JP2021128687A - 飼育環境判別プログラム - Google Patents

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綾子 澤田
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Abstract

【課題】需給環境、飼育環境の正常性を判別する。【解決手段】家畜に対して飼料又は水を供給する上での需給環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、家畜を飼育する飼育環境を作り出すプラント設備から取得した、飼料の供給量又は水の供給量からなる参照用供給量データと、これらの需給環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、需給環境を新たに判別する際に、上記プラント設備から飼料の供給量又は水の供給量のうち上記参照用供給量データに対応する供給量データを取得する情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データに基づき、需給環境を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、家畜を飼育する飼育環境の正常性を判別する飼育環境判別プログラムに関する。
家畜から得ることができる肉や乳製品は、飼育環境に応じてその品質が大きく異なる。このため、飼育環境の正常性について、家畜業者は相当な注意を払う。近年において家畜の飼育環境を作り出す設備の自動化も進んでおり、温度、湿度、飼料の供給量、水の供給量、ガスや気流の流量を最適にコントロールすることで、人手を介することなく最適な飼育環境を作ることも可能となっており、畜産業界における労働力不足の問題解決の糸口になることが期待されている。
しかしながら、このような飼育環境を作り出す設備において故障等の異常が発生した場合には、家畜の飼育環境が急激に悪化してしまう。制御設備が故障してしまった場合、業者を呼んで修理するまで時間がかかる場合もあり、可能であれば故障の兆候を事前に察知し、早めにアラートを流す必要がある。特に家畜が出産する時間において温度や湿度の制御設備が故障してしまった場合、その設備を早く終了しないと手遅れになってしまう場合もある。従来においては、この飼育環境の正常性をこれを作り出す設備の側から随時監視し、異常が発生するか、あるいはその兆候が現れた段階で即座にアラートを流す技術が特段提案されていないのが現状であった。
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、この飼育環境の正常性をこれを作り出す設備の側から高精度に判別することで設備の故障が発生するか、あるいはその兆候が現れた段階で即座にアラートを流すことが可能な飼育環境判別プログラムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明に係る飼育環境判別プログラムは、家畜に対して飼料又は水を供給する上での需給環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、家畜を飼育する飼育環境を作り出すプラント設備から取得した、飼料の供給量又は水の供給量からなる参照用供給量データと、これらの需給環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、需給環境を新たに判別する際に、上記プラント設備から飼料の供給量又は水の供給量のうち上記参照用供給量データに対応する供給量データを取得する情報取得ステップと、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データに基づき、飼育環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
特段のスキルや経験が無くても、飼育環境の正常性をこれを作り出す設備の側から高精度に判別することで設備の故障が発生するか、あるいはその兆候が現れた段階で即座にアラートを流すことが可能となる。
本発明を適用したシステムの全体構成を示すブロック図である。 推定装置の具体的な構成例を示す図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。 本発明の動作について説明するための図である。
以下、本発明を適用した飼育環境判別プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用した飼育環境判別プログラムが実装される飼育環境判別システム1の全体構成を示すブロック図である。飼育環境判別システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された判別装置2と、判別装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する判別装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を判別装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、その他物質や物性を特定することが可能なセンサも含む。
データベース3は、家畜を飼育する飼育環境の正常性を判別する上で必要な様々な情報が蓄積される。飼育環境の正常性を判別する上で必要な情報としては、家畜を飼育する飼育環境を作り出す設備から取得した参照用設備データ、飼育環境を直接センシングした参照用環境データ、家畜の行動を直接センシングした参照用家畜行動データ等が含まれる。
データベース3には、このような参照用設備データ、参照用環境データ、参照用家畜行動データの何れか1以上と、実際の家畜を飼育する飼育環境の正常性に関する情報が互いに紐づけられて記憶されている。
判別装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この判別装置2による探索解を得ることができる。
図2は、判別装置2の具体的な構成例を示している。この判別装置2は、判別装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、判別装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
上述した構成からなる飼育環境判別システム1における動作について説明をする。
