以下、本発明を適用した融資先信用度判定プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
図1は、本発明を適用した融資先信用度判定プログラムが実装される融資先信用度判定システム1の全体構成を示すブロック図である。融資先信用度判定システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された探索装置2と、探索装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する判別装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を判別装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、風向センサ、を測るための照度センサで構成されていてもよい。また情報取得部9は、天候についてのデータを気象庁や民間の天気予報会社から取得する通信インターフェースで構成されていてもよい。また情報取得部9は身体に装着して身体のデータを検出するための身体センサで構成されていてもよく、この身体センサは、例えば体温、心拍数、血圧、歩数、歩く速度、加速度を検出するためのセンサで構成されていてもよい。また身体センサは人間のみならず動物の生体データを取得するものであってもよい。また情報取得部9は図面等の情報をスキャニングしたり、或いはデータベースから読み出すことで取得するデバイスとして構成されていてもよい。情報取得部9は、これら以外に臭気や香りを検知する臭気センサにより構成されていてもよい。
データベース3は、融資先信用度判定を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。株融資先信用度判定を行う上で必要な情報としては、過去の融資先の個人や企業の財務内容を含む参照用財務情報、企業から取得した経営計画に関する参照用経営計画情報、企業が保有していた知的資産に関する参照用知的資産情報、過去のある時点における市況に関する参照用市況情報、過去のある時期における外部環境に関する参照用外部環境情報と、過去において判定された信用度とのデータセットが記憶されている。
つまり、データベース3には、このような参照用財務情報に加え、参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報の何れか1以上と、過去において判定された信用度とが互いに紐づけられて記憶されている。ちなみにこの過去に置いて判定された信用度は、実際に過去において判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて金融機関等が判定した信用度を学習データに含めてもよい。
探索装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この探索装置2による探索解を得ることができる。
図2は、探索装置2の具体的な構成例を示している。この探索装置2は、探索装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、探索装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる融資先信用度判定システム1における動作について説明をする。
融資先信用度判定システム1では、例えば図3に示すように、参照用財務情報と、信用度との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用財務情報とは、企業であれば、過去に審査した企業の決算内容が反映されたものである。つまり、これから融資先信用度を判定しようとする現時点があったときに、これよりも以前に審査を行った企業の過去の決算内容が反映されたものが参照用財務情報である。この参照用財務情報の例としては、その決算内容を提供してもらった企業の決算書等を始めとしたあらゆる決算に関するデータであり、例えば決算書に記載された帳簿情報、財務情報の数値が中心であり、流動比率、流動負債、自己資本比率 株主資本、総資本、ギアリング比率、有利子負債、自己資本、売上高経常利益率、経常利益、売上高、総資本経常利益率、経常利益、総資本、当期利益額、経常利益増加率、当期経常利益、前期経常利益、売上高、返済能力、債務償還年数、有利子負債、運転資金、キャッシュフロー、営業利益、減価償却費等である。参照用財務情報には、これらの決算書の数値以外に、債務超過になっていないか、役員からの借入金や棚卸資産(在庫)等がどの程度あるか等も含めるようにしてもよい。これらの参照用財務情報は1年分であっても数年分であってもよい。
また参照用財務情報は、融資先が個人商店である場合も同様に、過去に審査した企業の決算内容が反映されたもので構成されていてもよい。また参照用財務情報は、融資先が個人である場合は、給料の明細書や源泉徴収票等のデータから取得するものであってもよい。
参照用財務情報は、法人や個人の財務状態を示すあらゆる情報が含まれ、自営業者の確定申告書に記述された情報、法人の財務情報に記述された情報、個人の源泉徴収票(年収)に記述された情報、現状の資産を示す情報、保有する不動産に関する情報、保有する不動産に住み続けている年数等も含まれる。これに加えて、現状保有している現金の額、金融資産の額、債権の種類などもこの参照用財務情報に含めてもよい。これらの参照用財務情報としては、担保物件の状況や他の借り入れ状況等も含まれる。参照用財務情報は、例えば、源泉徴収票、給与明細書、確定申告書、住民税決定通知書、課税証明書等の記載を画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用し、解析画像の特徴量に基づいて自動判別し、データ化してもよい。また財務情報は、不動産購入予定者の実際の財務状態をベースとした実際の借入希望金額で表されるものであってもよい。
信用度は、「正常」、「要注意」、「破綻可能性有」、「実質破綻」、「破綻」等とランク付けするようにしてもよいし、スコアで表示し、1000点が最も信用度が高く、0点が最も信用度が低いものとしてもよい。またこの最も信用が高いスコアは、1000点以外のいかなる点数であってもよい。この信用度は、参照用財務情報との間でのデータセットとして事前に収集される。この信用度は例えば以前金融機関において判断を行った記録などがあればそれをそのまま用いるようにしてもよい。また同一又は類似の参照用財務情報で、融資が認められた件数と、融資が下りなかった件数とから信用度を算出するようにしてもよい。ちなみに、この信用度は、参照用財務情報を提供した企業に対して付されたものである。このため、過去の審査において、参照用財務情報を提供してもらった企業と、その企業に対して付された信用度を取得することで、これらのデータセットを取得することができる。このような事例を数多く集めておく。財務情報は、企業間において完全に同一の財務情報はないことから、財務情報自体を類型化しておくよういしてもよい。つまり図3の参照用財務情報P01〜P03は類型別に分類した財務情報であってもよく、例えば、利益率や利益の額等により区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、売掛金が多い、接待費が多い、サービス業のため在庫を持たない)等により類型化されていてもよい。
つまり、この参照用財務情報と、信用度のデータセットを通じて、参照用財務情報において生じた様々な決算に関するデータが、融資審査においてどのように判定されたかが分かる。つまり参照用財務情報に記述された決算データと信用度とがデータセットとなっている。このため、参照用財務情報と信用度のデータセットを集めておくことにより、過去どのような決算内容となった後の審査で、信用度がどのように判定されたかを知ることが可能となる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用財務情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。
参照用財務情報は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報に対して、何れの信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報から最も確からしい信用度を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての信用度と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての信用度と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用財務情報と、その場合の信用度の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、ある参照用財務情報が、「破綻可能性有」と判定されたものとする。であるものとする。このような状況において、類似のパターンの参照用財務情報が、「破綻可能性有」と判定されたものが同様に多かったものとする。このような場合には、「破綻可能性有」の連関度が強くなる。これに対して、全く同じ参照用財務情報のパターン(分類)において、「実質破綻」と判定されたものが多く、「破綻可能性有」と判定されたものが少なかったものとする。かかる場合には、「実質破綻」の連関度が強くなり、「破綻可能性有」の連関度が低くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01である場合に、過去の信用度の判定結果のデータから分析する。これは、例えば金融機関において保管されている過去の融資審査における信用度の判定結果のデータから抽出するようにしてもよい。参照用財務情報P01である場合に、「破綻可能性有」の事例が多い場合には、この「破綻可能性有」につながる連関度をより高く設定し、「実質破綻」の事例が多い場合には、この「実質破綻」につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用財務情報P01の例では、「破綻可能性有」と「実質破綻」にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「実質破綻」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図4に示すように、入力データとして参照用財務情報が入力され、出力データとして各信用度が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に信用度が入力で参照用財務情報が出力となるように構成されていてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに信用度の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して信用度を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに信用度を判定する融資先企業の最近の財務情報を取得する。この財務情報は、最近1年分であっても数年分であってもよい。この財務情報は、上述した参照用財務情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する財務情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような財務情報を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した財務情報に基づいて、実際にその財務情報に対して、判定される可能性の高い信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「実質破綻」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「実質破綻」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する財務情報から、判定すべき信用度を探索し、ユーザ(コンサルタント、銀行員、顧客)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザは、探索された信用度に基づいて、融資先候補の信用の程度把握することができる。ちなみに、この信用度を出力する過程において、単に探索された信用度のみを表示する以外に、この信用度に基づいて、具体的にどの程度融資すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
図5の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用経営計画情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用経営計画情報が組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、各信用度が表示されている。
図5の例では、参照用財務情報と、参照用経営計画情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用経営計画情報とは、経営計画書の内容に関するものである。経営計画書の内容の例としては、ビジョン、行動指針、経営方針、目標、機会・脅威と強みの分析(内部・外部環境分析)、目標とのギャップ分析、中期経営計画(必要性と策定手順)、単年度経営計画、売上目標等、一般的な経営計画書に記載されている情報からなるものである。参照用経営計画情報は、以前審査を行った企業から取得したものを利用するようにしてもよい。その審査を行った企業から、参照用財務情報と、参照用経営計画情報とこれに対する信用度の判定結果を取得することとなる。
参照用経営計画情報は、企業間において完全に同一の経営計画書はないことから、経営計画自体を類型化しておくようにしてもよい。つまり図5の参照用経営計画情報P14〜P17は類型別に分類した情報であってもよく、例えば、売り上げ目標や経営方針等により区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、単年度経営計画のパターンやビジョンのパターン)等により類型化されていてもよい。
