[第1実施形態]
以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークンなどを適用することもできる。また、遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し所定の付与条件が成立した場合に獲得ポイント等、電子データとして特典を付与する封入式の遊技機に適用することも可能である。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプなどでナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図4参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU31、後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出などの特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、表示ユニット100により行う光(映像)の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御基板が担う。
演出内容が決定されると、表示ユニット100やスピーカ9L,9Rは、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時などの各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の正面図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体60は、前面側に矩形状の開口を有する箱状のキャビネット61と、キャビネット61の前面上部に配置された上ドア62aと、キャビネット61の前面下部に配置された下ドア62bとを有している。キャビネット61は、遊技に用いられる機器(例えば、リールなど)を収容する。上ドア62a及び下ドア62bは、キャビネット61の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア62aは、キャビネット61における開口の上部を閉塞可能に設けられ、下ドア62bは、キャビネット61における開口の下部を閉塞可能に設けられる。
なお、キャビネット61は、上ドア62a及び下ドア62bを固定する部材であるため、固定枠と称することがあり、また、上ドア62a及び下ドア62bは、前扉と称することがある。
上ドア62aは、表示ユニット100を中央部に有している。表示ユニット100は、遊技の進行に応じた演出を行う演出装置であり、後述の副制御基板72の制御のもと遊技の進行に応じて様々な映像を表示する。なお、表示ユニット100は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのような表示装置であってもよいが、本実施形態では、所謂プロジェクションマッピング装置を用いる。
下ドア62bの上部の略中央部には、矩形状の開口部として形成された表示窓4が設けられている。表示窓4は、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。表示窓4には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
図3に示すように、表示窓4は、リール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4は、3×3の図柄が表示される。表示窓4に表示されるクロスアップライン〜クロスダウンラインの5本のラインは、表示窓4が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのセンターラインが有効ラインであり、センターラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、センターライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(センターライン)は、後述のMAXベットボタン11を操作すること、又はメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン11を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン11の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット61には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4を通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン(図示せず)が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED103(図4参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタンを1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタンが3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部10の水平面内の略中央には、情報表示器14が設けられている。情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左のリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中のリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右のリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合に「3」を表示するといったことである。なお、指示モニタにおける停止操作の情報の報知の詳細は、図48で後述する。
後述の図4に示すように、情報表示器14は、ドア中継基板74を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の表示ユニット100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(表示ユニット100)では、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の一般遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、後述のART遊技状態(図7参照)において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
下ドア62bの上部の正面には、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が設けられる。第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、各種情報を表示する。図2及び図3に示すように、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、下ドア62bの前面部のうち、台座部10の水平面から略垂直に立設する面の側方に設けられ、左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に第1サブ表示装置201が設けられ、右側(メダル投入口22側)に第2サブ表示装置202が設けられる。
第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202のうちの少なくとも一方、本実施形態では、第1サブ表示装置201の表示面上には、タッチセンサ201aを設けられ、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ201aは、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。第1サブ表示装置201は、タッチセンサ201aから出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板72(図5参照)により制御される。
下ドア62bの下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。下ドア62bの最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、下ドア62bの下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器など)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも一つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ(図示せず)及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチは、1ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチの検出結果に基づき有効ラインを有効化する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
また、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数や有利な停止操作を一義的に報知する情報表示器14(指示モニタ)とが接続されている。
<副制御基板>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ロムカートリッジ基板82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85及びドライバ86を含む。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、ロムカートリッジ基板82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御基板71との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニット100による映像の表示を制御するための描画制御タスク、各種LED101による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御基板72には、図4及び図5に示すように、表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が所定の中継基板を介して接続される。例えば、副制御基板72は、役物中継基板(図示せず)を表示ユニット100と接続され、また、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202と接続される。表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、副制御基板72の制御のもとそれぞれ個別に制御される。
また、図4に示すように、主制御基板71と副制御基板72との間には、副中継基板75が設けられ、主制御基板71と副制御基板72とを接続する配線を中継する。また、副中継基板75は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継することで、副制御基板72と各種周辺装置とを接続する。例えば、副中継基板75は、LED基板(図示せず)を介して副制御基板72と各種LED101、リール照明器102及びベットボタンLED103とを接続する。また、副中継基板75は、サウンドI/O基板(図示せず)を介して副制御基板72とスピーカ9L、9Rとを接続し、タッチセンサ中継基板(図示せず)を介して副制御基板72とタッチセンサ201aとを接続する。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図6及び図7を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
<基本的な遊技状態の遷移フロー>
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図6に示すように、主制御基板71は、ボーナス(F_BB1,2)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM33に設けられる内部当籤役格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理され、ボーナスの作動の有無は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越される。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
また、主制御基板71は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態、RT2遊技状態及びRT5遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT1遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT3遊技状態及びRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。
これらRT0遊技状態〜RT5遊技状態は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、パチスロ機1では、RT1遊技状態フラグ〜RT5遊技状態フラグの5つのフラグを有し、これらフラグのオン/オフをメインRAM33で管理することでRT遊技状態を管理する。より具体的には、主制御基板71は、オンであるRT遊技状態フラグに応じたRT遊技状態を現在のRT遊技状態として特定する。なお、全てのRT遊技状態フラグがオフである場合には、主制御基板71は、現在のRT遊技状態がRT1遊技状態であると特定する。
図6に示すように、主制御基板71は、(1)ボーナス非当籤状態においてボーナスに係る役(F_BB1,2)が内部当籤役として決定されると、ボーナス非当籤状態からフラグ間状態に遊技状態を移行させる。そして、主制御基板71は、(2)フラグ間状態においてボーナスに係る役が入賞すると、フラグ間状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(3)ボーナス状態において規定枚数(216枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。このRT1遊技状態では、主制御基板71は、(4)20ゲームが経過すると、RT1遊技状態からRT0遊技状態に遊技状態を移行させ、20ゲームが経過する前に(5)ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。また、RT0遊技状態では、主制御基板71は、(5)ベルこぼし目が表示されると、RT0遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(6)RT2遊技状態においてRT3移行リプが表示されると、RT2遊技状態からRT3遊技状態に遊技状態を移行させ、(7)RT3遊技状態においてRT4移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT4遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(8)RT3遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させ、同様に、RT4遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT4遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ベルこぼし目は、後述する押し順ベル(F_3択ベル_1st、F_3択ベル_2nd、F_3択ベル_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT2移行リプは、後述する維持リプ(F_維持リプ_1st、F_維持リプ_2nd、F_維持リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、維持リプの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT3移行リプは、後述するRT3リプ(F_RT3リプ_1st、F_RT3リプ_213、F_RT3リプ_231、F_RT3リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT3リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT4移行リプは、後述するRT4リプ(F_RT4リプ_123、F_RT4リプ_132、F_RT4リプ_2nd、F_RT4リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT4リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。
<報知の有無に関する遊技状態の遷移フロー>
以上のようにパチスロ機1は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する一方で、遊技者にとって有利な停止操作を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図7は報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。
図7に示すように、パチスロ機1の主制御基板71は、報知の有無に基づいて一般遊技状態とART遊技状態とを区別する。一般遊技状態は、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知しない遊技状態(非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。反対に、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、遊技者にとって有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、RT0〜RT4遊技状態のうちARTに非当籤の遊技状態である。図7に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態及びCZは、移行先の遊技状態がそれぞれ異なる遊技状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、通常遊技状態からCZに移行し、CZからART遊技状態に移行することで、遊技が行われる。
通常遊技状態は、パチスロ機1において最も不利な遊技状態であり、図7に示すように、通常遊技状態からはCZに移行する可能性がある。具体的には、通常遊技状態ではCZへの移行抽籤を行っており、(A)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。
CZは、ART遊技状態に移行することについての期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、図7に示すように、CZからは通常遊技状態又はART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、CZではARTへの移行抽籤を行っており、(B)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させ、(C)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、CZからART準備中を経由してART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行させる。
ここで、パチスロ機1において、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態であり、ART当籤後にRT遊技状態がRT4遊技状態まで移行すると開始する。図6に示すように、RT4遊技状態は、RT0〜RT2遊技状態からRT3遊技状態を経由して移行することになるため、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されるわけではない。そこで、パチスロ機1では、ART当籤後のRT4遊技状態に移行するまでの間をART準備中とし、このART準備中においてRT4遊技状態に移行するために必要な停止操作を報知する。
続いて、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態である。図7に示すように、ART遊技状態は、通常ART及びCTにより構成される。通常ART及びCTは、それぞれ遊技性が異なる遊技状態であり、通常ARTは、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄の組合せを表示させるための停止操作や、RT4遊技状態を維持するために必要な停止操作)を報知する遊技状態であり、CTは、遊技者にとって有利な停止操作を報知するとともに、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。なお、CT中は、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図7に示すように、通常ARTからはCT又は一般遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常ARTではCTへの移行抽籤を行っており、(D)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常ARTからCTに遊技状態を移行させる。また、通常ARTは、継続期間が管理されており、(E)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、通常ARTから一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行させる。なお、通常ARTの継続期間の管理方法は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、ゲーム数により継続期間を管理する。もちろん、ゲーム数ではなく、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよい。
図7に示すように、CTからは通常ARTに移行する可能性がある。具体的には、CTは、継続期間が管理されており、(F)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、CTから通常ARTに遊技状態を移行させる。本実施形態のパチスロ機1では、CTは、1セット8ゲームの継続期間により管理されるが、詳しくは後述する(図37参照)。
また、図7に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)及びART遊技状態(通常ART又はCT)からは、ボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、図6に示すように、(2)一般遊技状態及びART遊技状態においてボーナスに係る役が入賞すると、主制御基板71は、一般遊技状態又はART遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
ボーナス状態では、ARTへの移行抽籤を行っており、(G)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態から一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行する(ただし、ART遊技状態(通常ART又はCT)からボーナス状態に移行していた場合には、移行抽籤に非当籤しても、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する)。また、(H)ボーナス状態中の移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する。なお、上述のように、ボーナス状態が終了した場合には、RT1遊技状態に移行するため、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行する場合には、主制御基板71は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図8〜図48を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図8に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」を含んでいる。
図8に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「19」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図8に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図8に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「チリ上1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図9〜図12を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を22個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図9に示す「C_BB1」は、格納領域0のビット1に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図11を参照すると、コンビネーション名「C_9枚A_01」が表示された場合には、9枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図9を参照して、例えば、コンビネーション名「C_BB1」「C_BB2」は、BBに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目B_02」は、ベルこぼし目である。有効ラインに沿ってベルこぼし目が表示されると、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_維持リプA_01」〜「C_維持リプG_01」は、リプレイである。リプレイは、表示窓4に表示されるボトムライン、トップライン又はクロスダウンラインの3つのラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリプレイが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RT2リプA_01」、「C_RT2リプA_02」は、RT2移行リプである。RT2移行リプは、表示窓4に表示されるクロスアップラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT2移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_RT3リプ_01」は、RT3移行リプである。RT3移行リプは、表示窓4に表示されるセンターライン(有効ライン)に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT3移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT3遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_RT4リプA_01」〜「C_RT4リプD_02」は、RT4移行リプである。有効ラインに沿ってRT4移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT4遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_チリリプA_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、チリリプである。チリリプは、表示窓4にチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ここで、図8に示すように、本実施形態では、各リール上に図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを連続して配置している。チリ図柄とは、図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを一つの図柄として捉えた場合の名称である。有効ラインに沿ってチリリプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
なお、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプA_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「単チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「2連チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rの全てにチリ図柄が表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に(いわゆる、目押ミス時)に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「3連チリリプ」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」〜「C_リーチ目リプP_02」は、リーチ目リプである。リーチ目リプは、いわゆるリーチ目であり、表示窓4Lに特別な図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。例えば、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」は、トップラインに沿って「白7−白7−白7」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリーチ目リプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RB役A_01」〜「C_RB役G_02」は、BB中9枚出目である。有効ラインに沿ってBB中9枚出目が表示されると、9枚のメダルが払い出される。なお、BB中9枚出目のうち、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」を除く図柄の組合せは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに7図柄(図柄「白7」又は図柄「青7」)が3つ並んで表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「BB中7揃い」と呼ぶことがある。一方、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」は、5本のラインのいずれかに7図柄が2つ並んで表示される図柄の組合せであり、以下では「BB中7煽り」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_9枚A_01」〜「C_9枚H_04」は、ベルである。ベルは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに「帽子−帽子−帽子」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってベルが表示されると、9枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_1st_A_01」〜「C_2nd_B_04」は、1枚出目である。有効ラインに沿って1枚出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_SP1_01」「C_SP2_01」は、確定出目である。有効ラインに沿って確定出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_3枚A_01」〜「C_3枚F_01」は、サボテンである。有効ラインに沿ってサボテンが表示されると、3枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_弱2枚A_01」〜「C_弱2枚B_03」は、弱チェリーであり、コンビネーション名「C_強2枚A_01」〜「C_強2枚C_09」は、強チェリーである。有効ラインに沿って弱チェリー又は強チェリーが表示されると、2枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図13及び図14を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図13は、RT0遊技状態〜RT4遊技状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図14は、RT5遊技状態又はボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図13に示すRT0遊技状態〜RT4遊技状態の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。最も特徴的な点として、本実施形態のパチスロ機1では、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」は、RT0遊技状態〜RT3遊技状態では内部当籤役として決定されることなく、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定される。パチスロ機1では、RT4遊技状態中に、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」が内部当籤役として決定された場合には、特有の制御(後述のフラグ変換)を行うが、この特有の制御については後述する。
なお、RT0遊技状態〜RT3遊技状態であっても、「F_リーチ目リプA〜D」については「F_BB1,2」とともに内部当籤役として決定されることはあるものの(No.3〜6、No.15〜18参照)、「F_リーチ目リプA〜D」が単独で内部当籤役として決定されることはない。そのため、RT0遊技状態〜RT3遊技状態中に「F_リーチ目リプA〜D」が内部当籤役として決定された場合(遊技者からすると「F_リーチ目リプA〜D」に応じた図柄の組合せが表示された場合)、ボーナスに係る役(F_BB1,2)が同時に内部当籤役として決定されていることになる。
また、フラグ間状態であるRT5遊技状態は、上述のようにボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。そのため、図14に示すRT5遊技状態の内部抽籤テーブルでは、持ち越しているボーナスに係る役が必ず内部当籤役として決定されるようになっている。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図15〜図20は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図16〜図22に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図16〜図22に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図21及び図22に示す。
<非フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図21は、フラグ間状態を除く遊技状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図である。パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設ける。図21における「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって有利な図柄の組合せであり、「押し順不正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって不利な図柄の組合せである。遊技者にとって有利な停止操作を報知する場合、正解となる押し順を報知し、結果、「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せが表示されることになる。なお、ART遊技状態であっても、不正解となる押し順を報知することもあるが、詳しくは後述する。
ここで、本実施形態では、押し順役の名称の末尾は、正解となる押し順を表している。具体的には、役の名称の末尾「1st」は、正解となる押し順が、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「2nd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が中のリール3Cに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「3rd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が右のリール3Rに対するものであることを意味している。また、役の名称の末尾「123」は、正解となる押し順が「左、中、右」であることを意味し、役の名称の末尾「132」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味し、役の名称の末尾「213」は、正解となる押し順が「中、左、右」であることを意味し、役の名称の末尾「231」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味している。
図21に示すように役「F_チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図15〜図20を参照すると、役「F_チリリプ」は、3連チリリプ(「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」)を表示できず、単チリリプ又は2連チリリプ(「C_チリリプA_01」「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」)しか表示できないことが分かる。すなわち、役「F_チリリプ」は、3連チリリプを表示できない役である。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図15〜図20を参照すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できることが分かる。すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できる役である。
また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リーチ目リプ(図9、図10参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
なお、役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」及び役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」における正解の押し順は、任意であってよいが、本実施形態では、第1停止操作が左のリール3Lに対するものである押し順を正解の押し順としている。そのため、例えば、役「F_リーチ目リプA」が内部当籤役として決定されている遊技において、遊技者が左のリール3Lに対して第1停止操作を行った場合には、リーチ目リプが表示されることになる。
また、役「F_維持リプA」「F_維持リプB」は、押し順に関わらずリプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、RT2移行リプ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT3リプ_1st」〜「F_RT3リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT3移行リプ(図9参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT4リプ_123」〜「F_RT4リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT4移行リプ(図9参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、ベル(図11参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、ベルこぼし目(図9参照)又は1枚出目(図11、図12参照)が表示される。
また、役「F_共通ベル」は、押し順に関わらずベル(図11参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_サボ1」「F_サボ2」は、押し順に関わらずサボテン(図12参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「弱チリ」は、押し順に関わらず弱チェリー(図12参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は、押し順に関わらず強チェリー(図12参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
<フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図22は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図であり、特に、フラグ間状態中にBB(「C_BB1」「C_BB2」)を表示可能であるか否を示す。図22の「BBの成立可否」において「○」とは、BBを表示可能であることを示し、「×」は、BBを表示不可能であることを示す。
なお、BBを表示不可能な場合には、内部当籤役として決定されているボーナスに係る役以外の役に応じた図柄の組合せが表示されることになる。このボーナスに係る役以外の役に応じて表示される図柄の組合せは、図21において示した通りである。例えば、役「F_BB1+F_チリリプ」では、BBを表示することはできずに、図21の役「F_チリリプ」に示した対応関係の図柄の組合せが表示される。この場合において、フラグ間状態中は、図21に示す押し順正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよく、また、押し順不正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよい。
例えば、役「F_BB1+F_3択ベル_1st」では、BBを表示することはできないため、図21の役「F_3択ベル_1st」に示した対応関係の図柄の組合せが表示されることになるが、この場合には、押し順正解時に表示されるベルのみを表示可能にし、押し順不正解時に表示されるベルこぼし目や1枚出目を表示不可能にしてもよい。また、役「F_BB1+F_RT3リプ_1st」の場合に、押し順不正解時に表示されるリプレイのみを表示可能にし、押し順正解時に表示されるRT3移行リプを表示不可能にしてもよい。
図22に示すように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBを表示することができる。
<当籤役の略称>
以上、当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明した。続いて、一般遊技状態やART遊技状態などで各種抽籤を行う際に用いられるデータテーブルについて説明するが、以下では、当該データテーブルを参照する際に用いる当籤役を略称で表すため、当該データテーブルの説明の前に当籤役の略称について説明する。図23は、当籤役の略称を示す図である。
図23(A)に示すように、以下において、役「F_BB1」「F_BB2」は役「BB」呼び、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は役「押し順ベル」呼び、役「F_共通ベル」は役「共通ベル」呼び、役「F_サボ1」「F_サボ2」は役「サボテン」呼び、役「F_弱チリ」は役「弱チェリー」呼び、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は役「強チェリー」と呼ぶ。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「3連チリリプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「リーチ目リプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。
(フラグ変換抽籤)
ここで、図23(B)を参照して、フラグ変換抽籤について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。そして、パチスロ機1では、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。
図21に示したように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順正解時に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱い、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押し以外の押し順を報知する)。
同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順正解時に「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リーチ目リプ」として扱い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための情報を報知する(例えば、順押しで図柄「白7」を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する。
この報知に従い停止操作を行うことで、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、「3連チリリプ」又は「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、特別な特典が付与されることになる。パチスロ機1からすると、フラグ変換抽籤に当籤したことに応じて特別な特典を付与しているものの、遊技者からすると、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されたことで特別な特典が付与されたと感じることになる。
パチスロ機の遊技性を高めるためには、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度が一定であるよりも、状態に応じて異なる方が好ましいことがある。停止制御(表示される図柄の組合せ)は、内部当籤役の種類によって異なるため、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて異ならせる手法としては、役の当籤確率を異ならせる手法も考えられる(パチスロ機1では、役の当籤確率は、ボーナスの作動の有無やRT遊技状態に応じて異ならせることができるため、例えば、ART遊技状態に対応する遊技状態としてRT4遊技状態だけでなく、RT6遊技状態やRT7遊技状態などの他の遊技状態を設けるという手法も考えられる)。しかしながら、役の当籤確率を異ならせる契機(RT遊技状態の移行契機)は限定されているため、この手法では柔軟性に欠けてしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、役の当籤確率は変えることなく、内部当籤役を決定するための内部抽籤に加え、フラグ変換抽籤及びその抽籤結果に基づく報知を行うことで、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて柔軟に異ならせることができる。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤し易い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を上げることができ、反対に、フラグ変換抽籤に当籤し難い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を下げることができる。
なお、以下では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換する(又は単に「3連チリリプ」に変換する)と称することがあり、また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を「リーチ目リプ」に変換する(又は単に「リーチ目リプ」に変換する)と称することがある。
[一般遊技状態中の遊技の流れ]
続いて、図24を参照して、一般遊技状態中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行し、その後、一般遊技状態のCZからART遊技状態に移行することで、一般遊技状態(非ART)からART遊技状態への移行が行われる(図7参照)。図24(A)は、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行する際の遊技の流れを示す図である。
図24(A)に示すように、通常遊技状態は、CZの抽籤状態として低確率状態と高確率状態とを有する。この低確率状態及び高確率状態は、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤する期待度がそれぞれ異なる状態であり、低確率状態はCZ抽籤に当籤し難く、高確率状態はCZ抽籤に当籤し易い状態である。なお、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤した場合には、通常遊技状態からCZに遊技状態が移行することになる(図7参照)。
本実施形態のパチスロ機1では、CZ(チャンスゾーン)として、CZ1,CZ2及びCZ3の複数のチャンスゾーンを有する。これらCZ1〜CZ3は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるチャンスゾーンであり、CZ3は、ART抽籤に必ず当籤するチャンスゾーンであり、CZ1,CZ2は、所定の確率でART抽籤に当籤するチャンスゾーンである。通常遊技状態中に行われるCZ抽籤では、これらCZ1〜CZ3の中から通常遊技状態から移行するCZを抽籤する。
続いて、図24(B)は、一般遊技状態のCZ1,CZ2からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ1,CZ2は、前半部と後半部とから構成される。前半部は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるランクを昇格させる期間であり、後半部は、ランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知する期間である。
CZ1中は、ランクとして6段階のモードを用い、モードが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ1の前半部は、第1ゲーム数(例えば、最大で12ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてモードの昇格抽籤を行う。そして、CZ1の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたモードに基づいてART抽籤を行う。
また、CZ2中は、ランクとして10段階のポイントを用い、ポイントが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ2の前半部は、第2ゲーム数(例えば、最大で15ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてポイントの昇格抽籤を行う。そして、CZ2の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたポイントに基づいてART抽籤を行う。
CZ1の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタAとが対戦するバトル演出が行われ、CZ2の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタBとが対戦するバトル演出が行われる。このバトル演出は、第3ゲーム数(例えば、最大で4ゲーム)継続し、ART抽籤の結果に基づき勝敗が管理され、ART抽籤に当籤している場合には味方キャラクタが勝利し、非当籤している場合には敵キャラクタが勝利する。また、CZ1,CZ2の後半部では、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合には、バトル演出の結果を書き換える。すなわち、バトル演出中にいわゆるレア役が内部当籤役として決定されると、ART抽籤を行い、その結果に基づいてバトル演出の結果を書き換える。
CZ1,CZ2において、ARTに非当籤の場合には、後半部のバトル演出で敗北し、基本的には、その後、遊技状態が通常遊技状態に移行する。一方、CZ1,CZ2において、ARTに当籤している場合には、後半部のバトル演出で勝利し、その後、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。なお、CZ1,CZ2の前半部では、フリーズが発生することもあり、この場合には、遊技状態が(ART準備中を経由して)通常ARTではなくCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。
続いて、図24(C)は、一般遊技状態のCZ3からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ3は、第4ゲーム数(例えば、最大で17ゲーム)継続し、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う。CZ3は、ART抽籤に当籤した時点で終了し、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。また、CZ3では、フリーズが発生することもあり、この場合にも、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。一方で、CZ3中のART抽籤に非当籤のまま第4ゲーム数が経過した場合、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。すなわち、CZ3は、移行した時点でART遊技状態への移行が確定しているチャンスゾーンである。
[一般遊技状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図25〜図30を参照して、一般遊技状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<通常中高確率抽籤テーブル>
図25は、CZの抽籤状態(低確率及び高確率)の移行抽籤に用いられる通常中高確率抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させるとともに、ボーナス終了時やCZ,ART終了時にもCZの抽籤状態を移行させる。図25(A)は、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、通常遊技状態中に毎ゲーム参照される。また、図25(B)は、ボーナス終了時などにCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、設定変更時、ボーナス終了時又はCZ,ART終了時に参照される。
図25(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び当籤役に対応付けて、移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。
なお、以下に示す各種データテーブルでは、抽籤値の情報を概念的に示している。図中「0」は、抽籤確率「0%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々低」は、抽籤確率「0%〜1%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極低」は、抽籤確率「1%〜10%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「低」は、抽籤確率「10%〜30%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「中」は、抽籤確率「30%〜60%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「高」は、抽籤確率「60%〜80%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極高」は、抽籤確率「80%〜99%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々高」は、抽籤確率「99%〜100%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「確定」は、抽籤確率「100%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味する。
そして、以下に示す各種データテーブルでは、予め定められた数値の範囲(確率分母が256の場合には「0〜255」、確率分母が65536の場合には「0〜65535」)から抽出される抽籤用乱数値を、規定された抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
図25(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が低確率である場合には、弱チェリーが内部当籤役である場合に高確率に移行し易いことが分かる。また、現在のCZの抽籤状態が高確率である場合には、共通ベル、サボテン、弱チェリー、強チェリーのいずれかが内部当籤役として決定されることで、高確率が維持されることが分かる。
図25(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、参照する際の状況に応じて移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。図25(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、ボーナス終了時にはCZの抽籤状態が必ず高確率に移行することが分かる。
<CZ抽籤テーブル>
図26は、CZ抽籤に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図26(A)は、通常遊技状態中に内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図26(B)は、CZ失敗時やART終了時にCZの引き戻しを行うか否かのCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルである。
図26(A)に示すCZ抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。図26(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が高確率中である場合は、低確率中である場合よりもCZ抽籤に当籤する確率が高いことが分かる。
図26(B)に示すCZ抽籤テーブルは、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。CZ失敗時(CZ1、CZ2中のART抽籤に非当籤時)やART遊技状態の終了時には、図26(B)に示すCZ抽籤テーブルを用いてCZの引き戻し抽籤が行われる。
<CZ1中モードアップ抽籤テーブル>
図27は、CZ1の前半部においてCZ1のモードアップ抽籤に用いられるCZ1中モードアップ抽籤テーブルである。CZ1中モードアップ抽籤テーブルは、現在のモード及び内部当籤役に対応付けて、モードアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図29(A)に示すように、CZ1では、モードが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、モード6まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「モード1UP」とは、CZ1のモードが1上がることを意味し、抽籤結果の「モード2UP」とは、CZ1のモードが2上がることを意味する。すなわち、現在のモードが「2」である状況で、「モード2UP」に当籤すると、CZ1のモードは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「モード6UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ2中ポイント抽籤テーブル>
図28は、CZ2の前半部においてCZ2のポイントアップ抽籤に用いられるCZ2中ポイント抽籤テーブルである。CZ2中ポイント抽籤テーブルは、現在のポイント及び内部当籤役に対応付けて、ポイントアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図29(B)に示すように、CZ2では、ポイントが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、ポイント10まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「ポイント2UP」とは、CZ2のポイントが2上がることを意味し、例えば、現在のポイントが「2」である状況で、「ポイント2UP」に当籤すると、CZ2のポイントは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「ポイント10UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図29及び図30は、CZ中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブルであり、図29(A)は、CZ1の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)であり、図29(B)は、CZ2の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)であり、図29(C)は、CZ1,CZ2の後半部に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)であり、図29(D)は、CZ3中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)である。
図29(A)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)は、現在のモードに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。また、図29(B)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)は、現在のポイントに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)及びCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)を参照すると、CZ1,CZ2では前半部のランク(モード又はポイント)が上がるほど、ART抽籤に当籤し易いことが分かる。
図29(C)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)は、内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)を参照すると、CZ1,CZ2の後半部において、レア役(弱チェリー、サボテン又は強チェリー)が内部当籤役として決定されると、所定の確率でART抽籤に当籤することが分かる。
図30(D)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)は、CZ3の継続ゲーム数及び内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)を参照すると、CZ3中はART抽籤に当籤すると必ずCTにも当籤することが分かる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、図31を参照して、通常ART中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、ART遊技状態として、通常ARTとCTとを有し(図7参照)、CT中を上乗せチャンスゾーンとしている。そのため、パチスロ機1では、通常ART中は、CTへの移行を目指して遊技を行うことになる。図31(A)は、通常ART中のCTへの移行抽籤の流れを示す図である。
図31(A)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中に行われる様々な抽籤に影響を与える状態として、ARTレベル及びCT抽籤状態を有する。ARTレベルは、レベル1〜レベル4の4段階設けられ、主に通常ART中の継続ゲーム数に基づいて制御される。そして、ARTレベルは、CT抽籤状態の決定や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。また、CT抽籤状態は、低確率、通常、高確率及び超高確率の4段階設けられ、主としてARTレベルや通常ART中の内部当籤役に基づいて制御される。そして、CT抽籤状態は、通常ART中に行うCT抽籤や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。
(通常ART中のフラグ変換)
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中(すなわち、ART遊技状態中)に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、その抽籤結果に応じて特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。図31(B)は、通常ART中のフラグ抽籤方法を示す図である。
図31(B)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中は、ARTレベル及びCT抽籤状態を参照して、フラグ変換抽籤を行う。その結果、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、特別な特典を付与するとともに、「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押しで所定の図柄を狙わせる報知)を行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押し以外の押し順の報知)を行う。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、報知内容に応じた図柄の組合せ、すなわち、フラグ変換抽籤に当籤した場合には「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
[通常ART中に用いるデータテーブル]
続いて、図32〜図36を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図32は、通常ART中のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。本実施形態に係るパチスロ機1では、通常ART中のフラグ変換抽籤を2段階で行う。具体的には、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、まず、1段階目のフラグ変換抽籤を行い、この1段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、その後、2段階目のフラグ変換抽籤を行う。そして、この2段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換し、1段階目のフラグ変換抽籤又は2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換することなく、「リプレイ」として扱う。
図32(A)は、1段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルであり、図32(B)は、2段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。図32(A)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて1段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、パチスロ機1では、1段階目のフラグ変換抽籤を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対してのみ行い、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については2段階目のフラグ変換抽籤のみを行う。
図32(B)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及びCT抽籤状態に対応付けて2段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、通常ARTにおいて一度CTに当籤するまでは、項目「ARTレベル」の「初回(一度CTに当籤するまで)」欄が参照される。
ここで、図32(A)(B)に示すように、ART中フラグ変換抽籤テーブルのそれぞれでは、確率分母256の範囲の乱数値(0〜255)を用いて1段階目及び2段階目のフラグ変換抽籤を行うため、2段階のフラグ変換抽籤は、確率分母65536の範囲の乱数値を用いて行う抽籤と擬制することができる。近年のパチスロ機では、従来サブ側で行っていた出玉に関する抽籤(ART抽籤など)をメイン側で行うことが求められているが、メイン側の記憶手段(ROM)の容量が限られているため、容量を抑えつつ遊技性を損なうことのない抽籤を可能にする仕組みが求められている。
この点、本発明に係るパチスロ機1では、確率分母256を2段階で行うことで、確率分母65536の抽籤を行うことができるため、容量を抑えることができる。また、2段階目の抽籤に対して、ARTレベルやCT抽籤状態を参照することで、内部当籤役だけでなく現在の状態に応じてフラグ変換抽籤を行うことができるため、多様な遊技性を持ったフラグ変換抽籤を行うことができる。
<ARTレベル決定テーブル>
図33は、ARTレベルを決定するために用いるARTレベル決定テーブルである。ARTレベルの決定は、ART遊技状態への移行が決まったART当籤時、及び通常ART中に行われる。図33(A)は、ART当籤時にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルであり、図33(B)は、通常ART中にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルである。
図33(A)に示すARTレベル決定テーブルは、ARTレベルごとに抽籤値の情報を規定する。なお、ART当籤時にフリーズが発生していた場合(図27など参照)には、ARTレベルとしてARTレベル2が決定される。図33(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及び通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。また、図33(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及びCT突入時の通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。すなわち、通常ART中では、継続ゲーム数に応じてARTレベルが移行するとともに、通常ARTからCTに突入したタイミングでもARTレベルが移行する。
<通常ART中高確率抽籤テーブル>
図34は、通常ART中のCT抽籤状態を抽籤するための通常ART中高確率抽籤テーブルである。通常ART中高確率抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応づけて、移行先のCT抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。通常ART中高確率抽籤テーブルを参照すると、役「3連チリリプ(役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」や役「リーチ目リプ(役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」では、CT抽籤状態が「低確率」に移行(転落)し易いことが分かる。上述の説明では、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、特別な特典が付与されるとしていたため、CT抽籤状態が転落し易いことは上述の説明に反するようにも思えるが、図35で後述するように、役「3連チリリプ」「リーチ目リプ」は、CT抽籤に必ず当籤する。そのため、CT抽籤状態が転落してしまったとしても、CT当籤という特別な特典が付与されることに変わりはない。
<ART中CT抽籤テーブル>
図35は、通常ART中のCT抽籤に用いるART中CT抽籤テーブルである。ART中CT抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ART中CT抽籤テーブルでは、内部当籤役として「サボテン」「弱チェリー」「強チェリー」「3連チリリプ」「リーチ目リプ」「BB」が決定されている場合には、確率分母256の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。一方で、内部当籤役としてそれ以外の役(例えば、リプレイ、共通ベル、押し順ベルなど)が決定されている場合には、確率分母65536の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。
なお、パチスロ機1では、CTとして「通常CT」及び「高確CT」を有している。「通常CT」と「高確CT」とでは、CT(上乗せチャンスゾーン)中に上乗せするARTゲーム数の期待度が異なり、「高確CT」は「通常CT」に比べて多くのARTゲーム数が上乗せされ易い(図40参照)。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
図36は、通常ART中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図37を参照して、CT中の遊技の流れについて説明する。図37(A)に示すように、パチスロ機1では、1セット8回の遊技によりCTが行われる。CT中は、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行っており、上乗せ抽籤に当籤した場合には遊技回数の減算は行われず、上乗せ抽籤に非当籤した場合に限り遊技回数が減算される。そのため、CT中はARTゲーム数が上乗せされた遊技では終了することがなく、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が8回行われると終了する。
また、図37(A)(B)に示すように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると(すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤すると)、1セット8回の遊技が再セットされる。例えば、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が7回行われた場合、あと1回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるとCTが終了してしまうものの、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われ、結果、その後、8回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるまでCTが終了しないことになる。そのため、CTは、役「3連チリリプ」が当籤するほど継続し易くなる。
(CT中のフラグ変換)
図37(C)は、CT中のフラグ抽籤方法を示す図である。CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」については必ず役「3連チリリプ」に変換する。上述したように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると、CTが再セットされるため、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、CTが再セットされることになる。
一方で、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については、3段階のテーブル(テーブル0〜2)に基づいて、フラグ変換抽籤の当籤確率を制御する。具体的には、図37(C)に示すように、テーブル0は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も低く、テーブル1は「リーチ目リプ」に変換する確率が次に低く、テーブル2は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も高い。なお、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、後述の図41に示すように、CTが新たに付与される。
図37(C)に示すように、通常CTでは、ARTレベルに基づいてテーブルが決定される。また、高確率CTでは、ARTレベルに関係なく、テーブル0が必ず決定される。
[CT中に用いるデータテーブル]
続いて、図38〜図41を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。
<CT中テーブル抽籤テーブル>
図38は、3段階のテーブルの中からフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定するためのCT中テーブル抽籤テーブルである。CT中テーブル抽籤テーブルは、ARTレベルやこれから実行するCTの種別などの状態に対応付けて、フラグ変換抽籤に用いるテーブルについての抽籤値の情報を規定する。CT中テーブル抽籤テーブルは、CT抽籤に当籤しCTに移行することが決まると、又はCTの開始時に参照され、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定する。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図39は、CT中のフラグ変換抽籤に用いられるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、フラグ変換抽籤に用いるテーブル及び内部当籤役に対応付けて、フラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT中フラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は必ず役「3連チリリプ」に変換されることが分かる。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
図40は、CT中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図40に示す当籤役以外の役については、CT中の上乗せ抽籤に当籤することがない。
また、通常CT中の上乗せ抽籤では、役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて上乗せゲーム数が異なる。具体的には、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、上乗せゲーム数として「10ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9〜16回」の場合には、上乗せゲーム数として「20ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17〜24回」の場合には、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」の場合には、上乗せゲーム数として「50ゲーム」が決定され易い。
より具体的には、CT中上乗せ抽籤テーブルでは、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数は「10ゲーム」であり、抽籤値「極低」に対応する上乗せゲーム数は「20ゲーム」である。そして、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数が「20ゲーム」に昇格する。更に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「30ゲーム」に昇格する。同様に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「50ゲーム」に昇格する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
<CT中セット数上乗せ抽籤テーブル>
図41は、CT中に新たなCTを付与するセット数上乗せ抽籤に用いられるCT中セット数上乗せ抽籤テーブルである。CT中セット数上乗せ抽籤テーブルは、実行しているCTの種別及び内部当籤役に対応付けて、セット数上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図41に示すように、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、新たなCTが付与される。セット数上乗せ抽籤に伴い新たなCTが付与された場合には、実行しているCTが終了したタイミングで再度新たなCTが開始される。
なお、上述の役「3連チリリプ」に当籤した回数は、同一のCT中に限り計数することとしているが、この「同一のCT中」は、CT中に行うセット数上乗せ抽籤に当籤した場合に付与される新たなCTも含むこととしてもよく、含まないこととしてもよい。
[ボーナス状態中の遊技の流れ]
続いて、図42を参照して、ボーナス状態中の遊技の流れについて説明する。図42(A)は、一般遊技状態(ART非当籤)中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図42(B)は、通常ART中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図42(C)は、CT中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図である。図42(A)〜(C)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの種別として、通常BBと特殊BBとを有し、ボーナス状態の移行時にボーナスの種別を決定する。このとき、特殊BBが決定された場合には、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由してCTに移行することになる。一方で、通常BBが決定された場合は、ボーナス状態に移行する前の状態に応じて異なる流れになる。
図42(A)を参照して、一般遊技状態から通常BBに移行した場合には、通常BB中に内部当籤役に基づいてART抽籤が行われる。このART抽籤に当籤すると、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由して通常ARTに移行することになる。なお、ART抽籤に当籤した後は、ボーナス状態中にARTゲーム数の上乗せ抽籤が行われる。
図42(B)を参照して、通常ARTから通常BBに移行した場合には、通常BBの終了時にCT抽籤が行われる。このCT抽籤は50%の確率で当籤し、当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行し、非当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由して通常ARTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
図42(C)を参照して、CTから通常BB又は特殊BBに移行した場合には、ボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
[ボーナス状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図43〜図45を参照して、ボーナス状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ボーナス種別抽籤テーブル>
図43は、ボーナス種別(通常BB、特殊BB)を決定するためのボーナス種別抽籤テーブルである。ボーナス種別抽籤テーブルは、ボーナス状態の開始時に参照され、ボーナス状態に移行する前の状態に対応付けてボーナス種別についての抽籤値の情報を規定する。
<ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
図44は、ボーナス状態中に行うART抽籤及びARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ボーナス種別及び内部当籤役に対応付けて、ART抽籤の抽籤結果及び上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ART非当籤の状態(一般遊技状態から移行した通常BBにおいて、ART抽籤に当籤するまで)では、ART抽籤に用いられることになる。すなわち、ART非当籤の状態で上乗せゲーム数として1以上(実際には最低50ゲーム)が決定されると、ART抽籤に当籤するとともに、対応するゲーム数が付与されることになる。一方、ART当籤後の状態では、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられる。
<ボーナス終了時CT抽籤テーブル>
図45は、ボーナス状態の終了時に行うCT抽籤に用いられるボーナス終了時CT抽籤テーブルである。ボーナス終了時CT抽籤テーブルは、ボーナス種別及びボーナス状態に移行する前の遊技状態に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図45に示すボーナス終了時CT抽籤テーブルを参照すると、例えば、通常ART中に通常BBが行われると、ボーナス状態の終了時に50%の確率でCTに当籤することが分かる。
[一般遊技状態中の例外的な遊技の流れ]
続いて、図46を参照して、一般遊技状態中の例外的な遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、基本的には、一般遊技状態中に通常遊技状態からCZに移行し、CZにおいてART抽籤に当籤することでART遊技状態を目指すことになる。ここで、パチスロ機1では、RT4遊技状態中に報知を行うことでART遊技状態を実現しており、また、図46に示すように、表示される図柄の組合せに応じてRT遊技状態を制御している。図21に示したように、RT遊技状態を移行させるための図柄の組合せは、遊技者の停止操作の順序(押し順)に応じて表示されるため、報知が行われない場合であっても、偶然にRT4遊技状態に移行することがある。
また、RT4遊技状態では、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定される可能性があるため、一般遊技状態(非ART)中であっても、特別な特典が付与されるリーチ目(リーチ目リプ)を表示することができる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図46に示すように、一般遊技状態(非ART)中に偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示可能な状態になると、CZを経由することなくART遊技状態(通常ART)に移行可能にする。
より具体的には、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTの権利を付与する。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されないように制御する。
<非ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図47は、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に行うフラグ変換抽籤に用いられる非ART中フラグ変換抽籤テーブルである。非ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[メイン側の制御による報知]
パチスロ機では、従来、ART機中にサブ(副制御基板72)側の制御のもとに停止操作の情報(押し順など)の報知を行っていたが、報知の有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御基板71)側で報知を行うことが求められている。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が制御する情報表示器14に停止操作の情報を報知する指示モニタを設け、メイン側の制御のもとに停止操作の情報を報知することとしている。
図48は、メイン側で行う報知(ナビ)とサブ側で行う報知(ナビ)との対応関係を示す図である。図48に示すように、主制御基板71は、指示モニタに「1」〜「11」の数値を表示することで、停止操作の情報を報知する。この「1」〜「11」の数値は、それぞれが報知する停止操作の内容に一義的に対応しており、「1」〜「3」は、それぞれ第1停止操作を行うリールの種別を示しており、「1」は第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを意味し、「2」は第1停止操作を中のリール3Cに対して行うことを意味し、「3」は第1停止操作を右のリール3Rに対して行うことを意味している。
また、「4」〜「9」は、それぞれ報知する押し順を示しており、「4」は押し順が「左、中、右」であることを意味し、「5」は押し順が「左、右、中」であることを意味し、「6」は押し順が「中、左、右」であることを意味し、「7」は押し順が「中、右、左」であることを意味し、「8」は押し順が「右、左、中」であることを意味し、「9」は押し順が「右、中、左」であることを意味している。
また、「10」「11」は、ボーナスに係る役を報知するものであり、「10」は「白7−白7−白7」からなる図柄の組合せ「C_BB1」を意味し、「11」は「青7−青7−青7」からなる図柄の組合せ「C_BB2」を意味している。
ここで、メイン側で報知する「1」〜「11」の数値は、報知する停止操作の内容に一義的に対応しているものの、全ての遊技者が明確に報知内容を把握できるとは限らない。すなわち、メイン側で指示モニタに対して「6」と表示しただけでは、遊技者によっては報知内容を把握できない可能性もある。
そこで、パチスロ機1では、メイン側の報知と併せてサブ側でも停止操作の内容を報知する。具体的には、パチスロ機1は、副制御基板72が制御する表示ユニット100を設け、サブ側の制御のもとに停止操作の情報を報知する。例えば、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「1」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の左のリール3Lの上方に「1」と表示し、左のリール3Lが第1停止操作の対象であることを報知する。同様に、押し順「中、左、右」を報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「6」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の中のリール3Cの上方に「1」、左のリール3Lの上方に「2」、右のリール3Rの上方に「3」と表示し、押し順が「中、左、右」であることを報知する。また、「F_BB1」が内部当籤役として決定されている場合、メイン側で指示モニタに対して「10」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100に「白7−白7−白7」を表示し、遊技者に対して狙うべき図柄を報知する。
図48(A)に示すように、ART準備中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。「ベルナビ」は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」に対して「ベル」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「維持リプナビ」は、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」に対して「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT3移行リプナビ」は、役「F_RT3移行リプ_1st」〜「F_RT3移行リプ_3rd」に対して「RT3移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT4移行リプナビ」は、役「F_RT4移行リプ_123」〜「F_RT4移行リプ_3rd」に対して「RT4移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。
なお、メイン側で報知を行うタイミングは、少なくとも報知を行う一遊技の間であればよく、任意である。例えば、開始操作を受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよく、リール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側の報知を行うこととしてもよく、第1停止操作〜第3停止操作のいずれかを受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよい。一方で、サブ側で報知を行うタイミングは、少なくとも第1停止操作よりも前のタイミングであることが好ましい。この点、本実施形態のパチスロ機1では、開始操作を受け付けたタイミング、又はリール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側及びサブ側の双方において報知を行う。これにより、遊技者が停止操作を行う前に、メイン側の指示モニタ及びサブ側の表示ユニット100の双方において停止操作の情報が報知される。
また、図48(B)に示すように、ART遊技状態中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。なお、ART遊技状態(RT4遊技状態)中は、フラグ変換抽籤が行われ、この抽籤結果に基づいて「3連チリリプ」「リーチ目リプ」又は「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知するが、この報知に関しては、メイン側では行うことなく、サブ側でのみ行う。
上述したように、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せは、特別な特典の付与に関係しているため、報知の有無が遊技者の利益(出玉)に影響を与えるようにも考えられる。しかしながら、パチスロ機1では、実際には、特別な特典をフラグ変換抽籤の抽籤結果に基づいて付与することとしており、表示される図柄の組合せは付与する特典に対して影響を与えない。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、仮に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示してしまったとしても、特別な特典が付与され、反対に、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には、仮に、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示できたとしても、特別な特典は付与しない。
本実施形態のパチスロ機1では、このように表示される図柄の組合せが遊技者の利益(出玉)に影響を与えない場合には、メイン側の指示モニタでの報知を行わずに、サブ側でのみ表示ユニット100での報知を行う。
また、図48(C)(D)に示すように、RT5遊技状態(フラグ間状態)中は、内部当籤役として持ち越しているボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを狙わせる報知を行う。具体的には、図48(C)に示すように、役「F_BB1」を持ち越している場合には「白7ナビ」を行い、図48(D)に示すように、役「F_BB2」を持ち越している場合には「青7ナビ」を行う。「白7ナビ」は、役「F_BB1」に対して、「C_BB1」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知し、「青7ナビ」は、役「F_BB2」に対して、「C_BB2」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知する。
ここで、図22において上述したように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBの図柄の組合せを表示することができ、それ以外の役がボーナスに係る役とともに内部当籤役として決定されている場合には、BBの図柄の組合せを表示することができない。そのため、図48(C)(D)に示すように、主制御基板71は、メイン側で制御を行う場合、持ち越しているボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
なお、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていることを告知(ボーナス告知)した後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行うこととしてもよい。ここで、ボーナス告知は、例えば、ボーナス確定画面を表示することや、ボーナス確定ランプを点灯させることなどにより行われる。
一例として、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行い、この連続演出の結果に応じてボーナス確定画面を表示することが一般的に行われている。この連続演出の最中にメイン側で「白7ナビ」などを行ってしまったのでは、連続演出の結果が途中で分かってしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1の主制御基板71は、ボーナス告知が行われた後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。なお、ボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にする方法は任意である。
一手法としては、ボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、主制御基板71がボーナス告知までに要するゲーム数を決定し、このゲーム数を消化した後に、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナス告知までに要するゲーム数を決定すると、このゲーム数を副制御基板72に通知する。副制御基板72は、このゲーム数に従い演出を制御し、ゲーム数が消化したタイミングでボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。すなわち、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数し、その計数結果が所定回数に達した後にボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定された場合に「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。
また、他の手法としては、ボーナス告知をサブ側ではなくメイン側において制御する方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、表示ユニット100で実行する演出(少なくとも演出に要するゲーム数)を決定し、副制御基板72に通知する。副制御基板72が通知された演出を実行し、ボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
もちろん、その他の手法によりボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にすることとしてもよい。この場合において、主制御基板71は、副制御基板72などからの信号を受け付けることができないため、主制御基板71が受け付け可能な信号に基づいてボーナス告知が行われたタイミングを把握する必要がある。例えば、停止操作に伴う信号は、主制御基板71が受け付け可能であるため、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている状態で、所定の停止操作(例えば、順押し以外)が行われた場合に、ボーナス告知を行うことも考えられる。具体的には、副制御基板72は、主制御基板71から内部当籤役に関する情報と停止操作に関する情報とを取得し、これらの情報の組合せが所定の組合せ(内部当籤役「ボーナスに係る役」、停止操作「順押し以外」)である場合にボーナス告知を行う。このようなボーナス告知は、その契機を主制御基板71でも把握することができるため、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図49〜図65を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図49に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図13、図14)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、S4の内部抽籤処理において、役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定したか否かを判定する(S5)。役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT5遊技状態フラグをオンにし、遊技状態をフラグ間遊技状態にセットする(S6)。
S6の処理に続いて、又はS5において役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定していないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図50で後述する状態別遊技制御処理を行う(S7)。
続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU31は、図48に示す対応関係に基づいて、現在の遊技状態及び内部当籤役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、図60で後述するリール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、S12のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S11)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、図61で後述するリール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、S9で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン7L、中のストップボタン7C及び右のストップボタン7Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S13)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、図62で後述するBBチェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、図63及び図64で後述するRTチェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU31は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を移行させる制御を行う。
続いて、メインCPU31は、図65で後述するCZ・ART終了時処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU31は、CZの引き戻し抽籤を行う。CZ・ART終了時処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図50を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がRT4遊技状態中であるか否かを判定する(S31)。RT4遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図51で後述するフラグ変換処理を行う(S32)。
S32の処理に続いて、又は、S31においてRT4遊技状態中ではないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常遊技状態中であるか否かを判定する(S33)。通常遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図52で後述する通常中スタート時処理を行い(S34)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ中であるか否かを判定する(S35)。CZ中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図53で後述するCZ中スタート時処理を行い(S36)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCZではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常ART中であるか否かを判定する(S37)。通常ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図57で後述する通常ART中スタート時処理を行い(S38)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常ARTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCT中であるか否かを判定する(S39)。CT中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図58で後述するCT中スタート時処理を行い(S40)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判定する(S41)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図59で後述するBB中スタート時処理を行い(S42)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がボーナス状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、その他処理を行い(S43)、状態別制御処理を終了する。例えば、メインCPU31は、ART準備中である場合に、準備中に応じた処理を行う。
<フラグ変換処理>
次に、図51を参照して、フラグ変換処理について説明する。フラグ変換処理では、初めに、メインCPU31は、CT開始時であるか否かを判定する(S50)。CT開始時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CT中フラグ変換テーブル抽籤テーブル(図38)を参照して、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブル番号を抽籤し、セットする(S51)。
S51の処理に続いて、又は、S50においてCT開始時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の状態に応じたフラグ変換抽籤テーブルをセットする(S52)。例えば、現在の状態が非ART中のRT4遊技状態である場合には、非ART中フラグ変換抽籤テーブル(図47)をセットし、現在の状態が通常ART中のRT4遊技状態である場合には、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図32)をセットし、現在の状態がCT中のRT4遊技状態である場合には、CT中フラグ変換抽籤テーブル(図39)をセットする。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてフラグ変換抽籤を行い(S53)、続いて、当籤したか否かを判定する(S54)。フラグ変換抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フラグ変換処理を行う(S55)。この処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱うように処理する。
続いて、メインCPU31は、現在の遊技状態が非ART中であるか否かを判定する(S56)。すなわち、メインCPU31は、RT4遊技状態への移行が、一般遊技状態(非ART)という報知が行われない状態において、遊技者の停止操作に応じて偶然に行われたものであるか否かを判定する。現在の遊技状態が非ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数に1を加算し(S57)、続いて、次遊技にART準備中をセットし(S58)、フラグ変換処理を終了する。他方、現在の遊技状態が非ART中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ変換処理を終了する。
また、S54において、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ維持処理を行い(S59)、フラグ変換処理を終了する。このフラグ維持処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱うように処理する。
<通常中スタート時処理>
次に、図52を参照して、通常中スタート時処理について説明する。通常中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、図26(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照して、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う(S61)。
続いて、メインCPU31は、このCZ抽籤に当籤したか否かを判定する(S62)。CZ抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S63)、続いて、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットする(S64)。なお、CZゲーム数カウンタは、CZの継続期間を計数するカウンタであり、CZ1に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第1ゲーム数(例えば、12)をセットし、CZ2に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第2ゲーム数(例えば、15)をセットし、CZ3に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタに第4ゲーム数(例えば、17)をセットする。
S64の処理に続いて、又は、S62においてCZ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図25(A)の通常中高確率抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態の移行抽籤を行い(S65)、移行抽籤の結果に基づきCZの抽籤状態を更新し(S66)、通常中スタート時処理を終了する。
<CZ中スタート時処理>
次に、図53を参照して、CZ中スタート時処理について説明する。CZ中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ1中であるか否かを判定する(S71)。CZ1中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図54及び図55で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S72)、CZ中スタート時処理を終了する。
他方、CZ1中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、現在の遊技状態がCZ2中であるか否かを判定する(S73)。CZ2中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図54及び図55で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S74)、CZ中スタート時処理を終了する。なお、本実施形態において、CZ1とCZ2とではART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モード又はポイント)が異なるだけであり、基本的な処理は同じである。そこで、本実施形態では、CZ1及びCZ2中の処理をCZ1(CZ2)中処理として一つの処理で説明する。
他方、CZ2中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図56で
後述するCZ3中処理を行い(S75)、CZ中スタート時処理を終了する。
<CZ1(CZ2)中処理>
次に、図54及び図55を参照して、CZ1(CZ2)中処理について説明する。CZ1(CZ2)中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ1又はCZ2の前半部であるか否かを判定する(S81)。メインCPU31は、前半部である場合には(YES)、処理をS82に移し、前半部ではない(後半部である)場合には(NO)、処理を図55のS91に移す。
CZ1の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ1中モードアップ抽籤テーブル(図27)を参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S82)。同様に、CZ2の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ2中ポイント抽籤テーブル(図28)を参照して、内部当籤役に基づいてポイントアップ抽籤を行う(S82)。続いて、メインCPU31は、S82の抽籤結果に基づいて、モード(又はポイント)を更新する(S83)。
続いて、メインCPU31は、S82の抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S84)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行うとともに、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S85)。この処理では、メインCPU31は、更に、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを決定し、セットする。なお、フリーズ発生時には、ARTレベルとして「ARTレベル2」が決定される。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S86)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、S84においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)を1減算する(S87)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)が0か否かを判定する(S88)。CZゲーム数カウンタ(前半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(前半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技にCZ1又はCZ2の後半をセットし(S89)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
続いて、図55を参照して、CZ1又はCZ2の後半部である場合には、メインCPU31は、後半部の1ゲーム目であるか否かを判定する(S91)。後半部の1ゲーム目である場合には、CZ中ART抽籤テーブル(図29(A)(B))を参照して、前半部のモード又はポイントに基づいてART抽籤を行う(S92)。続いて、メインCPU31は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S93)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S94)。S94の処理に続いて、又は、ART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)に所定値をセットする(S95)。メインCPU31は、例えば、ART抽籤に当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「4」をセットし、ART抽籤に非当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「3」をセットする。
S95の処理に続いて、又は、S91において後半部の1ゲームではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図29(C))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S96)、ART抽籤に当籤したか否かを判定する(S97)。このART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S98)。
S98の処理に続いて、又は、S97においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)を1減算する(S99)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)が0であるか否かを判定する(S100)。CZゲーム数カウンタ(後半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(後半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数が1以上であるか否かを判定する(S101)。ARTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S102)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。他方、ARTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZ失敗時をセットし(S103)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
<CZ3中処理>
次に、図56を参照して、CZ3中処理について説明する。CZ3中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図30(D))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S121)、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S122)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S123)。続いて、メインCPU31は、S121のART抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S124)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行う(S125)。
S125の処理に続いて、又は、S124においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S126)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S127)、CZ3中処理を終了する。
他方、S122においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZゲーム数カウンタを1減算する(S128)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する(S129)。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ3中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタが0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S130)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S131)、CZ3中処理を終了する。
<通常ART中スタート時処理>
次に、図57を参照して、通常ART中スタート時処理について説明する。通常ART中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ART継続ゲーム数カウンタを1加算する(S141)。なお、ART継続ゲーム数カウンタは、通常ARTが継続したゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、ART継続ゲーム数カウンタの他に、通常ARTが継続可能なゲーム数を計数するART終了ゲーム数カウンタを設ける。そして、パチスロ機1は、ART継続ゲーム数カウンタの値とART終了ゲーム数カウンタの値とを比較し、ART継続ゲーム数カウンタの値がART終了ゲーム数カウンタの値に到達すると、ART遊技状態を終了する。
続いて、メインCPU31は、ART中CT抽籤テーブル(図35)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い(S142)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S143)。CT抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数に1加算するとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S144)、続いて、次遊技に当籤した種別のCTをセットする(S145)。
S145の処理に続いて、又は、S143においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、ARTレベル決定テーブル(図33(B))を参照して、ART継続ゲーム数カウンタの値に基づいてARTレベルを抽籤し、セットする(S146)。続いて、メインCPU31は、通常ART中高確率抽籤テーブル(図34)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいて、移行先のCT抽籤状態を抽籤し、セットする(S147)。
続いて、メインCPU31は、通常ART中上乗せ抽籤テーブル(図36)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S148)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S149)。上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S150)。
S150の処理に続いて、又は、S149において上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達したか否かを判定する(S151)。ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達していない場合には(NO)、メインCPU31は、通常ART中スタート時処理を終了する。
他方、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達した場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数を1減算し(S152)、続いて、ART終了時をセットし(S153)、通常ART中スタート時処理を終了する。
<CT中スタート時処理>
次に、図58を参照して、CT中スタート時処理について説明する。CT中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、CT中上乗せ抽籤テーブル(図40)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S161)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S162)。
上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S163)。なお、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が増えるほど、1回あたりの上乗せ量が増えることになる。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役が役「3連チリリプ」であるか否か(すなわち、図51のフラグ変換処理において役「3連チリリプ」に変換されたか否か)を判定する(S164)。内部当籤役が役「3連チリリプ」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8を再セットし(S165)、CT中スタート時処理を終了する。また、内部当籤役が役「3連チリリプ」ではない場合には(NO)メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
S162において、上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CT中セット数上乗せ抽籤テーブル(図41)を参照して、内部当籤役に基づいてCTセット数の上乗せ抽籤を行い(S166)、このCTセット数の上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S167)。CTセット数の上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算し(S168)、CT中スタート時処理を終了する。
他方、CTセット数の上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタを1減算し(S169)、続いて、減算の結果、CTゲーム数カウンタが0になったか否かを判定する(S170)。CTゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
CTゲーム数カウンタが0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数を1減算する(S171)。続いて、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S172)。CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S173)、CT中スタート時処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CTを終了し、次遊技に通常ARTをセットし(S174)、CT中スタート時処理を終了する。
<BB中スタート時処理>
次に、図59を参照して、BB中スタート時処理について説明する。BB中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル(図44)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S181)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S182)。上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。
他方、上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S183)。続いて、メインCPU31は、ARTセット数が0であるか否かを判定する(S184)。ARTセット数が0ではない場合には、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。他方、ARTセット数が0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算し(S185)、BB中スタート時処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図60を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S191)。続いて、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S192)。この処理では、メインCPU31は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S193)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S194)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図61を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S201)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS201の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S202)。すなわち、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S203)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S204)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S205)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S206)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S167)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S208)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S209)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理を実行する(S210)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S211)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S212)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S213)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS213の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、リール停止コマンドを送信する(S214)。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S215)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行し(S216)、ステップS201の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<BBチェック処理>
続いて、図62を参照して、BBチェック処理について説明する。BBチェック処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス状態中であるか否かを判定する(S221)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態中に払い出し可能なメダルの枚数を計数するBB中払出枚数カウンタから、入賞判別メダル払出処理(図49のS13)において払い出されたメダルの払出枚数を減算する(S222)。
続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタが0未満になったか否かを判定する(S223)。BB中払出枚数カウンタが0未満ではない場合には(NO)、BBチェック処理を終了する一方で、BB中払出枚数カウンタが0未満である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス終了時処理を行う(S224)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態中の各種情報をクリアするとともに、RT1遊技状態フラグをオンにセットする。
続いて、メインCPU31は、ボーナス終了時CT抽籤テーブル(図45)を参照して、ボーナス終了時のCT抽籤を行い(S225)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S226)。CT抽籤に当籤している場合には、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算する(S227)。なお、ARTセット数が0のときにCT抽籤に当籤した場合には、S227においてCTセット数に1加算するとともに、ARTセット数にも1加算する。
S227の処理に続いて、又はS226においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数又はCTセット数が1以上であるか否かを判定する(S228)。ARTセット数又はCTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S229)、BBチェック処理を終了する。
他方、ARTセット数及びCTセット数のいずれも1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技に通常遊技状態をセットする(S230)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図25(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S231)、BBチェック処理を終了する。
また、S221においてボーナス状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、BBの図柄の組合せ(C_BB1,2)が表示されたか否かを判定する(S232)。BBの図柄の組合せが表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、BBチェック処理を終了する。
他方、BBの図柄の組合せが表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス種別抽籤テーブル(図43)を参照して、ボーナス種別を抽籤し、セットする(S233)。続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタに所定値(例えば、216)をセットし(S234)、ボーナス開始時処理を行い(S235)、BBチェック処理を終了する。なお、ボーナス開始時処理では、メインCPU31は、ボーナスの作動を開始し、次遊技にボーナス状態をセットするなどの各種の処理を行う。
<RTチェック処理>
続いて、図63及び図64を参照して、RTチェック処理について説明する。RTチェック処理では、初めに、メインCPU31は、RT5遊技状態中であるか否かを判定する(S241)。RT5遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、RT5遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT0遊技状態中であるか否かを判定する(S242)。
S242においてRT0遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S243)。「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットし、RT0遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S244)、RTチェック処理を終了する。
他方、S242においてRT0遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態中であるか否かを判定する(S245)。RT1遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S246)。「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S247)、RTチェック処理を終了する。
他方、S246において「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態が20ゲーム経過したか否かを判定する(S248)。20ゲーム経過していない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、20ゲーム経過した場合には(YES)、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT0遊技状態に移行させ(S249)、RTチェック処理を終了する。
他方、S245においてRT1遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態中であるか否かを判定する(S250)。RT2遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「RT3移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S251)。「RT3移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT3移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT2遊技状態フラグをオフにし、RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ(S252)、RTチェック処理を終了する。
他方、S250においてRT2遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態中であるか否かを判定する(S261)。RT3遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S262)。「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S263)、RTチェック処理を終了する。
他方、S262において「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には、メインCPU31は、続いて、「RT4移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S264)。「RT4移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT4移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT4遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT4遊技状態に移行させる(S265)。
続いて、メインCPU31は、ART準備中がセットされているか否かを判定する(S266)。ART準備中がセットされていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、ART準備中がセットされている場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S267)。
CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技にCTをセットするとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S268)、RTチェック処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、次遊技に通常ARTをセットし、ART終了ゲーム数カウンタに所定値をセットし(S269)、RTチェック処理を終了する。
他方、S261においてRT3遊技状態中ではない場合には(NO)、RT4遊技状態中であるため、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S270)。「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT4遊技状態フラグをオフにし、RT4遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S271)、RTチェック処理を終了する。
<CZ・ART終了時処理>
続いて、図65を参照して、CZ・ART終了時処理について説明する。CZ・ART終了時処理では、初めに、メインCPU31は、CZ失敗時又はART終了時であるか否かを判定する(S281)。CZ失敗時及びART終了時のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ・ART終了時処理を終了する一方で、CZ失敗時又はART終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZ抽籤テーブル(図26(B))を参照して、CZの引き戻し抽籤を行い(S282)、この引き戻し抽籤に当籤したか否かを判定する(S283)。
引き戻し抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S284)、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットし(S285)、CZ・ART終了時処理を終了する。
他方、引き戻し抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、次遊技に通常遊技状態をセットする(S286)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図25(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S287)、CZ・ART終了時処理を終了する。
[副制御基板の動作説明]
次に、図66〜図68を参照して、副制御基板72のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<サブ側ナビ制御処理>
まず、図66を参照して、サブ側ナビ制御処理について説明する。サブ側ナビ制御処理では、初めに、サブCPU81は、ナビデータを取得したか否かを判定する(S301)。サブCPU81は、主制御基板71から受信したスタートコマンドデータの中から主制御基板71が決定したナビデータを取得する。S301の処理では、サブCPU81は、受信したスタートコマンドデータの中にナビデータが含まれていたか否かを判定する。
ナビデータを取得した場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、ナビデータに応じたサブ側ナビデータをセットする(S302)。図48を参照して、サブCPU81は、例えば、ナビデータ「4」を取得した場合には、サブ側ナビデータといして押し順「左、中、右」を報知するためのナビデータをセットする。これにより、メイン側及びサブ側の双方において停止操作の内容を報知することができる。
他方、ナビデータを取得していない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、ナビ(停止操作の報知)の必要があるか否かを判定する(S303)。本実施形態では、サブCPU81は、例えば、主制御基板71においてフラグ変換抽籤が行われた場合や、主制御基板71において所定の役が内部当籤役として決定された場合に、ナビの必要があると判定する。フラグ変換抽籤の結果や、内部当籤役の種別は、スタートコマンドデータに含まれており、サブCPU81は、スタートコマンドデータに含まれる各種情報からナビの必要があるか否かを判定することができる。
ナビの必要がないと判定した場合には(NO)、サブCPU81は、サブ側ナビ制御処理を終了する。他方、ナビの必要があると判定した場合には(YES)、サブCPU81は、各種抽籤結果に応じたサブ側ナビデータをセットし(S304)、サブ側ナビ制御処理を終了する。例えば、サブCPU81は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせるナビデータ)をセットし、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押し以外の押し順を示すナビデータ)をセットする。これにより、メイン側で停止操作の内容を報知しない場合であっても、サブ側単独で停止操作の内容を報知することができる。
<遊技者登録処理>
次に、図67を参照して、遊技者登録処理について説明する。遊技者登録処理では、初めに、サブCPU81は、登録操作を受け付けたか否かを判定する(S311)。例えば、第1サブ表示装置201のメニュー画面212(図29参照)において登録ボタン212bの操作を受け付けた場合に表示する登録画面において所定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録操作を受け付けたと判定する。
登録操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をセットする(S312)。後述するように、遊技者登録状態がセットされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
他方、登録操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたか否かを判定する(S313)。例えば、第1サブ表示装置201の登録画面において特定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたと判定する。登録削除操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、遊技者登録処理を終了する。
他方、登録削除操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をクリアする。後述するように、遊技者登録状態がクリアされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示不可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
<履歴管理処理>
次に、図68を参照して、履歴管理処理について説明する。履歴管理処理では、初めに、サブCPU81は、主制御基板71から受信した各種コマンドデータから遊技結果を取得する(S321)。続いて、サブCPU81は、遊技履歴を更新し(S322)、履歴管理処理を終了する。サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータから内部当籤役として決定された役の種類を把握することができ、また、入賞作動コマンドデータから表示された図柄の組合せ(すなわち、内部当籤役として決定された役の入賞の有無)を把握することができる。また、サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータなどから現在の遊技状態や遊技状態の移行状況を把握することができる。サブCPU81は、各種コマンドデータから取得したこれらの遊技結果から、例えば、ボーナス回数、ART回数、ゲーム数(遊技回数)、CZ回数、CZ成功回数、それぞれの役の当籤回数及び当籤確率などの様々な遊技履歴を管理することができる。
[第2実施形態]
続いて、図69〜図99を参照して、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第2実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
<パチスロ機が備える制御系>
第2実施形態のパチスロ機1が備える制御系について、図69を参照して説明する。図69は、第2実施形態のパチスロ機1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機1は、筐体60の内部に設けられた主制御基板71と、上ドア62aに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ機1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板410、割合表示装置420、設定用鍵型スイッチ430、キャビネット側中継基板440及び電源装置450を有する。さらに、パチスロ機1は、キャビネット側中継基板440を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442を有する。
なお、外部集中端子板73及びホッパー装置40の構成については上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
割合表示装置420は、主制御基板71に接続された割合表示基板421と、割合表示基板421に接続された割合表示器422及び切替スイッチ423とを有する。割合表示基板421は、主制御基板71から出力される信号に基づいて割合表示器422の表示を制御する。割合表示器422は、特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。切替スイッチ423は、割合表示器422の表示を切り替える。
なお、割合表示器422の構成、及び割合表示器422に表示される各種割合の詳細については、図71を参照して後述する。
設定用鍵型スイッチ430は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430を用いた操作を受け付けると、複数の設定値の中から操作の内容に応じた設定値を設定する。
キャビネット側中継基板440は、主制御基板71と、外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442とを電気的に接続するための中継基板である。メダル補助収納庫スイッチ441は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ442は、パチスロ機1の各種データをリセット(初期化)するときに使用される。
電源装置450は、主制御基板71に接続された電源基板451と、電源基板451に接続された電源スイッチ452とを有する。電源スイッチ452は、パチスロ機1に必要な電源を供給するときに押下される。
また、パチスロ機1は、ドア中継端子板460、並びに、該ドア中継端子板460を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ461、ドア開閉監視スイッチ462、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ基板463、遊技動作表示基板470及び副中継基板75を有する。なお、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S及び副中継基板75については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
セレクタ461は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に投入された適正なメダルをホッパー装置40へ案内する。セレクタ461内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ462は、パチスロ機1の外部へ、上ドア62a及び下ドア62bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。ストップスイッチ基板463(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板463には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板470は、情報表示器14に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うとき等に、投入されたメダルの枚数等を情報表示器14に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板470は、LED群471が接続され、LED群471は、例えば、遊技動作表示基板470から入力される信号に基づいて、遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板460及び副中継基板75を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ機1は、副中継基板75を介して副制御基板72に接続された、スピーカ9L,9R,各種LED101、タッチセンサ201a及び表示ユニット110を有する。
また、パチスロ機1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480を有する。なお、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480は、副制御基板72とともに副制御基板ケースに収納されている。
ロムカートリッジ基板82は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板480は、副制御基板72及び表示ユニット100間の接続配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71に実装される主制御回路の構成について、図70を参照して説明する。なお、副制御基板72に実装される副制御回路の構成は、図5において示したものと同様であるため、説明を省略する。図70は、パチスロ機1の主制御回路の構成例を示すブロック図である。
図70(A)に示すように、主制御回路は、主に、主制御基板71に実装されたマイクロコンピュータ30により構成される。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御基板72に実装される副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM32には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
<割合表示器>
次に、割合表示器422の構成について、図71を参照して説明する。図69において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、各種の割合を表示する割合表示器422を有する。図71(A)は、割合表示器422の取り付け例を示し、図71(B)は、割合表示器422に表示される内容を示す。
(割合表示器の構成)
図71に示すように、割合表示器422は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、図71(B)で後述するように、上位2桁は、表示する割合の種類を示し、下位2桁は、当該割合の値を示す。割合表示器422は、管理者(遊技店の店員等)がパチスロ機1に不正改造がないか確認する際などに使用されるため、パチスロ機1の筐体60の内部に設けられる。このとき、割合表示器422自体に対する不正を防止するため、割合表示器422は、主制御基板71を覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、図71(A−1)に示すように、割合表示器422は、主制御基板71上に実装することとしてもよく、また、図71(A−2)に示すように、主制御基板71に接続された他の基板(割合表示基板)上に実装することとしてもよく、また、図71(A−3)に示すように、割合表示器422としての7セグメントLEDユニットを主制御基板に接続することで、取り付けることとしてもよい。いずれの場合であっても、図71(A)に示すように、主制御基板71とともに主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
なお、通常、主制御基板ケースには、封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に割合表示器422を設ける場合には、封印シールにより割合表示器422の視認性が損なわれることがないように、封印シールを貼りつけることが好ましい。さらに、主制御基板ケースに、かしめ記録用シールも貼り付けられる。かしめ記録用シールとは、かしめの開封記録の担当者と日付の記入欄、主制御基板の製造番号、製造時に用いる識別用の2次元コードが記載されているシールである。機種によっては、製造時に用いる2次元コードのシールをさらに別に主制御基板ケースに貼り付ける場合もある。こうしたシール等の貼り付け部材によっても割合表示器の視認性が損なわれることのない配置とすることが好ましい。
また、主制御基板に組み付けられるかしめ部材やハーネス、あるいは重畳的に複数の基板を配置する基板構成である場合の他の基板、その他の筐体内の部材によっても、フロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)の開放時には割合表示器の視認性が損なわれることのない設計とすることが好ましく、そうすることで管理者の割合表示器の確認作業の効率が良くなる。
(割合表示器の表示内容)
続いて、割合表示器422の表示例について説明する。図71(B)に示すように、割合表示器422には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。割合表示器422に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、ボーナス作動中のボーナス状態及びART遊技状態に加え、ART遊技状態への移行期待度が高いCZも含めることとしてもよい(図7参照)。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数を示す第1特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。なお、いずれかの役物とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物をいう。また、ART遊技状態中やCZ中も、遊技者にとって有利な状態であるため、いずれかの役物が作動している状態に含めることとしてもよい。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数を示す第2特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
役物割合=第2特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「累計」とは、パチスロ機1を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板71は、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板71は、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、パチスロ機1は、メインRAM33に設けられたカウンタにおける計数項目のいずれもが電断により消去されないように構成されている。具体的には、電断時にメインRAM33に設けられたバックアップ領域に当該データを退避させ、復帰時にバックアップ領域からデータを読み出して再セットする。これにより、閉店後に電源を落とし、開店前に電源を入れるという一般的な運用がされた場合であっても、設置時から継続してデータを累積することができる。
また、リプレイの入賞に伴う再遊技の権利は、当該遊技に用いたメダルと同数のメダルの払い出しと考えることもでき、また、0枚のメダルの払い出しと考えることもできる。上述した割合の算出においては、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aと、再遊技の権利をメダルの払い出しとは考えない計算方法Bとで算出結果が異なることがある。例えば、連続役物割合や役物割合のように、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(総払出枚数)に対する割合の算出では、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aでは、リプレイが入賞した回数分だけ総払出枚数も増えることになり、結果、当該割合が低くなる。反対に、再遊技の権利をメダルの払い出しと考えない計算方法Bでは、リプレイの入賞は総払出枚数に対して影響を与えないため、結果、当該割合は高くなる。このような計算方法Aと計算方法Bとのかい離は、リプレイが入賞した回数が増えるほど大きくなるため、遊技回数が増えるほど大きくなる。
そこで、割合表示器422では、計算方法Aによる算出結果と、計算方法Bによる算出結果とを切り替え可能に表示することとしてもよい。この場合は、計算方法Aによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子と、計算方法Bによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子とは異なるものとするべきである。また、割合表示器422を設ける基板の大きさに余裕がある場合には、割合表示器422の7セグユニットを増設して、両者を同時に表示することとしてもよい。
また、店舗管理者が表示できる設定用画面(いわゆるホールメニュー)において、連続役物割合や役物割合を表示させる場合にも、同様に、複数の計算方法で算出された結果を表示可能としてもよい。
(割合表示器の表示内容(切り替え表示))
割合表示器422では、主制御基板71が算出した各種の割合を切り替えて表示する。割合表示器422に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合を切り替えることとしてもよく、また、切替スイッチ423(図69参照)の操作に応じて手動で、各種の割合を切り替えることとしてもよく、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合を切り替えることとしてもよい。
(割合表示器の表示内容(エラー時))
パチスロ機では、射幸性を徒に高めないように、業界内においてルール化がなされており、例えば、全遊技に対して遊技者にとって有利な遊技状態が占める割合が高くなりすぎないこと、また、通常の遊技状態において安心して遊技を行うことができるように、有利な遊技状態中だけでなく通常の遊技状態においてもメダルが所定以上払い出されることで、通常時のベース(いわゆるコイン持ち)を下げすぎてはいけない、といった規制がなされている。割合表示器422に表示する上述の各種割合は、これら規制を満たしているか確認可能にするものである。偶発的なボーナスの連続成立等により、一時的に規制の規定値を超える場合があるものの、統計的な観点から言えば遊技回数が増えるにつれて表示器に示される割合の値は、規制に沿って作成された設計値に近づくかたちで収束していく。そのため、遊技回数10万回など試行回数が多いときに、なお設計値と乖離した値が表示された場合は、不正行為がされたことを推認できる。また、設計値と乖離が大きい値が特定の台でのみ頻繁に表示される場合に、管理者は不正基板のぶら下げなど、その特定の台に不正行為が行われたことを推認できる。このように、割合表示器422に表示された値が規定値を超えるかどうかは、管理者が不正行為を見抜くための手がかりとして機能する。
そのため、割合表示器422に表示する各種割合が規定値を超えている場合には、管理者がその旨を適切に把握できるようにすることが好ましい。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が算出した上述の各種割合(特定区間割合、連続役物割合、役物割合)が、当該割合に対して設定された規定値以上である場合と、当該割合に対して設定された規定値未満である場合とで、割合表示器422における当該割合の表示態様を異ならせる。例えば、割合表示器422は、規定値以上である場合には当該割合を点滅表示し、規定値未満である場合には当該割合を点灯表示する。これにより、管理者は、各種割合が規定値を満たしているか否かを一目で把握することができる。
また、規定値以上である割合が存在する場合には、外部機器(例えば、ホールコンピュータ)に対してその旨を通知(例えば、特定区間割合が規定値を超えている旨通知)することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、算出した割合の中に規定値以上の割合が存在する場合に、外部集中端子板73を介して、外部機器に対してその旨を通知する。なお、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、現在エラー出力として利用している出力ピンを利用して、外部機器に対して通知(すなわち、エラー出力)を行うこととしてもよい。
なお、規定値以上である割合が存在するからといって、ただちに不正行為であるとはいえない。そのため、不正行為の疑いが強い異常を検知した場合に出力される第1エラー出力と、通常遊技で発生する異常を検知した場合に出力される第2エラー出力を備えた機種の場合は、規定値を超えていることに基づくエラーは、第2エラー出力とすることが好ましい。ここで、不正行為の疑いが強い異常とは、例えば、RAMクリア検知、RAMの読み書き不能、RAMのソフト的異常、磁気検知、電波検知、通信異常、内部電圧の異常、内部当籤していない役に係る図柄が有効ライン上に表示されるという入賞異常、本来払出のできないタイミングでの払出を検知した場合、設定値が6段階以外の値を示した場合などが挙げられる。また、通常遊技で発生する異常とは、例えば、ホッパー装置40のメダルが底をつくホッパーエンプティ、ホッパー装置40の払出口のメダル詰まり検出、メダル補助収納庫が一杯になってしまうメダルオーバーフロー、メダル投入時のメダル詰まり又はメダル逆流検出や、メダル投入枚数を4枚など異常な枚数で検出した場合、ホール店員がメダル補給などでフロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)を開けたことによるドア開放エラーや、メダル補給などの際にホッパーの配線が外れたことを検知した場合、などが挙げられる。
このように規定値以上である割合が存在する場合に外部機器に対して所定の通知を行うことで、管理者は、筐体60の内部に設けられた割合表示器422を見ることなく、各種割合が規定値を満たしているか否かを把握することができるため、管理者の負担を軽減することができる。
(割合表示器の表示内容(設置直後))
パチスロ機1の設置直後のように総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合はブレ幅が大きく上下に大きく動いてしまう。そのため、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合の表示態様を異ならせることとしてもよい。このとき、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。例えば、累計の割合については、総遊技回数が「17500回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示(例えば、黄色で表示)し、総遊技回数が「17500回」に達した後は、通常の態様で表示(例えば、赤色で表示)する一方で、直近6000ゲーム間の割合については、総遊技回数が「6000回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示し、総遊技回数が「6000回」に達した後は、通常の態様で表示することとしてもよい。
また、外部機器への出力に関しても、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合が規定値以上である場合であっても、行わないこととしてもよい。この場合においても、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。
(割合表示器の変形例)
ところで、既存のパチスロ機は、割合表示器を有していないため、図71(A)に示す割合表示器の取り付け例では、既存のパチスロ機に対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存のパチスロ機において設けられている表示器を、各種の割合を表示する割合表示器として用いることとしてもよい。具体的には、既存のパチスロ機では、貯留されているメダルの数(クレジット数)、及び今回の遊技において払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を表示する表示器(情報表示器14)が設けられている。そこで、パチスロ機に対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数を表示する表示部(後述のクレジットランプ145)に表示する割合の種類を表示し、払出枚数を表示する表示部(後述の払出枚数ランプ146)に当該種類の割合を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。
なお、特別な操作は任意であるが、筐体60の内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止できる。
<情報表示器>
次に、図72を参照して、主制御基板71が停止操作の情報を報知する指示モニタを含む情報表示器14の構成について説明する。
図72に示すように、情報表示器14は、インサートランプ141と、スタートランプ142と、リプレイランプ143と、ベット数ランプ144と、クレジットランプ145と、払出枚数ランプ146と、指示モニタ147と、リミットランプ148とを含んで構成される。
インサートランプ141は、点灯(又は点滅(以下省略))することでメダルの投入が可能であることを遊技者に対して報せ、スタートランプ142は、点灯することでスタートレバー6の操作に伴い遊技の開始が可能であることを遊技者に対して報せ、リプレイランプ143は、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを遊技者に対して報せる。また、ベット数ランプ144は、点灯することでベットされたメダルの枚数を遊技者に報せ、クレジットランプ145は、点灯することでパチスロ機1の内部に貯留されているメダルの枚数(クレジット数)を遊技者に対して報せ、払出枚数ランプ146は、点灯することで遊技の結果により払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を遊技者に対して報せる。
また、指示モニタ147は、報知ランプ147aと、状態表示器147b(ATランプ)と、を含んで構成される。報知ランプ147aは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯することで、必要な停止操作の情報を遊技者に対して報せる。また、状態表示器147bは、点灯することで、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(例えば、ART遊技状態)であることを遊技者に対して報せる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、クレジットランプ145及び払出枚数ランプ146とは別に報知ランプ147aを設けているが、報知ランプ147aを設けることなく、クレジットランプ145又は払出枚数ランプ146のいずれかを用いて、停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、リミットランプ148は、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に点灯する。遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した場合、射幸性を徒に煽ってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に、ART遊技状態の継続期間が満了する前であっても強制的にART遊技状態を終了する(リミット処理)。リミットランプ148は、このリミット処理によりART遊技状態を終了した際に点灯し、リミット処理が行われたことを遊技者に対して報せる。また、リミットランプ148は、リミット処理の発動が近い場合に点滅して、実際にリミット処理が行われると点灯することとしてもよい。
なお、リミット処理の詳細については、図79及び図80において後述する。
インサートランプ141〜リミットランプ148は、背面に設けられたLED(図示せず)により点灯、点滅、消灯する。パチスロ機1では、主制御基板71がこのLEDの点灯、点滅、消灯を制御することで、遊技に関する各種の情報を遊技者に対して報せる。
<状態表示器>
次に、図73を参照して、情報表示器14に設けられる状態表示器147bについて説明する。図73は、状態表示器147bの点灯タイミングのパターン例を示す図である。
図73において、タイミングT1は遊技の開始時であり、タイミングT2は当該遊技のリール回転開始時であり、タイミングT3は当該遊技の第1停止操作時であり、タイミングT4は当該遊技の第2停止操作時であり、タイミングT5は当該遊技の第3停止操作時であり、タイミングT6は当該遊技の全リール停止時であり、タイミングT7は当該遊技の終了時であり、タイミングT8は次遊技の開始時である。
図73に示す例では、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、当該当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させる。例えば、点灯パターン例1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(タイミングT1)に状態表示器147bを点灯させている。また、点灯パターン例2では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技のリール回転開始時(タイミングT2)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例3では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の第1停止操作時(タイミングT3)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例4では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の全リール停止時(タイミングT6)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例5では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の終了時(タイミングT7)に状態表示器147bを点灯させている。
なお、図73に示す点灯パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させればよく、そのタイミングは任意である。
このように特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させることで、遊技者は、特定区間への移行抽籤に当籤していることを把握できるため、その後の遊技に期待を持つことができ好適である。
(状態表示器による告知の改良)
ところで、当籤の有無を、単に一つのランプの点灯/消灯のみで告知していたのでは、当籤の有無は即座に分かるものの、遊技者に対してランプさえ点灯すればよいという気持ちを抱かせてしまうことになり、面白みにかけてしまい、結果、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失わせてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示す方法により、特定区間への移行抽籤に当籤していることを、単調になることなく当該遊技中に報せることとしている。
(状態表示器に対する工夫1)
図72(B)及び図72(C)は、状態表示器147bの別構成例を示す。図72(B)に示す状態表示器147bでは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプ「a」〜「i」を有し、これら複数のランプの点灯、点滅、消灯のパターンに基づいて、特定区間への移行抽籤に当籤していることを報せる。
一例として、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプが特定のパターンで点灯(例えば、「a」「c」「d」「h」「i」が点灯)し、当籤していない場合には、複数のランプがこの特定のパターン以外のパターンで点灯する。なお、特定のパターンは、一つに限るものではなく、複数のパターンを有していてもよい。これにより、一つのランプが単に点灯した場合に当籤を報せる場合よりも、深みのある告知が可能になり、例えば、遊技を繰り返し行い当籤時の点灯パターンを覚えるにつれて、当籤の察知が早くなるといった遊技性を実現できる。
なお、移行抽籤の当籤の有無を、点灯パターンに基づいて報せるのではなく、点灯しているランプの数に基づいて報せることとしてもよい。例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数以外の数のランプが点灯することとしてもよい。また、例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数以上(又は特定数以下)の数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数未満(又は特定数を超える)の数のランプが点灯することとしてもよい。
また、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、複数のランプを用いて移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うこともできる。例えば、移行抽籤に当籤していることを報せる点灯パターンを「全てのランプが点灯する」とした場合に、遊技の進行(開始操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作、全リール停止時等)に応じて点灯するランプの数を増減させることで、遊技の進行に合わせて移行抽籤の当籤の期待度を示唆することができる。
(状態表示器に対する工夫2)
図72(C)に示す状態表示器147bは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプを有する点では図72(B)の状態表示器147bと同様であるが、図72(B)の状態表示器147bが複数のランプが全体として意味を持たなかったのに対して、図72(C)に示す状態表示器147bでは、全体として意味を持たせている点が異なる。すなわち、図72(C)に示す状態表示器147bでは、例えば、パチスロ機1のメーカー名、パチスロ機1の機種名、パチスロ機1やメーカーのモチーフとなったキャラクタ名、キャラクタの形状等の、遊技者に対して印象付けたい文字や形状を装飾としても用いる。複数のランプに対してこのような装飾を用いることで、装飾が表す文字や形状を遊技者に対して強く記憶させることができ、ブランド力の向上につながる。
この場合においても、点灯パターンや点灯するランプの数を制御することで、移行抽籤の当籤の有無を分かり難くすることができるとともに、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うことができる。
なお、パチスロ機によっては、特定区間として、遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の特定区間を有することがあり、移行抽籤の結果に基づいていずれかの特定区間に移行することがある。例えば、ART遊技状態とCZとを有するパチスロ機において、移行抽籤の結果に基づいてART遊技状態又はCZに遊技状態を移行させるパチスロ機や、初期ゲーム数が50ゲームであるART遊技状態と初期ゲーム数が100ゲームであるART遊技状態とを有し、移行抽籤に伴い決定した初期ゲーム数のART遊技状態に遊技状態を移行させるパチスロ機等が考えられる。
ここで、上述の工夫1,2のように複数のランプを用いる場合、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に応じて、異なる組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。一例として、初期ゲーム数が50ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンで状態表示器147bを点灯し、初期ゲーム数が100ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンとは異なる第2の点灯パターンで状態表示器147bを点灯することとしてもよい。
これにより、特定区間の種類に応じて点灯パターンが異なるため、状態表示器147bの点灯パターンのバリエーションを増やすことができる。遊技者にとってみれば、点灯パターンのバリエーションが増えることで、それぞれの点灯パターンの内容を正確に把握することが困難になるため、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失うことがない。
反対に、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に関わらず、同一の組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。このような制御では、当籤した特定区間の種類に関わらず点灯パターンが同一であるため、点灯パターンからでは、当籤した特定区間の種類を把握することができない。熟練の遊技者によっては、複数のランプの点灯パターンを暗記してしまっていることがある。そこで、遊技者にとって真に有利な特定区間(例えば、50ゲーム等の長いART遊技状態)と、遊技者にとってあまり有利ではない特定区間(例えば、1ゲームで終了してしまうART遊技状態)とを設け、これら特定区間のいずれにおいても状態表示器147bの点灯パターンを同一にすることで、当籤した特定区間の種類を把握できなくすることができる。
また、初心者向けの配慮として、それぞれの点灯パターンの内容を腰部パネル25などに表示しておくこととしてもよい。例えば、一般的に導入されるデザインの腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示せずに、低貸玉店などのように主に初心者が多い店舗に出荷するパチスロ機の腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示することとしてもよい。また、購入店舗側が客層を踏まえて希望する腰部パネル25をメーカーに発注できるようにしてもよい。これにより、遊技店の客層に応じて点灯パターンの内容を報せる又は報せないといったことが可能になる。
腰部パネル25のデザイン変更は、試験機関による試験が不要であり、また、製造・開発コストの負荷も大きくないため、市場環境に合わせて簡単なパネル替えのみで適切な仕様のパチスロ機を提供することができ、好適である。なお、腰部パネル25自体のデザイン変更ではなく、所定のシール部材を貼り付ける、又は差し替え可能なシート部材により、点灯パターンの内容を報せる又は報せないを切り替え可能にしてもよい。また、点灯パターンの内容を表示する場所は、遊技者が遊技中に認識可能な場所であれば腰部パネル25以外の場所であってもよい。ただし、遊技者にとって見やすい場所であることが望ましい。
(状態表示器に対する工夫3)
また、一つのランプが点灯するか否かで当籤の有無が分かってしまうことを避けるために、状態表示器147bを遊技者が視認し難い位置に配置することとしてもよい。視認し難い位置とは、例えば、メダル受け部16、腰部パネル25、筐体60の側面、メダル投入口22の裏等の任意の場所であってよい。また、状態表示器147bを不透明なカバーで覆い、このカバーにあけられた穴部(のぞき穴)からのみ、状態表示器147bを視認できるようにすることで、状態表示器147bを視認し難くすることができる。また、例えば、お札クリップや駐車場利用サービス券のクリップをパチスロ機1に設け、このクリップの背後に状態表示器147bを設けることとしてもよい。
(状態表示器に対する工夫4)
また、特定区間への移行抽籤の当否を報せる状態表示器147bが同じ位置にある場合、その場所のみを見ていればすぐにわかってしまうため、状態表示器147bの位置を切り替えることとしてもよい。具体的な方法としては、パチスロ機1が有する複数個所のランプ(LED)の少なくとも複数に状態表示器147bの機能を持たせ、時間毎に移行抽籤の当否を報せるランプを異ならせることが考えられる。これにより、例えば、あるタイミングでは、右上部のランプが状態表示器147bの機能を果たしているが、別のタイミングでは、左下部のランプが状態表示器147bの機能を果たすといったことが可能になる。その結果、遊技者は、状態表示器147bの点灯パターンからだけでは、移行抽籤の当否を把握し難くなり、液晶表示装置等での他の演出に対する興味が失われてしまうことを防止できる。
(遊技性からの工夫)
続いて、図74を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤していること分かり難くする方法に関する遊技性からの工夫について説明する。第1実施形態のパチスロ機1では、押し順役として「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」を設け、押し順正解時には9枚のメダルが払い出され(ベルの図柄の組合せが表示され)、押し順不正解時には0枚又は1枚のメダルが払い出される(ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される)こととしている。そして、ART遊技状態では、押し順役が内部当籤役として決定されると、押し順役に応じた正解の押し順を報知することとしている。そのため、ART遊技状態中は、報知に従い遊技を行うことで、遊技に用いるメダル(例えば、3枚)を超える数のメダルが(例えば、9枚)払い出されることになる。
遊技性からの工夫としては、まず、押し順正解時であっても遊技に用いたメダル以下の数のメダルが払い出される押し順役を更に設ける。図74に示す例では、図74(A)に示すように、「F_3択1枚役_1st」「F_3択1枚役_2nd」「F_3択1枚役_3rd」という押し順役を設けている。「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役3rd」は、押し順に正解したときに、1枚出目の図柄の組合せが表示され、1枚のメダルが払い出され、押し順に不正解のときに、はずれの図柄の組合せが表示され、0枚のメダルが払い出される。
なお、新たに設ける押し順役は、押し順正解時であってもメダルが増加しなければよく、押し順正解時に遊技に用いたメダルの数以下の数(第3数量)のメダルが払い出され、押し順不正解時に当該数(第3数量)よりも少ない数(第4数量)のメダルが払い出される、又はメダルが1枚も払い出されない(すなわち、0枚)役であればよい。
また、遊技性からの工夫では、ART遊技状態として少なくとも2種類のART遊技状態を設ける。具体的には、全ての押し順役(「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」及び「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」)について、内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知するART遊技状態と、押し順役のうち「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」が内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知し、「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された際には正解の押し順を報知しない1枚役ART遊技状態と、を設ける。
そして、遊技性からの工夫では、遊技状態がこれらART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれであっても、状態表示器147bを点灯させる。なお、ART遊技状態と1枚役ART遊技状態とで、状態表示器147bの点灯パターンを異ならせてもよく、また、同一の点灯パターンであってもよい。
このような工夫により、状態表示器147bにより現在の遊技状態が押し順役を報知する遊技状態であることを報せることができるものの、状態表示器147bからだけでは、遊技者にとって真に有利なART遊技状態であるのか、1枚役ART遊技状態であるのかを把握できないようにすることができる。
なお、遊技者にとって真に有利なART遊技状態への移行は、特定区間への移行抽籤に当籤することにより行われるが、遊技者にとって必ずしも有利とはいえない1枚役ART遊技状態への移行は、任意に行うことができる。
図74(B)に示す例では、ART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態としている。具体的には、図74(B)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。このART遊技状態中は、3択1枚役(「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」)及び3択ベル(「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」)のいずれが内部当籤役として決定されたとしても、正解の押し順の報知が行われる。
一方で、図74(B)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の全ての遊技を、1枚役ART遊技状態としている。この1枚役ART遊技状態中は、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技(1回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われる一方で、3択ベルが内部当籤役として決定された遊技(2回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われない。
このようにART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態とした場合、状態表示器147bは、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず常に点灯していることになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。
また、図74(C)に示す例では、ART遊技状態以外の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を、ART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれでもない状態(通常)としている。具体的には、図74(C)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。
一方で、図74(C)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを、1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を通常遊技状態としている。具体的には、1回目の遊技において3択1枚役が内部当籤役として決定されているため、この1回目の遊技の遊技状態を1枚役ART遊技状態とし、正解の押し順の報知を行っている。一方、2回目の遊技では、3択1枚役が内部当籤役として決定されてないため、通常遊技状態としており、正解の押し順の報知を行わない。
このようにART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とした場合であっても、状態表示器147bは、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず点灯することになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。また、1枚役ART遊技状態といっても、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されることになるため、図74(B)のように常時1枚役ART遊技状態としてしまうと、押し順の報知が行われる報知遊技状態が長期間継続してしまい、遊技の射幸性を徒に高めてしまうおそれがある。この点、図74(C)のように、ART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とすることで、報知遊技状態の期間を限定的にすることができ、射幸性が徒に高まってしまうことを防止できる。
<基本的な遊技フロー>
続いて、本実施形態のパチスロ機1の基本的な遊技フローについて説明する。図75は、パチスロ機1における報知の有無に関する遊技状態の遷移フローである。なお、図75では、報知の有無に関する遊技状態についてのみ示し、ボーナスの作動の有無に関する遊技状態の遷移フローは省略している。
図75に示すように、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない通常区間と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する特定区間とを有する。なお、通常区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中の通常遊技状態が該当し、また、特定区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中のCZ及びART遊技状態が該当する(図7参照)。
(通常区間から特定区間への移行)
通常区間から特定区間へは、特定区間への移行抽籤に当籤することで移行する。ここで、特定区間への移行抽籤とは、CZへの移行抽籤とART遊技状態への移行抽籤との双方を含むものである。本実施形態のパチスロ機1において、特定区間への移行抽籤は、設定値に差のない情報に基づいて行われる。「設定値に差のない情報」とは、内部抽籤処理において全ての設定値において同一の確率で内部当籤役として決定される役(設定不問役)や、全リールの停止時に全ての設定値において同一の確率で表示されることになる図柄の組合せ(設定差のない図柄の組合せ)を少なくとも含むものである。
すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある役(設定差役)が内部当籤役として決定された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。また、本実施形態のパチスロ機1では、全リールの停止時に設定差のない図柄の組合せが表示された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある図柄の組合せが表示された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。
また、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われる。「予め定められており一切変動しない完全確率」とは、少なくとも設定値に基づいて変動することのない確率(すなわち、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率)を意味する。
このように「設定値に差のない情報」に基づいて行う移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うことで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることができ、出玉性能の差を、設定差のある設定差役の当籤確率に抑えることができる。
(移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例)
ここで、特定区間への移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例を、図77に示す。図77(A)は、内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブルであり、図77(B)は、内部当籤役に基づいて特定区間への移行抽籤を行うための移行抽籤テーブルである。なお、以下では、内部抽籤テーブルは、確率分母を32768とし、移行抽籤テーブルは、確率分母を256としている。
図77(A)に示す例のように、内部抽籤テーブルは、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。ここで、内部抽籤テーブルを用いた抽籤により決定される役には、設定値により抽籤値が異なる設定差役と、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役とが含まれる。図77(A)に示す例では、役「F_BB1」「F_維持リプA」等は、設定値により抽籤値が異なる設定差役であり、役「F_サボ1」「F_チリリプ」「F_BB1+F_リーチ目リプ」等は、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役である。パチスロ機1では、設定差役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行わず、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行うことができる。なお、特定区間への移行抽籤を行わないとは、移行抽籤自体を行わないことに加え、移行抽籤は行うものの必ず非当籤になることを含むものである。また、特定区間への移行抽籤は、いずれかの設定不問役が内部当籤役として決定された場合に必ず行わなければならないわけではなく、移行抽籤を行う設定不問役と移行抽籤を行わない設定不問役とを設けることとしてもよい。
続いて、図77(B)に示す例のように、移行抽籤テーブルは、内部当籤役として決定された設定不問役毎に、移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。上述したように、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われるため、移行抽籤テーブルにおいて規定されている抽籤値の情報は、設定値に関わらず同一の値である。
なお、「予め定められており一切変動しない完全確率」として、更に、「設定値に差のない情報」に対して一義的に定められた確率であることを含めることとしてもよい。近年のパチスロ機では、移行抽籤に当籤し易い状態と当籤し難い状態とを設けることがある。このような場合に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになる。反対に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率ではない確率(すなわち、変動する確率)」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時に、現在の遊技状態に応じた確率で当籤する移行抽籤、すなわち、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高い確率で当籤する移行抽籤を行い、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低い確率で当籤する移行抽籤、を行うことになる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法)
ところで、このように一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになるため、CZ(チャンスゾーン)のようにART遊技状態に移行し易い状態を設けるためには、工夫を講じる必要がある。続いて、図78を参照して、CZの実現方法の一例について説明する。
図78(A)は、CZ中のART抽籤方法の一例を示す図である。例えば、CZ中に内部当籤役として決定される確率に設定差のない押し順役の正解の押し順を報知することとし、ART遊技状態への移行抽籤を、設定差のない押し順役当籤時に表示された図柄の組合せに基づいて行うこととする。具体的には、図78(A)に示す移行抽籤テーブルのように、全リールの停止時にベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行い、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わない。
通常区間とCZ中とを比較すると、押し順役の当籤確率は同一であるものの、通常区間では正解の押し順が報知されないため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せは表示され難く、反対に、CZ中は正解の押し順が報知されるため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せが表示され易い。その結果、CZ中は通常区間に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。
また、図78(B)は、CZ中のART抽籤方法の別例を示す図である。パチスロ機1では、RT遊技状態を移行させることで、再遊技に係る役(リプレイ)の当籤確率を変更することができる。そこで、再遊技に係る役(リプレイ)のうちの設定差のない一部の役の当籤確率を、RT遊技状態において異ならせることで、一のRT遊技状態と別のRT遊技状態とでART遊技状態への移行抽籤が行われる頻度を異ならせることができる。
具体的には、図78(B)に示す内部抽籤テーブルにおいて、役「F_チリリプ」は、設定差のない設定不問役であり、図78(B)に示す移行抽籤テーブルのように、この役「F_チリリプ」が内部当籤役として決定されたときに、ART遊技状態への移行抽籤を行う。ここで、図78(B)に示す内部抽籤テーブルを参照すると、役「F_チリリプ」は、設定差はないものの、RT遊技状態に応じて当籤確率が異なり、RT2遊技状態ではRT1遊技状態よりも高い確率で内部当籤役として決定される。
そのため、RT2遊技状態では、RT1遊技状態に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。より具体的には、RT2遊技状態をCZとして用いることができる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法の別例)
続いて、図78(C)は、CZの実現方法の別例を示す図である。図78(C)に示す方法では、MB(第二種特別役物に係る役物連続作動装置)を用いてCZを実現する。この方法におけるパチスロ機1では、MB中にも抽籤される役物として、シングルボーナス(以下「SB」)とレギュラーボーナス(以下「RB」)とを有し、MBの終了条件を、(A)規定枚数を超えるメダルが払い出されたこと、(B)MB中にSBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、(C)MB中にRBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、の3つの条件の何れかが満たされることとする。そして、パチスロ機1では、満たされた終了条件に応じて、MB終了後にART遊技状態に移行させる。例えば、図78(C)に示す例では、MBがRBの成立により終了すると、MB終了後にART遊技状態に移行し、その他の条件によりMBが終了した場合には、MB終了後にART遊技状態には移行しないこととしている。
すなわち、図78(C)に示す例では、SB成立によるMB終了(いわゆるパンク)や、規定枚数のメダルの払出を受けるよりも前にRBが成立した場合には、ART遊技状態への移行に当籤するというチャンスゾーン(CZ)として機能することになる。
なお、MB中のリール停止制御として、RBが内部当籤役として決定された遊技においてもメダルの払出のある図柄の組合せを優先して停止させることが可能であるため、規定枚数を超えるメダルの払出があった遊技と、RBが内部当籤役として決定された遊技とが同じ遊技であることもある。このような場合には、終了条件(C)が満たされたとしてART遊技状態に移行することが好ましい。
図78(C)に示す例では、(1)通常区間においてMBが入賞すると、CZであるMBに遊技状態が移行する。そして、(2)MB中に規定枚数を超えるメダルが払い出されると、又はSBが成立すると、CZであるMBが終了し、遊技状態が通常区間に移行する。一方で、(3)MB中にRBが内部当籤役として決定されると、CZであるMBが終了し、遊技状態がRBフラグ間に移行する。そして、(4)このRBフラグ間においてRBが入賞すると、遊技状態がRBに移行し、その後(5)RBが終了すると、RB終了を契機として発生する高RTにてART遊技状態が開始される。なお、MB中のRBが内部当籤役として決定された遊技においてRBが入賞した場合には、RBフラグ間を経由せずに、MBが終了した次の遊技からRBが開始する。
このようなパチスロ機1において、通常区間中における(CZとして機能する)MBの当籤確率、及びMB中における(ART遊技状態への移行契機となる)RBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率であるが、MB中における(CZの終了契機となる)SBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率としてもよく、設定値に応じて異なる確率としてもよい。例えば、MB中におけるSBの当籤確率を設定値に応じて異ならせる場合には、高設定ほどSBの当籤確率を低くして、MBが長く続きやすくすることでCZ(MB)中におけるART遊技状態への移行期待度を高めることができ、出玉仕様のバリエーションを豊富にすることができる。
また、ART遊技状態への移行契機となるRBの当籤確率は、他の終了条件との関係により任意に設定することができるが、現実的に当籤が期待できる確率にする方がゲームバランスが良くなるため、規定枚数を10〜30枚などの少なめにして、MB中にRBが比較的高確率で内部当籤役として決定されることとすることが好ましい。
(主制御基板の別構成例)
ここで、内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤、及び移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤は、主制御基板71において実行される。主制御基板71では、記憶手段(メインROM)の容量が限られているため、内部抽籤に加えて移行抽籤も行う場合には、抽籤のバリエーションが単調になってしまう。そこで、主制御基板71の改良方法を以下に示す。
図70(B)は、主制御基板の別構成例を示す図である。図70(B)において、主制御回路には、第1主制御基板71aと、第2主制御基板71bとが設けられる。これら第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bは、シリアル通信等で双方向の通信が可能に接続される。なお、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bの構成は、図70に示した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように主制御基板として、複数の第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを設け、例えば、第1主制御基板71aにおいて内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤を行い、第2主制御基板71bにおいて移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤を行うことで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
なお、図70(B)では、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを双方向の通信が可能な構成としているが、これに限られるものではなく、第1主制御基板71aを上流、第2主制御基板71bを下流として、一方向(第1主制御基板71aから第2主制御基板71b)にのみ通信可能な構成としてもよい。一方向のみの通信とすることで、双方向通信とする場合よりも通信負荷の軽減を図ることができる。
また、内部抽籤と移行抽籤とを別の基板(第1主制御基板71a及び第2主制御基板71b)で行う場合には、内部抽籤と移行抽籤とを行う順序は任意である。例えば、一方の基板において先ず移行抽籤を行った後に、他の基板において内部抽籤を行うこととしてもよく、反対に、一方の基板において先ず内部抽籤を行った後に、他の基板において移行抽籤を行うこととしてもよい。この場合において、先に移行抽籤を行う場合には、移行抽籤の際に内部抽籤の結果(内部当籤役)を把握できないため、移行抽籤を内部抽籤の結果に影響されない形で行うことになる。例えば、内部当籤役に関わらず、単位遊技毎に所定の確率で移行抽籤を行う仕様の場合は、このような構成としてもよい。これにより、実際の内部当籤役と異なる当籤役情報を不正に入力するという不正行為を行ったとしても、移行抽籤の結果には影響がないため、有利な移行抽籤の結果を発生させるという不正行為を抑制できる。また、移行抽籤を先に行う場合には、内部当籤役が関係ないため設定値に差のない抽籤を行うだけで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
反対に、先に内部抽籤を行う場合には、この内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照して移行抽籤を行うこととしてもよく、また、内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行うこととしてもよい。内部当籤役を参照して移行抽籤を行う場合には、上述のように設定不問役に基づき移行抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができ、また、内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行う場合には、設定値に差のない抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
また、図70(C)は、主制御基板の更に別の構成例を示す図である。主制御基板71において不足しているものは、記憶手段(メインROM)の容量であるため、図70(C)では、第1メインROM32a及び第2メインROM32bのように、一つの主制御基板71上に複数のメインROMを設ける。この場合において、例えば、第1メインROM32aに、内部抽籤に用いる各種のテーブルを格納し、第2メインROM32bに、移行抽籤に用いる各種のテーブルを格納することで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
(特定区間から通常区間への移行)
続いて、図75に戻り、特定区間から通常区間への移行に関して説明する。特定区間から通常区間へは、特定区間の終了条件を満たすと移行する。なお、特定区間の終了条件は、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。また、特定区間の種類に応じて終了条件が異なっていてもよく、例えば、CZとART遊技状態とで、終了条件が異なっていてもよい。
このように特定区間は、基本的には終了条件を満たすと終了するが、本実施形態のパチスロ機1では、例外的に、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行し(リミット処理)、また、特定区間の終了条件を満たしたときであっても、保証回数分のナビが行われていない場合には、その後、保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続し、保証回数分のナビが行われたことに応じて、特定区間から通常区間へ移行する(ナビ保証処理)。
(リミット処理)
ここで、図79及び図80を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリミット処理について説明する。図79は、特定区間のリミットゲーム数の計数方法を示す図であり、図80は、特定区間のリミット処理の流れを示す図である。
パチスロ機では、CZやART遊技状態等の特定区間が長期間にわたり継続して行われてしまうと、特定区間中に遊技者が得る利益が大きくなってしまうとともに、全体的な利益のバランスをとるために通常区間中に遊技者が得る利益を減らす必要があり、遊技の射幸性を高めてしまうことになる。そのため、近年では、遊技者にとって有利な状態の継続期間を一定期間に抑えることが求められている。リミット処理は、遊技者にとって有利な特定区間の継続期間を一定期間(例えば、1500ゲーム)に抑える処理である。
(リミットゲーム数の計数方法)
初めに、図79を参照して、リミット処理を行う際の特定区間のリミットゲーム数の計数方法について説明する。図79(A)に示すように、主制御基板71は、特定区間が継続している場合、その継続ゲーム数(リミットゲーム数)を計数する。例えば、ART遊技状態が継続している場合には、主制御基板71は、継続ゲーム数を毎遊技1ずつ加算することで、リミットゲーム数を計数する。また、例えば、通常区間からCZに移行した後にART遊技状態に移行した場合、上述のように特定区間には、少なくともCZ及びART遊技状態が含まれるため、主制御基板71は、CZの継続ゲーム数、及びその後、連続して行われるART遊技状態の継続ゲーム数の和を、リミットゲーム数として計数する。
ところで、パチスロ機によっては、図79(B)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)に移行する際に、直ちに移行することなく、待機区間を挟むことがある。例えば、通常区間と特定区間とでRT遊技状態を異ならせるパチスロ機では、RT遊技状態を遷移させてから特定区間を開始する必要があるため、一度、待機区間を挟むことがある。具体的なケースとしては、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に待機区間を挟むことがあり、また、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に待機区間を挟むことがある。
このような待機区間については、主制御基板71は、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図79(B)における「A1」〜「An」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間の種別に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。例えば、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に挟む特定区間については、リミットゲーム数として計数せず、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に挟む待機区間については、全体として一連の有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。RT遊技状態を遷移させるために待機区間を設ける場合、待機区間中は、少なくともRT遊技状態を遷移させるための報知を行う必要があるものの、メダルの増減に係る押し順役についての報知は、必ずしも行う必要はない。第1実施形態のパチスロ機1では、ベルこぼし目の図柄の組合せがRT遊技状態を遷移させることになるためメダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」を報知する必要があるものの、このベルこぼし目の図柄の組合せを、RT遊技状態を遷移させない制御とした場合には、メダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」は、待機区間中に必ずしも報知しなくてもよい。
そこで、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行う待機区間については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わない待機区間については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、パチスロ機によっては、図79(C)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)中に、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、特定区間中にボーナスのフラグ間及びボーナス状態を挟むことがある。主制御基板71は、これらフラグ間やボーナス状態中の遊技を、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図79(C)における「C1」〜「Cn」の回数分の遊技や、「D1」〜「Dn」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
この場合において、主制御基板71は、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数する一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよく、また反対に、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数しない一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。また、フラグ間中の遊技、及びボーナス状態中の遊技の双方ともに、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また反対に、双方ともに、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、フラグ間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行うフラグ間中については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わないフラグ間中については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、ボーナス状態中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。パチスロ機によっては、ボーナス状態中にも押し順役(すなわち、押し順に応じて払い出されるメダルの枚数が異なる役)を当籤可能にすることがある。このようなパチスロ機では、ボーナス状態中に押し順役を報知することで、遊技者は、より多くの利益を得ることができる。そこで、主制御基板71は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数し、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
(リミット処理の流れ)
続いて、図80を参照して、リミット処理の流れについて説明する。図80(A)に示すように、主制御基板71は、上述した計数方法に従い計数したリミットゲーム数が一定ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達すると、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、ゲーム数やナビ回数等が未だ残っている場合(終了条件を満たしていない場合)であっても、特定区間を終了する。
そして、特定区間の終了に伴い、主制御基板71は、報知(ナビ)の発生に関する変数の値を初期化する初期化処理を行う。なお、この初期化処理においてRT遊技状態は、そのまま維持しても、初期化して低RT状態であるRT0としても良い。例えば、ART遊技状態用のRT遊技状態において、ベルこぼし目や転落リプレイなどの図柄の組み合わせによるRT遊技状態への移行を行わず、規定ゲーム数の消化又はボーナスの当籤で終了となるRT遊技状態である場合、リミット処理によりナビが非発生となったとしても、高RTという遊技者に有利な状態が続いてしまうため、後者の仕様として、リプレイ確率の低い遊技状態とすることが望ましい。特に規定ゲーム数が6000ゲームなど大きい値で実質的に次回ボーナスまで継続するようなRT遊技状態である場合に、リミット処理でRT遊技状態を転落させることで、射幸性を適切に抑制することができる。
このようにリミット処理を行う場合、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまでは、状態表示器147bを点灯し続け、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達し、特定区間を終了すると状態表示器147bを消灯する。また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合には、その後、所定期間にわたり、リミットランプ148を点灯させる。なお、所定期間としては、リミット処理をリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した遊技の終了時に行う場合には、例えば、リミット処理が行われた遊技の次遊技中であってよい。また、上述したように、主制御基板71は、リミット処理の発動が近い場合にリミットランプ148を点滅させ、リミット処理の発動が近いことを遊技者に報せることとしてもよい。
ここで、例えば、ボーナス状態中の遊技もリミットゲーム数として計数する場合、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまうことがある。この場合には、図80(B)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中であっても、リミット処理を行い、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させることとしてもよい。また、図80(C)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中は、リミット処理を行うことなく、ボーナスが終了したタイミングでリミット処理を行うこととしてもよい。すなわち、図80(B)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行しており、図80(C)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングではなく、その後、ボーナス状態が終了したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行している。
もちろん、特定区間の待機区間中や、ボーナスのフラグ間中も同様に、当該遊技中もリミットゲーム数として計数する場合には、待機区間中やフラグ間中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、待機区間中やフラグ間中であってもリミット処理を行うこととしてもよく、また、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後に待機区間から特定区間に移行したタイミング、又はリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後にフラグ間からボーナス状態を経て特定区間に移行したタイミングで、リミット処理を行うこととしてもよい。
(リミット処理時の外部機器への信号出力)
また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合に、その旨を示す所定の信号を外部機器(データカウンタやホールコンピュータ)に対して出力する。この信号の出力を受けることで、ホール側では、当該パチスロ機においてリミット処理が行われたことを把握することができ、従来把握することができなかった新たな情報を把握することができる。
なお、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまった場合には、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミング(すなわち、ボーナス状態中)で、外部機器に対して所定の信号を出力することとしてもよく、また、ボーナス状態が終了したタイミングで、外部機器に対して所定の信号を出力する(すなわち、主制御基板71は、特定区間中のボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、当該ボーナス状態の終了時に、外部機器に対して所定の信号を出力する)こととしてもよい。
また、主制御基板71は、一台のパチスロ機1において通常想定される回数を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット処理が行われたことを示す信号(リミット信号)だけでなく、リミット処理が想定以上の回数行われたことを示す信号(エラー信号)も外部機器に対して出力することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、特定期間内にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した回数(すなわち、リミット処理が行われた回数)が所定回数に達すると、外部に対して特定の信号を出力する。一例として、主制御基板71は、パチスロ機1の電源投入から電源を落とすまでの間に想定を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット信号と合わせてエラー信号も外部機器に対して出力する。これにより、例えば、一日の間にリミット処理が10回といった普通ではありえない回数行われた場合に、ホール側においてそのことを把握することができる。
(ナビ保証処理)
続いて、図81を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるナビ保証処理について説明する。図81は、特定区間終了時のナビ保証処理の流れを示す図である。
特定区間の終了条件をゲーム数により管理するパチスロ機の場合、特定区間中に報知対象となる役(例えば、押し順ベル等)が内部当籤役として決定される回数が少ないと、特定区間中に払い出されるメダルが少なく、遊技者が損失感を覚えてしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間に移行した場合に、最低限のナビ回数を保証し、この保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続する。
ここで、図81では、特定区間の終了条件がゲーム数により管理されるものであり、また、図81(A)〜(C)では、50ゲーム終了時に、特定区間の終了条件が満たされているものとする。図81(A)に示す例では、特定区間が50ゲーム継続した(すなわち、終了条件が満たされた)時点で、未だ保証回数分の報知(ナビ)が行われていない。このような場合には、主制御基板71は、終了条件を満たしたとしても特定区間を継続する。図81(A)に示す例では、その後、54ゲーム目に報知対象の役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定され、当該報知対象の役に対する報知が行われている。主制御基板71は、この報知に伴い保証回数分の報知が行われた場合には、特定区間を終了する。一方、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たした後の報知によっても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、特定区間を終了することなく、継続する。
ところで、パチスロ機の中には、押し順役として、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役を設け、主制御基板71が特定区間中にこれらの押し順役に対して正解の押し順を報知することがある。複数種類の押し順役としては、例えば、押し順に正解した場合であってもメダルが増加しない(すなわち、払出枚数が投入枚数以下)、又はメダルの増加が極めて少ない(例えば、3ベット時の払出枚数が4枚)押し順役や、押し順に正解した場合にメダルが増加(例えば、3ベット時の払出枚数が9枚)する押し順役が考えられる。なお、いずれの押し順役であっても、押し順に不正解のときには、押し順に正解したときよりもメダルの払出枚数が少ない、又はメダルの払出枚数が0枚である点は、共通である。
遊技者からすると、押し順正解時にメダルが増加しない又は増加が極めて少ない押し順役に対する報知が行われたとしても、特定区間中に獲得するメダルの総数が増加しないため、これらの押し順役については、特定区間中にナビ回数が保証されている必要はない。これに対して、押し順正解時にメダルが増加する押し順役については、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与えるため、遊技者からすると、特定区間中にナビ回数が保証されていることが好ましい。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が投入枚数よりも多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、押し順正解時の払出枚数が投入枚数以下の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。また、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が最も多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、それ以外の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。
具体的には、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われている状況で、特定区間の終了条件が満たされると、ナビ回数を保証しない押し順役に対する報知の回数に関わらず、特定区間の終了条件が満たされたことを条件に特定区間を終了する。一方で、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われていない状況で、特定区間の終了条件が満たされた場合には、特定区間を終了することなく継続し、その後、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数分行われたタイミングで、特定区間を終了する。
このようにすることで、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与える押し順役についての報知(ナビ)回数が保証されることになるため、遊技者が感じる損失を軽減することができる。
続いて、ボーナス状態を挟みつつ保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件が満たされた場合について説明する。図81(B)(C)は、特定区間の終了条件を満たしたとき(50ゲーム終了時)に、未だ保証回数分の報知が行われていないものの、終了条件を満たす前の特定区間中にボーナス状態に一度移行している例を示している。
ボーナス状態は、基本的には遊技者にとって有利な遊技状態であるため、特定区間を全体としてみると、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができる。そこで、主制御基板71は、図81(B)に示すように、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、この特定区間中に一度でもボーナス状態に移行しているときには、特定区間の終了条件を満たしたことをもって、特定区間を終了させることとしてもよい。
一方で、図81(C)に示すように、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、この特定区間中にボーナス状態に移行していたか否かに関係なく、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
続いて、保証回数分の報知が行われることなく特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した場合について説明する。リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまで特定区間が継続した場合には、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができるため、主制御基板71は、図81(D)に示すように、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、特定区間を終了させることとしてもよい。反対に、図81(E)に示すように、主制御基板71は、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達したとしても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
なお、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、終了条件を満たした後の特定区間中にいわゆる上乗せ抽籤を行うか否かは任意である。すなわち、主制御基板71は、特定区間中は終了条件を満たすまでは上乗せ抽籤を行う一方で、終了条件を満たした後は、特定区間中であっても上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。反対に、主制御基板71は、終了条件を満たした後も保証回数分の報知が行われるまでの期間は上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。
また、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、表示ユニット100等の液晶表示装置上では、特定区間の終了条件を満たしたタイミングで通常画面に戻し、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、この通常画面上で押し順の報知(ナビ)を行うこととしてもよい。すなわち、保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件を満たした場合、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させ続けるものの、副制御基板72は、特定区間中の表示画面から通常区間中の表示画面に表示画面を切り替える。そして、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、指示モニタ147の報知ランプ147aを介して押し順を報知するとともに、副制御基板72は、通常画面上で押し順を報知する。そして、保証回数分の報知が行われると、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させることとしてもよい。
<それぞれの遊技状態の概要>
以上、本実施形態のパチスロ機1の遊技フローの概要について説明した。続いて、図76を参照して、本実施形態のパチスロ機1が有するそれぞれの遊技状態の概要について説明する。
図76に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、大きく分類すると、通常区間と、待機区間と、特定区間とを有する。通常区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない状態であり、特定区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される状態である。また、待機区間は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の、通常区間から特定区間に移行するまでの間の状態である。
通常区間、待機区間及び特定区間には、ボーナスに係る役の当籤の有無又はボーナスの作動の有無に応じて、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない「ボーナス非作動(非フラグ間)」と、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない「フラグ間」と、内部当籤役として決定される確率に設定差がないボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差なし)」と、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差あり)」と、の遊技状態が含まれる。
図76に示すように、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させるとともに、内部当籤役として報知に係る役が決定されている場合には、これらの役をグループ化して副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、これらの役をグループ化した役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されたとして、副制御基板72に対して情報を送信する。
また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行う一方で、通常区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行わない。また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤や、押し順役当籤時の報知を行わない。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、待機区間中と特定区間中とで状態表示器147bを異なる態様で点灯させることとしてもよい。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。なお、正解の押し順の報知を行う場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合には、主制御基板71は、実際に内部当籤役として決定されている役の種類を特定できる情報を、副制御基板72対して送信する。一方、正解の押し順の報知を行わない場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化して、副制御基板72に対して送信する。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。なお、待機区間の「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。
また、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させるとともに、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行う。そのため、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。
また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行う一方で、特定区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。
なお、主制御基板71は、3ベット時にのみ特定区間への移行抽籤、又は特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行い、1ベット又は2ベット時には、これらの抽籤を行わないこととしてもよい。
<移行抽籤結果の外部機器への出力>
続いて、図82〜図84を参照して、特定区間への移行抽籤の結果を、パチスロ機からデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器に対して出力する際の流れについて説明する。
遊技店では、パチスロ機等と併せてデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器を設置しており、例えば、パチスロ機においてボーナス状態が開始すると、パチスロ機からデータカウンタに対して信号が出力され、データカウンタにおいてボーナス回数をカウントする。従来のパチスロ機では、特定区間への移行抽籤をサブ(副制御基板72)側で行っていたため、主制御基板71は、メイン(主制御基板71)側で認識できる事象(例えば、RT状態の遷移や特定の押し順で複数回停止操作が行われた等)から抽籤結果を推測して、その推測に基づいて外部機器に対して信号を出力していた。しかしながら、このような従来の方法では、移行抽籤に当籤したことを出力するタイミングが、実際に当籤したタイミングから数ゲーム遅れてしまう上、遊技者の停止操作により偶然に特定の押し順が繰り返されてしまうと、移行抽籤に当籤していないにも関わらず当籤していると推測してしまい、結果、誤った信号が出力されてしまうことがあった。
また、RT遊技状態の遷移に基づいて信号を出力する仕様では、ART中にボーナスを引いた場合、ボーナス消化後にボーナス終了時のRT遊技状態からART用のRT遊技状態へ復帰したときにも信号が出力されることがあった。このような場合には、正確なARTの当籤回数や消化セット数よりも多く当該信号出力がなされてしまい、遊技者が設定を推測や台選びをする際に正確な情報を把握しづらいという問題が生じていた。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、推測結果からではなく、特定区間への移行抽籤の結果自体をそのまま外部機器に対して出力するため、移行抽籤の結果を精度良く外部機器に対して出力することができる。
図82は、外部機器への信号出力タイミングのパターン例を示す図である。図82において、タイミングT1は、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤した遊技の開始時であり、期間P1は、当該遊技の一遊技間の期間であり、期間P2は、次遊技の一遊技間の期間である。
図82に示す例において、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤をメイン(主制御基板71)側で行っているため、主制御基板71では、タイミングT1の時点から移行抽籤に当籤したことを把握できる。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、移行抽籤に当籤した遊技の期間P1中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。例えば、出力パターン例Aでは、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(すなわち、スタートレバー6の操作時)に、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。同様に、出力パターン例Bでは、主制御基板71は、当該遊技のリール回転開始時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Cでは、当該遊技の第1停止操作時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Dでは、当該遊技の全リール停止時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
また、出力パターン例E,Fに示すように、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技よりも後の遊技において、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することもできる。例えば、出力パターン例Eでは、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技の次の遊技のためのメダル投入時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。また、出力パターン例Fでは、主制御基板71は、その後更に複数回の遊技が行われた任意の遊技中(例えば、特定区間が開始する遊技の開始時)に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
なお、図82に示す出力パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した後の任意のタイミングで外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することができる。
また、図73に示す状態表示器147bの点灯パターン例と、図82に示す外部機器への信号の出力パターン例とを任意に組み合わせることで、従来にない目新しい面白さを実現することもできる。具体的には、状態表示器147bの点灯よりも先に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、反対に、状態表示器147bを点灯した後に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、また、状態表示器147bの点灯と同時に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよい。
例えば、外部機器への信号の出力を、状態表示器147bよりも先に行うことで、状態表示器147bの点灯よりも先に、外部機器(データカウンタ)においてカウンタが更新されるため、パチスロ機1以外の外部機器から特定区間の移行の察知を行うことができる。また、例えば、外部機器での処理時間を考慮して、外部機器への信号を状態表示器147bの点灯よりも少し前に出力することで、状態表示器147bの点灯(パチスロ機1における報知)タイミングと、外部機器の更新(パチスロ機1以外の報知)タイミングとを合わせることができ、遊技者の違和感を軽減することができる。
なお、例えば、ボーナスの種類が多く、外部機器に信号を出力する8ピン信号線に空いている出力ピンがない場合のように、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した場合であっても、外部機器に対して信号を出力しないこととしてもよい。
また、上記実施例では移行抽籤に当籤した場合に、信号を出力するものとしたが、ARTなどの特定区間が継続する場合に信号を出力するものであっても良い。例えば、ART遊技状態を30ゲーム1セットしてセット数管理をする遊技仕様の場合、移行抽籤に当籤した時(いわゆる初当たり時)に信号出力し、1セット目の30ゲーム消化後、2セット目が開始されるタイミングで外部信号を出力するものとすることができる。このように信号出力することで、正確なセット数が把握できるようになる。また、初当たりの信号と、継続時の信号を異なる信号として、初当たり回数と継続回数を正確にデータカウンタで把握できるものとしてもよく、この場合はさらに遊技状況の把握精度が高めることができる。
なお、このようなセット数管理する遊技機では、ART遊技状態の途中でボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパチスロ機や、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパチスロ機がある。
前者の場合、例えば、ART遊技状態の1セットの30ゲーム中25ゲームを消化したところでボーナスに当籤しボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に残りゲーム数5ゲームの時点(ボーナス当籤時の残りゲーム数)からART遊技状態を再開させる。このような場合には、単に1セットが途中で区切られただけであるためART再開時に信号出力をしないことが望ましい。一方後者の場合、ART遊技状態中にボーナスに当籤したことの恩恵として、実質的に1セット分のARTが追加されることになるため、ART再開時に信号出力をすることが望ましい。なお、所定ゲーム数を1セットとするタイプのARTだけでなく、差枚数やナビ回数でARTのセット数を管理するタイプの場合も同様の信号出力処理を適用できる。
なお、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパターンと、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパターンとの双方を有するパチスロ機も考えられる。例えば、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は救済措置として1セット追加し、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合はボーナス終了後に残りゲーム数から遊技を再開するといった仕様が考えられる。
このようなパチスロ機では、主制御基板71は、ボーナス当籤時のARTの上乗せの有無に応じて、信号出力を制御する。すなわち、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生している場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行い、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生していない場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行わない。より具体的には、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生したとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行い、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生していないとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行わない。
言い換えると、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットとは別のセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行う。他方、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットと同じセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行わない。
また、ボーナス当籤時のART上乗せ発生の有無だけでなく、ボーナス入賞からART開始までのART上乗せの有無に応じて信号出力の有無を決定することとしてもよい。
なお、これまで説明した信号出力は、1回の出力によりデータカウンタの値が1上がるような信号であるが、価値の大きなART遊技状態を開始させる場合は、価値の大きさに応じてデータカウンタの値が複数値上がる信号としてもよい。例えば、通常1セット30ゲームのARTであるところ、プレミアムなどで1セット90ゲームからなるロングARTが開始される場合は、データカウンタの値が3上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。
また、通常1セット30ゲームのARTであるところ、次回ボーナスまで継続するARTを開始する場合、ボーナス当籤までの平均ゲーム数に応じてデータカウンタの値が上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。例えば、ボーナスの当籤確率が1/150である場合には、平均継続ゲーム数は150ゲームであり、5セット分に相当するため、データカウンタの値が5上昇する信号を出力する。この場合、ボーナスの当籤確率に設定差がある場合には、設定が特定されないように、どの設定であっても特定の設定値(例えば、設定6)のボーナス確率から決定される平均継続ゲーム数に応じた信号を出力する。このようにすることで、開始時に価値の異なる複数のART遊技状態を有するパチスロ機であっても、データカウンタなどから事後的に、どの程度の利益が得られたか判断し易くなる。なお、データカウンタの値が複数値上がる信号とは、値を1上げる信号を複数回、外部機器が識別できるように間隔を空けて送信するものとしてもよく、また、値を複数上げる専用の信号を1ショットで送信するものとしてもよい。
(外部機器と連携した演出例)
続いて、図83及び図84を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤した場合に、外部機器と連携して行う演出例について説明する。図83は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示し、図84は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の遊技において外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示す。
(演出例1)
図83に示す演出例1では、移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、リール回転開始に先立ちリール3L,3C,3Rを逆回転し、その後、リール3L,3C,3Rを順回転させることで遊技を進行している。この演出例1では、タイミングT1は、リール3L,3C,3Rの逆回転を開始するタイミングであり、タイミングT2は、リール3L,3C,3Rの順回転を開始するタイミング(すなわち、リール回転開始時)であり、タイミングT3は、当該遊技の全リール停止時である。また、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン例4(全リール停止時)のタイミングで点灯し、移行抽籤に当籤したことを出力パターン例B(リール回転開始時)のタイミングで外部機器に対して出力している。
タイミングT1に示すように、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、スタートレバー6の操作に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を開始する。このとき、主制御基板71は、まず、リール3L,3C,3Rを逆方向に回転させる。また、副制御基板72では、表示ユニット100を制御して、パチスロ機1の上部に設置されたデータカウンタに注目する旨の表示を行うとともに、5秒のカウントダウンを表示する。ここで、リール3L,3C,3Rの逆回転とは、リール3L,3C,3Rが下から上に向かって回転するものであるため、遊技者にとってみれば、リール3L,3C,3Rの逆回転に伴い、視線が下から上に誘導される。また、このリール3L,3C,3Rによる視線の誘導と併せて、表示ユニット100においても、データカウンタへの注目を促すため、遊技者の興味は、データカウンタに対して強く引き付けられることになる。
タイミングT1〜タイミングT2では、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、カウントダウンを進行する。その後、タイミングT2になると、主制御基板71は、リール3L,3C,3Rを順方向に回転させるとともに、データカウンタに対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力する。この信号を受けると、データカウンタでは、カウンタを更新し、また、「当たり」等の表示を行う。
このように演出例1では、リール3L,3C,3Rの逆回転、及び表示ユニット100による表示を利用して、データカウンタに視線を誘導し、その後、データカウンタに対して信号を出力することで、遊技者の視線を集めたデータカウンタ上で特定区間への移行抽籤に当籤したことを報知する。これにより、パチスロ機1だけでなく、外部機器(データカウンタ)と連携した演出を実行することができる。
また、演出例1では、タイミングT3になると、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。副制御基板72では、状態表示器147bの点灯タイミングに合わせて、表示ユニット100に対して特定区間に当籤したことを示す映像等を表示する。このように演出例1では、状態表示器147bの点灯タイミングや外部機器への信号の出力タイミングに合わせて演出を行うことで、様々な演出を連動して行うことができ、演出効果を高めることができる。
(演出例2)
続いて、図84を参照して、演出例2について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間への移行抽籤に当籤した後に直ちに特定区間を開始せず、移行抽籤に当籤した後に所定回数の遊技が経過してから特定区間を開始することがあり、この所定回数の遊技中にいわゆる前兆演出を行うことがある。ところで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、自身が行った移行抽籤の結果をそのまま外部機器に対して出力するため、図82において示した出力パターン例A〜Dのように、移行抽籤に当籤した遊技においても、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力できてしまう。ここで、移行抽籤に当籤した遊技において移行抽籤の結果を外部機器に対して出力した場合、データカウンタ(外部機器)上でカウンタが更新されてしまうため、前兆演出を行っている最中にデータカウンタの値から演出結果(すなわち、移行抽籤の当否)が分かってしまい、興趣が削がれてしまう。
そこで、図84に示す演出例2では、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、演出例Aに示すように、この32ゲームの間に前兆演出を行う。これにより、前兆演出が行われる32ゲーム間は、データカウンタの値が更新されることがなく、遊技者は、前兆演出に対して関心を抱くことができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間の移行抽籤に当籤すると、当該遊技中に状態表示器147bを点灯させることとしているが、前兆演出中に状態表示器147bから移行抽籤の結果が把握できたのでは興趣が削がれてしまうため、状態表示器147bからは移行抽籤の結果が分かり難くしていることが好ましい。状態表示器147bから移行抽籤の結果を分かり難くする方法は、上述した通りである。
また、遊技者から登録操作を受け付けている場合には、前兆演出を行う期間をカスタマイズ可能にしてもよい。図84に示す例では、演出例Aは、32ゲーム間にわたり前兆演出が行われているが、演出例Bでは、16ゲーム間にわたり前兆演出が行われ、その後は、特定区間の当籤が確定した後の待機演出を行うこととしている。なお、待機演出としては、例えば、パチスロ機1に登場するキャラクタの紹介やストーリ紹介等であってもよく、また、設定値を示唆する演出等であってもよい。また、このように前兆演出の期間をカスタマイズ可能にした場合であっても、主制御基板71は、カスタマイズの有無に関わらず、同じタイミングで外部機器に対して信号を出力する。すなわち、図84に示す例では、演出例Aを行う場合であっても演出例Bを行う場合であっても共に、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中に、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力している。
<特定区間中のナビ確保方法>
続いて、図85を参照して、特定区間中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する回数を確保するためのナビ確保方法について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間中にナビが行われないと特定区間中の遊技が単調になってしまい、遊技者の興趣を削いでしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間中にナビが行われ易い状態を作り出すことで、特定区間中の遊技が単調になってしまうことを防止する。
具体的には、パチスロ機1では、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としつつ、このボーナス状態中は、ボーナス非作動中に比べて高い確率で押し順役(報知対象役)を内部当籤役として決定する。そして、ボーナス状態の開始時に特定区間も併せて開始する場合には、ボーナス状態中に当籤した押し順役に対して正解の押し順を報知し、ボーナス状態の開始時に特定区間を開始しない場合には、ボーナス状態中に押し順を報知しない。これにより、特定区間中にナビが行われないという状況を避けることができ、結果、特定区間中の遊技の興趣を高めることができる。
特に、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としているため、特定区間中に一度もボーナス状態にならないという状況、すなわち、特定区間中にナビが行われ易い状況(ボーナス状態)に一度もならないという状況を回避することができ、結果、遊技者は、特定区間中に一定回数分のナビを受けることができる。
(ボーナス開始時の特定区間開始方法例)
ここで、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時とする方法は、任意である。例えば、図85(A−1)に示すように、主制御基板71は、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役が内部当籤役として決定(すなわち、ボーナス当籤)されたことに応じて、移行抽籤を行う。そして、主制御基板71は、この移行抽籤に当籤している状態で、当該ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行抽籤に当籤していない状態で、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示された場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
また、図85(A−2)に示すように、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたことではなく、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示(すなわち、ボーナス入賞)されたことに応じて、移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、図85(A−3)に示すように、主制御基板71は、通常区間中にボーナスに係る役とは関係なく移行抽籤を行うこととしてもよい。具体的には、主制御基板71は、通常区間中に設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合には、特定区間への移行権利を付与する。そして、その後にボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合には、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行権利が付与されていない場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
(データ例)
図85(B)は、特定区間中のナビ確保方法を実現するためのデータ構成例である。図85(B)に示すように、ボーナス状態中は、ボーナス状態中以外の状態に比べて高い確率で、押し順役(「F_3択役_1st」「F_3択役_2nd」「F_3択役_3rd」)が内部当籤役として決定される。この押し順役は、例えば、押し順に正解した場合には、9枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合には、5枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるものである。また、ボーナス状態は、例えば、10枚以上のメダルが払い出されると終了することとする。
このようなデータ例によれば、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知する場合には、遊技者は、ボーナス状態中に18枚(=9枚×2回)のメダルの払出を受けることができる一方で、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知しない場合には、遊技者は、ボーナス状態中に10枚(=5枚×2回)のメダルの払出しか受けることができないこともある。
<特定区間を用いた前兆実現方法>
続いて、図86及び図87を参照して、本実施形態のパチスロ機1における前兆演出の実現方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、その遊技中に状態表示器147bを点灯して、移行抽籤に当籤したことを報知するため、複数回の遊技にわたり行う演出を用いて移行抽籤の結果を報知することには適していない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、当否を報せる対象の特定区間(第2特定区間)とは別の特定区間(第1特定区間)を用いて、この第1特定区間中に前兆演出を行うこととしている。
(特定区間移行に関する前兆方法1)
初めに、図86を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の一手法について説明する。この方法では、ショートART(第1特定区間)及びロングART(第2特定区間)という継続期間の異なる複数の特定区間を設け、ショートART中の遊技を、ロングARTへの移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図86(A)に示すように、パチスロ機1では、第1の期間(例えば、3ゲーム間)継続するショートARTと、第1の期間を超える第2の期間(例えば、53ゲーム(3+50)間)継続するロングARTとを設け、通常区間中に、ショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。図86(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、設定値に差のない情報(内部当籤役)に基づいて、設定値により変動することのない確率でショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。
この移行抽籤において、ショートART又はロングARTのいずれかに当籤すると、パチスロ機1では、ショートARTが継続する期間中にロングARTに当籤したか否かを報知する前兆演出を行う。より具体的には、パチスロ機1では、ショートARTに当籤しているときには、このショートARTの継続期間である第1の期間中にロングARTに当籤していないことを報知する前兆演出を行う。一方で、パチスロ機1では、ロングARTに当籤しているときには、ロングARTの継続期間のうちの、開始からショートARTの継続期間である第1の期間までの間、ロングARTに当籤していることを報知する前兆演出を行うとともに、この前兆演出の後にロングARTに固有の演出を行う。
なお、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合、ショートART及びロングARTのいずれも特定区間であるため、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。すなわち、図86(A)に示すように、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、ショートARTの継続期間である第1の期間中、状態表示器147bを点灯させ、また、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合には、ロングARTの継続期間である第2の期間中、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、ショートARTとロングARTとで、状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合の、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合も、ロングARTに当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、ショートART及びロングARTの終了条件としては、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。この場合において、ショートARTに対して用いる終了条件と、ロングARTに対して用いる終了条件とは、同一の種別であってもよく、また、異なる種別であってもよい。なお、同一の種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合には、ロングARTの終了条件としてもゲーム数を用いることであり、異なる種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合に、ロングARTの終了条件としてゲーム数以外の条件を用いることである。
続いて、図86(C)を参照して、ショートARTを用いて前兆遊技を行う場合の演出例について説明する。ショートART又はロングARTに当籤すると、副制御基板72は、表示ユニット100において、例えば「爆破チャンス突入」という演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、ショートARTの継続期間である第1の期間中に、爆弾を爆破できるか否かにより、ロングARTへの当籤を報知する演出である。なお、図86に示す例では、ショートARTの継続期間が3ゲーム間であるものとしている。
副制御基板72は、移行抽籤においてショートARTに当籤していた場合(すなわち、ロングARTに非当籤の場合)、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、移行抽籤においてロングARTに当籤していた場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。なお、ロングARTに当籤していた場合に爆弾の爆破に成功するタイミングは、任意である。例えば、ショートARTの継続期間が3ゲームである場合には、1ゲーム目や2ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、3ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、また、4ゲーム目の開始時に爆弾の爆破に成功してもよい。
また、ショートART及びロングARTは、特定区間であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、前兆演出中に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができる。図86(C)に示す例では、ロングARTの前兆演出である「爆破チャンス」演出中に押し順役が当籤しているため、主制御基板71及び副制御基板72は、当該押し順役に対して正解の押し順を報知している。このようにパチスロ機1では、前兆演出中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができるため、遊技の興趣が高まるはずの前兆演出中に、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
(特定区間移行に関する前兆方法2)
続いて、図87を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の別手法について説明する。上述の前兆方法1では、「爆破チャンス」演出の開始時に既に移行抽籤の結果が確定しているため、前兆演出の結果は前兆遊技の開始時に既に決まってしまっている。続いて説明する別手法では、前兆演出の結果を前兆遊技中に決定可能にする方法である。この方法では、CZ(第1特定区間)とART遊技状態(第2特定区間)という複数の特定区間を設け、CZ中の遊技を、ART遊技状態への移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図87(A)に示すように、パチスロ機1では、通常区間中にCZへの移行抽籤を行うとともに、CZ中にARTへの移行抽籤を行う。図87(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、CZへの移行抽籤は、内部当籤役に基づいて行い、ART遊技状態への移行抽籤は、図柄の組合せに基づいて行う。具体的には、主制御基板71は、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わず、ベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行う。そして、CZ中に押し順ベルに対して正解の押し順を報知することで、CZ中をART遊技状態に移行し易い状態とすることができる。
パチスロ機1では、通常区間中に行う移行抽籤においてCZに当籤すると、図87(C)に示す「爆破チャンス」演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、例えば、3ゲーム継続し、この3ゲームの間に押し順ベルが内部当籤役として決定されると、正解の押し順が報知される結果、ART遊技状態への移行抽籤を受けることができる。そして、副制御基板72は、ART遊技状態への移行抽籤に当籤せずにCZが終了すると、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、CZの終了前にART遊技状態への移行抽籤に当籤した場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。
なお、主制御基板71は、CZ及びART遊技状態の双方において、状態表示器147bを点灯させるが、状態表示器147bの点灯の態様は任意である。すなわち、主制御基板71は、CZとART遊技状態とで状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤にCZに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてART遊技状態に当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてCZに当籤した場合も、ART遊技状態に当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、CZ及びART遊技状態の終了条件は任意であり、それぞれ異なる種別の終了条件を用いることとしてもよく、また、同一の種別の終了条件を用いることとしてもよい。
また、上述の例の変形として、いわゆるギャップMBの開始時にショートART又はロングARTを開始させる仕様も考えられる。
ここで、ギャップMBとは、例えば、MBの終了条件が14枚を超えるメダルの払出であり、MB中には14枚のメダルが払い出される図柄の組合せ又は15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるMBにおいて、報知が行われる状態では、MB中の1回目の遊技において、14枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知し、次の遊技において、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知することで、29枚のメダルの払出が得られるものの、報知が行われない状態では、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることが多く、15枚のメダルの払出で終了してしまうMBをいう。
上述の例では、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要があるものの、このようなギャップMBの開始時にショートARTを開始させると、ショートART開始の遊技と次の遊技で押し順ナビが発生するため、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要がなくなり、遊技が間延びしなくなるため、遊技の興趣が高まる。また、ショートARTで終了したとしても、ギャップMBにより遊技が間延びしないため、通常の遊技でベルナビ回数を消化するよりも得られるメダルが多く、お得感のあるナビ消費を体感できるため、ロングARTにつながらなかったことによる残念さを軽減し、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。
<ナビ回数の節約方法>
特定区間の継続期間の終了条件として、特定区間中に行われたナビ回数を用いる、いわゆるナビ回数管理のパチスロ機では、ナビ対象の役(報知対象役)が集中して当籤してしまうと、ナビが集中して行われてしまい、結果、特定区間が直ぐに終了してしまう。特定区間が直ぐに終了してしまったのでは、遊技者が不満に感じてしまう原因になってしまうため、以下では、図88を参照して、ナビ回数の節約方法について説明する。
特定区間の継続期間の終了条件としてナビ回数を用いる場合、本実施形態のパチスロ機1では、図88(A)に示すように、ボーナス状態中も遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要なボーナス(MB1)と、ボーナス状態中は遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要ないボーナス(MB2)とを設ける。具体的には、パチスロ機1では、主制御基板71は、MB1に応じた図柄の組合せが表示されるとMB1遊技状態を開始し、MB2に応じた図柄の組合せが表示されるMB2遊技状態を開始する。
図88(B)に示すように、主制御基板71は、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役「F_維持リプ_1st+全小役」「F_維持リプ_2nd+全小役」「F_維持リプ_3rd+全小役」を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定する。そして、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる可能性があるため、主制御基板71及び副制御基板72は、これらの役が内部当籤役として決定されると、正解の押し順(9枚役が表示される押し順)を報知する。
このようにすることで、特定区間中にMB1遊技状態が開始してしまった場合にはナビ回数を消費しつつ遊技を行うことになるものの、特定区間中にMB2遊技状態を開始できた場合には、ナビ回数を消費することなく遊技を行うことができ、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
なお、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することを実現する方法は任意である。一例として、MB1遊技状態を3ベット専用の遊技状態として、MB1遊技状態中は、リプレイに係る役に関してのみ個別に抽籤しておき、全ての小役を内部当籤役として決定する際に個別に抽籤しておいたリプレイの種別に応じて停止制御を異ならせる。これにより、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定することができる。一方で、MB2遊技状態を2ベット専用の遊技状態とし、2ベット時はどの小役もメダルの払出枚数が同じとなる役構成にする。これにより、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することができる。
<リプナビとベルナビの個別管理>
続いて、図89〜図94を参照して、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する方法について説明する。従来のパチスロ機では、特定区間中に、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知、及びメダルを増加させるための報知の双方の報知を行うことが一般的であるが、これらの報知を個別に管理することで、従来にない新たな遊技性を実現することができる。
(遊技例1)
初めに、図89〜図91を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例1について説明する。この遊技例1は、特定区間としてリプナビAT及びベルナビATという複数種類の特定区間を有する。リプナビATでは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行う一方で、メダルを増加させるための報知は行わない。また、ベルナビATでは、少なくともメダルを増加させるための報知を行うとともに、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知は、必要に応じて行う。
図89(A)は、遊技例1における遊技フローである。図89(A)に示すように、パチスロ機1は、RT遊技状態として、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT3遊技状態の3種類の状態を設ける。RT0遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、ボーナス終了後、初期化処理後、及び設定変更後等に滞在する遊技状態である。また、RT1遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、主に通常遊技において使用される遊技状態である。また、RT2遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、報知に従い移行した場合にはリプナビATとして扱われ、報知に関係なく移行した場合には通常遊技として扱われる遊技状態である。また、RT3遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、主にベルナビATにおいて使用される遊技状態である。
RT0遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT0遊技状態において、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT0遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、ベルこぼし目の図柄の組合せは、押し順役である役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に不正解のときに表示される。なお、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解のときには、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
また、RT1遊技状態からは、RT2遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT1遊技状態において、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT1遊技状態では、押し順役である役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT2移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。
また、RT2遊技状態からは、RT1遊技状態又はRT3遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT2遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはRT1移行リプの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりRT1移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、RT2遊技状態において、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT3移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりRT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ、押し順不正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持する。
また、RT3遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT3遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。すなわち、主制御基板71は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順正解によりベルの図柄の組合せが表示された場合には、9枚のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりベルこぼし目の図柄の組合せが表示された場合には、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、図90(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤を行っている。なお、この移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤が行われることを示すものであり、移行抽籤を行うことになる役の種類は単なる例示に過ぎない。
また、図90(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、表示された図柄の組合せに基づいてベルナビATへの移行抽籤を行っている。この遊技例1では、主制御基板71は、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合にのみ、ベルナビATへの移行抽籤を行い、かつ、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、必ずベルナビATに当籤することとしている。
なお、図示の例では、ベルナビATへの移行抽籤を、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されること、すなわち、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において押し順に正解することを条件に行うこととしているが、これに限られるものではなく、主制御基板71は、単に、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしてもよい。
ここで、パチスロ機1では、主制御基板71は、RT2遊技状態中に役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定し、その他のRT遊技状態中は役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定しない、又はその他のRT遊技状態中はRT2遊技状態中よりも低い確率で役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。そのため、RT2遊技状態は、その他のRT遊技状態中よりもベルナビATへの移行抽籤を行う頻度が高く、主制御基板71は、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態(特に、RT1遊技状態)よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行う。
パチスロ機1(主制御基板71及び副制御基板72)では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない場合には、遊技者にとって有利な停止操作の態様(正解の押し順)を報知しない。一方で、パチスロ機1では、リプナビATに当籤している場合には、リプナビATに伴う報知を行い、ベルナビATに当籤している場合にはベルナビATに伴う報知を行う。
具体的には、リプナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。一方で、リプナビATに当籤している場合であっても、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されても、正解の押し順を報知しない。
また、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。なお、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知することとしてもよく、報知しないこととしてもよい。
このようにすることで、リプナビAT中を、ベルナビATへの移行抽籤の頻度が高いRT2遊技状態を維持するための報知を行う特定区間として扱うことができ、また、ベルナビAT中を、メダルを増加させるための報知を行う特定区間として扱うことができる。このように遊技例1では、リプナビATとベルナビATというそれぞれ役割が異なる特定区間を有するため、遊技者にとってみれば、報知が持つ意味が特定区間の種類によって異なることになるため、特定区間中の報知が単調になることなく、興趣の低下を防止することができる。
また、リプナビAT中は、メダルを増加させるための報知は行わないため、メダルの増加が抑えられることになる。パチスロ機では、遊技者と遊技店との利益のバランスを図る必要があるが、メダルが増加する期間が長いと遊技者が得る利益が過大になってしまうため、特定区間に移行し難くするなど他の部分で利益のバランスを図る必要がある。この点、遊技例1のパチスロ機1によれば、メダルを増加させるための報知を行うベルナビATとは別に、メダルを増加させるための報知は行わないリプナビATという特定区間を有するため、特定区間に移行し易い遊技性を実現しつつ、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、設定値に差のない情報に基づいて行う移行抽籤を行うことで、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることとしている。この点、移行抽籤自体は、設定値に差のない情報に基づいて行いつつも、特定区間への移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることとしてもよい。以下に、その具体的な方法を示す。
上述の遊技例1では、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしている。移行抽籤を、設定値に差のない情報に基づいて行うため、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず現在の遊技状態に応じた確率で内部当籤役として決定される必要がある。具体的には、主制御基板71は、RT2遊技状態中に設定値に関わらず所定の確率で、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。なお、上述したように、RT2遊技状態以外のRT遊技状態においても役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定することとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、RT2遊技状態以外のRT遊技状態(例えば、RT1遊技状態)中に、設定値に関わらず所定の確率よりも低い確率で、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。
また、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うため、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、設定値に関わらず同一の確率で当籤する移行抽籤を行う必要がある。そこで、主制御基板71は、ベルナビATへの移行抽籤を行う場合には、設定値に関わらず同一の確率で当籤するように抽籤を行う。
このようにすることで、ベルナビATへの移行抽籤が行われる契機となる、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず同一の確率で内部当籤役として決定され、また、ベルナビATへの移行抽籤は、設定値に関わらず同一の確率で当籤することになる。そのため、一見すると、ベルナビATへの移行に関する期待度は、各設定値に対して同一になるが、本方法では、RT遊技状態の移行に関して設定差を持たせることで、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせる。
具体的には、主制御基板71は、設定されている設定値に応じた確率で、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。上述のように、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行うため、移行抽籤の契機や当籤確率には設定差を設けることなく、このRT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることで、結果として、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることができる。より具体的には、図89(B)に示すRT1用の内部抽籤テーブルにおいて、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率(抽籤値の情報)を、設定値毎に異ならせることで、RT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることができる。これにより、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率が高い設定値は、RT2遊技状態に移行し易くなり、結果、ベルナビATへの移行に関する期待度が高くなるため、ベルナビATへの移行に関して設定値毎の特徴を出すことができる。
(遊技例1における演出例)
続いて、図91を参照して、遊技例1のパチスロ機1における演出例について説明する。図91(A)は、当該演出を行う場合の遊技の流れの一例を示す図である。
図91(A)に示すように、1回目の遊技は、RT1遊技状態であり、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない遊技である。1回目の遊技では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していないため、状態表示器147bは消灯しており、また、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方ともに0回のままである。なお、リプナビ回数とは、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数であり、ベルナビ回数とは、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数である。
続いて、2回目の遊技では、リプナビATへの移行抽籤に当籤している。そのため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯し、また、リプナビ回数として5回が付与されている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(a)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にリプナビ回数が付与されたことを表示するとともに、「探索チャレンジ」演出が開始することを表示する。なお、「探索チャレンジ」演出は、リプナビAT中に行われる宝物を探索する演出であり、リプナビ回数が残っている間に宝物を見つけることができた場合には、成功(ベルナビAT)となる演出である。
続いて、3回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、3回目の遊技では、リプナビ回数が5回から4回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(b)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2移行リプの図柄の組合せが表示され、その後、図91(B)の(b)に示すように、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、4回目の遊技では、3回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、4回目の遊技では、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。4回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態を維持することを促す。この報知に伴い、4回目の遊技では、リプナビ回数が4回から3回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(c)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にRT2遊技状態を維持するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2遊技状態が維持され、宝物の間における探索が継続することになる。
続いて、5回目の遊技では、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されているが、リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知しない。そのため、副制御基板72は、図91(B)の(d)に示すように、表示ユニット100において押し順が不明であることを示す表示を行う。ここで、図91に示す例では、押し順に不正解であったものとしているため、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されることになる。主制御基板71は、ベルこぼし目の図柄の組合せの表示に伴い、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。また、副制御基板72は、表示ユニット100に宝物の間(RT2遊技状態)から待機の間(RT1遊技状態)に転落してしまったことを示す表示を行う。
続いて、6回目の遊技では、5回目の遊技においてRT1遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯している。また、6回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、6回目の遊技では、リプナビ回数が3回から2回に減っている。また、副制御基板72は、図91の(e)に示すように、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示し、その後、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、7回目の遊技では、6回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、7回目の遊技では、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。7回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知する。この報知に伴い、7回目の遊技では、リプナビ回数が2回から1回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(f)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に正解の押し順を表示する。
ここで、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されたときに押し順に正解すると、ベルナビATへの移行抽籤が行われベルナビATに当籤することから、副制御基板72は、表示ユニット100にベルナビATに当籤したことを示す表示を行う。また、ベルナビATの当籤に応じて、リプナビ回数及びベルナビ回数にそれぞれ初期値(10)が加算される。なお、ベルナビATに当籤したときにリプナビ回数として1回が残っていることから、ベルナビAT当籤時のリプナビ回数は11回となっている。
その後、8回目の遊技から遊技状態がベルナビATとなり、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン3で点灯する。このベルナビATでは、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が残っている限り、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」に対して正解の押し順を報知し、ベルナビ回数が残っている限り、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択_3rd」に対して正解の押し順を報知する。
(遊技例2)
続いて、図92〜図94を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例2について説明する。この遊技例2では、特定区間中は、リプナビ及びベルナビの双方を行うが、双方の報知回数をそれぞれ個別に管理する。すなわち、この遊技例2では、特定区間の終了条件として、リプナビ及びベルナビの双方の回数を用いる。なお、リプナビとは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知をいい、ベルナビとは、メダルを増加させるための報知をいう。
図92(A)は、遊技例2における遊技フローである。図92(A)に示すように、遊技例2では、通常区間と特定区間とを有し、また、特定区間中は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いリプ高確率(例えば、遊技例1におけるRT2遊技状態やRT3遊技状態)と、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低いリプ低確率(例えば、遊技例1におけるRT1遊技状態)とを有する。
遊技例2では、主制御基板71は、通常区間中に特定区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、遊技状態を通常区間から特定区間に移行させる。なお、遊技例2において、特定区間への移行抽籤は任意の方法により行うこととしてよい。
また、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、主制御基板71は、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、遊技例2では、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が示す回数分だけRT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行い、ベルナビ回数が示す回数分だけメダルを増加させるための報知を行う。そして、主制御基板71は、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、特定区間を終了し、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。
また、特定区間中に転落リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させ、昇格リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を低リプ状態から高リプ状態に移行させる。なお、転落リプレイ及び昇格リプレイの図柄の組合せは任意であるが、遊技例1の表現に合わせると、例えば、RT1移行リプの図柄の組合せが転落リプレイの図柄の組合せに相当し、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せが昇格リプレイの図柄の組合せに相当する。
なお、RT1移行リプの図柄の組合せは、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順不正解時に表示され、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せは、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順正解時に表示される。そのため、遊技例2におけるリプナビとは、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、転落リプレイの図柄の組合せが表示されることを回避すること、及び、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、昇格リプレイの図柄の組合せの表示を促すこと、を含むものである。
なお、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われると、リプレイの図柄の組合せが表示され、RT遊技状態は、現在のRT遊技状態のまま維持される。すなわち、主制御基板71は、高リプ状態中に役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定されたときに、リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順正解)、RT遊技状態を高リプ状態のまま維持する一方で、転落リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順不正解)、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させる。
続いて、図92(B)は、遊技例2の特定区間の特徴を示す図である。図92(B)に示すように、遊技例2では、特定区間中に、通常ART及び特殊状態という複数の状態を有する。通常ARTと特殊状態とを比較すると、通常ARTは、特殊状態に比べてベルナビ回数の消費速度が速い状態である。また、遊技例2では、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せを行うところ、通常ARTと特殊状態とを比較すると、特殊状態中は、通常ARTに比べてベルナビ回数の上乗せ量を少なくする一方で、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。すなわち、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数よりもリプナビ回数を優先して上乗せする。
(特殊状態の実現方法)
続いて、図93を参照して、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現方法について説明する。パチスロ機1では、ベルナビの対象となる役として、役「F_3択ベルA_1st」「F_3択ベルA_2nd」「F_3択ベルA_3rd」と、役「F_3択ベルB_12t」「F_3択ベルB_2nd」「F_3択ベルB_3rd」と、を有する。なお、以下では、役「F_3択ベルA_1st」〜「F_3択ベルA_3rd」を単に役「F_3択ベルA」と呼び、役「F_3択ベルB_1st」〜「F_3択ベルB_3rd」を単に役「F_3択ベルB」と呼ぶことがある。
図93(A)に示すように、ボーナス非当籤時、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されていない状態では、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。具体的には、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス非当籤時の特定区間中に役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれかが内部当籤役として決定されると、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、ボーナス非当籤時の特定区間中は、役「F_3択ベルA」又は役「F_3択ベルB」のいずれが内部当籤役として決定された場合であっても、ベルナビ回数が減ることになる。
一方で、図93(B)に示すように、フラグ間中、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態では、役「F_3択ベルB」は押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であるが、役「F_3択ベルA」は押し順に関わらず表示される図柄の組合せが同一の役である。具体的には、役「F_3択ベルB」は、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。一方で、役「F_3択ベルA」は、押し順に関わらず、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、押し順の報知を行わずに、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、フラグ間の特定区間中は、役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定されてもベルナビ回数は減らずに、役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合にベルナビ回数が減ることになる。
このように、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されているか否かに応じて、通常ARTと特殊状態とを区別することで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。すなわち、上述の例の場合には、ボーナス非当籤時の特定区間を通常ARTとし、フラグ間の特定区間を特殊状態とすることで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。
(上乗せ例)
続いて、図94を参照して、リプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せ方法について説明する。図94(A)の上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役及び遊技状態毎に、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せ量に対する抽籤値の情報を規定する。パチスロ機1では、主制御基板71は、図94(A)に示す上乗せ抽籤テーブルを参照して、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せを行う。なお、図94(B)は、図94(A)の上乗せ抽籤テーブルに応じた上乗せの期待度の概要を示す図である。
図94(A)(B)を参照すると、通常ARTと特殊状態とでは、ベルナビ回数の上乗せ期待度とリプナビ回数の上乗せ期待度が異なることが分かる。具体的には、サボテン及び弱チェリーに基づく上乗せでは、通常ART中は、ベルナビ回数の方が上乗せされ易い一方で、特殊状態中は、リプナビ回数の方が上乗せされ易い。より具体的には、特殊状態中は通常ART中に比べて、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくし、反対にリプナビ回数の上乗せ量を多くしている。
なお、図94に示す例では、強チェリーに基づく上乗せは、通常ART中と特殊状態中とで、上乗せ期待度を同一にしている。
このような遊技例2のパチスロ機1では、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理し、リプナビ回数分だけリプナビを行い、また、ベルナビ回数分だけベルナビを行う。これにより、特定区間中にリプナビの対象となる役、又はベルナビの対象となる役のいずれかが集中して内部当籤役として決定された場合であっても、いずれか一方のナビ回数のみが消費され、他方のナビ回数が消費しないため、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
また、遊技例2のパチスロ機1では、特定区間として通常ARTと特殊状態とを設け、現在の状態に応じて上乗せの期待度を異ならせることとしている。具体的には、ベルナビ回数の消費速度が速い通常ART中は、ベルナビ回数が上乗せされ易くし、反対に、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくして、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。これにより、ナビ回数の消費速度を緩和することができ、結果、特定区間中の興趣を損ねることがない。
<終了期間の異なるCZの選択方法>
続いて、図95を参照して、終了期間の異なるCZの選択方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行することとしている(リミット処理)。また、特定区間にはART遊技状態の他にCZも含まれるため、リミット処理が行われる場合には、CZから連続して行われるART遊技状態は、CZが継続した遊技回数分だけ遊技期間が短くなってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なるCZの中から実行するCZを遊技者が選択可能にするとともに、選択の際に遊技者にとって好ましいと考えられるCZを選択し易くしている。
図95に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なる複数のCZを有する。具体的には、図95(A)に示すCZ「短期戦」は、終了期間が0ゲームのCZであり、図95(B)に示すCZ「勝負」は、終了期間が1ゲームのCZであり、図95(C)に示すCZ「安定」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図95(D)に示すCZ「波乱」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図95(E)に示すCZ「長期戦」は、終了期間が30ゲームのCZである。パチスロ機1では、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超えると、CZを終了して遊技状態を通常区間に移行する。一方で、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超える前に、ART遊技状態への移行抽籤に当籤すると、CZを終了して遊技状態をART遊技状態に移行する。
ここで、CZの選択方法について説明する。図95(A)〜(E)は、CZを選択するための選択画面である。この選択画面には、CZを選択するための選択カーソルが設けられている。図95において選択カーソルは、図95(A)ではCZ「短期戦」を指しており、図95(B)ではCZ「勝負」を指しており、図95(C)ではCZ「安定」を指しており、図95(D)ではCZ「波乱」を指しており、図95(E)ではCZ「長期戦」を指している。この選択カーソルは、例えば、時間の経過に伴い選択するCZを切り替える。
選択画面では、チャンスボタン(図示せず)に対する遊技者の操作を受け付けており、主制御基板71は、チャンスボタンが操作されたタイミングで選択カーソルが指しているCZを選択するものとして、実行するCZの選択を受け付け、その後、選択されたCZを開始する。すなわち、図95(A)のタイミングでチャンスボタンが操作された場合には、主制御基板71は、CZ「短期戦」を選択するものとして、遊技者からの選択を受け付け、その後、CZ「短期戦」を開始する。なお、主制御基板71による選択カーソルが指しているCZの特定方法は任意であるが、例えば、選択カーソルが指し示すCZを切り替える間隔を、主制御基板71においてもカウントしておくことで、主制御基板71において選択カーソルが指しているCZを特定することができる。
本実施形態のパチスロ機1では、選択カーソルは、初期状態において、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を指しており、その後、時間の経過に伴い、終了期間が短い順に他のCZを指し示す。例えば、選択カーソルは、時間の経過に伴い、CZ「短期戦」、CZ「勝負」、CZ「安定」、CZ「波乱」、CZ「長期戦」の順にCZを指し示す。
ここで、上述のようにリミット処理が行われる場合には、CZが継続した遊技回数分だけART遊技状態の遊技期間が短くなってしまうため、終了期間が最も短いCZ「短期戦」は、遊技者にとって好ましいと考えられる。パチスロ機1では、選択カーソルが指しているCZに基づいてCZの選択が行われるが、選択カーソルの初期状態として、CZ「短期戦」を指し示すこととすることで、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
また、遊技者によっては、選択画面において何らの選択もすることなく遊技を進行することがある。例えば、選択画面においてチャンスボタンに対する操作を受け付けることなく、スタートレバー6が操作され遊技が開始した場合(すなわち、所定の操作が行われた場合)には、遊技者による選択が行われていないことになる。このようにCZの選択を受け付けることなく遊技が開始された場合には、主制御基板71は、終了期間が異なる複数のCZのうち終了期間が最も短いCZを開始する。すなわち、主制御基板71は、遊技者がCZを選択することなく遊技を開始した場合には、遊技を開始したタイミングにおける選択カーソルの位置に関係なく、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を自動的に選択し、その後、CZ「短期戦」を開始する。これにより、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