飼育環境判別システム1では、例えば図3に示すように、参照用設備データと、飼育環境の正常性との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用設備データとは、飼育環境を作り出す上で必要な設備(デバイス)から直接的に取得したデータである。飼育環境は、温度、湿度、飼料の供給量、水の供給量、供給するガスの流量や気流の流量並びに方向、照明の照度、排泄物の処理状態等によって決まる。近年における自動化された畜産においては家畜を飼育する飼育舎において、各種設備を通じてこれらの飼育環境を作り出す。例えば温度や湿度については空調設備、飼料や水の供給は、飼料供給するためのパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。またガスや気流についてもパイプラインやプラント設備等を通じて行われる。また、照明の照度は照明設備を通じて行われ、排泄物は排水設備等に流し込まれる。
参照用設備データは、このような設備について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。例えば、上述した各種設備に供給される電力、電気、電圧、振動、音、光、電波(以下、これらを総称して物理データという。)、空気や液体の流量、飼料の供給量、排水設備における排水量等がこの参照用設備データである。設備を動作させる物理データ、飼料や水を供給する供給量データ、ガスを供給又は排気するガス流量データの何れか1以上からなる動作データを検知する。これらの動作データを検知することで、飼育環境の現状が正常か、或いは何らかの異常が発生しているのかを把握することができる。またこれらの動作データを検知することで、飼育環境が今後近いうちに異常が発生する可能性があるのか、或いは正常のままなのかも推定することができる。
図3の例では、入力データとして例えば参照用設備データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用設備データは、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、飼育環境が表示されている。飼育環境は、正常なのか、異常なのか、また異常が発生しているのであれば、具体的な異常の内容(例えば、温度が低い、飼料が少ない、湿度が高い等)も含まれる。
参照用設備データは、この出力解としての、飼育環境に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データがこの連関度を介して左側に配列し、各飼育環境が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データに対して、何れの飼育環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データが、いかなる飼育環境に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データから最も確からしい飼育環境を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての飼育環境と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
なお、この参照用設備データや設備データは、後述する第2実施形態における参照用供給量データ、供給量データに置き換えてもよい。また、この参照用設備データや設備データは、後述する第2実施形態における参照用排出量データ、排出量データに置き換えてもよい。
Figure 2021128687
判別装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、その場合の飼育環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用設備データが、空調設備から発生する振動に関するデータであるとする。この振動データの振動量や振動周波数成分において、ある特定の徴候が現れたときに、その数時間後〜数日後に空調設備が壊れる場合が多いものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用設備データと、飼育環境が異常(例えば空調が壊れることにより、飼育環境としては温度が低くなる。)との連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01である場合に、過去の飼育環境のデータから分析する。参照用設備データP01である場合に、飼育環境が異常の事例が多い場合には、この異常につながる連関度をより高く設定し、飼育環境が正常の事例が多い場合には、この正常につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用設備データP01の例では、異常(温度が低い)と、異常(飼料が少ない)にリンクしているが、以前の事例から異常(温度が低い)につながるw13の連関度を7点に、異常(飼料が少ない)につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図3に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに飼育環境を判別しようとする際において、上述した学習済みデータを利用して飼育環境を判別することとなる。かかる場合には、その飼育環境を作り出す各種設備の設備データを新たに取得する。
新たに取得する設備データは、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した設備データに基づいて、実際にその設備により作り出される飼育環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「正常」がw15、「異常(飼料が少ない)」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「正常」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「異常(飼料が少ない)」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する設備データから、飼育環境において異常が発生しているのか否か、必要に応じて、その発生している異常の詳細を把握することができる。また、飼育環境において現在発生している異常を判別する場合のみならず、近いうちに発生する可能性がある異常を判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、設備データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、異常が発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した電力が徐々に弱まり、最終的に設備が故障して異常状態となった場合、その電力が時系列的に徐々に弱まる過程を、飼育環境の異常状態と紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来における異常状態を判別することが可能となる。また異常事態が現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