図5の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用経営計画情報P14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用経営計画情報が組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用経営計画情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用経営計画情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用経営計画情報に対して、各信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照用経営計画情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用経営計画情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際にその経営計画に応じて、その後の事業の成功確率も踏まえて判断することができ、資金回収の可能性は異なるものとなる。このため、これらの参照用財務情報と参照用経営計画情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図5の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用財務情報と参照用経営計画情報、並びにその場合の信用度の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図5に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01で、参照用経営計画情報P16である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。信用度が「破綻可能性有」の事例が多い場合には、この「破綻可能性有」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「破綻可能性有」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「破綻可能性有」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図5に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用経営計画情報P14の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「要管理先」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用経営計画情報P15、P17の組み合わせのノードであり、信用度の連関度がw17、信用度の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから信用度判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに信用度の判定を行う企業から財務情報に加え、経営計画情報を取得する。この経営計画情報は、上述した参照用経営計画情報に対応するものであり、その判定対象の企業の目標とのギャップ分析、中期経営計画等のデータを取り込み、又は直接的に入力するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した財務情報、経営計画情報に基づいて、最適な信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図5(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、経営計画情報がP17と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図6は、上述した参照用財務情報と、参照用市場将来性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用市場将来性情報とは、その企業が製品やサービスを提供しようとする市場の将来性に関するあらゆるデータである。この参照用市場将来性情報は、どの市場におけるブログ、アナリストレポート、有価証券報告書、広告、プレスリリース、ニュース記事等に基づく様々なデータを含む。参照用市場将来性情報は、市場将来性自体を類型化しておくようにしてもよい。つまり図6の参照用市場将来性情報P18〜P21は類型別に分類した情報であってもよく、例えば、アナリストにより市場の伸び率が年〇%以上あるか否かにより区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、市場の伸び率が急激が、あるいは徐々に増加するか等のパターン)等により類型化されていてもよい。
図6の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用市場将来性情報P18〜21であるものとする。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用市場将来性情報が組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用市場将来性情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用市場将来性情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用市場将来性情報に対して、信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照市場将来性情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用市場将来性情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際の市場将来性がいかなる状態にあるのかに応じて、資金回収の可能性は変化する。このため、これらの参照用財務情報と参照用市場将来性情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図6の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用財務情報と参照用市場将来性情報、並びにその場合の信用度が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01で、参照用市場将来性情報P20である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図6に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用市場将来性情報P18の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「要管理先」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用市場将来性情報P19、P21の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「要注意先」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した財務情報に加え、新たに信用度を判定する融資先企業が事業展開する市場の将来性に関す市場将来性情報を取得する。市場将来性情報は、参照用市場将来性情報に対応したものであり、アナリストレポートや有価証券報告書を直接取り込むようにしてもよい。他の統計データであれば、そのデータを直接取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した財務情報、市場将来性情報に基づいて、信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図6(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、市場将来性情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図7は、上述した参照用財務情報と、参照用知的資産情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用知的資産情報とは、その企業が保有する知的資産に関する情報であり、例えば特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権等の情報が中心である。この参照用知的資産情報としては、これら以外に出願中の特許や意匠、商標や、企業内において蓄積しているノウハウ、営業情報、顧客情報、製造プロセスに関する知見等、あらゆる知的資産が含まれる参照用知的資産情報は、知的資産自体を類型化しておくようにしてもよい。つまり図7の参照用知的資産情報P22〜P25は類型別に分類した情報であってもよく、例えば、特許の件数等で分類するようにしてもよい。また、パターン(特許、意匠、商標の比率等のパターン)等により類型化されていてもよい。
図7の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用知的資産情報P22〜25であるものとする。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用知的資産情報が組み合わさったものが、図7に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用知的資産情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用知的資産情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用知的資産情報に対して、信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照用知的資産情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用知的資産情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際の知的資産がいかなる状態にあるのかに応じて、資金回収の可能性は変化する。このため、これらの参照用財務情報と参照用知的資産情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図7の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図7に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用財務情報と参照用知的資産情報、並びにその場合の信用度が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図7に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01で、参照用知的資産情報P24である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図7に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図7に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用知的資産情報P22の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「要管理先」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用知的資産情報P23、P25の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「要注意先」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した財務情報に加え、新たに信用度を判定する融資先企業が保有する知的資産に関す知的資産情報を取得する。知的資産情報は、参照用知的資産情報に対応したものであり、保有している特許権等の情報であり、これらを直接取り込むようにしてもよい。他の統計データであれば、そのデータを直接取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した財務情報、知的資産情報に基づいて、信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図7(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、知的資産情報がP21である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図8は、上述した参照用財務情報と、参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用市況情報とは、市況に関する様々な情報である。ここでいう市況は、一企業、またその企業を含む業界全体、或いは日本全体、世界全体までいかなる範囲をターゲットにしてもよい。この参照用市況情報の例としては、金利、為替、各銘柄の株価、原油、先物、貴金属、ビットコイン等の値動きを対象としたものである。この参照用市況情報は、これらの対象について時系列的なチャートや折れ線グラフ等で表示されていてもよい。またボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。また、この市況情報は、各銘柄の企業のファンダメンタルな指標が盛り込まれていてもよく、年間の売り上げや利益、コストに加えて、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)等の指標が盛り込まれていてもよい。為替についても各通貨間における値動きを示すチャート、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。参照用市況情報は、市場将来性自体を類型化しておくようにしてもよい。つまり図8の参照用市況情報P26〜P29は類型別に分類した情報であってもよく、例えば、株価の伸び率が年〇%以上あるか否かにより区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、株価の伸び率が急激が、あるいは徐々に増加するか等のパターン)等により類型化されていてもよい。
図8の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用市況情報P26〜29であるものとする。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用市況情報が組み合わさったものが、図8に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用市況情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用市況情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用市況情報に対して、信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照用市況情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用市況情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際の市況がいかなる状態にあるのかに応じて、資金回収の可能性は変化する。このため、これらの参照用財務情報と参照用市況情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図8の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用財務情報と参照用市況情報、並びにその場合の信用度が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01で、参照用市況情報P28である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図8に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用市況情報P26の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「要管理先」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用市況情報P27、P29の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「要注意先」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した財務情報に加え、新たに信用度を判定する融資先企業が事業展開する市場の市況や、日本全体、世界全体の市況を映し出す市況情報を取得する。市況情報は、参照用市場将来性情報に対応したものであり、株価や為替のチャート情報を直接取り込むようにしてもよい。他の統計データであれば、そのデータを直接取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した財務情報、市況情報に基づいて、信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図8(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、市況情報がP29である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図9は、上述した参照用財務情報と、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