なお、このような選択画面は、例えばCZの開始時、言い換えるとCZへの移行権利が付与されている状態で表示される。すなわち、主制御基板71は、ART遊技状態に移行させるか否かの移行抽籤を行うCZへの移行権利を付与するとともに、このCZへの移行権利が付与されている状態で、複数種類のCZの中から一のCZの選択を受け付ける。
<特定区間開始時のリール制御>
続いて、図96〜図98を参照して、特定区間を開始する際のリール制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間を開始する際に「7−7−7」等の特定の図柄の組合せ(以下、「AT開始出目」と呼ぶ)を表示可能にリールの停止制御を行う。具体的には、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤すると、特定区間への移行権利を付与する。この特定区間への移行権利は、遊技状態が特定区間に移行するまで持ち越され、遊技状態が特定区間に移行するとクリア(剥奪)される。すなわち、主制御基板71は、移行権利が付与されている状態で特定区間への移行条件(例えば、AT開始出目が表示)を満たすと、遊技状態を特定区間に移行させるとともに、移行権利をクリアする。そして、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合と、移行権利が付与されていない場合とで、異なる態様でリール3L,3C,3Rの回転を停止する(すなわち、リールの停止制御を異ならせる)。
図96及び図97は、リールの停止制御に用いられる回胴停止初期設定テーブルの一例を示す図であり、上述した図49のステップS9及びステップS12において用いられる。この回胴停止初期設定テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転を停止するためのリール停止制御情報を決定する際に参照される。回胴停止初期設定テーブルは、内部当籤役として決定された役、現在の遊技状態、及び特定区間への移行権利の有無に対応付けて、当該役が内部当籤役として決定された際に用いられるリール停止制御情報を規定する。主制御基板71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応するリール停止制御情報を取得し、当該リール停止制御情報を用いてリール3L、3C、3Rを停止させる。
当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応付けられたリール停止制御情報は、回胴停止用番号、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)、テーブル番号選択値(変更ステータス、ストップ用テーブルデータ)、第一回胴第一停止用テーブル変更データ、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)、及び検索順序データテーブル番号を含む情報である。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、引込優先順位テーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、引込優先順位選択テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、変更ステータスと、ストップ用テーブルデータと、を含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
図96(A)(B)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、ボーナスに係る役が非当籤の際に参照される図96(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、ボーナスに係る役が当籤している際に参照される図96(B)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「31」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、ボーナスに係る役の当籤の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
同様に、図96(A)及び図97(C)に示すように、パチスロ機1では、移行権利が付与されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、移行権利が付与されていない場合に参照される図96(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、移行権利が付与されている場合に参照される図97(C)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「41」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、移行権利の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、特定区間への移行抽籤に当籤している場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
続いて、図96及び図97に示す回胴停止初期設定テーブルを用いてリールの停止制御を行う場合の、当籤役と停止図柄との対応関係を図98に示す。図98に示すように、特定区間への移行権利が付与されていない通常区間では、内部当籤役が「はずれ」である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示され、また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」である場合には、押し順に正解するとベルの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解するとベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
一方で、特定区間への移行権利が付与されている特定区間の待機区間では、内部当籤役が「はずれ」のときは、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示される。また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のときには、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合にはベル、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
このようにパチスロ機1では、特定区間への移行権利の有無に応じてリールの停止制御を異ならせるため、特定区間の開始時に遊技者の停止操作に応じてAT開始出目の図柄の組合せを表示するようにリールの回転を停止することができる。
また、パチスロ機1では、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることとしてもよい。すなわち、パチスロ機1では、遊技者にとって有利の度合いが異なる複数の特定区間を有し、主制御基板71は、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と、当該一の特定区間とは異なる他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、リールの停止制御を異ならせることとしてもよい。具体的には、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、同一の役が内部当籤役として決定されたときに用いられるリール停止制御情報が異なるように、回胴停止初期設定テーブルを設ければよい。
これにより、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることができるため、例えば、遊技者にとってより有利な特定区間に移行する場合とそれ以外の特定区間に移行する場合とで、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せを異ならせることができる。遊技者にとってみれば、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せによりその後の遊技の有利度合いが異なることになるため、特定区間の開始時の停止操作に対して強い関心を抱くことになり、遊技の興趣が向上する。
なお、パチスロ機1では、ボーナス状態やRT遊技状態に応じては、内部当籤役の当籤確率が異なるものの、特定区間の種別に応じては、内部当籤役の当籤確率は異ならない。
ここで、近年では、内部抽籤の結果に応じて制御されるリール(以下、「第1メインリール」)の他に別のリール(以下、「第2メインリール」)を設けるパチスロ機も知られている。例えば、第1メインリールとして、上述のリール3L,3C,3Rの3つのリールを有し、第2メインリールとして、リール3Rの右に一列だけ設けられるリールを有するパチスロ機などが知られている。移行抽籤の結果に応じて停止制御を異ならせるリールは、第1メインリールであってもよく、また、第2メインリールであってもよい。
移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの停止制御を異ならせる場合、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行った遊技では、スタートレバー6の操作に応じて、第1メインリールの回転を開始する前に第2メインリールの回転を開始する。そして、ストップボタン7Rが操作されると、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止する。具体的には、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、当籤していない場合には表示されることのない図柄を表示可能に、第2メインリールの回転を停止する。このようにして特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止すると、その後、主制御基板71は、第1メインリールの回転を開始する。
なお、上述の例では、ストップボタン7Rの操作に基づいて第2メインリールを停止することとしているが、ストップボタン7L,7C,7Rの他に第2メインリール専用のストップボタンを設けることとしてもよい。また、第2メインリールは1つとせずに複数設けることとしてもよい。
このように特定区間の移行抽籤の結果に対する停止操作と、内部抽籤の結果に対する停止操作とを切り分けることで、双方の目押しを楽しむことができるとともに、遊技者がゲーム性を把握し易くなる。
<設定変更時の制御>
続いて、図99を参照して、設定変更時の制御について説明する。図99は、設定変更時とメインRAM33のクリア時との制御内容の対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1において、主制御基板71は、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)は、フラグ間中であっても内部当籤役として持ち越されているボーナスに係る役をクリアすることなく維持し、特定区間中であっても特定区間を維持し、また、特定区間の移行抽籤に当籤している待機区間中であっても移行抽籤の結果を維持する。すなわち、パチスロ機1では、フラグ間中、特定区間中又は待機区間中に新たな設定値が設定された場合であっても、新たな設定値が設定される前の遊技状態がそのまま維持される。
なお、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)とは、設定1から設定6というように異なる設定値へ変更する場合だけに限定されず、設定1から設定1というように同じ設定値を再設定する場合(いわゆる同一設定への打ち直し)も含まれる。
一方で、メインRAM33がクリアされた場合(RAMクリア時)は、主制御基板71は、全ての遊技状態をクリアする。すなわち、主制御基板71は、フラグ間中にRAMクリアがされた場合には、持ち越されているボーナスに係る役をクリアし、特定区間中にRAMクリアがされた場合には、特定区間を終了し遊技状態を通常区間に移行し、待機区間中にRAMクリアがされた場合には、移行抽籤の結果をクリアする。
このようにパチスロ機1では、特定区間中にRAMクリアが行われた場合には特定区間をクリアするものの、特定区間中に設定変更が行われた場合には、特定区間のまま維持する。遊技店側からすると、設定値を変更しつつ特定区間を維持/クリアするか選択することができるため、パチスロ機の運営に関して遊技店側に多様な選択肢を与えることができる。
なお、設定変更の操作は、例えば、設定用鍵型スイッチ430(図69参照)を介して行うことができ、また、RAMクリアの操作は、例えば、リセットスイッチ442(図69参照)を介して行うことができる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第3実施形態のパチスロ機1について、第1実施形態又は第2実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において説明した「特定区間」については、第3実施形態において「有利区間」と称し、いわゆるナビや演出態様を加味した遊技状態を「出玉状態」と称する。その他、第1〜3実施形態において説明したものと同一又は類似の要素で異なる用語を用いる際は、その用語の末尾に第1〜3実施形態で使用した用語を括弧書きで付す。以下に示す第3実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1〜3実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[第3実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
初めに、第3実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図100は、第3実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローである。図101は、出玉状態のうちMB作動中の処理を示す図である。図102は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図101及び図102において示す出玉状態やモードなどは、主制御基板71により制御される。
図100に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。図101に示すように、MBは、通常区間と有利区間とのいずれにあってもMBの入賞に応じて作動する。なお、本実施形態においては、当籤時にいずれの押し順によっても必ず入賞し、1枚を超えるメダル払出を終了条件として1Gで終了するショートMB(略して「SMB」という)と、基本的に当籤によりフラグ間状態を経て入賞し、81枚を超えるメダル払出を終了条件として複数ゲームを消化することで終了するロングMB(略して「LMB」という)とがある。LMBは、当籤確率について設定差が無く、SMBは、当籤確率について設定差が有る。以下の説明においては、SMB及びLMBをまとめてMBという。
本実施形態では、主制御基板71は、各種の抽籤処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の抽籤処理は、大別して通常処理と共通処理とに分けられる。なお、主制御基板71は、通常区間中は、通常処理のみを行い、共通処理を行うことがなく、また、有利区間中は、通常処理と共通処理との双方の処理を行うことができる。
通常処理は、内部当籤役や表示された図柄組合せに応じて行う処理であり、本実施形態では、主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、決定した内部当籤役に応じて各種の抽籤処理を行い、出玉状態を制御する。この通常処理は、内部当籤役として決定される確率について設定差のない役が内部当籤役として決定された場合に、設定値に関わらず同一の確率で行われる抽籤処理である。なお、図102に示すように、LMBの作動中は、内部当籤役に応じて各種の通常処理を行うものの、SMBの作動中は、内部当籤役に基づく通常処理は行わない。これは、LMBは、当籤確率について設定差が無いため、LMB作動中という状態に滞在する確率も設定差が無いが、SMBは、当籤確率について設定差が有るため、SMB作動中という状態に滞在する確率には設定差が有る。通常処理は、設定差無く行う処理であるため、状態に滞在する確率が異なる時点で設定差が表れてしまうため、主制御基板71は、SMBの作動中は通常処理を行わない。
また、共通処理は、ボーナスの作動時に行う処理であり、本実施形態では、主制御基板71は、MBの作動時に各種の抽籤処理を行い、出玉状態を制御する。この共通処理は、MBの作動時に設定値に関わらず同一の確率で行われる抽籤処理である。なお、MBの作動時とは、対応する図柄組合せが表示されたことを契機にMB(ボーナス)が作動するタイミングをいう(第1実施形態の図62のS235参照)。なお、上述の共通処理とは異なり、主制御基板71は、SMBの作動時及びLMBの作動時の双方において、共通処理により各種の抽籤処理を実行可能である。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。図100及び図102に示すように、「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、後述する有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、単位遊技(一のゲーム)ごとに有利区間移行抽籤が実行される。有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「通常当籤」と「ART当籤」とがある。「通常当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として後述する「通常有利」に移行する。一方、「ART当籤」の場合、出玉状態として後述する「ART前兆」に移行する。なお、有利区間移行抽籤については後述する。
有利区間は、主たる出玉状態として、「通常有利」、「SCZ」、「ART前兆」、「MB_HCZ」、「上乗せ特化ゾーン」、「ART」、「エンディング」が実行可能である。有利区間は、最大払出枚数の押し順小役(本実施形態では、「押し順ベル」又は「打順ベル」)を入賞させ得るナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、有利区間に応じた特典が付与されるまで終了させることができない。なお、本実施形態において、有利区間に応じた特典とは、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)、又はボーナス(MB)の作動をいう。言い換えると、本実施形態では、有利区間は、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)あるいはボーナス(MB)の作動といった終了条件のうち、少なくともいずれかの終了条件が成立するまでは終了させることができない。上記の終了条件が成立すると、後述する有利区間終了抽籤が実行され、この抽籤結果に応じて「通常」に移行する。有利区間終了抽籤の抽籤結果によっては、有利区間が継続される場合もある。ただし、本実施形態では、MBが作動する場合を除き、有利区間が開始されてから例えば100G経過するまでは、押し順ベルに当籤してもベルナビが発生させられないベルナビ非発生状態(報知抑制状態、「待機区間」ともいう)とされる。すなわち、本実施形態においては、原則として、有利区間の開始からMBが作動することなく所定ゲーム数(100G)経過したことを条件に、押し順ベルの当籤に応じて初回のベルナビが発生可能(ベルナビ発生可能状態、報知許容状態)となる。なお、例外として、有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)が経過する前であっても、MBに当籤した場合は、ベルナビ発生可能状態(報知許容状態)となる。なお、ゲーム数に関係なく押し順ベルの当籤についてフラグで管理し、フラグの有無や数に応じてベルナビ非発生状態とベルナビ発生可能状態とを制御するようにしてもよい。また、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、上記有利区間の終了条件(押し順ベル当籤、ボーナス(MB)作動)が成立する前であっても、有利区間が強制的に終了させられ、通常区間(「通常」の状態)に移行するといったリミット処理が実行される。例えば、ARTの状態であって有利区間の開始から1500Gに到達すると、ARTの残りゲーム数がたとえ残存していても、リミット処理が実行される。これにより、ARTと共に有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
図100及び図102に示すように、「通常有利」は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となることで移行する。また、「通常有利」は、「ART」終了時の有利区間終了抽籤で継続となる抽籤結果が得られた場合のほか、後述「SCZ」においてART非当籤で残り0Gとなった場合にも移行する。「通常有利」においては、SCZ抽籤及び後述するART抽籤が実行される。SCZ抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「SCZ」の状態に移行し、ART抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「ART前兆」の状態に移行する。
「通常有利」には、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といったART抽籤の「ART」当籤確率が異なる通常モードがある。通常モードの種類は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となった場合、後述する有利区間初期通常モード抽籤により当初決定される。「通常有利」中の通常モードは、当籤役に応じて通常モード移行抽籤が実行され、抽籤結果に応じて基本的にART抽籤の当籤確率が高いモードに昇格したりあるいはモードが維持される。
また、「通常有利」には、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といった「SCZ」の当籤確率が異なるSCZモードがある。SCZモードの種類は、当初“低確”であり、「通常有利」中に行うSCZモードの移行抽籤により昇格・転落あるいは維持される。本実施形態において、「通常有利」中に行うSCZモードの移行抽籤には、当籤役に応じて行うSCZモード移行抽籤と、MBの作動時に行うSCZモード移行抽籤と、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う規定ゲーム数到達時専用のSCZモード移行抽籤とがある。ここで、当籤役に応じて行うSCZモード移行抽籤では、基本的にSCZモードは、「SCZ」の当籤確率が低いモードに転落又は維持され、また、MB作動時に行うSCZモード移行抽籤では、基本的にSCZモードは、「SCZ」の当籤確率が高いモードに昇格又は維持される。
また、規定ゲーム数到達時専用のSCZモード移行抽籤は、例えば「通常有利」中の経過ゲーム数が20G、40G、80Gに到達すると実行され、「SCZ」の当籤確率が高いモードに昇格又は維持される。また、本実施形態では、「通常有利」中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となり、SCZ抽籤及びART抽籤において当籤確率が当初より上がる。なお、専用の抽籤モード(高確D)となる“ハマリ天井”となった後は、「通常有利」から「通常」への移行契機となる後述する有利区間終了抽籤(図122参照)を行わないものとし、実質的に「ART」当籤を確定させることが望ましい。このような救済的な措置を行うことにより、押し順ベルやMBにほぼ当籤することなく120ゲーム程度遊技を進めることで、メダルを減らした遊技者に対して恩恵を付与することができ、「通常有利」の状態においてあいにく押し順ベルやMBを引くこと(当籤)ができなかった場合であったとしても、“ハマリ天井”到達への期待感をもって遊技を進めることができるようになり、遊技の興趣が低下することを抑制することができる。なお、「通常有利」中の経過ゲーム数とは、「通常」から「通常有利」に移行した後、「ART」又は「通常」に移行するまでに経過したゲーム数をいう。このとき、「ART」又は「通常」に移行する前に「SCZ」や「MB_HCZ」に移行することもあるが、この「SCZ」中の経過ゲーム数や「MB_HCZ」中の経過ゲーム数を、「通常有利」中の経過ゲーム数に含めることとしてもよく、また、含めないこととしてもよい。なお、「SCZ」中の経過ゲーム数や「MB_HCZ」中の経過ゲーム数を含めない場合、「SCZ」や「MB_HCZ」が終了した後の「通常有利」において、「SCZ」や「MB_HCZ」に移行するまでに計数していた経過ゲーム数を引き継いで「通常有利」中の経過ゲーム数を計数することとしてもよく、新たに最初から「通常有利」中の経過ゲーム数を計数することとしてもよい。
また、“ハマリ天井”のモード(高確D)においては、「ART」のみを抽籤してもよいし、「SCZ」のみを抽籤してもよい。また、各通常モード及びSCZモードよりも「ART」や「SCZ」の当籤確率を高くして、“ハマリ天井”に到達したことで却って「ART」や「SCZ」に当籤し難くなるといった事態が生じないようにすることが遊技の興趣を高める上で望ましい。また、「SCZ」に当籤し、「SCZ」に失敗したとしても、“ハマリ天井”のモード(高確D)へと復帰させるようにして、メダル増加区間である「ART」当籤以上の恩恵を保障することが望ましい。また、「ART」以上の恩恵が確定する“ハマリ天井”のモード(高確D)において「SCZ」に当籤した場合、メダル増加区間である「ART」が開始されるまでのゲーム数が結果的に増えることとなるが、「SCZ」を経由して「ART」に当籤した場合は、後述の「上乗せ特化ゾーン」からARTが開始されるため、5ゲーム程度の「SCZ」中に消費されるメダルを考慮したとしても、「ART」に直接当籤する場合よりも獲得することができるメダルの期待値が高くなるので、「ART」が確定しているのに余計なチャンス遊技でメダルを減らされるといった不快感を遊技者に与えにくいようにすることができる。
さらに、「通常有利」においては、後述するMBの当籤確率が約1/17であり、100Gに達するまでにMB入賞の可能性が高くなっている。そして、MBが入賞すると、ベルナビ発生可能状態となり、MB作動終了後に後述する有利区間終了抽籤が実行され、抽籤結果に応じて「通常」に移行するこことなる。要するに、「通常有利」に移行して所定ゲーム数(100G)を超えると、ベルナビ発生可能状態となるものの、100Gに達するまでにMBが成立するゲームにおいて又はフラグ間状態を経て入賞する可能性が高くなるので、「通常有利」の平均滞在ゲーム数は、概ね25G程度とされる。なお、詳しくは後述するが、MBの入賞を遊技者が意図的に遅らせることで出玉率が上昇するという攻略がなされないように、MBの図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御を構成することが望ましい。
図100及び図102に示すように、「SCZ」は、「通常有利」においてSCZ抽籤によりSCZ当籤となることで移行する。「SCZ」は、後述する「ART」に比較的当籤しやすいチャンスゾーン(CZ)である。「SCZ」には、“通常”、“レジェンド”といったSCZモードに応じてART抽籤の当籤確率が異なる種別がある。例えば、SCZモードが“高確A”で種別が“レジェンド”の場合は、同じくSCZモードが“高確A”で種別が“通常”の場合よりもART当籤確率が高くなる。基本的に、種別が“レジェンド”の場合の方が“通常”の場合よりもART当籤確率が高くなる。SCZの種別は、役不問の抽籤により決定される。「SCZ」中にART抽籤に当籤すると、「SCZ」から後述する「上乗せ特化ゾーン」の状態に移行する。ART抽籤で当籤することなく「SCZ」の規定ゲーム数(5G)が終了した場合、「通常有利」へ移行する。なお、「SCZ」では、当籤した押し順ベルのナビが基本的に行われない。また、「SCZ」の種別は、SCZ抽籤に当籤した単位遊技(ゲーム)の内部当籤役を参照して決定するようにしてもよい。例えば、「強ベル」の当籤を契機に「SCZ」に当籤した場合は、他の役を契機に当籤した場合よりも“レジェンド”が選択されやすいなどとしてもよい。また、「SCZ」の種別は、「SCZ」当籤時のSCZモードを参照してもよく、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といったSCZモードごと又はその一部において“レジェンド”の選択率を異ならせてもよい。また、前述の“ハマリ天井”モード(高確D)においては、“レジェンド”が確定するなどの特典を設けて、メダルを減らした遊技者に対する救済措置を設けることにより、遊技者の遊技意欲の低下を抑制する仕様としてもよい。なお、「SCZ」中は、5ゲームの間、内部当籤役を参照してART抽籤を行うが、ハズレ時においては、内部当籤役に非当籤の状態とも考えられるため、ART抽籤を行わないものとしてもよい。また、内部当籤役又は停止出目の少なくともいずれか一方を参照してART抽籤を行うようにしてもよい。停止出目に基づいてART抽籤を行う場合は、遊技者にリールでの出目を楽しませることができ、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う場合は、主制御基板71の制御負荷を軽減することができる。
図100及び図102に示すように、「ART前兆」は、「通常」又は「通常有利」においてART抽籤によりART当籤となることで移行する。「ART前兆」は、規定ゲーム数消化後にART準備状態を経て「ART」に移行する。ただし、通常モードが「特殊」に滞在でART当籤により「ART前兆」に移行してきた場合には、後述する「上乗せ特化ゾーン」を経て「ART」に移行する。「ART前兆」においては、開始時からART中に用いる各種モードの初期モードのランクアップ抽籤が実行される。ART中に用いる各種モードは、基本的にランクが高いほど遊技者にとって有利であるため、「ART前兆」中のランクアップ抽籤においてランクアップすることができた場合には、「ART」の開始直後の各種モード(初期モード)が遊技者にとって有利なモードとなる。
図100及び図102に示すように、「MB_HCZ」は、通常区間又は有利区間の如何を問わずLMBに当籤することで移行する。「MB_HCZ」においては、HCZモード昇格抽籤や役不問のART抽籤が実行される。HCZモードは、ランクが高いほど、遊技者にとって有利な状態となる。ART抽籤に当籤してLMBの作動が終了すると、「MB_HCZ」から後述する「上乗せ特化ゾーン」の状態を経て「ART」に移行する。ART抽籤に当籤することなくLMBの作動が終了すると、「MB_HCZ」から元の出玉状態(例えば、「通常」や「通常有利」など)に移行する。
図100及び図102に示すように、「上乗せ特化ゾーン」は、ARTの上乗せが行われ易い期間であり、「SCZ」や「MB_HCZ」でのART当籤、あるいは「ART前兆」の規定ゲーム数終了後に移行する。詳細については省略するが、本実施形態では複数の「上乗せ特化ゾーン」を設け、「上乗せ特化ゾーン」では、上乗せ特化ゾーン種別に応じてARTゲーム数の上乗せ抽籤が実行される。「上乗せ特化ゾーン」の種類の儲け方は任意であり、例えば、平均上乗せが異なる複数の上乗せ特化ゾーンを設けることとしてもよく、また、上乗せのゲーム性が異なる複数の上乗せ特化ゾーンを設けることとしてもよい。「上乗せ特化ゾーン」の規定ゲーム数消化後、終了抽籤に当籤すると上乗せ特化ゾーンのストックがあればそのまま「上乗せ特化ゾーン」の状態となり、上乗せ特化ゾーンのストックなければ、「ART」に移行する。
図100及び図102に示すように、「ART」は、いわゆるARTの状態であり、「上乗せ特化ゾーン」あるいは「ART前兆」から移行する。「ART」は、ARTモード、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードといった上乗せ抽籤などの有利度合いが異なるモードがあり、上乗せ抽籤や各種モード移行抽籤が実行される。「ART」は、初期ゲーム数として例えば100Gが付与され、上乗せ抽籤の結果に応じてゲーム数が加算される。「ART」のゲーム数終了時、当籤役不問の有利区間抽籤が実行され、その抽籤結果が「継続」であれば「通常有利」に移行する一方、「終了」であれば「通常」に移行する。
ARTモードには、“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがあり、基本的には“モード0”が最も不利なARTモードであり、“モードA”、“モードB”、“モードC”の順にART中の上乗せ抽籤などが有利となる(“モードC”が最も有利)。ART中はARTモードの移行抽籤が実行され、この移行抽籤の結果に応じてARTモードが移行する。ARTモードの移行は、基本的には、現在のARTモードが維持されるか、あるいは、現在のARTモードよりも下位のARTモードに転落する(“モードC”から“モードB”に転落、“モードB”から“モードA”に転落、又は“モードA”から“モード0”に転落(なお、2段階以上の転落を含むこととしてもよい))。そして、ARTモードが最も下位の“モード0”まで転落した場合には、ART中の上乗せ抽籤などが抑制される。一方で、ARTモードが“モード0”以外(“モードA”、“モードB”、“モードC”)である場合には、上乗せ抽籤などが抑制されることなく、通常の確率で上乗せ抽籤などに当籤する。なお、本実施形態では、ARTモードが“モード0”以外である場合、上乗せ抽籤などに当籤は全て同一であるが、上乗せ抽籤などが抑制される“モード0”までの転落のし易さが、それぞれのARTモードにおいて異なるため、ART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なることになる。ARTモードは、通常処理による移行抽籤では維持又は転落するが、MB作動時の共通処理による移行抽籤により昇格することがある。
なお、本実施形態では、ARTモード“モード0”では、ART中の上乗せ抽籤などが抑制されることとしているが、ART中の上乗せ抽籤などを抑制するのではなく禁止することとしてもよい。通常のパチスロでは、ART中の上乗せは、所謂レア役を契機として行われるが、上乗せの契機となるレア役として弱レア役と強レア役とを設けることもある。ここで、上乗せ抽籤などを禁止する場合、強レア役の当籤時にも上乗せを行わないことになってしまい、遊技者が不満を感じやすくなってしまう。この点、本実施形態のように上乗せ抽籤などを抑制することで、強レア役である「強ベル」の当籤時に上乗せを行うことができるため、遊技者が不満を感じることがない。
また、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、それぞれ“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがあり、基本的には“通常”が最も不利なモードであり、“高確準備”、“高確”、“超高確”の順にART中の上乗せ抽籤などが有利となる(“超高確”が最も有利)。チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードは、それぞれが個別に管理され、例えば、ある遊技においてそれぞれのモードが別々のモードであることもあれば(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“超高確”、チャンスCモード“通常”)、一部のモードが共通であることもあれば(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“通常”)、全てのモードが共通であることもある(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“高確”)。ART中は、それぞれのモード毎に移行抽籤が実行され、この移行抽籤の結果に応じてそれぞれのモードが個別に移行する。
チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードでは、それぞれ管理するART中の上乗せの契機が異なる。本実施形態では、チャンスBモードは、後述する「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図134参照)であり、チャンスCモードは、後述する「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図135参照)であり、チャンスAモードは、それ以外の役に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図133参照)である。なお、本発明では、上乗せの契機毎に個別のモードを管理することに特徴を有するものであり、それぞれのモードが管理する上乗せの契機は、上述したものに限られない。一例として、内部当籤役に基づく上乗せを管理するモード、周期到達時の上乗せを管理するモード、ボーナス作動時の上乗せを管理するモード、ボーナス作動中の上乗せを管理するモード、ART準備中の上乗せを管理するモード、ART終了待機中の上乗せを管理するモードなど任意の上乗せ契機毎に個別のモードを管理することができる。
また、図100及び図102に示すように、「ART」中に出玉状態が「エンディング」に移行することがある。上述したように、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行する。リミット処理自体は、1500ゲーム到達時に行うものの、パチスロ機1では内部的に残りゲーム数も管理しているため、将来1500ゲームに到達するか否かを、1500ゲーム到達前から予め把握することができる。そこで、主制御基板71は、有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合に出玉状態を「エンディング」に移行する。「エンディング」に移行した場合、将来リミット処理が行われることが決まっているため、主制御基板71は、上乗せに関する全ての抽籤を行わない。なお、「エンディング」への移行契機となる有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値の閾値は、任意に設定することができる。一例として、1500ゲーム到達時にリミット処理が行われるため、閾値を1500ゲームとしてもよいが、本実施形態では、リミット処理が行われる場合に、100ゲーム間のエンディング演出を行うため、閾値を1400ゲームとしている。そして、有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値が1400ゲームに到達した場合、1400ゲーム消化後に100ゲームのエンディング演出を行い、リミット処理を行う。
図100及び図102に示すように、「MB」は、いわゆるボーナスの状態であり、LMB作動中以外は、通常区間又は有利区間のいずれにおいても入賞に応じて発生し得る。「MB」では、通常モード移行抽籤、SCZモード移行抽籤、ARTモード移行抽籤、ゲーム数上乗せ抽籤などが実行される。
[主制御基板の制御による遊技状態]
次に、図103を参照して、第3実施形態のパチスロ機1の主制御基板71の制御による遊技状態について説明する。図103は、第3実施形態のパチスロ機1の遊技状態の遷移フローである。
図103に示すように、遊技状態としては、リプレイ当籤確率が比較的低いRT0、RT1と、リプレイ当籤確率が比較的高いRT2、RT3とがある。RT0は、設定変更後の初期状態あるいはLMB終了後の遊技状態であって、出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT1移行図柄あるいはRT1移行リプが表示されると、RT1に移行する。RT1は、主として出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT2移行リプが表示されると、RT2に移行する。RT2は、RT3移行時における途中の状態であり、RT3移行リプが表示されると、RT3に移行する。RT3は、出玉状態が「ART」あるいは「上乗せ特化ゾーン」などに相当するいわゆるARTの状態であり、RT1移行図柄あるいはRT1移行リプの表示を経てRT1に移行する。
なお、設定変更後の初期状態は、必ずRT0で「通常」の状態となる一方、設定変更がない電源オン後の初期状態では、電源オフとなる前の遊技状態(一般的にはRT1)のままで「通常」の状態となる。設定変更後の初期状態においては、RT0の「通常」状態で有利区間に当籤すると、設定変更がない電源オン後の初期状態において有利区間に当籤した場合よりも相対的に有利な有利区間となる。これについては、図146を参照して後述する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図104に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「黒BAR」、「赤BAR」、「赤7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「ベルD」を含んでいる。
図104に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図104に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図104に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「黒BAR」、「赤BAR」、「赤7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「ベルD」の10種類である。
図柄コード表では、「黒BAR」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられ、同様に、「赤BAR」〜「ベルD」の各図柄(図柄コード2〜10)に対しても、データとして「00000010」から「00001011」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図105〜図108を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
ここで、本実施形態では、単位遊技の用に供されるメダルの枚数が「2枚」である場合(2BET時)、表示窓4に表示される3×3の図柄のうちの、左列の下段と、中列の下段と、右列の下段とを結ぶボトムライン、及び、左列の下段と、中列の中段と、右列の下段とを結ぶ小山ラインの2本のラインが有効ラインとなり、単位遊技の用に供されるメダルの枚数が「3枚」である場合(3BET時)、表示窓4に表示される3×3の図柄のうちの、左列の中段と、中列の中段と、右列の中段とを結ぶセンターラインの1本のラインが有効ラインとなる。なお、SMBの作動中は、2BET遊技のみが可能であり、LMBの作動中及びMBの非作動中は、3BET遊技のみが可能である。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。
図105を参照して、例えば、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」〜「S赤CLリプ_18」は、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せである。より具体的には、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」〜「S_赤CLリプ_18」は、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。
なお、“W揃いリプ”のうち、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」に係る図柄の組合せは、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に並んで表示されるが、それ以外の図柄の組合せは、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に並んで表示されるわけではない。これは、リール3L,3C,3Rに配置される図柄の配列の関係から図柄「赤BAR」及び図柄「赤7」は、停止操作のタイミングによっては停止表示できないことがあるためであり、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」以外の図柄の組合せは、いわゆる目押し操作が適切でない場合に代わりに表示される図柄の組合せを示している。これは、“赤BARリプ”などのその他の図柄の組合せについても同様である。
また、コンビネーション名「S_赤XUリプ」〜「S_赤XDリプ_06」は、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。また、コンビネーション名「S_赤7CLリプ_01」「S_赤7CLリプ_02」は、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。また、コンビネーション名「S_赤7XUリプ_01」〜「S_赤7XDリプ_04」は、“赤7リプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤7」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。
図106及び図107を参照して、また、コンビネーション名「S_共通リプ1_01」〜「S_共通リプ3_04」は、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せである。同様に、コンビネーション名「S_共通リプ4_01」〜「S_共通リプ6_03」は、“赤7煽り”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤7」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せである。
すなわち、本実施形態では、図柄「赤BAR」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“赤BARリプ”と呼び、図柄「赤BAR」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せを“赤BAR煽り”と呼ぶ。同様に、図柄「赤7」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“赤7リプ”と呼び、図柄「赤7」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せを“赤7煽り”と呼ぶ。また、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“W揃いリプ”と呼ぶ。
<内部抽籤テーブル>
次に、図109を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図109は、RT0〜RT3、MB内部中、MB(作動)中のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図109に示すRT0〜RT3の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。ちなみに、RT0〜RT3又はMB内部中において、押し順ベル(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_4択ベル4B(No.41)」)は、約1/4の確率で内部当籤役として決定される。
なお、SMBは、設定差が有るボーナス役であり、「SMB(No.48)」の単独当籤役として決定可能とされる。一方、LMBは、設定差が無いボーナス役であり、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」又は「LMB+F_XDリプ(No.50)」の重複当籤役として決定可能とされる。ここで、図109には設定1用の内部抽籤テーブルについてのみ示しているが、RT0〜RT3において設定差があるSMBは、設定1では約1/18の確率で内部当籤役として決定され、設定6では約1/15の確率で内部当籤役として決定される。また、SMBとLMBとを加味した場合、RT0〜RT3においてMB(「SMB(No.48)」〜「LMB+F_XDリプ(No.50)」)は、設定1では約1/17の確率で内部当籤役として決定され、設定6では約1/15の確率で内部当籤役として決定される。
また、「SMB」は、単独当籤のみ、かつ「SMB」に対応する図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても他の役に阻害されない限り入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御が設計されており、必ず成立ゲーム(ボーナス非当籤の状態から持越しではなく初めて当籤したゲーム)で入賞するため、持ち越されることがない。「LMB」は、成立ゲームでは再遊技役(リプレイ)と重複して内部当籤し、再遊技役は、「LMB」よりも優先的に入賞するため、「LMB」の成立時は、必ずフラグ間状態であるMB内部中へ移行する。そして、「LMB」に対応する図柄組合せも引き込み1であるため、フラグ間状態においてボーナスよりも優先的に入賞する小役又は再遊技役が同時に成立しない限り必ず入賞する。このような役構成とすることにより、遊技者が目押しで意図的にMBの入賞を回避して、有利区間の終了条件の充足を遅らせることで“ハマリ天井”への到達率を上昇させるといった攻略法を予防し、ホール側に不測の損害が発生しないように抑制することができる。
なお、図109に示す内部抽籤テーブルでは、MB内部中とMB(作動)中との「F_RT1中リプ1(No.1)」〜「F_共通リプ(No.24)」の抽籤値を省略しているが、MB内部中及びMB中は、その時点におけるRT状態に応じた抽籤値が規定されている。また、MB中は、「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」の抽籤値を省略しているが、MBの作動中は、内部抽籤処理に関わらず全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」)に当籤する。
上述の通り、MB中では、リプレイ役については、現在のRT状態の当籤確率(すなわち、図109に示す抽籤値)が引き継がれて抽籤が行われる一方、小役についての抽籤は行われることなく、全ての小役が内部当籤役として決定され得るようになっている。図102にて図示した通り、LMBは、LMB役(図109のNo.49,50)の内部当籤により移行する内部中RT状態をLMB作動中に引き継ぎ、SMBは、SMB役(図109のNo.48)に内部当籤した遊技でのRT状態であるRT0〜3の何れかのRT状態をSMB作動中に引き継ぐことになる。なお、図103で示した通り、LMBの作動終了後はRT0(低RT)に遷移するが、SBMは、内部当籤、作動開始及び作動終了の何れの場合においてもRT状態の遷移を行わない。獲得枚数の少なく、かつ、当籤確率の高いSMBを契機として高RTから低RTに移行しないことにより、高RTを維持し易くして「ART」による出玉の増加速度が低減しないようにしている。
また、MB中における内部当籤役の決定の手法は、上述したものに限られない。例えば、MB中において、現在のRT状態に応じた内部抽籤テーブルを参照し(すなわち、MB中用の内部抽籤テーブルを規定せず)、上述した当籤番号全て(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」を含む)に対して、規定された抽籤値に基づいて当籤か否かが判別され得るようにし、その後、全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」)をさらに内部当籤役として決定するようにしてもよい。これにより、内部抽籤テーブルに係るデータ容量を削減することができる。
さらに、MB中における内部当籤役の決定の手法として、図109に示す内部抽籤テーブルを用いた抽籤を行わずに、全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」)を内部当籤役として決定するものとしてもよい。この場合は、更にデータ容量や処理負荷の軽減を図ることができる。
<内部当籤役と図柄組合せの対応表>
図110〜図111は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。
図110は、通常時(すなわち、主制御基板71の遊技状態がMB内部中及びMB(作動)中以外の状態(図102参照))における当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、決定した内部当籤役と停止操作の順序(押し順)とに基づき、図110に示す図柄の組合せが表示されるようにリール3L,3C,3Rを制御する。
例えば、内部当籤役として「F_通常リプB(No.14)」が決定された場合、第1停止操作が左のリール3Lに対する操作(左中右、又は左右中)である“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せ(図106の内容欄参照)が表示され、第1停止操作が中のリール3Cに対する操作(中左右、又は中右左)である“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、第1停止操作が右のリール3Lに対する操作(右左中、又は右中左)である“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される。
また、内部当籤役として「F_SPリプA1(No.20)」が決定された場合、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される。同様に、内部当籤役として「F_SPリプA2(No.21)」が決定された場合、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される。
上述したように、ART中は、チャンスBモードにより「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤を管理し、チャンスCモードにより「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤を管理する。「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤は、内部当籤役として「F_SPリプA2(No.21)」が決定された場合に行われ、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“中1st”の押し順を報知(指示)し、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せを表示させる。同様に、「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤は、内部当籤役として「F_SPリプA1(No.20)」が決定された場合に行われ、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“右1st”の押し順を報知(指示)し、“赤7リプ”に係る図柄の組合せを表示させる。
一方、狙うべき図柄の指示がある場合に常に当該図柄が揃ってしまうと遊技性が単調になってしまうため、内部当籤役として「F_通常リプB(No.14)」が決定された場合、又は「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤や「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合に、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、所定の確率で“赤BAR煽り”や“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、図柄揃いの煽りを行う。なお、図柄揃いの煽りも行わない場合には、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“左1st”の押し順を報知(指示)して“リプレイ”に係る図柄の組合せを表示させる。
また、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」が決定された場合も、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、図柄揃いを煽る図柄の組合せ(“赤BAR煽り”“赤7煽り”)は表示されることなく、図柄が揃う図柄の組合せ(“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”)が表示される。後述するように本実施形態では、ART中に上乗せ抽籤に当籤した場合、直ぐに上乗せを報知するのではなく、一時的に保持した後に上乗せを報知することがあり、「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」は、上乗せを後で報知する場合に用いる。例えば、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、保持している50ゲーム分の上乗せを報知する場合、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」が決定されると“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、保持している100ゲーム分の上乗せを報知する場合、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、保持している150ゲーム分の上乗せを報知する場合、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)する。
なお、通常時においてその他の役が内部当籤役として決定された場合に表示され得る図柄の組合せは、図110に示す通りであり、また、MB内部中やMB(作動)中における当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係は、図111に示すとおりである。
[非ART中の遊技の流れ]
続いて、図112を参照して、非ART(「通常」又は「通常有利」)中の遊技の流れについて説明する。図112(A)に示すように、パチスロ機1では、基本的に非ARTからARTを目指して遊技を行う遊技性を有している。図112(A)や図100に示すように、パチスロ機1において、非ARTからARTへの移行ルートは、非ARTからARTに直接移行するART直当りルートと、非ARTからSCZを経由してARTに移行するSCZ経由ルートと、非ARTからMB_HCZを経由してARTに移行するMB_HCZ経由ルートと、がある。以下では、ART直当りルートと、SCZ経由ルートとの流れについて説明する。
図112(B)は、ART直当りルートの遊技の流れを示す図である。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、「通常」(通常区間)中に有利区間移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に「通常」から有利区間に移行する。この有利区間移行抽籤では、主制御基板71は、移行先の有利区間の種別も併せて抽籤し、例えば、移行先としてARTが決定された場合には、「通常」から有利区間のARTに直接移行する。
一方で、有利区間移行抽籤において移行先として通常有利が決定された場合には、「通常」から有利区間の通常有利に移行する。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、通常有利中にART抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に通常有利からARTに移行する。本実施形態では、このように「通常」中に行う有利区間移行抽籤において移行先としてARTが決定された場合、又は、通常有利中に行うART抽籤に当籤した場合に、非ARTからARTに直接移行する(ART直当りルート)。
なお、通常有利中のART抽籤は、通常モードに基づいて行う。この通常モードには、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といった複数のモードがあり、それぞれART抽籤の当籤確率が異なる。具体的には、ART抽籤の当籤確率は、通常モードのうち“超天国”が最も高く、“天国”及び“特殊”が次に高く、“天国準備”が次に高く、“低確”が最も低い。なお、“次回前兆”はART抽籤に当籤することが確定する通常モードである。通常有利中の通常モードは、任意に移行することができ、例えば、主制御基板71は、通常有利中に当籤役に応じて通常モード移行抽籤を行い、抽籤結果に応じて通常モードを移行させることができる。
また、通常モードに基づくART抽籤の当籤確率と、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率とを比較すると、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率は、通常モード“天国準備”に基づくART抽籤の当籤確率よりも若干高い。そのため、本実施形態では、通常モードによっては、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率よりも、有利区間中のART抽籤の当籤確率の方が低い場合がある(例えば、通常モード“低確”“天国準備”)。
なお、上述したように、通常有利中の経過ゲーム数が120ゲームに到達すると(ハマリ天井)、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となる。ここで、ハマリ天井後の通常有利中は、主制御基板71は、通常モードに関係なく、SCZモード“高確D”に基づき通常有利中のART抽籤を行う。なお、後述の図115に示すように、SCZモード“高確D”に基づくART抽籤は、通常モード“超天国”よりも当籤確率が高い。
図112(C)は、SCZ経由ルートの遊技の流れを示す図である。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、通常有利中にSCZ抽籤を行い、このSCZ抽籤に当籤した場合にSCZに移行する。また、主制御基板71は、SCZ中にART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合にARTに移行する。このように通常有利中に行うSCZ抽籤に当籤し、その後、SCZ中に行うART抽籤に当籤した場合に、非ARTからSCZを経由してARTに移行する(SCZ経由ルート)。一方で、SCZ中に行うART抽籤に当籤することなくSCZが終了した場合、SCZから通常有利に移行する。なお、SCZは、ART抽籤に当籤することなく規定ゲーム数(5G)が経過した場合に終了する。
通常有利中のSCZ抽籤、及び、SCZ中のART抽籤は、SCZモードに基づいて行う。このSCZモードには、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といった複数のモードがあり、それぞれSCZ抽籤、及び、ART抽籤の当籤確率が異なる。具体的には、SCZ抽籤、及び、ART抽籤の当籤確率は、SCZモードのうち“高確D”が最も高く、“高確C”が次に高く、“高確B”が次に高く、“高確A”が次に高く、“低確”が最も低い。これらSCZモードは、任意に移行することができるが、本実施形態では、主制御基板71は、通常有利中の経過ゲーム数や、通常有利中の当籤役に応じてSCZモードの移行抽籤を行い、この抽籤結果に応じてSCZモードを移行させる。
[ART直当りルートで用いる各種データテーブル]
続いて、ART直当りルートにおいて用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
<通常_有利区間移行抽籤テーブル>
初めに、図113を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)においてゲーム(単位遊技)ごとに内部当籤役に基づき有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す「非当籤」、「通常有利」、「特定役」、「LMB」の抽籤値が規定される。図109に示す内部当籤役として、「打順ベル」は、「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_4択ベル4B(No.41)」に相当し、「共通ベル、1枚」は、「F_共通ベルA(No.45)〜F_共通ベルB(No.46)」、「F_1枚役(No.47)」に相当し、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」は、「F_共通リプ(No.25)」、「F_チャンスリプ(No.26)」、「F_弱チャンス役(No.44)」に相当し、「中チャンス、煽りリプ」は、「F_中チャンス役(No.43)」、「F_煽りリプA(No.31)」〜「F_煽りリプB(No.32)」に相当し、「強ベル」は、「F_強ベル(No.42)」に相当し、「確定役」は、「F_黒BARリプ(No.37)」、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_赤7リプA(No.29)」〜「F_赤7リプB(No.30)」に相当し、「LMB」は、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」〜「LMB+F_XDリプ(No.50)」に相当する。なお、抽籤結果としての「特定役」は、「確定役」として特定の処理の契機となるものである。また、他の抽籤テーブルにおいて参照項目として、「打順リプ」、「SPリプA1」、「SPリプA2」、「SPリプB1」、「SPリプB2」を用いることがあるが、「打順リプ」は、「F_RT1中リプ1(No.1)」〜「F_維持リプ5(No.19)」に相当し、「SPリプA1」は、「F_SPリプA1(No.20)」に相当し、「SPリプA2」は、「F_SPリプA2(No.21)」に相当し、「SPリプB1」は、「F_SPリプB1(No.22)」に相当し、「SPリプB2」は、「F_SPリプB2(No.23)」、「F_SPリプB3(No.24)」に相当する。
このような通常_有利区間移行抽籤テーブルを用いた有利区間移行抽籤によれば、「通常」の状態において例えば「打順ベル」に当籤すると、1/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となる。また、例えば「中チャンス」あるいは「煽りリプ」に当籤すると、248/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となるほか、8/256の確率で「ART」の抽籤結果が得られる場合があり、この場合、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「ART前兆」の状態となる。このような「ART」の当籤確率は、「中チャンス、煽りリプ」の当籤時に3.2%程度であり、「強ベル」の当籤時に12.5%程度であり、「有利区間」に当籤する確率よりも低く抑えられている。
<通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブル>
次に、図114を参照して、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルは、「通常」から有利区間移行抽籤に当籤することで「有利区間」に移行した直後の初回ゲーム(単位遊技)において、当該初回ゲームの通常モードを有利区間初期通常モード抽籤により決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す通常モードの種類として、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の抽籤値が規定される。
このような通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルを用いた有利区間初期通常モード抽籤によれば、「通常有利」の初回ゲームにおいて例えば「打順ベル」に当籤すると、248/256の確率で“低確”の抽籤結果が得られ、当該初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“低確”の通常モードとなる。一方、例えば「打順ベル」に当籤した場合には、6/256の確率で“天国準備”の抽籤結果が得られ、この場合に「通常有利」の初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“天国準備”の通常モードとなる。「通常有利」の初回ゲーム以降は、通常モード移行抽籤の抽籤結果に応じて通常モードが昇格する可能性がある。通常モードは、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の順に昇格し(2段階以上の昇格を含む)、基本的に昇格するほど「ART」の当籤確率(図115参照)が高くなるようになっているが、初回ゲームでの通常モードともなり得る“特殊”の場合は、「ART」の当籤確率が“超天国”の場合よりも必ずしも高いとはいえないようになっている(図115参照)。また、「通常有利」の状態で通常モードが“低確”又は“天国準備”の場合の「ART」の当籤確率は、「通常」の状態における「ART」の当籤確率よりも低くなるようになっている(図113及び図115参照)。これにより、「通常」から「通常有利」への移行直後は、「通常」の状態よりも「ART」に当籤し難い状態になりやすい。これについては、後述する通常有利_ART抽籤テーブルを参照して詳述する。
<通常有利_ART抽籤テーブル>
次に、図115を参照して、通常有利_ART抽籤テーブルについて説明する。通常有利_ART抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)及びSCZモード“高確D”ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき「ART」への移行(「ART当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、各モードに対応する通常有利_ART抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_ART抽籤テーブルを用いたART抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“低確”の通常モードである場合には、「弱チャンス」に当籤すると、1/256の確率で「ART」当籤の抽籤結果が得られ、その後「ART前兆」を経て「ART」の状態に移行する。
ここで、通常モードが“低確”又は“天国準備”である場合、「ART」当籤の確率は、内部当籤役の当籤確率も加味すると、「ART」当籤確率(“低確”又は“天国準備”)=0.4%×0.8+0.8%×0.3+12.5%×0.1=1.81%程度となる。一方、図113を参照して「通常」時において有利区間移行抽籤により「ART」当籤の確率は、同様に内部当籤役の当籤確率も加味すると、「ART」当籤確率(通常時)=2.5%程度となる。すなわち、本実施形態では、「通常有利」に移行した当初の通常モード(主として“低確”又は“天国準備”)は、「通常」の状態よりも「ART」当籤の確率が低くなるように抑えられており、「通常」の状態よりも「通常有利」に移行した直後の方が「ART」に移行しにくくなっている。これにより、「通常」の状態であっても「通常有利」を経由せずに「ART」に移行するかもしれないという期待度が高められ、遊技の興趣を高めることができる。また、有利区間が終了し、有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯した場合であっても、必ずしも最も不利な状況であるとは言い切れないため、ランプ消灯時をきっかけに遊技を止めようと考える遊技者に遊技を続行する意欲を生じさせることができる。また、開店直後以外の遊技場においては、前任者が遊技を止めた状態で放置された状況から空き台を選択することとなる。前述の工夫を施したとしても、有利区間ランプが消灯した状況で放置された台の方が多くなる傾向にあり、仮に有利区間ランプ消灯の状況がその機種で相対的に最も不利な状況であることが確定してしまうと、敢えて最も不利な状況から遊技を始める必要もないのではないか、とその遊技者が遊技の開始をためらう可能性がある。わざわざ遊技場まで足を運び、その機種を見に来ている時点で非常に高い遊技意欲をもっている遊技者といえるが、そのような遊技者の意欲を削ぐと稼働率の低下につながる。上述のように、有利区間ランプ消灯の状況が必ずしもその機種の遊技状態の中で最も不利とは限らない仕様とすることにより、ひとまず最も不利な状況とは言い切れないようし、これにより遊技を行ってみようかという気持ちを遊技者に抱かせて稼働率の低下を抑制するといった効果を期待することもできる。
[SCZ経由ルートで用いる各種データテーブル]
続いて、SCZ経由ルートにおいて用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
<通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブル>
次に、図116を参照して、通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルは、通常有利の経過ゲーム数(“20G経過時”、“40G経過時”、“80G経過時”)ごとに設けられており、現在(移行前)のSCZモードから移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルには、現在のSCZモードごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルを用いたSCZモードの移行抽籤によれば、規定ゲーム到達時のSCZモード移行抽籤では、通常有利中に経過したゲーム数が多いほど、より上位のSCZモードに移行し易い。なお、本実施形態では上述したように、通常有利中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となり、その後、ARTに移行するまで“高確D”から移行することがない。この“高確D”への移行は、移行抽籤を行うことなく行われ、主制御基板71は、通常有利中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードを“高確D”に移行する。
<通常有利_SCZモード移行抽籤テーブル>
次に、図117を参照して、通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルは、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。各モードに対応する通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルを用いたSCZモードの移行抽籤によれば、通常有利中は、内部当籤役に基づきSCZモードが移行する。なお、図117に示す例では、内部当籤役に基づく移行抽籤では、SCZモードは、転落又は維持されるだけであり、昇格することがない。この点、内部当籤役に基づく移行抽籤においても、SCZモードが昇格することとしてもよい。
<通常有利_SCZ抽籤テーブル>
次に、図118を参照して、通常有利_SCZ抽籤テーブルについて説明する。通常有利_SCZ抽籤テーブルは、通常有利中の各遊技においてSCZモードに基づき「SCZ」への移行(「SCZ当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常有利_SCZ抽籤テーブルには、参照項目として現在のSCZモード(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_SCZ抽籤テーブルを用いたSCZ抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“高確A”のSCZモードである場合には、24/256の確率で「SCZ」当籤の抽籤結果が得られ、その後「SCZ」の状態に移行する。なお、図118に示す例では、通常有利中のSCZ抽籤では、内部当籤役に関わらず一律の抽籤により「SCZ」への移行を決定するが、これに限られるものではなく、一律の抽籤に変えて、又は一律の抽籤に加えて、内部当籤役及びSCZモードに基づくSCZ抽籤を行うこととしてもよい。また、SCZ抽籤において「SCZ」当籤の抽籤結果が得られた場合、「SCZ」の種類(“通常”、“レジェンド”)を抽籤により決定することとしてもよく、この場合においても、SCZモードや「SCZ」当籤の抽籤結果が得られた際の内部当籤役に応じて「SCZ」の種別の抽籤結果が異なることとしてもよい。例えば、SCZモードが“高確D”である場合には、“レジェンド”が決定され易い、又は、“レジェンド”が必ず決定されることとしてもよい。
<SCZ_ART抽籤テーブル>
次に、図119を参照して、SCZ_ART抽籤テーブルについて説明する。SCZ_ART抽籤テーブルは、「SCZ」の種類、及び、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき「ART」への移行(「ART当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、SCZ_ART抽籤テーブルには、参照項目としてSCZの種類(“通常”、“レジェンド”)、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)、内部当籤役(「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このようなSCZ_ART抽籤テーブルを用いたART抽籤によれば、例えば“通常”の「SCZ」において、SCZモードが“高確D”である場合には、「中チャンス」に当籤すると、128/256の確率で「ART」当籤の抽籤結果が得られ、その後「上乗せ特化ゾーン」を経て「ART」の状態に移行する。
<SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブル>
次に、図120を参照して、SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルについて説明する。SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルは、「ART」への移行に非当籤のまま「SCZ」が終了した場合に、現在のSCZモードごとに移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルには、現在のSCZモードごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなSCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルを用いたSCZモードの抽籤によれば、例えばSCZモードが“高確D”である場合には、SCZモードは“高確D”のまま維持される。
<通常有利_有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図121を参照して、通常有利_有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。通常有利_有利区間終了抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”)ごとに設けられており、「通常有利」の各通常モードごとに内部当籤役に基づき有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。なお、通常モードが“次回前兆”の場合、有利区間を終了させないようにするために、“次回前兆”に対応する有利区間終了抽籤テーブルか設けられていない。また、上述のようにSCZモードが“高確D”の場合も有利区間を終了させないため、SCZモードが“高確D”の場合、主制御基板71は、通常モードの種類に関わらず、有利区間の終了抽籤を行わない。同図に示すように、各通常モードに対応する通常有利_有利区間終了抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_有利区間終了抽籤テーブルを用いた有利区間終了抽籤によれば、有利区間の開始から例えば100Gに達した後、「通常有利」の状態において、例えば“低確”の通常モードである場合には、「打順ベル」に当籤すると、252/256の高確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから有利区間の「通常有利」の状態から通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば“低確”の通常モードで「打順ベル」に当籤した場合にあっても、4/256という低い確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく継続される。なお、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に所定ゲーム数を経過してから通常区間の「通常」の状態に移行するようにしてもよい。また、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に、通常区間の「通常」の状態に移行するまでに所定ゲーム数の移行待ち状態を設けることにより、当該所定ゲーム数において勝利で有利区間継続又は/及びART当籤、敗北で有利区間終了といった複数ゲームにまたがる連続演出を行うことができるようにしてもよく、これにより遊技の興趣を高めることができる。この場合は、当該連続演出の最中に有利区間ランプが消灯してしまい、連続演出の途中において敗北が確定してしまうといった興趣が低下する状況を避けることができる。なお、連続演出は、移行待ちの所定ゲーム数よりも1ゲーム以上短いゲーム数で基本的な決着がつく構成として、基本的な決着としての敗北演出が発生した次ゲームで復活するパターンをもたせるようにしてもよい。敗北確定演出が発生したゲームの例えば第3停止時において有利区間ランプが消灯した場合は、復活演出で有利区間継続又はART当籤となる可能性がなくなるため、次ゲームの遊技を継続する意欲が低下するので、そのような状況を避けるための配慮である。具体例としては、所定ゲーム数を5ゲームとして、連続演出について復活演出用の1ゲームを除いた決着までの内容を最大4ゲームで構成し、1ゲームで復活演出を行うといった場合である。復活演出が発生しないことを遊技者が確認した後に有利区間ランプが消灯することにより、連続演出の興趣を途中で低下させる事態を防止することができる。なお、リミッタ(リミット処理)が発動する場合は、「通常有利」から通常区間の「通常」に移行するまでに移行待ち状態を設けることができないので、リミッタ発動の直前については、上述の有利区間継続に関する連続演出の発生を抑制し、連続演出がリミッタで打ち切られる事態を防止するとよい。
[ART中の遊技の流れ]
続いて、図122を参照して、「ART」中の遊技の流れ(より具体的にはART中の上乗せに関する遊技の流れ)について説明する。図122(A)に示すように、本実施形態において主制御基板71は、「ART」を継続可能なゲーム数を延長するゲーム数上乗せと、「上乗せ特化ゾーン」の権利を付与する特化ゾーンのストック上乗せと、の2種類の上乗せを「ART」中に行う。ここで、上述したように、「ART」中は、ARTモード、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードという複数のモードに基づいて上乗せが制御される。以下、「ART」中のモードと上乗せとの関係について説明する。
図122(B)は、ARTモードと上乗せとの関係を示す図である。上述したように、ARTモードには、“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがある。「ART」移行時のARTモードの初期状態は、基本的には“モードA”であるが、「確定役」を契機として「ART」に移行した場合には、“モードB”や“モードC”から開始することがある。より具体的には、「確定役1」を契機として「ART」に移行した場合、ARTモードは“モードB”から開始し、「確定役2」を契機として「ART」に移行した場合、ARTモードは“モードC”から開始する。なお、「確定役1」とは、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_赤7リプA(No.29)」、「F_赤7リプB(No.30)」が相当し、「確定役2」とは、「F_黒BARリプ(No.37)」が相当する。
図122(B)に示すように、ARTモードは、上乗せ期待度がそれぞれ異なり、基本的には、“モード0”は上乗せの期待度がほとんどなく、“モードA”、“モードB”、“モードC”は所定の確率で上乗せが行われる。なお、上述のように、ARTモードが“モード0”以外である場合、上乗せの期待度は全て同一であるが、“モード0”までの転落のし易さが、それぞれのARTモードにおいて異なるため、「ART」中の上乗せに関する有利度合いが、“モードA”、“モードB”、“モードC”において異なる。もちろん、“モードA”、“モードB”、“モードC”において上乗せ抽籤などに当籤する確率自体を異ならせることで、「ART」中の上乗せに関する有利度合いを異ならせることとしてもよく、また、上乗せ抽籤などに当籤する確率と、“モード0”までの転落のし易さとの双方から上乗せに関する有利度合いを異ならせることとしてもよい。このとき、“モード0”まで転落し難いARTモードほど上乗せ抽籤などに当籤する確率を高くしてもよく(例えば、“モードC”が上乗せ抽籤などに当籤する確率が最も高い)、また、“モード0”までの転落のし易さと上乗せ抽籤などに当籤する確率とをミックスして調整することとしてもよい。一例として、“モード0”に最も転落し易い“モードA”における上乗せ抽籤などに当籤する確率を、“モードB”における上乗せ抽籤などに当籤する確率よりも高くすることとしてもよい。このようにすることで、ARTモードが“モード0”の直前まで転落すると、却って上乗せし易い状態になる。
また、主制御基板71は、「ART」中にARTモードの移行抽籤を行い、この移行抽籤の結果に応じてARTモードを移行する。ARTモードの移行抽籤は、内部当籤役に基づく抽籤(通常処理)により行われるほか、MB作動時の共通処理により行われる。本実施形態では、通常処理に基づく移行抽籤では、基本的に、ARTモードは維持又は転落するが、共通処理に基づく移行抽籤では、基本的に、ARTモードは維持又は昇格する。もちろん、これに限られるものではなく、通常処理に基づく移行抽籤においてもARTモードを昇格可能としてもよく、また、共通処理に基づく移行抽籤においてもARTモードを転落可能としてもよい。
続いて、図122(C)は、チャンスモードと上乗せとの関係を示す図である。上述のように本実施形態では、管理する上乗せの契機が異なるチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードという複数のモードを有する。具体的には、チャンスBモードは、「SPリプA2」に基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは、「SPリプA1」に基づく上乗せを管理する。なお、「SPリプA2」は、“右1st”の押し順で停止操作が行われることで図柄「赤7」が3個並んで表示される“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示され、「SPリプA1」は、“中1st”の押し順で停止操作が行われることで図柄「赤BAR」が3個並んで表示される“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示されるため、チャンスBモードは、赤7揃いに基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは、赤BAR揃いに基づく上乗せを管理するといえる。また、チャンスAモードは、「SPリプA1」「SPリプA2」以外の当籤役に基づく上乗せを管理する。
また、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、それぞれ“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがある。主制御基板71は、「ART」中に、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードのそれぞれについて個別のモード移行抽籤を行い、この移行抽籤の結果に応じて各チャンスモードのモードを移行する。そのため、「ART」中にチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードは、それぞれ個別に管理され、例えば、ある遊技においてそれぞれのモードが別々のモードであることもあれば、一部のモードが共通であることもあれば、全てのモードが共通であることもある。
続いて、図122(C)は、本実施形態における特殊な上乗せであるラストフリーズの流れを示す図である。本実施形態では、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が1から0に減算されるタイミングでラストフリーズを発生させるか否かの抽籤を行う。この抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値(=1500−消化した有利区間のゲーム数)を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一例として、有利区間中に消化したゲーム数が200回のときにラストフリーズの抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。一方で、この抽籤に非当籤の場合には、主制御基板71は、ART終了時の所定の処理を行う。なお、ラストフリーズの抽籤に当籤した場合、リミット処理が行われることが確定するため、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」に移行し、その後、上乗せ抽籤を一切行わない。
また、ラストフリーズの抽籤を行うタイミングは、「ART」の最終ゲームの任意のタイミングであってよく、例えば、「ART」最終ゲームの遊技開始時であってもよく、また、「ART」最終ゲームの第1停止操作時〜第3停止操作時であってもよい。なお、停止操作時とは、ストップスイッチ7Sがオンになったときであってもよく、また、オフになったときであってもよい。
[ART中に用いる各種データテーブル]
続いて、「ART」中の上乗せ抽籤などに用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
以下に示す図123〜図128は、ARTモードに関連する制御に用いられるデータテーブルである。具体的には、図123及び図124は、ARTモードの移行抽籤に用いられるデータテーブルであり、図125及び図126は、ARTモードに基づくゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルであり、図127及び図128は、ARTモードに基づく特化ゾーンのストックの上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルである。
また、図129〜図135は、チャンスモードに関連する制御に用いられるデータテーブルである。具体的には、図129は、「ART」移行時のチャンスモード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)を抽籤するために用いられるデータテーブルであり、図130〜図132は、それぞれのチャンスモードの移行抽籤に用いられるデータテーブルであり、図133〜図135は、それぞれのチャンスモードに基づくゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルである。
また、図136は、100ゲーム以上のゲーム数の上乗せを行う場合の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルであり、図137は、ラストフリーズを発生させるか否かの抽籤に用いられるデータテーブルである。
<ART_ARTモード移行抽籤テーブル>
初めに、図123を参照して、ART_ARTモード移行抽籤テーブルについて説明する。ART_ARTモード移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づきARTモードの移行先を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_ARTモード移行抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)毎に設けられるとともに、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のARTモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_ARTモード移行抽籤テーブルを用いたARTモードの移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役に基づいてARTモードの移行抽籤(通常処理)を行い、この抽籤結果に基づいてARTモードを移行させる。例えば、現在のARTモードが“モードB”の状態において「打順ベル」に当籤すると、12/256の確率で“モードA”への移行(転落)という抽籤結果が得られ、ARTモードが“モードB”から“モードA”へと移行する。
<MB作動_ARTモード移行抽籤テーブル>
次に、図124を参照して、MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルについて説明する。MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルは、MB作動時の共通処理において用いられ、ARTモードの移行先を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)ごとに抽籤結果(移行先のARTモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなMB作動_ARTモード移行抽籤テーブルを用いたARTモードの移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中のMB作動時にARTモードの移行抽籤(共通処理)を行い、この抽籤結果に基づいてARTモードを移行させる。例えば、現在のARTモードが“モード0”の場合、63/256の確率で“モードA”への移行(昇格)という抽籤結果が得られ、ARTモードが“モード0”から“モードA”へと移行する。
<ART_通常上乗せ抽籤テーブル>
次に、図125を参照して、ART_通常上乗せ抽籤テーブルについて説明する。ART_通常上乗せ抽籤テーブルは、「ART」中に行うARTモードに基づく上乗せ抽籤において用いられ、内部当籤役に基づき上乗せゲーム数(すなわち、「ART」を継続可能な期間を延長するゲーム数)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_通常上乗せ抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)毎に設けられるとともに、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_通常上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役及びARTモードに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。例えば、現在のARTモードが“モードA”の状態において「中チャンス」に当籤すると、28/256の確率で上乗せゲーム数として「30G」という抽籤結果が得られ、「ART」を継続可能な期間が30ゲーム分延長される。
ここで、ART_通常上乗せ抽籤テーブルを参照すると、本実施形態では、上乗せゲーム数の抽籤結果として「100A」「100B」「100C」が決定されることがある。これら「100A」〜「100C」は、少なくとも100ゲーム以上の上乗せゲーム数が確定する抽籤結果であり、「100A」〜「100C」が決定された場合には、主制御基板71は、続いて、後述の図136に示す共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、実際に上乗せするゲーム数を抽籤する。
なお、ARTモード“モード0”に対応するART_通常上乗せ抽籤テーブルと、ARTモード“モードA”〜“モードC”に対応するART_通常上乗せ抽籤テーブルとを比較すると、ARTモード“モード0”では、ART中の上乗せ抽籤などが抑制されていることが分かる。具体的には、ARTモードが“モード0”の状態では、強レア役である「強ベル」の当籤時にのみ上乗せが行われ、その他の役の当籤時には上乗せが行われない。
なお、「ART」を継続可能な期間(残りゲーム数)を延長する上乗せゲーム数を決定すると、主制御基板71は、自身が管理する所定のカウンタの値を更新(すなわち、残りゲーム数に上乗せゲーム数を加算)して、「ART」を継続可能な期間を延長する。このとき、副制御基板72は、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを契機として、遊技者に対して上乗せしたゲーム数を報知することとしてもよく、また、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を一時的に保持しておき、その後の所定の契機において遊技者に対して保持しているゲーム数を報知することとしてもよい。そのため、副制御基板72は、「ART」を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数するカウンタとして、遊技者に対して報知済みの期間(報知済みゲーム数)を計数するカウンタ(報知済みカウンタ)と、遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数)を計数するカウンタ(未報知カウンタ)とを有する。なお、メイン(主制御基板71)側で管理する「ART」を継続可能な期間を計数するカウンタの値は、サブ(副制御基板72)側で管理する報知済みカウンタの値と未報知カウンタの値との和に一致する。
ここで、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを「契機」として上乗せゲーム数を報知する、とは、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定した当該遊技に限られるものではなく、当該遊技から所定ゲーム数後に報知することを含むものである。すなわち、パチスロでは、決定した上乗せゲーム数を複数回の遊技にわたって行う連続演出の結果により報知することがあり、このような連続演出の結果として報知することも、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを「契機」として上乗せゲーム数を報知することに含めることとしてもよい。
また、一時的に保持しておいた上乗せゲーム数を報知する「所定の契機」は任意に設定することができ、例えば、見た目上の残りゲーム数(報知済みカウンタ)が所定値以下になった場合であってもよく、また、いわゆるレア役(本実施形態の場合、例えば「弱チャンス」「チャンスリプ」「中チャンス」「強ベル」など)が内部当籤役として決定されたにも関わらず、上乗せ抽籤に非当籤の場合であってもよく、また、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定してから所定ゲーム数経過後であってもよく、また、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定してから所定時間経過後であってもよい。
なお、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを契機として副制御基板72が上乗せゲーム数を報知することを、以下では「即報知」と呼ぶことがあり、また、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を副制御基板72が一時的に保持しておくことを、以下では「潜伏」と呼ぶことがある。また、本実施形態では、様々な条件を契機として上乗せ抽籤を行うこととしているが、上乗せゲーム数を即報知することや、潜伏させることは、ART_通常上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤の抽籤結果だけでなく、他の上乗せ抽籤の抽籤結果についても同様に適用することができる。
<MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
次に、図126を参照して、MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、MB作動時の共通処理において用いられ、ARTモードに基づき上乗せゲーム数を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルには、参照項目として現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなMB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中にARTモードに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。具体的には、主制御基板71は、ARTモードが“モード0”の状態では、MB作動時の共通処理において上乗せゲーム数を決定することがなく(「0G」が必ず決定)、“モード0”以外の状態では、MB作動時の共通処理において例えば12/256の確率で上乗せゲーム数として「50G」を決定し、「ART」を継続可能な期間を50ゲーム分延長する。
<ART_履歴種別抽籤テーブル>
次に、図127を参照して、ART_履歴種別抽籤テーブルについて説明する。ART_履歴種別抽籤テーブルは、内部当籤役に基づき履歴高確に移行するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_履歴種別抽籤テーブルは、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_履歴種別抽籤テーブルを用いた履歴高確への移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役に基づいて履歴高確への移行抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合、5ゲーム間の履歴高確状態をセットする。この5ゲーム間の履歴高確状態中は、図128で後述するART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照して「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤が行われ、このストック抽籤に当籤した場合、「上乗せ特化ゾーン」のストックが1つ付与される。例えば「中チャンス」に当籤すると、32/256の確率で履歴高確の当籤という抽籤結果が得られ、その後の5ゲーム間が履歴高確状態となる。
<ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブル>
次に、図128を参照して、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルについて説明する。ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルは、内部当籤役に基づき「上乗せ特化ゾーン」のストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、ガセ1、ガセ2、当籤)に対応する抽籤値が規定される。なお、抽籤結果「非当籤、ガセ1、ガセ2」は、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に非当籤であることを意味するが、抽籤結果「ガセ1、ガセ2」の場合、サブ(副制御基板72)側において所定の演出(例えば、非当籤であるものの、当籤を煽る演出)を実行する。
主制御基板71は、「ART」中の履歴高確中のみART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照して「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、「上乗せ特化ゾーン」の種類を抽籤により決定するとともに、「ART」から「上乗せ特化ゾーン」の状態に移行する。このようなART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを用いた「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤によれば、履歴高確中に例えば「中チャンス」に当籤すると、128/256の確率で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤という抽籤結果が得られる。
ここで、図127に示すART_履歴種別抽籤テーブルと、図128に示すART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルとを比較すると、両テーブルとも「打順ベル」「共通ベル、1枚」の当籤時は抽籤結果として「非当籤」のみが決定されることが分かる。同様に、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」の当籤時は、両テーブルとも所定の確率で「当籤」が決定されることが分かる。そのため、本実施形態では、履歴高確に移行可能な役が、履歴高確中に当籤すると所定の確率で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤することになる。言い換えると、本実施形態では、「ART」中の5ゲーム間にレア役(「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が2回当籤すると、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤する可能性がある。なお、本実施形態では、履歴データ(例えば、5ゲーム間の当籤役の履歴)を持つことなく、5ゲーム間の遊技結果に基づいて「ART」の上乗せに関する制御を可能にしているが、この点については後述する。
また、両テーブルを比較すると、ART_履歴種別抽籤テーブルでは、当籤したレア役の種類に応じて履歴高確への移行抽籤に当籤する確率が異なるのに対して、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルでは、当籤したレア役の種類に関わらず一律の確率(例えば、50%)で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤することが分かる。これにより、本実施形態では、履歴高確に移行できた場合には、レア役の種類に関係なく(いわゆる弱レア役の当籤時であっても)「上乗せ特化ゾーン」のストックが期待できることになる。
なお、ART_履歴種別抽籤テーブルを参照した履歴高確への移行抽籤は、ARTモードが“モード0”以外の状態において行われ、ARTモードが“モード0”の状態においては行わない。そのため、“モード0”中は履歴高確に移行することがない。図128に示すART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照した「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤は、履歴高確中のみ行うため、この点からもARTモード“モード0”は上乗せの期待度が低いことが分かる。
<ART_初期高確抽籤テーブル>
次に、図129を参照して、ART_初期高確抽籤テーブルについて説明する。ART_初期高確抽籤テーブルは、「ART」の開始時にチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードの初期状態を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_初期高確抽籤テーブルには、参照項目として「ART」への移行契機が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(ALL通常、チャンスA、チャンスB、チャンスA+B、チャンスC、チャンスA+C、チャンスB+C、ALL高確)に対応する抽籤値が規定される。
上述のようにチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”という複数のモードがある。ART_初期高確抽籤テーブルを参照した抽籤により決定される抽籤結果は、「ART」開始時に初期状態として“高確”をセットするチャンスモードの種類を示している。例えば、主制御基板71は、抽籤結果として「チャンスA」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“高確”、チャンスBモード“通常”、チャンスCモード“通常”をセットし、また、抽籤結果として「チャンスB+C」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“通常”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“高確”をセットし、また、抽籤結果として「ALL通常」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“通常”、チャンスBモード“通常”、チャンスCモード“通常”をセットする。
また、参照項目として設けられた「ART」への移行契機は、任意に設定することができるが、本実施形態では一例として以下のような移行契機を用いる。例えば、主制御基板71は、“レジェンド”の「SCZ」を経由して「ART」に移行した場合、「契機B」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_赤7リプA(No.29)」、「F_赤7リプB(No.30)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機C」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_赤BARリプ(No.28)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機D」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_黒BARリプ(No.37)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機E」の参照項目を用いて抽籤を行い、それ以外の条件を契機として「ART」に移行した場合、「契機A」の参照項目を用いて抽籤を行う。
このようなART_初期高確抽籤テーブルを用いた抽籤によれば、「契機C(「F_赤7リプA」「F_赤7リプB」)」を契機として「ART」に移行した場合、チャンスBモードの初期状態が必ず“高確”になり、また、「契機D(「F_赤BARリプ」)」を契機として「ART」に移行した場合、チャンスCモードの初期状態が必ず“高確”になる。ここで、上述のようにチャンスBモードは、赤7揃いに基づく上乗せを管理するモードであり、チャンスCモードは、赤BAR揃いに基づく上乗せを管理するモードである。そのため、赤7(「F_赤7リプA」「F_赤7リプB」)を契機として「ART」に移行した場合には、「ART」の初期状態が赤7揃いに基づく上乗せが優遇された状態となり、赤BAR(「F_赤BARリプ」)を契機として「ART」に移行した場合には、「ART」の初期状態が赤BAR揃いに基づく上乗せが優遇された状態となる。
<ART_チャンスモード移行抽籤テーブル>
次に、図130〜図132を参照して、ART_チャンスモード移行抽籤テーブルについて説明する。ART_チャンスモード移行抽籤テーブルは、チャンスモードの移行抽籤において参照され、図130は、チャンスAモードの移行抽籤に参照されるテーブルであり、図131は、チャンスBモードの移行抽籤に参照されるテーブルであり、図132は、チャンスCモードの移行抽籤に参照されるテーブルである。ART_チャンスモード移行抽籤テーブルは、チャンスモードの種類(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)及び現在のモード(“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”)ごとに設けられ、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_チャンスモード移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中にチャンスAモードが“通常”である状態で「チャンスリプ」に当籤すると、32/256の確率で“高確準備”への移行という抽籤結果が得られ、チャンスAモードが“通常”から“高確準備”へ移行する。なお、上述したように、主制御基板71は、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードを個別に管理する。すなわち、主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、当該内部当籤役に基づいて、チャンスAモードと、チャンスBモードと、チャンスCモードとのそれぞれの移行抽籤を個別に行う。
<ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブル>
次に、図133〜図135を参照して、ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルについて説明する。ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルは、チャンスモードに基づく上乗せ抽籤において参照され、図133は、チャンスAモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルであり、図134は、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルであり、図135は、チャンスCモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルである。ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルは、チャンスモードの種類(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)及び現在のモード(“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”)ごとに設けられ、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「打順リプ」、「SPリプA1」、「SPリプA2」、「SPリプB1」、「SPリプB2」、「弱チャンス、共通リプ」、「チャンスリプ」、「中チャンス、フェイクリプ」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役及びチャンスモード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)に基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。なお、主制御基板71は、「ART」中の単位遊技において、チャンスAモードに基づく上乗せ抽籤と、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤と、チャンスCモードに基づく上乗せ抽籤と、をそれぞれ行う。ただし、同図を比較すると分かるように、チャンスモードごとに上乗せ抽籤に当籤する可能性のある当籤役が異なるため、チャンスAモードに基づく上乗せと、チャンスBモードに基づく上乗せと、チャンスCモードに基づく上乗せとが重複することはない。
なお、本実施形態では、「ART」中にARTモードに基づく上乗せ抽籤を行うこととしているが、ARTモードに基づく上乗せと、チャンスモードに基づく上乗せとは、重複することがある。例えば、「強ベル」の当籤時に、ARTモードに基づいて上乗せゲーム数として「30G」が決定され(図125参照)、チャンスAモードに基づいて上乗せゲーム数として「50G」が決定された場合には(図133参照)、当該遊技において「80G(=30+50)」の上乗せが行われることになる。
ここで、図134に示すチャンスBモード用のART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルを参照すると、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤は、「SPリプA2」の当籤時に上乗せゲーム数が決定されることがある。図110において上述したように、「SPリプA2」の当籤時には、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される。上乗せが行われた場合に通常では揃い難い特定の図柄が揃うことは、上乗せと図柄揃いとが関連することから遊技の興趣を向上させることができる。「SPリプA2」の当籤時にチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤に当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」以外が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として右のリール3Rを停止させるとともに、図柄「赤7」を狙うことを促す演出(結果として“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示)を行うことが好ましい。一方で、「SPリプA2」の当籤時にチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として左のリール3Lを停止させることを促す演出(結果として“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示)や、第1停止操作として中のリール3Cを停止させるとともに、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出(結果として“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示)を行うこととしてもよい。
チャンスCモードについても同様であり、「SPリプA1」の当籤時にチャンスCモードに基づく上乗せ抽籤に当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」以外が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として中のリール3Cを停止させるとともに、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出(結果として“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示)を行い、「SPリプA2」の当籤時にチャンスCモードに基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として左のリール3Lを停止させることを促す演出(結果として“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示)や、第1停止操作として右のリール3Rを停止させるとともに、図柄「赤7」を狙うことを促す演出(結果として“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示)を行うこととしてもよい。
<共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブル>
次に、図136を参照して、共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルについて説明する。共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルは、「ART」中の上乗せ抽籤において抽籤結果として「100A」、「100B」、「100C」の何れかが決定された場合に参照されるテーブルである。共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルには、参照項目として「100A」、「100B」、「100C」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
主制御基板71は、「ART」中に行うARTモードに基づく上乗せ抽籤やチャンスモードに基づく上乗せ抽籤において「100A」、「100B」、「100C」の何れかを決定すると、共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、上乗せゲーム数の抽籤を行う。例えばARTモードに基づく上乗せ抽籤などにより「100A」を決定した場合、主制御基板71は、246/256の確率で上乗せゲーム数として「100G」を決定し、8/256の確率で上乗せゲーム数として「200G」を決定し、2/256の確率で上乗せゲーム数として「300G」を決定する。
<ART_ラストフリーズ抽籤テーブル>
次に、図137を参照して、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルについて説明する。ART_ラストフリーズ抽籤テーブルは、「ART」の終了時に内部当籤役に関係なくラストフリーズを行うか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルには、抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
主制御基板71は、自身が管理する「ART」の残りゲーム数を計数するカウンタの値が0になると、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルを参照した抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、「ART」の残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一方で、主制御基板71は、この抽籤に非当籤の場合には、次の図138に示す共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを参照した抽籤を行う。
<共通_終了時有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図138を参照して、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルは、例えば「ART」の終了時に内部当籤役に関係なく有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルには、抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを用いた終了時有利区間終了抽籤によれば、例えば「ART」のゲーム数を消化した終了時において、内部当籤役とは無関係に243/256の確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば「ART」のゲーム数を消化した終了時においては、内部当籤役とは無関係に13/256の確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく「ART」から「通常有利」の状態に移行することで有利区間が継続される。なお、本実施形態では、ART(AT)関連の処理においては、設定1〜6の全設定で共通のテーブルを採用している。これにより、ART(AT)の設定差が極端に高くなることで射幸性を煽りすぎることを抑制することができるとともに、主制御基板71におけるART(AT)抽籤に必要なデータ容量を削減することができる。
[有利区間の流れについて]
次に、図139〜図146を参照して、有利区間の流れについて説明する。図139〜図141は、有利区間の開始当初からベルナビを発生させる仕様例1を図示したものであり、仕様例1において打順ベル役及びMBの当籤する順番が異なる3パターンについて有利区間の流れを説明するための図である。図142は、第3実施形態の実施例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。仕様例1との相違点として、実施例1では、有利区間開始直後においてベルナビ抑制状態(ベルナビ非発生状態)となっている。図143は、仕様例1と実施例1との有利区間における払出量を比較するための図であり、図142に示される実施例1による効果を示したものである。図144は、仕様例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図であり、図145は、第3実施形態の実施例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図である。図146は、第3実施形態の実施例3として、設定変更がない場合の電源オン後と、設定変更がなされた場合の電源オン後について説明するための図である。なお、仕様例とは、各実施例の効果を説明するために例示した仕様であるが、各仕様例も周知技術ではなく、採用する場合に各々の仕様に応じた効果を発揮するものであり、企画者が意図する遊技性によっては課題の解決手段として適宜採用することができる仕様である。以下の説明において「MB」は、図109に示す「SMB」及び「LMB」のいずれも該当するため、これらを総称して「MB」と表記するが、主に当籤確率が高い「SMB」を想定しており、フラグ間状態については、図示を省略している。
<有利区間の終了条件>
図139〜図141に示す仕様例1及び図142に示す実施例1における有利区間の終了条件は、以下のとおりである。
条件1:打順ベルの当籤による押し順報知の少なくとも1回以上の発生
条件2:MBの少なくとも1回以上の入賞又は作動(入賞により作動するので、いずれに基づいて判定してもよい)
条件3:条件1又は条件2の少なくともいずれか一方を充足したことを前提として所定の終了条件が成立
この条件3における所定の終了条件が成立したときに有利区間を終了させるものであり、仕様例1と実施例1とで差はない。
なお、有利区間の開始時から所定期間経過(20ゲーム以上経過)又は当該有利区間の開始時から毎ゲーム有利区間の終了抽籤を行い、上述の条件1又は条件2の充足よりも以前に終了抽籤で当籤していた場合、終了フラグを設定しておき、ベルナビ発生により条件1を満たしたゲーム又はMB作動で条件2を充足したゲームにおいて条件3を充足したとみなして有利区間を終了させてもよい。また、条件3を充足してから有利区間を終了さるまでの間に、少なくとも1ゲーム以上の所定ゲーム数の移行待ち状態を設けてもよい。なお、説明の便宜上、MBと表記しているが、MB以外の所定のボーナスの作動を終了条件としてもよい。また、変形例として、ボーナス非搭載の機種、又はシングルボーナス(SB)や1ゲーム限りのCTボーナス(CB)のみをボーナスとして有する機種においては、条件2を設定せずに打順ベル成立によるナビ発生のみを有利区間終了の前提条件として設定しても問題ない。
<仕様例1>
仕様例1では、有利区間が開始されてから最初に打順ベルが当籤するまではベルナビ確定状態となる点に特徴がある。この仕様では、有利区間において打順ベルの当籤後、できる限り早期にベルナビ(押し順報知)を行い、有利区間の開始直後からベルナビ確定状態として、打順ベルに当籤すればそれに応じて1回目のベルナビが発生させられることとなり、その後は有利区間の終了抽籤の結果に応じて有利区間が終了される。この仕様は、実際に一様にメダルが増加するART状態である「ART」に当籤しない場合、なるべく早く有利区間を終了可能状態へと移行させることを目的とするものである。例えば、「通常有利」の有利区間に当籤した場合に、結果としてART非当籤であるにもかかわらず、過度に長いゲーム数を有利区間として報知し、遊技者が遊技を止めにくい状況で遊技の続行が強いられる場合に、最終的に当たらなかったのに当たりそうな煽りを極端に長く見せられたと感じた遊技者が遊技機への興味を著しく低下させる場合があり、そうした場合を適切に抑制することができる仕様である。
有利区間終了までの流れとして、図139〜図141の3パターンについて以下、図の順に説明を行う。
まず、図139は、有利区間開始後にMBよりも先に打順ベルに当籤し、MBに当籤することなく有利区間が終了した場合である。この場合は、ナビにより打順ベルが遊技者に獲得されるため、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生することとなる。打順ベルの当籤確率が約1/4であり、MBの当籤確率に設定差があるものの1/15〜1/17程度であることから、打順ベルがMBより先に当籤するというこのパターンは、発生の頻度が高い。なお、打順ベルに当籤して1回以上の押し順ナビが発生した後の有利区間終了前に、MBに当籤する場合も発生し得るが、MBの入賞及びMB作動中の獲得枚数は、押し順ナビの発生の影響を受けず、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」にも影響しないものである。詳しくは後述の図141にて説明する。合わせて説明するが、本仕様例及び実施例のMBは同じ仕様であり、目押し位置正解で9枚の払出、目押し位置不正解で8枚の払出が得られる仕様である。最低限の技量介入を担保するために、8枚が入賞する場合を設けているが、例えば少なくとも1以上のいずれかのリールに赤BARの図柄を目押しで停止させれば9枚獲得可能など、容易に入賞できるものとして初心者でも安心して遊技を行うことができる仕様としている。
次に、図140は、仕様例1おいて打順ベルよりも先にMBに当籤し、その後に打順ベルに当籤することなく有利区間が終了した場合のパターンを示している。このパターンは、前述の通り、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生しないものであるが、MBの方が打順ベルよりも当籤確率が低いため、図139に示すパターンよりも発生の頻度は低い。なお、単に当籤確率のみを考慮した場合、MB当籤確率を打順ベルよりも高い確率とすれば、ベルナビの発生頻度を抑えられるとも考えられるが、例え当該MBによる払出枚数が少ないものとしても、出玉試験における役物比率(全払出に占めるボーナスによる払出の割合が高すぎることに基づく不適合事由)の項目で不適合となる可能性があり、MB当籤確率を打順ベルよりも高めるという解決策を採用する場合は、出玉設計の自由度が極めて低いものとなる。
次に、図141は、仕様例1において打順ベルがMBよりも先に当籤してベルナビが発生したものの、その後の有利区間終了よりも前にMBが当籤したパターンである。この場合は、結果的にMBの当籤・作動により上記条件2を満たすことで有利区間の終了条件を成立させることができたため、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分ART(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「ART」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、有利区間突入直後に打順ベルナビの発生を許容する仕様が好ましくない方向に作用してしまったパターンといえる。なお、初回のベルナビ発生時点で即座に有利区間を終了させるという手法でこの事象を抑制することができるが、1/4程度の高確率で打順ベルが成立するため、有利区間ランプが点灯した直後に平均4ゲーム程度で、ベルナビが1回発生して有利区間が終了してしまうとなると、「通常有利」の状態を設けて適度なゲーム数の間、ARTに当籤するか否かを演出などで楽しませることが難しいという側面もあるため、この手法を採用した場合は、出玉設計や演出設計の自由度が大幅に狭くなることとなる。
<実施例1>
次に、図142を参照して実施例1に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例1では、有利区間について以下の条件が適用される。
第1条件:有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。
第2条件:MBの当籤確率が比較的高い1/17程度とされる(図109参照)。
第3条件:MB作動終了後、有利区間終了抽籤の抽籤結果に応じて有利区間が終了させられる。
これにより、有利区間が開始されてから100Gに達するまでは打順ベルに当籤しても有利区間の終了不能状態(ベルナビ非発生状態)とされる一方、MBの当籤確率が比較的高いため、100GまでにMBが当籤しやすく、その後、有利区間の終了可能状態(ベルナビ発生可能状態)としてゲーム(単位遊技)ごとに有利区間の終了抽籤が行われ、有利区間の終了に当籤することでMB作動終了後に有利区間が終了することとなる。この実施例1によれば、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分ART(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「ART」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、図139及び図141に示すように「通常有利」で打順ベルナビの発生によりベルを入賞させて出玉が獲得されるという、好ましくない事象を抑制することができる。なお、MB作動によるメダルの獲得は、ナビの影響を受けないため、「通常有利」でのナビ発生率を抑制することで、通常区間の「通常」と「通常有利」とのベース値(投入枚数に対する払出枚数の割合)を概ね近い値に抑制することができ、その分の出玉を「ART」に振り分けることができる。
このような実施例1による有利区間の流れでは、有利区間における押し順ナビの発生を適切に抑制することができ、出玉設計の自由度を高めることができる。具体的には、有利区間の「通常有利」の状態における出玉を増やさず、図143に示すように白抜き矢印で示す出玉分を「ART」などの出玉に割振ることができ、出玉の設計自由度を高めることができる。
ここまでの説明において、MBは、成立ゲームで必ず入賞する「SMB」として図示及び説明をした。一方、「LMB」では、成立ゲームでリプレイにより入賞が阻害され、ボーナスのフラグ間状態(持越し中)が発生する。ここで、ボーナスのフラグ間状態では、押し順ナビを発生させる仕様としてもよいし、あるいは発生させない仕様としてもよい。前述の「通常有利」の状態におけるベルナビ発生を抑制する観点からは、押し順ナビを発生させない仕様とすると効果的である。また、有利区間中に約1/448(図109の当籤番号No.49及びNo.50参照 当籤確率が146/65536)の当籤確率でLMBを当籤させたことに基づいて、「ART」に当籤させる場合などは、フラグ間状態、LMB入賞、LMB作動中、「ART」という流れでゲームを進めていくため、当該フラグ間状態も遊技者にART当籤状態と同視できる遊技状態となるので、ベルナビを発生させる仕様とすることが望ましい。なお、この実施例1の場合、持越し可能なボーナスが1種類であるが、例えばLMB1、LMB2など複数種類の持越し可能ボーナスを搭載した機種の場合は、持越し中のボーナス種別に応じて押し順ナビを発生させたり発生させなかったりして、ナビの有無でボーナスの種別を遊技者に対して推測させるようにしてもよいし、持越し中の打順ベル当籤ゲームでは、ナビを必ず発生させる仕様とするか、全く発生させない仕様として画一的に処理し、ナビの有無からボーナス種別の絞り込みが困難としてメインリールの停止出目(いわゆるリーチ目)でボーナス種別を絞り込ませるゲーム性としてもよい。
<仕様例2>
次に、図144を参照して仕様例2に係る有利区間終了時の流れについて説明する。同図に示すように、仕様例2では、ARTが所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、それに伴って有利区間も終了して初期化処理が行われる。これにより、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。このような有利区間終了時の流れによれば、ART中にはある程度の出玉を獲得することを期待しつつ遊技を行うことができるものの、それと引き換えにART終了後には通常区間へと移行してしまうことが確定しているため、遊技者は、ARTの終了時点で必ず遊技を終了しがちとなってしまう。すなわち、ARTの終了と共に有利区間も終了してしまう仕様であると、遊技の興趣を高めることができないばかりか、遊技機の稼働率低下も招きやすくなる。
<実施例2>
次に、図145を参照して実施例2に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例2では、ARTが所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、先述した終了時有利区間終了抽籤が行われる。この終了時有利区間終了抽籤の結果として「終了」となると、仕様例2と同様に、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。
一方、ARTの終了時に終了時有利区間終了抽籤の結果として「継続」に当籤すると、通常区間の「通常」に移行することなく有利区間初期通常モード抽籤により通常モードが決定され、有利区間の「通常有利」に移行する。このとき、「通常有利」の状態においては、基本的に有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)を超えているため、ゲームごとに有利区間終了抽籤が行われ、そうして有利区間終了抽籤に当籤すると、有利区間の初期化処理を経て通常区間の「通常」の状態に移行することとなる。
また、「通常有利」の状態では、通常モードのランクが昇格して高くなると(例えば“超天国”や“次回前兆”等の場合)、ART抽籤に当籤しやすくなり、そうしてART当籤すると、「ART前兆」等を経て再びARTに移行することとなる。
このような実施例2の有利区間終了時の流れによれば、ART終了後にあっても有利区間が継続して再びARTに移行するかもしれないという期待感が高められるので、遊技の興趣を高めることができ、遊技機の稼働率アップにも寄与することができる。
<実施例3>
次に、図146を参照して実施例3に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例3では、例えば開店時において表示ユニット100に表示される態様が異なる場合がある。
例えば、閉店後に電源を落とし、設定変更することなくそのまま開店前に電源オンとした後の初期状態では、同図の(a)に示すように、「通常」の状態に応じた一般的な表示態様が表示ユニット100に表示される。このとき、一般的には、遊技状態がRT1となっている。
一方、開店前などに設定変更(例えば、設定変更作業を行ったものの設定1から再度設定1を決定するなど同一設定への打ち直しを含む)がなされた後の初期状態では、同図の(b)に示すように、一般的に開店時に遊技状態として滞在するであろうRT1とは異なるRT0にあることを示唆するために、例えば「早起きは三文の徳ステージ」などといった表示態様が表示ユニット100に表示される。すなわち、設定変更後の開店時における初期状態では、遊技状態がRT0となっており、このRT0の「通常」状態であることが表示ユニット100において示唆される。
RT0と他のRT(例えばRT1)とにおいて「通常」の状態で有利区間に当籤した場合は、以下に示すような第1〜第3のいずれかのパターンで有利さに差が設けられている。
(第1のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:押し順ナビ2回以上となって出玉有りでARTに当籤しやすい。
他のRTで有利区間当籤の場合:押し順ナビ1回で出玉無しのままCZに当籤しやすい。
(第2のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ARTの当籤が確定。
他のRTで有利区間当籤の場合:AR又はCZのいずれかに当籤可能。
(第3のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ART及びCZのうち、ARTに当籤する比率が相対的に高い。なお、「相対的に高い」とは、ARTに当籤する比率が100%で、CZに当籤する比率が0%の場合を含むものとしてもよい。
他のRTで有利区間当籤の場合:ART及びCZのうち、ARTに当籤する比率が相対的に低い。なお、「相対的に低い」とは、ARTに当籤する比率が0%で、CZに当籤する比率が100%の場合を含むものとしてもよい。
このような実施例3の初期状態によれば、開店時の表示態様によって「通常」の状態でも有利さが期待し得る状態を判別することができ、遊技者が朝一で遊技機を選定する際の目安として有効に利用することができる。
なお、上述の仕様であると、遊技場側にとっては、設定変更がバレやすいというデメリットもある。同一設定への打ち直しを行えば、設定値が前日と変化したか否かを遊技者に推測されにくくすることはできるものの、設置台数が多い場合などは、全台を設定変更する作業に膨大な労力がかかる。そこで、電源投入時に、前回の電断から所定時間経過したことを条件として、電源投入後は設定変更時と同一の図146(a)に示すような画面を表示させるものとしてもよい。この場合の所定時間とは、営業中の一時的な電断で図146(a)に示すような示唆画面が表示されないように、例えば2時間あるいは4時間程度の時間として深夜の電断後に一般的に経過するであろう時間長さとすることが望ましい。
そして、携帯端末連動機能(ユニメモ(登録商標))などメーカーが提供するサービスを積極的にユーザが利用し得るように、携帯端末連動機能をONにする操作を遊技者が遊技機で行った場合のみ図146(a)に示すような開店時の有利画面を表示させる仕様としてもよい。また、遊技者がメダルを1枚も投入していない客待ち画面では、設定変更状態か否かを判定することができないように、共通の客待ち画面(デモ画面)を表示するものとしてもよい。このようにすることにより、メダルを借りて実際にメダルを投入することで初めて状態を判別することができるようになるので、まず遊技者に着席してメダルを借りようという動機付けと開店時からの来店の動機付けを行うことができる。しかし、開店時の遊技客が極端に少ない店舗では、借りたメダルを持って複数の台を渡り歩いて有利なRT0を独占しようとする遊技者が現れる場合もある。そのような遊技者に対する対策として、図146(a)に示すような設定変更示唆画面を表示可能とするか否かをホールメニューで遊技場のスタッフが任意に設定可能として、設定変更を遊技者に判別されたくない店舗では、設定変更時においても図146(b)に示すような通常画面が表示される設定を可能とする機能を備えるようにしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。続いて、パチスロ機1の主制御基板71及び副制御基板72が有する各種機能について説明する。
主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段、有利状態告知手段、モード制御手段、及びRT制御手段として機能する。ストップボタン7L、7C、7Rは、停止操作手段として機能する。リール3L、3C、3R及び表示窓4は、可変表示手段として機能する。副制御基板72及び報知ランプ147aは、操作態様報知手段として機能する。状態表示器147bは、有利状態告知手段として機能する。これらの機能については、以下の付記において説明し、実施形態において対応するものを末尾に括弧書き付す。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に説明するような機能などを備えたものでもよい。
例えば、ART終了時の終了時有利区間終了抽籤で当籤(継続)した場合には、所定ゲーム数にわたって「通常有利」の有利区間における滞在が保障される保障区間の状態を設けるようにしてもよい。保障区間を設けた場合は、終了時有利区間終了抽籤に当籤したにもかかわらず、例えば1ゲームや2ゲームで終了するような事態を回避することができ、たとえ有利区間が継続されても遊技者がストレスを感じるようなことを抑制することができる。
上記保障区間としては、例えば20ゲーム等といった固定的な期間を付与するようにしてもよい。固定的な期間とした場合、主制御基板71による出玉抽籤の処理による負荷を軽減することができ、ゲーム性も明瞭となる。一方、保障区間として付与されるゲーム数等を保障区間の継続及び終了に関する条件に基づき抽籤で決定するようにしてもよい。保障区間自体の付与についても決定するようにしてもよい。さらに、終了時有利区間終了抽籤によって当籤となる継続と共に一括して保障区間のゲーム数等を決定するようにしてもよい。そうした場合、抽籤処理に必要なデータを軽減することができる。終了時有利区間終了抽籤とは別途の抽籤によって保障区間のゲーム数等を決定するようにした場合は、多彩なゲーム性を実現することができる。
また、上記保障区間については、ゲーム数を管理することなく、所定役(例えばベルあるいはリプレイ、MB等)が所定回数当籤又は入賞するまで継続させるようにしてもよい。
「通常有利」における有利区間終了抽籤については、上記保障区間が終了するまで行わないようにしてもよいし、保障区間中に行うようにしてもよい。保障区間中の有利区間終了抽籤において当籤(終了)した場合は、その当籤結果を例えばフラグとして記憶しておき、保障区間の終了時又はその終了時の次ゲームで通常区間(「通常」)へと移行させるようにしてもよい。
保障区間中であることや保障区間の終了条件が成立した旨を示唆あるいは報知するようにしてもよい。そうした場合、ART終了後にチャンスであることが分かりやすくなり、遊技者にとっては遊技意欲の低下を抑制することができ、ひいては遊技機の稼働率をも高めることができる。例えば、表示ユニット100に「チャンス状態継続確定残り20ゲーム」等と表示することで明確に報知してもよいし、ARTが当籤しやすいことを示唆するステージ等を表示するような演出を行うようにしてもよい。また、映像、音、ランプなどの演出実行手段により保障区間専用の演出態様で演出を実行可能としてもよい。
保障区間の可否については、設定差を設けるようにし、設定値に基づいて保障区間に関する決定についての有利度合いを異ならせるようにしてもよい。例えば、保障区間のゲーム数を抽籤で決定する場合に、設定1であれば平均20ゲームとし、設定6であれば平均50ゲームとなるように設定し、高設定になるほどARTの引き戻し(ARTが終了してからすぐに再度ARTに当籤すること)が発生しやすい仕様としてもよい。そうした場合、遊技者は、有利区間の終了について、状態表示器147bの消灯を確認することで確実に察知することができ、ART終了後の有利区間のゲーム数を確実に把握することができる。さらに、遊技者は、把握したART終了後有利区間のゲーム数に応じて設定値を推測することができ、ART終了後の出玉が減る状態であっても、設定値推測や引き戻しの期待感を持ちつつ遊技を行うことで遊技の興趣が高められる。
[パチスロに特有の別制御]
続いて、図147〜図153を参照して、本実施形態のパチスロ機1に特有の別の制御について説明する。
<通常有利中の経過ゲーム数と特典との関係>
初めに、図147を参照して、「通常有利」中の経過ゲーム数と特典との関係について説明する。なお、図147に示す例では、上述の実施例1における終了条件を採用している。具体的には、第1条件として「有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。」という条件を採用している。もちろん、以下に示す説明においても、上述の仕様例1における終了条件を採用することとしてもよい。
上述したように本実施形態のパチスロ機1では、「通常(通常区間)」から「ART(有利区間)」を目指して遊技を行う遊技性を有し、主制御基板71は、「通常」中に有利区間移行抽籤を行っている。この移行抽籤において「ART」に当籤した場合には、「通常」から「ART」に直接移行できるものの、多くの場合において「通常」から「通常有利(有利区間)」を経由して「ART」に移行する。図102に示すように、「通常有利」中は「ART」中に比べて報知内容(押し順指示)が制限され、例えば、高RT(RT3)への移行や高RTを維持するための報知が行われないため、「ART」に比べて不利な状態であり、本実施形態の場合、出玉率が1を超えない区間として設計されている。そのため、通常区間から有利区間に移行できた場合であっても、「ART」ではなく「通常有利」に移行してしまった場合には、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵が少なく、遊技意欲が低減してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数に応じて遊技者に対して所定の特典を付与する。具体的には、図147に示すように、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数が「20G」に達すると第1の特典(特典1)を付与し、「40G」に達すると第2の特典(特典2)を付与し、「80G」に達すると第3の特典(特典3)を付与する。なお、第1の特典、第2の特典、第3の特典は、SCZモードの移行(昇格)であり、「通常有利」中の経過ゲーム数が多いほど上位のSCZモードに移行し易い(図116参照)。
上述したように、設定差があるもののMBは1/15〜1/17程度の確率で当籤するため、「通常有利」中の経過ゲーム数が「20G」、「40G」に達することは現実的にあり得るものであり、また、「80G」にも稀に到達し得る。しかしながら、このときに付与する特典は、SCZモードの昇格抽籤であり、そして、SCZモードが昇格した場合には「SCZ」という「ART」のチャンスゾーンに移行し易くなるだけであり、直ちに「ART」に移行するわけではない。そのため、「通常有利」中の経過ゲーム数に応じてSCZモードの昇格という特典を付与したとしても、遊技者に対して過度な特典を付与することにならず、射幸性を徒に高めることがない。一方で、遊技者にとってみれば、「通常有利」中の経過ゲーム数が増えるほど、「SCZ」という「通常有利」とは異なる遊技性の状態に移行し易くなるため、遊技性が多彩に変化することになり、遊技の興趣が向上する。
また、「通常有利」中の経過ゲーム数が「120G」に達すると、主制御基板71は、第4の特典(特典4)を付与する。この第4の特典は、“ハマリ天井”であり、SCZモードが専用のモード“高確”となり、「ART」に移行するまでSCZモードが転落することがなくなる。このようにパチスロ機1では、「通常有利」中の経過ゲーム数が「120G」に達すると、その後の「ART」への移行が確定する。ここで、打順ベルの当籤確率は約1/4であり、仮に上述の実施例1における第1条件を採用した場合であっても、打順ベル及びMBの何れにも当籤せずに「通常有利」が120ゲーム経過することは極めて稀である。また、「通常有利」が120ゲーム経過していた場合、「通常有利」中に所定量のメダルを消費してしまっていることがあるため、このような極めて稀なケースにおいて「ART」が確定する“ハマリ天井”とした場合であっても、遊技者に対して過度な特典を付与することはない。
なお、「通常有利」は有利区間であるため、「通常有利」中の経過ゲーム数は、リミット処理が行われるゲーム数の計数に含まれる。そのため、「通常有利」に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知する有利区間(「ART」)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
なお、主制御基板71は、「通常有利」が予め定められた所定の期間継続したときに何らかの特典を付与可能であればよく、長期間滞在するほど大きな特典を付与するものに限られるものではない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、報知ランプ147aを制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するとともに、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、操作態様報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数を計数するとともに、経過ゲーム数に応じて遊技者に対して特典(SCZモードの昇格)を付与することから、主制御基板71は、計数手段及び特典付与手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数を管理する所定のカウンタを設け、基本的には、この残りゲーム数が0になると「ART」を終了するが、一連の有利区間中に行われたゲーム数(例えば、「ART」中の経過ゲーム数と「通常有利」中の経過ゲーム数との和)が1500回に達すると、「ART」の残りゲーム数に関わらず有利区間を終了するリミット処理を行うため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<疑似的な履歴抽籤>
続いて、図148及び図149を参照して、「ART」中の疑似的な履歴抽籤について説明する。なお、図148は、本実施形態のパチスロ機1における疑似的な履歴抽籤の概要を示す図であり、図149は、疑似的な履歴抽籤の別例の概要を示す図である。
従来のパチスロでは、過去の遊技に関する履歴データを保持しておき、この履歴データに基づいて様々な抽籤を行うことがある。このような従来のパチスロでは、容量に余裕のあるサブ(副制御基板72)側で様々な抽籤を行っていたため、問題にはならなかったが、近年のパチスロでは、出玉に関する抽籤をメイン(主制御基板71)側で行わなければならず、容量が限られるメイン側で履歴データを保持したり、また、履歴データに基づいて各種の抽籤を行っていたのでは、データ容量や処理負荷が増大してしまう。一方で、過去の遊技の履歴も加味して抽籤が行われることで多彩な遊技性を実現することができるため、興趣が向上するとともに、遊技者からすると、レア役などが連続して当籤した場合にいわゆる引き損感を感じることがなくなるため、安心して遊技を行うことができる。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図148及び図149に示す制御を行うことで、疑似的な履歴抽籤を実現する。具体的には、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71による制御と副制御基板72による制御とを組み合わせることで、疑似的な履歴抽籤を実現する。
ここで、図148(A)は、疑似的な履歴抽籤の内部的な抽籤仕様の例を示す図であり、主制御基板71による制御例を示している。上述したように本実施形態では、主制御基板71は、「ART」中に履歴高確への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤した場合に5ゲーム間の履歴高確に移行する。そして、主制御基板71は、この5ゲーム間の履歴高確中に「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、当籤した場合に特典(「上乗せ特化ゾーン」のストック)を付与し、非当籤のまま5ゲームが経過すると、履歴高確を終了する。これにより、本実施形態では、短期間(5ゲーム間)にレア役に連続して当籤した場合に特典を付与することができる。
続いて、図148(B)は、疑似的な履歴抽籤の演出例を示す図である。過去の履歴を参照していると遊技者に錯覚させるために、副制御基板72は、表示ユニット100の所定の表示領域に、履歴表示窓と履歴アイコンとを表示する。履歴表示窓は、過去の遊技の履歴を表示するための表示領域であり、例えば、5ゲームに相当する5つの表示領域から構成される(なお、履歴表示窓は、所定の演出情報(後述の履歴アイコン)が所定回数分の遊技に対応して表示される表示領域であればよく、必ずしも窓枠の領域に限られるものではない。窓枠の領域とすることで、所定の演出情報を表示しない場合であっても、当該所定の演出情報が表示される領域であることを遊技者が識別可能である点で好適であるが、他の演出との重なりを考慮して、履歴の表示領域であることを明示する窓枠などを設けずに、レア役に当籤や入賞した場合に所定の演出情報の表示のみを行うこととしてもよい)。5つの表示領域のそれぞれは、今回の遊技から複数回数前の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応して設けられており、例えば、一番左の表示領域(窓)は、前回の遊技の履歴を表示し、左から2番目の表示領域(窓)は、2ゲーム前の遊技の履歴を表示し、左から3番目の表示領域(窓)は、3ゲーム前の遊技の履歴を表示し、左から4番目の表示領域(窓)は、4ゲーム前の遊技の履歴を表示し、一番右の表示領域(窓)は、5ゲーム前の遊技の履歴を表示する(なお、詳細には、今回の遊技の開始操作〜第3停止操作までは、一番左の表示領域に前回の遊技の履歴を表示し、今回の遊技の第3停止操作〜次回の遊技の開始操作が行われるまでは、一番左の表示領域に今回の遊技の履歴を表示する(他の表示領域についても同様である))。
そして、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤に当籤し得るレア役(「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が内部当籤役として決定されると、表示窓の対応する表示領域に所定の演出情報(履歴アイコン)を表示する。図148(B)に示すように、この履歴アイコンとして、“赤アイコン”と“緑アイコン”とを有し、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤した場合には、“赤アイコン”又は“緑アイコン”を所定の確率で表示し、履歴高確への移行抽籤に非当籤の場合には、必ず“緑アイコン”を表示する。これにより、履歴高確への移行抽籤に非当籤の場合に“赤アイコン”が表示されることがなくなるため、“赤アイコン”は、履歴高確に当籤していることを報せる役割を有することになる。
なお、副制御基板72は、レア役が内部当籤役として決定されたことを条件に履歴アイコンを表示することとしてもよく、また、レア役に応じた図柄の組合せが表示されたことを条件に履歴アイコンを表示することとしてもよい。ここで、レア役に応じた図柄の組合せは、レア役が内部当籤役として決定されないと表示されることがないため、副制御基板72は、「レア役が内部当籤役として決定されたことに応じて、」履歴アイコンを表示するといえる。この点は、図149に示す疑似的な履歴抽籤の別例についても同様である。
一方で、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤に当籤することがない「打順ベル」、「共通ベル、1枚」が内部当籤役として決定された場合、表示窓の対応する表示領域に“赤アイコン”及び“緑アイコン”の何れも表示しない。その結果、5ゲーム分の表示窓には、5ゲーム間のレア役の当籤履歴が“赤アイコン”及び“緑アイコン”を用いて表示されることになる。なお、履歴アイコンを表示する表示領域の位置は、遊技の進行に応じてスライドする。図148(B)に示す例では、一番左の表示領域に表示されていた“赤アイコン”は、次ゲームの終了時に一つ右の表示領域にスライドしている。これにより、履歴アイコンは、レア役が当籤してから5ゲーム後に表示窓から消えるため、履歴高確中は履歴アイコンが表示窓内に表示されることになる。
その後、履歴高確中に再びレア役が内部当籤役として決定されると、副制御基板72は、表示窓の対応する表示領域に履歴アイコンを表示する。なお、このとき表示する履歴アイコンの種別の決定は、今回当籤したレア役に基づく履歴高確の移行抽籤に基づいて行うこととしてもよく、また、履歴高確中の「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤の結果に基づいて行うこととしてもよく、また、双方を加味して行うこととしてもよい。その結果、履歴高確中にレア役に当籤した場合、5ゲーム分の表示窓内に履歴アイコンが少なくとも2つ表示されることになる。
このとき、図148(A)に示すように、内部的には履歴高確中のレア役という当該遊技の結果のみに基づいて「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、過去の履歴を参照していないものの、副制御基板72は、表示窓内に表示された複数の履歴アイコンや、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。遊技者からすると、過去の履歴を表示する表示窓や過去の履歴を示す履歴アイコンが発光することで、あたかも履歴抽籤が行われたかのように感じるため、遊技の興趣が向上する。一方で、メイン側の制御としては、主制御基板71は、特定の条件を満たした場合に限り履歴高確という状態であることを把握可能であればよく、従来のように5ゲーム分の履歴データを毎遊技更新して保持し続ける必要がないため、データ容量や処理負荷が増大することがない。
なお、ここでは1ゲームの進行毎に履歴アイコンの表示が更新される場合を例示したが、履歴アイコンの表示の更新条件は、これに限られるものではなく任意に設定することができる。一例として、副制御基板72は、履歴アイコンに対応する内部当籤役が成立する度に履歴アイコンの表示を更新することとしてもよく、また、再遊技役以外の内部当籤役が成立する度に履歴アイコンの表示を更新することとしてもよい。このように所定の役が内部当籤役として決定される度に履歴アイコンの表示を更新することで、疑似的な履歴抽籤演出が行われる状態を一定ゲーム数に定めず所定の期間継続させることができる。また、副制御基板72は、内部当籤役としてハズレ(内部当籤役非当籤)が5回決定されたら履歴高確を終了、打順役が5回成立したら終了など履歴高確の終了条件を一定のゲーム数消化以外の条件と関連付けしてもよい。なお、打順役が5回成立するとは、打順役が内部当籤役として5回決定されたことであってもよく、また、打順役が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われた結果、遊技者にとって有利な図柄の組合せが停止表示されたことであってもよい。また、副制御基板72は、反対に、打順役が5回不成立した場合、すなわち、打順役が内部当籤役として決定されたにも関わらず不正解の押し順で停止操作が行われ、結果、遊技者にとって不利な図柄の組合せが停止表示された場合に、履歴高確の終了することとしてもよい。この場合に、1つの履歴表示窓に複数のアイコンが表示されることのないように適宜履歴アイコンの表示ルールや更新タイミングを定めるものとしてもよい。例えば、ハズレ5回で履歴高確を終了させる場合などはハズレ又はレア役当籤となる度に履歴アイコンを1つ進める更新するなどの更新ルールとすればよい。
なお、副制御基板72は、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤の結果に応じて、表示窓や履歴アイコンを用いた演出の態様を変化させることとしてもよい。例えば、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤している場合に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出(例えば、表示窓の周囲を大きく発光)を行い、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に非当籤している場合に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出(例えば、表示窓の周囲を小さく発光)を行うこととしてもよい。
続いて、図148(C)は、疑似的な履歴抽籤における演出例2である。図148(B)では、履歴高確中に再びレア役が当籤した場合の演出例を示していたが、図148(C)では、最初のレア役当籤時に履歴高確の移行抽籤に当籤することなく、その後、5ゲーム以内に再びレア役に当籤した場合の演出例を示す。この場合、2度目のレア役当籤時は履歴高確中ではないため、メイン側において「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤は行わないが、副制御基板72は、履歴高確中のレア役当籤時と同様に、表示窓内に表示された複数の履歴アイコンや、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。このようにすることで、内部的に履歴高確中ではない場合であっても、あたかも履歴抽籤が行われたかのように感じさせることができる。
なお、メイン側と比べてサブ側には制限が少ないため、副制御基板72は、任意の方法により、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うことができる。一例として、副制御基板72は、履歴データを保持しておくことで、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うこととしてもよく、また、表示窓内に履歴アイコンが複数表示されたという情報に基づいて、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うこととしてもよい。
ところで、図148に示す例では、疑似的な履歴抽籤として、所定ゲーム数(5ゲーム)の間にレア役が複数回(2回)当籤した場合を例にとって説明したが、履歴抽籤には、このような履歴抽籤の他に、所定役が「連続」して当籤した場合に行う履歴抽籤も含まれる。続いて、図149を参照して、所定役が連続して当籤した場合の疑似的な履歴抽籤方法について説明する。なお、図149では、ベルが4回連続して当籤した場合に所定の特典を付与する方法について説明する。
図149(A)(B)は、疑似的な履歴抽籤の内部的な抽籤仕様の例を示す図であり、主制御基板71による制御例を示している。図149(A)に示すように、主制御基板71は、履歴高確の状態として“非高確”、“履歴高確A”、“履歴高確B”、“履歴高確C”を有する。図149(A)(B)に示すように、主制御基板71は、“非高確”においてベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を1ゲームで終了する“履歴高確A”に移行する。そして、主制御基板71は、この“履歴高確A”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を“履歴高確B”に移行し、“履歴高確A”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確A”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。
また、主制御基板71は、“履歴高確B”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を“履歴高確C”に移行し、“履歴高確B”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確B”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。そして、主制御基板71は、“履歴高確C”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、「ART」を継続可能な期間を延長するなどの特典を付与し、“履歴高確C”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確C”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。なお、“履歴高確C”中にベルが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、履歴高確の状態を“履歴高確C”のまま維持することとしてもよく、また、“非高確”に移行することとしてもよい。
続いて、図149(C)は、ベルが連続して当籤した場合の疑似的な履歴抽籤における演出例である。副制御基板72は、ベルが内部当籤役として決定されると、表示窓の対応する表示領域にベルの当籤や入賞を示唆する“ベルアイコン”を表示し、反対に、ベルが内部当籤役として決定されないと、表示窓の対応する表示領域に“ベルアイコン”を表示しない。
そして、副制御基板72は、“ベルアイコン”が表示窓に4個連続して表示されると、表示窓内に表示された複数の“ベルアイコン”や、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。これにより、メイン側で履歴データを持つことなく、ベルが連続して当籤したことに基づいて特典が付与されたかのように感じさせることができる。
なお、図149に示す例では、ベルの当籤時に履歴高確の状態が必ず一つ昇格し、また、履歴高確の状態が最上位の状態(“履歴高確C”)の場合にベルに当籤すると、必ず特典を付与することとしているが、これに限られるものではない。例えば、主制御基板71は、ベルの当籤時に履歴高確の状態を所定確率で一つ昇格させることとしてもよい。また、例えば、主制御基板71は、ベルの当籤時に履歴高確の状態を一度に複数段階昇格可能としてもよい(例えば、95%の確率で一つ昇格し、5%の確率で二つ昇格するなど)。また、これらの場合、現在の履歴高確の状態ごとに確率を異ならせることとしてもよい。また、主制御基板71は、履歴高確の状態が最上位の状態の場合にベルに当籤すると、所定確率で特典を付与することとしてもよい。
なお、ここまで主制御基板71と副制御基板72との処理を合わせる形で、疑似的な履歴抽籤を行う場合について説明したが、主制御基板71の処理負荷をさらに軽減させるために、主制御基板71において履歴高確の状態を持たずに、副制御基板72により制御される演出表示のみで擬似的な履歴抽籤演出を行うものとしても良い。
この場合、主制御基板71は所定役の当籤に基づいて特典の付与を決定すればよく、5ゲーム相当の履歴高確状態を持たないものとできる。副制御基板72は、所定役が当籤した場合に対応する第1の履歴アイコンの表示を行う。その後、5ゲーム以内に、内部当籤役に応じて主制御基板71により特典が付与された場合は、副制御基板72は、当該ゲームに対応する表示領域に第2の履歴アイコンを表示し、第1及び第2の履歴アイコンと履歴表示窓とを用いて履歴を参照して当ったかのような演出を行うものとしてもよい。このようにすることで、あたかも履歴抽籤が行われたかのような印象を遊技者に与えつつも、主制御基板71の処理をさらに軽減することができる。
なお、第1の履歴アイコンと第2の履歴アイコンの表示ゲームにおける内部当籤役は同じ役であっても異なる役であってもよい。例えば、第1の履歴アイコンの表示ゲームはレア役の1種であるチェリー役、第2の履歴アイコンの表示ゲームは他のレア役であるスイカ役などどとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、疑似的な履歴抽籤を行う際に、今回の遊技から複数回前の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応して設けられた、5つの表示領域を有する表示窓を表示ユニット100に表示するため、パチスロ機1は、表示窓を有する。
また、主制御基板71は、「ART」中のレア役当籤を契機に行う履歴高確への移行抽籤に当籤すると、履歴高確を開始し、この履歴高確中に5ゲームの遊技が行われると、履歴高確を終了するため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。そして、主制御基板71は、履歴高確中にレア役に当籤すると、「上乗せ特化ゾーン」のストック付与という特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
そして、副制御基板72は、「ART」中にレア役が内部当籤役として決定されたことに応じて、表示ユニット100に表示される表示窓が有する複数の表示領域のうちの、レア役が当籤役として決定された遊技に対応する表示領域に、履歴アイコンを表示するとともに、主制御基板71が履歴高確中のレア役当籤に伴い特典を付与する場合(すなわち、表示窓に履歴アイコンが2つ以上表示された場合)に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出を行うため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
<ART中の上乗せ報知>
続いて、図150を参照して、「ART」中の上乗せ報知(上乗せ演出)に関して説明する。パチスロでは、ART(AT)中にスイカやチェリーなどの遊技者が注目し易いレア役を契機に上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合に当籤した上乗せを報知することが一般的に行われているが、レア役に当籤したにも関わらず上乗せが行われない頻度が高いと遊技者の落胆を誘うことになり、遊技の興趣が低下してしまう。この点、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示すように遊技者が注目し易いレア役の当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高めることとしている。なお、以下においてレア役とは、ART中の上乗せ抽籤に当籤し得る役をいい、例えば、ARTモードに基づく上乗せ抽籤の場合、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が相当する(図125参照)。
図150(A)は、副制御基板72による上乗せ報知の概要を示す図である。本実施形態において副制御基板72は、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定すると上乗せを即報知することもあれば、潜伏させることもある。図150(A)に示すように、上乗せゲーム数を潜伏してい状態では、副制御基板72は、例えば、その後に主制御基板71が行った上乗せ抽籤において非当籤の場合に、潜伏させた上乗せのゲーム数を代わりに報知する。一方で、上乗せゲーム数を潜伏している状態であっても、その後に主制御基板71が行った上乗せ抽籤に当籤している場合には、副制御基板72は、例えば、潜伏分の上乗せゲーム数を保持したまま、当該上乗せ抽籤の結果として決定された上乗せゲーム数を報知する。これにより、上乗せゲーム数を潜伏している状態では、上乗せ抽籤の結果に関わらず、上乗せの報知が行われることになるため、上乗せの報知が行われる頻度を高めることができる。
ここで、主制御基板71は、レア役の当籤時に通常処理に基づき上乗せ抽籤(図125参照)を行う他、MBの作動時(すなわち、MBに応じた図柄の組合せが表示されて、MBの作動が行われた時)に共通処理に基づき上乗せ抽籤(図126参照)を行うが、副制御基板72は、MB作動時の上乗せ抽籤に当籤した場合、基本的に上乗せゲーム数を即報知することなく、未報知のまま保持する(潜伏させる)。そして、副制御基板72は、その後、レア役の当籤を契機とする上乗せ抽籤時に、潜伏させていたMB作動時の上乗せゲーム数を代わりに報知する。これにより、遊技者が注目し易いレア役の当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高めることができる。一方で、MB作動時には上乗せの報知は行われないものの、遊技者からすると、MB作動時にはそもそも上乗せ抽籤自体が行われていないと感じるだけであり、MB作動時の上乗せ報知の頻度に高低が生じるわけではなく、遊技者の落胆を誘うことがない。
続いて、図150(B)は、副制御基板72が上乗せの報知を行う際の制御例1を示す図である。図150(B)に示す制御例1では、まずMB作動時の上乗せ抽籤において主制御基板71が「50G」の上乗せゲーム数を決定している。副制御基板72は、MB作動時の上乗せゲーム数を報知することなく保持する結果、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を加算する。
図150(B)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行い、「10G」の上乗せゲーム数を決定している。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているものの、レア役を契機とする上乗せ抽籤に当籤しているため、副制御基板72は、保持している「50G」は維持したまま、今回決定された「10G」の上乗せゲーム数を報知する。そのため、遊技者には、レア役の当籤に伴い10ゲームの上乗せが行われたことが報知される。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を維持したままであるため、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持している。
図150(B)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行っているが、この上乗せ抽籤には当籤しなかった。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているため、副制御基板72は、保持している「50G」の範囲で上乗せゲーム数を報知する。具体的には、副制御基板72は、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数を、潜伏分のゲーム数として保持しているゲーム数の範囲で報知する。図125を参照して、例えば、「弱チャンス」を契機とする上乗せ抽籤では、上乗せゲーム数として「10G」、「20G」、「30G」が決定される可能性があり、潜伏分のゲーム数として保持している「50G」が決定されることはない。そのため、この場合には、副制御基板72は、「10G」、「20G」、「30G」の何れかを報知する。また、例えば、「強ベル」を契機とする上乗せ抽籤では、上乗せゲーム数として「30G」、「50G」、「100A(100G以上)」が決定される可能性があるものの、潜伏分のゲーム数として保持している「50G」しか保持していない。そのため、この場合には、副制御基板72は、「30G」、「50G」の何れかを報知し、保持している潜伏分のゲーム数を超える「100G以上」を報知することはない。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数の範囲において報知すればよく、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数のうちの最大のゲーム数を報知する必要はなく、潜伏分のゲーム数の範囲において、その一部又は全部を適宜報知することができる。
図150(B)に示す制御例1では、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として保持しているゲーム数の範囲の中から、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数として「50G」を決定し、「50G」の上乗せゲーム数を報知している。これにより、遊技者には、あたかもレア役の当籤に伴い50ゲームの上乗せが行われたかのような報知が行われることになる。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を報知したため、この時点において、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「0G」となる。
続いて、図150(C)は、副制御基板72が上乗せの報知を行う際の制御例2を示す図である。図150(B)に示す制御例1では、副制御基板72は、レア役当籤時の上乗せ抽籤に非当籤の場合に、潜伏分の上乗せゲーム数を代わりに報知することとしているが、図150(C)に示す制御例2では、副制御基板72は、レア役当籤時の上乗せ抽籤に当籤した場合に、当籤した上乗せゲーム数に潜伏分の上乗せゲーム数を加えて報知する。
具体的には、図150(C)に示す制御例2では、まずMB作動時の上乗せ抽籤において主制御基板71が「50G」の上乗せゲーム数を決定している。副制御基板72は、MB作動時の上乗せゲーム数を報知することなく保持する結果、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を加算する。
図150(C)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行い、「10G」の上乗せゲーム数を決定している。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているため、副制御基板72は、上乗せ抽籤において当籤した「10G」に潜伏分の上乗せゲーム数を加えて報知する。具体的には、副制御基板72は、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数を、上乗せ抽籤において当籤した上乗せゲーム数と、潜伏分のゲーム数として保持している上乗せゲーム数との和の範囲で報知する。図150(C)に示す制御例2では、上乗せ抽籤において当籤した上乗せゲーム数と、潜伏分のゲーム数として保持している上乗せゲーム数との和は「60G」であるが、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数として「60G」はなく「50G」があったものとする。そこで、副制御基板72は、「50G」の上乗せゲーム数を報知している。これにより、遊技者には、レア役の当籤に伴い10ゲームの上乗せしか行われていないにも関わらず、あたかも50ゲームの上乗せが行われたかのような報知が行われることになる。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を報知したため、この時点において、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「10G」となる。
図150(C)に示す制御例2では、その後、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行っているが、この上乗せ抽籤には当籤しなかったため、副制御基板72は、保持している「10G」の上乗せゲーム数を報知している。その結果、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「0G」となる。
なお、副制御基板72は、上乗せゲーム数を保持している状態で、レア役に基づく上乗せ抽籤に非当籤などの場合に、必ず保持している潜伏分の上乗せゲーム数を報知することとしてもよく、所定の確率で保持している潜伏分の上乗せゲーム数を報知することとしてもよい。
<ART中の上乗せ報知と設定示唆>
以上のように本実施形態において副制御基板72は、潜伏分の上乗せゲーム数をレア役当籤時に回すことで、レア役当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高くし、また、一度に報知される上乗せゲーム数を多くしている。このような潜伏を用いた制御によれば、以下のような設定示唆の制御も可能になる。
近年のパチスロでは、内部当籤役などに基づくART(AT)に関する抽籤(通常処理)を、設定値に関係なく共通の確率で行うことが求められている。これにより、利益バランスのブレが抑えられ、安心して遊技を行うことができるが、設定推測要素が減ってしまうという問題がある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、ART(AT)に関する通常処理に基づく抽籤から設定差を無くしつつも、共通処理を用いた抽籤結果を潜伏させることで新たな設定推測要素を実現している。
具体的には、図150(D)に示すように、パチスロ機1では、レア役を契機とする通常処理に基づく上乗せ抽籤から設定差を完全になくすため、レア役が内部当籤役として決定される確率と、レア役当籤時の上乗せ抽籤との双方を設定値に関わらず共通の確率で行う。説明を簡易にするため、図150(D)に示す例では、レア役が内部当籤役として決定される確率は、全設定共通で約1/60であり、レア役当籤時の上乗せ抽籤において決定され得る上乗せゲーム数の一回当たりの期待度は、全設定共通で約「10G」とする。
SMB作動時の共通処理に基づく上乗せ抽籤は、上乗せ抽籤の抽籤確率自体は全設定共通とするものの、SMBが内部当籤役として決定される確率に設定差をつける。説明を簡易にするため、図150(D)に示す例では、SMBが内部当籤役として決定される確率は、設定1で約1/18、設定6で約1/15とし、SMB作動時の上乗せ抽籤において決定され得る上乗せゲーム数の一回当たりの期待度は、全設定共通で約「5G」とする。
このような場合において、例えば、180回の遊技が行われると、設定値に関係なく、レア役は3回内部当籤役として決定され、レア役を契機として「30G」の上乗せが期待できる。一方で、SMBに関しては、設定1では、SMBは10回作動し、SMBの作動を契機として「50G」の上乗せが期待でき、設定6では、SMBは12回作動し、SMBの作動を契機として「60G」の上乗せが期待できる。
このとき上述のように、副制御基板72がMB作動時の上乗せ分を潜伏させて、レア役当籤時の上乗せ報知に回すことで、設定1ではトータルとして「80G」の上乗せゲーム数の報知が行われ、設定6ではトータルとして「90G」の上乗せゲーム数の報知が行われる。MB作動時の上乗せ分を潜伏させることで、遊技者からすると、MB作動時には上乗せが行われていないと感じることになるため、通常処理に基づくART(AT)に関する抽籤から完全に設定差を無くしつつも、遊技者に対して設定推測要素を提供することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、MBに応じた図柄の組合せが表示され、MBの作動が行われると、「ART」の上乗せゲーム数を決定するとともに、レア役が内部当籤役として決定されると、「ART」の上乗せゲーム数を決定するため、主制御基板71は、第1上乗せ決定手段及び第2上乗せ決定手段として機能する。このとき、主制御基板71は、上乗せゲーム数を決定すると、決定した上乗せゲーム数分だけ「ART」を継続可能な期間を延長するため、主制御基板71は、上乗せ制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、MB作動時の上乗せ抽籤による上乗せゲーム数を未報知のまま保持するため、副制御基板72は上乗せ潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を、表示ユニット100を用いて遊技者に対して報知するとともに、レア役当籤時の上乗せ抽籤に非当籤の場合に未報知のまま保持している上乗せゲーム数を代わりに報知するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<ART中の演出ステージ>
続いて、図151及び図152を参照して、「ART」中の演出ステージについて説明する。まず、図151(A)(B)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における潜伏させている上乗せゲーム数の報知に関する、図150とは異なる制御例について説明する。具体的には、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を、図柄揃いにより報知する。
図151(A)に示すように、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」が決定された場合、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、“中1st”や“右1st”の押し順で停止操作が行われると、図柄が揃う図柄の組合せ(“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”)が表示される。パチスロ機1では、潜伏させている上乗せゲーム数がある場合、“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”といった図柄の組合せを表示させて、潜伏させている上乗せゲーム数を報知する。具体的には、潜伏させている上乗せゲーム数が無い場合や、潜伏させている上乗せゲーム数を報知しない場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促す。なお、この場合における押し順の報知は、少なくとも副制御基板72が表示ユニット100を介して行うものであるが、副制御基板72とともに主制御基板71も報知ランプ147aを介して行うこととしてもよい。
一方で、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を50ゲーム分報知する場合には、“赤7リプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、50ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。同様に、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を100ゲーム分報知する場合には、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行い、潜伏させている上乗せゲーム数を150ゲーム分報知する場合には、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、150ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。
続いて、図151(B)は、副制御基板72が未報知のまま保持している潜伏分の上乗せゲーム数と、副制御基板72が報知する押し順との関係を示す図である。なお、図151では、「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」に加えて、「F_SPリプA1(No.20)」、「F_SPリプA2(No.21)」についても例示している。ここで、「F_SPリプA1(No.20)」、「F_SPリプA2(No.21)」は、チャンスCモード及びチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤において用いられる役であるが、図151に示すように、潜伏分の上乗せゲーム数の報知に用いることとしてもよいため、合わせて説明する。
初めに、「F_SPリプA1(No.20)」は、図柄が揃う図柄の組合せとして「100G報知」に用いる“赤BARリプ”を表示可能である。そのため、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「0〜49G」、「50〜99G」の場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促す、又は、“右1st”の押し順とともに図柄「赤7」を狙うことを促す演出を行い、“赤7煽り”に係る図柄の組合せの表示を促す。また、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「100〜149G」、「150G以上」の場合には、“中1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。
「F_SPリプA1(No.20)」〜「F_SPリプB3(No.24)」についても同様であり、副制御基板72は、図151(B)に示すように、未報知のまま保持している潜伏分の上乗せゲーム数に応じて所定の押し順や狙うべき図柄を報知するとともに、所定ゲーム数の上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。例えば、「F_SPリプB1(No.22)」の当籤時には、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「0〜49G」、「50〜99G」の場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促し、また、潜伏させている上乗せゲーム数が「100〜149G」の場合には、“中1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行い、また、潜伏させている上乗せゲーム数が「150G以上」の場合には、“右1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、150ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。なお、本実施形態では、全てのリール3L,3C,3Rにおいて図柄「赤BAR」の隣に図柄「赤7」が配置されていることから、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す場合には、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行えばよい。
このように副制御基板72は、図柄が揃う図柄の組合せごとに報知する上乗せゲーム数を対応付けておき、潜伏させている上乗せゲーム数が、内部当籤役として決定された役において停止表示可能な図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数以上である場合に、当該図柄の組合せの表示を促す押し順などの報知を行うとともに、当該図柄の組合せに対応付けられた上乗せゲーム数分の上乗せの報知を行う。これにより、一度の上乗せ演出で報知される上乗せゲーム数を多くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が、内部当籤役として決定された役において停止表示可能な図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数以上である場合に、必ず上乗せ演出のための報知を行うこととしてもよく、所定確率で上乗せ演出のための報知を行うこととしてもよい。
なお、報知する上乗せゲーム数が対応付けられた図柄の組合せを複数停止表示可能な役も存在し、当該複数の図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数の何れよりも、潜伏させている上乗せゲーム数が多いことがある。一例として、「F_SPリプB1(No.20)」は、「100G」が対応付けられた“赤BARリプ”と、「150G」が対応付けられた“W揃いリプ”とを停止表示可能であるため、「F_SPリプB1(No.20)」が内部当籤役として決定された場合の潜伏させている上乗せゲーム数が「150G以上」である場合が該当する。この場合、副制御基板72は、何れの報知を行うこととしてもよく、例えば、以下に示す演出ステージに応じて報知の種別を決めることとしてもよい。
続いて、「ART」中の演出ステージについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、「ART」中の演出ステージとして複数の演出ステージを有しており、副制御基板72は、滞在している演出ステージに応じた上乗せ報知の演出を行う。なお、演出ステージとは、演出状態の一種であり、遊技状態に応じて決定される。演出ステージとしては、例えば、背景や場面(シーン)の他、表示されるキャラクタの種類又はキャラクタの動作、また、これらの組合せを用いることができる。ここで、副制御基板72は、演出ステージを決定するための遊技状態として、例えば、「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)を用いるが、これら各種モードの他に潜伏させている上乗せゲーム数も加味することとしている。
図151(C)は、潜伏させている上乗せゲーム数と演出ステージとの対応関係の概念図である。図151(C)に示す例では、「ART」中の演出ステージとして、例えば、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「ステージC」を有する。例えば、「ステージA」は、基本的な演出ステージであり、「ステージB」は、図柄「赤7」を遊技者に狙わせ“赤7リプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージである。また、「ステージC」は、図柄「赤BAR」を遊技者に狙わせ“赤BARリプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージであり、「ステージD」は、図柄「赤BAR」を遊技者に狙わせ“W揃いリプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージである。
副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数に応じて演出ステージを決定し、決定した演出ステージに対応する上乗せ報知演出により潜伏させている上乗せゲーム数(の一部)を遊技者に対して報知する。例えば、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が多いほど、演出ステージとして「ステージD」を決定し易く、潜伏させている上乗せゲーム数が少ないほど、演出ステージとして「ステージA」を決定し易い。遊技者にとってみれば、より上位の演出ステージに移行した場合には、その後の遊技に期待を持つことができ、興趣が向上する。また、潜伏させている上乗せゲーム数が多いため、上位の演出ステージではより賑やかな演出を行うなどのように多彩な演出制御を実現することができる。
なお、演出ステージを単に潜伏させている上乗せゲーム数のみから決定したのでは、上位の演出ステージといっても単なる潜伏分の報知が行われるだけであり、仕様を理解した熟練の遊技者からすると、興趣が削がれてしまう。そこで、本実施形態では、副制御基板72は、「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)と、潜伏させている上乗せゲーム数とから演出ステージを決定する。これにより遊技者は、潜伏分の上乗せの報知なのか、各種モードに基づく上乗せ抽籤の結果としての上乗せの報知なのかを把握し難くなるため、上乗せの報知演出について遊技者の興趣が削がれることがない。特に、本実施形態では、チャンスBモードは“赤7リプ(赤7揃い)”に基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは“赤BARリプ(赤BAR揃い)”に基づく上乗せを管理する。そして、潜伏分の上乗せの報知も同様に、“赤7リプ”や“赤BARリプ”に基づいて行うため、チャンスBモード及びチャンスCモードと、潜伏させている上乗せゲーム数とを加味して演出ステージを決定することで、上乗せ報知の契機を、更に把握し難くすることができ、上乗せの報知演出について遊技者の興味を引き付けることができる。
図152は、本実施形態のパチスロ機1における「ART」中の演出ステージを示す図である。初めに、図152(A)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における「ART」中の演出ステージの種類について説明する。パチスロ機1では、「ART」中の演出ステージとして“ARTステージ1”、“ARTステージ2”、“ARTステージ3”、“ARTステージ4”、“ARTステージ5”という5つの演出ステージを有する。なお、詳細には、「ART」中の演出ステージとして、更に“エンディングステージ”という演出ステージを有しているが、この“エンディングステージ”は、出玉状態「エンディング」に対応する専用の演出ステージであり、専用の移行条件に従い移行するため図152の説明では省略する。
図152(A)に示すように、“ARTステージ1”は、「ART」中の基本的な演出ステージであり、“ARTステージ2”は、チャンスAモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“小”(0〜49G)であることを示唆する演出ステージである。また、“ARTステージ3”は、チャンスBモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“中”(50〜99G)であることを示唆する演出ステージであり、“ARTステージ4”は、チャンスCモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“大”(100〜149G)であることを示唆する演出ステージである。また、“ARTステージ5”は、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードのうちの複数のモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“特大”(150G以上)であることを示唆する演出ステージである。
このようにすることで、5つの演出ステージでは、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が異なることになり、“ARTステージ1”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が最も低い演出ステージに相当し、“ARTステージ2”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ3”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ4”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ5”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が最も高い演出ステージに相当する。
図152(B)は、副制御基板72が演出ステージを移行する際に参照されるサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルである。サブ_演出ステージ移行抽籤テーブルは、現在の演出ステージごとに設けられる(なお、図152(B)では、現在の演出ステージが“ARTステージ1”である場合に参照されるサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルのみを示し、他の演出ステージに滞在している場合に参照されるテーブルは省略している)。
サブ_演出ステージ移行抽籤テーブルには、参照項目として、「チャンスC+チャンスB高確以上」、「チャンスC高確以上」、「チャンスB高確以上」、「チャンスA高確以上」、「潜伏特大」、「潜伏大」、「潜伏中」、「潜伏小」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先の演出ステージ)についての抽籤値が規定される。このようなサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルによれば、例えば「チャンスC高確以上」である場合には、16384/32768の確率で演出ステージが“ART1ステージ”のまま維持され、16384/32768の確率で演出ステージが“ART1ステージ”から“ART4ステージ”に移行する。
なお、参照項目の「チャンスC+チャンスB高確以上」とは、チャンスCモードとチャンスBモードとが“高確”以上であることを意味し、「チャンスC高確以上」とは、チャンスCモードが“高確”以上であることを意味し、「チャンスB高確以上」とは、チャンスBモードが“高確”以上であることを意味し、「チャンスA高確以上」とは、チャンスAモードが“高確”以上であることを意味する。また、「潜伏特大」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“特大”(150G以上)であることを意味し、「潜伏大」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“大”(100〜149G)であることを意味し、「潜伏中」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“中”(50〜99G)であることを意味し、「潜伏小」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“小”(0〜49G)であることを意味する。
参照項目が規定するこれらの条件は、重複して成立していることがある。そこで、副制御基板72は、図152(C)に示す検索順序に従い、参照項目が規定する条件を検索し、最初に満たした条件を参照項目として用いて、演出ステージの移行抽籤を行う。このように「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)と、潜伏させている上乗せゲーム数とから演出ステージを決定することで、潜伏分の上乗せの報知なのか、各種モードに基づく上乗せ抽籤の結果としての上乗せの報知なのかを把握し難くすることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段及び停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと「ART」の上乗せゲーム数を決定するとともに、決定した上乗せゲーム数分だけ「ART」を継続可能な期間を延長するため、主制御基板71は、上乗せ決定手段及び上乗せ制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、上乗せゲーム数を未報知のまま保持可能であるため、副制御基板72は上乗せ潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を、表示ユニット100を用いて遊技者に対して報知するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
また、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数(未報知の上乗せゲーム数)に応じて複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能であり、潜伏させている上乗せゲーム数を報知する場合に、演出ステージに応じた図柄揃いを促す上乗せ報知演出を実行可能であるため、副制御基板72は、演出ステージ決定手段として機能する。
<ART中のエンディング制御>
続いて、図153を参照して、「ART」中のエンディング制御について説明する。本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行するが、リミット処理を将来行うことが確定した段階(有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階)で、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」に移行する。一方で、副制御基板72は、メイン側において出玉状態を「エンディング」に移行した場合であっても、直ぐにはサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させることなく、所定の条件を契機に演出状態を「エンディング」に移行させる。以下では、特に、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる制御の詳細について説明する。なお、本実施形態では、有利区間には「ART」や「通常有利」などが含まれるため、有利区間と「ART」とは完全には一致しないものの、以下に示す制御において有利区間と「ART」との差異は関係がないため、以下では有利区間と「ART」とが全く同一の遊技状態であるものとして説明する。
初めに、図153(A)は、有利区間に関連してメイン(主制御基板71)側で計数するメイン側カウンタと、サブ(主制御基板71)側で計数するサブ側カウンタとの関係を示す図である。主制御基板71は、第1のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第2のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数する。主制御基板71は、第1のカウンタの値が「1500」に達するとリミット処理を行い、第2のカウンタの値に関係なく有利区間を終了し、第1のカウンタの値が「1500」に達する前に、第2のカウンタの値が「0」になると、有利区間を終了する。
一方で、副制御基板72は、第3のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第4のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して報知した期間(報知済みゲーム数)を計数し、また、第5のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数(=潜伏させている上乗せゲーム数))を計数する。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を報知した場合には、報知したゲーム数分だけ、報知済みゲーム数を加算するとともに、未報知ゲーム数を減算する。
メイン・サブの双方において計数する消化済みゲーム数は、基本的には一致するため、メイン側の第1のカウンタの値とサブ側の第3のカウンタの値とは一致する(なお、有利区間と「ART」とが一致しない場合、リミット処理はサブ側では行わないため、サブ側では有利区間の消化済みゲーム数を計数する必要が無く、「ART」中の消化済みゲーム数を計数することになるため、両カウンタの値は完全には一致しないものの、以下に説明する制御には関係が無い)。
また、サブ側では、報知済みの残りゲーム数と、未報知のまま保持している残りゲーム数とを個別に計数するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値とは一致せず、また、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第5カウンタの値とも一致しない。ただし、報知済みの残りゲーム数と未報知のまま保持している残りゲーム数との和は、メイン側で計数する残りゲーム数と一致するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値及び第5カウンタの値の和とは、一致する。
図153(B)に示すように、主制御基板71は、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値に基づいて「エンディング」への移行制御を行っており、例えば、ゲーム数の上乗せが行われた結果、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階で出玉状態を「エンディング」に移行する。
一方で、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値(すなわち、未報知ゲーム数を除いた合算値)に応じてサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させる。ここで、図153(C)は、サブ側の「エンディング」移行制御の概念図であり、図153(D)は、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる際に参照されるサブ_エンディング移行抽籤テーブルである。
図153(D)に示すように、サブ_エンディング移行抽籤テーブルは、参照項目として消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値を規定し、合算値ごとに「エンディング」に移行させるか否かの抽籤結果(非当籤、当籤)についての抽籤値の情報を規定する。このようなサブ_エンディング移行抽籤テーブルによれば、例えば消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が「1000〜1199G」である場合には、24576/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に非当籤し、8192/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に当籤する。
図153(C)(D)に示すように、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が大きくなるほど高い確率で演出状態を「エンディング」に移行させる。そして、副制御基板72は、演出状態を「エンディング」に移行させると、演出ステージを専用の“エンディングステージ”に移行し、有利区間が終了するまで当該“エンディングステージ”のまま維持する。なお、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行していない場合には、サブ側において「エンディング」への移行抽籤を行う必要がないため、副制御基板72は、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行した場合(すなわち、メイン側の管理するカウンタにおいて、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合)に限り、サブ側の演出状態を「エンディング」に移行させるか否かの抽籤を行うこととしてもよい。
このように「エンディング」移行時に専用の演出ステージに移行させることで、遊技者は、リミット処理が行われることを予め把握することができる。なお、“エンディングステージ”に移行した後は、リミット処理が行われることが確定しているため、ゲーム数の上乗せ報知演出を行う意味がない。そのため、副制御基板72は、“エンディングステージ”に移行した後は、上乗せ報知演出を行わない。
また、“エンディングステージ”への移行は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態で、サブ側の合算値(未報知ゲーム数を除く)が大きくなるほど高い確率で行われる。そのため、“エンディングステージ”への移行確率は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数(未報知ゲーム数)が少ないほど高い確率となり、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多いほど低い確率となる。図151及び図152において上述した「ART」中の演出ステージの移行制御は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態にも関わらず“エンディングステージ”に移行しない場合においても同様に適用することができ、副制御基板72は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多い場合には高い確率で上乗せ報知演出を行う頻度が相対的に高い演出ステージに移行する。遊技者にとってみれば、上乗せ報知演出が行われると興趣が向上するため、残りゲーム数の報知状況に応じて演出態様をコントロールすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、“エンディングステージ”に移行した後は、原則として有利区間の終了まで“エンディングステージ”の演出を継続し、有利区間が終了するゲームにおいて“エンディングステージ”の演出を終了し、当該ゲームの終了時又は次ゲームの開始時などに通常区間に対応する演出ステージへと移行させる。
また、“エンディングステージ”の滞在中は、LMBなどのボーナスが作動した場合でも依然としてリミット処理が近いうちに行われるという状況に変わりはないため“エンディングステージ”を維持することが望ましい。ここで、有利区間終了の直前のゲーム(例えば、第1のカウンタの値が「1499」のゲーム)においてLMBなどのように所定ゲーム数を消化に要するボーナスに当籤し、ボーナスが作動した場合、ボーナスの作動中に第1のカウンタが「1500」に達してリミット処理が行われ、有利区間が終了することになる。このとき、出玉が増加する状態であるボーナス作動中にも関わらず“エンディングステージ”を終了させて別の演出ステージ(通常区間に対応する演出ステージやボーナス作動中の演出ステージ)へ移行させると、遊技者に違和感を与える恐れがある。そこで、副制御基板72は、ボーナスの作動中にリミット処理により有利区間が終了する場合には、当該ボーナスの終了まで“エンディングステージ”のまま演出ステージを継続し、ボーナスの終了時に(有利区間の終了報知や、のめり込み防止表示などを行って)通常区間に対応する演出ステージへと移行させることとしてもよい。
さらに、第1のカウンタの値が「1498」〜「1500」などリミット処理発動の直前でボーナス役が内部当籤役として決定され、入賞されずに持ち越された場合にも、副制御基板72は、“エンディングステージ”を継続して、当該持ち越し中のボーナス役が入賞して作動したボーナスの終了を待って“エンディングステージ”を終了させるというエンディング状態終了の遅延処理を行うことが好ましい。なお、この場合、リミット処理により有利区間が終了し、押し順などの報知を行わない状況(通常区間)となっても“エンディングステージ”が一時的に継続されてしまうため、副制御基板72は、このような非有利区間の“エンディングステージ”では有利区間中の“エンディングステージ”と演出を異ならせて、遊技者に機械の故障ではない旨を明示することが好ましい。また、副制御基板72は、非有利区間の“エンディングステージ”では、ボーナス役の入賞が可能な遊技(リプレイなどのボーナス役の入賞を阻害する役に当籤していない遊技)でボーナス役の入賞を促す旨の報知や、指示機能が終了しており、ボーナスの終了後に“エンディングステージ”が終了する旨の報知などを行って、遊技者に状況を分かり易く伝えることとしてもよい。また、ボーナス作動中にリミット処理により有利区間が終了した場合、又は、ボーナス作動中にリミット処理が行われる可能性が高い場合などは、副制御基板72は、それ以外のボーナス作動中とは異なる演出(例えば、大量獲得を祝福する演出や設定示唆情報など何らかの有利な情報を含む演出など)を、当該ボーナスの開始時、作動中、ないしは終了時に行うこととしてもよい。
また、有利区間が終了する際に、主制御基板71は、全リールの停止後などに所定時間、遊技操作(例えば、次遊技のメダルの投入操作や再遊技の作動による自動再投入、開始操作など)を受け付けない有利区間終了時のフリーズ処理を行うこととしてもよい。このとき、副制御基板72は、有利区間終了時のフリーズの時間を利用して、当該有利区間中に獲得したメダルの枚数、消化ゲーム数、ないしはセット数のように当該有利区間に関する情報を表示することとしてもよく、また、のめり込み防止表示をこれらに合わせて表示することとしてもよい。また、上述のように、リミット処理による有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、主制御基板71は、ボーナスの消化を妨げないようにリミット処理による有利区間の終了時にフリーズを発生させずに、ボーナスの終了時に有利区間終了時のフリーズを行うこととしてもよい。なお、有利区間の終了とは関係なく、ボーナス終了時に有利区間中に獲得したメダルの枚数などの有利区間に関する情報などを表示する表示用の時間を確保するなどの目的で、ボーナス終了時に所定時間のフリーズが設けられている場合は、有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、有利区間終了時のフリーズを有利区間終了時にも、ボーナス終了時にも行わず、主制御基板71は、ボーナス終了時のフリーズのみをボーナス終了時に行い、このボーナス終了時のフリーズ中に副制御基板72は、有利区間に関する情報やのめり込み防止表示などを表示することとしてもよい。フリーズによる遊技の遅延が複数発生することを抑制することで、遊技のテンポが悪くなってしまうことを防止できる。なお、ここまで説明した内容は、後述する別例のリミット処理によりボーナス作動中に有利区間が終了する場合においても適用することとしてもよく、また、仕様設計者は発動するリミッタの種別により上記の処理を適用するか、不適用とするか演出の流れなどを考慮して任意に決定することができる。
<可変リミッタ>
ここまで、有利区間を終了するリミット処理を実行する条件を有利区間が開始されてから例えば1500Gに達した場合など、リミット処理の実行条件が一定の場合を前提として説明を行った。しかし、主制御基板71によるリミット処理の実行条件は必ずしも一定である必要はなく、少なくとも上限値(例えば有利区間開始から1500G)を超えて有利区間が継続しないようにすれば十分に過度の射幸性を抑制するという効果を発揮することができる。そこで、主制御基板71は、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が所定の終了条件を満たした場合に、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が上限値を超えるより前に有利区間を終了させるリミット処理を行うこととしてもよい。
例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロでは、「通常有利」の期間や「ART」中のボーナスなどにより、1セットのゲーム数に対して中途半端なタイミング(例えば、上限値まで残り20Gである1480G)で今回のセットの「ART」が終了することがある。このようなケースでは、次セットの「ART」を1セット全て(50G)行うことができず、セットの途中でリミット処理を行うことになってしまう。次セットの「ART」が開始されたにも関わらず、直ぐに強制的に終了させられてしまったのでは遊技者が不満を感じる可能性もある。そこで、主制御基板71は、上限値に達する前ではあるものの、区切りが良い今回のセットの「ART」終了時に、有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。これにより、有利区間(「ART」)は、必ず区切りの良いタイミングで終了することになるため、遊技者が不満を感じる可能性を軽減することができる。
また、パチスロによっては、リミット処理を行う場合に所定のエンディング制御を行うことも考えられるため、このようなエンディング制御を行うケースについても説明する。例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロにおいて、有利区間開始からの消化済みゲーム数及び残りゲーム数の値の合計値が1400〜1450Gの範囲(所定の終了条件の設定範囲)に達した場合に、主制御基板71は、残りの未消化セット数にかかわらずエンディング用の1セットとして50Gの有利区間(「ART」)を設定し、当該エンディング用の1セットが終了した時点で所定の終了条件を満たしたとしてリミット処理を実行し、有利区間を終了させるものとしてもよい。つまり、リミット処理は有利区間の開始から1400〜1450Gの時点で予約され、1450〜1500Gまでで実行されることとなる。このようにある程度、リミット処理の実行タイミングに幅を持つことを許容することで、不自然なタイミングで有利区間が終了して遊技者に違和感を与えることを防ぎつつ、射幸性を適切に抑制できる。また、「ART」1セットあたりのゲーム数を固定としても、途中でボーナスの作動や基本のセットと異なる上乗せ特化状態などの消化が加わることで、エンディング用の1セットが決定されるタイミングは必ずしも50の倍数である1400ゲームちょうどとはならないため、所定の終了条件の設定範囲(リミット処理を予約可能である期間)にも幅を持たせることが好ましい。
なお、後述するようにリミット処理は、ゲーム数に限らず有利区間中に遊技者が獲得したメダルの差枚数やナビの発生回数に基づいて行うことができる(後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタ)。上述の可変リミッタの説明は、リミット処理の種類に関係なく適用可能である。すなわち、主制御基板71は、リミット処理の実行タイミングをリミット処理発動用のカウンタ(ゲーム数カウンタ、払出枚数カウンタ、ナビ回数カウンタなど)がリミッタ発動の閾値(上限値)に達した場合に限らず、所定の終了条件を充足した場合には、リミッタ発動の閾値に達するよりも前にリミット処理を行うものとしてもよい。なお、所定の終了条件は任意であるが、一例として、セット数管理タイプの「ART」において、次セットの「ART」を開始してしまうと、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことが予測されることを採用することができる(パチスロでは、「ART」中の1ゲームあたりのメダルの増加量やそれぞれの役の当籤確率などが設計仕様から把握することができるため、後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ又はナビ回数リミッタを用いる場合であっても、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことを予測することができる)。
この点についての技術的思想を整理すると、以下のようになる。
特定の遊技状態(有利区間)を継続可能な残り期間を示す第2数値(有利区間継続可能な残りゲーム数、差枚数、ナビ回数)が終了閾値(残り0ゲーム、0枚、0回)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値(消化済みのゲーム数等)が所定の終了条件(例えば、リミット処理の実行となる有利区間1500ゲーム消化または、変形例のようにリミット処理の実行タイミングに幅が許容される場合は設定された1450〜1500までのゲーム数のいずれかの到達等)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(主制御基板71)。
なお、特定状態終了手段は、「ART」など有利区間の権利がゼロとなったことに基づいて有利区間を終わらせる処理と、リミット処理により有利区間を終わらせる場合の双方についてまとめて記載したが、プログラム上、別の処理として持たせるものとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の残りゲーム数が0になった場合や有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450〜1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、特定状態開始手段及び特定状態終了手段として機能する。
また、主制御基板71及び副制御基板72は、有利区間に関連する数値(例えば、有利区間の消化済みゲーム数、有利区間の残りゲーム数、有利区間の残りゲーム数のうちの報知済みゲーム数又は未報知ゲーム数)を計数するため、主制御基板71及び副制御基板72は、計数手段として機能する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、有利区間の残りゲーム数のうちの一部を報知し、報知済みゲーム数として管理するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、残期間報知手段として機能する。そして、副制御基板72は、有利区間の残りゲーム数のうちの未報知分の残りゲーム数を、未報知のまま保持するため、副制御基板72は、残期間潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、未報知のまま保持している未報知ゲーム数の一部を上乗せゲーム数として報知するとともに、報知した上乗せゲーム数に応じて、報知済みゲーム数と未報知ゲーム数とを更新するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、上乗せ報知手段として機能する。そして、副制御基板72は、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定するため、副制御基板72は、演出ステージ決定手段として機能する。
<ART中のラストフリーズ>
続いて、主制御基板71が「ART」の終了時に行うラストフリーズについて説明する。上述したように、本実施形態では、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が1から0に減算されるタイミングでラストフリーズを発生させるか否かの抽籤を行う。この抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値(=1500−消化した有利区間のゲーム数)を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一例として、有利区間中に消化したゲーム数が200回のときにラストフリーズの抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。なお、リミット処理は、有利区間中に消化したゲーム数が1500回に到達すると行われるため、例えば「通常有利」中の遊技を50回行い、その後「ART」に移行し、「ART」中の遊技を100回行った後にラストフリーズの抽籤に当籤した場合、有利区間中に消化したゲーム数は、150回(=50+100)となり、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。なお、主制御基板71は、ラストフリーズの抽籤に当籤した場合、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容すればよく、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値を加算するという加算処理を必ずしも行う必要はない。例えば、主制御基板71は、リミット処理以外による有利区間の終了を禁止することで、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容することとしてもよく、また、例えば、主制御基板71は、これまでに消化した有利区間のゲーム数に関係なく、ARTの残りゲーム数にリミッタを超える値(9999)を加算することで、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450〜1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、特定状態開始手段及び特定状態終了手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間に関連する数値(例えば、有利区間の消化済みゲーム数、有利区間の残りゲーム数)を計数するため、主制御基板71は、計数手段として機能する。そして、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が0になると、ラストフリーズを行うか否かを決定し、ラストフリーズを行うと決定した場合には「ART」の残りゲーム数にリミット処理が行われるまでのゲーム数を加算する一方で、ラストフリーズを行わないと決定した場合には「ART」を終了するため、主制御基板71は、終了時処理決定手段及び終了時処理実行手段として機能する。
[第3実施形態の変形例]
また、第3実施形態の変形例としては、例えば図154に示すような遊技状態の流れとし、このような遊技状態に対して図100に示すような出玉状態を適用するようにしてもよい。
また、第3実施形態は、有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯・非点灯の状態が有利区間と非有利区間(通常区間)とに対応するものとして説明したが、例えば図155に示すように、非有利区間(通常区間)から有利区間に移行する途中の区間として、ボーナス(設定差無しのBB等)に関係する待機区間を設定するようにしてもよい。
待機区間とは、設定差無しのボーナス当籤時に有利区間当籤となっても、当該ボーナスの入賞まで有利区間ランプ(状態表示器147b)を点灯させない区間を意味する。すなわち、ボーナスの当籤から入賞までは、有利区間ランプが非点灯の状態で待機区間となり、そのボーナス入賞時に有利区間ランプが点灯状態となって有利区間が進行することとなる。
このような待機区間について、例えば「BB1+スイカ」の当籤で待機区間フラグがセットされ、BB1の入賞まで待機区間が進行する一方、「BB1+チェリー」の当籤では待機区間フラグがセットされず、その当籤を条件に待機区間を経由することなく有利区間が開始されるというように、フラグ別に待機区間の設定有無を決定するようにしてもよい。ただし、同一のフラグで待機区間の設定有無を分けないことが望ましい。このように、待機区間設定有りに対応するボーナスでは、当該ボーナスの当籤と同時に有利区間に当籤していてもボーナス持越し中は待機区間として有利区間ランプを非点灯とすることができる。
[別制御例]
続いて、図156〜図163を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ機1に特有な別制御例について説明する。
<有利区間中の上乗せ制御>
初めに、図156及び図157を参照して、パチスロ機1における有利区間中の上乗せ制御について説明する。パチスロによっては、いわゆる確定役やプレミア役といった、内部当籤役として決定された場合に、遊技者に対して特典を付与し易い役(以下では、特定役とする)を設けていることがある。通常、このような特定役(確定役やプレミア役)は、内部当籤役として決定される確率が他の役に比べて低い一方で、遊技者に対して特典を付与する確率が他の役に比べて高い(例えば100%)、又は、付与する特典が他の契機において付与する特典よりも大きい、といったように、特典の付与が優遇されている。
ところで、有利区間中の遊技に対して、上述のようにリミット処理を行うパチスロの場合、リミット処理が行われる直前に特典の付与が優遇されている特定役が内部当籤役として決定されてしまうと、特定役に伴い大きな特典が付与されたとしてもリミット処理に掛かってしまうため、特定役に伴い付与された大きな特典が無駄になってしまい、遊技意欲を損ねてしまう可能性がある。一方で、有利区間(ART)などの遊技者にとって有利な遊技状態中に制限なく特典を付与してしまったのでは、遊技者の射幸心を徒に高めてしまい、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題もある。
この点、以下に示すように本発明に係るパチスロ機1では、リミット処理により射幸性のバランスをとりつつも、遊技意欲を損ねることのない有利区間中の上乗せ制御を実行する。詳細は後述するが、パチスロ機1では、主制御基板71は、特定役が当籤したタイミングに応じて特典の付与を制限する。ここで、通常のパチスロでは、特定役の当籤時に固有の図柄の組合せを表示することで、特定役の当籤を遊技者に対して把握させることとしているため、遊技者にとってみれば、表示された図柄の組合せから特定役の当籤が分かってしまう。この点、パチスロ機1では、主制御基板71は、特定役に基づき大きな特典を付与する場合には、固有の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、特定役に基づく特典の付与を制限する場合には、他の役においても表示され得る汎用的な図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。遊技者にとってみれば、特定役が当籤していることを把握することができないため、特典の付与を制限したとしても引き損感を感じることがない。
初めに、図156(A)を参照して、有利区間の上乗せ制御を説明するために用いる役構成と図柄の組合せとについて説明する。なお、以下では、第1実施形態において説明した図柄の組合せなどを参照して有利区間中の上乗せ制御について説明する。有利区間中の上乗せ制御の説明においては、図156(A)に示すように、特定役(確定役やプレミア役)として、「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」、「F_3連チリリプ」の3種類の役を用いる。なお、それぞれの特定役の当籤確率については、本制御において関係がないため、省略する。
「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」、「F_3連チリリプ」は、停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なり、特定の態様で停止操作が行われると、固有の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、特定の態様以外の態様で停止操作が行われると、汎用的な図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
具体的には、主制御基板71は、「F_単チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「単チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。また、主制御基板71は、「F_2連チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「2連チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。また、主制御基板71は、「F_3連チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「3連チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。
なお、第1実施形態で説明したように、「単チリリプ」に係る図柄の組合せは、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、「2連チリリプ」に係る図柄の組合せは、二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、「3連チリリプ」に係る図柄の組合せは、全てのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ただし、第1実施形態では、「単チリリプ」、「2連チリリプ」、「3連チリリプ」は、ある一つの役に固有の図柄の組合せではなかったが、以下に示す説明では、「単チリリプ」は「F_単チリリプ」に固有の図柄の組合せであり、「2連チリリプ」は「F_2連チリリプ」に固有の図柄の組合せであり、「3連チリリプ」は「F_3連チリリプ」に固有の図柄の組合せであるものとする。
一方で、「単チリリプ」、「2連チリリプ」、「3連チリリプ」に“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われたときに表示される「リプレイ」に係る図柄の組合せは、汎用的な図柄の組合せであり、例えば「F_リプレイ」当籤時に停止操作の態様に関係なく表示される図柄の組合せである。なお、特定役に固有の図柄の組合せを停止表示するための停止操作の態様は、任意であり、押し順に限られるものではない。また、図156(A)に示す例では、全ての特定役において固有の図柄の組合せを停止表示するための停止操作の態様が共通としているが、これに限られるものではなく、それぞれ別々の停止操作の態様としてもよく、また、一部の特定役のみ別の停止操作の態様としてもよい。
続いて、図156(B)を参照して、それぞれの特定役が内部当籤役として決定された場合の上乗せ抽籤の概要について説明する。なお、本制御では、特定役の当籤時に特典の付与を制限することとしているが、以下では、説明を簡易にするため、特典付与の制限として、特典の付与を行わないこと例にとり説明する。もちろん、特典の付与を制限するとは無効にすることに限らず、制限をする場合に制限をしない場合よりも特典を付与する確率を低くすることを含むものである。ここで、確率を低くするとは、確率を0%にすることを含むものである。
図156(B)に示すように、特定役に基づく上乗せ抽籤は、有効区間であるか無効区間であるかに応じて異なる。ここで、有効区間とは特定役に基づく上乗せ抽籤を行う区間であり、無効区間とは特定役に基づく上乗せ抽籤を行わない区間である。有効区間の場合、主制御基板71は、「F_単チリリプ」が内部当籤役として決定されると“小さな特典”を付与し、「F_2連チリリプ」が内部当籤役として決定されると“中の特典”を付与し、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると“大きな特典”を付与する。なお、本説明における“小さな特典”、“中の特典”、“大きな特典”は、比較上のものであり、“中の特典”とは“小さな特典”よりも大きく、“大きな特典”よりも小さいことを意味し、“小さな特典”が絶対的に小さい特典であることを意味するものではない。また、付与する特典の種類は任意であり、有利区間の継続期間の管理方法による。一例として、ゲーム数により継続期間を管理する場合には、継続期間を延長する上乗せゲーム数や、上乗せゲーム数を獲得し易い上乗せ特化ゾーンの権利(ストック)が相当する。
続いて、図156(C)を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間及び無効区間における押し順ナビの概要について説明する。なお、図156(C)では、「F_3連チリリプ」当籤時についてのみ説明するが、「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」についても同様である。同図に示すように、有効区間において、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、有効ライン上には「3連チリリプ」に係る図柄の組合せが表示されることになる。一方で、無効区間において、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、例えば“中1st”の押し順を報知する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、有効ライン上には「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されることになる。なお、特典を付与するか否かは、報知する押し順に関係なく決まっているため、この場合の報知は、副制御基板72が表示ユニット100を介して行い、主制御基板71は行わないこととしてもよい。
有効区間中は、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されたことに応じて“大きな特典”が付与されているため、遊技者は、表示された「3連チリリプ」に係る図柄の組合せから“大きな特典”が付与されたことを把握でき、また、当該特典を享受することができる。一方で、無効区間中は何らの特典も付与されていないが、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されているため、遊技者は、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されていることを把握することはできず、興趣を損ねることがない。
続いて、図157を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の一例について説明する。図157(D)は、有効区間と無効区間の設定方法の第1方法を示す図である。この第1方法では、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間(言い換えると、有利区間が開始してから経過した期間)に基づいて、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間とを設定する。なお、上述したように特定役ごとに付与する特典の大きさが異なるため、この第1方法では、有効区間又は無効区間として設定する期間を、特定役ごとに異ならせる。
一例として、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「1000G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「500G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する(なお、通常区間中は、特定役の種類に関わらず有効区間として設定する)。また、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「800G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「700G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。また、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「600G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「900G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。もちろん、図157(D)に示す設定方法は一例に過ぎず、付与する特典の大きさに応じて有効区間と無効区間とを設定することができる。
主制御基板71は、有効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数が経過するまで)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数を経過した後)に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知)し、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“中1st”の押し順を報知)する。
なお、本制御では、特定役の当籤時に特典の付与を制限することとしているが、上述したように、特典の付与を制限することには、制限をする場合に制限をしない場合よりも特典を付与する確率を低くすることを含む。ここで、特典を付与する確率を低くする場合の主制御基板71及び副制御基板72の制御処理について説明する。なお、以下の説明は、後述する図157(E)(F)のように有効区間と無効区間とを設定する場合にも同様に当てはまる。また、以下の説明では、無効区間を「低減区間」と読み直して説明する。低減区間とは、特定役の当籤時に特典を付与する確率を低くする区間をいう。
主制御基板71は、有効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数が経過するまで)に特定役が内部当籤役として決定されると、第1の確率(100%を含んでもよい)で当該特定役に対応する特典を付与すると決定する一方で、低減区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数を経過した後)に特定役が内部当籤役として決定されると、第1の確率よりも低い第2の確率(0%を含んでもよい)で当該特定役に対応する特典を付与すると決定する。そして、特定役が内部当籤役として決定されたことに応じて主制御基板71が特典を付与すると決定すると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知)し、特定役が内部当籤役として決定されたにも関わらず主制御基板71が特典を付与しないと決定すると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“中1st”の押し順を報知)する。なお、低減区間中に特典を付与する第2の確率は、変動させることとしてもよく、例えば、有利区間が開始してから経過した期間(言い換えると、リミット処理が行われるまでの残り期間)に長いほど第2の確率を低くしてもよく、また、付与する特典の大きな特定役ほど第2の確率を低くしてもよい。
続いて、図157(E)を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の第2方法について説明する。この第2方法では、有利区間中の特殊区間を無効区間とし、その他の区間を有効区間とする。なお、特殊区間とは、例えば上乗せ特化ゾーンのストックを複数所有している状態をいう。パチスロによっては、通常区間中にプレミア役に当籤すると、有利区間(ART)に移行するとともに、上乗せ特化ゾーンのストックを最初から複数所持している状態で有利区間(ART)が開始することがある。このような状態で更にプレミア役に当籤してしまうと、遊技者に対して過度な利益を付与することになってしまう。
図157(E)に示すように、第2方法では、このような状態において特定役が内部当籤役として決定された場合には、特典の付与を制限する。具体的には、主制御基板71は、有効区間中(すなわち、特殊区間以外)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中(すなわち、特殊区間中)に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与すると決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知し、また、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与しないと決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知する。
なお、特殊区間は、任意に設定することができ、上述のように上乗せ特化ゾーンのストックを所定数以上所持している状態であってもよく、また、有利区間(ART)を継続可能な期間を延長するための上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を未報知のまま所定量以上所持している状態であってもよい。また、特殊区間中は、専用の演出ステージに滞在させ、遊技者に特殊区間中であることを把握可能にしてもよい。
また、図157(E)では、特典の大きさが異なる複数の特定役のそれぞれにおいて、特殊区間の範囲が共通となっているが、異ならせることとしてもよい。例えば、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第1所定数以上所持している状態を特殊区間とし、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第1所定数よりも多い第2所定数以上所持している状態を特殊区間とし、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第2所定数よりも多い第3所定数以上所持している状態を特殊区間としてもよい。
続いて、図157(F)は、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の第3方法を示す図である。この第3方法では、第1方法と第2方法と組み合わせて、有効区間と無効区間とを設定する。すなわち、第3方法では、特定役の種類に関係なく、有利区間中の特殊区間を無効区間として設定するとともに、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「1000G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「500G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。同様に、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「800G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「700G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。また、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「600G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「900G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。
そして、主制御基板71は、有効区間中(すなわち、特殊区間以外)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与すると決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知し、また、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与しないと決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知する。
このように有利区間中を、特定役に基づく特典を付与可能な有効区間と、当該特典の付与を制限する無効区間(低減区間)とに分け、それぞれにおいて停止表示させる図柄の組合せが異なるように報知を行うことで、遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができるだけでなく、遊技者に対して引き損を感じさせることがないため、遊技者の遊技意欲を損ねてしまうことがない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の残りゲーム数が0になった場合や有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450〜1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、特定役が内部当籤役として決定されると、有利区間に関する特典を所定の確率で付与可能であり、また、主制御基板71は、特定役が内部当籤役として決定されたときの状態(有効区間又は低減区間)に応じて、特典を付与し得る確率を変化させるため、確率変更手段として機能する。また、主制御基板71は、有利区間中に所定条件を満たすと、当該条件を満たしている状態を特殊区間(特殊状態)として設定することができるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、特定役の当籤時に、主制御基板71は、報知ランプ147aを制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するとともに、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<ART移行時の特典付与>
続いて、図158を参照して、パチスロ機1におけるART移行時の特典付与について説明する。初めに、図158(A)を参照して、本制御における遊技状態の遷移フローについて説明する。同図に示すように本制御のパチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有するとともに、有利区間中を更に「通常有利」と「ART」という出玉状態に分ける。なお、通常区間は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知しない非報知状態であり、有利区間は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知可能な報知状態である。また、「通常有利」及び「ART」は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知可能であるものの、「通常有利」よりも「ART」の方が停止操作の態様を報知する頻度(可能性)が高い状態である。この点は、第3実施形態における「通常有利」と「ART」との関係と同じである(図102参照)。なお、本制御では、通常区間及び「通常有利」は出玉率が1を超えない区間であり、「ART」は通常区間及び「通常有利」よりも出玉率が高い区間(例えば出玉率が1を超える区間)であるものとする。
同図に示すように、本制御において主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができる。この移行条件は任意であり、例えば、移行抽籤の当籤であってもよく、また、所定ゲーム数の経過であってもよく、また、特定の役が内部当籤役として決定されたことであってもよく、また、特定の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたことであってもよい。本制御において(1)の通常区間から「通常有利」への移行は、比較的高確率で行われ、例えば約1/30の確率で移行するものとする。
また、本制御において主制御基板71は、(2)「通常有利」から「ART」に有利状態を移行することができる。この移行条件も上述と同様に任意であるが、本制御において(2)の「通常有利」から「ART」への移行は、通常区間から「通常有利」への移行よりも低い確率で行われ、例えば約1/100の確率で移行するものとする。また、主制御基板71は、「通常有利」のまま所定ゲーム数(例えば、500ゲーム)が経過した場合にハマリ天井として「通常有利」から「ART」に移行させることとしてもよい。
また、本制御において主制御基板71は、(3)「ART」から通常区間に遊技状態を移行することができる。この移行条件は、「ART」が終了することであり、例えば、「ART」を継続可能な期間が終了閾値に達した場合や、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理が行われた場合に、主制御基板71は、「ART」を終了し、通常区間に遊技状態を移行する。
なお、同図に示すように、本制御において主制御基板71は、(4)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることとしてもよい。この移行条件も上述と同様に任意であり、また、移行確率も任意である。例えば、(1)の通常区間から「通常有利」への移行確率と同程度であってもよく、また、(1)の移行確率よりも高い確率であってもよく、また、(1)の移行確率と(2)の「通常有利」から「ART」への移行確率との間の確率であってもよく、また、(2)の移行確率と同程度であってもよく、また、(2)の移行確率よりも低い確率であってもよい。なお、同図に示す例では、(2)の移行確率と同じく、「通常有利」から通常区間には、例えば約1/100の確率で移行するものとする。
このような遊技状態の遷移フローを有するパチスロ機1では、一段階目の有利区間(「通常有利」)までは高頻度で移行することになるため、遊技状態の移行が高頻度で行われ、遊技性が多様化するため非ART中においても遊技を続ける要素となる。一方で、二段階目の有利区間(「ART」)への移行は、一段階目の有利区間までの移行確率よりも低確率であるため、二段階目の有利区間までは移行し難くなっている。本制御では、主制御基板71は、一段階目の有利区間(「通常有利」)において、二段階目の有利区間(「ART」)に移行することなく経過した期間の長さに応じて、「ART」移行時に特典を付与することとしている。具体的には、主制御基板71は、「ART」に移行することなく「通常有利」のまま経過したゲーム数が多いほど、「ART」の初期ゲーム数(すなわち、「ART」開始時に設定される「ART」を継続可能な期間)として多くのゲーム数を付与する。
ここで、図158(B)は、本制御における「ART」移行時に付与する特典の一例を示す図である。同図に示すように、「通常有利」から「ART」に移行すると、主制御基板71は、「通常有利」のまま経過したゲーム数が「0〜99G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「50G」を付与し、同ゲーム数が「100〜199G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「100G」を付与し、同ゲーム数が「200〜299G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「200G」を付与し、同ゲーム数が「300〜399G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「300G」を付与し、同ゲーム数が「400〜499G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「500G」を付与し、同ゲーム数が「500G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「1000G」を付与する。なお、「通常有利」が500ゲーム経過し、その後「ART」が1000ゲーム経過すると、有利区間が1500ゲーム継続することになり、リミット処理に掛かってしまう。そのため、同ゲーム数が「500G」である場合に付与する「ART」の初期ゲームとは、有利区間に関するリミット処理が行われるまでの残りゲーム数と同じである。
このような制御によれば、「ART」の継続期間は、「通常有利」から「ART」に移行するまでの期間に応じて決定され、当該期間が長いほど「ART」の継続期間も長くなる。これにより、「通常有利」が長く継続してしまった場合であっても単にメダルを消費してしまうだけでなく、その後に「ART」が長期間継続することについての期待を持つことができるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。一方で、本制御においても、主制御基板71は、有利区間のリミット処理を行うため、「ART」が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常区間において移行条件(第1開始条件)を満たすと、通常区間から「通常有利」に遊技状態を移行し、「通常有利」において移行条件(第2開始条件)を満たすと、「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行し、「通常有利」において移行条件(終了条件)を満たすと、「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行するため、主制御基板71は、第1状態制御手段、第2状態制御手段及び第3状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」に移行することなく「通常有利」のまま経過したゲーム数が多いほど、「ART」の初期ゲーム数として多くのゲーム数を付与するため、期間決定手段として機能する。
<状態リセットの再認識>
続いて、図159を参照して、パチスロ機1における状態リセットの再認識について説明する。パチスロ機1では、主制御基板71は、有利区間の終了時に有利区間に関する全ての情報を初期化(リセット)するため、例えば、有利区間終了後の通常区間においてどのような有利区間を経てきたかを把握することができず、その後の遊技が単調になってしまう恐れがある。そこで、本制御では、主制御基板71は、リセット時に表示された図柄の組合せ(出目)を介して、リセットによる情報の初期化を迂回し、リセット後に再認識する。
図159(A)は、本制御(リセット再認識)の概念を示す図である。本制御では、リール3L,3C,3Rの停止時に表示される図柄の組合せ(出目)に対して、特定の状態であることを予め対応付けておく。そして、同図に示すように、主制御基板71は、リセットによる情報の初期化からの復帰後に、停止表示されている図柄の組合せから、対応付けられた特定の状態を読み出し、当該特定の状態であることをリセット後に再認識する。
続いて、図159(B)は、本制御(リセット再認識)の流れを示す図である。同図に示す例では、主制御基板71は、所定の図柄の組合せ“リプレイの右下がり”が停止表示されると、所定の遊技状態を終了し別の遊技状態に移行するとともに、当該所定の遊技状態の終了時に当該所定の遊技状態に関する全ての情報を初期化(リセット)することとする。そして、所定の図柄の組合せである“リプレイの右下がり”に対して、所定の遊技状態の終了という状態を対応付けておく。
同図に示すように、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、所定の遊技状態を終了し、各種情報をリセットする。ここで、次ゲームが開始されるまで、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せは表示されたままであり、主制御基板71によるリセット制御は極めて短時間に行われるため、リセットによる情報の初期化からの復帰した後であっても、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せは表示されたままであり、主制御基板71は、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せを読み込むことができる。そこで、本制御では、主制御基板71は、リセットによる情報の初期化からの復帰後に、読み込んだ“リプレイの右下がり”という図柄の組合せから、当該図柄の組合せに対して予め対応付けられた「所定の遊技状態の終了」という状態を読み込み、所定の遊技状態の終了時であることを再認識する。
続いて、図159(C)(D)を参照して、本制御を用いたパチスロ機1の遊技性について説明する。図159(C)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができ、(2)「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行することができ、(3)「ART」から通常区間に遊技状態を移行することができ、(4)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることができる。なお、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図を参照すると、主制御基板71は、有利区間から通常区間に遊技状態を移行させる場合、(3)のように「ART」から通常区間に移行させるケースと、(4)のように「通常有利」から通常区間に移行させるケースとがある。本制御を用いる場合、「ART」から通常区間への移行条件、又は「通常有利」から通常区間への移行条件のうちの何れか一方を、特定の図柄の組合せ(終了出目)が表示されることという条件に設定し、当該特定の図柄の組合せに対して、対応する遊技状態の終了時であることを対応付けておく。なお、図159に示す例では、「ART」の終了条件を特定の図柄の組合せが表示されることとして用い、また、特定の図柄の組合せに対して、「ART」の終了時であることを対応付けておく。
このようにすることで、有利区間から通常区間に遊技状態を移行させる場合に有利区間に関する情報をリセットした場合であっても、どのような有利区間を経て通常区間に移行したのかを把握することができる。具体的には、図159(D)に示すように、「通常有利」は特定の状態に対応付けられた図柄の組合せとは関係なく終了するため、「通常有利」の有利区間から通常区間に移行した場合、主制御基板71は、リセットから復帰した後に、表示されている図柄の組合せから特定の状態であることを再認識することはない。他方、「ART」は特定の状態に対応付けられた図柄の組合せが表示されることで終了するため、「ART」の有利区間から通常区間に移行した場合、主制御基板71は、リセットから復帰した後に、表示されている図柄の組合せから「ART」の終了時であることを再認識することができる。
すなわち、通常であれば「通常有利」「ART」という複数の状態を有する有利区間の終了時に有利区間に関する情報を初期化するため、有利区間の終了後にどのような有利区間(「通常有利」又は「ART」)が終了したのかを把握することはできない。これに対して、本制御によれば、「通常有利」「ART」という複数の状態を有する有利区間の終了時に有利区間に関する情報を初期化するものの、「ART」の終了時には「ARTの終了時であること」を再認識するため、有利区間の終了後にどのような有利区間(「通常有利」又は「ART」)が終了したのかを把握することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、特定の図柄の組合せが停止表示されたことに応じて、「ART」を終了するとともに、「ART」の終了時にリセット制御を行う。そして、主制御基板71は、リセット制御からの復帰後に、表示されている特定の図柄の組合せから「ARTの終了時であること」を再認識するため、主制御基板71は、状態制御手段、終了手段及び初期化手段として機能する。
<有利区間の任意リセット>
続いて、図160を参照して、パチスロ機1における有利区間の任意リセット制御について説明する。通常区間と有利区間とを有し、有利区間として「ART」とART以外の状態(例えば「通常有利」)とを有するパチスロでは、「ART」の終了時に有利区間を終了し、通常区間に移行することが考えられる。しかしながら、通常区間中は、有利区間への移行確率を変更することが困難であるため、「ART」終了後(=有利区間の終了後)に引き戻しが期待できず、「ART」が終了したタイミングで遊技をやめ易くなり、遊技機の稼動が低下してしまう恐れがある。
この点、第3実施形態のパチスロ機1では、「ART」の終了後に有利区間を終了せずに「通常有利」に移行可能にしているが(図138参照)、有利区間にはリミットがあるため、例えば、リミットの直前に「ART」が終了し、その後、有利区間のまま維持されてしまうと、仮に、「ART」の終了直後に「ART」に戻ることができたとしても、リミット処理により引き戻した「ART」は直ぐに終了してしまう。
そこで、図160(A)に示すように、パチスロ機1では有利区間を遊技者が任意にリセット可能にしている。具体的には、主制御基板71は、遊技者がリセット操作を行うと有利区間を終了する。なお、主制御基板71がリセット操作を受け付ける方法は、任意であり、例えば、主制御基板71は、任意の操作部などの操作に伴い遊技者によるリセット操作を受け付けることができる。また、遊技者が有利区間をリセット可能なタイミングも、有利区間中の任意のタイミングであってよいが、以下に示す説明では、遊技者は「ART」の終了時に有利区間のリセット操作を行うことができるものとする。
同図に示すように、主制御基板71は、「ART」の終了時に遊技者からリセット操作を受け付けたか否かを判定する。リセット操作を受け付けた場合、主制御基板71は、有利区間を終了し、遊技状態を「ART」から通常区間に移行する。一方で、リセット操作を受け付けていない場合、主制御基板71は、有利区間を継続し、遊技状態を「ART」から有利区間の「通常有利」に移行する。
続いて、図160(B)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。また、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。なお、本制御は、「ART」の終了後に有利区間を終了せずに「通常有利」に移行可能としている点に特徴を有しているため、同図では通常区間から「ART」に直接移行する例のみ示しているが、これに限られるものではなく、通常区間から「通常有利」を経由して「ART」に移行するものであってもよい。
また、主制御基板71は、「ART」が終了すると、(2)遊技者からリセット操作を受け付けた場合には、遊技状態を「ART」から通常区間に移行し、(3)遊技者からリセット操作を受け付けていない場合には、遊技状態を「ART」から有利区間の「通常有利」に移行する。なお、主制御基板71がリセット操作を受け付けることと、遊技者がリセット操作を行うこととの対応関係は任意である。すなわち、遊技者が意図的な操作を行った場合に、主制御基板71がリセット操作を受け付けることとしてもよく、遊技者が何らの操作も行わない場合に、主制御基板71がリセット操作を受け付けることとしてもよい。
また、主制御基板71は、(4)「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行させることができ、また、(5)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることができる。なお、同図に示すように、「ART」への移行期待度は、通常区間よりも「通常有利」の方が高い。言い換えると、通常区間において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率と、「通常有利」において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率とでは、後者の方が高い確率である。
このような本制御によれば、「ART」の終了後を「ART」引き戻しのチャンスゾーン(「通常有利」)とすることができ、「ART」終了後の稼動の低下を抑制することができる。また、「ART」終了時が有利区間のリミットに近いときには、遊技者は自らの意思で有利区間をクリアし、リミットまでの期間をリセットすることができる。その結果、遊技者にとってみれば、メリット・デメリットを考慮した上で、リセット操作を行うか否かの選択を行うことができるため、「ART」が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
なお、「ART」終了後の「通常有利」は、最大で100ゲーム間継続することとし、この100ゲーム間のうちに「ART」に移行できなかった場合には、主制御基板71は、有利区間を終了し、遊技状態を通常区間に移行することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
主制御基板71は、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理を行うとともに、「ART」の終了時に遊技者からのリセット操作を受け付けることができるため、主制御基板71は、操作受付手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」への移行条件が満たされると、遊技状態を「ART」に移行するとともに、リセット操作を受け付けている場合には「ART」終了後に遊技状態を通常区間に移行し、リセット操作を受け付けていない場合には「ART」終了後に遊技状態を「通常有利」に移行するため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<有利区間を用いたゲーム数天井>
続いて、図161を参照して、パチスロ機1における有利区間を用いたゲーム数天井について説明する。図161(A)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。本制御においては、主制御基板71は、RT状態と報知に関する状態とを管理する。RT状態とは再遊技の作動に係る「リプレイ」の種類や「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が異なる状態であり、以下の説明では、「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が低い「低RT」と、「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が高い「高RT」とを有する。また、報知に関する状態とは遊技者に対して停止操作の態様を報知する確率が異なる状態であり、以下の説明では、通常区間と有利区間とを有する。なお、通常区間は、基本的には遊技者に対して停止操作の態様を報知しない状態であり、有利区間は、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能であるものの、後述のようにゲーム数天井に到達するまでは停止操作の態様を報知しない状態である。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)「低RT」において後述する“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、「低RT」から「高RT」にRT状態を移行させる。また、主制御基板71は、(2)「高RT」において所定条件(任意の第1条件)を満たすと、「高RT」から「低RT」にRT状態を移行させる。なお、「高RT」から「低RT」への移行契機となる所定条件は、任意であり、例えば、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されることや、ボーナスの作動が行われることや、ボーナスの作動が終了することなどである。
また、主制御基板71は、(3)通常区間において特定条件(任意の第2条件)を満たすと、通常区間から有利区間に報知に関する状態を移行させる。なお、通常区間から有利区間への移行契機となる特定条件は、本制御には関係ないため詳細な説明を省略する。また、主制御基板71は、(4)有利区間において“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。また、主制御基板71は、有利区間に消化した1500回に達した場合にも、リミット処理を行い、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。
このように本制御では、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、主制御基板71は、RT状態を「低RT」から「高RT」に移行させるとともに、報知に関する状態を有利区間から通常区間に移行させる。後述するように本制御では、有利区間中のRT状態を「低RT」とし、通常区間中のRT状態を「高RT」としている。そのため、有利区間(「低RT」)と通常区間(「高RT」)とを比較すると、通常区間の方が有利な状態となっている。
続いて、図161(B)は、本制御において用いる役構成と当該役に対応する図柄の組合せとの対応関係を示す図である。本制御では、有利区間中の報知対象となる役として「択数リプ」(「F_択数リプ_01」〜「F_択数リプ_??」)を有する。なお、「択数リプ」は停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なる役(リプレイ)であり、「択数リプ」ごとに正解となる態様で停止操作が行われた場合には“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、不正解となる態様で停止操作が行われた場合には“リプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
有利区間(「低RT」)中は、ゲーム数天井に到達するまでは報知を行わないため、主制御基板71(及び副制御基板72)は、「択数リプ」が内部当籤役として決定されても、停止操作の態様を報知しない一方で、ゲーム数天井に到達した後は、主制御基板71(及び副制御基板72)は、「択数リプ」ごとに正解となる停止操作の態様を報知する。その結果、ゲーム数天井に到達した後は、「択数リプ」の当籤時に“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、通常区間(「高RT」)に移行することになる。なお、報知が行われない場合であっても遊技者が偶然に正解となる態様で停止操作を行うことがあり、この場合にも、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、通常区間(「高RT」)に移行する。このようなケースを避けるため、「択数リプ」の択数はなるべく多くすることが好ましい。例えば、3つのリール3L,3C,3Rの押し順のみで択数を設けるときには、最大で6択にしかならないが、押し順に加えて狙うべき図柄も異ならせることで、択数を6択以上に増やすことができる。
続いて、図161(C)は、本制御における遊技の流れの概要を示す図である。同図に示すように、本制御では、有利区間中を「低RT」とし、この有利区間(「低RT」)中主制御基板71(及び副制御基板72)は、ゲーム数天井に到達するまで何らの報知も行わない。その後、有利区間(「低RT」)中にゲーム数天井に到達すると、主制御基板71(及び副制御基板72)は、報知を解禁し、その後、「択数リプ」が内部当籤役として決定されると、「択数リプ」ごとに正解となる停止操作の態様を報知する。これにより、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される結果、主制御基板71(及び副制御基板72)は、通常区間(「高RT」)に遊技状態を移行する。その後は、例えば、ボーナスに当籤するまで「高RT」のまま遊技が行われることになる。すなわち、本制御によれば、「低RT」(有利区間)の状態でボーナスに当籤することなく所定ゲーム数が経過すると、天井状態となり、その後、ボーナスに当籤するまでの遊技を「高RT」(通常区間)の状態で行うことができる。
なお、天井のゲーム数は、有利区間中に報知を行わない期間(ゲーム数)に応じて適宜設定することができる。そこで、主制御基板71は、通常区間から有利区間への移行時に、報知を行わない期間を抽籤により決定し、セットすることとしてもよい。これにより、有利区間中に報知を行わない期間がその都度変わることになり、結果、天井に到達するまでのゲーム数も変わることになる。また、図161に示す説明では、天井としてゲーム数天井を例にとり説明したが、天井の実現方法は任意であり、例えば、所定役が内部当籤役として決定された回数に応じて天井を実現することとしてもよい。具体的には、主制御基板71(及び副制御基板72)は、有利区間中に所定役が内部当籤役として決定された回数が所定回数に達するまでは報知を行わず、所定回数に達した後に報知を行うこととしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、「低RT」から「高RT」にRT状態を移行させるとともに、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。また、主制御基板71は、通常区間において所定の開始条件が満たされると、通常区間から有利区間に報知に関する状態を移行させるため、主制御基板71は、RT状態制御手段、状態終了手段、及び状態開始手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間中に経過したゲーム数を計数しておき、この経過したゲーム数がゲーム数天井に応じた回数に達すると、「択数リプ」の当籤時に“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せを停止表示するために必要な停止操作の態様を報知するため、主制御基板71は、計数手段及び報知手段として機能する。また、主制御基板71は、有利区間の開始時にゲーム数天井に応じた回数(すなわち、有利区間中に報知を行わない期間)を決定可能であるため、主制御基板71は、所定値設定手段として機能する。
<有利区間を用いた遊技性>
続いて、図162を参照して、パチスロ機1における有利区間を用いた新たな遊技性の実現方法について説明する。通常区間と有利区間とを有するパチスロでは、通常区間中は有利区間への移行確率を変更することが困難な一方で、有利区間中は様々な確率で抽籤を行うことができる。そこで、有利区間として「通常有利」と「ART」とを設け、「通常有利」から「ART」に移行可能にするとともに、通常区間から有利区間の「ART」に移行する確率と、「通常有利」から「ART」に移行する確率とを異ならせることで、「ART」への移行確率が異なる複数の状態を実現している(例えば、第3実施形態の「通常」と、通常有利中の通常モード“低確”“天国”など)。
ところで、有利区間には上限(リミット)が設けられていることから、「ART」への移行ルートとして、「通常有利」からの移行を主な移行ルートとしてしまうと、リミット処理が行われる場合に「通常有利」(有利区間)中の遊技分だけ遊技可能な「ART」の期間が損なわれてしまう。そこで、本制御では、通常区間から「ART」への移行を、「ART」への主な移行ルートとして設定し、リミット処理が行われる場合であっても、遊技可能な「ART」の期間を無駄にしてしまうことを防止する。
図162(A)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。また、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができ、また、(2)通常区間から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。また、主制御基板71は、(3)有利区間の「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行することができ、また、(4)有利区間の「通常有利」から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。ここで、同図に示すように、「ART」への移行期待度は、「通常有利」よりも通常区間の方が高い。言い換えると、通常区間において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率と、「通常有利」において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率とでは、前者の方が高い確率である。
このように遊技状態を制御することで、図162(B)に示すように、非ART中は、「ART」への移行期待度が低い「通常有利」から、「ART」への移行期待度が高い通常区間を目指して遊技を行うことになる。言い換えると、非ART中は、如何にして有利区間(「通常有利」)を抜けて、通常区間に移行できるかという遊技性を有することになる。そして、「ART」へは通常区間から直接移行することになるため、本制御によれば、リミット処理を行う場合であっても、遊技可能な「ART」の期間を無駄にしてしまうことがない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理を行うとともに、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常区間において第1条件を満たすと、遊技状態を「通常有利」に移行し、通常区間において第2条件を満たすと、遊技状態を「ART」に移行し、「通常有利」において第3条件を満たすと、遊技状態を通常区間に移行し、「通常有利」において第4条件を満たすと、遊技状態を「ART」に移行する。そして、主制御基板71は、「通常有利」からよりも通常区間からの方が「ART」に移行し易いため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<通常区間中の設定差なしのボーナス役を用いた遊技性>
続いて、図163を参照して、パチスロ機1における通常区間中の設定差なしのボーナス役を用いた制御について説明する。有利区間を有するパチスロでは、ボーナス役を契機として様々な特典を付与することができ、例えば、有利区間中にボーナス役が内部当籤役として決定され、その後、ボーナスの作動が行われると、主制御基板71は、ボーナスの作動時に特典を付与することができる(共通処理)。この有利区間中のボーナス作動に伴う特典の付与は、複数のボーナス役に共通して行うことができ、また、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役であっても、ボーナスの作動時に特典を付与することができる。なお、共通処理は、有利区間中のボーナス作動時に行うものであるが、ボーナスの作動は、ボーナス役が内部当籤役として決定されないと行われないため、共通処理は、「ボーナス役が内部当籤役として決定されると」行われる処理であるともいえる。
また、通常区間中にボーナス役が内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、特典を付与することができる(通常処理)。この通常区間中のボーナス当籤に伴う特典の付与は、複数のボーナス役のそれぞれにおいて個別に行うことができるものの、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役については行うことができず、設定差のないボーナス役の当籤時にのみ行うことができる。
本制御では、このような通常処理と共通処理との差異を用いて以下に示すような遊技性を実現する。初めに、図163(A)を参照して、本制御において好適に用いることができるボーナス役の構成について説明する。同図に示すような本制御では、ボーナスとしてBB1及びBB2を設け、これらのボーナスを他の役とともに重複して内部当籤役として決定可能にしている。具体的には、本制御では、BB1が単独で当籤する「F_BB1」という役と、BB2が単独で当籤する「F_BB2」という役と、BB2が特殊役とともに重複して当籤する「F_BB2+特殊役」という役とを有する。そして、「F_BB1」については内部当籤役として決定される確率に設定差がないように設定し、「F_BB1」については内部当籤役として決定される確率に設定差があるように設定し、「F_BB2+特殊役」については内部当籤役として決定される確率に設定差がないように設定する。
このようなボーナス役の構成において、有利区間中は、「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」の何れが内部当籤役として決定された場合であっても(その後のボーナスの作動時に)、主制御基板71は共通処理を行う。その結果、有利区間中は、主制御基板71は、ボーナス役の種類(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」)に関わらず共通の特典を付与することになる。
これに対して、通常区間中は、主制御基板71は、内部当籤役として決定されたボーナス役の種類に応じて固有の処理(通常処理)を行うことができ、主制御基板71は、例えば、通常区間中に「F_BB1」が内部当籤役として決定されると、「F_BB1」に固有の処理(通常処理)を行い、また、通常区間中に「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されると、「F_BB2+特殊役」に固有の処理(通常処理)を行う。一方で、通常区間中に「F_BB2」が内部当籤役として決定されても、「F_BB2」は設定差があるボーナス役であるため、何らの処理も行わない。その結果、通常区間中は、主制御基板71は、ボーナス役の種類(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」)に応じて固有の特典を付与することになる。
本制御では、このような有利区間中の共通処理による共通の特典と、通常区間中の通常処理(固有の処理)による固有の特典とに差を設けることで、本制御特有の遊技性を実現する。一例として、図163(A)に示すように、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定される確率を、他のボーナス役に比べて低い確率とする一方で、通常区間中の「F_BB2+特殊役」に基づく固有の特典を、有利区間中の共通処理に基づく共通の特典よりも大きくする。より具体的には、「F_BB2+特殊役」は、いわゆるプレミアムなボーナス役とし(例えば、設定1〜6共通の約1/16384で当籤)、通常区間中に内部当籤役として決定された場合には、プレミア役に応じた非常に大きな特典を付与する。一方で、有利区間中に内部当籤役として決定された場合には、他のボーナス役と共通の特典を付与する。
このようにすることで、本制御によれば、通常区間中をプレミアムな特典を受けることが可能な期間とすることができ、反対に、有利区間中をプレミアムな特典を受けることができない期間とすることができる。通常区間と有利区間とを有するパチスロでは、有利区間中に状態表示器147bが点灯し、有利区間に滞在中であることを告知することとしている。遊技者にとってみれば、状態表示器147bの点灯状態から有利区間中であるか否かを明確に把握できてしまうため、有利区間中ではない場合(通常区間中)に遊技の稼動が低下してしまう可能性がある。この点、本制御によれば、有利区間中ではない場合にプレミアムな特典を受けることができるため、状態表示器147bの点灯状態から通常区間中であることが分かったとしても、遊技の稼動が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御では、有利区間中に「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合、共通処理に基づく小さな特典しか付与されないため、遊技者が引き損を感じてしまう可能性がある。そこで、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合と、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合とで、基本的に共通の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。具体的には、図163(C)に示すように、“第1の操作態様”で停止操作が行われた場合、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合であっても、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合であっても共通の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。一方で、“第2の操作態様”で停止操作が行われた場合には、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合であっても、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合とで異なる図柄の組合せ(例えば、「F_BB2」の当籤時にはハズレの図柄の組合せ、「F_BB2+特殊役」の当籤時には「特殊役」に応じた図柄の組合せ)が有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。
このとき、共通の図柄の組合せが表示される“第1の操作態様”は、停止操作のタイミングが、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する(引込1ではない)小役を取りこぼすことのないタイミング(いわゆる「小役回収打法」)であることが好ましい。より好ましくは、個別の図柄の組合せが表示される“第2の操作態様”は、停止操作のタイミングが、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する小役を取りこぼすタイミングである。また、更に好ましくは、「特殊役」に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたときに払い出されるメダルの枚数は、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたときに払い出されるメダルの枚数よりも少ない。
このようにすることで、“第1の操作態様(小役回収打法)”で遊技を行っている限り、表示された図柄の組合せからでは「F_BB2」が内部当籤役として決定されたのか、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されたのかを判別することができないため、引き損を感じることがない。なお、図163に示す例では、「F_BB2」と「F_BB2+特殊役」という役構成を有しているが、これに限られるものではない。すなわち、本制御は、ボーナス役(BB2)が共通しつつ、当該ボーナス役と重複して当籤する役の種類が異なっていればよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段及び停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間においてボーナス役が内部当籤役として決定されると、決定されたボーナス役の種別に関わらず共通の特典を付与する共通処理を実行するとともに、通常区間において「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されると、プレミアムな特典を付与するため、共通処理手段及び個別処理手段として機能する。
[変形例]
続いて、図164〜図173を参照して、本発明に係るパチスロ機1の変形例について説明する。
<有利区間の移行抽籤に関する別制御>
初めに、図164〜図167を参照して、有利区間の移行抽籤に関する変形例について説明する。図164(A)は、通常区間中の遊技状態ごとに、有利区間への移行抽籤に当籤する確率(有利区間移行確率(=P(X)))を示す。なお、図164における参照項目「役物非作動時」とは、役物(第一種特別役物など)が作動していない状態である。また、「役物非作動時の一般中(以下、「一般中」)」とは、役物が作動していない状態、かつ、ボーナス役が内部当籤役として決定されていない状態である。また、「役物非作動時の内部中(以下、「内部中」)」とは、役物が作動していない状態、かつ、ボーナス役が内部当籤役として決定されている状態(フラグ間)である。また、「役物非作動時のBB一般中(以下、「BB一般中」)」とは、ボーナス状態中であるものの、役物が作動していない状態である。また、参照項目「役物作動時」とは、役物が作動している状態である。また、「役物作動時のRB作動中(以下、「RB作動中」)」とは、役物のうち第一種特別役物(RB)が作動している状態である。また、「役物作動時のCB作動中(以下、「CB作動中」)」とは、役物のうち第二種特別役物(CB)が作動している状態である。
パチスロ機1において主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を行うことができるが、有利区間移行確率が一律であることを担保する必要がある。そのため、この移行抽籤は、内部当籤役(リプレイを除く)を決定するための内部抽籤に用いる抽籤値が、遊技状態により変動する場合は、「一般中」を除いて行うことができない。図164(A)における原則パターンは、有利区間移行確率が遊技状態により変動するパターンを示している。このような原則パターンでは、図164(B)に示すように、主制御基板71は、「一般中」においてのみ有利区間への移行抽籤を行うことができ、その他の場合には行うことができない。
ここで、有利区間移行確率が一律であることを担保できればよいため、「一般中」と、内部当籤役を決定するための内部抽籤に用いる抽籤値が共通の場合には、一律性の担保ができているため、主制御基板71は、例外的に有利区間への移行抽籤を行うことができる。
一例として、同図における例外パターン1は、小役(払出のある入賞役)及びRT状態の変動でも当籤確率が変化しないリプレイ(以下、「有利区間抽籤対象役」)に関する内部抽籤に用いる抽籤値が、「一般中」と「内部中」と「BB一般中」とにおいて共通(言い換えると、有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通)の場合を示す。この例外パターン1の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」及び「BB一般中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、同図における例外パターン2は、「RB作動中」も「一般中」「内部中」「BB一般中」と有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通の場合を示す。この例外パターン2の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、同図における例外パターン3は、「CB作動中」も「一般中」「内部中」「BB一般中」「RB作動中」と有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通の場合を示す。この例外パターン3の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」「CB作動中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
なお、「内部中」「RB作動中」「BB一般中」「CB作動中」は、パチスロの仕様により設けられ、パチスロの仕様によっては部分的にない場合もある。一例として、BB(第一種特別役物に係る連続作動装置)及びRB(第一種特別役物)を非搭載で、CB(第二種特別役物)を搭載(MB(第二種特別役物に係る連続差動装置)を含んでもよい)しているパチスロや、BBやRBを搭載しているものの「BB一般中」や「RB作動中」には有利区間への移行抽籤をせずに、「CB作動中」に有利区間への移行抽籤をパチスロにおいては、主制御基板71は、図164(B)の例外パターン4に示すように、「一般中」と「内部中」と「CB作動中」とにおいて有利区間への移行抽籤を行うことができる。
なお、主制御基板71は、内部当籤役として決定される確率に設定差のない役(設定不問役)だけでなく、設定差のある役(設定差役)に基づいて有利区間への移行抽籤を行うこととしてもよい。また、主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うこととしてもよく、設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。
ここで、図165は、設定不問役及び設定差役の双方に基づいて有利区間への移行抽籤を行うとともに、有利区間への移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行う場合に好適に用いられる有利区間への移行抽籤テーブルの一例である。
主制御基板71は、原則として、「役物非作動時」の「一般中」にのみ有利区間への移行抽籤を行う。例外として、「一般中」以外の状態においても、「一般中」と同じくじの構成を用いる場合に限り、有利区間への移行抽籤の結果が一律であることを担保できるものとし、有利区間への移行抽籤を行うことができる。例えば、同図の例では「リプレイ1」「チェリー」「スイカ1」「スイカ2」「押し順ベル1」〜「押し順ベル6」の内部当籤確率が「BB一般中」「RB作動中」も「一般中」と同様であれば、「一般中」と同様に有利区間への移行抽籤を行ってよい。なお、「BB一般中」「RB作動中」などボーナス状態中に再遊技が当籤しない仕様とする場合は、「一般中」の再遊技当籤時の有利区間への移行抽籤を行わない(抽籤処理自体の対象から外すものでも、抽籤処理を行うものの抽籤値を「0」とするものでもよい)ものとすれば一律性を担保できる。
同図において「リプレイ1」は、RT状態が変動しても当籤確率が変わらない再遊技役であり、「リプレイ2」は、RT状態が変動すると当籤確率も変わる再遊技役である。(注1)に示すように、「リプレイ2」に基づいて有利区間への移行抽籤を行ってしまうと、RT状態に応じて有利区間移行確率が異なり、一律性が確保できないため、主制御基板71は、「リプレイ2」に当籤した場合であっても有利区間への移行抽籤を行わない。他方、「リプレイ1」は一律性が担保できるため、主制御基板71は、「リプレイ1」に当籤した場合には有利区間への移行抽籤を行うことができる。なお、RT状態などにおいて当籤確率が異なるリプレイであっても、主制御基板71は、RT状態が非作動の再遊技確率非変動状態(RT0)中のみ有利区間への移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、同図において「チェリー」は、単独で内部当籤役として決定されることもあれば「チェリー(No.3)」、BB1とともに内部当籤役として決定さえることもある「BB1+チェリー(No.11)」。この場合、参照くじはどちらも「チェリー」であるため、(注2)に示すように、主制御基板71は、「チェリー」に紐づいた移行抽籤の抽籤値を用いて、有利区間への移行抽籤を行う。
一方で、スイカに関しては、「スイカ1(No.4)」と「BB2+スイカ2(No.12)」とでは、参照くじは「スイカ1」と「スイカ2」とで異なる。そのため、(注3)に示すように、主制御基板71は、それぞれにおいて異なる抽籤値を用いて、有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、「RB(No.13)」のように単独で内部当籤役として決定されるボーナス役は、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」「CB作動中」において、内部当籤役として決定される確率が「一般中」から変動する。そのため、(注4)に示すように、主制御基板71は、単独で内部当籤役として決定される「RB」に当籤した場合であっても有利区間への移行抽籤を行わない。
続いて、図166は、設定不問役及び設定差役の双方に基づいて有利区間への移行抽籤を行うとともに、有利区間への移行抽籤を、設定値に応じて異なる確率で行う場合に好適に用いられる有利区間への移行抽籤テーブルの一例である。
同図に示すように、主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。なお、有利区間への移行抽籤に設定差を設ける方法は任意であり、例えば、「リプレイ1」のように全ての設定値において有利区間への移行抽籤の当籤確率を異ならせることとしてもよく、また、「押し順ベル1」〜「押し順ベル6」のように一部の設定値において共通することとしてもよい。また、「チェリー」のように内部当籤役として決定される確率が異なる役についても、有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。また、「スイカ2」のように、全ての設定値において有利区間への移行抽籤の当籤確率を共通としてもよい。また、「押し順ベル1」〜「押し順ベル6」では、「押し順ベル1」における有利区間への移行抽籤の当籤確率〜「押し順ベル6」における有利区間への移行抽籤の当籤確率を共通としているが、「押し順ベル」の種別により当籤確率を異ならせることとしてもよい。
続いて、図167は、本変形例における役物割合の算出方法を示す図である。図167(A)は、遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知(指示)する指示機能(AT)がない機種における役物割合の算出方法である。このような機種の場合、主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y)に対して、いずれかの役物が作動中(ボーナス作動中)に払い出されたメダルの総数(=X)が占める割合を役物割合として算出する。
また、図167(B)は、指示機能を有する機種における役物割合の第1の算出方法であり、図167(C)は、指示機能を有する機種における役物割合の第2の算出方法である。指示機能を有する場合、遊技者に払い出されるメダルは、(X)ボーナス作動中に払い出されるメダル、(Y)ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダル、(Z)ボーナスも指示機能も作動しない状態に払い出されるメダル、に分けることができる。
図167(B)に示すように、第1の算出方法では主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y+Z)に対して、ボーナス作動中に払い出されたメダルの総数(=X)が占める割合を、役物割合として算出する。また、図167(C)に示すように、第2の算出方法では主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y+Z)に対して、ボーナス作動中に払い出されたメダルの総数と、ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダルの総数との和(=X+Y)が占める割合を、役物割合として算出する。
指示機能を有する機種では、第1の算出方法を用いて役物割合を算出することとしてもよく、第2の算出方法を用いて役物割合を算出することとしてもよい。なお、第2の算出方法を用いることで、ボーナスを不正に作動させるゴトだけでなく、指示機能を不正に作動させるゴト行為が行われた場合でも察知がしやすくなり、セキュリティ性を高めることができる。なお、第1の算出方法と第2の算出方法とを手動で又は時間経過などで自動的に切り換えて確認できるものとしてもよい。
また、有利区間への移行抽籤の方法に応じて、役物割合を算出する方法を異ならせることとしてもよい。例えば、主制御基板71は、図165のように有利区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行う場合には、第1の算出方法で役物割合を算出し、割合表示器422に表示することとしてもよい。また、例えば、主制御基板71は、図166のように有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行う場合には、第1の算出方法及び第2の算出方法で役物割合を算出し、両方を割合表示器422に表示することとしてもよい。
なお、割合表示器422で表示する項目が多すぎると、メイン(主制御基板71)側の計算の負荷が大きくなるため、第2の算出方法で算出した役物割合を表示する場合には、特定区間割合(有利区間比率(=全体のゲーム数のうち、有利区間に滞在したゲーム数の比率を示す値))を表示しないこととしてもよい。
また、(Y)ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダル、の算出方法は任意である。例えば、実際の払出枚数から乖離しないように、主制御基板71は、実際に払い出されたメダルの枚数を算出用の払出枚数カウンタに加算するものとしてもよい。この場合、指示(ナビ)と異なる停止操作の結果、打順役(押し順役)を取りこぼした場合には、払出枚数のカウンタの値は維持されるか、+0枚の処理がされて値が変化しない。一方で、主制御基板71は、指示(ナビ)が行われた場合には、打順役に応じたメダルが払い出されたものとして、指示機能の作動中に払い出されるメダルを算出することとしてもよい。この場合には、主制御基板71は、打順役が内部当籤役として決定された時点で、払出枚数のカウンタの値を打順役に応じたメダル枚数分だけ更新すればよい。これにより、遊技者の偶発的な操作ミスに左右されない遊技機の挙動を把握することができる。
また、(Y)の払出枚数を算出するメダルは、指示機能の作動中に払い出されたメダルであってもよく、また、指示機能が発動されたことに応じて払い出されたメダルであってもよい。ここで、パチスロではART中(指示機能の作動中)に、停止操作の態様によって遊技の結果(例えば、払い出されるメダルの枚数)が異なる役(例えば、押し順ベル(打順ベル))が内部当籤役として決定されると遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知する一方で、停止操作の態様に関わらず遊技の結果が異なる役(例えば、スイカ、チェリーなどの所謂レア役)が内部当籤役として決定された場合には報知の必要がないため、遊技者に対して停止操作の態様を報知しない。
(Y)の払出枚数を前者(指示機能の作動中に払い出されたメダル)から算出する場合、主制御基板71は、報知の有無に関係なくART中(指示機能の作動中)に払い出された全てのメダル(例えば、レア役に伴い払い出されたメダルも含む)を用い、(Y)の払出枚数を算出する。一方で、(Y)の払出枚数を後者(指示機能が発動されたことに応じて払い出されたメダル)から算出する場合、主制御基板71は、報知の結果としてART中(指示機能の作動中)に払い出されたメダルのみを(Y)の払出枚数を算出し、報知することなく払い出されたメダルについては(Z)の払出枚数の算出に用いる。
また、後者の場合には、主制御基板71は、以下のような制御を行うこととしてもよい。
上述したように、指示機能の作動中は、停止操作の態様に応じて異なる図柄の組合せが表示される役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する。このような指示機能により報知する対象の役として、例えば、押し順正解時に所定の図柄の組合せ(ベル−ベル−ベル)が表示され、押し順不正解時に特定の図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示される役(押し順ベル(打順ベル))があるが、パチスロによっては、停止操作の態様に関係なく(引込1)所定の図柄の組合せ(ベル−ベル−ベル)が表示される役(共通ベル)を設けることもある。このような「共通ベル」は、遊技者に対して停止操作の態様を報知する必要はないものの、所定の図柄の組合せが表示されたときに当籤した役が「押し順ベル」であるのか「共通ベル」であるのかを、報知の有無から把握できてしまうため、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合であっても、演出的に押し順の報知を行うこともできる。
ここで、「共通ベル」当籤時の押し順の報知は、演出的なものであり、遊技の結果(払い出されるメダルの枚数)に影響しない。そのため、(Y)の払出枚数を後者から算出する場合、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含める必要はないが、主制御基板71は、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含めることとしてもよく、含めないこととしてもよい。
「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含める場合、指示機能の発動(報知ランプ147aの点灯)時に払出枚数を計数するカウンタを画一的に加算することで、処理を画一的に行えるため、メイン(主制御基板71)側のプログラム容量を削減することができる。
なお、「共通ベル」当籤時の押し順の報知は、主制御基板71が報知ランプ147aを用いて行うこともできるが、副制御基板72が表示ユニット100を用いて行うこともでき、また、主制御基板71及び副制御基板72の双方において行うこともできる。ここで、「共通ベル」当籤時の押し順の報知を副制御基板72のみが行い、主制御基板71が行わない場合には、指示機能は発動していないとして、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含めないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、役物割合が所定値(70%)に近い所定の閾値以上(例えば、60%)である場合には、「共通ベル」などの引込1の役の当籤時に指示機能の発動(報知ランプ147aの点灯)を低下させる、又は発動しないようにするなどの抑制処理を行い、役物割合が所定の閾値未満(例えば、60%未満)である場合には、引込1の役の当籤時に指示機能の発動を許容するというように、役物割合に応じて、引込1の役の当籤時に指示機能の発動頻度に変化をつけるものとしてもよい。
<有利区間の別構成例>
ここまでの実施例及び仕様例では、有利区間はあくまで1つの有利区間という概念を前提として、その中で打順役の指示(ナビ)が発生しやすい状態、発生しにくい状態などを工夫することで出玉設計の白由度を高めつつ、遊技の興趣高める発明について説明をしてきた。ここからは、有利区間の概念をさらに細分化させることで、ゲーム性を整理し、
開発の効率を高めることも考えられる。以下、一例として、図168に示すように、有利区間のうち、出玉が増加しにくい区間を「演出区間」、概ね出玉が増加しやすい区間を「増加区間」と定義する案について説明する。
まず、前提として各区間を以下のように定義する。
通常区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、演出区間もしくは増加区間への移行割合が一の割合で定められている区間。
演出区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合が通常区間と共通であるが、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる区間。有利区間に含まれる。なお、上述の説明における「通常有利」を本案のように演出区間として定義した遊技性としてもよい。
増加区間:押しなべて遊技メダルが増加する区間(常時出玉率が1を超えるわけではない)であり、通常区間及び演出区間とは異なり、増加区間においてあらかじめ定められている増加区間の状態ごとに指示機能に係る処理を自由に行うことができる区間。有利区間に含まれる。
この定義を前提として、有利区間ランプについては、演出区間又は増加区間に当籤し、かつ、出玉率が1を超える状態になったときに点灯させ、初期化するときに消灯させるものとするとよい。このようにすることで、有利区間ランプが点灯しているのに、メダルが増えないという状況が生じなくなるため、少なくともメダルが増加することで遊技者にとって分かりやすい仕様の遊技機となる。
また、増加区間を終了させる際には、指示機能に係る性能に関するパラメータを初期化し、通常区間に移行させることで、遊技者間の公平性も担保することができる。そして、前述の「ART」終了時の有利区間継続抽籤で当籤した場合のように、増加区間後に演出区間に移行して、「ART」の連荘を期待させる遊技状態では、出玉が減る状態であっても有利区間ランプが点灯状態を維持して、“当り”が連続する可能性がある状態で遊技者が遊技を止めないようにとの観点から配慮した仕様としてもよい。
他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なるとは、一例として以下のような遊技仕様を指すものである。
1:通常区間での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100
移行先振分 演出区間(CZ)75% 増加区間(ART)25%
移行発生確率 演出区間(CZ)約1/133 増加区間(ART)約1/400
1:演出区間(CZ)での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100 この当籤確率1/100が共通であり移行割合が同一となる。
移行先振分 演出区間(上位CZ)10% 増加区間(ART)90%
移行発生確率 演出区間(上位CZ)約1/1000 増加区間(ART)約1/111
このように、移行先の振り分けを変化させることにより、有利区間抽籤の当籤係数は同じ値を参照としつつ、有利区間のうち、「ART」のようにメダルが増加する増加区間へ移行させるか、「通常有利」や「SCZ」のように、メダルの増加はあまり期待できないもののART当籤のチャンス状態とするかという振り分けに幅を持たせることができ、全体的な処理のフローをシンプルなものとしつつ、多彩な遊技状態の遷移バリエーションを創出することができる。
なお、演出区間はあまりに長いと、メダルの増加が期待できない状態で過度に遊技者に遊技を強制することとなり、遊技者に不快感を与えるおそれがあるため、例えば16ゲーム以下とする、又は32ゲームとするなど一定のゲーム数を上限として設定してもよい。また、消費したメダルが所定枚数(例えば50枚)に達した場合や、打順ベルの成立回数が所定回数(例えば8回)となった場合など遊技者を過度に拘束しない指標として機能するゲーム数以外のパラメータを参照して演出区間の終了条件としてもよい。
前述の実施例では、設定差のない内部当籤役に基づいて有利区間移行抽籤を行っていたが、本変形例では、設定差のある内部当籤役が決定されたことに基づいて有利区間移行抽籤を行うものとしている。この場合でも、あくまで有利区間関連の抽籤テーブル自体には設定差がない全設定共通の抽籤テーブルを参照することとして、内部当籤役の当籤確率の差に基づいて出玉率の差やART発生率に差を創出することとする。これにより、有利区間関連の抽籤テーブル自体の容量を増大させずに、出玉率の差やART発生率に差を創出することができる。
ボーナス作動中に「演出区間」に当籤した場合は、有利区間かつ演出区間かつボーナス作動により遊技メダルの増加が期待できる状態のため、有利区間ランプを点灯させることが望ましい。ボーナス作動中が消化作業ならずに、有利区間ランプに注目しつつ遊技を楽しむことができる。なお、この場合、ボーナス後に一旦演出区間(CZなど)に移行する場合は、ボーナス終了を契機として有利区間ランプを消灯させるものとする。ボーナス後に増加区間(ARTなど)に移行する場合は、そのまま有利区間ランプを点灯させ続けるものとするとよい。
RTを高RTへ移行させるいわゆるART準備中においては、必ずしも出玉率が1を超える状態ではないものの、遊技者にとって非常に有利なARTに移行する権利が既に付与されていることを確定的に報知することにより、うっかりARTの権利を残したまま遊技をやめてしまうといった事態を抑制することができる。
なお、内部当籤役だけでなく、メインリールの有効ライン上の表示出目(図柄組合せ、入賞結果、結果表示ともいう)に基づいて有利区間関連の抽籤や判定を行ってもよい。例えば、目押しタイミングにより3枚役と1枚役のいずれかを入賞させ得る内部当籤役Aがある。この場合に、3枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を行わない、又は1枚役が入賞した場合よりも不利な条件で行う、1枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を3枚役が入賞した場合よりも有利な条件で行うものとして、遊技者に対して意図的に目押しで3枚役の入賞を回避する打法を推奨することで、通常時のベースが低い打ち方を選択した遊技者には、ARTが当籤しやすいといった仕様とすることができる。
このような仕様とすることにより、通常時に3枚役を目押ししてあまりメダルを減らさない代わりにARTに当籤しにくいゲーム性にて長時間遊技を楽しむか、通常時に1枚役を目押ししてメダルの減る速度が速い代わりにARTに当籤しやすいという短時間向きの遊技性で楽しむか遊技者が任意に選択することができ、遊技性の幅が広がることとなる。
なお、あくまで上記は一例であり、1枚役など少ない払出枚数の入賞を条件とするものに限らず、目押しにより有利度合いの低いRTへ移行するRT移行出目(小役こぼし目や転落リプレイ)を表示させたり、小役を取りこぼしたりした場合に有利区間関連抽籤を、有利な表示結果を導出させた場合に比べて良い条件で行うものとしてもよい。
この思想を整理すると、停止操作態様により表示結果が異なる所定の内部当籤役が決定された場合に、遊技価値(メダル)の付与又はRTの遷移あるいはボーナスの作動などに入賞判定による恩恵に関して最も有利ではない表示結果を導出したことに基づいて所定の有利区間関連抽籤を行う、又は有利区間関連抽籤の抽籤内容が入費判定による恩恵について最も有利な表示結果が導出された場合よりも有利な内容で行われるものとなると、表現することができる。
一部のボーナス作動中をメダルが実質的に減るように内部当籤役を重複させて決定させることで、ボーナス中を減る状態した分、ART中の1ゲームあたりの増加枚数を3枚程度に増やす手法ないし、ボーナス作動中は無純増役のみが成立して純増0枚のボーナスとなることで、遊技機型式試験においてボーナスを利用して、ART中の増加速度の速さを相殺して適合させる仕様も考えられる。また、ボーナス内部中で有利区間関連抽籤を行うものとして、通常区間、演出区間、有利区間もボーナス内部中RTに滞在し、小役確率を高めることでボーナスが極めて入賞しにくいというボーナスを封じ込めるような仕様を、変形例に合わせて採用し、遊技者や遊技場の希望が高い適切な出玉速度の遊技機を提供するようにしてもよい。
なお、出玉速度が速くなると射幸性が高いと感じる遊技者もいるため、リミッタゲーム数を1500ゲームから1200ゲームなど短くして適切に射幸性を抑制して、いわゆるのめり込みを防止すべきとの観点から配慮してもよい。
また、リミッタの発動条件となるゲーム数については、演出区間を含む有利区間の開始からカウントを始めても、増加区間の開始からカウントを始めてもよい。また、一日の遊技のうちで、客側から見て一番マイナスの大きい時点の差枚数を起点として、そこから3000枚メダルが増加した場合にリミッタを発動させるなど、当該有利区間以外の差枚数などの状況を参照して、ゲーム数以外の要素に応じたリミッタで射幸性を抑制してもよい。
