測位置xが単純梁の任意の位置に固定されている条件
で、荷重Pが単純梁の一端から他端へ移動する様子を示す。
観測位置xが任意の位置である場合は、荷重位置aが任意の観測位置xよりも左側にある時、x>aよりH=1であるから、前述の式(16)にH=1を代入し、式(30)が得られる。
Figure 2021147820
式(30)で表される任意の観測位置xのたわみ量wを前述の式(24)で表される、観測位置が中央位置である場合の最大たわみ量wmaxで除算し、単純梁上を荷重Pが移動する際に梁の中央位置で観測される最大たわみ量wmaxで規格化された規格化たわみ量wstdAは、式(31)で表される。
Figure 2021147820
式(31)にa+b=lを代入し、荷重Pの位置が任意の観測位置xよりも左側にある場合の観測位置xの規格化たわみ量wstdAは式(32)のようになる。
Figure 2021147820
式(32)を、単純梁の支点間の距離lに対する荷重Pの位置の比r=a/lを用いて表すと、式(33)が得られる。
Figure 2021147820
一方、荷重位置aが任意の観測位置xよりも右側にある時、x<aよりH=0であるから、式(16)にH=0を代入し、式(34)が得られる。
Figure 2021147820
式(34)で表される任意の観測位置xのたわみ量wを前述の式(24)で表される最大たわみ量wmaxで除算し、単純梁上を荷重Pが移動する際に梁の中央位置で観測される最大たわみ量wmaxで規格化された規格化たわみ量wstdAは、式(35)で表される。
Figure 2021147820
式(35)にa+b=l、r=a/lを代入し、荷重Pの位置が任意の観測位置xよりも右側にある場合の観測位置xの規格化たわみ量wstdAは式(36)のようになる。
Figure 2021147820
式(33)と式(36)をまとめて、単純梁上を荷重Pが移動する際に中央位置以外の任意の観測位置xで観測される規格化たわみ量wstdAは、式(37)で表される。
Figure 2021147820
式(37)において、変数R(r)は式(38)によって定義される。
Figure 2021147820
図11に、観測位置xが0.1、0.2、0.3、0.4の各々である場合の規格化たわみ量wstdAの波形を示す。図11には、観測位置x=0.5、すなわち、観測位置が中央位置である場合の規格化たわみ量wstdBの波形も示されている。図11において、横軸はr=a/lであり、縦軸は振幅である。また、図11に示す4つの規格化たわみ量wstdA及び規格化たわみ量wstdBについて、図12に観測位置と最大振幅との関係を示し、図13に観測位置と最大振幅となる時の荷重Pの位置r=a/lとの関係を示す。
図11及び図12に示すように、観測位置が中央位置である場合の規格化たわみ量wstdBは、荷重Pの位置が観測位置xと一致するとき、すなわちr=0.5のときに最大振幅1となる。これに対して、観測位置x=0.1、0.20、0.3、0.4の各場合の規格化たわみ量wstdAは、荷重Pが観測位置と中央位置の間の所定位置にあるときに1よりも小さい最大振幅となる。また、観測位置が中央位置から離れるほど最大振幅が小さくなる。
また、図11及び図13に示すように、観測位置が中央位置である場合の規格化たわみ量wstdBが最大振幅1となる荷重Pの位置は、中央位置と一致する。これに対して、観測位置x=0.1、0.20、0.3、0.4の各場合の規格化たわみ量wstdAが最大振幅となる荷重Pの位置は、中央位置よりも手前にある。また、観測位置が中央位置から離れるほど、規格化たわみ量wstdAが最大振幅となる荷重Pの位置も中央位置か
ら離れた位置となる。
1−4.橋床の中央位置の推定波形の算出
上部構造7のレーンLの長手方向の両端を単純梁の両端に対応させると、前述の式(29)で表される規格化たわみ量wstdBは、構造物である上部構造7の構造モデルに基づくレーンLの中央位置CTのたわみの近似式である。また、式(29)は、上部構造7の構造モデルに基づく中央位置におけるたわみの最大振幅で規格化された式であり、最大値が1となる。
一方、観測点P,Qは、レーンLの中央位置CTに対して線対称に設定されるため、中央位置CT以外の位置にある。したがって、上部構造7のレーンLの長手方向の両端を単純梁の両端に対応させ、観測点Pを観測位置xに対応させると、前述の式(37)で表される規格化たわみ量wstdAは、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく観測点Pのたわみの近似式である。同様に、上部構造7のレーンLの長手方向の両端を単純梁の両端に対応させ、観測点Qを観測位置xに対応させると、前述の式(37)で表される規格化たわみ量wstdAは、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく観測点Qのたわみの近似式である。また、式(37)は、上部構造7の構造モデルに基づく中央位置におけるたわみの最大振幅で規格化された式であり、最大値が1よりも小さくなる。
観測点P,Qは、レーンLの中央位置CTに対して線対称に設定されるため、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置とする規格化たわみ量wstdAとは、r=0.5に対して線対称の波形となる。したがって、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置とする規格化たわみ量wstdAとを加算した合成波形は、r=0.5の時に最大振幅となる。
図14に、観測位置x=0.1,0.2,0.3,0.4,0.6,0.7,0.8,0,9の各場合の規格化たわみ量wstdAの波形を示す。また、図15に、図14に示すそれぞれ線対称である2つの規格化たわみ量wstdAを加算した合成波形を示す。図14及び図15において、横軸はr=a/lであり、縦軸は振幅である。図14に示すように、観測点Pを観測位置x=0.1とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置x=0.9とする規格化たわみ量wstdAとは、r=0.5に対して線対称の波形となっている。また、観測点Pを観測位置x=0.2とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置x=0.8とする規格化たわみ量wstdAとは、r=0.5に対して線対称の波形となっている。また、観測点Pを観測位置x=0.3とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置x=0.7とする規格化たわみ量wstdAとは、r=0.5に対して線対称の波形となっている。また、観測点Pを観測位置x=0.4とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置x=0.6とする規格化たわみ量wstdAとは、r=0.5に対して線対称の波形となっている。そして、図15に示すように、r=0.5に対して線対称の波形となる2つの規格化たわみ量wstdAを加算した合成波形は、r=0.5の時に最大振幅となる。
図15に示す合成波形と図9に示した規格化たわみ量wstdBとは、振幅が異なるものの似ている。したがって、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置とする規格化たわみ量wstdAとを加算した合成波形をその最大振幅に等しい振幅係数wrjで除算して、最大振幅が1となるように規格化した合成波形は、規格化たわみ量wstdBと良く近似する。このことは、車両6がレーンLを走行することによって生じる観測点Pの変位と観測点Qの変位との和を振幅係数wrjで除算した値は、中央位置CT上にある観測点Pと観測点Qとの中間点Rの変位とほぼ等しいことを意味する。