参照用外部環境情報とは、外部環境情報に関する様々な情報である。ここでいう外部環境情報は、経済データ(GDP、雇用統計、鉱工業生産指数、設備投資、労働力調査等)、家計データ(家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ等)、不動産データ(オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家データ等)、自然環境データ(災害データ、気温データ、降水量データ、風向きデータ、湿度データ等)に代表されるものである。外部環境情報は、これらのデータの一部、全部が反映されるもの以外に、その審査対象の企業の外部のあらゆる情報が含まれる。参照用外部環境情報は、外部環境自体を類型化しておくようにしてもよい。つまり図9の参照用市況情報P30〜P33は類型別に分類した情報であってもよく、例えば、雇用統計におけるデータで区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、GDPの伸び率が急激が、あるいは徐々に増加するか等のパターン)等により類型化されていてもよい。
図9の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用外部環境情報P30〜33であるものとする。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用外部環境情報が組み合わさったものが、図9に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用外部環境情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用外部環境情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用外部環境情報に対して、信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照用外部環境情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用外部環境情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際の外部環境がいかなる状態にあるのかに応じて、資金回収の可能性は変化する。このため、これらの参照用財務情報と参照用外部環境情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図9の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図9に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用財務情報と参照用外部環境情報、並びにその場合の信用度が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図9に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01で、参照用外部環境情報P28である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図9に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図9に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用外部環境情報P30の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「要管理先」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用外部環境情報P31、P33の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「要注意先」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから助言を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、上述した財務情報に加え、新たに信用度を判定する融資先企業の外部にある外部環境情報を取得する。外部環境情報は、参照用市場外部環境情報に対応したものであこれらのデータを直接取り込むようにしてもよい。他の統計データであれば、そのデータを直接取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した財務情報、外部環境情報に基づいて、信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図9(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、外部環境情報がP33である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
図10は、上述した参照用財務情報と、参照用経営計画情報に加えて、更に参照用市場将来性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
かかる場合において、連関度は、図10に示すように、参照用財務情報と、参照用経営計画情報と、参照用市場将来性情報との組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図10において、ノード61cは、参照用財務情報P02が連関度w3で、参照用経営計画情報P15が連関度w7で、参照用市場将来性情報P19が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用財務情報P03が連関度w5で、参照用経営計画情報P15が連関度w8で、参照用市場将来性情報P18が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した財務情報と、経営計画情報と、経営計画情報とに基づいて探索解を判別する。
この探索解を判別する上で予め取得した図10に示す連関度を参照する。例えば、取得した財務情報が参照用財務情報P02に同一又は類似で、取得した経営計画情報が参照用経営計画情報P15に対応し、更に取得した経営計画情報が参照用経営計画情報P19に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「要注意先」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせる場合には、参照用財務情報に加え、参照経営計画情報、参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報の何れか2以上で組み合わせが構成されたものであっても適用可能である。
第2実施形態
以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態を実行する上では、第1実施形態において使用する融資先信用度判定システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第2実施形態では、例えば図11に示すように、参照用財務情報と、参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する融資先の個人の信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。これらのデータセットから学習済みモデルを作る上で、この信用度は、実際に過去において判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて金融機関等が判定した信用度を学習データに含めてもよい。
この第2実施形態では、参照用財務情報と、以下に示す参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
ここでいう参照用情報は、以下の何れかで構成される。
先ず融資先が個人の場合における参照用情報は、参照用消費行動情報、参照用取引情報、参照用信用履歴情報、参照用人脈情報、参照用第一印象情報、参照用性格情報、参照用将来性情報、参照用趣向情報、参照用属性情報、参照用地域情報、参照用評判情報の何れか1以上で構成される。これらの各参照用情報は過去の融資先の個人から取得したものである。以下、融資先が個人の場合におけるこれらの参照用情報の詳細について説明をする。
参照用消費行動情報は、過去の融資先の個人におけるそれまでの消費行動に関するあらゆる情報である。ここでいう過去の融資先の個人は、実際に融資を行った個人に限定されるものでは無く、それぞれ架空の個人を設定し、これについて金融機関が信用度を設定することで得たデータを活用してもよい。
具体的には、この参照用消費行動情報は、過去の融資先の個人がそれまでにどのようなモノやサービスを購入してきたかを示す情報である。つまり、ここでいう消費行動は、それまでに購入したあらゆる製品やサービスを対象としたところまで含まれる。個人事業主であれば、帳簿からこれらの購買情報を抽出するようにしてもよい。またレシート等からこれらの購買情報を注するようにしてもよい。この参照消費行動情報は、EC(電子商取引)サイトでの販売、購入履歴、クラウド会計情報から取り込んだ購買履歴も含めてもよい。また参照用消費行動情報は、今までの行ってきた購買において実際に何をどの程度の比率で購入しているかを統計的に示したものであってもよい。例えば、ある個人は、年間に使ったお金のうち、1/4は、住宅の家賃のために消費し、その1/4は食費、他の1/4は趣味のゴルフ、1/4は、衣類や雑貨等を買っている等、購買対象の内訳を比率で示してもよい。この参照用消費行動情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、先月に行った購買の中で最も多かったのが、衣服が15%、食費が13%、交際費が10%、・・・であり、参照用情報P35は、先月に行った購買の中で最も多かったのが、家賃25%、食費が20%、自動車が14%、・・・等である。
参照用取引情報は、過去の融資先の個人におけるそれまでの取引に関するあらゆる情報である。参照用消費行動情報は、実態に何にお金を使ってきたかを示す情報であるのに対して、この参照用取引情報は、実際の売買や取引においてどの程度フェアに行っていたか、また、誠実なトレードを行ってきたか、また取引相手の誠実性や安全性を示すものである。また参照用取引情報は、取引する金額や規模感も含まれる。この参照用取引情報は、金融機関における銀行口座への入出金や決済データから取得することができる。これらから入出金情報を得ることができる。また、参照用取引情報は、見積書、納品書、請求書から取得することができ、例えばEC(電子商取引)サイトでの販売、購入であれば、そのECサイトから取得することもできる。また、この参照用取引情報は、実際にECサイトを通じて売買を行った製品やサービスについて、評価者による評価内容も反映されるものであってもよい。評価内容が高いほど、より正当でしかもフェアな消費行動、購買を行ったものとみなすことができる。納品物の質の高さや納品の期日順守、取引前のメッセージの丁寧さ等の情報から参照用取引情報を抽出してもよい。またECサイトを通じて行った取引において納品したものについて欠陥があった場合、そのECサイトにおける書き込みを通じてこれを抽出することで、評価内容を下げるように制御してもよい。参照用取引情報は、過去の注文データから判別した不正取引の有無が反映されるものであってもよい。ここでいう不正取引の判別は、一日1回しか購入できない格安商品を、名前を変えて沢山購入したり、住所を上手く変更することで同一人であることが判別されないようにして購入している場合に、これをインターネット上の監視技術を通じて抽出するようにしてもよい。取引相手の誠実性や安全性は、口座入出金明細、会計データ、WEBサイト、決算明細書、帳簿情報から抽出してもよい。この抽出する際には、より危険性の高い取引相手について予め取得して学習させておき、機械学習を通じてこれらの口座入出金明細、会計データ、WEBサイト、決算明細書等から判別するようにしてもよい。また、取引相手と過去において交渉を行い、その取引履歴が紙媒体の文書やその文書の電子データを保有している場合には、この取引履歴文書から参照用取引情報を抽出してもよい。また、個人が自営業者であれば、その自営業を行う上で立ち上げたサイトやSNS等に記載された主要取引先情報から参照用取引情報を抽出してもよい。この参照用消費行動情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、取引先が〇×株式会社、書籍10冊を2万3千円で販売、ECサイトによる評価は5段階評価の中で4点、参照用情報P35は、取引先が△◆株式会社、PCを5万5千円で購入、ECサイトによる評価は5段階評価の中で2点、等である。
参照用信用履歴情報は、過去の融資先の個人におけるそれまでの信用履歴に関するあらゆる情報である。参照用信用履歴情報の例としては、クレジットローンの返済を怠ったり、携帯電話等の通信料の滞納の履歴の有無やその程度、年金や健康保険の支払い状況や滞納の履歴、税金の滞納等、自ら加入している保険の書類、過去に債務整理や自己破産歴があるか否か等である。この参照用信用履歴情報は、銀行の入出金履歴から取得するようにしてもよい。この参照用信用履歴情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、過去において携帯電話やクレジットローンの延滞歴は0、参照用情報P35は、過去においてクレジットローンの延滞歴は3回、参照用情報P36は、過去において携帯電話の通話料の延滞歴は1回、等である。
参照用人脈情報は、過去の融資先の個人の交友関係や人脈に関するあらゆる情報である。この参照用人脈情報は、例えば、論文や特許公報において記載されている著者、発明者に関する情報から抽出してもよい。一の論文や特許公報において連名で共著者、発明者が並んでいる場合には、通常それらの共著者、発明者はその論文や特許を出す上で一緒に仕事をしてきたわけであり、その分においてつながりが深く、互いに人脈が形成されているといえる。また、インターネットサイト上からイベントや各種発表を共同で企画していた場合、その共同参画者は連名でサイト上に掲載されていることが多いことから、共同参画者間で互いに人脈が形成されている場合が多い。また企業の役員等で名前を連ねている場合も、これらの役員間で互いに人脈が形成されているものと考えることができる。参照用人脈情報は、このような人脈を抽出する。参照用人脈情報は、その人脈において要注意人物、危険人物、或いは各種功績を残した人物、有名な人物等が含まれている場合にその旨のスコアや評価情報が盛り込まれている。この参照用人脈情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、人脈として〇〇賞を受賞した人物〇×が含まれている、参照用情報P35は、過去に犯罪を犯した人物▲◆が含まれている等である。
参照用第一印象情報は、過去の融資先の個人の第一印象に関するあらゆる情報である。この参照用第一印象情報としては、その過去の融資先の個人の顔画像や発した声等を通じて取得することができる。顔画像はカメラを通じて撮影された顔写真やデジタル画像で構成され、静止画及び動画の何れであってもよい。声は、マイクロフォンを通じて録音された音声である。このような顔画像や音声は、それぞれ解析される。顔画像は、画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用し、解析画像の特徴量に基づいて自動判別し、データ化してもよい。例えば顔画像を通じて嘘をついて自信のなさそうな部分や、悪意が含まれてる部分等、信用面に影響を及ぼす特徴を抽出することができる。音声についても嘘をついたり自信のない言動、今までと違った言動を繰り返すなど、信用面に影響を及ぼす特徴を抽出する。音声も既存の解析技術や機械学習を利用した特徴的なイントネーションやアクセントの抽出を通じて、信用面に影響を及ぼす特徴を抽出するようにしてもよい。参照用第一印象情報は、顔画像と音声の双方、或いは顔画像、音声の何れか一方からなるものであってもよい。
参照用性格情報は、過去の融資先の個人の性格に関するあらゆる情報である。この性格は、例えば、短気、気が長い、薄情、強情、温和、強気、弱気、虚偽の言動が多い、面倒見がいい、目上の人には礼儀正しい、約束は必ず守る、約束を頻繁に反故にする、等である。この性格は、例えば、SNSや各種情報サイトへの書き込み、金融機関が聴取した履歴書の内容、或いは性格診断テストや気質分析テスト等から取得したデータを活用してもよい。この参照用性格情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、気が弱くて薄情、参照用情報P35は、強気だが思いやりがある、等である。