図4の例では、参照用設備データと、参照用環境データとの組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用環境データとは、飼育環境を直接センシングすることにより得られたデータであり、そのセンシング時における飼育環境の状態を如実に表したものである。この参照用環境データとしてセンシングする飼育環境として、温度、湿度、飼料の供給量、水の供給量、ガスや気流の流量の何れか1以上とされていてもよい。
図4の例では、入力データとして例えば参照用設備データP11〜P13、参照用環境データP14〜17であるものとする。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用環境データが組み合わさったものが、図4に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、飼育環境が表示されている。
参照用設備データと参照用環境データとの各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、飼育環境の正常性に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用設備データと参照用環境データがこの連関度を介して左側に配列し、飼育環境の正常性が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用設備データと参照用環境データに対して、飼育環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用設備データと参照用環境データが、いかなる飼育環境の正常性に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用設備データと参照用環境データから最も確からしい飼育環境の正常性を選択する上での的確性を示すものである。図4の例では、連関度としてw13〜w22が示されている。このw13〜w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての飼育環境の正常性と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図4に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用環境データ、並びにその場合の飼育環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図4に示す連関度を作り上げておく。
例えば、過去にセンシングした設備データが水の単位時間当たりのある供給量であるものとする(例えば1分当たり1lとする。)。また参照用環境データが「温度が34℃」であったものとする。その水の供給量と温度との関係で明らかに家畜に供給する水が不足する状態となっていた場合には、飼育環境が異常(水不足状態)とし、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用設備データP01で、参照用環境データP16である場合に、その飼育環境の正常性を過去のデータから分析する。飼育環境が、「異常(温度が低い)」の事例が多い場合には、この「異常(温度が低い)」につながる連関度をより高く設定し、「正常」の事例が多く、「異常(温度が低い)」の事例が少ない場合には、「正常」につながる連関度を高くし、「異常(温度が低い)」につながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、「異常(温度が低い)」と「正常」の出力にリンクしているが、以前の事例から「異常(温度が低い)」につながるw13の連関度を7点に、「正常」につながるw14の連関度を2点に設定している。
また、この図4に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
図4に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用環境データP14の組み合わせのノードであり、「異常(飼料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用設備データP02に対して、参照用環境データP15、P17の組み合わせのノードであり、「正常」の連関度がw17、「異常(湿度が高い)」の連関度がw18となっている。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから飼育環境の正常性の判別を行う際において、上述した学習済みデータを利用して正常性の判別を行うこととなる。かかる場合には、その判別を行う飼育環境を作りだす設備データと、その環境データを実測することで取得する。
新たに取得する設備データ、環境データは、各種センサ、情報取得部9を介して取得するようにしてもよい。
このようにして新たに取得した設備データ、環境データに基づいて、実際にその新たに設備データ、環境データとを取得した飼育環境の正常性を判別する。かかる場合には、予め取得した図4(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した設備データがP02と同一かこれに類似するものである場合であって、環境データがP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、「異常
(飼料が少ない)」がw19、「異常(湿度が高い)」が連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「異常(飼料が少ない)」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「異常(湿度が高い)」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
