JP2021143594A - 屋根構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造でありながら、屋根の放射熱を抑制することができる屋根構造を提供すること。【解決手段】屋根構造(1)は、屋根材(2)と、屋根材(2)の裏面側に配置される低放射率部材(3)と、屋根材(2)の裏面に貼り付けられるグラスウール(4)とを備える。屋根構造(1)から屋内空間に放射される放射熱量は、低放射率部材(3)の放射率とグラスウール(4)の厚さとに依存するものである。目標とする放射熱量を22W/m2以下にするために、低放射率部材(3)の放射率を0.3以下にし、グラスウール(4)の厚さを、低放射率部材(3)の放射率と、目標とする放射熱量との関係で決定された4mm以上10mm以下にする。【選択図】図2

Description

この発明は、建物の屋根構造に関する。
建物の屋根は、日射熱を直接受けるため、屋根の温度は非常に高温となり、屋内環境もその影響を受ける。そのため、日射熱による屋内環境の影響を小さくするために、建物の屋根の二重断熱構造や二重遮断構造が提案されている。
たとえば、特開2011−47166号公報(特許文献1)には、折板屋根の山部に遮断板が取り付けられ、遮断板により折板屋根が覆われる二重遮熱構造が開示されている。特開2008−297773号公報(特許文献2)には、二枚の金属外皮間に断熱パネルが充填された二重断熱構造の屋根が開示されている。
特開2011−47166号公報 特開2008−297773号公報
特許文献2のような二重断熱構造の屋根は、断熱材を金属の外皮間に挟み込むためだけに金具が必要であり、コストがかかっていた。さらに、工場などの屋根に、断熱構造の屋根を援用すると、屋内に配置される設備機器からの発熱を屋外に放熱することができず、屋内が高温になる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構造でありながら、屋根の放射熱を抑制することができる屋根構造を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明の一態様に係る屋根構造は、日射熱による屋内空間への放射熱を抑制するためのものである。屋根構造は、表面が屋外に面し、山部および谷部を有し、鋼板からなる折板屋根材と、前記折板屋根材の山部および谷部に対応する山部および谷部を有し、前記折板屋根材の裏面側に配置され、アルミニウムまたは銅を含有し、熱放射性を有する熱放射性材料で形成され、前記屋内空間に面する低放射率部材と、前記折板屋根材の裏面に貼り付けられ、前記折板屋根材と前記低放射率部材とに密着して挟まれ、グラスウールからなる断熱材とを備える。屋根構造から前記屋内空間に放射される放射熱量は、前記低放射率部材の放射率と前記グラスウールからなる断熱材の厚さとに依存するものであり、目標とする放射熱量を22W/m以下にするために、前記低放射率部材の放射率を0.3以下にし、グラスウールからなる断熱材の厚さを、前記低放射率部材の放射率と、前記目標とする放射熱量との関係で決定された4mm以上10mm以下にする。
本発明の一態様に係る他の屋根構造は、日射熱による屋内空間への放射熱を抑制するためのものである。屋根構造は、表面が屋外に面し、山部および谷部を有し、鋼板からなる折板屋根材と、前記折板屋根材の山部および谷部に対応する山部および谷部を有し、前記折板屋根材の裏面側に配置され、アルミニウムまたは銅を含有し、熱放射性を有する熱放射性材料で形成され、前記屋内空間に面する低放射率部材と、前記折板屋根材の裏面に貼り付けられ、前記折板屋根材と前記低放射率部材とに密着して挟まれ、熱伝導率が0.035である断熱材とを備える。屋根構造から前記屋内空間に放射される放射熱量は、低放射率部材の放射率と前記断熱材の厚さとに依存するものであり、目標とする放射熱量を22W/m以下にするために、前記低放射率部材の放射率を0.3以下にし、断熱材の厚さを、前記低放射率部材の放射率と、前記目標とする放射熱量との関係で決定された4mm以上10mm以下にする。