また、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる例として、図169に示す遊技仕様を用いることとしてもよい。
具体的には、図169(A)は、有利区間への移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの例を示す。同図に示すように、移行抽籤テーブルには、参照項目(内部当籤役)ごとに抽籤結果についての抽籤値の情報が規定されている。ここで、抽籤結果として、当籤時に行うべき処理(当籤処理)を規定している点にある。この当籤処理は、図169(B)に示す通り、当該当籤処理が決定された際に滞在している状態に応じて異なり、例えば、「当籤処理1」が決定された場合であっても、滞在している状態が「通常区間」であるときは、主制御基板71は、通常区間から演出区間Aへの移行を行い、滞在している状態が「演出区間A」であるときは、主制御基板71は、演出区間Aから演出区間Bへの移行を行う。このようにすることで、移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる制御を実現することができ、その結果、有利区間移行確率の一律性を担保することができ、公平な遊技性を実現し、また、データ容量の削減を図ることができる。
なお、主制御基板71は、「増加区間」中に予め定められたテーブルなどを参照して、自由に上乗せ抽籤などを行うこととしてよい。例えば、「増加区間」中に複数の状態(上乗せ低確、高確、超高確、特化ゾーン)などを設けて、現在の状態に応じて上乗せ抽籤を行うこともできる。
<有利区間ランプの点灯タイミングの別例>
続いて、図170を参照して、有利区間として「演出区間」と「増加区間」とを有するパチスロ機1における有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯タイミング、特に、「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出と、有利区間ランプの点灯タイミングとの関係について説明する。「演出区間」と「増加区間」とを有するパチスロ機1では主制御基板71は、有利区間に移行したタイミングではなく、「増加区間」に移行したタイミングで有利区間ランプを点灯することができる。また、パチスロ機1では、副制御基板72は、「演出区間」中に「増加区間」へ移行可能であるか否かに関する演出(前兆演出)を実行することができる。以下に示すように、本制御では、「増加区間」に移行することが決定されている場合、副制御基板72は「演出区間」中に前兆演出を行うとともに、前兆演出の結果として「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出を行い、その後、「演出区間」から「増加区間」に移行すると、主制御基板71は、有利区間ランプを点灯する。言い換えると、本制御では、副制御基板72による前兆の結果の報知の後に、主制御基板71は、有利区間ランプを点灯する。
初めに、図170(A)は、有利区間ランプの点灯タイミングと、前兆の結果を報知するタイミング(報知演出のタイミング)との関係を示す第1のパターンである。同図では、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤において、主制御基板71は、「演出区間」に移行した後に「増加区間」に移行すると決定している。この決定により、主制御基板71は、「増加区間」への移行に当籤したタイミングから、有利区間の「演出区間」に遊技状態を移行しているが、有利区間ランプは未だ点灯していない。「演出区間」中を「増加区間」への前兆として用いるべく、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「演出区間」中に「増加区間」への移行を煽る前兆演出を行う。その後、前兆の終了間際になると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「増加区間」へ移行するか否かを報知する報知演出を実行する。同図に示す例の場合、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤において「増加区間」に移行することが決定されているため、副制御基板72は、報知演出において「増加区間」へ移行する旨の決定がされていることを報知する。その後、主制御基板71は、「演出区間」から「増加区間」に遊技状態を移行するが、「増加区間」に移行したタイミングで、有利区間ランプを点灯する。
続いて、図170(B)は、有利区間ランプの点灯タイミングと、報知演出のタイミングとの関係を示す第2のパターンである。同図では、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤では、主制御基板71は、「演出区間」に移行した後に「増加区間」に移行することなく有利区間を終了すると決定している。この決定により、主制御基板71は、有利区間の「演出区間」に遊技状態を移行しているが、有利区間ランプは未だ点灯していない。主制御基板71は、「演出区間」中も移行抽籤を行っており、同図に示す例では、「演出区間」中の移行抽籤の結果、「増加区間」への移行が決定されている。図170(A)と同様に、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「演出区間」中に「増加区間」への移行を煽る前兆演出を行う。その後、前兆の終了間際になると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「増加区間」へ移行するか否かを報知する報知演出を実行する。同図に示す例の場合、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤では「増加区間」への移行は決定されていないものの、その後の「演出区間」中に行った移行抽籤において「増加区間」に移行することが決定されているため、副制御基板72は、報知演出において「増加区間」へ移行する旨の決定がされていることを報知する。その後、主制御基板71は、「演出区間」から「増加区間」に遊技状態を移行するが、「増加区間」に移行したタイミングで、有利区間ランプを点灯する。
このように有利区間ランプの点灯タイミングを、報知演出よりも後に行うことで、本制御によれば、「演出区間」中の前兆演出や報知演出の実行時において、遊技者は「増加区間」への移行に当籤しているか否かを把握するすべがなく、演出に対する興味を失うことがない。
続いて、図170(C)は、有利区間への移行抽籤の抽籤結果(当籤処理)の別例である。同図に示すように、主制御基板71は、通常区間中の有利区間への移行抽籤において「当籤処理1」を決定した場合、通常区間から「演出区間」に移行し、当該「演出区間」において15ゲーム経過した後に有利区間を終了し、通常区間に移行する。また、主制御基板71は、通常区間中の有利区間への移行抽籤において「当籤処理2」を決定した場合、通常区間から「演出区間」に移行し、当該「演出区間」において15ゲーム経過した後に初期ゲーム数を50ゲームとするART(「増加区間」)に移行する。
このようにすることで、通常区間中の移行抽籤において「増加区間(ART)」への移行に当籤していた場合と、当籤していない場合とで、「演出区間(前兆)」の長さを同じにすることができる。遊技者にとってみれば、「演出区間(前兆)」中にその後の展開を予測することができないため、最後まで興味を失うことなく遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、主制御基板71は、有利区間のうち「演出区間」については、押し順役に当籤したときの押し順ナビ、すなわちナビの発生により出玉増加の利益がある押し順ナビを1回も発生させずに終了可能としてもよい。「演出区間」は有利区間ランプが点灯しない区間であるため、点灯したにも関わらずなんの恩恵もないということを遊技者が感じることがなく、遊技者を落胆させてしまう恐れもないためである。また、主制御基板71は、「演出区間」中において、押し順役に当籤した遊技において押し順を報知することで、多少の出玉の増加ないしメダルの消費低減を許容することとしてもよいが、「増加区間」と比べて押し順役に当籤した遊技における押し順の報知頻度を相対的に低いものとして、あまり出玉を増加させないものとすることが望ましい。「演出区間」中のメダルの増加を増やしてしまうと、出玉のバランス調整上「増加区間」で払い出すべき払出を相対的に低下させることに繋がる恐れがあるためである。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御部として機能する。
また、主制御基板71は、遊技状態の移行を決定可能であり、また、少なくとも通常区間と、通常区間よりも有利であり「演出区間」及び「増加区間」を有する有利区間とに遊技状態を制御することができるため、主制御基板71は、移行決定手段及び状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技状態が「増加区間」になると、遊技状態が「増加区間」であることを報知可能な有利区間ランプを点灯するため、主制御基板71及び有利区間ランプは、報知手段として機能する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、演出を制御するとともに、遊技状態が「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出(特定演出)を実行可能であるため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出制御部及び報知演出実行手段として機能する。
また、主制御基板71は報知ランプ147aを制御して、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知するとともに、副制御基板72は表示ユニット100を制御して、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<有利区間リミッタの別例(枚数リミッタ)>
続いて、図171〜図173を参照して、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの別例について説明する。これまで、有利区間のリミッタとして、有利区間中に消化したゲーム数を用いたリミッタ(以下、「ゲーム数リミッタ」)について説明したが、有利区間のリミッタの種類は、ゲーム数リミッタに限るものではない。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に払い出されたメダルの枚数が所定枚数(例えば、2400枚)以上に達するとリミット処理を行うこととしてもよい。なお、このような有利区間中に払い出されたメダルの枚数を用いたリミッタを、以下では「枚数リミッタ」と呼ぶ。
図171(A)は、枚数リミッタの概要を示す図である。同図において、縦軸は差枚数(=払出枚数−投入枚数)であり、純増枚数ともいう。差枚数のプラス及びマイナスは、遊技者から見た値であり、遊技者に対して払い出されたメダルの方が投入されたメダルよりも多い場合(遊技者側のプラス)にはプラス、逆の場合にはマイナスになる。また、横軸はゲーム数であり、右に行くほど有利区間の開始から多くのゲームが消化されたことを意味する。枚数リミッタは、遊技者が一度に極端に多くのメダルを獲得しないように最もメダルが減った時点を起点して、2400枚のプラスの差枚数が得られたときに有利区間を強制的に終了させるものである。
同図では、有利区間開始後、100枚ほどメダルが減っている。これは、例えばART準備中又は前兆状態などでメダルが減ったものである。そして有利区間開始から−100枚となった時点からメダルは増加しつづけ、最終的に+2300枚ほどまでメダルが増加している。この時点で、遊技者目線では、少なくとも2400枚のメダルが手元にあることとなる。そこで、主制御基板71は、枚数リミッタを発動し、有利区間を強制的に終了させる。これにより、射幸性を適切に抑制することができる。
なお、主制御基板71は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、枚数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタ発動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。なお、本説明においては、ゲーム数リミッタを1500ゲーム、枚数リミッタを2400枚として説明したが、これは一例であり、これより少ない値又は多い値を遊技仕様に応じて採用して射幸性を適切に制御するものとしてもよい。
ここで、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いる場合について説明する。より具体的には、有利区間(ART、ATなど)におけるメダル増加の傾斜値A(1ゲームあたりの純増期待値、ボーナス作動による増加を含む純増期待値)と、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bと、枚数リミッタの発動条件となる差枚数Cとの関係について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、有利区間におけるメダル増加の傾斜値Aが「3枚」、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bが「100ゲーム」であるものとする。
第1の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B=枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)=C(300枚))が考えられる。このような仕様は最も基本的な仕様であり、有利区間を安定的に制御することができ、射幸性を適切に抑制することができる。
第2の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B<枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)<C(400枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に400枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、400枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。ボーナスを期待値よりも多く引くか、純増枚数の多い押し順役を期待値よりも極端に多く引いた場合に枚数リミッタが作動し、期待値に近い値で遊技が進行した場合は、ゲーム数リミッタが発動する可能性が高くなる。傾斜値が「3枚」であるため、結果として、リミッタが発動する場合は、100G到達によるゲーム数リミッタの方が、枚数リミッタよりも発動しやすくなり、遊技者の意識は差枚数よりもゲーム数に傾くこととなる。
すなわち、傾斜値が「3枚」であるため、平均して133.3ゲームで400枚のメダルが払い出されることになり、その前にゲーム数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ>枚数リミッタ、となる。差枚数による枚数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、ARTを1セット100枚の純増で終了など終了条件(リミッタではない)を差枚数で管理とするタイプの場合はこのようなリミッタ仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
第3の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B>枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)>C(200枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に200枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、200枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。傾斜値が「3枚」であるため、平均して66.6ゲームほどで200枚のメダルが払い出されることになり、100ゲーム消化の前に枚数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ<枚数リミッタ、となる。ゲーム数消化によるゲーム数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、1ゲームあたりの純増枚数0.1〜1枚などと比較的低いが長いゲーム数継続するような仕様については、このような仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
なお、何れの仕様にしても、リミッタ到達により終了する割合よりも、リミッタ以外の有利区間の終了条件(ARTゲーム数やセット数ストックがゼロになるなど)によることにより、有利区間が終了する割合が高い出玉設計として、有利区間を消化できる権利がリミッタ発動により消去される事象の発生を抑制することが望ましい。
続いて、複数のリミッタを設ける場合に実現可能な遊技性について説明する。
(リミッタの種別に応じた有利区間終了時演出)
枚数リミッタの発動時と、ゲーム数リミッタの発動時とで、副制御基板72は、表示ユニット100を用いて異なる有利区間終了時演出を実行可能としても良い。それぞれを専用の演出とした場合には、それぞれの演出を一度は見てみようという遊技動機につながる。また、副制御基板72は、リミッタの種別に応じて有利区間終了時に行う演出の振り分けを異ならせるものとしても良い。例えば、枚数リミッタだとゲーム数リミッタ発動時よりも、設定示唆の精度が高い(設定ごとの係数の差が大きい、または特定の設定が確定する演出が出やすいなど)としてもよい。設定示唆など特定の情報が得られる又は専用演出が見られることで、リミッタにより有利区間が打ち切りとなる不快感を低減できる。また、有利区間終了時に行う演出の振り分けを、上述のリミッタの仕様に基づき設定することとしてもよい。例えば、仕様上、発動し易いリミッタよりも、発動し難いリミッタが発動した場合の方が、副制御基板72は、遊技者にとって好ましい(例えば、設定示唆の精度が高い)演出を決定し易いとしてもよい。
(リミッタの種別に応じたエンディング演出)
また、副制御基板72は、枚数リミッタの発動が濃厚になった状況となった場合は、エンディング演出1を、ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況の場合は、エンディング演出2を、どちらが発生するか割合に大きな差がないが、少なくともどちらかが発生することが濃厚になった場合には、エンディング演出3(エンディング演出1又は2への分岐を持つ演出としてもよい)を行うなど、有利区間の終了時にいきなり打ち切りになって違和感を遊技者に与えないように、リミッタ発動前から有利区間終了示唆演出期間(エンディング)を設けることとしてもよい。なお、「枚数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTを差枚数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでの差枚数と、残りのART期間から算出される差枚数(例えば、ゲーム数管理のARTの場合には「残りゲーム数×傾斜値」)との和が、閾値(例えば、枚数リミッタが発動する差枚数や、当該差枚数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTを差枚数に基づき管理する場合は、これまでの差枚数と、残り枚数との和が、閾値に達したときである。また、「ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTをゲーム数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでに経過したゲーム数と、残りのART期間から算出されるゲーム数(例えば、差枚数管理のARTの場合には「残り差枚数/傾斜値」)との和が、閾値(例えば、ゲーム数リミッタが発動するゲーム数や、当該ゲーム数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTをゲーム数に基づき管理する場合は、これまでに経過したゲーム数と、残りゲーム数との和が、閾値に達したときである。
(発動したリミッタの種別を履歴画面において報知ないし示唆)
また、副制御基板72は、発動したリミッタの種別ないしリミッタ種別に対応して発生する演出(上記エンディング演出の種類など)について、遊技者がメニュー画面にて閲覧可能な遊技履歴画面に表示しても良い。この場合は、そもそも多くの出玉を獲得できているため、高設定に期待できるとの遊技意欲を喚起させることができる。
(リミッタの種別に応じた外部信号を出力)
また、枚数リミッタと、ゲーム数リミッタのどちらが発動したか、ホール側がホールコンピュータなどで把握できるように、主制御基板71は、発動したリミッタに応じた種類の外部信号を出力するとよい。このとき、主制御基板71は、外部端子板の異なるピンからリミッタ発動の外部信号を出力するものとしてもよい。例えば、本来の出玉仕様であれば主にゲーム数リミッタが発動し、枚数リミッタはあまり発動しない機種において、頻繁に枚数リミッタが発動している場合は、何らかのゴト行為が行われているか、遊技機とホールコンピュータとの接続ミスの可能性をホール店員は察知することができる。
なお、同じ遊技においてで枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件を満たした場合は、主制御基板71は、予め定めたどちらか一方の信号を出力してもよいし、2種類の信号を所定の順番で出力してもよい。順番に出力する場合は、確実に受信できるように先に出力する信号の出力完了から、次の信号出力まで所定時間の間を空けるとよい。また、同じ遊技において枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件とを満たした場合は、どちらか一方のリミット処理のみを行い、他方の処理は行わないものとして、メイン(主制御基板71)において余計な処理を発生させないものとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、行われた種別のリミッタに応じた外部信号を出力する。
(リミッタの種別を問わず一の外部信号を出力)
また、メイン(主制御基板71)の容量や、外部信号出力用の端子板のピン数に余裕がある場合は、上述のように異ならせても良いが、リミッタの種別に関わらず同じ外部信号を出力するものとしてもよい。メイン(主制御基板71)の容量を節約することができる。
(リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了で同じ外部信号を出力)
また、主制御基板71は、リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了とで同じ外部信号を出力し、有利区間が終了した旨をホールコンピュータなどで察知できるものとしてもよい。この場合は、さらにメイン(主制御基板71)の容量を節約できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力例(すぐに出力))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力を当該遊技又は当該遊技の終了直後に開始してもよい。このようにすることで、例えば一撃の獲得枚数が枚数リミッタの枚数を超えたとしてもリミッタ機能に不備があったわけではなく、偶然枚数リミッタ到達付近でボーナスが作動して出玉を獲得したということをホール側は確認できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力(ボーナス終了時))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力をボーナス終了時ないし終了直後に開始してもよい。実質的に出玉増加する遊技状態の
終了を正確に把握させたい場合はこのような仕様としてもよい。
(枚数リミッタ発動の可能性がある遊技で遊技者が小役を取りこぼした場合の演出)
例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚の3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤し、正解の押し順の報知が行われたにも関わらず遊技者が押し順をミスした場合、遊技開始時の状況を見て当該ゲームで枚数リミッタが発動すると想定して、当該遊技の開始時から枚数リミッタ発動時の演出を始めていることがある。このようなケースでは、押し順を間違えた結果、枚数リミッタは発動しないものの、副制御基板72は、当該遊技の開始時から始めていた枚数リミッタ発動時の演出(例えば、枚数リミッタの発動が予定されている旨の演出)をそのまま継続して実行することとしてもよく、また、枚数リミッタが発動しないと判断したことにより、当該演出を一旦終了ないし中断することとしてもよい。
(発動するリミッタが遊技者の操作により変更される場合の演出)
また、遊技者の操作ミスなどにより発動するリミッタの種類が異なる場合がある。例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚、かつ、ゲーム数リミッタが発動するまでの残りゲーム数が2ゲームの状況において、3枚掛け遊技で正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤し、正解の押し順の報知が行われたケースが該当する。このようなケースでは、遊技者が報知に従い停止操作を行った場合には当該遊技において枚数リミッタが発動するが、報知に従わずに押し順にミスした場合には次遊技においてゲーム数リミッタが発動する(なお、次遊技で枚数リミッタが発動する可能性もあるが、ここでは、複数のリミッタ発動条件が成立した場合にゲーム数リミッタが優先して発動するものとする)。
このような場合、副制御基板72は、押し順ベルに当籤した遊技において枚数リミッタ発動時の演出を開始して、枚数リミッタの非発動が確定した移行の任意のタイミング(第1停止操作〜全リール停止時のうち、取りこぼし乃至少ない枚数の図柄組合せの表示が確定した以降の任意のタイミング)で、ゲーム数リミッタ発動時の演出に切り替えるか、いずれかのリミッタ発動示唆にも対応しない演出に一旦戻すような処理を行って、発動するリミッタと演出との矛盾を回避するように制御することが好ましい。
(ボーナス作動中、内部中のリミッタ発動による終了時演出の遅延及びエンディング演出の延長)
なお、ここまで説明したリミット処理に関連して行われる演出及び制御についても、前述したボーナス作動中にリミット処理が行われる場合は、リミット処理による有利区間終了に応じた演出の発生タイミングをボーナス終了時又は終了直後まで遅らせる、かつ、エンディング演出などの有利区間中演出をそれまで延長するという手法を用いることで、遊技者の違和感を軽減することができる。
<枚数リミッタの制御方法>
続いて、図172(B)を参照して、枚数リミッタの制御方法について説明する。枚数リミッタでは、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分を、枚数リミッタの発動契機となる差枚数として用いる。同図では、有利区間開始を1ゲーム目として遊技が進行していきメダルの増減を1〜8ゲームで繰り返した後に、増加していき枚数リミッタに到達する例を示している。
同図では、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点が「−9枚」であるため、Nゲーム目に差枚数が「+2391枚」となったタイミングで枚数リミッタが発動している。なお、枚数リミッタの発動に伴い、リミッタ用のカウンタは0にリセットされている。その後N+2ゲーム目に押し順に正解したベルが揃った結果、起点からの差枚数が「+2400枚」を超えているものの、既に枚数リミッタが発動し、有利区間(ART)は終了しているため、一時的なものに過ぎず、問題はない。
なお、同図では、当該ゲームの払出終了時点の有利区間開始時からの絶対的差枚数を示しいているが、説明用の値であり、該当するカウンタは遊技機に当籤する必要がない。もちろん、該当するカウンタを当籤して遊技者に獲得枚数を示すために用いることとしてもよい。
また、起点フラグは、現時点の遊技の状況が有利区間開始後の最下点であることを示す情報である。起点フラグを持たずに、単にリミッタに用いるカウンタ(枚数カウンタ)の値が0であることを持って最下点と認識しても良いが、枚数リミッタ発動までの差枚数減算が始まったか否かをサブ(副制御基板72)側で演出する場合など、ON/OFF判定のみで行える起点フラグを参照して、枚数カウンタの値をサブ側に送信せずに演出させることでメイン(主制御基板71)の処理負荷を軽減することができる。なお、その場合は、サブ側はメインから送信される投入枚数、払出枚数の情報を受けて枚数カウンタと同様の処理をサブ側で行い、枚数カウンタの状況として演出(枚数リミッタ発動までの枚数報知など)を行っても良い。
最下点(起点)は、直近の最下点と同じ値又はより少ない値となった場合のいずれかで更新すれば良い。有利区間開始後の1ゲーム目終了時に絶対的差枚数が「−3枚」となった後一度増加し、4ゲーム目終了時に再び絶対的差枚数が「−3枚」となっている。そのため、主制御基板71は、4ゲーム目終了時に再び起点フラグを設定している。実際には、その後もメダルが減ったため、有利区間開始後の8ゲーム目終了時の絶対的差枚数が「−9枚」が枚数リミッタにおける起点となっている。
なお、同図では、第1最下点を、有利区間開始後の1ゲーム目終了時としているが、有利区間開始時点の1ゲーム消化より前の時点(絶対的差枚数が0枚時点)を第1最下点として設定し、1ゲーム終了時を第2最下点、マイナス9枚となった時点を第3最下点として第3最下点から2400枚増加すると枚数リミッタを発動するものとしてもよい。また、同図では、リプレイの入賞時には投入枚数0枚、払出枚数0枚として枚数カウンタを更新している。これにより再遊技時の差枚数を更新する必要がなくなり処理負荷を軽減することができる。一方で、リプレイの入賞時に投入枚数分の払出枚数を行い、次ゲームにおいて投入枚数が3枚として枚数カウンタを更新することとしてもよい。このようにすることで、リプレイが入賞してから次ゲームの開始操作が行われるまでの間の枚数カウンタの値を現実の差枚数挙動と一致させることができ、枚数カウンタの値を実増減枚数として参照して、演出用の枚数表示などに流用し易くなる。
なお、副制御基板72は、枚数カウンタの値を表示ユニット100(液晶画面)などで報知して、枚数リミッタ発動までの残り枚数を遊技者に把握可能ないし示唆してもよい。また、副制御基板72は、枚数リミッタ発動までの残り枚数を直接的に表示せず、枚数リミッタ発動まで残り2000枚以上なら第1演出ステージ、残り1000〜1999枚なら第2演出ステージ、残り999枚以下なら第3演出ステージのように、背景などの演出ステージを枚数リミッタ発動までの枚数範囲に応じて異ならせて示唆しても良い。
また、主制御基板71は、枚数カウンタの値を外部信号として出力して、ホールコンピュータやパチスロの上部などに設置される遊技データ閲覧用のデータ表示器などで表示可能としてもよい。なお、主制御基板71は、起点フラグ及び枚数カウンタの値を、電断時でも消去せず維持することが好ましい。一方で、主制御基板71は、設定変更時には、起点フラグ及び枚数カウンタの値を消去することとしてもよい。
<枚数リミッタの調整打法>
続いて、図173(C)を参照して、枚数リミッタの調整打法について説明する。枚数リミッタを用いて有利区間を強制的に終了させる仕様では、枚数リミッタの発動直前にメダルの増減を調整することで、枚数リミッタの発動を介する方法も考えられる。例えば、押し順役が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると「9枚」のメダルが払い出され、不正解の押し順で停止操作が行われるとメダルの払い出しが「0枚」である仕様では、1回の遊技において3枚のメダルが必要であるため、押し順役の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「+6枚」され、押し順役の当籤時に不正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「−3枚」される。そのため、例えば、押し順役に3回当籤した場合に、押し順に2回不正解し、1回正解すると、枚数カウンタの値は維持され、結果、枚数リミッタが発動することがない。
このように枚数リミッタを調整することで、枚数リミッタの発動直前にARTのままボーナスの当籤を待つことなどができる。同図に示す例では、Mゲーム目からこのような調整打法が始まっており、BB(ボーナス)に当籤するXゲーム目まで調整打法が行われている。その結果、X+10ゲーム目には、枚数リミッタが発動する+2400枚を超える+2512枚のメダルが獲得できている。
なお、パチスロ機1では、意図的に押し順の報知に逆らった方が有利である旨を示唆ないし報知する演出を行って遊技者に最大の利益を得ることのできる打ち方(打順ナビと異なる停止操作)を促しても良い。なお、このような演出は、副制御基板72が表示ユニット100などを介して行うこととしてもよく、また、主制御基板71が行うこととしてもよい。
なお、純増15枚程度かつ比較的当籤確率の高いミニボーナス(ボーナス作動中の15枚役は取りこぼし不能ないし困難)と、純増120枚のボーナスなど複数種類のボーナス役が存在する場合は、枚数リミッタ到達までの残り差枚数がミニボーナスにおける純増枚数よりも多い枚数のラインで上記調整打法を推奨する演出を行ってもよい。また、押し順役以外の小役については、払出枚数が3枚を超える増加役とせずに、枚数調整がしやすいもの(例えば、払出枚数が3枚)としてもよい。このように打ち方の工夫で出玉率を向上できる遊技性とすることで遊技の興趣が高まる。
なお、こうした遊技性の複雑さが初心者に敬遠されるなどのデメリットを重視する場合は、枚数カウンタを実際の純増枚数分だけ加算するのではなく、指示通りに遊技した場合の純増枚数分だけ加算することとしてもよい。例えば、3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤した場合、主制御基板71は、正解の押し順を報知したことを条件に、遊技者の操作態様や入賞結果を問わずに枚数カウンタに+6とする処理を行う。このような仕様として、こうした調整打法を封じる仕様としてもよい。
<調整打法を封じる仕様の遊技性>
続いて、このような調整打法を封じる仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス非搭載)
そもそもボーナス役を搭載せずに、小役と再遊技のみで内部当籤役を構成すると上記のような複雑な打法を遊技者に求めることがなくなり、遊技性が分かりやすくなる。
(無増減又は減るボーナス搭載)
また、上記の打法を抑制する別の仕様例として、ボーナスは作動中に投入枚数と同枚数の払出が行われる小役しか入賞しない無増減ボーナスとしてもよく、また、ボーナスは作動中に投入枚数よりも少ない枚数の払出が行われる小役しか入賞しない減るボーナスとしてもよい。この場合、ボーナスはメダルが増加しないかわりに有利区間の抽籤において有利な処理をボーナス作動時またはボーナス作動中に行うこととしてもよく、また、有利な処理を行わないものの、遊技店において遊技者が通常の遊技を行う限りリール制御でボーナスの入賞が阻害され、ボーナスが入賞困難な仕様としても良い。
(ボーナス作動中の純増枚数が3枚以下)
3枚掛け遊技を前提として、ボーナス入賞時には払出がないため、ボーナス入賞ゲームでの差枚数はマイナス3枚となる。ボーナスは3枚掛け1ゲームで終了するとして、ボーナス作動中に発生する最大枚数の入賞は6枚役以下とする。このようにすることで、ボーナス作動時からボーナス終了時までの差枚数がプラスの値になることがないため、枚数カウンタの値がボーナス作動により増加することがなくなり、前述のような複雑な打法を遊技者は行わずに済む。
<調整打法を認める仕様の遊技性>
続いて、このような調整打法を認める仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス作動中の小役はずし又は獲得枚数低減)
前述の打法を行える仕様に加えて、ボーナス作動中に枚数リミッタが発動してしまう場合は、あえてボーナスの獲得枚数を減らして、当該ボーナスを終わらせて、ボーナス後は、上述の打法により有利区間を延命しつつ、次回のボーナスを待つのが最も有利という場合がある。そこで、ボーナス作動中に、小役を目押しタイミングや押し順で取りこぼせる又は払出枚数の少ない役を入賞させることができるものとする。この場合、払出枚数の少ない役は、ボーナス作動中の投入枚数よりも少ない枚数であることが望ましいが、例えば特定ポイントを目押しすると14枚、それ以外のポイントを目押しすると15枚の払出が受けられるなど、微調整を行うことができる役を設けるというものでも一定の効果を奏することができる。
(押し順役以外の通常時の役は再遊技又は投入枚数以下の役のみ)
例えば、ボーナス非作動中3枚掛けと仮定する。押し順ベルは9枚とするが、いわゆるスイカ、チェリー、押し順の概念なしのベルなど他の役は再遊技役、又は、払出枚数3枚以下の役として構成する。こうすることで、残り数枚の純増で枚数リミッタが作動する状況で他の小役を引いた場合でも枚数リミッタが作動することなく攻略打法の難易度が低下して遊技しやすくなる。
(押し順役のナビと異なる停止操作をした場合に、特定枚数(1〜2枚役)が入賞する頻度に遊技者が介入できる)
押し順役のナビと異なる停止操作をした場合は、1枚払出又はとりこぼしとなる仕様がある。この場合、当該ゲームの増減がマイナス2枚、マイナス3枚の2通り生じるため、計算しにくく、遊技していて混乱することがある。そのような仕様と比べて、ナビ無視時は、必ず1〜2枚が揃うなど枚数が固定される場合は、ギリギリの枚数の状態でのナビ無視時のマイナス値が例えばマイナス2枚に固定されるため、計算しやすく、遊技者が計算をミスしてあと1回ナビ無視すべきところをナビ通りに打ってしまい打順ベルをとってしまうというケアレスミスが低減する。
なお、必ずではなく高い頻度で1枚払出となる又は取りこぼしとなるなど、おおむね安定させるものとしてもある程度の効果は発揮できる。また、ナビ無視のパターンにより、払出枚数が安定するものでもよい。例えば、「1・2・3」(左・中・右が正解打順)の打順ナビ発生時に、1枚役入賞率は“中1st”>“右1st”という関係性を持たせて、3枚減らしたい場合は、右第1停止、2枚減らしたい場合は中第一停止と遊技者が選択できるものでもよい。また、当該ゲームで第1停止正解後に第2停止をミスした場合「1・3・2」の順に停止した場合は、他のナビ無視打順よりも高い確率で又は必ず1枚役が入賞するなど、遊技者が減らし方を打法で選択できるものとするとよい。
(ナビ無視すべき場合にナビ態様変化)
ナビにしたがって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第1態様(青数字など)で行い、ナビに逆らって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第2態様(赤数字など)で行う。
(ナビ無視すべき状況か演出で変化)
主制御基板71又は副制御基板72は、BGMや映像、ランプなどの態様をナビ従う状況と、ナビに逆らう状況とで異ならせてもよい。ナビ発生よりも前の時点で、次ゲームでナビが発生したらナビに逆らうべき状況か否かを事前に把握できるようにすることが望ましい。
(ナビ無視すべき場合にロックやリールフリーズ)
主制御基板71は、レバーオン直後、リール回転開始後などにリールの回転開始遅延(フリーズやリールアクション)や、ストップボタンの一時操作受付無効化期間を設けることとしてもよい。これにより、遊技者に注意喚起をすることができ、有利区間を誤って終わらせてしまうケースを防止できる。また、主制御基板71又は副制御基板72は、合わせて音声や映像などでも注意喚起することが望ましい。
<有利区間リミッタの別例(払出枚数リミッタ)>
ここで、上述の枚数リミッタでは、差枚数(=払出枚数−投入枚数)、すなわち、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数から当該遊技において用いられたメダルの枚数を減算した値に基づき、リミット処理を行うこととしているが、これに限られるものではない。主制御基板71は、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数を用いてリミット処理を行うこととしてもよく、このようなリミッタを払出枚数リミッタと呼ぶ。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に所定枚数(例えば、2400枚など)のメダルを払い出したことを契機として、有利区間を終了するリミット処理を行うこととしてもよい。
上述の枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引いた差枚数を基準としてリミット処理を行っているが、払出枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引くことなく、払出枚数をそのまま参照して、払出枚数が規定値に達した場合にリミット処理を行う。このような払出枚数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時に払出枚数カウンタを初期化して、小役の入賞により払出が発生するたびに当該払出枚数カウンタを更新する。そして、主制御基板71は、払出枚数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。
このような払出枚数リミッタにおいても、リプレイに係る役が入賞した場合の払出枚数カウンタの更新方法は任意であり、3枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよく、また、0枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよいが、主制御基板71は、リプレイに係る役が入賞した場合には0枚の払い出しとしてカウントすることが望ましい。このようにすることで、例えば、3BETの遊技において3枚役(入賞したときに3枚のメダルが払い出される役)が入賞した場合と、リプレイに係る役が入賞した場合とで、払出枚数カウンタの値の変化を異ならせることができる。すなわち、3枚役が入賞した場合よりも、リプレイに係る役が入賞した場合の方が払出枚数カウンタのカウントが進まない分、遊技者にお得感を感じさせることができ、実質的に同価値である3枚役とリプレイに係る役との価値に差を持たせることができる。
<有利区間リミッタの別例(ナビ回数リミッタ)>
また、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの種類としては、以下に説明するナビ回数リミッタも用いることができる。ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間中に遊技者に対して所定回数(例えば、400回など)の報知(ナビ)を行ったことを契機(すなわち、ナビ回数が規定値に達したことを契機)として、有利区間のリミット処理を行う。ここで、ARTなどの有利区間中に遊技者に対して行うナビの中には、有利区間中にメダルを増加させるためのナビの他、有利区間中にメダルを維持又はメダルの減少を通常区間中に比べて抑制するためのナビがある。前者のナビは、例えば、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順正解時)に3枚よりも多いメダル(例えば、9枚など)が払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいい、後者のナビは、例えば、RT状態を高RTのまま維持するためのナビや、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合に3枚、又は、正解の停止操作の態様である場合に3枚よりも少ないが不正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順不正解時)よりも多いメダルが払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいう。なお、前者のナビの対象となる役は、その役割から有利区間(ART)中にメダルを増加させる増加役と呼ぶことができる。パチスロにおいて、複数の役のうちのどの役を増加役とするかは、遊技仕様の観点から任意に設計することができる。
ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、増加役の当籤時に行ったナビの回数については、ナビ回数リミッタによるリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウント対象とする一方で、非増加役の当籤時に行ったナビの回数については、当該ナビ回数のカウント対象から除外することとしてもよく、また、非増加役の当籤時に行ったナビ回数についても、当該ナビ回数のカウント対象に含めることとしてもよい。非増加役の当籤時に行ったナビの回数をカウント対象から除外することで、偶然、非増加役が有利区間(ART)の開始後に多く成立してしまったケースのように、メダルがあまり増えていない場合に、過度な出玉を抑制するというリミッタの趣旨とは関係ない事象で有利区間が終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満を与えることがない。
このようなナビ回数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時にリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウンタ(ナビ回数カウンタ)を初期化して、カウント対象となるナビが発生するたびに当該ナビ回数カウンタの値を更新する。そして、主制御基板71は、ナビ回数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。なお、これまでに説明した各種のリミッタにおいてカウンタの更新方法は、加算式であってもよく、また、減算式であってもよい。
<リミッタ期間の別例>
また、上述の説明では、ゲーム数リミッタ、枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタなどのリミッタを有利区間中にのみ利用する例について説明したが、このようなリミッタは、有利区間中ではなく、任意の期間に採用することができる。例えば、偶発的に有利区間に当たり続けた場合、一回一回の有利区間においては最大でも枚数リミッタ分しかメダルの払い出しが行われないものの、有利区間への移行が複数回行われた結果、総合すると多くのメダルの払い出しが行われてしまう場合があり、射幸心を過度に煽ってしまう恐れがある。そこで、有利区間中のリミッタとは別に、直近の所定ゲーム数分の期間(例えば、直近の6000ゲーム)の増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)が予め定められた規定値(例えば、170%又は遊技者から見て+10000枚)を超えた場合に有利区間を終了させる特別リミッタを設けることとしてもよい。このような特別リミッタによれば、主制御基板71は、有利区間中に特別リミッタの発動条件が満たされたときには、たとえ当該有利区間が開始したばかりであり、ゲーム数リミッタや枚数リミッタが全く発動し得る状況でなかったとしても、当該有利区間を強制的に終了する。
なお、主制御基板71における有利区間の制御において、現時点で獲得されている有利区間に関する権利(ATゲーム数、ATのストック数、獲得可能差枚数など)と出玉率とを参照して、特別リミッタが発動するおそれがある場合に、主制御基板71は、当該規定値に到達するよりも前に上乗せの発生率を低下させるなど特別リミッタの発動可能性を低下させる、又は、特別リミッタ発動時に消去させる増加区間(ART)の権利が低減するように制御することとしてもよい。
また、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)による特別リミッタ発動の判定に用いられる所定期間は、ゲーム数以外を基準としてもよく、例えば、所定の時間(例えば、10時間など)や、所定の投入枚数(例えば、投入枚数18000枚)など、遊技者が遊技を所定期間にわたって行ったことを判断し得る情報に用いて、特別リミッタを発動する所定期間を決定することとしてもよい。
このような特別リミッタを用いるパチスロの構成を以下に示す。
遊技価値を用いて遊技可能な遊技機であって、
遊技状態を遊技者にとって有利な有利遊技状態(例えば、パチスロにおける有利区間、増加区間(AT、ART)であってもよく、パチンコにおける確変状態や時短状態であってもよい)とする権利(パチスロでのATストック、ATゲーム数などであってもよく、また、パチンコにおける確変状態、時短状態などへの移行権利であってもよい)を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御基板71)と、
当該権利に基づいて終了条件の成立まで遊技状態を前記有利遊技状態に制御する遊技状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記権利がある場合に前記有利遊技状態を継続させる有利遊技状態継続手段(例えば、主制御基板71(パチスロでのATストック数がある場合にAT状態を継続などであってもよく、また、パチンコでの確変状態や時短状態の継続であってもよい))、
所定の単位遊技を起点として所定期間の経過までの遊技価値の増加状況を示す値を記憶する増加状況記憶手段(例えば、主制御基板71が特別リミッタの発動条件を判定するために用いる差枚数や出玉率監視用のカウンタ)と、
前記増加状況記憶手段の値が予め定められた規定値となったときに、前記権利がある場合であっても前記有利状態を終了させる特別終了手段(特別リミッタ)と、を備える遊技機。
また、上述の特別リミッタは、直近の所定期間に限らず、例えば、一日単位のリミッタとしてもよく、また、両者を併用して用いることとしてもよい。なお、主制御基板71が一日単位を把握する方法は任意である。一例として、主制御基板71は、所定時間(2時間、4時間など営業時の一時的な電断と区別でき、営業終了に伴う閉店中の電断と推認できる時間値)以上の電断時、又は所定時間以上の電断後の電源投入時を一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御する。また、主制御基板71は、電源投入状態で所定時間(1時間など)以上が経過した時を、一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御することとしてもよい。なお、何れの場合であっても、計時方法は、主制御基板71にRTCなどの計時手段を搭載することで実現することができる。
<ナビミス時のペナルティ>
また、パチスロ機1では、有利区間中に遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作を行った場合に、主制御基板71は、所定のペナルティを付すこととしてもよい。例えば、ART準備中のように高RTへの移行待ちをしている状態において、ARTの上乗せ抽籤を行う仕様の場合、高RTへの移行を回避しART準備中を引き延ばすことでART準備中の上乗せ抽籤を多く受けることができる。そこで、主制御基板71は、遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作が行われた場合に、このようなARTの上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。なお、偶然のミスであるか意図的なミスであるか判別することができないため、例えば、主制御基板71は、報知に従わない停止操作を行った回数に応じて、ペナルティの度合いを変えることとしてもよい。
[第4実施形態]
続いて、図174〜図220を参照して、第4実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第4実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第4実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
なお、以下に示す第4実施形態のパチスロ機1は、AT機である。一般に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知(ナビ)する報知状態を有するパチスロ機として、いわゆるART機とAT機とが知られている。ART機は、非報知状態と報知状態とでRT状態の移行を伴うことが一般的であり、例えば、非報知状態中の遊技をリプレイの当籤確率が低い低RT状態において基本的には行わせ、報知状態中は、押し順ベル(打順ベル)などの報知対象役のナビとともに、リプレイの当籤確率が高い高RT状態に移行するためのナビや高RT状態を維持するためのナビを行う。一方で、AT機では、非報知状態と報知状態とでRT状態の移行を伴わないことが一般的であり、例えば、ボーナスを内部当籤役として持ち越しているフラグ間状態(フラグ間RT)中にボーナスの入賞を回避し続けることで非報知状態と報知状態との双方においてフラグ間RTを維持し、フラグ間RT中に報知の有無を切り替えることで、報知状態と非報知状態とを切り替えている。
ここで、AT機におけるフラグ間RTの仕様は様々であるが、特開2015−217077号公報には、2BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態中に、3BETの遊技を行うことで、2BET専用のボーナスの入賞を回避しつつ、フラグ間状態を維持し続ける仕様が開示されている。なお、2BET専用のボーナスとは、2BETで行われる遊技においてのみ内部当籤役として決定され、また、2BETで行われる遊技においてのみ入賞可能なボーナスをいい、例えば、2BETで行われる遊技において2BET専用のボーナスが内部当籤役として決定され、その後、当該ボーナスが持ち越されたまま3BETの遊技が行われた場合、3BETの遊技中は、当該ボーナスは入賞することがない。以下に示す第4実施形態のパチスロ機1においても同様に、2BET専用のボーナス(BB1又はBB2)を持ち越しているフラグ間状態中に3BETの遊技を行いつつ、報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機を実現している。なお、第4実施形態のパチスロ機1は、AT機に限られるものではなく、ART機にも同様に適用することができ、また、AT機の仕様としても2BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態中に行うものに限られるものではなく、その他の仕様に適用することができる。
[主制御側の各種のデータテーブル]
初めに、図174〜図178を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図174に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図174に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図174に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「黒BAR」、「赤BAR」、「紫7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「リプレイD」、「ベル」、「ブランク上」及び「ブランク下」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図175を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。なお、3BETのボーナス非作動中は「3BET時、一般」欄が参照され、3BETのボーナス内部中は「3BET時、内部中」欄が参照され、3BETのボーナス作動中は「3BET時、BB」欄が参照され、2BETのボーナス非作動中は「2BET時、一般」欄が参照され、2BETのボーナス内部中は「2BET時、内部中」欄が参照される。本実施形態のパチスロ機1では、2BET専用のボーナス内部中(フラグ間状態)中に3BETの遊技を行うことで、遊技が進行するため、基本的には3BET時の内部中に対応する内部抽籤テーブルが参照され、その他の内部抽籤テーブルは用いることがない。
図175において、「No.1(F_通常リプ1)」〜「No.45(F_BB3)」が示す役が内部当籤役として決定された場合、同図の「対応する図柄組合せ」欄に記載された各種の図柄の組合せの導出が許容される(入賞が許可される)。なお、「対応する図柄組合せ」欄に記載された図柄の組合せの内容は、図176及び図177の図柄組合せテーブルに示す。また、図178には、夫々の役が内部当籤役として決定された場合に、入賞が許可された図柄の組合せのうちの実際に入賞する図柄の組合せ(内部当籤役と表示役との対応関係)を示す。
[図柄組合せテーブル]
次に、図176及び図177を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図176及び図177においては、規定される図柄の組合せ内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。また、本実施形態のパチスロ機1では、有効ラインをセンターラインとしている。
図176及び図177において、「BB1」〜「BB3」に対応する図柄の組合せは、ボーナスの作動に係る図柄の組合せであり、「RP01」〜「RP19」に対応する図柄の組合せは、リプレイの作動に係る図柄の組合せである。また、「NM01」〜「NM34」に対応する図柄の組合せは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せである。
[内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係]
次に、図178を参照して、本実施形態のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役(実際に入賞する図柄の組合せ)等との対応について説明する。なお、図178では、2BET専用のボーナスを内部当籤役として持ち越している3BET遊技における対応関係を示し、他の状態における対応関係は省略している。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、リプレイ役は、第1停止操作に応じて表示される図柄の組合せが異なる押し順3択の押し順役(3択役)であり、押し順小役(「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)は、第1停止操作及び第2停止操作に応じて表示される図柄の組合せが異なる押し順6択の押し順役(6択役)である。
また、同図において「TLリプ」とは、コンビネーション名「C_TLリプ(RP01)」に係る図柄の組合せであり、トップライン(TL)に沿って図柄「リプレイ(図柄「リプレイA」〜「リプレイD」の総称)」が並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「中段リプ」とは、コンビネーション名「C_中段リプ(RP03)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(中段)に沿って図柄「リプレイ」が並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「XUベルリプ」とは、コンビネーション名「C_XUベルリプ(RP19)」に係る図柄の組合せであり、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され得る図柄の組合せである。なお、以下において、「XDリプ」とは、コンビネーション名「C_XDリプ(RP02)」に係る図柄の組合せであり、クロスダウンライン(XD)に沿って図柄「リプレイ」が並んで表示され得る図柄の組合せをいう。
また、同図において「紫7リプ」とは、コンビネーション名「C_紫7TLリプ(RP10)」〜「C_紫7XUリプ(RP12)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの5本のラインの何れかに沿って図柄「紫7」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「紫7フェイク」とは、コンビネーション名「C_紫7フェイク1(RP13)」〜「C_紫7フェイク3(RP15)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れにも図柄「紫7」が3つ並んで表示されることのない図柄の組合せである。
また、同図において「赤BARリプ」とは、コンビネーション名「C_赤BARXDリプ(RP06)」〜「C_赤BARXUリプ(RP08)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れかに沿って図柄「赤BAR」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「赤BARフェイク」とは、コンビネーション名「C_赤BARフェイク1(RP16)」〜「C_赤BARフェイク3(RP18)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れにも図柄「赤BAR」が3つ並んで表示されることのない図柄の組合せである。
また、同図において「W揃いリプ」とは、コンビネーション名「C_W揃いリプ1(RP05)」「C_W揃い2(RP09)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れか1つのラインに沿って図柄「赤BAR」が3つ並んで表示され、センターライン〜クロスダウンラインの他のラインに沿って図柄「紫7」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「黒BARリプ」とは、コンビネーション名「C_黒BARリプ(RP04)」に係る図柄の組合せであり、センターラインに沿って図柄「黒BAR」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。
また、同図において「下段ベル」とは、コンビネーション名「C_BLベル(NM30)」に係る図柄の組合せであり、ボトムライン(下段)に沿って図柄「ベル」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「中段ベル」とは、コンビネーション名「C_CLベル(NM31)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(中段)に沿って図柄「ベル」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「上段ベル」とは、コンビネーション名「C_TLベル(NM32)」に係る図柄の組合せであり、トップライン(上段)に沿って図柄「ベル」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。
また、同図において「変則1」とは、コンビネーション名「C_変則ベル1(NM27)」に係る図柄の組合せであり、「変則2」とは、コンビネーション名「C_変則ベル2(NM28)」に係る図柄の組合せであり、「変則3」とは、コンビネーション名「C_変則ベル3(NM29)」に係る図柄の組合せである。
また、同図において「チャンス」とは、コンビネーション名「C_チャンス1(NM33)」「C_チャンス2(NM34)」に係る図柄の組合せであり、「1枚」とは、コンビネーション名「C_L1stミス1(NM01)」〜「C_R2ndミス6(NM26)」に係る図柄の組合せである。また、「1枚(1/2)」又は「1枚(1/4)」とは、停止操作のタイミングが適切である場合に「1枚」の図柄の組合せが表示され、不適切である場合には「はずれ」となることをいう。なお、「はずれ」とは、図176及び図177に規定する何れの組合せも表示されない図柄の組合せである。
同図に示すように、「F_紫7フェイク1(No.7)」〜「F_黒BARリプ(No.13)」が内部当籤役として決定された場合、停止操作の順序が左1st(左中右又は左右中)である場合に、特別な図柄の組合せが表示されるが、停止操作の順序が中1st(中左右又は中右左)である場合又は右1st(右左中又は右中左)である場合は、「TLリプ」の図柄の組合せが表示される。詳しくは後述するが、本実施形態のパチスロ機1では、確定役を無効にする制御を行うことがある。主制御回路91(及び副制御回路101)は、確定役を無効にする場合には、「右左中」又は「右中左」の押し順を報知することで、「TLリプ」の図柄の組合せの表示を促し、確定役を無効にしない場合には、何らの押し順も報知せず(「左中右」又は「左右中」の押し順を報知することで)、特別な図柄の組合せの表示を可能にする。
なお、「F_紫7フェイク1(No.7)」〜「F_黒BARリプ(No.13)」について、本実施形態では、停止操作の順序が左1stである場合に、特別な図柄の組合せが表示され、停止操作の順序が中1st又は右1stである場合は、「TLリプ」の図柄の組合せが表示されることとしているが、特別な図柄の組合せが表示される停止操作の順序と、「TLリプ」の図柄の組合せが表示される停止操作の順序とを、夫々の役毎に異ならせることとしてもよい。
また、詳しくは後述するが、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、有利区間への移行時に特殊モードをONにセットし、リプレイ(RP)に係る図柄の組合せのうち「XDリプ(RP02)」以外の図柄の組合せ(RP01、RP03〜RP19)が表示された場合に、特殊モードをOFFに更新する。すなわち、リプレイに係る図柄の組合せのうち「XDリプ」は、特殊モードをONのまま維持する図柄の組合せとして機能し、リプレイに係る図柄の組合せのうち「XDリプ」以外の図柄の組合せは、特殊モードをOFFに更新する図柄の組合せとして機能する。
ここで、同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、リプレイに係る役(No.1〜No.13)が内部当籤役として決定された場合、「XDリプ」が表示されることはなく、「XDリプ」以外の図柄の組合せが必ず表示される。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、特殊モードがONである場合にリプレイに係る役(No.1〜No.13)が内部当籤役として決定されると、特殊モードは、必ずOFFに更新される。
この点、主制御回路91は、リプレイに係る役のうちの一部の役については、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、一部の押し順である場合には、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、リプレイに係る役のうちの一部の役が内部当籤役として決定された場合の、一部の押し順である場合に、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。
また、主制御回路91は、特定の遊技状態である場合には、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。特定の遊技状態として、例えば、RT状態が異なる状態を用いることとしてもよい。本実施形態のパチスロ機1の場合には、フラグ間RT(2BET専用ボーナスの内部中の3BET遊技)において遊技を行うことを想定しているが、非フラグ間である場合(フラグ間RTとは異なるRT状態である場合)、言い換えると、2BET専用のボーナスを持ち越していない3BET遊技では、主制御回路91は、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、異なるRT状態の場合のリプレイに係る役のうちの一部(又は全て)の役については、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、一部(又は全て)の役については、「XDリプ」のみを表示可能に停止制御し、「XDリプ」以外の図柄の組合せを表示不可能に停止制御することとしてもよい。また、主制御回路91は、異なるRT状態の場合のリプレイに係る役のうちの一部(又は全て)の役については、一部の押し順であるときに、「XDリプ」を表示可能に停止制御し、他の押し順であるときには、「XDリプ」以外の図柄の組合せを表示可能に停止制御することとしてもよい。
また、主制御回路91は、BET数に応じて、「XDリプ」を表示可能に停止制御するか否かを異ならせることとしてもよい。本実施形態のパチスロ機1の場合には、3BET遊技を想定しているが、2BET遊技である場合には、主制御回路91は、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、「XDリプ」のみが表示されるように停止制御することとしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、2BET遊技のリプレイに係る役のうちの一部の役については、「XDリプ」を表示可能(又は「XDリプ」のみを表示するように)に停止制御することとしてもよく、また、2BET遊技の一部の押し順であるときに、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、2BET遊技であり、リプレイに係る役のうちの一部の役が内部当籤役として決定された場合の、一部の押し順である場合に、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。
また、主制御回路91は、遊技状態(RT状態)とBET数とを加味して、「XDリプ」を表示可能に停止制御するか否かを異ならせることとしてもよい。一例として、主制御回路91は、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合には、「XDリプ」を表示可能に停止制御し、その他の場合には、「XDリプ」を表示不可能に停止制御することとしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合の、リプレイに係る役のうちの一部の役である場合に、「XDリプ」を表示可能(又は「XDリプ」のみを表示するように)に停止制御することとしてもよく、また、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合の、一部の押し順であるときに、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合の、リプレイに係る役のうちの一部の役が内部当籤役として決定され、かつ、一部の押し順である場合に、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。
[第4実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
続いて、第4実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図179は、第4実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローであり、図180は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図179及び図180において示す出玉状態やモードなどは、主制御基板71(主制御回路91)により制御される。
図179に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。
本実施形態では、主制御回路91は、各種の処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の処理は、大別して抽籤による処理(抽籤処理)と抽籤によらない処理(その他処理)とに分けられる。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、単位遊技(一のゲーム)ごとに有利区間移行抽籤が実行される。有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「通常当籤」と「AT前兆当籤」とがある。「通常当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「通常有利」に移行し、「AT前兆当籤」の場合、出玉状態として「AT前兆」に移行する。また、「通常」において、後述する確定役が当籤役として決定されると「AT当籤」となり、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。
有利区間は、主たる出玉状態として、「通常有利」「CZ前兆」「AT前兆」「CZ」「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」「AT中CZ」「特殊AT」「エンディング」が実行可能である。有利区間は、押し順小役(本実施形態では、「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)の当籤時に最大払出枚数の図柄の組合せを表示させるナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、主制御回路91は、有利区間のうち「特化ゾーン」「AT」「特殊AT」「エンディング」ではベルナビを行い、「通常有利」「CZ前兆」「AT前兆」「CZ」「AT中CZ」ではベルナビを行わず、「特化ゾーン準備」では抽籤結果に応じてベルナビを行う。有利区間には上述のリミッタが設けられており、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、ゲーム数リミッタによるリミット処理が実行され、有利区間が開始されてからの差枚数が例えば2400枚に達すると、枚数リミッタによるリミット処理が実行される。これにより、ATと共に有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
図179及び図180に示すように、「通常有利」は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となることで移行する。また、「通常有利」は、「CZ」においてAT非当籤で残り0Gとなった場合にも移行する。「通常有利」においては、AT抽籤及びCZ抽籤が実行される。CZ抽籤に当籤すると、「通常有利」から「CZ」の状態に移行し、「AT前兆当籤」となると、「通常有利」から「AT前兆」の状態に移行する。また、「通常有利」において、後述する確定役が当籤役として決定されると「AT当籤」となり、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。
また、「通常有利」には、“低確”“天国準備”“天国”“超天国”“特殊”といったAT抽籤の当籤確率が異なる通常モードがある。「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となった場合に、初期通常モード抽籤により通常モードの初期値が決定される。「通常有利」中においては、当籤役に応じて通常モード移行抽籤が実行され、抽籤結果に応じてモードの移行が制御される。
また、「通常有利」には、“低確”“高確A”“高確B”といった「CZ」の当籤確率が異なるCZモードがある。CZモードの種類は、当初“低確”であり、「通常有利」中に行うCZモードの移行抽籤により昇格・転落あるいは維持される。なお、本実施形態では、CZモードは、「通常有利」中に行うCZモードの移行抽籤に応じて制御されるほか、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う天井制御により制御されることがある。
また、「通常有利」では、履歴抽籤及び天井恩恵抽籤といった抽籤処理や、天井制御といったその他処理が行われる。履歴抽籤は、抽籤対象の役が所定ゲーム間において当籤役として決定された回数に応じて特典を付与するか否かを決定する処理であるが、詳しくは、図186及び図187において後述する。また、天井恩恵抽籤及び天井制御は、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う処理であるが、詳しくは、図185において後述する。
続いて、図179及び図180に示すように、「CZ前兆」は、「通常有利」においてCZ抽籤によりCZ当籤となることで移行する。「CZ前兆」は、1〜32ゲーム間の前兆ゲーム数が経過すると終了し、「CZ」の状態に移行する。なお、「CZ前兆」中は、当籤役に応じてAT抽籤が実行され、当籤した場合には、「CZ前兆」から「AT前兆」や「特化ゾーン準備」の状態に移行するとともに、後述する確定役が当籤役として決定されると、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。
続いて、図179及び図180に示すように、「CZ」は、「CZ前兆」において前兆ゲーム数分の遊技が行われることで移行する。「CZ」は、「AT」に比較的当籤しやすいチャンスゾーン(CZ)であり、5ゲーム間継続する。「CZ」には、“通常”“特殊”というAT抽籤の当籤確率が異なる種別がある。基本的に、種別が“特殊”の場合の方が“通常”の場合よりもAT当籤確率が高くなる。「CZ」中にAT抽籤に当籤すると、「CZ」の規定ゲーム数(5G)が経過した後に「CZ」から「特化ゾーン準備」の状態に移行し、AT抽籤に当籤することなく「CZ」の規定ゲーム数(5G)が経過すると、「通常有利」の状態に移行する。なお、「CZ」は、AT抽籤に当籤した場合であっても、規定ゲーム数(5G)が経過するまでは、継続する。そのため、本実施形態では、「CZ」中に、AT抽籤に複数回当籤することがあり、この場合には、ATのストック(より詳細には、特化ゾーンのストック)が複数付与される。ただし、「CZ」において、後述する確定役が当籤役として決定された場合は、CZの残りゲーム数に関わらず、出玉状態は、次ゲームから「特化ゾーン準備」となる。
続いて、図179及び図180に示すように、「AT前兆」は、「通常」又は「通常有利」においてAT抽籤によりAT前兆当籤となることで移行する。「AT前兆」は、1〜32ゲーム間の前兆ゲーム数が経過すると終了し、「特化ゾーン準備」の状態に移行する。なお、「AT前兆」中は、当籤役に応じて特化ゾーン種別昇格抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーンの種別が上位の種別に変更される。
続いて、図179及び図180に示すように、「特化ゾーン準備」は、「通常」「通常有利」「CZ」においてAT抽籤によりAT当籤となると、「AT前兆」において前兆ゲーム数分の遊技が行われると、又は「AT」においてATのストックが1以上の状態でATのゲーム数が0になると、移行する。「特化ゾーン準備」においては、通常リプ(「F_通常リプ1」「F_通常リプ2」)又は特殊リプ(「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」)の当籤時に特化ゾーン開始抽籤が実行され、当籤した場合には、「特化ゾーン準備」から「特化ゾーン」の状態に移行する。また、「特化ゾーン準備」においては、当籤役に応じてゲーム数上乗せ抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーン中に行うゲーム数上乗せ抽籤の結果に、当籤結果が加算される。
また、「特化ゾーン準備」では、天井制御といったその他処理が行われる。天井制御では、主制御回路91は、「特化ゾーン準備」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、ATのストックを付与し、また、「特化ゾーン準備」の継続ゲーム数が規定回数(天井)に達すると、特化ゾーンの種別として最上位の種別(特化ゾーン4)が決定される。なお、本実施形態では、ATの継続期間を定めるゲーム数を、特化ゾーンにより決定することとしており、ATのゲーム数が0になった場合にATのストックがあるときは、特化ゾーンに再び移行し、当該ストック分のATのゲーム数を決定する。そのため、本実施形態では、ATのストックと特化ゾーンのストックとは同じである。本実施形態では、各種の状態において行うAT抽籤に当籤した場合に、AT(特化ゾーン)のストックが付与され、また、各種の状態において行う特化ゾーンストック抽籤に当籤した場合に、AT(特化ゾーン)のストックが付与される。
続いて、図179及び図180に示すように、「特化ゾーン」は、「特化ゾーン準備」において特化ゾーン開始抽籤により開始となると移行する。「特化ゾーン」においては、ゲーム数上乗せ抽籤と特化ゾーン終了抽籤とが実行され、特化ゾーン終了抽籤において終了となるまでに、ゲーム数上乗せ抽籤において決定したゲーム数が、ATのゲーム数として加算される。また、「特化ゾーン」には、“特化ゾーン1”“特化ゾーン2”“特化ゾーン3”“特化ゾーン4”といったゲーム数の上乗せ期待度が異なる複数の特化ゾーンがある。ゲーム数の上乗せ期待度は、“特化ゾーン4”が最も高く、“特化ゾーン3”が次に高く、“特化ゾーン2”が次に高く、“特化ゾーン1”が最も低い。特化ゾーンの種別は、基本的には、AT(特化ゾーン)のストック当籤時に決定され、「特化ゾーン準備」において当籤役に応じて昇格されることがある。
続いて、図179及び図180に示すように、「AT」は、「特化ゾーン」において特化ゾーン終了抽籤により終了となると移行する。「AT」は、ゲーム数により継続期間が管理され、AT(特化ゾーン)のストックが無い状態で、残りゲーム数が0になった場合に(より詳細には、最終上乗せ抽籤に非当籤した場合に)終了し、「通常」に移行する。「AT」においては、AT中CZ抽籤が実行され、当籤した場合には、「AT」から「AT中CZ」の状態に移行する。また、「AT」においては、特化ゾーンストック抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーンのストックが付与される。
ここで「AT」には、“低確”“高確A”“高確B”“高確C”といった特化ゾーンのストック付与期待度が異なるATモードがある。ATモードは、「AT」の開始時(「特化ゾーン」から「AT」への移行時)に実行される初期ATモード抽籤により初期モードがセットされ、その後、「AT」中に実行されるATモード移行抽籤により移行される。
また、「AT」では、履歴抽籤及び最終上乗せ抽籤といった抽籤処理や、天井制御といったその他処理が行われる。履歴抽籤は、抽籤対象の役が所定ゲーム間において当籤役として決定された回数に応じて特典を付与するか否かを決定する処理であるが、詳しくは、図186及び図187において後述する。また、最終上乗せ抽籤は、ATのストックが無い状態でATの残りゲーム数が0になった場合に行う抽籤処理であり、当籤した場合には、AT(特化ゾーン)のストックが3個又は5個付与される結果、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。他方、最終上乗せ抽籤に非当籤の場合には、ATの終了に伴い有利区間も終了し、出玉状態が「通常」に移行する。また、天井制御では、主制御回路91は、「AT」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、AT(特化ゾーン)のストックを付与し、また、「AT」の継続ゲーム数が規定回数(天井)に達すると、出玉状態が「AT」から「AT中CZ」の状態に移行する。
続いて、図179及び図180に示すように、「AT中CZ」は、「AT」においてAT中CZ当籤となることで移行する。「AT中CZ」は、特化ゾーンのストックが比較的当籤し易いチャンスゾーン(CZ)であり、5,10,15ゲームの何れかの期間継続する。「AT中CZ」においては、特化ゾーンストック抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーンのストックが付与される。なお、「AT中CZ」は、特化ゾーンストック抽籤に当籤した場合であっても、規定ゲーム数(5,10,15G)が経過するまでは、継続する。そのため、本実施形態では、「AT中CZ」中に、特化ゾーンストック抽籤に複数回当籤することがあり、この場合には、特化ゾーンのストックが複数付与される。
また、「AT中CZ」では、天井制御といったその他処理が行われる。天井制御では、主制御回路91は、「AT中CZ」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、特化ゾーンのストックを付与する。
続いて、図179及び図180に示すように、「特殊AT」は、確定役の有効時に黒BARが入賞することで移行する。なお、黒BARとは「F_黒BARリプ」をいう。本実施形態では、確定役が当籤役として決定された場合の出玉状態に応じて、確定役を有効/無効に制御する。図180に示すように、出玉状態「通常」「通常有利」「CZ前兆」「AT前兆」「CZ」では、確定役は有効であり、出玉状態「特化ゾーン」「特殊AT」「エンディング」では、確定役は無効である。なお、出玉状態「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」では、確定役は条件付きで有効であるが、この点は、後述する。
本実施形態では、確定役として、「F_黒BARリプ」「F_W揃いリプ」「F_赤BARリプ」「F_紫7リプ」を設ける。確定役が有効である場合には、対応する特典が付与され、確定役が無効である場合には、対応する特典は付与されない。また、確定役には、それぞれ固有の図柄の組合せと、他のリプレイ役と共通に用いられる汎用の図柄の組合せ(TLリプ)とが対応付けられており、確定役が無効である場合には、汎用の図柄の組合せが表示される押し順が報知される結果、当該汎用の図柄の組合せが表示される。他方、確定役が有効である場合には、固有の図柄の組合せが表示される押し順が報知される(又は何らの押し順も報知されない)結果、「F_黒BARリプ」の当籤時には「黒BARリプ」の図柄の組合せが表示可能で、「F_W揃いリプ」の当籤時には「W揃いリプ」の図柄の組合せが表示可能で、「F_赤BARリプ」の当籤時には「赤BARリプ」の図柄の組合せが表示可能で、「F_紫7リプ」の当籤時には「紫7リプ」の図柄の組合せが表示可能となる。
主制御回路91は、確定役が有効である場合に、「F_黒BARリプ」が当籤役として決定されると、出玉状態を「特殊AT」に移行する。「特殊AT」においては、天井制御といったその他処理が行われる。天井制御では、主制御回路91は、「特殊AT」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、特化ゾーンのストックを付与する。
続いて、図179及び図180に示すように、「エンディング」は、エンディング移行条件を満たした場合に移行する。なお、エンディング移行条件は任意であり、例えば、ATの残りゲーム数やATの残りストック数から有利区間のリミッタ(ゲーム数リミッタや枚数リミッタ)に到達することが確定している場合に、エンディング移行条件を満たしたとしてもよい。「エンディング」は、有利区間のリミッタ到達まで継続する。
このような仕様の本実施形態のパチスロ機1において、出玉状態「通常」「通常有利」は、遊技者にとって不利な通常の遊技状態(非報知状態)である。また、出玉状態「特化ゾーン」「AT」「特殊AT」「エンディング」は、遊技者にとって有利な遊技状態(報知状態)である。なお、出玉状態「AT前兆」「特化ゾーン準備」は、「AT」への移行が確定している状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態の前兆期間や準備期間である。また、出玉状態「CZ」は、遊技者にとって有利な遊技状態への移行期待度が高いチャンスゾーンであり、出玉状態「CZ前兆」は、チャンスゾーンの前兆期間である。また、出玉状態「AT中CZ」は、AT中に行われるチャンスゾーンである。なお、出玉状態「AT中CZ」では、押し順のナビは行われない。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図181は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役をまず出玉フラグにグループ化し、この出玉フラグに基づいて抽籤種別を決定し、決定した抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。例えば、「F_打順1ベルA」は、出玉フラグ「打順ベル(No.5)」にグループ化され、この出玉フラグ「打順ベル」に基づき、抽籤種別としてNo.1の「打順ベル」が決定される。そして、この抽籤種別が参照されて、各種の抽籤が行われる。
なお、確定役は、抽籤処理においては抽籤種別「フェイク/確定役」に属し、この抽籤種別「フェイク/確定役」は、抽籤結果として基本的には遊技者にとって不利な抽籤結果となる。本実施形態では、確定役に応じた抽籤処理では、基本的に不利な結果としつつ、確定役が有効である場合には、抽籤によらない処理(確定役当籤時処理)により、遊技者にとって有利な状態となるように制御する。
具体的には、主制御回路91は、確定役「F_紫7リプ」「F_赤BARリプ」「F_W揃いリプ」が有効である場合、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与し、確定役「F_黒BARリプ」が有効である場合、AT(特化ゾーン)のストックを3個又は5個付与する。そして、AT(特化ゾーン)のストックが付与された結果、主制御回路91は、出玉状態を「AT前兆」「特化ゾーン準備」などに移行する。
なお、確定役「F_紫7リプ」「F_赤BARリプ」「F_W揃いリプ」は、付与するAT(特化ゾーン)のストックの数は同じであるが、特化ゾーンの種別が異なり、「F_W揃いリプ」が最も有利な特化ゾーンのストックを付与し、「F_赤BARリプ」が次に有利な特化ゾーンのストックを付与し、「F_紫7リプ」が次に有利な特化ゾーンのストックを付与する。
そのため、確定役の中では複数のストックを付与する「F_黒BARリプ」が最も大きな特典を付与する役であり、有利な特化ゾーンのストックを付与する「F_W揃いリプ」が次に大きな特典を付与する役であり、次に有利な特化ゾーンのストックを付与する「F_赤BARリプ」が次に大きな特典を付与する役であり、次に有利な特化ゾーンのストックを付与する「F_紫7リプ」が最も小さな特典を付与する役である。
[各状態におけるナビ種別]
続いて、図182を参照して、本実施形態のパチスロ機1において、押し順役の当籤時に主制御回路91がセットするナビ種別について説明する。なお、同図において、ナビ種別「1」は打順1(左中右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「2」は打順2(左右中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「3」は打順3(中左右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「4」は打順4(中右左)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「5」は打順5(右左中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「6」は打順6(右中左)を遊技者に対して報知するナビ種別である。また、同図において「状態1」とは、確定役「有効」かつ押し順指示「あり」の場合をいい、「状態2」とは、確定役「無効」かつ押し順指示「あり」の場合をいう。
なお、同図に示すように、本実施形態では、「状態2」における「F_紫7フェイク1(No.7)」〜「F_黒BARリプ(No.13)」に対するナビ種別として、「5」又は「6」を規定しているが、これに限られるものではなく、「状態2(確定役「無効」)では、「TLリプ」の図柄の組合せが表示される押し順を報知可能であればよい。
ここで、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、押し順小役は、押し順6択の6択役であるが、リプレイ役は、押し順3択の3択役である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、3択役であるリプレイ役に対して押し順を報知する場合であっても、6択の押し順(ナビ種別「5」又は「6」)を報知する。この3択役のナビ制御について、図183及び図184を参照して説明する。
[3択役のナビ制御]
初めに、図183を参照して、本制御の比較例について説明する。従来のAT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。ここで、サブ側の制御のもとに行うナビは演出としての意味合いもあるため、サブ側のナビ内容は、メイン側のナビ内容と一致しないことがあった。例えば、第1停止操作のみを要求する3択の押し順役と、第1停止操作及び第2停止操作を要求する6択の押し順役を有する仕様において、3択の押し順役の当籤時に、メイン側では3択の押し順に応じたナビを行う一方で、サブ側では、6択の押し順役であるか3択の押し順役であるかを分からなくするために、敢えて6択の押し順に応じたナビを行うことがあった。
図183に示す比較例は、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致しないナビ制御に関するものである。
図183(A)(a)は、比較例におけるメイン側のナビ種別を示す図である。同図に示すように、比較例では、3択の押し順ナビと、6択の押し順ナビとで異なるナビ種別を設定している。具体的には、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味する左1stに対して、ナビ種別「1」が設定され、左中右の押し順に対して、ナビ種別「4」が設定されている。
続いて、図183(A)(b)は、比較例における正解の押し順が右左中である6択役の当籤時に行うナビ例を示す図である。同図に示すように、このような場合には、メイン側では、指示モニタにおいて右左中に対応するナビ種別である「8」を表示し、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において右左中の押し順を表示する。このように比較例では、6択役当籤時のナビにおいては、メイン側のナビとサブ側のナビとが一致する。
続いて、図183(A)(c)は、比較例における正解の押し順が右1stである3択役の当籤時に行うナビ例を示す図である。同図に示すように、このような場合には、メイン側では、指示モニタにおいて右1stに対応するナビ種別である「3」を表示する。このとき、サブ側においても3択の押し順をナビするだけであれば、メイン側のナビとサブ側のナビとは一致するものの、演出的に6択の押し順をナビする場合には、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、右1stを満たす6択の押し順である右左中の押し順又は右中左の押し順を表示する。その結果、メイン側のナビとサブ側のナビとが一致しないことになる。
続いて、図184(B)は、本制御における3択役当籤時のナビ制御を示す図である。本制御では、3択役の当籤時にメイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致するように制御する。なお、本制御では、本来不要な情報をメイン側においてもナビすることで、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とを一致させるものであり、以下に示す制御例は一例に過ぎない。すなわち、以下に示す例では、ナビする内容が押し順に関するものであるが、ナビする内容は押し順に限るものではなく、いわゆる目押しタイミング(狙うべき図柄)をナビするものであってもよい。一例として、左リールに対して所定の図柄を狙い、他のリールに対しては任意の図柄であってよい役と、左リール及び中リールに対して所定の図柄を狙う役とにおいて、ナビする内容を合わせることとしてもよい。また、押し順に関しても、3択役に求められる押し順は、第1停止操作ではなく第2停止操作や第3停止操作であってもよい。一例として、第2停止操作が所定のリールに対するものであることを要求する3択役と、第1停止操作〜第3停止操作までの全ての順序が適切であることを要求する6択役とにおいて、ナビする内容を合わせることとしてもよい。
図184(B)(a)は、本制御におけるメイン側のナビ種別を示す図である。同図に示すように、本制御では、3択の押し順に関するナビ種別を設けずに、6択の押し順に関するナビ種別のみを設けている。
続いて、図184(B)(b)は、本制御における正解の押し順が右1stである3択役の当籤時に行うナビ例を示す図である。本制御において3択役の当籤時にナビを行う場合、主制御回路91は、6択の押し順用に設けられたナビ種別の中から、3択の押し順に合致するナビ種別を取得する。具体的には、主制御回路91は、正解の押し順が左1stである3択役の当籤時には、左中右に対応するナビ種別「1」又は左右中に対応するナビ種別「2」を取得し、正解の押し順が中1stである3択役の当籤時には、中左右に対応するナビ種別「3」又は中右左に対応するナビ種別「4」を取得し、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時には、右左中に対応するナビ種別「5」又は右中左に対応するナビ種別「6」を取得する。より詳細には、本実施形態において主制御回路91は、3択役の当籤時にナビ種別変更抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、3択の押し順に合致するナビ種別のうちの一方(偶数)のナビ種別を取得し、非当籤した場合には、3択の押し順に合致するナビ種別のうちの他方(奇数)のナビ種別を取得する。
その結果、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時にナビ種別「5」を取得した場合、メイン側では、指示モニタにおいて右左中に対応するナビ種別である「5」を表示し、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、右左中の押し順を表示する。同様に、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時にナビ種別「6」を取得した場合、メイン側では、指示モニタにおいて右中左に対応するナビ種別である「6」を表示し、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、右中左の押し順を表示する。これにより、本制御では、3択役の当籤時に演出的に6択のナビを行いつつも、メイン側のナビとサブ側のナビとを一致することができる。
続いて、本制御を用いた仕様例について説明する。パチスロ機によっては、押し順役(択役)の制御として、不正解時にRT状態を低RTに移行することや、バトル演出などの演出において遊技者にとって有利/不利にすることがある。一例として、3択役は、押し順に不正解の場合であっても、RT状態を低RTに移行する転落出目は表示されることはないが、6択役は、押し順に不正解の場合に、転落出目を表示することがある。また、例えば、3択役をリプレイとし、6択役を押し順ベルとするパチスロ機において、バトル演出などの所定の演出では、リプレイが当籤すると遊技者にとって不利な結果(防御)となり、ベルが当籤すると遊技者にとって有利な結果(攻撃)となることがある。
このような仕様では、当籤した役が3択役であるか6択役であるかを遊技者に把握させないように、3択役の当籤時にサブ側において演出的に6択のナビを行うことがあるが、比較例のような制御では、熟練者は、メイン側のナビ内容から、当籤した役が3択役であるか6択役であるかを把握できてしまう。これに対して、本制御によれば、メイン側のナビとサブ側のナビとが一致するため、熟練者であっても、当籤した役が3択役であるか6択役であるかを把握できない。その結果、例えば、RT状態の転落制御の仕様の場合には、ナビ種別から転落の可能性が分からないため、遊技者は、ナビミスしないように緊張感を持って遊技を行うことになり、また、演出の有利/不利の仕様の場合には、ナビ種別から有利(攻撃)/不利(防御)が分からないため、最後まで期待感を維持して遊技を行うことになり、比較例に比べて遊技の興趣が向上する。
[有利区間における遊技の流れ]
続いて、図185を参照して、本実施形態のパチスロ機1における有利区間における遊技の流れについて説明する。図185(A)は、有利区間の特殊モードの制御を説明するための図であり、図185(B)は、通常有利の終了制御を説明するための図である。
(特殊モード制御)
初めに、図185(A)を参照して、特殊モードの制御について説明する。特殊モードは、各種の抽籤などが遊技者にとって不利になるモードであり、本実施形態では、特殊モードがONである場合には、AT(特化ゾーンストック)抽籤、CZ抽籤及び各種のモード移行抽籤などにおいて遊技者にとって有利な結果に当籤する確率が低く(又は当籤することがなく)、また、押し順役の当籤時に押し順をナビする確率が低い(又はナビすることがない)。
図185(A)(a)に示すように、主制御回路91は、出玉状態「通常」(すなわち、通常区間)において有利区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤において当籤すると有利区間に遊技状態を移行する。主制御回路91は、通常区間から有利区間に遊技状態を移行すると、特殊モードをONにセットし、その後、有利区間において「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードをOFFに切り替える。すなわち、特殊モードONの条件は、通常区間から有利区間に遊技状態が移行することであり、特殊モードOFFの条件は、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されることである。
続いて、図185(b)を参照して、特殊モードの制御例について説明する。同図に示すように「通常」の状態では、特殊モードは用いられず、「通常(通常区間)」から有利区間に移行すると、特殊モードはONにセットされる。有利区間においてリプレイ役以外の役が当籤役として決定された場合には、リプレイに係る図柄の組合せは表示されないことから、特殊モードはONのまま維持される。その後、有利区間においてリプレイ役が当籤役として決定され、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードはOFFに更新され、その後はOFFのまま維持される。
続いて、図185(c)は、特殊モードの制御例の追加説明図である。上述したように本実施形態では、リプレイ役の当籤時には「XDリプ」が表示されることはなく、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが必ず表示される。そのため、本実施形態では、有利区間に移行した後にリプレイ役に当籤すると、特殊モードはOFFに更新される。この点、上述したように、リプレイ役の当籤時に「XDリプ」が表示されることとしてもよく、また、特定のRT状態においては「XDリプ」が表示されることとしてもよく、また、特定のBET数においては「XDリプ」が表示されることとしてもよい。図185(c)に示す図は、リプレイ役の当籤時に「XDリプ」が表示可能な仕様における特殊モードの制御例である。
同図に示すように、「通常」の状態では、特殊モードは用いられず、「通常(通常区間)」から有利区間に移行すると、特殊モードはONにセットされる。有利区間においてリプレイ役以外の役が当籤役として決定された場合には、リプレイに係る図柄の組合せは表示されないことから、特殊モードはONのまま維持される。また、有利区間においてリプレイ役が当籤役として決定された場合であっても、「XDリプ」に係る図柄の組合せが表示された場合には、特殊モードはONのまま維持される。その後、有利区間においてリプレイ役が当籤役として決定され、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードはOFFに更新され、その後はOFFのまま維持される。
ここで、本実施形態では、リプレイ役が当籤した後に、報知状態(特化ゾーンやAT)を開始することとしている。より詳細には、特化ゾーン準備では、特化ゾーン開始抽籤に当籤した場合に特化ゾーンが開始されるが、この特化ゾーン開始抽籤は、リプレイ役(通常リプ又は特殊リプ)の当籤時に行うため、本実施形態では、報知状態が開始されるタイミングで特殊モードは必ずOFFに更新され、結果、ナビ確率が高くなる(詳細には、ナビ確率が低くなるように制御されない)。この点、リプレイ役(通常リプ又は特殊リプ)の当籤時に「XDリプ」を表示可能な仕様では、報知状態が開始されたタイミングであっても、特殊モードがONのままの場合もあり、このような場合には、報知状態においてもナビ確率が低いままとなる。このような仕様によれば、報知状態の開始直後のナビ確率を異ならせることができるため、出玉感にメリハリを生じさせることができる。
もちろん、特化ゾーン開始抽籤を当籤役に応じて行うのではなく、表示された図柄の組合せに応じて行うこととすることで、報知状態中のナビ確率を低くしないように制御することもできる。具体的には、特殊モードをONのままに維持する「XDリプ」に係る図柄の組合せの表示時には特化ゾーン開始抽籤を行わずに、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せの表示時に特化ゾーン開始抽籤を行うことで、報知状態中のナビ確率を低くしないように制御することもできる。
なお、特殊モードの制御は、表示された図柄の組合せに基づき行うのではなく、他の条件に基づき行うこととしてもよい。一例として、主制御回路91は、特殊モードがONになってから行われた遊技の回数が所定回数に達した場合に、特殊モードをOFFに更新することとしてもよい。また、主制御回路91は、遊技回数と図柄の組合せとを組み合わせて特殊モードを制御することとしてもよく、例えば、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示された場合に特殊モードをOFFに更新するとともに、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されることなく所定回数の遊技が行われた場合にも、特殊モードをOFFに更新することとしてもよい。また、主制御回路91は、表示された図柄の組合せではなく、所定の役が当籤役として決定された場合に、特殊モードをOFFに更新することとしてもよい。また、主制御回路91は、当籤役と遊技回数と図柄の組合せとを組み合わせて特殊モードを制御することとしてもよい。この場合において組み合わせる条件は、全ての条件であってもよく、また何れか2つの条件であってもよい。また、所定の役は、リプレイ役に限らずメダルの払い出しに係る小役やボーナスの作動に係るボーナス役を含むものであってもよい。また、表示された図柄の組合せもリプレイ役に対応する図柄の組合せに限らず、小役やボーナス役に対応する図柄の組合せであってもよい。
(通常有利の終了制御)
続いて、図185(B)を参照して、通常有利の終了制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「通常」の滞在期間は短く、通常遊技では多くの期間を「通常有利」に滞在する。ここで、「通常有利」は有利区間であり、ゲーム数リミッタなどの制限がかかるため、通常遊技中は一定期間毎に「通常有利」から「通常」に移行させ、その後直ちに「通常有利」に移行させる。この一定期間毎の「通常有利」から「通常」への移行は、仮天井制御と天井制御により行われる。
図185(B)(a)に示すように、仮天井制御は、「通常有利」が400ゲーム継続した場合に行われる。仮天井制御において主制御回路91は、「通常有利」が400ゲーム継続すると、天井恩恵抽籤を行う。この天井恩恵抽籤において終了となると(抽籤結果「転落」)、主制御回路91は、出玉状態を「通常有利」から「通常」に移行する。また、天井恩恵抽籤においてCZモードを“高確A”に移行することが決定されると(抽籤結果「CZモード高確A」)、出玉状態を「通常有利」の維持したまま、CZモードを“高確A”に移行する。また、天井恩恵抽籤においてAT当籤が決定されると(抽籤結果「AT当籤」)、主制御回路91は、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与して、出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させる。このように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常有利」中は、有利区間の終了、CZのチャンス又はAT当籤といった契機が、400ゲーム毎に訪れる。
続いて、図185(b)に示すように、天井制御は、「通常有利」が500ゲーム継続した場合に行われ、主制御回路91は、「通常有利」が500ゲーム継続すると、出玉状態を「通常有利」から「通常」に移行する。このように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常有利」中は500ゲーム毎に有利区間が必ず終了する。
なお、本実施形態では、「通常有利」の継続ゲーム数に基づいて仮天井制御及び天井制御を行うこととしているが、仮天井制御及び天井制御を行う契機は、「通常有利」の継続ゲーム数ではなく、有利区間のうちの遊技者にとって有利な状態以外の出玉状態の継続ゲーム数であってもよい。すなわち、「通常有利」と「CZ前兆」と「CZ」との継続ゲーム数に基づいて仮天井制御及び天井制御を行うこととしてもよい。この場合において、出玉状態「通常」への移行は、「通常有利」のみからとし、「CZ前兆」や「CZ」中からは「通常」に移行(転落)しないこととしてもよい。また、仮天井制御と天井制御とのうちの何れか一方のみを、「通常有利」と「CZ前兆」と「CZ」との継続ゲーム数に基づいて行い、他方は、「通常有利」の継続ゲーム数に基づいて行うこととしてもよい。一例として、天井制御については、「通常有利」と「CZ前兆」と「CZ」との継続ゲーム数に基づいて行い、仮天井制御については、「通常有利」の継続ゲーム数に基づいて行うこととしてもよい。
[履歴抽籤の概要]
続いて、図186及び図187を参照して、本実施形態のパチスロ機1における履歴抽籤の概要について説明する。初めに、図186(A)を参照して、履歴抽籤の契機となる履歴役の種別について説明する。なお、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役に関する当籤役の履歴情報を所定ゲーム数(5ゲーム)分、管理する。言い換えると、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役に関する当籤役の履歴情報を所定ゲーム数(5ゲーム)分、記憶する。
(履歴役の種別)
図186(A)(a)に示すように、「通常有利」における履歴抽籤では、履歴役として「リプレイ」「レア役」が設けられる。「通常有利」における履歴役「リプレイ」には、通常リプ、特殊リプ、チャンスリプが含まれる。なお、通常リプは「F_通常リプ1」であり、特殊リプは「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」であり、チャンスリプは「F_チャンスリプ」である。
また、「通常有利」における履歴役「レア役」には、チャンスリプ、フェイクリプ(非ナビ)、強ベル、中チャンス、弱チャンス、ベル15枚入賞が含まれる。なお、チャンスリプは「F_チャンスリプ」であり、フェイクリプ(非ナビ)は押し順ナビが行われない場合の「F_紫7フェイク1」「F_紫7フェイク2」「F_赤BARフェイク」であり、強ベルは「F_強ベル」であり、中チャンスは「F_XUベルリプ」であり、弱チャンスは「F_弱チャンス」である。また、ベル15枚入賞は、「F_共通ベル1」又は「F_打順1ベルA」〜「F_打順6ベルB」の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われてベルが入賞することである。
また、図186(A)(b)に示すように、「AT」における履歴抽籤では、履歴役として「リプレイ」「レア役」「はずれ」が設けられる。「AT」における履歴役「リプレイ」には、通常リプ、特殊リプ、チャンスリプ、フェイクリプ(ナビ)、確定役(ナビ)が含まれる。通常リプは「F_通常リプ1」であり、特殊リプは「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」であり、チャンスリプは「F_チャンスリプ」である。また、フェイクリプ(ナビ)は、押し順ナビが行われる場合の「F_紫7フェイク1」「F_紫7フェイク2」「F_赤BARフェイク」であり、確定役(ナビ)は、押し順ナビが行われる場合の「F_紫7リプ」「F_赤BARリプ」「F_W揃いリプ」「F_黒BARリプ」である。
また、「AT」における履歴役「レア役」には、チャンスリプ、フェイクリプ(非ナビ)、強ベル、中チャンス、弱チャンスが含まれる。なお、チャンスリプは「F_チャンスリプ」であり、フェイクリプ(非ナビ)は押し順ナビが行われない場合の「F_紫7フェイク1」「F_紫7フェイク2」「F_赤BARフェイク」であり、強ベルは「F_強ベル」であり、中チャンスは「F_XUベルリプ」であり、弱チャンスは「F_弱チャンス」である。
また、「AT」における履歴役「はずれ」には、はずれ、通常リプ2、共通1枚、BBが含まれる。はずれは内部当籤役としてはずれが決定されることであり、通常リプ2は「F_通常リプ2」であり、共通1枚は「F_共通1枚」であり、BBは「F_BB1」〜「F_BB3」である。
(履歴抽籤の内容)
続いて、図186(B)は、履歴抽籤の内容を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、所定ゲーム間(5ゲーム間)において履歴役が当籤役として決定された回数に応じて履歴抽籤を行う。具体的には、主制御回路91は、「通常有利」では、所定ゲーム間において履歴役「リプレイ」が連続して当籤した回数であるリプレイ(連)に応じて履歴抽籤を行い、また、所定ゲーム間において履歴役「レア役」が当籤した回数であるレア役(個数)に応じて履歴抽籤を行う。また、主制御回路91は、「AT」では、リプレイ(連)に応じて履歴抽籤を行い、また、レア役(個数)に応じて履歴抽籤を行い、また、所定ゲーム間において履歴役「はずれ」が連続して当籤した回数であるはずれ(連)に応じて履歴抽籤を行う。なお、本実施形態では、履歴役「リプレイ」及び履歴役「はずれ」は、連続して当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしているが、連続して当籤した回数ではなく、所定ゲーム間において当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしてもよい。また、履歴役「レア役」は、所定ゲーム間において当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしているが、連続して当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしてもよい。
「通常有利」のリレプイ(連)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「リプレイ」が3回以上連続して当籤した場合に、履歴抽籤(CZ抽籤)を行い、当籤した場合には、CZ当籤となり「通常有利」から「CZ前兆」や「CZ」に遊技状態を移行する。なお、リレプイ(連)に応じた履歴抽籤(CZ抽籤)は、履歴役「リプレイ」が連続して3回当籤した「リプ3連」時には所定の確率で当籤し、履歴役「リプレイ」が連続して4回以上当籤した「リプ4連以上」時には必ず当籤する。
また、「通常有利」のレア役(個数)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「レア役」が3回以上当籤した場合に、履歴抽籤(AT抽籤)を行い、当籤した場合には、AT当籤となり「通常有利」から「AT前兆」や「特化ゾーン準備」に遊技状態を移行する。なお、レア役(個数)に応じた履歴抽籤(AT抽籤)は、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に3個当籤した「レア役3個」時には所定の確率で当籤し、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に4個以上当籤した「レア役4個以上」時には必ず当籤する。また、「通常有利」の履歴役「レア役」には、ベル15枚入賞が含まれるため、「通常有利」のレア役(個数)に応じた履歴抽籤は、第3停止操作のオフエッジ時に行う。
また、「AT」のリレプイ(連)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「リプレイ」が3回以上連続して当籤した場合に、履歴抽籤(AT中CZ抽籤)を行い、当籤した場合には、AT中CZ当籤となり「AT」から「AT中CZ」に遊技状態を移行する。なお、リレプイ(連)に応じた履歴抽籤(AT中CZ抽籤)は、履歴役「リプレイ」が連続して3回当籤した「リプ3連」時には所定の確率で当籤し、履歴役「リプレイ」が連続して4回以上当籤した「リプ4連以上」時には必ず当籤する。
また、「AT」のレア役(個数)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「レア役」が2回以上当籤した場合に、履歴抽籤(特化ゾーンストック抽籤)を行い、当籤した場合には、特化ゾーンのストックを1つ付与する。なお、付与する特化ゾーンのストックは1つに限られず、複数付与可能にしてもよい。レア役(個数)に応じた履歴抽籤(特化ゾーンストック抽籤)は、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に2個当籤した「レア役2個」時には所定の確率で当籤し、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に3個以上当籤した「レア役3個以上」時には必ず当籤する。
また、「AT」のはずれ(連)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「はずれ」が4回以上連続して当籤した場合に、履歴抽籤(ATモードUP抽籤)を行い、当籤した場合には、ATモードを1つ昇格させる。なお、ATモードは低いモードから順に“低確”“高確A”“高確B”“高確C”である。はずれ役(連)に応じた履歴抽籤(ATモードUP抽籤)は、履歴役「はずれ」が連続して4回当籤した「はずれ4連」時には所定の確率で当籤し、履歴役「はずれ」が連続して5回当籤した「はずれ5連」時には「はずれ4連」時よりも高い確率で当籤する。
ここで、図186(A)を参照すると、チャンスリプは、履歴役「リプレイ」に含まれるとともに、履歴役「レア役」にも含まれる。本実施形態においては、主制御回路91は、所定ゲーム間にチャンスリプが当籤役として決定された場合、履歴役「リプレイ」に含まれる役が当籤役として決定された回数と、履歴役「レア役」に含まれる役が当籤役として決定された回数との双方の回数を加算する。
そのため、チャンスリプの当籤時には、リプレイ(連)の抽籤条件と、レア役(個数)の抽籤条件とを同時に満たすことがある。例えば、4ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、3ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、2ゲーム前の当籤役が履歴役「リプレイ」に含まれる役であり、1ゲーム前の当籤役が履歴役「リプレイ」に含まれる役であり、当該遊技の当籤役がチャンスリプである場合、当該遊技において「リプ3連」と「レア役3個」が同時に成立する。このような場合、本実施形態のパチスロ機1では、抽籤条件を満たした全ての履歴抽籤を行う。すなわち、主制御回路91は、「リプ3連」に基づく履歴抽籤と、「レア役3個」に基づく履歴抽籤の双方を行う。このように本実施形態のパチスロ機1では、チャンスリプの当籤という1つのことを契機として、複数の履歴抽籤を行うことができる。このとき、主制御回路91は、当籤した履歴抽籤に対応する特典を付与可能であり、複数の履歴抽籤の双方に当籤した場合には、双方の特典を付与する。
続いて、図187(C)は、当籤履歴の表示例を示す。副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)に5ゲーム分の履歴表示窓を表示する。この履歴表示窓には、5ゲーム分の当籤役の履歴情報が表示され、1ゲーム毎に古い履歴情報が新しい履歴情報に入れ替わるように表示される。同図に示すように、副制御回路101は、履歴役「リプレイ」を青丸で表示し、履歴役「レア役」を宝石(白)又は宝石(赤)で表示する。また、副制御回路101は、履歴役「はずれ」である場合には、当該遊技に対応する履歴表示窓を空欄にすることで履歴役「はずれ」を表現する。なお、履歴役「リプレイ」及び履歴役「レア役」の双方に属するチャンスリプの表示は任意であり、例えば、履歴役「リプレイ」に応じた青丸と、履歴役「レア役」に応じた宝石(白)又は宝石(赤)とを、交互にブリンク表示することとしてもよく、また、何れか一方の表示のみをすることとしてもよく、また、固有の表示を行うこととしてもよい。
また、履歴役「レア役」時に宝石(白)を表示するか、宝石(赤)を表示するかは、抽籤により決定される。この抽籤は、図209のAT_アイコン種別抽籤テーブルを参照して主制御回路91が行い、副制御回路101は、この抽籤において当籤した場合に、宝石(赤)を表示し、非当籤した場合に宝石(白)を表示する。なお、図187に示すように、宝石(赤)が表示された場合(より詳細には、主制御回路91が行う抽籤に当籤した場合)には、その後の所定ゲーム間(言い換えると、宝石(赤)が表示されている間)は、特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が、宝石(白)が表示された場合よりも高くなる(図210参照)。
続いて、図187(E)は、履歴抽籤方法を示す図である。主制御回路91は、当該遊技において、履歴抽籤の抽籤条件を満たした場合に履歴抽籤を行う。同図に示すように、例えば、4ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、2ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、今回の遊技の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役である場合、当該遊技においてレア役の個数が「レア役3個」となっている。そのため、このような場合には、主制御回路91は、「レア役3個」に基づく履歴抽籤を行う。
一方で、4ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、3ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、1ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、今回の遊技の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役以外である場合、所定ゲーム間におけるレア役の個数は3個であるが、今回の遊技では「レア役3個」の条件を満たしていない。そのため、このような場合には、主制御回路91は、履歴抽籤を行わない。
[ATポイントを用いた制御]
続いて、図188を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるATポイントを用いた制御について説明する。ここで、ATポイントは、特定の遊技状態において払い出され得るメダルの数量(差枚数=払出枚数−投入枚数)に関する数値情報である。なお、特定の遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態に関連する一連の遊技状態であり、本実施形態においては、出玉状態「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」「AT中CZ」「特殊AT」をいう。主制御回路91は、これら特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報を取得するとともに、取得した遊技情報に応じてATポイントを算出する。
具体的には、図188(A)に示すように、ATポイントは、累積ポイントと所持ポイントとを合計することで算出される。累積ポイントは、上述の特定の遊技状態においてこれまでに付与されたメダルの数量の合計値に関する数値情報であり、特定の遊技状態の各遊技(より詳細には、特定の遊技状態のうち遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技)において、今回の遊技において払い出されるメダルの数量を累積した数値情報である。また、所持ポイントとは、上述の特定の遊技状態において今後付与され得るメダルの数量の合計値に関する数値情報であり、特定の遊技状態の各遊技において、ATの残りゲーム数及びAT(特化ゾーン)の残りストック数に応じて算出される。
主制御回路91は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技において、遊技情報として当籤役を取得する。そして、主制御回路91は、当籤役として15枚役が決定されている場合に、累積ポイントに対して24ポイントを加算し、当籤役として6枚役が決定されている場合に、累積ポイントに対して6ポイントを加算する。なお、15枚役とは、入賞時に15枚のメダルが払い出され得る役であり、本実施形態では「F_共通ベル1」「F_強ベル」「F_打順1ベルA」〜「F_打順6ベルB」をいう。また、6枚役とは、入賞時に6枚のメダルが払い出され得る役であり、本実施系値では「F_共通ベル2」「F_打順1特殊A」〜「F_打順6特殊B」をいう。
ここで、3BETの遊技において15枚のメダルが払い出された場合、当該遊技ではメダルは12枚増加し、また、3BETの遊技において6枚のメダルが払い出された場合、当該遊技ではメダルは3枚増加する。そのため、本実施形態では、メダル1枚を2ポイントに換算して(1ポイント=0.5枚)、ATポイントの算出を行う。
また、主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、ATの残りゲーム数及びAT(特化ゾーン)の残りストック数を取得する。そして、主制御回路91は、AT(特化ゾーン)の残りストック数1つ当たりに対して、所持ポイントを600ポイント加算し、ATの残りゲーム数1ゲーム当たりに対して、所持ポイントを7ポイント加算する。なお、本実施形態では、AT中の1ゲーム当たりに払い出されるメダルの期待値は、3.5枚である。そのため、ATの残りゲーム数1ゲーム当たりに対して設定された所持ポイントは、AT中の1ゲーム当たりに払い出されるメダルの期待値に応じたポイントであるといえる。また、本実施形態では、特化ゾーンのストック1つ当たりから決定される上乗せゲーム数は、約85ゲームである。そのため、特化ゾーンのストック1つ当たりに対して設定された所持ポイントは、特化ゾーンのストック1つ当たりから決定される上乗せゲーム数と、AT中の1ゲーム当たりに払い出されるメダルの期待値とに応じたポイントであるといえる(600≒85×7)。
このように累積ポイントは、これまでに実際に払い出されたメダルの枚数の実数を表し、所持ポイントは、今後払い出され得るメダルの枚数の期待値を表す。そして、ATポイントは、累積ポイントと所持ポイントとの合算であり、特定の遊技状態において払い出され得るメダルの数量を表す。
主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、累積ポイントと所持ポイントとを更新することで、ATポイントを更新する。例えば、「AT」中に1回の遊技が行われると、ATの残りゲーム数が1減る結果、所持ポイントが7ポイント減る一方で、当該遊技における当籤役に応じて累積ポイントが更新される。すなわち、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値(所持ポイント)が、実際に払い出されたメダルの枚数の実数値(累積ポイント)に替わりATポイントが更新される。また、例えば、「特化ゾーン」の状態において、ストックを消費してATのゲーム数を決定した場合、AT(特化ゾーン)のストックが1減る一方で、決定したゲーム数分だけATの残りゲーム数が増加するため、累積ポイントからは、ストック1つ分の600ポイントが減る一方で、増加したゲーム数分の所持ポイントが増加する。
なお、ATポイントは、遊技者には報せないこととすることが好ましい。一方で、ATポイントは、遊技店の店員などに対しては報せることとしてもよい。遊技店の店員などに対してATポイントを報せる方法は任意であるが、例えば、パチスロ機1の前扉(上ドア62a又は下ドア62b)を開けた状態において確認することのできる遊技機内部の表示部に対してATポイントの値を表示することとしてもよく、また、パチスロ機1から遊技店のホールコンピュータに対してATポイントの値を送信することで、ホールコンピュータにおいてATポイントの値を確認可能にしてもよい。また、遊技店の店員などに対して報せる情報は、ATポイントであってもよく、また、累積ポイントであってもよく、また、所持ポイントであってもよく、また、これら全てであってもよく、これらのうちの一部であってもよい。このように遊技店側にATポイントを報せることで不正の検知に役立てることができる。例えば、ATポイント(累積ポイント)が少ないにも関わらず、多くのメダルが払い出されている場合には、不正の可能性があると判断することができる。
続いて、図188(B)〜図188(E)は、算出したATポイントを用いた制御例を示す。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、ATポイントを用いた制御において用いるATポイントの閾値は、全て256の倍数となっている。また、本実施形態では、ATポイントが閾値以上となった場合に、各種の制御を無効にすることとしているが、ATポイントを用いた制御では、ATポイントが閾値以上となった場合に、閾値未満の場合よりも遊技者にとって不利な制御となればよく、必ずしも無効にすることに限られない。一例として、ATポイントが閾値以上となった場合には閾値未満の場合よりも、遊技者にとって有利な制御を行う確率が低くなる又は遊技者にとって不利な制御を行う確率が高くなること(例えば、所定の抽籤において有利な抽籤結果となる確率が低くなること)としてもよい。
(確定役制御)
初めに、図188(B)を参照して、ATポイントを用いた確定役制御について説明する。図180において上述したように、出玉状態「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」では、確定役は条件付きで有効となる。以下に説明する確定役制御は、出玉状態「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」において、確定役を有効とするか無効とするかの制御に関するものである。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、確定役の種別毎にATポイントの閾値が設定され、ATポイントが閾値以上の遊技では、対象の確定役が当籤役として決定された場合であっても、当該確定役は無効になる。また、ATポイントが閾値未満の遊技では、対象の確定役が当籤役として決定された場合に、図217に示す共通_確定役無効抽籤テーブルを用いた無効抽籤を行い、この抽籤の抽籤結果として「有効」が決定されると当該確定役は有効となり、抽籤結果として「無効」が決定されると当該確定役は無効になる。
上述したように、確定役が無効である場合には、確定役に対応する特典を付与せずに、また、右左中又は右中左の押し順がナビされる結果、汎用の図柄の組合せ(TLリプ)が表示される。また、確定役が有効である場合には、確定役に対応する特典を付与するとともに、右1st以外の押し順がナビされる(又は何らの押し順もナビされない)結果、確定役に固有の図柄の組合せが表示される。
ここで、同図に示すように、無効にするATポイントの閾値は、付与する特典の大きさに基づき段階的に高くなる。すなわち、最も大きな特典を付与する確定役「F_黒BARリプ」に対しては最も低い閾値が設定され、無効になり易く制御する一方で、最も小さな特典を付与する確定役「紫7リプ」に対しては最も高い閾値が設定され、無効になり難く制御する。これにより、本実施形態のパチスロ機1では、AT中などにおいて多くのメダルの払い出しを受けた場合や、残りゲーム数や残りストック数などから今後多くのメダルの払い出しが期待できる場合には、確定役が無効になり易くなる。
(最終上乗せ制御)
続いて、図188(C)を参照して、ATポイントを用いた最終上乗せ制御について説明する。上述したように、本実施形態では、ATのストックが無い状態でATの残りゲーム数が0になった場合(ATの終了時)に最終上乗せ抽籤を行い、当籤した場合には、AT(特化ゾーン)のストックを3個又は5個付与する。以下に説明する最終上乗せ制御は、ATの終了時に最終上乗せ抽籤を行うか否かの制御に関するものである。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値が設定され、ATの終了時にATポイントが閾値以上である場合には、最終上乗せを行わない(最終上乗せ抽籤自体を行わない)。他方、ATの終了時にATポイントが閾値未満である場合には、図213に示すAT_最終上乗せ抽籤テーブルを用いた最終上乗せ抽籤を行い、この抽籤の抽籤結果として「当籤」が決定されると、最終上乗せを行い、抽籤結果として「非当籤」が決定されると、最終上乗せを行わない。
(AT中の各種抽籤の制御)
続いて、図188(D)を参照して、ATポイントを用いたAT中の各種抽籤に関する制御について説明する。本実施形態では、ATなどの特定の遊技状態において、主制御回路91は、各種の抽籤を行う。以下に説明するAT中の各種抽籤の制御は、これら各種の抽籤を行うか否かの制御に関するものである。なお、以下の説明では、有効/無効にする各種の抽籤として、図210に示すAT_特化ゾーンストック抽籤テーブルを用いたAT中の特化ゾーンのストック抽籤や、図209に示すAT_アイコン種別抽籤テーブルを用いた履歴役「レア役」の当籤時に宝石(赤)を表示するか否かの抽籤を対象としているが、他の抽籤を有効/無効の対象としてもよい。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値毎にATポイント種別が対応付けられ、ATポイントが768ポイント未満である場合にはATポイント種別として「種別0」が対応付けられ、768ポイント以上1280ポイント未満である場合にはATポイント種別として「種別1」が対応付けられ、1280ポイント以上2560ポイント未満である場合にはATポイント種別として「種別2」が対応付けられ、2560ポイント以上である場合にはATポイント種別として「種別3」が対応付けられている。
主制御回路91は、ATなどの特定の遊技状態の各遊技において、ATポイント種別に応じて、図218に示す共通_抽籤無効抽籤テーブルを用いた無効抽籤を行い、この抽籤の抽籤結果として「有効」が決定されると、上述した各種の抽籤を有効(抽籤を行う)とし、抽籤結果として「無効」が決定されると、上述した各種の抽籤を無効(抽籤を行わない)とする。同図及び後述の図218に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントが低いほど無効抽籤において「有効」が決定され易く、ATポイントが高いほど無効抽籤において「無効」が決定され易い。
なお、上述したように、履歴役「レア役」の当籤時に宝石(赤)を表示することが決定された場合、その後の所定ゲーム間は、特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が、宝石(白)が表示された場合よりも高くなる。そのため、履歴役「レア役」の当籤時に宝石(赤)を表示することが決定された場合には、その後の所定ゲームの間は、ATポイントに基づく無効抽籤を行わないこととしてもよい。
(AT中CZのシナリオ抽籤種別の制御)
続いて、図188(E)を参照して、ATポイントを用いたAT中CZのシナリオ抽籤種別に関する制御について説明する。本実施形態では、「AT中CZ」の状態は、シナリオにより管理され、シナリオに応じて有利度合いが異なる。AT中CZのシナリオ抽籤種別の制御は、ATポイントに応じて抽籤するシナリオの有利度合いを異ならせる制御である。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値毎にシナリオ抽籤種別が対応付けられ、ATポイントが768ポイント未満である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別0」が対応付けられ、768ポイント以上1280ポイント未満である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別1」が対応付けられ、1280ポイント以上2560ポイント未満である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別2」が対応付けられ、2560ポイント以上である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別3」が対応付けられている。
主制御回路91は、AT中CZの開始時に、図214(A)に示すAT中CZ_シナリオ抽籤テーブルを参照して、シナリオ抽籤種別に基づくシナリオ抽籤を行う。詳しくは後述するが、本実施形態では、シナリオ抽籤種別「種別0」は、遊技者にとって有利なシナリオが最も決定され易く、シナリオ抽籤種別「種別1」は、遊技者にとって有利なシナリオが次に決定され易く、シナリオ抽籤種別「種別2」は、遊技者にとって有利なシナリオが次に決定され易く、シナリオ抽籤種別「種別3」は、遊技者にとって有利なシナリオが最も決定され難い。言い換えると、本実施形態では、ATポイントが低いほど有利なシナリオが決定され易く、ATポイントが高いほど有利なシナリオが決定され難い。
[ATポイントの管理方法]
続いて、図189を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるATポイントの管理方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91には、ATポイントを計数するためのカウンタが設けられる。図189(A)に示すように、このATポイント用のカウンタは、上位バイト(1バイト)及び下位バイト(1バイト)の2バイトからなるカウンタである。
上位バイトでは、256の整数倍の値が計数され、下位バイトでは、ATポイントのうちの当該整数倍の値では計数できない端数部分の値(0〜255)が計数される。図189(B)に示すように、例えば、ATポイントが256ポイントである場合、上位バイトでは「1」をカウントし、下位バイトでは「0」をカウントする結果、16進数では上位バイト「01」下位バイト「00」の「100H」で表すことができる。同様に、ATポイントが257ポイントである場合には、上位バイト「01」下位バイト「01」の「101H」で表すことができ、また、ATポイントが292ポイントである場合には、上位バイト「01」下位バイト「24」の「124H」で表すことができ、また、ATポイントが532ポイントである場合には、上位バイト「02」下位バイト「14」の「214H」で表すことができる。
続いて、図189(C)は、ATポイントを用いた制御に用いる閾値を示す図である。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値として256の倍数を用いる。このように閾値として256の倍数を用いる場合、同図に示すように、下位バイトは常に「00」になるため、上位バイトの値を比較することで閾値以上であるか否かを判定することができ、閾値に下位バイトの値が不要になる。
例えば、閾値として3072ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「0C」下位バイト「00」の「C00H」で表すことができ、ATポイント用のカウンタの上位バイトが「0C」以上の場合は、下位バイトの値に関係なく、閾値以上であると判定することができ、また、ATポイント用のカウンタの上位バイトが「0C」未満の場合は、下位バイトの値に関係なく、閾値未満であると判定することができる。
同様に、閾値として2048ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「08」下位バイト「00」の「800H」で表すことができ、また、閾値として1792ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「07」下位バイト「00」の「700H」で表すことができ、また、閾値として768ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「03」下位バイト「00」の「300H」で表すことができる。そして、閾値(上位バイトのみ)と、ATポイント用のカウンタの上位バイトとを比較することで、閾値以上であるか否かを判定することができる。
そのため、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイント用のカウンタとしては、2バイトのデータを用いる一方で、閾値としては1バイトのデータのみを用い、ATポイント用のカウンタのうちの上位バイトの値と、閾値の1バイトの値とを比較することで、ATポイントに対する閾値の制御が可能になる。
一例として、図189(D)には、ATポイントが2000ポイントである場合の閾値の制御例を示す。ATポイントが2000ポイントである場合、2バイトのATポイント用のカウンタの値は、上位バイト「07」下位バイト「D0」の「7D0H」となる。例えば、閾値3072ポイントと比較する場合、閾値は1バイトのみの「0CH」で表すことができるため、閾値「0CH」と、ATポイント用のカウンタの上位バイト「07H」とを比較して、2000ポイントは、閾値(3072)未満であると判定することができる。同様に、閾値1792ポイントと比較する場合、閾値は1バイトのみの「07H」で表すことができるため、閾値「07H」と、ATポイント用のカウンタの上位バイト「07H」とを比較して、2000ポイントは、閾値(1792)以上であると判定することができる。
[出玉状態の制御に用いる各種データテーブル]
続いて、出玉状態の制御において用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[通常_有利区間移行抽籤テーブル]
初めに、図190を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「通常有利」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「通常有利」に移行するとともに、図191に示す通常_初期通常モード抽籤テーブルを参照して、通常モードを決定し、通常モードの初期値としてセットする。
また、主制御回路91は、抽籤結果として「AT前兆」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。このとき、主制御回路91は、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
なお、同図において抽籤種別「フェイク/確定役」に基づく有利区間移行抽籤では、故高確率で「通常有利」に当籤し、「AT前兆」に当籤する確率は極端に低い。これは上述のように、本実施形態では、確定役に応じた抽籤処理では、基本的に不利な結果としつつ、確定役が有効である場合には、抽籤によらない処理(確定役当籤時処理)により、遊技者にとって有利な状態となるように制御するためである。
[通常_初期通常モード抽籤テーブル]
続いて、図191を参照して、通常_初期通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常_初期通常モード抽籤テーブルは、有利区間移行抽籤において「通常有利」に当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別)に応じて通常モードの初期値を決定する初期通常モード抽籤に用いられる。通常_初期通常モード抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、初期通常モード抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定した通常モードを、次ゲームに移行する「通常有利」の通常モードの初期値としてセットする。
[通常有利_CZモード移行抽籤テーブル]
続いて、図192を参照して、通常有利_CZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_CZモード移行抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきCZモードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_CZモード移行抽籤テーブルは、移行元(現在)のCZモード及び抽籤種別毎に、移行先のCZモードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定したCZモードを、次ゲームのCZモードとしてセットする。
[通常有利_CZ抽籤テーブル]
続いて、図193を参照して、通常有利_CZ抽籤テーブルについて説明する。通常有利_CZ抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきCZへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_CZ抽籤テーブルは、現在のCZモード及び抽籤種別毎に、CZへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常有利」のまま維持し、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「CZ前兆」に移行するとともに、1ゲーム〜32ゲームの中から「CZ前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[通常有利_通常モード移行抽籤テーブル]
続いて、図194を参照して、通常有利_通常モード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_通常モード移行抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき通常モードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_通常モード移行抽籤テーブルは、移行元(現在)の通常モード及び抽籤種別毎に、移行先の通常モードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定した通常モードを、次ゲームの通常モードとしてセットする。
[通常有利_AT抽籤テーブル]
続いて、図195を参照して、通常有利_AT抽籤テーブルについて説明する。通常有利_AT抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきATへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_AT抽籤テーブルは、現在の通常モード及び抽籤種別毎に、ATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常有利」のまま維持する。他方、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。また、主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[通常有利_履歴抽籤テーブル]
続いて、図196を参照して、通常有利_履歴抽籤テーブルについて説明する。通常有利_履歴抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において上述した履歴抽籤を行う際に参照されるテーブルであり、図196(A)は、リプレイ連に基づく履歴抽籤を行う際に参照される通常有利_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)であり、図196(B)は、レア役個数に基づく履歴抽籤を行う際に参照される通常有利_履歴抽籤テーブル(レア役個数)である。
通常有利_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)は、所定ゲーム間にリプレイが連続して当籤役として決定された回数(リプレイ連)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「CZ前兆」に移行するとともに、1ゲーム〜32ゲームの中から「CZ前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
通常有利_履歴抽籤テーブル(レア役個数)は、所定ゲーム間にレア役が当籤役として決定された回数(レア役個数)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。また、主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[通常有利_天井恩恵抽籤テーブル]
続いて、図197を参照して、通常有利_天井恩恵抽籤テーブルについて説明する。通常有利_天井恩恵抽籤テーブルは、「通常有利」の経過ゲーム数が400ゲームに到達した際に参照され、400ゲーム到達時の仮天井制御における恩恵を付与するか否かの天井恩恵抽籤に用いられる。通常有利_天井恩恵抽籤テーブルは、天井恩恵抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「転落」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「通常」に移行する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「CZモード高確A」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常有利」のまま維持するとともに、次ゲームのCZモードとして「高確A」をセットする。また、主制御回路91は、抽籤結果として「AT当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。また、主制御回路91は、抽籤結果として「AT当籤」が決定された場合には、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[CZ_CZ種別抽籤テーブル]
続いて、図198を参照して、CZ_CZ種別抽籤テーブルについて説明する。CZ_CZ種別抽籤テーブルは、CZ当籤からCZが開始されるまでの間(本実施形態では、CZの開始時)において、開始するCZの種別を決定するためのCZ種別抽籤を行う際に参照されるテーブルである。CZ_CZ種別抽籤テーブルは、CZ種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「通常」が決定された場合には、開始するCZの種別として「通常」を決定し、セットする。また、主制御回路91は、抽籤結果として「特殊」が決定された場合には、開始するCZの種別として「特殊」を決定し、セットする。
[CZ_AT抽籤テーブル]
続いて、図199を参照して、CZ_AT抽籤テーブルについて説明する。CZ_AT抽籤テーブルは、「CZ」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきATへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。CZ_AT抽籤テーブルは、CZの種別及び抽籤種別毎に、ATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを付与せずに、「当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
なお、「CZ」はゲーム数により継続期間が管理され、「CZ」中にAT抽籤に当籤しても、5ゲーム間は出玉状態「CZ」のまま移行しない。主制御回路91は、「CZ」の終了時(5ゲーム経過)にATのストックを有している場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「特化ゾーン準備」に移行させ、ATのストックを有していない場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「通常有利」に移行させる。
[特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブル]
続いて、図200を参照して、特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブルについて説明する。図180において上述したように、「特化ゾーン準備」の状態では抽籤結果に応じてベルナビを行う。特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブルは、「特化ゾーン準備」の状態において押し順小役(「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)の当籤時に参照され、正解の押し順を報知するか否かのベルナビ抽籤を行う際に参照されるテーブルである。特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブルは、特殊モードのON/OFFに対して、ベルナビを行うか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、ベルナビ抽籤において「非当籤」が決定された場合には何らの報知も行わず、「当籤」が決定された場合にはベルナビを行う。同図によると、特殊モードがONである場合には、押し順小役が当籤してもベルナビが行われ難いことが分かる。
なお、本実施形態では、特殊モードは、少なくとも特化ゾーンの開始時にOFFに更新されるため、「特化ゾーン」や「AT」の状態では常にOFFであり、ONであることはない。この点、上述の仕様例のように、リプレイ役(通常リプ又は特殊リプ)の当籤時に「XDリプ」を表示可能な仕様とした場合には、「特化ゾーン」や「AT」の状態においても特殊モードがONのままの場合がある。このような仕様の場合には、主制御回路91は、「特化ゾーン」や「AT」の状態においても、特殊モードのON/OFFに基づきベルナビ抽籤を行うこととしてもよい。「特化ゾーン」や「AT」の状態におけるベルナビ抽籤では、特殊モードがONである場合には所定の確率でベルナビに当籤し、特殊モードがOFFである場合には所定の確率よりも高い確率(より好ましくは100%の確率)でベルナビに当籤することとしてもよい。また、「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」の状態では、特殊モードがONである場合のみベルナビ抽籤を行い、特殊モードがOFFである場合は、ベルナビ抽籤を行うことなく、必ず、ベルナビを行うこととしてもよい。
[特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブル]
続いて、図201を参照して、特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブルは、「特化ゾーン準備」の状態において通常リプ又は特殊リプの当籤時に特化ゾーンを開始させるか否かを決定する特化ゾーン開始抽籤を行う際に参照されるテーブルである。同図に示すように、特化ゾーン種別としては“初回”“特化ゾーン1”“特化ゾーン2”“特化ゾーン3”“特化ゾーン4”が設けられ、最初の「特化ゾーン準備」では“初回”が参照され、2回目以降の「特化ゾーン準備」では特化ゾーンの種別に応じて“特化ゾーン1”“特化ゾーン2”“特化ゾーン3”“特化ゾーン4”が参照される。より具体的には、「通常」「通常有利」「CZ前兆」「CZ」「AT前兆」から移行した「特化ゾーン準備」では、“初回”が参照され、「AT」「特殊AT」から移行した「特化ゾーン準備」では、特化ゾーンの種別に応じたテーブルが参照される。
特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブルは、特化ゾーンの種別毎に特化ゾーン開始抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「準備継続」が決定された場合には、出玉状態を「特化ゾーン準備」のまま維持し、抽籤結果として「開始」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「特化ゾーン準備」から「特化ゾーン」に移行させる。
[特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図202〜図205を参照して、特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。図202は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン1”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルであり、図203は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン2”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルであり、図204は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン3”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルであり、図205は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン4”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。
特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、「特化ゾーン」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき上乗せゲーム数の抽籤を行う際に参照されるテーブルである。特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、特化ゾーンの種別及び抽籤種別毎に、上乗せゲーム数の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、特化ゾーン中の単位遊技毎に上乗せゲーム数を決定すると、決定した上乗せゲーム数を合算して管理する。そして、主制御回路91は、特化ゾーンが終了すると、合算した上乗せゲーム数をATの残りゲーム数に加算する。
[特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブル]
続いて、図206を参照して、特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブルは、「特化ゾーン」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき特化ゾーンを終了させるか否かを決定する特化ゾーン終了抽籤を行う際に参照されるテーブルである。特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブルは、特化ゾーンの種別及び抽籤種別毎に特化ゾーン終了抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「継続」が決定された場合には、出玉状態を「特化ゾーン」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「特化ゾーン」から「AT」に移行させるとともに、特化ゾーン中に決定された上乗せゲーム数の合算値をATの残りゲーム数に加算し、AT(特化ゾーン)のストックを1減算する。なお、特化ゾーンには、保障期間が設けられており、主制御回路91は、保障期間の間は特化ゾーン終了抽籤を行わず、保障期間が終了した後の単位遊技において特化ゾーン終了抽籤を行う。保障期間は、特化ゾーンの種別に関係なく一定であってもよく、また、特化ゾーンの種別に応じて異なるものであってもよい。本実施形態では、“特化ゾーン1”の保障期間は5ゲームであり、その他の特化ゾーンの保障期間は10ゲームである。
[AT_初期ATモード抽籤テーブル]
続いて、図207を参照して、AT_初期ATモード抽籤テーブルについて説明する。AT_初期ATモード抽籤テーブルは、AT当籤からATが開始されるまでの間(本実施形態では、ATの開始時)において、ATモードの初期値を決定するための、初期ATモード抽籤を行う際に参照されるテーブルである。なお、本実施形態のパチスロ機1では、ATの終了後にAT(特化ゾーン)のストックが残っている場合、特化ゾーンなどを経由して再びATが開始される。ここで、主制御回路91は、初回のAT開始時のみATモードの初期値を決定し、ATの終了後にストックを消費して再び開始するATの開始時には、初期ATモード抽籤を行わずに、AT終了時のATモードをそのまま引き継ぐこととしてもよい。もちろん、ATの終了後にストックを消費して再び開始するATの開始時に、初期ATモード抽籤を行うこととしてもよい。
AT_初期ATモード抽籤テーブルは、初期ATモード抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「低確」が決定された場合には、ATモードとして“低確”をセットし、抽籤結果として「高確A」が決定された場合には、ATモードとして“高確A”をセットし、抽籤結果として「高確B」が決定された場合には、ATモードとして“高確B”をセットし、抽籤結果として「高確C」が決定された場合には、ATモードとして“高確C”をセットする。
[AT_ATモード移行抽籤テーブル]
続いて、図208を参照して、AT_ATモード移行抽籤テーブルについて説明する。AT_ATモード移行抽籤テーブルは、「AT」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきATモードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_ATモード移行抽籤テーブルは、移行元(現在)のATモード及び抽籤種別毎に、移行先のATモードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定したATモードを、次ゲームのATモードとしてセットする。
[AT_アイコン種別抽籤テーブル]
続いて、図209を参照して、AT_アイコン種別抽籤テーブルについて説明する。AT_アイコン種別抽籤テーブルは、「AT」の状態において履歴役「レア役」が内部当籤役として決定された場合に、履歴役「レア役」を宝石(赤)で表示するか否かのアイコン種別抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_アイコン種別抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、アイコン種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤(白)」が決定された場合には、その旨を副制御回路101に通知し、通知を受けた副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)の履歴表示窓に宝石(白)を表示する。同様に、主制御回路91は、抽籤結果として「当籤(赤)」が決定された場合には、その旨を副制御回路101に通知し、通知を受けた副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)の履歴表示窓に宝石(赤)を表示する。
なお、上述したように、図218に示す共通_抽籤無効抽籤テーブルにおいて抽籤結果として「無効」が決定された場合には、主制御回路91は、アイコン種別抽籤を行わない。この場合には、副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)の履歴表示窓に宝石(白)を表示する。
[AT_特化ゾーンストック抽籤テーブル]
続いて、図210を参照して、AT_特化ゾーンストック抽籤テーブルについて説明する。AT_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、「AT」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき特化ゾーンのストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、ATモード等及び抽籤種別毎に、特化ゾーンのストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。なお、「特殊AT」の状態では「特殊AT」欄が参照され、上述のアイコン種別抽籤で「当籤(赤)」が決定されてから所定ゲーム数の間(5ゲーム間)は、「赤宝石」欄が参照され、それ以外の場合は、現在のATモードに応じた欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、特化ゾーンのストックを付与することなく、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、AT特化ゾーンのストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「特殊当籤」が決定された場合には、AT特化ゾーンのストックを複数付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、「赤宝石」欄が参照される場合が特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が最も高い。そのため、履歴役「レア役」に伴い履歴表示窓に宝石(赤)が表示されている間は、特化ゾーンのストック抽籤に当籤し易い状態といえる。
ここで、上述したように、図218に示す共通_抽籤無効抽籤テーブルにおいて抽籤結果として「無効」が決定された場合には、主制御回路91は、特化ゾーンのストック抽籤を行わない。なお、「赤宝石」欄を参照した特化ゾーンのストック抽籤についてのみは行うこととしてもよい。
[AT_AT中CZ抽籤テーブル]
続いて、図211を参照して、AT_AT中CZ抽籤テーブルについて説明する。AT_AT中CZ抽籤テーブルは、「AT」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきAT中CZへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_AT中CZ抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、AT中CZへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「AT」のまま維持し、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「AT」から「AT中CZ」に移行する。
[AT_履歴抽籤テーブル]
続いて、図212を参照して、AT_履歴抽籤テーブルについて説明する。AT_履歴抽籤テーブルは、「AT」の状態において上述した履歴抽籤を行う際に参照されるテーブルであり、図212(A)は、リプレイ連に基づく履歴抽籤を行う際に参照されるAT_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)であり、図212(B)は、レア役個数に基づく履歴抽籤を行う際に参照されるAT_履歴抽籤テーブル(レア役個数)であり、図212(C)は、はずれ連に基づく履歴抽籤を行う際に参照されるAT_履歴抽籤テーブル(はずれ連)である。
AT_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)は、所定ゲーム間にリプレイが連続して当籤役として決定された回数(リプレイ連)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「AT」から「AT中CZ」に移行する。
AT_履歴抽籤テーブル(レア役個数)は、所定ゲーム間にレア役が当籤役として決定された回数(レア役個数)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
AT_履歴抽籤テーブル(はずれ連)は、所定ゲーム間にはずれが当籤役として決定された回数(はずれ連)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、ATモードを1つ昇格させる。
[AT_最終上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図213を参照して、AT_最終上乗せ抽籤テーブルについて説明する。AT_最終上乗せ抽籤テーブルは、ATのストックが無い状態でATの残りゲーム数が0になった場合に行う最終上乗せ抽籤に用いられるテーブルである。AT_最終上乗せ抽籤テーブルは、確定役の無効の有無毎に、最終上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、ATが終了するまでに確定役が無効になっていない場合には「無効なし」欄が参照され、確定役が無効になっている場合には「無効有り」欄が参照される。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを3個又は5個付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
なお、主制御回路91は、確定役が無効になっている場合にのみ(言い換えると、確定役に応じて特典を付与しないと決定した場合にのみ)最終上乗せ抽籤を行い、無効になっていない場合には最終上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。また、同図に示すように、本実施形態では、確定役が無効になっている場合には、最終上乗せ抽籤に必ず当籤することとしているが、確定役が無効になっている場合には、無効になっていない場合と比べて、最終上乗せ抽籤に当籤する確率が異なって(高い又は低い)いればよい。
[AT中CZ_シナリオ抽籤テーブル]
続いて、図214を参照して、AT中CZ_シナリオ抽籤テーブルについて説明する。AT中CZ_シナリオ抽籤テーブルは、AT中CZの当籤からAT中CZが開始されるまでの間(本実施形態では、AT中CZの開始時)において、開始するAT中CZのシナリオを決定するためのシナリオ抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT中CZ_シナリオ抽籤テーブルは、シナリオ抽籤種別毎に、シナリオ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定されたシナリオをセットし、AT中CZの遊技を制御する。
なお、シナリオ抽籤種別は、ATポイントに応じて決定される情報であり(図188(E))、主制御回路91は、シナリオ抽籤を行う場合に、当該時点におけるATポイントに応じてシナリオ抽籤種別を決定する。また、シナリオは、シナリオ番号が大きいほど遊技者にとって有利なシナリオであり、シナリオ抽籤種別「種別0」〜「種別3」では、「種別0」が有利なシナリオを最も当籤し易いシナリオ抽籤種別であり、「種別1」が有利なシナリオを次に当籤し易いシナリオ抽籤種別であり、「種別2」が有利なシナリオを次に当籤し易いシナリオ抽籤種別であり、「種別3」が有利なシナリオを最も当籤し難いシナリオ抽籤種別である。そのため、本実施形態では、ATポイントが少ないほど、遊技者にとって有利なシナリオが決定され易い。
続いて、図214(B)は、シナリオの内容を示す図である。シナリオは、5ゲーム毎にCZ種別を規定する情報である。例えば、シナリオ1は、5ゲームで終了するAT中CZのシナリオであり、1〜5ゲームのCZ種別が1(青)となるシナリオである。また、シナリオ10は、15ゲームで終了するAT中CZのシナリオであり、1〜5ゲームのCZ種別が1(青)、6〜10ゲームのCZ種別が2(緑)、11〜15ゲームのCZ種別が3(赤)となるシナリオである。なお、「AT中CZ」の状態では、固有の演出ステージを用いて演出が行われ、CZ種別の末尾の色情報(青、緑、赤)は、当該演出ステージの色を表している。そのため、遊技者は、演出ステージの色から、CZ種別を把握することができる。
[AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブル]
続いて、図215を参照して、AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブルについて説明する。AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、「AT中CZ」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき特化ゾーンのストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、CZ種別及び抽籤種別毎にストック抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、特化ゾーンのストックを付与せずに、「当籤」が決定された場合には、特化ゾーンのストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
なお、AT中CZはシナリオ毎のゲーム数により継続期間が管理され、AT中CZにおいてAT抽籤に当籤しても、シナリオに対応したゲーム数の間は、出玉状態「AT中CZ」のまま移行しない。主制御回路91は、AT中CZが終了すると、次ゲームの出玉状態を「AT中CZ」から「AT」に移行させる。
[共通_特化ゾーン種別抽籤テーブル]
続いて、図216を参照して、共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルについて説明する。共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルは、AT(特化ゾーン)のストックが付与された場合に特化ゾーンの種別を抽籤する際に参照されるテーブルである。共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルは、ストック契機毎に特化ゾーンの種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ここで、確定役「F_紫7リプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「紫7」が参照され、確定役「F_赤BARリプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「赤BAR」が参照され、確定役「F_W揃いリプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「W揃い」が参照され、確定役「F_黒BARリプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「黒BAR」が参照され、「通常有利」の状態において通常モード“特殊”において特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「通常モード特殊」が参照され、これら以外を契機として特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「通常(右以外)」が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「特化ゾーン1」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン1”とし、抽籤結果として「特化ゾーン2」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン2”とし、抽籤結果として「特化ゾーン3」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン3”とし、抽籤結果として「特化ゾーン4」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン4”とする。なお、特化ゾーンは、種別に応じてゲーム数の上乗せ期待度が異なり、ゲーム数の上乗せ期待度は、“特化ゾーン4”が最も高く、“特化ゾーン3”が次に高く、“特化ゾーン2”が次に高く、“特化ゾーン1”が最も低い。
また、“特化ゾーン1”は、当籤役に関係なく毎ゲーム少ないけれどもゲーム数の上乗せが行われる特化ゾーンであり、“特化ゾーン2”は、当籤役に応じてゲーム数の上乗せが行われないことがあるものの、通常リプ(「F_通常リプ1」)の当籤時に少なくとも50ゲーム以上の上乗せが行われる特化ゾーンである。なお、“特化ゾーン2”において通常リプが当籤した場合には、主制御回路91は、右左中又は右中左の押し順を報知して「紫7リプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。また、“特化ゾーン3”は、当籤役に応じてゲーム数の上乗せが行われないことがあるものの、通常リプの当籤時に少なくとも100ゲーム以上の上乗せが行われる特化ゾーンである。なお、“特化ゾーン3”において通常リプが当籤した場合には、主制御回路91は、中左右又は中右左の押し順を報知して「赤BARリプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。
また、“特化ゾーン4”は、“特化ゾーン1”〜“特化ゾーン3”の特徴を有し、当籤役に関係なく毎遊技ゲーム数の上乗せが行われるとともに、通常リプの当籤時に少なくとも50ゲーム以上(100ゲームの確率も高い)の上乗せが行われ、特殊リプ(「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」)の当籤時に少なくとも200ゲーム以上の上乗せが行われる特化ゾーンである。なお、“特化ゾーン4”において通常リプが当籤し、上乗せゲーム数として50ゲームが決定された場合には、主制御回路91は、右左中又は右中左の押し順を報知して「紫7リプ」に係る図柄の組合せの表示を促し、また、通常リプが当籤し、上乗せゲーム数として100ゲームが決定された場合には、主制御回路91は、中左右又は中右左の押し順を報知して「赤BARリプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。また、“特化ゾーン4”において「F_特殊リプ1」が当籤した場合には、主制御回路91は、右左中又は右中左の押し順を報知して「W揃いリプ」に係る図柄の組合せの表示を促し、「F_特殊リプ2」が当籤した場合には、主制御回路91は、中左右又は中右左の押し順を報知して「W揃いリプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。
[共通_確定役無効抽籤テーブル]
続いて、図217を参照して、共通_確定役無効抽籤テーブルについて説明する。共通_確定役無効抽籤テーブルは、確定役を条件付きで有効とする状態(「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」)において、ATポイントに基づき無効とはならない確定役の当籤時に、当該確定役を無効にするか否かの無効抽籤を行う際に参照されるテーブルである。すなわち、主制御回路91は、確定役「F_黒BARリプ」が当籤役として決定された場合、ATポイントが768ポイント未満である場合には、共通_確定役無効抽籤テーブルを用いた無効抽籤を行い、ATポイントが768ポイント以上である場合には、この抽籤を行うことなく、無効にする。
共通_確定役無効抽籤テーブルは、確定役の無効抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「有効」が決定された場合には、当籤した確定役を有効として、確定役に応じた特典を付与する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「無効」が決定された場合には、当籤した確定役を無効にして、確定役に応じた特典を付与しない。
[共通_抽籤無効抽籤テーブル]
続いて、図218を参照して、共通_抽籤無効抽籤テーブルについて説明する。共通_抽籤無効抽籤テーブルは、AT中などの特定の遊技状態において各種の抽籤を無効にするか否かの無効抽籤を行う際に参照されるテーブルである。共通_抽籤無効抽籤テーブルは、ATポイント種別毎に、無効抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「有効」が決定された場合には、当該遊技において各種の抽籤を行い、抽籤結果として「無効」が決定された場合には、当該遊技では各種の抽籤を行わない。
なお、ATポイント種別は、ATポイントに応じて決定される情報であり(図188(D))、主制御回路91は、無効抽籤を行う場合に、当該時点におけるATポイントに応じてATポイント種別を決定する。
[共通_ストック時ロック発生抽籤テーブル]
続いて、図219を参照して、共通_ストック時ロック発生抽籤テーブルについて説明する。共通_ストック時ロック発生抽籤テーブルは、AT(特化ゾーン)のストックが付与された場合にロック状態を発生させるか否かを抽籤する際に参照されるテーブルである。共通_ストック時ロック発生抽籤テーブルは、ストック当籤時の状態及びストック当籤時の抽籤種別毎にロック状態を発生させるか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ここで、出玉状態「通常」又は「通常有利」においてAT(特化ゾーン)のストックが付与された場合には「通常/通常有利」欄が参照され、出玉状態「AT」においてAT(特化ゾーン)のストックが付与された場合には「AT」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、ロック状態を発生させずに、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、遊技の進行を停止するロック状態を発生させる。なお、主制御回路91は、ロック状態を発生させる場合には、更なる特典を付与することとしてもよい。例えば、主制御回路91は、ロック状態を発生させる場合には、当該抽籤の契機となった分のAT(特化ゾーン)のストックに加え、1つ又は複数のストックを更に付与することとしてもよい。
同図に示すように出玉状態「AT」中は、特化ゾーンのストックが付与されると比較的高確率でロック状態が発生する。ここで、上述したように履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)が表示された場合、その後の所定ゲーム数の間は、特化ゾーンのストックが付与され易い(図210参照)。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)が表示された場合、その後の所定ゲーム数の間は、ロック状態が発生し易い状態となる。
[第4実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第4実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[ATポイントを用いた制御(上乗せ確率変化)]
図188において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、特定の遊技状態(本実施形態では、出玉状態「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」「AT中CZ」「特殊AT」)において払い出され得るメダルの数量(差枚数=払出枚数−投入枚数)に関する数値情報をATポイントして管理する。主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報を取得するとともに、取得した遊技情報に応じてATポイントを算出する。
具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役や入賞した役といった、今回の遊技において実際に払い出されるメダルの枚数を特定するための遊技情報を取得すると、実際に払い出されるメダルの枚数に応じたポイントの加算値を算出し、累積ポイントを更新する。また、主制御回路91は、ATの残りゲーム数やATの残りストック数といった遊技情報を取得すると、ATの残りゲーム数やATの残りストック数から予想される、今後付与され得るメダルの枚数の期待値に応じた所持ポイントを算出する。そして、主制御回路91は、累積ポイントと所持ポイントとの合計を、ATポイントとして算出する。
そして、主制御回路91は、算出したATポイントが閾値を超えると(より詳細には、閾値以上になると)、特典の付与確率(例えば、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報)を変化させる。一例としては、主制御回路91は、ATポイントが閾値を超えている場合には、確定役のような特定の遊技状態の遊技期間の延長といった特典を付与する期待度が他の役よりも高い役が内部当籤役として決定されたとしても、確定役を無効にして特典を付与しないように制御する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、特定の遊技状態において付与され得るメダルの枚数に関するATポイントに応じて、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。また、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、確定役を無効にするなどの制御を行うことで、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。
なお、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報は任意であり、また、延長情報を変化させることには、本実施形態のように無効にすること(延長しないこと)の他に、確率を低くすることも含み、また、確率を高くすることも含む。すなわち、本遊技性は、ATポイントが閾値を超えた場合に、確定役を無効にすることの他に、確定役を無効にする確率を変化させることを含み、また、確定役の制御に限られず、ATポイントが閾値を超えた場合に、AT(特化ゾーン)のストックの上乗せ抽籤を無効にすること、当該上乗せ抽籤に当籤する確率を変化させることを含む。また、本実施形態では、AT中にゲーム数の上乗せは行わないが、ATポイントが閾値を超えた場合に、ゲーム数の上乗せ抽籤を無効にすること、当該上乗せ抽籤に当籤する確率を変化させることや、当該上乗せ抽籤に当籤した場合に上乗せするゲーム数を変化(多くする又は少なくする)させることを含む。
[ATポイントを用いた制御(出目の多様化)]
また、本実施形態のパチスロ機1では、確定役が無効の場合には、右左中又は右中左の押し順を報知し、確定役が有効の場合には、当該押し順を報知しない。その結果、確定役が無効の場合には、他のリプレイ役においても表示され得る図柄の組合せ(TLリプ)が表示され、確定役が有効の場合には、夫々の確定役において固有の図柄の組合せが表示される。なお、本実施形態では、確定役が有効の場合には何らの押し順も報知しないが、これに限られるものではなく、確定役に固有の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよい。
これにより、本実施形態のパチスロ機1では、確定役の当籤時に表示される図柄の組合せ(出目)が、ATポイントに応じて異なることになり、遊技者が注目する出目(結果表示)が多様化し、遊技の興趣が向上する。このとき、確定役が有効である場合の出目は、確定役に固有の出目である一方で、確定役が無効である場合の出目は、確定役以外の役が当籤役として決定された場合にも表示され得る出目である。そのため、遊技者は、表示された汎用的な出目から確定役が当籤し無効になったのか他の役が当籤したのかを把握することができず、遊技者に気付かれることなく出目のバリエーションが異なる状態を制御することができる。また、図188(B)に示すように、無効にする確定役の種類は、ATポイントに応じて段階的に増えるため、出目のバリエーションを段階的に変化させることができる。
なお、本遊技性は、ATポイントに応じて出目のバリエーションを異ならせるものであり、異ならせる対象は、固有の出目であるか汎用的な出目であるかは限るものではない。例えば、主制御回路91は、ATポイントが特定の範囲にある場合には(第1閾値未満)、特定の役の当籤時に特定の出目(図柄の組合せ)が表示されるように、押し順のナビを行い、ATポイントが特定の範囲とは異なる所定の範囲にある場合には(第1閾値以上第2閾値未満)、特定の役の当籤時に所定の出目(図柄の組合せ)が表示されるように、押し順のナビを行うものであってもよい。
[ATポイントを用いた確定役制御と最終上乗せ制御]
また、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、確定役が有効である場合には、当該確定役の当籤を契機として特典を付与する一方で、確定役が無効である場合には、確定役に当籤した遊技よりも後の遊技であるATの終了時に行う最終上乗せ抽籤に基づき、特典を付与可能である。これにより確定役を無効にした場合には、その代わりに他の特典を付与することができるため、遊技者が一方的に不利益を受けてしまうことを軽減することができる。なお、この場合において、確定役を無効にした場合には、汎用的な出目が表示されることになるため、遊技者は確定役が無効になったことに気付くことなく、最終上乗せ抽籤に基づく特典を得ることができる。このように確定役を無効にした場合には、代わりの特典を付与することで、実際に生じた不利益も補てんすることができ、また、確定役の当籤に伴う特典を多様化することができる。なお、本実施形態では、最終上乗せ抽籤に基づく特典と、確定役「F_黒BARリプ」に基づく特典とを同一の特典としているが、これに限るものではない。すなわち、無効にする確定役に基づく特典と、無効にした特典を補てんする特典とは、同一のものに限らず、異なる特典であってもよい。
また、主制御回路91は、最終上乗せ抽籤の抽籤時(すなわち、確定役が当籤した遊技よりも後のAT終了時)に、ATポイントが閾値(1024)以上である場合には、最終上乗せ抽籤を行わない。これにより、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。このように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントに基づき最終上乗せ抽籤を無効にするが、最終上乗せ抽籤は、ATポイントに関わらず無効にしないこととしてもよい。また、ATポイントに応じて最終上乗せ抽籤に当籤する確率を異ならせることとしてもよい。また、確定役を無効にしている場合には、ATポイントに関わらず最終上乗せ抽籤を無効にせず、確定役を無効にしている場合には、ATポイントに基づき最終上乗せ抽籤を無効にすることとしてもよい。
[ATポイントを用いた履歴種別制御]
また、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、履歴役「レア役」が当籤役として決定されると、履歴表示窓に宝石(赤)を表示するか宝石(白)を表示するかを決定する。なお、宝石(赤)を表示すると決定した場合には、その後の所定ゲーム数の間、AT中の特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が上がる。主制御回路91は、この宝石(赤)を表示するか否かの決定も、ATポイントを参照して行う。具体的には、ATポイントに基づき抽籤無効抽籤を行い、この抽籤において「無効」が決定されると、宝石(赤)を表示するか否かの抽籤を行わないため、宝石(赤)を表示するか否かの決定は、ATポイントに基づき行われることになる。これにより、ATポイントに応じて、宝石(赤)を表示する確率だけでなく、その後の特典(特化ゾーンストック)付与の確率も変化するため、多様な遊技性を実現することができる。
なお、AT中の特化ゾーンのストック抽籤に当籤した場合、遊技の進行を停止するロック状態を発生可能することがある(図219参照)。上述のように特化ゾーンのストック付与の確率は、ATポイントに応じて変化するため、ATポイントに応じてロック状態の発生頻度を異ならせることができるため、多様な遊技性を実現することができる。
[ATポイントを用いた遊技性のその他の仕様例]
続いて、図220を参照して、ATポイントを用いた遊技性において適用可能なその他の仕様例について説明する。初めに、図220(A)(a)には、本遊技性の基本パターンを示す。同図に示すように、本遊技性では、上乗せ(特典付与)確率と、出目内容とをATポイントに基づき変化させる。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、上乗せ確率を異ならせるとともに、出目の内容を異ならせる。なお、上乗せ確率を異ならせるとは、上述したように、確定役を有効/無効にすることの他、他の役(リプレイ、小役、レア役)に基づく上乗せ抽籤の当籤確率を異ならせることに加え、上乗せ抽籤の抽籤対象となる役を増減することなどを含む。また、出目の内容を異ならせるとは、上述したように、押し順に応じて異なる図柄の組合せが表示される役の当籤時にナビする押し順を制御することである。
また、上乗せ確率については、上乗せ制御Aと上乗せ制御Bとがある場合に、両者を共に変化させることとしてもよく、また、両者を個別に変化させることとしてもよい。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、上乗せ制御A及び上乗せ制御Bの当籤確率を変化させてもよく、また、主制御回路91は、ATポイントが第1閾値以上になると、上乗せ制御Aの当籤確率を変化させ、ATポイントが第2閾値以上になると、上乗せ制御Bの当籤確率を変化させることとしてもよい。
また、同図(b)(c)は、本遊技性の他の仕様例への適用パターンを示す。同図(b)に示すように、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、上乗せ確率を異ならせる一方で、出目の内容についてはATポイントに関わらず一定になるように制御してもよい。このような仕様例では、出目の内容は同一であるものの、上乗せの確率が変化する。遊技者からすると、目に見える出目は同一であるため、例えば、レア役などの出目から上乗せの期待感を持つことができるものの、内部的には上乗せされていないことになる。
反対に、同図(c)に示すように、主制御回路91は、上乗せ確率についてはATポイントに関わらず一定になるように制御する一方で、出目の内容については、ATポイントが閾値以上になると変化するように制御してもよい。このような仕様例では、上乗せ確率は同一であるものの、出目の内容は変化する。出目の内容が異なるため、上乗せの期待度を変えることなく、例えば、レア役などの出目が出やすい状態又は出にくい状態を設けることができる。遊技者からすると、レア役などの出目が頻繁に出現しているにも関わらず、上乗せが行われないといった状況や、反対にレア役などの出目が全くでないにも関わらず、上乗せが行われるといった状況が発生するため、遊技の興趣が向上する。
続いて、図220(B)は、上乗せ確率を変化させる閾値と、出目の内容を変化させる閾値との関係を示す図である。同図に示すように、主制御回路91は、上乗せ確率を変化させる閾値と、出目の内容を変化させる閾値とを共通としてもよい。一例として、主制御回路91は、ATポイントが閾値1未満である場合には、上乗せ確率を確率A、出目の内容を出目Aとし、ATポイントが閾値1以上閾値2未満である場合には、上乗せ確率を確率B、出目の内容を出目Bとし、ATポイントが閾値2以上閾値3未満である場合には、上乗せ確率を確率C、出目の内容を出目Cとし、ATポイントが閾値3以上閾値4未満である場合には、上乗せ確率を確率D、出目の内容を出目Dとしてもよい。
また、主制御回路91は、上乗せ確率を変化させる閾値と、出目の内容を変化させる閾値とを異なるものとしてもよい。一例として、主制御回路91は、上乗せ確率については、ATポイントが閾値2未満である場合に確率A、ATポイントが閾値2以上閾値3未満である場合に確率B、ATポイントが閾値3以上閾値4未満である場合に確率Cとする一方で、出目の内容については、ATポイントが閾値1未満である場合に出目A、ATポイントが閾値1以上閾値3未満である場合に出目B、ATポイントが閾値3以上閾値4未満である場合に出目Cとしてもよい。また、主制御回路91は、ATポイントが閾値3未満である場合には、出目の内容を出目Aとしつつも、上乗せ確率については、変化させることとしてもよい。一例として、ATポイントが閾値1未満である場合には上乗せ確率を確率A、ATポイントが閾値1以上閾値2未満である場合には上乗せ確率を確率B、ATポイントが閾値2以上閾値3未満である場合には上乗せ確率を確率Cとしてもよい。
続いて、図220(C)は、上乗せ確率及び出目の内容を変化させるために用いるポイント種別を示す図である。同図のパターン1に示すように、本実施形態では、主制御回路91は、ATポイントに基づいて上乗せ確率及び出目の内容を変化させているが、これに限るものではない。すなわち、ATポイントは、累積ポイントと所持ポイントとからなるが、主制御回路91は、ATポイント、累積ポイント、所持ポイントの何れかを用いて上乗せ確率及び出目の内容を変化させることができる。
なお、用いるポイント種別は、上乗せ確率及び出目の内容の双方において共通であってもよく、また、異なるものであってもよい。同図のパターン2は、上乗せ確率及び出目の内容において異なるポイント種別を用いる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、上乗せ確率はATポイントに基づき変化させ、出目の内容は累積ポイントに基づき変化させることとしてもよい。
また、用いるポイント種別は、ATポイントの範囲に応じて異ならせることとしてもよい。なお、ATポイントの範囲ではなく、累積ポイント又は所持ポイントの範囲に基づいて、用いるポイント種別を異ならせることとしてもよい。同図のパターン3は、ATポイントの範囲に応じて用いるポイント種別を異ならせる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが第1範囲(閾値1未満)である場合には、上乗せ確率及び出目の内容を累積ポイントに基づき変化させ、ATポイントが第2範囲(閾値1以上閾値2未満)である場合には、上乗せ確率及び出目の内容をATポイントに基づき変化させることとしてもよい。
この場合において、ATポイントの範囲は、上乗せ確率及び出目の内容の双方において共通であってもよく、また、異なるものであってもよい。同図のパターン4は、上乗せ確率及び出目の内容の双方においてATポイントの範囲を異ならせる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが第1範囲(閾値1未満)である場合には、上乗せ確率を累積ポイントに基づき変化させ、ATポイントが第2範囲(閾値1以上閾値2未満)である場合には、上乗せ確率をATポイントに基づき変化させる一方で、出目の内容については、ATポイントが閾値2未満である限りは、ATポイントに基づき変化させることとしてもよい。
また、用いるポイント種別は、上乗せ確率及び出目の内容の双方において共通であってもよく、また、異なるものであってもよい。同図のパターン5は、上乗せ確率及び出目の内容において異なるポイント種別を用いる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが第1範囲(閾値1未満)である場合には、上乗せ確率を累積ポイントに基づき変化させるとともに、出目の内容をATポイントに基づき変化させ、ATポイントが第2範囲(閾値1以上閾値2未満)である場合には、上乗せ確率をATポイントに基づき変化させるとともに、出目の内容を所持ポイントに基づき変化させることとしてもよい。
[ATポイントの管理方法]
また、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、AT中などの特定の遊技状態では、累積ポイントと所持ポイントとを毎遊技更新することで、ATポイントを毎遊技更新する。例えば、「AT」中に1回の遊技が行われると、ATの残りゲーム数が1減る結果、所持ポイントが7ポイント減る一方で、当該遊技における当籤役に応じて累積ポイントが更新される。また、例えば、「特化ゾーン」の状態において、ストックを消費してATのゲーム数を決定した場合、AT(特化ゾーン)のストックが1減る一方で、決定したゲーム数分だけATの残りゲーム数が増加するため、累積ポイントからは、ストック1つ分の600ポイントが減る一方で、増加したゲーム数分の所持ポイントが増加する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、特定の遊技状態の各遊技において、当該遊技の遊技情報(当籤役など)に応じてATポイントを更新するため、特定の遊技状態において付与され得るメダルの数量に関するATポイントに適切に管理することができる。すなわち、遊技の進行に応じて、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値(所持ポイント)が、実際に払い出されたメダルの枚数の実数値(累積ポイント)に替わるため、より実数に近いATポイントを算出することができる。
[閾値との比較方法]
また、本実施形態のパチスロ機1では、上位バイト(1バイト)及び下位バイト(1バイト)の2バイトからなるカウンタを用いてATポイントを計数するとともに、閾値として256の倍数を用いる。そして、主制御回路91は、上位バイトのカウンタの値と、閾値の倍数部分の値とを比較することで、ATポイントが閾値以上になったか否かを判定する。これにより、閾値に下位バイトの値が不要になるため、データ容量を軽減することができるとともに、比較制御に要する処理負荷を軽減することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、ATポイントをカウントしてATポイントに基づく各種の制御を行う「AT」の状態などと、ATポイントを用いることのない「通常」の状態などとを有するため、パチスロ機1は、所定の遊技状態(通常など)と特定の遊技状態(ATなど)とを含む複数の遊技状態を有する。また、パチスロ機1では、左1stの押し順で停止操作が行われたときに、確定役に固有の図柄の組合せが表示され、右1stなどの押し順で停止操作が行われたときに、他のリプレイ役においても表示される汎用的な図柄の組合せが表示される、複数の確定役を有する。
また、主制御回路91は、ATなどの特定の遊技状態の各遊技において、内部当籤役やATの残りゲーム数などの遊技情報を取得するとともに、取得した遊技情報に応じて、特定の遊技状態において付与され得るメダルの枚数に関する数値情報であるATポイントを算出するため、主制御回路91は、数値算出手段として機能する。
また、主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、今回の遊技において付与するメダルの枚数に関する情報(例えば、内部当籤役や今回の遊技において実際に払い出した枚数)を取得するとともに、取得した情報に応じて、累積ポイントを算出する。また、主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、AT(特化ゾーン)の残りストック数及びATの残りゲーム数を取得するとともに、取得した残りストック数及び残りゲーム数に応じて、所持ポイントを算出する。そして、主制御回路91は、累積ポイントと所持ポイントとからATポイントを算出する。そのため、主制御回路91は、第1数値算出手段、第2数値算出手段及び第3数値算出手段として機能する。また、主制御回路91は、AT(特化ゾーン)のストック数を消費してATの残りゲーム数を加算可能であるため、主制御回路91は、遊技期間決定手段として機能する。
また、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、ATなどの特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化させるため、主制御回路91は、延長情報変化手段として機能する。なお、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報としては、例えば、確定役に伴う特化ゾーンのストック付与や、AT中に行う特化ゾーンストック抽籤を用いることができ、確定役を有効/無効にすることや、特化ゾーンストック抽籤に当籤する確率を変更することで、延長情報を変化させることができる。また、主制御回路91は、ATポイントと閾値とを比較して各種の制御を行うが、これら各種の制御は、これまでに実際に払い出されるメダルの枚数に応じたポイント(累積ポイント)と閾値とを比較して行うこととしてもよく、また、今後付与され得るメダルの枚数に応じたポイント(所持ポイント)と閾値とを比較して行うこととしてもよく、また、累積ポイントと所持ポイントとを合計したATポイントと閾値とを比較して行うこととしてもよい。
また、主制御回路91は、ATポイントに応じて、当籤役として決定された場合に右1stの押し順を報知する確定役の種類を決定し、決定した種類の確定役が当籤役として決定されると、右左中又は右中左の押し順を報知するため、主制御回路91は、対象役決定手段及び報知手段として機能する。このとき、主制御回路91は、付与する特典が大きな確定役から順に、右1stの押し順を報知する確定役の種類を段階的に増加させる(図188(B)参照)。
また、主制御回路91は、確定役の当籤時に確定役が有効である場合には、確定役に応じた特典を付与可能であるとともに、確定役を無効にした場合には、ATの終了時に行う最終上乗せ抽籤により特典を付与可能であるため、主制御回路91は、特典付与手段、第1特典付与決定手段及び第2特典付与決定手段として機能する。このとき、主制御回路91は、確定役が当籤した遊技におけるATポイントに応じて確定役を無効にするか否かを決定し、また、AT終了時のATポイントに応じて最終上乗せ抽籤を行うか否かを決定する。
また、主制御回路91は、履歴役「レア役」が当籤役として決定されると、履歴表示窓に宝石(赤)を表示するか宝石(白)を表示するかを決定可能であるため、主制御回路91は、履歴種別決定手段として機能する。そして、パチスロ機1では、副制御回路101は、液晶ディスプレイの履歴表示窓に所定ゲーム数の間の当籤役の履歴情報を表示するとともに、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)を表示すると決定した場合には、履歴表示窓に宝石(赤)を表示するため、副制御回路101及び液晶ディスプレイの履歴表示窓は、履歴表示手段として機能する。
なお、主制御回路91は、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)を表示するか否かの決定をATポイントに基づき行う。具体的には、ATポイントに基づき抽籤無効抽籤を行い、抽籤を無効にすることが決定された場合には、宝石(赤)を表示するか否かの抽籤自体を行わないため、主制御回路91は、無効制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)を表示すると決定した場合には、その後の所定ゲーム数の間は、特化ゾーンのストック付与抽籤を高い確率で当籤させるため、主制御回路91は、特典付与手段として機能する。また、主制御回路91は、特化ゾーンのストック付与抽籤に当籤してストックを付与する場合に、遊技の進行を停止するロック状態を発生可能であるため、主制御回路91は、ロック制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、ATポイントを上位バイト及び下位バイトの2バイトからなるATポイント用のカウンタで計数するため、主制御回路91は、2バイトのカウンタとして機能する。
[有利区間中の特殊モード制御]
主制御回路91は、通常区間から有利区間への移行時に特殊モードをONにセットし、特殊モードONの状態で「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードをOFFに更新する。特殊モードがONである場合、AT(特化ゾーンストック)抽籤などの抽籤結果が遊技者にとって不利になるとともに、押し順小役の当籤時に押し順をナビする確率が低い。以下説明する遊技性は、特殊モードによる押し順のナビの制御に関するものである。
「通常」の状態でAT当籤し、その後、特殊モードがONのまま、「特化ゾーン準備」の状態に移行した場合、「特化ゾーン準備」の状態では、押し順のナビが特殊モードに応じた確率で行われるため(図200参照)、「特化ゾーン準備」の状態では、特殊モードに応じて出玉感が異なり、出玉感にメリハリが生じる。
また、「特化ゾーン準備」の状態から、押し順のナビが行われる報知状態として機能する「特化ゾーン」の状態への移行は、通常リプ又は特殊リプの当籤時に行う特化ゾーン開始抽籤において開始が決定されることである(図201参照)。このとき、本実施形態では、通常リプ又は特殊リプが当籤した遊技では、基本的には、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されるため、報知状態として機能する「特化ゾーン」の状態に移行した場合には、特殊モードがOFFに更新される。このように「特化ゾーン」の状態では、特殊モードがOFFになるため、押し順小役の当籤時に押し順をナビする確率が上がり、特殊モードがONである「特化ゾーン準備」の状態と比べて、出玉感が異なり、「特化ゾーン準備」の状態と「特化ゾーン」の状態との間で出玉感にメリハリが生じる。
なお、主制御回路91はRT状態が異なる場合には、通常リプ又は特殊リプの当籤時に「XDリプ」の図柄の組合せを表示するように停止制御を行うこともできる。すなわち、主制御回路91は、フラグ間RT(2BET専用ボーナスの内部中の3BET遊技)では、通常リプの当籤時に「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せ(TLリプなど)を表示可能に停止制御し、フラグ間RT以外のRT状態では、通常リプの当籤時に「XDリプ」の図柄の組合せを表示して、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せを表示不可能に停止制御する。
このような制御を行う場合、フラグ間RTでは、「特化ゾーン」の状態の開始契機となる通常リプの当籤時に、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せの表示に伴い特殊モードがOFFに更新される一方で、フラグ間RT以外のRT状態では、通常リプの当籤時に「XDリプ」の図柄の組合せが表示されてしまうため、「特化ゾーン」の状態の開始された場合であっても特殊モードがONのまま維持されてしまう。すなわち、主制御回路91は、「特化ゾーン準備」の状態から「特化ゾーン」の状態への移行は、通常リプが当籤役として決定されたことのみを持って行うが、特殊モードの切り替えは、通常リプが当籤役として決定されただけでは行わずに、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示された場合に行う。
そして、主制御回路91は、特殊モードがONである「特化ゾーン」の状態では、所定の確率で押し順のナビを行い、特殊モードがOFFである「特化ゾーン」の状態では、所定の確率よりも高い確率(より好ましくは100%の確率)で押し順のナビを行うことで、「特化ゾーン」の開始直後の出玉感にメリハリを生じさせることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、「通常」や「通常有利」の状態のように遊技者にとって不利な通常の遊技状態(所定遊技状態)と、これら通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な「特化ゾーン」の状態(特定遊技状態)と、「特化ゾーン」の状態が開始されるまでの待機期間である「特化ゾーン準備」の状態(待機遊技状態)とを含む複数の遊技状態を有する。また、パチスロ機1では、2BET専用ボーナスを当籤役として持ち越しているフラグ間RTと、当該ボーナスを当籤役として持ち越していない非フラグ間RTとを有する。なお、フラグ間RTと非フラグ間RTとでは、リプレイ役が当籤役として決定される確率が異なるものであり、それゆえに、パチスロ機1は、リプレイ役が当籤役として決定される確率が異なるフラグ間RTと非フラグ間RTとを含む複数のRT状態を有する。
また、パチスロ機1では、当籤役として決定された場合に遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知され得る押し順小役(「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)と、フラグ間RTでは、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せ(TLリプ)を表示可能であり、非フラグ間RTでは、「XDリプ」の図柄の組合せのみを表示可能で、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せを表示不可能な通常リプなどの役を有するため、パチスロ機1は、複数の役として報知対象役と特定役とを有する。
また、パチスロ機1では、特殊モードを有し、特殊モードのON/OFFにより押し順小役の当籤時に正解の押し順をナビする確率を異ならせるため、第1報知モード(特殊モードON)と、第1報知モードよりも正解の押し順をナビする確率が高い第2報知モード(特殊モードOFF)とを有する。
また、主制御回路91は、「通常」の状態においてAT抽籤に当籤すると、「AT前兆」の状態を経由するなどして「特化ゾーン準備」の状態に遊技状態を移行可能であり、また、「特化ゾーン準備」の状態において通常リプ又は特殊リプの当籤時に行う特化ゾーン開始抽籤で開始が決定されると、「特化ゾーン」の状態に遊技状態を移行可能であるため、主制御回路91は、遊技状態制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、通常区間である「通常」の状態から有利区間である「特化ゾーン準備」の状態に移行すると、特殊モードをONに設定可能であり、また、「特化ゾーン準備」の状態から「特化ゾーン」の状態に移行すると(より詳細には、特化ゾーン開始抽籤の抽籤契機となった通常リプの当籤に伴い「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると)、特殊モードをOFFに設定可能であるため、主制御回路91は、報知モード設定手段として機能する。
また、主制御回路91は、特殊モードがONの場合に押し順小役に当籤すると、所定の確率で正解の押し順をナビして、また、特殊モードがOFFの場合に押し順小役に当籤すると、所定の確率よりも高い確率で正解の押し順をナビするため、主制御回路91は、報知手段として機能する。
[3択役のナビ制御]
以下説明する遊技性は、3択役の当籤時にメイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致させる制御に関するものである。3択役の当籤時にナビを行う場合、主制御回路91は、6択の押し順用に設けられたナビ種別の中から、3択の押し順に合致するナビ種別を取得する。具体的には、主制御回路91は、正解の押し順が左1stである3択役の当籤時には、左中右に対応するナビ種別「1」又は左右中に対応するナビ種別「2」を取得し、正解の押し順が中1stである3択役の当籤時には、中左右に対応するナビ種別「3」又は中右左に対応するナビ種別「4」を取得し、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時には、右左中に対応するナビ種別「5」又は右中左に対応するナビ種別「6」を取得する。そして、主制御回路91は、取得したナビ種別に基づいて指示モニタにおいて押し順のナビを行う。
そして、副制御回路101は、メイン側のナビ種別に応じたナビを液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において行う。具体的には、副制御回路101は、メイン側のナビ種別が「1」である場合には、液晶ディスプレイに左中右の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「2」である場合には、液晶ディスプレイに左右中の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「3」である場合には、液晶ディスプレイに中左右の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「4」である場合には、液晶ディスプレイに中右左の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「5」である場合には、液晶ディスプレイに右左中の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「6」である場合には、液晶ディスプレイに右中左の押し順を表示する。これにより、本制御では、3択役の当籤時に演出的に6択のナビを行いつつも、メイン側のナビとサブ側のナビとを一致することができる。
なお、主制御回路91は、6択役の当籤時にナビを行う場合には、正解の押し順(6択)に応じたナビ種別を取得して押し順のナビを行い、副制御回路101は、メイン側のナビ種別に応じたナビを液晶ディスプレイにおいて行う。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。また、副制御回路101は、遊技に関する演出を制御するため、副制御回路101は、演出制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、3択役と6択役とを有し、3択役の中には右1stの押し順である場合に、所定の図柄の組合せ(TLリプ)が表示され、左1stの押し順である場合に、他の図柄の組合せ(紫7リプ)が表示される「F_紫7リプ」が含まれるとともに、6択役の中には、右左中の押し順である場合に特定の図柄の組合せ(上段ベル)が表示され、右左中以外の押し順である場合に特定の図柄の組合せが表示されない「F_打順5ベルA」や、右中左の押し順である場合に特定の図柄の組合せ(上段ベル)が表示され、右中左以外の押し順である場合に特定の図柄の組合せが表示されない「F_打順6ベルA」が含まれるため、パチスロ機1は、複数の役として、第1択数役と第2択数役とを有し、更に、第1択数役として特定第1択数役、第2択数役として特定第2択数役と所定第2択数役とを有する。
また、主制御回路91は、指示モニタを介して押し順を報知可能であり、副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)を介して押し順を報知可能であるため、主制御回路91及び指示モニタは、メイン側報知手段として機能し、副制御回路101及び液晶ディスプレイは、サブ側報知手段として機能する。
[AT中CZにおけるナビ制御]
続いて、AT中CZにおけるナビ制御に関する遊技性について説明する。主制御回路91は、「AT」の状態において移行条件を満たすと、「AT中CZ」の状態に遊技状態を移行する。主制御回路91は、押し順小役の当籤時に正解の押し順のナビを行わないため、「AT中CZ」の状態は、メダルの増加に関しては、「AT」の状態よりも不利であるが、「AT中CZ」の状態は、「AT」の状態に比べて特化ゾーンのストックが付与され易い。これにより、「AT」の状態の期間延長という「AT中CZ」の遊技性を損なうことなく、「AT中CZ」において遊技者に与える利益(メダルと特化ゾーンストック)を適切な範囲に収めることができる。また、「AT中CZ」の状態において出玉率を下げることで、その分の割合を他の部分に回すことができ、例えば、「AT中CZ」の状態への移行頻度や、「AT中CZ」の状態におけるストック付与の期待度を高くすることもできる。なお、本実施形態では、「AT中CZ」の状態では、押し順のナビをしないこととしているが、これに限られるものではなく、「AT」の状態よりも押し順をナビする確率が低ければよい。
また、主制御回路91は、「AT」の状態では、報知対象となる押し順小役が当籤した場合に特化ゾーンのストックを付与することはないものの(図210参照)、「AT中CZ」の状態では、押し順小役の当籤時に特化ゾーンのストックを付与することがある(図215参照)。このように押し順をナビする確率が低い「AT中CZ」の状態において押し順小役が当籤した場合に、ナビをしないことの不利益の代わりに特化ゾーンのストックを付与可能とすることで、「AT中CZ」の状態における押し順小役の当籤に対して、遊技者は不満を感じることがなくなるため、遊技の興趣が向上する。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、「通常」や「通常有利」の状態のように遊技者にとって不利な通常の遊技状態(所定の遊技状態)と、これら通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な「AT」や「AT中CZ」の状態(特定の遊技状態)と、を有するとともに、特定の遊技状態として「AT」の状態(通常区間)と、「AT」の状態よりも特化ゾーンのストックが付与され易い「AT中CZ」の状態(上乗せ区間)とを有する。また、パチスロ機1は、正解の押し順で停止操作が行われたときに払い出されるメダルの枚数(15枚)が、不正解の押し順で停止操作が行われたときに払い出されるメダルの枚数(0又は1枚)よりも多い報知対象の役である「F_打順ベル1A」〜「F_打順ベル6B」を有する。
また、主制御回路91は、報知対象の役が当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知可能であるため、主制御回路91は、報知手段として機能する。このとき、主制御回路91は、「AT」の状態では、報知対象の役が当籤した場合に必ず(又は高確率で)正解の押し順のナビを行うが、「AT中CZ」の状態では、「AT」中よりも低い確率で正解の押し順のナビ(又はナビを行わない)を行う。
また、主制御回路91は、「AT」の状態において「AT中CZ」の状態への移行条件を満たすと、「AT中CZ」の状態に遊技状態を移行可能であり、「AT中CZ」の状態において終了条件を満たすと、「AT中CZ」を終了して「AT」に移行可能であるため、主制御回路91は、上乗せ区間制御手段として機能する。また、主制御回路91は、「AT」や「AT中CZ」の状態では、内部当籤役(抽籤種別)に応じて特化ゾーンのストックを付与可能であり、特に、「AT中CZ」の状態では、報知対象の役の当籤時であっても特化ゾーンのストックを付与可能であるため、主制御回路91は、上乗せ制御手段として機能する。
[履歴抽籤方法]
続いて、パチスロ機1における履歴抽籤方法に関する遊技性について説明する。主制御回路91は、所定ゲーム間(5ゲーム間)において履歴役が当籤役として決定された回数に応じて履歴抽籤を行う。パチスロ機1では、このような履歴役として履歴役「リプレイ」と履歴役「レア役」とを有するが、チャンスリプ(「F_チャンスリプ」)は、履歴役「リプレイ」及び履歴役「レア役」の双方に属する。そのため、チャンスリプが当籤役として決定された場合、履歴役「リプレイ」の回数と履歴役「レア役」の回数との双方が加算され、結果、チャンスリプの当籤時には、リプレイ(連)の抽籤条件と、レア役(個数)の抽籤条件とを同時に満たすことがある。このように2つの抽籤条件を満たした場合、主制御回路91は、抽籤条件を満たした全ての履歴役に応じて特典を付与することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、履歴役「リプレイ」と履歴役「レア役」との双方に属するチャンスリプ(「F_チャンスリプ」)を有する。また、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役に関する当籤役の履歴情報を所定ゲーム数(5ゲーム)分、記憶するため、主制御回路91は、履歴管理手段として機能する。
また、主制御回路91は、リプレイ(連)の抽籤条件を満たし履歴抽籤に当籤した場合に特典を付与可能であり、レア役(個数)の抽籤条件を満たし履歴抽籤に当籤した場合に特典を付与可能であるため、主制御回路91は、特典付与手段として機能する。なお、主制御回路91は、チャンスリプの当籤時には、リプレイ(連)の抽籤条件と、レア役(個数)の抽籤条件とを同時に満たした場合には、双方の特典を付与可能である。
また、副制御回路101は、液晶ディスプレイの履歴表示窓に所定ゲーム数の間の当籤役の履歴情報を表示するため、副制御回路101及び液晶ディスプレイの履歴表示窓は、履歴表示手段として機能する。
[第5実施形態]
続いて、図221〜図243を参照して、第5実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第5実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第5実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
なお、以下に示す第5実施形態のパチスロ機1は、第4実施形態のパチスロ機1と同様に、2BET専用のボーナス(BB1)を持ち越しているフラグ間状態中に3BETの遊技を行いつつ、報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現するAT機である。
[主制御側の各種のデータテーブル]
初めに、図221〜図225を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図221に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図221に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図221に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイA」、「リプレイB」、「ベル」、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」及び「ブランク」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図222を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。なお、3BETのボーナス非作動中は「3BET時、一般」欄が参照され、3BETのボーナス内部中は「3BET時、内部中」欄が参照され、3BETのボーナス作動中は「3BET時、BB」欄が参照され、2BETのボーナス非作動中は「2BET時、一般」欄が参照され、2BETのボーナス内部中は「2BET時、内部中」欄が参照される。本実施形態のパチスロ機1では、2BET専用のボーナス内部中(フラグ間状態)中に3BETの遊技を行うことで、遊技が進行するため、基本的には3BET時の内部中に対応する内部抽籤テーブルが参照され、その他の内部抽籤テーブルは用いることがない。
図222において、「No.1(F_通常リプ)」〜「No.45(F_BB2)」が示す役が内部当籤役として決定された場合、同図の「対応する図柄組合せ」欄に記載された各種の図柄の組合せの導出が許容される(入賞が許可される)。なお、「対応する図柄組合せ」欄に記載された図柄の組合せの内容は、図223及び図224の図柄組合せテーブルに示す。また、図225には、夫々の役が内部当籤役として決定された場合に、入賞が許可された図柄の組合せのうちの実際に入賞する図柄の組合せ(内部当籤役と表示役との対応関係)を示す。
[図柄組合せテーブル]
次に、図223及び図224を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図223及び図224においては、規定される図柄の組合せ内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。また、本実施形態のパチスロ機1では、有効ラインをセンターラインとしている。
図223及び図224において、「BB1」「BB2」に対応する図柄の組合せは、ボーナスの作動に係る図柄の組合せであり、「RP01」〜「RP18」に対応する図柄の組合せは、リプレイの作動に係る図柄の組合せである。また、「NM01」〜「NM43」に対応する図柄の組合せは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せである。
[内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係]
次に、図225を参照して、本実施形態のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役(実際に入賞する図柄の組合せ)等との対応について説明する。なお、図225では、2BET専用のボーナスを内部当籤役として持ち越している3BET遊技における対応関係を示し、他の状態における対応関係は省略している。
同図において「通常リプ」とは、コンビネーション名「S_CLリプ(RP01)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(CL)に沿って図柄「リプレイ(図柄「リプレイA」「リプレイB」の総称)」が並んで表示される図柄の組合せである。また、「リーチ目リプ」とは、コンビネーション名「S_リーチ目リプA1(RP05)」〜「S_リーチ目リプB3(RP15)」に係る図柄の組合せである。また、「チェリー着きリーチ目」とは、コンビネーション名「S_リーチ目リプC1(RP16)」〜「S_リーチ目リプC3(RP18)」に係る図柄の組合せである。
また、同図において「CL」とは、コンビネーション名「C_CLベル(NM09)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(CL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「TL」とは、コンビネーション名「S_TLベル(NM10)」に係る図柄の組合せであり、トップライン(TL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「BL」とは、コンビネーション名「S_BLベル1(NM04)」「S_BLベル2(NM05)」に係る図柄の組合せであり、ボトムライン(BL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せである。また、「XU」とは、コンビネーション名「C_XUベル1(NM06)」「C_XUベル2(NM07)」に係る図柄の組合せであり、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「XD」とは、コンビネーション名「S_XDベル(NM08)」に係る図柄の組合せであり、クロスダウンライン(XD)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「小V」とは、コンビネーション名「S_小Vベル(NM11)」に係る図柄の組合せであり、上段(左リール)中段(中リール)上段(右リール)の小さなV字(小V)型に図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せである。
また、同図において「XU(BAR)」とは、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合に、「XU」の図柄の組合せが表示されることを意味する。また、「BL(青7)」は、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合に、「BL」の図柄の組合せが表示されることを意味する。
そのため、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」が当籤役として決定された遊技では、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合には、ボトムライン(BL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合には、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される。
また、同図において「BL(BAR)」とは、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合に、「BL」の図柄の組合せが表示されることを意味する。また、「XU(青7)」は、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合に、「XU」の図柄の組合せが表示されることを意味する。
そのため、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定された遊技では、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合には、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合には、ボトムライン(BL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される。
また、同図において「中段チェ」とは、コンビネーション名「S_中段チェ(NM12)」に係る図柄の組合せであり、左リールの中段に図柄「チェリー」が表示される図柄の組合せである。また、「角チェ」とは、コンビネーション名「S_角チェ1(NM16)」「S_角チェ2(NM17)」に係る図柄の組合せであり、左リールの上段又は下段に図柄「チェリー」が表示される図柄の組合せである。また、「はずれ」とは、図223及び図224に規定する何れの組合せも表示されない図柄の組合せである。
また、同図において「スイカ」とは、コンビネーション名「S_CLスイカ(NM01)」〜「S_XDスイカ(NM03)」に係る図柄の組合せであり、センターライン、クロスアップライン、クロスダウンラインの何れかに沿って図柄「スイカ(図柄「スイカA」「スイカB」の総称)」が並んで表示される図柄の組合せである。また、同図において「スイカこぼし」とは、コンビネーション名「S_スイカF1」〜「S_スイカF3」に係る図柄の組合せであり、スイカの取りこぼし時に表示される図柄の組合せである。また、「1枚(1/2)」又は「1枚(1/4)」とは、停止操作のタイミングが適切である場合に「1枚」の図柄の組合せが表示され、不適切である場合には「はずれ」となることをいう。
[第5実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
続いて、第5実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図226及び図227は、第5実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローであり、図228は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図226〜図228において示す出玉状態や得点ランクなどは、主制御基板71(主制御回路91)により制御される。
図226に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。
本実施形態では、主制御回路91は、各種の処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の処理は、大別して抽籤による処理(抽籤処理)と抽籤によらない処理(その他処理)とに分けられる。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、また、レア役が当籤役として決定された場合に有利区間移行抽籤が実行される。なお、本実施形態においてレア役とは、「F_チェリー1(No.16)」〜「F_スイカ2(No.19)」をいう。また、本実施形態ではレア役の他に確定役を有しているが、本実施形態において確定役とは「F_リーチ目リプA1(No.2)」〜「F_確定チェリプ2(No.10)」「F_中段チェリー(No.15)」をいう。
「通常」の状態において行う有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「ガセ前兆当籤」と「ボーナス当籤」とがあり、「ボーナス当籤」の場合には、更にボーナス時次回ゲーム移行抽籤が実行される。ボーナス時次回ゲーム移行抽籤には、「前兆経由」と「直接ボーナス」とがあり、有利区間移行抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「前兆経由」に当籤すると、「本前兆当籤」となる。また、有利区間移行抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「直接ボーナス」に当籤すると、「直当り当籤」となる。また、「通常」の状態において確定役が当籤役として決定されると、確定役当籤時処理(有利区間移行抽籤を行うことなく)により「直当り当籤」となる。
「ガセ前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「前兆(ガセ前兆)」に移行し、「本前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「前兆(本前兆)」に移行する。他方、「直当り当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「初回ボーナス」に移行する。また、「本前兆当籤」及び「直当り当籤」の場合には、更に、通常時ボーナス種別抽籤が行われ、「初回ボーナス」の種別が決定される。
なお、本実施形態では、出玉状態として「初回ボーナス」「連ボーナス」を有するが、これらは、役物の作動が行われることなく(内部当籤役のための抽籤係数が変わることなく)遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されることで、遊技者にとって有利な状態となる、いわゆる疑似ボーナスである。本実施形態では、「通常」の状態においてレア役に当籤すると、疑似ボーナスである「初回ボーナス」のチャンスとなり、「通常」の状態において確定役に当籤すると、疑似ボーナスである「初回ボーナス」が確定する。レア役の当籤時は、「初回ボーナス」に当籤する可能性はあるものの、非当籤する可能性もあるため、「前兆」の状態を経由させて、この「前兆」の状態において「初回ボーナス」の当否を報せる演出を行う。一方で、確定役の当籤時は、「初回ボーナス」の当籤が確定するため、「前兆」の状態を経由することなく、直ちに「初回ボーナス」の状態に移行する。
続いて、有利区間は、主たる出玉状態として、「ガセ前兆」「本前兆」「初回ボーナス」「CZ」「CZ中前兆」「連ボーナス」が実行可能である。有利区間は、押し順小役(本実施形態では、「F_打順1ベルA1」〜「F_打順6ベルB2」)の当籤時に最大払出枚数の図柄の組合せを表示させ得るナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、主制御回路91は、有利区間のうち「ガセ前兆」「本前兆」「CZ」「CZ中前兆」ではベルナビを行わず、「初回ボーナス」「連ボーナス」ではベルナビを行う。なお、主制御回路91は、「CZ」「CZ中前兆」においてもベルナビを行うこととしてもよい。有利区間には上述のリミッタが設けられており、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、ゲーム数リミッタによるリミット処理が実行され、有利区間が開始されてからの差枚数が例えば2400枚に達すると、枚数リミッタによるリミット処理が実行される。これにより、有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
「ガセ前兆」及び「本前兆」は、「通常」においてレア役が当籤役として決定されると移行する可能性がある。「ガセ前兆」及び「本前兆」は、1ゲームの演出区間であり、レア役の当籤に応じて「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出が実行される。「ガセ前兆」は、「初回ボーナス」に当籤していない場合の演出区間(前兆)であり、「初回ボーナス」に当籤していないことを報せる演出(敗北など)が実行される。反対に、「本前兆」は、「初回ボーナス」に当籤している場合の演出区間(前兆)であり、「初回ボーナス」に当籤していることを報せる演出(勝利など)が実行される。主制御回路91は、「ガセ前兆」において1回の遊技が行われると、有利区間を終了して、「通常」の状態に出玉状態を移行する。なお、本実施形態では、主制御回路91は、有利区間の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生する。また、主制御回路91は、「本前兆」において1回の遊技が行われると、「初回ボーナス」の状態に出玉状態を移行する。
なお、本実施形態では、「ガセ前兆」及び「本前兆」を1ゲーム間の状態としているが、「ガセ前兆」及び「本前兆」は、1ゲーム間に限られるものではなく、所定ゲーム数間であってもよい。この場合、主制御回路91は、所定回数の遊技が行われると、「ガセ前兆」又は「本前兆」から他の出玉状態に移行させ、また、副制御回路101は、所定回数の遊技において、「初回ボーナス」に当籤していることを報せる演出を行う。
続いて、「初回ボーナス」は、「本前兆」が終了した場合、又は「通常」において「直当り当籤」の場合に移行する。「初回ボーナス」には、REG(初回REG)と、BIG(初回BIG)とがあり、「通常」において「本前兆当籤」及び「直当り当籤」の場合に行われる通常時ボーナス種別抽籤の抽籤結果に応じて振り分けられる。REGとBIGとでは、「初回ボーナス」において遊技者が得られるメダルの期待値が異なり、REGよりもBIGの方が遊技者の得られるメダルの期待値が高い。また、BIGの場合には、その後、必ず「CZ」の状態に移行するのに対して、REGの場合には、基本的には「CZ」に移行することなく「通常」の状態に戻ってしまう。
「初回ボーナス」の開始時には、主制御回路91によるリール演出が行われ、遊技者の停止操作に関係なく自動的に所定の図柄の組合せが表示される。具体的には、主制御回路91は、「初回REG」の開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「BAR」が直線状に並ぶ図柄の組合せ(BAR−BAR−BAR)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。また、主制御回路91は、「初回BIG」の開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「青7」が直線状に並ぶ図柄の組合せ(青7−青7−青7)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。
「初回REG」は、12ゲーム間継続する疑似ボーナスであり、昇格抽籤が実行される。昇格抽籤に非当籤のまま12ゲームが経過すると、「初回REG」は終了し、「通常」の状態に移行する。このとき、「初回REG」の終了に伴い有利区間も終了し、また、有利区間の終了時には上述のようにロック状態が発生する。また、昇格抽籤に当籤すると、開始から12ゲーム経過し「初回REG」が終了した直後に「連ボーナス」が開始する(0ゲーム連)。
「初回BIG」は、「小役ゲーム」と「JACゲーム」とを含み、「小役ゲーム」が合計25ゲーム実行されると終了する疑似ボーナスである。「小役ゲーム」は、「初回BIG」が開始されたときの初期状態であり、25ゲーム間継続する。「小役ゲーム」では、リプレイ役の当籤時にJAC−IN処理が行われ、「小役ゲーム」から「JACゲーム」に移行する。なお、JAC−IN処理の契機となるリプレイ役は、「F_通常リプ(No.1)」〜「F_確定チェリプ2(No.10)」である。すなわち、本実実施形態のリプレイ役の全てが、JAC−IN処理の契機となるリプレイ役である。「JACゲーム」は、「小役ゲーム」においてJAC−IN処理がなされると移行し、4ゲーム間継続する。
「JACゲーム」において4回の遊技が行われると、再び「小役ゲーム」に移行し、「小役ゲーム」においてリプレイ役に当籤する度にJAC−IN処理により「JACゲーム」に移行する。「初回BIG」は、「小役ゲーム」における遊技回数が合計で25回に達すると終了し、「CZ」又は「連ボーナス」の状態に移行する。なお、「初回BIG」の終了条件は、「小役ゲーム」における遊技回数であり、「JACゲーム」における遊技回数は含まない。また、「JACゲーム」における遊技回数は、「小役ゲーム」における遊技回数に含まないため、「JACゲーム」に多く移行できた場合には、「初回BIG」のゲーム数はその分だけ延びることになり、多くのメダルの払い出しが期待できる。
「初回BIG」は、ポイントを獲得して高ランクを目指す遊技性を有しており、「小役ゲーム」及び「JACゲーム」の各遊技においてポイント上乗せ抽籤が行われる。「小役ゲーム」と「JACゲーム」とでは、「JACゲーム」の方がポイントを多く獲得できるように設定されている。そのため、「JACゲーム」に多く移行できた場合には、メダルの払い出しだけでなく、ポイントの獲得においても有利となる。
「小役ゲーム」における遊技回数が合計で25回に達した「初回BIG」の終了時には、得点ランク振分処理が実行される。この得点ランク振分処理では、「初回BIG」中に獲得したポイント(「小役ゲーム」において獲得したポイントと「JACゲーム」において獲得したポイントとの合計)に基づき「初回BIG」の結果をランク付けする。得点ランクは、「初回BIG」終了後の「CZ」における「連ボーナス」の当籤期待度を規定する情報であり、低いランクから順に“ランクE”“ランクD”“ランクC”“ランクB”“ランクA”“ランクS”が設けられている。
なお、得点ランクが“ランクS”である場合には、「初回BIG」が終了した直後に「CZ」を経由することなく「連ボーナス」が開始する(0ゲーム連)。この場合には、主制御回路91は、Sランク時ボーナス種別抽籤を実行し、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する。
続いて、「CZ」は、「初回BIG」又は「連ボーナス」が終了すると移行する。「CZ」と「通常」は、疑似ボーナスを目指して遊技を行うという点において同じであるが、「CZ」は、「通常」よりも疑似ボーナスに当籤し易いチャンスゾーン(CZ)であり、32ゲーム間継続する。なお、「通常」は、REG又はBIGからなる「初回ボーナス」を目指して遊技を行い、「CZ」は、BIGのみからなる「連ボーナス」を目指して遊技を行う。
「CZ」においては、CZ中ボーナス抽籤が実行される。このCZ中ボーナス抽籤は、「通常」における有利区間移行抽籤に対応するが、「通常」における有利区間移行抽籤は、レア役の当籤時にか実行されないが、「CZ」におけるCZ中ボーナス抽籤は、レア役以外の役(全ての役)の当籤時にも実行される。CZ中ボーナス抽籤の当籤には「ガセ前兆当籤」と「ボーナス当籤」とがあり、「ボーナス当籤」の場合には、更にボーナス時次回ゲーム移行抽籤が実行される。ボーナス時次回ゲーム移行抽籤には、「前兆経由」と「直接ボーナス」とがあり、CZ中ボーナス抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「前兆経由」に当籤すると、「本前兆当籤」となる。また、CZ中ボーナス抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「直接ボーナス」に当籤すると、「直当り当籤」となる。
「ガセ前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「CZ中前兆(ガセ前兆)」に移行し、「本前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「CZ中前兆(本前兆)」に移行する。他方、「直当り当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「連ボーナス」に移行する。また、「本前兆当籤」及び「直当り当籤」の場合には、更に、CZ時ボーナス種別抽籤が行われ、「連ボーナス」の種別が決定される。
「CZ中ガセ前兆」は「ガセ前兆当籤」の場合に移行し、「CZ中本前兆」は「本前兆当籤」の場合に移行する。「CZ中ガセ前兆」及び「CZ中本前兆」は、1ゲームの演出区間であり、当籤役に応じて「連ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出が実行される。「CZ中ガセ前兆」は、「連ボーナス」に当籤していない場合の演出区間(前兆)であり、「連ボーナス」に当籤していないことを報せる演出(敗北など)が実行される。反対に、「CZ中本前兆」は、「連ボーナス」に当籤している場合の演出区間(前兆)であり、「連ボーナス」に当籤していることを報せる演出(勝利など)が実行される。
「CZ中ガセ前兆」において1回の遊技が行われると、「CZ」の状態に出玉状態が移行され、「CZ中本前兆」において1回の遊技が行われると、「連ボーナス」の状態に出玉状態が移行される。なお、「CZ」は、トータルで32回の遊技が行われると終了するが、「CZ中前兆」における遊技回数は、「CZ」における遊技回数に含まない。「CZ」において32回の遊技が行われ、当該遊技においてCZ中ボーナス抽籤に非当籤の場合には、「CZ」が終了して、「通常」の状態に出玉状態が移行される。「CZ」の終了に伴い有利区間も終了するため、主制御回路91は、「CZ(有利区間)」の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生する。
続いて、「連ボーナス」は、「CZ中本前兆」が終了した場合などに移行する。「連ボーナス」には、SBIG(シングルBIG)と、WBIG(ダブルBIG)とがあり、「連ボーナス」の当籤時に行われるCZ時ボーナス種別抽籤の抽籤結果に応じて振り分けられる。SBIGとWBIGとでは、「連ボーナス」において獲得するポイントの期待値が異なり、SBIGよりもWBIGの方が獲得するポイントの期待値が高い。なお、SBIGとWBIGとのその他の遊技性は同じである。
「連ボーナス」の開始時には、主制御回路91によるリール演出が行われ、遊技者の停止操作に関係なく自動的に所定の図柄の組合せが表示される。具体的には、主制御回路91は、SBIGの開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「赤7」がシングル揃いする図柄の組合せ(例えば、センターラインのみに沿って赤7−赤7−赤7)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。また、主制御回路91は、WBIGの開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「赤7」がダブル揃いする図柄の組合せ(例えば、センターライン及びクロスアップラインに沿って赤7−赤7−赤7)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。
「連ボーナス」と「初回BIG」とは、同じ遊技性であり、「連ボーナス」は、「小役ゲーム」と「JACゲーム」とを含み、「小役ゲーム」が合計25ゲーム実行されると終了する疑似ボーナスである。「小役ゲーム」と「JACゲーム」とは、上述の「初回ボーナス」で説明した通りであり、「小役ゲーム」及び「JACゲーム」の各遊技においてポイント上乗せ抽籤が行われる。
「連ボーナス」は、「小役ゲーム」における遊技回数が合計で25回に達した場合に終了し、「連ボーナス」の終了時には、得点ランク振分処理が実行され、「連ボーナス」中に獲得したポイントに基づき「連ボーナス」の結果をランク付けする。得点ランクが“ランクS”である場合には、「連ボーナス」が終了した直後に「CZ」を経由することなく「連ボーナス」が開始する(0ゲーム連)。この場合には、主制御回路91は、Sランク時ボーナス種別抽籤を実行し、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する。
得点ランクが“ランクS”以外である場合には、「連ボーナス」の終了に伴い「CZ」の状態に出玉状態が移行され、その後、「CZ」において特典ランクに応じた期待値で「連ボーナス」を目指す遊技が行われる。このように本実施形態のパチスロ機1では、CZと疑似ボーナス(初回ボーナス及び連ボーナス)とがループする遊技性を有し、特に、疑似ボーナス中の結果(得点ランク)に応じてCZ中のボーナス期待度が変化する遊技性を有する。
図228に示すように、このような仕様の本実施形態のパチスロ機1において、出玉状態「通常」「ガセ前兆」「CZ」「CZ中ガセ前兆」では、確定役が有効になるように制御される。具体的には、主制御回路91は、「通常」「CZ」の状態において確定役が当籤役として決定されると、「直当り当籤」となり、「初回ボーナス」「連ボーナス」の状態に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、「ガセ前兆」「CZ中ガセ前兆」の状態において確定役が当籤役として決定されると、前兆の種別を本前兆に書き換える結果、その後、「初回ボーナス」「連ボーナス」の状態に出玉状態が移行される。
一方で、出玉状態「本前兆」「初回BIG」「CZ中本前兆」「連ボーナス」では、確定役が無効になるように制御される。なお、確定役が無効になるように制御される場合には、主制御回路91は、確定役に応じた図柄の組合せ(リーチ目リプ、チェリー付きリーチ目、中段チェ)が表示されない押し順を報知する。また、出玉状態「初回REG」では、同じ「初回REG」中の一回目の確定役のみ有効となるように制御され、同じ「初回REG」中の二回目以降の確定役は無効になるように制御される。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図229は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役をまず出玉フラグにグループ化し、この出玉フラグに基づいて抽籤種別を決定し、決定した抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。例えば、「F_打順6ベルB2」は、出玉フラグ「打順ベルB(No.19)」にグループ化され、この出玉フラグ「打順ベルB」に基づき、抽籤種別AとしてNo.4の「打順ベルB」が決定され、抽籤種別BとしてNo.3の「打順ベル」が決定される。そして、これら抽籤種別A,Bが参照されて、各種の抽籤が行われる。
[各状態におけるナビ種別]
続いて、図230を参照して、本実施形態のパチスロ機1において、押し順役の当籤時に主制御回路91がセットするナビ種別について説明する。なお、同図において、ナビ種別「1」は打順1(左中右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「2」は打順2(左右中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「3」は打順3(中左右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「4」は打順4(中右左)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「5」は打順5(右左中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「6」は打順6(右中左)を遊技者に対して報知するナビ種別である。また、ナビ種別「抽籤」はナビ種別「1」〜「6」を抽籤して決定することをいう。また、同図において「状態1」とは、確定役「有効」かつ押し順指示「あり」の場合をいい、「状態2」とは、確定役「無効」かつ押し順指示「あり」の場合をいう。
[出玉状態の制御に用いる各種データテーブル]
続いて、出玉状態の制御において用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[通常_有利区間移行抽籤テーブル]
初めに、図231を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)において単位遊技毎に有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に、有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。同図に示すように、本実施形態では、主制御回路91は、レア役(「F_チェリー1」「F_チェリー2」「F_スイカ1」「F_スイカ2」)の当籤時にのみ有利区間移行抽籤を行い、他の役の当籤時には当該抽籤を行わない。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ガセ前兆」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「ガセ前兆」に移行する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ボーナス」が決定された場合には、続いて、図232に示す通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルを参照して、移行先の出玉状態を決定するとともに、図233に示す通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルを参照して、「初回ボーナス」の種別を決定する。
[通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブル]
続いて、図232を参照して、通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルについて説明する。通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、有利区間移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合又は「通常」の状態において確定役(「F_リーチ目リプA1(No.2)」〜「F_確定チェリプ2(No.10)」「F_中段チェリー(No.15)」)が当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別B)に応じて移行先の出玉状態を決定する際に用いられる。通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、抽籤種別B毎に、次ゲームの出玉状態に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
同図に示すように、本実施形態では、主制御回路91は、レア役又は確定役の当籤時にのみ次ゲームの出玉状態に関する抽籤を行い、他の役の当籤時には当該抽籤を行わない。主制御回路91は、抽籤結果として「前兆経由」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「本前兆」に移行し、抽籤結果として「直接ボーナス」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「初回ボーナス」に移行する。
[通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図233を参照して、通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルは、有利区間移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合又は「通常」の状態において確定役が当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別A)に応じて「初回ボーナス」の種別を決定する際に用いられる。通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に、「初回ボーナス」の種別抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「REG」が決定された場合には、「初回ボーナス」の種別を「REG」と決定し、抽籤結果として「BIG」が決定された場合には、「初回ボーナス」の種別を「BIG」と決定する。
[CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブル]
続いて、図234を参照して、CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルについて説明する。CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルは、「CZ」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別A)に基づき「連ボーナス」への移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルは、「初回ボーナス」(又は直前の「連ボーナス」)における得点ランク及び抽籤種別A毎に、「連ボーナス」への移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「CZ」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ガセ前兆」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「CZ中ガセ前兆」に移行する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ボーナス」が決定された場合には、続いて、図235に示すCZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルを参照して、移行先の出玉状態を決定するとともに、図236に示すCZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルを参照して、「連ボーナス」の種別を決定する。
[CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブル]
続いて、図235を参照して、CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルについて説明する。CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、「連ボーナス」への移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別B)に応じて移行先の出玉状態を決定する際に用いられる。CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、抽籤種別B毎に、次ゲームの出玉状態に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「前兆経由」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「CZ中本前兆」に移行し、抽籤結果として「直接ボーナス」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「連ボーナス」に移行する。
[CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図236を参照して、CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルは、「連ボーナス」への移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別A)に応じて「連ボーナス」の種別を決定する際に用いられる。CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に、「連ボーナス」の種別抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「SBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「SBIG」と決定し、抽籤結果として「WBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「WBIG」と決定する。
図231〜図236に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常」の状態における各種抽籤処理と、「CZ」の状態における各種抽籤処理とは対応している。すなわち、図231の通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、図234のCZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルに対応しており、図232の通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、図235のCZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルに対応しており、図233の通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルは、図236のCZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルに対応している。ただし、図231と図234とを比較して分かるように、「CZ」の状態では、「通常」の状態よりも疑似ボーナス(初回ボーナス又は連ボーナス)の当籤期待度が高く、特に、「通常」の状態ではレア役以上でしか疑似ボーナスに当籤しないのに対して、「CZ」の状態では、リプレイやベルなどでも疑似ボーナスに当籤する可能性がある。
[BIG及びCZにおける遊技の流れ]
続いて、図237を参照して、BIG及びCZにおける遊技の流れについて説明する。初めに、図237(A)を参照して、BIG中の遊技の流れについて説明する。なお、上述したように本実施形態では、BIG(疑似ボーナス)として初回ボーナスの初回BIGと、連ボーナスのSBIG及びWBIGとを有するが、何れのBIGにおいても遊技性は同じである。
図237(A)に示すように、BIGは、小役ゲームとJACゲームとから構成され、小役ゲームにおいてJAC−IN処理が行われると、JACゲームに移行し、JACゲームにおいて4ゲーム経過すると、小役ゲームに移行する。小役ゲーム及びJACゲームの何れにおいても、単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別B)に基づきポイントを獲得する。ただし、小役ゲームよりもJACゲームの方が、ポイントの獲得期待度が高く、JACゲームを多く行うことができた場合には、当該BIG中の獲得ポイントが増える。
BIGの終了時には、当該BIG中に獲得したポイントの合計に応じて得点ランクが設定される。図237(B)は、獲得したポイントの合計値と得点ランクとの対応関係を示す表である。主制御回路91は、当該BIG中に獲得したポイントの合計値が、「0〜49ポイント」である場合には得点ランク“ランクE”を設定し、「50〜99ポイント」である場合には得点ランク“ランクD”を設定し、「100〜199ポイント」である場合には得点ランク“ランクC”を設定し、「200〜299ポイント」である場合には得点ランク“ランクB”を設定し、「300〜499ポイント」である場合には得点ランク“ランクA”を設定し、「500ポイント以上」である場合には得点ランク“ランクS”を設定する。
得点ランクは、BIG終了後のCZにおける連ボーナスの当籤期待度を規定する情報であり、図237(C)に示すように、連ボーナスの当籤期待度は、“ランクE”が最も低く、続いて、“ランクD”“ランクC”“ランクB”“ランクA”の順に高くなる。また、得点ランクが“ランクS”である場合には、BIGが終了した直後にCZを経由することなく連ボーナスが開始される(0ゲーム連)。
続いて、図237(D)は、CZ中の遊技の流れを示す図である。初回ボーナスや連ボーナスにおいてポイントを獲得すると、獲得したポイントに基づいて得点ランクが設定される。CZ中は、得点ランクに応じて連ボーナスへの移行抽籤が行われ、この抽籤に当籤した場合には連ボーナスに移行し、CZと連ボーナスとがループする。他方、連ボーナスへの移行抽籤に非当籤のままCZが終了すると、CZと連ボーナスとのループが終了し、通常に移行する。
[BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図238を参照して、BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブルについて説明する。BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブルは、「初回BIG」又は「連ボーナス」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別B)に基づきポイントの上乗せ抽籤を行う際に参照されるテーブルである。「初回BIG」の「小役ゲーム」では、「小役ゲーム、初回」欄が参照され、「初回BIG」の「JACゲーム」では、「JACゲーム、初回」欄が参照される。また、「連ボーナス(SBIG)」の「小役ゲーム」では、「小役ゲーム、SBIG」欄が参照され、「連ボーナス(SBIG)」の「JACゲーム」では、「JACゲーム、SBIG」欄が参照され、「連ボーナス(WBIG)」の「小役ゲーム」では、「小役ゲーム、WBIG」欄が参照され、「連ボーナス(WBIG)」の「JACゲーム」では、「JACゲーム、WBIG」欄が参照される。
BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブルは、BIGの種類やBIG中の状態及び抽籤種別B毎に、ポイントの上乗せ抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果に応じたポイントを、当該BIG中の獲得ポイントを計数する所定のカウンタに加算することで、当該BIG中の獲得ポイントの合計値をカウントする。
同図に示すように、「小役ゲーム」と「JACゲーム」とでは、「JACゲーム」の方が上乗せするポイント数が多く、また、SBIGよりもWBIGの方が上乗せするポイント数が多い。なお、本実施形態では、SBIGとWBIGとでは、「小役ゲーム」中のみ上乗せするポイント数が異なり、「JACゲーム」中は上乗せするポイント数が同じとなっているが、これに限られるものではなく、「JACゲーム」中においてもSBIGよりもWBIGの方が上乗せするポイント数が多くなるようにしてもよい。
[BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図239を参照して、BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルは、BIG中に獲得したポイントに応じて“Sランク”が設定された場合に参照され、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する際に用いられる。BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルは、「連ボーナス」の種別抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「SBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「SBIG」と決定し、抽籤結果として「WBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「WBIG」と決定する。
[REG_昇格抽籤テーブル]
続いて、図240を参照して、REG_昇格抽籤テーブルについて説明する。REG_昇格抽籤テーブルは、「初回REG」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別A)に基づき昇格抽籤を行う際に参照されるテーブルである。REG_昇格抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に昇格抽籤についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、何らの処理も行わず、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、当該「初回REG」の終了後に「連ボーナス」を開始する(0ゲーム連)。なお、主制御回路91は、昇格抽籤に一度当籤した後は、当該「初回REG」中は昇格抽籤を行わず、また、昇格抽籤に当籤した「初回REG」の終了時には、図239に示すBIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルを参照して、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する。
[第5実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第5実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[BIG中のポイント獲得と連荘]
図237において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、BIG(疑似ボーナス(AT))中は、単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別B)に基づいてポイントを獲得し、BIGの終了時には、BIG中に獲得したポイントを合計した合計値に応じて得点ランクが振り分けられる。そして、BIG終了後のCZでは、この得点ランクに応じてBIG(連ボーナス)への移行抽籤が行われ、この抽籤に当籤した場合にはBIGに移行し、ポイント獲得が再び行われる。このようにBIG中のポイント数に応じてBIGに再度戻ることの期待度が変わるため、遊技者にとってみれば、CZからBIGに移行できただけでは終わらずに、多くのポイントが獲得できるようにBIG中の遊技にも集中することになるため、遊技の興趣が向上する。
また、BIGは、小役ゲームとJACゲームとにより構成され、JACゲームでは、小役ゲームよりも多くのポイントを獲得することができる。遊技者にとってみれば、小役ゲームであるかJACゲームであるかに応じてその後の遊技の流れが異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、JACゲームは、小役ゲームにおいてリプレイ役に当籤することで移行し(JAC−IN処理)、JACゲームにおいて4回の遊技が行われると小役ゲームに移行する。また、BIGは、小役ゲームにおいて合計で25回の遊技が行われると終了するが、JACゲーム中の遊技回数は、小役ゲームの遊技回数に含まない。そのため、JACゲームに移行できた場合には、JACゲームの間はBIGが終了することなく、また、JACゲーム中は多くのポイントを獲得することができるため、JACゲームへの移行回数が増えるほど得点ランクも高くなり、結果、BIG(連ボーナス)の連荘が期待できる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、連ボーナスの種類としてSBIGとWBIGとを有し、SBIGよりもWBIGの方が多くのポイントを獲得することができる。遊技者にとってみれば、連ボーナスの種別に応じて、獲得するポイントの期待値が異なり、結果、BIG(連ボーナス)の連荘の期待度が異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、SBIGとWBIGとの振り分けは、CZにおいて連ボーナスに当籤した場合に行われる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、BIG終了後のCZの状態(所定の遊技状態)と、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知するBIG(特定の遊技状態)とを有し、BIGには小役ゲーム(第1区間)とJACゲーム(第2区間)とを有するため、パチスロ機1は、所定の遊技状態と、第1区間及び第2区間を有する特定の遊技状態とを有する。また、パチスロ機1では、BIG(連ボーナス)としてSBIGとWBIGとを有するため、パチスロ機1は、第1特定の遊技状態と第2特定の遊技状態とを有する。
また、主制御回路91は、小役ゲームにおいてリプレイ役に当籤すると、JACゲームに移行可能であり、JACゲームにおいて4回の遊技が行われると、小役ゲームに移行可能であるため、主制御回路91は、特定遊技中移行制御手段として機能する。また、主制御回路91は、小役ゲームにおいて行われた遊技の回数が25回に達すると、BIGを終了するため、主制御回路91は、終了制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、BIG中は、単位遊技毎に内部当籤役に基づいてポイントを付与し、BIGの終了時には、BIG中に付与したポイントを合計した合計値に応じて得点ランクを決定可能であるため、主制御回路91は、数値付与手段、計数手段及びモード決定手段として機能する。
また、主制御回路91は、CZ中に得点ランクに応じてBIG(連ボーナス)に移行するか否かを決定し、移行すると決定するとBIGを開始可能であるため、主制御回路91は、特定遊技開始決定手段及び開始制御手段として機能する。また、主制御回路91は、連ボーナスの開始時に連ボーナスの種類を決定可能であるため、主制御回路91は、種類決定手段として機能する。
[有利区間終了時の演出制御]
続いて、図241を参照して、本実施形態のパチスロ機1における有利区間の終了に伴うロック状態を用いた演出制御について説明する。本実施形態では、主制御回路91は、有利区間の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生させる。ここで、図241(A)に示すように、本実施形態では、「通常」の状態(通常区間)において、レア役に当籤すると有利区間への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤すると有利区間である「前兆(本前兆又はガセ前兆)」の状態に移行する。同図に示すように、前兆の種類が「ガセ前兆」である場合には、前兆の終了に伴い有利区間も終了し、通常区間に戻る。他方、前兆の種類が「本前兆」である場合には、前兆が終了すると疑似ボーナス(AT)に移行し、その後、疑似ボーナスとCZとの連荘が終了すると、有利区間も終了し、通常区間に戻る。そのため、本実施形態においては、有利区間の終了は、遊技者にとって有利な状態(疑似ボーナス)に移行することなく有利区間が終了する場合と、遊技者にとって有利な状態が終了した場合とに行われる。
続いて、同図(B)(a)は、「前兆」中の演出例を示す。本実施形態では、「ガセ前兆」及び「本前兆」は、1ゲームの演出区間であり、「通常」の状態において行う有利区間移行抽籤において「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出が実行される。このような演出として、例えば、副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、主人公と敵とが対決する演出を実行する。「初回ボーナス」に当籤していない場合(ガセ前兆)、副制御回路101は、この対決演出において主人公が敗北する演出を行い、「初回ボーナス」に当籤している場合(本前兆)、副制御回路101は、この対決演出において主人公が勝利する演出を行う。
「ガセ前兆」である場合、有利区間も終了するため、「ガセ前兆」の終了時にはロック状態が発生する。そこで、副制御回路101は、「ガセ前兆」中の遊技、及びその後のロック状態を用いて、対決演出を実行する。その結果、演出が当該遊技の3OFF時(第3停止操作のオフエッジ時)から所定時間経過後に終了する場合であっても、ロック状態により遊技させない期間を設けることで、演出がキャンセルされてしまうことを防止でき、遊技者が演出の結果を見逃さないように制御することができる。
また、同図(B)(b)は、疑似ボーナスとCZとの連荘終了時の演出例を示す。本実施形態では、連荘の終了に伴い有利区間も終了するため、連荘終了時にはロック状態が発生する。そこで、副制御回路101は、連荘終了時のロック状態を用いて、疑似ボーナスとCZとの連荘による遊技の結果に関する演出を実行する。例えば、副制御回路101は、BIGの連荘回数と獲得枚数となどを液晶ディスプレイ(表示ユニット100)に表示することで、疑似ボーナスとCZとの連荘に関する遊技結果についての演出を実行する。このように本実施形態のパチスロ機1では、有利区間終了時のロック状態を用いることで、「初回ボーナス」への移行当否を報せる演出及び疑似ボーナスとCZとの連荘に関する遊技結果を報せる演出を適切に行うことができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、「通常」の状態に対応する通常区間と、「前兆」や「初回ボーナス」の状態に対応する有利区間とを有するため、パチスロ機1は、所定の遊技状態と、特定の遊技状態とを含む複数の遊技状態を有する。なお、有利区間の「ガセ前兆」は、所定回数の遊技が行われる演出区間のみから構成されるため、有利区間の「ガセ前兆」は、第1特定の遊技状態に対応する。また、「本前兆」である場合には、前兆の後に「初回ボーナス」「CZ」「連ボーナス」などの特別区間が続くため、「本前兆」やその後の「初回ボーナス」などは、第2特定の遊技状態に対応する。
また、主制御回路91は、「通常」の状態においてレア役が当籤役として決定されると、有利区間移行抽籤を行い、移行先の有利区間の種類を決定可能であるため、主制御回路91は、種類決定手段として機能する。また、主制御回路91は、移行先として「ガセ前兆」を決定すると「ガセ前兆」に移行し、「ガセ前兆」が終了すると、有利区間を終了して「通常」に移行するため、主制御回路91は、第1遊技状態制御手段として機能する。また、主制御回路91は、移行先として「本前兆」を決定すると「本前兆」を経由して「初回ボーナス」などに移行し、CZ失敗に伴い「CZ」が終了すると、有利区間を終了して「通常」に移行するため、主制御回路91は、第2遊技状態制御手段として機能する。
また、副制御回路101は、「前兆」中に液晶ディスプレイ(表示ユニット100)を用いて「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出を行うため、副制御回路101及び液晶ディスプレイは、演出実行手段として機能する。また、主制御回路91は、有利区間の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生させるため、主制御回路91は、ロック制御手段として機能する。なお、主制御回路91は、「ガセ前兆」終了に伴う有利区間の終了時のみロック状態を発生させることとしてもよく、また、「CZ」終了に伴う有利区間の終了時のみロック状態を発生させることとしてもよく、また、有利区間の終了時には常にロック状態を発生させることとしてもよい。なお、副制御回路101は、「ガセ前兆」の終了に伴うロック状態発生時には、ガセ前兆中の遊技及びロック状態を用いて「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出を実行し、連荘終了時には、疑似ボーナスとCZとの連荘に関する遊技結果を報せる演出を実行する。
[ベル当籤時のリール制御]
続いて、図242及び図243を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるベル当籤時のリール制御について説明する。なお、本実施形態では、有効ラインとしてセンターラインを用いることとする。また、以下において、表示窓4において各リールの一つの図柄を表示する領域を単位図柄表示領域と呼ぶ。すなわち、表示窓4は、左リール3Lの3つの図柄を表示する上中下段の単位図柄表示領域と、中リール3Cの3つの図柄を表示する上中下段の単位図柄表示領域と、右リール3Rの3つの図柄を表示する上中下段の単位図柄表示領域と、の9つの単位図柄表示領域を有する。
また、本実施形態では、スイカに対応する図柄として図柄「スイカA」と図柄「スイカB」とを有するが、これらの図柄は、遊技者からすると略同一の図柄であり、両者ともにスイカを意味する図柄である。そのため、以下に説明する遊技性においては、図柄「スイカA」と図柄「スイカB」とは同一の図柄として扱うことができる。もちろん、スイカに対応する図柄として1つの図柄「スイカ」のみを有するパチスロ機であっても、以下に説明する遊技性は実現可能である。この点は、リプレイに対応する図柄(図柄「リプレイA」、図柄「リプレイB」)についても同様である。また、本実施形態では、役物の作動を伴わない疑似ボーナスを用いることとしているが、以下に説明する遊技性は、役物の作動を伴うリアルボーナスを用いるパチスロ機においても適用することができる。
[挟み打ち時の停止形]
初めに、図242(A)を参照して、第2停止までの挟み打ち(左右中)時のリールの停止形について説明する。なお、図242(A)では、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の単位図柄表示領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合(左BAR狙い)の停止形を示している。
同図に示すように、左リール3Lの上段の単位図柄表示領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」が停止した場合、左リール3Lの中段の単位図柄表示領域には図柄位置「17」の図柄「スイカA」が停止し、左リール3Lの下段の単位図柄表示領域には図柄位置「16」の図柄「ベル」が停止する。左リール3Lの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が表示されている場合、ベルの当籤に伴い図柄「ベル」がセンターライン〜クロスダウンラインの5本の直線状のラインの何れかに表示されるためには、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域又は下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止する必要がある。
ここで、図221に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、右リール3Rでは図柄「ベル」の1つ上に図柄「スイカA」が必ず配置されている。そのため、図242(A)(a)に示すように、左BAR狙いにおいて、右リール3Rの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、図柄「ベル」がボトムラインに沿ってテンパイするとともに、図柄「スイカA」もセンターラインに沿ってテンパイし、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とがダブルテンパイする。一方で、左BAR狙いにおいて、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、同図(b)に示すように、図柄「ベル」がクロスアップラインに沿ってテンパイ(シングルテンパイ)する。
ここで、本実施形態では、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「ベル(F_打順2ベルB1、F_打順2ベルB2)」「スイカ(F_スイカ1、F_スイカ2)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA2、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行い、「はずれ」の場合には、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。
その結果、図242(B)に示すように、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とがダブルテンパイしている場合、内部当籤役として「ベル」が決定されている場合には、同図(a)に示すように、ボトムラインに沿って図柄「ベル」が並んで表示されて「ベル(S_BLベル1)」が入賞し、内部当籤役として「スイカ」が決定されている場合には、同図(b)に示すように、センターラインに沿って図柄「スイカA」が並んで表示されて「スイカ(S_CLスイカ)」が入賞する(なお、「スイカ」については、いわゆる取りこぼしが生じる可能性がある)。また、内部当籤役として「リーチ目リプ」が決定されている場合には、同図(c)に示すように、いわゆる小役はずれ目のリーチ目が表示される(リーチ目リプが入賞する)。
ここで、内部当籤役として「スイカ」が決定されている場合には、レア役の当籤に伴う有利区間への移行抽籤(初回ボーナスの抽籤)が行われ、また、内部当籤役として「リーチ目リプ」が決定されている場合には、確定役の当籤に伴い初回ボーナスが確定する。一方で、内部当籤役が「はずれ」の場合には、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形が表示されることがないため、遊技者からすると、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形が表示された時点で、ボーナス(初回ボーナス又は連ボーナス)の当籤に期待することができる。また、ダブルテンパイしている図柄「ベル」と図柄「スイカA」との双方がはずれた場合には、リーチ目が表示される結果、ボーナスが確定するため、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形は、遊技者にとってボーナスのチャンスとなる停止形であるといえる。
一方で、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」「ベル(F_打順2ベルA1、F_打順2ベルA2)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA2、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。
その結果、図242(C)に示すように、図柄「ベル」がシングルテンパイしている場合、内部当籤役として「ベル」が決定されている場合には、同図(a)に示すように、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」が並んで表示されて「ベル(S_XUベル1)」が入賞し、内部当籤役として「リーチ目リプ」が決定されている場合には、同図(b)に示すように、リーチ目リプ(S_リーチ目リプA4)が入賞し、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合には、同図(c)に示すように、はずれの出目が表示される。
このように図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形は、内部当籤役が「はずれ」の場合にも表示され得るため、遊技者からすると、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形が表示されただけでは、ボーナスの当籤にあまり期待することができない。また、ダブルテンパイしている図柄「ベル」がはずれた場合であっても、ボーナスが確定するわけではないため、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形は、遊技者にとって通常の停止形であるといえる。
このようなリール制御は、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の単位図柄表示領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合(左青7狙い)も同様である。すなわち、図242(D)に示すように、左リール3Lの上段の単位図柄表示領域に図柄位置「13」の図柄「青7」が停止した場合、左リール3Lの中段の単位図柄表示領域には図柄位置「12」の図柄「リプレイA」が停止し、左リール3Lの下段の単位図柄表示領域には図柄位置「11」の図柄「ベル」が停止する。左リール3Lの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が表示されている場合、ベルの当籤に伴い図柄「ベル」がセンターライン〜クロスダウンラインの5本の直線状のラインの何れかに表示されるためには、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域又は下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止する必要がある。
ここで、図221に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、右リール3Rでは図柄「ベル」の1つ下に図柄「リプレイA」が必ず配置されている。そのため、図242(D)(a)に示すように、左青7狙いにおいて、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、図柄「ベル」がクロスアップラインに沿ってテンパイするとともに、図柄「リプレイA」もセンターラインに沿ってテンパイし、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とがダブルテンパイする。一方で、左青7狙いにおいて、右リール3Rの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、同図(b)に示すように、図柄「ベル」がボトムラインに沿ってテンパイ(シングルテンパイ)する。
ここで、本実施形態では、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左青7狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「ベル(F_打順2ベルB1、F_打順2ベルB2)」「リプレイ(F_通常リプ)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA2、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左青7狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行い、「はずれ」の場合には、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。
一方で、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左青7狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」「ベル(F_打順2ベルA1、F_打順2ベルA2)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。
このように左青7狙いにおいても、ダブルテンパイ時に内部当籤役が「はずれ」であることがないため、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形は、遊技者にとってボーナスのチャンスとなる停止形であるといえ、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形は、遊技者にとって通常の停止形であるといえる。
そのため、図243(E)に示すように、本実施形態では、ダブルテンパイの停止形は、ボーナスの期待度が高い停止形であり、シングルテンパイの停止形は、ボーナスの期待度が低い停止形である。このようにダブルテンパイの停止形は、遊技者にとって好ましい停止形であるが、レア役(スイカ)や確定役(リーチ目リプ)に比べて高い確率で当籤するベルの当籤時において常にダブルテンパイの停止形が表示されてしまうと、多くの場合においてベルに入賞することになるため、ボーナスの期待度が低くなってしまい、遊技が単調になってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、ベルの当籤時の図柄「ベル」のテンパイ型をシングルテンパイ及びダブルテンパイの間で振り分ける。これにより、当籤確率の高いベル当籤時に、ダブルテンパイの停止形が表示される頻度を抑えることができ、ダブルテンパイ表示時のボーナスの期待度を維持することができる。
具体的には、図243(F)に示すように、本実施形態では「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方において、図柄「ベル」がシングルテンパイするようにリールの停止制御を行う。一方で、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方において、図柄「ベル」と図柄「スイカA」又は図柄「リプレイA」とがダブルテンパイするようにリールの停止制御を行う。
ここで、図222に示す内部抽籤テーブルを参照すると、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の抽籤値は「3056」であり、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の抽籤値は「697」である。そのため、ベル当籤時のうちの多くの場合において、シングルテンパイの停止形が表示されるようにリールの停止制御が行われる結果、ダブルテンパイ表示時のボーナスの期待度を維持することができる。
続いて、ベル当籤時のテンパイ型の振り分けの具体的な方法について説明する。図221に示すように、本実施形態では、左BAR狙い時の図柄「ベル」の上には図柄「スイカA」が配置され、左青7狙い時の図柄「ベル」の上には図柄「リプレイA」が配置されている。
また、図223の図柄組合せテーブルを参照すると、図柄「ベル」がボトムラインに沿って表示される図柄の組合せとして、本実施形態では「S_BLベル1(NM04)」と「S_BLベル2(NM05)」とを有する。この「S_BLベル1(NM04)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「スイカA−赤7/リプレイA−スイカA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「スイカA」が表示される図柄の組合せである。一方で、「S_BLベル2(NM05)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「リプレイA−赤7/リプレイA−スイカA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイA」が表示される図柄の組合せである。
同様に、図223の図柄組合せテーブルを参照すると、図柄「ベル」がクロスアップラインに沿って表示される図柄の組合せとして、本実施形態では「S_XUベル1(NM06)」と「S_XUベル2(NM07)」とを有する。この「S_XUベル1(NM06)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「スイカA−ベル−リプレイA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「スイカA」が表示される図柄の組合せである。一方で、「S_XUベル2(NM07)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「リプレイA−ベル−リプレイA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイA」が表示される図柄の組合せである。
左BAR狙い時は、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「スイカA」が表示されるため、左BAR狙い時のBLベル、XUベルとしては、左の中段に図柄「スイカA」が要求される「S_BLベル1(NM04)」又は「S_XUベル1(NM06)」が用いられる。同様に、左青7狙い時は、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイA」が表示されるため、左青7狙い時のBLベル、XUベルとしては、左の中段に図柄「リプレイA」が要求される「S_BLベル2(NM05)」又は「S_XUベル2(NM07)」が用いられる。
ここで、図222の内部抽籤テーブルの「対応する図柄組合せ」欄を参照すると、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」に対しては、NM05とNM06とが対応付けられている一方で、NM04とNM07とは対応付けられていない。左BAR狙いについて考えると、NM04が対応付けられておらず、NM06が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左BAR狙いでは、「S_BLベル1(NM04)」を引き込むことができない一方で、「S_XUベル1(NM06)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左BAR狙いでは、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、シングルテンパイの停止形になる。
同じように、左青7狙いについて考えると、NM07が対応付けられておらず、NM05が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左青7狙いでは、「S_XUベル2(NM07)」を引き込むことができない一方で、「S_BLベル2(NM05)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左青7狙いでは、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、シングルテンパイの停止形になる。
同様に、図222の内部抽籤テーブルの「対応する図柄組合せ」欄を参照すると、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」に対しては、NM04とNM07とが対応付けられている一方で、NM05とNM06とは対応付けられていない。左BAR狙いについて考えると、NM06が対応付けられておらず、NM04が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左BAR狙いでは、「S_XUベル1(NM06)」を引き込むことができない一方で、「S_BLベル1(NM04)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左BAR狙いでは、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、ダブルテンパイの停止形になる。
同じように、左青7狙いについて考えると、NM05が対応付けられておらず、NM07が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左青7狙いでは、「S_BLベル2(NM05)」を引き込むことができない一方で、「S_XUベル2(NM07)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左青7狙いでは、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、ダブルテンパイの停止形になる。
以上のように本実施形態のパチスロ機1では、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方においてシングルテンパイの停止形となり、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方においてダブルテンパイの停止形となるが、これらの組合せは任意に変更することができる。一例として、図243(G)に別制御例について示す。
同図に示すように、別制御例では、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、左BAR狙い時はシングルテンパイの停止形になる一方で、青7狙い時にはダブルテンパイの停止形になり、また、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤時には、左BAR狙い時はダブルテンパイの停止形になる一方で、青7狙い時にはシングルテンパイの停止形になる。このようにすることで、ボーナスの期待度が高いダブルテンパイの停止形の出現頻度を、左リール3Lの狙う位置に応じて異ならせることができ、遊技性が多様化する。なお、このような制御は、NM04〜NM07の対応関係を変更することで適宜実現することができる。
以上のように本遊技性では、当籤役として決定される確率は高いもののボーナスの期待度が低いベルと、当籤役として決定される確率は低いもののボーナスの期待度は高いスイカとは、挟み打ち時の第2停止時にダブルテンパイすることもあるが、ベルのうち「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、スイカはテンパイすることなくベルがシングルテンパイする。遊技者にとってみれば、当籤確率が高くボーナスが期待できないベルの当籤時にまでスイカの取りこぼしを気にして停止操作を行う必要がないため、停止操作に対する煩わしさを軽減することができる。
なお、遊技者の停止操作を簡易にするという点からは、ベル当籤時には、常にシングルテンパイし、ダブルテンパイしないように停止制御を行うことも考えられる。しかしながら、このような停止制御は、停止操作を簡易にするという観点からは好ましいものの、テンパイした停止出目の形から当籤役が把握できてしまい、遊技が単調になってしまうため、遊技性の観点から好ましくない。すなわち、遊技性を考えた場合、内部的にはベル当籤時であっても、停止出目の形からスイカかもしれない(ボーナスの期待があるかもしれない)といった期待感を抱くことができることが好ましい。
この点、本遊技性では、ベルのうち「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定されている場合には、挟み打ち時の第2停止時にダブルテンパイするため、双方がテンパイする停止出目の出現頻度を「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤確率分高めることができる。このように本遊技性では、シングルテンパイするベルと、ダブルテンパイするベルとを有することで、遊技者の停止操作を簡易にしつつも、停止出目に応じて遊技者が期待感を持つことができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、停止制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶ直線状のライン(センターライン〜クロスダウンラインの5本のラインの何れか)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され得る「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」と、センターライン〜クロスダウンラインの5本のラインの何れかに沿って図柄「スイカ」が並んで表示され得る「F_スイカ1」「F_スイカ2」とを有する。これら複数の役のうち、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」は、第1特定役に対応し、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」は、第2特定役に対応し、「F_スイカ1」「F_スイカ2」は、所定役に対応する。なお、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の何れかが当籤役として決定される確率と、「F_スイカ1」「F_スイカ2」の何れかが当籤役として決定される確率とでは、前者の方が確率が高い。
また、主制御回路91は、「通常」の状態において「F_スイカ1」「F_スイカ2」が当籤役として決定されると、有利区間移行抽籤を行う一方で、「通常」の状態において「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定された場合には、有利区間移行抽籤を行わない。また、主制御回路91は、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイ時にベル及びスイカの何れもはずれた場合に、リーチ目リプが入賞したとして「初回ボーナス」などの特典を付与するため、主制御回路91は、特典付与手段として機能する。なお、本制御は、「F_スイカ1」「F_スイカ2」と、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」とで、有利区間移行抽籤に当籤する確率(すなわち、特典を付与する確率)が異なっていればよく、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定された場合に有利区間移行抽籤に当籤する確率は0%(有利区間移行抽籤を行わないことを含む)に限るものではなく、「F_スイカ1」「F_スイカ2」が当籤役として決定された場合に有利区間移行抽籤に当籤する確率よりも低い確率であればよい。
また、主制御回路91は、左BAR狙いの挟み打ちの第2停止時において、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」が当籤役として決定されている場合には、図柄「ベル」がシングルテンパイするようにリールの停止制御を行う一方で、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」「F_スイカ1」「F_スイカ2」が当籤役として決定されている場合には、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とがダブルテンパイするようにリールの停止制御を行う。
[別制御例]
続いて、図244〜図247を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ機1に特有な別制御例について説明する。
[打ち止め制御]
初めに、図244を参照して、パチスロ機1における打ち止め制御について説明する。なお、打ち止めとは、現在の遊技状態を維持したまま、継続して遊技を行うことが不可能な状態とすることをいい、例えば、パチスロ機1の内部に貯留されているクレジットを全て払い出すとともに、新たなメダルの投入を受け付けないように制御することで、遊技を継続不可能にする。打ち止め状態は、パチスロ機1の前扉(上ドア62a又は下ドア62b)を開けて所定の解除操作を行うと、又は打ち止め状態中の電断復帰により解除され、解除されることで遊技が可能になる。なお、打ち止めは、現在の遊技状態を維持したまま行われるため、打ち止めが解除された場合には、打ち止めが行われる前の状態のまま遊技を再開することができ、例えば、AT中などに打ち止めが行われた場合には、解除後にATを引き続き継続することができる。
以下に説明する打ち止め制御を実行可能にするため、パチスロ機1の主制御回路91は、電断復帰からの差枚数をカウントする差枚数カウンタを有する。この差枚数カウンタは、有利区間のリミッタ制御に用いるカウンタとは別の打ち止め専用のカウンタであり、有利区間、非有利区間(通常区間)であるか否かに関わらず、差枚数のカウントを継続する。差枚数カウンタは、電源が投入されてから差枚数のカウントを開始し、また、単位遊技の終了時において差枚数がマイナスの値である場合には、当該単位遊技の終了時に差枚数を0にクリアする。すなわち、差枚数カウンタは、遊技者側が最も損をした時点を起点とする差枚数をカウントする。なお、差枚数カウンタは、打ち止めが解除された場合、打ち止めの解除を問わず電断からの復帰時(電源投入時)、単位遊技の終了時において差枚数がマイナスの値である場合に0にリセットされる。
本打ち止め制御では、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500を超えると、打ち止め条件を満たしたとして打ち止め状態を発生させる。具体的には、図244(A)に示すように、主制御回路91は、遊技開始時に当該遊技に用いられるメダルの枚数に応じて差枚数カウンタの値を更新する。より具体的には、主制御回路91は、当該遊技のBET数分だけ差枚数カウンタの値を減算する。その後、遊技が行われ、当該遊技におけるメダルの払い出し処理が行われると、主制御回路91は、払い出したメダルの分だけ差枚数カウンタの値を加算することで、差枚数カウンタの値を更新する。
続いて、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500を超えたか否かを判定し、超えている場合には、打ち止め状態を発生させる。一方で、14500を超えていない場合には、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が0未満であるか否かを判定し、0未満である場合には、差枚数カウンタの値を0にクリアし、処理を終了する。このような制御により、主制御回路91は、電源を投入してから遊技者側が最も損をした時点を起点として、差枚数が14500枚を超えた場合に、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態を発生させることができる。
続いて、図244(B)は、打ち止め状態を発生させるタイミングを示す図である。同図(a)に示すように、何れの役物(第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物)も作動していない非ボーナス状態では、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500を超えた場合に打ち止め状態を発生させる。例えば、AT中などは、何れの役物も作動していない非ボーナス状態であるため、主制御回路91は、AT中に差枚数カウンタの値が14500を超えた場合には、その時点で打ち止め状態を発生させる。他方、同図(b)に示すように、何れかの役物が作動しているボーナス状態では、主制御回路91は、ボーナス状態中に差枚数カウンタの値が14500を超えたとしても、直ちに打ち止め状態を発生させずに、当該ボーナス状態が終了したタイミングで、打ち止め状態を発生させる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、電源が投入されてから行われた遊技の結果として払い出されたメダルの枚数から、遊技に用いられたメダルの枚数を減算した差枚数を計数する差枚数カウンタを有し、この差枚数カウンタは、単位遊技終了時の差枚数がマイナスの値である場合に、差枚数を0にクリアするため、主制御回路91及び差枚数カウンタは、計数手段として機能する。なお、差枚数カウンタが差枚数の計数を開始するタイミングは、電源が投入された後に限るものではなく、差枚数カウンタは、設定変更が行われた後から差枚数を計数することとしてもよく、また、RAMクリアが行われた後から差枚数を計数することとしてもよい。
また、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が閾値(14500)を超えたか否かを判定し、超えたと判定すると、現在の遊技状態を維持したまま、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態を発生させ、打ち止め状態において解除条件を満たすと、打ち止め状態を解除して、維持しておいた遊技状態に応じた遊技を継続可能にするため、主制御回路91は、判定手段、打止制御手段及び打止解除手段として機能する。なお、主制御回路91は、単位遊技終了時の差枚数がマイナスの値である場合に、差枚数を0にクリアすることとしているが、これに限るものではなく、差枚数カウンタは、マイナスの値も計数して、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500枚を超えたタイミングで、打ち止め状態を発生させることとしてもよい。すなわち、打ち止め制御に用いる差枚数は、マイナスの値を計数することで算出される単純な差枚数であってもよく、マイナスの値を計数しない差枚数(1日における最大の差枚数、いわゆるMY)であってもよい。また、主制御回路91は、打ち止め状態を解除した場合に差枚数カウンタの値を0にクリアすることとしてもよく、また、0にクリアしないで打ち止め状態時の値をそのまま維持することとしてもよい。また、打ち止め状態時の値を維持する場合、主制御回路91は、複数の閾値を有して、閾値を満たすたびに段階的に打ち止め状態を発生させることとしてもよい。例えば、差枚数カウンタの値が14500枚を超えたタイミングで一度目の打ち止め状態を発生させ、その後、打ち止め状態を解除した後に差枚数カウンタの値が15000枚を超えたタイミングで二度目の打ち止め状態を発生させることとしてもよい。
[ランプ制御]
続いて、図245を参照して、パチスロ機1におけるランプ制御について説明する。なお、以下説明するランプ制御、各リールを照明するランプの制御に関するものである。まず、図245(A)を参照して、リール照明用のランプの構成について説明する。
パチスロ機1では、リール3L,3C,3Rには、リール外周面に沿って半透明フィルム材で構成されたリールシートが装着されており、このリールシートには、表面上に図柄が光透過性有色インキで印刷され、それらの図柄以外の領域が遮光性インキでマスク処理されている。同図に示すように、パチスロ機1では、リール3L,3C,3Rの内側に、リール3L,3C,3Rを背面から照射するバックランプを有する。このバックランプは、リール3L,3C,3Rの夫々の上段、中段、下段の単位図柄表示領域に対応して設けられ、リール背面から遊技者側に向かって、各単位図柄表示領域を照射する。バックランプから照射された光は、リールシートの図柄印刷部分を透過するため、リール3L,3C,3Rの図柄を明るく照らす。
また、同図に示すように、パチスロ機1では、表示窓4の裏側(遊技機内部)上部に上部ランプを有する。この上部ランプは、リール3L,3C,3R(リールシート)の前面に対向する位置(前方)から、リール3L,3C,3Rを照射する。上部ランプから照射された光は、リールシートの前面で反射し、リールシート全体を明るく照らす。なお、本制御では、リールシートの前面を上部から照射する上部ランプを用いることとしているが、本制御は、リールシートを前方から照射するランプであればよく、リールシートの前方の側部(例えば、表示窓4の裏側両サイド)に設けたランプを用いることとしてもよく、また、リールシートの前方の下部(例えば、表示窓4の裏側下部)に設けたランプを用いることとしてもよい。
続いて、図245(B)は、ランプ演出例を示す図であり、上部ランプのON/OFFに伴うリール3L,3C,3Rの視認状況を模式的に示す図である。同図(a)は、上部ランプがOFFであり、バックランプがONである場合の演出例である。バックランプのみがONである場合、リールシートの図柄印刷部分については、バックランプからの光が透過するため、リール3L,3C,3Rの図柄部分が明るく照らされるものの、リールシートの図柄印刷部分以外の部分は、光を反射することがないため、暗い状態である。そのため、遊技者からすると、図柄は強調されるものの、図柄の周囲のリールシートは暗く見えるため、全体として落ち着いた印象を受ける。
また、同図(b)は、上部ランプがONであり、バックランプがONである場合の演出例である。上部ランプがONである場合、リールシートの図柄印刷部分だけでなく、リールシートが前面から照らされる結果、リールシートの図柄印刷部分以外の部分も明るく照らされる。また、リールシートの図柄印刷部分については、上部ランプ及びバックランプの双方から照らされる。そのため、遊技者からすると、図柄だけでなく周囲のリールシート全体が明るく見え、表示窓4の全体が光って見える。
続いて、図245(C)は、上部ランプの制御例を示す図である。なお、上部ランプの制御は、主制御回路91が行うこととしてもよく、また、副制御回路101が行うこととしてもよく、また、他の制御回路が行うこととしてもよい。
本制御では、主制御回路91は、遊技状態に応じて上部ランプのON/OFFを切り替える。すなわち、主制御回路91は、単位遊技毎に上部ランプのON/OFFを切り替えるのではなく、所定の遊技状態中は、上部ランプをOFF状態のまま保持して遊技を行い、特定の遊技状態中は、上部ランプをON状態のまま保持して遊技を行う。なお、本制御では、上部ランプのON/OFFを切り替えることとしているが、本遊技性は、上部ランプの照明度合いを遊技状態に応じて制御可能であればよく、照明度合いはON/OFFに限るものではない。
図245(C)に示すように、主制御回路91は、ボーナスが作動していない通常遊技の状態中は、上部ランプをOFF状態のまま保持して遊技を進行する。その後、通常遊技においてボーナスの作動が開始し、ボーナス状態に移行すると、主制御回路91は、上部ランプをON状態に更新し、ボーナス状態中は、上部ランプをON状態のまま保持して遊技を進行する。その後、ボーナス状態が終了して通常遊技に移行すると、主制御回路91は、上部ランプをOFF状態に更新し、通常状態中は、上部ランプをOFF状態のまま保持して遊技を進行する。より具体的には、主制御回路91は、ボーナス状態に移行する遊技の3OFF後に行われる入賞処理の後に、上部ランプをOFF状態からON状態に更新し、ボーナス状態の終了時の3OFF後に行われるロック状態の解除時に上部ランプをON状態からOFF状態に更新する。
このように主制御回路91は、遊技状態に応じて上部ランプのON/OFFを切り替え、対応する遊技状態中は上部ランプをON状態又はOFF状態のまま保持する。なお、本制御では、上部ランプのON/OFFを切り替える遊技状態として、ボーナス状態と通常状態とを例にとり説明したが、これに限るものではなく、例えば、AT(ART)中と非AT(非ART)中とで上部ランプのON状態/OFF状態を切り替えることとしてもよい。また、本制御では、遊技状態に応じてON/OFFを切り替えるランプの種別を上部ランプとしているが、これに限るものではなく、例えば、遊技状態に応じてバックランプのON/OFFを切り替えることとしてもよく、また、遊技状態に応じてその他の装飾ランプ(例えば、パチスロ機1の筐体60に設けられたサイドランプなど)のON/OFFを切り替えることとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、主制御回路91は、通常遊技においてボーナス状態の開始条件を満たすとボーナス状態を開始可能であり、ボーナス状態において終了条件を満たすとボーナス状態を終了して通常遊技に遊技状態を移行可能であり、また、ボーナス状態の終了時には遊技の進行を停止するロック状態を発生可能である。そのため、主制御回路91は、遊技状態制御手段及びロック制御手段として機能する。
また、パチスロ機1は、リール3L,3C,3Rの外周面(リールシートの表面)をリール3L,3C,3Rの前面から照射可能な上部ランプを備え、主制御回路91は、この上部ランプの点灯状態を制御するため、上部ランプは照明手段として機能し、主制御回路91は照明制御手段として機能する。なお、主制御回路91は、通常状態では、上部ランプをOFF状態(消灯)のまま保持する一方で、ボーナス状態においては、上部ランプをON状態(点灯)したまま保持する。また、主制御回路91は、ボーナス状態の開始時に上部ランプをOFF状態からON状態に更新し、ボーナス状態の終了に伴うロック状態の解除時に上部ランプをON状態からOFF状態に更新する。
[不正な設定変更の検知]