また、入力から伸びている連関度w1〜w12の例を以下の表2に示す。
Figure 2021128687
この入力から伸びている連関度w1〜w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1〜w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1〜w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
図5は、上述した参照用設備データと、参照用家畜行動データとの組み合わせと、当該組み合わせに対する飼育環境との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用設備データと、参照用家畜行動データが並んでいる。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用家畜行動データが組み合わさったものが、図5に示す中間ノードである。
参照用家畜行動データとは、家畜の行動をセンシングしたデータである。家畜の行動は、例えば画像データや音声データを通じて取得することが可能となる。家畜が飼料を食べたり、睡眠をとったり、水を飲む行動は全て画像解析から把握することができる。またこれらの行動は音声データからも取得することが可能となる。
判別装置2は、このような図5に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の飼育環境の正常性の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用家畜行動データ、並びにその場合の飼育環境がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図5に示す連関度を作り上げておく。飼育環境の正常性は、設備データ以外に、家畜が悲鳴を上げたり、異常な行動を取ったり、暴れたりする、家畜の行動からも判別することができる。これら設備データと家畜行動データを組み合わせることで、より精度の高い飼育環境の正常性の判別を行うことが可能となる。
図5に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用家畜行動データP18(例えば、やたら体を痒がる行動)の組み合わせのノードであり、「異常(飼料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、設備データを新たに取得するとともに、家畜行動データを取得する。設備データは参照用設備データに対応し、家畜行動データは、参照用家畜行動データに対応する。
飼育環境の判別を行う上では、予め取得した図5に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した家畜行動データが、参照用家畜行動データP19に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(湿度が高い)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに設備データ、家畜行動データとを取得した飼育舎における飼育環境の正常性を判別していくことになる。
図6は、上述した参照用設備データと、参照用家畜育成フェーズデータとの組み合わせと、当該組み合わせに対する飼育環境との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
入力データとしては、このような参照用設備データと、参照用育成フェーズデータが並んでいる。このような入力データとしての、参照用設備データに対して、参照用育成フェーズデータが組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。
参照用家畜育成フェーズデータとは、家畜の育成状況を示すものである。つまり、家畜が生まれてばかりなのか、或いは生後1年、2年、3年・・・なのか、繁殖期にあるのか、或いは肉を取れる段階にあるのか、その育成フェーズを示すものである。
判別装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13〜w22を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の飼育環境の正常性の判別を行う上で、参照用設備データと、参照用家畜育成フェーズデータ、並びにその場合の飼育環境がどの程度であったかのデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。飼育環境の正常性は、設備データ以外に、家畜の育成フェーズによっても影響を受ける。例えば家畜が繁殖期以外であれば、空調設備が故障して急激に温度が低下してもそれほど家畜を飼育する上で影響が少ないことから飼育環境は「正常」と判断するが、家畜が繁殖期にあり、この段階で空調設備が故障して急激に温度が低下した場合に母体、ひいては生まれてくる子牛や子豚に悪影響が及ぶのであれば「異常」と判断する。このように、飼育環境が正常か否かは、設備データに加え、家畜育成フェーズデータにも大きく支配される。このため、これら設備データと家畜育成フェーズデータを組み合わせることで、より精度の高い飼育環境の正常性の判別を行うことが可能となる。
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用設備データP01に対して、参照用家畜行動データP22(例えば、生後3ヶ月)の組み合わせのノードであり、「異常(飼料が少ない)」の連関度がw15、「正常」の連関度がw16となっている。
このような連関度が設定されている場合も同様に、設備データを新たに取得するとともに、家畜育成フェーズデータを取得する。設備データは参照用設備データに対応し、家畜育成フェーズデータは、参照用家畜育成フェーズデータに対応する。
飼育環境の判別を行う上では、予め取得した図6に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した家畜育成フェーズデータが、参照用家畜育成フェーズデータP23に相当するものである場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(湿度が高い)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際にその新たに設備データ、家畜育成フェーズデータとを取得した飼育舎における飼育環境の正常性を判別していくことになる。