本発明によれば、簡易な構造でありながら、屋根の放射熱を抑制することができる屋根構造を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る屋根構造の模式断面図である。 低放射率部材および断熱材の性能と放射熱量との関係を示すグラフである。 図2のグラフの導出原理を示すための概念図である。 低放射率部材および断熱材の性能と屋内空間の等価温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る屋根構造の変形例を示す断面図である。 一般的な折板屋根を備えた建物を模式的に示す模式断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
はじめに、本実施の形態に係る屋根構造の説明に先立ち、一般的な工場の屋内環境について、図6を参照しながら簡単に説明する。
図6を参照して、建物100の屋根部106は、たとえば、折板屋根の屋根材2で構成される。屋根材2が日射熱を受けると、屋根材2の温度は高温になり、屋根材2は強い放射熱を放出する。そのため、屋根材2からの放射熱によって、屋内空間9内の温度は高温となる。また、建物100内には様々な設備機器8が存在するため、これらの機器8による内部発熱によっても屋内空間9内の温度は高温化する。そうすると、図6において一点鎖線の楕円で示すように、屋内空間9には、熱気が滞留し、屋根材2も高温となる。
なお、屋根材2の裏面には、結露対策のために断熱材が取り付けられていることが多い。しかしながら、断熱材は厚いものが使用されるため、断熱材の裏面(屋内側の面)は高温であり、特に、夏期などの高温期の放射熱対策としては十分ではない。
このような屋内空間9の環境を改善するべく、本実施の形態では、屋根部の裏面を低放射化することで、屋根部の放射熱を抑制することとしている。以下に、このような屋根構造について詳細に説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る屋根構造1について説明する。屋根構造1は、屋外に面する板状の屋根材2と、屋根材2の裏面側に貼り付けられる断熱材4と、断熱材4の裏面に取り付けられる低放射率部材3とを備える。つまり、断熱材4は、屋根材2と低放射率部材3とに挟まれており、屋根部6は、屋根材2、断熱材4および低放射率部材3の複層構造である。
屋根材2は、典型的には、折板屋根であり、たとえば、鋼板や、ガルバリウム鋼板(登録商標)に塗料を塗付したものが用いられる。断熱材4は、たとえば、グラスウール、発砲ポリオレフィンフォームなどの断熱材が用いられる。断熱材4は、主に、屋根材2の結露を防止するために用いられる。低放射率部材3は、熱放射性を有する熱放射性材料で形成される。熱放射性材料の放射率は、0.9以下であり、望ましくは0.5以下である。熱放射性を有する熱放射性材料としては、たとえば、アルミニウムや銅などを含有する材料が用いられる。低放射率部材3は、典型的には、塗膜またはフィルムである。低放射率部材3の厚さは、断熱材4よりも薄く、1mm以下であることが望ましい。
低放射率部材3が塗膜の場合は、屋根材2の裏面側に断熱材4が貼り付けられた状態で、断熱材4に低放射率の塗料を塗布して、塗膜を形成させてもよい。たとえば、低放射率の塗料は、アルミニウムが15〜25%配合された耐熱塗料である。耐熱塗料は、厚さ10〜20μm程度で断熱材4に塗布され、23℃で3時間乾燥させて塗膜を形成させる。この方法は、新築だけでなく、既築の建物の屋根部裏面を低放射化する際に用いることができる。
また、低放射率部材3がフィルムの場合は、たとえば、予め断熱材4の裏面側に低放射率のフィルムを接着剤などで貼り付けておき、屋根材2の裏面に、低放射率部材3付きの断熱材4が取り付けられる。この方法は、主に、新築の建物の屋根を低放射化する場合に用いられる。なお、低放射率部材3は、断熱材4の裏面全体に密着していてもよい。
このように、建物の屋根部6を屋根材2、断熱材4および低放射率部材3の複層構造とすることで、屋根部6の裏面を低放射化することができる。これにより、屋内空間9の高温化を低減することができる。さらに、屋根材2の日射反射率を高めるために、屋根材2の表面21へ高日射反射率塗料を塗布したり、日射反射率の高い鋼板を屋根材2とすることで、より屋根部6の裏面を低放射化することが可能である。
また、従来の屋根材2の表面21に日射反射率塗料を塗布する方法では、屋根材2が雨風により汚れると、日射反射率が低下するため、長期的な性能維持が困難であった。さらに、紫外線により塗膜が劣化するため、数年毎に塗料の塗り替えを要していた。しかし、本実施の形態の低放射率部材3は、屋根材2の裏面に設けられるため、紫外線等の影響を受けにくく、耐久性がよい。さらに、従来の日射放射率が高い仕様は、白色系が多いため、建物の意匠制約が発生していた。しかし、本実施の形態では、屋根部6の表面21の形状や色が限定されないため、建物100の外観の意匠に影響を与えない。