前述の通り、本実施形態では、各レーンLの中央位置CTを観測するセンサーは設けられていないため、センサーの出力データに基づいて直接的に中央位置CTの変位を算出することはできない。一方、観測点Pの変位の計測波形である変位波形U1j(t)は、観測点Pを観測するセンサー21が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分することによって得られる。同様に、観測点Qの変位の計測波形である変位波形U2j(t)は、観測点Qを観測するセンサー22が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分することによって得られる。したがって、式(39)のように、変位波形U1j(t)と変位波形U2j(t)とを加算した波形を振幅係数wrjで除算することによって、中央位置CT上にある中間点Rの変位の推定波形Uestj(t)が得られる。なお、変位波形U1j(t)は「第1の計測波形」の一例であり、変位波形U2j(t)は「第2の計測波形」の一例である。
Figure 2021147820
ここで、図12に示した任意の観測位置と規格化たわみ量wstdAの最大振幅との関係を示すグラフは、図9に示した中央位置を観測位置とした時の規格化たわみ量wstdBの波形の左半分と近似している。実際、図16に示すように、実線で示す観測位置xにおける規格化たわみ量wstdAの最大振幅のグラフと、破線で示す規格化たわみ量wstdBの波形とはよく近似している。すなわち、式(29)において、rに観測点Pに対応する観測位置xを代入することで、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAの最大振幅が算出される。なお、観測点Qを観測位置とする規格化たわみ量wstdAの最大振幅は、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAの最大振幅と同じである。
また、図13に示したように、規格化たわみ量wstdAが最大振幅となる荷重Pの位置は、任意の観測位置に対してr=0.4以上であることから、中央位置に近い位置にある。そのため、任意の観測位置に対して荷重Pが中央位置にある時の規格化たわみ量wstdAの振幅は最大振幅とほぼ等しいと考えてもよい。したがって、本実施形態では、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置とする規格化たわみ量wstdAとを加算した合成波形の最大振幅は、式(29)において、rに観測点Pに対応する観測位置xを代入して得られる振幅の2倍であるものとする。そして、前述の通り、振幅係数wrjは、観測点Pを観測位置とする規格化たわみ量wstdAと、観測点Qを観測位置とする規格化たわみ量wstdAとを加算した合成波形の最大振幅に等しいので、式(40)によって振幅係数wrjが得られる。
Figure 2021147820
観測点Pに対応する観測位置xは、観測点Pと第1の端部EA1との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比であり、観測位置xは、観測点Qと第2の端部EA2との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比に等しい。この観測位置xは既知であり、計測装置1は、観測位置xを式(40)に代入することにより、振幅係数wrjを算出することができる。そして、計測装置1は、算出した振幅係数wrjを式(39)に代入し、中央位置CT上の中間点Rの変位の推定波形Uestj(t)を算出することができる。
図17に、観測点Pに対応する観測位置がxが0.25である場合において、中間点Rの変位の推定波形Uestj(t)の一例を実線で示す。図17には、観測点Pの変位波形U1j(t)が破線で示され、観測点Qの変位波形U2j(t)が点線で示されている。また、図17には、実験的に中間点Rに変位計を設置して計測された変位波形U(t)も一点鎖線で示されている。図17において、横軸は時間であり、縦軸は変位である。図17に示すように、推定波形Uestj(t)は実測された変位波形U(t)と良く近似している。
1−5.計測方法
図18は、第1実施形態の計測方法の手順の一例を示すフローチャート図である。本実施形態では、計測装置1が図27に示す手順を実行する。
図18に示すように、まず、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pの物理量としての変位の計測波形である変位波形U1j(t)を算出する(ステップS1)。前述の通り、観測点Pを観測するセンサー21は加速度センサーであり、センサー21による観測情報は、観測点Pに生じた加速度の検出情報である。計測装置1は、センサー21が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分して変位波形U1j(t)を算出する。このステップS1は第1の計測波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qの物理量としての変位の計測波形である変位波形U2j(t)を算出する(ステップS2)。前述の通り、観測点Qを観測するセンサー22は加速度センサーであり、センサー22による観測情報は、観測点Qに生じた加速度の検出情報である。計測装置1は、センサー22が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分して変位波形U2j(t)を算出する。このステップS2は第2の計測波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離に基づいて、振幅係数wrjを算出する(ステップS3)。具体的には、計測装置1は、中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、振幅係数wrjを算出する。このステップS3は振幅係数算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、ステップS1で算出した変位波形U1j(t)とステップS2で算出した変位波形U2j(t)とを加算した波形を、ステップS3で算出した振幅係数wrjで除算し、中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)を算出する(ステップS4)。具体的には、計測装置1は、前述の式(39)により、中央位置CT上の観測点Pと観測点Qとの中間点Rの変位の推定波形Uestj(t)を算出する。このステップS4は、推定波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、ステップS4で算出した推定波形Uestj(t)をサーバー2に出力する(ステップS5)。このステップS5は、出力ステップである。
計測装置1は、計測を終了するまで(ステップS6のN)、ステップS1〜S5の処理を繰り返し行う。
図19は、図18のステップS3である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図19に示すように、まず、計測装置1は、整数jを1に設定し(ステップS301)、レーンLを走行した車両6があった場合は(ステップS302のY)、中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、振幅係数wrjを算出する(ステップS303)。具体的には、計測装置1は、中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離から算出される既知の観測位置xを前述の式(40)に代入して振幅係数wrjを算出する。
計測装置1は、レーンLを走行した車両6がなかった場合は(ステップS302のN)、ステップS303の処理を行わない。
計測装置1は、整数jがNでない場合は(ステップS304のN)、整数jに1を加算し(ステップS305)、ステップS302,S303の処理を繰り返し行う。
そして、整数jがNになると(ステップS304のY)、計測装置1は振幅係数算出ステップの処理を終了する。
1−6.計測装置の構成
図20は、第1実施形態における計測装置1の構成例を示す図である。図20に示すように、計測装置1は、制御部110と、第1通信部120と、記憶部130と、第2通信部140と、操作部150と、を有している。
制御部110は、上部構造7に設置された各センサー21,22から出力される加速度データに基づいて、橋床7aの変位等を算出する。
第1通信部120は、各センサー21,22から、加速度データを受信する。各センサー21,22から出力される加速度データは、例えば、デジタル信号である。第1通信部120は、各センサー21,22から受信した加速度データを制御部110に出力する。