参照用将来性情報は、過去の融資先の個人の将来性に関するあらゆる情報である。この参照用将来性情報は、学歴と現在の勤務先からスコア化するようにしてもよいし、現在の勤務先における役職や勤続年数、年収等もそのスコアに含めるようにしてもよい。またこれまでの転職履歴があればその履歴情報と培ってきたキャリアの情報があればそれも取得するようにしてもよい。このような参照用将来性情報は、例えば金融機関に提出する申請書る等に、このような履歴書、職務経歴書に記載するような欄があればそこから抽出するようにしてもよい。また資格の有無、役職への昇進スピード、留学経験、出向の経験等もこの参照用将来性情報の説明変数としてもよい。更に、特許の発明者や論文の著者に名前を連ねている場合には、これも参照用将来性情報の説明変数として加えてもよい。この参照用将来性情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、〇×大学卒で◆◆企業で勤続15年で役職は課長、5年前に〇△社に出向、参照用情報P35は、◇〇大学卒で〇〇企業に5年間勤務後、独立して〇□×業を営む、現在年商5千万円で従業員数2人等である。
参照用趣向情報は、過去の融資先の個人の趣味は特技に関するあらゆる情報である。趣味は、例えば、ゴルフ、釣り、麻雀、ランニング、ビリヤード、ボーリング、読書、スポーツ観戦、ドライブ、マリンスポーツ等であり、特技は、珠算2段、書道3段、バイオリン(〇〇コンクール入賞)、手品、茶道(高校時代、茶道部部長)等である。参照用趣向情報は、趣味、特技の双方が必ずしも必要ではなく、何れか一方のみで構成されていてもよい。この参照用趣向情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、趣味:釣り、特技:書道3段であり、参照用情報P35は、趣味:マリンスポーツ、特技:茶道(高校時代、茶道部部長)等である。
参照用属性情報は、過去の融資先の個人の属性に関するあらゆる情報である。参照用属性情報は、当該個人の年齢や健康状態、年収、生年月日、出身地、家庭環境(妻が妊娠中、家族が障害や病気を追っている、祖父母と同居しているか否か、被介護者が自宅に居るか否か、被災しているか否か、DVや虐待の有無や程度、離婚しているか否か、世帯収入、生活保護の有無、妻子の有無及びその年齢構成等、子供の就学状況)、また子供が就学中であれば、その学費と今後かかる見込みの学費、当該個人が現在就職活動中か、就業中か等も含まれる。健康状態については、当該個人が全くの健康体であるか、或いは先天的に何らかの障害があるのか否かと障害の程度、また生まれた後に後天的に発生した障害があるか否かとその障害の程度、また生後に何らかの疾病にかかったか否か、現状もその疾病が継続しているか否かとその程度、アレルギーの状態、炎症の状態、怪我の状態、持病の状態、服用している薬剤の状況等、健康状態を示すあらゆる情報が含まれる。この参照用属性情報に含まれる健康状態は、心拍数や脈拍数、血液データ、心電図データ、X線画像等、医療データそのものから導かれたものであってもよい。これらは何れも各家庭からの申告や提出文書、医師の診断書等を通じて得られるものであってもよい。この参照用属性情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、年齢46歳、出身地:静岡、年収〇万円、〇×企業に勤務、家庭環境:妻と長男、長女の4人家族、長男は高校性、長女は中学生、健康状態:過去に胃潰瘍で手術した経験があり、参照用情報P35は、年齢38歳、出身地:東京、年収〇万円、▲〇企業に勤務、家庭環境:妻と長女の3人家族、長女は小学生、健康状態:良好等である。また、この属性情報には、警察を始め各公的機関において保管されている前科、逮捕歴や賞罰に関する情報も含む。
参照用地域情報は、過去の融資先の個人が属する地域に関する情報である。ここでいう個人が属する地域とは、現住所の地域のみならず、勤務先の地域、前の住所の地域、更には出身地も含まれる。この参照用地域情報は、関東地方や東京都等といった括りでもよいが、市区町村、町名、番地レベルで細分化されていてもよい。このようにグループ化、細分化された地域がある中で、各セグメント化された地域における景況感、イベント、事故、事件、災害、伝染病等がこの参照用地域情報として反映される。この参照用業界情報は第1実施形態における参照用外部環境情報に支配される要素も含まれていることから、この参照用外部環境情報を引用することで構成してもよい。この参照用地域情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、東京都千代田区では、〇〇事件が発生、参照用情報P35は、奈良県は景況感指数〇〇等である。
参照用評判情報は、過去の融資先の個人の評判に関する情報である。この評判は、例えば、SNSやインターネット上の掲示板における評判、その個人が販売する商品や、運営するイベントに関する評判、個人が運営するブログにおける評価や評判等である。参照用評判情報は、主としてインターネット上のSNS、ブログ、情報サイト、掲示板等から取得する。この参照用評判情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、自社の運営している情報サイトで著作権、肖像権等の権利関係の問題を起こしたことがある、参照用情報P35は、SNSを通じて名指しで誹謗中傷等を行なったことがある等である。
融資先が法人の場合における参照用情報は、参照用専門家意見情報、参照用取引情報、参照用信用履歴情報、参照用企業倫理情報、参照用将来性情報、参照用属性情報、参照用業界情報、参照用経営者情報、参照用地域情報、参照用評判情報の何れか1以上で構成される。これらの各参照用情報は過去の融資先の個人から取得したものである。以下、融資先が個人の場合におけるこれらの参照用情報の詳細について説明をする。
参照用専門家意見情報は、参照用財務情報に対して発表された専門家の意見が反映された情報である。ここでいう過去の融資先の法人は、実際に融資を行った法人に限定されるものでは無く、それぞれ架空の法人を設定し、これについて金融機関が信用度を設定することで得たデータを活用してもよい。
参照用専門家意見情報は、参照用財務情報に対して専門家による見解が示されたあらゆる情報を意味し、アナリストレポートや新聞記事等に掲載されている各企業の株の増減の理由に関する専門家のコメント、今後の売上や利益の見通し、予測、見解等である。また、参照用専門家意見情報は、単に各企業の株が上がるか、下がるか、変わらないか、に関する予想そのものであってもよい。この参照用専門家意見情報としては、日経平均先物全体に関する意見、或いは特定のセグメント、業種に関する意見、更には個々の銘柄に関する意見の何れも含まれる。また参照用専門家意見情報としては、インターネット上に掲載される専門家(アナリスト)によるアナリストレポートや上昇又は下落の予想を取り込んでくるものであってもよい。
参照用取引情報は、過去の融資先の法人におけるそれまでの取引に関するあらゆる情報である。参照用取引情報は、実際の売買や取引においてどの程度フェアに行っていたか、また、誠実なトレードを行ってきたか、また取引相手の誠実性や安全性を示すものである。また参照用取引情報は、取引する金額や規模感も含まれる。この参照用取引情報は、金融機関における銀行口座への入出金や決済データから取得することができる。これらから入出金情報を得ることができる。また、参照用取引情報は、見積書、納品書、請求書から取得することができ、例えばEC(電子商取引)サイトでの販売、購入であれば、そのECサイトから取得することもできる。また、この参照用取引情報は、実際にECサイトを通じて売買を行った製品やサービスについて、評価者による評価内容も反映されるものであってもよい。評価内容が高いほど、より正当でしかもフェアな消費行動、購買を行ったものとみなすことができる。納品物の質の高さや納品の期日順守、取引前のメッセージの丁寧さ等の情報から参照用取引情報を抽出してもよい。またECサイトを通じて行った取引において納品したものについて欠陥があった場合、そのECサイトにおける書き込みを通じてこれを抽出することで、評価内容を下げるように制御してもよい。参照用取引情報は、過去の注文データから判別した不正取引の有無が反映されるものであってもよい。ここでいう不正取引の判別は、一日1回しか購入できない格安商品を、名前を変えて沢山購入したり、住所を上手く変更することで同一人であることが判別されないようにして購入している場合に、これをインターネット上の監視技術を通じて抽出するようにしてもよい。取引相手の誠実性や安全性は、口座入出金明細、会計データ、WEBサイト、決算明細書、帳簿情報から抽出してもよい。この抽出する際には、より危険性の高い取引相手について予め取得して学習させておき、機械学習を通じてこれらの口座入出金明細、会計データ、WEBサイト、決算明細書等から判別するようにしてもよい。また、取引相手と過去において交渉を行い、その取引履歴が紙媒体の文書やその文書の電子データを保有している場合には、この取引履歴文書から参照用取引情報を抽出してもよい。また、法人が立ち上げたサイトやSNS等に記載された主要取引先情報から参照用取引情報を抽出してもよい。この参照用消費行動情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、取引先が〇×株式会社、製品としてLED電球1万個を〇〇円で販売、ECサイトによる評価は5段階評価の中で4点、参照用情報P35は、取引先が△◆株式会社、5万5千円のPCを40台販売、ECサイトによる評価は5段階評価の中で5点、等である。
参照用信用履歴情報は、過去の融資先の法人におけるそれまでの信用履歴に関するあらゆる情報である。参照用信用履歴情報の例としては、クレジットローンの返済を怠ったり、携帯電話等の通信料の滞納の履歴の有無やその程度、企業が支払うべき年金や健康保険の支払い状況や滞納の履歴、納税の滞納等、自ら加入している保険の書類、過去に債務整理や自己破産歴があるか否か等である。この参照用信用履歴情報は、銀行の入出金履歴から取得するようにしてもよい。この参照用信用履歴情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、過去において携帯電話やクレジットローンの延滞歴は0、参照用情報P35は、過去においてクレジットローンの延滞歴は3回、参照用情報P36は、過去において携帯電話の通話料の延滞歴は1回、等である。
参照用企業倫理情報は、過去の融資先の法人におけるそれまでの企業倫理に関するあらゆる情報である。ここでいう企業倫理とは、廃棄物をきちんと処理をしているか、工場から公害を発生させていないが、近隣の住民に対する配慮が行われているか等であるがこれに限定されるものでは無く、特許権の侵害や法律違反、技術流出や個人情報の流出等の不祥事やトラブル、脱税や、各種犯罪でニュースになっていた場合もこの参照用企業倫理情報に反映させるようにしてもよい。例えば、不当解雇やパワハラ、残業方による過労死や自殺等でニュースになった場合には、そのニュース情報をインターネット上の各種情報サイトから取り込んでくることにより、この参照用企業倫理情報を形成するようにしてもよい。この参照用企業倫理情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、防衛機密情報〇〇の流出、参照用情報P35は、パワハラで社員が自殺等である。
参照用将来性情報は、過去の融資先の法人の将来性に関するあらゆる情報である。この参照用将来性情報は、その企業が今後大きく伸びていく可能性が有れば信用度が高くなるように、またその企業が今後停滞する可能性が高い場合には信用度が低くなるように設定するための説明変数である。参照用将来性情報は、その企業の研究開発に関する取組から抽出されるものであってもよく、例えば、その企業が出した特許公報や論文、技報のテキストデータから、将来の市場ニーズに合致するキーワードを含む特許出願等が何件出ているか、その業界における全特許出願件数に対する割合に基づいてスコア化してもよいし、ニュース記事において将来の成長や売上増につながる内容からその参照用将来性情報をスコア化してもよい。将来性が暗くなるようなニュース記事からも同様に参照用将来性情報をスコア化してもよい。また、法人の将来性は、その業界の将来性が高ければ、そこに属する法人の将来性も同様に高くなる傾向があることから、第1実施形態における市場将来性情報を引用してきてもよい。
参照用属性情報は、過去の融資先の法人の属性に関するあらゆる情報である。ここでいう属性とは、その法人の業種や技術分野、歴史、沿革、資本金、規模、従業員数、設立年数等が含まれるが、これに限定されるものでは無く、社風や従業の士気、採用者数等も含まれる。
参照用業界情報は、過去の融資先の法人の属する業界に関するあらゆる情報である。参照用業界情報は、その業界の歴史や、グローバル環境におけるその業界のポジション、業界としての成長性、商慣習、需給関係、KSF、KBF、その業界のビジネスモデル、カネやモノの流れ等の情報である。この参照用業界情報は第1実施形態における参照用市況情報や参照用外部環境情報に支配される要素も含まれていることから、これら参照用市況情報や参照用外部環境情報を引用することで構成してもよい。
参照用経営者情報は、過去の融資先の法人の経営者に関するあらゆる情報である。ここでいる経営者とは、社長のみならず、経営に参画する役員も含む。この参照用経営者情報は、経営者のキャリア、実績に加え、経営者の年齢や健康状態、年収、生年月日、出身地、家庭環境を含む。また経営者としての名声、賞罰、スキャンダル等も説明変数に加えてスコア化してもよい。これに加えて経営者の第一印象に関するあらゆる情報をこの参照用経営者情報に含めてもよい。かかる場合は、上述した参照用第一印象情報と同様に、経営者の顔画像や発した声等を通じて取得することができる。取得した経営者の顔画像や音声は、それぞれ解析される。顔画像は、画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用し、解析画像の特徴量に基づいて自動判別し、データ化してもよい。例えば顔画像を通じて嘘をついて自信のなさそうな部分や、悪意が含まれてる部分等、信用面に影響を及ぼす特徴を抽出することができる。音声についても嘘をついたり自信のない言動、今までと違った言動を繰り返すなど、信用面に影響を及ぼす特徴を抽出する。音声も既存の解析技術や機械学習を利用した特徴的なイントネーションやアクセントの抽出を通じて、信用面に影響を及ぼす特徴を抽出するようにしてもよい。顔画像と音声の双方、或いは顔画像、音声の何れか一方からなるものであってもよい。
参照用地域情報は、過去の融資先の法人が属する地域に関する情報である。ここでいう法人が属する地域とは、法人が立地する住所の地域である。この参照用地域情報は、関東地方や東京都等といった括りでもよいが、市区町村、町名、番地レベルで細分化されていてもよい。このようにグループ化、細分化された地域がある中で、各セグメント化された地域における景況感、イベント、事故、事件、災害、伝染病等がこの参照用地域情報として反映される。この参照用業界情報は第1実施形態における参照用外部環境情報に支配される要素も含まれていることから、この参照用外部環境情報を引用することで構成してもよい。この参照用地域情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、東京都千代田区では、〇〇事件が発生、参照用情報P35は、奈良県は景況感指数〇〇等である。
参照用評判情報は、過去の融資先の法人の評判に関する情報である。この評判は、例えば、SNSやインターネット上の掲示板における評判、その法人が販売する製品又はサービスや、運営するイベントに関する評判、法人が運営するブログにおける評価や評判等である。参照用評判情報は、主としてインターネット上のSNS、ブログ、情報サイト、掲示板等から取得する。この参照用評判情報を上述した参照用情報P34〜P36に当てはめる場合には、例えば参照用情報P34は、法人の運営している情報サイトで著作権、肖像権等の権利関係の問題を起こしたことがある、参照用情報P35は、SNSを通じてその法人が慈善団体か抗議を受けたことがある等である。