続いて、図246を参照して、パチスロ機1の副制御回路101による不正な設定変更の検知方法について説明する。初めに、図246(A)を参照して、本制御の概要について説明する。同図(a)は、パチスロ機1における基本的な設定変更操作の概要を示す図である。パチスロ機1における設定変更操作は、まず(1)電源をOFFに更新し、電源がOFFになった後に、(2)所定の鍵を用いて設定用鍵型スイッチ430をONにセットする。その後、(3)電源をONに戻し、(4)設定変更のための所定の操作を行い、最後に(5)所定の鍵を用いて設定用鍵型スイッチ430をOFFに戻す。このようにパチスロ機1では、設定変更を行う場合、設定用鍵型スイッチ430の操作よりも前に、まず、電源をOFFにする必要がある。なお、電源をONのままの設定用鍵型スイッチ430の操作は、現在の設定値の確認操作となり、設定変更を行うことはできない。
続いて、同図(b)は、遊技店において店員などにより行われる設定変更操作の概要を示す図である。設定変更では(1)電源をOFFにする必要があるが、電源スイッチは遊技機内部に設けられているため、店員が設定変更操作を行う場合、電源をOFFにするために、まず(0)前扉(上ドア62a又は下ドア62b)を開ける操作を行う。その後の操作は上述の通りであり、店員は、前扉を開けた後に、上述の(1)〜(5)の設定変更操作を行う。その後、店員は、(6)開けた前扉を閉めて、設定変更操作を完了する。このように店員が設定変更操作を行う場合、まず前扉を開ける操作を行い、その後に電源をOFFにする。
続いて、同図(c)は、本制御において検知対象となる不正な設定変更操作の概要を示す図である。いわゆるゴト師などが不正な設定変更を行う場合、針金などの不正器具を用いて、外部から各種の操作を行う。そのため、前扉が閉じた状態のまま、上述の(1)〜(5)の設定変更操作を行うことがある。本制御では、このような前扉が閉じた状態のままの設定変更操作を不正な設定変更操作として検知する。
店員などが正式な手順で設定変更操作を行う場合、電源をOFFにするために、まず(0)前扉を開ける必要があるため、電源をOFFにしたタイミングで前扉は開いている。これに対して、検知対象の設定変更操作は、前扉が閉じたまま行われるため、電源をOFFにしたタイミングで前扉は閉じている。そこで、本制御では、電源OFF時の前扉の開閉状態を監視することで、不正な設定変更操作を検知する。
図246(B)は、不正な設定変更操作を検知するための具体的な処理フローであり、同図(a)は、副制御回路101が無操作コマンドを受信した場合に行う無操作コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートであり、同図(b)は、副制御回路101が設定変更コマンドを受信した場合に行う設定変更コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。なお、無操作コマンドとは、各種操作(例えば、遊技を進行させるための操作としての、投入操作、開始操作、及び停止操作など)とは関係なく、定期的なタイミングで、主制御回路91から副制御回路101に送信されるコマンドである。また、設定変更コマンドは、設定変更操作に伴い主制御回路91から副制御回路101に送信されるコマンドである。
同図(a)に示すように、副制御回路101は、主制御回路91から送信される無操作コマンドにより、前扉の開閉状態を取得し、保存する。続いて、同図(b)に示すように、副制御回路101は、主制御回路91から送信される設定変更コマンドを受信すると、無操作コマンドから取得し保存しておいた前扉の開閉状態をチェックし、電源が切断される直前の前扉の開閉状態が閉状態であったか否かを判定する。上述したように、店員などが正式な手順で設定変更操作を行う場合は、電源が切断される直前の前扉の開閉状態が開状態であるため、本判定はNOとなり、処理を終える。他方、不正な設定変更操作の場合には、電源が切断される直前の前扉の開閉状態が閉状態であるため、本判定はYESとなる。本判定がYESとなると、副制御回路101は、続いて、不正な設定変更操作の可能性があるとして、不正回数をカウントし、処理を終える。なお、副制御回路101は、設定変更操作の開始を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよく、また、設定変更操作の終了を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよく、また、設定変更操作ではなく設定確認操作の開始を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよく、また、設定確認操作の終了を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよい。
また、副制御回路101は、上述の処理により不正な設定変更操作を検知した場合に、不正回数をカウントするだけでなく、不正な設定変更操作が行われたこと示す所定の警告情報を外部に出力することとしてもよい。なお、所定の警告情報の出力としては、例えば、スピーカ9L、9Rなどから警告音を出音するもののように、パチスロ機1が警告を発するものであってもよく、また、ホールコンピューターなどに、不正な設定変更操作の可能性があるという通知を送信することであってもよい。また、副制御回路101は、不正回数が所定回に達した場合に、所定の警告情報を外部に出力することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。また、パチスロ機1は、キャビネット61と、キャビネット61の前面に配置された前扉(上ドア62a、下ドア62b)と、を備える。
また、副制御回路101は、無操作コマンドの受信時に前扉の開閉状態を保存しておくため、電断時の前扉の開閉状態を保持可能であり、副制御回路101は、開閉状態保持手段として機能する。また、副制御回路101は、設定変更を受け付けた場合に、設定変更に伴う電断時の前扉の開閉状態を取得して、設定変更に伴う電断時において前扉が閉じていたか否かを判定するため、副制御回路101は、開閉判定手段として機能する。なお、副制御回路101は、設定変更を受け付けた直前の電断を、設定変更に伴う電断として把握することができる。
また、副制御回路101は、設定変更に伴う電断時において前扉が閉じていたと判定した回数を集計可能であり、また、設定変更に伴う電断時において前扉が閉じていたと判定した場合に、所定の警告情報を外部に出力可能であるため、副制御回路101は、回数集計手段及び警告出力手段として機能する。
[MAXベットボタンの機能]
続いて、図247を参照して、パチスロ機1のMAXベットボタン11の新たな機能について説明する。なお、MAXベットボタン11が操作された場合、貯留しているクレジット数の範囲で、ベット数が設定されるが、以下においては、十分な数量のクレジットが貯留されているものとして説明する。すなわち、クレジット不足によるベット数の設定については、本制御において関係がないため、説明を省略する。
従来のパチスロ機では、2BET及び3BETの遊技が可能な状態においてMAXベットボタンが操作されると、ベット数として3BETが設定され、また、1BET及び2BETの遊技が可能な状態においてMAXベットボタンが操作されると、ベット数として2BETが設定される。また、2BETのみの遊技が可能な状態においてMAXベットボタンが操作されると、ベット数として2BETが設定される。すなわち、従来のMAXベットボタンは、当該遊技の状態において遊技可能なベット数のうちの最大のベット数を、貯留しているクレジット数の範囲で設定するベットボタンとして用いられている。
これに対して、本制御では、MAXベットボタン11に対して、当該遊技の状態において遊技可能なベット数のうちの最適なベット数を、貯留しているクレジット数の範囲で設定する機能を持たせる。すなわち、本制御では、MAXベットボタン11は、最大のベット数ではなく、最適なベット数を設定するベットボタンとして用いる。一例として、2BET及び3BETの遊技が可能な状態においてMAXベットボタン11が操作されると、ある場合においてはベット数として3BETが設定され、別のある場合についてはベット数として2BETが設定されることがある。
(遊技状態の概要)
初めに、図247(A)は、本制御が好適に用いられる遊技状態の一例である。同図に示すように、パチスロ機1では、非報知状態と報知状態とを有し、また、非報知状態には、第1抽籤状態と第2抽籤状態とが含まれる。第1抽籤状態は、報知状態に関する抽籤に当籤する確率が通常の確率である状態であり、第2抽籤状態は、報知状態に関する抽籤が全く行われない(又は第1抽籤状態よりも低い確率で当籤する)状態であり、第1抽籤状態から報知状態に移行する際に経由する状態である。
例えば、遊技者とって不利な通常遊技が第1抽籤状態に対応し、また、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるATやARTが報知状態に対応する。そして、通常遊技からAT(ART)に移行するまでの状態が第2抽籤状態に対応し、例えば、AT(ART)の前兆状態であったり、AT(ART)が開始されるまでの準備状態が第2抽籤状態に対応する。なお、前兆状態としては、本前兆だけでなくガセ前兆も含むこととしてもよい。第2抽籤状態として重要なことは、報知状態に関する抽籤が行われない(又は第1抽籤状態よりも低い確率で当籤する)状態であることである。
また、第2抽籤状態として、ARTに当籤してから高RTに移行するまでの状態としてもよい。この場合において、高RTへの移行は、2BET時にのみ可能であり、3BET時には不可能にしてもよい。例えば、表示されることで高RTに移行する高RT移行図柄を表示可能な役が、2BET時にのみ当籤し、3BET時には当籤しないようにすることで、高RTへの移行が2BETのみ可能とすることができる。一例として、主制御回路91は、高RT以外のRT状態において、高RTへの移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に、高RTへの移行を促す。このとき、主制御回路91は、高RTへの移行抽籤を行う遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する一方で、高RTへの移行抽籤に当籤し、高RTへ移行するまでの遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として2BETを決定する。そして、主制御回路91は、高RTに移行した後の遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する。
また、他の一例として、主制御回路91は、非報知状態において、報知状態への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に、高RTへの移行を促すとともに、高RT中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する報知状態を実行する。このとき、主制御回路91は、報知状態への移行抽籤を行う遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する一方で、報知状態への移行抽籤に当籤し、高RTへ移行するまでの遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として2BETを決定する。そして、主制御回路91は、高RTに移行した後の遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する。
なお、上述の例では、表示されることで高RTに移行する高RT移行図柄を表示可能な役が、2BET時にのみ当籤し、3BET時には当籤しないようにすることとしているが、これに限られるものではなく、2BET時には3BET時よりも高い確率で当籤することとしてもよい。また、当籤の有無をベット数に応じて異ならせるのではなく、表示の有無をベット数に応じて異ならせるものであってもよく、例えば、2BET時及び3BET時の双方において当籤する可能性のある役が当籤役として決定された場合に、主制御回路91が、2BET時では高RT移行図柄を表示可能にリールの停止制御を行う一方で、3BET時には高RT移行図柄を表示不可能にリールの停止制御を行うこととしてもよい。
このような遊技状態を有するパチスロ機1において、非報知状態では、2BET及び3BETの何れのベット数であっても遊技が可能であるとし、また、報知状態に関しては、3BETのみ可能で、2BETの遊技が不可能であるとする。なお、報知状態中に2BETの遊技が不可能になるとは、報知状態では、2BETが設定不可能になることであってもよく、また、報知状態中に2BETが設定された場合には、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されなくなる結果、当該遊技が報知状態ではなくなるものであってもよい。
続いて、図247(B)は、ペイアウト率(=OUT枚数/IN枚数×100)に基づく各状態の有利度合いを示す図である。例えば、非報知状態に関して、ベット数が3BETの低RTでは、ペイアウト率が75%であり、ベット数が3BETの高RTでは、ペイアウト率が90%であるとし、ベット数が2BETの低RTでは、ペイアウト率が81%であり、ベット数が2BETの高RTでは、ペイアウト率が95%であるとする。このような場合、ペイアウト率の観点からは、非報知状態では、2BETの方が3BETよりも遊技者にとって有利となる。
また、同図に示すように、報知状態に関しては、ベット数が3BETの低RTでは、ペイアウト率が90%であり、ベット数が3BETの高RTでは、ペイアウト率が105%であるとする。なお、ベット数が2BETの場合には、報知状態が不可能である。そのため、報知状態では、3BETの方が2BETよりも遊技者にとって有利となる。
続いて、図247(C)は、報知状態に関する抽籤の当籤確率に基づく各状態の有利度合いを示す図である。ベット数が3BETの第1抽籤状態では、通常の確率で報知状態に関する抽籤に当籤するが、ベット数が3BETの第2抽籤状態では、報知状態に関する抽籤に当籤することがない(又は通常の確率よりも低い確率で当籤する)。なお、報知状態に関する抽籤とは、例えば、ATやARTのストック付与抽籤である。
一方で、ベット数が2BETの場合には、報知状態が不可能であるため、第1抽籤状態であっても第2抽籤状態であっても、報知状態に関する抽籤に当籤することがない(又は通常の確率よりも低い確率で当籤する)。そのため、報知状態に関する抽籤の観点からは、3BETの第1抽籤状態が他の状態よりも遊技者にとって有利となる。
ここで、ペイアウト率の観点からは、非報知状態では、2BETの方が3BETよりも遊技者にとって有利であるが、2BETの場合には、真に遊技者にとって有利な報知状態への移行が期待できないため、ペイアウト率と報知状態に関する抽籤とを加味した総合的な観点からは、3BETの報知状態が最も遊技者にとって有利であり、当該最も有利な状態に移行可能な3BETの第1抽籤状態が次に遊技者にとって有利であることになる。一方で、残った第2抽籤状態に関しては、報知状態に関する抽籤は、2BET及び3BETは共に不利で差が無いため、ペイアウト率の観点から2BETの方が有利となる。
そのため、図247(D)に示すように、本制御では、非報知状態の第1抽籤状態においてMAXベットボタン11が操作された場合にはベット数として3BETを設定し、非報知状態の第2抽籤状態においてMAXベットボタン11が操作された場合にはベット数として2BETを設定し、報知状態においてMAXベットボタン11が操作された場合にはベット数として3BETを設定する。これにより、2BET及び3BETの何れのベット数においても遊技が可能な状態において、MAXベットボタン11という1つのベットボタンだけで、2BET及び3BETの何れのベット数も設定することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1は、遊技者によるベット操作を受け付け可能なMAXベットボタン11を備え、主制御回路91は、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数を決定可能であるため、MAXベットボタン11は、ベット操作手段として機能して、主制御回路91は、ベット制御手段として機能する。このとき、主制御回路91は、2BET及び3BETの双方において遊技が可能な状態、かつ、クレジット数が3枚以上の状態において、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合に、ベット数として2BET及び3BETの何れか一方を決定可能であり、特に、非報知状態の第1抽籤状態においてMAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合には、ベット数として3BETを決定し、第2抽籤状態においてMAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合には、ベット数として2BETを決定する。なお、主制御回路91は、ボーナス状態を有するパチスロ機において、ボーナス役に当籤するまでは、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合にベット数として3BETを決定し、ボーナス役に当籤した後の遊技(すなわち、ボーナス内部中)では、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合にベット数として1BET(又は2BET)を決定することとしてもよい。
また、主制御回路91は、非報知状態の第1抽籤状態において、報知状態に移行するか否かを決定可能であり、移行すると決定した場合には、第1抽籤状態から第2抽籤状態を経由して報知状態に移行可能であるため、主制御回路91は、移行決定手段及び遊技状態制御手段として機能する。
[第6実施形態]
続いて、図248〜図289を参照して、第6実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第6実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第6実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[リール及びストップボタンの構成]
初めに、図248を参照して、第6実施形態のパチスロ機1における複数のリールと複数のストップボタンについて説明する。図248(A)は、第6実施形態のパチスロ機1における複数のリールの概要を示す図である。
同図に示すように、第6実施形態のパチスロ機1では、左から順に第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4という4つのリールを有する。これら4つのリールは、水平方向に並んで設けられている。表示窓4は、これら4つのリールに描かれた図柄の一部を遊技者が視認可能に形成されている。具体的には、表示窓4には、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3に対しては、それぞれのリールに描かれた3つの図柄(上段、中段、下段)を遊技者が視認可能に透明な窓領域が形成されている。すなわち、表示窓4には、一つの図柄を表示する単位図柄表示領域として、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3に対しては、上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とが設けられている。
一方で、第4リール3−4については、有効ラインが通る位置の図柄のみを遊技者が視認可能(より詳細には、有効ラインを通る図柄のみ視認し易く)に透明な窓領域が形成され、有効ラインが通る位置以外の図柄は遊技者が視認不可能(より詳細には、有効ラインを通る図柄以外は視認し難く)に窓領域が形成されている。なお、本実施形態においては、有効ラインは、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域を通るセンターラインとしている。そのため、表示窓4の第4リール3−4に対応する透明な窓領域は、中段の単位図柄表示領域に対してのみとなっている。なお、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域については、中段の単位図柄表示領域に対して視認性が低下するように形成されていれば足り、必ずしも表示窓4の対応箇所が不透明であることに限らない。例えば、表示窓4の、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域に対応する箇所についても透明にしつつ、リールの背後に設けられたバックランプを、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3においては上段、中段、下段の全てにおいて点灯する一方で、第4リール3−4においては中段のみ点灯し、上段、下段においては消灯することで、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させることとしてもよい(なお、バックランプの制御は所定の制御手段により行われる)。また、表示窓4の、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域に対応する箇所を不透明にすることとしてもよく、また、当該箇所の前面に部材を配置することで、当該箇所を物理的に視認できないようにしてもよい。
続いて、図248(B)は、第6実施形態のパチスロ機1における複数のストップボタンの概要を示す図である。同図に示すように、第6実施形態のパチスロ機1では、左から順に第1ストップボタン7−1、第2ストップボタン7−2、第3ストップボタン7−3、第4ストップボタン7−4という4つのストップボタンを有する。これら4つのストップボタンは、水平方向に並んで設けられている。
第1ストップボタン7−1は、第1リール3−1に対応して設けられ、第2ストップボタン7−2は、第2リール3−2に対応して設けられ、第3ストップボタン7−3は、第3リール3−3に対応して設けられ、第4ストップボタン7−4は、第4リール3−4に対応して設けられる。第1ストップボタン7−1、第2ストップボタン7−2、第3ストップボタン7−3、第4ストップボタン7−4は、ストップスイッチ7Sに接続されており、ストップスイッチ7Sは、4つのストップボタン7−1〜7−4のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、操作されたストップボタン7−1〜7−4に対応する種別のリール3−1〜3−4の回転を停止する。
このように、第6実施形態のパチスロ機1では、4つのリール3−1〜3−4を用いて遊技を行うが、第4リール3−4については、遊技者からは有効ラインが通る位置の図柄のみが見える(見えやすい)ことになるため、遊技者には従来の3リールのパチスロ機と同様の感覚で遊技を行わせることができる。すなわち、図248(C)に示すように、遊技者からすると、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域は、おまけ程度に設けられたものであり、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
[第6実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
続いて、第6実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図249は、第6実施形態のパチスロ機1のボーナス及びRT状態の遷移フローであり、図250は、第6実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローである。
[ボーナス及びRT状態の遷移フロー]
図249に示すように、第6実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非フラグ間とフラグ間と1種BBと1種RBとの状態を有する。非フラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態であり、フラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態である。なお、フラグ間には、ボーナス役のうちのBB(後述の「F_BB」)が内部当籤役として決定されている状態であるBBフラグ間と、ボーナス役のうちのRB(後述の「F_RB」)が内部当籤役として決定されている状態であるRBフラグ間と、がある。
また、1種BBは、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置))が作動している状態であり、1種RBは、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(RB(第一種特別役物))が作動している状態である。なお、本実施形態では、AT(報知状態)中の遊技を疑似ボーナスと表現する。そのため、1種BBや1種RBは、実ボーナス(実BB,実RB)と呼ぶことがある。
主制御回路91は、非フラグ間においてボーナス役が内部当籤役として決定されると、遊技状態をフラグ間に移行する。フラグ間では、主制御回路91は、内部当籤役として決定されたボーナス役に応じた図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで(言い換えると、当該ボーナス役が入賞するまで)、当該ボーナス役を内部当籤役として持ち越す。その後、内部当籤役として決定されたボーナス役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、主制御回路91は、フラグ間からボーナス状態に遊技状態を移行する。より具体的には、主制御回路91は、BBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、フラグ間から1種BBに遊技状態を移行し、RBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、フラグ間から1種RBに遊技状態を移行する。
また、ボーナス状態では、主制御回路91は、規定枚数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態から非フラグ間に遊技状態を移行させる。ここで、1種BBの規定枚数は17枚であり、1種RBの規定枚数は3枚である。なお、1種BBは、単位遊技が3BETで行われるとともに、入賞時に1枚のメダルが払い出される「F_BB中1枚」が高い確率で内部当籤役として決定される。そのため、1種BB中は、単位遊技当たりの差枚数が「−2枚(=1−3)」となる可能性が高く、1種BB中のトータルにおいても差枚数がマイナスとなる可能性が高い。一方で、1種RBは、単位遊技が3BETで行われるとともに、入賞時に4枚のメダルが払い出される「F_RB中4枚」が高い確率で内部当籤役として決定される。そのため、1種RB中は、単位遊技当たりの差枚数が「+1枚(=4−3)」となる可能性が高く、1種RB中のトータルにおいても差枚数が若干のプラス(現状維持)となる可能性が高い。その結果、本実施形態では、1種BBは、遊技者にとって不利となるボーナス状態であり、1種RBは、遊技者にとって不利とはならないボーナス状態であるといえる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、非RT状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とRT4状態とRT5状態とRT6状態とRT7状態とを有する。ここで、パチスロ機では設定値に基づき遊技者の有利度合いを定めることとしている。この設定値は、例えば、複数の役の中から内部当籤役を決定する場合に、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を規定することで、遊技者の有利度合いを定める。このとき、複数の役には、メダルの払出に係る「小役」と、再遊技の作動に係る「リプレイ役」と、ボーナスの作動に係る「ボーナス役」とが含まれる。RT状態は、これら複数の役のうちの「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能な状態である。
主制御回路91は、RT状態の移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行する。RT状態の移行条件は、RT状態毎に異なり、図249(B)には、移行条件を含むそれぞれのRT状態の概要を示している。なお、本実施形態において主制御回路91は、「ボーナス役」が内部当籤役として決定されたこと、ボーナスが作動したこと、ボーナスが終了したことを条件には、RT状態を移行しない。すなわち、本実施形態では、ボーナス作動の前後においてRT状態は同一のまま維持される。
同図に示すように、非RT状態においては、有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じてRT状態を移行させる。具体的には、非フラグ間においては、主制御回路91は、非RT状態においてRT1移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT1状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT2移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT2状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT3移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT3状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT4移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT4状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT5移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT5状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT6移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT6状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT7移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT7状態にRT状態を移行する。
なお、主制御回路91は、フラグ間、1種BB及び1種RB中は、非RT状態においてRT移行図柄が有効ラインに沿って表示されたとしても、RT状態を移行させない。すなわち、例えば、フラグ間の非RT状態においてRT1移行図柄が有効ラインに沿って表示されたとしても、主制御回路91は、RT状態を移行させることなく、非RT状態のまま維持する。そのため、本実施形態では、非RT状態から他のRT状態への移行は、非フラグ間においてのみ行われ、フラグ間、1種BB及び1種RB中は行われることなく、非RT状態のまま維持される。
また、主制御回路91は、RT1状態〜RT7状態においては、当該RT状態中に行われた単位遊技の回数に応じてRT状態を移行させる。具体的には、主制御回路91は、RT1状態において6000回の遊技が行われると、RT1状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT2状態において5900回の遊技が行われると、RT2状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT3状態において4500回の遊技が行われると、RT3状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT4状態において4400回の遊技が行われると、RT4状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT5状態において4300回の遊技が行われると、RT5状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT6状態において4200回の遊技が行われると、RT6状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT7状態において3000回の遊技が行われると、RT7状態から非RT状態にRT状態を移行する。
なお、RT1状態〜RT7状態については、主制御回路91は、非フラグ間、フラグ間、1種BB及び1種RB中に関係なく、所定回数の遊技が行われた場合に、RT状態を非RT状態に移行する。また、RT1状態〜RT7状態では、主制御回路91は、RT移行図柄が有効ラインに沿って表示されたとしても、RT状態を移行させない。そのため、RT1状態〜RT7状態では、主制御回路91は、所定の初期化処理が行われない限り、所定回数の遊技が行われるまで他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持する。なお、所定の初期化処理は、記憶領域の少なくとも一部を初期化する処理であり、例えば、設定変更時の初期化処理やRAMクリア時の初期化処理である。
ここで、RT状態は、「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能であるが、複数のRT状態では、個々の「リプレイ役」の当籤確率、トータルの「リプレイ役」の当籤確率、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類、RT状態の継続期間の何れかが異なっていればよい。なお、個々の「リプレイ役」の当籤確率とは、例えば、「リプレイ役」としてリプレイ1とリプレイ2とを有する場合に、リプレイ1の当籤確率やリプレイ2の当籤確率をいう。また、トータルの「リプレイ役」の当籤確率とは、例えば、「リプレイ役」としてリプレイ1とリプレイ2とを有する場合に、リプレイ1の当籤確率とリプレイ2の当籤確率との合算値をいう。
この点、本実施形態では、少なくともトータルの「リプレイ役」の当籤確率は、複数のRT状態(非RT状態、RT1状態〜RT7状態)において略同一(完全に同一であってもよい)となっている。なお、「リプレイ役」以外の当籤確率は、設定値に応じて変動し、RT状態が変わっても変動しない。そのため、報知状態を加味しない場合には、複数のRT状態におけるペイアウト率(=OUT枚数/IN枚数×100)は、略同一(トータルの「リプレイ役」の当籤確率を完全に同一にした場合には、完全に同一)となっている。
[報知に関する状態の遷移フロー]
続いて、図250を参照して、第6実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とを有するAT機である。なお、上述の実施形態では、フラグ間状態を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることとし、非フラグ間などに移行することがないように制御していたが、以下において説明するように、本実施形態では、基本的には、BBを持ち越しているBBフラグ間中に報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現するが、条件を満たした場合にはBBを入賞させ、非フラグ間、1種BB、RBフラグ間、1種RBにも移行可能にしている。
図250(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、報知に関する状態(出玉状態)として、「一般」と「疑似ボーナス」と「引き戻し」と「特化」とを有する。一般は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない非報知状態(非AT)であり、通常区間と、有利区間のうちの非報知状態である通常有利とを含む。なお、有利区間は、報知状態を実行可能な遊技区間であり、通常区間は、報知状態を実行不可能な遊技区間である。「疑似ボーナス」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される報知状態(AT)であり、遊技者が約200枚のメダルを獲得可能な疑似BBと、約100枚のメダルを獲得可能な疑似RBとを含む。また、「引き戻し」及び「特化」は、非報知状態であってもよく、報知状態であってもよい。
「一般」の通常区間(「一般(通常区間)」)と「一般」の通常有利(「一般(通常有利)」)とを比較すると、「一般(通常区間)」は通常区間であり、滞在している場合にAT当籤という特典付与の期待度を変動不可能な遊技区間である。一方で、「一般(通常有利)」は有利区間であり、滞在している場合にAT当籤という特典付与の期待度を変動可能な遊技区間である。
「一般(通常区間)」では、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤した場合には、「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に出玉状態を移行する。なお、有利区間への移行抽籤においてAT当籤となった場合には、主制御回路91は、「一般(通常区間)」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行することもできる。「一般(通常有利)」では、主制御回路91は、疑似ボーナス(AT)への移行抽籤を行っており、AT当籤となった場合には、「一般(通常有利)」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。また、「一般(通常有利)」では、主制御回路91は、通常有利の維持抽籤を行っており、この抽籤において維持を決定した場合には、出玉状態を「一般(通常有利)」のまま維持し、この抽籤において終了を決定した場合には、有利区間を終了して、「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に出玉状態を移行する。
「一般(有利区間)」には、複数のゾーンが設けられており、このゾーンに応じて疑似ボーナス(AT)への移行抽籤においてAT当籤となる確率が異なる。詳しくは後述するが、ゾーンは、RT状態に応じて設定されるため、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態に応じてAT当籤となる確率が異なることになり、RT状態が疑似的な設定値として機能する。
「疑似ボーナス」は、差枚数で管理される報知状態(AT)であり、押し順役(「F_A択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」)が内部当籤役として決定された場合に、最も多くのメダルが付与されることになる正解の押し順が報知される。「疑似ボーナス(疑似BB)」は、差枚数が200枚を超えると終了し、「疑似ボーナス(疑似RB)」は、差枚数が100枚を超えると終了する。なお、「疑似ボーナス」の継続期間の管理方法は任意であり、本実施形態のように差枚数で管理することとしてもよく、また、遊技回数やナビ回数などにより管理することとしてもよい。主制御回路91は、「疑似ボーナス」において終了条件を満たすと、出玉状態を「疑似ボーナス」から「引き戻し」に移行する。
「引き戻し」は、最大で32ゲーム間継続する遊技期間である。「引き戻し」では、主制御回路91は、「疑似ボーナス」の引き戻し抽籤を行っており、この抽籤に当籤した場合には「引き戻し」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。「引き戻し」には、“非RT用”“通常”“チャンス”“天国”“特殊1”“特殊2”といった複数のモードが設けられており、引き戻し抽籤に当籤しないまま「引き戻し」の期間(最大32ゲーム)が終了すると、主制御回路91は、モードに応じて出玉状態を移行する。具体的には、モードが“非RT用”“通常”“チャンス”である場合には、主制御回路91は、引き戻し抽籤に当籤しないまま「引き戻し」の期間が終了すると有利区間を終了して、「引き戻し」から「一般(通常区間)」に出玉状態を移行する。他方、モードが“天国”“特殊1”“特殊2”である場合には、主制御回路91は、引き戻し抽籤に当籤しないまま「引き戻し」の期間が終了すると、「引き戻し」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。
「特化」は、「一般」「疑似ボーナス」よりも特典付与の期待度が高い状態である。なお、特典の種別は任意であり、出玉に関する特典であってもよく、また、出玉に関係のない特典であってもよい。この点、本実施形態では、「特化」では、他の出玉状態に比べて、ATに関する特典(疑似ボーナスのストック)が付与され易くなっている。主制御回路91は、「一般」において特化抽籤を行っており、この抽籤に当籤した場合には、「一般」から「特化」に出玉状態を移行する。
ここで、上述したように、本実施形態では、基本的にはBBフラグ間中に遊技を行う遊技性であるが、出玉状態が「特化」に移行した場合には、BBを入賞させて(BBフラグ間を解除させて)、遊技状態を非フラグ間に移行させる。すなわち、上述の第4実施形態などでは、フラグ間中にボーナスの入賞を不可能に制御していたが、本実施形態では、フラグ間中にボーナスの入賞が可能になっている。このような遊技性の場合、出玉状態が「特化」に移行していないにもかかわらず、BBを入賞させることが可能であるが、主制御回路91は、特化抽籤に当籤していない場合には、BBに応じた図柄の組合せが表示されてBBが入賞した場合に、遊技者にとって不利な状態(非許可状態)に制御する。他方、主制御回路91は、特化抽籤に当籤している場合には、BBに応じた図柄の組合せが表示されてBBが入賞した場合に、遊技者にとって不利ではない状態(許可状態=「特化」)に制御する。
なお、遊技者にとって不利な状態は任意であり、例えば、上述したように1種BB中を差枚数がマイナスの遊技とすることで不利な状態とすることとしてもよく、また、1種BB中及びその後の所定期間の遊技においてATに関する特典付与の期待度を下げることで不利な状態とすることとしてもよい。また、遊技者にとって不利ではない状態は、特化抽籤に当籤していない場合に比較して有利であればよく、遊技者にとって有利である必要は必ずしもない。すなわち、1種BB中は差枚数がマイナスとなるものの、このマイナス分を超える利益を遊技者に対して付与する必要はなく、特化抽籤に当籤していない場合に受ける不利益を遊技者が受けない状態とすればよい。
この点、本実施形態では、「特化」では、ATに関する特典付与の期待度を他の出玉状態に比べて高くしているため、遊技者にとって有利な状態となっている。なお、遊技者にとって不利ではない状態の他の例としては、例えば、1種BBの後に所定ゲーム数の間、差枚数が微増するようなナビ状態を設け、このナビ状態中に所定の特典ムービーなどを流す鑑賞区間としてもよく、また、ATに関する特典付与の期待度を下げないことで、特化抽籤に当籤していない場合に比べては不利ではない状態としてもよい。
ここで、本実施形態において、出玉状態「特化」中の遊技期間には1種BB中の遊技が含まれ、この1種BB中の遊技は、差枚数がマイナスの遊技期間であるため、「特化」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、必ずしも高い状態ではない。一方で、出玉状態「疑似ボーナス」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるAT期間であるため、「疑似ボーナス」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は少なくともプラスになる。そのため、本実施形態では、出玉状態「特化」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、出玉状態「疑似ボーナス」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値よりも低い。一方で、出玉状態「特化」中の期間におけるATに関する特典付与の期待度は、出玉状態「疑似ボーナス」中の期間におけるATに関する特典付与の期待度よりも高い。
「特化」は、「一般」における特化抽籤に当籤した場合に移行し、その後に再びBBフラグ間になるまで継続する。すなわち、「一般(=BBフラグ間)」において特化抽籤に当籤すると、BBの入賞が促され、BBフラグ間から1種BBを介して非フラグ間に移行する。その後、非フラグ間において再びBBが内部当籤役として決定されると、当該BBの入賞は許可されずに、非フラグ間からBBフラグ間に移行する。そして、BBフラグ間に移行したことをもって「特化」が終了し、「特化」が終了すると出玉状態は、「疑似ボーナス」に移行する。すなわち、主制御回路91は、BBフラグ間への移行に伴い出玉状態を「特化」から「疑似ボーナス」に移行する。
なお、本実施形態では、「特化」は、特化中の非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると終了するが、これに限るものではなく、特化中の非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定された場合に特化終了抽籤を行い、この抽籤において終了が決定されると「特化」を終了し、この抽籤において継続が決定されると「特化」を継続することとしてもよい。この場合において、特化終了抽籤において継続が決定された場合には、BBの入賞が促され、1種BBを介して非フラグ間に移行するとともに、出玉状態は「特化」のまま維持される。他方、終了が決定された場合には、当該BBの入賞は許可されずに、非フラグ間からBBフラグ間に移行し、出玉状態が「特化」から「疑似ボーナス」に移行する。また、特化中の非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定された場合にRT状態に応じて特化を終了させることとしてもよい。すなわち、後述するように「特化」は、RT状態を移行させることが可能な期間としても用いられるため、例えば、RT状態が非RT状態である場合には「特化」を継続し、RT状態がRT1状態〜RT7状態である場合には「特化」を終了することとしてもよい。
ここで、本実施形態では、ボーナス役としてBB(「F_BB」)の他にRB(「F_RB」)も有しているため、BBフラグ間が解除されて非フラグ間に移行した場合、BBよりも前にRBが内部当籤役として決定されることがある。主制御回路91は、「特化」の非フラグ間において、BBが内部当籤役として決定された場合には「特化」を終了するが、BBよりも前にRBが内部当籤役として決定された場合には出玉状態を「特化」のまま維持する。なお、実ボーナスであるBBやRBは、停止操作によっては対応する図柄の組合せを停止表示できないこと(所謂、取りこぼし)があり、このような期間まで「特化」としていたのでは、「特化」を意図的に伸ばすことができてしまう。そのため、特化抽籤に当籤してからBBが入賞するまでの期間、及び、「特化」中の非フラグ間においてRBが内部当籤役として決定されてからRBが入賞するまでの期間を、「特化」の準備期間として、ATに関する特典付与の期待度を、他の出玉状態と同様の期待度のまま維持することとしてもよい。
主制御回路91は、出玉状態に関わらず非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると、非許可状態をセットする。そして、主制御回路91は、BBフラグ間である出玉状態「一般」において特化抽籤に当籤すると、非許可状態を許可状態に更新する。なお、後述するように、RT状態が非RT状態である「一般」と、RT状態がRT1状態〜RT7状態である「一般」とでは、特化抽籤に当籤する確率が異なる。すなわち、主制御回路91は、BBフラグ間かつ非RT状態である出玉状態「一般」では、所定条件を満たすと、非許可状態を許可状態に更新し、BBフラグ間かつRT1状態〜RT7状態である出玉状態「一般」では、所定条件とは異なる特定条件を満たすと、非許可状態を許可状態に更新する。なお、特化抽籤に当籤した場合には、パチスロ機1では、BBの入賞を促す演出を実行可能である。例えば、特化抽籤に当籤すると、副制御回路101は、表示ユニット100を介して、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出を実行する。もちろん、主制御回路91の制御によりBBの入賞を促すこととしてもよく、主制御回路91及び副制御回路101の双方においてBBの入賞を促すこととしてもよい。
続いて、図250(B)は、RT状態などの遊技状態と出玉状態との対応関係を示す図である。同図に示すように、「一般(通常区間)」は、通常区間であり、また、全てのRT状態に対応している。また、「一般(通常区間)」は、基本的には、BBフラグ間である。なお、出荷時やRAMクリア時などの初期状態においては、非フラグ間も「一般(通常区間)」に対応する。
また、「一般(通常有利)」は、有利区間であり、BBフラグ間中の全てのRT状態に対応している。また、「疑似ボーナス」は、有利区間であり、BBフラグ間中の全てのRT状態に対応している。また、「引き戻し」は、有利区間であり、BBフラグ間中の全てのRT状態に対応している。また、「特化」は、有利区間であり、1種BB中の全てのRT状態、非フラグ間中の全てのRT状態、及び、1種RB中の全てのRT状態に対応している。
上述したように本実施形態のパチスロ機1では、複数のRT状態を疑似的な設定値として用いる。ここで、非RT状態からRT1状態〜RT7状態への移行は、非フラグ間のみ行うことができるため、非フラグ間は、疑似的な設定値を設定するための期間として機能する。そのため、本実施形態では、基本的には、「特化」中に疑似的な設定値の設定が行われる。
なお、有利区間にリミッタが設けられていることは上述の通りである。そのため、例えば、有利区間において実行された遊技回数が1500回に達した場合には、主制御回路91は、「疑似ボーナス」において終了条件を満たしていない場合であっても、「疑似ボーナス」を継続可能な残り期間に関わらず有利区間を終了することで、「疑似ボーナス」を終了する。ここで、図249を参照すると、RT1状態〜RT7状態の終了閾値に応じた遊技回数は、有利区間のゲーム数リミッタの閾値(1500回)に応じた遊技回数よりも多い。
[主制御側の各種のデータテーブル]
続いて、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図251に示す図柄配置テーブルは、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図251に示すように、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4に配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図251に示す図柄コード表は、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」、「青BAR」、「黒BAR」、「桃色」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「橙色」及び「紫色」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図252及び図253を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。図252(A)は、非フラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図253(B)は、1種BBにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図253(C)は、1種RBにおいて参照される内部抽籤テーブルである。なお、フラグ間に対応する内部抽籤テーブルは省略しているが、フラグ間に対応する内部抽籤テーブルは、図252(A)に示す非フラグ間用の内部抽籤テーブルのうち、「F_BB」及び「F_RB」に対応する抽籤値が「はずれ」に対応する抽籤値に加算されたものとなっている。そして、フラグ間では、持ち越している種類のボーナス役が必ず内部当籤役として決定される。
[図柄組合せテーブル]
次に、図254及び図255を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図254及び図255においては、規定される図柄の組合せ(コンビネーション)内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。
また、同図において「配当」とは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合に付与される配当の内容を表す。具体的には、「配当:BB」は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(上述の1種BB)が作動することを表し、「配当:RB」は、第一種特別役物(上述の1種RB)が作動することを表し、「配当:RP」は、再遊技(リプレイ)が作動することを表す。また、「配当:12」は、12枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:1」は、1枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:2」は、2枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:3」は、3枚のメダルが払い出されることを表す。
また、同図において「RT移行」とは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合の移行先のRT状態をいう。なお、図249(B)において上述したように、図柄の組合せが表示されることに伴うRT状態の移行は、非フラグ間かつ非RT状態において行われる。図254及び図255において、「RT移行」として「RT1移行」が規定されている図柄の組合せは、RT1移行図柄であり、RT1状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT2移行」が規定されている図柄の組合せは、RT2移行図柄であり、RT2状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT3移行」が規定されている図柄の組合せは、RT3移行図柄であり、RT3状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT4移行」が規定されている図柄の組合せは、RT4移行図柄であり、RT4状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT5移行」が規定されている図柄の組合せは、RT5移行図柄であり、RT5状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT6移行」が規定されている図柄の組合せは、RT6移行図柄であり、RT6状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT7移行」が規定されている図柄の組合せは、RT7移行図柄であり、RT7状態への移行契機となる図柄の組合せである。
ここで、名称「BB」の図柄の組合せと名称「RB」の図柄の組合せとを比較すると、名称「RB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄は「青BAR」であり、名称「BB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄の一部と共通する。
また、名称「RB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4の図柄は「紫色」であり、名称「BB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4の図柄は「青BAR」で異なる。ここで、図251を参照すると、第4リール3−4では、図柄「青BAR」と「紫色」とが最大滑り駒数以内の間隔で配置、より詳細には、隣接して配置される。そのため、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4において図柄「青BAR」を狙って停止操作を行うことで、名称「BB」の図柄の組合せも名称「RB」の図柄の組合せも同時に狙うことができる。
なお、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において、名称「RB」の図柄の組合せを構成する図柄は「青BAR」のみであり、名称「BB」の図柄の組合せを構成する図柄は「青BAR」以外の図柄も含まれる。そのため、名称「BB」の図柄の組合せを停止表示可能な遊技において、無作為(ランダム)に停止操作を行った場合に名称「BB」の図柄の組合せが停止表示される割合と、名称「RB」の図柄の組合せを停止表示可能な遊技において、無作為に停止操作を行った場合に名称「RB」の図柄の組合せが停止表示される割合と、では後者の方が割合が低い。具体的には、名称「BB」の図柄の組合せは、第1リール3−1において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/4の割合で停止表示することができる。また、名称「RB」の図柄の組合せは、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/64の割合で停止表示することができる。
[内部当籤役と図柄組合せの対応表]
続いて、図256〜図258は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。なお、図256(A)及び図257(B)は、非ボーナス状態(すなわち、フラグ間又は非フラグ間)中における内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、図257(C)は、1種BB中における内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、図257(D)は、1種RB中における内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。
各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。なお、同図では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図259〜図261に示す。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である押し順役(押し順ベル)と、停止操作の順序に関わらず表示される図柄の組合せが同じ役である押し順不問役とを有する。図259は、押し順不問役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、図260及び図261は、押し順役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。
初めに、図259を参照して、押し順不問役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明する。なお、押し順不問役と図柄組合せとの対応関係は、遊技状態に関わらず同一であり、図259に示す対応関係は、遊技状態が非フラグ間、BBフラグ間、RBフラグ間、1種BB、1種RBの何れにおいても同一である。
図259に示すように、役「F_0リプ」は、名称「リプA」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_1リプ」は、名称「リプB」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_2リプ」は、名称「リプC」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_3リプ」は、名称「リプD」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_4リプ」は、名称「リプE」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_5リプ」は、名称「リプF」又は「リプG」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_6リプ」は、名称「リプH」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_7リプ」は、名称「リプI」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
なお、名称「リプB」に係る図柄の組合せは、RT1移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_1リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT1状態に移行する。同様に、名称「リプC」に係る図柄の組合せは、RT2移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_2リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT2状態に移行し、名称「リプD」に係る図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_3リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行し、名称「リプE」に係る図柄の組合せは、RT4移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_4リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT4状態に移行し、名称「リプF」「リプG」に係る図柄の組合せは、RT5移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_5リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT5状態に移行し、名称「リプH」に係る図柄の組合せは、RT6移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_6リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT6状態に移行し、名称「リプI」に係る図柄の組合せは、RT7移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_7リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT7状態に移行する。
また、役「F_共通ベル」は、名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。なお、図259〜図261では、名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せを「12枚」と表記している。名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せは、RT1移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT1状態に移行する。
また、役「F_スイカ」は、名称「スイカ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。名称「スイカ」の図柄の組合せは、RT7移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_スイカ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT7状態に移行する。
また、役「F_チェリー」は、名称「チェリーA」〜「チェリーC」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。名称「チェリーA」〜「チェリーC」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_チェリー」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_確定チェリー」は、名称「確定チェリーA」〜「確定チェリーC」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。名称「確定チェリーA」〜「確定チェリーC」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_確定チェリー」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_中段チェリー」は、名称「中段チェリー」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。名称「中段チェリー」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_リーチ目」は、名称「確定役A」〜「確定役C」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。名称「確定役A」〜「確定役C」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_BB中1枚」は、名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。なお、図259〜図261では、名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せを「1枚」と表記している。また、役「F_RB中4枚」は、名称「RBベル」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。なお、図259〜図261では、名称「RBベル」の図柄の組合せを「4枚」と表記している。
また、役「F_BB」は、名称「BB」の図柄の組合せ、又は、図254及び図255に規定した何れの図柄の組合せでもない「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、「役F_RB」は、名称「RB」の図柄の組合せ、又は、「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
続いて、図260及び図261を参照して、押し順役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明する。なお、押し順役と図柄組合せとの対応関係は、遊技状態に応じて異なり、図260は、遊技状態が非フラグ間又はBBフラグ間である場合の対応関係を示し、図261は、遊技状態がRBフラグ間である場合の対応関係を示す。また、同図において、押し順は、4つのリールに対する停止操作の順序(24通り)を示している。
図260に示すように、非フラグ間及びBBフラグ間では、役「F_A択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」は、停止操作の順序が正解の押し順である場合に名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示され、停止操作の順序が不正解の押し順である場合に名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。
また、図261に示すように、RBフラグ間では、役「F_A択ベル1234」〜「F_A択ベル4321」は、停止操作の順序が正解の押し順である場合に名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示され、停止操作の順序が不正解の押し順である場合に名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_B択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」は、停止操作の順序に関係なく、名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。
このように、本実施形態のパチスロ機1では、RBフラグ間中は、役「F_B択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」が押し順役ではなく押し順不問役となり、かつ、正解時に表示される名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せが、押し順に関係なく表示される。非フラグ間とBBフラグ間とRBフラグ間とでは、内部当籤役を決定する確率に差が無いため、RBフラグ間中は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べてコイン持ちが良くなる。言い換えると、RBフラグ間中は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べて高ベースの遊技期間であり、RBフラグ間中の単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、非フラグ間及びBBフラグ間中の単位遊技当たりのメダルの収支の期待値よりも高い。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図262は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役を抽籤種別としてグループ化し、この抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。例えば、押し順役である役「F_A択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」は、No.4の抽籤種別「ベル」にグループ化され、この抽籤種別が参照されて、各種の抽籤が行われる。
[有利区間移行抽籤テーブル]
続いて、図263を参照して、有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。有利区間移行抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常区間)」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき有利区間への移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。有利区間移行抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「一般(通常区間)」において、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間である場合には「BBフラグ間、非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がRBフラグ間である場合には「RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、通常区間のまま維持して、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、通常区間から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「一般(通常区間)」から他の出玉状態に移行する。具体的には、主制御回路91は、抽籤結果「当籤」が決定された場合の抽籤種別が「確定チェリー」「中段チェリー」「リーチ目」である場合には、その後更にフリーズ抽籤や特化抽籤を行いこれら抽籤の結果に応じて「疑似ボーナス」や「特化」に出玉状態を移行する。他方、抽籤結果「当籤」が決定された場合の抽籤種別が「確定チェリー」「中段チェリー」「リーチ目」以外である場合には、出玉状態を「一般(通常有利)」に移行する。
ここで、上述したように出玉状態「一般(通常区間)」は、非許可状態でありBBフラグ間が維持されるため、出玉状態「一般(通常区間)」において遊技状態がRBフラグ間、1種BB及び1種RBである場合には、遊技状態がBBフラグ間である場合に比べて、有利区間への移行抽籤が不利になるように設計されている。なお、本実施形態では、遊技状態がRBフラグ間、1種BB及び1種RBである場合には、有利区間への移行抽籤に当籤することがないようにしているが、これに限るものではなく、遊技状態がBBフラグ間である場合に比べて低い確率で当籤することとしてもよい。この点は、他の抽籤においても同様である。また、同図に示す抽籤値(他の抽籤テーブルについても同様)は、一例に過ぎず、他の値としてもよい。例えば、同図では、抽籤種別が「はずれ、通常リプ」である場合には、抽籤結果として必ず「非当籤」が決定されることとしているが、所定の確率で「当籤」が決定されることとしてもよい。
また、有利区間への移行抽籤において「当籤」となる確率は、あまり低すぎるのは好ましくなく、適度に移行可能であることが好ましい。一例として、有利区間への移行抽籤において「当籤」となる確率を1/100程度としてもよい。すなわち、出玉状態「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」へは、100ゲームに1回程度の割合で移行可能としてもよい。
[MAP抽籤テーブル]
続いて、図264を参照して、MAP抽籤テーブルについて説明する。MAP抽籤テーブルは、有利区間への移行時に、有利区間中のATに関する各種の抽籤に用いる各種情報(MAPやゾーンなど)を決定するために参照されるテーブルである。図264(A)は、MAP抽籤テーブルを示し、図264(B)は、抽籤の結果として得られるMAPの概要を示し、図264(C)は、MAPから決定されるゾーンの概要を示す。
図264(A)に示すように、MAP抽籤テーブルは、現在のRT状態毎にMAP抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、通常区間から有利区間に移行すると、現在のRT状態を参照してMAP抽籤を行い、MAPを決定する。MAPは、有利区間中のATに関する各種の抽籤に影響を与える情報であり、基本的には、MAP番号が小さいほど各種の抽籤が遊技者にとって不利であり、MAP番号が大きいほど各種の抽籤が遊技者にとって有利である。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態を疑似的な設定値として用いる。同図を参照すると、RT番号が小さいほど、遊技者にとって不利なMAPが決定され易く、RT番号が大きいほど、遊技者にとって有利なMAPが決定され易い。そのため、詳しくは後述するが、RT番号が小さいRT状態は、疑似的な設定値が低設定であり、RT番号が大きいRT状態は、疑似的な設定値が高設定となる。なお、詳しくは後述するが、非RT状態は、遊技者にとって不利なMAPが決定され易いRT状態であることが好ましい。この場合において、非RT状態は、複数のRT状態のうちの最も不利なRT状態である必要はない。
続いて、図264(B)を参照して、各種MAPの概要について説明する。MAP(付与状態決定情報)は、現在のRT状態の経過ゲーム数毎にゾーン(付与状態)を規定する。主制御回路91は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数を計数しており、MAP抽籤によりMAPを決定すると、この計数結果(経過ゲーム数)に対応するゾーンを特定し、決定する。例えば、RT5状態が開始してから1000ゲーム経過した遊技において通常区間から有利区間に移行した場合、主制御回路91は、初めにMAP抽籤テーブルを参照して、RT5状態に基づきMAPを決定する。このとき、MAPとしてMAP4が決定されると、主制御回路91は、ゾーンとして、MAP4の1000ゲームに対応するゾーン3を決定する。なお、MAP及びゾーンは、有利区間においてのみ決定され、通常区間においては決定されることがない。主制御回路91は、通常区間から有利区間に移行すると、MAP及びゾーンを決定し、その後、有利区間を終了して通常区間に移行すると、MAP及びゾーンを初期化(クリア)する。
なお、RT1状態などは、継続期間が6000ゲームであり、MAPにおいて規定するRTゲーム数よりも多いが、実際の経過ゲーム数がMAPにおいて規定するRTゲーム数を超えた場合には、再び、左側のRTゲーム数から順に参照してゾーンを決定すればよい。例えば、RT1状態において、3700ゲームが経過している場合、経過ゲーム数を「101ゲーム(=3700−3599)」としてMAPからゾーンを決定すればよい。また、本実施形態では、現在のRT状態の経過ゲーム数に基づきゾーンを決定することとしているが、残りのゲーム数に基づきゾーンを決定することとしてもよい。上述の例の場合には、残りゲーム数「2300(=6000−3700)」としてMAPからゾーンを決定してもよい。
続いて、図264(C)を参照して、各種ゾーンの概要について説明する。ゾーン(付与状態)は、ATに関する特典付与の期待度を定める情報である。ここで、ATに関する特典付与の期待度には、AT期待度と連荘期待度とがある。AT期待度とは、例えば、ATの初当たりの期待度であり、本実施形態においては、出玉状態「一般(通常有利)」におけるAT当籤の期待度をいう。また、連荘期待度とは、ATの継続期間を延長することに関する期待度であり、例えば、ATの連荘や上乗せ等の期待度であり、本実施形態においては、出玉状態「引き戻し」におけるAT当籤の期待度をいう。
ここで、同図を参照すると、それぞれのMAPに対してゾーンは、400ゲーム毎に規定されている。上述したように、出玉状態「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」への移行を100ゲームに1回程度の割合(すなわち、有利区間への移行抽籤の当籤確率の逆数)で移行可能とした場合、ゾーンは400ゲーム毎に切り替わるため、ゾーンが切り替わるまでの間に一度は有利区間に移行することが期待できる。
[初当たり疑似ボーナス抽籤テーブル]
続いて、図265を参照して、初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルについて説明する。初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」においてATに関する特典(疑似ボーナスのストック)を付与するか否かを決定するために参照されるテーブルである。初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」における単位遊技毎にゾーン及び抽籤種別を用いて疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には何も特典を付与せず、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には疑似BB又は疑似RBのストックを1つ付与する。
[初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図266を参照して、初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」における疑似ボーナスのストック付与抽籤において抽籤結果として「当籤」が決定された場合に、付与する疑似ボーナスの種別を決定するために参照されるテーブルである。初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスの種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、続いて、種別抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「疑似RB」が決定されると疑似RBのストックを1つ付与し、抽籤結果として「疑似BB」が決定されると疑似BBのストックを1つ付与する。
[初当たり疑似RB抽籤テーブル]
続いて、図267を参照して、初当たり疑似RB抽籤テーブルについて説明する。初当たり疑似RB抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」において疑似RBのストックを付与するか否かを決定するために参照されるテーブルである。初当たり疑似RB抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、疑似RBのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、同図では、一部のゾーンをまとめているが、個々のゾーン毎にテーブルが設けられていてもよい。
主制御回路91は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数を計数しており、出玉状態「一般(通常有利)」において、この計数結果(RT状態の経過ゲーム数)に対する所定の演算の結果が所定条件を満たすと、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照して、疑似RBのストック付与抽籤を行う。より具体的には、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において、RT状態の経過ゲーム数を500で割った余りが131以上を満たす遊技から50ゲーム間を疑似RBのストック抽籤期間とし、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照した疑似RBのストック付与抽籤を行う。
なお、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行う疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、疑似RBのストック抽籤期間であっても、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照した疑似RBのストック付与抽籤を行わないこととしてもよく、また、両ストック付与抽籤を合わせて行うこととしてもよい。また、主制御回路91は、一度の有利区間において疑似RBのストック抽籤期間を、一度のみとしてもよく、また、複数回としても。すなわち、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たした回数が一度の有利区間中に複数回あった場合、最初の一回のみを疑似RBのストック抽籤期間としてもよく、最初の一回以外についても疑似RBのストック抽籤期間としてもよい。また、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算は、除算に限るものではなく、任意の演算であってよく、また、演算結果が満たす条件も任意であってよい。
また、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の内容を、現在のRT状態毎に異なることとしてもよい。一例として、所定の演算として除算を用いる場合、疑似RBのストック抽籤期間を一定の周期で設けることができる。このとき、除数をRT状態毎に異ならせることで、この一定の周期の長さをRT状態毎に異ならせることができる。また、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が満たす所定条件を、現在のRT状態毎に異ならせることとしてもよい。一例として、所定の演算として除算を用いる場合、所定条件として商の値に関する条件としてもよく、また、余りを用いる場合であっても、一のRT状態では第1範囲の余りを所定条件とし、他のRT状態では第2範囲の余りを所定条件としてもよい。また、主制御回路91は、所定の演算の内容と所定条件との双方を、現在のRT状態毎に異ならせることとしてもよい。このようにすることで、疑似RBのストック抽籤期間となる法則性をRT状態毎に異ならせることができる。
[初当たりモード抽籤テーブル]
続いて、図268を参照して、初当たりモード抽籤テーブルについて説明する。初当たりモード抽籤テーブルは、疑似ボーナスのストック付与抽籤において抽籤結果として「当籤」が決定された場合に、その後、出玉状態が(疑似ボーナスを経由して)「引き戻し」に移行した際に用いるモードを決定するために参照されるテーブルである。初当たりモード抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、抽籤種別毎にモード抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、同図では、一部のゾーンをまとめているが、個々のゾーン毎にテーブルが設けられていてもよい。
主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、続いて、初当たりモード抽籤テーブルを参照してモード抽籤を行い、抽籤結果として得られたモードをセットする。なお、主制御回路91は、現在のRT状態が非RT状態である場合には、モード抽籤を行うことなく、非RT用モードをセットする。
[フリーズ抽籤テーブル]
続いて、図269を参照して、フリーズ抽籤テーブルについて説明する。フリーズ抽籤テーブルは、抽籤種別が「確定チェリー」「中段チェリー」「リーチ目」である場合に参照され、所定のフリーズ制御を実行するか否かを決定するために参照されるテーブルである。フリーズ抽籤テーブルは、フリーズ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、フリーズ抽籤の結果として「非当籤」が決定されるとフリーズ制御を行わず、フリーズ抽籤の結果として「当籤」が決定されるとフリーズ制御を実行する。なお、本実施形態では、出玉状態「一般(通常区間)」においてのみフリーズ抽籤を行うこととしているが、他の出玉状態においてもフリーズ抽籤を実行可能としてもよい。
[特化抽籤テーブル]
続いて、図270を参照して、特化抽籤テーブルについて説明する。特化抽籤テーブルは、疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)のストックが付与された場合に参照され、出玉状態を「疑似ボーナス」の前に「特化」に移行させるか否かを決定するために参照されるテーブルである。特化抽籤テーブルは、現在のRT状態毎に設けられ、抽籤種別毎に特化抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、特化抽籤の結果として「非当籤」が決定されると、出玉状態を「特化」に移行せずに、上述した非許可状態を維持する。また、主制御回路91は、特化抽籤の結果として「当籤」が決定されると、出玉状態を「特化」に移行するとともに、非許可状態を許可状態に更新する。
同図に示すように、本実施形態では、非RT状態では、RT1状態〜RT7状態に比べて高い確率で特化抽籤に当籤する。そのため、非RT状態とRT1状態〜RT7状態とを比較すると、両者では非許可状態から許可状態に更新される条件が異なり(所定条件と特定条件)、非RT状態の方が非許可状態から許可状態に更新され易い。なお、同図では、RT1状態〜RT7状態をまとめているが、個々のRT状態毎にテーブルが設けられていてもよい。また、本実施形態では、特化抽籤を疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)のストックが付与された場合にのみ行うこととしているが、疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)のストックが付与されたか否かに関係なく、特化抽籤を行うこととしてもよい。また、本実施形態では、特化抽籤を出玉状態「一般」においてのみ行うこととしているが、これに限られるものではなく、出玉状態「疑似ボーナス」や「引き戻し」においても行うこととしてもよい。
[通常有利維持抽籤テーブル]
続いて、図271を参照して、通常有利維持抽籤テーブルについて説明する。通常有利維持抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」において単位遊技毎に抽籤種別に基づき有利区間の終了するか維持するかの維持抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利維持抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に維持抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「一般(通常有利)」において、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間である場合には「BBフラグ間、非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がRBフラグ間である場合には「RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「維持」が決定された場合には、有利区間のまま維持して、出玉状態を「一般(通常有利)」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、有利区間を終了して、有利区間から通常区間に移行するとともに、出玉状態を「一般(通常区間)」に移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了に合わせて、有利区間に関する各種の情報(MAPやゾーンなど)を初期化(クリア)する。なお、本実施形態では、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間以外の場合には、抽籤結果として必ず「終了」が決定されることとしているが、これに限られるものではなく、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間よりも低い確率で抽籤結果「維持」が決定されるようにしてもよい。
[疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブル]
続いて、図272を参照して、疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルについて説明する。疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」において単位遊技毎に抽籤種別に基づき疑似BBのストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似BBのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「疑似ボーナス」において、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間である場合には「BBフラグ間、非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がRBフラグ間である場合には「RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを付与することなく、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与する。なお、本実施形態では、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間以外の場合には、出玉状態「疑似ボーナス」における疑似BBのストック付与抽籤に当籤しないこととしているが、これに限られるものではなく、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間よりも低い確率で疑似BBのストック付与抽籤に当籤するようにしてもよい。
[引き戻しゲーム数抽籤テーブル]
続いて、図273を参照して、引き戻しゲーム数抽籤テーブルについて説明する。引き戻しゲーム数抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」が終了して出玉状態「引き戻し」に移行する際に、「引き戻し」の継続期間である引き戻しゲーム数を決定するために参照されるテーブルである。引き戻しゲーム数抽籤テーブルは、現在のモード毎に設けられ、引き戻しゲーム数のゲーム数抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、ゲーム数抽籤の結果として得られたゲーム数を引き戻しゲーム数としてセットし、出玉状態「引き戻し」はこの引き戻しゲーム数分継続する。
[引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブル]
続いて、図274を参照して、引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルについて説明する。引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」においてATに関する特典(疑似ボーナスのストック)を付与するか否かを決定するために参照されるテーブルである。引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」に移行してからの経過ゲーム数毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「引き戻し」に移行して1ゲーム目の遊技では「1G目」欄が参照され、2ゲーム目の遊技では「2G目」欄が参照され、3ゲーム目の遊技では「3G目」欄が参照され、4〜16ゲーム目の遊技では「4〜16G目」欄が参照され、17〜31ゲーム目の遊技では「17〜31G目」欄が参照され、32ゲーム目の遊技では「32G目」欄が参照される。
主制御回路91は、出玉状態「引き戻し」における単位遊技毎に出玉状態「引き戻し」に移行してからのゲーム数及び抽籤種別を用いて疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には何も特典を付与せず、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には疑似BB又は疑似RBのストックを1つ付与する。
[引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図274を参照して、引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」における疑似ボーナスのストック付与抽籤において抽籤結果として「当籤」が決定された場合に、付与する疑似ボーナスの種別を決定するために参照されるテーブルである。引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、モード毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスの種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、続いて、種別抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「疑似RB」が決定されると疑似RBのストックを1つ付与し、抽籤結果として「疑似BB」が決定されると疑似BBのストックを1つ付与する。
[モード移行抽籤テーブル]
続いて、図276を参照して、モード移行抽籤テーブルについて説明する。モード移行抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、又は出玉状態「疑似ボーナス」において疑似ボーナスの0ゲーム連に当籤した場合に参照され、現在のモードから移行先のモードを決定するために用いられる。モード移行抽籤テーブルは、現在のモード毎に設けられ、抽籤種別毎に移行先のモードに関する抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合などにモードの移行抽籤を行い、抽籤結果として得られたモードをセットする。なお、主制御回路91は、現在のRT状態が非RT状態である場合には、モードの移行抽籤を行うことなく、非RT用モードをセットする。
[特化中疑似BB抽籤テーブル]
続いて、図277を参照して、特化中疑似BB抽籤テーブルについて説明する。特化中疑似BB抽籤テーブルは、出玉状態「特化」において単位遊技毎に抽籤種別に基づき疑似BBのストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。特化中疑似BB抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似BBのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「特化」において、遊技状態が非フラグ間である場合には「非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がBBフラグ間又はRBフラグ間である場合には「BBフラグ間、RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを付与することなく、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与する。上述したように出玉状態「特化」は、許可状態であり1種BBへの移行が促されるため、出玉状態「特化」中は、1種BB及び1種RB中も疑似BBのストック付与抽籤が不利になることなく優遇されている。一方で、BBフラグ間やRBフラグ間は、出玉状態「特化」の意図的な引き延ばしを防止するため、疑似BBのストック付与抽籤が不利になるように設計することが好ましい。このようにすることで、特化抽籤に当籤すると、1種BBが開始してからBBが再び内部当籤役として決定されるまでの間をATに関する特典付与の期待度が高い状態とすることができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図278〜図284を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図278に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S501)。この処理では、バックアップが正常に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S502)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S503)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S504)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブルを参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、ボーナス当籤時処理を行う(S505)。この処理では、メインCPU31は、内部抽籤処理において、ボーナス役を内部当籤役として決定したか否かを判定し、ボーナス役を内部当籤役として決定した場合には、非フラグ間からフラグ間に遊技状態を移行する。また、メインCPU31は、出玉状態が「特化」である場合に役「F_BB」を内部当籤役として決定すると、次ゲームの出玉状態として「疑似ボーナス」をセットする。
続いて、メインCPU31は、図279で後述する状態別遊技制御処理を行う(S506)。この処理では、メインCPU31は、現在の出玉状態に応じて各種処理を行う。続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S507)。この処理では、メインCPU31は、出玉状態が「疑似ボーナス」である場合に、押し順役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定処理を行う(S508)。この処理では、内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、リール停止制御処理において用いられる。続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S509)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S510)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(S511)。この処理では、S508で決定したリール停止制御情報を用いて、複数のストップボタンがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S512)。この入賞判別メダル払出処理では、リールが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S513)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ボーナスチェック処理を行う(S514)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、RTチェック処理を行う(S515)。この処理では、メインCPU31は、RT状態の移行条件を満たした場合に、RT状態を移行条件に対応するRT状態に移行する。RTチェック処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS502に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図279を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の出玉状態が「一般(通常区間)」であるか否かを判定する(S521)。「一般(通常区間)」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図280で後述する通常区間中処理を行い(S522)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「一般(通常区間)」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「一般(通常有利)」であるか否かを判定する(S523)。「一般(通常有利)」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図281で後述する通常有利中処理を行い(S524)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「一般(通常有利)」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「疑似ボーナス」であるか否かを判定する(S525)。「疑似ボーナス」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図282で後述する疑似ボーナス中処理を行い(S526)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「疑似ボーナス」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「引き戻し」であるか否かを判定する(S527)。「引き戻し」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図283で後述する引き戻し中処理を行い(S528)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「引き戻し」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「特化」であるか否かを判定する(S529)。「特化」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図284で後述する特化中処理を行い(S530)、状態別制御処理を終了する。他方、現在の出玉状態が「特化」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、その他処理を行い(S531)、状態別制御処理を終了する。
<通常区間中処理>
次に、図280を参照して、通常区間中処理について説明する。通常区間中処理では、初めに、メインCPU31は、有利区間移行抽籤を行う(S541)。この処理では、メインCPU31は、有利区間移行抽籤テーブルを参照して、有利区間への移行抽籤を行う。続いて、メインCPU31は、有利区間への移行抽籤に当籤したか否かを判定する(S542)。メインCPU31は、有利区間への移行抽籤に当籤していない場合には(NO)、通常区間中処理を終了する。
他方、有利区間への移行抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、通常区間から有利区間へ移行するとともに、続いて、MAP抽籤テーブルを参照して、現在のRT状態に応じてMAP抽籤を行い(S543)、決定したMAPをセットする。続いて、メインCPU31は、MAP及びRTゲーム数に応じてゾーンを決定し(S544)、セットする。
続いて、メインCPU31は、抽籤種別が「7」〜「9」の何れかであるか否かを判定する。抽籤種別が「7」〜「9」の何れでもない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「一般(通常有利)」をセットして(S546)、通常区間中処理を終了する。
他方、抽籤種別が「7」〜「9」の何れかである場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算する(S547)。続いて、メインCPU31は、フリーズ抽籤テーブルを参照してフリーズ抽籤を行い(S548)、フリーズ抽籤に当籤したか否かを判定する(S549)。フリーズ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フリーズ制御を行い(S550)、通常区間中処理を終了する。なお、フリーズ処理では、メインCPU31は、遊技の進行を所定時間ロックするフリーズ状態を発生させるとともに、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似BB)」、モードに特殊2モードをセットする。
他方、フリーズ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、初当たりモード抽籤テーブルを参照して、ゾーン及び抽籤種別に応じてモード抽籤を行い(S551)、決定したモードをセットする。続いて、メインCPU31は、特化抽籤テーブルを参照して特化抽籤を行い(S552)、特化抽籤に当籤したか否かを判定する(S553)。特化抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「特化」をセットし(S554)、通常区間中処理を終了する。他方、特化抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似BB)」をセットし(S555)、通常区間中処理を終了する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「一般(通常有利)」では、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合に付与する疑似ボーナスの種別(疑似BB又は疑似RB)を抽籤により決定することとしているが、出玉状態「一般(通常区間)」では、ストック付与抽籤の当籤時に必ず疑似BBのストックを付与する(S547)。この点、出玉状態「一般(通常区間)」においても、ストック付与抽籤の当籤時に付与する疑似ボーナスの種別を抽籤により決定することとしてもよい。出玉状態「疑似ボーナス」「特化」についても同様に、本実施形態では、ストック付与抽籤の当籤時に必ず疑似BBのストックを付与することとしているが、ストック付与抽籤の当籤時に付与する疑似ボーナスの種別を抽籤により決定することとしてもよい。
<通常有利中処理>
次に、図281を参照して、通常有利中処理について説明する。通常有利中処理では、初めに、メインCPU31は、初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い(S571)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S572)。ストック付与抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、初当たりモード抽籤テーブルを参照してゾーン及び抽籤種別に応じてモード抽籤を行い(S573)、決定したモードをセットする。
続いて、メインCPU31は、特化抽籤テーブルを参照して特化抽籤を行い(S574)、特化抽籤に当籤したか否かを判定する(S575)。特化抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算するとともに、出玉状態に「特化」をセットし(S576)、通常有利中処理を終了する。
他方、特化抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスの種別を抽籤する(S577)。続いて、メインCPU31は、当籤した種別の疑似ボーナスのストックを1つ加算するとともに、出玉状態に当該種別の「疑似ボーナス」をセットし(S578)、通常有利中処理を終了する。
他方、疑似ボーナスのストック付与抽籤に非当籤した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RTゲーム数が抽籤範囲であるか否か、すなわち、上述した疑似RBのストック抽籤期間であるか否かを判定する(S579)。RTゲーム数が抽籤範囲である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照して疑似RBのストック付与抽籤を行い(S580)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S581)。疑似RBのストック付与抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似RBのストックを1つ加算し(S582)、続いて、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似RB)」をセットするとともに、モードとして通常モードをセットし(S583)、通常有利中処理を終了する。
他方、RTゲーム数が抽籤範囲でない場合(NO)、又は、疑似RBのストック付与抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、通常有利維持抽籤テーブルを参照して通常有利の維持抽籤を行い(S584)、抽籤結果として維持が決定されたか否かを判定する(S585)。抽籤結果として維持が決定された場合には(YES)、メインCPU31は、出玉状態を「一般(通常有利)」のまま維持して(S586)、通常有利中処理を終了する。他方、抽籤結果として終了が決定された場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、有利区間を終了するとともに、出玉状態に「一般(通常区間)」をセットして(S587)、通常有利中処理を終了する。
<疑似ボーナス中処理>
次に、図282を参照して、疑似ボーナス中処理について説明する。疑似ボーナス中処理では、初めに、メインCPU31は、疑似ボーナスの開始1ゲーム目であるか否かを判定する(S591)。開始1ゲーム目である場合、メインCPU31は、開始した種別の疑似ボーナスのストックを1つ減算し(S592)、続いて、疑似ボーナス開始時のリールアクションを実行する(S593)。疑似ボーナス開始時のリールアクションとしては、メインCPU31は、例えば、開始した疑似ボーナスが疑似BBである場合には第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において図柄「赤7」が直線状に並んで表示されるようにリールアクションを行い、開始した疑似ボーナスが疑似RBである場合には第1リール3−1及び第2リール3−2において図柄「赤7」が表示され、第3リール3−3において図柄「黒BAR」が表示され、これら図柄「赤7」と図柄「黒BAR」とが直線状に並んで表示されるようにリールアクションを行う。なお、第4リール3−4に停止する図柄については任意である。また、メインCPU31は、現在のモードやゾーンを参照して、リールアクションを異ならせることとしてもよい。例えば、モードとして天国がセットされている疑似BBの開始時には、右下がりに図柄「赤7」が揃い易く、モードとして通常がセットされている疑似BBの開始時には、中段に図柄「赤7」が揃い易くなるようにリールアクションを行うこととしてもよい。また、所定のモードであることが確定するリールアクションを有することとしてもよい。具体的には、所定のモードである場合に限り実行するリールアクションを有していればよい。
続いて、メインCPU31は、疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルを参照して疑似BBのストック付与抽籤を行い(S594)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S595)。疑似BBのストック付与抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算する(S596)。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に応じて疑似ボーナス中の差枚数を更新する(S597)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役として決定された役において払い出され得る最大の枚数から当該遊技のBET数である「3」を減算した値に基づいて差枚数を更新する。続いて、メインCPU31は、疑似ボーナスの終了時であるか否かを判定する(S598)。具体的には、メインCPU31は、S597で更新した差枚数と、疑似ボーナスの終了閾値(疑似BBは200枚、疑似RBは100枚)とを比較して、閾値を超えていた場合には、終了時であると判定する。
疑似ボーナスの終了時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、疑似ボーナス中処理を終了する一方で、疑似ボーナスの終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、引き戻しゲーム数抽籤テーブルを参照して引き戻しゲーム数を決定し、セットする(S599)。続いて、メインCPU31は、決定した引き戻しゲーム数が0であるか否かを判定する(S600)。
疑似ボーナスの終了時に決定する引き戻しゲーム数が0の場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスの種別を抽籤し(S601)、決定した種別の疑似ボーナスのストックを1つ加算する(S602)。
続いて、メインCPU31は、疑似BBのストック又は疑似RBのストックが1以上であるか否かを判定する(S603)。何れかのストックが1以上ある場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、モード移行抽籤テーブルを参照して移行先のモードを決定し、セットする(S604)。続いて、メインCPU31は、出玉状態に放出するストックに応じた種別の疑似ボーナスをセットし(S605)、疑似ボーナス中処理を終了する。なお、疑似BBのストックと疑似RBのストックとの双方がある場合のストックの放出順序は任意であり、例えば、ストックした順に放出することとしてもよく、また、疑似BBから優先して放出することとしてもよく、また、疑似RBから優先して放出することとしてもよい。
他方、疑似ボーナスの終了時に疑似BBのストック及び疑似RBのストックの何れも0である場合には、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「引き戻し」をセットして(S606)、疑似ボーナス中処理を終了する。
<引き戻し中処理>
次に、図283を参照して、引き戻し中処理について説明する。引き戻し中処理では、初めに、メインCPU31は、引き戻しゲーム数を更新(1減算)する(S611)。続いて、メインCPU31は、引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い(S612)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S613)。
疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、引き戻しゲーム数が0であるか否かを判定する(S614)。引き戻しゲーム数が0ではない場合には(NO)、引き戻し中処理を終了する一方で、引き戻しゲーム数が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、モードが“非モード用”“通常”“チャンス”の何れかであるか否かを判定する(S615)。“非モード用”“通常”“チャンス”の何れかである場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、有利区間を終了するとともに、出玉状態に「一般(通常区間)」をセットして(S616)、引き戻し中処理を終了する。
他方、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合(YES)、又は、モードが“非モード用”“通常”“チャンス”の何れでもない(“天国”“特殊1”“特殊2”の何れか)場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスの種別を抽籤する(S617)。続いて、メインCPU31は、当籤した種別の疑似ボーナスのストックを1つ加算する(S618)。続いて、メインCPU31は、モード移行抽籤テーブルを参照して移行先のモードを決定し、セットする(S619)。続いて、メインCPU31は、出玉状態に放出するストックに応じた種別の疑似ボーナスをセットし(S620)、引き戻し中処理を終了する。
<特化中処理>
次に、図284を参照して、特化中処理について説明する。特化中処理では、初めに、メインCPU31は、特化中疑似BB抽籤テーブルを参照して疑似BBのストック付与抽籤を行い(S631)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S632)。
疑似BBのストック付与抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストック数がリミット値以上であるか否かを判定する(S633)。なお、リミット値は任意の値であってよい。また、リミット値は、現在のRT状態に応じて異なる値であってもよく、また、有利区間のリミッタ到達までの猶予に応じて変化するものであってもよい。例えば、有利区間のゲーム数リミッタまで残り1400ゲームのタイミングでは、リミット値を「8」とし、有利区間のゲーム数リミッタまで残り100ゲームのタイミングでは、リミット値を「2」というように、リミッタ到達までの猶予が大きいほどリミット値を大きくし、猶予が小さいほどリミット値を小さくすることとしてもよい。
疑似BBのストック数がリミット値以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、抽籤種別が「2」「5」〜「9」の何れかであるか否かを判定する(S634)。疑似BBのストック数がリミット値以上ではない場合(NO)、又は、抽籤種別が「2」「5」〜「9」の何れかである場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算する(S635)。
続いて、メインCPU31は、抽籤種別が「1」であるか否か(すなわち、役「F_BB」の当籤時であるか否か)を判定する(S636)。抽籤種別が「1」ではない場合には(NO)、特化中処理を終了する一方で、抽籤種別が「1」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似BB)」をセットし(S637)、特化中処理を終了する。
[RTゲーム数とMAP及びゾーンとの関係]
次に、図285を参照して、RTゲーム数とMAP及びゾーンとの関係について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、通常区間から有利区間に移行すると(言い換えると、出玉状態が「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に移行すると)、その時点のRT状態に基づいてMAP及びゾーンを決定する。ここで、MAP及びゾーンは、有利区間中は固定であってもよく、また、変動することとしてもよい。
図285(A)のパターン1は、有利区間中にMAP及びゾーンが固定である場合の流れを示す。パターン1では、例えば、RTゲーム数が398ゲームである場合に有利区間に移行している。通常区間から有利区間に移行したため、主制御回路91は、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する(図280のS543、S544参照)。ここで、それぞれのMAPに対してゾーンは、400ゲーム毎に規定されているため(図264(B)参照)、RTゲーム数が400ゲームに達するとMAPにおけるゾーンの規定内容が変化する。しかしながら、このパターン1では、有利区間中にMAP及びゾーンが固定であるため、有利区間中はMAPもゾーンも変動することがない。
続いて、図285(B)のパターン2は、有利区間中にMAPは固定であるもののゾーンは変動する場合の流れを示す。パターン2においても、RTゲーム数が398ゲームである場合に有利区間に移行している。通常区間から有利区間に移行したため、主制御回路91は、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する。その後、単位遊技が行われ、RTゲーム数が400ゲームに達すると、MAPにおけるゾーンの規定内容が変化する結果、パターン2では、一度の有利区間中にゾーンが変動している。
続いて、図285(C)のパターン3は、有利区間中にMAPもゾーンも変動する場合の流れを示す。パターン2においても、RTゲーム数が398ゲームである場合に有利区間に移行している。通常区間から有利区間に移行したため、主制御回路91は、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する。このパターン3では、有利区間中は毎遊技、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する。その結果、パターン3では、一度の有利区間中にMAPもゾーンも変動している。
なお、これらパターン1〜パターン3の制御は、通常区間中処理(図280)において説明したS543、S544の処理を行うタイミングに応じて実現することができる。例えば、S543、S544の処理を、図280に示すように通常区間から有利区間に移行したタイミングでのみ行うことで、パターン1の制御を実現することができる。また、S543の処理は、通常区間から有利区間に移行したタイミングで行う一方で、S544の処理は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行うことで(例えば、図281のS571の前にS544を行うことで)、パターン2の制御を実現することができる。S543、S544の処理を、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行うことで(例えば、図281のS571の前にS543、S544を行うことで)、パターン3の制御を実現することができる。
[第6実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第6実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[RT状態を用いた疑似的な設定値]
本実施形態のパチスロ機1では、複数のRT状態を有し、これら複数のRT状態を疑似的な設定値として用いる。このRT状態を用いた疑似的な設定値について図286及び図287を参照して説明する。
図286(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「一般(通常有利)」では、RT状態に応じてAT抽籤(疑似ボーナスのストック付与抽籤)を行う。より具体的には、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に移行するとMAPを抽籤し決定する。このMAPには、RT状態の経過ゲーム数に対応付けて、ATに関する特典付与の期待度を定めるゾーンが規定されており、主制御回路91は、MAPを決定するとRT状態の経過ゲーム数から対応するゾーンを特定し決定する。このとき、主制御回路91は、MAPをRT状態に応じて決定するため、ゾーンもRT状態に応じて異なることになり、結果、AT抽籤の抽籤結果がRT状態に応じて異なることになる。
そのため、図286(B)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、全遊技期間に対して占めるAT(疑似ボーナス)の遊技期間の割合がRT状態毎に異なり、また、ATの遊技期間はパチスロ機1のペイアウト率に影響するため、ペイアウト率もRT状態毎に異なることになる。一例として、本実施形態の場合には、全遊技期間に対して占めるATの遊技期間の割合は、RT1状態からRT7状態の中では低い方から順にRT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態、RT5状態、RT6状態、RT7状態となるように設計されているため、ペイアウト率も低い方から順にRT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態、RT5状態、RT6状態、RT7状態となる。
なお、RT状態は、複数の役の中のうち再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類及び当籤確率を変動させるため、メダルの払出に係る「小役」の当籤確率やボーナスの作動に係る「ボーナス役」の当籤確率は変動しない。ここで、本実施形態では、トータルの「リプレイ役」の当籤確率は、複数のRT状態(非RT状態、RT1状態〜RT7状態)において略同一としている。そのため、ATを加味しない場合には、複数のRT状態におけるペイアウト率は、略同一となる。
以上のように、本実施形態のパチスロ機1では、全遊技期間に対して占めるAT(疑似ボーナス)の遊技期間の割合がRT状態毎に異なるため、図286(C)に示すように、複数のRT状態が疑似的な設定値として機能する。このようにRT状態を疑似的な設定値として用いることで、実際の設定値では実現できない段階数の設定値を実現することができ、例えば、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態と、RT1〜RT7状態の8つのRT状態により8段階の疑似的な設定値が可能となる。また、疑似的な設定値であるため、実際の設定値では実現できないペイアウト率も実現することができる。
なお、図249において上述したように、RT1状態〜RT7状態への移行は、非RT状態においてのみ行うことができるため、非RT状態は、疑似的な設定値を設定するためのRT状態として機能する。このとき、RT1状態〜RT7状態への移行は、非フラグ間においてのみ行うことができ、フラグ間においては行うことができないため、遊技者がボーナス役の入賞を避けてフラグ間を維持し続けてしまうと、RT状態も非RT状態のまま維持できてしまう。そこで、非RT状態は、ペイアウト率が100%以下となるように設計することが好ましい。なお、非RT状態のペイアウト率が100%以下であればよく、この方法は任意である。すなわち、非RT状態におけるAT抽籤を不利にすること(言い換えると、非RT状態は、ATに関する特典を付与する確率が低いRT状態)で実現することとしてもよく、また、トータルの「リプレイ役」の当籤確率を下げることで実現することとしてもよい。
また、本実施形態のパチスロ機1では、実際の設定値としては1段階の設定値のみを有する。すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有するものの、複数のRT状態を疑似的な設定値として用いることで、8段階の疑似的な設定値を持つことができる。もちろん、実際の設定値は1段階に限るものではなく、実際の設定値を複数段階有するとともに、それぞれの実際の設定値毎に、複数のRT状態により実現される疑似的な設定値を有することとしてもよい。
また、RT状態を疑似的な設定値として用いる遊技性は、メダルの払出に係る小役の当籤確率を役物(ボーナス状態)の作動の有無に応じてのみ変動し、その他の要因では変動しないパチスロ機に対しても適用可能である。すなわち、規則上パチスロ機では、役物が作動した場合や設定値が変更された場合などの限られた条件でしか、メダルの払出に係る小役の当籤確率を変動させることができない。そのため、小役の当籤確率を役物の作動の有無に応じてのみ変動し、その他の要因では変動しないパチスロ機とは、実際の設定値が1段階のパチスロ機、又は、実際の設定値として複数段階の設定値を有するものの小役の当籤確率には設定差が無いパチスロ機を意味する。このようなパチスロ機においても、RT状態を疑似的な設定値として用いることで、多彩な遊技性を実現することができる。
また、図249において上述したように、このような疑似的な設定値として用いるRT状態(RT1状態〜RT7状態)の継続期間として十分な長さの継続期間を有することで、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。なお、RT状態の継続期間は任意であり、例えば、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数であってもよく、また、1日当たりの平均ゲーム数(例えば、8000回)よりも多い遊技回数であってもよく、また、パチスロ機において内部当籤役として決定される確率が最も低い役の当籤確率の逆数よりも多い遊技回数であってもよい。また、AT一回当たりの平均ゲーム数よりも多い遊技回数であってもよい。また、パチスロ機において頻繁に用いられる2バイトの値で管理される「65535」としてもよい。
また、本実施形態では、AT抽籤に用いるゾーンをRT状態毎に異ならせることでRT状態に応じてAT抽籤を実現可能にしているが、これに限るものではなく、単純にRT状態を参照してAT抽籤を行うこととしてもよい。また、「リプレイ役」の中に、AT抽籤に当籤する確率が低い「通常リプレイ役」とAT抽籤に当籤する確率が高い「チャンスリプレイ役」とを設け、RT状態に応じて「通常リプレイ役」の当籤確率と「チャンスリプレイ役」の当籤確率とを異ならせることとしてもよい。このような場合には、AT抽籤においてはRT状態を参照することはないが、AT抽籤に当籤する確率が高い「チャンスリプレイ」の当籤確率がRT状態に応じて異なる結果、RT状態に応じてAT抽籤を行うことができる。なお、この場合においても、トータルの「リプレイ役」の当籤確率は、複数のRT状態において略同一(又は完全に同一)としてもよい。
また、本実施形態では、ATに関する特典付与の期待度をRT状態毎に異ならせることとしているが、本遊技性は、遊技者に対して特典を付与する場合の特典付与の期待度がRT状態に応じて異なっていればよく、付与する特典はATに関するものに限らない。なお、疑似的な設定値(ペイアウト率)の観点からは、出玉に関する特典であることが好ましいが、出玉以外の特典の付与確率がRT状態毎に異なるものであってもよい。出玉以外の特典としては、例えば、映像に関する特典やキャラクタのカスタマイズに関する特典などであってもよい。
[疑似的な設定値の判別防止制御1]
RT状態を疑似的な設定値として用いる場合、現在のRT状態を遊技者から判別困難に制御することが好ましい。ここで、RT1状態〜RT7状態への移行は、RT移行図柄に応じて行われるため、図286(D)に示すように、非RT状態におけるRT移行図柄を把握することで移行先のRT状態が判別できてしまい、疑似的な設定値も把握されてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態だけでなくRT1状態〜RT7状態においてもRT移行図柄を表示可能に制御する。具体的には、RT移行図柄が表示される役「F_1リプ」〜「役_7リプ」を、非RT状態だけでなくRT1状態〜RT7状態においても内部当籤役として決定する(図252、図259参照)。そして、RT1状態〜RT7状態においては、RT移行図柄が表示されたとしてもRT状態を移行することなく維持する。これにより、RT移行図柄が表示されたとしても対応するRT状態に移行するとは限らず、RT移行図柄から疑似的な設定値(RT状態)を判別することができなくなる。
なお、RT1状態〜RT7状態の全てにおいて、RT移行図柄を表示可能にする必要はなく、RT1状態〜RT7状態の一部においてRT移行図柄を表示可能であればよい。また、RT移行図柄の全てがRT1状態〜RT7状態のうちの一のRT状態において表示可能である必要はない。すなわち、非RT状態において表示される複数のRT移行図柄の全てが、他のRT状態において表示可能であればよく、全てのRT移行図柄を一つのRT状態において表示可能である必要はない。
[疑似的な設定値の変更とその制限]
続いて、図287(E)を参照して、疑似的な設定値の変更とその制限について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態が疑似的な設定値を設定するためのRT状態として機能するが、パチスロ機の規則上、ボーナス役を持ち越しているフラグ間では、RT移行図柄が表示されたことを条件にRT状態を移行することができない。すなわち、同図に示すように、主制御回路91は、非RT状態かつ非フラグ間においては、RT移行図柄が表示されたことを条件にRT状態を移行することができるが、非RT状態であってもフラグ間においては、RT移行図柄が表示されたとしてもRT状態を移行することができずに、非RT状態のままRT状態を維持する。
ここで、本実施形態のパチスロ機1におけるRT移行図柄を契機とするRT状態の移行について考える。本実施形態では、基本的にはBBフラグ間を維持したままRT1状態〜RT7状態が行われるが、同図(1)に示す期間であるRT1状態(RT2状態〜RT7状態も同様)は、RT移行図柄を条件にRT状態を移行しないため、(1)の期間は、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができない。
その後、単位遊技が繰り返され、RT1状態の遊技回数が6000回に達すると、主制御回路91は、RT状態をRT1状態から非RT状態に移行する。非RT状態に移行したもののBBフラグ間であるため、同図(2)に示す期間であるBBフラグ間の非RT状態では、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができない。
その後、BBに入賞すると、遊技状態がBBフラグ間から1種BBに移行するが、本実施形態では、1種BB中もRT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行わないため、同図(3)に示す期間である1種BB中の非RT状態では、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができない。
その後、BBが終了すると、遊技状態が1種BBから非フラグ間に移行する。この非フラグ間の非RT状態は、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行が可能であるため、同図(4)に示す期間では、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができる。
このように本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態であっても、BBフラグ間中はRT移行図柄を契機としてRT状態を移行することができず、非フラグ間中に限り、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行することができる。ここで、BBフラグ間から非フラグ間への移行は、1種BBを経由するため、RT状態の移行(疑似的な設定値の変更)には、BBに応じた図柄の組合せの表示が、必ず、必要となる。そのため、BBに応じた図柄の組合せが表示された後のRT移行図柄を確認することで、移行先のRT状態が判別できてしまい、疑似的な設定値が把握されてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に説明する疑似的な設定値の判別防止制御2を実行する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、同図(4)に示す期間において非RT状態からRT1状態〜RT7状態への移行を可能にしているが、同図(3)に示す期間である1種BB中の非RT状態についても、RT移行図柄を契機として非RT状態からRT1状態〜RT7状態に移行することとしてもよい。ただし、継続期間がゲーム数により管理されるRT1状態〜RT7状態中はRT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行わないため、1種BB中のRT1状態〜RT7状態においては、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行しない。このような場合においても、以下に説明する疑似的な設定値の判別防止制御2を同様に適用することができる。
[疑似的な設定値の判別防止制御2]
図287(F)を参照して、疑似的な設定値の判別防止制御2について説明する。初めに、疑似的な設定値を変更する場合、フラグ間のRT1状態〜RT7状態においてRT状態毎に規定されたゲーム数が経過すると、フラグ間の非RT状態に移行する。このフラグ間の非RT状態において、「BBを狙え」などといった演出を行いBBの入賞を促すことで、フラグ間が解除されて1種BBに移行する。その後、1種BBが終了すると、非フラグ間の非RT状態に移行し、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行が可能になり、疑似的な設定値を設定することができる。
ここで、1種BBへの移行を、フラグ間の非RT状態に限定してしまうと、上述したように、BBに応じた図柄の組合せが表示された後のRT移行図柄を確認することで、疑似的な設定値が把握されてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、1種BBへの移行を、フラグ間のRT1状態〜RT7状態においても可能にしている。フラグ間のRT1状態〜RT7状態から1種BBに移行した場合には、1種BB中もその後の非フラグ間中もRT状態がRT1状態〜RT7状態であるため、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行することがない。これにより、BBに応じた図柄の組合せが表示された後であっても、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行可能な状態(非RT状態)と、移行不可能な状態(RT1状態〜RT7状態)とが混在することになるため、BBに応じた図柄の組合せが表示された後のRT移行図柄を確認したとしても、当該RT移行図柄に応じたRT状態に移行しているとは限らなくなり、疑似的な設定値(RT状態)を判別することができなくなる。
具体的には、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において特化抽籤を行い、この特化抽籤に当籤した場合に、BBの入賞を促しフラグ間を解除する。図270において上述したように、この特化抽籤はRT状態を参照して行われ、非RT状態である場合にはRT1状態〜RT7状態である場合よりも高い確率で当籤し易いため、RT1状態〜RT7状態から非RT状態に移行した後は、疑似的な設定値が可能になり易い。一方で、同図に示すように、RT1状態〜RT7状態においても特化抽籤に当籤するため、疑似的な設定値(RT状態)を判別困難にすることができる。
このように本実施形態のパチスロ機1では、疑似的な設定値(RT状態)を判別困難に制御することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、パチスロ機1では、現在のRT状態(疑似的な設定値)を遊技者に対して報知することとしてもよく、また、現在のRT状態を遊技者に対して一切報知しないこととしてもよい。なお、現在のRT状態を報知するとは、特定のRT状態であることを確定的に報知することに加え、特定のRT状態であることを示唆する報知も含む。ここで、確定的に報知するとは、特定のRT状態と1対1で対応する報知態様により報知を行うことであり、また、示唆する報知とは、特定のRT状態とそれ以外のRT状態との双方において共通する報知態様により報知を行うこと(この場合において、当該報知態様による報知が行われる確率がRT状態毎に異なることが好ましい)である。また、特定のRT状態とは、1つのRT状態であることに限らず、複数のRT状態であってもよい。一例として、出玉率が最も高いRT7状態であることを報知することとしてもよく、また、出玉率が相対的に高いRT5状態〜RT7状態であることを報知することとしてもよい。
また、現在のRT状態の報知は、一部のRT状態についてのみ行うこととしてもよく、また、全てのRT状態について行うこととしてもよい。一例として、出玉率が最も高いRT7状態に滞在している場合にのみRT状態の報知が行われ、他のRT状態に滞在している場合にはRT状態の報知が行われないこととしてもよい。また、現在のRT状態の報知は、特定の条件を満たした場合に限り行うこととしてもよい。特定の条件は任意であり、例えば、疑似ボーナスの終了時、所定回数連荘した疑似ボーナスの終了時、有利区間の終了時、有利区間のリミッタ到達時などであってもよい。また、現在のRT状態の報知は、所定の制御手段(主制御回路91又は(及び)副制御回路101)が所定の演出実行手段(ランプ、スピーカー、表示ユニットなど)を用いて行うことができる。
また、現在のRT状態ではなく、過去に滞在していたRT状態を遊技者に対して報知可能にしてもよい。一例として、パチスロ機では、パチスロ機における所定のメニュー画面又はパチスロ機と連動する遊技者の携帯端末から過去の遊技履歴を確認することができる。この過去の遊技履歴において、過去に滞在していたRT状態を表示することで、過去に滞在していたRT状態を遊技者に対して報せることとしてもよい。なお、このような制御は、例えば、主制御回路91や副制御回路101において、直近のRT状態を所定数記憶しておき、記憶している所定数のRT状態を所定のメニュー画面(表示ユニットなど)に表示することで実現することができる。なお、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態を移行する場合には必ず非RT状態を経由するため、過去に滞在していたRT状態を報知する場合には、非RT状態は除いて報知することとしてもよく、また、非RT状態も報知することとしてもよい。すなわち、過去に滞在していたRT状態として非RT状態も報知する場合、1つ前(直前)のRTがRT1状態〜RT7状態であると、現在のRT状態が非RT状態であることを把握できてしまうため、非RT状態は除いて報知することで現在のRT状態及び将来のRT状態を把握され難くすることができる。
(疑似的な設定値のまとめ)
以上のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態に応じて特典(特にATに関する特典)の付与確率が異なるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができ、結果、実際の設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、複数のRT状態において「リプレイ役」の当籤確率が略同一となっている。ここで、複数のRT状態において「リプレイ役」の当籤確率に大きな差が設けられる場合、再遊技が作動する頻度も大きく変わるため、再遊技の作動という観点から出玉の波が異なることになる。このような場合には、遊技者は、再遊技が作動する頻度から有利度合いを推測できてしまい、有利不利が簡単に分かってしまう結果、稼働の偏りが顕著になってしまい好ましくない。これに対して、「リプレイ役」の当籤確率を略同一とすることで、再遊技が作動する頻度からは有利度合いを推測することが困難になる。その結果、RT状態に応じて定まる疑似的な設定値を、従来の遊技機における設定値のように見た目(再遊技の作動)から分かり難くすることができ、従来の複数段階の設定値を有する遊技機と同様の遊技性を遊技者に対して感じさせることができる。
また、パチスロ機1では、疑似的な設定値として機能するRT1状態〜RT7状態の継続期間を、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数に設定する。これによりRT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。また、RT1状態〜RT7状態の継続期間は、RT状態毎に異ならせることで、疑似的な設定値が維持される期間を、疑似的な設定値に応じて異ならせることができる。例えば、遊技者にとって有利な疑似的な設定値は、短くなるように設定することで、遊技者に与える利益が過大にならないように制御することができる。
なお、本実施形態では、ATに関する特典の付与は、ゾーンに応じて行われ、このゾーンは、現在のRT状態に応じて決定されるMAP及びRT状態の経過ゲーム数に基づいて決定される。そのため、特典の付与確率は、(ゾーンを決定するMAPを決定するための)RT状態に応じて異なることになるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本実施形態では、通常区間から有利区間へは約1/100程度の確率で移行させることとしているが、MAPに対してゾーンは400ゲーム毎に規定されているため、通常区間に滞在している場合であっても、ゾーンが切り替わるまでの間に一度は有利区間に移行することが期待できる。
なお、パチスロ機1では、制御手段(主制御回路91又は副制御回路101)は、報知状態に移行することなく、非報知状態のまま実行された遊技回数を計数することとしてもよい。そして、制御手段(主制御回路91又は副制御回路101)は、計数したこの遊技回数を遊技者に対して報知することとしてもよい。これにより、前回の報知状態が終了してから経過した遊技回数(ハマりゲーム数)を遊技者に対して報知することができる。また、制御手段(主制御回路91又は副制御回路101)は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数も計数しているが、この遊技回数については、ゾーンの特定に直接的に用いられてしまうため、遊技者に対して報知しないことが好ましい。
また、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態からRT1状態〜RT7状態への移行は、RT移行図柄に応じて行うが、この移行は、非フラグ間においてのみ可能であり、フラグ間においては行うことができない。そのため、疑似的な設定値として用いるRT状態の移行のためには、BBを入賞させてフラグ間を解除する必要があるが、特化抽籤に当籤していな場合には、BBの入賞は遊技者にとって不利に制御される。その結果、基本的にはフラグ間が維持され、RT状態の移行も制限されるが、特化抽籤に当籤した場合には、BBの入賞が遊技者にとって不利にはならないように制御されるため、フラグ間の解除が可能になり、RT状態の移行も可能になる。
ここで、フラグ間の解除を非RT状態においてのみ行うこととすると、フラグ間を解除した後のRT移行図柄を把握することで疑似的な設定値(移行先のRT状態)も把握できてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態だけでなく、RT1状態〜RT7状態においても特化抽籤を行う。これにより、フラグ間を解除した後のRT移行図柄を把握できたとしても、当該RT移行図柄に応じたRT状態に移行しているとは限らなくなり、疑似的な設定値(RT状態)を判別することができなくなる。
なお、特化抽籤に当籤した場合には、フラグ間において持ち越しているBBの入賞を促す演出が実行されるため、遊技者は、実行された演出に従うことでフラグ間を解除することができ、結果、その後のRT状態の移行が可能になる。
また、本実施形態では、RT状態を疑似的な設定値として用いつつ、RT移行図柄を契機にRT状態を移行可能な非RT状態を、遊技者にとって不利な疑似設定値としている。具体的には、非RT状態を、ATに関する特典を付与する確率が低いRT状態として設定する。より具体的には、非RT状態である場合には、MAP抽籤において遊技者にとって不利な(ATに関する特典を付与する確率が低い)MAPが決定され易い。このようにすることで、フラグ間を解除すべきであるにも関わらず解除しないまま遊技を行った場合に、遊技者に対して不要な利益を付与してしまうことがなく、RT状態を用いた疑似的な設定値という遊技性を適切に用いることができる。
また、本実施形態では、非ATである出玉状態「一般(通常有利)」とATである出玉状態「疑似ボーナス」との双方を、BBフラグ間において実行可能であるため、専らBBフラグ間において遊技が行われる。そして、BBフラグ間において特化抽籤に当籤した場合には、BBの入賞を促すとともに、1種BBが開始してからBBが内部当籤役として再び決定されるまでの期間をATに関する特典付与の期待度が高い「特化」とすることができる。これにより、基本的な遊技期間であるBBフラグ間において持ち越しているBBを有意義に利用することができる。
このように「特化」は、BBフラグ間を解除した非フラグ間においてBBが再び内部当籤役として決定されると終了するが、非フラグ間ではBBよりも前にRBが内部当籤役として決定されることがある。このような場合には、パチスロ機1では、RBが入賞して開始する1種RB中も「特化」が継続する。これにより、基本的な遊技期間であるBBフラグ間の契機となるBBだけでなく、RBについても有意義に利用することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、RT状態を疑似的な設定値として用いつつ、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値としては、1段階の設定値のみを有することとしてもよく、また、複数段階の設定値を有することとしてもよい。
また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率や内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能なRT状態として複数のRT状態を有する。なお、これら複数のRT状態では、トータルの「リプレイ役」の当籤確率は略同一となっている。そして、主制御基板71は、移行条件を満たした場合に現在のRT状態を他のRT状態に移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。
なお、主制御基板71は、非RT状態において、RT移行図柄が表示されると、表示されたRT移行図柄に応じた種別のRT状態にRT状態を移行するとともに、RT1状態〜RT7状態において実行された遊技回数が、RT状態毎に設けられた終了閾値に達するとRT1状態〜RT7状態から非RT状態にRT状態を移行する。このとき、RT状態毎に設けられた終了閾値は、有利区間のゲーム数リミッタに応じた回数よりも多い。また、RT移行図柄は、非RT状態だけでなくRT1状態〜RT7状態のうちの少なくとも一部において表示可能な図柄の組合せであり、主制御基板71は、RT1状態〜RT7状態においてRT移行図柄が表示されたとしても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持する。
また、主制御基板71は、遊技者に対して特典(より具体的には、AT(報知状態)に関する特典)を付与可能であり、特に本実施形態の場合には、現在のRT状態に応じた確率で特典(ATに関する特典)を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。また、パチスロ機1では、主制御基板71は、複数の役のうちのメダルの払出に係る小役が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能であるが、主制御基板71は、役物(ボーナス状態)が作動した場合に限り、小役が内部当籤役として決定される当籤確率を変動し、その他の要因では、小役が内部当籤役として決定される当籤確率を変動しないこととしてもよい。そのため、主制御基板71は、小役確率変動手段として機能する。
また、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能なAT(疑似ボーナス)を実行可能な有利区間を有する。そして、主制御基板71は、有利区間において実行された遊技回数がゲーム数リミッタに応じた回数(1500回)に達すると、ATを実行可能な残り期間に関わらず有利区間を終了することで、ATを終了するため、主制御基板71は、リミット制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報(例えば、経過ゲーム数や残りゲーム数)を計数可能であるため、主制御基板71は、計数手段として機能する。また、パチスロ機1では、ATに関する特典付与の期待度を定めるゾーンを複数有するとともに、RT状態の経過ゲーム数に対応付けてゾーンを規定するMAPを複数有する。そして、主制御基板71は、通常区間から有利区間に移行すると、現在のRT状態に応じて複数のMAPの中から一のMAPを抽籤し決定するとともに、決定した一のMAPにおいてRT状態の経過ゲーム数に対応付けられたゾーンを特定し決定する。そして、主制御基板71は、決定したゾーンを用いてATに関する特典を付与するか否かを決定するとともに、付与すると決定した場合にATに関する特典を付与可能であるため、主制御基板71は、第1決定手段、特典付与手段、第2決定手段として機能する。
また、パチスロ機1では、滞在している場合に特典付与の期待度を変動不可能な通常区間と、滞在している場合に特典付与の期待度を変動可能な有利区間とを有し、主制御基板71は、通常区間から所定の確率で有利区間に移行可能であるとともに、有利区間において終了条件を満たすと通常区間に移行可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。なお、ゾーンやMAPは、通常区間においては決定されず、有利区間においてのみ決定される。そして、通常区間から有利区間への移行は、約1/100の確率で移行することができる一方で、MAPに対してゾーンは、400ゲーム毎に規定されている。
また、主制御基板71は、ボーナス役(「F_BB」又は「F_RB」)が内部当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、ボーナス役を内部当籤役として持ち越し可能であるため、主制御基板71は、持越手段として機能する。ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、遊技者にとって不利な状態となる非許可状態と、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、不利な状態とはならない許可状態とを制御可能であるため、主制御基板71は、許可状態制御手段として機能する。具体的には、主制御基板71は、特化抽籤の結果に応じて許可状態と非許可状態とを制御する。このとき、主制御基板71は、非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると非許可状態をセットし、フラグ間の非RT状態において所定の確率で当籤する特化抽籤に当籤すると、非許可状態を許可状態に更新し、フラグ間のRT1状態〜RT7状態において所定の確率とは異なる特定の確率で当籤する特化抽籤に当籤すると、非許可状態を許可状態に更新する。なお、パチスロ機1の任意の制御手段は、特化抽籤に当籤し、非許可状態から許可状態に更新された場合には、BBに応じた図柄の組合せの表示を促す演出を実行可能であるため、主制御基板71や副制御基板72と、当該制御手段により制御されるランプ、スピーカー、表示ユニットなどは、演出実行手段として機能する。
また、パチスロ機1は、報知に関する状態として、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(疑似ボーナス)と、報知状態に比べて報知の頻度が低い通常状態(一般や引き戻し)とを有し、ATに関する特典の有無に応じて、報知状態と通常状態とを制御する。具体的には、ATに関する特典が付与されている場合に滞在可能な状態として報知状態を有し、ATに関する特典が付与されていない場合に滞在する状態として通常状態を有する。そして、主制御基板71は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、1種BBや1種RBといったボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能であるため、主制御基板71は、ボーナス制御手段として機能する。また、主制御基板71は、ATに関する特典(疑似ボーナスのストック)が付与されているフラグ間において報知状態(疑似ボーナス)を実行可能であり、ATに関する特典が付与されていないフラグ間において通常状態(一般や引き戻し)を実行可能であるため、主制御基板71は、報知状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、BBを持ち越しているBBフラグ間において特化抽籤に当籤すると、持ち越しているBBの入賞を促すとともに、BBに応じた図柄の組合せの表示に伴い開始する1種BBの開始から、BBが再び内部当籤役として決定されるまでの期間を「特化」として制御可能であるため、主制御基板71は、特別状態制御手段として機能する。そして、主制御基板71は、「特化」中は、「一般」や「疑似ボーナス」中よりも遊技者にとって有利になるようにATに関する特典の付与を制御する。また、主制御基板71は、「特化」中にBBよりも前にRBが内部当籤役として決定された場合、RBに対応する図柄の組合せの表示に伴い開始する1種RB中も「特化」として制御する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、1種BBの開始から、BBが再び内部当籤役として決定されるまでの期間を「特化」として制御することとしているが、「特化」の期間はこれに限られるものではない。具体的には、「特化」の開始タイミングは1種BBの開始時に限られるものではなく、例えば、特化抽籤に当籤し持ち越しているBBの入賞を促す状態になった場合に「特化」を開始することとしてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した場合に「特化」を開始することとしてもよい。また、「特化」の終了タイミングはBBが再び内部当籤役として決定されるまでに限られるものではなく、入賞を促された1種BBが終了した場合に「特化」を終了することとしてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した後に所定回数の遊技が行われた場合に「特化」を終了することとしてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した後に所定回数の遊技が行われるまで又は入賞を促された1種BBが終了した後にBBが再び内部当籤役として決定されるまでの何れか早い方までの期間を「特化」としてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した後にBBが再び内部当籤役として決定されてから所定回数の遊技が行われるまでの期間を「特化」としてもよい。
[1段階設定における設定変更操作]
また、本実施形態のパチスロ機1では、実際の設定値を1段階にしているが設定値を1段階にした場合、設定値を変更する処理が不要になる。パチスロ機では、設定値を変更するための操作部として、設定用鍵型スイッチや設定ボタンが設けられているが、設定値の変更が不要な遊技機においては、この設定用鍵型スイッチや設定ボタンも不要になる。しかしながら、パチスロ機において、この設定用鍵型スイッチや設定ボタンを取り外してしまうことは、製造ラインも変更しなければならず、かえって負担増加に繋がってしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、設定用鍵型スイッチ430や不図示の設定ボタンを維持しつつ、不要となった設定変更操作に対して新たな処理を対応付けることで、1段階の設定値しか有さないパチスロ機1においても設定用鍵型スイッチ430や設定ボタンを有効的に活用する。
初めに、設定用鍵型スイッチ430は、遊技者にとっての有利度合いを規定する設定値に関する操作を受け付け可能な操作部であり、設定キーを用いてスイッチが操作される操作部である。また、設定ボタンは、設定用鍵型スイッチ430がONになった場合に操作を受け付け可能な操作部である。
主制御回路91は、設定用鍵型スイッチ430を介して設定値に関する所定の操作を受け付けると、図288に示すパターンの処理を実行する。なお、所定の操作は任意であり、例えば、従来のパチスロ機における設定変更操作であってもよく、また、現在の設定値の確認操作であってもよい。上述したように設定変更操作は、まず(1)電源をOFFに更新し、電源がOFFになった後に、(2)設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430をONにセットする。その後、(3)電源をONに戻し、(4)設定変更ボタンを操作して所望の設定値を指定した後にスタートレバー6を操作し、最後に(5)設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430をOFFに戻す操作である。また、現在の設定値の確認操作は、電源がONのまま、設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430を操作することである。
図288に示すように、パターン1では、主制御回路91は、RT状態及びボーナスフラグは維持したまま、実ボーナス中であること及びAT中であることをクリアする。このパターン1の処理では、ボーナスフラグが維持されるため、RT状態とフラグ間とが維持されたままとなる。RT状態は疑似的な設定値として用いられるとともに、フラグ間中は、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行ができないため、このようなパターン1の処理は、疑似的な設定値の維持操作となる。
続いて、パターン2では、主制御回路91は、RT状態、ボーナスフラグ、実ボーナス中であること及びAT中であることの全てをクリアする。このパターン2の処理では、ボーナスフラグがクリアされるため、RT状態とフラグ間とがクリアされ、非フラグ間の非RT状態となる。この非フラグ間の非RT状態は、疑似的な設定値を設定可能な状態であるため、このようなパターン2の処理は、疑似的な設定値のリセット操作となる。
なお、パターン1及びパターン2の何れにおいても、実際の設定値は1段階しかないため、主制御回路91は、実際の設定値を変更することなく、パターン1又はパターン2の処理(すなわち、遊技に関する遊技情報に対する所定の初期化処理)を実行する。
また、主制御回路91は、例えば、電源がOFFの状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430がONになり、その後、設定用鍵型スイッチ430がONの状態で電源がONになると、パターン1(又はパターン2)の処理を実行し、電源がONのまま設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430がONになると、パターン2(又はパターン1)の処理を実行することとしてもよい。また、主制御回路91は、従来の設定変更操作において、設定ボタンが操作された回数に応じてパターン1とパターン2との処理を切り替えることとしてもよい。一例として、電源がOFFの状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430がONになり、その後、電源がONになった後に、設定変更ボタンが1回(奇数回数)操作されてスタートレバー6が操作されると、パターン1(又はパターン2)の処理を実行し、設定変更ボタンが2回(偶数回数)操作されてスタートレバー6が操作されると、パターン2(又はパターン1)の処理を実行することとしてもよい。
このようにすることで、従来のパチスロ機において備えている設定用鍵型スイッチ430や設定ボタンを取り外す必要がなく、また、実際の設定値に関する処理の代わりに所定の初期化処理を実行するため、不要となった処理を有効に活用することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1の設定用鍵型スイッチ430(及び設定ボタン)は、遊技者にとっての有利度合いを規定する設定値に関する操作を受け付け可能であるため、設定用鍵型スイッチ430(及び設定ボタン)は、設定操作受付手段として機能する。
また、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430や設定ボタンを介して所定の操作を受け付けた場合に、設定値を変更することなく、パターン1やパターン2といった遊技に関する遊技情報に対して所定の初期化処理を実行可能であるため、主制御基板71は、処理制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、複数のRT状態を有し、主制御基板71は、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。また、パチスロ機1では、現在のRT状態に応じた確率で遊技者に対して特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[RBフラグ間を用いた遊技性]
続いて、図289を参照して、RBフラグ間を用いた遊技性について説明する。なお、本実施形態では、「リプレイ役」「小役」「ボーナス役」の引込優先順位を、「リプレイ役」が最も高く、「小役」が次に高く、「ボーナス役」が最も低くなるように設定することとしてよい。
図260及び図261において上述したように、非フラグ間及びBBフラグ間とRBフラグ間とを比較すると、RBフラグ間では、役「F_B択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」が押し順役ではなく押し順不問役となるため、RBフラグ間は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べて高ベースの遊技期間となる。
また、図254において上述したように、名称「BB」の図柄の組合せは、第1リール3−1において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/4の割合で停止表示することができ、約1/4の割合で取りこぼしが発生する。また、名称「RB」の図柄の組合せは、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/64の割合で停止表示することができ、約63/64の割合で取りこぼしが発生する。
そして、1種BBは、トータルにおいても差枚数がマイナスとなる可能性が高い状態であり、1種RBは、トータルにおいても差枚数が若干のプラス(現状維持)となる可能性が高い状態である。
そのため、図289(A)に示すように、無作為(ランダム)な停止操作を行った場合、非フラグ間においてRBが内部当籤役として決定されると、当該遊技において名称「RB」の図柄の組合せが表示される割合は、約1/64と非常に低く、約63/64の割合でRBフラグ間に移行する。そして、このRBフラグ間中は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べて高ベースの遊技期間であるため、メダルの減少を抑えつつ遊技を行うことができる。
また、名称「RB」の図柄の組合せが表示可能なRBフラグ間でも、当該図柄の組合せが表示される割合は、約1/64と非常に低いため、多くの場合(約63/64の割合)においてRBフラグ間が維持される。
一方で、非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると、当該遊技において名称「BB」の図柄の組合せが表示される割合は、約1/4と低く、約3/4の割合でBBフラグ間に移行する。このBBフラグ間中は、低ベースの遊技期間であるため、メダルが減少し易いものの、名称「BB」の図柄の組合せが表示される割合は、約1/4であるため、BBフラグ間では比較的早期に名称「BB」の図柄の組合せが表示されることが期待できる。
続いて、図289(B)は、無作為(ランダム)な停止操作を行った場合と、BBフラグ間を維持するように停止操作を行った場合との単位遊技当たりのメダルの収支の期待値について説明する。同図に示すように、無作為に停止操作を行うと、非フラグ間、BBフラグ間、RBフラグ間、1種BB及び1種RBといった各種の遊技状態に移行する。そのため、遊技全体で見ると、低ベースの期間と高ベースの期間とが混在する。特に、無作為な停止操作では、RBフラグ間が長期にわたり継続しやすいため、高ベースの期間も比較的多くなり易い。
これに対して、本実施形態のパチスロ機1のようにBBフラグ間を維持するように停止操作を行った場合、基本的にはBBフラグ間が維持され続けるため、低ベースの期間が長期にわたり継続する。
そのため、無作為に停止操作を行った場合と、BBフラグ間を維持するように停止操作を行った場合とでは、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が異なり、前者の方が期待値が高くなる。このように、本実施形態のパチスロ機1のようにBBフラグ間を維持する遊技性とした場合には、無作為に停止操作を行った場合よりも低ベースになるため、その分の出玉をAT抽籤に振り分けることができる。
なお、このような高ベースのフラグ間を有するボーナス役と、低ベースのフラグ間を有するボーナス役とを設けた場合には、以下のような遊技性も期待できることになる。所謂Aタイプのようなボーナス役の入賞を前提とする遊技性のパチスロ機では、目押しが苦手な初心者は、ボーナス役をなかなか揃えることができないため、熟練者と初心者とでは、技量の差によって出玉に大きな影響が出てしまう。
この点、上述のように、RBフラグ間をBBフラグ間及び非フラグ間に比べて、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を高くすることで、RBに対応する図柄の組合せを揃えることができない場合であっても、遊技者が受ける損失を軽減することができ、停止操作の技量の低い遊技者が著しく不利になってしまうことを防止することができる。
パチスロ機では、ボーナスの入賞を促す演出を実行することがあるが、RBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出と、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出とを個別に実行すると、遊技者によっては(特に熟練者であるほど)高ベースであるRBフラグ間が終了してしまうRBに応じた図柄の組合せの表示は避けて、低ベースであるBBに応じた図柄の組合せの表示のみを行うように停止操作を行うおそれがある。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、RBに対応する図柄の組合せを表示可能な遊技と、BBに対応する図柄の組合せを表示可能な遊技との双方において、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出を実行することとしてもよい。
ここで、BBに対応する図柄の組合せとRBに対応する図柄の組合せとを比較すると、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄は「青BAR」であり、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄の一部と共通する。また、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4の図柄は「紫色」であり、第4リール3−4において、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄「青BAR」に隣接して配置される。そのため、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出として、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4において図柄「青BAR」を狙って停止操作を行うことを促す演出を行うことで、BBに対応する図柄の組合せもRBに対応する図柄の組合せも同時に狙わせることができる。
RBフラグ間を高ベースとしBBフラグ間を低ベースとした場合、熟練者は、RBフラグ間は維持したいものの、BBフラグ間は早期に解除することを望む。このような場合に、RBフラグ間及びBBフラグ間の双方において、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出を実行すると、BBに対応する図柄の組合せを狙うことでBB又はRBに対応する図柄の組合せが表示されてしまう。そのため、低ベースのBBフラグ間のみを早期に解除し、高ベースのRBフラグ間は維持し続けるといった停止操作を行うことができず、遊技者の技量によって利益に過大な差が出てしまうことを防止することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能である。また、主制御基板71は、ボーナス役が内部当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示されない場合に、当該図柄組合せが停止表示されるまで、ボーナス役を内部当籤役として持ち越し可能である。そのため、主制御基板71は、ボーナス制御手段及び持越手段として機能する。
なお、パチスロ機1では、ボーナス役として、BB(「F_BB」)とRB(「F_RB」)とを有し、BBが持ち越されているBBフラグ間と、RBが持ち越されているRBフラグ間とでは、RBフラグ間の方が単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が高い。また、パチスロ機1では、BBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合にBBに対応する図柄の組合せが停止表示される割合は、約1/4であり、RBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合にRBに対応する図柄の組合せが停止表示される割合は、約1/64である。
そして、パチスロ機1では、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄と、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄とでは、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3においては共通し、第4リール3−4においては隣接して配置される。なお、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄は、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4において図柄「青BAR」であってもよい。すなわち、BBに対応する図柄の組合せは「青BAR−青BAR−青BAR−青BAR」であってもよい。また、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4における図柄である図柄「紫色」と、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4における図柄である図柄「青BAR」とは、図柄「青BAR」を狙って停止操作を行ったときに図柄「紫色」も合わせて狙うことができる関係であればよく、必ずしも隣接しているものに限らない。例えば、第4リール3−4における互いの図柄の配置間隔が最大滑り駒数以内の間隔であってもよい。
また、パチスロ機1では、BBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技又はRBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技において、BBに対応する図柄の組合せを停止表示させることを促す演出を実行する。この場合において演出を実行する演出実行手段は任意であり、また、演出を制御する制御手段も任意である。そのため、例えば、主制御基板71や副制御基板72と、当該制御手段により制御されるランプ、スピーカー、表示ユニットなどは、演出実行手段として機能する。
[RTゲーム数を用いた疑似RB抽籤]
主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たすと、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照して、疑似RBのストック付与抽籤を行う。なお、所定の演算は、RT状態の経過ゲーム数ではなく、RT状態の残りゲーム数に対して行うこととしてもよい。これにより、疑似RBのストック付与に関して一定の法則性を持たせることができる。具体的には、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数を除算した余りを用いて疑似RBのストック付与抽籤を行うが、このように所定の演算として除算を用いることで、除数に応じた遊技回数毎に疑似RBのストックが付与され易い状態を設けることができ、高確率状態のような状態を設けることができる。
また、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たさない限り疑似RBのストックが付与されないため、確率分母の小さい(例えば、1/256)抽籤であっても、実質的な付与確率を小さくすることができる。ここで、確率分母が小さければ、抽籤に用いる乱数値を格納する領域や、抽籤係数を格納する領域が小さくて済むため、データ容量を抑えることができる。そのため、データ容量を抑えつつも多様な遊技性を実現することができる。
なお、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行う疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、疑似RBのストック抽籤期間であっても、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照した疑似RBのストック付与抽籤を行わないこととしてもよい。このようにすることで、毎遊技行われる抽籤において疑似ボーナスのストックが付与された場合には、それ以上のストックは付与しないため、遊技者に対して与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の内容や、所定の演算の結果が満たす所定条件を、現在のRT状態毎に異ならせることとしてもよい。このようにすることで、疑似RBのストック抽籤期間となる法則性をRT状態毎に異ならせることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態を有し、主制御基板71は、同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報(RT状態の経過ゲーム数や残りゲーム数)を計数可能であるため、主制御基板71は、計数手段として機能する。
また、主制御基板71は、RT状態の経過ゲーム数や残りゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たした場合に、疑似RBのストック付与抽籤を行い、所定の確率で疑似RBのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、第1特典付与手段として機能する。また、主制御基板71は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技、疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い、当籤した場合に疑似ボーナスのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、第2特典付与手段として機能する。
なお、主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤などのATに関する特典の付与抽籤を行うが、ペイアウト率(=OUT枚数/IN枚数×100)を監視して、ATに関する抽籤を制御することとしてもよい。例えば、ペイアウト率≧150%になった場合には、ATに関する抽籤を遊技者にとって不利になるように制御してもよい。なお、ペイアウト率≧150%を満たす期間は任意であり、例えば、電源がONになってから現在までの期間であってもよく、また、直近の数時間であってもよい。
また、遊技に関する各種の遊技情報をクリアするための、RAMクリアボタンを設けて、当該RAMクリアボタンが操作された場合に、主制御回路91は、図288に示すパターンの初期化処理を行うこととしてもよい。また、主制御回路91は、RT状態に応じた外端信号を、データ表示器やホールコンピューターなどに対して送信することとしてもよい。RT状態を疑似的な設定値として用いる場合、このようにRT状態をホールコンピューターなどに送信することで、遊技店のみが疑似的な設定値を把握することができる。また、主制御回路91は、RT状態を疑似的な設定値に応じて高設定/低設定などのように分類し、高設定に応じたRT状態であるか、低設定に応じたRT状態であるかをホールコンピューターなどに送信することとしてもよい。このようにすることで、外端信号としては、2種類の信号のみで足りるため、個別のRT状態を送信する場合に比べて制御が容易になる。
[別制御例]
続いて、図290〜図302を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ機1に特有な別制御例について説明する。
[RT状態を用いた疑似的な設定値(その2)]
初めに、図290及び図291を参照して、RT状態を用いた疑似的な設定値の別例について説明する。なお、本制御においては、リールやストップボタンの数は任意である。以下においては、リールやストップボタンが3つであるものとして説明する。
(ボーナス及びRT状態の遷移フロー)
図290(A)は、別例におけるボーナス及びRT状態の遷移フローである。図290(A)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの作動の有無に応じて、非ボーナス状態とボーナス状態とを有する。非ボーナス状態は、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。主制御回路91は、非ボーナス状態において「ボーナス役」に応じた図柄の組合せが表示されて、ボーナスが開始されると、遊技状態を非ボーナス状態からボーナス状態に移行する。また、ボーナス状態では、主制御回路91は、規定枚数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態から非ボーナス状態に遊技状態を移行する。
また、パチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、非RT状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とRT4状態とRT5状態とRT6状態とRT7状態とを有する。
主制御回路91は、RT状態の移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行する。なお、本制御例においても、主制御回路91は、「ボーナス役」が内部当籤役として決定されたこと、ボーナスが作動したこと、ボーナスが終了したことを条件には、RT状態を移行しない。すなわち、本実施形態では、ボーナス作動の前後においてRT状態は同一のまま維持される。
RT状態の移行条件は、RT状態毎に異なり、非RT状態及びRT7状態においては、主制御回路91は、有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じてRT状態を移行させる。具体的には、非RT状態において主制御回路91は、ベルこぼし目(RT7移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT7状態にRT状態を移行する。また、RT7状態において主制御回路91は、RT1移行リプ(RT1移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT1状態にRT状態を移行し、RT2移行リプ(RT2移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT2状態にRT状態を移行し、RT3移行リプ(RT3移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT3状態にRT状態を移行し、RT4移行リプ(RT4移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT4状態にRT状態を移行し、RT5移行リプ(RT5移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT5状態にRT状態を移行し、RT6移行リプ(RT6移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT6状態にRT状態を移行する。
なお、このような表示された図柄の組合せに応じたRT状態の移行は、ボーナス役を内部当籤役として持ち越しているフラグ間において行うことができない点は、上述した通りである。
ここで、パチスロ機1では、押し順役として役「F_6択リプレイ」を有し、この役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定された場合、押し順に応じてRT1移行リプ〜RT7移行リプの何れかが表示される。例えば、押し順「左中右」である場合にはRT1移行リプが表示され、押し順「左右中」である場合にはRT2移行リプが表示され、押し順「中左右」である場合にはRT3移行リプが表示され、押し順「中右左」である場合にはRT4移行リプが表示され、押し順「右左中」である場合にはRT5移行リプが表示され、押し順「右中左」である場合にはRT6移行リプが表示される。
また、RT1状態〜RT6状態は、有効ライン上に表示された図柄の組合せではRT状態を移行することなく、当該RT状態中に行われた単位遊技の回数に応じてRT状態を移行させる。具体的には、主制御回路91は、RT1状態〜RT6状態では、当該RT状態中に行われた単位遊技の回数が終了閾値に達すると、RT状態を非RT状態に移行する。なお、終了閾値の値は任意であるが、疑似的な設定値として用いるために十分に長い期間であることが好ましく、本制御例では、終了閾値をパチスロ機において頻繁に用いられる2バイトの値で管理される「65535」とする。もちろん、第6実施形態と同様に、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、1日当たりの平均ゲーム数(例えば、8000回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、パチスロ機において内部当籤役として決定される確率が最も低い役の当籤確率の逆数よりも多い遊技回数としてもよく、また、AT一回当たりの平均ゲーム数よりも多い遊技回数としてもよい。
このような仕様において、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値をRT1状態〜RT6状態において異ならせることで、RT1状態〜RT6状態を疑似的な設定値として用いることができる。また、疑似的な設定値として用いるRT1状態〜RT6状態に移行可能なRT7状態を、疑似的な設定値の設定用のRT状態として用いることができる。すなわち、第6実施形態のパチスロ機1では、疑似的な設定値を自由に選ぶことができない仕様であったが、本制御例におけるパチスロ機1では、設定用のRT7状態における役「F_6択リプレイ」当籤時の押し順に応じて、疑似的な設定値を自由に選ぶことができる。
例えば、遊技店の店員は、営業開始前などに数ゲーム間遊技を行い、非RT状態からRT7状態にRT状態を移行し、このRT状態において役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定されるのを待つ。パチスロ機1では、役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、表示ユニット100などの表示装置に対して「???」などのように役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定されたことを報知する演出を実行する。
店員は、この演出からRT7状態における役「F_6択リプレイ」の当籤時であることを把握することができ、疑似的な設定値として設定1を選ぶ場合には押し順「左中右」、設定2を選ぶ場合には押し順「左右中」、設定3を選ぶ場合には押し順「中左右」、設定4を選ぶ場合には押し順「中右左」、設定5を選ぶ場合には押し順「右左中」、設定6を選ぶ場合には押し順「右中左」において停止操作を行えばよい。
なお、RT1状態〜RT6状態において、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせる方法は任意であり、例えば、「リプレイ役」の当籤確率を異ならせることで、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしてもよく、また、ATに関する特典付与の期待度を異ならせることで(すなわち、RT状態に応じてATに関する特典を付与することで)単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしてもよい。以下に示す例では、RT1状態〜RT6状態では、トータルの「リプレイ役」の当籤確率を略同一(完全に同一であってもよい)としつつ、RT状態に応じてAT抽籤を行うことで、疑似的な設定値を実現している。
なお、RT状態に応じたAT抽籤は、単純にRT状態を参照してAT抽籤を行うことで実現することとしてもよく、また、第6実施形態のパチスロ機1のようにゾーンにより実現することとしてもよく、また、AT抽籤に当籤する確率が高い「リプレイ役」の当籤確率を異ならせることで実現することとしてもよい。また、本制御例においては、遊技者にとっての有利度合いを規定する実際の設定値(すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値)を、1段階としてもよく、また、複数段階としてもよい。
(報知に関する状態の遷移フロー)
続いて、図290(B)は、別例における報知に関する状態の遷移フローである。図290(B)に示すように、パチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有し、有利区間には通常有利と報知状態とが含まれる。有利区間の報知状態は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な状態であり、有利区間の通常有利及び通常区間は、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)状態である。主制御回路91は、通常区間において有利区間への移行条件を満たすと、通常区間から有利区間の通常有利又は有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の通常有利においてAT抽籤に当籤すると、有利区間の通常有利から有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了条件を満たすと、有利区間から通常区間に遊技状態を移行する。
このような遊技性において、主制御回路91は、有利区間の通常有利において、現在のRT状態を参照してAT抽籤を行うことで、RT1状態〜RT6状態を疑似的な設定値として用いる。例えば、同図に示すように、AT抽籤に当籤する確率を、RT1状態が最も低く、RT2状態が次に低く、RT3状態が次に低く、RT4状態が次に低く、RT5状態が次に低く、RT6状態が最も高くなるように設定することで、RT1状態を疑似的な設定値1、RT2状態を疑似的な設定値2、RT3状態を疑似的な設定値3、RT4状態を疑似的な設定値4、RT5状態を疑似的な設定値5、RT6状態を疑似的な設定値6として用いることができる。
なお、AT抽籤に当籤する確率を例にとり、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしているが、これに限られるものではなく、報知状態の継続期間を延長する上乗せ抽籤も加味して、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしてもよい。
<各種データテーブル>
続いて、図291(C)〜(E)を参照して、本制御例において好適に用いられる各種のデータテーブルについて説明する。
(内部抽籤テーブル)
図291(C)は、内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、複数の役のそれぞれに対して、当該役が内部当籤役として決定されるときの抽籤値を規定する。なお、非RT状態では「非RT」欄が参照され、RT7状態では「RT7」欄が参照され、RT1状態では「RT1」欄が参照され、RT2状態では「RT2」欄が参照され、RT3状態では「RT3」欄が参照され、RT4状態では「RT4」欄が参照され、RT5状態では「RT5」欄が参照され、RT6状態では「RT6」欄が参照される。
同図では、夫々のRT状態毎に一部の役に関する抽籤値を示し、その他の役に関する抽籤値については省略している。また、同図の「対応する図柄組合せ」欄には、内部当籤役として決定された場合に入賞が許可される図柄の組合せが規定されている。このように夫々の役に対して入賞が許可される図柄の組合せ(表示役)を規定することで、夫々の役と実際に表示される図柄の組合せとの間に後述の図291(E)に示す対応関係を持たせることができる。なお、本制御例では図291(E)に示す対応関係を実現可能であればよく、図291(C)の「対応する図柄組合せ」欄の規定は一例に過ぎず、その他の方法により図291(E)に示す対応関係を実現可能にしてもよい。また、本制御例において役「F_通常リプレイ」「F_6択リプレイ」は、再遊技の作動に係る「リプレイ役」である。
また、本制御例においては、「BEL_01」〜「BEL_09」の図柄の組合せは、役「F_押し順ベル_1st」「F_押し順ベル_2nd」「F_押し順ベル_3rd」「F_BB中ベル」に対してのみ対応付けられており、他の役に対しては対応付けられていない。また、本制御例では、非ボーナス状態とボーナス状態(BB中)とでは、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が非ボーナス状態の方が高くなるように設定されている。
(図柄組合せテーブル)
続いて、図291(D)を参照して、本制御例のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。なお、本制御例のパチスロ機1の遊技性の説明において、図柄の組合せを構成する図柄の種類は必要がないため、説明及び図示を省略する。同図に示すように、図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。
「図柄組合せA(名称「通常リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われる図柄の組合せである。また、「図柄組合せB(名称「RT1移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT1状態に移行する。また、「図柄組合せC(名称「RT2移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT2状態に移行する。また、「図柄組合せD(名称「RT3移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT3状態に移行する。また、「図柄組合せE(名称「RT4移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT4状態に移行する。また、「図柄組合せF(名称「RT5移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT5状態に移行する。また、「図柄組合せG(名称「RT6移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT6状態に移行する。
また、「図柄組合せH」「図柄組合せI」「図柄組合せJ」は名称「ベル」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると12枚のメダルが払い出される。「図柄組合せK」「図柄組合せL」「図柄組合せM」「図柄組合せN」「図柄組合せO」「図柄組合せP」は名称「ベルこぼし目」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると1枚のメダルが払い出されるとともに、非RT状態において表示されると、RT状態がRT7状態に移行する。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
次に、図291(E)は、別制御例のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す表である。なお、同図では、一部の役に関する対応関係を示し、その他の役に関する対応関係については省略している。
同図に示すように、役「F_6択リプレイ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、「左中右(123)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「左右中(132)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT2移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「中左右(213)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT3移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「中右左(231)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT4移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「右左中(312)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT5移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「右中左(321)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT6移行リプ」に係る図柄の組合せが表示される。
ここで、通常、押し順役には正解の押し順があり、複数の押し順役の間で正解の押し順を異ならせることとしているが、役「F_6択リプレイ」は1つのみとし、押し順と停止表示される図柄の組合せとを1対1に対応付ける。これは、役「F_6択リプレイ」は、疑似的な設定値を設定するために用いられるものであり、基本的には、遊技店の店員に向けて設けられているためである。すなわち、遊技店の店員は、役「F_6択リプレイ」の当籤時に、設定したい疑似的な設定値に応じた押し順で停止操作を行うことで、店員自身が望む疑似的な設定値を設定することができる。
なお、役「F_6択リプレイ」の当籤時に表示されるRT移行図柄(RT移行リプ)の種類は、押し順ではなく、任意の停止操作の態様により異ならせることとしてもよい。任意の停止操作の態様としては、押し順の他に停止操作のタイミングを用いることができる。例えば、左のリール3Lに対する停止操作が第1のタイミング(図柄位置「0」〜「9」)で行われた場合と、第2のタイミング(図柄位置「10」〜「19」)で行われた場合とで、表示されるRT移行図柄(RT移行リプ)を異ならせることとしてもよい。
また、本制御例では、押し順に応じて6段階の疑似的な設定値を設定可能としているが、疑似的な設定値の段階数は6段階に限るものではない。例えば、6段階よりも少なくしてもよく、また、6段階よりも多くしてもよい。6段階よりも少なくするには、例えば、6通りの押し順において1つ(又は複数)の押し順に対してRT移行図柄を対応付ける(又は他の押し順と同じRT移行図柄を対応付ける)ことで実現することができる。なお、この場合において、疑似的な設定値との観点からは、少なくとも2つ以上の押し順に対して異なるRT移行図柄を対応付けることが好ましい。また、6段階よりも多くするには、停止操作の態様の択数を増やして、それぞれに対して異なるRT移行図柄を対応付ければよい。なお、停止操作の態様の択数を増やす方法としては、押し順と停止操作タイミング(目押し)とを組み合わせることで実現することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、内部当籤役として決定された場合に停止表示可能な図柄の組合せとして、RT1移行リプ、RT2移行リプ、RT3移行リプ、RT4移行リプ、RT5移行リプ、RT6移行リプといった複数の図柄の組合せが対応付けられ、また、内部当籤役として決定された場合に、押し順や停止操作のタイミングといった停止操作の態様に応じてこれら複数の図柄の組合せの何れかを停止表示可能な役「F_6択リプレイ」を有する。そして、この役「F_6択リプレイ」に対応付けられた複数の図柄の組合せのうちの少なくとも2つ以上の図柄の組合せは、それぞれの図柄の組合せがRT7状態において停止表示された場合に、それぞれ異なるRT状態に移行し得るRT移行図柄である。
また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、設定用のRT7状態と、疑似的な設定値として機能するRT1状態〜RT6状態とを有し、主制御基板71は、RT7状態においてRT移行図柄であるRT1移行リプ〜RT7移行リプが停止表示された場合に、RT7状態から停止表示されたRT1移行リプ〜RT7移行リプに対応するRT1状態〜RT7状態にRT状態を移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。
このとき、疑似的な設定値として機能するRT1状態〜RT6状態では、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が異なる。具体的には、主制御基板71は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(AT)に関する特典を付与可能であるが、この特典の付与をRT1状態〜RT6状態に応じた確率で行う。そのため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[フラグ間を用いた疑似的な設定値]
続いて、図292を参照して、フラグ間を用いた疑似的な設定値の実現方法について説明する。すなわち、以下の制御例では、RT状態ではなくフラグ間を疑似的な設定値として用いる。なお、本制御においても、リールやストップボタンの数は任意である。以下においては、リールやストップボタンが3つであるものとして説明する。
(ボーナス状態の遷移フロー)
図292(A)は、別例におけるボーナス状態の遷移フローである。図292(A)に示すように、パチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非ボーナス状態とフラグ間とボーナス状態とを有する。非ボーナス状態は、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態であり、フラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスの作動が行われている状態である。
なお、本制御例においては、ボーナス役として複数のボーナス役を有し、フラグ間には、これら複数のボーナス役のうち内部当籤役として持ち越しているボーナス役に応じた種別のフラグ間が含まれる。同図に示す例では、ボーナス役として、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB6の6種類のボーナス役を有し、BB1を内部当籤役として持ち越している状態をBB1フラグ間、BB2を内部当籤役として持ち越している状態をBB2フラグ間、BB3を内部当籤役として持ち越している状態をBB3フラグ間、BB4を内部当籤役として持ち越している状態をBB4フラグ間、BB5を内部当籤役として持ち越している状態をBB5フラグ間、BB6を内部当籤役として持ち越している状態をBB6フラグ間とする。なお、ボーナス役の数は任意である。本制御例では、フラグ間を疑似的な設定値として用いるため、ボーナス役の数(すなわち、フラグ間の数)に応じて、疑似的な設定値の段階数を調整することができる。
主制御回路91は、非ボーナス状態においてBB1が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB1フラグ間に移行する。主制御回路91は、このBB1フラグ間では、BB1に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB1を内部当籤役として持ち越すとともに、BB1に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB1フラグ間からボーナス状態(BB1)に遊技状態を移行する。そして、主制御回路91は、ボーナス状態(BB1)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB1)から非ボーナス状態に遊技状態を移行する。
BB2〜BB6についても同様であり、主制御回路91は、非ボーナス状態においてBB2が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB2フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB3が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB3フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB4が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB4フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB5が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB5フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB6が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB6フラグ間に移行する。
また、主制御回路91は、BB2フラグ間では、BB2に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB2を内部当籤役として持ち越し、BB3フラグ間では、BB3に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB3を内部当籤役として持ち越し、BB4フラグ間では、BB4に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB4を内部当籤役として持ち越し、BB5フラグ間では、BB5に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB5を内部当籤役として持ち越し、BB6フラグ間では、BB6に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB6を内部当籤役として持ち越す。
また、主制御回路91は、BB2フラグ間においてBB2に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB2フラグ間からボーナス状態(BB2)に遊技状態を移行し、BB3フラグ間においてBB3に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB3フラグ間からボーナス状態(BB3)に遊技状態を移行し、BB4フラグ間においてBB4に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB4フラグ間からボーナス状態(BB4)に遊技状態を移行し、BB5フラグ間においてBB5に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB5フラグ間からボーナス状態(BB5)に遊技状態を移行し、BB6フラグ間においてBB6に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB6フラグ間からボーナス状態(BB6)に遊技状態を移行する。
また、主制御回路91は、ボーナス状態(BB2)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB2)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB3)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB3)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB4)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB4)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB5)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB5)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB6)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB6)から非ボーナス状態に遊技状態を移行する。
そして、同図に示すように、BB1フラグ間、BB2フラグ間、BB3フラグ間、BB4フラグ間、BB5フラグ間、BB6フラグ間においてペイアウト率を異ならせることで、フラグ間を疑似的な設定値として用いることができる。すなわち、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、内部当籤役として持ち越されているボーナス役の種類に応じて異なる。
なお、フラグ間は、複数の役のうちの「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能なRT状態としてもよい。例えば、主制御回路91は、BB1が内部当籤役として決定されると、BB1フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB1フラグ間RT状態とし、BB2が内部当籤役として決定されると、BB2フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB2フラグ間RT状態とし、BB3が内部当籤役として決定されると、BB3フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB3フラグ間RT状態とし、BB4が内部当籤役として決定されると、BB4フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB4フラグ間RT状態とし、BB5が内部当籤役として決定されると、BB5フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB5フラグ間RT状態とし、BB6が内部当籤役として決定されると、BB6フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB6フラグ間RT状態とすることとしてもよい。
(ペイアウト率の制御例1)
続いて、図292(B)を参照して、フラグ間によるペイアウト率の制御方法について説明する。図292(B)は、報知に関する状態の遷移フローである。図292(B)に示すように、パチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有し、有利区間には通常有利と報知状態とが含まれる。有利区間の報知状態は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な状態であり、有利区間の通常有利及び通常区間は、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)状態である。主制御回路91は、通常区間において有利区間への移行条件を満たすと、通常区間から有利区間の通常有利又は有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の通常有利においてAT抽籤に当籤すると、有利区間の通常有利から有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了条件を満たすと、有利区間から通常区間に遊技状態を移行する。
このような遊技性において、主制御回路91は、有利区間の通常有利において、現在のフラグ間を参照してAT抽籤を行うことで、BB1フラグ間〜BB6フラグ間におけるペイアウト率を異ならせることができ、フラグ間を疑似的な設定値として用いることができる。例えば、同図に示すように、AT抽籤に当籤する確率を、BB1フラグ間が最も低く、BB2フラグ間が次に低く、BB3フラグ間が次に低く、BB4フラグ間が次に低く、BB5フラグ間が次に低く、BB6フラグ間が最も高くなるように設定することで、BB1フラグ間を疑似的な設定値1、BB2フラグ間を疑似的な設定値2、BB3フラグ間を疑似的な設定値3、BB4フラグ間を疑似的な設定値4、BB5フラグ間を疑似的な設定値5、BB6フラグ間を疑似的な設定値6として用いることができる。
なお、フラグ間に応じたAT抽籤は、単純にフラグ間を参照してAT抽籤を行うことで実現することとしてもよく、また、フラグ間に応じて、第6実施形態のゾーンのようなAT抽籤に影響を与える情報を異ならせることで実現することとしてもよく、また、AT抽籤に当籤する確率が高い「リプレイ役」の当籤確率をフラグ間(フラグ間RT状態)において異ならせることで実現することとしてもよい。
(ペイアウト率の制御例2)
続いて図292(C)を参照して、フラグ間によるペイアウト率の別制御方法について説明する。図292(C)は、内部当籤役と実際に表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。なお、同図においては、押し順を例にとり説明しているが、停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なっていればよく、停止操作の態様は押し順に限るものではなく、停止操作のタイミングであってもよく、また、押し順と停止操作のタイミングとを組合せることとしてもよい。
また、同図では、押し順役である役「F_押し順ベル_123」についてのみ示しているが、本制御例では、押し順役として役「F_押し順ベル_123」の他に、役「F_押し順ベル_132」「F_押し順ベル_213」役「F_押し順ベル_231」役「F_押し順ベル_312」役「F_押し順ベル_321」を有しているものとする。これら、役「F_押し順ベル_132」〜役「F_押し順ベル_321」の押し順役における対応関係は、正解となる押し順が異なる点の他は同じである。すなわち、役「F_押し順ベル_123」が6択時の正解の押し順を「左中右(123)」とした場合、役「F_押し順ベル_132」の6択時の正解の押し順は「左右中(132)」、役「F_押し順ベル_213」の6択時の正解の押し順は「中左右(213)」、役「F_押し順ベル_231」の6択時の正解の押し順は「中右左(231)」、役「F_押し順ベル_312」の6択時の正解の押し順は「右左中(312)」、役「F_押し順ベル_321」の6択時の正解の押し順は「右中左(321)」となる。
図292(C)に示すように、例えば、押し順役に対して正解の押し順の択数を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。同図においては、役「F_押し順ベル_123」は、BB1フラグ間〜BB3フラグ間においては押し順6択の押し順役であり、正解の押し順(1/6)である場合に、12枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。一方で、役「F_押し順ベル_123」は、BB4フラグ間〜BB6フラグ間においては押し順3択の押し順役であり、正解の押し順(1/3)である場合に、12枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。このように正解の押し順の択数を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。
また、例えば、押し順役に対して不正解の押し順である場合に払い出されるメダルの枚数(言い換えると、不正解の場合に表示される図柄の組合せ)を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。同図においては、役「F_押し順ベル_123」は、BB1フラグ間、BB4フラグ間においては、不正解の押し順である場合に、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、BB2フラグ間、BB5フラグ間においては、不正解の押し順である場合に、2枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、BB3フラグ間、BB6フラグ間においては、不正解の押し順である場合に、3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。このように不正解の押し順である場合に払い出されるメダルの枚数を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。
なお、同図に示す例の場合、不正解の場合に払い出されるメダルの枚数から、疑似的な設定値(フラグ間の種類)を特定できてしまうため、より好ましくは、不正解の押し順である場合に第1数のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される割合と、第1数よりも多い第2数のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される割合とを、フラグ間において異ならせることで、不正解の場合に払い出されるメダルの枚数を異ならせることが好ましい。例えば、BB1フラグ間では、不正解の押し順のうちの5つの押し順において1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順である1つの押し順において3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される一方で、BB2フラグ間では、不正解の押し順である4つの押し順において1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順である2つの押し順において3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるといった制御により実現することができる。また、例えば、BB1フラグ間では、不正解の押し順である場合に、停止操作のタイミングが第1タイミング(例えば、図柄位置「0」〜「4」)である場合に1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、第1タイミング以外のタイミングである場合に3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される一方で、BB2フラグ間では、不正解の押し順である場合に、停止操作のタイミングが第2タイミング(例えば、図柄位置「0」〜「10」)である場合に1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、第2タイミング以外のタイミングである場合に3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるといった制御により実現することができる。
フラグ間毎にペイアウト率を異ならせる方法は、押し順役に対して正解の押し順の択数を調整すること、押し順役に対して不正解の押し順である場合に払い出されるメダルの枚数(言い換えると、不正解の場合に表示される図柄の組合せ)を調整することの何れか一方のみを適用することで実現することとしてもよく、両者を組み合わせることで実現することとしてもよい。
このように複数のフラグ間を疑似的な設定値として用いる場合、フラグ間中は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されないように、又は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役に対応するボーナス状態が開始されないように、制御することが好ましい。なお、以下の説明では、このような制御を「ボーナスを封じ込める」と呼ぶことがある。ボーナスを封じ込めるための制御は任意の方法により行うことができ、例えば、上述したように2BET専用のボーナス役を用いることで、3BET中の遊技において、2BET専用のボーナス役に対応するボーナス状態が開始されないようにしてもよい。また、フラグ間において内部当籤役を決定するための内部抽籤処理において「はずれ」が決定される確率(すなわち、フラグ間において持ち越しているボーナス役のみが内部当籤役として決定される確率)を0にするとともに、小役、リプレイ役、ボーナス役のうちボーナス役の引込優先順位を最も低くすることで、内部当籤役として持ち越しているボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されないようにしてもよい。
また、複数のフラグ間を疑似的な設定値として用いる場合、疑似的な設定値をリセットするには、フラグ間を解除する必要がある。そこで、パチスロ機1において主制御回路91は、所定の操作を受け付けた場合に、内部当籤役として持ち越しているボーナス役をクリアし、当該ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)に制御することとしてもよい。なお、この所定の操作は、第6実施形態のように設定用鍵型スイッチ430(及び設定ボタン)に応じて受け付けることとしてもよく、また、RAMクリアボタンを設けて、このRAMクリアボタンにより受け付けることとしてもよい。
なお、主制御回路91は、ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)において、複数のボーナス役のそれぞれを同一又は略同一の確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。また、反対に、主制御回路91は、ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)において、複数のボーナス役のそれぞれを異なる確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。このとき、例えば、フラグ間中のペイアウト率が低いボーナス役(例えば、BB1)ほど高い確率で内部当籤役として決定することとしてもよく、また、フラグ間中のペイアウト率が高いボーナス役(例えば、BB6)ほど低い確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。また、フラグ間中のペイアウト率が所定値以上であるボーナス役については、フラグ間中のペイアウト率が所定値未満であるボーナス役よりも低い確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。同様に、フラグ間中のペイアウト率が所定範囲内である1又は複数のボーナス役については、フラグ間中のペイアウト率が所定範囲内ではない1又は複数のボーナス役よりも高い確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。なお、この場合における所定範囲内とは、100%前後のペイアウト率であることが好ましく、一例としては、99%〜101%を所定範囲としてもよい。このようにすることで、遊技店側が設定したい疑似的な設定値に応じたボーナス役が内部当籤役として決定されるまで遊技店の店員が遊技を行わない場合であっても、遊技店の営業に支障がない疑似的な設定値が設定されることになる。
また、本制御例においては、遊技者にとっての有利度合いを規定する実際の設定値(すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値)を、1段階としてもよく、また、複数段階としてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能であるとともに、ボーナス役が内部当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、ボーナス役を内部当籤役として持ち越し可能であるため、主制御基板71は、ボーナス制御手段及び持越手段として機能する。また、パチスロ機1では、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて異なる。
また、主制御基板71は、ボーナス役を内部当籤役として持ち越しているフラグ間では、持ち越しているボーナス役に応じたボーナス状態の開始を不可能に制御するため、主制御基板71は、ボーナス封込手段として機能する。また、主制御基板71は、所定の操作を受け付けた場合に、内部当籤役として持ち越しているボーナス役をクリアし、当該ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)に制御可能であるため、主制御基板71は、初期化手段として機能する。
[RT状態を用いた疑似的な設定値の遊技例]
続いて、図293〜図295を参照して、RT状態を疑似的な設定値として用いる場合の遊技性の一例について説明する。なお、本制御においても、リールやストップボタンの数は任意である。以下においては、リールやストップボタンが3つであるものとして説明する。また、以下においては、遊技者にとっての有利度合いを規定する実際の設定値(すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値)として、複数段階の設定値を有する。主制御回路91は、設定用鍵型スイッチ430や設定用ボタンを介して受け付けた設定変更操作に伴い、複数の設定値の中から何れかの設定値を設定する。
(RT状態の遷移フロー)
図293(A)は、本制御例におけるRT状態の遷移フローである。図293(A)に示すように、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能なRT状態として複数のRT状態を有する。本制御例では、これら複数のRT状態に移行の順序が定められており、前の段階のRT状態から次の段階のRT状態に移行するように設けられている。すなわち、本制御例では、前の段階のRT状態から次の段階のRT状態に移行する複数段階のRT状態を有する。
このようなRT状態として、同図に示す例では、前の段階から順にRT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態及びRT5状態を有する。なお、RT状態の数(段階数)は任意である。主制御回路91は、RT状態の移行条件を満たすと、RT状態を他のRT状態に移行する。具体的には、主制御回路91は、RT1状態においてRT2移行図柄が表示されると、RT1状態からRT1状態の次の段階のRT状態であるRT2状態にRT状態を移行する。また、主制御回路91は、RT2状態においてRT3移行図柄が表示されると、RT2状態からRT2状態の次の段階のRT状態であるRT3状態にRT状態を移行する。また、主制御回路91は、RT3状態においてRT4移行図柄が表示されると、RT3状態からRT3状態の次の段階のRT状態であるRT4状態にRT状態を移行する。また、主制御回路91は、RT4状態においてRT5移行図柄が表示されると、RT4状態からRT4状態の次の段階のRT状態であるRT5状態にRT状態を移行する。
また、主制御回路91は、RT2状態〜RT4状態において、RT1移行図柄が表示されると、RT2状態〜RT4状態から一番前の段階のRT状態であるRT1状態にRT状態を移行する。なお、RT1移行図柄は後述するRT1移行リプであり、RT2移行図柄は後述するRT2移行リプであり、RT3移行図柄は後述するRT3移行リプであり、RT4移行図柄は後述するRT4移行リプであり、RT5移行図柄は後述するRT5移行リプである。
このように本制御例では、一番前の段階のRT状態であるRT1状態から一番後ろの段階のRT5状態まで順にRT状態が移行する。なお、RT状態は、1段階ずつ順に移行するものに限らず、2以上の複数段階を一度に移行するものであってもよい。例えば、RT1状態において、RT2移行図柄だけでなくRT3移行図柄も表示可能にすることで、RT1状態からRT3状態にRT状態を移行可能としてもよい。この点、本制御例では、RT1状態〜RT3状態においても、RT5移行図柄を表示可能としており、主制御回路91は、RT1状態〜RT3状態においてRT5移行図柄が表示されると、RT1状態〜RT3状態からRT5状態にRT状態を移行する。
また、RT5状態は、継続期間がゲーム数により管理されるRT状態であり、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行は行われない。RT5状態の継続期間は任意であり、例えば、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、1日当たりの平均ゲーム数(例えば、8000回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、パチスロ機において内部当籤役として決定される確率が最も低い役の当籤確率の逆数よりも多い遊技回数としてもよく、また、AT一回当たりの平均ゲーム数よりも多い遊技回数としてもよい。また、パチスロ機において頻繁に用いられる2バイトの値で管理される「65535回」としてもよい。RT5状態において、継続期間に応じた回数の遊技が行われると、主制御回路91は、RT5状態からRT1状態にRT状態を移行する。
(報知に関する状態の遷移フロー)
続いて、図293(B)は、報知に関する状態の遷移フローである。図293(B)に示すように、パチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有し、有利区間には通常有利と報知状態とが含まれる。有利区間の報知状態は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な状態であり、有利区間の通常有利及び通常区間は、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)状態である。主制御回路91は、通常区間において有利区間への移行条件を満たすと、通常区間から有利区間の通常有利又は有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の通常有利においてAT抽籤に当籤すると、有利区間の通常有利から有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了条件を満たすと、有利区間から通常区間に遊技状態を移行する。
このような遊技性において、主制御回路91は、有利区間の通常有利において、RT1状態〜RT4状態では、現在の設定値に応じてAT抽籤を行い、RT5状態では、現在の設定値とは異なるAT抽籤、具体的には、設定「6」に応じたAT抽籤を行う。なお、本制御例は、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度を、現在の設定値とは異なる設定値に変更するものであり、現在の設定値とは異なる設定値は、設定「6」に限るものではない。また、本制御例は、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度が変わればよく、特定段階目のRT状態と、特定段階目よりも前の段階のRT状態とで、特典付与の期待度が変わるものであってもよい。すなわち、主制御回路91は、特定段階目よりも前の段階のRT状態では特典の付与に関する期待度が第1期待度となるように特典の付与を制御し、特定段階目のRT状態では、第1期待度とは異なる第2期待度となるように特典の付与を制御することとしてもよい。なお、特典の付与に関する期待度とは、特典を付与する確率と、付与する場合の特典の大きさとを含むものである。すなわち、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典を付与する確率が上がる(又は下がる)こととしてもよく、また、付与する特典の大きさを大きくする(又は小さくする)こととしてもよく、また、両者を組み合わせて、特典を付与する確率は上がる(又は下がる)ものの、付与する特典の大きさは小さくなる(又は大きくなる)こととしてもよい。なお、本制御例は、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度が変わるものであればよく、遊技者にとって有利になるか不利になるかは特に問わないが、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度が遊技者にとって有利になるように変わるものとしてもよい。
また、付与する特典もATに関する特典に限らず、任意の特典であってよい。また、特典付与の期待度が変わるRT状態は、1つに限るものではなく、複数あってもよい。例えば、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合には現在の設定値とは異なる第1の設定値に応じた確率で特典を付与し、特定段階目とは異なる所定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合には現在の設定値とは異なり、かつ、第1の設定値とも異なる第2の設定値に応じた確率で特典を付与することとしてもよい。
なお、複数段階のRT状態と、通常区間、通常有利及び報知状態とは、それぞれ別に制御される。すなわち、主制御回路91は、複数段階のRT状態のそれぞれにおいて、通常区間、通常有利及び報知状態を制御することができる。言い換えると、主制御回路91は、ATに関する特典の付与の有無に応じて、複数段階のRT状態の何れにおいても報知状態と非報知状態(通常有利又は通常区間)とを制御可能であり、例えば、RT1状態においてATに関する特典が付与されている場合には、RT1状態において報知状態に制御可能であり、また、RT5状態においてATに関する特典が付与されている場合には、RT5状態において報知状態に制御可能である。また、RT1状態においてATに関する特典が付与されていない場合には、RT1状態において非報知状態(通常有利又は通常区間)に制御可能であり、RT5状態においてATに関する特典が付与されていない場合には、RT5状態において非報知状態(通常有利又は通常区間)に制御可能である。
また、本制御例では、報知状態において内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される報知対象の役も、複数段階のRT状態の全てにおいて同一となっている。より具体的には、本制御例では、報知対象の役は、押し順ベルである。ここで、押し順ベルとは、停止操作の態様(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である小役であり、停止操作の態様が正解である場合には、不正解である場合よりも多くのメダルが払い出され、かつ、停止操作の態様が正解である場合であってもRT状態の移行には関係のない役である。他方、本制御例では、停止操作の態様が特定の態様(正解)である場合にRT状態を先の段階のRT状態に移行(昇格)する役については、報知対象の役とはしない。なお、停止操作の態様が所定の態様(不正解)である場合にRT状態を前の段階のRT状態に移行(転落)してしまう役については、報知対象の役としてもよい。この点、本制御例では、停止操作の態様が特定の態様(正解)である場合にRT状態を先の段階のRT状態に移行(昇格)する役と、停止操作の態様が所定の態様(不正解)である場合にRT状態を前の段階のRT状態に移行(転落)してしまう役とが同一の役(役「F_RT1中リプ123」〜役「F_RT4中リプ321」)となっているため、これらの役は、報知対象の役となっていない。そして、主制御回路91は、報知状態において報知対象の役が内部当籤役として決定されると、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知する。
(通常有利中AT抽籤テーブル)
図293(C)は、通常有利中のAT抽籤に用いる通常有利中AT抽籤テーブルの概念図である。同図に示すように、RT1状態〜RT4状態では、現在の設定値に応じた抽籤値の情報が規定されているが、RT5状態では、現在の設定値とは異なる他の設定値(設定「6」)に応じた抽籤値の情報が規定されている。なお、同図では、AT抽籤に用いる抽籤値をRT状態に応じて異ならせることで、RT5状態において設定「6」に応じたAT抽籤を可能にしているが、これに限られるものではない。すなわち、RT状態に応じて第6実施形態のゾーンのようなAT抽籤に影響を与える情報を異ならせることで、RT5状態におけるAT抽籤を他の設定値に応じたものとしてもよく、また、「リプレイ役」としてAT抽籤に当籤する確率が高いリプレイ役(チャンスリプレイ)を有し、RT1状態〜RT4状態ではチャンスリプレイの当籤確率が他の設定値(設定「6」)と異なる一方で、RT5状態におけるチャンスリプレイの当籤確率を他の設定値(設定「6」)と同じ確率とすることで、RT5状態におけるAT抽籤を他の設定値に応じたものとしてもよい。
(内部抽籤テーブル)
続いて、図294(D)は、内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、複数の役のそれぞれに対して、当該役が内部当籤役として決定されるときの抽籤値を規定する。なお、RT1状態では「RT1」欄が参照され、RT2状態では「RT2」欄が参照され、RT3状態では「RT3」欄が参照され、RT4状態では「RT4」欄が参照され、RT5状態では「RT5」欄が参照される。同図では、夫々のRT状態毎に一部の役に関する抽籤値を示し、その他の役に関する抽籤値については省略している。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
次に、図295(E)は、本制御例のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す表である。なお、同図では、一部の役に関する対応関係を示し、その他の役に関する対応関係については省略している。
同図に示すように、役「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT1中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT2移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT2移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「通常リプ」に係る図柄の組合せが表示される。また、役「F_RT2中リプ_123」〜「F_RT2中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT3移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT3移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT1移行図柄)が表示される。また、役「F_RT3中リプ_123」〜「F_RT3中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT4移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT4移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT1移行図柄)が表示される。また、役「F_RT4中リプ_123」〜「F_RT4中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT5移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT5移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT1移行図柄)が表示される。また、役「F_特殊リプ」は、押し順に関係なく「RT5移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT5移行図柄)が表示される。
このようにすることで、RT1状態〜RT5状態という複数段階のRT状態を有しつつ、RT1状態からRT5状態まで順にRT状態の段階を昇格可能な遊技性を実現することができる。そして、RT5状態までRT状態を昇格できた場合に、現在の設定値とは異なる他の設定値に応じた確率で特典を付与することで、RT5状態を疑似的な設定値として用いることができ、RT5状態を用いて現在の設定値とは関係のない出玉の波を作り出すことができる。
(SBを用いたAT制御)
続いて、SBを用いたAT制御について説明する。なお、SBとはシングルボーナス(普通役物)であり、内部当籤役として決定された遊技において対応する図柄の組合せを表示できない場合(入賞できない場合)にはフラグが消滅し、次遊技以降に持ち越されることがないボーナスである。また、対応する図柄の組合せが表示されてボーナス状態が開始した場合には、1回の遊技で当該ボーナス状態が終了する。すなわち、他のボーナスと比較すると、SB(シングルボーナス)は、内部当籤役として持ち越すフラグ間が存在しない点で他のボーナスと大きく相違する。
初めに、図296(A)は、SBを用いる場合との比較例であり、ボーナスとしてBBを用いる場合の制御例である。BBのように次遊技以降にフラグを持ち越し可能なボーナスでは、非ボーナス状態においてBBが内部当籤役として決定されると、ボーナス状態(BB)が開始されるまでの遊技状態が、BBを内部当籤役として持ち越すフラグ間となる。このフラグ間では、RT移行図柄が表示されたことを条件にRT状態を移行することができない。そのため、BBフラグ間を維持したまま、BBフラグ間において報知状態と非報知状態とを切り換えてAT機能を実現した場合、RT状態を移行させることを遊技性に含めることが困難になる。
続いて、図296(B)は、ボーナスとしてSBを用いる場合の制御例である。SBのように次遊技以降にフラグを持ち越さないボーナスでは、SBが内部当籤役として決定された遊技においてSBに応じた図柄の組合せが表示されると、主制御回路91は、遊技状態をボーナス状態(SB)に移行する一方で、当該遊技においてSBに応じた図柄の組合せが表示されないと、SBを持ち越すことがないため、主制御回路91は、遊技状態を非ボーナス状態に移行する。また、ボーナス状態(SB)は1回の遊技で終了するため、主制御回路91は、ボーナス状態(SB)の次遊技に遊技状態を非ボーナス状態に移行する。
このようにSBを持ちた場合には、フラグ間が存在しないため、多くの遊技期間においてRT移行図柄に基づくRT状態の移行が可能となる。そのため、上述のような複数段階のRT状態が特定の段階まで昇格すると、ATに関する特典付与の期待度が異なる遊技性を実現する場合には、ボーナスとしてフラグ間を有さないSBを用いるのも好適である。
(内部抽籤テーブル)
続いて、図296(C)は、内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、複数の役のそれぞれに対して、当該役が内部当籤役として決定されるときの抽籤値を規定する。なお、非ボーナス状態では「非ボーナス」欄が参照され、ボーナス状態(SB)では「SB中」欄が参照される。
同図では、夫々のRT状態毎に一部の役に関する抽籤値を示し、その他の役に関する抽籤値については省略している。また、同図の「対応する図柄組合せ」欄には、内部当籤役として決定された場合に入賞が許可される図柄の組合せが規定されている。このように夫々の役に対して入賞が許可される図柄の組合せ(表示役)を規定することで、夫々の役と実際に表示される図柄の組合せとの間に後述の図296(E)に示す対応関係を持たせることができる。なお、本制御例では図296(E)に示す対応関係を実現可能であればよく、図296(C)の「対応する図柄組合せ」欄の規定は一例に過ぎず、その他の方法により図296(E)に示す対応関係を実現可能にしてもよい。
また、本制御例においては、「BEL_01」〜「BEL_09」の図柄の組合せは、役「F_押し順ベル_1st」「F_押し順ベル_2nd」「F_押し順ベル_3rd」「F_SB中ベル」に対してのみ対応付けられており、他の役に対しては対応付けられていない。また、本制御例では、非ボーナス状態とボーナス状態(SB中)とでは、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が非ボーナス状態の方が高くなるように設定されている。
(図柄組合せテーブル)
続いて、図296(D)を参照して、本制御例のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。なお、本制御例のパチスロ機1の遊技性の説明において、図柄の組合せを構成する図柄の種類は必要がないため、説明及び図示を省略する。同図に示すように、図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。
「図柄組合せA」「図柄組合せB」「図柄組合せC」は名称「ベル」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると12枚のメダルが払い出される。「図柄組合せD」「図柄組合せE」「図柄組合せF」「図柄組合せG」「図柄組合せH」「図柄組合せI」は名称「ベルこぼし目」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると1枚のメダルが払い出される。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
次に、図296(E)は、別制御例のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す表である。なお、同図では、一部の役に関する対応関係を示し、その他の役に関する対応関係については省略している。
同図に示すように、役「F_押し順ベル_1st」「F_押し順ベル_2nd」「F_押し順ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合に「ベル」に係る図柄の組合せが表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に「ベルこぼし目」に係る図柄の組合せが表示される。また、役「F_SB中ベル」は、押し順に関係なく「ベル」に係る図柄の組合せが表示される。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると現在のRT状態よりも先のRT状態にRT状態を移行可能なRT移行図柄が表示可能であり、不正解の押し順で停止操作が行われると、このRT移行図柄とは異なる図柄の組合せが表示可能な役「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT4中リプ_321」を有する。また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、RT1状態〜RT5状態を有し、主制御基板71は、RT1状態〜RT4状態においてRT移行図柄であるRT2移行リプ〜RT5移行リプが停止表示された場合に、RT状態を現在のRT状態よりも先の段階のRT状態に移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、遊技者にとっての有利度が異なる設定値として複数の設定値を有し、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430や設定用ボタンを介して受け付けた設定変更操作に伴い、複数の設定値の中から何れかの設定値を設定するため、主制御基板71は、設定手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態に関する特典を付与可能であり、特に、RT5状態よりも前の段階のRT状態では、実際の設定値に応じた確率でATに関する特典を付与し、RT5状態では、実際の設定値とは異なる設定値に応じてATに関する特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
また、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能なATを実行可能な有利区間を有する。そして、主制御基板71は、有利区間において実行された遊技回数がゲーム数リミッタに応じた回数(1500回)に達すると、ATを実行可能な残り期間に関わらず有利区間を終了することで、ATを終了するため、主制御基板71は、リミット制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、非ボーナス状態においてSBに対応する図柄の組合せが表示された場合に、ボーナス状態(SB)を開始可能であり、ボーナス状態(SB)において1回の単位遊技が行われた場合に、ボーナス状態(SB)を終了して非ボーナス状態を開始可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ATに関する特典付与の有無に応じて、報知状態と非報知状態(通常有利、通常区間)とを制御可能であり、ATに関する特典が付与されている場合に報知状態に制御し、ATに関する特典が付与されていない場合に非報知状態に制御可能である。また、主制御基板71は、報知状態において報知対象の役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能である。そのため、主制御基板71は、報知状態制御手段及び報知手段として機能する。なお、主制御基板71は、複数段階のRT状態の何れにおいても報知状態と非報知状態とに制御可能であり、また、報知対象役は、複数段階のRT状態の全てにおいて同一の役である。
[4リールを用いた出目制御]
続いて、図297〜図300を参照して、4つのリールを用いた出目制御について説明する。なお、本制御例において各リールに配置される図柄は、第6実施形態と同じであってもよく、また、異なるものであってもよい。
(リール及びストップボタンの構成)
初めに、図297を参照して、本制御例のパチスロ機1における複数のリールと複数のストップボタンについて説明する。図297(A)は、本制御例のパチスロ機1における複数のリールの概要を示す図である。
同図に示すように、本制御例のパチスロ機1では、左から順に第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4という4つのリールを有する。これら4つのリールは、水平方向に並んで設けられている。表示窓4は、これら4つのリールに描かれた図柄の一部を遊技者が視認可能に形成されている。具体的には、表示窓4には、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4に対して、それぞれのリールに描かれた3つの図柄(上段、中段、下段)を遊技者が視認可能に透明な窓領域が形成されている。すなわち、表示窓4には、一つの図柄を表示する単位図柄表示領域として、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4に対して、上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とが設けられている。
また、パチスロ機1では、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4における1つの単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ラインとして、センターラインを有する。すなわち、パチスロ機1では、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4における中段の単位図柄表示領域を通るセンターラインを有効ラインとして用いる。
ここで、本制御例では、第1リール3−1又は第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とのうちの有効ライン(センターライン)が結ぶ中段の単位図柄表示領域を除く上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性を低下させることがある。具体的には、パチスロ機1では、有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域以外の単位図柄表示領域の視認性を低下させるリールの種別を、遊技状態に応じて変更する。例えば、第1状態(例えば、通常時)では、第4リール3−4の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性を低下させ、第2状態(CZ中やAT中)では、第1リール3−1の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性を低下させる。なお、第1状態及び第2状態とする遊技状態の種類は任意であり、また、視認性を異ならせる遊技状態の数も2つに限らず任意であり、また、遊技状態の制御方法は任意である。すなわち、主制御回路91は、遊技状態の移行条件を満たした場合に、現在の遊技状態から移行条件に応じた他の遊技状態に遊技状態を移行する。
なお、視認性を低下させる方法は任意であり、また、視認性の低下を制御する制御手段は、視認性を低下させる方法に応じて異なる。一例として、制御手段は、表示窓4を制御することで視認性を低下させることとしてもよく、例えば、視認性を低下させる単位図柄表示領域の前面に位置する領域の透明度を下げることとしてもよく、また、視認性を低下させる単位図柄表示領域の前面に位置する領域に所定の映像を表示することとしてもよい。また、制御手段は、リールの背後に設けられたバックランプを制御することで視認性を低下させることとしてもよく、例えば、視認性を低下させる単位図柄表示領域に対応するバックランプを消灯することとしてもよい。また、制御手段は、不図示の扉部材(シャッター)などを制御することで視認性を低下させることとしてもよく、例えば、視認性を低下させる場合には、視認性を低下させる単位図柄表示領域の前面に位置する領域を閉じるように扉部材(シャッター)を制御し、視認性を低下させない場合には、扉部材(シャッター)を開放することとしてもよい。
このように、本制御例のパチスロ機1では、4つのリール3−1〜3−4を用いて遊技を行うが、第1リール3−1と第4リール3−4とについては一部の図柄の視認性が低下し、遊技者からは有効ラインが通る位置の図柄のみが見える(見えやすい)ことになるため、遊技者には従来の3リールのパチスロ機と同様の感覚で遊技を行わせることができる。
すなわち、図298(C)に示すように、第1状態では、遊技者は、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の上段・中段・下段の単位図柄表示領域の図柄、及び第4リールの中段の単位図柄表示領域の図柄を視認可能であり、第4リールの上段・中段の単位図柄表示領域の図柄は視認不可能(又は視認困難)になる。遊技者からすると、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域は、おまけ程度に設けられたものであり、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
また、第2状態では、遊技者は、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の上段・中段・下段の単位図柄表示領域の図柄、及び第1リールの中段の単位図柄表示領域の図柄を視認可能であり、第1リールの上段・中段の単位図柄表示領域の図柄は視認不可能(又は視認困難)になる。遊技者からすると、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第1リール3−1の中段の単位図柄表示領域は、おまけ程度に設けられたものであり、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
なお、遊技者に対して従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱かせるためには、役構成や図柄の組合せなどを適切に設計することが好ましい。すなわち、遊技者からすると、所定役の入賞時には所定役に対応する図柄が直線状に並んで表示される(例えば、ベルの入賞時には「ベル−ベル−ベル」が直線状に並んで表示される)ことが一般的であり、当該図柄が直線状に並ばないにもかかわらず所定役が入賞している状況としてしまうと、違和感を感じてしまう。以下、このような違和感を回避するための工夫の一例について説明する。
工夫例1は、第1状態及び第2状態として、内部当籤役として決定される確率を変動可能な状態を用いる場合(例えば、「第1状態が非ボーナス状態、第2状態がボーナス状態」「第1状態が所定RT状態、第2状態が所定RT状態とは異なる特定RT状態」)についてのものである。役構成として、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに所定の図柄が一直線上に表示される所定役(なお、第4リール3−4における図柄は任意である)と、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに特定の図柄が一直線上に表示される特定役(なお、第1リール3−1における図柄は任意である)と、を設ける。
なお、所定の図柄と特定の図柄とは同一であってもよく、また、異なっていてもよい。また、有効ラインか否かを問わない直線状のラインとは、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライ、クロスダウンラインの何れかであり、第1状態における当該ラインと第2状態における当該ラインとは同一のラインであってもよく、また、異なるラインであってもよい。
このような役構成において、主制御回路91は、第1状態(第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により3×3を実現)では、特定役よりも所定役を高い確率で内部当籤役として決定し(又は所定役のみを内部当籤役として決定し)、第2状態(第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により3×3を実現)では、所定役よりも特定役を高い確率で内部当籤役として決定する(又は特定役のみを内部当籤役として決定する)。
より具体的には、第1状態として非ボーナス状態を用い、第2状態としてボーナス状態を用いる場合において、非ボーナス状態においてのみ内部当籤役として決定され得る役「通常中ベル」と、ボーナス状態においてのみ内部当籤役として決定され得る役「ボーナス中ベル」とを有する。役「通常中ベル」は、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに図柄「ベル」が一直線上に表示される役であり(第4リール3−4における図柄は任意)、役「ボーナス中ベル」は、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに図柄「ベル」が一直線上に表示される役である(第1リール3−1における図柄は任意)。このようにすることで、第1状態(非ボーナス状態)においても第2状態(ボーナス状態)においても、対応する図柄が直線状に並んで表示された場合に内部当籤役として決定された役が入賞するという状況を実現することができる。
工夫例2は、ATとして複数のATを有し、第1状態としてAT1を用い、第2状態としてAT2を用いる場合のものである。AT1(第1状態)では、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知して、AT2(第2状態)では、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知する。
なお、報知対象役としては、例えば、押し順役を用いることができ、そして、押し順役を報知対象役として用いる場合には、遊技者に対して報知する停止操作の態様として、押し順を用いることができる。もちろん、報知対象役は押し順役に限るものではなく、報知する内容も押し順に限るものではない。すなわち、狙うべき図柄により停止操作の態様の択数を調整することもでき、このような場合には、報知する停止操作の態様も押し順ではなく停止操作のタイミングになる。
また、工夫例2における報知対象役は、第1状態(AT1)及び第2状態(AT2)において同一の役であってもよく、また、異なる役であってもよい。同一の役である場合には、正解となる停止操作の態様(例えば、押し順)を2種類用意しておき、正解となる停止操作の態様のうちの一方(第1の押し順)では、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示され(第4リール3−4における図柄は任意)、正解となる停止操作の態様のうちの他方(第2の押し順)では、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される(第1リール3−1における図柄は任意)。なお、不正解となる停止操作の態様の場合には、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域、及び第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域の双方において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示されない。そして、主制御回路91は、第1状態(AT1)においては、正解となる停止操作の態様のうちの一方(第1の押し順)を報知し、第2状態(AT2)においては、正解となる停止操作の態様のうちの他方(第2の押し順)を報知する。このようにすることで、第1状態(AT1)においても第2状態(AT2)においても、対応する図柄が直線状に並んで表示された場合に内部当籤役として決定された役が入賞するという状況を実現することができる。
また、第1状態と第2状態とのうちの何れか一方においては、入賞時に対応する図柄を直線状に並んで表示し、他方においては、入賞時に対応する図柄を直線状に表示しない制御も考えられる。例えば、再遊技の作動に係るリプレイ役として、役「通常リプレイ」と役「通常リプレイ」よりも特典付与(例えば、AT当籤、CZ当籤、モード移行など)の期待度が高い役「チャンスリプレイ」とを設ける。そして、役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せとして、任意の平行のライン(トップライン、センターライン、ボトムライン)に図柄「リプレイ」が並んで表示される図柄の組合せを対応付け、役「チャンスリプレイ」に対応する図柄の組合せとして、第2リール3−2〜第4リール3−4における図柄が役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと同一であり、第1リール3−1における図柄は役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと異なる図柄の組合せ(又は第1リール3−1〜第3リール3−3における図柄が役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと同一であり、第4リール3−4における図柄は役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと異なる図柄の組合せ)を対応付ける。
より具体的には、役「通常リプレイ」には、第1リール3−1〜第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」が並んで表示される図柄の組合せを対応付け、役「チャンスリプレイ」には、第1リール3−1の上段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」、第2リール3−2〜第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」が並んで表示される図柄の組合せを対応付ける。
これにより、第1状態では、役「チャンスリプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、図柄「リプレイ」が「上段−中段−中段」に表示され、第2状態では、役「チャンスリプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、図柄「リプレイ」が「中段−中段−中段」に表示される。一方で、役「通常リプレイ」については、第1状態及び第2状態の双方において、図柄「リプレイ」が「中段−中段−中段」に表示される。このようにすることで、役「チャンスリプレイ」の見え方(出目)を、遊技状態に応じて異ならせることができ、第2状態では、役「チャンスリプレイ」と役「通常リプレイ」とを区別困難にすることができる。
この場合において、第1状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率とは、異ならせることとしてもよく、同一であってもよい。また、当籤確率を異ならせる場合には、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率を、役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と同一にしてもよく、また、異ならせることとしてもよい。また、役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率も同様に、第1状態と第2状態とで同一であってもよく、また、異ならせることとしてもよく、第1状態と第2状態とで異ならせる場合において、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率を、役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と同一にする際には、同一とする確率は、第1状態における役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率であってもよく、また、第2状態における役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率であってもよい。
このように第1状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率とを、異ならせることで、遊技状態に応じて出目を変更するだけでなく、役のランクを遊技状態に応じて変更することができる。すなわち、役「チャンスリプレイ」は、第1状態を基準としてみると第2状態になることで役のランクが降格し、第2状態を基準としてみると第1状態になることで役のランクが昇格する。
なお、本制御例では、複数のリールとして4つのリール3−1〜3−4を用いることとしているが、リールの数は任意の数であってよく、また、複数のリールは、水平方向に並んで設けられていてもよく、また、垂直方向に並んで設けられていてもよい。また、本制御例は、複数のリールのうちの一端側の視認性を低下させる遊技状態と、当該一端側とは反対の他端側のリールの視認性を低下させる遊技状態とを制御可能であればよい。
なお、視認性を低下させるリールは、視認性を低下させないリールが3つ連続して並ぶことになるリールであることが好ましい。例えば、複数のリールとして5つのリールを用いる場合には、左端と右端との2つのリールの視認性を低下させることで、中央の3つの連続するリールの視認性は低下せず、また、左側の2つの連続するリールの視認性を低下させることで、右側の3つの連続するリールの視認性は低下せず、また、右側の2つの連続するリールの視認性を低下させることで、左側の3つの連続するリールの視認性は低下しない。これらを遊技状態に応じて異ならせることで、5つのリールの場合であっても本制御を適用することができる。
続いて、図297(B)は、本制御例のパチスロ機1における複数のストップボタンの概要を示す図である。同図に示すように、本制御例のパチスロ機1では、左から順に左のストップボタン7L、中のストップボタン7C、右のストップボタン7Rという3つのストップボタンを有する。これら3つのストップボタンは、水平方向に並んで設けられている。
左のストップボタン7Lは、第1リール3−1及び第2リール3−2に対応して設けられ、第1リール3−1に対する停止操作を検出する第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール3−2に対する停止操作を検出する第2リール用のストップスイッチ7Sが接続されている。左のストップボタン7Lが操作されると、第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出可能であり、主制御回路91は、第1リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第1リール3−1の回転を停止し、第2リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第2リール3−2の回転を停止する。なお、後述するように、左のストップボタン7Lに接続された第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール用のストップスイッチ7Sは、何れか一方が無効に制御されることがある。無効に制御されている場合には、主制御回路91は、無効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転は停せず、有効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転のみを停止する。
中のストップボタン7Cは、第2リール3−2及び第3リール3−3に対応して設けられ、第2リール3−2に対する停止操作を検出する第2リール用のストップスイッチ7S及び第3リール3−3に対する停止操作を検出する第3リール用のストップスイッチ7Sが接続されている。中のストップボタン7Cが操作されると、第2リール用のストップスイッチ7S及び第3リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出可能であり、主制御回路91は、第2リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第2リール3−2の回転を停止し、第3リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第3リール3−3の回転を停止する。なお、後述するように、中のストップボタン7Cに接続された第2リール用のストップスイッチ7S及び第3リール用のストップスイッチ7Sは、何れか一方が無効に制御されることがある。無効に制御されている場合には、主制御回路91は、無効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転は停せず、有効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転のみを停止する。
右のストップボタン7Rは、第3リール3−3及び第4リール3−4に対応して設けられ、第3リール3−3に対する停止操作を検出する第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール3−4に対する停止操作を検出する第4リール用のストップスイッチ7Sが接続されている。右のストップボタン7Rが操作されると、第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出可能であり、主制御回路91は、第3リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第3リール3−3の回転を停止し、第4リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第4リール3−4の回転を停止する。なお、後述するように、右のストップボタン7Rに接続された第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール用のストップスイッチ7Sは、何れか一方が無効に制御されることがある。無効に制御されている場合には、主制御回路91は、無効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転は停せず、有効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転のみを停止する。
(リールとストップスイッチとの関係(第1状態))
続いて、図299を参照して、第1状態(例えば、通常時)におけるリールとストップスイッチとの関係について説明する。同図(A)に示すように、第1状態では、第4リール3−4の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性が低下する。その結果、第1状態では、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を遊技者に対して与えることができる。
図299(B)に示すように、この第1状態では、主制御回路91は、左のストップボタン7Lに接続された第1リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第2リール用のストップスイッチ7Sを無効にし、また、中のストップボタン7Cに接続された第2リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第3リール用のストップスイッチ7Sを無効にし、また、右のストップボタン7Rに接続された第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール用のストップスイッチ7Sを有効にする。
その結果、図299(C)に示すように、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、左のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第1リール3−1の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第2リール3−2の回転は停止しない。同様に、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、中のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第2リール3−2の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第3リール3−3の回転は停止しない。また、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、右のストップボタン7Rが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第3リール3−3及び第4リール3−4の回転を停止する。
(リールとストップスイッチとの関係(第2状態))
続いて、図300を参照して、第1状態(例えば、CZ中やAT中)におけるリールとストップスイッチとの関係について説明する。同図(A)に示すように、第2状態では、第1リール3−1の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性が低下する。その結果、第2状態では、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を遊技者に対して与えることができる。
図300(B)に示すように、この第2状態では、主制御回路91は、左のストップボタン7Lに接続された第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール用のストップスイッチ7Sを有効にする。また、中のストップボタン7Cに接続された第3リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第2リール用のストップスイッチ7Sを無効にし、また、右のストップボタン7Rに接続された第4リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第3リール用のストップスイッチ7Sを無効にする。
その結果、図300(C)に示すように、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、左のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第1リール3−1及び第2リール3−2の回転を停止する。また、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、中のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第3リール3−3の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第2リール3−2の回転は停止しない。また、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、右のストップボタン7Rが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第4リール3−4の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第3リール3−3の回転は停止しない。
このように本制御例のパチスロ機1によれば、遊技に用いるリール(全ての単位図柄表示領域が見えるリール)を遊技状態に応じて異ならせるため、遊技状態に応じて出目のパターンが大きく異なり、出目のパターンを多彩にすることができる。また、3つのストップボタン7L〜7Rを用いて4つのリール3−1〜3−4を停止することができるとともに、3つのストップボタン7L〜7Rにより停止する4つのリール3−1〜3−4の対応関係を、遊技状態に応じて切り替えることで、遊技者は、慣れ親しんだ3リールの遊技機と同様の感覚で遊技(停止操作)を行うことができる。
なお、本制御例のパチスロ機1は、3つのストップボタン7L〜7Rを用いて4つのリール3−1〜3−4を停止することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、第6実施形態のパチスロ機1と同様に、4つのストップボタン7−1〜7−4を用いて4つのリール3−1〜3−4を停止しつつ、単位図柄表示領域の視認性を低下させるリールを遊技状態に応じて異ならせることとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3−1〜3−4と、リールに描かれた図柄の一部を表示する表示窓4と、遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rとを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、リール制御手段及び入賞判定手段として機能する。また、主制御基板71は、遊技に関する複数の遊技状態を制御可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、複数のリール3−1〜3−4は、水平方向に並んで設けられる4つ以上のリールであり、表示窓4には、複数のリール3−1〜3−4のそれぞれ毎に上段、中段、下段の単位図柄表示領域が設けられている。主制御基板71や副制御基板72は、表示窓4に設けられた複数の単位図柄表示領域のうちの一部の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性を、他の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性よりも低下させるため主制御基板71や副制御基板72は、視認性制御手段として機能する。具体的には、主制御基板71や副制御基板72は、第1状態においては、第1リール3−1の上段及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させ、第2状態においては、第4リール3−4の上段及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させる。
また、パチスロ機1では、左のストップボタン7Lには、第1リール3−1用のストップスイッチ7Sと第2リール3−2用のストップスイッチ7Sとが接続され、中のストップボタン7Cには、第2リール3−2用のストップスイッチ7Sと第3リール3−3用のストップスイッチ7Sとが接続され、右のストップボタン7Rには、第3リール3−3用のストップスイッチ7Sと第4リール3−4用のストップスイッチ7Sとが接続されている。主制御基板71は、ストップボタン7L,7C,7Rが操作された場合のストップスイッチ7Sの有効/無効を制御し、第1状態においては、左のストップボタン7Lが操作された場合に第1リール3−1の回転を停止する一方で第2リール3−2の回転は停止せず、中のストップボタン7Cが操作された場合に第2リール3−2の回転を停止する一方で第3リール3−3の回転は停止せず、右のストップボタン7Rが操作された場合に第3リール3−3及び第4リール3−4の回転を停止する。また、主制御基板71は、第2状態においては、左のストップボタン7Lが操作された場合に第1リール3−1及び第2リール3−2の回転を停止し、中のストップボタン7Cが操作された場合に第3リール3−3の回転を停止する一方で第2リール3−2の回転は停止せず、右のストップボタン7Rが操作された場合に第4リール3−4の回転を停止する一方で第3リール3−3の回転は停止しない。
また、主制御基板71は、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者に対して所定の停止操作の態様を報知可能であり、具体的には、第1状態では、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知し、第2状態では、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知する。そのため、主制御基板71は、報知手段として機能する。
[RBフラグ間を用いた遊技制御]
続いて、図301及び図302を参照して、パチスロ機1におけるRBフラグ間を用いた遊技制御について説明する。なお、本制御では、リールやストップボタンの数は任意であるが、以下では、リールやストップボタンが4つであるものとして説明する。
(遊技状態の概要)
初めに、図301を参照して、本制御例のパチスロ機1における遊技状態の概要について説明する。本制御例のパチスロ機1では、遊技状態として、非ボーナス状態、RBフラグ間及びボーナス状態(RB)を有する。非ボーナス状態は、ボーナス(RB)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(RB)が作動していない状態である。RBフラグ間は、ボーナス(RB)が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナス(RB)が作動していない状態である。ボーナス状態(RB)は、ボーナス(RB)が作動している状態である。
主制御回路91は、非ボーナス状態において、RBが内部当籤役として決定されると、非ボーナス状態からRBフラグ間に遊技状態を移行する。言い換えると、主制御回路91は、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、RBを内部当籤役として持ち越す。
また、主制御回路91は、RBに対応する図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態(RB)を開始し、遊技状態をボーナス状態(RB)に移行する。また、主制御回路91は、RB状態において終了条件を満たすと、ボーナス状態(RB)を開始し、遊技状態を非ボーナス状態に移行する。なお、RB状態の終了条件は任意であり、例えば、規定枚数を超えるメダルが払い出されることを終了条件としてもよい。
ここで、本制御例では、RBは、対応する図柄の組合せを表示可能な遊技では、停止操作の態様に関わらず必ず対応する図柄の組合せが表示される、いわゆる引き込み1の役であり、また、内部当籤役として持ち越されていない遊技においてRBが内部当籤役として決定された場合(すなわち、前遊技までは内部当籤役として決定されておらず、今遊技において内部当籤役として決定された場合)には、当該遊技では、対応する図柄の組合せの表示が可能となる役である。
そのため、非ボーナス状態においてRBが内部当籤役として決定されると、停止操作の態様に関わらずRBに対応する図柄の組合せが表示され、当該遊技においてボーナス(RB)が作動し、非ボーナス状態からボーナス状態(RB)に移行する。言い換えると、非ボーナス状態からボーナス状態(RB)への移行は、基本的には、非ボーナス状態からボーナス状態(RB)に直接移行し、非ボーナス状態からRBフラグ間を介してボーナス状態(RB)に移行することがない。
ただし、本制御例では、所定の操作を行うことで、引き込み1のRBであっても、内部当籤役として決定された遊技において対応する図柄の組合せを表示させずに、RBフラグ間に移行可能にしている。以下、引き込み1のRBの入賞を回避するための操作について説明する。
(引き込み1のRBフラグ間)
図301(B)は、引き込み1のRBの入賞を回避するための操作を説明するための図である。同図では、非ボーナス状態において遊技が開始された結果、当該遊技の内部抽籤処理においてRBが決定されている。RBは引き込み1であるため、全リールの回転が停止された場合には、対応する図柄の組合せが必ず表示され、RBが入賞してしまう結果、RBフラグ間に移行することなく、ボーナス状態(RB)に移行してしまう。そこで、本制御例では、当該遊技が開始してから、当該遊技が終了するまで(例えば、RBに対応する図柄の組合せが表示されるまで)の間に、設定変更操作を行う。設定変更が行われた場合には、当該遊技が終了することになるが、設定変更時の処理として、ボーナスフラグをクリアすることなく維持したままとすることで、ボーナスフラグ(RB)を維持したまま、当該遊技を終了することができる。その結果、引き込み1のRBであっても、内部当籤役として決定された遊技において対応する図柄の組合せが表示されてしまうことを回避することができ、RBフラグ間に遊技状態を移行することができる。
そして、本制御では、主制御回路91は、RBフラグ間になると、RBに応じた図柄の組合せが表示されないように、RBを封じ込める。具体的には、主制御回路91は、RBフラグ間において内部当籤役を決定するための内部抽籤処理において「はずれ」が決定される確率(すなわち、フラグ間において持ち越しているRBのみが内部当籤役として決定される確率)を0にするとともに、小役、リプレイ役、ボーナス役のうちRBの引込優先順位を最も低くすることで、内部当籤役として持ち越しているRBに対応する図柄の組合せが表示されないように制御する。このようにRBフラグ間においてRBを封じ込めることで、RBフラグ間に移行した後に(RBに入賞することがないため)ボーナス状態(RB)に移行することがなく、また、(ボーナス状態(RB)が開始されないため)非ボーナス状態に移行することがなく、RBフラグ間のまま遊技状態が維持される。
(第1遊技フロー)
続いて、図302(C)を参照して、本制御のパチスロ機1における第1遊技フローについて説明する。第1遊技フローでは、ボーナスありの遊技性となり、非ボーナス状態においてRBが内部当籤役として決定されると、当該遊技においてボーナス状態(RB)が開始し、ボーナス状態(RB)の終了後に非ボーナス状態に戻る。非ボーナス状態には、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とが含まれ、主制御回路91は、報知状態に関する特典の有無に応じて報知状態と非報知状態とを制御する。
(第2遊技フロー)
続いて、図302(D)を参照して、本制御のパチスロ機1における第2遊技フローについて説明する。第2遊技フローでは、ボーナスなしの遊技性となり、非ボーナス状態においてRBが内部当籤役として決定されると、上述した設定変更操作によりRBフラグ間に移行し、その後は、他の遊技状態に移行することなくRBフラグ間のまま遊技が行われる。RBフラグ間には、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とが含まれ、主制御回路91は、報知状態に関する特典の有無に応じて報知状態と非報知状態とを制御する。
このとき、主制御回路91は、非ボーナス状態では、RBフラグ間よりも報知状態に関する特典を付与する確率を高くする一方で、付与する特典の大きさについてはRBフラグ間の方が大きくなるように制御する。このようにすることで、非ボーナス状態では、報知に関する特典が付与され易いものの、付与される特典が小さくなり、RBフラグ間では、報知に関する特典が付与され難いものの、付与される特典が大きくなる。そのため、第1遊技フローでは、報知状態の初当たり確率は高くなるが、1回当たりの報知状態の継続期間が短くなり、出玉の波が緩やかな波となる一方で、第2遊技フローでは報知状態の初当たり確率は低くなるが、1回当たりの報知状態の継続期間が長くなり、出玉の波が荒くなる。なお、第1遊技フローと第2遊技フローとでは、出玉の波は異なるが、ペイアウト率は第1遊技フローの方が高くなるように設計されていることが好ましい。
このように本制御例のパチスロ機1によれば、非ボーナス状態とRBフラグ間とでは、特典を付与する確率と、特典を付与する場合の特典の大きさとがクロスする。これにより、特典が付与され易いが小さな特典しか付与されない遊技性と、特典が付与され難いが大きな特典が付与される遊技性という出玉性能の異なる遊技性を持つことができる。なお、本制御例では、非ボーナス状態とRBフラグ間とで、特典を付与する確率と特典を付与する場合の特典の大きさとをクロスすればよい。すなわち、上述の例と反対に、主制御回路91は、非ボーナス状態では、RBフラグ間よりも報知状態に関する特典を付与する確率を低くする一方で、付与する特典の大きさについてはRBフラグ間よりも大きくなるように制御することとしてもよい。
また、RBは、対応する図柄の組合せを表示可能な遊技では停止操作の態様に関わらず必ず対応する図柄の組合せが導出されるため、通常は、RBフラグ間に移行させることができない。この点、本制御例のパチスロ機1では、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されるまでの当該遊技の最中に所定の操作を行うことで、RBを持ち越したまま遊技を終了させることができ、このような方法により通常は移行できないRBフラグ間に移行させることができる。また、RBフラグ間では、RBに対応する図柄の組合せの表示が不可能に制御されるため、RBフラグ間に移行した場合には非ボーナス状態に移行させることができない。このように通常の遊技を行っている限りは、RBフラグ間及び非ボーナス状態は維持されるため、遊技店の店員がRBフラグ間及び非ボーナス状態を選択して設定することで、1つの遊技機のみで遊技者に対して出玉性能の異なる遊技性を提供することができる。
なお、RBフラグ間に移行させるためには、RBの当籤遊技において設定変更を行う必要があるため、RBが内部当籤役として決定された場合には、その旨を報知する報知手段を有することが好ましい。この場合において報知手段は、ランプ、スピーカー、液晶など任意であり、また、報知手段を制御する制御手段も主制御回路91であってもよく、副制御回路101であってもよい。
また、RBフラグ間では、RBが封じ込められて入賞することがなく、また、設定変更時にはボーナスフラグが維持されるため、一度、RBフラグ間の遊技性を選択してしまうと、他の遊技性を選択できなくなってしまう。そこで、ボーナスフラグを消去することが可能な設定変更操作とは異なる操作を設けることとしてもよい。例えば、RAMクリアボタンを設け、主制御回路91は、RAMクリアボタンが操作された場合には、持ち越しているRBをクリアし、RBを持ち越していない非ボーナス状態とする初期化処理を実行することとしてもよい。
また、本制御例では、遊技の途中の設定変更により遊技状態をRBフラグ間に移行させることとしているが、これに限られるものではない。例えば、停止操作の態様(例えば、押し順)が正解の態様である場合に1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の態様である場合に「はずれ」の図柄の組合せが表示される役「打順1枚役」と「RB」とが重複して当籤する役「打順1枚役+RB」という役を持ち、内部当籤役として決定される確率を低く設定する。そして、RBに応じた図柄の組合せよりも1枚のメダルが払い出される図柄の組合せを優先して引き込むように引込優先順位を設定する。このようにすることで、役「打順1枚役+RB」の当籤時に正解の態様で停止操作が行われた場合、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが優先して引き込まれる結果、RBが入賞せずにRBフラグ間に移行させることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、引き込み1のRBを有し、主制御基板71は、RBに対応する図柄の組合せが表示された場合に、ボーナス状態(RB)を開始可能であり、ボーナス状態(RB)において終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(RB)を終了可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。また、主制御基板71は、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、RBを内部当籤役として持ち越し可能であるため、主制御基板71は、持越手段として機能する。
また、主制御基板71は、RBを内部当籤役として持ち越していない非ボーナス状態において、RBが内部当籤役として決定された場合には、RBに対応する図柄の組合せの表示を可能に制御する一方で、RBを内部当籤役として持ち越しているRBフラグ間においてはRBに対応する図柄の組合せの表示を不可能に制御するため、主制御基板71は、封込手段として機能する。
また、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430を介して設定変更操作を受け付けると、所定の初期化処理を実行可能であり、特に、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されるまでの当該遊技の最中に設定変更操作を受け付けると、RBを内部当籤役として持ち越したまま当該遊技を終了する初期化処理を実行可能であり、また、RAMクリアボタンなどを介してRAMをクリアする操作を受け付けると、持ち越しているRBを消去し、RBを持ち越していない非ボーナス状態とする初期化処理を実行可能であるため、主制御基板71は、初期化手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態に関する特典を付与可能であり、特に、非ボーナス状態では、RBフラグ間よりも高い確率で報知状態に関する特典を付与可能である一方で、付与する特典の大きさはRBフラグ間よりも小さいため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[第7実施形態]
続いて、図303〜図342を参照して、第7実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第7実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第7実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[ボーナス及びRT状態の遷移フロー]
図303に示すように、第7実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非フラグ間とBBフラグ間とボーナス(BB)状態との状態を有する。非フラグ間は、BB役(後述の「F_BB」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態であり、BBフラグ間は、BB役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態である。
また、ボーナス状態は、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)が作動している状態であり、RB役の当籤の有無及びRB(第一種特別役物)の作動の有無に応じて、BB中一般とBB中RBフラグ間とBB中RBとの状態を有する。BB中一般は、RB役(後述の「F_RB1」「F_RB2」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、RBの作動が行われていない状態であり、BB中RBフラグ間は、RB役が内部当籤役として決定されており、かつ、RBの作動が行われていない状態であり、BB中RBは、RBが作動している状態である。
また、本実施形態のパチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、RT0状態とRT1状態とを有する。
主制御回路91は、(7)ボーナス状態において規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出されると、BBの作動を終了して、ボーナス状態から非ボーナス状態における非フラグ間のRT1状態に遊技状態を移行する。非ボーナス状態のRT1状態は、(1)RT1状態が開始してから32ゲーム経過するまで継続し、主制御回路91は、非ボーナス状態のRT1状態において32ゲームが経過すると、非ボーナス状態のRT1状態から非ボーナス状態のRT0状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、(2)非ボーナス状態の非フラグ間において、BB役が内部当籤役として決定されると、非ボーナス状態のBBフラグ間に遊技状態を移行する。
なお、本実施形態では、非フラグ間からBBフラグ間への移行は、RT状態の移行条件とはなっていない。そのため、非フラグ間のRT1状態において、32ゲームが経過するよりも前にBB役が内部当籤役として決定されると、主制御回路91は、非フラグ間のRT1状態からBBフラグ間のRT1状態に遊技状態を移行し、その後、BBフラグ間のままRT1状態が開始してからのゲーム数が32ゲームに達すると、主制御回路91は、BBフラグ間のRT0状態に遊技状態を移行する。
また、主制御回路91は、(3)非ボーナス状態においてBB役に対応する図柄の組合せが表示され、BB役が入賞すると、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動を開始して、ボーナス状態のBB中一般に遊技状態を移行する。なお、主制御回路91は、BB役が内部当籤役として決定された場合、対応する図柄の組合せが表示されるまでBB役を内部当籤役として持ち越す。
また、主制御回路91は、(4)ボーナス状態のBB中一般においてRB役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態のBB中RBフラグ間に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、(5)ボーナス状態のBB中RBフラグ間においてRB役に対応する図柄の組合せが表示され、RB役が入賞すると、RB(第一種特別役物)の作動を開始して、ボーナス状態のBB中RBに遊技状態を移行する。なお、主制御回路91は、RB役が内部当籤役として決定された場合、対応する図柄の組合せが表示されるまで、又は、ボーナス状態が終了するまで、RB役を内部当籤役として持ち越す。そして、主制御回路91は、(6)ボーナス状態のBB中RBにおいて、RB作動終了条件(8回入賞又は12回の遊技)を満たすと、RBの作動を終了して、ボーナス状態のBB中一般に遊技状態を移行する。
ここで、パチスロ機1では、複数の役として、メダルの払出に係る「小役」と、再遊技の作動に係る「リプレイ役」と、ボーナスの作動に係る「ボーナス役」とを有する。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、RB役に対応する図柄の組合せが表示され、RB役が入賞すると、RBの作動を開始するが、RBが作動している場合にはRBが作動していない場合に比べて、小役を内部当籤役として決定される確率が高くなる。すなわち、ボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間と、ボーナス状態のBB中RBとでは、RBが作動しているボーナス状態のBB中RBの方が、小役の当籤確率が高い。
なお、入賞が許可される一の図柄の組合せを「内部当籤役」と定義することもできるし、入賞が許可される複数の図柄の組合せを1つのまとまりとして内部当籤役と定義することもできるが、パチスロ機1では、後者を内部当籤役と定義して説明する。例えば、後述の「F_ベル1−L−LCR」は、入賞が許可される複数の図柄の組合せとして、「C_ATベル_123_1」「C_ATベル_123_2」「C_ATベル_123_3」「C_ATベル_123_4」「C_Lベル_1」「C_Lベル_2」「C_制御役F1_1」「C_制御役F1_2」「C_制御役F2_1」「C_制御役F2_2」「C_制御役G1」「C_制御役G2」「C_制御役G3」「C_制御役G4」「C_制御役L1」「C_制御役L2」「C_制御役L3」が対応付けられている(後述の図312〜図319参照)が、「F_ベル1−L−LCR」は、これら複数の「C_ATベル_123_1」〜「C_制御役L3」という役の総称、言い換えると、「F_ベル1−L−LCR」は、「C_ATベル_123_1」〜「C_制御役L3」という複数の役が重複して当籤する役の名称ということができる。そして、「C_ATベル_123_1」〜「C_制御役L3」は、それぞれが個別の役ということができる。
RB作動中の小役の当籤確率の詳細については後述するが、主制御回路91は、個々の小役が内部当籤役として決定される確率は、RBが作動しているボーナス状態のBB中RBの方が高くなるように内部当籤役を決定する一方で、メダルの増加に係る小役(例えば、15枚役)の何れかが内部当籤役として決定される確率は、RBが作動していないボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間の方が高くなるように内部当籤役を決定する。なお、個々の小役の当籤確率の高低と、何れかの小役が内部当籤役として決定される確率の高低とが、入れ違いになる点の詳細は、図337などにおいて後述する。
本実施形態のパチスロ機1では、RB作動に伴い小役の当籤確率を変動させることで、主制御回路91は、BB中一般及びBB中RBフラグ間(非RB遊技)では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、BB中RB(RB遊技)では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。
そのため、ボーナス状態のBB中RBは、遊技に伴いメダルが減少する減少期間となり、遊技者は、ボーナス状態中は、RB役の入賞を避けて遊技を行うことになる。
また、ボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間は、メダルの払出枚数が最も多い小役が入賞した場合にメダルが増加する増加期間となるものの、無作為(ランダム)に停止操作が行われた場合には、メダルの払出枚数が少ない小役が入賞する等する結果、遊技に伴いメダルが減少する。本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することがあり、ボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるAT期間中である場合には、遊技に伴いメダルが増加する増加期間となり、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない非AT期間中である場合には、遊技に伴いメダルが減少する減少期間となる。その結果、遊技者は、非AT期間の非ボーナス状態中は、BB役の入賞を避けて遊技を行うことになる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、非ボーナス状態中は、AT期間であるか否かに関わらず、遊技に伴いメダルが減少する減少期間である。
このように本実施形態のパチスロ機1では、AT期間中のボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)が増加期間となり、その他の状態は、減少期間となる。以下では、増加期間であるAT期間中のボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)を、ボーナス作動中ATと呼ぶことがある。
[報知に関する状態の遷移フロー]
続いて、図304を参照して、第7実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の情報を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とを有するAT機である。
図304(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、報知に関する状態(出玉状態)として、「通常」と「WIN中」と「ボーナス作動AT」と「引き戻しCZ」と「上位引き戻しCZ」とを有する。
「通常」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない非報知状態(非AT)であり、非有利区間である「通常(非有利区間)」と有利区間のうちの非報知状態(通常有利)である「通常(有利区間)」とを含む。なお、有利区間は、報知状態を実行可能な遊技区間であり、非有利区間は、報知状態を実行不可能な遊技区間である。
出玉状態「通常」は、基本的には遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態及びRT0状態」が対応する。なお、非AT期間中にBB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RB)」も出玉状態「通常」となる。
「通常発展」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない非報知状態(非AT)であり、有利区間のうちの非報知状態(通常有利)である。「通常発展」は、所定回数の遊技にわたり継続する演出区間(発展演出中)であり、後述する「ボーナス作動中AT」の自力チャンスゾーンとして機能する。
出玉状態「通常発展」は、基本的には遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態及びRT0状態」が対応する。なお、非AT期間中にBB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RB)」も出玉状態「通常」となる。
「WIN中」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない非報知状態(非AT)であってもよく、また、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であってもよく、有利区間中の遊技である。「WIN中」には、ATのストック付与の期待度が高い「WIN中高確」と「WIN中非高確」とが含まれる。
「WIN中」は、本実施形態のパチスロ機1における出玉の増加期間である「ボーナス作動中AT」への移行が可能な出玉状態である。本実施形態では、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することで、出玉を増加させるが、このような出玉の増加期間は、ボーナス状態であるため、ボーナス役(BB役)に対応する図柄の組合せが実際に表示される必要がある。そのため、「WIN中」は、ATに当籤してからボーナス状態が開始されるまでの待機期間ということができる。
出玉状態「WIN中」は、遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態及びRT0状態」が対応する。
「ボーナス作動中AT」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であり、有利区間中の遊技である。「ボーナス作動中AT」には、基本となる「基本AT」と、基本ATよりも遊技者にとって有利(上位)な「上位AT」と、有利区間のリミットに到達する際のAT期間である「エンディング」とが含まれる。
出玉状態「ボーナス作動中AT」は、基本的には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)」が対応する。なお、ボーナス状態のBB中RBは、減少期間であるため、遊技者は、ボーナス状態中は、RB役の入賞を避けて遊技を行うことになるが、ボーナス作動中AT中にRB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中RB)」も出玉状態「ボーナス作動中AT」となる。
「引き戻しCZ」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない非報知状態(非AT)であってもよく、また、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であってもよく、有利区間中の遊技である。「引き戻しCZ」は、「初回CZ」と「連中CZ」とを含む。図304(C)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス作動中AT(基本AT)と引き戻しCZとがループすることで、出玉を増加させていく。「引き戻しCZ」は、ボーナス作動中AT(基本AT)の後に移行する引き戻しのチャンスゾーンであり、「初回CZ」は、ループ(連荘)内における最初の「基本AT」の終了後に移行する引き戻しCZであり、「連中CZ」は、ループ(連荘)内における2回目以降の「基本AT」の終了後に移行する連荘中の引き戻しCZである。
「引き戻しCZ」は、ボーナス状態(BB)中に対応するボーナス作動中ATの終了後に移行する出玉状態であり、基本的には、32ゲーム間継続する。ここで、図303において上述したように、ボーナス状態(BB)の終了後には、RT状態が32ゲーム間のRT1状態となる。そのため、出玉状態「引き戻しCZ」は、基本的には、遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態」が対応する。なお、後述する「上位引き戻しCZ」を経由した場合、「引き戻しCZ」の継続期間は、ボーナス状態(BB)が終了してから32ゲーム間からずれることがある。そのため、遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT0状態」も出玉状態「引き戻しCZ」に対応することがある。また、引き戻しCZ中にBB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RB)」も出玉状態「引き戻しCZ」となる。
「上位引き戻しCZ」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない非報知状態(非AT)であってもよく、また、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であってもよく、有利区間中の遊技である。図304(C)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス作動中AT(上位AT)と上位引き戻しCZとがループすることで、出玉を増加させていく。「上位引き戻しCZ」は、ボーナス作動中AT(上位AT)の後に移行する引き戻しのチャンスゾーンである。
「上位引き戻しCZ」は、遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態」が対応する。また、上位引き戻しCZ中にBB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RB)」も出玉状態「上位引き戻しCZ」となる。
続いて、図304(B)に示すように、主制御回路91は、(1)出玉状態「通常(非有利区間)」において有利区間への移行抽籤に当籤すると、「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。なお、図示は省略しているが、有利区間への移行抽籤の結果によっては、出玉状態は、「通常(非有利区間)」から「WIN中」に直接移行することもある。
また、主制御回路91は、(2)出玉状態「通常(有利区間)」において通常発展への移行抽籤に当籤すると、「通常(有利区間)」から「通常発展」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(3)出玉状態「通常発展」の終了時にATのストックがない場合、「通常発展」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。なお、出玉状態「通常発展」は、規定ゲーム数を消化すると終了する。
また、主制御回路91は、(4)出玉状態「通常(有利区間)」においてATに当籤すると、又は、出玉状態「通常発展」の終了時にATのストックがある場合、「通常(有利区間)」又は「通常発展」からWIN中の「WIN中高確」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(5)出玉状態「WIN中高確」において規定ゲーム数を消化すると、「WIN中高確」から「WIN中非高確」に出玉状態を移行する。
また、主制御回路91は、(6)出玉状態「WIN中」においてBB役に対応する図柄の組合せが表示されてBB役が入賞すると、「WIN中」から「ボーナス作動中AT」に出玉状態を移行する。詳しくは後述するが、パチスロ機1では、主制御回路91及び副制御回路101は、「WIN中高確」中は、BB役の入賞を促す報知を行わず、「WIN中非高確」中は、BB役の入賞を促す報知を行うが、主制御回路91は、報知を行わない「WIN中高確」であっても報知を行う「WIN中非高確」であっても、BB役が入賞した場合、出玉状態を「ボーナス作動中AT」に移行する。
また、「WIN中」から移行する「ボーナス作動中AT」の種別は、ATのストックの有無に応じて異なり、主制御回路91は、(12)エンディングATのストックを有している場合には、ボーナス作動中ATの「エンディング」に出玉状態を移行する。なお、エンディングATのストックは、エンディングの移行条件を満たした場合に1つ付与される。具体的には、主制御回路91は、有利区間において、枚数リミッタ用のカウンタが規定値(2100)以上であること、又は、ゲーム数リミッタ用のカウンタが規定値(1400)以上であることの何れかを満たした場合に、エンディングの移行条件を満たしたとして、エンディングATのストックを1つ付与する。なお、主制御回路91は、出玉状態「ボーナス作動中AT」においてエンディングの移行条件を満たした場合、規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出された結果としてBBの作動が終了した後に出玉状態を「WIN中」に移行する。また、主制御回路91は、出玉状態「引き戻しCZ」又は「上位引き戻しCZ」においてエンディングの移行条件を満たした場合、出玉状態を「WIN中」に移行する。
また、主制御回路91は、(13)出玉状態「エンディング」において規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出された結果としてBBの作動が終了すると、有利区間を終了して、「エンディング」から「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
また、主制御回路91は、エンディングATのストックがなく、かつ、上位ATのストックを有している場合には、「WIN中」からボーナス作動中ATの「上位AT」に出玉状態を移行する。そして、主制御回路91は、エンディングAT及び上位ATのストックがなく、かつ、基本ATのストックを有している場合には、「WIN中」からボーナス作動中ATの「基本AT」に出玉状態を移行する。
また、主制御回路91は、(8)出玉状態「基本AT」において規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出された結果としてBBの作動が終了すると、「基本AT」から「引き戻しCZ」に出玉状態を移行する。より具体的には、主制御回路91は、ループ(連荘)内における最初の「基本AT」の終了後には「初回CZ」に出玉状態を移行し、ループ(連荘)内における2回目以降の「基本AT」の終了後には「連中CZ」に出玉状態を移行する。
また、主制御回路91は、(4)出玉状態「引き戻しCZ」においてATに当籤すると、「引き戻しCZ」からWIN中の「WIN中高確」に出玉状態を移行する一方で、(9)出玉状態「引き戻しCZ」においてATに当籤することなく引き戻しCZが終了すると(より詳細には、引き戻しCZの終了時にATのストックが無い場合)、有利区間を終了して、「引き戻しCZ」から「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。なお、引き戻しCZは、開始してから規定ゲーム数(例えば、32ゲーム)が経過すると終了する。
また、主制御回路91は、(10)出玉状態「上位AT」において規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出された結果としてBBの作動が終了すると、「上位AT」から「上位引き戻しCZ」に出玉状態を移行する。「上位引き戻しCZ」は、最大5ゲーム間継続し、(4)出玉状態「上位引き戻しCZ」においてATに当籤すると、「上位引き戻しCZ」からWIN中の「WIN中高確」に出玉状態を移行する。なお、「上位引き戻しCZ」においてATに当籤した場合には、必ず上位ATのストックが付与される結果、上位引き戻しCZと上位ATとがループする。また、主制御回路91は、(11)出玉状態「上位引き戻しCZ」においてATに当籤することなく上位引き戻しCZが終了(5ゲーム経過)すると、「上位引き戻しCZ」から「連中CZ」に出玉状態を移行する。
なお、主制御回路91は、出玉状態が「WIN中」から「ボーナス作動中AT」に移行したタイミング、又は、「ボーナス作動中AT」が終了したタイミングで、対応する種別のATのストックを1減算する。
続いて、図304(C)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における遊技フローについて説明する。パチスロ機1は、出玉状態「ボーナス作動中AT」を目指して遊技を行う遊技性を有しており、出玉状態「通常」では、基本的には、出玉状態「通常発展」を目指して遊技を行う。出玉状態「通常発展」は、ATのストック付与期待度が高い自力のチャンスゾーンであり、ATのストックが付与された場合には、出玉状態「ボーナス作動中AT」に移行する。
出玉状態「ボーナス作動中AT」は、ループ性を有しており、通常は、「基本AT」と「引き戻しCZ」との間で「ボーナス作動中AT」がループするが、上位ATのストックが付与された場合には、ループの継続率が上がり、「上位AT」と「上位引き戻しCZ」との間で「ボーナス作動中AT」がループする。なお、「上位AT」と「上位引き戻しCZ」との間のループが終了した場合であっても、出玉状態は「引き戻しCZ」に移行するだけであり、「基本AT」と「引き戻しCZ」との間でのループが可能になっている。
[主制御側の各種のデータテーブル]
続いて、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図305に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図305に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図305に示す図柄コード表は、各リール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」「青BAR」「黒BAR」「チェリー」「スイカA」「スイカB」「ベルA」「ベルB」「リプレイ」及び「ブランク」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図306〜図308を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。図306(A)は、非ボーナス状態かつ非フラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図306(B)は、非ボーナス状態かつBBフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図307(C)は、ボーナス状態のBB中一般において参照される内部抽籤テーブルであり、図307(D)及び図308(E)は、ボーナス状態のBB中RBフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図308(F)は、ボーナス状態のBB中RBにおいて参照される内部抽籤テーブルである。なお、本実施形態のパチスロ機1では、BB中RBフラグ間として、RB1役(F_RB1)を持ち越しているBB中RB1フラグ間と、RB2役(F_RB2)を持ち越しているBB中RB2フラグ間とを有する。図307(D)は、ボーナス状態のBB中RB1フラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図308(E)は、ボーナス状態のBB中RB2フラグ間において参照される内部抽籤テーブルである。
ここで、非ボーナス状態の非フラグ間において参照される、図306(A)の内部抽籤テーブルを参照すると、本実施形態のパチスロ機1では、非ボーナス状態の非フラグ間では、高い確率(約1/3.6(=18158/65536))でBB役が内部当籤役として決定される。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「ボーナス作動中AT」がループすることで出玉が増加することとしているため、ボーナス(BB)の作動契機となるBB役は、非フラグ間において高い確率で当籤するようにし、基本的には、高確率で当籤するBB役を持ち越したまま遊技が行われるようにしている。