図7は、上述した参照用設備データと、参照用環境データに加えて、更に参照用家畜行動データとの組み合わせと、当該組み合わせに対する飼育環境の正常性との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
かかる場合において、連関度は、図7に示すように、参照用設備データと、参照用環境データと、参照用家畜行動データとの組み合わせの集合が上述と同様に中間ノードのノード61a〜61eとして表現されることとなる。
例えば、図7において、ノード61cは、参照用設備データP02が連関度w3で、参照用環境データP15が連関度w7で、参照用家畜行動データP19が連関度w11で連関している。同様にノード61eは、参照用家畜データP03が連関度w5で、参照用環境データP15が連関度w8で、参照用家畜行動データP18が連関度w10で連関している。
このような連関度が設定されている場合も同様に、新たに取得した設備データ、環境データ、家畜行動データに基づいて、飼育環境を判別する。
この飼育環境を判別する上で予め取得した図7に示す連関度を参照する。例えば、取得した設備データが参照用設備データP02に同一又は類似で、取得した環境データが参照用環境データP15に対応し、更に取得した家畜行動データが参照用家畜行動データP19に対応する場合、その組み合わせはノード61cが関連付けられており、このノード61cは、「正常」が連関度w17で、また「異常(湿度が高い)」が連関度w18で関連付けられている。このような連関度の結果、w17、w18に基づいて、実際に探索解を求めていくことになる。
このような入力パラメータの種類を3種類以上にわたり組み合わせる場合には、参照用設備データに加え、参照用環境データ、参照用家畜行動データ、参照用家畜育成フェーズデータの何れか2以上で組み合わせが構成されたものであっても適用可能である。
第2実施形態
以下、第2実施形態について説明をする。この第2実施形態において使用するシステムは、上述した第1実施形態における図1、2において説明した飼育環境判別システム1を利用する。
図8は、参照用供給量データと需給環境との3段階以上の連関度が予め設定され、取得されていることが前提となる。参照用供給量データとは、家畜についてパイプラインやプラント設備を通じて供給される飼料や水等の供給量に関する情報である。この供給量は例えばリットル/秒等の単位で示されるものであってもよい。
参照用供給量データは、このような供給量について直接的、又は間接的にセンサや計測器を取り付け、取得したあらゆるデータを含む。上述した各種設備に供給される水の供給量、飼料の供給量は、例えば流量計や、重さ計測装置、計量装置、これらの液体を貯蔵するタンクにおける液体の残量等を通じて計測したデータを介して取得することができる。
需給環境は、例えば水が多すぎる、水が少ない、飼料が少ない、飼料がちょうどよい等、実際に家畜に対して供給される水、肥料、農薬が実際に足りているのか、或いは足りていないのか、更には供給過剰であるのか、また需給関係がちょうど良い状態にあるのかを示すデータである。この需給環境については、水が少なければ家畜の喉が渇きがちになり、水が多ければ、家畜が水を飲みすぎたり、水資源の無駄遣いになってしまう。これらの状況を人間が識別した上で、供給度合を数値で判定してデータ化してもよいし、家畜や土壌の画像を撮像し、当該家畜の動きや厩舎内における水たまりの度合等を画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用した、解析画像の特徴量に基づいて自動判別し、需給環境をデータ化してもよい。飼料についても、飼料が少なすぎれば、家畜を太らせることができず、多くの肉を取ることができなくなる一方で飼料が多すぎると、却って肉質が低下したり、飼料の無駄使いになっていまう。その度合いを人間が判定し、或いは撮像した画像を解析することでその度合を抽出し、需給環境のデータとしてもよい。
このようにして得られた参照用供給量データと、これに対する需給環境のデータとのデータセットを学習させることにより、図8に示す連関度を構成する。
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
かかる場合には、図9に示すように、入力データとして参照用供給量データが入力され、出力データとして各需給環境が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。また、逆に需給環境が入力で参照用供給量データが出力となるように構成されていてもよい。
図8の例では、入力データとして例えば参照用供給量データP01〜P03であるものとする。このような入力データとしての参照用供給量データは、出力に連結している。この出力においては、出力解としての、需給環境が表示されている。
参照用供給量データは、この出力解としての、需給環境に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用供給量データがこの連関度を介して左側に配列し、各需給環境が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用供給量データに対して、何れの需給環境と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用供給量データが、いかなる需給環境に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用供給量データから最も確からしい需給環境を選択する上での的確性を示すものである。図8の例では、連関度としてw13〜w19が示されている。このw13〜w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての需給環境と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
判別装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13〜w19を予め取得しておく。つまり判別装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用供給量データと、その場合の需給環境がどの程度であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