ここで、低放射率部材3は、上述のように、放射率が0.9以下であるが、市販されている低放射率部材3の性能(放射率)は様々である。同様に、断熱材4の性能(厚みおよび熱伝導率)も同様である。したがって、どのような性能の低放射率部材3と断熱材4とを組み合わせるかによって、屋根部6の裏面からの放射熱の抑制効果は異なってくる。
つまり、屋根部6から屋内空間9に放熱される放射熱の量は、低放射率部材3の放射率と、断熱材4の厚みおよび熱伝導率とによって変わってくる。通常は、目標の放射熱の量にするために、低放射率部材3の放射率と断熱材4の厚みおよび熱伝導率とをどのように設定すればよいのかは、複雑であり簡単に求めることはできない。しかし、本実施の形態では、図2のグラフを参照することで、目標とする放射熱量から、断熱材4の厚み(熱伝導率は一定)と低放射率部材3の放射率とを容易に選択できる。図2のグラフの導出原理について、以下に説明する。
図3は、図2のグラフの導出原理を示すための概念図である。なお、図3において、低放射率部材3は存在しないものとして説明する。図3では、屋内空間9にある物体表面を想像線で示している。
図3を参照して、屋根材2の表面21に日射熱A1が入射すると、その一部は、伝導熱A3となって断熱材4に伝わる。残りの熱A2は、屋根材2によって吸収または反射される。伝導熱A3は、断熱材4の屋内面40から屋内空間9に放射される。つまり、日射熱A1は、屋根材2と断熱材4を通過して、放射熱A5となって屋内空間9に放熱と対流により伝達する。
断熱材4の屋内面40から屋内空間9への放射熱量qrは、以下の数式(1)により算出される。
qr=αr×φ12×(ts−ti) ・・・(1)
qr:放射熱量(W/m
αr:断熱材4の放射熱伝達率(W/mK)
φ12:形態係数(屋内空間9から屋根材2の裏面20を見たときの形態係数)
ts:断熱材4の屋内面40の温度(K)
ti:屋内空間9にある物体表面の温度(K)
数式(1)の計算で必要となる断熱材4の放射熱伝達率αrは、以下の数式(2)により算出される。
αr=ε1×ε2×Cb×β ・・・(2)
ε1:断熱材4の屋内面40の放射率
ε2:屋内空間9にある物体表面の放射率
Cb:ステファン・ボルツマン常数:5.67×10−4(W/m
β:温度係数
さらに、数式(1)の計算で必要となる断熱材4の屋内面40の温度tsは、以下の数式(3)により算出される。
ts=Ri/(R+Ri)×(to−ti)+ti ・・・(3)
Ri:断熱材4の総合熱伝達抵抗:1/(αc+αr)(W/mK)
αc:断熱材4の対流熱伝達率(W/mK)
R:屋根材2と断熱材4の熱抵抗値の合計
to:屋根材2の表面21の温度(K)
ここで、数式(2)で利用する温度係数βは1とした。数式(3)で利用する屋内側対流熱伝達率αcは10W/mKとし、屋根材2の表面21の温度toは60Kとし、屋内空間9にある物体表面の温度tiは30Kとした。さらに、数式(2)の断熱材4の屋内面40の放射率ε1は0.9とし、屋内空間9にある物体表面の放射率ε2は、0.1,0.3,0.9とした。
なお、断熱材4の性能は、Rの値から定まるものである。屋内空間9にある物体表面の放射率ε2は、低放射率部材3の性能を示す放射率ε2と置き換えられる。断熱材4の熱伝導率を一定(たとえば、λ=0.035)とし、屋根材2を鋼板0.8mmとし、低放射率部材3の性能を示す放射率ε2を0.1,0.3,0.9とした場合、断熱材4の屋内面40から屋内空間9への放射熱量qrと断熱材4の厚みとの関係がグラフに示されている。
図2は、低放射率部材3の放射率および断熱材4の厚みと放射熱量との関係を示すグラフである。このグラフを利用することで、目標とする放射熱量に応じた低放射率部材3の性能(放射率)と断熱材4の性能とを選択することが可能である。
図2を参照して、x軸は、断熱材4の厚さ(mm)、y軸は、屋内空間9の放射熱量(W/m)である。実線は、低放射率部材3の放射率が0.1の場合であり、一点鎖線は、低放射率部材3の放射率が0.3の場合であり、点線は、低放射率部材3の放射率が0.9の場合である。