[図柄組合せテーブル]
次に、図309〜図311を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図309〜図311においては、規定される図柄の組合せ(コンビネーション)内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。
また、同図において「配当」とは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合に付与される配当の内容を表す。具体的には、「配当:BB」は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(上述のBB)が作動することを表し、「配当:RB」は、第一種特別役物(上述のRB)が作動することを表し、「配当:RP」は、再遊技(リプレイ)が作動することを表す。また、「配当:15」は、15枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:3」は、3枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:1」は、1枚のメダルが払い出されることを表す。なお、本実施形態のパチスロ機1では、クロスダウンラインが有効ラインとなっている。
[内部当籤役と図柄組合せの対応表]
続いて、図312〜図319は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。
各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。言い換えると、内部当籤役として決定された役の総称(「F_」から始まる名称)と、重複して当籤する個々の役(「C_」から始まる名称)との対応関係を示す。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係)
続いて、図320及び図321を参照して、内部当籤役として決定された役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係について説明する。図320は、非ボーナス状態(非BB)における内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係を示す図であり、図321は、ボーナス状態(BB)における内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係を示す図である。
なお、同図において「通常リプ」とは、図309〜図311における「C_中段リプ_1〜2」〜「C_変則リプ」の何れかが対応し、「7揃い」とは、図309〜図311における「C_7揃いリプ_1」〜「C_7揃いリプ3」の何れかが対応し、「リーチ目」とは、図309〜図311における「C_リーチ目リプA_1〜3」〜「C_リーチ目チェリーD」の何れかが対応し、「7フェイク」とは、図309〜図311における「C_7フェイクリプ1」〜「C_7フェイクリプ2」の何れかが対応する。
また、同図において「中段チェリー」とは、図309〜図311における「C_中段チェリーA_1〜3」〜「C_中段チェリーD_1〜3」の何れかが対応し、「強チェリー」とは、図309〜図311における「C_強チェリーA1」〜「C_強チェリーD2」の何れかが対応し、「チャンス目A」とは、図309〜図311における「C_チャンス目A_1〜2」の何れかが対応し、「チャンス目B」とは、図309〜図311における「C_チャンス目B_1〜2」〜「C_チャンス目E」の何れかが対応し、「弱チェリー」とは、図309〜図311における「C_弱チェリーA_1〜2」〜「C_弱チェリーD_1〜2」の何れかが対応する。
また、同図において「スイカ」とは、図309〜図311における「C_スイカA1_1〜3」〜「C_スイカB2_1〜2」の何れかが対応し、「15枚」とは、図309〜図311における「C_ATベル_L」〜「C_ATベル_321_1〜2」の何れかが対応し、「3枚」とは、図309〜図311における「C_共通ベル_1〜5」〜「C_Rベル_1〜9」の何れかが対応し、「1枚」とは、図309〜図311における「C_制御役A1_1〜2」〜「C_制御役N7」の何れかが対応する。
同図に示すように、パチスロ機1では、メダルの払出に係る小役として、複数のベル役(「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」)を有するが、これらベル役は、非ボーナス状態(非BB)では、最大でも3枚のメダルが払い出される小役しか入賞しない一方で、ボーナス状態(BB)では、最大で15枚のメダルが払い出される小役が入賞するように制御される。その結果、本実施形態のパチスロ機1では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)の出玉率が1を超えることになる。
また、パチスロ機1では、停止操作の順序に応じて表示される図柄の組合せ(入賞役)が異なる押し順役として、複数のリプレイ役(「F_7揃いリプA」〜「F_中段チェリー」)を有している。これらリプレイ役が内部当籤役として決定された場合、出玉状態「引き戻しCZ」「上位引き戻しCZ」「ボーナス作動中AT(エンディングを除く)」では、これらリプレイ役に基づく後述のAT抽籤に当籤した場合、又は、既にATのストックを有している場合には、「7揃い」「7フェイク」「リーチ目」が表示されることになる押し順を報知する。一方で、出玉状態「引き戻しCZ」「上位引き戻しCZ」「ボーナス作動中AT(エンディングを除く)」においてATのストックを有しておらず、かつ、これらリプレイ役に基づく後述のAT抽籤に非当籤である場合、及び、出玉状態「WIN中」「エンディング」では、「通常リプ」が表示されることになる押し順を報知し、出玉状態「通常」「通常発展」では、何らの押し順も報知しない。
(押し順ナビ非発生でのリーチ目停止について)
「リーチ目」を表示可能な内部当籤役の総称として以下「リーチ目役」と呼ぶ。具体的には、図320において図示した通り、「F_リーチ目リプ」「F_リーチ目チェリー」「F_リーチ目スイカ」「F_リーチ目ナビL」「F_リーチ目ナビC」「F_リーチ目ナビR」「F_共通リーチ目リプ」を指す。本実施形態における「リーチ目」とは、遊技者にATの当籤を報知する停止出目として用いられる。そのため、前述のとおりAT当籤時又はATストックを有している場合に出現する停止出目として設計されている。「リーチ目役」が内部当籤役として決定されており、当該遊技において「リーチ目」の停止によるAT当籤の報知又はストック保持の報知を行いたい場合は、前述の通り、「リーチ目」が停止する押し順を報知するものとしてもよいが、特に押し順を報知しないこととしてもよい。押し順の報知が行われない遊技では、通常、遊技者は左リール3Lから順に停止操作を行うため「F_リーチ目ナビC」「F_リーチ目ナビR」以外の「リーチ目役」においては押し順ナビ非発生で、チェリーやスイカなどを取りこぼさないように遊技者が停止操作を行うと、普段停止しない「リーチ目」が停止されAT当籤などを認識できるという遊技性を実現できる。また、「リーチ目」が停止した場合に、表示ユニット100などの画像表示手段においてAT当籤などの演出を合わせて行ってもよいし、リールバックランプによるフラッシュ演出などを合わせて行ってAT当籤の報知演出による興趣を高めることとしてもよい。また、第1停止又は第2停止の時点で「リーチ目」の停止が確定する出目が停止した場合は、その時点でAT当籤を報知又は示唆する演出(例えば、「イチカク!」「大チャンス!」などの当籤示唆ボイスなど)を発生可能としてもよい。なお、押し順ナビが発生しないことにより、「通常リプ」が停止する押し順で遊技者が停止操作を行ってしまう場合もあるが、その場合も表示ユニット100などの画像表示手段やリールバックランプによるAT当籤演出を行うことで、遊技者にAT当籤を報知するものとすることが好ましい。
(リーチ目と押し順ナビを合わせた遊技性について)
前述の通り、何れかの「リーチ目役」についても押し順による「リーチ目」の停止/非停止の場合を設けているが、ここでは、「F_リーチ目ナビL」「F_リーチ目ナビC」「F_リーチ目ナビR」を特に「押し順リーチ目役」と呼ぶ。これら「押し順リーチ目役」が内部当籤役として決定された遊技において、AT当籤などの報知として「リーチ目」を表示させたい場合は、「リーチ目」が停止する押し順が報知される。この場合、表示ユニット100などの画像表示手段におけるナビ表示の態様は、押し順ベルなどに対するナビ表示の態様と同様の態様としてもよい。これにより、ベルが揃うと思って停止操作をした場合に、ベルではなく「リーチ目」が停止するという意外性のある当たり方を見せることができる。また、表示ユニット100などの画像表示手段におけるナビ表示の態様として、「リーチ目」の停止期待度を示唆する態様を用いることとしてもよい。例えば、白文字の押し順ナビである場合には「リーチ目」の停止期待度が低く(例えば、1%)、赤文字の押し順ナビである場合には「リーチ目」の停止期待度が高く(例えば、50%)、虹文字の押し順ナビである場合には「リーチ目」の停止期待度が確定する(例えば、100%)こととしてもよい。また、押し順ベルでは発生しない態様で押し順ナビを行うこととしてもよく、例えば、緑文字の押し順ナビが発生した場合には「F_リーチ目スイカ」によりスイカ揃いでの「リーチ目」が表示されることが示唆されるなど、「リーチ目」の種別を示唆又は報知する態様で押し順ナビを行うこととしてもよい。
(ボーナスを誤入賞させた場合のRT1状態中のリーチ目回避について)
図303に示すようにボーナス状態(BB)の作動終了後はRT1状態に遷移する仕様である。そのため、通常時(AT非当籤時)に誤って遊技者がBB役を入賞させてしまい、当該BBの作動が終了した場合は、非AT状態で「リーチ目役」が内部当籤役として決定され易い状態となってしまう。ここで、ATに当籤していないにも関わらず「リーチ目」が停止表示されると、遊技者がATに当籤したと勘違いしてしまうおそれがある。そこで、出玉状態「通常」「通常発展」(つまり、AT非当籤時)において「リーチ目役」が内部当籤役として決定された場合、「通常リプ」が表示される押し順がナビされるものとしてもよい。また、別手法として遊技者が左リール3Lから停止させる一般的な打ち方をするという想定で、左第1停止で「リーチ目」が停止しない「リーチ目役」についてはナビ非発生、左第1停止で「リーチ目」が停止する「リーチ目役」については「通常リプ」が停止表示される押し順を報知するという仕様としてもよい。これら場合に、遊技者がナビを無視して、又は左第1停止以外で停止操作を行うことで「リーチ目」が表示された場合には、無効なリーチ目であることを示唆する表示を行うものとして遊技者が当りと誤認し難いようにしてもよい。例えば、「再遊技」とただのリプレイである旨を示す表示をしてもよい。また、遊技機のパネルや、ガイドメニューなどにおいてナビ無視時やナビ無し時に中リール3Cや右リール3Rから停止させた場合は、無効なリーチ目が停止することがある旨を遊技者説明として設けるものとしてもよい。
なお、本実施形態のように「リーチ目役」はリプレイ役として、押し順及び押下位置により遊技者にもたらされる利益(払い出し枚数やRTの遷移など)が変化しないようにすることが望ましい。このような役構成であれば「リーチ目」を停止させるナビ、及び、「リーチ目」を回避させるナビは、発生の有無が出玉に影響しないものとなる。つまり、あくまで出玉に影響しない演出としてのナビとなるため、メイン(主制御回路91)側でナビを出さずに、サブ(副制御回路101)側のみでナビを出すことも許容される。また、押し順ベルなど押し順や押下位置により利益が変化する役の場合は、非AT状態(非有利区間や有利区間中の非AT)の場合はサブ側でナビが出せないように、どの押し順役が当籤したかサブ側で識別できないようにグルーピングした状態で当籤役情報をメインからサブへ送信する必要がある。例えば、図306の「F_ベル1−L−LCR」から「F_ベル18−R−RCL」の押し順ベルの何れが当籤しても、サブ側では押し順ベルグループが当籤したという情報しか受け取ることができない。一方、「リーチ目役」のように停止操作態様で有利不利が発生しない内部当籤役の場合は、このようなグルーピングをする必要がないため、非AT状態であったとしてもサブ側で「リーチ目役」の種別を把握することができるため、サブ側でも「リーチ目」を回避するナビを行うことができる。つまり、非AT中(非有利区間中)であっても、「リーチ目」回避ナビを出すことが可能となり、「リーチ目」停止により遊技者が当りと誤解する状況の発生を抑制することができる。
なお、必ずしも全ての「リーチ目役」をリプレイ役として構成する必要はなく、少なくとも一部の「リーチ目役」をリプレイ役として構成するものとしてもよい。また、押し順不問、押下位置不問で同じ利益の小役が入賞する内部当籤役(例えば、共通ベルなど)を「リーチ目役」として構成するものとしてもよい。
また、図306に示すように「F_共通リーチ目リプ」「F_中段チェリー」は、当籤係数が4/65536と非常に低確率で当籤する所謂プレミアム役として設計されている。この2役は、非AT中に当籤した時点でAT当籤が確定する役であるため、押し順により回避させる必要が無く、前述した「リーチ目」の停止を回避させる対象には含まれていないものとなっている。
また、通常時(非AT中)に急に押し順ナビが発生した場合、必ず「リーチ目」回避ナビである仕様では、遊技者に「リーチ目」を回避しているということが察知されてしまい、遊技者にストレスを与える可能性がある。そこで、「F_通常リプA」「F_通常リプC」などの通常のリプレイ役が内部当籤役として決定された場合の一部でも演出として押し順ナビを発生させて、ナビによって「リーチ目」の停止を回避させているということを遊技者に察知され難くしてもよい。
(リーチ目役をリプレイ役とするその他のメリット)
また、「リーチ目役」をリプレイ役として構成するメリットとしては、ガセリーチ目を放置するという他の遊技者や店舗への嫌がらせを抑制する効果もある。ガセリーチ目とは、停止出目として「リーチ目」と認識できるが、実際にはリーチ目ではなくボーナスやATなどの恩恵が発生していない状態で停止した出目を指す。市場においては、リール停止制御の都合により、中リール3Cや右リール3Rを第1停止操作とした場合に、左リール3Rが第1停止だとリーチ目となる出目が止まってしまう機種もある。このような機種では、悪意のある遊技者がわざとガセリーチ目を停止させた状態で放置して、他の遊技者に「リーチ目」の遊技台が落ちていると誤認させて打たせるように仕向けるといったことがあった。この場合は、後から打った遊技者が「リーチ目」が出ているのに当たりではないため、故障ではないかと誤解することがあり、店側とのトラブルに発展することもあった。この点、「リーチ目役」をリプレイ役として構成した場合、ナビを無視した打ち方などによってAT非当籤時に「リーチ目」を停止させた場合に再遊技の権利も発生するため、悪意のある遊技者でも再遊技の権利を放置したまま空き台とすることがためらわれ、ガセリーチ目の報知行為を抑制できるという効果がある。
また、パチスロ機1では、停止操作の順序に応じて表示される図柄の組合せ(入賞役)が異なる押し順役として、複数のベル役(「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルA9−R」)を有している。これら複数のベル役が内部当籤役として決定された場合、出玉状態「ボーナス作動中AT」では、最も多いメダルが払い出されることになる正解の押し順を報知し、出玉状態「通常」「通常発展」では、何らの押し順も報知しない。また、その他の出玉状態では、正解の押し順を報知することとしてもよく、また、何らの押し順も報知しないこととしてもよい。
なお、このような押し順の報知は、メイン(主制御回路91)側で行うこととしてもよく、また、サブ(副制御回路101)側で行うこととしてもよく、双方において行うこととしてもよい。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図322は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役を抽籤種別としてグループ化し、この抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。なお、同図では、内部当籤役に対して抽籤種別が規定されていない空欄の箇所があるが、この空欄の箇所には「0」が規定されているものとする。
また、上述したように本実施形態のパチスロ機1では、非フラグ間においてBB役が高確率で当籤するため、基本的には、BB役を持ち越した遊技状態であるBBフラグ間に滞在したまま遊技が行われる。ここで、同図において示す内部当籤役とは、ボーナス役を持ち越している場合には、内部当籤役として決定された役のうち持ち越しているボーナス役以外の役をいい、ボーナス役を持ち越していない場合には、内部当籤役として決定された役をいう。例えば、BBフラグ間において「F_BB+F_通常リプA」が内部当籤役として決定された場合、抽籤種別は、同図における「F_通常リプA」欄に規定された抽籤種別となり、BBフラグ間において「F_BB」のみが単独で内部当籤役として決定された場合、抽籤種別は、同図における「はずれ」欄に規定された抽籤種別となる。また、非フラグ間において「F_通常リプA」が内部当籤役として決定された場合、抽籤種別は、同図における「F_通常リプA」欄に規定された抽籤種別となる。
[通常(非有利区間)において用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図323を参照して、出玉状態「通常(非有利区間)」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブル]
初めに、図323(A)を参照して、通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブルは、出玉状態「通常(非有利区間)」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき有利区間への移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブルは、抽籤種別1毎に有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。同図に示すように、本実施形態では、抽籤種別1が「1」である場合は必ず有利区間への移行抽籤に当籤し、抽籤種別1が「0」である場合は必ず有利区間への移行抽籤に非当籤する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、通常区間のまま維持して、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、非有利区間(通常区間)から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「通常(非有利区間)」から他の出玉状態に移行する。具体的には、主制御回路91は、抽籤結果「当籤」が決定された場合には、後述する出玉抽籤を合わせて行うが、この出玉抽籤において「基本AT」又は「上位AT」が決定された場合には、出玉状態「WIN中」に出玉状態を移行し、その他の場合には出玉状態「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。
[通常(非有利区間)_有利区間移行時有利区間モード抽籤テーブル]
続いて、図323(B)を参照して、通常(非有利区間)_有利区間移行時有利区間モード抽籤テーブルについて説明する。通常(非有利区間)_有利区間移行時有利区間モード抽籤テーブルは、有利区間への移行抽籤に当籤した際に参照され、通常有利区間モードを決定するために用いられる。通常有利区間モードは、後述する通常モードを抽籤する際に参照されるモードであり、“モードA”“モードB”“モードC”の3種類ある。
通常(非有利区間)_有利区間移行時有利区間モード抽籤テーブルは、設定値毎に通常有利区間モードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、通常有利区間モードを抽籤すると、決定した通常有利区間モードをセットする。また、主制御回路91は、有利区間移行時に通常有利区間モードを一度セットすると、当該有利区間中は他のモードに移行することなくセットした通常有利区間モードのまま維持する。
[通常(非有利区間)_有利区間移行時出玉抽籤テーブル]
続いて、図323(C)を参照して、通常(非有利区間)_有利区間移行時出玉抽籤テーブルについて説明する。通常(非有利区間)_有利区間移行時出玉抽籤テーブルは、有利区間への移行抽籤に当籤した際に参照され、通常発展抽籤モードやATのストックを付与するか否かを決定するために用いられる。通常発展抽籤モードは、出玉状態「通常(有利区間)」から出玉状態「通常発展」に移行させるか抽籤(通常発展抽籤)する際に参照されるモードであり、“通常”“高確ショート”“高確ロング”“超高確”の4種類ある。
通常(非有利区間)_有利区間移行時出玉抽籤テーブルは、有利区間への移行抽籤に当籤した際の抽籤種別2毎に抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤(通常)」が決定された場合には、出玉状態を「通常(有利区間)」に移行するとともに、通常発展抽籤モードとして“通常”をセットし、抽籤結果として「高確ショート」が決定された場合には、出玉状態を「通常(有利区間)」に移行するとともに、通常発展抽籤モードとして“高確ショート”をセットし、抽籤結果として「高確ロング」が決定された場合には、出玉状態を「通常(有利区間)」に移行するとともに、通常発展抽籤モードとして“高確ロング”をセットし、抽籤結果として「超高確」が決定された場合には、出玉状態を「通常(有利区間)」に移行するとともに、通常発展抽籤モードとして“超高確”をセットする。なお、抽籤結果として「高確ショート」「高確ロング」「超高確」が決定された場合には、主制御回路91は、保障ゲーム数を抽籤しセットする。保障ゲーム数は、毎ゲーム1減算される値であり、この値が1以上である場合は、通常発展抽籤モードの転落抽籤において転落することがない(より詳細には、当該転落抽籤自体を行わない)。
また、主制御回路91は、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合には、出玉状態を「WIN中」に移行するとともに、基本ATのストックを1つ付与し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合には、出玉状態を「WIN中」に移行するとともに、上位ATのストックを1つ付与する。
[通常(有利区間)において用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図324〜図326を参照して、出玉状態「通常(有利区間)」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[通常(有利区間)_通常モード抽籤テーブル]
初めに、図324(A)を参照して、通常(有利区間)_通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_通常モード抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」及び「通常発展」において、通常モードを抽籤する際に参照される。通常(有利区間)_通常モード抽籤テーブルは、有利区間モード及び通常遊技数カウンタの値毎に設けられ、抽籤結果(通常モード)についての抽籤値の情報を規定する。なお、通常遊技数カウンタは、出玉状態「通常(有利区間)」及び「通常発展」中の遊技数を計数する減算カウンタであり、毎ゲーム1減算される。通常遊技数カウンタは、有利区間移行時に初期値として「601」がセットされ、カウンタ値が「0」となったタイミングで天井到達として基本ATのストックが1つ付与される。また、通常遊技数カウンタは、出玉状態が「WIN中」に移行した場合や、有利区間が終了した場合にクリアされる。通常モードは、通常発展抽籤モードを抽籤する際に参照するモードであり、“モード1”“モード2”“モード3”“モード4”の4種類ある。
主制御回路91は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」において行われたゲーム数が規定回数に到達するたびに、通常(有利区間)_通常モード抽籤テーブルを参照して、通常モードの抽籤を行う。より具体的には、主制御回路91は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」では、50ゲーム毎に通常モードの抽籤を行う。同図において「通常中のゲーム数」欄の「1」は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」において行われたゲーム数が0ゲームである場合(1ゲーム目)に参照され、「通常中のゲーム数」欄の「201、401」は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」において行われたゲーム数が200ゲーム又は400ゲームである場合(201ゲーム目又は401ゲーム目)に参照され、「通常中のゲーム数」欄の「51、151、251、351、451、551」は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」において行われたゲーム数が50ゲーム、150ゲーム、250ゲーム、350ゲーム、450ゲーム又は550ゲームである場合(51ゲーム目、151ゲーム目、251ゲーム目、351ゲーム目、451ゲーム目又は551ゲーム目)に参照され、「通常中のゲーム数」欄の「101、301、501」は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」において行われたゲーム数が100ゲーム、300ゲーム又は500ゲームである場合(101ゲーム目、301ゲーム目及び501ゲーム目)に参照される。
また、主制御回路91は、抽籤結果として「モード1」が決定された場合には、通常モードとして“モード1”をセットし、抽籤結果として「モード2」が決定された場合には、通常モードとして“モード2”をセットし、抽籤結果として「モード3」が決定された場合には、通常モードとして“モード3”をセットし、抽籤結果として「モード4」が決定された場合には、通常モードとして“モード4”をセットする。
[通常(有利区間)_通常発展抽籤モード抽籤テーブル]
続いて、図324(B)を参照して、通常(有利区間)_通常発展抽籤モード抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_通常発展抽籤モード抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において単位遊技毎に通常発展抽籤モードの抽籤を行う際に参照される。通常(有利区間)_通常発展抽籤モード抽籤テーブルは、通常モード毎に設けられ、抽籤種別6に対応付けて抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤(通常)」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“通常”をセットし、抽籤結果として「高確ショート」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“高確ショート”をセットし、抽籤結果として「高確ロング」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“高確ロング”をセットし、抽籤結果として「超高確」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“超高確”をセットする。なお、抽籤結果として「高確ショート」「高確ロング」「超高確」が決定された場合には、主制御回路91は、保障ゲーム数を抽籤しセットする。また、現在セットされている通常発展抽籤モード以下の通常発展抽籤モードを決定した場合、主制御回路91は、抽籤結果を無効にして、現在セットされている通常発展抽籤モードのまま維持する。なお、通常発展抽籤モードは、“通常”が最も低く、“高確ショート”が次に低く、“高確ロング”が次に低く、“超高確”が最も高い。
[通常(有利区間)_通常発展抽籤モード転落抽籤テーブル]
続いて、図324(C)を参照して、通常(有利区間)_通常発展抽籤モード転落抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_通常発展抽籤モード転落抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において単位遊技毎に通常発展抽籤モードの転落抽籤を行う際に参照される。通常(有利区間)_通常発展抽籤モード転落抽籤テーブルは、現在セットされている通常発展抽籤モード毎に、抽籤種別7に対応付けて転落抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤(通常)」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“通常”をセットし、抽籤結果として「高確ショート」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“高確ショート”をセットし、抽籤結果として「高確ロング」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“高確ロング”をセットし、抽籤結果として「超高確」が決定された場合には、通常発展抽籤モードとして“超高確”をセットする。なお、保障ゲーム数がセットされている場合には、主制御回路91は、転落抽籤を行わない。
[通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブル]
続いて、図325(D−1)(D−2)を参照して、通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブルについて説明する。図325(D−1)に示す通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブルは、内部当籤役に関係なく毎遊技参照され、図325(D−2)に示す通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブル(スイカ用)は、スイカ(F_スイカ)が内部当籤役である場合に更に追加的に参照される。通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において単位遊技毎に出玉状態「通常発展」に移行するか否かの通常発展抽籤を行う際に参照される。
図325(D−1)に示す通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブルは、通常発展抽籤モード毎に設けられ、抽籤種別5に対応付けて通常発展抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。また、図325(D−2)に示す通常(有利区間)_通常発展抽籤テーブル(スイカ用)は、設定値毎に通常発展抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を「通常(有利区間)」のまま維持する一方で、抽籤結果として「非当籤」以外が決定された場合には、当籤した通常発展の種別をセットするとともに、出玉状態を「通常(有利区間)」から「通常発展」に移行する。また、主制御回路91は、何れかの通常発展に当籤した場合には、出玉状態「通常発展」の継続期間を抽籤により決定する。具体的には、主制御回路91は、抽籤結果として「通常発展A」が決定された場合には、出玉状態「通常発展」の継続期間として「1ゲーム」又は「2ゲーム」を抽籤により決定し、抽籤結果として「通常発展B」が決定された場合には、出玉状態「通常発展」の継続期間として「1ゲーム」「2ゲーム」又は「3ゲーム」を抽籤により決定し、抽籤結果として「通常発展C」〜「通常発展G」が決定された場合には、出玉状態「通常発展」の継続期間として「2ゲーム」「3ゲーム」「4ゲーム」「5ゲーム」を抽籤により決定する。
[通常(有利区間)_通常発展当籤時AT抽籤テーブル]
続いて、図326(E)を参照して、通常(有利区間)_通常発展当籤時AT抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_通常発展当籤時AT抽籤テーブルは、通常発展への移行抽籤に当籤した場合に参照され、ATのストックの付与を行うか否かのAT抽籤を行うために用いられる。通常(有利区間)_通常発展当籤時AT抽籤テーブルは、当籤した通常発展の種別毎にAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合は、基本ATのストックを1つ付与し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与する。
[通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブル]
続いて、図326(F−1)(F−2)(F−3)を参照して、通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブルについて説明する。図326(F−1)に示す通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブルは、内部当籤役に関係なく毎遊技参照され、図326(F−2)に示す通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブル(弱チェ用)は、弱チェリー(F_弱チェリー)が内部当籤役である場合に更に追加的に参照され、図326(F−3)に示す通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブル(共通ベル用)は、共通ベル(F_共通ベルA1−L)が内部当籤役である場合に更に追加的に参照される。通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において単位遊技毎にATのストックを付与するか否かのAT抽籤を行う際に参照される。
図326(F−1)に示す通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブルは、抽籤種別4に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。また、図326(F−2)に示す通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブル(弱チェ用)及び図327(F−3)に示す通常(有利区間)_AT直当り抽籤テーブル(共通ベル用)は、設定値毎にAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、出玉状態も「通常(有利区間)」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合は、基本ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「通常(有利区間)」から「WIN中」に移行し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「通常(有利区間)」から「WIN中」に移行する。
[通常発展において用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図327を参照して、出玉状態「通常発展」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[通常発展_発展中AT抽籤テーブル]
図327を参照して、通常発展_発展中AT抽籤テーブルについて説明する。通常発展_発展中AT抽籤テーブルは、出玉状態「通常発展」において単位遊技毎にATのストックの付与を行うか否かのAT抽籤を行うために用いられる。通常発展_発展中AT抽籤テーブルは、ATのストックの有無毎に設けられ、抽籤種別8に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、ATのストックがない場合には同図における「AT非当籤」欄が参照され、基本ATのストックがあり上位ATのストックがない場合には同図における「基本AT当籤」欄が参照され、上位ATのストックがある場合には同図における「上位AT当籤」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合は、基本ATのストックを1つ付与し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与する。
[WIN中において用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図328を参照して、出玉状態「WIN中」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[WIN中_WIN移行時高確ゲーム数抽籤テーブル]
初めに、図328(A)を参照して、WIN中_WIN移行時高確ゲーム数抽籤テーブルについて説明する。WIN中_WIN移行時高確ゲーム数抽籤テーブルは、出玉状態「WIN中」への移行時に参照され、出玉状態「WIN中高確」の高確ゲーム数の抽籤を行うために用いられる。WIN中_WIN移行時高確ゲーム数抽籤テーブルは、ATのストックの有無毎に設けられ、高確ゲーム数の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、基本ATのストックがあり上位ATのストックがない場合には同図における「基本AT当籤中」欄が参照され、上位ATのストックがある場合には同図における「上位AT当籤中」欄が参照される。
主制御回路91は、高確ゲーム数の抽籤結果として「5G」が決定された場合には、高確ゲーム数として5ゲームをセットする。すなわち、WIN中に移行してから5ゲーム間は、出玉状態「WIN中高確」になり、5ゲーム経過した後は、出玉状態「WIN中非高確」になる。同様に、高確ゲーム数の抽籤結果として「40G」が決定された場合には、高確ゲーム数として40ゲームをセットする。すなわち、WIN中に移行してから40ゲーム間は、出玉状態「WIN中高確」になり、40ゲーム経過した後は、出玉状態「WIN中非高確」になる。なお、本実施形態では、抽籤結果として得られた高確ゲーム数分だけ出玉状態が「WIN中高確」になることとしているが、抽籤結果として得られた高確ゲーム数を「WIN中高確」の保障ゲーム数としてもよい。すなわち、主制御回路91は、出玉状態「WIN中高確」において出玉状態「WIN中非高確」への転落抽籤を行うが、抽籤結果として得られた高確ゲーム数分の遊技では、この転落抽籤を行うことなく、高確ゲーム数分の遊技が行われた後に、この転落抽籤を行うこととしてもよい。
[WIN中_WIN中AT抽籤テーブル]
続いて、図328(B)を参照して、WIN中_WIN中AT抽籤テーブルについて説明する。WIN中_WIN中AT抽籤テーブルは、出玉状態「WIN中」において単位遊技毎にATのストックの付与を行うか否かのAT抽籤を行うために用いられる。WIN中_WIN中AT抽籤テーブルは、WIN中高確及びWIN中非高確に対して設けられ、ATのストックの有無毎に抽籤種別9に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、出玉状態「WIN中非高確」では、同図における「非高確中」欄が参照され、出玉状態「WIN中高確」では、同図における「高確中」欄が参照される。また、基本ATのストックがあり上位ATのストックがない場合には同図における「基本AT当籤中」欄が参照され、上位ATのストックがある場合には同図における「上位AT当籤中」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与する。ここで、同図を参照すると、WIN中高確とWIN中非高確とでは、WIN中高確の方が上位ATのストックが付与され易いことが分かる。なお、本実施形態では、WIN中のAT抽籤では、上位ATのストックのみを付与可能にしているが、これに限るものではなく、基本ATのストックを付与可能としてもよい。すなわち、WIN中高確とWIN中非高確とでは、WIN中高確の方が何らかの特典が付与される確率が高い状態であればよく、付与する特典は任意である。
[基本ATにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図329を参照して、出玉状態「基本AT」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[基本AT_基本AT中AT抽籤テーブル]
続いて、図329を参照して、基本AT_基本AT中AT抽籤テーブルについて説明する。基本AT_基本AT中AT抽籤テーブルは、出玉状態「基本AT」において単位遊技毎にATのストックの付与を行うか否かのAT抽籤を行うために用いられる。基本AT_基本AT中AT抽籤テーブルは、抽籤種別10に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合は、基本ATのストックを1つ付与し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与する。
[初回CZにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図330を参照して、出玉状態「初回CZ」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[初回CZ_初回CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブル]
初めに、図330(A)を参照して、初回CZ_初回CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブルについて説明する。初回CZ_初回CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブルは、出玉状態「初回CZ」への移行時に参照され、初回CZ中の3枚役指示モードの抽籤を行うために用いられる。ここで、3枚役指示モードとは、出玉状態「引き戻しCZ(初回CZ又は連中CZ)」において押し順ベル(「F_ベル1−L−LCR」〜「F_ベル18−R−RCL」)が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知する確率を規定するモードである。なお、本実施形態のパチスロ機1では、押し順役の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われた場合、非ボーナス状態(非BB)中では「3枚」のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、ボーナス状態(BB)中では「15枚」のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される(図320及び図321を参照)ため、遊技状態「非ボーナス状態」である出玉状態「引き戻しCZ」では、報知に従い停止操作を行った場合、「3枚」のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。
初回CZ_初回CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブルは、設定値毎に3枚役指示モードの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「指示モード1」が決定された場合には、3枚役指示モードとして“指示モード1”をセットし、抽籤結果として「指示モード2」が決定された場合には、3枚役指示モードとして“指示モード2”をセットし、抽籤結果として「指示モード3」が決定された場合には、3枚役指示モードとして“指示モード3”をセットする。なお、セットした3枚役指示モードは、出玉状態「初回CZ」に滞在している間は維持されるが、出玉状態が「初回CZ」から他の出玉状態に移行するとクリアされる。
[初回CZ_3枚役指示抽籤テーブル]
続いて、図330(B)を参照して、初回CZ_3枚役指示抽籤テーブルについて説明する。初回CZ_3枚役指示抽籤テーブルは、出玉状態「初回CZ」において押し順ベル(「F_ベル1−L−LCR」〜「F_ベル18−R−RCL」)が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知するか否かの指示抽籤を行うために用いられる。初回CZ_3枚役指示抽籤テーブルは、3枚役指示モード毎に設けられ、指示抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、何らの押し順も報知することなく、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、内部当籤役として決定された押し順ベルにおいて正解の押し順を遊技者に対して報知する。
[初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブル]
続いて、図330(C−1)(C−2)を参照して、初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブルについて説明する。図330(C−1)に示す初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブルは、内部当籤役に関係なく毎遊技参照され、図330(C−2)に示す初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブル(3枚役用)は、3枚役が内部当籤役である場合に更に追加的に参照される。なお、3枚役とは、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」のことを意味する。初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブルは、出玉状態「初回CZ」において単位遊技毎にATのストックを付与するか否かのAT抽籤を行う際に参照される。
図330(C−1)に示す初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブルは、抽籤種別11に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。また、図330(C−2)に示す初回CZ_初回CZ中AT抽籤テーブル(3枚役用)は、3枚役指示モード毎に設けられ、3枚役連続カウンタの値毎にAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、出玉状態を「初回CZ」のまま維持し、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合は、基本ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「初回CZ」から「WIN中」に移行し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「初回CZ」から「WIN中」に移行する。
ここで、3枚役連続カウンタとは、出玉状態「引き戻し(初回CZ又は連中CZ)」において3枚役が連続して入賞した回数を計数するカウンタである。主制御回路91は、当該遊技において3枚役が内部当籤役として決定されたタイミングで、3枚役連続カウンタを1加算する。また、主制御回路91は、当該遊技において3枚役が内部当籤役として決定されないタイミング(言い換えると、当該遊技において3枚役以外の役が内部当籤役として決定されたタイミング)、押し順ベルに対する報知が行われていない遊技において上述した「3枚」に対応する図柄の組合せ(「C_共通ベル_1〜5」〜「C_Rベル_1〜9」)が表示されなかったタイミング(言い換えると、「3枚」に対応する図柄の組合せ以外の図柄の組合せが表示されたタイミング)、及び、出玉状態が「WIN中」に移行したタイミングで、3枚役連続カウンタを0にクリアする。
[連中CZにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図331及び図332を参照して、出玉状態「連中CZ」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[連中CZ_MAP抽籤テーブル]
初めに、図331(A)を参照して、連中CZ_MAP抽籤テーブルについて説明する。連中CZ_MAP抽籤テーブルは、出玉状態「連中CZ」への最初の移行時に参照され、MAPの抽籤を行うために参照される。なお、MAPとは、出玉状態「連中CZ」における3枚役指示モードを抽籤するためのモードであり、一度セットされると、有利区間が終了するまで維持される。連中CZ_MAP抽籤テーブルは、設定値毎に設けられMAP抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定した種別のMAPをセットする。
[連中CZ_連中CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブル]
初めに、図331(B)を参照して、連中CZ_連中CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブルについて説明する。連中CZ_連中CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブルは、出玉状態「連中CZ」に移行するたびに参照され、連中CZ中の3枚役指示モードの抽籤を行うために用いられる。連中CZ_連中CZ移行時3枚役指示モード抽籤テーブルは、MAP毎に設けられ、連中CZの連荘回数に対応付けて3枚役指示モードの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「指示モード1」が決定された場合には、3枚役指示モードとして“指示モード1”をセットし、抽籤結果として「指示モード2」が決定された場合には、3枚役指示モードとして“指示モード2”をセットし、抽籤結果として「指示モード3」が決定された場合には、3枚役指示モードとして“指示モード3”をセットする。なお、セットした3枚役指示モードは、出玉状態「連中CZ」に滞在している間は維持されるが、出玉状態が「連中CZ」から他の出玉状態に移行するとクリアされる。
[連中CZ_3枚役指示抽籤テーブル]
続いて、図331(C)を参照して、連中CZ_3枚役指示抽籤テーブルについて説明する。連中CZ_3枚役指示抽籤テーブルは、出玉状態「連中CZ」において押し順ベル(「F_ベル1−L−LCR」〜「F_ベル18−R−RCL」)が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知するか否かの指示抽籤を行うために用いられる。連中CZ_3枚役指示抽籤テーブルは、3枚役指示モード毎に設けられ、指示抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、何らの押し順も報知することなく、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、内部当籤役として決定された押し順ベルにおいて正解の押し順を遊技者に対して報知する。
[連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブル]
続いて、図332(D−1)(D−2)を参照して、連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブルについて説明する。図332(D−1)に示す連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブルは、内部当籤役に関係なく毎遊技参照され、図332(D−2)に示す連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブル(3枚役用)は、3枚役が内部当籤役である場合に更に追加的に参照される。連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブルは、出玉状態「連中CZ」において単位遊技毎にATのストックを付与するか否かのAT抽籤を行う際に参照される。
図332(D−1)に示す連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブルは、連中CZのゲーム数毎に設けられ、抽籤種別11に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。例えば、出玉状態「連中CZ」の最終遊技では、同図における「最終ゲーム」欄が参照され、その他の遊技では、同図における「その他」欄が参照される。また、図332(D−2)に示す連中CZ_連中CZ中AT抽籤テーブル(3枚役用)は、3枚役指示モード毎に設けられ、3枚役連続カウンタの値毎にAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、出玉状態を「連中CZ」のまま維持し、抽籤結果として「基本AT」が決定された場合は、基本ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「連中CZ」から「WIN中」に移行し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「連中CZ」から「WIN中」に移行する。
[上位ATにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図333を参照して、出玉状態「上位AT」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[上位AT_上位AT中上位AT抽籤テーブル]
続いて、図333を参照して、上位AT_上位AT中上位AT抽籤テーブルについて説明する。上位AT_上位AT中上位AT抽籤テーブルは、出玉状態「上位AT」において単位遊技毎に上位ATのストックの付与を行うか否かのAT抽籤を行うために用いられる。上位AT_上位AT中上位AT抽籤テーブルは、抽籤種別10に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与する。なお、出玉状態「上位AT」中は、上位ATのストックのみを付与可能であり、基本ATのストックは付与されることがない。
[上位引き戻しCZにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図334を参照して、出玉状態「上位引き戻しCZ」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[上位引き戻しCZ_上位引き戻しCZ中上位AT抽籤テーブル]
続いて、図334を参照して、上位引き戻しCZ_上位引き戻しCZ中上位AT抽籤テーブルについて説明する。上位引き戻しCZ_上位引き戻しCZ中上位AT抽籤テーブルは、上位引き戻しCZのゲーム数毎に設けられ、抽籤種別11に対応付けてAT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。例えば、出玉状態「上位引き戻しCZ」の最終遊技では、同図における「最終ゲーム」欄が参照され、その他の遊技では、同図における「その他」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合は、ATのストックを付与せずに、出玉状態を「上位引き戻しCZ」のまま維持し、抽籤結果として「上位AT」が決定された場合は、上位ATのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「上位引き戻しCZ」から「WIN中」に移行する。なお、出玉状態「上位引き戻しCZ」中は、上位ATのストックのみを付与可能であり、基本ATのストックは付与されることがない。
[第7実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第7実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[ボーナス(BB)作動とATとの関係]
上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態(BB)中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することで、出玉を増加させ、このような出玉の増加期間を出玉状態「ボーナス作動中AT」と呼ぶ。ここで、ボーナス状態の作動は、ボーナス役(BB役)に対応する図柄の組合せが表示されることで行われるため、ATに当籤していないにも関わらずボーナス状態が作動することがある。
図335は、ボーナス状態の作動とATとの関係を示す図であり、図335(A)は、ATに当籤しない状態でボーナス状態が作動した場合の動作例を示し、図335(B)は、ATに当籤している状態でボーナス状態が作動した場合の動作例を示す。なお、本実施形態のパチスロ機1では、ATに当籤してからボーナス状態が開始されるまでの待機期間として出玉状態「WIN中」を設ける。そのため、本実施形態において、ATに当籤しない状態でボーナス状態が作動した場合とは、「WIN中」以外の出玉状態においてボーナス状態が作動した場合をいい(図335(A))、ATに当籤している状態でボーナス状態が作動した場合とは、出玉状態「WIN中」においてボーナス状態が作動した場合をいう(図335(B))。
図335(A)に示すように、ATに当籤しない状態でボーナス状態が作動した場合、主制御回路91は、ボーナス状態の作動の前後において出玉状態を移行することなく、ボーナス状態の作動前の出玉状態のまま維持する。ここで、ボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間は、メダルの払出枚数が最も多い小役が入賞した場合にメダルが増加する増加期間となるものの、無作為(ランダム)に停止操作が行われた場合には、メダルの払出枚数が少ない小役が入賞する等する結果、遊技に伴いメダルが減少する。ATに当籤していない状態でボーナス状態が作動した場合には、主制御回路91は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知しないため、出玉は減少することになる(単位遊技当たりのメダルの収支の期待値がマイナス)。
なお、パチスロ機1では、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態を遊技者にとって不利な状態とすればよく、本実施形態のように出玉が減少することで遊技者にとって不利な状態としてもよく、また、AT抽籤において当籤する確率が低下することで遊技者にとって不利な状態としてもよい。また、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態では、AT抽籤自体を行わないこととしてもよく、また、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態では、無作為に停止操作が行われた場合に非ボーナス状態に比べてメダルが減少し難いものの、AT抽籤については非ボーナス状態よりも不利(確率低下又はAT抽籤自体を行わない)な状態としてもよい。例えば、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態では、メダルの増減はほぼ現状維持程度(現状維持であってもよく、若干の微減であってもよい)で、その代わりにAT抽籤に当籤し難い、AT抽籤に関するモード移行抽籤が不利になる、AT抽籤のうちの一部の抽籤が行われないなどというものであってもよい。
また、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態を、非ボーナス状態よりも相対的に不利な状態とすればよく、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態がAT抽籤において非ボーナス状態よりも不利であれば、当該ボーナス状態においては無作為に停止操作が行われた場合のメダルの収支の期待値がプラスであってもよい。例えば、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態では、無作為に停止操作が行われた場合にメダルの収支の期待値が「+0.01枚/G」で、その代わりにAT抽籤における当籤期待度が大きく低下するという仕様である。このような仕様であれば、ATに当籤していない状態において意図的にボーナス役を入賞させても、メダルはほぼ増加せずに、メダルの増加期間であるATが遠のくため、このような遊技方法は、設計者が意図しない打ち方でメダルを増加させる攻略法とはならず、また、初心者などが目押しを誤ってボーナス役を入賞させてしまった場合の損失も軽減することができる。
また、ATに当籤していない状態において作動したボーナス状態において、RB役が入賞した場合には、AT抽籤に当籤する確率をさらに低下させても良いし、また、BB中RBの方が小役の入賞が発生する頻度が低いため、AT抽籤に当籤する確率をBB中一般やBB中RBフラグ間と比べて上昇させて、損失の軽減を図ることとしてもよい。なお、BB中RBについても、ATに当籤していない状態においてボーナス役を入賞させないという通常の遊技方法と比べて相対的に有利にならないような設計とすることが望ましい。
一方で、図335(B)に示すように、ATに当籤している状態でボーナス状態が作動した場合、主制御回路91は、ボーナス状態の作動を契機として出玉状態を「WIN中」から「ボーナス作動中AT」に移行する。出玉状態「ボーナス作動中AT」では、主制御回路91は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知するため、出玉は増加することになる(単位遊技当たりのメダルの収支の期待値がプラス)。
なお、図335(A)に示すように、ATに当籤しない状態でボーナス状態が作動した場合、副制御回路101は、表示ユニット100における表示画面を、ボーナス状態の作動の前後において切り替えることなく、ボーナス状態の作動前の表示画面(例えば、演出ステージ)を維持する。また、副制御回路101は、ATに当籤しない状態で作動したボーナス状態中は、表示ユニット100において何らの演出も行うことなく、表示画面を維持したままとしてもよく、また、イレギュラーな状態(ATに当籤しない状態で作動したボーナス状態)であることを示す表示を表示ユニット100に表示しておくこととしてもよい。
一方で、図335(B)に示すように、ATに当籤している状態でボーナス状態が作動した場合、副制御回路101は、表示ユニット100における表示画面を、ボーナス状態の作動の前後において切り替える。具体的には、副制御回路101は、出玉状態「WIN中」では、表示ユニット100において、ATに当籤してボーナス状態の作動を待っている状態であることを示す“WIN ボーナス確定”などの表示を行い、その後、ボーナス状態が作動し出玉状態が「ボーナス作動中AT」に移行すると、表示ユニット100においてメダルの増加期間である有利状態に応じた所定の演出を行うとともに、遊技者にとって有利な停止操作の情報(正解の押し順)を表示ユニット100に表示する。
[WIN中の遊技性]
続いて、図336を参照して、本実施形態のパチスロ機1が有する特有の遊技性である出玉状態「WIN中」の遊技性について説明する。
初めに、図336(A)を参照して、出玉状態「WIN中」における演出例について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「WIN中」には、出玉状態「WIN中高確」と「WIN中非高確」とが含まれる。出玉状態「WIN中高確」は、滞在中のATのストック付与期待度が高いものの(図328(B)参照)、ボーナス状態の作動開始契機となる図柄の組合せが報知されない一方で、出玉状態「WIN中非高確」は、滞在中のATのストック付与期待度は低いものの(図328(B)参照)、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが報知される。
具体的には、副制御回路101は、出玉状態「WIN中高確」では表示ユニット100において“WIN ボーナス確定”などのように、ATに当籤してボーナス状態の作動を待っている状態であることを示す表示を行う一方で、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを報知しない。一方で、副制御回路101は、出玉状態「WIN中非高確」では表示ユニット100において“青BARを狙え!”などのように、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを報知する。なお、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せの報知態様は任意である。例えば、本実施形態において、ボーナス状態の作動の契機となる図柄の組合せが「青BAR−青BAR−青BAR」であり、有効ラインがクロスダウンラインであるため、副制御回路101は、クロスダウンラインに沿って「青BAR−青BAR−青BAR」を表示することを報知する演出を行うこととしてもよい。
そして、主制御回路91は、「WIN中」に移行すると、まず、出玉状態を「WIN中高確」とし、その後、所定の移行条件を満たすと、出玉状態を「WIN中高確」から「WIN中非高確」に移行する。具体的には、主制御回路91は、出玉状態「WIN中」への移行時に高確ゲーム数抽籤(図328(A)参照)、この抽籤において当籤したゲーム数の間の出玉状態を「WIN中高確」とし、当該ゲーム数が経過すると出玉状態を「WIN中非高確」に移行する。
なお、「WIN中高確」から「WIN中非高確」への移行条件は任意である。例えば、本実施形態のようにゲーム数が経過することで移行することとしてもよく、また、主制御回路91は、「WIN中高確」において移行抽籤を行い、この移行抽籤において当籤した場合に、「WIN中高確」から「WIN中非高確」に出玉状態を移行させることとしてもよい。また、主制御回路91は、「WIN中高確」においてメダルの減少枚数を計数しておき、「WIN中高確」において減少したメダルの枚数が所定枚数に達した場合に、「WIN中高確」から「WIN中非高確」に出玉状態を移行させることとしてもよい。
また、これら移行条件を現在の状態に応じて調整可能としてもよい。一例として、主制御回路91は、現在の出玉の状態、有利区間のリミッタまでの残り期間などに応じて、移行条件を調整することができる。より具体的には、主制御回路91は、現在までの出玉率が高い場合は、規定ゲーム数が多く(又は少なく)なるように、移行抽籤に当籤する確率が高く(又は低く)なるように、メダルの減少枚数の規定数が多く(又は少なく)なるように調整し、現在までの出玉率が低い場合は、規定ゲーム数が少なく(又は多く)なるように、移行抽籤に当籤する確率が低く(又は高く)なるように、メダルの減少枚数の規定数が少なく(又は多く)なるように調整することとしてもよい。なお、現在までの出玉率は、例えば、パチスロ機1の電源がONになってから現在までの出玉率であってもよく、また、有利区間に移行してから現在までの出玉率であってもよい。
また、主制御回路91は、有利区間のリミッタまでの残り期間が長い場合は、規定ゲーム数が多く(又は少なく)なるように、移行抽籤に当籤する確率が高く(又は低く)なるように、メダルの減少枚数の規定数が多く(又は少なく)なるように調整し、有利区間のリミッタまでの残り期間が短い場合は、規定ゲーム数が少なく(又は多く)なるように、移行抽籤に当籤する確率が低く(又は高く)なるように、メダルの減少枚数の規定数が少なく(又は多く)なるように調整することとしてもよい。
ここで、出玉状態「WIN中」においてボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが表示されてボーナス状態が作動すると、出玉状態が「WIN中」から「ボーナス作動中AT」に移行するが、この出玉状態の移行は、「WIN中高確」であるか「WIN中非高確」であるかに関係なく行われる。すなわち、出玉状態「WIN中高確」では、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せは報知されないものの、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが表示された場合には、出玉状態が「WIN中高確」から「ボーナス作動中AT」に移行する。同様に、出玉状態「WIN中非高確」では、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが報知され、報知に従い停止操作を行った結果、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが表示された場合には、出玉状態が「WIN中非高確」から「ボーナス作動中AT」に移行する。
このとき、パチスロ機1では、出玉状態「WIN中高確」から移行した出玉状態「ボーナス作動中AT」も、出玉状態「WIN中非高確」から移行した出玉状態「ボーナス作動中AT」も、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が同一である。一方で、パチスロ機1では、非ボーナス状態中は、AT期間であるか否かに関わらず、遊技に伴いメダルが減少する減少期間であるため、出玉状態「WIN中高確」「WIN中非高確」は、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値がマイナスである。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「WIN中」に以下のような遊技性を有することになる。
(WIN中の遊技性1(ATストック優先))
出玉状態「WIN中」では、出玉状態「WIN中非高確」への移行条件を満たすまで、又は、出玉状態「ボーナス作動中AT」に移行するまで、ATのストック付与期待度が高い「WIN中高確」に滞在する。遊技性1は、出玉状態「WIN中高確」における利点を利用する遊技方法である。具体的には、遊技性1では、出玉状態「WIN中高確」においてボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが表示されること(ボーナス役(BB役)の入賞)を避けて遊技を行うことで、出玉状態「WIN中高確」の滞在期間を、出玉状態「WIN中非高確」への移行条件を満たすまで延ばす。そして、出玉状態「WIN中非高確」への移行条件を満たし、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが報知されたことを待って、ボーナス状態の作動を開始する。これにより、遊技性1では、出玉状態「WIN中」にATのストックが付与される確率を高くすることができる。
(WIN中の遊技性2(短期出玉優先))
ただし、出玉状態「WIN中高確」は、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値がマイナスであるため、遊技性1のように出玉状態「WIN中高確」の滞在期間を延ばした場合にはメダルが減少してしまう。遊技性2は、出玉状態「WIN中高確」における欠点を回避する遊技方法である。具体的には、遊技性2では、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが早期に表示されるように遊技を行うことで、メダルが減少する出玉状態「WIN中高確」の滞在期間をできる限り短くし、メダルが増加する出玉状態「ボーナス作動中AT」に早期に移行させる。これにより、遊技性2では、短期的には遊技性1よりも多くの出玉を得ることができる。
また、ここで説明した遊技性1と遊技性2とでは、長期的にみれば遊技性1(ATストック優先)の打ち方を選択した方が、若干出玉率が高い設計となっている。そのため、時間に余裕がある遊技者は、遊技性1を選択した方がトータルで期待値(出玉率)が高くなる。もっとも「WIN中高確」にてATストックを得られなかった場合には、単にメダルを減らすだけとなるため、そのリスクを負ってATストックを狙う遊技性である。なお、出玉率が高く遊技者が勝ち易い設定(いわゆる高設定)の場合も、遊技性1の場合はトータルでの期待値は高くなるものの遊技性1は、ボーナスの作動を遅らせる打ち方であり、AT当籤→ボーナスでメダル増加→有利区間終了→通常時→AT当籤というゲーム性の1サイクルに必要なゲーム数が長くなり時間効率は悪くなるため、閉店時間を考慮して1日に消化できるゲーム数を考えると、遊技性2を選択して時間効率を良くした方がトータルでの獲得出玉が多くなる場合もある。そして、閉店までの残り時間が少ない場合はATストックを得たとしても消化しきれずに閉店してしまうリスクがあるため、当然、遊技性2を選択する方が有利となる。また、2400枚等で有利区間終了(AT終了)となる差枚数リミッタが発動する枚数に到達するほどに多くのストックが既にある、又は、現在のATにおいて2400枚近く獲得していて差枚数リミッタが発動する可能性が高い状況などでは、遊技性1を選択して更なるATストックを得ても、リミッタによる終了で当該ATストックも消滅してしまうため、遊技性2を選び短時間でリミッタまで増加枚数を増やした方が時間効率が良いといえる。また、有利区間開始から1500ゲームで有利区間終了となるゲーム数リミッタに到達する可能性が高い状況である場合は、有利区間中でありながらメダルが増加しない「WIN中高確」を引き延ばすことなく、少ないゲーム数でメダルを増加させる遊技性2の方が有利な打ち方となる。このように遊技者に遊技性の選択が可能となる仕様とすることで、その遊技者が遊技可能な残り時間や、遊技者が演出や出玉の状況から推測した設定値、リミッタ発動までが近いかどうかの状況などを考慮して打ち方を選ぶことが可能となり、より戦略的なゲーム性を楽しむことができるようになる。
このように本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「WIN中」に異なる遊技性を遊技者に対して選択させることができる。より具体的には、異なる遊技性を遊技者の停止操作(目押し操作)に応じて選択することができる。そのため、出玉の増加期間であるAT(ボーナス作動中AT)の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
なお、パチスロ機1では、出玉状態「WIN中」においてボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示できない遊技では、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示できないことを示唆する演出を実行することとしてもよい。ここで、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示できない遊技とは、ボーナス役(BB役)を内部当籤役として決定していない遊技に加え、ボーナス役(BB役)よりも引込優先順位が高い役をボーナス役(BB役)とともに内部当籤役として決定している遊技も含む。
演出の態様は任意であり、また、演出を実行する演出実行手段や演出実行手段を制御する演出制御手段も任意であるが、例えば、遊技開始時(リール回転開始時)などに出力するスタート音を、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示できる遊技と、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示できない遊技とで異ならせることとしてもよい。
また、ボーナス役(BB役)よりも引込優先順位が高い役をボーナス役(BB役)とともに内部当籤役として決定している遊技では、当該役が内部当籤役として決定されていることを示唆する演出又は当該役が内部当籤役として決定されていることを報知する演出の少なくとも何れか一方を実行することとしてもよい。引込優先順位が高い役が内部当籤役として決定されていることを示唆する演出とは、例えば、上述したように、スタート音を通常とは異ならせる演出であってよく、また、引込優先順位が高い役が内部当籤役として決定されていることを報知する演出とは、例えば、表示ユニット100に当該役に対応する図柄の組合せを構成する図柄を表示することであってよい。より具体的には、引込優先順位が高い役がリプレイ役である場合、副制御回路101は、表示ユニット100にリプレイ役を想起するリプレイ図柄を表示することで、リプレイ役が内部当籤役として決定されていることを報知する演出を実行することができる。
また、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示可能な遊技が開始される際に、所定時間遊技に関する操作を無効化するロック演出を行うことで、ボーナス役(BB役)の入賞が発生し得る遊技である点を遊技者に気付きやすい形で示唆することとしてもよい。例えば、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示可能な遊技では、スタートレバーの操作直後に1秒程度のショートロック演出を行い、当該ロック期間中は、リール3L,3C,3Rの回転も開始しないものとして、リール3L,3C,3Rの回転開始も通常回転と比べて1秒程度遅らせるものとしてもよい。
なお、このような演出は、出玉状態「WIN中高確」においてのみ行い出玉状態「WIN中非高確」では行わないこととしてもよく、また、出玉状態「WIN中非高確」においてのみ行い出玉状態「WIN中高確」では行わないこととしてもよく、また、出玉状態「WIN中高確」「WIN中非高確」の双方において行うこととしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な出玉状態「ボーナス作動中AT」を有し、主制御基板71は、ATのストックが付与されると、出玉状態「ボーナス作動中AT」への移行が許容される出玉状態「WIN中」に移行するため、主制御基板71は、第1制御手段として機能する。
また、出玉状態「WIN中」には、「WIN中高確」と「WIN中非高確」とが含まれ、主制御基板71は、「WIN中高確」において移行条件を満たすと出玉状態を「WIN中非高確」に移行する。そして、主制御基板71は、出玉状態「WIN中高確」においてボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが表示された場合、又は、出玉状態「WIN中非高確」においてボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せが表示された場合、出玉状態「ボーナス作動中AT」に移行するため、主制御基板71は、第2制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、出玉状態「WIN中高確」においてATのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、権利付与手段として機能する。なお、主制御基板71は、出玉状態「WIN中高確」では、出玉状態「WIN中非高確」よりも高い確率でATのストックを付与する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、出玉状態「WIN中非高確」において、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せの表示を促す演出や、出玉状態「WIN中」において、ボーナス状態の作動契機となる図柄の組合せを表示できないことを示唆する演出を実行可能であるため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
[RBを用いた係数圧縮]
AT機能を有する遊技機では、ボーナス作動中の出玉率を抑えてボーナス作動中のメダル増加を抑制することで、その分の出玉をAT中に割り振る遊技機も知られている。本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態において、RB(特別役物)の作動中に非RB(BB中一般及びBB中RBフラグ間)よりも小役の当籤確率を圧縮することで、RB作動中のメダル増加を抑制する。以下、図337〜図342を参照して、パチスロ機において従来行われていた小役の当籤確率の圧縮方法について説明するとともに、本実施形態のパチスロ機1における小役の当籤確率の圧縮方法について説明する。
[RB作動に伴う抽籤係数の変化]
初めに、図337(A)を参照して、パチスロ機の小役当籤確率についての設計ルールについて説明する。図337(A)(a)は、RB(ボーナス)非作動中の小役の抽籤係数を示し、図337(A)(b)は、RB(ボーナス)作動中の小役の抽籤係数を示す。
図337(A)(a)に示すように、RB非作動中である場合、内部当籤役として「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」を有する。「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」は、停止操作の順序(押し順)により停止表示される図柄の組合せが異なる押し順小役(押し順ベル)であり、例えば、「センターベル_左1st」は第1停止操作が左リール3Lである押し順が正解の押し順であり、「センターベル_中1st」は第1停止操作が中リール3Cである押し順が正解の押し順であり、「センターベル_右1st」は第1停止操作が右リール3Rである押し順が正解の押し順であるものとする。
また、「センターベル_左1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役A」「1枚役B」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベル_中1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベル_右1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役C」「1枚役A」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。なお、小役「センターベル(15枚)」は、例えば、センターラインに沿って「ベル−ベル−ベル」という図柄の組合せが表示されることで入賞する役であり、入賞時に15枚のメダルが払い出される。また、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」は、所定の図柄の組合せが表示されることで入賞する役であり、入賞時に1枚のメダルが払い出される。
同図に示すように、RB非作動中では、「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」に対して、抽籤係数(抽籤値)として「8000」が規定されている。ここで、小役「センターベル(15枚)」は、「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」の全てに含まれるため、RB非作動中では、小役「センターベル(15枚)」に対して抽籤係数として「24000(=8000×3)」が規定されていることになる。同様に、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」は、「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」のうちの何れか2つに含まれるため、RB非作動中では、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」のそれぞれに対して抽籤係数として「16000(=8000×2)」が規定されていることになる。
一方で、図337(A)(b)に示すように、RB作動中である場合、内部当籤役として「15枚役」「重複1枚役」を有する。「15枚役」は、小役「センターベル(15枚)」が内部当籤役として決定される役であり、「重複1枚役」は、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。また、「15枚役」が内部当籤役として決定された場合には、小役「センターベル(15枚)」が必ず入賞するものとする。
ここで、パチスロ機では、ボーナス(RB)の非作動中よりもボーナスの作動中の方が小役の当籤確率を高くしなければならないという設計ルールがある。そのため、同図に示すように、RB作動中では、「15枚役」に対して、抽籤係数(抽籤値)として「24001」が規定されている。小役「センターベル(15枚)」は、「15枚役」に含まれるため、RB作動中では、小役「センターベル(15枚)」に対して抽籤係数として「24001」が規定されていることになる。図337(A)(a)に示すように、RB非作動中では、小役「センターベル(15枚)」に対して抽籤係数として「24000」が規定されているため、RB作動中は、小役「センターベル(15枚)」の当籤確率が上がっていることが分かる。
また、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」は、「重複1枚役」に含まれるため、RB作動中では、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」のそれぞれに対して抽籤係数として「16001」が規定されていることになる。そのため、小役「1枚役A」に対する抽籤係数は、RB非作動中が「16000」であるのに対して、RB作動中は「16001」であり、また、小役「1枚役B」に対する抽籤係数は、RB非作動中が「16000」であるのに対して、RB作動中は「16001」であり、また、小役「1枚役C」に対する抽籤係数は、RB非作動中が「16000」であるのに対して、RB作動中は「16001」であり、RB作動中の方が当籤確率が高い。
図337(A)に示すように、抽籤係数を規定することで、パチスロ機における設計ルール(ボーナス(RB)の非作動中よりもボーナスの作動中の方が小役の当籤確率を高い)を守ることができる。ここで、RB非作動中に遊技者にとって有利な停止操作の情報(正解の押し順)を報知した場合について考える。正解の押し順が報知される限り、押し順役の当籤時に小役「センターベル(15枚)」を入賞可能であるため、RB非作動中に小役「センターベル(15枚)」が入賞する確率(抽籤係数)は「24000」である。一方で、RB作動中は「15枚役」の当籤時に必ず小役「センターベル(15枚)」を入賞可能であるため、RB作動中に小役「センターベル(15枚)」が入賞する確率(抽籤係数)は「24001」である。そのため、小役「センターベル(15枚)」が入賞する確率は、RB作動中の方が高く、図337(A)に示す方法では、RB作動中にRB非作動中よりも小役の抽籤係数を圧縮することはできない。
[RBを用いた抽籤係数の圧縮パターン1]
続いて、図337(B)を参照して、RBを用いた抽籤係数の圧縮パターン1について説明する。圧縮パターン1では、外見上の入賞ラインを増やすことで、RB作動中に小役の抽籤係数を圧縮する。図337(B)(a)は、RB(ボーナス)非作動中の小役の抽籤係数を示し、図337(B)(b)は、RB(ボーナス)作動中の小役の抽籤係数を示す。
図337(B)(a)に示すように、RB非作動中である場合、内部当籤役として「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」「トップベル_左1st」「トップベル_中1st」「トップベル_右1st」を有する。「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」「トップベル_左1st」「トップベル_中1st」「トップベル_右1st」は、停止操作の順序(押し順)により停止表示される図柄の組合せが異なる押し順小役(押し順ベル)であり、例えば、「センターベル_左1st」「トップベル_左1st」は第1停止操作が左リール3Lである押し順が正解の押し順であり、「センターベル_中1st」「トップベル_中1st」は第1停止操作が中リール3Cである押し順が正解の押し順であり、「センターベル_右1st」「トップベル_右1st」は第1停止操作が右リール3Rである押し順が正解の押し順であるものとする。
また、「センターベル_左1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役A」「1枚役B」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベル_中1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベル_右1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役C」「1枚役A」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。なお、小役「センターベル(15枚)」は、例えば、センターラインに沿って「ベル−ベル−ベル」という図柄の組合せが表示されることで入賞する役であり、入賞時に15枚のメダルが払い出される。
また、「トップベル_左1st」は、押し順正解時に入賞する小役「トップベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役A」「1枚役B」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「トップベル_中1st」は、押し順正解時に入賞する小役「トップベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「トップベル_右1st」は、押し順正解時に入賞する小役「トップベル(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役C」「1枚役A」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。なお、小役「トップベル(15枚)」は、例えば、トップラインに沿って「ベル−ベル−ベル」という図柄の組合せが表示されることで入賞する役であり、入賞時に15枚のメダルが払い出される。
同図に示すように、RB非作動中では、「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」「トップベル_左1st」「トップベル_中1st」「トップベル_右1st」に対して、抽籤係数(抽籤値)として「4000」が規定されている。ここで、小役「センターベル(15枚)」は、「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」の全てに含まれるため、RB非作動中では、小役「センターベル(15枚)」に対して抽籤係数として「12000(=4000×3)」が規定されていることになる。同様に、小役「トップベル(15枚)」は、「トップベル_左1st」「トップベル_中1st」「トップベル_右1st」の全てに含まれるため、RB作動中では、小役「トップベル(15枚)」に対して抽籤係数として「12000(=4000×3)」が規定されていることになる。
また、同様に、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」は、「センターベル_左1st」「センターベル_中1st」「センターベル_右1st」「トップベル_左1st」「トップベル_中1st」「トップベル_右1st」のうちの何れか4つに含まれるため、RB非作動中では、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」のそれぞれに対して抽籤係数として「16000(=4000×4)」が規定されていることになる。
一方で、図337(B)(b)に示すように、RB作動中である場合、内部当籤役として「重複15枚役」「重複1枚役」を有する。「重複15枚役」は、小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「重複1枚役」は、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。また、「重複15枚役」が内部当籤役として決定された場合には、小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」の何れかが必ず入賞するものとする。
同図に示すように、RB作動中では、「重複15枚役」に対して、抽籤係数(抽籤値)として「12001」が規定されている。小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」は、「重複15枚役」に含まれるため、RB作動中では、小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」に対して抽籤係数として「12001」が規定されていることになる。図337(B)(a)に示すように、RB非作動中では、小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」のそれぞれに対して抽籤係数として「12000」が規定されているため、RB作動中は、小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」の当籤確率が上がっていることが分かる。
ここで、RB非作動中に遊技者にとって有利な停止操作の情報(正解の押し順)を報知した場合について考える。正解の押し順が報知される限り、押し順役の当籤時に小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」を入賞可能であるため、RB非作動中に小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」の何れかが入賞する確率(抽籤係数)は「24000(=12000+12000)」である。一方で、RB作動中は「重複15枚役」の当籤時に小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」の何れかが必ず入賞するため、RB作動中に小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」の何れかが入賞する確率(抽籤係数)は「12001」である。そのため、小役「センターベル(15枚)」「トップベル(15枚)」の何れかが入賞する確率は、RB非作動中の方が高く、図337(B)に示す方法によれば、RB作動中にRB非作動中よりも小役の当籤確率を圧縮することができる。
このように圧縮パターン1では、外見上の入賞ラインを増やすことで、RB作動中に小役の抽籤係数を圧縮する。より具体的には、RB非作動中においては、有効ライン上に表示される図柄の組合せが異なる同枚数小役(入賞時に払い出されるメダルの枚数が同じ小役)を複数種類設ける一方で、RB作動中では、これら複数種類の同枚数小役を重複当籤させることで、RB非作動中の当籤確率を高めつつ、RB作動中を低ベースとすることができる。
なお、圧縮パターン1による小役の抽籤係数の圧縮は、外見上の圧縮ラインを増やすほど、当然に圧縮効果が高くなる。すなわち、同図に示す例では、外見上の入賞ラインとして、センターラインにトップラインという1つのラインのみを追加しているが、その他のラインも増やすほど、圧縮効果を高めることができる。その他のラインとしては、例えば、直線状のラインであるボトムライン、クロスアップライン、クロスダウンラインの他、小山ラインや小Vラインなども考えられるが、外見上の入賞ラインが不規則なラインになればなるほど、遊技者からすると実際に入賞しているのか分からなくなるため、遊技に適さなくなる。
続いて、図338(A)〜(D)を参照して、外見上の入賞ラインについて説明する。なお、外見上の入賞ラインとは、実際の有効ラインと同じラインであってもよく、また、異なっていてもよいが、リールの変動停止時の図柄の並び方から遊技者が入賞を認識しうるラインのことを指す。
初めに、図338(A)に本実施形態のパチスロ機1における有効ラインを示す。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、右下がりの直線ラインであるクロスダウンラインが有効ラインである。
続いて、図338(B)に有効ラインと外見上の入賞ラインとが一致する場合の図柄の組合せを示す。同図に示すように、有効ラインと外見上の入賞ラインとが一致する場合、例えば、クロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される。
続いて、図338(C)に有効ラインと外見上の入賞ラインとが一致する場合の図柄の組合せを示す。同図に示す例では、有効ライン(クロスダウンライン)に沿って、「スイカA−ベルA−リプレイ」が表示されている。このとき、有効ラインではないセンターラインには、「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されている。遊技者からすると、有効ラインに表示された図柄の組合せは、異種図柄の組合せであって入賞と認識しづらく、通常、遊技者は、センターラインに表示された同種図柄の組合せである「ベルA−ベルA−ベルA」を目安として、ベル役の入賞を認識することになる。
パチスロ機では、リール制御の都合上、実際の有効ラインに入賞した図柄の組合せが異種図柄の組合せとなる場合でも、なるべく遊技者に対して入賞が分かりやすくなるように、同種の図柄又は類似する図柄が直線状に停止して入賞となるリール図柄配列及び役構成することが望ましく、本実施形態のパチスロ機1においてもそのような配慮がなされている。つまり、このような入賞の場合は、有効ラインと遊技者が入賞と認識する外見上の入賞ラインとが不一致となる。
続いて、図338(D)は、外見上の入賞ラインの種別を示す図である。図338(D)(a)には、外見上の入賞ラインとして直線状のラインを示す。同図に示すような直線状のラインは、遊技者が非常に認識しやすい外見上の入賞ラインであり、採用した場合であっても遊技者に違和感を与えることがない。
続いて、図338(D)(b)には、外見上の入賞ラインとして小V及び小山状のラインを示す。小Vや小山状のラインは、従来より実際の入賞ラインとして用いられた機種も存在しており、変則的な図柄の並びにはなるものの、小V(上−中−上)や小山(下−中−下)にベル図柄が並んで表示された場合にベル役の入賞としても、遊技者に強い違和感を与えることはない。
続いて、図338(D)(c)には、外見上の入賞ラインとしてL字状のラインを示す。L字状のラインは、リール3L,3C,3Rのうちの連続する2つのリールの同じ単位図柄表示領域と、残りの1つのリールの異なる単位図柄表示領域とを結ぶライン(例えば、左の上段、中の上段及び右の中段を結ぶライン)である。遊技者にとってみると、L字状のラインにベル図柄が並んで表示された場合にベル役の入賞としてしまうと、入賞か否かを把握し難い。そのため、押し順ベルの入賞態様の一部に採用する程度であれば、問題はないが、このような入賞形ばかりになると、入賞態様が分かりにくく、遊技しづらい台との印象を与えるおそれがある。
続いて、図339(D)(d)には、外見上の入賞ラインとしてばらけ状のラインを示す。遊技者にとってみると、ばらけ状のラインにベル図柄が並んで表示された場合にベル役の入賞としてしまうと、入賞か否かを把握し難い。そのため、押し順ベルの入賞態様の一部に採用する程度であれば、問題はないが、このような入賞形ばかりになると、入賞態様が分かりにくく、遊技しづらい台との印象を与えるおそれがある。
このように外見上の入賞ラインとして好適に用いることができるラインは限られており、入賞時の分かりやすさを保ちつつ、外見上の入賞ラインを用いたRB作動中の圧縮効果の向上には限界がある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示す圧縮パターン2を更に用いてRB作動中の圧縮効果を高める。
[RBを用いた抽籤係数の圧縮パターン2]
続いて、図337(C)を参照して、RBを用いた抽籤係数の圧縮パターン2について説明する。圧縮パターン2では、図柄デザインに関連性がある複数のベル図柄を用いることで、RB作動中に小役の抽籤係数を圧縮する。図337(C)(a)は、RB(ボーナス)非作動中の小役の抽籤係数を示し、図337(C)(b)は、RB(ボーナス)作動中の小役の抽籤係数を示す。
図337(C)(a)に示すように、RB非作動中である場合、内部当籤役として「センターベルA_左1st」「センターベルA_中1st」「センターベルA_右1st」「センターベルB_左1st」「センターベルB_中1st」「センターベルB_右1st」を有する。「センターベルA_左1st」「センターベルA_中1st」「センターベルA_右1st」「センターベルB_左1st」「センターベルB_中1st」「センターベルB_右1st」は、停止操作の順序(押し順)により停止表示される図柄の組合せが異なる押し順小役(押し順ベル)であり、例えば、「センターベルA_左1st」「センターベルB_左1st」は第1停止操作が左リール3Lである押し順が正解の押し順であり、「センターベルA_中1st」「センターベルB_中1st」は第1停止操作が中リール3Cである押し順が正解の押し順であり、「センターベルA_右1st」「センターベルB_右1st」は第1停止操作が右リール3Rである押し順が正解の押し順であるものとする。
また、「センターベルA_左1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベルA(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役A」「1枚役B」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベルA_中1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベルA(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベルA_右1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベルA(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役C」「1枚役A」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。なお、小役「センターベルA(15枚)」は、例えば、センターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」という図柄の組合せが表示されることで入賞する役であり、入賞時に15枚のメダルが払い出される。
また、「センターベルB_左1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベルB(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役A」「1枚役B」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベルB_中1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベルB(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「センターベルB_右1st」は、押し順正解時に入賞する小役「センターベルB(15枚)」と、押し順不正解時に入賞する小役「1枚役C」「1枚役A」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。なお、小役「センターベルB(15枚)」は、例えば、センターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」という図柄の組合せが表示されることで入賞する役であり、入賞時に15枚のメダルが払い出される。
同図に示すように、RB非作動中では、「センターベルA_左1st」「センターベルA_中1st」「センターベルA_右1st」「センターベルB_左1st」「センターベルB_中1st」「センターベルB_右1st」に対して、抽籤係数(抽籤値)として「4000」が規定されている。ここで、小役「センターベルA(15枚)」は、「センターベルA_左1st」「センターベルA_中1st」「センターベルA_右1st」の全てに含まれるため、RB非作動中では、小役「センターベルA(15枚)」に対して抽籤係数として「12000(=4000×3)」が規定されていることになる。同様に、小役「センターベルB(15枚)」は、「センターベルB_左1st」「センターベルB_中1st」「センターベルB_右1st」の全てに含まれるため、RB作動中では、小役「センターベルB(15枚)」に対して抽籤係数として「12000(=4000×3)」が規定されていることになる。
また、同様に、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」は、「センターベルA_左1st」「センターベルA_中1st」「センターベルA_右1st」「センターベルB_左1st」「センターベルB_中1st」「センターベルB_右1st」のうちの何れか4つに含まれるため、RB非作動中では、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」のそれぞれに対して抽籤係数として「16000(=4000×4)」が規定されていることになる。
一方で、図337(C)(b)に示すように、RB作動中である場合、内部当籤役として「重複15枚役」「重複1枚役」を有する。「重複15枚役」は、小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」が重複して内部当籤役として決定される重複役であり、「重複1枚役」は、小役「1枚役A」「1枚役B」「1枚役C」が重複して内部当籤役として決定される重複役であるものとする。また、「重複15枚役」が内部当籤役として決定された場合には、小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」の何れかが必ず入賞するものとする。
同図に示すように、RB作動中では、「重複15枚役」に対して、抽籤係数(抽籤値)として「12001」が規定されている。小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」は、「重複15枚役」に含まれるため、RB作動中では、小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」に対して抽籤係数として「12001」が規定されていることになる。図337(C)(a)に示すように、RB非作動中では、小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」のそれぞれに対して抽籤係数として「12000」が規定されているため、RB作動中は、小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」の当籤確率が上がっていることが分かる。
一方で、RB非作動中に小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」の何れかが入賞する確率(抽籤係数)は「24000(=12000+12000)」であるのに対して、RB作動中に小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」の何れかが入賞する確率(抽籤係数)は「12001」である。そのため、小役「センターベルA(15枚)」「センターベルB(15枚)」の何れかが入賞する確率は、RB非作動中の方が高く、図337(C)に示す方法によれば、RB作動中にRB非作動中よりも小役の当籤確率を圧縮することができる。
このように圧縮パターン2では、図柄デザインに関連性がある複数のベル図柄を用いることで、RB作動中に小役の抽籤係数を圧縮する。続いて、図柄デザインに関連性がある複数の図柄について説明する。図304に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、右リール3Rにおいて図柄「ベルA」と図柄「ベルB」とを配置する。本実施形態における図柄「ベルA」と図柄「ベルB」とが、図柄デザインに関連性がある複数の図柄である。なお、図柄デザインに関連性がある複数の図柄は、2種類に限るものではなく、3種類以上としてもよく、また、本実施形態では右リール3Rにのみ2種類のベル図柄を設けているが、左リール3L及び中リール3Cに対しても、図柄デザインに関連性がある複数の図柄を配置することとしてもよい。図柄デザインに関連性がある図柄を増やすことで、RB作動中の圧縮効果を高めることができる。
図339(E)は、図柄デザインに関連性がある複数のベル図柄を模式的に示す図である。図柄デザインに関連性がある図柄とは、遊技者が同一の図柄と認識する程度に図柄デザインが類似する図柄をいう。このような図柄としては、例えば、モチーフが同一である図柄、図柄を表現する動機となる着想が同一である図柄、図柄が持つ観念が同一である図柄を用いることができる。本実施形態の場合、図柄「ベルA」と図柄「ベルB」とは、“鈴(ベル)”をモチーフとする図柄である。なお、図柄デザインに関連性がある複数の図柄では、図柄の色合いが同系統であることが好ましい。本実施形態の場合、図柄「ベルA」と図柄「ベルB」とは、主に黄色で着色されている。
また、図柄デザインに関連性がある図柄としては、例えば、図柄の輪郭線の一部形状が異なる図柄を用いることもできる。一例として、図339(E)に示す図柄「ベルA」と図柄「ベルB−1」とでは、図柄のモチーフである鈴の玉の部分の形状が、図柄「ベルA」は丸形状であるのに対して、図柄「ベルB−1」は四角形状になっている。また、図柄デザインに関連性がある図柄としては、例えば、図柄の輪郭線は同じ(又は一部形状が異なる)であるが、輪郭線の内側のデザインが異なる図柄を用いることもできる。一例として、図339(E)に示す図柄「ベルA」と図柄「ベルB−2」とでは、図柄の輪郭線は同一であるが、図柄「ベルB−2」には、輪郭線の内側に星マークが追加されている。
遊技者からすると、図柄デザインが完全に一致していない場合であっても、同一の図柄であるとして違和感なく遊技を行うことができる一方で、遊技機側では、異なる図柄として区別することで、図柄の組合せが異なる同枚数小役を複数種類設けることができ、RB作動中の圧縮効果を高めることができる。
続いて、図339(F)〜図340(H)を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるベル役の入賞形について説明する。図339(F)は、本実施形態のパチスロ機1における3枚ベルの入賞形を示す図であり、図339(G)及び図340(G)は、本実施形態のパチスロ機1における15枚ベルの入賞形を示す図であり、図340(H)は、本実施形態のパチスロ機1におけるベル役の入賞形をまとめた一覧表である。
本実施形態のパチスロ機1では、押し順ベルとして「F_ベル1−L−LCR」〜「F_ベル−18−RCL」を有する。図320に示すように、非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)では、これら押し順ベルが内部当籤役として決定された場合、正解の押し順で停止操作が行われると「3枚」のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。
図339(F)に示すように、非ボーナス状態において左1stの押し順に正解した場合には、トップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される。具体的には、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_ベル3−L−LCR」「F_ベル10−L−LCR」〜「F_ベル12−L−LRC」が内部当籤役として決定された遊技において、左1stの押し順で停止操作が行われると、トップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_Lベル_1〜2」が入賞する。
また、非ボーナス状態において中1stの押し順に正解した場合には、ボトムラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される。具体的には、「F_ベル4−C−CLR」〜「F_ベル6_C_CLR」「F_ベル13−C−CLR」〜「F_ベル15−C−CRL」が内部当籤役として決定された遊技において、中1stの押し順で停止操作が行われると、ボトムラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_Cベル_1〜3」が入賞する。
また、非ボーナス状態において右1stの押し順に正解した場合には、クロスアップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される。具体的には、「F_ベル7−R−RLC」〜「F_ベル9_R_RLC」「F_ベル16−R−RLC」〜「F_ベル18−R−RCL」が内部当籤役として決定された遊技において、右1stの押し順で停止操作が行われると、クロスアップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される結果、「C_Rベル_1〜9」が入賞する。
また、本実施形態のパチスロ機1では、停止操作の順序に関わらず表示される図柄の組合せが同じ役である押し順不問ベルとして「F_共通ベルA1−L」〜「F_共通ベルB9」を有する。図320に示すように、非ボーナス状態では、これら押し順不問ベルが内部当籤役として決定された場合、停止操作の順序に関係なく「3枚」のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。具体的には、トップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される。より具体的には、非ボーナス状態において「F_共通ベルA1−L」〜「F_共通ベルB9」が内部当籤役として決定されると、トップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される結果、「C_共通ベル_1〜6」が入賞する。
本実施形態のパチスロ機1では、押し順ベルとして「F_ベル1−L−LCR」〜「F_ベル−18−RCL」を有する。図321に示すように、ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)では、これら押し順ベルが内部当籤役として決定された場合、正解の押し順で停止操作が行われると「15枚」のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。
図339(G)に示すように、ボーナス状態において左中右(123)の押し順に正解した場合には、クロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」又はセンターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される。具体的には、「F_ベル1−L−LCR」「F_ベル3−L−LCR」「F_ベル10−L−LCR」が内部当籤役として決定された遊技において、左中右(123)の押し順で停止操作が行われると、クロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル_L」が入賞、又は、センターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される結果、「C_ATベル123_1〜4」が入賞する。
また、ボーナス状態において左右中(132)の押し順に正解した場合には、クロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」又はセンターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される。具体的には、「F_ベル2−L−LRC」「F_ベル11−L−LRC」「F_ベル12−L−LRC」が内部当籤役として決定された遊技において、左右中(132)の押し順で停止操作が行われると、クロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル_L」が入賞、又は、センターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル132_1〜2」が入賞する。
また、ボーナス状態において中左右(213)の押し順に正解した場合には、小山ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」又はクロスアップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される。具体的には、「F_ベル4−C−CLR」「F_ベル6−C−CLR」「F_ベル13−C−CLR」が内部当籤役として決定された遊技において、中左右(213)の押し順で停止操作が行われると、小山ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル_C_1〜3」が入賞、又は、クロスアップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル213_1〜3」が入賞する。
また、ボーナス状態において中右左(231)の押し順に正解した場合には、小山ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」又はクロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される。具体的には、「F_ベル5−C−CRL」「F_ベル14−C−CRL」「F_ベル15−C−CRL」が内部当籤役として決定された遊技において、中右左(231)の押し順で停止操作が行われると、小山ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル_C_1〜3」が入賞、又は、クロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される結果、「C_ATベル231」が入賞する。
また、ボーナス状態において右左中(312)の押し順に正解した場合には、L字ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」又はボトムラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される。具体的には、「F_ベル7−R−RLC」「F_ベル9−R−RLC」「F_ベル16−R−RLC」が内部当籤役として決定された遊技において、右左中(312)の押し順で停止操作が行われると、L字ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル_R」が入賞、又は、ボトムラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示される結果、「C_ATベル312_1〜3」が入賞する。
また、ボーナス状態において右中左(321)の押し順に正解した場合には、L字ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」又はY字ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA/ベルB」が表示される。具体的には、「F_ベル8−R−RCL」「F_ベル17−R−RCL」「F_ベル18−R−RCL」が内部当籤役として決定された遊技において、右中左(321)の押し順で停止操作が行われると、L字ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示される結果、「C_ATベル_R」が入賞、又は、Y字ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA/ベルB」が表示される結果、「C_ATベル321_1〜2」が入賞する。
続いて、図340(H)は、本実施形態のパチスロ機1におけるベル役の入賞形をまとめた一覧表である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、図柄「ベルA」又は図柄「ベルB」が並んで表示された外見上の入賞ラインに応じて払い出されるメダルの枚数が異なる。特に、本実施形態のパチスロ機1では、同じ外見上の入賞ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示された場合と、「ベルA−ベルA−ベルB」が表示された場合とで、同じ枚数のメダルを払い出すこともあれば、異なる枚数のメダルを払い出すこともある。
具体的には、主制御回路91は、外見上の入賞ライン「センターライン」では、「ベルA−ベルA−ベルA」が表示された場合と、「ベルA−ベルA−ベルB」が表示された場合とで、同じ枚数「3枚」のメダルを払い出す。一方で、主制御回路91は、外見上の入賞ライン「ボトムライン」では、「ベルA−ベルA−ベルA」が表示された場合には「3枚」のメダルを払い出す一方で、「ベルA−ベルA−ベルB」が表示された場合には「15枚」のメダルを払い出す。
[実施形態におけるRBを用いた係数圧縮]
続いて、図341及び図342を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるRBを用いた係数圧縮について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、外見上の入賞ラインを増やすとともに、図柄デザインに関連性がある図柄「ベルA」と図柄「ベルB」を用いることで、RB作動中の圧縮効果を高めることとしている。図341は、本実施形態におけるRB非作動中(BB中一般及びBB中RBフラグ間)における小役の抽籤係数を示し、図342は、RB作動中(BB中RB)における小役の抽籤係数を示す。
なお、同図において、中段ベルAとはセンターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されることで入賞する役を示し、中段ベルBとはセンターラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。また、上段ベルAとはトップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されることで入賞する役を示し、上段ベルBとはトップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。また、下段ベルAとはボトムラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されることで入賞する役を示し、下段ベルBとはボトムラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。
また、CDベルAとはクロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されることで入賞する役を示し、CDベルBとはクロスダウンラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。また、CUベルAとはクロスアップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されることで入賞する役を示し、CUベルBとはクロスアップラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。
また、小山ベルAとは小山ライン(下−中−下)に沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示されることで入賞する役を示す。また、中−中−上下ベルとは、左リール3Lの中段及び中リール3Cの中段に図柄「ベルA」が表示され、かつ、右リール3Rの上段に図柄「ベルA」が表示され、かつ、右リール3Rの下段に図柄「ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。また、上−中−中ベルBとはL字ライン(上−中−中)に沿って「ベルA−ベルA−ベルB」が表示されることで入賞する役を示す。
図341に示すように、RB非作動中である場合、内部当籤役として「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」を有する。「F_ベル1−L−LCR」は、押し順正解時に入賞する小役「中段ベルA」と、押し順不正解時に入賞する小役「上段ベルA」とが重複して内部当籤役として決定される重複役であり、その他の「F_ベル2−L−LRC」〜「F_共通ベルB9」も同様に、同図に示す小役が重複して内部当籤役として決定される重複役である。
同図に示すように、RB非作動中では、入賞時に15枚のメダルが払い出される「中段ベルA」「中段ベルB」「CDベルA」「CUベルA」「CDベルB」「小山ベルA」「下段ベルB」「中−中−上下ベル」「上−中−中ベルA」のそれぞれに対して、抽籤係数(抽籤値)として合計「4200(=1663+1663+568+306)」が規定されている。なお、15枚のメダルが払い出されるベル役は、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」の全てに含まれるため、RB非作動中では、15枚のメダルが払い出されるベル役の何れかが内部当籤役として決定される確率(抽籤係数)は、「37800」である。
続いて、図342に示すように、RB作動中である場合、内部当籤役として「F_RB中共通15枚」〜「F_RB中共通1枚」を有する。「F_RB中共通15枚」は、15枚のメダルが払い出されるベル役の全て(「中段ベルA」「中段ベルB」「CDベルA」「CUベルA」「CDベルB」「小山ベルA」「下段ベルB」「中−中−上下ベル」「上−中−中ベルA」)が重複して内部当籤役として決定される重複役である。
同図に示すように、RB作動中では、「F_RB中共通15枚」に対して、抽籤係数(抽籤値)として合計「6300」が規定されている。入賞時に15枚のメダルが払い出される「中段ベルA」「中段ベルB」「CDベルA」「CUベルA」「CDベルB」「小山ベルA」「下段ベルB」「中−中−上下ベル」「上−中−中ベルA」は、「F_RB中共通15枚」が内部当籤役として決定された場合に重複して当籤するため、RB作動中では、入賞時に15枚のメダルが払い出される「中段ベルA」「中段ベルB」「CDベルA」「CUベルA」「CDベルB」「小山ベルA」「下段ベルB」「中−中−上下ベル」「上−中−中ベルA」のそれぞれに対して抽籤係数として「6300」が規定されていることになる。
ここで、RB作動中とRB非作動中との15枚のメダルが払い出されるベル役(15枚ベル)の当籤確率について検討する。個々の15枚ベルが内部当籤役として決定される確率は、15枚ベルのそれぞれに対して規定された抽籤係数に基づき算出することができる。図341に示すようにRB非作動中では、個々の15枚ベルのそれぞれに対して抽籤係数として「4200」を規定し、RB作動中では、個々の15枚ベルのそれぞれに対して抽籤係数として「6300」を規定する。そのため、個々の15枚ベルの当籤確率は、RB非作動中よりもRB作動中の方が高く、RBの作動に伴い小役の当籤確率が高くなるという設計ルールを満たしている。
一方で、何れかの15枚ベルが内部当籤役として決定される確率について検討すると、図341に示すようにRB非作動中では、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」が内部当籤役として決定されると、何れかの15枚ベルが内部当籤役として決定されるため、RB非作動中では「37800」の確率で何れかの15枚ベルが内部当籤役として決定される。これに対して、図341に示すようにRB作動中では、「F_RB中共通15枚」が内部当籤役として決定された場合のみ、何れかの15枚ベルが内部当籤役として決定されるため、RB作動中では「6300」の確率で何れかの15枚ベルが内部当籤役として決定される。そのため、何れかの15枚ベルが内部当籤役として決定される確率は、RB作動中よりもRB非作動中の方が高く、RBの作動に伴い小役の当籤確率を圧縮することができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態(BB)のRB非作動中において、押し順ベルに当籤した場合、押し順に正解すると15枚のメダルが払い出される15枚ベルが入賞し、押し順に不正解すると3枚のメダルが払い出される3枚ベルが入賞することとしているが、払い出すメダルの枚数は15枚及び3枚に限られるものではない。すなわち、押し順正解時には、今回の遊技に用いた枚数よりも多い枚数のメダルが付与されればよく、また、押し順不正解時には、今回の遊技に用いた枚数以下(0枚を含む)のメダルが付与されればよい。
また、本実施形態のパチスロ機1では、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」が内部当籤役として決定されると、何れかの15枚ベル(所定増加小役)が内部当籤役として決定されるが、図320に示すように、非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)では、押し順に正解した場合であっても15枚ベルが入賞することがない(言い換えると、所定増加小役に対応する図柄の組合せが表示不可能)一方で、図321に示すように、ボーナス状態では、押し順に正解した場合などに15枚ベルが入賞することがある(言い換えると、所定増加小役に対応する図柄の組合せが表示可能)。本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態の作動中にナビを行う出玉状態「ボーナス作動中AT」により出玉を増加させるため、非ボーナス状態において15枚ベルが入賞しないように制御することで、非AT期間中の遊技を低ベースにすることができ、AT期間中の遊技に出玉を割り振ることができる。
なお、同じ「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」が内部当籤役として決定された場合であっても、非ボーナス状態では15枚ベルを入賞させず、ボーナス状態では15枚ベルを入賞可能とする制御は、任意の方法により実現することができ、本実施形態では、例えば、停止制御における引込優先制御のルールを、ボーナス状態と非ボーナス状態とで切り替えることで実現する。
パチスロ機1では、引込優先制御のルールとして、図柄数を優先する制御と払出枚数を優先する制御とがある。前者の図柄数を優先する制御とは、停止操作が行われたタイミングから引込可能な範囲において、内部当籤役に基づき引込可能な図柄が複数存在する場合に、これら複数の図柄のうち、内部当籤役として決定された複数の役のそれぞれに対応する図柄の組合せの中において、これら複数の図柄を構成図柄とする図柄の組合せの数が多い図柄を優先して引き込む制御である。具体的には、引込可能な範囲において、図柄位置1の図柄Aと図柄位置2の図柄Bが存在するものとし、内部当籤役として決定された役には、図柄Aを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が2種類、図柄Bを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が3種類あるものとする。この場合、図柄数を優先する制御では、対応する役が3種類ある図柄Bを優先して引き込む。このような制御によれば、対応する役が多い図柄ほど優先して引き込まれるため、取りこぼしが生じ難いという点で遊技者にとって有利である。
一方で、後者の払出枚数を優先する制御とは、停止操作が行われたタイミングから引込可能な範囲において、内部当籤役に基づき引込可能な図柄が複数存在する場合に、これら複数の図柄のうち、内部当籤役として決定された複数の役のそれぞれに対応する図柄の組合せの中において最も払出枚数が多い図柄の組合せを構成する図柄を優先して引き込む制御である。具体的には、引込可能な範囲において、図柄位置1の図柄Aと図柄位置2の図柄Bが存在するものとし、内部当籤役として決定された役には、図柄Aを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が2種類、図柄Bを構成図柄とする図柄の組合せに対応する役が3種類あるものの、図柄Aを構成図柄とする図柄の組合せは「15枚」のメダルが払い出される図柄の組合せであり、図柄Bを構成図柄とする図柄の組合せは「3枚」のメダルが払い出される図柄の組合せであるものとする。この場合、払出枚数を優先する制御では、払出枚数が「15枚」と多い図柄Aを優先して引き込む。このような制御によれば、多くのメダルの払出を受けることができるという点で遊技者にとって有利である。
本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、非ボーナス状態では、図柄数を優先する制御に基づき停止制御を行うことで、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」が内部当籤役として決定された遊技において15枚ベルを入賞不可能に制御する。一方で、主制御回路91は、ボーナス状態では、払出枚数を優先する制御に基づき停止制御を行うことで、「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」が内部当籤役として決定された遊技において15枚ベルを入賞可能に制御する。
また、本実施形態のパチスロ機1では、同じ外見上の入賞ラインに沿って「ベルA−ベルA−ベルA」が表示された場合と、「ベルA−ベルA−ベルB」が表示された場合とで、同じ枚数のメダルを払い出すこともあれば、異なる枚数のメダルを払い出すこともある。このとき、異なる枚数のメダルを払い出す場合には、パチスロ機1は、「ベルA−ベルA−ベルB」が表示された場合と「ベルA−ベルA−ベルB」が表示された場合とで異なる演出を実行することとしてもよい。このような異なる演出としては、例えば、メダルの払出音を異ならせるものであってもよく、また、表示ユニット100に対して「3枚ゲット」「15枚ゲット」などのように払出枚数に応じた表示(払出枚数報知演出)を行うものであってもよい。
また、異なる枚数のメダルを払い出す場合には、多い枚数が払い出される場合のみ払出枚数報知演出を行い、少ない枚数が払い出される場合は払出枚数報知演出を行わないものとしてもよい。例えば、15枚払出となるベル役が入賞した場合には「15枚ゲット」との表示が表示ユニット100において行われるが、3枚払出となるベル役が入賞した場合は表示ユニット100において払出枚数を報知する演出は行わないものとしてもよい。このようにすることで、ベル役が入賞したのに払出枚数が少ないという事象を目立たなくすることができ、遊技者にストレスを感じさせてしまうことを軽減することができる。また、多い枚数が払い出される場合と少ない枚数が払い出される場合とで、入賞時に発生する効果音(払出音)を同じものとして、少ない枚数の入賞の発生であることを分かり難くしてもよい。
また、本実施形態のパチスロ機1では、RB作動中に小役の当籤確率を圧縮することで、ボーナス状態のBB中RBが、遊技に伴いメダルが減少する減少期間となるように設計している。そのため、遊技者は、ボーナス状態中は、RB役の入賞を避けて遊技を行うことになるが、パチスロ機1では、ボーナス状態中のRB役を入賞可能な遊技において、RB役を入賞可能であることを報知することとしてもよい(言い換えると、特別ボーナス作動役に対応する図柄の組合せを表示可能な遊技において、特別ボーナス作動役に対応する図柄の組合せを表示可能であることを報知することとしてもよい)。なお、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役、リプレイ役、小役の引込優先順位を、リプレイ役が最も高く、小役が次に高く、ボーナス役が最も低くなるように設計しているため、ボーナス状態中のRB役を入賞可能な遊技とは、ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)においてRB役が単独で内部当籤役として決定された遊技をいう。また、RB役を入賞可能な遊技であることの報知は、任意の方法により行うことができ、例えば、スタート音を異ならせることで報知することとしてもよく、また、表示ユニット100において所定のフラッシュを行うことなどで報知することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、図柄変動手段、内部当籤役決定手段、リール停止制御手段及び遊技価値付与手段として機能する。
また、パチスロ機1では、主制御基板71は、BB役に対応する図柄の組合せが表示されると、BBを作動してボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態において終了条件(179枚を超えるメダルの払出)を満たすと、ボーナス状態を終了させる。そして、主制御基板71は、ボーナス状態においてRB役(ボーナス作動役)に対応する図柄の組合せが表示されると、メダルの払出に係る小役が内部当籤役として決定される確率がBB中一般やBB中RBフラグ間(非ボーナス遊技又は一般ボーナス遊技)よりも高くなるBB中RB(ボーナス遊技又は特別ボーナス遊技)に遊技状態を移行し、BB中RBにおいて終了条件(8回入賞又は12回の遊技)を満たすと、BB中RBを終了するため、主制御基板71は、ボーナス遊技制御手段及びボーナス遊技状態移行制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、ボーナス状態においてRB役(ボーナス作動役)に対応する図柄の組合せが表示可能な遊技では、その旨を報知する演出を実行可能であるため、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、演出実行手段として機能する。
また、パチスロ機1では、右リール3Rにおいて図柄デザインに関連性がある図柄「ベルA」と図柄「ベルB」とを配置し、「ベルA−ベルA−ベルA」が並ぶことで入賞する「C_ATベル132_1〜2」などと、「ベルA−ベルA−ベルB」が並ぶことで入賞する「C_ATベル123_1〜4」などとを有する。
なお、主制御基板71は、「ベルA−ベルA−ベルA」と「ベルA−ベルA−ベルB」とが同じラインに並んだ場合に同じ枚数のメダルを払い出すこともあれば、異なる枚数のメダルを払い出すこともある。そして、パチスロ機1では、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、異なる枚数のメダルを払い出す場合、「ベルA−ベルA−ベルA」と「ベルA−ベルA−ベルB」とで異なる演出を実行する。より具体的には、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、小役が入賞した場合に、払出枚数に応じた演出(払出音や払出枚数の表示)を行うが、「ベルA−ベルA−ベルA」と「ベルA−ベルA−ベルB」とで異なる枚数のメダルを払い出すため、異なる演出を実行することになる。そのため、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、演出実行手段として機能する。
また、パチスロ機1では、主制御基板71は、BB中一般及びBB中RBフラグ間では、15枚ベルである中段ベルAを含み15枚ベルである中段ベルBを含まない「F_ベル1−L−LCR」、及び、中段ベルBを含み中段ベルAを含まない「F_ベル2−L−LRC」を内部当籤役として決定可能であり、また、BB中RBでは、中段ベルAと中段ベルBとの双方を含む「F_RB中共通15枚」を内部当籤役として決定可能である。
また、パチスロ機1では、主制御基板71は、非ボーナス状態及びボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)において、15枚ベル(所定増加小役)を含む役「F_ベル1−L−LCR」〜「F_共通ベルB9」を内部当籤役として決定可能であるが、非ボーナス状態では、15枚ベルが入賞しないように図柄の変動を停止し、ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)では、15枚ベルが入賞可能に図柄の変動を停止する。
また、パチスロ機1では、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、出玉状態「ボーナス作動中AT」において、遊技者にとって有利な停止操作の情報(正解の押し順)を報知可能であるため、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、演出実行手段として機能する。
[第8実施形態]
続いて、図343〜図379を参照して、第8実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第8実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第8実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[ボーナス及びRT状態の遷移フロー]
図343に示すように、第8実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非フラグ間とBBフラグ間とボーナス(BB)状態との状態を有する。非フラグ間は、BB役(後述の「F_JACBB」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態であり、BBフラグ間は、BB役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態である。
また、ボーナス状態は、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)が作動している状態であり、RB役の当籤の有無及びRB(第一種特別役物)の作動の有無に応じて、BB中一般とBB中RBフラグ間とBB中RBとの状態を有する。BB中一般は、RB役(後述の「F_JAC1」「F_JAC2」「F_JAC3」「F_JAC4」)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、RBの作動が行われていない状態であり、BB中RBフラグ間は、RB役が内部当籤役として決定されており、かつ、RBの作動が行われていない状態であり、BB中RBは、RBが作動している状態である。
また、本実施形態のパチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、RT0状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とRT4状態とを有する。
主制御回路91は、(7)ボーナス状態において規定枚数(104枚)を超えるメダルが払い出されると、BBの作動を終了して、ボーナス状態から非ボーナス状態における非フラグ間のRT1状態に遊技状態を移行する。非ボーナス状態のRT1状態は、(1)RT1状態が開始してから1400ゲーム経過するまで継続し、主制御回路91は、非ボーナス状態のRT1状態において1400ゲームが経過すると、非ボーナス状態のRT1状態から非ボーナス状態のRT0状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、(2)非ボーナス状態の非フラグ間において、BB役が内部当籤役として決定されると、非ボーナス状態のBBフラグ間に遊技状態を移行する。
なお、本実施形態では、非フラグ間からBBフラグ間への移行は、RT状態の移行条件とはなっていない。そのため、非フラグ間のRT1状態において、1400ゲームが経過するよりも前にBB役が内部当籤役として決定されると、主制御回路91は、非フラグ間のRT1状態からBBフラグ間のRT1状態に遊技状態を移行し、その後、BBフラグ間のままRT1状態が開始してからのゲーム数が1400ゲームに達すると、主制御回路91は、BBフラグ間のRT0状態に遊技状態を移行する。
また、主制御回路91は、(3)非ボーナス状態においてBB役に対応する図柄の組合せが表示され、BB役が入賞すると、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動を開始して、ボーナス状態のBB中一般に遊技状態を移行するとともに、RT状態をRT2状態に移行する。なお、主制御回路91は、BB役が内部当籤役として決定された場合、対応する図柄の組合せが表示されるまでBB役を内部当籤役として持ち越す。
また、主制御回路91は、(4)ボーナス状態のBB中一般においてRB役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態のBB中RBフラグ間に遊技状態を移行するとともに、RT状態をRT3状態に移行する。また、主制御回路91は、(5)ボーナス状態のBB中RBフラグ間においてRB役に対応する図柄の組合せが表示され、RB役が入賞すると、RB(第一種特別役物)の作動を開始して、ボーナス状態のBB中RBに遊技状態を移行するとともにRT状態をRT4状態に移行する。なお、主制御回路91は、RB役が内部当籤役として決定された場合、対応する図柄の組合せが表示されるまで、又は、ボーナス状態が終了するまで、RB役を内部当籤役として持ち越す。そして、主制御回路91は、(6)ボーナス状態のBB中RBにおいて、RB作動終了条件(8回入賞又は12回の遊技)を満たすと、RBの作動を終了して、ボーナス状態のBB中一般に遊技状態を移行する。
ここで、パチスロ機1では、複数の役として、メダルの払出に係る「小役」と、再遊技の作動に係る「リプレイ役」と、ボーナスの作動に係る「ボーナス役」とを有する。本実施形態のパチスロ機1では、第7実施形態と同様に、RBが作動している場合にはRBが作動していない場合に比べて、個々の小役が内部当籤役として決定される確率は高くなるが、何れかの小役が内部当籤役として決定される確率は低くなる。そして、本実施形態のパチスロ機1においても、主制御回路91は、BB中一般及びBB中RBフラグ間(非RB遊技)では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、BB中RB(RB遊技)では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。
そのため、ボーナス状態のBB中RBは、遊技に伴いメダルが減少する減少期間となり、遊技者は、ボーナス状態中は、RB役の入賞を避けて遊技を行うことになる。
また、ボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間は、メダルの払出枚数が最も多い小役が入賞した場合にメダルが増加する増加期間となるものの、無作為(ランダム)に停止操作が行われた場合には、メダルの払出枚数が少ない小役が入賞する等する結果、遊技に伴いメダルが減少する。本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することがあり、ボーナス状態のBB中一般及びBB中RBフラグ間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるAT期間中である場合には、遊技に伴いメダルが増加する増加期間となり、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない非AT期間中である場合には、遊技に伴いメダルが減少する減少期間となる。その結果、遊技者は、非AT期間の非ボーナス状態中は、BB役の入賞を避けて遊技を行うことになる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、非ボーナス状態中は、AT期間であるか否かに関わらず、遊技に伴いメダルが減少する減少期間である。このように本実施形態のパチスロ機1では、AT期間中のボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)が増加期間となり、その他の状態は、減少期間となる。
[報知に関する状態の遷移フロー]
続いて、図344を参照して、第8実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の情報を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とを有するAT機である。
図344(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、報知に関する状態(出玉状態)として、「通常」と「疑似ボーナス」と「引き戻し」とを有する。
「通常」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない非報知状態(非AT)であり、非有利区間である「通常(非有利区間)」と有利区間のうちの非報知状態(通常有利)である「通常(有利区間)」とを含む。なお、有利区間は、報知状態を実行可能な遊技区間であり、非有利区間は、報知状態を実行不可能な遊技区間である。
出玉状態「通常」は、基本的には遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態及びRT0状態」が対応する。なお、非AT期間中にBB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RB)」も出玉状態「通常」となる。
「疑似ボーナス」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であり、有利区間中の遊技である。「疑似ボーナス」は、図344(C)において後述するように、“JAC待ち”と“JACゲーム”とにより構成される。“JAC待ち”と“JACゲーム”とは、4号機までのパチスロ機における“小役ゲーム”と“JACゲーム”とに対応しており、本実施形態のパチスロ機1では、4号機までのパチスロ機におけるボーナスのような遊技性を「疑似ボーナス」により実現する。
「疑似ボーナス」には、「疑似RB」と「疑似BB」と有利区間のリミットに到達する際のAT期間である「エンディングBB」とが含まれる。「疑似RB」は“JACゲーム”が1回の「疑似ボーナス」であり、「疑似BB」「エンディングBB」は“JACゲーム”が3回の「疑似ボーナス」である。
出玉状態「疑似ボーナス」は、基本的には、遊技状態「非ボーナス状態」「ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)」が対応する。より具体的には、疑似ボーナスの“JAC待ち”は、遊技状態「非ボーナス状態(RT1状態)」が対応し、“JACゲーム”は、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)」が対応する。すなわち、出玉状態「疑似RB」は、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)」が1回行われ、出玉状態「疑似BB」「エンディングBB」では、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)」が3回行われる。なお、ボーナス状態のBB中RBは、減少期間であるため、遊技者は、ボーナス状態中は、RB役の入賞を避けて遊技を行うことになるが、疑似ボーナス中にRB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中RB)」も出玉状態「疑似ボーナス」となる。
「引き戻し」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない非報知状態(非AT)であってもよく、また、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であってもよく、有利区間中の遊技である。本実施形態のパチスロ機1では、疑似ボーナスと引き戻しとがループすることで、出玉を増加させていく。
出玉状態「引き戻し」は、基本的には遊技状態「非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)」の「RT1状態」が対応する。なお、非AT期間中にBB役を入賞させてしまった場合には、遊技状態「ボーナス状態(BB中一般、BB中RBフラグ間及びBB中RB)」も出玉状態「引き戻し」となる。
続いて、図344(B)に示すように、主制御回路91は、(1)出玉状態「通常(非有利区間)」において有利区間への移行抽籤に当籤すると、「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。なお、有利区間への移行抽籤では、出玉状態「通常(非有利区間)」から出玉状態「疑似ボーナス」への移行を決定することもあり、主制御回路91は、(3)有利区間への移行抽籤において出玉状態「疑似ボーナス」に移行すると決定した場合には、疑似ボーナスのストックを付与するとともに「通常(非有利区間)」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。
また、主制御回路91は、(2)出玉状態「通常(有利区間)」において有利区間の終了抽籤を行っており、この終了抽籤において終了が決定されると、有利区間を終了して出玉状態「通常(有利区間)」から出玉状態「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(3)出玉状態「通常(有利区間)」において「疑似ボーナス」への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、疑似ボーナスのストックを付与するとともに、「通常(有利区間)」から出玉状態「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。
出玉状態「疑似ボーナス」に移行した場合に開始する疑似ボーナスの種別は、疑似ボーナスのストックの有無に応じて異なり、主制御回路91は、エンディングBBのストックを有している場合には、疑似ボーナスの「エンディングBB」に出玉状態を移行する。なお、エンディングBBのストックは、エンディング移行条件を満たした場合(より詳細には、出玉状態「疑似ボーナス」の終了時に枚数リミッタ用のカウンタが規定値(1926)以上であり、かつ、「エンディングBB」の終了時ではない場合)に1つ付与される。また、主制御回路91は、エンディングBBのストックを有していない場合には、疑似BBのストックのみを有しているときは疑似ボーナスの「疑似BB」に出玉状態を移行し、疑似RBのストックのみを有しているときは疑似ボーナスの「疑似RB」に出玉状態を移行する。また、エンディングBBのストックを有しておらず、かつ、疑似BB及び疑似RBの双方のストックを有している場合には、疑似ボーナスの「疑似BB」に出玉状態を移行することとしてもよく、また、疑似ボーナスの「疑似RB」に出玉状態を移行することとしてもよく、また、ストックが付与された順序に応じて疑似ボーナスの「疑似BB」又は「疑似RB」に出玉状態を移行することとしてもよい。
主制御回路91は、(4)出玉状態「疑似BB」「疑似RB」において疑似ボーナスの終了条件を満たすと、出玉状態「疑似BB」「疑似RB」から出玉状態「引き戻し」に出玉状態を移行する。ここで、出玉状態「疑似BB」の終了条件は、3回の“JACゲーム”が行われることであり、出玉状態「疑似RB」の終了条件は、1回の“JACゲーム”が行われることである。なお、“JACゲーム”は遊技状態「ボーナス状態」であるため、“JACゲーム”の終了条件は遊技状態「ボーナス状態」の終了条件と同一(104枚を超える払出)である。
また、主制御回路91は、出玉状態「疑似BB」「疑似RB」の終了時に他の疑似ボーナスのストックを有している場合には、疑似ボーナスの終了条件を満たした後に再び出玉状態「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する(1G連)。
また、主制御回路91は、(5)出玉状態「引き戻し」において「疑似ボーナス」への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、疑似ボーナスのストックを付与するとともに、「引き戻し」から出玉状態「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(6)出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスに当籤することなく引き戻しが終了すると(より詳細には、引き戻しの終了時に疑似ボーナスのストックが無い場合)、有利区間を終了して、出玉状態「引き戻し」から出玉状態「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。なお、引き戻しは、開始してから規定ゲーム数(例えば、32ゲーム)が経過すると終了する。
また、主制御回路91は、(7)出玉状態「エンディングBB」において疑似ボーナスの終了条件を満たすと、有利区間を終了して、出玉状態「エンディングBB」から出玉状態「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。ここで、出玉状態「エンディングBB」の終了条件は、3回の“JACゲーム”が行われることである。なお、主制御回路91は、出玉状態「エンディングBB」の終了時に他の疑似ボーナスのストックを有している場合であっても、疑似ボーナスの終了条件を満たすと、有利区間を終了して、「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
なお、主制御回路91は、出玉状態が「疑似ボーナス」に移行したタイミング、又は、「疑似ボーナス」が終了したタイミングで、対応する種別の疑似ボーナスのストックを1減算する。
(疑似ボーナスの遊技性)
続いて、図344(C)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における疑似ボーナスの遊技性について説明する。従来のパチスロ機においても、AT期間中の遊技を疑似ボーナスと呼ぶことが一般的に行われているが、このような従来のパチスロ機では、役物の作動を行うことなく遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することで、疑似ボーナスを実現していた。この点、本実施形態のパチスロ機1では、“JAC待ち”と“JACゲーム”とにより疑似ボーナスを構成するとともに、この“JACゲーム”を役物(BB:第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動している遊技状態「ボーナス状態(BB)」としている。
具体的には、図344(C)(a)に示すように、疑似RBは、1回の“JACゲーム”により構成される。なお、“JACゲーム”は、ボーナス状態(BB)であるため、BBの作動条件(BB役の入賞)を満たした場合に開始するため、“JACゲーム”に対しては、BB役が入賞するまでの“JAC待ち”が必要になる。そのため、疑似RBは、1回の“JAC待ち”と1回の“JACゲーム”とにより構成される。より具体的には、出玉状態「疑似RB」が開始されると、BB役が入賞するまで“JAC待ち(遊技状態「非ボーナス状態」)”となる。そして、“JAC待ち”においてBB役が入賞すると、BBの作動が開始され、“JACゲーム(遊技状態「ボーナス状態」)”となる。
なお、出玉状態「疑似ボーナス」中に移行した遊技状態「ボーナス状態」では、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知され、出玉状態「疑似ボーナス」以外において移行した遊技状態「ボーナス状態」では、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない。
また、図344(C)(b)に示すように、疑似BBは、3回の“JAC待ち”と3回の“JACゲーム”とにより構成される。より具体的には、出玉状態「疑似BB」が開始されると、BB役が入賞するまで“JAC待ち(遊技状態「非ボーナス状態」)”となる。そして、“JAC待ち”においてBB役が入賞すると、BBの作動が開始され、“JACゲーム(遊技状態「ボーナス状態」)”となり、出玉状態「疑似BB」では、このような遊技が3回繰り返される。なお、BB役(「F_JACBB」)は、非ボーナス状態の非フラグ間において約1/3.6の確率という高確率で当籤するため、“JAC待ち”から“JACゲーム”へは短期間で移行可能になっている。
また、図344(C)(c)は、4号機までのパチスロ機におけるボーナス状態の流れを示す。同図に示すように、4号機までのパチスロ機では、小役ゲーム及びJACゲームの回数に基づきボーナス状態を管理していた。そのため、4号機までのパチスロ機では、JACINのタイミングを調整し、例えば、最後のJACゲームを開始するタイミングを遅らせることで、ボーナス状態中に払い出されるメダルの枚数を変動させることが可能だった。これに対して、5号機以降の近年のパチスロ機では、ボーナス状態を払出枚数に基づき管理するため、ボーナス状態中に払い出されるメダルの枚数が概ね一定であり、ボーナス状態に対する遊技者の興趣が低下していた。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、払出枚数に基づき管理される5号機以降のボーナス状態を、疑似ボーナス中の“JACゲーム”として用い、この“JACゲーム”が行われる回数に基づき出玉状態「疑似ボーナス」を管理することで、4号機までのパチスロ機におけるボーナス状態のような遊技性を「疑似ボーナス」により実現する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「疑似ボーナス」の終了条件を“JACゲーム”の回数に基づき管理することとしているが、これに限るものではなく、例えば、「疑似ボーナス」において行われた総ゲーム数に基づき管理することとしてもよく(例えば、疑似RBは、当該総ゲーム数が第1規定値に達すると終了、疑似BBは、当該総ゲーム数が第1規定値よりも多い第2規定値に達すると終了)、また、「疑似ボーナス」の“JAC待ち”において行われた総ゲーム数に基づき管理することとしてもよく(例えば、疑似RBは、当該総ゲーム数が第3規定値に達すると終了、疑似BBは、当該総ゲーム数が第3規定値よりも多い第4規定値に達すると終了)、また、これらの条件を組み合わせて出玉状態「疑似ボーナス」の終了条件を管理することとしてもよい(例えば、疑似RBは、“JACゲーム”が1回行われること、又は、“JAC待ち”の総ゲーム数が第3規定値に達することのうちの何れか一方を満たすと終了、疑似BBは、“JACゲーム”が3回行われること、又は、“JAC待ち”の総ゲーム数が第3規定値よりも多い第4規定値に達することのうちの何れか一方を満たすと終了)。
[主制御側の各種のデータテーブル]
続いて、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図345に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図345に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図345に示す図柄コード表は、各リール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」「青JAC」「黒BAR」「黒チェリー」「赤チェリー」「スイカ」「ベルA」「ベルB」「リプレイ」及び「ブランク」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図346〜図353を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。図346は、非ボーナス状態(非BB)かつ非フラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図347は、非ボーナス状態(非BB)かつBBフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図348は、ボーナス状態(BB)のBB中一般において参照される内部抽籤テーブルであり、図349〜図352は、ボーナス状態(BB)のBB中RBフラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図353は、ボーナス状態のBB中RBにおいて参照される内部抽籤テーブルである。なお、本実施形態のパチスロ機1では、BB中RBフラグ間として、RB1役(F_JAC1)を持ち越しているBB中RB1フラグ間と、RB2役(F_JAC2)を持ち越しているBB中RB2フラグ間と、RB3役(F_JAC3)を持ち越しているBB中RB3フラグ間と、RB4役(F_JAC4)を持ち越しているBB中RB4フラグ間とを有する。図349は、BB中RB1フラグ間において参照される内部抽籤テーブル(JAC1用)であり、図350は、BB中RB2フラグ間において参照される内部抽籤テーブル(JAC2用)であり、図351は、BB中RB3フラグ間において参照される内部抽籤テーブル(JAC3用)であり、図352は、BB中RB4フラグ間において参照される内部抽籤テーブル(JAC4用)である。
ここで、非ボーナス状態の非フラグ間において参照される、図346(A)の内部抽籤テーブルを参照すると、本実施形態のパチスロ機1では、非ボーナス状態の非フラグ間では、高い確率(約1/3.6(=18574/65536))でBB役(「F_JACBB」)が内部当籤役として決定される。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することで出玉が増加することとしているため、ボーナス(BB)の作動契機となるBB役は、非フラグ間において高い確率で当籤するようにし、基本的には、高確率で当籤するBB役を持ち越したまま遊技が行われるようにしている。
[図柄組合せテーブル]
次に、図354〜図356を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。同図において「配当」とは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合に付与される配当の内容を表す。具体的には、「配当:BB」は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(上述のBB)が作動することを表し、「配当:RB」は、第一種特別役物(上述のRB)が作動することを表し、「配当:RP」は、再遊技(リプレイ)が作動することを表す。また、「配当:15」は、15枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:3」は、3枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:2」は、2枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:1」は、1枚のメダルが払い出されることを表す。なお、本実施形態のパチスロ機1では、センターラインが有効ラインとなっている。
[内部当籤役と図柄組合せの対応表]
続いて、図357〜図360は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。
各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。言い換えると、内部当籤役として決定された役の総称(「F_」から始まる名称)と、重複して当籤する個々の役(「C_」から始まる名称)との対応関係を示す。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係)
続いて、図361及び図362を参照して、内部当籤役として決定された役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係について説明する。図361は、非ボーナス状態(非BB)における内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係を示す図であり、図362は、ボーナス状態(BB)における内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せ(入賞役)との対応関係を示す図である。
なお、同図において「リプレイ」とは、図354〜図356における「C_リプレイ」が対応し、「リーチ目リプ」とは、図354〜図356における「C_リーチ目リプ1_1」「C_リーチ目リプ1_2」「C_リーチ目リプ2_1」〜「C_リーチ目リプ7_8」の何れかが対応し、「確定チェリー」とは、図354〜図356における「C_確定チェリー_1」〜「C_確定チェリー_8」の何れかが対応し、「中段チェリー」とは、図354〜図356における「C_中段チェ1_1」〜「C_中段チェ2_4」の何れかが対応する。
また、同図において「チェリー」とは、図354〜図356における「C_1st_チェリー_1」〜「C_KB_チェリー」の何れかが対応し、「スイカ」とは、図354〜図356における「C_KB_CDスイカ1_1」〜「C_KB_Cスイカ3_4」の何れかが対応する。
また、同図において「15枚」とは、図354〜図356における「C_123_ベル1_1」〜「C_ベル2」の何れかが対応し、「3枚」とは、図354〜図356における「C_上段ベル1_1」〜「C_上段ベル5」の何れかが対応し、「1枚」とは、図354〜図356における「C_1枚5_1」〜「C_1枚15_2」の何れかが対応し、「JAC1枚」とは、図354〜図356における「C_JAC役1」〜「C_JAC役8」の何れかが対応する。
同図に示すように、パチスロ機1では、メダルの払出に係る小役として、複数のベル役(「F_共通ベル」「F_123ベルA1」〜「F_3rdベル2」)を有するが、これらベル役は、非ボーナス状態(非BB)では、最大でも3枚のメダルが払い出される小役しか入賞しない一方で、ボーナス状態(BB)では、最大で15枚のメダルが払い出される小役が入賞するように制御される。その結果、本実施形態のパチスロ機1では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)の出玉率が1を超えることになる。
また、パチスロ機1では、複数の押し順ベル(「F_123ベルA1」〜「F_3rdベル2」)を有している。図362に示すように、これら複数の押し順ベルは、ボーナス状態においては、停止操作の順序に応じて表示される図柄の組合せ(入賞役)が異なり、正解の押し順である場合には、15枚のメダルが払い出され、不正解の押し順である場合には、1枚のメダルが払い出される。これら複数の押し順ベルが内部当籤役として決定された場合、出玉状態「疑似ボーナス」では、最も多いメダルが払い出されることになる正解の押し順が報知され、疑似ボーナス以外の出玉状態では、何らの押し順も報知されない。
なお、このような押し順の報知は、メイン(主制御回路91)側で行うこととしてもよく、また、サブ(副制御回路101)側で行うこととしてもよく、双方において行うこととしてもよい。
また、図361に示すように、非ボーナス状態(非BB)中のベル役においては何れの順序で停止操作を行っても停止表示される図柄の組合せ(及び払出枚数)は共通となっている。このため、出玉状態「疑似ボーナス」中かつ非ボーナス状態(非BB)においては、押し順の報知を行ってもよいし、行わないようにしてもよい。特に、疑似BBにおいて、ボーナス状態(BB)が終了してから次のボーナス状態(BB)が開始するまでの非ボーナス状態(非BB)では、押し順の報知を行う必要のある状態(疑似BB)に押し順の報知を行わない状態が存在することになり、一連の「疑似ボーナス」と見せるために、当該期間においても、ベル役及びその他の役の当籤時に、押し順の報知を行うこととしてもよい。この場合、何れの押し順で停止させても遊技の結果に差がないため、押し順の報知は演出に過ぎず、報知する押し順や、メイン・サブ何れの回路で制御を行うかは任意に決定することができる。
なお、図361及び図362では、非ボーナス状態(非BB)中の複数のベル役においては何れの順序で停止操作を行ってもメダルの払い出しを受けることが可能な構成となっているが、これに限らず、一部の停止順序で停止操作を行った場合に払い出しを受けることができない(取りこぼす)ようにしてもよいし、また、停止操作のタイミングに応じて払い出しを受けることができない(取りこぼす)ようにしてもよいし、これらを組み合わせて、一部の停止順序かつ一部のタイミングで停止操作を行った場合に払い出しを受けることができない(取りこぼす)ようにしてもよい。
また、図362に示すように、ボーナス状態(BB)中の複数のベル役において、15枚の払い出しを受けることができる押し順が6択のベル役(「F_123ベルA1」〜「F_321ベルE2」)と、15枚の払い出しを受けることができる押し順が3択のベル役(「F_1stベル1」〜「F_3rdベル2」)とを有する。ここで、3択のベル役においては、3択の押し順(第1停止のみ)の報知を行うこととしてもよく、6択のベル役と同様に6択の押し順(第1停止から第3停止まで)の報知を行うこととしてもよい。また、メイン(主制御回路91)側では3択の押し順を報知しつつ、サブ(副制御回路101)側では6択の押し順を報知するようにしてもよい。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図363は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役を抽籤種別としてグループ化し、この抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。
なお、上述したように本実施形態のパチスロ機1では、非フラグ間においてBB役が高確率で当籤するため、基本的には、BB役を持ち越した遊技状態であるBBフラグ間に滞在したまま遊技が行われる。ここで、同図において示す内部当籤役とは、ボーナス役を持ち越している場合には、内部当籤役として決定された役のうち持ち越しているボーナス役以外の役をいい、ボーナス役を持ち越していない場合には、内部当籤役として決定された役をいう。例えば、BBフラグ間において「F_JACBB+F_リプレイA」が内部当籤役として決定された場合、抽籤種別は、同図における「F_リプレイA」欄に規定された抽籤種別となり、BBフラグ間において「F_JACBB」のみが単独で内部当籤役として決定された場合、抽籤種別は、同図における「はずれ」欄に規定された抽籤種別となる。また、非フラグ間において「F_リプレイA」が内部当籤役として決定された場合、抽籤種別は、同図における「F_リプレイA」欄に規定された抽籤種別となる。
[通常(非有利区間)において用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図364を参照して、出玉状態「通常(非有利区間)」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブル]
図364を参照して、通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブルは、出玉状態「通常(非有利区間)」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき有利区間への移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブルは、抽籤種別2毎に有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、通常区間のまま維持して、抽籤結果として「通常A1」が決定された場合には、非有利区間(通常区間)から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に移行し、また、出玉モードとして“通常A1”をセットする。なお、出玉モードとは、有利区間中の出玉を管理するためのモードであり、出玉状態「疑似ボーナス」への移行期待度や連荘期待度を管理する。出玉モードは、“通常A1”“通常A2”“通常A3”“通常A4”“通常B1”“通常B2”“通常B3”“通常B4”“天国準備A”“天国準備B”“天国A”“天国B”“特殊A”“特殊B”“終了”“保障”の16種類ある。出玉モードは、非有利区間から有利区間への移行時にセットされるが、一度セットされると、当該有利区間が終了し非有利区間に移行した後に再び有利区間に移行するか、当該有利区間において出玉状態「疑似ボーナス」に移行するまで、他の出玉モードに移行することなく維持される。
また、主制御回路91は、抽籤結果として「通常A2」が決定された場合には、非有利区間から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に移行し、また、出玉モードとして“通常A2”をセットする。同様に、主制御回路91は、抽籤結果として「通常A3」〜「天国準備B」が決定された場合には、非有利区間から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に移行し、また、出玉モードとして“通常A2”〜“天国準備B”をセットする。
また、主制御回路91は、抽籤結果として「疑似BB+終了」が決定された場合には、非有利区間から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「通常(非有利区間)」から「疑似ボーナス」の「疑似BB」に移行し、また、出玉モードとして“終了”をセットする。同様に、主制御回路91は、抽籤結果として「疑似BB+天国A」〜「疑似BB+特殊B」が決定された場合には、非有利区間から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「通常(非有利区間)」から「疑似ボーナス」の「疑似BB」に移行し、また、出玉モードとして“天国A”〜“特殊B”をセットする。
なお、同図において抽籤種別2「0(ベルB)」〜「3(ベルE)」における抽籤結果を参照すると、ベルB、ベルC、ベルD、ベルEでは、有利区間への移行抽籤に当籤した場合の出玉モードが異なることが分かる。具体的には、ベルB当籤時に有利区間への移行抽籤に当籤すると、出玉モードは基本的には“通常A1”“通常B1”となり、ベルC当籤時に有利区間への移行抽籤に当籤すると、出玉モードは基本的には“通常A2”“通常B2”となり、ベルD当籤時に有利区間への移行抽籤に当籤すると、出玉モードは基本的には“通常A3”“通常B3”となり、ベルE当籤時に有利区間への移行抽籤に当籤すると、出玉モードは基本的には“通常A4”“通常B4”となる。なお、同図に示すように、ベルB〜ベルE当籤時に有利区間への移行抽籤に当籤した場合、低い確率ではあるものの、出玉モードが“天国準備A”や“天国準備B”となることもある。
ここで、抽籤種別2「0(ベルB)」とは、「F_123_ベルB1」〜「F_321_ベルC2」であり、抽籤種別2「1(ベルC)」とは、「F_123_ベルC1」〜「F_321_ベルC2」であり、抽籤種別2「2(ベルD)」とは、「F_123_ベルD1」〜「F_321_ベルD2」であり、抽籤種別2「3(ベルE)」とは、「F_123_ベルE1」〜「F_321_ベルE2」である。図346及び図347に示す内部抽籤テーブルを参照すると、本実施形態のパチスロ機1では、ベルB、ベルC、ベルD、ベルEが内部当籤役として決定される確率は、設定値に応じて異なる。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態が「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に移行した場合、セットされる出玉モードが設定値に応じて異なることになる。なお、この点は、図375において後述する。
[通常(非有利区間)において用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図365〜図370を参照して、出玉状態「通常(有利区間)」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[通常(有利区間)_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブル]
初めに、図365(A)(a)〜図368(A)(j)を参照して、通常(有利区間)_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき疑似ボーナスのストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、疑似ボーナスのストック抽籤を2段階抽籤により行う。具体的には、主制御回路91は、まず、疑似ボーナスの1段階目のストック抽籤を行い、この1段階目抽籤に当籤した場合に、続いて、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行い、この2段階目抽籤に当籤(すなわち、1段階目及び2段階目の双方に当籤)した場合に、疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する。一方で、1段階目抽籤に当籤したにも関わらず2段階目抽籤に非当籤の場合には、疑似ボーナスのストック抽籤に非当籤となり、また、1段階目抽籤に非当籤の場合には、2段階目抽籤を行うことなく疑似ボーナスのストック抽籤に非当籤となる。このように2段階の抽籤を行うことで、本実施形態のパチスロ機1では、小さい抽籤値(256を2回)を用いながら、大きい抽籤値(65536(=256×256))を用いる場合と同様の抽籤を行うことができる。
図365(A)(a)は、出玉モード“通常A1”において参照される通常(有利区間)_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルである。同様に、図365(A)(b)〜図368(A)(j)は、出玉モード“通常A2”〜“天国準備B”において参照される通常(有利区間)_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルである。通常(有利区間)_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルは、現在の出玉モード及びRT状態やRTゲーム数毎に設けられ、抽籤種別1に対応付けて疑似ボーナスの1段階目のストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。
ここで、RT状態がRT0状態である場合、同図における「RT0」欄が参照され、RT状態がRT1状態であり、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が101ゲーム〜140ゲームである場合、同図における「101G〜140G」欄が参照され、RT状態がRT1状態であり、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が301ゲーム〜360ゲームである場合、同図における「301G〜360G」欄が参照され、RT状態がRT1状態であり、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が776ゲーム以降である場合、同図における「776G以降」欄が参照され、RT状態がRT1状態であり、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が101ゲーム〜140ゲーム、301ゲーム〜360ゲーム、776ゲーム以降の何れでもない場合、同図における「その他」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行うことなく処理を終え、出玉状態を「通常(有利区間)」のまま維持する一方で、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、続いて、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行う。
ここで、同図においてRT状態やRTゲーム数毎の抽籤結果を参照すると、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が776ゲーム以降は、1段階目のストック抽籤に当籤する確率が非常に高くなっている。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、RT1状態のゲーム数に応じて天井制御を実現することができる。また、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が101ゲーム〜140ゲーム、301ゲーム〜360ゲームである場合には、1段階目のストック抽籤に当籤する確率が高くなっているため、このゲーム期間をチャンス期間とすることができる。
また、RT0状態では、1段階目のストック抽籤に当籤する確率が、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が101ゲーム〜140ゲーム、301ゲーム〜360ゲームである場合よりも高い。ここで、RT0状態は、RT1状態において1400回の遊技が行われることで移行するが、RT1状態が開始してから776ゲーム以降は、疑似ボーナスに当籤する確率が非常に高いため(なお、疑似ボーナスにおいて入賞したBBが終了すると、RT状態は再びRT1状態になる)、「通常(有利区間)」中のRT状態がRT0状態になることは、基本的にはあり得ない。この点、図379において後述するように、本実施形態のパチスロ機1では、設定変更時などに「通常(有利区間)」のRT0状態に制御することがあり、このような制御により設定変更後は、疑似ボーナスに当籤し易い状態とすることができる。
[通常(有利区間)_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブル]
続いて、図368(B)を参照して、通常(有利区間)_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において疑似ボーナスの1段階目のストック抽籤に当籤した場合に、続いて、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常(有利区間)_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブルは、1段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1に対応付けて疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似ボーナスのストックを付与することなく処理を終え、出玉状態を「通常(有利区間)」のまま維持する。一方で、抽籤結果として「当該遊技疑似BB」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「疑似BB」に移行し、抽籤結果として「当該遊技疑似RB」が決定された場合には、疑似RBのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「疑似RB」に移行し、抽籤結果として「次回遊技疑似BB」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「疑似BB」に移行し、抽籤結果として「次回遊技疑似RB」が決定された場合には、疑似RBのストックを1つ付与するとともに、出玉状態を「疑似RB」に移行する。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、疑似ボーナスのストック抽籤を、遊技の開始時(スタートレバーが操作され、スタートスイッチがON)に行うため、リール3L,3C,3Rの回転開始前(又は回転開始時)に疑似ボーナスのストック抽籤の抽籤結果が得られる。抽籤結果「当該遊技疑似BB」「当該遊技疑似RB」とは、疑似ボーナスのストック抽籤に当籤した今回の遊技から、出玉状態を「疑似ボーナス(疑似BB又は疑似RB)」に移行することを意味し、抽籤結果「次回遊技疑似BB」「次回遊技疑似RB」とは、疑似ボーナスのストック抽籤に当籤した遊技の次の遊技から、出玉状態を「疑似ボーナス(疑似BB又は疑似RB)」に移行することを意味する。
同図を参照すると、抽籤種別1「2(弱チェリー)」「3(スイカ)」「4(確定役)」「5(中段チェリー)」では、2段階目抽籤に当籤した場合には、抽籤結果として「当該遊技」が決定されることがなく、「次回遊技」が必ず決定される一方で、抽籤種別1「0(はずれ)」「1(ベル・リプ)」では、2段階目抽籤に当籤した場合には、抽籤結果として「当該遊技」が決定されることがある。このようにすることで、今回の遊技において当籤した所謂レア役(抽籤種別1「2(弱チェリー)」〜「5(中段チェリー)」)を契機として疑似ボーナスのストック抽籤に当籤した場合、出玉状態「疑似ボーナス」が開始される前に必ず今回の遊技において当籤したレア役に対応する図柄の組合せ(出目)が表示される結果、遊技者は、レア役に基づき疑似ボーナスのストックが付与されたと認識することになる。
他方、今回の遊技において当籤した非レア役(抽籤種別1「0(はずれ)」「1(ベル・リプ)」)を契機として疑似ボーナスのストック抽籤に当籤した場合には、今回の遊技から出玉状態「疑似ボーナス」が開始されることもあるため、出玉の増加期間である“JACゲーム”を早期に開始することができる。この点は、図377において後述する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態が「疑似ボーナス」に移行した場合、リールアクションを行う。具体的には、主制御回路91は、出玉状態が「疑似BB」に移行した場合、リール3L,3C,3Rを回転した後、自動的に(又は遊技者の停止操作を契機として)「赤7−赤7−赤7」が表示されるようにリールアクションを行い、出玉状態が「疑似RB」に移行した場合、リール3L,3C,3Rを回転した後、自動的に(又は遊技者の停止操作を契機として)「赤7−赤7−黒BAR」が表示されるようにリールアクションを行う。より具体的には、主制御回路91は、抽籤結果として「当該遊技疑似BB」「当該遊技疑似RB」が決定された場合には、今回の遊技のリール回転開始前に上述のリールアクションを行い、その後、今回の遊技のリール回転を開始する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「次回遊技疑似BB」「次回遊技疑似RB」が決定された場合には、今回の遊技の次の遊技において開始操作(スタートスイッチがON)が行われたことを契機として、上述のリールアクションを行い、その後、当該遊技(今回の遊技の次の遊技)のリール回転を開始する。なお、「次回遊技」当籤時のリールアクションのタイミングは、今回の遊技の終了時から次の遊技の開始時までの間の任意のタイミングであってもよく、例えば、今回の遊技において第3停止操作が行われリールの回転が停止した後に、上述のリールアクションを行うこととしてもよく、また、今回の遊技の次の遊技を行うためにメダルが所定枚数投入(ベット操作を検知)されたことを契機として、上述のリールアクションを行うこととしてもよい。
[通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブル]
続いて、図368(C)(a)〜図370(C)(f)を参照して、通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤に当籤した場合に参照され、出玉モードの移行抽籤を行うために用いられる。
通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、2段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1毎に設けられ、例えば、図368(C)(a)は、2段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1が「0(はずれ)」である場合に参照される通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルである。同様に、図369(C)(b)〜図370(C)(f)は、2段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1が「1(ベル・リプ)」〜「5(中段チェリー)」である場合に参照される通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルである。
通常(有利区間)_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、RT状態やRTゲーム数毎に設けられ、現在の出玉モード(移行元)に対応付けて抽籤結果(移行先の出玉モード)についての抽籤値の情報を規定する。ここで、RT状態がRT0状態である場合、同図における「RT0」欄が参照され、RT状態がRT1状態であり、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が0ゲーム(RT1状態の1ゲーム目)又は776ゲーム以降である場合、同図における「1G目or776G以降」欄が参照され、RT状態がRT1状態であり、RT1状態が開始してから経過したゲーム数が0ゲーム又は776ゲーム以降の何れでもない場合、同図における「その他」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、現在の出玉モードを“終了”に移行し、抽籤結果として「天国A」が決定された場合には、現在の出玉モードを“天国A”に移行し、抽籤結果として「天国B」が決定された場合には、現在の出玉モードを“天国B”に移行し、抽籤結果として「特殊A」が決定された場合には、現在の出玉モードを“特殊A”に移行し、抽籤結果として「特殊B」が決定された場合には、現在の出玉モードを“特殊B”に移行する。
[通常(有利区間)_有利区間終了抽籤テーブル]
続いて、図370(D)を参照して、通常(有利区間)_有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。通常(有利区間)_有利区間終了抽籤テーブルは、出玉状態「通常(有利区間)」において疑似ボーナスのストック抽籤に非当籤した遊技において参照され、有利区間を終了するか否かの終了抽籤を行うために用いられる。通常(有利区間)_有利区間終了抽籤テーブルは、現在の出玉モードに対応付けて終了抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「継続」が決定された場合には、有利区間を終了せずに、出玉状態を「通常(有利区間)」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、有利区間を終了して、「通常(有利区間)」から「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
[引き戻しにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図371及び図372を参照して、出玉状態「引き戻し」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。
[引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブル]
初めに、図371(A)(a)及び図371(A)(b)を参照して、引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルについて説明する。引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき疑似ボーナスのストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。
図371(A)(a)は、出玉モード“終了”において参照される引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルであり、図371(A)(b)は、出玉モード“天国A”“天国B”“特殊A”“特殊B”において参照される引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルである。引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」におけるゲーム数及び出玉モード毎に設けられ、抽籤種別1に対応付けて疑似ボーナスの1段階目のストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。
ここで、出玉状態「引き戻し」の最初の遊技〜30ゲーム目の遊技では、同図における「1〜30G目」欄が参照され、出玉状態「引き戻し」の31ゲーム目及び32ゲーム目の遊技では、同図における「31,32G目」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行うことなく処理を終え、出玉状態を「引き戻し」のまま維持する一方で、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、続いて、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行う。なお、主制御回路91は、出玉状態「引き戻し」が開始してから32ゲームが経過すると、有利区間を終了して、「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
[引き戻し_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブル]
続いて、図371(B)を参照して、引き戻し_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブルについて説明する。引き戻し_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスの1段階目のストック抽籤に当籤した場合に、続いて、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。引き戻し_疑似ボーナス2段階目抽籤テーブルは、1段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1に対応付けて疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似ボーナスのストックを付与することなく処理を終え、出玉状態を「引き戻し」のまま維持する。一方で、抽籤結果として「当該遊技疑似BB」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与するとともに、今回の遊技から出玉状態を「疑似BB」に移行し、抽籤結果として「当該遊技疑似RB」が決定された場合には、疑似RBのストックを1つ付与するとともに、今回の遊技から出玉状態を「疑似RB」に移行し、抽籤結果として「次回遊技疑似BB」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与するとともに、次回の遊技の出玉状態を「疑似BB」に移行し、抽籤結果として「次回遊技疑似RB」が決定された場合には、疑似RBのストックを1つ付与するとともに、次回の遊技の出玉状態を「疑似RB」に移行する。
なお、同図に示すように、出玉状態「引き戻し」では、疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤は必ず当籤する。また、図371(A)(b)の引き戻し_疑似ボーナス1段階目抽籤テーブルに示すように、出玉モードが“天国A”“天国B”“特殊A”“特殊B”である場合には、出玉状態「引き戻し」の31ゲーム目に必ず疑似ボーナスの1段階目のストック抽籤に当籤する。そのため、出玉モードが“天国A”“天国B”“特殊A”“特殊B”である場合には、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスのストック抽籤に必ず当籤する。
[引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブル]
続いて、図371(C)(a)〜図372(C)(f)を参照して、引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルについて説明する。引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスの2段階目のストック抽籤に当籤した場合に参照され、出玉モードの移行抽籤を行うために用いられる。
引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モード毎に設けられ、例えば、図371(C)(a)は、現在の出玉モードが“終了”である場合に参照される引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルである。同様に、図371(C)(b)〜図372(C)(f)は、現在の出玉モードが“天国A”〜“保障”である場合に参照される引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルである。
引き戻し_疑似ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、2段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1に対応付けて抽籤結果(移行先の出玉モード)についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、現在の出玉モードを“終了”に移行し、抽籤結果として「天国A」が決定された場合には、現在の出玉モードを“天国A”に移行し、抽籤結果として「天国B」が決定された場合には、現在の出玉モードを“天国B”に移行し、抽籤結果として「特殊A」が決定された場合には、現在の出玉モードを“特殊A”に移行し、抽籤結果として「特殊B」が決定された場合には、現在の出玉モードを“特殊B”に移行し、抽籤結果として「保障」が決定された場合には、現在の出玉モードを“保障”に移行する。
[疑似ボーナスにおいて用いる各種抽籤テーブル]
続いて、図373及び図374を参照して、出玉状態「疑似ボーナス」において用いる各種抽籤テーブルについて説明する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「疑似ボーナス」において疑似ボーナスのストックを付与する場合、疑似BBのストックを付与し、疑似RBのストックを付与することがないが、出玉状態「疑似ボーナス」においても付与可能なストックの種別は、疑似BBに限るものではなく、疑似RBのストックであってもよく、また、疑似BB及び疑似RBの双方のストックであってもよい。
[疑似ボーナス_1G連1段階目抽籤テーブル]
初めに、図371(A)を参照して、疑似ボーナス_1G連1段階目抽籤テーブルについて説明する。疑似ボーナス_1G連1段階目抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき疑似BBのストック抽籤(1G連抽籤)を行う際に参照されるテーブルである。疑似ボーナス_1G連1段階目抽籤テーブルは、抽籤モード毎に設けられ、抽籤種別1に対応付けて疑似BBの1段階目のストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似BBの2段階目のストック抽籤を行うことなく処理を終え、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、続いて、疑似BBの2段階目のストック抽籤を行う。
ここで、抽籤モードとは、出玉状態「疑似ボーナス」において行う疑似BBのストック抽籤(1G連)の当籤期待度を規定するモードであり、当籤期待度が低い“低確”と低確よりは当籤期待度が高い“通常”との2種類を有する。出玉状態「疑似ボーナス」は、BB役が入賞するまでの“JAC待ち”とBB役が入賞したボーナス状態である“JACゲーム”とにより構成されるため、例えば、BB役の入賞を避けて遊技を行った場合には出玉状態「疑似ボーナス」中の期間を引き延ばすことができる。抽籤モードは、出玉状態「疑似ボーナス」の意図的に引き延ばしを防止するために用いられ、パチスロ機1の遊技仕様上とは異なる場合における1G連の当籤期待度を低くする。
具体的には、出玉状態が「疑似ボーナス」に移行すると初めに“JAC待ち”となるが、主制御回路91は、出玉状態「疑似ボーナス(JAC待ち)」に移行すると、まず、抽籤モードを“通常”にセットする。そして、主制御回路91は、“JAC待ち”において抽籤種別1が「0(はずれ)」となると、抽籤モードを“通常”から“低確”に変更する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役、リプレイ役、小役の引込優先順位を、リプレイ役が最も高く、小役が次に高く、ボーナス役が最も低くなるように設計している。また、非フラグ間では、内部当籤役がはずれとなることがなく、また、BB役(「F_JACBB」)は単独で当籤する。そのため、“JAC待ち”において抽籤種別1が「0(はずれ)」となる場合とは、BB役のみが単独で内部当籤役として決定されている場合であり、BB役を入賞可能な遊技であることを意味する。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、“JAC待ち”においてBB役に応じた図柄の組合せの表示が一度も許容されていない場合には、抽籤モードが“通常”となり通常の当籤期待度で1G連抽籤が行われる。他方、“JAC待ち”においてBB役に応じた図柄の組合せの表示が一度でも許容された後は、抽籤モードが“低確”となり1G連抽籤の当籤期待度が低くなる。
また、主制御回路91は、出玉状態「疑似ボーナス」において“JAC待ち”から“JACゲーム”に移行すると(BB役が入賞すると)、抽籤モードを“通常”にセットする。そして、主制御回路91は、出玉状態「疑似ボーナス(JACゲーム)」において、15枚のメダルの払い出しが可能な役(「F_123_ベルA1」〜「F_3rdベル2」)が合計で7回内部当籤役として決定されると、抽籤モードを“通常”から“低確”に変更する。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態は104枚を超えるメダルが払い出されると終了し、また、出玉状態「疑似ボーナス」では遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。そのため、15枚のメダルの払い出しが可能な役が7回内部当籤役として決定された場合とは、報知に従い遊技を行っている限りボーナス状態(JACゲーム)は終了する場合を意味し、このような場合に抽籤モードを“低確”にすることで、意図的に引き延ばしを防止することができる。
また、出玉状態「疑似ボーナス」が疑似BBである場合、3回の“JACゲーム”が行われる。そこで、主制御回路91は、出玉状態「疑似ボーナス」において“JACゲーム”から“JAC待ち”に移行すると(ボーナス状態が終了すると)、抽籤モードを“通常”にセットする。そして、主制御回路91は、“JAC待ち”においてBB役に応じた図柄の組合せの表示が許容されるまで、抽籤モードを“通常”のまま維持する。
[疑似ボーナス_1G連2段階目抽籤テーブル]
続いて、図373(B)を参照して、疑似ボーナス_1G連2段階目抽籤テーブルについて説明する。疑似ボーナス_1G連2段階目抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」において疑似BBの1段階目のストック抽籤に当籤した場合に、続いて、疑似BBの2段階目のストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。疑似ボーナス_1G連2段階目抽籤テーブルは、1段階目のストック抽籤に当籤した際の内部当籤役に応じた抽籤種別1に対応付けて疑似BBの2段階目のストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを付与することなく処理を終え、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与する。なお、パチスロ機1では、出玉状態「疑似ボーナス」において疑似BBのストックを付与した場合には、その旨を遊技者に対して報知することとしてもよい。このとき、パチスロ機1では、エンディングBB到達までの状況に応じてこの報知を制御することとしてもよい。上述したように本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「疑似ボーナス」の終了時に枚数リミッタ用のカウンタが規定値(1926)以上である場合にエンディングBBに移行するが、疑似BBの残りストック数と疑似BB1回当たりの平均獲得枚数とを乗算した値を、現在の枚数リミッタ用のカウンタに加算し、加算後の値が規定値(1926)以上である場合には、疑似BBのストックを付与したことを報知せずに、加算後の値が規定値未満である場合には、疑似BBのストックを付与したことを報知することとしてもよい。なお、この報知は、メイン(主制御回路91)側で行うこととしてもよく、また、サブ(副制御回路101)側で行うこととしてもよく、双方において行うこととしてもよい。
[疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブル]
続いて、図373(C)(a)〜図374(C)(f)を参照して、疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブルについて説明する。疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき出玉モードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。
疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モード毎に設けられ、例えば、図373(C)(a)は、現在の出玉モードが“終了”である場合に参照される疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブルである。同様に、図373(C)(b)〜図374(C)(f)は、現在の出玉モードが“天国A”〜“保障”である場合に参照される疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブルである。
疑似ボーナス_モード移行抽籤テーブルは、抽籤種別1に対応付けて抽籤結果(移行先の出玉モード)についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、現在の出玉モードを“終了”に移行し、抽籤結果として「天国A」が決定された場合には、現在の出玉モードを“天国A”に移行し、抽籤結果として「天国B」が決定された場合には、現在の出玉モードを“天国B”に移行し、抽籤結果として「特殊A」が決定された場合には、現在の出玉モードを“特殊A”に移行し、抽籤結果として「特殊B」が決定された場合には、現在の出玉モードを“特殊B”に移行し、抽籤結果として「保障」が決定された場合には、現在の出玉モードを“保障”に移行する。
[疑似ボーナス_JAC天井ゲーム数抽籤テーブル]
続いて、図374(D)を参照して、疑似ボーナス_JAC天井ゲーム数抽籤テーブルについて説明する。疑似ボーナス_JAC天井ゲーム数抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」において“JAC待ち”移行時に参照され、JAC天井ゲーム数を抽籤するために参照される。
本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「疑似ボーナス」は、BB役が入賞するまでの“JAC待ち”とBB役が入賞したボーナス状態である“JACゲーム”とにより構成されるが、“JAC待ち”においてBB役の入賞が許可されない場合、“JACゲーム”に移行させることができない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、“JAC待ち”において長期間にわたりBB役の入賞が許可されない場合に、特典(疑似BBのストック)を付与する。具体的には、主制御回路91は、“JAC待ち”移行時にJAC天井ゲーム数を抽籤により決定し、“JAC待ち”においてBB役の入賞が許可されない遊技の回数が天井ゲーム数に達した場合に、疑似BBのストックを1つ付与する。
なお、“JAC待ち”においてBB役の入賞が許可されない場合とは、例えば、非フラグ間においてBB役が内部当籤役として決定されていない場合と、フラグ間においてBB役以外の他の役が内部当籤役として決定されている場合とを意味し、上述の抽籤モードにより管理することができる。すなわち、主制御回路91は、“JAC待ち”の抽籤モード“通常”において行われた遊技の回数を計数しておき、この回数が天井ゲーム数に達すると、疑似BBのストックを1つ付与する。なお、主制御回路91は、“JAC待ち”において抽籤モードが“通常”から“低確”に変更された場合には、計数していた回数をクリアする。
疑似ボーナス_JAC天井ゲーム数抽籤テーブルは、JAC天井ゲーム数の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として得られたゲーム数をJAC天井ゲーム数としてセットする。なお、主制御回路91は、“JAC待ち”移行時にJAC天井ゲーム数を決定するが、出玉状態「疑似ボーナス」が疑似BBである場合、3回の“JACゲーム”が行われるため、出玉状態「疑似ボーナス」の開始時、及び、出玉状態「疑似ボーナス」において“JACゲーム”から“JAC待ち”への移行時にJAC天井ゲーム数を決定する。
[第8実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第8実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[有利区間移行時のモード制御]
上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「通常(有利区間)」では、出玉モードに応じて出玉状態「疑似ボーナス」への移行を制御する。ここで、出玉モードには、“通常A1”〜“保障”の16種類のモードがあるが、これら16種類のモードのうち、“通常A1”“通常A2”“通常A3”“通常A4”“通常B1”“通常B2”“通常B3”“通常B4”“天国準備A”“天国準備B”の10種類は、出玉状態「通常(有利区間)」において用いられる出玉モードであり、疑似ボーナスの初当たり用の出玉モードである。また、“終了”“天国A”“天国B”“特殊A”“特殊B”“保障”の6種類は、出玉状態「引き戻し」において用いられる出玉モードであり、疑似ボーナスの連荘(引き戻し)用の出玉モードである。
本実施形態のパチスロ機1では、非有利区間から有利区間への移行時(出玉状態「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」への移行時)に、移行契機となった内部当籤役(抽籤種別2)に基づき初当たり用の出玉モードを決定する。ここで、非有利区間から有利区間への移行制御は、レア役だけでなくベル役に基づき行われることもあり、以下説明する本遊技性では、このベル役に基づく有利区間移行時の出玉モードの制御方法に関するものである。
図375は、有利区間移行時のモード制御を説明するための図であり、図375(A)は、ベル役に関する内部抽籤テーブルを模式的に表す図である。同図において、ベルAとは「F_123_ベルA1」〜「F_321_ベルA2」の何れかを意味し、ベルBとは「F_123_ベルB1」〜「F_321_ベルB2」の何れかを意味し、ベルCとは「F_123_ベルC1」〜「F_321_ベルC2」の何れかを意味し、ベルDとは「F_123_ベルD1」〜「F_321_ベルD2」の何れかを意味し、ベルEとは「F_123_ベルE1」〜「F_321_ベルE2」の何れかを意味する。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ベル役のうち、ベルAの当籤確率は、設定1〜設定6において共通である一方で、ベルB〜ベルEの当籤確率は、設定1〜設定6において大きく異なり、設定値に応じて当籤し易いベル役の種別が入れ違いになっている。具体的には、設定1ではベルBの当籤確率が高く、設定2ではベルCの当籤確率が高く、設定3ではベルB,ベルDの当籤確率が高く、設定4では、ベルC,ベルEの当籤確率が高く、設定5では、ベルD,ベルEの当籤確率が高く、設定6では、ベルEの当籤確率が高い。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ベルA〜ベルEが内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せ(入賞役)は、全て共通する。具体的には、図361に示すように、非ボーナス状態(非BB)では、ベルA〜ベルEが内部当籤役として決定された場合、押し順に関係なく「1枚」の図柄の組合せが表示され、また、図362に示すように、ボーナス状態(BB)では、ベルA〜ベルEが内部当籤役として決定された場合、押し順に正解した場合には「15枚」の図柄の組合せが表示され、押し順に不正解した場合には「1枚」の図柄の組合せが表示される。
より詳細には、図357〜図360に示すように、ベルA〜ベルEでは、重複して内部当籤役として決定される役のうち、制御用に用いられ実際には入賞することがない「C_JAC役1」〜「C_JAC役4」の重複の仕方が異なっており、実際に入賞することがある「15枚(「C_123_ベル1_1」〜「C_321_ベル2」)」及び「1枚(「C_1枚5_1」〜「C_1枚15_2」)」の重複の仕方は、ベルA〜ベルEのうちの対応するベル役同士で完全に一致する。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、ベル役が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せ(入賞役)からでは、内部当籤役として決定されたベル役の種類を把握することはできない。なお、ベル役の当籤確率は設定値に応じて異なるため、言い換えると、本実施形態のパチスロ機1では、ベル役が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せ(入賞役)から、設定値を把握することはできない。
続いて、図375(B)は、通常(非有利区間)_有利区間移行抽籤テーブル(図364)のうちのベル役に関する部分のみを抽出した図である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ベル役を契機として非有利区間から有利区間に移行した場合、移行契機となったベル役の種類に応じてセットされる出玉モードが異なる。具体的には、ベルBを契機として有利区間に移行した場合には、出玉モードとして“通常A1”“通常B1”がセットされ、ベルCを契機として有利区間に移行した場合には、出玉モードとして“通常A2”“通常B2”がセットされ、ベルDを契機として有利区間に移行した場合には、出玉モードとして“通常A3”“通常B3”がセットされ、ベルEを契機として有利区間に移行した場合には、出玉モードとして“通常A4”“通常B4”がセットされる。なお、ベルAについては、抽籤種別2に基づく各種の抽籤が行われないため(有利区間移行抽籤自体が行われないため(図363参照))、内部当籤役として決定された場合であっても有利区間への移行契機とはならず、出玉モードのセットも行われない。
なお、上述したように、出玉モードは、非有利区間から有利区間への移行時にセットされるが、一度セットされると、当該有利区間が終了し非有利区間に移行した後に再び有利区間に移行するか、当該有利区間において出玉状態「疑似ボーナス」に移行するまで、他の出玉モードに移行することなく維持される。
続いて、図375(C)は、有利区間移行時の出玉モードと設定値との関係を示す図である。設定1では、ベル役としてベルBが当籤し易く、ベルBを契機として有利区間に移行した場合には出玉モードとして“通常A1”“通常B1”が決定される。そのため、ベル役を契機とする有利区間への移行時には設定1では出玉モードとして“通常A1”“通常B1”がセットされる。同様に、ベル役を契機とする有利区間への移行時には、設定2では出玉モードとして“通常A2”“通常B2”がセットされ、設定3では出玉モードとして“通常A1”“通常A3”“通常B1”“通常B3”がセットされ、設定4では出玉モードとして“通常A2”“通常A4”“通常B2”“通常B4”がセットされ、設定5では出玉モードとして“通常A3”“通常A4”“通常B3”“通常B4”がセットされ、設定6では出玉モードとして“通常A4”“通常B4”がセットされる。
出玉モード“通常A1”“通常A2”“通常A3”“通常A4”“通常B1”“通常B2”“通常B3”“通常B4”では、疑似ボーナスのストック抽籤の当籤期待度(初当たり期待度)が異なるとともに、疑似ボーナスのストック抽籤に当籤した場合に移行する出玉モード(連荘用)の種類も異なる。なお、連荘用の出玉モードは、疑似ボーナスの連荘期待度(出玉状態「引き戻し」における疑似ボーナスのストック抽籤の当籤期待度)が異なる。そのため、本制御によれば、設定値に応じて疑似ボーナスの初当たり期待度や連荘期待度を異ならせることができる。特に、本実施形態のパチスロ機1では、設定値に応じて当籤確率が異なるベルB〜ベルEにおいて、入賞時の表示態様(表示される図柄の組合せ)を共通としているため、入賞時の表示態様から出玉モードが把握されてしまうことがないため、現在の出玉モードの把握を困難にしつつ、遊技性を多様化することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な出玉状態「疑似ボーナス(特定遊技状態)」と、出玉状態「通常(所定遊技状態)」とを有し、出玉状態「通常」には、出玉状態「通常(非有利区間)」と、出玉状態「通常(非有利区間)」よりも疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤し易い出玉状態「通常(有利区間)」が含まれるとともに、出玉状態「通常(有利区間)」には、疑似ボーナスのストック付与抽籤の当籤期待度を規定する複数の出玉モードが含まれる。
また、パチスロ機1では、内部当籤役として決定された場合に表示可能な図柄の組合せのうちの少なくとも一の図柄の組合せが共通する複数種類のベルA〜ベルEを有する。ここで、ベルB〜ベルEは、有利区間への移行契機となるベル役であるが、設定値に応じて内部当籤役として決定される確率が異なるとともに、有利区間への移行時のモード決定情報がそれぞれ異なる。
そして、主制御基板71は、出玉状態「通常(非有利区間)」においてベルB〜ベルEが内部当籤役として決定されると、「通常(有利区間)」に出玉状態を移行可能であるとともに、移行契機となったベル役の種類に応じて出玉モードを決定しセット可能であり、また、出玉状態「通常(有利区間)」では、セットした出玉状態に応じて出玉状態「疑似ボーナス」への移行を制御するため、主制御基板71は、第1状態制御手段、モード決定手段及び第2状態制御手段として機能する。
なお、ベル役のうち、ベルA(特定の所定役)は、内部当籤役として決定されても有利区間への移行が行われない。また、出玉状態「通常(より詳細には、非ボーナス状態)」においてベル役が内部当籤役として決定された場合に表示される図柄の組合せは、ベル役の種類に関係なく共通(「1枚(「C_1枚5_1」〜「C_1枚15_2」)」の何れか)である。
[リアルボーナス誤入賞の回避制御]
続いて、図376を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリアルボーナス誤入賞の回避制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役としてBB役(「F_JACBB」)とRB役(「F_JAC1」〜「F_JAC4」)とを有するが、BB役は、出玉状態「疑似ボーナス」以外の状態において入賞したとしても遊技者にとって不利な状態となり、また、RB役は、出玉状態に関係なく入賞した場合に常に遊技者にとって不利な状態となる。以下説明する本遊技性では、入賞すると不利になるボーナス役の入賞を遊技者が回避可能な制御方法に関するものである。なお、以下では、本制御をメイン(主制御回路91)側で行うこととして説明するが、本制御は、サブ(副制御回路101)側で行うこととしてもよく、また、メイン・サブの双方において行うこととしてもよい。
図376(A)は、BB役(「F_JACBB」)の誤入賞回避の制御例を説明するための図である。同図に示すように、BB役は、出玉状態「疑似ボーナス」において入賞した場合には、遊技者にとって有利な停止操作の情報(正解の押し順)が報知されるため、出玉が増加するものの、通常時(出玉状態「通常(非有利区間)」「通常(有利区間)」「引き戻し」)において入賞した場合には、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されないため、出玉が減少する。
そこで、主制御回路91は、通常時においてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って停止表示された場合に、回転中の残りリールに対する遊技者の停止操作を一時的に無効化するロック制御を行う。なお、主制御回路91は、ロック制御を行った場合、所定時間経過した後に無効化を解除し、遊技者の停止操作を有効にする。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、BB役に対応する図柄の組合せとして「青JAC−赤7−青JAC(C_JACBB_1)」「青JAC−青JAC−青JAC(C_JACBB_2)」「青JAC−ブランク−青JAC(C_JACBB_3)」を有する(図354参照)。
左リール3LにおいてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」は、図柄位置「7」に配置されている。そのため、左リール3Lでは、図柄位置「3」〜図柄位置「7」が中段に位置するタイミングで停止操作が行われた場合に、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」を停止可能であり、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」を停止することができない。
同様に、中リール3CにおいてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「赤7」「青JAC」「ブランク」は、図柄位置「2」「7」「17」に配置されている。そのため、左リール3Lでは、図柄位置「13」〜図柄位置「7」が中段に位置するタイミングで停止操作が行われた場合に、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「赤7」「青JAC」「ブランク」を停止可能であり、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「赤7」「青JAC」「ブランク」を停止することができない。
同様に、右リール3RにおいてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」は、図柄位置「8」「13」「18」に配置されている。そのため、右リール3Rでは、図柄位置「4」〜図柄位置「18」が中段に位置するタイミングで停止操作が行われた場合に、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」を停止可能であり、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」を停止することができない。
すなわち、BB役に対応する図柄の組合せは、リール3L,3C,3Rの全てにおいてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄を引き込み不可能な停止位置が存在する図柄の組合せである。言い換えると、BB役は、リール3L,3C,3Rの全てにおいて入賞を回避することができる。
そこで、主制御回路91は、通常時においてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合、すなわち、3つのリール3L,3C,3Rのうちの何れか2つのリールの回転を停止した時に、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って停止表示された場合に、回転中の残り1つのリールに対する遊技者の停止操作を一時的に無効化するロック制御を行う。一方で、出玉状態「疑似ボーナス」では、主制御回路91は、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合であっても、ロック制御を行わずに、残り1つのリールに対する遊技者の停止操作を有効のまま維持する。
これにより、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って停止すると遊技者にとって不利な状況となる場合には、遊技者に対して不利な状況になる虞があることの警告を行うことができる。遊技者にとってみれば、停止操作自体が無効になるため、第2停止操作を行った流れで第3停止操作を行うといったことが不可能になり、結果、BB役の入賞を適切に回避させることができる。また、第1停止操作後ではなく、第2停止操作後にロック制御を行うため、ロック制御が行われる頻度を下げることができ、遊技者が感じる煩わしさを軽減することができる。
なお、主制御回路91は、BB役を入賞させるための停止操作として、所定の態様の停止操作が行われた場合に、現在の設定値を示唆する演出を行うこととしてもよい。具体的には、主制御回路91は、中リール3Cにおいて、図柄位置「3」の図柄「スイカ」が中段に位置するタイミング(下段に図柄位置「2」の図柄「赤7」)で停止操作が行われた場合に、現在の設定値を示唆する演出を行うこととしてもよい。ここで、BB役を入賞可能な遊技において、図柄位置「3」の図柄「スイカ」が中段に位置するタイミングで停止操作が行われると、4駒先の図柄位置「7」の図柄「青JAC」が引き込まれ、BB役を引き込むことができる。一方で、目押しに失敗し図柄位置「3」よりも前の図柄が中段に位置するタイミングで停止操作が行われた場合であっても、図柄位置「2」には、BB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「赤7」が配置されているため、目押し失敗時であってもBB役を引き込むことができる。
続いて、図376(B)は、RB役(「F_JAC1」〜「F_JAC4」)の誤入賞回避の制御例を説明するための図である。同図に示すように、RB役は、出玉状態「疑似ボーナス」において入賞した場合であっても、通常時(出玉状態「通常(非有利区間)」「通常(有利区間)」「引き戻し」)において入賞した場合であっても、出玉が減少する。
そこで、主制御回路91は、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って停止表示された場合に、回転中の残りリールに対する遊技者の停止操作を一時的に無効化するロック制御を行う。なお、出玉状態「疑似ボーナス」における非RB中(BB中一般及びBB中RBフラグ間)は、出玉が増加する増加期間であるため、主制御回路91は、少なくとも出玉状態「疑似ボーナス」においては、ロック制御を行う一方で、「疑似ボーナス」以外の出玉状態では、ロック制御を行うこととしてもよく、また、ロック制御を行わないこととしてもよい。また、主制御回路91は、ロック制御を行った場合、所定時間経過した後に無効化を解除し、遊技者の停止操作を有効にする。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、RB役に対応する図柄の組合せとして「青JAC−青JAC−赤7(C_JAC1)」「青JAC−青JAC−スイカ(C_JAC2)」「青JAC−ブランク−赤7(C_JAC3)」「青JAC−ブランク−スイカ(C_JAC4)」を有する(図354参照)。
左リール3LにおいてRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」は、図柄位置「7」に配置されている。そのため、左リール3Lでは、図柄位置「3」〜図柄位置「7」が中段に位置するタイミングで停止操作が行われた場合に、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」を停止可能であり、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」を停止することができない。
同様に、中リール3CにおいてRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」「ブランク」は、図柄位置「7」「17」に配置されている。そのため、左リール3Lでは、図柄位置「3」〜図柄位置「7」及び図柄位置「13」〜図柄位置「17」が中段に位置するタイミングで停止操作が行われた場合に、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」「ブランク」を停止可能であり、それ以外のタイミングで停止操作が行われた場合には、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「青JAC」「ブランク」を停止することができない。
同様に、右リール3RにおいてRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「赤7」「スイカ」は、図柄位置「2」「7」「12」「17」に配置されている。そのため、右リール3Rでは、どのタイミングで停止操作が行われた場合であっても、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄「赤7」「スイカ」を停止可能である。
すなわち、RB役に対応する図柄の組合せは、左リール3L及び中リール3CにおいてRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄を引き込み不可能な停止位置が存在する図柄の組合せであり、右リール3Rでは、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄を引き込み不可能な停止位置が存在しない図柄の組合せである。言い換えると、RB役は、左リール3L及び中リール3Cにおいて入賞を回避することができ、右リール3Rにおいては入賞を回避することができない。
そこで、主制御回路91は、第1停止操作に伴いRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示された場合、すなわち、3つのリール3L,3C,3Rのうちの何れか1つのリールの回転を停止した時に、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って停止表示された場合に、回転中の残り2つのリールに対する遊技者の停止操作を一時的に無効化するロック制御を行う。
これにより、RB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って停止すると遊技者にとって不利な状況となる場合には、遊技者に対して不利な状況になる虞があることの警告を行うことができる。遊技者にとってみれば、停止操作自体が無効になるため、第1停止操作を行った流れで第2停止操作を行うといったことが不可能になり、結果、BB役の入賞を適切に回避させることができる。また、RB役の入賞を回避可能なリールは2つあるため、第1停止操作時にロック制御を行うことで、どのリールが停止された場合であっても確実にRB役の入賞を回避することができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、RB役を4種類設け、これら4種類のRB役毎に対応する図柄の組合せを異ならせているため、個々のRB役においては、リール3L,3C,3Rの全てにおいて入賞を回避することができる。この点、RB役を1種類とし、この1種類のRB役に対して上述の4つの図柄の組合せが対応付けられていることとすることとしてもよい。すなわち、RB役「F_JAC1」を、「C_JAC1」「C_JAC2」「C_JAC3」「C_JAC4」が重複して当籤する役としてもよい。このようにすることで、RB役を、左リール3L及び中リール3Cにおいて入賞を回避することができ、右リール3Rにおいては入賞を回避することができない役とすることができる。
続いて、図376(C)は、リアルボーナス誤入賞の回避制御をまとめたものである。同図に示すように、主制御回路91は、BB役については、通常時においてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合にロック制御を行い、出玉状態「疑似ボーナス」ではロック制御を行わない。また、主制御回路91は、RB役については、少なくとも出玉状態「疑似ボーナス」では、第1停止操作に伴いRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示された場合にロック制御を行い、出玉状態「疑似ボーナス」以外では、ロック制御を行ってもよく、また、行わなくてもよい。
なお、主制御回路91は、BB役又はRB役を入賞可能な遊技において、ロック制御の条件を満たした場合(例えば、通常時においてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合、又は第1停止操作に伴いRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示された場合)にのみ、上述のロック制御を行い、BB役又はRB役を入賞不可能な遊技では、ロック制御を行わないこととしてもよい。本実施形態のパチスロ機1では、BB役やRB役といったボーナス役は、引き込みの優先順位が低いため、小役やリプレイ役と重複して内部当籤役として決定されている場合、入賞することがない。そのため、主制御回路91は、BB役のみが内部当籤役として決定されている遊技においてロック制御の条件を満たした場合、又は、RB役のみが内部当籤役として決定されている遊技においてロック制御の条件を満たした場合に上述のロック制御を行い、BB役又はRB役が小役やリプレイ役とともに重複して内部当籤役として決定されている場合には、ロック制御を行わないこととしてもよい。
また、主制御回路91は、RB役を入賞可能な遊技では、遊技の開始時(すなわち、第1停止操作よりも前)にその旨を遊技者に対して報知することとしてもよい。この報知は、出玉状態「疑似ボーナス」においてのみ行うこととしてもよく、また、疑似ボーナス以外の出玉状態においてのみ行うこととしてもよく、また、双方において行うこととしてもよい。また、この報知は、例えば、不図示の7セグ表示部において、セグを順に点灯させ、セグを回転表示することで行うこととしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、ボーナス(BB)の作動が行われているボーナス状態と、ボーナスの作動が行われていない非ボーナス状態とを有するとともに、非ボーナス状態には、疑似ボーナス以外の出玉状態(所定遊技状態)と、遊技者にとって有利な出玉状態「疑似ボーナス(特定遊技状態)」とが含まれる。また、パチスロ機1では、ボーナス状態として、RBの作動が行われていないBB中一般及びBB中RBフラグ間(一般ボーナス状態)と、遊技者にとって不利なBB中RB(所定ボーナス状態)とを有する。なお、ボーナス状態は、出玉状態「疑似ボーナス」において開始された場合には遊技者にとって有利な遊技状態である一方で、疑似ボーナス以外の出玉状態において開始された場合には少なくとも出玉状態「疑似ボーナス」において開始されたときよりも遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、主制御基板71は、非ボーナス状態においてBB役に対応する図柄の組合せが表示されるとボーナス状態を開始し、ボーナス状態において終了条件が成立した場合にボーナス状態を終了して非ボーナス状態に移行する。また、主制御基板71は、BB中一般及びBB中RBフラグ間において、RB役に対応する図柄の組合せが表示されると、BB中RBを開始する。また、主制御基板71は、BB役が内部当籤役として決定された場合に、対応する図柄の組合せが表示されるまでBB役を内部当籤役として持ち越す。そのため、主制御基板71は、第1状態制御手段、持越手段及び第3状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、疑似ボーナス以外の出玉状態において疑似ボーナスのストックが付与されると、「疑似ボーナス」に出玉状態を移行するため、主制御基板71は、第2状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、疑似ボーナス以外の出玉状態においてBB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合にロック制御を行うとともに、少なくとも出玉状態「疑似ボーナス」において第1停止操作に伴いRB役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに沿って表示された場合にロック制御を行うため、主制御基板71は、停止操作無効手段として機能する。
[疑似ボーナス開始時のリールアクションのタイミング制御]
続いて、図377を参照して、本実施形態のパチスロ機1における疑似ボーナス開始時のリールアクションのタイミング制御について説明する。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「疑似ボーナス」の開始時にリールアクションを行う。以下説明する本遊技性は、疑似ボーナスのストックが付与された遊技と、出玉状態「疑似ボーナス」を開始するタイミングとの関係に関するものである。
初めに、図377(A)は、本実施形態のパチスロ機1における疑似ボーナスの概要を示す図である。同図に示すように、出玉状態「疑似ボーナス」は、開始時に初めにリールアクションが行われる。具体的には、主制御回路91は、疑似BBの開始時には「赤7−赤7−赤7」が表示されるようにリールアクションを行い、疑似RBの開始時には「赤7−赤7−黒BAR」が表示されるようにリールアクションを行う。
出玉状態「疑似ボーナス」では、リールアクションが行われると、まず、“JAC待ち”の遊技となり、その後、BB役が入賞すると“JACゲーム”の遊技となる。ここで、“JACゲーム”の遊技は、ボーナス状態(BB)であるため、疑似ボーナス中はメダルが増加する増加期間であるが、“JAC待ち”の遊技は、非ボーナス状態(非BB)であるため、遊技に伴いメダルが減少する減少期間である。そのため、遊技者にとってみれば、出玉状態「疑似ボーナス」においては、“JAC待ち”から“JACゲーム”への移行が早く実現されるほど好ましい。本制御例は、出玉状態「疑似ボーナス」の開始後に“JAC待ち”から“JACゲーム”への移行を早期に実現するための制御方法である。
具体的には、本実施形態のパチスロ機1では、疑似ボーナスのストックの付与抽籤に当籤の種別として「当該遊技」と「次回遊技」とを有する。そして、「当該遊技」に当籤した場合には、今回の遊技から出玉状態「疑似ボーナス」を開始することで、“JAC待ち”から“JACゲーム”への移行を早期に実現する。
図377(B)は、疑似ボーナスの開始時に行うリールアクションのタイミング例を示す図である。同図に示すように、スタートレバーが操作されスタートスイッチがONになると、今回の遊技が開始し、主制御回路91は、内部当籤役に応じて疑似ボーナスのストック付与抽籤を行う。このストック付与抽籤において「当該遊技」に当籤すると、主制御回路91は、今回の遊技から出玉状態「疑似ボーナス」を開始し、今回の遊技のリール回転開始前にリールアクションを行う。そして、主制御回路91は、このリールアクションの後に今回の遊技のリール回転を開始し、停止操作に応じてリールの回転を停止することで、今回の遊技を進行する。その結果、ストック付与抽籤において「当該遊技」に当籤した場合、今回の遊技が出玉状態「疑似ボーナス」の“JAC待ち”となり、最短で今回の遊技から“JACゲーム”への移行を実現することができる。
一方で、ストック付与抽籤において「次回遊技」に当籤すると、主制御回路91は、今回の遊技では出玉状態「疑似ボーナス」を開始せずにリールアクションも行うことなく、今回の遊技を進行する。そして、主制御回路91は、今回の遊技の終了後にスタートレバーが操作されスタートスイッチがONになると、次の遊技を開始するが、当該次の遊技では、前回の遊技において既に疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤しているため、当該次の遊技から出玉状態「疑似ボーナス」を開始し、当該次の遊技のリール回転開始前にリールアクションを行う。そして、主制御回路91は、このリールアクションの後に当該次の遊技のリール回転を開始し、停止操作に応じてリールの回転を停止することで、当該次の遊技を進行する。その結果、ストック付与抽籤において「次回遊技」に当籤した場合、ストック付与抽籤に当籤した次の遊技が出玉状態「疑似ボーナス」の“JAC待ち”となる。
ところで、本実施形態のパチスロ機1では、BB役は、引き込みの優先順位が低いため、小役やリプレイ役と重複して内部当籤役として決定されている場合、入賞することがない。そのため、小役やリプレイ役を契機として疑似ボーナスのストック付与抽籤において「当該遊技」に当籤した場合には、今回の遊技ではBB役を入賞させることができず、今回の遊技から“JAC待ち”に移行させても効果が低い。一方で、はずれを契機として疑似ボーナスのストック付与抽籤において「当該遊技」に当籤した場合には、今回の遊技においてBB役を入賞させることができ、今回の遊技から“JAC待ち”に移行させる効果が高い。
そのため、図377(C)に示すように、主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、当籤契機となった内部当籤役(抽籤種別1)に応じて「当該遊技」「次回遊技」を制御する。具体的には、主制御回路91は、抽籤種別1「0(はずれ)」を契機として疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、「当該遊技」を決定し易く、抽籤種別1「1(ベル・リプ)」「2(弱チェリー)〜5(中段チェリー)」を契機として疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、「次回遊技」を決定し易い(図368(B)、図371(B)参照)。これにより、抽籤種別1「0(はずれ)」を契機として疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、出玉状態「疑似ボーナス」の開始後に“JAC待ち”から“JACゲーム”への移行を早期に実現することができる。
また、本実施形態におけるパチスロ機1の主制御回路91は、BB役に対応する図柄の組合せが入賞したタイミング、及び、BBの作動中に規定枚数(104枚)を超えるメダルが払い出されたことを契機とするBBの終了のタイミングにおいて遊技者の各種操作を一時的に無効化するロック制御を行うことができる。当該ロック制御は、疑似ボーナス中以外の出玉状態においては行わないようにすることが好ましい。また、出玉状態「疑似ボーナス」においても、疑似BBはBBを3回繰り返す遊技性であることから、毎回ロック制御を行うと遊技者が煩わしさを感じてしまう虞がある。そのため、疑似BB中の最初のBB役入賞時と、同一の疑似BB中の最後のBB終了時にのみロック制御を行うこととしてもよい。また、出玉状態「疑似ボーナス」の開始時にリールアクションによって一定時間遊技を中断するため、疑似BB中の最初のBB役入賞時にはロック制御を実行しないこととしてもよい。
[JAC待ち間の天井制御]
続いて、図378を参照して、本実施形態のパチスロ機1における出玉状態「疑似ボーナス」中の特有の制御である“JAC待ち”間の天井制御について説明する。
初めに、図378(A)は、本実施形態のパチスロ機1における疑似ボーナスの概要を示す図である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、“JAC待ち”と“JACゲーム”とにより疑似ボーナスを構成する。“JAC待ち”は、役物(BB:第一種特別役物に係る役物連続作動装置)が作動していない遊技状態「非ボーナス状態(非BB)」であり、本実施形態においてはメダルが減少する減少期間である一方で、“JACゲーム”は、役物が作動している遊技状態「ボーナス状態(BB)」であり、メダルが増加する増加期間である。そのため、遊技者にとってみれば、出玉状態「疑似ボーナス」において“JAC待ち”に長く滞在してしまうと、疑似ボーナス中に獲得できるトータルの出玉が少なくなってしまうため、好ましくない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、“JAC待ち”の期間が一定期間を超えると、特典を付与する(天井制御)。
続いて、図378(B)は、“JAC待ち”間の天井制御における天井の起点と終点とを説明するための図である。同図に示すように、出玉状態「疑似RB」である場合、天井の起点は、疑似ボーナスの開始時(すなわち、“JAC待ち”移行時)であり、天井の終点は、BB役が入賞可能となった遊技である。また、出玉状態「疑似BB」である場合、天井の起点は、疑似ボーナスの開始時及び“JACゲーム”終了時(すなわち、“JAC待ち”移行時)であり、天井の終点は、BB役が入賞可能となった遊技である。主制御回路91は、“JAC待ち”に移行してからBB役が入賞可能となる遊技までの、単位遊技の回数のカウントを開始し、カウントした単位遊技の回数が、“JAC待ち”移行時に決定しておいたJAC天井ゲーム数に達すると、疑似BBのストックを1つ付与する。なお、天井制御においてカウントする“JAC待ち”に移行してからBB役が入賞可能となる遊技までの単位遊技の回数とは、“JAC待ち”の抽籤モード“通常”において行われた単位遊技の回数と一致する。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、“JAC待ち”中は、“JAC待ち”に滞在している単位遊技の回数(はまりゲーム数)を遊技者に対して報知する演出を実行する。図378(C)は、はまりゲーム数の報知制御を説明するための図である。なお、はまりゲーム数の報知は、メイン(主制御回路91)側で行うこととしてもよく、また、サブ(副制御回路101)側で行うこととしてもよく、また、メイン・サブの双方において行うこととしてもよい。
パチスロ機1では、“JAC待ち”中に、主制御回路91がカウントした単位遊技の回数(はまりゲーム数)に応じて、所定のランプの点灯状態を制御する。なお、所定のランプは任意のランプであってよく、例えば、パチスロ機1の筐体60に設けられたサイドランプなどであってもよい。
同図に示すように、パチスロ機1では、はまりゲーム数0〜4ゲームでは、所定のランプを白色で点灯させ、はまりゲーム数5〜9ゲームでは、所定のランプを青色で点灯させ、はまりゲーム数10〜14ゲームでは、所定のランプを緑色で点灯させ、はまりゲーム数15〜19ゲームでは、所定のランプを赤色で点灯させ、はまりゲーム数20ゲームでは、所定のランプを虹色で点灯させる。図374(D)に示すように、JAC天井ゲーム数の最大値は20ゲームであるため、所定のランプが虹色で点灯した場合には、天井に到達したことが確定する。
続いて、図378(D)を参照して、“JAC待ち”間の天井制御の制御例について説明する。疑似BBは、3回の“JACゲーム”により構成されるため、疑似BB中は“JAC待ち”も3回行われる。“JAC待ち”間の天井制御を行う場合、3回の“JAC待ち”のそれぞれを個別に制御する方法と、3回の“JAC待ち”のはまりゲーム数を合算して制御する方法とが考えられる。
同図において、例1は、3回の“JAC待ち”のそれぞれを個別に制御する場合の制御例を示す。主制御回路91は、1回目の“JAC待ち”のはまりゲーム数、2回目の“JAC待ち”のはまりゲーム数、及び3回目の“JAC待ち”のはまりゲーム数のそれぞれを個別にカウントするとともに、それぞれのはまりゲーム数がJAC天井ゲーム数に達したか否かを判定することで、“JAC待ち”間の天井制御を行う。
続いて、同図の例2は、3回の“JAC待ち”のはまりゲーム数を合算して制御する場合の制御例を示す。主制御回路91は、1回目の“JAC待ち”のはまりゲーム数、2回目の“JAC待ち”のはまりゲーム数、及び3回目の“JAC待ち”のはまりゲーム数を合算してカウントするとともに、合算したはまりゲーム数がJAC天井ゲーム数に達したか否かを判定することで、“JAC待ち”間の天井制御を行う。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、3回の“JAC待ち”のそれぞれを個別に制御することで、“JAC待ち”間の天井制御を行うが、これに限られるものではなく、3回の“JAC待ち”のはまりゲーム数を合算して制御することとしてもよく、また、両方の制御を用いることとしてもよい。また、3回の“JAC待ち”のそれぞれを個別に制御する場合のJAC天井ゲーム数と、3回の“JAC待ち”のはまりゲーム数を合算して制御する場合のJAC天井ゲーム数とは、共通であってもよく、また、異なるものであってもよく、異なるものである場合には、前者の方が小さい値であってもよく、また、前者の方が大きい値であっても良い。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、ボーナス(BB)の作動が行われているボーナス状態と、ボーナスの作動が行われていない非ボーナス状態とを有するとともに、疑似ボーナス以外の出玉状態(通常状態)と、遊技者にとって有利な出玉状態「疑似ボーナス(有利状態)」とを有する。そして、出玉状態「疑似ボーナス」は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続する状態であって、疑似RBと疑似BBとを含む。
そして、主制御基板71は、非ボーナス状態においてBB役に対応する図柄の組合せが表示されるとボーナス状態を開始し、ボーナス状態において終了条件が成立した場合にボーナス状態を終了して非ボーナス状態に移行する。また、主制御基板71は、BB役が内部当籤役として決定された場合に、対応する図柄の組合せが表示されるまでBB役を内部当籤役として持ち越す。そのため、主制御基板71は、第1状態制御手段及び持越手段として機能する。
また、主制御基板71は、出玉状態「疑似ボーナス」においてボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する一方で、疑似ボーナス以外の出玉状態においてボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知しないため、主制御基板71は、報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、疑似BBや疑似RBのストックを付与可能であり、疑似BBのストックを付与すると、疑似BBを開始し、疑似RBのストックを付与すると、疑似RBを開始するため、主制御基板71は、権利付与手段及び第2状態制御手段として機能する。
なお、主制御基板71は、出玉状態「疑似ボーナス」においても、疑似BB又は疑似RBのストックを付与可能である。例えば、主制御基板71は、疑似ボーナスの“JAC待ち”において、BB役に対応する図柄の組合せの表示が許容されていない(抽籤モード“通常”)単位遊技の回数を計数し、計数した回数がJAC天井ゲーム数に達すると、疑似BB又は疑似RBのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、計数手段として機能する。
[有限RTを用いた疑似ボーナス抽籤制御]
続いて、図379を参照して、本実施形態のパチスロ機1における有限RTを用いた疑似ボーナスのストック付与抽籤制御について説明する。ATに関する抽籤では、従来より、AT抽籤に当籤し易いゾーンや、AT抽籤に当籤することが概ね確定する天井といった制御が知られている。このような従来の制御では、前回のATが終了してから経過したゲーム数を把握することが求められる。ところで、有利区間を用いる近年のパチスロ機では、有利区間の終了時に有利区間に関する各種の情報をクリアしなければならないため、図379(A)に示すように、有利区間と非有利区間とを行き来する遊技性のパチスロ機では、有利区間の終了時にそれまでのゲーム数がクリアされてしまい、前回のATが終了してから経過したゲーム数を直接的に把握することができない。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態(BB)の終了後にRT状態を1400回のRT1状態とすることで、前回のAT(出玉状態「疑似ボーナス」)が終了してから経過したゲーム数を、RT1状態のゲーム数を用いて把握する。すなわち、出玉状態「疑似ボーナス」の終了時は、必ず、ボーナス状態(BB)の終了時と一致するため、RT1状態において経過したゲーム数は、前回の疑似ボーナスが終了してから経過したゲーム数と概ね一致する(疑似ボーナス以外の出玉状態においてBB役を誤って入賞させてしまった場合には、その分ずれる)。なお、RT1状態のゲーム数は、有利区間とは関係がないため、有利区間の終了時にはクリアされない情報である。また、パチスロ機1では、RT1状態のゲーム数を所定の表示部(例えば、不図示の7セグ表示部)において表示可能としてもよい。
続いて、図379(B)は、RT1ゲーム数と疑似ボーナスのストック抽籤との関係を示す図である。同図に示すように、RT1状態のゲーム数が776ゲーム以降では、有利区間(出玉状態「通常(有利区間)」)における疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する確率が非常に高い。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、前回の疑似ボーナスが終了してから776ゲーム経過した後を、天井として扱うことができる。
また、同図に示すように、RT1状態のゲーム数が101〜140ゲーム及び301〜360ゲームの範囲では、その他の場合よりも有利区間(出玉状態「通常(有利区間)」)における疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する確率が高い。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、前回の疑似ボーナスが終了してから101〜140ゲーム及び301〜360ゲームの範囲を、疑似ボーナスのストック抽籤に当籤し易いゾーンとして扱うことができる。
なお、RT1状態において1400回の遊技が行われた場合、RT状態はRT0状態となる。同図に示すように、RT0状態では、有利区間(出玉状態「通常(有利区間)」)における疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する確率が高い。ここで、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、前回の疑似ボーナスが終了してから776ゲーム経過した後を天井として扱うため、RT1状態のゲーム数が1400ゲームに到達することで、RT0状態になることは、基本的には起こり得ない。この点、本実施形態のパチスロ機1では、疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する確率が高い状態を、設定変更時において用いることで、設定変更後の状態を疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する確率が高い状態とする。
続いて、図379(C)を参照して、設定変更時の制御について説明する。同図に示すように、遊技状態が非ボーナス状態の非フラグ間である場合に設定変更が行われると、主制御回路91は、RT状態をクリアしてRT0状態とする。また、遊技状態が非ボーナス状態のBBフラグ間である場合に設定変更が行われると、主制御回路91は、BBフラグ間において持ち越しているBB役をクリアするとともに、RT状態をクリアしてRT0状態とする。その結果、非ボーナス状態において設定変更が行われると、設定変更後のRT状態がRT0状態となり、設定変更後の状態を疑似ボーナスのストック抽籤に当籤する確率が高い状態とすることができる。
なお、同図に示すように、設定変更時の遊技状態がボーナス状態である場合には、主制御回路91は、各種の情報を維持する結果、設定変更後の遊技状態が設定変更前と同じ状態となる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、ボーナス(BB)の作動が行われているボーナス状態と、ボーナスの作動が行われていない非ボーナス状態とを有するとともに、疑似ボーナス以外の出玉状態(通常状態)と、遊技者にとって有利な出玉状態「疑似ボーナス(有利状態)」とを有する。そして、出玉状態「疑似ボーナス」は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続する状態であって、疑似RBと疑似BBとを含む。また、パチスロ機1では、リプレイ役が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態としてRT0状態とRT1状態とを有する。
そして、主制御基板71は、非ボーナス状態においてBB役に対応する図柄の組合せが表示されるとボーナス状態を開始し、ボーナス状態において終了条件が成立した場合にボーナス状態を終了して非ボーナス状態に移行する。また、主制御基板71は、BB役が内部当籤役として決定された場合に、対応する図柄の組合せが表示されるまでBB役を内部当籤役として持ち越す。そのため、主制御基板71は、第1状態制御手段及び持越手段として機能する。
また、主制御基板71は、出玉状態「疑似ボーナス」においてボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する一方で、疑似ボーナス以外の出玉状態においてボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知しないため、主制御基板71は、報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、疑似BBや疑似RBのストックを付与可能であり、疑似BBのストックを付与すると、疑似BBを開始し、疑似RBのストックを付与すると、疑似RBを開始するため、主制御基板71は、権利付与手段及び第2状態制御手段として機能する。また、主制御基板71は、ボーナス状態が終了するとRT状態をRT1状態に移行するとともに、RT1状態において実行された単位遊技の回数を計数し、計数したRT1状態の単位遊技の回数に応じて疑似ボーナスのストック付与抽籤を行うため、主制御基板71は、RT制御手段及び計数手段として機能する。
なお、主制御基板71は、RT1状態において実行された単位遊技の回数が1400回に達すると、RT状態をRT0状態に移行し、このRT0状態では、RT1状態の776ゲーム以下のゲーム数に応じて行われる疑似ボーナスのストック付与抽籤よりも高い確率で疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤する。また、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430や設定用ボタンを介して受け付けた設定変更操作に伴い、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値の中から一の設定値を設定可能であるため、主制御基板71は、設定手段として機能する。そして、主制御基板71は、設定変更時には、RT状態としてRT0状態をセット可能である。
[第9実施形態]
続いて、図380〜図391を参照して、第9実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下では、第9実施形態のパチスロ機1の特徴を説明するために必要な構成についてのみ説明し、その他の構成については説明を省略する。また、以下に示す第9実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第9実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[ボーナス及びRT状態の遷移フロー]
図380(A)に示すように、第9実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非フラグ間とBBフラグ間とボーナス(BB)状態との状態を有する。非フラグ間は、BB役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態であり、BBフラグ間は、BB役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態である。また、ボーナス状態は、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)が作動している状態である。なお、第9実施形態のパチスロ機1では、基本的にBBフラグ間において遊技が行われる。すなわち、第9実施形態のパチスロ機1は、BBフラグ間において非報知状態と報知状態とを切り替えることでAT機能を実現するパチスロ機である。
また、本実施形態のパチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、RT0状態とRT1状態とを有する。
主制御回路91は、ボーナス状態において規定枚数を超えるメダルが払い出されると、BBの作動を終了して、ボーナス状態から非ボーナス状態における非フラグ間に遊技状態を移行する。このとき、主制御回路91は、RT状態としてRT0状態をセットする。また、主制御回路91は、非ボーナス状態の非フラグ間において、BB役が内部当籤役として決定されると、非ボーナス状態のBBフラグ間に遊技状態を移行する。このとき、主制御回路91は、RT状態としてRT1状態をセットする。そして、主制御回路91は、非ボーナス状態においてBB役に対応する図柄の組合せが表示され、BB役が入賞すると、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動を開始して、ボーナス状態に遊技状態を移行する。このとき、主制御回路91は、RT状態としてRT0状態をセットする。
[報知に関する状態の遷移フロー]
続いて、図380(B)(C)を参照して、第9実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の情報を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とを有するAT機である。
図380(B)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、報知に関する状態(出玉状態)として、「通常」と「第1AT」と「第2AT」とを有する。上述したように、本実施形態のパチスロ機1は、基本的にBBフラグ間を維持したまま遊技を行うAT機であるため、出玉状態「通常」「第1AT」「第2AT」は、基本的には遊技状態「BBフラグ間」が対応する。
「通常」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない非報知状態(非AT)であり、非有利区間である「通常(非有利区間)」と有利区間のうちの非報知状態(通常有利)である「通常(有利区間)」とを含む。なお、有利区間は、報知状態を実行可能な遊技区間であり、非有利区間は、報知状態を実行不可能な遊技区間である。「通常(有利区間)」では、遊技に関する内部状態として、抽籤状態とモードとを有する。
抽籤状態は、「第1AT(初回)」や「第2AT」への移行期待度を規定する内部状態であり、“低確”“通常”“高確”の3種類がある。これら3種類の抽籤状態のうち、“低確”は、移行期待度が最も低い抽籤状態であり、“通常”は、移行期待度が次に低い抽籤状態であり、“高確”は、移行期待度が最も高い抽籤状態である。抽籤状態は、「通常(有利区間)」における各遊技において、移行する内部状態である。具体的には、主制御回路91は、「通常(有利区間)」の各遊技において内部当籤役として決定された役に応じて、抽籤状態を移行し、また、「通常(有利区間)」において行われた遊技の回数に応じて、抽籤状態を移行する。
モードは、「第2AT」への移行期待度を規定する内部状態であり、“モードA”“モードB”“モードC”“モードD”の4種類がある。これら4種類のモードのうち、“モードA”は、移行期待度が最も低いモードであり、“モードB”は、移行期待度が次に低いモードであり、“モードC”は、移行期待度が次に低いモードであり、“モードD”は、移行期待度が最も高い(「第2AT」への移行が確定する)モードである。モードは、「通常(有利区間)」中は移行することなく維持され、「第1AT(初回)」が実行されることを契機に切り替わる。具体的には、主制御回路91は、有利区間への移行時(「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」への移行時)に、セットするモードを規定するMAPを決定するとともに、当該MAPを参照してモードをセットする。そして、主制御回路91は、「通常(有利区間)」から「第1AT(初回)」に移行したタイミング(または「第1AT(初回)」が終了し、「通常(有利区間)」に移行したタイミング)で当該MAPを参照して、現在のモードから次のモードに切り替える。
「第1AT」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であり、有利区間中の遊技である。「第1AT」は、規定回数(16回)の遊技が行われると終了する出玉状態であり、「第1AT(初回)」と「第1AT(連荘)」とを含む。「第1AT(初回)」は、「通常(有利区間)」から移行可能な出玉状態であり、概ね2回に1回の割合(詳細については後述)で遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。「第1AT(連荘)」は、「第2AT」から移行可能な出玉状態であり、「第1AT(初回)」よりも高い割合、より具体的には、100%の割合で遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。
「第2AT」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される報知状態(AT)であり、有利区間中の遊技である。「第2AT」では、「第1AT(初回)」よりも高い割合、より具体的には、100%の割合で遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される。「第2AT」は、“前半パート”と“後半パート”とにより構成される。“前半パート”は、「第2AT」の導入部であるとともに、“後半パート”の高確状態の獲得ゾーンとして機能する。“後半パート”は、「第2AT」が継続するか否かをバトル演出により報知するバトル演出パートであり、「第2AT」が継続する場合にはバトル演出において勝利し、「第2AT」が終了する場合にはバトル演出において敗北する。
「第2AT」が継続するか否かは、継続率とストックとにより管理される。具体的には、「第2AT」のストックが有る場合には継続し、「第2AT」のストックが無い場合には、継続率に応じた継続抽籤の結果に応じて継続又は終了する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、「第2AT」のストックとして、継続率を有するストックと、継続率を有さないストックとを含む。上述の「第2AT」のストックが無い場合とは、継続率を有さないストックが無く、継続率を有するストックのみを有する場合をいう。継続率を有するストックと、継続率を有さないストックとでは、継続率を有さないストックから優先して消費する。
また、「第2AT」では、このような継続制御に加えて、「第1AT(連荘)」への移行制御も行われている。「第2AT」の“前半パート”から「第1AT(連荘)」へ移行できた場合には、当該セットの「第2AT」の継続には影響を与えずに、「第1AT(連荘)」の終了後に当該セットの「第2AT」が再び開始する。また、「第2AT」の“後半パート”から「第1AT(連荘)」へ移行できた場合には、当該セットの「第2AT」は継続したことになり、「第1AT(連荘)」の終了後に次セットの「第2AT」に移行する。なお、「第2AT」の“後半パート”から「第1AT(連荘)」への移行期待度は、“前半パート”において獲得した高確状態に応じて異なるが、詳しくは後述する。
本実施形態のパチスロ機1では、「第2AT」がメダルが増加する増加期間として機能する。「第1AT(初回)」は、増加期間への入り口となる出玉状態であり、「第1AT(連荘)」は、「第2AT」と共に増加期間として機能する出玉状態である。すなわち、本実施形態では、「第2AT」が継続している間に「第2AT」と「第1AT(連荘)」とがループすることで、メダルが増加する。
続いて、図380(C)に示すように、主制御回路91は、出玉状態「通常(非有利区間)」において有利区間への移行抽籤を行っており、(1)この移行抽籤に当籤すると、「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、出玉状態「通常(有利区間)」では、抽籤状態及び設定値を参照して「第1AT(初回)」への移行抽籤を行っており、(2)この移行抽籤に当籤すると、「通常(有利区間)」から「第1AT(初回)」に出玉状態を移行する。
また、主制御回路91は、出玉状態「第1AT(初回)」において「第2AT」への移行抽籤を行っている。具体的には、主制御回路91は、出玉状態「第1AT(初回)」の開始時に、抽籤状態、モード及び設定値を参照して「第2AT」への移行抽籤を行っている。主制御回路91は、「第1AT(初回)」が終了すると、「第2AT」への移行抽籤の抽籤結果に応じて出玉状態を制御し、(3)「第1AT(初回)」が終了し、かつ、「第2AT」への移行抽籤に非当籤、かつ、有利区間が開始してから800ゲームが経過していない場合には、「第1AT(初回)」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(4)「第1AT(初回)」が終了し、かつ、「第2AT」への移行抽籤に非当籤、かつ、有利区間が開始してから800ゲームが経過している場合には、有利区間を終了して、「第1AT(初回)」から「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(5)「第1AT(初回)」が終了し、かつ、「第2AT」への移行抽籤に当籤している場合には、「第1AT(初回)」から「第2AT」に出玉状態を移行する。なお、「出玉状態(初回)」は、16回の遊技が行われると終了する。
また、主制御回路91は、出玉状態「第2AT」において「第1AT(連荘)」への移行抽籤を行っており、(6)この移行抽籤に当籤すると、「第2AT」から「第1AT(連荘)」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、(7)出玉状態「第1AT(連荘)」において16回の遊技が行われると「第1AT(連荘)」を終了し、「第1AT(連荘)」から「第2AT」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、出玉状態「第2AT」において「第2AT」を継続するか否かの継続判定を行っており、(8)この継続判定において継続しないと判定すると「第2AT」を終了し、有利区間を終了して、「第2AT」から「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
なお、主制御回路91は、同図に示す遷移条件の他、有利区間の継続期間が上限に達した場合には、リミット処理により有利区間を終了して、「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
[通常(非有利区間)の遊技の流れ]
続いて、図381を参照して、出玉状態「通常(非有利区間)」の遊技の流れについて説明する。図381(A)は、出玉状態「通常(非有利区間)」から出玉状態「通常(有利区間)」への移行制御を示す図である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、出玉状態「通常(非有利区間)」において有利区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。
有利区間への移行抽籤は、出玉状態「通常(非有利区間)」の各遊技において内部当籤役に応じて行われる。具体的には、有利区間への移行抽籤は、内部当籤役が「はずれ」「F_フェイクリプ1」「F_フェイクリプ2」「F_揃いリプ」以外の役である場合に、100%の確率で当籤し、内部当籤役が「はずれ」「F_フェイクリプ1」「F_フェイクリプ2」「F_揃いリプ」である場合に、0%の確率で当籤する。
ここで、図381(B)は、BBフラグ間において内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。なお、BBフラグ間では、持ち越しているBB役を必ず内部当籤役として決定するが、同図では、持ち越しているBB役を除いたものを示している。同図を参照すると、BBフラグ間では、「はずれ」「F_フェイクリプ1」「F_フェイクリプ2」「F_揃いリプ」が内部当籤役として決定される確率は比較的低い。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「通常(非有利区間)」では有利区間への移行抽籤に高確率で当籤し、出玉状態「通常(有利区間)」に移行する。言い換えると、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「通常(非有利区間)」の滞在期間は短く、数ゲーム程度で有利区間への移行抽籤に当籤し、出玉状態「通常(有利区間)」に移行する。
なお、同図において、「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」は、いわゆる押し順ベルであり、停止操作の態様(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。具体的には、「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると、7枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順で停止操作が行われると、7枚よりも少ないメダル(例えば、0枚又は1枚)が払い出される図柄の組合せが表示される。なお、正解の押し順は、押し順ベルの種別に応じて異なる。
また、「F_スイカ1」「F_スイカ2」は、リプレイ役であり、対応する図柄の組合せが表示されると、再遊技の作動が行われる。また、「F_制御ベル」は、メダルの払出に係る小役であり、対応する図柄の組合せが表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、「F_共通ベル」は、メダルの払出に係る小役であり、対応する図柄の組合せが表示されると、7枚のメダルが払い出される。また、「F_弱チェ」「F_強チェ」は、メダルの払出に係る小役であり、対応する図柄の組合せが表示されると、2枚のメダルが払い出される。また、「F_チャンス目1」「F_チャンス目2」は、メダルの払出に係る小役であり、対応する図柄の組合せが表示されると、1枚のメダルが払い出される。
続いて、図381(C)は、有利区間移行時の内部状態の設定制御を示す図である。上述したように、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤に当籤し、出玉状態が「通常(有利区間)」に移行すると、抽籤状態及びモードといった内部状態をセットする。具体的には、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤に当籤すると、抽籤状態の抽籤を行い、“低確”“通常”“高確”の中から一の抽籤状態を決定し、決定した抽籤状態を設定する。
また、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤に当籤すると、MAPの抽籤を行い、“MAP1”〜“MAP15”の中から一のMAPを決定し、決定したMAPを設定する。このMAPには、設定するモードが規定されており、主制御回路91は、決定したMAPが規定するモードを設定する。
ここで、図381(D)は、MAPの概要を示す図である。同図に示すように、MAPには、出玉状態「第2AT」に移行できなかった出玉状態「第1AT(初回)」の連続回数(スルー回数)に対応付けて、設定するモードの種別を規定する。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「通常(有利区間)」では出玉状態「第1AT(初回)」への移行抽籤を行うとともに、出玉状態「第1AT(初回)」では出玉状態「第2AT」への移行抽籤を行う。スルー回数とは、一回の有利区間の中で、出玉状態「第2AT」に移行することなく、出玉状態「通常(有利区間)」から出玉状態「第1AT(初回)」に移行した回数(言い換えると、一回の有利区間の中で出玉状態「第2AT」に移行することなく行われた「第1AT(初回)」の回数)をいう。
例えば、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤に当籤した場合には、当該有利区間において出玉状態「第1AT(初回)」は一度も行われていないため、「初回」欄に規定するモードを設定する。同様に、主制御回路91は、1回目の出玉状態「第1AT(初回)」が出玉状態「第2AT」に移行できずに終了した後の、出玉状態「通常(有利区間)」に対しては、「1スルー」欄に規定するモードを設定する。同様に、2回目〜7回目の出玉状態「第1AT(初回)」が出玉状態「第2AT」に移行できずに終了した後の、出玉状態「通常(有利区間)」に対しては、「2スルー」〜「7スルー」欄に規定するモードを設定する。
なお、モードは、出玉状態「第2AT」への移行期待度を規定する内部状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、“モードD”である場合には「第2AT」への移行が確定する。そのため、例えば、“MAP2”である場合には、出玉状態「第1AT(初回)」が6スルーした場合には、次回の出玉状態「第1AT(初回)」において出玉状態「第2AT」への移行抽籤に必ず当籤することになる。
また、スルー回数は、一回の有利区間の中においてのみ計数され、出玉状態「第2AT」に移行することなく有利区間が終了してしまった場合には、クリアされる。なお、本実施形態において、出玉状態「第2AT」に移行することなく有利区間が終了する場合とは、例えば、有利区間が開始してから800ゲームが経過した後に開始した出玉状態「第1AT(初回)」が、出玉状態「第2AT」への移行抽籤に非当籤のまま終了した場合(図380(B)(C)(4)参照)である。
[通常(有利区間)の遊技の流れ]
続いて、図382を参照して、出玉状態「通常(有利区間)」の遊技の流れについて説明する。図382(A)は、出玉状態「通常(有利区間)」から出玉状態「第1AT(初回)」への移行制御を示す図である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、出玉状態「通常(有利区間)」において出玉状態「第1AT(初回)」への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、「通常(有利区間)」から「第1AT(初回)」に出玉状態を移行する。
出玉状態「第1AT(初回)」への移行抽籤は、出玉状態「通常(有利区間)」の各遊技において内部当籤役及び抽籤状態に応じて行われる。図382(B)に示すように、抽籤状態には、“低確”“通常”“高確”の3種類があり、これら3種類の抽籤状態のうち、“低確”は、移行期待度が最も低い抽籤状態であり、“通常”は、移行期待度が次に低い抽籤状態であり、“高確”は、移行期待度が最も高い抽籤状態である。
これら3種類の抽籤状態は、出玉状態「第1AT(初回)」の各遊技において移行制御される。例えば、主制御回路91は、「通常(有利区間)」の各遊技において内部当籤役として決定された役に応じて、抽籤状態を移行し、また、「通常(有利区間)」において行われた遊技の回数に応じて、抽籤状態を移行する。
一方で、モードに関しては、一度設定されると出玉状態「第1AT(初回)」中は移行することがない。すなわち、モードは、「通常(有利区間)」中は移行することなく維持され、「第1AT(初回)」が実行されることを契機に切り替わる。
(通常(有利区間)中の演出例)
続いて、図382(C)を参照して、出玉状態「通常(有利区間)」中の演出例について説明する。副制御回路101は、出玉状態「通常(有利区間)」中に表示ユニット100を介して各種の演出を行う。このとき、副制御回路101は、現在の抽籤状態に応じて演出を制御する。具体的には、副制御回路101は、現在の抽籤状態に応じた演出ステージにおいて各種の演出を実行する。本実施形態のパチスロ機1では、演出ステージとして、背景が昼間の“昼ステージ”と、背景が夕方の“夕方ステージ”と、背景が夜の“夜ステージ”とを有し、副制御回路101は、当該遊技において設定されている抽籤状態に応じてこれら演出ステージを制御する。
なお、演出ステージは、当該遊技において設定されている抽籤状態に応じて制御されるものの、抽籤状態と演出ステージとの対応関係は、確定的な関係であってもよく、また、示唆する関係であってもよい。ここで、確定的な関係とは、例えば、抽籤状態“低確”である場合には、必ず“昼ステージ”であり、抽籤状態“通常”である場合には、必ず“夕方ステージ”であり、抽籤状態“高確”である場合には、必ず“夜ステージ”である関係をいう。また、示唆する関係とは、抽籤状態“低確”である場合には、“昼ステージ”が決定される確率が高いものの、“夕方ステージ”又は“夜ステージ”が決定されることがあり、また、抽籤状態“通常”である場合には、“夕方ステージ”が決定される確率が高いものの、“昼ステージ”又は“夜ステージ”が決定されることがあり、また、抽籤状態“高確”である場合には、“夜ステージ”が決定される確率が高いものの、“昼ステージ”又は“夕方ステージ”が決定されることがある関係をいう。
また、一部の抽籤状態については演出ステージとの対応関係が確定的な関係であるが、その他の抽籤状態については演出ステージとの対応関係が示唆する関係であってもよい。例えば、抽籤状態“低確”である場合には、必ず“昼ステージ”であるのに対して、抽籤状態“通常”“高確”である場合には、特定の演出ステージが決定される確率が高いものの、“昼ステージ”“夕方ステージ”“夜ステージ”の何れも決定される可能性がある関係をいう。
また、一部の演出ステージについては抽籤状態との対応関係が確定的な関係であるが、その他の演出ステージについては抽籤状態との対応関係が示唆する関係であってもよい。例えば、“夜ステージ”は、抽籤状態“低確”“通常”である場合には決定されずに抽籤状態“高確”である場合にのみ決定されるのに対して、“昼ステージ”“夕方ステージ”は、特定の抽籤状態である確率が高いものの抽籤状態“低確”“通常”“高確”の何れにおいても決定される可能性がある関係をいう。
[第1AT(初回)の遊技の流れ]
続いて、図383を参照して、出玉状態「第1AT(初回)」の遊技の流れについて説明する。図383(A)は、出玉状態「第1AT(初回)」から出玉状態「第2AT」への移行制御を示す図である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、出玉状態「第1AT(初回)」において出玉状態「第2AT」への移行抽籤を行っている。
本実施形態において、出玉状態「第2AT」への移行抽籤は、出玉状態「第1AT(初回)」の開始時に抽籤状態及びモードなどに応じて行われる。図383(B)に示すように、抽籤状態には、“低確”“通常”“高確”の3種類があり、これら3種類の抽籤状態のうち、“低確”は、移行期待度が最も低い抽籤状態であり、“通常”は、移行期待度が次に低い抽籤状態であり、“高確”は、移行期待度が最も高い抽籤状態である。また、モードには、“モードA”“モードB”“モードC”“モードD”の4種類があり、これら4種類のモードのうち、“モードA”は、移行期待度が最も低いモードであり、“モードB”は、移行期待度が次に低いモードであり、“モードC”は、移行期待度が次に低いモードであり、“モードD”は、出玉状態「第2AT」への移行が確定するモードである。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態が「第1AT(初回)」「第1AT(連荘)」に移行した場合にリールアクションを行う。具体的には、主制御回路91は、出玉状態が「第1AT(初回)」「第1AT(連荘)」に移行した場合、リール3L,3C,3Rを回転した後、自動的に(又は遊技者の停止操作を契機として)「赤7−赤7−赤7」「青7−青7−青7」「赤7−赤7−青7」「青7−青7−赤7」が表示されるようにリールアクションを行う。なお、「赤7−赤7−赤7」「青7−青7−青7」は、同色揃いと呼ぶことがあり、「赤7−赤7−青7」「青7−青7−赤7」は、異色揃いと呼ぶことがある。出玉状態「第1AT(初回)」の開始時に行う出玉状態「第2AT」への移行抽籤は、同色揃いであるか、異色揃いであるかに応じて行うこととしてもよい。また、出玉状態「第2AT」への移行抽籤は、出玉状態「第1AT(初回)」の開始時だけでなく、出玉状態「第1AT(初回)」の各遊技において内部当籤役に応じて行うこととしてもよく、この場合においても、同色揃いであるか、異色揃いであるかに応じて移行抽籤を行うこととしてもよい。一例として、同色揃いである場合には、異色揃いである場合よりも、出玉状態「第2AT」への移行抽籤に当籤する確率が高くなるように制御してもよい。
出玉状態「第2AT」への移行抽籤に当籤すると、主制御回路91は、「第2AT」のストックを付与するとともに、出玉状態「第1AT(初回)」の終了後に「第1AT(初回)」から「第2AT」に出玉状態を移行する。なお、本実施形態では、「第2AT」のストックを付与する場合、「第2AT」のストックが一切無い状態では、継続率を有するストックを付与し、継続率を有するストックが既にある状態では、継続率を有さないストックを付与する。
また、出玉状態「第2AT」への移行抽籤に非当籤すると、主制御回路91は、出玉状態「第1AT(初回)」の終了後に「第1AT(初回)」から「通常(有利区間)」に出玉状態を移行する。このとき、主制御回路91は、抽籤状態を新たに抽籤して設定するとともに、MAPを参照して次回のモードを設定する。
(第1AT(初回)中の演出例)
続いて、図383(C)を参照して、出玉状態「第1AT(初回)」中の演出例について説明する。副制御回路101は、出玉状態「第1AT(初回)」中に表示ユニット100を介して各種の演出を行う。このとき、副制御回路101は、出玉状態「第1AT(初回)」の終了時に、次回のモードを示唆する演出を実行する。具体的には、副制御回路101は、所定のキャラクタが夜空を見上げている演出において、夜空に次回のモードに応じた表示を行う。なお、次回のモードは、有利区間移行時に設定されたMAPにより特定することができる。例えば、終了する「第1AT(初回)」が、一回の有利区間の中で「第2AT」に移行することなく行われた最初の「第1AT(初回)」である場合には、「1スルー」欄に規定するモードが次回のモードとなる。
一例として、本実施形態では、夜空に表示する内容として“三角マーク”“四角マーク”“丸マーク”“星マーク”を有し、副制御回路101は、次回のモードに応じて対応する内容を表示する。なお、夜空に表示する内容は、次回のモードに応じて制御されるものの、次回のモードと表示内容との対応関係は、確定的な関係であってもよく、また、示唆する関係であってもよい。
また、一部のモードについては表示内容との対応関係が確定的な関係であるが、その他のモードについては表示内容との対応関係が示唆する関係であってもよい。また、一部の表示内容についてはモードとの対応関係が確定的な関係であるが、その他の表示内容についてはモードとの対応関係が示唆する関係であってもよい。なお、本実施形態では、“三角マーク”は、モードAを示唆する表示内容であり、“四角マーク”は、モードBを示唆する表示内容であり、“丸マーク”は、モードC及びモードDの何れかであることが確定する表示内容であり、“星マーク”は、モードDであることが確定する表示内容である。
[第2ATの遊技の流れ]
続いて、図384を参照して、出玉状態「第2AT」の遊技の流れについて説明する。図384(A)は、出玉状態「第2AT」の概要を示す図である。同図に示すように、出玉状態「第2AT」は、“前半パート”と“後半パート”とを1セットとするAT区間である。“前半パート”は、規定回数(10,20,30,50,100回の何れか)の遊技が行われると終了し、“後半パート”に移行する。“後半パート”は、敵/味方が対決するバトルパートであり、勝敗が決するまで継続する。なお、勝敗が決するまでに要する遊技回数は固定ではなく、平均30回程度である。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、出玉状態「第2AT」において、「第2AT」を継続するか否かの継続判定と、「第1AT(連荘)」への移行抽籤を行っている。主制御回路91は、継続判定において終了と判定し、かつ、移行抽籤に非当籤の場合には、“後半パート”の終了後に「第2AT」を終了するとともに、有利区間を終了して「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。なお、出玉状態「通常(非有利区間)」は数ゲーム程度しか滞在することがないため、「第2AT」が終了すると直ぐに「通常(有利区間)」に出玉状態が移行する。
また、主制御回路91は、継続判定において継続と判定し、かつ、移行抽籤に非当籤の場合には、“後半パート”の終了後に「第2AT」を継続して、次セットの「第2AT」に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、移行抽籤に当籤の場合には、継続判定の結果に関わらず、「第1AT(連荘)」に出玉状態を移行し、「第1AT(連荘)」の終了後に、再び「第2AT」に出玉状態を移行する。なお、主制御回路91は、“前半パート”“後半パート”の双方の各遊技において内部当籤役に応じて「第1AT(連荘)」への移行抽籤を行っており、“前半パート”の移行抽籤に当籤した場合には、「第1AT(連荘)」の終了後に今セットの「第2AT」に出玉状態を移行し、“後半パート”の移行抽籤に当籤した場合には、「第1AT(連荘)」の終了後に次セットの「第2AT」に出玉状態を移行する。
ここで、「第2AT」の継続判定は、「第2AT」の開始時にセットされる継続シナリオにより制御される。図384(B)は、継続シナリオの概要を示す図である。同図に示すように、継続シナリオには、「第2AT」のセット数毎に継続率(継続種別)が規定されている。例えば、継続シナリオ“しり上がり”は、1セット目から4セット目までの継続率が25%(継続種別B)であり、5セット目から8セット目までの継続率が50%(継続種別C)であり、9セット目から11セット目までの継続率が85%(継続種別D)であり、12セット目の継続率が100%(継続種別E)である。
継続シナリオ種別は、「第2AT」の開始時に同図に示す継続シナリオ種別の中から一の継続シナリオ種別が抽籤により決定され、設定される。主制御回路91は、設定された継続シナリオ種別において規定する今セットの継続率を用いて、「第2AT」の継続判定を行う。なお、同図では、13セット以降の継続率は規定していないが、13セット以降は継続率が一律で50%(継続種別C)となる。また、12セット目の「第2AT」が継続した場合、その後の継続判定において終了が決定されると、所定のエンディング状態に移行する。このエンディング状態は、規定回数継続する報知状態であり、表示ユニット100においてエンディングムービーが表示される。
(前半パートの遊技の流れ)
続いて、図384(C)を参照して、“前半パート”の遊技の流れについて説明する。主制御回路91は、“前半パート”の各遊技において内部当籤役に応じてポイント抽籤を行っており、ポイント抽籤に当籤した場合にはポイントを加算し(+1)、ポイント抽籤に当籤した場合にはポイントを加算しない(+0)。なお、本実施形態のパチスロ機1では、1回当たりのポイントの獲得量は1ポイントである。もちろん、1回当たりのポイントの獲得量を、1ポイントに限るものでなく、2ポイント以上も含めることとしてもよい。“前半パート”において獲得したポイントは、後述するように“後半パート”における高確状態の制御に用いられる。
ここで、ポイント抽籤は、ポイント獲得シナリオにより制御される。図385(D)は、ポイント獲得シナリオの概要を示す図である。同図に示すように、ポイント獲得シナリオには、「第2AT」のセット数毎に獲得レベルが規定されている。ここで、獲得レベル1とは、ポイント獲得抽籤に当籤する確率が低確率であることを意味し、獲得レベル2とは、ポイント獲得抽籤に当籤する確率が普通の確率であることを意味し、獲得レベル3とは、ポイント獲得抽籤に当籤する確率が高確率であることを意味する。また、獲得レベル4とは、ポイント獲得抽籤に当籤する確率が低確率であるとともに、1ポイントが保証されていることを意味し、獲得レベル4とは、ポイント獲得抽籤に当籤する確率が超高確率であるとともに、1ポイントが保証されていることを意味する。なお、1ポイントが保証されるとは、“前半パート”の開始時に1ポイントが付与されることを意味することとしてもよく、また、“前半パート”の終了時に1ポイントも獲得できていない場合に1ポイントを付与し、“前半パート”の終了時に1ポイント以上が獲得できていた場合にはポイントを付与しないことを意味することとしてもよい。
ポイント獲得シナリオ種別は、「第2AT」の開始時に同図に示すポイント獲得シナリオ種別の中から一のポイント獲得シナリオ種別が抽籤により決定され、設定される。主制御回路91は、設定されたポイント獲得シナリオ種別において規定する今セットの獲得レベルを用いて、“前半パート”においてポイント抽籤を行う。なお、同図では、13セット以降の継続率は規定していないが、13セット以降は任意の獲得レベルが設定される。
(後半パートの遊技の流れ)
続いて、図385(E)を参照して、“後半パート”の遊技の流れについて説明する。主制御回路91は、“後半パート”の各遊技において内部当籤役に応じて「第1AT(連荘)」への移行抽籤を行っている。上述したように、移行抽籤に当籤した場合には、「第1AT(連荘)」を経由して次セットの「第2AT」に出玉状態を移行する。一方で、移行抽籤に非当籤の場合には、先ず、ストックの有無を判定し、継続率を有さないストックが有る場合には、継続率を有さないストックを減算(−1)して、次セットの「第2AT」に出玉状態を移行する。また、継続率を有さないストックが無い場合には、継続判定を行い、継続判定において継続すると次セットの「第2AT」に出玉状態を移行し、継続判定において終了すると「第2AT」を終了して「通常(非有利区間)」に出玉状態を移行する。
ここで、“後半パート”における「第1AT(連荘)」への移行抽籤は、“後半パート”の各遊技において内部当籤役及び高確状態に応じて行われ、また、高確状態は“前半パート”において獲得したポイントに応じて制御される。図385(F)は、高確状態とポイントとの関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、“後半パート”の高確状態として“ベル高確”“スイカ高確”“チェリー高確”という3種類の高確状態を有する。“ベル高確”は、内部当籤役が押し順ベル(「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」)又は共通ベル(「F_共通ベル」)である場合に「第1AT(連荘)」への移行抽籤に当籤する確率が高くなる高確状態であり、“スイカ高確”は、内部当籤役がスイカ(「F_スイカ1」「F_スイカ2」)である場合に「第1AT(連荘)」への移行抽籤に当籤する確率が高くなる高確状態であり、“チェリー高確”は、内部当籤役がチェリー(「F_弱チェ」「F_強チェ」)である場合に「第1AT(連荘)」への移行抽籤に当籤する確率が高くなる高確状態である。
“後半パート”では、“前半パート”において獲得したポイントに応じて高確状態がセットされ、基本的には、1ポイント毎に1つの高確状態がセットされる。具体的には、“前半パート”において獲得したポイントが「0」である場合、高確状態として何もセットされず、獲得したポイントが「1」である場合、高確状態として“ベル高確”“スイカ高確”“チェリー高確”のうちの何れか一つが抽籤により決定され、セットされる。また、“前半パート”において獲得したポイントが「2」である場合、高確状態として“ベル高確”“スイカ高確”“チェリー高確”のうちの何れか二つが抽籤により決定され、セットされる。また、“前半パート”において獲得したポイントが「3」である場合、高確状態として“ベル高確”“スイカ高確”“チェリー高確”の全てがセットされる。また、“前半パート”において獲得したポイントが「4」以上である場合、高確状態として“ベル高確”“スイカ高確”“チェリー高確”の全てがセットされるとともに、当該セットの「第2AT」の継続判定が必ず継続となる。なお、高確状態のセットは、“後半パート”の開始時、又は、“前半パート”の終了時に行われる。
また、“前半パート”において獲得したポイントは、高確状態がセットされたことを契機として、当該高確率状態のセットに用いた分だけ消滅する。ただし、“前半パート”において獲得したポイントが「4」以上である場合、“後半パート”において「第1AT」への移行抽籤に当籤すると次セットの「第2AT」に持ち越し、「第1AT」への移行抽籤に非当籤のまま今セットの「第2AT」が終了すると、高確率状態のセットに用いた分(4ポイント分)だけ消滅する。
[第9実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第9実施形態のパチスロ機1について説明した。続いて、第9実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)について説明する。
[第2AT終了時の演出制御]
初めに、図386を参照して、「第2AT」終了時の演出制御について説明する。図386(A)は、「第2AT」から「通常(「通常(非有利区間)」「通常(有利区間)」)」への流れを示す図である。同図に示すように、「第2AT」が終了すると、まず、「通常(非有利区間)」に移行し、その後、「通常(有利区間)」に移行する。なお、「第2AT」「通常(有利区間)」は、有利区間であり、「通常(非有利区間)」は、非有利区間である。
図382(C)において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常」中は演出ステージを用いて抽籤状態を報知する。この抽籤状態は、有利区間において設定されるため、「第2AT」終了後の非有利区間である「通常(非有利区間)」では、設定されていない。そのため、「第2AT」が終了した直後(「通常(非有利区間)」)は、抽籤状態に応じた演出ステージを表示することができない。
ここで、抽籤状態が設定されていない「通常(非有利区間)」において、抽籤状態とは関係なく任意の演出ステージを表示することも考えられる。しかしながら、「通常(非有利区間)」は数ゲーム程度しか滞在せず、抽籤状態は直ぐに設定されてしまうため、任意の演出ステージを表示したのでは、表示している演出ステージと設定されている抽籤状態とにズレが生じてしまう。そして、ズレを解消するために演出ステージを切り替えると、「第2AT」の終了後は短期間に演出ステージが切り替わることになってしまい煩わしい。
また、抽籤状態が設定されていない「通常(非有利区間)」において、専用の演出ステージを表示することも考えられるが、「通常(非有利区間)」は数ゲーム程度しか滞在しないため、短期間に演出ステージが切り替わることになってしまい煩わしく、また、演出的な一体性も無くなってしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、「第2AT」の終了時に終了演出を実行するとともに、「第2AT」が終了してから抽籤状態が設定されるまで(言い換えると、「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に移行するまで)の各遊技(言い換えると、「通常(非有利区間)」中の各遊技)においても、この終了演出を継続して実行する。そして、有利区間への移行に伴い抽籤状態が設定されると、「第2AT」終了時の終了演出を終了して、設定した抽籤状態に応じた演出ステージを用いて各種の演出を実行する。
ここで、図386(B)は、「第2AT」終了時の演出制御の概要を示す図である。同図(1)に示すように、副制御回路101は、「第2AT」中は、表示ユニット100に対して所定のAT画面を表示することで、各種の演出を実行する。その後、「第2AT」が終了すると、(2)副制御回路101は、表示ユニット100に対して、「第2AT」の終了画面を表示する(終了演出)。この終了画面では、副制御回路101は、例えば、「第2AT」の終了を示す所定の画像を背景に、「第1AT(初回)」が開始してから現在までに獲得したメダルの枚数や、「第1AT(初回)」が開始してから現在までに経過した遊技回数などを表示する。
「第2AT」が終了すると非有利区間である「通常(非有利区間)」に移行するが、(3)副制御回路101は、「通常(非有利区間)」の各遊技においても、表示ユニット100に「第2AT」の終了画面の表示を継続し続ける。そして、「通常(非有利区間)」では、有利区間への移行抽籤を行っており、(4)副制御回路101は、この移行抽籤に当籤した遊技では、表示ユニット100に対して「のめり込み防止」の警告表示を行う。そして、有利区間への移行抽籤の当籤とともに抽籤状態も設定されるため、(5)副制御回路101は、抽籤状態が設定された後の「通常(非有利区間)」の各遊技では、設定した抽籤状態に対応する演出ステージを用いて、表示ユニット100において各種の演出を実行する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、「通常(非有利区間)」の各遊技においても終了画面の表示を継続し続けるが、副制御回路101は、「第2AT」を示す所定の画像の表示は継続し続けるとともに、獲得枚数や遊技回数などについても表示を継続し続けてもよく、また、「第2AT」が終了した次遊技からは獲得枚数や遊技回数などの表示を消して、所定の画像の表示を継続し続けることで、終了画面の表示を継続し続けることとしてもよい。
また、副制御回路101は、終了画面では、専用の映像を流すようにしてもよい。専用の映像の開始タイミングは、「第2AT」の最終遊技における第3停止後としてもよく、また、「第2AT」が終了した次遊技からとしてもよい。専用の映像は、「第2AT」が終了してから「通常(有利区間)」となるまで、言い換えると、「通常(非有利区間)」の各遊技において継続して表示することとしてもよい。なお、この専用の映像は、上述した「第2AT」の終了を示す背景としての所定の画像と同じであってもよく、また、異なるものであってもよい。また、専用の映像を流している間、背景としての所定の画像は表示し続けることとしてもよく、また、所定の画像は表示せずに専用の映像のみを表示することとしてもよい。
このような演出制御により、本実施形態のパチスロ機1では、有利区間の終了に伴い抽籤状態がリセットされた場合であっても、抽籤状態が再設定されるまで、リセットされる前に実行していた「第2AT」の終了演出を継続して実行し続けるため、違和感のない演出制御が可能になる。
(のめり込み防止の警告表示)
なお、副制御回路101は、「のめり込み防止」の警告表示を、遊技ロック期間中に表示するようにしてもよいし、遊技ロック期間以外において表示するようにしてもよい。ただし、当該警告表示は、一定時間(例えば、3秒)表示することが好ましい。例えば、上述の例では、「第2AT」が終了した後に有利区間への移行抽籤に当籤すると、当該警告表示を行うこととしているが、「第2AT」終了時に所定期間の遊技ロック期間を設け、副制御回路101は、この遊技ロック期間の開始とともに、当該警告表示を行うこととしてもよい。
また、副制御回路101は、遊技が所定時間行われない場合に表示するデモ画面やエコモード画面においても、当該警告表示を行うことが好ましい。
また、副制御回路101は、特賞終了後の終了画面中に当該警告表示を行うこととしてもよい。なお、この場合における特賞とは、メダルが増加する状態をいい、例えば、BB、RB、AT、ART(RT含む)などの状態である。ただし、期待性能が所定枚数(例えば、50枚)未満のボーナス状態(BB又はRB)の終了画面においては当該警告表示を行わないこととしてもよい。また、期待性能が特定枚数(例えば、300枚)未満の報知状態(AT又はART)の終了画面においても当該警告表示を行わないこととしてもよい。なお、期待性能とは、1回の特賞当たりのメダルの収支(又は払出枚数)の期待値であり、パチスロ機の設計仕様から算出することができる。一例として、本実施形態のパチスロ機1の場合、「第1AT(初回)」は、報知状態であるが期待性能が特定枚数(例えば、300枚)未満であるため、副制御回路101は、「第1AT(初回)」の終了時には、当該警告表示を行わなくてもよい。一方で、本実施形態のパチスロ機1の場合、「第2AT」は、報知状態であり期待性能が特定枚数(例えば、300枚)以上であるため、副制御回路101は、「第2AT」の終了時には、当該警告表示を行う。
また、副制御回路101は、終了画面がない特賞については、当該警告表示を行わないこととしてもよい。この場合においても、期待性能に応じて表示の有無を異ならせることとしてもよい。すなわち、副制御回路101は、終了画面がなく、かつ、期待性能が規定値未満の特賞については、当該警告表示を行わず、終了画面がないものの、期待性能が規定値以上の特賞については、当該警告表示を行うこととしてもよい。また、副制御回路101は、複数の特賞が実行されることで、一連のメダル増加期間が実現されるパチスロ機については、個々の特賞の終了時には当該警告表示を行わずに、一連の増加期間の終了時に当該警告表示を行うこととしてもよく、また、個々の特賞の終了時に当該警告表示を行うこととしてもよい。例えば、ボーナス状態(BB又はRB)の終了後に報知状態(AT又はART)に移行することが確定している状態における、ボーナス状態の終了時は、個々の特賞の終了時であるものの一連のメダル増加期間の終了時ではない。副制御回路101は、報知状態に移行することが確定しているボーナス状態の終了時において、当該警告表示を行うこととしてもよく、また、当該警告表示を行わないこととしてもよい。また、例えば、本実施形態のパチスロ機1では、「第2AT」と「第1AT(連荘)」とがループすることで一連のメダル増加期間となるが、副制御回路101は、この一連のメダル増加期間の中の「第1AT(連荘)」の終了時に当該警告表示を行うこととしてもよく、また、「第1AT(連荘)」の終了時には当該警告表示を行わないこととしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
パチスロ機1では、報知状態である「第2AT」と非報知状態である「通常」とを有するとともに、「通常」には、非有利区間である「通常(非有利区間)」と、有利区間である「通常(有利区間)」とが含まれる。
また、主制御基板71は、「通常(有利区間)」において「第1AT(初回)」への移行抽籤に当籤し、「第1AT(初回)」において「第2AT」への移行抽籤に当籤すると、「第2AT」を開始可能であり、また、「第2AT」において継続判定において終了と判定されると、「第2AT」を終了し、「通常(非有利区間)」を開始可能である。また、主制御基板71は、「通常(非有利区間)」において有利区間への移行抽籤に当籤すると「通常(有利区間)」を開始可能である。そのため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、「通常(有利区間)」の開始時に、複数の抽籤状態の中から一の抽籤状態を決定するとともに、決定した抽籤状態を設定可能であるとともに、「第2AT」が終了して有利区間が終了すると、設定していた抽籤状態を消去可能であるため、主制御基板71は、遊技情報設定手段及び遊技情報消去手段として機能する。
また、副制御基板72は、「通常(有利区間)」において設定されている抽籤状態に応じた演出ステージを介して表示ユニット100において演出を実行可能であり、特に、「第2AT」の終了時に「第2AT」の終了演出を実行するとともに、「第2AT」が終了してから抽籤状態が再び設定されるまでの「通常(非有利区間)」の各遊技においても終了演出を継続して実行し、抽籤状態が設定されると、終了演出を終了して、設定された抽籤状態に応じた演出ステージを介して表示ユニット100において演出を実行可能である。そのため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
[第1AT終了時の演出制御]
続いて、図387を参照して、「第1AT(初回)」終了時の演出制御について説明する。図387(A)は、「第1AT(初回)」から「通常(「通常(非有利区間)」「通常(有利区間)」)」への流れを示す図である。
上述したように、パチスロ機1では、一回の有利区間の中で出玉状態「第2AT」に移行することなく行われた「第1AT(初回)」の回数をスルー回数として計数するため、基本的には、同図(a)に示すように、「第1AT(初回)」が終了すると、「通常(有利区間)」に出玉状態が移行する。すなわち、「第1AT(初回)」が終了しても有利区間は維持したまま、「通常(有利区間)」に移行する。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、「第1AT(初回)」の終了後に「第2AT」に移行しない場合、言い換えると、「第1AT(初回)」の終了後に「通常(「通常(非有利区間)」「通常(有利区間)」)」に移行する場合、副制御回路101は、次回のモードを示唆する演出を実行する。具体的には、副制御回路101は、表示ユニット100において、「第1AT(初回)」の終了表示とともに、次回のモードに応じた演出を実行する。「第1AT(初回)」の終了表示、及び、次回のモードに応じた演出は任意であるが、一例として、副制御回路101は、表示ユニット100において、所定のキャラクタが夜空を見上げている演出(「第1AT(初回)」の終了表示)を行うとともに、当該夜空に“三角マーク”“四角マーク”“丸マーク”“星マーク”などのマークを表示(次回のモードに応じた演出)する。
そのため、同図(a)のように「第1AT(初回)」が終了時に有利区間が終了しない場合には、副制御回路101は、所定のキャラクタが夜空を見上げている演出において、夜空に次回のモードに応じたマークを表示する演出を行う。
一方で、「第1AT(初回)」が終了した時点で、有利区間が開始してから800ゲームが経過していた場合には、同図(b)に示すように、「第1AT(初回)」が終了すると、有利区間を終了して、「通常(非有利区間)」に出玉状態が移行する。ここで、次回のモードは、有利区間において設定されているMAPに基づき決定されるが、有利区間が終了してしまうとMAPもリセットされてしまうため、次回のモードを決定することができない。(リセット前のMAPに基づいて次回のモードを決定してしまうと、「第1AT(初回)」の終了時に、当該次回のモードに応じた演出を行ってしまうと誤ったモードを報知することになってしまう)。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、「第1AT(初回)」の終了時に「第1AT(初回)」の終了表示を行うとともに、「第1AT(初回)」が終了してからモードが設定されるまで(言い換えると、「通常(非有利区間)」から「通常(有利区間)」に移行するまで)の各遊技(言い換えると、「通常(非有利区間)」中の各遊技)においても、この終了表示を継続して実行する。そして、有利区間への移行に伴いMAP及びモードが設定されると、「第1AT(初回)」の終了表示とともに、次回のモードに応じた演出を実行する。
ここで、図387(B)は、「第1AT(初回)」終了後に有利区間を終了する場合の演出制御の概要を示す図である。同図(1)に示すように、副制御回路101は、「第1AT(初回)」が終了すると、表示ユニット100に対して、「第1AT(初回)」の終了表示(所定のキャラクタが夜空を見上げている表示)を行う。このとき、「第1AT(初回)」の終了に伴い有利区間も終了し、モードを設定するためのMAPがリセットされてしまうため、副制御回路101は、次回のモードに応じた演出を実行しない。
「第1AT(初回)」の終了に伴い有利区間も終了すると、「通常(非有利区間)」に移行するが、(3)副制御回路101は、「通常(非有利区間)」の各遊技においても、表示ユニット100に「第1AT(初回)」の終了表示を継続し続ける。このときも、非有利区間中はモードを設定することがないため、副制御回路101は、次回のモードに応じた演出を実行しない。
そして、「通常(非有利区間)」では、有利区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、有利区間移行時に設定されるMAPからモード(「初回」欄に規定されたモード)が特定されて設定される。そのため、有利区間への移行抽籤に当籤すると、(4)副制御回路101は、「第1AT(初回)」の終了表示とともに、設定したモードに応じた演出を実行する。一例として、モードAが設定された場合には夜空に“三角マーク”を表示し、モードBが設定された場合には夜空に“四角マーク”を表示し、モードCが設定された場合には夜空に“丸マーク”を表示し、モードDが設定された場合には夜空に“星マーク”を表示する。
なお、設定したモードに応じた演出を実行するタイミングは任意である。すなわち、有利区間への移行抽籤は、開始操作(スタートレバーON)を契機に行われるため、モードの設定も開始操作の直後に行われる。そのため、設定したモードに応じた演出は、有利区間への移行抽籤に当籤した遊技における開始操作から第1停止操作までの間において行うこともでき、また、有利区間への移行抽籤に当籤した遊技における第1停止操作から第2停止操作までの間において行うこともでき、また、有利区間への移行抽籤に当籤した遊技における第2停止操作から第3停止操作までの間において行うこともでき、また、有利区間への移行抽籤に当籤した遊技における第3停止操作後に行うこともできる。
このような演出制御により、本実施形態のパチスロ機1では、有利区間の終了に伴いモード及びMAPがリセットされた場合であっても、モードが再設定されるまで、リセットされる前に実行していた「第1AT(初回)」の終了表示を継続して実行し続けるため、違和感のない演出制御が可能になる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
パチスロ機1では、報知状態である「第1AT(初回)」と非報知状態である「通常」とを有するとともに、「通常」には、非有利区間である「通常(非有利区間)」と、有利区間である「通常(有利区間)」とが含まれる。
また、主制御基板71は、「通常(有利区間)」において「第1AT(初回)」への移行抽籤に当籤すると、「第1AT(初回)」を開始可能であり、また、「第1AT(初回)」において規定回数の遊技が行われると、「第1AT(初回)」を終了可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、「第1AT(初回)」が終了して、「通常」に移行すると、「第2AT」への移行期待度が異なるモードの中から一のモードをMAPを参照して決定可能であるとともに、決定したモードを設定可能である。ただし、「第1AT(初回)」の終了とともに有利区間が終了することがあり、このような場合には、「第1AT(初回)」の終了時に次回のモードを設定せずに、「第1AT(初回)」が終了した後に有利区間への移行抽籤に当籤した場合に、次回のモードを設定するため、主制御基板71は、前記遊技情報設定手段として機能する。なお、モードは、「第1AT(初回)」が実行されることを契機に切り替わる情報である。
また、主制御基板71は、「第1AT(初回)」において「第2AT」への移行抽籤を行っており、特に、設定しているモードを参照して、この移行抽籤を行う。そして、この移行抽籤に当籤した場合には、「第2AT」のストックを付与して出玉状態を「第2AT」に移行するため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
また、副制御基板72は、「第2AT」への移行抽籤に非当籤のまま「第1AT(初回)」が終了すると、表示ユニット100において、「第1AT(初回)」の終了表示とともに、次回のモードに応じた演出を実行する。このとき、副制御基板72は、「第1AT(初回)」の終了時に次回のモードが設定されていない場合には、「第1AT(初回)」終了後の「通常(非有利区間)」においても、「第1AT(初回)」の終了表示を維持し、その後、有利区間への移行に伴いモードが設定されると、「第1AT(初回)」の終了表示とともに設定したモードに応じた演出を実行するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
[第1AT(初回)のナビ制御]
続いて、図388を参照して、「第1AT(初回)」における正解の押し順のナビ制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「第1AT」として、「通常(有利区間)」から移行可能な「第1AT(初回)」と、「第2AT」から移行可能な「第1AT(連荘)」とを有する。「第1AT」は、16回の遊技が行われると終了する出玉状態であり、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順が報知(ナビ)される。具体的には、「第1AT(連荘)」では、100%の割合で正解の押し順が報知される一方で、「第1AT(初回)」では、概ね2回に1回の割合で正解の押し順が報知される。以下では、「第1AT(初回)」における正解の押し順の報知頻度について説明する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、「第1AT(連荘)」では、必ず正解の押し順を報知するが、これに限られるものではなく、少なくとも「第1AT(初回)」よりも高い頻度で正解の押し順を報知可能であればよい。
図388(A)は、「第1AT(初回)」におけるナビ状態を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、“ナビ状態1”と“ナビ状態2”とを有する。“ナビ状態1”は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知しない状態である。また、“ナビ状態2”は、遊技者にとって有利な停止操作の情報(正解の押し順)を報知する状態である。なお、“ナビ状態2”では、押し順ベルの種別毎にナビ種別が規定されているが、規定されているナビ種別は、対応する押し順ベルにおいて正解の押し順に対応している。すなわち、ナビ種別1は、「左中右」の押し順を報知するナビ種別であり、ナビ種別2は、「左右中」の押し順を報知するナビ種別であり、ナビ種別3は、「中左右」の押し順を報知するナビ種別であり、ナビ種別4は、「中右左」の押し順を報知するナビ種別であり、ナビ種別5は、「右左中」の押し順を報知するナビ種別であり、ナビ種別6は、「右中左」の押し順を報知するナビ種別である。なお、本実施形態のパチスロ機1では、押し順ベル以外の役については、押し順の報知を行わないものとする。
主制御回路91は、「第1AT(初回)」において押し順ベルが内部当籤役として決定された遊技では、現在のナビ状態に応じて押し順ナビの有無を制御し、現在のナビ状態が“ナビ状態1”である場合には何らの押し順も報知せず、現在のナビ状態が“ナビ状態2”である場合には正解の押し順を報知する。そして、主制御回路91は、「第1AT(初回)」では、直近に払い出されたメダルの枚数に応じて、ナビ状態を制御する。なお、直近に払い出されたメダルの枚数とは、現在の遊技よりも前の単位遊技において払い出されたメダルの枚数のうち、直近の払出枚数をいう。また、この払出枚数には、再遊技の作動を含めることとしてもよく、含めないこととしてもよい。一方で、「はずれ」入賞時の0枚のメダルの払い出しは、この払出枚数に含める。例えば、3ゲーム前の遊技において1枚のメダルが払い出され、2ゲーム前の遊技において0枚、1ゲーム前の遊技において再遊技の作動が行われた場合、払出枚数に再遊技の作動を含めない場合には、2ゲーム前の0枚が直近の払出枚数となり、払出枚数に再遊技の作動を含める場合には、1ゲーム前の再遊技の作動(BET数と同数)が直近の払出枚数となる。なお、本実施形態のパチスロ機1では、払出枚数に再遊技の作動を含めないでナビ状態を制御する。
具体的には、主制御回路91は、「第1AT(初回)」が開始されると、ナビ状態として“ナビ状態2”をセットする。すなわち、「第1AT(初回)」の開始直後は、ナビ状態が“ナビ状態2”となっている。そして、主制御回路91は、「第1AT(初回)」の“ナビ状態2”の単位遊技において7枚のメダルが払い出されると、ナビ状態を“ナビ状態2”から“ナビ状態1”に変更する。そして、主制御回路91は、「第1AT(初回)」の“ナビ状態1”の単位遊技において、0〜3枚の何れかの枚数のメダルが払い出されると、ナビ状態を“ナビ状態1”から“ナビ状態2”に変更する。その後、主制御回路91は、“ナビ状態1”と“ナビ状態2”とを、7枚の払い出し及び0〜3枚の何れかの枚数の払い出しに応じて変更することを繰り返す。