例えば、参照用供給量データが、飼料の供給量に関するデータであるとする。この飼料の供給量において、実際に家畜の飼育を続けたところ、あまり家畜が大きく育たないケースが多く、飼料が少ないことを原因であることを分析したものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用供給量データと、需給環境として飼料が少なすぎることとの連関度が強くなる。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用供給量データP01である場合に、過去の需給環境のデータから分析する。参照用供給量データP01である場合に、需給環境が水が供給過多の事例が多い場合には、その水が供給過多につながる連関度をより高く設定し、需給環境のバランスが取れている事例が多い場合には、このバランスが取れている事例につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用供給量データP01の例では、飼料が多すぎると、飼料が少ないにリンクしているが、以前の事例から飼料が多すぎるにつながるw13の連関度を7点に、飼料が少ないにつながるw14の連関度を2点に設定している。
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに需給環境を判別しようとする際において、上述した学習済みデータを利用して需給環境を判別することとなる。かかる場合には、その需給環境を作り出す各種設備の供給量データを新たに取得する。
新たに取得する供給量データは、上述した情報取得部9により入力される。
このようにして新たに取得した供給量データに基づいて、実際にその設備により作り出される需給環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図8、9(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した供給量データがP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して「水が少ない」がw15、「飼料が少ない」が連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度のもっと高い「水が少ない」を最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる「飼料が少ない」を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
このようにして、新たに取得する供給量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。また、需給環境において現在発生している需給環境の悪さを判別する場合のみならず、近いうちに需要過多、供給過多のアンバランスが発生する可能性があることを判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、供給量データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、アンバランスが発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した供給量が、最終的に供給過多として家畜の収益率や家畜からの畜産収率が悪化した場合、その供給量の時系列的変化の過程を、需給環境のアンバランスと紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来におけるアンバランスを判別することが可能となる。またアンバランスが現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
なお、需給環境を新たに判別する際に、プラント設備から飼料の供給量、水の供給量の何れか1以上のうち参照用供給量データに対応する供給量データを取得することが前提となる。例えば、上述した連関度が、水の供給量からなる参照用供給量データとの関係において構築されている場合、この新たに判別する際に取得する供給量データもこれに対応する、水の供給量に関するものを取得する。かかる場合には、データセットとして取得する需給環境は水の需給環境を判別することとなる。
なお、参照用供給量データは、飼料の供給量、水の供給量のうち、互いに異種の組み合わせで構成されていてもよい。例えば、図9に示す参照用供給量データP01が飼料の供給量であり、参照用供給量データP02が水の供給量であるとき、需給環境は、飼料と水の需給環境について一つの探索解の中に合わせて表示するようにしてもよい。
なお、この参照用供給量データは、飼料の供給量、水の供給量等の液体、固体で構成される場合に限定されるものでは無く、ガスや酸素、二酸化炭素、窒素等の空気の構成成分等といった気体を供給する場合においても同様に適用してもよい。また暖房や冷房等を入れる場合も気体を供給することになるが、温風や冷風の供給量もこの参照用供給量データに含めてもよい。
かかる場合には、これらガスの参照用供給量データと需給環境との間で図8、9に示すように連関度を予め構成しておく。そして、新たに需給環境を判別したい場合には、現在における気体の供給量データを新たに取得し、実際の需給環境を判別する。かかる場合には、予め取得した図8、9(表1)に示す連関度を参照し、同様の方法により需給環境を判別する。気体の供給量は、気体を供給するパイプラインにおいて流量計を設置することで計測するようにしてもよい。また需給環境のデータの取得は、上述と同様である。
このようにして、気体を供給する場合においても、新たに取得する供給量データから、需給環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。また、需給環境において現在発生している需給環境の悪さを判別する場合のみならず、近いうちに需要過多、供給過多のアンバランスが発生する可能性があることを判別することが可能となる。かかる場合には、学習させるデータセットとして、供給量データを時系列的に取得したものを利用し、その結果、アンバランスが発生したか否かを紐付ける。例えば時系列的に取得した酸素の供給量や温風の供給量が、最終的に供給不足として家畜の健康が悪化した場合、その供給量の時系列的変化の過程を、酸素や温風の需給環境のアンバランスと紐付けて学習する。このような学習用データセットで学習させ、連関度を通じて紐付けておくことにより、将来におけるアンバランスを判別することが可能となる。またアンバランスが現時点において、或いは将来において発生するのであれば、注意喚起をするためのアラートを流すことができる。