記憶部130は、制御部110が計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶するメモリーである。また、記憶部130は、制御部110が所定のアプリケーション機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶している。記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク、メモリーカードなどの記録媒体等により構成される。
記憶部130は、コンピューターにより読み取り可能な装置や媒体である不揮発性の情報記憶装置を含み、各種のプログラムやデータ等は当該情報記憶装置に記憶されていてもよい。情報記憶装置は、光ディスクDVD、CD等の光ディスク、ハードディスクドライブ、或いはカード型メモリーやROM等の各種のメモリー等であってもよい。また、制御部110が通信ネットワーク4を介して各種のプログラムやデータ等を受信して記憶部130に記憶させてもよい。
第2通信部140は、通信ネットワーク4を介して、制御部110の計算結果等の情報をサーバー2に送信する。
操作部150は、ユーザーからの操作データを取得し、制御部110に送信する処理を
行う。
制御部110は、第1の計測波形算出部111と、第2の計測波形算出部112と、振幅係数算出部113と、推定波形算出部114と、出力処理部115と、を備えている。
第1の計測波形算出部111は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pの物理量としての変位の計測波形である変位波形U1j(t)を算出する処理を行う。すなわち、第1の計測波形算出部111は、図18における第1の計測波形算出ステップの処理を行う。第1の計測波形算出部111が算出した変位波形U11(t)〜U1N(t)は、記憶部130に記憶される。
第2の計測波形算出部112は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qの物理量としての変位の計測波形である変位波形U2j(t)を算出する処理を行う。すなわち、第2の計測波形算出部112は、図18における第2の計測波形算出ステップの処理を行う。第2の計測波形算出部112が算出した変位波形U21(t)〜U2N(t)は、記憶部130に記憶される。
振幅係数算出部113は、1以上N以下の各整数jに対して、レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離に基づいて、振幅係数wrjを算出する処理を行う。すなわち、振幅係数算出部113は、図18における振幅係数算出ステップの処理を行う。具体的には、振幅係数算出部113は、中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、振幅係数wrjを算出する。振幅係数算出部113が算出した振幅係数wr1〜wrNは、記憶部130に記憶される。また、中央位置CTのたわみの近似式は、あらかじめ記憶部130に記憶されている。さらに、レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離を特定可能な情報も、あらかじめ記憶部130に記憶されている。当該距離を特定可能な情報は、例えば、当該距離そのものであってもよいし、観測点Pと第1の端部EA1との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比であってもよいし、観測点Qと第2の端部EA2との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比であってもよい。
推定波形算出部114は、1以上N以下の各整数jに対して、第1の計測波形算出部111が算出した変位波形U1j(t)と第2の計測波形算出部112が算出した変位波形U2j(t)とを加算した波形を、振幅係数算出部113が算出した振幅係数wrjで除算し、中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)を算出する処理を行う。すなわち、推定波形算出部114は、図18における推定波形算出ステップの処理を行う。推定波形算出部114が算出した推定波形Uest1(t)〜UestN(t)は、記憶部130に記憶される。
出力処理部115は、1以上N以下の各整数jに対して、推定波形算出部114が算出した推定波形Uestj(t)を、第2通信部140を介してサーバー2に出力する処理を行う。すなわち、出力処理部115は、図18における出力ステップの処理を行う。
本実施形態では、制御部110は、記憶部130に記憶された各種のプログラムを実行するプロセッサーであり、記憶部130に記憶された計測プログラム131を実行することにより、第1の計測波形算出部111、第2の計測波形算出部112、振幅係数算出部113、推定波形算出部114、出力処理部115の各機能を実現する。換言すれば、計測プログラム131は、図18に示したフローチャートの各手順を、コンピューターであ
る計測装置1に実行させるプログラムである。
プロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等であってもよい。ただし、制御部110は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのカスタムIC(Integrated Circuit)として構成され、各部の機能を実現してもよいし、CPUとASICとによって各部の機能を実現してもよい。
1−7.作用効果
以上に説明した第1実施形態の計測方法では、計測装置1は、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pの変位波形U1j(t)を算出する。また、計測装置1は、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qの変位波形U2j(t)を算出する。また、計測装置1は、各レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離に基づいて、振幅係数wrjを算出する。具体的には、計測装置1は、中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、式(40)によって振幅係数wrjを算出する。そして、計測装置1は、変位波形U1j(t)と変位波形U2j(t)とを加算した波形を振幅係数wrjで除算し、各レーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)を算出する。したがって、第1実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、各レーンLに対して、車両6が移動する橋梁5の上部構造7の各レーンLの中央位置CTを観測せずに、中央位置CTの変位を推定することができる。そのため、例えば、上部構造7の構造や設置場所等に起因する何らかの事情によって中央位置CTにセンサーを設けることが難しい場合においても、計測装置1は、中央位置CTの変位を推定することができる。
また、第1実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、変位計や歪計よりも設置の自由度が高く、容易に設置可能な加速度センサーである各センサー21,22を用いて中央位置CTの変位を推定することができるので、計測システム10のコストダウンを図ることができる。
また、第1実施形態の計測方法によれば、計測装置1は、上部構造7を通過する車両6の車軸重量による上部構造7の変形である変位波形を算出することができるため、上部構造7の損傷を予測するための橋梁5の維持管理のために十分な情報を提供することができる。
2.第2実施形態
第2実施形態の計測方法では、各レーンLに対して、推定波形Uestj(t)に含まれるノイズが変位波形U1j(t),U2j(t)に含まれるノイズよりも大きくならないように、観測点P及び観測点Qの位置を制限する。以下、第2実施形態の計測方法について、第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態と異なる内容について説明する。