なお、払出枚数と入賞態様(表示された図柄の組合せ)とは対応しているため、このように払出枚数に応じてナビ状態を制御することは、表示された図柄の組合せ(入賞態様)に応じてナビ状態を制御することと同義である。すなわち、主制御回路91は、7枚のメダルが払い出される図柄の組合せ(及びリプレイに対応する図柄の組合せ)以外の図柄の組合せが表示された場合に、ナビ状態として“ナビ状態2”をセットし、7枚のメダルが払い出される図柄の組合せ(及びリプレイに対応する図柄の組合せ)が表示された場合に、ナビ状態として“ナビ状態1”をセットするということができる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、7枚の払い出し及び0〜3枚の何れかの枚数の払い出しに応じてナビ状態を制御することとしているが、この枚数は一例に過ぎない。例えば、主制御回路91は、7枚のメダルが払い出された場合にナビ状態を“ナビ状態2”から“ナビ状態1”に変更し、7枚よりも少ないメダル(0枚を含む)が払い出された場合にナビ状態を“ナビ状態1”から“ナビ状態2”に変更することとしてもよい。また、主制御回路91は、今回の遊技において用いられらたメダルの枚数(BET数)よりも多い(又は以上の)メダルが払い出された場合にナビ状態を“ナビ状態2”から“ナビ状態1”に変更し、今回の遊技において用いられらたメダルの枚数(BET数)以下(又はよりも少ない)メダル(0枚を含む)が払い出された場合にナビ状態を“ナビ状態1”から“ナビ状態2”に変更することとしてもよい。また、払出枚数に再遊技の作動を含める場合には、今回の遊技において用いられらたメダルの枚数と同数のメダルが払い出されたものとして、ナビ状態を制御することができる。
続いて、図388(B)を参照して、ナビ状態の制御方法について具体的に説明する。同図(a)に示すように、“ナビ状態2”の遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定されると、主制御回路91は、正解の押し順を報知する。この報知に従うことで、押し順に正解するため、7枚のメダルが払い出される。その結果、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態2”から“ナビ状態1”に変更する。
続いて、同図(b)は、ナビあり時に押し順ミスが行われた場合(ナビに従わずに停止操作を行った場合)のナビ状態の制御例である。“ナビ状態2”の遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定されると、主制御回路91は、正解の押し順を報知する。この報知に従わずに停止操作を行ってしまうと、押し順に不正解となるため、0枚又は1枚のメダルが払い出される。このような場合には、押し順の報知が行われたにもかかわらず、7枚のメダルが払い出されていないため、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態2”のまま維持する。
続いて、同図(c)は、ナビ無し時に自力で押し順に正解した場合のナビ状態の制御例である。“ナビ状態1”の遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定されると、主制御回路91は、正解の押し順を報知しないが、遊技者の停止操作の順序が偶然に正解の押し順であることがある。正解の押し順である場合には、7枚のメダルが払い出される。このような場合には、現在のナビ状態が“ナビ状態1”であるにもかかわらず7枚のメダルが払い出されたため、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態1”のまま維持する。
また、同図(d)に示すように、“ナビ状態1”の遊技において内部当籤役として押し順ベルが決定されると、主制御回路91は、正解の押し順を報知しない。そして、遊技者の停止操作の順序が正解の押し順ではない場合には、0枚又は1枚のメダルが払い出される。その結果、7枚のメダルが払い出されていないため、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態1”から“ナビ状態2”に変更する。
続いて、同図(e)(f)は、押し順ベルではなく共通ベル(「F_共通ベル」)が内部当籤役として決定された場合のナビ状態の制御例である。本実施形態のパチスロ機1では、押し順ベル以外の役については押し順の報知を行わないため、同図(e)に示すように、“ナビ状態2”の遊技において内部当籤役として共通ベルが決定された場合、及び、同図(f)に示すように、“ナビ状態1”の遊技において内部当籤役として共通ベルが決定された場合の何れにおいても、主制御回路91は、停止操作の情報を報知しない。そして、共通ベルが内部当籤役として決定された遊技では、停止操作の態様に関係なく7枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるため、当該遊技では、7枚のメダルが払い出されることになる。その結果、同図(e)に示すように、共通ベルが内部当籤役として決定された“ナビ状態2”の遊技では、停止操作の情報の報知が行われないまま、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態2”から“ナビ状態1”に変更する。また、同図(f)に示すように、共通ベルが内部当籤役として決定された“ナビ状態1”の遊技では、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態1”のまま維持する。
続いて、同図(g)(h)は、ベル以外の小役が内部当籤役として決定された場合のナビ状態の制御例である。なお、同図(g)(h)では、ベル以外の小役として弱チェリー(「F_弱チェ」)を例に示している。本実施形態のパチスロ機1では、押し順ベル以外の役については押し順の報知を行わないため、同図(g)に示すように、“ナビ状態2”の遊技において内部当籤役として弱チェリーが決定された場合、及び、同図(h)に示すように、“ナビ状態1”の遊技において内部当籤役として弱チェリーが決定された場合の何れにおいても、主制御回路91は、停止操作の情報を報知しない。そして、弱チェリーが内部当籤役として決定された遊技では、停止操作の態様に関係なく2枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるため、当該遊技では、2枚のメダルが払い出されることになる。その結果、同図(g)に示すように、弱チェリーが内部当籤役として決定された“ナビ状態2”の遊技では、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態2”のまま維持する。また、同図(h)に示すように、弱チェリーが内部当籤役として決定された“ナビ状態1”の遊技では、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態1”から“ナビ状態2”に変更する。
続いて、同図(i)(j)は、リプレイ役が内部当籤役として決定された場合のナビ状態の制御例である。本実施形態のパチスロ機1では、押し順ベル以外の役については押し順の報知を行わないため、同図(i)に示すように、“ナビ状態2”の遊技において内部当籤役としてリプレイ役が決定された場合、及び、同図(j)に示すように、“ナビ状態1”の遊技において内部当籤役としてリプレイ役が決定された場合の何れにおいても、主制御回路91は、停止操作の情報を報知しない。そして、リプレイ役が内部当籤役として決定された遊技では、停止操作の態様に関係なく再遊技の作動に係る図柄の組合せが表示される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、払出枚数に再遊技の作動を含めないでナビ状態を制御するため、同図(i)に示すように、リプレイ役が内部当籤役として決定された“ナビ状態2”の遊技では、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態2”のまま維持する。また、同図(j)に示すように、リプレイ役が内部当籤役として決定された“ナビ状態1”の遊技では、主制御回路91は、ナビ状態を“ナビ状態1”のまま維持する。
以上、ナビ状態の制御方法について説明したが、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、一度も押し順の報知が行われることなく、「第1AT(初回)」が終了した場合に、「第2AT」のストックを付与する。ここで、「第1AT(初回)」は“ナビ状態2”から開始されるため、押し順の報知が一度も行われずに「第1AT(初回)」が終了する場合とは、例えば、「第1AT(初回)」において一度も押し順ベルに当籤しない場合の他、共通ベルが内部当籤役として決定された遊技では、押し順の報知が行われることなく、ナビ状態が“ナビ状態1”となるため、例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定される遊技の前の遊技で共通ベルが内部当籤役として決定される場合などである。
このように本実施形態のパチスロ機1では、「第1AT」として「通常(有利区間)」から移行可能な「第1AT(初回)」と、「第2AT」から移行可能な「第1AT(連荘)」とを有し、両者において押し順の報知頻度を異ならせる。具体的には、「第1AT(初回)」では、報知頻度を抑えることで、出玉を抑えることができ、結果、射幸性を徒に高めてしまうことを抑制することができる。一方で、「第1AT(連荘)」では、正解の押し順を必ず報知するため、遊技者が望む出玉感も持たせることができ、バランスのある出玉制御が可能になる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
パチスロ機1では、「通常(有利区間)」と「第2AT」と「第1AT」とを有するとともに、「第1AT」には、「通常(有利区間)」から移行可能な「第1AT(初回)」と「第2AT」から移行可能な「第1AT(連荘)」とが含まれる。また、パチスロ機1では、正解の押し順で停止操作が行われた場合に7枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に0枚又は1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される、複数の押し順ベルを有する。
そして、主制御基板71は、「通常(有利区間)」において「第1AT(初回)」への移行抽籤に当籤すると「第1AT(初回)」を開始可能であり、また、「第2AT」において「第1AT(連荘)」への移行抽籤に当籤すると「第1AT(連荘)」を開始可能である。また、主制御回路91は、「第1AT」において16回の遊技が行われると、「第1AT」を終了可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、「第1AT」において押し順ベルが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知可能であり、特に、「第1AT(初回)」では、押し順ベルが内部当籤役として決定されると、直近に払い出されたメダルの枚数に応じて、正解の押し順を報知するか否かを制御し、「第1AT(連荘)」では、押し順ベルが内部当籤役として決定されると、「第1AT(初回)」よりも高い頻度で正解の押し順を報知するため、主制御基板71は、報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、一度も押し順の報知が行われることなく、「第1AT(初回)」が終了した場合に、「第2AT」のストックを付与するため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[抽籤処理におけるデータ圧縮制御]
続いて、図389〜図391を参照して、抽籤処理におけるデータ圧縮制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、様々なパラメータを用いて各種の抽籤処理を行い、得られた抽籤結果に応じて遊技を制御する。一例として、主制御回路91は、「第1AT(初回)」の開始時に(言い換えると、「第1AT(初回)」への移行を契機として)、「第2AT」への移行抽籤を行っているが、この移行抽籤では、抽籤状態、モード及び設定値がパラメータとして用いられる。
図389(A)は、本制御と比較するための比較制御例を説明するための図である。同図(a)に示すように、パラメータ「抽籤状態」として3種類の値を持ち、パラメータ「モード」として4種類の値を持ち、パラメータ「設定値」として6種類の値を持つ場合、それぞれのパラメータに応じて抽籤処理に抽籤結果(決定結果)を得るためには、「低確、モードA、設定1」〜「高確、モードD、設定6」までの72種類の抽籤テーブルが必要になる。
続いて、同図(b)は、72種類の抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、同図におけるa1〜l6は、抽籤値であり、所定の値が規定されている。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、「第2AT」への移行抽籤の抽籤結果(決定結果)として、はずれの他に決定結果1〜決定結果5の5種類の決定結果を有する。そして、これら抽籤テーブルを用いる結果、抽籤処理に用いたパラメータの値に応じて、例えば、同図(c)に示すような決定結果が得られる。
なお、決定結果の内容は任意であるが、例えば、決定結果1は、「第2AT」のストックを1つ付与する内容であり、決定結果2は、「第2AT」のストックを1つ付与するとともに、“前半パート”において獲得可能なポイントを1ポイント付与する内容であり、決定結果3は、「第2AT」のストックを1つ付与するとともに、“前半パート”において獲得可能なポイントを4ポイント付与する内容であり、決定結果4は、「第2AT」のストックを2つ付与するとともに、“前半パート”において獲得可能なポイントを8ポイント付与する内容であり、決定結果5は、「第2AT」のストックを2つ付与するとともに、“前半パート”において獲得可能なポイントを12ポイント付与する内容である。
このような抽籤テーブルを用いて抽籤処理を行う場合、一つ当たりの抽籤テーブルのサイズが5Byteとすると、72種類の抽籤テーブルにより360Byte(=72×5)のデータ容量が必要になる。
続いて、図390(B)は、本制御の概要を説明するための図である。3種類の値を持つパラメータと、4種類の値を持つパラメータと、6種類の値を持つパラメータとを用いて抽籤処理を行う場合、比較制御のように72種類の抽籤テーブルが必要になる。ここで、同図(a)に示すように、パラメータ「抽籤状態」及び「設定値」が同じ値であり、パラメータ「モード」の値が異なる場合に、パチスロ機1の設計として得たい決定結果の割合が共通であるならば、これら共通の部分を1種類のテーブルとして見ることができる。
一例として、「低確、設定1」である場合の「モードA」では、決定結果として決定結果1、決定結果2及び決定結果3が3:1:1の割合で得られ、同じ「低確、設定1」である場合の「モードB」では、決定結果として決定結果2、決定結果3及び決定結果4が3:1:1の割合で得られ、同じ「低確、設定1」である場合の「モードC」では、決定結果として決定結果3、決定結果4及び決定結果5が3:1:1の割合で得られる例について考える。このような例では、パラメータ「モード」の値(モードA、モードB、モードC)に応じて得られる決定結果は異なるものの、設計として得たい決定結果の割合は、3:1:1で共通であるため、本制御では、これら共通の部分を1種類のテーブルとして見る。
具体的には、同図(b)に示すように、本制御では、パラメータ「抽籤状態」及びパラメータ「設定値」に対応付けて18種類の抽籤テーブルを設ける。ここで、同図(c)は、これら18種類の抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、同図におけるa1〜i6は、抽籤値であり、所定の値が規定されている。本制御においても比較制御と同様に、最終的に決定結果1〜決定結果5の5種類の決定結果を得たいものの、パラメータ「モード」については抽籤テーブルを持たないため、5種類よりも多い抽籤結果(参照値)を有する。同図に示す例では、はずれの他に参照値1〜参照値8の8種類の抽籤結果を有している。
本制御では、主制御回路91は、パラメータ「抽籤状態」の値及びパラメータ「設定値」の値に応じた抽籤テーブルを用いて抽籤処理を行い、抽籤結果(参照値)を取得する。こうして得られた参照値には、パラメータ「モード」の値が反映されていないため、主制御回路91は、続いて、抽籤結果として得られた参照値とパラメータ「モード」の値とを用いてマスク処理を行い決定結果を取得する。ここで、同図(d)は、モード対応テーブルである。モード対応テーブルは、パラメータ「モード」の値のそれぞれに対して、参照値毎に一の決定結果を対応付けるテーブルであり、マスク処理の処理結果を示している。
主制御回路91は、パラメータ「抽籤状態」の値及びパラメータ「設定値」の値を用いた抽籤処理により参照値(抽籤結果)が得られると、パラメータ「モード」の値と得られた参照値とに応じて一義的に定まる決定結果を取得する。例えば、抽籤処理により得られた参照値が参照値4である場合、パラメータ「モード」の値が「モードA」であるときは決定結果として決定結果1を取得し、パラメータ「モード」の値が「モードB」であるときは決定結果として決定結果2を取得し、パラメータ「モード」の値が「モードC」であるときは決定結果として決定結果3を取得し、パラメータ「モード」の値が「モードD」であるときは決定結果として決定結果3を取得する。
これにより、本制御では、パラメータ「モード」については抽籤処理においては参照しないものの、パラメータ「モード」の値に応じて最終的に取得する決定結果を異ならせることができる。言い換えると、「第2AT」への移行抽籤の決定結果を、パラメータ「抽籤状態」の値及びパラメータ「設定値」の値だけでなく、パラメータ「モード」の値に応じても異ならせることができる。
このような本制御の場合、一つ当たりの抽籤テーブルのサイズが8Byteとすると、18種類の抽籤テーブルにより144Byte(=18×8)のデータ容量が必要になる。また、8種類の参照値と4種類のモードとを対応付けるモード対応テーブルとして、32Byte(=4×8)のデータ容量が必要になるため、合計で176Byte(=144+32)のデータ容量が必要になる。比較制御の場合には、360Byteのデータ容量が必要になるため、本制御によれば、抽籤処理に用いるデータ容量を圧縮することができる。
続いて、図391(C)は、本実施形態のパチスロ機1における「第2AT」への移行抽籤制御を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、パラメータ「抽籤状態」及び「設定値」が同じ値である場合、「モードA」「モードB」「モードC」では、設計として得たい決定結果の割合が共通であるが、「モードD」は異なっている。ただし、本実施形態では、「モードD」である場合、「第2AT」への移行抽籤の決定結果にパラメータ「抽籤状態」の値が影響を与えない。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、同図(a)に示すように、パラメータ「抽籤状態」及びパラメータ「設定値」に対応付けた18種類の抽籤テーブルと、パラメータ「モード」の「モードD」及びパラメータ「設定値」に対応付けた6種類の抽籤テーブルとの合計24種類の抽籤テーブルを設ける。
続いて、同図(b)は、これら24種類の抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、同図におけるa1〜i6は、抽籤値であり、所定の値が規定されている。パラメータ「抽籤状態」及びパラメータ「設定値」に対応付けた18種類の抽籤テーブルでは、抽籤処理の後にパラメータ「モード」の値を用いたマスク処理を行うため、はずれの他に参照値1〜参照値8の8種類の抽籤結果を有する。これに対して、パラメータ「モード」の「モードD」及びパラメータ「設定値」に対応付けた6種類の抽籤テーブルでは、パラメータ「抽籤状態」「モード」「設定値」に応じた抽籤が行われることになるため(抽籤状態は影響を与えない)、はずれの他に決定結果1〜決定結果5の5種類の抽籤結果を有する。
続いて、同図(c)は、モード対応テーブルである。モード対応テーブルは、パラメータ「モード」の「モードA」「モードB」「モードC」のそれぞれに対して、参照値毎に一の決定結果を対応付けるテーブルであり、マスク処理の処理結果を示している。
主制御回路91は、現在のモードが「モードA」「モードB」「モードC」の何れかである場合には、パラメータ「抽籤状態」の値及びパラメータ「設定値」の値を用いた抽籤処理により参照値(抽籤結果)を取得する。そして、パラメータ「モード」の値と得られた参照値とに応じて一義的に定まる決定結果を取得する。一方で、主制御回路91は、現在のモードが「モードD」である場合には、パラメータ「設定値」の値を用いた抽籤処理により決定結果(抽籤結果)を直接取得する。このような本実施形態のパチスロ機1における制御においても、各種パラメータを用いて多様な抽籤結果を得ることができるとともに、抽籤処理に用いるデータ容量を圧縮することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、「通常(有利区間)」と「第1AT(初回)」と「第2AT」とを有するとともに、「通常(有利区間)」において「第1AT(初回)」への移行抽籤に用いるパラメータ「抽籤状態」と、「第1AT(初回)」への移行を契機として行う「第2AT」への移行抽籤に用いるパラメータ「抽籤状態」「モード」「設定値」とを有する。そして、主制御基板71は、「通常(有利区間)」においてパラメータ「抽籤状態」の値を用いて「第1AT(初回)」に移行するか否かを決定するため、主制御基板71は、第1決定手段として機能する。
また、主制御基板71は、「第1AT(初回)」への移行を契機として、パラメータ「抽籤状態」「モード」「設定値」の値を用いて「第2AT」に移行するか否かを決定するため、主制御基板71は、第2決定手段として機能する。このとき、主制御基板71は、パラメータ「抽籤状態」「モード」「設定値」のうちの一部であるパラメータ「抽籤状態」「設定値」の値を用いて複数の抽籤結果の中から一の抽籤結果を抽籤処理により決定する。また、パチスロ機1では、パラメータ「抽籤状態」「モード」「設定値」のうちのパラメータ「モード」の値のそれぞれに対して、複数の抽籤結果毎に一の決定結果を対応付けるモード対応テーブルを備え、主制御基板71は、抽籤処理により得られた抽籤結果と、パラメータ「モード」の値とに応じてモード対応テーブルから一義的に定まる決定結果を取得する。そのため、主制御基板71は、抽籤処理手段及び決定結果取得手段として機能する。
また、主制御基板71は、得られた決定結果に応じて遊技を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段及び状態制御手段として機能する。また、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430や設定用ボタンを介して受け付けた設定変更操作に伴い、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値の中から一の設定値を設定可能であるため、主制御基板71は、設定手段として機能する。
[変形例]
続いて、図392〜図397を参照して、本発明に係るパチスロ機1の変形例について説明する。
[不利ボーナス中の損失補てん制御]
初めに、図392を参照して、不利ボーナス中の損失補てん制御について説明する。図392(A)は、本制御における遊技フロー図を示す。本制御に係るパチスロ機1は、BBフラグ間において報知状態(AT)と非報知状態(非AT)とを制御するAT機である。
同図に示すように、パチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非フラグ間とBBフラグ間とボーナス(BB)状態との状態を有する。非フラグ間は、BB役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態であり、BBフラグ間は、BB役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナス(BB)の作動が行われていない状態である。また、ボーナス状態は、BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)が作動している状態である。
本制御のパチスロ機1では、基本的にBBフラグ間において遊技が行われる。すなわち、パチスロ機1では、BB役を内部当籤役として持ち越したBBフラグ間において遊技が行われ、遊技者は、BB役を入賞可能な遊技ではBB役が入賞してしまうことを回避して遊技を行う。なお、停止操作の態様によっては、BB役が入賞してしまうことがあり、このような場合には、BBフラグ間からボーナス状態に遊技状態が移行してしまう。
ここで、本制御のパチスロ機1では、上述の実施形態と同様に、ボーナス状態では、非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)に比べて、個々の小役が内部当籤役として決定される確率は高くなるが、何れかの小役が内部当籤役として決定される確率は低くなる。そして、本制御のパチスロ機1においても、主制御回路91は、BBフラグ間では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、ボーナス状態では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。
すなわち、本制御のパチスロ機1において、ボーナス状態は、遊技者の停止操作の態様に関係なく、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態(言い換えると、遊技者にとって不利な遊技状態)である。一方で、BBフラグ間は、遊技者の停止操作の態様よっては、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が遊技者にとってプラスな遊技状態となるものの、遊技者が無作為に停止操作を行った場合には、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態となる。
そこで、本制御のパチスロ機1では、BBフラグ間において出玉状態として非ATとATとを有する。非ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない(又は報知される頻度が低い)非報知状態であり、ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される(又は報知される頻度が高い)報知状態である。BBフラグ間の出玉状態「非AT」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されないため、遊技者にとって不利な状態であり、BBフラグ間の出玉状態「AT」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるため、遊技者にとって有利な状態である。なお、遊技者にとって有利な停止操作の情報とは、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞するために必要な停止操作の情報であり、その内容は任意であるが、例えば、押し順ベルが内部当籤役として決定された場合の正解の押し順であってよい。
ここで、遊技者にとって不利なボーナス状態には、BBフラグ間においてBB役が入賞することで移行する(言い換えると、BB役に応じた図柄の組合せが表示されることで移行する)。出玉状態「非AT」「AT」はともにBBフラグ間中の出玉状態であるため、ボーナス状態は、出玉状態「非AT」「AT」の双方において開始可能な遊技状態である。すなわち、主制御回路91は、出玉状態「非AT」においてBB役に応じた図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態を開始するとともに、出玉状態「AT」においてBB役に応じた図柄の組合せが表示された場合にも、ボーナス状態を開始する。また、主制御回路91は、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が規定値に達するとボーナス状態を終了して、非ボーナス状態の非フラグ間に遊技状態を移行する。すなわち、ボーナス状態の終了条件は、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が規定値に達することである。
また、出玉状態の移行制御は任意の方法により行うこととしてよく、例えば、主制御回路91は、ATのストック抽籤などを行い、このストック抽籤に当籤しATのストックが付与された場合に、出玉状態をATに移行することとしてもよい。また、ATの継続期間の管理方法も任意であり、例えば、主制御回路91は、ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、AT中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、AT中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよく、また、AT中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、AT中に特定の図柄組合せが表示されるとATを終了させることとしてもよい。なお、以下では、ゲーム数により継続期間を管理する例について説明する。
続いて、図392(B)は、本制御を説明するための遊技の流れの一例である。出玉状態「AT」は、遊技状態「BBフラグ間」において行われる。ATは、遊技者にとって有利な状態であるため、BBフラグ間のAT中は、メダルが増加する。ここで、BBフラグ間では、BB役を内部当籤役として持ち越しているため、BB役が入賞してしまうことがあり、このような場合には、BBフラグ間からボーナス状態に遊技状態が移行してしまう。
ボーナス状態は、遊技者にとって不利な状態であるため、メダルが減少する。そこで、本制御では、主制御回路91は、ボーナス状態中に減少したメダルの枚数を計数しておき、この減少分をATの継続期間に補てんする。具体的には、主制御回路91は、ボーナス状態において遊技に用いたメダルの量と、当該遊技の結果として払い出されたメダルの枚数との差である減少差枚数を、ボーナス状態の各遊技において計数し、ボーナス状態全体での減少差枚数を計数する。そして、主制御回路91は、計数したボーナス状態全体での減少差枚数に応じて、ATの継続期間を延長(上乗せ)することで、ボーナス状態中の損失を補てんする。
なお、減少差枚数によるATの継続期間の延長は、任意の方法により実現することとしてよい。例えば、ATの継続期間を差枚数により管理するパチスロ機の場合には、計数したボーナス状態全体での減少差枚数分の差枚数を、ATの継続期間である残り差枚数に加算することで、ATの継続期間を延長することができる。また、例えば、ATの継続期間をゲーム数により管理するパチスロ機の場合には、AT中の単位遊技当たりのメダル増加枚数の期待値と、ボーナス状態全体での減少差枚数とに応じて、ATの継続期間を延長することができる。具体的には、ボーナス状態全体での減少差枚数が120枚であり、AT中の増加枚数の期待値が1ゲーム当たり4枚である場合には、ATの継続期間である残りゲーム数に30(=120/4)を加算することで、ATの継続期間を延長することができる。すなわち、ATの継続期間の一単位当たりのメダルの増加枚数の期待値と、ボーナス状態全体での減少差枚数とにより、ATの継続期間を延長することができる。
なお、本制御では、主制御回路91は、ボーナス状態全体での減少差枚数を計数することとしているが、補てんのために計数する内容は減少差枚数に限るものではない。例えば、主制御回路91は、ボーナス状態において行われた単位遊技の回数を計数し、計数したボーナス状態全体での遊技回数に応じて、ATの継続期間を延長(上乗せ)することで、ボーナス状態中の損失を補てんすることとしてもよい。
この場合においても、主制御回路91は、遊技回数(ゲーム数)によるATの継続期間の延長は、任意の方法により実現することとしてよい。例えば、ATの継続期間をゲーム数により管理するパチスロ機の場合には、AT中の単位遊技当たりのメダル増加枚数の期待値と、ボーナス状態中の単位遊技当たりのメダル減少枚数の期待値とに応じて、ボーナス状態全体での遊技回数をAT中の遊技回数に換算することで、ATの継続期間を延長する。具体的には、AT中の増加枚数の期待値が1ゲーム当たり4枚であり、ボーナス状態中の減少枚数の期待値が1ゲーム当たり2枚であり、ボーナス状態全体での遊技回数が60ゲームである場合には、ATの継続期間である残りゲーム数に30(=60/2)を加算することで、ATの継続期間を延長することができる。すなわち、ボーナス状態中の単位遊技当たりのメダル減少枚数の期待値及び計数したボーナス状態全体での遊技回数から、ボーナス状態全体での減少差枚数(期待値)を算出することができるため、上述と同様にATの継続期間を延長することができる。
図392(B)に戻り、AT中に遊技状態がBBフラグ間からボーナス状態に移行した場合、主制御回路91は、ボーナス状態中及びボーナス状態が終了した後の非フラグ間中は、ATの継続期間を進行させずに、待機状態として制御する。その後、非フラグ間においてBB役に当籤することで、遊技状態がBBフラグ間に移行し、主制御回路91は、ATを再開する。
続いて、図392(C)は、本制御のパチスロ機1における演出例を示す。同図(a)は、BBフラグ間のAT中にBB役が入賞した場合の演出例である。同図に示すように、AT中の遊技では、所定のAT画面により演出が行われている。続いて、同図(b)は、AT中にボーナス状態が開始された場合の演出例である。同図に示すように、AT中のボーナス状態では、所定のAT画面が維持される。なお、ATは待機状態となっているため、ATの残りゲーム数などは更新されない。続いて、同図(c)は、AT中のボーナス状態終了時の演出例である。同図に示すように、本制御のパチスロ機1では、AT中のボーナス状態において計数した計数結果に応じて、ATの継続期間を延長する。同図に示す例では、ATの継続期間が30ゲーム延長されている。
このように本制御のパチスロ機1によれば、有利なAT中に不利なボーナス状態が開始されてしまった場合に、不利なボーナス状態中の損失分を有利なAT中の継続期間に上乗せすることで、不利なボーナス状態中の損失分を補てんする。その結果、不利なボーナス状態が開始された場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、不利なボーナス状態が開始されると、ボーナス状態中の減少差枚数や遊技回数を計数することとしているが、主制御回路91は、AT中にボーナス状態が開始された場合に限り、ボーナス状態中の減少差枚数や遊技回数を計数し、非AT中にボーナス状態が開始された場合には、ボーナス状態中の減少差枚数や遊技回数を計数しないこととしてもよく、また、AT中であるか否かに関係なく(言い換えると、非AT中にボーナス状態が開始された場合も)ボーナス状態中の減少差枚数や遊技回数を計数することとしてもよい。このとき、主制御回路91は、AT中にボーナス状態が開始された場合には、当該ボーナス状態中の計数結果に応じて、当該ATの継続期間を延長する。一方で、主制御回路91は、非AT中にボーナス状態が開始された場合には、当該ボーナス状態中の計数結果に応じて、次に開始されるATの継続期間を延長することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、出玉状態「非AT(通常状態)」と、非ATよりも有利な出玉状態「AT(有利状態)」と、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態「ボーナス状態(特定状態)」とを有する。また、主制御基板71は、ATのストックが付与されるとATを開始可能であり、ATの継続期間が終了するとATを終了可能であるとともに、BB役が入賞するとボーナス状態を開始可能であり、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が規定値に達するとボーナス状態を終了可能であるため、主制御基板71は、第1状態制御手段及び第2状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ボーナス状態において、ボーナス状態中の減少差枚数や遊技回数を計数し、この計数結果に応じてATの継続期間を延長可能であるため、主制御基板71は、計数手段及び延長制御手段として機能する。
[不利ボーナス中のAT抽籤]
続いて、図393を参照して、不利ボーナス中のAT抽籤制御について説明する。図393(A)は、本制御における遊技フロー図を示すが、本制御における遊技フローは、上述した不利ボーナス中の損失補てん制御の遊技フロー(図392(A))と同様であるため、詳細な説明は省略する。同図に示すように、本制御に係るパチスロ機1は、BBフラグ間において報知状態(AT)と非報知状態(非AT)とを制御するAT機である。
本制御においてもボーナス状態は、遊技者にとって不利な遊技状態である。すなわち、ボーナス状態では、非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)に比べて、個々の小役が内部当籤役として決定される確率は高くなるが、何れかの小役が内部当籤役として決定される確率は低くなる。そして、本制御のパチスロ機1においても、主制御回路91は、BBフラグ間では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、ボーナス状態では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。
なお、主制御回路91は、BB役に応じた図柄の組合せが表示されると、不利なボーナス状態を開始するとともに、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が規定値に達するとボーナス状態を終了して、非ボーナス状態の非フラグ間に遊技状態を移行する。
このように不利なボーナス状態を有するパチスロ機では、BB役の入賞を回避し、BBフラグ間において遊技が行われることを想定して遊技性が設計されているが、回避することを想定したBB役が意図せずに入賞してしまった場合、従来では、メダルが減少してしまうだけでなく、ATに関する抽籤も一切行わず、遊技者にとって単に不利な遊技状態となるだけであり、遊技の興趣を損ねてしまっていた。
そこで、本制御のパチスロ機1では、本来は回避することを想定した遊技者にとって不利なボーナス状態においても、ATに関する抽籤を行う。具体的には、本制御のパチスロ機1では、AT抽籤の契機となるレア役(「F_レア役」)を有し、このレア役を非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)だけでなく、ボーナス状態においても内部当籤役として決定する。そして、主制御回路91は、レア役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態であるか非ボーナス状態であるかに関係なく、AT抽籤を行い、このAT抽籤に当籤すると、ATに関する特典(ATのストック)を付与し、出玉状態をATに移行する。
図393(B)は、本制御のパチスロ機1において内部当籤役を決定するために用いる内部抽籤テーブルの一例であり、同図(a)は、BBフラグ間用の内部抽籤テーブルであり、同図(b)は、ボーナス状態用(BB中RB用)の内部抽籤テーブルである。同図に示すように、本制御のパチスロ機1では、BBフラグ間及びボーナス状態の双方において、レア役(「F_レア役」)を内部当籤役として決定可能に設計されている。なお、同図(a)(b)を比較すると、本制御のパチスロ機1では、ボーナス状態中の方がBBフラグ間中よりも高い確率でレア役を内部当籤役として決定する。
また、レア役は、「C_レア役」という図柄の組合せに対応しており、停止操作が行われると「C_レア役」という図柄の組合せが表示されて、1枚のメダルが払い出される。なお、払い出されるメダルの枚数は任意であるが、遊技に用いるメダルよりも少ない枚数のメダルであることが好ましい。すなわち、レア役は、メダルの払い出しに係る小役であり、特に、BET数(3枚)よりも少ない枚数のメダルが払い出される小役である。
続いて、図393(C)は、本制御のパチスロ機1においてAT抽籤に用いるAT抽籤テーブルの一例であり、同図(a)は、BBフラグ間用のAT抽籤テーブルであり、同図(b)は、ボーナス状態用(BB中RB用)のAT抽籤テーブルである。同図に示すように、本制御のパチスロ機1では、レア役が内部当籤役として決定されると、ボーナス状態であるか非ボーナス状態であるかに関係なく、AT抽籤を行う。なお、同図(a)(b)を比較すると、本制御のパチスロ機1では、レア役当籤時のAT抽籤に当籤する確率は、ボーナス状態中の方がBBフラグ間中よりも低い。
続いて、図393(D)は、本制御のパチスロ機1におけるレア役の当籤確率とレア役当籤時のAT抽籤当籤確率との関係を示す図である。同図に示すように、本制御のパチスロ機1では、レア役の当籤確率とレア役当籤時のAT抽籤当籤確率とが、BBフラグ間とボーナス状態とにおいてクロスする。すなわち、レア役の当籤確率は、ボーナス状態の方が高い一方で、レア役当籤時のAT抽籤当籤確率は、BBフラグ間の方が高い。その結果、本制御のパチスロ機1によれば、BBフラグ間であっても不利なボーナス状態であってもATのストック付与に関する期待を持つことができ、不利なボーナス状態である場合に遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
特に、レア役の当籤確率とレア役当籤時のAT抽籤当籤確率とが、BBフラグ間とボーナス状態とにおいてクロスするため、不利なボーナス状態では、AT抽籤のチャンスが多く訪れることになり、遊技の興趣が向上する。一方で、不利なボーナス状態では、AT抽籤に当籤する確率は低くなるため、利益バランスを損ねることがない。その結果、チャンスは多いものの個々のチャンスの期待度は低いボーナス状態、チャンスは少ないものの個々のチャンスの期待度が高いBBフラグ間という異なる遊技性の遊技状態を持つことができ、遊技性が多様化する。
なお、本制御のパチスロ機1では、ボーナス状態におけるAT抽籤の当籤確率を、BBフラグ間よりも低くしているが、これに限るものではなく、ボーナス状態におけるAT抽籤の当籤確率を、BBフラグ間と同じ確率としてもよく、また、BBフラグ間よりも高い確率としてもよい。また、ボーナス状態におけるAT抽籤の契機となるレア役の当籤確率を、BBフラグ間よりも高くしているが、これに限るものではなく、ボーナス状態におけるレア役の当籤確率を、BBフラグ間と同じ確率としてもよく、また、BBフラグ間よりも低い確率としてもよい。
また、本制御のパチスロ機1では、レア役をメダルの払い出しに係る小役としている。ここで、不利なボーナス状態は、払い出されたメダルの枚数が規定値に達すると終了するため、AT抽籤の契機となるレア役をメダルの払い出しに係る小役とすることで、AT抽籤のチャンスが訪れた場合に不利なボーナス状態の終了に近づくことになり、遊技者にとって有利になり過ぎてしまうことを防止できる。また、ボーナス状態は、メダルの収支の期待値がマイナスの状態であるが、レア役に当籤した場合には、ボーナス状態の終了に近づくことになるため、不利なボーナス状態が長期間継続してしまうことを防止できる。
このようにレア役をメダルの払い出しに係る小役とすることで、レア役の当籤をボーナス状態の終了と関連付けることができ、好適であるが、本制御はもちろん、レア役を再遊技の作動に係るリプレイ役とした場合においても適用することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、パチスロ機1では、BBフラグ間の非ATと、非ATよりも遊技者にとって有利なBBフラグ間のATと、ボーナスが作動しているボーナス状態とを有するとともに、ボーナス状態は、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態である。また、パチスロ機1では、AT抽籤の契機となるレア役を有する。
また、主制御基板71は、BB役が入賞するとボーナス状態を開始可能であり、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が規定値に達するとボーナス状態を終了可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、レア役が内部当籤役として決定されると、AT抽籤を行い、ATのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。特に、主制御基板71は、BBフラグ間よりもボーナス状態の方が高い確率で、レア役を内部当籤役として決定する一方で、BBフラグ間よりもボーナス状態の方が低い確率で当籤するように、レア役を契機とするAT抽籤を行う。
[ナビあり時の抽籤制御]
続いて、図394及び図395を参照して、ナビあり時の抽籤制御について説明する。図394(A)は、本制御を適用可能な遊技フロー例である。本制御は、何らかの特典付与制御が可能な遊技性において適用可能であり、例えば、チャンスゾーンにおいて適用可能であるとともに、チャンスゾーンに移行するための状態(チャンスゾーンのチャンスゾーン)において適用可能である。同図(a)(b)は、チャンスゾーンのチャンスゾーンにおいて適用する場合の遊技フローを示し、同図(c)(d)は、チャンスゾーンにおいて適用する場合の遊技フローを示す。なお、チャンスゾーンのチャンスゾーンは、抽籤機会を多くしてもよい。また、チャンスゾーンのチャンスゾーンであるため、チャンスゾーンに当籤する確率が高くなくてもよい。チャンスゾーンのチャンスゾーンに移行する頻度を多くすることで、遊技者に期待を与える頻度を高くすることができ、飽きを感じさせにくくすることができる。
同図(a)に示す遊技フロー1では、出玉状態として通常、特別状態、CZ(チャンスゾーン)及びATを有する。通常は、非報知状態であり、遊技者にとって不利な状態である。ATは、報知状態であり、遊技者にとって有利な状態である。CZは、ATへの移行期待度が高いチャンスゾーンである。そして、特別状態は、ATへの移行期待度が高いCZへの移行期待度が高いチャンスゾーンのチャンスゾーンである。本制御は、チャンスゾーンのチャンスゾーンである特別状態に適用することができる。なお、特別状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が所定の確率で報知される報知状態である。
同図(b)に示す遊技フロー2では、出玉状態として通常AT、特別AT、AT中CZ(チャンスゾーン)及び特化ゾーンを有する。これら通常AT、特別AT、AT中CZ及び特化ゾーンは、報知状態であり、遊技者にとって有利な状態である。なお、遊技フロー2では、報知状態以外の非報知状態である通常などの状態を有するが同図では省略している。通常ATは、基本的なAT期間であり、特化ゾーンは、AT期間の延長期待度が高い上乗せ特化ゾーンである。CZ中ATは、特化ゾーンへの移行期待度が高いAT中のチャンスゾーンである。そして、特別ATは、特化ゾーンへの移行期待度が高いAT中CZへの移行期待度が高いチャンスゾーンのチャンスゾーンである。本制御は、チャンスゾーンのチャンスゾーンである特別ATに適用することができる。なお、特別ATは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が所定の確率で報知される報知状態である。
同図(c)に示す遊技フロー3では、出玉状態として通常、CZ(チャンスゾーン)及びATを有する。通常は、非報知状態であり、遊技者にとって不利な状態である。ATは、報知状態であり、遊技者にとって有利な状態である。CZは、ATへの移行期待度が高いチャンスゾーンである。本制御は、チャンスゾーンであるCZに適用することができる。なお、CZは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が所定の確率で報知される報知状態である。
同図(d)に示す遊技フロー4では、出玉状態として通常AT、AT中CZ(チャンスゾーン)及び特化ゾーンを有する。これら通常AT、AT中CZ及び特化ゾーンは、報知状態であり、遊技者にとって有利な状態である。なお、遊技フロー4では、報知状態以外の非報知状態である通常などの状態を有するが同図では省略している。通常ATは、基本的なAT期間であり、特化ゾーンは、AT期間の延長期待度が高い上乗せ特化ゾーンである。CZ中ATは、特化ゾーンへの移行期待度が高いAT中のチャンスゾーンである。本制御は、チャンスゾーンであるAT中CZに適用することができる。なお、AT中CZは、遊技者にとって有利な停止操作の情報が所定の確率で報知される報知状態である。
図394(A)に例示したように、本制御は様々な遊技フローのパチスロ機に対して適用することができる。なお、以下では、本制御を適用する状態を、特別状態と呼ぶことがある。この特別状態は、遊技者にとって有利な情報を報知可能な報知状態であり、主制御回路91は、開始条件を満たすと特別状態を開始し、また、終了条件を満たすと特別状態を終了する。なお、特別状態の終了条件は任意であるが、例えば、保障ゲーム数の間は終了抽籤を行わず、保障ゲーム数が経過した後に終了抽籤を行うとともに、この終了抽籤において終了が決定されることを終了条件としてもよい。
続いて、図394(B)は、本制御のパチスロ機1における内部当籤役の種別を示す図である。本制御のパチスロ機1では、10枚ベル(「F_左1st_10枚ベル1」〜「F_右1st_10枚ベル」)と15枚ベル(「F_左1st_15枚ベル1」〜「F_右1st_15枚ベル」)とを有する。10枚ベル及び15枚ベルは、いわゆる押し順ベルであり、停止操作の態様(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。具体的には、10枚ベルが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると、10枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順で停止操作が行われると、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。また、15枚ベルが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順で停止操作が行われると、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。主制御回路91は、特別状態において10枚ベル又は15枚ベルが内部当籤役として決定されると、所定の確率で正解の押し順を報知する。
なお、正解の押し順は、押し順ベルの種別に応じて異なる。また、押し順正解時に払い出されるメダルの枚数は、10枚又は15枚に限るものではなく、また、2種類の押し順ベルにおいて共通の枚数であってもよい。同様に、押し順不正解時に払い出されるメダルの枚数は、1枚に限るものではなく、また、2種類の押し順ベルにおいて異なる枚数であってもよい(なお、押し順不正解時に払い出されるメダルの枚数は、0枚であってもよい)。また、押し順の択数を3択としているが、3択に限るものではない。また、押し順ベルの種類を2種類としているが、これに限るものではなく、1種類であってもよく、また、3種類以上であってもよい。
続いて、図394(B)は、本制御のパチスロ機1における特典付与制御の概要を示す図である。なお、本制御において付与する特典は任意であり、例えば、チャンスゾーンへの移行であってもよく、また、ATへの移行であってもよく、また、特化ゾーンへの移行であってもよい。本制御では、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順が報知される(ナビあり)と特典付与の抽籤を行い、当籤すると特典を付与する。一方で、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順が報知されない(ナビなし)と、特典付与の抽籤を行わず、特典を付与しない。また、主制御回路91は、15枚ベルが内部当籤役として決定された場合は、正解の押し順が報知されたか否かに関係なく、特典付与の抽籤を行わず、特典を付与しない。すなわち、本制御では、10枚ベルが内部当籤役として決定された遊技において、正解の押し順が報知されると、特典を付与する可能性がある。なお、正解の押し順が報知された場合ではなく、正解の押し順が報知され、かつ、10枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示された場合(言い換えると、報知された正解の押し順に従い停止操作が行われた場合)に特典付与の抽籤を行い、正解の押し順が報知されても、10枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されない場合(言い換えると、報知された正解の押し順に従わずに停止操作が行われた場合)には、特典付与の抽籤を行わないこととしてもよい。
続いて、図394(D)は、10枚ベル当籤時のナビあり時に行う特典付与の抽籤において用いる特典付与抽籤テーブルを示す図である。特典付与抽籤テーブルは、モード毎に特典付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。本制御のパチスロ機1では、主制御回路91は、10枚ベル当籤時のナビあり時には、現在のモードに応じて特典付与の抽籤を行い、抽籤結果として当籤が決定されると特典を付与し、抽籤結果として非当籤が決定されると特典を付与しない。同図に示すように、特典付与の抽籤は、モードに応じて当籤確率が異なり、モード1は特典付与の抽籤に当籤する確率が最も低く、モード2は特典付与の抽籤に当籤する確率が次に低く、モード3は特典付与の抽籤に当籤する確率が次に低く、モード4は特典付与の抽籤に当籤する確率が最も高い。
続いて、図395(E)は、特典付与の当籤期待度を規定するモードの移行抽籤において用いるモード移行抽籤テーブルを示す図である。モード移行抽籤テーブルは、ポイント毎にモード移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。本制御のパチスロ機1では、特別状態においてポイントを計数しておき、計数したポイントに応じてモードの移行を制御する。主制御回路91は、抽籤結果としてモード1が決定された場合には、モード1に移行し、抽籤結果としてモード2が決定された場合には、モード2に移行し、抽籤結果としてモード3が決定された場合には、モード3に移行し、抽籤結果としてモード4が決定された場合には、モード4に移行する。なお、モードの移行は、特典付与の抽籤に当籤する確率が高いモードにのみ移行するように制御してもよく(例えば、現在よりも低いモードへの抽籤結果は破棄)、特典付与の抽籤に当籤する確率が低いモードへの移行も可能に制御してもよい。同図に示すように、本制御では、計数したポイントが多いほど、特典付与の抽籤に当籤する確率が高いモードを決定し易くなっている。
続いて、図395(F)は、特典付与の抽籤とモード移行抽籤との関係を示す図である。本制御では、主制御回路91は、所定のタイミングでモード移行抽籤を行うが、このような所定のタイミングとして、特典付与の抽籤に非当籤の場合を採用することとしてもよく、また、特典付与の抽籤に関係なくモード移行抽籤を行うこととしてもよい。同図(a)に示す処理フロー1は、特典付与の抽籤に非当籤の場合にモード移行抽籤を行う際の処理フローであり、同図(b)に示す処理フロー2は、特典付与の抽籤に関係なくモード移行抽籤を行う際の処理フローである。
同図(a)に示すように、処理フロー1では、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役である場合、正解の押し順の報知が行われたか否かを判定し、正解の押し順が行われた場合には、モードを参照して特典付与の抽籤を行う。そして、主制御回路91は、この抽籤において当籤した場合には、特典を付与して処理を終える一方で、この抽籤に非当籤の場合には、続いて、モード移行抽籤を行い、抽籤結果に応じてモードを移行して処理を終える。また、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役でない場合や、10枚ベルの当籤時に正解の押し順の報知が行われない場合には、特典付与の抽籤及びモード移行抽籤の何れも行わずに、処理を終える。
一方で、同図(b)に示すように、処理フロー2では、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役であり、正解の押し順の報知が行われた場合の処理は同じであり、特典付与の抽籤を行うとともに、非当籤の場合には、更にモード移行抽籤を行う。一方で、処理フロー2では、10枚ベルが内部当籤役でない場合や、10枚ベルの当籤時に正解の押し順の報知が行われない場合の処理が異なり、主制御回路91は、このような場合であっても、モード移行抽籤を行う。
続いて、図395(G)は、モード移行抽籤において用いるポイントの係数制御の概要を示す図である。主制御回路91は、特別状態において毎遊技、ポイントを1減算する。また、主制御回路91は、特別状態において10枚ベルが内部当籤役として決定され、かつ、正解の押し順が報知されると、ポイントを10加算し、また、特別状態において15枚ベルが内部当籤役として決定され、かつ、正解の押し順が報知されると、ポイントを10加算する(当該遊技においても1減算される結果、当該遊技ではポイントが9加算される)。なお、正解の押し順が報知された場合ではなく、正解の押し順が報知され、かつ、10枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示された場合、又は15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示された場合に、ポイントを10加算し、正解の押し順が報知されても、10枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されない場合又は15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されない場合には、ポイントの加算を行わないこととしてもよい。
ここで、上述の処理フロー1のように、特典付与の抽籤を行った際にのみモード移行抽籤を行う場合、特典付与の抽籤は、10枚ベルの当籤時に正解の押し順が報知されることで行われるため、当該遊技では、ポイントが増加している。本制御では、ポイントが増えるほど、特典付与の期待度が高いモードに移行し易くなるため、処理フロー1の場合には、今回は特典を付与しないと決定した場合であっても、次回は特典付与の期待度が高いモードが用いられ易いため、次回以降の特典付与の期待度を高めることができる。
続いて、図395(H)は、押し順ベル当籤時の制御概要を示す図である。本制御では、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役として決定され、正解の押し順が報知された場合、ポイントの加算を行うとともに、特典付与の抽籤も行う。また、主制御回路91は、15枚ベルが内部当籤役として決定され、正解の押し順が報知された場合、ポイントの加算は行うものの、特典付与の抽籤は行わない。このように本制御では、正解の押し順が報知された場合であっても、内部当籤役として決定されている押し順ベルの種類に応じて、制御内容が異なる。
なお、本制御では、特別状態において10枚ベル又は15枚ベルが内部当籤役として決定された場合、所定の確率で正解の押し順を報知するが、正解の押し順を報知する確率は任意である。例えば、主制御回路91は、特別状態において押し順ベルが内部当籤役として決定されると、一定の確率で正解の押し順を報知することとしてもよく、また、報知する確率を状況に応じて変動することとしてもよい。なお、報知する確率は、100%を含むものであってもよい。また、主制御回路91は、特別状態において押し順ベルが内部当籤役として決定されると、計数したポイントに応じた確率で、正解の押し順を報知することとしてもよい。なお、ポイントに応じた確率とは、例えば、奇数ポイントである場合には正解の押し順を報知し、偶数ポイントである場合には正解の押し順を報知しないことであってもよい。また、例えば、ポイントが第1範囲にある場合には、100%の確率で正解の押し順を報知し、第2範囲にある場合には、50%の確率で報知し、第3範囲にある場合には、25%の確率で報知し、第4範囲にある場合には、0%の確率で報知するといったように、計数したポイントが属する範囲(ゾーン)に応じて報知する確率が異なることとしてもよい。
また、本制御では、ポイントに応じてモードの移行を制御し、モードに応じて特典の付与を制御することとしているが、これに限るものではなく、ポイントに応じて特典の付与を制御することとしてもよい。具体的には、主制御回路91は、特別状態において10枚ベル又は15枚ベルが内部当籤役として決定され、正解の押し順が報知されると、ポイントを加算するとともに、計数したポイントに応じて特典付与の抽籤を行うこととしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、10枚ベルが内部当籤役として決定され、正解の押し順が報知された遊技において特典付与の抽籤を行い、それ以外の遊技では、特典付与の抽籤を行わないこととしてもよい。また、正解の押し順が報知された場合ではなく、正解の押し順が報知され、かつ、10枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示された場合に、特典付与の抽籤を行うこととしてもよい。そして、主制御回路91は、特典付与の抽籤に当籤すると、特典を付与する。
続いて、図395(J)は、ポイントに応じて特典付与の抽籤を行う場合の特典付与抽籤テーブルの別例を示す図である。同図に示すように、別例の特典付与抽籤テーブルは、ポイント毎に特典付与の抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。同図に示す例では、計数したポイントが多いほど、特典付与の抽籤に当籤する確率が高くなる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、主制御基板71は、開始条件を満たすと特別状態を開始可能、かつ、終了条件を満たすと特別状態を終了可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。また、主制御基板71は、特別状態において10枚ベルや15枚ベルが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知可能であるため、主制御基板71は、報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、特別状態において単位遊技毎に1減算するとともに、押し順ベルが内部当籤役として決定された遊技において、正解の押し順が報知されると、10加算することでポイントを計数するため、主制御基板71は、計数手段として機能する。また、主制御基板71は、計数したポイントに応じて、特典付与の期待度が異なる複数のモードの中から一のモードを決定するとともに、決定したモードを設定可能であるため、主制御基板71は、遊技情報設定手段として機能する。
また、主制御基板71は、10枚ベルが内部当籤役として決定された遊技において、正解の押し順が報知されると、モードやポイントに応じて特典付与の抽籤を行い、この抽籤に当籤すると、特典を付与するため、主制御基板71は、付与決定手段及び特典付与手段として機能する。
[非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率]
続いて、図396及び図397を参照して、非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率に関する制御について説明する。図396は、非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率に関する制御の第1例を示す図であり、図396は、同制御の第2例を示す図である。図396(A)及び図397(A)は、本制御における遊技フロー図を示すが、本制御における遊技フローは、上述した不利ボーナス中の損失補てん制御の遊技フロー(図392(A))と同様であるため、詳細な説明は省略する。同図に示すように、本制御に係るパチスロ機1は、BBフラグ間において報知状態(AT)と非報知状態(非AT)とを制御するAT機である。
本制御においてもボーナス状態は、遊技者にとって不利な遊技状態である。すなわち、ボーナス状態では、非ボーナス状態(非フラグ間及びBBフラグ間)に比べて、個々の小役が内部当籤役として決定される確率は高くなるが、何れかの小役が内部当籤役として決定される確率は低くなる。そして、本制御のパチスロ機1においても、主制御回路91は、BBフラグ間では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、ボーナス状態では、メダルの払出枚数が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定する。
また、主制御回路91は、BB役(「F_BB」)が内部当籤役として決定された単位遊技において、BB役に対応する図柄の組合せが表示されない場合、BB役に対応する図柄の組合せが表示されるまで、BB役を内部当籤役として持ち越すとともに、BB役に対応する図柄の組合せが表示されると、不利なボーナス状態を開始する。また、主制御回路91は、ボーナス状態において払い出されたメダルの枚数が規定値に達すると、ボーナス状態を終了して、非ボーナス状態の非フラグ間に遊技状態を移行する。そして、主制御回路91は、ATの開始条件を満たすと、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態を、非ボーナス状態のBBフラグ間において開始する。
ところで、BBフラグ間において遊技を行うことを想定したパチスロ機では、停止操作のタイミングによっては、意図せずにBB役が入賞しボーナスが作動してしまうことがある。このような場合には、ボーナス状態の後の遊技状態がボーナス役を持ち越していない非フラグ間になってしまうが、想定しない遊技区間である非フラグ間は直ぐに終了させ、なるべく早く非フラグ間からBBフラグ間に移行可能(BB役に当籤可能)に設計する必要がある。
BBフラグ間に移行させるためには、BB役が内部当籤役として決定される必要があるため、非フラグ間を直ぐに終了させるためには、非フラグ間におけるBB役の当籤確率を高くすればよい。しかしながら、非フラグ間におけるBB役の当籤確率を高くしてしまうと、BBフラグ間においてBB役の入賞を回避しなければいけない状況も増えてしまい、遊技者にとって煩わしい。そこで、本制御では、非フラグ間からBBフラグ間に早期に移行可能にしつつ、BBフラグ間においてBB役の入賞を回避しなければいけない状況が増えてしまうことを抑制する。
続いて、図396(B)は、第1例の本制御のパチスロ機1において内部当籤役を決定するために用いる内部抽籤テーブルの一例であり、同図(a)は、非フラグ間用の内部抽籤テーブルであり、同図(b)は、BBフラグ間用の内部抽籤テーブルである。なお、BBフラグ間では、持ち越しているBB役を必ず内部当籤役として決定するが、同図では、持ち越しているBB役を除いたものを示している。
同図(a)に示すように、第1例の本制御のパチスロ機1では、非フラグ間においてBB役を内部当籤役として決定可能に設計されている。具体的には、非フラグ間では、BB役を単独で内部当籤役として決定可能(同図「F_BB」)であるとともに、BB役と他の役とを重複して内部当籤役として決定可能(同図「F_BB+F_3枚役」)である。なお、本制御においてBB役と重複して当籤可能な役(「F_3枚役」)は、メダルの払い出しに係る小役である。本制御では、BB役と重複して当籤する小役として、当該遊技において用いたメダルと同数のメダルが付与される3枚役を用いる。すなわち、「F_3枚役」に対応する図柄の組合せが表示された場合には、当該遊技において用いたメダルと同数のメダル(3枚)が払い出される。なお、BB役と重複して当籤する小役の種類は任意であり、対応する図柄の組合せが表示された場合に、当該遊技において用いたメダルの枚数とは異なる枚数(3枚よりも多い枚数であってもよく、また、3枚よりも少ない枚数であってもよい)のメダルが払い出される小役であってもよい。
同図(a)を参照すると、第1例の本制御では、非フラグ間ではBB役を約1/10(=(1310+5243)/65536)という高確率で内部当籤役として決定する。このとき、第1例の本制御では、BB役を単独で内部当籤役として決定する確率(=1310/65536)よりも、BB役と小役とを重複して内部当籤役として決定する確率(5243/65536)の方が高い。
続いて、同図(b)に示すように、BBフラグ間では、BB役を内部当籤役として持ち越しているため、持ち越しているBB役を除くと、BB役に対して規定していた抽籤値が「はずれ」に振り分けられたと見ることができる。そのため、第1例の本制御のパチスロ機1では、BBフラグ間では、非フラグ間におけるBB役単独分の当籤確率が「はずれ」で埋まり、非フラグ間におけるBB役と小役との重複当籤確率がBB役を除く小役の単独分で埋まる。
具体的には、非フラグ間ではBB役を約1/10という高確率で内部当籤役として決定していたが、BBフラグ間では、「はずれ」となる確率は約1/50(=1310/65536)の確率に抑えられる。なお、本制御では、ボーナス役、リプレイ役、小役の引込優先順位を、リプレイ役が最も高く、小役が次に高く、ボーナス役が最も低くなるように設計している。
続いて、図396(C)には、第1例の本制御によるBB役の当籤確率の概要を比較例とともに示す。同図(a)は、第1例の本制御との比較用の比較例を示す図であり、同図(b)は、第1例の本制御の概要を示す図である。
同図(a)に示すように、比較例では、非フラグ間においてBB役を単独でのみ内部当籤役として決定することとしている。このとき、非フラグ間においてBB役を高確率で内部当籤役として決定してしまうと、BBフラグ間では、その分の当籤確率が「はずれ」で埋まってしまう。BBフラグ間において内部当籤役が「はずれ」となってしまうと、持ち越しているBB役のみが内部当籤役として決定されている状態になってしまうため、BBフラグ間においてBB役の入賞を回避しなければいけない。そのため、比較例のように、BB役の単独当籤の当籤確率を高くすることで、BB役の当籤確率を高くしてしまうと、BBフラグ間においてBB役の入賞を回避しなければいけない状況が頻発してしまう。
これに対して、本制御では、非フラグ間においてBB役を単独、及び、BB役と小役とを重複して内部当籤役として決定する。このようにすることで、非フラグ間において高確率で当籤するBB役の全てではなく一部のみが、「はずれ」で埋まり、その他の部分は、重複している小役が当籤する。その結果、非フラグ間において約1/10という高確率でBB役を当籤可能にする一方で、BBフラグ間では、BB役の入賞を回避する頻度を約1/50(=1310/65536)に抑えることができる。
(ボーナス状態中の変形例)
続いて、本制御(第1例及び第2例)の変形例について説明する。本制御には、上述した不利ボーナス中にAT抽籤を行う遊技性を適用することができる。もちろん、この遊技性に限らずその他の遊技性についても適用することができる。
同図(D)は、本制御に不利ボーナス中にAT抽籤を行う遊技性を適用する場合の概要を示す図である。なお、同図におけるレア役は、特典付与の契機となる役であり、主制御回路91は、レア役が内部当籤役として決定されると、特典を付与可能である。付与する特典は任意であるが、同図では、例えば、レア役が内部当籤役として決定されるとAT抽籤を行い、当籤した場合に、ATに関する特典(ストック)を付与することとしている。
同図に示すように、レア役の当籤確率とレア役当籤時のAT抽籤当籤確率とが、BBフラグ間とボーナス状態とにおいてクロスする。すなわち、レア役は、BBフラグ間及びボーナス状態の双方において内部当籤役として決定される可能性があるものの、レア役の当籤確率は、ボーナス状態の方が高い。また、レア役が内部当籤役として決定された場合には、BBフラグ間及びボーナス状態の双方において特典を付与可能であるが、レア役当籤時の特典付与確率は、BBフラグ間の方が高い。
(BBフラグ間中のはずれ当籤時の出目制御の変形例)
また、BBフラグ間において内部当籤役として「はずれ」が決定された場合、通常では停止しない出目(図柄の組合せ)を表示可能に制御し、この出目が表示されたことを契機として(より詳細には、BBフラグ間において内部当籤役として「はずれ」が決定された場合に)、特典を付与可能に制御してもよい。同図(E)は、内部当籤役と実際に表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、同図(a)は、非フラグ間における内部当籤役と実際に表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、同図(b)は、BBフラグ間における内部当籤役と実際に表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。
同図(a)に示すように、非フラグ間において内部当籤役として「はずれ」が決定されると、「はずれA」に対応する図柄の組合せが表示される。この「はずれA」に対応する図柄の組合せは、図柄の関連性が何もないばらけ目であり、例えば、非フラグ間においてBB役の入賞を回避した場合や、押し順ベルの当籤時に不正解の押し順で停止操作を行った場合などにも表示される可能性のある図柄の組合せである。
続いて、同図(b)に示すように、BBフラグ間において内部当籤役として「はずれ」が決定されると、「はずれB」に対応する図柄の組合せが表示される。この「はずれB」に対応する図柄の組合せは、例えば、スイカの取りこぼし目のようなチャンス目に対応する図柄の組合せであり、押し順ベルの当籤時に不正解の押し順で停止操作を行った場合などには表示されず、BBフラグ間において内部当籤役として「はずれ」が決定され、かつ、BB役の入賞を回避した場合に限り、表示される図柄の組合せである。
そして、主制御回路91は、「はずれB」に対応する図柄の組合せが表示されたことを契機として(より詳細には、BBフラグ間において内部当籤役として「はずれ」が決定された場合に)、ATなどに関する特典を付与可能に制御し、「はずれA」に対応する図柄の組合せが表示されたことを契機としては、ATなどに関する特典を付与可能に制御しない。これにより、BBフラグ間においてBB役の入賞を回避した場合に、チャンス目が表示されることになり、所定のチャンスが訪れる。
この場合においても、本制御では、非フラグ間において高確率でBB役を当籤可能にする一方で、BBフラグ間では、BB役の入賞を回避する頻度を抑えることができるため、チャンスが訪れる頻度も調整することができる。
(ATを実行する遊技状態の変形例)
本制御では、BBフラグ間においてATと非ATとを制御することとしているが、これに限るものではなく、上述のボーナス作動中ATのように、ボーナス状態(BB中一般及びBB中RBフラグ間)においてATを実行することとしてもよい。
続いて、図397(B)は、第2例の本制御のパチスロ機1において内部当籤役を決定するために用いる内部抽籤テーブルの一例であり、同図(a)は、非フラグ間用の内部抽籤テーブルであり、同図(b)は、BBフラグ間用の内部抽籤テーブルである。なお、BBフラグ間では、持ち越しているBB役を必ず内部当籤役として決定するが、同図では、持ち越しているBB役を除いたものを示している。
同図(a)に示すように、第2例の本制御のパチスロ機1においても、非フラグ間では、BB役を単独で内部当籤役として決定可能(同図「F_BB」)であるとともに、BB役と他の役とを重複して内部当籤役として決定可能(同図「F_BB+F_3枚役」)である。
同図(a)を参照すると、第2例の本制御では、非フラグ間ではBB役を約1/10(=(1310+5243)/65536)という高確率で内部当籤役として決定する。このとき、第2例の本制御では、BB役を単独で内部当籤役として決定する確率(=1310/65536)よりも、BB役と小役とを重複して内部当籤役として決定する確率(5243/65536)の方が高い。
ところで、BBフラグ間になると、リプレイ役の当籤確率を高めることで、非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率の部分をリプレイ役で埋め、ボーナス役の入賞を回避しなければいけない状況を減らす方法(所謂、フラグ間RT)が知られている。しかしながら、リプレイ役の当籤確率を高くするのみで、ボーナス役の入賞を回避しなければいけない状況を減らしてしまうと、リプレイ役の当籤確率が著しく高くしてしまい、遊技が単調になってしまう。
そこで、第2例の本制御では、非フラグ間におけるBB役の当籤を、BB役の単独当籤とBB役及び小役の重複当籤とに分けることで、BB役の当籤分を埋めるリプレイ役の程度を低くする。すなわち、BB役と小役との重複当籤の分は、リプレイ役で埋める必要がないため、BB役の当籤分を埋めるリプレイ役の程度を低くすることができる。
具体的には、同図(b)に示すように、第2例の本制御では、最大でも、非フラグ間におけるBB役の単独重複部分である「1310」のみリプレイ役で埋めればよい。なお、同図に示す例では、BBフラグ間において「はずれ」が内部当籤役として決定される可能性(BB役が入賞可能になる可能性)も含めるため、非フラグ間におけるBB役の単独重複部分のうちの一部(1000)のみをリプレイ役で埋めることとしている。その結果、第2例の本制御によれば、非フラグ間においてBB役を約1/10という高確率で内部当籤役として決定しつつも、リプレイ役の当籤確率を約1/65(=1000/65536)増やすだけで、BBフラグ間におけるBB役の入賞を回避する頻度を約1/211(=310/65536)に抑えることができる。
続いて、図397(C)には、第2例の本制御によるBB役の当籤確率の概要を比較例とともに示す。同図(a)は、第2例の本制御との比較用の比較例を示す図であり、同図(b)は、第2例の本制御の概要を示す図である。
同図(a)に示すように、比較例では、非フラグ間においてBB役を単独でのみ内部当籤役として決定することとしている。このとき、非フラグ間においてBB役を高確率で内部当籤役として決定してしまうと、BBフラグ間におけるBB役の代わりに埋めるリプレイ役の割合を多くしなければ、BB役の入賞を回避する頻度を適切に下げることはできない。その結果、BBフラグ間では、リプレイ役が高確率で内部当籤役として決定されることになり、再遊技の頻度が著しく高くなってしまい、遊技が単調になってしまう。
これに対して、本制御では、非フラグ間においてBB役を単独、及び、BB役と小役とを重複して内部当籤役として決定する。このようにすることで、非フラグ間において高確率で当籤するBB役の全てではなく一部のみをリプレイ役で埋めればよいため、リプレイ役の当籤確率を抑えつつ、BBフラグ間においてBB役の入賞を回避する頻度を抑えることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、主制御基板71は、BB役が内部当籤役として決定された単位遊技において、BB役に対応する図柄の組合せが表示されない場合、BB役に対応する図柄の組合せが表示されるまで、BB役を内部当籤役として持ち越すとともに、BB役に対応する図柄の組合せが表示されると、不利なボーナス状態を開始する。また、主制御基板71は、ボーナス状態において払い出されたメダルの枚数が規定値に達すると、ボーナス状態を終了して、非ボーナス状態の非フラグ間に遊技状態を移行する。そして、主制御回路91は、ATの開始条件を満たすと、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態を、非ボーナス状態のBBフラグ間において開始する。そのため、主制御基板71は、持越手段、ボーナス制御手段及び報知制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、非フラグ間からBBフラグ間になると、再遊技の作動契機となるリプレイ役が内部当籤役として決定される確率を高くするため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。また、主制御基板71は、レア役が内部当籤役として決定されると、ATに関する特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
また、主制御基板71は、複数の役の中から内部当籤役を決定可能である。特に、主制御基板71は、非フラグ間においてBB役を単独で内部当籤役として決定可能であるとともに、BB役と小役とを重複して内部当籤役として決定可能であり、また、BB役を単独で内部当籤役として決定する確率よりも高い確率で、BB役と小役とを重複して内部当籤役として決定する。そのため、主制御基板71は、当籤役決定手段として機能する。
[第10実施形態]
続いて、図398〜図405を参照して、第10実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下では、第10実施形態のパチスロ機1の特徴を説明するために必要な構成についてのみ説明し、その他の構成については説明を省略する。また、以下に示す第10実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第10実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
(状態遷移の例)
初めに、図398を参照して、第10実施形態のパチスロ機1における状態遷移例について説明する。なお、第10実施形態のパチスロ機1が有する遊技状態や出玉状態などの各種の状態は任意であり、以下では、上述した第7実施形態のパチスロ機1の遊技性(図304参照)を利用して、第10実施形態のパチスロ機1について説明する。
同図(A)は、第10実施形態のパチスロ機1において用いる各種のカウンタとその更新条件を示す図である。同図に示すように、パチスロ機1の主制御回路91は、通常遊技数カウンタと、CZ遊技数カウンタと、有利区間カウンタとを有する。これら各種のカウンタは、有利区間中の所定の出玉状態である場合に単位遊技の回数を計数する。なお、同図において「○」は対象のカウンタを毎ゲーム更新することを意味し、「×」は対象のカウンタに値が格納されている場合であっても一切の更新を行わないことを意味し、「−」は対象のカウンタについてそもそも何らの処理も行わないことを意味する。
ここで、有利区間には、単位遊技あたりの遊技価値の期待値がマイナスな減少区間と、単位遊技あたりの遊技価値の期待値がプラスな増加区間とが含まれる。一例として、第7実施形態のパチスロ機1の遊技性(図304参照)の場合、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」は、減少区間である。なお、出玉状態「引き戻しCZ」「上位引き戻しCZ」は、単独では単位遊技あたりの遊技価値の期待値がマイナスであるものの、出玉状態「ボーナス作動中AT」との間でループすることから、一連の増加区間として捉えることもでき、また、減少区間として捉えることとしてもよい。
通常遊技数カウンタは、単位遊技あたりの遊技価値の期待値がマイナスな出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」(なお、以下では、有利区間のうちの減少区間(本実施形態のパチスロ機1の場合には出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」)を通常有利と呼ぶことがある)において、推奨態様で遊技が行われた単位遊技の回数を計数する一方で、通常有利において非推奨態様で遊技が行われた単位遊技の回数は計数しない。
ここで、推奨態様/非推奨態様の遊技は、パチスロ機の遊技仕様に応じて定まるものであり、例えば、第7実施形態のパチスロ機1のようにボーナス状態の作動中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することで増加区間を実現する遊技性の場合、「ボーナス作動中AT」以外の出玉状態ではボーナス状態を作動してはならない。そのため、通常有利においてボーナス状態を作動させることなく行われた遊技は、推奨態様の遊技であり、通常有利において作動したボーナス状態中の遊技は、非推奨態様の遊技となる。また、例えば、2BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態中に3BETの遊技を行うパチスロ機の場合、2BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態中の3BETの遊技が推奨態様の遊技であり、それ以外の遊技(例えば、2BETの遊技や、2BET専用のボーナスを持ち越していない状態中の3BETの遊技、3BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態など)が非推奨態様の遊技である。また、通常有利中(言い換えると、非報知状態)に特定の押し順で遊技を行わなければならない遊技性の場合には、特定の押し順で行われた通常有利中の遊技が推奨態様の遊技であり、それ以外の遊技(例えば、特定の押し順以外の押し順で行われた通常有利中の遊技)が非推奨態様の遊技である。また、通常有利中(言い換えると、非報知状態)は特定のリールに対する停止操作のタイミングが特定のタイミング(例えば、「BAR」図柄付近を停止させるタイミング)で遊技を行わなければならない遊技性の場合には、特定のリールに対する停止操作のタイミングが特定のタイミングで行われた通常有利中の遊技が推奨態様の遊技であり、それ以外の遊技(例えば、特定のリールに対する停止操作のタイミングが特定のタイミング以外のタイミングで行われた通常有利中の遊技)が非推奨態様の遊技である。
そのため、同図(A)に示すように、主制御回路91は、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」の1種BBの非作動中においては、通常遊技数カウンタに格納されている値を毎ゲーム更新する一方で、出玉状態「通常(有利区間)」「通常発展」の1種BBの作動中においては、通常遊技数カウンタに格納されている値を更新しない。
また、CZ遊技数カウンタは、出玉状態「引き戻しCZ」「上位引き戻しCZ」において、推奨態様で遊技が行われた単位遊技の回数を計数する一方で、非推奨態様で遊技が行われた単位遊技の回数は計数しない。そのため、同図(A)に示すように、主制御回路91は、出玉状態「引き戻しCZ」「上位引き戻しCZ」の1種BBの非作動中においては、CZ遊技数カウンタに格納されている値を毎ゲーム更新する一方で、出玉状態「引き戻しCZ」「上位引き戻しCZ」の1種BBの作動中においては、CZ遊技数カウンタに格納されている値を更新しない。
一方、有利区間カウンタは、有利区間において行われた単位遊技の回数を計数する。すなわち、主制御回路91は、有利区間である場合は推奨態様で遊技が行われたか非推奨態様で遊技が行われたかに関係なく、有利区間カウンタに格納されている値を毎ゲーム更新する。
続いて、同図(B)(C)を参照して、通常遊技数カウンタ及び有利区間カウンタに基づく状態遷移例について説明する。同図(B)は、推奨態様のみで遊技を進めた場合の状態遷移例であり、同図(C)は、非推奨態様の遊技を含んで遊技を進めた場合の状態遷移例である。なお、同図では、通常遊技数カウンタは、単位遊技の回数を減算方式で計数し、有利区間カウンタは、単位遊技の回数を加算方式で計数することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、カウンタの更新が減算方式であるか加算方式であるかは、第10実施形態のパチスロ機1の遊技性に影響を与えるものではない。
同図(B)に示すように、非有利区間では、主制御回路91は、通常遊技数カウンタ及び有利区間カウンタに関する処理を行わない。その後、非有利区間において有利区間への移行抽籤に当籤すると、主制御回路91は、通常遊技数カウンタ及び有利区間カウンタの計数を開始する。ここで、通常遊技数カウンタは、通常有利から増加区間への天井制御に用いられるカウンタである。具体的には、通常有利の期間が600ゲームに達すると、天井到達としてATのストックが1つ付与される(なお、上述したように、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤に当籤した当該遊技において通常遊技数カウンタ「601」をセットするため、有利区間の1ゲーム目には通常遊技数カウンタの値は「600」となる)。また、有利区間カウンタは、有利区間のゲーム数リミッタやエンディング制御に用いられるカウンタであり、例えば、有利区間の期間が1500ゲームに達すると、リミット処理により有利区間が強制的に終了され、また、増加区間において有利区間の期間が1400ゲームに達すると、その後、出玉状態「エンディング」に移行する。
同図(B)では、推奨態様のみで遊技が進められるため、主制御回路91は、有利区間において毎ゲーム、通常遊技数カウンタ及び有利区間カウンタの値を更新する。そして、通常遊技数カウンタの値が「0」になると、主制御回路91は、天井に到達したとして、ATのストックを1つ付与する結果、その後(必要に応じて前兆を経由した上で)増加区間(出玉状態「ボーナス作動中AT」など)に移行する。主制御回路91は、増加区間では通常遊技数カウンタに関する処理を行わないため、同図に示すように通常遊技数カウンタの値はクリアされたままとなる。
一方で、有利区間カウンタは、有利区間中は必ず更新されるため、主制御回路91は、増加区間に移行した後も有利区間カウンタの値の更新を続ける。そして、有利区間カウンタの値が「1400」になると、主制御回路91は、エンディング移行条件を満たしたとして、エンディングATのストックを1つ付与する結果、その後、出玉状態「エンディング」に移行する。そして、出玉状態「エンディング」が終了すると、主制御回路91は、有利区間を終了して非有利区間に移行する。
このように推奨態様のみで遊技が進められた場合、有利区間カウンタによるリミット処理よりも前に、必ず、通常遊技数カウンタによる天井制御が行われるため、有利区間カウンタによる有利区間の終了よりも前に、必ず、増加区間に移行することになる。すなわち、パチスロ機1では、推奨態様のみで遊技が進められた場合、有利区間の終了時は、増加区間の終了時と一致する。
続いて、同図(C)を参照して、非推奨態様の遊技を含む場合について説明する。通常有利において非推奨態様の遊技(例えば、1種BBの作動)が行われた場合、主制御回路91は、有利区間カウンタの値については更新し続けるものの、通常遊技数カウンタの値は、所定期間(非推奨態様の遊技中)更新を止める。同図に示す例では、有利区間の3ゲーム目に1種BBの作動が開始しており、その後、60ゲーム後に1種BBが終了しているため、非推奨態様の遊技が行われた60ゲーム間は、通常遊技数カウンタの値の更新は止まっている。なお、有利区間カウンタの値は、推奨態様の遊技であるか否かに関係なく更新されるため、非推奨態様の遊技期間も有利区間カウンタの値は更新されている。
その後、非推奨態様の遊技が解消され推奨態様の遊技が行われると、主制御回路91は、止まっていた値から通常遊技数カウンタの更新を再開する。上述したように、基本的には、有利区間のリミット処理よりもATの天井制御の方が先に行われるものの、非推奨態様の遊技が繰り返し行われてしまうと、ATの天井制御よりも先に有利区間のリミットに到達してしまうことがある。同図(C)に示す例では、通常遊技数カウンタの値が「100」残っている天井到達よりも前の遊技において、有利区間カウンタの値が「1500」に到達している。
有利区間のリミットに到達すると有利区間は強制的に終了するため、非推奨態様の遊技を含んで遊技が進められた場合、通常遊技数カウンタによる天井制御よりも前に、有利区間カウンタによるリミット処理が行われてしまうことがある。すなわち、パチスロ機1では、非推奨態様の遊技を含んで遊技が進められた場合には、有利区間の終了時が増加区間の終了時と一致しないことがある。
以下に説明する第10実施形態は、このように有利区間の終了時が増加区間の終了時と一致しない場合の演出制御に関するものである。
(有利区間終了時の演出例)
続いて、図399及び図400を参照して、有利区間終了時の演出例について説明する。図399は、有利区間終了時の基本的な演出例を示す図であり、図400は、第10実施形態に特有の有利区間終了時の演出例を示す図である。
初めに、図399を参照して、有利区間終了時の基本的な演出例について説明する。同図(A)(B)は、推奨態様で遊技が行われた場合の演出例であり、同図(C)は、非推奨態様で遊技が行われた場合の演出例である。
推奨態様で遊技が行われた場合、有利区間の終了時は増加区間の終了時と増加区間の終了時とにおいて一致する。具体的には、同図(A)に示すように、出玉状態「引き戻しCZ」が終了することで、有利区間が終了し、また、同図(B)に示すように、出玉状態「エンディング」が終了することで、有利区間が終了する。このように推奨態様で遊技が行われた場合、同図(A)(2)や同図(B)(2)に示すように、副制御回路101は、有利区間の終了時(最終ゲームの第3停止操作時)に、表示ユニット100を介して有利区間の終了演出を行う。この有利区間の終了演出では、副制御回路101は、増加区間(出玉状態「ボーナス作動中AT」など)中に付与されたメダルの枚数や、出玉状態「ボーナス作動中AT」に移行した回数や、増加区間中の総ゲーム数などの増加区間中の遊技結果を表示する。また、有利区間の終了演出では、増加区間中の遊技結果と合わせて、又は、増加区間中の遊技結果の表示に続いて、「のめり込み防止」の警告表示を行う。
ここで、上述したように「のめり込み防止」の警告表示は、一定時間(例えば、3秒)表示することが好ましいため、主制御回路91は、有利区間の終了時に所定期間(例えば、3秒)遊技操作を無効にする遊技ロック制御を行い、副制御回路101は、この遊技ロック期間の開始に合わせて当該警告表示を行い、遊技ロック期間の終了に合わせて当該警告表示を終了することとしてもよい。
一方で、非推奨態様で遊技が行われた場合、有利区間の終了時が増加区間の終了時と一致しないことがある。具体的には、図398(C)のように非推奨態様の遊技が繰り返されてしまうと、通常有利(減少区間)においてリミッタに到達してしまい、有利区間が終了してしまうことがある。このように通常有利において有利区間が開始されてから実行された単位遊技の回数が上限(1500回)に到達することを契機として有利区間が終了する場合、図399(C)に示すように、副制御回路101は、有利区間の終了演出を行わないように表示ユニット100における演出を制御する。すなわち、増加区間に移行していないため、副制御回路101は、増加区間中の遊技結果も表示せず、また、「のめり込み防止」の警告表示も行わない。なお、有利区間終了時の遊技ロックについては任意である。すなわち、主制御回路91は、通常有利において有利区間が開始されてから実行された単位遊技の回数が上限(1500回)に到達することを契機として有利区間が終了した場合に、所定期間(例えば、3秒)遊技操作を無効にする遊技ロック制御を行うこととしてもよく、また、当該遊技ロック制御を行わないこととしてもよい。
ここで、有利区間から非有利区間への移行が発生した場合は、非有利区間の1ゲーム目は、非有利区間に対応する通常ステージへのステージチェンジ演出が固定で実行されるようにすることで、画一的かつ簡易的な処理で、内部状態と演出面との食い違いを防ぐことができる。すなわち、同図(A)(B)(C)に示すように、有利区間の終了時が増加区間の終了時と一致する場合であっても一致しない場合であっても、非有利区間の1ゲーム目を通常ステージとすることで、画一的かつ簡易的な処理で、内部状態と演出面との食い違いを防ぐことができる。しかしながら、このような処理では、以下に示す問題が生じるおそれがあるため、本実施形態のパチスロ機1では、特有の保険処理を行うことでこの問題を解決する。
続いて、図400を参照して、通常有利において有利区間が終了する場合の演出制御の保険処理について説明する。同図(A)は、通常有利において連続演出を実行中に有利区間が終了した場合の保険処理を示す図であり、同図(B)は、通常有利において有利区間が終了した場合のステージチェンジに関する保険処理を示す図である。
(連続演出に関する保険処理)
初めに、同図(A)(a)を参照して、本実施形態のパチスロ機1による連続演出に関する保険処理を説明するための比較制御について説明する。一般的にパチスロ機において実行される演出には、個別演出と連続演出とが含まれる。個別演出は、1の単位遊技で完結する演出であり、例えば、所定のシンボルを表示することで、内部当籤役として決定されている役や、ボーナス、AT又はCZなどの遊技者にとって有利な状態についての当籤の有無を報知する演出である。また、連続演出は、連続する複数の単位遊技において関連性のある演出が行われる演出であり、有利な状態についての当籤の有無を報知する演出である。一例として、敵/味方が対決する3ゲーム間のバトル演出の場合、最終的に味方が勝利した場合には、有利な状態に当籤していることを報知し、最終的に敵が勝利した場合には、有利な状態に非当籤であることを報知する。
同図(A)(a)に示す例では、(1)有利区間が開始してから1499ゲーム目の通常有利において3ゲームで終了する連続演出が開始され、(2)続く有利区間が開始してから1500ゲーム目の通常有利において連続演出の2ゲーム目が行われている。ここで、有利区間が開始してから1500ゲームが経過した場合、ゲーム数リミッタにより有利区間が強制的に終了される。そのため、有利区間が開始してから1500ゲーム目の遊技が終了すると、有利区間が終了し、非有利区間に移行する。このとき、非有利区間の1ゲーム目は、連続演出の最終ゲームであるものの、上述のような画一的な処理を行ってしまうと、連続演出ではなく、(3)通常ステージによる演出が行われてしまう。このように連続演出を途中で打ち切ってしまう演出制御では、遊技機の故障のように誤解されるおそれがあり、また、仮にそのような誤解がされなかったとしても、演出を最後まで見ることができないことについては遊技者が不満を覚えるおそれがある。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、同図(A)(b)に示すように保険処理を行うことで、このような問題を解決する。具体的には、同図(A)(b)に示す例でも、(1)有利区間が開始してから1499ゲーム目の通常有利において3ゲームで終了する連続演出が開始され、(2)続く有利区間が開始してから1500ゲーム目の通常有利において連続演出の2ゲーム目が行われている。このとき、ゲーム数リミッタにより有利区間が強制的に終了される点は、比較制御と同一であるが、保険処理では、有利区間中に連続演出が開始され、当該連続演出が終了するよりも前に非有利区間へと移行した場合、副制御回路101は、非有利区間においても当該連続演出を継続して実行するように表示ユニット100において行う演出を制御する。これにより、連続演出が途中で打ち切られてしまうことがなく、遊技者は、演出を最後まで見ることができる。
ところで、連続演出は、演出の結果により有利な状態の当否を報知する。ここで、有利区間は、有利な停止操作の情報を遊技者に対して報知することが許容される遊技区間である一方で、非有利区間は、有利な停止操作の情報を遊技者に対して報知することが許容されない遊技区間である。そのため、例えば、有利区間中にATに当籤したことを契機として連続演出が開始されていた場合、この連続演出は、最終的にATに当籤したことを報知することになるが、保険処理により、非有利区間に移行した後もこの連続演出をそのまま実行してしまうと、ATを実行できない非有利区間においてATに当籤したことを報知してしまい好ましくない。
そこで、副制御回路101は、保険処理により非有利区間においても連続演出を実行する場合、連続演出を有利な状態に非当籤であることを報知する連続演出に書き換えることが好ましい。一例として、副制御回路101は、味方が勝利するバトル演出である場合、敵が勝利するバトル演出に書き換える。すなわち、副制御回路101は、有利区間において開始された連続演出を非有利区間においても継続して実行する場合、当該連続演出において有利な状態に移行可能である旨を報知することを抑制する。
なお、この場合における有利な状態とは、遊技者にとって有利な状態のうち有利区間においてのみ実行可能な状態をいい、有利区間及び非有利区間の双方において実行可能な状態については、連続演出の内容を書き換えないこととしてもよい。ここで、有利な状態のうち有利区間においてのみ実行可能な状態とは、例えば、有利な停止操作の情報を遊技者に対して報知するATや、ATへの移行期待度が高いCZをいい、有利な状態のうち有利区間及び非有利区間の双方において実行可能な状態とは、例えば、1種BBや2種BBなどのリアルボーナスをいう。
また、同図に示す例では、連続演出を非有利区間の1ゲーム目のみ継続する例について説明したが、これに限るものではなく、連続演出が開始されたタイミングや連続演出の継続ゲーム数などによって、非有利区間の2ゲーム目以降についても継続することとしてもよい。
なお、本保険処理に代えて、副制御回路101は、有利区間の残りゲーム数を見て、連続演出を発生させないような保険処理を行うこととしてもよい。一例として、副制御回路101は、有利区間が開始されてから計数された単位遊技の回数が所定回数(例えば、1450ゲーム)以上である場合に、複数の単位遊技にわたり行われる連続演出を実行しないように演出制御を行うこととしてもよい。
(ステージチェンジに関する保険処理)
続いて、同図(B)(a)に本実施形態のパチスロ機1による保険処理を説明するための比較制御を示す。同図(B)(a)に示す例では、(1)有利区間が開始してから1500ゲーム目の通常有利において昼背景の通常ステージ1において遊技が行われている。ここで、本説明においては、通常ステージとして、昼背景の通常ステージ1と夕方背景の通常ステージ2と夜背景の通常ステージ3とを有し、通常ステージの種類に応じてATなどの当籤確率が異なるものとする。例えば、夜背景の通常ステージ3は、ATなどの当籤確率が高確率であることを示唆する通常ステージであり、夕方背景の通常ステージ2は、ATなどの当籤確率が通常確率であることを示唆する通常ステージであり、昼背景の通常ステージ1は、ATなどの当籤確率が低確率であることを示唆する通常ステージである。すなわち、昼背景の通常ステージ1は、最も基本的な通常ステージである。なお、本説明では、非有利区間中の演出ステージは、基本的に昼背景の通常ステージ1が対応するものとする。
有利区間が開始してから1500ゲームが経過したため有利区間のリミット処理が行われ、(2)非有利区間への移行に伴いステージチェンジ演出が行われる。ここで、ステージチェンジ演出は任意であるが、例えば、演出ステージを表示する表示ユニット100の前面に設けられたシャッターなどの役物をいったん閉じ、その後に開放して移行先の演出ステージを表示することでステージチェンジ演出を行うこととしてもよく、また、表示ユニット100の表示を一瞬暗転させた後に移行先の演出ステージを表示することでステージチェンジ演出を行うこととしてもよい。また、ステージチェンジ演出は、当該遊技の最中は移行先の演出ステージが表示されない、すなわち、ステージチェンジ演出のみで1回の遊技を消費するものであってもよく、また、当該遊技の開始操作直後にステージチェンジ演出が発生し、当該遊技中に移行先の演出ステージが表示されるものであってもよい。
上述のように非有利区間中の演出ステージは、昼背景の通常ステージ1が対応しているため、(3)ステージチェンジ演出後の演出ステージは、昼背景の通常ステージ1となる。ここで、(1)(3)に示すように、ステージチェンジ演出前の状態によっては、ステージチェンジ演出前の演出ステージも、ステージチェンジ演出後の演出ステージも、同じ演出ステージになってしまう可能性がある。このようにステージチェンジ演出前後において同じ演出ステージになってしまうと、ステージチェンジ演出が発生したにもかかわらず、演出ステージが変更されない状況が発生してしまい、遊技者に違和感を与えるおそれがある。より具体的には、いわゆる法則崩れのステージチェンジ演出が行われたとして、何らかの利益(AT当籤など)が確定しているとの誤認を生むおそれがある。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、同図(B)(b)に示すように保険処理を行うことで、このような問題を解決する。すなわち、(1)有利区間が開始してから1500ゲーム目の通常有利において昼背景の通常ステージ1において遊技が行われ、その後、有利区間のリミット処理に伴い非有利区間に移行すると、(2)非有利区間への移行に伴うステージチェンジ演出が行われる。このとき、ステージチェンジ演出前の演出ステージが非有利区間の演出ステージに対応してしまっている場合、副制御回路101は、(3)ステージチェンジ演出後の演出ステージを、非有利区間に対応する演出ステージ(昼背景の通常ステージ1)とは異なる演出ステージ(同図の例では、夕方背景の通常ステージ2)に制御する。
これにより、ステージチェンジ演出前後において同じ演出ステージになってしまうことを防止することができ、遊技者に違和感を与えることがない。なお、本保険処理に代えて、副制御回路101は、有利区間から非有利区間に移行する直前の演出ステージが、非有利区間に対応する演出ステージと同じ演出ステージである場合には、そもそもステージチェンジ演出を行わないという保険処理を行うこととしてもよい。
(前兆中の保険処理)
続いて、図401〜図403を参照して、通常有利の前兆中に有利区間が終了する場合の演出制御の保険処理について説明する。図401及び図402は、前兆中の保険処理を示す図であり、図403は、前兆中の演出制御に用いる演出シナリオと実行する演出との関係を示す図である。
初めに、図401(A)を参照して、通常有利中の前兆への遊技の流れについて説明する。なお、以下では、前兆は、通常有利中の状態であるものとして説明するが、通常有利と前兆とが別の状態であるものとしてもよい。また、以下では、ATの前兆を例にとり説明するが、前兆は、ATに限るものではなく、通常遊技とは異なる遊技に移行する遊技性において採用することができる。
通常有利では、主制御回路91は、ATのストック付与抽籤などを行う。このストック付与抽籤に当籤した場合や、ストック付与抽籤に当籤していない場合の一部において、主制御回路91は、通常有利中の遊技を前兆に移行する。ここで、前兆には、ストック付与抽籤に当籤した場合に移行する本前兆と、ストック付与抽籤に当籤していない場合の一部において移行するガセ前兆とが含まれる。前兆は、所定期間継続し、前兆期間が終わると、ATや通常有利の非前兆に移行する。具体的には、前兆が本前兆である場合には、前兆期間が終わるとATに移行し、また、前兆がガセ前兆である場合には、前兆期間が終わると通常有利の非前兆に移行する。なお、前兆の期間は任意であるが、本説明では、最大で8ゲームであるものとする。
前兆中は、ATのストック付与抽籤に当籤している期待感を遊技者に抱かせるため、各種の演出が頻繁に行われ、前兆中の任意のタイミングで(基本的には、最終的に)ATのストック付与抽籤に当籤しているか否か(すなわち、ATに移行可能である旨)を報知する。例えば、ATのストック付与抽籤に当籤している場合には、所定の任務に成功する成功演出を実行することで、ATのストック付与抽籤に当籤していることを報知し、ATのストック付与抽籤に当籤していない場合には、所定の任務に失敗する失敗演出を実行することで、ATのストック付与抽籤に当籤していないことを報知する。もちろん、このようなATのストック付与抽籤に当籤しているか否かを報知する演出を行うことなく、前兆を終了し、ATや通常有利の非前兆に移行することとしてもよい。
続いて、図402(B)を参照して、前兆中の演出制御について説明する。メイン側(主制御回路91)では、通常有利において前兆への移行条件を満たすと、前兆に移行させるとともに、前兆ゲーム数をセットする。同図においては、前兆ゲーム数として8ゲーム(7〜0)をセットしている。メイン側で前兆に関する各種の処理が行われると、サブ側(副制御回路101)では、セットした前兆ゲーム数に応じて演出シナリオをセットする。副制御回路101は、前兆中、セットした演出シナリオを参照して演出制御を行う。同図に示す例では、前兆中の残り7ゲーム〜3ゲームにおいて個別演出を行い、残り2ゲーム〜0ゲームにおいて連続演出を行うこととしている。
(演出シナリオの概要)
ここで、図403を参照して、演出シナリオと実行する演出との関係について説明する。同図(A)は、演出シナリオの一例を模式的に示す図であり、同図(B)は、演出を決定するための演出テーブルの一例を模式的に示す図である。
初めに、同図(A)を参照して、演出シナリオの一例について説明する。演出シナリオは、複数の単位遊技に亘るシナリオ期間についての演出決定に用いられる情報であり、シナリオ期間が終了するまでの間にATに移行可能である旨が報知される当たり演出シナリオと、シナリオ期間が終了するまでの間にATに移行可能である旨が報知されない(又は移行可能ではない旨が報知される)ハズレ演出シナリオと、を含む。副制御回路101は、ATのストック付与抽籤に当籤したことを契機として前兆に移行した場合(本前兆)には、当たり演出シナリオを決定し、ATのストック付与抽籤に当籤していないことを契機として前兆に移行した場合(ガセ前兆)には、ハズレ演出シナリオを決定する。
同図に示すように、複数の演出シナリオのそれぞれは、シナリオ期間における各単位遊技に対して、当該遊技において実行する演出を決定するための演出テーブルに関する情報を規定する。なお、シナリオ期間は、メイン側でセットした前兆ゲーム数に対応している。例えば、シナリオ1−1〜シナリオ1−Nは、前兆ゲーム数が「8ゲーム」である場合に用いられる当たり演出シナリオである。
同図に示すように、シナリオ1−1は、前兆の1ゲーム目〜5ゲーム目までの演出テーブルとして演出テーブルAが規定され、6ゲーム目の演出テーブルとして演出テーブルCが規定されている。なお、同図では、7ゲーム目の演出テーブルとして演出テーブルAが規定され、8ゲーム目の演出テーブルとして演出テーブルDが規定されているが、これらの演出テーブルは、6ゲーム目に連続演出が実行されない場合に参照され、6ゲーム目に連続演出が実行されている場合には、連続演出が継続して実行される。
(演出テーブルの概要)
続いて、同図(B)を参照して、演出テーブルの一例について説明する。演出テーブルは、内部当籤役として決定された役毎に抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。副制御回路101は、演出テーブルを参照して決定した演出を実行する。同図において個別_A系統とは、個別演出のうちのA系統の演出であり、個別_B系統とは、個別演出のうちのB系統の演出であり、個別_N系統とは、個別演出のうちのN系統の演出である。一例として、花火を打ち上げるとともに、打ち上げた花火の形や色により内部当籤役として決定された役などを報知する演出や、ミニキャラクタが所定の動作を行うとともに、ミニキャラクタの種類や動作の種類により内部当籤役として決定された役などを報知する演出がそれぞれ異なる系統の演出である。
また、連続A(成功)は、最終的にATに移行可能である旨を報知する当たり連続演出のうちのA系統の演出であり、連続B(成功)は、最終的にATに移行可能である旨を報知する当たり連続演出のうちのB系統の演出であり、連続N(成功)は、最終的にATに移行可能である旨を報知する当たり連続演出のうちのN系統の演出である。同様に、連続A(失敗)は、最終的にATに移行可能ではない旨を報知するハズレ連続演出のうちのA系統の演出であり、連続B(失敗)は、最終的にATに移行可能ではない旨を報知するハズレ連続演出のうちのB系統の演出であり、連続N(失敗)は、最終的にATに移行可能ではない旨を報知するハズレ連続演出のうちのN系統の演出である。一例として、バトル演出における対戦相手が敵キャラクタAである連続演出や、バトル演出における対戦相手が敵キャラクタBである連続演出がそれぞれ異なる系統の演出である。
また、当たり告知は、ATに移行可能である旨を報知する個別演出であり、ハズレ告知、ATに移行可能ではない旨を報知する個別演出である。一例として、当たり告知では、最終的に「WIN」などの表示を行うことで、ATに移行可能である旨を報知し、ハズレ告知では、最終的に「残念」などの表示を行うことで、ATに移行可能ではない旨を報知する。
同図(B)に模式的に示す例では、演出テーブルAは、A系統の個別演出が選ばれ易いように抽籤値の情報が規定されており、演出テーブルBは、B系統の個別演出が選ばれ易いように抽籤値の情報が規定されている。また、演出テーブルCは、当たり連続演出が選ばれ易いように抽籤値の情報が規定されており、演出テーブルDは、当たり告知が必ず選ばれるように抽籤値の情報が規定されている。また、演出テーブルEは、ハズレ連続演出が選ばれ易いように抽籤値の情報が規定されており、演出テーブルFは、ハズレ告知が必ず選ばれるように抽籤値の情報が規定されている。
副制御回路101は、メイン側で前兆がセットされると、セットした前兆ゲーム数に応じた複数の演出シナリオの中から一の演出シナリオを決定するとともに、決定した一の演出シナリオに応じて、シナリオ期間中の演出を制御する。これにより、シナリオ期間中は、演出シナリオの傾向に応じた演出が実行されることになる。例えば、シナリオ1−1が決定されていた場合には、前兆の1ゲーム目〜5ゲーム目までは、A系統の個別演出が実行され易く、6ゲーム目〜8ゲーム目において連続演出が実行され易い。
(前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理)
続いて、図401(C)〜図402(G)を参照して、前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理について説明する。図401(C)は、前兆中に有利区間が終了した場合の制御の概要を示す図であり、図401(D)〜図402(G)は、前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理を示す図である。
初めに、図401(C)を参照して、前兆中に有利区間が終了した場合の制御の概要について説明する。同図に示す例では、前兆に移行してから3ゲーム目に有利区間のリミッタに到達した結果、主制御回路91は、有利区間を終了させて非有利区間に移行させている。有利区間を用いるパチスロ機では、有利区間の終了時に有利区間に関する各種の情報をクリアしなければならないため、ATの前兆中に有利区間が終了した場合には、前兆中であることや、ATの当籤の有無や、前兆ゲーム数などの各種の情報をクリアする。そのため、メイン側(主制御回路91)では、有利区間が終了した非有利区間は前兆中ではないと把握することになる。
一方で、サブ側では、出玉に関する制御を行っていないため、有利区間が終了した場合であっても、有利区間に関する各種の情報をクリアする必要がない。そのため、副制御回路101は、有利区間が終了した場合に、有利区間に関する各種の情報を維持したままとしてもよく、また、有利区間に関する各種の情報をクリアすることとしてもよく、また、有利区間に関する各種の情報のうちの一部は維持し、その他はクリアすることとしてもよい。そして、副制御回路101は、有利区間の終了時に有利区間に関する各種の情報を維持又はクリアすることにより以下説明する保険処理を実行する。
(前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理 その1)
続いて、同図(D)を参照して、前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理のその1について説明する。同図(D)は、有利区間の前兆中に連続演出が開始され、当該連続演出が終了するよりも前に有利区間が終了して非有利区間に移行した場合の保険処理である。同図(D)に示すように、保険処理のその1では、副制御回路101は、前兆中の連続演出中に有利区間が終了した場合、非有利区間においても実行していた連続演出を継続して実行する。すなわち、副制御回路101は、前兆中の連続演出中に有利区間が終了した場合、前兆への移行を契機にセットした演出シナリオを維持したまま、非有利区間の演出を制御する。これにより、連続演出が途中で打ち切られてしまうことがなく、遊技者は、演出を最後まで見ることができる。
なお、副制御回路101は、保険処理により非有利区間においても連続演出を実行する場合、連続演出を有利な状態に非当籤であることを報知する連続演出に書き換えることが好ましい。すなわち、副制御回路101は、有利区間の前兆中に開始された連続演出を非有利区間においても継続して実行する場合、当該連続演出において有利な状態に移行可能である旨を報知することを抑制する。
(前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理 その2)
続いて、図402(E)を参照して、前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理のその2について説明する。同図(E)は、有利区間の前兆中に連続演出以外の演出が実行されている場合に有利区間が終了して非有利区間に移行した際の保険処理である。同図(E)に示すように、保険処理のその2では、副制御回路101は、有利区間の前兆中の連続演出以外の演出を実行している遊技において有利区間が終了した場合、有利区間の終了に合わせて演出シナリオをクリア(終了)する。より具体的には、副制御回路101は、有利区間の前兆中の個別演出を実行している遊技において有利区間が終了した場合、有利区間の終了に合わせて演出シナリオをクリア(終了)する。その結果、有利区間終了後の非有利区間では、演出シナリオに応じた演出が行われなくなる。もちろん、副制御回路101は、前兆中の連続演出以外の演出を実行している遊技において有利区間が終了した場合であっても、演出シナリオを維持し続けることとしてもよい。
複数の単位遊技に亘り継続する連続演出の場合には、途中で打ち切ってしまうと、遊技者に対して違和感を与えてしまう一方で、1の単位遊技で完結する個別演出の場合には、当該遊技で演出シナリオを終了してしまっても、そもそも遊技者に違和感を与えることがない。そこで、保険処理のその2のように、有利区間の終了に合わせて演出シナリオを終了させることで、遊技状態(非有利区間)と演出状態との齟齬を早期に解消することができる。また、非有利区間において、非有利区間に専用の演出を行うパチスロ機の場合、演出シナリオを早く終了させることで、この専用の演出が行われる頻度を高めることができる。
(前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理 その3)
続いて、同図(F)を参照して、前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理のその3について説明する。同図(F)は、有利区間の本前兆中に有利区間が終了して非有利区間に移行した際の保険処理であり、サブ側において有利区間に関する各種の情報(演出シナリオ)をクリアしない場合の保険処理である。なお、この保険処理のその3では、有利区間終了時に実行していた演出の種類は関係ない。
同図(F)に示す例では、通常有利においてATに当籤したことを契機として本前兆に移行しており、この本前兆中に有利区間が終了して非有利区間に移行している。メイン側では、ATに当籤していたものの、有利区間が終了して非有利区間に移行してしまったため、ATに当籤したという結果もクリアされてしまっている。一方で、サブ側では、本前兆への移行時には、前兆中の演出を制御する演出シナリオとして当たり演出シナリオがセットされているものの、非有利区間に移行に伴い演出シナリオを維持し続けてしまうと、当たり演出シナリオのまま演出が実行されてしまう。
そこで、保険処理その3では、副制御回路101は、当たり演出シナリオに基づいて演出が決定されるシナリオ期間において、有利区間から非有利区間に移行した場合は、当該当たり演出シナリオをハズレ演出シナリオに更新して、非有利区間中の残りのシナリオ期間の演出を制御する。このとき、副制御回路101は、セットされている当たり演出シナリオと演出的に関連性のある演出を決定し得るハズレ演出シナリオを新たな演出シナリオとして決定することが好ましい。これにより、進行中の当たり演出シナリオと演出的な食い違いが出ないようなハズレ演出シナリオにより残りのシナリオ期間の演出を制御することができる。なお、当たり演出シナリオと演出的に関連性のある演出を決定し得るハズレ演出シナリオとは、例えば、連続演出のバトル演出(勝利)が選ばれている場合には、同じ対戦相手のバトル演出において敗北となる演出を決定するハズレ演出シナリオや、同系統の演出が連続して行われ易い期間において有利区間が終了した場合に次遊技において当該系統の演出が選ばれ易いハズレ演出シナリオをいう。一例として、図403における当たり演出シナリオ「シナリオ1−1」とハズレ演出シナリオ「シナリオ11−1」は、1ゲーム目〜5ゲーム目までA系統の個別演出が選択され易く、演出的に関連性のある演出を決定し得る演出シナリオということができる。
なお、保険処理のその3では、副制御回路101は、演出シナリオを更新した場合、新たなハズレ演出シナリオに基づく演出の制御を途中から実行することとしてよい。具体的には、シナリオ期間の3ゲーム目までは、当たり演出シナリオ「シナリオ1−1」に基づき演出を制御し、3ゲーム目の終了に伴い、ハズレ演出シナリオ「シナリオ11−1」に更新した場合、続く、シナリオ期間の4ゲーム目では、更新後のハズレ演出シナリオ「シナリオ11−1」の4ゲーム目から演出の制御を実行することとしてよい。また、新たにセットするハズレ演出シナリオは、更新前にセットしていた当たり演出シナリオのシナリオ期間と同じ、又は更新前にセットしていた当たり演出シナリオのシナリオ期間よりも短いシナリオ期間であってよい。例えば、7ゲームのシナリオ期間である当たり演出シナリオは、7ゲーム以下のシナリオ期間であるハズレ演出シナリオに更新することができる一方で、8ゲームのシナリオ期間であるハズレ演出シナリオには更新しない。
(前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理 その4)
続いて、同図(G)を参照して、前兆中に有利区間が終了した場合の保険処理のその4について説明する。保険処理のその4は、保険処理のその3と同じく、有利区間の本前兆中に有利区間が終了して非有利区間に移行した際の保険処理であり、サブ側において有利区間に関する各種の情報(演出シナリオ)をクリアしない場合の保険処理である。なお、この保険処理のその4では、有利区間終了時に実行していた演出の種類は関係ない。
同図(G)に示す例では、通常有利においてATに当籤したことを契機として本前兆に移行しており、この本前兆中に有利区間が終了して非有利区間に移行している。メイン側では、ATに当籤していたものの、有利区間が終了して非有利区間に移行してしまったため、ATに当籤したという結果もクリアされてしまっている。一方で、サブ側では、本前兆への移行時には、前兆中の演出を制御する演出シナリオとして当たり演出シナリオがセットされているものの、非有利区間に移行に伴い演出シナリオを維持し続けてしまうと、当たり演出シナリオのまま演出が実行されてしまう。
そこで、保険処理のその3と同様に、保険処理のその4では、副制御回路101は、当たり演出シナリオに基づいて演出が決定されるシナリオ期間において、有利区間から非有利区間に移行した場合は、当該当たり演出シナリオを、当たり演出シナリオと演出的に関連性のある演出を決定し得るハズレ演出シナリオに更新して、非有利区間中の残りのシナリオ期間の演出を制御する。このとき、保険処理のその4では、副制御回路101は、セットされている当たり演出シナリオによるシナリオ期間の残り単位遊技数よりも短い単位遊技数のシナリオ期間のハズレ演出シナリオを新たな演出シナリオとして決定する。同図に示す例では、シナリオ期間の3ゲーム目の終了に伴い有利区間が終了しているため、有利区間の終了時にシナリオ期間は5ゲーム残っているものの、シナリオ期間が4ゲームのハズレ演出シナリオに更新されて、その後の演出が制御されている。
これにより、非有利区間において演出シナリオをいつまでも維持し続けることがなくなるため、遊技状態(非有利区間)と演出状態との齟齬を早期に解消することができる。なお、保険処理のその4では、副制御回路101は、演出シナリオを更新した場合、新たなハズレ演出シナリオに基づく演出の制御を最初から実行することとしてよい。具体的には、シナリオ期間の3ゲーム目までは、当たり演出シナリオに基づき演出を制御し、3ゲーム目の終了に伴い、ハズレ演出シナリオに更新した場合、続く、シナリオ期間の4ゲーム目では、更新後のハズレ演出シナリオの1ゲーム目から演出の制御を実行することとしてよい。
(演出シナリオの別例)
続いて、図404を参照して、演出シナリオと実行する演出との関係の別例について説明する。同図(A)は、演出シナリオの別例を模式的に示す図であり、同図(B)は、演出を決定するための演出テーブルの別例を模式的に示す図である。図403に示す例では、演出シナリオに対して、当たり演出シナリオとハズレ演出シナリオとを設けることとしているが、この別例では、演出シナリオにおいては当たりとハズレとを設けずに、演出テーブルにおいて当たり(AT当籤)とハズレ(AT非当籤)とを分ける。
同図に示すように、複数の演出シナリオのそれぞれは、シナリオ期間における各単位遊技に対して、当該遊技において実行する演出を決定するための演出テーブルに関する情報を規定する。また、複数の演出テーブルそれぞれは、内部当籤役として決定された役毎に抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。このとき、複数の演出テーブルそれぞれは、AT当籤及びAT非当籤毎に設けられる。副制御回路101は、AT当籤中(本前兆中)は、対応する演出テーブルのAT当籤部分を参照して、演出を決定し実行する。また、副制御回路101は、AT非当籤中(ガセ前兆中)は、対応する演出テーブルのAT非当籤部分を参照して、演出を決定し実行する。有利区間から非有利区間に移行した遊技では、ATが非当籤となるため、AT非当籤部分が参照されることになる。このように演出テーブル側において当たりとハズレとを区別することで、有利区間から非有利区間に移行した場合に演出シナリオを書き換える必要がない。
(保険処理の処理フロー)
続いて、図405を参照して、保険処理の処理フローについて説明する。同図では、連続演出中に有利区間が終了した場合の処理フローについて説明する。なお、上述した保険処理は、以下説明する処理フロー1,2の何れの処理により行うこととしてもよい。
処理フロー1では、副制御回路101は、まず、連続演出中であるか否かを判定する。そして、連続演出中ではない場合は、処理を終了する一方で、連続演出中である場合には、副制御回路101は、続いて、非有利区間であるか否かを判定する。そして、非有利区間ではない場合は、処理を終了する一方で、非有利区間である場合には、副制御回路101は、続いて、保険処理を行う。
また、処理フロー2では、副制御回路101は、まず、非有利区間への移行時であるか否かを判定する。そして、非有利区間への移行時ではない場合は、処理を終了する一方で、非有利区間への移行時である場合には、副制御回路101は、続いて、連続演出中であるか否かを判定する。そして、連続演出中ではない場合は、処理を終了する一方で、連続演出中である場合には、副制御回路101は、続いて、保険処理を行う。
このように処理フロー1では、非有利区間への移行時であるかを見ずに、非有利区間において連続演出が行われている場合に保険処理を行う。また、処理フロー2では、非有利区間への移行時であるかを見て、非有利区間に移行したタイミングにおいてのみ保険処理を行う。なお、同図においては連続演出中の保険処理の処理フローを示したが、例えば、連続演出中であるか否かの判定に代えて、演出シナリオがセットされているか否かを判定することで、他の保険処理においても同様に適用することができる。
以上本実施形態のパチスロ機1について説明した。このようなパチスロ機1によれば、副制御回路101は、連続演出を実行中に有利区間が終了した場合、有利区間が終了した後の非有利区間においても連続演出を継続して実行する。これにより、連続演出が途中で打ち切られてしまうことがなく、遊技者は、演出を最後まで見ることができる。また、副制御回路101は、有利区間において開始された連続演出を非有利区間においても継続して実行する場合、当該連続演出において有利な状態に移行可能である旨を報知することを抑制する。これにより、連続演出により誤った結果が報知されてしまうことを防止することができる。
また、副制御回路101は、前兆中の連続演出中に有利区間が終了した場合、前兆への移行を契機にセットした演出シナリオを維持したまま、非有利区間の演出を制御する一方で、有利区間の前兆中の連続演出以外の演出を実行している遊技において有利区間が終了した場合、有利区間の終了に合わせて演出シナリオをクリア(終了)する。このように複数の単位遊技に亘り継続する連続演出の場合には、途中で打ち切らずに最後まで実行することで、遊技者に対して演出を最後まで見せることができる。また、1の単位遊技で完結する個別演出の場合には、有利区間の終了に合わせて演出シナリオを終了させることで、遊技状態(非有利区間)と演出状態との齟齬を早期に解消することができる。
また、副制御回路101は、当たり演出シナリオに基づいて演出が決定されるシナリオ期間において、有利区間から非有利区間に移行した場合は、当該当たり演出シナリオをハズレ演出シナリオに更新して、非有利区間中の残りのシナリオ期間の演出を制御する。これにより、進行中の当たり演出シナリオと演出的な食い違いが出ないようなハズレ演出シナリオにより残りのシナリオ期間の演出を制御することができる。
このとき、副制御回路101は、セットされている当たり演出シナリオ期間の残り単位遊技数よりも短い単位遊技数のシナリオ期間のハズレ演出シナリオを新たな演出シナリオとして決定する。これにより、非有利区間において演出シナリオをいつまでも維持し続けることがなくなるため、遊技状態(非有利区間)と演出状態との齟齬を早期に解消することができる。
[その他の変形例]
また、上記実施形態及びその他の仕様例のパチスロ機1に対して、以下のような変形例を適用することができる。
上記実施形態などのパチスロ機1では、内部当籤役に基づいて各種の抽籤や特典付与を行うこととしているが、これに限るものではなく、内部当籤役による表示が行われたことに基づいて各種の抽籤や特典付与を行うこととしてもよい。また、内部当籤役に基づく各種の抽籤や特典付与は、内部当籤役による表示が行われたことに基づく各種の抽籤や特典付与を含むことであり、反対に、内部当籤役による表示が行われたことに基づく各種の抽籤や特典付与は、内部当籤役に基づく各種の抽籤や特典付与を含むものである。
例えば、確定役に基づく特典付与の有効/無効について考える。確定役を有効とする状態で確定役が内部当籤役として決定されると、内部的には有効な状態での確定役の当籤に基づき特典を付与するが、遊技者からすると確定役に応じた図柄の組合せが表示されたことに基づき特典が付与されたように感じる。反対に、確定役を無効とする状態で確定役が内部当籤役として決定されると、内部的には無効な状態での確定役の当籤であるため、特典を付与しないが、遊技者からすると確定役に応じた図柄の組合せが表示されていないため、確定役に応じた特典は付与されないと感じる。このような場合、有効な状態での確定役の当籤に基づく特典付与という内部的な契機は、確定役に応じた図柄の組合せが表示されたことに基づく特典付与という見た目上の契機とみることができ、また、無効な状態での確定役の当籤であるために特典を付与しない内部的な契機は、確定役に応じた図柄の組合せが表示されないために特典を付与しないという見た目上の契機とみることができる。
(ビデオリール)
パチスロ機1では、複数のリールとして、リール3L,3C,3Rを有するが、これらリール3L,3C,3Rに加えて、表示ユニット100の表示画面などに映像として表示することで複数の図柄を変動表示及び停止表示可能な所謂ビデオリールを用いることとしてもよい。このとき、ビデオリールによる演出的なリール演出制御を行う割合が、全遊技の所定割合(例えば、20%)以上である場合には、実際のリール3L,3C,3Rの近くに、リール3L,3C,3Rが入賞判定などの遊技の進行に用いられるメインリールであることを示す表示を行うことが好ましい。一方で、ビデオリールによる演出的なリール演出制御を行う割合が、全遊技の所定割合(例えば、20%)未満である場合には、当該表示を行わなくてもよい。また、リール3L,3C,3Rの近くに、リール3L,3C,3Rがメインリールであることを示す表示を行うことに限らず、この表示に加えて、又は、この表示に代えて、ビデオリールを表示する表示画面において、当該ビデオリールが演出的に用いられるリールであることを示す表示を行うこととしてもよい。また、ビデオリールが演出的に用いられるリールであることを示す表示は、全遊技に対する割合に関係なく、ビデオリールによる演出的なリール演出制御を行う場合に必ず表示することとしてもよく、また、全遊技に対する割合が所定割合以上である場合に表示し、所定割合未満である場合には表示しないこととしてもよい。
(疑似遊技)
また、パチスロ機1では、主制御回路91は、リール3L,3C,3Rを用いた疑似遊技を実行可能としてもよい。ここで、疑似遊技は、当該遊技におけるメダルの増減には影響のない疑似的な遊技であり、遊技開始時ロック中のベットボタン(MAXベットボタン11や1ベットボタンB)への操作(疑似投入操作)、スタートレバー(スタートレバー6)への操作(疑似開始操作)、疑似内部当籤役の決定、ストップボタン(ストップボタン7L、7C、7R)への操作(疑似停止操作)のうちの少なくとも一部が行われることにより、その進行が制御される。このような疑似遊技は、当該遊技においてメダルが増減する通常遊技と同様に遊技が進行しているかのように遊技者に印象付けることができる。
ただし、疑似遊技を行う場合には、通常遊技とは見分けが付くように制御することが好ましい。一例として、不図示の疑似遊技ランプを設けて、疑似遊技中はこの疑似遊技ランプを点灯し、通常遊技中はこの疑似遊技中ランプを消灯することで、通常遊技と疑似遊技とを区別することとしてもよく、また、疑似遊技中は、所定の位置に「疑似遊技中」又は「フリープレイ中」のように疑似遊技中であることを示す表示を行うことで、通常遊技と疑似遊技とを区別することとしてもよく、また、疑似遊技中は、リール3L,3C,3Rを疑似遊技中に特有の動作とすることで(例えば、疑似遊技によりリール3L,3C,3Rが停止した場合には、リール3L,3C,3Rを振動させ続ける一方で、通常遊技によりリール3L,3C,3Rが停止した場合には、このような振動を行わない)通常遊技と疑似遊技とを区別することとしてもよい。また、これらの方法は、何れか1つのみで通常遊技と疑似遊技とを区別することとしてもよく、また、複数を組み合わせて通常遊技と疑似遊技とを区別することとしてもよい。
(ペナルティ)
パチスロ機1において、停止操作の態様に一定の制限を持たせた仕様(例えば、左リール3Lを第1停止操作の対象とすることを推奨する仕様)として、それ以外の停止操作を行った場合に(例えば、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作を行った場合に)、所定の特典付与に関する抽籤(例えば、ATやARTに関する抽籤や、モード移行に関する抽籤)を遊技者にとって不利なものとするペナルティ状態を、1ゲーム又は複数ゲーム以上の期間にわたって行うこととしてもよい。このようなペナルティ状態としては、例えば、所定の特典付与に関する抽籤に当籤する確率の低下、相対的に不利な抽籤状態(モード)への強制的な移行、所定期間にわたって所定の特典付与に関する抽籤を行わないなどを用いることができる。
(ペナルティの判定)
なお、仕様に沿った停止操作が行われたか否かの判定は、(遊技者に対して停止操作に関する報知が行われない)有利区間中にのみ行い、非有利区間(通常区間)においては行わないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中にのみ行い、有利区間においては行わないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中及び(遊技者に対して停止操作に関する報知が行われない)有利区間中の双方において行うこととしてもよい。また、この判定は、セキュリティ性の高いメイン(主制御回路91)側において行うことが好ましい。
(ペナルティ状態の発生)
また、仕様に沿った停止操作が行われていない場合に発生させるペナルティ状態は、有利区間中にのみ発生させて、非有利区間(通常区間)においては発生させないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中にのみ発生させて、有利区間においては発生させないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中及び有利区間中の双方において発生させることとしてもよい。
(ペナルティ状態の報知)
また、ペナルティ報知手段(報知ランプやセグメントなど)を設けて、ペナルティ状態の発生中に、ペナルティ状態であることを遊技者に対して報知することとしてもよい。このようなペナルティ報知手段は、セキュリティ性の高いメイン(主制御回路91)側において制御することが好ましい。
また、メイン側で制御するペナルティ報知手段に加えて、サブ(副制御回路101)側において制御する第2のペナルティ報知手段(液晶ディスプレイ)を設け、液晶表示やプロジェクション映像などにより、遊技者に対してより分かり易くペナルティ状態であることを報知することとしてもよい。また、第2のペナルティ報知手段の一態様として、音声や装飾ランプなどによるペナルティ報知ないし示唆演出を行うこととしてもよい。
(ペナルティ状態の解除)
また、ペナルティ状態は、設定変更に伴い解除し、電断のみでは解除しないこととしてもよく、また、設定変更及び4時間以上の長期間の電断(例えば、営業停止による電断)に伴い解除し、一時的な電断では解除しないこととしてもよい。また、ペナルティ状態は、打ち止め時に解除することとしてもよい。
ペナルティ状態を電断のみでは解除しない仕様では、メイン側で制御するペナルティ報知手段は、一時的な電断から復帰したときはペナルティ状態の報知を維持するが、4時間以上の長期間の電断から復帰したときはペナルティ状態の報知を維持せずに、ペナルティ非報知の態様にすることとしてもよい。また、電断復帰後は、メイン側で制御するペナルティ報知手段(例えば、報知ランプ)による報知のみを維持して、サブ側で制御する第2のペナルティ報知手段(例えば、液晶ディスプレイ)による報知はしないこととしてもよい。
(打ち止め機能)
特定の条件を満たした場合に、遊技の進行が停止できない打ち止め状態を発生させる打ち止め機能を持たせることとしてもよい。打ち止め機能を持たせることで、例えば、1000枚のメダル獲得時点で遊技終了など所定数の遊技価値の獲得で遊技終了としつつ、その分、比較的設定値の高い遊技機を用いるといった定量性の店舗ルールを遊技店が独自に設定することができ、遊技者に短時間でも気軽に遊ぶことのできる環境を遊技店側が用意するといった運用を行い易くなる。以下、打ち止め機能の仕様例について説明する。
(打ち止めの発生条件)
打ち止めの発生条件は、ボーナスの作動終了や有利区間の終了など、遊技者にとって有利な状態が終了したときとすることができる。なお、ボーナスの作動終了時に打ち止めとする場合は、特定のボーナスに限定することとしてもよい。例えば、獲得枚数が100枚程度と少ないボーナスでは打ち止めは発生しないが、獲得枚数が250枚などと多いボーナスではボーナスの作動終了時に打ち止めが発生することとしてもよい。
また、有利区間の終了時に打ち止めを発生させる場合には、当該有利区間の開始から1000枚以上、2000枚以上など所定枚数を超えるメダルを獲得した場合に限って打ち止めを発生させることとしてもよく、1500ゲームの有利区間消化や2400枚のメダルの獲得のようにリミッタの発動条件を満たしたことによる有利区間の終了時に打ち止めを発生させることとしてもよい。また、特定の設定値(設定6など)の場合のみ打ち止め条件を満たした場合に打ち止めを発生させることとしてもよい。また、打ち止めを発生するメダルの枚数については、メインROMに予め定められた一の値を用いることとしてもよく、また、1000枚、2000枚、3000枚など複数の値を用意しておき、遊技店側が選択した任意の値を用いることとしてもよい。
(打ち止め機能の設定)
打ち止め機能は、打ち止め機能が有効な設定(打ち止め条件を満たした場合に打ち止めが発生する設定)と、打ち止め機能が無効な設定(打ち止めが発生しない設定)とを切り替え可能として、遊技機を運用する遊技店の方針により切り替え可能とすることが好ましい。例えば、遊技機の筐体内(パチンコ機の場合は遊技台の背面側)における主基板(主制御基板71)や電源基板上など、遊技者が操作困難な位置に専用スイッチを設けて、当該専用スイッチにより「打ち止め有」と「打ち止め無」とを切り替え可能としてもよい。
また、電源投入時やドアキーの操作時などにホールメニューを所定の画像表示器などに表示可能として、ホールメニュー内の項目として打ち止めの有無を設定できるようにしてもよい。
(精算機能の設定)
また、打ち止めの発生時にクレジットに貯留されているメダルが自動的に精算されて下皿に払い出される精算機能も合わせて搭載することとしてもよい。このとき、打ち止め機能の有無と精算機能の有無とをそれぞれ任意に設定できるようにしてもよく、また、打ち止め機能有りの場合は精算機能も有り、打ち止め機能無しの場合は精算機能も無しのように一括で設定できるようにしてもよい。
なお、メダルや遊技球などの物理的な遊技媒体を用いずに電子データなどの情報により遊技価値を管理する封入式遊技機においては、クレジットに貯留されている遊技価値の情報をプリペイドカードなど遊技価値の情報を保持する記憶媒体に対して、精算時に自動的に移動させることとしてもよい。この際に、記憶媒体(プリペイドカード)の取り忘れがないように遊技者に対して報知することが好ましい。
(打ち止め機能の切り替え操作)
なお、打ち止め機能の切り替え操作について、専用スイッチを設けずに遊技機に備えられている入力手段を用いて当該操作を可能としてもよい。例えば、設定変更中や設定確認中など店員が行う操作を契機に打ち止め切り替え可能な状態として、当該状態において、左ストップボタンが操作されると打ち止め機能の有/無の切り替えを可能としてもよい。また、当該状態において、中ストップボタンが操作されると生産の有/無の切り替えを可能としてもよい。
また、それぞれの設定状態は、遊技機前面の払い出しセグや貯留セグ、ベット枚数ランプなど(情報表示器14)の表示態様により店員が認識可能としてもよく、また、液晶ディスプレイなどの表示装置に「打ち止め有」「精算有」などの画像を表示することで、設定状態を報知するものとしてもよい。
(打ち止め機能の解除方法)
打ち止めが発生して遊技が進行不能となった場合は、ドアキーを遊技機の鍵穴に挿入して回す、筐体内部のエラー解除スイッチを操作するなど、遊技者が行うことのできない任意の操作方法を店員が行うことにより、打ち止め状態が解除され、再び遊技が可能となる。
(打ち止め時の表示)
打ち止めが発生して遊技が進行不能となった場合は、制御手段(副制御回路101)は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)に対して所定の表示を行うことができる。所定の表示としては、例えば、打ち止め中であることを報せる打ち止め専用の表示であってもよく、また、パチスロ機毎に設けられたデモ画面の表示であってもよく、また、打ち止めとなる前の演出画面を表示することであってもよい。なお、打ち止めとなる前の演出画面を表示する場合には、例えば、輝度を変化(暗くする)などして、通常の状態とは異なる態様の表示となるようにしてもよい。
また、ARTの継続期間の管理方法は任意である。例えば、ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に特定の図柄組合せが表示されるとARTを終了させることとしてもよい。
この場合、上乗せの対象は、ゲーム数、セット数、ナビ回数、差枚数などのようにARTの継続期間の管理方法によって適宜調整される。
また、上述のパチスロ機1では、報知(ART)機能の作動を、メイン(主制御基板71)側の制御の下に行うこととしているが、これに限られるものではなく、サブ(副制御基板72)側の制御により報知(ART)機能の作動を行うこととしてもよい。
また、上述の説明では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のリール制御に係る特徴や設定変更及び確認に係る特徴などのパチスロ機1に特有の特徴以外の特徴は、「パチンコ」と呼ばれる遊技機にも適用可能であり、同様の効果が得られる。例えば、チェックサムの生成及び判定処理、メインCPU専用命令コードを使用した各種処理(Qレジスタを用いたアドレスの指定処理、ソフトタイマーの更新処理、7セグLED駆動処理、通信データの生成格納処理等)、規定外ROM領域及び規定外RAM領域を使用した各種処理などの特徴は、「パチンコ」にも適用可能である。また、パチスロにおけるフロントドア(扉体部)は、「パチンコ」において遊技店の店員が開放して内部を確認する部分に対応する。
また、設定値は1段階のみとしてもよい。このとき、設定変更処理をのこしても良いし、無くしてしまってもよい。設定変更処理を残す場合には、同一設定への打ち直しのみが可能となるため、実質的にはRAMクリアするための処理となる。設定値を1段階のみとする場合であっても、有利状態(ART状態など)の抽籤(初当り及び/又は上乗せなど)に関するモードを設け、所定確率で当籤する所定役が当籤した回数を計数し、その回数が規定値に達したときに、このモードを切り替わるようにすることで、出玉に起伏を生じさせることができる。
この場合、所定確率の分母と規定値とを掛けた値が一つの出玉の波となる。その値を1日に相当する遊技回数で切り替わるように規定すれば、設定値が1段階であっても、複数設けた遊技機と遜色のないものとすることが出来る。例えば、1日の営業時間を11時間とした場合、11h=39600secであるため、1遊技にかかる最短時間を規則に則り4.1秒とすると、1日当たりの最大遊技回数は、39600/4.1=約9659回となる。なお、休憩(食事やトイレ)を一切挟まないというのは現実的ではないため、1日当たりの遊技回数を概ね8000回程度と考える。所定確率を1/32、規定値を256とすることで、32×256=8192となるため、概ね1日で出玉の波が切り替わるようにすることができる。
さらに、所定役が当籤した回数が規定値に達するたびに、遊技者に有利なモードと不利なモードとが交互に切り替わるようにすれば、二日間サイクルで収益が安定するようになるため、遊技店の営業に資することができる。なお、設定値を1段階にした場合の説明を行ったが、1段階には限られず転用が可能である。より具体的には、設定値の数を変えずに採用すれば、設定値の数を増やさずに、出玉の波をより複雑にすることが可能となる。また、設定値の数を減らせば、設定値が減って単調になるところを補うことができる。
また、設定値の数を減らすことができた場合、その分のデータ容量を削減することができる。仮に6段階の設定値を1段階の設定値にすることができれば、データを1/6にまで削減することができる。また、各段階で望む出玉率に設計するための開発コストも1/6となる。さらに言えば、遊技機は試験に適合したもののみが、営業に用いることが許可されるものであるところ、試験に要する時間も短縮することが可能となる。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン、若しくは1ベットボタンを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置が駆動してメダル払出口からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路91(主制御基板71)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路91(主制御基板71)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ機1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタやホッパー装置を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御基板71によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ機1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタやホッパー装置等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
[付記1]
付記1の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、いわゆる出玉に関する設計を容易にするための工夫として、一部のボーナス状態において出玉率が1を下回るように内部当籤役を重複当籤させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−202331号公報参照)。また、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機も知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、遊技者が主にボーナス持越し状態で遊技することを前提としており、ボーナス当籤で出玉を獲得するという楽しみが失われていた。また、特許文献2の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態において、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われない報知抑制状態(例えば、ベルナビ非発生状態)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が許容される報知許容状態(例えば、ベルナビ発生可能状態)と、を有し、
前記第1有利状態が開始されてから特定条件(例えば、所定ゲーム数(100G)の経過)が成立するまでの間は、前記報知抑制状態となることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態は、基本的に特定条件が成立するまでは報知抑制状態として終了させられないので、そのような特定条件を適切に設定することで操作態様の報知を抑制して第1有利状態と第2有利状態との有利さバランスを図ることができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、出玉設計の自由度を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記特定条件は、所定回数の単位遊技(例えば、100G)が実行されることであり、当該所定回数は、前記所定のボーナス役が前記内部当籤役として決定されるまでの平均単位遊技回数よりも多いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定条件が成立するまでに所定のボーナス役が決定されて有利状態を終了させる判定結果が得られる可能性が高くなるので、有利状態とボーナスとの有利さバランスを適切に図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記2]
付記2の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。また、何ら利益を得ることができないまま前兆演出が終了するので、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第1モードと前記第2モードとは、前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「ART」の当籤確率)が異なることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられるので、遊技者は、いずれのモードに滞在して第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記3]
付記3の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手(例えば、主制御基板71)段と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第2モードは、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高く、
前記一般状態は、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「ART」の当籤確率)が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられる。そして、一般状態において第2有利状態に移行する可能性の方が、第1有利状態の第1モードにおいて第2有利状態に移行する可能性よりも高いので、遊技者は、報知を受けることができない一般状態にあっても第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記4]
付記4の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第2有利状態の終了条件(例えば、「ART」のゲーム数0)が成立したときに、前記第1有利状態に移行させるか前記一般状態に移行させるかについての判定(例えば、終了時有利区間終了抽籤)を実行可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって一般状態に移行させられる可能性がある一方、報知の可能性がより高い第2有利状態の終了時においては、一般状態に移行させずに第1有利状態に移行させられて有利状態が継続する可能性があるので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記5]
付記5の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役として少なくとも1種類以上の再遊技役(例えば、リプレイ)の当籤確率が異なる複数のRTのうち、いずれかのRTに制御可能なRT制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記RT制御手段は、設定変更時に特定のRT(例えば、RT0)に制御可能であり、
前記特定のRTに制御される旨が決定された前記有利状態は、前記特定のRT以外のRTにおいて制御される旨が決定された前記有利状態よりも遊技者にとって有利度合いが高くなる可能性が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が実行可能な有利状態が設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって終了させられる可能性がある一方、設定変更がなされた場合には、遊技状態が特定のRTに制御されることで有利状態よりも有利度合いが高くなる可能性が高いので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記6]
付記6の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、例えば、特開2015−39536号公報には、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行するか否かの抽籤を行い、当該抽籤結果に基づいて本前兆状態(有利状態に移行することが決定されている前兆)又はガセ前兆状態(有利状態に移行しない場合の前兆)に移行可能とする遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、前兆(本前兆状態又はガセ前兆状態)中に有利状態への移行を煽る演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができるものの、ガセ前兆状態に移行していた場合には、有利状態に移行することがないため、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵もないため、遊技意欲が低減してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記操作態様報知手段による報知を実行可能な報知状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備えた遊技機であって、前記報知状態として、所定条件の成立時に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1報知状態(例えば、「通常有利」)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出される特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、前記状態制御手段は、非報知状態において特定条件が成立すると、当該非報知状態から前記第1報知状態に移行可能であり、また、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記報知状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、前記第1報知状態中に行われた単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段が計数する前記回数に応じて特典(例えば、SCZモードの昇格)を付与する特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知状態中に計数された単位遊技の回数に応じて特典が付与される。ここで、第1報知状態は、遊技者にとって有利な操作態様が報知される確率が高い第2報知状態に移行可能な遊技状態であるため、本実施形態の遊技機では、より有利な第2報知状態に移行できないまま第1報知状態に所定期間滞在した場合に特典を付与することができる。これにより非報知状態において、第2報知状態に移行できずに第1報知状態に移行してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく特典の付与が期待できるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2報知状態を継続可能な残り継続期間を管理する残期間管理手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記状態制御手段は、前記第1報知状態中に行われた単位遊技の回数と、前記第2報知状態中に行われた単位遊技の回数との和が所定回数(例えば、1500回)に達すると、前記残期間管理手段が管理する前記残り継続期間に関わらず、前記報知状態を終了させる(例えば、リミット処理を行う)こととしてもよい。
このような遊技機によれば、第1報知状態に所定期間滞在した場合には特典の付与が期待できるものの、第1報知状態中と第2報知状態中とに行われた単位遊技の回数の和が所定回数に達すると、報知状態が強制的に終了してしまう。これにより第1報知状態に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、報知状態(第1報知状態又は第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、通常状態(例えば、通常区間)と、該通常状態よりも有利な有利状態(例えば、有利区間)と、を少なくとも含む複数の遊技状態を制御する状態制御手段と、を備えた遊技機であって、前記有利状態として、前記操作態様報知手段による報知が抑制された第1有利状態(例えば、通常有利や演出区間)と、前記操作態様報知手段による報知を実行可能な第2有利状態(例えば、ARTや増加区間)と、を少なくとも有し、前記第1有利状態が予め定められた所定の期間継続したときに特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態中に行われた単位遊技の回数が所定回数となったときに(例えば、ゲーム数リミッタの発動時に)、前記有利状態を終了させる終了手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1有利状態が予め定められた所定の期間継続したときに特典が付与されるため、上述の遊技機と同様に、第2有利状態に移行できずに第1有利状態に移行してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく特典の付与が期待できるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。一方で、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)は、当該有利状態中に行われた単位遊技の回数が所定回数となったときに終了してしまうため、第1有利状態に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記7]
付記7の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機として、特開2016−086863号公報には、遊技者にとって有利な特別役が有利状態中に表示された場合に、遊技状態を識別して外部信号を送信し、データカウンタ等の外部機器と連動して大量のメダルが獲得できることを示唆する賑やかな演出を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、単に遊技機だけで演出を行うのではなく、他の機器と連動して演出を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、一連の有利状態において獲得できるメダルが多すぎるため、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された数値がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記報知手段による報知を実行可能な前記報知状態を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に特定の結果表示(例えば、単チリリプ、2連チリリプ、3連チリリプ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_単チリリプ」「F_2連チリリプ」「F_3連チリリプ」)を有し、前記内部当籤役決定手段により前記特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定されたときに、前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である特典確率を変化させる確率変更手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記確率変更手段は、前記数値が特定値未満である場合は前記特典確率を第1の確率とし、前記数値が前記特定値以上である場合は前記特典確率を該第1の確率より低い第2の確率とし、前記報知手段は、前記数値が前記特定値未満である場合に前記特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記特定値以上である場合に前記特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記特定の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、通常であれば、特定役の当籤時に報知状態に関する特典を付与可能であるが、報知状態に関連して計数された数値が特定値に達した後は、特定役が決定された場合であっても特典を付与する確率が低下する。これにより報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。また、本発明に係る遊技機では、この数値がリミット閾値に達した場合、強制的に報知状態を終了するため、この点からも射幸性のバランスをとることができる。なお、特定役の当籤時に特典を付与する場合には、報知手段の報知に伴い特定の結果表示が導出される一方で、特定役の当籤時に特典を付与しない場合には、報知手段の報知に伴い所定の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、特定役が当籤したにも関わらず特典が付与されないことを把握できてしまうと不満を感じてしまう可能性があるものの、本発明に係る遊技機では、特典を付与する場合と付与しない場合とで結果表示を異ならせるため、結果表示から特定役の当籤時であることを把握されることがない。これにより、特定役の当籤時に特典を付与しない場合であっても、遊技者に不満感を与えてしまうことがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役として、第1の操作態様で停止操作を行った場合に第1の結果表示が導出され、当該第1の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記第1の結果表示とは異なる第2の結果表示が導出され得る第1特定役と、第2の操作態様で停止操作を行った場合に第3の結果表示が導出され、当該第2の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記第3の結果表示とは異なる第4の結果表示が導出される第2特定役と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、第1の大きさの前記特典を付与可能であり、また、前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記第1の大きさよりも大きい第2の大きさの前記特典を付与可能であり、前記確率変更手段は、前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されたときに前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である第1特典確率及び、前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されたときに前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である第2特典確率を変化させることが可能であり、前記数値が第1特定値未満である場合に前記第1特典確率を所定の確率とし、前記数値が前記第1特定値以上である場合は前記第1特典確率を該所定の確率よりも低い確率とし、前記数値が前記第1特定値よりも小さい第2特定値未満である場合に前記第2特典確率を特定の確率とし、前記数値が前記第2特定値以上である場合は前記第2特典確率を該特定の確率よりも低い確率とし、前記報知手段は、前記数値が前記第1特定値未満である場合に前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第1の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第1特定値以上である場合に前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第1の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第2特定値未満である場合に前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第2の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第2特定値以上である場合に前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第2の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役の種別毎に対応付けられた特典の大きさに応じて、特典を付与する確率を変更する閾値である特定値の値を変え、対応付けられた特典が大きい第2特定役の当籤時には、第1特定役の当籤時よりも当該閾値の値を小さくする。これにより対応付けられた特典の大きさ毎に特典を付与し易い期間を調整することができ、適度な射幸性のバランスをとることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することができる。
[付記8]
付記8の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機として、特開2016−086863号公報には、遊技者にとって有利な特別役が有利状態中に表示された場合に、遊技状態を識別して外部信号を送信し、データカウンタ等の外部機器と連動して大量のメダルが獲得できることを示唆する賑やかな演出を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、単に遊技機だけで演出を行うのではなく、他の機器と連動して演出を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、一連の有利状態において獲得できるメダルが多すぎるため、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された数値がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記報知手段による報知を実行可能な前記報知状態を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に特定の結果表示(例えば、単チリリプ、2連チリリプ、3連チリリプ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_単チリリプ」「F_2連チリリプ」「F_3連チリリプ」)を有し、前記報知状態中に所定条件(例えば、上乗せ特化ゾーンのストックが所定数以上)を満たすと、特殊状態(例えば、特殊区間)をセットする状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により前記特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定されたときに、前記特典付与手段が特典を付与しうる確率である特典確率を変化させる確率変更手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記確率変更手段は、前記特殊状態ではない場合は前記特典確率を第1の確率とし、前記特殊状態中の場合は前記特典確率を該第1の確率より低い第2の確率とし、前記報知手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定され前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、前記特定の操作態様を遊技者に対して報知し、前記特定役が前記内部当籤役として決定され前記特典付与手段が前記特典を付与しない場合に、前記特定の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態中に特定役が当籤した場合、特殊状態中であるか否かに応じて特典を付与する確率が異なり、特殊状態中は、特典を付与する確率が下がる。これにより報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態に関連して計数される数値がリミット閾値に達した場合、強制的に報知状態を終了するため、この点からも射幸性のバランスをとることができる。なお、特定役の当籤時に特典を付与する場合には、報知手段の報知に伴い特定の結果表示が導出される一方で、特定役の当籤時に特典を付与しない場合には、報知手段の報知に伴い所定の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、特定役が当籤したにも関わらず特典が付与されないことを把握できてしまうと不満を感じてしまう可能性があるものの、本発明に係る遊技機では、特典を付与する場合と付与しない場合とで結果表示を異ならせるため、結果表示から特定役の当籤時であることを把握されることがない。これにより、特定役の当籤時に特典を付与しない場合であっても、遊技者に不満感を与えてしまうことがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定条件は、前記報知状態を継続可能な残り期間を延長する上乗せ権利を所定数以上保持している場合に満たされることとしてもよい。
このような遊技機によれば、上乗せ権利を所定数以上保持している場合には特定役低減状態になり、特典付与の確率が下がるため、報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役が前記内部当籤役として決定され、前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記特定の結果表示は、複数の役のうち前記特定役に固有の結果表示であり、前記特定役が前記内部当籤役として決定され、前記特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記所定の結果表示は、複数の役のうち前記特定役以外の役が前記内部当籤役として決定された場合にも導出され得る結果表示であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役の当籤時に特典が付与される場合、特定役に固有の結果表示が導出されることになる。結果表示(図柄)を揃えて上乗せする遊技性は、遊技者からしても好ましいものであるため、特典付与時に固有の結果表示を表示することで、遊技の興趣を向上させることができる。一方で、特定役の当籤時に特典が付与されない場合、他の役の当籤時にも導出され得る結果表示が導出されることになるため、遊技者に特定役の当籤時であることを把握されることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することができる。
[付記9]
付記9の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、従来、過去の遊技結果の履歴を参照して特典を付与する遊技機も知られており、例えば、特開2013−252312号公報には、5ゲーム分の入賞履歴を所定の条件に従って表示するとともに、入賞履歴データを保持して、入賞履歴が条件コードデータに該当する入賞履歴となってことに基づいてARTの抽籤を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、今回の遊技だけでなく、過去の遊技の履歴も加味して制御が行われるため、多彩な遊技性を実現することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、入賞履歴データを常時5ゲーム分保持し続けたり、5ゲーム分の入賞履歴を参照した判定用データを用意しなければならず、処理のためのデータ容量の増大と、仕様の複雑さゆえに開発工数が増大するという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、データ容量や処理負荷を抑えつつ、多彩な遊技性を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御基板72)と、を備える遊技機であって、今回の遊技から所定回数前の遊技までの所定回数の遊技のそれぞれに対応して設けられた所定数の表示領域を有する表示部(例えば、表示ユニット100に表示する履歴表示窓)と、所定役が当籤役として決定されたことに応じて、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記演出実行手段は、前記所定役が当籤役として決定されたことに応じて、前記表示部が有する所定数の表示領域のうちの前記所定役が当籤役として決定された遊技に対応する表示領域に所定の演出情報(例えば、履歴アイコン)を表示するとともに、前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、前記表示部又は前記所定の演出情報の少なくとも一方において前記特典と関連付けされた演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役が当籤役として決定されると特典を付与することができる。ここで、本発明に係る遊技機では、所定役が当籤役として決定されると、表示部に所定の演出情報を表示し、また、特典を付与する場合には、表示部や所定の演出情報を用いて特典付与に関連する演出を実行する。遊技者からすると演出面から、所定役に当籤した結果として特典が付与されたと錯覚することになり、従来の遊技機のように多彩な遊技性を実現することができる。一方で、本発明に係る遊技機では、従来の遊技機のように過去の履歴データを保持する必要が無く、演出面から過去の履歴を参照して制御している遊技性を実現することができるため、データ容量を抑えることができるとともに、仕様が単調であるため開発工数も抑えることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役の中から前記所定役が当籤役として決定されたことに応じて、第1状態よりも前記特典の付与に関して有利度合いの高い第2状態(例えば、履歴高確)を開始可能であり、前記所定状態において前記所定回数の遊技が行われたときに前記第2状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)を備えることとしてもよい。
このような遊技機によれば、所定役が当籤役として決定されると、その後、所定回数の遊技にわたり第2状態となり、この第2状態中に所定役が当籤役として決定されると、第1状態中に所定役が当籤役として決定された場合よりも、特典の付与に関する有利度合いが高くなる。これにより、本発明に係る遊技機では、従来の遊技機のように過去の履歴データを保持する必要が無く、最初の所定役を契機として第2状態に突入させるだけで、あたかも過去の履歴を参照して制御している遊技性を実現することができるため、データ容量を抑えることができるとともに、仕様が単調であるため開発工数も抑えることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、データ容量や処理負荷を抑えつつ、多彩な遊技性を実現可能な遊技機を提供することができる。
[付記10]
付記10の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、スイカやチェリーなどの遊技者が注目し易い特定の役が内部当籤役として決定されたにも関わらず特典が付与されない頻度が高いと遊技者の落胆を誘うことになり、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特定役の当籤時に特典の付与を遊技者に対して適度な頻度で報せることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、特定役(例えば、レア役)及びボーナス役(例えば、MB)を含む複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、「ART」)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記ボーナス役に応じた結果表示が導出され、ボーナスの作動が行われると、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を決定可能な第1上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量を決定可能な第2上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1上乗せ決定手段、又は、前記第2上乗せ決定手段が決定した前記上乗せ量分だけ、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ量を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記ボーナスの作動を契機に前記第1上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定した場合に、当該上乗せ量を報知することなく未報知のまま保持する上乗せ潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記特定役が当籤役として決定されたにも関わらず前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定しない場合に、当該特定役を契機として決定され得る上乗せ量の範囲において、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を報知可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナスの作動を契機に上乗せ量を決定した場合に、この上乗せ量は報知することなく未報知のまま保持しておき、特定役の当籤時に上乗せ量を決定しない場合に、保持しておいた未報知の上乗せ量を代わりに報知する。これにより、特定役の当籤時に、特定役を契機とする上乗せ処理分だけでなく、ボーナスの作動を契機とする上乗せ処理分の報知(上乗せ演出)を行うことができ、遊技者が注目し易い特定役の当籤時に遊技者に対して適度な頻度で特典の付与を報せることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知手段は、前記特定役が当籤役として決定されたにも関わらず前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定しない場合に、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を報知するときに、前記第2上乗せ決定手段により決定可能な上乗せ量と同じ上乗せ量を報知することとしてもよい。
このような遊技機によれば、未報知の上乗せ量を代わりに報知する場合に、特定役の当籤時に決定可能な上乗せ量と同じ上乗せ量を報知するため、遊技者に特定役に基づき上乗せが行われたかのように錯覚させることができ、遊技者が注目し易い特定役の当籤時に遊技者に対して適度な頻度で特典の付与を報せることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役は、複数の設定値のそれぞれにおいて当籤役として決定され得る確率が同一の設定差のない役であり、また、前記ボーナス役は、複数の設定値の少なくとも一部において当籤役として決定され得る確率が異なる設定差のある役であり、前記第1上乗せ決定手段及び前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定する確率は、複数の設定値のそれぞれにおいて同一であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役を契機とする上乗せは、複数の設定値において共通に行われるものの、ボーナスの作動を契機とする上乗せは、設定値毎に異なる確率で行われることになる。上述のように、ボーナスの作動を契機とする上乗せは未報知のまま保持され、その後の特定役の当籤時に代わって報知されるため、設定値に差のない特定役であっても、上乗せの報知が行われる頻度が設定値によって異なることになる。これにより、例えば、上乗せ処理に係る抽籤テーブルの設定差をなくした場合であっても、上乗せの設定差を遊技者に対して感じさせることができ、上乗せ頻度からの設定推測という遊技性を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特定役の当籤時に特典の付与を遊技者に対して適度な頻度で報せることができる。
[付記11]
付記11の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、特典の付与に関する演出には、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、「ART」)と、を含む複数の遊技状態を有し、所定の条件を満たすと、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を決定可能な上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ決定手段が決定した前記上乗せ量分だけ、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ量を報知することなく未報知のまま保持可能な上乗せ潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、特定の条件を満たすと(例えば、「F_SPリプA1」等の当籤時)、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量に応じて、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能な演出ステージ決定手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記演出ステージ決定手段が決定した前記一の演出ステージに対応する上乗せ報知演出により未報知の前記上乗せ量を遊技者に対して報知可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、内部的に上乗せが行われた場合、報知することなく未報知のまま保持されることがあり、未報知のまま保持された上乗せ量は、その後、特定の条件を満たすと報知される。これにより、少ない上乗せ量が決定される度に上乗せの報知を行う場合に比べて、一度に報知可能な上乗せ量を多くすることができ、特典付与の報知演出に伴い遊技の興趣を向上させることができる。また、本発明に係る遊技機では、未報知の上乗せ量に応じて演出ステージを決定し、この演出ステージに対応する報知演出により未報知の上乗せ量を報知する。遊技者にとってみれば、演出ステージから未報知の上乗せ量を予測することができ、例えば、未報知の上乗せ量が多い場合に決定される演出ステージに移行した場合には、その後の遊技に期待を持つことができる。また、演出ステージに対応する報知演出により未報知の上乗せ量を報知するため、例えば、未報知の上乗せ量が多い場合に決定される演出ステージではより賑やかな演出を行うなどのように多彩な演出制御を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、複数の役の中から決定された当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに応じて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記複数の役には、前記複数の停止操作手段に対する第1の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第1の結果表示(例えば、リプレイ)が導出され、前記複数の停止操作手段に対する第2の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第2の結果表示(例えば、赤BARリプ)が導出され、前記複数の停止操作手段に対する第3の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第3の結果表示(例えば、W揃いリプ)が導出される特定役(例えば、「F_SPリプB1」)が含まれ、未報知の前記上乗せ量が所定値(例えば、100)未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第1の操作態様を遊技者に対して報知可能で、未報知の前記上乗せ量が所定値以上特定値(例えば、150)未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第2の操作態様を遊技者に対して報知可能で、未報知の前記上乗せ量が特定値以上の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第3の操作態様を遊技者に対して報知可能な操作態様報知手段を更に備え、前記報知手段は、未報知の前記上乗せ量が所定値未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記上乗せ報知演出を行うことなく、未報知の前記上乗せ量が所定値以上特定値未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記所定値分の上乗せ量を報知する前記上乗せ報知演出を行い、未報知の前記上乗せ量が特定値以上の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記特定値分の上乗せ量を報知する前記上乗せ報知演出を実行可能であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、報知する未報知の上乗せ量と、結果表示を導出するために報知する操作態様とを対応付けることができる。具体的には、上乗せ量を報知しない場合には、第1の結果表示が導出される操作態様を報知し、所定値分の上乗せ量を報知する場合には、第2の結果表示が導出される操作態様を報知し、特定値分の上乗せ量を報知する場合には、第3の結果表示が導出される操作態様を報知する。結果表示(図柄)を揃えて上乗せする遊技性は、遊技者からしても好ましいものであるため、報知演出を行う際に特定の結果表示の導出を促すことで、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現することができる。
[付記12]
付記12の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、特典の付与に関する演出には、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、所定の条件を満たすと、特定の遊技状態(例えば、有利区間)を開始可能な特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態に関する第1数値(例えば、消化済みのゲーム数)を計数可能な計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間を示す第2数値(例えば、残りゲーム数)が終了閾値(例えば、0)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値が所定の終了条件(例えば、ゲーム数リミッタの発動条件)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記第2数値のうちの所定第2数値(例えば、報知済みの残りゲーム数)を、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間として報知可能な残期間報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記第2数値のうちの前記所定第2数値以外の特定第2数値(例えば、未報知の残りゲーム数)を、前記残り期間として報知することなく未報知のまま保持可能な残期間潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、特定の条件を満たすと、前記残期間潜伏手段が保持している未報知の前記特定第2数値の一部を前記残り期間として報知するとともに、報知した値に応じて前記所定第2数値及び前記特定第2数値を更新する上乗せ報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能な演出ステージ決定手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記複数の演出ステージとして、前記上乗せ報知手段が前記報知を行う頻度が所定の頻度である第1演出ステージ及び前記頻度が前記第1演出ステージよりも高い第2演出ステージと、後に前記第1数値が前記所定の終了条件を満たすことが決まっている状態においてのみ決定され得る専用演出ステージとを有し、前記演出ステージ決定手段は、前記第1数値が前記所定の終了条件を満たすことが決まっている前記状態において、前記第1数値と前記所定第2数値との和が第1の閾値の範囲内となる第1の状況では所定の確率で前記専用演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能、かつ、前記第1数値と前記所定第2数値との和が前記第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値の範囲内となる第2の状況では前記所定の確率よりも高い確率で前記専用演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能であり、前記一の演出ステージとして前記専用演出ステージを決定しない場合には、前記特定第2数値に応じた確率で前記第2演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の残り期間は、一部(所定第2数値)が報知され、残りの一部(特定第2数値)が未報知のまま保持されるが、この未報知の残り期間は、演出ステージに応じた頻度で遊技者に対して報知(すなわち、上乗せ)される。このように残り期間の報知(上乗せ)を演出ステージに応じてコントロールすることで、演出態様をきめ細かく制御することができ、遊技の興趣を向上させることができる。すなわち、未報知の残り期間が大きいほど残り期間の報知を行う頻度が高い第2演出ステージが決定されるため、遊技者は、第2演出ステージに移行できた場合には、報知演出が行われることについての期待を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態を消化した期間(第1数値)が所定の終了条件を満たすと、残り期間(第2数値)に関わらず特定の遊技状態を終了するところ、残り期間から将来、所定の終了条件を満たすことが決まっている状態では、専用演出ステージに移行することがある。遊技者からすると、専用演出ステージに移行した場合には、第1数値が終了条件を満たすまで特定の遊技状態が継続することを把握できるため、その後の遊技を安心して行うことができる。このとき、専用演出ステージへの移行は、第1数値(消化済みの期間)と所定第2数値(報知済みの残り期間)との和が大きいほど高い確率で行われ、所定の終了条件を満たすことが決まっている状態であっても、特定第2数値(未報知の残り期間)が大きい場合には、専用演出ステージに移行することなく、例えば、第2演出ステージなどに移行して、報知演出が行われる。遊技者にとってみれば、報知(上乗せ)演出が行われると興趣が向上するため、本発明に係る遊技機のように、残り期間の報知状況に応じて演出態様をコントロールすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現することができる。
[付記13]
付記13の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2010−233721号公報には、所定のゲーム数を1セットとして有利状態(AT)を行い、1セットの有利状態が終了した後に有利状態を再度開始することを煽る演出期間を設けた遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、有している有利状態のセット数に関わらず、1セットの有利状態が終了しても再び次のセットの有利状態が開始されるかもしれないという期待を遊技者に与えることができ、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、上述の遊技機では、残りのセット数が無い場合であっても、1セットの有利状態の終了後に再度の有利状態を煽る演出が行われるが、残りのセット数が無いことを遊技者に把握されている場合には、この演出が意味をなさず、却って遊技の興趣を低下させてしまう恐れがある。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態の終了に際して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、所定の条件を満たすと、特定の遊技状態(例えば、有利区間)を開始可能な特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態に関する数値を計数可能な計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段が計数する前記数値が特定条件を満たすと(例えば、1500回に達すると)、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定の遊技状態を終了する特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間が終了閾値に達すると、所定処理(例えば、ラストフリーズ)を行うか否かを決定する終了時処理決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行うと決定すると、前記計数手段が計数する前記数値が前記特定条件を満たすまで前記特定の遊技状態の継続を許容する終了時処理実行手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記特定状態終了手段は、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行わないと決定すると、前記特定の遊技状態を終了することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態に関連して計数される数値が特定条件を満たすと、特定の遊技状態を継続可能な残り期間に関わらず強制的に特定の遊技状態を終了する(リミット処理)。一方で、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の残り期間が終了閾値に達した場合、所定処理を行うか否かを決定し、所定処理を行うと決定された場合には、リミット処理が行われるまで(計数される数値が特定条件を満たすまで)、特定の遊技状態の継続を許容する。これにより、所定処理が行われた場合には、終了すると思われた特定の遊技状態がリミット処理が行われるまで継続することになるため、特定の遊技状態の終了に伴い遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができるだけでなく、反対に、遊技者は、特定の遊技状態の終了時に強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。なお、リミット処理を行う場合には、特定の遊技状態は残り期間に関わらず強制的に終了するため、所定処理が行われた場合であっても、射幸心を徒に高めてしまうことがなく、バランスのとれた遊技性を実現することができる。すなわち、所定処理が行われた段階で特定の遊技状態が既に長期間にわたり継続していた場合であっても、反対に短期間しか継続していない場合であっても、特定の遊技状態は、全体としてリミット処理が行われるまでしか継続しないため、遊技者に対して過度な利益を付与してしまうことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記終了時処理実行手段は、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行うと決定すると、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間に少なくとも前記数値が前記特定条件を満たすまでに要する期間を加算することとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の終了時に所定処理を行うと決定された場合には、特定の遊技状態を継続可能な残り期間にリミット処理が行われるまでに要する期間を加算する結果、特定の遊技状態の終了に伴い遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができるだけでなく、反対に、遊技者は、特定の遊技状態の終了時に強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。
[発明の効果]
本発明によれば、特定の遊技状態の終了に際して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記14]
付記14の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、例えば、特開2015−39536号公報には、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行するか否かの抽籤を行うとともに、当該抽籤結果に基づいて本前兆状態(有利状態に移行することが決定されている前兆)又はガセ前兆状態(有利状態に移行しない場合の前兆)に移行可能とする遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、前兆(本前兆状態又はガセ前兆状態)中に有利状態への移行を煽る演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができるものの、ガセ前兆状態に移行していた場合には、有利状態に移行することがないため、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵もないため、遊技意欲が低減してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、非報知状態(例えば、通常区間)において第1開始条件が満たされると、前記第1報知状態を開始可能な第1状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1報知状態において第2開始条件が満たされると、前記第2報知状態を開始可能な第2状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1状態制御手段が前記第1報知状態を開始してから前記第2状態制御手段が前記第2報知状態を開始するまでに要した期間に応じて、前記第2報知状態を継続可能な期間を決定可能な期間決定手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記期間決定手段は、前記第1報知状態を開始してから前記第2報知状態を開始するまでに要した前記期間が長いほど、前記第2報知状態を継続可能な前記期間として長い期間を決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知状態において第2開始条件が満たされると第2報知状態が開始されるが、このとき開始する第2報知状態は、第1報知状態から第2報知状態に移行するまでに要した期間に応じて決定され、当該期間が長いほど長い期間が決定される。これにより、第2報知状態に移行できずに第1報知状態に長期間滞在してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく、その後の第2報知状態が長期間継続することについての期待を持つことができるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了する。これにより第1報知状態に長期間滞在し、第2報知状態の期間として長い期間が決定された場合であっても、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1報知状態において終了条件が満たされると、前記第1報知状態を終了し前記非報知状態を開始可能な第3状態制御手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記非報知状態において前記第1開始条件が満たされるまでの平均単位遊技回数は、前記第1報知状態において前記第2開始条件が満たされるまでの平均単位遊技回数よりも少ないこととしてもよい。
このような遊技機によれば、非報知状態から第1報知状態への移行と、第1報知状態から第2報知状態への移行とでは、前者の方が移行頻度が高い。上述のように、第1報知状態は滞在期間が長いほど第2報知状態の期間が長くなるため、遊技者にとってみれば1段階目のチャンス(第1報知状態)が近く感じ、遊技を続ける要素となる。一方で、第2開始条件を満たすよりも前に終了条件を満たしてしまうと非報知状態に移行してしまうため、1段階目のチャンス(第1報知状態)に移行した場合であっても、必ず第2報知状態に移行するわけではなく、非報知状態に移行してしまうこともあるため、射幸心を徒に高めてしまうことがなく、遊技のバランスを図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記15]
付記15の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を有する遊技機として、特開2017−185099号公報には、AT等の有利区間に移行した場合に主制御部が管理する区間表示器(AT当籤の報知ランプ)を点灯させることで、有利区間中であることを報知する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、主制御側で有利区間を管理するため、遊技性が明瞭となる反面、区間表示器が点灯するか否かのみで有利区間(AT)への移行の当否が察知できてしまうため、遊技者が区間表示器にのみ集中してしまい、映像や音声などの演出に対する興味が薄れてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利な状態への移行の当否を確実に報知しつつも、遊技者が演出に対する興味を失うことのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R)を備え、前記可変表示部を変動表示した後、遊技者の停止操作に基づいて前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技の進行を制御する遊技制御部(例えば、主制御基板71)と、演出を制御する演出制御部(例えば、副制御基板72)と、遊技者が停止操作可能な停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、遊技状態の移行を決定可能な移行決定手段(例えば、主制御基板71)と、少なくとも通常状態(例えば、通常区間)と、当該通常状態よりも有利な有利状態(例えば、有利区間)とに遊技状態を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作態様を指示可能な指示手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、を備え、前記有利状態には、出玉率が1よりも低い第1状態(例えば、演出区間)と、当該第1状態よりも前記指示手段による指示の発生頻度の高い第2状態(例えば、増加区間)と、が少なくとも含まれ、前記通常状態において前記移行決定手段は、少なくとも前記第1状態に移行する第1パターン(例えば、通常区間から演出区間に移行するパターン)と、前記第1状態に移行した後に前記第2状態に移行する第2パターン(例えば、通常区間から演出区間を経由して増加区間に移行するパターン)とを決定可能であり、遊技状態が前記第2状態であることを報知可能であり、前記遊技制御部により制御される報知手段(例えば、状態表示器147b)と、前記移行決定手段により遊技状態が前記第2状態へ移行する旨の決定がされたことを報知する特定演出を実行可能であり、前記演出制御部により制御される報知演出実行手段(例えば、表示ユニット100)と、を備え、前記報知手段により遊技状態が前記第2状態であることが報知されるよりも前の前記第1状態の単位遊技において、前記報知演出実行手段により前記特定演出が実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技状態が第2状態である場合、報知手段によりその旨が報知される。ここで、報知手段は、遊技の進行を制御する遊技制御部により制御されるため、遊技者にとって有利な第2状態への移行の当否を、メイン(遊技制御部)側で確実に報知することができる。また、本発明に係る遊技機では、通常状態から有利状態に移行する場合、第1パターンで移行したときであっても、第2パターンで移行したときであっても、第1状態に一度移行するが、この第1状態中にサブ(演出制御部)側で制御する報知演出実行手段において特定演出を実行する。このとき、本発明に係る遊技機では、メイン(遊技制御部)側での報知が行われるよりも前の単位遊技において、サブ(演出制御部)側において演出を実行するため、演出実行時において遊技者は第2状態への移行に当籤しているか否かを把握するすべがなく、演出に対する興味を失うことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記状態制御手段は、前記第1パターンが決定されたことに基づいて前記第1状態に制御する期間の長さと、前記第2パターンが決定されたことに基づいて前記第1状態に制御する期間の長さとを、同じ長さに設定可能であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、第1パターンで移行したときであっても、第2パターンで移行したときであっても、第1状態に制御する期間の長さが同じであるため、第1状態の期間の長さから、その後、第2状態に移行するか否かを把握することができない。遊技者にとってみれば、第1状態中にその後の展開を予測することができないため、最後まで興味を失うことなく遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、有利な状態への移行の当否を確実に報知しつつも、遊技者が演出に対する興味を失うことのない遊技機を提供することができる。
[付記16]
付記16の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017−153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的にATを終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者にとって有利な状態を終了させる場合(リミット処理による終了か残りゲーム数の消化による終了かに関わらず)、終了させる状態に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまうため、その後の遊技が単調になってしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、関連する情報をリセットしつつも、その後の遊技性の幅を広げることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を有する遊技機であって、前記結果表示には、特定の状態(例えば、ARTの終了時)に対応付けられた特定結果表示(例えば、右下がりリプレイ)が含まれ、前記特定結果表示が導出された状態で所定のリセット制御(例えば、ARTに関する情報の初期化)が行われた場合に、当該リセット制御からの復帰後に導出されている前記特定結果表示に基づき前記特定の状態(例えば、ARTの終了時であること)をセットする状態制御手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることを特徴とする。
このように本発明に係る遊技機では、特定結果表示を特定の状態に紐づけておき、所定のリセット制御が行われた後に(復帰後に)、その時点で導出されている特定結果表示から特定の状態であることを読み出す。すなわち、特定結果表示が導出された状態で所定のリセット制御が行われた場合、リセット制御に伴い関連する情報が初期化されるものの、導出されている特定結果表示から特定の状態であることをセットすることができる。これにより、関連する情報をリセットした後であっても、復帰後に認識した特定の状態であることを用いて遊技性の幅を広げることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定結果表示が導出されたことに応じて、所定の遊技状態(例えば、ART)を終了する終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了手段が前記所定の遊技状態を終了すると、前記所定の遊技状態に関する情報をリセットする初期化手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記状態制御手段は、前記初期化手段による前記情報のリセットの後に、導出されている前記特定結果表示に基づき前記所定の遊技状態の終了時であることをセットすることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定結果表示が導出された場合、終了手段が所定の遊技状態を終了するとともに、初期化手段が所定の遊技状態に関する情報をリセットする。そして、本発明に係る遊技機では、初期化手段によるリセットの後に、導出されている特定結果表示から所定の遊技状態の終了時であることをセットする。これにより、従来の遊技機であれば、初期化手段によるリセットに伴い遊技機側では単に「所定の遊技状態ではない(例えば、通常の遊技状態)」ことのみしか把握できなかったが、本発明に係る遊技機では、「所定の遊技状態が終了した直後」の通常の遊技状態であることを把握することができる。その結果、例えば、通常の遊技状態から所定の遊技状態への移行を、所定の遊技状態の終了直後とそれ以外とで異ならせることで、所定の遊技状態の終了後に、所定の遊技状態への引き戻しが行われ易いといった遊技性を持たせることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、関連する情報をリセットしつつも、その後の遊技性の幅を広げることができる。
[付記17]
付記17の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017−153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的にATを終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者にとって有利な状態を終了させる場合(リミット処理による終了か残りゲーム数の消化による終了かに関わらず)、終了させる状態に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまうため、その後の遊技が単調になってしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、所定の遊技状態が終了した後の遊技性の幅を広げることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、通常区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、所定の開始条件が満たされると前記第2報知状態を開始し、所定の終了条件が満たされると前記第2報知状態を終了する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記状態制御手段による前記第2報知状態の終了時にリセット操作を受け付け可能な操作受付手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記状態制御手段は、前記操作受付手段が前記リセット操作を受け付けると、前記第2報知状態の終了後に非報知状態を開始し、前記操作受付手段が前記リセット操作を受け付けないと、前記第2報知状態の終了後に前記第1報知状態を開始することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2報知状態の終了時にリセット操作を受け付けることができ、遊技者がリセット操作を行った場合には、第2報知状態の終了後に非報知状態に移行し、リセット操作を行わない場合には、第2報知状態の終了後に第1報知状態に移行する。第1報知状態は、停止操作の態様が報知される報知状態であるとともに、第2報知状態へ移行可能な遊技状態であるため、リセット操作を行わずに第1報知状態に移行した場合には、終了した第2報知状態への移行(引き戻し)に期待を持つことができる。一方で、本発明に係る遊技機では、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了する(リミット処理)。ここで、リセット操作を行わない場合には、第2報知状態の終了後も報知状態(第1報知状態)中であるため、報知状態に関する数値の計数が継続し、その後、リミット処理が行われ易くなる。そのため、リセット操作を行わない場合、引き戻しに期待を持つことができるものの、リミット処理が行われ易くなるというデメリットも生じてしまう。遊技者にとってみれば、メリット・デメリットを考慮した上で、リセット操作を行うか否かの選択を行うことになるため、第2報知状態が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記非報知状態よりも前記第1報知状態の方が、前記所定の開始条件を満たす確率が高いこととしてもよい。
このような遊技機によれば、リセット操作を行わずに第1報知状態に移行した場合の方が、第2報知状態に移行し易いため、第2報知状態が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、所定の遊技状態が終了した後の遊技性の幅を広げることができる。
[付記18]
付記18の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機として、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、AT機能を搭載した従来の遊技機では、ナビが行われるAT期間中が遊技者にとって有利な遊技状態であるため、遊技者は、AT期間を目指して遊技を行うだけであり、遊技性が単調となっていた。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された第1数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了して非報知状態(例えば、通常区間)を開始するリミット処理を行う遊技機であって、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作を行った場合に特定の結果表示(例えば、7揃いリプレイ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作を行った場合に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_択数リプ」)と、再遊技の作動に係るリプレイ役とが含まれ、前記特定の結果表示が導出されると、前記リプレイ役が当籤役として決定される確率が高い高RT状態を開始するRT状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、非報知状態において所定の開始条件が満たされると前記報知状態を開始する状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記状態開始手段が前記報知状態を開始すると前記報知状態に関する第2数値を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記報知状態において前記特定の結果表示(例えば、7揃いリプレイ)が導出されると、前記報知状態を終了して前記非報知状態を開始する状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記報知状態中に前記特定役(例えば、「F_択数リプ」)が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様(例えば、7揃いリプレイの表示に必要な停止操作)を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知手段は、前記計数手段が計数する前記第2数値が所定値に達するまでは、前記特定役が当籤役として決定された場合であっても前記特定の操作態様を報知することなく、前記第2数値が所定値に達した後に前記特定役が当籤役として決定された場合に前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の結果表示が導出されると、報知状態が終了し非報知状態に移行するものの、リプレイ役が当籤役として決定される確率が高い高RT状態が開始される。すなわち、本発明に係る遊技機では、報知状態が終了し非報知状態に移行した場合、高RT状態が開始する。これにより、本発明に係る遊技機によれば、従来の遊技機とは反対に、報知状態から非報知状態(高RT)への移行を目指す遊技性を実現することができ、興趣の向上が期待できる。ここで、特定の結果表示は、特定役の当籤時に特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出されるところ、報知状態中に特定役に当籤すると、この特定の操作態様が報知されることがある。具体的には、報知状態中に計数された第2数値が所定値に達するまでは特定の停止態様を報知しないものの、所定値に達した後は特定の停止態様を報知する。これにより、報知状態に一定期間滞在した場合には、その後、(特定の停止態様が報知され)高RTへの移行が期待できるため、本発明に係る遊技機によれば、報知状態中の期間を高RTへの天井期間とすることができ、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記状態開始手段が前記報知状態を開始すると、複数の数値の中から一の数値を決定し、前記所定値としてセットする所定値設定手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の停止態様が報知されるまでの期間を任意に設定することができるため、高RTへの天井期間がその都度変わり、遊技の興趣が向上する。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
[付記19]
付記19の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(報知する)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017−153724号公報には、報知期間(AT)が長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的に報知期間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、このような遊技機では、非報知期間から報知期間への移行に関して高確率/低確率のように確率を異ならせることができないため、報知期間を第1区間と第2区間のように分け、第2区間を従来の遊技機におけるAT中とするとともに、第1区間中に第2区間への移行確率に差をつけることで、AT(第2区間)への移行に確率差を設けることとしている。しかしながら、第1区間は報知期間に含まれるため、このような制御では、第1区間が長期間にわたって継続した後に第2区間(AT区間)に移行した場合、報知期間が上限(1500回)に到達し易くなってしまい、遊技者の興趣を損ねてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、射幸性を徒に高めてしまうことを抑制しつつも、遊技者の興趣を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、非報知状態(例えば、通常区間)において第1条件を満たすと、遊技状態を前記第1報知状態に移行し、前記非報知状態において第2条件を満たすと、遊技状態を前記第2報知状態に移行し、前記第1報知状態において第3条件を満たすと、遊技状態を前記非報知状態に移行し、前記第1報知状態において第4条件を満たすと、遊技状態を前記第2報知状態に移行する状態制御手段を更に備え、前記非報知状態において前記第2報知状態への移行契機となる前記第2条件を満たす確率は、前記第1報知状態において前記第2報知状態への移行契機となる前記第3条件を満たす確率よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了するため、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。また、本発明に係る遊技機では、遊技者にとってより有利な第2報知状態への移行は、第1報知状態から行われることもあれば、非報知状態から移行することもあるが、第1報知状態から移行するよりも、非報知状態からの方が第2報知状態へ移行し易くなっている。これにより、第2報知状態へは、非報知状態から第1報知状態を経由して移行するのではなく、第1報知状態から非報知状態を経由して第2報知状態に移行するルートを主な移行ルートとする遊技性を実現することができる。このようにすることで、第2報知状態に移行した場合には、その直前の遊技状態が非報知状態であることが多く、結果、リミット処理のために計数する数値も、第2報知状態への移行の直前に一度リセットされる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、リミット処理を行うことで射幸性を徒に高めてしまうことを防止しつつも、リミット処理のために用いる数値を第2報知状態の開始前から無駄に計数することがなく、遊技者の興趣を損ねることがない。
[発明の効果]
本発明によれば、射幸性を高めてしまうことを抑制しつつ、遊技者の興趣を損ねることのない遊技機を提供することができる。
[付記20]
付記20の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機として、例えば、特開2016−104425号公報には、ATへの移行確率を定めるモードを複数備えた遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、モード毎の移行確率に差があるため、現在のモードに応じてATへの移行期待度が変わることになり、遊技の興趣が向上するものの、ATへの移行確率が低いモードが示唆されている状況においては、遊技意欲が損なわれ、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利ではない状態に滞在している場合に遊技意欲が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備えた遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、通常状態(例えば、通常区間)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、有利区間)とを有し、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、ボーナス役と特定役とが重複して内部当籤役として決定される第1当籤役(例えば、「F_BB2+特殊役」)と、少なくとも前記ボーナス役が内部当籤役として決定されるとともに、重複して当籤する役の種別が前記第1当籤役とは異なる第2当籤役(例えば、「F_BB2」)とを有し、前記内部当籤役決定手段は、前記第1当籤役又は前記第2当籤役の何れか一方については、複数の設定値のそれぞれにおいて同一の確率で前記内部当籤役として決定し、他方については、複数の設定値の少なくとも一部において異なる確率で前記内部当籤役として決定し、前記有利状態において前記ボーナス役が前記内部当籤役として決定されると、前記内部当籤役として決定された役の種別に関わらず第1の特典(例えば、共通処理に基づく特典)を付与可能な共通処理手段(例えば、主制御基板71)と、前記通常状態において前記第1当籤役又は前記第2当籤役のうちの設定差のない役(例えば、「F_BB2+特殊役」)が前記内部当籤役として決定されると、第2の特典(例えば、特殊処理に基づく特典)を付与可能な個別処理手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記第2の特典は、前記第1の特典に比べて大きな特典であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役が内部当籤役として決定された際の遊技状態に応じて付与される特典が異なる。具体的には、有利状態中にボーナス役が内部当籤役として決定されると、内部当籤役として決定されたボーナス役の種別に関わらず第1の特典が付与され、通常状態中にボーナス役が内部当籤役として決定されると、決定された役が設定差のない役である場合に限り、第2の特典が付与される。このとき、第2の特典は第1の特典に比べて大きな特典であるため、本発明に係る遊技機によれば、相対的に不利な通常状態中は、より大きな第2の特典を受けることができる。その結果、遊技者にとって有利ではない通常状態に滞在している場合であっても、有利状態中に受けることのできない大きな特典(第2の特典)のチャンスがあるため、通常状態中に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、通常状態中に付与可能な第2の特典は、設定差のない役が内部当籤役として決定され場合に付与される、(通常状態に滞在し易い)低設定であっても高設定と変わらずに第2の特典の付与を受けることができるため、設定状況から遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記停止制御手段は、前記第1当籤役が前記内部当籤役として決定された遊技において特定の操作態様で停止操作が行われた場合と、前記第2当籤役が前記内部当籤役として決定された遊技において前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合とで、前記複数の可変表示手段の変動停止時に同一の結果表示を導出することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の操作態様で停止操作を行っている場合、第1当籤役の当籤時と第2当籤役の当籤時とで同一の結果表示が導出されるため、例えば、有利状態中に、第1当籤役と第2当籤役とのうち設定差のない役が内部当籤役として決定された場合であっても、設定差のある役が内部当籤役として決定されたのか、設定差のない役が内部当籤役として決定されたのかを判別できないようにすることができる。上述のように設定差のない役は、有利状態中に内部当籤役として決定されるよりも、通常状態中に内部当籤役として決定される方が付与される特典が大きい。そのため、本発明に係る遊技機のように制御することで、遊技者に対して引き損感を与えることがなく、興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利ではない状態に滞在している場合に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
[付記21〜付記26]
付記21〜付記26の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
ところで、AT機能を有する従来の遊技機では、AT(特定の遊技状態)中の遊技が単にナビを待つだけの遊技であったため、AT中の遊技が単調になってしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態中の遊技を多様化することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記21の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記数値算出手段が算出した前記数値情報が閾値を超えると、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化(例えば、768ptを超えると黒BARを無効にする)可能な延長情報変化手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報に応じて、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、数値情報は、特定の遊技状態の各遊技において更新されるため、延長情報を毎遊技更新することができ、遊技性をより多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役には、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長期待度が他の役に比べて相対的に高い特定役(例えば、確定役)が含まれ、前記延長情報変化手段は、前記数値情報が前記閾値を超えると、前記特定役に基づく前記特定の遊技状態の遊技期間の延長期待度を下げる(例えば、無効にする)ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、数値情報が閾値を超えていない場合は、特定役の当籤に応じて特定の遊技状態の遊技期間が延長され易いものの、数値情報が閾値を超えている場合は、特定役が当籤しても特定の遊技状態の遊技期間が延長され難い。遊技者にとってみれば、特定役の当籤タイミングに応じて得られる利益が異なるため、特定の遊技状態中の遊技性が多様化する。また、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、数値情報が閾値を超える。このような場合に、延長期待度を下げることで、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記22の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作が行われたときに特定の結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作が行われたときに前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示が導出される複数の特定役(例えば、確定役)が含まれ、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記数値算出手段が算出した前記数値情報に応じて、当籤役として決定された場合に前記所定の操作態様を報知する前記特定役の種類を決定可能な対象役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記対象役決定手段が決定した種類の前記特定役が当籤役として決定されると、前記所定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定役に応じた結果表示のうち、前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記特定の結果表示は、前記複数の特定役の夫々において固有の結果表示(例えば、「C_黒BARリプ」「C_W揃いリプ」など)であり、前記所定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記所定の結果表示は、前記複数の役のうち前記特定役以外の役(例えば、「F_通常リプ1」など)が当籤役として決定された場合にも導出され得る汎用の結果表示(例えば、「C_TLリプ」)であり、前記対象役決定手段は、前記数値情報に応じて、前記所定の操作態様を報知する前記特定役の種類を増加させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報に応じて、所定の操作態様を報知する特定役の種類が増加する。特定役は、所定の操作態様で停止操作が行われた場合と、特定の操作態様で停止操作が行われた場合とで、導出される結果表示が異なるため、所定の操作態様を報知する特定役の種類が少ない状態と多い状態とでは、特定の遊技状態中の結果表示が異なることになり、遊技者が注目する出目(結果表示)が多様化し、遊技の興趣が向上する。
ここで、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される結果表示は、複数の特定役の夫々において固有の結果表示である一方で、所定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される結果表示は、特定役以外の役が当籤役として決定された場合にも導出され得る汎用の結果表示である。そのため、遊技者は、導出された所定の結果表示(汎用)から特定役が当籤したのか他の役が当籤したのかを把握することができず、遊技者に気付かれることなく出目のバリエーションが異なる状態を制御することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の特定役は、他の役に比べて当籤役として決定された場合に前記特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高い役であり、前記対象役決定手段は、前記複数の特定役のうち、前記期待度が高い特定役から順に、前記所定の操作態様を報知する特定役として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高い特定役から順に、所定の結果表示(汎用)が導出されるように報知が行われる。遊技者にとってみれば、所定の結果表示(汎用)が導出されてしまうと、特定役の当籤を把握することができないため、遊技期間の延長に関して期待を持つことができなくなり好ましくない。しかしながら、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に特定役の当籤を隠すものであり、遊技者に対して受け入れがたい不利益を与えるものではなく、却って、過度なのめり込みを防止することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記23の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作が行われたときに固有の結果表示(例えば、「C_黒BARリプ」「C_W揃いリプ」など)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作が行われたときに他の役(例えば、「F_通常リプ1」など)が当籤役として決定された場合にも導出され得る汎用の結果表示(例えば、「C_TLリプ」)が導出される特定役(例えば、確定役)が含まれ、前記特定の遊技状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態において前記特定役が当籤役として決定されると、当該遊技における前記数値情報に応じて、前記特定役を契機とする第1の特典を付与するか否かを決定可能な第1特典付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与しないと決定すると、前記特定役が当籤役として決定された遊技よりも後の遊技(例えば、ATの終了時)において、前記第1の特典の付与契機とは異なる付与契機の第2の特典を付与するか否かを決定可能な第2特典付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定された場合に遊技者に対して操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与すると決定すると、前記特定役の当籤を契機として前記第1の特典を付与可能であるとともに、前記第2特典付与決定手段が前記第2の特典を付与すると決定すると、前記第2特典付与決定手段の決定を契機として前記第2の特典を付与可能であり、前記報知手段は、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与しないと決定すると、遊技者に対して前記所定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役の当籤を契機として第1の特典を付与可能であるとともに、第1の特典を付与しない場合にはその後の遊技において第2の特典を付与可能である。ここで、第1の特典を付与しない場合、所定の操作態様が報知される結果、結果表示として汎用の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、第1の特典が付与されていないため実際には不利益が生じているにも関わらず、汎用の結果表示が導出されるため損失感を覚えることがなく、遊技者に不満を感じさせることがない。一方で、第1の特典を付与しない場合には、その後、第2の特典を付与可能であるため、実際に生じた不利益も補てんすることができ、遊技者に不要な不利益を与えることがない。このように特定役の当籤に伴い第1の特典又は第2の特典を付与可能とすることで、特定役の当籤に伴う特典を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2特典付与決定手段は、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与しないと決定すると、前記特定役が当籤役として決定された遊技よりも後の遊技における前記数値情報が閾値(例えば、1024pt)を超えている場合、前記第2の特典を付与しないと決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、数値情報が閾値を超えている場合には、第2の特典を付与しない。ここで、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、数値情報が閾値を超える。このような場合に、第2の特典を付与しないことで、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記24の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態の各遊技において、今回の遊技において付与する遊技価値量に関する情報(例えば、当籤役や払出枚数)を取得するとともに、取得した前記情報に応じて、前記特定の遊技状態においてこれまでに付与された遊技価値量に関する第1数値情報(例えば、累積ポイント)を算出可能な第1数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の各遊技において、前記特定の遊技状態の残りストック数及び前記特定の遊技状態の残り遊技期間を取得するとともに、取得した前記残りストック数及び前記残り遊技期間に応じて、前記特定の遊技状態において今後付与され得る遊技価値量に関する第2数値情報(例えば、所持ポイント)を算出可能な第2数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、算出した前記第1数値情報及び前記第2数値情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する第3数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な第3数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記第3数値算出手段が算出した前記第3数値情報が閾値を超えると、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化(例えば、768ptを超えると黒BARを無効にする)可能な延長情報変化手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する第3数値情報に応じて、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。ここで、第3数値情報は、これまでに付与された遊技価値量に関する第1数値情報と、残りストック数や残り遊技期間に応じて算出される今後付与され得る遊技価値量に関する第2数値情報とに基づき算出されるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、遊技期間の延長に関する延長情報を変化させることができ、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。なお、第3数値情報(第1数値情報)は、特定の遊技状態の各遊技において更新されるため、延長情報を毎遊技更新することができ、遊技性をより多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態の前記残りストック数を消費して前記特定の遊技状態の前記残り遊技期間を決定可能な遊技期間決定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第2数値算出手段は、前記特定の遊技状態の単位遊技当たりに付与される遊技価値量の期待値に応じて、前記特定の遊技状態の前記残り遊技期間に基づき付与され得る遊技価値量に関する第4数値情報(例えば、1G当たり7pt)を算出するとともに、前記残りストック数1つ当りから前記遊技期間決定手段が決定する前記残り遊技期間の期待値、及び前記特定の遊技状態の単位遊技当たりに付与される遊技価値量の期待値に応じて、前記特定の遊技状態の前記残りストック数に基づき付与され得る遊技価値量に関する第5数値情報(例えば、ストック1つ当たり600pt)を算出し、これら前記第4数値情報及び前記第5数値情報を合算することで前記第2数値情報を算出し、また、前記遊技期間決定手段が、前記残りストック数を消費して前記残り遊技期間を決定すると、消費した分の前記残りストック数に基づき算出していた前記第5数値情報に替えて、消費した分の前記残りストック数に応じて決定された前記残り遊技期間に基づき算出された前記第4数値情報を用いて前記第2数値情報を算出することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の残りストック数や残り遊技期間からは、今後付与され得る遊技価値量の正確な値は分からないものの、夫々の1単位当たりの期待値から今後付与され得る遊技価値量に近い値を求めることができる。そして、この値を用いて遊技期間の延長に関する延長情報を変化させることで、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。また、本発明に係る遊技機では、残りストック数を消費して残り遊技期間を決定可能であるが、この場合には、消費した分の残りストック数に対する残り遊技期間の期待値に替えて、残りストック数を消費して具体的に決定した残り遊技期間を用いることで、今後付与され得る遊技価値量に関する数値情報を算出する。そのため、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報を適切に管理することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記25の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記数値算出手段が算出した前記数値情報を計数可能な2バイトのカウンタ(例えば、ATポイント用のカウンタ、主制御回路91)と、前記前記カウンタが計数する前記数値情報が閾値以上になると、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化可能な延長情報変化手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記閾値は、256の所定数倍の値であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報が閾値以上になると、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、数値情報は、特定の遊技状態の各遊技において更新されるため、延長情報を毎遊技更新することができ、遊技性をより多様化することができる。また、閾値は256の所定数倍の値であるため、処理負荷を軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記延長情報変化手段は、前記2バイトのカウンタのうちの上位バイトの値と、前記所定数とを比較し、前記上位バイトの値が前記所定数以上である場合に、前記数値情報が前記閾値以上であると判定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、閾値として上位バイトと比較可能なデータ(1バイトのデータ)のみを有していればよいため、データ容量や処理負荷を軽減することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記26の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態において、所定遊技間(例えば、5ゲーム間)に当籤した役に関する当籤役情報(例えば、当籤役の履歴情報)を表示可能な履歴表示手段(例えば、表示ユニット100)と、前記特定の遊技状態において特定役(例えば、レア役)が当籤役として決定されると、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報を、第1当籤役情報(例えば、宝石(赤))とするか第2当籤役情報(例えば、宝石(白))とするかを決定可能な履歴種別決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記履歴種別決定手段が前記第1当籤役情報を決定すると、その後の前記所定遊技間において、前記第2当籤役情報を決定した場合よりも高い確率で特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記履歴表示手段は、前記履歴種別決定手段が前記第1当籤役情報を決定すると前記第1当籤役情報を表示し、また、前記履歴種別決定手段が前記第2当籤役情報を決定すると前記第2当籤役情報を表示し、前記履歴種別決定手段は、前記数値算出手段が算出した前記数値情報に応じて、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報を、前記第1当籤役情報とするか前記第2当籤役情報とするか決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役の当籤に伴い第1当籤役情報が決定された場合には、その後の所定遊技間は特典付与の確率が上がる。ここで、履歴表示手段には、当籤役情報が表示されるため、履歴表示手段に第1当籤役情報が表示された場合、遊技者は、その後の遊技において特典が付与されることに期待して遊技を行うことになる。このように履歴表示手段の表示内容に応じて、その後の遊技性が異なるため、特定の遊技状態中の遊技を多様化することができる。
このとき、特定役の当籤時に第1当籤役情報又は第2当籤役情報の何れを決定するかは、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報に応じて決まるため、数値情報に応じて特典付与の確率も変化し、多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記数値算出手段が算出した前記数値情報に応じて、抽籤無効状態とするか否かを決定可能な無効制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記履歴種別決定手段は、前記無効制御手段が前記抽籤無効状態とすることを決定した場合には、必ず、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報として前記第2当籤役情報を決定し、前記無効制御手段が前記抽籤無効状態とすることを決定しない場合には、所定の確率で、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報として前記第1当籤役情報を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、抽籤無効状態である場合には、特定役が当籤しても特典付与の確率が低い第2当籤役情報しか決定されないため、遊技者にとっては好ましくない。しかしながら、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、抽籤無効状態となるのは、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合であり、遊技者に対して受け入れがたい不利益を与えるものではなく、却って、過度なのめり込みを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、遊技の進行を停止するロック状態を発生可能なロック制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与時にはロック状態が発生するため、特典が付与されたことを、遊技者が把握することができる。
[付記27]
付記27の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する従来の遊技機では、ATに当籤した場合であっても当籤状態のまま待機し、当籤状態においてATの開始条件が満たされると、実際にATを開始することが広く行われている。ところで、このような当籤状態のまま待機する従来の遊技機では、待機している間も遊技者にとって有利な情報を報知しており、特に、待機している状態と、AT中との報知確率に差が無かった。そのため、待機している状態であってもAT中と同等の出玉感が得られてしまい、メリハリのない遊技性となっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特定遊技状態中と当該特定遊技状態が開始されるまでの待機期間である待機遊技状態中とで、メリハリのある遊技性を有する遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、当籤役として決定された場合に遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知され得る報知対象役が含まれ、遊技を行う遊技状態として、所定遊技状態(例えば、AT非当籤の遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、ATや特化ゾーン)と、前記特定遊技状態が開始されるまでの待機期間である待機遊技状態(例えば、ATが開始されるまでの待機状態(特化ゾーン準備))と、を含む複数の遊技状態を有し、前記報知対象役が当籤役として決定された場合に前記有利な停止操作の態様を報知する確率が異なる報知モードとして、第1報知モード(例えば、特殊モードON)と前記第1報知モードよりも前記確率が高い第2報知モード(例えば、特殊モードOFF)とを有し、前記所定遊技状態において第1移行条件(例えば、AT抽籤に当籤)を満たすと、前記待機遊技状態に遊技状態を移行可能であり、また、前記待機遊技状態において第2移行条件(例えば、特化ゾーン開始抽籤に当籤)を満たすと、前記特定遊技状態に遊技状態を移行可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技状態が前記所定遊技状態から前記待機遊技状態に移行すると、前記報知モードとして前記第1報知モードを設定可能であり、また、遊技状態が前記待機遊技状態から前記特定遊技状態に移行すると、前記報知モードとして前記第2報知モードを設定可能な報知モード設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1報知モードにおいて前記報知対象役が当籤役として決定された場合に、所定の確率で前記有利な停止操作の態様を報知可能であり、また、前記第2報知モードにおいて前記報知対象役が当籤役として決定された場合に、前記所定の確率よりも高い特定の確率で前記有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態が開始されるまでの待機期間である待機遊技状態に移行すると、報知モードとして第1報知モードが設定されるため、待機遊技状態中は報知確率が低く、報知対象役に当籤しても有利な停止操作の態様が報知され難い。他方、待機遊技状態から特定遊技状態に移行した場合には、報知モードとして第2報知モードが設定され得るため、特定遊技状態中は報知確率が高く、報知対象役に当籤した場合に有利な停止操作の態様が報知される。その結果、本発明に係る遊技機では、特定遊技状態中と待機遊技状態中とで報知確率が異なるため、両遊技状態の出玉感にメリハリが生じ、興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、再遊技役が当籤役として決定される確率が異なるRT状態として第1RT状態と第2RT状態とを含む複数のRT状態を有するとともに、前記複数の役には、前記第1RT状態において当籤役として決定されると第1の結果表示(例えば、XDリプ以外のリプレイ)を導出可能であり、前記第2RT状態において当籤役として決定されると前記第1の結果表示を導出不可能(例えば、XDリプが表示されてしまう)な特定役が含まれ、前記遊技状態制御手段は、前記待機遊技状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定遊技状態に遊技状態を移行可能であり、前記報知モード設定手段は、前記待機遊技状態において前記特定役が当籤役として決定され、前記第1の結果表示が導出されると、前記報知モードとして前記第2報知モードを設定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、待機遊技状態から特定遊技状態への移行は、特定役が当籤役として決定されたことのみをもって行われるが、第1報知モードから第2報知モードへの切り替えは、特定役が当籤役として決定されただけでは行われずに、第1の結果表示が導出された場合に行われる。そのため、本発明に係る遊技機では、特定遊技状態においても報知確率が低くなることがある。ここで、第1の結果表示は、特定役に当籤したときのRT状態が第1RT状態である場合には導出可能であるが、第2RT状態である場合には導出されることがない。そのため、本発明に係る遊技機では、待機遊技状態中のRT状態に応じて、その後に開始する特定遊技状態の報知確率を異ならせることができるため、開始直後の特定遊技状態の出玉感にメリハリを生じさせることができる。
[付記28]
付記28の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
従来、AT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。ところで、従来のようにサブ側の制御のもとでナビを行う場合には、ナビは演出としての意味合いがあり、サブ側のナビ内容は、メイン側のナビ内容と一致しないことがあった。一例として、第1停止操作のみを要求する3択の押し順役と、第1停止操作及び第2停止操作を要求する6択の押し順役を有する仕様において、3択の押し順役の当籤時に、メイン側では3択の押し順に応じたナビを行う一方で、サブ側では、6択の押し順役であるか3択の押し順役であるかを分からなくするために、敢えて6択の押し順に応じたナビを行うことがあった。このような制御では、サブ側のナビにより演出的に多様なナビが可能であるものの、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致しないため、好ましくなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とを一致させつつも、演出的に多様なナビが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、開始操作を検出すると、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動表示させるとともに、停止操作を検出すると、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記図柄を停止表示させることで、前記リールを用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記遊技に関する演出を制御可能な演出制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、M番目に停止する前記リールに対する停止操作である第M停止操作(例えば、第1停止操作)の態様が適切である場合に所定の図柄の組合せを停止表示可能であり、前記第M停止操作の態様が適切でない場合に前記所定の図柄の組合せを停止表示不可能な複数の第1択数役(例えば、3択の押し順役)と、前記第M停止操作の態様が適切、かつ、前記第M停止操作よりも後の第N停止操作(例えば、第2停止操作)の態様が適切である場合に特定の図柄の組合せを停止表示可能であり、前記第M停止操作の態様又は前記第N停止操作の態様が適切でない場合に前記特定の図柄の組合せを停止表示不可能な複数の第2択数役(例えば、6択の押し順役)と、が含まれ、前記複数の第1択数役には、前記第M停止操作が第1の態様である、第1停止態様(例えば、右1st)である場合に、前記所定の図柄の組合せを停止表示可能であり、停止操作の態様が前記第1停止態様とは異なる態様である場合に、前記所定の図柄の組合せを停止表示不可能な特定第1択数役(例えば、右1stが正解の3択の押し順役)が含まれ、前記複数の第2択数役には、前記第M停止操作が第1の態様であり、かつ、前記第N停止操作が第2の態様である、第2停止態様(例えば、右左中の押し順)である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示可能であり、停止操作の態様が前記第2停止態様とは異なる態様である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示不可能な特定第2択数役(例えば、右左中が正解の6択の押し順役)と、前記第M停止操作が第1の態様であり、かつ、前記第N停止操作が第3の態様である、第3停止態様(例えば、右中左)である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示可能であり、停止操作の態様が前記第3停止態様とは異なる態様である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示不可能な所定第2択数役(例えば、右中左が正解の6択の押し順役)と、が含まれ、前記遊技制御手段により制御され、報知状態において前記第1択数役又は前記第2択数役が当籤役として決定された場合に、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能なメイン側報知手段(例えば、主制御回路91、指示モニタ)と、前記演出制御手段により制御され、前記報知状態において前記第1択数役又は前記第2択数役が当籤役として決定された場合に、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能なサブ側報知手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知状態において前記特定第1択数役が当籤役として決定されると、前記メイン側報知手段は、前記第2停止態様又は前記第3停止態様(例えば、指示モニタにおいて「5」又は「6」)を報知し、前記サブ側報知手段は、前記メイン側報知手段が前記第2停止態様を報知した場合には前記第2停止態様(例えば、右左中)を報知し、前記メイン側報知手段が前記第3停止態様を報知した場合には前記第3停止態様(例えば、右中左)を報知し、前記報知状態において前記特定第2択数役が当籤役として決定されると、前記メイン側報知手段及び前記サブ側報知手段は、前記第2停止態様(例えば、指示モニタに「5」、表示ユニット100に右左中)を報知し、前記報知状態において前記所定第2択数役が当籤役として決定されると、前記メイン側報知手段及び前記サブ側報知手段は、前記第3停止態様(例えば、指示モニタに「6」、表示ユニット100に右中左)を報知することを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、第2択数役が当籤役として決定された場合には、メイン側報知手段もサブ側報知手段も、当籤した第2択数役に適切な停止操作の態様を報知する。一方で、第1択数役が当籤役として決定された場合には、メイン側報知手段において、第1択数役では要求されることのない第N停止操作の態様も報知し、サブ側報知手段は、メイン側報知手段に対応する内容を報知する。これにより、本発明に係る遊技機によれば、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とを一致させるつつも、演出的に多様なナビを行うことができる。
[付記29]
付記29の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
ところで、このようなAT機能を有する遊技機として、所定の条件を満たしたときにAT期間を延長する確率が高い上乗せ区間に移行可能にした遊技機も知られているが、従来の遊技機では、上乗せ区間もAT中であるため、上乗せ区間中も遊技者にとって有利な情報を報知していた。しかしながら、このような遊技機では、上乗せ区間中に、AT期間を延長する確率を高くするという特典に加えて、更に遊技者にとって有利な情報を報知するという特典を与えてしまうため、遊技者に与える特典が大きくなりすぎてしまい好ましくなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、上乗せ区間の遊技性を損なうことなく、上乗せ区間中に遊技者に与える特典を適切な範囲に収めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有するとともに、前記特定の遊技状態として、通常区間(例えば、AT)と前記通常区間よりも前記特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高い上乗せ区間(例えば、AT中CZ)とを有し、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作が行われたときに付与される遊技価値量が、前記特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われたときに付与される遊技価値量と異なる特定役(例えば、打順ベル)が含まれ、前記特定の遊技状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の前記通常区間において開始条件を満たすと、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間を開始可能であり、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間において終了条件を満たすと、当該上乗せ区間を終了可能な上乗せ区間制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記報知手段は、前記特定の遊技状態の前記通常区間において前記特定役が当籤役として決定された場合には、所定の確率で前記特定の操作態様を報知する一方で、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間において前記特定役が当籤役として決定された場合には、前記所定の確率よりも低い確率で前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の通常区間から上乗せ区間に移行すると、特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高くなる一方で、特定役が当籤したときの報知頻度が低くなる。これにより、遊技期間の延長という上乗せ区間の遊技性を損なうことなく、上乗せ区間中に遊技者に与える特典を適切な範囲に収めることができる。また、本発明に係る遊技機のように、上乗せ区間中の報知頻度を低くすることで、その分の割合を他の部分に回すことができ、例えば、上乗せ区間中も報知頻度が高い遊技機と比べて、上乗せ区間への移行頻度を高くすることや、上乗せ区間中の上乗せ期待度を高くすることなどもできる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態において当籤役として決定された役に応じて、前記特定の遊技状態の遊技期間を延長可能な上乗せ制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記上乗せ制御手段は、前記特定の遊技状態の前記通常区間において前記特定役が当籤役として決定された場合、前記特定の遊技状態の遊技期間を延長しない一方で、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間において前記特定役が当籤役として決定された場合、前記特定の遊技状態の遊技期間を延長可能であることを特徴とする。
上述したように本発明に係る遊技機では、上乗せ区間において特定役に当籤した場合の報知頻度が低くなるため、上乗せ区間に特定役に当籤してしまうことは、遊技者にとって好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の通常区間において特定役が当籤しても遊技期間を延長しないが、特定の遊技状態の上乗せ区間では、特定役が当籤すると遊技期間を延長することがある。これにより、上乗せ区間中に特定役に当籤した場合であっても、遊技者は不満を感じることがなくなるため、上乗せ区間中の遊技の興趣が向上する。
[付記30]
付記30の遊技機は、以下の通りである。
また、従来、過去の遊技結果の履歴を参照して特典を付与する遊技機も知られており、例えば、特開2013−252312号公報には、5ゲーム分の入賞履歴を所定の条件に従って表示するとともに、入賞履歴データを保持して、入賞履歴が条件コードデータに該当する入賞履歴となってことに基づいてARTの抽籤を行う遊技機が開示されている。
このような遊技機によれば、今回の遊技だけでなく、過去の遊技の履歴も加味して制御が行われるため、多彩な遊技性を実現することができるが、今回の遊技の結果に応じて満たされる条件コードデータは、1つだけであり更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、従来にない履歴制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、第1グループ(例えば、リプレイ群)に属する役(例えば、「F_通常リプ1」など)と第2グループ(例えば、レア役群)に属する役(例えば、「F_弱チャンス」など)と第1グループ及び第2グループの双方に属する特定役(例えば、「F_チャンスリプ」)とが含まれ、所定遊技間(例えば、5ゲーム間)に当籤役として決定された役に関する当籤役情報を管理可能な履歴管理手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定遊技間に前記第1グループに属する役が当籤役として決定された場合に満たし得る第1履歴条件(例えば、リプ3連以上で行う履歴抽籤に当籤)を満たすと第1の特典(例えば、CZ)を付与可能であるとともに、前記所定遊技間に前記第2グループに属する役が当籤役として決定された場合に満たし得る第2履歴条件(例えば、レア役3個以上で行う履歴抽籤に当籤)を満たすと第2の特典(例えば、AT)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定されたことを契機に、前記第1履歴条件及び前記第2履歴条件の双方を満たした場合、前記第1の特典及び前記第2の特典の双方を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1の特典の付与契機となる第1グループと、第2の特典の付与契機となる第2グループとの双方に属する特定役を有し、この特定役の当籤に伴い、所定遊技間の当籤役の履歴が、第1の特典の付与条件(第1履歴条件)と第2の特典の付与条件(第2履歴条件)との双方を満たした場合に、第1の特典及び第2の特典の双方を付与する。このように本発明に係る遊技機によれば、特定役の当籤という1つのことを契機として、複数の特典を付与することができるため、従来の履歴制御にはない新たな履歴制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機では、前記特典付与手段は、前記所定遊技間に前記第1グループに属する役が当籤役として決定された回数が第1回数に達すると前記第1の特典を付与可能であるとともに、前記所定遊技間に前記第2グループに属する役が当籤役として決定された回数が第2回数に達すると前記第2の特典を付与可能であり、前記履歴管理手段は、前記所定遊技間において前記特定役が当籤役として決定された場合、前記第1グループに属する役が当籤役として決定された回数と前記第2グループに属する役が当籤役として決定された回数との双方を加算可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤すると、第1グループに属する役の当籤回数と第2グループに属する役の当籤回数との双方が加算されるため、その後の遊技において第1の特典の付与条件又は第2の特典の付与条件が満たされる可能性が高まり、遊技者は、その後の遊技に関して期待を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記履歴管理手段が管理する前記所定遊技間分の前記当籤役情報を表示可能な履歴表示手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者は、所定遊技間分の当籤役情報を把握することができるため、遊技の興趣が向上する。
[付記31]
付記31の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を備える遊技機では、通常の状態から特定の遊技状態(AT)に移行させるまでの制御に様々な工夫がなされており、例えば、特定の遊技状態への移行確率を定めるモードを複数備え、現在のモード毎に移行期待度を異ならせる制御も知られている。しかしながら、このような制御は多くの遊技機において採用されており、単にモードを設けるだけでは遊技が単調になり、特定の遊技状態への移行に関して更なる改善が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態への移行に関して従来にない新たな制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、CZ)と、特定の遊技状態(例えば、初回ボーナスや連ボーナス)とを含む複数の遊技状態を有するとともに、前記特定の遊技状態は、第1区間(例えば、小役ゲーム)と第2区間(例えば、JACゲーム)とを有し、前記特定の遊技状態の前記第1区間において第1条件(例えば、リプレイに当籤)を満たすと、前記特定の遊技状態の前記第2区間に遊技状態を移行可能であり、前記特定の遊技状態の前記第2区間において第2条件(例えば、4ゲーム経過すると)を満たすと、前記特定の遊技状態の前記第1区間に遊技状態を移行可能な特定遊技中移行制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態において終了条件(例えば、小役ゲームが25ゲーム経過すると)を満たすと、前記特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態を開始可能な終了制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態において当籤役として決定された役に応じて数値情報(例えば、獲得ポイント)を付与可能な数値付与手段と、前記特定の遊技状態において前記数値付与手段が付与した前記数値情報の合計を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定の遊技状態への移行期待度が異なる複数のモード情報(例えば、得点ランク)を有し、前記特定の遊技状態の終了時に前記計数手段が計数している前記数値情報を合計した値に応じて、前記複数のモード情報の中から一のモード情報を決定可能なモード決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定の遊技状態において、前記一のモード情報に応じて前記特定の遊技状態に移行するか否かを決定する特定遊技開始決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定遊技開始決定手段が前記特定の遊技状態に移行すると決定すると、前記特定の遊技状態を開始可能な開始制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記数値付与手段は、前記特定の遊技状態の前記第2区間では、前記特定の遊技状態の前記第1区間よりも多い前記数値情報を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態では数値情報が付与され、特定の遊技状態の終了時に、獲得した数値情報に応じて、特定の遊技状態への移行期待度を定めるモード情報が決定される。特定の遊技状態が終了した後の所定の遊技状態では、特定の遊技状態への移行するか否かを決定しており、移行すると決定した場合には、終了した特定の遊技状態に再度移行する。これにより、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態中は、特定の遊技状態に再度移行するための数値情報の獲得遊技という遊技性を有し、特定の遊技状態中の遊技の結果に応じて、再度、特定の遊技状態に戻ることの期待度が変わる。遊技者にとってみれば、特定の遊技状態に移行しただけでは終わらず、特定の遊技状態中の遊技にも集中することになるため、特定の遊技状態への移行に関して従来にない新たな遊技性を実現することができる。
また、本発明において、特定の遊技状態は、第1区間と第2区間とにより構成され、第2区間では第1区間よりも多い数値情報が付与される。遊技者にとってみれば、第1区間であるか第2区間であるかに応じてその後の遊技の流れが異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態として、第1特定の遊技状態(例えば、SBIG)と第2特定の遊技状態(例えば、WBIG)とを有し、前記特定遊技開始決定手段が前記特定の遊技状態に移行すると決定すると、開始する前記特定の遊技状態の種類を決定可能な種類決定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記開始制御手段は、前記種類決定手段が前記第1特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第1特定の遊技状態を開始し、前記種類決定手段が前記第2特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第2特定の遊技状態を開始し、前記数値付与手段は、前記第2特定の遊技状態では、前記第1特定の遊技状態よりも多い前記数値情報を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2特定の遊技状態では第1特定の遊技状態よりも多い数値情報が付与される。遊技者にとってみれば、第1特定の遊技状態であるか第2特定の遊技状態であるかに応じてその後の遊技の流れが異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定遊技中移行制御手段は、前記特定の遊技状態の前記第1区間において所定役(例えば、リプレイ)が当籤役として決定されると前記第1条件を満たしたとして、前記特定の遊技状態の前記第2区間に遊技状態を移行可能であり、前記特定の遊技状態の前記第2区間において行われた遊技の回数が所定回数(例えば、4ゲーム)に達すると前記第2条件を満たしたとして、前記特定の遊技状態の前記第1区間に遊技状態を移行可能であり、前記終了制御手段は、前記特定の遊技状態のうちの前記第2区間において行われた遊技の回数を除く前記第1区間において行われた遊技の回数が特定回数に達すると(例えば、JACゲームを除く小役ゲームが25ゲーム経過すると)前記終了条件を満たしたとして、前記特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態を開始可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態は、第2区間において行われた遊技の回数に関わらず第1区間において行われた遊技の回数が特定回数に達すると終了する。そのため、特定の遊技状態において第2区間に移行できた場合には、第2区間の間は特定の遊技状態が終了することなく、また、第2区間は多くの数値情報を獲得することができるため、第2区間への移行回数が増えるほど終了後に再び特定の遊技状態に戻ることについての期待を持つことができる。
[付記32]
付記32の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
ところで、AT機能を有する従来の遊技機では、AT(特別区間)への移行当否を報せる演出(例えば、成功するとATへの移行に当籤、失敗すると非当籤)を行うこともあるが、従来の遊技機では、このような演出が途中でキャンセルされてしまうことがあった。演出がキャンセルされてしまうと、せっかくの演出の演出効果が低下し、興趣が低下してしまうため、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特別区間への移行当否に報せる演出の演出効果を低下させてしまうことを軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、特定の遊技状態(例えば、有利区間)とを含む複数の遊技状態を有するとともに、前記特定の遊技状態は、所定回数の遊技が行われる演出区間(例えば、前兆)より構成される第1特定の遊技状態(例えば、ガセ前兆)と、前記所定回数の遊技が行われる前記演出区間とその後の遊技者にとって有利な特別区間(例えば、疑似ボーナスとCZとの連荘)とにより構成される第2特定の遊技状態(例えば、本前兆及び疑似ボーナスとCZとの連荘)と、を有し、前記所定の遊技状態において所定役(例えば、レア役)が当籤役として決定されると、前記特定の遊技状態の種類を決定可能な種類決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記種類決定手段が前記第1特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第1特定の遊技状態を開始し、前記第1特定の遊技状態において前記所定回数の遊技が行われて前記演出区間が終了すると、前記第1特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態に移行可能な第1遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記種類決定手段が前記第2特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第2特定の遊技状態を開始し、前記第2特定の遊技状態において前記所定回数の遊技が行われて前記演出区間が終了すると、その後、前記特別区間を開始するとともに、当該特別区間の終了条件を満たすと、前記第2特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態に移行可能な第2遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記演出区間において、その後、前記特別区間が開始されるか否かの成否に関する所定演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、前記第1特定の遊技状態の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生可能なロック制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記演出実行手段は、前記種類決定手段が前記第1特定の遊技状態を開始すると決定している場合、前記演出区間及びその後の前記ロック状態を用いて前記所定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、所定の遊技状態から特定の遊技状態に移行した場合、特定の遊技状態の種類(第1特定の遊技状態又は第2特定の遊技状態)に関わらず、まず、所定回数の遊技が行われる演出区間に移行する。この演出区間では、その後、特別区間が開始されるか否かの成否に関する所定演出が行われるため、特定の遊技状態の種類として第1特定の遊技状態が決定されている場合には、失敗演出が行われ、特定の遊技状態の種類として第2特定の遊技状態が決定されている場合には、成功演出が行われる。また、本発明に係る遊技機では、第1特定の遊技状態の終了時にロック状態を発生させるが、第1特定の遊技状態では、演出区間の終了時が特定の遊技状態の終了時と一致するため、第1特定の遊技状態に移行した場合には、演出区間及びその後のロック状態を用いて所定演出を実行することができ、所定演出がキャンセルされてしまうことがなく、特別区間への移行当否に報せる所定演出の演出効果を低下させてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ロック制御手段は、前記第2特定の遊技状態の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生可能であり、前記演出実行手段は、前記種類決定手段が前記第2特定の遊技状態を開始すると決定している場合、前記ロック状態を用いて前記特別区間の遊技結果に関する特定演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2特定の遊技状態は、特別区間の終了時が特定の遊技状態の終了時と一致するため、ロック状態を用いて特定演出を実行することで、例えば、特別区間中のメダルの獲得枚数などの特別区間中の遊技結果を遊技者に対して報せることができる。すなわち、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の終了時のロック状態用いることで、特別区間への移行当否を報せる所定演出及び特別区間中の遊技結果を報せる特定演出を適切に行うことができる。
[付記33]
付記33の遊技機は、以下の通りである。
このリール停止制御に関して、特開2012−200497号公報には、内部当籤役として決定された役に対応する図柄の組合せを構成する図柄最大滑り駒数の範囲内で最大限に引き込むようにした遊技機(いわゆる5号機)が開示されている。このような遊技機によれば、従来の遊技機(いわゆる4号機)で可能であった、内部当籤しているにも関わらず停止制御しない制御が廃され、対応する図柄の組合せを狙えば、内部当籤している役に応じた図柄の組合せを必ずそろえることができるため、公平な遊技を実現することができる。
また、このような停止制御を行う遊技機として、近年、ベルなどの当籤確率の高い小役とスイカなどの当籤確率の低いレア役とが、第2停止時にテンパイしており、第3停止時に何れの役の入賞もなかったときにリーチ目となってボーナスなどの特典が確定する遊技機も知られている。しかしながら、小役とレア役とがテンパイする従来の制御では、遊技者の停止操作が煩雑になり煩わしいという問題があった。すなわち、小役とレア役とがテンパイした場合、遊技者は、レア役を取りこぼすことがないように停止操作を行うことになるが、ベルなどの小役は、レア役やボーナス役に比べて当籤確率が高いため、小役とレア役とがテンパイした場合には基本的にベルが入賞し、レア役の入賞やリーチ目が表示される可能性は少ない。従来の制御では、このような場合にまでレア役を取りこぼすことがない停止操作を行う必要があり、遊技者は煩わしさを感じてしまっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者の停止操作を簡易にしつつも、停止出目に応じて遊技者が期待感を持つことの可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された所定数のリールのリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記図柄を停止表示させることで、前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役には、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶ直線状のライン(例えば、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライ、クロスダウンライン)に沿って第1の図柄(例えば、ベル)が並んで表示され得る特定役(例えば、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」)と、前記ラインに沿って第2の図柄(例えば、スイカ)が並んで表示され得る所定役(例えば、「F_スイカ1」「F_スイカ2」)と、が含まれるとともに、前記特定役には、第1特定役(例えば、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」)と第2特定役(例えば、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」)と、が含まれ、前記特定役が当籤役として決定された場合には第1の確率で特典(例えば、初回ボーナスの当籤)を付与可能であり、前記所定役が当籤役として決定された場合に前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、停止操作を検出すると、複数の役の中から決定された当籤役に応じて、前記停止操作に対応するリールの回転を停止可能な停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記停止制御手段は、前記第1特定役が当籤役として決定されている場合、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄がテンパイし、前記第2の図柄がテンパイしないように前記リールの回転を停止し、前記第2特定役が当籤役として決定されている場合、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄及び前記第2の図柄の双方がテンパイするように前記リールの回転を停止し、前記所定役が当籤役として決定されている場合、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄及び前記第2の図柄の双方がテンパイするように前記リールの回転を停止し、前記特定役が当籤役として決定される確率は、前記所定役が当籤役として決定される確率よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役は、当籤役として決定される確率が高いものの、特典付与の期待度が低く、所定役は、当籤役として決定される確率は低いものの、特典付与の期待度が高い。これら特定役と所定役とは、第2停止時に双方がテンパイすることもあるが、特定役のうち第1特定役が当籤役として決定されている場合には、所定役はテンパイすることなく特定役のみがテンパイする。遊技者にとってみれば、当籤確率が高く特典付与が期待し難い第1特定役の当籤時にまで所定役の取りこぼしを気にして停止操作を行う必要がないため、停止操作に対する煩わしさを軽減することができる。
ここで、特定役の当籤時には所定役をテンパイさせずに、所定役の当籤時にのみ所定役をテンパイさせる停止制御も考えられ、このような停止制御にすることで、遊技者の停止操作を最も簡易にすることができる。しかしながら、このような停止制御は、停止操作を簡易にするという観点からは好ましいものの、テンパイした停止出目の形から当籤役が把握できてしまい、遊技が単調になってしまうため、遊技性の観点から好ましくない。すなわち、遊技性を考えた場合、停止出目の形から所定役かもしれないといった期待感を抱くことができる程度が好ましい。
この点、本発明に係る遊技機では、特定役のうち第2特定役が当籤役として決定されている場合には、特定役と所定役との双方がテンパイするため、双方がテンパイする停止出目の出現頻度を第2特定役の当籤確率分高めることができる。このように本発明に係る遊技機では、第1特定役という特定役のみがテンパイする役と、第2特定役という特定役と所定役の双方がテンパイする役とを有することで、遊技者の停止操作を簡易にしつつも、停止出目に応じて遊技者が期待感を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役には、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄及び前記第2の図柄の双方がテンパイ可能、かつ、前記特定役及び前記所定役の何れも入賞しない特別役(例えば、「F_リーチ目リプA1」)が更に含まれ、前記特典付与手段は、前記特別役が当籤役として決定されると、前記第2の確率よりも高い確率で前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役と所定役の双方がテンパイした遊技において何れも入賞しない場合には、特別役に基づく特典が付与されるため、遊技者は、双方がテンパイした場合に期待感を持って遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1特定役が当籤役として決定される確率と、前記第2特定役が当籤役として決定される確率とは、異なる確率であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役のみがテンパイする停止出目と、特定役と所定役の双方がテンパイする停止出目との出現頻度を、夫々の当籤確率に応じて調整することができる。
[付記34]
付記34の遊技機は、以下の通りである。
AT機能を有する遊技機として、特開2017−169968号公報には、遊技者が有利となるような情報を報知可能な有利区間と、当該情報を報知しない非有利区間(通常区間)とを設け、有利区間が長期間にわたり継続した場合に(例えば、1500ゲーム経過した場合に)、残りのゲーム数に関わらず強制的に有利区間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。
上述の遊技機によれば、有利区間中に遊技者が得る利益を一定の範囲に収めることができるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。しかしながら、有利区間が連続して複数回実行されてしまうと、1回の有利区間で得られる利益は抑えることができるが、複数回の総合で得られる利益が過大になってしまう可能性があり、このような場合には、遊技の射幸性が徒に高まってしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、射幸性を適切に抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技の結果として付与された遊技価値量から遊技に用いられた遊技価値量を減算した獲得差数(例えば、差枚数)を計数可能な計数手段(例えば、打ち止め用カウンタ)と、前記計数手段が計数する前記獲得差数が閾値(例えば、14500枚)を超えたか否かを判定可能な判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記判定手段が前記獲得差数が前記閾値を超えたと判定すると、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態とする打止制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の解除条件を満たすと、前記打ち止め状態を解除して遊技を継続可能にする打止解除手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、電源が投入された後の遊技価値の獲得差数が閾値を超えると、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態となる。これにより、1回当たりでは適切な範囲であっても、総合で過大な利益(遊技価値)を与えてしまった場合に、強制的に遊技が不可能な打ち止め状態とすることができるため、遊技者に与える利益が過大になってしまうことがなく、射幸性を適切に抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記計数手段は、単位遊技終了時の前記獲得差数がマイナスの値である場合に、当該獲得差数を0にクリアすることを特徴とする。
このような遊技機によれば、獲得差数がマイナスの場合には、マイナスの時点を基準として打ち止め状態の判定を行うことができるため、遊技者に与える利益が過大になってしまうことがなく、射幸性を適切に抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う遊技状態として、ボーナスが作動しているボーナス状態と、ボーナスが作動していない非ボーナス状態とを有し、前記判定手段は、前記ボーナス状態においては、単位遊技の終了時に前記判定を行うことなく、前記ボーナス状態の終了時に前記判定を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態中は打ち止め状態となることがないため、遊技者が感じる不満を軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、ボーナスが作動していない非ボーナス状態として、通常状態と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)とを有し、前記判定手段は、前記非ボーナス状態においては、前記通常状態であるか前記有利状態であるかに関わらず、単位遊技の終了時に前記判定を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態ではない有利状態中は、打ち止め状態とすることができる。このような有利状態は、継続期間が固定的ではないことがあり、いつまで継続することが分からないため、有利状態中であっても打ち止め状態とすることで、遊技者に与える利益が過大になってしまうことがなく、射幸性を適切に抑制することができる。
[付記35]
付記35の遊技機は、以下の通りである。
特開2004−181226号公報には、リールの外周面に沿って装着されたリール帯の外周側をリール前面に対向する位置(前方)から照明光で照射する遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者は、照明光によりリール帯に配されている複数の図柄のうち、表示領域に対向する図柄を視認することができる。
しかしながら、従来の遊技機では、リールの前方から照射される照明光の光量は遊技状態に関わらず一定であるため、遊技が単調なものとなっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、リールの前方から照射する照明光を用いて、抑揚のある遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記図柄を停止表示させることで、前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常遊技)と、特定の遊技状態(例えば、ボーナス状態)とを含む複数の遊技状態を有し、前記所定の遊技状態において開始条件を満たすと前記特定の遊技状態を開始可能であり、前記特定の遊技状態において終了条件を満たすと前記特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態に遊技状態を移行可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リールの外周面を前記リールの前面から照射可能な照明手段(例えば、上部ランプ)と、前記照明手段の点灯状態を制御可能な照明制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記照明制御手段は、前記所定の遊技状態においては、前記照明手段を消灯したまま保持する一方で、前記特定の遊技状態においては、前記照明手段を点灯したまま保持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態においては、リールの前面が照明手段により照らされ続けるのに対して、所定の遊技状態においては、リールの前面が照明手段により照らされないまま保持される。これにより、リールの照明光の光量が遊技状態に応じて変化することになるため、抑揚のある遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生可能なロック制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記照明制御手段は、前記特定の遊技状態の開始時に前記照明手段を消灯状態から点灯状態に切り替え、前記特定の遊技状態の終了に伴う前記ロック状態の解除時に前記照明手段を点灯状態から消灯状態に切り替えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技状態の移行に合わせたタイミングで適切に照明手段の点灯状態を切り換えることができるため、抑揚のある遊技機を提供することができる。
[付記36]
付記36の遊技機は、以下の通りである。
このような遊技機に対する不正行為として、遊技機外部に設けられている外部部材を強制的に取り外し、その際に露呈するケーシングされていない末端の基板に不正器具、例えば針金を挿入し、電源を不正操作するといったゴト行為が知られており、遊技機メーカーは、このような不正行為に対する様々な工夫を行っている。例えば、特開2018−114328号公報には、前扉の設計変更を必要とせずに、簡易かつ安価な構造で電源ゴトによる不正行為の防止を図った遊技機が開示されている。
ところで、近年では、電源を不正操作するだけではなく、遊技機の利益度合いを定める設定値を不正に操作するゴト行為も発生しており、このような不正な設定変更に対する対策も求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、不正な設定変更を検知可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、遊技機本体(キャビネット61)と前記本体に取り付けられた扉体部(前扉)とを備え、複数の識別表示を変動又は停止表示することで遊技を進行可能な遊技機であって、電断時の前記扉体部の開閉状態を保持可能な開閉状態保持手段(例えば、副制御回路101)と、設定変更を受け付けた場合に、前記開閉状態保持手段が保持している、電断時の前記扉体部の前記開閉状態を参照して、当該電断時において前記扉体部が閉じていたか否かを判定する開閉判定手段(例えば、副制御回路101)と、前記開閉判定手段が前記設定変更に伴う前記電断時において前記扉体部が閉じていたと判定した回数を集計可能な回数集計手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じていた設定変更の回数を集計する。ここで、パチスロ機では、電源がOFFの状態で設定キー(設定用鍵型スイッチ)がONになった時に設定変更が可能であり、電源がONの状態で設定キーがONになると単に現在の設定値を確認できるだけで、設定変更を行うことはできない。すなわち、パチスロ機では、設定変更を行う場合には、電源を必ずOFFにする必要がある。遊技店の店員などが正規に設定変更を行う場合、通常、扉体部を開けた状態で電源をOFFにするため、正規の設定変更操作では、設定変更に伴う電断時に扉体部は開いている。一方で、ゴト師などが不正に設定変更を行う場合には、扉体部を開けることができないため、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じている。そのため、本発明に係る遊技機のように、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じていた設定変更の回数を集計することで、不正な設定変更を検知することができる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技機本体(キャビネット61)と前記本体に取り付けられた扉体部(前扉)とを備え、複数の識別表示を変動又は停止表示することで遊技を進行可能な遊技機であって、電断時の前記扉体部の開閉状態を保持可能な開閉状態保持手段(例えば、副制御回路101)と、設定変更を受け付けた場合に、前記開閉状態保持手段が保持している、電断時の前記扉体部の前記開閉状態を参照して、当該電断時において前記扉体部が閉じていたか否かを判定する開閉判定手段(例えば、副制御回路101)と、前記開閉判定手段が前記設定変更に伴う前記電断時において前記扉体部が閉じていたと判定すると、所定の警告情報を外部に出力可能な警告出力手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じていた場合に所定の警告情報を外部に出力するため、不正な設定変更を検知することができる。
[付記37]
付記37の遊技機は、以下の通りである。
このような遊技機においては、MAXベットボタンや1ベットボタンなどの遊技者により操作されるベットボタンを設け、ベットボタンが操作されることで、操作されたボタンに対応する枚数のメダルが今回の遊技に用いる枚数(ベット数)として設定される。ここで、近年、ベットボタンにベット数を設定するための機能に加えて他の機能を持たせる遊技機が知られており、例えば、特開2017−170211公報には、MAXベットボタンのようなベットボタンとして機能するボタンを演出用のボタンとしても機能可能にした遊技機が開示されている。
ところで、上述の遊技機であっても、ベットボタンとしての機能は1つに過ぎず、MAXベットボタンはMAXベットに用いられ、1ベットボタンは1ベットに用いられるだけであった。遊技者にとってみれば、ベット数を異ならせることが好ましい場合もあるため、上述の遊技機のように他の機能を追加しただけでは不十分であり、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、1つのベットボタンを用いて従来にないベット制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、第1ベット数(例えば、2BET)及び前記第1ベット数よりも多い第2ベット数(例えば、3BET)の遊技が可能な所定の遊技状態(例えば、非報知状態)を有し、遊技者によるベット操作を受け付け可能なベット操作手段(例えば、MAXベットボタン11)と、前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数を決定可能なベット制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ベット制御手段は、前記第2ベット数よりも多くの遊技価値を貯留している前記所定の遊技状態において前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、前記第1ベット数を今回の遊技のベット数として決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1ベット数及び第2ベット数の何れにおいても遊技可能な所定の遊技状態において、ベット操作手段が操作されると、第1ベット数及び第2ベット数の何れか一方を、今回の遊技のベット数として決定することができる。このように1つのベット操作手段を用いて複数のベット数を決定可能であるため、本発明に係る遊技機によれば、1つのベット操作手段を用いて従来にないベット制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定の遊技状態は、第1区間(第1抽籤状態)及び第2区間(第2抽籤状態)により構成され、前記ベット制御手段は、前記第2ベット数よりも多くの遊技価値を貯留している前記所定の遊技状態の前記第1区間において前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数として前記第2ベット数を決定可能であり、前記第2ベット数よりも多くの遊技価値を貯留している前記所定の遊技状態の前記第2区間において前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数として前記第1ベット数を決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、上述の遊技機と同様に1つのベット操作手段を用いて従来にないベット制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う遊技状態として、前記所定の遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定の遊技状態(例えば、報知状態)を更に有し、前記所定の遊技状態の前記第1区間において、前記特定の遊技状態に遊技状態を移行するか否かを決定可能な移行決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記移行決定手段が前記特定の遊技状態に移行すると決定すると、前記所定の遊技状態の前記第1区間から前記第2区間を経由して、前記特定の遊技状態に遊技状態を移行可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な特定の遊技状態への移行が決定されるまでは、第2ベット数の遊技が行われ、特定の遊技状態への移行が決定された後、当該特定の遊技状態に移行するまでの待機区間(第2区間)では、第2ベット数よりも少ない第1ベット数の遊技が行われるため、上述の遊技機と同様に1つのベット操作手段を用いて従来にないベット制御が可能になる。
[付記38〜付記44]
付記38〜付記44の遊技機は、以下の通りである。
遊技機では、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値を設け、設定値に応じて出玉の波を作り出すこととしている。ところで、従来の遊技機では、このような設定値として6段階の設定値を設けていたが、設定値が多いとデータ容量の増加及び設計開発の負担増加に繋がることから、近年では、設置値の数を減らした遊技機も知られている。例えば、特開2017−064539号公報には、「1」、「4」、「6」及び「H」の4段階の設定値を設けた遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においても出玉の波は、相変わらず設定値に応じて作り出されるものであり、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことが可能な遊技機が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記38の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役が当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有するとともに、当該1つの設定値により定まる前記複数の役の当籤確率のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者に対して特典(例えば、AT)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、現在のRT状態に応じた確率で前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定値としては1段階の設定値しか有さないが、特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のRT状態は、再遊技役が当籤役として決定される当籤確率が略同一であることを特徴とする。
複数のRT状態において再遊技役が当籤役として決定される当籤確率に大きな差が設けられる場合、再遊技が作動する頻度も大きく変わるため、再遊技の作動という観点から出玉の波が異なることになる。このような場合には、遊技者は、再遊技が作動する頻度から有利度合いを推測できてしまい、有利不利が簡単に分かってしまう結果、稼働の偏りが顕著になってしまい好ましくない。これに対して、本発明に係る遊技機では、複数のRT状態において再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を略同一としているため、再遊技が作動する頻度からは有利度合いを推測することが困難になる。その結果、RT状態に応じて定まる疑似的な設定値を、従来の遊技機における設定値のように見た目(再遊技の作動)から分かり難くすることができ、従来の複数段階の設定値を有する遊技機と同様の遊技性を遊技者に対して感じさせることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のRT状態として、特定RT状態(例えば、非RT状態)と所定数の所定RT状態(例えば、RT1状態〜RT7状態)とを有し、前記RT状態の移行契機となる結果表示として、前記所定数の所定RT状態のそれぞれに対応する前記所定数のRT移行結果表示(例えば、RT2移行図柄〜RT7移行図柄)を有し、前記RT制御手段は、前記RT移行結果表示が導出された場合に、導出された当該RT移行結果表示に対応する種別の前記所定RT状態にRT状態を移行可能であり、前記遊技制御手段は、前記複数のRT状態のそれぞれにおいて、前記所定数のRT移行結果表示の全てを導出可能であることを特徴とする。
疑似的な設定値とRT状態とが対応する遊技機では、現在のRT状態が特定されてしまうことは、疑似的な設定値が特定されることであるため、好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、所定数のRT移行結果表示の全てが、複数のRT状態のそれぞれにおいて導出可能であるため、現在のRT状態を特定され難くすることができ、結果、疑似的な設定値(現在のRT状態)を遊技者に特定され難くすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記特定RT状態において前記RT移行結果表示が導出された場合に、導出された当該RT移行結果表示に対応する種別の前記所定RT状態にRT状態を移行する一方で、前記所定RT状態では前記RT移行結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は基本的には移行契機となる結果表示が導出されることで移行するものの、所定RT状態中は、この結果表示が導出可能である一方で、この結果表示が導出されたとしてもRT状態を移行することなく現在のRT状態のまま維持する。その結果、移行契機となる結果表示の導出が、現在のRT状態に対して一致するわけではないため、疑似的な設定値(現在のRT状態)が遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役として、再遊技の作動に係る再遊技役と遊技価値の付与に係る小役とボーナス状態の作動に係るボーナス役とを有するとともに、前記複数の役のうち前記再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者に対して特典(例えば、AT)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数の役のうち前記小役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な小役確率変動手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、現在のRT状態に応じた確率で前記特典を付与し、前記小役確率変動手段は、前記ボーナス状態が作動した場合に限り、前記小役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能であることを特徴とする。
遊技機では、役物(ボーナス)が作動した場合や設定値が変更された場合などの限られた条件でしか、遊技価値の付与に係る小役の当籤確率を変動させることができない。この点、本発明に係る遊技機では、ボーナス状態が作動した場合にしか小役の当籤確率を変動しないため、上述と同様にRT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記39の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、疑似ボーナス(AT))を実行可能な特定状態(例えば、有利区間)を有するとともに、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、非RT状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT7状態)とを有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態に関する特典を、現在のRT状態に応じた確率で付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態において実行された遊技回数がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定状態を終了することで、前記報知状態を終了するリミット制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記RT制御手段は、前記特定RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出されると、導出された結果表示に応じた種別の所定RT状態にRT状態を移行するとともに、前記複数の所定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達すると、当該所定RT状態から前記特定RT状態にRT状態を移行し、前記所定RT状態の終了閾値に応じた遊技回数は、前記特定状態のリミット閾値に応じた遊技回数よりも多いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態に関する特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて報知状態の頻度が異なる。これにより、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)が異なることになり、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
ここで、近年の遊技機では、報知状態が長期間にわたり継続しないように、報知状態を実行可能な期間(有利区間)に上限(リミッタ)を設けることとしている。この点、本発明に係る遊技機では、疑似設定値として用いるRT状態の継続期間を、特定状態(有利区間)の上限よりも長く設定する。これによりRT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の所定RT状態の終了閾値は、それぞれの所定RT状態毎に異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態の期間が所定RT状態毎に異なるため、疑似的な設定値が維持される期間を、疑似的な設定値に応じて異ならせることができる。例えば、遊技者にとって有利な疑似的な設定値は、短くなるように設定することで、遊技者に与える利益が過大にならないように制御することができる。
また、本発明に係る遊技機において、RT状態の移行契機となる前記結果表示は、前記特定RT状態だけでなく、前記複数の所定RT状態のうちの少なくとも一部において導出可能な結果表示であり、前記RT制御手段は、前記複数の所定RT状態において、RT状態の移行契機となる前記結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は基本的には移行契機となる結果表示が導出されることで移行するものの、所定RT状態中は、この結果表示が導出可能である一方で、この結果表示が導出されたとしてもRT状態を移行することなく現在のRT状態のまま維持する。ここで、疑似的な設定値とRT状態とが対応する遊技機では、現在のRT状態が特定されてしまうことは、疑似的な設定値が特定されることであるため、好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、移行契機となる結果表示の導出が、現在のRT状態に対して一致するわけではないため、疑似的な設定値(現在のRT状態)が遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記複数の所定RT状態では、所定の初期化処理が実行されない限り、当該所定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達するまで他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態は、遊技回数が終了閾値に達するまでは維持されるため、RT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機において、現在のRT状態は、遊技者に対して報知されることがないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は一切報知されることがないため、疑似的な設定値(現在のRT状態)が遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記40の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた特定数値情報を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、特典付与の期待度が異なる複数の付与状態(例えば、ゾーン)の中から一の付与状態を決定可能な第1決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1決定手段が決定した前記一の付与状態に応じて特典(例えば、AT)を付与するか否かを決定するとともに、付与すると決定した場合に遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定数値情報に対応付けて前記付与状態を規定する付与状態決定情報(例えば、MAP)であって、当該規定内容がそれぞれ異なる複数の付与状態決定情報を更に有し、現在のRT状態に応じて前記複数の付与状態決定情報の中から一の付与状態決定情報を決定可能な第2決定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第1決定手段は、前記一の付与状態決定情報において、前記計数手段が計数する前記特定数値情報に対応付けられた前記付与状態を前記一の付与状態として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典の付与は付与状態に応じて行われ、この付与状態は、現在のRT状態に応じて決定される付与状態決定情報に応じて決定される。そのため、特典の付与確率は、(付与状態を決定する付与状態決定情報を決定するための)RT状態に応じて異なることになるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、滞在している場合に特典付与の期待度を変動不可能な通常区間(例えば、通常区間)と、滞在している場合に特典付与の期待度を変動可能な有利区間(例えば、有利区間)とを有し、前記通常区間から所定の確率(例えば、1/100)で前記有利区間に移行可能であるとともに、前記有利区間において終了条件を満たすと前記通常区間に移行可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第1決定手段は、前記通常区間と前記有利区間とのうち前記有利区間においてのみ前記複数の付与状態の中から一の付与状態を決定可能であり、前記複数の付与状態決定手段のそれぞれは、所定範囲の前記特定数値情報(例えば、400ゲーム)毎に前記付与状態を規定し、前記所定範囲は、前記通常区間から前記有利区間への移行確率である前記所定の確率の逆数よりも大きいことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与の期待度を定める付与状態の間隔(遊技回数)は、通常区間から有利区間への移行間隔(移行確率の逆数)よりも長い。そのため、通常区間に滞在している場合であっても、付与状態が切り替わるまでの間に一度は有利区間に移行することが期待できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役が当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、実際の設定値としては1段階の設定値のみしか有さないものの、RT状態を用いることで疑似的に多段階の設定値を有する挙動を持たせることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技に関する状態として、前記特典付与手段により特典が付与されていない場合に滞在する所定遊技状態(例えば、非報知状態)と、前記特典付与手段により特典が付与されている場合に滞在可能な特定遊技状態(例えば、報知状態(疑似ボーナス))とを有し、前記計数手段は、前記特定遊技状態に移行することなく前記所定遊技状態のまま実行された遊技回数に応じた所定数値情報を計数可能であり、前記計数手段が計数する前記所定数値情報は遊技者に対して報知可能であるが、前記計数手段が計数する前記特定数値情報は遊技者に対して報知することがないことを特徴とする。