なお、家畜の飼育環境は、供給量データを介して判別する場合に限定するものでは無く、図10に示すような参照用排出量データを介して判別するものであってもよい。
この参照用排出量データは、家畜の厩舎等に残存している糞や尿などの排泄物の排出量を示すデータである。排泄物が残っていると家畜の健康に害を与えることになり、結果として取ることができる肉質や肉の量が減ってしまい、或いは健康を害した家畜が死んでしまえば、肉が全く取れなくなってしまう。このため、排泄物の排出環境を判別することを人工知能により行わせる。
かかる場合には、家畜を飼育する飼育環境から取得した、排泄物の排出量からなる参照用排出量データと、これらの排出環境との3段階以上の連関度を予め取得しておく。排出環境とは、例えば、清浄な状態であるか、或いは糞が残存しているか、尿が残存しているか、糞尿が共に著しく溜まっているか、等、排泄物の排出に関する状況を示すものである。
排出量のデータは、パイプライン等を介して排泄物を排出するのであれば、その流量を測定するようにしてもよいし、実際にバキュームカー等で排泄物を排出するのであれば、そのバキュームカーにおけるタンクに貯留された排泄物の量を計量するようにしてもよい。また排出量の代わりに、厩舎における排泄物の残存量を取得するようにしてもよい。この排泄物の残存量は、カメラにより厩舎の床を撮像することで、床の上に溜まっている排泄物の量を画像解析により定量化することで求めてもよい。このとき、厩舎内における排泄物の溜まり度合等を画像解析、必要に応じてディープラーニング技術を利用した、解析画像の特徴量に基づいて自動判別してデータ化してもよい。
排出環境については、例えば家畜の動きや健康状況から判別してもよい。厩舎内が不潔であると、家畜の動きが元気がなくなり、病気になると寝込んでしまう場合もある。このような家畜の動きをデータ化し、必要に応じてディープラーニング技術を利用した、解析画像の特徴量に基づいて自動判別してデータ化してもよい。また厩舎内が不潔であると食欲不振になる場合があることから、飼料の消化量や水の消費量を排出環境のデータとしてもよい。更には、取れた肉の量や養鶏場であれば卵の大きさ、更に乳牛であれば採取することができた生乳の量や質等も排出環境のデータとして用いるようにしてもよい。
このようにして、参照用排出量データと、排出環境間のデータセットを作っておき、上述と同様に排出環境の解探索を行っていくことになる。かかる場合には、排出環境を新たに判別する際に、排泄物の排出量データを取得する。次に、取得した連関度を利用し、取得した排出量データに基づき、排出環境を判別し、その環境がいかなる状態にあるのか、詳細を把握することができる。
なお、第2実施形態においては需給環境や排出環境を判別する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものでは無い。この需給環境や排出環境から、飼育環境の現状が正常であるか否かを判別することができる。例えば需給環境や排出環境が、バランスがちょうど良い旨が判定された場合や、需要と供給のバランスにずれがあっても家畜の成長を妨げるほどではない場合には、飼育環境が正常である旨を判定する。一方、需給環境や排出環境が、例えば「飼料が足りない」、「糞が溜まっている」等のように大きくバランスを欠く場合には、異常と判断するようにしてもよい。
このようにして、各需給環境の出力に対して正常、異常を紐付けておき、この正常、異常を出力するようにしてもよい。正常、異常が判定された場合の具体的なプロセスは、第1実施形態と同様である。
また、このようにして各需給環境の出力に対して紐付けられた正常、異常(以下、正常性という。)を、上述した参照用供給量データや、参照用排出量データとの関係において、学習させるようにしてもよい。つまり、図11に示すように、参照用供給量データと、需給環境を介して紐づけられる飼育環境の正常性との関係において互いに学習させることで連関度を形成させる。他の参照用排出量データについても同様である。
実際に飼育環境を判別したい場合には、上述した供給量データを入力することで、これに応じた飼育環境をこの連関度を利用することで判別することが可能となる。他の排出量データが入力された場合も同様に飼育環境を判別することが可能となる。
また、参照用供給量データや、参照用排出量データは、第1実施形態における図4〜6に示すように、参照用環境データ、参照用家畜状態データ、参照用家畜育成フェーズデータとの各組み合わせの連関度を介して飼育環境と紐付けられていてもよい。つまり、図4〜6における参照用設備データが、参照用供給量データや、参照用排気量データ、参照用光量データの何れかに代替されることになる。かかる場合においても第1実施形態と同様に、飼育環境を判別することが可能となる。
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に飼育環境の判別を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0〜100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしい飼育環境の正常性を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また設備データを取得し、これ以外に環境データ、家畜状態データ、家畜育成フェーズデータと、これらに対する飼育環境の正常性に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
1 飼育環境判別システム
2 推定装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 推定部
28 記憶部
61 ノード

Claims (10)

  1. 家畜に対して飼料又は水を供給する上での需給環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、
    家畜を飼育する飼育環境を作り出すプラント設備から取得した、飼料の供給量又は水の供給量からなる参照用供給量データと、これらの需給環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    需給環境を新たに判別する際に、上記プラント設備から飼料の供給量又は水の供給量のうち上記参照用供給量データに対応する供給量データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データに基づき、需給環境を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする飼育需給環境判別プログラム。