観測点Pの変位波形U1j(t)に含まれるノイズをgσ1とし、観測点Qの変位波形U2j(t)に含まれるノイズをgσ2とする。このノイズをgσ1,gσ2として、非相関な信号であるガウスノイズを想定する。
変位波形U1j(t)と変位波形U2j(t)とを加算した波形に含まれるノイズをgσsとし、ノイズをgσsとノイズgσ1,gσ2との間には式(41)の関係が満たされるものとする。
Figure 2021147820
観測点Pを観測するセンサー21と観測点Qを観測するセンサー22とが同じ種類のセンサーであり、ノイズgσ1とノイズgσ2とがほぼ等しいものとすると、式(41)のgσ2にgσ1を代入し、式(42)が得られる。式(42)より、ノイズgσsは、ノイズgσ1の√2倍になると仮定することができる。
Figure 2021147820
中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)は、前述の式(39)により、変位波形U1j(t)と変位波形U2j(t)とを加算した波形を振幅係数wrjで除算して得られるので、推定波形Uestj(t)に含まれるノイズは、ノイズgσ1の√2/wrj倍である。したがって、√2/wrjが1以下である場合、すなわち、式(43)が満たされる場合に、推定波形Uestj(t)に含まれるノイズが変位波形U1j(t),U2j(t)に含まれるノイズgσ1,gσ2よりも大きくならないことになる。
Figure 2021147820
の値域は0以上0.5未満であるので、式(43)より、式(44)が導かれる。
Figure 2021147820
前述の通り、観測点Pに対応する観測位置xは、観測点Pと第1の端部EA1との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比であり、観測位置xは、観測点Qと第2の端部EA2との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比に等しい。本実施形態では、この比が0.258819045以上0.5未満であるように、観測点P,Qが設定される。
以上に説明した第2実施形態の計測方法によれば、各レーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)に含まれるノイズが、観測点Pの変位波形U1j(t)に含まれるノイズと観測点Qの変位波形U2j(t)に含まれるノイズの総量よりも大きくならないので、中央位置CTの変位の推定精度の低下を抑制することができる。特に、観測点P,Qと中央位置CTとの距離を小さくするほど、推定波形Uestj(t)に含まれるノイズ成分が低減されるので、中央位置CTの変位の推定精度を向上させることができる。
その他、第2実施形態の計測方法によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
3.第3実施形態
第3実施形態の計測方法では、各レーンLの中央位置CTに対してそれぞれ線対称である複数組の観測点P,Qの対を設定し、中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)の算出精度を向上させる。以下、第3実施形態の計測方法について、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態又は第2実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態及び第2実施形態と異なる内容について説明する。
図21は、各センサー21,22の上部構造7への設置例を示す図である。なお、図21は、上部構造7をその上方から見た図である。
図21の例では、各レーンLに対して、第1の端部EA1と中央位置CTとの間の所定の位置において、主桁G〜GK−1のそれぞれにn個のセンサー21が設けられ、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の所定の位置において、主桁G〜GK−1のそれぞれにn個のセンサー22が設けられている。nは、2以上の整数である。なお、図21の例では、主桁G〜Gの各位置がレーンL〜Lの各境界の位置と一致しており、N=K−1であり、上部構造7にはN×n個のセンサー21及びN×n個のセンサー22が設けられている。ただし、主桁G〜Gの各位置がレーンL〜Lの各境界の位置と一致している必要はなく、N≠K−1であってもよい。
図21の例では、主桁Gに設けられたn個のセンサー21に対応付けてn個の観測点Pj_1〜Pj_nがそれぞれ設定されている。n個の観測点Pj_1〜Pj_nは、第1の端部EA1と中央位置CTとの間の位置において、主桁Gに設けられたn個のセンサー21の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたn個のセンサー21は、n個の観測点Pj_1〜Pj_nを観測する観測装置である。観測点Pj_1〜Pj_nを観測するn個のセンサー21は、車両6の走行により観測点Pj_1〜Pj_nに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Pj_1〜Pj_nに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点Pj_1〜Pj_nはn個のセンサー21と1対1の関係にある。
また、主桁Gに設けられたn個のセンサー22に対応付けてn個の観測点Qj_1〜Qj_nがそれぞれ設定されている。n個の観測点Qj_1〜Qj_nは、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の位置において、主桁Gに設けられたn個のセンサー22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。すなわち、主桁Gに設けられたn個のセンサー22は、n個の観測点Qj_1〜Qj_nを観測する観測装置である。観測点Qj_1〜Qj_nを観測するn個のセンサー22は、車両6の走行により観測点Qj_1〜Qj_nに生じる加速度を検出可能な位置に設けられていればよいが、観測点Qj_1〜Qj_nに近い位置に設けられることが望ましい。このように、観測点Qj_1〜Qj_nはn個のセンサー22と1対1の関係にある。
なお、1以上n以下の各整数iに対して、観測点P1_i〜PN_iは、車両6がレーンL〜Lのいずれかを移動する第1方向と交差する第4方向、すなわち上部構造7の幅員方向に沿って並んでいてもよい。同様に、観測点Q1_i〜QN_iは、車両6がレーンL〜Lのいずれかを移動する第1方向と交差する第4方向、すなわち上部構造7の幅員方向に沿って並んでいてもよい。
本実施形態では、1以上N以下の各整数jに対して、n個の観測点Pj_1〜Pj_nは、レーンLに対応付けられている。同様に、n個の観測点Qj_1〜Qj_nは、レーンLに対応付けられている。1以上n以下の各整数iに対して、レーンLに対応付
けて設定される観測点Pj_iと観測点Qj_iは、車両6がレーンLを移動する第1方向、すなわち上部構造7の長手方向であるX方向に沿って並び、かつ、レーンLの中央位置CTに対して線対称に設定されている。すなわち、観測点Pj_i及び観測点Qj_iは、レーンLの中央位置CTに対して線対称に設定された観測点対であり、観測点Pj_iと観測点Qj_iとの中間点Rが中央位置CT上にある。このように、本実施形態では、各レーンLに対して、中央位置CTに対して線対称であるn組の観測点対が設定されている。
なお、1以上N以下の各整数j及び1以上n以下の各整数iに対して、観測点Pj_iと観測点Qj_iの対は「第iの観測点対」の一例であり、観測点Pj_iは「第2i−1の観測点」の一例であり、観測点Qj_iは「第2iの観測点」の一例である。
なお、N×n個のセンサー21の数及び設置位置、N×n個のセンサー22の数及び設置位置は、図21に示した例には限定されず種々の変形実施が可能である。
一例として、図22に、N=2,n=2の場合の各センサー21,22及び観測点P1_1,P1_2,P2_1,P2_2,Q1_1,Q1_2,Q2_1,Q2_2の配置例を示す。図22は、上部構造7をその上方から見た図である。