次に、この第2実施形態において、信用度の解を探索することになるが、その方法の詳細は、第1実施形態と同様であるため、第1実施形態の説明を引用することにより、以下での説明は省略する。
例えば、個人向けの融資の場合には、財務情報に加えて、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れかを取得する。この取得する情報に応じた参照用情報と、上述した参照用財務情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度を予め設定しておく。ここで、消費行動情報は、参照用消費行動情報に対応し、取引情報は、参照用取引情報に対応し、信用履歴情報は、参照用信用履歴情報に対応し、人脈情報は、参照用人脈情報に対応し、第一印象情報は、参照用第一印象情報に対応し、性格情報は、参照用性格情報に対応し、将来性情報は、参照用将来性情報に対応し、趣向情報は、参照用趣向情報に対応し、属性情報は、参照用属性情報に対応し、地域情報は、参照用地域情報に対応し、評判情報は、参照用評判情報に対応する。これら、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の取得方法は、それぞれに応じた参照用情報と同様である。
例えば、消費行動情報を取得する場合には、事前に参照用財務情報と、図11に示す参照用情報としての参照用消費行動情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておく。
図11の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用情報P34〜37には、それぞれ参照用消費行動情報P34〜37が入る。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用消費行動情報が組み合わさったものが、図11に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用消費行動情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用消費行動情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用消費行動情報に対して、各信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照用消費行動情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用消費行動情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際にその消費行動に応じて、判断することができ、資金回収の可能性は異なるものとなる。このため、これらの参照用財務情報と参照用消費行動情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図11の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図11に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用財務情報と参照用消費行動情報、並びにその場合の信用度の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図11に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用財務情報P01で、参照用情報(参照用消費行動情報)P36である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。信用度が「破綻可能性有」の事例が多い場合には、この「破綻可能性有」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「破綻可能性有」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「破綻可能性有」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図11に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図11に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用情報(参照用消費行動情報)P34の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「非常に高い」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用情報(参照用消費行動情報)P35、P37の組み合わせのノードであり、信用度の連関度がw17、信用度の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから信用度判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに信用度の判定を行う企業から財務情報に加え、消費行動情報を取得する。この消費行動情報は、上述した参照用消費行動情報に対応するものである。
このようにして新たに取得した財務情報、消費行動情報に基づいて、最適な信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図11(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、消費行動情報がP37と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
他の取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報を取得する場合もこれらに応じた参照用情報を図11に示すように参照用財務情報との組み合わせで同様に学習用データを作っておく。そして、実際に取得した取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報と、その個人の財務情報を取得し、予め取得した連関度を参照して同様に信用度を求めることができる。
なお、財務情報に加えて、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報を参照用財務情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、財務情報に加えて、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか1以上に加え、更に、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、法人向けの融資の場合には、財務情報に加えて、専門家意見情報、取引情報、信用履歴情報、企業倫理情報、将来性情報、属性情報、業界情報、経営者情報、地域情報、評判情報の何れかを取得する。この取得する情報に応じた参照用情報と、上述した参照用財務情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度を予め設定しておく。ここで、専門家意見情報は、参照用専門家意見情報に対応し、取引情報は、参照用取引情報に対応し、信用履歴情報は、参照用信用履歴情報に対応し、企業倫理情報は、参照用企業倫理情報に対応し、将来性情報は、参照用将来性情報に対応し、属性情報は、参照用属性情報に対応し、業界情報は、参照用業界情報に対応し、経営者情報は、参照用経営者情報に対応し、地域情報は、参照用地域情報に対応し、評判情報は、参照用評判情報に対応する。
例えば、専門家意見情報を取得する場合には、事前に参照用財務情報と、図11に示す参照用情報としての参照用専門家意見情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておく。
図11の例では、入力データとして例えば参照用財務情報P01〜P03、参照用情報P34〜37には、それぞれ参照用専門家意見情報P34〜37が入る。このような入力データとしての、参照用財務情報に対して、参照用専門家意見情報が組み合わさったものが、図11に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての信用度が表示されている。
参照用財務情報と参照用専門家意見情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用財務情報と参照用専門家意見情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用財務情報と参照用専門家意見情報に対して、各信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用財務情報と参照用専門家意見情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用財務情報と参照用専門家意見情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。財務情報に加え、実際にその専門家意見に応じて、判断することができ、資金回収の可能性は異なるものとなる。このため、これらの参照用財務情報と参照用専門家意見情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図11に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用財務情報P01に対して、参照用情報(参照用専門家意見情報)P34の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「非常に高い」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用財務情報P02に対して、参照用情報(参照用専門家意見情報)P35、P37の組み合わせのノードであり、信用度の連関度がw17、信用度の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから信用度判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに信用度の判定を行う企業から財務情報に加え、専門家意見情報を取得する。この専門家意見情報は、上述した参照用専門家意見情報に対応するものである。
このようにして新たに取得した財務情報、専門家意見情報に基づいて、最適な信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図11(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した財務情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、専門家意見情報がP37と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
他の財務情報に加えて、取引情報、信用履歴情報、企業倫理情報、将来性情報、属性情報、業界情報、経営者情報、地域情報、評判情報を取得する場合もこれらに応じた参照用情報を図11に示すように参照用財務情報との組み合わせで同様に学習用データを作っておく。そして、実際に取得した取引情報、信用履歴情報、企業倫理情報、将来性情報、属性情報、業界情報、経営者情報、地域情報、評判情報と、その法人の財務情報を取得し、予め取得した連関度を参照して同様に信用度を求めることができる。
なお、財務情報に加えて、専門家意見情報、取引情報、信用履歴情報、企業倫理情報、将来性情報、属性情報、業界情報、経営者情報、地域情報、評判情報の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報を参照用財務情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、財務情報に加えて、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか1以上に加え、更に、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
第3実施形態
以下、第3実施形態について説明をする。この第3実施形態を実行する上では、第2実施形態において使用する融資先信用度判定システム1、情報取得部9、探索装置2、データベース3を同様に使用する。これらの各構成の説明は、第1実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。また、この第3実施形態において、融資先が個人の場合における参照用情報としての参照用消費行動情報、参照用取引情報、参照用信用履歴情報、参照用人脈情報、参照用第一印象情報、参照用性格情報、参照用将来性情報、参照用趣向情報、参照用属性情報、参照用地域情報、参照用評判情報の詳細は第2実施形態と同様であるため、第2実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。同様に、この第3実施形態において、融資先が法人の場合における参照用情報としての参照用専門家意見情報、参照用取引情報、参照用信用履歴情報、参照用企業倫理情報、参照用将来性情報、参照用属性情報、参照用業界情報、参照用経営者情報、参照用地域情報、参照用評判情報の詳細は第2実施形態と同様であるため、第2実施形態の説明を引用することで以下での説明を省略する。
第3実施形態では、例えば図12に示すように、参照用性格情報と、個人の信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。これらのデータセットから学習済みモデルを作る上で、この信用度は、実際に過去において判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて金融機関等が判定した信用度を学習データに含めてもよい。
図12の例では、入力データとして例えば参照用性格情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用性格情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。参照用性格情報は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用性格情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用性格情報に対して、何れの信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用性格情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用性格情報から最も確からしい信用度を選択する上での的確性を示すものである。