特典付与の期待度を定める付与状態は、特定数値情報に対応付けられているため、特定数値情報が報知された場合、遊技者は有利な状況であるか否かを推測可能になってしまう。そのため、本発明に係る遊技機では、特定数値情報については遊技者に対して報知せずに、所定数値情報を報知する。これにより、遊技者は、前回の特典が付与されてからの遊技回数(ハマりゲーム数)を把握することができるため、疑似的な設定値(RT状態)が有利なRT状態であるか推測することができ、緩やかな推測要素を設けることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、所定の初期化処理が実行されない限り、現在のRT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達するまで他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は、遊技回数が終了閾値に達するまでは維持されるため、RT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記41の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、疑似ボーナス(AT))を有するとともに、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、非RT状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT7状態)とを有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態に関する特典を、現在のRT状態に応じた確率で付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、持越役(例えば、「F_BB」)が当籤役として決定された単位遊技において、当該持越役に対応する特定の結果表示が導出されない場合に、前記特定の結果表示が導出されるまで、前記持越役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の結果表示が導出された場合に、遊技者にとって不利な状態となる非許可状態と、前記特定の結果表示が導出された場合に、前記不利な状態とはならない許可状態とを制御可能(例えば、特化に当籤していない場合は不利、当籤している場合は有利)な許可状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記RT制御手段は、前記持越役を当籤役として持ち越していない非持越状態の前記特定RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合には、導出された結果表示に応じた種別の所定RT状態にRT状態を移行する一方で、前記持越役を当籤役として持ち越している持越状態の前記特定RT状態、前記持越状態の前記所定RT状態及び前記非持越状態の前記所定RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合には、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持し、また、前記所定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達すると、前記持越状態であるか非持越状態であるかに関係なく、当該所定RT状態から前記特定RT状態にRT状態を移行し、前記許可状態制御手段は、前記非持越状態において前記持越役が当籤役として決定されると、前記非許可状態をセットし、前記持越状態の前記特定RT状態において特定条件を満たすと、前記非許可状態を前記許可状態に更新し、また、前記持越状態の前記所定RT状態において所定条件を満たすと、前記非許可状態を前記許可状態に更新することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機では、特定RT状態から所定RT状態への移行は、導出された結果表示に応じて行うが、この移行は、持越役を当籤役として持ち越していない非持越状態においてのみ可能であり、持越役を当籤役として持ち越している持越状態においては行うことができない。そのため、RT状態の移行のためには、持越状態中は、持越役に応じた特定の結果表示を導出して非持越状態にする必要があるが、持越役が当籤役として決定された場合、基本的には非許可状態がセットされ、特定の結果表示の導出が不利に制御される。その結果、基本的には持越状態が維持され、RT状態の移行も制限される。一方で、非許可状態から許可状態になると、特定の結果表示の導出が不利にならない結果、持越状態の解除が可能になり、RT状態の移行も可能になる。ここで、上述のようにRT状態を疑似的な設定値として用いる場合、RT状態の移行は、疑似的な設定値の変更に相当することになるが、持越状態が解除されて非持越状態になることがRT状態の移行の許可となる場合、持越状態を解除した後に導出されたRT状態の移行契機となる結果表示を把握することで、疑似的な設定値(移行先のRT状態)も把握できてしまう。
そこで、本発明に係る遊技機では、所定RT状態では、持越状態であるか非持越状態であるかに関係なく、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合であっても、RT状態を移行することなく維持する。そして、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合にRT状態を移行可能な特定RT状態だけでなく、当該結果表示が導出された場合にRT状態を移行せずに維持する所定RT状態においても、非許可状態から許可状態に制御して持越状態を解除可能にする。これにより、持越状態が解除されて非持越状態になり、その後、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合であっても、当該遊技におけるRT状態が特定RT状態である場合は、当該結果表示に応じた所定RT状態に移行することになるが、当該遊技におけるRT状態が所定RT状態である場合は、現在のRT状態のまま維持されるため、導出された結果表示からRT状態が把握されてしまうことがない。その結果、RT状態を疑似的な設定値として用いつつ、疑似的な設定値が遊技者に把握されてしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記許可状態制御手段により前記非許可状態から前記許可状態に更新されると、遊技者に対して前記特定の結果表示の導出を促すことが可能な演出実行手段(例えば、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非許可状態から許可状態に更新されると、特定の結果表示の導出が促されるため、持越状態が解除されて非持越状態とすることができ、結果、その後の(特定RT状態における)RT状態の移行が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定RT状態は、前記報知状態に関する特典を付与する確率が低いRT状態であることを特徴とする。
持越状態は、特定の結果表示が導出されない限り解除されず、持越状態が解除されない限り特定RT状態も維持されるため、特定RT状態が遊技者にとって有利なRT状態である場合には、特定の結果表示の導出を回避し続けることで遊技者にとって有利な状態が維持されてしまう。この点、本発明に係る遊技機では、特定RT状態を遊技者にとって不利なRT状態とすることで、遊技者は、非許可状態から許可状態に更新された後は直ぐに特定の結果表示を導出することになり、RT状態を用いた疑似的な設定値という遊技性を適切に用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記42の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、設定用のRT7状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT6状態)とを有し、当籤役として決定された場合に導出可能な結果表示として複数の結果表示(例えば、RT1移行リプ〜RT6移行リプ)が対応付けられ、また、当籤役として決定された場合に停止操作の態様に応じてこれら複数の結果表示の何れかの結果表示を導出可能な特定役(例えば、「F_6択リプレイ」)を有し、前記特定役に対応付けられた複数の結果表示のうちの少なくとも2つ以上の結果表示は、それぞれの結果表示が前記特定RT状態において導出された場合に、それぞれ異なる前記所定RT状態に移行し得る複数のRT移行結果表示であり、前記特定RT状態において前記RT移行結果表示が導出された場合に、前記特定RT状態から導出された前記RT移行結果表示に対応する前記所定RT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、複数の前記所定RT状態では、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態に応じて単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値を異ならせるため、所定RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、所定RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、所定RT状態へは、RT移行結果表示が導出されることで移行し、RT移行結果表示は、特定役が当籤役として決定された遊技における停止操作の態様に応じて導出されるため、遊技店の店員は、特定役の当籤時の停止操作の態様により疑似的な設定値をセットすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、設定用のRT7状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT6状態)とを有し、当籤役として決定された場合に導出可能な結果表示として複数の結果表示(例えば、RT1移行リプ〜RT6移行リプ)が対応付けられ、また、当籤役として決定された場合に停止操作の態様に応じてこれら複数の結果表示の何れかの結果表示を導出可能な特定役(例えば、「F_6択リプレイ」)を有し、前記特定役に対応付けられた複数の結果表示のうちの少なくとも2つ以上の結果表示は、それぞれの結果表示が前記特定RT状態において導出された場合に、それぞれ異なる前記所定RT状態に移行し得る複数のRT移行結果表示であり、前記特定RT状態において前記RT移行結果表示が導出された場合に、前記特定RT状態から導出された前記RT移行結果表示に対応する前記所定RT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、AT)に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、複数の前記所定RT状態では、前記特典付与手段が前記報知状態に関する特典を付与する確率が異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態に応じて報知状態に関する特典付与の確率が異なるため、上述の遊技機と同様に、所定RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、所定RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。また、この疑似的な設定値を特定役の当籤時の停止操作の態様によりセットすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、持越役(例えば、ボーナス役)が当籤役として決定された単位遊技において、当該持越役に対応する特定の結果表示が導出されない場合に、前記特定の結果表示が導出されるまで、前記持越役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記RT制御手段は、前記持越役を当籤役として持ち越している持越状態では、前記RT移行結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT移行結果表示に基づくRT状態の移行は、持越役を当籤役として持ち越している持越状態においては行うことができない。そのため、例えば、持越役に対応する特定の結果表示の導出を回避するように遊技させることで、RT状態を維持することができ、疑似的な設定値が短い期間において頻繁に更新されてしまうことを防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記43の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、複数のボーナス役(例えば、BB1〜BB6)が含まれ、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記持越手段により当籤役として持ち越されている前記ボーナス役の種類に応じて異なり、前記複数の役が当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定値としては1段階の設定値しか有さないが、当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が異なる。そのため、持越状態において持ち越している持越役の種類に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができ、持越状態の種別を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記持越手段により前記ボーナス役が当籤役として持ち越されている持越状態において、持ち越されている当該ボーナス役に応じたボーナス状態の開始を不可能に制御するボーナス封込手段を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役を持ち越し持越状態になると、持ち越されているボーナス役に対応する結果表示の導出が不可能になるため、その持越状態が維持される。これにより、持越状態の種別を疑似的な設定値として用いる遊技機において、その疑似的な設定値を維持したまま遊技を継続させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、所定の操作を受け付けた場合に、前記持越手段が当籤役として持ち越している前記ボーナス役をクリアし、当該ボーナス役を持ち越していない非持越状態に制御可能な初期化手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、持ち越しているボーナス役をクリアすることで、疑似的な設定値もクリアすることができ、新たな疑似的な設定値をセットすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、複数の前記ボーナス役のそれぞれは、前記ボーナス役を持ち越していない非持越状態において、略同一の確率で当籤役として決定されることを特徴とする。
このような遊技機によれば、疑似的な複数の設定値を略同一の確率でセットすることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記44の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、当籤役として決定された場合に、特定の態様で停止操作が行われると特定の結果表示(例えば、先の段階へのRT移行図柄)が導出可能であり、前記特定の態様とは異なる態様で停止操作が行われると前記特定の結果表示とは異なる結果表示が導出可能である複数の特定役(例えば、「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT4中リプ_321」)が含まれ、再遊技役が当籤役として決定される確率が異なるRT状態として特定RT状態(例えば、RT5状態)を含む複数段階のRT状態を有するとともに、前記特定の結果表示が導出されると、RT状態を現在のRT状態よりも先の段階のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、AT)に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記特定RT状態よりも前の段階では前記特典の付与に関する期待度が第1期待度となるように前記特典の付与を制御し、前記特定RT状態では、前記第1期待度とは異なる第2期待度となるように前記特典の付与を制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役の当籤時に特定の態様で停止操作を行うことができた場合には、RT状態が先の段階のRT状態に進行する。そして、報知状態に関する特典の付与に関する期待度は、特定RT状態よりも前の段階のRT状態と特定RT状態とで異なるため、特定RT状態まで到達できた場合には、それまでとは異なる出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知状態を実行可能な特定状態(例えば、有利区間)を有するとともに、前記特定状態において実行された遊技回数がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定状態を終了することで、前記報知状態を終了するリミット制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記RT制御手段は、前記特定RT状態においては、前記特定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達すると、前記特定RT状態から、前記特定RT状態よりも前の段階のRT状態にRT状態を移行し、前記特定RT状態の終了閾値に応じた遊技回数は、前記特定状態のリミット閾値に応じた遊技回数よりも多いことを特徴とする。
近年の遊技機では、報知状態が長期間にわたり継続しないように、報知状態を実行可能な期間(有利区間)に上限(リミッタ)を設けることとしている。この点、本発明に係る遊技機では、出玉の波が他の設定値に応じた波となる特定RT状態の継続期間を、特定状態(有利区間)の上限よりも長く設定する。これにより特定RT状態を十分な長さの期間にわたり維持することができるため、特定RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定可能な設定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記特典付与手段は、前記特定RT状態よりも前の段階のRT状態では、前記設定手段により設定された設定値に応じて前記特典を付与し、前記特定RT状態では、前記設定手段により設定された設定値とは異なる設定値に応じて前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態に関する特典は、基本的には設定値に応じて付与されるため、出玉の波は設定値に応じて作られることになる。この点、本発明に係る遊技機では、RT状態が特定RT状態まで到達できた場合には、設定された設定値とは異なる設定値に応じて報知状態に関する特典が付与されることになるため、特定RT状態まで到達できた場合には、設定されている設定値とは異なる出玉の波を作り出すことができる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、特定RT状態を疑似的な設定値として用いることができ、特定RT状態を用いて現在の設定値とは関係のない出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、非特別状態(例えば、非ボーナス状態)において特別役(例えば、SB)に対応する結果表示が導出された場合に、特別状態(例えば、ボーナス状態(SB))を開始可能であり、前記特別状態において1回の単位遊技が行われた場合に、前記特別状態を終了して前記非特別状態を開始可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記特別状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記非特別状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値よりも低く、前記特別役は、当籤役として決定された遊技において前記対応する結果表示が導出されない場合に、次遊技以降に当籤役として持ち越されることのない役であることを特徴とする。
一般的にAT機能を有する遊技機では、遊技者にとって不利なボーナス状態を有し、このボーナス状態を作動するためのボーナス役を持ち越した持越状態(フラグ間)中に基本的な遊技を行わせることとしている。ところで、フラグ間中はRT状態の移行に制限がかかるため、従来の遊技機では、RT状態の移行を前提とする遊技性にとっては好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、遊技者にとって不利な特別状態を、当籤役として持ち越されることのない特別役(SB(シングルボーナス))により実現する。これにより、RT状態の移行を前提とする遊技性においても、従来の遊技機のようにAT機能を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典の有無に応じて前記報知状態と非報知状態とを制御可能な報知状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態において報知対象役(例えば、押し順ベル)が当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記報知状態制御手段は、前記複数段階のRT状態の何れにおいても前記報知状態と前記非報知状態とに制御可能であり、前記報知対象役は、前記複数段階のRT状態の全てにおいて同一の役であることを特徴とする。
上述したように特定RT状態まで到達できた場合にはそれまでとは出玉の波が異なることになるが、本発明に係る遊技機では、複数段階のRT状態の何れにおいても報知状態に制御可能であり、また、報知対象役は、複数段階のRT状態の全てにおいて同一の役であるため、遊技者は、現在のRT状態を意識することなく遊技を進行することができる。また、特定RT状態中は、特定RT状態のまま報知状態を行うことができるため、出玉の波が異なる状態を継続させることができる。
[付記45]
付記45の遊技機は、以下の通りである。
このような遊技機では、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値を設け、設定値に応じて出玉の波を作り出すこととしている。ところで、従来の遊技機では、このような設定値として6段階の設定値を設けていたが、設定値が多いとデータ容量の増加及び設計開発の負担増加に繋がることから、近年では、設置値の数を減らした遊技機も知られている。例えば、特開2017−064539号公報には、「1」、「4」、「6」及び「H」の4段階の設定値を設けた遊技機が開示されている。
ところで、データ容量や設計開発の負担を抑えるためには、設定値を1段階にすることが好ましいが、設定値を1段階にした場合、設定値を変更する処理が不要になる。ここで、従来の遊技機では設定値を変更するための操作部が設けられているが、設定値の変更が不要な遊技機においては、この操作部も不要になる。しかしながら、遊技機において、この操作部を取り外してしまうことは、製造方法も変更しなければならず、かえって負担増加に繋がってしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、不要となった処理を有効に活用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記45の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)を用いて遊技を進行する遊技機であって、遊技者にとっての有利度合いを規定する設定値に関する操作を受け付け可能な設定操作受付手段(例えば、設定用鍵型スイッチ430)と、前記設定操作受付手段が前記操作を受け付けたことに応じて、所定の処理を実行可能な処理制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記処理制御手段は、前記設定操作受付手段が前記操作を受け付けると、前記設定値を変更することなく、遊技に関する遊技情報に対して所定の初期化処理を実行することを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定値に関する操作を受け付け可能な設定操作受付手段を有するが、この設定操作受付手段が操作を受け付けた場合には、設定値を変更することなく所定の初期化処理を実行する。これにより、設定操作受付手段を取り外す必要がなく、また、設定変更処理の代わりに所定の初期化処理を実行するため、不要となった処理を有効に活用することができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記設定値として1つの設定値のみを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、不要となった設定変更処理の代わりに所定の初期化処理を実行するため、不要となった処理を有効に活用することができる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、現在のRT状態に応じた確率で遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のRT状態として、初期RT状態と、複数の所定RT状態とを有し、前記RT制御手段は、前記初期RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出されると、導出された結果表示に応じた種別の所定RT状態にRT状態を移行し、また、前記複数の所定RT状態において実行された遊技回数が、前記複数の所定RT状態のそれぞれに対して定められた終了閾値に達すると、前記所定RT状態から前記初期RT状態にRT状態を移行する一方で、前記複数の所定RT状態では、RT状態の移行契機となる前記結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持し、また、前記処理制御手段により前記初期化処理が実行された場合、RT状態として初期RT状態を決定することを特徴とする。
上述のようにRT状態を疑似的な設定値として用いる場合、RT状態の移行は、疑似的な設定値の変更に相当することになるが、本発明に係る遊技機のように初期RT状態から複数の所定RT状態に移行する遊技機では、初期RT状態が疑似的な設定値を設定するための設定用のRT状態として機能する。そして、所定の初期化処理においてRT状態として初期RT状態を決定することで、設定操作受付手段が操作を受け付けた場合に、設定用のRT状態をセットすることができ、その後、疑似的な設定値を設定することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記処理制御手段により前記初期化処理が実行された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態を疑似的な設定値として用いる遊技機において、疑似的な設定値を維持したまま(据え置き)とする制御も可能になる。
[付記46]
付記46の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機としては、いわゆるART機とAT機とが知られており、AT機では、例えば、ボーナスを内部当籤役として持ち越している持越状態(フラグ間状態)中にボーナスの入賞を回避し続けることで非報知状態と報知状態との双方において持越状態を維持するとともに、持越状態中に報知の有無を切り替えることで、報知状態と非報知状態とを切り替えている。このようなAT機として、例えば、特開2014−083245号公報には、ボーナスを入賞させ難くし、非報知状態(通常遊技)も報知状態(AT遊技)も全て持越状態において行わせる遊技機が開示されている。
ところで、従来のAT機では、通常遊技やAT遊技において、ボーナスが入賞しないように封じ込められており、ボーナスを遊技性や演出に利用することができていなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、専らボーナス持越状態で遊技を行う仕様において、ボーナスを有意義に利用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記46の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、報知に関する状態として、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、疑似ボーナス(AT))と、前記報知状態に比べて前記報知の頻度が低い通常状態(例えば、一般(非AT))とを有し、ボーナス役に対応する結果表示が導出された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特典付与手段により前記特典が付与されている場合に、特定ボーナス役(例えば、「F_BB」)を当籤役として持ち越している特定持越状態(例えば、BBフラグ間)において前記報知状態を実行可能であり、前記特典が付与されていない場合に、前記特定持越状態において前記通常状態を実行可能な報知状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定持越状態において特定の条件(例えば、特化当籤)を満たした場合に、当籤役として持ち越している前記特定ボーナス役に応じた特定の結果表示の導出を促すとともに、少なくとも当該特定の結果表示の導出に伴い開始するボーナス状態の開始から、前記特定ボーナス役が再び当籤役として決定されるまでの期間を特別状態(例えば、特化)として制御可能な特別状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記特別状態中の期間は、前記通常状態及び前記報知状態中の期間よりも遊技者にとって有利になるように前記報知状態に関する前記特典の付与を制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、通常状態及び報知状態の双方は、特定ボーナス役を当籤役として持ち越している特定持越状態において実行可能であるため、専ら特定持越状態において遊技が行われる。そして、特定持越状態において特定の条件を満たした場合には、特定ボーナス役に応じた特定の結果表示の導出を促すとともに、当該特定の結果表示の導出に伴い開始するボーナス状態の開始から、特定ボーナス役が再び当籤役として決定されるまでの期間を特別状態として制御する。このとき、この特別状態中は、報知状態に関する特典の付与が遊技者にとって有利となるため、基本的な遊技期間である特定持越状態において持ち越している特定ボーナス役を有意義に利用することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役として、前記特定ボーナス役とは異なる所定ボーナス役(例えば、「F_RB」)を更に有し、特別状態制御手段は、前記特別状態において、前記特定ボーナス役よりも前に前記所定ボーナス役が当籤役として決定された場合、前記所定ボーナス役に対応する所定の結果表示の導出に伴い開始するボーナス状態(例えば、1種RB)中も、前記特別状態として制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、基本的な遊技期間である特定持越状態を解除し非持越状態になった後、再び特定持越状態になる前に所定ボーナス役に当籤した場合には、この所定ボーナス役に応じたボーナス状態中も特別状態となる。これにより、基本的な遊技期間である特定持越状態の契機となる特定ボーナス役だけでなく、所定ボーナス役についても有意義に利用することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特別状態中の期間における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記報知状態中の期間における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値よりも低いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態中の期間は、報知状態に関する特典付与の期待度は報知状態中よりも高いものの、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は報知状態中よりも低いため、遊技者に対して過度な利益を付与してしまうことがない。
[付記47]
付記47の遊技機は、以下の通りである。
リール停止制御に関して、特開2012−200497号公報には、内部当籤役として決定された役に対応する図柄の組合せを構成する図柄最大滑り駒数の範囲内で最大限に引き込むようにした遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、対応する図柄の組合せを狙えば、内部当籤している役に応じた図柄の組合せを必ず揃えることができるため、公平な遊技を実現することができる。
ところで、停止操作の技量(所謂、目押し力)は、遊技者に応じて異なり、対応する図柄の組合せを狙うことができない初心者であっても、著しく不利にならないように制御することが好ましい。より具体的には、入賞するまで内部当籤役として持ち越されるボーナス役に当籤している場合、ボーナス役を直ちに揃えることができる熟練者と、ボーナス役をなかなか揃えることができない初心者とでは、技量の差によって出玉に大きな影響が出てしまうおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、停止操作の技量の低い遊技者であっても著しく不利にならない遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記47の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記複数のリールを制御することで遊技を進行する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されない場合に、当該図柄組合せが停止表示されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、を有し、前記ボーナス役には、第1ボーナス役(例えば、「F_RB」)と第2ボーナス役(例えば、「F_BB」)とが含まれ、前記持越手段により前記第1ボーナス役が当籤役として持ち越されている第1持越状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記持越手段により前記第2ボーナス役が当籤役として持ち越されている第2持越状態及び前記持越手段によりボーナス役が当籤役として持ち越されていない非持越状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1ボーナス役が当籤役として持ち越されている第1持越状態では、第2ボーナス役が当籤役として持ち越されている第2持越状態及びボーナス役が当籤役として持ち越されていない非持越状態に比べて、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が高い。これにより、第1持越状態では、第1ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示できない場合であっても、遊技者が受ける損失を軽減することができ、停止操作の技量の低い遊技者が著しく不利になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1ボーナス役に対応する第1図柄組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合に当該第1図柄組合せが停止表示される割合は、前記第2ボーナス役に対応する第2図柄組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合に当該第2図柄組合せが停止表示される割合よりも低いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、対応する図柄組合せを停止表示するための停止操作が難しいボーナス役(第1ボーナス役)ほど、当該ボーナス役の持越状態中における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が高くなる。初心者と熟練者との停止操作の技量の差による影響は、停止操作が難しいほど大きくなるため、停止操作が難しい第1ボーナス役に対して、持越状態中における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値を高くすることで、停止操作の技量の低い遊技者が著しく不利になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1ボーナス役に対応する第1図柄組合せを構成する図柄と、前記第2ボーナス役に対応する第2図柄組合せを構成する図柄とは、前記複数のリールのうちの特定リールを除くリール(例えば、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3)においては共通し、前記複数のリールのうちの特定リール(例えば、第4リール3−4)においては異なるものの、当該特定リールにおける互いの図柄の配置間隔は最大滑り駒数以内の間隔であり、第1図柄組合せを停止表示可能な遊技又は第2図柄組合せを停止表示可能な遊技において、前記第2図柄組合せを停止表示させることを促す演出を実行可能な演出実行手段(例えば、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
第2ボーナス役を持ち越している第2持越状態は、第1ボーナス役を持ち越している第1持越状態よりも単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が低いため、遊技者にとって不利な期間であり、反対に、第1持越状態は、遊技者にとって有利(不利ではない)期間である。このような遊技性において、第1図柄組合せの停止表示を促す演出と、第2図柄組合せの停止表示を促す演出とを個別に行った場合、遊技者によっては(特に熟練者であるほど)遊技者にとって有利な第1持越状態が終了してしまう第1図柄組合せの停止表示は避けて、遊技者にとって不利な第2持越状態を終了する第2図柄組合せの停止表示のみを行うように停止操作を行うおそれがある。
そこで、本発明に係る遊技機では、第1ボーナス役に対応する第1図柄組合せを停止表示可能な遊技、及び第2ボーナス役に対応する第2図柄組合せを停止表示可能な遊技の双方において、第2図柄組合せを停止表示させることを促す演出を実行する。このとき、第1図柄組合せを構成する図柄と、第2図柄組合せを構成する図柄とは、特定リール以外のリールでは共通し、特定リールにおいても最大滑り駒数以内の間隔で配置されているため、第2図柄組合せを狙って停止操作を行った場合、第1図柄組合せも狙うことになってしまう。その結果、遊技者にとって不利な第2持越状態は終了させつつも、遊技者にとって有利な第1持越状態の終了は回避し続ける状況を防止することができ、遊技者の技量によって利益に過大な差が出てしまうことを防止することができる。
[付記48]
付記48の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機では、遊技者は、ATに関する特典が付与されるか否かに強い関心を抱くことになるため、近年では、ATに関する特典の付与に関して様々な観点から工夫がなされている。例えば、特開2015−039431号公報には、ATに関する特典の付与が行われる確率が低い低確率状態(通常)と、当該確率が高い高確率状態(CZ)とを設けることで、特典付与の確率に高低差を持たせた遊技機が開示されている。
上述の遊技機のように特典付与の確率が異なる状態を設けることで、遊技性は多様化するものの、このような状態を設けるためには、複数の状態を管理するためのフラグやそれぞれの状態において用いる抽籤テーブルなどに多くのデータ容量が必要となり、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、データ容量を抑えつつも多様な遊技性を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記48の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態を有し、同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者に対して特典を付与可能な第1特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記第1特典付与手段は、前記計数手段が計数した前記数値情報に対する所定の演算(例えば、500で割る)の結果が所定条件(例えば、余りが131以上)を満たした場合に、所定の確率で特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たした場合に、特典を付与可能であるため、特典の付与に関して一定の法則性を持たせることができる。例えば、当該数値情報を所定値で割った余りの値を所定条件として用いることで、所定値に応じた遊技回数毎に特典が付与され易い状態を設けることができ、特典付与の高確率ゾーンのような状態を設けることができる。また、数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たさない限り特典が付与されないため、確率分母の小さい(例えば、1/256)抽籤であっても、実質確率を小さくすることができる。ここで、確率分母が小さければ、抽籤に用いる乱数値を格納する領域や、抽籤係数を格納する領域が小さくて済むため、データ容量を抑えることができる。そのため、データ容量を抑えつつも多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、単位遊技毎に特定の確率で特典を付与可能な第2特典付与手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第1特典付与手段は、前記第2特典付与手段による特典付与が行われない場合に、前記数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たすと、所定の確率で特典を付与可能であり、前記第2特典付与手段による特典付与が行われた場合には、前記数値情報に関わらず特典を付与しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たさない場合であっても、特典が付与される確率があるため、遊技が単調になってしまうことを防止することができる。また、数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たしている場合であっても、毎遊技行われる抽籤において特典の付与が行われた場合には、特典を付与しないため、遊技者に対して与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT状態として複数のRT状態を有し、前記所定の演算の演算内容は、前記複数のRT状態毎に異なることを特徴とする。また、本発明に係る遊技機において、前記RT状態として複数のRT状態を有し、前記所定条件は、前記複数のRT状態毎に異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態毎に演算内容や所定条件が異なるため、多様な遊技性を実現することができる。
[付記49]
付記49の遊技機は、以下の通りである。
従来の多くの遊技機では、3つのリールを用いて遊技を行っていたが、近年では、リールの数を異ならせた遊技機も知られており、例えば、特開2007−167357号公報には、4つのリールを用いて遊技を行う遊技機が開示されている。
4つのリールを用いる遊技機によれば、従来にない出目パターンを設けることができ、遊技性が多様化するものの、出目の多様化という観点からは更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、出目(停止表示された図柄の組合せ)のパターンを多彩にすることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記49の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン(例えば、センターライン)と、前記リールを回転及び停止させることで、前記図柄表示手段に表示される図柄を変動表示及び停止表示するリール制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール制御手段による前記リールの停止に伴い前記図柄表示手段において図柄が停止表示されたときに、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数のリールは、水平方向に並んで設けられる4つ以上のリールであり、前記図柄表示手段には、前記複数のリールのそれぞれ毎に複数の単位図柄表示領域が設けられ、遊技に関する複数の遊技状態を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記図柄表示手段に設けられた複数の単位図柄表示領域のうちの一部の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性を、他の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性よりも低下可能な表示領域制御手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、を更に備え、前記表示領域制御手段は、特定遊技状態においては、特定リール(例えば、第1リール3−1)の図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させ、前記特定遊技状態とは異なる所定遊技状態においては、前記特定リールとは異なる所定リール(例えば、第4リール3−4)の図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、4つ以上のリールを有するが、特定遊技状態では、これら4つのリールのうちの特定リールにおいて、有効ラインが通る単位図柄表示領域以外の単位図柄表示領域が見えにくくなり、所定遊技状態では、特定リールとは異なる所定リールにおいて、有効ラインが通る単位図柄表示領域以外の単位図柄表示領域が見えにくくなる。すなわち、本発明に係る遊技機では、遊技に用いるリール(全ての単位図柄表示領域が見えるリール)を遊技状態に応じて異ならせる。これにより、遊技状態に応じて出目のパターンが大きく異なるため、出目のパターンを多彩にすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のリールのうちの前記特定リールを除くリール、及び、前記複数のリールのうちの前記所定リールを除くリールは、隣接する3つのリールであることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技に用いるリール(全ての単位図柄表示領域が見えるリール)は、隣接する3つのリールであるため、遊技者が慣れ親しんだ3リールの遊技機のような出目のパターンを作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のリールは、左側から順に第1リール、第2リール、第3リール及び第4リールとする4つのリールであり、水平方向に並んで設けられ、停止操作を受け付け可能な3つの停止ボタン(例えば、ストップボタン7L,7C,7R)を更に備え、前記リール制御手段は、前記3つの停止ボタンのうちの左の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合、前記4つのリールのうちの前記第1リール及び前記第2リールの回転を停止可能であり、前記3つの停止ボタンのうちの中の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合、前記4つのリールのうちの前記第2リール及び前記第3リールの回転を停止可能であり、前記3つの停止ボタンのうちの右の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合、前記4つのリールのうちの前記第3リール及び前記第4リールの回転を停止可能であり、前記表示領域制御手段は、特定遊技状態においては、前記第1リールの図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させ、前記所定遊技状態においては、前記第4リールの図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させ、また、前記リール制御手段は、前記特定遊技状態では、前記左の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第1リール及び前記第2リールの回転を停止し、前記中の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第3リールの回転を停止する一方で前記第2リールの回転は停止せず、前記右の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第4リールの回転を停止する一方で前記第3リールの回転は停止せず、前記所定遊技状態では、前記左の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第1リールの回転を停止する一方で前記第2リールの回転は停止せず、前記中の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第2リールの回転を停止する一方で前記第3リールの回転は停止せず、前記右の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第3リール及び前記第4リールの回転を停止することを特徴とする。
このような遊技機によれば、3つの停止ボタンを用いて4つのリールを停止することができるとともに、3つの停止ボタンにより停止する4つのリールの対応関係を、遊技状態に応じて切り替えることで、遊技者は、慣れ親しんだ3リールの遊技機と同様の感覚で遊技(停止操作)を行うことができる。
[付記50]
付記50の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
しかしながら、上述の遊技機では、AT期間に関する特典が付与されるか否か、及び付与される特典の大きさが、予め役毎に対応付けられているため、遊技者からすると当籤役として決定された役の種別から、特典が付与されるか否か、及び付与される特典の大きさを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう可能性があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特典付与の決定結果に関して従来にない遊技性を有する遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記50の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、対応する結果表示を導出可能な遊技において前記複数の識別表示が停止操作に伴い停止表示されると、停止操作の態様に関わらず必ず前記対応する結果表示が導出される特別役(例えば、RB)が含まれ、前記特別役に対応する結果表示が導出された場合に、特別状態(例えば、ボーナス状態(RB))を開始可能であり、前記特別状態において終了条件を満たした場合に、前記特別状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特別役が当籤役として決定された遊技において、前記特別役に対応する結果表示が導出されない場合に、前記結果表示が導出されるまで、前記特別役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記持越手段により前記特別役が当籤役として持ち越されていない非持越状態において、前記特別役が当籤役として決定された場合には、前記特別役に対応する結果表示の導出を可能に制御する一方で、前記特別役を当籤役として持ち越している持越状態においては前記特別役に対応する結果表示の導出を不可能に制御する封込手段(例えば、主制御回路91)と、受け付けた操作に応じて所定の初期化処理を実行可能な初期化手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、AT)に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記初期化手段は、前記特別役が当籤役として決定された遊技において、前記特別役に対応する結果表示が導出されるまでの当該遊技の最中に所定の操作を受け付けると、前記特別役を当籤役として持ち越したまま当該遊技を終了する初期化処理を実行可能であり、前記特典付与手段は、前記非持越状態と前記持越状態とでは異なる確率で前記特典を付与可能である一方で、前記特典を付与する場合、前記非持越状態と前記持越状態とのうち前記特典を付与する確率が低い状態に対しては、前記特典を付与する確率が高い状態よりも大きな前記特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非持越状態と持越状態とでは、特典を付与する確率と、特典を付与する場合の特典の大きさとがクロスする。これにより、特典が付与され易いが小さな特典しか付与されない状態と、特典が付与され難いが大きな特典が付与される状態という出玉性能の異なる遊技状態を設けることができ、特典付与の決定結果に関して新たな遊技性を実現することができる。
ここで、特別役は、対応する結果表示を導出可能な遊技では停止操作の態様に関わらず必ず対応する結果表示が導出されるため、通常は、持越状態に移行させることができない。この点、本発明に係る遊技機では、特別役が当籤役として決定された遊技において、特別役に対応する結果表示が導出されるまでの当該遊技の最中に所定の操作を行うことで、特別役を持ち越したまま遊技を終了させることができ、このような方法により通常は移行できない持越状態に移行させることができる。また、持越状態では、対応する結果表示の導出が不可能に制御されるため、持越状態に移行した場合には非持越状態に移行させることができない。これにより、通常の遊技を行っている限りは、持越状態及び非持越状態は、維持される。そのため、遊技店の店員が非持越状態と持越状態とを選択して設定することで、1つの遊技機のみで遊技者に対して出玉性能の異なる遊技性を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記初期化手段は、前記所定の操作とは異なる特定の操作を受け付けると、持ち越している前記特別役をクリアし、当該特別役を持ち越していない非持越状態とする初期化処理を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の操作により持越状態を解除して非持越状態とすることができるため、遊技店の店員は、非持越状態と持越状態とを選択して設定することができ、1つの遊技機のみで出玉性能の異なる遊技性を実現することができる。
[付記51〜付記54]
付記51〜付記54の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがあり、このような遊技機では、実際のボーナス(役物)の作動が行われないことが一般的である。そこで、特開2015−154823号公報には、報知状態中の遊技を疑似ボーナスとして、実際のボーナス状態であるかのように見せる遊技機が開示されている。
このように報知状態中の遊技を疑似ボーナスとして見せる遊技機では、報知状態の開始時に「7−7−7」等の開始用の図柄の組合せを表示させることがある。しかしながら、この開始用の図柄の組合せは、遊技者の目押し操作に関係ないリールアクションにより表示されることがあり、このような遊技機では、報知状態を開始させるための目押し操作を行う意味が無く、目押しの楽しさが得られないという問題があった。また、リールアクションではなく、遊技者の目押し操作に応じて開始用の図柄の組合せを表示可能な遊技機もあるが、実際のボーナスではなく疑似ボーナスであるため、目押しに失敗し開始用の図柄の組合せを表示できない場合であっても疑似ボーナスが開始する結果、やはり、報知状態を開始させるための目押し操作を行う意味が無く、目押しの楽しさが得られないという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者の停止操作の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記51の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L,3C,3R及びリール表示窓)を備え、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作に応じて前記可変表示部による変動表示を停止することで表示結果を導出し、当該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技を行う遊技状態として、遊技者にとって有利な情報を報知可能な報知状態(例えば、ボーナス作動中AT)を有し、前記報知状態に関する権利が付与されると、前記報知状態への移行が許容される報知状態移行可能状態(例えば、WIN中)に制御可能な第1御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態移行可能状態において特定の表示結果(例えば、「青BAR−青BAR−青BAR」)が導出されると、前記報知状態に制御可能な第2制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記報知状態移行可能状態には、前記報知状態の開始契機となる前記特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態(例えば、WIN中高確)と、前記特定の表示結果を報知する第2報知状態移行可能状態(例えば、WIN中非高確)とが含まれ、前記第2制御手段は、前記特定の表示結果を報知しない前記第1報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出された場合であっても、前記報知状態に制御可能であることを特徴とする。
このような遊技機では、報知状態は、特定の表示結果が導出された場合に開始されるため、報知状態を開始させるために目押し操作を行う必要があり、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合に報知状態を開始可能であるが、報知状態移行可能状態には、特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態と、特定の表示結果を報知する第2報知状態移行可能状態とがあり、特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合であっても、報知状態を開始可能である。遊技者からすると、基本的には、特定の表示結果の報知が行われたことを契機(第2報知状態移行可能状態)として目押し操作を行うことになるが、熟練の遊技者などは、特定の表示結果の報知が行われない場合(第1報知状態移行可能状態)であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができる。そのため、報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われるボーナス状態(例えば、ボーナス状態)を更に有し、前記報知状態は、前記ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態(例えば、ボーナス作動中AT)であり、前記特定の表示結果は、前記ボーナスの作動契機となる表示結果であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態であり、報知状態の開始契機となる特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、特定の表示結果の目押しに失敗した場合には、報知状態(ボーナス状態)を開始させることができない。このように報知状態を開始させるためには目押し操作を行う必要があるため、目押しの楽しさを持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記第2制御手段は、前記報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を前記報知状態として制御可能であり、前記報知状態に関する権利が付与されていない状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を遊技者にとって有利な情報を報知しない非報知状態として制御可能であり、前記非報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであり、前記報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであり、前記第1報知状態移行可能状態において導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、前記第2報知状態移行可能状態において導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、では、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態においても表示させることで、ボーナスの作動を開始することができる。しかしながら、非報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態では、遊技者は、特定の表示結果を狙うことなく遊技を行うことになり、遊技者が過大な利益を得てしまうことがない。また、報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであるが、報知状態であるボーナス状態が、第1報知状態移行可能状態において開始した場合と、第2報知状態移行可能状態において開始した場合とでは、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一である。上述のように熟練の遊技者などは、特定の表示結果の報知が行われない場合(第1報知状態移行可能状態)であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができ、また、得られる利益も変わらないため、初心者に対して不利益を与えることなく報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記52の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L,3C,3R及びリール表示窓)を備え、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作に応じて前記可変表示部による変動表示を停止することで表示結果を導出し、当該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技を行う遊技状態として、遊技者にとって有利な情報を報知可能な報知状態(例えば、ボーナス作動中AT)を有し、前記報知状態に関する権利が付与されると、前記報知状態への移行が許容される報知状態移行可能状態(例えば、WIN中)に制御可能な第1御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態移行可能状態において特定の表示結果(例えば、「青BAR−青BAR−青BAR」)が導出されると、前記報知状態に制御可能な第2制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態移行可能状態において前記報知状態の開始契機となる前記特定の表示結果を促す特定演出(例えば、「青BARを狙え」)を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を更に備え、前記演出実行手段は、所定条件(例えば、高確ゲーム数分の遊技を消化)が成立するまでは、前記特定の表示結果が導出可能な前記報知状態移行可能状態中の遊技であっても、前記特定演出を実行しない一方で、前記所定条件が成立すると、前記特定の表示結果が導出可能な前記報知状態移行可能状態中の遊技において、前記特定演出を実行し、前記第2制御手段は、前記特定演出が実行されていない前記報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出された場合であっても、前記報知状態に制御可能であることを特徴とする。
このような遊技機では、報知状態は、特定の表示結果が導出された場合に開始されるため、報知状態を開始させるために目押し操作を行う必要があり、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合に報知状態を開始可能であるが、報知状態移行可能状態では、所定条件が成立するまでは特定の表示結果を促す演出を実行せず、所定条件が成立した後に特定の表示結果を促す演出を実行する。このとき、特定の表示結果を促す演出が実行されている遊技だけでなく、当該演出が実行されていない遊技において特定の表示結果が導出された場合であっても、報知状態を開始可能である。遊技者からすると、基本的には、特定の表示結果を促す演出が行われたことを契機として目押し操作を行うことになるが、熟練の遊技者などは、特定の表示結果を促す演出が行われない場合であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができる。そのため、報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われるボーナス状態(例えば、ボーナス状態)を更に有し、前記報知状態は、前記ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態(例えば、ボーナス作動中AT)であり、前記特定の表示結果は、前記ボーナスの作動契機となる表示結果であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態であり、報知状態の開始契機となる特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、特定の表示結果の目押しに失敗した場合には、報知状態(ボーナス状態)を開始させることができない。このように報知状態を開始させるためには目押し操作を行う必要があるため、目押しの楽しさを持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記第2制御手段は、前記報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を前記報知状態として制御可能であり、前記報知状態に関する権利が付与されていない状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を遊技者にとって有利な情報を報知しない非報知状態として制御可能であり、前記非報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであり、前記報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであり、前記特定演出が実行されたことに伴い導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、前記特定演出が実行されることなく導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、では、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態においても表示させることで、ボーナスの作動を開始することができる。しかしながら、非報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態では、遊技者は、特定の表示結果を狙うことなく遊技を行うことになり、遊技者が過大な利益を得てしまうことがない。また、報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであるが、報知状態であるボーナス状態が、特定の表示結果を促す演出が実行されたことに伴い開始した場合と、特定の表示結果を促す演出が実行されることなく開始した場合とでは、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一である。上述のように熟練の遊技者などは、特定の表示結果を促す演出が行われない場合であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができ、また、得られる利益も変わらないため、初心者に対して不利益を与えることなく報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記53の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L,3C,3R及びリール表示窓)を備え、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作に応じて前記可変表示部による変動表示を停止することで表示結果を導出し、当該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技を行う遊技状態として、遊技者にとって有利な情報を報知可能な報知状態(例えば、ボーナス作動中AT)を有し、前記報知状態に関する権利が付与されると、前記報知状態への移行が許容される報知状態移行可能状態(例えば、WIN中)に制御可能な第1御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態移行可能状態において特定の表示結果(例えば、「青BAR−青BAR−青BAR」)が導出されると、前記報知状態に制御可能な第2制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態移行可能状態において前記報知状態に関する権利を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御回路91)と、所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知状態移行可能状態には、第1報知状態移行可能状態(例えば、WIN中高確)と、第2報知状態移行可能状態(例えば、WIN中非高確)とが含まれ、前記演出実行手段は、前記第1報知状態移行可能状態中の遊技では、前記報知状態の開始契機となる前記特定の表示結果を促す特定演出(例えば、「青BARを狙え」)を実行しない一方で、前記第2報知状態移行可能状態中の遊技では、前記特定演出を実行可能であり、前記第2制御手段は、前記特定演出を実行しない前記第1報知状態移行可能状態において前記特定の結果表示が導出された場合であっても、前記報知状態に制御可能であり、前記第1報知状態移行可能状態と前記第2報知状態移行可能状態とにおける前記権利付与手段による前記報知状態に関する権利の付与期待度は、前記特定演出を実行しない前記第1報知状態移行可能状態の方が高く、前記報知状態移行可能状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであることを特徴とする。
このような遊技機では、報知状態は、特定の表示結果が導出された場合に開始されるため、報知状態を開始させるために目押し操作を行う必要があり、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合に報知状態を開始可能であるが、報知状態移行可能状態には、特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態と、特定の表示結果を報知する第2報知状態移行可能状態とがあり、特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合であっても、報知状態を開始可能である。遊技者からすると、基本的には、特定の表示結果の報知が行われたことを契機(第2報知状態移行可能状態)として目押し操作を行うことになるが、報知状態移行可能状態は遊技価値の収支の期待値がマイナスであるため、熟練の遊技者などは、特定の表示結果の報知が行われない場合(第1報知状態移行可能状態)であっても目押し操作を行い、早期に報知状態を開始させることができる。そのため、報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われるボーナス状態(例えば、ボーナス状態)を更に有し、前記報知状態は、前記ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態(例えば、ボーナス作動中AT)であり、前記特定の表示結果は、前記ボーナスの作動契機となる表示結果であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態であり、報知状態の開始契機となる特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、特定の表示結果の目押しに失敗した場合には、報知状態(ボーナス状態)を開始させることができない。このように報知状態を開始させるためには目押し操作を行う必要があるため、目押しの楽しさを持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記第2制御手段は、前記報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を前記報知状態として制御可能であり、前記報知状態に関する権利が付与されていない状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を遊技者にとって有利な情報を報知しない非報知状態として制御可能であり、前記非報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであり、前記報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであり、前記特定演出が実行されたことに伴い導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、前記特定演出が実行されることなく導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、では、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態においても表示させることで、ボーナスの作動を開始することができる。しかしながら、非報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態では、遊技者は、特定の表示結果を狙うことなく遊技を行うことになり、遊技者が過大な利益を得てしまうことがない。また、報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであるが、報知状態であるボーナス状態が、特定の表示結果を促す演出が実行されたことに伴い開始した場合と、特定の表示結果を促す演出が実行されることなく開始した場合とでは、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一である。上述のように熟練の遊技者などは、特定の表示結果を促す演出が行われない場合(第1報知状態移行可能状態)であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができ、また、得られる利益も変わらないため、初心者に対して不利益を与えることなく報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記54の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L,3C,3R及びリール表示窓)を備え、複数の役の中から決定された当籤役及び遊技者の停止操作に応じて前記可変表示部による変動表示を停止することで表示結果を導出し、当該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技を行う遊技状態として、遊技者にとって有利な情報を報知可能な報知状態(例えば、ボーナス作動中AT)を有し、前記報知状態に関する権利が付与されると、前記報知状態への移行が許容される報知状態移行可能状態(例えば、WIN中)に制御可能な第1御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態移行可能状態において特定の表示結果(例えば、「青BAR−青BAR−青BAR」)が導出されると、前記報知状態に制御可能な第2制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知状態移行可能状態には、前記報知状態の開始契機となる前記特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態(例えば、WIN中高確)と、前記特定の表示結果を報知する第2報知状態移行可能状態(例えば、WIN中非高確)とが含まれ、前記第2制御手段は、前記特定の表示結果を報知しない前記第1報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出された場合であっても、前記報知状態に制御可能であり、前記演出実行手段は、前記報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果の導出が許容されない遊技では、前記特定の表示結果を導出できないことを示唆する演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機では、報知状態は、特定の表示結果が導出された場合に開始されるため、報知状態を開始させるために目押し操作を行う必要があり、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合に報知状態を開始可能であるが、報知状態移行可能状態には、特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態と、特定の表示結果を報知する第2報知状態移行可能状態とがあり、特定の表示結果を報知しない第1報知状態移行可能状態において特定の表示結果が導出された場合であっても、報知状態を開始可能である。遊技者からすると、基本的には、特定の表示結果の報知が行われたことを契機(第2報知状態移行可能状態)として目押し操作を行うことになるが、熟練の遊技者などは、特定の表示結果の報知が行われない場合(第1報知状態移行可能状態)であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができる。また、特定の表示結果の導出が許可されない遊技では、その旨を示唆する演出を実行するため、遊技者は、特定の表示結果の目押し操作が不要な遊技にまで目押し操作を行う必要がない。そのため、報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われるボーナス状態(例えば、ボーナス状態)を更に有し、前記報知状態は、前記ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態(例えば、ボーナス作動中AT)であり、前記特定の表示結果は、前記ボーナスの作動契機となる表示結果であり、前記演出実行手段は、前記特定の表示結果に対応するボーナス役(例えば、BB役)に加えて、前記特定の表示結果よりも優先して導出される所定の表示結果に対応する所定役(例えば、リプレイ役)が当籤役として決定されている場合、前記所定役が当籤役として決定されていることを示唆する演出又は前記所定役が当籤役として決定されていることを報知する演出の少なくとも何れか一方を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する状態であり、報知状態の開始契機となる特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、特定の表示結果の目押しに失敗した場合には、報知状態(ボーナス状態)を開始させることができない。このように報知状態を開始させるためには目押し操作を行う必要があるため、目押しの楽しさを持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。この場合においても、特定の表示結果の導出が許可されない遊技(所定役が当籤している遊技)では、その旨を示唆する演出や所定役が当籤役として決定されていることを報知する演出を実行するため、遊技者は、特定の表示結果の目押し操作が不要な遊技にまで目押し操作を行う必要がない。
また、本発明に係る遊技機では、前記第2制御手段は、前記報知状態移行可能状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を前記報知状態として制御可能であり、前記報知状態に関する権利が付与されていない状態において前記特定の表示結果が導出されると、前記ボーナス状態中の遊技を遊技者にとって有利な情報を報知しない非報知状態として制御可能であり、前記非報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであり、前記報知状態である前記ボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであり、前記第1報知状態移行可能状態において導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、前記第2報知状態移行可能状態において導出された前記特定の表示結果を契機とする前記報知状態の前記ボーナス状態と、では、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の表示結果は、ボーナスの作動契機となる表示結果であるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態においても表示させることで、ボーナスの作動を開始することができる。しかしながら、非報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってマイナスであるため、報知状態に関する権利が付与されていない状態では、遊技者は、特定の表示結果を狙うことなく遊技を行うことになり、遊技者が過大な利益を得てしまうことがない。また、報知状態であるボーナス状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は遊技者にとってプラスであるが、報知状態であるボーナス状態が、第1報知状態移行可能状態において開始した場合と、第2報知状態移行可能状態において開始した場合とでは、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が同一である。上述のように熟練の遊技者などは、特定の表示結果の報知が行われない場合(第1報知状態移行可能状態)であっても目押し操作を行い、報知状態を開始させることができ、また、得られる利益も変わらないため、初心者に対して不利益を与えることなく報知状態の開始に関して技術介入要素を持たせることができ、遊技者の停止操作の興趣を高めることができる。
[付記55〜付記58]
付記55〜付記58の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがある。このような遊技機として、ボーナス作動中の出玉率を抑えてボーナス作動中のメダル増加を抑制することで、その分の出玉をAT中に割り振る遊技機も知られている。ここで、パチスロ機に対しては、ボーナス(特別役物)の非作動中よりもボーナスの作動中の方が小役の当籤確率を高くしなければならないという設計ルールがあり、このような設計ルールを守りつつ、ボーナス作動中のメダル増加を抑制する必要がある。
この点、特開2015−202330号公報には、ボーナスが作動した場合に小役の当籤確率を高くしつつも、ボーナス作動中のメダル増加を抑制可能な遊技機が開示されている。具体的には、ボーナス非作動中においては、押し順正解時に15枚のメダルが付与され得る係数2064の小役を8種類(合計で16512(=2064×8))設ける一方で、ボーナス作動中においては、これら8種類の小役が全て重複する1種類の重複小役に対して係数4206を割り振る。
このようにすることで、個々の小役の当籤確率は、ボーナス非作動中(2064)よりもボーナス作動中(4206)の方が高くなるため、設計ルールを守ることができる。これに対して、15枚役の全体の当籤確率を見ると、ボーナス作動中の当籤確率(約1/15(=4206/65536))は著しく低く、ボーナス作動中のメダル増加を抑制することができる。一方で、ボーナス非作動中の15枚役の全体の当籤確率は、約1/4(=16512/65536)であり、ボーナス非作動中にATを実行することで、ボーナス非作動中のAT期間をメダルが増加する増加期間とすることができる。
ところで、より効果的に、ボーナス非作動中の小役(15枚役)の当籤確率を高めつつ、ボーナス作動中のメダル増加を抑制するためには、小役の種類を多くすればよい。例えば、合計の係数(16512)を変えないまま小役の種類を16種類にすることで、ボーナス作動中における16種類の小役が全て重複する1種類の重複小役の係数を1032(=16512/16)まで圧縮することができるため、小役の種類を多くすることで圧縮効果は倍増し、ボーナス作動中のメダル増加をより抑制(低ベース)とすることができる。
しかしながら、小役の種類を多くしてしまうと、それぞれの小役に対応する図柄の組合せの数も増やさなければならない。通常、パチスロ機では、3×3の表示領域に図柄を表示するため、外見上一直線となるラインは、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスダウンライン及びクロスアップラインの5種類であり、それぞれの小役では図柄の組合せを異ならせなければいけないため、小役の種類を多くした場合には、図柄の組合せを一直線のみのものとすることが難しくなる。なお、近年では、外見上一直線のラインの他にも、小山ライン(下−中−下)や小Vライン(上−中−上)などのラインも遊技者に比較的受け入れられているが、利用可能なラインは限られている。
そのため、圧縮効果を高めるために小役の種類を多くしてしまうと、外見上、遊技者に入賞と認識され難いラインを用いる(一例として、完全なバラケ目を15枚役の入賞として扱う)ことになり、このような遊技機では、遊技中に入賞と非入賞との違いが分かり難く違和感が高まり、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、小役入賞時の遊技者の違和感を軽減しつつ、ボーナス作動中の圧縮効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記55の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、所定の開始条件を満たすと、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定の開始条件を満たすと、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段によりボーナス作動役(例えば、RB役(「F_RB1」「F_RB2」))に対応する図柄の組合せが表示されると、遊技価値の付与に係る小役が内部当籤役として決定される確率が非ボーナス遊技(例えば、BB中一般及びBB中RBフラグ間)よりも高くなるボーナス遊技(例えば、BB中RB)を作動させ、前記ボーナス遊技において所定の終了条件を満たすと、前記ボーナス遊技の作動を終了させるボーナス遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域のそれぞれを直線状に結ぶことにより形成される直線ラインを有し、前記複数のリールのうちの少なくとも所定リール(例えば、右リール3R)では、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄(例えば、図柄「ベルA」)と第2所定図柄(例えば、図柄「ベルB」)とが表示され、前記小役には、前記直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄が表示される第1の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルA)に対応する第1所定小役(例えば、「C_ATベル132_1〜2」)と、前記直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第2所定図柄が表示される第2の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルB)に対応する第2所定小役(例えば、「C_ATベル123_1〜4」)と、が含まれ、前記内部当籤役決定手段は、前記非ボーナス遊技では、前記第1所定小役を含み前記第2所定小役を含まない第1当籤役(例えば、「F_ベル2−L−LRC」)及び前記第2所定小役を含み前記第1所定小役を含まない第2当籤役(例えば、「F_ベル1−L−LCR」)を内部当籤役として決定可能であり、前記ボーナス遊技では、前記第1所定小役と前記第2所定小役との双方を含む重複当籤役(例えば、「F_RB中共通15枚」)を内部当籤役として決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数のリールのうちの少なくとも所定リールには、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄と第2所定図柄とが表示され、第1所定図柄と第2所定図柄とが一直線に並ぶ図柄の組合せに対応する小役として、所定リールにおける図柄が第1所定図柄である第1所定小役と、所定リールにおける図柄が第2所定図柄である第2所定小役とを有する。第1所定図柄と第2所定図柄とは、図柄デザインに関連性があるため、遊技者からすると、第1所定小役も第2所定小役も、所定図柄が一直線に並ぶことで入賞する役であると認識し、小役入賞時に遊技者が違和感を感じることがない。
また、このような役構成の遊技機において、非ボーナス遊技では、第1所定小役を含み第2所定小役を含まない第1当籤役及び第2所定小役を含み第1所定小役を含まない第2当籤役を内部当籤役として決定可能である。そのため、本発明に係る遊技機では、非ボーナス遊技において所定図柄が一直線に並ぶ小役の種類を(所定リールにおける図柄の相違により)増加させることができる。そして、本発明に係る遊技機では、ボーナス遊技では、第1所定小役と第2所定小役との双方を含む重複当籤役を内部当籤役として決定可能であるが、非ボーナス遊技において小役の種類を増加させることができるため、遊技者に違和感を与えることなくボーナス遊技における小役の圧縮効果を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記内部当籤役決定手段は、前記非ボーナス遊技では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、前記ボーナス遊技では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス遊技における小役の当籤確率を圧縮しつつ、ボーナス遊技における出玉率が遊技者にとってマイナス(1を超えない)になるため、遊技機の設計ルールを守りつつ、ボーナス遊技中のメダル増加を抑制(低ベース)することができ、その分の出玉を他の状態(AT中)に割り振ることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記リール停止制御手段は、停止操作が検出されると、前記停止操作が検出されてからリールの回転を停止させるまでの間に予め許容されている引込許容図柄数以内にある図柄を停止させるようにリールの回転を停止させ、前記所定リールには、一の前記第1所定図柄と当該一の前記第1所定図柄に隣接する他の前記第1所定図柄との間隔、及び、一の前記第2所定図柄と当該一の前記第2所定図柄に隣接する他の前記第2所定図柄との間隔が前記引込許容図柄数以内になるように図柄が配置されていることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定リールにおいて第1所定図柄及び第2所定図柄のそれぞれは、取りこぼしが生じないように配置されているため、図柄配置の設計を容易に行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記56の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、所定の開始条件を満たすと、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定の開始条件を満たすと、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段によりボーナス作動役(例えば、RB役(「F_RB1」「F_RB2」))に対応する図柄の組合せが表示されると、遊技価値の付与に係る小役が内部当籤役として決定される確率が非ボーナス遊技(例えば、BB中一般及びBB中RBフラグ間)よりも高くなるボーナス遊技(例えば、BB中RB)を作動させ、前記ボーナス遊技において所定の終了条件を満たすと、前記ボーナス遊技の作動を終了させるボーナス遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により表示された図柄の組合せに応じて、遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域のそれぞれを直線状に結ぶことにより形成される複数の直線ラインを有し、前記複数のリールのうちの少なくとも所定リール(例えば、右リール3R)では、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄(例えば、図柄「ベルA」)と第2所定図柄(例えば、図柄「ベルB」)とが表示され、前記小役には、所定の直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄が表示される第1の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルA)に対応する第1所定小役(例えば、「C_ATベル132_1〜2」)と、所定の直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第2所定図柄が表示される第2の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルB)に対応する第2所定小役(例えば、「C_ATベル123_1〜4」)と、が含まれ、前記内部当籤役決定手段は、前記非ボーナス遊技では、前記第1所定小役を含み前記第2所定小役を含まない第1当籤役(例えば、「F_ベル2−L−LRC」)及び前記第2所定小役を含み前記第1所定小役を含まない第2当籤役(例えば、「F_ベル1−L−LCR」)を内部当籤役として決定可能であり、前記ボーナス遊技では、前記第1所定小役と前記第2所定小役との双方を含む重複当籤役(例えば、「F_RB中共通15枚」)を内部当籤役として決定可能であり、前記遊技価値付与手段は、前記複数の直線ラインのうちの特定の直線ラインに沿って前記第1の図柄の組合せが表示された場合と、前記特定の直線ラインと同一の直線ラインに沿って前記第2の図柄の組合せが表示された場合とで、同量の遊技価値を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数のリールのうちの少なくとも所定リールには、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄と第2所定図柄とが表示され、第1所定図柄と第2所定図柄とが一直線に並ぶ図柄の組合せに対応する小役として、所定リールにおける図柄が第1所定図柄である第1所定小役と、所定リールにおける図柄が第2所定図柄である第2所定小役とを有する。第1所定図柄と第2所定図柄とは、図柄デザインに関連性があるため、遊技者からすると、第1所定小役も第2所定小役も、所定図柄が一直線に並ぶことで入賞する役であると認識し、小役入賞時に遊技者が違和感を感じることがない。
また、このような役構成の遊技機において、非ボーナス遊技では、第1所定小役を含み第2所定小役を含まない第1当籤役及び第2所定小役を含み第1所定小役を含まない第2当籤役を内部当籤役として決定可能である。そのため、本発明に係る遊技機では、非ボーナス遊技において所定図柄が一直線に並ぶ小役の種類を(所定リールにおける図柄の相違により)増加させることができる。そして、本発明に係る遊技機では、ボーナス遊技では、第1所定小役と第2所定小役との双方を含む重複当籤役を内部当籤役として決定可能であるが、非ボーナス遊技において小役の種類を増加させることができるため、遊技者に違和感を与えることなくボーナス遊技における小役の圧縮効果を高めることができる。
なお、特定の直線ラインに沿って第1所定小役が入賞した場合と、同じ特定の直線ラインに沿って第2所定小役が入賞した場合とでは、同量の遊技価値が付与されるため、遊技者は、違和感なく遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記内部当籤役決定手段が前記第1所定小役を含む前記第1当籤役を内部当籤役として決定する確率及び前記内部当籤役決定手段が前記第2所定小役を含む前記第2当籤役を内部当籤役として決定する確率は、前記非ボーナス遊技よりも前記ボーナス遊技の方が高い一方で、前記内部当籤役決定手段が前記第1所定小役及び前記第2所定小役のうちの少なくとも一方を含む役を内部当籤役として決定する確率は、前記非ボーナス遊技よりも前記ボーナス遊技の方が低いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、個々の小役(第1所定小役、第2所定小役)の当籤確率は、非ボーナス遊技よりもボーナス遊技の方が高いため、遊技機の設計ルールを適切に守ることができる。一方で、何れかの小役(第1所定小役、第2所定小役)の当籤確率の合計値は、ボーナス遊技よりも非ボーナス遊技の方が高いため、ボーナス遊技における小役の当籤確率を圧縮しつつ、非ボーナス遊技における小役の当籤確率を高めることができる。その結果、遊技機の設計ルールを守りつつ、ボーナス遊技中のメダル増加を抑制(低ベース)することができ、その分の出玉を他の状態(非ボーナス遊技)に割り振ることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記遊技価値付与手段は、前記第1所定小役に対応する前記第1の図柄の組合せが表示された場合、及び、前記第2所定小役に対応する前記第2の図柄の組合せが表示された場合には、今回の遊技に用いた遊技価値よりも多い遊技価値を付与する一方で、特定小役(例えば、「C_Lベル1〜2」)に対応する図柄の組合せが表示された場合には、今回の遊技に用いた遊技価値以下の遊技価値を付与又は遊技価値を付与することがなく、前記第1当籤役は、前記第1所定小役と前記特定小役とを含み前記第2所定小役を含まない役であり、前記第2当籤役は、前記第2所定小役と前記特定小役とを含み前記第1所定小役を含まない役であり、前記リール停止制御手段は、前記第1当籤役が内部当籤役として決定されている場合、遊技者の停止操作の態様が第1所定態様(例えば、左右中の押し順)のときは前記第1所定小役に対応する前記第1の図柄の組合せが表示されるように前記図柄の変動を停止させる一方で、遊技者の停止操作の態様が前記第1所定態様とは異なる第2所定態様(例えば、左右中以外の押し順)のときは前記特定小役に対応する図柄の組合せが表示されるように前記図柄の変動を停止させ、前記第2当籤役が内部当籤役として決定されている場合、遊技者の停止操作の態様が第1特定態様(例えば、左中右の押し順)のときは前記第2所定小役に対応する前記第2の図柄の組合せが表示されるように前記図柄の変動を停止させる一方で、遊技者の停止操作の態様が前記第1特定態様とは異なる第2特定態様(例えば、左中右以外の押し順)のときは前記特定小役に対応する図柄の組合せが表示されるように前記図柄の変動を停止させ、前記非ボーナス遊技において前記第1当籤役又は前記第2当籤役が内部当籤役として決定されると、前記第1所定態様又は前記第1特定態様で停止操作を行うことを促す演出を実行可能な演出実行手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非ボーナス遊技において遊技者にとって有利な情報を報知可能であるため、非ボーナス遊技においてAT遊技を行うことができる。このとき、小役の当籤確率を圧縮してボーナス遊技中の出玉を抑制可能であるため、非ボーナス遊技にその分の出玉を振り分けることができ、AT中のベースを高くすることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記57の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、所定の開始条件を満たすと、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定の開始条件を満たすと、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段によりボーナス作動役(例えば、RB役(「F_RB1」「F_RB2」))に対応する図柄の組合せが表示されると、遊技価値の付与に係る小役が内部当籤役として決定される確率が非ボーナス遊技(例えば、BB中一般及びBB中RBフラグ間)よりも高くなるボーナス遊技(例えば、BB中RB)を作動させ、前記ボーナス遊技において所定の終了条件を満たすと、前記ボーナス遊技の作動を終了させるボーナス遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により表示された図柄の組合せに応じて、遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により表示された図柄の組合せに応じて、所定の演出を実行する演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を備え、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域のそれぞれを直線状に結ぶことにより形成される複数の直線ラインを有し、前記複数のリールのうちの少なくとも所定リール(例えば、右リール3R)では、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄(例えば、図柄「ベルA」)と第2所定図柄(例えば、図柄「ベルB」)とが表示され、前記小役には、所定の直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄が表示される第1の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルA)に対応する第1所定小役(例えば、「C_ATベル132_1〜2」)と、所定の直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第2所定図柄が表示される第2の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルB)に対応する第2所定小役(例えば、「C_ATベル123_1〜4」)と、が含まれ、前記内部当籤役決定手段は、前記非ボーナス遊技では、前記第1所定小役を含み前記第2所定小役を含まない第1当籤役(例えば、「F_ベル2−L−LRC」)及び前記第2所定小役を含み前記第1所定小役を含まない第2当籤役(例えば、「F_ベル1−L−LCR」)を内部当籤役として決定可能であり、前記ボーナス遊技では、前記第1所定小役と前記第2所定小役との双方を含む重複当籤役(例えば、「F_RB中共通15枚」)を内部当籤役として決定可能であり、前記遊技価値付与手段は、前記複数の直線ラインのうちの特定の直線ラインに沿って前記第1の図柄の組合せが表示された場合と、前記特定の直線ラインと同一の直線ラインに沿って前記第2の図柄の組合せが表示された場合とで、異なる量の遊技価値を付与し、前記演出実行手段は、前記第1の図柄の組合せが表示された場合と前記第2の図柄の組合せが表示された場合とで異なる演出を実行することを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数のリールのうちの少なくとも所定リールには、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄と第2所定図柄とが表示され、第1所定図柄と第2所定図柄とが一直線に並ぶ図柄の組合せに対応する小役として、所定リールにおける図柄が第1所定図柄である第1所定小役と、所定リールにおける図柄が第2所定図柄である第2所定小役とを有する。第1所定図柄と第2所定図柄とは、図柄デザインに関連性があるため、遊技者からすると、第1所定小役も第2所定小役も、所定図柄が一直線に並ぶことで入賞する役であると認識し、小役入賞時に遊技者が違和感を感じることがない。
また、このような役構成の遊技機において、非ボーナス遊技では、第1所定小役を含み第2所定小役を含まない第1当籤役及び第2所定小役を含み第1所定小役を含まない第2当籤役を内部当籤役として決定可能である。そのため、本発明に係る遊技機では、非ボーナス遊技において所定図柄が一直線に並ぶ小役の種類を(所定リールにおける図柄の相違により)増加させることができる。そして、本発明に係る遊技機では、ボーナス遊技では、第1所定小役と第2所定小役との双方を含む重複当籤役を内部当籤役として決定可能であるが、非ボーナス遊技において小役の種類を増加させることができるため、遊技者に違和感を与えることなくボーナス遊技における小役の圧縮効果を高めることができる。
なお、特定の直線ラインに沿って第1所定小役が入賞した場合と、同じ特定の直線ラインに沿って第2所定小役が入賞した場合とで異なる量の遊技価値が付与されるため、遊技性を多様化することができる。このとき、第1所定小役が入賞した場合と第2所定小役が入賞した場合とで異なる演出を実行するため、異なる入賞態様(異なる遊技価値の付与)であることを適切に報せることができ、遊技者に勘違いさせることがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記内部当籤役決定手段は、前記非ボーナス遊技では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、前記ボーナス遊技では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス遊技における小役の当籤確率を圧縮しつつ、ボーナス遊技における出玉率が遊技者にとってマイナス(1を超えない)になるため、遊技機の設計ルールを守りつつ、ボーナス遊技中のメダル増加を抑制(低ベース)することができ、その分の出玉を他の状態(AT中)に割り振ることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記リール停止制御手段は、停止操作が検出されると、前記停止操作が検出されてからリールの回転を停止させるまでの間に予め許容されている引込許容図柄数以内にある図柄を停止させるようにリールの回転を停止させ、前記所定リールには、一の前記第1所定図柄と当該一の前記第1所定図柄に隣接する他の前記第1所定図柄との間隔、及び、一の前記第2所定図柄と当該一の前記第2所定図柄に隣接する他の前記第2所定図柄との間隔が前記引込許容図柄数以内になるように図柄が配置されていることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定リールにおいて第1所定図柄及び第2所定図柄のそれぞれは、取りこぼしが生じないように配置されているため、図柄配置の設計を容易に行うことができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記58の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、所定の開始条件を満たすと、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定の開始条件を満たすと、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の開始条件を満たすと、ボーナス遊技(例えば、ボーナス状態(BB中一般))を作動させ、前記ボーナス遊技において所定の終了条件を満たすと、前記ボーナス遊技の作動を終了させるボーナス遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス遊技が作動しているボーナス遊技において、遊技価値の付与に係る小役が内部当籤役として決定される確率が互いに異なる一般ボーナス遊技(例えば、BB中一般、BB中RBフラグ間)と特別ボーナス遊技(例えば、BB中RB)との間で遊技状態を移行させるボーナス遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール停止制御手段により表示された図柄の組合せに応じて、遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域のそれぞれを直線状に結ぶことにより形成される直線ラインを有し、前記複数のリールのうちの少なくとも所定リール(例えば、右リール3R)では、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄(例えば、図柄「ベルA」)と第2所定図柄(例えば、図柄「ベルB」)とが表示され、前記小役には、前記直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域に、前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄が並んで表示される所定小役が含まれるとともに、前記所定小役には、前記直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄が表示される第1の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルA)に対応する第1所定小役(例えば、「C_ATベル132_1〜2」)と、前記直線ラインが結ぶ単位図柄表示領域のうち、前記所定リールを除くリールの単位図柄表示領域に前記第1所定図柄又は前記第2所定図柄の何れかが表示され、前記所定リールの単位図柄表示領域に前記第2所定図柄が表示される第2の図柄の組合せ(例えば、ベルA−ベルA−ベルB)に対応する第2所定小役(例えば、「C_ATベル123_1〜4」)と、が含まれ、前記内部当籤役決定手段は、前記一般ボーナス遊技では、前記第1所定小役を含み前記第2所定小役を含まない第1当籤役(例えば、「F_ベル2−L−LRC」)及び前記第2所定小役を含み前記第1所定小役を含まない第2当籤役(例えば、「F_ベル1−L−LCR」)を内部当籤役として決定可能であり、前記特別ボーナス遊技では、前記第1所定小役と前記第2所定小役との双方を含む重複当籤役(例えば、「F_RB中共通15枚」)を内部当籤役として決定可能であり、前記所定小役には、表示されたときに遊技価値付与手段により今回の遊技に用いた遊技価値よりも多い遊技価値が付与される図柄の組合せが対応付けられた所定増加小役(例えば、15枚ベル)が含まれ、前記内部当籤役決定手段は、前記一般ボーナス遊技及び前記ボーナス遊技が作動していない非ボーナス遊技において、前記所定増加小役を含む第3当籤役(例えば、「F_ベル2−L−LRC」「F_ベル1−L−LCR」など)を内部当籤役として決定可能であり、前記リール停止制御手段は、前記一般ボーナス遊技において前記第3当籤役が内部当籤役として決定された場合には、前記所定増加小役に対応する図柄の組合せが表示されるように前記図柄の変動を停止可能である一方で、前記非ボーナス遊技において前記第3当籤役が内部当籤役として決定された場合には、前記所定増加小役に対応する図柄の組合せを表示不可能に前記図柄の変動を停止することを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数のリールのうちの少なくとも所定リールには、図柄デザインに関連性がある第1所定図柄と第2所定図柄とが表示され、第1所定図柄と第2所定図柄とが一直線に並ぶ図柄の組合せに対応する小役として、所定リールにおける図柄が第1所定図柄である第1所定小役と、所定リールにおける図柄が第2所定図柄である第2所定小役とを有する。第1所定図柄と第2所定図柄とは、図柄デザインに関連性があるため、遊技者からすると、第1所定小役も第2所定小役も、所定図柄が一直線に並ぶことで入賞する役であると認識し、小役入賞時に遊技者が違和感を感じることがない。
また、このような役構成の遊技機において、一般ボーナス遊技では、第1所定小役を含み第2所定小役を含まない第1当籤役及び第2所定小役を含み第1所定小役を含まない第2当籤役を内部当籤役として決定可能である。そのため、本発明に係る遊技機では、一般ボーナス遊技において所定図柄が一直線に並ぶ小役の種類を(所定リールにおける図柄の相違により)増加させることができる。そして、本発明に係る遊技機では、特別ボーナス遊技では、第1所定小役と第2所定小役との双方を含む重複当籤役を内部当籤役として決定可能であるが、一般ボーナス遊技において小役の種類を増加させることができるため、遊技者に違和感を与えることなく特別ボーナス遊技における小役の圧縮効果を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、所定小役として所定増加小役を有し、この所定増加小役を含む第3当籤役を一般ボーナス遊技及び非ボーナス遊技において内部当籤役として決定可能であるが、第3当籤役に当籤した場合、一般ボーナス遊技では所定増加小役を入賞可能であるが、非ボーナス遊技では所定増加小役を入賞させることができない。これにより、一般ボーナス遊技中を出玉が増加する増加期間とすることができ、また、非ボーナス遊技中の出玉が抑制されるため、その分の出玉を一般ボーナス遊技に割り振ることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記内部当籤役決定手段は、前記一般ボーナス遊技では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように内部当籤役を決定し、前記特別ボーナス遊技では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で内部当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように内部当籤役を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、一般ボーナス遊技における小役の当籤確率を圧縮しつつ、特別ボーナス遊技における出玉率が遊技者にとってマイナス(1を超えない)になるため、遊技機の設計ルールを守りつつ、特別ボーナス遊技中のメダル増加を抑制(低ベース)することができ、その分の出玉を他の状態(一般ボーナス遊技)に割り振ることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス遊技状態移行制御手段は、前記一般ボーナス遊技においてボーナス作動役(例えば、RB役(「F_RB1」「F_RB2」))に対応する図柄の組合せが表示されると、前記一般ボーナス遊技から前記特別ボーナス遊技に遊技状態を移行し、前記ボーナス作動役に対応する図柄の組合せを表示可能な遊技において、前記ボーナス作動役に対応する図柄の組合せを表示可能であることを報知可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、一般ボーナス遊技から特別ボーナス遊技へは、ボーナス作動役が入賞することで移行するが、ボーナス作動役を入賞可能な遊技ではその旨の報知が行われる。遊技者にとってみれば、この報知に基づきボーナス作動役の入賞を回避して遊技を行うことが可能であるため、小役の当籤確率が圧縮された特別ボーナス遊技に移行してしまうことを回避することができる。
[付記59]
付記59の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
こうしたAT機能を搭載した遊技機では、ATに当籤するか否かの期待度を規定する複数のモードを設けることが一般的に行われており、複数のモードを有することで、ATに当籤し易い/当籤し難い状態を作り出すことができ、遊技性を高めることとしている。この点、例えば、特開2017−121295号公報には、内部抽籤により決定された役(内部当籤役)に応じて、モード決定のための抽籤を一切行わずに、複数のモードの中から一のモードを決定可能な遊技機が開示されている。
上述の遊技機によれば、内部当籤役を決定するための抽籤以外の抽籤を行うことがないため、処理負荷やデータ容量を軽減することができるものの、遊技者が現在のモードを把握することが可能になってしまい、遊技機の仕様を把握した遊技者にとっては遊技の興趣が低下してしまう可能性があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、現在のモードの把握を困難にし、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記59の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定遊技状態(例えば、出玉状態「通常」)と前記所定遊技状態に比べて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、出玉状態「疑似ボーナス」)とを有し、前記所定遊技状態には、第1所定遊技状態(例えば、出玉状態「通常(非有利区間)」)と前記第1所定遊技状態よりも前記特定遊技状態への移行期待度が高い第2所定遊技状態(例えば、出玉状態「通常(有利区間)」)とが含まれるとともに、前記第2所定遊技状態には、前記特定遊技状態への移行期待度が異なる複数のモード(例えば、出玉モード)が更に含まれ、前記複数の役には、当籤役として決定された場合に表示可能な図柄の組合せのうちの少なくとも一の図柄の組合せが共通する複数種類の所定役(例えば、ベルA〜ベルE)が含まれ、前記第1所定遊技状態において前記所定役が当籤役として決定されると、前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に遊技状態を移行可能な第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1状態制御手段が遊技状態を前記第2所定遊技状態に移行した場合に、当該移行の契機となった前記所定役の種類に応じて前記複数のモードの中から一のモードを決定するモード決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第2所定遊技状態において、前記モード決定手段が決定した前記一のモードに応じて前記特定遊技状態への移行を制御する第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、複数種類の前記所定役のそれぞれは、当籤役として決定される確率が複数の設定値毎に異なるとともに、前記所定役の種類毎に、前記複数のモードのうちの何れのモードを決定するかが予め設定されていることを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数種類の所定役は、表示可能な図柄の組合せの少なくとも一部が共通するため、停止時に表示される図柄の組合せから当籤役として決定された所定役の種類を特定することが困難となる。そして、所定役が当籤役として決定された場合、遊技状態を第2所定遊技状態に移行可能であるが、所定役を契機として第2所定遊技状態に移行した場合、移行契機となった所定役の種類に応じてモードを決定する。このとき、複数種類の所定役のそれぞれは、当籤役として決定される確率が複数の設定値毎に異なるとともに、所定役の種類毎に、複数のモードのうちの何れのモードを決定するかが予め設定されているため、モード決定の傾向が設定値に応じて異なることになる。遊技者からすると、表示された図柄の組合せからは所定役の種類を特定することは困難であり、また、内部的に設定されている設定値を特定することも困難であるため、現在のモードの把握が困難になる。また、モード決定の傾向は設定値に応じて異なるため、多彩なモード決定制御が可能になり、遊技性が多様化する。そのため、本発明に係る遊技機によれば、現在のモードの把握を困難にしつつ、遊技性を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機では、複数種類の前記所定役には、特定の所定役(例えば、ベルA)が含まれ、前記第1状態制御手段は、前記第1所定遊技状態において前記特定の所定役が当籤役として決定された場合であっても、前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に遊技状態を移行することがないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1所定遊技状態において所定役が当籤役として決定された場合、基本的には第2所定遊技状態に移行するものの、所定役が特定の所定役である場合には、第2所定遊技状態に移行することなく、第1所定遊技状態のままとなる。ここで、当籤役として決定された所定役の種類は、停止時に表示される図柄の組合せから特定することが困難であるため、遊技者からすると、所定役に応じた図柄の組合せが表示されたからといって第2所定遊技状態に移行したとは限らず、遊技性が多様化する。
また、本発明に係る遊技機では、複数種類の前記所定役のそれぞれは、前記所定遊技状態において当籤役として決定された場合に表示され得る図柄の組合せが共通する(例えば、「C_1枚1」〜「C_1枚4」)ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、モードは、遊技者にとって有利な特定遊技状態への移行に用いられるが、有利ではない所定遊技状態では、所定役の当籤時に表示される図柄の組合せが共通するため、現在のモードの把握が困難になる。
また、本発明に係る遊技機では、前記モード決定手段が決定した前記一のモードは、前記第2所定遊技状態に滞在している間は他のモードに移行することがないことを特徴とする。
上述のようにモード決定の傾向は設定値に応じて異なるため、本発明に係る遊技機のように一度決定したモードを他のモードに移行させないように制御することで、設定値に応じた遊技状態の制御が可能になり、遊技性が多様化する。
また、本発明に係る遊技機では、複数種類の前記所定役の合計の当籤確率は、複数の設定値において同一であるとともに、複数種類の前記所定役のうちの個別の前記所定役の当籤確率は、複数の設定値において異なり、当籤役として決定された場合に特定モードを決定し易い第1所定役の当籤確率が高い第1設定値では、当籤役として決定された場合に前記特定モードとは異なる所定モードを決定し易い第2所定役の当籤確率が低く、当籤役として決定された場合に前記所定モードを決定し易い前記第2所定役の当籤確率が高い第2設定値では、当籤役として決定された場合に前記特定モードを決定し易い前記第1所定役の当籤確率が低いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1設定値と第2設定値とでは、モード決定の傾向が互い違いになるため、設定値毎に特徴的なモード決定を行うことができ、遊技性が多様化する。
[付記60]
付記60の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがある。このような遊技機として、ボーナス作動中の出玉率を抑えてボーナス作動中のメダル増加を抑制することで、その分の出玉をAT中に割り振る遊技機も知られている。例えば、特開2013−236717号公報には、特典遊技の権利が発生していない状態でボーナスを入賞した場合に、ボーナス作動中の遊技が遊技者にとって不利な状況となる遊技機が開示されている。
しかしながら、上述の遊技機では、遊技者が不利な状況が発生することに気付かずまま
ボーナスを入賞させてしまう可能性や、ボーナスの入賞を回避するための目押しを行ったにも関わらず誤って入賞させてしまう可能性があり、不利なボーナスを設ける場合には、ボーナスの入賞を適切に回避可能な仕組みが求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、不利な状況が発生するボーナスを入賞させてしまうことを軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記60の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われているボーナス状態と、前記ボーナスの作動が行われていない非ボーナス状態とを有するとともに、前記非ボーナス状態には、所定遊技状態(例えば、出玉状態「疑似ボーナス」以外ので玉状態)と前記所定遊技状態に比べて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、出玉状態「疑似ボーナス」の“JAC待ち”)とが含まれ、前記非ボーナス状態においてボーナス役(例えば、「F_JACBB」)に対応する特定の図柄の組合せが表示されると前記ボーナス状態を開始し、終了条件が成立した場合に前記ボーナス状態を終了して非ボーナス状態に移行する第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された場合に前記特定の図柄の組合せが表示されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越す持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定遊技状態において移行条件を満たす(例えば、疑似ボーナスのストックが付与される)と前記特定遊技状態に遊技状態を移行する第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ボーナス状態は、前記特定遊技状態において開始された場合には遊技者にとって有利な遊技状態である一方で、前記所定遊技状態において開始された場合には少なくとも前記特定遊技状態において開始されたときよりも遊技者にとって不利な遊技状態であり、前記所定遊技状態において、前記特定の図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに停止した場合に、回転中の残りリールに対する遊技者の停止操作を無効化する特定のロック制御を行う停止操作無効手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態は、特定遊技状態において開始された場合には遊技者にとって有利な遊技状態である一方で、所定遊技状態において開始された場合には少なくとも特定遊技状態において開始されたときよりも遊技者にとって不利な遊技状態である。そして、所定遊技状態においてボーナス役に対応する特定の図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに停止した場合、回転中の残りリールに対する遊技者の停止操作が無効化される。これにより、ボーナス役を入賞させてしまうと不利な状況となる所定遊技状態では、ボーナス役が入賞する前のタイミング(特定の図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに停止したタイミング)で、遊技者の停止操作が無効化される。停止操作が無効化されることから、遊技者は停止操作を勢いで行うことが不可能になるとともに、遊技者に対して不利な状況になることの警告を行うことができ、結果、ボーナス役の入賞を適切に回避させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス状態は、一般ボーナス状態(例えば、BB中一般及びBB中RBフラグ間)と当該一般ボーナス状態よりも遊技者にとって不利な所定ボーナス状態(例えば、BB中RB)とを含み、前記一般ボーナス状態において、所定ボーナス役(例えば、「F_JAC1」〜「F_JAC4」)に対応する所定の図柄の組合せが表示されると、前記所定ボーナス状態を開始する第3状態制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記停止操作無効手段は、前記所定の図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに停止した場合に、回転中の残りリールに対する遊技者の停止操作を無効化する所定のロック制御を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態において所定ボーナス役を入賞させてしまうと不利な状況(所定ボーナス状態)になってしまうが、停止操作無効手段は、所定ボーナス役が入賞する前のタイミング(所定の図柄の組合せを構成する図柄が有効ラインに停止したタイミング)で、遊技者の停止操作を無効化する。これにより、遊技者は停止操作を勢いで行うことが不可能になるとともに、遊技者に対して不利な状況になることの警告を行うことができ、結果、所定ボーナス役の入賞を適切に回避させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記停止操作無効手段は、前記複数のリールのうちの所定数のリールが回転している場合に前記特定のロック制御を行い、前記複数のリールのうちの前記所定数とは異なる特定数のリールが回転している場合に前記所定のロック制御を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役の誤入賞を回避させるためのロック制御と、所定ボーナス役の誤入賞を回避させるためのロック制御とでは、停止操作を無効化するタイミングが異なる。この場合においても、遊技者の停止操作を無効化することで、遊技者は停止操作を勢いで行うことが不可能になるとともに、遊技者に対して不利な状況になることの警告を行うことができ、結果、ボーナス役や所定ボーナス役の入賞を適切に回避させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のリールは、3つのリールであり、前記特定の図柄の組合せは、前記3つのリールの全てにおいて当該特定の図柄の組合せを構成する図柄を引き込み不可能な停止位置が存在する図柄の組合せであり、前記所定の図柄の組合せは、前記3つのリールのうちの2つのリールにおいて当該所定の図柄の組合せを構成する図柄を引き込み不可能な停止位置が存在する図柄の組合せであり、前記停止操作無効手段は、前記複数のリールのうちの1つのリールが回転している場合に前記特定のロック制御を行い、前記複数のリールのうちの2つのリールが回転している場合に前記所定のロック制御を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、3つのリールの全てにおいて引き込み不可能な停止位置が存在するボーナス役に対しては、誤入賞を回避させるためのロック制御を残り1つのリールが回転している場合に行い、3つのリールのうちの2つのリールにおいて引き込み不可能な停止位置が存在する所定ボーナス役に対しては、誤入賞を回避させるためのロック制御を残り2つのリールが回転している場合に行う。これにより、ボーナス役や所定ボーナス役の入賞を回避することができるタイミングのうちの最も遅いタイミングで、遊技者の停止操作を無効化することができる。そのため、不必要に遊技者の停止操作を無効化することがなく、遊技の流れを損なうことなく、ボーナス役や所定ボーナス役の入賞を適切に回避させることができる。
[付記61]
付記61の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがあり、このような遊技機では、実際のボーナス(役物)の作動が行われないことが一般的である。そこで、特開2015−154823号公報には、報知状態中の遊技を疑似ボーナスとして、実際のボーナス状態であるかのように見せる遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機では、報知状態中の遊技を疑似ボーナスと呼んでいるだけであり、内部的な制御としてはボーナスとは関係なく、非ボーナス状態において遊技者が有利となる情報を報知しているに過ぎない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ボーナス状態を用いて遊技者にとって有利な有利状態を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記61の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われているボーナス状態と、前記ボーナスの作動が行われていない非ボーナス状態とを有するとともに、通常状態(例えば、「疑似ボーナス」以外の出玉状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、出玉状態「疑似ボーナス」)とを更に有し、前記非ボーナス状態においてボーナス役に対応する特定の図柄の組合せが表示されると前記ボーナス状態を開始し、終了条件が成立した場合に前記ボーナス状態を終了して非ボーナス状態に移行する第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された場合に前記特定の図柄の組合せが表示されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越す持越手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記有利状態は、所定回数のボーナス状態(例えば、“JACゲーム”)が実行されるまで継続する状態であって、第1回数(例えば、3回)のボーナス状態が実行されるまで継続する第1有利状態(例えば、疑似BB)と、前記第1回数とは異なる第2回数(例えば、1回)のボーナス状態が実行されるまで継続する第2有利状態(例えば、疑似RB)と、を含み、前記有利状態において前記ボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知し、前記通常状態において前記ボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知しない報知手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1有利状態に関する権利(例えば、疑似BBのストック)、又は、前記第2有利状態に関する権利(例えば、疑似RBのストック)を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記権利付与手段により前記第1有利状態に関する権利が付与されると、前記第1有利状態を開始し、前記権利付与手段により前記第2有利状態に関する権利が付与されると、前記第2有利状態を開始する第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続する状態であって、有利状態のボーナス状態中は遊技者にとって有利な情報が報知される。これにより、遊技者にとって有利な有利状態をボーナス状態を用いて実現することができる。
また、本発明に係る遊技機では、有利状態は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続するため、有利状態には、ボーナス状態と非ボーナス状態とが含まれることになる。これにより、有利状態中の遊技を、小役ゲーム(非ボーナス状態)とJACゲーム(ボーナス状態)とを所定回数繰り返し行う従来の4号機の遊技機のボーナス状態のように見せることができる。より具体的には、本発明に係る遊技機では、有利状態として、第1回数のボーナス状態が実行されるまで継続する第1有利状態と、第2回数のボーナス状態が実行されるまで継続する第2有利状態とを有するが、例えば、第1有利状態を4号機のビッグボーナスのように見せることができ、また、第2有利状態を4号機のレギュラーボーナスのように見せることができる。このように本発明に係る遊技機によれば、一度の有利状態の中で、ボーナス状態と非ボーナス状態とを繰り返し行うことで、ボーナス状態を用いて新たな遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記権利付与手段は、前記有利状態中においても、前記第1有利状態に関する権利、又は、前記第2有利状態に関する権利を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態中に、第1有利状態に関する権利、又は、第2有利状態に関する権利を付与することができる。すなわち、本発明に係る遊技機では、有利状態は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続するが、有利状態中に上乗せが行われた場合、当該有利状態の継続期間が所定回数+N回のボーナス状態となるのではなく、新たな有利状態の権利が付与される。
また、本発明に係る遊技機では、前記有利状態中の非ボーナス状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスの状態であり、前記有利状態が開始してから当該有利状態が終了するまでの間の前記非ボーナス状態において、前記ボーナス役に対応する前記特定の図柄の組合せの表示が許容されていない単位遊技の回数を計数する計数手段を更に備え、前記権利付与手段は、前記計数手段が計数する前記回数に応じて、前記第1有利状態に関する権利、又は、前記第2有利状態に関する権利を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態中であっても非ボーナス状態中は遊技者にとって不利な状態となるが、この遊技者にとって不利な非ボーナス状態が長期間継続した場合には、有利状態に関する権利が付与されるため、遊技の興趣を損ねることがない。
また、本発明に係る遊技機では、前記計数手段は、前記有利状態が開始してから当該有利状態が終了するまでの間の前記ボーナス状態が終了してから次の前記ボーナス状態が開始するまでの期間における、前記ボーナス役が当籤役として決定されておらず、前記ボーナス役に対応する前記特定の図柄の組合せの表示が許容されていない単位遊技の回数を計数し、前記権利付与手段は、前記計数手段が計数する前記回数が所定値に達すると、前記第1有利状態に関する権利、又は、前記第2有利状態に関する権利を付与可能であることを特徴とする。
有利状態は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続するため、遊技者にとって不利な非ボーナス状態の期間として、1回毎の非ボーナス状態の期間と、有利状態中の複数回の非ボーナス状態における合計期間と、の2通りの期間がある。この点、本発明に係る遊技機では、1回毎の非ボーナス状態の期間に応じて、有利状態に関する権利を付与可能であるため、遊技の興趣を損ねることがない。
[付記62]
付記62の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがあり、このような遊技機では、実際のボーナス(役物)の作動が行われないことが一般的である。そこで、特開2015−154823号公報には、報知状態中の遊技を疑似ボーナスとして、実際のボーナス状態であるかのように見せる遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機では、報知状態中の遊技を疑似ボーナスと呼んでいるだけであり、内部的な制御としてはボーナスとは関係なく、非ボーナス状態において遊技者が有利となる情報を報知しているに過ぎない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ボーナス状態を用いて遊技者にとって有利な有利状態を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記62の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、ボーナスの作動が行われているボーナス状態と、前記ボーナスの作動が行われていない非ボーナス状態とを有するとともに、通常状態(例えば、「疑似ボーナス」以外の出玉状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、出玉状態「疑似ボーナス」)とを更に有し、再遊技役が当籤役として決定される確率がそれぞれ定められたRT状態として第1RT状態(例えば、RT1状態)と第2RT状態(例えば、RT0状態)とを有し、前記非ボーナス状態においてボーナス役に対応する特定の図柄の組合せが表示されると前記ボーナス状態を開始し、終了条件が成立した場合に前記ボーナス状態を終了して非ボーナス状態に移行する第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された場合に前記特定の図柄の組合せが表示されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越す持越手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記有利状態は、所定回数のボーナス状態(例えば、“JACゲーム”)が実行されるまで継続する状態であり、前記有利状態において前記ボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知し、前記通常状態において前記ボーナス状態が開始すると、当該ボーナス状態中に遊技者にとって有利な情報を報知しない報知手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1状態制御手段により前記ボーナス状態が終了して前記非ボーナス状態に移行すると、RT状態を前記第1RT状態に移行するRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1RT状態において実行された単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記通常状態の前記第1RT状態において、前記計数手段が計数する前記回数に応じて、前記有利状態に関する権利を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記権利付与手段により前記有利状態に関する権利が付与されると、前記有利状態を開始する第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備える。
このような遊技機によれば、有利状態は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続する状態であって、有利状態のボーナス状態中は遊技者にとって有利な情報が報知される。これにより、遊技者にとって有利な有利状態をボーナス状態を用いて実現することができる。すなわち、有利状態は、所定回数のボーナス状態が実行されるまで継続するため、有利状態には、ボーナス状態と非ボーナス状態とが含まれることになる。これにより、有利状態中の遊技を、小役ゲーム(非ボーナス状態)とJACゲーム(ボーナス状態)とを所定回数繰り返し行う従来の4号機の遊技機のボーナス状態のように見せることができる。
また、本発明に係る遊技機では、通常状態において行う有利状態に関する権利の付与を、第1RT状態において実行された単位遊技の回数に応じて制御する。これにより、有利状態への移行に関する遊技性を多様化することができ、遊技の興趣が向上する。特に、近年の遊技機では、有利区間と非有利区間とを有し、有利区間中に報知状態を行う遊技機も知られているが、このような遊技機では、有利区間の終了時に有利区間に関する情報をクリアする必要がある。そのため、非有利区間を間に挟む場合には、前回の有利状態からの遊技回数もクリアされてしまい、前回の有利状態からの遊技回数に応じて有利状態への移行を制御することが不可能である。この点、本発明に係る遊技機では、ボーナス状態を用いて有利状態を実現するとともに、ボーナス状態が終了した後にRT状態を第1RT状態に移行し、第1RT状態において実行された遊技の回数に応じて有利状態への移行を制御するため、前回の有利状態からの遊技回数を、第1RT状態において実行された遊技の回数により把握することができ、非有利区間を間に挟む場合であっても、前回の有利状態からの遊技回数に応じて有利状態への移行を制御することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記計数手段が計数する前記回数が所定値(例えば、1400回)に達すると、RT状態を前記第1RT状態から前記第2RT状態に移行し、前記権利付与手段は、前記通常状態の前記第2RT状態においても前記有利状態に関する権利を付与可能であるとともに、前記通常状態の前記第2RT状態では、前記第2RT状態において実行された単位遊技の回数に関係なく一定の確率で前記有利状態に関する権利を付与可能であり、前記一定の確率は、少なくとも、前記通常状態の前記第1RT状態において、前記計数手段が計数する前記回数が特定値(例えば、776以下)である場合に前記権利付与手段が前記有利状態に関する権利を付与する確率よりも高い確率であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利状態の権利の付与確率がRT状態によっても異なるため、有利状態への移行に関する遊技性を多様化することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記RT制御手段は、前記設定手段により設定値が設定されると、前記計数手段が計数する前記回数に関係なく、RT状態を前記第2RT状態に移行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定変更時には、RT状態が第2RT状態となる。ここで、第2RT状態では、有利状態の権利の付与確率が比較的高いため、設定変更の状態を有利状態への移行期待度が高い状態とすることができる。
[付記63及び付記64]
付記63及び付記64の遊技機は、以下の通りである。
AT機能を有する遊技機では、ATを実行可能な遊技区間(所謂、有利区間)とATを実行不可能な遊技区間(所謂、非有利区間)とを有し、有利区間を継続可能な期間に上限(リミット)を設ける遊技機も知られている。例えば、特開2017−153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的に有利区間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
上述のようなAT機能を有する遊技機では、高確・低確などの内部的な情報を参照してATを実行するか否かのAT抽籤を行うことが一般的であるが、このようなAT抽籤の抽籤結果に影響を与える内部的な情報は、有利区間においてしか持つことができず、有利区間が終了した場合には、有利区間に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまう。
ところで、高確・低確などの内部的な情報を有する遊技機では、例えば、高確である場合には夜背景、低確である場合には昼背景などのように、内部的な情報を演出において示唆することも一般的に行われている。ここで、有利区間の終了時には有利区間に関する全ての情報がリセットされてしまうため、非有利区間では、内部的な情報がセットされておらず、有利区間中のように内部的な情報を演出において示唆することができない。このような場合に、非有利区間に特有の演出を行うことも考えられるが、有利区間中の演出との繋がりが無くなってしまい好ましくない。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、内部的な情報がリセットされた場合であっても違和感のない演出を実行可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記63の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、所定状態(例えば、非ATである通常)と特定状態(例えば、第2AT)とを有するとともに、前記所定状態において開始条件を満たすと、前記特定状態を開始可能、かつ、前記特定状態において終了条件を満たすと、当該特定状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定状態において所定条件を満たすと、遊技に関して用いる複数の遊技情報(例えば、抽籤状態(低確、通常、高確))の中から一の遊技情報を決定するとともに、決定した当該遊技情報を設定可能な遊技情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記状態制御手段により前記特定状態が終了すると、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報を消去可能な遊技情報消去手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定状態において、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報に応じた演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を更に備え、前記演出実行手段は、前記特定状態の終了時に特定状態終了時演出(例えば、第2ATの終了画面)を実行するとともに、前記特定状態が終了してから前記遊技情報設定手段により前記遊技情報が設定されるまでの前記所定状態中の各遊技においても当該特定状態終了時演出を継続して実行し、前記所定状態において前記遊技情報設定手段により前記遊技情報が設定されると、前記特定状態終了時演出を終了して、設定された当該遊技情報に応じた演出(例えば、低確時の昼ステージ、通常時の夕方ステージ、高確時の夜ステージ)を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機では、所定状態では、遊技情報に応じた演出を実行可能であるが、演出において示唆する遊技情報は、特定状態の終了時に消去されるため、特定状態の終了直後の所定状態では、演出において示唆する遊技情報が設定されていない状態となる。このとき、本発明に係る遊技機では、特定状態の終了時には特定状態終了時演出を実行するとともに、この特定状態終了時演出を、特定状態の終了直後の所定状態においても、消去された遊技情報が再び設定されるまで継続し続け、遊技情報が再び設定されると、特定状態終了時演出から設定された遊技情報に応じた演出に切り替える。これにより、内部的な情報がリセットされた場合であっても、リセットされる前の演出を継続して実行し続けるため、違和感のない演出制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う遊技区間として第1区間(例えば、非有利区間)と第2区間(例えば、有利区間)とを有し、前記所定状態には、前記第1区間において行われる第1所定状態(例えば、通常(非有利区間))と、前記第2区間において行われる第2所定状態(例えば、通常(有利区間))とが含まれ、前記特定状態は、前記第1区間において行われることなく、前記第2区間において行われ、前記状態制御手段は、前記第1区間の前記第1所定状態において前記所定条件を満たすと、前記第2区間の前記第2所定状態を開始可能であり、前記第2区間の前記特定状態が終了すると、前記第1区間の前記第1所定状態を開始可能であり、前記遊技情報設定手段は、前記第2区間の前記第2所定状態が開始されることに応じて、前記遊技情報を設定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2区間の終了時には、遊技情報が消去されるため、第1区間において行われる第1所定状態中は、遊技情報に応じた演出を実行することができない。この点、本発明に係る遊技機では、第2区間から第1所定状態への移行時は特定状態を経由するため、上述と同様に特定状態終了時演出を継続することで、違和感のない演出制御が可能になる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記64の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、所定状態(例えば、非ATである通常)と特定状態(例えば、第1AT(初回))とを有し、前記所定状態において開始条件を満たすと、前記特定状態を開始可能、かつ、前記特定状態において終了条件を満たすと、当該特定状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態が終了すると、特典付与の期待度が異なる複数の遊技情報(例えば、モードA〜モードD)の中から一の遊技情報を決定可能であるとともに、決定した当該遊技情報を設定可能な遊技情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態において、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報に応じて特典(例えば、第2ATのストック)を付与するか否かを決定可能であるとともに、特典を付与すると決定した場合に、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特典付与手段が特典を付与しないまま前記特定状態が終了すると、当該特定状態の終了表示とともに、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報に応じた演出(例えば、次回のモードを示唆する演出)を実行可能な演出実行手段と、を備え、前記遊技情報設定手段は、前記特定状態の終了時に所定条件(例えば、有利区間が開始してから800ゲーム経過後の第1AT(初回)の終了時)を満たすと、前記特定状態の終了時に前記遊技情報を設定せずに、当該特定状態の終了後に特定条件(例えば、有利区間への移行)を満たすと前記遊技情報を設定し、また、前記特定状態の終了時に前記所定条件を満たさないと、前記特定状態の終了時に前記遊技情報を設定し、前記演出実行手段は、前記特定状態の終了時に前記遊技情報が設定されていない場合、前記特定状態の終了後の各遊技においても前記終了表示を維持し、その後、前記遊技情報が設定されると、当該終了表示とともに設定した前記遊技情報に応じた演出を実行することを特徴とする。
このような遊技機では、特定状態の終了時には、特定状態の終了表示とともに、遊技情報に応じた演出が実行される。ここで、遊技情報は、特典の付与に参照されるとともに、特定状態の終了時に新たな遊技情報が設定されるため、特定状態の終了時に行う演出は、次回の特典付与に用いる遊技情報を示唆する演出である。ここで、本発明に係る遊技機では、特定状態の終了時には、基本的には(特定条件を満たしていない場合には)、次回の特典付与に用いる遊技情報が設定されるものの、例外的に(特定条件を満たしていない場合には)、次回の特典付与に用いる遊技情報が設定されない。このような場合、遊技情報が設定されてないため、特定状態の終了時に、遊技情報に応じた演出を実行することができないが、本発明に係る遊技機では、特定状態の終了時に遊技情報を設定していない場合には、特定状態の終了後の各遊技においても終了表示を維持し、その後、遊技情報が設定されると、この設定した遊技情報に応じた演出を実行する。これにより、内部的な情報がリセットされた場合であっても、違和感のない演出制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定状態が実行されることを契機に切り替わる情報であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技情報は、次の特定状態が実行されるまで切り替わらず、また、次の特定状態では、この遊技情報に応じて特典の付与が制御されるため、遊技者は、特定状態の終了時に示唆した内容に関心を抱いて遊技を行うことになる。本発明に係る遊技機では、このような遊技情報について、内部的にリセットされた場合であっても違和感なく演出を実行することができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う遊技区間として第1区間(例えば、非有利区間)と第2区間(例えば、有利区間)とを有し、前記所定状態には、前記第1区間において行われる第1所定状態(例えば、通常(非有利区間))と、前記第2区間において行われる第2所定状態(例えば、通常(有利区間))とが含まれ、前記特定状態は、前記第1区間において行われることなく、前記第2区間において行われ、前記状態制御手段は、前記第1区間の前記第1所定状態において特別条件(例えば、有利区間への移行抽籤に当籤)を満たすと、前記第2区間の前記第2所定状態を開始可能であり、前記第2区間の前記特定状態の終了時に前記所定条件を満たすと、前記第1区間の前記第1所定状態を開始可能であり、前記第2区間の前記特定状態の終了時に前記所定条件を満たさないと、前記第2区間の前記第2所定状態を開始可能であり、前記遊技情報設定手段は、前記第2区間の前記第2所定状態が開始されることに応じて、前記遊技情報を設定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態が終了し、第2区間から第1区間の第1所定状態に移行する場合には、遊技情報が消去されるため、第1区間において行われる第1所定状態中は、遊技情報に応じた演出を実行することができない。この点、本発明に係る遊技機では、特定状態から第1所定状態への移行時には、上述のように特定状態の終了後の各遊技(第1区間の第1所定状態)においても終了表示を維持し、その後、遊技情報が設定されると、この設定した遊技情報に応じた演出を実行するため、違和感のない演出制御が可能になる。
[付記65]
付記65の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
ところで、このような遊技機では、非AT状態では出玉を抑えつつ、AT状態ではその分の出玉を割り振ることで、出玉感にメリハリを付ける出玉制御が行われていたが、近年では、射幸性を徒に高めてしまうことを抑制するため、利益バランスを図る出玉制御が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、バランスのある出玉制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記65の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、所定状態(例えば、通常)と特定状態(例えば、第2AT)と特別状態(例えば、第1AT)とを有するとともに、前記複数の役として、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に特定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記特定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の特定役(例えば、「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」)を有し、開始条件を満たすと前記特別状態を開始可能、かつ、終了条件を満たすと、前記特別状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特別状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、を更に備え、前記特別状態は、前記所定状態及び前記特定状態の双方において開始可能な遊技状態であり、前記報知手段は、前記所定状態において開始された前記特別状態では、前記特定役が当籤役として決定されると、直近に付与された遊技価値の量に応じて、前記特定の操作態様を報知し、前記特定状態において開始された前記特別状態では、前記特定役が当籤役として決定されると、前記所定状態において開始された前記特別状態よりも高い頻度で、前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機では、特別状態では、遊技者にとって有利な停止操作の情報(特定の操作態様)が報知されるため、出玉を増加させることができるが、所定状態において開始された特別状態と、特定状態において開始された特別状態とでは、出玉を増加させる契機となる報知の頻度が異なる。具体的には、所定状態において開始された特別状態では、直近に付与された遊技価値の量に応じて報知を行うか否かが制御されるため、出玉が抑えられる。一方で、特定状態において開始された特別状態では、より高い頻度で報知が行われるため、出玉の増加が期待できる。このように特別状態中の出玉感を、特別状態が開始した遊技状態に応じて異ならせ、所定状態において開始された特別状態では、出玉を抑えることができるため、射幸性を徒に高めてしまうことを抑制することができる。一方で、特定状態において開始された特別状態では、出玉の増加が期待できるため、遊技者が望む出玉感も持たせることができ、バランスのある出玉制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知手段が前記特定の操作態様を報知することなく、前記所定状態において開始された前記特別状態が終了した場合に所定の特典(例えば、第2ATのストック)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定状態において開始された特別状態では、出玉が抑えられる代わりに、所定の特典が付与されることがある。具体的には、当該特別状態において特定の操作態様の報知が行われない場合、言い換えると、出玉があまり増加しなかった場合に、所定の特典が付与されるため、バランスのある出玉制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知手段は、前記所定状態において開始された前記特別状態では、直近に付与された遊技価値の量が前記特定量である場合には、前記特定役が当籤役として決定されても前記特定の操作態様を報知することなく、直近に付与された遊技価値の量が前記特定量よりも少ない場合、又は、何らの遊技価値も付与されない場合には、前記特定役が当籤役として決定されると前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定状態において開始された特別状態では、特定量の遊技価値の付与が連続することになる報知は行われないため、出玉を抑えることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役として、停止操作の操作態様に関わらず、必ず、前記特定量の遊技価値が付与される結果表示が導出される所定役(例えば、「F_共通ベル」)を有し、前記報知手段は、前記特別状態において前記所定役が当籤役として決定された場合には、何らの操作態様も報知しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定状態において開始された特別状態において所定役が当籤役として決定された場合には、報知が行われることなく、特定量の遊技価値の付与を受けることができる。ここで、報知が行われることなく特別状態が終了した場合には、所定の特典が付与されるため、遊技の状況に応じては、特定量の遊技価値の付与を複数回受けつつ、所定の特典の付与も受けることができるため、遊技の興趣が向上する。
[付記66及び付記67]
付記66及び付記67の遊技機は、以下の通りである。
AT機では、ATを実行するか否か、低確率状態や高確率状態などの内部状態を移行するか否かといった様々な内容を抽籤により決定することとしている。例えば、特開2014−213097号公報には、AT(ART)などの抽籤に必要なパラメータ(例えば、設定値やモード)毎に抽籤テーブルデータを保有し、各種の抽籤を行う遊技機が開示されている。
ところで、パラメータの値が異なっていても、抽籤テーブルデータにおいて全く同じ係数が規定されていることや、パラメータの値によっては、そもそも抽籤テーブルデータが不要な(係数の無い)場合などもあり、重複分や不要分などのデータが容量を圧迫してしまっていた。特に、近年の遊技機では、出玉に影響の与える抽籤を主制御回路側(メイン側)で行うことが求められており、また、主制御回路は記憶手段の容量が限られているため、データ容量を圧縮可能な方法が強く望まれている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、データ容量を圧縮可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記66の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、第1状態(例えば、「通常(有利区間)」と第2状態(例えば、「第1AT(初回)」)と第3状態(例えば、「第2AT」)とを有するとともに、前記第1状態において第1パラメータ(例えば、抽籤状態)の値を用いて前記第2状態に移行するか否かを決定可能な第1決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第2状態への移行を契機として、前記第1パラメータの値及び第2パラメータ(例えば、モード)の値を用いて前記第3状態に移行するか否かを決定可能な第2決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1決定手段及び前記第2決定手段の決定結果に応じて遊技状態を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記第2決定手段は、前記第1パラメータの値を用いて、複数の抽籤結果の中から一の抽籤結果を抽籤処理により決定する抽籤処理手段(例えば、主制御回路91)と、前記第2パラメータの値のそれぞれに対して、前記複数の抽籤結果毎に一の決定結果を対応付ける対応テーブル(例えば、モード対応テーブル)と、前記抽籤処理手段が決定した前記抽籤結果及び前記第2パラメータの値に応じて前記対応テーブルから一義的に定まる決定結果を取得する決定結果取得手段(例えば、主制御回路91)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数のパラメータを用いて第3状態への移行を制御するため、第3状態への移行制御に関して多様な遊技制御を実現することができる。このとき、本発明に係る遊技機では、第1パラメータについては、抽籤処理により抽籤結果を得るのに対して、第2パラメータについては抽籤処理を行わずに、抽籤結果と第2パラメータの値とに対して決定結果を対応付ける対応テーブルを参照して、一義的に定まる決定結果を取得する。これにより、一部のパラメータ(第2パラメータ)については、抽籤処理を行う必要がないため、抽籤テーブルデータを持つ必要が無くデータ容量を圧縮することができる。この場合においても、第2パラメータの値によって得られる決定結果も異なるため、多様な遊技制御を実現しつつ、データ容量を圧縮することができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値の中から一の設定値を設定可能な設定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第2決定手段は、前記第1パラメータの値、第2パラメータの値、及び前記設定手段が設定した前記設定値に応じて前記第3状態に移行するか否かを決定可能であり、前記第2決定手段の前記抽籤処理手段は、前記第1パラメータの値及び前記設定値を用いて、複数の抽籤結果の中から一の抽籤結果を抽籤処理により決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1パラメータ及び第2パラメータに加えて設定値を参照して第3状態への移行を制御するため、第3状態への移行制御に関して多様な遊技制御を実現することができる。この場合においても、一部のパラメータ(第2パラメータ)については、抽籤処理を行う必要がないため、抽籤テーブルデータを持つ必要が無くデータ容量を圧縮することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1パラメータの値は、前記第1状態の各遊技において変動可能であり、前記第2パラメータの値は、前記第1状態の各遊技においては変動せずに、前記第2状態への移行を契機として変動することを特徴とする。
このような遊技機によれば、一部のパラメータ(第2パラメータ)については、抽籤処理を行う必要がないため、抽籤テーブルデータを持つ必要が無くデータ容量を圧縮することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記67の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を制御するための決定結果を得るために用いる複数のパラメータ(例えば、抽籤状態、設定値、モード)を有し、前記複数のパラメータのうちの一部である第1パラメータ(例えば、抽籤状態、設定値)の値を用いて、複数の抽籤結果の中から一の抽籤結果を抽籤処理により決定する抽籤処理手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のパラメータのうちの前記第1パラメータ以外の第2パラメータ(例えば、モード)の値のそれぞれに対して、前記複数の抽籤結果毎に一の決定結果を対応付ける対応テーブル(例えば、モード対応テーブル)と、前記抽籤処理手段が決定した前記抽籤結果及び前記第2パラメータの値に応じて前記対応テーブルから一義的に定まる決定結果を取得する決定結果取得手段(例えば、主制御回路91)と、前記決定結果取得手段が取得した前記決定結果に応じて遊技を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、複数のパラメータを用いて決定結果を得るため、多様な遊技制御を実現することができる。このとき、本発明に係る遊技機では、複数のパラメータのうちの一部である第1パラメータについては、抽籤処理により抽籤結果を得るのに対して、第2パラメータについては抽籤処理を行わずに、抽籤結果と第2パラメータの値とに対して決定結果を対応付ける対応テーブルを参照して、一義的に定まる決定結果を取得する。これにより、一部のパラメータ(第2パラメータ)については、抽籤処理を行う必要がないため、抽籤テーブルデータを持つ必要が無くデータ容量を圧縮することができる。この場合においても、第2パラメータの値によって得られる決定結果も異なるため、多様な遊技制御を実現しつつ、データ容量を圧縮することができる。
[付記68〜付記71]
付記68〜付記71の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
このようなAT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがある。このような遊技機では、ボーナス(役物)が作動したボーナス状態は、遊技者にとって不利な遊技状態であり、遊技者は、ボーナスの作動を回避しながら遊技を行うことが一般的である。
ところで、上述のようなボーナスフラグ間において遊技を行うことを想定した遊技性の遊技機では、停止操作のタイミングによっては、意図せずにボーナス役が入賞しボーナスが作動してしまうことがあった。そして、従来では、意図せずに作動したボーナス状態中を遊技者にとって不利な遊技状態として扱うだけであり、遊技の興趣を損ねてしまっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、不利な遊技状態が開始された場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記68の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、通常状態(例えば、非AT)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)と、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態である特定状態(例えば、ボーナス状態)とを有し、所定の開始条件を満たすと前記有利状態を開始可能、かつ、所定の終了条件を満たすと前記有利状態を終了可能な第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、特定の開始条件を満たすと前記特定状態を開始可能、かつ、特定の終了条件を満たすと前記特定状態を終了可能な第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態中に、当該特定状態において遊技に用いた遊技価値の量と、当該特定状態において遊技の結果として付与された遊技価値の量との差である差分量を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記計数手段が計数した前記差分量に応じて前記有利状態の継続期間を延長可能な延長制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定状態は、前記通常状態及び前記有利状態の双方において開始可能な遊技状態であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であるため、遊技者は、基本的には、特定状態が開始されることを回避して遊技を行うことになるが、意図せずに、特定の開始条件を満たしてしまった場合には、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまう。特に、通常状態だけでなく、有利状態においても特定状態を開始可能であるため、遊技者は、遊技者にとって有利な有利状態においても特定状態が開始されることを回避して遊技を行うことになる。一方で、本発明に係る遊技機では、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまった場合、特定状態中に遊技者が損した遊技価値の量を計数しておき、計数結果(差分量)に応じて有利状態の継続期間を延長する。このように有利な有利状態の継続期間を延長することで、不利な特定状態における遊技者の損失を補てんすることができ、不利な遊技状態が開始された場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記計数手段は、前記有利状態において開始された前記有利状態において前記差分量を計数し、前記通常状態において開始された前記有利状態では前記差分量を計数しないことを特徴とする。
遊技者にとって有利な有利状態において、遊技者にとって不利な特定状態が開始されてしまった場合には、遊技者が受ける損失は大きくなってしまう。一方で、通常状態は、一般的に遊技者にとって不利な遊技状態であるため、通常状態において特定状態が開始されてしまった場合は、遊技者はそれほど大きな損失は受けない。そこで、本発明に係る遊技機では、有利な有利状態において不利な特定状態が開始されてしまった場合に、不利な特定状態における遊技者の損失を補てんする。これにより、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記69の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、通常状態(例えば、非AT)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)と、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態である特定状態(例えば、ボーナス状態)とを有し、所定の開始条件を満たすと前記有利状態を開始可能、かつ、所定の終了条件を満たすと前記有利状態を終了可能な第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、特定の開始条件を満たすと前記特定状態を開始可能、かつ、前記特定状態において付与された遊技価値の量が閾値に達すると前記特定状態を終了可能な第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態中に、当該特定状態において遊技に用いた遊技価値の量と、当該特定状態において遊技の結果として付与された遊技価値の量との差である差分量を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記計数手段が計数した前記差分量に応じて前記有利状態の継続期間を延長可能な延長制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であるため、遊技者は、基本的には、特定状態が開始されることを回避して遊技を行うことになるが、意図せずに、特定の開始条件を満たしてしまった場合には、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまう。特に、特定状態は、付与された遊技価値の量が閾値に達した場合に終了するものの、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値がマイナスであるため、特定状態が終了するまでには、遊技価値が減ってしまう。そこで、本発明に係る遊技機では、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまった場合、特定状態中に遊技者が損した遊技価値の量を計数しておき、計数結果(差分量)に応じて有利状態の継続期間を延長する。このように有利な有利状態の継続期間を延長することで、不利な特定状態における遊技者の損失を補てんすることができ、不利な遊技状態が開始された場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することで前記通常状態よりも有利な遊技状態であり、前記通常状態又は前記有利状態では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように当籤役が決定され、前記特定状態では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように当籤役が決定されることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態が開始してしまった場合、遊技価値が減ってしまうものの、この損失は、有利状態の継続期間を延長することで補てんされる。これにより、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記70の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、通常状態(例えば、非AT)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)と、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態である特定状態(例えば、ボーナス状態)とを有し、所定の開始条件を満たすと前記有利状態を開始可能、かつ、所定の終了条件を満たすと前記有利状態を終了可能な第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、特定の開始条件を満たすと前記特定状態を開始可能、かつ、特定の終了条件を満たすと前記特定状態を終了可能な第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態において行われた単位遊技の回数を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記計数手段が計数した前記回数に応じて前記有利状態の継続期間を延長可能な延長制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定状態は、前記通常状態及び前記有利状態の双方において開始可能な遊技状態であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であるため、遊技者は、基本的には、特定状態が開始されることを回避して遊技を行うことになるが、意図せずに、特定の開始条件を満たしてしまった場合には、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまう。特に、通常状態だけでなく、有利状態においても特定状態を開始可能であるため、遊技者は、遊技者にとって有利な有利状態においても特定状態が開始されることを回避して遊技を行うことになる。一方で、本発明に係る遊技機では、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまった場合、特定状態において行われた単位遊技の回数を計数しておき、計数結果(遊技価値の収支の期待値がマイナスな単位遊技の回数)に応じて有利状態の継続期間を延長する。このように有利な有利状態の継続期間を延長することで、不利な特定状態における遊技者の損失を補てんすることができ、不利な遊技状態が開始された場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知することで前記通常状態よりも有利な遊技状態であり、前記通常状態又は前記有利状態では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように当籤役が決定され、前記特定状態では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように当籤役が決定されることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態が開始してしまった場合、遊技価値が減ってしまうものの、この損失は、有利状態の継続期間を延長することで補てんされる。これにより、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記71の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、通常状態(例えば、非AT)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)と、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態である特定状態(例えば、ボーナス状態)とを有し、所定の開始条件を満たすと前記有利状態を開始可能、かつ、所定の終了条件を満たすと前記有利状態を終了可能な第1状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、特定の開始条件を満たすと前記特定状態を開始可能、かつ、前記特定状態において付与された遊技価値の量が閾値に達すると前記特定状態を終了可能な第2状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態において行われた単位遊技の回数を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記計数手段が計数した前記回数に応じて前記有利状態の継続期間を延長可能な延長制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であるため、遊技者は、基本的には、特定状態が開始されることを回避して遊技を行うことになるが、意図せずに、特定の開始条件を満たしてしまった場合には、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまう。特に、特定状態は、付与された遊技価値の量が閾値に達した場合に終了するものの、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値がマイナスであるため、特定状態が終了するまでには、遊技価値が減ってしまう。そこで、本発明に係る遊技機では、遊技者にとって不利な特定状態が開始してしまった場合、特定状態において行われた単位遊技の回数を計数しておき、計数結果(遊技価値の収支の期待値がマイナスな単位遊技の回数)に応じて有利状態の継続期間を延長する。このように有利な有利状態の継続期間を延長することで、不利な特定状態における遊技者の損失を補てんすることができ、不利な遊技状態が開始された場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定状態は、前記通常状態及び前記有利状態の双方において開始可能な遊技状態であり、前記計数手段は、前記有利状態において開始された前記有利状態において前記回数を計数し、前記通常状態において開始された前記有利状態では前記回数を計数しないことを特徴とする。
遊技者にとって有利な有利状態において、遊技者にとって不利な特定状態が開始されてしまった場合には、遊技者が受ける損失は大きくなってしまう。一方で、通常状態は、一般的に遊技者にとって不利な遊技状態であるため、通常状態において特定状態が開始されてしまった場合は、遊技者はそれほど大きな損失は受けない。そこで、本発明に係る遊技機では、有利な有利状態において不利な特定状態が開始されてしまった場合に、不利な特定状態における遊技者の損失を補てんする。これにより、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
[付記72〜付記74]
付記72〜付記74の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
このようなAT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したボーナスフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがある。このような遊技機では、ボーナス(役物)が作動したボーナス状態は、遊技者にとって不利な遊技状態であり、遊技者は、ボーナスの作動を回避しながら遊技を行うことが一般的である。
ところで、上述のようなボーナスフラグ間において遊技を行うことを想定した遊技性の遊技機では、停止操作のタイミングによっては、意図せずにボーナス役が入賞しボーナスが作動してしまうことがあった。このように回避することを想定したボーナスが意図せずに作動してしまった場合、従来の遊技機では、メダルが減少してしまうだけでなく、ATに関する抽籤も一切行わず、遊技者にとって単に不利な遊技状態となるだけであり、遊技の興趣を損ねてしまっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技状態に関わらず特典付与の期待を持つことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記72の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、所定状態(例えば、非ボーナス状態)と特定状態(例えば、ボーナス状態)とを有するとともに、前記複数の役として、特典の付与契機となる特定役(例えば、「F_レア役」)を有し、所定状態において開始条件を満たすと前記特定状態を開始可能、かつ、前記特定状態において終了条件を満たすと前記特定状態を終了して前記所定状態を開始可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定されると、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記当籤役決定手段は、前記所定状態及び前記特定状態の双方において前記特定役を当籤役として決定可能であるが、前記所定状態よりも前記特定状態の方が高い確率で前記特定役を当籤役として決定可能であり、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定された場合、前記特定状態よりも前記所定状態の方が高い確率で特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役は、所定状態及び特定状態の双方において当籤役として決定可能であり、また、特定役が当籤役として決定された場合に、所定状態及び特定状態の双方において特典を付与可能である。その結果、本発明に係る遊技機によれば、所定状態であっても特定状態であっても特典付与の期待を持つことができ、特定の遊技状態である場合に遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
特に、本発明に係る遊技機では、特定役は、特定状態において高い確率で当籤役として決定されるため、特定状態では、特典付与のチャンスが多く訪れることになり、遊技の興趣が向上する。一方で、特定状態では、特典付与の確率は低くなるため、利益バランスを損ねることない。その結果、チャンスは多いものの個々のチャンスの期待度は低い特定状態、チャンスは少ないものの個々のチャンスの期待度が高い所定状態という異なる遊技性の遊技状態を持つことができ、遊技性が多様化する。
また、本発明に係る遊技機において、前記当籤役決定手段は、前記所定状態では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で当籤役として決定された小役が入賞すると仮定した場合に、出玉率が1を超えるように当籤役を決定し、前記特定状態では、遊技価値の付与量が最も多くなる状態で当籤役として決定された小役が入賞すると仮定しても、出玉率が1を超えないように当籤役を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態は、遊技価値の収支がマイナスの遊技状態であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。このような遊技者にとって不利な特定状態であっても、特典付与の期待を持つことができるため、不利な特定状態が意図せずに開始されてしまった場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記73の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、通常状態(例えば、非AT)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)と、ボーナスが作動しているボーナス状態(例えば、ボーナス状態(BB))と、を有するとともに、前記複数の役として、前記有利状態に関する特典の付与契機となる特定役(例えば、「F_レア役」)を有し、ボーナス開始条件を満たすと前記ボーナス状態を開始可能、かつ、ボーナス終了条件を満たすと前記ボーナス状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定されると、前記有利状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ボーナス状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であり、前記特典付与手段は、前記通常状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記有利状態に関する特典を付与可能であるとともに、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな前記ボーナス状態において前記特定役が当籤役として決定された場合にも、前記有利状態に関する特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された場合に、通常状態及びボーナス状態の双方において有利状態に関する特典を付与可能である。その結果、本発明に係る遊技機によれば、通常状態であってもボーナス状態であっても有利状態に関する特典付与の期待を持つことができ、特定の遊技状態である場合に遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
特に、ボーナス状態は、遊技価値の収支がマイナスの遊技状態であり、遊技者にとって不利な遊技状態であるが、このような遊技者にとって不利なボーナス状態であっても、有利状態に関する特典付与の期待を持つことができるため、不利なボーナス状態が意図せずに開始されてしまった場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記当籤役決定手段は、前記通常状態及び前記ボーナス状態の双方において前記特定役を当籤役として決定可能であるが、前記通常状態よりも前記ボーナス状態の方が高い確率で前記特定役を当籤役として決定可能であり、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定された場合、前記ボーナス状態よりも前記通常状態の方が高い確率で特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役は、ボーナス状態において高い確率で当籤役として決定されるため、ボーナス状態では、特典付与のチャンスが多く訪れることになり、遊技の興趣が向上する。一方で、ボーナス状態では、特典付与の確率は低くなるため、利益バランスを損ねることない。その結果、チャンスは多いものの個々のチャンスの期待度は低いボーナス状態、チャンスは少ないものの個々のチャンスの期待度が高い通常状態という異なる遊技性の遊技状態を持つことができ、遊技性が多様化する。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記74の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、所定状態(例えば、非ボーナス状態)と単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態である特定状態(例えば、ボーナス状態)とを有するとともに、前記複数の役として、特典の付与契機となる特定役(例えば、「F_レア役」)を有し、所定状態において開始条件を満たすと前記特定状態を開始可能、かつ、付与された遊技価値の量が閾値に達すると前記特定状態を終了して前記所定状態を開始可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定されると、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定役は、対応する表示結果が導出されると所定量の遊技価値が付与される役であり、前記当籤役決定手段は、前記所定状態及び前記特定状態の双方において前記特定役を当籤役として決定可能であるが、前記所定状態よりも前記特定状態の方が高い確率で前記特定役を当籤役として決定可能であり、前記特典付与手段は、前記所定状態において前記特定役が当籤役として決定された場合と、前記特定状態において前記特定役が当籤役として決定された場合との双方において、特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役は、所定状態及び特定状態の双方において当籤役として決定可能であり、また、特定役が当籤役として決定された場合に、所定状態及び特定状態の双方において特典を付与可能である。その結果、本発明に係る遊技機によれば、所定状態であっても特定状態であっても特典付与の期待を持つことができ、特定の遊技状態である場合に遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
特に、本発明に係る遊技機では、特定役は、特定状態において高い確率で当籤役として決定されるため、特定状態では、特典付与のチャンスが多く訪れることになり、遊技の興趣が向上する。一方で、特定状態は、付与された遊技価値の量に応じて終了するとともに、特定役が入賞した場合には所定量の遊技価値が付与されるため、特典付与のチャンスが訪れた場合(特定役に当籤した場合)には、特定状態の終了に近づくことになり、遊技者にとって有利になり過ぎてしまうことを防止できる。また、特定状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値がマイナスの状態であるが、特定役に当籤した場合には、特定状態の終了に近づくことになるため、特定役が高い確率で当籤することで、不利な状態が長期間継続してしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役に対応する表示結果が導出された場合に付与される前記所定量の遊技価値は、遊技に用いた遊技価値よりも少ない量の遊技価値であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された遊技では、遊技価値の収支がマイナスになる。ここで、特定状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値がマイナスの状態であるため、遊技価値の収支がマイナスな特定役は、特定状態において高い確率で当籤役として決定することができるため、特典付与のチャンスを多く与えることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定された場合、前記特定状態よりも前記所定状態の方が高い確率で特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態では、特定役が当籤役として決定される確率は高くなるものの、特典付与の確率は低くなるため、利益バランスを損ねることない。その結果、チャンスは多いものの個々のチャンスの期待度は低い特定状態、チャンスは少ないものの個々のチャンスの期待度が高い所定状態という異なる遊技性の遊技状態を持つことができ、遊技性が多様化する。
[付記75〜付記78]
付記75〜付記78の遊技機は、以下の通りである。
AT機として、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
ところで、内部当籤役に応じた上乗せ制御などは、単調であると遊技性が低下してしまうため、多様な遊技性を実現可能にすることが好ましい。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、同じ役であっても状況によって遊技性が異なる制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記75の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役として、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に特定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記特定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の特定役(例えば、「F_左1st_10枚ベル1」〜「F_右1st_10枚ベル2」)を有し、前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、特典付与の期待度が異なる複数の遊技情報(例えば、モード1〜モード4)の中から一の遊技情報を決定するとともに、決定した当該遊技情報を設定可能な遊技情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定された遊技において、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報に応じて、特典を付与するか否かを決定可能な付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記付与決定手段が特典を付与すると決定すると、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された遊技では、特定の操作態様が報知された場合に特典を付与することがある一方で、特定の操作態様が報知されない場合には特典を付与することがない。そのため、同じ特定役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(特典付与の有無)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
特に、特典を付与するか否かは、特典付与の期待度を規定する遊技情報に応じて決定され、この遊技情報も特定役の当籤時に特定の操作態様が報知された場合に決定されるため、遊技性を更に多様化することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、単位遊技毎に所定値を減算するとともに、前記特定役が当籤役として決定された遊技において、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると前記所定値よりも多い特定値を加算することで数値情報を計数する計数手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記遊技情報設定手段は、前記計数手段が計数した前記数値情報に応じて、前記遊技情報を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与の期待度を規定する遊技情報は、計数手段が計数する数値情報に応じて決定されるが、この数値情報は、単位遊技毎に所定値減算される一方で、特定役が当籤役として決定された遊技において特定の操作態様が報知された場合には、所定値よりも多い特定値が加算される。その結果、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技では、数値情報は増加し、それ以外の遊技では、数値情報は減少する。このような数値情報を用いて特典付与の期待度を規定する遊技情報を決定するため、同じ特定役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(遊技情報の決定内容)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記遊技情報設定手段は、前記計数手段が計数した前記数値情報が多いほど、特典付与の期待度が高い遊技情報を決定し易く、また、前記遊技情報設定手段は、前記特定役が当籤役として決定され、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知された遊技において、前記計数手段が計数した前記数値情報に応じて前記遊技情報を決定し、それ以外の遊技では、前記遊技情報を決定しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与の期待度を規定する遊技情報は、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技において決定され、それ以外の遊技では決定されない。ここで、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技では、数値情報は増加するため、特典付与の期待度が高い遊技情報が決定され易い。また、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技では、特典を付与するか否かが決定されるため、今回は特典を付与しないと決定した場合であっても、次回は特典付与の期待度が高い遊技情報が用いられ易いため、次回以降の特典付与の期待度を高めることができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記76の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、遊技者にとって有利な情報を報知可能な報知状態を有するとともに、前記複数の役として、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に特定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記特定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の特定役(例えば、「F_左1st_10枚ベル1」〜「F_右1st_10枚ベル2」)を有し、開始条件を満たすと前記報知状態を開始可能、かつ、終了条件を満たすと前記報知状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態において前記特定役が当籤役として決定されると、所定の確率で前記特定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、前記報知状態において、特典付与の期待度が異なる複数の遊技情報(例えば、モード1〜モード4)の中から一の遊技情報を決定するとともに、決定した当該遊技情報を設定可能な遊技情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定された前記報知状態中の遊技において、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報に応じて、特典を付与するか否かを決定可能な付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記付与決定手段が特典を付与すると決定すると、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された遊技では、特定の操作態様が報知された場合に特典を付与することがある一方で、特定の操作態様が報知されない場合には特典を付与することがない。そのため、同じ特定役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(特典付与の有無)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
特に、特典を付与するか否かは、特典付与の期待度を規定する遊技情報に応じて決定されるため、遊技性を更に多様化することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知状態の単位遊技毎に所定値を減算するとともに、前記特定役が当籤役として決定された前記報知状態中の遊技において、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると前記所定値よりも多い特定値を加算することで、前記報知状態において数値情報を計数する計数手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記遊技情報設定手段は、前記計数手段が計数した前記数値情報に応じて、前記遊技情報を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与の期待度を規定する遊技情報は、計数手段が計数する数値情報に応じて決定されるが、この数値情報は、単位遊技毎に所定値減算される一方で、特定役が当籤役として決定された遊技において特定の操作態様が報知された場合には、所定値よりも多い特定値が加算される。その結果、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技では、数値情報は増加し、それ以外の遊技では、数値情報は減少する。このような数値情報を用いて特典付与の期待度を規定する遊技情報を決定するため、同じ特定役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(遊技情報の決定内容)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知手段は、前記報知状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記計数手段が計数した前記数値情報に応じた確率で、前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された場合に報知を行うか否かが、計数手段が計数した数値情報に応じた確率で決定されるため、遊技性を更に多様化することができ、遊技の興趣が向上する。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記77の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役として、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に特定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記特定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の特定役(例えば、「F_左1st_10枚ベル1」〜「F_右1st_10枚ベル2」)と、所定の操作態様で停止操作が行われた場合に所定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該所定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記所定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の所定役(例えば、「F_左1st_15枚ベル1」〜「F_右1st_15枚ベル2」)と、を有し、前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を報知可能、かつ、前記所定役が当籤役として決定されると、前記所定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、特典付与の期待度が異なる複数の遊技情報(例えば、モード1〜モード4)の中から一の遊技情報を決定するとともに、決定した当該遊技情報を設定可能な遊技情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記遊技情報設定手段が設定した前記遊技情報に応じて、特典を付与するか否かを決定可能な付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記付与決定手段が特典を付与すると決定すると、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記付与決定手段は、前記特定役が当籤役として決定された遊技において前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると、特典を付与するか否かを決定可能であり、前記所定役が当籤役として決定された遊技において前記報知手段により前記所定の操作態様が報知されても、特典を付与するか否かを決定しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された遊技では、特定の操作態様が報知された場合に特典を付与することがある一方で、特定の操作態様が報知されない場合には特典を付与することがない。そのため、同じ特定役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(特典付与の有無)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
なお、報知対象の役には、特定役以外に所定役も含まれるが、所定役が当籤し、所定の操作態様が報知された遊技では、特典を付与するか否かの決定を行わず、特典が付与されることがない。遊技者にとってみれば、操作態様の報知が行われた場合の一部で特典が付与されることになるため、報知に対して興味を抱いて遊技を行うことになり、興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、単位遊技毎に所定値を減算するとともに、前記特定役が当籤役として決定された遊技において前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると、又は、前記所定役が当籤役として決定された遊技において前記報知手段により前記所定の操作態様が報知されると、前記所定値よりも多い特定値を加算することで数値情報を計数する計数手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記遊技情報設定手段は、前記計数手段が計数した前記数値情報に応じて、前記遊技情報を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与の期待度を規定する遊技情報は、計数手段が計数する数値情報に応じて決定されるが、この数値情報は、単位遊技毎に所定値減算される一方で、特定役や所定役が当籤役として決定された遊技において操作態様が報知された場合には、所定値よりも多い特定値が加算される。その結果、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技、及び、所定役が当籤し、所定の操作態様が報知された遊技では、数値情報は増加し、それ以外の遊技では、数値情報は減少する。このような数値情報を用いて特典付与の期待度を規定する遊技情報を決定するため、同じ役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(遊技情報の決定内容)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記78の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役として、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に特定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記特定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の特定役(例えば、「F_左1st_10枚ベル1」〜「F_右1st_10枚ベル2」)を有し、前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、前記特定役が当籤役として決定された遊技において、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知されると特定値を加算することで数値情報を計数する計数手段(例えば、主制御回路91)と、前記計数手段が計数した前記数値情報に応じて、特典を付与するか否かを決定可能な付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記付与決定手段が特典を付与すると決定すると、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤役として決定された遊技では、特定の操作態様が報知された場合に特典を付与することがある一方で、特定の操作態様が報知されない場合には特典を付与することがない。そのため、同じ特定役であっても、状況(報知の有無)によって遊技性(特典付与の有無)が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
特に、特典を付与するか否かは、計数手段が計数した数値情報に応じて決定され、この数値情報も特定役の当籤時に特定の操作態様が報知された場合に計数されるため、遊技性を更に多様化することができ、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記計数手段は、単位遊技毎に前記特定値よりも少ない所定値を減算することで前記数値情報を計数することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤し、特定の操作態様が報知された遊技では、数値情報は増加し、それ以外の遊技では、数値情報は減少する。このような数値情報を用いて特典を付与するか否かを決定するため、同じ特定役であっても、状況によって遊技性が異なり、多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役として、所定の操作態様で停止操作が行われた場合に所定量の遊技価値が付与される結果表示が導出され、当該所定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に前記所定量よりも少ない量の遊技価値が付与、又は、何らの遊技価値も付与されない結果表示が導出される複数の所定役(例えば、「F_左1st_15枚ベル1」〜「F_右1st_15枚ベル2」)を有し、前記計数手段は、前記所定役が当籤役として決定された遊技において、前記報知手段により前記所定の操作態様が報知された場合にも、前記特定値を加算することで前記数値情報を計数し、前記付与決定手段は、前記特定役が当籤役として決定され、前記報知手段により前記特定の操作態様が報知された遊技において、特典を付与するか否かを決定し、それ以外の遊技では、特典を付与するか否かを決定しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知対象の役には、特定役以外に所定役も含まれるが、所定役が当籤し、所定の操作態様が報知された遊技では、計数手段による数値情報の計数は行われるものの、特典を付与するか否かの決定を行わず、特典が付与されることがない。遊技者にとってみれば、操作態様の報知が行われた場合の一部で特典が付与されることになるため、報知に対して興味を抱いて遊技を行うことになり、興趣が向上する。
[付記79〜付記81]
付記79〜付記81の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
このようなAT機能を有する遊技機では、ボーナス役を内部当籤役として持ち越したフラグ間を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現することがある。このような遊技機では、ボーナス(役物)が作動したボーナス状態は、遊技者にとって不利な遊技状態であり、遊技者は、ボーナスの作動を回避しながら遊技を行うことが一般的である。これにより、ボーナス作動中の出玉率を抑えてボーナス作動中のメダル増加を抑制することで、その分の出玉をAT中に割り振ることができる。
ところで、上述のようなフラグ間において遊技を行うことを想定した遊技性の遊技機では、停止操作のタイミングによっては、意図せずにボーナス役が入賞しボーナスが作動してしまうことがある。このような場合には、ボーナス状態の後の遊技状態がボーナス役を持ち越していない非フラグ間になってしまうが、フラグ間において遊技を行うことを想定した遊技性であるため、想定しない遊技区間である非フラグ間は直ぐに終了させ、なるべく早く非フラグ間からフラグ間に移行可能(ボーナス役に当籤可能)に設計する必要がある。
フラグ間に移行させるためには、ボーナス役が内部当籤役として決定される必要があるため、非フラグ間を直ぐに終了させるためには、非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率を高くすればよい。しかしながら、非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率を高くしてしまうと、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避しなければいけない状況も増えてしまい、遊技者にとって煩わしい。そこで、フラグ間にリプレイ役の当籤確率を高めることで、非フラグ間におけるボーナス役の当籤確率の部分をリプレイ役で埋め、ボーナス役の入賞を回避しなければいけない状況を減らす方法(所謂、フラグ間RT)も考えられるが、リプレイ役の当籤確率を著しく高くしてしまうと遊技が単調になってしまう。そのため、ボーナス役の当籤確率の部分をリプレイ役で埋める方法では、ボーナス役の当籤確率を高くすることについて限界があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、フラグ間において報知を行うAT機において、非フラグ間の期間を短縮可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記79の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、ボーナスが作動しておらず、かつ、ボーナスの作動契機となるボーナス役(例えば、「F_BB」)を当籤役として持ち越していない非フラグ間状態と、前記ボーナス役を当籤役として持ち越しているフラグ間状態と、ボーナスが作動しているボーナス状態とを有し、前記ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されると、前記ボーナス状態を開始可能、かつ、当該ボーナス状態において終了条件を満たすと、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を満たすと、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態を、前記フラグ間状態において開始可能な報知制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ボーナス状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であり、前記当籤役決定手段は、前記非フラグ間状態において、前記ボーナス役を単独で当籤役として決定可能であるとともに、前記ボーナス役と遊技価値の付与に係る小役(例えば、「F_3枚役」)とを重複して当籤役として決定可能であり、前記ボーナス役を単独で当籤役として決定する確率よりも高い確率で、前記ボーナス役と前記小役とを重複して当籤役として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、非フラグ間状態では、ボーナス役を単独で当籤役として決定可能であるとともに、ボーナス役と小役とを重複して当籤役として決定可能である。ここで、非フラグ間状態におけるボーナス役と小役との重複当籤役は、フラグ間では小役が当籤役として決定され、小役が入賞するため、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する必要が無い。そのため、ボーナス役単独しか有していない遊技機に比べて、ボーナス役の当籤確率を高くすることができ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
特に、ボーナス役単独とボーナス役及び小役の重複当籤とでは、重複当籤の方が当籤する確率が高い。上述したように、重複当籤の場合には、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する必要がないため、フラグ間におけるボーナス役の入賞回避の煩わしさを軽減しつつ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役と重複して当籤役として決定される前記小役は、対応する結果表示が導出された場合に、当該遊技において用いた遊技価値と同数の遊技価値が付与される役であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役と重複して当籤する小役は、入賞した場合に遊技価値の増減がない役であるため、当籤確率を高くした場合であっても利益のバランスを損ねることがない。そのため、ボーナス役と小役との重複確率を高くすることができ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記80の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、ボーナスが作動しておらず、かつ、ボーナスの作動契機となるボーナス役(例えば、「F_BB」)を当籤役として持ち越していない非フラグ間状態と、前記ボーナス役を当籤役として持ち越しているフラグ間状態と、ボーナスが作動しているボーナス状態とを有し、前記ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されると、前記ボーナス状態を開始可能、かつ、当該ボーナス状態において終了条件を満たすと、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を満たすと、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態を、前記フラグ間状態において開始可能な報知制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記非フラグ間状態から前記フラグ間状態になると再遊技の作動契機となるリプレイ役が当籤役として決定される確率を高くするRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ボーナス状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であり、前記当籤役決定手段は、前記非フラグ間状態において、前記ボーナス役を単独で当籤役として決定可能であるとともに、前記ボーナス役と遊技価値の付与に係る小役(例えば、「F_3枚役」)とを重複して当籤役として決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非フラグ間状態では、ボーナス役を単独で当籤役として決定可能であるとともに、ボーナス役と小役とを重複して当籤役として決定可能である。ここで、非フラグ間状態におけるボーナス役と小役との重複当籤役は、フラグ間では小役が当籤役として決定され、小役が入賞するため、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する必要が無い。そのため、ボーナス役単独しか有していない遊技機に比べて、ボーナス役の当籤確率を高くすることができ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
また、本発明に係る遊技機では、フラグ間状態では、リプレイ役が当籤役として決定される確率が高くなるため、ボーナス役が単独で当籤する確率をリプレイ役で埋めることができ、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する頻度を下げることができる。この場合においても、ボーナス役と小役との重複当籤役を有しているため、重複当籤役を有していない場合に比べてリプレイ役で埋める部分を抑えることができ、結果、リプレイ役の当籤確率が著しく高くなってしまうことによる遊技性の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記当籤役決定手段は、前記非フラグ間状態において、前記ボーナス役を単独で当籤役として決定する確率よりも高い確率で、前記ボーナス役と前記小役とを重複して当籤役として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役単独とボーナス役及び小役の重複当籤とでは、重複当籤の方が当籤する確率が高い。上述したように、重複当籤の場合には、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する必要がないため、フラグ間におけるボーナス役の入賞回避の煩わしさを軽減しつつ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記81の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から当籤役を決定可能な当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技状態として、ボーナスが作動しておらず、かつ、ボーナスの作動契機となるボーナス役(例えば、「F_BB」)を当籤役として持ち越していない非フラグ間状態と、前記ボーナス役を当籤役として持ち越しているフラグ間状態と、ボーナスが作動しているボーナス状態とを有し、前記複数の役として、特典の付与契機となる特定役(例えば、「F_レア役」)を有し、前記ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出されると、前記ボーナス状態を開始可能、かつ、当該ボーナス状態において終了条件を満たすと、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の条件を満たすと、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態を、前記フラグ間状態において開始可能な報知制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定されると、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ボーナス状態は、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が遊技者にとってマイナスな遊技状態であり、前記当籤役決定手段は、前記非フラグ間状態において、前記ボーナス役を単独で当籤役として決定可能であるとともに、前記ボーナス役と遊技価値の付与に係る小役(例えば、「F_3枚役」)とを重複して当籤役として決定可能であり、前記ボーナス役を単独で当籤役として決定する確率よりも高い確率で、前記ボーナス役と前記小役とを重複して当籤役として決定し、また、前記フラグ間状態及び前記ボーナス状態の双方において前記特定役を当籤役として決定可能であり、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定された場合、前記フラグ間状態及び前記ボーナス状態の双方において特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非フラグ間状態では、ボーナス役を単独で当籤役として決定可能であるとともに、ボーナス役と小役とを重複して当籤役として決定可能である。ここで、非フラグ間状態におけるボーナス役と小役との重複当籤役は、フラグ間では小役が当籤役として決定され、小役が入賞するため、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する必要が無い。そのため、ボーナス役単独しか有していない遊技機に比べて、ボーナス役の当籤確率を高くすることができ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
特に、ボーナス役単独とボーナス役及び小役の重複当籤とでは、重複当籤の方が当籤する確率が高い。上述したように、重複当籤の場合には、フラグ間においてボーナス役の入賞を回避する必要がないため、フラグ間におけるボーナス役の入賞回避の煩わしさを軽減しつつ、非フラグ間状態の期間を短縮することができる。
また、特典付与の契機となる特定役は、フラグ間状態及びボーナス状態の双方において当籤役として決定可能であり、また、特定役が当籤役として決定された場合に、フラグ間状態及びボーナス状態の双方において特典を付与可能である。その結果、本発明に係る遊技機によれば、フラグ間状態であってもボーナス状態であっても特典付与の期待を持つことができ、遊技価値の収支としては不利なボーナス状態に移行してしまった場合であっても、遊技の興趣を損ねてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記当籤役決定手段は、前記フラグ間状態よりも前記ボーナス状態の方が高い確率で前記特定役を当籤役として決定可能であり、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定された場合、前記ボーナス状態よりも前記フラグ間状態の方が高い確率で特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役は、遊技価値の収支としては不利なボーナス状態において高い確率で当籤役として決定されるため、ボーナス状態では、特典付与のチャンスが多く訪れることになり、遊技の興趣が向上する。一方で、ボーナス状態では、特典付与の確率は低くなるため、利益バランスを損ねることない。その結果、チャンスは多いものの個々のチャンスの期待度は低いボーナス状態、チャンスは少ないものの個々のチャンスの期待度が高いフラグ間状態という異なる遊技性の遊技状態を持つことができ、遊技性が多様化する。
[付記82]
付記82の遊技機は、以下の通りである。
AT機能を有する遊技機では、ATを実行可能な遊技区間(所謂、有利区間)とATを実行不可能な遊技区間(所謂、非有利区間)とを有し、有利区間を継続可能な期間に上限(リミット)を設ける遊技機も知られている。例えば、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的に有利区間を終了させるリミット処理を行う。
有利区間のリミット処理を行う遊技機では、実行中のATが突然終了してしまわないように、AT中に有利区間の継続期間が上限に近づくと、エンディングなどの特別な演出を行うことがある。例えば、特開2018−138099号公報には、有利区間に移行してから1450ゲームの時点でATが継続している場合に、エンディング演出を行い、その後、リミット処理を行うタイミングで当該エンディング演出を終了させ、通常演出に切り替える遊技機が開示されている。
ところで、遊技仕様の複雑化に伴いゲーム数経過による有利区間のリミット条件を満たす前に、エンディング演出を経由できない場合が生じることがあり、このような場合に有利区間の終了により強制的に演出を切り替えてしまうと、遊技者に違和感を与える演出が発生してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利区間の終了時に違和感のない演出を実行可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記82の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、当該可変表示部で変動表示を行った後に停止させることで結果表示を導出し、導出した当該結果表示に応じた特典を付与可能な遊技機であって、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知手段による報知が許容されない非有利区間と、前記報知手段による報知が許容される有利区間とを制御可能な区間制御手段(例えば、主制御回路91)と、演出を制御可能な演出制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出制御手段により制御された演出を実行可能な演出実行手段(例えば、表示ユニット100)と、を更に備え、前記演出制御手段により制御可能な演出には、複数の単位遊技において関連性のある演出が行われる連続演出が含まれ、前記区間制御手段は、前記有利区間において所定の終了条件が成立すると、前記有利区間を終了させて前記非有利区間へと移行させ、前記演出制御手段は、前記有利区間中に前記連続演出が開始され、当該連続演出が終了するよりも前に前記非有利区間へと移行した場合に、前記非有利区間においても当該連続演出を継続して実行させる制御を行うことが可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、連続演出の実行中に有利区間が終了してしまった場合であっても、連続演出を継続して実行させることが可能であるため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定の終了条件は、前記有利区間が開始してから特定回数の単位遊技が実行された場合に成立する条件であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ゲーム数リミッタにより有利区間が終了してしまう場合に、連続演出を継続して実行させることが可能であるため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
明に係る遊技機において、通常遊技(例えば、非AT)とは異なる特定遊技(例えば、AT)への移行権利を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記権利付与手段により前記移行権利が付与する旨が決定された場合に、前記特定遊技へ移行するよりも前の所定期間の単位遊技を前兆遊技として制御可能な前兆制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、演出制御手段は、前記前兆遊技では、前記特定遊技に移行可能である旨を報知するように前記連続演出を制御可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技への移行権利が付与された場合の前兆遊技では、連続演出により特定遊技に移行可能である旨が報知されるため、遊技者は、実行される演出に関心を抱くことになり、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記区間制御手段は、前記前兆遊技において、前記有利区間が開始してから特定回数の単位遊技が実行されたことを契機として前記所定の終了条件が成立した場合、前記有利区間を終了させて前記非有利区間へ移行させることが可能であり、前記演出制御手段は、前記有利区間の前記前兆遊技において前記連続演出が開始され、当該連続演出が終了するよりも前に前記非有利区間へと移行した場合に、前記非有利区間においても当該連続演出を継続して実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、前兆遊技の連続演出実行中に有利区間が終了した場合であっても、連続演出を継続して実行させることが可能であるため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
また、本発明に係る遊技機において、前記演出制御手段は、前記有利区間の前記前兆遊技において開始された前記連続演出を前記非有利区間においても継続して実行する場合、当該連続演出において前記特定遊技に移行可能である旨を報知することを抑制することを特徴とする。
このような遊技機によれば、前兆遊技では、連続演出により特定遊技に移行可能である旨が報知されるが、連続演出中に有利区間が終了した場合には、連続演出において前記特定遊技に移行可能である旨の報知を行わないように制御する。そのため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
また、本発明に係る遊技機において、複数の単位遊技に亘るシナリオ期間についての演出決定に用いられる演出シナリオとして、シナリオ期間が終了するまでの間に通常遊技とは異なる特定遊技に移行可能である旨が報知される当たり演出シナリオと、シナリオ期間が終了するまでの間に前記特定遊技に移行可能である旨が報知されないハズレ演出シナリオと、を含む複数の演出シナリオを有し、前記演出制御手段は、複数の演出シナリオの中から一の演出シナリオを決定可能であるとともに、決定した前記一の演出シナリオに応じて、当該演出シナリオに対応するシナリオ期間の演出を制御可能であり、また、前記演出制御手段は、前記当たり演出シナリオに基づいて演出が決定されるシナリオ期間において、前記区間制御手段により前記有利区間から前記非有利区間に移行した場合は、当該当たり演出シナリオと演出的に関連性のある演出を決定し得るハズレ演出シナリオを新たな演出シナリオとして決定する更新決定が可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、当たり演出シナリオに基づいて演出が決定されるシナリオ期間において有利区間から非有利区間に移行した場合は、決定されている当たり演出シナリオが、演出的に関連性のある演出を決定し得るハズレ演出シナリオに更新される。そのため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
また、本発明に係る遊技機において、前記演出制御手段は、前記更新決定として前記ハズレ演出シナリオを決定する際に、当該更新決定の前に決定されていた前記当り演出シナリオに応じたシナリオ期間の残り単位遊技数よりも短い単位遊技数の前記ハズレ演出シナリオを決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、当たり演出シナリオをハズレ演出シナリオに更新する場合、当り演出シナリオに応じたシナリオ期間の残り単位遊技数よりも短い単位遊技数のハズレ演出シナリオに更新する。これにより、演出シナリオを更新した場合にシナリオ期間が延びてしまうことがないため、遊技者に対して違和感を与えることがない。
また、本発明に係る遊技機において、複数の単位遊技に亘るシナリオ期間についての演出決定に用いられる演出シナリオとして複数の演出シナリオを有し、前記演出制御手段は、複数の演出シナリオの中から一の演出シナリオを決定可能であるとともに、決定した前記一の演出シナリオに応じて、当該演出シナリオに対応するシナリオ期間の演出を制御可能であり、また、前記演出制御手段は、前記演出シナリオに基づいて前記連続演出が実行されているときに、前記区間制御手段により前記有利区間から前記非有利区間に移行した場合は、前記非有利区間においても当該連続演出を継続して実行させる制御を行うことが可能であり、また、前記演出シナリオに基づいて前記連続演出が実行されていないときに、前記区間制御手段により前記有利区間から前記非有利区間に移行した場合は、当該演出シナリオを終了させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、演出シナリオに応じたシナリオ期間中に有利区間から非有利区間に移行すると、演出シナリオに基づいて連続演出が実行されている場合には非有利区間においても連続演出を継続する一方で、連続演出が実行されてない場合には非有利区間への移行に合わせて演出シナリオを終了させる。そのため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
また、本発明に係る遊技機において、前記演出シナリオに基づいて決定可能な演出として、1の単位遊技で完結する1ゲーム演出を備え、前記演出制御手段は、前記演出シナリオにより前記1ゲーム演出が実行された単位遊技において、前記区間制御手段により前記有利区間から前記非有利区間に移行した場合は、当該演出シナリオを終了させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、1の単位遊技で完結する1ゲーム演出が実行された単位遊技において、有利区間から非有利区間に移行すると、非有利区間への移行に合わせて演出シナリオを終了させる。そのため、有利区間の終了時に遊技者に対して違和感を与えることのない演出制御が可能である。
また、本発明に係る遊技機において、前記有利区間における遊技状態として、単位遊技あたりの遊技価値の期待値がマイナスである通常有利状態(例えば、通常有利)を含み、前記区間制御手段は、前記通常有利状態において遊技者が推奨態様で遊技を進行させた場合は、前記有利区間が開始されてから特定回数の単位遊技が実行されるよりも前に通常遊技とは異なる特定遊技に移行する一方で、前記通常有利状態において遊技者が非推奨態様で進行させた遊技が含まれる場合は、前記有利区間が開始されてから特定回数の単位遊技が実行されても前記特定遊技に移行しないことがあり、前記演出制御手段は、前記特定遊技の終了に伴い前記有利区間が終了する場合は、前記演出実行手段が終了演出を実行するように制御する一方で、前記通常有利状態において、前記有利区間が開始されてから実行された単位遊技の回数が特定回数に到達することを契機として前記有利区間が終了する場合は、前記演出実行手段が前記終了演出を実行しないように制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、有利区間は特定回数の単位遊技が行われると終了するが、推奨態様で遊技が行われている限り、特定回数の単位遊技が行われるまでに特定遊技に移行する一方で、非推奨態様で行われた遊技が含まれる場合は、特定回数の単位遊技が行われても特定遊技に移行しないことがある。そして、特定遊技の終了に伴い有利区間が終了する場合は、終了演出を実行する一方で、通常有利状態のまま有利区間が終了してしまう場合(非推奨態様)には、終了演出を実行しない。そのため、特定遊技に移行していない場合にまで終了演出を行うことがなく、不要な演出により遊技者に不快感を与えてしまうことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記通常有利状態において前記推奨態様で遊技が行われた単位遊技を計数可能な第1カウンタ(例えば、通常遊技数カウンタ)と、前記有利区間である場合は前記推奨態様で遊技が行われたか否かに関係なく、当該有利区間において行われた単位遊技の回数を計数可能な第2カウンタ(例えば、有利区間カウンタ)と、を更に備え、前記区間制御手段は、前記第2カウンタが特定値となったときに前記有利区間を終了させて前記非有利区間へと移行させ、前記第1カウンタの値が特定の条件を充足した場合に通常遊技とは異なる特定遊技への移行権利を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1カウンタ及び第2カウンタを用いて単位遊技の回数を計数する。そのため、推奨態様の単位遊技の回数による特定遊技の移行権利の付与と、推奨態様であるか非推奨態様であるかに関係ない単位遊技の回数による有利区間の終了(リミット)を適切に管理することができる。
[第11実施形態]
続いて、図406〜図509を参照して、第11実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記各種実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下では、第11実施形態のパチスロ機1の特徴を説明するために必要な構成についてのみ説明し、その他の構成についての説明を省略する。さらに、以下に示す第11実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記各種実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記各種実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第11実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、後述のビッグボーナス作動中状態を除く全ての遊技状態(後述のメイン遊技状態及び出玉遊技状態)において、遊技価値のベット数を「3」(3枚掛け)又は「2」(2枚掛け)として遊技することができる。なお、ビッグボーナス作動中状態では、遊技価値のベット数を「3」(3枚掛け)とした場合にのみ遊技することができる。また、有効ラインは、クロスアップライン(下段領域−中段領域−上段領域)の1本とする。なお、本実施形態でいう、「遊技価値」には、メダル等の遊技媒体だけでなく、所謂、メダルレス遊技機において電磁的に管理される遊技媒体データ(電子データ)も含まれる。
〔主制御回路で管理する各種メイン遊技状態〕
まず、本実施形態のパチスロ機1において、メインCPU31(主制御基板71)により管理される、RT状態及びボーナスゲームに係るメイン遊技状態について説明する。
本実施形態のパチスロ機1では、RT状態として、再遊技(リプレイ)の当籤確率が互いに異なる、「RT0状態」及び「RT1状態」と称する2種類のRT状態が設けられる。また、本実施形態では、後述の内部当籤役抽籤テーブル(後述の図415〜図420参照)に示すように、遊技媒体のベット数が「3」である場合(3枚掛け時)には、再遊技(リプレイ)の当籤確率は、RT0及びRT1状態において、ほぼ同じ確率になるが、遊技媒体のベット数が「2」である場合(2枚掛け時)には、RT1状態におけるリプレイの当籤確率の方が、RT0状態のそれより高くなる。
また、本実施形態では、ボーナスゲームの種類として、第1種特別役物と呼ばれるレギュラーボーナス(リアルRB)の役物連続作動装置であるビッグボーナス(リアルBB)が設けられる。なお、ビックボーナスとしては、3枚掛け時にのみ内部当籤及び入賞(成立)するビッグボーナス(以下、「3枚BB」という)と、2枚掛け時にのみ内部当籤及び入賞(成立)するビッグボーナス(以下、「2枚BB」という)と、が設けられる。
2枚BBは、2枚BBに係る図柄組合せ(後述の図414中の「C_2枚BB」:「赤7」−「リプレイB」−「チェリー」)の表示を契機として開始され(作動し)、「1」(規定数)を超える数の遊技価値の払い出しが行われた場合に終了する。一方、3枚BBは、3枚BBに係る図柄組合せ(後述の図414中の「C_3枚BB」:「チェリー」−「リプレイB」−「スイカ」)の表示を契機として開始され(作動し)、「137」(規定数)を超える数の遊技価値の払い出しが行われた場合に終了する。
なお、本実施形態においてもビッグボーナス作動中の遊技状態、及び、RT状態の管理(作動の有無)は、これらの遊技状態毎に設けられた遊技状態フラグのオン/オフ状態に基づいてメインCPU31(主制御基板71)により管理される。また、本実施形態においても、ビッグボーナス(リアルBB)に係る内部当籤役が当籤してから入賞するまでの状態、すなわち、ビッグボーナスのフラグ間状態と呼ばれる状態もメインCPU31(主制御基板71)により管理される。すなわち、本実施形態では、2枚BBフラグ間状態及び3枚BBフラグ間状態もメインCPU31(主制御基板71)により管理される。
〔メイン遊技状態の遷移フロー〕
次に、図406を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1において、メインCPU31(主制御基板71)により制御されるRT遊技及びビッグボーナス(リアルBB)間の遷移フローについて説明する。
RT0状態は、ビッグボーナスの作動終了時、又は、パチスロ機1の初期状態時に設定されるRT状態である。そして、RT0状態において、2枚掛け遊技が行われ、2枚BBが内部当籤(成立)すると、メイン遊技状態は、図406に示すように、2枚BBフラグ間状態に移行するとともに、RT状態もRT1状態に移行する。また、RT0状態において、3枚掛け遊技が行われ、3枚BBが内部当籤(成立)すると、メイン遊技状態は、3枚BBフラグ間状態(不図示)に移行する。なお、3枚BBフラグ間状態のRT状態はRT0状態である。
2枚BB役は2枚掛け遊技で入賞可能であり、3枚掛け遊技では入賞しないので、2枚BBフラグ間状態において、3枚掛け遊技が行われている限り、2枚BBフラグ間状態が維持される。なお、遊技者が実際に行う後述の各種出玉状態(後述の図441参照)での遊技は、この2枚BBフラグ間状態で行われる。そして、2枚BBフラグ間状態において、2枚掛け遊技が行われ、2枚BB役が入賞すると、メイン遊技状態は、図406に示すように、2枚BBの作動中状態(ビッグボーナス作動中状態)に移行する。
一方、3枚BB役は3枚掛け遊技で入賞可能であり、2枚掛け遊技では入賞しないので、3枚BBフラグ間状態において、2枚掛け遊技が行われている限り、3枚BBフラグ間状態が維持される。そして、3枚BBフラグ間状態において、3枚掛け遊技が行われ、3枚BB役が入賞すると、メイン遊技状態は、図406に示すように、3枚BBの作動中状態(ビッグボーナス作動中状態)に移行する。
ビッグボーナス作動中状態(2枚BB又は3枚BBの作動中状態)において、遊技価値の払出数が規定数を超えるとビッグボーナスのゲームが終了し、メイン遊技状態は、図406に示すように、RT0状態に移行する。具体的には、2枚BBの作動中状態において、遊技価値の払出数が「1」を超えると2枚BBの作動が終了してメイン遊技状態はRT0状態に移行し、3枚BBの作動中状態において遊技価値の払出数が「137」を超えると3枚BBの作動が終了してメイン遊技状態はRT0状態に移行する。
なお、ビッグボーナス作動中状態では、当籤した内部当籤役に係る図柄組合せのうち最も遊技価値の払出数が大きいもの(後述の略称「F_共通1枚」当籤時の1枚役、略称「F_共通全役」当籤時の7枚役)が入賞すると仮定した場合においても、単位遊技当たりの遊技価値の払出期待値がビッグボーナス作動中状態のベット数である「3」を下回るようになっている。すなわち、ビッグボーナス作動中状態は遊技の進行に伴い遊技価値が減少する期間として機能する。これは、ビッグボーナスが非作動の状態で小役の係数(抽籤値)を高めてAT状態での遊技価値の純増数を増やす分、ビッグボーナス作動中状態を遊技価値の減る期間として、型式試験での出玉率を適切に抑制するための仕様であり、遊技店では2枚BBの持ち越し状態(2枚BBフラグ間状態)で3枚掛け遊技が行われるため、遊技者がビッグボーナス作動中状態の遊技を行うことは基本的にはない。また、本実施形態では、ビッグボーナス作動中状態では、ビッグボーナスの種別(2枚BB又は3枚BB)に関係なく、共通のビッグボーナス作動時用の内部当籤役抽籤テーブル(後述の図421)を参照して内部当籤役を決定しており、役抽籤に必要なデータの節約を図っている。
〔図柄配置テーブル〕
次に、図407を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rのそれぞれの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コードという)との対応関係を規定する。
図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときに、リール表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」として規定する。そして、各リールにおいて、図柄位置「0」を基準としてリールの回転方向(図407中の図柄位置「19」から図柄位置「1」に向かう方向)に進む順に、図柄カウンタの値に対応する「0」〜「19」が、図柄位置として、各図柄に割り当てられる。すなわち、図柄カウンタの値(「0」〜「19」)と、図柄配置テーブルとを参照することにより、リール表示窓4の枠内における各リールの上段領域、中段領域及び下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。
本実施形態では、図柄として、「赤7」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「ベル」、「リプレイA」、「リプレイB」、「チェリー」、「スイカ」及び「ブランク」の10種類の図柄を用いる。
また、本実施形態では、図407中の図柄コード表に示すように、図柄「赤7」(図柄コード1)には、データとして「00000001」が割り当てられ、図柄「白7」(図柄コード2)には、データとして「00000010」が割り当てられている。図柄「黒BAR」(図柄コード3)には、データとして「00000011」が割り当てられ、図柄「白BAR」(図柄コード4)には、データとして「00000100」が割り当てられている。
図柄「ベル」(図柄コード5)には、データとして「00000101」が割り当てられ、図柄「リプレイA」(図柄コード6)には、データとして「00000110」が割り当てられている。図柄「リプレイB」(図柄コード7)には、データとして「00000111」が割り当てられ、図柄「チェリー」(図柄コード8)には、データとして「00001000」が割り当てられている。また、図柄「スイカ」(図柄コード9)には、データとして「00001001」が割り当てられ、図柄「ブランク」(図柄コード10)には、データとして「00001010」が割り当てられている。
〔図柄組合せテーブル〕
次に、図408〜図414を参照して、図柄組合せテーブル(その1〜その7)について説明する。なお、ここでは、図柄組合せテーブルの構成をより明確にするため(見やすくするため)、図柄組合せテーブルを図408〜図414の7つのテーブルに分割して示すが、実際には、図408〜図414の7つのテーブルは1つのテーブルとして構成される。
図柄組合せテーブルは、特典(ボーナス、小役、リプレイ)の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、それに対応する表示役コードの内容(格納領域、データ)及び遊技価値の払出数との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ライン(クロスアップライン)に沿って、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rにより表示される図柄組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄組合せと一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、遊技価値(メダル等)の払い出し、リプレイ(再遊技)の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」の図柄組合せを規定してもよい。
図柄組合せテーブル中の表示役コード欄に記載の各種データは、有効ラインに沿って表示された図柄組合せを識別するためのデータである。この表示役コード欄の「データ」は、1バイトのデータで表され、該データ中の各ビットに対して固有の図柄組合せ(表示役の内容)が割り当てられている。また、表示役コード欄の「格納領域」のデータは、対応する図柄組合せのデータが格納される図柄コード格納領域(不図示)を指定するためのデータである。なお、本実施形態では、37個の図柄コード格納領域を設ける。そして、1バイトのデータパターン(ビットパターン)が同じであり、かつ、内容の異なる表示役は、「格納領域」の違いにより別の表示役として管理される。
図柄組合せテーブル中の払出数欄のベット数「2」(図中の「2B」)及び「3」(図中の「3B」)に記載の数値は、遊技者に対して払い出す遊技価値の数(メダルの払出枚数等)を表す。なお、本実施形態では、図408〜図414に示すように、各表示役(コンビネーション)に対する遊技価値の払出数は、ベット数(「2」又は「3」)に関係なく、同じとする。
本実施形態において、例えば、「リプレイ」に係る表示役が決定された場合(図408中のコンビネーション「C_チャンリプD2_14」〜図411中のコンビネーション「C_Tリプ8」に係る図柄組合せのいずれかが有効ライン上に停止表示された場合)には、リプレイが作動する。
本実施形態において、例えば、「1枚役」(小役)に係る表示役が決定された場合(図411中のコンビネーション「C_1枚役E1_01」〜図412中の「C_1枚役B1_08」に係る図柄組合せのいずれかが有効ライン上に停止表示された場合)には、遊技価値数「1」の遊技価値の払い出しが行われる。本実施形態において、例えば、「Cベル」、「CDベル」及び「CUベル」(小役)に係る表示役が決定された場合(図412中のコンビネーション「C_Cベル_02」〜「C_CUベル」、図413中のコンビネーション「C_Cベル_01」に係る図柄組合せのいずれかが有効ライン上に停止表示された場合)には、遊技価値数「7」の遊技価値の払い出しが行われる。
また、本実施形態において、例えば、「Tベル」、「Bベル」、「白Fベル」、「SPベル」、「CDスイカ」、「CUスイカ」、「共通チェリー」、「強チェリー」及び「弱チェリー」(小役)に係る表示役が決定された場合(図413中のコンビネーション「C_Tベル_04」〜「C_白Fベル4」、「C_共通チェリー_07」〜「C_弱チェリーB_08」、図414中のコンビネーション「C_SPベルA_01」〜「C_弱チェリーA_02」に係る図柄組合せのいずれかが有効ライン上に停止表示された場合)には、遊技価値数「3」の遊技価値の払い出しが行われる。
さらに、例えば、ビッグボーナス(リアルBB)に係る表示役が決定された場合(図414中のコンビネーション「C_3枚BB」及び「C_2枚BB」に係る図柄組合せのいずれかが有効ライン上に停止表示された場合)には、ボーナスゲーム(ビッグボーナス)が作動する。
〔内部当籤役決定テーブル〕
次に、図415〜図421を参照して、内部抽籤処理(役決定手段)で用いられる各種内部当籤役抽籤テーブルについて説明する。図415は、メイン遊技状態がRT0状態であり且つベット数が「2」である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:2ベット時)の構成を示す図である。図416は、メイン遊技状態がRT0状態であり且つベット数が「3」である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)の構成を示す図である。図417は、メイン遊技状態がRT0状態中の3枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「2」である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:2ベット時)の構成を示す図である。図418は、メイン遊技状態がRT0状態中の3枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「3」である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:3ベット時)の構成を示す図である。図419は、メイン遊技状態がRT1状態中の2枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「2」である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:2ベット時)の構成を示す図である。図420は、メイン遊技状態がRT1状態中の2枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「3」である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:3ベット時)の構成を示す図である。また、図421は、メイン遊技状態がビッグボーナス作動中である場合に参照される内部当籤役抽籤テーブル(ビッグボーナス)の構成を示す図である。
各内部当籤役抽籤テーブルは、対応するメイン遊技状態において設けられた当籤番号(図中の「No.」)と、各当籤番号に対応する当籤役略称と、各当籤番号が決定されるときの抽籤値との対応関係を、設定毎(設定1〜6)に規定する。また、各内部当籤役抽籤テーブルでの抽籤分母は、「65536」である。
本実施形態では、図415〜図421に示すように、各内部当籤役抽籤テーブルでは、各当籤番号(当籤役)に割り振られた抽籤値は、設定に関係なく、同じであるが、本発明はこれに限定されない。各当籤番号(当籤役)に割り振られた抽籤値を、設定に応じて変化させてもよい。
なお、本実施形態においても、設定1〜6は、遊技店側でボーナスや小役等の内部当籤の期待値を調整するために設けられており、例えば、リセットスイッチ(不図示)及び設定用鍵型スイッチを用いて変更される。また、本実施形態における内部当籤役抽籤テーブルを用いた内部抽籤処理は、上記実施形態と同様にして行われる。
(1)内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:2ベット時)
内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:2ベット時)では、図415に示すように、はずれに係る当籤役(当籤番号「1」:略称「はずれ」)、2種類のリプレイ役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_リプA」、「3」:略称「F_リプB」)、3種類の小役に係る当籤役(当籤番号「4」:略称「F_スイカ」、「5」:略称「F_共通1枚」、「6」:略称「F_共通全役」)、及び、1種類のビッグボーナス(リアルBB)に係る当籤役(当籤番号「7」:略称「F_2枚BB」)に対して抽籤値が規定されている。
なお、内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:2ベット時)では、全ての当籤役に対して「0」より大きな抽籤値が規定され、全ての当籤役に当籤可能である。また、内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:2ベット時)では、当籤役として「F_2枚BB」が規定されているが、「F_3枚BB」は規定されていない。すなわち、メイン遊技状態がRT0状態であり且つベット数が「2」である場合には、ビッグボーナスとして「2枚BB」は当籤可能であるが、「3枚BB」は当籤しない。
(2)内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)
内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)では、図416に示すように、はずれに係る当籤役(当籤番号「1」:略称「はずれ」)、10種類のリプレイ役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_リプA」〜「11」:略称「F_W白CDリプ」)、17種類の小役に係る当籤役(当籤番号「12」:略称「F_123ベル1」〜「28」:略称「F_強チェリー」)、及び、1種類のビッグボーナス(リアルBB)に係る当籤役(当籤番号「29」:略称「F_3枚BB」)に対して抽籤値が規定されている。なお、小役としては、当籤番号「12」(略称「F_123ベル1」)〜「23」(略称「F_321ベル2」)、当籤番号「24」(略称「F_共通ベル」)及び当籤番号「25」(略称「F_強ベル」)のベル役、当籤番号「26」(略称「F_スイカ」)のスイカ役、並びに、当籤番号「27」(略称「F_弱チェリー」)及び「28」(略称「F_強チェリー」)のチェリー役が含まれる。
なお、内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)では、全ての当籤役に対して「0」より大きな抽籤値が規定され、全ての当籤役に当籤可能である。また、内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)では、当籤役として「F_3枚BB」が規定されているが、「F_2枚BB」は規定されていない。すなわち、メイン遊技状態がRT0状態であり且つベット数が「3」である場合には、ビッグボーナスとして「3枚BB」は当籤可能であるが、「2枚BB」は当籤しない。
(3)内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:2ベット時)
内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:2ベット時)では、すでに内部当籤している「F_3枚BB」と重複当籤する役に対して抽籤値が規定されている。重複当籤役については、テーブル内において「F_3枚BB+(重複当籤役)」という形態で表記している(図417参照)。なお、RT0状態中の3枚BBフラグ間状態以外のBBフラグ間状態で参照される内部当籤役抽籤テーブルにおいても、同様の表記で当籤役を規定する。
RT0状態中の3枚BBフラグ間状態では、「はずれ」のみが当籤することはないので、内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:2ベット時)では、図417に示すように、当籤番号「1」(略称「はずれ」)には、抽籤値「0」が規定され、当籤番号「1」は当籤しない。その代わりに、内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:2ベット時)では、重複当籤無し時(実質、「はずれ」時)の当籤番号として「7」(略称「F_3枚BB」)が別途規定されている。
内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:2ベット時)では、2種類のリプレイ役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_3枚BB+F_リプA」、「3」:略称「F_3枚BB+F_リプB」)、3種類の小役に係る当籤役(当籤番号「4」:略称「F_3枚BB+F_スイカ」、「5」:「F_3枚BB+F_共通1枚」、「6」:略称「F_3枚BB+F_共通全役」)、及び、実質、「はずれ」に対応する当籤役(当籤番号「7」:略称「F_3枚BB」)に対して抽籤値が規定されている。すなわち、メイン遊技状態がRT0状態中の3枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「2」である場合には、当籤番号「1」以外の当籤番号の当籤役に当籤可能である。
(4)内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:3ベット時)
内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:3ベット時)では、すでに内部当籤している「F_3枚BB」と重複当籤する役に対して抽籤値が規定されている。
内部当籤役抽籤テーブル(RT0中3枚BBフラグ間:3ベット時)では、図418に示すように、10種類のリプレイ役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_3枚BB+F_リプA」〜「11」:略称「F_3枚BB+F_W白CDリプ」)、17種類の小役に係る当籤役(当籤番号「12」:略称「F_3枚BB+F_123ベル1」〜「28」:略称「F_3枚BB+F_強チェリー」)、及び、実質、「はずれ」に対応する当籤役(当籤番号「29」:略称「F_3枚BB」)に対して抽籤値が規定されている。すなわち、メイン遊技状態がRT0状態中の3枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「3」である場合には、当籤番号「1」以外の当籤番号の当籤役に当籤可能である。なお、小役として重複当籤するベル役、スイカ役及びチェリー役の種別は、図416の内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)でのそれと同様である。
(5)内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:2ベット時)
内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:2ベット時)では、すでに内部当籤している「F_2枚BB」と重複当籤する役に対して抽籤値が規定されている。
RT1状態中の2枚BBフラグ間状態では、「はずれ」のみが当籤することはないので、内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:2ベット時)では、図419に示すように、当籤番号「1」(略称「はずれ」)には、抽籤値「0」が規定され、当籤番号「1」は当籤しない。また、本実施形態では、RT1状態中の2枚BBフラグ間状態では、実質、「はずれ」に対応する役に当籤しない構成(重複当籤無しが発生しない構成)となっている。すなわち、RT1状態中の2枚BBフラグ間状態では、リプレイ役又は小役に必ず当籤する構成になっている。
内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:2ベット時)では、2種類のリプレイ役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_2枚BB+F_リプA」、「3」:略称「F_2枚BB+F_リプB」)、3種類の小役に係る当籤役(当籤番号「4」:略称「F_2枚BB+F_スイカ」、及び、「5」:「F_2枚BB+F_共通1枚」、「6」:略称「F_2枚BB+F_共通全役」)に対して「0」より大きな抽籤値が規定されている。すなわち、メイン遊技状態がRT1状態中の2枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「2」である場合には、当籤番号「1」以外の当籤番号の当籤役に当籤可能である。
(6)内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:3ベット時)
内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:3ベット時)では、すでに内部当籤している「F_2枚BB」と重複当籤する役に対して抽籤値が規定されている。
内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:3ベット時)では、図420に示すように、10種類のリプレイ役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_2枚BB+F_リプA」〜「11」:略称「F_2枚BB+F_W白CDリプ」)、17種類の小役に係る当籤役(当籤番号「12」:略称「F_2枚BB+F_123ベル1」〜「28」:略称「F_2枚BB+F_強チェリー」)、及び、実質、「はずれ」に対応する当籤役(当籤番号「29」:略称「F_2枚BB」)に対して抽籤値が規定されている。すなわち、メイン遊技状態がRT1状態中の2枚BBフラグ間状態であり且つベット数が「3」である場合には、当籤番号「1」以外の当籤番号の当籤役に当籤可能である。なお、小役として重複当籤するベル役、スイカ役及びチェリー役の種別は、図416の内部当籤役抽籤テーブル(RT0中:3ベット時)でのそれと同様である。
(7)内部当籤役抽籤テーブル(ビッグボーナス)
内部当籤役抽籤テーブル(ビッグボーナス)では、図421に示すように、はずれに係る当籤役(当籤番号「1」:略称「はずれ」)、及び、2種類の小役に係る当籤役(当籤番号「2」:略称「F_共通1枚」、「3」:略称「F_共通全役」)に対して抽籤値が規定されている。なお、内部当籤役抽籤テーブル(ビッグボーナス)では、全ての当籤役に対して「0」より大きな抽籤値が規定されている。すなわち、メイン遊技状態がビッグボーナス作動中である場合には、全ての当籤役に当籤可能である。
〔内部当籤役と図柄組合せ(入賞役)との対応表〕
次に、図422〜図427を参照して、内部当籤役と図柄組合せとの対応表(図柄組合せ決定テーブル)について説明する。図422〜図427は、当籤フラグ別コンビネーションの一覧表であり、各種内部当籤役(当籤フラグ)と、各内部当籤役に対応付けられた、有効ライン(クロスアップライン)上に表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定する。すなわち、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定される。
各図柄組合せ決定テーブル中のコンビネーション名称欄に記載の各種データは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rに跨って設定された有効ラインに沿って表示を許可する図柄組合せを識別するためのデータである。また、各図柄組合せ決定テーブル中に記載の黒丸印は、決定された内部当籤役(当籤フラグ)において、有効ライン上に表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)、すなわち、入賞可能となる表示役を示す。
例えば、内部当籤役「F_リプA」が決定された場合には、図424及び図425に示すように、コンビネーション名称「C_Tリプ1」〜「C_Tリプ16」及び「C_Cリプ_01」〜「C_CDリプ4」に係る図柄組合せが停止表示可能となる。例えば、内部当籤役「F_共通ベル」が決定された場合には、図422に示すように、コンビネーション名称「C_Tベル_01」〜「C_白Fベル4」に係る図柄組合せが停止表示可能となる。例えば、内部当籤役「F_123ベル」が決定された場合には、図423に示すように、コンビネーション名称「C_CDベル_01」〜「C_CDベル_04」、「C_1枚B1_01」〜「C_1枚B1_08」及び「C_1枚A1_01」〜「C_1枚A1_04」に係る図柄組合せが停止表示可能となる。また、例えば、内部当籤役「F_弱チェリー」が決定された場合には、図422に示すように、コンビネーション名称「C_弱チェリーA_01」〜「C_弱チェリーB_08」及び「C_共通チェリー_01」〜「C_共通チェリー_08」に係る図柄組合せが停止表示可能となる。
なお、図柄組合せ決定テーブルには、「内部当籤役」が「はずれ」となる場合が規定されていないが、これは、図422〜図427に示した図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄組合せの表示が許可されないことを示す。
本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図422〜図427に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。また、図422〜図427に示す図柄組合せ決定テーブルでは、決定された内部当籤役に対して表示される可能性のある全ての図柄組合せを列挙しているが、図柄組合せ決定テーブル中において、黒丸印が付された図柄組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、停止表示可能な図柄組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせる機能を有し、優先して引き込む図柄の関係上、黒丸印が付された図柄組合せであっても表示されないことがある。内部当籤役(当籤フラグ)の種別と実際に表示される図柄組合せとの対応関係については、後述の図428を参照して説明する。
〔内部当籤役とストップボタンの押し順と表示される図柄組合せとの対応関係〕
次に、図428を参照して、決定された内部当籤役と表示される図柄組合せ(入賞役)とストップボタンの押し順との対応関係(押し順毎の停止制御の概要)を説明する。図428は、2枚BBフラグ間状態(RT1状態)において、単位遊技当たりの遊技価値(メダル)のベット数(投入数)が「3」である場合の内部当籤役と入賞役と押し順との対応関係を示す表である。なお、ここでは、説明の便宜上、遊技価値のベット数が「2」である場合の内部当籤役と入賞役と押し順との対応関係についての説明は省略する。
なお、各対応表に記載の「1→2→3」は、ストップボタンの押し順が「左→中→右」の順である場合に対応し、「1→3→2」は、ストップボタンの押し順が「左→右→中」の順である場合に対応する。「2→1→3」は、ストップボタンの押し順が「中→左→右」の順である場合に対応し、「2→3→1」は、ストップボタンの押し順が「中→右→左」の順である場合に対応する。また、「3→1→2」は、ストップボタンの押し順が「右→左→中」の順である場合に対応し、「3→2→1」は、ストップボタンの押し順が「右→中→左」の順である場合に対応する。
内部当籤役が「F_リプA」〜「F_FチャンリプB」、「F_白Fリプ」(当籤番号「1」〜「4」、「6」)であるときには、図428に示すように、押し順に関係なく、各内部当籤役に対応する停止表示可能なリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示される。
なお、図428中では、内部当籤役が「F_白Fリプ」(当籤番号「6」)であるときの押し順「3→1→2」及び「3→2→1」では、「白フェイクで使用」と記載されている。また、「はずれ」時の押し順「3→1→2」及び「3→2→1」、並びに、内部当籤役が「F_共通ベル」(当籤番号「23」)であるときの押し順「3→1→2」及び「3→2→1」においても、「白フェイクで使用」と記載されている。「白フェイクで使用」の意味は、次の通りである。
本実施形態のパチスロ機1では、後述の通常中CZ状態、BB状態、EPB状態等の出玉状態の遊技において、「はずれ」、「F_白Fリプ」及び「F_共通ベル」のいずれかが内部当籤した場合には、表示ユニット100で、逆押しで「白BAR」揃いを狙わせる旨の映像を表示するような演出が行われ、遊技者がそれに従って逆押しすると、第2停止時点では「白BAR」揃いがテンパイするが第3停止で「白BAR」揃いが表示されないという「白BAR」揃いのフェイク演出が行われる。「白フェイクで使用」とは、後述の通常中CZ状態、BB状態、EPB状態等の出玉状態の遊技において、「はずれ」、「F_白Fリプ」及び「F_共通ベル」のいずれかが内部当籤した場合に、上述した「白BAR」揃いのフェイク演出が実行されるように、停止制御が行われることを意味する。なお、「はずれ」、「F_白Fリプ」及び「F_共通ベル」の当籤時において、「白BAR」揃いのフェイク演出に従って逆押しが行われた場合、最終的には、それぞれ、「はずれ」に係る図柄組合せ、「F_白Fリプ」に対応する図柄組合せ(リプレイ役)、及び、「F_共通ベル」に対応する図柄組合せ(3枚役)が停止表示される。
内部当籤役が「F_SPチェリーリプ」(当籤番号「5」)であるときには、図428に示すように、押し順が「3→1→2」及び「3→2→1」以外である場合に、コンビネーション名「C_SPリプ1_01」〜「C_SPリプ8_02」のいずれかのリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示(SPチェリーリプ表示)されるが、押し順が「3→1→2」又は「3→2→1」である場合(逆押しの場合)には、コンビネーション名「C_チャンリプB_01」〜「C_チャンリプB_08」のいずれかのリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示(チャンリプB表示)される。
内部当籤役が「F_S白CUリプ」及び「F_S白CDリプ」(当籤番号「7」、「8」)であるときには、図428に示すように、押し順が「1→2→3」及び「1→3→2」以外である場合に、コンビネーション名「C_白リプ1」〜「C_白リプ9」のいずれかのリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示(S白揃い表示)されるが、押し順が「1→2→3」又は「1→3→2」である場合(順押しの場合)には、各内部当籤役に対応する停止表示可能ないずれかのリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示(リプ表示)される。
内部当籤役が「F_W白CUリプ」(当籤番号「9」)であるときには、図428に示すように、押し順が「1→2→3」及び「1→3→2」以外である場合に、コンビネーション名「C_白Wリプ2」のリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示(W白揃い表示)されるが、押し順が「1→2→3」又は「1→3→2」である場合(順押しの場合)には、当該内部当籤役に対応する停止表示可能なリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示される。
内部当籤役が「F_W白CDリプ」(当籤番号「10」)であるときには、図428に示すように、押し順が「1→2→3」及び「1→3→2」以外である場合に、コンビネーション名「C_白Wリプ1」又は「C_白Wリプ2」のリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示(W白揃い表示)されるが、押し順が「1→2→3」又は「1→3→2」である場合(順押しの場合)には、当該内部当籤役に対応する停止表示可能ないずれかのリプレイ役に係る図柄組合せが停止表示される。
内部当籤役が押し順ベル(「F_123ベル1」(当籤番号「11」)〜「F_321ベル2」(当籤番号「22」)のいずれか)であるときには、図428に示すように、押し順が押し順ベルの種別に対応する押し順である場合に、遊技価値の払出数が「7」のベル役(7枚ベル)に係る図柄組合せが停止表示されるが、押し順が押し順ベルの種別に対応する押し順でない場合には、1/2の確率で遊技価値の払出数が「1」のベル役(1枚ベル)に係る図柄組合せが停止表示され、1/2の確率で、はずれとなる。
例えば、内部当籤役が「F_123ベル1」(当籤番号「11」)及び「F_123ベル2」(当籤番号「12」)であるときには、押し順が「1→2→3」である場合に、コンビネーション名「C_CDベル01」〜「C_CDベル_04」の遊技価値の払出数が「7」のベル役に係る図柄組合せが停止表示される。一方、この際、押し順が「1→2→3」以外である場合には、押下タイミングに応じて、コンビネーション名「C_1枚B1_01」〜「C_1枚B1_08」及び「C_1枚A1_01」〜「C_1枚A1_04」のいずれかの1枚役(遊技価値の払出数は「1」)に係る図柄組合せが1/2の確率で停止表示されるが、1/2の確率でこれらの図柄組合せが停止表示できずに、はずれとなる。
内部当籤役が「F_共通ベル」、「F_強ベル」(当籤番号「23」、「24」)であるときには、図428に示すように、押し順に関係なく、各内部当籤役に対応して停止表示可能な、遊技価値の払出数が「3」のベル役(3枚ベル)に係る図柄組合せが停止表示される。
内部当籤役が「F_スイカ」(当籤番号「25」)であるときには、図428に示すように、押し順に関係なく、各内部当籤役に対応して停止表示可能な、遊技価値の払出数が「3」のスイカ役に係る図柄組合せが停止表示可能である。しかし、この際、押下タイミングに応じて、スイカ役を取りこぼす場合もある。
内部当籤役が「F_弱チェリー」、「F_強チェリー」(当籤番号「26」、「27」)であるときには、図428に示すように、押し順に関係なく、各内部当籤役に対応して停止表示可能な、遊技価値の払出数が「3」のチェリー役に係る図柄組合せが停止表示される。内部当籤役が「F_共通1枚」(当籤番号「28」)であるときには、押し順に関係なく、各内部当籤役に対応して停止表示可能な、遊技価値の払出数が「1」の1枚役に係る図柄組合せが停止表示される。また、内部当籤役が「F_共通全役」(当籤番号「29」)であるときには、押し順に関係なく、各内部当籤役に対応して停止表示可能な、遊技価値の払出数が「7」のベル役(7枚ベル)に係る図柄組合せが停止表示される。
〔サブフラグ及び出玉フラグ〕
本実施形態のパチスロ機1は、2枚BBフラグ間状態(RT1状態)において、AT機能が作動可能な遊技機であり、2枚BBフラグ間状態では、決定された内部当籤役に基づいて、AT機能の作動/非作動だけでなく、出玉(特典付与:メダル払出)性能に関与する各種抽籤処理(以下、「出玉抽籤」という)が行われる。なお、2枚BBフラグ間状態では、遊技価値のベット数が「3」である場合(3枚掛け)には、各種出玉抽籤が行われるが、遊技価値のベット数が「2」である場合(2枚掛け)には、各種出玉抽籤が行われない。それゆえ、以下の出玉抽籤及び出玉状態に関する説明では、遊技価値のベット数が「3」(3枚掛け)であることの説明を省略する。
各出玉抽籤(判定手段)では、それぞれ対応する抽籤テーブルを使用するが、内部当籤役(当籤フラグ)を抽籤フラグとして直接用いずに、内部当籤役に対応する別の名称の各種パラメータ(後述の「サブフラグ」、「出玉フラグ」)を抽籤フラグとして用いる。
図429に、内部当籤役(当籤フラグ)から各種パラメータ(後述の「サブフラグ」、「出玉フラグ」)への変換処理の概要を示す。本実施形態では、まず、図429に示すように、内部当籤役(当籤フラグ:一次情報)をその種別毎にグループ化してまとめた「サブフラグ」と称する抽籤フラグ(二次情報)に変換する。また、本実施形態では、サブフラグをさらに種別毎にグループ化してまとめた各種抽籤フラグ(以下、「出玉フラグ」という:三次情報)に変換して使用する。なお、サブフラグから変換される出玉フラグとしては、出玉フラグA、出玉フラグB及び出玉フラグCの3種類が設けられている。さらに、本実施形態では、出玉フラグCを種別毎にグループ化してフラグ種別を減らした「出玉フラグS」と称する抽籤フラグ(四次情報)に変換する。
(1)サブフラグ及び各出玉フラグの種別
まず、図430〜図434に、それぞれサブフラグ、出玉フラグA、出玉フラグB、出玉フラグC及び出玉フラグSの種別(名称)とフラグ番号(サブフラグ番号、出玉フラグ番号)との対応関係を示す。
サブフラグとしては、図430に示すように、「はずれ」(サブフラグ番号「0」)、「通常リプ」(サブフラグ番号「1」)、「チャンリプA」(サブフラグ番号「2」)、「チャンリプB」(サブフラグ番号「3」)、「SPチェリーリプ」(サブフラグ番号「4」)、「白Fリプ」(サブフラグ番号「5」)、「S白CUリプ」(サブフラグ番号「6」)、「S白CDリプ」(サブフラグ番号「7」)、「W白CUリプ」(サブフラグ番号「8」)、「W白CDリプ」(サブフラグ番号「9」)、「押し順ベル」(サブフラグ番号「10」)、「共通ベル」(サブフラグ番号「11」)、「強ベル」(サブフラグ番号「12」)、「スイカ」(サブフラグ番号「13」)、「弱チェリー」(サブフラグ番号「14」)及び「強チェリー」(サブフラグ番号「15」)の16種類のフラグが設けられる。
出玉フラグAとしては、図431に示すように、「下記以外」(出玉フラグ番号「0」)、「弱レア役」(出玉フラグ番号「1」)、「強レア役」(出玉フラグ番号「2」)及び「確定役」(出玉フラグ番号「3」)の4種類のフラグが設けられる。なお、出玉フラグAの「下記以外」(出玉フラグ番号「0」)は、出玉フラグAの「弱レア役」、「強レア役」及び「確定役」以外を意味する。
出玉フラグBとしては、図432に示すように、「下記以外」(出玉フラグ番号「0」)、「S白揃い」(出玉フラグ番号「1」)、「W白揃い」(出玉フラグ番号「2」)、「弱レア役」(出玉フラグ番号「3」)、「強レア役」(出玉フラグ番号「4」)及び「確定役」(出玉フラグ番号「5」)の6種類のフラグが設けられる。なお、出玉フラグBの「下記以外」(出玉フラグ番号「0」)は、出玉フラグBの「S白揃い」、「W白揃い」、「弱レア役」、「強レア役」及び「確定役」以外を意味する。
出玉フラグCとしては、図433に示すように、「はずれ」(出玉フラグ番号「0」)、「通常リプ」(出玉フラグ番号「1」)、「ベル」(出玉フラグ番号「2」)、「弱チェリー」(出玉フラグ番号「3」)、「スイカ」(出玉フラグ番号「4」)、「チャンス目」(出玉フラグ番号「5」)、「強チェリー」(出玉フラグ番号「6」)、「強ベル」(出玉フラグ番号「7」)及び「確定役」(出玉フラグ番号「8」)の9種類のフラグが設けられる。
出玉フラグSとしては、図434に示すように、「下記以外(レア役以外)」(出玉フラグ番号「0」)、「弱チェリー」(出玉フラグ番号「1」)、「スイカ」(出玉フラグ番号「2」)、「チャンス目」(出玉フラグ番号「3」)、「強レア役」(出玉フラグ番号「4」)及び「確定役」(出玉フラグ番号「5」)の6種類のフラグが設けられる。なお、出玉フラグSの「下記以外(レア役以外)」(出玉フラグ番号「0」)は、出玉フラグSの「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」以外を意味する。
(2)内部当籤役(当籤フラグ)とサブフラグとの対応関係
次に、図435を参照して、内部当籤役とサブフラグとの対応関係について説明する。図435は、内部当籤役をサブフラグに変換する際の変換表である。なお、内部当籤役のサブフラグへの変換処理は、主制御基板71の制御により、毎ゲームの遊技開始時で且つ内部抽籤後に行われる。
本実施形態のフラグ変換処理では、同じ種別に属する複数の内部当籤役を一つのサブフラグにまとめる。具体的には、図435に示すように、内部当籤役「はずれ」、「F_共通1枚」及び「F_共通全般」(当籤番号「0」、「28」及び「29」)は、サブフラグ「はずれ」(サブフラグ番号「0」)にまとめられる。また、内部当籤役「F_リプA」及び「F_リプB」(当籤番号「1」及び「2」)は、サブフラグ「通常リプ」(サブフラグ番号「1」)にまとめられる。さらに、内部当籤役「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」(当籤番号「11」〜「22」)は、サブフラグ「押し順ベル」(サブフラグ番号「10」)にまとめられる。
そして、内部当籤役「はずれ」、「F_共通1枚」、「F_共通全般」、「F_リプA」、「F_リプB」、「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」以外の各内部当籤役に対しては一つのサブフラグが割り当てられる。具体的には、図435に示すように、内部当籤役「F_チャンリプA」〜「F_W白CDリプ」(当籤番号「3」〜「10」)及び「F_共通ベル」〜「F_強チェリー」(当籤番号「23」〜「27」)に対しては、それぞれ、サブフラグ「チャンリプA」〜「W白CDリプ」(サブフラグ番号「2」〜「9」)及び「共通ベル」〜「強チェリー」(サブフラグ番号「11」〜「15」)が割り当てられる。
すなわち、本実施形態では、30種類の内部当籤役が、16種類のサブフラグに変換される。それゆえ、このようなサブフラグへの変換処理を行うことにより、出玉抽籤時に参照される抽籤フラグのデータ及び抽籤テーブルの容量を圧縮することができる。
(3)サブフラグと出玉フラグA,B,Cとの対応関係
次に、図436を参照して、サブフラグと出玉フラグA,B,Cとの対応関係について説明する。図436は、サブフラグを出玉フラグA,B,Cに変換する際の変換表である。なお、この変換表中の「出玉フラグ」欄に記載の数値は、各出玉フラグの出玉フラグ番号である。また、サブフラグの出玉フラグA,B,Cへの変換処理は、主制御基板71の制御により、後述の出玉状態の種別に関係なく、毎ゲームの遊技開始時で且つ内部抽籤後に行われる。
サブフラグ及び出玉フラグA間では、図431及び図436に示すように、サブフラグ「スイカ」及び「弱チェリー」(サブフラグ番号「13」及び「14」)は、出玉フラグA「弱レア役」(出玉フラグ番号「1」)にまとめられる。また、サブフラグ「チャンリプA」、「チャンリプB」、「強ベル」及び「強チェリー」(サブフラグ番号「2」、「3」、「12」及び「15」)は、出玉フラグA「強レア役」(出玉フラグ番号「2」)にまとめられる。なお、サブフラグ「SPチェリーリプ」(サブフラグ番号「4」)は、出玉フラグA「確定役」(出玉フラグ番号「3」)に割り当てられる。そして、サブフラグ「はずれ」、「通常リプ」及び「白Fリプ」〜「共通ベル」(サブフラグ番号「0」、「1」及び「5」〜「11」)は、出玉フラグA「はずれ」(出玉フラグ番号「0」)にまとめられる。
サブフラグ及び出玉フラグB間では、図432及び図436に示すように、サブフラグ「S白CUリプ」及び「S白CDリプ」(サブフラグ番号「6」及び「7」)は、出玉フラグB「S白揃い」(出玉フラグ番号「1」)にまとめられる。サブフラグ「W白CUリプ」及び「W白CDリプ」(サブフラグ番号「8」及び「9」)は、出玉フラグB「W白揃い」(出玉フラグ番号「2」)にまとめられる。サブフラグ「スイカ」及び「弱チェリー」(サブフラグ番号「13」及び「14」)は、出玉フラグB「弱レア役」(出玉フラグ番号「3」)にまとめられる。また、サブフラグ「チャンリプA」、「チャンリプB」、「強ベル」及び「強チェリー」(サブフラグ番号「2」、「3」、「12」及び「15」)は、出玉フラグB「強レア役」(出玉フラグ番号「4」)にまとめられる。なお、サブフラグ「SPチェリーリプ」(サブフラグ番号「4」)は、出玉フラグB「確定役」(出玉フラグ番号「5」)に割り当てられる。そして、サブフラグ「はずれ」、「通常リプ」、「白Fリプ」、「押し順ベル」及び「共通ベル」(サブフラグ番号「0」、「1」、「5」、「10」及び「11」)は、出玉フラグB「はずれ」(出玉フラグ番号「0」)にまとめられる。
サブフラグ及び出玉フラグC間では、図433及び図436に示すように、サブフラグ「通常リプ」及び「白Fリプ」〜「W白CDリプ」(サブフラグ番号「1」及び「5」〜「9」)は、出玉フラグC「通常リプ」(出玉フラグ番号「1」)にまとめられる。サブフラグ「押し順ベル」及び「共通ベル」(サブフラグ番号「10」及び「11」)は、出玉フラグC「ベル」(出玉フラグ番号「2」)にまとめられる。サブフラグ「チャンリプA」及び「チャンリプB」(サブフラグ番号「2」及び「3」)は、出玉フラグC「チャンス目」(出玉フラグ番号「5」)にまとめられる。なお、サブフラグ「はずれ」、「弱チェリー」、「スイカ」、「強チェリー」、「強ベル」及び「SPチェリーリプ」(サブフラグ番号「0」、「14」、「13」、「15」、「12」及び「4」)は、それぞれ、出玉フラグC「はずれ」、「弱チェリー」、「スイカ」、「強チェリー」、「強ベル」及び「確定役」(出玉フラグ番号「0」、「3」、「4」、「6」、「7」及び「8」)に割り当てられる。
上述のように、本実施形態では、16種類のサブフラグが、4種類の出玉フラグA、6種類の出玉フラグB及び9種類の出玉フラグCにそれぞれ変換される。それゆえ、このような出玉フラグの変換処理を行うことにより、出玉抽籤時に参照される抽籤フラグのデータ及び抽籤テーブルの容量をさらに圧縮することができる。
(4)出玉フラグCと出玉フラグSとの対応関係
本実施形態では、後述のAT状態中の所定の出玉状態(後述の「AT中通常状態」、「上乗せゾーンA」の1ゲーム目、「上乗せ特化ゾーン」、「BB状態」、「EPB状態」、「AT終了待機状態」)において、サブフラグが「はずれ」である場合には、遊技開始時に複数種のキャラクタから一つのキャラクタを選択可能なキャラ決定抽籤が行われる。そして、本実施形態では、出玉フラグCが、そのキャラ決定抽籤の抽籤結果(当籤/非当籤及び当籤時のキャラクタ種別)に応じた出玉フラグSに変換される。なお、この出玉フラグSへの変換処理は、主制御基板71(状態制御手段)の制御により行われる。
図437は、キャラ決定抽籤の抽籤結果の種別毎に規定された出玉フラグCと出玉フラグSとの対応関係を示す変換表である。なお、この変換表中の「キャラクタ」欄に記載の「なし」は、キャラ決定抽籤に非当籤であった場合を示し、「キャラクタ」欄に記載の「B」、「D」、「A」及び「E」は、それぞれ、キャラ決定抽籤で「キャラB」、「キャラD」、「キャラA」及び「キャラE」が決定された(当籤した)場合を示す。また、この変換表中の「キャラクタ」欄に記載の数値は、出玉フラグSの出玉フラグ番号である。
キャラ決定抽籤に非当籤であった場合には、図434及び図437に示すように、出玉フラグC「はずれ」〜「ベル」(出玉フラグ番号「0」〜「2」)は、出玉フラグS「下記以外(レア役以外)」(出玉フラグ番号「0」)にまとめられる。また、出玉フラグC「強チェリー」及び「強ベル」(出玉フラグ番号「6」及び「7」)は、出玉フラグS「強レア役」(出玉フラグ番号「4」)にまとめられる。なお、出玉フラグC「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」及び「確定役」(出玉フラグ番号「3」、「4」、「5」及び「8」)は、それぞれ、出玉フラグS「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」及び「確定役」(出玉フラグ番号「1」、「2」、「3」及び「5」)に割り当てられる。
キャラ決定抽籤でキャラBが決定された場合には、出玉フラグC「はずれ」及び「ベル」(出玉フラグ番号「0」及び「2」)は、出玉フラグS「下記以外(レア役以外)」(出玉フラグ番号「0」)にまとめられる。出玉フラグC「強チェリー」及び「強ベル」(出玉フラグ番号「6」及び「7」)は、出玉フラグS「強レア役」(出玉フラグ番号「4」)にまとめられる。また、出玉フラグC「チャンス目」及び「確定役」(出玉フラグ番号「5」及び「7」)は、出玉フラグS「確定役」(出玉フラグ番号「5」)にまとめられる。なお、出玉フラグC「弱チェリー」、「スイカ」及び「通常リプ」(出玉フラグ番号「3」、「4」及び「1」)は、それぞれ、出玉フラグS「弱チェリー」、「スイカ」及び「チャンス目」(出玉フラグ番号「1」、「2」及び「3」)に割り当てられる。
すなわち、キャラ決定抽籤でキャラBが決定された場合には、出玉フラグC「通常リプ」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「下記以外(レア役以外)」から「チャンス目」に昇格する。また、キャラ決定抽籤でキャラBが決定された場合には、出玉フラグC「チャンス目」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「チャンス目」から「確定役」に昇格する。
キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合には、出玉フラグC「はずれ」及び「通常ベル」(出玉フラグ番号「0」及び「1」)は、出玉フラグS「下記以外(レア役以外)」(出玉フラグ番号「0」)にまとめられる。出玉フラグC「ベル」及び「弱チェリー」(出玉フラグ番号「2」及び「3」)は、出玉フラグS「弱チェリー」(出玉フラグ番号「1」)にまとめられる。また、出玉フラグC「強ベル」及び「確定役」(出玉フラグ番号「7」及び「8」)は、出玉フラグS「確定役」(出玉フラグ番号「5」)にまとめられる。なお、出玉フラグC「スイカ」、「チャンス目」及び「強チェリー」(出玉フラグ番号「4」、「5」及び「6」)は、それぞれ、出玉フラグS「スイカ」、「チャンス目」及び「強レア役」(出玉フラグ番号「2」、「3」及び「4」)に割り当てられる。
すなわち、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合には、出玉フラグC「ベル」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「下記以外(レア役以外)」から「弱チェリー」に昇格する。また、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合には、出玉フラグC「強ベル」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「強レア役」から「確定役」に昇格する。
キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合には、出玉フラグC「はずれ」及び「チャンス目」(出玉フラグ番号「0」及び「5」)は、出玉フラグS「チャンス目」(出玉フラグ番号「3」)にまとめられる。また、出玉フラグC「強チェリー」、「強ベル」及び「確定役」(出玉フラグ番号「6」、「7」及び「8」)は、出玉フラグS「確定役」(出玉フラグ番号「5」)にまとめられる。なお、出玉フラグC「通常リプ」、「ベル」、「スイカ」及び「弱チェリー」(出玉フラグ番号「1」、「2」、「4」及び「3」)は、それぞれ、出玉フラグS「下記以外(レア役以外)」、「弱チェリー」、「スイカ」及び「強レア役」(出玉フラグ番号「0」、「1」、「2」及び「4」)に割り当てられる。
すなわち、キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合には、出玉フラグC「はずれ」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「下記以外(レア役以外)」から「チャンス目」に昇格する。キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合には、出玉フラグC「ベル」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「下記以外(レア役以外)」から「弱チェリー」に昇格する。キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合には、出玉フラグC「弱チェリー」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「弱チェリー」から「強レア役」に昇格する。また、キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合には、出玉フラグC「強チェリー」及び「強ベル」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「強レア役」から「確定役」に昇格する。
キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合には、出玉フラグC「はずれ」、「通常リプ」及び「ベル」(出玉フラグ番号「0」、「1」及び「2」)は、出玉フラグS「チャンス目」(出玉フラグ番号「3」)にまとめられる。出玉フラグC「弱チェリー」及び「スイカ」(出玉フラグ番号「3」及び「4」)は、出玉フラグS「強レア役」(出玉フラグ番号「4」)にまとめられる。また、出玉フラグC「チャンス目」、「強チェリー」、「強ベル」及び「確定役」(出玉フラグ番号「5」、「6」、「7」及び「8」)は、出玉フラグS「確定役」(出玉フラグ番号「5」)にまとめられる。
すなわち、キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合には、出玉フラグC「はずれ」、「通常リプ」及び「ベル」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「下記以外(レア役以外)」から「チャンス目」に昇格する。キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合には、出玉フラグC「弱チェリー」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「弱チェリー」から「強レア役」に昇格する。キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合には、出玉フラグC「スイカ」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「スイカ」から「強レア役」に昇格する。また、キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合には、出玉フラグC「チャンス目」、「強チェリー」及び「強ベル」に対応する出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時の「強レア役」から「確定役」に昇格する。それゆえ、キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合には、出玉フラグS「確定役」以外の全ての出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時のフラグより上位のフラグ(出玉抽籤において遊技者にとって有利な条件)に昇格する。
上述のように、本実施形態では、キャラ決定抽籤の抽籤結果に関係なく、9種類の出玉フラグCが、6種類の出玉フラグSに変換される。それゆえ、このような出玉フラグSへの変換処理を行うことにより、出玉抽籤時に参照される抽籤フラグのデータ及び抽籤テーブルの容量をさらに圧縮することができる。
また、上述のように、本実施形態では、キャラ決定抽籤に当籤した場合(キャラA、B、D及びEのいずれかが決定された場合)には、当籤したキャラクタ(以下、「当籤キャラ」という)に応じた出玉フラグSの昇格ルールにより出玉フラグSが上位のフラグに昇格する。そして、キャラ決定抽籤に当籤した場合には、後述するように、当該当籤ゲームの次ゲームから所定期間(3G、5G等)に亘って、出玉フラグSに対して当籤キャラに応じた昇格ルールが適用される。
それゆえ、後述のAT状態中の所定の出玉状態(後述の「AT中通常状態」、「上乗せゾーンA」の1ゲーム目、「上乗せ特化ゾーン」、「BB状態」、「EPB状態」、「AT終了待機状態」)において、キャラ決定抽籤に当籤した場合には、所定期間(3G、5G等)に亘って、遊技者にとってより有利な状態(特別状態)が発生する。なお、キャラ当籤時には、出玉フラグSは昇格するが、当籤役(当籤フラグ)、サブフラグ及び出玉フラグA,B,Cは昇格しないので、これらのフラグを用いた出玉抽籤では、キャラ当籤による恩恵は得られない。
(5)出玉フラグS昇格時の報知機能
上述のように、キャラ決定抽籤に当籤してキャラクタの種別が決定された場合には、当籤キャラの種別に応じた昇格ルールに従って、出玉フラグSが、キャラ決定抽籤に非当籤時のフラグより上位のフラグに昇格する。そして、本実施形態のパチスロ機1では、出玉フラグSが昇格した場合には、そのことを報知する機能を備える。ここでは、出玉フラグS昇格時の報知機能の概要を説明する。なお、出玉フラグS昇格時の演出(後述のフラグ昇格報知演出)の具体例については、後で詳述する。
図438は、本実施形態のパチスロ機1の前扉(上ドア62a)の概略構成図である。本実施形態では、キャビネット61の前扉(上ドア62a)において、表示ユニット100と表示窓4との間に、横一列で配置された5つのランプ(Aランプ300a〜Eランプ300e)を設け、その5つのランプを用いて、出玉フラグSが昇格したことを報知する。
Aランプ300a、Bランプ300a、Dランプ300a及びEランプ300eは、上述したキャラ決定抽籤で決定可能なキャラA、キャラB、キャラD及びキャラEにそれぞれ対応付けられている。なお、Aランプ300a〜Eランプ300eの点灯/消灯(非点灯)動作は、副制御基板72(サブ側)により制御される。
キャラ決定抽籤でキャラクタの種別が決定された場合(キャラ決定抽籤に当籤した場合)には、当該決定ゲームの次ゲームの開始時(ベット時)から当籤キャラに対応するランプが点灯する。なお、キャラ決定抽籤に当籤した場合には、当該当籤ゲームの次ゲームから所定期間(3G、5G等)に亘って当籤キャラに応じた出玉フラグSが昇格するので、当籤キャラに対応するランプも所定期間、点灯する。例えば、キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合には、次ゲームの開始時(ベット時)から所定期間に亘ってAランプ300aが点灯する。
また、所定のランプの点灯期間中に、キャラ決定抽籤が行われ、所定のランプ以外のランプに対応するキャラが決定された場合には、次ゲーム(所定のランプの点灯期間内とする)において、当該当籤キャラに対応するランプと既に点灯中の所定のランプとが重複点灯する。例えば、Bランプ300bの点灯期間中に、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合には、次ゲーム(Bランプ300bの点灯期間内とする)の開始時(ベット時)に、Dランプ300dの点灯が開始され、Bランプ300b及びDランプ300dが重複点灯した状態となる。
なお、Cランプ300cは、特定の条件が成立した場合に点灯する。具体的には、所定のランプの点灯期間中に、後述する上乗せゾーンAの1ゲーム目でキャラ決定抽籤が行われ、且つ、当該抽籤で所定のランプに対応するキャラと同一のキャラが決定された場合(同一ランプの重複点灯条件が成立した場合)に、次ゲームの開始時に所定のランプとともにCランプ300cが重複点灯する。
ここで、図439に、点灯ランプの種別(当籤キャラの種別)と当籤役の昇格内容との対応関係(昇格ルール)をまとめた図を示す。なお、図439では、「昇格ルール」の内容をイメージし易くするために、図439中に記載の役の名称を、遊技機の業界で一般的に使用される役名称で記載する。それゆえ、図439中に記載の役の名称は、出玉フラグCや出玉フラグSの名称と必ずしも一致するものではない。
Aランプ300aの点灯時には、図439に示すように、「ベル」に係る役が「弱チェリー」に係る役に昇格し、「はずれ」が「チャンス目」に係る役に昇格し、「弱チェリー」(第1役)に係る役が「強チェリー」(第2役)に係る役に昇格し、「強チェリー」に係る役が「確定役」に係る役に昇格する。Bランプ300bの点灯時には、「リプレイ」に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格し、「チャンス目」に係る役が「確定役」に係る役に昇格する。
Dランプ300dの点灯時には、「ベル」に係る役が「弱チェリー」に係る役に昇格し、「強ベル」に係る役が「確定役」に係る役に昇格する。また、Eランプ300eの点灯時には、レア役以外に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格し、「弱レア役」に係る役が「強チェリー」に係る役に昇格し、「強レア役」に係る役が「確定役」に係る役に昇格する。
なお、キャラ決定抽籤に当籤して、当籤キャラに対応するランプが点灯している期間(出玉フラグSの昇格期間)中に、後述の出玉状態が移行する場合には、基本的には、移行後の出玉状態(エンディング状態を除く)においてもそのランプ点灯状態(出玉フラグSの昇格状態:特別状態)が継続して維持される。
(6)出玉フラグS昇格時の報知演出の各種変形例
次に、出玉フラグSの昇格機能の作動時に行われる報知演出の各種変形例を説明する。例えば、1つ以上のランプが点灯している状態において、出玉フラグSの昇格機能に対応する内部当籤役(昇格対象の内部当籤役)に当籤した場合にその旨を報知する演出(昇格機能対応役当籤演出)を行ってもよい。例えば、Aランプ300aの点灯中(図439参照)に、「ベル」、「はずれ」、「弱チェリー」及び「強チェリー」のいずれかに係る役に当籤した場合に、スタートレバー6の操作直後に所定の確率で、特殊スタート音(例えば、「変換チャンス!」といった音声等)を発生させる演出やAランプ300aが点滅する演出などを行ったり、リールの回転開始をわずかに遅延させるショートフリーズ演出などを発生させたりしてもよい。これらの昇格機能対応役当籤演出は、メイン側(主制御基板71)でのフリーズ演出で行ってもよいし、サブ側(副制御基板72)での画像、音、ランプ等の演出により行ってもよいし、両者での演出を組合せもよい。このような昇格機能対応役当籤演出を設けることにより、例えば、遊技者に対してタイミングよく当籤役を引けたという満足感を与えることができる。
なお、ランプ点灯中に、出玉フラグSの昇格機能に非対応の内部当籤役が当籤した場合であっても、特典付与の期待度が高いレア役(例えば、Aランプ300aの点灯中では「チャンス目」に係る役等)に当籤した場合には、昇格機能対応役当籤演出と同様の演出を行ってよい。すなわち、昇格機能対応役当籤演出を、昇格機能対応役、又は、特典付与の期待度が高い役の当籤を示唆するチャンス演出としてもよい。
さらに、ランプ点灯中のメインリール(リール3L、3C、3R)のバックライト演出において、変換後(昇格後)の当籤役に応じた演出を出現させ、遊技者に変換というゲーム性を印象づけるような示唆演出又は報知演出を行ってもよい。例えば、Aランプ300aの点灯中に「弱チェリー」に係る役に当籤したゲームでは、昇格後の役である「強チェリー」に係る役に対応するバックライト演出(フラッシュ演出)を出現させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、出玉フラグS(当籤役)の昇格機能(昇格状態、フラグ変換状態)の報知手段としてA〜Eランプを用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されず、ランプ以外の演出手段(演出機能)により、昇格機能の報知手段を構成してもよい。例えば、ランプを用いずに表示ユニット100、第1サブ表示装置201等に所定の画像を表示することにより、昇格状態を報知する構成にしてもよい。
(7)出玉フラグSの昇格機能及びその報知機能による効果
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉抽籤に用いる抽籤フラグとして、内部当籤役(当籤フラグ)以外に、5種類の抽籤フラグ(サブフラグ、出玉フラグA,B,C,S)を用いる。さらに、本実施形態では、キャラ決定抽籤の結果に基づいて、実質、当籤役を、遊技者にとって有利となる上位の役に昇格可能とする機能も備える。それゆえ、本実施形態では、特典付与(出玉制御)に係るデータ量の軽減を図りつつ、特典付与のバリエーションを増やすことができる。さらに、本実施形態では、キャラ決定抽籤の結果、すなわち、出玉フラグSの昇格の有無がランプの点灯/非点灯により報知されるので、キャラ結果抽籤及びその結果の報知演出に対して遊技者の興趣を高めることができる。
〔出玉制御ビット〕
本実施形態では、後述の各種出玉抽籤を実行するか否か(抽籤実行条件)を判定するための「出玉制御ビット」と称するパラメータも設けられる。出玉制御ビットは、8ビット(1バイト)のデータで構成され、各ビット(ビット7〜ビット0)において対応する出玉抽籤の抽籤実行条件の成立の有無がセットされる。
図440は、出玉制御ビットの各ビットに割り当てられた出玉抽籤の種別と、決定されているサブフラグに応じて各ビットにセットされる値との関係を示す図である。
出玉制御ビットのビット7(通常リプ)は、例えば、後述の通常中状態(有利区間)において後述の通常中解除G(ゲーム)数抽籤1の実行条件(サブフラグが「通常リプ」であること)が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「通常リプ」である場合にはビット7に「1」がセットされ、サブフラグが「通常リプ」以外である場合にはビット7に「0」がセットされる。そして、後述の通常中解除G数抽籤1の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット7が「1」であれば、後述の通常中解除G数抽籤1の実行条件が成立していると判定され、後述の通常中解除G数抽籤1が行われる。一方、後述の通常中解除G数抽籤1の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット7が「0」であれば、後述の通常中解除G数抽籤1の実行条件が成立していないと判定され、後述の通常中解除G数抽籤1は行われない。
出玉制御ビットのビット6(SPチェリー)は、例えば、後述の通常中状態において後述のロングフーズ抽籤の実行条件(サブフラグが「SPチェリーリプ」であること)が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「SPチェリーリプ」である場合にはビット6に「1」がセットされ、サブフラグが「SPチェリーリプ」以外である場合にはビット6に「0」がセットされる。そして、後述のロングフーズ抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット6が「1」であれば、後述のロングフーズ抽籤の実行条件が成立していると判定され、後述のロングフーズ抽籤が実行される。一方、後述のロングフーズ抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット6が「0」であれば、後述のロングフーズ抽籤の実行条件が成立していないと判定され、後述のロングフーズ抽籤は行われない。
出玉制御ビットのビット5(有利区間)は、例えば、後述の通常中状態(非有利区間)で後述の有利区間移行抽籤の実行条件(サブフラグが「はずれ」、「通常リプ」以外であること)が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「はずれ」又は「通常リプ」である場合にはビット5に「0」がセットされ、サブフラグが「はずれ」、「通常リプ」以外である場合にはビット5に「1」がセットされる。そして、後述の有利区間移行抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット5が「1」であれば、後述の有利区間移行抽籤の実行条件が成立していると判定され、後述の有利区間移行抽籤が行われる。一方、後述の有利区間移行抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット5が「0」であれば、後述の有利区間移行抽籤の実行条件が成立していないと判定され、後述の有利区間移行抽籤は行われない。
出玉制御ビットのビット4(STR)は、例えば、後述のSTRポイント加算抽籤の実行条件(後述の図480中の抽籤契機「強レア役スルー」(契機IDX3)の当籤条件)の一つである、サブフラグが「チャンリプA」、「チャンリプB」、「強ベル」又は「強チェリー」であること、が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「チャンリプA」、「チャンリプB」、「強ベル」又は「強チェリー」である場合にはビット4に「1」がセットされ、サブフラグが「チャンリプA」、「チャンリプB」、「強ベル」、「強チェリー」以外である場合にはビット4に「0」がセットされる。そして、後述のSTRポイント加算抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット4が「1」であれば、後述のSTRポイント加算抽籤の実行条件の一つが成立していると判定され、出玉制御ビットのビット4が「0」であれば、後述のSTRポイント加算抽籤の実行条件が成立していないと判定される。
出玉制御ビットのビット3(スイカ)は、例えば、後述の通常中状態での通常中CZ(CZEX)初当り抽籤の実行条件の一つである、サブフラグが「スイカ」であること、が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「スイカ」である場合にはビット3に「1」がセットされ、サブフラグが「スイカ」以外である場合にはビット3に「0」がセットされる。そして、後述の通常中CZ(CZEX)初当り抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット3が「1」であれば、後述の通常中CZ(CZEX)初当り抽籤の実行条件の一つが成立していると判定され、出玉制御ビットのビット3が「0」であれば、後述の通常中CZ(CZEX)初当り抽籤の実行条件が成立していないと判定される。
出玉制御ビットのビット2(押ベル)は、例えば、後述のAT中通常状態での後述のフリーズ抽籤の実行条件(サブフラグが「押し順ベル」であること)が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「押し順ベル」である場合にはビット2に「1」がセットされ、サブフラグが「押し順ベル」以外である場合にはビット2に「0」がセットされる。そして、後述のフリーズ抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット2が「1」であれば、後述のフリーズ抽籤の実行条件が成立していると判定され、後述のフリーズ抽籤が行われる。一方、後述のフリーズ抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット2が「0」であれば、後述のフリーズ抽籤の実行条件が成立していないと判定され、後述のフリーズ抽籤は行われない。
出玉制御ビットのビット1(CI(カットイン)減算)は、例えば、後述の通常中状態での後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件の一つである、サブフラグが「CI減算役」(「はずれ」、「白Fリプ」、「共通ベル」)であること、が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「はずれ」、「白Fリプ」及び「共通ベル」のいずれかである場合にはビット1に「1」がセットされ、サブフラグが「CI減算役」以外である場合にはビット1に「0」がセットされる。そして、後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット1が「1」であれば、後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件の一つが成立していると判定され、出玉制御ビットのビット1が「0」であれば、後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件が成立していないと判定される。
出玉制御ビットのビット0(弱チェ)は、例えば、後述の通常中状態での後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件の一つである、サブフラグが「弱チェリー」であること、が成立しているか否かを判定する際に参照されるビットである。図440に示すように、サブフラグが「弱チェリー」である場合にはビット0に「1」がセットされ、サブフラグが「弱チェリー」以外である場合にはビット0に「0」がセットされる。そして、後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件の成立の有無を判定する際に、出玉制御ビットのビット0が「1」であれば、後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件の一つが成立していると判定され、出玉制御ビットのビット0が「0」であれば、後述のレア役解除モード高確保証G数抽籤の実行条件が成立していないと判定される。