図22の例では、第1の端部EA1と中央位置CTとの間の位置において、2個のセンサー21が主桁Gに設けられ、2個のセンサー21が主桁Gに設けられている。また、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の位置において、2個のセンサー22が主桁Gに設けられ、2個のセンサー22が主桁Gに設けられている。
レーンLに対応する観測点P1_1,P1_2が主桁Gに設けられた2個のセンサー21の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定され、レーンLに対応する観測点P2_1,P2_2が主桁Gに設けられた2個のセンサー21の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。また、レーンLに対応する観測点Q1_1,Q1_2が主桁Gに設けられた2個のセンサー22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定され、レーンLに対応する観測点Q2_1,Q2_2が主桁Gに設けられた2個のセンサー22の鉛直上方向にある床板Fの表面の位置に設定されている。
主桁Gに設けられた2個のセンサー21は観測点P1_1,P1_2を観測し、主桁Gに設けられた2個のセンサー21は観測点P2_1,P2_2を観測する。また、主桁Gに設けられた2個のセンサー22は観測点Q1_1,Q1_2を観測し、主桁Gに設けられた2個のセンサー22は観測点Q2_1,Q2_2を観測する。
1以上N以下の各整数jに対して、n個の観測点Pj_1〜Pj_n及びn個の観測点Qj_1〜Qj_nは、X方向及びY方向と直交する方向に撓むので、計測装置1は、撓みの加速度の大きさを正確に算出するために、X方向及びY方向と直交する第5方向、すなわち、床板Fの法線方向の加速度を取得するのが望ましい。
本実施形態では、前述の式(30)〜式(36)に対して、中央位置以外の観測位置xをn個の観測位置x(1)〜x(n)のそれぞれに対応させ、1以上n以下の各整数iに対して、単純梁上を荷重Pが移動する際に中央位置以外の観測位置x(i)で観測される規格化たわみ量wstdA(i)は、前述の式(37)のxをx(i)に置き換えることにより、式(45)で表される。
Figure 2021147820
式(45)において、変数R(r)は、前述の式(38)より、式(46)によって定義される。
Figure 2021147820
観測点Pj_iの変位の計測波形である変位波形U1(i)j(t)は、観測点Pj_iを観測するセンサー21が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分することによって得られる。同様に、観測点Qj_iの変位の計測波形である変位波形U2(i)j(t)は、観測点Qj_iを観測するセンサー22が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分することによって得られる。したがって、式(47)のように、変位波形U1(i)j(t)と変位波形U2(i)j(t)とを加算した波形を振幅係数wr(i)jで除算することによって、中央位置CT上にある中間点Rの変位の推定波形Uest(i)j(t)が得られる。振幅係数wr(i)jは、観測点Pj_iを観測位置とする規格化たわみ量wstdA(i)と、観測点Qj_iを観測位置とする規格化たわみ量wstdA(i)とを加算した合成波形の最大振幅に等しい。推定波形Uest(i)j(t)は、観測点Pj_i,Qj_iの位置及び車両6のレーンLの走行による観測点Pj_i,Qj_iの変位に基づいて推定される中央位置CT上の中間点Rの変位波形である。
なお、変位波形U1(i)j(t)は「第2i−1の計測波形」の一例であり、変位波形U2(i)j(t)は「第2iの計測波形」の一例である。また、振幅係数wr(i)jは「第iの振幅係数」の一例であり、推定波形Uest(i)j(t)は「第iの推定波形」の一例である。
Figure 2021147820
本実施形態では、観測点Pj_iを観測位置とする規格化たわみ量wstdA(i)と、観測点Qj_iを観測位置とする規格化たわみ量wstdA(i)とを加算した合成波形の最大振幅は、前述の式(29)において、rに観測点Pj_iに対応する観測位置xijを代入して得られる振幅の2倍であるものとする。そして、前述の通り、振幅係数wr(i)jは、観測点Pj_iを観測位置とする規格化たわみ量wstdA(i)と、観測点Qj_iを観測位置とする規格化たわみ量wstdA(i)とを加算した合成波形の最大振幅に等しいので、式(48)によって振幅係数wr(i)jが得られる。
Figure 2021147820
観測点Pj_iに対応する観測位置xijは、観測点Pj_iと第1の端部EA1との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比であり、観測位置xijは、観測点Qj_iと第2の端部EA2との距離と、第1の端部EA1と第2の端部EA2との距離との比に等しい。この観測位置xijは既知であり、計測装置1は、観測位置xijを式(48)に代入することにより、振幅係数wr(i)jを算出することができる。そして、計測装置1は、算出した振幅係数wr(i)jを式(47)に代入し、中央位置CT上の中間点Rの変位の推定波形Uest(i)j(t)を算出することができる。
さらに、計測装置1は、式(49)のように、式(47)によって得られるn個の推定波形Uest(1)j(t)〜Uest(n)j(t)を平均してレーンLの中央位置CT上の中間点Rの変位の推定波形Uestj(t)を算出する。
Figure 2021147820
図23は、第3実施形態において、図18のステップS3である振幅係数算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図23に示すように、まず、計測装置1は、整数jを1に設定し(ステップS321)、レーンLを走行した車両6があった場合は(ステップS322のY)、整数iを1に設定し(ステップS323)、中央位置CTと観測点Pj_i又は観測点Qj_iとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、振幅係数wr(i)jを算出する(ステップS324)。具体的には、計測装置1は、中央位置CTと観測点Pj_i又は観測点Qj_iとの距離から算出される既知の観測位置xijを式(48)に代入して振幅係数wr(i)jを算出する。
計測装置1は、整数iがnでない場合は(ステップS325のN)、整数iに1を加算し(ステップS326)、ステップS324の処理を繰り返し行う。
計測装置1は、レーンLを走行した車両6がなかった場合は(ステップS322のN)、ステップS323〜S326の処理を行わない。
整数iがnになると(ステップS325のY)、計測装置1は、整数jがNでない場合は(ステップS327のN)、整数jに1を加算し(ステップS328)、ステップS322〜S326の処理を繰り返し行う。
そして、整数jがNになると(ステップS327のY)、計測装置1は振幅係数算出ステップの処理を終了する。
図24は、第3実施形態において、図18のステップS4である推定波形算出ステップの手順の一例を示すフローチャート図である。
図24に示すように、まず、計測装置1は、整数jを1に設定し(ステップS421)、レーンLを走行した車両6があった場合は(ステップS422のY)、整数iを1に設定し(ステップS324)、観測点Pj_iの変位波形U1(i)j(t)と観測点Qj_iの変位波形U2(i)j(t)とを加算した波形を振幅係数wr(i)jで除算し
、レーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uest(i)j(t)を算出する(ステップS424)。
計測装置1は、整数iがnでない場合は(ステップS425のN)、整数iに1を加算し(ステップS426)、ステップS424の処理を繰り返し行う。
整数iがnになると(ステップS425のY)、計測装置1は、推定波形Uest(1)j(t)〜Uest(n)j(t)を平均してレーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)を算出する(ステップS427)。