グラフを利用して、達成したい放射熱量に応じた、低放射率部材3の放射率と断熱材4の厚みとを選択する方法について説明する。上記条件下で達成したい放射熱量が、たとえば20W/mの場合、低放射率部材3の放射率が0.9であれば、断熱材4の厚さは16mmである。低放射率部材3の放射率が0.3であれば、断熱材4の厚さは6mmである。低放射率部材3の放射率が0.1のときは、断熱材4の厚さは0mmである。つまり、放射率が0.1の低放射率部材3を選択すれば、断熱材4なしで、目標の放射熱量となる。
次に、断熱材4の厚さに着目したグラフの見方について説明する。断熱材4はコストの面から、可能な限り薄くすることが望ましいため、断熱材4の厚さは、10mm以下であることが好ましい。断熱材4の厚さが10mmの場合について説明すると、低放射率部材3の放射率が0.1の場合は、屋内の放射熱量は5W/mである。低放射率部材3の放射率が0.3の場合は、屋内の放射熱量は13W/mである。低放射率部材3の放射率が0.9の場合は、屋内の放射熱量は30W/mである。以上より、低放射率部材3の放射率が0.9以下で、断熱材の厚さが10mm以下の場合は、放射熱量は30W/m以下である。ここで、屋内の放射熱量と屋内の体感温度との関係を見るために、図4のグラフを算出した。
図4は、低放射率部材3の放射率および断熱材4の厚さと屋内空間の等価温度(体感温度)との関係を示すグラフである。図4を参照して、x軸は、断熱材4の厚さ(mm)、y軸は、空気が30℃の場合の等価温度(℃)である。実線は、低放射率部材3の放射率が0.1の場合であり、一点鎖線は、低放射率部材3の放射率が0.3の場合であり、点線は、低放射率部材3の放射率が0.9の場合を示す。
図2と同様に、図4においても厚さ10mmの断熱材4を使用する場合について説明する。断熱材4の厚さが10mmで、低放射率部材3の放射率が0.1の場合は、体感温度は約30.4℃である。低放射率部材3の放射率が0.3の場合は、体感温度は約31.0℃である。低放射率部材3の放射率が0.9の場合は、体感温度は約31.8℃である。すなわち、低放射率部材3の放射率が0.9と0.1の場合は、体感温度に約1.4℃の差がある。一方で、低放射率部材3の放射率が0.3と0.1の場合は、体感温度は約0.6℃程度の差である。最も性能のよい放射率が0.1の低放射率部材3と比べて、体感温度の差が1℃を超えると、その差は大きいと考えられる。以上より、厚さ10mm以下の断熱材4を使用する場合は、低放射率部材3の放射率は0.3以下であることがより好ましい。
上述のように、断熱材4の厚さは、より薄い方がよく、5mm以下であることが望ましい。まず、断熱材4の厚さが4mmの場合について説明する。なお、厚さ4mmの断熱材は市場で多く流通しており、入手しやすいという利点がある。断熱材4の厚さが4mmで、低放射率部材3の放射率が0.1の場合は、屋内の放射熱量は10W/mである。低放射率部材3の放射率が0.3の場合は、屋内の放射熱量は22W/mである。低放射率部材3の放射率が0.9の場合は、屋内の放射熱量は58W/mである。
図4を参照して、断熱材4の厚さが4mmで、低放射率部材3の放射率が0.1の場合は、体感温度は約30.8℃である。低放射率部材3の放射率が0.3の場合は、体感温度は約31.8℃である。低放射率部材3の放射率が0.9の場合は、体感温度は約33.5℃である。すなわち、低放射率部材3の放射率が0.9と0.1の場合は、体感温度に約2.5℃以上の差がある。一方で、低放射率部材3の放射率が0.3と0.1の場合は、体感温度は約1℃の差ですむ。
次に、断熱材4の厚さが5mmの場合について説明する。断熱材4の厚さが5mmで、低放射率部材3の放射率が0.1の場合は、屋内の放射熱量は0.8W/mである。低放射率部材3の放射率が0.3の場合は、屋内の放射熱量は21W/mである。低放射率部材3の放射率が0.9の場合は、屋内の放射熱量は51W/mである。
図4を参照して、断熱材4の厚さが5mmで、低放射率部材3の放射率が0.1の場合は、体感温度は約30.7℃である。低放射率部材3の放射率が0.3の場合は、体感温度は約31.6℃である。低放射率部材3の放射率が0.9の場合は、体感温度は約33.0℃である。すなわち、低放射率部材3の放射率が0.9と0.1の場合は、体感温度に約2.3℃以上の差がある。一方で、低放射率部材3の放射率が0.3と0.1の場合は、体感温度は約0.9℃の差ですむ。