図12の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての信用度と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての信用度と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図12に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用性格情報と、その場合の信用度の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図12に示す連関度を作り上げておく。この連関度を利用した解探索方法は、第1実施形態の図3における説明と同様であるため、当該説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、この図12に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図13に示すように、入力データとして参照用性格情報が入力され、出力データとして各信用度が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に信用度が入力で参照用性格情報が出力となるように構成されていてもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに信用度の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して信用度を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに信用度を判定する融資先の個人の最近の性格情報を取得する。この性格情報は、上述した参照用性格情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する性格情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような性格情報を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した性格情報に基づいて、実際にその性格情報に対して、判定される可能性の高い信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図12(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した性格情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「実質破綻」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「実質破綻」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する性格情報から、判定すべき信用度を探索し、ユーザ(コンサルタント、銀行員、顧客)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザは、探索された信用度に基づいて、融資先候補の信用の程度把握することができる。ちなみに、この信用度を出力する過程において、単に探索された信用度のみを表示する以外に、この信用度に基づいて、具体的にどの程度融資すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
また、第3実施形態では、図14に示すように、参照用性格情報と、以下に示す参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている場合も同様に探索解を導出することができる。
第3実施形態において想定する個人向けの融資の場合には、性格情報に加えて、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れかを取得する。この取得する情報に応じた参照用情報と、上述した参照用性格情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度を予め設定しておく。ここで、消費行動情報は、参照用消費行動情報に対応し、取引情報は、参照用取引情報に対応し、信用履歴情報は、参照用信用履歴情報に対応し、人脈情報は、参照用人脈情報に対応し、第一印象情報は、参照用第一印象情報に対応し性格情報は、参照用性格情報に対応し、将来性情報は、参照用将来性情報に対応し、趣向情報は、参照用趣向情報に対応し、属性情報は、参照用属性情報に対応し、地域情報は、参照用地域情報に対応し、評判情報は、参照用評判情報に対応する。これら、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の取得方法は、それぞれに応じた参照用情報と同様である。
例えば、将来性情報を取得する場合には、事前に参照用性格情報と、図14に示す参照用情報としての参照用将来性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておく。
図14の例では、入力データとして例えば参照用性格情報P01〜P03、参照用情報P34〜37には、それぞれ参照用将来性情報P34〜37が入る。このような入力データとしての、参照用性格情報に対して、参照用将来性情報が組み合わさったものが、図14に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての信用度が表示されている。
参照用性格情報と参照用将来性情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用性格情報と参照用将来性情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用性格情報と参照用将来性情報に対して、各信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用性格情報と参照用将来性情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用性格情報と参照用将来性情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。性格情報に加え、実際にその将来性情報に応じて、判断することができ、資金回収の可能性は異なるものとなる。このため、これらの参照用性格情報と参照用将来性情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図14の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図14に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用性格情報と参照用将来性情報、並びにその場合の信用度の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図14に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用性格情報P01で、参照用情報(参照用将来性情報)P36である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。信用度が「破綻可能性有」の事例が多い場合には、この「破綻可能性有」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「破綻可能性有」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「破綻可能性有」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図14に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図14に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用性格情報P01に対して、参照用情報(参照用将来性情報)P34の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「非常に高い」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用性格情報P02に対して、参照用情報(参照用将来性情報)P35、P37の組み合わせのノードであり、信用度の連関度がw17、信用度の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから信用度判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに信用度の判定を行う企業から性格情報に加え、将来性情報を取得する。この性格情報は、上述した参照用将来性情報に対応するものである。
このようにして新たに取得した性格情報、将来性情報に基づいて、最適な信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図14(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した性格情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、将来性情報がP37と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
他の趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報を取得する場合もこれらに応じた参照用情報を図14に示すように参照用性格情報との組み合わせで同様に学習用データを作っておく。そして、実際に取得した趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報と、その個人の性格情報を取得し、予め取得した連関度を参照して同様に信用度を求めることができる。
なお、性格情報に加えて、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報を参照用性格情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、性格情報に加えて将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか1以上に加え、更に、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
更に、性格情報に加えて、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報の何れか1以上を取得する場合も同様に、参照用性格情報と、その取得する第1実施形態の情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。
また第3実施形態では、例えば図15に示すように、参照用評判情報と、個人の信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。これらのデータセットから学習済みモデルを作る上で、この信用度は、実際に過去において判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて金融機関等が判定した信用度を学習データに含めてもよい。
図15の例では、入力データとして例えば参照用評判情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用評判情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。参照用評判情報は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用評判情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用評判情報に対して、何れの信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用評判情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用評判情報から最も確からしい信用度を選択する上での的確性を示すものである。
探索装置2は、このような図15に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用評判情報と、その場合の信用度の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図15に示す連関度を作り上げておく。この連関度を利用した解探索方法は、第1実施形態の図12における説明と同様であるため、当該説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、この図15に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに信用度の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して信用度を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに信用度を判定する融資先の個人の最近の評判情報を取得する。この評判情報は、上述した参照用評判情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する財務情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような財務情報を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した評判情報に基づいて、実際にその評判情報に対して、判定される可能性の高い信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図15(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した評判情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「実質破綻」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「実質破綻」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する評判情報から、判定すべき信用度を探索し、ユーザ(コンサルタント、銀行員、顧客)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザは、探索された信用度に基づいて、融資先候補の信用の程度把握することができる。ちなみに、この信用度を出力する過程において、単に探索された信用度のみを表示する以外に、この信用度に基づいて、具体的にどの程度融資すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。
また、第3実施形態では、図16に示すように、参照用評判情報と、以下に示す参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている場合も同様に探索解を導出することができる。
第3実施形態において想定する個人向けの融資の場合には、評判情報に加えて、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報の何れかを取得する。この取得する情報に応じた参照用情報と、上述した参照用評判情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度を予め設定しておく。ここで、消費行動情報は、参照用消費行動情報に対応し、取引情報は、参照用取引情報に対応し、信用履歴情報は、参照用信用履歴情報に対応し、人脈情報は、参照用人脈情報に対応し、第一印象情報は、参照用第一印象情報に対応し、性格情報は、参照用性格情報に対応し、将来性情報は、参照用将来性情報に対応し、趣向情報は、参照用趣向情報に対応し、属性情報は、参照用属性情報に対応し、地域情報は、参照用地域情報に対応し、評判情報は、参照用評判情報に対応する。これら、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報の取得方法は、それぞれに応じた参照用情報と同様である。
例えば、属性情報を取得する場合には、事前に参照用評判情報と、図16に示す参照用情報としての参照用属性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておく。
図16の例では、入力データとして例えば参照用評判情報P01〜P03、参照用情報P34〜37には、それぞれ参照用属性情報P34〜37が入る。このような入力データとしての、参照用評判情報に対して、参照用属性情報が組み合わさったものが、図16に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての信用度が表示されている。