計測装置1は、レーンLを走行した車両6がなかった場合は(ステップS422のN)、ステップS423〜S427の処理を行わない。
計測装置1は、整数jがNでない場合は(ステップS428のN)、整数jに1を加算し(ステップS429)、ステップS422〜S427の処理を繰り返し行う。
そして、整数jがNになると(ステップS428のY)、計測装置1は推定波形算出ステップの処理を終了する。
本実施形態では、第1の計測波形算出部111は、1以上N以下の各整数j及び1以上n以下の各整数iに対して、観測点Pj_iを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pj_iの物理量としての変位の計測波形である変位波形U1(i)j(t)を算出する処理を行う。第1の計測波形算出部111が算出した変位波形U1(1)1(t)〜U1(n)N(t)は、記憶部130に記憶される。
また、第2の計測波形算出部112は、1以上N以下の各整数j及び1以上n以下の各整数iに対して、観測点Qj_iを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qj_iの物理量としての変位の計測波形である変位波形U2(i)j(t)を算出する処理を行う。第2の計測波形算出部112が算出した変位波形U2(1)1(t)〜U2(n)N(t)は、記憶部130に記憶される。
また、振幅係数算出部113は、1以上N以下の各整数j及び1以上n以下の各整数iに対して、レーンLの中央位置CTと観測点Pj_i又は観測点Qj_iとの距離に基づいて、振幅係数wr(i)jを算出する処理を行う。具体的には、振幅係数算出部113は、中央位置CTと観測点Pj_i又は観測点Qj_iとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、振幅係数wr(i)jを算出する。振幅係数算出部113が算出した振幅係数wr(1)1〜wr(n)Nは、記憶部130に記憶される。
また、推定波形算出部114は、1以上N以下の各整数j及び1以上n以下の各整数iに対して、第1の計測波形算出部111が算出した変位波形U1(i)j(t)と第2の計測波形算出部112が算出した変位波形U2(i)j(t)とを加算した波形を、振幅係数算出部113が算出した振幅係数wr(i)jで除算してレーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uest(i)j(t)を算出し、推定波形Uest(1)1(t)〜Uest(n)N(t)を平均してレーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)を算出する処理を行う。推定波形算出部114が算出した推定波形Uest1(t)〜UestN(t)は、記憶部130に記憶される。
計測装置1のその他の構成は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
以上に説明した第3実施形態の計測方法では、レーンLの中央位置CTに対して線対称である観測点Pj_i及び観測点Qj_iからなる観測点対を設定し、計測装置1は、観測点Pj_iの変位波形U1(i)j(t)及び観測点Qj_iの変位波形U2(i)j(t)を算出する。また、計測装置1は、レーンLの中央位置CTと観測点Pj_i又は観測点Qj_iとの距離に基づいて、振幅係数wr(i)jを算出する。具体的には、計測装置1は、中央位置CTと観測点Pj_i又は観測点Qj_iとの距離と、構造物である上部構造7の構造モデルに基づく中央位置CTのたわみの近似式(29)とに基づいて、式(48)によって振幅係数wr(i)jを算出する。そして、計測装置1は、式(47)により、変位波形U1(i)j(t)と変位波形U2(i)j(t)とを加算した波形を振幅係数wr(i)jで除算してレーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uest(i)j(t)を算出し、推定波形Uest(1)1(t)〜Uest(n)N(t)を平均してレーンLの中央位置CTの変位の推定波形Uestj(t)を算出する。したがって、第3実施形態の計測方法によれば、例えば、中央位置CTにセンサーを設けることが難しい場合においても、計測装置1は、中央位置CTを観測せずに中央位置CTの変位を推定することができる。さらに、第3実施形態の計測方法によれば、推定波形Uest(1)j(t)〜Uest(n)j(t)にそれぞれ含まれるランダムノイズが平均されることにより、推定波形Uestj(t)に含まれるノイズ成分が低減されるので、計測装置1は、中央位置CTの変位を精度良く推定することができる。
その他、第3実施形態の計測方法によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
4.第4実施形態
第1実施形態〜第3実施形態では、計測装置1は、各レーンLに対して、中央位置CTの物理量としての変位の推定波形Uestj(t)を算出するのに対して、第4実施形態の計測方法では、中央位置CTの物理量としての車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する。以下、第4実施形態について、第1実施形態〜第3実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付して第1実施形態〜第3実施形態と重複する説明を省略又は簡略し、主に第1実施形態〜第3実施形態と異なる内容について説明する。
本実施形態では、計測装置1は、観測点Pを観測するセンサー21が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分し、観測点Pの変位波形U1j(t)を算出する。また、計測装置1は、観測点Qを観測するセンサー22が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分し、観測点Qの変位波形U2j(t)を算出する。そして、計測装置1は、式(50)により、変位波形U1j(t)を車両6による荷重波形W1j(t)に変換し、式(51)により、変位波形U2j(t)を車両6による荷重波形W2j(t)に変換する。式(50)及び式(51)の1次係数Sc及び0次係数Icは、複数の車両による荷重試験によって得られる。
Figure 2021147820
Figure 2021147820
式(50)及び式(51)において、Icが十分に小さいものとすると、式(52)及び式(53)が得られる。
Figure 2021147820
Figure 2021147820
計測装置1は、相関式(50)又は相関式(52)により、変位波形U1j(t)を荷重波形W1j(t)に変換し、相関式(51)又は相関式(53)により、変位波形U2j(t)を荷重波形W2j(t)に変換することができる。
そして、計測装置1は、式(54)のように、荷重波形W1j(t)と荷重波形W2j(t)とを加算した波形を、前述の式(40)によって算出される振幅係数wrjで除算することによって、中央位置CT上にある中間点Rの車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する。
Figure 2021147820
図25は、第4実施形態の計測方法の手順の一例を示すフローチャート図である。本実施形態では、計測装置1が図25に示す手順を実行する。