このような出玉制御ビットを設けた場合、出玉制御に係る複数種の抽籤処理に対して、その実行条件の判定データを共通のデータで構成することができるので、判定データの容量を削減することが可能なる。また、このような出玉制御ビットを設けた場合、所定ビットの値に応じて所定の出玉抽籤の抽籤実行条件が成立していないと判定された場合には、その所定の出玉抽籤を行わないので、余計な抽籤処理等を行う必要が無くなり、メイン側で行われる出玉制御に関する処理の効率を向上させることができる。
〔主制御回路で管理する各種出玉状態〕
本実施形態のパチスロ機1は、2枚BBフラグ間状態(RT1状態)において、AT機能が作動可能な遊技機であり、AT機能の作動の有無は、主制御基板71(メインCPU31)により決定される。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、出玉性能(特典付与性能)に直接影響を与えるAT機能の作動/非作動を主制御基板71(メインCPU31)で管理する。それゆえ、主制御基板71(遊技制御手段、特定遊技状態制御手段)は、遊技状態として、出玉性能(遊技価値の払出性能)に関与する状態(以下、「出玉状態」という)も管理する。
まず、図441を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により管理される出玉状態の種別について説明する。図441は、本実施形態のパチスロ機1における出玉状態間の遷移フロー(遊技フロー)の概要を示す図である。なお、出玉状態間の遷移フロー及び移行条件の詳細については、後で詳述する。
本実施形態のパチスロ機1において、主制御基板71(メインCPU31)が主に管理する出玉状態は、大きく分類すると、図441に示すように、AT機能が作動しない「非AT状態」と称する出玉状態と、AT機能が作動する「AT状態」と称する出玉状態である。
非AT状態内では、「通常中状態(非有利区間)」、「通常中状態(有利区間)」、「通常中CZ(チャンスゾーン)状態」及び「通常中CZEX状態」と称する4種類の出玉状態が管理される。
一方、AT状態(特定遊技状態)内では、「AT中通常状態」、「AT中CZ状態」、「上乗せゾーン」、「上乗せ特化ゾーン」、「BB状態」、「EPB状態」、「EXB状態」、「エンディング状態」及び「AT終了待機状態」と称する9種類の出玉状態が管理される。なお、AT状態の各出玉状態において、押し順ベルに係る内部当籤役(「F_123ベル1」(当籤番号12)〜「F_321ベル2」(当籤番号23)のいずれか)に当籤した場合には、AT機能により、当籤した押し順ベルの種別に対応するストップボタンの押し順(リールの停止順序)に関する情報が報知され、その報知情報に従って停止操作を行うと、遊技価値の払出数が「7」のベル役(7枚ベル)が入賞する。
「上乗せゾーン」、「上乗せ特化ゾーン」、「BB状態」、「EPB状態」及び「EXB状態」では、主に、差枚数で管理される「AT中通常状態」の遊技期間を延長させるための上乗せ遊技(残り差枚数の上乗せ決定遊技)が行われる。なお、「BB」、「EPB」及び「EXB」はいずれも、擬似ボーナスである。
「AT終了待機状態」は、「AT中通常状態」の終了時に行われ、「AT終了待機状態」では、AT作動遊技を終了するか否かが決定される。また、「エンディング状態」は、規則上の有利区間の終了条件が近づくまでAT状態に滞在できた場合に移行(到達)する出玉状態であり、「エンディング状態」では、有利区間完走を目指すような遊技が行われる。
なお、本実施形態では、出玉制御に係る抽籤(AT抽籤、上乗せ抽籤等)が行われない通常中状態(非有利区間)以外の出玉状態で遊技が行われる遊技期間を有利区間(特定遊技状態)とする。また、以下に説明する各出玉状態では、3ベット時(遊技価値の掛け数が「3」であるとき)及び2ベット時(遊技価値の掛け数が「2」であるとき)のいずれにおいても遊技可能であるが、各出玉状態での各種抽籤は、2枚BBフラグ間状態(RT1状態)で且つ3ベット時には行われるが、2ベット時には行われない(後述の図487参照)。
〔通常中状態(非有利区間)〕
次に、通常中状態(非有利区間)の遊技で行われる各種抽籤について説明する。なお、通常中状態(非有利区間)に限らず、以下に説明する各出玉状態における各種抽籤処理は、主制御基板71(メインCPU31)で行われる。
(1)有利区間移行抽籤
通常中状態(非有利区間)では、主に、毎ゲームの開始時(遊技開始時)に、通常中状態(有利区間)への移行抽籤(有利区間移行抽籤)が行われる。有利区間移行抽籤は、サブフラグが「はずれ」、「通常リプ」以外(内部当籤役が「はずれ」、「F_リプA」及び「F_リプB」以外)であるゲーム(単位遊技)の開始時に行われ、この移行抽籤では、移行する通常中状態(有利区間)でのモード(通常中モード0〜5のいずれか)が決定される。すなわち、通常中状態(非有利区間)の遊技において、サブフラグが「はずれ」、「通常リプ」以外である場合には通常中状態(有利区間)への移行が確定する。なお、通常中状態(有利区間)への移行抽籤を行うか否かの判断は、出玉制御ビットのビット5の値に基づいて行われ、出玉制御ビットのビット5の値が「1」であれば、当該移行抽籤を行う。
(2)ロングフリーズ抽籤
本実施形態のパチスロ機1では、通常中状態(非有利区間)及び通常中状態(有利区間)において、サブフラグが「SPチェリーリプ」となった場合(内部当籤役「F_SPチェリーリプ」が決定された場合)には、ロングフリーズ抽籤が行われる。そして、ロングフリーズ抽籤に当籤した場合には、AT状態(EXB状態)への移行が確定する。ただし、通常中状態(非有利区間)及び通常中状態(有利区間)において、内部当籤役「F_SPチェリーリプ」に当籤する確率は4/65536であり、非常に低い確率となる(図420の内部当籤役抽籤テーブル(RT1中2枚BBフラグ間:3ベット時)参照)。
通常中状態(非有利区間)では、通常中状態(有利区間)への移行抽籤に当籤し(移行抽籤が行われ)、且つ、サブフラグが「SPチェリーリプ」である場合には、当該条件を満たしたゲームの開始時に、ロングフリーズ抽籤が行われる。
ここで、図442に、ロングフリーズ抽籤テーブルの一例を示す。なお、図442のロングフリーズ抽籤テーブルでは、説明の便宜上、通常中状態(非有利区間)だけでなく、通常中状態(有利区間)で参照される抽籤テーブルも合わせ示す。通常中状態(非有利区間)でのロングフリーズ抽籤テーブルでは、必ず、ロングフリーズに当籤し、次ゲームでロングフリーズ(ロングフリーズ演出)が行われ、その後、EXB状態に移行してAT遊技が開始される。すなわち、通常中状態(非有利区間)において、サブフラグが「SPチェリーリプ」となった場合には、必ず、AT状態(EXB状態)への移行が確定する。
なお、本実施形態では、通常中状態(非有利区間)においてAT状態(EXB状態)への移行が確定したことを、メイン側(主制御基板71)で制御するロングフリーズにより報知する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、サブ側(副制御基板72)の制御により、AT状態(EXB状態)への移行が確定したことを報知可能な特別な演出を行ってもよいし、メイン側で制御するロングフリーズの期間内に、サブ側の制御により特別な演出を行ってもよい。
(3)レア役解除モード高確保証G数抽籤
通常中状態(非有利区間)では、通常中状態(有利区間)への移行抽籤に当籤した場合に、通常中状態(有利区間)のAT初当り抽籤での参照パラメータの一つとなるレア役解除モードを「通常」から「高確」に移行するか否か、及び、移行当籤時の高確保証G(ゲーム)数の加算数(10G又は20G)を決定するレア役解除モード高確保証G数抽籤が行われる。
通常中状態(非有利区間)中のレア役解除モード高確保証G数抽籤において、サブフラグが「弱チェリー」である(出玉制御ビットのビット0の値が「1」である)場合には、高確保証G数の加算数として「10G」が決定される。また、通常中状態(非有利区間)中のレア役解除モード高確保証G数抽籤において、サブフラグがCI減算役(「はずれ」、「白Fリプ」又は「共通ベル」)である場合(出玉制御ビットのビット1の値が「1」である場合)、並びに、サブフラグがCI減算役及び「弱チェリー」以外である場合には、レア役解除モード高確保証G数抽籤の「非当籤」、高確保証G数の加算数「10G」、及び、高確保証G数の加算数「20G」のいずれかが決定される。
(4)AT初当り抽籤
通常中状態(非有利区間)において、通常中状態(有利区間)への移行抽籤に当籤し(移行抽籤が行われ)、ロングフリーズ抽籤に当籤しなかった(サブフラグが「SPチェリーリプ」でなかった)場合には、当該条件を満たしたゲームの開始時に、AT初当り抽籤が行われる。通常中状態(非有利区間)中のAT初当り抽籤では、設定に関係なく、出玉フラグSが「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」のいずれかである場合には、AT移行が決定される可能性がある。
(5)通常中CZ(CZEX)初当り抽籤及び通常中CZ(CZEX)振り分け抽籤
通常中状態(非有利区間)において、通常中状態(有利区間)への移行抽籤に当籤し(移行抽籤が行われ)、サブフラグが「スイカ」である(出玉制御ビットのビット3の値が「1」である)場合には、通常中CZ(CZEX)初当り抽籤が行われる。
また、通常中状態(非有利区間)において、通常中CZ(CZEX)初当り抽籤に当籤した場合には、当該ゲームの開始時に、通常中CZ及び通常中CZEXのいずれに初当り(当籤)であるかを決定するための通常中CZ(CZEX)振り分け抽籤が行われる。
(6)前兆G数抽籤
通常中状態(非有利区間)において、AT初当り抽籤及び/又は通常中CZ(CZEX)初当り抽籤に当籤し(ATや通常中CZ(CZEX)の初当り時)、サブフラグが「SPチェリーリプ」以外である場合(出玉制御ビットのビット6が「0」である場合)であり、且つ、通常中解除G数が「0」になったゲームの第3停止時には、前兆G(ゲーム)数抽籤が行われる。なお、通常中解除G数は、通常中状態(有利区間)が解除されるまでのゲーム数である。
前兆G数抽籤では、5G、9G、14G、19G、24G、29G及び34Gのいずれかのゲーム数が決定され、当該抽籤結果に「0」〜「4」のいずれかの値をランダムで加算した値が前兆G数として決定される。例えば、前兆G数抽籤の抽籤結果が5Gであり、ランダム値が「3」である場合には、前兆G数は8G(5+3)となる。なお、サブフラグが「SPチェリーリプ」である場合(出玉制御ビットのビット6が「1」である場合)には、前兆G数抽籤を行わずに、前兆G数として2Gが設定される。
〔通常中状態(有利区間)〕
次に、通常中状態(有利区間)の遊技で行われる各種抽籤について説明する。
(1)ロングフリーズ抽籤等
通常中状態(有利区間)では、通常中状態(非有利区間)と同様に、毎ゲームの開始時(遊技開始時)に、内部当籤役(サブフラグ、出玉フラグ)、出玉抽籤の抽籤結果等に応じて、ロングフリーズ抽籤、レア役解除モード高確保証G数抽籤、AT初当り抽籤、通常中CZ(CZEX)初当り抽籤、通常中CZ(CZEX)振り分け抽籤、及び、前兆G数抽籤が行われる。
通常中状態(有利区間)において、サブフラグが「SPチェリーリプ」である場合には、図442のロングフリーズ抽籤テーブルを参照して、ロングフリーズ抽籤行われる。ロングフリーズ抽籤時に、通常中状態(有利区間)で、且つ、通常中CZ(CZEX)又はATの前兆G数がセットされていない場合には、32/256の確率でロングフリーズに当籤し、224/256の確率でロングフリーズに非当籤となる。一方、通常中状態(有利区間)で、且つ、通常中CZ(CZEX)又はATの前兆G数がセットされている場合には、必ずロングフリーズに当籤する。そして、通常中状態(有利区間)において、ロングフリーズ抽籤に当籤した時には、EXB状態への移行が確定する。
通常中状態(有利区間)においてロングフリーズ抽籤に当籤した時には、次ゲームでロングフリーズ(ロングフリーズ演出)が行われ、その後、EXB状態に移行してAT遊技が開始される。一方、ロングフリーズが非当籤であった場合には、ロングフリーズ(ロングフリーズ演出)は発生せず、次ゲームでは現在滞在中の出玉状態でゲームが行われる(出玉状態の移行は無し)。
なお、本実施形態では、通常中状態(有利区間)においてEXB状態への移行が確定したことを、メイン側(主制御基板71)で制御するロングフリーズにより報知する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、サブ側(副制御基板72)の制御により、EXB状態への移行が確定したことを報知可能な特別な演出を行ってもよいし、メイン側で制御するロングフリーズの期間内に、サブ側の制御により特別な演出を行ってもよい。
また、本実施形態では、通常中状態(有利区間)及び通常中状態(非有利区間)において、サブフラグが「SPチェリーリプ」である場合にのみ、ロングフリーズ抽籤を行う例を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、AT中通常状態においても、サブフラグが「SPチェリーリプ」である場合には、ロングフリーズ抽籤を行うようにしてもよい。そして、AT中通常状態において、ロングフリーズ抽籤に当籤した時にも、次ゲームでロングフリーズ(ロングフリーズ演出)を行い、その後、EXB状態に移行してEXB状態の遊技を開始するようにしてもよい。また、この場合にも、EXB状態への移行が確定したことを、メイン側(主制御基板71)で制御するロングフリーズにより報知する代わりに、例えば、サブ側(副制御基板72)の制御により、特別な演出を行いEXB状態への移行が確定したことを報知してもよいし、メイン側で制御するロングフリーズの期間内に、サブ側の制御により特別な演出を行ってもよい。
通常中状態(有利区間)中に行われるレア役解除モード高確保証G数抽籤では、サブフラグが「弱チェリー」である(出玉制御ビットのビット0の値が「1」である)場合に、レア役解除モード高確保証G数抽籤の「非当籤」、高確保証G数の加算数「10G」、及び、高確保証G数の加算数「20G」のいずれかが決定される。通常中状態(有利区間)中に行われるレア役解除モード高確保証G数抽籤では、サブフラグがCI減算役(「はずれ」、「白Fリプ」又は「共通ベル」)である場合(出玉制御ビットのビット1の値が「1」である場合)に、レア役解除モード高確保証G数抽籤の「非当籤」、又は、高確保証G数の加算数「20G」が決定される。また、通常中状態(非有利区間)中に行われるレア役解除モード高確保証G数抽籤では、サブフラグがCI減算役及び「弱チェリー」以外である場合に、レア役解除モード高確保証G数抽籤の「非当籤」が必ず決定される。
なお、通常中状態(有利区間)において、通常中CZ(CZEX)初当り抽籤に当籤し、通常中CZ(CZEX)振り分け抽籤で通常中CZEX状態が決定された場合には、通常中CZEX状態の遊技期間の終了後にAT状態への移行が確定する。
(2)通常中解除G数抽籤1、2
通常中状態(有利区間)において、サブフラグが「通常リプ」である場合には、当該条件を満たしたゲームの開始時に、通常中解除G数の基本ゲーム数の100の位の値を決定するための通常中解除G数抽籤1が行われる。この通常中解除G数抽籤1では、通常中解除G数の基本ゲーム数の100の位の値として「0」〜「6」のいずれかが決定される。
なお、通常中解除G数の基本ゲーム数の100の位の各値(抽籤結果)の決定確率は、通常中状態(有利区間)のモード(通常中モード0〜5のいずれか)に応じて変化する。また、通常中状態(有利区間)で通常中解除G数抽籤1が1回行われた場合には、その後、当該通常中状態(有利区間)中において通常中解除G数抽籤1の抽籤条件が成立しても、通常中解除G数抽籤1は行われない。
また、通常中状態(有利区間)において、通常中解除G数抽籤1が行われた場合には、当該抽籤後で且つゲームの開始時に、通常中解除G数の基本ゲーム数の下2桁(10の位及び1の位)の値を決定するための通常中解除G数抽籤2が行われる。この通常中解除G数抽籤2では、通常中解除G数の基本ゲーム数の下2桁の基本値として「0」、「20」、「40」、「60」及び「80」のいずれかが決定される。そして、決定された基本値に「0」〜「19」のいずれかの値をランダムで加算した値が通常中解除G数の基本ゲーム数の下2桁の値として決定される。
そして、本実施形態では、通常中解除G数抽籤1、2の抽籤結果(基本ゲーム数)にランダム値を加算した値から、現在の通常中はまりG数を減算した値を通常中解除G数として決定する。例えば、通常中解除G数抽籤1の抽籤結果が「2」(200G)であり、通常中解除G数抽籤2の抽籤結果(基本値)が「40」であり、ランダム値が「15」であり、現在の通常中はまりG数が20Gである場合には、通常中解除G数として235G(=200+40+15−20)が決定される。通常中解除G数の算出結果がマイナスの値になる場合には、通常中解除G数が「0」になった場合の処理が実行される。
なお、通常中はまりG数は、非AT状態(通常中状態及び通常中CZ(CZEX)状態)に連続して滞在しているゲーム数である。通常中はまりG数は、通常中状態(有利区間)に移行した時から計数が開始され、AT移行時まで毎ゲーム1加算され、通常中状態(非有利区間)に移行した時にクリアされる。また、本実施形態では、通常中はまりG数の天井G数(上限値)は700Gである。
(3)レア役解除モード転落抽籤
通常中状態(有利区間)では、高確保証G数が「0」になり、且つ、サブフラグ「押し順ベル」である(出玉制御ビットのビット2が「2」である場合)には、レア役解除モードを「高確」から「通常」に移行(転落)するか否かを決定するレア役解除モード転落抽籤が行われる。
〔通常中CZ状態〕
次に、通常中CZ状態の遊技で行われる各種抽籤について説明する。
(1)通常中CZ中抽籤(AT初当り抽籤)
通常中CZ状態では、毎ゲームの遊技開始時に、内部当籤役(出玉フラグB)に応じて、ATの初当り抽籤(通常中CZ中抽籤)が行われる。通常中CZ中抽籤では、出玉フラグB(図432参照)に応じて、抽籤結果として、「非当籤」、「通常中ATへの移行」、「通常中ATへの移行+EPBの付与(ストック)」、並びに、「通常中ATへの移行+EPBの付与(ストック)+上乗せ特化ゾーンCの付与(ストック)」のいずれかが決定される。
本実施形態では、通常中CZ中抽籤において、出玉フラグBが図432中の「下記以外」又は「弱レア役」である場合には、抽籤結果として、「非当籤」が必ず決定される。通常中CZ中抽籤において、出玉フラグBが「W白揃い」又は「確定役」である場合には、抽籤結果として、「通常中ATへの移行+EPBの付与+上乗せ特化ゾーンCの付与」が必ず決定される。また、通常中CZ中抽籤において、出玉フラグBが「S白揃い」又は「強レア役」である場合には、抽籤結果として、「非当籤」、「通常中ATへの移行」、「通常中ATへの移行+EPBの付与」、並びに、「通常中ATへの移行+EPBの付与+上乗せ特化ゾーンCの付与」のいずれかが決定される。
なお、通常中CZ中抽籤において、「通常中ATへの移行」に当籤した場合には、次ゲームからAT中通常状態の遊技が開始される。また、通常中CZ中抽籤において、「通常中ATへの移行+EPBの付与」、又は、「通常中ATへの移行+EPBの付与+上乗せ特化ゾーンCの付与」に当籤した場合には、次ゲームからEPB状態の遊技が開始される。
(2)通常中CZ中保証CI上乗せ抽籤
本実施形態では、通常中CZ状態の遊技期間は、保証CI(カットイン)回数と称するパラメータに基づいて管理される。通常中CZ状態の遊技期間の開始時には、保証CI回数の初期値として、「3」がセットされる。その後、保証CI回数は、サブフラグが「はずれ」、「白Fリプ」及び「共通ベル」のいずれかである場合に、1減算される。そして、保証CI回数が「0」になれば、当該ゲームで通常中CZ状態の遊技期間が終了し、出玉状態が通常中状態(有利区間)に移行する。
なお、本実施形態では、通常中CZ状態の遊技期間の最大値(天井G数)として「30G」が設定されており、保証CI回数が「1」以上であっても、通常中CZ状態の遊技期間が天井G数に到達すれば、通常中CZ状態は終了する。また、本実施形態では、通常中CZ状態中に通常中解除G数が「0」になれば、当該ゲームで通常中CZ状態の遊技期間が終了し、出玉状態がAT中通常状態に移行する。
そして、通常中CZ状態では、毎ゲームの遊技開始時に、内部当籤役(出玉フラグA)に応じて、保証CI回数の上乗せ抽籤(通常中CZ中保証CI上乗せ抽籤)が行われる。通常中CZ中保証CI上乗せ抽籤に当籤した場合には、保証CI回数に「1」が加算される。
なお、本実施形態では、通常中CZ中保証CI上乗せ抽籤において、出玉フラグAが図431中の「下記以外」又は「確定役」である場合には、抽籤結果として、「非当籤」が必ず決定される。また、通常中CZ中保証CI上乗せ抽籤において、出玉フラグAが「弱レア役」である場合には、抽籤結果として、「非当籤」及び「当籤」の一方が決定され、出玉フラグAが「強レア役」である場合には、抽籤結果として、「当籤」が必ず決定され、出玉フラグAが「確定役」である場合には、抽籤結果として、「非当籤」が必ず決定される。
〔通常中CZEX状態〕
通常中CZEX状態は、最大10ゲームの期間に亘って行われる。そして、通常中CZEX状態では、毎ゲームの遊技開始時に、内部当籤役(出玉フラグB)に応じて、ATの初当り抽籤(通常中CZEX中抽籤)が行われる。通常中CZEX中抽籤では、出玉フラグBに応じて、抽籤結果として、「非当籤」、「通常中ATへの移行+EPBの付与」、並びに、「通常中ATへの移行+EPBの付与+上乗せ特化ゾーンC出玉フラグSの付与」のいずれかが決定される。
通常中CZEX中抽籤において、通常中CZEX状態の残りゲーム数が1G以上であり、且つ、出玉フラグBが図432中の「下記以外」以外であれば、抽籤結果として、「通常中ATへの移行+EPBの付与」、又は、「通常中ATへの移行+EPBの付与+上乗せ特化ゾーンCの付与」が必ず決定される(AT状態への移行が確定する)。一方、通常中CZEX中抽籤において、通常中CZEX状態の残りゲーム数が1G以上であり、且つ、出玉フラグBが「下記以外」であれば、抽籤結果として、「非当籤」が決定される場合もある。
なお、通常中CZEX中抽籤では、通常中CZEX状態の残りゲーム数が0Gである場合(通常中CZEX状態の最終ゲーム)に、「通常中ATへの移行+EPBの付与+上乗せ特化ゾーンCの付与」に当籤する確率は、通常中CZEX状態の残りゲーム数が1G以上である場合のそれより高くなる。また、通常中CZEX状態では、その遊技期間の開始時(突入時)に、AT状態への移行が確定しているので、通常中CZEX状態の残りゲーム数が0Gである場合(通常中CZEX状態の最終ゲーム)において、通常中CZEX中抽籤に「非当籤」であっても、次ゲームからAT中通常状態の遊技が開始される。
〔AT中通常状態〕
AT中通常状態(所定遊技状態)は、差枚数管理型のAT状態であり、規定の差枚数(遊技価値の払出数−ベット数)の遊技価値が付与されれば、AT中通常状態の遊技期間が終了する。本実施形態のパチスロ機1では、AT中通常状態の残り差枚数(以下、「AT残り差枚数」という)をAT残り差枚数管理カウンタで計数し、AT残り差枚数管理カウンタの値が「0」以下になれば、AT中通常状態が終了し、出玉状態はAT終了待機状態に移行する。なお、本実施形態では、AT残り差枚数管理カウンタの初期値として「100」がセットされる。すなわち、本実施形態では、AT1セット当たり、差枚数「100」の遊技価値の獲得が最低保証されている。
本実施形態では、AT中通常状態において、サブフラグが「押し順ベル」である場合には対応する図柄組合せが停止(入賞)しなくても、AT残り差枚数管理カウンタを「4」を減算する。また、本実施形態では、AT中通常状態において、サブフラグが「はずれ」である場合には、AT残り差枚数管理カウンタに「3」が加算されるようにし、遊技者の損失を補填する。すなわち、AT中通常状態の終了時点で、トータルで初期値以上の純増分の遊技価値が必ず遊技者に付与されるような構成になっている。
上述したAT残り差枚数管理カウンタの更新(減算/加算)は、AT中通常状態において、毎ゲーム、リールの第3停止時に行われる。なお、このようなAT残り差枚数管理カウンタの更新(減算/加算)処理は、出玉状態がAT中通常状態及びエンディング状態であるときに行われ、それ以外のAT状態では行われない。すなわち、AT中通常状態及びエンディング状態以外のAT状態での遊技結果により、AT中通常状態の遊技期間が短くなることはない(AT残り差枚数は減らない)。
以下、AT中通常状態の遊技で行われる各種抽籤について説明する。
(1)AT通常中モード抽籤
AT中通常状態では、「押し順ベル」に係る役の当籤時に行われるストップボタンの押下順序の報知(以下、「ベルナビ」という)の回数をカウントし、そのベルナビ回数が25回に到達する度に、AT通常中モード(AT中モード0〜AT中モード2)の移行抽籤(AT通常中モード抽籤)が行われる。
なお、ベルナビ回数は、ベルナビ回数カウンタにより計数され、初期値として「25」がセットされ、ベルナビが実行される度にベルナビ回数カウンタの値が1減算される。そして、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になったときにAT通常中モード抽籤が行われ、ベルナビ回数カウンタに初期値「25」が再セットされる。
図443は、AT通常中モード抽籤で参照されるAT中モード抽籤テーブルの一例を示す図である。AT中モード抽籤テーブルでは、設定(設定1〜6)の種別毎に、移行先(抽籤結果)となるAT中モード0〜AT中モード2の各抽籤値が規定される。なお、AT中モード0は、AT残り差枚数の上乗せが高確率で発生するモードであり、AT中モード1は、AT残り差枚数の上乗せが通常確率で発生するモードであり、AT中モード2は、AT残り差枚数の上乗せが低確率で発生するモードである。本実施形態では、図443に示すように、設定が高くなるほど、AT中モード2(低確率)に移行する確率が低く、また、設定5では、AT中モード1(通常確率)に移行せず、最も高確率でAT中モード0(高確率)に移行する。
(2)AT中キャラ決定抽籤
AT中通常状態では、サブフラグが「はずれ」である場合に当該ゲームの開始時に、「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかを決定可能なAT中キャラ決定抽籤を行う。なお、上述のように、このAT中キャラ決定抽籤で所定のキャラに当籤した場合には、当籤キャラに応じた出玉フラグSの昇格が行われ、当籤キャラに対応するランプが点灯する。すなわち、AT中キャラ決定抽籤は、AT中通常状態での出玉フラグSの昇格抽籤及びランプの点灯抽籤も兼ねている。
本実施形態では、2枚BBフラグ間状態において、3ベット時には、サブフラグが「はずれ」となる(内部当籤役が「F_2枚BB」となる)確率は、約1/30である(図420参照)ので、AT中通常状態では、約1/30の確率で、AT中キャラ決定抽籤(出玉フラグSの昇格抽籤及びランプの点灯抽籤)が行われる。
図444は、AT中キャラ決定抽籤で参照されるAT中キャラ決定抽籤テーブルの一例を示す図である。AT中キャラ決定抽籤テーブルでは、抽籤結果となる、「非当籤」、「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。なお、図444のAT中キャラ決定抽籤テーブルは、BB状態、EPB状態及び上乗せ特化ゾーン及びAT終了待機状態においてキャラ決定抽籤が行われる場合にも共通して使用される。
AT中キャラ決定抽籤テーブルを使用したAT中キャラ決定抽籤では、図444に示すように、約30%の確率で「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかが当籤する。それゆえ、AT中通常状態において、サブフラグが「はずれ」となった場合には、約30%の確率で、次ゲームから、出玉フラグSが昇格し、それを報知するためにランプが点灯される。
(3)点灯ゲーム数抽籤
AT中通常状態において、上述したAT中キャラ決定抽籤に当籤した場合(「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかが決定された場合)には、当該ゲームの開始時に、出玉フラグSの昇格期間(ランプ点灯期間)を決定するための点灯ゲーム数抽籤が行われる。
図445は、点灯ゲーム数抽籤で参照される点灯ゲーム数抽籤テーブルの一例を示す図である。点灯ゲーム数抽籤テーブルでは、抽籤結果(点灯ゲーム数:出玉フラグSの昇格期間)となり得る、「3G」、「5G」及び「10G」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。なお、本実施形態では、抽籤結果として「10G」が当籤しない構成を説明するが、本発明はこれに限定されず、抽籤結果として「10G」が当籤する構成にしてもよい。
また、本実施形態では、AT中キャラ決定抽籤で決定された当籤キャラの種別に関係なく、共通して図445の点灯ゲーム数抽籤テーブルを使用する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、当籤キャラの種別毎に有利度を設け、当籤キャラの種別毎(有利度毎)に点灯ゲーム数抽籤テーブルを設け、当籤キャラの有利度が高くなるほど、決定さる点灯ゲーム数も多くなるようにしてもよい。
(4)上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤
AT中通常状態では、毎ゲームの遊技開始時に、出玉フラグSに応じて、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤が行われる。この上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤は、上乗せゾーンA又はAT中CZのストック抽籤であり、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤では、当籤/非当籤だけでなく、当籤時の特典種別(上乗せゾーンA又はAT中CZ)も決定される。
図446は、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤で参照される上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、図446A〜図446Cは、それぞれ、AT中モード0〜AT中モード2で参照される上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤テーブルを示す図である。各上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に設定された各抽籤結果(「非当籤」、「上乗せA」、「上乗せフェイク」及び「AT中CZ」)の抽籤値が規定される。
上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤で抽籤結果として「上乗せA」が決定された場合には、上乗せゾーンAの移行が決定される(上乗せゾーンAがストックされる)。上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤で抽籤結果として「上乗せフェイク」が決定された場合には、上乗せゾーンに移行しないが、上乗せゾーンへの移行を期待させる演出が行われる遊技の実行が決定される(上乗せゾーン移行のフェイク遊技がストックされる)。また、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤で抽籤結果として「AT中CZ」が決定された場合には、AT中CZ状態への移行が決定される(AT中CZ状態の遊技がストックされる)。
本実施形態では、図446A〜図446Cに示すように、出玉フラグSが「右記以外」(「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」以外)である場合には、AT中モードの種別には関係なく、抽籤結果として「非当籤」が決定される。出玉フラグSが「弱チェリー」又は「チャンス目」である場合には、AT中モードの種別には関係なく、抽籤結果として「上乗せA」及び「上乗せフェイク」の一方が決定される。出玉フラグSが「強レア役」又は「確定役」である場合には、AT中モードの種別には関係なく、抽籤結果として「上乗せA」が必ず決定される。また、出玉フラグSが「スイカ」である場合には、AT中モードの種別には関係なく、抽籤結果として「非当籤」及び「AT中CZ」の一方が決定される。
なお、各上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤テーブルを使用した上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、AT中キャラ決定抽籤で所定のキャラに当籤して対応するランプが点灯している期間中に上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤を行う場合には、昇格後の出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。
それゆえ、AT中通常状態の遊技において、例えば、ランプ非点灯(当籤キャラ無し)中のゲームで内部抽籤によりサブフラグ「通常リプ」(出玉フラグC「通常リプ」)が決定された場合には、出玉フラグSは図446A〜図446C中の「右記以外」となり、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤は非当籤となる。一方、AT中通常状態の遊技において、例えば、Bランプ300b点灯(当籤キャラとしてキャラBがセット)中のゲームで内部抽籤によりサブフラグ「通常リプ」が決定された場合には、出玉フラグSは「チャンス目」に昇格しているので、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤では、「上乗せA」及び「上乗せフェイク」の一方が決定される。すなわち、当籤キャラに対応するランプが点灯している期間(出玉フラグSの昇格期間)中のゲームでは、ランプ非点灯中のゲームに比べて、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤において、遊技者に有利な抽籤結果(特典)が得られる可能性が高くなる。
(5)上乗せ特化ゾーン抽籤
AT中通常状態では、毎ゲームの遊技開始時に、出玉フラグSに応じて、上乗せ特化ゾーン抽籤が行われる。この上乗せ特化ゾーン抽籤は、上乗せ特化ゾーンのストック抽籤であり、上乗せ特化ゾーン抽籤では、当籤/非当籤だけでなく、当籤時の特典種別(上乗せ特化ゾーンA、B又はC)も決定される。
図447は、上乗せ特化ゾーン抽籤で参照される上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、図447A〜図447Cは、それぞれ、AT中モード0〜AT中モード2で参照される上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを示す図である。各上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に設定された各抽籤結果(「非当籤」、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」、「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」)の抽籤値が規定される。
上乗せ特化ゾーン抽籤で抽籤結果として「上乗せ特化A」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンAの移行が決定される(上乗せ特化ゾーンAがストックされる)。なお、上乗せ特化ゾーンAは、AT中モード0又は1時のセット継続確率が約50%の上乗せ特化ゾーンである。また、上乗せ特化ゾーン抽籤で抽籤結果として「上乗せ特化B」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンBの移行が決定される(上乗せ特化ゾーンBがストックされる)。なお、上乗せ特化ゾーンBは、AT中モード0又は1時のセット継続確率が約70%の上乗せ特化ゾーンである。また、上乗せ特化ゾーン抽籤で抽籤結果として「上乗せ特化C」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンCの移行が決定される(上乗せ特化ゾーンCがストックされる)。なお、上乗せ特化ゾーンCは、AT中モード0又は1時のセット継続確率が約80%の上乗せ特化ゾーンである。また、AT中モード2時の各上乗せ特化ゾーンのセット継続確率は、同じであり、約0.4%である。
上乗せ特化ゾーン抽籤で抽籤結果として「上乗せ特化フェイク」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンには移行しないが、上乗せ特化ゾーンへの移行を期待させる演出が行われる遊技の実行が決定される(上乗せ特化ゾーン移行のフェイク遊技がストックされる)。
本実施形態では、図447A〜図447Cに示すように、出玉フラグSが「右記以外」(「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」以外)及び「弱チェリー」のいずれかである場合には、AT中モードの種別には関係なく、抽籤結果として「非当籤」が決定される。出玉フラグSが「スイカ」である場合には、AT中モードの種別には関係なく、低い確率ではあるが、抽籤結果として「上乗せ特化C」が決定される可能性がある。また、出玉フラグSが「確定役」である場合には、AT中モードの種別には関係なく、抽籤結果として「上乗せ特化C」(確率1/2)又は「上乗せ特化B」(確率1/2)が必ず決定される。
また、本実施形態では、図447A〜図447Cに示すように、AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、出玉フラグSが「チャンス目」である場合には、抽籤結果として「非当籤」、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」、「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかが決定される。AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、出玉フラグSが「強レア役」である場合には、抽籤結果として「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」、「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかが決定される。
また、本実施形態では、図447A〜図447Cに示すように、AT中モードがAT中モード2であり、且つ、出玉フラグSが「チャンス目」である場合には、抽籤結果として「非当籤」、「上乗せ特化A」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかが決定される。AT中モードがAT中モード2であり、且つ、出玉フラグSが「強レア役」である場合には、抽籤結果として「上乗せ特化A」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかが決定される。
なお、各上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを使用した上乗せ特化ゾーン抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、AT中キャラ決定抽籤で所定のキャラに当籤して対応するランプが点灯している期間中に上乗せ特化ゾーン抽籤を行う場合には、昇格後の出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。
それゆえ、AT中通常状態(AT中モード0)の遊技において、例えば、ランプ非点灯(当籤キャラ無し)中のゲームで内部抽籤によりサブフラグ「通常リプ」(出玉フラグC「通常リプ」)が決定された場合には、出玉フラグSは図447A〜図447C中の「右記以外」となり、上乗せ特化ゾーン抽籤は非当籤となる。一方、AT中通常状態(AT中モード0)の遊技において、例えば、Bランプ300b点灯(当籤キャラとしてキャラBがセット)中のゲームで内部抽籤によりサブフラグ「通常リプ」が決定された場合には、出玉フラグSは「チャンス目」に昇格しているので、上乗せ特化ゾーン抽籤では、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかが決定される可能性がある。すなわち、当籤キャラに対応するランプが点灯している期間(出玉フラグSの昇格期間)中のゲームでは、ランプ非点灯中のゲームに比べて、上乗せ特化ゾーン抽籤において、遊技者に有利な抽籤結果(特典)が得られる可能性が高くなる。
(6)AT中前兆ゲーム数抽籤(初当たり時)
AT中通常状態では、上述した上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤、並びに、上乗せ特化ゾーン抽籤において、「上乗せA」、「上乗せフェイク」、「AT中CZ」、「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかの特典が、初めて決定された場合(初当たり時)には、当該決定がなされたゲームの開始時に、基本前兆ゲーム数を決定するためのAT中前兆ゲーム数抽籤(初当たり時)が行われる。そして、本実施形態では、AT中前兆ゲーム数抽籤(初当たり時)で決定された基本前兆ゲーム数に、「0」〜「3」のランダム値を加算した値が、初当たりした特典の前兆ゲーム数として設定される。
図448は、AT中前兆ゲーム数抽籤(初当たり時)で参照されるAT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(初当たり時)の一例を示す図である。なお、図448Aは、出玉フラグSの出玉フラグ番号が「0」〜「3」(図434中の「下記以外」、「弱チェリー」及び「スイカ」)のいずれかである場合に参照されるAT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(初当たり時)を示す図である。また、図448Bは、出玉フラグSの出玉フラグ番号が「4」又は「5」(図434中の「強レア役」又は「確定役」)である場合に参照されるAT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(初当たり時)を示す図である。なお、AT中キャラ決定抽籤で所定のキャラに当籤して対応するランプが点灯している期間中のゲームでは、昇格後の出玉フラグSを参照して、AT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(初当たり時)を選択する。
各AT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(初当たり時)では、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤、並びに、上乗せ特化ゾーン抽籤で決定された抽籤結果(「上乗せA」、「上乗せフェイク」、「AT中CZ」、「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」)の種別毎に、決定可能な各基本前兆ゲーム数の抽籤値が規定される。なお、AT中前兆ゲーム数抽籤(初当たり時)で決定可能な基本前兆ゲーム数(抽籤結果)は、「即放出(0G)」、「2G」、「6G」、「10G」、「14G」、「18G」及び「22G」のいずれかである。
本実施形態では、図448Aに示すように、出玉フラグSの出玉フラグ番号が「0」〜「3」であり、初当たりの特典が「上乗せA」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」又は「2G」が決定される。出玉フラグSの出玉フラグ番号が「0」〜「3」であり、初当たりの特典が「上乗せフェイク」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「2G」が必ず決定される。出玉フラグSの出玉フラグ番号が「0」〜「3」であり、初当たりの特典が「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」、「14G」、「18G」及び「22G」のいずれかが決定される。出玉フラグSの出玉フラグ番号が「0」〜「3」であり、初当たりの特典が「上乗せ特化フェイク」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「14G」又は「18G」が決定される。また、出玉フラグSの出玉フラグ番号が「0」〜「3」であり、初当たりの特典が「AT中CZ」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」又は「2G」が決定される。
また、本実施形態では、図448Bに示すように、出玉フラグSの出玉フラグ番号が「4」又は「5」であり、初当たりの特典が「上乗せA」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」又は「2G」が決定される。出玉フラグSの出玉フラグ番号が「4」又は「5」であり、初当たりの特典が「上乗せフェイク」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」が必ず決定される。出玉フラグSの出玉フラグ番号が「4」又は「5」であり、初当たりの特典が「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」、「14G」、「18G」及び「22G」のいずれかが決定される。出玉フラグSの出玉フラグ番号が「4」又は「5」であり、初当たりの特典が「上乗せ特化フェイク」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「14G」又は「18G」が決定される。また、出玉フラグSの出玉フラグ番号が「4」又は「5」であり、初当たりの特典が「AT中CZ」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「即放出(0G)」が必ず決定される。
本実施形態では、図448A及び448Bに示すように、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤で特典として「上乗せA」、「上乗せフェイク」及び「AT中CZ」のいずれかが初当たりした場合には、即放出(0G)〜5G程度の短い前兆ゲーム数が決定される。一方、上乗せ特化ゾーン抽籤で特典として「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかが初当たりした場合には、14G以上の比較的長い前兆ゲーム数が決定され易くなる。
そして、AT中通常状態において、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤、並びに、上乗せ特化ゾーン抽籤により上記各種特典の一つが決定された場合には当該ゲームでその前兆ゲームが決定され、次ゲームから前兆ゲームの遊技が消化されたあと、特典の遊技が開始される。例えば、AT中通常状態において、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤により「上乗せA」が決定され、AT中前兆ゲーム数抽籤(初当たり時)で基本前兆ゲーム数として3Gが決定され且つランダム値として「2」が決定された場合には、次ゲームから5Gの期間、前兆遊技が行われた後、上乗せゾーンAの遊技が開始される。
(7)AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)
AT中通常状態では、ストックされている、上述した「上乗せA」、「上乗せフェイク」、「AT中CZ」、「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかの特典が放出されるゲームの開始時に、放出される特典の基本前兆ゲーム数を決定するためのAT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)が行われる。そして、本実施形態では、AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)で決定された基本前兆ゲーム数に、「0」〜「3」のランダム値を加算した値が、放出される特典の前兆ゲーム数として設定される。
図449は、AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)で参照されるAT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(ストック放出時)の一例を示す図である。なお、AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)では、出玉フラグSの種別に関係なく共通のAT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(ストック放出時)が使用される。
AT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(ストック放出時)は、AT中前兆ゲーム数抽籤テーブル(初当たり時)と同様に、上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤、並びに、上乗せ特化ゾーン抽籤で決定された抽籤結果(「上乗せA」、「上乗せフェイク」、「AT中CZ」、「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」)の種別毎に、決定可能な各基本前兆ゲーム数の抽籤値が規定される。なお、AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)で決定可能な基本前兆ゲーム数(抽籤結果)は、「即放出(0G)」、「2G」、「6G」、「10G」、「14G」、「18G」及び「22G」のいずれかである。
本実施形態では、図449に示すように、ストック放出する特典が「上乗せA」、「上乗せフェイク」又は「AT中CZ」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「2G」が必ず決定される。ストック放出する特典が「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「14G」、「18G」及び「22G」のいずれかが決定される。また、ストック放出する特典が「上乗せ特化フェイク」である場合には、抽籤結果(基本前兆ゲーム数)として「14G」又は「18G」が決定される。
本実施形態では、図449に示すように、ストック放出する特典が「上乗せA」、「上乗せフェイク」及び「AT中CZ」のいずれかがである場合には、即放出(0G)〜5G程度の短い前兆ゲーム数が決定される。一方、ストック放出する特典が「上乗せ特化A」〜「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかである場合には、14G以上の比較的長い前兆ゲーム数が決定される。
そして、AT中通常状態において、ストックされている上記各種特典の一つを放出する際には、その放出時に前兆ゲームが決定され、当該ゲームから前兆ゲームの遊技が開始され、当該前兆ゲームが消化されると、特典の遊技が開始される。ストックされている特典が複数種存在する場合には、予め設定されているストックの放出優先順序に基づいて順次、特典が放出される。なお、ストックの放出優先順序は、優先順位の高い方から、「上乗せA」、「上乗せフェイク」、「上乗せ特化C」、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」、「上乗せ特化フェイク」及び「AT中CZ」の順である。
(8)フリーズ抽籤
AT中通常状態において、サブフラグが「押し順ベル」(内部当籤役が「F_123ベル1」〜「F_321ベル2」)であるゲームでは、遊技開始時にフリーズ抽籤が行われる。フリーズ抽籤の実行の有無は、AT中キャラ決定抽籤の当籤によるランプ点灯中のゲームであっても、昇格ルールが適用されないサブフラグに基づいて決定されるので、出玉フラグSの昇格の恩恵は受けられない。なお、このフリーズ抽籤の実行の有無は、出玉制御ビットのビット2の値を参照して判定され、出玉制御ビットのビット2の値が「1」であれば、フリーズ抽籤を行い、出玉制御ビットのビット2の値が「0」であれば、フリーズ抽籤を行わない。
図450は、フリーズ抽籤で参照されるフリーズ抽籤テーブルの一例を示す図である。フリーズ抽籤テーブルでは、各抽籤結果(「非当籤」及び「当籤」)の抽籤値が規定される。本実施形態では、図450に示すように、8/65536の非常に低い確率でフリーズ抽籤に当籤する。そして、フリーズ抽籤に当籤すれば、当該当籤ゲームにおいて、所定のフリーズ演出(レバーオン時からリールの逆回転演出)が行われ、次ゲームから上乗せ特化ゾーンCの遊技が開始される。
すなわち、フリーズ抽籤に当籤すれば、上乗せ特化ゾーンCへの移行が確定する。また、本実施形態では、フリーズ抽籤に当籤して、次ゲームから上乗せ特化ゾーンCに移行する際には、当該次ゲームの開始から3ゲームの期間、Eランプ300eが点灯することが決定され、キャラEに対応する昇格ルールに従って出玉フラグSが昇格することも決定される。
(9)上乗せゾーンAのレベル抽籤
AT中通常状態中の上乗せゾーンA及びAT中CZ抽籤において、「上乗せA」に当籤し(上乗せゾーンAへの移行が決定し)、その前兆ゲーム数が0になったとき、すなわち、当籤した「上乗せA」の放出時に、上乗せゾーンAのレベル(以下、「上乗せAレベル(LV)」という)を抽籤により決定する。なお、上乗せAレベルは、6段階(「上乗せALV1」〜「上乗せALV6」)設けられており、上乗せゾーンAで行われる後述の報酬抽籤で参照されるパラメータであり、付与される報酬の大小に影響を与えるパラメータである。そして、上乗せAレベルが高いほど付与される報酬(有利度)も高くなる。
図451は、上乗せゾーンAのレベル抽籤で参照される上乗せAレベル抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せAレベル抽籤テーブルでは、各抽籤結果(「上乗せALV1」〜「上乗せALV6」)の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図451に示すように、AT中通常状態中の上乗せゾーンAのレベル抽籤において、「上乗せALV1」〜「上乗せALV4」のいずれかが決定され、「上乗せALV5」及び「上乗せALV6」は決定されない。上乗せゾーンAのレベル抽籤時に、すでに上乗せAレベルがセットされている場合には、この抽籤で決定されたレベルを現在セットされている上乗せAレベルに加算する。また、加算の結果、上乗せAレベルが「上乗せALV6」を超えたときには、上乗せAレベルを「上乗せALV6」にセットする(上限値に維持する)。なお、上乗せAレベルの値は、上乗せAレベルカウンタにセットされる。
(10)周期ゲーム数抽籤
AT中通常状態の遊技では、上述のように、内部抽籤の結果(出玉フラグS)に基づいて上乗せ特化ゾーン抽籤が行われるが、所定の周期ゲーム数間隔でも上乗せ特化ゾーン抽籤が行われる。すなわち、ゲーム数解除に基づく上乗せ特化ゾーン抽籤(後述の周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤)も行われる。具体的には、AT中通常状態中での消化ゲーム数が所定の周期ゲーム数に到達した際のゲームの第3停止時に、上乗せ特化ゾーン抽籤が行われる。
そして、本実施形態では、AT中通常状態中での消化ゲーム数が所定の周期ゲーム数に到達した際には、当該ゲームの第3停止時に、複数種の周期ゲーム数の中から所定の周期ゲーム数を決定するための抽籤(周期ゲーム数抽籤)が行われる。すなわち、AT中通常状態中での消化ゲーム数が所定の周期ゲーム数に到達する度に、所定の周期ゲーム数が再設定される。
図452は、周期ゲーム数抽籤で参照される周期ゲーム数抽籤テーブルの一例を示す図である。本実施形態では、周期ゲーム数抽籤の抽籤結果(周期G数)として、「30G」、「50G」及び「100G」が設けられ、周期ゲーム数抽籤テーブルでは、各抽籤結果の抽籤値が規定される。
なお、本実施形態では、所定の周期ゲーム数到達までの残りゲーム数を計数するためのカウンタ(以下、「周期G数カウンタ」という)が設けられており、AT中通常状態中、周期G数カウンタは、毎ゲーム、1減算される。そして、周期G数カウンタの値が「0」になったときのゲームの第3停止時に、上乗せ特化ゾーン抽籤(後述の周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤)が行われるとともに、周期ゲーム数抽籤が行われ、当該周期ゲーム数抽籤で決定された周期G数が、次ゲームで周期G数カウンタにセットされる。また、AT中通常状態の遊技期間の開始時(AT中通常状態突入時(開始ゲームの遊技開始時))には、周期G数カウンタに「0」をセットし、当該ゲームの第3停止時に周期ゲーム数抽籤及び後述の周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤を実行できるようにする。
(11)周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤
上述のように、AT中通常状態では、AT中通常状態の突入時及び所定の周期G数到達時のゲームの第3停止後に、上乗せ特化ゾーン抽籤(周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤)が行われる。
図453は、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤で参照される周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルの一例を示す図である。周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルでは、AT中モードの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」、「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」)の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図453に示すように、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤において、AT中モードがAT中モード0又はAT中モード1である場合には、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果(付与される特典)として、「非当籤」、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」、「上乗せ特化C」及び「上乗せ特化フェイク」のいずれかが決定される。だたし、この場合、AT中モード0において上乗せ特化ゾーンへの移行が決定される確率(「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」が決定される確率)は、AT中モード1において上乗せ特化ゾーンへの移行が決定される確率より高くなる。
また、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤において、AT中モードがAT中モード2である場合には、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果(付与される特典)として、「非当籤」又は「上乗せ特化フェイク」が決定される。すなわち、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤において、AT中モードがAT中モード2である場合には、上乗せ特化ゾーンへの移行が決定されない(実質、特典が付与されない)。
なお、本実施形態では、周期G数カウンタの値は、パチスロ機1の表示手段(図438に示す表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202)で表示されないが、AT状態が開始されてからのAT中通常状態の消化ゲーム数は、第1サブ表示装置201で表示される。そして、周期到達時上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果(付与される特典)として、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかが決定された場合には、前述の通り、図449に示す抽籤テーブルを用いて決定された前兆ゲーム数(14G、18G又は22G)にわたる前兆演出期間において最終的に上乗せ特化ゾーンへの移行が報知される前兆演出(当たりシナリオ)が行われた後(前兆演出を経て)、出玉状態が上乗せ特化ゾーンに移行する。一方、「上乗せ特化フェイク」が決定された場合には、図449に示す抽籤テーブルを用いて決定された前兆ゲーム数(14G又は18G)にわたる前兆演出期間において最終的に上乗せ特化ゾーンへの移行が行われない旨が報知される前兆演出(ハズレシナリオ)が行われた後、上乗せ特化ゾーンのフェイク前兆を終了させる。このようにゲーム数の消化(周期到達の有無)に応じた上乗せ特化ゾーンへの移行抽籤及び当該抽籤の結果に対応する前兆演出を行うことで、上乗せ特化ゾーンへの移行契機となるレア役が当籤しない場合(所謂、レア役を引けない場合)であっても、遊技者は上乗せ特化ゾーン獲得への期待感を持って前兆演出を楽しむことができ、AT中通常状態の遊技が単調とならないようにすることができる。
〔AT中CZ状態〕
AT中CZ状態(有利遊技状態)の遊技は、4ゲーム又は5ゲームの遊技期間に亘って行われる。AT中CZ状態では、主に、AT中CZ状態の遊技期間の開始時に、上乗せゾーンAの付与、又は、EPB及び上乗せゾーンAの付与という特典を決定可能な抽籤(後述のAT中CZ開始時勝利フラグ抽籤)が行われる。すなわち、AT中CZ状態では、上乗せゾーンA又はEPB状態への移行を期待させる遊技が行われる。
そして、後述のAT中CZ開始時勝利フラグ抽籤に当籤して、上乗せゾーンAの付与が決定された場合には、AT中CZ状態の遊技期間終了後、前兆ゲームの遊技を行わずに、次ゲームから上乗せゾーンAの遊技が開始される。一方、後述のAT中CZ開始時勝利フラグ抽籤に当籤して、EPB及び上乗せゾーンAの付与が決定された場合には、AT中CZ状態の遊技期間終了後、前兆ゲームの遊技を行わずに、次ゲームからEPB状態の遊技が開始される。なお、この際にストックされた上乗せゾーンAは、EPB状態終了後に移行するAT中通常状態で放出される。また、後述のAT中CZ開始時勝利フラグ抽籤に非当籤であった場合、特殊条件(後述のエンディング移行条件)が成立していなければ、次ゲームからAT中通常状態の遊技が開始される。
また、AT中CZ状態の遊技期間では、所定のキャラが敵キャラと戦う演出(バトル演出)が行われる。そして、AT中CZ状態の遊技期間の開始時に行われる後述のAT中CZ開始時勝利フラグ抽籤に当籤した場合(上記特典の付与が決定された場合)には、バトル演出で所定のキャラが敵キャラに勝利する演出が行われ、非当籤であった場合には、バトル演出で所定のキャラが敵キャラに敗北する演出が行われる。
以下、AT中CZ状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)AT通常中モード抽籤、上乗せゾーンAのレベル抽籤
AT中CZ状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。また、AT中CZ状態の遊技期間の終了時(最終ゲームの第3停止時)に、次ゲームから上乗せゾーンAへの移行が確定している場合(後述の勝利フラグの値が「1」であり、且つ、後述のEPBカウンタの値が「0」である場合)には、AT中通常状態で使用した上乗せAレベル抽籤テーブル(図451参照)を参照して上乗せゾーンAのレベル抽籤が行われ、AT中通常状態と同様にして上乗せゾーンAのレベルがセットされる。
(2)AT中CZ中キャラ決定抽籤
AT中CZ状態では、その遊技期間の開始時(AT中CZ状態突入時(開始ゲームの遊技開始時))に、キャラ決定抽籤(特別状態に移行させる制御)を行う。このAT中CZ中キャラ決定抽籤では、必ず、キャラA、キャラB及びキャラDのいずれかに当籤する。
図454は、AT中CZ中キャラ決定抽籤で参照されるAT中CZ中キャラ決定抽籤テーブルの一例を示す図である。AT中CZ中キャラ決定抽籤テーブルでは、抽籤結果となる、「キャラA」、「キャラB」及び「キャラD」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
なお、本実施形態では、AT中CZ中キャラ決定抽籤で決定されたキャラの種別に関係なく、点灯ゲーム数(出玉フラグSの昇格期間、ランプの点灯期間)として「4G」がセットされる。すなわち、本実施形態では、AT中CZ状態では、その遊技期間(4G又は5G)の2ゲーム目から終了まで、決定されたキャラに対応するランプが点灯した状態(当籤キャラに対応した昇格ルールに基づいて出玉フラグSが昇格する状態)となる。
また、AT中CZ状態への移行直前にキャラ決定抽籤に当籤している場合には、AT中CZ状態突入時のゲーム(1ゲーム目)も当該当籤キャラに対応するランプが点灯した状態(当籤キャラに対応した昇格ルールで出玉フラグSが昇格した状態)となる。なお、AT中CZ状態への移行直前にキャラ決定抽籤に当籤している場合には、AT中CZ状態突入時のゲーム(1ゲーム目)において、同一ランプの重複点灯条件が成立する場合もあるし、AT中CZ状態の2ゲーム目以降において複数のキャラに対応するランプが重複点灯する場合もある。
(3)AT中開始時勝利フラグ抽籤
AT中CZ状態では、その遊技期間の開始時(AT中CZ状態突入時(開始ゲームの遊技開始時))に、AT中CZ開始時勝利フラグ抽籤と称する抽籤が行われる。このAT中開始時勝利フラグ抽籤では、AT中CZ状態で行われるバトル演出で所定のキャラが敵キャラに勝利するか否かを決定するとともに、当籤時(勝利時)の特典の種別も決定する。
図455は、AT中開始時勝利フラグ抽籤で参照されるAT中開始時勝利フラグ抽籤テーブルの一例を示す図である。AT中開始時勝利フラグ抽籤テーブルでは、AT中CZ状態突入時にすでにセットされているキャラ種別と同一キャラがAT中CZ中キャラ決定抽籤で当籤した場合(同一ランプの重複点灯条件が成立した場合)と、AT中CZ中キャラ決定抽籤の抽籤結果がそれ以外の場合(図中の「右記以外」)とのそれぞれに対して、各抽籤結果(「非当籤」、「勝利フラグ」及び「EPB+勝利フラグ」)の抽籤値が規定される。
AT中開始時勝利フラグ抽籤に当籤(バトル演出で勝利)した場合に付与される特典の種別は、図455に示すように、「勝利フラグ」及び「EPB+勝利フラグ」の一方である。また、本実施形態では、AT中CZ状態突入時に同一ランプの重複点灯条件が成立した場合には、AT中開始時勝利フラグ抽籤の当籤(バトル演出の勝利)が確定する構成になっている。
AT中開始時勝利フラグ抽籤で「勝利フラグ」に当籤した場合には、「勝利フラグ」と称するバトル演出勝利確定用のフラグがセットされるとともに、上乗せAレベル(上乗せAレベルカウンタの値)に「1」が加算される。サブ側では、この勝利フラグに基づいて、バトル演出で勝利する演出がセットされる。そして、AT中開始時勝利フラグ抽籤で「勝利フラグ」に当籤した場合(勝利フラグがセットされた場合)には、AT中CZ状態の遊技期間終了後、上乗せゾーンAへの移行も確定する。
また、AT中開始時勝利フラグ抽籤で「勝利フラグ」に当籤した場合、その時点で同一ランプの重複点灯条件が成立しているときには、AT中CZ状態の遊技期間として4ゲームがセットされ、それ以外の場合には、AT中CZ状態の遊技期間として5ゲームがセットされる。
一方、AT中開始時勝利フラグ抽籤で「EPB+勝利フラグ」に当籤した場合には、勝利フラグがセットされるとともに、EPBのストック数(EPBカウンタの値)及び上乗せAレベル(上乗せAレベルカウンタの値)にそれぞれ「1」が加算される。この場合にも、サブ側では、この勝利フラグに基づいて、バトル演出で勝利する演出がセットされる。また、この場合には、同一ランプの重複点灯条件の成立の有無に関係なく、AT中CZ状態の遊技期間として5ゲームがセットされる。そして、AT中開始時勝利フラグ抽籤で「EPB+勝利フラグ」に当籤した場合には、上乗せゾーンAがストックされるとともに、AT中CZ状態の遊技期間終了後、EPB状態への移行も確定する。
また、AT中開始時勝利フラグ抽籤に非当籤であった場合には、勝利フラグはセットされず、サブ側では、バトル演出で敗北する演出がセットされる。なお、AT中開始時勝利フラグ抽籤に非当籤であった場合には、AT中CZ状態の遊技期間として4ゲームがセットされる。
(4)上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤
AT中CZ状態では、毎ゲームの遊技開始時に、内部当籤役(出玉フラグS)に基づいて、上乗せAレベル(上乗せゾーンAで決定される報酬の大小に影響を与えるパラメータ)のレベルアップ抽籤が行われる。
図456は、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤で参照されるAT中CZ中上乗せAレベルアップ抽籤テーブルの一例を示す図である。AT中CZ中上乗せAレベルアップ抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「+1」(上乗せAレベルに1加算)〜「+5」(上乗せAレベルに5加算))の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図456に示すように、出玉フラグSがレア役に対応するもの(図中の「右記以外」以外の出玉フラグS)である場合には、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤に当籤する可能性があり、出玉フラグSが「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」のいずれかであれば、必ず当籤する構成になっている。そして、本実施形態では、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤に当籤した場合、当籤したレベルアップ分の値(+1〜+5のいずれか)が上乗せAレベルカウンタに加算されるとともに、勝利フラグもセットされる。すなわち、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤は、出玉フラグSに基づく勝利フラグ抽籤も兼ねている。なお、上乗せAレベルの加算の結果、上乗せAレベルが「上乗せALV6」を超えたときには、上乗せAレベルを「上乗せALV6」にセットする(上限値に維持する)。
上述のように、本実施形態では、AT中CZ状態の開始時(突入時)に行われるAT中開始時勝利フラグ抽籤(当籤キャラの種別に基づく勝利フラグ抽籤)だけでなく、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤(出玉フラグSの種別に基づく勝利フラグ抽籤)により、勝利フラグの決定抽籤(上乗せゾーンAへの移行抽籤)が行われる。それゆえ、AT中開始時勝利フラグ抽籤に非当籤であっても、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤により、勝利フラグのセット(上乗せゾーンAへの移行)が決定される可能性があるので、上乗せゾーンAの遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上述のように、AT中CZ状態では、少なくともその遊技期間の2ゲーム目から終了までは、AT中CZ中キャラ決定抽籤で当籤したキャラに対応するランプが点灯した状態、すなわち、当籤キャラに対応した昇格ルールで出玉フラグSが昇格する状態となる。それゆえ、AT中CZ状態では、出玉フラグSが「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」のいずれか(レア役に対応するもの)になる確率が高くなる。その結果、AT中CZ状態の遊技期間中、毎ゲーム行われる上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤により、勝利フラグのセット(上乗せゾーンAへの移行)が決定される確率が高くなり、遊技者のAT中CZ状態の遊技に対する興趣をさらに高めることができる。
〔上乗せゾーンA〕
上乗せゾーン(上乗せゾーンA〜C)では、AT中通常状態の遊技期間を規定する遊技価値のAT残り差枚数(AT中通常状態の終了契機を管理するAT残り差枚数カウンタの値)の上乗せ形態(報酬形態)を決定するための遊技が行われる。本実施形態では、上乗せゾーンで決定される差枚数の上乗せ形態(報酬形態)の種別としては、上乗せ差枚数が直接決定される形態、BB状態で上乗せ差枚数が決定される形態、上乗せ特化ゾーンA〜Cで上乗せ差枚数が決定される形態、EPB状態及び上乗せゾーンAで上乗せ差枚数が決定される形態、並びに、EPB状態及び上乗せ特化ゾーンA〜Cで上乗せ差枚数が決定される形態が設けられている。
上乗せゾーンA(有利遊技状態)の遊技は、基本的には、2ゲームの期間に亘って行われる。上乗せゾーンAでの基本的な遊技内容は、次の通りである。
上乗せゾーンAの1ゲーム目の遊技では、キャラ決定抽籤が行われ、2ゲーム目で遊技価値の差枚数の上乗せ形態(報酬形態)を決定するための抽籤が行われる。なお、この抽籤により、上乗せ差枚数が直接決定される形態(後述の「枚数上乗せ」)が決定された場合には、上乗せゾーンAの2ゲーム目の遊技で上乗せ差枚数が決定されるが、それ以外の形態が決定された場合には、上乗せゾーンA終了後に移行する出玉状態において上乗せ差枚数が決定される。
以下、上乗せゾーンAで行われる各種抽籤について説明する。なお、詳細な説明は省略するが、上乗せゾーンAでは、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる(ベルナビ回数が25回に到達する)と、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。
(1)上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤
上乗せゾーンAでは、その1ゲーム目の遊技開始時に、キャラ決定抽籤(特別状態に移行させる制御)を行う。なお、上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤では、出玉フラグSに応じて、キャラA、キャラB、キャラD及びキャラEのいずれか、又は、上乗せゾーンBに当籤する。すなわち、上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤では、キャラの種別だけでなく、上乗せゾーンBの当籤の有無も抽籤対象となる。
図457は、上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で参照される上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤テーブルの一例を示す図である。AT中CZ中キャラ決定抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、抽籤結果となる、「キャラB」、「キャラD」、「キャラA」、「キャラE」及び「上乗せB(上乗せゾーンB)」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。なお、AT中CZ中キャラ決定抽籤テーブルを使用した上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、この際(上乗せゾーンA突入時)、すでに所定のキャラに対応するランプが点灯している場合には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。
本実施形態では、図457に示すように、出玉フラグSがレア役以外(図中の「右記以外」)である場合には、抽籤結果として、「キャラB」、「キャラD」、「キャラA」、「キャラE」及び「上乗せB」のいずれかが決定される可能性がある。出玉フラグSが「弱チェリー」又は「スイカ」である場合には、抽籤結果として、「キャラD」、「キャラA」、「キャラE」及び「上乗せB」のいずれかが決定される可能性がある。出玉フラグSが「チャンス目」である場合には、抽籤結果として、「キャラA」、「キャラE」及び「上乗せB」のいずれかが決定される可能性がある。出玉フラグSが「強レア役」である場合には、抽籤結果として、「キャラE」又は「上乗せB」が決定される可能性がある。また、出玉フラグSが「確定役」である場合には、抽籤結果として、「上乗せB」が必ず決定される。
上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で「キャラB」、「キャラD」、「キャラA」及び「キャラE」のいずれかが当籤した場合には、当籤キャラをセットするとともに、点灯ゲーム数(出玉フラグSの昇格期間、ランプの点灯期間)として「1G」がセットされる。それゆえ、この場合には、上乗せゾーンAの2ゲーム目の開始時(ベット時)に当籤キャラに対応するランプが点灯する。
なお、上乗せゾーンA突入時(1ゲーム目の開始時)に、すでに、所定のキャラに対応するランプが点灯している状況において、上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で所定のキャラと同じキャラが決定された場合、すなわち、同一ランプの重複点灯条件が成立した場合には、上乗せゾーンAの1ゲーム目で上乗せゾーンCへの移行(所定の特典)が確定し(具体的には、上乗せゾーンCのストック数を1加算するとともに、上乗せゾーンAのストック数を1減算し)、次ゲームから上乗せゾーンCの遊技が開始される。また、上乗せゾーンCの開始時(突入時)には、Cランプ300cが点灯する。なお、この場合には、上乗せゾーンAの2ゲーム目が上乗せゾーンCの開始ゲームとなるので、上乗せゾーンAの2ゲーム目は行われない。
また、上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で「上乗せB」が決定された場合には、上乗せゾーンAの1ゲーム目で上乗せゾーンBへの移行が確定し(具体的には、上乗せゾーンBのストック数を1加算するとともに、上乗せゾーンAのストック数を1減算し)、次ゲームから上乗せゾーンBの遊技が開始される。それゆえ、この場合にも、上乗せゾーンAの2ゲーム目は行われない。
(2)上乗せゾーンB昇格抽籤
上乗せゾーンAでは、その2ゲーム目の遊技開始時に、上乗せゾーンBへの移行(昇格)抽籤を行う。すなわち、上乗せゾーンAでは、1ゲーム目に行う上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で「上乗せB」に当籤しなかった場合でも、2ゲーム目で上乗せゾーンBへの移行が決定される場合がある。
図458は、上乗せゾーンB昇格抽籤で参照される上乗せゾーンB昇格抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せゾーンB昇格抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、抽籤結果となる、上乗せゾーンBへの移行(昇格)の「当籤」及び「非当籤」に対してそれぞれ抽籤値が規定される。
本実施形態では、図458に示すように、上乗せゾーンB昇格抽籤において、出玉フラグSが「確定役」である場合には、必ず上乗せゾーンBへの移行(昇格)の「当籤」が決定されるが、それ以外の場合には、必ず上乗せゾーンBへの移行(昇格)の「非当籤」が決定される構成になっている。しかしながら、上乗せゾーンB昇格抽籤の実行時(上乗せゾーンAの2ゲーム目)には、1ゲーム目の上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で当籤したキャラに対応するランプが点灯しているので、当籤キャラに対応する昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて上乗せゾーンB昇格抽籤が行われる。それゆえ、上乗せゾーンB昇格抽籤では、出玉フラグSが「確定役」となり、上乗せゾーンBへの移行(昇格)が決定される確率は高くなる。
上乗せゾーンAの2ゲーム目において、上乗せゾーンB昇格抽籤により上乗せゾーンBへの移行(昇格)が決定された場合には、次ゲームから上乗せゾーンBの遊技が開始される。なお、上乗せゾーンB又は上乗せゾーンCは、基本的には(一部例外を除いて)、上乗せゾーンAから移行する出玉状態であり、例えば、AT中通常状態やAT中CZ状態から直接移行しない特別な(レアな)上乗せゾーンである。それゆえ、上乗せゾーンB又は上乗せゾーンCで決定される報酬(上乗せ差枚数)は、上乗せゾーンAのそれより大きくなる可能性が高い。
(3)上乗せゾーンA中の上乗せAレベルアップ抽籤
上乗せゾーンAの2ゲーム目において行われる上乗せゾーンB昇格抽籤で非当籤である場合には、当該2ゲーム目の遊技開始時に、内部当籤役(出玉フラグS)に基づいて、上乗せAレベルのレベルアップ抽籤が行われる。
図459は、上乗せゾーンA中の上乗せAレベルアップ抽籤で参照される上乗せゾーンA中レベルアップ抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せゾーンA中レベルアップ抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「+1」(上乗せAレベルに1加算)〜「+5」(上乗せAレベルに5加算))の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図459に示すように、出玉フラグSが「弱チェリー」、「スイカ」、「チャンス目」及び「強レア役」のいずれかである場合には、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤に当籤して「+2」以上のレベルアップが得られる可能性がある。具体的には、出玉フラグSが「弱チェリー」であれば、「+2」又は「+3」のレベルアップが決定され、出玉フラグSが「スイカ」であれば、「+3」のレベルアップが決定され、出玉フラグSが「チャンス目」又は「強レア役」であれば、「+4」のレベルアップが決定される。一方、出玉フラグSが図459中の「右記以外」又は「確定役」である場合には、上乗せゾーンAのレベルアップ抽籤に当籤しない。
なお、上乗せゾーンA中の上乗せAレベルアップ抽籤で決定されたレベルアップ分の値を加算した結果、上乗せAレベルが「上乗せALV6」を超えたときには、上乗せAレベルを「上乗せALV6」にセットする(上限値に維持する)。また、上乗せゾーンA中の上乗せAレベルアップ抽籤は、上乗せゾーンAの2ゲーム目で行われるので、1ゲーム目の上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で当籤したキャラに対応するランプが点灯した状態で行われる。それゆえ、上乗せゾーンA中の上乗せAレベルアップ抽籤は、当籤キャラに対応する昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて行われるので、上乗せAレベルアップ抽籤で「+2」以上のレベルアップが得られる可能性が高くなる。
(4)上乗せゾーンA中の報酬抽籤
上乗せゾーンAの2ゲーム目では、上記上乗せゾーンA中の上乗せAレベルアップ抽籤が行われた後、現在セットされている上乗せAレベルに基づいて(応じて)、上乗せゾーンA中の報酬抽籤が行われ、遊技価値のAT残り差枚数の上乗せ形態(報酬形態)が決定される。
図460は、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で参照される上乗せゾーンA中報酬抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せゾーンA中報酬抽籤テーブルでは、上乗せAレベルの値(種別)毎に、抽籤結果(報酬形態)となる、「枚数上乗せ」、「BB」、「EPB+上乗せA」、「EPB+上乗せ特化C」、「EPB+上乗せ特化A」、「EPB+上乗せ特化B」、「上乗せ特化C」、「上乗せ特化A」及び「上乗せ特化B」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、上乗せAレベルが「上乗せALV1」〜「上乗せALV3」のいずれかである場合には、図459に示すように、抽籤結果として「枚数上乗せ」又は「EPB+上乗せ特化C」が決定される。上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、上乗せAレベルが「上乗せALV4」である場合には、抽籤結果として「BB」、「EPB+上乗せ特化C」、「上乗せ特化C」、「上乗せ特化A」及び「上乗せ特化B」のいずれかが決定される。上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、上乗せAレベルが「上乗せALV5」である場合には、抽籤結果として「EPB+上乗せ特化C」、「上乗せ特化C」、「上乗せ特化A」及び「上乗せ特化B」のいずれかが決定される。また、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、上乗せAレベルが「上乗せALV6」である場合には、抽籤結果として「EPB+上乗せA」、「EPB+上乗せ特化C」、「EPB+上乗せ特化A」、「EPB+上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかが決定される。
上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定された場合には、当該上乗せゾーンAの2ゲーム目で、AT残り差枚数の上乗せ数(以下、「直乗せ差枚数」という)が直接決定される。上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、抽籤結果として「BB」が決定された場合には、当該上乗せゾーンAの終了後に出玉状態がBB状態に移行し、BB状態の遊技期間で直乗せ差枚数が決定される。上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、抽籤結果として「EPB+上乗せA」が決定された場合には、まず、当該上乗せゾーンAの終了後に出玉状態がEPB状態に移行し、EPB状態の遊技期間で直乗せ差枚数が決定され、次いで、EPB状態終了後にAT中通常状態に戻った後、再度、上乗せゾーンAに移行し、上乗せゾーンA中の報酬抽籤により、さらなる直乗せ差枚数が決定される。
上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、抽籤結果として「EPB+上乗せ特化A」、「EPB+上乗せ特化B」及び「EPB+上乗せ特化C」のいずれかが決定された場合には、当該上乗せゾーンAの終了後に出玉状態がEPB状態に移行し、EPB状態の遊技期間で直乗せ差枚数が決定され、次いで、EPB状態終了後、出玉状態が対応する上乗せ特化ゾーンに移行し、移行した上乗せ特化ゾーンでさらなる直乗せ差枚数が決定される。また、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で、抽籤結果として「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかが決定された場合には、当該上乗せゾーンAの終了後に出玉状態が対応する上乗せ特化ゾーンに移行し、移行した上乗せ特化ゾーンの遊技期間で直乗せ差枚数が決定される。
そして、上述した各報酬形態では、直乗せ差枚数が決定される度に、当該直乗せ差枚数が逐次、AT残り差枚数(AT残り差枚数カウンタの値)に加算される。
(5)上乗せゾーンA中の直乗せ差枚数抽籤
上乗せゾーンAの2ゲーム目の遊技の開始時において、上乗せゾーンA中の報酬抽籤により、抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定された場合には、まず、直乗せ差枚数の抽籤テーブルを決定するためのパラメータである直乗せ番号を、現在の上乗せAレベルに応じて決定する。なお、本実施形態では、直乗せ番号として「1」〜「9」が設けられている。また、本実施形態では、図460に示すように、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定される上乗せAレベルは、「上乗せALV1」〜「上乗せALV3」のいずれかである。
図461は、上乗せゾーンA中の報酬抽籤により、抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定された場合に参照する直乗せ番号判定テーブルの一例を示す図である。
上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV1」である場合には、図461に示すように、直乗せ番号6がセットされる。上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV2」である場合には、直乗せ番号7がセットされる。また、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV3」である場合には、直乗せ番号8がセットされる。すなわち、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された場合には、直乗せ番号6〜8のいずれかに対応する直乗せ差枚数の抽籤テーブルが選択され、それ以外の直乗せ番号に対応する抽籤テーブルは選択されない。
図462は、上乗せゾーンA中の報酬抽籤により、抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定された場合に参照する直乗せ差枚数抽籤テーブルの一例である。図462Aは、AT中モードがAT中モード0又は1である場合に参照される直乗せ差枚数抽籤テーブルの一例を示す図であり、図462Bは、AT中モードがAT中モード2である場合に参照される直乗せ差枚数抽籤テーブルの一例を示す図である。なお、ここでは、直乗せ番号6〜8のいずれかに対応する抽籤テーブルだけでなく、直乗せ番1〜5及び9に対応する抽籤テーブルを一つの抽籤テーブルにまとめて示す。
直乗せ差枚数抽籤テーブルでは、直乗せ番号の値(種別)毎に、抽籤結果(遊技価値の直乗せ差枚数)となる、「10枚」、「20枚」、「30枚」、「50枚」、「100枚」、「300枚」及び「500枚」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
AT中モードがAT中モード0又は1であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV1」である場合には、図462A中の直乗せ番号6の欄の抽籤値が参照される。この場合には、抽籤結果として、直乗せ差枚数「10枚」、「20枚」、「30枚」及び「50枚」のいずれかが決定され、直乗せ差枚数「10枚」が決定される確率が最も高くなる。AT中モードがAT中モード0又は1であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV2」である場合には、図462A中の直乗せ番号7の欄の抽籤値が参照される。この場合には、抽籤結果として、直乗せ差枚数「30枚」、「50枚」及び「100枚」のいずれかが決定され、直乗せ差枚数「30枚」が決定される確率が最も高くなる。また、AT中モードがAT中モード0又は1であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV3」である場合には、図462A中の直乗せ番号8の欄の抽籤値が参照される。この場合には、抽籤結果として、直乗せ差枚数「50枚」又は「100枚」が決定され、直乗せ差枚数「50枚」が決定される確率が最も高くなる。すなわち、AT中モードがAT中モード0又は1であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された場合には、上乗せAレベルが高いほど、より多くの直乗せ差枚数を獲得できる可能性が高くなる。
AT中モードがAT中モード2であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV1」である場合には、図462B中の直乗せ番号6の欄の抽籤値が参照される。この場合には、抽籤結果として、直乗せ差枚数「10枚」が必ず決定される。AT中モードがAT中モード2であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV2」である場合には、図462B中の直乗せ番号7の欄の抽籤値が参照される。この場合には、抽籤結果として、直乗せ差枚数「30枚」が必ず決定される。また、AT中モードがAT中モード2であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された際の上乗せAレベルが「上乗せALV3」である場合には、図462B中の直乗せ番号8の欄の抽籤値が参照される。この場合には、抽籤結果として、直乗せ差枚数「50枚」が決定される。すなわち、AT中モードがAT中モード2であり、上乗せゾーンA中の報酬抽籤で「枚数上乗せ」が決定された場合には、上乗せAレベルが高いほど、より多くの直乗せ差枚数を獲得することができる。
なお、図462に示す直乗せ差枚数抽籤テーブルでは、上述のように、直乗せ番号6〜8の欄に規定されている抽籤テーブルは、上乗せゾーンA中の直乗せ差枚数抽籤で参照されるが、直乗せ番号9の欄に規定されている抽籤テーブルは、上乗せゾーンBで直乗せ差枚数抽籤を行う際に参照される。また、図462に示す直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号1〜5の欄に規定されている抽籤テーブルは、BB状態、EPB状態、EXB状態(後述のEXB−ST状態は除く)、上乗せ特化ゾーン及びエンディング状態で直乗せ差枚数抽籤を行う際に参照される。
(6)上乗せゾーンA中の各種演出
上乗せゾーンAの2ゲーム目で行われる報酬抽籤により決定された報酬の内容は、当該ゲームにおいて表示ユニット100等により報知される。この際、上乗せゾーンAでの報酬を報知する演出(報酬報知演出)では、所定の演出用操作ボタン(例えばPUSHボタン等)を遊技者に操作させて興趣を高めるようにしてもよい。例えば、報酬報知演出の態様を、特典が遊技者にとって有利な特定条件を満たす場合(例えば、直乗せ差枚数が50枚以上、又は、いずれかの上乗せ特化ゾーンへの移行権利付与が発生した場合など)に限って所定の演出用操作ボタンを操作させる態様としたり、さらに、報酬報知演出時に所定の演出用操作ボタンの操作指示画像が表示されるか否かを煽るような演出を行うような態様にしてもよい。
また、報酬の形態が直乗せ差枚数(上述の「枚数上乗せ」)である場合、報酬報知演出では、基本的には、決定されて直乗せ差枚数の値がそのまま報知されるが、例えば、直乗せ差枚数の一部を潜伏させて(報知せずに)、後のゲーム(例えば、画面に表示されたAT残り差枚数が「0」になったタイミングなど)で潜伏分の直乗せ差枚数の値を報知してもよいし、このような直乗せ差枚数の潜伏演出を、他の直乗せ発生時にも適用してもよい。
〔上乗せゾーンB〕
上乗せゾーンBでは、毎ゲーム、AT残り差枚数(AT中通常状態の終了契機を管理するAT残り差枚数カウンタの値)の上乗せ形態(報酬形態)を決定するための抽籤(報酬抽籤)遊技が行われる。そして、上乗せゾーンBの遊技は、報酬抽籤が非当籤となるまで継続される。なお、本実施形態では、上乗せゾーンBの遊技期間の開始時(突入時)から5ゲームの期間は、必ず報酬抽籤に当籤することが保証されており、6ゲーム目以降において報酬抽籤が非当籤となるまで、上乗せゾーンBが継続される。
また、本実施形態では、上乗せゾーンB中の報酬抽籤の当籤が保証されている期間(5G)を管理するためのパラメータ(以下、「上乗せB保証ストック数」という)を設け、上乗せゾーンBの遊技期間の開始時(突入時)には、上乗せB保証ストック数に初期値として「5」がセットされる。そして、上乗せゾーンBでは、5ゲーム目まで、毎ゲーム、報酬抽籤後に上乗せB保証ストック数を1減算する。
以下、上乗せゾーンBで行われる各種抽籤について説明する。なお、詳細な説明は省略するが、上乗せゾーンBでは、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。
(1)上乗せゾーンB中の報酬抽籤
上乗せゾーンBでは、毎ゲームの遊技開始時に、出玉フラグSに基づいて(応じて)、上乗せゾーンB中の報酬抽籤が行われ、遊技価値のAT残り差枚数の上乗せ形態(報酬形態)が決定される。
図463は、上乗せゾーンB中の報酬抽籤で参照される上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルの一例を示す図である。図463Aは、上乗せB保証ストック数が「1」以上である場合(継続保証有り時)に参照される上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルの一例を示す図であり、図463Bは、上乗せB保証ストック数が「0」である場合(継続保証無し時)に参照される上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルの一例を示す図である。
上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、抽籤結果(報酬形態)となる、「枚数上乗せ」、「BB」、「EPB+上乗せA」、「EPB+上乗せ特化C」、「EPB+上乗せ特化A」及び「EPB+上乗せ特化B」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
上乗せゾーンBの遊技開始時(突入時)〜5ゲーム目までの遊技(上乗せB保証ストック数が「1」以上である場合)では、図463Aの上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルを参照して上乗せゾーンB中の報酬抽籤が行われる。この場合には、報酬抽籤に必ず当籤し、出玉フラグSがレア役に対応するものである場合には、「枚数上乗せ」以外の抽籤結果(報酬形態)が決定される。具体的には、出玉フラグSが「弱チェリー」又は「スイカ」である場合には、「BB」が抽籤結果(報酬形態)として決定される確率が高く、出玉フラグSが「チャンス目」である場合には、「BB」又は「EPB+上乗せA」が抽籤結果(報酬形態)として決定される確率が高い。また、出玉フラグSが「強レア役」である場合には、「EPB+上乗せA」が抽籤結果(報酬形態)として決定される確率が高く、出玉フラグSが「確定役」である場合には、「EPB+上乗せ特化C」が抽籤結果(報酬形態)として必ず決定される。なお、出玉フラグSがレア役以外の役に対応するもの(図中の「右記以外」)である場合には、「枚数上乗せ」が抽籤結果(報酬形態)として決定される確率が高くなる。
上乗せゾーンBの6ゲーム目以降の遊技(上乗せB保証ストック数が「0」である場合)では、図463Bの上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルを参照して上乗せゾーンB中の報酬抽籤が行われる。この場合、出玉フラグSがレア役に対応するものである場合には、継続保証期間中と同様に、報酬抽籤に必ず当籤し(「枚数上乗せ」以外の抽籤結果(報酬形態)が決定され)、上乗せゾーンBの継続が確定する。一方、出玉フラグSがレア役以外の役に対応するもの(図中の「右記以外」)である場合には、抽籤結果として「非当籤」が決定される確率は50%であり、50%の確率で上乗せゾーンBの終了が確定する。
上乗せゾーンB中の報酬抽籤で、抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定された場合には、当該ゲームで、直乗せ差枚数が直接決定される。上乗せゾーンB中の報酬抽籤で、抽籤結果として「BB」が決定された場合には、当該上乗せゾーンBの終了後に出玉状態がBB状態に移行し、BB状態の遊技期間で直乗せ差枚数が決定される。上乗せゾーンB中の報酬抽籤で、抽籤結果として「EPB+上乗せA」が決定された場合には、まず、当該上乗せゾーンBの終了後に出玉状態がEPB状態に移行し、EPB状態の遊技期間で直乗せ差枚数が決定され、次いで、EPB状態終了後にAT中通常状態に戻った後、再度、上乗せゾーンAに移行し、上乗せゾーンA中の報酬抽籤により、さらなる直乗せ差枚数が決定される。また、上乗せゾーンB中の報酬抽籤で、抽籤結果として「EPB+上乗せ特化A」、「EPB+上乗せ特化B」及び「EPB+上乗せ特化C」のいずれかが決定された場合には、まず、当該上乗せゾーンBの終了後に出玉状態がEPB状態に移行し、EPB状態の遊技期間で直乗せ差枚数が決定され、次いで、EPB状態終了後、出玉状態が対応する上乗せ特化ゾーンに移行し、移行した上乗せ特化ゾーンでさらなる直乗せ差枚数が決定される。
なお、上乗せゾーンB中報酬抽籤テーブルを使用した上乗せゾーンB中の報酬抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、その際に所定のキャラに対応するランプが点灯している場合には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて、上乗せゾーンB中の報酬抽籤が行われる。ただし、上乗せゾーンBでは、キャラ決定抽籤が行われないので、上乗せゾーンB移行直前の出玉状態(上乗せゾーンA又はAT終了待機状態)でのランプ点灯状態が引き継がれる期間だけ出玉フラグSが昇格する。それゆえ、上乗せゾーンB突入後、数ゲーム(1〜3ゲーム程度)の期間ではランプ点灯状態が発生する可能性があるが、それ以降のゲームでは、出玉フラグSは昇格しない。すなわち、上乗せゾーンBの6ゲーム目以降(継続保証無し期間)のゲームでは、昇格無し時の出玉フラグSに基づいて上乗せゾーンB中の報酬抽籤が行われる(昇格ルールの恩恵は得られない)。
(2)上乗せゾーンB中の直乗せ差枚数抽籤
上乗せゾーンBにおいて、毎ゲーム行われる報酬抽籤において、抽籤結果として「枚数上乗せ」が決定された場合には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブルを使用して、直乗せ差枚数抽籤が行われる。この際、現在のAT中モードの値及び直乗せ番号に応じて、直乗せ差枚数抽籤テーブル内で参照する抽籤テーブルの欄を選択する。なお、本実施形態では、上乗せゾーンB中の直乗せ差枚数抽籤では、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号9の欄の抽籤テーブルが参照される。
AT中モードがAT中モード0又は1である場合には、図462Aに示すように、抽籤結果として、直乗せ差枚数「20枚」又は「100枚」が決定されるが、直乗せ差枚数「20枚」が決定される確率が非常に高くなる。また、AT中モードがAT中モード2である場合には、図462Bに示すように、抽籤結果として、直乗せ差枚数「20枚」が必ず決定される。
(3)上乗せゾーンB中の各種演出
上乗せゾーンB中の報酬抽籤で毎ゲーム決定される報酬の内容は、決定されたゲームにおいて表示ユニット100等により報知される。また、上乗せゾーンBでは、上乗せゾーンBが終了した遊技において当該上乗せゾーンB中に獲得した報酬の合計が報知される。例えば、「差枚数+200枚、BB×3個、EPB×1個」などの文言が表示ユニット100等に表示される。このような報酬報知演出を行うことにより、上乗せゾーンBの期間(複数ゲーム)にわたって獲得した報酬を遊技者が確認しやすくなるとともに、遊技者に大きな上乗せができたと再確認させることができ、上乗せ遊技の満足感を高めることができる。
また、本実施形態では、上乗せゾーンBが終了した遊技においてEPBを獲得したことは報知されるが、獲得したEPBの種別は報知(特定)せず、当該EPBが開始された時の映像でEPBの種別を特定できるような演出の構成にする。すなわち、上乗せゾーンB中に獲得されたEPBの報知演出は、複数のゲームにわたって期待感を引っ張って注目させる構成にしている。なお、上乗せゾーンB中の報酬抽籤で、EPBのストックに加えて上乗せ特化ゾーンへの移行も決定されている場合、獲得したEPBの種別の報知時に、EPBに伴って付与される上乗せ特化ゾーンの種別も合わせて報知してもよい。
〔上乗せゾーンC〕
上乗せゾーンCは、1ゲーム消化で終了する。すなわち、上乗せゾーンCは、1ゲーム完結の上乗せゾーンである。また、上乗せゾーンCの開始時(突入時)には、それを報知するため、Cランプ300cが点灯する。
上乗せゾーンCでは、出玉フラグSに応じて、直乗せ差枚数(AT残り差枚数の上乗せ数)を決定するための報酬抽籤が行われる。なお、上乗せゾーンCでの報酬抽籤で決定される報酬形態の種別は、AT残り差枚数の直乗せ(例えば、図463中の「枚数上乗せ」に対応するもの)のみであり、上乗せゾーンA及びB中の報酬抽籤のように、BB状態、EPB状態、上乗せゾーンA、上乗せ特化ゾーン等のストックは含まれない。
図464は、上乗せゾーンC中の報酬抽籤で参照される上乗せゾーンC中報酬抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せゾーンC中報酬抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、抽籤結果(報酬)となる、直乗せ差枚数「100枚」、「300枚」及び「500枚」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
上乗せゾーンC中の報酬抽籤では、図464に示すように、出玉フラグSの種別に関係なく、「100枚」以上の直乗せ差枚数が必ず決定される構成になっている。また、上乗せゾーンC中の報酬抽籤では、出玉フラグSがレア役に対応するものであれば、「300枚」以上の直乗せ差枚数が必ず決定され、出玉フラグSが「確定役」であれば、「500枚」の直乗せ差枚数が必ず決定される。
また、上述のように、本実施形態では、上乗せゾーンAの1ゲーム目の上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤で同一ランプの重複点灯条件が成立した場合に、出玉状態が上乗せゾーンCに移行する。それゆえ、1G完結の上乗せゾーンCでは、上乗せゾーンA中キャラ決定抽籤での当籤キャラに対応するランプが点灯し、当籤キャラに対応する昇格ルールに従って出玉フラグSが昇格するので、出玉フラグSがレア役に対応したものなる可能性が高くなり、より大きな直乗せ差枚数が決定される可能性が高くなる。したがって、上乗せゾーンCでは、直乗せ差枚数の期待値が非常に高くなるので、上乗せゾーンCに対する遊技者の期待感も非常に高くなる。
なお、上乗せゾーンC中の報酬抽籤で決定される報酬の内容は、決定されたゲームにおいて表示ユニット100等により報知される。
〔BB状態〕
BB状態では、30ゲームに亘って擬似ボーナス遊技が行われる。以下、BB状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)BB状態中のAT通常中モード抽籤、キャラ決定抽籤、点灯ゲーム数抽籤
BB状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。
また、BB状態では、サブフラグが「はずれ」である場合(内部当籤役が「はずれ」である場合)には、AT中通常状態と同様に、AT中通常状態で使用したAT中キャラ決定抽籤テーブル(図444参照)を参照してキャラ決定抽籤が行われる。さらに、BB状態中のキャラ決定抽籤に当籤した場合(「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかが決定された場合)には、AT中通常状態と同様に、当該ゲームの開始時に、AT中通常状態で使用した点灯ゲーム数抽籤テーブル(図445参照)を参照してランプの点灯期間(出玉フラグSの昇格期間)を決定するための点灯ゲーム数抽籤が行われる。なお、この点灯ゲーム数抽籤では、点灯ゲーム数として、3G又は5Gが決定される。
(2)BB状態中の直乗せ番号抽籤
BB状態では、毎ゲームの遊技開始時に、直乗せ差枚数(AT残り差枚数の上乗せ数)の抽籤テーブルを決定するための直乗せ番号を抽籤で決定する。なお、BB状態中の直乗せ番号抽籤で決定可能な直乗せ番号は、「1」〜「5」のいずれかである(直乗せ番号6〜直乗せ番号9は決定されない)。
図465は、BB状態中の直乗せ番号抽籤で参照されるBB中直乗せ番号抽籤テーブルの一例を示す図である。BB中直乗せ番号抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「直乗せ番号1」〜「直乗せ番号5」)の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図465に示すように、出玉フラグSがレア役以外(図中の「右記以外」)である場合には、BB状態中の直乗せ番号抽籤の抽籤結果として「非当籤」が必ず決定される。なお、BB状態中の直乗せ番号抽籤で「非当籤」が決定された場合には、当該ゲームでの直乗せ差枚数抽籤(後述のBB状態中の直乗せ差枚数抽籤)は行われず、AT残り差枚数の上乗せは行われない。
また、本実施形態では、出玉フラグSが「弱チェリー」である場合には、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果として「非当籤」又は「直乗せ番号2」が決定され、出玉フラグSが「スイカ」である場合には、抽籤結果として「非当籤」、「直乗せ番号2」及び「直乗せ番号4」のいずれかが決定される。出玉フラグSが「チャンス目」である場合には、BB状態中の直乗せ番号抽籤の抽籤結果として「直乗せ番号2」が必ず決定され、出玉フラグSが「強レア役」である場合には、抽籤結果として「直乗せ番号3」が必ず決定され、出玉フラグSが「確定役」である場合には、抽籤結果として「直乗せ番号5」が必ず決定される。
なお、BB状態中の直乗せ番号抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、その際に所定のキャラに対応するランプが点灯している場合(出玉フラグSの昇格期間中である場合)には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。それゆえ、出玉フラグSの昇格期間中である場合には出玉フラグSがレア役に対応するものに昇格する可能性が高くなるので、BB状態中の直乗せ番号抽籤に当籤し、後述のBB状態中の直乗せ差枚数抽籤が行われる(直乗せ差枚数を獲得できる)可能性も高くなる。
(3)BB状態中の直乗せ差枚数抽籤
BB状態において毎ゲーム行われるBB状態中の直乗せ番号抽籤に当籤した場合(直乗せ番号が決定された場合)には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブルを使用して、直乗せ差枚数抽籤が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、BB状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号(直乗せ番号1〜5のいずれか)に応じて、直乗せ差枚数抽籤テーブル内で参照する抽籤テーブルの欄を選択する。
例えば、AT中モードがAT中モード0又は1であり、BB状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号2である場合には、図462Aの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号2」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Aに示すように、直乗せ差枚数「20枚」、「30枚」、「50枚」、「100枚」及び「300枚」のいずれかを獲得することができる。また、例えば、AT中モードがAT中モード2であり、BB状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号2である場合には、図462Bの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号2」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Bに示すように、直乗せ差枚数「20枚」を獲得することができる。
そして、BB状態中の直乗せ差枚数抽籤で直乗せ差枚数が決定された場合には、その都度、決定された直乗せ差枚数がAT残り差枚数(AT残り差枚数管理カウンタの値)に加算される。
なお、BB中の報酬抽籤で決定された直乗せ差枚数の報酬の内容は、決定されたゲームにおいて表示ユニット100等により報知される。
(4)BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤
BB状態では、毎ゲームの遊技開始時に、上乗せ特化ゾーン(上乗せ特化ゾーンへの移行権利)をストックするか否かの抽籤(上乗せ特化ゾーン抽籤)が行われる。また、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤では、上乗せ特化ゾーンのストック当籤時に上乗せ特化ゾーンの種別(上乗せ特化ゾーンA〜C)も合わせて決定される。なお、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤は、現在のAT中モードの値、及び、出玉フラグBに基づいて(応じて)行われる。
図466は、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤で参照されるBB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルの一例を示す図である。図466Aは、現在のAT中モードがAT中モード0又は1であるときに参照されるBB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルの一例を示す図であり、図466Bは、現在のAT中モードがAT中モード2であるときに参照されるBB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルの一例を示す図である。
各BB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルでは、出玉フラグBの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「上乗せ特化A」(上乗せ特化ゾーンA)〜「上乗せ特化C」(上乗せ特化ゾーンC))の抽籤値が規定される。本実施形態のBB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤では、図466A及び図466Bに示すように、AT中モードの値に関係なく、出玉フラグBが「S白揃い」及び「W白揃い」以外であれば、抽籤結果として「非当籤」が必ず決定される。
一方、AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、出玉フラグBが「S白揃い」である場合には、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「非当籤」、「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかが決定される。AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、出玉フラグBが「W白揃い」である場合には、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「上乗せ特化C」が必ず決定される。また、AT中モードがAT中モード2であり、且つ、出玉フラグBが「S白揃い」である場合には、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「非当籤」又は「上乗せ特化A」が決定される。AT中モードがAT中モード2であり、且つ、出玉フラグBが「W白揃い」である場合には、BB中上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「上乗せ特化C」が必ず決定される。
なお、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「上乗せ特化A」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンA(上乗せ特化ゾーンAへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化B」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンB(上乗せ特化ゾーンBへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化C」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンC(上乗せ特化ゾーンCへの移行権利)のストック数に「1」を加算する。
BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤によりストックされた上乗せ特化ゾーンは、BB状態の遊技期間(30ゲーム)終了後に放出される。すなわち、BB状態中に上乗せ特化ゾーンをストックできた場合には、BB状態の遊技期間終了後に、出玉状態が、ストックされた上乗せ特化ゾーンに移行する。また、BB状態中に複数種の上乗せ特化ゾーンがストックされた場合には、BB状態の遊技期間終了後、予め定められた上乗せ特化ゾーンの放出優先順位に従って、上乗せ特化ゾーンが順次放出される。なお、上乗せ特化ゾーンの放出優先順位は、高い方から、上乗せ特化ゾーンC、上乗せ特化ゾーンA及び上乗せ特化ゾーンBの順である。
(5)BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果の報知演出
BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果の報知演出については、BB開始時に遊技者が3通りの報知パターン(報知パターン1〜3)から1つを選択することができる。
報知パターン1は、チャンス告知と呼ばれる報知演出である。BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果が「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかである場合には、サブ側(副制御基板72)で「S白揃い表示」(外見上、「白BAR」図柄が1本の直線上で停止表示)又は「W白揃い表示」(外見上、「白BAR図柄」が2本の直線上で停止表示)となる押し順及び「白BAR」図柄を各リールに目押しすべき旨が表示ユニット100等で報知され、「白BAR」図柄が、外見上、1本又は2本の直線上に揃って停止した場合に上乗せ特化ゾーンの当籤が報知される(上乗せ特化ゾーン当籤演出が発生する)。なお、遊技者が「白BAR」図柄を揃えられなかった場合には、上乗せ特化ゾーンの当籤の報知は、当該ゲームでは行われず、BB終了時に行われる。
また、報知パターン1では、外見上、「白BAR」の図柄揃いとなり得る役に当籤したゲームで上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果が非当籤である場合には、「S白揃い表示」、「W白揃い表示」を回避する押し順(図428参照)が報知される。なお、BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果が非当籤で且つ当該ゲームの当籤役が「白フェイク」(第2停止時点で「白BAR揃い」がテンパイし、第3停止で「白BAR揃い」とならない停止出目となる)を導出可能な当籤役である「はずれ」、「F_白リプ」又は「F_共通ベル」である場合には、「白フェイク」となる押し順(3→2→1等)及び各リールに「白BAR」図柄を狙う旨の報知が表示ユニット100等で行われる。なお、「白BAR」図柄が外見上揃う役及び「白フェイク」出目が揃う役は停止操作態様により有利不利が発生しない(取りこぼしや少ない払出数の役の入賞がない)ため、主制御基板71よる指示モニタでのナビは行わず(或いは、ナビ非発生を意味する「0」が表示され)、副制御基板72(サブ側)でナビを制御するものとして、メイン側の負担を軽減しつつ、演出を多彩なものとしている。
報知パターン2は、完全告知と呼ばれる報知演出である。BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果が「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかである場合にのみ、スタートレバー6の操作直後に上乗せ特化ゾーン当籤演出が発生し、且つ、「S白揃い表示」又は「W白揃い表示」となる押し順及び「白BAR」図柄を各リールに目押しすべき旨が表示ユニット100等で報知される。
また、報知パターン3は、後告知と呼ばれる報知演出である。BB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果に関係なく、「S白揃い表示」及び「W白揃い表示」を回避する押し順が表示ユニット100等で報知(ナビ)され、遊技者が当該ナビに従って遊技する限りBB状態中に「白BAR揃い」は発生しない。そして、報知パターン3では、BB状態の終了間際の数ゲームで当該BB状態中にいずれかの上乗せ特化ゾーンに当籤したか否かが報知される構成となっている。
〔EPB状態〕
EPB状態では、50ゲームに亘って擬似ボーナス遊技が行われる。以下、EPB状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)EPB状態中のAT通常中モード抽籤、キャラ決定抽籤、点灯ゲーム数抽籤
EPB状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。
また、EPB状態では、サブフラグが「はずれ」である場合(内部当籤役が「はずれ」である場合)に、AT中通常状態と同様に、AT中通常状態で使用したAT中キャラ決定抽籤テーブル(図444参照)を参照してキャラ決定抽籤が行われる。さらに、EPB状態中のキャラ決定抽籤に当籤した場合(「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかが決定された場合)には、AT中通常状態と同様に、当該ゲームの開始時に、AT中通常状態で使用した点灯ゲーム数抽籤テーブル(図445参照)を参照してランプの点灯期間(出玉フラグSの昇格期間)を決定するための点灯ゲーム数抽籤が行われる。なお、この点灯ゲーム数抽籤では、点灯ゲーム数として、3G又は5Gが決定される。
(2)EPB状態中の直乗せ番号抽籤
EPB状態では、毎ゲームの遊技開始時に、直乗せ差枚数(AT残り差枚数の上乗せ数)の抽籤テーブルを決定するための直乗せ番号を抽籤で決定する。なお、EPB状態中の直乗せ番号抽籤で決定可能な直乗せ番号は、「1」〜「5」のいずれかである(直乗せ番号6〜直乗せ番号9は決定されない)。
図467は、EPB状態中の直乗せ番号抽籤で参照されるEPB中直乗せ番号抽籤テーブルの一例を示す図である。EPB中直乗せ番号抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「直乗せ番号1」〜「直乗せ番号5」)の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図467に示すように、出玉フラグSがレア役以外(図中の「右記以外」)である場合には、EPB状態中の直乗せ番号抽籤の抽籤結果として「非当籤」が必ず決定される。なお、EPB状態中の直乗せ番号抽籤で「非当籤」が決定された場合には、当該ゲームでの直乗せ差枚数抽籤(後述のEPB状態中の直乗せ差枚数抽籤)は行われず、AT残り差枚数の上乗せは行われない。
また、本実施形態では、出玉フラグSが「弱チェリー」である場合には、EPB状態中の直乗せ番号抽籤の抽籤結果として「直乗せ番号2」が必ず決定され、出玉フラグSが「スイカ」である場合には、抽籤結果として「直乗せ番号2」又は「直乗せ番号4」が決定される。出玉フラグSが「チャンス目」である場合には、EPB状態中の直乗せ番号抽籤の抽籤結果として「直乗せ番号2」、「直乗せ番号3」及び「直乗せ番号4」のいずれかが決定され、出玉フラグSが「強レア役」である場合には、抽籤結果として「直乗せ番号3」又は「直乗せ番号4」が決定され、出玉フラグSが「確定役」である場合には、抽籤結果として「直乗せ番号5」が必ず決定される。
なお、EPB状態中の直乗せ番号抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、その際に所定のキャラに対応するランプが点灯している場合(出玉フラグSの昇格期間中である場合)には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。それゆえ、出玉フラグSの昇格期間中である場合には出玉フラグSがレア役に対応するものに昇格する可能性が高くなるので、EPB状態中の直乗せ番号抽籤に当籤し、後述のEPB状態中の直乗せ差枚数抽籤が行われる(直乗せ差枚数を獲得できる)可能性も高くなる。
(3)EPB状態中の直乗せ差枚数抽籤
EPB状態において毎ゲーム行われるEPB状態中の直乗せ番号抽籤に当籤した場合(直乗せ番号が決定された場合)には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブルを使用して、直乗せ差枚数抽籤が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、EPB状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号(直乗せ番号1〜5のいずれか)に応じて、直乗せ差枚数抽籤テーブル内で参照する抽籤テーブルの欄を選択する。
例えば、AT中モードがAT中モード0又は1であり、EPB状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号2である場合には、図462Aの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号2」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Aに示すように、直乗せ差枚数「20枚」、「30枚」、「50枚」、「100枚」及び「300枚」のいずれかを獲得することができる。また、例えば、AT中モードがAT中モード2であり、EPB状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号2である場合には、図462Bの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号2」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Bに示すように、直乗せ差枚数「20枚」を獲得することができる。
そして、EPB状態中の直乗せ差枚数抽籤で直乗せ差枚数が決定された場合には、その都度、決定された直乗せ差枚数がAT残り差枚数(AT残り差枚数管理カウンタの値)に加算される。
なお、EPB状態中に直乗せ差枚数が決定された当該ゲームでは、第1サブ表示装置201において直乗せ差枚数を報知する演出(上乗せ差枚数報知演出)が行われるが、表示ユニット100では上乗せ差枚数報知演出は行われない。EPB状態中には、表示ユニット100において、エピソード映像(例えば、モチーフとなった作品の名場面を再編集又は新規に制作した映像等)が表示されており、この映像を邪魔しないように上乗せを報知する必要があるため、このような報知演出態様としている。また、EPB状態中に直乗せ差枚数が決定された場合にも当該ゲームで決定された直乗せ差枚数の全てを報知せずに、EPB状態終了時やその後のAT残り差枚数が0枚になった場合などのタイミングで、報知されなかった分の直乗せ差枚数を事後的に報知するようにして、エピソード映像への没入感を高めるようにしてもよい。
(4)EPB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤
EPB状態では、毎ゲームの遊技開始時に、BB状態と同様に、BB状態で使用したBB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブル(図466参照)を参照して上乗せ特化ゾーン(上乗せ特化ゾーンへの移行権利)のストック抽籤(上乗せ特化ゾーン抽籤)が行われる。また、EPB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤では、上乗せ特化ゾーンのストック当籤時に上乗せ特化ゾーンの種別(上乗せ特化ゾーンA〜C)も合わせて決定される。なお、EPB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤は、現在のAT中モードの値、及び、出玉フラグBに基づいて(応じて)行われる。
そして、EPB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「上乗せ特化A」が決定された場合には、上乗せソーンA(上乗せ特化ゾーンAへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化B」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンB(上乗せ特化ゾーンBへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化C」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンC(上乗せ特化ゾーンCへの移行権利)のストック数に「1」を加算する。
EPB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤によりストックされた上乗せ特化ゾーンは、EPB状態の遊技期間(50ゲーム)終了後に放出される。すなわち、EPB状態中に上乗せ特化ゾーンをストックできた場合には、EPB状態の遊技期間終了後に、出玉状態が、ストックされた上乗せ特化ゾーンに移行する。また、EPB状態中に複数種の上乗せ特化ゾーンがストックされた場合には、EPB状態の遊技期間終了後、予め定められた上乗せ特化ゾーンの放出優先順位に従って、上乗せ特化ゾーンが順次放出される。なお、上乗せ特化ゾーンの放出優先順位は、高い方から、上乗せ特化ゾーンC、上乗せ特化ゾーンA及び上乗せ特化ゾーンBの順である。
なお、EPB状態中では、EPB状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤において「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかに当籤した場合であっても、副制御基板72(サブ側)による白AR揃い出目への誘導ナビ、つまり、「S白揃い表示」又は「W白揃い表示」となる押し順及び「白BAR」図柄を各リールに目押しすべき旨の報知は行われずに、白BAR揃い出目を回避する押し順が表示ユニット100等で報知される。そして、いずれかの上乗せ特化ゾーンに当籤した場合は、EPB状態の終了時において、例えば「NEXT 特化ゾーン」などの文言を表示ユニット100で表示して、上乗せ特化ゾーンへの移行が報知される。すなわち、EPB状態中の演出では、特典報知演出によりエピソード映像の表示が遮られることがないように配慮されている。
〔上乗せ特化ゾーン〕
本実施形態では、上乗せ特化ゾーンとして、上乗せ特化ゾーンA、上乗せ特化ゾーンB及び上乗せ特化ゾーンCの3種類が設けられている。これらの上乗せ特化ゾーンでは、AT中モードがAT中モード0又は1である時のセット継続確率が互いに異なるだけであり、各上乗せ特化ゾーンで行われる遊技は基本的には同じである。
上乗せ特化ゾーンでは、1セット目の遊技開始(上乗せ特化ゾーン突入時)から2セット分の遊技期間が保証されており、それ以降では、セットの継続抽籤(以下、単にセット継続抽籤という)に当籤した場合に、上乗せ特化ゾーンの遊技が継続して行われる。なお、上乗せ特化ゾーンの1セット目のゲーム数は10ゲームであり、2セット目以降の1セット当たりのゲーム数は5ゲームである。なお、1セット目の上乗せ特化ゾーンでは、そのセット中の前半で上乗せ特化ゾーンの導入演出が行われるため、遊技期間が他のセットより長くしているが、本発明はこれに限定されず、例えば、演出内容等に応じて、上乗せ特化ゾーンの1セット目のゲーム数を2セット目以降のゲーム数と同じにしてもよい。
以下、上乗せ特化ゾーンで行われる各種抽籤について説明する。
(1)上乗せ特化ゾーン中のAT通常中モード抽籤、キャラ決定抽籤、点灯ゲーム数抽籤
上乗せ特化ゾーンでは、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。
また、上乗せ特化ゾーンでは、サブフラグが「はずれ」である場合(内部当籤役が「はずれ」である場合)には、AT中通常状態と同様に、AT中通常状態で使用したAT中キャラ決定抽籤テーブル(図444参照)を参照してキャラ決定抽籤が行われる。さらに、上乗せ特化ゾーン中のキャラ決定抽籤に当籤した場合(「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかが決定された場合)には、AT中通常状態と同様に、当該ゲームの開始時に、AT中通常状態で使用した点灯ゲーム数抽籤テーブル(図445参照)を参照してランプの点灯期間(出玉フラグSの昇格期間)を決定するための点灯ゲーム数抽籤が行われる。なお、この点灯ゲーム数抽籤では、点灯ゲーム数として、3G又は5Gが決定される。
(2)上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤
上乗せ特化ゾーンでは、上乗せ特化ゾーンの継続保証ストック数が「0」である場合(継続セットのストック無しの状態)のセット開始時に、セット単位で上乗せ特化ゾーンの遊技を継続するか否かの抽籤が行われる。そして、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤に当籤した場合には、次セット移行時(現セットの最終ゲームの第3停止後)に、継続当籤を表すセット継続フラグをセット(オン状態)する。
一方、上乗せ特化ゾーンのセット開始時に、上乗せ特化ゾーンの継続保証ストック数が「1」以上である場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤を行わず、セット継続抽籤に当籤したとして、セット継続フラグをセットし、セット継続保証ストック数を1減算する。なお、本実施形態では、上乗せ特化ゾーンの1セット目の遊技開始(突入時)から2セット分の遊技期間が保証されているので、1セット目の遊技開始時に、上乗せ特化ゾーンの継続保証ストック数に「1」がセットされ、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤は行われない。また、上乗せ特化ゾーンのセット継続保証ストック数は、上乗せ特化継続保証カウンタで計数される。
図468は、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤で参照される上乗せ特化ゾーンセット継続抽籤テーブルの一例を示す図である。図468Aは、AT中モードがAT中モード0又は1であるときに参照される上乗せ特化ゾーンセット継続抽籤テーブルの一例を示す図であり、図468Bは、AT中モードがAT中モード2であるときに参照される上乗せ特化ゾーンセット継続抽籤テーブルの一例を示す図である。
各上乗せ特化ゾーンセット継続抽籤テーブルでは、現在滞在中の上乗せ特化ゾーンの種別毎に、セット継続の非当籤及び当籤(抽籤結果)のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
本実施形態では、図468Aに示すように、AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、滞在中の上乗せ特化ゾーンが上乗せ特化ゾーンCである場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤で、205/256(約80%)の確率でセット継続に当籤する。AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、滞在中の上乗せ特化ゾーンが上乗せ特化ゾーンAである場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤で、128/256(50%)の確率でセット継続に当籤する。また、AT中モードがAT中モード0又は1であり、且つ、滞在中の上乗せ特化ゾーンが上乗せ特化ゾーンBである場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤で、179/256(約70%)の確率でセット継続に当籤する。一方、AT中モードがAT中モード2である場合には、図468Bに示すように、滞在中の上乗せ特化ゾーンの種別に関係なく、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤でセット継続に当籤する確率は、1/256(約0.4%)となる。
上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤に当籤した場合には、実行中の上乗せ特化ゾーンのセットが終了した後に、次セットの上乗せ特化ゾーンの遊技が開始される。この際、次セット移行時にセット継続フラグがセット(オン)される。なお、セット継続フラグをセット(オン)されている状態で、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤に当籤した場合にはセット継続フラグの状態(オン状態)を維持し、上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤に非当籤となった場合にはセット継続フラグをクリア(オフ)する。
(3)上乗せ特化ゾーンの継続保証ストック数の加算抽籤
上乗せ特化ゾーンでは、セット継続フラグがオン状態であるセット開始時に、上乗せ特化ゾーンのセット継続保証ストック数の加算抽籤が行われる。
図469は、上乗せ特化ゾーンのセット継続保証ストック数の加算抽籤で参照される上乗せ特化ゾーンセット継続ストック抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せ特化ゾーンセット継続ストック抽籤テーブルでは、各抽籤結果(「非当籤」、「S継続保証ストック+1」〜「S継続保証ストック+4」)の抽籤値が規定される。なお、例えば、抽籤結果「S継続保証ストック+1」は、セット継続保証ストック数に「1」を加算するという特典内容を意味する。
本実施形態の上乗せ特化ゾーンの継続保証ストック数の加算抽籤では、図469に示すように、224/256(87.5%)の確率で、抽籤結果が非当籤(セット継続保証ストック数の加算無し)となり、20/256(約7.8%)の確率で「S継続保証ストック+2」が決定され、2/256(約0.8%)の確率で「S継続保証ストック+4」が決定される。なお、本実施形態では、上乗せ特化ゾーンのセット継続保証ストック数の加算抽籤で、抽籤結果として、「S継続保証ストック+1」及び「S継続保証ストック+3」が決定されない構成となっているが、本発明はこれに限定されず、これらの抽籤結果の少なくとも一方が決定可能となるような構成にしてもよい。
そして、セット継続保証ストック数の加算抽籤の抽籤結果として、例えば、「S継続保証ストック+2」が決定された場合には、セット継続保証ストック数(上乗せ特化継続保証カウンタの値)に「2」が加算され、さらに2セット分の上乗せ特化ゾーンの継続(上乗せ)が確定する。また、セット継続保証ストック数の加算抽籤の抽籤結果として、例えば、「S継続保証ストック+4」が決定された場合には、セット継続保証ストック数(上乗せ特化継続保証カウンタの値)に「4」が加算され、さらに4セット分の上乗せ特化ゾーンの継続(上乗せ)が確定する。
(4)上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤
上乗せ特化ゾーンでは、セット継続フラグがセット(オン)されている(上乗せ特化ゾーンの次セット継続が確定している)セットの開始時、又は、後述の上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤に当籤してセット継続フラグがセットされたときに、当該セット終了時に1ゲーム分、当該セットを継続させるか否かの抽籤(ゲーム継続抽籤)が行われる。すなわち、本実施形態では、上乗せ特化ゾーンにおいて、セット継続が確定している場合には、1ゲーム分の継続抽籤が行われる。そして、上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤に当籤した場合には、当該当籤を表すゲーム継続フラグをセット(オン)する。
図470は、上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤で参照されるG(ゲーム)継続抽籤テーブルの一例を示す図である。G継続抽籤テーブルでは、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数毎に、ゲーム継続の非当籤及び当籤(抽籤結果)のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
本実施形態では、図470に示すように、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が5の倍数(5、10、15、20、25、30…)である場合には、上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤に必ず当籤する構成になっている。なお、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が5の倍数以外である場合(図中の「右記以外」)には、3/256(約1.2%)の低確率でゲーム継続抽籤に当籤する。
上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤に当籤した場合は、実行中のセット終了後の次ゲームで準備遊技を1ゲーム消化した後、1ゲーム分の追加ゲームが行われる。なお、後述のように、この1ゲーム分の追加ゲームでは、さらに、1ゲーム継続(追加継続)させるか否かの抽籤(後述の継続G実行中G継続追加抽籤)が行われ、当該抽籤に当籤した場合には、当該追加ゲーム終了後、再度、1ゲーム分の追加ゲームが行われる。ただし、この場合には、現追加ゲームと次追加ゲームとの間には、1ゲーム分の準備遊技は行われない。そして、この追加ゲームの追加継続抽籤が非当籤となるまで1ゲーム分の追加ゲームが繰り返し行われ、追加ゲームの追加継続抽籤が非当籤となれば、次ゲームから、セット継続が確定している次セットの上乗せ特化ゾーンの遊技が開始される。
(5)上乗せ特化ゾーンのG継続番号振り分け抽籤
上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤の当籤に伴い行われる1ゲーム分の追加ゲームでは、直乗せ差枚数(AT残り差枚数の上乗せ数)の抽籤が行われる。それゆえ、本実施形態では、上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤の当籤した場合、その当籤ゲームにおいて、直乗せ差枚数抽籤で参照される直乗せ番号を決定するためのG(ゲーム)継続番号の振り分け抽籤が行われる。この抽籤では、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数に基づいて、G継続番号が決定され、当該決定されたG継続番号に対応付けられた直乗せ番号(後述の図475参照)が決定される。
図471は、上乗せ特化ゾーンのG継続番号振り分け抽籤で参照されるG継続番号振り分け抽籤テーブルの一例を示す図である。G継続番号振り分け抽籤テーブルでは、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数毎に、各抽籤結果(「G継続番号+1」〜「G継続番号+4」)の抽籤値が規定される。なお、例えば、抽籤結果「G継続番号+1」は、現在セットされているG継続番号に「1」を加算するという意味である。また、G継続番号の初期値は「0」であり、上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤が非当籤となった場合に、G継続番号の値がクリアされる(「0」にセットされる)。
本実施形態では、図471に示すように、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が5の倍数以外である場合(図中の「右記以外」)、又は、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が20以降の5の倍数である場合には、G継続番号振り分け抽籤の抽籤結果として、「G継続番号+3」又は「G継続番号+4」が決定される。また、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が5、10及び15のいずれかである場合には、G継続番号振り分け抽籤の抽籤結果として、「G継続番号+1」〜「G継続番号+4」のいずれかが決定される。
そして、G継続番号振り分け抽籤で決定された抽籤結果に対応する加算数を現在のG継続番号に加算する。例えば、G継続番号振り分け抽籤で抽籤結果として「G継続番号+3」が決定された場合には、現在のG継続番号に「3」が加算される。なお、本実施形態では、G継続番号として「1」〜「5」を設けているが、このG継続番号振り分け抽籤で決定されるG継続番号(加算後のG継続番号)は、「1」〜「4」とする。それゆえ、G継続番号振り分け抽籤で決定された抽籤結果に対応する加算数を現在のG継続番号に加算した際に、加算後のG継続番号が「4」を超える場合には、G継続番号を「4」にセットする。
(6)上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤
上乗せ特化ゾーンのセット遊技期間中(追加ゲームの期間は除く)では、毎ゲームの遊技開始時に、出玉フラグSに基づいて、上乗せ特化ゾーンのセット継続に関するパラメータ(セット継続フラグ)、又は、セット継続及びゲーム継続に関するパラメータ(セット継続フラグ及びゲーム継続フラグ)を書き換えるか否かの抽籤(上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤)が行われる。それゆえ、本実施形態では、上乗せ特化ゾーンのセット開始時に行われた上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤及びゲーム継続抽籤の抽籤結果(セット継続フラグ及びゲーム継続フラグのオン/オフ状態、G継続番号)は、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果に応じて適宜書き換えられる。なお、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果が非当籤である場合には、セット継続フラグ及びゲーム継続フラグのオン/オフ状態、G継続番号の書き換えは行われない。
図472は、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤で参照される上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤テーブルの一例を示す図である。図472Aは、セット継続フラグ(S継続フラグ)がオフ状態(セットされていない状態)である場合に行われる上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤で参照される上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤テーブルの一例を示す図である。図472Bは、セット継続フラグがオン状態で且つゲーム継続フラグ(G継続フラグ)がオフ状態である場合に行われる上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤で参照される上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図472Cは、セット継続フラグ及びゲーム継続フラグがともにオン状態である場合に行われる上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤で参照される上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤テーブルの一例を示す図である。
各上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「S継続」、「S継続&G継続番号+1」〜「S継続&G継続番号+4」)の抽籤値が規定される。なお、例えば、抽籤結果「S継続」は、上乗せ特化ゾーンのセット継続確定を意味し、抽籤結果「S継続&G継続番号+1」は、上乗せ特化ゾーンのセット継続及びゲーム継続が確定するとともに、現在セットされているG継続番号に「1」が加算されること意味する。
本実施形態では、図472に示すように、出玉フラグSがレア役以外のもの(図中の「右記以外」)であれば、抽籤時のセット継続フラグ及びゲーム継続フラグのオン/オフ状態に関係なく、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、必ず「非当籤」が決定される。この場合には、現在セットされている、セット継続フラグ及びゲーム継続フラグのオン/オフ状態、並びに、G継続番号は、書き換えられない(維持される)。
セット継続フラグがオフ状態であり、且つ、出玉フラグSが「弱チェリー」である場合には、図472Aに示すように、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「非当籤」、「S継続」、「S継続&G継続番号+1」〜「S継続&G継続番号+3」のいずれかが決定される。また、セット継続フラグがオフ状態であり、且つ、出玉フラグSが「スイカ」である場合には、図472Aに示すように、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「非当籤」、「S継続」、「S継続&G継続番号+1」及び「S継続&G継続番号+4」のいずれかが決定される。これらの場合の上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤において、抽籤結果として、例えば、「S継続」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続が確定し、セット継続フラグがオン状態に書き換えられる。また、これらの場合の上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤において、抽籤結果として、例えば、「S継続&G継続番号+1」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続及びゲーム継続の両方が確定するとともに、G継続番号の1加算も決定される。それゆえ、この場合には、セット継続フラグがオン状態に書き換えられ、ゲーム継続フラグがオン状態にセットされ、且つ、G継続番号に「1」が加算される。
セット継続フラグ及びゲーム継続フラグがそれぞれオン状態及びオフ状態であり、且つ、出玉フラグSが「弱チェリー」である場合には、図472Bに示すように、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「非当籤」、「S継続&G継続番号+1」〜「S継続&G継続番号+3」のいずれかが決定される。また、セット継続フラグ及びゲーム継続フラグがそれぞれオン状態及びオフ状態であり、且つ、出玉フラグSが「スイカ」である場合には、図472Bに示すように、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「非当籤」、「S継続&G継続番号+1」及び「S継続&G継続番号+4」のいずれかが決定される。これらの場合の上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤において、抽籤結果として、例えば、「S継続&G継続番号+1」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続及びゲーム継続の両方が確定するとともに、G継続番号の1加算も決定される。それゆえ、この場合には、セット継続フラグがオン状態に維持され(書き換えられない)、ゲーム継続フラグがオン状態に書き換えられ、且つ、G継続番号に「1」が加算される。
セット継続フラグ及びゲーム継続フラグがともにオン状態であり、且つ、出玉フラグSが「弱チェリー」である場合には、図472Cに示すように、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「非当籤」、「S継続&G継続番号+1」〜「S継続&G継続番号+3」のいずれかが決定される。また、セット継続フラグ及びゲーム継続フラグがともにオン状態であり、且つ、出玉フラグSが「スイカ」である場合には、図472Cに示すように、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「非当籤」、「S継続&G継続番号+1」及び「S継続&G継続番号+4」のいずれかが決定される。これらの場合の上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤において、抽籤結果として、例えば、「S継続&G継続番号+1」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンのセット継続及びゲーム継続の両方が確定するとともに、G継続番号の1加算も決定される。それゆえ、この場合には、セット継続フラグ及びゲーム継続フラグがともにオン状態に維持され(書き換えられない)、G継続番号に「1」が加算される。
また、本実施形態では、図472に示すように、出玉フラグSが「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」のいずれかであれば、抽籤時のセット継続フラグ及びゲーム継続フラグのオン/オフ状態に関係なく、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、上乗せ特化ゾーンのセット継続及びゲーム継続の両方が必ず確定する。特に、出玉フラグSが「確定役」である場合には、抽籤結果として「S継続&G継続番号+4」が必ず決定される。なお、後述するように、G継続番号が大きいほど、より大きな直乗せ差枚数が獲得可能となるので、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤の抽籤結果として、「S継続&G継続番号+4」が決定された場合には、非常に大きな特典(直乗せ差枚数)が付与されることになる。
なお、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、その際に、所定のキャラに対応するランプが点灯している場合(出玉フラグSの昇格期間中である場合)には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。それゆえ、出玉フラグSの昇格期間中である場合には、出玉フラグSがレア役に対応するものになる可能性が高くなり、上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤に当籤する確率も高くなる。
(7)G継続番号4への昇格抽籤
上乗せ特化ゾーンのセット終了時に1ゲーム分の追加ゲームの実行(ゲーム継続)が確定している場合(ゲーム継続フラグがセットされている場合)には、当該セットの終了ゲームの次ゲームで、確定している追加ゲームの準備遊技を1ゲーム消化し、その後、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームが1ゲーム行われる。そして、本実施形態では、追加ゲームの準備遊技において、出玉フラグSに基づいて、現在セットされているG継続番号をG継続番号4に昇格させるか否かの抽籤(G継続番号4への昇格抽籤)が行われる。なお、後述のように、G継続番号がG継続番号4に昇格した場合には、上乗せ特化ゾーンの1ゲーム分の追加ゲームで行われる追加ゲームの継続抽籤(後述の継続G実行中継続追加抽籤)において約90%以上の確率で当籤するような出玉状態が発生する。
図473は、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームの準備遊技において行われるG継続番号4への昇格抽籤で参照されるG継続番号4昇格抽籤テーブルの一例を示す図である。G継続番号4昇格抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、G継続番号4への昇格の当籤及び非当籤(抽籤結果)のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
本実施形態では、図473に示すように、出玉フラグSがレア役以外のもの(図中の「右記以外」)であれば、G継続番号4への昇格抽籤の抽籤結果は非当籤となる。一方、出玉フラグSがレア役に対応するもの(図中の「右記以外」以外の出玉フラグS)であれば、G継続番号4への昇格抽籤に当籤する可能性があり、出玉フラグSが「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」のいずれかであれば、G継続番号4への昇格抽籤に必ず当籤する。そして、G継続番号4への昇格抽籤に当籤した場合には、現在のG継続番号がG継続番号4に書き換えられる。
なお、G継続番号4への昇格抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、その際に、所定のキャラに対応するランプが点灯している場合(出玉フラグSの昇格期間中である場合)には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。それゆえ、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームの準備遊技が出玉フラグSの昇格期間中の遊技である場合には、出玉フラグSがレア役に対応するものになる可能性が高くなり、G継続番号4への昇格抽籤に当籤する確率も高くなる。
(8)継続G実行中G継続追加抽籤
上乗せ特化ゾーンのセット終了後に準備遊技(1ゲーム)を介して行われる上乗せ特化ゾーンの1ゲーム分の追加ゲームでは、出玉フラグSに基づいて、次ゲームでも1ゲーム分の追加ゲームを行う(継続する)か否かを決定する抽籤(継続G実行中G継続追加抽籤)が行われる。
図474は、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームにおいて行われる継続G実行中G継続追加抽籤で参照される継続G実行中G継続追加抽籤テーブルの一例を示す図である。図474Aは、現在のG継続番号がG継続番号1〜3のいずれかである場合に参照される継続G実行中G継続追加抽籤テーブルの一例を示す図であり、図474Bは、現在のG継続番号がG継続番号4である場合に参照される継続G実行中G継続追加抽籤テーブルの一例を示す図であり、図474Cは、現在のG継続番号がG継続番号5である場合に参照される継続G実行中G継続追加抽籤テーブルの一例を示す図である。
各継続G実行中G継続追加抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、継続G実行中G継続追加抽籤の各抽籤結果(「非当籤」、「G継続番号4当籤」、「G継続番号5当籤」)の抽籤値が規定される。なお、この抽籤において、抽籤結果として、「G継続番号4当籤」が決定された場合には、次ゲームでの追加ゲーム(1ゲーム)の実行が確定(ゲーム継続確定)するとともに、G継続番号にG継続番号4がセットされる。また、この抽籤において、抽籤結果として、「G継続番号5当籤」が決定された場合には、次ゲームでの追加ゲーム(1ゲーム)の実行が確定(ゲーム継続確定)するとともに、G継続番号にG継続番号5がセットされる。
本実施形態では、現在のG継続番号がG継続番号1〜3のいずれかであり、且つ、出玉フラグSがレア役以外のもの(図中の「右記以外」)である場合には、図474Aに示すように、継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、「非当籤」が必ず決定される。この場合には、当該ゲームで追加ゲームが終了し、次ゲームからセット継続確定済みの次セット(5G)の上乗せ特化ゾーンの遊技が開始される。
一方、現在のG継続番号がG継続番号1〜3のいずれかであり、且つ、出玉フラグSがレア役に対応するもの(図中の「右記以外」以外の出玉フラグS)である場合には、図474Aに示すように、継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、「G継続番号4当籤」が決定される可能性がある。特に、現在のG継続番号がG継続番号1〜3のいずれかであり、且つ、出玉フラグSが「チャンス目」、「強レア役」及び「確定役」のいずれかである場合には、継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、「G継続番号4当籤」が必ず決定される。継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、「G継続番号4当籤」が決定された場合には、当該ゲームの次ゲームで再度、1ゲーム分の追加ゲームが実行されることが確定するとともに、G継続番号にG継続番号4がセットされる。
現在のG継続番号がG継続番号4である場合には、図474Bに示すように、出玉フラグSの種別に関係なく、継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、「G継続番号5当籤」が必ず決定される。この場合、当該ゲームの次ゲームで再度、1ゲーム分の追加ゲームが実行されることが確定するとともに、G継続番号にG継続番号5がセットされる。すなわち、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームの実行時に、G継続番号がG継続番号4に昇格していれば、次ゲームで、G継続番号5の追加ゲームが行われることが確定する。
また、現在のG継続番号がG継続番号5であり、且つ、出玉フラグSがレア役に対応するもの(図中の「右記以外」以外の出玉フラグS)である場合には、図474Cに示すように、継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、「G継続番号5当籤」が必ず決定される。一方、現在のG継続番号がG継続番号5であり、且つ、出玉フラグSがレア役以外のもの(図中の「右記以外」)である場合には、継続G実行中G継続追加抽籤の抽籤結果として、230/256(約90%)の確率で「G継続番号5当籤」が決定され、26/256(約10%)の確率で「非当籤」が決定される。すなわち、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームの実行時に、G継続番号がG継続番号5であれば、約90%以上の確率(ループ率)で、当該ゲームの次ゲームで再度、1ゲーム分の追加ゲームが実行されることが決定される。
すなわち、図474A〜図474Cに示すような構成の継続G実行中G継続追加抽籤テーブルを使用して継続G実行中G継続追加抽籤を行った場合には、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームの実行時に、G継続番号がG継続番号4に昇格していれば、上乗せ特化ゾーンの追加ゲーム(1ゲーム)が約90%以上の確率(ループ率)で継続するような出玉状態が発生する。このような出玉状態では、非常に大きな直乗せ差枚数が獲得可能になる。
なお、継続G実行中G継続追加抽籤では、上述のように、出玉フラグSに基づいて抽籤を行うが、その際に、所定のキャラに対応するランプが点灯している場合(出玉フラグSの昇格期間中である場合)には、所定のキャラに対応した昇格ルールに従って昇格した出玉フラグSに基づいて抽籤が行われる。それゆえ、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームが出玉フラグSの昇格期間中の遊技である場合には、出玉フラグSがレア役に対応するものになる可能性が高くなり、G継続番号4に昇格し、約90%以上の確率(ループ率)で、上乗せ特化ゾーンの追加ゲーム(1ゲーム)が継続するような出玉状態に移行(突入)する確率も高くなる。
(9)上乗せ特化ゾーン中の直乗せ差枚数抽籤
上乗せ特化ゾーンでは、セット継続が決定されたとき(セット継続フラグがセットされたとき)、セット終了ゲームの第3停止時にゲーム継続が確定しているとき(ゲーム継続フラグがセットされているとき)、及び、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームで継続G実行中G継続追加抽籤に当籤したときの各ゲームにおいて、直乗せ差枚数(AT残り差枚数の上乗せ数)の抽籤が行われる。この際、まず、滞在中の上乗せ特化ゾーンの種別、又は、セットされているG継続番号に基づいて、直乗せ番号を取得(決定)する。そして、当該取得された直乗せ番号に対応する抽籤テーブル(直乗せ差枚数抽籤テーブル)を参照して、直乗せ差枚数抽籤が行われる。
図475は、上乗せ特化ゾーン中の直乗せ差枚数抽籤を行う際に、直乗せ番号を取得するために参照される上乗せ特化ゾーン中直乗せ番号判定テーブルである。
上乗せ特化ゾーン中の上乗せ特化ゾーンのセット継続抽籤(図468参照)や上乗せ特化ゾーン中書き換え抽籤(図472参照)で上乗せ特化ゾーンのセット継続が確定した(セット継続フラグがセットされた)ゲームでは、直乗せ番号として、図475中の「上乗せ特化A〜C中」に対応付けられた直乗せ番号1がセットされる。この場合には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号1の欄の抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。それゆえ、この場合、AT中モードがAT中モード0又は1であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「10枚」、「20枚」、「30枚」、「50枚」及び「100枚」が決定可能であり、その中でも「10枚」が最も高い確率で決定される。また、この場合、AT中モードがAT中モード2であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「10枚」が必ず決定される。
上乗せ特化ゾーンのセット終了ゲームの第3停止時にゲーム継続が確定しているとき、及び、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームで継続G実行中G継続追加抽籤に当籤したとき(ゲーム継続フラグがセットされているとき)の各ゲームにおいて、G継続番号がG継続番号1である場合には、図475に示すように、直乗せ番号として、直乗せ番号2がセットされる。この場合には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号2の欄の抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。それゆえ、この場合、AT中モードがAT中モード0又は1であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「20枚」、「30枚」、「50枚」、「100枚」及び「300枚」が決定可能であり、その中でも「20枚」が最も高い確率で決定される。また、この場合、AT中モードがAT中モード2であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「20枚」が必ず決定される。
上乗せ特化ゾーンのセット終了ゲームの第3停止時にゲーム継続が確定しているとき、及び、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームで継続G実行中G継続追加抽籤に当籤したときの各ゲームにおいて、G継続番号がG継続番号2である場合には、図475に示すように、直乗せ番号として、直乗せ番号3がセットされる。この場合には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号3の欄の抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。それゆえ、この場合、AT中モードがAT中モード0又は1であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「30枚」、「50枚」、「100枚」及び「300枚」が決定可能であり、その中でも「30枚」が最も高い確率で決定される。また、この場合、AT中モードがAT中モード2であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「30枚」が必ず決定される。
上乗せ特化ゾーンのセット終了ゲームの第3停止時にゲーム継続が確定しているとき、及び、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームで継続G実行中G継続追加抽籤に当籤したときの各ゲームにおいて、G継続番号がG継続番号3である場合には、図475に示すように、直乗せ番号として、直乗せ番号4がセットされる。この場合には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号4の欄の抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。それゆえ、この場合、AT中モードがAT中モード0又は1であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「50枚」、「100枚」及び「300枚」が決定可能であり、その中でも「50枚」が最も高い確率で決定される。また、この場合、AT中モードがAT中モード2であるときには、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として、「50枚」が必ず決定される。
また、上乗せ特化ゾーンのセット終了ゲームの第3停止時にゲーム継続が確定しているとき、及び、上乗せ特化ゾーンの追加ゲームで継続G実行中G継続追加抽籤に当籤したときの各ゲームにおいて、G継続番号がG継続番号4又は5である場合には、図475に示すように、直乗せ番号として、直乗せ番号1がセットされる。この場合には、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号1の欄の抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合、直乗せ差枚数抽籤の抽籤結果(直乗せ差枚数)として「10枚」という少ない直乗せ差枚数が決定される確率が高くなるが、上述のように、G継続番号がG継続番号4又は5である場合には、上乗せ特化ゾーンの追加ゲーム(1ゲーム)が非常に高い確率(90%以上)で継続する出玉状態となっている。それゆえ、1回の追加ゲーム当たりの直乗せ差枚数が少なくても、追加ゲームの継続回数が多くなるので、トータルの直乗せ差枚数は多くなる。
(10)上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤
上乗せ特化ゾーンのセット終了時のゲームの第3停止時において、セット継続フラグがセットされていない場合には、当該ゲームにおいて、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数に基づいて、EPB及び上乗せ特化ゾーンAのストック抽籤(上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤)が行われる。
図476は、上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤で参照される上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤テーブルの一例を示す図である。上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤テーブルでは、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数(上乗せ特化ゾーンS継続回数)の種別毎に、当該抽籤の当籤及び非当籤(抽籤結果)のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
本実施形態では、図476に示すように、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が2回以下であれば、4/256の確率で上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤に当籤し、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が3〜19回であれば、1/256の確率で上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤に当籤し、上乗せ特化ゾーンのセット継続回数が20回以上であれば、上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤に必ず当籤する。
上乗せ特化ゾーン終了時EPB抽籤に当籤した場合には、EPB及び上乗せ特化ゾーンAの各ストック数に「1」を加算する。この場合、当該上乗せ特化ゾーンの終了ゲームの次ゲームに、出玉状態がEPB状態に移行してEPB状態の遊技が開始され、その後、EPB状態の終了ゲームの次ゲームに出玉状態が上乗せ特化ゾーンAに移行して上乗せ特化ゾーンAの遊技が開始される。
(11)上乗せ特化ゾーン中の各種演出
上乗せ特化ゾーンの1セット目の前半5ゲームでは、上乗せ特化ゾーンの導入演出として、特化ゾーン開始時の映像が表示される。また、1セット目の後半5ゲーム及び2セット目以降の5ゲームでは、敵キャラと味方キャラの攻防(バトル)が描かれ、その展開(バトル結果)によりセット継続の成否や上乗せの大きさが示唆される。味方キャラが倒されない限り上乗せ特化ゾーンのセットが継続するという演出法則が採用されており、セット継続確定演出は、上乗せ特化ゾーンの当該区間の1〜5ゲーム目のいずれでも出現する場合がある。なお、本実施形態では、上乗せ特化ゾーンの少なくとも最終ゲーム、又は、その次のベット操作時までに継続の有無が報知される。それゆえ、例えば、5ゲーム目で味方キャラが倒れ、次のベット操作時に復活演出が発生するような演出が行われることもある。
また、上乗せ特化ゾーン中の直乗せ抽籤により決定された直乗せ差枚数の値は、基本的には、当該セットの最終ゲーム(当該セットの5ゲーム目)に報知されるが、復活演出が行われる場合には、最終ゲーム後の次ベット操作時に直乗せ差枚数の値が報知される。
また、上乗せ特化ゾーンのゲーム継続抽籤に当籤した場合には、復活演出が選ばれることはなく、必ず当該セットの5ゲーム目に直乗せ差枚数が報知され、その次のベット操作時にゲーム数継続抽籤に当籤した旨の演出(例えば、「もう1回だ!」といった1ゲーム加算を示唆する継続報知ボイス等)が発生する。そして、その後、ゲーム継続による当該セットの継続準備の1ゲームの演出(例えば、味方キャラが攻撃準備をするシーンの動画表示演出等)が行われ、次いで、追加の1ゲームにおいて、例えば、味方キャラの攻撃が敵キャラに命中する演出等が行われるとともに、決定された直乗せ差枚数が表示ユニット100等で報知される。
また、上乗せ特化ゾーン中に、G継続番号4への昇格抽籤に当籤した場合には、昇格当籤時専用演出が発生する。また、上乗せ特化ゾーンにおいて、継続G実行中G継続追加抽籤が行われる状態、すなわち、G継続番号4に当籤し、G継続番号が「4」又は「5」である状態(100%又は約90%以上の確率で直乗せゲームが継続する非常に有利な状態)である場合には、ゲーム継続率(ループ率)が上昇している旨、又は、非常に有利な状態である旨を示唆する表示演出が行われる。具体的には、例えば、上乗せ特化ゾーン中の味方キャラと敵キャラとの攻防とは異なる、特殊攻撃を味方が行っているシーンが描写されるとともに、「高継続中」等のテロップが表示される。
さらに、上乗せ特化ゾーンの終了時には、当該上乗せ特化ゾーン中に獲得した直乗せゲーム数(継続ゲーム数)の合計と、継続したセット数が表示ユニット100等で表示される。
〔EXB状態〕
EXB状態は、通常中状態(非有利区間)及び通常中状態(有利区間)において、サブフラグが「SPチェリーリプ」であるときに行われるロングフリーズ抽籤に当籤した場合に移行する出玉状態である。EXB状態は、その開始時から50ゲームの期間に亘って擬似ボーナス遊技が行われるEXB−OP状態と、EXB−OP状態終了後に5ゲーム+αの期間(不定)に亘って擬似ボーナス遊技が行われるEXB−ST状態と、EXB−ST状態終了後に50ゲームの期間に亘って擬似ボーナス遊技が行われるEXB−ED状態とで構成される。そして、EXB−ED状態終了後には、出玉状態はAT中通常状態に移行する。なお、EXB状態は通常中状態(非有利区間)及び通常中状態(有利区間)から移行する出玉状態であり、また、EXB状態中ではキャラ決定抽籤が行われないので、EXB状態では、出玉フラグSの昇格状態は発生しない(出玉フラグSの昇格機能は作動しない)。
(EXB−OP状態)
まず、EXB−OP状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)EXB−OP状態中のAT通常中モード抽籤
EXB−OP状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照し、設定に基づいて、AT通常中モード抽籤が行われる。
(2)EXB−OP状態中の直乗せ番号抽籤
EXB−OP状態では、EPB状態と同様に、毎ゲームの遊技開始時に、EPB状態の直乗せ番号抽籤で使用したEPB中直乗せ番号抽籤テーブル(図467参照)を参照し、出玉フラグSに基づいて、直乗せ番号抽籤が行われる。なお、この直乗せ番号抽籤は、昇格無し時の出玉フラグSに基づいて行われる。
(3)EXB−OP状態中の直乗せ差枚数抽籤
EXB−OP状態では、EXB−OP状態中の直乗せ番号抽籤に当籤して直乗せが決定された場合、当該ゲームの遊技開始時に、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブルを使用して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、EXB−OP状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号(直乗せ番号1〜5のいずれか)に応じて、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号に対応する抽籤テーブルの欄の抽籤値を参照する。
例えば、AT中モードがAT中モード0又は1であり、EXB−OP状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号3である場合には、図462Aの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号3」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Aに示すように、直乗せ差枚数「30枚」、「50枚」、「100枚」及び「300枚」のいずれかを獲得することができる。
なお、EXB−OP状態中に直乗せ差枚数が決定された当該ゲームでは、第1サブ表示装置201において直乗せ差枚数を報知する演出(上乗せ差枚数報知演出)が行われるが、表示ユニット100では上乗せ差枚数報知演出は行われない。EXB−OP状態中には、表示ユニット100において、エピソード映像(例えば、モチーフとなった作品の名場面を再編集又は新規に制作した映像等)が表示されており、この映像を邪魔しないように上乗せを報知する必要があるため、このような報知演出態様としている。また、EXB−OP状態中に直乗せ差枚数が決定された場合にも当該ゲームで決定された直乗せ差枚数の全てを報知せずに、EXB−OP状態終了時やその後のAT残り差枚数が0枚になった場合などのタイミングで、報知されなかった分の直乗せ差枚数を事後的に報知するようにして、エピソード映像への没入感を高めるようにしてもよい。
(4)EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤
EXB−OP状態に滞在中には、毎ゲームの遊技開始時に、BB状態と同様に、BB状態で使用したBB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブル(図466参照)を参照して上乗せ特化ゾーンのストック抽籤(EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤)が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、出玉フラグBに応じて、EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤が行われる。
そして、EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「上乗せ特化A」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンA(上乗せ特化ゾーンAへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化B」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンB(上乗せ特化ゾーンBへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化C」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンC(上乗せ特化ゾーンCへの移行権利)のストック数に「1」を加算する。なお、EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤によりストックされた上乗せ特化ゾーンは、EXB状態(EXB−ED状態)の遊技期間(50ゲーム)終了後に移行するAT中通常状態において、AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)で決定された前兆ゲームを経て放出される。
なお、EXB−OP状態中では、EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤において「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかに当籤した場合であっても、副制御基板72(サブ側)による白AR揃い出目への誘導ナビ、つまり、「S白揃い表示」(外見上、「白BAR」図柄が1本の直線上で停止表示)又は「W白揃い表示」(外見上、「白BAR図柄」が2本の直線上で停止表示)となる押し順及び「白BAR」図柄を各リールに目押しすべき旨の報知は行われずに、白BAR揃い出目を回避する押し順が表示ユニット100等で報知される。すなわち、EXB−OP状態中の演出では、特典報知演出によりエピソード映像の表示が遮られることがないように配慮されている。
また、EXB−OP状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤においていずれかの上乗せ特化ゾーンに当籤した場合には、その後のEXB−ST状態及びEXB−ED状態の遊技が消化された後、所定の前兆ゲーム数を経由した後に上乗せ特化ゾーンへの移行が報知される。極めて上乗せ性能が高いEXB−ST状態の遊技消化中には後述のエンディング状態への移行条件を満たす可能性がある程度あるため、EXB-OP状態中に上乗せ特化ゾーンの当籤を報知した場合には、エンディング状態への移行条件の成立時に、獲得した上乗せ特化ゾーンへの移行権利の恩恵が受けられないことを遊技者が認識することになり、遊技者の損失感を大きくする。それゆえ、本実施形態では、EXB−OP状態中では上乗せ特化ゾーンへ移行する権利の獲得は報知されないようにしている。
(EXB−ST状態)
EXB−ST状態では、その遊技期間の開始時(突入時)に、EXB−ST状態の残りゲーム数として5ゲーム(EXB−ST状態の最低保証ゲーム数)がセットされるとともに、保証ゲーム数内のゲームであることを表すST保証フラグがセット(オン)される。なお、EXB−ST状態の残りゲーム数は、EXB−ST状態中、毎ゲーム、1減算される。
また、EXB−ST状態中に行われる直乗せ差枚数抽籤に当籤(直乗せ差枚数が決定)した場合には、EXB−ST状態の残りゲーム数が「5」にリセットされ、ST保証フラグがクリア(オフ)される。この場合、次ゲームから5ゲームのEXB−ST状態の遊技がリスタートする。例えば、EXB−ST状態の開始後(突入後)から3ゲーム目(EXB−ST状態の残りゲーム数は「2」の状態)において行われるEXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤に当籤した場合には、EXB−ST状態の残りゲーム数が「5」に再設定され、次ゲームから5ゲームのEXB−ST状態の遊技が再スタートする。
一方、EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤に非当籤となったゲームにおいて、EXB−ST状態の残りゲーム数が「0」になり、且つ、ST保証フラグがセット(オン)されている場合には、AT残り差枚数(AT残り差枚数カウンタの値)に「100」が加算され、ST保証フラグがクリア(オフ)される。また、この際、EXB−ST状態の残りゲーム数に「5」が再設定され、次ゲームから5ゲームのEXB−OP状態の遊技が再スタートする。すなわち、本実施形態では、EXB−ST状態開始時から最低保証ゲーム数目までの期間(5ゲーム)に亘って直乗せ差枚数抽籤に当籤しなかった場合でも、「100枚」の直乗せ差枚数が保証される。また、EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤に非当籤となったゲームにおいて、EXB−ST状態の残りゲーム数が「0」になり、且つ、ST保証フラグがクリア(オフ)されている場合には、当該ゲームでEXB−ST状態の遊技が終了し、次ゲームから出玉状態がEXB−ED状態に移行する。
次に、EXB−ST状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)EXB−ST状態中のAT通常中モード抽籤
EXB−ST状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照し、設定に基づいて、AT通常中モード抽籤が行われる。
(2)EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤
EXB−ST状態では、毎ゲームの遊技開始時に、出玉フラグAに基づいて、直乗せ差枚数抽籤が行われる。
図477は、EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤で参照されるEXB−ST状態中直乗せ差枚数抽籤テーブルの一例を示す図である。EXB−ST状態中直乗せ差枚数抽籤テーブルでは、出玉フラグAの種別毎に、抽籤結果となる、直乗せ差枚数「100枚」、「300枚」及び「500枚」のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤において、出玉フラグAがレア役(図中の「弱レア役」、「強レア役」及び「確定役」のいずれか)である場合には、図477に示すように、「100枚」以上の直乗せ差枚数(当籤)が必ず決定される構成になっている。特に、出玉フラグAが「確定役」である場合には、「500枚」の直乗せ差枚数が決定される。一方、EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤において、出玉フラグAがレア役以外(図中の「右記以外」)である場合には、166/256(約65%)の確率で「非当籤」が決定される。なお、EXB−ST状態中の直乗せ差枚数抽籤に当籤した場合(直乗せ差枚数が決定された場合)には、その都度、決定された直乗せ差枚数がAT残り差枚数(AT残り差枚数カウンタの値)に加算される。
なお、EXB-ST状態では、直乗せ差枚数抽籤に当籤した遊技において直乗せ差枚数が表示ユニット100等で報知される。そして、この際、直乗せ差枚数を報知するとともに、EXB-ST状態の残りゲーム数をその時点の残りゲーム数から初期値である5ゲームまで巻き戻す演出が行われる。また、EXB−ST状態の終了時には、例えば「+1100枚 5回成功」といった文言が表示された終了画面を表示ユニット100等で表示する演出が行われ、当該EXB−ST状態で獲得した直乗せ差枚数の合計値及び上乗せ成功回数が表示される。しかしながら、後述のようにEXB−ST状態の途中でエンディング状態に移行した場合には、演出が移行直前のEXB−ST状態での演出からエンディング演出に切り替わる(詳しくは後述の図501等参照)が、この場合には、映像面の整合性等を考慮して、上述したEXB−ST状態の終了画面は表示されない。
(EXB−ED状態)
次に、EXB−ED状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)EXB−ED状態中のAT通常中モード抽籤
EXB−ED状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる度(ベルナビ回数が25回に到達する度)に、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照し、設定に基づいて、AT通常中モード抽籤が行われる。
(2)EXB−ED状態中の直乗せ番号抽籤
EXB−ED状態では、EPB状態と同様に、毎ゲームの遊技開始時に、EPB状態の直乗せ番号抽籤で使用したEPB中直乗せ番号抽籤テーブル(図467参照)を参照し、出玉フラグSに基づいて、直乗せ番号抽籤が行われる。なお、この直乗せ番号抽籤は、昇格無し時の出玉フラグSに基づいて行われる。
(3)EXB−ED状態中の直乗せ差枚数抽籤
EXB−ED状態では、EXB−ED状態中の直乗せ番号抽籤に当籤して直乗せ番号が決定された場合、当該ゲームの遊技開始時に、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブルを使用して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、EXB−ED状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号(直乗せ番号1〜5のいずれか)に応じて、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号に対応する抽籤テーブルの欄の抽籤値を参照する。
例えば、AT中モードがAT中モード0又は1であり、EXB−ED状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号3である場合には、図462Aの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号3」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Aに示すように、直乗せ差枚数「30枚」、「50枚」、「100枚」及び「300枚」のいずれかを獲得することができる。
なお、EXB−ED状態中に直乗せ差枚数が決定された当該ゲームでは、第1サブ表示装置201において直乗せ差枚数を報知する演出(上乗せ差枚数報知演出)が行われるが、表示ユニット100では上乗せ差枚数報知演出は行われない。EXB−ED状態中には、表示ユニット100において、エピソード映像(例えば、モチーフとなった作品の名場面を再編集又は新規に制作した映像等)が表示されており、この映像を邪魔しないように上乗せを報知する必要があるため、このような報知演出態様としている。また、EXB−OP状態中と同様に、EXB−ED状態中に直乗せ差枚数が決定された場合にも当該ゲームで直乗せ差枚数の全てを報知せずに、EXB−ED状態終了時やその後のAT残り差枚数が0枚になった場合などのタイミングで、報知されなかった分の直乗せ差枚数を事後的に報知するようにして、エピソード映像への没入感を高めるようにしてもよい。さらに、EXB−ED状態の終了時には、EXB−OP状態、EXB−ST状態、EXB−ED状態で獲得された直乗せ差枚数の合計値を表示ユニット100等で表示する演出を行い、3部構成となっているEXB状態全体で獲得された特典を遊技者が把握しやすくなるようにしてもよい。
(4)EXB−ED状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤
EXB−ED状態に滞在中には、毎ゲームの遊技開始時に、BB状態と同様に、BB状態で使用したBB中上乗せ特化ゾーン抽籤テーブル(図466参照)を参照して上乗せ特化ゾーンのストック抽籤(EXB−ED状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤)が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、出玉フラグBに応じて、EXB−ED状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤が行われる。
そして、EXB−ED状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤の抽籤結果として「上乗せ特化A」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンA(上乗せ特化ゾーンAへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化B」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンB(上乗せ特化ゾーンBへの移行権利)のストック数に「1」を加算し、抽籤結果として「上乗せ特化C」が決定された場合には、上乗せ特化ゾーンC(上乗せ特化ゾーンCへの移行権利)のストック数に「1」を加算する。なお、EXB−ED状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤によりストックされた上乗せ特化ゾーンは、EXB(EXB−ED状態)の遊技期間(50ゲーム)終了後に移行するAT中通常状態において、AT中前兆ゲーム数抽籤(ストック放出時)で決定された前兆ゲームを経て放出される。
なお、EXB−ED状態中では、EXB−ED状態中の上乗せ特化ゾーン抽籤において「上乗せ特化A」、「上乗せ特化B」及び「上乗せ特化C」のいずれかに当籤した場合であっても、副制御基板72(サブ側)による白AR揃い出目への誘導ナビ、つまり、「S白揃い表示」又は「W白揃い表示」となる押し順及び「白BAR」図柄を各リールに目押しすべき旨の報知は行われずに、白BAR揃い出目を回避する押し順が表示ユニット100等で報知される。すなわち、EXB−ED状態中の演出では、特典報知演出によりエピソード映像の表示が遮られることがないように配慮されている。また、EXB−ED状態中にいずれかの上乗せ特化ゾーンに当籤した場合には、EXB−ED状態の遊技が消化された後、所定の前兆ゲーム数を経由した後に上乗せ特化ゾーンへの移行が報知される。
〔エンディング状態〕
本実施形態では、AT機能が作動可能な各出玉状態の遊技において、当該実行中のAT状態の遊技期間で、獲得済みの遊技価値の総数(純増分)と、遊技価値の残りの獲得可能数(獲得確定済みのAT残り上乗せ数)との合計が規定数(本実施形態では「1800」)以上となった場合、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときには、出玉状態が「エンディング状態」に移行する。
エンディング状態の遊技期間の開始時(突入時)には、AT残り差枚数管理カウンタの値(AT残り差枚数)に「200」が加算される。すなわち、本実施形態では、エンディング状態に移行しただけで、直乗せ差枚数「200枚」が付与される。なお、当該直乗せ差枚数「200枚」の付与は、エンディング状態の遊技期間の開始直後の1ゲーム目に、サブ表示装置201で報知されるが、表示ユニット100ではこの報知演出は行われない。これは、後述のエンディング演出で行われる表示ユニット100での映像演出を邪魔しないようにするためである。
エンディング状態の遊技期間中の遊技では、直乗せ差枚数抽籤が行われ、AT残り差枚数の上乗せが行われる。そして、エンディング状態中において、AT残り差枚数管理カウンタの値(AT残り差枚数)が「0」になった場合、又は、規則上の有利区間終了条件が成立した場合(当該有利区間での遊技価値の獲得数が「2400」以上となった場合、又は、当該有利区間での消化ゲーム数が「1500」に到達した場合)、エンディング状態の遊技期間が終了し、出玉状態は通常中状態(非有利区間)に移行する。
すなわち、AT状態の遊技中に、規則上の有利区間の終了条件の成立が近くなれば、出玉状態がエンディング状態に移行し、エンディング状態では、規則上の有利区間の終了条件が成立するまで遊技を行うこと(有利区間完走)が可能になる。
なお、本実施形態では、エンディング状態に移行する直前の出玉状態の遊技において、ランプが点灯状態(出玉フラグSが昇格状態)にあり、且つ、残りの点灯ゲーム数が「1」以上である場合(エンディング移行時にランプ点灯期間が残っている場合)であっても、エンディング移行時には、そのランプ点灯状態(出玉フラグSの昇格状態)は引き継がれない。また、エンディング状態ではキャラ決定抽籤が行われない。それゆえ、エンディング状態では、出玉フラグSの昇格状態は発生しない(出玉フラグSの昇格機能は作動しない)。
以下、エンディング状態の遊技で行われる各種抽籤について説明する。
(1)エンディング状態中の直乗せ番号抽籤
エンディング状態では、毎ゲームの遊技開始時に、直乗せ差枚数(AT残り差枚数の上乗せ数)の抽籤テーブルを決定するための直乗せ番号を抽籤で決定する。なお、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で決定可能は直乗せ番号は「1」〜「4」のいずれかである(「直乗せ番号5」〜「直乗せ番号9」は決定されない)。
図478は、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で参照されるエンディング中直乗せ番号抽籤テーブルの一例を示す図である。エンディング中直乗せ番号抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「直乗せ番号1」〜「直乗せ番号5」)の抽籤値が規定される。なお、本実施形態では、図478に示すように、「直乗せ番号5」の抽籤値に「0」が規定され、「直乗せ番号5」に当籤しない構成となっているが、本発明はこれに限定されず、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で「直乗せ番号5」に当籤するようにしてもよい。
本実施形態では、図478に示すように、いずれの出玉フラグSの種別においても、エンディング中直乗せ番号抽籤の抽籤結果として「非当籤」が決定される可能性がある。エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で「非当籤」が決定された場合には、当該ゲームでの後述の直乗せ差枚数抽籤は行われず、AT残り差枚数の上乗せは行われない。また、エンディング中直乗せ番号抽籤は、昇格無し時の出玉フラグSに基づいて行われる(出玉フラグSの昇格機能の恩恵が受けられない)ので、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤では、例えば、上述したBB状態中の直乗せ番号抽籤やEPB状態中の直乗せ番号抽籤に比べて、当籤する確率は低くなる。
(2)エンディング状態中の直乗せ差枚数抽籤
エンディング状態では、毎ゲーム行われるエンディング状態中の直乗せ番号抽籤に当籤した(直乗せ番号が決定された)場合、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブルを使用して、直乗せ差枚数抽籤が行われる。この際、現在のAT中モードの値、及び、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号(直乗せ番号1〜4のいずれか)に応じて、図462の直乗せ差枚数抽籤テーブル中の直乗せ番号に対応する抽籤テーブルの欄の抽籤値を参照する。なお、エンディング状態中では、AT通常中モード抽籤が行われないので、エンディング状態突入時のAT中モードが移行せずに維持される。
例えば、AT中モードがAT中モード0又は1であり、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号1である場合には、図462Aの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号1」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Aに示すように、直乗せ差枚数「10枚」、「20枚」、「30枚」、「50枚」及び「100枚」のいずれかを獲得することができる。また、例えば、AT中モードがAT中モード2であり、エンディング状態中の直乗せ番号抽籤で決定された直乗せ番号が直乗せ番号1である場合には、図462Bの直乗せ差枚数抽籤テーブル中の「直乗せ番号1」の欄に規定されている抽籤値を参照して直乗せ差枚数抽籤が行われる。この場合には、図462Bに示すように、直乗せ差枚数「10枚」を獲得することができる。そして、エンディング状態中の直乗せ差枚数抽籤で決定された直乗せ差枚数は、その都度、AT残り差枚数(AT残り差枚数管理カウンタの値)に加算される。
〔AT終了待機状態〕
AT終了待機状態は、AT中通常状態において、AT残り差枚数(AT残り差枚数管理カウンタの値)が「0」になった場合に移行し、1ゲームのみ滞在する出玉状態である。AT終了待機状態では、上乗せゾーンA又はBへの移行(引き戻し)抽籤が行われる。そして、当該抽籤に当籤すれば、AT終了待機状態終了後、出玉状態が上乗せゾーンA又はBに移行し、当該抽籤が非当籤であれば、AT終了待機状態終了後、出玉状態が通常中状態(非有利区間)に移行する。
以下、AT終了待機状態で行われる各種抽籤について説明する。
(1)AT終了待機状態中のAT通常中モード抽籤
AT終了待機状態では、AT中通常状態と同様に、ベルナビ回数カウンタの値が「0」になる(ベルナビ回数が25回に到達する)と、AT中通常状態で使用したAT中モード抽籤テーブル(図443参照)を参照してAT通常中モード抽籤が行われる。
(2)AT終了待機状態中のキャラ決定抽籤、点灯ゲーム数抽籤
AT終了待機状態の遊技において、サブフラグが「はずれ」である場合(内部当籤役が「はずれ」である場合)には、AT中通常状態と同様に、AT中通常状態で使用したAT中キャラ決定抽籤テーブル(図444参照)を参照してキャラ決定抽籤が行われる。さらに、AT終了待機状態中のキャラ決定抽籤に当籤した場合(「キャラA」、「キャラB」、「キャラD」及び「キャラE」のいずれかが決定された場合)には、AT中通常状態と同様に、当該ゲームの開始時に、AT中通常状態で使用した点灯ゲーム数抽籤テーブル(図445参照)を参照してランプの点灯期間(出玉フラグSの昇格期間)を決定するための点灯ゲーム数抽籤が行われ、点灯ゲーム数として、3G又は5Gが決定される。
なお、本実施形態では、後述のAT終了待機状態中のSTRレベルに基づく上乗せゾーン抽籤に当籤して、上乗せゾーンA又はBへの移行が獲得した場合には、AT終了待機状態中のキャラ決定抽籤及び点灯ゲーム数抽籤の抽籤結果が、次ゲーム(上乗せゾーンA又はB)で反映される。この場合、移行先の上乗せゾーンA又はBでは、その遊技開始から所定期間(3G又は5G)、ランプの点灯状態(出玉フラグSの昇格状態)が発生する。一方、後述のSTRレベルに基づく上乗せゾーン抽籤が非当籤である場合には出玉状態が通常中状態(非有利区間)に移行するので、次ゲーム(通常中状態(非有利区間))で、AT終了待機状態中のキャラ決定抽籤及び点灯ゲーム数抽籤の抽籤結果は反映されない。この場合、移行先の通常中状態(非有利区間)ではランプも点灯せず、出玉フラグSも昇格しない。
(3)AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤
AT終了待機状態の遊技では、出玉フラグSに基づいて、上乗せゾーンAに移行するか否かを決定するための抽籤(上乗せゾーンA抽籤)が行われる。
図479は、AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤で参照されるAT終了時上乗せゾーンA抽籤テーブルの一例を示す図である。AT終了時上乗せゾーンA抽籤テーブルでは、出玉フラグSの種別毎に、上乗せゾーンAの当籤及び非当籤(抽籤結果)のそれぞれに対して抽籤値が規定される。
本実施形態では、図479に示すように、AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤において、出玉フラグSがレア役に対応するものである場合には、上乗せゾーンAの当籤が決定される。一方、AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤において、出玉フラグSがレア役以外のもの(「はずれ」が含まれる)に対応するものである場合には、上乗せゾーンAの非当籤が決定される。そして、AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤で上乗せゾーンAの当籤が決定された場合には、次ゲームから、出玉状態が上乗せゾーンAに移行し、上乗せゾーンAの遊技が開始される。
なお、AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤で上乗せゾーンAの当籤が決定された際の出玉フラグSが「弱チェリー」又は「スイカ」である場合には、上乗せAレベルを「上乗せALV2」にセットする。AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤で上乗せゾーンAの当籤が決定された際の出玉フラグSが「チャンス目」又は「強レア役」である場合には、上乗せAレベルを「上乗せALV3」にセットする。また、AT終了待機状態中の上乗せゾーンA抽籤で上乗せゾーンAの当籤が決定された際の出玉フラグSが「確定役」である場合には、上乗せAレベルを「上乗せALV4」にセットする。
(4)STRレベルに基づく上乗せゾーン抽籤
AT終了待機状態では、上述した出玉フラグS(当籤役)に基づく上乗せゾーンA抽籤(AT状態への引き戻し抽籤)に非当籤であった場合(出玉フラグSがレア役以外のもの(「はずれ」が含まれる)であった場合)には、「STRポイント」と称するポイントに基づくAT状態への引き戻し抽籤(上乗せゾーン抽籤)が行われる。
ここでは、まず、STRポイント及びその加算抽籤について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、有利区間の遊技において、特定契機(遊技者にストレスを感じさせるような各種状況)の発生時にSTRポイントの加算抽籤が行われる。
図480は、STRポイントの加算抽籤が行われる各種契機と、各契機に対応付けられたインデックス(契機IDX)との関係を示す一覧表である。STRポイントの加算抽籤が行われる契機の内容は、次の通りである。
契機「有利区間開始時」(契機IDX1)は、有利区間移行抽籤の当籤時である。契機「強レア役スルー」(契機IDX2)は、通常中状態(有利区間)で強レア役(「F_チャンリプA」、「F_チャンリプB」、「F_強チェリー」及び「F_強ベル」のいずれか)に当籤した(出玉制御ビットのビット4に「1」がセットされた)が、前兆ゲーム数が「0」となったとき(AT初当り抽籤、通常中CZ(CZEX)初当り抽籤に非当籤となったとき)である。契機「フェイク当籤時」(契機IDX2)は、AT中通常状態で「上乗せフェイク」又は「上乗せ特化フェイク」の遊技に突入するときである。契機「通常中CZスルー」(契機IDX3)は、出玉状態が通常中CZ状態から通常中状態(有利区間)に移行するときである。契機「AT中CZスルー」(契機IDX3)は、出玉状態がAT中CZ状態からAT中通常状態に移行するときである。契機「AT終了時_AT中獲得済み枚数が109枚以下」(契機IDX5)は、AT終了待機状態で、AT状態中で獲得された遊技価値の総数(純増数)が「109」以下であるときである。契機「AT終了時_AT中獲得済み枚数が110枚以上」(契機IDX2)は、AT終了待機状態で、AT状態中で獲得された遊技価値の総数(純増数)が「110」以上であるときである。また、契機「通常中はまりG数が600Gになった時」(契機IDX5)は、通常中状態(有利区間)での連続遊技回数が600Gになったときである。
図481は、STRポイントの加算抽籤で使用されるSTRポイント加算抽籤テーブルの一例を示す図である。STRポイント加算抽籤テーブルでは、契機IDXの種別毎に、各抽籤結果(「非当籤」、「1ポイント」〜「250ポイント」)の抽籤値が規定される。
本実施形態では、図481に示すように、契機IDX2では、STRポイントの加算抽籤に非当籤(加算ポイント無し)となる可能性があるが、契機IDX2以外の契機では、STRポイントの加算抽籤により加算ポイントが必ず決定される構成になっている。特に、契機IDX4又は5では、50ポイント以上の加算ポイントが決定される。そして、STRポイントの加算抽籤で決定された加算ポイントは、有利区間中、STRポイントに累積加算される。
また、本実施形態では、累積換算されたSTRポイントを複数種のレベル(以下、「STRレベル」という)に区分する。図482は、STRレベルとSTRポイントとの対応を示す図である。本実施形態では、図482に示すように、STRポイントを50ポイント間隔で6段階のレベル(「STRレベル0」〜「STRレベル5」)に区分する。
そして、AT終了待機状態の遊技では、STRレベル及びAT中モードの値に基づいて、上乗せゾーンA又はBに移行するか否かを決定するための抽籤(上乗せゾーン抽籤)が行われる。
図483は、AT終了待機状態中のSTRレベルに基づく上乗せゾーン抽籤で参照されるAT終了時上乗せゾーン抽籤テーブルの一例を示す図である。図483Aは、AT中モードがATモード0又は1である場合に参照されるAT終了時上乗せゾーン抽籤テーブルの一例を示す図であり、図483Bは、AT中モードがATモード2である場合に参照されるAT終了時上乗せゾーン抽籤テーブルの一例を示す図である。
AT終了時上乗せゾーン抽籤テーブルでは、STRレベルの種別毎に、非当籤、上乗せゾーンAの当籤及び上乗せゾーンBの当籤(抽籤結果)のそれぞれに対して抽籤値が規定される。本実施形態では、図483に示すように、AT終了待機状態中の上乗せゾーン抽籤において、STRレベルが2以上(STRポイントが100以上)であれば、AT中モードの値に関係なく、上乗せゾーンA又はBに当籤する。しかし、AT終了待機状態中の上乗せゾーン抽籤において、STRレベルが2未満である場合には、AT中モードの値に関係なく、上乗せゾーン抽籤に非当籤となる可能性がある。特に、AT終了待機状態中の上乗せゾーン抽籤において、STRレベルが0であり、且つ、AT中モードがATモード2である場合には、上乗せゾーン抽籤に当籤しない構成になっている。
そして、AT終了待機状態中の上乗せゾーン抽籤で上乗せゾーンAの当籤が決定された場合には、次ゲームから、出玉状態が上乗せゾーンAに移行し、上乗せゾーンAの遊技が開始される。AT終了待機状態中の上乗せゾーン抽籤で上乗せゾーンBの当籤が決定された場合には、次ゲームから、出玉状態が上乗せゾーンBに移行し、上乗せゾーンBの遊技が開始される。また、AT終了待機状態中の出玉フラグS(当籤役)に基づく上乗せゾーンA抽籤、及び、STRポイントに基づく上乗せゾーン抽籤のいずれにおいても非当籤が決定された場合には、出玉状態は通常中状態(非有利区間)に移行する。
(5)上乗せゾーンAのレベル抽籤
本実施形態では、AT終了待機状態中の上乗せゾーン抽籤で上乗せゾーンAの当籤が決定された場合には、AT中通常状態で使用した上乗せAレベル抽籤テーブル(図451参照)を参照して上乗せゾーンAのレベル抽籤が行われ、AT中通常状態と同様にして上乗せゾーンAのレベルがセットされる。
〔出玉状態間の遷移フロー〕
次に、図484〜図486を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される出玉状態間の遷移態様(遊技フロー)について説明する。
図484は、本実施形態のパチスロ機1における出玉状態間の遷移表である。この遷移表中の左端列に記載の出玉状態は移行前の出玉状態であり、最上行に記載の出玉状態は移行後の出玉状態であり、表中のマス目に記載の数字(1〜39)は出玉状態間の移行形態を表す遷移番号である。また、遷移表中の「※」印が記載されているマス目の移行は、有利区間の規則上の終了条件が満たされたときの移行である。なお、本実施形態では、遷移表中に数字又は「※」印が記載されているマス目に対応する移行前及び移行後の出玉状態間では出玉状態が移行するが、数字又は「※」印が記載されていないマス目に対応する移行前及び移行後の出玉状態間では、出玉状態は移行しない。
図485及び図486は、図484に示す出玉状態の遷移表中に記載の遷移番号(1〜39)の移行形態(移行条件)の内容をまとめた表である。なお、図485及び図486では、図484の遷移表中の「※」印の移行形態についての説明は省略されているが、「※」印の移行形態では、通常中状態(非有利区間)、エンディング状態及びAT終了待機以外の出玉状態において、有利区間の規則上の終了条件が満たされたときに出玉状態が通常中状態(非有利区間)に移行する。
以下、「※」印以外の各遷移番号の移行形態について説明する。
(1)通常中状態(非有利区間)からの移行形態
通常中状態(非有利区間)から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、通常中状態(有利区間)及びEXB−OP状態である。
通常中状態(非有利区間)から通常中状態(有利区間)への移行(遷移番号1)では、通常中状態(非有利区間)において、有利区間移行抽籤に当籤し、且つ、ロングフリーズ抽籤に非当籤となったゲームの次ゲームから通常中状態(有利区間)に移行する。また、通常中状態(非有利区間)からEXB−OP状態への移行(遷移番号11)では、通常中状態(非有利区間)において、ロングフリーズ抽籤に当籤したゲームの次ゲームからEXB−OP状態に移行する。
(2)通常中状態(有利区間)からの移行形態
通常中状態(有利区間)から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、通常中CZ状態、通常中CZEX状態、AT中通常状態、EPB状態及びEXB−OP状態である。
通常中状態(有利区間)から通常中CZ状態への移行(遷移番号2)では、通常中状態(有利区間)において、セットされている通常中CZ状態の前兆ゲーム数が「0」になったゲームの次ゲームから通常中CZ状態に移行する。通常中状態(有利区間)から通常中CZEX状態への移行(遷移番号3)では、通常中状態(有利区間)において、セットされている通常中CZEX状態の前兆ゲーム数が「0」になったゲームの次ゲームから通常中CZEX状態に移行する。
通常中状態(有利区間)からAT中通常状態への移行(遷移番号5)では、通常中状態(有利区間)において、セットされているAT中通常状態の前兆ゲーム数が「0」になり、且つ、EPB状態のストック数をカウントするEPBカウンタの値が「0」であるゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。通常中状態(有利区間)からEPB状態への移行(遷移番号8)では、通常中状態(有利区間)において、セットされているAT中通常状態の前兆ゲーム数が「0」になり、且つ、EPBカウンタの値が「1」以上であるゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。また、通常中状態(有利区間)からEXB−OP状態への移行(遷移番号11)では、通常中状態(有利区間)において、ロングフリーズ抽籤に当籤したゲームの次ゲームからEXB−OP状態に移行する。
(3)通常中CZ状態からの移行形態
通常中CZ状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、通常中状態(有利区間)、AT中通常状態及びEPB状態である。
通常中CZ状態から通常中状態(有利区間)への移行(遷移番号4)では、通常中CZ状態において、通常中CZ中抽籤(AT初当り抽籤)に非当籤であり、且つ、保証CI(カットイン)回数が「0」になったゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。通常中CZ状態からAT中通常状態への移行(遷移番号6)では、通常中CZ状態において、通常中CZ中抽籤(AT初当り抽籤)で、ATに当籤し且つEPBに非当籤であったゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。また、通常中CZ状態からEPB状態への移行(遷移番号9)では、通常中CZ状態において、通常中CZ中抽籤(AT初当り抽籤)でEPBに当籤したゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。
(4)通常中CZEX状態からの移行形態
通常中CZEX状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態及びEPB状態である。
通常中CZEX状態からAT中通常状態への移行(遷移番号7)では、通常中CZEX状態の最終ゲームにおいて、通常中CZEX中抽籤が非当籤であったゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。また、通常中CZEX状態からEPB状態への移行(遷移番号10)では、通常中CZEX状態において、通常中CZEX中抽籤でEPBに当籤したゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。
(5)AT中通常状態からの移行形態
AT中通常状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中CZ状態、上乗せゾーンA、上乗せ特化ゾーン(A〜C)、エンディング状態及びAT終了待機状態である。
AT中通常状態からAT中CZ状態への移行(遷移番号12)では、AT中通常状態において、セットされているAT中CZ状態の前兆ゲーム数が「0」になり、且つ、AT中CZ状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中CZ状態に移行する。AT中通常状態から上乗せゾーンAへの移行(遷移番号13)では、AT中通常状態において、セットされている上乗せゾーンAの前兆ゲーム数が「0」になり、且つ、上乗せゾーンAへの移行が確定しているゲームの次ゲームから上乗せゾーンAに移行する。AT中通常状態から上乗せ特化ゾーンへの移行(遷移番号14)では、AT中通常状態において、セットされている上乗せ特化ゾーンの前兆ゲーム数が「0」になり、且つ、上乗せ特化ゾーンへの移行が確定しているゲームの次ゲームから上乗せ特化ゾーンに移行する。
AT中通常状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、AT中通常状態において、当該実行中のAT状態の遊技期間で、獲得済みの遊技価値の総数(純増分)と、遊技価値の残りの獲得可能数(獲得確定済みのAT残り上乗せ数)との合計数(エンディング到達管理カウンタの値)が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。また、AT中通常状態からAT終了待機状態への移行(遷移番号30)では、AT中通常状態において、AT残り差枚数管理カウンタの値が「0」以下となったゲームの次ゲームからAT終了待機状態に移行する。
(6)AT中CZ状態からの移行形態
AT中CZ状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態、上乗せゾーンA、EPB状態及びエンディング状態である。
AT中CZ状態からAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、AT中CZ状態の遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。AT中CZ状態から上乗せゾーンAへの移行(遷移番号15)では、AT中CZ状態において、AT中CZ状態の残りゲーム数が「0」(AT中CZ状態終了時)になり、且つ、上乗せゾーンAへの移行が確定しているゲームの次ゲームから上乗せゾーンAに移行する。
AT中CZ状態からEPB状態への移行(遷移番号16)では、AT中CZ状態において、AT中CZ状態の残りゲーム数が「0」(AT中CZ状態終了時)になり、且つ、EPB状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。また、AT中CZ状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、AT中CZ状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(7)上乗せゾーンAからの移行形態
上乗せゾーンAから移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態、上乗せゾーンB、上乗せゾーンC、BB状態、EPB状態、上乗せ特化ゾーン(A〜C)及びエンディング状態である。
上乗せゾーンAからAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、上乗せゾーンAの遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。上乗せゾーンAから上乗せゾーンBへの移行(遷移番号17)では、上乗せゾーンAにおいて、上乗せゾーンA中のキャラ決定抽籤、又は、上乗せゾーンB昇格抽籤に当籤したゲームの次ゲームから上乗せゾーンBに移行する。上乗せゾーンAから上乗せゾーンCへの移行(遷移番号18)では、上乗せゾーンAにおいて、上乗せゾーンA中のキャラ決定抽籤で、点灯中のランプに対応するキャラと同一のキャラが当籤(上乗せゾーンCに当籤)したゲームの次ゲームから上乗せゾーンCに移行する。
上乗せゾーンAからBB状態への移行(遷移番号19)では、上乗せゾーンAの2ゲーム目(上乗せゾーンAの最終ゲーム)において、BB状態に移行することが確定している場合の次ゲームからBB状態に移行する。上乗せゾーンAからEPB状態への移行(遷移番号20)では、上乗せゾーンAの2ゲーム目(上乗せゾーンAの最終ゲーム)において、EPB状態に移行することが確定している場合の次ゲームからEPB状態に移行する。
上乗せゾーンAから上乗せ特化ゾーン(A〜C)への移行(遷移番号21)では、上乗せゾーンAの2ゲーム目(上乗せゾーンAの最終ゲーム)において、上乗せ特化ゾーンに移行することが確定している場合の次ゲームから上乗せ特化ゾーンに移行する。また、上乗せゾーンAからエンディング状態への移行(遷移番号31)では、上乗せゾーンAにおいて、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(8)上乗せゾーンBからの移行形態
上乗せゾーンBから移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態、BB状態、EPB状態及びエンディング状態である。
上乗せゾーンBからAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、上乗せゾーンBの遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。上乗せゾーンBからBB状態への移行(遷移番号22)では、上乗せゾーンBにおいて、上乗せゾーンB中報酬抽籤に非当籤(上乗せゾーンB終了確定)であり、且つ、BB状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからBB状態に移行する。
上乗せゾーンBからEPB状態への移行(遷移番号23)では、上乗せゾーンBにおいて、上乗せゾーンB中報酬抽籤に非当籤(上乗せゾーンB終了確定)であり、且つ、EPB状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。また、上乗せゾーンBからエンディング状態への移行(遷移番号31)では、上乗せゾーンBにおいて、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(9)上乗せゾーンCからの移行形態
上乗せゾーンCから移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態及びエンディング状態である。
上乗せゾーンCからAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、上乗せゾーンCの遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。また、上乗せゾーンCからエンディング状態への移行(遷移番号31)では、上乗せゾーンCにおいて、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(10)BB状態からの移行形態
BB状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態、BB状態、EPB状態、上乗せ特化ゾーン(A〜C)及びエンディング状態である。
BB状態からAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、BB状態の遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。BB状態からBB状態への移行(遷移番号36)では、BB状態の残りゲーム数が「0」(BB終了時)になり、且つ、再度、BB状態に移行することが確定しているゲームの次ゲームからBB状態に移行する。BB状態からEPB状態への移行(遷移番号37)では、BB状態の残りゲーム数が「0」(BB終了時)になり、且つ、EPB状態に移行することが確定しているゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。
BB状態から上乗せ特化ゾーン(A〜C)への移行(遷移番号24)では、BB状態の残りゲーム数が「0」(BB終了時)になり、且つ、上乗せ特化ゾーンに移行することが確定している場合の次ゲームから上乗せ特化ゾーンに移行する。また、BB状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、BB状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(11)EPB状態からの移行形態
EPB状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態、BB状態、EPB状態、上乗せ特化ゾーン(A〜C)及びエンディング状態である。
EPB状態からAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、EPB状態の遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。EPB状態からBB状態への移行(遷移番号38)では、EPB状態の残りゲーム数が「0」(EPB終了時)になり、且つ、BB状態に移行することが確定しているゲームの次ゲームからBBに移行する。EPB状態からEPB状態への移行(遷移番号39)では、EPB状態の残りゲーム数が「0」(EPB終了時)になり、且つ、再度、EPB状態に移行することが確定しているゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。
EPB状態から上乗せ特化ゾーン(A〜C)への移行(遷移番号25)では、EPB状態の残りゲーム数が「0」(EPB終了時)になり、且つ、上乗せ特化ゾーンに移行することが確定している場合の次ゲームから上乗せ特化ゾーンに移行する。また、EPB状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、EPB状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(12)上乗せ特化ゾーン(A〜C)からの移行形態
上乗せ特化ゾーン(A〜C)から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態、EPB状態及びエンディング状態である。
上乗せ特化ゾーンからAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、上乗せ特化ゾーンの遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。上乗せ特化ゾーンからEPB状態への移行(遷移番号26)では、上乗せ特化ゾーン終了時のEPB抽籤に当籤したゲームの次ゲームからEPB状態に移行する。また、上乗せ特化ゾーンからエンディング状態への移行(遷移番号31)では、上乗せ特化ゾーンにおいて、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(13)EXB−OP状態からの移行形態
EXB−OP状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、EXB−ST状態及びエンディング状態である。
EXB−OP状態からEXB−ST状態への移行(遷移番号27)では、EXB−OP状態の残りゲーム数が「0」(EXB−OP状態終了時)になったゲームの次ゲームからEXB−ST状態に移行する。また、EXB−OP状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、EXB−OP状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(14)EXB−ST状態からの移行形態
EXB−ST状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、EXB−ED状態及びエンディング状態である。
EXB−ST状態からEXB−ED状態への移行(遷移番号28)では、EXB−ST状態の残りゲーム数が「0」になり、且つ、EXB−ST中直乗せ差枚数抽籤が非当籤となったゲーム(EXB−ST状態終了時)の次ゲームからEXB−ED状態に移行する。また、EXB−ST状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、EXB−ST状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(15)EXB−ED状態からの移行形態
EXB−ED状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、AT中通常状態及びエンディング状態である。
EXB−ED状態からAT中通常状態への移行(遷移番号29)では、EXB−ED状態の遊技期間の終了時にAT中通常状態への移行が確定しているゲームの次ゲームからAT中通常状態に移行する。また、EXB−ED状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、EXB−ED状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
(16)エンディング状態からの移行形態
エンディング状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、通常中状態(非有利区間)である。
エンディング状態から通常中状態(非有利区間)への移行(遷移番号35)では、エンディング状態の遊技期間の終了ゲームの次ゲームから通常中状態(非有利区間)に移行する。
(17)AT終了待機状態からの移行形態
AT終了待機状態から移行可能な出玉状態は、図484に示すように、通常中状態(非有利区間)、上乗せゾーンA、上乗せゾーンB及びエンディング状態である。
AT終了待機状態から通常中状態(非有利区間)への移行(遷移番号34)では、AT終了待機状態において、AT終了時上乗せゾーンA抽籤及びSTRレベルに基づくAT終了時上乗せゾーン抽籤のいずれにも非当籤となったゲームの次ゲームから通常中状態(非有利区間)に移行する。AT終了待機状態から上乗せゾーンAへの移行(遷移番号32)では、AT終了待機状態において、AT終了時上乗せゾーンA抽籤、又は、STRレベルに基づくAT終了時上乗せゾーン抽籤で上乗せゾーンAに当籤したゲームの次ゲームから上乗せゾーンAに移行する。
AT終了待機状態から上乗せゾーンBへの移行(遷移番号33)では、AT終了待機状態において、STRレベルに基づくAT終了時上乗せゾーン抽籤で上乗せゾーンBに当籤したゲームの次ゲームから上乗せゾーンBに移行する。また、AT終了待機状態からエンディング状態への移行(遷移番号31)では、AT終了待機状態において、エンディング到達管理カウンタの値が規定数(本実施形態では「1800」)以上となったとき、又は、実行中の有利区間の消化ゲーム数が規定ゲーム数を超えたときのゲームの次ゲームからエンディング状態に移行する。
〔イリーガル処理〕
本実施形態のパチスロ機1では、上述した有利区間の遊技における各種処理、及び、出玉制御に関する各種抽籤の実行の有無は、規則に従い、上述したメイン遊技状態及び遊技価値のベット数に応じて変化する。図487は、メイン遊技状態及び遊技価値のベット数と、有利区間の遊技における各種処理、及び、出玉制御に関する各種抽籤の実行の有無との関係を示す図である。
本実施形態のパチスロ機1では、図487Bに示すように、遊技価値のベット数が「2」である場合には、有利区間に係る全ての抽籤処理(図487A中の処理番号1)、及び、有利区間に係る全ての処理(カウンタ類の更新処理も含む:図487A中の処理番号2)は、全てのメイン遊技状態において、実行されない。
一方、遊技価値のベット数が「3」である場合には、メイン遊技状態が、「一般遊技状態」、「2枚BB内部中」及び「3枚BB内部中」である場合には、後述の有利区間に係る全ての抽籤処理(処理番号1)、及び、後述の有利区間に係る全ての処理(処理番号2)は実行されるが、それ以外のメイン遊技状態(「2枚BB中」及び「3枚BB中」)では実行されない。なお、図487B中の「一般遊技状態」は、上述したRT0遊技状態(3枚BBフラグ間状態は含まない)であり、「2枚BB内部中」及び「3枚BB内部中」には、ビッグボーナスのフラグ間状態(2枚BBフラグ間状態及び3枚フラグ間状態)だけでなく、ビッグボーナスの当籤遊技も含まれる。
〔出玉フラグS昇格(変換)時の報知演出機能〕
上述のように、AT状態中の所定の出玉状態(上乗せゾーンB,C、EXB状態、エンディング状態以外)で行われるキャラ決定抽籤に当籤してキャラクタ(当籤キャラ)の種別が決定された場合には、決定されたキャラクタ種別に応じた出玉フラグSが、所定期間(点灯ゲーム数)、遊技者にとって有利となる上位の出玉フラグSに昇格する。また、出玉フラグSが昇格する所定期間では、上述のように、出玉フラグSが昇格することを報知するため、当籤キャラに対応したランプを点灯させる演出(以下、「フラグ昇格報知演出」という)が行われる。ここでは、図面を参照しながら、フラグ昇格報知演出の内容について、より具体的に説明する。なお、以下に説明するフラグ昇格報知演出は、副制御基板72(サブ側)により実行制御される。
(1)フラグ昇格報知演出の概要
図488及び図489は、キャラ決定抽籤でキャラBが決定された場合のフラグ昇格報知演出の実施例を示す図である。図488は、フラグ昇格報知演出が実行されているときのパチスロ機1の前扉(上ドア62a)の様子を示す図であり、この図中では、点灯するBランプ300bをハッチングして表し、それ以外の非点灯ランプをハッチング無しで表す。図489は、フラグ昇格報知演出が実行されているときに、前扉(上ドア62a)に設けられた第1サブ表示装置201に表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示態様を示す図である。
なお、図489では、図439と同様に、昇格ルールの内容をイメージし易くするために、第1サブ表示装置201に表示される役の名称を、遊技機の業界で一般に使用される役名で記載する例を示す。それゆえ、図489中に記載の役の名称は、出玉フラグCや出玉フラグSの名称と必ずしも一致するものではない。なお、本発明はこれに限定されず、出玉フラグS、サブフラグ、当籤フラグ等の名称で昇格ルールの内容を表示するような構成にしてもよい。
キャラ決定抽籤でキャラBが決定された場合には、図488に示すように、Bランプ300bが点灯するとともに、第1サブ表示装置201には、図489に示すように、Bランプ300b点灯時の出玉フラグSの昇格ルールに関する情報が表示される。それゆえ、図489に示す例では、「リプレイ」に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格し、「チャンス目」に係る役が「確定役」に係る役に昇格することが、昇格ルールに関する情報として、第1サブ表示装置201に表示される。なお、この表示例では、昇格方向を矢印の方向で表している。なお、キャラ決定抽籤が行われるメイン遊技状態は、2枚BBフラグ間状態であるので、第1サブ表示装置201に表示される役だけでなく、「2枚BB」に係る役も重複当籤しているが、フラグ昇格報知演出では、「2枚BB」の重複当籤に関する情報は表示されない。
(2)点灯ランプの種別毎の昇格ルールの表示例
図490〜図492は、フラグ昇格報知演出の実行時に、第1サブ表示装置201で表示される、点灯ランプの種別に応じた役の昇格ルールの表示例を示す図である。なお、図490〜図492では、図439及び図489と同様に、昇格ルールの内容をイメージし易くするために、第1サブ表示装置201に表示される役の名称を、遊技機の業界で一般に使用される役名で記載する例を示す。それゆえ、図490〜図492中に記載の役の名称は、出玉フラグCや出玉フラグSの名称と必ずしも一致するものではない。
図490は、キャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合に、第1サブ表示装置201に表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示例を示す図である。この場合には、Aランプ300aが点灯するとともに(不図示)、出玉フラグSの昇格ルールに関する情報として、「ベル」に係る役が「弱チェリー」に係る役に昇格し、「はずれ」が「チャンス目」に係る役に昇格し、「弱チェリー」に係る役が「強チェリー」に係る役に昇格し、「強チェリー」に係る役が「確定役」に係る役に昇格することが、第1サブ表示装置201に表示される。
図491は、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合に、第1サブ表示装置201に表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示例を示す図である。この場合には、Dランプ300dが点灯するとともに(不図示)、出玉フラグSの昇格ルールに関する情報として、「ベル」に係る役が「弱チェリー」に係る役に昇格し、「強ベル」に係る役が「確定役」に係る役に昇格することが、第1サブ表示装置201に表示される。
図492は、キャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合に、第1サブ表示装置201に表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示例を示す図である。この場合には、Eランプ300eが点灯するとともに(不図示)、出玉フラグSの昇格ルールに関する情報として、レア役以外に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格し、「弱レア役」に係る役が「強チェリー」に昇格し、「強レア役」に係る役が「確定役」に係る役に昇格することが、第1サブ表示装置201に表示される。
(3)複数種のランプが点灯しているときの昇格ルールの表示例
図493及び図494は、複数種のランプが点灯している場合のフラグ昇格報知演出の実行時に、第1サブ表示装置201で表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示例を示す図である。なお、図493及び図494では、図439及び図489〜図492と同様に、昇格ルールの内容をイメージし易くするために、第1サブ表示装置201に表示される役の名称を、遊技機の業界で一般に使用される役名で記載する例を示す。それゆえ、図493及び図494中に記載の役の名称は、出玉フラグCや出玉フラグSの名称と必ずしも一致するものではない。
図493は、例えば、Bランプ300bの点灯中の遊技においてキャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合に、第1サブ表示装置201に表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示例を示す図である。この場合には、Bランプ300b及びDランプ300dが点灯するとともに(不図示)、出玉フラグSの昇格ルールに関する情報として、「ベル」に係る役が「弱チェリー」に係る役に昇格し、「リプレイ」に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格し、「強ベル」及び「チャンス目」に係る役が「確定役」に係る役に昇格することが、第1サブ表示装置201に表示される。
すなわち、この場合には、Bランプ300bの点灯時の昇格ルール(図489参照)と、Dランプ300dの点灯時の昇格ルール(図491参照)とが第1サブ表示装置201に合わせて表示される。なお、例えば、Dランプ300dの点灯中の遊技においてキャラ決定抽籤でキャラBが決定された場合にも図493に示す例と同様の表示態様で出玉フラグSの昇格ルールに関する情報が表示される。
図494は、例えば、Aランプ300aの点灯中の遊技においてキャラ決定抽籤でキャラEが決定された場合に、第1サブ表示装置201に表示される出玉フラグSの昇格ルールに関する情報の表示例を示す図である。この場合には、Aランプ300a及びEランプ300eが点灯するとともに(不図示)、出玉フラグSの昇格ルールに関する情報として、レア役以外に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格し、「弱レア役」に係る役が「強チェリー」に係る役に昇格し、「強レア役」に係る役が「確定役」に係る役に昇格することが、第1サブ表示装置201に表示される。
すなわち、この場合には、Aランプ300aの点灯時の昇格ルール(図490参照)と、Eランプ300eの点灯時の昇格ルール(図492参照)とが第1サブ表示装置201に合わせて表示される。なお、例えば、Eランプ300eの点灯中の遊技においてキャラ決定抽籤でキャラAが決定された場合にも図494に示す例と同様の表示態様で出玉フラグSの昇格ルールに関する情報が表示される。
また、Aランプ300aのみ点灯時の昇格ルールでは、「ベル」に係る役が「弱チェリー」に係る役に昇格し、Eランプ300eのみ点灯時の昇格ルールでは、「ベル」に係る役が「チャンス目」に昇格する。しかし、Aランプ300a及びEランプ300eの両方が点灯している場合には、有利度(期待度)が高い方の役(上位の役)に昇格するルールが適用されるので、この場合には、図494に示すように、「ベル」に係る役が「チャンス目」に係る役に昇格することが、昇格ルールに関する情報として表示される。
(4)フラグ昇格報知演出の遊技状態のフロー例
次に、図495を参照しながら、フラグ昇格報知演出(出玉フラグS昇格時、ランプ点灯時)の遊技状態のフロー例について説明する。図495の例では、まず、AT中通常状態中のキャラ決定抽籤でキャラBに当籤し、その後、Bランプ300b点灯中(出玉フラグS昇格中)の遊技で上乗せゾーンA抽籤に当籤し、即告知(前兆ゲーム無し)で出玉状態が上乗せゾーンAに移行し、さらに、上乗せゾーンAの1ゲーム目でBランプ300bの重複点灯条件が成立して、出玉状態が上乗せゾーンCに移行する遊技のフロー例を説明する。
この例では、まず、AT中通常状態で、点灯ランプ無し(出玉フラグSの昇格無し)の状態で且つ当籤役(サブフラグ)が「はずれ」である所定ゲーム(図中のゲーム「0」)において、キャラ決定抽籤でキャラBに当籤し、Bランプ300bの点灯が決定され、3ゲームの点灯G数が決定されたとする。
次いで、ゲーム「0」の次ゲーム(図中のゲーム「1」)の開始時(ベット時)にBランプ300bが点灯し、この際、残りの点灯G数が「3」から「2」に減算される。また、このゲーム「1」での当籤役は「リプレイ」に係る役であるとする。この場合には、Bランプ300b点灯中であるので、出玉フラグSは「レア役以外」から「チャンス目」に昇格する。そして、このゲームにおいて、上乗せゾーンAの抽籤に当籤し且つ前兆ゲームの抽籤で即告知(即放出)に当籤したとする。
次いで、ゲーム「1」の次ゲーム(図中のゲーム「2」:上乗せゾーンAの1G目のゲーム)の開始時に行われるキャラ決定抽籤において、キャラB(Bランプ300b点灯)に当籤すると、Bランプ300bの重複点灯条件が成立し、上乗せゾーンCへの移行が決定されるとともに、当該ゲームで上乗せゾーンAが終了する。
また、ゲーム「2」(上乗せゾーンAの1G目)では、Bランプ300bの重複点灯条件に伴い、Bランプ300bの残りの点灯G数に「1」が加算されるので、一旦、Bランプ300bの残りの点灯G数が「3」に変化する。しかしながら、ゲーム「2」は、ゲーム「0」で当籤したBランプ300bの点灯期間中のゲームでもあるので、ゲーム「2」において、Bランプ300bの残りの点灯G数が1減算される。その結果、ゲーム「2」終了時点でのBランプ300bの残りの点灯G数は「2」となる。なお、この例では、ゲーム「2」での当籤役は「押し順ベル」に係る役とする。
次いで、ゲーム「2」の次ゲーム(図中のゲーム「3」)では、上乗せゾーンC(1G完結)が行われるので、Cランプ300cが点灯(強制点灯)する。また、ゲーム「3」は、ゲーム「0」で当籤したBランプ300bの点灯期間中のゲームでもあるので、ゲーム「3」では、Bランプ300b及びCランプ300cの両方が点灯した状態となる。この際、Bランプ300bの残りの点灯G数が1減算され、「1」に変化する。
また、ゲーム「3」では、当籤役が「チャンス目」に係る役であるとする。この場合、出玉フラグSは「チャンス目」から「確定役」に昇格しているので、上乗せゾーンC中の報酬抽籤により、直乗せ差枚数「500」が決定され(図464参照)、現在のAT残り差枚数に直乗せ差枚数「500」が加算される。そして、ゲーム「3」の第3停止時に、Cランプ300cが消灯(強制消灯)し、このゲームで上乗せゾーンCの遊技も終了し、次ゲームでは、出玉状態がAT中通常状態に移行する。なお、ゲーム「3」の上乗せゾーンCでは、キャラ決定抽籤は行われない。
次いで、ゲーム「3」の次ゲーム(図中のゲーム「4」)では、AT中通常状態の遊技が行われるが、ゲーム「4」はBランプ300bの点灯期間中のゲームであるので、出玉フラグSもBランプ300b点灯時の昇格ルールに従って昇格する。また、ゲーム「4」の開始時には、点灯G数は、1減算され、「0」になる。なお、この例では、ゲーム「4」での当籤役は「押し順ベル」に係る役であるので、ゲーム「4」では、キャラ決定抽籤は行われない。それゆえ、ゲーム「4」は、Bランプ300bの点灯期間の最終ゲームとなる。そして、ゲーム「4」の第3停止時にBランプ300bが消灯し、ゲーム「4」の遊技が終了する。
そして、ゲーム「4」の次ゲーム(図中のゲーム「5」)では、点灯ランプ無し(出玉フラグSの昇格無し)のAT中通常状態の遊技が行われる。なお、この例では、ゲーム「5」での当籤役は「リプレイ」に係る役であるので、キャラ決定抽籤は行われない。
〔出玉フラグS変換時のランプ点灯示唆演出〕
本実施形態のパチスロ機1では、出玉フラグSの昇格(キャラ決定抽籤の当籤)が決定されたゲームにおいて、表示ユニット100を使用して、次ゲームでランプが点灯すること(フラグ昇格報知演出が実行されること)を示唆する(煽る)演出(以下、「ランプ点灯示唆演出」という)を実行する機能も設けられている。ここで、図面を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1で実行されるランプ点灯示唆演出の各種実施例を説明する。なお、AT中CZ状態の開始時、及び、上乗せゾーンAの1ゲーム目でランプ点灯が確定した場合には、専用の演出が行われるので、以下に説明するようなランプ点灯示唆演出は行われない。また、以下に説明するランプ点灯示唆演出は、副制御基板72(サブ側)により実行制御される。
(1)ランプ点灯示唆演出の実施例1
図496は、ランプ点灯示唆演出の実施例1の内容を説明するための図である。この例では、AT状態中の所定の出玉状態(例えばAT中通常状態等)の所定ゲームの開始時において、サブフラグ「はずれ」に当籤して、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合を説明する。
この場合、まず、所定ゲームの開始時(レバーオン時)から第1停止等までの期間内の所定のタイミングで、キャラA〜キャラEとは別のキャラQが表示ユニット100の表示画面内の左側から登場し、その後、リール回転中(所定ゲームの遊技中)に、キャラQが表示画面内において右方向に移動(通過)する画像表示演出(キャラQ通過演出)が行われる(図496A)。次いで、移動中のキャラQが、当籤したキャラDに対応するDランプ300dの上方の位置に到達すると、その位置で、キャラQが停止する画像表示演出(キャラQ停止演出)が行われる(図496B)。これにより、次ゲームでキャラDに対応したDランプ300dが点灯すること(次ゲームでフラグ昇格報知演出の実行が確定していること)が報知される。
そして、所定ゲーム終了後、次ゲームのベット時(遊技価値のベット操作時又は自動投入時)には、フラグ昇格報知演出が行われ、Dランプ300dが点灯するとともに、Dランプ300d点灯時の昇格ルールに関する情報が第1サブ表示装置201に表示される(図496C)。また、この際、ランプ点灯示唆演出終了時の演出として、キャラQが消える画像表示演出(図496C)も行われる(キャラQ消滅演出)。キャラQの消え方は任意であり、キャラQの姿が一瞬で消えるようにしてもよいし、キャラQの姿が徐々に薄くなって消えるようにしてもよいし、また、キャラQが表示画面の外側に退場するような演出であってもよい。
(2)ランプ点灯示唆演出の実施例2
図497は、ランプ点灯示唆演出の実施例2の内容を説明するための図である。この例では、上記実施例1と同様に、AT状態中の所定の出玉状態(例えばAT中通常状態等)の所定ゲームの開始時において、サブフラグ「はずれ」に当籤して、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合を説明する。
この場合、まず、所定ゲームの開始時(レバーオン時)から第1停止等までの期間内の所定のタイミングで、キャラQが表示ユニット100の表示画面内の左側から登場し、その後、リール回転中(所定ゲームの遊技中)に、キャラQが表示画面内において右方向に移動(通過)する画像表示演出(キャラQ通過演出)が行われる(図497A)。次いで、この例では、移動中のキャラQが、当籤したキャラDに対応するDランプ300dの上方の位置に到達しても、その位置で止まらず、キャラQが表示画面の外側に退場する画像表示演出(キャラQ通過演出)が行われる(図497B)。これにより、次ゲームでいずれかのランプが点灯する可能性があること(次ゲームでフラグ昇格報知演出が行われる可能性があること)が報知される。
そして、所定ゲーム終了後、次ゲームのベット時(遊技価値のベット操作時又は自動投入時)には、フラグ昇格報知演出が行われ、Dランプ300dが点灯するとともに、Dランプ300d点灯時の昇格ルールに関する情報が第1サブ表示装置201に表示される(図497C)。なお、この例のキャラQ通過演出では、上記実施例1のように、当籤しているキャラの種別を報知するような特別な演出(図495BのキャラQ停止演出)は行われないが、例えば、キャラQの衣装や色、キャラQの通過の仕方等を当籤キャラの種別に応じて変化させて、当籤キャラの種別を示唆するような演出にしてもよい。
また、本実施形態では、キャラ決定抽籤が非当籤であったときにも、この例のランプ点灯示唆演出が行われる場合(フェイク演出)があり、この場合には、次ゲームのベット時にランプは点灯せずに、ランプ点灯示唆演出が終了する。
(3)ランプ点灯示唆演出の実施例3
図498は、ランプ点灯示唆演出の実施例3の内容を説明するための図である。この例では、上記実施例1,2と同様に、AT状態中の所定の出玉状態(例えばAT中通常状態等)の所定ゲームの開始時において、サブフラグ「はずれ」に当籤して、キャラ決定抽籤でキャラDが決定された場合を説明する。
この場合、まず、所定ゲームの開始時(レバーオン時)から第1停止等までの期間内の所定のタイミングで、キャラQが表示ユニット100の表示画面内の左側から登場し、その後、リール回転中(所定ゲームの遊技中)に、キャラQが表示画面内において右方向に移動(通過)する画像表示演出(キャラQ通過演出)が行われる(図498A)。次いで、この例では、上記実施例2と同様に、移動中のキャラQが、当籤したキャラDに対応するDランプ300dの上方の位置に到達しても、その位置で止まらず、キャラQが表示画面の外側に退場する画像表示演出(キャラQ通過演出)が行われる(図498B)。これにより、次ゲームでいずれかのランプが点灯する可能性があること(次ゲームでフラグ昇格報知演出が行われる可能性があること)が報知される。
次いで、キャラQが表示画面の外側に退場してから次ゲームのベット時(遊技価値のベット操作時又は自動投入時)までの間(リールは回転中又は停止中)に、遊技者により所定の演出用操作ボタン(例えばPUSHボタン等)が押下されると、キャラQが表示ユニット100の表示画面内の左側から戻ってきて、当籤したキャラDに対応するDランプ300dの上方の位置で、キャラQが停止する画像表示演出(キャラQ戻り演出)が行われる(図498C)。これにより、次ゲームでキャラDに対応したDランプ300dが点灯することが報知される。
そして、所定ゲーム終了後、次ゲームのベット時には、上記実施例1(図496C)と同様にして、フラグ昇格報知演出が行われ、Dランプ300dが点灯するとともに、Dランプ300d点灯時の昇格ルールに関する情報が第1サブ表示装置201に表示される。また、この際、ランプ点灯示唆演出終了時の演出として、キャラQが消える画像表示演出(図496C)も行われる。
ここで、図499に、キャラQの通過タイミングと、次ゲームのベット時と、遊技者による所定の演出用操作ボタンへの押下操作の有効期間との時間軸上の関係を示す。図499の「キャラ通過」のタイミングチャート中の時刻t0〜時刻t1の期間(オン状態の期間)が、キャラQが表示画面に登場してから表示画面の外側に退場するまでの状態を示し、「次遊技ベット操作検出」のタイミングチャート中の時刻t2(オン状態になるタイミング)が次ゲームのベット時となる。それゆえ、図498Cに示すキャラQ戻り演出を発生させるための所定の演出用操作ボタンへの押下操作の有効期間(キャラQ戻り演出の受付期間)は、時刻t1〜時刻t2の期間(図499の「有効操作」のタイミングチャート中のオン状態の期間)となる。
なお、本実施形態では、ゲーム開始時(レバーオン時)からキャラQが表示画面の外側に退場するまで(キャラQ通過演出終了まで)の時間(遊技開始から時刻t1までの時間)は約3秒程度である。それゆえ、本実施形態では、ゲーム開始時(レバーオン時)からの経過時間に基づいて、所定の演出用操作ボタンへの操作の有効期間(キャラQ戻り演出の受付期間)が開始され、次ゲームのベット時に当該有効期間が終了する。
また、上記実施例3のランプ点灯示唆演出において、キャラQが表示画面の外側に退場してから次ゲームのベット時までの間(キャラQ戻り演出の受付期間中)に、遊技者により所定の演出用操作ボタンが押下されずに、次ゲームのベットが行われた場合には、図498Cに示すキャラQ戻り演出は発生せず、当該ベット時にDランプ300dが点灯する。すなわち、この場合には、上記実施例2のランプ点灯示唆演出と同じ演出内容となる。
なお、本実施形態では、上記実施例1〜3において、キャラQ通過演出の開始タイミング(図499中の時刻t0:ランプ点灯示唆演出の発生タイミング)は、例えば、リールの回転開始時(レバーオン後のウェイト時間経過後)や、リールの第1停止時などとしてもよい。また、この際、所定の演出用操作ボタン内に設置されたボタンLEDを発光させて、キャラQ通過演出の開始タイミングを報知してもよい。また、本実施形態では、キャラQ戻り演出(図498C)は隠し演出であるので、キャラQ戻り演出の受付期間には、そのボタンLEDを発光させないが、本発明はこれに限定されず、ボタンLEDを発光させてキャラQ戻り演出の受付期間を報知してもよい。
〔前兆ステージ中のチャンスアップ演出〕
本実施形態のパチスロ機1の前扉(上ドア62a)に設けられたAランプ300a〜Eランプ300eは、上述したフラグ昇格報知演出以外の各種演出(出玉フラグSの昇格に関係のない各種演出)にも使用される。ここでは、その一例を説明する。
本実施形態のパチスロ機1では、通常中状態(有利区間)では、演出上、所定期間(10ゲーム程度の期間)に亘って、AT中通常状態への移行を期待させる連続演出(チャンスアップ演出)が行われる前兆ステージが設けられている。Aランプ300a〜Eランプ300eは、このチャンスアップ演出でも使用される。この場合、Aランプ300a〜Eランプ300eは、チャンスアップランプとして使用される。なお、この前兆ステージは通常中状態(有利区間)であるので、キャラ決定抽籤は行われず出玉フラグSの変換(昇格)も行われない。
図500は、前兆ステージ中のチャンスアップ演出の一例を示す図である。なお、この図中では、点灯するランプをハッチングして表し、非点灯のランプをハッチング無しで表す。
チャンスアップ演出では、前兆ステージが開始されると、まず、図500Aに示すように、Cランプ300cが点灯するとともに、表示ユニット100の表示画面内において、Cランプ300cに対応するキャラCがCランプ300cの上方の位置に表示される。なお、この際、第1サブ表示装置201には、前兆ステージ中であることを報知する情報(図中の「前兆中」という文言等)が表示される。
次いで、チャンスアップ演出では、前兆ステージ中の所定ゲームで、AT中通常状態への移行の期待度がアップしたことを報知する演出が行われる。具体的には、図500Bに示すように、Cランプ300cに加えてBランプ300bも点灯し、Bランプ300bに対応するキャラBも、表示ユニット100の表示画面内において、Bランプ300bの上方の位置に表示される。すなわち、Cランプ300cに加えてBランプ300bも点灯し、表示ユニット100の表示画面では、キャラCに加えてキャラBも登場するような画像表示演出が行われる。
その後、チャンスアップ演出では、前兆ステージの期間中に、別のランプが順次点灯するとともに、それに対応したキャラが表示画面上に順次登場する演出が行われる。すなわち、チャンスアップ演出では、前兆ステージでのゲーム消化とともに、点灯ランプ数及び表示されるキャラ数を増加させることにより、AT中通常状態への移行の期待度が上昇するような演出が行われる。
そして、AT中通常状態への移行が確定している場合には、前兆ステージにおいて、最終的には、図500Cに示すように、全てのランプが点灯し、全てのキャラが表示画面上に登場した状態となる。また、この場合には、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202では、AT中通常状態への移行が確定したことを示す情報(図中の「確定!」及び「WIN」という文言等)が表示される。一方、AT中通常状態への移行が確定していない場合には、全てのランプが点灯せず、全てのキャラが表示画面上に登場していない状態でチャンスアップ演出が終了するとともに、前兆ステージも終了する。
なお、前兆ステージでの演出(チャンスアップ演出等)における各ランプの点灯態様は、上述したフラグ昇格報知演出での各ランプの点灯態様とは異なるものにして、遊技者がフラグ昇格機能発動と誤認することを防止するようにしてもよい。例えば、前兆ステージの演出では、ランプ点灯の輝度を、フラグ昇格報知演出でのランプ点灯の輝度よりも低くしてもよい。また、例えば、フラグ昇格報知演出では各ランプ全体が点灯するのに対して、前兆ステージの演出では各ランプの一部のみを発光させるようにしてもよい。具体的には、図500に示すフラグ昇格報知演出では、各ランプの全体をハッチングしているように、ランプの全体が発光するが、例えば、各ランプの下半分のみを発光等させるようにしてもよい。
〔エンディング演出〕
上述のように、本実施形態では、エンディング状態は、AT状態中の各出玉状態から移行可能な出玉状態である(図484参照)。それゆえ、例えば、遊技中の演出が物語性を有するものであれば、エンディング状態到達時点での演出の内容は、エンディング状態到達時の状況(エンディング状態への移行直前の出玉状態等)に応じて異なる。この場合、例えば、エンディング状態中の演出の種類が1種類しかなければ、エンディング状態到達時の状況に応じて、エンディング状態への移行直前の出玉状態での演出内容と、エンディング状態中の演出内容との間で整合性が無くなり、遊技者に違和感を与える可能性がある。
そこで、本実施形態では、エンディング状態到達時の演出の内容とエンディング演出の内容との整合性を取るため、エンディング状態到達時の状況(例えば、移行直前の出玉状態、遊技価値の獲得枚数、有利区間の残りゲーム数等)に応じて、エンディング演出の内容を変化させる機能(マルチエンディング機能)が設けられている。以下、図面を参照しながら、マルチエンディング機能の作動により行われる各種エンディング演出の内容について、より具体的に説明する。なお、エンディング演出は、副制御基板72(サブ側:演出制御手段)により実行制御される。
(エンディング演出の全体構成)
図501は、本実施形態のマルチエンディング機能で実行可能な複数種のエンディング演出の流れを示す図である。図中の太線で囲ったブロック部は、実行される演出パターンのブロックであり、細線で囲ったブロック部は、エンディング状態到達時の遊技状況、又は、エンディング状態中の遊技状況に応じて、次に行う演出パターンを選択するための分岐条件のブロックである。また、図中の各分岐条件のブロックから出ている、実線矢印は分岐条件成立時(YES判定時)を示し、破線矢印は分岐条件未成立時(NO判定時)を示す。
本実施形態では、エンディング演出は、図501に示すように、主に、プレエンディング、エンディング及びリザルト画面表示の各パート(演出パターン群)の組み合わせで構成される。また、各パートには、複数種の演出パターンが設けられている。さらに、エンディング演出では、分岐条件の判定結果に応じて、プレエンディングのパートの演出の前後に、特定の演出(後述の「EXD−ED継続再生」及び「ED待機_ptn」の演出)が組み合わされる。
そして、本実施形態のマルチエンディング機能では、基本的には、プレエンディング、エンディング及びリザルト画面表示の3つのパート間における演出パターンの組み合わせを、エンディング状態到達時の遊技状況及びエンディング状態中の遊技状況に関する各種分岐条件(分岐条件1〜6)に基づいて決定することにより、複数種のエンディング演出が生成される。なお、本実施形態では、エンディング演出にリザルト画面表示の演出を含める例を説明したが、本発明はこれに限定されず、リザルト画面表示の演出を、エンディング演出に含めずに、エンディング演出終了後に行われる特定演出として扱ってもよい。
(分岐条件)
次に、エンディング演出の開始時及び実行途中で判定される各分岐条件の内容について説明する。なお、分岐条件1〜3及び6は、エンディング状態到達時の遊技状況に基づいて(応じて)判定される条件であり、分岐条件4及び5は、エンディング状態中の遊技状況に基づいて判定される条件である。
分岐条件1(所定の条件)では、エンディング状態到達時の有利区間の残りゲーム数が60ゲーム以上であるか否かを判定する。そして、分岐条件1が成立する場合(YES)には、分岐条件2の判定が行われ、分岐条件1が成立しない場合(NO)には、エンディングパートの「ED_ptn3」の演出が行われる。
分岐条件2では、エンディング状態到達時にロングフリーズ演出(EXB状態)が発生済みであるか否かを判定する。そして、分岐条件2が成立する場合(YES)には、分岐条件3の判定が行われ、分岐条件2が成立しない場合(NO)には、プレエンディングパートの「プレ_導入_ptn3」の演出が行われる。
分岐条件3では、エンディング状態到達時の滞在中の出玉状態(演出状態)が、EXB−OP状態中又はEXB−ST状態中(図501中の「EXB−OPorST」)のレバーオン時、EXB−ED状態中(図501中の「EXB−ED」)のレバーオン時、及び、これらの出玉状態以外(EXB状態以外)の出玉状態中のレバーオン時(図501中の「左記以外(EXB以外)」)のいずれであるかを判定する。そして、分岐条件3において、エンディング状態到達時の滞在中の出玉状態がEXB−OP状態中又はEXB−ST状態中のレバーオン時であると判定された場合には、プレエンディングパートの「プレ_導入_ptn3」の演出が行われ、エンディング状態到達時の滞在中の出玉状態がEXB−ED状態中(特定の演出状態)のレバーオン時であると判定された場合には、「EXD−ED継続再生」の演出が行われ、エンディング状態到達時の滞在中の出玉状態がEXB状態以外の出玉状態中のレバーオン時であると判定された場合には、プレエンディングパートの「プレ_導入_ptn2」の演出が行われる。なお、「EXD−ED継続再生」の演出では、エンディング状態到達時の演出(EXB−ED状態の演出)が継続して行われ、EXB−ED状態の演出が終了すれば、その後、プレエンディングパートの「プレ_導入_ptn2」の演出が行われる。
分岐条件4では、プレエンディングパートの「プレED_ptn1」(50G)又は「プレED_ptn2」(50G)の演出が終了した時点で、AT残り差枚数が「100」以上であり、且つ、有利区間の残りゲーム数が40ゲーム以上であるか否かを判定する。そして、分岐条件4が成立する場合(YES)には、プレエンディングパートの「ED待機EP」の演出が行われ、分岐条件4が成立しない場合(NO)には、エンディングパートの「ED_ptn2」の演出が行われる。
分岐条件5では、プレエンディングパートの「ED待機EP」(10G)の演出が終了した時点で、AT残り差枚数が「150」以上であり、且つ、有利区間の残りゲーム数が60ゲーム以上であるか否かを判定する。そして、分岐条件5が成立する場合(YES)には、「ED待機_ptn」の演出が行われ、分岐条件5が成立しない場合(NO)には、エンディングパートの「ED_ptn1」の演出が行われる。
また、分岐条件6では、エンディング状態到達時にロングフリーズ演出(EXB状態)が発生済みであるか否かを判定する。そして、分岐条件6が成立する場合(YES)には、リザルト画面表示パートの「リザルト画面_ptn2」の演出が行われ、分岐条件6が成立しない場合(NO)には、リザルト画面表示パートの「リザルト画面_ptn1」の演出が行われる。
(各演出パターンの具体例)
次に、プレエンディングパート、エンディングパート及びリザルト画面表示パートのそれぞれで設けられている各種演出パターンの内容を具体的に説明する。図502は、プレエンディングパート、エンディングパート及びリザルト画面表示パートで設けられている各種演出パターンの内容をまとめた表である。
(1)ロングフリーズ演出、EXB状態中の演出
図502から明らかなように、本実施形態のマルチエンディング機能では、エンディング状態到達時までにロングフリーズ演出(EXB状態)が発生済みであるか否かの判定結果(分岐条件2、6)に応じて、エンディング演出の内容が大きく変わる。それゆえ、ここでは、まず、エンディング状態突入前に実行可能なロングフリーズ演出(特別演出)及びEXB状態中の演出の内容について説明する。
本実施形態では、通常中状態(有利区間)又は通常中状態(非有利区間)においてサブフラグが「SPチェリーリプ」である場合(当籤確率は4/65536)に実行されるロングフリーズ抽籤に当籤した場合に、ロングフリーズ演出が行われる。そして、ロングフリーズ演出では、図502に示すように、例えば、キャラEの物語(エピソード)を、表示ユニット100(演出実行手段、映像表示手段)で動画表示する演出が行われる。
EXB−OP状態中の演出では、例えば、キャラEがキャラCを特訓する話、キャラCが覚醒する話及びキャラCがラスボスを撃破する話を、この順で、表示ユニット100で動画表示する演出が行われる。EXB−ST状態中の演出では、例えば、キャラCが財宝を獲得する話を表示ユニット100で動画表示する演出が行われる。また、EXB−ED状態中の演出では、例えば、キャラCが財宝獲得後、帰還する話をユニット100で動画表示する演出が行われる。
(2)プレエンディングパートの各種演出パターン
プレエンディングパート(第1エンディング演出)では、「プレED_導入_ptn1」、「プレED_導入_ptn2」、「プレED_導入_ptn3」、「EXB−ED再生」、「プレED_ptn1」、「プレED_ptn2」及び「ED待機EP」と称する演出が設けられている。
「プレED_導入_ptn1」の演出では、図502に示すように、例えば、キャラEがキャラCを特訓する話、キャラCが覚醒する話、キャラCがラスボスを撃破する話、及び、キャラCが財宝を獲得する話を、この順で、表示ユニット100で動画表示する演出が行われる。すなわち、「プレED_導入_ptn1」の演出では、まず、EXB−OP状態中の演出(キャラEがキャラCを特訓する話からキャラCがラスボスを撃破する話までの動画表示演出)と同様の演出が行われ、次いで、EXB−ST状態中の演出(キャラCが財宝を獲得する話の動画表示演出)と同様の演出が行われる。
それゆえ、「プレED_導入_ptn1」の演出では、当該演出の移行直前に行われているEXB−OP状態中の演出、又は、EXB−ST状態中の演出との整合性を取るため、エンディング演出の移行直前に行われているEXB−OP状態中の演出、又は、EXB−ST状態中の演出を継続して行う。すなわち、「プレED_導入_ptn1」の演出では、EXB−OP状態中の演出、又は、EXB−ST状態中の演出の継続再生演出(継続動画表示演出)が行われる。
「プレED_導入_ptn2」の演出では、図502に示すように、その後に行われる「プレED_ptn1」の演出に突入することを表示ユニット100等で報知する情報を表示する演出が行われる。それゆえ、「プレED_導入_ptn2」の演出は1ゲームで終了する。
「プレED_導入_ptn3」の演出では、図502に示すように、例えば、キャラEがキャラCを特訓する話を表示ユニット100で動画表示する演出(EXB−OP状態中の演出の一部の演出)が行われる。また、「EXB−ED再生」の演出では、EXB−ED状態中の演出と同様の演出が行われ、キャラCが財宝獲得後、帰還する話を動画表示する演出が行われる。
「プレED_ptn1」の演出では、図502に示すように、例えば、キャラCが姿を消す話を表示ユニット100で動画表示する演出が行われる。なお、「プレED_ptn1」の演出は、50ゲームに期間に亘って行われる。「プレED_ptn2」の演出では、例えば、キャラCが覚醒する話、及び、キャラCがラスボスを撃破する話を、この順で、表示ユニット100で動画表示する演出(EXB−OP状態中の演出の一部の演出)が行われる。なお、「プレED_ptn2」は、50ゲームに期間に亘って行われる。また、「ED待機EP」の演出では、例えば、裏ボスが登場する話を表示ユニット100で動画表示する演出が行われる。なお、「ED待機EP」の演出は、10ゲームに期間に亘って行われる。
(3)エンディングパートの各種演出パターン
エンディングパート(第2エンディング演出)では、「ED_ptn1」、「ED_ptn2」、「ED_ptn3」及び「ラストシーンEP」と称する演出が設けられている。
「ED_ptn1」の演出では、図502に示すように、例えば、キャラEが裏ボスを撃破する話を表示ユニット100で動画表示した後、主題歌を出力する演出が行われる。そして、「ED_ptn1」の演出は、AT残り差枚数が「30」以下、又は、有利区間の残りゲーム数が12ゲーム以下となるまで続けられ、この条件が成立すれば、「ED_ptn1」の演出が終了し、「ラストシーンEP」の演出が行われる。
なお、分岐条件5の判定結果がYES判定である場合には、「ED_ptn1」の演出の実行前に、「ED待機_ptn」の演出が行われる。「ED待機_ptn」の演出は、AT残り差枚数が「100」以下、又は、有利区間の残りゲーム数が40ゲーム以下となるまで続けられる。「ED待機_ptn」の演出(特殊演出)では、図502に示すように、例えば、キャラEが裏ボスとバトルする話を表示ユニット100で動画表示する演出が行われる。また、「ED待機_ptn」の演出期間では、この動画表示演出以外にも各種演出が実行可能であるが、それらの内容については、後で詳述する。
「ED_ptn2」の演出では、図502に示すように、例えば、主題歌を流す演出が行われる。「ED_ptn3」の演出では、例えば、キャラEの物語(エピソード)を表示ユニット100で動画表示する演出(ロングフリーズ演出と同様の演出)を行った後、主題歌を出力する演出が行われる。また、「ラストシーンEP」の演出では、例えば、次回作の示唆シーンを表示ユニット100で表示する演出が行われる。なお、「ラストシーンEP」の演出は、10ゲームに期間に亘って行われる。
(4)リザルト画面表示パートの各種演出パターン
リザルト画面表示パート(終了時演出)では、「リザルト画面_ptn1」、「リザルト画面_ptn2」及び「リザルト画面_ptn3」と称する演出が設けられている。なお、これらの各リザルト画面の表示演出が終了すると、エンディング演出が終了する。
「リザルト画面_ptn1」の演出では、図502に示すように、例えば、覚醒したキャラCを表示ユニット100の画面に表示するとともに、有利区間での遊技結果を表示する演出が行われる。「リザルト画面_ptn2」の演出では、例えば、キャラEを表示ユニット100の画面に表示するとともに、有利区間での遊技結果を表示する演出が行われる。また、「リザルト画面_ptn3」の演出では、例えば、額縁絵柄を表示ユニット100の画面に表示するとともに、有利区間での遊技結果を表示する演出(ノーマル完走画面の表示)が行われる。
(5)「EXB−ED継続再生」の演出
「EXB−ED継続再生」の演出は、図501に示すように、エンディング状態到達時の滞在中の出玉状態がEXB−ED状態中のレバーオン時であると判定された場合に、プレエンディングパートの演出実行前に実行される。「EXB−ED継続再生」の演出では、エンディング状態到達時に実行されているEXB−ED状態中の演出を継続して実行し、EXB−ED状態中の演出が終了するまで当該演出が実行される。なお、EXB−ED状態中の演出、すなわち、「EXB−ED継続再生」の演出では、図502に示すように、キャラCが財宝獲得後、帰還する話を動画表示する演出が行われる。
本実施形態では、エンディング状態到達時に「EXB−ED継続再生」の演出が行われるので、「EXB−ED継続再生」の演出をエンディング演出の一部のパートとして扱う例を説明するが、本発明はこれに限定されない。「EXB−ED継続再生」の演出を、エンディング演出に含めずに、エンディング演出(プレエンディングパートの演出)の直前に行われる特定演出として扱ってもよい。
(6)「ED待機_ptn」の演出の期間で行われる各種演出
「ED待機_ptn」の演出期間では、上述のように、例えば、キャラEが裏ボスとバトルする話を、表示ユニット100で動画表示する演出が行われるが、本実施形態では、次のような各種演出も行われる。
「ED待機_ptn」の演出(演出期間)では、それ以前のエンディング状態の演出期間で獲得されたAT残り差枚数の上乗せ数(直乗せ差枚数)と、当該「ED待機_ptn」で現在獲得済みの直乗せ差枚数との総数を表示ユニット100等で報知する特殊上乗せ演出も行われる。この特殊上乗せ演出では、例えば、獲得された直乗せ差枚数の総数を、所定回数のゲームで分割して報知するような演出が行われる。なお、本発明はこれに限定されず、特殊上乗せ演出の構成を、例えば、獲得された直乗せ差枚数の総数を「ED待機_ptn」の演出期間の終了時等の所定のタイミングで、1回で報知するような構成にしてもよい。
また、本実施形態では、「ED待機_ptn」の演出期間中、サブ側(副制御基板72)において、当籤役に応じて特定のポイントの獲得抽籤を行い、「ED待機_ptn」の演出期間中に獲得された特定のポイントの総数が所定数を超えた場合に、設定示唆演出を表示ユニット100等で実行する演出機能も備える。「ED待機_ptn」の演出に到達した時点では、有利区間での残りの遊技価値の獲得可能数が非常に少なくなっている状況である。それゆえ、「ED待機_ptn」の演出期間は、遊技者にとって、例えば、レア役に当籤しても特典付与(遊技価値の払出数)に対する期待感が低くなり、遊技の興趣も低くなりがちな遊技期間となる。しかしながら、「ED待機_ptn」の演出期間において、設定示唆演出の実行につながる当籤役に応じた特定のポイントの獲得抽籤が行われることにより、レア役当籤時における遊技者の期待感を維持させることができ、エンディング状態に対する遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(エンディング演出の種別、及び、各エンディング演出の内容)
上述のように、本実施形態では、分岐条件1〜6の判定結果に応じて複数種のエンディング演出のパターンを生成することができる。以下、図503〜図509を参照して、エンディング演出の種別及び各エンディング演出の内容について説明する。
図503は、各分岐条件での判定結果と、その判定結果に基づいて生成されるエンディング演出のパターン種別との関係、並びに、各パターン種別の発生頻度を示す表である。図504は、各エンディングの想定される発生状況(エンディング状態到達時の遊技状況)をまとめた一覧表である。また、図505〜図509は、各エンディング演出における演出パターンのフローを示す図である。
なお、図505及び図506に示すエンディング1〜エンディング6のフローでは、説明の便宜上、エンディング状態到達前に行われる演出(ロングフリーズ演出及びEXB状態中の演出)も合わせて示す。また、図505及び図506に示すフローにおいて、破線以前のフローがエンディング状態到達前の演出フローであり、破線以降のフローがエンディング演出のフローである。
本実施形態では、図503に示すように、各分岐条件での判定結果に基づいて生成されるエンディング演出の種類は13種類(エンディング1〜13)となる。また、本実施形態では、上述のように、エンディング状態到達時の遊技状況に応じて分岐判定を行い、エンディング演出を生成するので、各エンディング演出の発生頻度も異なる。例えば、本実施形態では、エンディング10やエンディング7は比較的発生し易いエンディング演出であるが、エンディング1〜6やエンディング13は非常に発生し難いエンディング演出である。
(1)エンディング1
エンディング1は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB−OPorST」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「YES」及び分岐条件6が「YES」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング1が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、EXB−ST状態において、「1800」に近いAT残り差枚数の上乗せ数を獲得できた場合(発生頻度は「極低」)が想定される。
エンディング1では、図505に示すように、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)が行われた後、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)中、又は、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)中のゲームにおいてレバーオン時にエンディング演出が開始される。
エンディング1では、まず、「プレED_導入_ptn1」の演出(EXB−OP中演出、又は、EXB−ST中演出の継続再生演出)、「EXB−ED再生」の演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED待機_ptn」の演出(キャラEが裏ボスとバトルする話)が行われた後、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn2」の演出(キャラEを表示)がこの順で行われ、エンディング1が終了する。
(2)エンディング2
エンディング2は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB−OPorST」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「NO」及び分岐条件6が「YES」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング2が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング1の発生状況に加え、通常中状態での通常中はまりG数が天井G数(本実施形態では、700G)付近まで到達して有利区間の残りゲーム数が少ない場合(発生頻度は「超極低」)が想定される。
エンディング2では、図505に示すように、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)が行われた後、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)中、又は、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)中のゲームにおいてレバーオン時にエンディング演出が開始される。
エンディング2では、まず、「プレED_導入_ptn1」の演出(EXB−OP中演出、又は、EXB−ST中演出の継続再生演出)、「EXB−ED再生」の演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn2」の演出(キャラEを表示)がこの順で行われ、エンディング2が終了する。
(3)エンディング3
エンディング3は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB−OPorST」及び分岐条件4が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング3が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング2の発生状況に加え、有利区間の残りゲーム数がさらに少ない場合(発生頻度は「超々極低」)が想定される。
エンディング3では、図505に示すように、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)が行われた後、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)中、又は、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)中のゲームにおいてレバーオン時にエンディング演出が開始される。
エンディング3では、まず、「プレED_導入_ptn1」の演出(EXB−OP中演出、又は、EXB−ST中演出の継続再生演出)、「EXB−ED再生」の演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)、及び、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn2」の演出(主題歌を流す演出)、及び、「リザルト画面_ptn3」の演出(ノーマル完走画面を表示)がこの順で行われ、エンディング3が終了する。
(4)エンディング4
エンディング4は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB−ED」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「YES」及び分岐条件6が「YES」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング4が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、EXB−ST状態において、「1500」程度のAT残り差枚数の上乗せ数を獲得し、その後、EXB−ED状態中にエンディング状態到達条件が成立した場合(発生頻度は「極低」)が想定される。
エンディング4では、図506に示すように、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、及び、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)がこの順で行われた後、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)中のゲームにおいてレバーオン時にエンディング演出が開始される。
エンディング4では、まず、「EXB−ED継続再生」の演出(EXB−ED中演出の継続再生演出)、「プレED_導入_ptn2」の演出(「プレED_ptn1」の導入画面を表示する演出)、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED待機_ptn」の演出(キャラEが裏ボスとバトルする話)が行われた後、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn2」の演出(キャラEを表示)がこの順で行われ、エンディング4が終了する。
(5)エンディング5
エンディング5は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB−ED」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「NO」及び分岐条件6が「YES」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング5が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング4の発生状況に加え、通常中状態での通常中はまりG数が天井G数(本実施形態では、700G)付近まで到達して有利区間の残りゲーム数が少ない場合(発生頻度は「超極低」)が想定される。
エンディング5では、図506に示すように、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、及び、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)がこの順で行われた後、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)中のゲームにおいてレバーオン時にエンディング演出が開始される。
エンディング5では、まず、「EXB−ED継続再生」の演出(EXB−ED中演出の継続再生演出)、「プレED_導入_ptn2」の演出(「プレED_ptn1」の導入画面を表示する演出)、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn2」の演出(キャラEを表示)がこの順で行われ、エンディング5が終了する。
(6)エンディング6
エンディング6は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB−ED」及び分岐条件4が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング6が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング5の発生状況に加え、有利区間の残りゲーム数がさらに少ない場合(発生頻度は「超々極低」)が想定される。
エンディング6では、図506に示すように、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、及び、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)がこの順で行われた後、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)中のゲームにおいてレバーオン時にエンディング演出が開始される。
エンディング6では、まず、「EXB−ED継続再生」の演出(EXB−ED中演出の継続再生演出)、「プレED_導入_ptn2」の演出(「プレED_ptn1」の導入画面を表示する演出)、及び、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn2」の演出(主題歌を流す演出)、及び、「リザルト画面_ptn3」の演出(ノーマル完走画面を表示)がこの順で行われ、エンディング6が終了する。
(7)エンディング7
エンディング7は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB以外」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「YES」及び分岐条件6が「YES」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング7は、ロングフリーズ演出(EXB状態)が発生した場合の基本的なエンディング演出である。エンディング7が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、EXB状態(EXB−OP状態、EXB−ST状態及びEXB−OP状態)において、大量のAT残り差枚数の上乗せ数を獲得し、さらに、その後のAT中通常状態でAT残り差枚数の上乗せ数を獲得した場合(発生頻度は「中」)が想定される。
エンディング7は、EXB状態以外の出玉状態から移行したエンディング状態の開始ゲームのレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング7の開始時点(エンディング到達時点)では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)、及び、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)は、すでに行われている。それゆえ、エンディング7では、これらの演出と整合が取れるような演出(EXB−ED中演出までのストーリーに続くようなストーリーを動画表示する演出)が行われる。
エンディング7では、図507に示すように、まず、「プレED_導入_ptn2」の演出(「プレED_ptn1」の導入画面を表示する演出)、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED待機_ptn」の演出(キャラEが裏ボスとバトルする話)が行われた後、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn2」の演出(キャラEを表示)がこの順で行われ、エンディング7が終了する。
(8)エンディング8
エンディング8は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB以外」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「NO」及び分岐条件6が「YES」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング8が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング7の発生状況に加え、通常中状態での通常中はまりG数が天井G数(本実施形態では、700G)付近まで到達して有利区間の残りゲーム数が少なくなった時や、AT状態の途中で大きなAT残り差枚数の上乗せ数を獲得することなく、有利区間の残りゲーム数が少なくなった時に、初めて、獲得済みの遊技価値の総数(純増分)と、遊技価値の残りの獲得可能数(獲得確定済みのAT残り上乗せ数)との合計が規定数(本実施形態では「1800」)以上となった場合(発生頻度は「低」)が想定される。
エンディング8は、EXB状態以外の出玉状態から移行したエンディング状態の開始ゲームにおいてレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング8の開始時点(エンディング到達時点)では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)、及び、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)は、すでに行われている。それゆえ、エンディング8では、これらの演出と整合が取れるような演出(EXB−ED中演出までのストーリーに続くようなストーリーを動画表示する演出)が行われる。
エンディング8では、図507に示すように、まず、「プレED_導入_ptn2」の演出(「プレED_ptn1」の導入画面を表示する演出)、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn2」の演出(キャラEを表示)がこの順で行われ、エンディング8が終了する。
(9)エンディング9
エンディング9は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「YES」、分岐条件3が「EXB以外」及び分岐条件4が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング9が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング8の発生状況に加え、有利区間の残りゲーム数がさらに少ない状況で、初めて、獲得済みの遊技価値の総数(純増分)と、遊技価値の残りの獲得可能数(獲得確定済みのAT残り上乗せ数)との合計が規定数(本実施形態では「1800」)以上となった場合(発生頻度は「低」)が想定される。
エンディング9は、EXB状態以外の出玉状態から移行したエンディング状態の開始ゲームにおいてレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング9の開始時点(エンディング到達時点)では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)、及び、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)は、すでに行われている。それゆえ、エンディング9では、これらの演出と整合が取れるような演出(EXB−ED中演出までのストーリーに続くようなストーリーを動画表示する演出)が行われる。
エンディング9では、図507に示すように、まず、「プレED_導入_ptn2」の演出(「プレED_ptn1」の導入画面を表示する演出)、及び、「プレED_ptn1」の演出(キャラCが姿を消す話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn2」の演出(主題歌を流す演出)、及び、「リザルト画面_ptn3」の演出(ノーマル完走画面を表示)がこの順で行われ、エンディング9が終了する。
(10)エンディング10
エンディング10は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「NO」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「YES」及び分岐条件6が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング10が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、EXB状態が発生せずに、他のAT状態(出玉状態)におけるAT残り差枚数の上乗せによりAT状態が長期化している場合(発生頻度は「高」)が想定される。
エンディング10は、ロングフリーズ演出(EXB状態)が未発生である状態で移行したエンディング状態の開始ゲームにおいてレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング10の開始時点(エンディング到達時点)では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)、及び、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)は行われていない。それゆえ、エンディング10では、これらの演出の一部を含む演出が行われる。
エンディング10では、図508に示すように、まず、「プレED_導入_ptn3」の演出(キャラEがキャラCを特訓する話)、「プレED_ptn2」の演出(キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED待機_ptn」の演出(キャラEが裏ボスとバトルする話)が行われた後、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn1」の演出(覚醒したキャラCを表示)がこの順で行われ、エンディング10が終了する。
(11)エンディング11
エンディング11は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「NO」、分岐条件4が「YES」、分岐条件5が「NO」及び分岐条件6が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング11が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング10の発生状況に加え、通常中状態での通常中はまりG数が天井G数(本実施形態では、700G)付近まで到達して有利区間の残りゲーム数が少ない場合(発生頻度は「低」)が想定される。
エンディング11は、ロングフリーズ演出(EXB状態)が未発生である状態で移行したエンディング状態の開始ゲームにおいてレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング11の開始時点(エンディング到達時点)では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)、及び、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)は行われていない。それゆえ、エンディング11では、これらの演出の一部を含む演出が行われる。
エンディング11では、図508に示すように、まず、「プレED_導入_ptn3」の演出(キャラEがキャラCを特訓する話)、「プレED_ptn2」の演出(キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、及び、「ED待機EP」の演出(裏ボスが登場する話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn1」の演出(キャラEが裏ボスを撃破する話〜主題歌を流す演出)、「ラストシーンEP」の演出(次回作の示唆シーン)、及び、「リザルト画面_ptn1」の演出(覚醒したキャラCを表示)がこの順で行われ、エンディング11が終了する。
(12)エンディング12
エンディング12は、図503に示すように、分岐条件1が「YES」、分岐条件2が「NO」及び分岐条件4が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。また、エンディング12が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、エンディング11の発生状況に加え、有利区間の残りゲーム数がさらに少ない場合(発生頻度は「低」)が想定される。
エンディング12は、ロングフリーズ演出(EXB状態)が未発生である状態で移行したエンディング状態の開始ゲームにおいてレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング12の開始時点(エンディング到達時点)では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)、EXB−OP中演出(キャラEがキャラCを特訓する話〜キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)、EXB−ST中演出(キャラCが財宝を獲得する話)、及び、EXB−ED中演出(キャラCが財宝獲得後、帰還する話)は行われていない。それゆえ、エンディング12では、これらの演出の一部を含む演出が行われる。
エンディング12では、図508に示すように、まず、「プレED_導入_ptn3」の演出(キャラEがキャラCを特訓する話)、及び、「プレED_ptn2」の演出(キャラCが覚醒する話〜キャラCがラスボスを撃破する話)がこの順が行われる。次いで、「ED_ptn2」の演出(主題歌を流す演出)、及び、「リザルト画面_ptn3」の演出(ノーマル完走画面を表示)がこの順で行われ、エンディング12が終了する。
(13)エンディング13
エンディング13は、図503に示すように、分岐条件1が「NO」である場合に発生するエンディング演出である。エンディング13が発生する場合としては、図504に示すように、例えば、ロングフリーズ演出が発生せずに、他のAT状態(出玉状態)におけるAT残り差枚数の上乗せによりAT状態が長期化している場合や、AT状態での押し順ベルに係る小役の当籤回数が少なく、差枚数分の遊技価値獲得に多くのゲーム数を費やして有利区間の残りゲーム数が極めて少ない場合(発生頻度は「極低」)などが想定される。
エンディング13は、有利区間の残りゲーム数が極めて少ない状況で移行したエンディング状態の開始ゲームにおいてレバーオン時に開始される。ただし、このエンディング13の開始時点(エンディング到達時点)では、有利区間の残りゲーム数が極めて少ない状況であるので、長い期間で完結するような連続演出(例えば、EXB状態中の演出等)を行うことはできない。それゆえ、エンディング13では、ロングフリーズ演出(キャラEの物語)と同様の演出が行われる。
エンディング13では、図509に示すように、「ED_ptn3」の演出(キャラEの物語〜主題歌を流す演出)、及び、「リザルト画面_ptn3」の演出(ノーマル完走画面を表示)がこの順で行われ、エンディング13が終了する。
(マルチエンディング機能による効果)
上述のように、本実施形態では、エンディング状態到達時の遊技状況に応じて、エンディング演出の内容を変化させる機能(マルチエンディング機能)が設けられている。それゆえ、本実施形態では、エンディング状態到達時の演出の内容とエンディング演出の内容との整合性を確保することができ、違和感の無いエンディング演出を実現することができる。
また、本実施形態では、エンディング状態到達時の遊技状況及びエンディング状態中の遊技状況(消化状況等)に応じて、様々な演出パターンのエンディング演出を生成することができる。それゆえ、本実施形態では、エンディング演出のゲーム性を高め、エンディング演出に対する遊技の興趣の低下を抑制することができる。
さらに、上述したマルチエンディング機能を設けた場合には、エンディング状態到達時の各種遊技状況に応じて個別に演出パターンを設ける場合に比べて、より少ない演出パターンで多彩な演出を実現することができるとともに、データ容量の増大も抑制することができる。
(エンディング演出の各種変形例)
上述したエンディング演出の分岐条件については、有利区間(遊技価値の増加区間)において、遊技価値の獲得差枚数の上限(差枚数リミッタ:2400)及び消化ゲーム数の上限(ゲーム数リミッタ:1500)が存在することを前提として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、差枚数リミッタ及びゲーム数リミッタのいずれか一方のみを搭載する遊技機やリミッタ非搭載の遊技機においても、本実施形態と同様に、発生済みの演出や遊技価値の獲得数、AT開始からのゲーム数などを分岐条件として、適宜、エンディング演出を変化させる機能(マルチエンディング機能)を設けてもよい。
また、例えば、リアルボーナス(1種特別役物、1種特別役物に係る役物連続作動装置、1種特別役物に係る役物連続作動装置など)で出玉を増やし、ボーナス状態間の遷移をRT状態でつなぐような遊技性を備えた遊技機(所謂、RT機)においてもマルチエンディング機能を設けもよい。この場合には、例えば、ボーナスの連荘回数などを分岐条件として、適宜、エンディング演出を変化させる構成にしてもよい。
また、上述した本実施形態のマルチエンディング機能では、分岐条件に応じて、「リザルト画面_ptn1」、「リザルト画面_ptn2」及び「リザルト画面_ptn3」のいずれかを一義的に決定する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、各リザルト画面パターンに対してさらに複数種の画面表示パターンを設けてもよい。この場合、複数種の画面表示パターンにより、例えば、設定値を示唆又は報知してもよい。
具体的には、例えば「リザルト画面_ptn1」に対して、「リザルト画面_ptn1−A」〜「リザルト画面_ptn1−C」等の複数種のパターンを設け、「リザルト画面_ptn1−A」を奇数設定示唆パターンとし、「リザルト画面_ptn1−B」を偶数設定示唆パターンとし、「リザルト画面_ptn1−C」を高設定(設定4以上)確定パターン(又は高設定示唆パターン)としてもよい。さらに、発生頻度の低いリザルト画面である「リザルト画面_ptn3」に対しても同様の複数種の設定示唆パターンを設けた場合には、「リザルト画面_ptn3」より出現し易い「リザルト画面_ptn1」の場合に比べて、例えば、高設定確定パターン(又は高設定示唆パターン)のリザルト画面が発生しやすい、又は、示唆精度が高いなどとして、発生頻度の低いリザルト画面に到達した遊技者に対して設定示唆に関する恩恵を与えてもよい。
また、上述した各種エンディング演出及び各種リザルト画面の発生を、ユニメモ(携帯端末の連動機能)におけるミッションの達成条件とし、遊技者が全ての演出の揃える(コンプリートする)ことを目指して繰り返し遊技をするための動機付けにしてもよい。
上記実施形態及び各種変形例では、各種エンディング演出間の映像内容においてストーリー上の違いを設けることによりエンディング演出を変化させる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、所定の分岐条件(例えば、特定演出の発生、リミッタまでの残り差枚数や残りゲーム数等)に応じて、エンディング演出の少なくとも一部のみを変更するようにしてもよい。例えば、エンディング演出の変化態様として、次のような各種変化態様例を採用してもよい。
(1)エンディング演出の一部を変化させる例1(枠画像の色変化)
例えば、エンディング演出の表示画像において、コンテンツ映像の周囲をふちどる枠状の装飾画像(外枠画像)が設けられている場合、エンディング演出の態様を、分岐条件に応じて、外枠画像の色のみを変化させる態様にしてもよい。具体的には、上述した分岐条件1(図501参照)が成立すれば、外枠画像の色が赤色に変化し、さらに上述した分岐条件2(図501参照)が成立すれば、外枠画像の色が虹色に変化するようなエンディング演出の変化態様にしてもよい。なお、この変化態様例では、コンテンツ映像としては、分岐条件の成立の有無に関係なく、同一の映像を使用することができる。
(2)エンディング演出の一部を変化させる例2(達成条件示唆/報知画像の表示)
各分岐条件が成立(充足)した場合に、エンディング演出中に、成立(達成)した分岐条件を示唆又は報知する画像を表示して、エンディング演出を変化させてもよい。このエンディング演出の変化態様例では、例えば、上述した分岐条件1(図501参照)が成立すれば、映像上において星マークを1つ表示し、さらに上述した分岐条件2(図501参照)が成立すれば、映像上において星マークを2つ表示するようにしてもよい。なお、この変化態様例では、分岐条件の成立の有無に関係なく、同一のコンテンツ映像を使用してもよいし、分岐条件の成立毎にコンテンツ映像を変化させてもよい。
(3)エンディング演出の一部を変化させる例3(BGMの変化)
上記実施形態及び各種変形例では、コンテンツ映像に応じたBGMを発生させるが、各分岐条件が成立(充足)した場合に、エンディング演出中のBGMを変化させてもよい。例えば、エンディング演出において同じコンテンツ映像の再生中に分岐条件が成立した場合に、成立した分岐条件に応じて、BGMを、BGM1、BGM2等に変化させてもよい。また、特に、映像表示器を搭載していない遊技機において、エンディング演出を分岐条件に応じて変化させる場合には、分岐ルートに応じてBGMを変化させることが好ましい。
(4)エンディング演出の一部を変化させる例4(設定示唆画像)
エンディング演出の実行中に、エンディング終了時などに表示されるAT終了画面とは異なる設定示唆画像を表示して、エンディング演出の一部を変化させてもよい。例えば、エンディング演出の実行中の画面内(画面端等)に、銀色のエンブレム画像が表示されれば設定4以上確定、金色のエンブレム画像が表示されれば設定5以上確定、花火柄のエンブレム画像が表示されれば設定6確定、といった設定確定系の設定示唆画像を表示してもよい。また、例えば、エンディング演出の実行中の画面内(画面端等)に、緑色のエンブレム画像が表示されれば設定1否定、紫色のエンブレム画像が表示されれば設定2及び設定4を否定、といった設定否定系の設定示唆画像を表示してもよい。さらに、例えば、エンディング演出の実行中の画面内(画面端等)に、白色のエンブレム画像が表示されれば奇数設定示唆、黒色のエンブレム画像が表示されれば偶数設定示唆、といった設定示唆画像を表示してもよい。
また、上述した設定示唆画像の表示によりエンディング演出の一部を変化させる例としては、例えば、分岐条件に応じて、設定示唆画像が表示され得るエンディング演出と、設定示唆画像が表示されないエンディング演出とを設けてもよい。この場合、例えば、上述したロングフリーズを経由した場合にのみ、エンディング演出において設定示唆画像が表示され得るような構成にしてもよい。
上述したエンディング演出の各種変化態様例では、エンディング演出の一部を変化させるだけであるが、エンディング状態到達により遊技者にとって遊技の参考となる情報が表示されるので、エンディング状態到達を一つの目標として遊技を進めようとする意欲を高めることができる。なお、エンディング演出の一部を異ならせる構成としては、上述した各種変化態様に限定されず、任意の変化態様を採用することができ、例えば、エンディング演出の実行中にランプの点灯態様や可動役物の動作態様を変化させるような構成にしてもよい。
〔有利区間終了時におけるその他の演出〕
本実施形態のパチスロ機1では、エンディング状態に到達せず(エンディング状態への移行条件を満たさず)、且つ、AT中通常状態で有利区間の規定ゲーム数が消化された場合には、AT中通常状態の最終ゲーム終了時(第3停止後)にロック(ENDロック)が発生し、上述したエンディング演出の終了時に表示される各種リザルト画面(「リザルト画面_ptn1」〜「リザルト画面_ptn3」)とは異なるリザルト画面を表示するとともに、有利区間での遊技結果を表示する演出(通常AT終了画面の表示演出)が行われる。
また、通常中状態(有利区間)で有利区間の終了条件が満たされた場合には、通常中状態(有利区間)の最終ゲーム終了時(第3停止後)にロック(ENDロック)が発生し、次ゲームのベット操作時(再遊技の場合にはレバーオン時)に、例えば、演出ステージの切替演出等が行われる。なお、この際に行われる演出ステージの切替演出は、通常中状態(有利区間)で行われる演出ステージの切替演出と同様の演出(有利区間の終了条件が満たされたか否かが認識され難い演出)であってもよいし、それとは異なり、有利区間の終了条件が満たされたことを明確に報知するような演出であってもよい。
[付記83]
付記83の遊技機は、以下の通りである。
従来、ノーマルモード又はスペシャルモードの上乗せ抽選テーブルを用いてATの上乗せ抽選を行う遊技機が知られている(例えば、特開2012−139262号公報参照)。
上述のように、従来、複数種の上乗せ抽選テーブルを使用してATの上乗せを可能にする遊技機が知られている。しかしながら、上記特開2012−139262号公報では、複数種の上乗せ抽選テーブルを用いても、内部当選役と上乗せ判定との関係性は各モードにおいて固定されており、上乗せ等の特典付与のバリエーションが限定的であった。また、バリエーションを増やすために抽選テーブルの数を増やすと、抽選テーブルのデータを格納するため膨大な記憶領域が必要となるという問題が発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、特典付与に係るデータ量の軽減を図りつつ、特典付与のバリエーションを増やすことが可能な遊技機を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の付記83の遊技機を提供する。
所定の開始条件の成立に基づいて当籤役を決定可能な役決定手段(例えば、内部抽籤処理)と、
前記役決定手段により決定された当籤役に応じて特典の付与に関する判定を実行可能な判定手段(例えば、各種出玉抽籤)と、
特別状態(例えば、ランプ点灯状態)及び非特別状態(例えば、ランプ非点灯状態)を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、
前記判定手段は、
前記非特別状態において前記役決定手段により決定された当籤役が第1役(例えば、「弱チェリー」に係る役)である場合には、第1条件(例えば、「弱チェリー」に対する抽籤値)で前記特典の付与に関する判定を実行可能であり、且つ、前記非特別状態において前記役決定手段により決定された当籤役が前記第1役と異なる第2役(例えば、「強チェリー」に係る役)である場合には、前記第1条件よりも遊技者に有利な第2条件(例えば、「強チェリー」に対する抽籤値)で前記特典の付与に関する判定を実行可能であり、
前記特別状態において前記役決定手段により決定された当籤役が前記第1役である場合には、前記第2条件で前記特典の付与に関する判定を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の遊技機では、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、AT中CZ状態、上乗せゾーンA等)を制御可能な遊技制御手段(例えば、主制御基板71)をさらに備え、
前記状態制御手段は、前記有利遊技状態の開始時に前記非特別状態から前記特別状態に移行させる制御(例えば、キャラ決定抽籤)を実行可能であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技制御手段は、所定遊技状態(例えば、AT中通常状態等)から前記有利遊技状態への移行を制御可能であり、
前記状態制御手段は、前記所定遊技状態において、前記非特別状態から前記特別状態に移行させる制御を実行可能であり、
前記所定遊技状態から前記有利遊技状態に移行する際に、移行前の前記所定遊技状態において前記特別状態が発生している場合には、当該特別状態は、移行後の前記有利遊技状態においても維持可能であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記特別状態は、少なくとも、第1特別状態(例えば、Aランプ点灯状態)及び第2特別状態(例えば、Eランプ点灯状態)を含み、
前記第1特別状態と前記非特別状態との間で、前記判定手段による前記特典の付与に関する判定の条件が異なる当籤役である第1特別状態対応役(例えば、「ベル」、「はずれ」、「弱チェリー」、「強チェリー」に対応する役)と、
前記第2特別状態と前記非特別状態との間で、前記判定手段による前記特典の付与に関する判定の条件が異なる当籤役である第2特別状態対応役(例えば、「レア役以外」、「弱レア役」、「強レア役」に対応する役)と、が設けられ、
前記第1特別状態対応役に含まれる当籤役と、前記第2特別状態対応役に含まれる当籤役との間では、少なくとも一部の当籤役が異なるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記第1特別状態が発生していることを報知する第1特別状態報知演出(例えば、Aランプ点灯時のフラグ昇格報知演出)と、前記第1特別状態報知演出とは異なる演出であって、前記第2特別状態が発生していることを報知する第2特別状態報知演出(例えば、Eランプ点灯時のフラグ昇格報知演出)と、が設けられているようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記状態制御手段は、前記非特別状態において第1特別条件(例えば、キャラA当籤)を満たしたときに前記第1特別状態に移行させることが可能であり、
前記第1特別状態において前記第1特別条件が満たされた場合には、所定の特典(例えば、上乗せゾーンCへの移行確定)が付与可能であり、
前記所定の特典は、前記第1特別状態に制御される期間の延長とは異なる特典であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記状態制御手段は、前記第1特別状態に制御される条件、及び、前記第2特別状態に制御される条件の両方を満たした場合には、第3特別状態(例えば、A&Eランプ重複点灯状態)に制御可能であり、
前記判定手段は、前記第3特別状態では、前記第1特別状態対応役及び前記第2特別状態対応役に対して前記非特別状態より有利な条件で、前記特典の付与に関する判定を実行可能であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記第1特別状態対応役及び前記第2特別状態対応役に共通して含まれる当籤役である複数状態対応役(例えば、「ベル」に係る役)が設けられ、
前記判定手段は、前記第3特別状態で前記複数状態対応役が当籤役として決定された場合には、当該複数状態対応役に対する前記第1特別状態での判定の条件と前記第2特別状態での判定の条件とのうち、遊技者にとって有利な方の判定の条件で前記特典の付与に関する判定を実行可能であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記判定手段は、前記特別状態において当籤役が前記第2役である場合には、前記第2条件よりも遊技者に有利な第3条件で前記特典の付与に関する判定を実行可能であるようにしてもよい。
さらに、前記本発明の遊技機では、前記特別状態において、前記非特別状態よりも有利な条件で前記特典の付与に関する判定が行われる当籤役である特別状態対応役のうち、少なくとも1種類の当籤役(例えば、「確定役」に昇格する役)に対しては、前記判定手段による前記特典の付与に関する判定において、前記特典の付与が確定するようにしてもよい。
上記構成の付記83の遊技機によれば、特典付与に係るデータ量の軽減を図りつつ、特典付与のバリエーションを増やすことができる。
[付記84]
付記84の遊技機は、以下の通りである。
従来、AT等の有利な遊技状態が終了するまでの期間に、エンディング演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2018−68506号公報参照)。
しかしながら、上記特開2018−68506号公報で提案されている技術では、エンディング演出のパターンは予め定められた1つのパターンのみである。それゆえ、このような従来の技術では、エンディング演出を1回見た遊技者は、その時点で満足してしまい、それ以降、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、エンディング演出の実行機能を備えた遊技機において、エンディング演出のゲーム性を高め、エンディング演出に対する遊技の興趣の低下を抑制することである。
上記課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の付記84の遊技機を提供する。
遊技者に有利な特定遊技状態(例えば、AT状態、有利区間等)を制御可能な特定遊技状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
演出を制御可能な演出制御手段(例えば、副制御基板72)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば、Aランプ300a〜Eランプ300e、表示ユニット100、第1サブ表示装置201等)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態においてエンディング移行条件が成立したときに、エンディング演出を開始可能であり、
予め設定された分岐条件の成立の有無に応じて、実行される前記エンディング演出のうち少なくとも一部を異ならせることが可能である
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の遊技機では、前記分岐条件には、前記エンディング移行条件が成立する前に特別演出(例えば、ロングフリーズ演出及びEXB状態中の演出)が発生していること(例えば、分岐条件2)が含まれるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記分岐条件には、前記エンディング移行条件の成立時に特定の演出状態(例えば、EXB−ED状態中の演出状態)に滞在していること(例えば、分岐条件3)が含まれるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記分岐条件には、前記特定遊技状態の残り期間に関する値(例えば、有利区間の残り差枚数及びゲーム数、AT残りゲーム数等)が所定の閾値に対して所定の条件を満たすこと(例えば、分岐条件1)が含まれるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記エンディング移行条件が成立したときに、前記特定遊技状態の残り期間に関する値が所定の閾値に対して所定の条件を満たす場合には、所定期間に亘って第1エンディング演出(例えば、プレエンディングパートの演出)が行われ、前記第1エンディング演出の終了後に、第2エンディング演出(例えば、エンディングパートの演出)の開始条件が成立した場合には、当該第2エンディング演出が開始され、
前記エンディング移行条件が成立したときに、前記所定の条件が満たされない場合には、前記第1エンディング演出を行わずに、前記第2エンディング演出が開始されるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記演出実行手段には、所定の映像を表示可能な映像表示手段(例えば、表示ユニット100)が含まれ、
前記映像表示手段は、前記エンディング演出において、対応する映像を表示可能であり、
前記特別演出が発生した場合には、前記映像表示手段により第1映像が表示され、
特定種別のエンディング演出(例えば、エンディング10〜13)が発生した場合には、前記映像表示手段により第2映像が表示され、
前記第2映像には、前記第1映像に含まれる一部の映像と略同様の映像(例えば、「プレED_導入_ptn3」、「プレED_ptn2」、「ED_ptn3」等)が含まれ、
前記特別演出が発生した場合には、前記特定種別のエンディング演出の発生が抑制されるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記エンディング演出には特殊演出(例えば、「ED待機_ptn」)が含まれ、
前記特殊演出では、前記特定遊技状態の延長を報知する演出を実行可能であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記エンディング演出には特殊演出(例えば、「ED待機_ptn」)が含まれ、
前記特殊演出では、前記特定遊技状態の延長を報知する演出を実行可能であり、
前記特殊演出は、前記第1エンディング演出の終了後に開始可能であり、
前記第2エンディング演出は、前記特殊演出の終了後に開始可能であるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記特定遊技状態の終了時演出(例えば、リザルト画面表示演出)が複数種類設けられ、
実行された前記エンディング演出の種別に応じた種類の前記終了時演出が実行可能であるようにしてもよい。
さらに、前記本発明の遊技機では、前記エンディング演出とは異なる演出である特定演出(例えば、EXB−ED中演出)の実行中に前記エンディング移行条件が成立した場合には、当該特定演出の終了条件が満たされるまで当該特定演出を継続して実行した後、前記エンディング演出が開始されるようにしてもよい。
上記構成の付記84の遊技機によれば、エンディング演出のゲーム性を高め、エンディング演出に対する遊技の興趣の低下を抑制することができる。