参照用評判情報と参照用属性情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用評判情報と参照用属性情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用評判情報と参照用属性情報に対して、各信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用評判情報と参照用属性情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用評判情報と参照用属性情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。評判情報に加え、実際にその属性情報に応じて、判断することができ、資金回収の可能性は異なるものとなる。このため、これらの参照用評判情報と参照用属性情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図16の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図16に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用評判情報と参照用属性情報、並びにその場合の信用度の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図16に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用評判情報P01で、参照用情報(参照用属性情報)P36である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。信用度が「破綻可能性有」の事例が多い場合には、この「破綻可能性有」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「破綻可能性有」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「破綻可能性有」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
図16に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用評判情報P01に対して、参照用情報(参照用属性情報)P34の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「非常に高い」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用評判情報P02に対して、参照用情報(参照用属性情報)P35、P37の組み合わせのノードであり、信用度の連関度がw17、信用度の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから信用度判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに信用度の判定を行う企業から評判情報に加え、属性情報を取得する。この評判情報は、上述した参照用属性情報に対応するものである。
このようにして新たに取得した評判情報、属性情報に基づいて、最適な信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図14(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した評判情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、属性情報がP37と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
他の趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報を取得する場合もこれらに応じた参照用情報を図14に示すように参照用評判情報との組み合わせで同様に学習用データを作っておく。そして、実際に取得した趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報と、その個人の評判情報を取得し、予め取得した連関度を参照して同様に信用度を求めることができる。
なお、評判情報に加えて、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報を参照用評判情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、評判情報に加えて将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか1以上に加え、更に、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
更に、評判情報に加えて、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報の何れか1以上を取得する場合も同様に、参照用評判情報と、その取得する第1実施形態の情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。 また第3実施形態では、例えば図17に示すように、参照用趣向情報と、個人の信用度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。これらのデータセットから学習済みモデルを作る上で、この信用度は、実際に過去において判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて金融機関等が判定した信用度を学習データに含めてもよい。
図17の例では、入力データとして例えば参照用趣向情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用趣向情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、信用度が表示されている。参照用趣向情報は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用趣向情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用趣向情報に対して、何れの信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用趣向情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用趣向情報から最も確からしい信用度を選択する上での的確性を示すものである。
探索装置2は、このような図17に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用趣向情報と、その場合の信用度の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図17に示す連関度を作り上げておく。この連関度を利用した解探索方法は、第1実施形態の図12における説明と同様であるため、当該説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、この図17に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに信用度の判定を行う上で、上述した学習済みデータを利用して信用度を予測することとなる。かかる場合には、実際に新たに信用度を判定する融資先の個人の最近の趣向情報を取得する。この趣向情報は、上述した参照用趣向情報と同種のデータで構成される。
新たに取得する財務情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような財務情報を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した趣向情報に基づいて、実際にその趣向情報に対して、判定される可能性の高い信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図17(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した趣向情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「実質破綻」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「実質破綻」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する趣向情報から、判定すべき信用度を探索し、ユーザ(コンサルタント、銀行員、顧客)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザは、探索された信用度に基づいて、融資先候補の信用の程度把握することができる。ちなみに、この信用度を出力する過程において、単に探索された信用度のみを表示する以外に、この信用度に基づいて、具体的にどの程度融資すべきかまでを表示することで助言を構成するようにしてもよい。 また、第3実施形態では、図18に示すように、参照用趣向情報と、以下に示す参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度が設定されている場合も同様に探索解を導出することができる。
第3実施形態において想定する個人向けの融資の場合には、趣向情報に加えて、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、属性情報、地域情報の何れかを取得する。この取得する情報に応じた参照用情報と、上述した参照用趣向情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度を予め設定しておく。ここで、消費行動情報は、参照用消費行動情報に対応し、取引情報は、参照用取引情報に対応し、信用履歴情報は、参照用信用履歴情報に対応し、人脈情報は、参照用人脈情報に対応し、第一印象情報は、参照用第一印象情報に対応し、性格情報は、参照用性格情報に対応し、将来性情報は、参照用将来性情報に対応し、趣向情報は、参照用趣向情報に対応し、属性情報は、参照用属性情報に対応し、地域情報は、参照用地域情報に対応し、評判情報は、参照用評判情報に対応する。これら、消費行動情報、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、属性情報、地域情報、評判情報の取得方法は、それぞれに応じた参照用情報と同様である。
例えば、属性情報を取得する場合には、事前に参照用趣向情報と、図18に示す参照用情報としての参照用属性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておく。
図18の例では、入力データとして例えば参照用趣向情報P01〜P03、参照用情報P34〜37には、それぞれ参照用属性情報P34〜37が入る。このような入力データとしての、参照用趣向情報に対して、参照用属性情報が組み合わさったものが、図18に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての信用度が表示されている。
参照用趣向情報と参照用属性情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての信用度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用趣向情報と参照用属性情報がこの連関度を介して左側に配列し、信用度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用趣向情報と参照用属性情報に対して、各信用度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用趣向情報と参照用属性情報が、いかなる信用度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用趣向情報と参照用属性情報から最も確からしい各信用度を選択する上での的確性を示すものである。趣向情報に加え、実際にその属性情報に応じて、判断することができ、資金回収の可能性は異なるものとなる。このため、これらの参照用趣向情報と参照用属性情報の組み合わせで、最適な信用度を探索していくこととなる。
図18の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図18に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用趣向情報と参照用属性情報、並びにその場合の信用度の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図18に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用趣向情報P01で、参照用情報(参照用属性情報)P36である場合に、その信用度を過去のデータから分析する。信用度が「破綻可能性有」の事例が多い場合には、この「破綻可能性有」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「破綻可能性有」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「破綻可能性有」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「破綻可能性有」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「破綻可能性有」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
図18に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用趣向情報P01に対して、参照用情報(参照用属性情報)P34の組み合わせのノードであり、「実質破綻」の連関度がw15、「非常に高い」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用趣向情報P02に対して、参照用情報(参照用属性情報)P35、P37の組み合わせのノードであり、信用度の連関度がw17、信用度の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから信用度判定のための探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、新たに信用度の判定を行う企業から趣向情報に加え、属性情報を取得する。この趣向情報は、上述した参照用属性情報に対応するものである。
このようにして新たに取得した趣向情報、属性情報に基づいて、最適な信用度を探索する。かかる場合には、予め取得した図14(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した趣向情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、属性情報がP37と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「実質破綻」がw19、「要注意先」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「実質破綻」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「要注意先」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
他の信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、属性情報、地域情報、評判情報を取得する場合もこれらに応じた参照用情報を図14に示すように参照用趣向情報との組み合わせで同様に学習用データを作っておく。そして、実際に取得した信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、性格情報、将来性情報、属性情報、地域情報、評判情報と、その個人の趣向情報を取得し、予め取得した連関度を参照して同様に信用度を求めることができる。
なお、趣向情報に加えて、将来性情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか2以上を取得する場合には、その取得する2以上の情報に応じた、2以上の参照用情報を参照用趣向情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、趣向情報に加えて将来性情報、属性情報、地域情報、評判情報の何れか1以上に加え、更に、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報を取得する場合も同様に、その取得する情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。かかる場合の具体的な方法は、第1実施形態の図10の説明と同様であることから、かかる説明を引用することで以下での説明を省略する。