図25に示すように、まず、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pの物理量としての車両6による荷重の計測波形である荷重波形W1j(t)を算出する(ステップS101)。計測装置1は、センサー21が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分して変位波形U1j(t)を算出し、相関式(50)又は相関式(52)により、変位波形U1j(t)を荷重波形W1j(t)に変換する。このステップS101は第1の計測波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qの物理量としての車両6による荷重の計測波形である荷重波形W2j(t)を算出する(ステップS102)。計測装置1は、センサー22が検出した加速度をローパスフィルター処理した後、二重積分して変位波形U2j(t)を算出し、相関式(51)又は相関式(53)により、変位波形U2j(t)を荷重波形W2j(t)に変換する。このステップS102は第2の計測波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離に基づいて、振幅係数wrjを算出する(ステップS103)。このステップS103は振幅係数算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、ステップS101で算出した荷重波形W1j(t)とステップS102で算出した荷重波形W2j(t)とを加算した波形を、ステップS103で算出した振幅係数wrjで除算し、中央位置CTの車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する(ステップS104)。具体的には、計測装置1は、式(54)により、中央位置CT上の観測点Pと観測点Qとの中間点R
の車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する。このステップS104は、推定波形算出ステップである。
次に、計測装置1は、1以上N以下の各整数jに対して、ステップS104で算出した推定波形Westj(t)をサーバー2に出力する(ステップS105)。このステップS105は、出力ステップである。
計測装置1は、計測を終了するまで(ステップS106のN)、ステップS101〜S105の処理を繰り返し行う。
本実施形態では、第1の計測波形算出部111は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pの物理量としての車両6による荷重の計測波形である荷重波形W1j(t)を算出する処理を行う。すなわち、第1の計測波形算出部111は、図25における第1の計測波形算出ステップの処理を行う。第1の計測波形算出部111が算出した荷重波形W11(t)〜W1N(t)は、記憶部130に記憶される。
第2の計測波形算出部112は、1以上N以下の各整数jに対して、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qの物理量としての車両6による荷重の計測波形である荷重波形W2j(t)を算出する処理を行う。すなわち、第2の計測波形算出部112は、図25における第2の計測波形算出ステップの処理を行う。第2の計測波形算出部112が算出した荷重波形W21(t)〜W2N(t)は、記憶部130に記憶される。
振幅係数算出部113は、1以上N以下の各整数jに対して、レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離に基づいて、振幅係数wrjを算出する処理を行う。すなわち、振幅係数算出部113は、図25における振幅係数算出ステップの処理を行う。振幅係数算出部113が算出した振幅係数wr1〜wrNは、記憶部130に記憶される。
推定波形算出部114は、1以上N以下の各整数jに対して、第1の計測波形算出部111が算出した荷重波形W1j(t)と第2の計測波形算出部112が算出した荷重波形W2j(t)とを加算した波形を、振幅係数算出部113が算出した振幅係数wrjで除算し、中央位置CTの車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する処理を行う。すなわち、推定波形算出部114は、図25における推定波形算出ステップの処理を行う。推定波形算出部114が算出した推定波形West1(t)〜WestN(t)は、記憶部130に記憶される。
出力処理部115は、1以上N以下の各整数jに対して、推定波形算出部114が算出した推定波形Westj(t)を、第2通信部140を介してサーバー2に出力する処理を行う。すなわち、出力処理部115は、図25における出力ステップの処理を行う。
計測装置1のその他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
なお、第3実施形態のように、各レーンLに対して、第1の端部EA1と中央位置CTとの間の位置にn個の観測点Pj_1〜Pj_nが設定され、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の位置にn個の観測点Qj_1〜Qj_nが設定される場合には、振幅係数算出部113は、前述の式(48)によって振幅係数wr(i)jを算出する。そして、推定波形算出部114は、前述の式(47)と同様の式(55)のように、観測点P
_iの荷重波形W1(i)j(t)と観測点Qj_iの荷重波形W2(i)j(t)とを加算した波形を振幅係数wr(i)jで除算することによって、レーンLの中央位置CT上にある中間点Rの変位の推定波形Uest(i)j(t)を算出する。
Figure 2021147820
さらに、推定波形算出部114は、前述の式(49)と同様の式(56)のように、n個の推定波形WestB(1)j(t)〜WestB(n)j(t)を平均してレーンLの中央位置CT上にある中間点Rの車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する。
Figure 2021147820
以上に説明した第4実施形態の計測方法では、計測装置1は、観測点Pを観測するセンサー21による観測情報に基づいて、観測点Pの荷重波形W1j(t)を算出し、観測点Qを観測するセンサー22による観測情報に基づいて、観測点Qの荷重波形W2j(t)を算出する。また、計測装置1は、レーンLの中央位置CTと観測点P又は観測点Qとの距離に基づいて、振幅係数wrjを算出する。そして、計測装置1は、荷重波形W1j(t)と荷重波形W2j(t)とを加算した波形を振幅係数wrjで除算し、中央位置CTの車両6による荷重の推定波形Westj(t)を算出する。例えば、計測装置1は、式(54)により推定波形Westj(t)を算出する。あるいは、各レーンLに対して、第1の端部EA1と中央位置CTとの間の位置にn個の観測点Pj_1〜Pj_nが設定され、第2の端部EA2と中央位置CTとの間の位置にn個の観測点Qj_1〜Qj_nが設定される場合には、計測装置1は、式(56)により推定波形Westj(t)を算出する。したがって、第4実施形態の計測方法によれば、例えば、各レーンLの中央位置CTにセンサーを設けることが難しい場合においても、計測装置1は、中央位置CTを観測せずに中央位置CTの車両6による荷重を推定することができる。
その他、第4実施形態の計測方法によれば、第1実施形態〜第3実施形態のいずれかと同様の効果を奏することができる。
5.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
上記の各実施形態では、観測点P〜Pを観測する観測装置及び観測点Q〜Qを観測する観測装置は、それぞれ加速度センサーであるが、これに限られず、例えば、接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、感圧センサー、画像処理による変位計測機器又は光ファイバーによる変位計測機器であってもよい。観測装置と観測点が1対1に対応している必要はなく、1つの観測装置が観測点P〜P,Q〜Qの一部又は全部を観測してもよい。
接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、画像処理による変位計測機器、光ファイバーによる変位計測機器は、車両6の観測点P〜P,Q〜Qの作用に対する
応答として変位を計測する。計測装置1は、観測点P〜P,Q〜Qの変位に基づいて、観測点P〜P,Q〜Qの物理量としての変位又は車両6による荷重の計測波形を算出する。感圧センサーは、車両6の観測点P〜P,Q〜Qへの作用に対する応答として応力変化を検出する。計測装置1は、観測点P〜P,Q〜Qの応力変化に基づいて、観測点P〜P,Q〜Qの物理量としての変位又は車両6による荷重の計測波形を算出する。
また、上記の各実施形態では、車両6がレーンL〜Lを走行する方向はすべて同じであるが、レーンL〜Lのうちの少なくとも1つのレーンと他のレーンとは車両6の走行方向が異なっていてもよい。例えば、車両6がレーンLでは観測点Pから観測点Qに向かう方向に走行し、レーンLでは観測点Qから観測点Pに向かう方向に走行してもよい。