したがって、断熱材4の厚さが5mm以下で、低放射率部材3の放射率が0.3以下であることが望ましい。一方で、体感温度の差が1℃を超えると、その差は大きいと考えられるため、体感温度を0.5℃の差で抑えることができる放射率が0.2以下の低放射率部材3を利用することがより好ましい。
このようなグラフを利用することにより、放射熱抑制のための断熱材4の目標性能(放射熱量および等価温度)に応じて、断熱材4の厚さと低放射率部材3の放射率を選択することができる。したがって、簡易な方法で屋根部6からの放射熱を抑制することができる。また、低放射率部材3を用いることで、断熱材4の使用量(厚み)を抑えることができるため、低コストであるとともに、季節によっては、屋内空間9からの発熱を屋根部6から屋外に放熱することもできる。さらに、市販で流通している断熱材4と低放射率部材3を用いることができるため、低コストで放射熱量を目標の数値にすることができる。なお、低放射率部材4の熱伝達率λは、0.035としたが、これを変えて計算することで、様々な種類の低放射率部材4を用いることができる。
なお、本実施の形態において、屋根構造1は、屋根材2と低放射率部材3との間に断熱材4が挟まれているとして説明したが、断熱材4は必須の構成ではない。したがって、屋根構造1は、屋根材2の裏面側に低放射率部材3を備えていればよい。
また、本実施の形態において、低放射率部材3は断熱材4の裏面全体に密着しているとしたが、低放射率部材3は断熱材4の裏面全体に密着している必要はない。たとえば、図5を参照して、断熱材4が取り付けられた折板屋根の屋根材2の谷面下方に、板状の低放射率部材3Aを設けてもよい。
また、屋根材2は、日射反射率の高いものを用いることが望ましい。このような構造とすることで、断熱材4へ伝わる伝導熱をさらに小さくすることができるため、より屋内の放射熱を抑制することが可能である。
また、本実施の形態において、屋根材2は折板屋根であるとしたが、これに限定されず、たとえば、ストレート屋根でもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 屋根構造、2 屋根材、3 低放射率部材、4 断熱材、8 設備機器、9 屋内空間、20 裏面、21 表面、50 屋内面、100 建物、106 屋根部。

Claims (2)

  1. 日射熱による屋内空間への放射熱を抑制するための建物の屋根構造であって、
    前記屋根構造は、表面が屋外に面し、山部および谷部を有し、鋼板からなる折板屋根材と、前記折板屋根材の山部および谷部に対応する山部および谷部を有し、前記折板屋根材の裏面側に配置され、アルミニウムまたは銅を含有し、熱放射性を有する熱放射性材料で形成され、前記屋内空間に面する低放射率部材と、前記折板屋根材の裏面に貼り付けられ、前記折板屋根材と前記低放射率部材とに密着して挟まれ、グラスウールからなる断熱材とを備え、
    当該屋根構造から前記屋内空間に放射される放射熱量は、前記低放射率部材の放射率と前記グラスウールからなる断熱材の厚さとに依存するものであり、
    目標とする放射熱量を22W/m以下にするために、前記低放射率部材の放射率を0.3以下にし、
    前記グラスウールからなる断熱材の厚さを、前記低放射率部材の放射率と、前記目標とする放射熱量との関係で決定された4mm以上10mm以下にした、屋根構造。
  2. 日射熱による屋内空間への放射熱を抑制するための建物の屋根構造であって、
    前記屋根構造は、表面が屋外に面し、山部および谷部を有し、鋼板からなる折板屋根材と、前記折板屋根材の山部および谷部に対応する山部および谷部を有し、前記折板屋根材の裏面側に配置され、アルミニウムまたは銅を含有し、熱放射性を有する熱放射性材料で形成され、前記屋内空間に面する低放射率部材と、前記折板屋根材の裏面に貼り付けられ、前記折板屋根材と前記低放射率部材とに密着して挟まれ、熱伝導率が0.035である断熱材とを備え、
    当該屋根構造から前記屋内空間に放射される放射熱量は、前記低放射率部材の放射率と前記断熱材の厚さとに依存するものであり、
    目標とする放射熱量を22W/m以下にするために、前記低放射率部材の放射率を0.3以下にし、
    前記断熱材の厚さを、前記低放射率部材の放射率と、前記目標とする放射熱量との関係で決定された4mm以上10mm以下にした、屋根構造。
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