更に、趣向情報に加えて、第1実施形態における経営計画情報、知的資産情報、市況情報、外部環境情報の何れか1以上を取得する場合も同様に、参照用趣向情報と、その取得する第1実施形態の情報に応じた参照用経営計画情報、参照用知的資産情報、参照用市況情報、参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する信用度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておくことで、同様に信用度の解探索を行うことができる。
また本発明は、図19に示すように参照用情報Uと参照用情報Vという2種類以上の情報の組み合わせの連関度に基づいて各信用度を判別するものである。この参照用情報Uが参照用評判情報であり、参照用情報Vが図14に示す参照用情報P34〜37であるものとする。或いは、参照用情報Uが図14に示す参照用情報P34〜37であり、参照用情報Vが、参照用評判情報であるものとする。
このとき、図19に示すように、参照用情報Uについて得られた出力をそのまま入力データとして、参照用情報Vとの組み合わせの中間ノード61を介して出力と関連付けられていてもよい。例えば、参照用情報Uについて、出力解を出した後、これをそのまま入力として、他の参照用情報Vとの間での連関度を利用し、出力を探索するようにしてもよい。参照用情報Uが参照用性格情報、参照用趣向情報である場合も同様である。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に融資を検討している企業の信用度の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいてより信用度に関する信憑性が高く、誤認の低い信用度を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また市況情報に加え、イベント情報、外部環境情報、家計情報、不動産情報、専門家意見情報、自然環境情報に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
第4実施形態
第4実施形態においては、人材採用時における応募者の採用適格度を自動的かつ高精度に判定する採用適格度判定プログラムに関するものである。
採用適格度判定プログラムは、第1実施形態〜第3実施形態において説明した参照用情報のうち、融資先が個人の場合における参照用情報を利用する。そして、この採用適格度判定プログラムでは、出力すべき探索解を、信用度の代わりに採用適格度とする。採用適格度は、企業が人材を新たに採用しようとするとき、その応募者を採用する上で手機械か否かを示すパラメータである。この採用適格度は例えば1000点満点とし、点数が高いほど採用すべき旨を示唆しており、点数が低いほど採用すべきでないことを示唆している。
採用適格度は、これ以外に、単に採用すべき、採用すべきでない、の2値で表すようにしてもよいし、採用すべきか否かに応じて3レベル以上に段階分けして示すようにしてもよい。
この採用適格度は、第1実施形態〜第3実施形態において説明した個人の信用度に対応している。個人の信用度が高いほど、実際に企業に入社しても信用のある仕事ぶりや顧客対応、社会人としての信用の高いふるまいをしてくれるものと判断することができる。
図20は、参照用性格情報と、採用適格度との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。これらのデータセットから学習済みモデルを作る上で、この採用適格度は、実際に過去において採否判定された個人のみならず、架空のペルソナを設定し、これについて専門家や各種業者、実際の企業が判定した採用適格度を学習データに含めてもよい。
図20の例では、入力データとして例えば参照用性格情報P01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用性格情報は、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、採用適格度が表示されている。参照用性格情報は、この出力解としての採用適格度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用性格情報がこの連関度を介して左側に配列し、採用適格度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用性格情報に対して、何れの採用適格度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用性格情報が、いかなる採用適格度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用性格情報から最も確からしい採用適格度を選択する上での的確性を示すものである。
探索装置2は、このような図20に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用性格情報と、その場合の採用適格度の何れが採用されたか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図20に示す連関度を作り上げておく。この連関度を利用した解探索方法は、第1実施形態の図3における説明と同様であるため、当該説明を引用することで以下での説明を省略する。
新たに取得する性格情報は、上述した情報取得部9により入力される。情報取得部9は、このような性格情報を電子データとして取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した性格情報に基づいて、実際にその性格情報に対して、判定される可能性の高い採用適格度を探索する。かかる場合には、予め取得した図20(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した性格情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「採用適格度 750点」がw15、「採用適格度 28点」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「採用適格度 750点」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「採用適格度 28点」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する性格情報から、判定すべき採用適格度を探索し、ユーザ(面接担当者、人事部門担当者)に表示することができる。この探索結果を見ることにより、ユーザは、探索された採用適格度に基づいて、応募者を採用すべきか否かある程度把握することができる。
また第4実施形態では、図21に示すように、参照用性格情報と、以下に示す参照用情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する採用適格度との3段階以上の連関度が設定されている場合も同様に探索解を導出することができる。
第4実施形態において想定する採否判断の場合には、性格情報に加えて、取引情報、信用履歴情報、人脈情報、第一印象情報、将来性情報、趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報、その他第1実施形態〜第3実施形態において示した個人を対象としたいかなる参照用情報の何れかを取得する。この取得する情報に応じた参照用情報と、上述した参照用性格情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する採用適格度との3段階以上の連関度を予め設定しておく。
例えば、将来性情報を取得する場合には、事前に参照用性格情報と、図21に示す参照用情報としての参照用将来性情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する採用適格度との3段階以上の連関度からなる学習用データを作っておく。
図21の例では、入力データとして例えば参照用性格情報P01〜P03、参照用情報P34〜37には、それぞれ参照用将来性情報P34〜37が入る。このような入力データとしての、参照用性格情報に対して、参照用将来性情報が組み合わさったものが、図21に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての採用適格度が表示されている。
参照用性格情報と参照用将来性情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての採用適格度に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用性格情報と参照用将来性情報がこの連関度を介して左側に配列し、採用適格度が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用性格情報と参照用将来性情報に対して、各採用適格度と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用性格情報と参照用将来性情報が、いかなる採用適格度に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用性格情報と参照用将来性情報から最も確からしい各採用適格度を選択する上での的確性を示すものである。
図21の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
探索装置2は、このような図21に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり探索装置2は、実際の探索解の判別を行う上で参照用性格情報と参照用将来性情報、並びにその場合の採用適格度の何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図21に示す連関度を作り上げておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用性格情報P01で、参照用情報(参照用将来性情報)P36である場合に、その採用適格度を過去のデータから分析する。採用適格度が「採用適格度543点」の事例が多い場合には、この「採用適格度543点」につながる連関度をより高く設定し、「採用適格度 750点」の事例が多く、「採用適格度 28点」の事例が少ない場合には、「採用適格度 750点」につながる連関度を高くし、「採用適格度 28点」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「採用適格度 254点」と「採用適格度 750点」の出力にリンクしているが、以前の事例から「採用適格度 254点」につながるw13の連関度を7点に、「採用適格度 750点」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図21に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このようにして新たに取得した性格情報、将来性情報に基づいて、最適な採用適格度を探索する。かかる場合には、予め取得した図21(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した性格情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、将来性情報がP37と同一かこれに類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「採用適格度 28点」がw19、「採用適格度 543点」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い「採用適格度 28点」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「採用適格度 543点」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
他の趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報等を取得する場合もこれらに応じた参照用情報を図21に示すように参照用性格情報との組み合わせで同様に学習用データを作っておく。そして、実際に取得した趣向情報、属性情報、地域情報、評判情報と、その個人の性格情報を取得し、予め取得した連関度を参照して同様に採用適格度を求めることができる。
なお、第4実施形態においては、上述した第1実施形態〜第3実施形態における個人を対象とした信用度に関して、全て採用適格度に置き換えて学習させるようにしてもよく、同様の方法で探索解としての採用適格度を導出するようにしてもよい。
第1実施形態〜第4実施形態ともに、参照用財務情報、参照用性格情報、参照用評判情報、参照用趣向情報を基調とし、この基調とした参照用情報に対して他の異なる参照用情報とを組み合わせて連関度を構成する場合を例に挙げて説明をしたが、これに限定されるものでは無い。他のいかなる参照用情報を基調とし、この基調とした参照用情報に対して他の異なる参照用情報とを組み合わせて連関度を構成するようにしてもよい。かかる場合には、その組み合わせを構成する参照用情報に応じた情報の入力を受けて解探索が行われることは勿論である。
また、第1実施形態〜第4実施形態ともに、上述した実施の形態に限定されるものでは無く、例えば図22に示すように、基調となる参照用情報と、採用適格度との3段階以上の連関度を利用するようにしてもよい。かかる場合には、新たに取得した情報に応じた参照用情報と採用適格度との3段階以上の連関度に基づき、解探索を行うことになる。
これらの場合も同様に、学習用データとして用いられた参照用情報に応じた情報が入力された場合に、上述した方法に基づいて解探索が行われることとなる。
連関度を通じて求められる探索解は、更に、他の参照用情報に基づいて修正され、或いは重み付けを変化させるようにしてもよい。
ここでいう他の参照用情報とは、上述した参照用情報の何れかを基調となる参照用情報とした場合、当該基調となる参照用情報以外のいかなる参照用情報に該当する。
例えば、他の参照用情報の一つとして、参照用趣向情報において、以前において信用度が非常に低かった経緯があったものとする。このような場合であれば、信用度が低くなる場合が多い。このとき、信用度が高い探索解に対して、重み付けを下げる処理を行い、換言すれば信用度が低い探索解につながるようにする処理を行うように予め設定しておく。
例えば、他の参照用情報Gが、より信用度(採用適格度)が高いレベルを示唆するような分析結果であり、参照用情報Fが、より信用度が低いレベルを示唆するような分析結果であるものとする。このように参照用情報との間での設定の後、実際に取得した情報が参照用情報Gと同一又は類似する場合には、信用度が高いレベルの重み付けを上げる処理を行う。これに対して、実際に取得した情報が参照用情報Fと同一又は類似する場合には、信用度が低いレベルの重み付けを上げる処理を行う。つまり、信用度につながる連関度そのものを、この参照用情報F〜Hに基づいてコントロールするようにしてもよい。或いは、信用度を上述した連関度のみで決定した後、この求めた探索解に対して参照用情報F〜Hに基づいて修正を加えるようにしてもよい。後者の場合において、参照用情報F〜Hに基づいてどのように探索解としての信用度(採用適格度)にいかなるウェートで修正を加えるかは、都度システム側において設計したものを反映させることとなる。
また参照用情報は、何れか1種で構成される場合に限定されるものではなく、2種以上の参照用情報に基づいて解探索するようにしてもよい。かかる場合も同様に、参照用情報の示唆する信用度(採用適格度)がより高いものにつながるケースほど、連関度を介して求められた探索解としての信用度(採用適格度)をより高く修正し、参照用情報の示唆する信用度(採用適格度)がより低いものにつながるケースほど、連関度を介して求められた探索解としての信用度(採用適格度)をより低く修正するようにしてもよい。