また、上記の各実施形態では、各センサー21,22は、それぞれ上部構造7の主桁Gに設けられているが、上部構造7の表面や内部、床板Fの下面、橋脚8a等に設けられていてもよい。また、上記の各実施形態では、橋梁5として道路橋を例に挙げたが、これに限られず、例えば、橋梁5は鉄道橋であってもよい。また、上記の各実施形態では、構造物として橋梁の上部構造を例に挙げたが、これに限られず、構造物は移動体の移動によって変形するものであればよい。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…計測装置、2…サーバー、4…通信ネットワーク、5…橋梁、6…車両、7…上部構造、7a…橋床、7b…支承、G…主桁、F…床板、8…下部構造、8a…橋脚、8b…橋台、10…計測システム、21…センサー、22…センサー、110…制御部、111…第1の計測波形算出部、112…第2の計測波形算出部、113…振幅係数算出部、114…推定波形算出部、115…出力処理部、120…第1通信部、130…記憶部、131…計測プログラム、140…第2通信部、150…操作部

Claims (15)

  1. 移動体が構造物の経路を移動する第1方向に沿って並び、かつ、前記経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出ステップと、
    前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出ステップと、
    前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、
    前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出ステップと、を含む、計測方法。
  2. 前記振幅係数算出ステップにおいて、前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離と、前記構造物の構造モデルに基づく前記中央位置のたわみの近似式とに基づいて、前記振幅係数を算出する、請求項1に記載の計測方法。
  3. 前記構造モデルは、両端を支持した単純梁である、請求項2に記載の計測方法。
  4. 前記中央位置のたわみの近似式は、前記中央位置のたわみの近似式の最大値で規格化されている、請求項2又は3に記載の計測方法。
  5. 前記経路は、前記構造物の第1の端部から前記構造物の前記第1の端部とは異なる第2の端部に至り、
    前記第1の観測点は前記第1の端部と前記中央位置との間に設定され、
    前記第2の観測点は前記第2の端部と前記中央位置との間に設定され、
    前記第1の観測点と前記第1の端部との距離と、前記第1の端部と前記第2の端部との距離との比は0.258819045以上0.5未満であり、
    前記第2の観測点と前記第2の端部との距離と、前記第1の端部と前記第2の端部との距離との比は0.258819045以上0.5未満である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の計測方法。
  6. 2以上の整数nに対して、前記構造物に、前記第1方向に沿って並び、かつ、前記中央位置に対してそれぞれ線対称であるn組の観測点対が設定され、
    前記第1の計測波形算出ステップにおいて、1以上n以下の各整数iに対して、前記n組の観測点対のうちの第iの観測点対の一方の観測点である第2i−1の観測点の前記物理量の計測波形である第2i−1の計測波形を算出し、
    前記第2の計測波形算出ステップにおいて、前記各整数iに対して、前記第iの観測点対の他方の観測点である第2iの観測点の前記物理量の計測波形である第2iの計測波形を算出し、
    前記振幅係数算出ステップにおいて、前記各整数iに対して、前記中央位置と前記第2i−1の観測点又は前記第2iの観測点との距離に基づいて第iの振幅係数を算出し、
    前記推定波形算出ステップにおいて、前記各整数iに対して、前記第2i−1の計測波形と前記第2iの計測波形とを加算した波形を前記第iの振幅係数で除算して第iの推定波形を算出し、前記第1〜第nの推定波形を平均して前記推定波形を算出する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の計測方法。
  7. 前記物理量は、変位又は前記移動体による荷重である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の計測方法。
  8. 前記移動体は、鉄道車両、自動車、路面電車、建設車両、又は軍用車両である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の計測方法。
  9. 前記第1の観測点を観測する前記観測装置及び前記第2の観測点を観測する前記観測装置は、加速度センサーである、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の計測方法。
  10. 前記第1の観測点を観測する前記観測装置及び前記第2の観測点を観測する前記観測装置は、接触式変位計、リング式変位計、レーザー変位計、感圧センサー、画像処理による変位計測機器又は光ファイバーによる変位計測機器である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の計測方法。
  11. 前記構造物は、橋梁の上部構造であって、
    前記上部構造は、隣り合う橋台と橋脚、隣り合う2つの橋台、又は、隣り合う2つの橋脚のいずれか1つに渡された構造であり、
    前記上部構造の両端部は、前記隣り合う橋台と橋脚の位置、前記隣り合う2つの橋台の位置、又は、前記隣り合う2つの橋脚の位置にあり、
    前記橋梁は、道路橋又は鉄道橋である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の計測方法。
  12. 前記構造物は、BWIM(Bridge Weigh in Motion)が機能する構造である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の計測方法。
  13. 移動体が構造物の経路を移動する第1方向に沿って並び、かつ、前記経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出部と、
    前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出部と、
    前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出部と、
    前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出部と、を含む、計測装置。
  14. 請求項13に記載の計測装置と、
    前記第1の観測点を観測する前記観測装置と、
    前記第2の観測点を観測する前記観測装置と、を備えた、計測システム。
  15. 移動体が構造物の経路を移動する第1方向に沿って並び、かつ、前記経路の中央位置に対して線対称に設定される前記構造物の第1の観測点及び第2の観測点のうちの前記第1の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第1の観測点の物理量の計測波形である第1の計測波形を算出する第1の計測波形算出ステップと、
    前記第2の観測点を観測する観測装置による観測情報に基づいて、前記第2の観測点の前記物理量の計測波形である第2の計測波形を算出する第2の計測波形算出ステップと、
    前記中央位置と前記第1の観測点又は前記第2の観測点との距離に基づいて、振幅係数を算出する振幅係数算出ステップと、
    前記第1の計測波形と前記第2の計測波形とを加算した波形を前記振幅係数で除算し、前記中央位置の前記物理量の推定波形を算出する推定波形算出ステップと、をコンピューターに実行させる、計測プログラム。
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