  2. 家畜に対して気体を供給する上での需給環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、
    家畜を飼育する飼育環境を作り出すパイプラインから取得した、気体の供給量からなる参照用供給量データと、その需給環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    需給環境を新たに判別する際に、気体の供給量データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データに基づき、需給環境を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする飼育需給環境判別プログラム。
  3. 家畜の排泄物を排出する上での排出環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、
    家畜を飼育する飼育環境から排泄物の排出量からなる参照用排出量データと、その排出環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    排出環境を新たに判別する際に、上記飼育環境から排泄物の排出量からなる排出量データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した排出量データに基づき、排出環境を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする飼育排出環境判別プログラム。
  4. 家畜に対して飼料又は水を供給する上での需給環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、
    家畜を飼育する飼育環境を作り出すプラント設備から取得した、飼料の供給量又は水の供給量からなる参照用供給量データと、これらの需給環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    需給環境を新たに判別する際に、上記プラント設備から飼料の供給量又は水の供給量のうち上記参照用供給量データに対応する供給量データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データに基づき、飼育環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする飼育環境判別プログラム。
  5. 家畜に対して気体を供給する上での需給環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、
    家畜を飼育する飼育環境を作り出すパイプラインから取得した、気体の供給量からなる参照用供給量データと、その需給環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    需給環境を新たに判別する際に、気体の供給量データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データに基づき、飼育環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする飼育環境判別プログラム。
  6. 家畜の排泄物を排出する上での排出環境を判別する飼育需給環境判別プログラムにおいて、
    家畜を飼育する飼育環境から排泄物の排出量からなる参照用排出量データと、その排出環境との3段階以上の連関度を予め取得する連関度取得ステップと、
    排出環境を新たに判別する際に、上記飼育環境から排泄物の排出量からなる排出量データを取得する情報取得ステップと、
    上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した排出量データに基づき、排出環境の正常性を判別する判別ステップとをコンピュータに実行させること
    を特徴とする飼育環境判別プログラム。
  7. 上記連関度取得ステップでは、上記参照用供給量データと、家畜の行動を直接センシングした参照用家畜行動データとの組み合わせと、上記飼育環境の正常性との連関度を取得し、
    上記情報取得ステップでは、上記供給量データと、家畜の行動を直接センシングした家畜行動データとを取得し、
    上記判別ステップでは、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データと家畜行動データとに基づき、上記飼育環境の正常性を判別すること
    を特徴とする請求項4又は5記載の飼育環境判別プログラム。
  8. 上記連関度取得ステップでは、上記参照用供給量データと、家畜の育成フェーズを分類した参照用家畜育成フェーズデータとの組み合わせと、上記飼育環境の正常性との連関度を取得し、
    上記情報取得ステップでは、上記供給量データと、家畜育成フェーズデータとを取得し、
    上記判別ステップでは、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データと家畜育成フェーズデータとに基づき、上記飼育環境の正常性を判別すること
    を特徴とする請求項4又は5記載の飼育環境判別プログラム。
  9. 上記連関度取得ステップでは、上記参照用供給量データと、家畜の行動を直接センシングした参照用家畜行動データと、家畜の育成フェーズを分類した参照用家畜育成フェーズデータとの組み合わせと、上記飼育環境の正常性との連関度を取得し、
    上記情報取得ステップでは、上記供給量データと、家畜行動データと、家畜育成フェーズデータとを取得し、
    上記判別ステップでは、上記連関度取得ステップにおいて取得した連関度を利用し、上記情報取得ステップを介して取得した供給量データと家畜行動データと家畜育成フェーズデータとに基づき、上記飼育環境の正常性を判別すること
    を特徴とする請求項4又は5記載の飼育環境判別プログラム。
  10. 上記連関度取得ステップでは、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成される上記3段階以上の連関度を予め取得すること
    を特徴とする請求項4〜9の何れか1項記載の飼育環境判別プログラム。
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